国土交通委員会 第18号
- 発言数
- 220 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2001/06/05
会議録
○赤松委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、自動車損害賠償保障法及び自動車損害賠償責任再保険特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本日は、本案審査のため、参考人として、自動車損害賠償責任保険審議会会長・武蔵工業大学教授倉沢康一郎君、社団法人日本損害保険協会専務理事荒木襄君、全日本自動車産業労働組合総連合会事務局長加藤裕治君及び全国交通事故遺族の会会長井手渉君、以上四名の方々に御出席をいただいております。 この際、参考人の皆様に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。本案につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。よろしくお願いを申し上げます。 議事の順序でございますが、倉沢参考人、荒木参考人、加藤参考人、井手参考人の順で、御意見をそれぞれ十分程度お述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。 なお、念のために参考人の皆様に申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださるようお願い申し上げます。また、参考人は委員に対し質疑をすることができないことになっておりますので、御了承願います。 それでは、倉沢参考人にお願いいたします。
○倉沢参考人 武蔵工業大学の倉沢と申します。 本委員会で意見を申し述べる機会を得ましたことをまことに光栄に存じます。 私が会長を務めております自動車損害賠償責任保険審議会では、昨年六月、自賠責保険制度に関しまして、今回の法案にも盛り込まれている政府再保険の廃止や保険金支払いの適正化のための措置の必要性などを盛り込んだ答申を行っております。本日は、この答申の内容も踏まえつつ、今回の自賠責制度の改革について意見を申し述べさせていただきます。 まず、自賠責制度に関する基本認識についてでございますけれども、我が国における交通事故の状況を見ますと、急速なモータリゼーションの進展などを背景に、交通事故件数、死傷者ともに昭和四十年代半ばまで急激に増加いたしました。政府による交通安全対策の実施等により、昭和五十年代前半に事故件数などは一時減少しましたが、それ以降再び増加に転じ、近年一貫して増加傾向にあります。こうした状況を踏まえますと、交通事故被害者の救済の必要性というものはますます高まっていると考えております。 自動車損害賠償責任保険は、昭和三十年の自動車損害賠償保障法の施行からスタートいたしまして、交通事故の被害者に対する損害賠償の保障と健全な自動車運送の発展ということを保障する制度といたしまして、殊に被害者の救済に大きな役割を果たしてきております。 この制度は、制度成立のときから他国に比しても非常にすぐれた制度であると言われておりまして、この基本的な立法の趣旨、精神というものは今も妥当性を持っておりますが、この半世紀の間に自動車交通をめぐる社会経済情勢の変化ということがございますので、これを時代に合わせて、その目的を一層実現すべき時期に来ておると思っております。 具体的な制度の内容についてですけれども、まず、我が国の独自の制度として、強制加入の自動車損害賠償責任保険と任意の自動車保険という二本立て制度になっております。自賠責保険は加入が義務づけられて、そして、契約内容が自賠法という法律で画一的に法定されており、すべての車種、契約者に同一の担保内容となっておりまして、その支払いは、迅速な被害者救済が図られるよう定型、定額的な支払い基準により行われております。また、保険料水準も、保険会社に利潤を認めないノーロス・ノープロフィット原則が法律に定められておりまして、低い水準に抑えられてきております。 この強制加入保険というものは、法律上の定型化された内容によって、自動車の人身事故の被害者、つまり保険契約関係でいえば第三者に当たりますけれども、その被害者の方の基本補償を確保するという役割を果たし得るものと思います。 一方、任意保険では、契約者が担保内容や各種サービスを任意に選択することが可能となっており、このように、それぞれ異なった性格を有する自賠責保険と任意保険が今後も相互に補完し合って機能していくことが適当だと考えております。 この任意保険の部分で、自動車を運行する者が、自分が負うかもしれない法的な賠償責任負担というリスクに対する自助的なライフプランというものを保険会社の競争の中から選べるということになろうかと思います。 次に、保険給付水準についてでございますけれども、自賠責保険の保険金限度額は、従来、任意保険の普及状況等を踏まえつつ、加害者が任意保険に未加入の場合でも基本補償を確保するという観点から改定されてきております。 現行、死亡三千万、傷害百二十万という水準ですけれども、この保険金限度額については、これによって相当程度の賠償金額がカバーされており、基本補償としての自賠責保険の性格を踏まえれば、基本的に適当な水準であると思っております。つまり、先ほど申しました二本立て制度におけるメリットを加入者が利用する接点としては妥当な額であると思っております。 それから、政府再保険制度の廃止についてでございますけれども、政府再保険制度は、昭和三十年という敗戦後間もない立法当時、保険金の支払いに関する危険の一部を国が負担するということが適切であるという点が第一点で、それからさらに、被害者保護の観点から保険金の支払いを国が審査することが適切、殊に、強制加入の自賠責保険の果たす機能という、全く新しい制度でございますので、そのチェックのシステムとして国が審査することが適切という理由から、この制度の創設当時から実施されてまいりました。 しかしながら、近年、保険会社の担保力が向上してきていること、それから保険金支払いの適正化については、本来それは別の問題であって、政府再保険以外の形によっても実施が可能であればこれに代替し得ると考えられることなどから、政府再保険自体は、私は現状において廃止しても問題ないというふうに考えておりますし、昨年六月の答申にもその旨を盛り込んでおります。 次に、保険金支払いの適正化についてですけれども、年間百万件を超える自賠責保険の支払いは総じて適切に行われているというふうに認識しておりますけれども、もちろん、一部に保険金支払いに関するトラブルが生じているのも事実であります。 このため、政府再保険の廃止について自賠責審議会において議論を行った際にも、保険金支払いの適正化をいかに図るかが議論になりました。被害者の方々も、保険金支払いの適正化を図るためには、信頼の置ける公正な第三者が保険金の支払いに関する紛争処理に当たる仕組みを整備する必要があるというお考えを述べておられます。また、死亡事案や重度後遺障害事案など、一定のものについては引き続き国がチェックを行うべきであると考えております。 それから、自賠責保険の運用益についてでございますけれども、現在国において再保険の運用益を活用して被害者救済対策や交通事故防止対策が実施されており、交通事故の状況が深刻化する中、これら被害者救済対策などの事業の重要性は一層高まってきておると考えられます。 他方、自賠責保険は、保険制度でございますので、国と保険会社に残る運用益を財源として、本来取るべき保険料水準よりも低い赤字保険料率が設定されて、自動車ユーザーの保険料負担の軽減が図られております。 この再保険の廃止に当たっては、その時点で国に残っている運用益について、これまでも充ててきた自動車ユーザーによる保険料負担の軽減と被害者救済などの対策の実施の双方にバランスよく配分することが必要と考えられます。 今回の政府法案では、運用益の二十分の九を被害者救済等の対策に、残る二十分の十一をユーザーによる保険料負担の軽減に充てることとしており、これはバランスのとれた配分であろうと考えます。二つの目的に割り振って、しかもこの運用益が保険契約者の払い込んだ保険料の果実であるという点を加味すると、これはバランスのとれた配分であろうと考えます。 最後に二つだけ申し上げます。 今回の法案は、自賠責審議会の場でも、多くの関係者が長年真剣な議論を重ねて、必要な調整を行ってきた結果を反映させていただいておりまして、高く評価しております。 この法案の成立の暁には、以上申し上げた観点から、適切な運用が行われることを期待いたします。 どうもありがとうございました。(拍手)
○赤松委員長 ありがとうございました。 次に、荒木参考人にお願いいたします。
○荒木参考人 本日は、自動車損害賠償保障法、いわゆる自賠法の改正に関しまして、私ども日本損害保険協会に意見を述べる機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。 私ども日本損害保険協会の会員であります各損害保険会社は、自動車損害賠償保障法に基づく自賠責保険の契約あるいは保険金のお支払いを取り扱っている事業者でございます。本日は、この事業者の立場から、自賠法の改正について考え方を述べさせていただきます。 なお、私は、社団法人日本損害保険協会の専務理事を務めております荒木と申します。よろしくお願いいたします。 自賠責保険は、先ほど倉沢参考人もおっしゃいましたが、昭和三十年に制度が創設されましてから、保険料の六〇%を政府に再保険する仕組みとなっております。 このような仕組みが導入された理由は二つございまして、まず、当時の保険会社の担保力、資金力にかんがみまして、新しいこのような強制的な保険の導入に当たって、過半を占める六〇%を政府が再保険として引き受けるということによりまして、制度の安定を期したということがその第一点であります。すなわち、リスクヘッジという観点であります。 第二点は、自賠責保険の公的な性格にかんがみまして、被害者保護の観点から、再保険という手法を通じまして、政府が事業の運営、とりわけ適正な保険金の支払いを確保するということに関与をする仕組みをつくる必要があったということであると思います。 しかしながら、現在におきましては、昭和三十年当時と比較いたしますと、保険会社の担保力は格段に向上いたしておりまして、総資産で比較いたしますと約三百倍以上になっております。 また、自賠法に基づきまして共同プールという組織がございまして、各保険会社がこのプールに参加しておりますので、このプールの中でそれぞれの保険会社の損益は平準化されている。もし支払い困難に陥った保険会社がある場合には、その他の保険会社においてその負担を行うということになっております。 それからさらに、保険業法に基づく損害保険契約者保護機構というものが創設されておりまして、ここにおいても、自賠責保険の保険会社が破綻をした場合の補償を一〇〇%行うという仕組みが既にでき上がっております。 こういう三つの観点から申しますと、リスクヘッジとしての再保険の役割は、極めて少なくなったといいますか、必要性が乏しくなったと言えるかと思います。したがいまして、民間でできることは民間でやるという規制緩和の基本的な考え方に即しまして、政府再保険を廃止していただきたいということをかねがね要望してきたわけであります。 私ども業界としては、平成十一年の二月に政府再保険廃止の要望を提出いたしました。その後、この政府再保険問題を中心といたしまして、自賠責保険制度全般にわたって、我々業界を含めまして、政府の規制改革委員会あるいは関係省庁、被害者の団体、有識者や専門家の方々におきまして、幅広い論議が行われました。 この論議を踏まえまして、平成十二年三月に、政府の規制改革三カ年計画の最終年度に向けた再改定の中で、自賠責保険の再保険については、次の五条件の実現の方向を確認した上で行うことが閣議決定を見たわけであります。 その五つの条件といいますのは、被害者保護の対策が充実されること。政府保障事業を維持すること。現在、政府再保険の運用益を活用して、政府が被害者保護対策事業や事故防止対策事業を行っておりますけれども、政府再保険廃止後も、これらの政府の事業のうちで必要不可欠なものは継続をするということ。四点として、自動車ユーザー等へのメリットがあること。五番目に、合理的な範囲内のコストによる制度改定であること。以上五点を確認する必要があるということであります。 この示されました方向性を踏まえまして、政府再保険廃止後の被害者保護対策を中心に、関係当事者間で鋭意検討が進められたわけであります。 私ども業界といたしましても、もちろん、自賠法の目的であります被害者保護の機能というものは引き続き重要であると考えております。政府再保険制度を廃止した後におきましても、再保険制度にかわる、適正な保険金支払いの確保ということを実現するための仕組みが整備される必要があるというふうに考えている次第であります。 昨年末に、次を骨子とする被害者保護対策を講じることによりまして、政府再保険を廃止することで、関係当事者間の協議がまとまったわけであります。 骨子といいますのは、一つは、死亡あるいは重度後遺障害のような一定の事案については、行政府がその届け出を受けて、保険金の支払いについて個別の点検を行う。二番目は、専門の有識者によって保険金支払いに関する紛争を解決する仕組みを自賠法の中に位置づけまして、行政府がその公正な運用を確保するために必要な監督を行うということ。三番目に、保険会社は、保険金の支払いに関して、被害者あるいは被保険者に対して積極的に情報開示を行うということであります。 現在御審議いただいております自賠法の改正法案は、私ども業界の長年の要望でございます政府再保険の廃止という規制緩和を実現していただくと同時に、関係者間で論議を重ねた結果であります被害者保護のための必要な措置を明確にしていただいた内容となっております。 損保業界としては、これまでも、保険金支払いの審査体制の強化を初め、例えば、近年その問題が明らかになってまいりました高次脳機能障害問題の認定システムを確立するということを始めております。また、事故の発生状況の分析体制を強化するということで、専門家による委員会を発足させております。また、被害者に対する保険金請求手続を支援する業務も実施をしております。等々、自賠責保険による被害者保護の充実にこれまでも取り組んでまいりましたが、改正法が施行されました後は、改正法案に示されました新たな紛争処理の仕組み、あるいは被害者に対する保険金の支払い基準に関する情報提供の充実等、制度改正の実施に積極的に御協力申し上げて、強制保険としての自賠責保険が果たしている被害者保護の役割が、前進することはあっても決して後退することはないということで、努力をしてまいりたいと考えておるところであります。 今回の制度改正に合わせまして、保険業界としても、業務全般の簡素化と効率化に取り組みまして、自賠責保険の運営に必要な経費の縮減に努めてまいりたいと考えております。また、お預かりした保険料の運用に関しましても、保険会社の運用分がこれまでの四割から十割に拡大されることでありますので、運用のさらなる効率化に取り組んでいく所存でございます。 つきましては、改正法が早期に成立し、平成十四年度から政府再保険が廃止されることを強く要望するものであります。 以上、私の意見を申し上げまして、御参考に供したいと思います。 御清聴いただきまして、まことにありがとうございました。(拍手)
○赤松委員長 ありがとうございました。 次に、加藤参考人にお願いいたします。
○加藤参考人 自動車総連の事務局長をしております加藤でございます。よろしくお願いいたします。 自動車総連は、自動車産業に働く労働者を組織している産業別の組織でございまして、自分たちの雇用と労働条件の維持向上という観点、そして、日本経済、日本国民の生活の向上に資するという見地で、産業の健全な発展を目指して運動を進めているところでございます。 そんな中で、公平、公正でわかりやすく、また信頼される保険制度の確立というのが自動車社会の健全な発展に不可欠であるという見地から、七千万人に上る自動車ユーザーの声を代弁するという立場から、自賠責審議会にも参加させていただきまして、意見を申し上げてまいりました。 私は、この法案に賛成をする立場で、五点のポイントに分けまして課題を申し上げ、考え方を述べさせていただきます。 まず第一点は、政府再保険の廃止を支持したいということでございます。 我が国の課題であります行政改革、民でできることは民でという観点に立てば、これは妥当な方向であると考えております。任意保険との二階建て制度であるということは先ほど協会の荒木専務がおっしゃったわけですが、保険諸手続は保険会社が一括で行っているわけでありまして、経営基盤が安定した現在、廃止が効率的なやり方ではないかというふうに考えておるところでございます。ただし、被害者救済が後退しないこと、そしてユーザーにもメリットがあるということを実現していかなければならないだろうと考えております。 二点目に、累積運用益の使途と今後の見直しについて意見を申し上げたいと思います。 約二兆円に上る累積運用益は、この制度がノーロス・ノープロフィットの原則で運営されているということから考えれば、そもそも保険料を負担したユーザーに基本的には帰属するのではないかと私どもは思っておりますが、その中で、被害者救済あるいは事故防止の諸制度に充てられてきたということは、この制度をより効率的かつ被害者救済の目的に沿ったものにするという目的で政策的に認められ、段階的に拡大をされてきたというふうに考えております。 被害者救済や事故防止事業について、どの範囲までこの制度でカバーしていけばいいのか、基本的な補償として、セーフティーネットとしてどこまでカバーしていけばいいのかという大局的視点で考えられたという点では、いまだ審議会等でもはっきりしたお答えがいただけていないのではないかと私は考えております。継続的に行われている事業の中には、必ずしもその存在理由や効果というのがはっきりしないようなものも含まれているというふうに考えております。 また、被害者救済事業でございますが、限られた予算内、つまり運用益で行うわけですからおのずと限られた予算であるわけですが、被害者サイドから見れば、やや不十分、不公平な点があるのではないかと考えております。 こうした視点から考えますと、今後、長い将来、先を考えた場合に、今回の二十分の九、すなわち約九千億円という原資で事業を継続していくということができるのかどうかというのは、検討を要する課題ではないかというふうに考えております。審議会の答申では、賦課金といった新たな安定的な財源も検討すべきではないかというようなことに言及しているわけでございます。 そんな見地から考えますと、今回の措置は当面の措置というふうに考え、ユーザー還元は五年間ということで、残りの二十分の十一が充てられるようでありますが、そうした措置がとられている間に、中長期の観点に立って被害者救済をどうしていくのかということは考えていくべきではないかというふうに考えております。 三点目でございますが、被害者救済事業については国の社会保障制度全体の中で考えていくべきではないかということであります。 我が国では、省庁の縦割り行政の中で、例えば労働災害は労災保険、自動車事故は自賠責、障害やその後のケアについてそれぞれの枠内で考えられてまいりました。国民の立場から見ると、制度間で見ればやや不公平な面があるというような状況になっております。 例えば介護の問題で言えば、今回介護料の支給について対象の拡大あるいは額が引き上げられましたが、これまでで言えば、介護保険とのバランスはとれていなかった、あるいは労災とのバランスはとれていなかったわけでございます。諸外国には、介護保険の対象として、加齢によるもの以外、例えば交通事故によるものも対象に含めているような例もあると存じておりまして、そういうことも参考にすべきではないか。介護保険は約二年ちょっとの後見直されるわけでございますが、その際ぜひ検討していただくべき課題ではないかと考えております。 四点目に、事故防止対策事業などの抜本見直しをお願いしたいということであります。 今日まで、運用益から、政策支出として自動車事故対策センターを通じて被害者救済事業、自動車事故防止対策、さまざまな機関への補助金も支出されてきたところでございます。しかしながら、これらの事業は、警察や各地方自治体あるいは総務省などが行っている事業と重複をしていたり、あるいは時代とともに補助金の根拠があいまいになってきているものもあると考えております。この際、自賠責審議会において抜本的に見直すべきではないかというふうに考えております。 最後に、紛争処理機関についてでございます。 自賠責の不服審査システムとしましては、自動車保険料率算定会の審査会、再審査会、また任意保険部分も含めた紛争処理機関として紛争処理センター、さらには日弁連の交通事故相談センター等がございます。これらはそれぞれ機能を果たしていると考えております。 今回、紛争の処理について、被害者保護の観点から国の関与が不可欠ということで、国土交通省が関与していく指定法人を設置することとなっております。この結論というのは、審議会の中でも一つの検討課題として上がっていたところでありまして、今後の運用について要望申し上げておきたいのですが、事故の過失割合等の問題は、自賠責の範囲だけではなく、任意保険と合わせた総合的な分野で生じるわけでございまして、自賠責部分のみの紛争処理機関が、現在の被害者のフラストレーションといいますか問題意識を解消できるかどうかはやや疑問を私は感じております。 そういう意味で、現在の制度との整合性、また現在、司法制度の改革が、より国民に親しみやすいといいますか、入りやすい司法制度ということで検討が進んでいるわけでございますが、これらの制度の改革の方向性ともあわせ、本当の被害者救済というものの視点に立った運用をしていくべきではないかというふうに考えているところでございます。 以上、五点にわたりまして述べました。法案に賛成の立場でございますが、中長期の観点で課題として認識し、検討を加えていかなければならないとの見地で意見を申し上げました。よろしくお願いいたします。 ありがとうございました。(拍手)
○赤松委員長 ありがとうございました。 次に、井手参考人にお願いいたします。
○井手参考人 本日は、国土交通委員会に参考人としてお招きいただき、発言の機会を与えていただいたことに心からお礼を申し上げます。私は、千葉県に在住しておりまして、耳鼻咽喉科医として働いている井手と申します。 平成二年十一月に、当時高校三年生の娘が、登校中、交通死したことを契機に、平成三年四月に全国交通事故遺族の会という自助組織を設立しまして、昨年二月、東京日本橋に事務局を移転し、被害者の救済と交通事故の撲滅を目的に活動しております。 本日は、交通事故被害者の立場から、被害者の現状や今回の自賠責制度改正に望むことなどを述べさせていただきます。 まず、交通事故被害者の現状ですが、先ほども申されましたように、交通事故は毎年増加しておりまして、昨年は百十五万人を超しておりまして、増加の一途をたどっております。死者は約九千人、重度の後遺障害者は十年間で二倍と増加し、史上最悪の憂慮すべき状態にあります。 現実に加害者になる人は本当のところは少ないのですが、被害者になる確率は非常に多いのです。このことに対する認識が余りないような感じがいたします。周りを見回しますと、一家に一人や二人の被害者がいることは珍しくありません。 後遺障害者には、介護に多額の費用が必要ですが、必ずしも十分な救済がなされているとは思われません。被害者は本当に困っているのです。深刻で異常な状態であるにもかかわらず、加害者が起訴に持ち込まれる率は低く、仮に起訴されても、罰金刑がほとんどです。実刑になるケースは非常にまれなのです。処罰が緩やかであれば、一般の人はもちろん、加害者でさえ、交通事故による生命の毀損を軽犯罪程度にしか考えなくなっています。 車で人の生命を奪った加害者に適切な処罰がなされず、賠償交渉が金銭で決めることがすべてであれば、それは純粋な商行為となります。人間の生命を物と同じに扱うことになってしまいます。交通事故はお金で解決すればよいというようなことになり、このことが肉親を奪われた者にとっていかに過酷であり、心を傷つけるものであるかということを理解していただきたいと思います。 損害賠償というのは、他人に与えた損害をてん補して、損害のない状態と同じ状態にすることであります。したがいまして、人身事故の場合には損害賠償そのものが不可能なのです。結局、人身事故においても賠償が金銭で行われるのは、それ以外に方法がないからだと思っております。 自賠責保険が制定される以前は、被害者の保護が不十分で、往々にして泣き寝入りの状態でした。それは、一般的な人命軽視の風潮や、権利を十分に主張しない消極性による点もありましたが、第一に、交通事故の賠償責任の決め方についての法的知識が十分でなかったこと、第二に、加害者側に一時に多額の賠償金を支払う備えが不十分であったためであります。これを解決するために、不可避的な自動車事故による被害者の救済に万全を期すことを目的に制定されたのが自賠責保険であったと思っております。 ところで、賠償交渉は、本来、加害者と被害者との間で直接に行われるものであると思っております。しかし、この間に損保会社が介在するシステム、いわゆる示談代行になったことによって、交渉相手のすりかえと加害者の責任回避を不可避的なものとした純粋な商取引になってしまいました。 損保会社は私企業であります。したがって、その目的は利潤であり、利潤の追求は、人間の命を低く評価することで被害者に犠牲を強いるだけでなく、人間の死傷を、命を物の毀損に置きかえてしまっているのです。今の車社会において、車で死傷させられた人は人間としての尊厳さえも奪われています。先般、ハンセン病の元患者が、やっと人間になれたと言っておられましたが、人間として扱われないほど残酷なものはありません。 現在、自賠責特別会計の運用益により、被害者救済対策として、重度後遺障害者のための療護や介護料の支給などが行われておりますが、現状から見て全く不十分です。今回の政府再保険廃止に当たって、必須の条件である被害者保護の内容は、最低限の条件は盛り込まれていますが、将来に向けてさらに充実していただくことを希望いたします。 この中で強調しておきたい二点を申し述べさせていただきます。 一点目は、交通事故被害者救済のために財源を十分に確保していただくこと、救済内容を充実することです。そのためには、自賠責特別会計の運用益を確保し、救済対策の内容を充実することです。 車社会では、ドライバー、つまりユーザーが事故の被害者になることは多いわけですから、ユーザーと被害者を対立的に考えるのはおかしいと思います。ユーザーメリットという言葉を使って自賠責のわずかの保険料を下げるよりも、被害者救済対策を充実して、事故に遭ったときにしっかりした補償が受けられるようにすることの方が、ユーザーにとってメリットは大変大きいと考えます。 他の社会保障制度では救われない交通事故の被害者に唯一の手を差し伸べているのが自賠責特別会計の運用益です。重度後遺障害者で介護を必要とする人は激増しています。ユーザー還元で少額の保険料を下げるのと被害者に十分な救済をするのとは、どちらが国民のためになるのかをぜひ考えていただきたいと思います。交通事故の被害者救済対策を行う上で必要な運用益を十分に確保して、必要なところに救済の手を差し伸べていただくことを切望いたします。 第二点は、自賠責保険の支払いをめぐる公正中立な紛争処理の仕組みを整備していただくことです。 今回の懇談会や自賠責審議会で、損保会社による保険金の支払い渋りがクローズアップされました。元運輸省が行ってきた支払い審査だけでも、この十年間に約六十億の払い渋りが是正されております。保険金払い渋りの例は交通事故被害者のほとんどが経験していることです。このような状態を解消し、保険金の適正な支払いが確保されるよう、紛争の当事者の一方である損保会社主導でなく、公正中立な紛争処理の仕組みが必要と考えます。 懇談会や自賠責審議会で、損保会社は損害賠償の支払いを自分たちでチェックするなどと提案されました。これでは、私たちの経験上、被害者救済が後退し、悲惨な弱者放置社会が出現するのではないかという恐怖感、不信感は払拭できません。保険金支払いをめぐる紛争については、自算会のような損保会社主導の組織の中で審査をしても公平に解決できるとは思えず、公正中立な主体が国の監督をしっかりと受けながら紛争処理をしてくれるのでなければ、被害者としては安心できません。 今回、規制緩和によって政府再保険制度を廃止することになっていますが、その主体者である損保会社にとって最適な結果になるとすれば、保険金受取人が保険契約そのものにおいては第三者、いわゆる部外者である被害者との利害が対立するわけですから、自賠責保険の本来の目的である被害者の保護は達成されなくなるのではないかということを心配しております。それを防ぐためにも、今回の紛争処理機関の仕組みをきちんと運用していただく必要があると思います。 政府再保険廃止後の制度は、現在の多くの被害者のみならず、今後、交通事故に遭うかもしれないすべての国民に重大な影響を及ぼすものです。国会議員の皆様には、このことを御理解いただき、被害者の救済に温かい手を伸べてくださることをお願い申し上げて、私の意見といたします。 どうもありがとうございました。(拍手)
○赤松委員長 ありがとうございました。 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。 —————————————
○赤松委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。桜田義孝君。
○桜田委員 自由民主党の桜田義孝でございます。本日は、参考人の皆様におかれましては、御多用の中、当委員会においでいただきまして、本当にありがとうございます。まず、冒頭に御礼申し上げたいと思います。 さて、構造改革を進める我が国経済社会を活性化するためには、規制緩和を実施し、民間でできることは民間にお任せする必要があると思います。公的セクターにおいては、どうしてもコスト意識が薄く、非効率性が生じやすく、社会的損失につながりかねないと考えておる次第であります。 私は、公約におきまして、自立と共生という思想を重んじる小さな政府の構築ということを掲げておりますことを、まず初めに強調させていただきたいなと思っております。 そこで、質問に入らせていただきますが、今回の自動車損害賠償保障法の改正におきましては、参考人の方々に幾つかお話を伺わせていただきたいのですが、損保協会におきましては、事務の煩雑さ等を理由に、平成十一年から政府再保険制度の廃止を要望しておると伺っております。また、政府再保険を廃止して保険会社の自主性にお任せするということでありますが、非効率性を排し、自立的経営を支援していくという観点から見ると、高く評価できるのではないかと思っております。 一方で、資産の運用面におきましては、大変厳しい状況の中、再保険制度というリスクヘッジを廃止してしまって保険会社の経営主体というものが本当に大丈夫なのだろうかということにつきましては、多くの国民の中からも不安が寄せられているところであります。 この点、まず初めに損害保険協会の荒木専務理事にお伺いしたいと思いますが、損害保険協会としては、自賠責の政府再保険制度を廃止してしまって本当に大丈夫なのかという点を再度お伺いしておきたいなと思っております。大丈夫であるとすれば、具体的に現在の再保険制度にかわるリスクヘッジの制度なるものをどのように考えているか、以上二点、まずお伺いしたいなと思っております。
