地方行政・警察委員会 第4号
- 発言数
- 280 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2000/11/16
会議録
○委員長(朝日俊弘君) ただいまから地方行政・警察委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨日、菅川健二君が委員を辞任され、その補欠として佐藤雄平君が選任されました。 ─────────────
○委員長(朝日俊弘君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 警察法の一部を改正する法律案(閣法第四号)及び警察法の一部を改正する法律案(参第一三号)の審査のため、本日の委員会に警察庁長官田中節夫君、警察庁長官官房長石川重明君、警察庁生活安全局長黒澤正和君、警察庁刑事局長五十嵐忠行君、警察庁交通局長坂東自朗君、警察庁警備局長金重凱之君、総務庁行政管理局情報公開法施行準備室長宮島守男君、外務大臣官房領事移住部長今井正君、外務省総合外交政策局国際社会協力部長高須幸雄君、運輸大臣官房技術審議官白取健治君及び消防庁長官鈴木正明君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(朝日俊弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(朝日俊弘君) 警察法の一部を改正する法律案(閣法第四号)及び警察法の一部を改正する法律案(参第一三号)の両案を一括して議題とし、前回に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○谷川秀善君 自由民主党の谷川秀善でございます。 いろいろ新しい警察法の改正についてただいま議論をしているわけでございますが、私は、神奈川県警問題に始まって警察の不祥事につきましては、警察庁長官初め前の国家公安委員長の保利自治大臣にも相当いろいろと意見を申し上げたところでございまして、それ以後、何とかしなきゃいかぬということで、政府におかれましても、氏家氏を座長とする六名から成る警察刷新会議を設置されまして、平成十二年三月二十三日から十一回にわたっていろいろと御議論をしていただいたようでございます。その冊子を見せていただきまして、いろんな各方面にわたって議論をされた跡が如実にわかっておるわけでございますが、この七月十三日に緊急提言が出されました。 それに基づいて、警察法改正を前国会で出されておられたのを新しく検討されまして今国会に再度提案をされたわけでございますが、今国民が求めているのは、本当に警察が信頼される警察にこの改正案によって生まれ変わるのかどうかということが一番大事なことであろうというふうに思っております。 あの提案の中で採用された面もあれば、ちょっと先延ばしといいますか採用されていない部分も、これはいろいろ事情があろうかと思いますので、あると思います。 しかし、大体、全体として見せていただきますと、まだもう一歩踏み込んだ方がいいのではないかなという意見は私も持っておりますが、その点につきまして、ただいま提案をされております改正案で本当に警察が生まれ変われるのかどうか、生まれ変わるんだという、まず最初に警察庁長官の所見というものをお伺いいたしたいと思います。
○政府参考人(田中節夫君) 今、委員から御指摘がございましたように、昨年来、神奈川県警を初めといたしますところの一連の不祥事案がございました。また、特に警察の最高幹部が関与するような事案が発生いたしまして、国民の警察に対する信頼というのは大変損なわれたということにつきまして、私ども全体として非常に深刻に受けとめたわけでございます。 そこで、今お話しのように、警察刷新会議というものが国家公安委員会の求めに応じましてできまして、その緊急提言を受けて警察改革要綱というものを国家公安委員会と警察庁で取りまとめさせていただきました。 そして、国民のための警察という原点に立ち戻ることの重要性というものをもう一回きちっと認識し、この気持ちを第一線に浸透させるべく意識改革の徹底を図るとともに、国民のための警察、そして信頼回復に向けて、生き生きとした士気高い職場づくりということで努力をしておるところでございます。 その大きな柱として、現在御審議を賜っております警察法の改正案を私どもは策定し国会にお願いをしたところでございます。