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151回国会衆議院2001/03/16

厚生労働委員会 第5号

発言数
84
登壇者
15
会派数
6
開催日
2001/03/16

会議録

鈴木俊一自由民主党

○鈴木委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案及び平成十三年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案の両案を議題といたします。  この際、お諮りいたします。  両案審査のため、本日、政府参考人として外務省欧州局長東郷和彦君、厚生労働省健康局長篠崎英夫君、職業能力開発局長酒井英幸君、社会・援護局長真野章君、年金局長辻哲夫君、政策統括官石本宏昭君及び社会保険庁運営部長冨岡悟君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木俊一自由民主党

○鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————

鈴木俊一自由民主党

○鈴木委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。三井辨雄君。

三井辨雄民主党・無所属クラブ

○三井委員 おはようございます。  民主党・無所属クラブの三井辨雄でございます。戦傷病者戦没者遺族等援護法の改正案の前に、KSDの事件の処分についてちょっとお伺いしたいと思います。  昨日、KSDの処分が発表されたわけでございますが、この事件に大きく関与しました村上、小山両参議院議員が逮捕され、大きく国民に衝撃を与えたと思うのでございますが、また、KSDから接待を受けた、昨日の朝日を見ますと、当時の労働省の幹部四十五人のうち、この十年間に二十一人の方が何らかの接待を受けていた。約半分の方がこのように接待を受けていたということは、国民から見ると、非常に不思議な世界なんだな、こういうぐあいに思うと思うんですが、また、これも旧厚生省の幹部の方が、当時の厚生次官が逮捕された特別養護老人ホームに絡んだ汚職事件がございました。この処分に比べて、旧労働省の全体の事件なのに、ほとんど厳重処分というだけで終わっているのは甘過ぎるのではないか、こう批判されておるわけですが、私も同感だと思います。これを見ましても、ほとんどが厳重注意ということになっております。  坂口大臣も給与を全額返納されるということで、痛恨のきわみだとお察し申し上げますが、今回の処分について、大臣も私から見れば大変お気の毒な立場だと思いますが、御見解をお聞かせ願いたいと思います。

坂口力公明党厚生労働大臣

○坂口国務大臣 御指摘をいただきましたとおり、一昨日でございますか、発表させていただいたわけでございますが、今述べられました四十五名というのは、今日までのKSD関係、アイム・ジャパン関係、そしてKGS関係、それらの関係の、関係をいたしております局の局長、課長、そうした皆さん方を大体全部拾い上げましたら四十五名いたということでございまして、その人たちを中心にしまして聞き取り調査を行ってきたところでございます。  過去の問題でございまして、十年前ぐらいなのもあるわけでございますから、もうかなり記憶の薄れているものもあるわけでございます。しかし、その辺のところはクロスチェック等もいたしまして、極力そこを正確に把握をするということに努めてきたところでございます。  大変残念なことでございましたけれども、旧労働省幹部職員に国家公務員として適切を欠く行為があったというふうに私たちも判断をしたわけでございまして、その全体の数は、今御指摘いただきましたとおり、二十一名。その中で、直接KSDの幹部から誘いを受けてという者はほとんどなかったわけでございますが、ごく一部であったわけでございますが、やはり政治家に誘いを受けて出席をしたといたしましても、たび重なることは、それは予測のできることでありますから、処分の対象にせざるを得ないというのが我々の判断でございます。  それで、結論につきましては、きのうは参議院の方の委員会で少し厳し過ぎるのではないかという御指摘を受けた点もございますが、きょうはまた、少し甘過ぎるのではないかという御指摘を受けるわけでございまして、さまざまな過去の例とも比較をしながら、いろいろの御意見があることを承知をいたしておりますが、いずれにいたしましても、全責任は私にあるわけでございますので、私自身につきましてもその責任をとるということで明確にしながら、職員の皆さん方の訓告、戒告も含めまして、八人に対して処分を申し渡したところでございます。  我々は厳正に処分を行ったというふうに思っておりますし、あらゆる角度からの検討もしてまいりましたが、完全に今回のKSDの関係のことがすべてこれで終わったかといえば、それはなかなか終わっていない面もあるわけでございます。今地検等の捜査に入っている部分との関連の部分もあったりいたしまして、全部が全部なかなか解明できない面もございました。今後、新しい事実が判明いたしましたならば、さらにその点につきましては、また改めてそこをつけ加えていきたいと思っているところでございます。

三井辨雄民主党・無所属クラブ

○三井委員 今大臣からは、きのうは厳し過ぎる。しかし、決してこれは国民から見れば絶対厳し過ぎるということはないと思うんですね。私たちから見ても非常に甘過ぎる。  きょうは時間が余りございませんので、ものつくり大学の補助金を出すために省令を改正したということについてお聞きしたいんですが、これも当時の労働省の元局長が、政治家に呼ばれて料亭に行ったら古関さんがいた、政治家に呼ばれたら断れないんだ、料金を払った記憶がないという、一部報道に取材を受けている。しかし、省令改正や補助金の関与については全く回答していないんですね。これこそまさに、今言われます政官の癒着ということにかかわる大きな事件ではないかなと思います。  そこでお伺いします。この省令改正に至った経緯及びその理由をお聞かせください。

坂口力公明党厚生労働大臣

○坂口国務大臣 ものつくり大学の設立は、物づくりを担う人材の確保でありますとかあるいは育成等を通じまして、我が国の物づくり基盤の強化に資するということから、平成九年の八月、旧労働省において、支援することを決定し、平成十年度概算要求を行ったところでございます。だから、予算といたしましては十年、十一年、十二年と、三年これで続いてきたわけでございます。  この予算を含みます政府の予算案は平成十年の四月八日に成立をしたところでございますが、これを受けて、当時の労働省におきましては、雇用保険法の第六十三条の能力開発事業として、ものつくり大学に係る予算を執行するために、同条に基づきまして、雇用保険法の施行規則の改正案を作成し、同九日に同施行規則等を改正する省令として公布、施行されたものでございます。したがいまして、この平成十年の予算をつくりますときに、予算をつくりますときの法律は、雇用勘定から出したわけでありますから、その雇用保険法の中の条文に照らして、六十三条の七項というのがあるわけですが、そこに照らしてこの財源は出しているわけでございますが、さらに、それを決定すると同時に、それを使用いたしますときの省令もやはりそのときに一応明確にしなければならないということになっているものですから、あわせてそのことを決定していた。  予算の方の成立が一歩先んじて、そしてその直後に政令の方を決定したということでございまして、こうしたケースはよくあるケースでございますから、これは雇用保険法を使うことがどうだったかというその根本の、根っこのところの議論というのは私はあるだろうというふうに思いますけれども、一つそこを決めた後の作業としてはこういうふうにせざるを得なかったのではないかというふうに思います。  その元局長が政治家に呼ばれたら断れないということを言ったということと、これは直接関係のない話だというふうには思いますけれども、それはやはり言葉を気をつけて言わなければいけないので、確かに、職員というのは、幹部というのは、政治家の皆さん方からいろいろ要望も受けなければなりませんし、出てこいというふうに言われることもあるだろうというふうに思います。しかし、そこでいろいろな話を聞くということはあり得ることでありますが、自分たちが関係をしている団体の幹部がそこに同席をしているということ、一番最初はわからないかもしれませんけれども、二回、三回というふうに回を重ねて同じことを繰り返すというようなことは、これはやはり職員として気をつけなければならないことであり、それはやはり問題なのではないかというのが私の認識でございます。

三井辨雄民主党・無所属クラブ

○三井委員 私は、このものつくり大学というのは、こういうことがなければ非常に発想としてはいい発想だと思うんです。しかしながら、こういう事件が起きた大学に入る、応募される方、この方たちのことを本当に私は心配しているわけでございまして、このものつくり大学の運営主体がどうなっていくのか、あるいは募集定員が何名なのか、そして今の応募状況はどうなっているか、お聞かせ願います。

酒井英幸厚生労働省職業能力開発局長

○酒井政府参考人 お答え申し上げます。  ものつくり大学につきましては、ことしの四月を開学ということで、それを目指してこれまで施設設備等は整えられてきておりますし、ただいま先生御指摘の募集定員につきましては、百八十名ずつの二学科三百六十名に対しまして、志願者が五百八十一名と聞いております。昨日B日程の試験が行われましたので、今のところでは、月曜日に最終的な合格者を発表する、そんな段取りになっております。  それから、納付金等についてでございますけれども、これは入学料、学費を合わせて、初年度で百五十万円ということでございます。  それから、経営といいますか運営はちゃんといくのかという御指摘でございますけれども、これは昨年文部科学省の専門審議会の御審議を経て、最終的に文部科学省の方で御審査をいただいた上で、運営体制につきましても大丈夫というふうなことで御承認をいただいておりますので、私どもとしては、その辺も大丈夫であろうというふうに思っております。  今後は、ひとつ開学をされてから、大学の方で運営につきましていろいろお考えになって、しっかりとした人材を育成するための運営をされていくものというふうに理解をしているところでございます。

三井辨雄民主党・無所属クラブ

○三井委員 将来、今三百六十名の方々がそれぞれ独立して自分の技術を身につけるという、その希望に胸を膨らませながら入学されるわけですから、ぜひともきちっとした経営をしていただきたいと願うわけでございます。  私も地元へ帰りますと、このバッジをつけていますと、むしろ、KSD事件あるいは外務省の機密費の問題等、金というバッジにかえたらどうなんだというぐらい言われるのですね、もう金とつけて歩けと。今回の事件は、我々にとっても非常に大きな事件だったと思うわけでございます。どうかこの機会に、ぜひともこういうことのないようにお願い申し上げたいと思います。  それで、次は、この援護法についての質問に入る前に、先週ですか、三月八日に開かれました政府・与党社会保障改革協議会で社会保障改革大綱のたたき台が示されたとのことですが、どういう内容なのか、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。簡単で結構です。

