国家基本政策委員会合同審査会 第1号
- 発言数
- 46 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2000/10/25
会議録
○会長(野呂田芳成君) これより国家基本政策委員会合同審査会を開きます。 本日は、私が会長を務めさせていただきます。 この際、一言ごあいさつを申し上げます。 このたび、衆議院の国家基本政策委員長に就任いたしました野呂田芳成でございます。 参議院の本岡委員長を初め、衆参両院の委員の皆様方の御協力により、その職責を全うしてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手) 国家の基本政策に関する件について調査を進めます。 これより討議を行います。 討議に当たりましては、申合せに従い、野党党首及び総理は、配分時間を厳守し、相互の発言時間を考慮しつつ、簡潔に発言を行うようお願い申し上げます。 発言の申し出がありますので、順次これを許します。鳩山由紀夫君。
○鳩山由紀夫君 冒頭に結論から申し上げたい。もし、総理、あなたに国を思う心、国民を思う心が少しでもおありならば、即刻中川官房長官ともどもおやめになるべきだと申し上げたい。 あなたは、今日までもさまざま、神の国発言とか、あるいは有権者は寝ていてくれればいいとか、失言がありました。でも、今回の北朝鮮の拉致事件に対してブレア首相に話された内容は、それとはまさに質を異にしていると私は思う。これはまさに総理としての、首相失格発言だと言わなければならない。 私は、実は昨日、横田滋さん、御承知だと思います。十三歳のときに下校途中で行方不明になり、拉致をされたのではないかと思われている、その少女のお父さんと電話でお話をしました。お父さんが今どんな心境でおられるか、総理はおわかりでしょうか。私は、そのお父さんからお話をいただいて、とにかく娘が無事に帰ってきてほしい、その気持ちは大変強い、そして、北朝鮮と日本との間の国交正常化交渉にも期待をしているわけであります。その中で、当然交渉事だからある程度の話し合いがあってもいいと思う、そうおっしゃっていました。でも、おわかりでしょう、もしそのようなさまざまな交渉事が表に出てしまったら、その話はもう既に解決策としては、打開策としては、当然、皆さん方のお考えとは違って、その打開策は使えないということを大変に憂えておられる、当たり前の話だと思う。 北朝鮮から見れば、もし第三国を通して行方不明者がいたことにすればいいというふうにしたというふうになったときに、その提案をすれば、当然、ああそうか、これは拉致事件をこのように解釈をしたんだな、そんなふうにもう既に世界じゅうに、日本じゅうに少なくとも知られてしまうものですから、この打開策は総理が発言をした瞬間に、もはや打開策ではなくなった、解決の道が余りにも狭まってしまったことをお父さん、横田滋さんは大変に憂えておられた。 一体あなたは、お父さんに対して、あるいは拉致されたと思われている方の御家族に対して、どんな釈明をされるんですか。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 今の鳩山さんの御発言、いろいろ伺っていますが、どうも何か勘違いをしておられるようでありまして、この地球上のどこか、まあ第三国という言葉もありますが、どこかでもしいらっしゃればということを発言したのは、何も今が初めてのことではないんですよ。これはもう平成九年に、私が団長をいたしまして当時与党三党で訪問いたしましたときの北朝鮮との交渉の中でこの話が出まして、そして、結果的にそのことに対して、最終的には、いわゆる行方不明者として捜査をしましょうということで、何とかそこで双方で話し合いができたわけです。 しかし、その後半年しましてから、北朝鮮側からは、いわゆる行方不明者は、いろいろ捜査しましたがありませんでしたという、そういう返事が来たわけです。これはもう過去の話です。私は、何もこれは秘密のことでもなければ、外交上の機密事項でも何でもないんですよ。 その後……(発言する者あり)ちょっと皆さん、聞きなさい、大事なところだから。そして、このことについては、私も帰りましてからいろいろなところで申し上げていますし、この考え方をお話をされた当時、中山正暉先生も、我が党の中で議論もされていますし、それからテレビの中でもお話をされたこともございますし、きょうここにございますけれども、新聞にも報道されているんです。 ですから、そういう当時のことをどうも皆さんは御存じなかったのか、勉強されていなかったのか。鳩山さんもまさかこういうことを知らなかったとは私は思えないんです。ですから、このことは何も、新しいことだとか、それから秘密めいたことだとかいうことじゃないんです。これはもう当然周知の事実だということをぜひ承知おきを願いたい。 私といたしましては、なぜこういうお話を申し上げたかというと……(発言する者あり)ちょっと、大事なところだから、静かに聞いてください。