この警察法改正案、全体の警察改革要綱の中の大きな柱ではございますけれども全部ではございません。一部、下位の法令とかあるいは運用とか、組織にゆだねる面もございますけれども、やはり今回の信頼回復の大きな精神というのはこの警察法改正案の中に含まれているというふうに考えておるところでございます。 ぜひとも速やかに御審議賜りまして、そして、私どもの信頼回復への努力の大きな柱といいますか、そういうものとして御認識を賜りたいと。そして、私どもも、この法律がもし改正され決まりましたら、この法律の改正の趣旨に沿って組織を挙げて信頼回復に努力をしてまいりたいと、かように考えておるところでございます。
○谷川秀善君 警察庁長官の思いというものをただいまお伺いいたしましたが、警察刷新会議で緊急提言をなされた中で、取り入れられた部分と取り入れられていない部分が二、三あるわけでございますね、大事なところで。 それで、全部取り入れるというのは非常に、組織の問題もございましょうし、いろいろあろうと思いますが、もう一度、野党案といいますか共産党案もかかっておるわけでございますので、そういうことを含めてお伺いをいたしたいと思います。 公安委員の選任について、あの刷新会議の提言では、議会の関与を強化するようにという御提言がなされておりますね。この議会の関与ということについて、どういうふうに法案を提出するまでに御検討されたのかをまずお伺いいたしたいと思います。
○政府参考人(石川重明君) 委員御案内のように、公安委員会の委員は、国におきましては内閣総理大臣が国会の同意を得て、また、各都道府県におきましては知事が都道府県議会の同意を得て任命をする、こういうこととされておるわけでございますが、これは、内閣あるいは知事の治安責任を明確化するとともに、委員の選任に当たって最終的に国民の代表である国会あるいは都道府県議会が同意という形で関与することによりまして、警察に対する民主的コントロールを及ぼそうとするものであるというふうに承知をいたしております。 委員の選任に当たりまして国会あるいは都道府県議会の同意を得ることを要するという仕組みは、一般的に他の行政委員会につきましても見られるところでございますけれども、この同意の手続につきまして格別の規定が設けられているという例は見られないようでございます。その具体的手続は議会の御判断にゆだねられていると、こういうふうに考えられるわけでございます。 したがいまして、議会の同意あるいは議会の関与という面でその仕組みを強化するかどうかということにつきましては、国会あるいは県議会等において慎重に検討されるべきものだと、こういうふうに考えたところでございます。
○谷川秀善君 大体今までは、ほかの委員もたくさんありますね、だけれども大体形式的に流れているわけです。だから、刷新会議でも、何らかの形で関与がもうちょっと具体的にならないかどうかということを提案されておると思うんです。まあ非常に難しいことだろうと思いますが。これはやっぱりもう一遍今後の問題としていろいろ御検討いただけたらなというふうに思っております。 それと、公安委員の任期の問題もいろいろ議論されたようでございますが、余り変わっていないというか、国家公安委員については任期五年を一回に限り延長することができる。都道府県では二回ですね。それにしても、一回延長すると十年です、国家公安委員は。都道府県は、これは三年ですから九年ですね。これは、今のこのスピードの世の中で、余りにも長過ぎるんではないかというふうに私は思うわけです。一回延長したら十年ですよ。昔は十年一昔と、こう言っておりましたが、今は二年、一年が一昔ですよ。だから、私は、できたら国家公安委員については、一回でも五年あるわけですから、一回の方がいいのではないかと思いますが、こういうふうになったということの理由をお伺いいたします。
○政府参考人(石川重明君) 現在の警察法では再任の制限というものは規定がないわけでございますけれども、今回、公安委員会の委員に再任の制限規定を設けることといたしましたのは、長期間在任というものを制限いたしますことによりまして、各方面を代表する豊富な経験と高い見識を有する方の中から幅広く適任者を求める、また制度的な緊張関係を担保するということといたしまして、公安委員会の管理機能の一層の強化を図ろう、こういう観点でございます。 具体的な在任期間につきましては、同じ方が長期間在任することによるいわゆる弊害と申しますか、そういうおそれと、それから警察の管理がある一方で形式的にならないために、警察業務に関する知見を備えていただくために必要と考えられる期間といったようなことを総合的に考慮いたしまして、国につきましては今お尋ねのように二期十年、都道府県については三期九年というふうにすることにした次第でございます。
