国土交通委員会 第14号
- 発言数
- 220 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 2001/05/25
会議録
○赤松委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省鉄道局長安富正文君、政策統括官洞駿君、警察庁警備局長漆間巌君、総務省自治財政局長香山充弘君、総務省自治税務局長石井隆一君及び公安調査庁次長三谷紘君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○赤松委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 引き続き、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、参考人として東日本旅客鉄道株式会社代表取締役社長大塚陸毅君、東海旅客鉄道株式会社代表取締役社長葛西敬之君、西日本旅客鉄道株式会社代表取締役副社長金井耿君及び日本貨物鉄道株式会社代表取締役社長伊藤直彦君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○赤松委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○赤松委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。菅義偉君。
○菅(義)委員 おはようございます。自由民主党の菅でございます。 早速質問いたします。 昭和六十二年の四月一日に国鉄の民営・分割がスタートしたわけでありますけれども、以前の国鉄というのは、毎年毎年ストライキはやるわ値上げはする、そしてサービスは悪いし事故も多い、さらに国から六千億円もの補助金を受けて経営をされていたわけであります。このままいったら日本の財政は国鉄によって破滅されてしまう、そんな思いでこの民営・分割がスタートしたわけであります。今日でちょうど十四年たったわけでありますが、その中で、ストライキはなくなるし値上げも一切ない、さらにサービスもよくなった、そして事故も当時と比較をすると約四割、さらには国に二千億円も納税をできるような会社になった、まさにこの国鉄改革というのは戦後の行政改革の中で一番の優等生であったと私は高く評価をしておりますけれども、この国鉄改革について副大臣はどのように考えておられるのか、お尋ねをします。
○泉副大臣 今先生御指摘のように、国鉄改革は私どもも高い評価を与えているところでございます。民間的な手法を導入することによって効率的な経営を実施する、破綻に瀕した鉄道事業の再生を図っていこうというねらいが、今日の状況から見ますと、成功をおさめておるという認識を持っておるところでございます。 御指摘のように、国鉄時代には六千億から七千億の補助金を投入してもなお大きな赤字を計上してまいりましたが、JR七社合計で千五百億円の法人税等を支払うというところまで努力をしていただいておるところでございます。運賃・料金等の値上げにつきましても、消費税のときに消費税見合い分の運賃値上げを行った以外は、御指摘の事故件数も減ってまいりましたし、特に本州三社にあっては、経営状態、サービスの水準も格段に向上してまいっておるわけでございます。 繰り返しになりますが、JR三社を筆頭に、三島、貨物を含めまして、労使一体となった努力の成果を高く評価しておるところでございます。
○菅(義)委員 一昨日の参考人質疑の中で、JR東日本の大塚社長は、この成果を上げた大きな理由として、経済環境が良好であった、それと同時に、経営者、社員の意識改革が一番大きかった、自分たちで努力をすれば必ず報いられるんだ、そういう意識改革がこのすばらしい成果を上げることができたのだということを感想として述べておられましたけれども、これについてはどのような御見解ですか。
○安富政府参考人 さきの参考人質疑の中で、先ほど先生が御指摘になりましたように、JR東日本の大塚社長が、今回の国鉄改革の一つの大きな成果を上げた理由として、いわゆる経営者及び職員の意識改革ということをおっしゃいました。我々もまさにそのとおりだというふうに考えております。単にサービスの向上、あるいは運賃値上げをしないとか、そういったことを行うについても、ふだんから各経営者それから各職員が一丸となってそういう形に邁進しないと、なかなか達成できないものだと思います。そういう意味で、国鉄改革はある人に言わせると意識革命であった、こういうことを言われておりますが、まさにそういう点があったのではないかというふうに考えております。
○菅(義)委員 大臣も副大臣も政務官もお見えでありますけれども、多分この中で一番JRを利用しているのが木村政務官だと私は思います。政務官は選挙区の名古屋に週に一回は必ず帰っておられると思いますから、利用者の立場に立って、現在のJRについて何か感想がありましたら……。
○木村(隆)大臣政務官 民営化されて「のぞみ」ができたおかげで大変早く名古屋まで帰れるようになりましたので、通勤電車のように利用させていただいておりますけれども、昭和六十二年に民営化されて、その年に先生は横浜市議に初当選なさって、この民営化と、JRと一緒に歩んでこられたという思いがあるのじゃないかと思いますけれども、その当時、民営化すると採算ばかりを重視して、事故も多くなるしサービスも低下する、そんなイメージがあったと私は記憶をしておりますけれども、事故も四割減っておりますし、毎日利用させていただいて、駅員の対応も大変いいのじゃないかなと思っています。また、いろいろな新しい商品もいっぱい出てきておりまして、これは民営になった評価ではないかな、そういうふうに思っております。
○菅(義)委員 大臣が到着されましたので、大臣にこの二点だけお尋ねをしておきたいと思います。 きょうの朝日新聞に道路公団の民営化を検討という大きな記事が載っていました。小泉総理が石原行革担当大臣に対して民営化についての検討を指示した、こういうことでありますけれども、所轄の大臣である扇大臣に対して総理から何らかの指示があったのかどうか、お尋ねをします。
○扇国務大臣 閣議が遅くなって、おくれて済みません。 今のお話でございますけれども、菅委員がおっしゃいますけれども、私はきのうの夜、三党首会談で何時間も御一緒でございましたし、けさも朝八時から産業構造等々、閣議も含めて一緒でしたけれども、何の御指示もございませんし、また、けさも石原行革担当大臣とお話もしましたけれども、それもございません。ただ、話がなくても、聖域なき構造改革という中にはすべて含まれていると考えておくべきだろうと思っています。
○菅(義)委員 もう一点、この問題についてお尋ねをしたいと思いますが、大臣はこの民営化について率直にどのようなお考えをお持ちでしょうか。
○扇国務大臣 特殊法人、あらゆる公団等々、すべて改革をしていくというのが小泉内閣の公約でございますので、民営化も含めて、あらゆる聖域なき構造改革をするということになっております。
○菅(義)委員 さて、本題に戻りますけれども、まさにこの国鉄改革というのは意識改革であった。自主自立という、その国鉄改革の理念に基づいて経営をして今日のJRがある。 そういう中で、今度この法案の中で、国鉄改革の経緯を踏まえて支援を策定する、そういうことで三項目にわたる新たな指針が法案の中に織り込まれておるわけでありますけれども、しかし、これを考えるときに、国鉄改革の精神というのは、民間企業と同様に、経営の自由とか自立、そういうものができるようにということの趣旨でもありますから、その趣旨と相反する点もあるのではないかなと思わざるも得ないのですが、これについてはどういう御見解でしょうか。
○安富政府参考人 いわゆる完全民営化ということをやっていくためには、基本的に二つの必要な要素があるかと思います。一つは、国有国営という企業形態から完全に脱却するということでございます。それからもう一つは、民有民営の株式会社形態にするということでございまして、今回JR会社法の改正案を出しましたのは、まさに特殊会社法であるJR会社法の適用対象から除外して特殊会社でなくする、いわゆる特殊法人でなくするということでございます。さらに、この法律が施行された後におきましては、鉄建公団の現在保有しているJR株式をすべて売却して、完全に一〇〇%の民間資本化を実現するということになるかと思います。 そういう中で、御指摘の指針制度でございますが、そうはいいましても、この本州三社が完全民営化された後においても、やはり本州三社が、従来、国鉄改革の中から生まれてきた。この中には、事業用資産を国鉄から受け継いでいる、あるいは長期債務について国民に負担を課しているというようなこともございますので、こういう国鉄改革の経緯を踏まえた事業運営ということをぜひ行っていただきたい。 これはもちろん必要最小限の措置でございますが、そういう形で考えておりまして、従来のように、代表取締役の選任とか、資金調達の際の認可であるとか、事業計画の認可といったような個別の具体的な、包括的な規制までをかけようということは、今回、会社法を改正することによってなくなるわけでございます。 そういう意味で、あくまで必要最小限の措置ということで指針制度を設けておりまして、我々としては、当然、この指針制度を運用するに当たっては、会社の自主的な経営判断というものは十分尊重してやっていきたいというふうに考えております。
○菅(義)委員 今の答弁ですと、いわゆる会社の経営の自主性というものをそがないような最小限の内容である、そういう理解でよろしいですね。一応確認いたします。
○安富政府参考人 我々としては、この指針制度につきまして、今回、三点について法律の中で設けておるわけですが、あくまでこの三点については、国鉄改革の趣旨という観点から考えたときに、当然考慮しなければいけない事項だというふうに考えております。 そういう意味で、我々としては、本州三社が具体的な事業運営を行う場合には、あくまで本州三社の経営的な自主性というものを阻害することがないように、十分気をつけて留意していきたいというふうに考えております。
○菅(義)委員 その時期でありますけれども、「当分の間」ということが法案の中にうたわれていますけれども、当分の間というのはどのように解釈したらよろしいのでしょうか。
○安富政府参考人 先ほども申しましたように、国鉄改革におきまして、JR各社が健全な事業経営が行えるようにということで、公的な財産であった事業用資産の承継等を行わせたという経緯がございます。そういう意味では、JR会社は、他の鉄道事業者とは若干性質が異なるものではないかというふうに考えております。 今回、JR会社法の規制から適用除外されて完全民営化されることになるわけでございますが、このような経緯を踏まえた事業経営を行う必要性があるということで指針制度を設けたわけでございますので、この指針制度を設けた趣旨からいいまして、具体的に、この「当分の間」というものを何年だと言うことは非常に難しゅうございます。 具体的な年数を確定することは非常に困難でございますが、基本的には、他のJR会社の完全民営化の状況であるとか、あるいは、先ほどもちょっと申しましたように、国民に負担を課している長期債務、これについての償還状況がどうなっているかといったような点、さらには、本州三社の今後の経営状況といったようなことも勘案しながら、国鉄改革が最終的に完了したと判断されるまでの間、非常に抽象的でございますが、総合的に判断して、この「当分の間」ということの運用を図っていきたいというふうに考えております。
○菅(義)委員 一昨日の参考人質疑の中で、慶応大学の名誉教授の藤井参考人は、この三つの項目については時期がずれることもあり得るんじゃないか、そういう発言もされましたけれども、これについてはどのようにお考えですか。
○安富政府参考人 先般の参考人質疑の際に、藤井先生の方からそういうお話がございました。一つの考え方だというふうに思います。 ただ、具体的には、いずれにしましても、この「当分の間」をどういう形でどの時期まで運用していくかということは、その時々の、先ほど言いましたいろいろな判断材料をベースにして考えていかなきゃいけないと思いますので、また、実際に、この「当分の間」をなくすといいますか、削除する際の議論としては、一号、二号、三号、いろいろありますが、それを全部外すのか、あるいはどれか一つをやめるのかといったような、幾つかそういう議論は出てくるかと思います。 ただ、いずれにしましても、「当分の間」をどう外していくかということも含めて、これから、先ほど言いました幾つかの状況をにらみながら総合的に判断していくことではないかというふうに考えております。
○菅(義)委員 指針の三項目めなんですが、「中小企業への配慮」というのがありますね。中小企業についてはさまざまな法律が実はあるわけでありますけれども、分野調整法だとかそういう法律との整合性というのはどういうふうに考えておられますか。
○安富政府参考人 今回の会社法の改正の中で、指針において定める関連事業分野による中小企業者への配慮に関する事項ということを設けております。 これは、国鉄改革の経緯を踏まえまして、現行法の第十条にも同様の趣旨の規定がございまして、JR本州三社と地元中小企業者との間の紛争を未然に防止するために、JR本州三社が関連事業を行う場合に地元中小企業者へ配慮することということを今回指針制度の中で定めようとするわけでございますが、今申しましたように、この第十条あるいは今回定めます指針で配慮する事項としての中小企業者への配慮は、あくまでこれは未然に防止するということをねらっているわけでございます。 先ほど先生の方から分野調整法というお話がございました。これは、現在、分野調整法ということで、JRに限らず、大企業と中小企業のいろいろな紛争を処理するという形で法律がございますが、JR本州三社と地元中小企業者との間に具体的に紛争が生じた、その紛争が発展してきた、何らかの措置が必要だというときにこの調整制度が発動されるということになるわけでございまして、これは、当事者の申し出に基づいて中小企業政策審議会を中心に紛争の処理を具体的に図る仕組みになっております。 そういう意味で、実際に問題が生じてしまいますと、我々国土交通省としてのいろいろな調整がうまくいかない、どうしても対立構造が出てきた、そういう場合には分野調整法という手段にかかってくることになるかと思いますが、我々としては、できるだけこの指針制度の中で未然にそれを防止していくということをねらっているものでございます。
○菅(義)委員 参考人として総務省の方にお願いをしていますけれども、この法律が成立をする、そうすれば、いわゆる地方財政再建促進特別措置法というものですが、これについて、都道府県や政令指定都市の首長に対して通達をかつての自治省は出しておりますけれども、これも当然なくなる、こういう理解でよろしいですか。
○香山政府参考人 お答え申し上げます。 JR寄附の問題につきましては、昭和六十一年、国鉄改革関連法制定時に国会の附帯決議がございまして、JR会社、地方団体に対しまして、再建法二十四条第二項の趣旨を超えるような負担を求めないこととされたことを踏まえまして、国等に対する地方団体からの寄附の制限に準じた取り扱い、具体的には、当時の自治省でございますけれども、協議をいただきまして、再建法の範囲内での寄附のみを認めるという取り扱いをしてまいったところでございます。 今回、法律改正が実現いたしますと、JR三社は完全民営化ということに相なりますので、今後はこのような寄附制限の取り扱いの対象とはしない、そういうふうにさせていただきたいと考えております。 もっとも、規制からは外れますけれども、JR各社が地方団体に対して安易に負担を求めたり、地方団体の方がまた安易に負担をするというようなことがあってはならないものでございまして、それぞれ節度ある対応をしていただくことを期待いたしておる次第でございます。
○菅(義)委員 なぜこんなことを私が申し上げるかといえば、私は横浜の市会議員を二期八年務めましたけれども、横浜市とJRの中で連絡通路、市営地下鉄とJRの施設、そういう協議は成立をしても、なかなかそれが実行に移されない。なぜ遅いんだという話をしたら、自治省がなかなか許可をしないと。それで私この法律を知ったわけでありますけれども、地域の皆さんの要請にこたえて地方自治体とJRが協定をしたわけですから、そういうものについてやはり干渉をすべきじゃないなと当時思ったものですから、今あえてこの問題について質問をさせていただきました。 次に、三社の株式売却のタイミングでありますけれども、きのうの終値でも、東日本が六十八万二千円、東海が七十六万一千円、西日本が五十五万八千円という大変な高い株価を維持しておられます。この趣旨からすれば、できるだけ早く売却するのが当然だと思いますけれども、この時期についてはどのようにお考えですか。
○安富政府参考人 本州三社の株式の売却のタイミングについてのお尋ねでございますが、この法案につきましては、交付の日から六月を超えない範囲内で政令で定める日から施行するというふうになっております。したがって、この時点をもってJR本州三社はJR会社法の各種規制から適用除外されることになるわけでございまして、適用除外された後、株の売却を行っていくということを現在考えておりますが、その具体的な日程はまだ未確定でございます。 先ほど先生の方からありましたように、できるだけ早くこれを売りたいというのは、我々もそう思っております。具体的には、法施行後、株式市場の動向であるとかあるいは当該JRの株価、現在割と堅調に推移しておりますけれども、その株価の状況等を踏まえながら、特に金融庁等も含めた関係者と調整を図りながら順次売却していきたい、できるだけ早く売却していきたいというふうに考えております。
○菅(義)委員 この法案が成立すれば、本州三社は完全民営化されるわけでありますけれども、民営化された後の本州三社と三島三社あるいは貨物会社の連携だとか協力関係、これはどのようになるのか、この点についてお尋ねします。
○扇国務大臣 先生御存じのとおり、もともと、民営化の対象になっております本州三社、そして他の四社、国鉄という一本の親元から分かれたものでございます。レールも同じものを活用しております。そういう意味では、今後、互いにつながったレールによって事業を営んでいるものであって、その連携と協力というのはあらゆる意味で不可欠である。例えば、列車ダイヤの調整があったり、あるいは災害復旧への協力、これも不可欠でございます。そういう意味においては、今後もあらゆる面で協力していくというのは当然なことでございまして、それが国民の皆さんにより安心して乗っていただける基本的なことであろうと私は思っております。 今般の法律案におきまして設けております指針制度におきましても、このことを大事にするための指針、三つございます中の一項のことでございますけれども、会社間の連携及び協力の確保に関する事項というのがございます。今私が申しましたようなことで国鉄改革のその趣旨を確認して、お互いが一日も早く、本州三社の完全民営化後におきましても、適切な分野におきます会社間の連携と協力、例えば旅行業者への案内等々も連結してできる、そういうサービスも、この連携は必ず必要なものである、またそうあるべきであると思っております。
○菅(義)委員 特にこの三島会社と貨物会社は、民営・分割の時点からかなりその経営について心配をされていたわけですね。当時、三島会社については一兆二千億円のお金を七・三%で運用するという方針でありましたから、果たしてこんな高い利率で運用できるのかどうかなというのは当時から懸念をされていました。あるいはまた、貨物会社につきましては、国鉄の赤字の三〇%は貨物会社でありましたから、果たしてうまくいくのかどうかと。 そして、貨物会社はそれぞれの旅客会社の鉄道を使用させてもらって経営をするわけでありますから、現在のそうした線路使用料というものが何か年間百五十億円支払っているようでありますけれども、こうした今までのルールというのは、本州三社が民営化された後も踏襲をされる、こういうふうに考えてよろしいでしょうか。
○安富政府参考人 先生御指摘のように、いわゆる三島会社それからJR貨物、国鉄改革当初は割と順調な経営を行っておりましたけれども、最近、輸送需要が減少するとか、今般の低金利の状況で経営安定基金の運用益が減少するということで、非常に経営環境は厳しくなっております。 そういう中で、特にJR貨物につきましては、その一つの経営を支える柱としてアボイダブルコストルールという線路使用料のルールがございます。これについては、ほかのJR各社の協力のもとにといいますか、協定のもとに実施しているわけでございますが、具体的にはJR貨物がJR旅客会社の線路を使用する場合の使用条件等につきまして民営化以降会社間で協定を結びまして、会社法の枠組みの中で維持してきたところでございます。 今回、本州三社がJR会社法から除外されることになるわけでございますが、この際、先ほど言いました指針制度というのを設けまして、先ほど大臣の方からも、会社間における連携協力の確保に関する事項がこういう形で定められるというお話がございましたけれども、この事項の中に、アボイダブルコストルール等につきましてもこの指針制度の中で規定するというような形で考えておりまして、これによってこの枠組みを維持していく、担保していきたいというふうに考えております。
○菅(義)委員 非常に低金利の中で三島も大変苦戦をしている。そして、貨物会社も、景気が低迷をする中で厳しい経営状況になってきています。国土交通省として、この三島会社と貨物会社に対し、新たなる支援策というのは何かお考えですか。
○安富政府参考人 先ほど言いましたように、三島及びJR貨物の経営状況というのは非常に厳しいものがございまして、そういう観点から、現在まだJR三島、JR貨物についての上場の見通しというのが立っていない状況でございます。 ただ、現在においても、我々としては、特にJR三島会社につきましては、経営安定基金の運用益を確保していくための措置、さらには税制上の措置、さらには貨物会社に対しても、いわゆるインフラ補助等の助成制度、さらには税制上の措置というような形でいろいろな措置を講じてきております。 こういう措置を講ずるとともに、三島会社及びJR貨物自身もいろいろな経費節減努力それから合理化というものを進めていまして、それによって何とか経営基盤の確立を図ろうということで考えておりますので、我々としては、今回こういう三島及びJR貨物の上場に向けて、各会社の経営努力とともに、従来続けています支援措置も含めまして、今後、特に税制上の措置については十三年度で切れるということもございますので、これを何とか延長する措置、そういうことも含めて、今後どういうような支援策が講じられるかということについて現在検討しているところでございます。 いずれにしましても、いろいろな支援策についていろいろ検討した上で、何とかこの三島、JR貨物が上場できるような経営環境を整えていきたいというふうに考えております。
○菅(義)委員 特に、地球環境が今大きな問題になっているときに、JR貨物の果たす役割というのは極めて大きくなってくると私は思います。環境に貢献をする輸送手段として、私は大いに支援策があってよろしいのかなというふうに思います。 それと、川崎運輸大臣が、この四社に対しての経営に対する援助、これが運輸省の最大の課題であるというような答弁を長期債務のときに委員会の中で述べられておりますけれども、そうした経緯もありますので、大臣におかれましても、ぜひこうした三島プラス貨物会社の上場が近い将来行うことができるように当局の努力を期待しまして、私の質問を終わります。
○赤松委員長 西村眞悟君。
○西村委員 西村です。扇大臣、泉副大臣、ごぶさたしております。 これからJRに関して御質問いたしますが、冒頭に、JRという設備は、明治以来、我が国家が我々に残してくれた大きな資産でございます。今や文化財ともいうべきあの東京駅がつくられたときの乗降客は一日何人かといえば、八十人でございます。経済の採算性とかそういうことではなくて、このJRを我々に残すということについては国家の志が感じられるわけです。今審議されているこの民営化にするというのも、やはり民営化が目的ではなくて、安全な公共輸送機関を末永く国民に残し、もって国民の利便と国民経済を支えるという志がなければなりません。 したがって、単なる民営化という技術的な審議ではなくて、その過程において、我々は、先ほど言いました国民経済を支える、国民の利便という観点から何をなさねばならないのかという点について重大な懸念を持っておりますので、そのことについて今から四十分少々、質問をさせていただきます。 理事会でお許しいただいたと思いますが、同じ政府の資料がある。警察庁作成の「焦点 平成十二年の警備情勢を顧みて」また、同じく警察庁作成の「焦点」の中の「過激派集団革マル派」というパンフレットを見るだけでも、JR東労組の中に過激派革マルが浸透しているということは明確に書いてあります。このことを、JRに関する審議をされている委員各位に、また大臣にも御認識をどうしてもいただきたいというのが今回のこの質問の趣旨でございます。 この過程において、我々が、国民の公共輸送機関に重大な脅威を及ぼすこの問題に関して質疑をし、取り組まなければ、国会と行政は不作為の責任を問われるだろう。原告適格があるのはJRを利用する国民、その株を購入する国民のみならず、日本国民すべてがこの行政と国会の不作為に対して責任を問うべき立場になるだろう。こういうことを見逃すことは、我々の責務を果たしたことにはならない、このように思うわけです。 まず、警察また公安から来ていただいておりますので、捜査によっていかなる事態が把握されているのか、革マルという組織が本当にJR東労組の中に浸透しているのか否か、各アジトから押収した資料をもとにして、概略を御説明いただきたいと存じます。
○漆間政府参考人 お答えいたします。 警察としましては、平成八年以降、革マル派非公然アジト十カ所を摘発いたしまして、その一部のアジトから押収した資料の分析により、非公然部門が対立する団体や個人などに対して住居侵入、窃盗、電話盗聴等の違法行為を組織的に引き起こしていたなどの実態を解明したところであります。 また、ただいま申し上げました平成八年以降摘発した革マル派非公然アジトから押収した資料の分析によりまして、革マル派が国労役員宅やJR連合傘下のJR西労組役員宅に侵入した事件等を検挙したところであります。 こうした捜査活動等を通じ、JR総連、JR東労組内における革マル派組織、いわゆるフラクションの実態やその浸透状況についても解明したところであります。
○西村委員 今、フラクションという言葉が出ましたが、この実態について具体的に御説明いただけませんでしょうか。
○漆間政府参考人 フラクションというのは、一般的に使われている用語でありまして、企業の各職場とかそういうところで、職場内の労働者に対する暴力活動とか学習活動を行って徐々に労働者を獲得して組織拡大を図っていこうとするために、各職場や労働組合の中に設ける組織あるいはグループであります。
○西村委員 革マル派は、組織内に各産別労働者を指導するための各種労働委員会を設けまして、今御答弁なさったような任務を担当している。その中で、JRを担当する委員会があって、通称トラジャと呼ばれる、それがJR内の労働者を指導しておる、トラジャの下部組織にマングローブと言われる組織が存在する、これは捜査で裏打ちされておりますでしょうか。
○漆間政府参考人 ただいま議員御指摘の事項につきましては、捜査でその裏づけをとっております。
○西村委員 今、警備局長から、私は、予算委員会であれ法務委員会であれ、御答弁をいただいておったわけですが、JR東労組に対して革マル派が浸透しているという御答弁はいただき、今、具体的に、トラジャという組織があり、下部組織にマングローブと言われる組織があるということも裏づけられているという御答弁をいただきました。 さて、JRの組合組織に浸透するというのは、組合員の数の割合のことをおっしゃっておられるのか、それとも、組合執行部に革マル派の者がおり、執行部として組合を指導する立場に既に立っているのか、いずれかなのか、そして、それが合わさっているのか、この点についての御答弁をお願い申し上げます。
○漆間政府参考人 警察としましては、JR総連、東労組内において、影響力を行使でき得る立場に革マル派系の労働者が相当浸透していると見ているところであります。
○西村委員 影響力を行使できる立場に革マル派が浸透しているという御答弁は、具体的にその者の人物等々の特定まで捜査で裏づけられておりますでしょうか。
○漆間政府参考人 個人的なものも含めまして、どこまで解明されているかというのは捜査の手のうちでございますので、答弁は控えさせていただきます。 ただ、捜査によって、基本的に議員が御指摘のようなことは解明されております。