ブレア首相がASEMの会議にお見えになって、日程がなかなかないところを開会式だけお見えになってお帰りになるその朝に、どうしても私に会いたいということでしたからお会いをいたしましたら、自分の国としては北朝鮮との国交の樹立を進めたいと思うので、これまで友好的関係にもあるので、一応日本側にもお話をしておきたいということできょう会ったんだということで、これはブレア首相から私に申し入れがあったのでお会いしました。 そして、私どもとしては、正常化を進めていただくことはとても大事なことだ、ぜひ北朝鮮に国際社会の中に入っていただいて、ともに責任を分かち合うような形になることは我々としても大歓迎だ。ただし、日本については幾つかの問題があって、その中に、例えば安全保障上の問題もあります。それから、今言われる拉致の問題もあります。この問題だけはどうしても避けて通れない問題なんです。ですから、ここの事情をわかっていただきたい。 その経緯はどういうことなのかということですから、いろいろこれまでの経緯をお話を申し上げた。その中で、実は三年前に私が訪朝団の団長として行ったときに、こういう考え方もあるんだということを副団長の中山さんから話があった。ただし、私は、ブレアさんには中山さんと言いませんよ、団としてそういう話が出ましたと。 ですから……(発言する者あり)いや、それは別に関係ない話ですよ。こちらの配慮です。そして、ブレア首相にそのお話を申し上げて、なるほど、それだけの難しい、複雑な大変な問題があるんだと。なかなか解決しにくい問題なんです、そのことをぜひ理解をしておいていただきたいということを私が申し上げたのがあの日でございまして、何も事改めて政府がそういう秘密めいたことをやっているとか、過去にそういうことをしたことを今まで隠しおいたとかいうことは全くないわけでありまして、どうしてそのことを今そうやって取り出して鳩山さんがそういうふうに御叱責をされるのか、私にはどうも納得がいかないんです。 横田さんを初めとして、私どもとしては、何とかしてこの消息の安否がわかって、何とか親御さんのもとに、御家族のもとにお帰りをいただきたいという思いは、私もあなたも同じだと思うのです。 ですから、そのことを棚上げするのですかという、前に親御さんたちにお会いしたときのそういうお話がございましたから、私はそれを棚上げにして正常化の交渉などはしようとは思っておりません、最終的にはぜひ正常化をして、同時にこの問題も解決したいということを私は皆様方にも申し上げておるということも、これも報道されていることですから、よくおわかりのことだと思います。
○鳩山由紀夫君 総理が発言することの重さということを考えていただかなければなりません。何でそれならば、今御答弁されたような話であるならば、くるくるくるくる政府の答弁が変わるんですか。見解が変わるんですか。 最初は、これは党の団長、党としての見解だという話を森総理はされましたよね。それを、数日たって、官房長官は、そうではない、個人的見解だ、中山さんの個人的見解だとはっきり答弁されました。記者会見、何度もされたんです。それはうそだというんじゃありませんよね。明らかにそれはなさった。そうしたら、中山さんから今度は抗議が来た。三羽がらすに対する申し入れをしたいというようなことで官邸に行かれた。その直後に発言が変わった。これはその与党の副団長としての中山さんの意見であると話をされた。これも極めてあいまいな話であります。 これは、では与党としての見解であるのか、その当時の政府の見解なのか、それとも個人的な見解であるのか、それだけは明確にお答え願いたい。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 私は首尾一貫して、当時の団長でもありましたから、私は何らお話の仕方は変わっておりません。 ただ、私は、あの当時の責任団長という立場でございました。そして、余りそういう時間を使うと、また皆さんがうるさく怒られますけれども、この拉致の問題についての話題になりましたときに、北朝鮮の皆さんは、そういう話をするのはここでは適当ではないと言って立ち上がりかけられたんです。 しかし、我々としては、これから正常な話し合いを政府が進めていっていただくための環境の整備に我々は来たわけですから、ですから、この問題はぜひきちっと話し合ってくださいということで押しとどめて、この問題についていろいろ議論をしようといたしましたが、そういう話し合いはしたくないという北朝鮮側の御意見でございましたので、当時副団長でありました中山さんが、報道されているような言い回しで、どうだろうかというお話をされて、ようやくこの話が一応軌道に乗ってきたわけです。 ですから、その話は……(発言する者あり)何が裏話ですか。あなたがそういうことを言ったら、もう答えができないじゃないですか。委員長、きちんとしてください。(発言する者あり)
○会長(野呂田芳成君) 御静粛にお願いします。