○谷川秀善君 今までは無制限ですから、それから見れば一歩前進をしたのかなと思いますけれども、一期の任期が国家公安委員は五年ですから、そうすると一回更新したら十年ですよ。この辺はもう一度、また運用をされながら御検討をいただければなというふうに思っております。 それと、都道府県の公安委員の常勤化についても提言があったと思いますが、常勤というのは非常に人を得るのに難しいかなと思いますが、その辺はどういうふうに御検討をされたのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(石川重明君) 公安委員会の委員は、警察事務の専門家ではない社会各層の有識者から選任をされておるわけでございますが、それぞれ幅広い視野と高い見識に基づいて大局的な見地あるいは国民的視点で警察を監督していただく、警察運営の適正化を図るということが任務として期待をされておるわけでございます。 この委員を常勤とした場合に、公安委員を務めることのできるような適任者を得るのは困難であるといったような事情というものは、私どもも、特に都道府県の場合いろいろな問題があるということを聞いておりまして、そうであるなと、こういう考えを持つに至っているわけでございます。 警察刷新会議の緊急提言におきましては、都道府県公安委員会の委員を「常勤とすることができるようにすることが適当である。」、こういうふうにされたわけでございますけれども、これは公安委員会の管理機能の充実を図るため、こういう目的でそういうお考えを示されたわけでございます。都道府県におきましては、現在、委員会の開催日をふやしたり、あるいは委員の出勤頻度を高めるといったような公安委員会の運用の見直しを検討しているところもあるというふうに聞いております。 こうした運用改善等によりまして、緊急提言の趣旨を実質的に具体化することが可能であるというふうに考えて、今回こういうことで常勤化というものを法案には盛り込んでいないということでございます。
○谷川秀善君 特に都道府県公安委員会の委員さんは、できれば一人ぐらいは常勤の人が得られればその方がいいのかなと思いますけれども、現在の段階ではそれぞれ運用の中でいろいろと工夫をしていただいて、できるだけ趣旨、目的に沿うようにおやりをいただければなと思います。そういう意味では、そっちの方向へ運用で御努力をいただきたいなというふうに思っておるところでございます。 それとまた、公安委員会の中に事務局をつくるという案も出たように提言ではなっておりますが、私は公安委員会の中に事務局をつくるというのは別にそう賛成ではないですよ。公安委員会というものが警察の管理運営をやっている、最終的には責任を持つわけでしょう。だから、辞令でも公安委員会という辞令ですわね。そうすると中の組織なんですよ、言うてみたら。そうでしょう。任命権者は公安委員会でしょう。任命権者ということはそういうことでしょう。地方へ行くと教育委員会というのがある。教育長はおりますよ。しかし、教育委員会の辞令は皆教育委員会ですよ。我々が地方に行って辞令をもらうのは、皆、公安委員長でもなく、公安委員会。府警本部長と違いますよ、辞令もらうの。そうでしょう。教育委員会も教育委員会ですよ。任命権者なんですね。違いますか。そやから、事務局を置くことについて、私は、一体のものですから、別に外枠で事務局を置くというのはおかしいと思っていますのですが、こういう議論があったということでどういう検討をされたのかお伺いをいたしたい。
