財務金融委員会 第5号
- 発言数
- 120 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2001/02/28
会議録
○山口委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、平成十三年度における公債の発行の特例に関する法律案、法人税法等の一部を改正する法律案、租税特別措置法等の一部を改正する法律案及び岡田克也君外七名提出、特定非営利活動の促進のための法人税法等の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 各案審査のため、本日、政府参考人として財務省主税局長尾原榮夫君、国税庁次長大武健一郎君、国税庁課税部長村上喜堂君、総務省自治税務局長石井隆一君、厚生労働省保険局長大塚義治君、厚生労働省年金局長辻哲夫君、経済産業省大臣官房審議官北村俊昭君及び国土交通省総合政策局長風岡典之君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○山口委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。吉井英勝君。
○吉井委員 日本共産党の吉井英勝でございます。私は、最初に法人税制と、それから景気の問題などについて伺っていきたいと思います。 九九年の八月の国会で産業活力再生法がつくられましたが、大企業の方が、事業再構築計画を所管大臣に提出し、認定を受けたら税その他優遇措置を受ける、こういうことになっております。 このときにも、随分実はいろいろな議論をやりまして、一つの企業のリストラは、確かにその企業のバランスシートをよくすることにはなるが、しかし、全部の企業がリストラをやり出したときには、これは合成の誤謬で、景気にとっては大変大きな、いわば不況大運動をやるのと同じことになるじゃないかという議論で、当時の与謝野通産大臣、これはあの人自身もこの合成の誤謬論で、確かにこれは不況大運動になる、こういう考え方を当時の通産大臣も展開しておりました。 実際、その後、この法律に基づく事業再構築計画を出して認定を受けた企業があるわけですが、現在の認定企業数と、そして、実際はかなり実態と離れてリストラ数が少なく出ているわけですが、リストラされる労働者数、あるいは影響が及んで中小企業の中で企業倒産に至る数、そちらの方は、中小企業は見込み数値になるかもしれませんが、これがまずどういうふうなことになるのか、最初に政府参考人の方から伺っておきたいと思います。
○北村政府参考人 お答え申し上げます。 ただいま御指摘ございました産業再生法、平成十一年の十月から施行しておりますいわゆる産業再生法でございますけれども、きょう現在、この法律に基づきまして認定をされました事業再構築計画の件数は、七十一件になっております。 次のお尋ねが、これに関連した雇用への影響でございました。 今申し上げました七十一件の事業再構築計画、この中で、雇用に関する事項も盛り込まれているわけですけれども、これを見ますと、この七十一件の計画の中で、解雇を伴うものというのはございません。 これは、産業再生法において、事業再構築計画を実施するに当たっては各事業者が雇用の安定を図るため必要な措置を講ずるよう努めるべきである、その旨の規定を明示しております。したがいまして、こういった規定を受けまして、あるいは商工委員会等での議論を受けまして、附帯決議等でもこういった雇用への配慮が十分強調されたところでございます。 こういったことを受けまして、今申し上げましたように、実際の事業再構築計画に照らしましても、この点については十分な配慮をもって事業再構築に取り組んでいるというふうに考えております。 それから三点目が、中小企業への影響をどう見るかという御質問でございました。 なかなか定量的にお答えするのは難しい問題でございます。定性的にならざるを得ないことをお許しいただきたいと思いますけれども、現在、この法律あるいはそれ以外にもございますけれども、大企業が取り組んでおります事業再構築といいますのは、単に不採算部門の合理化にとどまりませんで、労働力や資本等の経営資源を得意分野に集中する、いわゆる選択と集中ということでございますけれども、これによって成長の見込みのある分野に果敢に進出していく、そういった前向きの取り組みを含んでおります。 そういう意味で、この産業再生法はこういった前向きな事業再構築を推進するための支援措置というものを盛り込んでいるわけですけれども、これに加えまして、技術開発の活性化、あるいは中小・ベンチャー企業の振興といった幅広い施策を通じまして、産業活力全体を早期に活性化していこうというものでございます。 現実に、大企業の事業再構築に向けた取り組みの結果、御指摘のように、関連の中小企業に何らかの影響が及ぶという可能性は否定できないと思います。 こういった場合におきましても、実際に影響を受ける関連中小企業に対しましては、適切な対応を図ってまいっているところでございまして、具体的に申し上げますと、例えば、下請取引のあっせんによる新たな受注開拓の支援、あるいは政府系金融機関による設備資金、運転資金の貸し付け、さらに、中小企業経営革新支援法、こういった法律によります中小企業の取り組みによる経営革新を支援していくといったような対策を用意しているところでございます。
○吉井委員 今のお話を伺っておりましたら、何といいますか、結構毛だらけというか、余りにも現実離れをしたお話をされるので、経済産業省というのは日本の経済の実態をつかんでいらっしゃらないのかということを思いました。大体、今のようなお話で、そんなにうまくいっているのだったら、今の深刻な雇用喪失の状況とか、ここまで不況が深刻なことはないわけです。 それで、実は昨年の秋の段階では、従業員数は、計画開始時と認定計画の終了時で、二万人を超えるリストラなんですね。雇用喪失なんですよ。その後の変化もいろいろありますが、恐らく出向とか転籍というものの中で、かつての出向であれば、これは本社に身分が残ったままなんですね。今は、一度首になって、解雇になって別な会社に移る、つまり籍が全く移る。あるいは企業の事業分社化に当たっても、分社化するときに一度身分を失って、そして次の企業に移っていく。そういう状態ですから、出向、転籍数、その他も含めてお考えなのかもしれないけれども、実態とは余りにも違う。そういうことでは、経済産業省がそういうつかみ方では、大体、日本の景気がうまくいかないのは当たり前だろうというふうに思います。 実は、その再生法の認定計画で見ても、みずほフィナンシャルグループ、これは実際に、経済産業省の資料によっても四十八番目なんですが、開始時と終了時で差し引きすれば三千人なんですね。三千人のリストラなんですよ。それから、さくら銀行で千六百八十五人、雇用の減です。これとは別に、経営健全化計画によって示されている数字で見ておきますと、みずほフィナンシャルグループについては、九九年三月末対比で二〇・一%に当たる七千人の雇用が失われていくことになります。三井住友銀行、住友さくらでは、これは二〇〇四年三月末までに九千三百人のリストラ計画、こういうことが実際の計画の実態なんじゃありませんか。三菱は出しておって、最近また改めて九千五百人の解雇、リストラ計画が出されてきております。 もっと実態というものをきちんととらえるという、これが必要なんじゃありませんか。
○北村政府参考人 お答え申し上げます。 ただいま先生から個別の企業の事例についてお話がございました。先ほど私ども申し上げました事業再構築計画において、雇用に関する事項も届け出がある、これによると解雇はないというふうに申し上げました。これは、先ほど先生の示された数字とちょっと違うところがありますけれども、実際には、事業再構築計画の開始時期と終了時期に従業員がどういう増減になっているかという数字をとっております。 この数字で見ますと、今まで認定をいたしました七十一件のトータルの、従業員の事業再構築計画開始時期から終了時期までのトータルの減少は、六千九百人程度でございます。これはいわゆる解雇ではございませんで、定年等による自然減ということでございます。 それから、個別の企業で、いわゆるみずほフィナンシャルグループあるいは住友さくらについても数字が挙げられましたけれども、私どもの計画によりますと、みずほフィナンシャルグループにつきましては、事業再構築計画開始時から終了時にかけて三千人の自然減があるというふうに届け出られているものでございます。
○吉井委員 自然減という言い方でいけば聞こえはいいのですけれども、実態はそんなものじゃないのですよ。 それで、今六千九百十六人のお話がありましたが、こういう中には、本当は出向、転籍、そして解雇、こういうことによって減っている分、それから新規採用によってふえている分の差し引きと、昨年の秋の段階でそれは二万人を超えているのですが、さらに企業の合併その他の事情によってふえている企業もありますから、去年の二万人から比べると、見かけ上は六千九百人ほど減っている形になりますが、しかし、実際はその間に大きな雇用の喪失が進んでいるということをまず直視しなければいけない。 それから、今もお認めになったように、みずほフィナンシャルグループは三千人のリストラ、さくらでは千六百八十五人のリストラ、これははっきりしているのです。それは何も、人が自然減以外に新しい事業展開によってふえたのかといったらそうではなくて、実際に大きな解雇を伴うリストラが進められているのです。そのことをまずきちっと見ておかなければいけないというふうに思います。 今回の法人税法改正によって、これら企業の分割譲渡などによる企業再編で、税の軽減の方は幾らになるのか。みずほフィナンシャルグループについていいますと、資本金二兆五千七百二十億円について、これはいろいろな、ある意味では公表されている数値を大胆な計算もやってしか、皆さんの方はお示しくださらないものですから、見なきゃいけませんが、資本登記登録免許税で百四十億円、不動産登記登録免許税で三百八億円、抵当権登記登録免許税で三十億円、不動産取得税で二百八十億円、特別土地保有税で二百十億円、合計九百六十八億円、これに昨年九月のこの産業再生法認定による登録免許税減額の百四十一億円を加えると、一千百九億円という巨大な税の軽減効果が生まれてくる。 しかし、報道によれば、もっと大きな推定をしているところもあるわけですが、皆さんの方は、大体この法によってどれぐらい税の軽減効果が生まれてくると見積もっておられるのか、これを伺っておきたいと思います。
○尾原政府参考人 今般の、企業組織再編成に関連の税制の整備が税収に及ぼす影響についてのお尋ねがございました。 今回の措置でございますが、昨年五月の商法改正で初めて会社分割制度が創設され、今年四月一日から施行されることになっています。この分割税制とあわせまして、既存の組織再編税制である合併、現物出資税制、これを全体としての体系整備を行うものでございます。 税収見積もり等の関連でございますが、今後どのぐらいの法人数がどの程度の規模で行うか不明でございますし、さらに、会社分割について申し上げますと、今回の税制上の措置によりまして初めて会社分割が広く実行可能になるというようなことから、この増減収の試算、計上は行っていないところでございます。
○吉井委員 今までやっていらっしゃらなかったにしても、私の方は、この法律によってどういうふうになるのかということを、法案を審議するときはやはりきちんと押さえることが大事ですから。全部についてのものを求めるというのは、これはなかなかどうなるかわからない部分もありますが、しかし、少なくとも産業活力再生法に基づく認定を出している企業については、その金融機関については試算が可能であり、そういうことでこれはあらかじめ試算を求めたのですが、今やっていないということで、やろうとする気がないのかやっていないのかわかりませんが、この点では、私は見積もりなり試算を行うのは当然だというふうに思います。 その点で、本会議で私が質問したときに、宮澤大臣の方は「この制度が税収にどれだけ影響があるかということは、どのくらいな規模で企業組織再編が行われるかということがわかりませんので、影響額を試算することはちょっとただいまのところ困難だと思っております、結果としてはいずれわかることでございますけれども。」という答弁をされました。企業再編が行われたら、その影響額はわかるわけですね。これは大臣おっしゃったように、やる前だからわからない、やった後ならわかるわけです。 そこで、来年以降その影響額を、これは本当は後追いじゃ法案を審議する過程で大体どういうふうになるかというのはわからないのですが、影響額を来年度以降は提出されますね。
○尾原政府参考人 大臣から本会議で御答弁がございましたが、一般論として、ことしの四月以降、今回の措置を活用した事例というのは公表されることがあると思われます。その場合、主な事例、態様については、そうした公表によって明らかにされるであろうという御答弁があったと承知しております。 税収でございますけれども、先ほども申し上げましたように、どれくらいの法人数がどの程度の規模で行うか不明でございますし、今回の措置によって初めてこの会社分割制度が動くわけでございます。ここは私どもの考え方でございますが、会社分割制度がなければ広く行われないであろう、この制度があって行われるわけですから、登録免許税についても、ある意味では増収になるとも考えられる面もございまして、そういう新しい制度によって初めて実行可能となるということを考えますと、増減収の計上は行わないのが適当であるというふうに判断したところでございます。
○吉井委員 これは大臣が答弁されたんですから重ねて大臣に伺っておきたいのですが、四月以降公表されるものもあるというお話なんですが、いずれにしても、今試算していないというお話だが、来年以降はこの影響額ははっきり出るわけですから、大臣の答弁からすると私は当然影響額は提出されるということになると思うのですが、これは大臣に確認しておきたいと思います。
○宮澤国務大臣 そういうお答えを確かに申し上げました。が、今主税局長がお答えしましたように、この制度なかりせばといったような状況とどうやって比べるかという問題がありますものですから、この制度そのものの効果というのはなかなか判定しがたいということを多分申し上げたのだと思います。 しかし、全くわかりませんというのもちょっと意気地のない話だとは思いますので、何か推定する方法がないかなということをまた専門家に考えてみてもらいます。お尋ねとしては、非常に難しいお尋ねであることは多分御承知の上とは思いますけれども。
○吉井委員 一定の、こういう根拠でというのを置かなければいけないときがある、これは計算のことですからあり得ると思うのです。しかし、この法律によって、例えば資本登記登録免許税部分についてはその効果はこういうふうになるとか、不動産登記登録免許税についてはこうなるとか、これはきちんと、そんな難しい話じゃなくて、数字は出るわけですから。 ですから、これはもう一遍大臣に確認しておきたいのですが、これはきちっと出されますね、その影響については。
○尾原政府参考人 今回の税制改正で、会社分割についての新しい制度、あるいは分割に伴い不動産が移転する場合の特例制度というのはつくっておるわけでございまして、具体的な数字が判明すれば単純なる計算は可能かと思いますけれども、私ども、税収に及ぼす影響という観点からいたしますと、繰り返しになりますけれども、今回の税制でようやく会社分割制度というのが動き出す、この制度がなければ会社分割制度というのは動かないというようなことから考えてまいりますと、やはり税収の増減収という形でとらえるのは適当ではないのではないかということでございます。
○吉井委員 そんな難しい話をしているんじゃないんですよ。例えば、今のみずほフィナンシャルグループ、これについて、この法によって動くわけですね。動いていなかったのが動くことによって幾ら影響額が生まれてくるのか。これは、そんな難しい話を私聞いておれば、あなたのおっしゃったようなことにもなり得るかと思うのですが、そんな難しい話じゃないのです。個々に実際進めた企業のトータルを出せばしまいですから。 ですから、私は、これは実務屋さんの実務的な話というより、これは大臣、やはり法律を審議しているときに、こういうものはこうなりましたときちっと、求められればそれは数字は公表するんだ、こういうことをはっきりここでおっしゃっておいてもらった方がいいと思うのです。これは大臣にお願いします。
○宮澤国務大臣 おっしゃっていることはわかっておりますけれども、難しいことを言っておられるわけで、これから一年間どういうことに一体いろいろなことがなるのかという、まずその問題がございます。それから、恐らく個々の企業がいろいろな情報を、この目的のためにディスクローズしましたらそれを合計すればきっといいんだろうと思いますけれども、企業は多分そういうことはいたさないと思いますから、どのぐらい繰り延べが可能になりましたというようなことは。 ですから、それを総体的にどうやってとらえられるかということになるんでしょうか。企業おのおのはわかっているはずでございますから、それを足せばいいだろうという御質問になるのかもしれませんが、企業はしかし、それをディスクローズしなきゃならない義務は多分ないのでございましょうから。 ともかく、過ぎました後の一年でどういうことが起こったかというようなことを計算できるかという問題と、もう一つは、今主税局長が申し上げているのは、それは増減という形でお答えする性質のものじゃないんじゃないか、そういう問題が、なるほど聞いてみればあるのかなとも思いますので、よくこれは専門家に研究してもらいます。
○吉井委員 もともとこの企業合併、分割、分社化などの問題というのは、主税局長のお話にもありましたように、商法など法制度の変更ですね。それはやったが税制度の改定をしないと企業にとってメリットがない、それでこれをやるわけですね。そうすると、私は、これはメリットがあってやるからには、やはり法律上公開をきちんと求めていくなり、あるいはこの法の適用によって国の方でもきちんとそれを明らかにしていくというのは、これは当たり前のことだと思うのです。 大臣は研究するということですが、これは研究して、その結果としてまず影響額についてきちんと公表をしていく、このことを求めておきたいと思います。 それで、一方では、何かそこの公開ははっきりするというふうなことにはしないで、しかし事業継続性という法の適格要件の中には、八〇%以上の雇用継続というのを一応挙げているわけですが、しかし、よくお聞きしていますと、企業再編の前日の労働者数と、合併当日あるいは合併によってリストラ等が進められた結果として労働者数が八割であっても、その八割がクリアされたらよろしいということなんですね。 しかし、大体この種の問題は、企業合併計画なり、あるいは分割、企業譲渡その他のさまざまな企業再編の計画が発表されたときからリストラ計画をあわせて進むのが現実の姿です。ですから、計画発表時点からこの合併の前日までに例えば六割のリストラが行われてくる。翌日八割だといったって、これは六、八、四十八ですから、実体としては五割を切ってしまう。実際、今こういう非常に大変な事態になっているわけです。 これは本当に、何か事業継続性という法の適格要件の中ででも、前日じゃなくて合併計画の発表以降とか、いわば基準日をそういうふうにしてきちんとうたわない限り、八割以上といったって、二割のリストラが可能ですというだけじゃなしに、本当はこの半分ぐらい、あるいはもっと大きな場合もありますが、非常に大きなリストラがいわば法によって認められる、奨励されるということにもなりますから、やはり具体的にこの適格要件の中でどういう歯どめを設けるのか、設けていくのかということが私は非常に大事なところだと思うのです。これについてはどういうふうに考えているのですか。
○尾原政府参考人 今回の企業組織再編税制、分割、合併、それから現物出資、事後設立というような形態がございます。今回の課税繰り延べの認められる要件としてなぜ決めたかといいますと、税法上、通常の資産の取引とは違うという要件をどこに置くかということでございます。つまり、事業単位で組織再編成が行われる、その中で、従業者の相当数ということで、八割基準を置いているわけでございます。 したがいまして、今回八割というものを置かせていただきましたのは、普通の資産の取引とどこが違うのか、事業単位での組織再編成というのはどういうものかというメルクマールを置いたものでございまして、今先生のおっしゃられましたように、例えばどの時点で八割かというようなことは、買収と区別するというような意味において、税での手当てをすることは適切ではないのではないかと考えておるところでございます。
