厚生労働委員会 第22号
- 発言数
- 156 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2001/06/15
会議録
○鈴木委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として厚生労働省労働基準局長日比徹君及び政策統括官坂本哲也君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○鈴木委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。吉野正芳君。
○吉野委員 おはようございます。自由民主党の吉野正芳でございます。 労働紛争の個別的な問題について質問をさせていただきます。 本法案は、本当にこの時代の中で時宜を得たものだというふうに私は理解をしております。 今、小泉内閣、構造改革に取り組んでいるわけであります。特に、不良債権の処理、オフバランス化を進める中で、竹中大臣の言葉をかりますれば数万人から十数万人の失業者が出るという、このくらい大きな痛みを乗り越えて私たちは構造改革をやっていかなければならないわけであります。そういう中で、本当に今までは、集団的、いわゆる組合の紛争の解決機関はあったわけでありますけれども、個人的なものはなかった。そういう意味で、まことに時宜を得た制度が今出されたなという思いであります。 さて、今まで、紛争解決の手段として中央労働委員会、中労委、そして地方にあっては地方労働委員会、地労委という制度があって、ここで紛争解決をしてきたわけでありますけれども、地方分権一括法によって、地方労働委員会の役割というのは今までの機関委任事務からいわゆる自治事務に転換をされたということであります。 それで、その自治事務に変化をしたということで、実は私、福島県選出なんですけれども、福島県におきましては、福島県の地方労働委員会で、もうことしの四月から、個別的労使関係の調整ということで、これ一枚しかないのですけれどもこのパンフレットで、地方労働委員会の中にいわゆる紛争解決の機関として個別的労使関係調整員会というものを設けて、地方労働委員会の委員が解決に当たる。そして、福島県、全国で第三番目に大きな県土を持っていますので、各地域によって風習とか文化が違うのです。ですから、そこの地域地域に現場調整員という、学識経験者をもって、その現場調整員という方も調整、いわゆるあっせんに入って、本当に労使ともに解決をしていくという制度が行われました。 福島県、愛知県、高知県、これが四月から始まっているのですけれども、静岡県は五月から始まって、全国で四県しかまだやっていないのですけれども、そういうきめの細かい制度を福島県としてはつくってまいりました。 さて、そういう意味で、今度の法案の二十条関係なんですけれども、これは国の役割と地方の役割が論じられていると思います。そこで、お尋ね申し上げます。 二十条の一項、すなわち地方の役割の中で、「地方公共団体は、」いろいろ書いてあって「その他の必要な施策を推進するように努め」なければならないと書かれていますけれども、「その他の必要な施策」というこの言葉の中に福島県で行っているようなあっせんが含まれるのかどうか、そこをお尋ねしたいと思います。
○坂本政府参考人 この法案の第二十条第一項の「その他の必要な施策」には、御指摘のようにあっせんを行うことも含まれるというふうに理解をいたしております。
○吉野委員 ありがとうございます。 そうすると、福島県でやっているあっせん業務というものは、これからつくるこの法案に合致をしているというふうに理解をさせていただきます。 二十条の二項の方では、今度は国の役割が定められていると思うのですけれども、「国は、」いろいろ書いてあって「その他の必要な措置を講ずるものとする。」という文章が書かれています。 今、福島県も含めて我々地方で心配しているのは、いわゆる自治事務に対して国が介入をしてくるのか、そこの部分を心配しておりますので、この「その他の必要な措置」の中に、国の自治事務への介入というところまでここで言っているのかどうか、その辺も確認をしておきたいと思います。
○坂本政府参考人 この法案の第二十条第二項の国の措置は、これはあくまでも地方公共団体が実施をする施策を支援するためのものということでございまして、自治事務への介入となるようなことは毛頭考えておりません。 具体的に、「その他の必要な措置」と申しますのは、例えば労政主管課ですとか労政事務所、それから地方労働委員会事務局等の担当者の経験交流などによって、都道府県労働局が地方公共団体と連携を図っていく、そういったことを考えております。
○吉野委員 そうしますれば、ちょっと私まだ理解ができないのですけれども、労働組合法に中央労働委員会の役割と地方労働委員会の役割が書かれておりまして、中央労働委員会は地方労働委員会に対して、例えば再審査制度とか規則制定権など、いわゆる優位な権限を持っているということが規定をされております。このことと、いわゆる自治事務として地方労働委員会が独自にやっていることで、ちょっと私わからないのですけれども、いわゆる自治事務への介入といいますか、自治事務との整合性がここの条項がとれているのかどうか、その辺もちょっとお尋ねしてみたいと思います。
○坂本政府参考人 中央労働委員会と地方労働委員会というのは、もちろん上下関係にあるわけではないわけでございますけれども、各委員会の行います手続を統一するとか、あるいは労働委員会制度全体の運営を図っていくというために、中央労働委員会に規則制定権が付与されておる。これは労働組合法に基づいて認められている権限であるわけでございまして、今回自治事務化されたわけですけれども、その際にも、従来どおりそれは必要であろうということになったわけでございます。 しかしながら、今回、地方労働委員会が行う個別労働関係紛争の解決の事務といいますのは、労働組合法とは関係のない、もともと都道府県の事務であるものを知事から委任されて行うというものでございますので、労働組合法で定める規則制定権の対象とはならないということでございます。
○吉野委員 この制度がきちんと利用者に利用されるかどうかというところの最大の問題点は、やはり制度に対する信頼性というものが確保されるか否かにかかっていると私は思います。 それで、都道府県労働局の局長さんがおりまして、局長さんのもとに、いわゆる指導監督部門、労働基準監督署と言われる部門、これは警察署の署という形を書きますので、特別な権限、権力を有している部門の上司も局長さんであります。そして、この制度、システムを監督しているのも局長さんでありまして、同じ組織、厚生労働省という組織の中であります。 相談する方々、労働者も経営者、使用者も、どちらも対等の立場で相談しあっせんをしていただきたいわけなんですけれども、片方は指導監督をする部門も持っている、片方は相談、あっせんをする部門があるという形で、本当に、そこら辺の情報の漏れといいますか、その辺がやはり利用する立場にとっては一番、信頼していいのかなという部分がありますので、その辺の情報が漏れないといいますか、制度的にどんな形で防御策をつくっているのかをお尋ねしたいと思います。
○坂本政府参考人 一つの行政機関で幾つかの制度が運用されるケースはあるわけですけれども、その際には、やはりそれぞれの制度ごとの趣旨に応じてきちっとした運用がなされなければならないということは当然であろうと思っております。今回のように、都道府県労働局の内部において、法違反に対する監督指導機能と、それから今回のような紛争解決機能、この二つを有することになるわけですけれども、両者が混同して運営されることがあってはならないと思っております。 このために、そういった混同されて運用されるのではないかというような懸念を払拭して、透明性の高い行政運営を行っていかなければならない、そういう観点からは、行政機関の内部の運営が外から見ても明らかにされることが望ましいわけでございまして、あっせん制度の運用に当たります都道府県労働局におきましては、その実施体制を監督指導部局とは組織的にも人的にも明確に区分をしてまいりたい。あっせん等につきましては、総務部で担当するということにしたいと思っております。 また、都道府県労働局内での部局間で今おっしゃいましたような情報が漏れるのではないかというようなことにつきましても、情報の共有や交換は行わないこと、あるいは、紛争解決援助の業務に携わっていた人がそれによって知り得た情報を漏らしたりしてはならない、また、別の部署に異動した後でも、その異動先の部署でかつての自分で知った情報を利用して監督指導に利用するといったようなことがないように、そういった仕組みを設けなきゃいかぬ、そういう必要があるわけでございまして、このために服務規程を定めますので、服務規程におきましてその旨を明確に規定をいたしますとともに、また、担当職員に対しましては、研修を通じましてその徹底を図ってまいりたいというふうに思っております。
○吉野委員 そのようなことで、きちんと信頼を得るように努力をしてほしいと思います。 そして、時間もありませんから最後になりますけれども、私にとって一番おもしろいなと思ったのは、行政サービスで、いわゆる利用者にとって選択できるということなんです。このように、福島県は福島県で独自に個別労働紛争についての相談窓口を持っているし、今度の法律によって国の機関にも相談窓口ができるわけであります。まさに市場原理、競争原理というものを行政サービスに導入したということで、本当におもしろいな、新しい時代に入ったんだなという思いをいたしているわけでありますから、その辺についての南野副大臣の御見解を伺いたいと思います。
○南野副大臣 吉野先生の日々の御活動については、大変敬服している一人でございます。 今お尋ねの個別労働関係紛争に関しましても、いろいろな性質のものが含まれております。どのような方法で解決したいかということは、紛争当事者のニーズにもさまざまであろうかというふうに思われております。個別労働関係の紛争の解決システム、そういったものを整備するに当たりましては、先生が今おっしゃられましたように、複数の関係がそれぞれの機関の性格に応じた機能を持ち、そして当事者がこれを選択できる、そういう複線的なシステム、この言葉はよく今使われ始めておりますが、複線的なシステムが適当であるというふうに考えております。 御指摘のように、国のサービスと都道府県のサービスがいい意味での競争を行い、そうした提供が図られることに努めてまいりたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○吉野委員 時間ですので、これで終わらせてもらいます。ありがとうございました。
○鈴木委員長 次に、福島豊君。
○福島委員 本日は、法案に関しての質問に先立ちまして、現在、社会保障制度改革ということに向けてさまざまな動きがございますが、それに関連した質問をまず桝屋副大臣にさせていただきたいと思っております。 先般、経済財政諮問会議の素案が発表されました。その中にも、社会保障制度の改革というものがどういう方向を目指すのかということが書かれております。また、それに先立ちますと、三月には政府・与党社会保障改革協議会の大綱が出されたわけでございます。 こうした社会保障制度改革をめぐる動きの中で一貫しておりますことというのは、世代間の公平ということを社会保障制度の改革に当たっては一つの大切な要素として考えていくということでございます。これはさらに具体的に申せば、高齢者の方であっても、負担できる方はその能力に応じて御負担をいただくという考え方なのではないかというふうに思っております。今まで高齢世代というものが弱者であるというふうに一律にとらえられていたわけでございますけれども、決してそうではなくて、高齢世代の経済状況というものもこの十年、二十年の間に変わってきている、そういうものに対応した社会保障制度を考えなきゃいけない、そういうことではないかと思っております。 しかしながら、この議論の中で私ども忘れてはならないと思っておりますことは、高齢世代の経済状況というものは大変大きな格差があるということでございます。所得の高い方もおれば、所得の低い方もある。ちょうど二方性をなしているんだ。平均値をとりますとその真ん中に来ますから、実態と違った状況になる。このことは、例えば年金の水準も、低い方、そしてまた高い方もいる。この年金の水準というのが、実は現役世代にどれだけ所得を得ていたかということとリンクするわけでございまして、そのことは、ひいてはその保有する資産の水準ということにもリンクをするわけでございます。ですから、持てる人はより持っておる、持てない人はより持っていないというような状況が高齢世代においては生じていると私は思っております。 昨年の四月から介護保険制度がスタートいたしました。さまざまな意見がございます。保険料が高いのではないか、そしてまた利用料が高いのではないか、こういう意見が依然として存在するわけでございます。 その理由は一体何かということは、これは桝屋副大臣も国会におきまして取り上げていただきました。現在の制度のもとで、第二段階、市町村民税世帯非課税という区分、この中には所得の水準というものが大きく異なる世帯が実は含まれているんだ。生活保護とほとんど変わらない、そういうボーダー層におられる世帯もおれば、比較的安定した所得である世帯もおる、そういう実態があるわけでございます。ここのところが、こうした保険料の負担、そしてまた利用料の負担というものに対して、その負担が過重であるという意見が出てくる大変大きな理由になっていると思います。 したがって、介護保険というものは社会保障制度改革の出発点であるとも言われておりますけれども、今後さらに改革を進めていくに当たりまして、こうした高齢者の実態というものを踏まえてどのような制度を仕組んでいくのかということは極めて大切なことだと思っております。それは一方では、医療保険制度や福祉制度やそういうものをどういうふうに考えていくのかということでございますけれども、一方では、こうした生活保護の世帯とほとんど変わらないけれども頑張っているような所得の低い高齢世代に対して、どのような支援のシステムをつくっていくのかということでもあろうかというふうに思っております。 この点につきまして、桝屋副大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○桝屋副大臣 今委員の方から、二十一世紀の社会保障の改革をどう進めていくか、特に低所得者の皆さん方に対する対策等を中心にお尋ねをいただきました。 委員御指摘のように、介護保険が始まりまして、介護保険そのものは何とかうまく運営をしているわけでありますけれども、この委員会におきましても、御党初め与野党の皆さんから、さまざまな御指摘もいただいているわけであります。今なお、負担の部分についてもやはり問題があるという御指摘もいただいているわけであります。 そういう意味で、いずれにしても、今後の高齢化社会の進展に伴いまして、社会保障の給付、それに見合う負担の増大というのは、これはもう避けられない話でありまして、そうした中で、今委員からもお話がありました、適切な負担を求めなければならない。これは、世代間負担あるいは世代内の負担の公平ということもあるでしょう。そういう御負担をお願いしなければならぬという一方、やはり負担能力の低い方があるということでありまして、必要な配慮を行うことが、今後の社会保障改革を進める上で、どうしても避けて通れない大きなテーマであるというふうに思っているところでございます。 低所得者対策のみならず、これもこの国会、委員会で、いろいろな方から御指摘をいただいておりますが、例えば、ホームレスなどの社会的に支援を要する人々に対する対策も改めて検討してもらいたい、こういう声もあるわけであります。社会保障制度が国民生活のセーフティーネットとして機能を果たしていく上で、重要な課題を何点かいただいているわけであります。 こうした状況がありますから、ぜひとも、私ども厚生労働省といたしましては、医療、介護、福祉、各分野にわたりまして、低所得者の負担のあり方について横断的に検証していく必要があるだろう。生活支援システムといいますか、今後の方向性について検討していきたいというふうに思っているところでございます。 坂口大臣のもとで、私、その先頭に立って、ぜひとも、今後の想定をされますさまざまな改革を視野に入れながら、プロジェクトを設置して検討を進めていきたい、このように決意をさせていただいております。
○福島委員 プロジェクトを設置して、検討というものを精力的にお進めいただくという力強い御答弁をちょうだいいたしまして、感謝を申し上げる次第でございます。 私は、これは車の両輪だと思っております。一方で、社会保障制度の改革を進めていく、それが一つの車輪でございます。もう一つの車輪は、その中で所得の低い高齢者の方々をどう支えていくのかという車輪。この両方がうまく回転しませんと、片っ方だけですと、これは大変に国民の間に不満をもたらすことになりかねない、私はそのように思っております。 現に、例えば、先般厚生労働省から、年金の給付水準はどうなっているのか、受給額はどうなっているのかというデータをちょうだいいたしました。厚生年金ですと、年金の月額が十万円未満という方は、男性で〇・七%、そしてまた女性で二六・九%、女性の方が非常に多いわけでございますけれども、全体として見れば、まだまだ国民年金よりは多い水準にある。 といいますのが、国民年金になりますと、年額で十二万円未満の方というのが八万六千九百二十三人、月額一万円未満ということです。そしてまた、年額で二十四万円未満、月額二万円未満、この方が合計で二十三万六千三百七十一人。また、年額で三十六万円未満、月額三万円未満ですが、こうなりますと百十三万八千百六十人もおるわけでございまして、これは、戦後の年金制度が成熟する過程で、拠出期間というものが短かった方がまだまだたくさんいるということでございます。それ以外にも所得を得る方法があるではないかという御指摘がございますけれども、しかしながら、高齢者の就労というものがそれほどたやすいものではない現状ということは、副大臣もよく御存じだと思っております。 ですから、この問題を考えていくに当たりましては、幾つかの視点があると思っております。一つは、こうした年金の水準というものをどうするのかというような考え方もございます。そしてまた、福祉貸し付けというような制度もございます。こういったような資金を貸し付ける新しい制度をつくってはというような意見もございます。また、それが、リバースモーゲージというような資産を活用する制度、こういうものとリンクさせるような考え方もあろうかというふうに思っております。 一方では、負担を求めるに当たりまして、現在は、税というものに着目をして、市町村民税の納税状況がどうなっているのかということに対応した仕切りで、それぞれの制度において御負担を求めているわけでございますけれども、ここのところは、先ほど申しましたように、非常に粗い、特に所得の低い方に関しては非常に粗い話になってしまうわけでございまして、ここの御負担を求めるに当たっての基準になるもの、ここのところの見直しをするというのも一つの考え方ではないかとか、いろいろな論点があろうかというふうに私は思っておりますが、副大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○桝屋副大臣 見直しに当たって、あるいはその検討をするに当たっての論点を幾つか御教示いただきました。 仰せのとおりでありまして、一つは、やはり融資制度でありますとか、あるいはお年寄りの方々の年金の水準、給付水準、これも改めて検証する必要があると思います。それから、そうしたことを含めて、じゃ、ボーダーライン層の水準をどうするのか、この基準のあり方についても、現在、我が国の社会保障制度、市町村民税非課税という制度がベースになっているわけでありますが、これだと、御指摘のように、どうしても現場の実態にそぐわないというケースもあるわけでありまして、いただいた点、重要な御指摘だと思っておりまして、ぜひプロジェクトチームの中で検討していきたい、このように思っております。