○荒木参考人 ただいまの御質問にお答えをいたします。 先ほどもちょっと触れましたが、昭和三十年にこの保険あるいはこの法律ができましたときに、再保険制度が発足したのは当時の損害保険会社の担保能力、資金力がまだ不十分と見られたからだと思っておりますが、先ほど申し上げましたように、約四十六年間のうちに、総資産量におきまして約三百倍という大きさになっておりますことが一つ挙げられます。したがいまして、資産という面から見て、担保能力には全く問題がない。 それから、先ほども申し上げましたが、自賠責保険はプール制度というのがございまして、各保険会社がそのプールに参加することによって損益を平準化するということが一つと、その中の一つの保険会社が支払い困難な状態に陥った場合には、その他の保険会社がこれをカバーするという制度が既にでき上がっております。 それからさらに、損害保険契約者保護機構というのが発足をいたしまして、ここで破綻した損害保険会社の契約者に対する保険金の補てんを行うということになっておりますが、自賠責保険については一〇〇%これを補償するということになっておりますので、セーフティーネットとしてはいわば二重の措置がとられておるということであります。 保険会社の資産力の面あるいはセーフティーネットという面、いずれの面から見ても、再保険制度を廃止しても大丈夫だというふうに考えております。 なお、最近におきまして平成十二年度の決算が二十六社の保険会社から発表されておりますが、その二十六社の保険会社が発表いたしました直近の決算で、いわゆるソルベンシーマージンと申しまして保険会社の支払い余力というものが開示されることになっておりますが、二十六社の結果を拝見いたしますと、いずれの保険会社も、一番低いところでも五〇〇%を超えております。高いところは一二〇〇%を超えるという状況であります。 このソルベンシーマージン基準を定めました保険業法の規定によりますと、二〇〇%を超えておればまず大丈夫といいますか、早期是正措置等は発動されないということになっておりますが、その二〇〇%という早期是正措置の基準値をはるかに上回る水準に損害保険会社の支払い能力はあるということでありますので、その点でもこの自賠責保険を引き受けております日本の損害保険会社の支払い能力には全く問題がないということをお答え申し上げておきます。ありがとうございました。
○桜田委員 大変ありがとうございます。先ほど申しましたように、私自身は、日本の経済活力を高めるためには、さまざまな分野で官から民への事業移管というものを積極的に進めるべきだというふうに考えておるところですが、今回の自賠責の再保険制度の廃止が、損保各社の経営という観点からプラスの経済効果というものについて大きく期待するところがあるわけでありますが、運用面や事務の効率化等、今後、法改正で経営の自主性を生かせるようになった場合、各社にとってどのようなプラス効果というものが期待できるか、再度荒木専務にお願いしたいと思います。
○荒木参考人 お答え申し上げます。 これまで十の保険料をいただいたときに六は政府に再保険をする、そういう形であったものが、もう一〇〇%私どもの責任においてこの保険をお引き受けし運営をしていくということになったわけであります。したがいまして、もちろん事務的な面で再保険という事務手続がございますから、契約の場合あるいは保険金支払いの場合いずれも再保険に関連した事務というものが伴っておりまして、この事務がなくなるという面の効率化効果が一応経済的な効果としては考えられるわけであります。 なかなかこの計算は難しいのでありますが、保険会社全体で二億円ぐらいかなということが一応計算になっておりますが、経営という観点から申しますと、一〇〇%といいますか、保険会社が自立してこの自賠責保険制度を担っていくということを法律が成立しますと今回認められることになるわけでありますが、これは保険会社にとっては大変大きなことでありまして、昭和三十年以来、政府に六〇%依存しながら運用してきたものを一〇〇%我々が責任を持ってやるということでありますから、損害保険会社の経営者としては、従来にも増して文字どおり襟を正しながら、責任を持ってこの保険の運営に当たっていく。もちろん、資金運用に当たっても安定的な運用あるいは流動性に配慮した運用、安定的な収益の確保といった運用をいたしますけれども、同時に資金運用のコストもなるべく切り下げて運用の余剰を残していきたいということに当然なります。 保険会社の経営が主体性を持って今まで以上に積極的にこの保険について取り組んでいくということが、広く契約者なり被害者に対するサービスの改善ということにもつながっていこうかと思っております。そういう広い意味での経済的な効果といいますか、経営上の効果があるというふうに私は考えております。 以上でございます。
○桜田委員 今後とも積極的な経営によって、ぜひ契約者に対して幅広いサービスをお願いするところであります。 さて次に、再保険制度の廃止に伴ってセーフティーネットとして紛争処理の仕組みや機関を設けるということでありますけれども、その必要性においては、まだよく実感のつかめない部分がございます。そもそも、紛争処理解決方法として、当然司法にゆだねる部分もあるわけでありまして、まして自賠責制度の中で、専門機関としてこのような紛争処理の仕組みや機関を設けるということについては、どの程度の制度的必然性があるのか、お伺いしたいなと思っております。 言いかえれば、現在、この件に関してどのようなトラブル、紛争があり、紛争処理機関設置についてどのような社会的ニーズというものがあるのか、また、こうした紛争処理機関ができるとすれば、期待するものはどのようなものがあるか、具体的な例や件数を踏まえながら、倉沢参考人あるいはまた井手参考人に、それぞれお伺いできればありがたいと思っております。
○倉沢参考人 お答えいたします。 先生御指摘のように、本来、国民の間の権利義務の争いというものが究極的に解決されるのは司法機関によってだと思いますけれども、しかし、被害者救済を迅速に行う、もちろん公正を要素としながらも迅速に行うというときに、司法機関だけに頼るというようなことで社会的な要請にこたえ得るかというと、やはり問題がありまして、ラストリゾートとして、権利の存否というものは最終的に司法機関が判断するとしても、迅速な被害者救済のために、公正な裁判外紛争解決制度というものが仕組めますれば、これにこしたことはないと考えております。 殊に、責任保険というものが、ちょっと先生の前で大変釈迦に説法で恐縮でございますけれども、火災保険とか自動車の車両保険ですと、保険金支払いのための条件になる事実というものが、客観的な事実でございまして、それについての損害もまた、焼けた家屋とかあるいは壊れた自動車というものについての客観的な経済的価値の測定ということになりますが、責任保険ですと、自動車の事故において、加害者といいますか、運行者の方に法的責任があったかなかったかということによってその保険事故の発生の有無が決まるし、人身事故の場合に、その損害額というようなことが非常に専門技術的な要素がありまして、したがって、裁判外の紛争解決手続で、法律家とか医者であるとかその他専門的知識を有する人々が、公正中立な立場に立って迅速な被害者救済を図れるとすれば、これは望ましいことだと考えております。 したがって、こういう紛争解決で一番必要になってくるのは、有無責の判断の問題、それから、殊に人身事故の場合に、突発的に起こったその時点で損害が確定するわけではないという意味で、後遺障害の問題といった問題について、裁判外紛争処理制度の有用性というものはあろうかと思っております。 以上でございます。
○井手参考人 紛争処理機関の必然性の問題につきましては、今倉沢先生からお話がありましたようなことと同じでございますが、迅速かつ適正に紛争を解決するということになりますと、司法の判断だけにゆだねるのにはやはり限界があるのではないか。やはり国の適切な監督のもとで、弁護士とか医師とか学識経験者あるいは被害者による公正中立な紛争処理機関を設けることが必要だと思っております。 次に、保険金支払いのトラブルの紛争の例についてでございますが、今までありました実例を申し上げますと、被害者が死亡した場合、加害者の言い分などで査定される場合が非常に多く見られます。 例えば、町田市で起こったことですが、飲酒運転の車にひき逃げされ即死された若い女性がありました。自算会は加害者の言い分をもとに無責と査定しまして、遺族には自賠責保険が一切支払われていないわけです。飲酒運転やひき逃げは道路交通法違反だが過失はないという自算会の答えでありました。その後、事故鑑定士などの方々によって科学的に調査されましたところ、どうも加害者の言い分に非常に疑問があるわけであります。また、そのほかにも、トラック同士の衝突事故で三十一歳の夫を亡くした女性がありましたが、この場合も、加害者無責という判断が下されまして、全く賠償が受けられませんでした。幼い子供を抱えて途方に暮れている家庭が実際にあるわけです。 国民のために、自賠責の使命というものは、こういうものを救うのが本当の使命ではないかと私は思います。こういうことができないようでは、自賠責の本来の目的が達成されないというふうに思っております。 それから、期待するものとして、やはりこういうものを防ぐためには、科学的な手法によって、情報を早く開示して、こういうふうな無責の実態というのがないようにしてほしいというように思うわけです。その例としまして、例えば、死亡した場合は障害を負った者よりも十倍ほど無責が多いということも、やはりその例として言えるのではないかというふうに思っております。
○桜田委員 どうもありがとうございます。以上で終わります。
○赤松委員長 玉置一弥君。
○玉置委員 民主党の玉置一弥でございます。 きょうは、参考人の皆さん方、大変お忙しい中、国土交通委員会の審議に御参加いただきまして、ありがとうございます。 私ども長年の念願でありました自賠責保険の再保険廃止、これが政府の方でようやく踏み切られまして、今回の改正案が出てきたわけでございますが、一方では、いつの間にか運用益がごく当たり前になりまして、本来、保険事業や、あるいは国がやらなければいけない被害者救済、あるいは交通事故対策、こういう面で固定的経費が発生する、こういうふうな事態になりました。自賠責の特会の方の会計も、ここ数年は赤字状態ということでございまして、従来自賠責の再保険廃止を叫んでおりました十年以前から比べますと、かえって状況がちょっと悪くなったような感じがするわけでございます。しかしまあ、片方では再保険廃止のメリットというのはもっと大きいだろうという期待感もございまして、私どももこの法案には賛成をしようという態度で臨んでいるわけでございますが、各参考人にそれぞれまずお伺いを申し上げたいと思います。 再保険廃止のメリットをどういうふうにとらえておられるかということと、信用補てん、今までは国が再保険という形で最終的ないろいろな責任をとろうということでございましたが、先ほどからのお話のように、このリスクヘッジについては、十一年ですか、プール制ができまして、これでかなり大幅な前向きなことができるようになったというふうに私どもは理解しておりますが、それ以外にも、例えば、損保業界の方でのメリットとか、あるいは保険制度そのものについてのメリットとか、こういうのもあれば、お伺いをしたいと思います。 それでは、倉沢参考人、荒木参考人、加藤参考人、三名にお伺いいたします。
○倉沢参考人 再保険によって担保せざるを得ないという状況が昭和三十年ごろの損保業界のあり方だったわけですけれども、再保険契約は、私のように法律をやっている者から見ますと、二つの契約が重複して行われて、本来、元受け保険において、その元受け保険でカバーされるべきリスクを、元受け保険の保険者が再びまたリスクヘッジの保険契約を結ぶという構造になっておりますものですから、もしもこれが、保険会社が国の被害者保護の法律に基づく保険についても十全な担保力があるということになるとすれば、私は法律をやっているものですからどのように幾らメリットが出るかということはわかりませんが、少なくとも、契約を重複して行うということは、これは過渡的な制度だったのではないかと考えております。 これでよろしゅうございましょうか。
○荒木参考人 自賠責保険におきます再保険制度の意味といいますか、先ほども少しお話しいたしましたが、もともと損害保険におきますこの再保険制度というのは広く行われている制度でございますが、これは、損害保険をお引き受けした保険会社が、自分の資産その他の担保能力から見て、それを上回るような大きな御契約をお引き受けしたときに再保険をするというのが本来的な役割であります。これはもう古くから行われている損害保険の大変重要な慣行でございます。 自賠責保険における再保険制度の役割というのはそれと少し違いまして、先ほど来申し上げましたように、昭和三十年に強制的な賠償責任保険を我が国に導入するときに、一つには、交通事故に伴う損害賠償金がどのくらいの水準であるか、あるいは交通事故に伴って支出される医療費といいますか、それが大体どのくらいになっているかということの統計的なものは恐らく非常に不十分だったんではないかと思われます。そういう中で、国民といいますか、自動車を運行する人には法律によって義務づけられる保険でございますから、この保険がうまく運営できなくなるということは大変ゆゆしき問題であります。したがいまして、政府が再保険という形でこの制度に関与することによって安定的な運営を図ったというのは、非常に正しい判断であったろうと私は思っております。 それからもう一つは、被害者救済のための適正な保険金支払いの確保という意味で、一つのチェックの手段として再保険制度を利用なさったということも十分意味のあったことではないかと思っております。 これがこの自賠法改正案では廃止をするということになっておりまして、私は、先ほども申し上げましたが、このことが持っている経営上の意味というのは大変大きいと思っております。直接的には、再保険に伴う事務の省力化といいますか、節約ということがもちろんあるわけでありますけれども、これまで六〇%を国に依存しておった自賠責保険の経営が一〇〇%損害保険の自主的な経営にゆだねられるということは、反面において非常に大きな責任を伴うわけであります。 そういう観点で、私どもは、自賠責保険に限らず、損害保険全般の経費のあり方、事業費のあり方等についてさらに見直しをいたしまして、経費の縮減に努める必要があると考えておりますし、それから、競争によって、市場の中で私ども営業しているわけでありますから、保険契約者に対する満足を与えるといいますか、保険契約者から信用していただくということのほかに、自賠責保険のように、被害者と言われる方々からも損害保険会社が信頼をされるということが私ども競争下における損害保険会社としては極めて重要な問題であります。被害者の評判を落とす保険会社というのは、恐らく競争の中で消えていかざるを得ない運命になるだろうと思っております。 そういう意味から、今回の再保険制度の廃止を機に、保険会社の経営としてもこの保険についてさらに積極的な構えで取り組んでいきたい、そのことが全般的な経費の縮減にもつながるであろうし、サービスの充実ということにもつながっていくであろうということを確信しているところであります。 以上でございます。
○加藤参考人 加藤でございます。 二点にわたって考え方を申し上げたいと思います。 一点につきましては、先ほど冒頭申し上げましたように、行政改革という一つの課題の観点から申すならば、百万件を超す処理件数があるわけでございますが、これらが少なくとも全数チェックということではなくなるわけでありますので、国土交通省における事務処理というのは大幅に低減をされるのではないかということがあると思います。 二点目でございますけれども、今、荒木参考人、倉沢参考人もお述べになりましたので繰り返しは避けますけれども、制度を一元的に管理していくことによっての効率化ということが期待できるわけでございますし、これは、金額はわずかということもあるかもしれませんが、私ども国民の立場から見たときに、この自賠責の制度というのは、存在そのものは、ユーザー、国民は大変広く知るところでございますけれども、この会計といいますか決算といいますか、財政の中身がどのようになっているかということはなかなかわかりにくいわけでございます。 そもそもこの保険制度というのは、車検制度と一体になって、諸経費として一万七千円ぐらいの年間の保険料を払うことになっておりますが、ユーザーの側から見るとそのときに認識するぐらいということで、私ども自賠責審議会の委員にしてみてもそうなんですが、いわば再保険のせいばかりではございませんが、全体の会計の中身というのが非常にわかりにくいものになっております。 これらが民間で一元的に行われるようになってまいりますと、私どもとしては、これが民間の会計処理原則にのっとってよりわかりやすいものになっていくということを期待しておりますし、損保各社におかれても、業界におかれても、そういった面で国民の認知度を高める、あるいは効率的、わかりやすい運用ということで、ぜひその辺にも大いに努力をしていただきたいと考えるところでございます。 以上でございます。
○玉置委員 今、加藤さんおっしゃったように、自賠責保険というのは、自動車販売会社とか整備会社が強制加入、いわゆる車検の手続をするときに契約するということで、どちらかというと、ユーザーが選択するよりも、間に立った登録をする人たちが選択をする場合が非常に多い。任意保険の場合は、ユーザー志向というのはかなりあらわれているということが言えると思うので、再保険を廃止されても状況は変わらないと思いますが、できるだけユーザーニーズに合ったようなものに保険会社はいろいろ企画されてやられるという方向が出てくるといいなというふうに思います。 紛争処理機関の中立性の問題とか、それから、被害者救済の財源についていろいろと危惧をされております井手参考人にお伺いをいたしたいと思います。 被害者救済の財源は、五年間はこれで確保できるという見通しが今一応つけられておりますけれども、まず、今で十分かどうかということと、それから、将来にわたってこういう財源が要るじゃないかという、今までなかなか表に出ていないところについてぜひお伺いしたい。 それから、重度後遺障害の認定について、これは、私どももこの件についての陳情をよくお受けするんですけれども、どうも障害者の方が思っているのと実際に認定されているのと大分違うというのと、それから、実際にかかっている費用が十分に補てんされていない、こういう話を私たちよく聞くんですが、この辺についてちょっとお話をお伺いしたいと思います。
○井手参考人 ただいまユーザーのことについて一つお話がありましたが、よくユーザー、ユーザーとおっしゃるんですけれども、加藤先生は、ユーザー還元、ユーザー還元と盛んに言っておられましたけれども、ユーザーが被害者になることもあるわけでありまして、自分はユーザーだけであって被害者にならないというのはおかしいと思うんですね。ユーザーはだれなのかというと、やはり加害者もなり得ることですから、被害者の救済を図るということがユーザー還元であるというふうに思っております。 先ほど問題になりました後遺障害者の現状というものについて、よく知られていないようですので、ちょっと時間がかかりますが、申し上げさせていただきます。 現在、後遺障害者は、家庭で介護している場合は一日二千二百五十円です。ヘルパーを頼みますと、介護料は四千五百円になります。しかし、医療処置がある場合には、ヘルパーさんではできませんので、どうしても家族がその場を離れることはできない、ほとんど家族は介護しているという状況であります。 こういうふうに、十分でない介護費用も、一級の障害の人だけなんです。純粋に、つまり植物状態の人しかできていない。意識が戻った場合にはこれが打ち切られる。しかし、意識が戻ったとすれば、今度は介護に対する労働力が重なってくる。今度の改正案で二級ということまで広がっておりますけれども、実際のところ、二級の人よりは金額が余り変わっていないということであります。 それから、事故センターの実態なんですけれども、実際に今センターに入所したいと思っている方が、知っているだけで千人ぐらいいらっしゃるそうですが、実際にこの事故センターを知らない人も多い。全国では、今四カ所しかありません。百八十床なんです。千人も待機者がいるのに、百八十床しかない。これでは、被害者の対策は十分だとは私には思われません。 また、入院基準も非常に問題がありまして、植物状態から脱却した人が二〇%と言っておられますけれども、これもどうも、作為的というか、事故歴が低くて、二十歳前後で、回復見込みのある人を選んでいると思われるような節がございます。 それから、ショートステイの問題としましては、預かってくれる病院はないので、結局、検査入院ということになります。差額ベッド代を支払って入院することになりますが、それでも、病院によっては家族の付き添いが必要となりまして、何のためのショートステイなのかわからないのが現状であります。事故対から一万円ぐらい出ておりますけれども、実際、最低一万五千円から二万円ぐらいかかっているというのが現状であります。 協力病院ということが考えられておりますが、事故対から病院一年間につき一千万円という助成金が支払われていますが、いまだに新しい協力病院の申し出はありません。 このような実情を厚生省に訴えますと、交通事故の被害者は国土交通省だと言われる。また、国土交通省からは、これは被害者の支援をもっと大きく、これを社会保障的に対応したらいいんじゃないかということになって、障害者、特に若年の植物状態にある被害者を抱えた家族は、本当に、今後、将来何の目的も持てないわけであります。ただきょう一日、また、それが過ぎたらもう一日生命を長らえる、そういう悲惨な状態でありまして、二十四時間介護をしているというのが現状でありまして、親は、風邪も引けない、病気になることもできない、歯の治療にも行けないという状況にあります。 私たちが一番問題にしているのは、親亡き後の子供の状態なのでありますけれども、実際に親が亡くなった後の子供たちのことを考えてみますと、今の例から見ますと、早く言いますと、殺しはしないけれども生かしておくというふうな感じであります。何カ所かの施設を十日から十四日ぐらいでたらい回しにされて、そして、そういう状態でありますから、自分たちが亡くなった後、子供たちはどういうふうになるのかと思うと死んでも死に切れないという後遺障害者が多いわけです。 交通事故というのは交通犯罪によって起こったものでありますから、社会保障でやればいいんだという考えは非常におかしいと思う。これはやはり自賠責の問題として真剣に取り組んでほしい。こういう困っている人を救済できないで、政府再保険廃止ありきではどうかなというふうに思うわけです。これは一概に、簡単にはいかないかもしれませんけれども、きょうは、後遺障害者の置かれている非常に苦しい実態ということをわかっていただきたいと思って申し上げました。 以上です。
○玉置委員 時間が参りましたので終わりますが、今おっしゃったように、やはり被害者の御両親、同居をされて介護されている方々、こういうことを思うと、まだまだやらなければいけないことがたくさんあると思います。また審議の中でお話を申し上げたいと思います。 ありがとうございました。
○赤松委員長 井上義久君。
○井上(義)委員 公明党の井上義久でございます。 本日は、参考人の皆様には、御多忙の中、本委員会に出席を賜りまして、貴重な御意見を賜りまして、心から御礼、感謝申し上げる次第でございます。 まず初めに、井手参考人にお伺いしたいと思います。 お子様を交通事故で亡くされた由を承りました。心から哀悼の意を表し、また御冥福をお祈り申し上げる次第でございます。また、その悲しみを乗り越えて被害者救済の任に当たられておりますことに対しても、心から敬意を表する次第でございます。 具体的な提案、二つあったわけでございまして、一つは、交通事故被害者救済のために財源を十分に確保し、救済内容を充実することだというお話がございました。また、ただいまは、後遺障害者の現状について、本当に大変な中、皆さん介護等に当たられていることをお伺いいたしまして、こうした問題に真剣に取り組まなければいけないなと改めて決意したところでございます。 今後拡充しなければならない被害者救済事業について、具体的な御提案があれば、この機会にぜひお聞かせいただきたい。現状の療護センター及び介護料、また短期入院制度などの一層の拡充のほか、後遺障害者のための、先ほどもお話がございましたけれども、親亡き後の支援施設の設置など、課題が多いと思いますけれども、具体的な御提案がありましたら、ぜひお伺いしたいというのが一点でございます。 もう一点は、保険金の支払いの適正化のために国の関与が必要だという御指摘でございますけれども、私もそのとおりだと思います。それも含めて、事故被害者の立場から、保険実務を行う損保業界に対しても御要望がありましたら、あわせてお伺いしたいと思います。
○井手参考人 親亡き後のことにつきましては、先ほど具体的な事例を申し上げましたが、このことは本当に切実な問題だと思っております。自分たちが亡くなった後、傷ついた子供たちがどのようになるかと案じると気が気でないということが推察されます。先ほども申し上げましたが、これは交通犯罪によって起こっているんです。ですから、社会福祉制度でやればいいんだというふうなことでは、自賠責の問題として積極的に取り組むという姿勢はうかがえません。これでは責任を放棄しているとしか思われないと私は思っております。 損害賠償というのは、先ほども申しましたが、他人に与えた損害をてん補して、損害のない状態と同じ状態にすることであります。したがって、現在のところ、加害者はもとの生活に戻っておりますけれども、被害者はもとの状態には戻れないんです。このことが死ぬまで続くわけです。この問題が解決できないようでは、後遺障害者の問題というのは、問題を提起しただけであって、お茶を濁して終わってしまうという懸念があります。本気で解決する決意があるのであれば、やはり運用益を使って少しでも後遺障害者の苦しみを、人間として、物でなくて人間として受けとめて、真剣にやってほしいと思っております。そうでなければ、被害者に苦痛を強いるだけのスタンスに変わらないというふうに思っております。 それから、賦課金の問題で、社会保障制度ですればいいじゃないかという御意見がありましたが、これはやはりさっき申しましたように、そう簡単に賦課金なんというものはできるものではありませんから、今ある運用益を使って、困っている被害者のために使ってほしいというふうに切望しております。 以上です。
○井上(義)委員 あと一点。 保険金支払いの適正化のために国の関与が必要だ、こういう御指摘でございましたけれども、その点について再度確認させていただきたいのと、損保業界に対して何か御意見ありましたら。
○井手参考人 保険金の支払いの適正化については、今までの経験からいうと、やはり損保会社自体は利潤を目的にしたところですから、どうしても自分がもうからないことはやらないのは当たり前だと思うんですね。そういった意味で、保険会社の体質が変われば別ですけれども、それは変わらないとすれば、今回は規制緩和という問題になっておりますけれども、何らかの規制強化をして、やはり支払いについてはきちっとした枠組みをつくっていただきたいというふうに思っております。
○井上(義)委員 次に、加藤参考人にお伺いしたいと思います。 働く皆さんの代表として、また自動車を製造する職場で働く代表者としてきょうお見えいただいているわけでございますけれども、自動車事故が非常にふえてきている。特に私が憂慮しているのは、先ほどからも指摘がありますけれども、重度後遺障害者が非常に増加をしてきている、これは医療技術の発達ということが背景にあるわけでございますけれども、そういう中で、今の被害者救済、現状で十分なのかどうか、この点についてどういう認識をされているのかというのが第一点。 それから二点目は、保険制度からいいますと、ノーロス・ノープロフィットでございますから、運用益が出ればそれをユーザーに還元する、これはそのとおりかと思うんですけれども、ただ、後遺障害者というのは、発生の要因から考えると、これはやはり自動車使用者によって最終的には担うべきものではないかというふうに思うんですけれども、この点についてどのような考えでいらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
○加藤参考人 まず、重度障害者の現状でございますけれども、私ども、審議会の中でもこの件について検討といいますか、問題、課題として取り上げたことがございまして、現在、極めて重度といいますか、植物状態になっておられる方々、先ほど井手さんのお話でも千人ぐらいはというお話がありましたが、もう少し多いのではないかと思うんですが、この方々をケアしている療護センター、全国に現在四つ、今岐阜県の方に建設中でございますけれども、これが仮に完成をしても、五分の一ぐらいの方を収容できるにすぎないということでございまして、先ほど私、意見の中でも申し上げましたが、運用益でこれをケアしていこうという限りにおいては、対象者すべてをこの療護センターで見ていくということはなかなか難しいのではないかとそのときにも思いました。 といいますのも、施設自体は大変すばらしいものでございますが、特別にこのためにつくられた施設でございますから、今、井手参考人からもありましたように、どんな方が入所できるのか、あるいはどういう状態で退院をされるのかというようなところもいろいろと検討はされているようでございますけれども、いずれにしても、対象者に対して供給が追いついていないということについては、これは否定のしようのないことでございます。 これは一切方法がないかというと、私どもはそのときも申し上げましたが、一般の病院に委託をするということもできるわけでございまして、広く医療制度全体で見ていくという観点、仮にそういったようなことになれば、そのときに出た数字でございますが、療護センターに収容するのに比べれば約半分の費用、私の記憶が正しければ、一人当たり年間二千万に対して一千万ぐらいで見られるというようなことも伺っておったわけでございますが、数字が違っていれば、また専門の方に補足していただきたいと思うんですが、そういう現状がございます。 したがって、交通事故にこういった被害はつきものでございますから、これらにもっと安定した、あるいは公平な救済事業をしていくためには、限られた原資の運用益という不安定な財源に頼るのではなくて、やはり十分に検討した上で、保険料の一部として、これは保険料本体に入れるというのは仕組みの中で難しいということで賦課金ということを提案申し上げているんですが、というものを考える必要があるのではないか。 これも私の試算でございますが、現在のいわゆる事故対策あるいは被害者救済の事業規模、年間約百八十億ぐらいでございますが、このぐらいでありますと、一人当たりの保険料の賦課保険料、賦課金というのは、一万七千円に対して三百円から多く見積もっても四百円くらいだろう。これらはユーザーの理解、国民の理解は私は十分に得られるのではないかというふうに考えておりまして、そういう観点から、先ほども、賦課金の検討をしてはどうかということを審議会では申し上げたということを意見として申し上げたわけでございます。 障害全体を見渡してどうすべきかという点では、井手参考人と私と若干意見も違う部分がございますけれども、諸外国の例を見ましても、いわゆる現在行われておる介護保険でございますが、これらの対象者として交通事故の被害者も広く対象にしていくという例がございますので、このことと総合して、国から見た場合に、交通事故ということでありましても、ほかの例えば家庭内の事故とか、さまざまな後遺症を負う要因の事故がございますけれども、そういったものを、広く国民全体を見渡した制度運営というものができるのではないかと私ども考えておりますので、そういった点で、広い、高い見地から御検討いただきたいと考えているところでございます。 以上でございます。