○西村委員 今の御答弁、ありがとうございました。 配付されておる警察庁作成の「革マル派」という表紙を見ていただきたいわけですが、これは多分、豊玉アジトからの押収品だと思います。一万四千本の合いかぎが出てきた。それから、各種印鑑が大量に出てくる。一万四千ぐらいの合いかぎを用意すれば、大体どこのところでも入ることができるということでございますね。 それから、この革マル派が、権力謀略論という荒唐無稽なことを時々言う。十二ページですか、これは、O157やJR列車防護無線盗難事件や警察庁長官狙撃事件や神戸の酒鬼薔薇の事件を、「革命的左翼の壊滅や危機管理体制の強化などを目的とした国家権力の謀略である」ということを言うわけですね。それで、現実にしたことは、先ほどの住居侵入等々はお茶の子さいさいだという設備をもって酒鬼薔薇の検事調書をとって文芸春秋に掲載したということが起こりました。これに関して革マル派の機関紙は、「わが組織の防衛と闘いの発展のために組織的力をあげて結集し発揮してきたわれわれ自身の知能と技術と協創力、まさにこのような力をわが同盟が貯えていることからして、いわゆる「供述調書のフロッピーディスク」なども当然のことながらひとりでに入手されることになるのである。」こういうふうに書いている。これが、革マル派特有の権力謀略論という思考回路ですね。 さて、この同じ冊子、パンフレットの十八ページをあけていただきましたら、「「厚木アジト」の実態」というものが出てまいる。ここに写真に写っている中に、模造紙に何かを書いてある。これは武器です、鉄パイプ、サバイバルナイフ等、なたとか武器が押収されてきた中で、ここに模造紙にあるような、チラシというか看板が出てきた。「社員をナメルナ JR東海経営陣は辞任せよ!」こういうことを書いてある。JRとの関連の中で、こういう準備もなされていたということがわかるわけでございます。 さて、公安の方も来ておられますから、警察と公安に、実態については十分御存じだと思うのですね。こういうパンフレットを作成され警告を与えておられますから、捜査に基づいて作成されておるということでございますから、十分御承知だと思う。そのことを前提として、このJR東労組の中に、指導的立場にも浸透しているこの現実は、会社内部の経営上の問題なのか、労使問題なのか。JRという、明治以来我が国家が志として我々に残してくれたその内部の問題で、国民には関係がないのか、それとも、もはやこれは我が国民に重大な脅威を及ぼす治安上の問題なのか、いずれの認識を持たれているのか、警察と公安の担当当局にお尋ねいたします。
○漆間政府参考人 警察としましては、JR東日本という公共交通機関の労働組合内における革マル派の動向については重大な関心を払っておりますが、JR東日本の経営問題等についてコメントする立場にはございません。
○三谷政府参考人 公安調査庁といたしましては、暴力革命をも容認する危険な過激派団体の一派であるという革マル派でございますので、その動向には十分な関心を持っておりまして、調査を継続しているところでございます。 しかしながら、企業の経営の問題あるいは労働組合活動の問題ということについて、当庁としてはコメントする立場にないと考えております。
○西村委員 もちろん、経営上の問題では警察も公安も申し上げる立場にない、これは当たり前のことでございます。私の質問は、それを超えて、治安上の問題であるのか否かということをお聞きしておるわけです。 数年前に、新幹線の犬くぎが抜かれた、そして新幹線のレールにチェーンが巻かれた、これらは杳としてその犯人が見つからない。これは経営上の問題であるのか否か。明らかに経営上の問題ではない、我が国家の治安上の問題である。JRの列車運行のダイヤを知り尽くしながら、ポイントで短時間のうちに犬くぎを抜き去って、跡形も消し去って、捜査が及ばない行動をする者がおるんだということ。レールにチェーンを巻きつけて、いまだわからない。大惨事になれば、経営上の問題ではない、国民に大損害が及ぶ、国民経済を支える輸送の動脈が停滞する、こういう問題でございます。経営上の問題ではなく、こういう問題として、委員各位もまた大臣も、お受け取りいただきたいと存じます。 さらに聞きますが、治安上の重大問題、今私が具体例を挙げました。送電線の鉄塔が倒されて、だれが倒したかわからない。素人がやれるものではありません、今三つ挙げた例は。しかし、警察がまた公安が把握しておられるように、我が国内にこういう組織がある以上、これは即治安問題だ。JRにあろうがどこにあろうが、そんなことは関係ない。日本国内にこのような、秘匿性のある行動にたけた、盗聴技術にたけて、そして行動力もある、武器を製造している組織があること、JRにあること、今具体的にあるという御答弁でありますが、どこにあろうが、その組織があることが治安問題だと私は認識しておりますが、警察と公安の当局はいかな御認識に立たれておりますか。
○漆間政府参考人 警察としましては、JRを初めとする基幹産業の労働組合等に浸透している革マル派に対しましてその動向を見ているということでございまして、JRにあろうとなかろうと、基本的に、革マル派がどういうような行動をいろいろな組合等に対して行っているのか、こういうような関心を持って、現在その動向を監視しているところであります。
○三谷政府参考人 革マル派、正式には革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派と申しますが、同派は、世界革命の一環として日本革命の実現を目指しているわけでございまして、暴力によって民主主義的国家秩序を破壊することを容認する危険な過激派団体の一派であると認識しております。同派は、我が国がいまだ革命情勢にはないとの現状認識のもと、革命情勢が到来するまでは力量の蓄積を図るとする組織建設第一主義をとっておりまして、民間基幹産業労組内等での組織建設に力を注いでいるところでございまして、当庁としては重大な関心を持って調査を継続しているところでございます。
○西村委員 私が言うまでもなく、重大な関心を持って、背景事情も含めた徹底的な解明をなしていただけるものと確信しておりますので、今後とも警察、公安当局におかれては、どうかよろしくお願い申し上げます。 さて、次に御質問いたしますのは、私が、警察庁が発行のパンフレット等をもって、この問題は治安上の重大な問題ですよということを、ことし三月、法務委員会、予算委員会等で私が質問したわけですね。これは議員として当然のことだと思うのです。議員、国会、また政治というものは、国民の安全と国家の保持を使命とするものですから、当然のことだと思うのですね。 そこで、こういうパンフレット、チラシを配付しております。三月二日の予算委員会、また法務委員会で、ことしの初め質問した二日ぐらい後で、これはJRの東京車掌区、東京駅、上野駅、新宿駅、赤羽駅などの組合の掲示板に張り出されたものでございます。これは、先ほど権力謀略論の思考回路を紹介しましたけれども、見出しは、「戦争屋・グリーンユニオン 今度は「日本の核武装化」を唱える超右翼議員を使って八百長質問」ということでございます。それから、下の括弧の中には、「「国防こそ最大の福祉」を掲げるグリーンユニオン」と「「国軍の創設」を唱える西村議員」は「右翼思想集団」である、「狙いは憲法改悪、戦争推進」だ、「JR東労組東京地本」と書いてある。 この思考回路は、先行自白という言葉がありますが、まざまざと、JR東労組の中に革マル的思考回路が主導権を握って組合員に広報しておるということです。掲示板を使えるというのは、やはり組合の意思なわけでございますから、そういうことをまずこれを読めば示している。 それから、私が今申し上げたこの思考回路は、大臣も副大臣も御賛同いただけると思いますが、いやしくもJRの問題を扱うならば、この問題を見て見ぬふりをするわけにはいかないということでやっておるわけです。右翼でも左翼でも何でもない、無欲なのです。こういうことをやられることが愉快なはずがない。しかしながら、これをやらねばならないと思っているのです。 このビラの示すものは、一切の批判を排除して、批判する者を戦争屋であるとか極右であるとかいうレッテルを張って、組合員に対してマインドコントロールをするという、左翼がよく使う完全なプロパガンダ文書です。北朝鮮の言っていることもよく似ている。拉致された日本人のことを言ったときに、北朝鮮も同じようなことを言った。 大臣、これは自由な感想でよろしいですけれども、私が今申し上げたこのビラを見て、これがJR東労組東京地本という掲示板に、いいですか、東京駅、上野駅、新宿駅、赤羽駅、東京車掌区、張り出されているという事態は、いかに認識されますか。
○扇国務大臣 久しぶりに相変わらずお元気な西村先生にお目にかかれて、懐かしゅうございます。 私は、どちらかといえば、右翼系というよりも西村先生は信念の男だと思っています。尖閣列島においでになったり、あらゆる、人のできないことを行動をもって国民の前に姿勢をあらわす、私は、そういう西村先生の勇気ある行動というものも国会議員の中には必要である、そういう認識を持っております。すべての行動を了とするというつもりではありませんけれども。 今ここに先生が、東京駅とかこういうJR東労組の掲示板に張ってあると。先生の選挙区には張ってなかったのでしょうか、それも伺いたいのです。正直申し上げて、余りにも国会の審議を冒涜するものであるとは、私は思います。 国会審議は党派の差別もなく、みんな国民の代表として、右も左も真ん中も、あらゆる意見を交わすというのが国会審議の場でございます。一党一派に洗脳していこうなんということではなくて、あらゆる御意見を審議するのが国会の場ですから、その国会の場で質疑したことを、ここに書いております「「日本の核武装化」「国軍の創設」を唱える西村議員(自由党)と「国防こそ最大の福祉」を掲げるグリーンユニオンは右翼思想集団」、これはやはりだれもびっくりいたしますよ。けれども、これはこれとして、私はだれがしたかはやがてわかると思います。 何よりも、今私は警察庁と公安のやりとりを聞いておりまして、少なくとも西村先生がおっしゃいましたように、革マル派が全国で四千名いるということが先ほどの公安の資料に書いてございます。残念なのは、その革マル派の組織員約四千名のうち千名程度がJR関係者である。だれが鉄塔を倒したり、あるいはレールにチェーンを巻いたりしたのかはいまだに判明しないというところが恐ろしいことだと思いますけれども、それはそれとして、国土交通省、陸海空の安全を期することを第一の使命だと私は思っております。にもかかわらず、こういう意図的なものを、人命にかかわるようなことをしていまだに未逮捕だということ自体は大変残念なことだ。 日本の警察、公安をもってしてもこれがいまだに逮捕されないということでは、我々陸海空の安全を第一義的にする省庁としては大変遺憾なことであり、また今後、警察、公安のより以上の、国民に安心を与える、そういう行動を私は期待しているところでございます。
○西村委員 力強い御答弁をありがとうございます。いや、実に力強いです。陸海空の安全を守るということは大臣の責務であるという御発言でした。 私の選挙区にはまかれておりません。ただ、前の選挙のときに、私の選挙区の全戸に、核武装議員追放、西村追放、強姦議員西村追放のビラがまかれました。これは実に嫌なことであります。 一つの言動、国会における、一つの自由な言論の場、ここで議論をしようやということについて、マスコミが張り始めるレッテルというのはすさまじいものがありますね。あのレッテルを張られればいかなる抗弁ももはや通用しない。そのレッテル、マスコミの風潮に乗って一人の議員を誹謗中傷し、ビラを全戸配布できる組織があるということですね。 私は、よくされるような法的手段は一々とりませんけれども、こういうことはなれているのです。したがって、私は右翼でも左翼でもないのです、無欲なのですということを今申し上げて、この質問は別にだれからか頼まれてやっているわけではない、この問題を国会で審議しなければ国会全体が不作為の責任をとられるのだ、こう思って質問させていただいております。 それから、次に移りますけれども、法務大臣の答弁もいただいておりまして、厳重に実態究明をして対処する、公共輸送機関のJR東の中に過激派が非常に影響力を持つ形で浸透しているというのは、憂慮すべきことであるという御答弁をいただいております。 さて、今御答弁になられました大臣は、陸海空の輸送の安全を図られる、その中で、今申し上げたJR東労組内への革マル派の浸透に対して、これは単なる労使問題ではないな。やはり監督官庁として、これで放置すれば監督官庁の務めを果たしたことにならない。したがって、これからいかにこの問題に対処されるのであろうか。 また、このようなレッテルを張って一切の批判を排除するようなビラを張る内部組織というのは、かなり異常であることは確かですから、単なる説得やそういうものでは解決策は見つからないのではないか。相手は過激派ですから、ある意味では確信犯なんです。したがって、大臣のこの問題に対する志を、運輸行政の最高責任者としてお聞かせいただければありがたい。いかに対処されるのかということでございます。
○扇国務大臣 今先生がおっしゃいました中の、一点。私も初めてこの公安調査庁の資料を拝見させていただきました。ふだん余りこういうものを目にすることがないものですから。 その中で、私、一点大変気になりましたのは、「労働運動の分野では、最大の牙城といわれるJR東労組において、今夏開催の同労組中央本部・地本定期大会で、同派系労働者多数が組合執行部役員に就任するなど、同労組への浸透が一段と進んでいることを印象付けた。」こう書いてありますことで、私は、ふだん目にする書類ではありませんでしたので。大変これは、東労組に対する、皆さん方がどう対処してきたのか。ただ、役員に入ったからそれを扇動しているのか、していないのか、こういう内部に関しては、実態を存じておりませんから、私が今ここで云々するのは差し控えたいと思います。 なお、先ほど申しましたように、国土交通省は、空港、鉄道、船、そして海上保安庁、気象庁と、あらゆる所管の安全性というものに関して、私たちは、少なくとも、今、民営化問題を皆さんに御審議いただいております中で、このJR東日本が適切な事業運営を図る上で一番必要と思っております健全な労使関係、それがなければ、私は、民営化してきちんとした経営を構築していくというのは、大変問題になってくると思いますので、少なくとも、今はその経営上の問題として、東日本の経営者と労組の関係がどうなっているのか、もう一度注目もしたいと思います。 民営化してしまえば私の手から離れるわけでございまして、果たしてそういうものが、今、西村先生がおっしゃいましたように、やはり私たちは新しくJR三社を生んだわけでございますから、生んだ子供がきちんと育っていくというのは、生んだ親としては見守るのは当然のことでございます。 そういう意味では、JR東日本、安全で安心できる、しかも安定した鉄道輸送の確保が最大限できるように関心を持ち続けていきたいと思っております。
○西村委員 ありがとうございます。 大臣が今、公安調査庁の文書は今まで見ていなかったんだとおっしゃった。今見られた以上、やはりこれは本当に見て見ぬふりをして過ぎていく問題ではございません。もちろん労使関係は本当に健全に軌道に乗らねばなりません。国鉄崩壊の一因も労使関係にございました。 したがって、内閣が提出され、国会で審議され、そして民営化するための議論がこの場で行われている以上、やはり国鉄崩壊の一因となった労使関係が、鬼の動労がそのままなだれ込んだ状態の中で温存され、民営化で国民の中に渡していくということは断じてできないんだ、このように思うわけでございます。 繰り返しになりますけれども、初めてこの実態にお触れになった以上、警察、公安との連絡を密にされ、JRを生み出していかれる担当大臣としての責務において、この問題、労使関係の健全化と、そして国民輸送の安全に、明治以来我々に国家の志として渡してくれた先人の思いを体して対処をしていただくようにお願い申し上げます。
○扇国務大臣 三社を民営化するという法案を御審議いただいておりますこの委員会で、JR東に対して対処しろという逆のお話が出てまいりましたけれども、JR東とJR労組のことに、今民営化の法案を御審議いただいておりますので、その経営者と労使の関係を差しおいて私が直接今手を出すということは、むしろきょうの法案の審議からは、逆に私がいつまでも引っ張っていく、ひもつきにしてしまうということにもつながらないとも限りませんので、その辺は差し控えながらも、とにかく皆さんに安心して乗っていただけるという、安全第一としては重大な関心を持ち続けたいと思っております。
○西村委員 十分な御答弁をいただいてきたと思います。この問題についての対処を怠れば、我々は国民に不作為の罪を犯したことになる、このように思うわけでございます。 久方ぶりに扇大臣の歯切れのいいお話を聞けて心がすっとしました。ありがとうございました。泉副大臣も頑張ってください。 また、警察、公安の皆さん、本当に国民の安全のために日夜努力されていることと存じますが、この問題についてさらに御努力をいただきますようにお願いを申し上げ、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○赤松委員長 瀬古由起子君。
○瀬古委員 日本共産党の瀬古由起子でございます。 JR完全民営化法案に関する質問をさせていただきます。 まず、ローカル線廃止の問題についてお聞きします。 最初に、本法案で、JR会社法の適用対象から本州三社を除外しながら、なぜ、国鉄改革の経緯を踏まえた経営を担保する措置として、指針でローカル線の廃止や中小企業への配慮等を定めたのでしょうか。これは鉄道事業としての公共性を確保するためではないのかと思われるわけですけれども、その点、いかがでしょうか。
○扇国務大臣 JRのこの法案に対して、るる先生方から御質問いただいておりますけれども、今瀬古先生がおっしゃいましたこの三項目の指針に定める事項というところ、今の世の中の現状を瀬古先生は一番御存じだと思いますけれども、あらゆるローカル線で、不採算のために消えていく路線というのが多々ございます。それは、線路からバスにかえたり、いろいろなことがあらゆるところで起こっております。特に、第三セクターでつくったところもたくさんあります。 私は、その現状を見ておりまして、通勤通学あるいはお年寄りの病院通い等々、僻地になれば僻地だけの足としてどうしても必要なところがあるにもかかわらず、今の日本じゅうの過疎地帯におけるローカル線の消えつつある現状を見ますときに、民営化すれば皆さん方がやはりどうしても採算性を重視していくというのは目に見えております。 ですから、私は、今先生がおっしゃいました指針に定める事項というところで、もう一つ、これは、いつまでも国土交通省として監督指導するということではなくて、もしも民営化して、採算が合わないからといって、採算の合わないところをすぐ切ってしまうというような一般の民間の経営的な考えになってもらって、それの採算性のみを追求して切られたのでは、民営化して独自で頑張ってくださいという私たちの趣旨に反するということで、私は、あえてこの指導、助言と勧告、命令というのを残していただいた、そういう意味でございまして、いつまでも私の手から放すのは嫌よという意味ではございませんで、真に国民のためになるJRに三社が育っていただきたい、独立して立派にやっていただきたいという趣旨でございます。
○瀬古委員 明確に公共性を確保するために、この指針が設けられているという御説明でございました。 そうしますと、今言われましたように、この指針の中には、ローカル線の廃止は、国鉄改革の趣旨を踏まえた路線の適切な維持や駅施設の整備に当たっての利用者利便の確保に関する事項、これの対象としてあるわけですけれども、このような指針をあえて定めることにしたというのは、今回のこの指針があることによって、現行の鉄道事業法の一年前の届け出だけでローカル線の廃止ができるという手続とは、明確に違うというように考えていいでしょうか。その点、いかがでしょうか。
○安富政府参考人 先生から今御指摘ありましたように、鉄道事業法におきまして、路線の廃止を行おうとする場合、一年前に当該事業者が国土交通大臣に届け出をすることによって実施されるという手続になっております。 これは、JRも民鉄事業者も同様の手続で行われるということで、同じような法規制がかかるわけでございますが、今回の指針は、いわゆる国鉄改革において、不採算路線を含めて事業全体で採算が確保できるように、各社の収益調整であるとか、あるいは経営安定基金の設置等所要の措置を講じてきた経緯というものがございまして、これはある意味で一般の民間鉄道会社に対する鉄道事業法による規制とは異なって、分割・民営化後の状況とか、あるいは廃止予定路線に係る経営内容等が、当該路線を廃止するということになってもこの国鉄改革の経緯に照らして妥当であるかどうかというようなことも含めて、さらに上乗せして、十分な説明責任を果たすべきであるという趣旨で定めたものでございます。
○瀬古委員 私は、一般の鉄道事業についても、一方的に一年前に届け出を出せばもう終わりということではない、あくまでも公共交通としてのあり方という点では、やはり慎重に行うということが当然だと思うのですね。 今お答えになりましたように、例えば地元への説明責任を十分果たすべきだ、これは、大臣も実は私の本会議の質問にこのように答えられたんですね。この説明責任という問題は、そこはよく深める必要があるなと私は思ったのです。十分お話をして、それで、住民の皆さん、自治体の皆さんに、どこまで説明するのかという問題はありますが。 今各地域で、この路線はどうしても廃止してもらいたくないという住民の皆さんや自治体の皆さんから要望が出ている路線もございます。そういう場合には、十分説明責任を果たしたよという形で一方的に打ち切るということがないように、少なくとも関係住民の多数の反対、地元の自治体が納得しないという場合はローカル線の廃止はできない、こういうふうにこの指針で理解できるのでしょうか。その点、いかがでしょうか。
○安富政府参考人 赤字ローカル線、不採算路線につきまして、もちろん、一般論として申しますと、非常に大きく需要が減少しまして、いかなる増収努力や合理化によってもなかなか改善が期待できない、したがって、いわば鉄道特性がなくなったというような場合も考えられるわけでございますが、そういう場合に、鉄道事業の運営をあくまで強制するというわけにはいかないということはあり得ると思います。 ただ、今回の指針につきましては、先ほども申しましたように、国鉄改革の段階で、不採算路線を含めたいろいろな調整措置を講じた上でやってきた、そういう意味では、JRが普通の鉄道事業者とは異なる立場にあるということから、先ほど言いましたように、地元と赤字ローカル線の廃止問題について話し合う際には、国鉄改革時の状況、あるいはその民営・分割後の状況について十分説明する。さらには、廃止予定路線に係る経営内容等についても十分説明するといったような形で、通常の民鉄事業者以上に、JRとしては説明責任が大きいのではないか。 そういう観点から、ぜひ地元にも御理解が得られるような十分な説明を求めていく、説明責任を果たしていただくということを、我々としてはこの指針制度で確保していきたいというふうに考えております。
○瀬古委員 そうしますと、いろいろ御説明なさっても、まだまだ圧倒的多数の住民が反対している、自治体としても、どうしてもここは存続してもらいたい、先ほど大臣が言われたように、この鉄道しか子供たちが通学する、お年寄りが病院に通う方法はないのだという場合があるわけですね。そういう場合には、十分説明責任を果たすということですけれども、納得が得られないまま、一方的に打ち切るというようなことはあってはならないというお考えでよろしいでしょうか。これは大臣にお答えいただけますか。どうでしょうか。
○泉副大臣 ただいま鉄道局長からお答えを申し上げておりますように、国鉄の過去の経緯を踏まえて、この指針をつくらせていただいております。 今先生御指摘のように、地元の方がどうしてもという御意向があるとすれば、それは知事のもとで議論をしますときにその議論の中に反映をされるわけで、それが果たして鉄道でなければならないのか、あるいはバスという形で住民の御期待に沿えるのか、そうした議論を積み重ねる、その上で、JRの意向が受け入れられるのかどうか判断をすべきだと思っております。必ず鉄道でなければならないという御意向が本当に正しいのかどうか、そうした議論を十二分にしていただいて、JRの意向が通るのかどうかという判断をさせていただきたいと思います。
○瀬古委員 今のお考えですと、一方的に強行するということはない、そういうように考えていいですか。
○扇国務大臣 それぞれの個別の案件によると思いますけれども、原則的には、私たちは、一方的にということを受け入れるものではない。 現に、広島の、西日本の可部線というのがありました。それも、私のところへ、本来はもうとてもじゃないけれどもやっていけないとおっしゃいましたけれども、地元の皆さんが、今瀬古先生がおっしゃいますように、通勤通学あるいは老人にとってはどうしてもこの可部線が必要なのだというので、では、せめてあと一年間様子を見ましょうということで延長しているローカル線もございます。 ですから、そういうように一つ一つ事例が違いますけれども、私たちは、皆さん方の地元の理解が得られるように、最大限に努力するところは努力し、もしもやめたときに皆さんの足はどういう代替策があるのか、これも私たちは一緒になって考えていきたいと思っていますので、全部ちょん切ってしまう、そういうことではないということを御理解いただきたいと思います。
○瀬古委員 可部線についてもぜひ維持できるように大臣に応援いただきたいと思うんです。 そして、鉄道から例えばバス路線になった後の運命がどうなったのかというのは、また次回に私が話したいと思うんですけれども、実際には住民の足がどんどん打ち切られていくというのが現状でございます。 現在、JRの会社法のもとでも、JR発足以降、整備新幹線の開業によって、並行在来線がJRから切り離しをされる、もしくは営業廃止というふうになったところもございますけれども、こういったJRからの分離区間というのは現時点で九区間、二百十八キロにも上っています。そういう意味では、JRの責任がそういう地方にどんどん広がっているわけですね。そういう場合に、このローカル線の廃止を食いとめるという場合に、現在の法律でもなかなかそういうわけにいかないという状況がある。 そうしますと、今回の指針というのは告示なんですけれども、この告示である指針が、法律でもなかなか難しい状況なのに、指針だったらよりそれは食いとめる力になるんだとも言えないと思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。
○安富政府参考人 今JR会社法の法律でもできないのにとおっしゃいましたけれども、JR会社法における多分三億円以上の財産の処分についての認可というところでチェックされるのではないか、こういうお話を前提としてではないかと思いますが、あくまで、この三億円以上の財産の処分についての大臣認可といいますのは、その路線を廃止した後において具体的にその廃線敷を処分する場合に必要となる手続でございますので、路線を廃止しようとする場合には、従来から鉄道事業法の規定とかそういう手続はございますけれども、直接この大臣認可と路線廃止とが結びついているわけではございません。 そういう意味で、今回の法案につきましては、この三社につきまして指針に定めましたけれども、先ほど申しましたようにあくまで従来の鉄道事業法上の手続に上乗せしてといいますか、さらにこの指針という制度でもって、国鉄改革後の状況変化等についてJR三社が十分な説明責任を果たしていくということを求めているものでございまして、そういう意味で、会社法があってもできなかったのに、指針があったらできるのかどうかということはございますが、この指針制度、先ほど大臣からもお話がございましたように、指導助言、さらには勧告、命令というような形でその指針の内容の確保について担保することを考えております。 そういう意味で、この指針制度を有効に活用して、地方ローカル線も含めた鉄道ネットワークの維持に会社として努めていただくよう、我々としては、JR会社に求めていきたいというふうに考えております。
○瀬古委員 資産を処分する、廃止するという場合は、大臣の認可事項ということになりますから、当然そこで、本当にこの認可がいいのかどうかというのがチェックされるわけですよ。それは全くローカル線の廃止とは別問題じゃないですね。やはり大臣の一定の関与というのは当然行われるわけです。 そういう意味では、この廃止についても、今度はもう認可の対象にならなくなる、そして新たな指針を設けたとしても、やはり歯どめというか具体的なものがなければ、最終的には踏み切られる可能性は十分あると思うんですね。 そういう点では、現行の中でどうやったら食いとめられるのか、ある意味では住民の立場に立った方法といいますか、そういうものはもっと国が関与しておかなければならないというふうに思うわけですけれども、その点は残念ながら指針という形で後退をしてしまう、財産の処分についても大臣の認可を外れるという点で私は大変危惧をいたします。この点は、時間がございませんので、また引き続きやります。 それから次に、もう一度指針についてもお聞きをしたいのですけれども、JR商法について伺います。 国鉄改革の目的はあくまでも鉄道の再生であるとしながら、関連事業を認めるということで、地域における大変大きな、深刻な問題が起こっているというふうに私は考えております。関連事業の認可によって、いわゆる駅前の一等地、大変利用価値が高い土地や空間を利用した駅前開発、店舗、ホテルが盛んに展開されていくわけです。今日、第十条で、中小企業への配慮、こういう規定があるにもかかわらず、JRの駅前開発などの関連事業拡大に関して、周辺の中小商店、旅館業者から厳しい批判が寄せられている、このことは御承知でしょうか。