○福島委員 そしてまた、この検討につきましては、いつまでもやっておればいいということではありませんで、やはり一定のスピードでやっていただく必要があると思います。とりわけ、来年には、高齢者の医療制度の改革ということが、課題として、そしてまた実現しなければならないものとして厚生労働省は取り組まれているわけでございますから、少なくともその改革に並行するような形で作業を進めていただきたい。今後のスケジュールについて、副大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○桝屋副大臣 検討のスケジュールでありますけれども、委員も御案内のとおり、我が省が今抱えております、既にセットされておりますスケジュールは、御指摘のような医療保険制度の改革、さらには介護保険の見直しでありますとか、それから障害者の分野の支援制度、このスタートでありますとか、さらには、社会福祉事業法の改正のときにセットされております現場における地域福祉計画の策定でありますとか、さらには生活保護制度の見直しというようなことまで、これから一年、二年、三年、四年、五年という、それぐらいのスパンで計画がメジロ押しにあるわけであります。 そうした中で、委員の御指摘を踏まえて、適切な対応ができるように、私ども、プロジェクトといたしましては、秋ごろをめどにぜひとも中間的な取りまとめをし、今後の中長期的な取り組みも展望して、やれることはまずやり、そして今後に引き継ぐものは、検討を要するものはさらに検討を続けていく、こんな仕分けもしていきたいというふうに考えているところでございます。
○福島委員 ぜひ、しっかりと進めていただきたいと思います。 最後に、時間も残り少なくなりましたので、本法案についてお尋ねをしたいと思います。 先ほども吉野委員から御指摘ございましたように、経済の構造転換というような中で、この法律というものは大変大切な役割を果たすものであるというふうに思っております。多様な働き方、そしてまた企業のリストラクチャリング、そういう中で、個別の労使間の紛争というものがふえているわけでございます。それに適切に対応するシステムづくりというものは、しっかりとやっていく必要があるというふうに思っております。そしてまた、そのことが、そういう受け皿がしっかりあるということが、今後の日本の経済の構造改革、小泉総理の唱える改革というものを円滑に進めていく一つのインフラになるんだろうと私は思っております。 ですから、大切なことは、この法律案を成立させていただきました後に、どのようにして、個別の労使紛争というものを実効性を持って解決していくシステムづくりを、これはもう全国各地できちっとやっていかなきゃいかぬわけでございます。その体制づくりというものに向けて、政府のお考えというものをお聞きしたいと思います。
○坂本政府参考人 この法律案を成立させていただければ、ことしの十月一日から全国的に施行するという予定でございます。 御指摘のように、今回のこの制度の運用開始に向けましては、制度を担う職員ですとか相談員につきまして、十分な研修を実施していかなければならない、そしてその資質の向上を図ってまいりたいと思っております。また、紛争調整委員会の委員につきましても、的確な人選を行うというようなことによりまして、効果的また簡易迅速な紛争の解決を図っていくための機能を担保してまいりたいと思っております。 また、これらの制度を真に機能させていくためには、第一にやはり制度の内容、こういったものをよく周知をさせなければならない。国民の方に広く知ってもらうことが極めて重要でございますので、ポスターですとかリーフレットの配布もいたしますけれども、さらにインターネットの活用等によりまして、効果的な周知広報に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○福島委員 以上で持ち時間が終わりましたので、質問を終わります。ありがとうございました。
○鈴木委員長 次に、細野豪志君。
○細野委員 民主党の細野豪志でございます。 早速、今回の法律について厚生労働省の方の御所見を伺いたいと思います。 個別労働紛争に関する大きな受け皿をつくろうという本法案に関しましては、今雇用が流動化している中、また労働組合の組織率が徐々に低下しているという中で、非常に意義のある制度であるというふうに考えております。 ただ、私自身もサラリーマンをしておった立場からいいますと、できましたらこういう個別の労働紛争に至る前に、いかにして紛争を未然に予防していくかというのが非常に重要であると私は考えておりまして、そのことをぜひこの制度の枠組みの中に入れるべきではないかというふうに考えております。 まず初めに、大臣の方に、この辺に関する御所見を伺いたいと思います。
○坂口国務大臣 御指摘のように、すべてのものはもう予防するに限るわけでございまして、個別労働紛争につきましても、予防段階のところに一番力を入れなければならないことはもう御指摘をいただきますとおりだと私も思っております。 とりわけ中小企業等におきましては、これは事業主も含めまして、法令でありますとか判例でありますとか、そうしたことを余りよくわきまえていないというケースもあるわけでございます。誤解に基づきますものも大変多いというふうに聞いているわけでございます。 そうしたことを思いますと、やはりふだんから、いろいろの教育、そしていろいろのパンフレット等をつくって、正しい知識を持っていただき、そしてふだんからどういうことを心がけていただかなければならないかということを身につけていただくということがやはり一番大事でありまして、そのことを、それはもうある意味では法律以前の問題なのかもしれません、ひとつ十分にこれはやっていける体制を整えたいと思います。
○細野委員 おっしゃるとおり、基本的に、認識を労使ともに持っていくことが紛争を未然に予防することに必ずつながると私は思っております。 その辺に関しては少し後で詳しくお伺いするといたしまして、まず今回の制度について、果たしてどの程度の件数が紛争調整委員会の方に行くというふうにお考えなのか、また、全体の予算がどの程度なのかということをまずお伺いをしたいのです。
○坂本政府参考人 紛争調整委員会の取扱件数でございますけれども、この制度は従来にない新たな制度であるということで、どのくらいの利用件数があるかを正確に予測することはなかなか困難でございますけれども、全国の労働基準監督署等に寄せられました労働条件に関する個別的な労働関係紛争の相談件数は、平成十二年度で労働相談の件数は四万八千件というようなことを考慮いたしますと、そのうちの、紛争調整委員会にどのくらい持ってこられるかでございますけれども、せいぜい数百件ないし多くても千件程度ではないかなというふうに見込んでおるところでございます。 また、個別労働関係紛争の関係予算でございますけれども、平成十三年度は、十月一日から施行ということで半年予算ということになりますけれども、総額で七億七千八百万円を計上いたしております。 その内訳でございますが、総合労働相談窓口の整備の経費が五億九千九百万円、約六億でございます。また、個別的労使紛争の自主的な解決の援助のための経費、これが二千七百万円。それから、都道府県労働局長によります紛争解決の援助のための経費、これが六千八百万円。それから、紛争調整委員会によるあっせんの経費、これが八千四百万円ということになっております。
○細野委員 七億円強のお金をかけて今回の枠組みをつくるということでございまして、これは本当に必要なことであるとはいいながら、大変な予算のかかる制度であるなということを非常に強く感じるところであります。今回のこの制度を有効に利用することはもちろん必要なのですが、いかにコストを下げるかというのも非常に重要な視点だと思っておりまして、やはりそのときに重要になるのが、先ほど坂口大臣の方もおっしゃいました、いかに労使の中で自主的な解決を図っていくかという点だというふうに私は考えております。 そこで少し私の方から伺いたいことは、今の特に中小企業における労働環境というものを見たときに、労使ともに本当に基本的な労働法、労働条件に関する知識がないということであります。 今回の個別労働紛争の問題に関しては、基本的に、法律的なものは別の枠組みで、もともとあった枠組みでやるということではあるのですが、そもそも総合労働相談コーナーに関しては、法律的なものも民事的なものも、これはあわせて引き受けるということだと思うのですね。その点からいいまして、この制度を円滑に運用していくためにも、やはり基礎的な知識を労働者の側に特に持っていただくということが非常に重要なのではないかというふうに思っております。 例えばアンケートなどを見ておりますと、うちの会社では残業代がもらえないということを社長が言っているけれども、そういうことは大丈夫なのかとか、サービス残業の問題も含めて、もうありとあらゆる法律的な知識が根本的に不足しているのではないかというのが非常に多いのですね。この辺の問題をこれからどういうふうに周知徹底していくのかということに関して、現在の取り組みを少し教えていただきたいと思います。
○坂口国務大臣 あらあらのお話を私の方から申し上げて、あるいは具体的な細かな問題につきましてはまた事務局から答弁をさせることにしたいと思います。 先ほどからお話ございますように、基本的な労働関係の法令でありますとかそうしたことにつきましての知識、これがなかなか行き渡っていないわけでございますし、そしてまた、労働関係の法律も次々に新しくなっていくケースがございます。そうした新しくなっていきますものを知らないがゆえに犯しているということもあるというふうに私は思います。できるだけわかりやすく、中小企業の経営者が理解をしていただきやすいような形で、パンフレット等をつくるといったようなこと、あるいはリーフレットをつくるといったようなことをして、普及啓蒙を、今もやっているようでございますけれども、もう少しまたここに力点を置かなければならないというふうに思っています。 それから、双方の代表の皆さん方、労働者の代表の皆さんあるいはまた経営者の代表の皆さん方の講習会等も、今までからもやってまいりましたが、そうした講習会等もやって、そのときそのときの大事な問題というのをおわかりをいただけるようにやはりしなければならないというふうに思います。 そして、最近、こういう時代でございますから、いわゆるインターネットにおきまして、セミナーのそうした、どういうものがセミナーで開催をされるとか、あるいは開催された内容でありますとか、そうしたこともかなりきめ細かくそこに載せるといったようなことも大事でございまして、現在も日本労働研究機構における労働法令といったようなものはやっているようでございますが、そう肩の凝る難しいものばかりではなくて、もう少し、やはりいつ幾日、こういうふうなところでこういうことが話し合われたといったような、もう少しわかりやすい内容のものもインターネットに出してごらんをいただけるといったようなことが、これから大事になってくるのではないかというふうに思っておる次第でございます。
○細野委員 大臣の方から意気込みは伺いましたので、では、政府委員の方に具体的にもう少し、労働法一般に関する、いわゆる一般の方々、経営者ではない労働者の側に立った方々をどういうふうに啓発していくのかという部分を一つ。 そしてもう一つは、中小企業の経営者の方から見た場合に、基本的な労働法を把握していないから労働紛争になるというケースが非常に多いわけですね。この問題についてどういうふうに周知徹底していくことをお考えかをお伺いしたいと思います。
○坂本政府参考人 労働関係の法令あるいは判例の内容等につきましては、対象を労働者に絞ったもの、あるいは中小企業の経営者を対象にしたもの、いろいろな形での労働問題に関する講習会の開催といったようなものを助成することによりまして、私どもとしても労働問題に関する知識の向上に努力をいたしておるところでございます。 それから、先ほど大臣からも御紹介がございましたように、インターネットを使っての効果的な労働法令とか判例の紹介サービス、こういったものにも工夫を凝らしてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
○細野委員 今のお答えというのは、基本的に、その情報を欲しいと思っている方はとりに行くことが可能だと思うのです。一般の方というのは、前提として、通常のケースにおいてはそれほど知識を欲してはいない。ただ、何か問題が出てきたときに、どうなのかなということで大慌てするケースが非常に多いのです。 したがいまして、これは私自身の思いとしてあるのですが、できれば、普通の方が普通に労働法に触れる機会をもう少しつくっていく必要があるのではないか。学校教育の中に労働法のカリキュラムをもう少し入れていくとか、あとは職業訓練の場所において、いろいろカリキュラムが出てきておりますので、そういうところにほんの一時間でも結構ですので労働法関係に関する知識を入れていくとか、そういうことをぜひ厚生労働省の方でまた御検討いただきたいと思います。これは御要望ということで、答弁は求めません。 もう少しこの法律に関しての詳しい話を伺っていきたいのですが、私、このスキームを見ておりまして、やはり一番キーになってくるのが労働相談コーナーであるというふうに思っております。 何よりもこの労働相談コーナーが画期的なのは、二百五十カ所という非常に多くの場を設定して、全国にこれを普及させるということなんですね。ここの部分にどれぐらい気軽にアクセスできる環境を整えるか、ここで基本的な知識を提供することができるかによって、最終的に紛争調整委員会のところまで行かない形で事前に予防できると思うのです。この部分に限ってかなり集中的に広報をすべきだと私は思います。 この部分の取り組みについて、厚生労働省のお考えをお聞かせください。
○南野副大臣 先生の基本的なお考えである、予防が大切であるということは全く同感でございます。 そういう意味で、今お尋ねの総合労働相談コーナーにつきましては、今先生もお話しになられました、全国で二百五十カ所、それらの設置場所につきましても、都道府県労働局や主な労働基準監督署のほかに、ターミナル駅周辺とかそこら辺に設置することも相談者の利便性に配慮したものだというふうに考えております。 また、総合労働相談コーナーが十分に利用されますように、パンフレットとかリーフレットの活用による普及啓発を行うこととしております。さらに、都道府県の労政事務所などの関係機関との連絡を図るなど、あらゆるチャンスに応じて積極的な周知に取り組んでまいりたい、そのように思っております。
○細野委員 労働関係の窓口というのは本当に多様なものがございますので、その辺をきちっと連携をとって、とにかくきちっと広報していただくということだけお願いをしておきたいと思います。 私、ちょっと危惧しておることが一つございます。というのは、労働相談コーナーという発想は非常にいいのですが、果たして労働基準監督署でこういうあらゆる、例えば法律的な問題はもちろん、賃金から退職金から解雇の問題から異動の問題まで、いろいろな労働紛争がここに持ち込まれる可能性があるわけです。現在の労働基準監督署でそういうものが果たして受け得るのかどうか。いわゆるワンストップサービスというのが非常に重要になるわけで、私はここに非常に大きな危惧を持っております。 私、選挙に出る前に失業しておりましたので、失業保険をもらいに労働基準署に通っておりました。国会議員の中で労基署に失業保険をもらいに行った人というのは余りいないと思うのですが、大変な混雑であります。実際に職員の方を見ても本当にお忙しそうで、私がこういう状況なんですとお話しするのもはばかられるぐらいの混雑した状況に今あるのですね。 ここにいきなり労働相談コーナーをつくるというのは、私にとっては非常に奇異に思うのです。もちろんある程度枠は広げるんだとは思うのですが、果たしてどれぐらいの職員をそこに置かれる予定なのか、一つの相談所にどれぐらいの件数が来ると想定されているのか、この辺についてまずお話を伺いたいと思います。
○坂本政府参考人 総合労働相談コーナーを充実したものにしていかなければならないというのは御指摘のとおりでございまして、ワンストップサービスが実現できるように取り組んでまいりたいと思っております。 御指摘のございました、一相談コーナー当たりの取扱件数がどのくらいになるのかという点につきましては、現在、労働基準監督署等に寄せられますいろいろな相談件数、いろいろな問い合わせ等も含めますと、年間で約百万件ぐらいになるわけでございますので、それから推計いたしますと、一コーナーで平均四千ないし五千件程度になるのかなと見込んでおります。 そしてまた、その総合労働相談コーナーの体制でございますけれども、全国二百五十カ所設置するわけでございますが、総合労働相談員は五百七十二名を配置したいというふうに考えておりまして、これによりまして、労働問題に関するあらゆる相談に対応して情報提供を行うことができるワンストップサービスを全国展開してまいりたいというふうに考えております。
○細野委員 この五百七十二名というのは、基本的には今までの職員を充てられるということなんでしょうか。私が通っていた労働基準監督署からすると、ちょっとそれが非現実的なような気がしてならないのですが、もう少し詳しく教えてください。
○坂本政府参考人 この総合労働相談員でございますけれども、私ども考えておりますのは、一つは、社会的信望がある、そして労働関係の法令とか労働問題に係るいろいろな動向等に関しての幅広い知識を持っておられる方、さらに労使関係の実務に係るいろいろな経験を持っておられる方、こういった方がふさわしいというふうに考えておりまして、具体的には、現在の監督署の職員ということではなしに、社会保険労務士ですとか、あるいは労使関係の実務処理に長年携わってこられた方、そういった方の中から、幅広い分野から積極的に登用してまいりたいというふうに考えております。
○細野委員 十月からということでございますので、期間も限られておりますので、ぜひその辺の教育も含めて充実した体制を、特にこの相談コーナーについては充実させていただきたいというふうに思います。 プラス、私の方から少し御要望したいのは、労働相談コーナーで解決できなかった方は、その後は労働局長のいろいろな助言、指導を受ける方もおられる、その助言、指導で必ずしも解決しなかった方は調整委員会の方に行くという段階があるわけですね。その労働相談コーナーの方では、ぜひ紛争調整委員会の方のあっせんの結果、この辺についてもフィードバックをしていただいて、最終的にガイドラインになるような総合的な情報を提供していただきたいと思うのですが、提供される情報の中身ですね、その辺についてもう少し詳しく御答弁いただけないでしょうか。
