国土交通委員会 第17号
- 発言数
- 208 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2001/06/01
会議録
○赤松委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、自動車損害賠償保障法及び自動車損害賠償責任再保険特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省道路局長大石久和君、自動車交通局長高橋朋敬君、警察庁交通局長坂東自朗君、金融庁総務企画局審議官渡辺達郎君、金融庁総務企画局参事官田口義明君及び財務省主計局次長藤井秀人君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○赤松委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○赤松委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。倉田雅年君。
○倉田委員 おはようございます。自由民主党の倉田雅年でございます。 通称自賠責と申しておりますけれども、自賠責法関係についてお尋ねを申し上げます。 昭和三十年に自賠責保険が創設をされまして、国がそのうち六割の責任を持つという再保険制度がつくられたわけでございます。これは、被害者救済を確実にするという目的と、それから当時の経済情勢からして、保険会社に全部の負担をかけることがよいのかどうか、責任を負わせることがよいのかどうか、そういうことで政府が再保険をする、こういうことになっていたと思います。 実は私は、三十年間くらい弁護士をやってきておりまして、昭和四十年代の初めころ非常に交通事故が多かった、その中で、この自賠責法は比較的上手に、うまく機能してきたのではないか、こういう経験を持っております。殊に支払いの最高限度額が、当初三十万円だったものが、何回かの改定の末二千万円台に乗りまして、二千万円、二千五百万円、それから現在三千万円でございますけれども、二千万円台へと入ってから、この自賠責保険がしっかり運用されたがゆえに、交通事故訴訟の方が減少したという現象もございました。そういうわけで、よく機能してきた制度でございます。 この制度が、今回、政府の行う再保険の部分を廃止するという大きな改革がなされる、こういうことになったわけでございますけれども、一体この再保険の廃止ということ、これにはどのようなメリットがあるとお考えになっておられるのか、大臣にお伺いできればと思います。
○扇国務大臣 おはようございます。 今御質問をいただきましたけれども、倉田先生は弁護士として、既にこの自賠責の今までの経緯と、そして実事として携わっていらして、大変順調に来たといいますか、そういう御経験を吐露していただきましたので、私はああよかったなと思っております。 今回は、よりこれを簡素化しようということで、先生も御存じのとおり、今までは、保険会社が国に対しまして支払いの審査を受けるということになっておりましたけれども、今回は、再保険を廃止することによって事務が大変簡素化されるということも、私は大きなものだろうと思います。それが一つでございます。 今般の政府再保険の廃止は、保険会社の担保力が向上してきていますために、先生はもう実事を御存じでございますけれども、再保険によって保険会社のリスクヘッジを図る必要は既になくなっている、こういう現状の中では、今廃止しますと、先ほど申しましたように、コストが大変削減される、経費が削減になるということも、私は大きな意味であろうと思います。 また、従来、自賠責保険の支払いなど全件数を審査してきたわけですけれども、今度はそうではなくて、保険金の支払いの適正化の方法を事後チェックに移行するということで、大変スピーディーな処理が図れるのではないか、そのように思っております。 また、単年度の保険収支が赤字であるのは、保険料の抑制のために累積運用益を取り崩して保険料を政策的に低くするためではありますけれども、このことと再保険廃止とは一切関係がないということを御理解いただきたいと思います。
○倉田委員 事務の簡素化ということ、それから事前チェック、これは年間百二十万件行うわけですから、再保険を支払う際に政府が行う事務だけでも相当な事務量であった。その部分を、一定の死亡事故あるいは重度後遺障害事件にのみ限っていく。この事務の簡素化に役立つことはよくわかります。 いわゆる国の行政改革の一環という側面も持つのではないか、こう思うわけでございますけれども、問題は、そのように全面的に政府が後押しをしてきているからこそ、国民の側といいますかユーザーの側は、強制保険という形で加入を義務づけられているわけですけれども、一方、その意味で政府がきちんと後押しをして再保険をしてくれている。すなわち、保険金の支払い、これはユーザーにとっては損害賠償義務の履行ということになるわけですけれども、これが確実に行われるという信頼感があってこの強制保険に入ってきた、こういう側面があるのじゃないかと思うのですね。 そこで、もはや民間会社である保険会社に任せてしまってもと、保険会社の方が資力がついているから、リスクヘッジを政府がする必要はない、こういうお話でございましたけれども、そうはいっても、保険会社も民間会社である以上は、倒産をしないとは限らないといいますか、第一火災が倒産した例もございます。そういうことで、果たしてユーザーの側に、国の後押しがなくなっているという意味で不安がないか。支払いが確実だということについての従前のような安心感がなくなるのではないかという点がちょっと気になるのですが、いかがでございましょうか。
○扇国務大臣 それは大事な点だと思います。 先生も法案をよくごらんいただいて、既に御承知であろうと思いますけれども、自動車損害賠償責任再保険特別会計、特会でございますけれども、これが今まで、自賠特会の場合は、運用益が約二兆円ございました。今後、これを一部改正しましても、特別会計の運用益をユーザーの保険の負担の軽減に回す、そして被害者救済には、安定的な二本柱のバランスをよく保つということと、それから保障事業というものは、例えばひき逃げだとか無保険車による事故の損害を補てんするというようなことは、今までどおり存続させる。 そして、今申しましたその二兆円の使途でございますけれども、この二兆円をどうするかということですけれども、国において従来から年間約百九十億円の被害者救済措置をしていたわけでございますけれども、この運用益の二十分の九、約九千億円、これは、長期の預託金利が約二%でいきますと、従来の百九十億円程度を必ず確保できる、そういう可能性がこの二兆円の中で出てきたわけですね。 そのために、今先生がおっしゃいますように、倒産したときとか、民間にしたら切られておかしくなるんじゃないかということも、別途これは補償されるというふうにお考えいただければいいのであろうと私は思いますし、政府の再保険は廃止いたしますけれども、自動車事故による被害者の保護はなされるというふうに御理解いただいた方がいいのではないかと思います。
○高橋政府参考人 お答えさせていただきます。 大臣の方から、今基本的な点についてお話ございまして、再保険を廃止した後の姿について不安のない旨の御説明がございましたけれども、少し補足させていただきたいと思います。 自賠責保険に関しましては、まず不安のないという点で申し上げますと、先ほど大臣からもお話ございましたけれども、保険会社の担保力が向上してきているということとか、それから自賠責につきましては、今自賠法の中で共同プール制というのがございまして、各保険会社間のリスクを平均化する、それから保険収支の均衡を図る、そういう仕組みができております。 それから、さらに、個々の保険者に関して申し上げますと、保険業法に基づきまして、自賠責保険の支払いに必要な資金につきましては、損害保険契約者保護機構というところがございまして、一〇〇%補償されることになっております。 そういう意味では、現在はリスクヘッジのための仕組みは整ってきているのではないかというふうに考えているところでございます。
○倉田委員 民間会社である以上倒産する可能性がないではないという私の質問に対しまして、要するに損害保険契約者保護機構、これがあるんだ、そういうことで最終的に支払いは確保されるんだ、こういう理解でよろしゅうございますね。 そこで、次の質問に移りますけれども、現在いろいろなことが、規制緩和とかあるいは官から民へと移行ということが、これは方向として正しいということで言われております。しかしながら、今回の改正においては、保険会社は、自賠法の二十五条のノーロス・ノープロフィットの原則、これを相変わらずしょっているのではないか、こう思うわけです。 保険会社といえども、いかにこの自賠責という、社会保障的な意味を持った、いわば公共事業に近いようなことをやるにしても、利潤を得てはいけない、こういうことは、株式会社である保険会社としては、本来自由主義の原則からいって果たして受けられるものなのかどうか。 現実には、自賠責保険を取り扱うことによって任意保険も行うことになりますし、またそうした保険関係の顧客がふえる。これをやらなければ損保会社として成り立たない、さまにならないというような要素がございますからノーロス・ノープロフィットでも保険会社は受けるんでしょう。 原理的な考え方からいくと、確かに、強制保険でございますから低料金に抑えておかなくちゃいかぬ、保険料を低く抑えておかなきゃならぬという大きな要請はありますけれども、一方で、利潤を追求するはずの会社にこういうことを押しつけておくことが、原理的にはどこか問題はないのかな、こんなことを考えますが、いかがでございましょうか。
○高橋政府参考人 お答えさせていただきます。 自賠責保険というのは、被害者の保護を目的としまして加入が義務づけられているというものでございます。そもそも社会保障的な色彩を持っているというような制度と言えると思います。したがいまして、労災保険のような公的機関が実施する保険に準じまして、保険者が利潤を得て行うべきものではないというような考え方に基づいて、ノーロス・ノープロフィットという原則になっているわけでございます。もちろんこの中には、保険会社の取扱社費というものを含めてノーロス・ノープロフィットという考え方になっているわけでございます。 この制度をつくるときに、国による事業ということも当時は議論されたというふうに承知していますけれども、民間の保険会社の活力を用いて自賠責保険を効率的に行うという考え方もございまして、これに基づきまして現在の制度ができ上がったというふうに承知しております。
○倉田委員 公共事業でも何でも、民間会社にやらせる以上は適正な利潤を与えるというのが一般論じゃないかと思うのですね。それと比してみると、どうなんだろうなということを考えるわけです。 ちょっとまだその辺正確なお答えになっていないように思いますけれども、もう一度お願いできますか。
○高橋政府参考人 この自賠責保険、確かに民間会社に、言うならば保険の受け付けをお願いし、一律の支払い基準に従って支払うということなので、民間、いわゆる利潤を得てやる民間の企業という意味では、非常に一つの制約の中での民間の活力ということにはなると思います。 確かにこれはいろいろな御議論があるんだろうと思いますが、ここは、一つの社会保障的な物の考え方、制度であるということと、それから民間の活力ということを、二つ兼ね合わせたような制度ということでこの制度ができ上がったというふうに承知しているわけでございます。
○倉田委員 民間にできるものはみんな民間の方へと移行しようじゃないかという考え方があるわけですが、私は、民間にできるかできないかという問題と、それから、事業が本来国が責任を持って行うべきものなのかどうなのかということが混同されてはいけないという考え方でこういうことを言っているわけなんですけれども、まだちょっとお答えがはっきりしなかったように思います。 要するに、社会保障的な、あるいは公共事業に近いような性格を持った自賠責ではあるけれども、だれがどのようにやるのが被害者救済という目的に最も効率的に資することができるか、こういう一つ大きな観点から物を考えれば納得ができないわけではないのですが、いかがでございましょうか。
○高橋政府参考人 重ねての御質問で恐縮でございますけれども、この制度のつくり方については、確かに、先生のおっしゃるような、民間の活力をどのように十分に発揮する制度にするのかという視点もあろうかと思うのですけれども、この制度が持っております、事故に遭った被害者に対して一律に補償するという社会保障的な部分というものをうまく機能させるためには、先生おっしゃる自由主義的な企業活動というものにある程度の制約が加わるわけでございますけれども、そこは、二つの考え方をうまくマッチングさせるというふうな考え方だと思います。 あわせまして、自賠責というのは、それだけで商売をしているわけではなくて、任意保険もあわせてとり行っておりますので、保険制度全体として、民間会社が事業を行うこともできるということも考え合わせますと、このような制度もやむを得ないのではないかというふうには思っているところでございます。
○倉田委員 例えば、鉄道なんかを考えましても、民営化をしてしまうと、赤字路線を民間会社がちゃんとやってくれるかな、こういうことが論議されましたね。それから、郵便の問題にしましても、もし民営化した場合に、果たして離島へと、採算の合わない事業もやってくれるのかな、こういう疑問も出てくるわけです。 しかしながら、その場合には、鉄道にしても郵便にしても、その事業全体として、例えば、都会では郵便はもうかっていますよ、都会では鉄道にたくさん乗ってもらえますよ、全部をならせば利益の出る仕事だ、こういうことで民間は受けるのだと思うのですね。 ところが、この自賠責の部分に限って言えば、全く利益を出してはいけない。しかも、大臣懇談会の報告書なんかを見ていますと、さらに、保険会社の経費分に当たる付加保険料を合理化して引き下げることを検討すべきであるなんということを言われるわけで、つまり、全く利潤のない世界、これを民間に受けさせることがいいのかという疑問を私は持ったわけです。 ただ、この改正の経緯の中で、経団連が当初、そろそろ改正してくれて結構だ、再保険をやらなくて、民間に任せてくれて結構だということを言い出した。経団連にそれを申し出たのは損保協会である、こういうふうに伺っておりますので、現実問題としては、私の質問は単に原理的な質問ではないかということになることはよくわかっているのですが、要するに、何でもかんでも官が全く手を放してしまうことがいいのかどうかという全体的な疑問から申し上げたわけでございます。 次に、適正経費の中でやれ、適正原価の中でやれという原則のもとに利潤会社がやるわけですから、ともすれば、支払いの方で本当に適正にやってくれるかどうか、これをやってくれませんと制度の本来的な趣旨がどうにも貫徹できないわけでございますので、この辺についてどのような手当てがなされたのか。先ほど大臣から少しお答えいただきましたが、ちょっと具体的にお話し願えますでしょうか。
○高橋政府参考人 お答えいたします。 今回の法案におきましては、支払い基準に従いました支払い、それから保険金の支払い等の際の被害者などへの適切な情報提供、これを保険会社に義務づけております。それから、死亡事案などの重要事案につきまして、国土交通大臣へ届け出を求めましてこれを審査いたしますが、これによって支払い基準等の違反が認められる場合には、保険会社への支払い適正化の指示というものを行うことにいたしております。このような措置によりまして、支払い適正化を図るために、保険会社を適切に監督できるというふうに思っております。 また、保険の支払いに紛争が生じた場合に、弁護士、医師等の専門家が紛争を処理する紛争処理機関というのを設けまして、国はこれを適切に監督することになっております。これらの措置によりまして、保険金の適正な支払いを確保し、被害者保護が十分に図られるのではないかというふうに考えているところでございます。
○倉田委員 支払い基準を法定化して、保険会社に支払いを義務づける、これが根幹でございます。なおかつ、国土交通大臣に対して被害者の方から申し出ができる。あるいは、紛争解決機関を新たに設置する、中立的なものにするんだ、専門家も入れるんだ、こういうことでございました。 ただ、支払い基準ということを申しますけれども、現在の自賠責の運用では、過失相殺、この点につきましても、被害者の過失が七〇%未満の場合には、自賠責保険を一〇〇%払う。さらに、被害者の過失が七〇%を超える場合でも、加害者の側に若干なりとも過失がありさえすれば、自賠責保険は五割は払われる、こういう扱いがなされているのですね。 ここらのことも、保険会社が払い渋りにならないようにしっかり御指導願いたいと思いますが、いかがですか。
○高橋政府参考人 先生、今御指摘の点につきましては、これは支払い基準の問題になりますので、現在の自賠責で行っているやり方、先生今御紹介していただきましたようなことにつきましては、支払い基準の問題として取り入れてまいりますので、これに従いまして保険支払いを監督してまいりたい、こういうふうに思っております。
○倉田委員 それから、紛争解決機関をつくると言われていますけれども、まず、これは全国に幾つかつくるのか、あるいは大阪とか東京に一カ所、二カ所くらいつくっておいて、あとは書面の審査で行うというような便宜を図るのかという、数の問題と地域性の問題といいますか、それが一つ。 今度の改正の法律の二十三条の六、これによりますと、紛争解決機関は調停を行うと書いてある。調停が行われた場合の、その調停の効力というのはどういうものなのか。この二点についてお伺いしたいと思います。
○高橋政府参考人 まず初めの、組織のことでございます。 紛争処理機関でございますけれども、これは、今後、特にこの機関の提唱者が保険会社でございますから、民間が中心となりましてその組織をつくってまいるということになると思います。 今私どもが承知しておりますのは、本部のようなものは東京と大阪というところに置きまして、それ以外の地域につきましては、全国的な自賠責問題についての相談を受ける窓口をやっておるような、そういう組織がございますから、そういった組織との連携といったものを考えながら、全国的に紛争処理機関の仕組みにアクセスできるような、そういう仕組みをつくるというようなことを考えているというふうに承知しております。 それから、もう一点の、紛争処理機関で行います調停ということでございますけれども、紛争処理機関で行います調停案は、当事者双方が受け入れられた場合には、調停書ということになりますけれども、和解契約と同じ、そういうような効力を持つと思います。 その意味では、いわゆる民事調停法上の裁判所による調停とは少し違っているのかもしれません。確定判決と同等な効力を持つというようなものではございませんけれども、紛争処理機関におきましては、自賠責保険の支払いに関する紛争処理の専門家がおりまして、ここでいろいろな、中立的な、客観的な御審議をいただくわけでありますけれども、それによりまして、迅速かつ公正中立な紛争の解決が図られるといったことを期待できるものだというふうに思っております。
○倉田委員 今の最後のお答えですけれども、要するに、紛争解決機関によって出された調停、これは文書に書かれるでしょう。この効力は何かということ。端的なことなんです。 つまり、今、裁判所の和解とは違うけれども云々とおっしゃられたけれども、裁判所の和解ということであれば、それに基づいていわゆる強制執行ができるわけですね。それとは違うということになると、単なる契約書と同じ効力なのかなというぐあいに思うわけですが、単なる契約書であれば、その契約書に従った履行を保険会社が万一しない場合には、そのままでは強制執行ができないわけですから、その調停書をもとに裁判へと、もう一度かけて強制執行をしなきゃならない。性格が天と地の違いがあるんですね。そのところをちょっとはっきりさせてもらいたい。
○高橋政府参考人 この仕組みを懇談会で議論している際に、保険会社の方から提案があったわけでございますけれども、この和解の持つ意味につきまして、保険会社の方では、この和解については従います、そういう性格のものですというふうに保険会社は思っておりまして、この紛争処理機関の決定というものについて、これを受け入れるというような、そういうものとして受けとめていく、こういうことをはっきり申しておりますので、そういうことを前提としながら運用されていくというふうに思っております。
○倉田委員 要するに、裁判所の和解とは違うけれども、保険会社がきちんと守ってくれるであろう、そういう前提だ、こういうことのようでございますね。 もう時間がないものですから。あと、累積した運用益が尽きた後に保険料が値上げをされるという不安はないのかということもお聞きしたかったんですけれども、ほかの方が聞いてくれるでしょうから、その点は省略しまして、一つだけお聞きしたいんです。 審議会の答申とか大臣懇談会の報告書にもあるんですけれども、近ごろの事故は非常に、これは救急医療が発達したということの結果でしょうけれども、重度の身障者が多い、ふえている。そうなると、介護費用というものが要るんではないか。この介護費用を、今までは保険金の支払いの対象になっていなかったけれども、これも支払いに入れるべきではないかという意見が強く出されております。 これについてどのように対処なさっていくおつもりか、その点だけ、最後にお聞かせを願います。
○泉副大臣 御指摘のように、いわゆる重度後遺障害者等の御家族が大変御苦労いただいておる中で、介護につきましても何らかの手当てができるようにというお話を承っておりまして、我々といたしましても、自賠責審議会の答申などを受けまして、今後、具体的な制度設計に前向きに取り組んでまいりたいと思っております。 十四年四月、もしこの法案を通していただきましたならば、施行に合わせまして政令を改正して、趣旨を実現できるように図っていく所存でございます。
○倉田委員 政令でおやりいただける、こういう御趣旨でございますね。 まだ幾つもありますけれども、時間が参りましたので、これで質問を終わらせていただきます。
○赤松委員長 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○赤松委員長 速記を起こして。 井上義久君。