○内閣総理大臣(森喜朗君) ですから、私は、この問題は、その形の中から、行方不明者という形で北朝鮮が捜査しましょうということで、この当時の与党三党の訪朝団の一応話し合いがついたわけです。 しかし、先ほど申し上げましたように、その後半年ぐらいいたしましてから、残念ながら、行方不明者は捜査したけれどもなかったという返事が来ました。それで、私どもは、私どもの訪朝団として、この問題については、そこで一応の行方不明者がないということで結論が出たというふうに考えましたから、それは、私は、過去の問題でありますけれども、ブレア首相には、このようにいろいろなことを話していますが、なかなか難しいんですと、そういうことの経緯を私はブレア首相に申し上げたわけでありまして、それで私は、その後も何らそういう、くるくる変わったことを申し上げておりません。 ただ、ブリーフされる方とか官房長官は、私との連絡が不徹底であったということもあったかと思いますが、私は、私の団として、中山さんが副団長というお立場でおっしゃって、その場に団長以下私たち全部おりました。おりましたが、自由民主党だけじゃありませんからね。他の政党の方も、そのとき与党ですが、いらっしゃいましたから、私は、そこのところを配慮して、私は、団として正式にそこで申し上げたのではないということを申し上げたかもしれませんけれども、私どもとしては、十分、同席して承知をしていたということだというふうに理解をしていただきたいと思います。
○鳩山由紀夫君 私の質問にお答えになってないんですね。この当時の与党としての見解か、それとも個人的な見解か、あるいは政府としての見解なのかということにお答えになってない。 少なくとも、それでは中山さん個人の見解ではないということなんですね。それはそれでいいとする。とすれば、個人的見解だと何度も記者会見などで発言された中川官房長官、うそをついたことになるじゃありませんか。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 官房長官は、その後、そのことについてお取り消しになって、おわびをされていると私は承知をいたしております。 なぜあの個人かということを言ったのか、さっきちょっと触れましたけれども、自由民主党としては、その当時の社民党と、そしてたしかさきがけ、御一緒だったものですから、その皆様にもし御迷惑がかかってもいかぬと思ったからそういう発言をしただけであります。 端的に申し上げると、それは自民党の案かどうかということでありますが、我々は、当然、自由民主党の代表としてそこへ来ているわけでありますから、中山副団長としては、そういう話し合いでないとこの問題のテーブルがこれ以上続いていかないということでしたから、そういうふうにお話をされた。私はそれを当然容認をいたしました。 ですから、最後のところのまとめのときも、そういう中山さんのお話もあったことも、当然私は全体の中でなぞっておりますから、これはそのときの考えとして、私どもとしては一番この話し合いの中でいい一つの解決方法だろうというふうに私は思いました。 ただ、先ほど申し上げましたように、その後、ノーという答えが来たということは大変残念だと思っております。
○鳩山由紀夫君 その話を続けさせていただく前に、やはり中川官房長官が、これはプライベートなことでも明らかにうそをつかれ、そして交友問題に関しても国会で平然とうそをつかれ、そして今回一番大事な北朝鮮のこの拉致疑惑事件に関しても、それは外務省からいろいろ言われたのかもしれませんが、個人的な見解だというふうにうそをつかれた。 三つも大きなうそを平気でついている官房長官をこのままお認めになるんですか。私としては罷免を求めたいと思います。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 先ほど申し上げましたように、官房長官もそこのところは取り消しておられるわけだし、先ほど私が申し上げたように、私との意見が、私も帰国した早々でございましたから、そこのことは正式に話し合いができなかったということだけは、これは率直に申し上げ、認めなきゃならぬと思っています。 ただ、私はこの問題について、私自身は全くぶれておりませんよ。私はもうこの問題の当事者であったわけですから、その当時のことを一番よく承知をいたしておる、このことだけはぜひ理解をしていただきたいと思うのです。
○鳩山由紀夫君 それでは伺いたいと思いますが、現在の政府は拉致事件というものをまだ存在しているというふうに思っておられるんですか。それとも、三年前の交渉で、拉致事件を行方不明の問題として解決していいんだという話をして、行方不明者はいないという話になれば、拉致事件の問題もなくなってしまうじゃありませんか。 もし、今現実に横田めぐみさんという方がいらっしゃる、そういう現実の中で、拉致事件というものは存在しているのか、それとも現政府はこれは行方不明として片づけようとしているのか、どちらなんですか。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 今でも我が国としては拉致問題として存在をいたしております。したがいまして、高野大使の、復活いたしましてからことしになりまして二回交渉がありましたね、その中でも、この問題は拉致問題として当然テーブルに上げていただいています。