○吉井委員 ですから、雇用については歯どめがない、手当てするところがないということですが、一方、産業再生法などで、現実には雇用喪失が進んでおります。それから、先ほども経済産業省からお話があったように、中小企業の倒産その他、影響が実際に否定できない、そういう事態が広がっております。これは、そういう形でやりながら、大きな企業にはうんと税負担の軽減措置を図っていくというものであり、こうして雇用喪失、中小企業の倒産などが進めば、景気が悪化することは当然ながら懸念されます。そういう懸念の声がアンケートその他さまざまな中で示されております。 私は、この法律が、過去の銀行合併では税負担があっても、この改正では税負担がさらに軽減される問題など、企業自身がそのことを言っているわけですから、こういうふうなやり方で余りに大企業の優遇だけやって、そして労働者、中小企業への影響を考えないというやり方では、本当に景気対策の上でも大きな問題を持っている、このことを指摘しておきまして、次の問題に移りたいと思います。 二月二十日の閣議後の記者会見で、柳澤大臣は、銀行の不良債権の最終処理を促進する施策を三月までにまとめる方針を正式表明しました。不良債権の直接償却を促しているわけですが、これについて、直接処理を進め、銀行の収益力を改善しなければ金融安定化は図れない、三月じゅうに枠組みを固め、来年度から実行したい、そういう構えで臨んでいらっしゃるということが多くの受けとめ方でありますし、大臣もそういうところを考えていらっしゃると思うのです。 直接償却によって、力のある銀行は不良債権がなくなって体力も強化されたものになっていくでしょうが、問題は、日本経済全体の発展をどう進めるのか、景気への影響についてどのように考えるのかということが一番考えられなければいけない点だと思うのです。 最初に、経済産業省と国土交通省の方から、この点についてどういう考え方を持っているのか、伺っておきたいと思います。
○北村政府参考人 お尋ねの直接償却の日本経済に対する影響ということで、まず経済産業省はどう見ているかということにお答え申し上げます。 直接償却による不良債権のオフバランス化ということにつきましては、銀行、金融セクターの面から見ても、あるいは借り手側、借り手の企業の過剰債務の解決という面から見ても、やはり不良債権の抜本的な処理を図っていくということが日本経済の自律的な発展のためには必要なことであるというふうに認識をいたしております。 ただ、直接償却といいますのは、いろいろな形があろうかと思います。再建型の形もあると思いますし、清算型もあると思います。あるいは、逆の言い方をしますと、再建計画に基づいた債権放棄ということもあるでしょうし、あるいは法的整理に基づいた償却、さまざまなケースがあろうかと思います。したがいまして、全体としてどういう影響が出るのかということにつきましては、それぞれ個別の産業あるいは個別の企業の債務の状況、あるいは金融セクター側の考え方によりまして、さまざまな違いが出てくると思います。 したがいまして、一概に申し上げるのはなかなか難しいのですけれども、お尋ねですので、製造業全体ということであえてお答えをいたしますと、産業界における債務の状況を一体どう見るかという、まず現状を申し上げたいと思います。 一つの指標としましては、債務償還年数というのがございます。これは、債務を何年分のキャッシュフローで返せるかという債務の指標でございます。債務償還年数でございますが、これを平成十一年度で見ますと、まず数字だけ申し上げますと、製造業全体では七・一年でございます。これを主要な業種で見ますと、自動車産業では三・七年、化学は四・二年、電気機器は四・五年となっております。 こういった最近の債務償還年数を見てみますと、債務を削減するという努力とキャッシュフローを上げていくという努力が相まって、相当低い水準、七・一年というのは相当低い水準であるというふうに認識しております。これはちなみに、歴史的に見ますと、一九八〇年代の後半の水準でございます。これは、先ほど来申し上げていますようないろいろな事業革新あるいは産業再生といったことに対する企業側の積極的な取り組みということが図られた結果であろうかと思います。 したがいまして、この数字をもって直ちに判断は難しいわけですけれども、ごく大勢観察いたしますと、こういった状況を見ますと、直接償却による不良債権のオフバランス化といったことは、製造業全体に対して大変大きな深刻な影響を与えるかというと、そういう事態ではないのではないかというふうに考えております。 ただ、繰り返しでございますが、かなり個別企業、個別の債権の状況といったことによって影響は異なりますので、あくまでも一般論としてお答えをさせていただきました。
○風岡政府参考人 直接償却が行われた場合のゼネコンに対する影響ということでございますが、直接償却につきましてはいろいろな方法がありますので、どういった方法がとられるかによって当然ゼネコンへの影響というのは変わってくるわけでございます。 仮に、企業の再建ということを前提とした債権放棄が行われたということになりますと、これはゼネコンにとりましては、当然、負債が圧縮されるということになりますし、引き続き金融機関からの支援が期待できるという意味では、企業の再建にプラスに働くというのは言うまでもないわけでございます。 これに対しまして、例えば、担保つきの不良債権を売却するというようなことになりますと、これはゼネコンにとっては、負債額に変化があるわけではありませんし、また、そういう関係になりますと、今後、金融機関からの支援が継続的に得られるかどうかという意味では、非常に不確定な状況に追い込まれる。 さらには、法的整理というようなことになりますと、これは法的整理も清算型、再建型、いろいろありますけれども、当然、下請企業がありますので、そういったところには、状況によっては連鎖倒産というような話になる可能性もあるわけでございます。 いずれにしましても、建設業は、就業者も非常に多く、またすそ野の広い産業でありますので、法的整理が仮に広範に行われるということになると、地域経済とかあるいは雇用とか、そういう意味での影響はかなり大きいというふうに見ております。しかしながら、建設産業固有の問題としまして、投資が大変伸び悩む中で業者数がふえているという供給過剰状態というのが恒常的に実はあるわけでございまして、この辺の対応ということは、これは行政として私ども、大きな課題だというふうに考えております。 個別企業の経営につきましては、当然のことながら、各企業の自助努力ということになるわけでございますけれども、私どもとしましては、建設産業再生のためには、個別企業の取り組みだけでは必ずしも十分ではない、あるいは企業同士の合併等の連携というようなことを含めた再編が必要だということで、こういう点につきましては、私ども、ことしの二月に再編対策を進めていくという方針を明らかにし、現在その施策というものについて検討している状況でございます。
○吉井委員 今の、製造業分野についても、ここも、これまでから下請企業、これは非常にすそ野の広い分野、自動車、電機などは特にそうですが、かなりこれが海外移転の中で空洞化してしまって、倒産に追い込まれたところが多いわけです。しかし、そういう下請企業を含めて考えたときには、償還年数というのは実際にはもっと大きなものになってくるということを考えておかなきゃいけないと思います。 ゼネコンについて、就業者の数が多いとか、いろいろなお話がありました。この点について見れば、私は、大体、バブルに踊っていろいろ土地を買ってとか、そこに踊ったゼネコンの応援ということじゃなしに、公共事業の中身についてもきちんと切り込んでいくことが、就業者数の多い中で影響を中小企業に及ばないようにどう遮断するかということにとっても大事なことだろうと思っているのです。 公共事業の、特に大型のものは、大型土木建設機械投入では雇用効果が余り生まれないということは、これは雇用創出効果が八〇年代に比べて今や六七%になっているということ、それからまた、公共事業の景気への乗数効果が「九〇年代のわが国経済と財政・金融政策」というかつての大蔵省が研究なさったものの中でも、七〇年代の公共投資の乗数効果三・二六七から、九〇年代前半で〇・四四六と非常に大きく落ち込んでいるということを見ても、公共事業を幾らやったって、それはゼネコンの債務の処理に流れることはあっても、景気効果も生まないということもあったわけです。 一方、そういう中で、公共事業の中身を、大型建設機械を投入するような仕事では雇用効果も生まれない、景気への効果も期待できないわけですが、住宅、学校、福祉、環境など生活密着型公共事業に切りかえるならば、私はかつて予算委員会でも大阪府や東京都の財政を調べて実例を挙げたことがありますが、実際、中小企業への発注率の高い分野ですから、八〇%台、九〇%台ですから、そういう生活密着型であれば、ゼネコン向け貸出債権を銀行が直接償却するとかいろいろやっていっても、中小企業の方は、ゼネコンからじゃなくて別に仕事がきちっと流れてくるならば、その問題の影響は遮断できるわけですね。 おっしゃったように、土木建設分野は非常にすそ野の広い分野で、就業者数も多ければ中小企業の多い分野ですから、そういうところをきちっと見ながらの不良債権の処理ということならば、一つの道もあり得るわけです。ですから私は、これは単なる直接償却をどうするかということだけじゃなしに、やはり日本の経済全体をどう見ていくか、そこの観点からの議論が必要だと思うのです。 この点について、柳澤大臣の発表の後も、上位都市銀行の幹部は、不良債権の最終処理とは銀行が企業の死刑執行人になるようなもの、政治のリーダーシップがなければ容易にできる判断ではないという警戒感を示しているということがマスコミなどでも紹介されました。奥田日経連会長は、結果的に企業の倒産がふえ、積極的に同意できないという発言を、これもマスコミでも紹介されております。 企業倒産とか失業の増加が内需を後退させ、景気回復の足を引っ張るというふうになると、力のある銀行のバランスシートはさらにいいものになって国際的な競争の中ではいいかもしれないが、日本経済への影響、こういうものについてはかなり厳しく見ておかなきゃいけないことがあると私は思うのですね。経済界なども、そういう点から多くの心配の声が上がっております。 私は、柳澤大臣の方に、日本経済の立て直しと結びつけて、全体としてどういう考えでもって臨んでいくのか、この点についてのお考えというものを聞いておきたいと思います。
○柳澤国務大臣 今回、私どもが呼びかけさせていただいておる金融機関の不良債権のオフバランス化、ちょっとその前に、直接償却という言葉がこの議場でも随分飛び交うわけでございますけれども、直接償却というのは、概して言うと、それを聞いた世の中の人というのは、倒産に起因するところの、金融機関としては受け身の債権のオフバランス化というようなことを指すのではないか、そういうニュアンスがどうもあるようでございます。そこで、いろいろ注意を細やかにしている向きでは、直接償却等という言葉でオフバランス化を総括しているようですけれども、オフバランス化というのも、片仮名言葉なものですから、これもまた余り多用するのもいかがなものかという面もあろうかと思うのです。 いずれにせよ、言葉のニュアンスの問題もひとつ、いろいろな御心配の向きには、あるいは過剰に御心配される向きにはどうもあるような気もいたしますので、そこをちょっとお断りさせておいていただきたい、このように思います。 そこで、ここではオフバランス化という言葉を使わせていただきますが、私、昨日も申し上げましたように、オフバランス化の形としては四つばかり形があろうかというふうに私ども思っているわけでございます。そして、その四つの形の中では、どちらかというと再建計画というか再建型の整理を前提にして、私的なというか任意のというか、当事者の合意に基づいた債権の処理あるいは債務の処理、こういうようなものを中心に、それのみではないわけで、中心にということはそういう意味でございますが、そういうことを考えているということでございます。 そういうところから御理解いただけるかと思うのですけれども、要するに、非常に収益の上がらない不稼働の、こちらから申しますと債権、あるいは貸出先の企業の方からいえば事業部門というか事業というか、そういうものを整理して、そして、最近選択と集中という言葉がよく使われておりますけれども、そういうもの以外の、つまり収益性の高い、将来成長も見込まれるような事業、そういうものに対して支援を集中していく、こういうことを想定いたしております。 そういうことを通じて日本経済全体としての活力、具体的に言えば成長力を期待できるのではないかということを考えているわけでありまして、日本経済全体に対してもそういう意味でプラスの影響を与えたい。いたずらに、自分の所管しておる金融機関のバランスシートだけがきれいになればそれで万事オーケーだというような考え方でこのことを発想したわけでは毛頭ないということを御理解いただきたい、このように存じます。
○吉井委員 私は財務大臣にも伺っておきたいと思うのです。 今申し上げましたように、例えば大型公共事業をやってゼネコンへ金が流れて、そのゼネコンがポシャると中小、下請をやっておったところがポシャるというふうなやり方も、実は大型公共事業では大型、機械化ですから、その影響もだんだん少なくなってきているのですが、むしろ公共事業の中身も切りかえて、直接償却という問題が出てきたときに、ゼネコンがどうなろうと中小の建設業者、多くの雇用の皆さん方には影響が遮断される、そういう景気対策なども含めて、全体として日本の経済、景気をどうしていくかということの中でやはり考える、そういう視点が大事だというふうに思うわけです。 財務大臣はG7で直接償却を進める約束をして帰ってこられた、考えを示してこられたということになりますか、そう伺っておりますが、景気回復まで、利子はきちんきちんと支払って深刻な不況に耐えている企業が、融資の引きはがしや貸し渋りを受けたり、RCC送りなどで一層の危機に直面して、それが拡大していくと間違いなく大量の倒産が生まれてまいりますし、そういう事態はまた、不況の長期化と税収の落ち込みなど悪循環を強めて、結局それは銀行の不良債権処理にとってもマイナスに働く要因になりますが、同時に、今深刻な日本の財政の立て直しにも悪影響を及ぼすという問題も生まれてくると思うのですね。 私は、やはり財務大臣の方も、この問題を日本の財政とか経済全体の中でどう考えていくことが必要というふうにお考えか、この辺、宮澤財務大臣のお考えを伺っておきたいと思います。
○宮澤国務大臣 大切な問題と思いますので、ちょっとお時間をいただくことをお許しいただきたいのですが、結論として、私は、柳澤大臣の考えておられることに賛成でございますし、殊に、ほかならない柳澤さんですから、非常に周到にいろいろなことを考えながらお進めになるであろうということを思いますので、なおさらそういう意見でございます。 今おっしゃいましたように、この間のパレルモの会議で確かに日本の金融云々ということがございました。このステートメントの背景は、随分日本は財政で金を使った、しかしなかなかうまくいかない、最近は日本銀行も、二月九日でしたが、ああいうことを言われて、それがどうなるか見届けたいものだが、いろいろ考えてみると、日本がもう一つ出てこないのは、やはり金融機関というものが金融機関としての務めをちゃんと果たしていないのではないか。それはいろいろ理由はあるけれどもと言って、今の、このノンパフォーミングローンという言葉はある意味で嫌な言葉でございまして、いかにも金融資本がりがりの言葉ですけれども、しかし、銀行家は、そういう死んだものをバランスシートに置いたのでは銀行の経営はよくならないと考える意味でノンパフォーミングローンなんだと思いますが、そういう意見がやはり多かったということがございました。 それは、恐らく今日本の経済を世界の専門家が見ている一つの問題意識だと思いますが、実は、今度のこの危機が始まりますころ、つまり証券会社が倒れたり大銀行が倒れたり、日本の金融危機と言われて、片方で早期健全化という行政が進んでいたときに、銀行はちゃんとしてもらわなきゃ困るということになって公的資金の投入までいたしましたが、しかし、そのときに、お互いは、それは銀行も大事だが、ちゃんとした取引先を困らせては困るじゃないか、そういうことが目的じゃないだろうということで、そこは両にらみの行政をやってまいったと思います。 そういうことが事実であったと思いますが、そのころ、例えばアメリカのグリーンスパンとかルービンとかいう人たちは、つまり、それだけのものを積んだって、日本はそれで対応ができているんだと言うけれども、やはりそういうものがバランスシートの上に残っておると、それは銀行は第一収益力がそれだけなくなるし、外から見てもだめなんだから、それを思い切ってバランスシートから外さなきゃ我々はなかなか信用できないよということを初めから言い続けていた。 我々は、それは知っているけれども、そんなに急激に日本の企業あるいは経済社会全体にその理由だけで打撃を与えるということは、やはりそう簡単にはいかないよと。彼らは、御承知のようにSアンドLをやったばかりでしたから、あの経験を持っていて、どうしてもやはりここは思い切って切開手術をしなきゃならないという気持ちが強かった、それだけにそういうことをずっと言っておりました。 そういういきさつがあったと思いますが、今ここに来まして、大分時間もたって、そして基本的には金融は緩んでいるのですが、それにもかかわらず何か金融機関というものが、いわゆる血液の循環をちゃんとやるだけの仕事を本当にしているのだろうかと考えてみると、やりたいのかもしれないが、それだけの体力がないと申しますか、そういう経営になっていないということなのだろうかという議論が我が国でもいろいろにあって、その末にやはりこの問題に立ち至ったのだろうと私は思っております。 柳澤さんは前から気づいておられたでしょうけれども、しかしこれを言い出すのは確かに、冒頭に吉井委員の御質問もありましたが、やはり生産性を上げるという努力が一度に行われると、それはデフレーショナリーな効果がございますね。ですから、きっと柳澤さんもそれを考えておられたのだと思いますが、しかし今としては、やはりこれが残った問題なんだという考え方は私は正しいのではないだろうか。 ですから、行政は非常に注意深くやらなければなりません、先ほども参考人の方から融資を受ける側の問題について御指摘がありまして、それもそうでございましょうから、注意深くやらなければなりませんが、私は、基本的には柳澤さんのお考えを支持いたしたいと思います。
○吉井委員 私は、この点で、もう時間が大分参りましたから、銀行の債権放棄をする際の原則というもの、それをまたきちっとしておかないと、もともと公的支援を受けて、本当にモラルハザードの事態がひどいと私は思っているんです。 政府は、資本注入を受けた銀行の債権放棄の原則については、これまで三条件を基本方針としてきましたね。一つは、残存債権の回収がより確実になるという合理性のあること、二つ目に、当該企業の経営責任の明確化が図られるということ、三つ目に、当該企業が破綻した場合の社会的影響の三条件を挙げてきたわけです。今回の債権放棄をする際に、この三原則は棚上げになるのかどうか。特に経営責任の明確化という問題について、当然今後ともこれは追及されるべきだと思いますが、この点は柳澤大臣の見解を伺っておきたいと思います。
○柳澤国務大臣 私ども、一年、もうちょっと前でございましょうか、資本注入行の債権放棄につきまして金融再生委員会当時にいろいろ検討させていただきました。その際に、今先生御指摘のような三つの条件というか、そういう考え方を打ち出したわけでございますけれども、そこで一つ欠けているというか、いろいろな配慮から、我々十分認識はしておったんですが、あえてここには書かないでおこうとしたものの一つが減資の問題でございます。それが加わりますと、ほぼ、当時私どもが論議の俎上にのせたものが全部表現されたということになるわけでございます。 今回のこの我々のオフバランス化の要求、呼びかけ、このこととの関連で、当時決めたものをどういうふうに考えるか、これが当然俎上に上ってこようかと思うわけでございます。もちろん、当時の考え方を大幅に見直さなきゃならないというふうには考えませんけれども、私どもとしては、若干ニュアンスの差というものは生ずるかなと思って、現在それを眺めているわけでございますけれども、いずれにせよ、今回の呼びかけについてのいろいろなスキームというかフレームワークというか、そういうようなものを現在検討中でございますので、今ここでその点についてまで申し上げる段階に至っていないということでひとつ御理解をいただきたいわけでございます。 その中で、経営責任の問題を特に先生御指摘になられましたけれども、その問題についても、当然視野の中に入れて、ケース・バイ・ケースということになろうかと思うんですけれども、どういうことが考えられるかということは、そのフレームワークというかスキームの検討の中で当然考えなきゃならない課題だ、このように認識をいたしております。