○井上(義)委員 荒木参考人にお伺いしたいと思いますけれども、保険の払い渋りということがよく指摘をされているわけでございます。この自賠責でも、例えば死亡事故で異常に高い無責率、普通の傷害事故の十倍以上の無責率が指摘されて、これは少し問題があるんじゃないかとか、あるいは、先ほども御指摘がありましたけれども、国の支払い審査で、この十年間で総額五十七億円の追加払いが発生をしている。あるいは、日弁連の交通事故相談センターとか交通事故紛争処理センターなんかに寄せられる交通事故をめぐるトラブルなんかを見ますと、支払いの適正化とかあるいは示談交渉などの業務のあり方ということについて、これは委員会でも指摘したんですけれども、国民の理解が得られるような業界としての自主努力なり業態の改善というものが私は必要じゃないか、このように思うわけでございますけれども、それに対するお考えが一つ。 それから、今回十割運用になるわけでございまして、先ほどから指摘されていますけれども、その運用益がやはり被害者に十分配慮されたものでなければならない、このように思うわけでございますが、当事者としてどのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。
○荒木参考人 お答えを申し上げます。 まず、自賠責保険におけるいわゆる払い渋りと言われている問題でありますが、これは、具体的に申しますと、自賠責保険におきます保険金支払いの基準というのがございまして、倉沢参考人もおっしゃいましたが、自賠責保険の基本補償という性格上、そして、なるべく迅速に保険金支払い手続を済ませるという必要上、保険金支払いの基準が国によって定められておりまして、各保険会社はこれを守っていくという体制になっております。比較的定型的な基準になっております。 この基準に照らして、現実の保険金支払いの額が下回っているじゃないかという御指摘がかつてございまして、当時の運輸省においていろいろ点検をなさいまして、幾つかの例が指摘を受けたことがございます。私どもは、そのときに、その原因についていろいろ調査をいたしましたが、結局、事実の確認でありますとか、あるいは支払い基準の解釈でありますとか、そういう点での錯誤に近い、あるいは計算ミスに近いような現象が多かったかと思いますが、いずれにいたしましても、その処理をいたします損害保険会社の内部での点検が必ずしも十分ではなかった、あるいは自算会調査事務所の内部における点検が必ずしも十分ではなかったということが指摘できるかと思います。 こういうことを防止する上で必要なことは、結局、この担当する人たちの教育といいますか、研修ということに尽きるわけでありますけれども、今回の自賠法改正におきまして、この支払い基準の法律上の位置づけが明定されたことと、保険会社の遵守義務もまた法律上明確になるということもございますが、さらに重要なのは、保険金支払い基準を、保険金請求を受けた時点とそれから支払う時点において、被害者なり被保険者なり、保険金を請求された方に、どういう基準で払いますよ、あるいはどういう計算でこういう保険金になったんですよということを書面で説明をしなければならないということになってまいりました。この点が私は今回の改正の中では大変大きいと考えております。 そういうことを一面で行いながら、基本的に保険会社なり自算会調査事務所の担当の人たちの教育訓練をさらに徹底するということで、この種の錯誤といいますか、そういうことに基づくミスは防げる、決して故意に保険金を少なく払うという意図的なものではなかったのではないかというふうに私は信じておりますけれども、今後の対策としてはそういうことが考えられると思っております。 それから、死亡事故の方が傷害事故よりも無責の割合が高いじゃないかということで、いわば、俗に言われます、死人に口なしじゃないかという御批判があるわけでありますが、自賠責保険の調査をやっております自算会調査事務所の基本的な考え方は、加害者の証言だけでしか物事が判断できないというようなケース、死亡事故の場合に時々そういうことがあり得るわけでありますけれども、そのときにそれを理由にして被害者に不利な取り扱いをしてはいけないということを基本的な考え方として持っておりますので、いわゆる、俗に言うところの、死人に口なしというような批判については必ずしもそういうことが広くといいますか、この自賠責の損害調査の上で行われているとは私は思っておりませんが、なぜ比率が高いか、つまり傷害事件と死亡事件で、無責といいますか、保険金が払われないケースがどうして死亡の方が多いかといいますと、これはもう皆様方よくおわかりだと思いますが、どうしても死亡事件というのは、例えば交差点での信号無視でありますとか、あるいはセンターラインを越えて衝突をするとか、あるいは停車中の車に追突をするとか、そういう事故の類型が多いわけであります。傷害は件数も大変多いわけでありますけれども、いろいろなケースがございますが、どうしても死亡事件の方が比較的そういう加害者の一方的な過失で事故が起きるというケースの割合が傷害事件よりは多いだろうというのは容易に推定できるわけであります。 しかしながら、現実にそれじゃどういう判断で自賠責保険の無責、有責を判断しているかといいますと、これは自賠法の規定に基づいておりますが、運転する側に過失が全然ない、それから運転しておりました車の構造上の欠陥が全然ない、それから車を運転しておった人以外の第三者の過失に基づく事故であるという三つの条件を立証しなければ車の運転者は賠償責任を免れないということになっておりますから、自賠責保険の有無責の判断もこの三つの条件を基準にして判断をしているということでありまして、被害者がもう亡くなられてその事故の状況がなかなか再現できないという場合に非常に不利に働くということは、私はあってはならないし、またそんなに多くあったわけでもないと思いますが、今後とも、特に死亡事故の無責の処理というのは慎重な上にも慎重に判断をしていきたい、そのように考えております。 それから、紛争処理センターあるいは日弁連の相談センターの相談事案との比較でございますが、実は紛争処理センターも日弁連の相談センターも、ちょっと性格は違いますが、いずれにいたしましても、自賠責保険だけの保険金をめぐる紛争に携わるということはございません。どちらの組織も、自賠責保険を含めた交通事故全体の損害賠償に関する紛争の処理、要するに任意保険を含めた全体の処理ということになりますが、それをやっておりますので、事自賠責保険についての相談などがございました場合には、自算会に対する異議の申し立ての手続を案内するとか、今後新しい紛争処理機関ができました場合にはその紛争処理機関の利用についてのアドバイスをするということにとどまるのではないかと思っております。 いずれにいたしましても、年間百二十万ぐらい自賠責保険の事故処理件数がございますけれども、裁判に行くケースあるいは紛争処理センターに持ち込まれるケース等々はいずれも非常に個別性が高くて、割とややこしいと言っては語弊がありますが、複雑な問題をはらんでいるケースがありまして、そのケースの解決の場合の賠償額の水準と一般の水準とはどうしても乖離するものがあるだろうと考えております。 ちょっと時間が超過しましたが、再保険がなくなって十割を我々がお預かりして運用するという体制になりますので、先ほどもちょっと触れましたが、私どもは、お預かりした資金の運用につきましては、安全性、流動性ということを十分に念頭に置きながら、なおかつ安定的な収益の確保ということを目指していきたいと考えております。 損害保険会社は、自賠責保険の資金は、それだけ取り出した運用ということじゃなくて、運用の効率性という観点から、その他の資産と一緒に運用しておりますけれども、今後、運用割合がふえるに従って比例的に運用コストまで上がったのでは余り意味がありませんので、運用コストの削減についても十分意を用いていきたい、このように考えております。 以上でございます。
○井上(義)委員 どうもありがとうございました。
○赤松委員長 参考人の皆様に申し上げますが、若干、お答えの時間を短く、簡潔にしていただきたいと思います。 山田正彦君。
○山田(正)委員 自由党の山田正彦です。 倉沢教授にお聞きしたいんですが、いわゆる政府が再保険をするという制度、これは諸外国においてもあるんでしょうか。日本固有のものでしょうか。
○倉沢参考人 政府が再保険をするというのは、私の知る限り他国にはないと思います。
○山田(正)委員 日本だけこういう制度をしておった。長いことこうしてやっておったわけですが、なぜこういうことをやってきたのか、むしろそっちの方がおかしいかなという気がしないでもないのです。今回、こうして廃止されるということで結構だと思っております。 日本の場合に、自賠責保険と任意保険と二階建てになっていますね。これは、本来任意保険だけでいいんじゃないか、自賠責は要らないんじゃないかと私はかねがね考えておったんですが、荒木参考人あるいは倉沢参考人に、この二階建て制度について、それぞれの御見解をお聞きしたいと思います。
○倉沢参考人 本来の賠償責任保険制度だけで交通事故の被害者の救済を図ろうということですと、それは一元的な制度というものも考えられるかと思うのです。 三十年のこの制度を考えるときに、当時は最低補償と申しておりましたけれども、今の基本補償に相当すると思いますけれども、モータリゼーションが進んで交通戦争なんて言われている状況の中で、基本的に、あるいは最低の分だけ補償する制度としてどのようなものがあり得るかというときに、社会保障制度その他いろいろな制度が考えられる中で、やはり自動車を運転している人のモラリティーというものにも機能を及ぼすような要素がなければいけないというので、賠償責任保険制度に加入をした者のその保険金によって被害者の救済に充てられるから、被害者としては賠償請求権が絵にかいたもちにならないということで、強制保険制度というものを考えたわけです。 それは、社会保障あるいは税金、目的税というようなことでやりますと国民に強制することが可能ですが、任意の保険ですと、そういう保険に入らない人が、しかも、その責任に充当する財産を全く持たない若い人なんかが出てくるおそれがあるのではないか、そこが社会保障と違って責任保険制度のネックではないかということで、最低補償額あるいは基本補償額というものを決めて、それを強制加入にする。一方において、賠償責任の額が巨額になるということも考えられますものですから、そういう場合について、自分の財産、あるいは自分の将来の生活設計を保険料でもってカバーしようと思う人には、その上に保険契約の加入を認めるということでこの制度が始まったと思っております。 そういう意味で、この強制加入の制度というのは、責任保険制度によって被害者を救済するという制度のもとで無保険車を何とか排除するという機能は今もって有していると思いますものですから、二階建て制度というのはすぐれた制度ではないかと私は考えております。
○山田(正)委員 今お話を聞きましたが、無保険車もなくして、被害者に対する最小限度の救済制度というか補償制度が必要じゃないか、そういうお話だったかに受けたんですが、実際の話、例えば死亡とか、後遺障害でも一級とか二級とかというならよくわかるんですが、そうでない場合の事故が大半だと思うのです。 そういった場合に、今限度額が百二十万ですとほとんど治療費で消えてしまう、治療費で終わってしまう。任意保険に入っていないと、現実にはいわゆる自賠責保険で、死亡とか大きいものは別として、大きな後遺症がなかった場合には百二十万の治療費しか出ない。そうすると無保険と一緒じゃないかという実態、私ども実務をやっておりますとこれはかなりあると思いますね。 それともう一つ。二重に保険制度、いわゆる二階建ての保険制度をやっていますと、その費用、手続、保険金の収受、支払い等々についてかなりの経費がかかっている。そうすると、国民としてはそれだけ負担を余計に強いられていると私は考えますが、荒木参考人、いかがでしょうか。
○荒木参考人 お答えをいたします。 任意保険と自賠責保険というのは、同じ自動車の運行に関する賠償責任保険でも大分性格が違っておりまして、任意保険の方は、例えば無事故割引という制度がございましたり、運転される方の年齢とか車の使用目的によって保険料率に差異があったり、いろいろなことがございます。 また、先ほど井手参考人が、最近の交通事故では車のユーザーが同時に被害者になることだってあるんだという大変重要な御指摘をなさいましたが、現在では任意保険の対人保険の中に、自分が被害者になったときに過失の有無とは関係なく一定の給付が受けられる、そういう保険も実は組み込まれるようになってまいりました。 そういう意味で、任意保険というのは非常に多様性に富んでおりますし、契約者のニーズにこたえながらいろいろな商品開発が行われているということであります。 ただ、ともかく最低条件として無保険車というものがあってはいけないということから、日本では自賠責保険が車検制度とリンクしておりまして、原付といいますか、モーターバイクにちょっと無保険の問題がございますが、車検制度とのリンクというのは大変大きな制度でございまして、このために日本では基本的に無保険車両がない、これが外国と比べますと大変すぐれた点であろうと考えております。 また、全国画一的な料率でもございますので、保険会社は、保険を申し込まれた場合には、自賠責保険に関する限りは必ず保険を引き受けなければならないという引き受け義務がございますけれども、これも、自賠責保険固有のそのような、いわば画一的な保険料、ノーロス・ノープロフィットの制度、あるいはプール制度といったようなことによってつくられているわけですね。 そういう意味で、一方において無保険車をなくす、一方において自動車運転者の多様なニーズにおこたえをするという意味では、今、日本で行われているような自賠責保険と任意保険の二階建てというものは十分意味がある。 手続的に言いますと、特に保険金支払いの面では、任意保険側の保険会社が一括払いと称しまして自賠責の分も一緒にお支払いして、後から自賠責の方から回収をするという制度によって、その煩わしさは解決をしているというふうに私は考えております。 以上でございます。
○山田(正)委員 無保険車をなくす、無保険車をなくすという言い方で、自賠責保険は必要だ、そう言っているようですが、実際に任意保険に入っている人は八五%、一五%は入っていない。では、無保険車はどうかというと、そのほとんどが、公用車が入っていない。実際の民間の車はそのほとんどが任意保険に入っているんだ、そう言っていいんじゃないか。間違っていたら、間違っているとおっしゃってください。 そうであれば、いわゆる自賠責保険という強制保険で、例えばいろいろな手続の費用、それに対する出費等々考えると、大変むだなことをやっているんじゃないか、仮に、それでも無保険車が出た場合には、無保険車に対する今でも救済制度がある、これをなお充実していくということが必要なんじゃないか、そう考えますが、例えば、諸外国の例、日本みたいに二階建てで、自賠責もあって任意保険もあるという制度の国、どういう国があるのか、世界の主流としてはどうなっているのか、それを、倉沢教授でも荒木さんでも結構ですが、お答えいただければと思います。
○荒木参考人 先ほど申し上げましたように、我が国の自賠責保険と任意保険の二階建てといいますか二層構造というのは、私は大変すぐれた制度だと申し上げましたが、国際的に比較いたしますと、これはまた非常に珍しい制度でございまして、余り例がない。全くないかというとそうでもないと思いますが、ほとんど先進国においては例がございません。 大体先進国においては、任意保険といいますか、任意保険のある一部分について法律上義務づけがありますから完全な任意というわけではありませんが、いずれにしても、日本で言う任意保険が義務づけられているといいますか、一定の保険金額以上は義務づけられているということのようであります。 これは、どこの国にとりましても、車検制度そのものが国によって違いますし、非常に不十分な国もございますが、車検制度とのリンクというのは非常にとりにくいことになっておりますので、大体、アメリカでもヨーロッパの国でもそうでありますが、いずれの国も、実はこの無保険車の問題は大変悩んでいる。その無保険車による事故のための補償ということについて、かなりな金額といいますか、いろいろなファンドをつくったりなんかしておりますけれども、非常に困っているようであります。 また、国によりましては、保険会社が保険の引き受けを少し忌避をするといいますか、そんな例もなくはない。 そんなことがありまして、いろいろな外国の連中と意見交換しますが、やはり日本のような制度というのは非常に参考になるなということをだれも言っているわけです。ただ、どう考えても六〇%再保険をしているというのは余り理解できませんねというのはみんな言いますけれども。自賠責保険と任意保険の二層構造というのは、珍しい制度でありますけれども、大変評価を受けている面もあるということを申し上げておきたいと思います。
○山田(正)委員 再保険がおかしいというのはだれしもが言っていることで、それを今回改める法案ですから、別に私も、とかく言うわけじゃありません。 さらに、行革、規制緩和という意味からして、例えば、この二階建ての制度は、極端に言ったら日本だけだ。各国においてはむしろ無保険車を救済するための制度があり、かつ、日本においても、現実には自賠責保険で、こう言ってはなんですが、亡くなってくれれば、今三千万でしたか、それが丸々出る。あるいは第一級の障害だったら丸々後遺障害で出ますけれども、それ以外のけがが多いわけですが、それは治療費しか出ない。そうすると、自賠責保険に入ってたって何にもならない。被害者にしても、安心は買えない、これが実態だ。だったら無保険と同じじゃないか。 それならば、むしろ、こういう手間暇をかけるというか、大変国民の負担を多くしてむだなことをしているよりも、いっそのこと各国並みに任意保険制度を充実させ、かつ、無保険車に対する救済制度、これをきちんとした方が国民の負担も軽く、そして補償も厚くなっていくんじゃないか、そう考えます。 時間が参ったようです。私の参考人に対する質疑を終わらせていただきます。
○赤松委員長 瀬古由起子君。
○瀬古委員 日本共産党の瀬古由起子でございます。参考人の皆様、大変きょうは御苦労さまでございます。 最初に、井手参考人にお伺いいたします。 まず、被害者救済に関する情報開示の問題について伺いたいと思うんですけれども、被害者が保険会社から十分な説明もないまま無責事故だと言われたり、過失相殺がされることで、その自賠責保険または任意保険が払われない、その根拠を覆すのが大変だ、立証のための努力は被害者の側から行わなければならない、こういう事態があるというふうに聞いております。 そのために、今問題になっているのは、例えば、警察などの交通事故の処理の際の調査が十分行われていないんじゃないか、こういう意見も出てまいります。 警察の交通事故に関する現状の情報開示、こういう問題ではどのような問題が生じているのかということがわかりましたら、教えていただけるでしょうか。
○井手参考人 どうもありがとうございます。 先ほども二例ほど申し上げましたが、不当な加害者の供述だけで無責扱いになって、いまだに自賠責保険をもらわれない人がいるわけですが、遺族や被害者が一番望んでいることは、事故の真実を知りたいという一点であります。 一瞬にして起きる交通事故は、れっきとした物理現象でありまして、タイヤ痕の微妙な濃淡とか、事故車についた小さな傷から思わぬ真実が浮かび上がることがあります。 審査書類が正確でなければ元も子もありません。したがって、現場見取り図で写真ぐらいは自賠責請求に活用するようにしてほしい。特に、警察庁が法律を盾に開示できなければ、直ちに法律を改正して、自賠責の審査に当たっては警察調書を活用して、事故後の賠償問題に苦しんでいる二次被害の声を吸い上げてほしいというふうに思っております。
○瀬古委員 もう一点お伺いします。井手参考人なんですけれども、後遺障害の、親なき後のことについてということで、先ほど、その障害者を抱える家族の大変な実態もお話しいただきました。 それで、こういう後遺障害を抱える被害者が、大変な生活実態になっていると。具体的に、もう少しこういう対策をやってもらいたいんだという提案がございましたら、お聞かせいただけますでしょうか。
○井手参考人 まず、元運輸省の組織令第五十四条の九に、自動車事故による損害賠償を保障する制度に関することというのが保障課の事務になっていると思いますが、やはり保障課は主体的にこの問題に取り組んでいただきたい。 被害者は、厚生省に行くとそれは国土交通省の問題だ、国土交通省に行くとそれは社会保障の問題だということで、本当に困っております。やはり保障課が前面に立って、行政担当部局として前向きに牽引していただき、交通事故そのものの悲劇と同時に、事故後の悲劇も繰り返さないようにしていただきたいと思っております。 具体的にはこれからの問題になると思いますけれども、まず一番のことは、後遺障害者が抱えている実態ということを本当にその人の身になって理解してほしい、今は理解していただいていないという認識であります。
○瀬古委員 もう一点お伺いします。 自賠責保険の過失相殺の問題なんですけれども、実際に損保会社とやってみて、損保会社は、損害率を低下させるために保険金の額を引き下げる、そのために一方的に査定が行われて、被害者の側が異議を申し立てるということがあれば、実際には裁判でもやってもらいたいなどというように言われるとか、いろいろなことも聞いております。その点での自賠責保険における過失相殺の問題、実態はどのようになっているでしょうか。井手参考人、お願いいたします。
○井手参考人 これは、損保会社の払い渋りの実態にもよるのですが、損保会社は、提出された計算書から、ほとんど過失割合を加えて、自賠責の範囲内で保険金を払っていると聞いております。事実を確認したわけじゃないですが、そういうふうなことが言われております。 自賠責保険は、被害者保護の立場から、過失相殺の適用を極めて例外的、制限的な扱いとしております。つまり、緩やかな減額制度が行われているわけです。一方、任意保険の場合には、民法の過失相殺の一般原則で処理されております。現状では、この任意保険の基準が強制保険を支配する結果になっております。つまり、自賠責の持つ被害者保護の理念が失われてしまっているのです。したがって、自賠責保険と任意保険を合算して、任意保険の厳格な過失相殺がそのままストレートに行われております。このことは、自賠責保険の被害者保護の目的を失わせるものであります。 これでは被害者保護でなく損保会社の救済になっているのではないかというふうに思っております。民法の七百二十二条の二に沿っているのかも疑問であります。何のための被害者保護のための自賠責保険であるか。自賠責保険をつくった趣旨をもう一度問い直していただきたいと思います。自賠責保険の立法目的を実りあるものにするためには、自賠責保険のルールを優先すべきです。 結論としては、強制保険の過失相殺、いわゆる減額の制限を適用するルールはそのまま維持して、それを超える部分、いわゆる任意保険の部分には民法の一般の過失相殺を適用するか、あるいはもっと積極的に、強制保険の基準が任意保険に及ぶものとする方向で解決すべきであります。政府再保険が廃止されるに当たり、今後、自賠責保険の部分まで任意保険の過失相殺が適用されることのないように切望いたします。
○瀬古委員 倉沢参考人にお聞きしたいと思うんですけれども、今、井手参考人が言われた、自賠責と任意保険があるんだけれども、例えば、いわゆる損害金の減額の場合にも、自賠責の方は被害者保護ということでかなり配慮されている、ところが、二重になることによって、三千万を超えますと、丸々その人の過失割合が変わってきて、事実上もらう金額が減ってくるという、実際に計算上そういう形もとられている面もあるので、もっと被害者救済という点での自賠責の理念をしっかりこういう中に貫くべきじゃないかという御意見などについてはいかがお考えでしょうか。
○倉沢参考人 自動車による人身事故も不法行為の一つで、しかしながら、自賠法という特別法で、一条の立法目的で、先生御指摘のように被害者保護というものをより厚くという理念から特別法がつくられております。そのために、先ほど荒木参考人がおっしゃいました、三条における立証責任の転換といったような、一般の不法行為法より非常に被害者に有利になっている点、あるいはもう一つ、例えば私の専門の商法の方ですと重過失による事故招致が免責になっているのが、これが自賠責ではカバーされるといったようなことになっておりまして、そういうふうに、制度として、一般の不法行為についての責任保険というものよりも、自賠責保険における保険事故というものが被害者救済のために強化されている部分について、これを間違った運用をしたらば違法だと思うのでございますね。そこから先は、理念に従った運用をすべしということで、これは運用の問題ということになろうかと思いますので、法律家には御容赦いただきたいと思いますが。
○瀬古委員 そうしますと、運用の面では、被害者救済という点でもっと検討する余地があるというようにお考えでしょうか。
○倉沢参考人 制度というのは枠組みでして、結局、それを使って肉づけをしていって、生きた効果を発揮するものでございまして、そのときにやはり全体を貫くものは制度の理念だということは先生おっしゃるとおりだと思います。
○瀬古委員 荒木参考人にお伺いいたします。 今、被害者の側からいうと、なかなか査定も厳しく、損保会社はいかに支払い額を値切るかということで、被害者の方は随分苦労されていると。この点では、やはり少し行き過ぎというものがあるのじゃないか、損保会社そのものについての一層の自戒といいますか、そういう問題はやはりみずから改善しなきゃならないんじゃないかというふうに御意見も出ておりますけれども、その点、いかがお考えでしょうか。
○荒木参考人 お答えを申し上げます。 先ほども少し触れましたが、損害保険分野も自由化が急速に進行しておりまして、損害保険会社としては、やはり市場において消費者の支持を得るということが極めて重要な課題になっておりますので、いやしくも恣意的に保険金の支払いを渋るとか引き下げるとかいうようなことをやるべきではないと思いますし、現実にも、そういうことを意図的にやっている保険会社はないのではないかと私は思っております。少なくとも、今後においてはますますそういうことが重要になってくるという認識では、どこの保険会社も一致していると私は信じております。 ただ、任意保険と自賠責保険の過失相殺のあり方の問題は、確かに運用面といえば運用面でありますけれども、実際の運用に当たりましては、保険会社としては、その時々の、とりわけ裁判所の判例のあり方を無視するわけにはまいりません。現状におきましては、私の知り得る限りにおきましては、全体としての賠償責任について過失相殺が行われるというのが一般的な考え方でございますので、保険会社としてもそのような方針で臨んでいる、決して、何か特定の利益を目的にするためにそういう過失相殺の考え方を持っているわけではございません。その点をぜひ御理解いただきたいと思います。 以上でございます。
○瀬古委員 ぜひ自賠責保険のそもそもの被害者救済、被害者保護という立場から運用をお願いしたいと思います。 最後になりました。加藤参考人にお伺いいたします。 紛争処理機関の問題なんですけれども、一応これは指定法人という形になりましたが、こういう紛争処理機関の場合には、行政から独立した、きちんと第三者的に、客観的に処理できる、こういう機関のあり方というのはもっと必要じゃないかと私は思うんですけれども、その点、いかがお考えでしょうか。
○加藤参考人 お答えいたします。 おっしゃるとおりだと思います。審議会の中でもそういうことが話題になったこともございますが、現在の自賠責の制度の中で、自賠責にかかわるいわゆる再審査等々につきましては自算会というところでやっておるわけでございますけれども、ここは、被害者の側から見ると、ここで実際に仕事をしておられる方というのは保険会社から派遣をされている方々が主体でございまして、そういう面で、再審査を申し出る先も保険会社だったりということで、被害者の気持ちとしては、不服申し立てをしようと思う相手に持っていかなければいけない、こういう面が確かにあったわけでございます。 そういう面で、先ほど申し上げた紛争処理センターとか相談センター等々が活用もされているわけでございますけれども、今回私どもが意見を申し上げておりますのは、この自賠責の現在ある制度を、自算会の中に持つのではなくて、もう少し第三者機関的に、現在あるほかの制度も活用しながら効率的に公平な立場に置くということで、被害者の方々がより活用しやすいものになるということが制度全体の信頼性を高めることになるのではないかというふうに考えておるところでございます。 以上です。
○瀬古委員 どうもありがとうございました。
○赤松委員長 日森文尋君。
○日森委員 参考人の皆さんには、お疲れのところ、大変恐縮でございます。社民党の日森文尋と申します。 大分質問が出尽くしている感じなので、少し突っ込んだお話になるかもしれませんが、お聞きをしたいと思います。 最初に、倉沢先生なんですが、紛争を解決する機関の問題について、当初、審議会の答申の中では、事故調査やそれから紛争のあっせん、調停、仲裁をできる、そういう機関を政府内に設置するということも検討されたと。しかし、現実的に出てきたものは若干後退をしているような感じもするんですが、その辺の経過について、差し支えなければお聞かせいただきたいと思っております。