○政府参考人(石川重明君) 今の任命権者の点で申しますと、地方警務官、警視正以上の職員は国家公務員となりますが、これが例えば警察本部長あるいは各都道府県の部長等、あるいは大規模署の署長等として任務につくわけでございますけれども、その任命権者は国家公安委員会でございます。それから、所部の職員の任命権者という意味では、例えば警察本部長が任命権者になっております、警視以下の職員につきましては。そういう関係になってございます。 それから、今お尋ねの公安委員会の事務局の設置につきましては、警察刷新会議においてもいろいろ御議論がございました。現在の公安委員会制度の基本的な枠組み、すなわち警察の政治的な中立性、その民主的運営の確保という観点から、警察庁あるいは都道府県警察本部を公安委員会が管理するという考え方を維持するという前提に立つときに、その事務局はどのような事務を所掌するのか、どのような規模になるのか、あるいは警察庁、都道府県警察本部の組織ではなく独立性が非常に強いというような位置づけをした場合に、警察組織の二重化といったようなことを招かないかどうか、それは公安委員会制度の趣旨と異なることにならないのかどうか、こういったようなことが検討されたわけでございます。そしてまた、警察業務に精通した事務局の職員をどのようにして確保していくのか、警察組織以外から求めるとすれば人事のローテーションといったようなことをどう考えるのか、こういったような問題がかなりあるのではないかと。 独立の事務局を置くという考え方につきましては、警察庁あるいは都道府県警察本部の二重構造となって、ある意味でむだと効率の低下というものを生み出す、屋上屋を架す結果となるということから、刷新会議といたしましては適当ではないというふうにされたというふうに承知をいたしております。私どもも、その結論は妥当であるというふうに考えておるところでございます。 また、現在の公安委員会制度は、ある意味で、形として独立の事務局が介在をいたしておらないことによりまして、警察からの情報がスムーズに公安委員会に直ちに上がる、また公安委員会の御意見、御指導に対して警察が直ちに対応することができるというような、そういった意味の長所というものも備えているというふうに考えているわけでございます。 このような考え方から、警察庁といたしましては、国家公安委員会の事務局的機能を果たす課並びの委員補佐官室といった組織の新設を行うほか、各委員に補佐官を置くというようなことを検討しているところでございます。また、都道府県警察本部におきましても所要の体制を整備いたしまして、また公安委員会事務担当スタッフの増強等を図るということによりまして、真に効果的な公安委員会に対する補佐機能の充実強化というものが確立をされていくのであろうと、こういうふうに考えているところでございます。
○谷川秀善君 従前からそうしておかないかぬのですよ、言うてみたら。公安委員を祭り上げて、何か形だけ整えているという弊害が如実に起こってきたわけでしょう。 そういう意味では、やっぱり補佐機能が大事なんですよね。内枠で補佐機能をすると。別に事務局を置いたからといって、こんなもの、公安委員さんと事務局で何もできないでしょう、言うてみたら。だから、今警察庁が考えておられる方が私はいいと思っているんですよ。そんな全然関係のない事務局が別に公安委員会の事務局としてできたって、余計これは意思の疎通できないですわな。 そういう意味では、私は、補佐機能を十分従前からやっておって、公安委員さんが判断ができる情報がリアルタイムで入るということが大事でありまして、だからそれはちゃんと補佐機能を今後は十分やっていただいて、リアルタイムに入ってくる、また間違いのない判断ができるということに十分心がけていただきたいというふうに思います。 公安委員のうち一名を監察担当委員に充てることになるようですけれども、これはどのようにしてお選びになり、また具体的にどのようなことをしていただこうと考えておられるんでしょうか。
○政府参考人(石川重明君) 今御指摘の監察を担当される委員についてでございますけれども、これは今御審議をいただいております警察法の改正案の第十二条の二第二項におきまして、公安委員会が警察に対して具体的または個別的な事項にわたる監察の指示をした場合において、当該監察が公安委員会の指示どおりに行われているかどうかその履行状況を点検することとしておるわけでございます。 この監察担当委員の指名の仕方につきましては、基本的に各公安委員会の御判断によるものというふうに考えておるわけでございます。例えば、一定期間一人の公安委員が指名監察担当委員になるのか、あるいは事案を指定して指名された公安委員として監察の点検を行うのか、そういったようなことにつきましては各公安委員会で具体の状況に応じて御判断になるのではないだろうかと、こういうふうに考えております。 また、この監察担当委員が行います点検と申しますのは、具体的には監察の現場に赴きまして、実地に監察状況を調べる、そして、適切かつ十分に監察を実施しているかどうかその履行状況を一つ一つ調べたりするということがあるわけでございまして、したがいまして、警察職員の補助をつけて、補助を受けつつ監察実施者に報告を求めたり関係者に質問をするといったようなことが点検の一環として可能であるのではないか、そういう活動をされるのではないかというふうに考えているところでございます。