石本宏昭厚生労働省政策統括官

○石本政府参考人 現在、政府及び与党が緊密に連携しまして、社会保障改革の理念あるいは基本的考え方につきまして御議論いただいておりまして、御指摘の第三回会合におきましてはたたき台を御議論いただいたところでございます。  その中では、まず基本的理念でございますが、年齢や性別あるいは障害の有無にかかわらないで、個人が能力を十分に発揮できる社会を目指してはどうか、それから将来にわたって負担が過重とならず、経済、財政と均衡のとれた持続可能な社会保障制度を再構築する必要があるのではないか、また増加する社会保障の費用は、利用者負担、保険料負担、公費負担の適切な組み合わせで確実かつ安定的に賄っていってはどうか。また、基本的な考え方でございますが、医療につきまして、健康づくりあるいは高齢者医療制度への見直し、また年金につきましては、意欲に応じて働いて、年金と組み合わせた、いわゆる老後の生活ができるようにしてはどうか、少子化対策につきましては、子育てと仕事が両立できるような総合的な少子化対策を進めるというふうな内容が、たたき台とともに御議論いただいたところでございます。

三井辨雄民主党・無所属クラブ

○三井委員 では、今後のスケジュールを聞かせてください。

坂口力公明党厚生労働大臣

○坂口国務大臣 今政策官が言いましたのは前回の経緯でございまして、大体この三月中に大綱だけはまとめるということでございますが、大綱もいろいろでございまして、本当の大枠のところをここで決めながら、これからワーキングチームをつくって、そして、その中で年金でありますとか、医療でありますとか、そうしたものをさらに煮詰めていくということになるんだろうというふうに思います。  その最終がいつごろになりますのかよくわかりませんが、少なくとも、ことしの年末までにはその辺のところはまとめ上げるということでなければならないというふうに思います。  なぜかといいますと、来年のこの国会に医療保険に対する改正案を出させていただかなければならない約束になっておりますから、そういたしますと、秋ごろには、その大枠と申しますか、骨格と申しますか、その辺のところはつくり上げないといけませんから、それをだんだんとこちらの方に下げて考えてみますと、秋ごろには大体のことができ上がらなければこれはいけないということになりますので、少なくとも十月なり十一月のところには大体結論が出るということでなければ法律にできないと思いますから、そのぐらいのスピードではないかというふうに思います。

三井辨雄民主党・無所属クラブ

○三井委員 それでは、戦傷病者戦没者遺族等援護法についてお伺いいたします。  私も新人議員として、この援護法というのは初めてパンフレット等いろいろ読ませていただきました。昭和館も行ってまいりましたが、改めて、戦後五十六年を経た、いまだに傷跡がいやされていないんだなということを痛切に感じているところでございます。特に、在日韓国人、旧日本軍軍人また軍属の方々ですとか、国籍要件をめぐる訴訟の事例や、また中国残留孤児の方々の問題に対しても、もっとやはり解決されなきゃならないんじゃないかなと感じているところでございます。私も、戦中生まれでございますが、大戦の記憶は、昭和館を見たときに、おぼろげながら戦争の愚かしさですとか平和のとうとさを感じてまいりました。  本法案に対しては、先人の御労苦に対してしかるべき措置でありますから私は賛成をいたしますが、しかしながら、冒頭に申し上げましたように、社会保障改革の観点を踏まえるならば、やはり今後検討が必要であると思う点について何点かお伺いしたいと思います。  戦傷病者の障害年金及び遺族年金等の額は、本年も恩給の額の改定に準じて引き上げるとしておりますが、きょう、後ほど古川委員から質問がありますが、平成十三年度における国民年金法による年金額の改定等の特例に関する法案、こちらは、景気が悪くなると消費者物価指数どおりにスライドする、来年度は引き下げですが、急に変えるのもいかがなものかということで据え置きにしましょうという内容なんですね。  この対象になっているのは、国民年金に限らず、厚生年金、それから各共済組合、あるいは児童扶養手当、そして七つの手当が含まれているわけですが、このように、年金制度ですとかあるいは現役世代の諸手当は据え置きながら恩給の一部を引き上げるというのは、また、それに倣って援護の遺族年金の額を引き上げるということの根拠というのはどこにあるのかということと、とりわけ、障害年金の配偶者以外の扶養親族に係る扶養加給の増額があるんですが、この根拠というのはどういうところにあるんでしょうか。

真野章厚生労働省社会・援護局長

○真野政府参考人 援護年金は、創設のときに、当時は恩給が停止をされておりましたけれども、恩給に準拠いたしまして創設をされたということがございまして、援護年金そのものが、恩給の額の改定に準じまして額を設定するということになっております。  今回、恩給につきましては、十三年度、公務員給与の据え置きや消費者物価の下落という社会経済情勢にかんがみまして、基本額を据え置くということにいたしておりますが、遺族加算など特に措置を要するものについては、国家補償的性格を念頭に置いてその額が引き上げられるというふうに聞いております。そういう恩給に準拠いたしまして援護年金の額を引き上げるというものでございます。  また、後段の御指摘の配偶者以外の扶養親族に係ります障害年金の扶養加給につきましては、恩給法におきます扶養加給の額が、国家公務員の給与法におきます扶養手当の額に準じて増額される、扶養手当の額が増額されたということから増額をするということで、同様に増額をすることとしたものでございます。

三井辨雄民主党・無所属クラブ

○三井委員 障害年金、遺族年金、この受給者も年々減ってきております。過去五年間で年平均約三百六十人ずつ減っているというデータが出ておりますが、十一年度で四万三千三百三十二人、平均年齢も大変高く、七十五・一四歳、遺族年金の受給者は八十四歳であるということで、かなり高齢化が進んでおります。  この制度も、宿命的な課題ではあるんですが、財政面の観点からも、援護年金と恩給との整理統合が、事務の効率化ということも考えながらできないものか、お聞かせ願いたいと思います。

真野章厚生労働省社会・援護局長

○真野政府参考人 今申し上げましたように、援護年金は、恩給を停止されました軍人などに対する援護を行うために、昭和二十七年に、恩給に準拠して厚生省によります援護行政の一環として創設されております。ただ、昭和二十八年に恩給制度が復活されましたので、軍人については原則として恩給法で処遇するということになっております。  こういうふうに、先ほど来申し上げておりますように、援護年金は恩給に準拠して創設されたものでございますが、恩給は、軍人や文官という公務員を対象に退職給付を中心にした給付を行っておられます。一方、援護年金は、軍属や準軍属という、国との雇用関係または雇用類似の関係があった者を対象に障害給付及び遺族給付を行っておりまして、両制度には、対象者の範囲、給付の種類につきまして差異がございますので、統合というのはなかなか難しいのではないかというふうに思っております。

三井辨雄民主党・無所属クラブ

○三井委員 統合が難しいということでございます。  それでは、時間もございませんので、慰霊事業についてお伺いしたいと思います。  平成十二年の九月に、森総理が、厚生省に対し、ソ連抑留中の死亡者の遺骨収集について、戦後処理問題の重要性及び遺族等の高齢化にかんがみ平成十四年度中に遺骨収集をおおむね終了するよう指示したと聞いております。  埋葬地の調査は、対象埋葬地が五百八十二カ所のうち、調査済みが四百八十九カ所、また未調査埋葬地は九十三カ所。今までの調査のペースでいきますと十分に達成可能と思われますが、しかし一方で、この遺骨収集の収集可能埋葬地が約二百三カ所、一万五千柱のうち、既に収集済みの埋葬地は百三十一カ所、一万二百柱なんです。今後収集すべき埋葬地が約七十二カ所、四千五百柱もまだあるわけでございますね。  本来ですともっと、四、五年はかかるのではないか。これは平成十四年度中に完了できるんでしょうか。この見通しをお聞かせ願いたいと思います。

増田敏男自由民主党厚生労働副大臣

○増田副大臣 お答えを申し上げます。  なおまた、数字その他大変細かくおっしゃっておられましたが、ありがとうございます。  それでは、お答えを申し上げます。  今お話にもございましたように、平成十四年度中には何でもかんでも終わらせたいという総理の意向並びにまた戦後処理問題の重要性、遺族の高齢化、こういうことを考えまして、その方針で現在動いているところであります。  そこで、結論なんですが、どういうふうにやるか、できるか、このことでありますけれども、厚生労働省としては、平成十三年度中に、未調査の埋葬地について、七十二カ所とおっしゃいましたが、調査を終了することとして、十三年度及び平成十四年度において、収集可能な埋葬地での遺骨収集をおおむね終了させる。これがために、まず、埋葬地調査の拡充を図るとともに、より多くの方々に遺骨収集に協力していただけるように協力者等の自己負担の解消、今までこういうのを出してもらっていたんですが、それを解消して頑張っていこう。今後、OB職員や遺族会等の協力を得つつ、他の部局も含め、厚生労働省挙げて遺骨収集に取り組んでまいりたい。さすれば大体十四年度中にはということで取り組んでおります。  それが今の状況でありまして、私は、来年またお世話にならなきゃなりませんけれども、来年度予算等きちんと整いさえすればできる、こういう方向で歩みたいと思っております。いろいろの変化があって、想像しない変化があってちょっとストップになった場合は、先生御案内のとおりであります。  遠くはウズベキスタン、カスピ海の端まで地域があります。よろしくお願いいたします。

