財務金融委員会 第8号
- 発言数
- 114 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2001/03/14
会議録
○山口委員長 これより会議を開きます。 この際、去る二月二十七日の本委員会における答弁に関し、柳澤金融担当大臣から発言を求められておりますので、これを許します。金融担当大臣柳澤伯夫君。
○柳澤国務大臣 去る二月二十七日の当委員会におきまして、民主党長妻委員から不良債権問題について、わかしお銀行の例を挙げて質問されましたのに対し、私は破綻という表現を用いて答弁をいたしました。 私が破綻と申し上げたのは、わかしお銀行への当初の支援スキームが継続不能になったとの意でありますが、この場合について破綻という言葉を用いたのはやはり不適切であり、この点については、わかしお銀行の関係者のほか当委員会及び国民の皆様におわびをさせていただきたいと存じます。 なお、わかしお銀行の例のように、債権の流動化により不良債権の最終処理を行う場合にどの程度追加的な損失が発生するかについては、当該不良債権の態様がどのようなものであるか、またその売却をどのように行うかなどの種々の事情によって異なってくるものでありますので、この銀行の例をもって金融機関全体が引き当て不足であるとするのは、やはり当を得ていないと考えております。 最後に、不適切な表現の答弁をいたしたことにつきまして重ねておわび申し上げまして、私の発言とさせていただきます。 ————◇—————
○山口委員長 内閣提出、関税定率法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。財務大臣宮澤喜一君。 ————————————— 関税定率法等の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○宮澤国務大臣 ただいま議題となりました関税定率法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 政府は、最近における内外の経済情勢の変化に対応する等の見地から、特恵関税制度、関税率等について所要の改正を行うこととし、本法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案の内容につきまして、御説明申し上げます。 第一は、特恵関税制度の改正であります。 平成十三年三月三十一日に適用期限の到来する開発途上国に対する特恵関税制度について、その適用期限を十年延長するとともに、特定の鉱工業産品等に係る特恵関税の適用方式の変更、特恵税率の多様化、後発開発途上国に対する新たな特恵関税対象品目の創設等を行うこととしております。 第二は、個別品目の関税率の改正であります。 コーングリッツへの加工原料用等のトウモロコシの関税割り当て一次税率の引き下げ、紡織用繊維のフロック等の関税率の撤廃等を行うこととしております。 第三は、関税の減免税・還付制度の改正であります。 旅客が輸入品を沖縄県から沖縄県以外の本邦へ携帯して出域をする際の関税の払い戻し制度を免税制度に変更すること等を行うこととしております。 第四は、暫定税率等の適用期限の延長であります。 平成十三年三月三十一日に適用期限の到来する暫定税率、石油関係の関税の還付制度、ウルグアイ・ラウンド合意に基づく関税化農産品に係る特別緊急関税等について、その適用期限を一年延長することとしております。 その他、税関手続の簡素化等所要の改正を行うこととしております。 以上が、関税定率法等の一部を改正する法律案の提案の理由及びその内容でございます。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○山口委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○山口委員長 お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として財務省関税局長寺澤辰麿君、財務省国際局長溝口善兵衛君、農林水産省総合食料局長西藤久三君及び経済産業省貿易経済協力局長奥村裕一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○山口委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。五十嵐文彦君。
○五十嵐委員 民主党の五十嵐文彦でございます。 最初に、柳澤大臣はおられませんけれども、二月二十七日の我が党同僚議員の長妻委員に対する答弁の事実上の訂正が行われましたが、この訂正を議事録の修正で済ませてしまおうという動きがあったことに、まず私は抗議をいたしておきます。 それから、本題に入ります前に、宮澤財務大臣にお尋ねをするわけですけれども、参議院の予算委員会で過日大臣が、我が国の財政状況について、やや破局に近いという表現をなさったかと思いますが、その後それを訂正されました。 私どもは、大臣の発言について、これは正しく事実を認識しておられるな、こう思っていたわけでありますし、また、私があるところで、自民党の某派閥の会長で次期総裁有力候補に今擬せられている方から、いや、我が国の財政状況は既に破綻しているという言葉も、私的な会話ですけれども聞いているところでありますから、この厳しい認識というのは実はお持ちになり続けられるべきで、訂正はされるべきではなかったと思います。 ただ、宮澤大臣のお言葉にどうも人ごとのようなニュアンスが受け取られたので、これは問題かなと思いましたけれども、この点についてどうして訂正をされたのか、その点についてまず最初にお伺いをしておきたいと思います。
○宮澤国務大臣 過日、参議院の予算委員会におきまして、我が国の財政の状況等々について御質問がありまして、お答えを申し上げました。 実は、御質問の趣旨もそうでございましたし、私の認識も、我が国の財政が容易ならぬ状況にあるということを前提に御質問にお答えをいたしたわけでございましたので、その場では私も特に何か、いつも申し上げておる認識を申し上げたつもりでありましたし、その場でおとがめも別になかったわけでございます。 ただ、こういうことはよくございますのですが、いわゆるワイヤサービス、ロイターであるとか何々であるとかいう人たちが絶えずそういう発言を聞いておりまして、その部分を非常にクイックに海外に報道する、このごろそういうことが大変ございます。しかも、長い話を非常に短くされるということに問題があるわけですが、この場合には、私の申しましたことをその場で英語にして発信されたようでして、それが伝わりました。 どう申しましたらいいのでしょうか、その翻訳が不適当だとかなんとかいう苦情は別にありません。ふだんそういうふうに話していることをその部分だけぽっと抜き出しますと、なるほど、あるそういう印象を外国に与えることがあるというケースであったと思いましたので、それは好ましくありませんので、その部分を訂正させていただきました。 そういうふうに抜き出されましても、そういう部分になるとすれば、やはりそれは発言した方が不注意であった、こういうふうに考えております。
○五十嵐委員 いや、このままで行けば、財政が、借金が発散の方向へ行ってしまうというのは事実でありますから、それはきちんと認識をされた上で、しかし、こういう対策を考えているんだということをお述べになればいいはずのことでありまして、今の厳しい財政状況の認識を、簡単に、外国が反応したからといって、あるいは報道されたからといって覆してしまうということの方が、実は弊害が大きいかなと思うわけであります。 しかし、このことはまた別途、一般質疑の時間もこの月内にとらせていただくということになっておりますので、私でなくとも同僚議員の方から議論があると思いますので、後に譲りたいと思います。 さて、本題に入りますけれども、今回の特恵関税制度の改正は単なる延長ではなくて、中身の変更がございます。個別関税率の改正に伴う輸入数量や価格の変動について、ある程度もくろみがあるかと思うのですが、どのように予測されているか、当局の方から伺いたいと思います。
○若林副大臣 今回の改正の中で、特恵関税制度の改正と個別関税率の改正とあるわけでございますが、まず、特恵関税制度の改正の効果について申し上げますと、第一に、一般の開発途上国から輸入される鉱工業産品に係る特恵適用方式の改正を行うこととしておりますけれども、これにつきましては、全体として、特恵受益国が享受する利益、いわゆる特恵メリットと国内産業保護水準の双方を維持することとしていることから、一般の開発途上国からの我が国の輸入に大きな変化が生ずることはないものと考えております。 第二番目に、後発開発途上国向けの特恵対象品目の拡大を行うことにいたしておりますが、これにつきましては、定量的な効果の試算は困難でありますけれども、後発開発途上国の我が国向けの輸出拡大に対してインセンティブを与えるものと考えているわけでございます。 次に、個別品目につきましては、コーングリッツへの加工原料用等トウモロコシ等二品目について、関税率の引き下げ及び撤廃を行うこととしているところでありますが、それぞれ、関税率引き下げ相当分の価格低下を通じて国内需要者にプラスになる、そういう効果があるものと期待されているわけでございます。
○五十嵐委員 実態に合わせて役に立たない限度額などを外していくというようなことをおやりになるわけですから、ある程度の効果は定性的には考えられるということなんだろうと思いますが、これからもきめ細かい見直しが必要だと思いますので、一生懸命やっていただきたいと思います。 ところで、この特恵関税制度等は輸入にかかわる話でありますから、最近の為替相場についてお尋ねをいたしたいと思います。 今、百二十円ないし百十九円という円安の傾向がつい先日よりは見えてきているわけですけれども、この円安傾向が先行き続いていくのかどうか、あるいはアメリカの態度が変わるのかどうか、そういう見通しについて、お考えを大臣の方から伺いたいと思います。
○宮澤国務大臣 これもごもっともなお尋ねと思いながら、ここが一番ワイヤサービスがねらっているところでございまして、すぐ一行で何かを言われますので、まことに申しわけございませんが、為替相場というのは、いつもファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要であると考えておりまして、常に為替市場の動向には注意をいたしております。
○五十嵐委員 先ごろ、速水日銀総裁は、円安容認かと言われて、予算委員会だったと思いますが、日銀というのは通貨の番人であるから、安定しているのがいいことであって、円安を特に歓迎するものではないというようなお話がありました。 大蔵当局としては、今デフレというのは一番心配なわけですから、デフレへの効果というものを考えると、この円安の傾向というものについてはどう評価されておられるのか、お伺いをしたいと思います。