○谷川秀善君 監察というのは、常時監察もあれば、何か事件が起こって臨時に監察をするということもあろうと思いますが、その辺のところは十分公安委員さんの中で順番といいますか、順番でもいいし、特にこの案件はこの公安委員さんが適切だとかいろんなことがあろうかと思いますが、少なくとも公安委員さんが機能的に動けるようにぜひ運用を考えていただきたいと思います。 それで、警察行政に対して苦情がある者は苦情の申し立てをすることができるということになっておるわけでございますが、この苦情ですが、どういう苦情なのか。職務執行に関する苦情と、こうなっていますね。その職務執行に関する苦情というのはどういう苦情を指すのか。一般の相談まで含むのか。いろいろある、幅が非常に広いと思います。そういう意味で、職務執行に関してと、こう幅が広いからつけてあるんだろうと思いますが、その範囲というのはどういうふうにお考えになっておられるんでしょうか。
○政府参考人(石川重明君) 改正で御審議をいただいております警察法の第七十八条の二でございますけれども、警察職員の職務執行に関する苦情ということでございます。 これは、警察職員が職務執行において違法、不当な行為をしたり、あるいはなすべきことをしなかったことによって不利益を受けたというようなことで、個別具体的にその是正を求めるために不服を申し立てる、あるいは不適切な執務態度等があるということに対する不平あるいは不満、そういったようなことを言うものというふうに考えておるわけでございます。 具体的には、捜査とか交通取り締まりあるいは告訴の取り扱いといったようなもの、あるいは警察職員の執務態度等につきまして、日時とか場所とか内容とかこうむった不利益、あるいはどういうところがいかぬのだというようなことを個別具体的に摘示する苦情がこの制度の対象になるのではないかというふうに考えております。 一般論として、具体的な事実の特定をしませんで申し出る苦情、あるいは抽象的な提言とか悲憤慷慨とかいろんなものがあるわけでございますが、そういったものについては、法律上のここで言うところの苦情という形では扱えないのではないかと、このように考えているところでございます。
○谷川秀善君 そこが難しいところなんですな、一般の国民の側から見ると。この苦情制度を新設して、相談ぐらいまでは大体わかりますわな。相談の域を出たときに、これがこの制度による苦情なのか、その辺のところは運用が大変難しいだろうと私は思うんですね。 それで、申し出は文書でやるんですか、口頭でやる、どっちでも有効なんですか。その辺のところをちょっとお伺いしたいと思います。
○政府参考人(石川重明君) 御審議いただいております改正案で「苦情の申出等」ということで第七十八条の二に規定しておる制度は、これは文書によって公安委員会あてになされた先ほどのような苦情を対象としているわけでございます。 ただ、口頭でも当然苦情というものは申し出があると思います。あるいは電話とかいろんな形があろうかと思いますが、そういったものは直ちにはこの制度には乗りませんが、それは苦情としてきちっと公安委員会あてのものであれば公安委員会に上げていろいろな御判断を仰ぎますし、また警察本部長あるいは警察署長あてのものといったようなものについてもきちっと真正面から受けとめて、きちっと適正に処理をするというような仕組みというものはつくってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○谷川秀善君 そこがちょっとあいまいもことしているんですけれども、そうすると、苦情が例えば文書で上がってくると、処理をしますね、一応その苦情に対して。処理をした結果、通知をいたしますね。そうすると、この通知というのはどういう行政行為になりますか。処分になるんですか、それとも普通のお知らせしますということになるんでしょうか。その辺のところをお伺いいたしたいと思います。