○坂本政府参考人 御指摘ございましたように、紛争調整委員会におきますあっせんの結果というのは、労働関係の学識経験を有しておられるあっせん委員が、個別の労働関係紛争について公平中立な第三者的な立場として関与をされた具体的な成果ということになるわけでございまして、他の個別的な紛争の解決に際して参考とすべきものを含んでいるというふうに考えられるわけでございます。 そこで、一方で当事者のプライバシーの保護には十分配慮をしなきゃならないわけでございますけれども、例えば事例集というような形で集約をしまして、総合労働相談コーナーを初めとしまして、紛争解決のための有効な活用方策を考えてまいりたいというふうに考えております。
○細野委員 事例集という発想は非常にいいかと思います。プライバシーにはもちろん配慮していただく必要はありますけれども、そういう事例集が世間にきちっと出回ることによって、一般的にはどういう解決がされているのかということを推しはかることができる。当然、それによって自主的な解決が図られる可能性が非常に多いわけですね。ぜひそういう情報を、相談コーナーにはもちろん置いていただいて、プラス、できるだけ中小企業の経営者の方にも読んでいただく努力をしてください。 中小企業の経営者の方で、私もよく知る方、結構いろいろな方とお話をしますけれども、やはりそこの部分の知識を全くお持ちでない方がとにかく多いんですね。何度も強調して恐縮ですけれども、そういう結果を事例集にして、どんどんいろいろな中小企業の方の目にとまるように、ぜひ努力をしていただきたいというふうに思います。 次に、都道府県の労働局長による助言、指導の部分について、もう少し突っ込んで話を聞かせていただきたいと思います。 まず、この労働局長による助言、指導という部分、これは位置づけとして若干不明確なようなイメージを私は持っております。といいますのは、果たしてこれが、労働局長によるということですのである程度官主導という形で出てくるんだと思うんですけれども、一体何に基づいて助言、指導をされるのか。また、具体的にどういう方から助言、指導が出てくるのか。その辺について、今どのような体制をお考えになっているか、お聞かせください。
○坂本政府参考人 都道府県労働局長の助言、指導と申しますのは、紛争当事者に対しまして問題点を指摘して、解決の方向性を示唆するというものでございます。 具体的には、事実関係を調査し、整理した上で、労働関係法令ですとか関係の判例、さらにまた必要に応じて専門家の意見を聞きまして、それを参考にしながら助言、指導を行うということを考えておるわけでございますけれども、ここで考えております専門家と申しますのは、実際の産業社会の状況というものに通じておられる方、あるいはまた労働関係法令とか賃金制度といった労働問題についての専門的な知識を持っておられる方、具体的には弁護士といった法曹関係者ですとか、労働法学者ですとか、社会保険労務士ですとか、企業の人事労務管理に携わった方、こういった方を考えておるところでございます。
○細野委員 労働相談コーナーにおける相談員に関しても、社労士の方にというお話がございました。今度の、今聞いております労働局長による助言、指導の部分に関しても、そういう専門家という話がございました。どちらがより厳密なものといいますか、正確なものでならないかということを比較すると、やはり私は、具体的に助言、指導というこの重みは相当考えるべきだと思うんですね。ですから、ここの部分での助言、指導が余り官主導で、行政指導的な部分で出てくるのではなくて、やはりきちっと専門家の方に聞いて、そして答えを出していくという体制をとっていただきたいというふうに思います。 紛争調整委員会の方のあっせんというのは相当吟味されて出てくるのではないかという期待はしておるんですが、その前段階でのこの助言、指導がやはり客観的なものであることが、また制度全体の枠組みにおいて非常に重要だというふうに考えるものですから、この点は強く御要望しておきたいと思います。 時間もなくなってまいりましたので急いでいきたいと思うのですが、もう一点私の方でお伺いしたいのは、労働局長による助言、指導を受けて、その結果として非常に不利益をこうむる可能性がある。ここの部分に関して、四条三項で、解雇その他の不利益な取り扱いを禁止するという規定がございます。 ここで気になるのは、解雇はもちろん論外でございます、これに相談したことによって結果として解雇されるようなことがあったら、だれも相談に来なくなりますから、もちろんそれはわかるのですが、やはり、その他の不利益な取り扱いについて、どの程度のものを考えるかということが、この助言、指導を実効たらしめるために非常に重要だと思うのですね。 この、その他の不利益な取り扱いというものを、どのようなものをお考えか、お聞かせください。
○坂本政府参考人 不利益取り扱いの内容でございますけれども、解雇を初めといたしまして、例えば配置転換ですとか転勤、あるいは降格だとか減給だとか昇給停止だとか出勤停止、また雇用契約の更新拒否、こういったものが挙げられると思っております。 また、その具体的内容や、不利益か否かの判断につきましては、労働者が行政に対しまして一定の行為をしたことを理由として事業主が解雇その他不利益な取り扱いをすることを禁止しておりますほかの実定法がいろいろございまして、労働組合法第七条ですとか、労働基準法の百四条ですとか、男女雇用機会均等法の十二条、これら類似の規定と同じでございます。
○細野委員 私は、基本的に、そういうものはできれば法律で書いていただきたいなというふうに思うのですね。ほかの部分で類推適用するような形のやり方というのはもちろんあり得るとは思うのですが、やはり事前に予測可能なものという意味においては書いていただくのが一番理想なのかなという感じがいたしております。 ただ、もちろん時代の変遷によって、また状況によって、多少ここの部分は柔軟に対応すべきところはあると思いますので、今回の法律についてはこの形で結構ですけれども、やはり絶対にあってはならない先ほど言われましたような条件の引き下げであるとか配置転換であるとかそういう部分に関しては、きちっとチェックをしていただける体制をぜひ厚生労働省の方にとっていただきたいというふうに考えます。 大体私の聞かせていただきたいことは伺いましたので、最後に一点だけ。 本当に何度も強調し過ぎるようで恐縮なんですけれども、やはり基本的な情報が今世の中に行き渡っていないなということを非常に強く感じます。その点に関して、この制度のスキームができたことによって、幅広くこういう労働紛争に関する情報が世間一般に行き渡るような努力を常に心がけて制度運用をしていただきたい。 このことを最後にお願いいたしまして、若干早いですが、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○鈴木委員長 次に、大島敦君。
○大島(敦)委員 おはようございます。民主党の大島でございます。きょうは、個別労働紛争の解決の促進に関する法律に関して、何点か御質問させていただきます。 その前に、きのうの月例経済報告、皆さん御承知のとおり「さらに弱含んでいる」から「悪化しつつある」に変わっております。そして、ことしの一月—三月期、ここにおいてもマイナス〇・二%、年率で〇・八%のダウンをしている。特に、一—三月については、家電リサイクル法だと思うのですけれども、施行によってそれの駆け込み需要があったはずにもかかわらず、一—三月は非常に景気が冷え込んでおります。これから年末にかけて、今後、経済が回復するという方向にはなかなか行きづらいと考えておりまして、雇用対策を私ずっと当選して以来訴えてまいりまして、この冒頭も雇用対策について伺いたいと思います。 やはり雇用対策の一番の効果があるのは、景気回復しかないと思っております。景気回復。やはり景気がどんどんよくなって猫の手も借りたいという状況になれば、労働条件もよくなりますし、失業者もホームレスも減っていく。やはり景気回復が一番必要だと思っております。今回、小泉内閣では、構造改革なければ景気回復なしということで、小泉内閣である限りはやはり構造改革をまず進めていこうということを一番第一方針に訴えております。 坂口労働大臣にまず伺いたいと思いますのは、ここの、今後景気が冷え込むおそれがある中で構造改革を進めた場合に、今の三百四十八万人という失業率が五百万人を超えるかもしれませんし、多くなってくる。そうしますと、抜本的に今御検討だと思うのですけれども、今雇用対策は失業対策ですよね。職場はふえないと私は思うのです。景気がよくならなければ、どんなことを考えても職場はふえません。 職場はふえない中で、ことし、来年、再来年ぐらい、もう雇用対策ではなくて失業対策を打つべき時期に来ているかなと思うのですけれども、その部分に関する今後の厚生労働省あるいは国の指針について、抜本的に見直す方向なのかどうかというところを伺わせていただければ幸いでございます。
○坂口国務大臣 今御指摘をいただきましたとおり、一—三月が、予想に反してと申しますか、予想どおりという言葉もあるわけでございますが、非常に悪かった。そして、年間を通じました成長率も、〇・九でございますか、一に行かなかったわけでございます。 今も御指摘をいただきましたとおり、構造改革なくして景気回復なしということで、小泉内閣としては構造改革に今着手をしているわけでございます。しかし私は、その構造改革というのも中身はいろいろあるのではないか。ただ規制緩和をするだけではなくて、二十一世紀を目指して日本がこれから構築していかなければならない新しい分野というのはあるだろう。例えば環境産業などは、環境産業という言葉はいけないかもしれません、環境分野などはその一つではないかという気がいたします。そうした新しい分野を構築していく、つくり上げていくということもあわせて行わなければ、今までのところの規制緩和だけではなかなか雇用というのが生まれてきにくいという感じを私は持っております。 したがいまして、新しい分野をどうつくり出していくか、それは、そういう政策目標をどう立てるかということに尽きてくるわけでございます。皆さん方に御熱心に議論をいただいております介護ならば、この介護をやるということを決めていただいたがゆえにこれだけの雇用が実現をしてきたわけでありますから、これはもうさかのぼれば菅厚生大臣のときぐらいからずっとおやりいただいて、そして今日を迎えているわけでございますから、かなりこれも月日を経ておるわけでございますけれども、そして今、それが大きく花を開いて、多くの雇用が出てきているわけでございます。 したがいまして、これは始めましてもう本当に数年かかるわけでございますから、しかし、それを始めないといけない。次にやるべきものは何かといえば、やはり環境分野であり、循環型社会の問題等ではないかというふうに思っています。そうした問題を手がけて、そして、東京にしろ大阪にしろ、新しい町づくりをしていくというようなことになってくれば、そこに大きな雇用が生まれてくることは間違いがないわけでございます。 私は、規制緩和等も大事でございますし、そして不良債権の処理もやらなければならない、そう思います。しかし、不良債権の処理とそして規制緩和だけで雇用が生まれてくるかといえば、それは生まれてはくるとは思いますけれども、かなり時間がかかり過ぎるのではないか、そこを埋める政策がやはり必要ではないかという気が私はいたしております。 したがって、もう一つその穴を埋めると申しますか、それまでの間のつなぎをすると申しますか、そうした政策が必要でないかといったことを常に発言しているところでございます。
○大島(敦)委員 坂口厚生労働大臣の方から非常に貴重な御意見を伺うことができました。介護、循環型社会、あるいは環境という新しい分野での雇用がふえていく、これは非常に大切だと思います。 私考えるに、やはりテクノロジーの進歩が非常に今の雇用に影響しているなと思います。例えば、今から十年前に、テレビドラマで「東京ラブストーリー」というのがありました。鈴木保奈美さんが出ていらっしゃるテレビドラマ。そこでは携帯電話が使われていないのです、携帯電話が。ここ十年間で非常にテクノロジーが進歩したということが非常にわかりやすいと思います。 昔ですと、例えば二十年前、三十年前の高校、大学を卒業したサラリーマン、そのときのテクノロジーのレベルで、事務系も、少なくとも課長、部長、運がよければ役員ぐらいまでは出世できたというのがこれまでのサラリーマンの環境だったと思います。ここ十年間で皆さんお互いにサービスし合うというこのテーブルからこぼれてしまっているのが今の状態。これが三百四十八万人いるわけです。これをもう一度お互いにサービスし合うという、このマーケットに乗せるという作業が私は厚生労働省が担っている役目であって、それで今の雇用対策、それに付随する職業訓練、いわゆる人材育成が非常に必要なのかなと。 今、日本という国は、人材に投資をするということを忘れてしまったわけです。ここ一年、二年、三年は徹底的に人材に投資すべきであると私は思っております。公共投資から人材投資という言い方がふさわしいかどうかはわからないですけれども、やはり人材に投資する。公共投資はむだになる可能性はあります、おそれはありますけれども、人材投資は自分自身に投資するわけですから、いろいろな働き方を選べるということで、むだにはならないと思います。この人材投資をするということが必要であって、短期的には人材投資、中長期的には、労働力人口は減っていきますから、外国人労働者の問題をそろそろ議論し始める時期かなと思っております。 それではちょっとまた本題に戻りまして、ぜひ雇用対策については今後とも坂口労働大臣の方には御努力を願って、今後ふえない方向、あるいはふえたとしてもしっかりとしたセーフティーネットをつくっていただく方向で御議論願えればと考えております。 まず、坂本政策統括官に伺いたいのですけれども、今回の個別労働紛争解決システム、スキームの中で、総合労働相談コーナーというのがあります。この総合労働相談コーナーというのは、現在あります労働条件相談コーナーが進化したものという理解でよろしいでしょうか。
○坂本政府参考人 新たに設置を考えております総合労働相談コーナーは、労働条件に関するもの以外にも幅広くいろいろな相談に応じるということでございますので、その意味で、現在設置しておりますものが発展的に進化をしたものと言うことができようかと思います。
○大島(敦)委員 ありがとうございました。 私も、今回の法案をいただいたのが三月ぐらいだったかと思います、なかなかイメージがわかなかったものですから、厚生労働省の方にお願いして、調査官の高崎さんにお願いして、新宿労働基準監督署の方に伺わせていただきまして、この労働条件相談コーナーについていろいろと現場を見させていただいたり、担当官の方とお話しさせていただきました。見た感じは非常にいい印象を受けました。 やはり、働いている人間にとって、自分の権利保障がどうなっているかというのは、通常、普通の会社で働いていればそんなに意識しないのですけれども、そういう追い詰められた場合に、なかなかどこに相談していいかというのがよくわかりません。したがいまして、労働基準監督署の方にまずは来ていただいて、そこで、この問題については本当に労働基準法なり法律違反なのか、あるいは違反じゃなくてある程度労使のお話し合いで解決すべき問題なのか、あるいは司法の方に行ったらいいのかという、そのような、一応相談者に対しての説明をしてくれる部署かなと考えておりまして、それについては十分機能しているという印象を受けました。 特に、労働組合の組織率は今二〇%強で、労働組合を通しての権利主張ができない従業員というのが大半なわけです。また、ホワイトカラー層とかあるいは管理職層の権利保護が今十分じゃないのかな。そして、なかなか会社に対して強い自己主張ができないわけですよ。特に、今みたいな時代というのは、みんな縮こまって、首をすくめながら耐え忍んでいるというのが日本のサラリーマンの現状かなと私考えております。 そこで、個別紛争処理について柔軟に対応できるような制度が必要と考えておりますので、従業員が抱える幅広い問題とか疑問についてこたえる窓口は必要であって、今後ともこのような施策は進めていただきたいなと考えております。 しかしながら、なかなか勇気が要るわけです。まずは今回つくられます総合労働相談コーナーの方に行くまではいいのですけれども、それから振られまして、都道府県の労働局長の方による助言とかあるいは指導を仰ぎなさいとか、さらに進んで、紛争調整委員会の方に行ってあっせんなりの仕事が始まりますと、受けますと、今度は使用者側の方たちもいらっしゃるわけですから、なかなか、そこで対峙してしまって、会社における地位というのが非常に危うくなってしまうのかなと。ややもすると、そういう人というのは煙たがられるおそれがあるのかなと考えておりまして、その点についての啓蒙活動あるいは指導が必要と考えるのですけれども、いかがお考えでしょうか。
○南野副大臣 先生がおっしゃるように、本当に気になる課題でございます。 労働者の方々、いわゆる働く方々からは、労働局長の助言をいただくというような形になればどうかな、さらに指導などについての申し出、あっせん、そういった申請がありました場合には、事業主に対して事情を聞くことができるということでございます。その際には、援助を求めたということを理由として解雇したりそれから不利益な取り扱いをしてはならないというようなことも一つ担保しておかなければならないのではないかなというふうに思っております。 また、事業主が不利益な取り扱いを禁止する規定というものも設けておりますが、それらに違反した事実が判明したような場合には、そのような行為を行わせないような指導ということも、これもまた大切なことになってまいるかなというふうに思います。 さらにまた、それをカバーするような意味でも、セミナーの開催だとかパンフレットの配布、そういったものを通じながら、このような制度の趣旨を正しく理解してもらう、働く人が嫌な思いをしないように、不利益をこうむらないような形で我々はお守りしなきゃならない、そのように思っております。
○大島(敦)委員 次の質問なんですけれども、今回のスキームというのは、現在ありました地方労働委員会とはまた別のスキームであります。その地方労働委員会での不当労働行為審査事件新規届け出件数と、労働争議調整事件新規申請件数の推移というのは、過去どのようになっていらっしゃいますでしょうか。
○坂本政府参考人 労働委員会に対します不当労働行為の審査事件の新規の申し立て件数の推移でございますけれども、平成元年以降の状況について見ますと、平成元年が新規申し立て件数三百三十一件でございまして、その後、平成二年、三年と二百七十件程度、若干低下をいたしましたが、その後はまた三百件台に乗りまして、ずっと微増がございます。平成十年が三百五十四、平成十一年は四百五件という状況でございます。 また、労働争議の調整事件の新規の申請件数でございますけれども、平成元年は四百十六件でございました。それが、平成二年、三年、四年と三百件台の前半まで下がりましたけれども、平成五年は五百十七件ということで増加をいたしました。最近の直近の状況を見ますと、平成十年が五百八十三件、平成十一年が六百二十三件という状況でございます。
○大島(敦)委員 そうしますと、地方労働委員会の二つの件数というのは、ここ十年間でそんなに増減はなくて、一定で推移しているかと思います。 そうしますと、都道府県別ではどのような傾向にありますでしょうか。