○吉井委員 もう時間が参りましたので、締めくくって終わりますが、法律によって税の優遇は新たに生まれてくる、資本注入は受ける、リストラで雇用喪失とかあるいは中小企業の倒産とか、景気には大きな悪い影響を及ぼしていく。しかし、これまで、バブル期に踊った金融機関の経営者などがみずからの私財をなげうってでも責任をとる、そういう人はいないわけで、私は、経営責任というものは本当に明確にしていかないと、そして経営責任をきちっととるということがないと、とてもじゃないが国民の理解は得られないということを申し上げまして、引き続く議論はあした以降にということで、ここで質問を終わりたいと思います。
○山口委員長 次に、日野市朗君。
○日野委員 宮澤大臣、私、いつもこの季節になりますと、ああ、また憂うつな季節が来た、こう思うのでございますよ。ことしも、平成十三年度における公債の発行の特例に関する法律案、これをまた審議して、まあさしたる議論もなしに、我々の賛否は別にして、衆議院を通過していくという形をとるわけでございますが、財政法がありながらこの特例法というのは、私はこれは鬼っ子だと思っていますよ。本当はあってはいけないはずなのに、これをまたことしも審議せざるを得ないということでございます。 私は、ことしのこの特例公債十九兆五千五百八十億円を発行せざるを得ない、こう書いてありますね。そして、気に入らないのは、何もこんなことを書かなくたっていいと思うのですが、その直前に、「平成十三年度の公債発行額は前年度当初予算より四兆二千九百二十億円減額しましたが、」こう書いてあるわけです。何もこんなこと書かなくたっていいんだろうと思います。これは、何でこの減額が生じているかといえば、銀行に対する注入分がなくなった、それから郵貯の満期の分で税収が若干上がるというようなことからこういうことなんで、別にこれは財務省の手柄でも何でもないと私は思っているのでございます。ここまで財政規律がずぶずぶになってきた、財政規律がこれだけもう乱れてしまっているわけですね。 私は、まことに大臣には失礼だが、この間ずっと、総理大臣をやり、大蔵大臣をやり、ずっとあなたは直接財政に携わってきた方でありますし、私はっきりここで申し上げますが、宮澤大臣を尊敬しております。いや、本当ですよ。随分私もあなたといろいろ議論をしてきました。あなたが総理大臣のころも、そして大蔵大臣のころも、ずっと議論をしてきた。そして、実に広範な分野に、いろいろな考え方を及ぼしておられる方だということもよく存じています。そして、長年の経験、何物にもかえがたい経験を積み重ねてこられた方だということもよく存じています。 しかし、その間を通じて、このような財政規律、それがここまで混乱してしまった。私は、これは、宮澤さんがいろいろなことを知っておられながら、毅然とした行動をおとりにならなかった、ここに大きな問題があったのではないか、こう思います。 私、こんなことを申し上げてまことに失礼だということはよく存じておりますが、あえて、今までの財政規律がこれほどまでに乱れてしまったということについての御感想を伺っておきたいと思います。
○宮澤国務大臣 財政の現状につきましてはいつも御心配をいただいております日野委員の御発言でございますので、今、なぜ四兆円国債を減らしたということを書いておるのかというお尋ねで象徴されるような問題についての御批判であるわけです。 まさに、まことに異常な事態に財政がなっておりまして、このたび十三年度予算で国債を四兆円でも減額いたしましたということは、せめて財政当局としては、現状に決して満足しているわけではございません、何とかしてここまで来まして、景気の回復もある程度のところまで来ておりますから、これ以上国債をふやさない方法はないものだろうかという苦労をいたしておりますという意味で、四兆円の減額というものをともかく国民に御報告したい、こういう気持ちであったわけでございます。 おっしゃいますように、国債減額が可能になりましたのは、金融機関の破綻に基づくところの国の負担が、十二年度にありましたものが十三年度には減少いたしました。それが大きい部分でございます。それから税収が、法人税でございますが、幾らかふえた。しかしこれも、おっしゃいますように郵便貯金の、これはもうよく御存じのことでございますが、満期になることに関係がある、そのとおりでございます。何の努力の、褒められる話でもないよとおっしゃられれば、もうそのとおりだと思います。 しかし、ともかく四兆円でも国債を減らしましたと申し上げる意味は、何とかして、やがて財政再建というものにつなげていかなければならない。そのためには、企業活動はよくなったけれども家計の消費というものが浮き上がってこないために、成長がもうひとつ十分でない、そういうことがございまして、はっきり成長軌道に乗るという自信がまだ持てないものですから、それでなかなか財政再建というものに入れない、そこは非常にもどかしいところでございます。そういう状況の中で、国債を減らし、税収も多少ふえました、何とかして財政再建に向かいたいということを申し上げたい、そういうことの気持ちであるわけであります。 財政再建そのものは、これは何度も申し上げましたが、恐らく財政の問題というのは税制の問題でもありますし、中央、地方の、殊に地方財政の問題でもあるし、なかんずく、いわゆるソーシャルセキュリティーの問題でございますから、殊に、これらを全部含めたところでやはりシミュレーションをやってみて、そして恐らくは非常に厳しい道をこれから何年かたどらなければならないということはもう必然だと思いますが、それに向かって何とか進んでいきたい。 実は、そのシミュレーションのために、これにはどうしてもマクロモデルが必要でございますから、国の経済財政諮問会議でマクロモデルをつくってもらうことが決定いたしまして、恐らく七月ごろには、やってみないとわかりませんが、マクロモデルが夏前後にはできるのではないか。そうしましたら、今のような幾つかの問題のシミュレーションに入っていかなければならないという、そのところにおりますので、それまでに経済がもう少しずつよくなってくれなければ、もう少し消費が高まらなければと思っております。 そういうところの、今まさにこういう大きな債務を負いました、もう三年がけでございますから、私はそのことをやらせていただいた責任者でございますので、何とか財政再建と申しますか、むしろ、二十一世紀の最初の十年、十五年における我が国の経済社会の規律というものをもう一遍つくり直さなければならない、何とかその道筋をつけていかなければならないと考えておるのが真実のところでございます。 これはちゃんとしたお答えになっておりませんが、いつも財政のことを御心配いただいておる御親切な御発言に対して、今自分の考えておりますことを申し上げたわけでございます。
○日野委員 今まで何度も議論をして、私、財政のことをお話しする。そうすると、景気の方が先だ、こういうお答えが来ているわけですね。私は景気を軽く見るわけじゃありませんよ。しかし、景気というのは、いろいろな要因があって変動します。そして、財政はずっとこのような赤字を抱え続けている。景気が好転をしたら財政に取り組みますなんて言っていたら、いつのことになるか実はわからぬのだと私は思いますね。 ここで、宮澤大臣に私は注文があります。今あなたは、いろいろな要因を考えなければいかぬ、その要因を考えるためにマクロのモデルもつくらなければいかぬ、こういうふうにおっしゃいました。私は、マクロのモデルも必要だと思います、確かにそのとおりだ。恐らくこれは、経企庁の経済研究所ですか、政府の中でおつくりになるように今お進めになっているのだというふうに思います。私はそこで十分かという思いはありますけれども、それよりは、もっと幅広く、多くの人たちの意見を取り入れたモデルにしなければいかぬと思います。モデルというのは、何かちょっと一つの要因が違うだけで大きく変わってくるものですから、そういうモデルのつくり方についても御配慮いただきたい、このことは注文だけしておきます。 そのほかに、もっと大きな注文というのは、財政再建を今スタートするんだということをはっきりと言っていただきたいのです。日本の国民は決して愚かじゃありません。今どのくらい日本が国の債務を持って、地方がどのくらい債務を負っているかということはよく知っています。そして、私なんかも随分いろいろ、ことしの暮れから正月にかけて、多くの、何百人という人たちと話をした。そこで国民の皆さんは、この財政の問題の話をすると、実に敏感に反応をしている。我々ができることは何かということを考えておられる。 かつて、財政の問題をすれば増税の話が出て、消費税の話が出て、それに対して政治の方からいろいろな攻撃が加えられてという不幸な経過があったことは私もよく存じた上でお話をするのですが、私は今、財政の再建にまず我々は今スタートしますよと。 では、その具体的な中身というものはどうかとおっしゃられれば、税の問題、それから地方の分権の問題、それから国民の考え方の問題、セキュリティーの問題と今大臣並べられましたが、これらに問題があることはよく知っている。これらの問題に対処しなければならないということはよく存じているつもりです。 しかし、この財政の再建という問題は、ここで一つの方針を立てて、その先をずっと見通して、それがうまくいくということに確信を持って始まるものでは私はないと思う。まず一歩を進めて、そして歩きながら考えていくという面がいろいろあるのではないか。そういう方法論というものが私はあると思いますよ。 財務省でお出しになった「財政の現状と今後のあり方」という冊子がございます。非常によくできた冊子でございまして、そこで財政事情の国際比較をやっている。日本、米国、英国、ドイツ、フランス、イタリア、カナダ、かなり問題になりそうなところはずっと挙げてあるわけでして、私は非常によくできた表だなと思っておりますが、それを見てみますと、ではまずイタリアを見ましょう。一九九二年にはGDP比マイナス九・五%、そしてずっと、九・四、九・一、七・六、七・一、一九九七年には二・七になって、そして二・八、一・九、二〇〇〇年には〇・一、ここまで回復してきているわけですね。日本はと見ると、一九九二年にはマイナス二・〇、四・八、五・一、六・四、六・九、五・九、七・一、八・八、二〇〇〇年で七・八、二〇〇一年七・七。何という違いかと私は思うのですね。 これは、イタリアといったら問題になる国だということで、随分、まことに失礼だが日本人は笑っていたわけですよ。しかし、現状このようになってきている。私はこの表を見て、このイタリアにしても、それからそのほかの国々も、全部ずうっと財政状況は好転してきている。 一つの要因として、EUの通貨、条約に参加するために、あれはGDP比三%以下という基準を強引に設けて、それに合わせるために進めた各国の努力、これが一つ大きな要因だったろう、私はこう思っているのですね。ヨーロッパ諸国は、決して、一つの大きなプランを立てて、その結果をそれぞれ点検をして、そして自分たちの努力を進めたのではないだろうと思います。みんなで、もういやでもその基準を満たさなくちゃいかぬというので、それぞれ懸命の努力をしたのだろうと私は思うのですよ。 このような努力、これは日本でなぜできないのでしょう。私はやるべきだと思う。何で日本だけが、一九九二年からずっといえば、マイナス二・〇、四・八、五・一、六・四、六・九、五・九、七・一、八・八、七・八、こういう数字を何でずっと連ねているのですか、この表に。どう思われますか。
○宮澤国務大臣 大事なことでございますので、少しお時間を拝借いたしますが、今おっしゃいました「国及び地方の財政収支」、各国の比較表でございますが、まさにヨーロッパがユーロに入りますときにいたしました各国の努力は、殊にイタリーの場合でございますが、全く見上げるようなことであったということを私も痛感しております。 それに比べまして、我が国の状況、この表の後半は、これは最近の不況ということでございましょうけれども、一九九二年からございますので、どうも、私が思いますと、やはり一九八五年にプラザ合意があって、そのときに円は二百四十円ぐらいでございますが、きょう百十六円とかそういう絡みになった。十何年、実はそれを待たずにですが、通貨の価値が倍以上になったことに日本経済はどういうふうに対応したのかという、だれもまだ答えを知らない、そういう経緯の中にこの十何年あるのだろうと私は思っていまして、さしずめ、ブームがありそれが壊れたという部分はお互いの記憶にございますけれども、通貨そのものの国際価値が倍以上になったということに日本経済はどういうふうに対応したのか。 まあ東南アジア各地に日本の企業が出ていったというようなことは多くの人が気がついておりますし、東南アジアの国々もそれは歓迎している。そのぐらいのことはわかっていますし、外国旅行が楽になったとか、そのぐらいのことはございますけれども、日本経済全体の対応としてこういう財政赤字という形で対応したのはなぜかというようなことを、やはり考えてみなければならない問題だと思っております。これは後半におっしゃいましたことについての感想でございます。 前半の問題でございますが、そういうことで、財政再建はどうしてもしなければ、これはもうそれ以外に方法はないという中で、歩きながら考えるという方法はある、そのとおりだと私も思っております。 そうだと思っておりますが、ある意味で、国債を少しでも減らそうというのもそうであるかもしれませんが、主に思っておりますことは、政府が当初に見込みました年間の国税の収入がどうしても見込みどおり入ってこない、歳入欠陥が出るというこの何年間かの状況では、将来の財政再建のときに自分の収入が見込めないということではどうしてもスタートが切れないと思っておりまして、平成十二年に幸いにしてプラスが幾らかは出た。それは、郵貯のおかげもございましょう。しかし、やはり法人活動というのは少なくとも活発になってきている。家計がこの上にと思いますけれども、そっちはそうなっておりませんが、それで、やや万年病になっておりました歳入欠陥という問題は、もしかしたらここで片づけられるのかもしれないというところで、それでマクロモデルのことを実は言い出したわけでございます。 マクロモデルのことを申しました理由は、これは御想像もいただけると思うのですが、さっき申しましたように、そのときに議論されなければならないことは無論財政でございますが、税制であり、社会保障であり、中央、地方の関係であり、なかんずく国民負担の問題だと思っております。そのモデルがやがて数カ月でできまして、私がモデルと申しました理由は、社会保障のことは社会保障で何とか文章を書けばできる、税はまた別、地方財政もまた別というようなことでは、結局何も片づかない、先延ばしをするだけでございますから、今度はモデルで、もうすべてのそういう対立する要素を一義的に答えを出さなければならないシミュレーションというものがやはり大事なのではないか。 つまり、もっと簡単に申せば、給付と負担というようなことを日本経済全体について考える。どうしても高い負担を国民は好まないと言われれば、それは高い給付を望むことは難しいわけでございますから、高負担なのか、あるいは低、中負担なのか、それについての給付ということをどうしても選択せざるを得ないのがシミュレーションだと私は実は思っています。 今、国民負担が三六とか七とかいうことでございますから、これは比較的低い。かつては五〇を超してはならないという議論があったほどでございますので、比較的今は低い。しかし、これは税金が取れないからというのが一つの理由だと思いますが、その給付と負担というものを、ぎりぎり、どうしても国民的に選んでもらわなければならない。それは、政治的には、ある意味でなかなか危険な試みになるかもしれない。 しかし、日野委員のおっしゃいましたように、私は、国民は全体のことは理解をしてもらっていると思いますので、給付を求めるなら負担というものもやむを得ない、そこのところは基本的にはわかってもらえる。ただ、それを合理的な形で提示いたしませんと決断をしてもらえないということでありますから、それを提示するのが政治の役目だろう。選挙や何かがずっとございますから、こんなことは簡単なことではないと思いますけれども、しかし、そういう選択をしない限り、我が国の、象徴的に言えば、財政の現状というものは救いがないというに近いところまで来ておると考えております。 したがいまして、それがたまたま一つのきっかけでございます。どこからでもこの問題は切り口があるわけですが、そこから入って、二十一世紀の最初の十五年ぐらいかと思いますが、我が国の経済社会の姿というものをその機会に国民に決めていただきたい、実は、こういうことを考えておりまして、大変申し上げることが長くなりましたけれども、財政の問題はそのぐらい実は深刻であるということは、日野委員がおっしゃいますとおりでございます。
○日野委員 いろいろなお考えがあること、それから、非常に心配をされながらこの問題を考えておられることはよくわかるのです。しかし、物事にはやはりきちんとした決断ということが必要なのではないでしょうか。特に、政治的な行動の場合、まず初めに行動があるということが多いのですね。初めに行動がある。行動がなければ、これはなかなかその次のものというものは見えてこないものでございますよ。私よりもはるかに人生経験の長い大臣に対してこんなことを言うのは失礼かと思いますけれども、私は今必要なのは行動ではないか、こう思います。 この表には載っておりませんけれども、スウェーデンもかなり惨たんたる財政状況になった。そのとき、政治はどのように行動をしたか。今このような状況にあることを国民に周知徹底をした。そして、今何が必要かということを国民に語った。これだけ国民も努力をしてくれ、政治もこれだけの努力をする、このことを語っているわけですね。そして、国民と政治と合意に達したと言うべきなのでしょう。そして、スウェーデンの政治家は財政の立て直しのために懸命に努力をした。そして、今スウェーデンは財政状況が好転をしましたね。 こういう決断が何でできないのか、日本の場合。まず語れ、国民に。国民にまず語り、そして国民に問いかけ、このようなことをやってくれないかということを国民にお願いしなさい。私は、今それをなすべき時期であると思う。 先ほど、私は、国民というのは愚かではない、日本の国民というのは賢明だ、こう申し上げました。みんな知っています、この財政の状況を。これがどのように発展していくかわからないからこそ、例えば、自分の年金はどうなるんだ、財政再建のときに自分たちの負担はどうなってくるんだ、こういうことについてはっきりしたビジョンを描けないがゆえに、国民の消費が上がってこないんだと私は思います。もしこのフレームが示されて、これから何が始まっていくのかということが自分の目に見えてくれば、国民の消費の性向というのは変わってくるだろう、私はこう思います。 国民は、やはり今、特に高齢者を中心にしてかなりの資産を持っています。それが、何で凍結されて動かないでいるのか。財政に対する不安が最大のものであると私は考えているのです。今ここで、財政再建にこのような形をとりながら進んでいきますよということを政府が示されれば、政府がということは宮澤大臣、あなたがはっきりと示していかれるのであれば、私は、家計の消費動向というものは大きな変化を生んでくる、こう思いますが、大臣はそうお思いになりませんか。
○宮澤国務大臣 幸いにして、行政改革の結果、今度経済財政諮問会議というものが、いわば各省庁の上と申しますか、総理大臣の主宰のもとに、民間から限られた少数の有識者にもお入りをいただいて、そして、最も高度な政府の経済財政政策を決定するということになりまして、既に会議が緒につきましたので、そこで、先ほど申しましたようなマクロモデルの決定をしてもらいまして、実は内々にはお話をしていたわけでございましたが、それができ上がる時期もほぼ見えてまいっております。 そのときに、多少とも我が国の経済が好転していることを祈っておりますけれども、そうであろうとなかろうと、これはどうしても待ったなしにできてまいりますので、そこでシミュレーションをして、旧来ばらばらに決定されておりましたいろいろな問題を一義的に選択をしなければならない。いわば、そこから逃げられない形で問題を検討しなければならない。 決めるのは、最後は人間でございますから、そのきつい仕事にたえ得るかたえ得ないかという問題はあるにしましても、私は、しかし国民は問題を知っておられるし、またいろいろな問題は結構もう悪くなっておりますから、そういう決断をしなければならないというコンセンサスは得られるのではないかというふうに、実は考えておりまして、そのためにも努力をしなければならないということを思っております。