○倉沢参考人 ADR、裁判外の紛争処理機関は、それ自体が今先生がおっしゃったような機能を備えたもので、例えば、今の自算会の審査というのは、一遍自算会で算定したものについて異議があったときに再調査をするというような機関で、紛争解決の機能は持たないわけでございますが、それに対して、この紛争解決の機能を考えるという点では、委員の先生方にコンセンサスがございました。 それについての議論としては、これを政府の一機関とするという考えから、純粋に民間の法人にするという考えまで多様な意見がございましたけれども、一つは、政府再保険廃止というような、ある意味でいいますと、半世紀ぶりの法改正というときの制度の枠組みという中で、これを既存の純粋の民間機関という形のままでコンセンサスが得られるかということで、大分議論の結果今のようなことになった、このような記憶でございます。
○日森委員 同じ質問を井手参考人にお伺いしたいんですが、その前に、自算会も九八年以降随分改善をされてきて、例えば工学的な見地から事故について調査をしようとかいう機関まで設置をされてきたということは一定評価をしているわけです。これはちょっと後で荒木参考人にお伺いしたいと思うんです。 井手参考人は先ほど、事故の真実を知りたいというのが被害者あるいは遺族の切実な気持ちなんだということがあると思うんです。この紛争を解決するための機関というのは、実際そこまで踏み込んでいけるものなのかどうなのか。審議会の答申の中では、自算会なんかも含めて、事故の原因を的確に把握することとか事故の現場を的確に把握すること、そういう任務を含めて何か言われているようなので、恐らく、こういう機関ができれば、そこまで突っ込んだ調査ができるという機関にしていかないと意味がないんじゃないかというふうに思っているんですが、先ほど井手参考人は、事故の真実を知りたいという遺族の気持ちをおっしゃいました。その井手参考人が、そういうお気持ちから、今度の紛争を解決する機関についてどんなお考えをお持ちなのか、お聞きをしたいと思います。
○井手参考人 今、もう十年ぐらいたちまして、警察の方でも、例えば事故の一番多い交差点なんかに、よくある問題は、どっちが青だったか赤だったかということが問題なんですが、そういうものを自動的に見分ける機械が導入されてきたようです。そういった意味で、少しずつ真相を明らかにするということができてきているんですが、ただ、警察の方ではこの情報を自賠責の審査に当たって開示しないというところが問題なので、やはり、法律を改正して、少なくとも、犯罪といいますか、プライバシーにかかわる問題じゃない部分については開示して、真相を究明していただくということをやっていただきたいと思っております。 以上です。
○日森委員 今度、国土交通省の中で、航空事故調査委員会に加えて鉄道事故調査委員会というのも設置をされました。実は、道路の方がその事故調査委員会というのはございませんで、警察のいわば専権事項的なものになっている感が強いわけですね。 私の持論としては、この間もずっと国会の中でも主張してきましたけれども、実は、道路も対象にした重大事故、あるいはそういう係争に係るような事故については、第三者機関がきちんと調査をして、権限を行使して実態を明らかにするという機関が必要じゃないかという気がしているんです。まあ、これはいいんですが。 そういう意味からいいまして、紛争調停機関というのはできるわけですが、その中でもぜひ事故の調査みたいなことまで含めてできるようなことをやっていただきたいと思っているんです。 同時に、これをやるには、例えば自算会の中でそれなりの機関ができていて、あるわけですよね。例えば再審査会になれば、これは自算会の職員が入らないで、お医者さんとか弁護士さんとか専門家がおやりになるというお話になっているんですが、その自算会をやっていらっしゃる損保協会も当面一定の協力をしないと、この紛争処理機関というのはやっていけないんじゃないかという気もするんですけれども、そういう意味で荒木参考人のお考えをちょっとお聞きしたいと思います。
○荒木参考人 御回答申し上げます。 現在検討されておりますといいますか、この改正案の中に位置づけられております紛争処理機関につきましては、この紛争処理機関を設立するに至りました論議の経過に照らせば、やはり中立性ということが大変重要であろうと考えておりますので、損保業界としても、例えば、設立の基金を拠出いたしますとか、あるいはその後の運用の経費を相当部分負担するとか、そういう点について御協力申し上げることは当然でございますけれども、この法人の運営その他について私どもが関与しないということが大事でありますし、そういう意味での中立性ということをだれの目にも明らかなようにすることが大変重要だろう、そのように考えております。 しかしながら、そういうことではありますけれども、現実に、いろいろな事故の処理に従事してきた長い経験を持っている損保業界あるいは協会あるいは自算会でございますから、この法人の運営上不可欠ないろいろなお手伝いということについては、協力をしないということではございません。可能な限り御協力を申し上げて、この機関が有効に活動できるように、ぜひ御協力をしていきたいと考えております。 先ほど先生御指摘の、いろいろな改善というのは、一つは高次脳機能障害に関する審査会を設立したということ、あるいは自動車工学専門部会というものをつくりまして、ここで交通事故の原因その他についての人間工学あるいは自動車工学的な調査研究をするというふうなこと等々、運輸大臣の懇談会の中でいろいろと御指摘をいただきました問題について、既に自算会の方で幾つかの改善措置をとったということでございます。 今後とも、可能な限りこのような方向で少しでも被害者救済に役に立てることがありましたならば積極的に取り組んでまいりたい、そのように考えております。
○日森委員 ありがとうございました。 一般的な言い方になりますが、金は出すけれども口は出さない、その独立性をしっかりと担保するような形でぜひ進めていただけたらというふうに思っております。 続いて、これは将来の話なんですが、先ほど来いろいろ御議論ありました。倉沢先生と荒木参考人にお聞きしたいのですが、行革審の第二次答申で、しかも規制緩和三カ年計画の中で、将来の保険について、強制保険であることと引受義務、この二つはきちんと維持をしましょう、それを維持しつつ保険会社間の競争を促進するようなそういう保険にしていこうじゃないかという展望が出されていました。 先ほど山田先生から強烈な意見があったのですが、ちょっと私は意見が違うのですが、これはどういうふうに受けとめていらっしゃるのか、倉沢参考人と荒木参考人にお伺いしたいと思います。
○倉沢参考人 自賠責保険の大きな特色は、強制加入ということにもありますが、もう一つは、保険契約という、本来その商品の内容、給付の内容というものが約款で決まるものについて、自賠法で画一的に、全国民同じに決まっているという点がございます。そういった中で、さらにそれに付加される条件について、これは恐らく商品設計の上で企業がいろいろな知恵を働かせれば競争の余地はあるかと思いますが、私、今のところは、この強制加入、ノーロス・ノープロフィットということ、基本補償を確保するという点からいいますと、今の自賠法における契約内容の画一的、定型化というものが、少なくとも当面の段階では必要性はあるのではないかと思っております。
○荒木参考人 私の考えを申し上げます。 先生御指摘のように、保険をつけることを義務づける、つまり強制保険でございます。それから保険会社に引き受けを義務づけるということ、ノーロス・ノープロフィットということもございますが、そういう条件を満たしながら、なおかつ競争を促進しようというのは、具体的な商品ということになりますと非常に難しいわけであります。 その点は、先ほど来申し上げておりますように、任意保険と自賠責保険というのが、確かにちょっと二階建てというのは何となく非効率な感じがしないではございませんけれども、この二階建てを組み立てることによって基本的な補償と競争的な保険というものが両立しているのではないか。もっといい知恵があればもう少し考えなきゃいけませんが、現在私どもが考えておりますのは、やはり今の二階建ての構造で、一方において引受義務と強制保険、一方における料率の競争というものを満たしていけるのではないか、そのように考えております。 以上でございます。
○日森委員 それから、先ほどもちょっとお話が出たのですが、また申しわけございません、荒木参考人に。 追加支払いの関係で、十年間で六十億円という数字がありました。これはちょっと多いんじゃないかという話もあるのですが、確かに事務量が膨大で本当に人為的なミスということもあると思うのですが、現状はどうなんでしょうか、改善されたのでしょうか。もしおわかりでしたら、お答えいただきたいと思います。
○荒木参考人 現状は大幅に改善されていると私どもは認識をしておりまして、昨年の十月に、これはもう全く損保協会として任意に各保険会社にヒアリングをいたしまして、実態を聞いたわけでありますけれども、これは非常に少なくなっているということでございました。 私は、それはやはり、先ほど申し上げましたように、支払い基準をきちんと守るという社内の点検体制を確立する、それから自算会調査事務所でもきちんと内容を点検して、問題があればすぐ保険会社と連絡をとって必要な是正措置をとるという慣行がかなり十分確立されておりますので、先ほど申し上げましたように、単なる錯誤に基づく事務ミス的なものはこれはほとんど絶滅できるというふうに考えております。 以上でございます。
○日森委員 時間が来てしまいました。ちょっと自算会の中身についてもお聞きをしたいと思ったのですが、実際、紛争処理機関もそうなんですが、自算会は現在二千人弱、地域で六十七支部ですか、これで本当に十分機能できるかどうかという心配があるのです。 紛争処理機関にしても、自算会が持っている機能をさらに拡大して、しかも中立性を担保してやっていくということになると、この体制では済まないというふうに思うのです。しかも、事故の現場もちゃんと確認しようとか、実際にこれをやることになったら、これはとてもじゃないけれども、二千人の数でできないんじゃないかという気もしているのです。それについてもちょっと意見はあるのですけれども、ぜひそれぞれ参考人の方々にも御理解いただきまして、立派な第三者機関をつくるように御助言いただきたいということをお願いして、終わりたいと思います。ありがとうございました。
○赤松委員長 森田健作君。
○森田(健)委員 森田健作でございます。 参考人の諸先生方におきましては、私が最後でございますから、もう少しでございます。しかし、最後になりますと、ほとんど質疑が尽くされているといいますか、質問も大体重複するところがあるのでございますが、それはひとつ、つけ加える意見がございましたらどんどんつけ加えていただいて、最後を締めくくりたいと思います。 私は、運転をしないものですから、非常に単純なことをお伺いするかもしれませんが、自賠責を逃げる人というのは大体どんな人なんですか、そしてどうやって逃げるのですか、そしてどうやったらこういう無保険車をなくすことができるのでしょうか。倉沢先生、いかがでございますか。
○倉沢参考人 現在の自賠法は、非常にその点を苦心しておりまして、車検リンクの問題と、それからマークをフロントガラスに張れとかいったようなことを全部法律上義務づけておりまして、遺漏なきを期しているんだと思いますけれども、それを脱法する者がなぜかということは、結局、違法車が出てこざるを得ないとしか私には答えられません、申しわけございませんけれども。
○森田(健)委員 言うなればまともにやっている人がばかを見るような世界じゃいけませんよね。やはり何とかこういう人たちをぴしっとさせることを、ぜひ倉沢参考人が旗振ってこれは考えていただきたいと、私は強く思うところでございます。 さて、荒木参考人にお伺いいたします。これはもう何回もお話が出ておりますが、もしつけ加えるところがありましたら、つけ加える意見を、またお話を賜りたいと思います。 言うなれば、今回、運用資金の増大につながります。今までは四割運用でございますか、これが十割になるんでございますから、いろいろな意味において、運用益、頑張っていただければ向上につながるんではないかな、そのように思います。また、コスト削減効果は大いに期待できるんではないかな、そのように思うんでございますが、保険会社のお考えを賜りたいと思います。
○荒木参考人 お答えを申し上げます。 御指摘のように、お預かりいたします保険料の資産の運用というのは、今までと比べると二・五倍になるわけであります。したがいまして、これまで以上にその運用については、安全性あるいは流動性に十分配慮しながら、可能な限り安定的な収益を確保してまいりたい、そういうことに尽きるわけであります。 それからまた、運用経費、投資コストというものがあるわけでありますが、そういうものも、金額がふえたからといって、運用コストがただふえるということでは何の知恵もないわけでありまして、そういうことがないように、運用コストを節減していくということも、当然のことながら私どもとしては努力をしてまいりたい、そのように考えております。 そして、資金の運用に伴います果実として運用益が出てまいりますが、その運用益をどのように利用するか。いろいろ御議論がございましたように、保険料の引き下げファンドとしていわばユーザーに還元するという道と、被害者救済あるいは交通事故防止対策といったような政策的な目的のためにその一部を利用するということとが、まあ既に行われているわけでありますけれども、私は、やはりその両者のバランスをうまくとって、効果的な運用の成果を生かしていきたい、そのように考えております。具体的な運用益の使途その他につきましては、自賠責保険審議会等の場で御議論いただくのが最もふさわしいかな、そのように考えております。 以上でございます。
○森田(健)委員 荒木参考人、ありがとうございました。 実は、被害者救済でございますが、私、先日の委員会で泉副大臣にも質問させていただいたのでございます。確かに副大臣のお話もよくわかるんでございますが、やはり被害者、当事者になってみなければ、私たち幾ら偉そうなことを言っても、わからないことが多々あります。 今回、九千億を被害者救済、そして一兆一千億を、言うなれば保険料の引き下げの方に回す、これは先ほどもお話がございましたが、大体コーヒー一杯ぐらいの料金といいますかお金なんでございますよね。私、これはわかるんですよ、それはいろいろなバランス等もわかるんでございますが、言うならば、運転している人もひょっとすると自分も被害者になるかもしれない、コーヒー一杯だったらちょっと我慢しようじゃないか、この一兆一千億、被害者救済対策の方に回したらいいんじゃないかなと私は強く思うところでございます。 井手参考人、先ほどからお話も伺いましたが、もっとこういうところを訴えたいとか、こういう被害者の気持ちを聞いてもらいたいとつけ加えることがありましたら、お願いいたします。
○井手参考人 最後になりましたので申し上げたいと思いますが、今回のこの政府再保険制度の廃止というのは、まず規制緩和ありきという中から出てきたと私は思っております。でも、規制緩和というのは、規制を緩和することによって、人々が豊かになる、幸せになるということが原則であります。そういった意味からしますと、この自賠法の第一条の被害者保護を貫徹するためには、規制をどういうふうに緩和したらいいかということが本当はあるべきであって、まず規制緩和ありきというのは、これは逆じゃないかというふうに思っております。 それから、今御質問の、今回のことでよかったことは、今まで忘れられていた犯罪被害者が、こういうふうな場で発言の機会を与えられたことに非常に感謝しております。また、運輸省とか金融監督庁なんかにも発言の機会を与えられたことに非常に感謝しております。 ただ、被害者救済の充実につきましては、一応、チェック機構といいますか、そういうところはある程度あったわけでありますけれども、具体的な内容については、今回の改正案では余り見られないように思います。今度国から民間に移行するわけですけれども、これを国が監督するということが盛り込まれたことは、一つのよいことであったかなと思っております。 懸念する点としましては、民間の損保会社が利益を追求するという考えは、そう簡単に変わるものではないと思います。ですから、今までの経験からしまして、損保会社の体質が百八十度変わって、被害者の保護に自分の全財産を使うということはあり得ないだろうと思っておりますけれども、少なくとも、市場原理によって、さらに被害者の保護が、自賠責の精神が薄れないようにしてほしい、悲惨な弱者社会にはならないように、それだけはひとつ心にとめて、今後の運営に当たっていただきたいと思っております。
○森田(健)委員 ありがとうございました。加害者もいつ被害者になるかもしれません。私たちは、そのことをしっかりと受けとめて、考えていかなければならないと思います。 ありがとうございました。
○赤松委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。 この際、四人の参考人の皆様に一言申し上げます。 本日は、貴重な御意見を賜りまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして、厚く御礼を申し上げます。 この際、休憩をいたします。 午後零時九分休憩 ————◇————— 午後一時五十三分開議
○赤松委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 内閣提出、小型船舶の登録等に関する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省総合政策局長風岡典之君、河川局長竹村公太郎君、道路局長大石久和君、海事局長谷野龍一郎君、港湾局長川島毅君、国土地理院長矢野善章君及び海上保安庁長官縄野克彦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○赤松委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○赤松委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大谷信盛君。
○大谷委員 こんにちは。民主党の大谷信盛でございます。 きょうは元気に質問させていただきたいと思うんですが、何かおけがの御様子、非常に心配をしております。 小型船舶の登録等に関する法律案でございますが、これは、これから少子高齢化に向かっていく中、余暇をいかにして楽しんでいくかという、人生の生き方を大きく左右するような課題だというふうに僕は思わせていただいております。今回提出される法律、それは登録制度というものが中心ではございますが、まずは、この海洋レジャーというものを、安全で、我々市民、国民にとって親しみやすいものにしていかなければいけないという方向のもと、第一歩になるんだというふうに理解をさせていただいております。 この前、日本海の方に少し行く機会があったんですが、産業が少ないですよね。もしあんなところでプレジャーボートの施設みたいなものがあれば、交流人口みたいなのがふえていく、これは地域経済の活性化にもなっていく。そんな観点から、ぜひとも質問をさせていただきたいというふうに思います。 まず最初に大きな質問をさせていただきたいんですが、今回のこの登録制度を新たにつくっていくという法案がどんなふうに我が国の海洋レジャーの発展というか振興に役立っていくのか、放置艇等々の問題の解決の第一歩というふうに言われていますが、大きな方向性みたいなものを大臣にお伺いしたいというふうに思います。
○扇国務大臣 大変自分の不注意で、放送局でコードのカバーを踏み外しまして、お皿にひびが入ったものですから、ちょっと立ち居振る舞いが不自由で、御迷惑かけて申しわけありません。 今、大谷先生から、今回の法案の基本的なものの御指摘がございました。 私は、今度の法案によりまして、少なくとも、海洋レジャーの振興とかあるいは多くの皆さん方の発展に寄与する、そういうふうに考えておりますけれども、もともと本法案の目的は、小型船舶の所有者の利便性の向上を図りまして、小型船舶を利用した諸活動をぜひ健全な発展に持っていきたい、そういうことが目的でございます。 そういう意味では、今大谷先生がおっしゃいますように、いろいろなところで国民のレジャーに対する考え方も広がってきておりますので、期待される効果として、まず、登録制度を通じまして所有者が明らかになりますと、放置艇を適切な係留場へ誘致することができる。その辺にいろいろな船が放置してあるということで大変に迷惑をしている方が大勢いらっしゃいますけれども、今回は所有者を明快にするということによって、その適切な係留地へ持っていけるということで、大変皆さん方に安心してこれを係留していただけるのではないか。 また、処分対象としますプレジャーボートが明快になるということで、海洋レジャーの振興とか発展を図る上で、私は、これが大変放置艇の対策にも大きな役目を果たしていく、そう思っております。 また、プレジャーボートの分布傾向が把握されますので、そういう意味では、マリーナ等の係留あるいは保管の施設等の整備計画も立案できるのではないか、今数がわかりませんので。そういう意味では、安心していただけるのではないか。 さらに、所有者の公証の効果としまして、プレジャーボートの信用販売、あるいは中古の販売等々を安全に行うということも今後はできますので、まして、盗難防止ということも、これできちんと判明していくのではないか、そういうふうに考えておりまして、今後、製品の故障情報の提供とか、あるいは、安全あるいは環境関係の情報の周知徹底にも役立つのではないか。 最後に、このように、法案を皆さん方に御審議していただくことによりまして、海洋レジャーの振興、発展のために欠くことのできない基盤となる制度を今回は整備させていただく、そういうふうに考えていますので、この法案によって皆様方に、より安心して、そして明快な責任を持って行っていただけるということで、皆さん方のレジャーの広範囲なものにも寄与することだ、そういうふうに考えております。
○大谷委員 ありがとうございます。 コードにひっかかったんですか。テレビで特定道路の財源の一般化とか大きなことをおっしゃって、少し動揺なさったのかと思ったんですが、そうじゃなかったと。失礼しました。 今、大きな方向性というものをいただきまして、ありがとうございます。ちょっと現状認識というものをさせていただきたいんですが、今役所の方から出ていますデータを見ますと、世の中に、プレジャーボート、二十トン以下のものが大体五十万隻ほどある。そんな中で、十三万六千隻だとか十四万隻だとか、その辺が不確実なんですが、いわゆる放置艇、中には不法係留のものも含まれている、一体どこに何隻とまっているのかというのが、どこの資料を見ても余りよく載っていないんですよね。マリーナがあります、ボートパークがあります、陸揚げのものもあります、キールのついたヨットもあれば、底に何も生えていないモーターボートもありますが、その辺、どこに一体どんなふうにしてとまっているのかという現状をちょっと教えていただけますでしょうか。
○川島政府参考人 平成八年度に、港湾区域それから河川区域、漁港区域を対象に関係省庁が共同で実施をしましたプレジャーボート全国実態調査によりますと、全国の水際線近傍で約二十万八千隻のプレジャーボートが確認されております。このうち放置艇は、約六六%に当たります約十三万八千隻でございます。この放置艇がどこに置かれているかということでございますが、港湾に約四割、河川に三割、漁港に三割といったところでございます。当時、平成八年度末のヨット、モーターボートの隻数は三十三万六千隻でございまして、平成十一年度末ではヨット、モーターボートは合計で三十五万二千隻と、一万六千隻程度増加しております。これの係留保管状況につきましては、平成八年度調査時点から大きな変化はないと想定されるというふうに考えております。 なお、プレジャーボートの約二割以上、十万三千隻でございますが、これを占めます水上オートバイにつきましては、そのほとんどが自宅での保管となっているというふうに想定しております。
○大谷委員 ありがとうございます。 そうすると、五十万あって十三万八千が放置艇ということですよね。今、放置艇が海辺や川辺やまた漁港の中ということで、数字を挙げていただきましてありがとうございます。これは初めて知りました。少し引き算してみますと、要は、三十万はどこにとまっているか全くわかっていないということになるんですね。 それと、もう一つわかったことは、マリーナとかボートパークとかに陸揚げされていて放置艇になっていない、我が国のプレジャーボートを係泊できる隻数というかキャパというのは、係留できるところというのは六万三千隻分しかないということになるわけなんですよね。今、さっき適正な場所とかというような単語が出てきたんですが、僕が教えてほしいのは、この法律の中にも、今の放置艇を適正な場所に誘導する、この法律を通してということになっているんですが、適正な場所というのはどういうところのことをいうんですか。
○川島政府参考人 御指摘のとおり、前回の調査におきましても、マリーナあるいはそれに準ずる水域、非常に簡単な施設で船を係留できる場所があります、そこにとめておるのが実態でございました。昨年に港湾法を改正しまして、港湾管理者が水域の管理上、ここにそういうプレジャーボートをとめてもらっては困りますよという水域を指定することができるようになりました。現実的には受け皿が圧倒的に不足しておるというのが実態でございますので、あるいは港湾とかの管理上支障のない水域、これに暫定的な係留をしていただくということで現実的な対応が今後進んでいくというふうに考えております。
○大谷委員 そうすると、指定した、これは国ですか、それとも地方自治体が指定した区域ということだと思うんですけれども、指定した区域に誘導していくというのが適正箇所への誘導でございますね。その適正箇所をこれからふやしていくなりどこにするかということが、この法律が通った後議論されていくというふうに理解してよろしいんでしょうか。
○川島政府参考人 説明が不十分で申しわけございませんでした。 今申し上げましたのは、昨年の港湾法の改正でございます。これに基づいて港湾管理者がそういう水域を定めることができるようになったということでございます。
○大谷委員 では、ちょっと僕わからないんですけれども、適正な箇所に誘導すると言いながら、適正な箇所がないというふうに僕には聞こえるんですけれども。申し上げている意味、わかりますでしょうか。適正な箇所に誘導していくと言いながら、適正な箇所が六万三千しかないわけなんですよ。一体どこに誘導していこうとしているのかということですね。
○川島政府参考人 国土交通省におきましては、昨年港湾法の一部を改正して、船舶の放置等を禁止する区域を港湾管理者が指定できるようにする、こういう規制の措置を港湾管理者が講じるようにしたわけでございますが、一方、例えばボートパーク整備事業と私ども呼んでございますが、係留保管、非常に簡易な施設を整備することによってそういう放置艇の収容、受け皿となるそういう施設整備を進めておるところでございまして、今後より一層積極的に推進する必要があるというふうに考えております。
○大谷委員 結局は、係留できる場所、保管できる場所がなければこれは何も解決しないわけですし、海洋レジャーの発展なんて、かけ声だけで終わってしまうわけでありまして、しっかりとつくっていくという方向性を持っていただきたいなというふうに思っています。 今までの質問の中ではっきりわかったことは、とめるところが本当にないんだ、これから、僕は積極的に解釈させていただきますけれども、つくっていくんだ、考えていくんだ、そのために去年指定区域等々の法律も整備したんだというふうに理解をしております。 そんな中で、ちょっと質問の方向を変えて教えてほしいんですけれども、そうしたら、例えば海洋レジャー発展のためのグランドデザインというか、これはボートのとめる場所をふやすだけという話じゃなくて、さっきも言ったように、例えばある海のきれいな地域に、また産業がないような地域にこういうボートパークみたいなものをつくりますと、それなりに人が週末だとか出かけていく、それなりに交流人口というものがふえるわけですから、何らかの形でのお金が落ちるというか、経済のパイが少し広がるというふうに考えられますが、それを大きくふやすんだとか、いや満遍なく広げていくんだとか、一つモデル的なものを大きくつくっていくんだとか、また、全体的に考えて、あとは地域に任せるんだとか、いろいろな考え方がこの海洋レジャー発展のために考えられるというふうに思うんですが、何かそんなグランドデザインみたいなものを考えておられるのか、これからなのか、少し方向性をまたお聞かせいただきたいというふうに思います。
○風岡政府参考人 海洋レジャーのグランドデザインという御指摘でございます。 まず、大臣も先ほど御答弁がありましたように、国民のレクリエーションに対する活動、関心、これは非常に高まっておりまして、また多様化しております。こうした中で、プレジャーボート等の海洋レジャーというのもますます盛んになるわけでございまして、私どもとしましても、この健全かつ秩序ある発展ということは非常に重要な課題でありますし、また、我が国は四方を海に囲まれているわけでございますので、海洋レジャーを通じまして海に親しむ、あるいは海への理解ということにもつながりますし、また地域の発展という面でも非常に大きな効果があるというふうに考えております。 このプレジャーボート問題についてはいろいろな課題が実はあります。先生も御指摘いただきましたように、放置艇の問題だとか、あるいは廃船の処理の問題とか、安全航行の問題、そういった大きな課題がありますので、現在、国土交通省では、プレジャーボートの適正利用のための環境整備ということをまずスタートとして取り組んでいく必要がある、こういうように考えておりまして、現在この法案で小型船舶の登録制度について御審議をいただいているわけでございますけれども、私ども、そういった取り組みだけではなくて、広範な取り組みを検討していきたい。その一つとして、例えばマリーナの整備の促進ということで、先ほどお話がありましたような形での係留保管能力の向上ということも非常に重要であります。また、操縦士の資格制度の見直しということも考えなければなりませんし、航行環境の改善とか、あるいは航行安全規制の見直しとか、将来的にはリサイクルについての技術開発の問題とか、そういった広範な問題があります。 特に、今度、国土交通省になりまして、私どもとしてもいろいろな取り組みが可能になりましたので、この機会に省内に関係局から成る連絡会議というのを設置いたしました。その中で、今申し上げましたようなものにつきまして検討をするとともに、またそれを通じてマリンレジャーが発展するように、また地域の振興につながるような方策というものを真剣に検討していきたい、このように考えております。