○井上(義)委員 大臣御承知と思いますけれども、交通事故の件数及び死傷者数、近年一貫して増加傾向にあるわけでございます。特に私は看過できないと思っていますことは、先ほども御指摘がありましたけれども、救急医療の発達によって事故者の生存率が上がった反面、重い後遺症で苦しむ患者、家族が増加しつつあるということでございます。 最近十年間について言いますと、事故件数、死傷者数の増加が約一・三倍であるのに対して、重度後遺症障害者数は、平成元年の九百七十三人から平成十年の千九百四十四人と約二倍の増加になっているわけでございます。 こういう状況を踏まえますと、交通事故のセーフティーネットとしての自賠責制度の重要性は、これまで以上に増していると思うわけでございます。 保険金の支払いを通じた被害者保障にとどまらず、無保険に対する政府保障事業や重度後遺障害者に対する被害者救済事業等、交通事故にかかわる幅広い施策の拡充が今期待されているわけでございます。 そういう認識に立って、今回、再保険の廃止を柱とした自賠責制度の改革を行うわけでございますけれども、まず大臣に、今回の改正、制度改革の目的、特に、今回の改正によってこの法の目的であります被害者の保護救済、これが後退することはないのか。少なくとも一歩前進だということでなければ改正の意味がないんじゃないか、このように思うわけでございますけれども、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○扇国務大臣 今、井上先生からるる最近の事故件数等々、今の社会情勢の中で、車の事故による加害者も被害者も、両方の皆さんにとっては大変大きな問題であるし、これも国土交通省としては、事故自体に対する考え方も私は姿勢として考えていかなければならない基本だと思います。 けれども、今回の法改正につきましては、政府の再保険、御存じのとおり、保険会社のリスクヘッジを図る必要は既になくなっている、そういうことから、今度の規制緩和を図りますためにこれを廃止して、そして保険会社における事務を簡素化する、これが大きな目的でございます。 そしてまた、他方、これまで今先生がおっしゃいましたように、再保険が有していた被害者の保護機能、これを代替して被害者の保護あるいは救済を効率的に進めていく、また、今までの保護制度というものを不安がないようにする。 そのために、一つとして、公正な第三者による保険金の支払いに関する紛争処理の仕組みを設けます。そしてまた、二つ目には、死亡事案等についての保険金の支払いの届け出、あるいは国の保険会社に対する指示等の国による最小限の事後チェックの仕組みを設ける。先ほども申し上げたとおりでございます。そして最後には、保険会社の保険金支払いに関します情報提供の仕組みを設ける。これで私は、今までどおり、被害者の皆さん方の保護とか救済というものが減少されることのないように努めてまいりたいと思っております。
○井上(義)委員 先ほど申し上げましたけれども、少なくとも後退することはない、一歩前進である、そういう観点でぜひ運用をよろしくお願いしたいと思います。 今回、特に経済界からの規制緩和要望を契機にして政府再保険が廃止をされて、それに伴って二兆円の累積運用益、これが被害者対策やユーザー還元に充当されることになったわけでございます。 まず、累積運用益を被害者救済と保険料負担軽減に九対十一の比率で充当することにした、その根拠を聞きたいということと、政府の側に新たな保険の運用益が出てこないことから、被害者救済事業の財源が枯渇をしたり、事業展開に制約が出てくるおそれはないのか、この辺について、当局の見解をお伺いしたいと思います。
○高橋政府参考人 お答えいたします。 政府再保険から生じます運用益につきまして、これまでも、ユーザーによる保険料負担の軽減、それから被害者救済などに充ててきております。今回の制度改正時におきましても、残る運用益につきまして、この二本の柱にバランスよく用いる必要があると考えております。 今回、具体的にこの比率を決定するに当たりまして、再保険の運用益につきましては、ユーザーによる保険料負担の軽減に充てるということを基本といたしまして、運用益を活用した被害者救済などの充実に充てる必要があるということなどを勘案いたしまして、二十分の十一をユーザー負担の軽減に、二十分の九を被害者救済等に充てることといたしたものでございます。 平成十三年度予算におきます被害者救済等の額はおよそ百八十六億円でございますが、累積運用益の二十分の九、およそ九千億円を被害者救済に充てることといたしたわけでございまして、引き続き、安定的な実施が可能と考えております。
○井上(義)委員 なぜ九対十一にしたのかという明確なお答えがなかったのですけれども、少なくとも被害者救済事業の財源は枯渇しないという認識であるというふうに理解しておきたいと思います。 再保険が廃止された後は、保険料の十割、すべてが保険会社で運用されることになるわけでございます。自賠責は強制保険ですから、その保険料というのは一種の公金だ、こう思うのですね。したがって、その運用は厳正で堅実なものじゃなきゃいけないというふうに思いますし、また運用益の活用についても、法の趣旨に沿った、契約者、被害者双方、特に被害者の立場を十分に配慮したものでなければならない、このように思うわけでございますけれども、当局の見解をお伺いしたいと思います。
○泉副大臣 今御指摘のように、強制保険でもございますので、十割を今後保険会社が運用する際にも、厳正な取り扱いをしてもらわなければならないと思っております。 そのためにも、会社は区分経理をするということで、このものはきちんと整理して経理をしていくということでございますので、十割運用を行うとしましても、今後も適切に管理されるというふうに考えておるところでございます。 また、被害者に対して十二分に配慮されたものであってほしいという先生のお話は、我々もそういうことを期待しておりまして、十割を保険会社が運用することになりましても、この保険会社の運用益というものは、こうした被害者保護に一層充てられるものと我々も期待しておるところでございます。
○井上(義)委員 期待しているだけじゃだめなので、しっかりお願いしたいと思います。 その次に、自賠責制度による交通事故のセーフティーネット、この根幹をなすのは、言うまでもなく、適正な損害賠償、保険金が支払われるということであると思います。しかしながら、保険金支払いについては、支払い事案を調査して処理する主体が営利を目的とする損保会社であることから、どうしても保険金が低額に決せられる可能性というものは否定できないわけでございます。 また、一方では、自動車保険を悪用した詐欺行為なんかも、あるいはそれに類似したケースなんかも発生していて、本当の意味で被害者救済を達成するための支払いの適正化というのはなかなか難しい問題だというふうに理解しております。 その上で、今回の改正で、支払い基準の明確化とか保険会社の説明の義務化など、支払い適正化措置が強化されたわけです。これまで、支払い適正化策、さまざま実施してきたわけでございますけれども、その経過とかあるいは実績がどうだったのか、それと、今回盛られた措置の関係はどうなのかということをまず適切に御説明いただければと思います。
○高橋政府参考人 お答えいたします。 これまで、国土交通省では、政府再保険制度に基づきまして、自賠責保険金の支払いに関しまして、一件ごとに支払い基準に従った適切な処理がなされているかどうかにつきまして審査を行ってまいりました。支払い基準に従っていないものにつきましては、過少払いなどでございますが、保険会社などに指摘をいたしまして、追加払いなどの措置を指導してまいりました。 この結果でございますけれども、平成元年から十年までの十年間についてのことでございますけれども、約三千八百件ほどの指摘をし、約五十七億円の追加払いによる過少払いの是正、これを行ってきております。 他方、今後は制度が変わるわけでございますが、公正な第三者による保険金支払いに関する紛争処理の仕組みを設けるとともに、死亡事案等についての保険金の支払いの届け出や、国の保険会社に対する指示など、国による最小限の事後チェックの仕組みを設けます。また、保険会社の保険金支払いに関する情報提供の仕組みも設けるわけでございます。これらによりまして、被害者の保護、救済を効率的に進めることといたしているところでございます。
○井上(義)委員 そこで、金融庁にきょう来ていただいていると思いますけれども、先ほども指摘しましたけれども、保険会社が保険金を不当に低額に抑える傾向があるのじゃないか、不当と言っていいかどうかわかりませんけれども。 例えば、これはよく指摘されていることなんですけれども、自賠責不払いの事例として、死亡事故で異常に高い無責率というのが指摘されているのですね。無責というのは加害者無責ということなんです。一〇〇%加害者に責任が、過失がないということなんですけれども、この場合、自賠保険金は支払われないのですね。 データによると、平成十一年の死亡事故の無責は五百二十七件で、いわゆる死亡事故件数の四・三%が無責だったということなんですね。これに対し、傷害事故の場合は、無責は六千四件で、発生件数の〇・五%。事故の当事者、被害者が亡くなった場合、被害者が生存した傷害事故の十倍の割合で無責というふうに判断されているのですね、亡くなったから証言できないと。これは、常識的に考えてもちょっとおかしいのじゃないかということが指摘されているのですね。 それから、今局長からも答弁ありましたけれども、国の支払い審査で、過去十年間で三千八百十二件、金額で五十七億四千万円の追加支払いが発生している。これは、それだけ保険会社の査定が低かったということになるわけですね。 こういうデータとか、日弁連の交通事故相談センターとか交通事故処理センターに寄せられる交通事故をめぐるトラブルの多さということを考えますと、任意保険、自賠責保険を問わず、自動車保険業務を実施している損保業界の実態とか業態に問題があるのじゃないかというふうに考えられるのですけれども、金融庁、このことについてどういうふうにお考えになっているか、まず見解を伺いたいと思います。
○田口政府参考人 お答えいたします。 御指摘のございました、死亡事案の加害者無責比率が傷害事案に比べましてかなり高いということは、私どもも承知しております。 この要因といたしましては、死亡事案におきましては、赤信号無視でありますとかセンターラインオーバーあるいは追突といったような、加害者が無責になりやすい事故形態の比率が高いということが影響しているものと考えられますが、いずれにいたしましても、有無責の判定が厳正に行われなければならないということは言うまでもないわけでございます。 このため、有無責の認定等に万全を期するべく、平成十年度に、自算会、自動車保険料率算定会に審査会と再審査会を設置いたしまして、死亡事故や傷害事故で被害者が事故状況の説明ができない場合で保険金が支払われないか減額される可能性がある事案、こういったものにつきましては、より慎重な審査が行われているところでございます。 また、損害調査に当たりましても、自算会におきましては、例えば被害者が死亡いたしまして加害者側の証言のほかに証拠がないような場合等におきまして、加害者側の証言のみに依拠して被害者に不利な判定はしないということにしておりますが、この方針を今後とも堅持いたしまして、被害者の立場に十分配慮した損害調査を実施していくことが重要と考えております。 さらに、今般の自賠責保険の見直しにおきましては、これまで御説明のありましたような保険金支払いの一層の適正化を図る観点から、再保険廃止後も、死亡や重度後遺障害にかかわります事案等一定のものには、引き続き行政によるチェックを行うということにしているわけでございます。 それからもう一点、御指摘のございました国の支払い審査の結果等の点でございますが、自動車事故が発生した場合の損害賠償につきましては、基本的に当事者間で交渉がなされるものでございますが、個々の事故におきましては、さまざまな要因が絡んでおりますので、損害額や過失割合等につきまして当事者の主張に差があるようなケースも往々に見られるわけでございます。 今般の自賠責保険の見直しにおきましては、保険金の支払い基準を省令で定めて明確化するとか、あるいは紛争処理制度を充実させるといったような保険金支払いの一層の適正化を図ることとしているわけでございますが、金融庁といたしましても、保険会社の業務の運営に問題があるような場合におきましては、保険業法に基づきまして適切な監督を行ってまいりたいと考えております。
○井上(義)委員 今回、自賠責保険の実務の大半が保険会社にゆだねられることになるわけでございまして、強制保険という公的保険を担うわけですから、保険業界、こういう機会にしっかり襟を正して、保険実務について国民の信頼が得られるような自己改革が必要じゃないか。 保険業務の情報の非開示だとか、示談交渉のときのさまざまな言動とか、いろいろな声が寄せられておるわけでございまして、こういったことについて、業界を所管するのは金融庁でございますから、今後どう指導していくのかということを、重ねてもう一回ちょっとお聞きしたいと思います。
○田口政府参考人 お答えいたします。 契約者の方々からの自動車保険の支払いをめぐりますいろいろな御意見というものは、私どもの方にも寄せられてきておりまして、その状況については、私どももできる限り把握に努めているところでございます。 こういった御意見、苦情といったようなものも十分踏まえながら、私ども金融庁といたしましても、保険会社の監督行政に当たりまして、厳正に対応してまいりたいと考えております。
○井上(義)委員 自動車保険にかかわる知識や実情を消費者に、保険契約者ですけれども、事前に周知するということがトラブル回避の有効な方策だというふうに考えるわけです。 自賠責については国土交通省が所管しているわけでございますから、今回の改正でどういう方策を盛り込んでおられるのか、それから任意保険についても情報開示とか情報提供を積極的に進めるべきだ、こう考えますけれども、この点については金融庁に、あわせてお伺いしておきたいと思います。
○泉副大臣 今回の改正によりまして、保険金支払いに関する情報開示がどのようになされておるかというお尋ねでございます。 まず、保険金等の請求があった際には、支払い基準の概要を請求者に交付するというのが第一でございます。二番目に、保険金の支払いに際しまして、金額の算定根拠を記載した書面を出すということでございます。三番目は、先ほど来御議論がございました、いわゆる無責事故等の理由により保険金を払わないといった場合には、その理由を、これもまた書面で交付するということを義務づけておるわけです。 さらに、被害者から保険金の支払いについて説明を求められるというような場合には、保険会社は口頭ではなくて書面で説明を行うということにさせていただいておるところでございます。 若干、政府参考人から補足をさせます。
○田口政府参考人 お答えいたします。 保険会社におきましては、ただいま副大臣から御答弁がございましたように、保険業法によりまして、保険募集に際しまして、保障内容あるいは免責条項など保険契約の重要な事項を、書面の交付等の方法によりまして契約者等に説明を行わなければならないというふうにされているところでございます。また、本年四月に施行されました消費者契約法におきましても、契約の勧誘に当たりましては契約内容について必要な情報を提供するよう努めなければならないというふうに規定されております。 また、自賠責保険への請求につきましては、一般の方々にとっては大変ふなれな手続でもございますので、情報提供、相談体制を整えることも極めて重要なことというふうに考えております。 このため、自算会におきましても、自賠責保険への請求に関する各種情報を提供するために、受付窓口を強化するとともに、フリーダイヤルの設置等によりまして、相談体制の整備充実に努めているところでございます。 金融庁といたしましても、保険会社等から契約者等に対しまして適切な情報提供が行われますよう今後とも取り組んでまいりたいと考えております。
○井上(義)委員 被害者の救済事業の拡充についてちょっとお伺いしたいと思います。 現在国土交通省が進めていらっしゃいます被害者救済対策事業、療護センターの新設及び増床、それから短期入院制度の創設、介護料支給の拡充などについては、私は大変高く評価しているわけでございます。 ぜひ、引き続き実施の現況を検証しながら、療護センターのさらなる拡充、それから短期入院制度、これは今回創設されるわけですけれども、これの円滑な実施、それから介護料支給対象、これを拡充されるのですけれども、さらにこれを拡充していただきたい。それから、交通事故後遺障害者のための相談窓口、要するに、どこに相談に行っていいかわからないので、相談窓口の設置などについてもぜひ検討していただきたい。被害者救済事業に対する今後の国土交通省の取り組みについてお伺いしたいと思います。
○泉副大臣 被害者救済対策の拡充についてお尋ねがございまして、先生お話しの事柄、すべてが今整っておるわけではございませんが、平成十三年度予算におきましては、御指摘の介護料の支給範囲を拡大すること、また、いわゆるショートステイ、短期入院制度の新しい制度をつくりまして、被害者救済対策を充実しておるところでございます。 被害者救済につきましては、事業の効果や被害者の実情を検証しながら、ほかの社会保障制度との関係も考慮に入れ、財源をより効果的に活用しながら、これからも適宜見直しをしてまいりたいと思っております。今年度は約四十億円、十二年度が約十一億円でございましたものですから、四倍強の費用を充てて被害者救済の対策を進めさせていただいておるところでございます。
○井上(義)委員 窓口設置ということについて今ちょっと聞き漏らしたのですけれども。 要するに、交通事故の後遺障害者、これは非常にふえているわけですよ。このための相談窓口の設置ということを検討してもらったらどうかというお話をしたのです。聞き漏らしたのなら申しわけないのですが、もう一回。
○高橋政府参考人 今御指摘のような点も含めまして、充実について検討してまいりたいと思います。
○井上(義)委員 それから、高次脳機能障害。泉副大臣、御案内と思うのですけれども、脳に障害があって、見かけは正常に見えても言語とかあるいは記憶障害とか、私も患者の皆さんといろいろ救済ということについてこれまでずっと話し合ってきたのですけれども、高次脳機能障害の喫緊の対応として、いわゆる認定システムの確立を鋭意進め、高次脳機能障害の認定をことしの一月から実施されたというふうに聞いているわけです。 システム検討の経緯と現在の認定実施状況について報告いただきたいということと、それから、新たに認識されるようになった障害なのですけれども、過去の事故にさかのぼって認定されるような仕組みとなっているのかどうか、このことについてお伺いしたいと思います。
○高橋政府参考人 お答えいたします。 高次脳機能障害というのは、最近になって、脳外傷に起因する後遺症であるということで認識されるようになってまいりました。このため、本年の一月から、自動車事故による高次脳機能障害につきまして、新たに医師などの専門家の合議によりますところの審査を行いまして、後遺障害として的確に認定して自賠責保険の支払いを行うということにしたところでございます。 なお、既に後遺障害の認定を受けている者でありましても、再度新たな認定システムによる審査を受けることができることとなっておりまして、また時効の問題につきましても、その起算を弾力的に行うというふうにすることも考えております。被害者救済に欠けることのないようにしていきたいと考えております。
○井上(義)委員 この高次脳機能障害対策については、リハビリシステムの確立とか社会復帰プログラムの検討など、課題が非常に多いわけです。今後こうした課題について、せっかく今回の自賠責法の改正で被害者救済のための基金ができる、あるいは新たな運用益が、これは民間にですけれども、生まれるわけでございます。総合的な対策は、これは国土交通省だけではできないと思いますので、ある意味でお金があるわけですから、関係省庁協力して対策を講じていくということをぜひお願いしたい。 このことについて、最後にちょっと泉副大臣にお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○泉副大臣 約一兆円ほどの運用益をいかに活用していくかという中で、今先生御指摘のような、いわゆる植物人間になられた方、それの介護に携わる方、そうした方々の御苦労に対して、我々としてできることをさらに検討してまいります。
○井上(義)委員 以上で終わります。
○赤松委員長 小池百合子君。
○小池委員 保守党の小池百合子でございます。 自賠責の大きなシステムの変更ということで、私、質問をさせていただくところでございます。 以前、この政治の世界に入る前に、私、大蔵省の方の自賠責の委員会の委員を務めておりまして、何度か出席もして、途中で政治の世界に入ってしまったので、やめたという経緯がございます。ほぼ十年近く前の話でございますけれども、その間に再保険の廃止という大きなテーマに入れかわっていたということに、私はある意味で大変な驚きも感じたところでございます。 今回の大きなテーマとして、再保険の廃止、これは規制改革、規制緩和の点から出てきたわけでございまして、それによる大きなシステム変更ということと承知をいたしております。また、今回の改正によりまして、被害者の保護ということ、これも大きなテーマで、そしてまた、必要な予算の体系をつくっていただいておることに評価をいたしたいと思っております。 まず、指定紛争処理機関についてお伺いをしたいと思います。 これは関係の方々が今回の法改正に当たって一番もめたところだというふうにも伺っているわけでございますが、いわゆるADRでございます。 この位置づけ、そしてその内容がどうなっているのか、そしてまた、所要の監督を行うということになっておりますが、一体どのような形になるのか、先ほどから御答弁があるようでございますけれども、簡潔に、明瞭にお答えいただきたいと存じます。
○泉副大臣 紛争処理機関の問題につきましては、いろいろな御議論をちょうだいしてまいりました。 具体的なあり方については、現在、民間の関係者を中心に検討が行われているところでございますが、民間法人、いわゆる公益法人として設立を予定しておりまして、この法人を自賠責法に基づく紛争処理機関として位置づけるという予定でございます。 そして、この法人は自賠責保険の保険金の支払いに関する紛争処理業務をするわけでございますが、この紛争処理業務をするに当たりましては、いわゆる弁護士、医師、学識経験者などの、交通事故に関して知見を有する有識者が当たる予定となっておるところでございます。
○小池委員 大体何人くらいの体制を考えておられるのでしょうか。
○泉副大臣 これから最終的な人数を確定させていただきますが、約十人以内程度の者を想定いたしております。
○小池委員 済みません。同じ党内なのに打ち合わせが十分できておりません。 効率よく、そしてまた被害者の方からのニーズにも的確にこたえていただける、そういった機関にしていただきたいと感じております。 この再保険の廃止によりまして、例えば損保業界の方は、コストがかなり削減できるということで、約二億円のコスト削減、そういった数値を出しておるんですけれども、これまで政府が再保険をやっていた際には、やはり受け手である当時の運輸省、国土交通省でその職員がいらしたわけでございますね。そういった点から、大体どれぐらいのコスト削減になってくるのか。効率、合理化、そういった点で推計された数字というのはあるんでしょうか。
○泉副大臣 保険会社の方は、いわゆる手続が簡素化するということにとどまらず、各種経費が削減をされるというふうに伺っておりますし、今先生御指摘のように、一部では二億円程度だというふうに承知をいたしております。 国土交通省の方では、今まで百二十万件くらいの審査をやってまいりましたが、今後は、この新しい法律ができますと、事後チェック型に移りますし、その処理がスピードアップするということで、しばらくは移行期間もございますので、具体的に、例えば組織が何人というようなところまではまだ検討いたしておりませんが、我々の体制も相当スリム化できるのではないかと思っております。
○小池委員 スリム化すると同時に、きめの細かい、なかなか難しい話かとは思いますけれども、その点も、役所側の方も御留意いただきたいと思います。 それから、今お話ございました、事前規制から事後チェックへ変わるというお話でございます。 この事後チェックでも、これまでもいろいろ実は問題点があるようでございます。自賠責、いわゆる四割の部分を損保会社が運営をしているということでございます。実際に、けがの程度によりましてそれに必要な保険を払うべきであるのに、この辺が加害者と被害者の間で見方が違うのは当然かと思いますけれども、しかし、客観的に言って、加害者側のニーズというか、なかなかそのあたりに達していない。そういったギャップが出てくることから生じる問題だと思います。 これまでも、いわゆる払い渋りというような問題があったように思います。これは去年の暮れぐらいの報道でございますけれども、このいわゆる払い渋り、十年間で五十七億円あったというふうに報じられているところでございます。 この紛争処理機関、事後チェックということであるならば、また今回の法律に基づいて所要の監督をするということであるならば、こういった問題が起こらないようにしなければならないというふうに思います。 この払い渋りについて、当時の運輸省がしっかりと監督をする、そういった方向になっていたかと思いますけれども、この問題の処理をどうなさったのか、そしてまた、今回のこの紛争処理機関という形をとられた際に、こういった問題にどのようにして対処されていくのか、お教えいただきたいと思います。
