地方行政・警察委員会 第5号
- 発言数
- 115 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2000/11/27
会議録
○委員長(朝日俊弘君) ただいまから地方行政・警察委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る十六日、佐藤雄平君が委員を辞任され、その補欠として菅川健二君が選任されました。 また、去る十七日、畑野君枝さんが委員を辞任され、その補欠として市田忠義君が選任されました。 また、去る二十四日、青木幹雄君及び白浜一良君が委員を辞任され、その補欠として脇雅史君及び風間昶君が選任されました。 また、本日、扇千景さん及び市田忠義君が委員を辞任され、その補欠として月原茂皓君及び吉川春子さんが選任されました。 ─────────────
○委員長(朝日俊弘君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 地方交付税法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に大蔵省主計局次長津田廣喜君、自治大臣官房総務審議官林省吾君、自治省財政局長嶋津昭君及び自治省税務局長石井隆一君を、また未成年者喫煙禁止法及び未成年者飲酒禁止法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長楢崎憲安君、警察庁生活安全局長黒澤正和君、大蔵省理財局たばこ塩事業審議官飯島健司君、国税庁長官官房国税審議官塚原治君及び厚生省保健医療局長篠崎英夫君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(朝日俊弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(朝日俊弘君) 地方交付税法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。西田自治大臣。
○国務大臣(西田司君) ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。 今回の補正予算により平成十二年度分の地方交付税が八千九百八十五億円増加することとなりますが、基準財政需要額の算定については、国の補正予算による地方負担の増加に伴い必要となる財源を措置するため、平成十二年度に限り、臨時経済対策費を設けるとともに、地方債の縮減等に伴い単位費用を改定することとし、本年度においては三千六百五十七億円を地方公共団体に交付することといたしております。また、残余の額五千三百二十八億円については平成十三年度に繰り越して交付することといたしております。 以上が、地方交付税法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(朝日俊弘君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○浅尾慶一郎君 民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律案について質問をさせていただきたいと思います。 私は、今の流れとしてはやはり地方分権ということを推進していかなければいけないとまず第一に考えるものでありますけれども、こうして国の方で補正予算を組むたびごとに地方交付税法も改正していかなければいけないという現状そのものも考えていかなければいけないかなというふうに考えておる次第でございます。 そこで、まず第一に、私は、地方交付税あるいは国による地方公共団体のコントロールということを考えた場合に、国庫補助金というものが非常に大きなウエートを占めているんではないかなというふうに思っております。このことが強いて言えば地方分権を阻害している大きな要因であるというふうにも言えるんではないかなというふうに考えておりますので、その国庫補助金というものを整理合理化していくということが今後ますます求められてくるんではないかなと、こういうふうに思っておりますが、その国庫補助金の整理合理化に向けての自治省としての考え方をまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(西田司君) 国庫補助負担金については、地方団体の自主性、自立性を高める見地から積極的に整理合理化を進めていくものであり、これまでも、地方分権推進計画等を踏まえ、地方団体の事務として同化、定着、定型化しているもの、国庫補助負担金が少額なものなどについて、一般財源化や廃止、縮減などの合理化を進めてきておるところであります。 今後とも、地方分権を推進し、地方団体の自主性、自立性を高める見地から、地方分権推進計画に沿って、国庫負担金と国庫補助金の区分に応じ国庫補助負担金の整理合理化を積極的に推進するとともに、地方一般財源の充実確保を図る必要があると考えております。
○浅尾慶一郎君 今、自治大臣から積極的な御答弁をいただいたわけでありますが、予算を統括される大蔵省としてはかかる議案についてどのように考えておられるか、御答弁をいただきたいと思います。
○政務次官(村田吉隆君) 国庫補助金の整理合理化について大蔵省としてどういう見解を持っているか、こういうことでございます。 今、自治大臣が御答弁なさいましたように、財政当局といたしましても、地方分権推進計画に沿いまして、すべての行政分野について聖域なく見直しを行ってその整理合理化に努めてまいりたい、こういうふうに考えております。 ただし、国庫補助負担金につきましては、例えば生活保護費等負担金や義務教育費国庫負担金のように国が一定の行政水準を維持することを目的とするものとか、あるいは特定の政策を推進するため等の手段として政策遂行上の上で重要な機能を担うものでありますので、一方において、地方の自主性とか自立性を高めるためと大臣が今おっしゃいましたけれども、そういう点を尊重しながら見直しをやっていきたい、こういうふうに考えております。 具体的には、整理合理化を進めるに当たりまして、今申しましたような観点から一律に削減を図ることが困難なものがございますので、国庫補助負担金をいわゆる制度的補助金等とその他の補助金等に大別した上で、前の方につきましては法律や制度の見直しを通じて削減合理化を進めていくということであります。その他の補助金等につきましては、各省ごとに一割に相当する額を削減するということで、積極的に整理合理化を推進してきたところでございます。 今後においても、国と地方の役割分担の明確化、国の役割の重点化を図る観点から、引き続き国庫補助金、負担金の整理合理化を積極的に進めていきたい、こういうふうに考えております。
○浅尾慶一郎君 今御答弁いただきましたけれども、いろいろな各省庁の所管にわたる国庫負担金あるいは補助金といったようなものがあるわけでありますが、きょうは各省すべての方にお伺いするわけにいきませんので、多くの補助金を所管いたしております農水省に御答弁をお願いしたいわけであります。 補助金行政の役割といったようなものを考えた場合に、例えば、一例を挙げて恐縮でございますが、先般予算委員会で農水大臣に質問させていただきましたが、その中身は、いわゆるガット・ウルグアイ・ラウンドで六兆百億円の補助金が使われましたが、その使われる前と後との全国の農家の農業所得を比較してみますと、実際のところ、農家の農業所得は減っているといったような数字が出ております。そうすると、補助金そのものが果たして農家のために役に立ったのかどうかという観点も考えなければいけないというわけでありますが、きょうお伺いするのは、今の自治大臣あるいは大蔵政務次官の御答弁をいただいた中で、積極的に、なかなか農水省の立場からは言いづらいかもしれませんが、補助金というものをどういうふうに考えておられるかといったような答弁をいただければというふうに思います。
○政務次官(三浦一水君) 浅尾委員にお答えをいたします。 農林水産関係の補助金等は、食料の安定供給あるいは国土環境の保全、地域間格差の是正によりますナショナルミニマムの実現等の国家的な政策目的を達成していく上で極めて重要な役割を果たしております。一方で、地方分権を推進していく上で補助金等については社会情勢の変化に応じました重点化、効率化、地域の特性、ニーズに応じた見直しを図っていくことが必要だと認識をいたしております。 このために、補助金等の件数の大幅な削減を図るなどの整理合理化を行ってきたところでありますが、特に平成十二年度の予算におきましては、第一点、類似の目的を有する細分化された事業の再編統合及びメニュー化、二点目に、第二次地方分権推進計画に基づきまして、農業農村整備事業あるいは漁港漁村整備事業等におきまして統合補助金の創設など農林水産関係補助金の抜本的な見直しを図ってきたところであります。 今後ともに、食料自給率目標の実現を初めとしまして、食料・農業・農村基本計画の着実な推進等に資するように補助金等の効率化を進めてまいりたいと考えるところであります。
○浅尾慶一郎君 今、統合補助金ということをお答えいただいたわけでありますが、私は本質的には、国庫負担金、補助金というものを、どこをナショナルミニマムにするかという考えはあるでしょうけれども、基本的にはそういうものをなくしていきながら、そして自治体間の財政の負担というのをなるたけ標準化するために、統括補助金ないしは基本的には地方の税を拡充する方向でやっていくべきだというふうに考えておるわけであります。 短期的にはなかなかその補助金というものの廃止が難しいということであるならば、少なくとも平成十二年度に創設されたような統合補助金、今お話がありましたが、統合補助金化というものをさらに進めていくべきではないかなというふうに思いますが、自治省の御見解、できれば踏み込んだお答えをいただければと思います。
○政務次官(中谷元君) 統合補助金につきましては、趣旨に沿った仕組み、運用が必要であるというふうに認識をいたしております。平成十二年には二級河川、公営住宅、公共下水道、町づくり等の分野で合計六千百十九億円の統合補助金が創設されましたが、今後とも対象事業の一層の拡大を図るべきだと考えておりますので、努力をいたしたいと思います。
○浅尾慶一郎君 予算を所管されております大蔵省も同じような考え方だというふうに思っておりますが、統合補助金化について積極的に考えておられるというふうに考えてよろしいんでしょうか。それとも、別の考えをお持ちでしょうか。
○政務次官(村田吉隆君) ただいま自治総括政務次官も答えられましたけれども、私どもも第二次地方分権推進計画等を踏まえまして、統合補助金の実施状況も踏まえましてさらに統合補助金の対象事業の拡充を図る、あるいは制度の趣旨に沿った運用の徹底を図ってまいりたいというふうに考えておりますけれども、しかし国の直轄事業に関連する事業とか国家的事業に関連する事業など、国として特定の政策目的を遂行するために特に必要とされる場合には個別補助金の交付を行わざるを得ないというふうに考えております。 ただ、統合補助金については、地方公共団体の自主性とか自立性を高める、そういうものでございますので、今後とも拡充を図っていきたい、こういうふうに考えております。