○宮澤国務大臣 先ほどの御質問にもございまして、私もお答えを申し上げましたが、ファンダメンタルズを反映して自然にマーケットで形成される価格というものがよろしいのだと思っておりまして、例えば、一部に、円安傾向をつくり出すことによっていわばデフレに対応するといったような政策の考え方はあるかと、そういうことを言われる方もおられるようでございますけれども、私自身は、為替というものをそういうものとして操作するあるいは受け取るという考え方はいたしておりません。市場の自然なファンダメンタルズの形成にゆだねたいと考えておる方でございます。
○五十嵐委員 特に歓迎とも歓迎しないとも言わないということなんだろうと思いますが、しかし、好むと好まざるとにかかわらず、円安というのは消費者物価にはね返ってくる可能性がある、こう見るわけですけれども、今のこの百二十円という水準が、その以前の百十円程度といった状態と比べて、この状態が続くあるいは円安がさらにちょっと進むといったような場合に、消費者物価に与える影響はどの程度になるだろうと思われますでしょうか。
○宮澤国務大臣 それもなかなか難しいお尋ねであろうと思います。 一般的には、円が安くなれば消費者物価はその分だけ上昇する、上昇的な効果があると言われておりますけれども、現状というものが、物価関係が非常なストレーンのもとにあるのか、いや、そうではなくて、むしろデフレ的な状況にあるのか等々にもよることでございますので、一概には申し上げられないことかと思います。 いずれにいたしましても、私として、そのような効果を人為的に為替に求めるという考えはいたしておりません。
○五十嵐委員 ただ、政府は人為的に考えないというけれども、その効果を期待している向きもあるわけでありますね。要するに、デフレ対策として円安誘導していったらいいじゃないかという意見もあるわけです。 そのためには量的緩和が必要だとおっしゃっている識者もおられるわけですけれども、この量的緩和と円安との関係というのは、御認識はおありになりますでしょうか。
○宮澤国務大臣 これも学者の唱えるところでは、やはりデフレを緩和する効果があると言われることが多うございますけれども、通貨の供給量の問題は日本銀行総裁のお考えでございますし、また、為替につきましては、先ほど申しましたように、そういう政策効果をねらって為替というものを考えるという考え方は、私はいたしておりません。
○五十嵐委員 それでは、ちょっと聞き方を変えたいと思いますが、通貨、為替相場が市場のファンダメンタルズを反映しているならばいいんだ、こういうことであります。 一方で、日本の購買力平価、かつて大体百七十五円ぐらいと言われていたのですが、今百七十円程度かなと思っておりますが、一方で、一部の製造業が大変強くて、輸出競争力があって、そのために、輸入国であるアメリカの方がむしろそれに対する対抗策として円高政策をとるということがあったわけですけれども。 今の日本のファンダメンタルズを反映するとこの水準なのか、それとも、むしろ日本の円の実力は、購買力平価の問題とそれから輸出競争力の問題がありますけれども、その認識としては大臣はどうお持ちなのでしょうか。
○宮澤国務大臣 先ほど申し上げましたような理由で、まことにいいお尋ねをいただいておるのですが、私のお答えがまことにどうも上手でないお答えでございますが。 結局、やや長い期間で考えまして、サービス価格であるとかあるいは生鮮食料品までいくとした場合の我が国の円の購買力平価と、おっしゃいますように一部の非常に強い製造業の場合とは大変に違いがあるということは、そのとおりであろうと思います。 私どもがここでファンダメンタルズ云々と申し上げておりますのは、そんなに厳格な意味でなく、マーケットとして比較的安定したところにあるやや持続性の長いもの、そこらをファンダメンタルズと呼ぶ。これはまあ時間の間では少しずつ本質的に変わっていくものでございましょうけれども、そういうものとして認識をいたしております。
○五十嵐委員 それでは、アメリカ側の姿勢なのですが、お答えになれないとおっしゃるのかもしれないのですが、アメリカ側はこの円安の状況を容認できる、アメリカの経済状況はもう大変予想以上に厳しい状態のようでありますけれども、アメリカはこの円安を容認する方向にある、あるいはこれからもそうであろうとお思いになるのか。アメリカ側の態度について、見方を伺いたいと思います。
○宮澤国務大臣 今度の財務長官とは先月パレルモで話をいたしましたが、そのときには別段為替の話は出ておりません。それは特に話題にするほどの理由もなかったからでございますけれども、特別にアメリカの財務長官がそれについて意見を持っておられるようには思いませんでした。
○五十嵐委員 どうものれんに腕押しで、なかなか期待するようなお答えをいただけないのですけれども。 物の価値というものが、大変その判断が難しいと私は思うのですけれども、大きな流れで見ていくと、時間を長期のスパンで見ると、物は落ちつく値段に落ちついていくのだ、すなわち、購買力平価というところへお互いに歩み寄っていって、長い間時間がたてば自然に落ちついていくのだろう、私はそう思うわけです。 ですから、落ちつくところまで落ちつくまでは、ある意味では、ほかの要素がなければ、一般的な物価のデフレ、価格デフレというものは、日本のような状態ではもともと物価のポテンシャルが高いので、これは傾向としてほうっておけば本来出てくるものだという認識があるわけですけれども、先ほど来の大臣の言い方ですと、漠然とした言い方ではあるけれども、ファンダメンタルズを反映してその相場が決まるのだ、こうおっしゃっているわけですけれども、長期的なスパンで見たときに、見方としてですよ、購買力平価の水準に超長期的に考えれば落ちつく傾向があるということはお認めになりますか。
○宮澤国務大臣 さあそれは、それにお答えできるほど私に知識がございませんけれども、仮に二十年とかそのぐらいなことでございましたら、そういうことが言えるかと思いますけれども。
○五十嵐委員 私も、二十年というのはどうかなと思いますけれども、そういう傾向をポテンシャルとして持つものだ、ですから、一概に今のデフレを人為的に、強引に何とか直そうというのはなかなか難しいのじゃないかな、もっと別の対応策というものを考えた方がいいのではないかなということがあるわけですけれども。この論争をしていると時間がありませんので、また別途、一般質疑の際に、この為替とデフレ対策の関係等についてもお話をさせていただきたいと思います。 一方の、この関税定率法等の法律案の論点の一つであります沖縄の問題について、ちょっとお伺いをしたいと思います。 沖縄に旅行する国内の旅行客が沖縄への輸入品を買った場合に、今までは払い戻し制度でその減免分が返ってきた、しかし、これがやはり面倒くさいということで、直ちに減免した額で買えるというようにしてくれないかというお話があって、今回こうなったと思うのです。 この変更が沖縄の観光振興というものにどの程度寄与すると期待をされているのかということをお伺いしたいと思います。
○若林副大臣 五十嵐委員御指摘がございました沖縄の関税の減免制度につきまして、沖縄振興にどんな寄与があるのかということでございます。 お話ございましたように、現在の沖縄型の特定免税店制度は、沖縄振興策の一環として平成十年六月に導入したものでありますが、その後に開業した特定免税店業者など沖縄関係者からは、旅客に需要のある物品の品ぞろえを可能とするために、現在対象から除外されている革製のハンドバッグ等を対象に加えてもらいたいということ、また、ブランド品等について、輸入代理店を通じて購入せずに済むように、デューティーフリーショップ並みに、輸入の許可を受けない状態で物品の販売を認めてもらいたいといった要望が強く出されてきているわけでございます。 今回の改正は、このような要望を踏まえて、本制度をより実効あるものにするために、関税の払い戻し制度を免税制度に変更することによりまして、輸入の許可前に物品を販売できるようにするとともに、これまで本制度の対象から除外されていた物品についてもすべて対象としようとするものでございます。 この改正が実施されれば、特定免税店にとって、ブランド品等について、豊富な品ぞろえと旅客により魅力のある価格設定が可能となると考えられ、特定免税店側の営業努力と相まって、本制度を利用する旅行客が増加することによって沖縄県の振興に寄与するものと期待いたしているものであります。 税関につきましても、改正後の本制度の円滑な実施に努め、沖縄振興を側面から支援してまいりたい、このように考えております。
○五十嵐委員 かなり期待できるということのお話でございます。 そうなると、今までなぜやってこなかったのかということと、この制度を変えたことによる逆に心配な点というのはないか。例えば、沖縄を通じて輸入されたものが横流しをされて、かなり本来の目的とは違う制度の使われ方をするというようなことは起こりはしないかとか、そういうこともあると思うのですが、なぜ今までやってこなかったのか、そして、それに対する弊害というものはないのかということをちょっと追加して伺います。
○寺澤政府参考人 お答えいたします。 沖縄におきます振興策といたしまして、現在観光戻税制度というものがございます。観光戻税制度は、沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律によりまして認められておりまして、この中に先ほど副大臣から答弁をいたしました革製ハンドバッグというようなものについての消費税の戻税、戻し税の制度がございます。 この沖縄型特定免税店制度ができましたのは平成十年からでございますが、その制度の創設に当たりまして、観光戻税制度との調和をとるという意味で沖縄型特定免税店制度では認められていなかったという経緯がございますが、このたびそれも認めようということで制度改正をしたものでございます。 当初これを入れなかったのは、観光戻税制度との調整ということでございます。
○五十嵐委員 結局のところ、よく聞いてみると、この制度の方がお役人の側にとっては実はちょっと面倒くさくなる、そういうことがあるようなんでありますが、とにかく、沖縄は今までのように建設業に過度に依存をする、そういう丸抱え型の、国にもたれかかる型の産業ではなくて、観光立国ではありませんけれども、観光で生きるということへやはり進むべきであって、私は、そのために国としてやれるべきはどんどんやった方がいいというふうに思いますので、これからもやれることは努力して、沖縄の観光振興のためにお願いをいたしたいと思うわけであります。 さて、沖縄の例でも、これでどんどんと沖縄で輸入のブランド品等が売れるということになると思うのですが、国際化に対応して、税関の職員は大変忙しくなっているとお聞きをいたしております。また、麻薬類等好ましからざる物資が入り込むことの水際での阻止ということも大変近年では大きな役割になってきて、仕事量もふえているというふうに思います。 羽田も国際化されるという話があります、それから地方空港も港湾もどんどん国際化が進んできておりますが、そうした国際化に対応して税関職員をちゃんと配置できるのかという問題がございます。本当に今のような定数の状況でこれが可能なのか、対応ができるのかということをお尋ねいたしたいと思います。