○大谷委員 ぜひとも、今の方向性を具体化させていっていただきたいというふうに思います。 もう一つ、角度を変えて教えてほしいのが、昭和六十三年に、たしか全国マリーナ等整備方針というものを当時運輸省さんが発表なされたというふうに思うんです。そのときの予測では、西暦二〇〇〇年にはプレジャーボートが大体四十万隻ぐらいになる。今現実に十万隻を超えちゃっているんですけれども、ゆえに、大体十九万だったかな、半分ぐらいはプレジャーボートの適正な係留場所、保管場所というものをしっかりとつくっていくんだというふうになっていますが、これはかなり前の話なんですけれども、今、さっきの質問の中ではっきりしたことが、六・三万隻分しか係留保管場所がないというわけですよね。これ、大きく出しておきながら、予測も大体当たっていたんですけれども、珍しく下方修正じゃなくて上方修正というぐらい当たっていたんですけれども、これはどうしちゃったんでしょうか。何が支障だったんでしょうか。 もしその支障が今残っているんだったら、今話された海洋レジャー発展に向けた方向性、戦略とあわせると、やはりもう一回考えなきゃいけない、支障があるのかどうなのか、しっかりと大臣の前で御答弁いただいて、大臣に問題のあるところは解決していただけたらというふうに思います。回答はそちらからお願いします。
○風岡政府参考人 先ほど申し上げましたように、省内で総合的な取り組みということを現在検討しております。 ただいま先生御指摘いただきましたように、従来示しました目標、それから現在の状況がどうなっているのか、そのために施設整備がどういう理由でおくれたのかということを、これから議論するに当たりまして、十分、そのための反省も行って、どういう方向で進めていったらいいのかということについて、この連絡会議の場で総合的に検討していきたい、このように思います。
○大谷委員 ごめんなさい。よくわかりませんでした。議論していくしかなかったですね。お金がなかったんですか。
○扇国務大臣 大谷先生御指摘のように、私は、やはりレジャー産業に対する日本人の意識というものがそれほど高くなかったということもまず言えると思うんですね。 私は、大谷先生のようにアメリカで勉強されて、アメリカは、自分たちが船を持ってもモラルを持っていますけれども、日本人は、登録しなくていいんだったら、ただ持っていればいいということで、車のように車庫証明がなかったら買えないというようなことがありませんので、ただ持ちたい人は趣味で持つ、その程度の範囲であったために数の把握ができなかった、これも私は大変大きなことだろうと思うんです。 ただ、レジャー産業ですから、売る方は一生懸命売る。ですから、今度のように登録制度を導入することによって数も把握できるし、またその人たちが、先ほど局長から言いましたように、完全にこれでは足りないじゃないか、適正なところへといっても、どこへ持っていったらいいんだと。では、車庫証明のようなことで、レジャーボートを買うときに証明が要るのかどうか、これも私は今後の問題にはなってくると思いますけれども、全体的には、やはり後追いでございますので、レジャーに対する国民の意識の方がおくれていた、役所の意識と言った方がいいかもしれません。そういう意味では、今後、この登録制度を導入することによって、私は、より適正な、レジャーボートなり、みんなが個人が持った物に対する責任というものが出てくると思います。
○大谷委員 大臣、さすがですね。ナイスカバーでやられちゃいまして、煙に巻かれそうになりました、今の一分ぐらいの答弁の中で。さすがでございます。お金がなかったのか、計画がなかったのか、意識がなかったということで、反省も含めて大臣の方からお答えいただいたというふうに思います。 そうしたら、もうちょっとしっかりした提言型のもので返したいというふうに思うんです。 さっきも質問させていただきましたように、適正な場所というのが、僕はこれはある意味、放置艇を放置艇でなくしていく上で大きなキーになるというふうに思っているんです。 何で放置艇が悪いかというと、例えば、みんなの海だからということで勝手にくいを打って船を係留してしまう、そこに、週末であったり、月に何回か来ることによって、違法駐車であったり、ごみが捨てられていったりとか、またそこの海の、また川の景観が損なわれるとか、いろいろなことがあるというふうに思うんですが、去年の法改正を待たずしても、地方自治体さんからここの海は借りていますよ、地方自治体さんに幾らかお金を払っていますよというところはたくさんあるんですよね。 例えば、ヨットハーバーとかマリーナとか言われるところも、あれは同じ理屈で、そこは認められて、陸地の方も利用してヨットハーバーをやっていますけれども、その借りている海に関しては、お金を払っていたりするわけですよね。 同じように、ここでいえば放置艇に扱われているけれども、何々ヨットハーバーとか、大阪湾へ行けばいっぱいあるんですけれども、それはある意味で認知されていて、海は借りていて、例えば年間百万だとか二百万だとか、兵庫県か大阪府に払っているというのは結構あるんです。神戸の震災の後少し理屈が変わってきているところもあるんですが。そこのところにとめているのも、この放置艇の十三万八千に入っているわけなんですよ。 僕は、任意団体としてそれなりにヨットを何隻かとめている、しかしながらモラルをしっかり持って、地域住民に迷惑がかからないように、そしてごみが出ないように、そんなふうに運営しているところはたくさんあるというふうに思うんです。 実はこの週末、日曜日、大阪、兵庫の方のヨットハーバー、またマリーナと言われるところを回ってきました。それで、いろいろな人にお話を聞いてみました。そうすると、この資料に載っている例えば新西宮ヨットハーバーだとか、ここに公式に載せられているもの以外のヨットハーバーというのもいっぱい存在するんですよね。 我々一般市民からしてみたら、これは公式なものなのかそうじゃないのかわかりません。しかしながら、ヨットを、またボートを、海洋レジャーを好きな人が、自分たちの意識を高め合いながら上手にその地域を使っているわけなんですよね。ここを適正な場所と呼ばなくて、不法だとか放置だとかと言うのはおかしいんじゃないかというふうに思うんですよ。 もしここで、知恵を使って、こういう安全、もしくはモラルのある方が運営しているようなところを、ある意味、適正な場所だというふうに判断をする、そうすることによって、余りお金を使わなくても、この放置艇というかほったらかしになっている船というものが減っていくんじゃないかな、発展につながっていくんじゃないかなというふうに思うんですが、いかがなものでございましょうか、私のアイデアは。
○川島政府参考人 マリーナの整備につきまして、かつては公共マリーナ主体でございました。それですとなかなか保管料金も高くて簡単にとめることができないということで、先ほど申しましたボートパーク事業を導入したところでございます。また、第三セクター、これに対する支援制度も用意をしておりまして、ありとあらゆる手段で受け皿の整備に取り組む、これが基本だと思っております。 それから、先生御指摘のありました点につきましては、やはり港湾区域内であればきちんとした水域の占用許可を受けていただく必要がございますが、その中で、先生おっしゃった民間の活力を導入していく、非常に有効な手段かと。港湾の管理上支障のない区域を活用して民間の方が収容施設を整備される場合に、それを許可するというのは当然だと思っております。また、先ほど申しましたような、第三セクターであれば支援措置も用意してございますので、活用していただければと思っております。
○大谷委員 ぜひとも、グランドデザインをこれからつくっていく中で、そんなふうに、今もうある意味で既成事実を認めてしまうことになるのかもしれませんが、調査、精査の上、ああこれは航行上、船の安全上支障、迷惑をかけていない人たちだなというようなところがあれば、これはもう指定区域にして、その人たちの、ある意味で市民団体の自発的な運営のもとで貸して、これは放置艇ではない、日本国が認めた係留の適正な場所だというふうにしていただいたら、もっともっと広がっていくというふうに思います。 御存じのとおり、大体百万、船の大きさにもよるんですが、年間に六十万円から百五、六十万円、第三セクターでつくっても係留費がかかります。それでも、第三セクターのヨットハーバーは、ほとんどが赤字でございます。ですので、そんなものをぜひとも考慮した上でグランドデザインをつくってほしい。 これは要望でございますが、そういう保管可能地というものをぜひともすぐ洗っていただいて、どれくらいの時間でやるのかというのは、そっちの計画もあるんでしょうが、保管可能場所というものを洗っていただいて、その上で保管可能杯数というんですか、台数というんですか、ぜひとも出していただくように、具体的に進めていただきたいというふうに思うんです。大臣の方からも、意識が足りなかったという御指摘をいただきましたので、ぜひともよろしくお願いしたいというふうに思います。 もう一個、最後の質問に行かせていただきたいんですが、このボートなんですけれども、ガソリン税、軽油税を払っているんですよね。 五トン未満というのは、大体モーターボートで、小さいものなんですけれども、いわゆるパワーボートで今六割、七割、この数字はちょっと僕の皮膚感覚で言っているだけだからはっきりしませんが、モーターボートはガソリンです。大きな船は軽油になりますが。いずれにせよ、何らかの形で道路特定財源であるガソリン税、軽油税というものを払っているんです。ちょろちょろと聞いて調べてみようとするんですが、余りはっきりした数字が出てこない。三十億なのか百五十億なのかわかりませんが、海で使われているガソリン税、軽油税はどれぐらいあるんですか。
○大石政府参考人 先生、幾つかの数字をおっしゃいましたが、私どもも、昨年来、プレジャーボートの保管場所とそれから道路の方で使わせていただいておりますガソリン税収入の関係について、旧運輸省さんといろいろ議論させていただきましたが、具体的に幾ら納めているという数字を前提に議論は行われておりませんで、本日のところ、この数字でございますというものを持ち合わせておりません。
○大谷委員 目的税で道路をつくるということで昭和三十三年から始まっているんですけれども、今も、一般財源化とか省庁の中で使い方を変えていくとか、元気のいい改革が内閣、省の中で進んでいるのかなというふうに思うんですけれども、ある意味、考えてこなかったんじゃないのかなというような気がするんです。 確かに、昭和三十年代、ガソリンで走る五トン以下のボートなんてほとんどなかったです。ほとんどが軽油で、それも五トン以下のものなんというのは漁船のたぐいのものばかりで、プレジャーボートではなかった。 しかしながら、これだけふえてきた中、それでも気づいていなかったはずはないと僕は思うんですよ。だって、幾らかの収入は絶対ありますから。燃費はむちゃくちゃ悪いですから、ボート一台で車ウン十台分ぐらいのガソリンを消費していたはずですから、それなりの額はあったと思う。十万、二十万じゃないですよね。一千万、二千万じゃないですよね。やはりウン十億単位で入ってきたと思うんですよ。そこを気づかなかったというのは、やはりこれは意識の問題というか、もらったものはうちのものだからみたいな意識があったんじゃないのかなということを改めて振り返っていただきたいなというふうに思います。 理念論になりますけれども、これは、払っていた人は何か不公平なふうに感じませんか。要するに、漁港の整備、例えば二〇〇〇年度の国費ベースの公共事業の割合でいいますと、港湾だったら三千五百三十三億円、漁港だったら二千九億円使われているわけですけれども、このプレジャーボートのマリン設備というものに一体幾ら使われたのかといったら、ほとんどここでは億にならないような額だったんじゃないかなというふうに僕は思うんですよ。それは、明らかに払った人へのサービスのバックというものを忘れていたように思うんです。そこのところの、反省する必要はない、あのときはあれでよかったというのか、それとも、今一般財源化していこうかという道路特定財源の見直しがある中、こうしていくんだから理解してくれというふうになるのか、ぜひその辺のところの方針をお聞かせいただけたらというふうに思います。これは一つのいい例だというふうに思いますので。
○大石政府参考人 ガソリン税、揮発油税そのものが庫出税であるということから、税の徴収技術上、個別にその使途といいますか、どこに使われたのかということを明らかにしにくいという性格がございますものですから、御承知のとおり、農業部門におきましては農免道路といったような考え方を導入させているというようなことがございます。 それで、今、道路特定財源の種々の活用方策について議論が行われておりますが、この活用策につきましては、従来果たしてきましたガソリン税、道路特定財源の役割や、今後の道路整備の必要性、さらには道路特定財源制度の目的、歴史的経緯、あるいは受益者負担という性格を踏まえて検討していく必要があると考えてございます。 その中で、例えば今回のプレジャーボートの関係でいいますと、マリーナ周辺の駐車場の整備等におきまして、道路が特別にそういうような制度をつくって応援するだとかいうようなことでこたえていく道があるのではないかということで、今研究をいたしておるところでございます。
○大谷委員 もう時間がないんですが、駐車場、マリーナへのアクセス道路だけに限らず、広い広い発想でもってぜひとも使っていただきたいなというふうに思います。 けがをするぐらいの発言を大臣は日曜日にされたわけですから、ぜひとも、省庁の中での使い方の振り分けなんという細かい話ではなくて、我々の払った税金が我々の未来への投資になるような、そんな方針で挑んでいただきたいというふうに思います。これはエールでございますので、そんな怖い顔で見ないでくださいませ。 ありがとうございました。
○赤松委員長 井上和雄君。
○井上(和)委員 民主党の井上和雄と申します。 大臣には以前、高齢者の住宅の法案の際に、本会議と委員会で質問をさせていただきました。その後、扇大臣に質問をさせていただく機会がなかなかありませんでした。本日やっと機会をいただきましたので、法案の話に入る前にちょっとお時間をいただきまして、私がこれまで国会で取り組んでおります我が国の陸上交通の問題、大臣は陸上交通の方も国土交通大臣として所管でございますので、交通事故対策というものに関して一、二問お伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。また、もしよろしければ座ったまま御答弁されて結構でございます。 実は私、今、超党派の議員で構成されています交通事故問題を考える議員の会という議員の会があるんですが、そこの事務局長をしております。 大臣も御存じかもしれませんが、一昨年の十一月に東名高速道路で大変悲惨な交通事故がありました。これは、酔っぱらい運転のトラックがジグザグでずっと大阪の方から東京の方へ走ってきて、東京に近づいたところでワゴン車に追突してワゴン車が炎上した、その後部座席に乗っていた一歳と三歳の姉妹が亡くなったという事故を多くの方は覚えていらっしゃると思います。 こういった悲惨な交通事故を私も知りまして、とにかく交通事故を減らす活動をしなきゃいけないというふうに思いまして、当選後こういう議員の会というのを、以前からあったんですが、ちょっと休眠状態になっていましたので、もう一回活性化するということで今一生懸命やっております。 今回の国会におきましては、危険運転を行った人に対しての厳罰化という法案を民主党で議員立法で提出いたしました。これは残念ながら否決にはなったんですが、引き続き交通事故を減らすような活動に力を入れていきたいと思っています。 きょうの午前中に自賠責の法案についての参考人の質疑もありましたから、交通事故の悲惨さとかそういうことはつけ加えることはもうないかもしれませんが、ちょっと数字を述べさせていただきますと、交通事故の死傷者というのは一年間、百十五万人ですね。この百十五万人という数は、川崎市の人口が百二十四万人、広島市の人口は百十二万人ですから、一つの大きな政令市の人口に匹敵するぐらい大きな数であるということを一言申し上げたいと思います。 これほど大きな問題に対して、では国はどんな取り組みをしてきたかということなんですが、どうもこれが国会でも不十分だし、政府も非常に不十分であるというのが私の印象です。 大臣もよく御存じのように、以前は参議院にも交通事故問題の特別委員会というのがありましたし、衆議院でもあったんですけれども、それがなくなってしまった、したがって、国会でも余り交通事故問題を取り上げるような機会がなくなってしまいました。 そしてまた、政府の方でも、これは私、福田官房長官にこの前の内閣委員会でお伺いしたんですね。国で交通事故の問題に一番取り組んでいる中心的な機関というのは中央交通安全対策会議というのがあるんですね。本来、この中央交通安全対策会議というのが交通安全基本計画を作成して、その推進をやるということになっているんです。 ところが、過去五年間、その会議が開かれたのは二回だけという事実があります。つまり、ことしはたまたま基本計画をちょうどつくる年だったのでやった、五年前に第六次の交通安全基本計画というのができたので、そのときに会議をやった。二回やったけれども、要するに計画はつくったけれども、その後は何にもフォローをしていないというのが今の政府の現状だと私は認識しています。 その結果、第六次の交通事故の安全計画の目標である、死亡者を年間九千人以下にするという目的は今回達成できませんでした。やはり政府の取り組みに非常に原因があったんじゃないかなというふうに私は思っております。 そこで大臣にお伺いしたいのは、私、今ここに持っているのが、平成八年にできた交通安全基本計画というんですね。これが国の交通安全対策の基本的な計画になります。これはもちろん、陸上交通だけじゃなくて、海上交通、航空の方も入っておりますので、すべて大臣の所管の分野になります。当然、旧建設省、旧運輸省、この二つの省庁の責任というのは、警察庁並みに非常に大きかったと私は思うんですね。特に、道路交通環境の整備、また車両の安全性の確保というのがかなり重要性を持っているとこの計画の中でも述べられている。しかし、過去五年間、余り効果的な対策がとれなかったことによって、交通事故の死傷者数というのは減っていないし、目標も達成できなかったという実情があるわけですね。 大臣、この第六次交通安全基本計画、ことしから第七次に入りました、ちょうど五年間たったところで区切りがいいので、ぜひ総括をしていただきたいんですよ。なぜ目標を達成できなかったか、旧建設省、運輸省は一体何をやっていたんだ、やはりそういう反省がなければ、私は第七次交通安全基本計画の着実な実施というのは望めないし、第七次の目標というのも達成できないと思うんですけれども、その辺をちょっと大臣にお伺いいたしたいんですが、いかがでしょうか。
○扇国務大臣 私になかなか質問ができなかったとおっしゃっていただいたんですけれども、いつでも委員会がございますので、御質問賜ればと思います。 今、交通事故のお話がございまして、今度は第七次になったじゃないか、六次までのことがなぜ守れていないんだ、守ったらもっと交通事故死が少なくなったであろうという井上先生のお話ですけれども、私も本当にそう願っておりますし、特に、私の場合は、今先生御指摘のように国土交通省になりまして、陸海空でございます。ましてこれにプラスアルファ、海上保安庁ということで、まさに安全ということが国土交通省の第一義的な目標であり、使命である、これはもう私たち、明快に認識しておりますし、年頭の一月六日の国土交通省の最初のスタート日にも、全職員に対して私は、安全を確保するようにということを申し伝えました。 言葉で安全と申しましても、実質的にはどうか。井上先生が第六次の交通安全の基本計画が達成されていない、その総括をしろというお話でございますけれども、これはもう数限りなくございますので、言っていると時間を食いますので、申しわけありませんけれども、私は、やはり事故が多発しているということの大きな問題点が幾つかあろうかと思います。 特に、事故の多発地点というのがございまして、これは全国で三千二百カ所ございます。その中で、どういうことで事故が多発しているのかといいますのは、やはり道路の整備計画ができていない、日本の道路の狭さ、基本的な道路政策というものが各地域において確立されていない。しかも、道路の整備計画ができておりましても、都市計画なら都市計画があっても、そこまではできているけれども、ある日突然また狭くなって、立ち退きができていない。 そういうところで、基本的な道路行政自体が、日本の国は諸外国、特に先進国に比べて大変細く、狭く、歩行者にとっても危ない、歩道がきちんととれていない。私は、あらゆる交通の面では日本は後進国であると言わざるを得ないというのが第一点。 少なくとも、今子供さんたちが遊び場所がないんですね。狭いところで皆さん遊んでいらっしゃいますし、また、昔のように、子供たちが遊ぶ広場というのが少なくなっています。特に都市においてはコミュニティーゾーンというものがないんですね。ですから、危険な場所で子供たちが遊ぶ、危険な場所でみんなが過ごしている、そういうことの認識というのは、私はあろうと思います。 それともう一つは、少子高齢社会で、日本人にお年寄りが多くなってきた。そういうことも、お年寄りに優しい道ではないということ。歩道橋をつくっても、私、足をけがしておりますけれども、きょうのようにひざに故障がありますと、階段が上がれないんですね。歩道橋があっても上がれない、バリアフリー化ができていないということ、これも大きな問題であろう。 これは言っていると切りがありませんからやめますけれども、そういうことで、基本的には、私は、日本の国の道路行政のあり方、とにかく狭いということと、そしてその割には車の数が多過ぎるということも大きな原因であろうと思いますので、今回特に都市計画があるにもかかわらずそれが達成できないということも大きな問題点であろうと思っていますので、死者数を九千人以下にという目標を何とか達成できるように、ことしは達成できなかったので、反省もしながら、諸般の計画を実施していくことによって、交通事故を少なくしていきたいと思っています。
○井上(和)委員 大臣の非常に心強い、しっかりとした交通安全の問題に対する取り組みの御決意を伺いまして、私、本当にうれしく思います。どうしてかといいますと、やはりこれまでが余りにも、政治の意思ですか、英語で言うポリティカルウイルと言うんですけれども、そういうのがなかったと思うんですよ。以前、これは私、内閣委員会でも申し上げたんですが、昭和四十年代、やはり交通事故の死傷者を半減させたことがあるんですよ。そのときは、恐らく、総理とか大臣、行政が一丸となってこの問題に取り組んで、死者数を五年間で半減させることができたと思うんですね。だから、今回の内閣はこれまでの内閣と大分違いますので、ぜひ政治的な意思をしっかりと出して取り組んでいただきたいと思うんですね。 私、よい道路と悪い道路と言うんですけれども、一本もう道路が通っているところに新しく道路をつくるのは、これは悪い道路だと思うんですけれども、そうじゃなくて、今大臣がおっしゃった、非常に危険な部分とか、交通事故が多発しているところにちゃんとお金を使って交通事故をなくす、そういうことは本当にいい公共事業じゃないかと思うので、ぜひやっていただきたいと思います。 それで、具体的な話をちょっと、これは副大臣、泉先生に御答弁いただいても結構なんですけれども、第七次の基本計画をやっていく際に、私、国土交通省としてどういうふうにこの計画の推進をモニターしていくのかということに関して、ちょっとお伺いしたいんですね。どうしてかといいますと、私さっき申し上げたように、こういう基本計画をつくっても、基本的に五年間に二回しか会議をやっていない。つまり、国としては本来は、交通安全対策基本法には、国というのは、安全計画をつくって、それを推進していかなきゃいけないということがはっきり書いてあるんですよ。ところが、一たんつくればもうそれでおしまいになっちゃって、推進の方が忘れられる。これは、小型船舶の、海上交通の方でも、私指摘したいと思っているんですけれども、そういう実情があるんですよ。 だから、さっき大臣がおっしゃったように、今度、もう国土交通省ですから、交通政策に関しては全責任を、全責任といっても、警察もありますけれども、ほとんどの責任を負うという大変な官庁でありますから、ぜひ大臣なり副大臣なりを中心にして、きっちりと半年ごとぐらいにモニターをしていく、そういうようにやっていただきたいと思うんですが、どういうふうにこれに取り組んでいきたいと思っていますか。
○扇国務大臣 今先生から、第六次の総括と、第七次、今回はどういうことを注意するんだというお話がございましたけれども、先ほど私が申しましたようないろいろな要素を含んでおりますけれども、今回特に、第七次の交通安全の施策を実行いたしますについて、大体六つ挙げさせていただきました。 その中の一つ、まず、事故多発地点の対策の充実と強化、これはもう本当に大事なことでございますので、バリアフリーをつくりますとかあらゆること、それから交差点の見通しはよくして、お互いにというような、いわゆる事故多発重点地区、先生が先ほどおっしゃいましたように、これを重点地区として充実と強化を図っていく。 そして、二つ目には、私も先ほど申しましたけれども、コミュニティーゾーンの計画、これを形成していこうということで、あるいろいろな区域の中でコミュニティーゾーンをつくっていこう、そこへは車が通れないようにして、子供たちに思い切り遊んでいただこうというゾーンをつくろうということでございます。 三つ目は、歩行空間のバリアフリー化。これはもう先生御承知のとおりでございまして、歩行空間のバリアフリーができていないところが地方自治体にもたくさんございますので、これも頑張っていこう。 そして四つ目には、車両の安全基準の拡充と強化。今までは車というのは、御存じのとおり、前からの追突だとか、そういうことはしていますけれども、今度は、国土交通省で試験的に、前からと横からだけではなくて、斜めからも当たってもいいように、それからボンネットを、大体、人をはねますと、ボンネットで重傷する方が多いですので、そのボンネットの材料もやわらかいものにできないかという、これも今研究しております。ですから、これも含めて、車両の安全基準の拡充をしていきたい。 それから五つ目には、自動車のアセスメント事業の推進。これももう先生が御存じのとおりで、人に優しい車になるようにということで、アセスメントを行っていこう。 六つ目は、リコール制度の充実をしよう。車のどこが悪いのか、人に優しい車というのはどこなんだろうか、交通事故に遭っても、今申しましたように、少しでも車に欠陥がないのか、そのときには堂々とリコールしていこうというようなことも含めて安全対策に取り組んでいきたいと思います。 これからも、チャイルドシートは子供の安全を守るということの一つでございますけれども、そういう意味で、第七次の交通安全というのは、あらゆる面から、縦からも横からも斜めからもやっていこう、そういうふうに考えております。
○井上(和)委員 いやもう、大臣の迫力で、もし次の五年間、第七次基本計画の期間、ずっと大臣をやっていただいたら、死亡者九千人どころじゃなくて、恐らく半減すると私は確信いたしますから、ぜひ頑張ってください。 それでは、法案の方に入らせていただきます。今度は海上交通の方になります。 さっき、民主党の大谷議員が、どちらかというと小型船舶の光の部分というお話だったので、私はちょっとまた、影の部分、事故の方の話をさせていただきたいと思うんですね。 特にプレジャーボートの事故が急速にふえていますね。私もその資料をいただいたんですけれども。平成六年に六百七十六件の海難事故があったのが、千百三十件になっています。倍にふえているわけですよね。プレジャーボートを買われる方がふえて所有者数がふえているわけですから、これは当然、今後も相当ふえていくということは十分予測されます。そういったわけで、国土交通省、相当真剣に対策に取り組んでいただきたいと思うんですよ。 また、先ほど申し上げたこの第六次交通安全基本計画、平成八年のものに書いてあるんですよね、そういうことが。海上交通に関しては、「海洋レジャーの安全に関する指導等の推進」というところで、プレジャーボート等の海難の原因を詳細に究明し、この結果を踏まえ、さらに、効果的な指導方策を検討するということは、ちゃんともう出ているわけですね。平成八年ですから、ちょうど五年前のときですね。ところが、やはりそれをちゃんとやっていないんですよね、私が思うに。 昨年の七月ですか、兵庫県で非常に悲惨な事故がありました、恐らく大臣も御存じだと思いますけれども。家族五人でプレジャーボートに乗っていて、長男の六歳のお子さんが海におっこった。それを助けようとしたお父さんが飛び込んだ。そしてまた、さらにそれを助けようとしたお母さんも飛び込んだ。結局、ボートの中には八歳のお嬢ちゃんと三歳の坊やが残されてしまった。結局、飛び込んだ三人は見つからないで、この八歳のお嬢ちゃんがプレジャーボートを運転して、三時間ぐらい海の中をあちこち走り回って、たまたまお父さんが運転していたのを見ていたから運転方法もわかったということで、明石海峡で本当に悲惨な事故があったわけですよね。 でも、どうしてこういう事故が起こったかというと、私は、大きな問題は、やはり救命胴衣の問題だと思うんですよ。基本的には、船舶安全法に基づくと、救命胴衣は船に積んであればいいんだと。それはいいでしょう。釣りをする人もいるし、義務化というのはちょっとできないかなというのもわかるんですね。やはり、釣りをする人は、針とか、えさとか、いろいろポケットに入れておきたいとかそういうことがありますからね。 しかし、やはり子供さんが乗る場合には、ちゃんとライフジャケットを着ろとか、きちっとやらせておくべきだったんじゃないですか。だから、やはり事故が起こってから何かやるんじゃなくて、やはりもう大体わかるわけですよね、素人だって。子供が乗っていて、落ちることぐらい予測できるわけだから。そうすれば、子供の場合、そんなに泳げませんから、すぐ死んじゃう、おぼれちゃうということぐらいわかっているわけですから。大体、交通安全基本計画で最初から検討すべき項目になっているわけですから、こういう事故に関して。やはりきちっとやるべきことをやらないと、私は行政の役割を果たしていないと思いますね。 例えばライフジャケットの問題ですけれども。夏になってきますよね。私、やはりこれは早く決めた方がいいと思いますよ。恐らくこの夏に何人ものお子さんが船からおっこったりすると思うんですよ。ライフジャケットをしていれば命は助かるけれども、国土交通省がのろのろして何にも決めないで、何人かのお子さんの命が失われるということになるんですよ。それだけの責任があるんですけれども、どうでしょうか。