○浅尾慶一郎君 農水省、先ほど御答弁いただきましたけれども、統合補助金についてもし追加であれば、いただきたいと思います。
○政務次官(三浦一水君) お答えします。 統合補助金の拡充につきましては、生活環境の整備に主眼を置いた事業のうち市町村等が事業主体となる事業につきましては、地域の創意工夫を生かすため、平成十一年三月に閣議決定されました第二次地方分権推進計画に即しまして、地区別の事業費配分を都道府県の裁量にゆだねる統合補助金とすることといたしました。本年度の農林水産関係予算におきまして新たに創設をしたところであります。 また、十三年度予算概算要求におきましても、農村振興のために新たな統合補助金の創設を要求しております。例を挙げますと、農村振興総合整備統合補助金の創設ということで五十四億円要求をさせていただいておりますし、漁港の漁村総合整備統合補助金の拡充も同じく五十四億円新規として要求をさせていただいているところでございます。 農林水産省としましては、地方分権の推進は政府の重要課題の一つと認識をいたしておりますし、今後ともに第二次地方分権推進計画の着実な実施を図ってまいりたいと考えております。
○浅尾慶一郎君 統合補助金は進めていただきますとしても、最終的には国庫補助金を整理合理化することによって地方税を拡充していくべきだというふうに考えておるということは先ほど申したとおりであります。 そこで、自治省は地方税の拡充あるいは国庫補助金等の整理合理化によって地方税の拡充ということを言っておられますが、具体的にはどういった国税を地方税に移していくということを考えておられるんでしょうか。例えば所得税の一番低い部分の一〇%とかあるいは消費税のうちの何%とか、そういった具体的な形でお答えいただければと思います。
○国務大臣(西田司君) 地方分権の進展に応じ、地方公共団体がより自主的、自立的な行財政運営を行えるようにするためには、地方公共団体の財政基盤を充実強化していくことが極めて重要だと考えております。 政府税制調査会の中期答申におきましても、地方分権を支える地方税制の確立に向けて、税源の偏在性が少なく税収の安定性を備えた地方税体系の構築のため、個人住民税の充実が望ましく、地方消費税は今後その役割がますます重要となり、固定資産税は引き続きその安定的な確保に努める必要があるとされたところであります。 今後、この基本的な方向に沿って関係方面の御意見を伺いながら地方財政の健全化にも資する具体的な方策について検討して、地方税財源の充実確保に真摯に取り組んでまいる考えでございます。
○浅尾慶一郎君 何となくわかったようなわからないようなあれなんですが、ちょっと確認させていただきたいと思いますけれども、住民税と地方消費税を具体的に地方に振っていく、国から地方に移譲していくということなのか。その場合の比率といったようなものの素案みたいなものをお答えいただければと思います。
○国務大臣(西田司君) 税源移譲なども含めた国と地方の税源配分の見直しについては、今後景気が本格的な回復軌道に乗った段階において国、地方を通ずる財政構造改革の議論の一環として取り組むことが適当と考えております。まずは法人事業税への外形標準課税の早期導入に向けて精力的に取り組んでまいる考えでございます。
○政務次官(村田吉隆君) ちょっと私の方からも御答弁させていただきたいというふうに思います。 御質問が、国税としての消費税を減税して、その分地方消費税を増税する、こういう御指摘が一部入っていたというふうに思いますが、消費税と地方消費税との関係でございますけれども、平成六年の税制改革において、国としても大変厳しい財政事情でありましたけれども、その改正の中で最大限の地方税源の拡充を図ったというふうに私どもは考えております。現在、消費税の税収は五%でございますけれども、その税収のうち四三・六%が地方に配分されている、こういうことになっているわけです。 それから、所得税の方をちょっと譲って、その分個人住民税、地方税の方を増税したらどうかという御指摘がもう一つの質問にあったような私は理解をいたしたのでございますが、所得税は国税の中でやっぱり基幹税でありますし、所得税は高い課税最低限と低い最低税率によりましてもう既に諸外国に比べても低中所得者の負担が相当低い、そういう状況になっているということもございますものですから、将来、税制の中期答申にも書かれたように抜本的見直しを行っていきたい、こういうふうに考えておりますが、そういう意味で減税の余地は全くないというふうに私どもは考えているわけです。 もう一点でございますが、所得税は国全体の中で所得再配分機能を果たしていくということでありますけれども、地方税の方はそういうことがございませんものですから、国税の中で所得税の所得再配分機能というものが失われるということは国税の体系からいってもどうかというふうに思いますので、所得税を減税して地方税の方をふやす、こういうことはとり得ないんじゃないかなというふうに考えておるわけでございます。
○浅尾慶一郎君 自治大臣にちょっとお答えいただきたかったんですが、要するに私が申し上げておるのは、国庫補助金の整理統廃合によって当然地方交付税というものも、裏負担の分も含めれば減ってくるということが考えられると。その段階で、今、村田政務次官、消費税について四三・六%というのは交付税分の二九・五%を含めて四三・六%というお答え、五%のうちの一%を地方消費税と、それから国に入るものの二九・何%かを足してということだと思いますが、当然そこの部分も変動して地方交付税の全体が、国庫補助金を整理する、あるいは地方分権を進めていく過程において地方独自の税財源を拡充すればそこも小さくなるのではないかなというふうに思います。 重ねてのお問い合わせで恐縮でございますが、自治大臣の方にまずお伺いさせていただいて、それから政務次官にお伺いさせていただきたいと思いますが、具体的に補助金が整理されたら、当然自治省としても地方公共団体に税源を移譲できると考えておられると思いますが、その場合には何を移譲するのかという点をお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(西田司君) 国と地方の税源見直しは、国の税源を減らして地方に移譲していくか、国民に新たな負担を願うかを考えていかなければならず、現在の経済状況や、国、地方を通じた非常に厳しい財政状況を考えると、各方面の理解を得るには大変な努力が必要であると考えております。 今後、景気が本格的な回復軌道に乗った段階において、国、地方を通ずる財政構造改革の論議の一環として、税源移譲なども含め、国と地方の税源配分の見直しに取り組んでいくことが必要と、こう考えております。
○政務次官(村田吉隆君) 先生の御質問については、十一月十日の宮澤大蔵大臣の財政演説でも、それからそれに対します筒井信隆先生の御質疑に対しての大蔵大臣からの御答弁、それから七月に政府税制調査会の方から出されました中期答申と言われる報告書の中でも述べられておりますけれども、ただいま国、地方を通じまして財政が大変危機的な状況にあるわけですけれども、その前にやっぱり当面する景気回復というものを完全にしなきゃいけないと、こういうことでございまして、景気回復が将来において確実なものになった段階で二十一世紀の我が国の経済社会のあるべき姿を展望いたしまして、根本的な視点に立って必要な措置を講じなければならないと、こういうふうに考えておりまして、その中で国家財政あるいは地方財政についても同じような観点から抜本的な見直しをしていきたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○浅尾慶一郎君 どうも景気回復ということをおっしゃっておられますが、私は何も今の国の支出をそのままにして地方の財源もふやせと、両方使えということを申し上げているわけではなくて、先ほど来申し上げておりますように、国庫補助金等を整理すれば当然その分の金額も浮きますし、かつその裏にあります交付税といったようなものも減額できるというふうに考えられるわけでありますから、そのプログラムに基づいた場合に、どういうものを地方財源として拡充していくかを自治省としては、当然それを考えるのが自治省の役目なんではないかなというふうに思っておりますが、そのプログラム、いわゆる国庫補助金あるいは負担金というものを、ナショナルミニマムの議論はもちろんあるわけでありますけれども、なくしていく中で、要はそっちが減れば当然その分だけの税源を地方に移せるだろうということなので、自治省としてその前提のもとで何を地方に持っていくのかということをお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(西田司君) 税源の偏在性が少なく税収の安定性を備えた既存の地方税としては地方消費税のほか固定資産税や個人住民税があり、その充実を図っていくことも一つの方法と、こう考えております。
○浅尾慶一郎君 多分、大蔵省に伺っても、景気が回復してからとかいうことなんだと思うんですが、御理解いただきたいのは、私は、ニュートラルに考えれば景気回復前でもできるんではないかな、むしろ各地方が自分の自治体の需要に応じた支出をしていくことが景気回復の近道なんではないかなということも言えるんではないかなということだけ申し上げさせていただいて、次の質問に入らさせていただきたいと思います。 そこで、自治省は、景気回復ということを考えた場合にはむしろマイナスになるかもしれない新たな税として、外形標準課税というものを平成十四年度から導入しようということで素案をまとめられました。 私は、景気回復ということを抜きにした場合には、赤字法人にもある程度の応益的な負担を求めていくということは必要だとは思っておりますが、現段階で果たしてこれを入れるのが適当かどうかということが一つあると思います。特に経済界の反発が強いというふうな報道も聞いております。 そういうような現状の中で、自治省として、この外形標準課税、実現の見込みが果たして本当にあるのかどうか、その点について伺いたいと思います。
○国務大臣(西田司君) 法人事業税への外形標準課税の導入につきましては、税負担の公平性の確保や地方分権を支える基幹税の安定化等の重要な意義を有する改革であります。地方団体からも、全国的な制度として導入すべきとの強い要望を受けておるところでございます。 自治省といたしましては、先日、事業規模額による外形標準課税の具体案を公表いたしたところでありますが、その基本は、薄く広く公平にを旨として、努力した企業が報われる税制を目指し、また、中小法人や赤字法人、ベンチャー企業等への、雇用への影響なども十分に配慮したつもりでございます。今後、黒字法人のみが負担する現行の所得課税方式と事業の規模に応じて薄く広く負担する外形標準課税方式とどちらがより公平かという観点などから、幅広い御議論を期待いたしておるところであります。 自治省といたしましては、平成十三年度税制改正においてその制度が図られるよう、今後全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。