○泉副大臣 いわゆる過少払い等につきましては、御指摘のように、少なからぬ事例がございました。平成元年度から十年度までの十年間で約三千八百件、五十七億円の追加払いによる過少払いの是正を国土交通省としてはいたしてまいりました。 今後は、先ほど申し上げました紛争処理機関を設けまして、公正な第三者により適正な保険金支払いができますように、特に死亡事案等につきましての保険金支払いの届け出や、国の保険会社に対する指示等、国の事後チェックの仕組みを設けたところでございます。 また、保険会社の保険金支払いに関する情報提供等は書面で出すというような仕組みを設けて、被害者の保護、救済にはこれまで以上に体制を整えたつもりでございます。
○小池委員 先ほど申し上げましたように、この払い渋りの問題、また、事故が起きたときは、やはり被害者側と加害者側で言い分が違ってくるということはよく起こることでございます。十人体制で紛争処理機関を運営していただくわけでございますけれども、ほぼ多くは機械的な作業で終わるかとは思います。そういった事例については、やはりしっかりとそれぞれの言い分も聞き、そして現実の被害についての調査をし、そして、交通事故ですから本当に突然のことばかりだと思います、そういったことで途方に暮れてしまわれる被害者の方々の救済ということをしっかりとお願いしたいと思います。 それから、自賠責、強制と、それから任意とあるわけでございますね。最近、この一年ぐらいですか、テレビを見ておりますと、損保の自動車関連のコマーシャルが本当に頻繁に見られるようになりまして、それもいろいろな、運転する方々の、どういう人が運転をするのか、事故歴はどうなのか、それからまた、もちろん年齢、この辺はこれまでもそういったカテゴリーでの分け方があったと思いますけれども、損保の自由化を行ったことで、ユーザーとすれば、選択肢が広がったという点では非常にうれしい限りだというふうに思います。 ただ、広告を見ている限りはいいことずくめのようなのでございますけれども、こういっていろいろな競争が行われている、その傾向と、今、国土交通省がこの点について考えておられる、持っておられる、もしくはこれは金融庁になるんでしょうか、これの傾向と問題点について伺わせていただきたいと思います。
○村田副大臣 内閣府副大臣の村田でございますが、お答えをさせていただきたいと思います。 平成十年七月に損害保険料の料率が自由化されまして、そのころから直接、間接的に損害保険の分野で影響が起こりまして、これは自由化で、直接ではないんでしょうけれども、外国系の損保会社が日本に進出するということで、そういう保険会社の数が大分ふえてきたということが一つあるでしょう。 それから、今、小池委員が御指摘なさいましたような保険の商品の多様化ということが一つ挙げられると思います。あれから大変特徴的なところは、人身傷害保険というんだそうですが、被保険者の過失も含めて払うというような保険、そういうようなものも出てきたこと、それから、リスク細分型、つまり、どの地域は事故率が高いからとか、どの年齢層が事故率が高いからとかいって、その料率に格差を設けるような損害保険も非常に普遍化したこと、こういうことがあろうかと思います。直近では、インターネットで募集したりするように、販売方法も非常に多様化しているということが見受けられるというふうに思います。 こうした状況を経まして、損害保険会社間での競争が大変激化しておりまして、ロスシェアといいますか、それも非常に悪化しているようなところも指摘されまして、そういう意味では、損害保険の場合には、事故が起こったときに保護をする、それが万全であるかということが一番大切でございまして、私どもとしては、損保会社の経営の健全化ということに対しましては、モニタリングを通じてしっかりと見ていきたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○小池委員 競争の激化によるプラスの面もございますけれども、激化する余り、損保についてはソルベンシーマージンの方も一〇〇〇を超えているということで、ほかの保険のところとはちょっと違うかと思います。しかしながら、結局、頼みの綱の保険会社が、損保会社が、必要なときになっていたらつぶれていたなどということがありますと、別の保険をまた掛けなくちゃいけなくなるというようなことになってしまいます。その意味でも、そういった自由化につきものの問題ではございますけれども、しっかりと監督すべきところは監督していただきたいと思っております。 次に、今回、二十分の十一がユーザーの方に戻される。これからの計算でしょうから、これがお幾らぐらいになるのか、これは楽しみに待ちたいと思っておりますけれども、あとの二十分の九で、いわゆる被害者の保護という形で振り分けられるというふうに伺っているところでございます。 交通事故の被害者は本当に増加いたしておりますし、また、その結果としての重度の後遺障害に苦しむ方々も急増しているということで、私も、きのうちょっと、後に伺います療護センターについてのビデオも見させていただきました。本当に、ある日突然、なりたくないのにそういう形になってしまうということでございますので、基本的には、まず事故を防ぐというのがあり方だと思います。シートベルト、そしてチャイルドシート等々の話の中で、どうやって生命を守り、そして身体を守るかというような技術的な面、それから教育の面、いろいろあるかと思います。 そういった中で、今回の新しい形での自賠責保険制度が果たす役割は一体何なのか、国土交通省の方としての御見解、また御決意を伺いたいと思います。
○泉副大臣 自動車社会になって、車の安全を確保するということは国土交通省の最大の使命でございますので、安全な車社会をつくるために、あらゆる施策をやっていく考え方でございます。 特に、今回の自賠責保険の制度の改正に当たりましては、今日まで果たしてまいりました昭和三十年以来のいわゆる強制保険という制度の中で、被害者に対する救済ということをやってまいりました。このことは大変大きな役割を果たしたものと思っております。 そしてまた、この運用益の活用によりまして、安全対策という、いわゆる事故を未然に防ぐというための仕事をやりながら、先ほど申し上げましたように、同時に被害者に対する救済策を実施してまいったところでございます。 したがいまして、再保険制度を廃止しました後も、被害者に対します基本的な補償を確保するために、他の関連政策と相まって、社会保障制度等と相まって、自賠責保険の保険金の支払いの適正化に努めていく。自動車交通事故の防止や被害者救済に対しまして、対策の安定的な実施をこれからも図っていく所存でございます。
○小池委員 ありがとうございます。 そして、今回この累積運用益の二十分の九が充てられる被害者救済対策でございますが、先ほど私申し上げました、いわゆる療護センター、これが各地に設置され、そして運営をきっちりと行っていくということは、大変大きな役割を担っていると思うわけでございます。 そしてまた、この点は、やはりさらに重点的に推進していくべきだと思いますけれども、この療護センター、現在幾つ、どこにあって、そしてどれぐらいのことを今後考えておられるのか、その受け入れの状況について伺いたいと思います。
○泉副大臣 現在、療護センターは、千葉、仙台、岡山の三施設がございまして、合計で百三十床の規模を持っております。平成十三年一月現在で百三十床が満杯になっておるわけでございますが、十三年一月末現在で、なお九十二名の方々が入院を待ち望んでおられるという状況でございます。 このため、療護センターにおきます受け入れ体制の整備を進めておりまして、本年七月には、五十床の規模を持ちます中部療護センターを開業する予定でございます。さらに、既存のセンター内に併設するという形で介護病床の整備を進めることにしておりまして、できるだけ待機患者の解消を図ってまいりたいと考えておるところでございます。
○小池委員 そうすると、この療護センターの位置づけでございますけれども、今回の再保険の累積運用益を活用してつくる認可法人、そこの傘下にあると考えてよろしいのでしょうか。であるならば、パブリックということでございますけれども。 今、国立病院も独立行政法人への方向に行っていたり、やはりパブリックな病院という形態ももう少しいろいろな面で合理化をしていかなければならないのではないか、そういった意見も多く出てきているわけでございますが、この療護センターは、どういう形態、どういう位置づけになっているのか、そして、その効率化の指針について伺わせていただきたいと思います。
○泉副大臣 現在は、事故対策センターという法人のもとでこの療護センターが活動をいたしておるわけでございますが、当然、より効率的な、より機能的なことが一層期待されております。 我々といたしましては、いろいろな手段を講じていかなければならないと思っておりますが、先ほど御紹介しました三カ所のセンターのうち二カ所を民間医療機関に運営を委託しておりまして、残る一カ所につきましても、これは具体的には千葉でございますが、委託を検討しておるところでございます。 また、介護水準を低下させないということも当然のことでございますので、療護センターの運営はなかなか厳しいわけですが、それでも、運営経費を平成十一年度から十三年度の三カ年間で約五・六億円削減することとしておりますし、人員につきましても、三カ年間で十二名を削減するということをやっておるわけです。 厳しい経営を続けると同時に、サービスの内容が低下しないように、本来の目的が達成できますように、これからも我々は取り組んでまいるつもりでございます。
○小池委員 私は、委員長と同じく阪神大震災の被災地の人間でございますけれども、あのとき、いろいろな施設に入っている方、例えば学校とかそういったところに救助された方というのは温かい食事がちゃんと配られたりするのですが、ある意味で自助努力というか、その場所以外にいる方のところには、お水が回らなかったり、食べ物に苦労なさったりとか、いろいろあったのですね。その延長で申し上げますと、この療護センター、先ほども、百三十床で九十二人がウエーティングであると。全体の事故の数を考えますと、到底間に合わないということだと思います。 その意味で、療護センターに入っておられる方以外のケアというのは、こちらの方が数が多いんじゃないかと思うのでございますけれども、どのような対応をされるのか、伺わせてください。
○泉副大臣 御指摘がございましたように、センターに入れなくて、在宅で療養をしておられる方がございます。我々といたしましても、これらの方々にも何とか支援をさせていただくことが大変重要なことだと思っております。 こうした考え方から、十三年度からは介護料の支給範囲を拡大しておりまして、いわゆる寝たきりというか植物人間という方々だけではなくて、その範囲を広げまして、今日まで約千人であったものを約六千人まで十三年度から拡大をさせていただきました。また、在宅で療養しておられます重度後遺障害者の短期入院、ショートステイを受け入れるような体制も整備しておりまして、介護に当たっておられます方々に幾らかでも負担の軽減ができますように、医療関係の機関を協力病院として位置づける、そして短期介護に要する費用を若干ではございますが支給させていただくというようなことをやらせていただいておるところでございます。 国土交通省といたしましても、こうした措置を通じまして、今後とも、療護センターに入っておられない方、在宅で重度後遺障害でお苦しみの方々に対しましても支援を図っていく所存でございます。
○小池委員 最後に、このケースもそうでございますが、特別会計という問題について伺わせていただきたいと思います。 一般会計というのは、大体、予算委員会で審議もされ、それはそれで見えるわけでございますけれども、今回もこの運用益が二兆円あると聞いて、びっくりもいたしたところでございます。ですから、いわゆる特別会計、三十八のこの会計について、私は、本来こういった国会の場で審議もされなければならないと思いますし、そういったチェックがされるからこそ、緊張感があって、そして直接、間接的に納税者のお金が有効に使われるということにつながっていくと思います。 その意味で、特別会計、もうありとあらゆるものがございますけれども、例の道路の話もございます、年金の話もございます、さまざまな特別会計が、国の予算の大体三倍になっているということでございます。ですから、よく国債の話も出ますし、小泉政権の中で三十兆円の上限云々の話がございますけれども、実はこの特別会計こそ、田中眞紀子さんじゃないけれども、伏魔殿になっているのではないかと思います。 そういう意味で、特別会計の、例えば会計制度の見直し。かつて国のバランスシートということで試みをされたこともありますけれども、なかなか国の予算のことをフローとストックの関係でバランスシート上にあらわすのは難しいということを踏まえてそのトライアルの案が出されたわけでございますが、この特別会計の、制度もさることながら、会計制度の見直しですね。例えば企業会計をもっと入れていくとか、そういった点について、財務省はどういう方向を考えておられるのか、伺いたいと思います。
○中野大臣政務官 財務大臣政務官の中野でございます。 小池先生の御質問にお答えしたいと思いますが、先生のおっしゃった意味、いろいろございますが、私は、まず一つには、特別会計の中身を総点検しろというふうに実は理解して、そういう意味でちょっと申し上げたいと思います。 今おっしゃるとおり、特別会計というものにつきましては、いわゆる特定の事業に対しての事業の収支とそれから受益と負担の関係、これを明確にできるという利点がある。これは御承知のとおりであります。ですから、そういう意味で、一般会計と経理を区分することによってその事業の財政そのものが明らかになる、そういうものについてだけ特別会計をやっている。これは、いわゆる財政法十三条二項の考え方であるわけですけれども、これは御理解いただけると思うのです。 それで、実は十四年度予算におきましても、財政健全化の一歩として、国債の発行額をいわゆる三十兆円以下に抑える。これは今先生がおっしゃいましたけれども、小泉総理の聖域なき構造改革のもとで、あらゆる歳出の徹底した見直しを行う、そういうことになっております。そういう意味で、特別会計についても、一般会計と同様に、予断を持つことなく、先生の御指摘のとおり、適切に総点検、総検討することが必要であるというのが財務省の今の考えであります。 そういう意味で、今先生の方からの、特別会計がいろいろ問題があるということにつきましては、やはりある意味での情報開示というものも必要でありますし、それから、ずっと前にですか、昭和五十九年あたりですか、特別会計についてのいろいろな御提言があって、今までの特別会計と大分財務的にも、例えば自民党が行革本部でもって財務諸表を出せというようなことをやってきましたので、そういうことで大分進んでいるのじゃないかと思うわけでございますので、先生の御心配については、御趣旨は十分わかりますから、それについて的確に対応をしたいと考えております。
○小池委員 結局、やるのですね、早い話が。総点検をやると。
○中野大臣政務官 今おっしゃるとおり、徹底的にこれはやらせていただく。それが小泉内閣の姿勢の中にあって、そうしなければ、やはり聖域なき構造改革をしなければ、これは御理解いただけないと思いますから、この問題についても決して避けることなくやらせていただきます。
○小池委員 力強い御答弁、ありがとうございました。以上です。
○赤松委員長 森田健作君。
○森田(健)委員 森田でございます。よろしくお願いします。 自動車交通の発達は、我が国の経済社会の発展、国民生活において、これはもう欠かせない、そのぐらい重要な役割を果たしております。また、それと同時に、一方で毎年多数の死傷者が生じており、自賠責保険制度を中核とする自動車事故の被害者保護施策の重要性は、ますます増大していると考えております。 ここでお聞きいたします。 保険金の支払いについて、これまで国が再保険制度を通じて適正化を図ってきたものと承知していますが、具体的にどのように保険金の支払いの適正化を行ってきたのか、また制度改正後、被害者保護をどのような点で充実することになるのか、お答えを賜りたいと思います。泉副大臣、お願いします。
○泉副大臣 今日まで、保険料の政府再保険によって生じますいわゆる運用益の適正な使用につきましては、被害者救済に充てる一方で、またユーザーの方々の保険料を少しでも安くという二本立てで使わせていただき、適正化を図ってまいったところでございます。 このため、今回の制度改正に当たりましても、いわゆる残っております運用益につきましては、これまでの運用益の使用の二本柱でありましたユーザーへの還元と被害者保護、この二つをバランスよく考えながら用いることとしたところでございまして、今度の制度改正におきましては、運用益の二十分の九を特別会計において基金的に活用することによって、被害者救済対策を今後とも安定的に実施することが可能になる、このように考えておるところでございます。
○森田(健)委員 運用益に関しては、後ほどまた質問させていただきます。 自賠責に関してはわかりましたが、任意保険の場合になりますと、やはり保険会社は、入れるときは、こう言ったら語弊があるかもしれませんが、なるたけうまいことを言って多く入ってもらいたい、そう思う。これはしようがないですね。ところが、何かあると、どちらかというとなるたけ払いたくない、こう思うのは、またこれはしようがないですね。 だから、その辺において、僕は、金融庁として、こういういろいろなトラブルが生じている、実際ある、どのように対処していくのかな、そう思うのでございますが、お願いいたします。
○田口政府参考人 お答えいたします。 任意保険の保険金支払いをめぐる問題の御指摘でございますが、この点につきましては、基本的には当事者間で解決すべきものではございますが、保険金の支払いに関しまして、当事者間の主張の相違等によりましてトラブルが見られるというのも事実でございます。そういう過程におきまして、保険会社の業務の運営に問題があるような場合、私どもでそれを把握しました場合には、保険業法に基づきまして適切な監督を行ってまいりたいと考えております。
○森田(健)委員 実際、やはり外交員の、言うなれば保険の方の規約なんかも非常に細かく書いてあるものですから、入る人間というのはその外交員の言葉を聞いたところで信じるわけです。そうなりますと、後で、言った言わないだとかいろいろな問題が起きてくるのもまた事実でございますから、その辺を、そういう問題が起こる前にそういう指導をできたならばしてあげることも大事ではないかな、私はそのように思う次第でございます。 さて、累積運用益、二十分の十一を保険料の負担軽減に、二十分の九を被害者救済対策に充てる、泉副大臣は先ほどそうおっしゃっていました。それで、九千億ですか、被害者救済対策、あと一兆一千億をユーザーに返そうと。それで、思ったんです、待てよ、どのぐらい返るのかなと。この間もお役所の人に、わかった、一兆一千億だ、一兆一千億といったらすごいですが、では、どのぐらい戻るんだと、そうすると、一人コーヒー一杯分ぐらいだというんです。コーヒー一杯分。 優しい社会だとか、お互いに助け合おうだとか、そう言っているときじゃないですか。よく地球の温暖化、地球の砂漠化と言うけれども、最近は、人間の心の砂漠化、これを私たち考えなきゃいけないんじゃないかなと。 だれも喜んで事故なんか起こすやつはいないし、だれも喜んで死ぬやつもいないし、けがするやつもいないんです。そして、確かに自分が起こした事故じゃない、あれは隣にいた車が起こしたんじゃないか、おれは関係ないよと。でも、運転している私自身が今度またそうやって事故を起こすかもしれない。ましてや、その被害者に対して、命を失った人、これはどんなことをやったって救済はできませんが、しかし、それにかわるものとして、大変残念ですけれども、やはり、そういうお金だとか救済措置だと私は思うのでございます。 だから、私は、やはりこの社会、特に現代社会において、お互いに助け合う中で、コーヒー一杯分ぐらい我慢しようじゃありませんか、そんなもの。そのコーヒー一杯分をみんなが我慢することによって、この一兆一千億ですか、これを今度は九千億を合わせれば二兆円です、これで被害者の人たちにより一層手厚く講じることができるならば、それこそ私たちはお互いに助け合う、そしてこの車社会、今これは必要なんだ、でも、私たちもできることはやっていこうということにつながるんじゃないか。僕はこれだけは納得できない。もういいじゃない、何とか私はユーザーの方にも我慢してもらいたい。 それと、今までは再保険料として六割、今度は保険会社がそれを運用するようになれば十割運用するようになるわけでしょう、だから、そこで頑張ってもらって、その運用で頑張ってもらって、そしてユーザーの保険料を下げるような努力をしてもらう。 どうですか、泉副大臣、泉副大臣はそれは優しい顔をしているし、にこにこしているのはいいんですけれども、どうお考えですか。
○泉副大臣 きょうの加害者があすは被害者、こういう車社会の中で、先生がおっしゃいましたように、二兆円の金をみんなで被害者救済に充てるべきではないかという御意見も、確かに私は賛同するところがございます。しかし、一方では、もともとこれはユーザーが出した金なんだから全部ユーザーに還元すべきではないかという御意見があることも事実でございます。たとえコーヒー一杯分といえども返すべきだという御意見がございます。 そこで、今日までの運用益の中で、被害者救済に充てさせていただきました実績、それをさらに強化するためにどういうことをやるべきか、また一方では、大きな枠組みとしてございます社会保障制度等との関係をにらみながら、我々としては、このように二十分の十一と二十分の九という形で、お互いにこの運用益の配分について御理解をいただける点、また必要な分が確保できる点としてこのような額を一応想定させていただいたところでございます。 先生がおっしゃいますように、一〇〇%運用益の中で、今度、保険会社が努力をして、また、安全な車社会ができることによって料率を下げる努力は、一層私どもも、また保険会社も、ともに取り組むべき課題だと思います。
○森田(健)委員 泉副大臣、泉副大臣の今表情を見ていると、多分、私の意見に近いんじゃないかなと私は思うところでございます。それは確かに、ユーザーが出したんだからたとえコーヒー一杯でも返せというのは、それはそうだけれども、それはそういうふうに物事を考えていけばそうですよ。でも、例えば、ひき逃げだとか、保険に入っていない人もいるし、亡くなった方もいます。でも、そういう部分で、車社会、もうこれは抜きにして考えられない。その中で、そういう事故が起きた場合、みんなでそういう人たちを助けようじゃないか、そういう気持ちは、ユーザーに還元する、そういう気持ちを超えるものだ、私はそう考えるのでございます。 では、ひとつ田中政務官、今私と目が合いましたけれども、田中政務官のお考えをちょっと賜りたいと思うのです。
