地方行政・警察委員会 第7号
- 発言数
- 39 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2000/11/30
会議録
○委員長(朝日俊弘君) ただいまから地方行政・警察委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る二十八日、月原茂皓君、脇雅史君及び角田義一君が委員を辞任され、その補欠として扇千景さん、青木幹雄君及び和田洋子さんが選任されました。 また、昨日、扇千景さん、石田美栄さん及び白浜一良君が委員を辞任され、その補欠として鶴保庸介君、菅川健二君及び渡辺孝男君が選任されました。 ─────────────
○委員長(朝日俊弘君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に自治省行政局長中川浩明君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(朝日俊弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(朝日俊弘君) 市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は去る二十八日に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○富樫練三君 おはようございます。日本共産党の富樫練三ですけれども、この合併特例法の改正案について伺います。 最初に自治省に伺いますけれども、今回の特例法の改正、これは人口要件を三万人以上とする、それ以外の要件について、自治法で定められている要件についてはすべてこの期間については取り払うと、こういうことだと思うんです。 自治法が制定されたのが昭和二十二年、一九四七年でありますけれども、当時は要件は三万人ということでありました。その後一九五四年に、昭和二十九年ですけれども、このときに改正されまして人口要件は五万人、こういうことに現在もなっているわけなんですけれども、その後三万人というふうに特例的に変えられたことが三回あったと思うんですけれども、この三回のときに自治法で定められておりますほかの三要件、人口以外の三要件ですね、これについて緩和されたという経過はあったのかなかったのか、これをまずお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(中川浩明君) ただいまお話がございましたように、人口要件につきましては三万人という時代が三回ございまして、昭和二十九年九月から昭和四十一年三月まで、昭和三十三年四月から昭和三十三年九月まで、昭和四十五年三月から昭和四十七年三月となっておりますが、それはいずれも人口要件を三万以上としたものでございます。その際、人口要件以外の三要件につきましては特段の緩和はなされておりません。 ただ、平成十一年七月の地方分権一括法によります市町村合併特例法の改正によりまして、市と市、または市と町村の新設合併で平成十七年三月末までに行われる場合に限りまして、当該市町村の合併により設置されるべき普通地方公共団体が地方自治法八条に規定する市となるべき要件のいずれかを備えていない場合であってもその要件を備えているものとみなすとされておりまして、この点に関して、市制要件について人口要件以外の三要件を緩和した例があるということでございます。
○富樫練三君 基本的にはこの三回は人口要件以外については緩和していないと、特例は若干ありますけれども、そういうことだと思うんです。 そこで、提案者に伺うんですけれども、人口要件以外には緩和しなかったというのは、一九五一年、地方行政調査委員会の第二次勧告でこういう勧告が出されているんですね。「市は、町村と異なり、第一次勧告により教育委員会、上下水道、生活保護専門職員、建築行政等に関する事務を処理しなければならない外、都市としての機能を完全に果すために必要な警察、消防、」、当時は自治体警察だったと思うんですけれども、それから「公営企業その他の事務を高い水準において処理することが期待されているので、単に人口だけを市の要件に合致させるだけで都市としての実体を有しない市をみだりに設けることは、適当でない。」、こういう勧告が出されております。 今回、初めて人口以外の要件をすべて取り払う、こういうことになるわけであります。そうしますと、この勧告が言っております「都市としての実体を有しない市をみだりに設けること」、こういうことになるのではないかというふうに思いますけれども、提案者はどうお考えでしょうか。