○浅尾慶一郎君 今、全力を挙げて取り組まれるというふうにお答えをいただいたわけでありますが、先ほど申し上げましたように、現下の経済情勢をいろいろ考えると、経済界の反発も強いと報道されております。経済界と密接な関係を有します通産省としてのこの案に対する考え方をいただきたいと思います。
○政務次官(伊藤達也君) 外形標準課税についてのお尋ねがございましたが、今先生御指摘のとおり、中小企業団体あるいは経済界、産業界、税理士会や法人会からは、断固反対であるという要望が私どもの方には寄せられております。また、国会の議論の中でも、民主党の先生からも、現在のいわゆる中小企業者の厳しい現状の中にあってはこの外形標準課税の導入について慎重に対応すべきという意見を承っているところでございます。 通産省といたしましては、この外形標準課税が賃金等の企業の生産要素に課税をするということでありますので、これはいわゆる人件費課税、賃金課税、そういう要素がございます。そういう意味では経済的に大変大きな影響を与えるものでありますし、また世界の流れを見てもその流れに逆行するものでありますので、慎重に対応をしていくべきものというふうに考えております。 世界の流れを見ましても、例えばドイツ政府の見解においては、税制における化石ともいうべき営業資本税は廃止されなければならないということで、一九八〇年に賃金課税を廃止し、そして一九九八年には資産課税をも廃止いたしております。フランスにおいては、ミッテラン大統領が、職業税は愚かな税制であり、不公平であり、反経済的であると、こういう指摘があり、一九九九年には賃金課税の廃止を決定したところであります。また、米国においてもミシガン州において、知事が、単一事業税を廃止することにより、経済発展に対する最後の重要な障壁が取り除かれると、こういうコメントが発表されて、昨年一九九九年に単一事業税の廃止を決定をしているということでございます。 地方の財源を充実していかなければいけないということは大きな課題だというふうに思いますが、これは国と地方の税財政全般を見直して、その中で地方の財源の自主性というものを充実させていく、そういうことをしていかなければいけないんではないかというふうに私どもは考えているところでございます。
○浅尾慶一郎君 時間が参りましたので私の質問を終わりますが、自治省と通産省との間で見解に大きな開きがあるようだと思いますので、大変参考になる御答弁をいただいたということを申し上げさせていただいて質問を終えたいと思います。
○富樫練三君 日本共産党の富樫練三でございます。 今回の補正予算に関してでありますけれども、十一月十日に提出されました。一般会計規模で四兆七千八百三十二億円、その中でいわゆる社会資本の整備、公共事業に二兆五千億円を充てる、こういうことであります。この公共事業にかかわる自治体の負担は約一兆二千億円、こういうことであります。その地方負担分の財源はその約二〇%分、二千三百億円を交付税で配分する、賄うと。さらに地方債では、その残りの部分になるわけですけれども、地方債の減額分も入っておりますので全体としては約六千四百億円ぐらいの新たな借金を地方自治体が背負うことになるのではないか、こういうふうに思うんですけれども、この点についてどうですか。
○政府参考人(嶋津昭君) お答えいたします。 今、今回の補正予算に伴う地方負担額について、御指摘のとおり総額は一兆二千億でございます。ただ、そのうち公営企業、下水道等の公営企業分を除きますと、地方財政計画の対象としております普通会計分は九千九百億円でございまして、さらにその中で今回財源対策債の縮減措置を三千五百億円分講じておりますので、三千五百億円分が地方債が減額し、それから九千九百億円について地方債を発行いたしますので、その差し引きをいたしますと、今御指摘のように、今回の補正予算に伴う地方債の増加額は六千四百億円程度だと考えております。
○富樫練三君 その地方負担になる、全体としては一兆二千億円の公共事業なんですけれども、これは具体的な事業としてはどういうことが想定されているんですか。
○政府参考人(嶋津昭君) お答えいたします。 日本新生対策に基づきます重点的な分野に充てるということにされておりますが、地方団体が行います公共事業といいますと、それらの重点分野に対応する、例えば生活環境の整備あるいはIT関連の社会資本の整備等が主な内容になるものと考えております。
○富樫練三君 全体としては、公共事業の一番中心になるのは建設省関係になると思うんですけれども、例えば言われております重点四分野にかかわって建設省の今回の主要事項の内訳、これを調べてみますと、大体建設省関係で一兆八千七百億円ぐらい、その中で五千六百億円が都市基盤の整備、これは一番大きな金額になっております。そのうち地方負担が伴うもの、こういうものが大体半分ぐらい、例えば首都圏中央連絡道路いわゆる圏央道でありますけれども、こういうものとか、市街地再開発事業あるいは空港や港湾などへのアクセス道路の整備、こういうことが盛り込まれていると思うんです。 こういう公共事業のために地方全体として一兆二千億円を負担するというわけでありますけれども、問題はその財源であります。十一月十日付の自治省の財政課長の内簡、ここで財源対策として大きく三点について地方団体に指示をしているわけなんです。 その第一の問題ですけれども、交付税の追加と再算定ということが出されております。 これは、普通交付税の増額分三千四百四十億円のうち追加の公共事業にかかわる地方負担が二千三百億円、これを一般財源として地方に配分するというものでありますけれども、これらのことは新発展政策にかかわる、いわゆる政府の今度の方針ですね、新発展政策と言っておりますけれども、これにかかわる追加の公共事業をもしもある地方自治体が追加のものはやらないというふうに言った場合でも、この交付税の配分は受けられるものなのかどうか、この点についていかがですか。
○政府参考人(嶋津昭君) マクロに考えますと、政府が補正予算で計上いたしました公共事業の各事業は、特定の団体が要る要らないという判断はあると思いますが、全体としては三千三百団体の地方団体がいずれかが負担をするということで、ナショナルな地方負担額の一兆二千億なりあるいは普通会計ベースの九千数百億円というベースの地方負担額は、それぞれ地方財政措置を講じなければならないわけでございます。 そういう点に着目いたしまして交付税に臨時経済対策という費目をつくりまして、大体、地方団体に対する配分といたしましては、人口を単位費用にとりまして、測定単位にとりまして、臨時経済対策費という費目を設定して二千三百億円を交付するということにしているわけでございます。
○富樫練三君 そうすると、今度の交付税法の改正案に出ているわけですけれども、基準財政需要額に算入する場合に臨時経済対策費という費目を設けたと。これは人口比で配分をするということですけれども、二千三百億円を全国の地方自治体に対してすべて人口比で配分するということなのか、ほかの要素も加わるものなのか、ここのところはどうですか。
○政府参考人(嶋津昭君) すべて人口で配分をいたしますと、やはり実際に地方団体が事業を行います負担額と乖離することがございますので、一定の補正をかけて配分をしたいと考えております。
○富樫練三君 先日、自治省の説明を伺いましたら、約半分については人口比で配分するけれども、残りの半分についてはその事業実績、公共事業をどれだけやったかということに基づいて配分するんだと。ということになると、半分は人口比ですからある程度平等にとか、こういうことになりますけれども、残る半分についてはそれによって差をつけていくと。 要するに、政府の要求するような公共事業、ここで新発展政策とこう言われているわけですけれども、そういう政府の言う公共事業をやったところには厚く配分をする、こういうことになりませんか。
○政府参考人(嶋津昭君) 地方団体をとってみますと、それぞれ地域の事情によりまして、農村地域もございますし、都市地域もございます。したがって、過去の公共事業等の実績等を見ますと、やはり河川があったり港湾があったりあるいは農村地帯を抱えているという、公共事業をやらなくちゃいけない必要性の大小があると思います。そういうことをつかまえまして、過去の実績による公共事業の実績額、それによりまして補正を行うということが公平な、今回の補正においても大体過去の傾向に準じた配分が行われるだろうということに着目いたしまして、今のような考え方で補正をかけて配分をするということにしたわけでございます。
○富樫練三君 ということは、やっぱり政府の希望する事業、ここについて、これを実施しているところについては比較的厚く配分する、こういうことになるわけですから、今補助金の整理統合ということが言われておりますけれども、そういう性格のものに半分はならざるを得ない、こういうことだと思うんですね。 内簡で言っております二つ目の問題、公共事業の追加に対する財政措置ということが言われております。これは補正予算で追加される一般公共事業などの投資的経費に係る地方債の充当率、これを原則として八割にする、従来から八〇%以上であったものはそのまま維持する、八〇%以下のものは八〇%にすると、こういうことですね。 ですから、地方自治体が借金をした場合、その八割は後々交付税で見ますよということですね。その八〇%の、さらに元利償還の八〇%を公債費方式でいくということですよね。二〇%分については単位費用でやりますと、こういうふうに内簡には書いてあるわけなんですね。いずれも将来は交付税で見ますということになりますね、これは。 そういうことになりますと、すべて基準財政需要額に元利償還の段階でカウントしますよと、こういうふうに理解してよろしいんですか。
○政府参考人(嶋津昭君) 御指摘のとおりでございます。 補正予算の場合には、当初の地方財政計画を立てる場合と違いまして税収を計上しているわけではないわけでございますので、地方団体が新たに一般財源を用意するという余地がないという意味で補正予算債を発行いたしました場合に、その元利償還金は公債方式あるいは単位費用により措置する、そういういずれかの方式をとりまして基準財政需要額で全額を将来措置をしていこう、こういうやり方を従来からとっているところでございます。