○田中大臣政務官 突然の森田委員の御質問でありますが、誠意を持ってお答えをいたしたいと思います。 今、人の心が砂漠化していっている、こういう時代にこそもっとこの運用益を活用すべきでないか、交通遺児だとか、あるいは交通安全対策だとか、あるいは光の当たらない部分にもっと対応すべきでないか、こういうお話だと思っております。 森田議員は、文部政務次官をお務めでありましたから、とりわけ交通遺児の皆さんに対する思いがあるかとも思いますし、あるいは、お父様がたしか警察官だった、このように承っておりまして、そういういろいろな交通事故による悲惨な状況というものも、よく家庭の中でも幼いときから見たり聞いたりした経験があったのだろうと思うのでございます。 私の方も、実は、ちょっと数字的に申し上げますと、一杯のコーヒーの値段というところなんでございますけれども、この自賠責保険は、二カ年で二万七千六百円もらっているんです、一年で一万三千八百円でありますけれども。ずっと計算してみますと、六年間で車一台当たり約一万五千円返す勘定になります。そうすると、月々にお返しするのが二百円。いただく保険料は千円でございまして、千円に対して二百円というのがどうなのかなというところは、実はいろいろと考えがあろうと思うのでございます。またもう一点、低金利時代ですから、運用益というものがどのぐらい確保できるか、こういうこともあるのでございます。 今までも、実は、自動車の事故防止対策に、六項目六十二億円ほど使ってはきているのですね。また、被害者の救済事業、その中には交通遺児対策も入っているのですが、やはり六項目で百二十四億円使っておりまして、百八十六億円は平成十三年度でも予算化をしてきたという経過がございます。しかしながら、今後、モータリゼーションがもっと進展する可能性もあるわけでありますし、いろいろな諸問題が起こってきたときにその対応不十分ということではいけませんので、ぜひ先生の今のお話をしっかりと受けとめて、努力をさせていただきたいと思います。 どうも、いろいろと御提案ありがとうございました。
○森田(健)委員 田中政務官の本当に心強い御答弁、ありがとうございました。 私は別に格好つけて言っているんじゃないんですよ。でも、やはり、ちょっとこのぐらい我慢できたことによってそういう人たちが少しでも救われるようになればいいな、そのような思いから言ったのでございまして、この辺は御理解賜りたいと思います。 それと同時に、今田中政務官おっしゃったように、本当に車社会、これからもより一層煩雑になってくると思うのです。これから、どうしたら影の部分に光を当てて、そして被害者の人たちを少しでも救えることができるだろうかということを私たちは考えていかなければならないのではないかな、そのように考える次第でございます。 さて、次に、先ほども申したように、だれも好んで事故を起こすやつはいません。でも私、こんなことがあったんですよ。 ちょうど二十ごろ、私、俳優の時代、青春ドラマをやっているころで、湘南の方へ行っていたのです。そうしたら、暴走族がわっと来て、私たち、信号青で通ろうとしたときに、向こうががあっと来たわけですね。あっと思って、その車をよけようとして危なくガードレールに激突するようなこと、それは何とか食いとめましたが、あれは激突したら大変でございましたね。私、これは許されないと思うのですよ。どうしても自分自身の過失によって起きた事故なのか、それともそういうことを誘発させるような行為をだれかがしたのか。これは、させる行為をしたというのは、私は許されないと思うのです。 確かに、以前から比べれば、ああいう暴走族、減ってきたこともまた事実でございます。それは、警察庁及び関係所管の皆様、大変な努力をしてきた、これは私は大変評価するところでございますが、最近、そういう暴走族を見てみますと、非常に凶暴化といいますか、凶悪化しております。それとまた、さっき言ったように、そういうことが、直接は何をしなくても、それを避けるために自分自身が事故が起きちゃうということもあるのでございます。 最近、またそのような事故が何回か起きている、暴走族が鉄パイプを持ってどうしたこうしたとか、事件が起きておりますが、夏に向かって、警察庁、これから、加害者の人権を守ることも大切だが、やはり被害者の人権もきちっと守る、言うなればそういう悪いことをするやつは許さぬという態度を、ぜひともそういう気持ちを持って対応していただきたいと私は思うのですが、その辺をお伺いしたいと思います。
○坂東政府参考人 お答えいたします。 暴走族の集団暴走行為等は、委員御指摘のように、国民の平穏な生活あるいは交通秩序を著しく害するものでございまして、警察といたしましても、こうした違法行為に対しまして、交通部門のみならず、関係部門が一体となってあらゆる法令を駆使しながら暴走行為の封圧に向けた取り締まりを行うとともに、暴走族の解体あるいは加入防止等の施策を推進しているところでございます。 また、今後の取り締まり強化に向けまして、今回の道路交通法の一部を改正する法律案におきましては、共同危険行為等の禁止違反の罰則引き上げというものを盛り込んでいるところでございます。 加えまして、暴走族の根絶を図るためには、関係行政機関、学校、地域社会等と連携した対策を講じることが重要であるというように認識しているところでございまして、去る二月の五日には、暴走族に関係いたします八省庁によります暴走族対策の強化についてという申し合わせを行いまして、暴走族への加入防止、暴走族からの離脱指導、あるいは車両の違法改造の防止等について、関係省庁等との連携のもとに総合的な対策を強化していくということにしているところでございまして、委員御指摘のように、また夏になりますと暴走族が蠢動するということもございますので、そういったことを防止するためにも、この六月、七月、暴走族に対する取り締まりというものを強化してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○森田(健)委員 ぜひお願いをしたいです。 でも、これは私の父親が警察官だったから言うわけじゃありませんが、何かあると、あの警察はどうだとか、あれはやり過ぎじゃないかとかなんとかと言う人もいるんですが、これはやはり社会も悪いですよ。ああいう暴走族をあおるような、いや、あいつらは若者のエネルギーを爆発させているんだとか、格好いいじゃないかとか、あの警察、ちょっとあれはやり過ぎだよと。冗談じゃないというんだ。警察は、事故が起こる前に取り締まるんだ。 そういう気持ちも私たち国民は持たなきゃいけないし、これは今度は家庭内の問題にもなるというのです。あんなばんばん音を出されてやられたんじゃ、私が小さいころ、思ったことありましたよ、よし、その暴走族のやつのうちに行って、おれがオートバイに乗って毎日ばんばん音を出してやろう、そうしたら、その痛みというか、本当に、こんなことはいけないんだなというのがわかるだろう。そういう意味においては、私は、文教関係、言うなれば家庭、学校とも連携してこれはやっていかないとだめなんじゃないかな、そのように思う次第でございます。 この間名古屋に行ったら、やはり暴走族いましたよ、木村政務官。木村政務官もそういうことを見たこともあるだろうし、名古屋は道路が非常に幅広いですからね。そういうのを見てどう思うか。木村さん、一般論で結構ですよ、こうしなきゃいかぬなというのがありましたらお聞かせ願いたいのでございますが。
○木村(隆)大臣政務官 私の住まいは商店街の真ん中でございまして、二百メーターぐらい先に五十メーター道路があるのです。そこが暴走族の集結場所でございまして、これから暖かくなりますと、毎晩毎晩十二時になりますと各地から集まってくるんです。 今先生がおっしゃられるように、近所の方から、このうるさい騒音を何とかしろと私のところへよく苦情が来るのでございまして、私も、暴走族が暴走しているところへ、突っ込むわけじゃありません、突っ込むことできませんけれども、あちらは赤でも何でも走っちゃいますから、私、青だと思って通り抜けようと思ったら、暴走族とぶつかりそうになりまして、急ブレーキをかけたことがあるのです。後ろも冷やっとしたようでございますけれども、本当に困ったものだと思っています。 ただ、今警察庁は一生懸命取り締まりをしてくれていますけれども、やはり国土交通省もやれることをやらなきゃいかぬと思うのです。それは、検問で不正改造車取り締まりじゃないかなと思うのです。 今、千人しかいないのです。全国で八百カ所、年間に七万二千二百台調べたうち、一万台ぐらいを検挙しているのですけれども、ぜひ先生のお力でこの千人をもっとふやしていただいて、もっといろいろなところで不正改造車を事前に取り締まりできるように、御協力をいただけるようにお願いをしたいと思います。
○森田(健)委員 そうですね。やはり、あと、そういったやつにはもう免許を与えないとか何かしないと、これはもうだめだと私は思いますよ。 それはさておきまして、私は前の委員会でETCの問題を取り上げました。あのとき、モニタリングをやっていると聞いたのでございますが、その結果はいかがでございましょう。
○大石政府参考人 ETCは、本格運用に先立ちまして、モニターによる試行運用を行ってまいりました。平成十二年四月二十四日から平成十三年三月末まで、約二万八千人のモニターに御協力いただきまして実施をしてまいりました。 運用当初には、電波の反射による通信エラーや車両感知器の感度設定不良による感知エラー等のトラブルがございましたが、その後、電波吸収材の設置、ソフトウエアの改良等を行いましてエラーが激減いたしました結果、本格運用への見通しが立ったことから、本年三月三十日から一般の方々へサービスを開始したところでございます。 公団がモニターの方々を対象といたしましたアンケート調査をいたしました結果によりますと、モニターの八五%の方がETCは便利であるとお答えになっておられますし、八〇%の方が今後も継続して利用したいと考えておられ、おおむね良好な感触をちょうだいいたしております。したがいまして、早期の全国展開、さらには車載器の低価格化、ETC割引の実施等、幅広い意見が寄せられておりまして、こういった施策を行っていく必要があると考えてございます。 現在、一部の地域で一般運用を開始いたしておりますが、特に大きなトラブルや事故もなく、おおむね順調な運用となっておりますので、ことしの秋には、東名、名神高速、東北道、全国の有料道路の約六百カ所の料金所にサービスを拡大すべく鋭意準備をいたしておるところでございます。 これらの普及によりまして、料金所の渋滞を大幅に解消するほか、渋滞末尾での追突事故の減少が期待されるなど、交通事故の防止の観点からも、その普及促進を図っていきたいと考えております。
○森田(健)委員 大体、日本は料金所が本当に多過ぎるのですよね。それで、ETCをつけるのはたしか三万幾らだったと思うのですが、私も頼んだのですよ。これはまた、ふえればもう少し安くなると思うのですけれども、大体どのぐらいの値段になると、より一層普及、五〇%以上普及するのか、目安というのはありますか。これは通告していませんが、大体で結構でございます。
○大石政府参考人 価格が幾らになるかという具体的な見通しを持っているわけではありませんが、非公式にメーカー等々の御意見をお伺いしたところ、普及が図られてくれば一万円を切るような価格設定が可能になるのではないかというように聞いてございまして、そういうことになりますれば、我々が用意いたしますETC装着車に対する割引制度の導入等と相まって、さらなる普及が図られるのではないかと考えております。
○森田(健)委員 そうですね。これはやはり一万円ぐらいになれば私は相当数普及するのではないかなと。それと同時に、今高速券を買うと割引がついていますが、そういう部分においても割引を入れたり、そういうことをやっていくならば、私たち使用者としても大変便利であるし、混雑緩和につながるのではないかなと私は思います。 どうもありがとうございました。
○赤松委員長 午後二時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時三分休憩 ————◇————— 午後二時開議
○赤松委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。細川律夫君。
○細川委員 民主党の細川でございます。 それでは、私の方から、今回の改正案について御質問をさせていただきます。 私は、以前から、交通事故によります被害者の方あるいはその遺族の皆さんからいろいろと相談を受ける機会が多かったわけでございます。そして、そういう中で、今回改正案として示されております自賠責の制度が一体どういうふうになるのか、そういうことについて大変関心があり、話題となっておりました。被害者の遺族の方やあるいは被害者の方は、自賠責のことについては、自賠責の制度のいい面、あるいはまた反対に、保険会社による保険金の払い渋りの実態などにつきましてもよく知っております。 そこで、今回の再保険の廃止につきましても、こういう方々が一番不安に思ったのは、再保険を廃止した結果、公的な機関のチェックがなくなれば保険金の支払いが適正に行われないのではないかというような、そういう懸念でございました。 私としましては、リスクヘッジとしての再保険の意味というのはもうほとんどなくなっておりまして、規制改革の一環として再保険を廃止するというのは当然だというふうに思っております。しかし同時に、何とかして遺族の皆さん方が納得のいくような制度設計もしなければいけない、こういうことも考えております。 そういう意味で、今回の改正案が被害者保護の観点に立った運用がきちんとなされていくのかどうか、これから一時間、質問を通じてこういう点について確認をさせていただきたいというふうに思っております。 そこで、お聞きをいたしますが、具体的な問題に入る前に、現在の自動車交通事故の現状と自賠責保険による保険金の支払いなどの実績について、簡潔にまずお答え願いたいと思います。
○高橋政府参考人 お答えいたします。 平成十二年の交通事故による死者数でございますが、九千六十六人でございます。最悪のときが昭和四十五年でございまして、これと比較いたしますと半分ほどに減少しているという状況ではございますが、死傷者数で見ますと、平成十二年で百十六万人ということで増加しておりまして、十年間で約四割ふえているということでございます。また、重大な後遺障害を持つ被害者の方が十年間で二倍、平成十一年度の数字でございますが、千九百三十五人ということになっております。大変深刻な問題だというふうに思っております。 また、平成十一年度の自賠責保険の支払い件数でございますが、約百二十万件、支払い額も九千二百億円に達しておりまして、ともに最近十年間で約二割増加しております。
○細川委員 それでは、次に、政府が平成十二年の三月に閣議決定をされました規制緩和推進三カ年計画、この計画の中で、政府再保険を廃止する前提として五つの条件が示されたということを承知しております。被害者保護の充実、政府保障事業の維持、政府再保険の運用益を活用した事業のうち必要な事業の継続、自動車ユーザー等へのメリット、そして合理的な範囲内のコストによる制度改正、こういう五つの条件が示されたわけです。 そこでお尋ねいたしますが、今回の法律の改正におきましてこの五つの条件がどのように実現をされているのか、お答え願いたいと思います。
○泉副大臣 今お話しいただきましたように、十二年三月の閣議決定に基づきまして本法案を提出させていただいておりますが、その際の前提五条件、第一に、被害者保護の充実ということにつきましては、保険金支払いの適正化のために、現在の事前チェックを廃止しまして、公正な第三者による紛争処理及び国による最小限の事後チェックをするということで対応したいと思っておるところでございます。 第二に、政府保障事業につきましては、引き続き継続をさせていただきます。 第三の、運用益を活用した事業のうち必要な事業の継続ということにつきましては、二つございまして、一つは、自動車事故対策計画に被害者救済対策等の必要な事業を盛り込むこととして、運用益のうち約一兆円を活用して被害者への対策をやってまいりたいと思っております。 第四に、自動車ユーザー等へのメリットということにつきましては、ユーザーの保険料負担の軽減を図るために、やはり運用益のうち約一兆円強を活用させていただくことにいたしております。 五番目の、合理的な範囲内のコストによる制度改正につきましては、今申し上げましたユーザーの保険料負担の軽減を損保会社等を介して実施するということでございますし、また、具体的なコストという計算はなかなか難しいところがございますが、国土交通省におけるこの体制が組織的にスリム化する、そうしたことも考えてまいりたいと思っております。
○細川委員 今のお答えの中にもありましたけれども、再保険廃止とともに被害者保護が後退をするというようなことがあってはならないわけでございます。 交通事故件数は、先ほども説明がありましたように、増加の一途をたどっておりますし、特に重度後遺障害の人たちは急増しているわけでございます。また、療護センターでの治療というのは、ほんの一部しか収容できませんで、介護に当たっております家族の方たちは大変な苦労をされておるところでございます。 この法案の中では、新たに附則の四項で、国土交通大臣は、被害者保護の増進と自動車事故の発生防止のために自動車事故対策の計画を作成するということになっております。 私は、自賠法そのものは被害者保護というのが中心的な目的でありまして、今回の法改正後におきましても、被害者の保護、こういう点はさらに充実を図っていかなければいけない、こういうふうに思っております。 そこで、大臣にお聞きをいたしますけれども、被害者保護の対策について、特にどういうような点について被害者保護を増進させていくか、そういう点についてお聞きをしたいと思います。
○扇国務大臣 今、細川先生の御質問、御論議も始まっておりますけれども、本当に、今の自動車事故による障害を受けた皆さん方、今先生が御指摘になりました平成十二年三月の規制緩和推進三カ年計画、その計画の中でも、政府に再保険廃止の五条件として、今副大臣が申し上げましたとおり、被害者保護の充実というのは明記されたとおりでございますので、私たちも、その被害者保護の充実は国土交通省にとって大変重要な課題であると認識しております。 また、今先生がおっしゃいましたように、特に交通事故によります重度の後遺症の被害者、これは先ほど局長が言いましたけれども、十年間で約二倍に増加しているという事実もございます。 そのために、重度後遺障害者の対策が急がれておりますので、今回の平成十三年度予算におきまして、今までの制度では、例えば重度の中の皆さん方、常時介護が必要と言われる植物人間的なものになってしまった方、これはもう先生よく現場を御存じなはずでございますけれども、支給者数が、十二年度六月現在で八百三十三名だったのでございますけれども、今回、十三年度は、特にこれを重視して、今予測されております予測見込みというのも、重症になる人の予測をするのは大変失礼な話なんですけれども、一応役所としましては、八百三十三名だったものを五千八百名に拡大して、なるべく皆さん方に行き届くようにしようということで、特にこの十三年度予算において介護料の支給対象者を拡大していったということも、被害者保護の充実を図るという意味では、今後、私たちも姿勢が示せるのではないか。 それでも、少ない方がいいにこしたことはありません。もしものときには、そういうふうに対処していきたい。今後も、その時々のニーズにこたえて、我々は、柔軟な考え方をし、できる限りのことに対処していこうと思っております。
○細川委員 ぜひ、被害者保護の充実に向けて進めていただきたいと思います。 そこで、今度の政府再保険の廃止に伴いまして、特別会計の運用益の二十分の九を被害者保護対策や事故防止対策事業に充てるということでございます。療護センターの運営とかあるいは介護料の支給など、むしろ充実をさせていくということが求められているものと思われます。 そこでお聞きしますけれども、今大臣からも、重度後遺障害者を中心にいろいろと重点的にやっていかれるというお話でございましたけれども、その際の財源として九千億円という基金が果たして十分なものであるのかどうか。一方でまた、こういう対策の財源として賦課金のような制度も取り入れるべきではないかというような御意見もございます。 こういうことについて政府はどういうふうにお考えなのか、お答えいただきたいと思います。これは泉副大臣にお願いします。
○泉副大臣 委員御指摘のように、被害者対策のために約九千億という基金で十分に行えるかというお尋ねであろうかと思います。 確かに、いろいろなことを考えさせていただき、より広い範囲で救済をやっていく必要があると思いますが、一方で、社会保障制度というのは大きな枠組みの中で取り組んでいただかなければならない課題もあると思います。 今回の法案におきましては、運用益を保険料負担の抑制を通じてユーザーに還元してほしいという要望も一方にはございました。また同時に、被害者救済のために使わせていただくというそのバランスの中で、今回、二十分の十一と二十分の九というふうに一応決めさせていただいたわけでございます。 今日までの我々が国土交通省としてやってまいりました被害者救済対策の状況から見ますと、今回の二十分の九という、基金的な運用をすることによりまして、今後とも安定的な被害者救済は一応できるという見通しを私どもは考えておるわけであります。 先生最後に御指摘がございましたように、賦課金を財源として、新たにユーザーに賦課金を課して、それを用いて被害者救済対策を実施してはどうかという御意見があることも承知をいたしております。しかし、再保険の運用益約二兆円というものがある中で、新たにユーザーに負担をお願いするということが本当に納得をいただけるのかどうか、危惧するところであります。 また一方では、ユーザーに二億円という益金を還元しながら一方で賦課金を課すというのは、なかなか理屈が合わないと申しましょうか、同じユーザーに一方で返しながら一方では賦課金をちょうだいするということは、理解が得がたいだけでなく、事務的にも非常に効率性を欠く点もございまして、私どもとしましては、今回の二十分の九で被害者対策、救済を全力でやっていきたい、このように考えておるところでございます。
○細川委員 ユーザー還元と被害者保護のバランスの上でというお話でありました。先ほども扇大臣の方からは、重度後遺障害者の人たちをさらに適切に療護センターなどで治療させるというような、そういうことも言われましたけれども、果たして九千億という基金で十分なのかどうなのか。何かバランスで決めたということではちょっとよくわかりませんが、大丈夫でしょうか。
○泉副大臣 九千億というお金が現在の低金利時代で約百八十億から二百億ぐらいのお金を生み出すことになるわけですが、今日まで国土交通省でやってまいりました被害者救済対策、それは、療護センターを設けますとか、あるいはいわゆる植物人間と言われる方々を介護する人々のためにも手当をわずかながら出させていただくというような、範囲を広げてまいりましたその施策の中で考えましたときに、九千億の果実で当面の対応はできるというふうに考えた次第でございます。 大臣が先ほど申し上げました、これからもますますそうした自動車事故の被害者に対します手当てをしていかなきゃならないということは、我々も考えております。 療護センターにつきましても、来月七月にはまた一つつくらせていただくというようなことをやっておりますので、今後とも事故の推移その他果実のありよう等を見ながら十二分に対処できるもの、こう考えておるところでございます。