三井辨雄民主党・無所属クラブ

○三井委員 ぜひ、遺族の方の御労苦も酌みながら、早く十四年度中に終えていただきたいなと願うところでございます。  ちょっと時間が来たんですが、最後に、昭和館の運営についてお伺いしたいと思います。  平成十一年にこれは建てられたわけでございますが、外観を見ますと決していいものには見えないんですが、しかし中を見学して、私は見せていただきましたら、本当にすばらしい、ハイテクを駆使した施設でございまして、音響、映像、それからレコードも、何か聞きますと三万六千枚ということで、日本一のレコードがここに集まっているんだということで、久々に蓄音機という懐かしいものも見させていただきました。  この施設が、十二年度では五億八百万、十三年度では六億二百万ということが計上されています。これは遺族会が運営されているわけでございますけれども、これがずっとこのまま続いていくのか。  そして、入館者が、初年度においては約十七万強の方が見学に訪れています。しかし、翌年は三割減っているんですね。そうしますと、私が行ったときも中学生ですとかあるいは小学生の方はバスで団体で来られていましたけれども、内容に非常に乏しいなと私は思ったのは、戦争というのは悲惨なものなんだという、このハイテクを駆使した中の物は確かにすばらしいんです、ですけれども、その実感がそこにあらわれているかといいますと、私はそれは感じませんでした。私たちのような戦中派は、確かに防空ずきんですとか、あのころは大変な買い出し列車が走った、そして銀座のあの爆撃に遭った跡とかもきちっと映像になっておりましたけれども、これだけ入館者が減っているわけですから、私は、広報活動をもっと積極的にしていただきたい。  特に、財政改革、構造改革含めまして、今国民は生活あるいは経済の不安におののいている、あるいは老後の問題も心配されている中、ぜひとも有効なお金の使い方をしていただきたい。せっかくでき上がった施設ですから、これを多くの人に見ていただくということを最後にお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

鈴木俊一自由民主党

○鈴木委員長 次に、古川元久君。

古川元久民主党・無所属クラブ

○古川委員 民主党の古川元久でございます。  私は、国民年金の年金額の改定の特例法について質問をする前に、やはり一言、先日発表されましたKSDと厚生労働省との関係についての厚生労働省内の処分について、大臣の御見解をもう一度たださせていただきたいと思います。  と申しますのも、今回の問題、特に旧労働省でいいますとリクルート事件とかがあって、そういう反省に立っていたにもかかわらず、こういう問題が起きた。私はかつて大蔵省に勤務しておったわけでございますけれども、大蔵省でも、私がやめた後でございますが、金融機関等の過剰な接待の問題とかそういうことが起きまして、世の中の大変に厳しい御批判があって、大蔵省でもかなり大規模な調査をして処分を行いました。先ほど私は大臣のお話を聞いておりましたが、何か今回の処分は大変に厳しいという話まできのうの委員会であったとかいうお話がありましたが、その当時の大蔵省の処分、世の中では大変甘いと言われたんですね。  そのときに、じゃ、どれくらい大蔵省は処分したかというと、まず、今回の戒告よりももっと上の停職が一名で減給処分が十七名、今回一番重い戒告を受けているのが一名ですけれども、戒告は十四名、文書の厳重注意とか口頭厳重注意も含めますと、百十二人処分を受けているわけですね。これでも、私たち国民の一般の感覚からすると軽いという当時たしか御指摘があったと思うんですね。  ですから、私は、坂口大臣は今までの大臣よりもより国民の感覚に近いと思っておるわけではございますけれども、そうであれば、御自分の給料を返上する、それは大変に私はトップの姿勢としてあるべき姿であり、すばらしいことだと思いますが、この中身を見て、十人だけ処分をして、しかも一番重いのは戒告ということで、これで本当に厚生労働省が襟を正してこれからちゃんとやっていくという姿勢が国民に対して示されたものと言えるかどうか。私は、この大蔵省の接待汚職事件とか比較してみても、極めてこれは軽い処分ではないのかなというふうに思うんですね。それが普通、一般の国民の皆さんも思われることじゃないかと思います。  そしてまた、今回の場合は、とりわけKSDから行政に対する働きかけによって行政の政策決定が大きくゆがめられたという可能性がかなり指摘された、そういうのを受けてこういう調査に入っているわけですね。私は、大蔵省の接待汚職事件が決していいことだと思いません、これは本当に問題でありますけれども、しかし、あのときは、要は過剰な接待を受けてわいろをもらったとか、そういうような問題が問題になったのであって、政策が直接ゆがめられたとかそういうことが問題になっていたわけでは当時はなかったと思います。  そういうことから考えると、行政がゆがめられた可能性がある、そこから始まって、こういう接待をされているとか、ゴルフをしているとか、そういうことの調査に入ったにもかかわらず、そこの点に関しての、行政の政策決定においてKSDの働きかけ、こういうものがどういう影響があったのか、そのことについては、政策的には全く関係ありません、そういうような御発表で、とにかく、ただ会食とかゴルフを受けた、そういう接待が問題だということで、そこだけしか処分の根拠事由になっていない。これはやはり、どうも一般の国民の皆さんの感じからすると理解できないことじゃないか。  中には、これはOBになったからなかなか難しいのかもしれませんけれども、処分相当という何かよくわけのわからない、これは処分なのか一体何なのか、非常にわけのわからない、そんな処分といいますか、そういう取り扱いもあるわけでありまして、やはり、この辺のところは、厚生労働省がこれから襟を正してしっかりと、坂口大臣のもと、新しい一歩を踏み出すというのであれば、よほど、世の中から見ても、ここまでやって一から出直すとか、そういう決意を示していただくということが非常に大事じゃないかと思うんです。  この点に関して、先ほど来の大臣のお話を聞いておりますと、いや、また新しい事実が出ましたらそのときには厳正な措置をしますというお話がありますが、ちょうど、たまたま私、大蔵省から、平成十年の処分をしたときのペーパーをきのうもらいましたら、その最後に、「なお、今後新たに具体的な事実が判明した場合などには、改めて厳正な処分を行うこととする。」という文言があるのですね。何かこれは、大蔵省の処分をしたときのを見てそのままとって、厚生労働省がまたつくって、それを大臣は話していらっしゃるのじゃないのかな、そんなことさえもちょっと思ったわけでございます。  新しい事実ということであれば、大臣、これはKSDが今回のいろいろな労働省の政策決定に影響を及ぼしたかどうか、そういうこともこれからいろいろな裁判の中でも明らかになってくると思いますが、そういうことも含めて調査をし、そして、そういう事実が出てくれば処分をする、そこまで含めている、そういうこととして理解をしてよろしいのですね。これはただ単に、また接待とかゴルフを受けていたということであったらそれで処分する、そういう非常に限られたことじゃなくて、発表された処分の報告書の中では政策決定がゆがめられたことはないというふうに言っているわけでありますが、今後もその点についてはよく精査をし、そして調査をしていく、そういう形で今後ともしっかりと見ていく、そういうことと考えてよろしいのですか。

坂口力公明党厚生労働大臣

○坂口国務大臣 いろいろの御指摘がありますことは、私も十分存じ上げているわけでございます。  それで、現在、東京地検等がKSDの書類を全部持っていきましていろいろの今作業を進めているという段階でございますから、全部のことにつきまして、今それを徹底的に調べるということはでき得ない状況にあることも事実でございます。ここは御理解をいただきたいと思うわけでございます。  今御指摘になりましたように、今後、いろいろの検察の方の結論も出てくるであろうというふうに思いますし、そうした中で、我々がそのことをもっと真剣に受けとめなければならないような事実がもしもありといたしましたならば、それは、宴席に招かれたとか、ゴルフだとかというようなことに限られたものではなくて、全体的にそうした問題を見てそれは対応しなければならない。そういう意味で、今回は、これで終わりではなくて、これは現在までの中間的な一つの御報告であるというふうに私は申し上げたわけでございまして、今先生が御指摘になりましたことを私も十分に認識しているつもりでございます。

古川元久民主党・無所属クラブ

○古川委員 こうした問題について、今私は霞が関に対する国民の信頼が非常に失われている。霞が関に多くの問題があることは事実でありますけれども、しかし、行政として、やはりしっかりと国民のために仕事もしてもらわなきゃいけない。  そのためには、やはり国民の信頼というものをしっかりと維持することが必要で、大蔵省などはもうすっかり、これだけ処分したにもかかわらず、それは内輪では厳しいと思っていても国民全体から見れば厳しいとは思われないで、その後の大蔵省が信頼を失っていって、なかなか今では、財政規律を考えても、一体大蔵省は何をやっているのだ、財務省は何をやっているのだ、かつてのプライドとかはどこへ行っちゃったのかというくらいに萎縮しちゃって、信用もなくなっているわけでありますけれども、結局、こういう内輪だけで納得するような、そういうことでは、長い目で見れば厚生労働省自身の信頼感を失っていくということにもなるわけです。  ですから、ここは今大臣、あくまでこれは中間的な処分だというお話がありました。ですから、ちゃんとしっかり、本当に行政の政策決定と今回のKSDの働きかけの間に関係があったのかなかったのか、そこまでもぜひこれからもきっちりと調べていただいて、そして本当の意味で私たち国民全員が納得できるような最終的な処分そして結果というものを一日も早く明らかにしていただきたいということをお願いさせていただきまして、本題の方に移らせていただきたいと思います。  今回の国民年金の年金額の改定の特例に関する法案でございますけれども、これは昨年も物価が若干下落しているにもかかわらず据え置きになって、今回も、ことしも、昨年が〇・七%の物価下落だということで、一昨年のと合わせて一%下落ということでありますけれども、そのまま給付額は下げないということで出された法案でありますけれども、もともと、今の制度からいえば、これは完全物価スライド制をとっているわけでありますから、なぜ完全自動物価スライド制をとったかといえば、これは年金額の実質価値の維持を目的として導入されたというふうに聞いております。  そういうことであれば、実質価値を維持するということであれば、物価が下落すれば当然それだけ年金額も下げるというのがその原則に従っているし、その法に従っている措置であるわけでありまして、このような特例措置によって二年間も物価スライドしないということになりますと、この完全自動物価スライド制というのはだんだんと何か形骸化してしまうのじゃないか。とりわけ、年金、将来不安を大変に持っております現役世代からすると、ただでさえも自分たちは負担額が多くて将来もらえないのじゃないかと思っているのに、ますますこれは将来のツケが重くなるのじゃないかと。こういう本則を曲げて特例特例ということを毎年やっておりますと、やはり年金制度自体に対する信頼感を損なう可能性が非常に高いと思うんです。  ですから、そういった意味では、こういう物価スライドを実施しないというときには、しっかりとしたその理由を明確にして、国民の、若い世代、現役世代も含めて納得できるような説明をしていただかなきゃいけないと思うんですが、そこについての御確認の御説明をよろしくお願いいたします。