○富樫練三君 ということは、追加の公共事業、いわゆる今度の補正予算に伴う、一兆二千億円に伴う追加の公共事業をやればその分については将来交付税で全部見ますよと、こういう意味ですよね。 そうすると、今の一番目の問題と二番目の問題を合わせますと、一番目の問題、二千三百億の半分については人口比で配分するけれども、残り半分については追加の公共事業をやれば厚くなりますよと。二番目のところは、一般公共事業で追加の公共事業をやればそれはいずれ交付税で全額見ますよと、こういうことになりますね。ですから、そういう意味でいえば、いわゆる政府の政策に合致したものをやれば交付税でちゃんと見ますと、こういうことになってくると思うんです。 それで、三つ目の問題ですけれども、単独事業についての財政措置、こういうことが内簡には出されております。これは地方単独事業の追加、それから機動的、効率的な実施に格段の配慮を願いたいと、こういうふうに内簡には書いてあります。要するに、単独の追加の公共事業をやりなさいやりなさいと、こういうふうに内簡で大いに言っているわけでありますけれども、その場合に起債の充当率は一〇〇%にすると、こうなっております。したがって、一〇〇%借金、手持ちのお金が全然なくても一〇〇%借金認めるからどんどん借金して追加の公共事業やりなさいと、これが今度の内簡の中身ですね。 では、支払いは一体どうするのか。この内簡によれば、四五%については将来交付税でカウントしますよ、基準財政需要額にカウントしますよと、こういうふうになっています。そこで、残りの五五%についてはどうなるんですか。
○政府参考人(嶋津昭君) 今、地方単独事業の財政措置についての御指摘がございましたが、今回のこの内簡の趣旨は、当初の地方財政計画で十八兆五千億円の地方単独事業費を計上しているわけでございますが、地方団体の当初予算あるいはその後の九月補正予算等の状況をお聞きしたり、あるいは集計したりいたしますと、まだ当該年度の地方財政計画の目標額との間に相当額の乖離があるということに着目して年度後半の措置としてこのような、現在のような景気の状況等も踏まえて、地方団体に対して地方財政計画の目標額を踏まえた事業の実施をお願いしているところでございます。 したがって、今回、臨時経済対策事業債の弾力的配分、一般財源がどうしても窮屈な、税収等の状況から見て個別団体によって窮屈だというような団体もございますので、臨時経済対策事業債の弾力的運用で財源手当てをしつつ単独事業の実施もお願いしているところでございまして、その財政措置は、元利償還金の四五%を事業費補正により財政措置をしますというやり方は当初にお願いをした財政措置と全く同じ内容でございまして、その内容を今回の補正予算でも踏襲するといいますか、当初の方針どおりに財政措置をしますと。残りの五五%につきましては、将来、当初で組んだ単独事業と同じように、後年度の地方財政対策におきまして一般財源、税、交付税でございますが、一般財源を確保して地方団体で償還していくということを計画しておるところでございます。
○富樫練三君 そうすると、四五%だけではなく、残りの五五%もいずれ将来の地方財政計画の中で、いわゆる交付税の中で見ていく、こういうふうに理解してよろしいんですか。内簡にはそういうふうには書いてないんですけれども。
○政府参考人(嶋津昭君) 地方財政計画の立て方でございますが、いわゆるそれぞれの地方団体が発行した地方財政計画内の地方債を発行したもの、それに係る元利償還費は地財計画の歳出において公債費として計上していく、そういうルールになっております。そういう意味で、将来の地方財政計画の歳出要因になってくるという意味でその財源保証の対象にはなり得るものだと思います。 今御指摘の公共事業に対する交付税措置でもそうですが、いわば委員も御承知の、御理解の上で御指摘されているんだと思いますけれども、交付税の基準財政需要額に算入するということは交付税を増額するということではございません。基準財政需要額で算入することは、それらの団体の一般財源である税によって賄って、足りない分が交付税により財政措置をされるわけでございますので、一般の財政力指数、都市の平均でいいますと七割とか八割でございますので、その基準財政需要額に算入しても、交付税措置をするのはその一定の部分にとどまるということでございます。
○富樫練三君 その問題はその問題で改めて議論をする必要があると思います。交付税で見るよといっても、それは基準財政需要額にカウントすることであって、その分、その元利償還分が、そのままの金額が交付税で出ていくわけではないということですね。これはこれでちょっと後でまた議論をしなくちゃいけない問題というふうに思うんですけれども。 そこで、要するに地方単独事業を十八兆円当初計画したんだけれども、これまでまだ乖離がある、まだそこまで到達していない、したがってどんどん地方単独事業をやってもらいたい、それについては四五%は当面見るけれども、残りの五五%についても将来それは交付税で見るようにしたい、しますとは言っていませんので、したいと、こういうことのようですね。そうすると、一番、二番、三番というふうに私質問をしてきましたけれども、そのすべてが、要するに借金した分は全部交付税で見ますよと、最終的には。したがって、とりあえず新発展政策、今の公共事業、政府が要請しているこの景気対策としての公共事業を地方もどんどんやってもらいたいと、こういう要請をしていますね、後で見るからと。 でも、その後で見るからという交付税なんですけれども、そもそも交付税というのは地方の独自の一般財源ですよね。本来地方の財源なんですよ。国があたかも交付税で見てあげますからどんどん借金しなさいと、こういうふうに言うんだけれども、そもそも地方の財源でそれを補ってあげますから借金しなさいと、こういうやり方なんですね。 ここで大臣に伺いたいわけですけれども、そういうやり方、交付税は本来地方の一般財源、その使い道まで国が指示する権限はないと思うんです。これは地方が決めることなんですよ。交付税の総額というのは自動的に決まってくるわけですからね、国税五税から何%ということで自動的に決まってくる。そのお金をどう使うかというのは地方が決めること、こういうことなんです。そういう制度を著しくゆがめるものだというふうに私は思いますけれども、大臣、どう思いますか。
○国務大臣(西田司君) 公共事業の地方負担につきましては、もう委員御承知のとおり、地方財政法の規定に基づきまして地方交付税に算入することができることになっております。各団体の財政需要の実態を適切に反映するため、一部について各団体の事業量に応じた算定をしておることは先ほど財政局長からお答えをしたとおりであります。 このような措置につきましては、地方分権推進計画における算定の簡素明確化の趣旨を十分踏まえまして適切な算定に努めてまいりたい、こう考えております。
○富樫練三君 大臣、地方交付税法の法律の目的、第一条に書いてあるわけですけれども、最終的にはこういうふうに言っているんです。「地方自治の本旨の実現に資するとともに、地方団体の独立性を強化することを目的とする。」と、これが地方交付税法の目的なんです。ところが、地方の独立性を今ゆがめているのが交付税の配分の仕方なんですよ。ですから、法律に基づいてやられるんだけれども、その法律の運用の仕方が中身をゆがめている、これが実態だと思うんです。 例えば、神野さんという東大教授、彼は地方政治の専門家、地方交付税の専門家でもあるわけですけれども、交付税と地方債は国庫支出金とともに国が主導する公共投資の道具として社会資本整備及び景気対策に利用されてきたと、こういうふうに厳しい批判をしているんです。あるいは石原信雄さん、元内閣官房副長官なんですけれども、最近は恒常的に地方交付税の特会が借り入れて景気対策の穴埋めをしている、地方財政は悪化しており、本来ならば引き締めなければいけないのに借金で上積みまでしてじゃぶじゃぶ配っている、明らかに異常だと、こう指摘しているんです。それから横浜の市長、交付税は特定の事業をするための補助金のような性格になったと、こういうふうに言っているじゃありませんか。 ですから、私は、こういう専門家や現場の責任者が言っていること、本当にそのとおりだと思うんです。この際、交付税法の原点に立ち返って地方分権の推進の立場をしっかり進めること、このことが大事だと思うんです。同時に、こういうゆがめるような運用のやり方、これはきっぱりとやめることが大事だと思うんです。そして、地方に税財源の移譲をして地方財政の確立を図る、これをやるのが自治大臣の仕事じゃないですか。大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(西田司君) 基準財政需要額は、地方団体におけるあるべき財政需要額を補完することを目的としております。各地方団体における一般財源としての地方税と地方交付税の収入に対応するものである。したがって、需要額に算入することが補助金化ということではないと私は考えております。
○富樫練三君 終わります。
○照屋寛徳君 社会民主党の照屋寛徳でございます。私の方からも二、三お聞きをいたします。 地方分権一括法が施行されましていよいよ地方分権が実行段階に入ってまいりました。いろんな方がいろんなところで、地方分権をより実効あらしめるために何が必要なのか、何を緊急に取り組まなければならないのかについて語っておるわけでありますが、やっぱり何といっても地方の財政をどう充実させていくかということが私は大事なことではないかなというふうに思っておるわけであります。一方で、国もそうでございますが、地方財政も極めて危機的な状況でありまして、しかもそれが一層深刻化を増しておるということは大臣も基本的に認識をしておられるんだろうというふうに私は思っております。 今回、補正予算が編成をされて、過日、国会でも通過をしたわけでありますが、今度の補正予算の編成に伴う公共事業の追加等によって地方負担分も約一兆円ぐらい地方債を増発しなけりゃならない、こういうふうな事態であります。したがって、補正予算と地方交付税法の改正が地方財政の健全化にむしろ私は逆行しているんじゃないか、住民負担がむしろふえてしまうのではないかと、こういうふうに危惧するわけでありますが、現下の地方財政の状況についての大臣の御所見を伺うとともに、今私が申し上げた点での問題認識などについてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(西田司君) 現在の地方財政は、経済の厳しい状況を反映いたしまして、税収入の低迷や累次の景気対策のための公共事業の追加に加え、減税の実施などにより大幅な財源不足が続くとともに、借入金が急増している極めて厳しい状況と私は認識をいたしております。 そこで、地方財政の立て直しのためにもまずは景気を自律的回復軌道に乗せることが必要でありますが、安定的な地方税財源となる法人事業税への先ほどもお話をいたしました外形標準課税の導入について、平成十三年度税制改正においてその制度が図られるよう、現在全力を挙げて取り組んでおるところであります。 また、景気の状況を見きわめつつ、国と地方の税財源配分の見直し等、地方財政の諸課題について幅広くしっかりとした検討を行い、地方団体がより自主的、自立的な行財政運営を行えるよう図っていかなければいけないと、こう基本的に考えて進めておるわけであります。