○若林副大臣 大変御理解ある基本的な認識で御質問をいただいたわけでございます。 御指摘ございましたように、地方港、地方空港の国際化の著しい進展に伴いまして、業務量が大変増大をしております。従来から、業務運営の効率化に努めながら、定員の確保についても最大限の努力を行ってきたところでございます。今後、御指摘のように、地方空港等の国際化がさらに進展していけば税関の体制整備に対する要望が一層強まってくるものと考えられますが、財務省として、関係当局と十分協議しながら、税関の体制整備に努めてまいりたいと思います。 具体的に、さらに、羽田空港の問題、地方空港の国際化に対応する定員確保の問題につきましては、羽田空港の国際化については、昨年十二月中旬以降に具体化してきたものでございます。また、地方空港の国際化につきましても、昨年十二月中旬に日韓航空当局間協議が合意され、現在も具体化に向けての詳細が詰められている段階でございますが、いずれも平成十三年度予算における国際便の就航に対応するための予算、定員措置ができなかったということで、関係の皆さん方が大変心配をいたしております。 このため、羽田空港の国際化に対応することにつきましては、現行体制を前提として、東京港の取り締まりを行う税関職員を派遣することによって対応することといたしました。また、新規定期航路の開設要望のある地方空港について、これらの空港には現在税関官署が設置されていないことから、新規の定期路線の開設が具体化した場合には近隣の税関官署から職員を派遣することによって対応することとなりますので、職員の派遣元となる税関署における港の取り締まりなどの影響も考えられるわけでありまして、それらを踏まえながら適切に対処しなければならない、このように考えているところでございますが、今後とも体制整備には相努めてまいりたい、このように考えております。
○五十嵐委員 これからも仕事のふえ方は一様一律ではありませんので、一律削減ということではなくて、仕事がふえるところにはちゃんと配置をするということで頑張っていただきたいと思います。 質問を終わります。ありがとうございました。
○山口委員長 次に、鈴木淑夫君。
○鈴木(淑)委員 自由党の鈴木淑夫でございます。 ただいま審議しております関税定率法等の一部改正案につきましては、その運用について幾つか注文をつけたいことがありますが、それは附帯決議に譲るといたしますと、この改正案の内容に関しては、特恵関税制度の十年再延長につきましてもその他関税率につきましても、大きくは自由化の方向の中で国内産業への影響あるいは途上国に対する配慮がなされておりますので、私ども自由党としてはこの法案に賛成したいと思っておりますものですから、せっかくのこの機会を利用して、危機的状況に陥っております日本経済に対する政策対応について、宮澤大臣と柳澤大臣の御見解をお伺いさせていただきたいというふうに思います。 御承知のように、与党三党の緊急経済対策がいわば満を持して打ち出されたのだと思うのですが、残念なことに、その直後、今週の月曜日、火曜日、大きく株価が下がりまして、専門家の間ではここを割ったら大変だというのがほとんど共通認識になっておりました日経平均の一万二千円を割りました。ゆうべのニューヨークで、ナスダックもダウ平均もリバウンドしまして大分上がりましたから、きょうは大丈夫かと思っておりましたら、残念ながら日経平均は、上がることは上がりましたがわずか二十三円しか上がらない。危機ラインの一万二千円を大きく下回った一万一千八百四十三円で終わっております。私は大変心配をしているのでございます。 まず、両大臣にお伺いいたしますが、宮澤大臣、与党三党が知恵を絞られたのだと思うのですが、これが打ち出された後の株価の下落、もちろんいろいろな要因が重なっていると思うのですが、しかし、この緊急経済対策に対する期待がマーケットに起これば、こんなひどい状態にはならないだろうと思っておりますが、この緊急経済対策、どういう点に対して市場が評価していないのだというふうにお思いでしょうか。
○宮澤国務大臣 鈴木委員とも日本経済につきまして何度もここでディスカッションをさせていただいておりますが、私自身は、この景気の回復の中で、いわゆる民需が、企業関連はもうほとんど思ったような回復をしてまいりましたが、それが家計につながらない。国民消費というものが低迷しておって、ごく最近の十—十二月のQEにおきましても、プラスにはなりましたけれども、その中で家計消費だけがマイナス〇・六という状況でございます。これが普通になりますと、ほぼ回復をしたということになろうと思いまして、多少時間がかかるのかもしれないと思いながら、基本的には私はそんなに心配をいたしておりません。 ただ、今もお話しのように、もう少し早く回復をするはずであったということについての市場の見方が、いっときここへ来て株価の下落になってきているのではないかと思いますし、それに、おっしゃいますようにニューヨークの、殊にアメリカ経済の変調ということでございましょうか、ナスダック等々に、写真相場のように連れて下がったということがあるだろうと思います。 このたび、与党が経済対策を立てましたのは、そういうふうな状況の中で、結局はどのようにして内需を早く、殊に消費を正常に戻すかということが基本的なねらいになるわけでございますから、そのためにする諸施策について、一層の検討をしたいということになるわけでございます。 柳澤大臣からもお話があると思いますが、例えば企業の、金融機関の不良債務の処理について、あるいはまた将来の問題としては国民の資産運用について、もっと株式をたくさんに、ドイツの例もございますのでそういう投資をもう少しふやしていくべきではないかとか、目先の問題、少し長い問題、あるいは土地についてどのような利用をするかといったようないろいろな問題につきまして、この際、短期、長期にわたりまして改めて施策を考えていきたい、こういう考え方でございまして、明日、与党と政府との間のそのための対策本部を発足させる予定でございまして、その後、できるだけ早く具体的な施策に取り組みたい、こう思っております。
○鈴木(淑)委員 柳澤大臣、いかがでございましょう。
○柳澤国務大臣 与党三党が緊急経済対策というものを発表されまして、今宮澤財務大臣の方から御報告がありましたとおり、あした、この緊急経済対策本部というものをスタートさせまして、ここに掲げられております諸施策について、いろいろとこの具体化のための議論をし始めるということで、私もその委員の一人ということになってございます。 そういうことで、私は、株式市場というのは非常に厳しく私どもの施策というものを評価するということでございますけれども、これに対応するに、余りにも近視眼的に、これに何かびほう的にでも対応していくというようなことでは、またそういう態度自体が評価されて余り高い点をもらえないということになるだろう、このように考えております。私は、やはりやるべきことをきっちりやる、こういう姿勢でもって現在の日本経済の抱える問題に取り組んでまいりたい、このように考えております。そういうことをやることが、市場の評価ももらえ、実体的に日本経済をまた復活させていく、結局はそういう近道になるのではないか、このように考えております。 その方向で、私としては、自分の所掌の問題について一生懸命頑張ってやりたい、このように考えております。
○鈴木(淑)委員 私は、与党の皆さん大勢いらっしゃいますが、与党三党でお出しになった緊急経済対策の項目に沿って、今柳澤大臣がおっしゃいましたように中身をきっちり詰めていく議論をしても、僕はだめだと思いますね。これは大きく欠けているところがあるというふうに考えるんです。 構造改革の関係でいいこともたくさん書いてあります。税制改革についても、私は賛成できることはあります。しかし、それらは、緊急経済対策とは無関係に、本来やらなければいけない構造改革の話なんですね。 緊急経済対策として一番大事なことは、今多分景気後退がこの一—三から始まっていると思いますが、総需要が落ち込み始めている。その原因は、御承知のように、今まで輸出と設備投資で引っ張っていたら輸出がマイナスになってしまった、設備投資も先行き鈍化しそうだ、それなのに消費が出てこないというわけですから、やはり消費に向けた総需要対策が入っていなければ市場ははっきり反応しないと思うのですよ。 御承知のとおりだと思いますが、昨年末の補正予算と今度の当初予算と両方足してみた場合に、その一年前の補正予算、当初予算の合計に比べて、やはり真水ベースで減っていますよね。だから、財政刺激がマクロ的に減っているわけですよ。このマクロ的に減っている額は、いろいろ人によって推計がありますが、私は、かなり多くの民間エコノミストが言っているように、多分五兆円ぐらい減ったと思います。 たとえマクロの数字が減っても、中身が非常に効率的な方にシフトしていれば、歳出の構造が変わっていれば、それはそれでいいのですが、そういう構造の変化は見られない。北陸や九州の整備新幹線のフル規格着工とか、あるいは関西空港の二次工事の着工とか、その他、相変わらず効率が余りよくないと私は思いますがそういう地方分散型の公共事業が多くて、もっと効率のいい大都市圏の交通対策であるとか防災対策であるとか環境対策であるとか、誘発効果がはるかに大きいはずのところに金がついていないといった問題。 それからもう一つは、何といっても消費に向かっていないのですね。だから、これはそういう意味で、今一番大事なマクロ経済対策、なかんずく、もっと効率のいいところへ公共事業を持っていこうよ、あるいは消費を直接刺激しなきゃもう間に合わぬぜ。企業収益がよくなったらだんだんと個人所得がふえて消費も出てくるという経済戦略そのものが破綻したのですから、もう間に合わぬ。直接消費に向いて手を打っていかなきゃいけないのに、それが全然入っていないというところに私は決定的な対策上の欠落があると思いますよ。 だから、これに沿って検討してみたって、その検討結果を聞いて市場が反応するということは、私には予想できません。マクロ経済対策、なかんずく財政政策としてのマクロ経済対策。マクロでもいい、公共事業の組みかえでもいい、あるいは消費に向けての減税なり、事実上増税の効果を持っている二・四兆円の社会保険料引き上げを一時ストップするとか、どうしてそういう工夫ができないのか、宮澤大臣にお伺いいたします。