○衆議院議員(滝実君) お答えを申し上げます。 ただいま委員御指摘のとおり、昭和二十六年の神戸勧告におきましてはさような答申をいただいていたかと存じます。 翻ってまいりますと、この市、町、村の区別は明治時代にさかのぼる、いわば伝統的な考え方が根強く残っていると存じます。明治十一年に郡区町村編制法におきましては、三府五港の地をもって区とする、今のいわば政令市のようなものが唯一の市だったと思うのでございますけれども、そういうものを中心にして郡区町村編制法が制定され、明治二十一年に市制、町村制がその後しかれたわけでございますけれども、その場合には市と町村の区別をはっきりと権能においていたしておった時代があります。したがって、昭和二十六年の神戸勧告の際には、そういう伝統的に強く市に特別に権能を与えるというような考え方に基づいた勧告がなされてきたかと存ずるわけでございます。 今の状況から申しますと、もちろん現在の地方自治法でも市と町と村は形式的に大変区別をいたしているわけでございまして、当然合併に当たりましても、市、町、村というものはそれなりの区別をして考えられてきたかと存ずるわけでございます。しかし、人口要件につきましては、二十六年の神戸勧告で、それだけをもって、人口が多ければ市でいいというわけではないということは御指摘のとおりであると存じますけれども、現在のこの案におきましては、かつてそういう時代におきましても三万人をもって市とする、こういうようなことを要件としたということを先例にして今回の特例法を考えさせていただいているわけでございますけれども、問題はそれに対応する市の権能、そういうものができるかどうか、こういうことに委員の御指摘の点ではかかっているんだろうと思います。 しかし、現在ではかなりそういう意味では、人口三万の市、都市的形態を備えていない地域におきましても、私はそれなりに行政能力としては、当時の考えられたようなことをはるかに上回るような行政能力が充実している。そういうようなこともあわせ考えまして、今回、単に形式的な家屋連檐地域でありますとか、あるいは都市的業態の人口比率とか、そういうものを外しても、当時の昭和二十六年の神戸委員会勧告が心配されたようなことはないんではなかろうかというのがこの発想方法でございます。
○富樫練三君 自治省に伺いますけれども、現時点で人口三万人以上になっている町と村、町村は幾つあるのか、その数だけちょっと教えてください。
○政府参考人(中川浩明君) 本年三月三十一日現在で、人口三万以上の町村は百十九団体でございます。
○富樫練三君 そうしますと、提案者にもう一度伺いたいんですけれども、これらの百十九の町村というのは、合併しなくても既に人口は三万人以上になっている、こういうことになりますね。人口要件でいえば、今度三万人というところを一つのハードルにした場合に、これらの百十九の町村というのは既にそのハードルは越えている、こういうことになりますから、合併して三万人以上になれば市になれるけれども、合併しないで既に三万人以上になっている町村については合併しない限りは市にはなれない、こういうことになると思うんですね。合併だけがすなわち市になる条件になると、こういうことになると思うんです。 考えてみますと、合併というのは、あるいっとき、何月何日に合併するということですから、ここは通過点なんですよね。一つのプロセスなんですね。市になる要件というのは合併した後に都市的な条件がちゃんと整っているかどうかというところが、ここが問題なんだろうと思うんです。 ですから、合併を一つの市の条件にするというのはいろいろな矛盾が出てくる。条件としては全く同じ三万人以上、しかし片方は合併しないためにそのまま町であり村である、片方は合併したから三万以上で市になる。条件は同じであっても、そういう法律上の不平等が生まれてくるんじゃないかというふうに思うんですけれども、この矛盾点についてはどう解決するつもりですか。
○衆議院議員(増田敏男君) 私の方からお答え申し上げます。 今回の改正は、町村合併の場合の市制施行の人口要件をさらに緩和する、ただいま富樫委員さんの御発言のように、そういう方向でお願いをしてございます。もちろん、連檐要件等の人口以外の要件についても今回は不要にするんだ、人口だけですということでお願いをしておりますが、期限は平成十六年三月三十一日までの期限、強いて言えば来年から三年間、こういうことでお願いをしてございます。市町村合併特例法に定められた他の行財政措置と相まって、合併を推進する観点からは御指摘の点についてはある程度やむを得ないものがあると考えております。 そこで、これはこの法案を出すに当たっての私の頭の中の整理ですが、この国の将来を考えたときに、三千三百弱ある市町村の数をどうしてもこれから合併していかざるを得ない。一口に千以下にするんだという声が入ってまいりますけれども、そういうことを考えたらば、どうしても特例法をここでつくって、特例としてお世話になる以外にないだろうということで実はおります。 今御指摘の、されば四万、三万、このところをどうするんだ、町村をどうするんだというような、百十九の問題等も私も考えました。私は私なりに、その百十九の町村を早く隣でも何でもいいから合併してもらいたい、今のままでどうぞじゃなくて、この特例法に合わせてぜひ合併してもらいたい、それから特例法にある人口に合うようにそれ以下の市町村も合併してもらいたいというような、強いて言えば願い、意味を込めて私としては今回この法案に対応したわけであります。 したがって、御指摘の点はよくわかっておりますが、先生は地方自治に大変明るいのでぜひ御支援をいただきたいな、このように思うところであります。