○照屋寛徳君 その補正予算の中では、前年度の剰余金を特別法を制定してまですべて歳出につぎ込んだわけでありますが、その必要性について、なぜそうするのか、そこら辺を含めてお答えいただけたらありがたいなと思います。
○政府参考人(津田廣喜君) 今回の剰余金の取り扱いでございますが、大きく考えますと、金融環境の変化ですとかあるいは国債をめぐる諸情勢ということになろうかと思いますが、そういったものを考えますと、国債発行額をできるだけ抑制いたしまして、今回は臨時異例の措置として財政法の特例を設けて、その全額を一般財源に充当するということにしております。 これは一つは、社会資本の整備におきましても、すべてを国債発行によるというのはできるだけ避けたいということから、まずは税収の増あるいは剰余金を財源としたいということを考えたわけでございまして、その結果、新たな国債を少しでも減らしたいということからこのような処理にしております。
○政務次官(荒井広幸君) 大臣の方から総括的にお話がございまして、大蔵省からもございましたが、自治省といたしまして、今回の補正予算に伴い追加される事業などの地方負担については、地方財政が極めて厳しい状況にあること、加えて国においても、今ほどお話がありましたが公債発行を抑制することとして補正予算を編成していることを踏まえまして、従来のように全額地方債による措置ではなくて、交付税の増額をあわせて行うとともに、財源対策のための地方債の縮減を図ることとしておりまして、地方財政の健全化に配慮いたしているところでございます。 地方財政の健全化のためには、まずは自然増収という意味で景気対策に万全を期すことが重要であり、同時に地方に配慮して、追加事業等が地方自治団体において円滑に実施される、こういう視点からそのような措置をとっているところでございます。
○照屋寛徳君 私は、国家財政の運営、国家財政のあり方を決めている基本的な法律である財政法の精神、理念というのをそうやすやすと曲げたりするようなことがあってはならないと思うんですね。今回、臨時異例の措置として今御答弁ありました、歳出に全部つぎ込んだと、こういうことでありますけれども、国家財政の基本、運営の理念というんですか、それは財政法にあるわけですからね。そこを余り変更したりするようなことは私は好ましくないことだというふうに考えております。 それで、補正予算編成後の来年三月末の国と地方の長期債務残高は幾らぐらいになる見込みなんでしょうか。
○政府参考人(津田廣喜君) 平成十二年度の当初予算を提出した段階で国会にお示しした数字というのは、十二年度末で約六百四十五兆円ということを申しておりました。これは国、地方を通じた長期債務残高でございます。その後の増減を勘案いたしますと、現在のところ、十二年度末で約六百四十二兆円になる見込みを立てております。
○照屋寛徳君 最後に、時間がありませんので、沖縄サミット関連事業の県、市町村の財政負担への特別交付税の補てん、これについてはどういうふうな措置をとられるか、その方針をお聞かせください。
○政府参考人(嶋津昭君) 九州・沖縄サミット関連対策におきましては、関係地方公共団体において大変な御協力をいただいたところでございますが、それに対しては、この事業の性格から考えましても必要な地方財政措置を十分に講ずる必要があるというふうに考えております。 したがって、関係する各団体、沖縄県を初めその他の団体、市町村、福岡県あるいは宮崎県の関係団体からよくその財政需要をお聞きいたしまして、三月の特別交付税の算定においてその点について十分配慮した措置を講じたいというふうに考えております。
○松岡滿壽男君 もう既に先行委員の方からいろんな角度の御質問があったわけでありますけれども、まず外形標準課税を二〇〇二年の四月に導入ということを目標にしておられるようでありますが、先ほども通産政務次官の話とかありましたように、いろんな意見があるわけです。 しかし、法人事業税の改正という観点より、先ほど交付税のあり方についてのいろんな議論がありました。いわゆる地方財源、地方と国との配分、そういう角度から抜本的な洗い直しをするときにもう来ているんじゃないかと思うんです。私は、恐らく来年、参議院選挙が済んだら財政再建一色になるだろうと思うんですよ、いろんな面で。 せんだっても指摘いたしましたように、経済企画庁あたりが「財政赤字の経済分析」という小冊子の中で、二〇〇三年に、もう既にこのまま行ったら消費税を二六%にしなきゃいかぬとか、そういう議論すら出てきているわけですね。だから、国民の漠然とした不安というのはその辺の問題があるわけですよ。実態がどうなんだろうかというのがわからない。 そして今回も、景気回復の一環として地方交付税の配分ということで法案として出てきておるわけですけれども、将来の、恐らく来年の夏以降は財政再建一色になると、消費税の配分にしても一%を二%にしろとか三%にしろという議論は大蔵省からけ飛ばされるのは目に見えているわけですよね。だから今の段階で、それじゃ、この現状の中で、先ほど浅尾さんもいろいろな議論をしておられましたけれども、実際、地方の立場に立った自治省として、財源配分のあるべき姿というものをやっぱりきちっと私は出していかなきゃいかぬだろうと思うんです。 その辺の姿勢について、まずお伺いいたしたいと思うんですが。
○国務大臣(西田司君) 地方財政構造全般についての御質問でございますが、特に今自治省が取り組んでおる外形標準課税の問題にお触れになりましたので、そのことを中心にしてお答えをいたします。 法人事業税への外形標準課税の導入につきましては、一つには、繰り返すようでありますけれども、税負担の公平性の確保や地方分権を支える基幹税の安定化等の重要な意義を有する改革であり、地方団体からも全国的な制度として導入してほしいという強い要望を受けておるところでございます。 外形標準課税の導入について、地方税全体の拡充という観点から検討すべきとお尋ねでございますが、税源移譲なども含めた国と地方の税源配分の見直しについては、今後景気が本格的な回復軌道に乗った段階において、国、地方を通ずる財政構造改革の議論の一環として取り組むことが必要であると考えております。 法人事業税への外形標準課税の導入については、これに先立って早急に取り組むべき課題であり、今後その早期実現に向け全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。
○松岡滿壽男君 消費税の配分について、自治省としてしっかりした一つの案というものを持っておられるのかどうなのか。今一%ですね、地方消費税。しかし、先々消費税、これは上がっていくだろうと当然思いますね。やはり財政再建をやっていくためには、税を上げていく方法とあとは歳出削減と、これを組み合わせていくしか方法はないわけですよ。 その場合に、例えば何%にしたときには、地方税、地方と国との財源配分をどうするという視点があるのかどうかということが一点と、もう一つは、立教大学の斎藤教授ですか、大分前から言っておられる道州制の導入ですよ、これで十八兆円節減できるという提案があるわけですね。この二つをやはりきちっとして自治省としてボールを投げておかないと、先行き一体どうやって地方が生き残っていくかということについて見えないわけですよ。 目先だけの合併をとにかくしていくということで今回、来年度予算ですか、新しく自治省も公共料金その他についての手当てはされる。それは一歩前進だと私は評価しておるんですけれども、全体的な今後の流れが一体どうなっていくのかということが全然見えてこない、地方から見ると自治省の姿勢が。これについてお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(西田司君) まず第一点は、消費税の問題についてのお話でございました。 将来、消費税をいつ上げるかどうかという問題については、広く議論の中で方向がつけられるであろうと、こう考えております。もし消費税が上がった場合、それでは地方分というのはどうなってくるかということ、現在一%を取っておりますけれども、これらにつきましては十分に検討をして地方財政に役に立つようにしていかなければいけないと、こう考えております。 それから、二番目の御質問の道州制の問題でございますが、御案内のように、今自治省におきましては都道府県と連携をとりながら市町村合併というものを進めております。この市町村合併をできるだけやって、そして地方、地域間格差というものをなくしていくということが当面の目標でございます。お話にございました道州制というものも、これは将来的に一つの考え方として検討をしていかなければいけない課題であると、こう考えております。
○松岡滿壽男君 きょうは時間がありませんので、またゆっくりその辺の議論はさせていただきたいと思うんです。 先ほど、富樫さんとのやりとりで大体わかったんですけれども、今回の地方負担分ですね、一兆二千億。この中で道路整備など人口比でない部分について、これはやはり非常に財政力の弱い地方にとっては新しい事業ができないという状況になることを非常に危惧するわけですけれども、こういう事業を地方が円滑に実施できるかどうかというのを見守っていくというのは自治省の大きな仕事だと思うんです。そういう点についてのお考えを伺いたいというふうに思います。
○政府参考人(嶋津昭君) 今の富樫委員の御指摘の裏腹の問題なわけでございますが、地方団体が補正予算の事業を実行しやすいためには、現実的な財政措置といたしますと、補正予算債を発行して資金手当てをするというのが非常に現実的なわけでございまして、そういうことも考えまして八割を補正予算債で措置をし、二〇%を交付税措置をするということにしたわけでございます。 交付税も、客観的な手法等を入れた配分をいたしますので、市町村によりましては地方負担額と交付税の二割の額が合わない団体も当然出てくるわけでございますので、課長内簡の中でも記述しているわけでございますけれども、そういう当該団体におきまして資金手当てなりあるいは必要に応じて特別交付税措置等も講じまして、安定的に地方団体が公共事業を執行できるような措置を講じてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○松岡滿壽男君 細かい話で恐縮ですけれども、この単位費用、警察が一千四十七万三千円ですか、それから小学校が五百二十三万九千円、中学校が五百十万九千円、高等学校が七百七十六万四千円ですか、これはどういう根拠で出ているんでしょうか、数字が。
○委員長(朝日俊弘君) 時間が来ていますので、手短に。
○政府参考人(嶋津昭君) 今回の地方財政措置の一つといたしまして、人事院勧告に基づきます給与改定の実施に伴う財源についての措置をいたしたわけでございまして、その際、期末・勤勉手当等の減額に伴いまして必要な財源が交付団体ベースで二千三百億円ほど減少いたすわけでございまして、それぞれ人件費を算入されている単位費用、それらにつきまして、その人勧による不用額相当分を単位費用を減額するという措置を講じたわけでございまして、したがって、その人件費を含む単位費用の費目すべてにわたりまして単位費用の改定を行う必要が出てきたということでございます。