○宮澤国務大臣 まさに同じ問題を御議論いただいておると思っておりまして、消費を起こすための政策というのは実は非常に難しい。かつて商品券を発行したことがございますけれども、そういうことではないであろう。 やはり国の経済政策が、補正もあり本予算もあって、通常に行われていくということ、そして今度の場合には、明らかに大きな意味でのリストラクチャリング、それもITに伴う労働側の事情によることが多うございますから、したがって、ジョブクリエーションとか、あるいはミスマッチを解消するとか、職業教育をするとか、そういうことがやはり消費に対応する一番の道であろうというふうに考えております。 もとより、ここで例えば消費税を免税するといったようなことがございましたら、いっとき消費を刺激する効果はあるかもしれませんが、しかし、将来のことを考えますと、それがそんなにすぐよろしいことかどうかということにも問題がございます。 したがいまして、やはり普通のことを普通にやっていく、そして自然に雇用が新しいITの時代に向いていくようなふうに動いていく、また企業が、この部分は実はかなりできているわけですが、企業の業績がよくなって、そしてそこからしたがって家計へも金が動いていく。そういう状況は整っておるわけですが、さしずめ企業は借金を返済するということを優先したように思えますし、また労働側も、そういう状況でございますから、やはりペイよりは雇用というふうに考えるのも無理からぬことで、今春闘もそういう動きがいろいろあるようでございます。 やはり時間がかかりますと、企業がこれだけの収益を上げておりますので、それが家計への、国民消費につながっていくということは私は時間の問題ではないだろうか。十—十二は先ほど申しましたようなことでしたが、一—三になりますと、かなりそこは、かなりと言えば言い過ぎかもしれませんが、少しずつよくなっていくのではないかというふうに見ておりますので、このたびの対策も、急場の策ではないよとおっしゃればそうかもしれませんが、しかし、やはりやることをできるだけやっておくということが今としては大事ではないかと思っておるわけでございます。
○鈴木(淑)委員 今の御答弁を伺って私はがっかりいたしましたし、多分市場関係者が聞いたらやはりがっかりすると思います。普通のことを普通にやっていればそのうちよくなると言っているうちに、今危機的な状況になっているのですよ。それに対しての緊急対策ですよ。そういうときに、普通のことを普通にやっていればそのうちよくなるなんて、そんなのんきなことを言っていていいはずがないのですよ。 要するに、今の不況の本質は、よく言われるようにバランスシート不況ですね。バランスシートが傷んじゃった。バブルの崩壊で資産側の地価も株価も下がって、資産がぐっと圧縮された。でも、借金は圧縮されないで残っている。それで債務超過になった。このバランスシートを直すのに、企業は四苦八苦しているわけですよね。それが現状でしょう。 だから、もうかればそのうち消費に回ってくるでしょう、十—十二はだめだったが一—三に回ってくるでしょうなんてのんきなことを言っていますが、そんな短期の話じゃないですよ、今の企業のリストラは。このバランスシートを直そうという努力、債務超過になっているのですから、もうかればやれやれと言って、まず借金返済をするわけですよ、もうかればやれやれと言って値下がりしてしまった不動産の損切り売りをしていくわけですよ、もうかればやれやれと言って、不良債権の償却をするわけですよ。十—十二にできなかったことが一—三にできるなんて冗談じゃない。一—三から雇用をふやしたり、賃金を上げたりなんかできませんよ。 だから、企業が必死になってリストラ、傷んだバランスシートを直そうとしている努力、これは俗に言う合成の誤謬を生んでいるのです。企業の努力としてはこれはいいのですよ。企業経営の努力としてはいいのだが、それを合成すると、マクロ経済的にはデフレ的になってしまうわけですね。もうかっているのに借金返済とか損切り売りとか、そういうふうに後ろ向きにしか金を使ってくれない。これを御承知のように合成の誤謬と言うわけですね。企業経営としては正しい、ミクロとしては正しいけれども、それを合成してしまうとマクロ経済としては突っ込んでいってしまうわけですな。なかなか消費が出ない。 そうしたら、財政政策の役割というのは、企業が傷んだバランスシートを一生懸命直している間は、財政政策でマクロ経済を支えていなきゃいけないのですよ。それが消費に対して直接の手を打つ、さっきから僕は、一番わかりやすいのは所得減税だと思いますけれども、社会保険料の引き上げをおやめなさいというのだってこれは随分違う、そういうことを申し上げているわけです。 だから、宮澤大臣、この危機に直面した財務大臣が、十—十二はだめだったけれども一—三になったらそのうち企業のもうけが家計に回っていって消費が出るだろう、そんなのんきなことを言っているときじゃありませんよ。企業が必死になってリストラをやっている間は、財政政策の責任で経済を支えていなきゃいけない。おっしゃるとおり、これは頑張っていれば、長くて三年、早くて二年、少しはよくなってくるでしょう。だけれども、十—十二はだめだったが一—三によくなる、そんな短期の調整じゃないですよ、バランスシートを直す調整は。そこを間違えないでいただきたいと思います。 柳澤大臣、このコンテクストの中でお伺いいたしますが、株価対策が出ておりますね。私は、株価対策の中の税制改革のところはうなずけるものがございます。 前回、私、この委員会で三つ申し上げました。配当所得と利子所得の間にアンバランスがある、これをせめて利子所得並みにしなさいよ。二番目に、配当二重課税がある。これはヨーロッパのように一気にインピュテーションしなくてもいいが、少しは手を打って、利子課税よりむしろ配当課税の方を軽くしなきゃ配当二重課税に対する対策にならぬでしょうということ。それから、譲渡益課税について、ただ延期するなんというのじゃなくて将来展望を出してくれ。それは私は申告の分離課税だと思うし、その税率はほかの利子課税と同じような二割、そういうふうにバランスをとれ。三つ申し上げたのですね。大体そういう方向を向いていますし、これから御検討されるわけですから、ぜひ私のこの三つを入れていただきたいと思っております。 そこはいいのですが、もう一つ、買い上げ機構をつくるような話、その他ありますね。これはもう委員の皆さんよく御存じだと思いますが、株価対策というのは、株の需給に手を突っ込んだら、買い上げというのはまさにそうでしょう、株の需給に手を突っ込んだら、そのときは株価がちょっと動きますよ、効果が出ますよ。でもこれは根本的な対策にならないのですよ。 というのは、よく言われるように、株価というのは最終的には企業の予想収益の割引現在価値なんですから、企業の予想収益をよくするような手を打たなきゃ本当の株価対策にはならないんですよね。企業の予想収益を好転させるということは、さっきから私がるる申し上げているマクロ経済政策のところなんですよ。マクロ経済政策のところに、特に消費にウエートを置いた手をお打ちになれば、これこそ一番効果のある株価対策になると私は思います。それがぽんと抜けている。だから、これじゃ株価だって上がらない。 柳澤大臣、税制のところは柳澤大臣と私と意見がかなり一致しました。そこはよろしゅうございますが、それだけじゃ株価対策は無理。需給に直接手を突っ込んでかき回すようなことは、かえって市場がゆがんで国際的にも評価を落とします。需給に手を突っ込む対策じゃなくて、企業の予想収益率が好転する対策を打たなきゃいけない。その点どうお考えでしょうか。
○柳澤国務大臣 先生から、今、与党三党の緊急経済対策の中にございます「民間ファンドによる株式買上機構の創設」ということについて批判的な御見解の披瀝があったわけでございますが、これは先生ちょっと注意してごらんになっていただきたいんですけれども、項目といたしましても、「金融再生と産業再生の実現」というその項目のもとに掲げられている小項目でございます。「証券市場等の活性化対策」というのは別途の項目になっておるわけでございまして、位置づけとして、「民間ファンドによる株式買上機構」というのは、現在金融機関が保有しておりますいわゆる持ち合い株の解消のための受け皿というものについての施策として挙げられているものでございまして、これを民間の資金で、民間の発意でもって創設される場合にはそういうことの対応もあっていいじゃないか、こういうことのようでございます。 私どもも、現在の株式市場に向けて株を買い入れるというような、昭和四十年の不況のときにあったあの共同証券買い取り機構のようなものではないというふうに解釈をさせていただいておりまして、もし私どものその解釈が正しいことであれば、民間の発意で、民間の資金でやることについては、一つの経営判断というか、そういうものでやられる限りにおいては、こちらから何も否定的なことを言う筋合いのものではなかろう、このように考えておる次第でございます。 私も、鈴木委員のおっしゃられるとおり、あの当時の買い取り機構のスタート後の株式市場の動向のグラフも見ておりますけれども、決してそこから右肩上がりに相場が転じたというようなことには実はなっていないということを知っておりまして、そういう議論をすると、いや、下支えをしたんだというような議論もありますけれども、やはりそれはかなり無理な御議論だなというふうに受けとめておりまして、この点についても、細かいところまではともかく、基本的には先生と同じような感覚を私は持っております。
○鈴木(淑)委員 私、実は需給に手を突っ込むのはやめなさいと言ったのは、買い上げ機構のことだけではありません。買い上げ機構もそうですがね。「証券市場等の活性化対策」の中に、例えば金庫株の解禁がありますね。これは、規制緩和としては僕は賛成なんですよ。だけれども、こんなのは株価対策になりませんよということですね。それから、例えば「郵便貯金等の積極的な運用」、これもまさに需給に手を突っ込む話なんですね。こんなものは、そのときはちょっと一過性の効果があるかもしれないけれども、こんなものが対策だと思ったら大間違いですよ、そういう意味でございます。 柳澤大臣、もう一つ、余り大っぴらに議論したくもないことを伺うんですが、私は一万二千円が危機ラインだと思っていたんです、私の試算では。一万二千円を切っちゃいました。こうなりますと、三月の銀行の決算がえらいことになってくるんじゃないかと思うんですね。日本経済を立て直すためには、構造的にどうしてもこの不良債権の処理をさせなきゃいけない。しかし、これは経常収益を食っちゃう。今度三月に時価会計で処理する銀行は限られてはおりますが、時価会計で処理しなくたって、実は時価会計で処理したらあの三月期決算はこうだったというのはじきわかっちゃいますからね。わかったときに、何だ、これは時価会計だったら赤字じゃないか、大きく償却するとですよ、それなのに配当しているじゃないか、けしからぬ、こういう議論になりますね。 ですから、柳澤大臣、私は償却を進めさせることは非常に大事だと思いますが、その場合は、時価会計で見たら赤字になってしまっていたら、これは配当はいけませんな。配当をどんどんやらせて、しかも償却もやりなさいといったら、後で時価会計で計算し直したら、赤字の銀行が配当している。もちろん引き当てを崩していくとか、いろいろ理屈はありますよ。だけれども、やはり体力を消耗していっちゃいます。一万二千円を切っていると、そういう意味では非常に苦しい決算にならざるを得ないんですよ。 私は、これで金融危機が発生するなんて思っていません。流動性の方は大丈夫だと思っています。だけれども、大変苦しい決算になることは間違いない。この決算を、ごまかさないで改革の方向で指導していただきたい。それについての大臣の御見解を伺いたいと思います。