○富樫練三君 行政局長に伺いますけれども、地方自治法の第八条の第一項第四号には、前号に定めるもののほか、当該都道府県条例で定める都市的な施設、こういう要件を備えていることと。 例えば、私は埼玉県なんですけれども、埼玉県条例ではこういうことが定められているんです、市になる要件として。相当数の公官署、公の事務所ですね、それから高等学校、図書館、博物館、公会堂、公園などの文化施設、それから上下水道、じんかい処理場、軌道、電車ですね、それからバス、こういう交通施設、それから財政規模及び担税力が他市と遜色がないこと、こういうことが約十項目ぐらい掲げられているんですね。ですから、地方自治法に定めた三項目プラス県条例で定めたこれらの施設が完備しているということが市としての条件だ、こういうふうに埼玉県の場合はなっているんですね。大方の都道府県はこういうことをみんな定めているというふうに思うんです。 それで、今度の法改正で市の要件を人口三万人だけというふうにした場合、当然この第四号については効力を発しなくなると思うんです。ですから、人口が三万以上になれば、合併によってそうなれば市に昇格する、こういうことになるんです。 二〇〇四年、平成でいうと十六年の三月三十一日になるとこの特例法は効力を失います。そうすると、平成十六年の四月一日からはもとの法律に戻る、現在の法律に戻るわけですね。そうなった場合に、今度はそういう要件が必要だということに当然なってきますよね。そうすると、高等学校のないところは高校をつくる、あるいは図書館のないところは図書館をつくる、博物館もつくる、上下水道も完備する、あるいは電車やバスやそういうのもやる、それから財政的にもきちんとした、財政力をきちんと保てるようにする、ほかの市と比べて財政力が弱いという状況を克服できると。こういうふうにしていかないと市としての体裁が、形が整わない、こういうことになると思うんです。 自治省としては、もしこの特例法が施行された場合、その期限が切れた場合に、国としてそういう市に対しては財政的な援助をする、こういう考えはありますか。
○政府参考人(中川浩明君) まず、今回議論なされております市制要件でございますが、この市制要件は従来から成立要件と考えておりまして、存続要件ではないということでございます。今回の法改正によりまして新たに市となった団体につきましては、都道府県の条例で定める都市的施設その他の都市としての要件を具備していない場合であっても市となるわけでございますが、この市となった以降の、平成十六年四月一日以降も市としては存続するということでございます。 なお、今回の特例を活用して合併によって市になりますそれぞれの団体の中には、この要件との関係で問題のある団体もあろうかと思いますけれども、実際的にはこの都道府県の条例で定めております都市的施設等につきましては、昭和二十年代の初めのころに定められたものでございまして、ただいま御引用になりました埼玉県の例も含めて、ほとんどの町村でもこのような施設が整っている例が多いというように思っておりますので、特にこの点について要件を外しても不備になるというようなことは考えられないところでございます。
○富樫練三君 いや、実態はそうじゃないと思うんですね。では、全国の町村に今全部博物館があるのか、電車が全部通っているのか、交通はちゃんと整っているのかというと、そうじゃないと思うんです。特に中山間地に行けばそういう状況は整っていないというのが現実だと思うんです。 財政的な援助がない限りそういう都市施設ができる可能性はほとんどないというのが今地方財政の現状だと思うんです。それほど地方財政は今豊かじゃないです、御承知のように。ですから、そういうことになって、この期間にどんどん合併して三万以上の市がどんどんできる、しかし都市施設はちゃんと整っていないということになれば、第二次勧告が言っているような状況が出てくると思うんです。要するに、都市としての実体を有しない市がたくさんできる。将来にわたって、あのときに合併したところは行政水準がほかの市に比べると低い、こういうことが現状としてずっと続くと思うんですね。 そこで、大臣に伺うんですけれども、要するにこれは合併のために人口三万、そしてそれ以外の要件は全部削除する、こういうことになるわけなんです。すなわち、合併先にありきなんですよ、この考え方は。ということなんですね。そこで、実はこの間、私ここで質問したときにこう聞いたんです。合併は国策に資するということかという質問に対して、大臣は、考え方はそのとおりと、こういうふうに答弁しました。すなわち、合併というのは国策なんだ、こういうことであったと思うんですね。 一方で、この間の十一月十五日、大臣も参加したと思うんですけれども、武道館で全国の町村議会議長全国大会が開かれました。