○坂本政府参考人 都道府県別の地労委での状況でございますけれども、新規申し立てといいますよりも、係属している件数、抱えている件数で見ますと、平成十一年度で、全国の地方労働委員会に係属しております不当労働行為の件数は千八十九件になっておりますが、このうち東京が約四百件、大阪が約三百件、この二つの地労委で大体七割程度を占めております。 また、労働争議の調整事件の方について見ますと、係属件数が七百四十一件でございますけれども、そのうち東京では二百五十八件、大阪では六十七件ということで、かなり大都市部の委員会に件数が集中しておりまして、また一方では、ほとんど係属事件のない委員会も見られるところでございます。
○大島(敦)委員 今のことから、多分、昭和四十年代とか五十年代のこちらの方の申請の件数というのは非常に多かったと思います。当時は非常に労働紛争が多かった、したがいまして労使間でお話し合いをする場の地方労働委員会が非常に有効、今でもそうだと思うのですけれども、非常に求められた時代。その後、平成になりましてから一定の件数で推移してきた。ただ、地域別には、やはり大都市部が非常に件数が多くて、地方の方が少ないところもあるというような色分けだと思います。 そう考えますと、地方労働委員会の役目というのは、やはり今後とも非常に役割は重いと思います。やはり集団的に物事を解決する機能というのは、各地域ごとになくてはいけない。しかしながら、時代が移り変わってくるごとに、働き方というのも変わってきますし、従業員と会社との関係というのも質的に変化していると思います。既に福島県とか愛知県とか高知県あるいは静岡県では、地労委の方で個別紛争についても取り扱えるようになり始めているということを伺っております。 地労委のあり方について、今後、未来志向でいろいろと考えた方がいいかなと思うのですけれども、そんなところの御所見を伺えれば幸いでございます。
○坂口国務大臣 労働委員会制度というのは、憲法に定めました労働基本権を具体化しまして、そして担保するための機関でありますから、その責任は非常に重いと思いますね。そして、今お話しの地労委も、大変大きな役割を果たしてきたというふうに思いますが、今お話しのように、時代の変遷とともにやはりその役割と申しますか、仕事内容もだんだんと変わってきている感を私も持っております。 やはり地労委の役割というのは変わってきておりますから、変わってきていると申しますか、今までのような役割もありますが、多様化してきているというふうに言った方がいいのかもしれません。その多様化を前提とした取り組みをしていただけるような体制というものを考えて、そして他の組織との連携も密にしていかなければならないのではないかというふうに思います。 全国の労働委員会連絡協議会ですか、これにおきましても検討が行われているということでございますが、厚生労働省といたしましても、必要に応じまして、労働委員会のあり方について検討を進めたいというふうに思いますし、そしてこの多様化に対する対応を私たちも支持をしていきたい、積極的に支えていきたいというふうに思っております。
○大島(敦)委員 今回の個別労働紛争の解決システムのスキームというのは、非常にいろいろなところで解決ができるように、一本ではなくて複線化になっているかと思います。もちろん、厚生労働省の所管じゃなくても、今度は司法の場でその解決を図れることもあるかと思います。民事調停の特別な形として、雇用労働関係に関する専門的な知識を有する者が関与する裁判所での労働調停を導入すべきとの意見があるかと思うのですけれども、そのようなお考えにつきましての御所見を伺えれば幸いでございます。
○南野副大臣 六月十二日でございましたでしょうか、司法制度改革審議会から意見書が出されております。これらの労働調停の導入につきましての提言でございますが、今後、政府全体として同意見書を最大限に尊重して司法制度改革の実現に取り組むということでございます。 なお、労働調停の導入が実現した際には、労働関係の紛争に専門的に対応していく、これは先生御存じの、司法型ADRというふうに申しましょうか、個別労働紛争解決システムの重要な一翼を担うものと期待し、これを歓迎していくものでございます。
○大島(敦)委員 特に、労働紛争に関しての専門家というのはなかなか多くはないと思います。したがいまして、今後とも労働紛争に関する専門家を幅広く養成していきながら、厚生労働省のこのスキーム、あるいは司法解決によるスキームでも、できるだけ労使間がうまく個別紛争についても解決できるようなシステムを多元的につくっていただければなと私は考えるところでございます。 続きまして御質問させていただきたいのですけれども、今度はこの第十四条なんです。 第十四条を見ますと、必要があるときは労働者団体、事業主団体が指名する者から当該事件について意見を聞くことになっているのですけれども、その必要性というのはどんなところにあるのでしょうか。
○坂本政府参考人 労使団体から、必要があると認める場合には意見聴取をするということになっておるわけでございますけれども、意見聴取が必要であると認められる場合といたしましては、一つは、紛争当事者の双方から申し立てがあったとき。それから二つ目としましては、紛争当事者の一方から申し立てがあった場合で、紛争当事者に係る企業ですとか、あるいはその企業に係る業界ですとか、あるいはその地域ですとか、そういったところの最近の雇用の実態等について、紛争当事者のほかにも関係労働者を代表する人あるいは関係事業主を代表する人、そういった方から意見を聞く必要があると認められる場合。この二つの場合を考えているところでございます。
○大島(敦)委員 今の件につきまして、例えば、今回のこのようなスキームを使う場合には、従業員は、自分の勤め先があるところを管轄する都道府県の労働局長あるいは紛争調整委員会の方に申し出ると限定されているかと思うのですけれども、働き方というのは今非常に変わってきております。 例えば、政府が進めているSOHOというようなことで、ヘッドクオーターは東京にあるのだけれども、もっと働きやすい、風光明媚なあるいは気候のいいところで働くように、例えば自分のオフィスは軽井沢に持とうとか、熱海の方に持とうとか。 昔ですと、東京にあった、川崎にあった工場を東北あるいは地方に持っていって、そこで人件費を抑えながら工場を立地していくということがおおむねだったと思います。そこにおける労働条件、労働紛争というのは、地域の特性が非常にあったかと思います。地域ごとの特性。ですから、その地域を管轄する地方労働委員会で解決するということ、これは非常に理にかなっているのかな。しかしながら、今後の働き方を考えて見ると、SOHO、あるいはその働き方というのが地域と密接に結びつかない形が非常に多くふえてくると思うのです。 そうすると、その管轄区域を従業員が勤めている都道府県に限定しない方がいいと私は思うのですけれども、その点についての御所見を伺わせていただければ幸いでございます。
○坂本政府参考人 紛争調整委員会の管轄の問題でございます。 今回のこのあっせんにつきましては、紛争当事者である労働者と事業主の双方の便宜という点と、それからまた効率的な行政運営を確保するという観点から、御指摘のように、事業場の所在地を管轄する都道府県労働局の紛争調整委員会、そこが管轄するということで考えておるわけでございますけれども、この問題につきましては、今後、実際に制度を運営していく中で、制度の利用者からの御意見なども踏まえながら、必要に応じて検討してまいりたいというふうに思っております。
○大島(敦)委員 いろいろと御答弁、ありがとうございました。 今後とも、特に今の時代というのは、景気がよくなれば従業員の立場というのも相対的に強くはなるのですけれども、今、非常に従業員の立場が弱くなっている時代なものですから、そんなところを踏まえながら、この個別労働紛争にかかわらず、いろいろな問題について今後とも進めていただければと考えております。 きょうは、まことにありがとうございました。
○鈴木委員長 次に、鍵田節哉君。
○鍵田委員 民主党・無所属クラブの鍵田でございます。 大臣には、連日、この国会へ入りましてから重要な課題が連続しておりますけれども、若干、今回の原爆被爆者の問題については残念な気もいたしますが、そのほかの課題では非常に適切な判断をしていただいて、御苦労いただいておることに敬意を表したいというふうに思います。 きょうは参議院の方も、ハンセンの審議などもおありだというふうに聞いておりますので、いらっしゃる間に、若干確認のための質問をさせていただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。 まず、その前に一つだけ。先ほどから大臣の方から随分いろいろなお答えをいただいておりまして、同僚議員の質問にお答えいただいておることでもう十分足りているのじゃないかなというふうにも思いますけれども、今の労働関係というのは非常に複雑多様化しておる、そういう中におきまして、個別紛争も大変多く起こってきておる、各種の厚生労働省の窓口にも年間百万件ぐらいの相談が寄せられておるというふうな話も聞かせていただいております。また、地方の公共団体がやっておりますいわゆる労政局でも、こういう個別紛争の相談が寄せられておる。そのほか、企業内でも多くの処理がされておる。数字にあらわれておらないそういう紛争というのは、本当に膨大な数に上るのではないかというふうに思っておるわけでございます。そういうものを全面的に解決していくためのいろいろなシステムを構築していくということは、やはりこれは厚生労働省の大きな事業の一つとして取り組んでいただかなくてはならないわけでございます。 昨年からでしたか、公労使三者構成によります個別的労使紛争処理問題検討会議というものを設置して、いろいろな議論をしていただいております。特に、労働省の方からは都道府県労働局が対応するというふうな案、さらには、連合などの労働団体からは労働委員会を拡充するという案、さらには経営者団体の方からは簡易裁判所の民事調停ですか、こういうものを活用しようというふうな三論があったように聞いております。 そういう中で、今回出された法案というものは、地方労働局が取り組みます個別紛争処理のシステムを法案化しておるわけでございまして、私は、これだけの膨大な数の相談なり紛争があるということになりますと、やはり複線化で、いろいろな関連する機関がお互いに連携をとり合って、そして紛争の防止、さらには、起こったときにも、いち早く、それらが深刻化する前に解決をするというようなシステムを構築していくことが大切だというふうに思っておるわけでございます。 まことに残念ながら、今回は、地方労働局が対応するシステムだけを、いわゆる単線の法案をつくってこられたわけでございまして、何かうがった見方をしますと、厚生労働省の自分たちの仕事だけをつくって、それでよしとするような法案じゃないかというふうに受け取られてもやむを得ないような法案じゃないかというふうにも思います。 そういうことから、この検討会議の結論を得まして、複線型でこれらの処理ができるような方法を今後とも考えていただきたい。また、この法案の審議をめぐりましても、そういうことについて十分対応をしていただきたいと思っておりますので、ひとつ大臣の方から、それらについての御所見をいただきたいと思います。
○坂口国務大臣 確かに、労働紛争、中身も多様化をしてまいりましたし、そしてまた、新しい案件もふえてきているところでございます。 どこへそれを持っていったらいいかといったようなことで、今お話にございましたように、いわゆる地労委の相談の窓口に今までどおり行っておみえになる方もあるというふうに思いますし、それはそれでいいのだろうというふうに私は思います。あるいはまた、労使の団体の窓口でおやりをいただくというのも、これもあるのだろう。今までそういったところに相談をしていたから、そこが一番相談しやすいと思われるところもあるのだろう。あるいは、簡易裁判所などの窓口のところに行かれる人もあるのだろう。 しかし、そうした中で、いわゆる労働行政に非常に特化したと申しますか、労働行政を専門とするような分野、労働行政の非常に具体的なことが要求されるような案件、そうしたことについては、今回の総合労働相談コーナーというのが一つの窓口になるのではないかというふうに思っております。 非常に複線の多様な窓口があって、その中の一つになる。何も旧労働省の窓口がほかのところを全部押しのけて、おれのところで全部やるぞというふうに決して言っているわけではない、そういうふうに思っております。
○鍵田委員 そのとおりで、特にほかへ行かれることを排除しているということは私も申しておりませんが、やはり複線型でいろいろな解決ができるようなシステムを全体として構築していく、その中心的な役割を厚生労働省が果たしていただきたいというふうに私は申し上げているわけでございます。 中身の議論は後ほどまた、南野副大臣も統括官もいらっしゃいますので、いろいろ議論させていただくとして、ちょっと順序を変えまして、大臣の日程もございましょうから、今後の審議なり、さらには法律をどのように運用していくのかというふうなことでの確認のための質問をさせていただきたいので、六問ほどございますので、大臣の方からこれのお答えをいただいて、本格的にほかの質問に入っていきたいと思います。 これは確認でございますので、若干文章を読み上げさせていただきます。 一番目でございますが、都道府県労働局に援助を求められた個別労働関係紛争については、都道府県労働局長の助言、指導等が行われる過程で、必要な事実の調査、事情の聴取などが行われるものであると考えるが、それでよろしいでしょうか。
○坂口国務大臣 都道府県労働局に援助を求められた個別労働関係紛争につきましては、都道府県労働局長の助言、指導等が行われる過程で、必要な事実の調査、事情の聴取等を行い、適切に対処をしてまいります。
○鍵田委員 二問目でございますが、紛争調整委員会が男女雇用機会均等法の調停を行う場合には、それが男女雇用機会均等法に基づくものであることが紛争当事者に対して明らかになるように、対外的に表示する名称を工夫するなど、現在の機会均等調停委員会の設置の趣旨や目的、名称、設立の経緯などを十分考慮した運営が行われるべきであると考えますが、いかがでしょうか。
○坂口国務大臣 御指摘を踏まえ、調停を行う場合においては、紛争調整委員会が男女雇用機会均等法の調停を行っているものであることが紛争当事者等に明らかになるように、男女雇用機会均等法の調停を行う調停委員の会議の名称について省令等において措置するなど、適切な運営がなされるようにしてまいります。
○鍵田委員 三問目でございますが、地方公共団体が地方労働委員会などにおいて個別労働関係紛争の解決のための取り組みを行うに当たっては、都道府県労働局が十分な連携を図るとともに必要な支援を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
○坂口国務大臣 個別の事案の処理や担当者の経験交流等において都道府県労働局が地方公共団体と十分な連携を図るとともに、国において蓄積された紛争解決の事例やノウハウなどの提供を初め、地方労働委員会で行う個別労働関係紛争解決のための取り組みが円滑に行われるよう、必要な支援を行ってまいります。
○鍵田委員 四問でございますが、中央労働委員会は、現在、全国の地方労働委員会の事例、統計等を収集し、提供するなどの業務を行っています。個別労働関係紛争解決制度においてもこの機能は重要であることから、中央労働委員会が行う必要な助言または指導として、地方労働委員会が行う個別労働関係紛争解決制度における事例、統計などの収集、提供などを行うこととなるものと考えますが、それでよろしいでしょうか。
○坂口国務大臣 中央労働委員会におきましては、地方労働委員会が行う個別労働関係紛争解決制度が円滑に運営されるよう、地方労働委員会が行う個別労働関係紛争解決制度における事例、統計等の収集、提供等、必要な情報の提供等を行うようにしてまいります。
○鍵田委員 五問目でございますが、個別労働関係紛争は事業主と単独の労働者との間で生じることが通常ではありますが、同一の原因によって事業主と複数の労働者との間に同種の紛争が生じ、複数の都道府県の地方労働委員会にあっせんの申請がなされたような場合には、各委員会が連携を図ることができるよう、中央労働委員会としても必要な支援を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
○坂口国務大臣 個別労働関係紛争につきましては、原則として各地方労働委員会で対応し得るものと考えますが、御指摘のような事案につきましては、特に必要である場合には、関係ある地方労働委員会相互間で十分に連携を図ることができるよう、中央労働委員会として必要な助言、指導を行うようにしてまいります。
○鍵田委員 最後の質問でございますが、地方の労使団体が参画して同じテーブルに着き、開かれた場である地方労働審議会において、紛争調整委員会の運営状況の評価を行うものと考えますが、それでよろしいでしょうか。
○坂口国務大臣 紛争調整委員会の運営状況につきましては、都道府県労働局に設けられる審議会において十分御審議をいただくこととしたいと考えております。
○鍵田委員 どうも大臣、ありがとうございました。では、参議院の方の審議もおありだというふうに聞いておりますので、どうぞ心置きなく行っていただいて、あとは副大臣なり政府参考人と十分議論をさせていただきたいと思っております。ありがとうございます。 それでは、先ほどの答弁もいただいておるわけでございますが、複線型のシステムの中で、労働委員会に関する評価の問題について御質問したいというふうに思います。 この労働委員会の問題につきましては、連合を初めとする労働団体の方から、個別労使紛争の相談でありますとか、あっせん、調停、仲裁などを行うべきであるというふうに提案をしておりますし、私たち民主党もそういう法案を準備しておったところでございます。 なぜなら、労働委員会というのは公労使の三者構成で中立的な機関でございまして、五十年ぐらいの歴史を持っておるわけでございます。ただ、これは今までは集団的な労使紛争の解決に当たってきたわけでございますが、労使慣行などの実情を踏まえて調整を行う、また和解などに導くなどの多くの実績を持っておるわけでございます。 ただ、集団的な労使関係にずっとかかわってきておるというふうなことからしますと、個別紛争を処理する場合にこの地方労働委員会で十分なことができるのかどうかという懸念を持たれる方もいらっしゃるのではないかというふうに思います。そこで、やはり個別紛争処理を行う場合には、地方労働委員会自身も改革をしなくてはならないのではないかというふうに思っておるわけでございます。 やはりILOなどでもこういう紛争処理につきましては三者構成でやることが望ましいというふうなことが言われておるわけでございまして、そういう面からしてみますと、こういう複線型の一つの中で地方労働委員会というのは非常に重要な役割を果たすのではないか。後ほど地方労働局が行われます調整委員会ですか、それのあり方の中でも書かれておるわけでございますけれども、やはり個別紛争というのはスピードも勝負でございますし、非常に簡便に、そして費用も非常に安く上げて処理を行う、そういう面から見ますと、今の地方労働委員会のあり方では十分な処理が難しいのではないかというふうに私も思っておるところでございます。 それらにつきまして、副大臣としましてもこの辺についてどのような評価をされているのか、お答えをいただきたいというふうに思います。