○泉副大臣 昨年七月の明石海峡でのあの悲しい事故は、本当に国民の多くの皆さん方にある種の衝撃を与えたものだと思います。 国土交通省も、あの事件をきっかけに、いわゆる救命胴衣の常時着用化に向けた勉強会、検討会を外部の先生方にもお入りいただいてやってまいりました。一応三月までに救命胴衣の形あるいは機能といったものの成果をいただきまして、これから実際にどういうふうにやっていくかということを、もう少し時間をちょうだいしなければならないわけです。 それで、なぜこんなに暇がかかるか。のろのろというふうにおっしゃいましたけれども、子供の場合には、姿勢の制御をどうするか。浮かぶだけではなくて、当然呼吸をできるような形で海中での姿勢を制御しなければならないというような問題がございますし、また、子供が遊び回ると申しますか、あるいは少し大人になりますと、作業をするというときに支障のないような形にもしなければならないというような多面的な機能も満足する、そして命を守るというところに皆さん方の英知を集めていただいておったわけでございます。 私どもも、車のシートベルトでありますとかあるいはチャイルドシートというような問題が陸上でこれだけ義務化されてきておるわけですので、海上におきましても、早急にその施策を検討し、先生の御指摘におこたえできるようにしたいと思います。
○井上(和)委員 今、泉副大臣の御答弁にありましたように、そういう技術的な問題もあるとは思いますよ。しかし、例えば扇大臣がこれをもうやるんだと迫力を持って言われれば、そういう技術的なものは、これは世界じゅういろいろなところにいろいろなライフジャケットがあると思うし、業者はどこかから探してきて売るでしょうし、やはりさっきも申し上げた政治的な意思があるかどうかだと思いますよ。だから、ぜひ、夏の前までにはある程度結論を出していただいて、少なくとも子供さんにはもう義務づけるということを政令でも何とかできるとか、その辺工夫をしてやっていただきたいと思います。 それで、次に、同じ事故の関係でお伺いしたいのが、水上バイクというのがありますよね、その水上バイクの事故も結構ふえていますよね。私も何件も新聞に報道されているのを見ました。この水上バイクの免許は一体どうなっているのか、水上バイクの事故に対する取り組み、私が特に心配しているのは、やはり海水浴客にぶつかったりする例もありますから、これはきちっとしていかなきゃいけないと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○谷野政府参考人 御説明させていただきます。 水上オートバイ、水上バイクの免許制度についてお尋ねでございますが、水上オートバイを操縦する場合には、船舶職員法による小型船舶操縦士免許を取得する必要がございます。ただ、水上オートバイは比較的航行区域が岸に近いところで使われることや、あるいは大きさが小さい、総トン数が小さいことから、比較的簡易な五級免許で操縦が可能であるということになっております。 ただ、水上オートバイの利用は岸に近いということもありまして、先生御指摘のように、海洋レジャーを楽しむ一般の人たちと海域が競合すること等もあります。したがって、きちっとしたマナーを持って運航していただく必要があると我々考えております。 そのために、五級の免許を取得するときには、三つほど試験をするわけでありますが、一つは視力などの身体検査、それからもう一つは運航マナー、交通ルール等の学科試験、それから船舶の基本操作についての実技試験、こういったものをやることにいたしております。特に、先生の御指摘を踏まえますと、こういう船舶については運航マナー等についても十分この学科試験の要件の中で強化をしていく必要があるということを認識しております。
○井上(和)委員 私が聞いた話ですと、水上バイクの場合でも、要するに免許を持った人が一緒に乗っていればいいんだ、水上バイクを運転する人は免許がなくてもいいんだというふうに私は聞いているんですけれども、それじゃやはり事故は起こるんじゃないかなというふうに思うんです。その辺は変えたらいいんじゃないですかね。どうでしょうか。
○谷野政府参考人 お尋ねの趣旨は、ハンドル免許とそれから資格制度の問題だと思いますが、もともと、海技資格制度は大型船から徐々に小さい船舶の方へ移行してきた経緯もございまして、現行のプレジャーボートについても、いわゆるハンドル免許、ハンドルを持つ人が免許を持っていなければいけないということになっておらないところであります。これにはまたいろいろ事情もございますが、特に一人乗りの水上オートバイでありますとか、あるいは二人乗りで、そのときに免許を持っていない人が運航してもいいようになっているとか、こういった問題については、やはりプレジャーボートの形態とか遊び方が多様化してまいっておりますので、そういったものに見合うような免許制度のあり方については十分検討しないといかぬと思っておりまして、現在検討に入っているところでございます。
○井上(和)委員 お役人の方々は理論的に考えて、水上バイクの免許もやはり大型船舶と同じように考えられるということで、免許を持っている人が後ろに乗っていればいいという恐らく考えだと思うんですよ。 ただ、水上バイクは、やはり船舶と当然違うわけですよね。だから、やはり実情に合った免許制度というものを考える必要があると思うんですよ。やはりその辺を、水上バイクなんというのは昔はなかったようなものですから、新しいそういうものができてきたときに、これまでと同じような、船舶と同じような概念の免許制度でいいのかどうかということに関して、やはりよく検討していただきたいと思います。 それで、あと、最後にちょっと法案のことで一問だけお伺いしたいんですけれども、今回の登録システムなんですけれども、自動車だって、結局登録制度があるわけですよね。陸運局でナンバープレートを登録する。それだって、やはり車はよく捨ててありますよね、ナンバープレートを外して。これで、登録することによって不法投棄の船が減るのかな。何かお話に伺うと、一そうのプレジャーボートを処理するのに三十万から四十万かかるというんでしょう。これじゃ、だれもまともに処理しようという気にならないんじゃないですか。そうすると、やはり不法投棄ということになっちゃうんじゃないですかね。 家電リサイクル法で、冷蔵庫を処理する場合も、今度は二千円か三千円払わなきゃいけない。今あちこちの自治体で、不法投棄の冷蔵庫とかいろいろなものがあって、困っているという話もありますからね。その辺どうなんですか。これで不法投棄とかそういうものが減ってくるんでしょうか。
○谷野政府参考人 御説明させていただきます。 先生御指摘のとおり、プレジャーボートの大宗はFRP、繊維強化プラスチックでつくられております。これはなかなか処理が厄介でありまして、腐らないというのと、それから、焼却してしまいますと、低温でやりますとダイオキシンが出てしまう、こういったような問題がございまして、これはやはり今、粉砕をして埋設するような方法でやっております。 ただ、費用がかかることで不法投棄が起こったり、なかなかシステムが機能しない、こういうことでありますので、まずはこれを処理する技術を開発しなければいけないと我々は認識しております。このために、平成十二年から、約一億円ちょっとのお金をちょうだいいたしまして、二年計画で技術の確立を図ってまいりたい、こう思っております。 この技術ができましたらば、先ほど家電リサイクルとおっしゃいましたが、プレジャーボートについても、例えば陸上のふろおけ等のプラスチックとあわせて一つのリサイクルシステムを構築して、その中で所有者なりあるいは製造者なりの役割分担というものを見つけていきたいと思います。 それから、最初に御指摘の、今度の登録制度で不法投棄は果たして減るのかという御指摘でございますが、これは、我々の期待感も込めまして、所有者が明確になる制度でございますので、要すれば責任者が明確になるという理解をいたしておりますので、やはり一定の抑止効果があるのかな、こういうふうに思っております。
○井上(和)委員 プレジャーボートを非常に振興するのはいいことなんですけれども、どんどんつくって、あとは捨てるところがなくて困っちゃった、不法投棄だらけだという状態が起きては本当に困りますので、よくその辺もしっかりやっていただきたいと思います。 質問を終わります。どうもありがとうございました。
○赤松委員長 河上覃雄君。
○河上委員 大臣、けがをなさったということでした。冒頭、お見舞いを申し上げます。大事に至らずよかったと思います。終盤を迎えましたし、いよいよ参議院選も近くなりましたので、どうぞお体を大切にしていただきたいと思います。 早速質問に入ります。 本改正案が、非常に放置艇が多くなっておる、そういうところで、きちっと処理をしていこう、その趣旨には全く賛成でございますので、私どもとしても大変結構である、あとは効果をきちっとどのようにしていくか、後ほど時間があれば質問をさせていただきたいと思いますが、きょうは、ややそこから離れまして、今回登録業務を新たに追加する小型船舶検査機構、これらに対する課題について何点か質問をいたします。 その前に、プレジャーボートの需要の増大を背景にいたしまして、公共水域に放置艇が増加をしてまいりました。十三万八千隻と、約五十万隻あるうち大変多い数でございます。いろいろな問題が生ずるということでございまして、公共水域の適正な利用、あるいは災害、安全対策など、港湾、漁港、河川の管理上の問題も生じている、さらに、地域の環境保全対策の上からも深刻な社会問題を引き起こしている、こういう指摘があります。 マリンレジャーへの関心の高まりというのも急速に進んでいる、この実態も十分国土交通省としてはつかまえてきた。さらに、プレジャーボートの保有隻数の動向もウナギ登りに高くなってきているという実態も把握をなさっている。また、小型船舶操縦士の免許取得者数の動向も勘案してまいりますと、今回の法律案がもっと早い段階で措置されて当然ではなかったのか、私はこの法案を伺ったときにこのように思いました。その意味で、この法案が今回になった、おくれてしまったという理由というものについて、国土交通省のお考え方を明確にお答えいただきたいと思います。
○泉副大臣 マリンレジャーにつきます考え方は、随分前から、国民の中に定着するだろう、そして夏場だけではなくて冬場にも恐らくそうした方々が出てくるだろうということは予測をしておりました。 しかしながら、こうした登録制度を設けて環境を整えていくということも当然必要なことだと思いながらも、そのためには、先ほど来御議論ございましたように、マリーナを整備するとか、あるいは管理する水域を確保するとか、いろいろな補完的なものと一体的に整備をしていかなきゃならないというような面もございまして、先生、口にはお出しになりませんでしたけれども、遅きに失したという事実は否めない状態だと私は思っております。 御指摘のように、これからはもっと海洋レジャーにいそしむ方がふえてくるということから、使用されたレジャー船の処理の問題でありますとか、あるいは係留の場所とか、こうしたものと一緒になって何とかしていかなければ、本当に大きな社会的問題になるということから、今回、小型船舶の所有者を明確にすることによって、いろいろなことができる糸口となるのではないか。例えば、多重の売買、何かわからないような売買のトラブルを防ぐことにもなるだろうし、信用販売の円滑化という観点からも、今回の登録制度は必要だろう。 これをきっかけに、具体的なもろもろの対策ができる。車でいいますと、いわゆる自動車の登録というようなことがきっかけになりまして、いろいろなことができるようになっておりますので、ぜひこの制度の創設をお認めいただきました上で、海洋レジャーの安全も含めました対策を練ってまいりたいと思っておるところでございます。
○河上委員 次に、この登録事務を、今回JCI、小型船舶検査機構に行わせる合理的な理由を御説明してください。
○谷野政府参考人 御説明させていただきます。 小型船舶検査機構は、船舶安全法に基づきまして、総トン数二十トン未満の安全検査を行っております政府出資のない認可法人でありますが、今般、国ではなく、また都道府県でもなく、あるいは民間でもないこの小型船舶検査機構に登録事務を実施せしめたいと考えた理由は、五つほどございます。 まず一つは、登録は公証行為でございますので、公的な機関が一元的に行う必要があると考えたわけでございます。 それから、都道府県による業務実施を仮にやると考えた場合には、五十万隻とはいえまだまだ十分な数でない船舶を各都道府県に分けてやることについて、どうも業務の煩雑さがあって、都道府県としては受けにくい、こういう事情がありました。 それから、国による業務実施というのは、増員が必要になりますし、今行政改革、いろいろな観点から見直されておりますが、これに少し逆行するのかなと判断した次第です。 四点目は、小型船舶検査機構は、船舶に関するノウハウ、ちょうど二十トン未満の、対象船舶と同じ船舶について検査を実施いたしておりますので、技術に関するノウハウが十分あったということと、全国に支部がございます。したがって、追加投資をほとんどしないで効率的に実施できる。 最後の一つは、登録測度と従来からやっております検査をワンストップサービスでできるということで、利用者にとってもメリットがあった。 こういうことから、小型船舶検査機構にぜひ実施をさせたいと考えたわけであります。
○河上委員 続きまして、現行の登録手数料は、五トンから二十トン未満で四万三千円です。今回の改正に伴って、登録手数料の額の適正化を図るとともに、その算定の基礎となる情報など、所要の情報を公開することが必要ではないかと考えますが、この点はいかがでしょうか。また、全体としての収入見込みはどの程度と考えていらっしゃるのか。
○谷野政府参考人 御説明させていただきます。 登録手数料につきましては、基本的には実費を勘案いたしまして、法施行までに省令で定めさせていただくことといたしております。 したがって、まだ具体的な中身は決まっておりませんが、現在検討中の手数料の概要を御説明しますと、法施行時に既に航行の用に供されている現存の船舶については、新たに測度をする必要がございませんので、一律大きさにかかわりなく三千円台ぐらいでやれるのかな、こう思っております。また、新しく建造される新艇の登録手数料につきましては、測度事務を伴いますので、その大きさに応じて区分を設定して設けることになろうと思いまして、大体三千円台ぐらいから二万円台ぐらいに抑えられるのかな、こう判断をいたしております。 先ほど先生御指摘のとおり、現在、都道府県が行っております総トン数五トン以上の船舶に係る登録手数料は一律四万三千円ですので、それと比較すると、手数料では二万円程度、新法では二万円程度ということになりますので、大幅に減額となるかな、こう思っております。 それから、この手数料を設定いたしました場合には、JCIが登録事務を実施することによる平準的な収入総額というのを、船の現在の隻数で大体カウントしてみますと、大体二億円程度ぐらいの収入になるのかなと思っております。現在、小型船舶検査機構は、検査手数料収入、大体年間四十億弱ぐらいで運営されておりますので、その五%程度ぐらいに当たるのかなと思っております。 最後に、手数料そのものを透明化を図り、公表していきなさい、こういう御指摘については、御指摘を踏まえて検討していきたい、こういうふうに思っております。
○河上委員 どうぞよろしくお願いをいたします。 続きまして、今回の改正によって、日本船舶検査機構は新たに登録業務を追加されることになるわけです。従来の安全検査に加えまして、約五十万隻の現存船と、年間二万隻等と計算なさっていらっしゃるんでしょうか、新造船、これら現存船と新造船という二つの側面があるわけでありますから、安全検査と新たに加わる登録業務、この二つの要素を、事務としてのやはり合理化をする必要があるんではないかと考えますが、いかがですか。
○谷野政府参考人 御説明させていただきます。 御指摘の、小型船舶検査機構が今回新たに開始をさせていただくことになろうという登録制度の対象船舶隻数は、現行の船舶安全法に基づきます対象船舶とほぼ重なっております。すなわち約五十万隻について、これから平準化して検査を実施していく、こういうことになろうかと思っております。 ただ、この重なっていることによる、一つは実利というか、効率化というものも我々期待をいたしておりまして、この安全検査とあわせて組織、体制を活用していきたい、こういうふうに考えております。 さらに、登録事務につきましては、そのデータを公開して、そして皆さんに使っていただくという役割を持っているわけでございます。したがって、ある種の利用システムみたいなものを電算機を中心にして組んでいく必要がございまして、これについては、新たにIT化に係る経費を投資していかなければいけないというポイントはございますが、いずれにしましても、我々は今の機構の組織、体制を最大限活用することによって、登録制度に係る新たな事務コストの増加を招かないように努めていきたい、こういうふうに考えております。
○河上委員 続きまして、日本船舶検査機構が行う登録測度事務につきまして、今回の改正に伴い、ぜひとも区分経理をしっかり行っていただきたい、また収支状況を公表するなど透明性を担保していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
○谷野政府参考人 ただいま御指摘の、小型船舶検査機構が今後新たに行います登録測度業務に関しましては、御指摘を踏まえまして、まずは登録測度業務についてだけの区分経理を行いたい、こういうふうに考えております。さらに、収支状況につきましては、これを公表する等その透明性の確保を図ることとしたい、こういうふうに考えております。
○河上委員 いろいろ細かい具体的な側面をお尋ねしてまいりました。 今回、改正に伴いましてJCIは大幅な業務増となる、したがって、役員や人員、組織が大幅増にならないかという心配があるわけでございまして、現在、政府全体として行政改革の方向性を検討している渦中でありますので、これらとの兼ね合いの中からいま一度総括して、大幅増につながらないかということに対する見解をお述べいただきたいと思います。
○谷野政府参考人 小型船舶検査機構は、現在、六人の役員等とそれから二百二十九名の職員で組織を運営いたしております。 今回新たに登録測度事務を実施することにかかわりましても、先ほど来御説明申し上げておりますとおり、現行組織、体制の有効活用を原則として効率的に登録測度事務を行いたい、こういうふうに考えておりますので、現行組織、体制の拡充強化は原則としてやらないという方向でやりたいと思っております。
○河上委員 JCIの役員はOBの皆さんで占められておりました。その意味で、今回の改正で登録業務を追加するということになるならば、JCIの事業そして組織、役員の任命、構成、給与など、管理運営及び経営情報開示のあり方について、今申し上げましたように、政府全体の行政改革を先取りする形で、この法律の施行前に実施すべきだと私は思いますが、いかがでしょうか。
○谷野政府参考人 御説明をさせていただきます。 ただいま、小型船舶検査機構における法施行前の改革問題について御指摘がございました。 小型船舶検査機構におきましては、今回の登録事務の追加に関連をいたしまして、役員の任命、給与等の管理運営等のあり方につきまして、本法の施行までの間、これは一年以内に施行するということといたしておりますが、現在進められている行政改革の進捗状況等を勘案して検討を加えて、これを極力先取りした形で速やかに所要の措置を講ずるように努めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○河上委員 改革の観点から、最後の質問になります。 民間法人化された認可法人のあり方について、現在進められております特殊法人等及び行政委託型公益法人等の改革に関連いたしまして、事務事業、経営管理などの実態を踏まえつつ必要な検討を行っていただき、ぜひとも具体的な措置を平成十七年度末までに講ずる必要があるのではないか、こう考えますが、これに対する御見解をちょうだいいたしたいと思います。
○扇国務大臣 河上先生からるる、この事業機構に関しての御質問が続いておりましたけれども、その御質問のとおり、この小型船舶の検査機構というものは、プレジャーボート等の事故の増加を背景に、小型船舶の安全検査を国にかわって実施するということで、御存じのとおり、昭和四十九年、全額政府出資で、これはもともと認可法人として設立されたものでございますけれども、その後、昭和五十八年に第二次の臨時行政調査会答申を受けまして、昭和六十二年に政府出資金の一括返還をいたしまして、完全に民間法人化をいたしました。 ですから、そういう意味におきましても、そのまま現在に至っておりますので、今般新たに小型船舶の登録制度を導入するに際しましては、安全検査事務と登録事務の一元化、これをすることによって、利用者の利便性の向上、そして国の行政組織の肥大化防止という両面から、今回、事務を同機構に追加するということで、私は、皆さん方に御理解いただけるのではないか。 また、念のために、与党三党合意ということで、これも確実にきちんとしなさいという合意書までつくって皆さんにもお見せしたところでございますので、この追加する登録事務の執行に関しましては、少なくとも、今先生がおっしゃいました、区分経理を行えという御指摘、あるいは収支状況の公表、これも大事なことでございます。そして、その透明性を確保して、まさに現在進められている行政改革に関連して、事務あるいは事業や経営管理等の実態等を踏まえつつ所要の検討を行って、必要と認められる措置を平成十七年度末までに確実に講ずる所存という、これは今ここに書いてあるとおりでございますので、現にきょうの御審議を慎重に検討しながら実行に移してまいりたいと思っております。
○河上委員 どうぞ大臣、よろしくお願いを申し上げたいと思います。 それで、全く話が変わるんですが、この間、不法投棄の産業廃棄物の撤去、行政代執行、二十都道府県で二十七件、費用は八十一億二千五百万円かかっている。 今度は、放置艇の問題から海の中へ入った、沈船ですね。 ちなみに、私、神奈川県、横浜で調べてみた、そういう沈船があった場合何ぼかかるんだと。そうしたら百万かかると言うんです。結構かかるものです。さっき、三十万、四十万のお話が出ておりましたが、直近で聞きましたら、百万かかる。 なぜこれを挙げたかというと、不法投棄でもこれだけの額がある、ですから、今回これをもってしっかりと所有者を明確にしてやるということは、冒頭申し上げたように、大切なことと。 さて、そこでもう一つ申し上げたいのは、放置艇を、所有者がわからないから、逆に言いましょう、わからない所有者の放置艇をどうやってきちっとさせるんだろうか、この疑問がわくわけであります。現存船は三年間の登録の中で、この登録をきちっとしませんと運航できませんよ、新船については安全検査とあわせて登録業務をやりますということはよくわかります。わかりますが、さて、所有者もわからない、所在もわからない船にどうやって対応するのかということはもっと詰めなきゃいけない問題だなと私は思うんです。 したがって、この法律が通れば、その保有する皆さん方に幅広い周知徹底方をしっかりやる必要があるんだろうと思うんです。 例えば、ホームページも開設しましょうよ、こういう法律でこうなって、こうなると運航できませんよ、皆様と。あるいはマリン情報誌というのもかなり多く出ているそうですね。だから、こういうところにしっかりと、こう変わりますということを伝えるとか、市町村の行政の機関紙等もございますから、各家庭の中に入りますので、そういうことの周知徹底も必要でしょう。 私が申し上げるよりも、有能な官僚の諸兄の皆さん方が一生懸命考えれば、もっといい知恵が出てくると思いますが、この周知徹底のあり方をしっかり御検討していただいて、一年後は実施だと副大臣はおっしゃいましたが、その間にこれをよくやってもらいたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○谷野政府参考人 先生から、所有者のわからない船をどうしてつかまえるのかという、答えられない質問をされるのかなと思ってちょっと心配をいたしておりましたが、広報の仕方について御説明せよということでありますので、一生懸命説明をさせていただきたいと思います。 五十万隻の所有者への周知については、法律の成立後一年以内に登録制度を実施に移すことといたしておりまして、主として、この実施までの期間に、一生懸命所有者に対する登録制度の周知を行いたい、こういうふうに考えております。 周知の仕方としては、大きく分けて二つのやり方があると思っております。まず一つは、法成立後直ちに、所有者だけではなくて製造事業者や整備事業者等を含む登録制度の関係者すべてに対しまして、マリンレジャー関係雑誌等の広報媒体とか、あるいは先生御指摘のインターネットを活用した、幅広い周知活動を行って、登録制度全般に関する理解が得られるようにまず努めたいと思っています。 それからもう一つの方法は、この登録の対象となる小型船舶の問題を所有者個人に対して周知させていく方法として、現在、小型船舶検査機構が行っております検査の対象船舶とおよそダブってまいりますので、小型船舶検査機構のこの仕組みを活用いたしまして、小型船舶検査機構から所有者に対して、登録制度のより詳しい説明をダイレクトメールで送って、直接に行い、一層の周知をしていきたい、こんなことを考えております。
○河上委員 これで、時間前でございますが、山田先生いらっしゃってますのでバトンタッチをいたしますが、ぜひとも、焼却が大変難しいFRP、この技術開発の促進、そして循環型社会形成に寄与できるような新技術の開発と実用化、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。 最後になりますが、もう一度、大臣の御回復を御祈念いたしまして、質問を終わります。
○赤松委員長 次に、山田正彦君。
○山田(正)委員 自由党の山田正彦です。 今度の登録制度ですが、登録をする小型船舶検査機構について、若干お聞きしていきたいと思います。 私どものもらっている説明書によりますと、小型船舶検査機構は、小型船舶の検査実施面では国の事務の代行機関としての重要な役割を担いつつ、経営面では完全に自主独立した民間法人形態で業務を行っている、いわゆる民間法人形態だという言い方をしております。 大臣は、先ほど、昭和四十八年から、そして第二次行革によって昭和六十二年にいわゆる民間法人化したんだという言い方をされたと思いますが。 ところで、民間法人とは、株式会社とかいろいろなものがあるわけですが、法的には一体どういう形態のものと言えるのでしょうか。大臣か、副大臣でも結構ですが、ひとつお答えいただきたいと思います。
○泉副大臣 この機構は、プレジャーボートの増加に伴いまして、小型船舶の安全確保ということから、安全検査を国にかわってやるということで、先生からお話がございましたように、船舶安全法に基づきまして、四十九年に設立された認可法人でございます。しかし、第二次臨調の答申を受けまして、昭和六十二年にいわゆる民間法人化した。 それは具体的に何かといいますのは、経営の自立化あるいは活性化を図るという観点から、これまで一つの縛りがございました政府出資金を全額返すということが第一でございます。それから、理事長等の選任を運輸大臣の任命制から認可制に改める、より自由度を増すということ。また、資金の借り入れ等に対しまして運輸大臣の認可が必要でございましたが、これも、経営の柔軟性、機動性を発揮するために、必要としないということにいたしました。さらに、検査業務の独占ということがございましたが、これも、競争場裏の中で仕事をさせる、効率化を図るということになったわけでございまして、スタートのときと現実の姿は変わってきたということでございます。
○山田(正)委員 政府出資金を返したとしたら民間法人と言えるのか。 例えば、政府出資金を返す前のこの小型船舶機構というのは特殊法人であった、これはお認めだと思うんですね。それもちょっと御回答いただきたいんですが、その特殊法人がいわゆる政府出資金を返して民間法人になった。いわゆる役員の認可制云々が、今副大臣から説明がありましたが、いろいろ改善されたので民間法人になった。 私はそれに当たらないと思うんです。民間法人であれば、株式会社なり、あるいは決算、そういったものもきちんと公開しながらやっていくと思うんですが、その点、今どういう段階にあるのか、経理面においても。それを明らかにしていただきたいと思います。
○泉副大臣 今、先生、当初のこの機構は特殊法人かというお尋ねがございました。 それはいわゆる船舶安全法に基づいて設立されておる認可法人でありますから、そういう考え方からしますと、特殊法人であるということも私は言えると思います。しかし、先ほど申し上げましたように、政府出資金を返して、経営の自立化あるいは役員等の選任等に当たっての大臣の関与というものを少なくするというようなことでございまして、民間企業に極めて近いという状況になったわけでございまして、現在の状態では、特殊法人とは明らかに異なります民間法人ということが言えると思います。 類似のものとしては、国土交通省では、軽自動車検査協会というようなものを持っておりますが、そうしたものもやはり同じような形で、従来の特殊法人的な位置づけから、民間法人化をして、今日の社会経済情勢に合うように変革をしておるところでございます。
○山田(正)委員 人事面で国からの関与が少なくなった、国からの出資金は返したから、極めて民間に近い。私どもに配られた書類では、完全に自主独立した民間法人の形態をとっていると言いながら、その実、これは株式会社でも何でもない、いわゆる特殊法人の実態であることには変わりない。 決算は少なくとも民間並みの決算をしているのかどうか。その一点だけでも、副大臣、お答えいただきたい。
○泉副大臣 決算の報告が公開されておるかということにつきましては、現段階ではいたしておりません。
○山田(正)委員 昭和五十六年の第二次臨時行政調査会、そのときの書類をちょっと調べてみました。 この中に、具体的措置として、運輸省関係法人、その中に、日本小型船舶検査機構については、国民負担の軽減の見地から、検査対象とすべき船舶の範囲について、規制目的に配慮しつつ、専門的、技術的観点に立って見直しを図る、経営基盤の安定を図り、自立化の原則に従い民間法人化すると明確に書かれております。 これができたのが五十六年ですから、それから随分たちました。その間にどこが何とかなったかといえば、出資金を返したことと、人事について国の関与が少なくなったということ。それだけで、あとは何にも変わっていない。そう言っていいのでしょうか、副大臣。
○泉副大臣 今、先生御指摘ございましたように、専門的、技術的観点に立って見直しを図るとともに、経営基盤の安定を図り、自立化の原則に従い民間法人化するという提言をこの検査機構についてはいただいておるわけでございまして、その自立化の原則というものの中に、多分先生はお手持ちだと思いますが、幾つかの条件がございます。 我々としましては、制度上及び実態上、国またはこれに準ずるものの出資がないということが民間法人化の定義の一つでございますし、役員の選任が自主的に行われていること、三つ目に、事業の経常的運営に要する経費がその事業の収入によって賄われていること、国またはこれに準ずるものから補助金がないこと、こういう事柄が純民間法人化という定義だというふうに認識をしておりまして、これにのっとって、今日までは、先生がおっしゃいます特殊法人というならば、特殊法人の体制から純民間型に変わってきておるというふうに我々は考えておるところでございます。