坂口力公明党厚生労働大臣

○坂口国務大臣 年金の話に入ります前に一つだけ、先ほどのKSD絡みのことについて申し上げますと、私もこの職につきましてから、過去の経緯をずっと調べてまいりました。その中で、古川議員が非常に早くからこの問題に関心を持っていただいて、この委員会と申しますか、旧労働委員会だったというふうに思いますけれども、お取り上げをいただいた、そのことが一つの大きな契機としてこの問題が進んできたというふうに私は見ておりまして、そういう意味では大変敬意を表したいと思いますし、そして御指摘をいただいたことに感謝もしたいと思っている次第でございます。思っていたものでございますから、今一言つけ加えさせていただきました。  そして、年金についてでございますが、一昨年に〇・三%下がりまして、昨年に〇・七%ということで、合わせて一%下がったわけでございます。本来は物価変動に応じて年金を改定するのが原則でありますから、年金だけのことを考えましたら、これはもう、一%下げさせていただくというのが本意だろうというふうに思います。しかし、御存じのとおりの現在の経済状況の中で、大変個人消費が低迷をしております中で、年金生活者の皆さんに対して何ら手当てができないこの状況の中で、果たしてこれを年金だけのことを考えて下げることができ得るかどうか大変悩んだわけでございますけれども、ここはやはり据え置きにさせていただかざるを得ないだろうという結論になったわけでございます。  この物価スライドは、今までのどちらかといえば右肩上がりの時代の一つの考え方のもとに物価スライドというのは入ってきたというふうに私も思っておりますが、それが最近はそうではなくて、デフレという言葉を使っていいのかどうかわかりませんけれども、こういう状況の中で上げる下げるの話をしなければならないというふうに、初めこのことを決めました当時とはかなり内容が異なってきているというふうに思います。  したがいまして、これから先、それでは、こうしたことが再び起こったときに、また来年どうなるかわかりませんけれども、例えば来年〇・五%下がりますとか、一%下がるというようなことになったときに、一体それではどうするのかという問題が起こってくるわけでございますから、今後この物価の変動等と年金とのかかわりの問題につきましては、もう一度、一遍考え直してみる必要がある。そして、基本的に考え方を考え直して、そして新しい考え方のもとにスタートをしなければならない時期に来ているのではないかというふうに思っている次第でございます。

古川元久民主党・無所属クラブ

○古川委員 今大臣の方からもお話ございましたけれども、デフレ的な状況がことしから急にインフレに振れるという保証もないわけでありますね。ですから、今回の法案の中には、去年と違いまして、附則で、今回の二年続けて特例措置が講ぜられることに伴う財政的な影響を考慮して、次期の財政再計算までに、後世代に負担を先送りしないための方策について検討を行って、その結果に基づいて所要の措置を講ずる、そうした規定が附則にあるわけでございますけれども、それこそ財政再計算のときまで待っていたら、では、これから後二年もしデフレが続いたりとかしたらどうするんだということもあるわけですね。  ですから、それはそうあってはほしくないですけれども、やはりいろいろな場合を考えていかなければいけない。それで、毎年毎年、特例特例、それこそ赤字国債の発行じゃないですけれども、特例法だと言いながらほとんど毎年、何十年もやっているような形になると、一体これは特例法じゃないじゃないかということになってくるわけでありまして、そうなりますと、今大臣の言われた、今の制度自体の見直しというものも、財政再計算まで待っているような話じゃなくて、これはもう早期にやはりどうすべきかということをしっかりと検討して決定をする、そのことがやはり現役世代の年金制度に対する信頼というものも確保していくものになるのではないかと思います。  今のお話を伺いますと、そもそも今の完全自動物価スライド制というものの是非も含めて検討されるのかなという、そんな感じにも思いましたが、その点については大臣はどのようにお考えなんですか。

桝屋敬悟公明党厚生労働副大臣

○桝屋副大臣 私の方からお答えを申し上げたいと思いますが、今の議論を聞いておりまして、このままいきますと来年どんなふうになるのかと思って、私も大変心配をするわけでありますが、大臣が先ほど言いましたように、一%下がるなんということがないように、古川委員と同じように祈る気持ちであります。  今、古川委員からもいろいろ御指摘ありましたが、附則を引いていただきましたけれども、具体的には今回、次期財政再計算までの間に検討していくということになるわけでありますが、それでは遅いではないか、こういう御指摘でもあったわけであります。  具体的に、この附則に基づいてどういう対応をするかということでありますけれども、もちろんこれは、次期財政再計算において年金額等を改定する際に今回の二カ年続いた特例措置の財政影響を考慮するということもありますでしょうし、それから今御指摘のありました、前年のみの消費者物価を指標としたただいまの自動物価スライド制、これが本当にいいのかどうか、この規定も見直す必要があるのではないかということも含めて私どもは検討しなければならぬ、こう思っているわけであります。  先ほど委員からも、場合によっては年金は物価が下がれば下げていいのではないか、そういう声もあるというお話もありましたけれども、これはまことに年金制度を考えるときに難しい問題だというふうに私は思っているわけであります。  いずれにしても、これから年金をどうするかということを考えるときには、やはり経済状況をどう見ていくのかということが一つあるだろうと思います。今の状況は、先ほど大臣が申し上げましたように、今までにない大きな変動でありますから、この状況がどうこれから推移していくのかという見きわめが一つ要るということでありますし、さらに、では、物価が下落した場合に年金制度にどう影響を与えていくのか、本当に下げるという、特に下の方の問題でありますけれども、ここは慎重に私は検討する必要があると思っております。  いずれにしても、この異例とも言える経済状況、この推移等も見ながら、今後の社会経済状況がこれからどうなるのかということも十分見きわめながら検討させていただきたい、このように思っております。     〔委員長退席、森(英)委員長代理着席〕

古川元久民主党・無所属クラブ

○古川委員 確かに、今の経済状況の中で、私も今年金額を下げるのが好ましいとは思いません。  ただ、筋からいえば、やはり完全自動物価スライド制を入れた、法律で決めたという以上はそれをきちんと守っていかないと、最近の政治に多いのは、決めておいてすぐころころと変わる、余りにもそうなりますと、では法律で決めたことは何なのと。決めてもすぐ、ちょっと都合が悪いと、ペイオフでも延期しますと、またきのうの夜も、何か亀井さんが、場合によれば来年また一年延期しますなんて話をテレビで言っておられましたが、ああいう、政治家が言ったことを、法律で決めたことをころころ変えるようなことをやっていては、一体この国は法治国家なのかと。法治国家というのは、ちゃんと法律で決めたことはやるということですよね。それは法律全体に対する、政治全体に対する信頼感というものがありますから、逆に言ったら、もう今の法律が実態に合わないということであれば、これは制度的に、根本的に見直すということが私はあるべき姿じゃないかと思います。  ただ、ことしに限っていえば、それは今の経済状況の中で御指摘のように年金額を下げるというのは大変に厳しい状況にあると思います。しかし、これも少しよく考えてみると、今の年金制度自体にそういう下げることを非常に困難としている背景があるのじゃないかと思うのですね。  今回、もしそのまま物価スライドを適用しますと、国民年金、今六万七千円満額もらっていると、月額六百七十円ぐらい下がるということになるわけなんですけれども、現実的に平均的な国民年金の受給額を見ると、これは五万円ちょっとですよね。しかも、四万円未満の人が、きのうちょっと調べてもらいましたら、受給権者の三分の一は四万円以下なんですね。そういう人たちにとっては、たくさん年金もらっている人からすればわずかな何百円かの値下げじゃないかといっても、やはり少額受給者にとっては大変にこれは厳しい。こうした、中には本当に一万円とか二万円というような人たちも三十万人を超えているわけです。ですから、こういう状況を見ますと、こうした低年金者のいるような点、私は、そういう年金制度をそのまま放置しているという点に、こうした完全自動物価スライドができない、そういう背景もあるのじゃないかと。  ですから、これは大臣の所属しておられる公明党も、基礎年金部分については税方式にして、そこの部分はまさにだれもが最低保障年金が受給できるように、そういう制度改革をしていくべきだというふうにたしか主張しておられたと思うのですが、そういうことをやっていけば、これは物価がこういうふうにずれたときにはそれをちゃんと適用していくということもできることになってくると思います。  ですから、そういった意味では、私ども民主党は、一日も早く基礎年金の改革をやるということが大事でありまして、そこは大臣も同じようにお考えだと思いますけれども、ぜひこうした、特例特例、例外例外ということで、法律に対する信頼感がなくならないように、そのためのやはり基礎的な、基本的な、基礎年金の部分の改革というものに一日も早く手をつけていただきたいというふうに思います。  最後に大臣の御決意をお伺いしまして、質問を終わりたいと思います。     〔森(英)委員長代理退席、委員長着席〕

坂口力公明党厚生労働大臣

○坂口国務大臣 年金そのものに対する、これからどうしていくかという大きな問題もあると思います。それに、あわせて物価スライドをどうするかという部分的な問題もあるというふうに思います。全体の問題も、そう遠からない、一年か長くても二年、この一、二年の間に整理をしなければならない話だというふうに思っておりますが、しかし、その中の物価スライドのことは、もう一つ、来年までに、ことしのうちに決着をつけておかなければならない話だというふうに思いますから、早急に検討に入りたいと思います。