○松岡滿壽男君 終わります。
○委員長(朝日俊弘君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○富樫練三君 私は、日本共産党を代表して、地方交付税法の一部を改正する法律案に対する反対の討論を行います。 反対理由の第一は、本法案が、日本新生のための新発展政策と称して効果のない景気対策の公共事業の追加を地方自治体に実施させるために、地方交付税制度を根本からゆがめる内容になっているからであります。これは地方財政の借金を増大させ、地方の財政破綻を一層拡大させるものであります。 今回の補正予算は、公共事業に二兆五千億円を充て、地方に対しては地方交付税制度を利用して自治体に一兆二千億円負担させる内容となっています。その財源として、二〇%の二千三百億円は地方交付税で配分するといいますが、それは政府の要請する追加の公共事業を実施した団体に厚く配分するというものであります。また、残りの八〇%は全額地方の借金とし、元利償還はこれまた交付税で賄うというものであります。結局、国の政策実現のために地方の財源である交付税を丸ごと投入するというものであります。これでは、地方分権の流れに反するばかりか、地方交付税法の第一条で定めた地方自治の本旨の実現、地方団体の独立性の強化、これを根本からゆがめることになります。 このような交付税のあり方に対して、専門家や現場の市長などから厳しい批判が出されているのは当然であります。政府は、地方自治と地方分権の原点に立ち返って、地方交付税の運用については交付税法を守るのが当然であります。 反対理由の第二は、補正予算に伴う交付税の増額八千九百九十億円のうち、六〇%に及ぶ五千三百三十億円を来年度に繰り越すこととしていますが、これは、本来地方団体の共有の財源である交付税を来年度に先送りし、本来国が責任を負うべき地方財政の財源不足に充てることとしているからであります。 ことしの年度当初、九兆九千億円もの地方の財源不足が生じ、来年もまた巨額の財源不足が生じることが必至の状況にあります。本来、この財源不足は、交付税法第六条の三第二項の規定に基づいて、その全額を国の責任で補てんされるべきものであります。これが交付税法に定められた原則であります。本来、地方の財源である繰越分五千三百三十億円をその穴埋めにすることは筋違いであって、認めることはできません。 反対理由の第三は、給与改善費等の不用として二千三百三十億円の交付税の縮減、これは二年連続の賃金水準の切り下げという人事院勧告に沿って、地方公務員についても賃金カットを強いるための財政措置であります。これは、三百二十五万、自治体に働く人々、家族を含めますと一千万人の国民の購買力を冷やし、その地域の民間の給与水準にも悪影響を及ぼし、地域経済への影響も大きく、景気を悪化させることとなり、到底認められないものであります。 最後に、地方交付税法のゆがんだ運用をきっぱりやめること、地方分権に即して税財源の地方への移譲を行うこと、公共事業は大手ゼネコン本位ではなく地域経済密着型で国民の暮らし最優先の公共事業に切りかえること、財政再建と景気回復を同時に行うことを主張し、討論を終わります。 以上であります。
○照屋寛徳君 私は、社会民主党・護憲連合を代表し、地方交付税法の一部を改正する法律案につきまして反対の立場で討論を行います。 二〇〇〇年度の地方財政は、約九兆九千億円の大幅な財源不足に加え、恒久的な減税の実施による減収も三・五兆円に上っていました。これらの財源不足の補てん及び景気対策のため、交付税特別会計借入金の増額や地方債の大幅な増発が行われ、本年度末までに地方財政は約百八十四兆円もの多額の借り入れを抱えることが見込まれております。 反対の第一の理由は、地方財政の危機が一層の深刻化の度を増している中で行われる今回の補正予算と地方交付税法の改正が、地方財政の健全化に逆行するだけでなく、将来の住民負担に重くのしかかってくることであります。 今回の補正予算によって地方交付税は八千九百八十五億円の増額とされ、あたかも地方財政は増収に転じたかの印象を与えています。しかしその内実は、一九九九年度の第二次補正における行き過ぎた減額補正の結果にすぎません。その一方で、今回の政府の補正予算に伴う公共事業の追加による地方負担として約一兆円もの地方債を新たに増発しなければならなくなっています。このことが本年度末に百八十四兆円と見込まれている地方財政の借金の総額を積み増すことになります。起債の増発と交付税とのリンクによる誘導によって経済対策を実施することが地方財政の危機を深化させているのであります。 第二に、自治体財政の現状を見た場合、国の経済対策につき合う余力があるのでしょうか。幾ら補正予算と交付税法改正によって公共事業の追加に伴う地方負担に万全の措置をとったとしても、中央政府の期待ほどに事業執行するか極めて疑問であります。仮に補助事業の執行が増しても、その分単独事業が後退することになり、これは地方分権にも逆行するものと言わざるを得ません。 第三に、なぜ景気への波及効果が落ち込んでいる公共事業を積み増すのかということであります。 大規模な公共事業への投資は、借金を重ね、維持管理など将来のコストも膨大になることは今や明らかであります。貴重な財源であるからこそ、福祉や環境、バリアフリーといった分野の事業内容の重点化を図ることや、地域の内発的な経済の振興に資する対策への切りかえを行うことが必要です。 今大切なことは、地方財政の危機の解決に向けた展望を明らかにするとともに、地方分権を一層推し進めるために、税財源の移譲を含む抜本的な税財政改革を断行することであることを申し上げ、私の討論を終わります。
○委員長(朝日俊弘君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 地方交付税法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(朝日俊弘君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(朝日俊弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(朝日俊弘君) 次に、未成年者喫煙禁止法及び未成年者飲酒禁止法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、提出者衆議院地方行政委員長増田敏男君から趣旨説明を聴取いたします。増田敏男君。
○衆議院議員(増田敏男君) ただいま議題となりました未成年者喫煙禁止法及び未成年者飲酒禁止法の一部を改正する法律案について、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 近年、少年による路上強盗やひったくりの急増、覚せい剤等の薬物汚染や性の逸脱行動の拡大など、少年の非行や問題行動は深刻な社会問題となっております。 少年非行は、平成八年から連続して悪化、深刻化の傾向を示しており、強盗、殺人などの凶悪犯の検挙人員も高水準で推移いたしております。 特に、最近の少年非行は、それまでに非行を犯したことのない少年が短絡的動機から重大な非行に走る、いわゆるいきなり型非行が目立っておりますが、こうした少年の多くにおいて、重大な非行に至るまでには、喫煙や飲酒などの問題行動があることが指摘されております。 そして、このような問題行動が、路上、駅構内、列車内、繁華街で公然と行われる傾向が強いものとなっている一方、たばこや酒類を販売する業者の一部が、相手方が二十歳未満であることを知り、または知り得る場合であっても必要な注意を払わずに、たばこや酒類を販売している実態があります。 少年の喫煙、飲酒は、少年自身の問題だけではなく、社会の責任の問題でもあります 平成十一年に未成年者飲酒禁止法の改正により、未成年者に対して酒類を提供した場合における両罰規定が導入されたところでありますが、未成年者の健全な育成を図るため、未成年者に対するたばこ等の販売禁止違反に対しても両罰規定を設けるとともに、酒類の提供及びたばこ等の販売禁止違反に対する罰則を強化する必要があることから、本案を提出することとした次第であります。 次に、本案の内容について御説明申し上げます。 まず第一に、たばこ等の販売禁止違反に対する罰則について、その法定刑を、現行の二万円以下から五十万円以下の罰金とすることとしております。 第二に、法人の代表者または法人もしくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人または人の業務に関し、たばこ等の販売禁止違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人または人に対して当該罰金刑を科するものとしております。 第三に、酒類の販売または供与禁止違反に対する罰則について、その法定刑を、現行の科料から五十万円以下の罰金とすることとしております。 なお、本案は、公布の日から起算して三十日を経過した日から施行するものとしております。 以上が、本案の提案の理由及び内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いを申し上げます。
○委員長(朝日俊弘君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○和田洋子君 ただいま趣旨説明のありました改正法案に対しまして、私どもは賛成のつもりでございますので、ちょっと確認の質問だけをさせていただきます。 私も、成長期にある子供たちがお酒を飲んだりたばこを吸ったりするのは本当に危惧をしております。もう絶対にこういうことはやってほしくないというふうに思っている親の一人でございますので。でも、私ちょっとこの週末に地元に帰りまして、こういう法律案ができるけれどもどう思いますかと聞いたら、みんな本当にこれはぜひ決めてほしいということであります。でも、子供たちがたむろしてたばこなんか吸っているときに注意はできないよね、怖いよねという人が大半でございました。そういうのはどうしたらいいのかなという思いをしております。 厚生省では、健康日本21の中で、二〇一〇年度までに未成年者の喫煙と飲酒をなくすということを目標に掲げておられますけれども、こういう、例えば教育庁とかと連携を図られながら、啓蒙というものをどういうふうに進めていかれるつもりなのか、お聞かせください。