ここの壇上には、強制するな市町村合併という大きい垂れ幕がかかっていましたよね。大臣も見たと思うんです。町村議長会ではそういうふうになって、ここで大臣はあいさつしました。私も壇上でそのあいさつを聞かせていただいたわけなんですけれども、市町村合併は避けて通れない課題だというふうに大臣はあいさつしましたよね。その直後に全国の町村会の会長さんがあいさつしました。そのあいさつは、合併は自主的でなければならない、決して強制しないよう強く要望すると、大臣と全然違うことをあいさつしたんですよ、同じ壇上で。この大会の決議ではこういうふうに言っているんです。「政府・国会は、市町村合併の推進にあたっては、あくまで強制的な合併とならないよう、強く要望する。」と、こういう決議が出されました。 もう一つ、九月十三日に総理官邸で開催された政府主催の全国の都道府県知事会、ここで土屋義彦、埼玉の知事ですけれども、全国知事会の会長ですね、全国一律に一定の目標を設定しこれを強制するようなことをしないで、あくまでも地域住民の意思を尊重した自主的な取り組みを基本とすべきであります、こういうふうに知事会の会長があいさつをしているんですね。 ですから、地方にはそういう声がたくさんあるんですよ。強制するなと、こういう声がたくさんあります。ところが、政府の方は上からの合併をどんどん進めようと、こういうふうに言っているんですね。自治大臣は地方分権を進めようという立場でしょう。地方分権を進めようという立場の人が上から合併をどんどん進めるというのは、言っていることとやっていることが違うんじゃないかと思うんですけれども、大臣、どうですか。
○国務大臣(西田司君) 私は、地方分権の成果を生かしまして、基礎的自治体である市町村の行政サービスを維持しながら向上させていくためには、市町村合併は避けて通れない課題であると考えております。市町村や地域住民と国、都道府県とが一体になりまして取り組んでいくことが不可欠であると、このように基本的に考えております。 ただ、市町村合併は、地域のあり方にかかわり、地域の将来や住民の生活に大きな影響を及ぼす事柄でありますから、市町村や地域住民が自主的、主体的に取り組むことが基本であると考えております。第四十四回町村議会議長全国大会の緊急決議や全国知事会長あるいは全国町村会長の発言もこうした趣旨を述べられたものと私は理解、認識をいたしておるわけであります。 市町村合併については、市町村合併特例法の改正や平成十二年度予算における市町村合併推進補助金の創設など、幅広い行財政措置を講じており、市町村合併特例法の期限である平成十七年三月までに十分な成果が上げられるよう、国、都道府県、市町村が一体になって、今までよりもピッチを上げて市町村合併を積極的に推進してまいる考えでございます。
○富樫練三君 時間が過ぎましたので、終わります。
○照屋寛徳君 社会民主党・護憲連合の照屋寛徳でございます。 私は、市町村の合併は各市町村の自主性、主体性そして市民の合意によって進められることが一番大事であるというふうに考えております。今さっき富樫委員からも触れておりましたが、第四十四回の町村議会議長全国大会で緊急決議を行っております。この決議の中で、我々は、従来から市町村合併は、将来にわたる地域のあり方や住民生活に大きな影響を及ぼす事柄であり、国や都道府県が強制的に進めるべきではないと、こういうことを決議しておるわけであります。 この町村議会議長全国大会の緊急決議を提案者や大臣はどのように受けとめておられるか、まずお聞かせください。
○衆議院議員(滝実君) ただいま照屋委員から御指摘のとおり、先般の町村議会議長全国大会の緊急決議、私も承知をさせていただいております。あくまでも強制的な合併とならないようにと、こういうような決議であったかと存じますけれども、市町村合併そのものには反対しているわけではないわけでございます。 もとより、御指摘のとおり、市町村合併は、地域のあり方にかかわり、地域の将来あるいは住民の生活に大きな影響を及ぼすものでございますから、当然その地域が自主的、主体的に取り組むことが基本であるということは御指摘のとおりでございますし、今回の特例法も当然そういうような考え方を基本にしなければいけないというふうに考えております。
○国務大臣(西田司君) 繰り返すようでありますが、地方分権の成果を生かしまして、基礎的自治体である市町村の行政サービスを維持し向上させていくためには市町村合併は避けて通れない課題であり、市町村や地域住民と国、都道府県とが一体となって取り組んでいくことが不可欠であると考えております。 ただ、市町村合併は、地域のあり方にかかわり、地域の将来や住民の生活に大きな影響を及ぼす事柄でありますから、市町村や地域住民が自主的、主体的に取り組むことが基本であると考えております。第四十四回町村議会議長大会の緊急決議も、私はこうした趣旨を述べられたものと認識をいたしております。 市町村合併特例法の期限である平成十七年三月までに十分な成果が上げられるよう、国、都道府県、市町村が一体となって、今までよりもよりピッチを上げて市町村合併を積極的に推進してまいる考えであります。