○柳澤国務大臣 まず第一に、株価の低落が、バランスシートと申しますか、自己資本比率に代表されるようなそうした金融機関の健全性に対してどういう影響があるか。これは、前から申し上げておりますように、この程度でも何とか健全性というメルクマールについてシリアスな、深刻な影響を与えることにはならない、こういうことでございますが、今先生御指摘のように、損益面の方には率直に言って大きな影響がございます。 不良債権を、私どもはその償却を進めるようにということを呼びかけておるわけでございますけれども、そういうことの一環として、金融機関の側は、オフバランスの前提としてはまず第一に引き当てを多く積むことというような準備運動的な考え方もあるようでございまして、これの損益面に対する負担というものも相当の金額になることも考えておかなくちゃいけない、このように思っております。 そうしたときに、もし株価が堅調でありせば、それがいいことか悪いことかはともかくとして、株の売却によって利益を上げてそういったことを円滑に吸収していく、こういうことができるわけでございますけれども、それが今日のような株式相場ということになりますと、全くこの手段を使うわけにはいかない、こういうことに当然なるわけでございます。そうなりますと、業務純益を動員してということだけになるわけでございまして、なかなか厳しい状況になるということは、まだ全くその数字等について別段格別の情報を得ているわけではないんですけれども、考え方としても当然損益面への厳しい影響を想定しておかぬといかぬかなということは申し上げることができようかと思います。
○鈴木(淑)委員 時間でございますので、質問を終わります。両大臣、ありがとうございました。
○山口委員長 次に、吉井英勝君。
○吉井委員 日本共産党の吉井英勝でございます。 私は、特恵関税制度について、これが開発途上国や後発開発途上国の発展に役割を果たすということとともに、国内産業の発展に役立つこととの両立をどのように進めていくかということが大事な問題だと考えておりますので、そういう問題について、最初に質問していきたいと思います。 今から二十三年ほど前になりますが、七八年二月の予算委員会で、日本共産党の不破委員が、日本国内では最賃制度をつくっているのに、海外では人件費が極端に安くても構わない、そういう国への海外投資で国内産業を壊しても構わないとする日本の資本の行動という問題を取り上げました。私は、この問題は今日的にも大事な問題だと思っているわけです。 そこで、最初に確認的に質問しておきたいんですが、外為法第二十三条四項一号で、「我が国経済の円滑な運営に著しい悪影響を及ぼすことになる」というこの一号については、四項の方で、「当該対外直接投資の内容の変更又は中止を勧告することができる。」というふうに法律上はなっていて、外国為替令第十二条の一項の方で特定業種の問題を挙げて、それを受けた省令の方で、業種の中では、農業というのは当時、開発輸入などという分野には当たりませんでしたから、農業というのはもともとないんですが、九八年の四月までは繊維などが入っておりました。 ですから、九八年四月までは、繊維産業が開発輸入などで危機的な状況に追い込まれたりしたときに、地域経済や国の経済の運営に著しい悪影響を及ぼす、こういう状況にあるときは、当然、外為法に基づいて直接投資の内容の変更または中止を勧告することができる状態であったというふうに私は思うわけでありますが、最初に確認として伺っておきたいのは、法の趣旨としては勧告できるということであったと思うんですが、これはこのとおりでいいですね。
○溝口政府参考人 御指摘のとおりでございます。
○吉井委員 そこで、繊維であれその他産業分野であれ、開発輸入業者に対してこの規定を適用して、変更または中止を勧告する、こういうことをやった事例があるかどうか、これを次に伺っておきたいと思います。
○溝口政府参考人 繊維業を含めまして、中止の勧告等をした事例はございません。
○吉井委員 今、そういう開発輸入という問題がさまざまな問題を日本経済の中で生み出しておりますが、例えば、日本から機械と技術、材料、部品、あるいは最近では野菜の種などを持ち込んで、日本の企業が海外で人件費の安さだけで安い製品を現地でつくり、そして日本企業が日本へ持ち込んでくる。これだけでも打撃を受けているわけですが、さらに委託加工再輸入減税制度によって、日本製製品について、輸入関税の減免をやっている。そのことによってさらに打撃を受ける、こういう事態が広がっております。 九四年の関税暫定措置法第八条の改正で、加工再輸入減税制度の対象をふやすとともに減税額が拡大されてきましたが、これで見ると、八九年に法改正をやって織物、衣類を拡充してから、十年たった九九年には優遇税額というものが非常に大きくなっているというふうに思うんですが、幾らから幾らにこれがふえているのか、これを基礎的な数字として伺っておきたいと思います。 〔委員長退席、佐藤(剛)委員長代理着席〕
○寺澤政府参考人 加工再輸入減税制度の適用によります減税額でございますが、一九八九年度におきましては二千五百万円、一九九九年度におきましては二百五十五億円でございます。
○吉井委員 今の数字を聞いておりましても、加工再輸入減税制度で開発輸入をやっている日本の企業が、八九年に比べて一千倍も税の面で減税の恩恵を受けている、こういうふうになっております。 国際競争でも、あるいは途上国自身の経済、技術力の向上によってでもなくて、日本の大企業、大商社などの狭い判断で海外投資の結果として、生鮮野菜とか畳表、繊維、仏壇から家具、さまざまな分野で国内産業と地域経済が打撃を受けているというのが、今日、不況の中での深刻な実態の大事な一面です。それなのに、政府の方が、国内産業への悪影響の実態も考えないで、日本の資本の海外投資にチェックをしない、逆に再輸入には関税の減免も行ってこういう支援を行ってきたということが、今日の困難な事態を生み出してきたことは明瞭だと思います。 そこで、日本の開発輸入業者に対して、日本の国内産業と中小企業、雇用と国内の消費購買力の発展に社会的な責任を果たさせるルール、あるいは仕組みというものが必要じゃないかと思うんです。こういう事態を続けて、地域がどんどん衰退していく、地域産業も地域経済も落ち込んでいくとなれば、失業者はふえる、所得は落ち込むわけですから、当然ながら日本の消費購買力は落ち込んでしまって、結局、開発輸入をやっている業者自体も、これは少し一定の期間で見れば、その業者にとっても大きなマイナスを生じることになるわけです。 私は、最初に経済産業省の方に、何かそういう点でルールなり仕組みなりを考えているのかどうか、これを伺っておきたいと思います。
○奥村政府参考人 お答え申し上げます。 開発輸入につきましては、先生の御指摘のとおり、日本の企業が現地に出かけまして必要な製品をつくるということで、いろいろな諸活動をしております。私どもとしては、自由な貿易の原則の中で、それ自体について云々というのはなかなか困難ではないかというふうに思っております。 ただ、その行動によりまして、結果的に、WTOで認められましたルールに沿いまして貿易上の問題が出てくるというようなことがありますれば、セーフガードその他の措置によりまして、申請に基づきまして厳正な対応をしてまいりたいというふうに思っております。
○吉井委員 私は、日本の企業が海外に投資もやって、その国の人々の雇用もふえ、所得が伸びて、進出した日本企業の製品をその国の人たちにどんどん買ってもらって貢献をしていくということ自体は、それは貢献になっていると思うんです。 だけれども、それが大洪水のように逆輸入という形で、海外で十分な人件費を払ってそっちの国で買ってもらうんじゃなくて、日本へどんどん逆輸入してきて、それで日本の産業を衰退させるとか地域経済を崩壊に招いていくというふうなことになってしまったんじゃ、それは発展途上国なり後発発展途上国の発展に貢献するという問題とまた違った問題が出てくるわけですから、そこについては、私は、やはりきちんとした仕組みなりルールというものを考えていかなきゃいけないと思うんです。 この点は、私は大臣の方に、少なくとも国内産業や中小企業、雇用を悪化させないことと国内の消費購買力を衰退させないことに日本の企業としても社会的責任を果たすということにはならないわけで、ですから、ただ進出する、資本の、投資の自由化がどうだこうだというそれだけの枠にとどまらないで、やはり日本の産業経済全体を考えた中でどういうふうなルールなり仕組みなりをきちんと考えて対応していくのかということは、私は政治の課題として大事だというふうに思っているんですが、この点は財務大臣の方にお考えというものを伺っておきたいと思います。
○宮澤国務大臣 その問題は、ルールをつくるとかいうこともさることながら、実際には、我が国が昭和三十年ごろから本当に苦労してその都度その都度やりながらきょうまでやってきた、まさに、まさしくその問題でございます。 その結果として、我々の近隣諸国にもいろいろな産業が育ちました。また、そこでそういう雇用も起こりました。日本の消費者は、その輸入によって非常な利益を受けました。それと競争関係にある日本の産業の人々は、できるだけより付加価値の高いものへ移行していく。言われますように、ちょうどカリが前後を飛んでいきますように、労働集約的なものから技術集約的なものへ先のカリが移って、次のカリがそれを受け取っていくというような形をきょうまでやってきまして、我が国は私はそれに成功したと思っております。 ただいま委員のおっしゃいますようなことが、確かにここのところで出てきておりまして、一方的な解決をしてはならない問題でございますけれども、我々は、しかし、過去五十年の間にその問題を解決してまいりましたし、また役所にどういうプリンシプルでやるんだというお尋ねは、それは余りに難しいお尋ねでございまして、その国の内外の、ある意味で矛盾いたします、また生産者と消費者という問題も含めて、いわば問題の摩擦を最小限に解決していくということに、お答えとしては私は尽きるように思います。
