文教・科学委員会 第4号
- 発言数
- 8 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 2000/11/17
会議録
○委員長(市川一朗君) ただいまから文教・科学委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、小林元君が委員を辞任され、その補欠として和田洋子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(市川一朗君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(市川一朗君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に日下部禧代子君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(市川一朗君) ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。大島科学技術庁長官。
○国務大臣(大島理森君) ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明いたします。 近年の生命に関する科学技術の著しい発展に伴い、生命科学をどこまで人間に適用することが許されるのかという新たな問題が生じています。平成九年二月、英国において、哺乳類で初めて羊の成体の体細胞の核移植により、クローン羊が誕生したとの発表がありました。これにより、人についても、成体の体細胞の核移植によるクローン個体を誕生させること、すなわち人に対するクローン技術の適用が現実の問題として懸念されることとなり、同年六月のデンバー・サミットにおいて、これを禁止するとの首脳宣言が採択されました。 このような動きを受けて、我が国においては、同年九月、総理の指示により科学技術会議に生命倫理委員会が設置され、自然科学系の研究者だけではなく法学者、宗教学者、言論人等国民各般の多様な意見を代表する委員により、この問題について精力的に議論が行われてまいりました。この間、委員会の取りまとめに対し、広く国民からの意見公募なども行われました。その結果、昨年十二月に、人クローン個体の産生は、人の尊厳等を侵害するものとして、罰則を伴う法律により禁止するべきとの最終的な結論を取りまとめ、公表いたしました。 また、クローン技術と同等もしくはそれ以上の重大な影響を人の尊厳に与える可能性があるものとして、ヒトの細胞と動物の細胞を融合または集合させる技術、これを特定融合・集合技術と呼びますが、この技術により生じた胚から、人と動物のいずれであるかが明らかでない個体がつくり出される可能性があることなども、生命倫理委員会において指摘されています。 本法律案は、このような生命倫理委員会での検討の結果を踏まえ、また、この研究分野における国際的動向をも勘案し、人クローン個体等の産生を禁止するとともに、クローン技術等により作成される、特定胚と呼ぶさまざまの胚の適正な取り扱いを確保するための措置等を講ずるものであります。 なお、本法律案はさきの通常国会に提出いたしましたが、残念ながら十分な審議時間が確保できず審議未了、廃案となりました。しかしながら、その後のクローン技術の一層の進展等により、人クローン個体等の産生の危険性がますます高まっており、本法案を早期に成立させる必要があることから、本臨時国会に再度提出したものであります。 次に、本法律案の要旨を御説明いたします。 第一に、本法案を制定する目的であります。 本法案は、クローン技術等が、その用いられ方いかんによっては人の尊厳の保持、人の生命及び身体の安全の確保並びに社会秩序の維持に重大な影響を与える可能性があることにかんがみ、クローン技術等を規制し、社会及び国民生活と調和のとれた科学技術の発展を期することを目的としています。 第二に、人クローン個体等の産生を禁止することであります。 具体的には、クローン技術または特定融合・集合技術により作成される胚を人または動物の胎内へ移植した場合、特定の人と同一の遺伝子構造を有する人、もしくは、人と動物のいずれであるかが明らかでない個体をつくり出すおそれがあり、そのような胚を人または動物の胎内へ移植することを禁止することとしております。 第三に、クローン技術等により作成される特定胚の適正な取り扱いの確保のための措置であります。 文部科学大臣は、特定胚の作成、譲り受けまたは輸入及びこれらの行為後の取り扱いの適正を確保するため、総合科学技術会議の意見を聞いて、その取り扱いに関する指針を作成、公表しなければならないものとし、特定胚を取り扱おうとする者は、この指針に従って行うとともに、一定の事項を文部科学大臣に届け出なければならないものとしております。 また、この届け出をした者は、文部科学大臣がその届け出を受理した日から六十日を経過した後でなければ、その届け出に係る特定胚の取り扱いをしてはならないものとし、文部科学大臣は、届け出をした者の特定胚の取り扱いが指針に適合しないと認めるときは、届け出をした者に対し、当該特定胚の取り扱い計画の変更、取り扱いの中止その他必要な措置をとるべきことを命ずることができるものとしております。 さらに、文部科学大臣は、届け出をした者に対し、必要な事項について報告を求め、または、その職員に、事務所等に立ち入り、必要な物件を検査させ、もしくは関係者に質問させることができることとしております。 第四に、届け出をした者は、特定胚の取り扱いについての一定の事項に関する記録を作成し、保存するとともに、特定胚に係る個人情報の漏えいの防止等必要な措置を講ずるよう努めなければならないものとしております。 第五に、禁止行為に違反してクローン技術または特定融合・集合技術により作成された胚を人または動物の胎内に移植した者等に対して、懲役等の罰則を設けることとしております。 第六に、この法律については、施行後、クローン技術等を取り巻く状況の変化等を勘案して、検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとしておりますが、衆議院において修正が行われた結果、本法律案について必要な措置を講ずるに当たっては、法律の施行後三年以内に、ヒト受精胚の人の生命の萌芽としての取り扱いのあり方に関する総合科学技術会議等における検討の結果を踏まえ、この法律の規定に検討を加えることとされております。 以上がこの法律案の提案理由及び要旨であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(市川一朗君) 次に、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員平野博文君から説明を聴取いたします。平野博文君。
○衆議院議員(平野博文君) ただいま議題となりましたヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律案に対する衆議院における修正部分につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 本修正は、附則第二条に規定されている検討を行うに当たり、最近のクローン技術等の急速な進展、これらを取り巻く状況の変化等にかんがみ、その検討の時期を早めること、ヒト受精胚の人の生命の萌芽としての取り扱いのあり方に関する総合科学技術会議等における検討の結果を踏まえることなどを内容とするものであります。 以上であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願いをいたします。 以上でございます。
○委員長(市川一朗君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時四十八分散会