○照屋寛徳君 提案者にお伺いをいたしますが、この市町村合併特例法が意図するところは、恐らく行財政の基盤の強化だとかあるいは広域行政への対応ということがあるんだろうと思うんです。そうすると、私は、それらの行財政基盤の強化だとか広域対応については、まずは市町村自身による基礎的自治体としての基盤整備だとかあるいは役割強化を目指すことが必要だろうと思うんです。市町村合併というのは、その選択肢の一つかも知らぬけれども、すべてじゃないと思うんです。 その市町村合併と広域連合制度あるいは一部事務組合制度の活用、この関係については提案者はどのようなお考えを持っておるんでしょうか。
○衆議院議員(滝実君) 御指摘のとおり、現在、合併に至らない場合であっても、広域連合あるいは一部事務組合あるいは広域市町村圏、こういうような制度の中で広域的な連携を図りながら仕事をされていることはそのとおりでございますし、それなりの成果が上がっているわけでございます。しかし、やはり単一の団体ではございませんから、連絡調整に時間がかかる、あるいは連絡調整に労力を費やす、そういうようなことも言われているわけでございます。 今回、各地域で合併の動きがあるわけでございますけれども、そのいずれも、今まで一部事務組合をやっておる、あるいは広域市町村圏で連携しながら事務を進めている、そういうようなところで今回そのような動きがあるということは、やはり広域的な処理よりも合併の方がいいというような御判断があってそのような動きになっていると思います。 したがって、これから新しい市町村がいろんな機能を発揮していくためにも、人材の確保というようなこと、あるいはもう少し効率的な意思決定、事業実施、そういうようなことを考えた場合にはやっぱり合併しなけりゃいけない、そういうようなことで今回のような動きが、多くはありませんけれども、かなりの地域で出てきている、そういうように判断をさせていただいているような次第でございます。
○照屋寛徳君 私は、提案者にお伺いをいたしますが、今度の市町村合併特例法の一部を改正する法律というのは、要するに合併誘導の手段として人口要件を変更しようということに尽きるのではないかと思うんです。市町村合併というのはあくまでも住民の意思とそれから地域社会の選択というのを尊重すべきだというふうに考えるものでありますが、この合併誘導の手段として人口要件を変更することと、地方分権という大きな流れ、この地方分権の精神との関係をどのようにお考えでしょうか。
○衆議院議員(滝実君) 今回の特例法は、いわば合併を強制するとかそういうことではなしに、むしろ現在合併の動きが出ているその地域の実情、地域の要望、そういうものをこの際吸い上げて、市となりたい、市として合併後の団体をやっていくんだ、そういうような要望というのがあるわけでございまして、そういう地域の自主性、主体性、そういうもので法律上いささかの障害があれば何とか地域の要望にこたえられるような枠組みだけは用意しておく必要があるんじゃなかろうかなと。そういう意味での特例法というふうに私どもは考えているわけでございます。
○照屋寛徳君 先ほど人口三万人以上の町村が百十九団体あるという御答弁でございました。 私の住んでいる沖縄県では豊見城村というのがありまして、過日の調査で五万人を超えたという村があるんです。そうすると、今度の法改正で一層、市だとか町だとか村だとかという基礎的地方公共団体の統一的な呼称のあり方、これもやっぱり見直しが迫られるんじゃないかということと、従来の市の概念が否定されて町村との違いは人口だけになってしまいやせぬか。あるいは基礎的自治体を規模で区分することの是非について改めて問われることになり、現行の市町村制度そのものの見直しにつながる問題に発展するのではないか。こういうふうに考えておりますが、提案者のお考えをお聞かせください。
○衆議院議員(滝実君) 御指摘の点は、大変今の市町村の呼称の問題としては基本的な御指摘のように思います。 明治以来、市には町村と違った権能が、もともとそういうふうな権能を与えるというところから出発いたしているわけでございます。そして、戦後の現在の地方自治法は、そういうようないわば市町村という呼称に対する文化的な意味をそのまま継承しているかと存じますけれども、今の実態からいたしますと、この市、町村の区別を従来のような感覚で続けられるのかどうか、そういう点についてはやはり検討していく課題だというふうに認識をいたしております。
○照屋寛徳君 今の点について、大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(西田司君) 市町村合併を促進する観点からは、合併の場合に市となるべき人口要件を緩和することなどで現在町村である地域が市となることができることとすることは、住民や自治体の要望をかなえるものであると考えます。合併の目標となり得るものであって、合併の推進に資するものだと私は考えております。 今後、地方分権の一層の進展や合併による市町村の規模拡大により、基礎的な地方公共団体である市町村の機能についての見直しの必要性が顕在化していくものと考えます。さらに、今回提案された市町村合併の市制要件の緩和措置により、従来の市と町村との区分についての考え方にさらなる変化をもたらすことにつながるものと考えます。 したがって、私としては、新しい世紀の到来が目前に迫った今の時点から、市、町、村という呼称を含めた基礎的地方公共団体である市町村のあり方について幅広い検討に着手する必要があると考えております。