そして、今月末にも行われます第三回目、ことしに入っての第三回目の中で、当然この問題の議論があるだろう、私たちはそういうことは期待をいたしております。政府としてはぜひ拉致問題として解決したい、こう考えております。 ただ、その後、昨年の末でありましたか、村山訪朝団が北朝鮮においでになりました。そしてその中で、また改めて行方不明者として調査をしましょうということになったというふうに私は聞いておりまして、そしてそのことは、赤十字の会合の中で、赤十字の協議の中で、行方不明者としてさらに捜査を続けるということについては、両国間で話がついたというのは報告も受けておりますし、既に報道もされていることであります。しかし、政府はあくまでも拉致問題としてぜひ解決をお願いしたい、こう申し上げているわけです。ですから、これが現在のことです。 これをどういうふうにするのかということについては、なかなかこういう大事な問題でありますから、どういう解決をしていいのかということは、そんなに予断を持ってそういうことを申し上げるということは適当でないということは鳩山さんもおわかりをいただけると思います。
○鳩山由紀夫君 私が非常に憂えておりますのは、三年前に、拉致事件を行方不明者、第三国がという話があった、そういう問題として解決をしようと、北朝鮮は当然、今森総理がお話しされたように、この問題は単なる個人的な見解ではなくて、与党そして政府の見解だと解釈をするのは、私も北朝鮮に行ったことがありますから、よくわかります。相手は当然、一人の人が話をしたことであっても、団長が森総務会長であるわけですから、それは政府の見解に等しいという議論をされたはずです。 そこで、行方不明として扱って、行方不明者はいないという話になってしまった。とすると、拉致事件の問題を、私は、もう拉致事件としても解決はできず、行方不明者の問題としても解決ができない、大変な暗礁に乗り上げてしまっているのではないかということを非常に憂えているのです。実際にそのような方がおられるのにもかかわらず、拉致事件としても行方不明者としても解決ができないという状況になってしまったことを大変に憂えているのです。どうですか、それは。
○内閣総理大臣(森喜朗君) どうも鳩山さんのお話を聞いていると、何か解決をできなくなったという結論をおっしゃっているようですけれども、私はこのことは交渉事だと思いますし、幸いにこれは交渉のテーブルに拉致問題として上っているわけですよ。ですから、これからは両方の論点をどう詰めていくかということが次からの交渉に入るのじゃないでしょうか。私は、あなたのようにそんなに即断的にこのことは全部だめになりましたと、そんな結論をこんな場所でおっしゃることの方がよほど御家族にとっては大変なことだと思いますよ。 そもそも、じゃ、鳩山さんにお尋ねしますが、この行方不明になっていらっしゃる、拉致されたと言われる方々をまずお助けすることが大事なんですか、正常化をすることが大事なんですか、どちらですか。
○鳩山由紀夫君 お尋ねをいただいたのでお答えしたいと思いますが、私は北朝鮮問題に対してはパッケージで戦略性を持って答えを出さなければいけないと思っているのです。森総理の発言などを見ると、そこに全くの戦略が見られないというところが大変大きな問題なんです。拉致事件の問題もある。食糧支援の問題もあります。領海侵犯の問題もあります。テポドン、ミサイルの問題もあります。このような問題、また、戦前の日本の犯した問題もあります。これをパッケージにして戦略性を持って国交正常化に臨まなければいけないのに、その戦略性がないからこそこのような発言が出てしまったということを私は大変に憂えているわけであります。 私は、今回の森総理のブレア首相に対する発言で、総理は、少なくとも三つの大きな罪を犯した、国益を損じたというふうに断じざるを得ない。 その一点は、先ほどから申し上げているように、北朝鮮に対する交渉のカードをあえて失ってしまったということなんです。これが大変に大きな問題なんです。それどころではなくて、北朝鮮に対しても、当然、このようなことを言ってしまえば、手のうちを見せてしまったことで侮るに決まっているじゃありませんか。 それだけじゃありません。英米からしても、テロとか脅迫とか、こういうものに対して無原則に妥協してしまう国だ、そんなふうに判断されてしまうじゃありませんか。まさに英米、欧米の国々から、このような日本のことを冷笑しているじゃありませんか。 それだけじゃありません。外務省からさえ、このような総理と他の国のリーダーたちを首脳会談、さしでさせたらかなわないなという声が外務省からも聞こえてくるじゃありませんか。 まさに三つ、四つ国益を損ずるようなことを総理のあの発言の中で出してしまったということをお気づきにならないんですか。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 私が鳩山さんにお尋ねをした中で、ワンパッケージとおっしゃいました。まさに私ども、政府としてもいろいろな障害の問題がある、これらの問題を解決しながら何とか正常化をしたいというのは、これはやはりそういう意味では同じワンパッケージだろう、そう思っています。