○政府参考人(篠崎英夫君) 厚生省といたしましては、健康日本21の中の、未成年者の喫煙、飲酒をなくすというその目標の実現に向けまして、未成年者を含む国民に広く喫煙や飲酒による健康影響に関する正確な情報提供をパンフレット、インターネットなどを活用して行ってきております。 特に本年五月には、未成年者の喫煙防止をテーマといたしました平成十二年世界禁煙デー記念シンポジウムを開催いたしましたほか、今月の二十九日でございますが、未成年者の飲酒防止をテーマといたしましたシンポジウムを開催することといたしております。 また、この健康日本21の推進のために、地方自治体に地方計画を策定することをお願いいたしておりますが、この策定推進の中で、啓発教育につきまして、教育委員会、学校との連携も図られるものと期待をいたしております。 さらに、今後とも、文部省を初め関係省庁と連携するなどいたしまして、啓発教育の推進に努めてまいりたいと考えております。
○和田洋子君 たばこを吸ったりお酒を飲んだりしたら必ず成長の段階で何らかの害があるということをきちんと子供たちに教えていただきたいなという、親の責任も本当にあるというふうに思いますが、ぜひよろしくお願いします。 次に、平成十年に総理府内閣総理大臣官房広報室が行った青少年の非行等問題行動に関する世論調査というのによりますと、二十歳未満の人が三〇%、二十歳以上の人が三八%、アンケートをとったんですが、社会環境や社会風潮について問題だと思う点、どう思いますかというふうに聞いたら、やっぱりたばこやお酒などの自動販売機が多いということの答えが大半だったというふうに聞いています。 自動販売機、本当に私たちも目につくところです。お酒なんかは、通りに面したところは何時以後は規制するとかそういうことをやっておりますけれども、例えばホテルとかそういうところがないとかコンビニでは規制できないとかいろいろあるそうなんですけれども、酒とたばこと一緒に聞きたいんですが、自動販売機の数、そういうものがどのくらいあるものなのか、また今後、例えば自動販売機を減らしていくなんという方向を考えておられるのか、もし考えておられるとしたらどういうふうに考えておられるのか、お願いします。
○政府参考人(塚原治君) 酒の自動販売機についてお答えいたします。 全国小売酒販組合中央会において、平成七年五月に購入者の年齢確認が不可能ないわゆる従来型の自動販売機の撤廃を自主的に決議しております。国税庁においても、平成七年七月に酒類自動販売機に係る取扱指針を発しまして、従来型の自動販売機を撤廃すること及び新規に自動販売機を設置する場合には運転免許証等により年齢確認が可能ないわゆる改良型の自動販売機を設置することを指導するなど、中央会の取り組みを支援してきているところでございます。 その結果、全国小売酒販組合中央会が従来型酒類自動販売機の撤廃などを決議した直後の設置台数十八万六千台が、本年六月一日現在では十一万九千台になっており、六万七千台減少しているところです。 なお、従来型のほかに、改良型の酒類自動販売機の設置台数は五千四百台となっております。
○政府参考人(飯島健司君) たばこの自動販売機につきましてお答え申し上げます。 たばこの自動販売機の数でございますが、昨年十二月末現在で五十二万八千七百台ほどございます。 未成年者喫煙防止の観点から、この自動販売機のあり方をどう考えるかという問題でございますけれども、未成年者喫煙防止の観点のほかにも、例えばたばこ小売店の場合、高齢の方が経営しておられる零細な店舗が多い、こういった店舗の省力化の問題というふうなこともございまして、さまざまな観点からの幅広い論議が必要であろうかと、こんなふうに考えております。 なお、この事業法に基づきます小売の許可を行うに際しまして、自動販売機の設置場所が未成年者喫煙防止の観点から十分な管理ができない、こういったふうな場所であると認められる場合には小売の許可を行わないこと、あるいは法令に違反して未成年者に対するたばこを販売して処罰された、そういうふうな場合には小売の許可を取り消すあるいは営業停止を命ずる、こういった措置もございまして、これらの施策を徹底してまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。
○和田洋子君 時間がないので生活安全局長の質問をちょっとカットさせていただいて、国税庁は未成年者に酒を売らないように小売店に対してどんなふうに御指導されていかれるのか、また、たばこもどういうふうに御指導されていかれるのか、お聞きをしたいんです。 そして、例えば売った場合はあれが五十万円以下とかというのはあるんですけれども、一見して大人に見えてわからなかったというような、小売店の方たちがこの間おいでになったときは、もうおばあちゃんなんかいたら、何人もして来たら売らなくちゃいけないような状況になるとか、本当に今の子供さんたちは大きく見えてわからないとかいうふうにありますが、もし売ってしまった場合というのはどういうふうになるんでしょうか。
○政府参考人(塚原治君) 国税庁におきます指導についてお答え申し上げます。 国税庁においては、致酔性、依存性を有する酒類の特殊性にかんがみまして、よりよい飲酒環境を形成して消費者利益と酒類産業の健全な発展を期する観点から、酒類の対面販売の徹底や酒類の自動販売機による販売について、未成年者飲酒の防止に配慮するよう酒類業界に要請するなど所要の措置を講じてきております。 平成十年四月には、年齢確認の徹底、夜間における酒類販売体制の整備、清涼飲料水との分離陳列、従来型酒類販売機の撤廃、従業員研修の実施などについて関係団体に要請するとともに、これらの取り組みについて指導してきているところでございます。さらに、現在、関係省庁と連携して、未成年者飲酒防止のための取り組みをさらに強化するよう業界に改めて要請する準備を進めているところでございます。
○政府参考人(飯島健司君) たばこ関係について申し上げます。 大蔵省といたしましては、未成年者喫煙防止の観点から、小売販売の事業者に対しまして、たばこを購入しようとされる方が未成年者であると推察される場合には、確認の上、たばこを販売しないこと、あるいは自動販売機の見えやすい場所に必ず未成年者喫煙禁止の趣旨を表示すること、こういった指導を業界に対してしておりまして、その周知を図っておるところでございます。 これを受けまして、全国たばこ販売協同組合の方におきましては、自動販売機の深夜稼働の停止、店頭での未成年者喫煙防止ポスターの掲示、自動販売機への未成年者喫煙防止のステッカーの貼付、未成年者と思われる購入者に対しましてたばこは二十歳になってからと声をかける運動、こういったものに取り組んでおるというふうに承知しております。
○委員長(朝日俊弘君) 時間がないので手短に。
○政府参考人(黒澤正和君) お答え申し上げます。 個々具体的な事案に即しまして具体的に判断すべきものでございますが、一般論としてのお答えになろうかと思いますが、お尋ねのような事案につきましては、未成年者が飲むこと、あるいは喫煙したりすることを知らなかったという場合には構成要件上「知リテ」となっておりますので、これに該当せず、したがって違反に問うことはできないものと考えております。
○富樫練三君 日本共産党の富樫練三でございます。 最初に公正取引委員会に伺いますけれども、未成年者の飲酒を防止するために酒の小売店、小売業界、ここでは自動販売機の自主的な撤去、営業上は大変大きな犠牲を覚悟しつつもこれを進めているという状況であります。ところが、一方で、安売り量販店などとの公正な競争、これも小売店の皆さんは求めているわけなんです。 特に差別対価について伺いますけれども、先日、衆議院の大蔵委員会でも問題になりましたけれども、酒屋さんが協同組合をつくって十万ケース以上をまとめて仕入れたら一ケース当たり三千七百九十五円。ところが、量販店が三万から四万ケースを仕入れて、そのときの売り値が三千七百三十円から三千七百九十円、すなわち量販店の方は小売店がまとめて買ったときの仕入れ値よりもさらに安い値段で売っている、こういうことが明らかになっているわけであります。これはもう大量のリベートが存在するのではないか、これは明らかだというふうに指摘されているわけですけれども、これでは公正な競争環境、こういうふうには言えないと思うんです。 公正取引委員会ではこういう事実を把握しているのかどうか、さらに公正な競争環境をつくるためにどういう措置をとっているのか、この点についてまず伺います。
○政府参考人(楢崎憲安君) 第一点、実態確認でございますけれども、私ども、個別事件を通じてリベートがどういうふうになっているか、あるいは一般的な調査といたしましてメーカー、卸等から、あるいは小売業者等からリベートの実態等についてヒアリング調査を行ってきているところでございます。 そして、どういう対策をとっているかということでございますけれども、酒類の不当廉売の問題あるいは差別対価の問題につきましてはガイドラインをつくるということをお約束していたわけでございますけれども、十一月二十四日、いわゆる酒類のガイドラインを公表したところでございます。 このガイドラインによりますと、特に差別対価につきましては、取引量等を反映しないような不当な価格差があり、そしてそれが小売段階における価格競争を阻害するというふうなおそれがある場合には差別対価として問題となるということを明らかにしているところでございます。そして、単に取引先メーカーと卸、卸と小売の間だけじゃなくて、メーカーが差別的なリベートを出すということも差別対価等に該当するおそれがあるという考え方も示しているところでございます。 いずれにいたしましても、公正取引委員会といたしましては、差別対価が現実に起こらないようにするということも重要でございますので、メーカー等に対しリベートの支給基準の明確化の取り組み等を要請してまいるつもりでございます。また、違反行為があればきちんと取り締まるということでございます。そういうふうに対応しております。
○富樫練三君 今、十一月二十四日にガイドラインを発表した、こういうふうに答弁がありましたけれども、そのガイドラインについては文書になっているものだろうと思いますので、当委員会にぜひ後日配っていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(楢崎憲安君) 一般に公表しておりますので、必要があれば届けさせるようにいたします。
○富樫練三君 ぜひお願いしたいと思います。特に今、青少年のお酒やたばこの問題で社会的な問題として皆さんが心配しているわけでありますので、そういう点で小売店の営業が成り立っていく、こういう環境をつくること、このことも大変大事だと思いますので、厳正な対応を要望したいと思います。 次に、警察庁に伺いますけれども、七月に出されました少年の問題行動を助長する社会環境対策の在り方に関する調査研究報告書というのがあります。この中でも酒やたばこの自動販売機の問題、さらにコンビニでの酒類の販売が大きな問題として挙げられております。 このコンビニの問題ですけれども、コンビニでの防止対策について、警察庁としてどのような対策をとっておりますか。