○細川委員 では、次に参ります。 自動車事故に遭ったときに、被害者の方から見ますと、保険金がきちんと支払われるかどうかというのが大変関心のあるところでございまして、この法案でも保険金の支払いについての適正化措置の規定がございます。 これは十六条の三以下に規定をされているわけでありますけれども、その保険会社などからの届け出と被害者からの申し出というような規定で払い渋りのようなことが十分に防止できるのかどうか。あるいはまた、保険会社が書面によって説明をしなければいけない、そういうことを課してはおりますけれども、この担保をどうやって行うのかということが大変大事なところだろうというふうに思います。 その点につきまして、この改正案の内容のみならず、国土交通省として、具体的な対応も含め、どういうふうにこれを行っていくのか、いわゆる保険金支払いの適正化、これについてどういうふうに考えているのか、聞かせていただきたいと思います。
○高橋政府参考人 お答えいたします。 保険金支払いの適正化措置を盛り込んでおりますが、その効力でありますとかその担保についてのお尋ねがございました。 保険会社から死亡事案等については届け出をもらうことになっておりますが、今私ども、政府再保険下の支払い審査におきましていろいろと審査をしまして、追加払いということを求めておりますが、その実績から見ましても、この届け出につきましては相当の効果があるものというふうに思っております。 それからまた、被害者からの申し出、つまり支払いが基準に従っていないのではないかというようなことからの申し出でございますが、この規定につきましては、支払い基準に従った支払いとか被害者に対する情報提供が保険会社に義務づけられておりますので、これと相まって有効に機能していくのではないかと考えております。 仮に保険会社がこれらの法律上の義務に従わなかった場合、保険会社に対する指示、命令等を行うことが可能となっておりまして、払い渋りを防止する担保は十分確保できるのではないかと考えております。
○細川委員 それらの具体的な運用などについては相当厳しく的確にきちっとやっていただかないと、この再保険の廃止によって、被害者あるいは被保険者の方がいろいろ請求してもなかなかきちんとした保険金の支払いがないということになっては困りますので、そういう点の運用などについては、ぜひ厳格、的確にやっていただきたいというふうに思います。 そこで、次に移りますが、この被害者あるいは被保険者と保険金の支払いをする保険会社との間で紛争といいますか話がまとまらない場合、こうなった場合に一体どうするかということについては、紛争処理機関というのをつくる、こういうふうな制度設計になっているわけでございます。その国の方で指定をする指定紛争処理機関についてお伺いをいたしたいと思います。 保険金の支払いに係りますこういう紛争処理機関ができることにつきましては、私も大いに賛成でございます。保険会社などが保険金を適正に支払うかどうかのチェックというのは大変大切でありまして、紛争処理機関は、独立でしかも中立な機関によって処理されることが望ましいというふうに思います。 現在の制度といたしましては、自算会というのがございまして、この自算会に審査機関としての審査会あるいは再審査会というものが置かれております。また、日弁連の交通事故相談センターというのがございまして、それぞれこの紛争の処理という機能を果たしているわけでございます。 そこでお聞きをいたしますけれども、今度この改正案でつくられますこの指定紛争処理機関は、現在あります自算会の審査会などとは一体どういうような関係になるのか。私は、これらの機関の上位にこの指定紛争処理機関というのが位置をいたしまして、そして整合性のある運営を行うべきだというふうに考えておりますけれども、この点について国土交通省はどういうふうなお考えなのか、お聞きをいたします。
○高橋政府参考人 お答えいたします。 紛争処理機関と自算会との関係についてのお尋ねでございます。 自動車保険料率算定会に設置されております審査会ですが、これは、自算会が行う自賠責保険の損害調査についてより的確な判断を行うために、自算会の内部に設けている仕組み、組織でございます。 一方、今回の紛争処理機関は、自賠責保険の保険金支払いに関する紛争を公正かつ的確に調停する第三者機関でございまして、自算会とはその位置づけも機能も異なるものというふうに考えております。 自算会の内部組織は、自算会自身の適正な損害調査を行うため、紛争処理機関の設置後もその機能を果たしていくことが被害者保護に資するものというふうに考えておりますが、紛争処理に関しては、高度な公正中立性を有する紛争処理機関が、御指摘のとおり、その上位の位置にあるものとして対応していくことが適当というふうに考えております。
○細川委員 紛争処理機関は第三者機関として公正中立ということでやっていく、こういうことであろうかと思いますが、この紛争処理機関に対する被害者あるいは遺族の皆さん方の期待は大変大きいというふうに思います。したがって、この紛争処理機関に対しての国の方の十分な監督と支援というものも必要だというふうに思います。 そこでお聞きをいたしますけれども、国が紛争処理機関を監督することに加えまして、紛争処理機関を運営する財政面については、聞くところによりますと、いわゆる損保会社がお金を出して、財団で民法上の公益法人として設立をして、そしてそれを国の方で指定をする、こういうふうに聞いているわけなんです。そうしますと、紛争処理機関というのは、被害者と保険会社との紛争ですから、その一方の損保会社がお金を出してつくった紛争処理機関ということになると、どうも何となく公正を欠くようなことを一般国民から思われても、これもまたおかしなことになるというふうに思います。 私としては、そういう面で、国の方も財政的な支援もする必要があるのではないかというふうに思いますけれども、その点についてはいかがお考えですか。
○泉副大臣 紛争処理機関が公正中立あるいは独立した機関でなければならないことは、先生御指摘のとおりでございまして、そのためにも、国が十分な監督を行う、あるいは国がその運営に一定の関与をするということが必要であると私どもも考えております。 紛争処理機関は、まさに民法上の財団法人として設立を予定し、それを国が指定するという筋書きを考えておるところでございますが、具体的な財源等につきましては、この紛争処理業務を行う団体の設立を提案しましたのは損保業界など民間関係者でございますので、今、そことの調整が必要だと思っております。 ただ、被害者の皆さん方は国の関与を強く望んでおられまして、金も出す口も出す、わかりやすい言葉で言いますと、そういうことを期待しておられることを私どもは承知しておりますので、そういう方向で、国が運営に一定の関与ができますような仕組みについて、今後のことでございますが、検討させていただきたいと思います。
○細川委員 いわゆる指定法人、紛争処理機関は、第三者機関として独立、中立、公正でなければならないと思いますが、そこの指定法人の役員とか委員、この人たちも、専門の人といいますか、あるいは独立して自由に発言あるいは働きができる、そういう人が必要ではないかというふうに考えるわけなんですけれども、この点について、どういうような方針で臨むのかをお聞きしたいというふうに思います。 この紛争処理機関、国の方で指定をします法人の役員に、監督官庁の役所からそちらの方にいわゆる天下りするようなことは厳に慎んでもらわなければならないというふうに思います。そういう点についてどういうふうにお考えなのか。 また、現在、交通事故センターというのが法律によってつくられておりますけれども、ここの役員、これは八人いるそうでありますが、八人のうち、国土交通省出身が三名、財務省一名、警察庁一名、計五名、八名中五名までが天下りの人たち、しかも、いわば監督官庁的なところから来ているわけです。私は、これはどう見てもよくない、こういうことがあってはいけないというふうに思いますけれども、こういう点の改善をどういうふうにしていくのか。 先ほどお聞きをしました、今度つくられる紛争処理機関、指定法人の役員には天下りはさせないというふうにするのがいいと思いますが、それらについて、一体どういうふうに国土交通省の方では考えているのか、お答えいただきたいと思います。
○泉副大臣 先ほども、紛争処理機関につきましては、中立公正また独立したものでなければならないということを申し上げさせていただきました。ですから、弁護士、医師あるいは学識経験者等を中心としたもので構成されると考えておるところでございますが、そうした中で、官庁の出身者が役員になるようなことがあるのかどうか、また現在の事故対センターの状況から見てどうかというお尋ねでございますが、私どもとしましては、官庁出身者が役員になるというようなことは本当に抑制すべきだ、天下りの場所だというふうに国民の皆様に誤解を受けないように厳正に対処してまいりたいと思います。 また、事故対センターにつきましては、御指摘のように、現在、八名中五名がいわゆる役所のOBでございます。このことにつきましても、少なくとも過半数を超えることがないように、一層努力をしてまいります。
○細川委員 今こういう天下りの問題については、国民の皆さんからも大変厳しい目で見られておりますから、今、泉副大臣から言われましたように、この紛争処理機関については、天下り先ということがないように、ひとつ、ぜひ実行してもらいたいと思います。また、事故対策センターにつきましても、今後善処して、こういうことを是正していくようにお願いをしたいと思います。 続いて、審議会についてお聞きをしたいと思います。 自動車損害賠償責任保険審議会が金融庁の所管で存在をいたしております。今度のこの法律案の改正論議の前まで、この審議会は、保険の料率の決定、このためにのみ開かれていたというような審議会だったと言ってもいいかと思います。しかし、旧自賠法の三十二条には、この審議会は、責任保険に関する重要事項を調査審議し、及びこれらに関する必要と認める事項を関係大臣に建議をすると規定をされておりまして、金融庁所管といっても、国土交通省所管事項についても建議する権限を有していました。 しかし、今度のこの再保険の廃止あるいは保険制度の改正についての議論というのは、この自賠責の審議会ではほとんど行われなかった。どこでやってきたかといいますと、これは旧運輸大臣の私的諮問機関であります自賠責懇談会が中心になりまして、そこでいろいろな議論がなされて、再保険の廃止とかあるいは保険制度の改正などについていろいろ提起をしてきた。それで今度の改正になっていったというようなことだろうと思います。法的な機関であります自賠審というのは、今回のこの改正について後追いの状況になってきた感が強いわけでございます。 そこでお聞きをいたしますけれども、保険料の料率の問題は金融庁、保険金の支払いの適正化あるいは運用益の活用事業は国土交通省だから、いろいろな検討もそれぞれ別個に検討するんだという縦割りの発想ではなくて、保険の根幹にかかわる事項についても、自賠審の中で日常的に議論をすべきだというふうに思います。 特に今回、附則四項で、新たに国土交通大臣のもとでつくられます自動車事故対策計画、これを策定されるわけですけれども、こういうのを策定する場合も、自賠審などの場で議論をする、そういう手続をとることによって透明性を図っていくというようなことが私は大事だというふうに思いますけれども、その点についてはどういうふうにお考えでしょうか。
○高橋政府参考人 お答えいたします。 自賠責制度に関しまして、自賠審において幅広く議論すべきではないかというお尋ねでございました。 これまでも、自賠責制度の改正に当たりまして、自賠審に諮問し、答申をいただいてきておるわけでございます。今回の制度改正に当たりましても、自賠審でも議論を重ねていただきまして、平成十二年六月に自賠審から答申をいただいているところでございます。また、運用益の活用事業につきましても、毎年度、自賠審で御議論いただいているところでございます。 それで、今御指摘でございますが、透明性向上という観点から、今回の法案の内容といたしました自動車事故対策計画、この策定に当たりまして自賠審で議論してはどうかという点でございますが、この点につきましては、所管の金融庁ともよく相談いたしまして対処してまいりたいと思っております。
○細川委員 次に行きますが、今後、自賠責保険につきまして、金融審議会の中に自賠責制度部会というのがあるようなんですが、この金融審の自賠責制度部会あるいは自賠審でこれからさまざまな議論をするに当たりまして、その構成メンバーについてでありますけれども、この制度そのものの中で、この制度に大変ありがたさを感じている、あるいはこの制度の欠陥もよくわかるような、そういう被害者の代表あるいは遺族の代表、そういう人たちが常時、審議会あるいは部会に参加して議論ができるような、そういう形にすることが僕は大変大事じゃないかなというふうに思っております。 そういうことで、これからの審議会の機能を充実する、そのために、今私が申し上げたようなことについて金融庁の方はどういうふうに考えているか、お答えいただきたいと思います。
○渡辺政府参考人 お答えいたします。 先ほど来、自賠審それから金融審の自賠責部会のお話が続いておりますけれども、自賠審で本問題を取り扱っていただいて、昨年の六月に答申をいただいたわけでございますけれども、そのメンバーの中には、全国交通事故遺族の会の会長の方が実際に含まれておられます。それから、その審議の過程で、私の承知しておりますところでは、全国交通事故後遺障害者団体連合会の代表の方から意見を伺っておると承知しております。 それから、今後どういうふうに金融審の自賠責部会なり自賠審を進めていくかということにつきましては、今現在の金融審自賠責部会なり自賠審の最大の課題というのは、この制度改正をきちっと細かいところまでフォローアップしてやっていくということであろうかと思っております。今後、その後でどういうような制度改正なり、どういう課題に取り組むかというのは、今のところはちょっとまだ未定でございまして、今後の委員の選定等は、そういう課題が決まったところで、課題に見合ったような方になっていただく。 いずれにいたしましても、関係の方々からのヒアリングといいますか意見聴取ということは十分にしていきたいというふうに考えております。
○細川委員 自賠審の方には被害者の、あるいは遺族の代表のような方が入られておるようでありますけれども、金融審の方の自賠責制度部会の方にはまだ入っておられないようでありますから、次の、これからこの委員を新しく選任される場合には、先ほども申し上げましたように、被害者とか遺族というのは自賠責制度そのものについて最も深い関係があって、その制度のよさも悪さもよく理解をしている人たちですから、ぜひそういう方を入れて議論をしていただくように、これは強くお願いをしておきたいと思います。 次に移りますが、今度の改正によりまして損保会社の方では保険料の十割を運用するということになるわけでございまして、その点では大変社会的責任も大きいものになるものと思います。 そこでお聞きしますけれども、今後、損保会社などの運用益の活用について、より適正かつ効率的な運用が行われるべきでありまして、被害者の立場をも配慮したものでなければならないというふうに私は考えておりますが、金融庁としてはどのように指導をしていかれるのか、このことについて考えを聞かせてください。
○田口政府参考人 お答えいたします。 まず、自賠責保険事業から生じました保険会社の運用益についてでございますが、自賠法の規定によりまして、その全額を準備金として積み立てるというふうになっております。 また、この積み立てました準備金を取り崩すことができますのは、事業収支の不足の補てんに充てる場合のほか、自動車事故の防止でありますとか被害者対策等、主務省令で定める場合に限定されております。 また、運用益の各年度の具体的な支出内容でございますが、昨年六月の自賠審答申におきまして、その使途をより明確化するとともに、決定プロセスの透明性を高める観点から、審議会でも十分議論を行うようにすべきであるというふうにされております。これを踏まえまして、保険会社の運用益の使途につきましては、従来、日本損害保険協会が、その諮問機関であります運用益使途選定委員会の審議を経まして決定していたところでございますが、今年度分から、審議会にも報告して、その議論を経て決定するというふうにしたところでございます。 今後とも、こうした取り組みによりまして、民間運用益の使途をより明確化し、透明性の確保に努めてまいりたいと考えております。
○細川委員 抽象的な形でお答えいただいたのですけれども、私の方としては、被害者の立場をどのように配慮した形で指導されていくのかということでの質問だったわけなんです。ぜひそういう点を配慮いただきながら、ひとつ指導もよろしくお願いをする次第でございます。 次に移りますが、総合的な交通安全といいますか、交通事故に対する取り組みについてちょっとお聞きをしたいと思います。 この法案の審議の中でも今までも出てきましたように、国土交通省と金融庁の所管が絡まっておりますし、また一般の交通事故対策でも、国土交通省のほかに警察庁もまた重要な仕事をいたしております。総合的な交通安全の施策につきましては、内閣府の方に総理を会長とする中央交通安全対策会議というものが置かれて、いろいろなことをされております。 とにかく、交通事故で亡くなったり傷ついたりする人が大変な数に上っておりますし、また事故もふえている。こういう状況の中で、縦割りの行政でありますと、なかなか適切、的確な施策が打てないようなことも憂慮されるわけでございますので、総合的な施策、これは各省庁が協力をしてやっていかなければいけないと思うのです。 そのために、総合的な取り組みをしていくのに、一体国土交通省としてどういうふうにその点考えておられるのか、この点について、ぜひ大臣にお聞きをしたいと思います。お願いいたします。
○扇国務大臣 先生がお話しになりましたように、平成十二年の交通事故によります死者数、これが九千六十六人と、五年ぶりに増加してしまいました。 残念なことだとは思いますけれども、こういう数字を見ましても、今先生がおっしゃいましたように、交通事故の発生件数及び負傷者数ともに過去最悪を更新したということで、不名誉なことだと思っておりますし、交通事故の現状は大変厳しい状況にあると私も認識しております。 このような状況を踏まえまして、本年の三月、政府として、今先生がおっしゃいましたような交通安全基本計画を策定いたしまして、平成十七年までに、年間の二十四時間死者数、少なくとも交通安全対策基本法の施行以後最低であった昭和五十四年の八千四百六十六人以下にしようという目標を定めていたにもかかわらず、今回、五年ぶりにふえてしまった。 この目的のために、御存じのとおりの道路交通環境の整備、あるいは交通安全思想の普及徹底、安全運転の確保、あるいは車両の安全性の確保、道路交通秩序の維持、そして、救助救急の体制等の整備、損害賠償の適正化と被害者対策の推進等の施策を政府全体として総合的に取り組んでいるところでございますけれども、国土交通省になりましたので、特に総合的な対策が必要である。今までのような縦割りでなくなったわけでございますので、改めて自動車交通の安全と円滑を確保するために、関係省と連携のもとに、多くの施策をとろうとしております。これは、今までと違って、交差点の改良あるいは歩道等の整備、そして道路照明の設置等々、旧運輸省、建設省の縦割りを、一つになったためにすることというのも施策に入れました。 また、車両の安全基準ということも考えまして、このところまたトラックによる事故件数も多くなっておりますので、大型のトラックへスピードリミッターという装置を義務づけようということも内々で今検討いたしております。それは、大型のトラック等々が、九十キロのスピードが出ますと、運転手がアクセル操作を行っても加速ができない、こういう装置でございます。 これはまだ正式にいつというふうには決まっておりませんけれども、今の事故状況等々を考えてそういうこともやって、少しは皆さん方に、運転する方も、そしてお歩きになって被害に遭われる方、あるいは車同士の事故等々、道路そして結節点、渋滞、あらゆるところでの国土交通省としての対策をとっていきたい、またとっているというところでございますので、今後も努力していきたいと思っております。
○細川委員 ありがとうございました。 具体的なことも含めて御答弁がございましたけれども、ぜひひとつリーダーシップをとっていただきながら頑張っていただきたいと思います。 最後になりますけれども、それでは、重度後遺障害の点につきましては、私の先にも質問が出ておりましたからそれは省略するといたしまして、前の、運輸省の自賠責懇談会の報告の中で書かれておりますことについて最後にお聞きをしておきます。 高次脳機能障害の実態について、実態調査をすることによってこれらの実態を把握して、後遺機能障害等級への位置づけを検討していくことを今後の課題として認識する必要があるというような報告が出ているわけですけれども、ここは大変大事なところでありまして、この高次脳機能障害に関しては、医師の診断が大変難しい、外見からなかなかわからないなどで、集中力の低下などもありまして就労できないにもかかわらず後遺障害として認定できないというような気の毒な例も多数聞いております。 これについての現在までの検討状況がどうなっているのかをお聞きいたしまして、私の質問は終わりたいと思います。最後によろしくお願いいたします。
○高橋政府参考人 お答えいたします。 高次脳機能障害というのは、最近、脳外傷に起因する後遺障害であるというふうに認識されるようになってまいりました。このため、本年一月から自動車事故による高次脳機能障害につきまして、新たに医師等の専門家の合議によるところの審査などを行いまして、後遺障害として的確に認定して自賠責の支払いを行うという仕組みにしたところでございます。 この中で、高次脳機能障害を等級表へ位置づけるということでございますが、まだ事例が多くございませんので、今後認定の実績を重ねまして、検討を進めてまいりたいと考えております。
○細川委員 ありがとうございました。終わります。
○赤松委員長 次に、今田保典君。
○今田委員 民主党の今田保典でございます。 実は、忘れもしないわけですけれども、昭和四十年の十月二日、私は当時、おやじとおふくろと私の三人家族で、山形の田舎の方で暮らしておりました。ある日突然、両親が交通事故に遭いましたよ、こういう連絡が入りまして、急いで駆けつけたところ、両親とも即死状態でありました。その当時は私はバス会社に勤めておりましたので、正直言って、加害者的な立場と被害者のはざまに立って非常に苦しんでおりまして、今でも、きのうのように思い出されるわけでございます。 当時は、死亡者に対する保険の補償はたしか百五十万だったと思います。ただ、あの当時は、家を一軒建てるのに、三十五、六坪の家を建てるのに大体百五十万ぐらいで済んだのだろうというふうに思いますね。そういうことを考えれば、一軒の家を建てる費用と人の命が大体平等なのかなというような、今思い出せば、そういう感じがするのです。現在は三千万。確かに私の山形ではそのぐらいですと三十五、六坪の家が建てられるのだろうなというふうに思います。 しかし、当時、私は被害者の立場で、一人だけ残されたわけですので、お金というのは全く頭になかったですね。親を早く返していただきたいというような思いの方が強くて、補償というものは全然頭になくて、無我夢中で過ごしたわけでございます。しかし、そんなこと言ったって亡くなった者は帰らないわけですので、最終的にはお金で解決する、こういうことになるのだろうなということで、心の整理をいたしまして、相手方と妥協した、こういうことになるわけでありますが、その思いを込めて、これからいろいろな御質問をさせていただきたい、このように思います。 言い方は悪いのですが、人の命の値段について、大臣の率直な御意見をちょっとお聞かせいただければ大変ありがたいと思います。