○日野委員 経済財政諮問会議のお話が出ましたが、私も、どのようにこれが動いていくのか、まだ十分読めないところがございまして、恐らく皆さんも同じだと思う。どのような機能を果たしていくことになるのか、ちょっと読めないところがあるのだろうと思いますね。 それで、私が心配するのは、もう有識者のみならず、一般の国民はこの財政再建の問題は非常に大事だということは知っているけれども、何か前向きに物を言うと、はっきり言って、自民党あたりからつぶしにかかってくるということがしょっちゅうあるわけでして、後で柳澤大臣にも伺いますが、発言された後も随分いろいろなところから牽制球が飛んできて、さすがの柳澤さんも、これは少し後ろ向きになったのかななんという心配もしているのです。そういうことがあって、やはり最終的に決断をしていくのは政治でございますよね。 それで、これもまた失礼なことを言いますが、森内閣は私はそう長くは続かないだろうと思う。非常に失礼かもしらぬが、まあ聞いてください。そして、こういう時期に何もしないで便々として時を過ごしていく、これではいけないと思います。 私は、これは自民党さんにアドバイスをしましょう。森さんが退陣をされるその前に、きちんと財政再建にこう取り組むという姿勢を示されたら、私は自民党さんは支持率が上がるのじゃないかと思いますよ。 私は、宮澤大臣に、気力を持って、きちんと財政再建を始めますということ、おおよその枠組みはこうなりますというようなこと、これをぜひとも示していただきたい。今もうその時期だ、遅過ぎるかもしらぬ。しかし、今これを言わなければならないと私は思います。 気力を持ってということを私申し上げました。きのうの朝日新聞の二面のコラムか三面のコラムに、政治家の気力の問題をコラムニストが書いておりました。 村山総理大臣が引かれるとき、野坂官房長官がもう少し頑張れ、こう言ったら、そうしたら村山さんが、一たんもう引くと決めたら気力が出ない、こう言ったというような話が書いてありました。もう一つは、田中角栄さんが引くときも、外遊して帰ってきて、さあ選挙とその側近たちは思った、しかし、田中角栄さんが帰ってこられて、もうすっかり気力がなえてしまっているのを見て、これはだめだと思ったというふうなことを書いてあって、それはそれなりにおもしろいコラムだったのですが、やはり気力、必要です。世の中をこれからどう変えていく、その気力を私は示していただきたいと思う。 これもまた失礼なことを言いますが、私の席から、きのう大臣が答弁をされると、その後ろに速水日銀総裁のお顔が見えるのですね。このお二人には覆うべくもない老いの影が忍び寄っている、こんなふうに私、そんな感じがしました。非常に失礼だと思う。しかし、G7に行って帰って、あのハードな日程をこなしてこられて、それで非常に疲れたという印象を私は受けたのですが、最後の気力なんと言ったらこれも失礼な言い方かもしらぬが、ひとつ気力を振り絞っていただきたい、このような時期には。気力を振り絞って御自分の仕事、これをきちんとやっていただきたい、こんなふうに思います。 私も、実は消費税を三%から五%に税率アップしたとき、あのときの自社さの税制調査会の座長をやらせていただきました。これは大変な仕事だ、ひょっとすると自分の政治生命これで終わりかと思いながら、半ば死に装束を身にまとうような思いでその座長を務め上げて税率のアップをいたしました。一%は地方消費税になんということもやりました。 やはり人間というのはやるべきときにはやらなくちゃいかぬ。政治家として、自分の政治生命をかけてもやるべきことはやらねばならぬ。そのときというものはあるものだと私は思いますし、宮澤大臣とは今までも随分いろいろな議論をやってきましたが、私は、あなたの能力で気力を振り絞っておやりになれば、今それに取り組むことができるし、あなたが今どのような行動をとるかによって日本の財政の状況、それから景気の状況、これも非常に大きく変わるだろうということを申し上げておきたいと思います。 それから税収のアップについて、私、これも何度も大臣には申し上げたのですが、私は、行革という一つの枠がありながら、大事なことを一つやはり忘れていると思うのですよ。行革というのは、人を減らしていくことだけが能じゃありません。その人たちがしっかりと働いてくれるように、しっかりと働く、そして十分な成果を上げていく、そういう状況をつくっていくこと、これも行革としては非常に大事な観点だと思うのですね。 私は、税収の落ち込みというこの状況を見ながら非常に強く感じますのは、国税の職員のマンパワーの乏しさ、これについて私は指摘しておかなくちゃいかぬ。やはり、税金をきちんと国民の皆さんに納めていただく、そのためには国税庁の職員、税務署の職員さん方、こういう人がきちんと税収が上がるような努力をするということが必要だと思う。そのためには人数が要るのですね。 私は、自分も税務署の方がごあいさつに来られた経験も持っております。そういう経験も踏まえながらお話しするのですが、税務署の方がそこいらの企業に行ってお茶を飲んでくる、ごあいさつをしてお茶を飲んでくる、これだけで随分違うと思うのですよ。今、何年に一回税務署の方がそれぞれの企業を訪問しているか。私は、もう非常に少ない数だと思っておりますが、どうですか、国税のマンパワーをもっと強める、もっとふやすというお考えはございませんか。
○宮澤国務大臣 国税職員の現状につきまして、非常に御理解のあることを言っていただきましてありがとうございます。 確かに、戦前は税務署の連中が商店街を回りまして、個人調査なんて言っておりました。そういうことはとてもとても今できなくなりましたが、とにかく、これだけ取引のボリュームが世界的に大きくなってまいりました。技術的にも全く違ったことが起こりつつございますので、それに対応して国税側も、いろいろコンピューターでありますとか新しい技術、情報の収集などをいたしております。 特別監視調査官であるとか、あるいは情報技術専門官であるとか、いろいろいたそうとしておりますけれども、国全体として、御承知のように定員削減というものを年次計画でやっておりますので、国税もその例外であるわけにはいかないということはどうも私といえども認めざるを得なくて、したがいまして、削減をなるべく少なくしてもらうというようなことで、今、国税の諸君にも、どうもこういうことだからしっかり頼むよと言っておるわけでございますけれども、お話しのような御発言がありますことは、まことに感謝にたえません。 国税としましては、そういうことで、できるだけ専門的な技術あるいは新しいいろいろなテクノロジー等々を駆使して、そして一生懸命やってくれるつもりになっておりますけれども、できるだけ人数の方も、少なくとも幾らかネットの増員にならないだろうか、これは大臣としての私の仕事になるわけでございますが、一生懸命努力をするつもりでございます。御支援をお願いいたします。
○日野委員 私はよく思うのですが、家計が貧しくなった、その家の家族も、それから家畜にやるえさも減らそうということになったにしたって、金の卵を産む鶏にはちゃんと食わせなくちゃいかぬのですね。私は、それが賢明なやり方だと思うのですよ。国税庁というのは金の卵を産む鶏でありますから、これはやはりきちんとえさをやらなくちゃいかぬ、それから数もふやすようにしなくちゃいかぬ、こう思います。 それから、今、技術的な面でもいろいろな変化があると大臣おっしゃいました。特に、国際化をしてくる。それからコンピューターを使ってのEビジネス、Eコマース、こういうことが非常に盛んに行われるようになった。これにどのように国税庁としては対処しておられるのでしょうか。やり方をちょっと聞かせてください。
○村上政府参考人 今、電子商取引のお話がございましたが、御案内のとおり、電子商取引は通常の取引といろいろ違った特徴があるかと思います。やはりこれはネットワークを通じていろいろ取引が国際化したり広域化いたします。また、店舗、資金がなくてもだれでも参入できるわけでありますし、非常に取引の匿名性が高く納税者の把握が困難であるという事情もあります。また、データの消去が容易であるといった事情もあるかと思います。 したがいまして、国税庁といたしましては、電子商取引を初め、高度情報化に対処するため、関係御方面の御理解をいただきまして、国際課税であるとか高度情報化担当の専門職ポストの増設に努めているところでございます。 また、これは別途でありますが、すべての国税局に電子商取引専門調査チームというのを編成いたしております。このチームにコンピューター関係であるとか海外取引の専門的知識を有する職員を配置いたしまして、電子商取引を行っている事業者を把握するとともに、これらの事業者や電子商取引関連事業者、プロバイダー等々でありますが、そういった方々に対しての税務調査及び資料情報の収集に努めております。 今後とも、こうした取り組みを拡充していくことによりまして、調査システムの開発とか資料情報の収集のノウハウの蓄積を図りまして、適正公平な課税の実現に努めてまいりたいと考えております。
○日野委員 お話を聞いておりますと、かなり専門的な職種が必要である、専門的なスタッフが必要であるということでございますね。国際税務専門官であるとか、情報技術専門官であるとか、こういう人たちが必要だ。 そして、これをずっと捕捉していくためには、やはり今行っている方法というのは、ホームページを一つ一つあけてみて、それぞれのホームページをずっと見るというような作業も必要なんでございましょうね。 そして、私は、こういうことというのは、ホームページをずっと見て、それから税金の申告書等を頭に入れて、それを見て、そして最終的には、勘と言うとあれですが、ひらめくもの、これが必要だと思うのですね。そのひらめくものをいかにして身につけて、身につけている人をふやしていくか、これが大事な観点だと思うのですが、どうですか。
○村上政府参考人 確かに、国際化とか高度情報化、これは通常の税務職員の一般的な知識より、やはり長い経験と高度な知識が要るのだろうと思います。したがいまして、そういう職員を育てていくためには、やはり一定のポストが要るかと思います。 そういうことで、いろいろ関係御方面の御理解をいただきまして、国際調査専門官であるとか、それから機械の関係はIT専門官、情報技術専門官と言っておりますが、一応十三年度予算におきましてはそういった増設をかなりお認めいただいているところであります。 今後とも、そういった機構の整備を含めまして、人材の育成に努めてまいりたいと思っております。
○日野委員 結局、そういう人材を育てなくちゃいかぬ、そういう部門に人を配置していかなくちゃいかぬ。現在の人員では不足だというふうに私は思うのです。 そこの点については、あなたは直接お話しできにくいでありましょうから、大臣なり副大臣なりにそこはひとつ、できれば大臣の方がいいのですが、大臣は今資料を見ておられるようだから、では副大臣、どうですか。やはりこれは必要だなという御感想をお持ちじゃないですか。もし大臣であれば大臣の方がよろしいです。 今ずっと、Eコマース、電子商取引なんかについてどんな仕事をしておられるかについて聞いたら、やはりかなり専門性の高い、そしてかなりの数の人員が必要だ、そこまで言ったのじゃないですよ、私が推測するところ、これはかなりの数の人員が必要だなと思ったのです。大臣、いかがでしょうか。
○宮澤国務大臣 中でもいろいろやりくりをいたしましたり、また商社等々で実はそういう方のエキスパートが退職、離職をして、もらいたいという人があったりすることもございますようですが、定員の問題がございまして苦しんでおりますようで、再々のお話で、私どもも一生懸命努力をいたしたいと思います。
○日野委員 時間がなくなってしまいまして、実は私のメモによるとまだ半分までしかいっていないのでございますが。 今度はちょっと租特の問題についてお話をしたいと思います。 租特を見ますと、延長、三年延長、いつまで延長、そういう字が並んでおりますね。租特で一番問題なのは、やはり特別な措置だとしてやったのが既得権になっちゃう、これが私は一番嫌なところだと思いますね。 それに、私が気になるのは、株式譲渡益についての申告分離課税の一本化を平成十五年四月一日まで二年延期、その間は源泉分離課税制度を存続、この分離なんというのは随分議論をして議論をして、そして結論を得た話だ。それが何で二年間延長になったんだ。そんなふうに思いますと、思い半ばに過ぎるものがあります。 どうでしょうか、大臣。やはりこの租特なんというのは、もう一たん決まったことはきちっと決まったこととして処理していかないと、本当にこれは既得権になって、また延期だ、また延期だ。そのたびに党税調の方には業界がわあっと押しかけてきて、ではあなたの持ち時間三分とか、あなたには会う時間三分しかないよとかなんとか言いながら、ろくに話も聞かないでいろいろなことを決めていくわけですね。 私は、こういう既得権化していくような物の考え方というのは全然いただけないなと思っていますが、どうお考えになりますか。
○宮澤国務大臣 租税特別措置法の規定の中にはまさにお話しのような問題がございまして、相手は、要求官庁が大抵ございますので、新しいものをするときは古いものはもうここでやめようといったような苦労はいろいろしておるらしいのですが、サンセットというようなことを、しかし、やや既得権化しております。 時々、何年かに一遍全部洗い直そうということをやっておりますけれども、まさに既得権化しているという御批判にはなかなかきちんとお答えしにくい。見直しをやはりある時間のときにしなきゃいけないということは、そのとおり私も思っております。 それから、株式の問題は、結局二年間延期をさせていただいた。経済状況あるいは市場の状況等々からそういう声が強かったと申しますか、税制調査会などでもこの際やむを得ないかということでやっていただいたわけでございますが、ごらんになる立場からいえば、これらも問題があるという御批評はあるいはあるかと思います。 いずれにいたしましても、既得権化することはなるべく、租税特別措置の対象を見直していきたいと思っております。
○日野委員 では、今度は柳澤大臣に伺います。先ほどから話題になっている直接償却の問題であります。 これまで、やはり中小企業に対する融資、中小企業金融、これにはかなり力を入れてきた。失敗もあったろうし、こんなことでいいのかなと思うこと、これも随分あったですよ。しかし、流れとしては、中小企業にできるだけ金融を得させようという流れがあったことは間違いない。ところが、今度、柳澤大臣が直接償却を中心にというようなお話をされて、これは中小企業金融に対する流れを変えるものなのかどうか。いかがでしょうか。
○柳澤国務大臣 一九九八年の、平成十年の十二月の十五日に、金融再生法の施行のもとで金融再生委員会が発足を見ました。そのときに、金融再生委員会の二つの仕事のうちの一つであるところの資本注入につきまして、資本注入の要件というものを告示させていただいているわけでございます。 そのときに、資本注入のされる金融機関においては、これは金融の疎通に特段の意を用いるようにということが当然うたわれているわけですが、その中でも特に中小企業に対しては、これは原則としてその融資残高が増加をするようにということがうたわれておりまして、その告示のもとで、健全化計画においても我々、現在金融庁にその仕事が引き渡されておりますけれども、その金融庁に提出をされる健全化計画においても、特にそのデータを徴求して、それがパブリックプレッシャーのもとに置かれるという仕組みになっているわけでございます。 このように、今先生御指摘のとおり、このところ政府の中小企業金融に対する施策の方向というのは、例の信用保証協会の特別枠の設置にも明らかなように、非常に力点が置かれているということは御指摘のとおりでございます。 そういう施策の方向と、今回の私が呼びかけさせていただいておるいわゆる不良債権のオフバランス化はどのような関係があるか、こう言ってお問いになられるということでございますが、これについては、私ども、中小企業を除外するということまでここで言い切るということはできませんけれども、しかし、私どもの今求めている不良債権のオフバランス化の対象として考えられている分野に、中小企業が大きなウエートを占めているというようなことは毛頭ございません。 それは、もうかねて申し上げておるように、今度の私どもの施策の中心に考えておりますことは、企業の中でいわゆる収益を稼得するところの稼働部分と不稼働部分を分けて、不稼働部分の整理をしてもらう、それに伴って金融機関がどのような協力をするかということでありますので、勢い、そういう一つの企業の中での事業について二つの分野に分かつことができるような企業ということを念頭に置いているということからも、御理解賜れるのではないか、このように考えます。
○日野委員 今の答弁には実は問題があるんですね。金融機関の全体の不良債権、これ、柳澤大臣が言われるように、六十八兆円と置きましょうか、我々はもっと大きいと思っていますが。そのうち直接償却によって処理されたのは五十四兆円、こうなっています。しかし、これは金融機関の大きいところが中心になっているわけです。ところが、中小企業は大体地銀以下なんですよ、借りているのは。ですから、私は、今柳澤大臣が言われたような安易なものではないと思います。 それで、もう時間が終わりましたから、この問題はまた別の機会に回さざるを得ません。 一つだけ。私は、NPOというような団体というのは、これからの日本のこの閉塞状態、これを切りかえていく大きな役割を果たすだろうと思う。でありますから、私は、このNPO税制について出されておる野党案、これは非常に高く評価するんですが、一言感想だけ。
○山口委員長 時間が過ぎておりますので、簡潔に。
○河村(た)議員 確かに今度の与党の案は、NPOを支援してずっと活動してもらうという方じゃなくて、厳しい試練、苦難を与えたというふうになっておりますけれども、一番中心にあるのはやはり、とにかく、これは国家観にかかわることなんだけれども、要するに公益国家独占主義ということなんです、今のところ。要するに、公のものは全部国家がやるんだということ、大蔵省なり。だから自民党、頑張らにゃいかぬのですよ、自由主義の思想からいうと。だから、二十一世紀を管理の国にするなら、どうぞやってください。自由の国家にするなら、やはりこういう公益的なものも民間が判断していく、そして役所は後でそれをアジャストしていく、そういう立場にならぬと、財政政策も誤りますよ。 そんなことで、管理か自由かが問われておる非常に根源的な法案である。そして、私どもの野党の出しておる法案は自由を求めた法案だということを言っておきます。 以上です。
○日野委員 終わります。
○山口委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時八分休憩 ————◇————— 午後一時四分開議
○山口委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。五十嵐文彦君。
○五十嵐委員 民主党の五十嵐文彦でございます。 ちょっと風邪を引いて、声が汚くて申しわけないと思いますが、よろしくお願いをいたします。 午前中の質疑を聞いておりまして、直接償却、間接償却のお話が一つの焦点になっておりましたので、私もこの問題をまず最初にちょっとお尋ねしておきたいと思います。 柳澤大臣は、償却の仕方、処理の仕方には直接と間接があって、日本は伝統的に引当金を積んでこれをやるという知恵を働かせてきたんだというような御答弁が以前はかなり多かったわけでありますけれども、ここへ来て、直接償却に重点を置こうという決断をされたと報道されております。それに対する政府内からの反作用もあったようでありますけれども、私は、この際決着をつける、できるだけ早く不良債権を金融のセクターからオフバランス化するということに賛成をするという立場で御質問をいたしたいわけでありますけれども、これはやはり一つの政策転換だろうと思っているわけですが、そういう御認識は、お言いになりたくないとは思うんですけれども、お持ちかどうかというのをお尋ねしたいと思います。
○柳澤国務大臣 かねて申し上げておりますとおり、引当金による処理も一つの処理である、言葉によっては立派な処理であるというようなことも言い得るかと思うんですけれども、ここのところ一連の御質問でお答えいたしておるような考え方を持ってこのオフバランス化を、もう少しこれに力を入れていくということで進めるべきではないか、こういうことでございます。これが政策転換というふうに評価されるかどうかというのは、私は、そういうことをする方に対してそれをいけないとかなんとか言う立場にはないと思います。 自分自身はどう考えているかといえば、これは重点の置き方、かねて重視したらどうかということを申し上げているんだということを申し上げている次第でございます。
○五十嵐委員 これは、立場の違いと申しましょうか、私どもの方は、いわゆるちょびちょびと償却していくのではなくて、かなりハードに償却を進めなければこれは日本の経済全体にとって毒が残るんだという言い方をしてまいりましたから、これは大変歓迎すべき政策転換だとはっきり申し上げたいわけであります。銀行の中に不良債権を残すのは金融機関の経営、運営にとって効率的でないというのが一つでありますし、また、予算委員会でも私が述べましたとおり、さまざまな副作用、毒をもたらしていくということを指摘させていただいたわけであります。 そうなると、過去の話でまた恐縮なんですけれども、ソフトランディング路線といいますか、じっくり時間をかけてやっていこうではないかという考え方が一方にあって、それを特に与党の今の政調会長の亀井さんが強く進められてきた。特にペイオフの延期という問題について、私は、この際、この時点で評価をし直しておく必要がある。なぜなら、また再びこのようなことがあっては困るからだ。それはしないんだということは柳澤大臣からもお聞きはしているわけですけれども、改めてここで、ペイオフの延期は何だったのか、あのペイオフの延期をしたことによって金融業界の我が国でのリストラがやはり緩んだ、私はそう思います。そして、モラルハザードがやはり生じてきたということも感じておりますし、ペイオフの一度決めたことを覆したという国際的な評価という問題もありますし、ペイオフを延期したということの弊害、そして現時点でこれから先ペイオフの再延期をしないという決意というもの、評価と決意について、もう一度柳澤大臣から伺いたいと思います。