○山田(正)委員 いわゆる人事において国が関与しないからという言い方をされておりますが、私どもの方で日本小型船舶検査機構役員名簿を見ますと、民間だったら社長とかあるいは会長とか取締役とかになるんですが、これは理事長となっております。理事長は運輸省の海上技術安全局長出身、それから、理事が四名おりますが、いずれも運輸省のOB、それぞれ、運輸省四国運輸局長出身とか海上保安庁の出身とか運輸省海上技術安全局付とか、監事も新潟運輸局次長、そういった形で、すべて運輸省のOBで占められている、人事において。民間人は一人もいない。 さらに、決算書。通告しておりましたので、決算書を見ていただきたいと思います。決算の中で、これは民間の決算書であったら、損益計算にしてもあるいは資産表にしても、いわゆる民間の企業会計法に基づいてなされるべきものである。ところが、そうではない。財産目録という形になっているわけです、いわゆる民間ではないわけですから。その財産目録の中に、実は現金だけで二十二億ある、資産表。そして、固定資産だけで六十六億ある。ところが、一方、負債の方を見ると、七千四百万しか借金はない。これは大変な法人だと思うんですが、副大臣、いかが考えますか。
○泉副大臣 まず最初に、現在の役員構成について、御指摘のように、確かに、理事長以下六名、いずれも役人の出身者であることはそのとおりでございます。発足の経緯からして、ある時期はやむを得なかったと思いますけれども、既に二十年以上経過をいたしておりますので、今日まで内部で職員として働いてこられた方々を登用するとか、あるいは場合によっては外部からの人材登用についても、これから指導してまいりたいと思っておるところでございます。 二つ目にお話がございました、この現在の会計のあり方について、一般的に、民間会社と同じように公開をしていないという点は、一つのスタイルとして改革をしていないということは申し上げたとおりでございます。 また、御指摘のように、現金、預金が二十二億ある、また固定資産として六十四億あるということもそのとおりでございまして、その部分は既にオープンにさせていただいております。これは当然検査手数料によってこうした形の会計になっておるわけでございまして、これは、ある意味では国民の皆さんに費用を負担していただくということから、適正な手数料をちょうだいする、それ以上のものをいただくというようなことはあってはならないということで、我々は、国土交通省のかかわり合いの中で、ここは厳密に、省令に定められましたとおりにやってきたつもりでございます。 流動資産について、今申し上げましたように、十一年度の財務内容を見ますと、約二十二億円というお金がございますけれども、これは、細かいことを申し上げるようですが、時期的に手数料の前払い金みたいなものが六億四千万、それから退職金引当金、これは五〇%積ませていただくということでやっておりますが、約七億円、さらに、施設整備を、これは全国に三十四支部ですかございまして、その施設を順次機構のものとしていくためのお金を積んでおりますものが約七億強ございますが、そういう施設整備の準備金が、先ほど先生がおっしゃいました六十四億というのは固定資産充当資本という形で計上しておるものでございまして、より効率的な、また充実した検査、これからは登録ということになってまいりますが、そうしたことを行うために必要最小限のものであると私どもは考えておるところでございます。
○山田(正)委員 民間からしたら、大変な内容の民間法人になるわけですが。 では、お聞きいたしましょう。 いわゆる小型船舶の検査、小さな船でもみんな検査しなきゃいけない。それぞれが検査の手数料を、三万とかあるいは一万五千とか、幾らでしたか、それもお聞きしたいと思いますが、支払ってきている。それは強制的にみんな払わざるを得ないということは、社会保険とか税金と同じようなシステムである。これは全部払わなきゃいけないわけです。その収入が、この決算書でいきますと年間約四十億ある。ところが、その支出、実際の経費、業務費、一般管理費というのは二十六億しかかかっていない。これはもうけ過ぎじゃないのか。今の手数料は半分でいいんじゃないのか。 今回これが、すべての船舶の登録をさせる。登録させると、一件当たり幾らもらうのか、どれくらい収入があるのか、ひとつ副大臣、お答えいただきたい。
○泉副大臣 今、一般管理費が二十六億ぐらいで、もうけ過ぎではないか、先ほども申し上げましたように、固定資産六十数億というものから考えても大き過ぎるんではないかというお話がございましたが、この固定資産については先ほど御説明させていただいたとおりの事柄でございますので、我々はそうした考え方には立っていないわけです。 いろいろな御批判が、先生おっしゃいましたような事柄が、船舶を持っておられる方にあるいはあるのかもしれません。そうした御批判にこたえますためにも、私どもは法律に基づきまして評議員会というのを設けさせていただきまして、関係者の方々二十名ぐらいお入りいただいておると思いますが、その中で財務内容等についても御議論をいただくし、その他重要事項についても御判断をいただいておるということを申し添えさせていただきたいと思います。 それから、これからどれくらいトータルとしてお金が入ってくるかということにつきましては、ちょっと今、対象船舶数でありますとか長さに応じてちょうだいする金額が変わってまいりますので、少し精算をさせていただくというか、仮定を置いて検討した上で御報告を申し上げなければならぬと思いますが、我々としては、現在の形でいただいておる料金よりもかなり安くさせていただけるという思いでございまして、例えば、具体的には、定期検査の手数料は、今申し上げましたように船舶の長さに応じて一万円から四万円が現在のお金でございますが、これが約——失礼しました。 もう一度言い直しますと、現在の登録手数料というものは、五トンから二十トン未満で約四万三千円でございますけれども、新しい仕組みでいけば恐らく二万円台、もちろんこれは平均でございますけれども、二万円台に平均的には安くすることができるんではないか、このように考えておるところでございます。
○山田(正)委員 今度の新しい登録制度、全部の小型船舶に登録させる業務を行うことによって手数料をもらうわけですが、その手数料の全部の収入がほぼどれくらいになるのか。どうも副大臣よくおわかりじゃないようなので、おわかりですか、では、それを端的に答えてください。時間がだんだん少なくなってきましたから。
○泉副大臣 約一億五千万から二億円の収入になるということでございます。
○山田(正)委員 この一般管理費等々を見ておりますと、これが仮に民営化すればかなり大幅に経費が削減できるんじゃないか。例えば、この小型船舶検査機構において一人当たりの給与平均は、今八百万を超えていると聞いていますが、事実ですか。
○泉副大臣 事実でございます。 ただし、年齢的にも相当高齢者があって、平均的には八百万を超えておるというふうに承知しております。
○山田(正)委員 小型船舶の登録制度というのは、私も五島とか壱岐、対馬はよく回っております。漁船もまた、登録しなければいけないものもある。一部、登録しないでいい、ちっちゃな船もあるようですが。そういった意味では、非常に零細漁民にとっても重要なことであります。 そんな中で、言ってみれば官僚の天下り先、特殊法人の実態がそのまま残されていながら、さらにまた手数料をそのまますべての船舶にかけて乗せていく、こういう制度が一体許されていいものかどうか、ひとつ大臣、お考えいかがでしょうか。
○扇国務大臣 これは国土交通大臣の認定を受けた船舶協会の検査を受けるということになっているんですけれども、今先生がおっしゃいましたように、この船舶の今回の検査による登録料等々、今御指摘がありましたように、民営化したというものの、私は、完全民営化にはなっていないという実態は、山田先生の御指摘のとおりだと思います。 そういう意味で、私は、先ほどおっしゃいましたようなるるの観点を考えまして、これからプレジャーボート等々の登録をしていただくのに、やはり情報開示をしながら、内部の検査機構等というもののあり方、そういうものに関しては、私は、少なくとも今先生が御指摘のような疑義を持たれないような情報公開等をしていくべきであろうと思いますし、また、皆さんに登録していただくのに疑義を持ちながら登録していただくということがあってはならないと思いますので、今後も指導してまいりたいと思います。今お話しのように、一人も民間人が入っていないということも、私はある意味では問題点であろうと思いますので、そういう意味で今後指導していきたいと思っております。
○山田(正)委員 この行革の中では、独占排除と言われているわけです。車の車検においては、民間が持って、競争で車検をやってきている。ところが、船の検査だけは、まさに小型船舶機構が独占でやってきている。この独占排除について、民間自体に競争させなければならないのに、三年に一回の云々ということは規定であるようですが、現実にはなされていないようで、この独占をなぜこのまま放置してきているのか、これから具体的にどうするつもりか、副大臣からお答えいただければ。
○泉副大臣 先ほど来申し上げましたように、私どもは、この役割も民間の競争原理の中にあってしかるべきだ、基本的にそう思っております。したがって、先生独占だとおっしゃいますけれども、具体的には幾つか既にそうではないことがあるわけでございまして、船級協会の検査を受けたものはいいよとか、幾つかあるわけです。しかし、そのことで私は十分だとは申し上げません。 ただ、七千五百万台とかそういう市場が大きいところでは競争原理が十二分に働く素地があると思いますが、自動車と違いまして、今日のところ五十万隻というような中では、民間の資本が自分でこの分野に参入してくるということは経済的に成り立たないところがあるのではないか。 でも、我々はそれを育てていく使命があると思っております。ですから、排他的に物事を考えておるわけでは決してございませんで、これからも小型船舶の増加とともに第三者検査機関の体制を整備していくということも我々は当然考えていかなければならないと思っておるところでございます。
○山田(正)委員 とてもこういう分野に民間は参入できないようなことを言いますが、わずかに借金が七千万しかなくて、現金、預金だけで二十二億もあって、資産だけで六十九億ぐらいあって、こういう業界に民間が本当に参入できないのか。これは大変な独占の、まさにむだなことをやっていて、これこそ規制緩和して民にそれを開放し競争させる、これの最たるものじゃないかと思います。
○泉副大臣 先ほど来、六十六億というような資産について御指摘がございます。しかし、これは、それぞれの地域で小型船舶に関します必要な検査、登録等を行うための必要な基盤を整備しておるわけでございます。ですから、これだけのものがあるから民間が参入できないというなら、それはあるいは事実かもしれません。 我々としては、それに対して、情報公開をしまして、そこに不必要ないわゆる登録料でありますとか検査料をとっておるのかどうか、そういう形を国民の皆様に見ていただくことによって適正なものであるかどうかの判断をしていただく、しかし、門戸はいつでもあけておく、これが国土交通省の基本的な考え方でございます。
○山田(正)委員 大臣も副大臣もぜひ考えていただきたいんですが、こういう事実上の特殊法人、そう言っていいと思います、この特殊法人に対しては、これから情報公開もどんどんされていく、その中で門戸を開くというのはどういう意味なのか。 いわゆる競争させる。こういったものはもう民間にどんどんやらせていく。行革でははっきり民営化と言っているわけですし、この国土交通省の配っている資料では、完全に民間法人形態で業務を行っていると。言ってみれば、そうじゃない事実を書いているんだ、私に言わせれば。こういうところはぜひ反省して、本当に門戸を開き、競争させ、民間にやらせていく。そして、屋上屋を重ねるような登録制度というのはあっていいものかどうか。 確かにプラスチック船の廃棄船等々の処理には困っているとは思うけれども、そのために国民に、いわゆる税金をかけると同じように、必ず検査しなきゃいけない、必ず登録しなきゃいけない、そのために手数料を払う、これは大変なことなんで、こういったことが日本経済をだめにしてきた、私はそう考えるわけです。 その中で、一つ副大臣と大臣にお聞きしたいんですが、今、特殊法人等改革基本法案というのが審議されようとしております。いろいろな特殊法人の改革等々をうたわれておりますが、その中に特殊法人としていろいろと列挙されております。一番最初に奄美群島振興開発基金、宇宙開発事業団、運輸施設整備事業団とかいろいろ書かれております。私は、当然この中に日本小型船舶検査機構というのが入っている、そう思って朝からずっと調べたんですが、大臣、この中に入っておりません。この随分数のある特殊法人、特殊法人だけじゃないですね、特殊法人等改革基本法案、この中に入っておりません。これはいかなる理由でこうなっているのでしょうか。
○泉副大臣 恐らく、昨年の十二月に閣議決定をされた行政改革大綱に基づいて改革の対象になりましたのは、今先生がおっしゃいましたように、七十七の特殊法人と八十六の認可法人でございまして、小型船舶検査機構のような民間法人化された認可法人につきましては対象とされておりません。 しかし、ことしの四月三日の閣僚懇談会の方針によりまして、特殊法人等及び行政委託型公益法人の改革に関連しましても、同じように、個々の法人の事務事業、経営管理等の実態等を踏まえつつ所要の検討を行い、必要な改革措置が講ぜられることになったわけでございまして、今、これには手をつけないことになったのはなぜかというお尋ねでございますけれども、四月三日の閣僚懇談会で、こうした分野にも光を当てて検討させるということが現在の小泉内閣の方針でございます。
○山田(正)委員 今回、この法案の審議で、大臣、副大臣もよく御理解していただいたと思いますが、どうか規制緩和、特殊法人の改革、これには大臣、小泉総理もそれを強く主張しているところでもあり、大臣の力をもってしてひとつぜひとも実現していただければと思います。 私の質問時間は終わりました。
○赤松委員長 瀬古由起子君。
○瀬古委員 日本共産党の瀬古由起子でございます。 大臣がけがをなさったということで、心からお見舞い申し上げます。 まず、小型船舶の登録等に関する法律について質問いたしますが、その前に、道路財源問題について扇大臣に見解をお聞きいたします。 特に道路特定財源については、政府・与党の間でもいろいろ議論がされているようでございます。年間六兆円もの財源のほとんどが道路整備事業に使われている、このことについては、私ども日本共産党は、道路特定財源については一般財源化をこの間主張してまいりました。一九八一年に発表いたしました「国民のための財政百科 財政再建への提言」では、揮発油税、自動車重量税などを一般財源化し、社会保障、福祉、生活密着型公共事業などにも使えるようにすることが必要であると私ども主張してまいりました。 ところで、今、政府・与党の間で議論になっているのは、この特定財源を、道路だけでなく整備新幹線などの事業、それから大規模な都市開発、都市整備にも使えるようにしよう、こういう意見もあるようでございます。そのための関連税制や関連法の改正を来年の通常国会にも提出するという報道もございます。また、首相は、社会保障や教育関係費にも使える一般財源化にも意欲を示している、こういう報道もございます。 大臣は、この一般財源化という問題についてはどのようにお考えでしょうか。それとも、道路財源を、道路だけじゃなくて整備新幹線だとか大規模な都市整備、再開発、こういうものに限定して使おうというお考えなのか。その点、お聞かせいただけますでしょうか。
○扇国務大臣 わざわざお見舞いをいただいてありがとうございます。不注意で、みっともなくて済みません。 今大事な御質問がございまして、昨今、道路特定財源を一般財源化するかとか、あるいはどこに使うとか、いろいろ論議されておりますけれども、私は、論議することは、今まで知らなかった人も大勢いらっしゃいますし、ただ何となく、車を買うときにいろいろな税金がかかっている、国税三税あるいは地方税五税とか、なぜこんなに取られているか、しかもこれは税金がダブっているんじゃないか、消費税がかかっている上になおかつかかっているというふうな懸念をお持ちの皆さん方も大勢いらっしゃいます。 今先生がおっしゃいましたように、道路特定財源、先生はトータルでおっしゃいましたけれども、国の財源としましては揮発油税、自動車重量税、これが税収で約三兆五千億。そして、地方の財源としましては、軽油引取税と自動車取得税あるいは自動車重量税、これで少なくとも二兆三千億。今先生がトータルで約六兆とおっしゃいましたけれども、約五兆八千億。これだけのもので今まで、日本の今の私たちのこの交通形態を考えますときには、少なくとも車を利用する皆さん方、要するに道路整備のために税を新設し拡充して、そして受益者負担というこの原則というものを貫いて、今日の日本の交通網ができ上がってきたと思っておりますし、また、その利便性を考えても、今までこれは物流一つとってみても大きな役割を果たしてき、また、それがゆえに皆さん方は黙って税金を払ってくだすったんだと私は理解しております。 けれども、今先生が御指摘のように、では、このままでいいのかということになりますと、果たしてこの五兆八千億というお金、その中でも特に、御存じのとおり、本則の税率の約二倍を皆さん方に暫定税率として、これも御納得いただいて、受益者負担だからしようがないな、その割には高速道路もただにならないなと皆さん思っていらっしゃるんですね。私もその一人でございます。 ただ、先生が今おっしゃいました新幹線とかなんとかと言いますまでに、この道路特定財源、この委員会でも、私は瀬古先生にお答えしたかどうかわかりませんけれども、町づくりにも、いろいろなところへ広範囲に今既に使われているということだけは全然言われないんですね。 ですから、そのためだけだとおっしゃいますけれども、区画整理でありますとか都市の再開発事業ですとか、通りやすくしようということで立体交差事業でございますとか、あるいは都市のモノレール、こういう町づくりにも今既に道路特定財源というのは幅広く反映をされているということだけはちょっと認識していただいて、なおかつ、言ってみれば目的税ですから、それを違う目的に使う場合には、私は改めて国民の皆さんの御理解もいただかなければならないと思います。 では、道路特定財源を外して、今の道路整備をどこまでどうするのか。地域格差というものがある、それをどうするんだ。今まだ道路ができていないところの皆さん方にはどう配慮するかということも議論した上でないと、一方的に納税者に我慢していただいていますので、その御理解をぜひいただいて、そのために私がグランドデザインと申し上げておりますので、ぜひそういうことも含めての広範囲な予算の使い方というものを考えていきたいと私は思っております。
○瀬古委員 もちろん、私たちは道路は必要でないという立場でありませんし、必要な道路は当然敷設することは必要だと思っております。そして、この財源をどういうように使っていくのかというのは、今大臣が言われたように、やはり国民的にも大いに討論するということが大変大事だと私は思っています。 そして、道路特定財源で、いろいろなものに使われているけれども、やはり一番見直ししなきゃならないなと私が思うのは、道路整備緊急措置法がつくられて十二回にわたる五カ年計画がずっと続いてきているわけですね。いろいろあるけれども、大体これが基本の使い道を決めてきたものになっているわけです。この緊急措置法によって、揮発油税が目的税として道路財源に使われることになっているわけです。 本来なら、臨時、緊急の措置として設けられた道路特定財源制度が五十年間の長きにわたって存続して、安定した財源ですよね、この財源をもとに巨大な道路投資がずっと続けられてきて、引き続き、緊急的な、臨時的な措置がいつまでもこのままであっていいのかということが、改めて現在問われていると思うんですね。 そして、道路特定財源の見直しというなら、さっき私が言いましたように、同じ公共事業でもちょっと目先を変えて都市開発に使っていくだとか、そういう大型開発、公共事業にまた使っていくということになると、ともかく財源があるから使うんだみたいな形で、結局見直しができなくなってしまう。 公共事業の全体を今見直さなきゃならないという点からいいますと、十二回にわたって続けられてきた計画、一九九八年から二〇〇二年までの五カ年計画、五カ年で総額七十八兆円という巨額を投ずる、このような計画についてもやはり見直すという方向でやらないと、総合的なグランドデザインを描いて、さあどうしましょうということも当然ありますけれども、一番の中心になってきたこの五カ年計画を本当に見直していく、ここに思い切ったメスを入れるということも含めて検討しないと本格的な議論にならないんじゃないかというふうに私は思うんですね。そういう点では、こういう道路整備の五カ年計画も思い切ってメスを入れるということも検討されていくのかどうか。 そして、自動車重量税の方は法定化されていないわけで、そういう点ではすぐにでも一般財源化が可能だということも言えるわけですね。そういう点での段取りでいえば、具体化できるというふうに思うんですけれども、その点、いかがでしょうか。
○扇国務大臣 私、二月から四月にかけまして、地方懇談会というのを、ほとんど全県の知事さん、あるいは政令指定都市の市長さん等々で、全国十カ所に分かれまして開きました。その中で、全国の皆さん方、第一に要望が多いのがやはり道路でございました。そういう意味では、今先生がおっしゃったように、公共事業でも必要なのよと瀬古先生も認識していらっしゃいますように、また先日、先週の土曜日ですけれども、私は九州の新幹線の起工式をいたしてまいりました。博多—船小屋間。これも、九州の経済に対しては大変な効果がある。まだまだ年数はかかりますけれども、これで青森から鹿児島まで通じるんだということで、九州全体の経済効果というものが大変なものがあるといって、これは新幹線の話ですけれども、九州の皆さん方は喜んでくださいました。 そのように、やはり道路と新幹線等々を含めた交通網ということに関しては、まだまだ必要なところに必要な経費を投入して、どこへ注入すれば一番効率が上がるか。そして、集中的に投資することによって、早くでき上がれば安くできる。例えば一カ月でも早目に工事を終えればコストダウンができるというふうに考えております。 そういう意味で、今先生が公共事業も必要なものにというお話は、私は本当に切実な願いを全国から聞いておりますので、道路特定財源をどうこうするということよりも、私が言っておりますのは、全体のスパンで考えなければいけない。 しかも、今度は国土交通省になったんですから、特定財源は旧建設のものよといって握って離さないわけではございませんので、今回の道路特定財源を含めた十四年度の予算を組みますときに、国土交通省としての最初の予算の組み方はどの程度広範囲な視野を持って予算を組めるかというのを見ていただくと、私は、国土交通省が縦割りがなくなったということもそこで表明できるのではないかと思っていますので、ぜひ御協力もいただき、先生方のお声もいただきたいと思っています。
○瀬古委員 そういう御検討の中で、私が今質問しましたような、例えば第十二次道路整備五カ年計画にも思い切ってメスを入れるということは当然あり得ると思うのです。それから、自動車重量税についても、これは一般財源化できないのかといえば、これはすぐ踏み切れる問題でありますから、その辺の具体化は当然視野に入れていただいているというふうに考えていいでしょうか。
○扇国務大臣 私は小泉内閣で、聖域なき構造改革、私も内閣の一員でございますし、連立与党の一員でもございますので、この聖域なきというのは国民的公約であると認識しておりますので、聖域なき構造改革に努力してまいりたいと思っております。
○瀬古委員 ともかく計画があるからそこに金をつぎ込むんだという、そういう今までの延長線上ではない発想をぜひお願いしたいと思います。 今大臣が九州の例を出されましたけれども、これは九州だけじゃありませんで、全国の過疎地域などで、私何度も申し上げましたように、バス路線がどんどん切られている問題や、地方線などでも、実際には住民の足として大事な大事な路線が削られていくという問題があります。それが一層過疎化を進行させているという問題もあるわけですね。 こういう財源の使い道という場合には、今までの発想だと道路特定財源を大型公共事業や今問題になっているむだな公共事業のところにどんどんつぎ込んでいく、こういうやり方ではなくて、やはり過疎地を含めて地域の国民の暮らしを守るという点でも、こういう財源の使い方の考え方というのはすごく大事だというふうに思うんです。 そういう点では、例えば道路偏重じゃなくて、中小の民間鉄道への支援、それから、地方バスなど地域の公共輸送機関の維持のために、本当に地域の住民の皆さんが望んでいらっしゃるこういうものへのお金の使い道ということも一つは考えられるんじゃないかというふうに私は思うんですけれども、その点いかがでしょうか。
○扇国務大臣 私は、考え方というのはいろいろあって、先ほど聖域なきと申しましたから、そういう意味では、本当に国民の皆さん方のためにどこをどうすればいいのか。では、過疎で通勤、通学、通院等々の足がなくなる人たちに対してはどう対処していくのか、これも大きな問題だろうと私は思います。 そういうところの地域性というものを、やはりその地域の賢者、知事さんなり市長さんなりの御意見を聞くために私は全国の地方懇談会を開いているわけでございますので、国が全部目が行き届かないところこそ、地域の皆さん方と力を合わせて、御提言をいただいて、そして国ができるとき、できる部分、あるいはできない部分というのをはっきりと分担しながら協力していくというのが地方懇談会の大きな意義だと私は思っています。ぜひ先生も、そういう意味では地方懇談会で、地域の特異性あるいは地域が困っている事情等々、懇談会にぜひお話を上げていただきたい。それによって、私たちは、対処できるところを対処していきたいと思っております。
○瀬古委員 私も地方議員を十四年やってまいりましたので、この道路整備計画が実際には地方の住民の願いとかけ離れているということもたびたび経験をしてまいりました。実際には地方のバスや電車を何とかしてもらいたいと言っているのに、一方ではこの道路財源の特定財源化を一層強化するという方向が打ち出されている。ですから、地方懇談会といって知事さんや市長さんの御意見を聞かれるのもいいですけれども、本当に地域で最も困っている住民の声も率直に聞いていただく機会もぜひ持っていただきたいというふうに思います。 次に、もう時間がございませんから、小型船舶の法案そのものに質問させていただきます。 マリンスポーツの普及とともに、モーターボートやヨット、水上オートバイなどの普及も急速に進んでおります。現在、これらが、「海洋性レクリエーションの現状と展望」によりますと、九九年度末で四十五万五千隻に達しております。それで、九六年に運輸省港湾局、水産庁及び建設省河川局の三省庁の合同で実施されたプレジャーボート全国実態調査によりますと、許可なしの放置艇は十三万八千隻とされております。これらの船舶が水上交通や漁民の仕事の障害になっています。また、増水時や洪水時の流出による危険性も指摘されております。 しかし、全国で保管施設の収容可能隻数というのは、実は二〇〇〇年度末で五万一千隻分なんですね。小型船舶の普及隻数は毎年一万から二万隻ですから、それに対して保管施設の整備隻数というのは毎年わずかなんですね。 そういう点では、保管施設をどのように整備されようとしているのか、また、それに対して国の援助、助成、こういうものがどういうふうになっているのか、その点お聞かせいただきたいと思います。
○風岡政府参考人 プレジャーボートにつきましては、先生御指摘のように、大きな社会問題として放置艇問題あるいは廃船問題の解消ということが課題になっておりまして、私どもとしましては、マリーナの整備ということで、係留保管能力の向上を図っていくということが最大のポイントだというふうに考えております。 こうした認識のもとで、私どもとしましては、これまでも公共マリーナの整備のほか、既存の静穏水域というものを使いまして簡易な係留施設を整備するという、ボートパークというようなものにも力を入れてきたところであります。 さらに、現在、省内で総合的な政策の連絡推進会議というのを設けておりますけれども、その中で、やはり係留保管能力の向上ということは、これは本当に大きな課題だというふうに思っております。先ほど申し上げましたようなボートパークの整備というものももちろん進めていくわけでございますが、それだけではなくて、例えば財投資金を活用した民間マリーナの支援とか、そういったものも含めて、係留保管施設の能力の向上ということにつきましては引き続き努力をしていきたい、このように考えております。
○瀬古委員 保管施設の問題でいいますと、その料金が大変高いということも実は問題になっております。 沼津市の静浦漁港の水域内、ここには、数カ所に係留されているプレジャーボートは現在三百五十隻になります。県漁港管理条例の改正に伴いまして、ことし四月から、船長一メートルにつき月額二千八百円、二年間は減免措置がございますが、この利用料を徴収するということになっています。 ここのヨットクラブの会長は、数の多い船長十メートルの船で計算すると年間三十三万六千円となり、これまでの三倍以上にはね上がる、県は、利用者との話し合いもなく、一方的に値上げするのは本当におかしいと随分抗議をされています。現在、利用料値上げ反対の署名運動にも取り組んでいるわけですが、年間三十三万六千円という途方もない利用料を払わないと係留できないのでは、これではますます不法係留が増加するのではないかというふうに現地では指摘されております。 そういう意味では、うんと保管施設をつくるのと同時に、低額の保管料金にするための一定の方策も必要じゃないかと私は思うんですけれども、その点どのようにお考えでしょうか。
○川島政府参考人 港湾におきまして、利用料金を低額に抑えるための施策としまして、防波堤などの整備を行う必要のない静穏な水域、これを活用しまして放置艇対策のための簡易な係留施設の整備を行うということによりまして、保管料金を低額に抑えるという施策をとっております。ボートパーク事業と言っております。これを推進したいと考えております。
○瀬古委員 現在の推進ではとても料金がはね上がって、実際にはもうこのままでお金を払って保管してもらうわけにいかないという声が起きているわけで、その点での、保管料の軽減のための何らかの新たな施策というのは考えておられませんでしょうか。