○扇国務大臣 今、今田先生から、本当に、御両親を一時に亡くされたという、しかもそれが交通事故によりというお話を伺いまして、心から改めてお見舞いを申し上げるというか、その当時の御心中を察しますと、私も我が身だったらということを考えますと、お金で済むことではないとおっしゃったのは、そのとおりだろうと思います。 私の近くにいた人も、これは逆に、子供に先に突然亡くなられまして、しかも十八歳という、これからという、楽しみにしていたときに亡くなられて、もうこれから自分は働く意欲をなくした、働くことも嫌、お金も要らない、もう何にも要らないと言った友人もいます。そういう意味で、世の中に本当に多くの人たちがこういう事故に遭って大変悲惨な思いをしている。 私は、今先生百五十万という値段をおっしゃいましたけれども、これが今三千万になっているから少しは気がおさまるのだというものではない、お金で人の命が返ってくるわけではないというのは、先生の今のお言葉で、切実な思いが私にも伝わってまいります。たとえ億のお金を積まれても済むことではないと私は思っております。 先生のように、一人だけ残されてという方もいらっしゃいますし、あるいは働き手を亡くして、奥さんと子供だけで、あすからどうすればいいかという方もいらっしゃいます。そういう意味で、お金で人の命は買えませんけれども、そういう環境の方もいらっしゃいますので、そういう家族の生活の保障ということも考えますと、被害者に対しましては、基本的に、足りる足りないは、それはもう切りがありませんけれども、最低限の補償をされるようにということでは、自賠責保険制度を今後も充実、そして整備してきた、またこれからもしなければいけないと私は思っています。 そういう意味で、今、今田先生の切実なお声を聞き、また今田先生御自身が山形交通に御勤務であったということも私は伺いましたので、まさに加害者と被害者の両方の苦しみを味わわれた声を聞いて、我々も、突然ある日ということに、あすは我が身かもしれないということで、私は、今後もさらに、自賠責の充実とともに、交通の安全を図るという責任の重さを今感じております。
○今田委員 そういう方々が本当に周りにいっぱいいるわけでありまして、交通事故は年間九十万件も起きておるわけでありまして、ドライバーのだれもが事故に遭う危険性がある、また歩行者も、あるいは相手方のいろいろな方々もそういう事故に遭う可能性がある社会情勢だということであります。しかし、先ほど言ったように、お金では解決はできないけれども、やはり最低限度の補償というものはしなければならぬというのは当然でありまして、そういった意味からして、この自賠責制度はまさしく重要な役割を果たしてきたのではないかというふうに私は認識をしているところでございます。 そういう自賠責制度のあり方について、今日まで改革を進めるべくいろいろなところで御検討されてきたんだろうというふうに思いますし、またドライバーにとっても安心してハンドルを握れる社会というものを目指してやってきたんだろう、そういう視点に立って今回の法案が出されたんだろうというふうに思います。 しかし、今回の法案を見ますと、いわゆる運用益の部分を、二十分の十一を負担軽減しよう、さらに二十分の九を交通安全のための施策としてやろうじゃないかというような法案になっておるわけであります。 先ほどから私申し上げたいことは、確かに運用益をユーザーの方々にお返しするということも大切だろうと思いますけれども、今ほどに大変周りで苦しんでいる方々を思えば、何とか交通事故を幾らかでも少なくするというような観点に立った場合、このバランス的なものが本当に正しいのかどうかということを考えれば、若干どうなのかなと言う人もおるわけでございます。 しかし、余計な保険料を納めるということは、これまたよくない話でございますので、そういったことを考えながら、運用益の貴重な財源をいかに交通安全のために使うかという対策を実行すべきであるというふうに私は常々思っておるわけでございます。そういう観点からこれから御質問をさせていただきたい、このように思います。 今回提出された法案には、自動車ユーザーにとってメリットがどのような形で実現されているのか、また、行政改革の一環として政府再保険制度の廃止が行われるということでありますけれども、その廃止の効果、程度についてどうなのかという点について、まず最初、質問させていただきたい、このように思います。
○泉副大臣 今回の政府再保険廃止によるメリットにつきましては、保険会社の立場、それからまた国土交通省としての立場と、分けて考えることが一つあるかと思います。 保険会社につきましては、これまでの手続が随分簡素化される、そしてまた、それに伴います各種経費の削減ができるということが言われております。これは、一説と申しますか、保険会社の方のあくまで試算でございますが、約二億円というような数字も聞かされております。あるいはもっと大きいのではないかという説もございますが、そういう数字が出ておるところでございます。 また、国土交通省は、従来、請求されるすべての案件につきまして、大体百二十万件と言われておりますが、これを一々審査をしてまいりました。これからは、今回の法案を通していただきますと、事後にチェックをするというスタイルになりまして、よりスピーディーな処理が期待できますし、我が方の行政のあり方としても、また新しい姿を生み出していくことができると思っておるところでございます。
○今田委員 そこで、運用益の扱い方なんですが、この法案の内容を見ますと、ユーザーに二十分の十一を還元する、残りの二十分の九を被害者救済に充てる、こういうことになっておりますけれども、この二十分の十一と二十分の九の根拠をちょっとお知らせいただきたいと思います。
○高橋政府参考人 お答えいたします。 自賠責制度には二つの当事者がおられます。一つは、ドライバーであって、同時に潜在的には被害者であるユーザーの方、それから、被害者となられた方、その二つの当事者がおられまして、自賠責の運用益につきましては、従来からこの両当事者のニーズに充ててきたという経緯がございます。 このため、政府再保険の廃止に伴います累積運用益の取り扱いにつきましても、ユーザーによる保険料負担の軽減と被害者救済などの政策的事業の安定的な実施、この二本の柱と申しますか、ここにバランスよく活用するということにいたしたところでございます。いろいろと議論もございましたけれども、結果として、関係者の議論を踏まえると、このようなバランスよくという考え方でまとまったということでございます。 具体的な運用益の配分といたしましては、被害者救済対策等の財源としてその二十分の九を充てまして安定的に被害者救済対策を実施することにいたしまして、一方、自賠責保険の契約に対して交付金を交付いたしまして保険料水準を抑制する方法によるユーザー還元、この財源に残りの二十分の十一を充てるという考え方にいたしたところでございます。
○今田委員 どうもありがとうございました。 先ほどのお話のように、事故に対しての、最終的にはお金で解決しなければならぬということを考えれば、補償制度というのは、あるいは保険制度というのは、大変重要であるわけでありますけれども、ただ、それは、起きたからということの問題でありまして、やはり、事故を防ぐための方策というのが、あるいは努力というものが一番重要ではないのかというのは当然でございます。 この自賠責の運用益を用いまして、事故防止対策事業あるいは被害者保護対策事業というものが今日まで行われてきましたけれども、その概要について、私、不勉強な面もありますので、説明していただければ大変ありがたい、このように思います。
○高橋政府参考人 お答えいたします。 まず、事故防止対策事業でございますが、自動車の安全機能を試験、評価いたしまして安全な自動車の普及を図るということで自動車のアセスメント事業、それから事業用自動車の運行の安全確保を図るための運行管理者の指導講習や運転者の適性診断などを行っております。 それから、被害者救済対策事業ということでは、重度後遺障害者対策としての介護料の支給、療護センターの設置、運営、あるいは交通遺児に対する貸し付けなどを行っております。
○今田委員 私、実はせんだって警察庁に質問したとき、いわゆる交通安全運動について、今のやり方について、余りにもマンネリ化しているのではないかと。 田舎の方では、よく主婦の方が道路に立って、旗を持って交通安全運動をやっております。しかし、よく見ますと、まさしく井戸端会議をやっている状態なもので、本当に交通安全のために道路に立ってやっているのかなという部分がよく見られるんですよね。だから、その点で、今後、やはりもう少しアイデアを出し合って、交通安全というものをみんなでもう一度復習する必要があるというようなことを言わせていただいたわけでございます。 それはそれとして、先ほど大臣からのお話の中に、細川議員の方にお答えになっておったようですが、交通事故の中身を見ますと、トラック関係の交通事故が非常に多いというような指摘をされておるわけでございます。 トラックについては、御案内のように、特に運送業は厳しい経営状態に今陥っておるわけでありまして、どうしても過労運転というものが出ておるわけでありまして、この防止に対する徹底というものが非常に大事な時期に来ているのではないか。 先ほど、アクセルを幾ら踏んでもスピードが出ないようなものを取りつけようということで検討されているというお話がありましたけれども、このことについて、ほかにいろいろな施策をとっているんだろうというふうに思いますけれども、これまでの取り組みと、あるいは成果というものがどの程度上がっているのかというものをお聞かせいただきたいと思います。
○高橋政府参考人 お答えいたします。 輸送の安全の確保の観点から、過労運転の防止、安全運転の徹底は、重要な行政課題と認識いたしております。 貨物自動車運送事業者の方におかれましては、貨物自動車運送事業法に基づきまして、運行管理者を配置していただく、運転者の休憩、睡眠施設の整備、それから交代運転者の配置など、過労運転を防止するための措置を講じ、また運転者に対し、安全運転のための適切な指導監督を行わなければならないということになっております。 このため、国土交通省といたしましては、運行管理者に対しましては、自動車事故対策センターにおきまして定期的に安全確保のための研修を受けさせるとともに、事業者に対して、事故防止の取り組み状況につきまして随時監査を行いまして、関係法令の違反事実が確認された場合には厳正な対応を行っているというところでございます。 このような対策をとってきているわけでございますが、事業用トラックの死亡事故件数そのものは、十年前と比べまして若干減ってはいるんですが、しかし依然として高い水準にあるということは事実でございます。 このため、今後、安全対策を強化したいと考えておりまして、例えば貨物自動車運送事業法のもとにおきましても、運転者の乗務時間などの基準を定めることにいたしています。労働基準法でも定めておりますが、貨物自動車運送法のもとでも定めるということでございます。 それから、悪質な事故を引き起こしました運転者に対し、特別な適性診断を受けさせるということを事業者に義務づける。それから、先ほど大臣から御説明ございましたけれども、大型トラックに対するスピードリミッターの義務づけなどの検討といったようなことを講じようと思っておるところでございます。 今後とも、引き続きトラックの事故防止等に努めてまいりたいと思っております。
○今田委員 ありがとうございました。 それで、私は、トラック関係の問題についてはこうも思うんですよ。 規制緩和が非常に進んだ関係で、トラック業界は今非常に厳しい状況に追い込まれている。いわゆる規制緩和によって運賃のダンピングが非常に激しくなった、そのことによって競争も激しくなった、そのことのしわ寄せが運転手に行っているのではないかという心配。 それからもう一つは、一般的に、各企業に対して労働時間を短縮しなさいと今労働省で指導しているわけです。そういうことは非常にいいことなんですが、いわゆる荷主の人たちが本来やらなければならない荷づくり、あるいは倉庫等で荷物を、自分のところの製品を整理するということをトラック業界にやらせているという面があるんですよ、逆に言えば。そのことも受け持ってもらえればあなたの運送会社にこの運搬をお任せしますという契約を結んでいるのが、今非常に多くなっているんですよ。このことによってトラックの運転手たちの労働時間が長くなっておるという部分もあるわけです。実際に車の運転をするのはそんなに長くはなっていないとはいいますけれども、そういった前後の仕事が、むしろ肉体労働的なものがふえている、これが一つの原因にもなっているんではないか、私はそういうふうに感じているんですよ。 その点、通告していないんですが、もし御感想があれば、お聞かせいただきたいと思います。
○高橋政府参考人 荷主との関係でトラック事業者の方々はいろいろと大変厳しい取引状況にあるというふうに承知しておりますが、私どもといたしまして、そのことが交通安全問題につながってしまってはいけないというふうに思っております。 このため、交通事故を起こしたり、そういった安全問題に関係する処分を行う場合には、関係した荷主が明らかである場合には荷主企業に対しても安全に対する協力を求める、場合によっては警告もさせてもらうといったようなことで対処していきたいと思っております。 また、いろいろな荷主の方々がおられますので、私どもの方から荷主団体に対して、トラック事業の安全というものに対して理解を求めるための文書も出させていただきました。また、機会をとらえて、地方ごとに荷主とトラック業者とそれから適正化機関と懇談会を設けまして、理解を求めるような努力をしておるところでございます。
○今田委員 今までも指導をやってきた、こういうことでございますが、今、交通事故というのは社会問題になっているわけでございまして、そういうことで、もし改善されれば、事故が一つでも二つでも減るというようなことになれば大変結構な話でございますので、ぜひこれからも強力に取り組んでいただきたい、このことをお願い申し上げます。 そこで、交通事故というのはいろいろな原因があるわけでございまして、全部が運転手の責任ではないというふうに私は思っています。さまざまな原因が絡み合って起こるものでございますので、事故防止のために事故原因の分析というものを適切に行い、また防止策がどのように必要なのかというものに取り組まなければならないんだろうというふうに思っていますが、現在はどのような取り組みをされているのか、お知らせをいただきたいと思います。
○泉副大臣 交通事故の原因につきましては、人間と車と道路といった三つの要因が、単独であるいは複雑に絡み合って発生をしておると考えております。 したがいまして、道路側からは、バイパスをつくって人間との関係を断ち切るようなことを考えたり、あるいは道を狭くする、車両を締め出す、あるいはスピードが上がらないような仕組みにするというようなことをいろいろ考えてまいります。 一般的には、交通事故が発生した場合は、交通警察の事故調査並びにその原因究明と一緒に、道路管理者に、交差点の改良でありますとか信号機あるいは照明の設置などの対策をやっていただいておる、こういう形での事故原因の究明と対策を行っているのが一つございます。 また、交通事故総合分析センターというところがございますが、ここで交通事故データを総合的、科学的に分析いたしまして、全国でおよそ二万カ所ぐらいある事故多発地帯の一つ一つにつきまして、何が原因であるかということを分析しながら必要な措置をとっておる。 これは、人、道、車の観点から調査をして、その結果に基づいて、車両の安全基準の見直し等の対策を実施しておるところでございます。 さらに、地方運輸局におきましては、事業用自動車の重大事故について特に原因究明をいたしまして、再発防止対策の周知徹底を図るということなどを行っております。 いずれにいたしましても、最初に申し上げましたように、車両の問題、道路の問題、そして人間教育の問題というふうに、幾つか要素が複雑でございますので、今後とも、総合的な分析をし、また関係機関と連携を図りながら、一層事故防止に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
○今田委員 さまざまな原因が絡み合って交通事故というものが起きるわけでありますけれども、私から言わせれば、その部分でも、起きるべくして起きた事故というものもまたあるわけであります。 例えば、私は山形ですから、雪国でございます。特に冬、雪が降りますと当然歩行者は歩道は歩けません。したがって、小学校、中学校の生徒たちは車道を歩かざるを得ない。早急に歩道を除雪していただきたいというようなことをいろいろなところにお願いするわけですが、予算がないとか、あるいはそういう体制になっていないとか、そういうことでなかなか歩道を除雪してもらえないという部分が数多くあるのですね。そういうこともこれから頭に入れていただいて、ひとつ国土交通省としても、それぞれの自治体にそれなりの施策をしていただきたいものだなというふうにお願いを申し上げたいと思います。 そこで、今ITの時代だということでございますが、IT技術を用いた事故防止対策というものも当然必要だろうと思うわけでございますが、この開発というものをどう考えているのか、あるいは今現在進めているのかどうか。どういったものがあるのかと言われれば、ちょっと私も不勉強なのであれなんですが、もしあるとすればお聞かせをいただきたい、このように思います。
○泉副大臣 ITの技術を用いていわゆる事故防止対策の開発を進めるということは、私どもも、当面の大きな課題だということで取り組んでおるところでございます。 最先端のITを活用して、車と人と道路が一体となった、いわゆる新しい道路交通システムでありますITSというものにつきまして、積極的な導入を図るための研究開発を進めておるところでございまして、平成三年度から、自動車の安全性を格段に高めたいわゆる先進安全自動車、ASVと言っておりますが、この開発普及を進めてきたところでございます。 また、平成元年度からは、自動車の安全走行を支援する道路インフラを活用した走行支援道路システム、AHSについても研究を進めておる。 さらに、道路と自動車が協調してドライバーへの危険警告などの情報提供を行う、その結果として交通事故を大幅に減らそうという走行支援システムの研究も進めておるところでございまして、平成十五年には第二東名そして名神高速道路などで先駆的に導入をいたしたいと考えておるところでございます。 将来に向けまして、ITを活用した革新的な技術が普及すれば、交通事故を相当減らせる、人間の注意の及ばないところをこうした先端的な技術でカバーするというようなことが考えられますので、引き続き積極的に研究を進めてまいりたいと考えておるところでございます。 〔委員長退席、河上委員長代理着席〕
○今田委員 そこで、事故被害の発生防止策として自動車アセスメントがあるわけでありますけれども、その中で、自動車衝突事故に対する策として、自動車衝突実験というものを行っております。どのような効果が上がっているのか、あるいは海外で、よその国でどのような実験をされているのかお聞かせをいただきたい、このように思います。 さらに、事故の危険性をユーザーに知らせる目的からすれば、実際の事故に近い形で危険性をはかる必要があるというふうに思うわけでございまして、今後の自動車アセスメントの取り組みの方針というものも含めてお答えをいただきたい、このように思います。
○高橋政府参考人 お答えいたします。 まずアセスメントでございますが、これは、市販されております自動車、これを買ってまいりまして衝突実験をいたしております。これによりまして、ユーザーに、車両の安全性能についての比較情報、これを提供するわけでございます。ユーザーがより安全な自動車を選択できる環境を整えるということを目的としております。あわせまして、より安全な自動車の開発普及の促進、あるいは死傷者数の減少を図ろうとすることをねらっているものでございます。 自動車アセスメントは、平成七年度から事業を行っております。この結果、自動車の衝突安全性能の向上が図られたと思っておりまして、また、より安全な自動車の開発普及がされてきたと思っております。 例えば、アセスメントを開始いたしました平成七年、それから今日までのことを思いますと、エアバッグなどの安全装置の装備率が急激に増加いたしております。それから、比較実験を実施した自動車におけるダミー、人体模型ですが、これを使って衝突時の傷害度を見ているのですが、運転席、助手席の頭の傷害度それから胸の傷害度ともに平成七年以降低減しておりまして、車両の衝突安全性能の向上が認められるというふうに思っております。 海外におきましても、アメリカ、欧州、オーストラリアにおきましても、日本と同様に国による自動車アセスメントが行われているところでございます。 それから、もう一つお尋ねの、アセスメントをする場合に、実際の事故に近い形でやるべきではないか、こういうお話でございますが、私どもも、アセスメントを行う場合には、実際の事故の実態に可能な限り近い方法で測定することが重要だと思っております。 アセスメントは、乗車中の死傷事故の約三割を占めますところの正面衝突、フルラップの衝突の実験、それから約三割を占める側面からの衝突についての実験、これをまず初めに先行して実施してまいりました。その後、試験技術等の向上もございまして、昨年度、平成十二年度からは、やはり死傷事故の約三割を占めておりますオフセット、少しずれた状態でぶつかることでございますが、その衝突実験を追加いたしまして、三種類の衝突試験をしております。この三種類の衝突試験をやっておりますのは、世界的にも日本だけでございます。これによりまして、実際の事故の状況を十分に反映した試験内容となったものと思っております。 今後でございますが、幼児の死傷者が増加しているということと、それから歩行者の衝突事故による死者の割合が大きいという交通事故の実態を踏まえまして、チャイルドシートの安全性能、これは道交法で装着が義務づけられておりますが、それから歩行者を保護するという観点から、車両の安全性能、例えばボンネットにおける歩行者との関係での安全性能、こういったようなことにつきまして評価試験を導入していきたい、こう思っているところでございます。
○今田委員 ありがとうございました。 そこで、自賠責保険は事故の場合の最低補償を担保する制度だというようなことで先ほどからお話になっているわけですけれども、いまだに保険に入っていない車両が見受けられるということでございまして、これを何とかなくさなければならないのだろうというふうに思うのです。特にバイクです。本当に、入っていないバイクが非常に多いです。 そこで、郵便局でその保険料を集められる制度をつくろうというようなことでせんだっての法案ができたわけですけれども、こういう保険に入っていない車に対して、どうこれから指導していくのか、あるいは、そういったものをいかになくすかについてどう取り組んでいるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○泉副大臣 いわゆる無保険車が市街地を走るというようなことがあってはならないということは当然なことでございまして、理屈の上では、保険を掛けていない車は走れないことになっておるわけでございます。実態的に申し上げますと、車検時に車検の有効期間を満たす自賠責保険の契約が締結されておることを確認して、車が市中を走れるということになるわけでございますので、付保率は一〇〇%となっておる、こう論理的には申し上げられると思います。 しかし、こうした措置をとらないで、あるいは車検切れの車が、極めて一部でございますが、確かに走っておる。数字的に申し上げますと、車検対象車約七千二百万台のうちに、推定でございますが、無保険車というのが〇・〇三から〇・〇四、一万台に数台程度。また、原付、軽二輪車につきましては、千三百万台のうちに五ないし六%程度というふうに推定しておるわけでございます。 このことにつきましては、これまでも、街頭の監視活動をやる、あるいはPR活動などを実施するというようなことをやりながら無保険車の撲滅に努めておりますが、一層こういう地道な活動をやらせていただく以外に、なかなか根絶するということは難しい点があるのではないかと思っております。意識してやっておる方ばかりでは必ずしもないと思いますので、そういう方々にはさらに注意を喚起してまいりたいと思います。 〔河上委員長代理退席、委員長着席〕