○柳澤国務大臣 ペイオフの延期につきましては、これはもう特殊の事情があったというふうに申し上げたいと思います。それはもう先生つとに御承知のとおり、信用組合の所管が都道府県から国に移管された、そして初めて国の手による直接の検査が行われたわけですが、当時の状況からいって、また、現に今の時点からいきましても、これを完全に終了をして、そして一定期間の猶予を与えて、もしそういう信用組合が存在するとすればその人たちに資本増強その他の所要の措置をとるだけの時間を与える、これが現実的にはできなかった。 そして、では信用組合だけのペイオフ延期というのは考えられないかといえば、それは、信用組合だけが非常に弱い金融機関でございますというようなことを公開するような話になりはしないか、こういう懸念があって、それでは全体のペイオフ延期をせざるを得ないのではないかということで、その決断が行われたということであろうと思います。 しかし、それがどういう影響をもたらしたかということ、これはなかなか言いがたい面があろうと思いますけれども、私は、あえて申しますれば、今五十嵐委員の指摘されたような面も必ずしもなかったと言い切れるものでもなかろう、こういうように率直に言って思います。 今後のことでございますけれども、これはもう、一般の企業が債務超過に陥ったときには、バランスシートの負債側に立つ人たちの資産と申しますか、そういうものも適切に金額の削減が行われてバランスが回復する、こういうことで処理されるということでない限り、だれかがそれを穴埋めしなきゃならないということになれば、それは国民の税金だ、こういうようなことがいつまでも続くというようなことは、それはもう考えられないことでございます。 そもそも、そういうことが考えられた九八年の金融国会での御決断も、恐らく個別の金融機関の問題ではなくて、これはもう金融システムの全体の問題になる、ひいては国際金融市場を通じて世界に迷惑をかける、したがって、ここはそういう臨時異例の措置をとらざるを得ない、こういう考え方における決断であったと私は受けとめておるわけでございます。 そうであるとすれば、そういう状況が来年の四月というか三月末のころにあるだろうかということをちょっと考えてみますと、そういうことはないであろう。したがって、ペイオフの禁止の延期というか、そういうようなことが考えられる情勢には到底ならないだろう。私は、ペイオフの禁止延期はない、このように確信をしているわけであります。
○五十嵐委員 信金、信組が比較相対的に弱小な金融機関だというのは、これはもう周知の事実でありますから、私は、何もペイオフを一斉に延期しなくてもいろいろな方法があったんだろうというふうに思うわけであります。 それで、先ほどもありますけれども、直接償却ということになりますと痛みを生じるというおそれがある。これはおそれは確かにあるんでしょうけれども、私は、日本の世界では、過剰に、倒産、清算というものに対する悪いイメージがつき過ぎている。実態的には、大臣もおっしゃいますとおり、倒産しても必ずしも全部が消えてなくなる、全部が唐草模様のふろしきをしょって逃げ出すという話ではなくて、それは従業員の手によって、あるいはその他の債権者の手によって、もう一度いい部分については事業が続いていくというものもたくさんあるわけでありまして、清算が必ずしも悪いという話ではないんだろうと思います。 現に、北海道拓殖銀行、これは清算をされまして、北洋銀行に優良なものは移っていって、北洋銀行は大変優良な銀行として今有名だと私は認識をしているわけでありますけれども、拓銀から北洋銀行に移った行員の皆さんの中にも、早くうみを出せばよかった、無理してじたばたしない方がかえってよかったという声もあるようであります。あるいは、ツー・ビッグ・ツー・フェールということで、大き過ぎるから、昨年のそごうはつぶせないというお話があって、そごうに債権放棄しようじゃないかという話がありました。あの大きなそごうがつぶれたら、もうばたばたと連鎖倒産のあらしで大変なことになるというような心配の声も出ていたわけですけれども、実際にはそうはなっていないと私は思うわけであります。 むしろ、過剰に清算あるいは法的な処理というものを忌避する、怖がるというのは私は当たらないと思うわけで、出すべきうみは早く出す、よい事業、よいものはきちんと早目に残すということの方が経済全体への痛みが少ないというふうに思うわけですけれども、その点について、直接償却に重点を移すということとの関係で、柳澤大臣にお答えをいただきたいと思います。
○柳澤国務大臣 今度、私どもは、オフバランス化という手法をももう少し重視して、これを運営、運用すべきである、こういうことを申しているわけでございますけれども、率直に言って、その場合でも、ここはもう倒産であるとかあるいは清算であるとかという言葉が、法律の専門家同士でしたらもうちょっと、より厳密な意味での意見の交換というかそういうことになろうかと思うんですが、私もそれほど法律、それほどというか、法学士ではありますけれども、全く法律の専門家ではないので申し上げるわけですが、倒産法制というものの中に二つある。再建型の倒産法制と清算型の倒産法制があるということでございますが、私どもとしては、法的な処理ではないんですが、気持ちというか何というか、心構えの問題としては、やはり再建型の形に近いものを想定しているというふうに申し上げたいと思います。 今先生は、清算の方は、清算をしてもそう問題は起きないんじゃないかというふうにおっしゃられたわけですけれども、私どもの経験で、よく破綻金融機関の債務超過の金額が、検査のとき、それから破綻をしたときのバランスシート、さらには現実に清算が終了するときのその時点の金額とを比較すると、もうすごい懸隔が生じていて、増大する、こういうこともあるという経験からしますと、やはり清算というのにはかなりの財産の毀損が生ずるということは、これは否定できないと考えます。 ただ、もう一つ、先生のおっしゃることに私もある程度賛成だなという気持ちがございますのは、失敗というものに対する日本の、あるいは日本社会におけるある種の独特のセンチメントというのは、やはりこれから改めていかなきゃいけないんじゃないか。特にベンチャービジネスなんかの例を考えますと、失敗こそこれからの糧であるというふうに位置づける、そういう気持ちが社会にあるということもありますので、私どもとしては、やはりそういったこともこれから踏まえて対処していかなきゃいけない、このように考えております。
○五十嵐委員 そのとおりなんだと思いますね。日本では、一度倒産をさせてしまうともう人間失格であるかのように決めつけられる。また日本の、私は不自然な金融慣行が、命を代価として生命保険でしりぬぐいをするというようなこと、あるいは無限責任であるというところへ持っていかれる。これは、やはり金融慣行あるいは金融のシステム面から直していくべきことで、失敗をしてもチャレンジをする精神を持つ人には再起をさせるという仕組みを日本全体としてつくらなければいけないんだろう、こう私は思っているわけであります。 そこで、本題の公債特例法案についてお尋ねをしていかなければならないと思うんですが、不良債権ならぬ不良債務を大量に抱え込んでしまったのが我が日本国であります。宮澤財務大臣は、国債をこれだけ発行しても金利が一・三あるいは一・四というところにとどまっていて上昇しない、だから大丈夫だというニュアンスのお話をされているわけですけれども、私は、国債の金利がここまで発行しても上昇していないのは、むしろ今だからこその幸運ではないかというふうに考えるわけであります。 一つは、アメリカが財政黒字に転換をいたしまして大幅に国債を発行するという状況にない、そうすると、先進国で投資家たちは、ポートフォリオで、国債を何%、社債を何%、株式を何%という形で保有をする。国債は、一定程度先進国の国債を買わなきゃいかぬ、今出ているのは日本だという形で、余りおいしいとは思わないけれども、日本の国債を買わざるを得ないというものがある。 また国内では、これは、社債が安い、株式が安い、トリプル安の中で、比較の上での安全債権としての国債に、ある意味では人気が集まる。これは決していいことではなくて、一つには、運用先がない、いい運用先を見つけられないという日本の金融機関の金融技術のつたなさというものがそこに向かわせているということがあるんではないかと思うわけでありまして、一朝これが変化があれば、やはり、これだけ大量発行していけば、国債は金利が上昇していく、長期金利の上昇を招く、そして、国債の負担は我が国にとってまた急激に重くなるという可能性があると私は思うんです。今低いから大丈夫というお話は、それは大臣の立場からはそう言わなければならないのかもしれませんが、今の恵まれた条件のもとでの安定であるというふうな考えについてはどうお考えか、宮澤財務大臣にお伺いをいたしたいと思います。
○宮澤国務大臣 現状は、五十嵐委員のおっしゃいましたとおりでございます。こんなふうだから大丈夫だと、余り自慢げに言った覚えはございません。
○五十嵐委員 それから、これはげすの勘ぐりと言われるかもしれないんですが、昨年の十一月には、六千億ばかりの国債を発行したと思いますけれども、十年債を出すことができなかった、あるいは出さずに五年債、二年債といったもので出したんですが、やはり入札は非常に安い利率でありました。 これは主に農林系が出動したというふうに言われておりまして、そのうち四千億程度、農林系が引き受けたんではないか、こう言われているんですが、これは、旧大蔵省、今の財務省が農林系に頼んだということがあるのかな、そういうことも考えているわけですけれども、そういう事実があったのかなかったのか、お伺いをしたいと思います。
○宮澤国務大臣 ちょっと知っている者がございませんが、私は、どうもそういうことを存じませんでした。
○五十嵐委員 かなり安い、驚くような安い利率での入札があったわけです。これは農林系だ。ただ、農林系自体がまさしくちょっと問題のある金融機関でありまして、その融資能力に疑問符がついている。安全債権としての国債を買う以外に運用先を見出せないということがあるのかもしれません。 ともかく、国債は、ここまで累積が積み上がってきてしまうと、やはり危険が、リスクが相当な勢いで大きくなってくる。やはり、国債管理、公債管理という考え方を私は持ってこなければならないんではないか。 これは、私どもの家計でいいますと、年収に対してどのぐらいまでの借金だったら大丈夫というような感覚になるわけですから、国についても、今までは赤字公債はだめよという形での管理はありましたけれども、この歯どめがこの法案であるように解けてしまった以上は、別の目標的なものをやはりある程度考えるべきではないか。その上で、マーストリヒト条約における限度、パーセンテージ、これをやはりひとつ参考にすべきではないかと考えるんですが、国債のストックとしての累積、これはどの程度までならハンドリングの自信があると財務大臣はお考えになるでしょうか。
○宮澤国務大臣 本来であれば、五十嵐委員のおっしゃいますようなことについて、具体的にお答えを申し上げなければならないのだろうと思いますけれども、大変正直を申しまして、今の我が国の財政は極めて余裕の乏しい状況でございます。けさ方も日野委員に申し上げました。とにかく次の年度は前の年度より少しでも減らそうぐらいなことがせいぜいのことでございまして、GDPの、あるいは何かの比率で、これ以上国債を出すことは本当はやめた方がいいといったようなことの裁量がなかなかできにくいような我が国の現状でございます。 したがって、発行につきましては、できるだけ市場の様子を見たり、また、比較的受けのいいものを出したり、毎月の発行をどのぐらいにするかとか、いろいろその程度の苦労はいたしますけれども、やはり、全体としては余裕のない国庫の状況でございます。 ただ、幸いにして、一番最近の十年債は一・四のクーポンレートでございます。きょうの午後の利回りは一・三何がしでございますが、これは株式の関係があったりいろいろなことで、大して自慢して申し上げられることではございません。国庫になかなか余裕がないというのが現状でございます。
○五十嵐委員 それでは観点を変えて、ユーロが各国の財政赤字の水準を定めているということについて、マーストリヒト条約は、これはよその国のことだから関係ないとおっしゃるのか、それとも、あれはあれでそれなりに考えられた数字だと思われるのか、あるいは、日本がヨーロッパにあったならユーロに入れないということを考えて、ある意味我が国にも一定のそれは影響を及ぼす数字であるとお考えになるのか、お伺いをいたしたいと思います。
○宮澤国務大臣 マーストリヒト条約があのような形で実行されましたことは、正直を言って極めて印象的なことでございました。イタリーまでがああいうことでやれるとは、正直思っておりませんでした。また、実際にどういうストーリーがあるのか、時間がたってみるとわかると思いますが、これはこれで、何としても立派なことであったと思います。 きょうは九十一セントぐらいでございますから、最初に入りましたときに一ドル十七セントかその辺だったと思いますので、去年はいっとき随分悪口を言われましたが、しかし、ここでやはり九十一セントとかその辺で、ことし、この間G7がございましたときはユーロは大変に勢いのいい感じでございましたので、よくやっているというふうに思っております。
○五十嵐委員 ちょっと質問とお答えとがずれていると思いますが、大した問題ではないので、先に参ります。 以前は、大蔵大臣も、景気をよくすることがまず先、いわゆる二兎を追うか一兎を追うかというときに、盛んにまず景気が大事だとおっしゃっていたわけですね。特に、先ほども私が名前を出しました亀井静香政調会長は、これはもう完全な一兎論でありまして、景気がよくなれば幾ら借金したっていいのだ、景気がよくなれば返せるのだからというお話をされておりました。 しかし、宮澤大蔵大臣は、国会での質疑の中でも、景気がよくなって、例えば巡航速度と言われるGDP二%成長といった程度になっても、税収は、弾性値一・一あるいは高く見て一・二と計算したとしても、これは税収の伸びが一兆円とか一兆二千億とかせいぜい一兆五千億という数字でありますから、これはとても、この間、一年半なりこの二年の間に発行した新発債の金利を賄うというほどの税収にもならない、税収増に結びつかないということも宮澤さんはおっしゃっていたわけですけれども、どうも党の方は、与党の特に自民党さんの方は、とにかく景気をよくすることが先だよ、景気がよくなりさえすればどうにでもなるのだというニュアンスのお話で、大型公共事業に突っ走られた、これがこの一、二年の間にとんでもない公債の累増を招いたと私は思うわけでありますけれども、ここへ来て、政府の方も、財政再建に少しずつ軸足を移さなければならないのかなというような発言が出始めました。 そして、公明党さんとのやりとりの中で、財政再建に入るのは二年後からだというような答弁もあったかと記憶しているのですけれども、その辺の整理をもう一度お願いをいたしたいと思います。
○宮澤国務大臣 こういう財政状況は終始心配をいたしておりまして、もういつでも再建にかかりたいという気持ちでずっと参りましたが、しかし、自分の、国庫の税収がどのぐらいあるかということが見込めないようでは再建には入れないなと思っておりまして、何年か、実際、当初の税収見積もりが歳入欠陥を生じてまいったわけでございます。 今度、初めて、いろいろ事情はございましたけれども、法人税を中心に純増が出るような形勢、状況でございますから、これならば、こういう調子を維持できるだろうか。 もう御存じのように、要するに、どうして企業活動が家計の消費につながらないかという、過去における不況脱出のときとパターンが違っておるというのが申し上げるまでもなく一番の問題なわけでございます。したがって、それへの対応が、公共事業をたくさんふやせばいいのか、そうでなくて、それ自身、やはり雇用環境というものが、アメリカがレイオフで済ますところを我々はやはり長い間の雇用関係がここで変わってくる、それなりに時間がかかるということであるのか、その辺の判断がなかなかつきにくうございまして、御審議いただいております予算にも、公共事業予備費三千億円という、ちょっと中途半端ないわば用心をしておるようなことでございますが、ともかく、ゼロ成長というようなことからは抜け出そうだということでございますので。 それで、そのお話のここが本体ですが、私は財政再建というのは、無論財政だけのことではなくて、税制もあるし社会保障もあり、中央、地方の問題もあり、なかんずく社会保障というものが大きいわけでございますから、本当に再建をするためにはそれらの問題を全部同時に、サイマルテニアスにシミュレーションをして答えを出す以外にない。一つ一つの問題に都合のいい文章を書いてみても、結局ばらばらになってしまいますから、苦しくても負担と給付というものをどの水準で選ぶかということにするしか方法がないだろうと実は思っております。 それで、かねてそういうことを思っておりましたが、今度、経済財政諮問会議ができまして、ここで正式にマクロモデルをつくってもらうことになりました。このノウハウは前から経済企画庁が持っておりましたし、今度、新鋭の研究所長もアメリカから帰ってこられて早速そのことに着手をしていただくことになりまして、一番実用的といいますか、当面役に立つモデルでもやはり数カ月かかるそうでございます。したがいまして、夏過ぎかその辺になりますが、それでシミュレーションをすることになってまいろうと思います。 そのときの経済状態がちょっとわかりませんけれども、仕事はそういうふうな進行をしておりまして、そのシミュレーションの結果は、どうしてもこれは恣意的でない答えになりますから、いよいよ国民的な選択をお願いしなければならないということになりまして、それは政治的には非常に厳しいことでございますけれども、どう考えましても、これだけ債務が多うございますと、これ以外に将来にわたっての解決策は見つかりそうもないと思いますので、そういう腹づもりでございます。
○五十嵐委員 たくさんのことをお話をなされたわけですけれども、その国民的選択を迫る時期というのはいつになるのですか。
○宮澤国務大臣 それがただいま申し上げましたことでございますが、シミュレーションそのものは恐らく年内に可能であるわけですが、経済の運営そのものがそれを可能にするような、いわばやや順調であるかどうかという、そこをまた考えなければならない問題はございます。しかし、問題は、その時点でだんだん明らかになってこざるを得ない。
○五十嵐委員 そうすると、今の景気状況が好転しなければ踏み切れないというお話ですか。
○宮澤国務大臣 それはつまり、こういうことでございます。 財政再建を議論するのですから、税収はどのぐらいあるのかな、この見通しが大体立ちませんと一からスタートできないことになりますから、まあもはやそういうことはなかろうとは思いますものの、毎年毎年歳入減が立っておったのでは、これは計画が立たないというふうに考えざるを得ないのでございますから、それを申しております。
○五十嵐委員 ということは、一定のGDPの成長率があって、それが落ち込むことはないだろう、すなわち、巡航速度で年率一%なり二%なりあるいは三%なりというようなところで続く見通しが立たなければ財政再建に踏み出せないという解釈でよろしゅうございますか。
○宮澤国務大臣 そう申し上げましたら、また余りに厳しい話になりますので、たまに何かがあっても、もうマイナス成長というものは脱出できたな、こういうぐらいのことははっきりしないといけないと思います。