○南野副大臣 本当に先生は地労委に思い入れが深いなと敬意を表してお話をお聞きいたしてまいりましたが、今先生がおっしゃいましたように、労働委員会におきましては公労使の三者の機関でやってきている、しかも五十年にわたってきた、これも先生がお話しいただいたわけですが、やはり複線型システムの一環として、労使の実務に詳しい労使委員の参加による労使慣行を踏まえた調整が行われる、ここら辺に一つの大きな特徴を持たせたいというふうにも思っております。 また、個別労働紛争の解決、それを援助するに当たりましても、労使団体というものが、他の紛争解決制度とともに複線型システムにあるということも、これは一環とした役割を果たしてもらえるものじゃないか、そのように存じております。
○鍵田委員 ぜひとも複線化の中で、地方労働委員会での処理につきましてもそれなりの評価をしていただいて、複線型でやっていけるような方法についての御配慮をお願いしたいと思います。 次でございますが、個別労使紛争の現状でございますが、先ほども百万件からの相談が窓口に寄せられておるというふうに申し上げましたが、そのほかにも、地方の公共団体などの窓口にも随分多くの相談が寄せられておるということでございます。 そういう中で、百万件からの相談が寄せられておる中で、具体的な処理を求めてきた件数というものが、平成十二年で二万三千三百八十一件あったということでございますが、ただ、この申し出を正式に受理した件数というのは三百十七件ということで、二%にも満たない数字、こうなっておるわけでございます。その他の受理されなかった事案につきましては、どのような処理をされましたのか、教えていただければありがたいと思います。
○坂本政府参考人 現在、労働条件に関する紛争で、労働基準法等の関係法令違反が認められないけれども何らかの具体的な処理を求めている件数が、先生お話ございましたように、平成十二年度の上半期で二万三千三百八十一件、このうち、何らかの指導等を行いまして解決に至ったということで把握をいたしております件数は三千二十件、一三%程度でございます。 この把握しております三千二十件のうちの二千八百六十八件、九五%ぐらいになりますけれども、これらの事案につきましては、紛争解決援助の申し出の前に、相談者等に対しまして裁判例等の情報を提供いたしまして、当事者間の話し合いを促すというようなことなどによって解決をしたものでございまして、こういう段階で解決した、要するに、紛争の初期段階での適切な情報提供を行うことによって、自主的な解決に結びついているというふうに認識をいたしております。
○鍵田委員 ただ件数をおっしゃられたんですが、現実に、では円満解決をして処理が済んでおるというふうにちょっと理解しがたいわけでございまして、何か処理の仕方、いろいろ問題がまだあるんじゃないかなというふうに思うわけでございますが、それらを深く検証しておる時間もございませんので、次の質問に入っていきます。 先ほどから言っております相談件数なり本当の紛争、こういうふうなものにつきましても、年々これからもふえ続けるというふうにも思うわけでございます。そういうことを考えますと、やはり利用者の利便性、こういうふうなことを考えましても、やはり地方労働局での対応、さらには地方公共団体の労政局などにおける対応、さらには地方労働委員会、裁判、そういうふうないろいろな窓口をつくって、そこらで解決していく、それがまたワンストップサービスで解決される、こういうシステムをつくっていかなくてはならないというふうに思うわけでございます。 現在の相談件数の中で、ワンストップサービスの窓口で解決でき得るというふうに思われる件数、件数というよりも比率ですか、それから調停、さらには裁判へと移行する比率というのはどの程度になるのか、また、どのようにそれを把握されておるのかということについて教えていただきたいと思います。
○坂本政府参考人 現在、全国の労働基準監督署等に寄せられます相談件数が、これは推計でございますけれども、年間約百万件ということでございました。これは、制度の内容の問い合わせといったようなものも含む数でございまして、労働条件に関する個別の労働関係紛争についての相談件数は、平成十二年度の上半期、下半期合わせますと約四万八千件という状況でございます。 こういった現状から推計をいたしますと、新たな制度を整備した後におきまして、総合労働相談コーナーに持ち込まれる相談件数というのは、やはり年間百万件を超える、百数十万件に達するのではないか。そのうち、紛争解決援助の対象として持ち込まれる件数というのは、五、六万件に上っていくのではないかというふうにも見込んでおります。 また、これまでの労働条件に関する相談や助言、指導の経験からしますと、このうちの相当数の事案については、相談の段階あるいは助言、指導の過程で解決が図られていくだろうというふうにも思っております。 そういった中で、紛争調整委員会でのあっせんとか、裁判所の調停あるいは正式な裁判へと移行する件数、こういったものの予測というのは大変困難でございますけれども、このあっせんについて見ますと数百件、あるいはもう少し多ければ千件を超える、そういった程度の申請がなされるのではないかというふうに考えておるところでございます。
○鍵田委員 いずれにしましても、膨大な数でございますので、これらにつきましては、やはり万全の体制を常にしきながら、そしてまた見直しもしながら進めていっていただきたいと思っております。 それでは、次の質問に移ります。 先ほどから、やはり事前の予防なり自主的な解決というのが非常に大事だというふうな質問がございまして、お答えもいただいておるところでございます。いろいろな施策も考えていただき、予算も組まれておるようでございますけれども、やはり、企業内における苦情処理機関などがどのようになっておるのか、今、実態としてどうなっておるのか、どういう処理がされておるのかというふうなことについて、もしわかっておれば、そのことをお教えをいただきたいというふうにも思います。 また、労働局がいろいろな取り組みをする以外にも、やはりいろいろな専門家を活用して、その人たちの働きによって、予防とか、また自主的解決が図られるというふうなこともできるのではないかというふうに思います。 そういうことを考えますと、特に、法律関係では、社労士の皆さんなんかは非常に詳しいわけでございますから、こういう社労士の皆さんでありますとか、職場の労使の方々での経験豊かな方、地方労働委員会の委員などにつきましては、大体、組合の幹部でも産業別組織のトップであるとか、企業でもトップが出てきたりというふうなことでやっておられますし、それから、公益でも、大学の先生とか弁護士さんという大変忙しい人ばかりですから、こういう人たちが何かそういうふうな役割を果たしてもらうといっても、せいぜい講演に行ってもらうとかなんかぐらいのことでありますから、日常的にそういう役割を果たしていただくという面から見ますと、今申し上げましたような、職場でのそういう労使関係に携わってきたOBの方だとか社労士の皆さんなどを活用して、自主的な解決なり予防のためのそういう施策を考えることが非常に大切なのではなかろうかなというふうにも思いますが、いかがでしょうか。
○南野副大臣 先生、本当にお詳しいので、私が答弁するまでもございませんというふうに思っておりますが、この前、労使コミュニケーションの調査というのが平成十一年に行われました。 それによりますと、企業内の苦情処理機関が設置されているのは、この調査によりますと、対象事業場の二五・二%といいますと、四分の一にしかなっていない。四分の一あるというのか、これは考え方でございますが、一方では、同調査によりますと、不平不満、そういったものを述べたことがある労働者のうちの七五・二%、これは四分の三に当たるわけですが、その方々が直接上司に述べている。これはお互いの信頼関係がないとなかなかできないことでございますが、我が国におきましては、やはり現状では、苦情処理機関より、むしろ上司とか人事担当者が相談を受け入れる、そういったことの苦情処理が図られているものと考えます。これは、先生おっしゃったような、いわゆるインフォーマルな形のものかなというふうにも思っております。 さらに、本法案におきましては、紛争当事者の紛争の自主的解決の努力義務規定というものも設けさせていただいており、この場合は、当事者による直接の話し合い、または第三者の介入による話し合いを促進するための企業内の体制整備といたしましては、不満、苦情を受け付ける窓口の整備、さらに紛争処理機関の設置など、さまざまなものが考えられていると思っております。具体的にどのような措置をするかということについては、当該企業の労使にゆだねる。大きな企業、小さな企業、いろいろございますので、それらさまざまな体系の中で一番いい方法をおとりいただけるのではないかというふうに思っております。 また、政府といたしましても、パンフレットの配布やセミナーの開催などを行うほか、相談窓口におきましても法令、判例などの情報提供を行う、このようなことをさせていただきながら、企業内の自主的解決ということの取り組みを支援してまいりたいと思う次第でございます。
○鍵田委員 ぜひとも、そういうことを今後とも強力に進めていただきたいというふうに思います。 ここで、紛争調整委員会のあり方につきまして若干質問したいというふうに思います。 特に、先ほどからも申し上げましたけれども、地方労働委員会の委員の選任などを見ましても、大変多忙な方々が就任されておるというふうなことで、あっせん委員会をやりたいと希望を言いましても、日程がなかなか合わないとかいうふうなことで、その問題の処理が非常に長引いてしまうというふうなこともしばしばあるようでございますし、会議の日程も定まらないというふうな実情も聞いております。 そういうことを考えますと、特に迅速に処理をしなくてはならないこういう紛争調整委員会などの場合には、委員の選び方につきましてやはり一工夫が必要なのではなかろうか。そういう意味では、暇と言ったら語弊がありますし、おしかりをいただきますが、時間が若干融通がきく方々なり、そういう専門家の方々を動員してやることが非常に大事なのではなかろうか。それから、例えば労使の関係でも、一線を引かれた方でまだ本当にお元気な方はたくさんいらっしゃいます、本当にそういう労使関係の問題ではベテランの方もいらっしゃるわけでございますから、むしろそういう方々を選任するとか、先ほども申し上げました社会保険労務士の方々というのは本当に専門家でございますから、こういう人たちから委員を選ぶというふうなことを工夫されたらいかがかなと思うわけでございますけれども、そういうことについてどうお考えになっておるのか。 また、その選定に関しまして、労使の団体との関係、例えば地労委なんかの場合には、それぞれの団体の同意を得て選任するとかというふうなことがございますが、そういうことについてはどのようにお考えになっているんでしょうか。
○坂本政府参考人 紛争調整委員会の委員でございますけれども、要するに、経済の理論というより産業社会の実情に十分通じておられる方、それからまた法令とか判例、企業の人事労務管理についての専門的な知識を有しておられる方、こういった方がふさわしいわけでございまして、具体的には、弁護士などの法曹関係者ですとか、あるいは御指摘のような社会保険労務士の方、それからまた学者の方、それから人事労務管理の実務に携わった経験を有する方、こういった方を任命したいというふうに思っているわけでございます。 確かに、あっせんにつきましては、委員が実際に当事者の間に入って取り持っていただくということになるわけでございますので、委員が多忙で対応できないというようなことのないように、選任の際には十分配慮してまいりたいと思っております。 また、委員の任命の手続といいますか、任命に際しての労使団体のかかわりという御指摘がございましたけれども、私どもといたしましては、労使双方から信頼を得られるような、公平中立の立場に立ってあっせんを行うことができるような方を選任してまいりたいというふうに考えております。
○鍵田委員 労使団体がどのように関与するかということでお答えいただいたでしょうか。
○坂本政府参考人 労使団体からの推薦をいただくというようなことではなしに、労使双方から信頼を得られるような公正中立な方を任命してまいりたいということでございます。
○鍵田委員 それでは、調整委員会の関連で引き続きまして。 この調整委員会があっせんを行う場合に、双方または一方の申請によって始められるというふうになっておるわけでございますけれども、一方申請の場合に、一方が拒否をすればあっせんを始めない、そして直ちに打ち切るというふうな話が漏れ伝わってきておるわけでございますが、これはどのように規定をされるのか、これについての事実関係を伺いたい。このことが一点。 さらには、そういう場合に、例えば、使用者側が安易にそういうものは受けないんだといって拒否をされたような場合に、労働者側が一方的に被害をこうむるというふうなことも起こり得るわけでございます。力関係などによって非常に労働者側が大きな被害を受けるというようなことも考えられるわけでございまして、もちろん、法令違反があるのかどうかとか、そういうふうなことについての事実関係につきまして双方からの事情聴取なども受けられて、必要性があるのかないのかということについての事実関係を十分調べるというふうなことについては、していただくのかどうかということについてお答えをいただきたい。
○坂本政府参考人 この制度で予定をいたしておりますあっせんは、あくまで当事者の任意によりまして、その話し合いを促進する、そして紛争の自主的解決を図ろうとするものでございます。このため、一方の当事者が手続への参加をどうしても望まないという場合にまで話し合いを強制しても実効は上がらないものでございますので、こういった場合にはあっせんを打ち切らざるを得ないというふうに考えております。 他方で、この法案に基づきます紛争解決制度といたしましては、あっせん制度だけではないわけでございまして、都道府県労働局長による相談とか、あるいは助言、指導も行うこととしているわけでございますが、こういった中で、当事者から事情を十分聞くことによりまして紛争の未然防止あるいは早期解決が図られるのではないかというふうに考えております。 また、相談や助言、指導の過程で、あっせん制度の趣旨ですとか、その効果を説明することによりまして、当事者双方が制度を利用しやすくなるような環境をつくってまいりたいというふうに考えております。
○鍵田委員 やはり、地方労働局としまして事実関係などを十分把握して対応していただくということが大切だというふうに思いますので、ちょっとまだ不満が残りますけれども、その辺はよろしくお願いを申し上げたいと思います。 次に、この紛争調整委員会に関連して、不利益取り扱いについて若干お聞きしたいんです。 援助を求めたことによって事業主は不利益取り扱いしてはいけないというふうになっておるわけでございますが、問題はその後、それをしたときにはそうなんですが、その後いろいろなことで不利益扱いが起こる可能性もあるわけでありますから、これはぜひともフォローをしていただきたいというふうに思うわけですが、それらについてはいかがでしょうか。
○南野副大臣 先生ただいまおっしゃられたように、解雇とかそういうことに向かって不利益取り扱いをしてはならない、これはもう十分に説明するということに尽きるわけでございます。 ただし、事業主が不利益取り扱いを禁止する規定がございます。それに違反した場合、またそのような事実が判明した場合に至りましては、そういった行為を行わないようにというような指導をしてまいりたいということでございます。
○鍵田委員 この不利益取り扱いの事後のフォローにつきましても、今副大臣の方からおっしゃっていただきましたように、ぜひともやっていただきたいと思いますが、先ほどから話が出ておりますように、もう既に四府県におきまして地方労働委員会でもこれらの紛争処理をやるということになっておるようでございます。 これからも各都道府県で広まってくるというふうに思いますが、地方労働委員会でこういう紛争処理を行う場合にも、不利益取り扱いがされる場合には、これに対して禁止をするということについては同様の考え方でいいというふうにとっていいのでしょうか。その点いかがでしょう。
○南野副大臣 これらのものも、やはり努力義務ということであろうかというふうに思いますが、地方労働委員会の援助ということにつきましては、自治事務で行われるものでございます、しかりまして、本法におきましては規定はいたしておりません。 先ほど申した努力義務でございますが、労働者が地方労働委員会を初めとした個別労働紛争の解決機関に援助を求めたということを理由といたしまして事業主が不利益取り扱いを行うことにつきましては、本来公序良俗に反するものという形で禁止されているものであると考えております。
○鍵田委員 やはり同様の扱いをしていただかないと、複線型でやるわけですから、同じ個別紛争の事案でございますから、その辺はひとつよろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。 次に、紛争調整委員会の解決制度の中で、こういう相談に来るということ自身が、労働者の側から見ますと非常に勇気の要ることでございまして、場合によっては、いろいろな相談に行く場合には、本当に自分は退職覚悟ぐらいの気持ちで行かれるわけでございますが、どうも今までの事例を見ましても、窓口でつっけんどんにやられて、それで私どものところへ相談に来られたというふうな事例が過去にも随分あったわけでございます。 そういうふうなことについて、今の不利益取り扱いと同様に、やはりきちっとしたフォローをして相談に乗っていただくということについてはいかがでございましょうか。
○坂本政府参考人 まず、いかなる相談事案でありましても、当事者にとりましては生活の糧でございます労働に関する重大な相談でございますので、総合労働相談コーナーにおきましては、その相談ですとか、あるいはまた、紛争調整委員会による事情聴取等に際しましては、当事者の身になって懇切丁寧な対応をするようにということで対応してまいりたい、こう考えております。 また、紛争が長引いてしまうということになれば当事者にとって大変大きな負担にもなりますので、紛争調整委員会のあっせんに当たりましては、できるだけ迅速な対応ができるようにということで取り組んでまいりたいと思っております。
○鍵田委員 ぜひともよろしくお願いを申し上げたいと思います。 私は、こういう地方労働局で取り扱います紛争調整委員会などのあり方、個別紛争の処理の重要性ということも認識をしておりますから、この法案について必ずしもとやかく言っておるわけではございませんで、これはしっかりやっていただきたいわけでございますが、何回も申し上げますが、やはり複線型でお願いをしたい。 そういうことでいきますと、もう一つは、やはり地方自治体が行います、公共団体がやっております労働相談の窓口、またそれら以外の労働行政、こういうふうなものにつきましても、地方労働局がそういうことでやっておるのだから、我々は余りそういうことに煩わされなくてもいいのだというふうなことで、地方行政の方がもし後退するようなことがありますと、これは複線化の一つが外れてくるということにもなるわけでございます。 そういう意味では、やはり地方行政の方との連携といいますか、そういうものを十分図っていただいて、そして、やはり地方に密着したいろいろなやり方があると思いますので、それらをひとつ生かすというふうな意味で、地方自治体との連携、それから情報交換、そういうふうなものにつきましても十分配慮していただきたいというふうに思うわけでございます。 また、地方におけるそういうサービスが低下をしないように、十分な連携を図っていただきますようにお願いをしたいと思いますが、それらにつきまして何かお考えがあればお答えいただきたいと思います。