○吉井委員 現実問題としては、開発輸入のやり方で、日本の大商社なり大企業が出ていって、本当に生鮮野菜から畳表から繊維から仏壇から家具から、もういろいろな業種、いろいろな産業分野に及んで、それが、発展途上国なりが日本へ輸出してきて摩擦といいますか問題を起こしているというより、日本の企業自身がそれをやっているわけです。だから、そういうふうな問題については、やはり本当にきちんとしたルールなり仕組みなりを考えていかないことには、一定の時間をかけて発展する中で、大臣おっしゃったように、日本の方が先んじて新しい産業分野、新しい製品の開発などで移っていくということも当然のことなんですが、今現実に起こっている事態は、いろいろ努力しているんだけれども、とにかく大洪水のように、繊維にしろ何にしろ、日本の企業が安い製品を海外でつくって持ち込んできて、それで日本の産業や地域経済に打撃を与えている、こういう深刻な問題があるわけですから、私は、やはりきちんとしたルール、仕組みというものを考えていくべきだと思うんです。 ルールの一つは、先ほどお話ありましたセーフガードというのはそうなんですが、大阪でいいますと泉佐野、あるいは四国の今治のタオル、泉州のタマネギなど、本当に繊維、野菜類、さまざまな分野で日本の国内産業は今打撃を受けています。 それで、経済産業省のつくったセーフガードのガイドラインというのを見ますと、WTO協定上の発動要件にないものを別に入れているんですね。通商政策上のデメリット等という項目があって、これについては実は、これも二十年余り前から、七九年二月のこの大蔵委員会で当時の副島関税局長が、「もっぱら輸出志向主義を重点に置いていて、国内産業の保護をやれば他国の報復を食うのではないかという不安感もございまして、勢い慎重にならざるを得なかったということも事実」と、二十年前に、だからセーフガードなどのようなこういう規制をとらないと言ったんですが、それをずっとやってきて、日本はまだ一件も発動したことがないんですね。これが結局、輸入の急増と国内産業の損害という事実が明白であっても、関係者がどんなにセーフガードの発動を求めても発動してこなかった最大の理由になっております。 そこで、最初に経済産業省の方に確認しておきたいと思うんですが、WTO協定の上では、輸入の急増という要件と国内産業の損害あるいは損害が見込まれるというこの二つの要件でセーフガードは発動できるということになっていますね。
○奥村政府参考人 繊維のセーフガード措置に係る手続につきましては、輸入増加の事実、国内産業の重大な損害といった先生のおっしゃいますWTO協定上の要件ということでございます。なお、そのほか、日本政府といたしまして、国民経済上の緊急の必要性、これは例えば先生もおっしゃいました点も入ってございますけれども、消費者、ユーザー等への影響等も検討するということにしております。 〔佐藤(剛)委員長代理退席、委員長着席〕
○吉井委員 ですから、WTO協定上はこの二つだけなんですよ。日本の政府の方が勝手に余計な、余計なと申しますか、そういう要件を持ち込んでセーフガードを発動しなかった。アメリカでもどこでもどんどん発動しているのに日本は一件も発動してこなかったのは、わざわざ日本だけが特別にそういうものを持ち込んだからであります。 次に、農水省に伺っておきたいんですが、ネギと生シイタケ、畳表の三品目については三月二十二日まで調査中ですが、一月二十七日にも、締め切りの二月十三日のデータもそろっているわけですし、九項目の検討要件のすべてで発動すべき事態にあります。現地は本当に深刻な事態ですが、緊急にセーフガードを発動しますね。農水省に伺っておきます。
○西藤政府参考人 お答えいたします。 先生お尋ねのネギ、生シイタケ、畳表の三品目につきまして、セーフガードに係る政府調査を昨年の十二月二十二日から実施している状況でございます。具体的には、実態調査のために、生産者、生産者団体、輸入業者の方、流通業者の方、消費者にそれぞれ質問状を発しまして、回答のあったものから順次チェック、集計作業を急いでいる状況にございます。これとあわせて、先生の御指摘にもありましたが、三月二十二日までに利害関係者から証拠等の提出を受けることとしておりますし、さらに、四月二十七日までの間、利害関係者等から意見表明の機会を設けるという形で告示をいたしております。 いずれにせよ、このような政府調査によりまして、輸入の増加が国内産業に与えている損害などについての実態を的確に把握した上、関係法令に定めるところにより極力速やかに結論が得られるよう努力していきたいというふうに考えております。
○吉井委員 生鮮野菜など、ちんたらやっておったら腐ってしまいますからね。緊急にセーフガードを発動するのか、しないという考え方に立っているのか、この点だけ端的に伺っておきます。
○西藤政府参考人 私ども、先ほども申し上げましたように、実態を正確に把握の上、関係法令に基づいて的確に対応していきたいというふうに考えております。
○吉井委員 的確ではよくわからないんですよね。 そこで、大臣、資本の輸出もチェックしない、再輸入には関税で減免をする、セーフガードは発動しようとこれまでは動かなかったわけです。これでは、農業を含めた日本の国内の産業を守り発展させるという立場に立っていないというのと同じになってしまうんですね。まず手始めに、三品目については三大臣、協議して、緊急に発動するという決断が必要だと思うんです。私はそのことは当然だと思うんですが、財務大臣として、緊急発動という決断をされるお考えというものを聞いておきたいと思うんです。
○宮澤国務大臣 先ほどから参考人がお答えになっておられますように、これにはいろいろな条件がございます。その条件が成就しているかどうかということを慎重に判断しなければお答えができません。
○吉井委員 この点では、アメリカなど、ホウキモロコシ製ほうきだってセーフガードを発動しているわけですから、本当に私は、これは政治の姿勢が問われている問題だということを強く指摘するとともに、緊急に発動されることを求めておきたいと思います。 次に、食品安全と税関職員の増員問題で少し伺っておきたいと思いますが、遺伝子組み換えの農産物がえさ用として輸入され、それが食品用に混入されていたという問題が明らかになりましたが、遺伝子組み換え農産物の検査は行われていない、モニタリング検査しかやっていないから、モニタリングの結果が出たころには国内に入っているということにならざるを得ないという問題が明らかになってきました。 このスターリンクの国内への侵入をチェックできたのか、あるいはダブルチェックの役割を果たすはずの税関の方では見逃してしまったというのが実態なのか。事実の確認をまずしておきたいと思います。
○寺澤政府参考人 お答えを申し上げます。 食品の輸入につきましては、食品衛生法におきまして、厚生労働大臣が定めた基準、規格を満たさないものの輸入を禁止するということになっております。輸入の都度、厚生労働大臣への届け出義務を課しまして、必要に応じて検疫所等が検査を行うことにより、衛生上問題のある食品の輸入を防止するという仕組みになっております。 他方、私ども税関におきましては、関税法第七十条に基づきまして、厚生労働大臣への届け出、検査の完了が確認できない食品につきましては輸入を許可しないということとしておりまして、食品衛生法上のスキームの実効性を水際で確保するという役割を担っているわけでございます。 今御指摘のございました、スターリンクを含む可能性のあるトウモロコシが輸入されたという報道がなされたことは承知しておりますが、スターリンクを含む遺伝子組み換え食品につきましては、現在、食品衛生法上輸入が禁止されておりません。税関といたしましても、特段の取り締まりを行うことができない状況でございます。 しかしながら、先般、基準、規格が改正されまして、本年四月一日以降は厚生労働大臣の安全性審査を受けなければ輸入できないということとされました。したがいまして、税関といたしましては、関税法第七十条に基づきまして、今後、厚生労働省と協力してこの新たな仕組みの実効性確保に努め、有害な遺伝子組み換え食品の不正輸入を防止してまいりたいと考えております。
○吉井委員 厚生労働省や農水省の検査と同じ検査を税関でやって、ダブルチェックをやるんですね。その機能が本来の姿であって、簡易申告制度になって手抜きになってきたりするという、これは本当に国民の安全にとって大変な問題です。先ほどもありました水際作戦が、ですから重要なんですが、検査がふえているのか減っているのかということをこの点では見ておかなきゃいけないと思います。 検査率、検査の率よりも検査率の状況がどういうふうに変化しているかを、一九八八年のデータなんかは昨年の調査室の資料でも、もともと皆さんのところの資料をもとにできていますから、八八年を一〇〇としたときに九九年には大体、検査率を指数で示すと三分の一ぐらい落ち込んでいると思うんですが、幾らから幾らに、八八年を一〇〇とすると今幾らに落ち込んでいますか。
○寺澤政府参考人 お答えいたします。 輸入許可承認件数が著しく増加しております一方、厳しい定員事情の中で職員数は増加しておりません。また、税関におきましては、リスク管理に基づきます重点的な検査を実施しているということで、御指摘のように検査率は低下をしております。 検査率の指数でございますが、全国の輸入許可承認件数及び検査件数をもとにいたしまして単純に試算いたしますと、昭和六十三年、一九八八年を一〇〇とした場合の平成十二年の輸入許可承認件数の指数が二七九でございます。一方、検査率の指数は二九となります。 ただし、この数字につきましては、一つは、昭和六十三年との比較でございますから、このころにはまだ私ども、海上NACCS、いわゆる輸出入申告等を電子的に処理する海上貨物通関情報処理システムでございますが、これが配備されておりませんので、当時はリスクに応じた申告の選別が困難であったという事情がございます。 また、最近におきましては、相対的な小口のものが多い航空貨物の割合が非常に増加しているということがございますので、昭和六十三年と現在の検査率を単純に比較することは適当でないというふうに考えております。