○扇国務大臣 私は、この法案に入りました冒頭に、最初の日でございましたけれども、申し上げましたけれども、国鉄改革をするときに、あらゆる国鉄職員、苦しい中でも転業をして、私は多くの人を見てまいりました。本当に私のところへいらした方もあります。そして、なれないパンの修業をしたり、うどん打ちをするのを練習して、そば屋になってみたり、うどん屋になってみたり、あらゆることでJRの職員というものが、このJRの民営化のときに、みんなそれぞれ何年も勤めた国鉄から離れていって転職をしました。そして、みんな頑張っています。私は本当に偉いと思いましたし、今までの国鉄に勤めていたときの職員の顔と、今転職をして、命をかけて家族を守り、自分の職を一生懸命やっているという姿に私は本当に打たれたのです。 それと同じように、私は今先生がおっしゃいますように、JR商法ということでJR関係の事業をおっしゃいました。正直申し上げまして、関連事業の中には不動産の賃貸業もあります。土地建物の売買業もあります。家賃、賃貸、それからホテル業、貸金業、クレジット業、あらゆる業種に及んでおります。私が今申しました食料・飲食卸業務もございます。 こういう業務があって、先生は地元、もともとの民を圧迫しているではないかとおっしゃいますけれども、JRとしても、やはり多くの労働者の皆さん方にも、みんなが失業をして戸惑うことなく、新たな雇用の場をつくるということも、JRの健全な体制を維持し、民営化してもみんなが元気を持って働けるということに対しては、これは私は努力として見る部分も当然ございますけれども、先生がおっしゃいました、一番いい一等地に、民を圧迫するじゃないかとおっしゃると、その部分もあるかもしれませんけれども、そういう意味では、両々相まって、その度合いが、どの程度が一番バランスがとれているのか、JRも一生懸命職員がそういうふうに頑張っているという姿も、一方では、私は少しは認知していただきたいと思っています。
○瀬古委員 JRがそういう事業拡大をやるにもやはり一定の歯どめが必要だと私は思うんですよ。中小企業と一等地にある大企業ですよ。競争したって、勝負は当然はっきりしていますよ。どこへ手を出してもいいなんということはあり得ないのです。それでJRは雇用を確保したといっても、その町そのものがつぶれてしまったら何もならないでしょう。 私は具体的な例を言いますと、例えば京都駅ですけれども、あそこに何か変わった形の駅ビルが建ちましたね、大変不評だそうですけれども。あそこに大型商業施設がどんどん入った。 ここは伊勢丹というデパートが入っているわけですけれども、ここが入ることによってどういう状況になるかというと、そこと競争するために、近くにあるデパートがもっと売り場面積を広げて、改造して、それに負けないようなものをまたつくっていくわけですね。そうすると、京都市は大型店の売り場面積の割合は大体六五%なんだそうですけれども、この京都駅のある下京区は全体の八五%を大型店の売り場面積が占めているという状態なんですね。それで、この周りの商店街はどんどんつぶれてきている。そして、駅周辺では、開発業者による土地買い占め、住民追い出しが相次いだ。 今、地元ではどうなっているかというと、JRビルに入った伊勢丹が京都の商店街をつぶしたというのが関係者の共通の認識になりつつあるというんですね、ここがきっかけとなって。もちろん不況の問題もありますよ。しかし、こういった大型店の競争の中に、もうそこの地域の中小業者、商店がどんどん大変な事態になっている。何とかしてほしいということで地元から随分声が上がったんですけれども、結局そういうような状況にならない。 今まで、法律では「中小企業者への配慮」という規定があったわけですけれども、実際には、各駅のビルの周辺の商店の状況を見てみますと、ほとんど効力ないんですね。その法律がなくなって、先ほどの問題ですけれども、さらに権限が弱い指針で、本当に中小業者や商店街を守ることができるんだろうか。やはりもう少し歯どめをかけるということが必要じゃないかと思うんですけれども、後退しないか、その点いかがでしょうか。
○扇国務大臣 先生がおっしゃいました中に、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の中で、第十条「中小企業者への配慮」というものがございます。先生御存じのとおりでございます。そこでは、JRは「その営む事業が地域における経済活動に与える影響にかんがみ、その地域において当該会社が営む事業と同種の事業を営む中小企業者の事業活動を不当に妨げ、又はその利益を不当に侵害することのないよう特に配慮しなければならない。」今先生がおっしゃったことはきちんと法律の中で明記してあるということで、私は、不当にということではないということだけは先生に、法律違反しているのではないということ。 それから、今先生、京都駅のお話なさいましたけれども、私も何度も行っております。けれども、あの京都駅の大きなビルの中には、地元の業者がお土産売り場でずらっと、本来であれば小さなお店で、商売できなかった人たちもあの中で全部京都の名産物をそろえて、修学旅行者あるいは一般旅行者等々の売り上げも大変寄与している。やはり地元との話し合いと共存共栄がなければ私はできないと思いますから、周りの人たちは少なくなったけれども、あそこの店に入っている地元のテナントは何十という、小さいのを入れますと何百かもしれません、それくらい私は共存共栄できていると思っています。 もう一つ私に言わせていただきたいことは、JRが広告宣伝等において地元地域のPRを継続的に行いまして、あるいは格安パックなんかをつくっても、その格安パックはあの駅前の自分のところが経営しているホテルではなくて、地元のホテルを利用しなさいということもきちんと現段階では、PRも兼ねてやっております。 基本的には、先生が今おっしゃいましたように、何としても地元との共存共栄を図っていくということに配慮しなければならないことは当然です。あっちが悪い、こっちが悪いというのではなくて、よりお互いに共存共栄ができる知恵を今後も出していくべきで、法律違反してならないことだけは当然でございます。
○瀬古委員 一カ所にお店がどっと集中することで、本当に地域の顔として住民の中に入りそこで生きてきている商店街がつぶれていってもいいということではないと思うんですね。やはり、今までその地域を維持してきた商店街をどうやって維持し、そして発展させていくかということを考えながら共存共栄ということをやらなければ、そこはつぶれても、京都駅に来たら、みんなそこでお土産買えますよなんというのが共存共栄のあり方じゃないと私は思うんですね。 それで、私は大臣に聞いてもらいたいと思うんですが、なぜJRが共存共栄の姿勢をとっていないかというのは、実は二つの指標から見て大変問題だと思っているんです。 一つは、JRの経営指標なんですね。JR東日本の場合をとってみますと、百社近くの連結決算グループ会社を有しております。連結決算ベースで大体二兆五千億円の売り上げ。うち鉄道を中心とする運輸事業が七三%、物品販売、不動産賃貸などその他の事業が二七%。JR東日本本体だけ見ましても、九九年度の鉄道営業利益は二千九百三十八億円で、その他の事業の営業利益は二百二十五億円。九二年度と比べますと、鉄道事業の営業利益は千三百七十四億円に減少する一方、その他の事業の営業利益というのは三倍にもなっております。こういう経営指標から見ても、その他の営業利益はどんどんふやしていくという方針を今までJRはとってきているということがこれでもわかると思うんですね。 さらに、今JRは今後の経営戦略、完全民営化を見越した経営戦略でどういうように考えているかといいますと、鉄道事業以外の分野で、私はもっと鉄道について真剣に取り組んでほしいと思うんですが、鉄道事業以外の分野で積極的な展開を目指すんだということを明確にしているわけですね。これがJR東日本グループの中期経営構想でニューフロンティア21と言われるものなんですけれども、総合生活サービス企業を目指すとして、駅のスペースは、優位性を持つ空間を高度に活用するなど成長の期待できる生活サービス事業を積極的に展開していくんだ、このように言っているわけです。 そういう経営指標を見ましても、経営戦略を見ましても、本格的な事業展開を目指すということを明確に打ち出しているわけですけれども、こういう経営構想については御存じでしょうか。 〔委員長退席、河上委員長代理着席〕
○安富政府参考人 今先生からお話がございましたJR東日本の中期経営構想、いわゆるニューフロンティア21として、JR東日本が、二〇〇一年から二〇〇五年までの五年間、JRグループとしての経営目標というものを定めたものでございます。 お客様志向、それから、信頼される生活サービスグループというものを目指して作成したものでございまして、その中で、駅の総合的な開発という観点から、今後駅という非常に潜在的な空間を活用して生活の向上に役立てたいという形でいろいろな経営戦略を持っているということは承知しております。
○瀬古委員 そうしますと、こういう状態をこれからずっと続けていく、今回法律じゃなくて指針という形になるわけですから、さらに拘束力が弱くなる。そうしたら、では一体どこで歯どめをかけるんだということになるわけですね。そういう意味では、私は、JRの経営方針、そして今までの取り組んできたものを見れば、明確に何らかの歯どめをかけなければ、それこそ駅の周辺の商店街や中小業者はかなり厳しい打撃を受けるという可能性は十分持っているのですね。この点でも、今回の完全民営化法によって、指針にこういうふうに書かれているけれども、大変大きな影響を中小業者に及ぼすということは、私は明確になってくるというふうに思います。 時間がございませんので、最後の質問にまいりたいと思いますが、千四十七名の旧国鉄職員の問題です。 国鉄が分割・民営化されてから、そしてJR会社が発足してから、もう十五年を迎えております。分割・民営化に際して、国労、全動労の組合員であることを理由にJRから採用を拒否されて、三年後の一九九〇年四月一日、国鉄清算事業団から二度目の首切りを受けた千四十七名が、厳しい生活を送りながら家族とともにJR職場への復帰を目指すという運動は、今や十一年を過ぎようとしております。このJR採用差別に対しては、これまで全国で十八の地方労働委員会の救済命令が出ている。中央労働委員会においても、国労や全動労組合員に対する採用差別があったこと、JRに不当労働行為の責任が帰属するという命令も出されているわけですね。 そもそもこの事件は、一九八六年の国鉄国会で政府が再三答弁をいたしました、一人も路頭に迷わせないという答弁や、参議院の附帯決議で国会の立法趣旨として明確にされた、労働組合所属による差別を行わない、こういう国権の最高機関である国会の権威もじゅうりんして行われたものでありまして、国鉄分割・民営化を国の政策として遂行した政府に早期解決を図る重大な責任があるということは、言うまでもありません。一九九五年の五月に、参議院の全会派が、人道上からも早急に解決をという要請を政府に行いましたけれども、当時の官房長官は、政府も努力をする、このように明確に回答されているわけですね。 このような経過からいって、政府は速やかに解決交渉のテーブルを設置する、そして政府の責任で千四十七名との間で全面解決を早急に図るべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○扇国務大臣 この問題に関しましては、当時野党の先生の御紹介で私のところへ事情を聞いてほしいということで、これは大臣になっていないときでございますけれども、私は何度も代表者にお会いしております。それで、現状を聞いたり、皆さんの御意見を聞く中で、私たちは、御存じの昨年の五月三十日の四党合意事項を出す前にお目にかかりまして、御意見を聞きました。 先生御存じのとおりだと思いますけれども、今まで少なくとも国鉄改革に伴う職員の動き、あらゆるものを私は勘案しまして、先ほども申しましたように、私はお会いした皆さん方に言いました。かつては皆さんと同じ同僚だった職員が、転職しても頑張った人もいる、けれども、あくまで反対と言って動かなかった人もいる。ただ、少なくとも私たちは、それを差別することではなくて、今回も今までの経過を見ますと、あらゆるところで雇用対策として専修学校等の部外教育機関における職業訓練教育、これは約二万人に対して行っております。また、職業相談、これは平均で延べ七十四回、一人に対して行っております。そして、就職あっせんも延べ三十四回実施しているのですね。ですから、これだけ減ってきたのです。そして、地方の自治体、民間企業へも再就職の対策を推進しました。皆さんにも言いました。そして、JR各社に対しても、追加採用の実施を要請したりもいたしました。今申しました昨年の十一月の十七日、ILOの勧告が行われまして、そして五月の三十日に出されました四党合意というものを決定したわけでございますけれども、それの受け入れを強く要請するという、もうこれが最後ですよ、これだけ年数がたちましたよ、なおかつ家族を抱えて必死になって働いた同僚もいらっしゃるじゃありませんか、この四党合意を受け入れてくださいということで、私たちも随分お話し合いをいたしました。ですから、今全国の雇用対策支所を百四十八カ所設置しておりますし、約千五百人の管理者が、昭和六十二年四月以降、三年間にわたって再就職の援助をしたということも先生は頭の中に入れていらっしゃると思います。少なくとも私たちは、雇用対策を受ける職員に対しましては、清算事業団職員として国鉄時代の給与を保障しつつ、三年間支給を続けているということも先生は御存じのことであろうと思います。 私は、大臣になる前のことでございますけれども、千四十七人に対する対応と事情聴取というものは、そのときに聞いた気持ちと全く今も変わっておりませんし、四党合意事項を出したということに対しては、速やかに皆さん方に御納得いただきたい、そういう気持ちで今もおります。皆さんにも、もう二十一世紀、元気を出していただいて、政府としましても、この四党合意事項を踏まえつつ、与党とも十分私たちは連絡をとりながら今後も適切な対処をしてまいりたいと思っております。 〔河上委員長代理退席、委員長着席〕
○瀬古委員 今大臣がここでも言われたのですが、私の本会議の質問のときにも、一人当たり七十四件の就職あっせん、就職相談、こういうものをやったと言われたのですが、私は、大臣、その就職あっせんの中身を御存じかどうかというのをお聞きしたいのですよ。 私、実は、六十二年十二月の青函雇用対策支部の求人情報というのを持ってきたのですけれども、実は、こういうものを通じて、これで就職相談、あっせんになっているのですね。こういうものはどういうふうになっているかといいますと、例えば、ここに四十件の求人情報があるのです。そうしますと、給与は九〇%が十二万円から十三万円の就職情報を持ってくるわけですよ。これで何とか就職できないかというわけですね。子供を何人か抱えている、親もいる、こういう人たちにこれを持ってきて、しかも年齢制限はほとんど四十歳未満なんですよ。四十歳以上は二件程度しかない。こういうことが日常茶飯事のように、これで、はい相談ですというように繰り返されてきたわけです。 これは、実は一九九〇年の三月二十六日に、参議院の予算委員会で、当時の我が党の高崎裕子議員が質問をしているのですけれども、こういう実態もあるわけですね。年齢制限で該当するものが二カ所しかなかった。この二カ所に連絡したところ、一カ所は、募集していない、事業団に依頼もしていない。電話したら、全然募集なんかしていませんよ、事業団からも頼まれていませんよと。もう一カ所は、現在電話が使われていません。こういう状態の就職あっせんや相談が繰り返された。四十件回りました、国労出身です、清算事業団出身ということで白い目で見られて、ことごとく断られて、悩んだ末青年が自殺した、こういう事件も紹介しているわけですね。 さらに、JRの本州三社の追加募集につきましては、本州に採用されれば、国労や全動労の玉突きによって、その採用地でまた国労や全動労の組合員は鉄道部門から外される、出向させられる。JR発足時の採用差別だけじゃなくて、その後も徹底した追加採用による組合差別を行った、こういう事実があるわけですね。 ですから、こういう就職あっせんとか追加募集が本当に労働者の立場に立ったものと言えるんだろうかということを、大臣もしっかりその点は、回数やりましたよというだけじゃなくて、中身もぜひ知っていただきたいと私は思うんです。就職、とても選べなかった。 もともと国鉄の分割・民営化は国の政策でなったわけですから、そういう人たちについて、政府は、やるだけのことをやりましたよ、七十四回もやり尽くしましたというんじゃなくて、やはり今誠意ある対応というのが必要じゃないかというふうに思うんですね。その点、いかがでしょうか。
○扇国務大臣 瀬古先生の力説してくださる皆さんを代表しての声としてはよくわかります。ただ、今、日本の中は失業率四・七、彼らだけではないんです。自殺をしたり家族で心中したり、あらゆる失業者が出ている中で、示してくれなければしないよという甘えも一般の失業者から見ればおかしいという点を私におっしゃる方もあります。 御存じのとおり、六十年度末で二十七万七千二十人という職員の中で、何度に分けてもみんな就職していき、あるいは交渉を受け入れて、二十七万七千の中から千四十七人。そういう意味では、あっせんを示してくれなければ、示してくれたものが不満である、そういう時代ではなくなったという時代認識も私は持っていただきたい。そういう意味では、ILOの結社の自由委員会で、平成十二年の十一月、これは、二〇〇〇年五月三十日に採択された四党合意を受け入れるよう強く要請するというものが出されているわけです。 ですから、あれも気に入らない、これも気に入らないというのではなくて、やはりみんなから、今の世間を考えれば、みずからも最大限努力して、苦しい中にお互いに、私たちも最大限のできるところの御助言もし、あっせんもしようという姿勢だけは、何にもしていないとかあるいは足りないということではなくて、明るい道をお互いに最大限に協力して選んでいく、そういう新たな二十一世紀にしたいと私は思っています。
○瀬古委員 あれも嫌だ、これも嫌だといって、家族も抱えて十一年も十四年も闘えませんよ。国の不当なこういうやり方に、ちゃんと正義の方向を示してほしいと彼らは頑張ってきたわけですよ。 就職ができない、今現在失業率が多いというのは、国の責任だ、政策の責任ということは大きいですよ。しかし、さらに、国鉄の千四十七名の問題は、むしろ国の都合で民営化した結果こういう事態になったわけでしょう。雇用者としての責任、国の責任は明確にあるわけですね。それをこの人たちのせいにするなんてとんでもないことです。(扇国務大臣「せいにしていない、お互いにと言っているんです」と呼ぶ)お互いじゃないですよ。ちゃんと国の責任ははっきりさせなきゃだめなんです。そして、それは国会でも、一人も路頭に迷わせないとわざわざ大臣が言ったり、国会の決議でも上がっているんです。 その立場で、私は、もっと国が責任を持ってこの問題について対処するべきだし、そして今大臣が言われたILOの勧告でも、きちんとJRと申し立て組合、国労、全動労間の交渉を積極的に奨励する、このことを日本の政府がやりなさいということを求めているわけですから、最後に、日本の政府の責任としてぜひお答えいただきたいと思うんです。
○泉副大臣 大臣が再三お答えをいたしましたように、政府としましては、国鉄改革法等に基づきまして、法的な観点から果たすべき責任はすべて果たした、このように考えておるところでございます。そうした中で、人道的観点から政治の場において解決に向けた努力が積み重ねられた結果、四党合意というのが取りまとめられたわけでございまして、政府としては、四党合意を踏まえつつ、与党とも十分連絡をとりながら今後適切に対処してまいりたいと思います。 それから、ILOのことについても、大臣からお答えをいたしましたが、御承知のように、四党合意を受け入れるようにという、強く要請するということが一つはございまして、あとは、引き続き政府は情報を提供するようにというように明確な見解を示しておることを申し添えさせていただきます。
○赤松委員長 時間が参りました。
○瀬古委員 時間が来ましたので、また引き続きこの問題は提起させていただきたいと思いますが、さらに政府が責任を持って対処していただくように要請いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○赤松委員長 日森文尋君。
○日森委員 国鉄分割・民営化から十五年目を迎えました。 当時、大赤字の国鉄を再建するということで分割・民営の案が出されたわけですが、どうも最初から分割・民営ありきという方向で話が進められてきた、今でもそんな気がしてなりません。むしろ国鉄は解体をされたという認識で今でもいるんですが、特に、一昨日の参考人の陳述の中でもございました、日本的公共企業体のあり方についてどれだけ深く突っ込んだ議論がされたのか、そこはむしろ避けて、初めに分割・民営ありきで、そういう格好で議論が進んできたのではないかという思いが今でもしてなりません。 それはともかく、むしろ、分割・民営を契機に、規制緩和であるとか行革であるとか、先ほど大臣もおっしゃいましたけれども、リストラであるとかいうことが国全体を覆っていく、そんな出発点にもなったんだという思いも同時にしております。 しかし、ここに来て、いよいよ本州三社が完全民営化をされるということになるわけですが、いや、なる予定になっていますよね。仮になったとしても、この十四年間というのは、先ほど瀬古さんのお話にもございましたけれども、必ずしも順風満帆というわけではなくて、光も影もあったというふうに思うんです。完全民営化をするに当たって、十四年間の総括といいますか、これをきちんとして、その上に立った方向性を示すということが求められているというふうに思っているんです。 そういう意味で、最初に扇大臣に、この十四年間、もちろん大臣でいらっしゃった時間は大変少ないんですが、どんなような総括をされているのか。先ほど泉副大臣から若干の御答弁もございましたけれども、改めて大臣から一言お聞きしたいと思います。
○扇国務大臣 日森先生もJRを御利用なすっていらっしゃると思いますので、お感じになっていることは多々あろうと思います。私も、全国区でございますから全国を飛び歩いておりまして、何度も利用させていただいております。 私の立場を離れて、一民間人の立場で考えましても、本当にサービスがよくなった。そして、気持ちよくあいさつをしてくれる。かつては、JRに乗ってあいさつされたことはありませんでした。チケットを渡したって、いかにも面倒くさそうに、そして、ありがとうございましたなんて聞いたこともありませんでした。ところが最近では、乗るときまでおじぎをしてもらって、こっちが恐縮するぐらい。立場を離れても、JRのサービスというものが本当によくなったな、気持ちよく乗せていただける、そういうことは大変大事なことだと私は思います。 そういうサービスがあって初めて、乗るときに、ああ、これに乗ったら安全だなという安心感がまず与えられるのですね。最初からつっけんどんにされたら、こんな機嫌が悪いのに乗って、運転士さん大丈夫なのかなというくらい心配もしますけれども、乗ったときから気分よく乗せていただくと、ああ、今から二時間乗るけれども、ゆったり乗せていただけるなという、まず乗客の一人として安心感を与えていただけるようなサービス体系になったということも、まるで昔と違うということだけは先生も御認識あるんじゃないか、私はそういう気がいたしております。 もう一つ、実質的に言いますと、御存じのとおり、国鉄時代には年間約六千億円から七千億円の補助金を出していたわけですね。それが、それぞれJR七社合計で千五百億円の法人税を支払うようになった。あんな赤字だった国鉄が、千五百億円も法人税を払うようになってしまった。どんな手品があったんだろう。何があったんだろう。 その陰には、先ほどの瀬古先生のお話のように、失業して、転業して、苦しんだ方も大勢いらっしゃいます。けれども、そういう時代とともに、私は、やはりJRになってよかったな、国鉄分割がされて本当に、今の時代になったなと。 例を挙げると悪いですけれども、こういうところで個人名を挙げてはいけないのかどうかわかりませんけれども、あの日産のゴーンさん。あんな外人が来てどうなるのかなと思ったら、あっという間に黒字になってしまった。こういう例を挙げるのは悪いかもしれませんけれども。それでも、あそこも失業して泣いた人がいっぱいいます。工場も閉鎖しました。 そういう意味では、そういう国鉄の六千億から七千億の補助金がなくなって、千五百億の納税者になってしまったという、この体質改善というものは、私は本当に努力なくしてはないと思います。しかも、十三年間、消費税を除いては一円も値上げをしていない。これも私たち利用者、国民にとっては大きなサービスであろうと私は思います。 そういう意味では、この十三年間の総括をという日森先生のお話に対しましては、私は、本当に生まれ変わったな、こんなにも変身できるのかと思うぐらいの感想を持っています。
○日森委員 きょう、東京駅で新幹線をおりて改札を出るまでに七回ぐらいおはようございますと言われまして、私はあいさつされると必ず返すことにしておりますので、ちょっと煩わしいなというふうに思いました。サービスは恐らくよくなったのでしょう。わかりました。 続いて、大臣のそういう総括がございまして、ともかく本州三社が特殊会社から完全民間会社へ転換する。そういうお話があって、特に、きのうも、東海は別にして、東と西はとりあえず早く民営化企業になりたいというお話があったようなんです。 この民間会社への転換を本州三社が求めた基本的な理由というのは一体何かということについてお聞きをしたいと思います。
○泉副大臣 先生御承知のように、この国鉄改革は、当初からできるだけ早い時期に純民間会社に移行するようにというのが政府の方針であったわけでございます。 一方、今日までJR本州三社は、先ほど大臣がお答えを申し上げましたように、大変な努力の積み重ねによって経営も順調に進んでまいっております。また、経済的、社会的に変化の激しい経営環境の中でJRの三社がさらにしっかりした経営を続けていくためには、今JR法で規制をされて大臣の認可を必要とするような中に、代表取締役の選任でありますとか、あるいは重要な財産の譲渡、定款の変更、利益の処分という、一つ一つまだ現在のJR法の中では大臣の認可手続が必要になっておるわけでございます。 そうした中で、会社としてはそうしたことを外して、いわゆる本州三社の役員人事でありますとか、資金調達等の事前的、包括的な規制をなくして、もっと機動的に対応したい、このような考え方が出てまいりました。これは経営者として当然なことだと私は思っておるわけでございます。 また政府といたしましても、とりわけ本州三社につきましては、先ほど申し上げましたように、分割・民営化以降、大変順調な経営を続けてきたところであり、JR会社法による後見的な監督、助成はもはや必要ではなくなったのではないかという判断に至りまして、今回の法案の提出をさせていただいたところでございます。
○日森委員 分割・民営化の際に確認をされていたことは、当然、完全民営化しましょうと。しかし、どう読んでも、できるところから完全民営化しますと書いていないわけでありまして、七社セットで民営化しましょうということが枠組みとしてあったはずなんです。 今回、本州三社が先行する。東海はいろいろ、何かまだまだ言えない事情もあるようですが、それはきょうちょっと聞きませんが。三島、貨物がいわば取り残されるということになってくると、先ほど大臣は触れませんでしたけれども、当時の国鉄改革の枠組みというのが、これはもう破綻をしたということになるんじゃないかと思うのですが、それについて見解をお聞きしたいと思います。
○安富政府参考人 今、当初の国鉄改革の枠組みが破綻したのではないかというお尋ねがございましたけれども、JRの完全民営化につきましては、国鉄再建監理委員会の意見におきましても、「経営基盤の確立等諸条件が整い次第、逐次株式を処分し、できる限り早期に純民間会社に移行する。」とされております。そういう意味で、国鉄改革のときから、条件の整った会社から順次完全民営化を進めていくという一つの考え方が予定されていたものでございます。 先ほど来お話がございますように、JR本州三社につきましては、設立以来、経常黒字を計上するという形で順調な経営を続けております。また、平成五年以降、株式を上場しまして、その後の株価も堅調に推移しておりまして、市場からも高い評価を受けているところでございます。このようなことから、JR本州三社については完全民営化の条件が整ったものと判断したものでございます。 したがいまして、我々としては、JR北海道、四国、九州、貨物につきましても、当然速やかな上場が可能となるような方向で努力をしていきたいというふうに考えておりますが、現在のところまだ非常に厳しい経営環境でございますけれども、今後とも、各社の経営努力とともに、国としても、引き続き所要の支援を行いながら、早期上場を目指していきたいというふうに考えております。