古川元久民主党・無所属クラブ

○古川委員 大臣のそのお言葉を信じて、質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。

鈴木俊一自由民主党

○鈴木委員長 次に、佐藤公治君。

佐藤公治自由党

○佐藤(公)委員 自由党の佐藤公治でございます。  きょう、質問に当たりまして、十時十五分にはここから大臣を出させてあげますので御安心くださいませ。  もう一つは、この二法案に関しては賛成の方向で考えております。そういうことを前提に質問をさせていただき、また御答弁をいただけたらありがたいと思います。  私も、この二法案に関しては、多くの援護を受けられる方々、受給者の方々、やはり立場を考えれば多少でも上げていかなくてはいけないということを思う部分がございますが、ただ、物価スライドというか、そういうものを上げていく、また下げていく、またそれをあえてとめていかなくてはいけない、こういうことに今回のことが不明な点が多いように思えます。先ほども質問にもございました現役世代の人たちに対して、このたびの〇・三%、〇・七%、合わせて一%というものがとめられているというか、このままでいくということに関して、理由、それがなぜ行われるのかということはまだまだ不明な部分が多々あると思います。  そういう部分に関して、私どももいろいろなことを読ませていただく中、現在の経済をかんがみというか、情勢を見てそういうふうに御判断されたと思うんですけれども、先ほど大臣が、今のこの御存じのとおりの経済状況ということをおっしゃられたんですが、この現在の経済状況というのを一体全体大臣はどう御認識されているのか、簡単にお答えくださいませ。

坂口力公明党厚生労働大臣

○坂口国務大臣 ここは財務大臣に御答弁をいただかなければ、私がいいかげんなことを申し上げるのはかえって混乱を招くもとになると思いますから本当は割愛させていただきたいわけでございますが、余り何も言わないのも大変失礼でございますから、私の感じておりますことだけ申し上げたいというふうに思います。  この年金の例を見ていただきましてもわかりますとおり、十一年が〇・三%、それで十二年が〇・七%、こういうふうに二年連続して物価下落が続いてきたということは、戦後これで五十五年ありますけれども、その中ではなかったことだ、初めて経験することだというふうに思います。  このことを、現在の状況をデフレというふうに言うか言わないかは定義の問題もあるというふうに思いますけれども、しかし、二年続いて物価下落が続いている、さらに今後も続きそうだという状況は、やはりデフレ傾向にあるんだろうというふうに私個人は思っておりまして、そうした中でいろいろのものを考えていかないといけない。雇用の問題もしかりでございますし、年金の問題もしかりだというふうに思っている次第でございます。

佐藤公治自由党

○佐藤(公)委員 今の大臣の御答弁の中で、経済に対する認識ということ、私の方からお願いしたいことは、大臣も今の問題点、経済状況、国家の状況、社会状況をよく御理解していただき、そこにやはりきちんと問題点を持っていただき、その中で年金がどうあるべきか、厚生行政がどうあるべきかということをぜひお考えになっていただきたいかと思います。  先ほどの御答弁ですと、私は本来は納得いきません。大臣がどういうふうに経済を本当に考えているのか、そこをきちんと明確にした上でこういうものが論議が進む部分があると思いますので、ぜひこれからはそういう部分をきちんとはっきりお答えになれるようにお願いをしたいかと思います。  物価スライドなんですけれども、これは恩給に準拠する、いろいろなことでこの大もとになる消費者物価指数というものがございます。この消費者物価指数は総務省の管轄のデータでございますが、これは五百八十品目にわたっての物価を調査しながら、ウエート方式等を取り入れながら数字を出してくるんですけれども、この中には、実を言いますと、もう御存じだと思いますが、税金のこととか貯蓄のこと、そういったもろもろのことは別に含まれてはおらず、単なる五百八十品目の物価をすべて調べ上げ、それの平均値を出す。しかも、それを十段階に分けた状況でのデータも出ております。  今こういうふうに、物価スライドを消費者物価指数というものを基準にしてそのままで考えていく、そのまま上げるということが、果たして本当にそれで今の時代いいのかどうか。現在の経済状況を考えてそのままスライドするという法律がある、恩給に準拠する、これは結構です。だけれども、その大もとになるデータが果たして本当に今の時代の年金制度、スライドに合うのかどうか、私は非常に疑問に思います。実際問題、他方においては現在の経済状況、雇用情勢、やはりいろいろなことを、貯蓄率を考えながら今回こういうふうにされたんだと思いますが、ちょっとその辺のあたりが非常にあいまいなわかりにくい状況、納得しにくい状況になっているかと思います。  この消費者物価指数、こういうようなものが本当にいいのかどうか。大臣、いかがお考えになられますでしょうか。

坂口力公明党厚生労働大臣

○坂口国務大臣 佐藤議員が今御質問いただいている内容を十分に私理解できておりませんので、どういうふうにお答えしようかなと思いながら今立ったわけでございます。  御指摘いただいているのは、消費者物価指数のとり方と申しますか、五百八十品目ありますその品目のとり方がこれでは問題があるという御指摘をしていただいているのかなというふうに思いながら今お答えをさせていただいているわけですが、もしもそうであったといたしましたならば、これは五年ごとでございますか、ずっと見直しをしているわけでございまして、その時々でやはり見直しをしていかないといけない問題だというふうに思います。  ただ、年金だけに通用する消費者物価というのを別につくるのかどうかというようなことになってまいりますと、これは、年金生活者といえどもいろいろな生活をしているわけでございますから、特別な何か指数をつくるというのもなかなか難しいのかな。子供さんのおもちゃの値段も入っている、若い人たちの問題も入っているというようなこの消費者物価指数の中で考えていくというのがやはり一つの原則ではないかなという気が私はするわけでございますが、あるいはここは先生と多少意見が違うのかもしれません。もう少しお話を聞かせていただければと思います。

佐藤公治自由党

○佐藤(公)委員 大変申しわけございません。あいまいな質問で大臣が答えにくいかもしれませんけれども、これは、実際問題、消費者物価指数というものを大臣が一回よく見ていただいて、その中においては、年齢階級別ということで十段階に分かれて、六十五歳以上、もしくは六十歳から六十四歳というようなことの消費者物価指数というものも出ております。これは平均値と当然異なってくることであり、今回の場合だけをとらえて見れば、実際問題、この二年間で、六十五歳以上の方ということを考えれば、マイナス一・三%になります。  こういうことからしながら、これを平均化して、すべての年代層をやって今初めてマイナス一%ということなのですが、恩給を受けられている方、援護を受けられている方、年金を受けられている方、果たしてこの年代を、平均化の中での指数を取り入れるべきなのか、また、こういう正確なデータが出ているのであれば、こういう年齢別の部分を選んだ上での考え方をすべきなのか。それは、あるときはふえるときもあり、あるときはもっと減るケースもあるかもしれない。多く上げることにこしたことはないかもしれませんが、その辺、状況を見ながら考え、今後の検討材料にしていただけたらと思います。  なお、そういう部分においては、今後、先ほど大臣がおっしゃられましたように、この消費者物価指数ということだけではなくて、やはりそれには、税金の問題、いろいろな社会状況の数値をいろいろと取り入れながら、そういうことの指数化をする努力もしくは検討ということをされることも一つの案だと思います。  そういう意味で、現状のままでいいのかどうか、もともとの数字をこういう形で考えていいのか。実際問題、消費者物価指数のできた経緯、経過、もしくはこれを当て込んだことの大もとの考え方を局長の方から答えていただけたらありがたいと思います。

辻哲夫厚生労働省年金局長

○辻政府参考人 この御説明に当たりまして、まず前提として、年金水準をどのようにセットしているかというところからの御説明を必要としますので、いたしたいと思います。  基本的には、年金は、五年に一回財政再計算を行いまして、給付の水準、それに伴う現在、将来への負担の水準を決めるということになっておりますが、その際には、例えば基礎年金につきましては、高齢者の消費者支出といったような支出実態を、消費者物価指数だけではなくて原点まで立ち戻りまして、そのようなものを勘案して決めるという作業を五年に一回いたしております。  そして、あと五年間の間をどう維持するか、どう実質価値を維持するかということで今の物価スライド制がとられておりますが、消費者物価の内訳についてさまざまな数字があろうと存じますけれども、生活実態そのものに迫れば、やはり高齢者の住まい方から生活のあり方から非常に多様で、それはやはり五年に一回の水準で見直して、そして五年の間の実質価値の維持というのは消費者物価全体で行うということが適切ではないか。  そして、この点は、国際的にもおおむね大きな改正の間の水準維持は消費者物価によって行われておって、その消費者物価はいわば全世代の消費者物価を使っておるということから、現在のような仕組みにさせていただいておるわけでございます。

佐藤公治自由党

○佐藤(公)委員 正直言って、だとするのであれば局長、今回の場合、現世代の僕らに対して、これがこのまま〇・三%、〇・七%また据え置きということでなぜやらなければいけないのかというきちんとした説明を簡単にできますか。

辻哲夫厚生労働省年金局長

○辻政府参考人 私ども、基本的には、高齢者の年金水準を考えますときに、一つは現役世代との水準の均衡ということも非常に大切な要素でございます。そのような観点から考えますと、現役世代の消費あるいは現役世代の賃金の水準との比較、そのようなことを含めた水準の補訂というものは、やはり五年に一回の再計算できちっと評価しておりますので、その間は、いわばその関係を維持するという意味で、全世代の消費者物価が適切というふうに考えております。

佐藤公治自由党

○佐藤(公)委員 またゆっくりお話を聞かせていただければありがたいと思います。  もう時間が来てしまいました。大臣はこれから向こうに行かれると思いますので、これにて私の質問を終わらせていただきます。  KSDのことを最後に一つだけ言わせていただければ、大臣は、私の前の質問に対して、きちんと調査をしている、その調査をきちんと踏まえて私たちは対応していくという御答弁をされましたけれども、きちんと調査をしたのであれば、それをもっと具体的に細かいことも含めてきちんと公表することをお願いしたいと思います。報告もある程度のものを受け取り、また私ども聞いておりますけれども、まだまだ納得いくような報告、調査になっているとは私は思いません。もしも大臣御存じのことがあれば、もっともっときちんとしたことで皆さん方に説明を願えればありがたいと思います。  またそういう時間は改めてとらせていただきますけれども、本日はこれにて私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございます。