ただ問題は、そのトラックが、どちらが早く、どういう形で解決していくかということはこれからの交渉だろう、そう私は思っています。 ただ、先ほどから、私に対して国益を損じたということだとか、各国との信頼感がなくなったとおっしゃいますけれども、あなたは、そんなことを明確にここでおっしゃることができるんだろうか。私は、そうではないんです。これまで……(発言する者あり)まあ黙って聞きなさい。というのは、民主党の皆さんは行儀が悪過ぎる。鳩山さんの政党らしくないですよ。私もあなたも友愛精神なんだから、ちゃんと人の話は聞きなさいよ。民主主義というのはそういうものでしょう。 そこで、ちゃんとこれまで、日本と韓国とアメリカと三国がしっかりと協力をし合ってきたから、こうした肯定的な、北朝鮮が国際社会の中に参加していく、こういう事態になってきたんじゃないでしょうか。 それは、アメリカとの信頼、韓国との信頼、これは、クリントン大統領にお目にかかっても、金大中さんのお話を伺っても、このことが、三国がしっかりと協力し合っていくことによって、北朝鮮がこうして国際社会の場に出てきていただくことになったんだということは、お互いに確認しているわけです。 お互いに当事者同士で、首脳同士で、そうしたいろいろな過去のことやさまざまな苦労した話や、そういうお話をすることは極めて私は大事だと思っておりまして、決してそんなことは、国益に反することだと私は承知しておりません。当然、これからの選択肢としてはいろいろな選択肢があるんだろうと思いますが、政府としては、私どもとしては、命がけで一生懸命努力をして、これらの御家族の皆さんが少しでも安心して喜んでいただけるように、そして最終的には、粘りに粘って正常化の方向に努力していくということが私の総理としての責任だ、私はそう考えております。
○会長(野呂田芳成君) 鳩山由紀夫君、申し合わせの時間が参りましたので、最後に一言だけ。
○鳩山由紀夫君 最後に、それでは手短に申し上げたいと思います。 私は、総理が、イギリスやあるいはドイツが北朝鮮と国交樹立をしたいと考えている、意欲を表明した。また、オランダやスペインなどもそれに追随しようとしている。御承知のとおり、オルブライト国務長官が北朝鮮に行かれて会議を開かれた。このような状況の中で、どうも、日本だけが取り残されるのではないか、バスに乗りおくれちゃいけないということで、焦りの中でこのような行動が出てしまっているのではないか。森総理のあの親書の問題こそ、まさにその本質だと思っていますが……
○会長(野呂田芳成君) 鳩山由紀夫君、時間が過ぎましたので、簡潔にお願いします。
○鳩山由紀夫君 こういうときにはむしろ、冷静に戻ること、事の重要性というものの本質をおわかりになっておられない総理が、総理としてこのままお続けになることに対して、大変な心配を日本じゅうに与えてしまうということを最後に申し上げて、私からの党首討論といたします。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 私は極めて冷静で、沈着でございます。昔から、むしろ、乱にいて治、治にいて乱ですから、私はかえって冷静に考えておりまして、どうも、資質に欠ける、資質に欠けるというのは、あなたも菅さんもお好きなようだけれども、こんなことに過敏な反応をされて、騒ぎ立てすることの方が私は党首としての資質に欠けるんじゃないかと思いますよ。
○会長(野呂田芳成君) この際、お願いをしておきますが、持ち時間は答弁時間を含んでおりますので、総理の答弁を含めてひとつ注意しながら発言を願いたいと思います。 これにて鳩山君の発言は終了いたしました。 次に、不破哲三君。
○不破哲三君 日朝交渉の中でいわゆる拉致疑惑の問題というのは非常に重要ですけれども、外交交渉としては非常に難しい問題なんですね。それで、そのことについての森発言以来のこの六日間の政府の対応の慌てふためきぶりを見ますと、どうもこの難しい外交交渉を本当にやり切れるんだろうかという心配が絶えません。 それで、少し角度を変えて伺いたいと思います。 まず、政府が北朝鮮側に提起しているいわゆる行方不明者の問題ですが、三年前の与党代表団として訪朝された際に、行方不明者のリストを相手側に渡されていると聞いています。何名のリストをお渡しになったんですか。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 私は、この会談でリストを渡したというのは、私が入っておりました会談で知る限り、そういうようなリストを渡したという事実はなかったと思っています。 ただ、この議題になりましたときに、これをそれぞれ担当しておりましたので、中山副団長から、担当された立場の中で、北朝鮮側に対しまして、我が国政府が拉致の疑いがあると判断している七件十名について、その具体的な名前を挙げて解決を中山議員から求めた、このように承知をいたしております。
○不破哲三君 私がその参加者から伺っている話だと、三十二名のリストを出されたと伺っているんですね。 それで、もう一つ伺いますが、今政府が北朝鮮側に提起している行方不明者の数というのは、今言った七件十名ですか。