○川島政府参考人 まず補足させていただきますと、ボートパーク事業というのは、これは三分の一でございまして、国が三分の一、港湾管理者が三分の一、利用者はその三分の一の償還に見合った負担をいただくということです。 それともう一つ、第三セクターに対しまして、無利子貸し付け等の制度がございます。 こういうものを活用して、放置艇対策をきっちり進めていきたいというふうに考えております。
○瀬古委員 それでも、今私が言いましたように、一番数の多い大体船長十メートルの船で、年間三十三万六千円になって、とてもこれではお金を払ってそういう保管をするということはできないというので、随分それに対しての意見が出ていて、さらに私は御検討いただきたいというふうに思います。 そこでなんですけれども、放置艇の問題なんですが、先ほども若干お話が出ておりましたように、河川法が改正されまして、九七年九月三十日の施行、それから漁港法が改正されたのが二〇〇一年四月一日の施行、そして港湾法が昨年の九月三十日の施行で、船舶等の禁止区域、こういうものが決められたわけです。けれども、実際には、この法律を使って活用している自治体もありますし、全然活用できていない状況もあります。 きょうは港湾局と河川局がいらしていて、ちょっと追加の質問になるのですけれども、それぞれ、実際に利用できない状況はなぜか、進んでいる場合はどういう問題があるのか、どういうところで進んでいるのかということが、わかりましたら教えていただけませんでしょうか。
○竹村政府参考人 平成十年二月十二日に、私ども、河川局長から各地方建設局長に対して、計画的な不法係留船対策の促進についての通達を出したところでございます。 なぜ不法の係留船がいけないかと申しますと、もう委員が御指摘のように、洪水のとき、それが大変邪魔になり、もし最悪の場合はそれが凶器になってしまう、橋にかかったり、または堤防が決壊したりすれば人家に突入していくということがございましたので、重要な問題と認識してございます。 この通達におきまして、全国的にすぐにマリーナができませんので、ともかく急ぐ、治水上重要なところだけはきちんと最初から段階的にやっていこうということで、重点的に強制的な撤去措置を図る必要があると認められる区域を重点的撤去区域と指定して、実施していくことになりました。現時点では、国の管理では、広島の太田川、そして都道府県管理では、東京、神奈川、新潟、静岡、広島等の都道府県管理の河川七河川において、この重点的撤去区域を指定しているわけでございます。 効果でございますが、この重点的撤去区域を指定しただけで千十七隻の船が三百三十一隻に減ったということでございまして、行政の強い意思が見えただけで不法の係留船が少なくなったという一点がございます。 その後、市町村の単位では、自治体でどのような運用をやっているかということでございますが、河川法七十五条に基づきまして、監督処分等強制的な撤去措置が実施されてございます。特に、船舶の所有者がわからないのは、簡易代執行という制度によりまして私どもやっておりますが、平成十年以降、私ども、今手元にある資料だけでいきますと、実施隻数は七十一隻を簡易代執行しまして、その危険な区域からその船を撤去しているというのが現状でございます。
○川島政府参考人 続きまして港湾についてでございます。 港湾法につきましては、昨年の三月三十一日に一部改正の法律が公布されております。放置艇対策の推進に関する部分として、平成十二年九月三十日に施行されております。これに基づきまして、ことしの三月でございますが、重要港湾以上の港湾管理者の長等に港湾局からお願いをしております。中身としましては、放置艇対策を強化するための禁止規定の新設が一つ、さらに、受け皿の整備につきましてもお願いをしているところでございます。 こういうことを踏まえまして、十三年六月一日現在で、長崎県が県内の六十九の港湾を対象としまして放置等禁止区域を既に設定されております。また、私どもがお聞きしているところでは、十三年度中に予定をされておるところが、静岡県が清水港、和歌山県が県内の十六の港湾、広島県が広島港、高知県が県内の二十の港湾を対象として、放置等禁止区域を設定するために現在準備中であるというふうに伺っております。 また、そのほかの港湾管理者におきましても、放置等禁止区域の設定について、現在鋭意検討中というふうに伺っております。
○瀬古委員 放棄船や沈殿船の問題についてお聞きしたいと思うのですが、この処理も大変大きな問題になっております。年間、自治体が処理している小型船舶の隻数と費用、大体一千隻、処理費用が数十万から二、三百万に及ぶというふうに言われております。これは自治体にとっても大変大きな負担になるわけですね。もちろんユーザーのマナーの問題というのもございますけれども、これもやはり対策を講じる必要があります。 今、路上の放置自動車などにつきましては、廃棄処理の費用の一部を、日本自動車工業会、日本自動車販売協会連合会などで構成する路上自動車放置処理協会が負担しております。そういう意味では、小型船舶についても、製造者や販売者の責任を明確にする必要があるんじゃないか。そういう点では、マリーナの整備や安価な保管施設、廃船処理に対してもこうした製造者や販売者の責任をきちんと義務づけるということが必要ではないかと思うのですけれども、最後に大臣にお伺いします。
○扇国務大臣 先生御存じのとおり、昭和四十五年十二月ですけれども、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、これに「国民の責務」という項もございます。それによって、国民は、その生じた廃棄物をなるべくみずから処分する、また市町村は、一般の廃棄物の処理に関する計画を定めなければならない、また市町村は、一般の廃棄物を生活環境の保全上支障が生じないうちに収集し、これを運搬しなければならない等々の昭和四十五年の法律がございますので、今先生がおっしゃいましたように、地方自治体としても大変重荷になっているというのは事実でございます。 また、普通の廃棄物と違いまして、プレジャーボートの廃船というのは、大きくて、しかも回収が困難である、普通の廃棄物と一緒にならない。特にプレジャーボートの材料というのが繊維強化プラスチックであり、いわゆるFRPの処理が必要であるという、普通の廃棄物と大変違う面を持っている。そういうことで、製造者等にも協力をお願いはしておりますけれども、処理事業者に関する情報の提供、流通ルートの活用等によりまして廃船の処理が円滑に行えるように努めなければならないというのが、今回皆さん方にこの法案を提案し、また皆さんの御協力をいただくということにつながってくるんだと私は思います。 新たに、このFRPの処理の仕方、そしてリサイクルの技術開発、これも今度のプレジャーボート等に関してはぜひ研究をしなければならない。ですから、技術の確立とリサイクルシステムの事業化に、製造者等に対しましても所要の協力を積極的にしてくださいというお願いをしておりますので、製造者の責任という瀬古先生のお話も、こういうことによってみんながより意識をしながら、製造者に、ただつくればいいというものではないということを認識していただきたいと私は思っております。
○瀬古委員 ありがとうございました。終わります。
○赤松委員長 日森文尋君。
○日森委員 大臣、足の方は大丈夫でしょうか。私が最後でございますので、もうしばらく辛抱していただきたいと存じます。 社民党の日森でございます。 最初に、これは何度も触れられていることなんですが、九六年の調査で、十三万八千隻の放置艇が確認された。その放置水域というのが、港湾部分が三八%、漁港で二九%、河川が二七%というふうになっているそうです。それぞれの水域、わかる範囲で結構なんですが、これまでこの放置艇によってどのような事故や障害が生じてきたのか、そうした事故や障害に対してどのような対応をされてきたのかをお聞きしたいと思います。 同時に、放置船が十三万八千隻あるんですが、そのうち年間約六百隻がどうも泥棒に遭って盗まれちゃっている、そのうちかどうかわかりませんが、六百隻が盗難に遭っている、しかも二百五十隻は不当にブローカーによって転売されている、こんな事実もあるわけなんです。 こうしたことも含めて、不法係留の実態についてまず最初にお伺いをしたいと思います。
○川島政府参考人 放置艇が引き起こす問題としましては、公共施設の破損、船舶航行への支障、周辺への騒音、あるいはごみ、油の不法投棄等、さまざまな障害が生じているというふうに聞いております。 国土交通省におきましては、昨年、港湾法の一部を改正しまして、船舶の放置等を禁止する区域を港湾管理者が指定できるようにする等の規制措置を講じるということ、また同時に、受け皿を確保するという観点から、ボートパーク整備事業の推進等により係留保管能力の向上を推進する必要があるというふうに考えておりまして、今後とも引き続き適切な水域の管理が図られるよう必要な措置を講じてまいりたいというふうに考えております。
○日森委員 これは役所の資料なんですが、プレジャーボートの保有隻数の推移を見ていると、ヨットというのは何か減少傾向にあるようで、モーターボートについてもここ数年頭打ち、どうも、バブルがはじけてなかなか手が出ないということかもしれませんが、手軽な、百万程度で買えるような、そういう水上オートバイが非常に増加をしているという数値がございました。 この水上オートバイの問題、先ほどどなたか問題にされましたけれども、大変事故が多発しているというお話も聞いています。最初に、その実態をちゃんとつかんでいるのかどうかということが一点。 それから、そうであれば、水上オートバイというのは、実際に海岸に行って見たことはないんですが、どうも海水浴場の隣でどんどん走っているとか、ウインドサーフィンをやっている川でぶつかりそうになりながら疾走しているとかいう光景をよく耳にするわけです。 そう考えていくと、水上オートバイというのは、どこでも勝手にどんどん走っていいものなのかどうなのか。相当なスピードが出るという話も聞いていますから、規制水域みたいなものがあってしかるべきだというふうに思っているんですが、その辺についてお伺いをしたいと思います。
○縄野政府参考人 まず、水上オートバイにつきましての事故の実態でございますが、おおむね年間六十隻前後で、多少でこぼこがございますけれども、推移しておる状況でございます。 平成十二年の数字で見ますと、水上オートバイによる事故の隻数は六十九隻でございます。死亡、行方不明者は二人でございます。 事故の種類別で見ますと、衝突が三十七隻、これが事故の過半数を占めております。 原因別で見ますと、水上オートバイを操る操縦のミス、そういうものが二十五隻、三六%ぐらいでございます。それから、周りの状況を見張る見張りの不十分ということが十六隻で、二三%となってございます。 これに対する安全対策でございますけれども、海域について申し上げますと、この水上オートバイにつきましての安全、健全な発展を目的としました民間団体も設立されておりまして、とりあえず、海上保安庁としましては、このような民間団体が行う自主的な安全活動への協力、それから、私どもの職員による指導などによりまして安全指導の強化を図っているところでございます。 今御指摘ございましたように、例えば海水浴場での遊泳区域における水上オートバイの走行の自粛、それから水上オートバイ同士の距離をきちんととる、そういうことにつきまして重点事項といたしまして、私どもの現場におきまして指導をしているところでございます。そういうことで事故の防止について今後とも進めてまいりたいというふうに考えております。
○竹村政府参考人 河川につきましてお答えいたします。 河川法二十八条では、舟運等の通航について、河川管理上必要な範囲内において、制限等の一定の規制が行えることとされております。 これに基づきまして、平成十年六月十日付で、当時の建設事務次官から準則を出してございます。最近、舟運またはプレジャーボート、または今御指摘の水上オートバイ等が大変にぎやかに、非常に混雑してまいりましたので、安全で快適な舟運をするための河川舟運促進区域を定め、船舶等の通航方法を定めることの内容でございます。 平成十三年四月一日から、東京の荒川に河川舟運促進区域を定めました。これは河口から秋ケ瀬取水口までの約三十五キロの区間でございます。 その三十五キロの区間の中で、特に前からレガッタをやっている戸田橋のあたりだとか、もう一つが新岩淵水門、これは大変混雑しておりますので、この区間におきまして水上オートバイ通航方法制限区域を定めまして、水上オートバイの蛇行、急発進、回転等によって事故がないような制限区域を設けている現状にございます。
○日森委員 これは通告していないんですけれども、そういうような措置で当面は対応できると。ちょっと傾向を見ていると、これからも水上オートバイというのはどうも増加しそうだ、もう少し値も安くなるかもしれないし、若者に人気だということで、そうすると今のような対応だけで十分かという心配があるわけなんですが、その辺について、どうしましょうか、副大臣、お答えになりますか。いや、大臣に聞くのは、足があれですから、大分遠慮しているんですが、きょうは。ぜひ泉副大臣に。
○泉副大臣 確かに、若い人たちを中心にそうした水上のレジャーが盛んになってきております中で、海域を区分する、あるいは使用できる水面を限定するというような事故防止等の観点からの対応が必要だと思っておりますが、今、両政府参考人から申し上げましたような対応を続けながら、もうしばらく推移を見せていただきたいと思います。
○日森委員 では次に、先ほども瀬古さんからお話がございましたけれども、放置艇について、法律が変わりまして、売却または廃棄処分が可能となった、先ほど実態を報告されましたけれども、七十一隻というお話もございました。 しかし、実際には十三万八千隻の放置艇があって、それは確認をされているにもかかわらず、売却または廃棄処分が可能であるけれども、さして進んでいないということになっているんじゃないかと思うんです。その原因というのは一体何か。自治体にとって大変お金がかかり過ぎるということも当然あると思うんですが、それをつかんでいる範囲でお伺いしたい。 それからもう一点は、これも政府の資料に書いてあったんですが、現行制度の中でも、検査データをたどっていけば所有者が確認できるということが触れられておりました。現在の制度でも、検査データから所有者の確認ということが可能であるならば、不法係留されているプレジャーボートについて、所有者責任できちんと処分を求めるということも可能になるんじゃないかというふうに思うんです。そういうやり方の方がむしろ妥当だというふうに思うんですが、その辺について、お考えをお聞きしたいと思います。
○川島政府参考人 前半の、放置艇の売却や廃棄処分が進んでいない理由についてお答えを申し上げます。 港湾法が改正されましたのが昨年の三月末でございまして、これで港湾管理者が船舶の放置等を禁止する区域をまず指定する。次に、当該区域内に放置された所有者不明の船舶については、港湾管理者が撤去、売却、廃棄処分を行うことができるよう規定が整備されたところでございますが、この規定が施行されましたのは昨年九月三十日でございます。先ほど瀬古先生に対して御答弁申し上げましたとおり、港湾につきましては、長崎県が六十九港、他の港湾は順次これから指定をしていくという段階でございます。これらの区域の指定がなされた段階で、港湾管理者の必要に応じて放置艇の撤去、売却、廃棄処分が適切に行われていくものというふうに考えております。
○谷野政府参考人 先生御指摘の、小型船舶検査機構が行っております船舶安全法に基づく検査制度でも、ある程度所有者が明確化できるのではないか、こういう御指摘でございます。 先生の御指摘はそのとおりでありまして、現在でもある程度の協力をいたしております。特に、捜査機関でありますとかあるいは地方自治体の御要請に応じて、小型船舶検査機構が所有者について御連絡を申し上げているところでございます。ただ、基本的には、小型船舶検査機構の把握しております所有者につきましては、厳密に言いますと、個人情報の開示の問題もございまして、やはりきっちりとした所有者を確知する制度を改めてつくって、それに基づいて実施すべきではないかというように言われていることから、今回の制度改正をお願いいたしている次第でございます。 そして、所有者がわかった後は、その所有者の責任において処分をすべきであるという御指摘でございますが、これももっともな御意見だと思っておりますが、現行の法制度におきましては、所有者と地方自治体が共同の責任でもって処理をするという制度の枠組みの中で対処をいたしておりまして、決して所有者の責任を免れるべきだと考えているわけではありませんが、この制度の改革の中で、製造者も含めまして新たなスキームの確立というものを検討していくべきだと考えております。
○日森委員 ぜひそういうことで進めていただきたいと思うのですが、一番困っているのが自治体です。お金もかかる、川も汚れる、さまざまな問題で困っていまして、それぞれの自治体が、今度の法案が出される前にもいろいろ頭をひねって規制する条例をつくったりしているわけなんです。 例えば、小型船舶について条例で届け出制にするとかあるいは強制撤去、そういうことをやりながら対抗しているわけですが、今度の法律が仮に成立をすると、そういう努力をされている自治体は仕事がしやすくなるのか。対策がいろいろ各自治体によって違うのですが、その自治体の対策がもっとスムーズに、やりやすくなるのかどうなのか。つまり、今度の法律と自治体での対策の問題の関係について、御説明いただけたらありがたいと思っています。
○谷野政府参考人 御説明を申し上げます。 今般の制度改正につきまして強い要請がございましたのは、一方では地方自治体でございました。四十七都道府県に対しましてアンケート調査をいたしましたところ、主として、不法係留対策への対処という観点から新たな所有者を確知する制度をつくっていただきたい、こういう御要請でございました。 もう一つの、ではこの制度をつくった効果についてのお尋ねでございますが、やはり登録制度を通じて所有者が明らかになることによりまして、一つは所有者の自己責任のもとで適切な係留場所への誘導が促進をされるものと期待をいたしております。加えまして、水域管理者によります、つまり地方自治体によります適時適切な行政上の処分というものも容易となり、またその効率も上がっていくものと期待をいたしております。
○日森委員 これは共通した問題なんですが、その際、自治体もお金がかかるわけなんで、事務は全部お願いしますというふうになったようですが、お金の問題なんかについてもぜひ今後検討していただきたいということをお願いしておきたいと思います。 それから同時に、不法係留されているのは、所有者のモラルということも当然問題なんですが、実際に行き場がない。これもずっと皆さん方から指摘された問題なんですが、マリーナとかこれから積極的につくろうとしているボートパークについても、まだまだ非常に数が足りないということが基本的な要因としてあると思うのです。 これは八八年に全国マリーナ等整備方針というのが出されまして、そこで数値目標まで示されたわけですが、バブルが崩壊したりいろいろな事情があったのでしょう。残念ながらその目標が達成されないでいるという現実があります。これについて、何がその障害となってこの数値目標は達成されなかったのかということについて、まずお聞きをしておきたいと思います。
○川島政府参考人 全国マリーナ等整備方針につきましては、当時クルーザーヨット等大型艇の増大の傾向がございまして、こういう傾向から二〇〇〇年におけるプレジャーボート隻数の潜在需要を予測し、必要な施設の整備方針を示したものでございます。 しかしながら、その後のバブル経済の崩壊等による我が国の経済状況をめぐる大きな変化等によりまして現在のプレジャーボート隻数は当時の予測数を若干でございますが下回っておるのは、事実でございます。 放置艇対策につきまして、ボートパーク整備事業、これによって積極的に対応していこうという、どちらかといいますとバブルの時期のリゾート開発、大型クルーザーをイメージしていただければいいかと思いますが、そこから、最近ではボートパーク整備事業ということで、放置艇対策により重点を置いたもので整備を進めていきたいというふうに考えております。 いずれにしても、受け皿が不足しておるのは事実でございますので、鋭意努力をしていきたいというふうに考えております。
○日森委員 ぜひそのボートパークというものを積極的に進めていただきたいと思うのです。 ちょっと関連した話なんですが、先ほども瀬古さんのお話にございましたけれども、聞くところによりますと、リゾートなんかで関連してつくったマリーナなんでしょう。富山港に新設された県新湊マリーナというのはかなり豪華な、クラブハウスもある、給油や整備施設もあるんだという話を聞いているのですが、利用率は残念ながら四五%しかない。建設費には八十五億円もかかったという話を聞いています。 結局、これだけのお金を投資すれば利用料がばか高いものになるので、今度の法律で決められている罰金よりもはるかに高い利用料を払わなきゃいけない、だったら不法係留して罰金を払った方がよっぽどいいやと、懲役もあるということなんで刑務所に入りたくない人は払うでしょうけれども。しかし、いずれにしてもその罰金の額と比較してもはるかに高いような係留の費用になっている。 こういうことよりも、先ほどおっしゃっているとおり、もっと低料金で気軽に係留できる場を設定する方が非常に現実的だと思うし、そういう意味ではボートパークというのは大変すばらしい発想だというふうに思っているのですが、それについて、低料金で利用できる施設、ボートパークも含めてどうかということについてお聞きをしたいと思います。
○川島政府参考人 簡単に、新湊マリーナについて御説明をさせていただきます。 これは、二〇〇〇年とやま国体のヨット競技の拠点的なマリーナとして整備されたものでございまして、それで、これの一般の供用開始が本年四月からでございます。確かに、四五%、低いわけでございますが、富山県としても、これらを、四月からでございますが、周知徹底を図っていきたいということでございました。 それから次に、放置艇対策としてどう取り組むかということでございますが、確かに、投資を抑えて低料金で利用できる施設が必要であるということでございまして、ボートパーク事業をより強力に推進していくということ、それともう一つ、先ほどから御指摘いただいておりますが、受け皿が圧倒的に不足をしておるという実態がございます。これにつきまして、ボートパーク事業だけでなくて、民間事業者の協力あるいはPFIの導入、それから、遊休地や低利用地あるいは未利用地があればその有効活用、そういうことで、幅広く取り組んでいただきたいということを各港湾管理者に通知をしておるところでございます。 さらに、それにしましても、恒久的な受け皿整備は間に合わないというのが実態でございます。これにつきまして、暫定係留施設という名前をつけております。これにつきましては、恒久的な係留施設の整備に相当の期間を要するということで、当分の間ということでございますが、船舶の航行の安全あるいは周辺の地域住民の生活環境の保全、これらに支障を及ぼさない範囲において暫定係留施設の設置を進めていただけないかということでございます。 なお、この暫定係留施設につきましては、マリーナ等々の恒久的な係留施設の整備が進捗した段階では、それは縮小あるいは廃止するという考え方でございますが、当面の間をしのぐために、こういうことについても港湾管理者にお願いをしておりまして、前向きに検討していただいておるところでございます。
○日森委員 まだ質問する前の答弁を先にいただいてしまいました。実は、私の方で、保管施設の整備が整うまでの間、適当な保管水域を用意して一時的に保管させる暫定保管許可制度みたいなものをつくったらどうかという御質問をしようかと思ったのですが、このレジュメが行っているようで、まあ時間が省けて大変結構ですが。ぜひ、そういうことをやりながら、不法係留を少しでもなくしていくという方向で努力をしていただきたいというふうに思っております。 それから、次の質問に移ります。 去年の六月に「プレジャーボートの所有特定制度と保管場所確保の義務化に関する提言」というのが出されました。もちろん、これがすべてで今度の法律ができたということではないと思いますが、今回の法改正では、この提言で言われている中の、所有者の特定については確かに制度化をされたんですが、保管場所の義務化ということについては積み残された問題になっているわけです。 提言の中でも今後の課題というふうにされていますけれども、今度の法律の中で、この保管場所を確保することを義務とするということが法律に盛り込まれなかった経過について、お伺いをしておきたいと思います。
○風岡政府参考人 保管場所の義務化につきましては、この制度の中で盛り込んでいないわけでございますが、先ほど先生御指摘をいただきました、検討懇談会の取りまとめました中間報告におきましても、将来的な課題というような位置づけがされたわけでございます。 保管場所の確保の義務化につきましては、先生御案内のとおり、プレジャーボートの保有隻数に対しまして現在の収容能力が著しく不足している、こういう状況でありますので、現時点で義務化をするということをしたとしても、なかなか放置艇の解消問題というようなところまでにはいかない、こういった実態があります。 私どもとしましては、その上でまず、係留保管能力の向上を図っていくということがとりあえず重要だということで、そのために最大限の努力をしていくということが必要であるというふうに思っております。その上で、先生御指摘のような保管場所の確保の義務化の制度については、係留保管施設の整備の状況などを勘案して、必要なときに、またそういったものの制度化ということをぜひお願いをしたい、このように思っております。
○日森委員 確かにそのとおりで、今それをやったら大変な話になると思うんです。 問題は、保管場所確保の義務化ということについては、これはもう避けられない課題じゃないかというふうに思っているんですが、その辺についてちょっと。いつやるかというのは別な話ですが、将来の問題として、これはいつまでも今までのような形で放置しておくことはできないというふうに私も思っているんですが、その辺の見解についてお伺いしたいと思います。
○風岡政府参考人 先生御指摘のように、所有者の特定制度というのと保管場所の確保の義務化というのは、ある意味ではセットなものだというふうに思っております。 事情としましては先ほど申し上げましたような事情で、同時に実施をするということが、現状では必ずしも実態がそうなっていないということでございまして、私どもとしましては、係留保管能力を高めることによって、もう一つの柱であります保管場所の確保の義務化という制度を、当然、できるだけ早く追いかけていかなければならない、このように考えております。
○日森委員 もう時間がなくなりましたので、ちょっと一つ質問を飛ばします。 最後になりますけれども、滋賀県、大きな琵琶湖がある滋賀県では、法定外目的税で小型船舶湖面利用税というのを取ろうじゃないかという相談というか検討をしているそうです。ハードルは大変高いので、これは実現できるかどうかは別の問題なんですが、確かにそうでもしないと、大変厳しいということなので、例えば、こういう検討がされてくると、各自治体の中で、小型船舶から少し税金を取って地方財政の足しにしよう、課税自主権ということが分権の中で言われているわけですから、こういう話が出てくると思うんです。 一つは、こういう、地方が小型船舶に課税することについて、政府としてどんなお考えをお持ちなのか。また同時に、政府として、この小型船舶への課税についてどんなふうに考えていらっしゃるのか。 それから、これはもう先ほどからお話が出ました。民主党の大谷さんもお話になっていました。四十五万隻のうち三十五万隻はガソリン税、揮発油税を払っているんだ。これは、どうも道路特定財源に行ってしまって、海に使ってもらえないんじゃないか。このお金を、道路特定財源、三十五万隻分は税金を払っているんだから、マリーナの整備だとかいうところにきちんと使わせることができないのかどうなのか。これは、負担と受益ということを考えれば、むしろ当然と言えることなので、それについてお考えを、泉副大臣でしょうか、お願いしたいと思います。
○泉副大臣 三点についてお尋ねがあったと思います。 今、国で、小型船舶に税をかけるというようなことを考えておるかというお尋ねがございましたが、私どもとしては、今のところは、課税をしようかというような検討をまだいたしておりません。 我々としては、海洋レジャーの振興という事柄が一方にはございますし、るる御指摘がございましたように、保管施設を安く提供するという、このことも大きな使命でございます。それぞれの方々にとっては貴重な財産でございますので、いかなる条件下でも、その小型船舶を安全に守ってあげなければならない。そういたしますと、どうしても、防波堤等に過大な投資が要るというようなこともございまして、まだまだ欧米等の静かな波のところと、日本での海象条件の厳しさからしますと、保管料を安くするというようなこともなかなかまいらないところがあるわけでございます。しかし、御指摘の点については、一層またこれからも考えてまいりたいと思います。 それから、滋賀県で法定外目的税の課税について御検討をいただいておるということは、私どもも承知をいたしております。まさに琵琶湖を守るための諸々の施設をするために幾らかの御負担をいただこうかということで、御検討をいただいているやに承知いたしておりますが、まだ、私どもの方にそのような御相談は来ていないというふうに承知をいたしております。御相談がありましたならば、その使途あるいは目的等も含めまして、我々として検討してみたいと思っております。 それから、道路特定財源の話につきましては、これまでも、受益と負担という考え方、そしてまた、道路の整備がまだまだ十分でないというような多くの方々の御指摘もありました。しかし、先ほど大臣が申し上げましたように、聖域なき改革ということを言っておりますので、御指摘のございましたような事柄も含めまして、白紙でこれからも国土交通省として検討してみたいと思います。
○日森委員 委員長、時間どおり終わりました。 どうもありがとうございました。
○赤松委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○赤松委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 小型船舶の登録等に関する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○赤松委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○赤松委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○赤松委員長 次回は、明六日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時一分散会