○吉井委員 いずれにしろ、スターリンクの問題など新しい問題も次々出てくる中で、やはり体制を強化して水際で危険なものは食いとめる。その点で、検査率が下がってきているというのは、私はゆゆしき問題だと思っています。職員数の方は、九二年まではふえず、九七年までは若干ふえたわけですが、九八年からは減っているわけですね。検査体制を強化するべきときなのに、逆に弱体化している。 検査率の低下を食いとめるということを考えても、本当に税関職員の増員を行って、そして水際作戦が実際に功を奏して、国民の安全が守られていく、もちろん麻薬その他、これもきちっと押さえることは当然のことですが、スターリンクを初めとする食品安全その他を考えても、私は、そのために職員数をやはり増員するとともに検査体制を強化する、そのことについて、大臣の方にやはり相当な決意をもって臨んでいただかないと、九八年からは現実に職員がどんどん減っているわけですし、検査率も低下していますから、この点での大臣の考えというものを伺っておきたいと思います。
○寺澤政府参考人 輸入貨物の検査率が低下しているということでございますが、私ども、税関の取り締まりをより効果的、効率的に行う観点から、重点的な検査の対象といたしますハイリスク貨物に対しまして絞り込みを行いながら、検査を行っている実態でございます。 そのために……
○山口委員長 時間が来ていますので、簡潔に。
○寺澤政府参考人 まず一つは、情報を収集するという努力をしておりまして、各国の税関当局それから世界税関機構等の機関からの情報及び民間からの情報等々を収集しておるのが一つでございます。また、そういった情報や通関実績を、システムを活用して検査対象を選定するといったことをしておりますので、限られた人員の中でこれからも検査の実施に取り組んでまいりたいと考えております。
○吉井委員 大臣に増員のことを伺っていますが。
○若林副大臣 お話ございましたように、通関量、貿易量の増大に伴いまして、現場の関税関係の職員に非常に過重な状態が発生していることは事実でありますし、水際できちっととらえていかなきゃならないということを考えますと、今までも努力をしてまいりましたけれども、そういう体制整備を、それをさらに関係方面と協議して頑張って拡充を図っていきたい、このように思います。
○吉井委員 拡充を図ってまいりたいということですから、増員ということですね。
○若林副大臣 努力をしてまいりたいと思います。
○吉井委員 今、増員するということですから、時間が参りましたので、質問を終わります。 —————————————
○山口委員長 この際、お諮りいたします。 本日、政府参考人として農林水産省生産局長小林芳雄君及び経済産業省製造産業局次長小平信因君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○山口委員長 次に、阿部知子君。
○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。 外は真っ暗、夜なべかなと思う時間まで皆さん大変御苦労さまでございます。またきょうは問責決議案、残念ながら否決されまして、また何やらちょっと気の抜けた答弁も多うございますから、最後ですので、張り切って私も質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。 まず第一点、今回のこの関税定率法等の一部を改正する案のうちの一番目、特恵関税制度の改正についてお伺いいたします。 特恵関税制度を今後十年にわたってさらに延長しようというこの改正案でございますが、まず第一点、この特恵関税制度の中で特恵国扱いになっております国、とりわけ中国についてお伺いいたしたいと思います。 私の手元にいただきましたデータによりますれば、特恵国の扱いを受けた輸入量のうち、ほぼ九割以上でしょうか、中国が占めております。これが年々二十数%ずつ増加いたしまして、恐らく今年度は、八千億から九千億、対中国の輸入が占めることとなると思います。 では、所轄の官庁にお伺いいたしますが、対中国輸入物品の中で、どのような内訳になっておりますでしょうか。
○寺澤政府参考人 お答え申し上げます。 中国からの主な輸入品でございますが、平成十二年、中国からの輸入額が五兆九千億余でございます。そのうち、繊維製品が一兆八千億、機械機器が一兆五千億、食料品六千億等でございます。
○阿部委員 その繊維の一兆八千億、私の最初に申しました数字が私の数値の読み間違いでしたら大変失礼いたしました。五兆のうち一番多くを繊維が占める一兆八千億のうち、日本企業の海外出資によるものの再輸入と申しますか、輸入の占める割合はどれくらいでございましょうか。
○寺澤政府参考人 私ども、通関統計上はその数字を持ち合わせてございません。
○阿部委員 先ほどの吉井委員の御質問にもございましたが、今我が国の産業は、ITから繊維そして野菜に至るまで、労働力の非常に安価な中国へとシフトしております。そして、先ほどの吉井委員の御質問で、ネギ、シイタケ等々のセーフガードをどうするかという御質問、あるいは繊維、タオルのセーフガードをどうするかという御質問もございましたが、実は大きな問題点は、そのセーフガードの発動以上に、セーフガードは年限のあるものでございますから、今問題になっておるような野菜、生鮮食料品の我が国内における農業運営のあり方、これをどのように我が国が位置づけて、支援していくなり育成していくなり、その方向性を明らかにすることが今一番国民の求めるものかと思います。 野菜のお店屋さんの店頭に行きますれば、オール中国野菜のオンパレードでございます。このことも含めて、我が国の農水省の皆さんにあっては、特に生鮮度の高い野菜等々の国内での生産における農水省の役割をどのように認識しておられるのか、この点についてお答え願います。
○小林政府参考人 今、野菜を中心にした農政のあり方のお話がございました。 まず野菜については、昨年、価格が非常に下落した中で、緊急的な対策を一つ講じております。緊急野菜対策ということで、特に地域によって大きな影響が非常に生じたものですから、そこで高品質の野菜をつくっていく、そのための生産なり共同出荷体制の整備、これは全体で事業規模三十億円の緊急支援ということを講じております。また、あわせまして、低コストの耐候性ハウスとか予冷保冷施設等の整備等、こういうものを緊急にやるということが一点でございます。 ただ、もう少し広い、長い意味で申し上げますれば、今先生御指摘がございましたけれども、国産野菜が消費者の皆さんに受け入れられて、きちんとそれが大事にされていくということからしますと、表示の問題が一つございます。表示につきましても、昨年から生鮮物の表示ということで始めておりますし、またことしも、加工等を含めたそれなりの、きちんと国産と輸入物の区別がついていく、こういった方向を打ち出しております。 また、一昨年制定いただきました食料・農業・農村基本法におきまして、農産物、野菜を含めたいろいろな対策がございます。その中で、平成二十二年を目指した食料自給率でございますとか生産目標を立てておりますが、その中でも、野菜につきまして一つの大きな品目として位置づけて、それの達成に向けてさまざまな補助事業、融資事業も含めて対応していく、それによって国内の産地の輸入品に負けない体質強化を図っていきたい、そういった方向で進めているところでございます。
○阿部委員 現在、御指摘のような点が順調に実施されましたとしても、ネギにいたしまして、国産ネギが大体三百円のところ、例えば中国のネギが百円という価格で市場に出回り、国産のものをつくっている農家というのはやはり非常に窮地に立たされておると思うわけです。 ネギとシイタケについては今セーフガードについて検討中ということも伺っておりますが、果たして、また今度セーフガードを発令いたしました場合に対中国との貿易摩擦、当然予測されると思いますが、その点について、我が国政府といたしましてはどのような対中国との交渉あるいは施策をお持ちであるのか、お教えください。
○西藤政府参考人 ネギ、生シイタケ等のセーフガード調査につきましては、現在、政府の調査を開始しておりまして、関係法令に基づいてセーフガードの発動を含め検討中という状況でございます。 一方、私ども、関係国の農業生産の状況、流通の状況、そういうことを国内の生産者に情報提供し、そういうものに対抗できる対応もとっていく必要がある、あるいは関係国に国内の状況についての理解を求めていく必要もあるというような観点から、中国との間では実務レベルの情報交換の枠組みを二月から始めておりまして、今月も関係者との情報交換を行う、そういう取り組みを通じて円満な貿易関係の樹立に努めていきたいというふうに思っております。
○阿部委員 私の根本的にお伺いしたかったのは、中国のWTO加盟について我が国がどのような姿勢で交渉に臨んでおられるかです。当然、もしもネギ等々のセーフガードをいたしました場合に、WTO加盟国でない中国からの反応は多様なものが予測されてまいると思います。タオル等については、中国におきましても、中国の製造メーカーに日本国ばかりに輸出しないようにという指示がおりているやにも報道されておりますが、いずれにしろ、やはり中国のWTO加盟ということは、我が国にとりましても非常に貿易上の安定にかかわってまいりますことですから、この点に関して、これは恐れ入りますが宮澤大蔵大臣にお願いいたします。
○宮澤国務大臣 基本的に、我が国は中国のWTO加盟に賛成でございます。中国にとりましても非常にたくさん問題がございます。想像しましても、農業についてまことにいろいろ問題があるであろうと思われますが、今中国は、この段階になりまして、各国とそういう具体的な問題を処理しながら、なお一般的な規則を受諾しなければならないという、その問題についての交渉がなおジュネーブ等々で行われておるということでありまして、我が国としては、基本的に中国のWTO加盟を支持する立場であります。
○阿部委員 もう一歩立ち入って、中国がWTO加盟をなし遂げるために、我が国としてできることが何かあるとお考えでしょうか、またなすべきことがあるとお考えでしょうか。この点について明確にお願いいたします。
○宮澤国務大臣 私は今交渉の内容を詳しく存じませんが、基本的には我が国とは既に妥結をしておりますし、我が国はWTOの中国加盟を支持しておりますので、具体的な問題があるようには聞いておりませんが、あるいは私が十分細かいことを知らないかもしれません。
○阿部委員 では、次に移らせていただきます。 この法改正のうちの沖縄にかかわる部分についてお伺いいたします。 いわゆる関税の減免税・還付制度の改正についてですが、沖縄は昭和四十七年から関税の払い戻し制度をとっており、また平成十年から一部免税制度をとったと思います。そして、今回これらを統合いたしまして、全品免税制度になさるというお考えですが、これまでのいわゆる沖縄における関税取り扱い政策の問題点と今後の改善点について、担当部署からお伺いいたします。