鈴木俊一自由民主党

○鈴木委員長 この際、暫時休憩いたします。     午前十時十五分休憩      ————◇—————     午前十一時九分開議

鈴木俊一自由民主党

○鈴木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。小沢和秋君。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 日本共産党の小沢和秋でございます。  まず、戦傷病者戦没者遺族等援護法の改正案でありますが、ことしも、給付額などを若干改善しようとするもので、我が党は当然の措置として賛成をいたします。  本日は、この法改正に関連して、我が国の戦後処理問題の一つとして、シベリアに長期抑留され、強制労働させられた旧日本兵に対する補償問題についてお尋ねをいたします。  敗戦直後、当時のソ連政府によって、約六十万人の日本兵が、今の中国東北部、北朝鮮、樺太などからシベリアに強制連行され、酷寒の中で長期に強制労働をさせられました。このため、栄養失調と寒さで約六万人の兵士が次々に命を奪われ、ついに祖国に帰ることができませんでした。これは明らかに、一九四九年の捕虜の人道的取り扱いを定めたジュネーブ条約違反であります。  私にこの問題を訴えてきた下屋敷之義さんは、私の地元北九州市八幡東区の人でありますが、彼は敗戦のわずか一カ月余り前に召集され、敗戦直後ソ連のタイシェトに連行され、四九年までの四年間、そこからブラーツクまでの第二シベリア鉄道建設に従事させられました。  タイシェト地区の冬はとりわけ厳しく、風の強いときは体感温度は零下六、七十度に下がったこともあるといいます。そのため、地区の作業隊三万九千人の一割以上が死亡いたしました。その大部分は、下屋敷さんと同じように、敗戦直前に召集された初年兵だったということであります。彼は、凍土の荒野をさまよう戦友たちの霊を思うにつけ、シベリア抑留捕虜にはいまだに戦後はないと訴えております。  政府は、この人々に何をしたのか。彼のような初年兵は、抑留期間を二倍に計算しても軍人恩給を受ける資格は得られず、わずか十万円の国債と銀杯、賞状を受け取っただけだというのです。大臣、これで数年間ぎりぎりの極限状態の中で過ごしてきた人々に十分な補償をしたと言えるでしょうか。

坂口力公明党厚生労働大臣

○坂口国務大臣 小沢さんのそのお気持ちは私も十分にわかるわけでございます。と申しますのは、個別な例をお挙げになりましたが、私も一人の兄が千島列島におりまして、戦後二十三年まで抑留をされまして、一命を取りとめて帰りはいたしましたけれども、非常に厳しい中で何度も病気に見舞われながら帰ってきたものでございますから、帰りましても、全抑連でございましたか、皆さん方の会合に何度か出席をさせていただいて、一昨年亡くなりましたけれども、それまで最後まで言い続けておりましたので、私も御指摘は身にしみてわかるわけでございます。  ただ、この補償問題の全般につきましては、厚生労働省としてお答えする立場にないものですから、この厚生労働省のここで決める話ではないものですから、私たちもそこはなかなかお答えをしにくいわけでございますが、今申しましたように気持ちとしましては、小沢議員が御指摘になりますことは私も十分にわかっているつもりでございます。  厚生労働省としての原則的なことを先に申し上げますと、厚生労働省としては、援護法に基づき、シベリア抑留中に傷病を受け、または死亡をした人には、戦争による死傷と同様に障害年金や遺族年金の支給を行うなど、これまでできる限りの措置を講じてきたところであるというふうに言う以外にないわけでございます。  また、この問題につきましては、昭和五十九年の戦後処理問題懇談会報告書において、もはやこれ以上国において措置すべきものではないと結論づけつつ、慰藉の念を示す等の事業を行うための特別の基金の創設が提言されまして、これを受けて現在、総務省所管の認可法人であります平和祈念事業特別基金において慰藉事業や慰労金の支給等が行われていると承知しているところでございます。先ほど委員が御指摘になったとおりというふうに思います。  私も、このポジションにつかせていただきます前には、そうしたことが何とかできないかということを一生懸命にやりました一人でございます。しかし、行かれた皆さん方には大変申しわけない話だというふうに思いますけれども、この諸般の事情でなかなかそれ以上進まなかったのも事実でございまして、私も心を痛めております一人でございます。  今後またいろいろこの議論もされるとは思いますけれども、過去におきましては、かなり議論を重ねながら、しかしそこになかなか至らなかった。戦後の問題であるということもございますし、そしてまた、これはロシアとの関係の問題もございまして、そこはなかなか思うように事が進まなかったことは御承知のとおりでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 今大臣から、個人的には同情もしているし、自分もそのためにいろいろ取り組んだこともあるというお話だったのですが、残念ながら、政府の姿勢としてはもうこれ以上進めないというお話のようだったのです。  それで、私、さらに質問を続けたいと思うのですが、シベリア抑留者の人たちが長期にわたって要求している問題というのは、シベリアでの労働に対する未払い賃金の支払いの問題であります。  この問題については、もちろん決定的な責任は当時のソ連政府にあったと思います。さきに触れた捕虜の取り扱いについての四九年のジュネーブ条約によれば、ソ連側に未払い賃金額を明示した労働証明書を日本兵に持って帰らせる責任がありましたが、それをしませんでした。同条約では、その未払い賃金を日本政府が払う義務があるわけですが、労働証明書がなかったために、それも行われませんでした。  旧日本兵の人々が政府に未払い賃金の支払いを求める裁判を起こした中で、その労働証明書のことが問題になり、全国抑留者補償協議会としてロシア政府に働きかけた結果、ロシア政府がその非を認め、九四年、政府命令によって実に半世紀ぶりに労働証明書が発行され、外交ルートを通じ、三万二千人分が日本に送り届けられております。余りにも遅過ぎたとはいえ、ようやく未払い賃金を支払う条件が一部について整ったわけであります。  政府として、残る兵士の分についても労働証明書の発行を求め、確認できた分から支払うのが当然ではないかと思いますが、外務省の見解をお尋ねします。

東郷和彦外務省欧州局長

○東郷政府参考人 お答え申し上げます。  政府といたしましても、ロシア連邦政府が個人の要請に基づきまして労働証明書を発給している、このことは承知しております。しかし、発給されました労働証明書に対していかに対応すべきかということにつきまして、外務省の立場から申し上げれば、この証明書に基づいて抑留者の所属国たる我が国日本が、その抑留者の方々に対して労働賃金の支払いを行う国際法上の義務はない、そういうふうに考えております。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 そういう話は、私は納得できません。  確かに、当時まだ日本政府はジュネーブ条約を批准してはおりませんでした。しかし、既に五〇年には日本政府がこれを当然守るべき国際法として扱っていたことは、昨年末公開された外務省文書でも明らかであります。私は、ここに、五〇年四月一日付の「在ソ日本人捕虜の処遇と一九四九年八月十二日のジユネーヴ条約との関係」という文書のコピーを持ってまいりましたが、その「むすび」には、「ジユネーヴ条約は、捕虜に関する国際慣習を闡明し且つ詳細な諸点を明確にしたもので、いやしくも捕虜をとらえた国は本条約の原則を無視することは許されない。」と、ソ連の捕虜の扱いを口をきわめて非難をしております。  その一方で、日本政府は、南方から復員した兵士に対し、労働証明書を持ち帰った場合にはきちんと賃金を支払っております。これは、日本政府がジュネーブ条約批准前でもこの条約を事実上認めておったということのもう一つの証明ではありませんか。シベリアで極限状態の中で働かされてきた旧日本兵にも同じ扱いをするのが当然ではありませんか。

東郷和彦外務省欧州局長

○東郷政府参考人 お答え申し上げます。  ただいま、南方から復員された兵士の方々に対して労働賃金を支払っているではないかという御指摘がございました。  確かに、南方地域からの帰還捕虜の方々につきましては、終戦直後、それらの方々の所持しておられた個人計算カード、これに基づきまして支払いがなされた例があるというふうに承知しております。しかし、これは、その当時、日本政府が抑留国にかわって支払いを行ったものであるというふうに承知しております。  他方、既に累次申し上げておりますように、シベリア抑留者の場合には、ソ連が支払いを行わない中におきまして、日ソ共同宣言第六項によりまして戦争の結果として生じたすべての請求権を相互に放棄しておりまして、したがいまして、南方の方の場合にとった措置と同列に論ずることはできないのではないかというふうに考えております。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 今のお話で、南方からの復員兵には支払いをしたということがはっきり確認をされました。これは、占領中から、労働証明書を示されれば未払い賃金を支払うというジュネーブ条約の立場に日本政府が明らかに立っていたことの証明ではありませんか。  さらに、もっと驚くのは、日本政府が当時、ソ連政府に対し、労働証明書を持ち帰らせてほしいとGHQを通じて申し入れていたことであります。外務省にもその文書の提出を求めておりましたが、まだ私の手元には届いておりません。だから現物を示すことはできませんが、一九四七年三月十八日、通牒番号一五七号の終戦連絡局、当時外務省はこういう名称で活動していたわけですが、その終戦連絡局のソ連政府あての文書は、労働証明書を持って帰れば賃金を支払うということを前提に申し入れておったわけであります。  それなのに、いざロシア政府が労働証明書を発行したら支払わないというのは、シベリア抑留者が納得できないのは当然ではありませんか。