○日森委員 そこで問題になるのが、三島と貨物会社。これはいろいろな方からも質問が出されていると思いますが、この三島と貨物会社の将来展望をどうするのか。国土交通省として、どういう構想を持ってこの三島会社の経営基盤を安定させるのかということが重要な課題に今なっていると思うのです。 いわば三島、貨物も含めて、NTTなんかも、郵便局もそうだと思いますが、ユニバーサルサービスをきちんと保障していく、もう欠かせない鉄道網になっているわけですから、そういう意味では、何か別の方策、別の支援策を考えて、三島、貨物について経営基盤の強化を図っていく必要があるんじゃないか。 私どもは、NTTのように、JRグループ間の経営調整システムみたいなものを構想するとかいう具体的な案を今示していかないと、ともかく努力をするとしてもなかなか厳しいのではないかという気がしてなりません。恐らく三島も、貨物も実はこの間経営者の側から話を聞いたんですが、ぎりぎりの合理化、経営効率化努力をしている。これ以上切っていったりすると、むしろ、私の感じでは、安全問題とかいうところに重大な支障が出てくる。これを会社にお任せということだけではなかなか経営基盤の安定などというのは立ち行かない話になっていますし、同時に、今まであるような支援措置だけでは決して十分とは言えないということも明らかじゃないかと思うんです。そういう意味で、ちょっとお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○安富政府参考人 三島JR会社それからJR貨物につきましては、先生今御指摘のように、輸送需要の減退による収入の減少であるとか、低金利の長期化によります経営安定基金の運用益が非常に減っているというような問題がございまして、経営環境は非常に厳しい状況でございます。したがいまして、現在、各社において経営基盤の安定に向けてそれぞれ努力をされておりますし、我々としても各種の経営支援措置を講じているところでございます。 ただ、先ほどいわゆるJRグループ間の経営調整システムみたいなものが検討できないかというお話もちょっとございましたけれども、やはり国鉄改革においては、各地域や各事業部門ごとの依存関係を廃しまして、いわゆる自主的な経営体制のもとにお互いに競争して効率的な経営を追求するということで現在の七社分割・民営化ということにしたものでございまして、そういう意味で、三島会社あるいはJR貨物と本州三社との間で経営調整を行うというようなことについては、やはり自主的な経営体制のもとでそれぞれの会社が独自に経営努力を続けるということが国鉄改革の本来の趣旨ではないかというふうに考えております。 ただ、そうはいいましても、先ほど言いました四社、非常に厳しい状況でございますし、我々としても株式の上場等を目指していく必要がございますが、そのために、当然のことですが、各社における努力ももちろんでございますけれども、我々として今後どういう形の支援策が必要なのか、現在の支援策も含めまして、さらに各社の経営動向を見きわめながら、必要に応じて検討していきたいというふうに考えております。
○日森委員 JR東、東海、西と三島は最初から競争にならないわけで、公正な競争関係なんというのはできないわけですから、これはやはり具体的な対策を考えていかなければいけない時期に来ている、そういう御認識はお持ちだということでよろしいですね。 と同時に、問題は貨物でして、八期連続赤字になっていまして、しかも、出発するときに持参金はありません。九百四十四億円の債務というのを抱えて出発をして、一時よかったんですが、なかなか厳しくなって、土地を切り売りしたりしてやっと頑張ってきたわけですが、ここ八年間、どうしようもない状況に落ちている。一昨日の参考人の話にもありましたけれども、内部の経営努力も、人員を半分近くまで落としたり、設備の更新も、実際設備投資はできないわけですから非常に古いものを使っていかざるを得ない、そんな格好で今営業していかなければならないわけです。 これも物流の幹線ですから、全国ネットとして鉄道貨物のネットワークというのは大変重要な役割を果たしているわけで、そういう意味では貨物についてもう少し国策として具体的なことを考える必要があるのじゃないかというふうに思っているんです。少なくとも、貨物には持参金はなかったわけですけれども、貨物にこそ経営安定化基金が必要なんじゃないかという気もしていますし、それから、インフラを整備するための今どの程度の措置があるのかわかりませんが、門司の話は聞きましたけれども、それ以外にも、要するに国として物流幹線を維持強化していくという観点から、むしろ積極的にインフラ整備を行っていくとか、それからアブコストルールについても、これもずっと続けていくということですが、実はそれを続けていくだけでも年間百六十億円も払うわけですから、経営にとって大変厳しい。そうしたら、ヨーロッパに見られるように上下分離にして、その鉄道の使用料は、物流をきちんと確保していくという意味から、国が保証するとかいう具体的な支援策が必要なんじゃないかと思うんですが、それについてちょっとお伺いしたいと思います。
○安富政府参考人 JR貨物に対する支援策についてお尋ねがございました。 我々としても、鉄道貨物輸送につきましては、いわゆる大量輸送機関としての鉄道貨物の特性もございますし、ある意味で環境面ですぐれた輸送機関として、これからいわゆるモーダルシフトという形でいろいろな施策を講じていく必要があるというふうに考えております。 そういう意味で、現在でも、先ほど門司貨物拠点整備事業という話もございましたし、あるいは京葉線、武蔵野線の流通のシステム化というようなこともございました。そういう形に対して補助金を交付するなどして、いわゆる近代化について助成制度を講じてきております。さらには、税制の優遇等の支援措置も講じておりますし、この委員会でも議論になりましたアブコストのルールについても今回の指針の中で設けているというようなことでございます。 そういう中で、我々として、やはりJR貨物が、いわゆる新しい経済状況の中で、みずから経営努力によって十分競争にたえるような体質になっていただくという必要があると思いますし、それについてJR貨物も非常に努力しております。新フレイト21というのをつくって、九年から十三年度やってきました。ただ、これについてはなかなか所期の成果を上げることができませんでしたけれども、今後さらに新しい中期経営計画を我々も含めて一緒になってつくっていこうというようなことで、現在作業を進めているところでございます。 そういう中で、さらなる輸送の効率化、コストの低減といったようなことを進めていく必要がありますが、先ほど言いましたように、モーダルシフトというようなことも含めてどういう助成措置が必要か、我々もまたJR貨物とも十分相談していきたいというふうに考えております。
○日森委員 ぜひ、モーダルシフトという意味からも、積極的な、しかも具体的な支援策を講じていただきたいというふうに考えています。 それから、完全民営化によってどうなるんだという話で、安全面の問題とか。先ほど大臣は、もうサービスはこんなによくなったと。僕も一日七回もおはようございますと言われるぐらいサービスがよくなったんですが。 これも一昨日の参考人の陳述にあったんですが、どうもヨーロッパの例をとると、完全民営化をしている国はイギリスのみと言っていいぐらいで、あとは、不完全あるいは部分民営化という格好でいって、公がきちんと鉄路については責任を持っているということが一般化しているわけです。これは、公共性をきちんと確保する、何でもかんでも市場原理、競争原理だけで鉄道が運営されてはならないという思いから、そういう、ある部分は公がきちんと責任を持って運営するという格好がいわば潮流になっているわけです。 ちょっとこれは紹介したいと思うんですが、イギリスは完全民営化先進国だそうなんですが、イギリスの国鉄は民営化されて大変な状況になっている。まさかJRはこうならないでしょうという思いも込めて紹介をしたいんですが、余りにもひどい状況なので、再び政府が鉄道経営へ介入したらどうか、そういう検討まで始まっているという記事が朝日新聞に出されていました。全部読むと時間がかかりますから、おもしろいところだけといいますか、わかりやすいところだけにしたいと思いますが。 大混乱に陥っている英国の民営鉄道は、事故と水害がその原因なんですが、その結果、窓の外を自転車が追い越していくという鉄道だそうです。自転車にも追い越されてしまう鉄道。こんなひどい鉄道で、文句を言おうとしたら駅員が逃げちゃった、こんなことがイギリスの新聞の投書にどんどん載るというお話が出ていました。 しかも、ロンドン—グラスゴーという、六百四十キロ、長距離、ここは今までの二倍時間がかかるようになった。新幹線はそんなことないのでしょうけれども、こんなこともあるようです。脱線事故だとか、レールが古くなって、それも補修できないということで、全国五百カ所で速度制限が導入をされている。こんな話が出ていまして、自転車に負けてしまう鉄道、非常に人気がなくなって、したがって、その会社は今まで利用者にお金を返したりしている、こんなことが報道されていました。 もちろんこんなことにならないように恐らくJR本州三社は努力をされるのでしょうけれども、しかし、営利追求だけということになってくると大変厳しい、こんな心配もされてしまうということがあるのですが、そんな外国の例なんかについても、どんな教訓をお持ちになっていられるのか、お聞きをしたいと思います。
○安富政府参考人 先生御指摘のように、ヨーロッパ各国でいろいろな形での民営化が進められております。 その基本となりますのは、ヨーロッパ共同体、EUの方で、共同体の鉄道発展に関する閣僚理事会指令というのがありまして、この中で、鉄道事業者は国から独立した地位を保障され、みずからの責任で民間企業の経営原則により経営を行うこととされているということで、各国はこれに従って、それぞれ各国の事情によりながらいろいろな民営化の方式を現在とっているところでございます。 ただ、先ほどイギリスの例を出されました。我々もこれは非常に教訓にしながらやっていかなきゃいけないと思いますが、イギリスにおいては、いわゆる上下分離方式という形で、いわゆる運行会社が実は二十六社もある。それから、インフラ会社、いわゆるレールトラックという会社が一社あるわけでございますが、この一社の上下分離している上の方に多くの輸送会社が設立されておりまして、この上下分離に際して、安全対策の責任も上下に分離されて、例えば、我が国のATSに相当するような設備を例にとりますと、必ずしも我が国レベルの設備が法的に義務づけられていないといったような問題とか、さらには、線路側と車両側で協調がとれないまま設備投資が行われてしまったとか、ある意味では安全対策に対する一元的な責任の所在が不明確になっているのではないかというふうに考えております。 そういう意味で、我々は、こういう点は我々も非常に気をつけていかなきゃいけない点だというふうに考えておりますが、民営化の方法というのは、それぞれの国によっていろいろな考え方で進められております。 我が国では、安全を最優先という観点から、上下分離という形は今回とらずに、いわば地域分離といいますか、そういう形で民営化を図ったわけでございますが、こういった日本型の民営化ということも、着実に実施することによって、より安全で利便性の高い輸送サービスを確保していきたい。そういう意味で、諸外国の例もいろいろ参考にしながら、今後とも検討していきたいというふうに考えております。
○日森委員 ぜひそうしていただきたいと思いますが、今度は指針があるので政府が一定関与できるということですが、それが当分の間ということですから、いずれ切れた段階でJRがひとり歩きをしていくわけで、そのときに鉄道事業法で一定の規制はあるということになると思うのですが、ぜひ自転車に抜かれることのないJRを目指して頑張っていただきたいというふうに思います。 次に、三セク問題についてちょっと質問したいと思うのですが、東北新幹線の盛岡以北が延伸されることで、あの東北本線だった線が、岩手、青森でそれぞれ三セク化される。一種と二種ということで、形態はちょっと違うのですが、三セク化されることになりました。 それで、実は、この間青森に行きまして、八戸の市長さんとか野辺地の助役さん、三戸町の助役さんとか県とか、いろいろお話を聞いてきたのですが、確かに平成二年と平成八年の与党の合意で、新幹線をつくる場合は在来線はJRの経営から切り離すということになりました。しかし、新幹線についても、一千九百億円負担しなきゃいかぬ。そのうち、一千億円ぐらいは別になりますけれども、実際には九百億円ぐらい負担しなきゃいかぬと思うのですね。それに加えて、三セクになるために、在来線についても応分の負担を自治体が出していかなきゃいかぬ。しかも、どう収支をやってみても、なかなかそれ自体として経営していけるという状況にはほど遠いような実態であるけれども、しかし、鉄路はきちんと守らなきゃいかぬ、残さなきゃいかぬ、そういう思いでやっていかなきゃならないということになっているようなんです。 前例としては、しなの鉄道がいい例で、オリンピック新幹線ができて、その当初は一千二百万人ぐらい乗って運賃も据え置きで何とかなるというお話だったのですが、現実には二十一億円を超える累積赤字を抱えて、運賃を一〇%値上げをしてもまだ累積赤字を解消できないという状況に追い込まれて、大変な状況になっているわけです。 続いて、盛岡以北の東北線が三セク化されて、しかも経営は厳しい。これは、北陸ができればそうですし、九州でも一部を除くとJRの経営から分離をされるという格好になっていって、それぞれ沿線自治体が、あるいは地元の銀行や企業がそれぞれ金を出し合って三セクをつくっていかざるを得ないということになると思うのですが、これは、どこの三セクを見ても、もうかっているところなんかないというふうに言っても過言ではないと思います。 そういう意味では、確かに新幹線をつくって在来線はJRから切り離しますよという合意があったにしても、鉄路、全国ネットワークとしての鉄道網を守る、維持する、強化するという意味から考えると、今のままでいいのかという思いがしてなりません。 ちょっと余談ですが、八戸の市長さんは、今度おやめになるそうなんですが、いつも地方は差別をされてきた、東北は、坂上田村麻呂に攻め込まれ、その後は安倍一族が八幡太郎義家親子につぶされ、平泉をつぶされというふうに言っていました。ずっと差別されてきたんだと。ただ、明治政府は偉かったと言うのです。東海道線は明治二十二年にできたけれども、二十四年には東北本線もできたんだ。しかし、三十九年にできた東海道新幹線に三十数年おくれても、まだ東北新幹線はできない。やっとつくったら、在来線はおまえらが責任を持てという話になっちまっている。こんなひどい話はあるのか、国土の均衡ある発展というのは一体どこにいったんだというふうに、おやめになるからかもしれませんが、ややお怒りになっていました。 それを考えると、本当に地域に重要な足ですから、これをきちんと確保していくためには、何らかの国の役割、政府の役割というのが期待されているというふうに言わなければならないと思うのですが、それについて御見解をお伺いしたいと思います。
○泉副大臣 今先生の御指摘は、いわゆる新幹線の整備に伴う在来線の三セク経営についての問題点の御指摘だというふうに受けとめさせていただきました。 しなの鉄道の例を引用されましたが、御指摘のように大変厳しい状況にあることは私どもも承知をいたしております。 ただ、私ども、新幹線を整備するときに、並行在来線の取り扱いにつきましては、JRの経営に余分な負担をかけないように、いわゆる第二の国鉄をつくらないようにという基本的な考え方で、政府・与党合意に基づきまして、開業時にはJRの経営から分離をすることとし、新幹線の整備に手をつけるという基本的な考え方で進めさせていただいておるわけであります。しかも、着工に際しましては、沿線の地方公共団体から経営分離についての同意をいただいておるということでございます。 これは、今私が申し上げましたのは、あくまでルールどおりのことを申し上げたわけで、この考え方にのっとって、今例に出されました東北新幹線の整備をやらせていただくということでございます。 それで、残されます在来線の三セク化については、岩手県も青森県もいろいろな知恵を出して、それぞれの考え方で、上下分離方式あるいは上下を一緒にして三セクで持つという対応を考えていただいております。 御指摘のように、三セクがこれから徹底的な経費の削減を図り、また地方自治体から無償資金の交付等をいただく中で、厳しい経営が強いられることは私どもも想定ができるところでございます。試算をいたしますと大変厳しいということをわかっております。 国としましても、JRから譲渡されました鉄道資産に対します税制上の優遇措置等を図ってきたところでありますが、また、JRからも要員の派遣等をお願いして、できるだけ三セクが安定した経営ができるように努めてまいりました。 しかし、さらにこれからどうするかという議論は、残されておる部分があることは承知しておりますが、一応基本的な考え方で、地方自治体もそのことを前提にして新幹線を整備する、そして在来線は分離して三セクで経営するという基本的な考え方を崩すということは私はできないと思います。そのことはぜひ御了承いただきたいと思います。
○日森委員 第二の国鉄をつくらないという副大臣のお話、よくわかりましたが、自治体が第二の国鉄になってしまう。結局だれが負担するかという問題だけで、自治体に負担が全部かぶっていくわけですから。しかも、ここで小泉さんの悪口を言うと石が飛ぶかもしれませんが、地方交付税も何か考えようとかいう話になって、ちょっと、こういうふうになってくると……。 それは確かに沿線自治体の合意というのはとらなきゃいけないということでとっているんでしょうが、新幹線をつくってほしいという気持ちがあるから合意をされているわけで、その辺も考えていくと、もう少し政治が果たす役割というのがあってもいいというふうに考えるわけなんです。 これは、私たちも具体的に知恵を出し合って、自治体にどういう支援措置ができるのかとかいうことを考えていかなきゃいけないし、同時に、地域で公共交通のネットワークをきちんと確保していくための制度をつくったりということに踏み込んで考えていかないと、これはもうどうしようも立ち行かなくなるというふうに思っていますので、ぜひお願いをしておきたいと思っています。 時間がなくなってきましたので、ちょっとはしょって、幾つか質問を飛ばします。 それと関連をすると言ったらちょっと踏み込み過ぎなんですが、今現在、財政が大変厳しい状況になっていることは承知をしているんですが、その財政の構造をきちんと改革をしていくということは、今の内閣もそうおっしゃっているんですが、道路特定財源、これの問題がやはり大きな問題になるんだと思うんです。 きのうの夕刊に出ていましたけれども、道路特定財源の一般財源化を表明、これは財務大臣がこうおっしゃっているという記事が出ていました。これは、もう福祉にも回すよという趣旨だというふうに、概略そんなふうに書かれていましたが、そこまで私は今踏み込んで言おうということではなくて、せっかく国土交通省になられたわけですから、これは以前からの主張なんですが、総合的な交通体系をきちんとつくって、それを保証していくための会計制度を整備していくということが大変重要になっているんだと思うんです。 先ほどの三セクの問題もそうなんですが、何でもかんでも地方に押しつけて、そこで面倒見て、うまくおまえらが金出してやってくれということだけでは済まなくなっているわけですから、改めてそういう、我々の言葉で言うと総合交通会計というふうに言っていますが、道路だけではなくて、道路財源を一般化するんだったらば、それは鉄道にももっときちんと使う、連続立体交差だけではなくて、地域の交通網をきちんと維持していくためにそこからお金が出せる、そういう制度も組み立てていかないと地域の足を守れないと思うんです。その辺についてちょっとお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○扇国務大臣 今、日森先生から、道路特定財源を一般財源化するというお話がございました。(日森委員「私じゃなくて、新聞に書いてありました」と呼ぶ) 私は、きのうも、夜、総理ともお会いしましたし、三党党首で会談しました。けさも二つ会合で、総理御出席でしたけれども、一言もその話は私の耳にはおっしゃいませんでした。財務大臣とも先ほど会いましたけれども、一言もおっしゃいません。 小泉内閣というものがスタートし、なおかつ高支持率をいただいて、高支持率があるなればこそ聖域なき構造改革というものをうたった、しかも二十一世紀維新とも言った。では、何をどうしていくのかというもの、現実的に私が目に見えたものとして国民の前に出さざるを得ない、またそれを国民が期待してくだすった上での高支持率であろうと思います。 ですから、小泉総理のあのキャラクターで、今までできなかったこと、自分が総理になったこと自体が改革だ、こうおっしゃる、私はそのとおりだと思うんですね。ですから、私どもは、今先生がおっしゃいました国土交通省、四省庁統合してどこがどう変わるのか、四省庁統合したら国民にはどういうメリットがあったのか、これが我々に問われている、政府と私たち国土交通省とも同じ問題意識を持っております。 ですから、私は、道路特定財源、道路特定財源、何度も、本会議でも予算委員会でも質問されました。聖域なき構造改革という、これはもう小泉内閣の公約でございますから、それに向かってどこがどうできるか、しかも参議院選前にとおっしゃっていましたけれども、私は、国土交通省としては五月いっぱいに目に見えたものをお出ししたい。 そして、先生は、地方を切り捨てるのではないか、地方の補助金あるいは交付税等々、あらゆることで地方が取り残されていくよというふうに私には聞こえたんですけれども、均衡ある国土の発展はどこへ行ったんだと先生おっしゃいました。 私は、少なくとも……(日森委員「八戸の市長さんが言っていました」と呼ぶ)八戸の市長さんがおっしゃったんですか。 だから、私は申し上げたいのは、少なくとも今日まで、今、戦後五十五年、こんなに日本が変わるとだれも想像し得なかったという現実がここにあります。少なくとも私たちは、二十一世紀をこういう現状で幕をあけられたということはだれも想像し得なかったんですね。けれども、ここまで来た。ただ、足りないところがあるのは当然です。 けれども、私も国会議員になって二十四年たちます。いろいろな先生方おっしゃいました。あの当時、皆さん一県一空港、一県一医大、全部これは政治家が公約してきたんです。けれども、私はそれが達成できたとは思っておりません。うはうは右肩上がりの時代はよかったけれども、二十一世紀の今の六百六十六兆というこの赤字財政を抱えたときに、二十世紀はハードの世紀で、物をつくって今日の日本をつくった。けれども、二十一世紀になったら、国土交通省、二十世紀につくったものをいかに長期に品質保持をするか、それにかてて加えて、今度は環境問題あるいはバリアフリー、そういうことに転換していかなければいけない時代に入ったわけです。 ですから、私はそういう意味で、あらゆるところで改革するということは、改革することは全部切ることではない。切るところもありますけれども、その切ったものをいかに必要なところに回すかということも、これは人間の知恵であるし、当然、国土交通省の四省庁統合した大きな成果でなければならないと思っていますので、私は、完全なものは出せませんけれども、五月いっぱいに何らかの形を国民の皆さんにお示しし得るものだと思っております。
○日森委員 ぜひそういうお考えのもとで、地域の足をきちんと守っていく、そういうことも勘案をした、名称はともかく、総合交通会計的なそういう支援、お金がちゃんと出せる、そういう制度を考えていただきたいというふうに思います。 もう時間がなくなってしまいましたので、せっかくJR東日本の参考人さんにおいでいただいたので、まとめてちょっと質問させていただきます。 第一点目は、先ほどJRの労使関係といいますか、革マル派という問題が出されました。これはちょっと質問の通告をしていなかったんですが、大塚参考人は十年ぐらい労務担当もやられていたので、感想があったら一言聞かせていただきたいということです。 それから、JR東日本が、駅を商いの宝庫にしたいということで、十万平方メートルの売り場面積で年間約一千億円の鉄道収入以外の収入を得るというふうな計画も持っておるようなんです。そうすると、先ほどどなたかおっしゃっていましたが、これだけの大規模な鉄道事業以外の関連事業で収益を上げていくとなると、やはりどこかに当たりが出てくるといいますか、周辺の中小零細に影響を与える。これは何と言いましたか、サンフラワープランですか、ということになりますと、大分影響があるのじゃないか、それについて参考人はどうお考えなのかということについてお聞きをしたいということ。 それから、安全問題で非常に心配なことがございまして、つい三年ほど前ですか、大月で特急電車と回送電車が衝突をするなど、運転士の責任が問われたりしてその未熟さも問題にされているのですが、そういう事故が起きたけれども、実は一方、会社の中でどうなっているかというと、大臣は安全安全と強調されましたけれども、いわゆる安全綱領は運転取扱基準規程ということから運転取扱心得というふうに随分格下げをされていて、こういう格好で本当に安全が担保できるのかということについてお聞きをしたいというふうに思っています。 それから、ホームなどの要員がどんどん削減されて、実はこの間、視覚障害者の方からお話を伺ったのですが、毎日出歩く視覚障害者の九割はホームから転落した経験を持っている、そうでなくても、三分の二の視覚障害者がホームから転落した経験を持っているというお話なんかも伺いました。 こういう問題などもあって、おはようございますと言ってもらうのは七回でも十回でもいいのですが、そうではなくて、本来のサービス、交通弱者、移動を制限されている方々に対するサービスだとかいうことになってくると非常に不十分な点があるのじゃないか、そんな気もしているのです。 時間がないので幾つかまとめましたけれども、参考人に御意見を伺いたいと思います。
○大塚参考人 ただいま幾つかの御質問をちょうだいいたしましたけれども、まず労使関係ということについてお話し申し上げたいというふうに思います。 この労使関係というのは、言うまでもなく、会社を健全に経営していくために極めて大事な事柄であります。したがいまして、私どもといたしましても、できるだけ安定した健全な労使関係を構築していくということを基本にして、これまで努力をしてきております。実際、主要な組合とは労使協力して会社の発展を目指そうという労使共同宣言というものを締結しております。この労使共同宣言の中には、労使間にいろいろな問題が生じてまいります、そういった生じてきた問題につきましては双方が平和裏に話し合いによって解決していくということに最大限努力しようという趣旨のものも盛り込んでございます。 この結果といたしまして、これまで、安全対策でありますとか、あるいはサービスの向上でありますとか、あるいは業務運営の効率化でありますとか、こういったことにつきまして労使が協力して進めてきておる、その結果が今日の順調な経営成績というものに結びついてきておるというふうに思います。 言うまでもなく、労使関係というのは、これは労と使が不断にそういった健全な関係というものを築き上げるために努力をしていかなければいけないというふうに思っております。したがいまして、これからもそういう面につきましての努力を我々も十分怠りなくやっていくということで、より健全な労使関係、そしてきちっとした会社の発展というものを目指してまいりたいというふうに考えております。 次に、駅のあり方といいますかホームの安全というような問題も含めまして御質問がありましたので、両方一緒にいたしましてお答えを申し上げさせていただきたいと思います。 私どもは、やはり駅というのは、何といいましても鉄道事業がまだ相当大きなウエートを占めているというのは現実でございますので、駅というのは非常に重要な設備でございます。この駅という重要な設備をお客様にとって気持ちよく御利用いただけるようにするためにはどうしたらいいかということで、さまざまな駅設備の改善というものにこれまで取り組んでまいりました。 幾つか具体的に申し上げますと、例えば案内表示を見やすくする、あるいはトイレの改良などを進める、あるいは体の御不自由なお客様やあるいは御年配のお客様にも利用しやすいような駅にするためにエレベーターやエスカレーターを設置する、あるいは誘導警告ブロックのようなものを設置する、スロープなどのバリアフリー関連施設、こういったものを重点的に整備するということをこれまで進めてきておりますし、これからも、実は昨年、ことしから五年間の中期経営構想というものをつくりましたけれども、この中におきましても、やはり徹底した顧客志向ということを進めていくという観点から、よりお客様から見て利用しやすく、わかりやすい鉄道づくり、駅づくりということに努めてまいりたいというふうに思っております。 いろいろなお客様からの御意見も実際ちょうだいもしておりますので、そういったお客様からの御意見なども大事にしながら、駅設備の改善というものを従来にも増して積極的に進めてまいりたい、このように考えております。 それから、安全の関係でございます。 安全の問題というのは鉄道事業にとりましては極めて経営の根幹をなす事柄でありまして、私どもでは、会社発足以来、安全の確保というのを経営上の最優先課題という位置づけをとりまして、いろいろな事故防止対策等々をとってきたものでございます。 具体的には、毎年の設備投資の約四割、金額にいたしまして八百億から九百億ぐらいになりますけれども、この四割を安全設備に振り向けるという考え方でやっておりますし、またいろいろな意味の教育訓練の実施、これも徹底的にやり、安全意識の高揚というものを図っております。おかげさまで、実際に運転事故件数を見ますと、スタートしたときに比べまして現在約四割にまで減少している、つまり六割の事故が減ってきたというところまで来ております。もちろん、これで十分ということではございませんし、私どもさらに安全性を高めるための努力をこれからもしてまいる所存でおります。 また、先ほど一言触れられました安全綱領が格下げになっているのではないかということでございますが、これは全くそういうことではございません。安全綱領というのはもともと鉄道の運転に従事する者がいわば守らなければいけない安全に関する基本理念というものでございました。これを現在当社では安全に関する規程として定めているところでございまして、これは決して格下げということではなくて、全く国鉄時代の位置づけと何ら変わりませんし、この安全に係る考え方というのをきちっと定めて、それを一人一人の社員が守っていくという形によって安全性の向上を図るということで努力をしているところであります。 これからも、安全性の向上ということについては、さらに努めてまいる所存でございますし、お客様から安心して信頼いただけるような、そういった鉄道づくりというものを目指していく覚悟でおります。