○坂本政府参考人 御指摘にございましたように、都道府県労働局で個別紛争の解決支援を行いますけれども、その対応に当たりましては、やはり地域の実情を十分踏まえたものにする必要があるだろうと思っております。都道府県労働局では審議会が設けられておりますので、そういったものを通して地域の意見を聞くなどによりまして、実情を踏まえた的確な行政運営ができるように努力をしてまいりたい、こういうふうに思っております。 また、今回の制度の導入に当たりましては、職員や相談員に対する研修ですとか、委員等に対する制度の説明等をする機会が必要になってまいりますけれども、その際は、地域の実情を踏まえた制度の運用を行うことによって適切なサービスの提供ができるように、そういったことで対応してまいりたいと思っております。 また、地方自治体の施策との連携でございますけれども、地方自治体のいろいろな施策も複線型システムの一翼を担うわけでございまして、この法案の二十条の中にも明確に位置づけておるところでございますが、地域の実情に応じて必要な施策が推進されますように、国としても、例えば紛争解決事例を提供するといったような形での必要な支援、連携に努めてまいりたいと考えております。
○鍵田委員 ひとつよろしくお願いを申し上げます。 その次に、司法制度改革につきましての答申といいますか意見書が過日出ましたけれども、これに関連をいたしまして、この意見書の中でも、「民事調停の特別な類型として、雇用・労使関係に関する専門的な知識経験を有する者の関与する労働調停を導入すべきである。」とか、また「労働委員会の救済命令に対する司法審査の在り方、雇用・労使関係に関する専門的な知識経験を有する者の関与する裁判制度の導入の当否、労働関係事件固有の訴訟手続の整備の要否について、早急に検討を開始すべきである。」というふうなことがうたわれておりますし、また、労働関係訴訟につきましては、特に審理期間が長過ぎるというふうな問題があって、これをおおむね半減するというふうな意見書が出ておるわけでございます。 もちろん裁判においてもそういうことでありますが、ということは、地方労働委員会と中央労働委員会における審査もやはり余りにも長いという意見もあるわけでございまして、さらには、それがダブルで、労働委員会で地方から中央へ行き、さらには地裁から最高裁まで行こうと思うと、五段階やらなくてはならない。いわゆる五審制と言われて、非常に評判が悪いわけでございますけれども、非常に時間がかかるというふうな問題につきまして、やはりこれはこういう労働関係に携わる厚生労働省として、単に司法制度の問題だということでそこにゆだねるだけではなしに、積極的に、この司法制度のあり方も含めて、やはり個別労使紛争、こういうものを迅速に処理していくためのシステムをやはり意見を出していくべきではないか。そういう情報を発信していくべきではないかというふうにも思っておるわけでございますけれども、それらにつきましてどのようなお考えを持っておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○南野副大臣 先生おっしゃいますように、司法制度の審議会、この意見書におきましては、二年間にわたる審議を経ている。国民に身近で利用しやすい、また、その期待と信頼にこたえ得る司法制度を実現すべきだという視点に立って諸方策を取りまとめてきたものであるというふうに私個人も認識いたしておりますが、政府全体として、これを最大限に尊重して、司法制度改革の実現に取り組むということにいたしております。厚生労働省といたしましても、それについての協力はばんばんやっていきたいというふうに思っているところでございます。 意見書の中では、労働調停の導入につきまして提言されておりますが、これが実現した際には、本法案に基づくあっせんとともに、個別労働紛争解決システムの重要な一翼を担うものと考えておりますし、厚生労働省といたしましても、必要な連携をとっていきたいと思っております。先生のおっしゃるとおりだと思っております。
○鍵田委員 ぜひとも、厚生労働省がリーダーシップをとるぐらいの気持ちでやっていただきたいというふうに思います。 次に、司法修習生のカリキュラムの問題について、実は私は、平成十二年の司法試験から、これらの問題が修習生の必修科目から外れてきたわけでございまして、それにつきまして、私は当時の伊吹大臣に対して、これから労働法というのは社会の中で重要な役割を果たすので、これが必修科目から外れるということについては、ぜひとも善処してほしいということで大臣のお考えをお聞きしたわけでございますが、伊吹大臣は、そのことは非常に重要だということで同感だということでおっしゃっていただいて、その後いろいろ働きかけをしていただいたとは思います。 しかし、まだそれは実現はしておりませんし、実際にまだこれを受けられる方もかなり少なくなってきておるのではないかというふうにも懸念をしておるわけでございますけれども、その辺につきまして、どのように把握をされ、これからもどのような対策を立てていかれようとしておるのか。ぜひとも、最高裁に対しても強く厚生労働省としてこれらについての要望も行っていただきたいということをお願いし、お考えをお聞きしたいと思います。
○南野副大臣 本当に先生の御指摘にそうだと申し上げたいところではございますが、平成十年の司法試験法の一部改正によりまして、労働法を含む法律選択科目が廃止された。平成十二年度の試験から実施されたところではございますが、その改正の際には、当時の労働省といたしましても、司法修習生が労働法などを身につけられるような措置が講じられるよう、法務省に要請を行った、そういう動きは過去にもいたしてございます。 このような中で、新制度におきます合格した司法修習生の研修カリキュラムにおける労働法の取り扱いということにつきましては、従前と同様に、行政法との選択制ではございますが、労働法の科目の履修時間を従前の倍にふやすというような措置が講じられております。それも先生御存じだと思っております。 一方で、近年の労働裁判の件数を見てまいりますと、年々増加傾向にありますので、御指摘のとおり、法曹に求められる労働法の素養の必要性は高いものと認識いたしております。 そのため、今後とも、厚生労働省としましては、先生のおっしゃるように、リーダーとなってやれということでございますので、必要に応じまして、司法修習カリキュラムにおきまして労働法を重視するということにつきまして関係機関に対し働きかけを行ってまいりたい、そのように思っております。 以上でございます。
○鍵田委員 本当に個別紛争が多くなり、そして裁判に持ち込まれるケースもふえてくるというふうに思います。そういう中で、余り労働法を御存じでない裁判官がふえてくるということは非常にゆゆしき問題だと私は認識をしております。そういう意味で、ぜひとも、これは強くこれからも訴えていただきたいというふうにお願いをしておきたいというふうに思います。 時間もほとんどなくなってまいりましたので、若干、先ほど大臣から確認の答弁をちょうだいしました。関連をさせていただきたいというふうに思います。特に地方労働審議会、これは労使の代表が参加をする審議会でございますけれども、今後、地方労働局が一部の特定の団体の意見などを聞くような会議を設定するというふうなことはないと思うのですが、ぜひとも、いろいろ労使の、公労使の声を聞く場合には、地方労働審議会で聞いていただきたい。例えば、労働組合だけの意見を聞くとか、または経営者だけの意見を聞くとかというふうな、そういう場を設けられるというふうなことはぜひともなくしてほしいと思いますが、いかがでしょう。
○坂本政府参考人 都道府県労働局におきます個別労働紛争解決制度の運用に当たりましては、御指摘のように、地方労働審議会を中心にいたしまして、必要に応じて適宜関係団体からの意見を聴取するといったような形で制度の実効性を高めてまいりたいというふうに考えております。
○鍵田委員 個別労使紛争が地方労働局で行われると同時に、地方の行政だとか、それから地方労働委員会においてもいろいろな個別紛争処理についての支援を行っていくというふうに、先ほどからお答えをいただいておるわけでございます。 具体的なことでちょっとお聞きをしたいのですけれども、今都道府県の労働相談員などの補助事業などを行われておるようでございますけれども、こういうふうなものを地方労働委員会などで行う場合などにも活用されるようにお願いをしたいわけでございますが、それらにつきましてはいかがでございましょうか。
○南野副大臣 先生の御指摘のように、都道府県に対しましては、既存の事業の活用ということを今までもやっておりますので、それらを含めまして、適切な支援を行ってまいりたいというふうに思っております。
○鍵田委員 最後になりますが、ちょっとこれはこの個別紛争とは関係ないんですが、就業規則の閲覧の件で、実はこういう事件がありました。 奈良県の方で、実は、企業の中には本当は閲覧できるようにしておかなきゃいかぬわけです。それがないものですから、見せてもらえないので監督署に行った。そうすると、個人には見せられないといって閲覧ができなかったわけでありますが、私の友人が一緒についていって、いや、そんなことじゃ困るじゃないか、そこの従業員だということはわかっているんだから見せてあげなさいよと言って、しましたら、じゃということで渋々見せていただいたようでございます。 ぜひとも、これは、その監督署に限るのではなしに全体でも、どこへ行っても、従業員であることさえわかれば閲覧ができるようにしてほしい、こういうことでお願いをして、その件では大体そういうことの処理ができておるようでございますが、ぜひともこれは、どこへ行っても、そこの従業員である、その企業の従業員であるということさえわかれば、企業で見られなければ監督署でぜひとも就業規則が見られるように御配慮をいただきたい。 時間が過ぎておりますからもうお答えいただかなくてもいいんですが、もしお答えいただけるんでしたら、よろしくお願いします。
○日比政府参考人 閲覧できるようにしておるつもりでございますが、その趣旨をなお徹底いたしたいと思っております。
○鍵田委員 よろしくお願いします。 ありがとうございました。
○鈴木委員長 この際、暫時休憩いたします。 午前十一時三十一分休憩 ————◇————— 午後二時五十分開議
○鈴木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。木島日出夫君。
○木島委員 日本共産党の木島日出夫です。 個別労働関係紛争解決促進法について質問をいたします。最初に、個別労働紛争の増加の実態と、その原因、背景について大臣の認識を聞きたいと思います。 個別労働紛争は非常にふえております。労政主管事務所における労働相談件数を見ましても、九五年には九万八千四百五十件、九九年には十二万二千百二件となっております。 こういう紛争が激増している背景と原因がどこにあるか、私は大きく二つある。一つは、経済界の労務戦略。これは、九五年に日経連が「新時代の「日本的経営」」を発表いたしましたが、その中心は終身雇用と年功賃金制の解体であります。そして、成果主義賃金制度を導入し、今、リストラ、解雇を促進している。これを後押ししている自民党中心の政府の労働政策。その結果どういう状況が起きているか、正規雇用の減少です。そして、非正規雇用の激増です。それは、パートタイマー、アルバイト、フリーター、契約社員、臨時雇用、派遣労働者、請負契約労働者の激増。いわゆる雇用の流動化政策、これがやはり個別労働紛争の激増につながっているんじゃないか。そしてもう一つは、やはりこの間の政府の経済失政による不況の深刻化、三百四十万台の完全失業と企業の倒産の激増だと思うんです。 こういう我が国の個別労働紛争の激増の原因、背景、あるいは責任、これをどう認識しているか、まず厚生労働大臣の御認識を伺いたい。
○坂口国務大臣 先生からもう問いと答えと両方言われてしまいましたが、個別労働紛争の増加は確かに我々の方の統計でも出ておりまして、都道府県労働局または全国の労働基準監督署に持ち込まれました労働条件の分野におきます個別労働関係紛争、平成十一年度上半期が七千七百八十件、下半期が一万六千四百六十六件、そして平成十二年度の上半期が二万三千三百八十一件とふえてきていることは間違いないと私も思います。 さて、その原因でございますが、今御指摘になりますように、一つは、やはり経済状況、全体としての経済の悪化ということがあるというふうに思います。そのころ経済の停滞というふうに言った方がいい時期もあったかと思いますけれども、そういうことが原因にあるかというふうに思います。そしてまた、企業のリストラクチャリングの進展ということも当然ございますし、また能力主義でありますとか成果主義といったような賃金、処遇制度の変化といったこともあるというふうに思います。人事労務管理の個別化でありますとか、あるいはまた労働者の職業に対する意識の変化、こうしたこともあろうかというふうに思います。しかも、内容が大変多様化をしてきているということでございまして、数がふえただけではなくて多様化もしてきている、そうしたところに大きな原因があるのではないかというふうに思っております。
○木島委員 そうした中で、本法案は新たに個別労働関係紛争の解決を促進するための仕組みをつくろうというものでありますが、個別労働紛争の持つ基本的性格をどう押さえるのか、紛争解決のために大事な視点は何かということを、やはり新しい仕組みをつくるだけに、きちんと位置づけることが大事だと思うんです。 私は、賃金、退職金の未払いや解雇などの個別労働紛争の最大の特質は何かと聞かれたら、これは対等な力関係を持つ当事者間の争いではないということ。片や、一方当事者は大きな力を持った企業、使用者であります。片や、解雇され賃金が未払いの状況にある経済的、社会的弱者である個々の労働者の紛争だ。恐らく、こういう仕組みで紛争解決や救済を求めるのは企業側じゃなくて労働者側であろうと思われます。 ですから、個別労働関係紛争解決のために仕組みをつくる、そしてそれを運用するときに何よりも大事な観点は、こういう特質を持った紛争だけに、弱い立場に立たされている労働者の立場、奪われた権利の救済を求める労働者の立場に立って使い勝手がよいこと、そして権利救済の実効性の上がる仕組みにすることが肝心かなめの点ではないかと私は考えているんです。 この基本的な問題についての厚生労働大臣の認識を簡潔に答弁いただきたい。
○坂口国務大臣 けさ午前中にも少し議論になりましたけれども、やはり紛争の内容というものが非常に多様化をしてきておりますし、そして新しい形の紛争もできてきているわけでございます。そして、中小企業等において、いろいろの労働法規でありますとかそうしたことがわからないがゆえに起こってくる件数も非常に多い。特に経営者の側でそうしたことがよくわかっていないというような場合も多いわけでございますので、その辺のところは、ふだんから労働法規等よく勉強をしていただくような機会をつくっていかなければならないというふうに思っておりますし、また、毎年毎年新しく変わっていきます労働関係の法律等につきましても、そうしたものにはよくその都度徹底をしていかなければならないというふうに思います。 そして、今お話がございましたが、やはり労働者の皆さん方、小さな企業であればあるほど仲間も少ないわけでございますし、御苦労されるというお立場はよくわかるわけでございます。皆さん方のお立場というものも十分に尊重をしながら、そして皆さん方におこたえのできていくような体制をやはりつくっていかなければならないというふうに思っております。
○木島委員 九九年に我が国の裁判所に持ち込まれた労働民事通常事件は、資料によりますと千八百二件です。労働仮処分事件は八百四十八件です。その他も合わせ二千七百五十件です。三千件足らずですね。先ほど、九九年の労政主管事務所における労働相談件数が十二万を超えているという数字を私は言いました。百万件ぐらい労働紛争があるんじゃないかと専ら指摘されているわけであります。現在の日本の裁判所がこういう紛争をきちっと迅速に解決する状況にないということは事実です。今司法制度改革審議会の論議がありますが、きょうはその問題は私は触れません。新しい仕組みをつくることを私は賛成ですが、それだけに、実効性ある迅速な、しかも低廉な、そして的確な解決ができる仕組みをどうつくるかが今問われていると思うんです。 法案の中身に入りたいと思うんですが、どういう紛争がこの仕組みのテーブルにのるか。本法の第一条のところに個別労働関係紛争の定義らしきものが出ております、「労働条件その他労働関係に関する事項についての個々の労働者と事業主との間の紛争」。非常にこの法案の特徴の一つに、定義の条文がないということなんですね。まあ、それが運用の妙を得るのかもしれませんが。 そこで質問いたします。 法第四条による個別労働関係紛争に対する局長の助言、指導、あるいは法五条によるあっせんの委任、これは当該個別労働関係紛争の当事者の一方または双方からの申し出によって行われます。それで、この法案の一方の当事者である事業主という概念の定義がないのです、これは。そこで、個別労働紛争の実質的解決を迅速かつ適正に図るには、紛争解決の実質的当事者能力を持った者を当事者として広くとらえることが本当に大事だと私は思うのです。私に与えられた時間は極めて短時間ですから、これから述べる六点について、こういう相手もこの法案では紛争のテーブルにのせることができるかどうか、簡潔にまとめて御答弁を厚生労働省から願いたい。 まず第一。解雇、賃金など労働条件に関する紛争の場合、直接の雇用関係にある事業者だけではなく、これに対して事実上の支配力を持つ親会社なども当事者にすることができるか。 第二。派遣労働者が申し立ての場合、派遣先事業者、派遣元事業者、双方を事業者としてこの紛争解決のテーブルにのせることができるのか。 第三。会社分割や営業の譲渡で雇用の承継の問題で紛争になった場合、これから出てくると思うのです、分割会社と新設会社、あるいは営業譲渡の場合の譲渡会社と譲り受け会社の双方を当事者にしてこの解決のテーブルにのせることができるのか。 第四。建設関係での個別紛争、多いです。労災もそうです。賃金未払いもあります。そういう建設関係での個別紛争解決のために、元請会社を当事者にしなければ実質的解決にならないことが非常に多いです。私もたくさん経験しております。そういう場合に、元請会社も当事者にしてこの紛争解決のテーブルにのせることができるのか。 第五。いわゆる請負契約労働者の問題です。雇用契約か請負契約か、その境界線が今日極めて不明確であります。例えば、シルバー人材センターの場合、SOHOなどの場合、そのような場合も本法の紛争解決のテーブルにのせることができるのか。 第六。外国人労働者です。入管法上の不法就労の外国人労働者も、当然本法の対象にのせることができるのか。 一つ一つ時間をかけて詰めたいところでありますが、あとの質問もたくさん控えておりますので、ひとつ簡潔に手短に答弁を願います。