○照屋寛徳君 終わります。
○委員長(朝日俊弘君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○富樫練三君 私は、日本共産党を代表して、市町村合併特例法の改正案に反対の立場から討論を行います。 地方自治法は市の要件として、一つは人口五万人以上、現在は特例法で四万人ということになっておりますけれども、二つ目として連檐戸数が六割以上、三つ目として都市的就業人口が六割以上、四つ目、都市的施設などを備えていること、この四要件が定められております。本改定案は、合併したときに限り人口三万人以上の要件のみとして、初めて他の三要件は問わないこととする、こういうものであります。 反対の第一の理由でありますけれども、本改定案の結果、地方自治法で四要件を規定した意味がなくなるということであります。 市となる要件とは、合併そのものではなく、合併後に人口とともに連檐戸数や就業人口、都市施設などの要件が整っているかどうか、こういうことであります。現在、人口三万人以上の町村は先ほど百十九という報告がありましたけれども、合併しない限り、全く同じ条件でありながら市にはなれないという法律上の不平等が生まれるということであります。 第二は、平成十六年四月一日からは現行法に戻ります。すなわち、今回の特例法によって合併が進めば、図書館や博物館、高等学校、上下水道などの行政水準の不十分な、地方行政調査委員会の言ういわゆる「都市としての実体を有しない市」がたくさんできます。特例期間が終わればそのような都市施設ができるという保証は先ほどの答弁でもどこにもありません。これでは行政水準の低い市を国策としてたくさんつくることになります。 三つ目は、初めに合併ありきというものであります。動機が不純だと思います。 一昨年十二月の本委員会での自民党の平林議員は提案者として、都市的な形態を有するということは変更すべきでないと言っておりました。これは、人口要件を四万人に緩和するけれども、他の三要件はそのまま生きるということであって、それなりの節度があるものでありました。しかし、十一月二十一日の衆議院の委員会での行政局長の発言、合併推進のため緩和するもの、こう答弁しております。すなわち、市とすることを手段として合併を推進するということであります。これでは本末転倒、動機が不純だと言わなければなりません。 第四は、地方分権の理念に反するものだということであります。 大臣は、十一月九日の本委員会で、合併は国策に資すると答弁しました。これは、強制するな市町村合併という町村議長会あるいは町村会、知事会の意見を無視するものであります。上からの合併を強引に進めるために特例法改定を呼び水にする、こういうものであります。これは明らかに地方分権の理念に反するものであります。 最後に、このようなやり方は目的のために手段を選ばず、こういうことであります。余りにも拙速であり、乱暴と言わなければなりません。地方の声を真剣に受けとめ、地方自治体の自主性を最大限尊重することこそ合併に対する国の姿勢であるべきことを主張し、討論を終わります。
○委員長(朝日俊弘君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(朝日俊弘君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(朝日俊弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(朝日俊弘君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。 地方行財政、選挙、消防、警察、交通安全及び海上保安等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(朝日俊弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(朝日俊弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(朝日俊弘君) 次に、委員派遣に関する件についてお諮りいたします。 閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(朝日俊弘君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 本日はこれにて散会いたします。 午前十時四十一分散会