○五十嵐委員 それから、家計収入がなかなか思うように伸びてこないというところで、必ず大臣は、アメリカはレイオフで、だけれども日本はできないから、そして厳しいリストラが行われているというお話、アジャストするのに時間がかかっているんでというような、ちょっと私にはわからない話なのでありますが、つまり、企業収益は上がってきていますね。家計収入も昨年は実は伸びているはずであります。そうすると、それが消費に向かわないというところが問題なのであって、レイオフをアメリカはやれるけれども日本はやれないから個人消費に火がつかないのだというお話は、ちょっとどうかなと思うわけであります。むしろ、公共事業をこんなにやっているのになぜ景気がよくならないのだということについて私は説明ができるわけであります。 これは、私というよりも私の身の回りの中小の建設業者の人でももう大分わかってきているのですけれども、国は、大型公共事業だとビッグプロジェクトをいっぱいおやりになる。しかし、それはほとんど大手のゼネコンに対する発注でありまして、大手のゼネコンは過去の痛みがありますから、利益をとるだけとって下請に回すわけですけれども、とった利益は全部銀行にお返しになってしまう。いわゆる政府支出は出ているけれども、上澄みの部分でどこかへ消えてなくなってしまっていてお金が回らない。 これはもう明らかなことでありまして、それどころではないのですね。バブルのときに建設、不動産業界は非常に膨らみましたから、過当競争であります。過当競争でありますから、苦しくなるとむしろ赤字を覚悟で受注をしてしまう業者が出てくる。そして、大手のゼネコンも相当苦しいところが出てきていますから、大手のゼネコンは全くもうけを渡さない形で下請に出すばかりでなく、今までは中小ゼネコンや地場の産業に任せていた小さな仕事にまで大手のゼネコンが出てきているんですよ。 ですから、むしろ、本来中小の建設業者さんたちが利益を上げるべき分野も大手のゼネコンに奪われていっている。そして、その下請で本当にかつかつの赤字覚悟の仕事を受けさせられている。ですから、十分に職人さんたちにお金を、給与を出すわけにもいかぬということで、これは幾ら政府支出をしてもお金が家計まで流れ込んでいかない、貨幣の流通速度は増さないということになっている。 中小の建設業者の人までもが、もうつぶれそうになったゼネコンを国のお金で助けるのはかえって迷惑だからやめてくれと言っているんです、実は。ゼネコンがつぶれると連鎖倒産が起きるから大変だというけれども、そうじゃないのですよ。むしろ今、中小の下請の方が、危ないゼネコンを選んでいる時代でありますから、危なっかしくて受けたくないと言っているんですから。これはむしろ、ゼロ金利でなければ生きられないようなゼネコンには早く競争市場から退場していただいて、健全な資力、財力、技術力を持った企業にきちんとした仕事をしてもらう、そのことの方が景気をよくする近道だろうと私は思うわけです。 それから、そもそも論でありますけれども、景気対策を公共事業、政府の財政出動で賄うという考え方は古い、これはもう欧米でもみんなそう言っているわけです。それで、自民党の皆さん方と私が食堂で会っても、ベテランも若手も限らず、もうそうした政策は、フィスカルポリシーは古いよねという意見を言われる方が多いわけです。あるいは、財務省の若手の官僚の皆さんと話しても、そう言う方が多いわけです。 こういう財政政策に頼り切りの景気対策というのはやはり問題が多いと思わざるを得ないわけでありますけれども、このケインズ政策といいましょうか、これに特に御党の、与党の政策責任者が寄りかかり過ぎているその姿勢について問題はありやしないかということを私はお尋ねをしたいと思います。
○宮澤国務大臣 そういう反省はいたしております。このたび、今御審査いただいております予算案の中で、いわゆるこれからの課題、ITでございますとか高齢化社会であるとか、あるいは都市問題であるとか環境であるとか、その四つの項目を新生政策の目玉にしておりますが、この合計が大体四兆円でございますので、九兆四千億円の公共事業費のほぼ四割がそこへ集中しております。これは今までになかったことでございますし、他方で、従来やっておりました公共事業も中断を決定いたしましたものが二百七十幾つかあるというようなことで、そういう反省は私どもも随分いたしております。なお、二十一世紀に向かってのインフラストラクチャーというものはやはり整備しなければならないということは事実だと思っております。 公共事業と雇用との関係はいろいろございますけれども、殊に地方におきましては、やはり公共事業というのが雇用にかなり効果があるということは事実だと思っております。その辺も、同じことをやっておったのではいけないということは十分反省はいたしておるつもりでございます。 私が先ほど申し上げようといたしましたのは、これはグリーンスパンがよく言うことですが、いわゆるIT革命というのは人間がやっていることをかわりに機械がやることだ、したがって、その間人間をどうするのかというのが一番の問題だということを彼はしょっちゅう言っていまして、アメリカの場合はレイオフでそれが解決されているということでございますから、我が国のような場合には、そういう本当にITというものが半恒久的な革命であるとすれば、労働の事情というものはそこからやはり変わらなければならないのは当然なことだろうと思っております。 余りこういうことを言う人がいないねとおっしゃいますが、そうかもしれません。しかし、私は見ていまして、確かに終身雇用だとか年功序列だとかいうことは変わりつつございますし、それから、常雇用がそうではなくてパートになっていくとかいろいろなこともございます。そして、企業の収益は確かによくなっておる、これは明らかによくなっておりますが、この間の年末のボーナスは一年前に比べると労働省の調べでは〇・七%、一%に満たないぐらいであったというようなことをいろいろ考えてみますと、なかなか普通の不況から脱出しますときのように企業の活動が家計に及ぶというパターンが、どうもそのようにできていない。 家計の収入はふえているんだろうとおっしゃいましたが、実は、ここのところが統計が一番不確かなところでございますけれども、各月を見ていまして、順調にふえているというようにはどうも見えておりません。そして、限界消費性向が月によって下がったりしておりますものですから、両方掛け合わせますと結局消費はゼロというような答えになりやすい。ただ、家計以外の分野で、自動車が売れたとかそういったようなものが助けになっておりますけれども、どうも基本になる家計そのものは、いわば横ばいという状況が続いておるというのがきょうまでのところでございます。 どうしたらそれに、どういう政策が一番いいのか。無論、ミスマッチとかいうようなことはございますから、そういうことは労働省でもいろいろやっておられるわけですけれども、家計のそういう慎重な態度というものがなかなか変わってこないというのが今一番悩んでおるところでございます。
○五十嵐委員 四兆円を新型の分野に向けているというお話ですが、私どもが見るとどうもITというのもまゆつばで、ちょっと道路の下を掘って光ファイバーを何かにくっつけてやる、これはITだというような形で、昔ながらの穴掘り仕事まで全部ITにしているんじゃないかというようなこともあるわけであります。 かつては公共事業が効果があったというのは、救農土木事業にあらわれますように、手作業でやる小さな仕事に多く振り向けられたから乗数効果が高かったんだろうと思います。今や巨大な国家的なプロジェクト、機械に仕事をさせるような分野にこれが特化していくものですから、なかなか先ほど言ったような乗数効果が生じないという部分もあるわけです。 私どもは、何も全部公共事業が悪いと言っているわけではありません。私たちの周りで本当に経済的に効果を発揮する効率的な社会資本の整備を優先的に進めていくべきだ、こう申し上げているわけであって、住む人間のそばで見つかる仕事をまず優先してやる、小さな公共事業を先に優先することの方がむしろ有用ではないか、効率的ではないかと私は思うわけであります。 それから、先ごろの予算委員会の私の質問でも、ちょうど橋本内閣のときに年金の五つの選択肢というのが示されて、主に推奨するものはわかっていたわけですけれども、そしてその半分が実現をいたしました。すなわち、段階的な支給開始年齢の引き上げ、そして支給率のダウンというものは、年金法の私どもは改悪と言っておりますけれども、実現をいたしました。しかし、残りの半分、保険料率の引き上げの方もその中には入っていたわけですけれども、それはまだ凍結をされた形になっている。マクロ経済モデルをつくるんだとおっしゃるわけですけれども、そのときの論議でも橋本さんは、確かにあの五つの選択肢を示したのが消費性向に影を落としたという答弁をあのときされました。 ですから、消費が進まない大きな原因の一つは、やはり将来に対する国民の不安があるというのは間違いないことであります。その将来に対する不安、これはいろいろな分野に来るわけですけれども、将来消費税がうんと上がるのではないかというのも一つの不安でありますし、あるいは年金、医療保険が持続をするのかということに対する不安が強いんだろうと思うんですね。 ただ数字をモデルとして示すというのではなくて、やはり方向性はもう既に五年も前に選択肢として示しているわけですから、そろそろこれは方向性を示した上で国民を説得するという作業に入らなければならない時期なんだろうと思います。大臣のおっしゃるマクロ経済モデル、ただ中期展望のように機械的に計算するだけではなく、あるいは幾つかの選択肢を示すのではなくて、こういう方向でやりたいんですけれどもこれはどうでしょうかという方向がやはり示されなければならないと思うんです。 厚生労働省、おいででしょうか。あの年金の五つの選択肢のモデルというのは一体どうなってしまったのか、今現時点ではどういうふうに考えているのか、お答えをいただきたいと思います。
○辻政府参考人 この五つの選択肢の前提でございますけれども、公的年金制度の財政方式の考え方でございますけれども、これは、現役世代が納付する保険料が高齢者世代に回るという世代間扶養の仕組みを基本といたしまして、ただ、高齢化が進みますので、急速に将来世代の負担が上がっていってはいけないということで、相当な積立金を保有しながら段階的に保険料を引き上げる、こういう財政方式を前提にして成り立っております。 このような財政方式を前提に五つの選択肢で給付と負担のバランスをどうとるかということをお示しして、それに基づきまして、その中のいわば一つのケースをチョイスいたしまして、昨年の三月に、将来世代の負担が過重とならないように、しかし確実な給付は確保するというような考え方のもとで、その五つの選択肢を出した上で年金法改正が行われました。 その結果、具体的には、将来に向けて二割程度給付を適正化する、一方、将来に向けて保険料負担は年収の大体二割程度にとどまるようにする、そしてそこに向けて段階的に引き上げていくという形でセットさせていただいたわけでございます。ただ、その際、現下の経済情勢に配慮いたしまして、段階的に上げるという保険料については凍結されたということでございます。 いずれにしましても、今後少子高齢化が進展いたしますので、将来世代に過度な負担を残さないように、保険料凍結期間についてはできる限り短期にとどめることが望ましいと考えておりまして、できる限り速やかな凍結解除に向けて御理解が得られますように努力をしてまいりたいと思います。
○五十嵐委員 それは政府としての統一的な考え方になっているのかどうか、一つ問題であります。 それから、ちょっと数字を確認したいんですが、今料率は一七・三五%かな、それを二〇とおっしゃいましたけれども、本当は二一%まで上げないとバランスしないのではないかな。それから、凍結が入るとその分だけ、これは五年ごとの財政再計算でありますけれども、後がきつくなってくるのではないかなと思いますが、その点についてはどうですか。
○辻政府参考人 二〇%程度と申しましたが、仰せのとおり、正確には二一・六%でございます。基本的には、積立金を持っておりますので、積立金の利子収入とともに、そのような状態で横ばいになるという設計をしております。
○五十嵐委員 ただ、積み立ての方もこれから運用がうまくいくかどうかという問題も、計算どおりいくのかどうかという問題も出てくるんだろうと思います。 それともう一つは、医療保険であります。 医療保険の方も大変思い切った案を提案されたはずであります。参照価格制度、ある症状、今私は風邪を引いておりますけれども、この症状だったら、病名で、この程度の薬剤の負担で治せるはずだというキャップをかぶせるわけですね。それによって、国際価格の三倍と言われる日本の薬価、高値安定と言われていますけれども、これを抑えることによって、超高齢化社会での医療費の増嵩を抑えていこう、あるいは保険料支出を抑えていこうという案だったはずでありますけれども、これは与党と医師会とのやりとりの中でつぶされてしまった、要するにせっかくの医療費の改革案がなくなってしまったというふうに思っているわけですけれども、この点についてはどのような考え方を現時点で厚生労働省はお持ちなんでしょうか。
○大塚政府参考人 かつて、医療保険制度の抜本的な改革を行う必要があるということで、当時の与党の中でもさまざまな御議論がございまして、薬価制度の見直しというのがその一つのテーマでございました。ただいま御指摘の点は、私の理解では、当時、参照価格制度というのが与党の協議会の中で論議され、また私どもの政府の審議会でも議論をされたわけでございます。 この参照価格制度と申しますのは、医薬品を効能あるいは効果、成分などによりましてグルーピングをいたしまして、それには共通の価格を設定し、それを現実に市場価格でオーバーする分は患者の負担でカバーをする、そこは患者の選択、こういうような仕組みでございまして、ドイツで導入されておる制度でございます。 私どもの審議会の中でも実は大変激しい議論がございました。両論ございました。二点だけ紹介いたしますと、一点は患者負担につながる点。この点に対する診療側、つまり医療関係者あるいは医薬品関係者、また被保険者の立場からの御指摘もございました。もう一つは、その仕組みが本当に効果があるのかどうかという御議論がございまして、いわば論議がまとまらなかった経過がございます。 しかしながら、薬剤の適正化という観点から、薬剤問題については改革を進めなければなりませんので、その後論議を進めまして、平成十二年の四月に薬価改定を行いまして、言ってみれば大幅な薬価の縮減の方策、やや専門的な言葉で恐縮でございますけれども、R幅の縮小、あるいは薬価の決定の手続を透明化するというような改革を進めました。なお課題もございますが、関係審議会で引き続きその他の課題について論議を進めていただいているところでございます。 ちなみに、当時国際的にも高い比率と言われました薬剤比率、平成三年で申しますと二九・五%でございましたが、直近の平成十年度にはこれが二〇・六%と、かなりの縮小が現実に見られているという状況でございます。
○五十嵐委員 薬価差益でお医者さんが食べているという問題は問題があるわけですけれども、単に薬価の単価の見直しだけで解決がつかないからこれはキャップ制度ということで、使う量まである意味では規制をかけて、薬漬け、乱診乱療に歯どめをかけていこう、こういう問題意識であったのだろうと思うのですね。 こういう改革意識を入れなければ、これは際限なく、言われるとおりに人口が高齢化になりますから保険料はふえていきます、あるいは年金はふえていきますというのでは、これは解決がつかないわけです。やはり政府の側の改革努力が入ったモデルをつくっていかなければならないのだ。そうでなければ納得してもらえませんよ。政府は何の改革の努力もしないで、負担だけはこれだけ上がる予定ですから応じてくださいと国民に頼むのは虫がいい。どういう部分を政府は我慢をし、むだをなくすから、足りない分を国民の皆さん負担してくださいと言うならわかるけれども。だから、そこが入ったモデルをつくらなければ私はどうにもならないと思う。 すなわち、もう一度宮澤大臣にお尋ねをいたしますけれども、モデルの方向性を含めて、もうそういう段階に来ているのだと思うのです。国民はもう覚悟をしているのですね、使わないというのは。将来国民負担がふえるかもしれないと覚悟をしている。 三七、八%、国民負担率でありますけれども、これは五〇%を超えないという話がちょっとありました。私は土光臨調のときの担当の新聞記者だったわけですけれども、あのときは、おおむね五〇%を超えない、超えてもいいけれども余り超えないようにという発想だったと思うのですが、そういうようなところでとどめるように官の側で、政府の側で努力をします、むだを省きます、安易に増税に頼りませんという話でありまして、そのことは国民にもうしみ渡っていると思います。むしろどれだけ官の側が努力をしたかということを示すか、それが問題なのであって、ただマクロモデルで選択肢を示せば国民に納得をしてもらえるという問題ではないと思うのですが、その辺のところを財務大臣に伺いたいと思います。
○宮澤国務大臣 お尋ねがございましたので申し上げなければなりませんが、今、年金についてあるいは医療の問題について参考人からお話がございました。社会保障の問題はみんなおのおの難しい問題を持ってきておりまして、今参照価格のお話もありましたけれども、これもどうもなかなか去年話していたようなわけにもいきそうもない。皆さんが、おのおのの問題について長いいきさつを持ち苦労していらっしゃる。それで、政府と与党としましては、先般、社会問題協議会でしたか懇談会でしたか忘れましたが、つくりまして、それは既に一、二回会合をいたしまして、一応三月の末までには基本的な方向を出そうということでございますけれども、御想像のとおり、それ自身はそんなにきちんと数字が入ったようなものは出るわけではございませんで、方向づけみたいなものが一応出ることになろうと思います。 それで、他方で、どういうモデルができるかにもよりますが、モデルができてまいりますと、今まさにおっしゃいましたように、どのぐらいの国民負担を限度とするかということをやはりモデルの中で議論しなければならないと思います。ただいまは社会保障が一四ちょっと、税金が二二ぐらい、三六とか七とかいうことで、これはおっしゃいました五〇%と言われておった時代からは、税金が何しろ取れませんで、減税もありましたけれども、二二なんということでございますので。きっと負担の限界はどこかということをやはり決めてまいらなければならないのではないか。かつては五〇ということが、おっしゃいますように何となく言われておりましたけれども、新しい二十一世紀に向かっての諸問題を一義的に決着するとすればそこを決めなければならないと思います。 そういうフレームの中で社会保障のおのおのの問題についても作業をしていただかなければならないということに仮になるといたしますと、負担の限界が決まってきますと給付の内容というものもそれに規制を受けざるを得ないということになるのであろうと思います。これらは、今までこういう問題で苦労をしておられた厚生労働省の方々からいいますと、全く数字の暴力が先に入ってくるようなことになりかねませんで、それにはおのおの皆さんたくさんの意見を持っていらっしゃる方がついていますので、かなり厳しい場面を予想しなければならないのだろうと私は思っております。 ですが、本当に今度こそは、もうよくも悪くもこれで国民的な決定ができたということのためには、このプロセスはどうも避けられないのではないか。私は詳しいことを知らないままでこんなことを申すのは自分でもややじくじたるものがございますけれども、シミュレーションで決めていくとすれば、どうもそういうことになってくる。そのことを除いてはやはり、言ってみれば財政の話のようでほかの話でもあるのですが、それらの問題の一義的な決定はできないのではないかというふうに思っているわけでございます。
○五十嵐委員 私の方は、選択と合意だというけれども、選択の幅は極めて狭くなっていて、かなりこれはリーダーシップが必要だ。今までのようなことではなくて、政治家が積極的に国民の側にこうやりたいんだということを訴えていって理解を求める、合意を得るという努力が必要になってくるのではないかなと思うわけです。ただ皆さんお見せしますから選んでくださいというのではなくて、それでは済まない時代に入ってきたということを申し述べたいと思います。 それから、もう時間がなくなってまいりましたので移りたいと思うのですが、公債市場がこれだけ大きくなってくる、それから公的金融が一方で全然縮まらないという問題があるので、両方相まって金融市場の育成がゆがめられる心配がますます大きくなっている、こう思うわけでありまして、公的金融の問題を含めて柳澤大臣にちょっとお話を伺いたいと思います。
○柳澤国務大臣 公債につきましては、先ほど来の御議論で、国債が主ですけれども非常にこのところ増嵩して、公債市場は一体どうなるかということがある。それからまた、郵貯、簡保というような商品もまた金融市場で大きな役割を果たしているし、さらに、融資の機関としてはいろいろな、かつてのということを申させていただきますが財投機関もあるというようなことを、金融市場育成という観点から一体どう評価するか。 大変大きな問題をいただきまして、今ここで一刀両断にこうではないかというようなこともなかなか言いかねるわけですが、とば口だけの議論として申させていただきますと、公債市場につきましては、こうした大きな金額ではございますけれども、民間債の方と同様に、国民の個人金融資産の蓄積が背景にあると思いますけれども、いずれも現在のところ大変円滑に消化されているということだろうと思います。 ただ、これについては、それにしても将来のリスクは一体ないのかというようなことを指摘する向きも当然あるわけでございますので、私どもとしては、その点についてはやはり注意深く見守っていかなくてはならない、このように考えるわけでございます。 それから、郵貯、簡保あるいは政府の財投機関の状況につきましては、郵貯、簡保も、やはりこれからますます民間の金融サービスというものが競争が激化いたします。そういう展望のもとでは、ユニバーサルサービスというのはやはり大変な値打ちのある存在であろう。それからまた決済システムとしても、民間には民間の決済システムがあるわけでございますけれども、せっかくの公的な決済システムがいわばデュアル化された形で存在しているというのも、一つの価値を持っているというふうに評価できるかと思うわけであります。 ただ、それにしても、こうしたもののウエートということになると、これはやはりそう手放しでこれで結構でございますとなかなか言い得ない面もあるのではないかということも念頭にあるわけでございまして、それらについても、これからのいろいろな制度改正等の中で適正な位置づけをさせていくということが大事ではないか、このように考えるわけでございます。 それぞれの政策金融機関については、これは現在党でもいろいろの御議論があるようでございますが、私が党におっていろいろとこの問題に携わったときには、実は政策金融というものを明示しているのは別途の法律であるということでございまして、それらをほうっておいて、ただ政策金融機関だけの存在が目ざわりだというのは、全くへんぱな議論だというふうに考えております。