○内閣総理大臣(森喜朗君) そのとおりでございます。
○不破哲三君 そこら辺でも随分日本側からの提起のあやふやさというものを感じるわけですね。 それから、私、非常に心配しますのは、この七件十名について政府が国会で説明するのを伺いますと、例えば、外務大臣は国会で、北朝鮮による拉致の疑いがあるという判断ができるのは七件十名ですという言い方をされています。それからまた、別の場合には、拉致の可能性がある事案が七件十名だというふうに言われています。 それで、国内の捜査の問題ですと、こういう疑いがあるからそういう方向で捜査するんだというので済むんですよ。しかし、国家間の外交交渉の場合に、どういう根拠でこの問題を提起するかというのは、これは随分違ってくるんですね。それで、特に拉致というのは、相手の国が国家として国際犯罪を犯したということを言うわけですから、よほどの足場を固めていないと問題提起できないはずなんです。 一体、七件十名という事件の中で、捜査当局として、もう結論が出た、これは北朝鮮による拉致だと結論が出た、それからまたその証拠もある、物証もあるというように判断されているケースはどれぐらいあるんですか。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 我が国政府といたしましては、捜査当局において総合的に検討した結果、北朝鮮による拉致の疑いがあると判断している七件十名、こういうふうにいたしておるわけでありまして、日朝国交正常化交渉におきましても、拉致問題としてこの七件十名についての解決を求めているというところでございます。 今、別のリストが云々というお話がございましたけれども、これは私どものそういう会合の中ではそういう資料というものはございませんでしたし、それから、これは警察が当局において総合的に検討した結果ということでありますから、そのことを私どもとしては判断することが大事だ、そのことを私どもとしては信頼することは当然だろうと思っています。 この平成九年版の警察白書にもそのことが明確に書かれておりますし、私どもとしては、これ以上のことは詳細に調査をしたり把握をすることは、今の段階では私は必要ではないというふうに考えております。
○不破哲三君 森さんは今警察白書を引かれましたけれども、この警察白書も、「北朝鮮による日本人ら致の疑いのある事案」それからまた「北朝鮮にら致された可能性のある行方不明者」、全部その表現ですよ。私どももこれは非常に心配になりまして、外務省の関係者からも警察庁の関係者からもずっと伺っているんですけれども、やはりどれも結論は出ていない、結論が出ているものは一件もないという答えが返ってくるので、私たち非常に心配になるんです。 つまり、国内ではこの疑いがあるがという説明をするならわかりますよ、相手の国に対して、疑いがある話がこれだけあるんだと言って外交交渉をするという例は、世界にほとんどないんですね。それからまた、専門家に聞きましても、例えば、国際司法裁判所がある、国際司法裁判所に問題提起するときに、これは外交交渉ではないのですけれども、問題提起するときに、疑いがある段階で提起しても、これは門前払いだと。つまり、その点をしっかり足場を固めないまま今ずっと交渉を進めようとしているところに、私は日本政府の交渉態度の一番の問題点がある。 それで、ずっと七〇年代に起こった事件で、二十年たってそれ以上捜査が進まないなら、それが到達点であるなら、やはり疑惑だという段階にふさわしい交渉の仕方と、疑惑だという段階にふさわしい解決の仕方があるはずなんです。それからまた、問題が、結論が出ている、明確で、こんなに証拠もあるじゃないかというものがあるのだったら、それにふさわしい交渉のやり方と、それにふさわしい結論の出し方があるはずなんですね。 ところが、どうも今の交渉というのは、それを全部ひっくるめて、拉致問題だ、北朝鮮側に言うときには行方不明者だといって、大ざっぱに交渉しているんだが、その肝心の中身は定かでない。この点、私は非常に心配しているんですけれども、いかがですか。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 不破議員のそういう御指摘も一つの考え方だろうと思いますが、少なくとも我が国としては、北朝鮮の国に対して、拉致問題につきましてきちっと根拠を明確に説明をしていると私どもは承知をしています。 警察当局においては、裏づけ捜査も行い、関係機関と密接な情報交換などを行うなど、一連の捜査の結果を総合的かつ入念に検討した結果、七件十名の事案について北朝鮮による拉致の疑いがある、このように判断するに至ったものというふうに私どもは承知をいたしておるわけでありまして、少なくとも日本の国としてこのことについて北朝鮮側に示している以上は、責任を持ってこの問題の解決を求めているというのは当然なことであって、不破さんのそのお考えからいうと、不破さんのそういうお気持ちも私はわからぬことはないですよ。そういうお気持ちはわからぬことはないですが、それじゃ拉致問題を交渉すべきではないということになってしまうのじゃないでしょうか。