○政府参考人(黒澤正和君) 警察といたしましては、コンビニエンスストアが少年の健全育成環境の確保に向け取り組みを強化するなどして、地域安全活動の一翼を担うことのできる店舗となるための働きかけを行っておるところでございます。特に少年問題につきましては、酒、たばこ以外にも有害図書の問題もございます、また少年のたまり場等の問題もございます。そういったことから、地域安全活動の一翼を担うような社会的な責任を果たす、そういうような観点からの働きかけを行っておるところでございます。そしてまた、街頭補導活動でありますとかパトロール活動を通じまして、酒類の販売実態の把握に努めておるところでございます。 こうした活動により把握いたしました実態に基づきまして、個別の店舗につきまして指導や警告を行いますとともに、悪質な事案につきましては、的確な捜査によりまして違法行為を立証して取り締まりを行ってまいっておるところでございます。
○富樫練三君 青少年の酒、たばこの問題についてはこれだけ重大な問題になっているわけですけれども、どうも政府として、内閣として統一した対策がきちんと行われていないのではないかと、こういう点が大変気がかりなわけであります。例えば、年齢制限の法律については警察庁の所管、広告や宣伝あるいは警告、こういう問題については国税庁の所管、学校での教育については文部省の所管、母性保護については厚生省、こういうふうに担当分野、担当省庁が分かれています。どこが取りまとめの中心になるのか、はっきりしないのが現状だと思うんです。 閣僚の一人であります大臣に伺いますけれども、内閣として統一的な取り組みを進めるための体制についてぜひとも検討してこれを推進すべきではないか、総合的な対策が必要なわけでありますから。この点について、大臣はどう認識しておりますか。
○国務大臣(西田司君) 大変重要な御指摘でございますので、関係各省庁との連携を図りながら、この法の目的というものが達成するように今後さらに努力をしていかなければいけない、こう考えております。
○富樫練三君 ぜひそういう方向で努力をしていただきたいと思うんですけれども、例えばたばこ一つとってみても、たばこの宣伝あるいは酒の宣伝もテレビでも看板でも大々的にやられているとか、あるいは危険だということを知らせるということについても諸外国に比べれば大変規制は甘いというのが現実だと思うんです。 こういう点から見ると、広告や宣伝、警告の表示、こういうことについては国税庁、大蔵省の担当になっているわけなんです。税金をできるだけしっかり集めようという立場にある人がこれを担当しているわけですから、その警告や広告、こういうものについて厳しい規制を加えるということはおのずとできないような仕組みになっているんですよ。ですから、内閣としてきちんと総合的な対応をしていかなければならないというふうに思うんです。 総務庁の青少年対策本部、ここが発行しております青少年白書というのがございます。この白書の中で、未成年者の飲酒や喫煙についてはたったの三行しか書いていないんですね。それも警察庁から出た数字を載せているだけ、こういうわけなんです。 こういう現実を見たときに、全体を取りまとめて統一的な推進を進めるという点から見れば、今の内閣の対応の仕方というのはほど遠い、こういうふうに言わなければならないと思うんです。一層の努力を要請するわけですけれども、大臣の決意のほどを最後に聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(西田司君) 未成年者の飲酒、喫煙の問題は、健全育成上大変重要な問題であると認識をいたしております。このたびの未成年者飲酒禁止法及び未成年者喫煙禁止法改正の趣旨等を踏まえ、的確な法の施行に努めるよう指導をしてまいりたいと考えております。 また、今回の法改正が未成年者の飲酒、喫煙の防止に関して十分であるかどうかという点につきましては、警察庁に対し今後ともさまざまな観点から検討を行うよう指示をするとともに、先ほど御質問がございましたことですけれども、関係各機関との連携を図りながら各種取り組みの推進に努めるよう指導をしてまいる所存でございます。
○富樫練三君 終わります。
○照屋寛徳君 社会民主党の照屋寛徳でございます。 私どもの党も今回の改正には基本的に賛成であります。そういうことで、二、三質問をいたしますが、私は、まずこの両法による取り締まりというのは非常に難しいだろうなと思うんです。法の趣旨あるいは今度の改正の目的、少年の健全育成ということは、ここはよくわかるのであります。ところが、酒類の提供及びたばこ等の販売禁止違反に対する罰則の強化、あるいはその両罰規定の新設を設けても、果たして両法の構成要件からして、未成年者であることを知りながらと、こういう要件があるわけですね。ここはなかなか二つの法律でもって取り締まっていく場合に難しいんじゃないか。あるいは、その自用に供するものになることを知りてという構成要件、それからすると、必ずしも私は罰則を強化したり両罰規定を新設したから効果が上がるというものではないのではないかなというふうに疑問を持たざるを得ないわけです。 もっともっと社会全体として根本的な取り組みを真剣にそれぞれの省庁あるいは政府が統一的にやらないと法の目的を達することは難しいというふうに思うわけでありますが、警察庁にお伺いいたしますが、これまで両法によって検挙した件数あるいは検挙人員等、おわかりであればお教えください。
○政府参考人(黒澤正和君) お答え申し上げます。 過去三年間の数字でございますが、未成年者飲酒禁止法違反の検挙件数でございますが、平成九年が八十三件、平成十年が七十三件、平成十一年が六十件となっております。それから、未成年者喫煙禁止法違反でございますが、同じく検挙件数で申し上げますと、平成九年が十八件、平成十年が二十件、平成十一年が二十九件となっております。 なお、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律による検挙件数もほかにございます。
○照屋寛徳君 ちょっと最後が聞きにくかったんですが、風営法による検挙も入っているんですか。
○政府参考人(黒澤正和君) 風適化法におきましては、二十未満の者に対しまして飲食店等で酒やたばこを提供してはならぬという規定がございまして、六月以下の罰則がついておりますが、それで例えば昨年、約二百件検挙いたしております。
○照屋寛徳君 恐らく、酒、たばこの検挙件数等からすると、私は、構成要件上なかなか検挙、摘発が難しいということと、もう一つは、居酒屋とか飲み屋なんかにおけるいわゆる風営法による摘発の方があるいはやりやすいのかなというふうにも今感じたところであります。 先ほど和田委員からもありましたが、酒もたばこもこれだけ自動販売機がもうあふれておるわけですから、対面販売ですら構成要件を満たすような捜査、摘発が難しいということで、自動販売機だとなおさら難しくなるわけですね。だから、改良型だとかいろいろ手を加えるようでありますけれども、改良型、さりとてこれで十分かというとそうも思えませんし、ここはやっぱり自動販売機の設置についての厳しい規制をしていかないと私はこの両法の実効性をあらしめることは非常に難しいだろうと思うんです。 自動販売機だけじゃなくして、スーパーだとかコンビニなどでも売っているわけですね。数日前の新聞報道を見てびっくりしたんですけれども、小児用ドリンクにアルコールを含有したものがいっぱいあるんだというふうなことが報道されているわけです。そうすると、これまた大変な問題だなというふうに思うわけであります。 そこで、この自動販売機、酒、たばこ、これについてもっともっと統一した強力な規制とか行政指導とか、そういったことは考えておらないんでしょうか。
○政府参考人(塚原治君) 酒類の自動販売機についてお答えいたします。 全国小売酒販組合中央会における自主的な従来型自販機の撤廃の決議、自主的な決議に対しまして、国税庁としてそれを支援しているところでございますが、今後とも、これらの従来型自販機の撤廃について指導を続けるとともに、自動販売機が消費者の利便、零細な小売酒販店の省力化、経営の合理化に資するという面もあることを勘案いたしまして、従来型の撤廃と同時に改良型への切りかえを図っていくのが適当ではないかというふうに考えておるところでございます。
○照屋寛徳君 いろいろ議論がございました。 提案者に一点だけお伺いいたしますけれども、先ほどから私が申し上げております両法の構成要件との関係で、購入者の年齢確認の実効性ある担保というのを提案者はどのようにお考えになっているのかなというふうに私は思うわけです。そこがないと、罰則を強化しても両罰規定を設けても、なかなか提案者が改正法の趣旨でおっしゃっている少年の健全育成に資するという目的を実現することは難しいのではないかというふうに思うわけでありますが、その点いかがお考えなのか。もし具体的な方策等があればお教えいただきたいというふうに思います。
○衆議院議員(滝実君) 照屋委員の御心配の向きは大変ごもっともでございまして、そこのところが一番の本当は基本になるところでございますけれども、日本の法制では、買い手側に年齢を確認させる、そういう義務づけをさせることが大変難しい状況にございます。国によりましては、買い手側に年齢確認の義務づけをまずするということがあり得るのでございますけれども、日本の場合には難しいものですから、結局は売り手側にそれなりの注意喚起の運動をしてもらう、これに尽きるわけでございます。 したがって、先ほど来、国税庁あるいは大蔵省理財局から御答弁いただいておりますように、とにかく対面販売を義務づける、あるいは自動販売機も改良型の年齢が確認できるようなものにする、あるいは衆人環視の中で販売行為ができますようにということで夜間の販売を自粛する、そういうようなことがとりあえずの対応策でございますけれども、今回の法律改正を契機といたしまして、一層販売業者にとにかく注意喚起をお願いする、これが今回の法の出発点であろうかというふうに存じておる次第でございます。
○照屋寛徳君 私は、酒もたばこもそれぞれの人が自己責任というか、自分の好みで酒を飲んだりたばこを吸ったりするのは大いに結構なことだと思いますが、しかしそれが事将来を担う子供たちの心身に与える影響ということになりますと、それは国として取り組まなければならない大きな課題でありますので、法規制だけに頼らない、あるいはもっと総合的な、教育を含めて、政府としての対策を強く要望したいと思います。特に、たばこについてはどんどんもう低年齢化しているというふうなことも言われておりますので、一層の取り組みをお願い申し上げて、終わりたいと思います。
○委員長(朝日俊弘君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 未成年者喫煙禁止法及び未成年者飲酒禁止法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(朝日俊弘君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(朝日俊弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時三分散会