○坂本政府参考人 具体的な事例をいろいろお示しいただきましたが、基本的な考え方をまず申し上げておきますと、この法律案に規定をいたします個別労働関係紛争とは、労働関係に関する事項についての個々の労働者と事業主との間の紛争ということになっておるわけでございますが、この場合の労働関係といいますのは、労働契約または事実上の使用従属関係から生じる労働者と事業主の関係を指しております。 したがいまして、基本的には雇用契約のある事業主と労働者との間の紛争が対象となるというものでございます。したがいまして、親会社とか元請事業主を相手方とする紛争というのは対象にはならないというふうに考えております。 例示のございましたように、例えば派遣労働者の場合につきましては、これは派遣先でのセクシュアルハラスメントにつきましては、派遣法に基づいて、均等法の適用について派遣先も派遣労働者を雇用する事業主とみなされるということになっておりますので、その場合には対象となってくる。 また、会社分割の場合でございますけれども、これは紛争の内容に応じまして、例えば労働契約がどちらにあるのかといったようなことにつきましては移る前の会社、それからまた、移った後の労働条件については移った先の会社を相手方とする、そういった紛争が対象になってこようと思います。 また、いわゆるSOHOみたいに請負か雇用か明確でない場合、これにつきましては、その実態に応じて雇用関係があるとみなされれば対象となる。 また、外国人の問題がございましたけれども、これについては対象となるというふうに考えております。
○木島委員 最初にお答えになったのは、事実上の支配従属関係にある、そういう労働関係の紛争の解決をこの仕組みでは拾い上げるのだということですね。 そうすると、もう既に我が国の裁判所は、直接の雇用契約にない場合でも、直接の雇用契約にある企業が事実上当事者能力を失っているという場合には、法人格否認の法理というのを生み出して、親会社を引っ張り出してきて被告につけて、労働雇用関係を認定したりしているのですよ。もうそこまで来ているのですよ。ですから、先ほどの答弁は私は承服できない。 当然、事実上の支配従属関係にある、そういう相手方を当事者としてこの紛争解決の枠組みに乗せなければ迅速、的確な解決はできないのですから、これから恐らくこの法案が成立して、運用の段階で必ず問題になってくることですから、ひとつ、広く支配従属関係にある相手方は当事者になるのだ、しなければならぬのだという立場でこの法を運用すべきだということを指摘して、次のテーマに移ります。 四条で、労働局長が必要な助言や指導を行うとき、また、五条や十三条で、紛争調整委員会、いわゆるあっせん委員の皆さんが、事件の解決に必要なあっせん案を作成し、そして当事者に提示するとき、何を根拠に案をつくるのかという問題であります。当然、労働基準法その他のいろいろな日本の法体系を基本にして、合理的な適正な、法に従った案をつくって提示するのだと思うのですが、よりどころにするべき実体労働法がない場合、実体労働個別契約法がない場合には、何を根拠にして適正なあっせん案なり仲裁案をつくるのか、調停案をつくるのか。判例法が集積しています。我が国の判例法などもよりどころにするのか。まず御答弁願います。
○坂本政府参考人 都道府県労働局長の助言あるいは指導制度につきましては、いろいろな実定法、法令とかあるいは集積されました判例に基づいて適切な助言、指導を行うことにいたしております。 また、あっせんにつきましては、法令とか判例を踏まえながら、当事者間の話し合いを促進して両者の合意による自主的解決を図るように両当事者を促していくということにいたしております。
○木島委員 よるべき基本は実定法であり判例法であるというお答えでした。それはそのとおりだと思うのです。 しかし、我が国の判例法体系は非常な変動があります。厚生労働省は、日本の裁判所で既に確立した判例にある整理解雇の場合の整理解雇四要件を大事にして、これを広く周知のためのパンフレットなどもつくられております。しかし、現実には、ある地裁などではこの整理解雇の四要件が掘り崩されるような判例も出始めている。いろいろな具体的な争いでの判例というのは一つ一つ違ってくることもあるわけであります。 それだけに、本当にこれから発生する、既に現に発生している個別労働紛争、解雇の問題でも賃金未払いでも、あるいは労働災害でも、あらゆる問題について労働紛争に関して適正に解決をすること、労働者の権利を迅速に救済するためにも、私はやはり大事なことは、せっかくこういう紛争解決の仕組みをつくるのですから、この仕組みを運用する皆さんがよるべきよりどころ、それは労働者の権利を守る実体法だ。やはり基本は実体法に戻るということで、その実体法体系を我が国でもつくり上げることが本当に大事ではないか。本当に不十分だ。ヨーロッパに比べて不十分だと私は考えます。 ですから、少なくとも解雇規制法とか、パート労働法、今ありますが不十分です、労働契約法、これを何としてもつくってもらいたいという要求が全国の労働者から寄せられておりますから、この解決の指針となるべき実体労働関係法を速やかに制定することが求められているのではないのかと思います。 基本問題ですので、坂口厚生労働大臣の御所見を伺います。
○坂本政府参考人 御指摘のように、紛争の発生を防止するための実体法の整備が先行すべきではないかということでございますけれども、実体法の整備の必要性につきましては今後ともそれぞれの状況に応じまして検討されるべきものであろうと考えておりますけれども、現在、現に個別労働関係紛争が非常に多様化をしてきている、非常に増加をしてきている。これらの紛争の原因となる事柄というのは非常に多岐にわたっておりまして、実体法で一律に規制をすることはなかなか困難な場合が多いというふうに考えております。 したがいまして、現実に発生をしており、また今後一層増加が懸念されます個別労働関係紛争に対応するためには、総合的な紛争解決援助制度の整備というものがまず必要であろうというふうに考えております。
○木島委員 やはり私は、実体法がないがために紛争が多発し、多様化してくるんじゃないかと思うんです。 一つだけ、解雇の問題を言ったってそうですよ。我が国の労働基準法は、基本的に解雇自由ですよ。三十日間の解雇予告手当の支払いだけを義務づけるだけです。しかし、ヨーロッパにはきっちりした解雇規制法がある。それでも解雇があり、労働者が争う。それで整理解雇の四要件が日本の裁判所によって構築されてきたんでしょう。だから、解雇規制法がきっちりあって、こういう場合には解雇しちゃいかぬのだということが法律制度としてきっちりあれば、解雇事件の多発は避けられる。また、仮にそれで解雇が起きても、調停やあっせんや仲裁や指導、助言、この基本的なよりどころができることになるわけですから、紛争解決も迅速に適正に行われることになるんじゃないか。 改めて、そういう個々の分野での実体労働法の構築のために奮闘することが必要だということを指摘して、次の質問に移りたいと思います。 法案には、労働局長が助言、指導する場合、あっせん委員があっせんする場合の事実調べの権限に関する規定は全然ありません。紛争の実態、原因、背景、内容、事実をきちんと把握できなければ適正な解決案を示すことなどできるものではないことは当然です。十三条で、あっせん委員は紛争当事者及び参考人から意見聴取するとありますけれども、法案には、これに法的強制力は、残念ながら明文の規定はありません。 ないんでしょうか。なぜ法的強制力をつけないんでしょうか。少なくとも調査に関しては私は法的強制力をつけるべきだと思うんですが、それがなければ、やはりせっかくいい紛争解決の仕組みをつくっても、それでは紛争解決の実効性が大きく減殺されてしまうんではないでしょうか。答弁願います。
○南野副大臣 先生のお気持ち、わからないでもございませんが、このたびつくりましたスキームには、個別労働紛争の解決制度というものには、当事者間の話し合いを促進しよう、それで当事者間の自主的な努力によって紛争の円満な解決を図る、そこら辺を大きな項目といたしておりますので、当事者の出頭命令、先生が申しておられます文書提出命令などの強制的な権限を付すことは適当ではないというふうに判断しているものでございます。 本制度の運用に当たりましては、当事者双方に対しまして、本制度の利用によって紛争の簡易迅速な解決が図られるということは、やはりお互いにとりましてのメリットがあるということを私も思っておりますし、それらを十分説明申し上げることによって、事実関係の調査への協力を求めることによってその把握に努めてまいりたいというのが趣旨でございます。
○木島委員 本法案が、労働関係紛争の円満な解決を図る目的につくられるものだと承知をしています。そのためには、最終的には紛争状況にある両当事者、言ってみれば労働者と使用者の協力が必要だということも承知をしております。片方当事者が嫌だと言うのに、最終的な解決ができないことは当然です。そういう場合には裁判でやってくれということは当然です。 しかし、少なくとも一方の当事者から申し立てがあった場合に調査をする、調査権ぐらいはきっちり与える。私は、解雇問題でも労働災害問題でも、調査さえしっかりなされればある程度の合理的な案は提案できるし、嫌がる当事者をも合理的に説得して、裁判までには行かなくても円満、迅速な解決の道が開かれてくるんじゃないかと思うんです。調査を拒絶されて真相がわからなければ、まともな解決の道に進んでいくことなど門前からけられてしまうわけですから、せめて調査ぐらいは権限を与えていただきたかったと思うんです。 そのことだけ申し上げて、最後に、この紛争解決機関が本当に機能するかどうかは何にかかっているかといったら、やはり人的体制にかかっていると私は思うんです。相談、調査、助言、指導、あっせん案の作成、これら一連の手続を、労働局長や紛争調整委員会の委任を受けてといいますか、意を受けてきちっと行う人的体制ができるかどうかにかかるんじゃないかというふうに思います。 そこで、その問題についてお聞きします。 労働局長や紛争調整委員会を支える職員体制をどうするのか。調べによりますと、この法律ができますと、総合労働相談コーナーは全国二百五十カ所につくる。その内訳は、労働基準監督署には百九十三監督署に配置する。全部で現行は三百四十三の労働基準監督署がありますが、百九十三の監督署に総合労働相談コーナーを置く。労働局四十七局には置く、庁外センター十カ所に置くということのようであります。総合労働相談員は五百七十二人にしたい。現在人員は三百二十三人であり、総務部企画室から九十四人、新規配置の相談員百五十五人とのことでありますが、調べによりますと、実際に出先の労働基準監督署の人員が六十二人減員となる、減らされるとお聞きをしております。 そこでお聞きします。出先の労働基準監督署に総合労働相談コーナーがこれでもできないのが百五十カ所できます。なぜ置かないのか、ここに相談が持ち込まれたときもきちんと対応するのか。まずこの問題、答弁願います。
○坂本政府参考人 総合労働相談コーナーでございますけれども、お話がございましたように、全国二百五十カ所、監督署はそのうち百九十三カ所ということで考えております。できるだけ、紛争、余り多いことがいいわけではないんですけれども、紛争が都市部にかなり見られるというような状況を勘案しながら、そういった紛争が多いところを中心に配置する。それからまた、そういったところは、さらに監督署だけではなしに庁外にも、ターミナル駅周辺といった相談者の利用しやすい場所にも設ける、こういった形で対応してまいりたいと思っております。
○木島委員 最後になりますが、この法案が成立いたしますとつくられる紛争調整委員会は、現行雇用機会均等法に基づくあっせん等も行うことになるのです。現在の雇用機会均等法に基づいて行われているあっせん等には、セクシュアルハラスメント事件などは除外されているんじゃないでしょうか。今度は、この紛争調整委員会には、セクシュアルハラスメントなども紛争解決のためにテーブルにのせるということになるんでしょうか。なるんだと思うんです。 そこで、三人のあっせん委員が厚生労働大臣によって任命されることになるんですが、少なくとも三人のうち一人は女性委員を配置しなきゃならぬと私は思います。これはあえて、任命権者は厚生労働大臣でありますが、女性であります南野副大臣から答弁を求めたいと思います。
○南野副大臣 先生、ありがとうございます。 本当に、先生のような方がおられて、いろいろな部署に女性のトップリーダーを配置させていただければうれしいなというふうに思っておりますが、紛争調整委員会の委員といいますのは、産業社会の実情に通じている、また、法令や判例、企業の人事労務管理についても専門的知識を持っているという者を任命しなければこれはまた不幸な出来事になるのかなとも思っておりますが、そのうち、男女雇用機会均等法の調停を担当する委員につきましては、さらに女性労働問題についての専門的知識を持つ者を任命することというふうにいたしております。 また、先生御心配の、紛争調整委員のあっせんの対象となる紛争には、セクハラ、時には逆セクハラもあるかもわかりませんが、セクハラなど女性に多く見られる紛争も含まれておりますことから、委員の中に女性がいることが望ましい、これは本当に先生と同じ意見でございます。女性の積極的な登用に努めてまいりたい、そのように思っております。 先生の御示唆、大変ありがたくいただいておきます。ありがとうございました。
○木島委員 時間ですから、終わります。
○鈴木委員長 次に、金子哲夫君。
○金子(哲)委員 社会民主党・市民連合の金子でございます。 最初に、この法案の質問に入ります前に、厚生労働大臣に一つお尋ねをしたいと思います。 私どもは、六月一日の在外被爆者の大阪地裁判決に対して控訴を断念していただくように思いを強く持っておりましたけれども、本日、残念ながら国は控訴をされたということで、その点について強い怒りといいますか、抗議の気持ちを持っております。 昨日、郭さんが、関西空港を立たれるときに、また私は被爆者でなくなるんだという言葉を残して飛び立たれまして、その意味で、大変無念な思いの中で立たれたというふうに思っております。 そこで、きょうは大臣の御答弁はというふうに思っておりましたが、ぜひちょっと御答弁をお願いしたいのでありますけれども、きょうのお昼休みに、この件に関しまして、坂口大臣、記者会見をされたと聞いております。そして、私どもが聞いている中では、在外被爆者の問題については、外国に居住していようとも、やはりこの被爆者という問題に関しては何らかのことを考えなければならないのではないかというような趣旨の御発言をされ、また、そのためにはこれから法改正も含めた検討が必要だということをお話しされたと聞いております。 私どもは、先ほど言いましたように、基本的には、この控訴を断念していただければ、今の援護法でも、あの裁判の判決では当然のこととして在外被爆者の皆さんに援護法が適用できたというふうに今も思っておりますけれども、先ほどお話をされました記者会見での、この控訴を受けて後の厚生労働大臣としてお話をなさいました、これからの対処、在外被爆者に対する考え方について一言お聞かせいただきたいと思います。
○坂口国務大臣 金子先生にせっかくお越しをいただきましたのに、金子先生におこたえをすることができませんで、大変申しわけなかったと思っております。 いろいろ私もこの件につきましては勉強を続けてまいりましたが、結局のところは、一つは、この大阪地裁におきます判決とそして広島地裁におきます判決、この二つのことが、全く同じことで相反する結論を出している。日本国内に居住または現在する人にのみその権限があるか否かということを問うている。全く違った結論を出しているということでございまして、その双方の判決文を何度も読み返しながら、結局のところは、上級審にもう一度ここはお願いをしなければならないだろうという結論に達した次第でございます。 ただ、そうは申しますものの、一つの法律で全く違った裁判の結果をいただくというこの現在の法体系、これはやはり少し問題なしとしないと私は思った次第でございます。 しかも、四十九年に出ました局長通達でもってすべてをやっているというのは、これはやはり、どう考えましても、いつかも中川先生に御指摘をいただきましたが、これはやはり私たちも考えなければならない問題だというふうに思っております。 したがいまして、いわゆる被爆者としての要件、それから失権と申しますか失格をするときの要件、そうしたものをもう少し明確にしなければなりませんし、そのこととこれはかかわりがあるわけでございますが、外国に在住する皆さんをどうするかという問題があるわけでございます。 前回、この法律ができましたとき、そのときには私は野党でございまして、金子先生の方が与党でございまして、所を今変えているわけでございますが、その当時の皆さんのいろいろのお話をお伺いもしておるわけでございますが、法制局の皆さん方のその当時の法律をつくるに当たってのお話もお伺いをいたしましたけれども、その点の、外国に居住する皆さんのことについての余り深い議論というのはなかったというふうにお聞きをいたしております。そういうことで、法律はでき上がっていってしまいました。 しかし、法律は立法者のその当時の立法の意思とは別に、その時代時代の背景によってその法律の意味というのは新しく生まれてくるというふうに言われておりますから、現在的な社会的な背景の中で、新しい意味合いを持っているのかもしれません。 しかし、今のままでは諸外国の人たちに対してどうするかということが明確でない。しかし、この諸外国に住む人たちのことを考えなくていいかといえば、これはやはり国内に住む人たちと同じように考えていかなければならない、そのことの議論をやはりしなければならないと私は思っております。 したがいまして、その被爆者たる要件の明確化と、そして外国に住む皆さん方の問題をどうしたら一番いいかということを早急にひとつ議論をして、できればもう半年ぐらいの間に議論をして、ことしの暮れぐらいまでに議論を終わって、そして早く皆さん方におこたえをするようにしなければならないのではないかというふうに考えている次第でございます。 きょうも、記者会見の席上、記者の皆さんから、その結果としてそれではその人たちが一体今の国内の人たちと同じようなことにするということになったら、今のままでよかったじゃないですかというお話も出たわけでございますが、そこは今から議論をしていただくわけでございますので、私が今どうこうというふうに言うのはひとつ控えさせてもらいたい。しかし、私は、そういうふうになるということを縛るものでもないし、除外をするものでもありませんということを申し上げたわけでございまして、真摯に議論をさせていただきたいと思いますし、また、議員の皆さん方のいろいろの御議論もいただいて、その結論を得たいというふうに思っている次第でございます。
○金子(哲)委員 大臣が今回の決断をされるまで大変苦労されて、きょうの決断がされたと思いますけれども、私が申し上げるまでもなく、大臣自身が一番よく御承知のとおり、被爆者の皆さんが高齢化をされている。そしてまた一方で、先ほどの答弁の中にもありましたように、七四年の局長通達一本で、在外被爆者の援護法適用というものが、当時の旧二法でありますけれども、適用されないという事態の中で、放置できない問題であることはもうお互いが強く認識しているところだと思います。 この問題だけで長く質問することはできませんけれども、今言われましたように、ぜひ、在外の被爆者の皆さんが生きていてよかったということが言えるような援護行政というもの、援護法の適用の方向に向けて、また、時間的にも一日も早くという思いが強いわけでして、今大臣の決意がありましたけれども、改めてもう一度その決意をお聞かせいただきたいと思います。
○坂口国務大臣 今お話がございましたように、時間を余りかけているわけにはいかないというふうに思います。役所といたしましては、ハンセンの問題をやっておりますところと、この問題をやっておりますところが同じなものでございますから、これは大変だろうとは思いますけれども、しかし、時間の猶予は許されないわけでございますので、私は、役所の方には、今年のうちに結論を出してひとつ法案の改正に結びつけてほしい、こういうふうに言っているところでございます。