東郷和彦外務省欧州局長

○東郷政府参考人 先生御指摘の、日本政府がソ連政府に対し、抑留者が労働証明書を持ち帰るようにしてほしい、こういう要請をしたのではないかと。この資料につきましては、鋭意今調査中でございますが、現時点で確認できておりません。  御指摘のジュネーブ条約と抑留者の方々との関係につきましては、私どもは、捕虜の待遇に関する一九四九年八月十二日のジュネーブ条約、これは第二次世界大戦後に成立したものでございまして、第二次世界大戦に伴う日本人捕虜抑留問題にそのまま適用するということについては無理があるのではないかというふうに考えております。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 いや、だから、一九四九年にジュネーブ条約が結ばれたし、その後日本政府は批准したという関係を私は承知しておりますけれども、既にその前に日本政府は南方復員者に対して払っているんです。だから、少なくとも、国際慣習法としてでもそういうことは成立しているということを日本政府が認めておらなければ、そういう行動をするはずないでしょう。  それで、さらに質問を続けますけれども、旧日本兵の賃金支払いを求める裁判は最高裁で敗訴し、裁判では賃金支払いが認められませんでした。最高裁が、せっかく全国抑留者補償協議会がロシア政府に発行させた労働証明書について証拠調べもせず、上告棄却の判決を下したことはまことに残念でありますが、この判決でも、原告たちが、南方から復員した兵士たちには未払い賃金が支払われたのに、シベリアからの帰還兵には認められないことに不平等感を持つのは当然だと、同情を示しております。さらに同判決は続けて、日本政府がジュネーブ条約を批准しているのに、シベリア帰還兵に賃金を支払う立法措置をとらないことに不満を持つ心情は理解できるとまで述べております。  最高裁が、わざわざ、この支払いは新たな立法措置を行えば可能になるとの見解を示しているのですから、政府はこの際立法措置に踏み切るべきではありませんか。きょうは五名の当事者の方々が傍聴しておられるんですが、シベリア抑留者は、下屋敷さんのような一番若い人でももう七十五歳になっており、平均では八十歳を超えております。一刻も早くこの人々の訴えにこたえなければ手おくれになると思いますが、大臣はどうお考えでしょうか。

増田敏男自由民主党厚生労働副大臣

○増田副大臣 小沢先生は昭和六年のお生まれだそうですが、私は昭和四年の生まれです。七十二歳になります。軍籍を持つ一人です。十四で行きましたから軍籍を持っています。七十歳以下の人には軍籍はないと思います。だから、先生がいろいろお訴えした心情はよく理解できます。そこで、答弁としては大臣の御答弁のとおりですが、せっかくのお尋ねですから、私の方もそういう意味で、人柄、心情、よく理解をしながらお答えをさせていただきたいと思います。  シベリア抑留者の方々には、大変厳しい環境下での過酷な労働など筆舌に尽くしがたい御苦労をされたものと、これは認識もしておりますし、私の周りからも帰られた方がいっぱいいますから、よく理解をしているところであります。  そこで、シベリア抑留者の補償問題については、今お話しの抑留中の労働賃金が支払われていないことも踏まえて取りまとめられました、先ほども答弁にもありましたが、昭和五十九年の戦後処理問題懇談会の報告に沿って、総務省において平和祈念事業特別基金による慰藉事業や慰労金、先生が御発言なさっておられました、の支給等を行っているものと承知をしております。でき得る限りの措置を講じているものと考えております。  なお、今お話もございましたが、平成九年三月の最高裁判決については、国側の主張が認められたものであり、判決理由中の立法措置が必要という記述は、実定法がない状態で労働賃金の支払い等を請求することはできないことを述べたものにすぎない、国に立法措置を求めたものではない、このような理解に立っております。  先生もよく御案内かと思いますが、所管はどちらかというような関係は御承知だと思いますけれども、そういうことを踏まえて、御答弁とさせていただきます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 時間が来たようですけれども、あと一言だけ言わせていただきますけれども、さっきから厚生労働省は所管外のようなことを言われているんですけれども、それならどこが所管なのか。厚生労働省が所管でなければ、ほかに所管するところがあるはずがありません。  大臣に知っていただきたいんですが、さっき南方からの復員兵に未払い賃金を支払ったと申しましたが、その支払いを担当したのは厚生省であります。だから、シベリア抑留兵士の賃金支払い問題を質問するのは厚生労働省しかあるはずがありません。私の問題提起を真剣に受けとめて検討していただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。

鈴木俊一自由民主党

○鈴木委員長 次に、中川智子君。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 社会民主党・市民連合の中川智子です。  きょうは、在外、日本以外に住んでいらっしゃる被爆者の方に対しての質問をさせていただきます。  朝鮮民主主義人民共和国に住まわれる原爆被害者の実態と医療状況を把握するために、今月十三日、三日前から、外務省、厚生省そして日本赤十字の調査団がピョンヤンに派遣されています。これは、昨年の二月に、在日本朝鮮人被爆者連絡協議会と私どもが招聘させていただきました朝鮮被爆者実務代表団が来日した際に、外務省、厚生省との懇談会で、外務省側からこのようなお話がありました。  両国間には難しい問題がありますが、被爆者の苦しみ、国籍やどこに住んでいるかとかは関係ないと考えています。純粋な人道的観点から関係当局と協議し、被爆者支援が今後の課題になると考えます。お国の被爆者や治療の状況など情報がないので、共和国の協力を得て被爆者にどのような協力があり得るのかを検討し、今後の協力の第一歩として互いに意見を交換したいという発言をきっかけに、今回のこの共和国への訪問調査団が実現いたしました。  関係者の大変な御努力に心から敬意を表するとともに、一日も早い被爆者支援が実現することを期待いたしまして、私の質問に入りたいと思います。  まず第一に、在韓、韓国にお住まいの被爆者の方に対しては、人道的な医療支援として四十億円が支払われました。でも、この四十億円も二〇〇三年には使い果たしてしまう試算が大韓赤十字の方から出されています。二〇〇三年以降、在韓被爆者は再び何の援護策も受けられない無援護の状態になります。被爆者に対する人道的な援助というのであれば、被爆者が生きている限り医療上、社会生活上の援護策をする必要があると考えています。  日本国内では、被爆者援護法により、被爆者が亡くなるまで医療上、生活上の援護策が実施されています。このことから見ましても、韓国に住む被爆者に対して、人道的な見地からも、一時金を一度出して後はもう知りませんよ、そのようなことでは済まされないと思うのです。ましてや、北朝鮮や韓国の被爆者の方々は、日本の朝鮮植民地支配の結果、広島や長崎に来て被爆した人たちです。この人たちに対して継続的な援護対策が必要だと考えます。  この四十億円に関しては人道的な援助ということで外務省がお金を出しましたが、本来これは厚生労働省がしっかりした社会保障としてするべきものだと私は考えておりますが、大臣の御答弁をお願いいたします。

桝屋敬悟公明党厚生労働副大臣

○桝屋副大臣 私の方からお答えを申し上げたいと思います。  中川委員とは被爆者援護法の国籍の問題についてずっと議論させていただいているわけでありますけれども、最初に厳しいことを申し上げるようでありますが、国外に居住する被爆者の方々につきましては、基本的には健康と福祉を預かるその国において対応していただきたい、こう考えているわけであります。  ただ、今御指摘のありました四十億円のお話でありますが、一時金という話を委員されましたけれども、基金ということも聞いているわけでありますが、経緯は今お話があったとおりでありまして、韓国に居住する被爆者につきまして、人道的な観点から平成二年の五月に医療支援を行う旨を日本側から意思表示をいたしまして、海部総理の時代だというふうに聞いておりますけれども、外務省において、平成三年度、四年度、二年間続けまして計四十億円を大韓赤十字社に対して拠出をしたというふうに私どもも聞いているわけであります。  これが委員がおっしゃった一時金ということなのか、私は基金というふうに聞いておるわけでありますけれども、その内容についてはやはり外務省が担当して行われたということでございます。したがいまして、この基金、今枯渇しているというお話もありましたけれども、これはやはり外交上の判断に基づいて支援措置として講じられたものでありまして、厚生労働省として、その現状あるいは今後どうするかというような問題について、この四十億円の部分について申し上げる立場ではないということをぜひ御理解をいただきたい。今お話もあったとおりであります。  厚生労働省といたしましては、従来から、韓国に居住する被爆者の方々が渡日をされた場合には被爆者援護法に基づきまして医療費の援護を行っておりまして、引き続き誠意を持って対応していきたい、このように考えているところであります。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 桝屋副大臣からお答えがありましたが、私は四十億円がどうのこうのと言っているのじゃないのです。本来は厚生労働省がしっかりやるべき施策なのにもかかわらず、外務省が出したその四十億円で打ち切るおつもりなのかどうか。厚生労働省として今後この在外の、特に韓国の被爆者の方々に対してどうするのかということを伺ったわけです。そこに対して明確な御答弁を端的にお願いします。

桝屋敬悟公明党厚生労働副大臣

○桝屋副大臣 お答えをしたつもりであったのですが、四十億円そのものが、私ども厚生省、今は厚生労働省でございますが、旧厚生省として判断をして必要なものだということで拠出をしたものではないということ。先ほど委員もお話がありましたように、人道上の観点から外交ルートで行われたものでありまして、したがって、この後をどうするか、これを踏まえてどうするかということを、ただいまの厚生労働省で考える立場にないということを先ほど申し上げたわけであります。  私ども厚生労働省といたしましては、渡日をされた場合の支援についてしっかりとやっていくという立場を申し上げたわけであります。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 私は、被爆者というのは、地球上のどこに住んでいても被爆者であることは変わりがない、そのように考えていますが、それはそうですね、事実ですよね。桝屋副大臣、どうお考えですか。