○日森委員 時間です。終わります。
○赤松委員長 大谷信盛君。
○大谷委員 民主党の大谷信盛でございます。謹んで御質問をさせていただきたく思います。 民営化をしていくわけですけれども、国鉄、そして今JRという会社が全く普通の利益を追求する会社になっていくわけですね。そうなっていきますと、今は少子高齢化、ただでさえこれから人口が減少していく。職住近接。例えば私の地域ですと、大阪なんですが、大阪北部から大阪市内に仕事に行く人、電車に乗る人がどんどん減ってきているわけですね。そんな苦しい中、飛行機や、また道路網の発達というような中で、経営自体がこれからますます知恵の要る大変な時代になっていく。 そんな中での完全民営化、自由化というふうになるのですが、そんな中で、国の税金を投入してつくった鉄道網だから、それなりにほかの私鉄とはまた違った観点で国はおつき合いをしていく、そのためのパイプが指針だというふうになっておるのですが、指針をどんな形で議論していくのかということについて、少し掘り下げて質問をさせていただきたく思います。 まず最初に、バリアフリーなんですけれども、これから少子高齢化の中、今の内閣、政府の方針の中にもバリアフリーを進めていく。先ほどの扇大臣の答弁の中にもバリアフリーをしていくという言葉が出てまいりましたが、これは経営が苦しくなっていく中、利益を追い求める企業体として、なかなか自分でお金を出して、バリアフリーをみずから達成していくということにはならないというふうに思うんです。 もちろん、経営の中に安全ということも考えられますが、民営化していく新しいJRにどんなふうにしてバリアフリーを進めるモチベーションを与えていくのか、その辺の方針というか、考えあっての民営化なのか、ぜひとも大臣に心意気をお伺いしたいというふうに思います。
○扇国務大臣 大谷先生も、日ごろから大阪に出るもので、JRを御利用になっているということでの御感想もありました。 先ほども私お答えしておりましたように、国鉄改革以来十四年間のJRの安全性というもの、本当に、経営の体質改善をしながら、あらゆるところで設備投資も着実に進めてまいって、なおかつその額も毎年、先ほども申しましたように五千億から六千億という実績を上げてきた。 また、バリアフリー化のための投資につきましても、私は、いわゆるバリアフリー法に基づいて着実に進めていると思っておりますし、私たちもぜひそれは進めて、しかも、今までは上りだけしかなかったところも今度は下りもつけてください、足の悪い方には下りの方がもっと響くんですよということで、下りをつくることも皆さんに努力していただきたいと言って、全国の駅の乗客の人数、制限しておりますけれども、何人以上のところは必ずすぐやりなさい、乗降客の利用度によって私たちは補助をしながら推進しているというのが現状でございます。
○大谷委員 進めているという答弁でございましたが、大臣が、せっかく国土交通省という新しい省庁になったのだからという言葉で、いつも答弁のまくらにされて言っておられますが、では、その国土交通省は、どれぐらいのスピードで、どれぐらいの地域をこれからバリアフリー化していくという気持ちが民営化されたJRのバリアフリーにあるのか、その辺の部分もぜひともお教えいただけたらと思います。
○安富政府参考人 先ほど大臣からもお話がございましたように、バリアフリー法に基づきまして、現在、我々としては積極的なバリアフリー化対策というのを講じておるところでございます。 現に、鉄道駅の関係につきましても、先ほど言いましたバリアフリー化のための補助制度がございまして、これは実質、国と地方が三分の一ずつ、事業者負担は三分の一ということになっておりますけれども、平成十三年度の予算でも約八十億ほど確保しております。これをベースにいたしまして、今後、バリアフリー化法に基づきまして各市町村単位でいろいろな基本構想をつくっていただきまして、その基本構想の中で駅のバリアフリー化も当然その中に入れていただくというような形で進めていくということを考えております。 特に、二〇一〇年ぐらいまでに、五千人以上の駅については、少なくともバリアフリー化が図られるように整備していこうというような目標を掲げて現在鋭意進めておるところでございますし、JRが完全民営化したからといってこれがとまるということではなくて、より地域に密着して、かつ地域と共生してやっていくというためには、やはりJRも、このバリアフリー化について、地方公共団体と協力して推進していく必要があるというふうに考えております。
○大谷委員 ぜひとも頑張っていただきたいというふうに思いますし、私も委員会の委員としてぜひともこれはずっと言い続けていきたいというふうに思います。 今のJRの、これは僕の皮膚感覚で言うんですけれども、経営者の方々というのは国鉄時代に入られて御出世された方々です。僕の世代、三十代後半ぐらいの方も国鉄時代に入社されてきた。これだけ、東や、西や、北海道やと、会社は分割されたけれども、きっと同期の方もおられるし、何らかの連携を保とうという意識の強い方々だ。この方が経営者になっている。そしてその次には、全くJR東海にも東にも西にも同期も何にもいない、おれはJR東海に入ったんだ、おれはJR西に入ったんだという人たちが経営者になっていくわけですね。 そんな中、連携とかが薄れてくることもありますし、それなりの指導というか、バリアフリーだけでなく、地域の中小企業への影響を初めとして、ローカル線の廃止等々の話についても、指針というものを使いながら連携をとってやっていくというふうにこの法律の中ではなっていると理解をしておるんですが、その指針自体が本当にきくんだろうかなという気持ちがとても強いです。 ある意味で、高度成長のときに、この国が乏しい資源というものを効率よく投下していくために、政府そして企業、産業界、そして我々国民も含めて一緒になって高度成長というものをつくってきた。そのころはそれなりの政府のガイドライン、いわゆるリーダーシップというものは意味があったと思うんです。今これだけ経済が多様化していく中、そしてこれが民営化になっていく中、その指針というものが本当にどれぐらい効果があるのかなというふうに思っているんです。 そんな中、これは勧告、命令ができるというふうになっているんですが、いつ、どんなときに、どんな尺度で命令をしていくのか。具体的な議論の場というのはこれからだというふうに聞いておるんですが、ちょっとその辺のところを具体的にひとつ。バリアフリーはもういいですから、ローカル線の廃止、それからもう一つは、例えば、駅前再開発をやろうとこの新しい民間会社が考える、その場合、地域の中小企業への影響、地域のスーパーマーケットへの影響等々考えてやるときに、これはいつ指針を出していくんですか。再開発の構想があるというようなことが先にわかるのかわからないのか、なおわかったときにガイドラインを出すのか。聞かなかったら、だめだよと、勧告、命令するんだよと、どこに尺度を置いてやるのか。ぜひとも中小企業への配慮という部分からまず教えていただきたいというふうに思います。
○安富政府参考人 今先生の方から御指摘ありましたように、指針の中身は主なものが三項目ございます。 一つは、各会社間の連携協力を維持するということでございまして、まさに、これは国鉄改革当時の人がいなくなったら心配だというようなお話もございましたけれども、やはり、会社として、全国ネットワークを生かしながら、かつ各地域でJRが営業を続けていくためには、お互いの協力関係が必要でございますので、ここについては当然、我々としても十分確保されるように見ていきたいというふうに考えております。 それから、路線維持の方策あるいは中小企業の関係の配慮事項につきましても指針で設けることにしておりますが、これは、具体的にどういう段階で例えばどういう勧告、命令を出すかというのは、非常に難しゅうございます。 具体的な問題が生じた場合に、我々としてその事案、その問題、紛争なりあるかと思いますが、そういうものが果たしてこの国鉄改革の趣旨からいってどういうことになるのか。これは、地元の方の問題もあるし、あるいは中小企業の方の意見もありますでしょうし、そういうことを我々自身も聞きながら、かつJRの言い分も聞きながら、その段階で判断していくしかないんじゃないか。一律に、こういう形の場合には勧告を出します、あるいはこういう場合には命令を出しますというのは、今の段階ではなかなか決められない。 したがいまして、我々としては、いろいろな方の意見を聞きながら、その都度適切に判断して、ぜひこの指針制度がうまく運用されるように考えていきたいというふうに考えております。
○大谷委員 僕もそう来るだろうと思いましたし、全くそのとおりでございまして、これは指針でも、JR三社にとってありがたい指針もあったら、してほしくない指針もきっとあるというふうに思うんです。三社が何らかの共同をやらなきゃいけない、どこがいっぱい出すのか、どこが少な目に出すのか、不公平が生じるようなときは、ある意味ジャッジとして指針を出していただきたいということもあるでしょうし、うちが金を使わされるというときには指針なんて出してほしくないな、これはまさに個別によって、指針を出すときも立場も全然違うと思うんです。 ここではっきりさせたいのは、利潤を追求する組織になっていきますから、安全はもちろんのこと、それでもってそのベースというものは、我々の税金で明治の初めに新橋から横浜まで通した鉄道から始まって、今全国につくった鉄道網でございますから、ぜひとも、国民のためを考えて利益を追求する形で役所としてはしっかりと指針というものをつくっていくんだということを肝に銘じていただきたいなというふうに思います。 ちょっともう一つ具体的に、ローカル線の話なんですけれども、一年前に勧告をして、それでもって運輸審議会で内容を検討していって廃止するかどうか決めていくという話ですが、この中では、国土交通省それから地方自治体、そして会社、これだけで物事を決めていくということなんですが、これは、公聴会を開いたり、どうしますかというようなことをやるのは、再三委員の皆さんが質問されて、お答えを聞いていたんですけれども、ある意味、公共事業でもそうですが、パブリックインボルブメントというのが余りにもなさ過ぎるんじゃないのかなというふうに思うんです。その辺の観点についてはどんなふうに考えているんでしょうか。
○安富政府参考人 鉄道路線の廃止に際しての具体的な、事業者あるいは地方自治体、住民の方々の意見を述べる機会、そういうものについてどうなるかということでございます。 先生が御指摘になりましたように、鉄道事業法で、一年前に届け出、事前届け出をするということになっております。こういう事前届け出をした場合に、我々としては、廃止を行った場合における公衆の利便の確保に関してということで、関係地方公共団体、それから利用者等の意見を聴取することとしております。 さらに、運用上は、鉄道事業者が廃止の意思をある程度表明した、届け出を実際にするかどうかとは関係なく、そういう意思が表明された場合には、沿線自治体から申し出があった場合には、地元において地元協議会、これは国土交通省も入り、自治体も入り、地方の支分部局も入れ、それから事業者も入りまして、この地元協議会によって、どういう事情があるのか、いろいろな説明を聞き、かつ、さらに廃止する場合あるいは廃止しない場合のいろいろな条件整備、さらには代替的な交通手段がどう確保できるのかといったようなことについて調整を行うことになっております。そういう段階で、ぜひ我々としては、地元協議会等を通じながら、具体的に地元自治体さらには住民の声というものを反映させていきたいというふうに考えております。
○大谷委員 その調整をする力なんですが、これは一年前に廃止をしますということで出してきますね。それで、いや、そんなことはやめてくれというような話が自治体からも出てきたり、議論していきますよね。そのときに出てくる結果として、いや、もうしようがないからやろうというガス抜きの会だけで終わってしまうのか、それとも、いや、三年は我慢してやってみようとか、五年は我慢してやってみようとか、もしくは、三年やった後すぐに例えばバスにかえるんだとか、そういう、出てくる調整の結果というのはどれぐらいまでいけるんですか。大きく変えることができるんですか。延ばすことができるんですか。
○安富政府参考人 現在の鉄道事業法の規定では、事前届け出をすると一年で廃止ということになります。しかしながら、先ほど私が言いましたのは、届け出の有無にかかわらず、その前に廃止の意思あるいは廃止したいという意向があった場合には、地元協議会を開催していろいろ調整を図るという道がまだ残されているという意味でございます。 その中で、具体的に、例えば二、三年様子を見てみよう、先ほど大臣からもお話がありましたように、可部線なんかは、一年間試験的にもう一回まだ運行状態を見てみようというようなことをやっておりますが、そういう場合には、当然事業者としても届け出を待ってその様子を見るとか、いろいろなケースがあるかと思いますが、そういういろいろなケースについて、地元協議会で事業者と自治体、住民が十分話し合っていただきたいというふうに考えているところであります。
○大谷委員 しつこいようですけれども、その地元協議会の中に市民が入るとか有識者の方が入るとかという、それなりの人選とかするときの決定権みたいなのはどこにあるんですか。
○安富政府参考人 その場合には、国土交通省が主体となって地元協議会を設置していきたいというふうに考えております。ただ、その場合にどういう人選にするかということは、当然、自治体、事業者の意見を聞きながら適宜判断していきたいというふうに考えております。
○大谷委員 国土交通省にその権限があるということはわかりました。ぜひともこれは、地域の市民というか、有識者といえば市民だというふうに言われちゃうんですけれども、都合のいい方だけではなく、ある意味で諸外国の裁判制度の陪審員的な方を市民という代表でぜひ入れてもらうような、そんな考え方を持って人選していただきたいというふうに思うんですが。
○安富政府参考人 陪審制と言われても、ちょっとそこら辺はなかなか難しゅうございますが、当然地元の有識者、それなりの学識経験者等も含めて、実際の人選に当たっては、どういう方が適任になるかということで、我々としても、自治体の意向あるいは事業者の意向、そこら辺を十分酌んでこの地元協議会の運営というものを考えていきたいと考えております。
○大谷委員 パブリックインボルブメントというのを僕は国土交通委員としての自分の一つのコンセプトにしておるんですが、第三者機関とか協議会とか、いろいろもめごとがあったときに必ずできるわけですけれども、最初から市民の方とかがインボルブされていない。だから、責任がないところで決められたからお役所の決めた方針に文句を言うというような形になっていると思いますので、ぜひとも政策を立案していく細部の中で、制度を変えていく細部の中で、これからそういうコンセプトを、パブリックインボルブメントという意識を、住民参加という意識をしっかりと持っていただくようにお願いをしたいというふうに思います。 次に、行革についてちょっと大臣にお伺いしたいんです。 聖域なき構造改革ということで新しい内閣が発足され、その中で、引き続き扇大臣が国土交通大臣として続投されるということになりました。もちろん所属されている保守党もそうだと思いますが、小さな政府、行政改革は大いに進めていくという方針の持ち主の大臣だというふうに認識をしております。 そんな中、運輸省が国土交通省になって、それで、大きな大きな規制対象であったJRというものが完全に、私の手から離れるという表現を今されましたが、この子供たちが手を離れて、ひとり立ちをして市場原理の中で働いていく。そうすると、そこを規制していた国土交通省の部分というのは、行革ということで、僕は人を減らしたら行革になったとか人を減らすから行革だなんて思っていませんよ、大臣が思い描いているこの内閣の中での国土交通の行革という部分で、何らかの考えがあってしかるべきですね。 国土交通省の行革。そしてそこに位置する鉄道局との関係。これが民営化になって出ていく。何らかのあれがあるんでしょうか。それとも、五月中まで待たなきゃそれは出ないんでしょうか。五月中に出てくると言われている行革の方針については、それも含まれて検討されているのか、ぜひとも御回答いただきたいというふうに思います。
○扇国務大臣 今の大谷先生の御質問の中で、行革という、国土交通省自体の改革なのか、あるいは今度のJRの三社の民営化ということの改革なのか、両方兼ねていらっしゃるような、ちょっと範囲が広いものですからあれなんですけれども、まずJR三社から答えさせていただきたいと思います。 それはきょうも各先生方から御質問いただきましたように、私は先ほど親の手を子供が離れていくという表現をいたしましたけれども、今度JR三社が、具体的には、例えば社債の発行ができますとか、長期の借入金をみずからして改革をしていくとか、あるいは事業計画も独自でつくるとか、重要な財産の処分も今後は自分たちでやっていける。けれども、それに対しては、もともとが公共性ですから、国が後見人的なものでしばらくは見守って、やはり嫁に行ったからもう離すというんじゃなくて、しばらくは、二人がうまくいくかな、新しい家庭がうまくいくかなと見守るのと同じ気持ちで私は見守っていくべきであろうと思いますし、また、その責任が国にはあると思っております。 そして、先ほどおっしゃいましたように、分割・民営をしましたけれども、JR三社、レールも同じですし、お客様はずっと続けて乗っているわけです。ですから、そういう意味でも、今後の観光客、二十一世紀型の観光客の利用方法も、お互いに相まって誘致しなければならないことも多々あろうと私は思いますので、民営化してもお互いの協力関係というものは、出発点が国鉄であるという公共性の基本であるということから考えれば、ずっと見守って、お互いに協力できるところは協力し合ってください、そういう立場は変わらないと思っています。また、生んだ責任というものもあくまであるということだけは私は自覚しておきたいと思います。 また、他方、先生がおっしゃいました広くということであれば、国土交通省をどうしていくかということだろうと思いますけれども、私は、国土交通省、今までと一番違う点は、地方整備局というのが全国に八つございます。それにプラス、北海道がございます。そして、今までは補助金等々一括して政府から出ておりましたけれども、補助金というものも三割は完全に地方整備局に行ってしまいます、お金が。直接分割してしまいます。そこでそれぞれのブロックの地方自治体の皆さんと相談してどうぞ配分を決めてください、私たちは手を出さない、そういうことも今までとは全然違うことで、まさか地方分権の一端として考えられなかった、またそれに手をつけたいとずうっと思っていたことが、国土交通省になって、一歩ずつではありますけれども、そういう実を上げているということで、今後も最大限の努力をしていきたいと思っております。
○大谷委員 得意な答弁をいただきまして、ありがとうございます。 では、具体的に聞きます。 これは、完全民営化になって規制対象が一つ消えるのですけれども、鉄道局の中で人数が減るのですか。
○安富政府参考人 私が答えるのは本当はよくないのかもしれませんが、先ほど大臣からも話がありましたように、今回の法改正で、長期借入金あるいは事業計画、重要財産の処分といったいろいろな認可事項、これがなくなります。ただ、そうはいいながらも、指針制度というのを設けまして、これをどう運用していくかという業務もまだございます。さらには、もっと大きい話としては、三島会社、貨物をこれからどうしていくのか。先ほど来より、支援制度について何か考えられないのかとか、どういうことをやっていくのかというふうなお話がございました。したがいまして、我々としては、引き続き、残されたこの会社について、JR会社法としてどういう形でやっていったらいいのかといういろいろな対策を講じていく必要がございます。さらに、JRにつきましても、一般的には、やはり先ほど指針の中でも言いましたけれども、安全上の問題とかいろいろな点について、これは鉄道事業法の中で各部局がやっている話でございますが、JRという組織体という関係からこれを見ていくということも必要になってくるかと思います。 そういう意味で、正直申しまして、今、特定監理業務室というところでこのJRの業務をやっておるわけでございますが、これについての業務は、今までと同様、引き続き重要であるというふうに考えております。
○大谷委員 今、模範回答をいただきました。幾ら子供が手から離れても、この子供の安全を確保するためには、人員というか、役所の中での体制は何も変えるわけにはいかないんだという回答でございました。 これは、民営化当初から比べて、四割事故が減っているのですね。立派なものだというふうにJR各社の皆さんの努力に私は敬意を表しますが、大臣、これは本当にそのままでいいんですか。今の答弁ですと、規制対象から外れていくけれども、全然そのままでやりますよと。大臣が言っている心意気の行政改革、小泉さんの言っているものが国土交通省におりてきて、大臣がそれを担当されてやっているのですけれども、何か全然変えませんよ、子供が手を離れようが何しようが一緒ですよというふうに聞こえちゃうんですけれども、その辺、どうなんですか。
○扇国務大臣 大谷先生に御理解いただきたいのは、私は、生んだものを見守っていきたいと言ったところがその辺でございまして、やはりきちんとJR三社を民営化して、きちんと業務が国民の皆さんに真に喜ばれるような会社にいくかということを見守っている間だけでございまして、その中で、例えば民営化したんだから運輸局の人数も減らしてもいいじゃないか、運輸業務も少なくなっているじゃないか、私、当然のことだろうと思いますので、しばらくの間ということで、今すぐ切るということではないということだけ、御理解賜りたいと思います。
○大谷委員 当然、行政のスリム化という考えの中で、十分将来的には考えているんだという御答弁であったというふうに受け取ってよろしゅうございましょうか。人数を減らすからいいんだと、僕はそんな低俗な行革理念を持って言っているわけじゃ必ずしもないのですけれども、一応こういう場でそういう意識を見せてもらうのには一番わかりやすい質問であり、一番わかりやすい切り口かなというふうなことで聞かせていただきました。そのことをぜひとも御理解いただきたいというふうに思います。 最初の背景説明をさせていただいたように、まさにこれからどんどん人が減っていくのですけれども、安全や利便性というのはもちろんのこと、少子高齢化に対応できる、そんな鉄道行政をぜひとも大臣が大臣である間にレールを敷いていただきますことを切に希望し、質問を終わりたいというふうに思うのですが、せっかくでございますので、一つだけ聞いてよろしいですか。 これは、貨物とか残っている部分もそうなんですけれども、環境という問題がもう一つ、この二十一世紀は大きな問題であるのです。はっきり言って、自動車で物を運ぶよりか鉄道で一括して運んだ方が、そういう意味ではCO2等々、地球の安全を守るためにはいいわけなんですけれども、そんな考慮もあって、貨物なり、ほかの残っているJRの運営を指導していくようなこととか、やはり考えてあるというふうに思うのですが、その辺はどうなんでしょうか。
○扇国務大臣 私は、大谷先生が今おっしゃったことが大変大事なことだと思っております。 それはなぜかといいますと、世の中が変わってまいりまして、荷物を運ぶにしましても、今ドア・ツー・ドアでございます、自分たちが駅まで持っていかなくていいわけですね。ところが、貨物の場合は、個人でする場合ですよ、駅まで持っていかなきゃいけないものもある。 また、私は、総合的に国土交通省として考えなきゃいけないと思いますのは、例えばコンテナの大きさですね。港湾もあります、JRもあります。 私は先ほど陸海空と言いましたけれども、そういうコンテナ一つの大きさをとってみても、海外のコンテナの大きさと日本のコンテナの大きさとサイズが違うのですね。そうしますと、外国から来て港に入った物を、そのコンテナを今度JRの貨物に載せる、それまではいいのですけれども、この港に入った外国のコンテナをトラックに載せて町を走ると、トンネルの中で天井につかえるのです。そういうことが、二十一世紀型の国土交通省にしなければいけない、国際的にもどうしても皆さん方にそのまま利用していただけるようなものに知恵を出さなきゃいけない。 どっちが悪いのかいいのかというのは今言いません。けれども、そういう将来の二十一世紀型を考える場合には、あらゆることを想定して、JRの貨物も、今のドア・ツー・ドアになっているようなものはどういうふうにするのか。 例えば、例が悪いかもしれませんけれども、今まで郵便局に小包を出すときには郵便局に持っていっていたのです。郵便局もドア・ツー・ドアで、民営に負けるからというので自宅へとりに行くことにしたのですね。 そのように、あらゆるところで改革をしていかなければいけない。サービスのありようというのを、民間を圧迫してはいけませんけれども、旧態依然とした体質のままでいいということではないことも含めて、大谷先生の基本的にJR貨物をどうするのか、そういうことも大きな原因の一つだと思っていますので、先生の御指摘のとおり、今後二十一世紀型のJR貨物として、黒字で税金が納められる会社になるように、最大限私たちも見守って、できる限りのことをしていきたいと思っております。
○大谷委員 ありがとうございました。質問を終わります。
○赤松委員長 この際、休憩いたします。 午後零時十九分休憩 ————◇————— 午後三時五十二分開議
○赤松委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。阿久津幸彦君。
○阿久津委員 民主党の阿久津幸彦でございます。 本日は、JR東日本、西日本、東海、いわゆるJR本州三社の完全民営化に関する法案について質問させていただきます。 かつてJRが国鉄だった時代、国鉄の運営には常に中央官庁と政治家が介入してきました。旧運輸省の管轄下での経営感覚の欠如や政治家による利益誘導政治によって食い物にされてきた国鉄は、ついに巨額の借金を背負うに至り、そのツケが国民に回されてきたという苦い歴史を持っております。国鉄改革の最終段階に入ったとも言える本法案は、JR本州三社の完全民営化によって中央行政、政治の介入を廃し、また親方日の丸の傲慢な経営姿勢を捨て、利用者や株主に顔を向けた経営を各社に求めるものであり、その趣旨は基本的に評価できるものと考えております。 国鉄改革の趣旨から考えれば、完全民営化後にまず求められるのは、JR各社の健全な経営の確保であります。そこには安全性や利便性といった要因が含まれるのは言うまでもありませんが、さらにサービスの質といったものを向上させる必要があります。また、これまでのように親方日の丸だといって威張っているのではなく、地域を常に意識し、それぞれの地域の特性や需要に合った、真に利用者の立場に立ったJRを目指すべきだと考えております。本法案がこれらの課題への取り組みを十分に保障するものであるのか、本日はそうした点に留意しながら質問を行いたいと思います。 まず初めに、扇大臣に確認をさせていただきたいと思います。JR完全民営化の目的は何でしょうか。よろしくお願いいたします。
○扇国務大臣 阿久津先生が民営化に対して旧国鉄のことをいろいろおっしゃいました。親方日の丸とか、あるいは食いつぶしたというお言葉がございましたけれども、私、かつてイギリスへ招待されまして、国会議員から三名イギリスへ行きました。二週間缶詰になりまして、いろいろなことを見せられました。 そのときに、当時のイギリスの国鉄総裁に当たる方にお会いしました。その人が私に言ったんです、日本は世界一スピードの出る新幹線というのをつくったそうですね、だから赤字になるの当たり前ですよと。赤字だから国有なんじゃないですか、当たり前の話ですよと私におっしゃいました。イギリスは、黒字だったら民営がやるんです、赤字だからこそ国営なんですと。その当時、三人派遣されまして、派遣された三人は、細川護煕先生、お亡くなりになった九州の遠藤先生、私と三人でございました。イギリスの国鉄総裁は懇々とそのときに、今まではイギリスが世界一の国鉄を持っていたにもかかわらず、日本がそれを超えたスピードを出したということで、大変おかんむりでございました。 事ほどさように、今先生がおっしゃいましたように、国有だから赤字なんだということは、むしろ赤字だから国有だというイギリスの総裁の言葉、私はそれは歴史とともに必要な時期があったんだと思います。国有なればこそここまで来たという、それもひとつ阿久津先生に評価していただき、国鉄は国鉄の歴史があるんだということも御認識賜った上で、さりとて、では赤字のままで垂れ流していいのかという原点に立ち、国有鉄道というものが瀕死の重症になっている、今のままではそれこそいつまでたっても赤字解消はできないし、毎年毎年五千から六千億の補助をしなければ立ち行かない、それではいけないということで、これも政治家の大きな政治判断で、私は民営化に多くの皆さんの御賛同が得られたんだろうと思います。 ですから、役人のまま、あのままいっていたのでは私はずっと親方日の丸だったと思いますよ。けれども、そういうところに、政治決断によって、この十四年間を総括すれば本当にすばらしい現状になっているということも含めて、私は、阿久津先生、将来の政治家として、お若いですから、赤字で垂れ流したというだけではなく、赤字だったからこそ、あるいは国鉄だったからこそここまでの国鉄の発展があり得て世界一のスピードも出た、研究開発もしたということもぜひ御理解いただいて、垂れ流しがいけないということで民営化になったというその原点だけはぜひ御理解いただいて、将来の政治家としての成長にぜひお役立ていただきたいと思います。