○金子(哲)委員 ぜひそのことを、ぜひ在外の被爆者の皆さんの長い思いにこたえていただくように、重ねて要望させていただきたいと思います。 さて、今回提案されております法案にかかわって、これから残された時間で質問させていただきたいと思います。 まず第一に御質問申し上げたいのは、今回の政府法案では、紛争調整委員会の設置に伴って、機会均等調停委員会については、機能を残しつつも名称を解消するということになっております。しかし、本来、個別紛争というものと機会均等調停というのは、全く性格が異なるものだと私は思っております。それを同一の委員会として取り扱うことには無理があるというふうに考えております。 これからの運営に当たって、機会均等委員会としての名称、機能が明確になるように十分に配慮をして運営されるべきだと考えておりますが、その点についての大臣の考えと、またあわせて、この委員の委嘱に当たりましては、これまで機会均等委員会におきましては構成が、当然のことですが、女性の皆さんにかかわりが深いということもありまして、女性の皆さんがこの委員の中に一定程度を占めていらっしゃるということを聞いております。この機能をあわせ持つということになれば、当然のこととして、今度の紛争調整委員会についても女性が一定の割合を占めていくというような委員構成の配慮というものが必要だと考えておりますが、その二点について、大臣の見解をお聞きしたいと思います。
○坂口国務大臣 今お話しいただきましたように、紛争調整委員会の委員というのは、産業社会の実情に通じた、法令ですとか判例、企業の人事労務管理等について専門的な知識を持っております人を任命することといたしております。このうちで、男女雇用機会均等法の調停を担当する委員につきましては、これらに加えて女性労働問題についての専門的な知識を持つ人を任命することにいたしております。 例えば、東京でありますと四チームつくることになっておりますが、その一チームは三人ずつで構成されることに予定をいたしております。そうすると、三人で四チーム、十二名ということになるわけでございますが、少なくともその中で一チームは女性問題、男女雇用機会均等法のことが中心にやれるようなチームにしていく。あるいは二チーム要るのかもしれませんし、それはその多さによると思いますが、少なくとも一チームはその中にしていくというふうにしていきたいと思います。そういうことになってまいりますと当然、女性の皆さん、この中に専門的な立場の女性の皆さん方にやはりお入りをいただかなければならないというふうに思っております。 男女雇用機会均等法を預かっております省でございますから、自分の省がその格差が大きくてはいけないわけでございまして、御指摘をいただきますとおり、男女の差をできるだけつけないように、できるだけ多くの女性の皆さん方にも御参加をいただけるようにしていきたいと思っているところでございます。
○金子(哲)委員 今東京の例が出ましたけれども、地方に参りますと、各県はほとんど一委員会三名構成ということになりますから、その中でもぜひ十分にその点については配慮していただきますように、要望しておきたいと思います。 続いて、私は、今回の個別労働関係の紛争調停にかかわっては、一番大きな相談者というのは一体どういう人たちだろうかということが問題になると思います。 地労委の場合には、御承知のように、これは労働組合が組織をされてやっていくことになりますけれども、個別問題で相談が多く出てくるのは、もちろんそういう組合のあるところからも相談がありますけれども、多くはパートの皆さんでありますとか有期雇用の皆さんでありますとか、そしてまた労働組合もないような中小の企業に働いていらっしゃる皆さんですとか、そういった人たちが多いというふうに思うわけですね。 そうしますと、紛争解決に当たっては、まずそういう立場の人たちがたくさん相談にいらっしゃる、また依頼が来るということを前提にしながら、すべての作業やすべての窓口も含めてですけれども、重要だと思うんですね。そしてまた同時に、これまで、個別紛争にかかわっては、多くの労働組合の皆さんが、地域紛争を中心にして個別で困っている人たちを組織していくというような形で労働組合がつくられたり、また労政主管事務所などにも当然これまでも相談があったと思いますし、弁護士など、さまざまなこれまでの豊かな経験があると思うわけですね。 その人たちの経験といいますか、そしてまた相談を受けている状況なども、できるだけ積極的に情報交換といいますか経験交流をこの政府機関が行っていくということが、この機能を本当に相談者の側に立って進めていく上に大切ではないかと思います。できれば、そういうさまざまな人たちとの定期的な情報交換や経験交流の場を設けていただきたいというふうに考えるんですが、いかがでしょうか。
○坂本政府参考人 個別労働関係紛争の解決のためには、これに各種の機関、団体が地域において取り組んでおるわけでございますので、そういったところと十分連携を図っていくことが重要であろうということで、今後とも積極的に連携を図ってまいりたいと考えております。 地域におきまして、個別労働関係紛争の解決のための相談ですとかあっせん等の活動を行っているいろいろな機関や団体、そういったところの経験を紛争解決に生かしていくということは大変重要だと思っておりますので、幅広い経験交流が図れるような場を設けてまいりたいと考えております。
○金子(哲)委員 ぜひその点をお願いしたいと思います。 それから、今回、総合労働相談員という人たちが設けられるわけでありますけれども、これはいろいろなさまざまな経験を持っていらっしゃる方がなられると思うのですが、公正な立場でこれを見ていくということは当然なことでありますけれども、そのためには、いわば外部から、個人を評価するというわけではありませんけれども、全体としての、総合労働相談員の活動全体をチェックしていく、評価していくようなシステムというのも重要ではないかというふうに考えております。個々を評価するというのは大変おこがましいことでありますけれども、全体としてどのような活動になっているかということが大事だと思います。 それから、先ほど私が申し上げたことでいいますと、例えばこの相談員の方が一義的に窓口になられるということになりますと、どういう立場の人がそこに相談員として立たれるかというのは、決定的なかぎになると思うのです。いわば、使用者側の経験の長い方であればそういう立場から物を見ていくということになりますし、また労働側から見ればそういう立場からこれを検討していくということになると思うのですね。 私たちも時々相談を受けるのですけれども、まず第一に大事なことは、どれだけそういう相談を親身になってまず聞くか。本当にその人たちが思っていらっしゃること、悩んでいらっしゃること、何が問題かということを、もちろんそれは労働基準法とか就業規則とかいろいろなことがありますけれども、しかしそんなことは、ほとんどの場合、労働者が毎日毎日日々の活動の中で気にかけているわけじゃなくているわけですから。そうしますと、そういうことを抜きにして相談に来られる人たちに、これをきっちりと受けとめていただけるような人たちを配置していく。 その意味では、私は、労働組合の経験者、とりわけ例えば中小労働組合の経験者だとか、そういう労働相談をよくやっていらっしゃる人たちとか、そういった人たちに、一定程度、推薦も含めて選出をしていく。そういうことでこの機能をより充実させていくということが大切ではないかと思うのですけれども、その点についてどのようなお考えでしょうか。
○坂本政府参考人 二点お話ございましたけれども、第一点目の、総合労働相談を含めた個別労働紛争解決制度の運営状況等について、外部からの評価というお話がございましたけれども、都道府県労働局に設けられます地方労働審議会、そういったところを中心にしまして、必要に応じて御意見を伺うなどによってその適切な運営に努めてまいりたいというふうに考えております。 また、総合労働相談員の委嘱に際しましては、これは労使双方から信頼を得られるような、公平公正な立場に立って相談を行えるような、そういった方を選任してまいりたいというふうに考えております。
○金子(哲)委員 ぜひ、次の質問とも関連しますけれども、当然のこととして総合労働相談員の執務要領等が作成されていくと考えますけれども、先ほど何度も繰り返して、私、一番そこが気になるものですから、何度も何度も繰り返すようですけれども、本当に相手に親身になって、いわばそれは法律でこうなっていますよというようなことではなかなかこの問題の真の意味の解決にはならないと思うのですね。 パートの皆さんとか、それから雇用期限が切られている皆さんというのは、いわば非常に不安定な人たち、その上でなおかつ、いわば相談に行けば、あるときには、相談に行ったことによってすぐ首を切りますとなかなか大きな問題になりますけれども、パートですから一カ月雇用更新だとかいうことになりますと、どうぞ次の日からはいいですよというようなことにもなりかねないところを含めて相談に来られる。深刻な状況の中で相談にお見えになるというのがこれからの状況だと思うのですね。 そうしますと、なおかつ、それに対して最初の出会いというもの、電話なども含めてですけれども、出会いというものが非常に重要になると思います。そういう意味では、その相談員の皆さんの執務要領などについても、先ほど申し上げましたこれまでいろいろなケースを経験された多くの人たちが、弁護士の皆さんも含めてですけれどもいらっしゃると思うのです。そういう人たちのできるだけ幅広い意見というものを聞いていただいて、そして、やはり経験豊かといっても、経験もいろいろあるわけでして、どういう立場の経験があるか。 私も実は十数年ほど働いておりましたが、今のNTT、電電公社に働いておりましたけれども、そういう大企業におりますと、また官庁などにおりますと、ある程度身分が保障されて、そんな不安な状況の中で労働経験をしたことが余りないわけですね。だから、実感としてそういう問題が、悩みが受けとめられない。ですから、そのためには、そこの相談員の資質と言うのは変ですけれども、やはり第一の受けとめが非常に重要だ。 そういうことでは、ぜひともその執務要領など、もちろんガイドラインとかそういったものについては今までの判例とかいろいろあると思いますけれども、第一次的な対応の仕方について、本当にきめ細かく、そして相手の立場に立ったものをつくっていただきたい。そのために、ぜひ作成段階に当たって、先ほど申し上げましたけれども、多くの経験を持っていらっしゃる皆さんに十分聞いていただいて、そういうものをつくっていただきたいというふうに思うのですけれども、その点、どうでしょうか。
○坂本政府参考人 総合労働相談員の執務要領でございますけれども、御指摘のように、相談にお見えになる方の多くが置かれている状況にかんがみまして、一つは、親切、親身な対応が確保されること、また二つ目には、公正さと実効性が担保されること、また三つ目には、相談者の身になった相談を行うこと、こういったようなことができるようなものにすべきであろう。それは行政の責任でやるべきものというふうに考えております。 また、総合労働相談のあり方等につきましては、関係労使の御意見も伺うなどしながら、適切な運営が図られるように努めてまいりたいと考えております。
○金子(哲)委員 先ほど申し上げました、その相談の際に、例えば法律や判例に照らして明白に違反行為を事業者が行っているような場合が当然あると思います。なかなか最近はそういうことが多くなっておりまして、残念なことですけれども、サービス残業の問題も含めてそうでありますけれども、非常に多くなっております。そういう場合には、当然のこととして、都道府県の労働局長の助言や指導によって労働者が不利益をこうむらないように迅速に処理をされるというふうに考えておりますけれども、そういうことでいいでしょうか。 また同時に、せっかくこの助言、指導などが行われるわけですけれども、残念なことにそれがなかなか受け入れていただけないというケースが、事象としては、強制力がない点もありますので、出てくると私は思います。そういう場合には、次の手段としては、例えば労働基準監督署などにも行ったりとか、簡易裁判所などもありますけれども、その際、もちろん適切な措置をとっていただくと同時に、できるだけその中で得られた情報というものが公表されていく、公開されていくということも相談者にとって非常に重要ではないかと思いますけれども、その点も含めて、もし御意見があればお聞かせいただきたいと思います。
○坂本政府参考人 相談にお見えになったその案件にもよると思うのですけれども、その案件が労働基準法などの実体法令に違反をしているということが判明した場合には、この法律による紛争解決制度ではなくて、それぞれの、労働基準法なら労働基準法に基づく監督指導等によって法違反の是正が図られるべきものであるというふうに考えております。この場合には、相談者に対しまして労働基準監督署を紹介するなどの対応ということになっていこうかと思います。 また、実定法の違反ではないけれども、判例違反といったような状況が明らかであるような事案につきましては、その旨を紛争当事者に対して指摘をしながら紛争の解決を促して、迅速な解決が図られるような指導を行ってまいりたいというふうに考えております。
○金子(哲)委員 最後に大臣にお伺いしたいと思いますが、先ほどから私はしつこく当事者の皆さんの問題を申し上げておりますけれども、まさに、今回これが本当に機能するかどうかというのは、パートの皆さんや相談に来られる短期の臨時雇の皆さんなど、大変弱い立場にいらっしゃる人たちの相談に対して、的確に、どれだけその人の立場に立って機能していくのかということが重要だというふうに私は思っております。そのことなくして、ただ単に法律上の解釈でありますとか、その点のただ右左の判断だけで物事が進んではならないというふうに思います。 また同時に、相談を受けたことによってその人が不利益をこうむるようなことがあってはならないと思います。不利益というのは即首を切るということでなくて、先ほど申し上げましたけれども、例えばパートの皆さんですと、一カ月先にはどうぞあしたからは結構ですというようなことがもし起こるとしたら、むしろこの紛争解決のための手段というのは結果としては労働者にマイナスの働きをするということになると思います。 そういう意味では、紛争解決の委員会なり相談員の役割というのは非常に重要だと思いますけれども、その点について、今の労働状況も含めまして、ぜひ、そういう働く人たちの弱い立場に立って、大変弱いところで働いていらっしゃる皆さんの立場にしっかりと立ってこの運営なり行政を進めていくということの決意を、大臣の方から一言お願いしたいと思います。
○坂口国務大臣 そこは御指摘のとおりだと私も思います。せっかくこういうシステムをつくるわけでありますから、本当に懇切丁寧に皆さん方に接していかないと、そこにお見えになります皆さん方は本当に法律のホの字もわからない方々が私は多いと思うんですね。だから、その皆さん方に、どこどこの法律にはこう書いてありますからこれを見ておいてくださいと言ったって、それは通用しないわけでありますから、本当に細かくかみ砕いて、そして皆さん方に理解をしていただけるようにお話をしていかないといけないと思うんですね。 ですから、よく役人仕事という言葉がございますが、偉いお役人さんがたくさんみえるのにこれは本当にしかられる話でございますけれども、ここにおみえになる方は別でございますが、いわゆるそんな言葉に当てはまるような仕事であってはいけないということを私も思っております。だから、そこはひとつ丁寧にやるように私からも皆さんにお願いをしたいというふうに思っております。
○金子(哲)委員 ありがとうございました。以上で質問を終わります。 ————◇—————
○鈴木委員長 次に、内閣提出、参議院送付、障害者等に係る欠格事由の適正化等を図るための医師法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。 なお、本法律案は参議院において修正されておりますので、その修正部分の趣旨についても、便宜、厚生労働大臣より説明をお願いすることといたします。坂口厚生労働大臣。 ————————————— 障害者等に係る欠格事由の適正化等を図るための医師法等の一部を改正する法律案及び同案の参議院修正 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○坂口国務大臣 ただいま議題となりました障害者等に係る欠格事由の適正化等を図るための医師法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 平成十一年八月に政府の障害者施策推進本部において決定された障害者に係る欠格条項の見直しに当たっての具体的対処方針等を踏まえ、障害者の社会経済活動への参加の促進等を図るため、国民の健康及び安全に関する資格制度等において定められている障害者等に係る欠格事由の適正化を図ること等を目的として、この法律案を提出することとした次第です。 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、障害者について欠格事由の適正化等を行うことであります。 医師等の資格制度、薬局開設等の許認可要件等において資格等を与えないこと等とされる欠格事由のうち、障害を特定しているものについて、障害を特定しないこととし、業務を行う能力に応じて資格等を与えることができることとするとともに、調理師等の資格や医師国家試験の受験資格等については、障害者に係る欠格事由を廃止することとしております。また、資格等を与えないこととする場合の意見聴取のための手続を設けることとしております。 第二に、法律上規定する意義が薄れている素行が著しく不良である者及び伝染性の疾病にかかっている者に係る欠格事由を廃止することであります。 第三に、医療関係資格の中で現在守秘義務規定が設けられていない保健婦、看護婦、准看護婦及び歯科技工士について守秘義務規定を整備することであります。 このほか、罰則の規定を整備することとしております。 最後に、この法律の施行期日は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日としております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要でありますが、この法律案については、参議院におきまして、政府がこの法律の施行後五年を目途としてその施行状況を勘案して検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする修正が行われたところであります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○鈴木委員長 これにて趣旨の説明並びに参議院における修正部分の説明は終わりました。 —————————————
○鈴木委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本案審査のため、来る二十日水曜日、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次回は、来る二十日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時五十八分散会