○寺澤政府参考人 お答えいたします。 現行の沖縄型特定免税店制度は、沖縄振興策の一環といたしまして平成十年六月に導入されたものでございますが、その後、開業されました特定免税店業者等沖縄関係者から二つの要望が出ております。一つは、旅客に需要のある物品の品ぞろえを可能とするために、現在対象から除外されている革製ハンドバッグ等を対象に加えてほしい。もう一つは、ブランド品等につきまして、輸入代理店を通じて購入せずに済むように、いわゆるデューティーフリーショップ並みに輸入の許可を受けない状態で物品の販売を認めてもらいたいということでございます。 今般の改正は、このような要望を踏まえまして、本制度をより実効あるものとするために、従来の関税の払い戻し制度を免税制度に変更することによりまして、輸入の許可前に物品を販売できるようにする、それとともに、これまで本制度の対象から除外されておりました物品についてもすべて対象とするというふうにしたものでございます。
○阿部委員 今おっしゃったような施策で本当に沖縄の貿易にかかわる収入の増が見込まれればよろしゅうございますが、なかなか見通しが暗いようにも報道されております。 もう一点お伺いいたします。 沖縄をいわゆる香港やシンガポールのような関税のないエリアになさるようなお考えは、我が国はどのようにとっておられますでしょうか。これは私が知らないだけかもしれません。
○寺澤政府参考人 沖縄全島、沖縄県全域を関税のフリーゾーンにする、いわゆる自由貿易地域にする構想がございましたが、この構想につきましては、沖縄県内及び国内の産業が関税上の保護措置を失うという問題、それから沖縄を関税法上は外国扱いをするということになる問題がございますので、現在は検討されていないと承知しております。 今回の沖縄型特定免税店制度の改正は、フリーゾーン構想のような関税政策上の問題がなくて、かつ沖縄の振興に関税面から実質的に貢献できるという観点から行おうとするものでございます。
○阿部委員 では、一応数年の経過を見させていただくことにしようかと思います。 引き続いて、先ほど吉井委員から御質問のございました関税職員の増員のことについてお伺いいたします。 これは、昨年の夏のまだ大蔵委員会でございました当時の視察で、実は私は不勉強でしたので、前委員長の萩山先生が特に石川、富山地域の視察を企画してくださいます中で、関税職員がいわゆる水際取り締まり作戦に実際にどのように従事しておられるかを初めて拝見いたしました。 先ほど来の御答弁ですと、システムとかモニター類を充実させるというふうにおっしゃいますが、結局、システムやモニターを最終的に統合して判断いたしますのは人間でございます。日本は海に囲まれた国、そして、ましてや昨今では、航空機によるいろいろな犯罪物、麻薬等々の輸入も増加しており、非常に我が国にとって、今、関税職員の充実ということは、国際化社会に突入しているがゆえに大変に重要なこととなってくると思います。 先ほどの大臣の御答弁が明確な増員という向きに余り確定をいただけませんでしたので、あえてこの場でお言葉をいただければと思いますし、もしそのお言葉があいまいであれば、もう一点資料を添えて質問いたしますので、関税職員の増員についてお答えをお願いいたします。
○若林副大臣 御承知のように、国家公務員定員全体につきましては純減を図るという方向で非常に強化して努力をしているところでございますが、国家公務員全体で五千九百八十八人の純減となっております。うち非現業職員については千八百九十三人の純減という、昨年以上に厳しい状況の中で対応をしているわけでございます。 関税関係、先ほどお話ありました覚せい剤、麻薬などの水際取り締まりの強化とか、適正迅速な通関の確保のための要員としては五十九人を確保いたしましたが、全体の定員削減との関係で対前年増減は二十二名の純減となったわけでございます。大変厳しい定員事情のもとでありますけれども、税関定員の確保及び処遇改善について今後とも努力を払ってまいりたいと思います。 全体の中で増員についても努力をいたしますが、そのような新しい状況変化に応じて負担がかかっている地域については、特段の配慮をしながら増員についても努力をしてまいりたいと思っております。
○阿部委員 もちろん、総定員法の枠等々があるのは知っておりますし、ただし、やはりめり張りをつけませんと国の安全が保たれていかないと思います。 ちなみに、大麻等々の摘発件数において、警視庁摘発の四百九十キログラムのうち、税関、水際作戦で四百八十五という、ほぼ九八%に近いブロックをいわば税関の職員の皆さんの汗と努力でなさっていることと思います。また昨今、羽田空港への国際便の離着陸に対して、関税職員が常勤化できないために日夜運航できないような事情も承っておりますので、あわせて強く強くめり張りのある増員をお願いいたします。 最後に一点、これは私が質問通告してございませんので、一応お聞きいただきまして、今後我が国にも起こり得る関税上の問題、貿易上の問題と思ってお聞きください。 テーマは、南アフリカにおけるエイズ治療薬の輸入問題でございます。 エイズは、今南アフリカにおいては五人に一人が罹患、多いところでは、アフリカでは三人に一人という高率な罹患でございます。これに対して、抗ウイルス薬、エイズを治療する物品が非常に高い。それによって、低所得者層に回らない。インドやあるいは東南アジアで安くつくったエイズ治療薬を輸入したいという政府側、そして逆に米国は、薬剤の開発にかかわる特許ということを問題に、WTOの中の知的所有権の問題としてこれを制限する方向を打ち出しております。 我が国に直接かかわった問題ではございませんが、実は、医薬品等々の特許にかかわって、人命との間で大きなそごが生じているのが低開発諸国の医療問題でございます。注射針一本、アメリカのものは高うございます。そして、それゆえに治療にたどり着けない多くの貧民、下層の皆さんがおいでであります。これから恐らく、二十一世紀、我が国が東南アジア、アフリカに対して、先ほどの先進国として特恵国に対して何がなせるかということの中に、ぜひともWTOの席上におきまして、我が国といたしまして人道的な立場から安く治療薬が行き渡ることに意見を申し述べていただければと、これは私からのお願いでございます。 私は、きょう、持ち時間というか持ち質問、準備いたしましたのは以上でございますので、終わらせていただきます。ありがとうございます。
○宮澤国務大臣 お話はよく承りました。
○山口委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○山口委員長 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、これを許します。吉井英勝君。
○吉井委員 私は、日本共産党を代表して、関税定率法等一部改正案に対する反対の討論を行います。 反対する第一の理由は、ウルグアイ・ラウンド合意に基づき関税化された米、麦類等の暫定税率の適用期限延長についてであります。米、麦等に対する関税化は、日本の農業、農業経済に重大な影響を与えています。農産品の輸入自由化とその関税化自体に問題があり、今回の期限延長には反対です。 反対する第二の理由は、石油関係関税の還付制度の延長措置が、石油精製業者等に対し引き続き年四十億円を還付する、専ら大企業優遇の制度だからであります。 なお、本改正案には、HS条約の改正など合理的な理由による改正や、沖縄の免税制度の改善措置など評価できる部分もありますが、以上述べたように、ウルグアイ・ラウンド合意を前提とする米など農産物の関税化の継続など、原則的に賛成できない問題点が含まれており、全体として反対します。 以上、反対理由を述べ、私の討論を終わります。(拍手)
○山口委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○山口委員長 これより採決に入ります。 関税定率法等の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○山口委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○山口委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、佐藤剛男君外四名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党及び社会民主党・市民連合の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。五十嵐文彦君。
○五十嵐委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。 関税定率法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。 一 関税率の改正に当たっては、我が国の貿易をめぐる諸情勢を踏まえ、国内産業、特に農林水産業及び中小企業に及ぼす影響を十分に配慮しつつ、国民経済的観点に立って国民生活の安定に寄与するよう努めること。 なお、関税の執行に当たっては、適正・公平な課税の確保により一層努めること。 一 輸入の増加により国内産業に重大な損害を与える等の事実がある場合に発動されるセーフガード問題については、WTOセーフガード協定等に従った的確な事実認定に基づき、適切かつ速やかに対処すること。 一 高度情報化社会の急速な進展により、経済取引の国際化及び電子商取引等の拡大が進む状況下で、税関における事務の一層の情報化・機械化を図るとともに、従来にも増した執行体制の整備に特段の努力を行うこと。 一 最近における国際化の著しい進展、相互依存等による貿易量、出入国者数の伸張等に伴う業務量の増大、銃砲、覚せい剤をはじめとする不正薬物、知的財産権侵害物品、ワシントン条約該当物品等の水際における取締りの国際的・社会的重要性にかんがみ、高度の専門知識を要する税関業務の特殊性を考慮し、職務に従事する税関職員の定員確保はもとより、その処遇改善並びに機構・職場環境の充実等に特段の努力を行うこと。 以上であります。 何とぞ御賛成賜りますようよろしくお願い申し上げます。
○山口委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○山口委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付すことに決しました。 本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。財務大臣宮澤喜一君。
○宮澤国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って配意してまいります。 —————————————
○山口委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○山口委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時七分散会