○会長(野呂田芳成君) 時間が終了いたしました。簡潔に願います。
○不破哲三君 その到達点にふさわしい交渉の仕方、ふさわしい結論の出し方があると言っているんですよ。 それで、今あなた読まれましたけれども、捜査当局の総合判断の結果、疑いがあるというのが今の結論なんですよ。疑いがある段階から出ていないんです。だから私は、この問題でその段階にふさわしい交渉のやり方をしないと……
○会長(野呂田芳成君) 時間が終了いたしました。
○不破哲三君 日本外交は大変な立ちおくれと、袋小路に陥る心配がある、そのことを申し上げて質問を終わります。
○会長(野呂田芳成君) これにて不破君の発言は終了いたしました。 次に、土井たか子さん。
○土井たか子君 引き続きまして、ただいまのアジア状況というのは非常に画期的な動きがございますと同時に、歴史的に考えましたら、大事な大事な時期だと思うんですね。 六月以降、朝鮮半島では、南北が今までの対決をするという姿勢から、今度は対話の姿勢に変わってまいりました。緊張緩和について大きな扉があけられたというのがお互いの実感ではないでしょうか。 米朝という関係もまた大きくこれは進展しようとしております。きょう恐らくオルブライト国務長官から、日本側も韓国側も、ピョンヤンに行かれた中身を、報告を受けておられる。もうその時間を過ぎたに違いないと私は思っておりますけれども。 さて、ところが、朝鮮民主主義人民共和国と交渉する日本政府に困難を乗り越えていこうという覚悟としっかりした外交戦略というのがあるのかどうかということを、今世界、アジアは注目しているに違いないと私は思うのですが、全世界に、どうもこれは心もとないと思わせているのが今回のこの総理の第三国発見論でございます。 総理の御発言は、私は、あの節、ブレア首相との間での話し合いの中でお出しになるという事情は、どうもこれは拙劣と思いますよ、まず第一。それと同時に、帰ってこられてからの国内でのこれに対する対応は、いよいよ拙劣です。いつもながら二転三転されているんですね。 順を追って、私、もう一度振り返ってみました。 十月の二十日の日英首脳会談では、三年前に訪朝されたときに、北京でもバンコクでもそこにいたということにする方法もあると申し上げたというふうに総理はおっしゃって、御自分でおっしゃったような方に受けとめられる言い方でいらっしゃる。ところが、その日の夜の記者団との懇談では、訪朝団でみんなで相談して中山正暉代議士に言ってもらったことになるわけであって、その次には、中川官房長官が二十三日の会見で、中山さんが個人的な考えとして述べられたということを紹介しただけと取り繕われたけれども、二十四日に、中山代議士が抗議をされた。強く抗議をされて、それを受けられると、一転して、訪朝団の正式案だったというふうに訂正をされているわけで、そこで、申しわけなかった、御迷惑をかけましたというふうにも言われているわけですけれども。 どうもこのことを見ておりますと、日本政府は、日朝関係の正常化を行うための不可欠の問題として日本人拉致疑惑問題を掲げて、世界じゅうにこれを訴えられているわけですから、交渉の議題にも行方不明者として上げて、北朝鮮に対して解決を迫っておられるわけですから。したがって、これだけ重大だと考えておられる問題の解決の方策について政府の中で見解がばらばらでは、これはどうにもならないですよ。この点、どうなんですか、一体。意思の疎通がしっかり図られているのですか、その辺は。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 私は、全くばらばらにしておりませんし、私の意見は、私の考えは一致いたしております。発言も全く一致いたしております。 まず、時間がありませんので、余りとると土井さんに御迷惑ですが、ブレア首相とお話をしたのは、日本と北朝鮮の間には、イギリスと北朝鮮のような、また違った問題があるんですと。その辺の日本との問題を少し聞かせてくださいということですから、幾つかの点を申し上げました、過去のことだとかあるいは安全保障の問題だとか。その中でこの拉致問題をお話ししました。それで、かなり詳しくお話をいたしました。なかなか解決するのは難しいですねということですから、例えば、実は、この私が三年前にこういう立場でこういうことがあったのです、そして、こういうような考え方でお話をしてみたのですけれども、残念ながらこれもうまくいきませんでした、こう申し上げておりました。 ですから、何も私は、このことは過去すべて、だれもが周知のことでありますし、このことについては、中山議員が我が党に帰ってこられて、我が党の中でもかなり議論をやっておられますし、そこにも持っておりますが、日本の新聞にもそのことをきちっと書いてございます。 ただ、第三国の国は、例えばの話をしているだけであって、地球上のどこかにという表現を中山当時副団長はしておられます。しかし、後に日本での講演の中ではいろいろな地域のことをおっしゃっておられますから、結果は同じだと思います。 ですから、何も私どもは、そういう秘密めいたことや、それから外務省の機密的なことを申し上げたわけでも何でもないのであって、いかに日本と北朝鮮の間には難しい問題が横たわっているかということをイギリスにぜひ理解してほしいということを私は申し上げたわけです。 それから、帰りましてからも全くぶれておりませんで、首尾一貫して、私どもが、団長として、副団長の中山議員がおっしゃっておるということを申し上げております。