○今田委員 事故による損害賠償が確実に担保されるためには、自賠責保険だけではなくて任意保険も重要である、こういうふうに思います。しかし、任意保険の保険料は自賠責よりかなり高いですよね。したがって、若い人などは加入していないという人が非常に今多いわけでございます。 この任意保険料の水準あるいは加入状況の実態を、これは金融庁ですか、お聞かせをいただきたいと思います。
○田口政府参考人 お答えいたします。 自賠責保険と任意保険の比較でございますが、賠償限度額でありますとか保険料率の設定原則あるいは商品設計の内容など、いろいろな面で相違がございまして、両者の保険料を単純に比較することはできないのではないかと考えております。 ただいま先生の方から、若い人が任意保険に入る場合の保険料についての御指摘がございましたが、任意保険におきましては、若い運転者については、事故率が概して高いというようなこと、あるいは一般に、運転経験年数が少なくて割引率が低いといったような事情、こういった点から保険料が相対的に高くなる傾向にあるということは事実だと思います。 しかしながら、現在におきましても、任意保険における年齢条件別の契約構成を見ますと、二十六歳未満を担保する契約の割合が約三割を占めておりまして、任意保険が高過ぎて若い運転者が加入できないという御指摘は必ずしも当たらないのではないかというふうに考えております。 また、保険料の自由化が現在進展しております。こういう中で、若い運転者をターゲットといたしまして、補償を必要な範囲に限定する、それによって保険料を低く抑えた任意保険の商品も出てきておりまして、こうした動きがさらに進展することを期待しているところでございます。
○今田委員 必ずしも高いから入らないのだということではないと言われましたけれども、しかし、私から言わせれば非常に高いなというふうに感じるんですね。 そこで、ある人ですよ、私は言っていないわけですが、そこで働く人の賃金が余りにも高過ぎるのではないかとか、その任意保険会社が余りにももうけ過ぎているのではないかとか、そういう話があるわけでありますが、この点、どうですか。
○田口政府参考人 お答えいたします。 事故による損害賠償を確実にするために保険料を引き下げるべきではないかという、まず第一点の御指摘でございます。 任意保険の保険料は、民間の保険制度の中で、各保険会社ごとに保険金の支払いや経費の額を賄えるような水準に算出されているものでございます。保険料率が自由化されております今日、保険会社間の競争により経費が削減されまして、それが保険料の引き下げにつながるということを私ども期待しているところでございます。 それから、保険会社がもうけ過ぎているのではないかという第二点目の御指摘でございます。 損保業界におきましても、平成十年に保険料率が自由化されまして、損保会社間の競争が大変激しくなってきております。こうした中で、低廉で良質な保険サービスを提供すべく、各損害保険会社は、それぞれの経営判断によりまして、人件費の削減を含めました経営効率化に努めているところと承知しております。今後とも、各社におきまして、さらに経営の効率化が推進されることを期待しているところでございます。
○今田委員 どうもありがとうございました。 そこで、事故の被害者、残念ながら被害に遭われた方には、ケアも当然重要でございます。重度の後遺障害を負った方々のために療護センターがあるわけでございますが、平成十二年度の予算を見ますと三十一億円を計上されております。これらによって、これまでどのような効果があったのかが一点。 それから、この療護センターによる治療方策の研究開発成果を広く社会に広めるためには、民間の医療機関との連携協力が非常に重要ではないか、このように思うわけでありますけれども、これまでの研究開発成果はどのように社会に還元されたのか。 この二点についてお答えをいただきたいと思います。
○高橋政府参考人 お答えいたします。 療護センターの効果についてお尋ねがございました。 療護センターの開設以前でございますけれども、植物状態の患者につきましては治療を行っても回復しないというふうにされておりまして、一般の医療機関におきましては回復への治療は行われていないという状態であったと思います。 療護センターにおきましても、当初は介護を中心とした治療を行っておりましたけれども、最先端の医療機器を活用した治療や看護婦の手厚い看護によりまして、回復する患者が見受けられるようになってきております。現在までに、入院患者の約二割に相当する五十名がいわゆる植物状態から脱却しているという数字がございます。 それから、療護センターは、脳損傷による植物状態からの脱却を目指して専門の治療を行う、日本で唯一と申しますか、ナショナルセンターのような役割を果たしているわけでありますが、脳損傷の方の治療に関しての注目が集まっておりまして、その必要性が高まっているというふうに思います。 このため、療護センターでは、開設の当初から、日本脳神経外科学会、それから日本意識治療学会などにおきまして積極的に研究発表を行っております。療護センターにおきまして意識が戻られない被害者の方に対する、最先端の高度の医療機器を使用しました治療技術や看護技術などを、この学会等を通じて発表しておりまして、広く一般の病院における治療に応用すべく還元しているということでございます。
○今田委員 そこで、先ほど言ったように、十二年度三十一億円計上しておりますけれども、そういう貴重な財源を用いまして、療護センターの効率的な運営、あるいはいろいろな問題等があろうかと思います。現在国が直営しております療護センターについては、民間の一般病院の方が低コストでかつ効率的、しかも現実的であるという声も意見としてあるわけでありますけれども、これについてはどう思いますか。
○高橋政府参考人 お答えいたします。 療護センターにおきましては受け入れの体制の整備を図っているわけですが、一方で、効率的な運営を進めていくことが重要であると思っておりまして、自主的に効率化などの措置を推進していくことにいたしております。 そのために、既に三カ所のセンターがございますが、そのうち二カ所を民間の医療機関に運営委託をしております。残る一カ所につきましても、今、委託を検討しているところでございます。 また、介護水準を低下させないように配慮しながらでありますが、療護センターの運営経費を平成十一年度から十三年度の三カ年で五・六億円削減することにいたしておりますし、さらに同年度の間、三カ年で定員を十二名削減するというような努力をいたしているところでございます。
○今田委員 そこで、一方で、極めて重度な後遺障害を負われた被害者の中には、自宅で療養されている方も多いわけであります。家族にとって非常に大きな負担になっておるわけでございまして、こうした方々に対する支援策というものは、やはりこれまで以上に充実しなければならぬというふうに思っておるわけでございますが、この点についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○泉副大臣 自宅で療養されておられる方というのは、相対的に、大変復帰をされる方が多いというようなことも伺っておりまして、そうした心のこもった介護をされる方々をそのことに甘えて社会的にお助けができないということについては、やはり大きな問題だと認識をいたしております。したがって、これまでの介護にかかわる負担の対象者を十三年度から広げまして、常時介護または随時介護を要する被害者及びその家族の方にも支援をさせていただくことにいたしました。 支給対象者は、十二年度が約八百名余りでございますが、十三年度の見込みは五千八百名というふうになると思いますし、その支給の内容も、従来に増します内容に質的に高めさせていただいたところでございます。予算額につきましては、十二年度が十億、十三年度が約四十億弱というふうに大幅に増加をさせていただいたところでございます。 そのほか、在宅介護の方々につきましては、少しでもお休みをいただく時間を差し上げられるように、いわゆる短期の入院制度の導入なども取り入れておるところでございまして、こうした内容を一層充実してまいりたいと思っております。
○今田委員 次に、財務省にちょっとお聞きしたいのです。 自賠責特別会計から一般会計に対しまして、これまで一兆一千二百億円を貸し付けられております。そのうち、まだ約五千億円が返されていません。今回の改正で一般会計への貸付金の扱い方はどうなっているのか、お聞かせをいただきたいと思います。 また、運用益は、本来、被害者救済対策やユーザーへの還元に用いるべきなのに、その多くがいまだに一般会計に貸し付けられているのは問題であるというふうに思っておるわけでありまして、財務省として、いつまでにお返しになるのか、この点もあわせてお聞かせをいただきたいと思います。
○藤井政府参考人 お答えいたします。 一般会計からの繰り戻しでございますけれども、法律で、予算の定めるところにより繰り戻すという規定がございます。これまでも累次にわたりまして繰り戻しが行われてきたことは御案内のところだと思います。 十三年度予算におきましても、一般会計の厳しい財政事情あるいはこの特会の収支状況というものを勘案いたしまして、十二年度に引き続きまして二千億円の繰り戻しを計上したところでございます。この結果といたしまして、繰入金の元本残高は、今先生御指摘のとおり四千八百四十八億円ということになっております。この繰入金元本の当該残高あるいはその利子につきましては、この法案によりまして、被害者救済対策等の財源として充てられるということになっていると承知をいたしております。 そこで、十四年度以降の繰り戻しについての御指摘でございますけれども、法律の規定に基づきまして、一般会計の厳しい財政事情あるいは特会の収支状況というものを勘案して適切に対処したいというように考えております。 具体的には、原則といたしまして、十三年度から十六年度までの間に分割して繰り戻す、そして毎年度の具体的な繰り戻し額につきましては、一般会計の財政事情あるいは特会の収支状況等に照らし、私どもと国土交通省、協議の上決定をするということでございますので、その方針で対応したいというように考えております。
○今田委員 最後になりますが、大臣に決意のほどをちょっとお聞かせいただきたいのです。 運用益の二十分の九というもので事故防止対策あるいは被害者救済対策をやるということは極めて重要であるというふうに思います。今回の改正では、事故対策計画をつくって進めていくとしておりますが、広く国民の声を聞き、効果的な事業を実施すべきであるというふうに当然思うわけでございます。その費用対効果についても、それを検証するシステムを含めて考えるべきではないのかというふうに私なりに思いますけれども、これについては扇大臣の決意をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○扇国務大臣 るるにわたって先生からの御質問をいただきまして審議してまいりましたけれども、特に、今先生がおっしゃいました、今回の法案によりまして、累積の運用益、二十分の九ということでございますけれども、百八十六億になります。これを使いまして、在宅介護に対する介護料の支給、あるいは被害者救済対策や自動車アセスメントなどの事故防止対策を行う際の自動車事故対策計画を新たに策定いたしまして、そして計画的あるいは効率的な事業を行いたい、そう思っているところでございます。 また、自動車事故対策計画の策定、あるいは計画に基づきます被害者救済対策の事業等の実施に当たりましては、国民の声を踏まえまして効果的に事業を進めていく必要があるというのは、先生も今おっしゃったとおりでございますので、そのように努めていきたいと思っています。このために、今後、計画の策定に関しましては、パブリックコメントを行いまして、本当に広く国民の声を反映したものを取り上げられるように意見を募ってまいりたい、そのように思っております。 さらに、今後、例えば事故防止対策を行うことによりまして、これが一番大事なところでございますけれども、事故の被害者がどの程度減少すると見込まれるか。これもその努力はいたしますけれども、少なくとも費用対効果も考慮して事業の重点化を図るなど効果的な実施に心がけ、何よりも安全のために、官民挙げてといいますか、一緒になって、しかも国土交通省は陸海空でございますので、ぜひ今までの縦割りと違った国土交通省の安全対策に重点を置いていきたいと思っております。
○今田委員 終わります。ありがとうございました。
○赤松委員長 瀬古由起子君。
○瀬古委員 日本共産党の瀬古由起子でございます。 今回の改正の中心的な柱であります自賠責保険における政府再保険の廃止は、一九九八年十月の経団連による政府の行革推進本部規制改革委員会に対する政府再保険の廃止要求が背景にございます。これを受け、旧運輸省や金融監督庁などでの見直し作業が始まり、行革推進本部規制改革委員会が、現在では保険会社に十分な担保能力があるため、リスクヘッジの観点からは必要ない、事務の簡素化にも資するなどの理由を挙げ、政府再保険廃止を打ち出したことが今回の改正を方向づけております。 自賠責保険では、保険会社は保険料の六〇%を政府の再保険に付するとともに、保険金の六〇%を政府の再保険から支出するという再保険制度がとられております。一九五五年の創設時におけるこの理由は、被害者保護の観点から、保険金支払いに国が関与することが適切だ、あるいは危険の一部を国が負担することが適切だとされておりました。再保険を廃止することは、今回この事情が変わったということでしょうか。
○扇国務大臣 自賠責保険につきまして、従来、保険会社のリスクヘッジと適正な保険金支払いの確保を目的として政府再保険を実施してきたというのは、今先生がおっしゃったとおりでございます。 また、このうち、再保険によりまして保険会社のリスクヘッジを図る必要は既になくなっている、こういうことから、私どもは、今回、規制緩和を図るためにこれを廃止するということにしたわけでございます。 また、御指摘ございました保険金の支払いの適正化のための機能につきましては、政府再保険の廃止後も引き続きこれを充実させるために、紛争処理機構の仕組みなど、支払い適正化に関する制度を整備してまいりたいと思っております。
○瀬古委員 リスクヘッジの観点から必要がないかどうかというのは、またこれも議論の余地があるところでございますが。 そうしますと、例えば被害者保護という観点で考えてみますと、この創設時と比べて、今日、国の再保険制度を廃止した方がより被害者保護が充実できる、こういうような観点に立っておられるのでしょうか。その点いかがですか。
○高橋政府参考人 お答えいたします。 自賠責制度に関しましては、一つは保険会社の担保力が上がってきたということがございますが、そのほか、自賠法に基づきまして共同プールというような制度も設けておりまして、リスクが分散する、こういうような仕組みもできております。 それから、自賠責につきましては、損害保険契約者保護機構ができまして、そちらの方でその支払いについては一〇〇%補償されるということになってまいりましたので、再保険によって自賠責保険そのものをリスクヘッジするという機能はもう要らないのではないかというようなことが背景でございます。
○瀬古委員 私が聞いているのは、被害者保護の観点から国がかかわり合いを十分持たなきゃならないんだ、ある意味では国が関与しないと、その当時は、創設時は、被害者保護の観点がずれてしまうという点で国が関与されたわけでしょう。それが、もう大丈夫、国が再保険をやらない方が被害者保護は一層やれるんだという根拠は一体なんでしょうかと聞いているのです。
○高橋政府参考人 お答えいたします。 再保険が持っておる機能は二つございまして、一つはリスクヘッジでございまして、もう一つは支払いの適正化ということでございます。 支払いの適正化の部分については、引き続きその機能を維持しなければいけないというふうに思っていまして、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、紛争処理機関を設けるとか、あるいは支払い基準を法律で明確に位置づけるとか、いろいろな措置を講じまして、むしろ充実するというような措置をとってこの改正になったわけでございます。
○瀬古委員 これは後でお話ししたいと思うのですけれども、要するに今、国が再保険をやめたことでより支払いが適正化されるかどうかというのは、はっきりと言えないわけですよね。今までの機能は維持します、いろいろな面で維持されるというのはお聞きしましたけれども、それについても私は疑問を持っています。少なくとも、国がやめることによって、これで最初の出発点である被害者保護がより充実するんだということではないと思うのですね、今のお話を聞いてみましても。 では、具体的に入ります。 強制保険である自賠責からの死亡の場合の平均の支払い額は幾らになっていますか。また、その支払い額が限度額の三千万未満の割合はどのぐらいでしょうか。
○高橋政府参考人 お答えいたします。 平成十一年度の実績でございますが、死亡事案における自賠責保険からの平均支払い額は約二千三百六十万円となっております。それから、自賠責保険からの支払い額が三千万に満たない割合でございますが、これも平成十一年度の実績では六一・九%となっております。
○瀬古委員 三千万未満の方が六割にもなっているという状況です。死亡の場合は、なぜ三千万の限度額いっぱいに払われないのでしょうか。
○高橋政府参考人 お答えいたします。 死亡した場合の保険金の支払い基準におきまして、項目別に金額が積み上がるわけでありますが、その中で、例えば休業補償でありますとか逸失利益だとか、こういった点につきましては、人によって違いが出てまいります。例えば、高齢の方と働き盛りの方では違いますので、そういったことも含めまして、平均するとそういう数字になるということでございます。
○瀬古委員 亡くなっても十分な補償がなかなかされていないという感想を持ちます。 そこで、任意の対人保険の収入保険料の総額、それから支払い保険金の総額、それから任意の対人保険一件当たりの平均支払い保険金額は一体幾らになっているでしょうか。
○田口政府参考人 お答えいたします。 平成十一年度の任意保険のうち、対人賠償の収入保険料の総額は八千七十八億円でございます。支払い保険金の総額は三千九百七十二億円でございます。また、一件当たりの平均支払い金額は、死亡事故で千百十九万円、傷害事故で百三万円となっております。
○瀬古委員 保険料で入ってくるお金と出ていくお金を見てみますと、支払い総額は約半分なんです。これぐらいしか払われていないということがわかります。 それから、今お話ありましたように、任意の対人保険の平均支払い金額、これは死亡と傷害に分けて言われていますが、計算しますと、合わせて大体百二十一万円です。そうしますと、任意の場合は本当にわずかしか支払われていないということが、これでもわかってまいります。 金融庁が提出した自賠責保険支払い例をもとにしてつくった表を皆さんのお手元にお配りをいたしました。これを見ていただきたいのですけれども、(A)、(B)、(C)という表がございまして、(A)が、現在運用されている方式が書かれております。これはちょっとおかしいぞというので私どもが計算したのが(B)でございます。差額分、本来払われるべきだと私たちが思っているのに実際には支払われていないというのを(C)というところに載せさせていただいております。 これは、損害額が二千万の場合、一億円の場合、二億円の場合というふうに分けておりまして、被害者の過失割合が〇、七〇、八〇、九〇にしております。それで、三千万までの場合、自賠責は、現在、本人の過失割合が七割未満の場合は減額されません。七割以上で八割未満が二〇%の減額、八割以上九割未満で三割、三〇%の減額、九割以上十割未満は五〇%の減額となります。ですから、九割の過失割合があっても、自賠責の場合は半分は補償されるという仕組みになっているわけですね。 そこで、その表を見てみますと、損害額二千万の場合は、これは自賠責の範囲内で、例えば七割、七〇%が被害者の過失割合というところを見てみますと、千六百万円補償されるということになります。これは、七割の過失でも二千万の約八割が補償されるという仕組みになっております。 それで、一億円というところを見ますと、これは(B)のところを見ていただくとわかるのですけれども、例えば自賠責は三千万までです。そして、あとの、残りの七千万が任意という形になります。そうすると、本来で言うと、一億円の場合は、自賠責分でいいますと、三千万の八割ですから、二千四百万円入ることになります。そして任意保険は、その三千万を超した分、七千万ですから、この場合は七割の過失なので三割しかもらえません。合わせると四千五百万円この人は受け取ることになるというのが私たちの計算です。 ところが、現行法でいいますと、大変乱暴でして、一億円に三割しかもらえないという仕組みになってしまいます。一億円の三割ですから三千万しかもらえない。その内訳は、自賠責から二千四百万がそのまま出るという仕組みになっていますけれども、任意保険はわずか六百万円で済んでしまう。そうすると、本来なら四千五百万円もらえるところを三千万で区切ってしまって、そして自賠責はきちっと払われているのですけれども、任意保険の払う金額が大変低くなってしまう、こういうようになりまして、本人のもらう額は千五百万円も減ってしまいます。二億円の場合も同じような計算で、七割の過失割合の場合には三割分しかとれませんから、もう六千万円で頭打ち。その中で、任意保険と自賠責保険と振り分けて金額が払われるという形になっていますが、こういう計算方法は私は大変問題があると思っています。 少なくとも、自賠責は被害者の保護のためにつくられた制度ですから、一億円の場合は三千万と七千万に分けてそれぞれ計算をして出す、二億円の場合には三千万と一億七千万に分けて出していくということが、本来、被害者の保護のためのこの自賠責では必要ではないかと思うのです。 ところが、任意保険で、掛けているばかりといいますか、任意保険で三千万を超えた人についてはそういう適用がされないというのは、大変ここにごまかしがあるのではないか、本来ならこの差額分は被害者に返すべきものではないかというふうに私は思うのですけれども、いかがでしょうか。
○田口政府参考人 お答えいたします。 任意の自動車保険の仕組みの問題でございますが、任意の自動車保険は、その約款によりまして、被保険者である加害者が被害者に対して負う法律上の損害賠償責任の金額を前提といたしまして、自賠責保険で補償される金額を上回る分について補償するという仕組みになっております。こうした仕組みを前提といたしまして、任意保険の保険料の額を初めといたします商品設計がなされているわけでございます。 このため、被害者と加害者の双方に過失があります場合におきましては、被害者の損害額からその過失割合相当分を除いた上で自賠責保険の支払い額を差し引く形でその金額が任意保険から支払われる、こういう仕組みになっているわけでございます。そういう仕組みのもとで現在、お配りいただきました資料の(A)の「現行の運用」という形で運用が行われているわけでございます。