○五十嵐委員 それはそのとおりだと思います。ただ、公的金融自体が大きくなり過ぎるとやはり大きな弊害が出てくるということで、縮減を図るべきであり、また、特に郵貯についても私は限度管理というものをきっちりすべきだというふうに思うわけであります。 法人税法改正案に移ります。 企業再編税制でありますけれども、適格合併の際の企業再編については、企業買収との区別をつけて租税回避につながらないようにしなければならないと思います。これは海外移転税制の政令等を援用して仕組みがつくられているようでありますけれども、大きさの違う企業同士の合併の場合に、これは事実上買い取るのを、これをそうでないように見せかけるということが可能になってしまうのではないかという心配があるのですが、何か小さい方の代表者が一人、新しくできる合併企業の常務会に経営者の一人として入っていればそれでいいように受け取れるわけでありますけれども、それは悪用されるおそれがありませんか。その点について伺います。
○尾原政府参考人 ただいま先生からお話ございましたように、今回分割のみならず既存の合併も同じ税の体系に入っております。 それで、共同事業の場合の適格とされる要件でございますが、規模要件につきまして、一つ、企業の規模が著しく異ならないことが必要である、それか、企業の規模が異なる場合であっても、双方の企業の常務クラスの役員が経営に参画するというのを要件にしているのはそのとおりでございます。これはまさに、日本の組織再編成の実態にかんがみれば、規模だけでは判定し切れないところがあるということでこのような要件にさせていただいているわけでございます。 問題は、ではそれが仮装的なものであった場合でございまして、実は、この分割等の企業組織再編成態様が区々なものでございますから、課税逃れに使われないようにというような一般規定も置かれております。したがいまして、今仮装的に短期間だけ役員にするというようなことがあって、後日このようなことが判明した場合には、この再編成には該当しないということで適切に課税処理を行うことになりますので、このようなことから、今回の要件が実効性に欠けるということにはならないのではないかと考えております。
○五十嵐委員 厳正に執行の面でも行っていただきたいと思います。 租特に移ります。 何度も我が党から指摘がありますように、住宅税制はやはり減税額が非常に大きい。一兆円にもなるかと思いますけれども、かなりゆがみが大きくなってきてしまったなという意識を持っております。これはやはりある時点で整理をしていく、あるいは、私が予算委員会の方で述べましたように、むしろ二次取得を促進するための政策に組みかえていくということの方が必要ではないかと思うわけであります。指摘だけにとどめさせていただいておきます。 それから土地税制は、私は落選をしていたものですから、久しぶりに戻ってきてみたらもとの姿にすっかり戻ってしまっているというので驚きました。これも余りにもモラルハザードに近い状態になってきているのではないかな、こう思うわけであります。 一つは、私は、土地はやはり収益還元価値で、本来の利用価値でもってその価値がはかられるべきであって、それは固定資産税に反映されるべきだ。そして、値上がり期待益、キャピタルゲインねらいの利益については、これは譲渡益で吸収をしていく、あるいはその他の地価税で吸収をしていくというのが本来の姿であって、土地は一物二価で、そういう意味では、資産としての価値と利用価値としてのものと、二価ではかるべきではないか、こういうふうに思っております。それが大分、バブル前にバブル前にという御要望に応じて、与党側の要請に応じて姿をまた変えてきてしまったなというふうに、土地税制の理念が変わってしまったなという心配を持っているわけであります。 それからもう一方で、今の固定資産税の制度のゆがみも、その土地の価格に対する、あるいは税制に対する考え方のゆがみからおかしな部分が出てきてしまったというふうに思っておりまして、固定資産税はやはり、先ほども申しましたように、収益還元価値で本来はかってやられるべきであり、そのかわり、安易なおまけはすべきではないというのは基本的な考え方であります。 地方と国との関係、やがてマクロ経済モデルのときにも大変重要な問題になってまいりますけれども、私は、一体固定資産税がちゃんと日本じゅうで取られているのかどうか、そして、おまけは随分恣意的に首長さん、市町村長の手によってされていて、その分が、交付税制度の中で基準財政収入額の方できちんと本来取るべき固定資産税額が算定をされていなくて、何となくそれを国が持っているというところになってはいないかという心配があるのですが、自治省、せっかくおいでになっていただいているものですから、お尋ねをいたしたいと思います。
○石井政府参考人 お答え申し上げます。 最初の固定資産の土地の評価方法の問題ですけれども、委員おっしゃいますように、収益還元方式でやったらいいかという議論はかねてあるわけでございますけれども、私ども、いろいろと研究会等を開いてやっておるのですが、収益還元の場合に、還元利回り率の設定が困難でありますとか、標準的な収益額の設定がなかなか難しいですとか、それから、今の国の不動産の賃貸市場において各種の不動産情報の流通が不十分であるとかといったようなこと、いろいろ難点が多うございまして、大量に一括評価をする固定資産税の評価方法としてはなかなかまだとりがたいのではないか。そこで、御承知のように、取引事例比較方式をとって、ただ、不動産鑑定なんかいたしますときに収益還元方法をとった場合にどうなるかといったようなチェックをして、何とか妥当な評価をしているというのが実情でございます。 それから、委員もう一点おっしゃいました、市町村等が固定資産税につきまして個別に減免して交付税で措置しているのではないかというようなお話でございましたけれども、固定資産税につきましては、まず地方税法で一定のものについては政策的な判断で非課税措置をいたしましたり、あるいは課税標準の例えば二分の一の特例を講じたりというようなことをやっておるのですけれども、こういった法律に基づいて非課税にしたりあるいは二分の一にしたりというものにつきましては、交付税の基準財政収入額の計算のときに当然標準的に入ってくる収入に入りませんから、税金が減ったレベルが標準的な収入という計算をいたしますけれども、これ以外に、例えば市町村長さんがそれぞれの御判断で何らかの理由で減免される、こういう場合は、交付税の基準財政収入額はその減免がなかったとしての標準的な税収入を計算することにいたしておりますので、そういう個々の市町村の御判断での減免については交付税で補てんする、こういうふうな仕組みにはいたしておりません。
○五十嵐委員 時間がないものですから指摘だけにとどめさせていただくわけでありますけれども、法定のものであっても市町村長の裁量がきくものがかなりあるわけでありまして、その辺について心配があるということであり、私が申し上げたいのは、土地税制全般について、やはりもう少し本質論に立ち返って見直す必要があるのではないかということであります。安易に去年までと同じだからそれを引き延ばして譲渡益課税をそのまま認めるというのはいかがなものかというのを指摘させていただきたいと思います。 それから、証券税制についても、私どもは考え方をもう既に発表いたしておりますけれども、ただ、証券税制については、すぐ税に、個人投資が進まない、投資家育成ができないことをそこへ持っていって解決しようというのはやはり問題であって、私は、証券税制に関しましては、個人株主の育成に関しては、かつての株式の世界の損失補てん事件、大口の顧客ばかりを優遇し、一億円以下の顧客をごみとして扱ったといった後遺症がいまだにあるというようなことをやはり考えるべきであって、総合的な対策というものは必要だ。すべからくそうでありますけれども、税にすべてのインセンティブを求めるというような考え方はとるべきではないということを指摘させていただきます。 次に、NPO税制についてお尋ねをいたします。 NPO税制、やはり発想を転換すべきだと私は思っております。欧米では本当にNPOが経済の活動を担う一方の大きな主体として働いている。そして働きがいのある職場を提供している、また雇用市場を提供しているという経済的な側面から、NPO活動を積極的に評価し、とらえるべきだと思っておりまして、この点について、欧米ではGDPの中にどの程度占めているかということを政府の方でおわかりになりましたらお教えをいただきたいと思います。
○尾原政府参考人 私どもの発表ではございませんが、現内閣府の平成十二年度国民生活白書に出ておりまして、非営利セクターの経済規模に関する国際比較としてアメリカの大学の試算が紹介されているところでございます。この試算によりますと、主要国における非営利部門のGDP比でございますが、我が国は四・五%、アメリカ六・九%、イギリス六・六%、ドイツ三・九%、フランス三・七%、一九九五年現在でございますが、このような数字と承知しております。
○五十嵐委員 日本の非営利部門が意外に大きいのですが、これは宗教法人が入っているということでしょうか。学校法人、宗教法人のウエートが高いということですか。
○尾原政府参考人 大変失礼いたしました。この統計でございますが、この非営利部門には宗教法人は含まれていないということでございます。
○五十嵐委員 思ったより少ないのですけれども、労働人口、就業者数なんかは今出ていないわけですけれども、かなりのスピードで充実が欧米では図られているのではないかなと私は思うわけでありますが、こうしたNPOの活動の評価について、野党側の提案者としてはどのような見方をしていますか。
○河村(た)議員 これが言いたかったところなんですけれども、これはきょうの特例公債の話とも若干一緒になるのですけれども、どうも宮澤大臣の話を、お世話になった方でございますからあれですけれども、国内に、貯蓄・投資バランスで言ういわゆる民間貯蓄過剰、お金がかなりあるわけですよ、実際の話。それをどうやって使っていこうかという発想をまず持っていただくということですね。なるべく貯蓄過剰が発生しないように。 貯蓄過剰が出ますと、要するに、国民が金をもうけますといって頑張りますね、本当は株や何かに直接投資するといいのだけれども、しようがないものだから銀行に預ける。では銀行はどうするかということになって、しようがないのでこれは国債を買っておる。民間設備投資……(発言する者あり)いや、自民党に考えてもらわないといかぬ問題でね。しようがないものだから、民間設備投資が伸びてこないから、これを要するに国債に回しておるということなんです。 ぜひマクロの経済においてもそういうお金を、とにかく民間の人たちが頑張って集めたお金だから、自分たちで使えるようにする。その部分は二つあるのですよ。一つはラーメンを買ったり食ったり、車を買ったりカラーテレビを買ったり、こういう部門です。もう一つは、公共的な部門にも出していいじゃないかということなんです、実はこれは。なぜ公共的な部分をあなたたちが全部仕切るんですか。こんなのは戦後復興の思想で、こんなことをやっているからそこへお金が行けない、だからどんどん国債になっていく、こういうことなんですね、実は。 先ほど、私と仲のいい与党の方がおりましたから、河村君の意見もわかるけれども、ちょっと早いよなと言いましたけれども、とんでもないんですよ、これは。今こそ、これだけ民間貯蓄過剰がすごく出ているときにこそ、民間が自分の選択で公共的なお金も出せるようにしないと。だから、NPOの税制というのはでっかい話なんです、これは。経済政策の中にしっかり位置づけられる大きな話なんですよ。これをやらぬ限り、そのうち日本は飽きられますよ。 全部お上がやって、だからどんどん増税していく。皆さんはいいわな、補助金にあずかって悪いことばかりやるなら。それはいいんだけれども、そういう国家にしかならぬなと思うからだめなんですよ、今日本は。そういうことです。民主党はわかっていますから。自民党がわかっておらぬです。そういうような一つの大きな経済セクターの話として御理解をいただきたいと思います。
○五十嵐委員 まさにそのとおりでありまして、NPOは公益性が公益法人より少ないからほとんど税は優遇しなくていいんだというような御意見がある、あるいは悪用を恐れるというお話がよく出されるわけですけれども、そういう考え方では、私は、これからNPO活動、経済活動を育てることはできないと思います。 もともと公益法人に対する税制優遇措置そのものが、私は日本で少し混乱があると思います。例えば、宗教法人というのは一種のサークル的な活動であります。不特定多数の人すべてが益をこうむるというものではなくて、志を同じゅうする信仰を持つ人の間での活動でありますから、私は、税の優遇措置を過大にするというのは、特に収益事業については問題があるという思いを持っております。 何も宗教法人を締め上げろという意味ではありませんよ。宗教は大変大切な心の活動だと思っておりますけれども、現世的な利益を与えるという面では、これは公益という面からは慎重に私は比較考量すべき問題だというふうに思うわけであります。 時間がなくなってまいりました。最後に、何人かの同僚議員もお話がありましたけれども、私も、この際税の執行体制について一言触れておきたいと思います。 税だけではなくて、金融検査についてももっとどんどんと、その公正性を担保する上で、私は人を強化するべきだ、人材を入れるべきだと思っております。場合によっては外国人を入れてでも厳正な検査をすべきだ。それは日本社会のモラルを維持するという意味で、税もまた金融検査も大変重要であるからであります。 今、Eコマースが盛んになってまいりました。かなりコンピューターのネット上での取引というのは行われるようになりました。一日じゅうコンピューターの画面とにらめっこで追跡をしなければいけない、かなりの負担がある仕事になっております。私は、ポジションも含めて、地位も含めて、組織、機構の強化をすべきだ、こう考えておりますけれども、両面において、柳澤大臣、そして国税庁の次長もおいでですから、現況も含めて簡単に御答弁をいただきたいと思います。最後に宮澤大臣にやはり一言お願いいたします。
○柳澤国務大臣 金融庁の特に検査の部門の人員の増強につきまして、大変ありがたいお話をいただきまして、ここで感謝を申し上げます。おかげさまで、平成十一年度に百三十五人、十二年度に百二十三人、そして、ただいま提出をいたしております予算におきましては百十人の増員が認められておるということでございますけれども、率直に言って、大変まだまだ手薄だという感じは否めません。 しかし、我々は量的な拡大だけではなくて、昨今におきます、ずうっと非常に、質的なこれは拡充というんでしょうか、充実が必要だということも強く認識しておりまして、研修等のことにも気を配っていくということを考えておりますけれども、そうすると余計にまた研修期間中の人員というようなことで、やはり帰するところ、もう少し増員が必要だというふうに考えておりますので、今後とも御支援をお願い申し上げます。
○大武政府参考人 お答えさせていただきます。 先生申されますとおり、税務行政を取り巻く環境は、まさに国際化とかあるいは高度情報化の進展で、質量ともに厳しくなってまいっております。これに対しまして、我々としまして、コンピューターの活用によります事務の高度化ですとか効率化、あるいは有効な資料情報に基づく効率的、効果的な調査ですとか、あるいは適正申告のための諸施策の充実というようなことで一つは対応してきました。 他方、国税庁は歳入官庁として国家財政を支える役割を担っている、あるいは税務行政は国民の財産権に直結する行政でございまして、やはり執行に当たっては極めて高度な適正さと公平さが求められるというようなことも踏まえまして、所要の定員の確保に一生懸命努力してきたところでございます。 今後も税務をめぐる環境は一層厳しくなっていくだろうということから、現下の財政状況、極めて厳しい行財政事情を踏まえつつも、やはり適正公平な課税を目指しまして、所要の定員の確保について各方面の御理解が得られるよう一層努力してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと存じます。
○宮澤国務大臣 国税職員の勤務につきまして、御理解のあるお話をいただきまして感謝しております。 ただいま次長から申し上げましたようなことで、とにかくこれだけ経済取引というのは大きくなりましたし、また電子商取引等々も出てきておりまして、国税庁も一生懸命、配置がえをやったり、あるいは特別国税調査、徴収官、情報技術専門官等をふやす努力をしておりますが、これは結局私の責任ということになりますので、大きな定員削減を国が年次計画でやっておりますために、削減量が大きく変わってまいりまして、なかなか国税庁もネット増というわけにまいっておりません。しかし、先ほどからも当委員会で皆様からお話がございまして、そういう御意思を体しまして、私としても一生懸命努力をいたしたいと思っております。
○五十嵐委員 終わります。
○山口委員長 次に、谷口隆義君。
○谷口委員 公明党の谷口隆義でございます。 まず初めに、今五十嵐委員の方からもおっしゃった最近の税を取り巻く環境の変化、特に国税職員の待遇の改善をお願いしたいわけでございます。 今、Eコマースの話も出ておりまして、状況を見ておりますと、いわゆるBツーCというものですね、消費者向け取引が、九八年に比べて二〇〇〇年の市場規模が八千二百四十億円、二年前に比べて十二倍になっているんです。また、いわゆるBツーBというんですか企業間取引が、現在、二〇〇〇年の市場規模が二十二兆円というようなことのようでございますので、九八年の二・五倍になっている、このような状況のようでございます。 いわゆるEコマース、電子商取引、だれもが簡単に参入することができ、瞬時に地域を飛び越えてやれる、極めて実態の把握が難しいわけでございます。そういう意味で、国税庁の方で、大阪であるとか東京であるとか、専門調査チームを設置しておられるようでございますけれども、このような税を取り巻く環境の変化に合わせてぜひまた拡充、充実をさせていただきたいということ。 もう一つは、最近の納税状況、滞納の税金の状況でございますけれども、平成十一年度で二兆七千六百六十一億円、このうち特に消費税が六千三百三十三億円滞納しているというような状況のようでございます。 一方で、平成十三年度予算で国税庁の定員が百九十八名純減となっている。今この行革の大きな流れの中で削減されたわけでございますけれども、一方で、先ほど五十嵐委員のおっしゃっていたように、歳入に携わっていらっしゃるところでございますから、この定員の確保についても十分にお考えいただきたいということで、宮澤大臣の御答弁をお願い申し上げます。 〔委員長退席、佐藤(剛)委員長代理着席〕
○宮澤国務大臣 つぶさに実情を御存じのお立場からいろいろお話しくださいまして、ありがとうございました。 先ほども国税庁次長が申し上げましたような状況でもございまして、いろいろ工夫はしておるように聞いておりますけれども、何といっても物理的に人の数が足りないということでございます。 私も予算決定時にいつもこの話をいたしますのですが、大きな定員削減が年次計画でかかっておるようなことで、ネットの減になっておるようなことで、まことに私もどうも面目のないようなことでございます。 一生懸命努力をいたしますので、御支援をお願いいたします。