桝屋敬悟公明党厚生労働副大臣

○桝屋副大臣 突然のお尋ねでありまして、今何とおっしゃいましたか、被爆者というのは……(発言する者あり)わかりました。それは恐らく、中川委員は、広島、長崎で被爆をされた方、被爆という言葉の概念でいくと委員のおっしゃるとおりであろう、このように思います。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 日本には被爆者援護法というのがあります。ですから、外国にいらした方も皆さん被爆者手帳を持っていらっしゃる。それを言っているわけですね。ですから、一度被爆者と認定されて、そして被爆者として日本の国の中にいたらその適用を受けるけれども、一たん日本から外に出てしまえば被爆者としての扱いを受けない実態がございます。  これは単に韓国や北朝鮮にお住まいの被爆者のみならず、北米や中南米や中国の被爆者たちからも、日本政府に対して援護策を求める声が上がり続けています。本当に身銭を切って訴えに出しています。これらの国の被爆者の中には、日本に来て被爆者手帳を取得したことのある被爆者がたくさんいまして、手帳は持っているけれども、それは外に出て暮らしてしまうと本当に効力がなくなるという大変矛盾した理不尽なことが現実にあります。  そして、海外から日本に訪れて被爆者健康手帳を取得して、そして日本を出国したことによって被爆者としての権利を失ったこの被爆者の実態調査というのも、きっちりと行われていない。ですから、今回北朝鮮に行ってその被爆者の実態というのもお調べになるのでありましょうけれども、アメリカそれから中国や韓国、そこに被爆者手帳を持っていながら出国して在外に住まれている人が何人いるのか、厚生労働省のお調べでの人数を明確にお答えください。

篠崎英夫厚生労働省健康局長

○篠崎政府参考人 御質問でございますが、現在の被爆者援護法におきましては、出国に際して被爆者健康手帳を返還する法律上の義務はございません。したがいまして、外国に行かれている方の被爆者数を正確に把握することはできておりません。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 それでも、ブラジルとかアメリカの方は、二年に一回ですか、医師が行ってちゃんと治療をしているのですから、人数がどれくらいいるかというのはわかっているはずですし、韓国にもちゃんと被爆者協会ができました。北朝鮮にも、今回は被爆者協会が受け入れて、それでやっているわけです。把握していないって、手帳を日本で取っているのですよ、その人たちが海外に行ったというだけで人数がわからないというのはおかしいでしょう。わかっているだけでもちゃんと答えてください。

篠崎英夫厚生労働省健康局長

○篠崎政府参考人 今御答弁申し上げたことを前提にいたしまして、私どもが把握しておる数字を申し上げますと、韓国につきましては、これは、韓国政府の方でお調べになった数字は、平成十二年十二月現在二千二百四人でございます。それから、在韓被爆者協会の推定では二万人という数字も聞いております。  また、アメリカの方でございますが、北米では、これも平成七年の私どもが承知をしておる数字ということでございますと、米国、カナダ合わせまして千六十六人でございます。それから、南米の方でございますが、平成十二年現在、何らかの形で把握をしているというものが百八十人という数字でございます。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 最初からちゃんとそう答えてください。本当にどんなふうにお思いか。  坂口厚生労働大臣、先ほどから私はずっと大臣にということでお願いしていたのですけれども、大臣にお答え願いたいのですが、公明党さんもこの問題に関してはずっとしっかりやらなければということをおっしゃっていた党ですし、特に坂口大臣はお医者様でもいらっしゃいます。被爆されて、平均年齢が、先ほどの小沢議員のように戦争中の事柄に関しての方々は、特に被爆者の方々は、たくさんの病気を抱えて生活していらっしゃいます。  日本で被爆したからといって、海外に自分のふるさとがあれば、帰るのは、帰りたいのは当たり前です。そのことをよく考えていただきたいと思いますし、被爆者援護法というのは、適用条件として、受給者が海外に出た場合の法律の中身は打ち切りとも書かれていませんし、海外への移住をしても受給可とも書かれていない。全くこれは法律的には、海外に出ても、この援護法が受けられないという法的な根拠は一切ないのです。  それが、一九七四年、都合のいいような通達一枚によって、在外の被爆者の方たちはこの援護法の適用を受けられなくなりました。人道的な援助で外務省がやっているからという答弁では済まされません。しっかりとした御答弁をお願いします。

鈴木俊一自由民主党

○鈴木委員長 答弁は。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 大臣に決まっていますでしょう。

鈴木俊一自由民主党

○鈴木委員長 健康局長。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 委員長、おかしいですよ。この問題に関しては大臣に通告していますよ。

鈴木俊一自由民主党

○鈴木委員長 中川さん、委員長に整理権がありますから。

篠崎英夫厚生労働省健康局長

○篠崎政府参考人 大臣がお答えになる前に事務的なことで申し上げますと、現在の被爆者援護法につきましては、国内に居住をする者あるいは現在している者を法的には対象として規定しているもの、それの事務的なものを今御指摘のございました局長通知で示しているもの、このように理解をいたしております。

坂口力公明党厚生労働大臣

○坂口国務大臣 申しわけありません。頭の中が整理できていないものですから、少し事務当局の整理のできたところを聞きたいと思ったわけでございます。  御指摘のように、広島なり長崎で起こりましたことが、それからもうかなり歳月がたっているわけでありますし、そして今までの考え方は、日本の国は日本の国の中で処理をする、外国に行かれたときにはその国に処理をしてもらうという振り分けをしていたと思うのですね。  韓国の方と北朝鮮の方とはこれまた違って、北朝鮮の場合には国交がまだないわけでありますから、今度行かれた皆さんがどこまでお調べになっていただけるかという問題があるというふうに思います。  また、国と国との問題もあるというふうに思いますが、韓国の場合には、きちんと国交を正常化した国でありますしいたしますから、日本にお住まいで韓国に行かれる、また韓国から日本にお見えになるといったときに、日本にお見えになった場合には、それはちゃんと今までどおりまたできるのだというふうに思いますけれども、いわゆる韓国人としてずっと韓国でお住まいになっているときに、日本の国の中で行うことと同じことができるかどうかというのは、これはやはり日本の国の法律を韓国にまで全部同じように適用するということはなかなか難しい面もあるのではないかというふうに私は思います。  ですから、こういうグローバルな時代ですから、日本の国が責任を持ってやらなければならないこと、そして日本の国にお越しをいただいて日本の国で処理できる問題は、例えば医療の問題ですとかそういうことは処理ができるわけでありますから、お越しをいただいてやるということにすればいいというふうに思うのですが、しかし、最近は韓国の方も医療も進んでまいりまして、一々日本に行かなくてももう韓国の中でやれるから、こちらでやれるようにしてほしいというお声があることもお聞きをいたしております。  いずれにしましても、これを決めましたときには、そういう今のような状況ではなくて、かなり国というものの限界を明確にして決めた取り決めだというふうに思いますが、最近はこれだけグローバル化してきたわけでありますから、そこのところを一体どうするかという問題はあるだろう。しかし、国籍の問題はありますから、国籍の問題は踏まえなければならない。その辺の仕切りを今度どうしていったらいいのかということを頭の中で考えていたものですから、なかなかまとまらなかったので立たなかったということでございます。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 日本人であっても、被爆者だけれども子供さんが海外に転勤になったからといって住んでいらっしゃる方とか、そして移住して住んでいらっしゃる方も、皆さん失効するという状態になっているのです。本当にあなたたちに人間の心というのがあるのかという答弁でした。  坂口大臣が、もしも強制的に連れてこられて、原子爆弾で被爆して、でも自分の国は、ふるさとはこの日本ではない。そのときに、自分の国に責任があると思いますか。日本に責任があるとお思いでしょう。だって、法律的にもここのところをはっきり書かなかったのは、被爆者は、日本で被爆して被爆者手帳をとれば、どこに住んだってやはり被爆者であることには変わりないし、それに対しての医療そして生活の援助をするということではっきり書き込まれなかった、そのように認識しております。  先ほどの局長の御答弁は、法的な裏づけというふうにおっしゃいましたが、法的な根拠はないですよね。通達一枚で動いている、そこを確認したいのですが。はっきり、これだけでいいですから、法的な根拠を言ってください。

坂口力公明党厚生労働大臣

○坂口国務大臣 答えます前に一言だけ言っておきますが、今申しましたように、今先生が御指摘になりますことも僕は全部理解できているわけではありません。少し理解できないところもありますから、もう少し私も整理をいたします。もう少し検討いたしますが、現在の段階における状況というのは局長の方から答弁をさせます。

篠崎英夫厚生労働省健康局長

○篠崎政府参考人 御指摘のように、法文上に今のようなことが明文化されているわけではありませんけれども、この法の趣旨から申し上げまして、今までるる申し上げましたように、私どもとしては国内に居住または現在している方々に対してのいろいろな施策であるというふうに理解をいたしております。

中川智子社会民主党・市民連合

○中川(智)委員 もう終わりますが、法的なあれはない、勝手に都合のいいようにやっているというふうに認識しました。  ありがとうございました。

鈴木俊一自由民主党

○鈴木委員長 以上で両案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————

鈴木俊一自由民主党

○鈴木委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  まず、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

鈴木俊一自由民主党

○鈴木委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  次に、平成十三年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

鈴木俊一自由民主党

○鈴木委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木俊一自由民主党

○鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————

鈴木俊一自由民主党

○鈴木委員長 次に、内閣提出、労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  趣旨の説明を聴取いたします。坂口厚生労働大臣。     —————————————  労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

坂口力公明党厚生労働大臣

○坂口国務大臣 ただいま議題となりました労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  労働時間の短縮は、豊かでゆとりある勤労者生活を実現するために不可欠な課題であるとともに、高齢者、女性を含めたすべての労働者に働きやすい労働環境の整備のためにも重要であります。  これまでの労使による真摯な取り組みとこれに対する行政の指導援助により、着実に労働時間の短縮が進んできたところでありますが、政府目標である年間総実労働時間千八百時間については、本年三月末とされている労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法の廃止期限までに達成することは困難と考えられることから、今後も引き続き労働時間短縮のための施策を講じていく必要があると考えております。  政府といたしましては、このような課題に適切に対処するため、本法律案を作成し、ここに提出した次第であります。  次に、この法律案の内容につきまして、概要を御説明申し上げます。  本年三月末とされている労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法の廃止期限を五年間延長して、平成十八年三月三十一日までとすることとしております。  なお、この法律は、一部の規定を除き、公布の日から施行することとしております。  以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

鈴木俊一自由民主党

○鈴木委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時五十六分散会

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