○阿久津委員 ヨーロッパの事情に明るい扇大臣なんですけれども、私はちょっと今の点だけについて申し上げると、欧米主要国の公共交通の運賃収入比率というのがやはり日本に比べるとかなり低いんですね。これは、やはり私は、少しヨーロッパ諸国と日本における公共交通の考え方が運賃収入の部分においては違うんだと思うんです。それは全体的なバランスでの鉄道の占める割合の違いなどにもあると思いますけれども、そこだけちょっとこちらの方から指摘をさせていただきたいと思います。 質問に移らせていただきたいと思います。 というわけで、未来の話をさせていただきたいと思いますが、完全民営化により、JR三社は自立したサービス産業としての自覚を持って利用者利便のさらなる向上を図っていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○扇国務大臣 おっしゃるとおりでございまして、完全民営化して、そして一般の民営として利益を上げていける見込みが立った、今日三社一斉に民営化に入った、また入れた大きな要因はそこにあると思います。赤字のままでは、私は、今日の姿はなかったと思います。 そういう意味において、今先生がおっしゃいました完全民営化によって三社が自立したサービスを行う。これは、民営化になったときに、このサービス向上というのは当たり前のことで、これができなかったら民営化しても意味がありません。最初に先生がおっしゃった親方日の丸のままの神経では、とても国民に理解されない、国民に利用されない、国民に愛されるJRではないと思います。 そういう意味では、今先生がおっしゃったことで、この十四年間の実績、サービスの質の向上、先ほども私はお答え申しましたけれども、今私たちがJRに乗って、乗った途端にサービスがよくて、気分がよくて、本当に旅行を楽しめるという気分になる。そして、こういう親切なJRだったら、安心して命を預けて、二時間なら二時間、三時間なら三時間リラックスできるなと。 サービスという、まず精神的な第一印象から、先ほどおっしゃいましたよね、朝から東京駅で八回あいさつされた、困ったとおっしゃいましたけれども、それくらいJRがサービスがよくなって、いらっしゃいませ、ありがとうございましたという、あいさつをするだけでも、本当に昔の国鉄に比べたらひっくり返るぐらいのサービスのよさでございますから、そういう意味では、私は、民営化になることのサービスの意味というのは大変大きい、乗客の皆さんに快い旅をしていただく第一条件だと思っています。
○阿久津委員 そこで、もう少しハードルを高くしていきたいと思うのです。 JR三社に伺いたいと思います。完全民営化後のJR三社の経営戦略というかビジョンについてお伺いしたいと思うのですけれども、御存じのとおり、少子高齢化社会は待ったなしで進んでまいります。その準備と対策をどのように考えていらっしゃるのか、JR三社の方からお答えいただきたいと思います。JR東日本につきましては、先ほど社民党の日森委員との質問の中で大分詳しくお答えいただきましたので、そこについては結構でございます。
○葛西参考人 ただいまの御質問にお答え申し上げます。 少子高齢化の問題は、私どもJRにとりましては、二つの面で影響を持ってくると思います。 一つは、お客様の高齢化という点でございます。 この点につきましては、バリアフリー法が通りまして、国、自治体と協議を進めながら積極的に整備を進めてまいっておりますし、これからも鋭意これを進めまして、高齢化した社会においてお使いになりやすい鉄道をつくってまいりたいというふうに考えております。 もう一つの方は、これは社員の老齢化あるいは新しい社員の採用の困難という観点でございます。 私どもは、これから数年間、千人以上の社員が退職をしてまいることになります。これに対しまして、採用は五百人ぐらいの安定的な採用が可能であるという状況であると思います。 これに対処するためには、幾つかのことを考えておりますが、一つは、定年退職をした社員の再雇用によります労働力の確保でございます。もう一つは、国鉄時代には労働基準法によって深夜労働が制限されておりましたが、これが撤廃されましたので、女子の採用を進めてまいりたいと考えております。それらにあわせまして、今後さらに一層の効率化、機械化を進めまして、要員の削減に努める。この三つを柱にいたしまして、安全で正確で快適なサービスを今後とも維持していけるような体制をとってまいりたいと考えております。 以上で、お答えを終わらせていただきます。
○金井参考人 JR西日本の金井でございます。 今先生お尋ねの少子高齢化の問題につきましては、基本的に葛西社長からお答えございましたのと私どもは認識は一緒でございます。 鉄道需要という面で申しますと、少子化に伴いまして就労人口が減ってくるということで、お客様の減少につながる懸念が一つございます。もう一方、高齢者の方々はかなり元気にいろいろ活動されるという面もございますので、需要面で申しますと、そういった方々にどうやっていろいろな形で旅に出ていただくかということが私どもとしては取り組まなければいけない課題ではないかというふうに考えております。 全体といたしまして、高齢化ということで申しますと、先ほど葛西社長の御答弁の中にもございましたけれども、やはり鉄道を使っていただきやすくするということが非常に大きなテーマということになってまいると思います。 その面で、私どもとしましては、輸送サービスの向上はもちろんでございますけれども、いわゆるバリアフリーへの取り組みということを積極的に進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。 また、先ほど触れました需要面の話で申しますと、今JR各社が共通でジパング倶楽部というような組織をつくっております。会員制の、高齢者の方に御旅行いただこうというクラブでございますが、こういったものをさらに積極的に活用して、会員の皆様にふさわしい旅行の提供といったようなことを考えてまいりたいというふうに思っております。 それからもう一方、雇用との関係で申しますと、先ほど申しましたように、就労人口が減少するということは間違いない傾向でございますので、そういったものに、私どもとして、労働力不足につながらないようにどういうふうにしていくのかということが課題になってまいります。 実際に、将来にわたって円滑な事業を運営してまいりますために、効率的な体制をつくりまして、一方ではかなりたくさんの社員が退職する時代を迎えておりますので、そういう中で、一定の社員を採用しながら、それで仕事が回っていくような体制というものをつくり上げていく必要があるというふうに考えておるところでございます。
○阿久津委員 先ほど金井西日本鉄道副社長がおっしゃったとおり、ほとんどの高齢者の方々は、実は非常に元気で、かつエネルギッシュでございます。 例えば、バリアフリー化との兼ね合いでいえば、エスカレーターとか段差を縮小するとか、バリアフリー化を進めるということは、私は、JR各社にとりましても決してマイナスにならないというふうに考えております。高齢者の方々がより旅行を楽しめるような環境づくりをしていただければというふうに願っております。 それから、一点だけ。車いす対策なんですけれども、その意味でもバリアフリー化をお願いしたいのです。 今、車いすに対して配慮がうまくまだ整っていないJRの駅がございます。そういった駅では、JRの社員の方々がえっさほいさと運んでくださるんですね。それは本当にサービスがいいし、感謝するところなんですけれども、私の父も車いすになってしまって、若い人たちの手を煩わせて運んでもらうというのが心理的に非常に負担だそうなんですね。その辺も考えていただきまして、優しいJR、思いやりのあるJRを目指していただきたいというふうに考えております。 それから、次に雇用問題について伺おうと思ったのですけれども、東海と西日本のお二人の方からはその問題についてもかなり踏み込んだお話をいただきましたので、JR東日本の大塚社長だけにお伺いしたいと思うんです。 完全民営化後の雇用対策についてなんですけれども、特に女性社員の比率の向上などについて、計画とか何かありましたらお答えいただければと思います。
○大塚参考人 雇用対策、特に新規採用について少しお話し申し上げてみたいと思います。 当社は、採用ということにつきましては、会社の業務運営の状況でありますとか、あるいは効率化の推進度合いでありますとか、あるいは将来の人件費負担がどのくらいになるかというようなことを総合的に見まして、このところ年間に男女合わせまして千四百人程度の新規採用を続けてきております。 そのうちの女性の割合というのは大体二百人程度ということでございます。数字的に見ると小さいという印象をあるいはお持ちになられるかもしれませんけれども、実は、先ほどもちょっとお話がございましたけれども、鉄道事業の勤務形態の基本というのは一昼夜交代という形態が圧倒的に多かったわけでございまして、これが女性の職域を狭めておった一つの大きな原因であったというふうに思います。 平成十年でしたか、労働基準法の改正がございまして、その後は、私どもの会社も、駅を中心にして、女性の採用、あるいは女性の職域を広げるということに努めてまいりました。 この女性の社員の比率がどうなっているかということでございますけれども、会社発足時の昭和六十二年四月は全体の社員の中の〇・八%という極めてわずかな比率でございましたけれども、今現在ではこれが二・七%ぐらいまで向上してきているということでございます。 いずれにしましても、今後もこの男女雇用機会均等法の趣旨にのっとりまして、女性の職域の拡大に努めて、積極的に女性を活用していくということに努力してまいりたいというふうに考えております。
○阿久津委員 女性社員の比率の向上に向けて、三社とも、ぜひとも御理解いただき、向上を目指していただきたいというふうに思っております。 それで、時間の都合で、西日本と東海さんにつきましては、申しわけないんですけれども、何かそういうデータみたいなものがありましたら、後ほどで結構でございます、きょうでなくても結構でございます、いただければというふうに思っております。 それから、次は、完全民営化後のJR三社の収益が悪化した場合について。 もう何度も質問が重なっているんですが、お答えいただくと、どうしても、そんなことは考えたくもないというお答えになってしまうようなので、もしそうなった場合、国として何らかの対処をする考えがあるのかどうか。簡単で結構でございます。大臣、お願いいたします。
○扇国務大臣 先生ももう何度も聞いたとおっしゃいましたけれども、私はそれが一番大事なことであろうと思っています。その裏づけがなければ、私は、民営化というのはあり得なかっただろう、そう思っています。 そういう意味では、JR本州三社、先ほども私が申しましたように、足かけ十四年たっております。その間、近年で、三社合計、毎年二千億円強の経常利益を上げるようになっております。それだけの経営努力、本当に私は血の出るような努力だったと思います。 朝も申しましたけれども、その陰で職を失った多くの職員の御家族の苦労も考えながら、残された者たちが必死になって生まれ変わって、この経常利益と国民の皆さんに喜んでいただけるサービスに努めたというこの実績があって初めて今日の民営化の話が進んできて、国民の皆さんに御理解いただけたというのが現状でございますので、もしももしもといって、可能性がわからないのにそういうことを言うこと自身が、私は、職員の士気にかかわる。 今までの十四年間の彼らの働きぶり、彼らの努力、いかに経営努力をしてきたか、そして、国民の皆さんへの、先ほど私が言いましたように、目をみはるサービスぶりの変わりよう、こういう精神から見ましても、私は必ず、基本的に各社が、他の民営の会社と同じような手法をとって、お互いに切磋琢磨して、収益の改善はもとよりのこと、サービスの向上も図りながら、すばらしい民間としての出発をしてくださることと思っておりますし、また、そういう見込みがあるからこそ私は許可したんです。
○阿久津委員 今のお答え、お気持ちはもちろんわかりますし、実績を積んでこられたこともわかっているんですけれども、不測の事態というか、やはり世の中何が起こるかわからない。 そこで、ちょっと頭の体操というふうにお考えいただきたいんですけれども、首都機能移転が行われた場合、JR三社の経営にどのような影響が生ずるかというシミュレーションをやはりするべきだと思うんですね。 葛西社長にお伺いしたいんですけれども、仮に栃木・福島地域に首都機能が移転された場合、JR東海は経営的にやっていけるでしょうか、どうでしょうか。
○葛西参考人 お答え申し上げます。 大変難しい質問でございまして、首都機能移転というのは国会でこれから議論され、決定されていくというふうに理解しておりますが、その移転の場所を仮に栃木というふうに仮定いたしましても、例えば移転される機能の規模その他が未定でございます。そこで、私どもとしましては、シミュレーションをするだけの十分な材料を持ち合わせていないということで、今のところまだ予測を立て、予断を持つことができるというふうには理解しておりません。 まことに申しわけございませんが、そのような状況でございます。
○阿久津委員 三重・畿央の方に首都機能が移転された場合、あるいは岐阜・愛知の方に移転した場合には、恐らくJR東海はかなりよくなるんではないかというふうに思っております。 ちなみに、私は首都機能移転については必ずしもプラスばかりではないというふうに考えておりまして、慎重姿勢をとっている、どちらかといえば反対派でございます。その辺も考えていただきまして、首都機能の移転の問題を考えていただきたいというふうに思います。 ちょっと時間の方もありますので、ローカル線の問題についても伺おうと思ったんですけれども、これはまさにJR西日本さんは日々闘っている問題で、先ほど共産党の瀬古委員への答弁、あるいは同僚の大谷委員への答弁でかなり十分なものをいただきましたので、ここは飛ばさせていただきます。 次に、急に大きな話になるんですけれども、JRは公共交通なのかどうか、一言で、泉副大臣、お答えいただきたいと思います。
○泉副大臣 先生の御質問をどうお答えすればいいのかと思いまして、経済学辞典を調べてみますと、公共交通というのは、自家用輸送と違って、一般に利用が公開されている交通のことで、現在は事業者が営業として提供している。交通サービスが厳密には公共財とは言えないことや、公共性の内容のあいまいさから、公共用交通、公衆交通と呼ぶこともある、こういうふうに書いてございます。 ですから、仮に企業が民間でありましても、その使命には公共的な役割を背負っておるものであるというふうに理解しております。ですから、今日の輸送企業はおおよそ公共交通と言えるのではないか、このように思うところでございます。
○阿久津委員 ありがとうございます。私もそのように考えております。 公共交通的な意味合いと自立したサービス産業という、ある意味では二律背反のこの二つの使命を持っているのがJRであり、逆に言えば、それだけ国民から期待を集めているということだと思うんです。 それで、さらに進ませていただきたいと思うんです。 地方分権との関連について質問をさせていただきたいんですけれども、地方分権のもとでは、公共交通政策についても地方が主体的に決定し、地域のニーズに合ったサービスを提供していく仕組みが求められております。そうした観点から、国土交通大臣が、附則第二条第二項の路線の適切な維持に関する事項を指針として定めるに当たっては、地方自治体の意見も十分酌み入れながら定めるべきと考えますが、いかがでしょうか。副大臣にお答えいただければと思います。
○泉副大臣 指針を定める際の自治体の意見の取り扱いについてお尋ねをいただいたと思います。 この指針を定める経緯については、もう先生御承知でございますので、今さらここで述べることは差し控えさせていただきますが、改革後の輸送需要の動向その他の新たな事情の変化を踏まえた路線の適切な維持に関する事項を指針に定めるということになっておりまして、路線の廃止に当たっては、いわゆる国鉄改革後の状況がどのように変わったかということを当然十分に説明しなければならないと考えておるわけです。 指針制度の運用に当たりましては、このような経緯がございますので、この経緯を十分に考慮することが必要であることは当然でありまして、その際、地方自治体の意見が可能な限り反映されるように努めなければならないと思っております。 先生の御質問の趣旨は、場合によってはパブリックコメントみたいなものも設ける必要があるのではないかという御意向があるのではないかと思いますが、このことにつきましては、私どもの考えでは、閣議決定の内容から見ますと、広く一般に適用される場合にパブリックコメントを求めるという考え方になっておりまして、今回のようなJR会社法の指針というのはJR本州三社及びこれと同視し得るもののみが対象でございますので、特段そのようなことを図る必要はないのではないか、このように考えておるところでございます。
○阿久津委員 今の御説明でよく内容を把握させていただきました。 次に、関連の話になるのですけれども、扇大臣は本当にヨーロッパにお強いので、短目のコメントで結構なんですが、フランスでは、国民の移動の自由を基本的人権として認めて、地方自治体主導で、独自財源を確保しながら、公共交通政策が進められております。日本においても、交通権ともいうべき同様の考え方に基づき、規制緩和の視点に加えて地方分権の観点も組み合わせて、日本における公共交通輸送体系の構築、改善を進めるべきだと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○扇国務大臣 今阿久津先生がおっしゃいますように、フランスのように、まさに国民の移動する権利、交通権、これは私も特別に権利をうたわなくても当たり前のことであると思っております。国というものの体系がどうあるべきかという原点にあると思っています。 日本のように、縦長であり、あるいは国土の七割が山であり、三割のところに我々がひしめいて住んでいる、国民の全財産の七五%はその小さな三割のところに集中している、しかも河川等々のはんらん区域にある、そういうことを考えましても、どうしても国民の皆さん方の利便性、そして文化を共有する国民の権利として、少なくとも国民の皆さん方が快適に生活し、なおかつ通学通勤、そしてお年寄りの病院通い等々、あらゆる生活面において、我々はでき得る限りは国民の皆さん方のそういうことにお役立てできるようなものをつくる交通体系であるべきであると。そのことから、先ほども阿久津先生は、二十一世紀型でちゃんとメンテナンスをやりなさいよ、あるいはそういうことを御指摘になって、皆さん方に、JR三社にも二十一世紀の優しいJRになってくださいという御要望をなさいました。 私はそれと同じことだと思いますので、たとえ年寄りであろうと若者であろうと、先生のように一番元気な年であろうと、そういう差別なく、特に私が申し上げたいのは、国土交通省、陸海空でございます、空港もJRもあるいは船も、あらゆるところで二十一世紀型にしなければいけないということを、またそれぞれの地域のニーズに合った交通体系を私たちが支援し、また指導していくということも含めて、そのための国土交通省であると感じています。
○阿久津委員 どうもありがとうございます。 時間の関係もありますので、少し飛ばしながらいきたいと思います。 JR東海は、平成三年の新幹線譲渡に伴う債務負担問題も背景にあって、これまで完全民営化に慎重姿勢を示してきたというふうに言われております。今回の法改正に当たり、JR東海との話し合いはどのように進んだのか。きょうは葛西社長もいらっしゃいますので、大臣と葛西社長、両方からちょっと聞いてみたいと思うんです。 先ほど質問の中でも、今野議員の質疑だったかな、大臣はお答えになっているのですけれども、例えばいろいろな資料を見ますと、葛西社長は金利リスクを避けて早期に債務を返却していく手だてを講じてほしい、例えばいろいろな方法があるけれども、税金の繰り延べにより、先に債務の返済に充てたいとか、いろいろおっしゃっていると思うんですけれども、お二人でこの問題については相当話し合われたと思います。どんな約束をされたのか、お答えをいただきたいと思います。
○葛西参考人 私どもは、従来より国鉄分割・民営における本州三社の収益調整の結果としまして、大体年収の五年分の債務を背負ってまいりました。そのうち、二兆を超える部分が用地代の拡大によって回収不能の形になっているということを申し上げてまいりました。そして、金利の変動というのは経営者の制御の外にある問題でございますから、これについて早く返済をする手だてを講じることがリスクを回避することであるということを申し上げてまいりました。 ただ、その中で、債務を減らしていただきたいとか、あるいはつけかえていただきたいというふうに申し上げたことはございません。したがいまして、私どもの収入の範囲内でできるだけ早く返すことによって、経営のリスクを回避し、安定的によいサービスを提供できる体制をつくりたいということを申し上げてまいったわけでございます。 今回、法律の議論をする際に、大臣並びに国土交通省の方々には、この必要性についての認識をしていただくということでお答えをいただいております。また、それに対して最善の努力をしていくということも言っていただいたと理解をいたしております。 したがいまして、今回、事前にその種の措置がとられているわけではございませんが、政府において、その必要性についての認識を同じくしていただき、そしてまた最善を尽くしていただくという御姿勢があるということは、私どもとしては、それを今後達成させていくということについての心証を得るといいますか確信を得たということで賛成を申し上げる、早期に成立を期していくということに我々は意を決しているわけでございます。 また、法律が通る際に、本州三社は収益調整という仕組みによって裏表の関係に立っておりますので、それぞれの法的扱いがまちまちになる、区々になるということはまずいということも申し上げてまいりましたが、今回の法案ではその点が明確にされているということで、私どもは、与えられた条件の中で、これまでもベストを尽くしてまいりましたし、これからもベストを尽くしてまいりたいというふうに考えております。
○阿久津委員 今の葛西社長のお答えと先ほどの扇大臣のお答えをあわせると大体わかります。それで、葛西社長、やせ我慢の部分もあると思うんですけれども、頑張ってください、本当に期待していますから。 次の問題に行かせていただきます。JR三島の方に問題を移させていただきます。 残されたJR三島、貨物の完全民営化に対する展望について考えてみたいと思うんですけれども、JR三島各社に対して、平成十三年度までの措置となっております運輸施設整備事業団による経営安定基金の支援策について、今後はどのような取り扱いを考えていらっしゃるのか、安富鉄道局長にお伺いしたいと思います。
○安富政府参考人 JR北海道、JR九州、JR四国及びJR貨物につきまして、完全民営化に向けていろいろ努力してまいったわけでございますが、残念ながら、現在は非常に経営環境は厳しいという状況にございます。 この中で、先生の方から経営安定基金の運輸施設事業団による支援策についての質問がございました。この経営安定基金の支援策につきましては、低金利の長期化という、各社が必死の経営努力をしているにもかかわらず、その力の及ばない要因による経営の悪化ということもございますので、国土交通省として、運輸施設事業団によるいわゆる経営安定基金から借りるという形で運用益を確保するという措置を講じてまいりました。そういう形で運用益の低下をなるべく抑えるというようなことをやってきたわけでございますが、これにつきましては、今後とも各社の経営動向を十分に見きわめて、必要に応じて検討してまいりたいというふうに考えております。 我が国土交通省の中でも、各社と調整しながら、現在、どういう方策があるか具体的に検討しているところでございます。
○阿久津委員 JR三島以上に心配なのが、実はJR貨物でございます。 私は、国鉄改革から始まって、本当に皆様御苦労されてやってこられた法改正だったと思うんですけれども、JR貨物についてはちょっと厳しいのかなという印象を持っています。 そこで、伺いたいんですけれども、JR貨物の収支状況及び今後の見通しはどのようになっているのか。JR貨物のここ十数年の営業利益を見ると、平成六年度から一転して赤字に転落しておりますが、その理由は何なのか、JR貨物の方からお答えいただきたいと思います。
○伊藤参考人 お答え申し上げます。 国鉄時代、貨物部門は大きな赤字を計上していたこともございまして、会社発足前から大変多数の皆様方から経営収支について御心配いただきました。しかしながら、会社発足後六年間は、当時の好景気もございまして黒字経営を続けることができました。しかし、先生御指摘のとおり、平成五年度に経常赤字に転じ、平成八年度には赤字額が百六億円まで膨らみました。その後、実は赤字額は毎年減少しております。実は、本日、十二年度の決算を発表したのでありますが、昨年度は二十六億円の経常赤字でございます。 この原因といたしましては、いろいろございますが、バブルが崩壊し、日本経済が長引く不況下にありまして、全体の総物流量が小さくなっていく中で、トラック等との競争が激化いたしまして、いわゆる運賃単価が大幅な値下げを強いられております。また、阪神・淡路大震災に代表されますように、大変多くの自然災害などもございまして、収益減が予想以上に大きかったためと考えております。ちなみに数字を申し上げますと、一番ピークのときの運輸収入から一番低い運輸収入ですと六百億円も下がった実態にございます。 こういう経営状況を踏まえて、この間、当社は血のにじむような経営改善に努めてまいりました。 一つの例として申し上げますと、会社発足当時、鉄道に従事しておりました社員数は約一万二千人でありましたが、現在は約六千人台に縮減しております。その間には、いわゆる早期退職制度なども入れまして、約二千人の方々にやめていただいたということまでやっております。 なお、本年度は、現在行っております経営改善計画、新フレイト21という名前をつけておりますけれども、その総仕上げの年でございまして、経常利益の確保は十分可能である、こういうふうに私は考えております。 また、来年度以降につきましても、新しく中期経営改善計画を策定しまして、黒字体質の定着を図り、早期の完全民営化への道筋をつける所存でございます。 なお、全国一元の会社でございまして、昨今の環境問題等、我々が鉄道貨物輸送としてやらなければならないものはいろいろございます。一生懸命やっていく気持ちを持っております。
○阿久津委員 非常に強い意気込みをいただきましたので、どうもありがとうございました。 最後に一つだけ、踏切について伺いたいんです。 ボトルネック踏切の十年間での半減をうたった踏切法が改正されましたが、あかずの踏切解消に向けた取り組みに対しては今後とも重点的に実施していくことが重要と考えられますが、今回完全民営化されることとなるJR三社について、今後ともこの点における対策は十分行われることとなるのか、それだけ扇大臣に確認をしたいと思います。
○扇国務大臣 日本の物流の悪さは、私ここで申し上げたとおり、余りにもお粗末である、今の日本の物流のままでは世界に伍していけないということをお答えした覚えがありますし、また御記憶であろうと思います。 物流コストの一番のネックは何か、これはやはりあかずの踏切でございます。そういう意味で、少なくともボトルネックの踏切、全国で一千カ所渋滞しております。 これを何としても解消しようということで、通常国会におきまして、今先生方にも、踏切道の改良促進法、これを改正しまして、私どもは円滑な踏切の改良促進、そして、平成十三年度予算につきましても踏切関係予算を大幅に増額しましたし、また、御存じのとおり、事業のスピードアップを図ろうということで、今後十年間におきましては、ボトルネックの踏切を、今の一千カ所を少なくとも半分にする、こうおっしゃいましたので、私は、それはだめだ、遅過ぎると、前倒しにして、一千カ所の半分だから五百カ所と、それではだめで八百カ所に持っていこうというふうに考えておりますので、これは確実に実行していけると思います。 今先生が御心配のJR三社が完全民営化された場合には、引き続いて踏切道の改良、改善に万全を期す、それには変わりありませんので、JR三社もより順調な進行をしてくれるものと思っていますので、JRが民営化されても私たちの国土交通省の政策には変更はありません。
○阿久津委員 どうもありがとうございます。 JR本州三社の完全民営化に関する本法案は、まさに各社が運輸サービス企業として自立する、その節目となる法案であります。自立した企業になるとはどういうことか。それは、社会に対して、国民、利用者に対してみずから責任を負うことができる企業になるということです。国の手を離れることによって、JRの企業としての社会的責任は一層重いものとなるというふうに考えております。JR各社は、ぜひ、その点を見誤ることなくみずからの責任の重みをかみしめていただきたいというふうに考えております。 これから、JR各社がサービス産業としての意識と自覚を持ってサービスの質の向上を図り、これまで以上の利便性、安全性を利用者に提供すべく競っていかれることを期待しております。間違っても赤字を出して国民にツケを回すという歴史を繰り返すことのないよう最後に一言申し上げて、私からの質問を終わらせていただきたいと思います。JR三社の御健闘をお祈りしております。