○谷口委員 行革の大きな流れがございますので、削減の方向に行っているわけでございますけれども、拡充すべきところは拡充していく、こういうような対応でぜひお願いいたしたいというように思います。 それで、次の質問でございますけれども、当委員会でも何回か質問があったんだろうというように思いますが、金融機関の不良債権の問題でございます。不良債権のいわゆる直接償却についてお聞きをいたしたいというように思います。 最終処理なんというようなことを言って新聞報道に出ておるようでございますけれども、日曜日のテレビを見ておりましても、この直接償却についての考え方がどうもはっきり整理をされておらないのではないかというように考えておりまして、私は従来から、直接償却というのは三つのパターンがあって、金融機関の不良債権を譲渡したり債権放棄したり、最終的に貸し倒れ処理をしたり、この三つがいわゆる直接償却、このように考えておるわけでございますけれども、柳澤大臣に、直接償却ということについての金融庁の定義と申しますか、お考えと申しますか、これをお聞きいたしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
○柳澤国務大臣 午前中にも、ちょっとその点についてお話し申し上げました。 直接償却ということになりますと、通常は、相手方が倒産すると、そのことを受けて金融機関としては、これは回収の見込みが法律的に絶対的になくなったという意味でバランスシートからその金額を切り離すというか切り落とすというか、そういうことを大変強く意味するということがございます。 金融庁では、したがいまして、この話が出た一番の出発点のときからそこは非常にワーディングに気をつけておりまして、直接償却等というふうに、等という字をつけていろいろな議論をするというようなことをやってきたわけですけれども、等という字を一つくっつけただけで世間の人がみんなそこに注意を払ってくれるかというとそんなことはないわけでございまして、いつの間にやら直接償却、直接償却ということになってしまったということで、この点は大変我々も反省すべきことがあるかなと思っております。そこで、私はオフバランス、要するにバランスシートから落とすという意味でそういうことをあえて、カタカナでちょっと嫌ですけれども、ずっとこれを使わせていただいたわけでございます。 その中身はどうかと申しますと、今まさに先生がおっしゃっていただいたように、まずその債権を譲渡して、それでバランスシートから当然なくなるわけでございますので、それの振りかわりの資産はありましょうけれども、債権としてはバランスシートから落ちるという形のものが一つあろうというふうに思います。 それからもう一つは、いろいろな再建計画を任意につくって、それで、自主的にそういう私的整理の一環として、合意に基づいて債権を棒引きするという意味の債権放棄があるだろうということでございます。 そしてもう一つは、これは私は、せんだって来、日本独自のものかもしれませんがというようなことを言ったのですが、これは事務当局に注意されて、アメリカにもそういうものがありますから、大臣、今後気をつけるようにというふうなことを言われておるのですけれども、部分償却というものがございます。これは、担保をとって債権としてバランスシートの資産の項目に計上しているわけでございますけれども、しかしこれはもう回収は担保以外は不可能だというときに、それをまさに消してしまうという意味の部分償却。したがって、担保相当額は載っている、こういうことでございます。 それと、先生が今まさにおっしゃった文字どおりの直接償却。この四つくらいがバランスシートから切り離すということの手法としてあるというふうに我々は認識をしているわけでございます。
○谷口委員 柳澤大臣、私は、見ておりまして、大変一生懸命やっていらっしゃると大変評価しておるところでございます。我が国の経済の根本のところに金融機関の不良債権というのが大変大きな問題でございますから、その問題に対して最終処理を早くやらなきゃいかぬということで、大変精力的にやっていらっしゃるということに対しては、大変評価をするところでございます。 今、不良債権が、一般的に言われている金融機関の自己査定に基づくいわゆる問題債権が、二〇〇〇年の九月現在で六十四兆円弱あるようでございます。また、リスク管理債権、これが二〇〇〇年九月現在で三十二兆円弱あるというようなことのようでございます。また、いろいろこの不良債権の金額が、学者によってもかなりの金額を言っている方もいらっしゃるわけでございます。 それで、私は、先日、宮澤大臣また柳澤大臣のお話にもあったわけでございますけれども、我が国の金融機関というのはプロジェクトファイナンスじゃなくてコーポレートファイナンスで、プロジェクトに貸すんじゃない。プロジェクトに貸すということであれば、このプロジェクトがだめになれば償却処理をするわけでございますけれども、会社に貸しているわけでございますから、なかなかそのあたりが難しい、こういうことでございます。 それで、例えばある会社がございまして、そこに金融機関が数行貸し出しをしているというような場合に、メーンとメーンでない金融機関があるとした場合に、メーンの金融機関というのは情報がどんどん入ってまいりますから、いろいろな情報を把握できるわけでございますけれども、その他のメーンでないような金融機関は、ほとんど情報が入ってこない場合が多いわけでございますね。 それで、金融庁が例えば検査に行った折に、Bという金融機関がAという会社に融資している、Cという金融機関がAという会社に融資している、この処理が、ある金融機関では問題債権になっておってある金融機関では正常債権になっているというような場合があるわけでございますね。しかし、一方で、融資をしている先の企業が倒産に至る、破綻に至るということになりますと、全部これは回収できませんから、B、Cというこの金融機関は破綻処理をするわけでございます。 正常債権でやっておったところが、急に経営破綻をして償却せざるを得ないような状態になってくるというようなことになるわけで、そういう意味において、この会社をベースにして、本当はこの会社が名寄せで、各金融機関のところが、この会社の債権については問題債権だとか正常債権だとかいうようになれば非常にわかりやすいわけですね。だけれども、これはなかなかそのところができないわけでございます。 そういう状況について、柳澤大臣、まずどのようにお考えなのか、御見解をお伺いいたしたいと思います。
○柳澤国務大臣 もう大プロフェッショナルの先生に向かって私がその問題について云々するのは本当にはばかられるというふうに思うわけでございます。しかし、あえての御質問でございますので申し上げますと、実は私も、最初この仕事を引き受けさせていただいて、もう本当の後の時点ですが、事務当局ともう激しい議論をいたしました。しかし、もうぎりぎり詰めていきますと、結局、その貸出先の分類というか評価というのは、各個別銀行ごとに違うということを認めざるを得ないと私は思うに至りました。 それは、一番印象的だった話は、その貸出人が、変な話でございますけれどもA行、B行、C行から融資を受けておっても、自分がどこに義理を感ずるかでもって返済の態度まで違うわけですね。A行に対しては、もうこれは大事で、自分の命綱なんだから、死に物狂いになってもお返しを期限どおりしていく。B行、C行は、どちらでもいいというわけじゃないでしょう、余裕があればもちろん返済をやるわけですが、それでもやはり態度が違うということでございまして、そういうことの反映として、各金融機関の側が一つの貸出先に対する評価が違ってくるということはもうやむを得ないんだということをさんざん説得されたような経験も実はございます。 今私の持っておりますこの事務局がつくってくれましたお答えもそういうことを反映しておりまして、まず第一に、みずからが作成した自己査定基準に基づいてやっていることである。それから、取引の規模や履歴、あるいは貸出金の返済の履行状況、こういうようなものも異なることから、金融機関の債務者区分は必ずしも同じものになっていない、これは事実のことでございます。そういうようなことで、では、それがそのまま放置されていいかということになると、これは非常に私は難しい問題だというふうに思います。 しかし、このごろ、債権の評価なのか債務者の評価なのかというような議論も他方においてあるわけでございますけれども、現在段階では、やはりこの関係については、金融機関においてある程度ばらつきがあるという結果が出ても、それは自己責任の問題であるし、また、自分のリスク管理の問題であるというふうに認識するべきであろうというふうに思っております。 結局、各金融機関においては、いかにリスク管理の能力を、システム、それから情報というか判断力、そういうようなもので蓄積し、みずから具備していくかということになるのではないか、このように考えております。
○谷口委員 大変悩んでいらっしゃるのが今の御答弁でよくわかったわけでございますけれども、金融機関が貸し倒れを処理するというのは多分大変な意思決定であるんだろうというふうに思います。ですから、柳澤大臣が、今最終処理を直接償却等ということでやっていらっしゃることについて、これは強制的にやれるわけじゃございませんから、金融機関が自主的に償却をするような環境づくりをやっていく必要があるんだろうと思うんですね。債権を譲渡できるようなマーケットをつくるとかいろいろなことをやりながらやるわけでございますが、しかし一方で、金融機関はかなりの判断が要る。事によると、この企業をつぶしてしまうと、みずからの金融機関も危なくなってくるというようなところもあるようでございます。 ですから、どうも聞いておりますと、一割でもその回収の可能性がある、回収といいますか、業況転換といいますか、そういう可能性があるということになりますと、なかなか処理をしないというような状況になっておるようで、ここをもう一つ具体的に処理を進めるのにどのようにしていけばいいのかということが、大変悩んでいらっしゃるところではないかというふうに思うわけであります。 私もいろいろ考えたわけでございます。例えば、これはいろいろなことの環境の整理をやっていかなきゃいかぬのだろうというふうに思います。例えば、金融機関には早期是正措置というのがあるわけでございますね。アラームシステムといいますか、どんどんやっていくわけでございますから、そういうアラームシステムがあるわけでございます。一方で、企業のそういうことができないのか。例えば、レーティング、格付機関みたいなものがあって、それはもう公表するか公表しないかというのはまたいろいろな問題があるんだろうというふうに思いますけれども、そういう格付機関があって、それである種レーティングをして、ある評価を統一的にというようなことも一つ方法として考えられるのではないかというふうに思うわけでございますけれども、そのようなことも考えられたことがあるんでしょうか。
○柳澤国務大臣 これは、今先生の御指摘は、社債の発行体たる企業については、当該社債の回収可能性ということでレーティングが行われております。そういう意味で、それはそれでいいわけですけれども、では社債を発行していないものについてまでどういう格付か、これは債券の格付なんでございますので、会社の格付ではないわけでございまして、社債を出していないものまでどうやって格付するか、貸付金債権の格付をやるのかやらないのか、なかなか難しい問題があります。 ただ、一方の動きとして、新しいBISの銀行監督の基準というものが今議論されておりますけれども、それはリスク債権を計上するに当たって、貸出金についてもやはり、これは、格付のないものは一〇〇だというような形になっておりますので、そんなことがあるいは今後影響していくかもしれないということを、今先生の御質問を聞きながら、私ちょっと頭をよぎったわけでございます。 しかし、今回の私どもの企てというか働きかけに当たって、どういうふうにするかということについては、実はまだ検討の過程にございますが、確かに先生が御指摘になっているように、要するに、今いろいろなヒアリングを私もちょっとばかり聞きかじっているわけですけれども、一番難しい問題は、金融機関の話し合いでまとまりをつけるということが最も難しい作業である。これについて何か実は工夫があり得ないかというようなことを考えておりますけれども、先生の御意見も場合によって参考にさせていただけるんではないかと思います。 過程だけちょっと御報告をさせていただきます。
○谷口委員 予算委員会で、昨日と本日と公聴会を行いまして、何人かの公述人から直接償却についてのいろいろな御意見がございました。昨日は、リチャード・クーさん、また、植草さんが、特に植草さんあたりは、まず景気を活性化しないとなかなか直接償却、金融問題の処理は二の次だ、その次だ、こういうようなお話でございました。一方で、KPMGの木村さんという方なんかは、今もう一刻も早く不良債権の処理をしないと日本の経済がだめになっちゃう、こういうお話もございました。きょう、中北さんもそういうようなお話でございました。また、紺谷さんなんかは、もう今こそ先送りをすべきだ、今こそ護送船団行政に戻すべきだというような極端な意見もございました。そのように、公述人によっていろいろ意見が分かれておるわけでございます。 今米国経済の急激な悪化の影響を受けて、我が国経済も大変低迷をする傾向になってまいりました。そういう状況の中で、不良債権処理、特に直接償却ということをやってまいりますと、影響も当然ながら出てくるんだろうと思うんです。しかし、これはもう早くやってしまわないとまた次の景気の回復ということがなかなか起こらないのじゃないか、このように思うわけでございますが、柳澤大臣の御見解、どのようにお考えでございましょうか。
○柳澤国務大臣 先ほどちょっと日野委員の方から私が何か路線を後退させているのじゃないかというような御心配をいただいたわけでございますけれども、実は私の考え方というのは、私自身の思いではございますけれども一貫をさせているつもりでございます。 それはどういうことかというと、ざっくり言ってしまいますと、要するに先ほど先生が冒頭おっしゃったように、アメリカのファイナンスというのはプロジェクトファイナンスなんだと、つまり一つの企業体をとってみると何口かに分かれた融資である。日本も何口かに分かれてはおりますけれども、明確なミシン目が入っていないわけですね。アメリカの場合には明確なミシン目が入っておりますので、あなたのところのこのファイナンスについては打ち切りますよというようなことが非常に容易にできるわけでございます。 海外の融資についても同じなわけでございまして、いわばそういうことが、逃げ足が速いというか、日本の金融機関がもたもたして本当に債権が腐ってしまうのに対して、ストップロスというかロスを限定するというリスクの管理の手法が非常に成熟しておるということが言われるわけでございます。私は、これらのことは、結局のところ最初のファイナンスの仕方によって来るゆえんが実はあるというふうに思っておるわけでございます。 日本の場合には、もうコーポレートファイナンスでべったりその企業とつき合うというファイナンスの仕方でございますので、ファイナンスを引き揚げようとした場合にはまさにその企業を全面的に否定するようなことになって、これまでのつき合いとかなんとかというようなことがすべて、なかなかその処理をおくらせるという傾向がある。 私どもが今回やろうとしていることを申し上げますと、事後的にアメリカ型にできないかということなのでございます。つまり、事後的にミシン目が入れられないのかと。そして、収益力もあるし、また将来ともに存続していくような事業とそうでないもう見込みのない事業とを区分けして、そして見込みのない事業から引き揚げさせてもらう、こういうことができないかという試みなのでございますけれども、実はこのミシン目を入れる、そしてミシン目を相手については入れることが仮にできたとしても、実はそれをどういう格好で負担をするかということ、複数の銀行がありますので、このあたりが非常に難しいということは先ほど先生が御提起されたところでもありますし、私どももそのあたりについては今非常にこれをどう解決するかということをいろいろ研究している、こういうことだということで、ぜひ御理解を賜りたいと思います。
○谷口委員 その次の質問でございますけれども、三年前の金融パニックのときに早期健全化法を成立させたわけでございます。その際に、公的資金を注入した金融機関に優先株を受けたわけですね。この優先株を受けた金融機関については、もう既に普通株に転換できる状態になっているところが数行ございます。一部合併をしておる金融機関もございますけれども、当時でいきますと五行、もう既にその条件を満たしておるわけでございます。 そういうことで、政府として議決権を行使するような、普通株に転換をするというようなことを考えていらっしゃるのかどうかということをひとつ柳澤大臣、御答弁をお願い申し上げます。 〔佐藤(剛)委員長代理退席、委員長着席〕
○柳澤国務大臣 御指摘はそのとおりでございます。 この転換権つきの優先株式の転換権の行使につきましては、実は金融再生委員会当時でございますけれども、平成十一年の六月におきまして基本的な考え方を定めまして、これはもう明らかにしているところでございますが、その要旨は、健全化計画が的確に履行されている場合には基本的には議決権の行使を目的とする転換権の行使は行わないということでございまして、著しい過少資本やこれに準ずる一定の場合に転換権の行使を検討するというふうになってございます。 この考え方に照らしまして金融庁としてはそれぞれのケースに応じて対処をしていくということでございますが、基本的には、私どもはいわば銀行の国家管理というようなことについてはなるべく可能な限りこれを控えるべきだというふうに考えておりまして、しかし国損が生ずるというようなおそれがあるときには、断固これを保全するために、転換権のみならず、ありとあらゆる手段でもってその防衛に当たっていく、保全に当たっていく、このような考え方であるということでございまして、今当面転換をすべき状況にもないし、その意図もないということを申し上げたいと思います。
○谷口委員 大体対象になっているといいますか転換ができる金融機関というのは業況の悪いところが多いようでございます。ですから、この三月、株価の問題等々、乗り越えていかなければいかぬ大変いろいろな障害があるわけでございますけれども、今大臣がおっしゃったように、やるべきときにはあらゆる手段を講じてこれは乗り越えていかなければいかぬわけでございますから、平常といいますか普通の状況であるならばいいわけでございますが、そういう危機的な状況になった場合は、そういうようなことも念頭に入れてやれるというような御判断もお願い申し上げたいと思います。ぜひ頑張っていただきたいと思います。 もう時間がございませんので、最後の質問でございますけれども、内閣府副大臣、きょうは来ていただいているのでしょうか。 実は内閣府、政府主催の金融政策の討論会を、あしたですか、行われる予定のようでございます。どうも報道によりますと、討論会の内容で金融緩和の可能性、インフレターゲット論を含めた金融政策の目標などを議論する予定だというようなことでございます。何を言いたいかといいますと、日銀の独立性の問題との兼ね合いをお聞きいたしたいわけでございますが、どういう意図を持ってやられるのか、御答弁をお願い申し上げます。
○坂井副大臣 お尋ねのあったのは、経済社会総合研究所が今般開催することとした、ESRI—経済政策フォーラムということだと思っております。 本フォーラムは、経済社会総合研究所が政策研究機関としての機能強化を図る一環として開催するもので、その時々の経済政策上の重要な問題について、外部の経済学者や有識者の方々と当研究所の専門家が、経済学的な知識や理論を活用して公開の議論を行って論点を明確化することにより、政策形成に資するとともに広範な議論を喚起することを目的とするものです。第一回、あす三月一日は金融政策をテーマとしておりますが、今後とも、その時々の経済政策上の重要な問題を幅広く扱っていくつもりです。 あすのテーマは「金融政策の課題—更なる金融緩和を巡って」ということで、最近の金融経済情勢、金融政策の有効性、金融緩和の可能性、金融政策の目標のあり方などを議論するわけでありますが、本フォーラムにおいても、さまざまな立場から専門的な議論が行われ論点が明確化されることが、今後とも関係機関の政策の企画立案の参考となり得るものと考えております。 もちろん、日銀の自主性というものは尊重されなければいけませんし、委員御案内のとおり、私も委員も日銀法改正のときにこの政策に関与したわけでありますが、日本銀行の自主性の尊重及び透明性の確保というのは、日銀法の第三条で規定されているところでございます。 しかしながら、こういう議論というのが幅広く行われるということは非常に結構なことだと私も思っておりますし、そのためにもこういう研究所があるわけであります。また、パネリストとしてもそれぞれ各界のそれなりの人が出ておりますので、反応も、聞きに行きたいというような問い合わせも非常に多いものでありますから、独立性はもちろん尊重しながら、こういう議論を公平な立場で進めていきたいと思っておるところであります。
○谷口委員 私自身も、日銀の金融政策については意見を持っております。しかし一方で、政府が日銀の独立性に対して圧力をかけるがごとくの対応だけはぜひ控えていただきたい、このように申し上げまして、終わらせていただきます。
○山口委員長 次回は、明三月一日木曜日に委員会を開会することとし、本日は、これにて散会をいたします。 午後三時十一分散会