○瀬古委員 その運用方法は知っております。ただ、この自賠責がなぜ生まれてきたのかという趣旨を考えて、そしてなお、国民でいえば、任意保険に入る場合には、当然強制保険とその二階建ての上乗せの任意保険に入ったというふうに普通は考えるわけです。 そうすると、本来なら、自賠責の範囲内なら一定の、考慮されるといいますか、七割の過失まではきちんと八割の補てんが、七割までは実際には減額されないというふうになっているのに、たまたま任意保険に入ったために、これは国民の立場から見てですよ、もう丸ごと強制保険の分は、強制保険でカバーした分は、任意保険が軽くなるといいますか、保険会社が軽くなるようになって実際の受取額が大幅に抑えられるという考え方は、国民から見ても問題だと思うのです。皆さんの計算の仕方はそうですよ、ともかく三千万超えたら、ばさっと上から。こういう自賠責で求められている配慮も表面上はないわけです。こういう計算方法は、国民から見ても私は大変問題があるというふうに思うのです。 そういう点では、なぜこの自賠責保険ができたのかという点はもう一度考えなきゃならないんじゃないかと思うのですけれども、その点いかがでしょうか。
○田口政府参考人 お答えいたします。 今、御質問いただきましたのは、任意の自動車保険の支払いのあり方ということでございますが、これにつきましては、先ほども御説明しましたように、現行法上、加害者が負う民事の責任、これが上限になるわけでございます。それを前提に、一方、自賠責の方では、過失について、被害者に有利な形で過失を割り引くというような扱いになっているわけでございまして、任意の自動車保険が、自賠責保険を上回る分を補償するという仕組みで現行システムは成り立っておりますし、それをもとに商品設計がなされているということでございますので、そもそもの商品設計にも及ぶ問題になってくるわけでございます。 したがいまして、今も、民事の責任を前提とする、自賠責を上回る額を補償するという任意の自動車保険の仕組みからいたしますと、現行の取り扱いは合理的な理由があるのではないかというふうに思っております。
○瀬古委員 そうしましたら、例えば、任意と自賠責と分けて保険が設定されれば、それはもうそういう払い方という考え方になるんでしょうか。そういうことも将来考えられるということになるんでしょうか。
○田口政府参考人 御指摘のような考え方は、一つの考え方としてはあり得るかと思います。しかし、現行上は、任意の自動車保険というのは、自賠責を上回る部分を補償するという形で商品設計されておりますから、御指摘のような形を具体化しようとすれば、それは保険料にもダイレクトに響いてくるということで、現行の保険料からさらに大幅に上回る可能性が出てくるということではないかということで、現在のシステムは、先ほど申し上げたような形になっているということでございます。
○瀬古委員 実際に国民の側から見て、この自賠責保険が導入された意義という点でいえば、国民は、それはそれで、自賠責の範囲内の事故の場合は配慮され、それ以上の事故の場合には配慮されないということでは、やはり納得できないと思うんです。これは、今やっても考え方の違いということがございますので、今後、ぜひ御検討していただく課題にしていただきたいと思います。 では、次に参ります。 国土交通省でチェックした過少払いと過払いの実態について教えていただけますか。
○高橋政府参考人 お答えいたします。 国土交通省では再保険金の支払い審査を行っておりますが、過少払いに関しましては、平成十年度の実績で、件数で二百六十九件、金額といたしまして五億八千二百万円の保険金の追加払いが行われております。他方、過払いでございますが、平成十年度の実績で、件数で十七件、金額で二千七百万円の保険金の返納が行われております。
○瀬古委員 この過少払いと過払いの差が、これだけ幅ができるというか差ができるのは、一体何なのかということなんですね。 それで、九九年四月十六日、週刊朝日の記事でこういうことが出ておりました。運輸省の自動車交通局保障課はこういうことを言っていらっしゃいます。「こちらは過払いも過少払いも同じ基準でチェックしています。このような結果は、保険金の支払いをできるだけ抑えようとする、損保業界の体質からきているとしか思えません」このように主張されているんですけれども、この認識は現在でも同じでございますでしょうか。
○高橋政府参考人 お答えいたします。 当時保障課の者がどういうふうに言ったか、私わかりませんけれども、あくまでも客観的な支払い基準に基づいて審査をした結果でございますので、それ以上のものでもないと私は思っております。
○瀬古委員 いえいえ、これだけの差が、あなたたちは公正にやっていらっしゃると言う割には、何でこんなひどい差ができるのかというふうに聞かれて、これは損保業界の体質から来ているとしか思えませんと断定されているので、こういう認識は現在でもお持ちですかと聞いているんです。いかがですか。
○高橋政府参考人 自賠責の支払いに関しまして、いわゆる支払い渋りとかいった問題点があることについては認識しておりますので、それに対する今回の再保険廃止に伴うところの措置としましていろいろな制度を設けているわけでございますが、そういうことのないような仕組みをとりつつ、この再保険の廃止をしていくという意味において、そういう過少払いとかいったものに対して対策をとっていきたいというようなことでございます。
○瀬古委員 こういう問題があって、今まで損保業界に御指導なさったことはないんでしょうか。これは大問題だというふうに今まで言われていないんですか。いかがでしょう。
○高橋政府参考人 払い渋り問題とかいろいろなこと、それから事実認定の問題でいろいろと問題があることは承知していますから、それに対するいろいろな審査措置とか審査機関というのがこれまでもできてまいったという経緯もございますから、そういった問題があることは、よく承知をしております。(瀬古委員「いや、今まで指導したんですかと聞いているんです」と呼ぶ)済みません、ちょっともう一度。
○瀬古委員 この損保業界の払い渋り、こういう問題については、今まで国土交通省としては具体的な御指導をなさったんですかと。週刊誌でここまで、あくまでも損保業界の体質だみたいなことを書いていらっしゃる以上は、これは大問題だという認識をお持ちじゃないかと思うんですね。そういう意味で、今までこういう問題について御指導なさったことはあるんですかと。具体的に、例えば通知だとか、そういうものを出されたり、指導する文書などを出されたことはございますかと聞いているんです。
○高橋政府参考人 この問題について議論したこともございます。それで、それに基づいて支払いの適正化のための措置を講ずるようなことを指導してきた経緯はございます。
○瀬古委員 もっとはっきり早く言っていただきたいんです。私、手元に持っていますけれども、昨年十二月に、「払い渋り十年で五十七億円 運輸省 適正支払い指導」とちゃんと書いてありますよ、こういう御指導なさっているのを。だから、こういう大変な問題があるということは当然国土交通省としては御認識だ、そう正直にお答えいただきたいと思うんですね。 次に参ります。 被害者に一〇〇%の過失があるとされた場合は、自賠責も任意からも一円も支払われませんよね。これは無責と言われるものです。無責の死亡事故と傷害事故の件数は、無責の率の推移というのを見てみますと、平成七年度の死亡無責が七百四十一件、五・二%、平成十一年度では五百二十七件、四・三%、傷害の無責の場合は、平成七年度で六千六百六十件の〇・六%、平成十一年度では六千四件で〇・五%となっております。死亡の場合の無責の割合は、傷害の場合の大体六倍、七倍、八倍、多いところでは八・八倍ですね。そういう無責の割合が死亡と傷害と違うということなんですね。 しかし、よく考えてみますと、事故が起きた場合に、一〇〇%本人が悪いという場合に、傷害の場合と死亡の場合にそれだけ差が出るだろうか。これは明らかに、死人に口なし、業界の払い渋りということがあるんじゃないかというように指摘されていますけれども、この点も御指導なさっているんでしょうか。いかがですか。
○高橋政府参考人 今先生がお示しされました数字も私ども持っておりますけれども、死亡事故の場合に、被害者本人がみずから主張できないというような事情もございまして、保険金の支払いが必ずしも適正に行われない可能性もあるということから、自賠責保険の支払いにおきましても、損害調査を特に慎重に行うべきというふうに思っております。 今回制度改正があるわけでございますけれども、今回の制度改正におきまして、保険会社から被害者に対する情報提供を義務づけるということと、それから、紛争処理の仕組みを設けるということ、これらの措置を通じまして、保険金が支払われない場合でも、情報提供の充実とか事実把握の適正化ということが推進されるものと考えております。
○田口政府参考人 若干補足させていただきます。 死亡事案の加害者無責比率が傷害事案に比べて十倍程度高いではないかという御指摘でございますが、確かに、死亡事案の加害者無責比率が傷害事案に比べてかなり高いということは私どもも承知しております。 この要因といたしまして一つ考えられますのは、死亡事案では、加害者が無責になりやすい事故形態の比率が高い。例えば、赤信号無視でありますとかセンターラインオーバーあるいは追突といったような、こういう事故形態が死亡事案では非常に多いわけですが、こういったものによって、加害者が無責になりやすい事故の比率が高いということの影響を受けているという面があると考えられます。 ただ、いずれにいたしましても、有責、無責の判定が厳正に行われなければならないということは私どもも認識しておりまして、そのために、自算会の審査会、再審査会での審査でありますとか、損害調査に当たっての自算会での精査、さらに、今回の自賠責保険見直しに当たってのさまざまな措置というものを講じているわけでございます。
○瀬古委員 それは余り言いわけにならないんですよ。実際には、それは確かに無責という場合には死亡事故が多いかもしれないけれども、同時に、それに伴うような重傷事故だって多いはずなんですね。ところが、やはりその差が余りにもひど過ぎる、傷害の場合と亡くなった場合では。これは、本人が悪いときは大体みんな死ぬような事故だと言えないような問題点があるので、ここはやはり率直に、この違いについてはきちんと今後検討して、本当に、死んだから何の要求もできないというまま放置されていることのないように、ぜひこれは改善しなきゃならないんじゃないかというように思うんですけれども、その点いかがでしょう。
○泉副大臣 先生のお話の中に、死人に口なしという言葉をお使いになりましたけれども、そういうことがないように、できるだけ情報を正確にとる、そして保険金の支払いが適正に行われるように努めてまいります。
○瀬古委員 余りにもひどい損保会社の払い渋りに、今、車両の多い運送会社やタクシー会社では、保険料をプールして、ここから賠償金にして、任意保険は掛けないというようなところも出てきているわけなんですね。実際には、追加払いはしなきゃならないけれども、被害者があきらめるというケースがたくさんございます。 例えば、日本弁護士連合会の交通事故相談センターによりますと、被害者から相談を受けた弁護士が示談あっせんに乗り出すと、当初提示された金額が平均で三五%もアップしてしまう、その差額は二十三億円に上るというケースも報告されております。 これは札幌の例なんですけれども、平成以降に扱った交通事故の示談における損保会社の初回提示額と裁判等によって決着した最終解決額の比較が週刊朝日の二〇〇〇年四月二十八日号に掲載されていますが、これを見ますと、示談金がゼロ、つまり支払い義務なし、こういうように判断された死亡事故の査定額が最終的には四千万になったり、千七百万と提示された重傷事故が裁判の結果一億三千万で解決された、こういうような報告もあるわけですね。 このように、損保会社や業界の払い渋りという問題が今大きな問題になっているのに、やはり国の再保険事務を通じた直接チェックが不十分になると一層この払い渋りが横行するんじゃないかという心配が、国民や事故の被害者の中から大変大きく出ているわけですね。その点はいかがでしょうか。
○泉副大臣 今回の制度改正におきましても、保険会社から被害者に対する情報提供を義務づける、また、紛争処理の仕組みも設けておりまして、これらの措置を通じまして、今先生の御指摘になりましたようなことがないように、情報提供の充実や事実把握の適正化が推進されるものと考えております。
○瀬古委員 きょう私、「自動車損害賠償保障法の解説」というのを持ってまいりました。運輸省の自動車交通局保障課というところが監修をしているわけですけれども、ここに政府の再保険制度についての解説が載っております。 読みますと、これは四十条の解説なんですけれども、政府の再保険制度をとったのは次の理由からだということを書いております。「責任保険は、自動車事故の被害者の救済を図るという極めて社会保障的性格の強い制度である。従って、責任保険については、保険金の支払あるいは損害のてん補に当たっては、いささかも被害者の保護に欠けるところがあってはならないのであり、このような責任保険の趣旨をまっとうするためには、国が直接その運営に責任をもつ必要がある。」要するに、この再保険は社会保障的な性格の強い制度だ、こういうふうに書いているわけですね。 そうしますと、やはり国の関与というのは当然出てくるわけですし、その点でも、やはり原点に立ち戻る必要があるというふうに思います。 そこで、この解説書はさらに、「政府が再保険して、保険金の支払を一件ごとにチェックすることによって、被害者保護に欠けるところがないように監督することができるようにしたのである。」というふうに解説しているんですね。 これは、今、一件ごとにチェックは行われているんでしょうか。
○高橋政府参考人 一件ごとのチェックは行われております。
○瀬古委員 一件ごとのチェックといっても、実際にはコンピューターにかけてチェックをされているわけなんですけれども。 実は、ここに再保険金請求明細書というのがあるんですね。この問題についても、例えば、ここに「原因」というのが書かれておりまして、ここに原因が書き込めることになっているんですが、一、二、三、四とあります。「被害者に故意又は過失がなかつたもの」が一、「被害者に過失があつたもの」が二、「被害者に故意又は重大な過失があつたもの」が三、「運転者以外の第三者に故意又は過失があつたもの」が四、こういうように事故の原因となっていますが、全然こんなの、事故の原因でも何でもない、一、二、三、四と番号を打つだけの、こういう審査の請求明細書になっているわけです。こういうものをチェックしたってどうしようもないということなんですね。 実際には国がこれでチェックをやるということになるのかどうかということを、一点お聞きしたいと思います。 そして、さらに、再保険を行っている立場から、例えば過失程度の判定、これは保険会社が行っているわけですけれども、これについても大変不満がございます。果たしてどちらが過失割合がどれだけかということについても、物すごくいろいろあるわけですね。そういうものはどうやってチェックするんですか、今どうやってチェックしていますか。
○高橋政府参考人 再保険制度に基づきまして、自賠責の支払いに関しまして一件ごとにチェックをしているわけでございますが、それに従いまして、支払い基準に従っていないもの、過少払い等につきまして、必要に応じて追加払い等の措置をしているわけでございます。 自賠責保険につきましては、重過失減額というのを行っておりますので、かなりの事案の過失につきましては保険金の支払いに影響が出てこないということになっておりますが、過失減額が行われている事案について、その内容について、特に慎重を期して支払いの適正化を行っている、こういう状況でございます。
○瀬古委員 だから、実際には余りやっていないということなんですよ。 しかし、本当に、そういうチェックの仕方の中に、やはりどういう事故の原因があるのか、本当にちゃんと被害者が救われているのかということを十分チェックしないといけないのに、大変大ざっぱになっているということがわかると思います。 それで、再保険の廃止に伴い、一応政府が制度的には行ってきたということになるわけですけれども、こういう審査が今後全廃される、それから支払い審査も、死亡や重度の後遺障害の場合には、一定のものに限って届け出制により事後チェックという形になるわけですね。結局、それ以外は保険会社任せになるのではないか。そういう点では、交通事故の被害者保護や救済が可能なのかどうか。保護や救済という点では、この保険制度の根幹の行政責任というのは後退するということになってくるのではないかと思うんですが、その点、いかがでしょうか。
○扇国務大臣 今回の政府の再保険を廃止することによりまして、今先生がおっしゃいましたように、事前チェックから事後チェックに移行するという考え方を持っておりますので、それはそのとおりでございます。 けれども、再保険制度が果たしていた支払い適正化の機能は今後も引き続き必要であるというのは、今先生がるる事例をお出しになったのも、私はそのとおりだと思っておりますので、この制度改革後も、死亡事故等の一定の重要事案に対しましては、国が引き続いてチェックを行うことといたしております。 また、新たに、紛争処理機関の仕組み、あるいは被害者に対する情報提供の義務づけなど、そういう措置を講じることにいたしておりますので、私たちは、被害者に対して一層の支払いの適正化を図っていくというふうにしてまいりたいと思っております。 また、国土交通省としましても、一定の重要事案のチェック、あるいはまた、今私が申しました、紛争処理機構の監督と、そして情報提供の義務の違反などに対する命令などを通じまして、保険金の支払いの適正化のための責任を果たしていく、そのように取り計らっていきたいと思っております。
○瀬古委員 時間がございませんので、私が絞って取り上げた幾つかの問題点だけでも、今までのチェックの仕方も大変不十分ですし、損保業界のそういう払い渋りの問題点なども、本当にもっときちっとやっていかなきゃならない。そういう点で、今回、再保険が、政府による関与がやはり後退するということは、私は大変心配をしています。 その証拠に、例えば、先ほど第三者機関の問題が出ましたけれども、再審査などについては、以前、国土交通省、旧運輸省は、この第三者機関という問題についても、やはり公平な立場での事後チェックは被害者救済のために不可欠だということで、国家行政組織法に基づく不服審査会の新設を大変強調されていましたよね。その点で、その後の第三者チェック機関というのは、ちゃんと公平に、今提案されているものでやれるのかどうかという点で、今の国土交通省の御見解はいかがでしょうか。
○扇国務大臣 従来から、第三者機関というものに関しましても、自算会が設けられていたというのは先生は御存じのとおりだと思いますけれども、この審査組織というのは、損害保険会社の損害調査を受託している自算会の内部組織でございましたために、被害者側から見たときには、その自算会自体が公正性について問題があるという指摘はございました。 ですから、今回新たに設けられました紛争の処理機関というのは、国が監督を行うということによりまして公正中立性を確保できる第三者機関であるということから、被害者側から見た公正性という点では、今までの自算会とは違ったものに見えるであろう、異なった見方をしていただけると私は思っております。 また、紛争処理機関は、保険会社に対しまして資料の提出を求めることが可能でございますし、また必要に応じてみずから調査を行うことができるようにいたしておりますので、これらの措置を通じて適正な調査が可能になるというふうに私も思っております。
○瀬古委員 当然、国土交通省としては、本来、国家行政組織法に基づく不服審査会、こういう新設が必要だということは、今、こういう被害者救済という点でも保護という点でも大変大きな問題があるということを認めておられたと思うんです。そういう点では、業界からのいろいろな働きかけがあったのかもしれませんけれども、今の姿勢はやはり後退していると思うんです。そういう点でも、ぜひ指摘しておきたいと思います。 再保険の廃止は、結局は自賠責保険の民間任せになっていくものです。損保業界では、一九九八年七月の任意保険の自由化以降、今外資系の資本が競争に加わるなど、大変激しいサバイバル競争が繰り広げられております。そういう点でも、安定しているのかどうかというのは、私は大変疑問だと思っています。 再保険の廃止も今その流れにあるわけですけれども、保険会社に十分な担保能力があるというけれども、実際には、金融全体を巻き込んだ自由化の嵐の中で、その保証は一体どこにあるのかということもございます。逆に、被害者への払い渋りが一層加速度的にふえて、その救済策も後退する危惧を私は大変持っております。 時間がございませんので、残余の質問は次回に行わせていただきます。ありがとうございました。 ————◇—————
○赤松委員長 次に、内閣提出、小型船舶の登録等に関する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。国土交通大臣扇千景君。 ————————————— 小型船舶の登録等に関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○扇国務大臣 ただいま議題となりました小型船舶の登録等に関する法律案の提案理由につきまして御説明を申し上げます。 総トン数二十トン未満の小型船舶の保有隻数は、近年のプレジャーボートの急速な普及等に伴いまして、五十万隻を超えようといたしております。小型船舶は、国民生活において広く重要な地位を占めるようになってきております。しかしながら、その一方では、小型船舶をめぐりまして、約十四万隻とも言われます放置艇または公共の水面における不法投棄が大きな社会問題となっております。放置艇の適正な保管場所への誘導あるいは不法投棄の未然防止のために、小型船舶の所有者を確知するための制度が強く求められております。また、小型船舶の売買の急速な拡大に伴いまして、多重売買等の売買トラブルの防止、信用販売の円滑化を促進する観点からも、小型船舶の所有権を公証する制度が求められております。 このような状況を踏まえまして、小型船舶の所有権を公証する登録制度を導入することが必要であるために、この法律案を提案することとした次第でございます。 次に、この法律案の概要につきまして御説明を申し上げます。 第一に、小型船舶の所有者は、国土交通大臣の行う登録を受けなければ、当該船舶を航行の用に供してはならないこととし、登録を受けた小型船舶の所有権の得喪は、登録を受けなければ、第三者に対抗することができないことといたしております。 第二に、国土交通大臣は、小型船舶の登録に関する事務を登録の際に必要となる総トン数の測度に関する事務とあわせて小型船舶検査機構に行わせることができることといたしております。 その他、小型船舶が国際航海に従事する場合における国籍証明書の交付等について定めることといたしております。 以上が、この法律案を提案する理由でございます。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同賜りますようにお願い申し上げます。
○赤松委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 次回は、来る五日火曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時五十二分散会