○赤松委員長 河上覃雄君。
○河上委員 二十分でございますから、早速質問に入りたいと思います。 国鉄改革以来十四年を経まして、改革は一定の成果を上げる中で、今回、本州三社の完全民営化の改正案が審議をされているわけでございます。しかし、お話が出ましたように、三島会社あるいはJR貨物はいまだ厳しい経営状態にある。そこで、申し上げましたように二十分でございますので、きょうは、三島会社及びJR貨物の中の特に貨物の問題について、具体的にお尋ねを申し上げたいと思っております。 まず最初に、今回の改正法の附則第二条におきまして、いわゆるローカル線の維持に関する事項が指針に盛り込まれることになっています。また、JR本州三社において正当な理由なく指針に照らした事業運営がなされていない場合、この場合には国土交通大臣が指導、助言または勧告、命令を行うこととされているわけであります。 そこで、まず、この正当な理由なくとはどういう場合を指すのか、正当な理由とは何かということを明確にいたしませんと、関係者間での無用な混乱が生ずることになると思います。その意味から、何らかの基準を明確にする必要はないだろうか、こう考えるわけでありますけれども、これは鉄道局長にお答えいただきます。
○安富政府参考人 先生の方から、今回完全民営化される本州三社に対する指針制度の中の正当な理由についてお尋ねがございました。 指針制度の中身は従来から既に話しているとおりでございまして、今後、本州三社において、指針に沿って適切な事業運営を行っていただけるようにということで期待しているところでございます。 したがって、本来ですと、当然そういう形で指針に沿って行われることになると我々考えておりますけれども、万が一そういうことが行われないという場合に、御指摘のように、勧告や命令を出すということもあり得るわけでございますが、その際に我々がいわゆる恣意的にこれを出すことにはやはり問題があるということで、この場合には例えば会社側の責任を問えないような場合もいろいろ考えられるということから、法律上、正当な理由という規定を置いたものでございます。 ただ、具体的にどのような場合が正当な理由に当たるかということにつきましては、具体的な勧告、命令を出す事案ごとにその個別事情を勘案して対処しないと、今ここで一律にこういう場合というのはなかなか言いにくいものであるというふうに考えております。 しかしながら、勧告や命令を出す場合には、この法律の中におきましても、勧告を出す場合には、その勧告を出したことについて公表するという形で世間の批判をちゃんと受ける形をしている、さらには、命令を出す場合には、当然その命令を出すことについて運輸審議会という第三者機関の意見も聞くという形で、御指摘のように、この指針の運用について、JRに対して過度な介入あるいは我々としての恣意的な判断が入らないような措置を講じているところでございます。
○河上委員 局長、いいんですよ。恣意的なというところに力点を置いて質問しているわけじゃなくて、やや懸念が皆さんの御意見の中にもあったわけです。それは、完全民営化をされる本州三社との間で、今まではともかく、そうなるんだからやや御心配の向きがありますよという意見が今まで出てきたので、私が冒頭申し上げたように、無用な摩擦を関係者間で避けるためには、正当な理由まできちっとしておいた方がむしろ問題が起こりにくいでしょう、こういうことなんであって、それを恣意的に勧告、命令まで出すというところに力点を置いて今質問しているわけじゃなくて、私は、ともかく一定程度、きちっとその正当な理由というものを具体化させていくような御努力をいただきたいと、これはお願いを申し上げておきたいと思います。これは答えは結構です。 次に、JR旅客会社が、当該路線の収支が悪いなどとしてローカル線を廃止しようとする場合、地域住民の足を奪うという側面の問題が生じていることは、これまでの議論を通じても多々出てまいりました。これは当然の課題として、十分相談に乗りながら解決しなきゃならない大切な問題でありますが、もう一つありますね。例えば、JR貨物はローカル線を使用しているわけでありまして、住民のこともさることながら、貨物にとっても困る事態が生ずるわけでございます。そのような場合、貨物輸送の存在はどのように評価をするのか、この点お答えいただきたい。
○安富政府参考人 赤字ローカル線の廃止とJR貨物の貨物輸送との関係についてのお尋ねでございます。 JR旅客会社がJR貨物も使用している赤字ローカル線を廃止しようという場合が、そういうことがないことを祈りますが、万が一そういうことが出てくるということになりましたら、御指摘のとおり、JR貨物としては経営的に非常に大きな影響を受けるということになります。 この場合に、この措置についてどういう対応策が考えられるかということは、そのケース、ケースによって違うと思いますが、一般的に申しまして、当然、JR旅客会社、それから自治体、住民、さらにはJR貨物も入れた形で当該ローカル線の廃止に伴う種々の問題について十分協議をしていくということが必要であろうと思いますし、その際には、我々もその中に入って具体的な対応を考えていく必要があるというふうに考えております。 例えば、貨物輸送の代替ルートがほかにあり得るのかどうかといった可能性、さらには、貨物輸送をやめた場合のJR貨物の経営への影響が具体的にどうなるのか、あるいは貨物輸送自体をどうしたらいいのかという問題、さらには、もしかしてローカル線について例えば別の主体が引き継ぐといったような場合に、そのJR貨物と別の主体である運営会社との関係をどうするかといったような問題、そういったことについてそれぞれ具体的対応を検討して、十分調整しながらやっていく必要があるというふうに考えております。
○河上委員 ぜひ、これはよく連携をとりながら対応していただきたい。 そこで、おとといは田中政務官にお答えいただきましたから、きょうは、次の質問は木村政務官にお答えいただきます。 そうしますと、本州三社に適用される今回の指針、路線の維持あるいは廃止についての指針、これはあくまでも本州三社に限られるのか、三島会社には適用されないのか、この点を明確にお答えいただきたいんです。 つまり、JR会社法第十条は中小企業への配慮という側面については規定をいたしておりますけれども、今申し上げた、今回の中小企業への配慮以外の二つの指針については、もともとJR会社法には規定されていない。これは会社間の協定あるいは旧運輸省からの行政指導等に基づいてやってこられたように思いますが、こういう実態を踏まえて、今回のこの路線の維持、廃止についての指針は、あくまでも本州三社に限定されるのか、それとも三島会社にも適用されるのか、これについて明快にお答えください。
○木村(隆)大臣政務官 生活者の視点を大変大事にされて活動しておられます河上先生、地方のローカル線を切り捨てられちゃうんじゃないか、また、中小企業の方が困っちゃうんじゃないかという視点に立った御質問だと思います。 今回設けようとしております指針は、もう先生御案内のように、本州三社、これから特殊会社から外れることによって、国鉄改革のときの経緯を踏まえて、最低限必要なものだけはしっかり担保しておこうというための指針でございます。 三島会社については、当然これからも特殊会社として残るわけでございますから、JR会社法がきちんとした担保として残るわけでございまして、ローカル線の維持につきましても、また中小企業の問題に関しましても、この法律でしっかり担保できる、そういうふうに考えております。
○河上委員 木村政務官の明快な答弁がありました。よろしくお願いいたします。 次に、整備新幹線の整備に伴う在来線の問題とJR貨物の関係に絡む質問を何点かさせていただきます。 並行在来線を第三セクターが維持する場合、JR貨物の路線使用料はアボイダブルコストルールとすることは可能でしょうか。
○安富政府参考人 今、いわゆるアボイダブルコストルールについて並行在来線の第三セクターの場合に可能かということがございましたが、そもそもアボイダブルコストルールは、JR貨物がJR旅客の線路を使用する場合の線路使用料ということで、国鉄改革の基本的な枠組みという形で決められたものでございます。 このルールは、旅客列車が主に走っている、そこに貨物列車が従という形で走る場合に、このJR間における線路使用実態を踏まえて定められたものでございますが、当然こういうルールでございますので、JR旅客会社とJR貨物会社との間のいわゆる協定という形で決められたものでございます。並行在来線を運営する第三セクターがこのアボイダブルコストルールを適用してもいいよということになれば、実はこれは両社の話し合いで適用できる話ですから、可能にはなります。しかしながら、多分そういうことはないと思いますので、実態的には、このアボイダブルコストルールはあくまでJR旅客とJR貨物との間に定められたルールで、JR貨物が他の第三セクター等に支払う線路使用料についてまで、適用が義務づけられるといいますか、強制されるものではないというふうに考えております。
○河上委員 これについての質問は後ほどまた出させていただきますが、まず何点か、理論的可能性を確認するための質問をいたしたいと思います。 今度は、第三セクターなど並行在来線の担い手がいない場合、JR貨物はルートを確保することができなくなる事態が想定されます。この場合において、地元との調整というものが前提であるとは思いますけれども、JR貨物が資本参加すること、あるいはJR貨物が当該並行在来線を所有、運営すること、これができるのか。さらに、その際、JR貨物が旅客営業を行うことができるのかどうか。理論的可能性の観点からの質問ですが、お答えいただきたい。
○安富政府参考人 今、いわゆる並行在来線を担う主体がいない場合にJR貨物がどうなるか、あるいはその第三セクターに資本参加することが可能かという質問がございました。 まず、第三セクターに対する資本参加という問題でございますが、これはJR貨物がその第三セクターに対して、営業上もいろいろ関係あるというようなこともあって、そういう経営判断をJR貨物が行うということであれば、またそれを、当然のことですが、第三セクター側が受け入れるということであれば、参加するということは十分可能であるというふうに考えております。 それからまた、担う相手がいないときにJR貨物が並行在来線を所有、運営するということでございますが、これはJR貨物がみずから所有、運営する場合、当然のことでございますが、会社としてそれをどう成り立たせるかといった、収支等も含め、あるいは貨物への影響も含めて経営判断する問題だと思いますけれども、論理的に言えば可能である。当然その際に、実際事業を開始する際に、JR貨物が具体的な事業をやる場合の運営体制であるとか、あるいは要員の確保であるとか、そういうことは手当てしなきゃいけませんし、鉄道事業法上の手続としては、第一種鉄道事業の許可といったようなことも得なければいけないという問題がございます。 それからもう一つ、仮の話ばかりで恐縮ですが、仮にJR貨物自身が旅客鉄道事業を営むのはどうかという問題がございますが、これも同様に、旅客鉄道事業に必要な人員の確保であるとか、あるいは運営体制をどうするかといった問題が多々ございます。したがいまして、これを営むかどうかについても、基本的にJR貨物の経営判断の問題だというふうに考えておりますが、仮に、営むということになれば、これも同じく第一種鉄道事業の許可であるとかJR会社法に基づく関連事業の認可、あるいは定款変更認可といった諸手続がございますけれども、そういうことをJR貨物が経営上判断するということであれば、論理的には可能であるかと思います。
○河上委員 そこで、JR貨物の北から南に至る路線網の確保に当たっては、第三セクターの設立やその運営のあり方などが地元の対応にゆだねられている部分が大きいと言わざるを得ない。 例えば、東北新幹線の並行在来線については、いわゆる調整金制度によって、日本鉄道建設公団から調整金を交付することによって、JR貨物が実質的に負担する線路使用料のコストをアボイダブルコストルールのレベルに抑えることとしたと聞いております。 JR貨物は旅客会社のレールを使用して貨物輸送ルートを確保することとして設立された会社であることから、貨物ルートの維持のために政府として何らかの対応をする必要があると考えるわけでございまして、現在、九州新幹線の並行在来線について第三セクターの設立が難航しているとの話がありますが、その路線を使用する貨物輸送は、規模は別として、利益は大いに上がっていると聞いております。 このように、問題があるわけでございますが、東北新幹線の対応も踏まえつつ、九州の新幹線の並行在来線についても、JR貨物のルート維持に何らかの対応は考えられるのか、全く考えられないのか、この点について質問をいたします。
○扇国務大臣 JR貨物については、あらゆるところで皆さん方に御心配をいただき、また、今までのJR貨物の果たし得た役割、それをなお維持し得るかという大変大事な御質問であろうと思います。 今先生がおっしゃいました九州の新幹線、八代と川内のあの並行在来線に関しまして、先生も御存じのとおり、熊本、鹿児島両県を中心としました地元の協議会で、経営分割後の運営主体となる第三セクターについて検討が現在行われているところでございます。 具体的には、電化の場合の収支試算だとかあらゆる面がございますけれども、現段階では、JR九州からの鉄道資産の譲渡方式等については検討が行われ、また、地元の市町村の意見の聴取が行われているところでございますので、国土交通省としましても、地元の意見、あるいはJR貨物の意見を十分に聴取しまして、調整を図りながら適切に対処するというのが現段階の状況でございます。 ただ、最後に先生が、九州新幹線の八代—川内間の並行在来線については、JR貨物がもしも走行する場合、これは私は、東北新幹線青森—八戸間と同様に、貨物鉄道にかかわる調整金制度の対象となるということだけは考えているということを申し上げておきたいと思います。
○河上委員 ありがとうございました。 本州三社の完全民営化で国鉄改革のすべてが終わったわけではありませんで、三島並びに貨物もまだある、将来の課題でございます。 いずれにいたしましても、貨物輸送は我が国の動脈、静脈に例えられておりますが、環境やエネルギー対策、物流の効率化の上からも、中長距離大量輸送に適しているのは鉄道輸送でございまして、鉄道輸送に切りかえていくモーダルシフト、この体系的、総合的物流政策の大きな柱であると考えます。しかし、現状は自動車輸送が主力で鉄道輸送は相対的に減少傾向にございますし、決してそのような実態にはない。 環境負荷の低減と循環型社会構築への参画の上から、在来線を含めまして、主要幹線鉄道や新幹線網を利用した新たな大量、高速貨物輸送システムの構築など、さらに家電製品などのリサイクル物資の集積を担う静脈物流システムの構築に政府は積極的にこれから取り組んでいく必要があるのではないか。これはもう時間が参りますので簡単にお答えいただいて、質問を終わります。
○扇国務大臣 今、河上先生は、二十一世紀の鉄道のあり方の原点を御質問になったように思います。 我々もそのことに一番気を使い、まして今の自動車社会、これだけの排気ガスの多量な空気というものを二十一世紀に考えますとお先真っ暗という気がしないではありませんけれども、今先生がおっしゃいましたような、私たちの新たな二十一世紀、大量輸送そして、大量廃棄ということではなくて、できるだけ公害のないものに切りかえるというのは当然の理でございます。 それなれば、先ほども私が申しましたように、貨物については、特にドア・ツー・ドアという民間の頑張っているものがつい便利なものですから、自分が荷物を駅まで持っていかなくても、とりに来てもらってドア・ツー・ドアでという今の民営の皆さん方、いわゆる民間の業者の皆さん方に押されぎみであるというのが貨物の大きな問題であろうと私は思いますし、先ほどもお答えしましたように、コンテナ輸送等々国際基準に合うのかどうか。 それも含めて、先生おっしゃいましたけれども、家電リサイクル品等々の輸送に代表される静脈物流については、少なくとも低コストが求められる、でなければ日本が立ち行かないというのも先ほども申し上げたとおりでございます。私は、今後国土交通省におきましても、関係省庁と協力しまして、でき得る限り生産拠点の現状、そしてまたリサイクル関連拠点の配置の計画、あるいは当該拠点間における輸送等の実態把握に努めなければ、鉄道あるいは海運の活用を含めて、私がいつも言っておりますグランドデザインというものにもかかわってまいりますので、先生の今御指摘がありました、この効果的な静脈の物流システムの開発あるいは構築にぜひ努めてまいりたいということを申し上げておきたいと思います。
○河上委員 大臣、ありがとうございました。
○赤松委員長 松浪健四郎君。
○松浪委員 長時間御苦労さまでございます。保守党の松浪健四郎でございます。 私が小さいときからまだまだ紅顔の美少年であったころ、大分昔になりますけれども、野球少年でありました。国鉄スワローズの大ファンであります。背番号三四、金田正一投手の雄姿を忘れることはできません。それから、南海ホークスから国鉄に移籍をいたしました飯田徳治という背番号二四の選手がいらっしゃいました。この人は仏の徳さんと言われる、立派な人だったのかどうか知りませんけれども、我々子供のときから好きな選手でありました。 比較的国鉄スワローズは人気があった、私はこういうふうに思っておりました。けれども、この球団が身売りされるということになりました。聞きますと、大変な赤字なんだ、経営がうまくいかない、こう教えられました。 しかし、私たちの大阪で乗る国鉄はたくさんのお客さんがいらっしゃいましたから、まさかこの国鉄が赤字だなんてと、不思議に思いましたけれども、よく聞きますと、北から南まで、過疎地まで国鉄が網羅しておる、全体から見れば大変な赤字なんである、そういうことを我々は知ったわけであり、そしてそこで、国鉄の大改革をやらなければならない、こういうふうになったと承知しておるわけであります。 今回のJR会社法の一部を改正する法律によりまして、JRの完全民営化が達成されるわけであります。このことは昭和六十二年四月の国鉄分割・民営化のときの目標でありまして、これが実現されることは本当に喜ばしいことだと思います。ここに至るまでには国鉄改革以来十四年間の年月が経過しているわけでありますけれども、これを機に、国鉄改革とは一体何であったのかということをいま一度振り返っておくことは非常に重要なことだと思います。 そこでまず、国鉄改革はどのような理念で行われたものであるのか、御教示賜りたいと思います。
○扇国務大臣 美少年であったころの松浪先生が、今もその面影を残しながら、かつての国鉄スワローズのファンであられたということで、金田投手、驚異的なあこがれであったと思いますけれども、その松浪先生のあこがれであった金田投手の奥さんは、ちなみに宝塚の私の上級生でございました。それが奥さんになられておりまして、今お子さんも金田賢一君という俳優できちんと活躍していらっしゃいますので、あなたの美少年のころの夢は今でも画面で生きているということを申し上げておきたいと思います。 また、そういう意味では、国鉄スワローズと国鉄というイメージが余りにも国民には根深く、あるいは信用される国鉄、みんなそう思っていました。私もそうです、私はもっと年上ですから。その国鉄が、今先生がおっしゃいましたように、そんなに赤字でとても経営的に苦労しているということを本当に私自身も知らなかったんです。ですから、そういう意味では、今先生が国民の皆さんは日々利用しているものですから全くそれに気づかなかったという点は、私は、国鉄であったなればこそ情報の開示ができなかったんだと思います。ですから、ある日突然情報開示されたときに、私たちはびっくりしたんですね。 けれども、情報開示されたあの当時を考えますときに、改革までの道のりは余りにも長うございました。今の政治と同じです。政治改革と言われて、これ十何年来一度も改革されていないと言われたぐらい、政治の社会も改革という言葉を実行するのには余りにも時間がかかりました。それと同じように、国鉄というものの改革に関しては、多くの日時を要したことはやむを得なかったことだと私は思います。けれども、何としても改革しなければいけないと言われたあの原点は、国鉄時代、毎年、皆さんからいただく税金の中から少なくとも約六千億円から七千億円の補助金を投入しなければならなかったということから、親方日の丸の意識を変えなければならないということの改革が始まったと私は思っています。 その中で、先ほども先生方に申し上げました、民営化はできた、そしてそのJR七社は合計で少なくとも千五百億円の法人税を納めるようになりました。けれども、その陰では、離職し転職し、家族を養いながら苦労していった多くの職員の前向きな努力、時代に適応して泣く泣く、けれども、それが今立派に職業として働いている方もあります、立派な方もいらっしゃる、ほとんどがそうです。 そういうことに、私は、体質改善をし、改革というものに果敢に挑戦したればこそ、今日のJR三社の民営化という法律を出すことができたというこの経過を、ぜひ先生にも御理解いただき、今後も、国鉄という名前は消えたけれども、JRという新しい、二十一世紀にふさわしい会社を御支援賜りたいと思います。
○松浪委員 野球談義の方が楽しいわけでありますけれども、私に与えられた質問時間はそれほど多くございませんので、もうしょうもない話は省いて、本題に入らせていただきたいと思います。 大臣の御丁寧な先ほどの御答弁では、国鉄改革は国鉄の鉄道事業を再生するために行われた、そのとおりだと思います。国鉄の改革当時には、民営化すると地方のローカル線が切り捨てられるのではないのかといった懸念の声が少なからずあったわけでありますけれども、JRとなりましてからは、関係者の御努力によりまして、おおむね地方路線は適切に維持されております。そして、一定の評価ができると思っております。 今回、JR本州三社が完全民営化されまして、より一層自由な経営環境が確立すると思いますけれども、再び地方からは、株主の利益を優先して、地方ローカル線へは設備投資が二の次となったり、乗客数の少ない赤字路線は切り捨てられるのではないのかといったような心配の声が上がってきております。こうした地方の皆さんの心配の声に対して、国土交通省としてはどのように対応されていくのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○安富政府参考人 今、先生の方からもお話がございましたように、国鉄改革の考え方は、分割・民営化し、効率的な事業運営を実施することによって、結果として、地方ローカル線も含めて鉄道ネットワークを維持していこうというものでありました。この観点から、国土交通省としても、JR各社に対し、精いっぱいの経営努力により、できる限りの路線維持を期待しているところではございます。 具体的に、今回の法律の中で、いわゆる指針制度という形で、路線の適切な維持ということで指針を設けるわけでございます。従来、他の民営鉄道の場合には、一年前の届け出という手続で廃止ができることになっておりますけれども、当然JRにもこれは適用されるわけですが、この指針制度によって、いわゆる国鉄改革後の輸送需要の動向その他の新たな事情の変化を踏まえた、路線の適切な維持に関する事項というのを定めまして、JR本州三社各社について、その維持に努めていただきたいということで、ぜひ指針を設けたいと考えております。 さらに、その指針の中においても、今後、路線の廃止に当たっては、そういった国鉄改革後の状況変化等にも十分な説明責任をJRとして果たしていくべきだということも、我々としても指導していきたいというふうに考えております。
○松浪委員 地方路線の維持に当たりましては、JR側の経営努力も指針を運用する際の一つの判断材料となると思われますけれども、政府参考人のお考えをいま一度お聞かせいただきたいと思います。
○安富政府参考人 本州三社について、分割・民営時に、当時の不採算路線を含めて事業全体で採算が確保できるように、幾つかの所要の政策措置を講じたという経緯がございます。したがいまして、基本的には、国鉄改革時の路線を維持していくことが望ましく、このためには、各JR本州三社が、増収努力であるとか合理化といった経営努力を行ってもらうということが大前提になります。 したがいまして、先生御指摘のとおり、指針の運用に当たりましては、当然、JR側の経営努力というものを十分勘案してこれを行っていくということで考えております。
○松浪委員 二十一世紀は大変な少子高齢化社会であります。とにかく、近年のお年寄りの皆様方は元気であります。いろいろなところに旅行に行かれる、海外にも行かれます。そういうふうに見てまいりますと、お年寄りの皆さんの行動が活発化すればするほど、どの駅もバリアフリー化を進めていかなければなりません。バリアフリー化を進めるといっても、本当に地方までバリアフリー化を進めることができるんだろうか、それらについて、どのように考えているのか、取り組もうとされているのか、副大臣にお尋ねしたいと思います。
○泉副大臣 昨年の十一月に施行されました交通バリアフリー法に基づきまして、国土交通省は、今、地方や地域の実情に詳しい市町村が作成します基本構想を踏まえて、駅周辺の整備との連携を図りながら、駅のバリアフリー化を進めていくというところでございます。その際、目標としては、一日当たりの利用者数が五千人以上の駅について、二十二年度までにバリアフリー化を実施する、こういう規定を第一に掲げております。 したがいまして、一日当たり五千人といいますと、かなりの都市人口を持っておるところ、地域の人口を擁しておるところということになるわけでありますが、ただ、やはりこれだけでは、必ずしも地域の実情を十二分に反映したことにはならないということから、高齢者や障害者の実態、その駅の周辺にそうした施設があるとか、特別な状況がありますれば、可能な限り、その駅もバリアフリー化するということで考えておるところでございます。 今年度も、約八十億円の政府予算を確保させていただいておりますので、地方も含めまして、一層バリアフリー化を進めてまいる所存でございます。
○松浪委員 時間がございませんので、かいつまんで質問させていただきたい、こういうふうに思います。 この前、我が党の二階委員より、JRバスに対する地方公共団体からの補助金等について見直してはどうかという質問を行いましたところ、国土交通省、総務省ともに、前向きのお答えをいただきました。我々は大きな前進が見られたと思っておりますけれども、この問題につきましては、地域も大きな関心を払っている問題でございますので、いま一度、過疎地における今後のJRバスに対する地方公共団体からの補助金等の取り扱いにつきまして、泉副大臣、自治財政局長から、国土交通省並びに総務省の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○泉副大臣 需給調整規定の廃止に伴いまして、いわゆるバス事業に対します補助制度が変わりました。路線ごとに判断をするということになったわけでございます。そのような仕組みにおいては、JRバスについても同じ考え方、他の民営バスや公営バスの事業者と同様に、地域とともに生活の交通確保に取り組む担い手として位置づけられるものと考えておりまして、総務省においても、このような制度の改正の趣旨を踏まえ、従来の取り扱いを見直されると承知しておりますので、国土交通省といたしましても、よく連絡調整を図って、地域の足の確保に努めてまいる所存でございます。
○香山政府参考人 お答え申し上げます。 JRバス事業者に対する地方団体からの給付につきましては、昭和六十一年当時の国会附帯決議を踏まえまして、経常経費に対する補助等は認めないという取り扱いをしてきたところでございますけれども、先ほど、副大臣の方からの御答弁にもありましたように、需給調整規制の廃止という新しい局面、これは平成十四年の二月から施行と承知いたしておりますけれども、それによりまして、地域にとって足の確保は不可欠であるけれども、一方で、採算に乗らない、地方団体が経費を負担しなければ路線の維持ができないといったケースが出てくることも想定せざるを得ない状況になりました。この場合には、民間バスとJRバスとの間に差をつけることは実態に合わないというように私ども考えておりまして、そのために、私どもとしては、地方団体が補助等を行って路線の維持をするということも差し支えない、そのような取り扱いにいたしたいと考えております。 なお、JR三社につきましては、さらに今回の法律改正によりまして、完全民営化ということに相なりまして、そういう意味で、この件に関しまして、総務省への協議も行われないということになりますけれども、JR三社にありましては、地域の足確保に最大限の努力をしていただく、この点に対しまして国土交通省の方からも指導助言等あるというふうに承っておりますが、そのような努力をしていただく一方で、地方団体の方も、安易に負担をするということのないよう適切な取り組みを期待いたしておる、そういうことでございます。
○松浪委員 大変ありがたいことだ、こういうふうに思っております。 最後に、大臣に、JRの地方における役割についてお尋ねをしたいと思います。