○土井たか子君 総理は、どうも丁寧に説明してとおっしゃると、そこからややこしくなるんです。丁寧に御発言なさると問題発言があったり、舌禍事件が起こったりするわけですよ。また今回もそのたぐいに漏れないなと思いながら私は今承っておりました。 当時と森総理は立場が違うんです。三年前は自民党から当時の訪朝団の団長という立場で行かれた議員であった。ただいまは内閣総理大臣でしょう。内閣総理大臣というのは、憲法の七十三条にもございますとおり、内閣というのは、「外交関係を処理すること。」内閣の専権なんですよ、外交というのは。したがって、総理大臣の外交関係においてなさる言動というのは私たちにも全部影響が来るんですが、それだけに、事実を事実としてしっかり、正直に、きちっと認識していただく必要がある。 私がこれを言っているのは、社民党としては聞き捨てならないこの問題に対しての御答弁があるからです。これは、当時の訪朝団が、団としてこういう認識を持って、まるで団を代表しての発言として第三国発見説みたいなことをおっしゃっているから。 私ども、当時与党の一員でございまして、社民党からも訪朝団に加わって行った人たちにいろいろ私聞きました、今回もう一度改めて。メモもございます。そういたしますと、自民党内では打ち合わせがあったかもしれませんよ。しかし、さきがけさんや社民党に対しては、他の二党に対しては事前に説明はありません。何にもないんです。そして、初めてこの場所に出られて、向こうと正式に話をされたのは一九九七年の十一月十二日、第一回全体会議ですね。この場所で中山代議士がこの問題に触れて話をされたということなんですね。正確にそこはきちっと言っていただかないと、私ども訪朝団にとりましては、これは事実が大分違ってきておりますからね、おっしゃっていることが。 だから、今は内閣総理大臣であるということのお立場をどうかしっかりわきまえていただいて、この点に対しては間違いのないように、つまり、今までの、言い直し、言い直し、言い直しておられますけれども、しかし、訪朝団としての見解であったという点はどうぞ撤回してください。これは強く私は要求しますよ。
○会長(野呂田芳成君) 時間が終了しましたが、簡潔に御答弁をお願いいたします。
○内閣総理大臣(森喜朗君) 私はそんなに言い直し、言い直しをいたしておりません。さっきもちょっと鳩山さんのとき申し上げたけれども、あえて団の意見ですよということをそこで言わなかったのは、今おっしゃるとおり、社民党さんとさきがけさんがいらっしゃった席だから、御迷惑をかけてもいけないな、日本に帰ってお話ししてからだろうと思ったから、私はあえて中山議員がお話をされたということを申し上げたし、ブレアさんにはそういう特定の名前を申し上げておりません。ただ、後で記者団から求められたので、中山副団長がお話しになったことですと、こう申し上げているわけです。 ただ、これも先ほど申し上げましたが、大変この問題になりましてからテーブルが険悪になりました。立ち上がる方もあって、この会談がつぶれそうになりました。そこで、中山さんはこの話をされたわけです。しかし、その場には、お名前は申し上げませんが、先生御存じのとおり、社民党、さきがけの皆さんもいらっしゃって、その発言は聞いておられるわけです。そして、その後私どもに対して、例えばその場ではないとしても、残された後、我々だけのときにも、そのことについて不満をおっしゃったり、あれは我々の意見じゃありませんよとか、そんなことは一切言っておられませんよ。しかし、私はあえて、これは三党で一緒になった、まとまった意見だということを言ったのでは御無礼だと思うから、当時、中山副団長としてお話しになり、私は団長としてその場におって、皆さんも同席されたというような、そういう表現で、むしろ遠慮しながら私は申し上げているのです。
○会長(野呂田芳成君) これにて土井君の発言は終了いたしました。
○土井たか子君 いよいよ、こういうややこしい説明を総理がわざわざなさらなきゃならないようなことをおっしゃらなければいいんですよ。
○会長(野呂田芳成君) 以上をもちまして、時間、終了しました。
○土井たか子君 だから、おっしゃった後、一生懸命にそのことに対して自己弁護のようなことをなさらなきゃならないというのは、もともとそういう発言をなさらなければいいんです。このことをはっきり申し上げます。
○会長(野呂田芳成君) 以上をもちまして、本日の合同審査会は終了いたしました。 次回は、衆議院、参議院、それぞれの公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時五十分散会