○扇国務大臣 先ほども先生が、ローカル線について住民の足であるというふうにおっしゃいました。まさにそのとおりでございまして、地方に行けば行くほど、通勤通学あるいは老人の医者通い等々、あらゆる面での国民の、住民の足になっているというのは先生の御指摘のとおりでございます。 その御指摘のとおりであるがゆえに、余計私は、JRに、特に地域と密着した、そして地域と一体となった鉄道事業の再生、それは国鉄改革の理念そのものでもございますので、国民のあるいは住民の、地方なら余計地方の足として今後もJRの役割を果たしていってくれるように、今後とも密着した公共輸送機関として地域とともに発展していってほしいということを、私たちも、重要であると考えながらぜひ見守っていきたいと思っております。 JR三社を嫁に出したからもう全部済んだのよと言うつもりはさらさらございません。嫁に出したところがうまくいってくれるか、じっと見守りながら、一日も早く親をしのぐJRになっていただきたいと思っています。
○松浪委員 大変心強い御答弁をいただきました。地域を切り捨てることのないように重ねてお願いを申し上げまして、時間が参りましたので、質問を終わります。 ありがとうございました。
○赤松委員長 森田健作君。
○森田(健)委員 よろしくお願いいたします。 JR各社が民営化進行中の中で、国民の評価は非常に高いというのがまた実感でございます。 しかし、扇大臣、国鉄から民営になって、だからこそこういうことが、言うならば、国民にこういう点が喜ばれるのよ、また、民営になったからこそこういうことができた、そういうところがございましたら、ぜひ挙げていただきたいと思います。
○扇国務大臣 まず、国民にとって一番身近に肌で感じる変わった点、それは、私は、JRの職員がみんなごあいさつするようになったことだと。それは私たち一国民としても、利用する者にとってはすぐ目に見えるんですね。先ほど日森先生なんかは、東京をおりて出るまでに七回あいさつされたと言われました。それくらい変わったというのは目に見えて実感として肌で感じることができることでございます。 そして、御存じのとおり、もっと私がありがたいと思いますことは、JRに乗りまして切符の検査がございます。これも、今までは無愛想でした、いかにもしてやるみたいな。このごろは、ドアをあけて入り口で、皆さん、ただいまからさせていただきますのでよろしくお願いしますとごあいさつなさる。出るときもきちんとごあいさつなさる。これも、私たちが乗ったときに実感として変わったことの大きな一つでございます。 そういう意味では、JRの職員一人一人が本当に意識改革をした、そのように私は考えていますし、また、現実に私たちは体験してわかっておりますので、目に見えたところではそういうところでございます。 見えないところでは、この十四年間に事故件数、これが御存じのとおり本当に減少している。また、先ほども申しましたように、赤字路線だ、国鉄は親方日の丸だと言われて、今まで年間に六千億円から七千億円の補助金をしていたのを、それがとんでもない話で、補助金どころか、JR七社で少なくとも千五百億円の法人税を納める、そこまで変わるというのは本当に奇跡ではないかと思うぐらい。ただ、その陰の職員の苦労だけは、離職した皆さんの努力だけは、見えないところですけれども、国民の皆さんが理解してあげるべきだと思って、そんなに変わったということ。 長くなるといけませんので、それくらいとりあえず申します。
○森田(健)委員 いや、大臣のおっしゃるとおりですね。朝、おはようございますと言われると気持ちがいいものですよね。何回言われてもいいものでございます。 では、大臣、私思うんですが、反対に、言うなれば国鉄時代は国民にこういう点が喜ばれたのよとか、国鉄だからこういうことができたのよという、あったら何か挙げていただけますか。
○扇国務大臣 国鉄だからできたということは、親方日の丸だったからこそ日本列島くまなく路線が引けたと思っております。
○森田(健)委員 そうですね。まず、言うならばハードの部分でございますけれども。 私、思うんでございますよ。人間は変わらないわけですよね。官営から民営になった。言うなれば、今まであいさつもしなかった。変な話、トイレも汚かった。何かさっきは大臣の話と私の思っていること、同じだったんですが、これ、官営と民営に変わるだけで、官と民に変わるだけでこんなに変わるものなんですかね。何が原因なんですか。これは通告していないので、あれだったら結構でございますが、どうなんでしょう、人間って、官と民と変わるだけでこんなに変わるのは何が原因なんですか。
○扇国務大臣 一言では言い切れないと思いますけれども、やはり、昔はお役人様、そして自分たちは赤字を出していたってだれかがツケを払ってくれる。それと、やはり国鉄職員であるという気位が高過ぎたんじゃないでしょうか。国民を下に見ていたのではないでしょうか。そういう気がします。まだ全部ではありませんけれども、そういうことがなきにしもあらずであったのではないかと思います。
○森田(健)委員 そうですよね。私たちの、皆さん使う言葉の中で、ああ、あれはお役所仕事だとか、お役所へ行くと、笑顔がない、暇じゃないかとか、いろいろなことを言われる。私は前も委員会でちょっと質問していましたけれども、これは本当に変えなきゃまずいですよね。こうなってくると、もう官なんて要らない、無責任に言えば、みんな民にしろなんて、こうなっちゃったら、何か、私たちのやるべきことは、官だろうが民だろうが、人間としてやるべきことをきちっとやっていかなければならない、大臣、私はそう思うのでございます。 こうなってくると教育問題ですかね。それはそういうふうになってきますが、まあ、そのことはそれまでといたしまして。 それでは、次は泉副大臣に聞きます。 官営から民営になった、JR各社は自由競争へ参入した。言うなれば、航空機、他の事業者ともこれからもう激烈な競争に入っていくんだと思います。 確かに、今JR各社は非常に体力もありますし、また、何だかんだになったら、指針も策定しておりますし、その指針に沿った指導助言もできるんだとは思いますが、でも、やはり競争になってきた、完全民営化だ、効率、採算性を追求していくのはやはり当たり前のことなんですね。 だから、そうなっていくと、今想像できないような、例えば地域格差ががあっと出てきたりとかいろいろなことが出てくるんじゃないかなというのは、私の考え過ぎでございましょうか。
○泉副大臣 完全民営化後に、地域格差、サービスのレベルが違ってくるのではないかというような御指摘かと思います。 国鉄改革以来今日まで、既に車両が各会社によって随分変わっておると思いますし、基本的なサービスは同じであるといたしましても、細かなところによっては随分違ってきておるのではないかと思います。今回完全民営化します本州三社は、先生御指摘のように、他の輸送機関との競争が激しい場所に当たるわけでございますので、それぞれの会社がこれまで以上に知恵を出して、他の機関との競争に打ちかたなければならない事態が出てくると思います。 そうした中で、地域の格差が出てくるということは、サービスが上がるという意味で、最低限のレベルがもっと向上するという意味で、三社間に、あるいは三島のJR会社との間に差が出てくることはあり得ると私は思います。しかし、それはいい方向のサービスの差であって、今よりも落ちるようなことがあってはならない、私はこのように思っております。
○森田(健)委員 そうですね。 それでは、次に参ります。 私は、やはり来ていただいた以上、全員に出場していただきたいと思う方でございますから、両政務官にお考えを賜りたいと思います。 この間、参考人の質疑のときに、私はトワイライトエクスプレスの話をしたんですよ。あれは、大阪から札幌まで千五百キロ、二十一時間かかる。両政務官も忙しいでしょうから、冗談じゃないよ、おれは飛行機で行けば二時間だよ、そう思うこともあると思うんです。 ところが、最近、国民のニーズといいますか、それもだんだん、気持ちも変わってまいりまして、いやいや、早く行くことももちろん大事だ、でも、あるときは、ゆとりのある旅、心の旅、そう思う人がふえているんです。ですから、トワイライトエクスプレスの切符なんて、なかなかとれませんよ。中は豪華な客室で、ベッドもすばらしいですよ。それから、豪華なフランス料理も食べられる、シャワーもある。 これから、きょうはJR各社の方、いろいろな人も来ていますから、私は両政務官のお考えも聞きたいんですけれども、これからやはりアイデアの時代だと思う。この間、東北新幹線の、ちゃんとマッサージのコーナーもありますからね。今度はサウナなんかつくかもしれません。そのように、アイデアの時代じゃないか、それによって、国民の本当のいろいろな、多様なニーズにこたえていくんじゃないか。今までは早く着くことだ、しかし今度は、列車というのは時間を楽しむものですよ、そういうメニューを出すことも大事なのかなと私は思うのでございますが、両政務官の御意見を賜りたいな、いいアイデアがありましたら。 まず、木村政務官、いかがでございましょう。
○木村(隆)大臣政務官 いつもながらの森田先生のアイデアに富んだ提案型の御質問でございまして、トワイライトエクスプレス、本当に、平成元年ですか、走りかけてからもう十数年になりますけれども、切符がとれぬぐらい大変な人気があるようでございます。 やはり、先生お話しのように、価値観が多様化しているときでありますから、いろいろな移動の手段、鉄道でも、鈍行でのんびりふだん着で行こうというのもありましょうし、このようなリッチな列車に乗っていこうというニーズも当然出てくるのだろうと思います。 今回の改正によりまして、御承知のように、スピーディーにいろいろな経営ができる、またいろいろな商品もスピーディーに発売ができるようになっていくわけでございまして、これから、経営者、各JRの皆さんも、経営という観点で、ニーズにどうやって合わせていけるか、どんなニーズがあるかということをしっかり恐らくリサーチされて、いろいろな新しい商品、今のサウナもそうでありましょうし、いろいろな企画が当然出てくるものだろうと思います。 先生のきょうのお考え、JR各社にも、私どもの方からも、こんな提案がありましたよということもしっかりお伝えをしたいと思います。
○田中大臣政務官 森田先生の突然の、せっかくの御質疑でございますので、今、一生懸命サービスについて知恵を絞っておったところでございます。 私は、駅前で演説するのが大変好きでございますし、しょっちゅうやっております。また、このところ政務官になりまして、朝のスケジュールがなかなかタイトでございまして、間違いないということで、川崎の駅から東京駅まで必ず電車で通勤をしておるのでございます。以前からもそういう傾向がございましたけれども、よく電車を使っております。 そういう中で、私は、エンゼルトレイン構想というのを実は自分自身で考えているんですね。これは何かというと、子育て支援列車なんです。女性の方が、あのラッシュアワーの時間帯、あるいは退社の時間帯、込み合いますね、あのときに、子供さんを連れて電車に乗ることができるかどうか。今、駅型の保育園、託児所、職場の中あるいは職場の周辺にそういう施設をつくろうというのが国の方針であります。男女共同参画社会と言われる中にしては、実はその通勤の手だてがないんですね。 ですから、車両の中に、例えば哺乳ができる、あるいはおむつをかえることができる、ラッシュがなくて安心して子供と一緒に電車に乗って通勤ができる、こういうサービスを鉄道ができるようになれば、もっともっと国民の身近な交通機関として価値が出てくるんじゃないかな、このように私は思っております。場合によっては、その場でワンストップサービスの、何か仕事もできるんじゃないか、このように思っておるわけでございます。 先生も都市型の議員でありますし、私も隣の選挙区の川崎の議員でありますから、ちょっと夢が、エクスプレスの話までいっておりませんが、地元の話としてぜひひとつ提案をさせていただいたり、サービスの内容について触れさせていただきました。よろしくお願いいたします。
○森田(健)委員 いろいろと本当に御意見を賜りまして、ありがとうございます。 やはり鉄道というものは私たち国民にとって足の基本でございます。それと同時に、私たち、列車に乗せてもらう、そして、そういう鉄道関係者も、列車に乗ってもらうというその気持ちが両者にあるならば、本当に心地よい旅が生まれるのではないかな、そのように私は思います。 ありがとうございました。
○赤松委員長 今村雅弘君。
○今村委員 委員長初め、また大臣、皆様、本当に遅くまで御苦労さまでございます。皆様お疲れのところでございますが、きょうは貴重な時間をいただきましたので、若干質問をさせていただきます。 私もつい先日まで国土交通大臣政務官ということで要職をいただきまして、大臣には大変御指導いただきまして、ありがとうございます。 ついこの間まで政務官の方をやっていたのに、きょうはまた質問に立つというのはちょっと変じゃないかという気もしますが、政務官のところにおりますと、ちょっとお行儀よくしなきゃいけないし、またいろいろ言いたいこともちょっと言えないようなところもありまして、きょうは一議員としての立場から少し質問等言わせていただきます。 本日、JRの本州三社のいわゆる完全民営化ということの法案の審議でございます。私もかつて日本国有鉄道で本当にいろいろなお世話になり、また経験をし、本当に感慨深いものがございます。実は、私は、改革のときには、特に労務の担当ということもありまして、自宅に放火されたりしたこともありますし、また、議員になってからは、年金の負担の問題をめぐって、いろいろ御迷惑をかけまして、後で丸坊主になったりとか、いろいろな思い出がございます。そしてまた、今でも不採用になった方の争訟事件、これがまだ解決していないというふうなこと、まだいろいろな思いはございますが、とにかく今回、こうやって完全民営化はいよいよゴールに近づいたということで、本当に感慨深く思っております。まさに、今から思いますと、二十年ぐらいかかったのかなという感じもしていますが、とにかくJRの皆さんも、またこれを機会にひとつ元気を出して、さらにいい会社にしていくように頑張っていただくように祈念申し上げる次第でございます。 そういう中で、この法案、私、ちょっと前から少し気になっておったことでございますが、まず一点だけ、ちょっと御意見申し上げておきますが、いわゆるローカル線の問題とか、あるいは中小零細企業への配慮とか、いわゆる指針の制度があるわけでございます。これはごもっともだというふうに思っております。そういう中ではございますが、どうもここで、最後の方に、言うことを聞かないと百万円以下の過料に処するというのが実はあるわけですね。これは、まだJRというのは信用されていないのかなという気もするし、あるいは、JRは相当な猛者がいるから、百万円ぐらい罰金払ったってやった方がいいよというのがいると思われているのかなという気もしますが、どうもこれはちょっと品がないんじゃないかなというような感じもします。また、罰金を取れば済むという問題でもないでしょうし、この辺の考え方は、どういうことで過料ということになっているのか、教えていただきたいと思います。
○泉副大臣 今回、いわゆる指針制度を設け、問題が生じた場合には指導、助言そして勧告、命令を行う、命令違反の場合には過料を科すということにさせていただいておるわけでございます。 これは、国鉄改革の趣旨を踏まえた事業運営を確保していただくという行政上のいわゆる政策目的を達成する手段として設けられているものでございまして、いわゆる行政罰としての過料としたわけでございます。 現行のJR会社法の監督命令違反の場合においても、御承知のように過料が科されることになっておりまして、今回の措置もそれとのバランスを考えたということです。 なお、電気事業あるいはガス事業等の公益事業においても、命令違反に対しては過料ということになっておりますので、同様の取り扱い方をさせていただいたということでございます。
○今村委員 わかりました。こういうことを発動することがないように、ぜひJRの皆さん方も自覚を持っていただきたいし、また、国土交通省の方でもしっかりと御指導を願いたいというふうにお願いしておきます。 さて、次に、私は政務官のときに大臣にはいろいろお世話になりましたが、今でも思い出がありますのは、お菓子を時々いただいたことでございます。このことでちょっとお聞きしますけれども、こういうことは通告ということになりませんので、この場でちょっとお聞きしますが、大臣、お菓子にはいろいろございますが、おまんじゅうとようかんがありますね。この違いは何だと思われますか。
○扇国務大臣 今村先生は、国鉄マンでありながら、豊富な経験を持って国土交通省の大臣政務官として御苦労いただいたことに、まず冒頭、御礼申し上げたいと思います。 おまんじゅうとようかんの違いですけれども、まんじゅうは日もちしません。ようかんは日もちいたします。
○今村委員 それは点数でいうと五十点じゃないでしょうか。実は、期待しておったことは、ようかんはどこを切っても一緒ですね。しかし、まんじゅうは真ん中にあんこがあって回りに皮があるわけです。ですから、そういう意味ではおまんじゅうは真ん中の方がやはりみんな欲しがるというようなことになるわけでございます。 実は、何でこんなことを言うかと申しますと、国鉄の民営・分割に当たって、東京を中心にするいわゆる都市部、そういったところは非常に輸送需要が多いし、これはおいしいところだ。しかし、北海道だ九州だ、こういったところはお客も少なくて赤字で、これは余りおいしくない。そういう意味では、ようかんを切るよりまんじゅうを切るのに似ているなということで、まんじゅうも、ですから、そんなに外の皮の方もうまくはないけれども、ほの甘くでき上がったようなまんじゅうですね、真ん中のあんこもそんなに甘くてはだめだ、おかしいだろうということで、いわゆる各社が経営がそこそこうまくいくように、いわゆる地域の経済力等々の格差を考慮した中で収益調整措置といったものを実は講じてあったわけでございます。そういう中で、売り上げの、収入の一%程度の経常利益を上げられるようにというような一つのメルクマールもあったわけでございまして、そういう意味では、ほの甘まんじゅうを思い出しておったわけでございます。 お手元に資料をお配りさせてもらいました。メモという形でやっております。そういう中で、スタートしてもう十四年たったわけでございますが、当初のもくろみといろいろ変わってきたところがございます。思いどおりいかなかったこと、あるいは予想外にうまくいったこと等々あるわけでございまして、ここに出ていますように、そういったものを総括してみますと、例えば最初に挙げておりますように、国鉄改革における財政面での効果、これは大体十四兆三千億ぐらいあるのではないかな。内訳につきましては、国鉄のころには毎年六千億円ぐらい補助金をつぎ込まなければいけなかった、あるいはJRになってから、逆に今度は税金をしっかり納めてくれるようになった、あるいは株式も、これは当初はもくろみでは六千億円ぐらいの売却益の見込みだったのが、今後の見込みを入れて四兆円近い売却益になる。これは非常にうまくいった例でございます。ついででございますが、私みたいな衆議院議員まで生むという余計なことまでこれで起きたわけでございます。 それはさておき、二番目には、ここに挙げていますが、さっき言ったいわゆる収益調整措置というものがどういうふうになされたかというと、体力の強い、非常にもうかりそうなところにはたくさん借金を持っていってもらう、そして北海道とか九州には、逆に基金を積んで運用益で補てんをしましょうということに実はなっておったわけでございます。 当初、三島会社もいわゆる経営安定基金が一兆三千億ぐらいあるわけですが、七・三%という利息でいただいておったわけでございます。そういうことでありまして、御存じのように、金利低下でもって発足以来累計で千五百億円ぐらいショートしてきているんじゃないかな。そしてまた一方、いわゆる収益の方も、経常利益では七百億円程度にとどまっております。 一方、本州三社はたくさんの借金をしょっているわけでございますが、いわゆる低金利ということで、いろいろ勘定の仕方はあるわけでございますが、一兆四千億円ぐらいメリットを受けているんじゃないか。そしてまた、経常利益の累計も三兆二千億円というふうに、これは私の試算でございますので、正確をちょっと欠くかもしれませんが、おおむねこんなものじゃないかなと思っております。 そしてまた、これによってもう一人喜んだ人がおって、これはいわゆる財政当局でございます。こうやって予想以上の利益が上がったということで、税収増ということになるわけでございます。先ほどおまんじゅうの話をしましたが、これはまさに棚からぼたもちということではないかなというふうに思っております。こういうことで、非常に収益調整措置が機能していないという問題点があるんじゃないかな。 そして、もう一つは、この三番目にも書いておりますが、三島については運賃値上げをやらざるを得なかった。これは、約五年間で八百億ほどその地域の人が負担する。あるいは、旧自治省、現在の総務省、この三島につきましては非常に特例に、かわいそうだ、体力がないからということで、いわゆる固定資産税等の減免措置をやってくれておったわけでございます。しかしながら、こういったことが、今後本州会社が完全に上場するということになってくるとどういうことになっていくのかなという実は問題があるわけでございます。 私が今指摘した問題、まさに生みの親である国土交通省あるいは財政当局、こういった現状についてどういうふうに今考えておられるのか。これはもうきょうも大分出ておりましたから簡単で結構でございますが、ひとつ所感、所見をお聞かせ願いたいと思います。
○泉副大臣 今先生御提示いただきましたプラスの面とマイナスの面、いろいろなことがございます。確かに、本州三社は金利が低いことによって思わぬ利益を上げることができた。また、結果として税収もふえた。一方、三島については、安定基金の金利が下がったために千五百億という、先生の提示されましたものでは運用益が下がっておる、こういうことがございます。ですから、最初の思惑が必ずしも思惑どおりに動いていないということは事実でございますし、これからまたどう動くかは、ある面では予測しがたい点がある、こういうことだろうと思っております。 ただ、私どもとしましては、そうした状況の中でなお三島のJR、貨物も含めまして、何とか経営基盤の安定に向けた努力をしなければならないということで、この金利が下がった分の運用益の確保をやっておりますし、御指摘がございましたような税制の面でも軽減措置をとらせていただいております。また、各種の助成制度の活用等経営の支援策を講じておるところでございます。 いずれにいたしましても、現在各社において大変な努力をしていただいておるところでございますので、国としても、今後、これらのまだ完全民営化に至りません三島とJR貨物につきまして、先生の御指摘も参考にしながらさまざまな検討を行わせていただきたいと思っておるところでございます。
○中野大臣政務官 今村委員の御質問にお答えをしたいと思います。 長年、JRの民営化についての御努力をなさっているお姿に、心から敬意を表したいと思います。 今委員が、JRのおまんじゅうの真ん中とそれから端の話がありました。私本職でございますからよくわかるんですけれども、そういう中で、JR北海道、四国、九州についてのいろいろな状況についてお話がございましたけれども、財務省といたしましては、この三社が一生懸命経営的に努力しているということについては十分承知もしております。その中で、今おっしゃったような経営格差、また、いわゆる本州三社と三島三社の中にそういう経営格差があるということも認識しておりますが、しかし、それと一緒に本来の、JRの、言うような鉄道事業の再生という観点から見ますと、これは一生懸命やっているんだろうということを私どもは認識しております。
○今村委員 確かに、JRの皆さん、本当に一生懸命やってもらっておると思います。ただ、企業努力だけではどうにもならないこういった外的な要因で会社の経営が左右されては、非常におかしいわけでありまして、やはりこれについて何らかの対応をやらなければいけないと思っております。 特に、いわゆる基金運用に関して運輸施設整備事業団が、これは平成九年度からですが、四・九九という大変なハイクーポンでこれを運用して、半分ほどですが、いただいたわけでございます。これによって何とか息をついているという面もございますが、例えばこの運用ももう今年度いっぱいということで来年度からはこれがなくなる。それからもう一つ、先ほど言った、地方の固定資産税の減免措置も今年度いっぱい。こういったものが切れますと、例えば一兆三千億持って運用金利が一%低下するとそれだけでもう百三十億の赤が生じるわけであって、今現在でもJR三島会社合わせて七十億弱の経常利益しか上げていませんから、たちまち赤字に転落するということになるわけでございます。 こういったものについて今後どういうふうにやっていただくのか、ひとつ御意見を聞かせていただきたいと思います。
○泉副大臣 先ほどお答えをいたしましたことと重なりますが、運輸施設整備事業団の運用が切れる、あるいは税制度の特別の手当ても切れるというような時期を迎えておりますので、こういうことを継続しなければ三島の会社の経営が成り立たなくなる可能性が十二分に今の状況ではございます。ですから、これから三島の会社の方々も含めまして、私どもとしては少なくとも現在の状況が確保できるように努力をさせていただきたいと思っております。また、先生の知恵もおかりいたしたいと思います。
○石井政府参考人 お答え申し上げます。 地方税におきます特例措置は、一般的に申し上げますと特定の政策目的の実現のために講じているんですけれども、税の一般原則からいいますとやはり公正、中立とかいったようなことがございますので、社会経済の情勢の変化に応じて見直しを行う必要があると考えております。 先生御指摘の三島会社につきましては、旧国鉄の民営化に伴います経過的な負担調整措置として、特にいわゆる承継特例ですとかあるいは三島特例といったことを講じてきておるんでございますが、民営化後相当期間がたっておりますから、法律の建前あるいは税の原則論からいいますと、基本的には適用期限でございます平成十三年度末で廃止することになるんでございますが、これは先生今御指摘のようないろいろな問題がありますので、もし、税制改正の問題は大体毎年秋から年末にかけて議論になりますので、また制度改正要望等がございましたら、そういう場で御議論いただくということになろうかと思っております。
○今村委員 ぜひ検討をお願いしたい。 そして、先ほど言ったように、金利が今度は逆に上がってくれば本州会社の方が大変、逆に三島会社はいい。ちょうどシーソーみたいなもので、上がったり下がったり。だから、ここをある意味では特別会計的な考え方を持って、そこで少しプールをしておいて、それぞれに、片一方が困ったときには片一方からお金を融通する、もう一方が困ったときにはもう一方が融通する、そういった仕組みもやはり考えていただけないかというふうに実は思っているわけでございます。 こういったものについてひとつ国土交通省も、今までは正直言って、自治体の固定資産税をまけてもらうことで頼ったり、あるいはさっき言った四・九九のクーポンでお願いしたり、国土交通省としてやはりここらについてもうちょっと前向きに、積極的に、財政当局に体当たりで、こういうふうにやってくれ、こういう仕組みはどうだろうということをぜひやってほしいわけでございます。 またあわせて、貨物の問題も大分出ていますが、特に道路特定財源等々の話が出ております。これは道路と非常に関係の深い貨物事業でございますので、こういったものについても力を入れていただきたい。 以上申しました、今後の、国土交通省あるいは財務当局の、こういった特別会計的なものをつくっていくことについて、それから、道路財源をもうちょっと貨物の方に少し運用できないか、この二点について御意見を伺いたいと思います。
○泉副大臣 御指摘のような金利、一例として、金利の例として、本州三社と三島会社のシーソーという中で、それを一つのプールにしてという御提案がございました。 確かに考え方の一つではあると思います。検討はさせていただきますけれども、基本的に完全民営化をしようとしておる本州三社と、まだJR法の中で政府の後見的な監視というか枠の中で経営をやっていただく会社とを一つの財布をもとに助成するというようなことについてはやや問題があるのではないかと思います。ただし、先生の御提言は重く受けとめさせていただきます。
○中野大臣政務官 財務省といたしまして、今国土交通副大臣からいろいろお話がございましたけれども、まず、先ほど来お話が出ておりますけれども、いわゆるJR三島各社につきましては、先ほど委員もおっしゃっておりましたけれども、経営安定基金の運用益の確保を初めといたしましていろいろな措置を講じてきたわけでありますけれども、その中で、特に十三年度までという点を委員が御心配になっているということは承知をいたしております。 そういう中で、各社のこのような経営動向を勘案して、今後の支援のあり方についてでございますけれども、今先生が御指摘のとおりのような御意見も踏まえながらも、特に、今国土交通省の副大臣から御答弁をいただきましたように、まず国土交通省においてさまざまな御検討をいただく、それが先だろうと考えております。
○今村委員 どうもありがとうございました。 いずれ私たちも、北海道、四国、九州、これは議員の皆さんとも、集まって対策委員会をつくって、また提言等をしてまいりたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
○赤松委員長 次回は、来る二十九日火曜日午後三時五十分理事会、午後四時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時二分散会