○政府参考人(石川重明君) 政府案におきまして、申し出人に対する苦情の処理結果の通知でございますが、これは文書で行うこととされております。 具体的には、都道府県公安委員会におきまして郵送あるいは御本人に手渡しをするといったような一定の方法の類型を定めることになろうというふうに思っております。この場合におきまして、できる限り申し出人の方の利便に資するような方法がとられるように努めてまいりたいというふうに考えております。 この処理結果の通知文書には、申し出られた苦情に係る事実関係の有無とか、あるいは事実関係が確認できた場合には、苦情の対象である職務執行の適法性あるいは妥当性等についての公安委員会の判断、それから、もし適法または妥当でなかった職務執行があったというふうに確認ができた場合につきましては、これまでにとったあるいは今後とるべき措置といったようなことについて記載をすることになろうかと思います。 そして、しからばこの通知というもの、あるいは苦情の処理あるいは処理結果の通知というものはいわゆる行政処分ということに該当するかどうかということでございますが、行政不服審査法あるいは行政事件訴訟法におきます処分と申しますのは、行政庁が法令に基づいて優越的立場において国民に権利を設定し、義務を課し、その他具体的な法律上の効果を発生する行為をいうというふうに解されているわけでございますが、苦情処理あるいはその通知というものは申し出人その他の国民の方に対して何らかの具体的な法律上の効果を直接に発生させるものではないわけでございまして、そういった意味ではこの処分というものには該当しないというふうに考えているところでございます。
○谷川秀善君 そこがこの苦情の申し出に対する処理というのは非常に難しいところだろうなと思うんです。 この苦情の申し出と、それから請願法による請願、それとただいまお話しになりました行政不服審査法によるところの不服申し立て、この辺との関係はどういうふうにお考えになっておられますか。
○政府参考人(石川重明君) この制度におきます苦情申し出は、内容によりましては請願に該当するものもあるだろうというふうに思います。その場合、苦情申し出は請願の手続をより具体化した側面を有しているのではないだろうか、こういうふうに考えております。こうした場合、苦情の申し出と請願を互いに排斥するという関係ではなくて、同一事項について重畳的に苦情申し出と請願を行うのか、あるいはいずれかを選択するかにつきましては、この申し出をされる方の判断にゆだねられるというものだろうというふうに考えております。公安委員会は、この申し出の内容を実質的に判断いたしまして、苦情に該当するものであれば、今お願いをしている法律の枠組みのもとに従って適切に処理をするということになるわけでございます。 また、行政不服審査法に規定する不服申し立ては、先ほど申しましたが、行政庁の処分その他公権力の行使というものを対象としておるわけでございまして、その取り消し等を求めるものでございます。これに対してこの改正法の第七十八条の二の苦情の申し出は、警察職員の職務執行の全般を対象としている、必ずしも公権力の行使というものでなくても、職務執行に関しているということで、そこが苦情の対象になってくる、そういう関係にございます。 したがいまして、不服申し立ての対象となるものについて苦情の申し出がなされたといったような場合につきましては、一つは、その申し出人に対しまして行政不服審査法の規定による不服申し立てを行うことが可能であるということを教示するということが考えられますし、また、その教示をした後もなお申し出人が苦情申し出制度による処理を求める、また当該申し出内容が警察職員の職務執行にかかわる苦情に該当する、こういう場合におきましてはこの苦情申し出制度による処理を行う、こういう関係になろうかというふうに考えております。
○谷川秀善君 職務執行に関してだから幅が広いわね。その辺のところは、そういう事案が出たときに指導してもらうとか、これはこういうことですよということが私は必要だろうというふうに思っております。そういう意味で、この苦情申し立て制度というものを本当に生かせるようにしていただかないと本来の趣旨に沿わなくなる。と同時に、いろんな相談があると思いますよね、警察には。いろんな相談がある。だから、それとの兼ね合いもどうするのかということもしっかりと押さえておいていただきたいなというふうに思っております。 それと、今回、警察署ごとに警察署協議会を設けることになりますね。これは、今までもこれによく似たものはあるんですよね、防犯協会だとか交通安全協会だとか、それぞれ警察署単位でいろいろあると思うんですが、これとどない違うんですか、この警察署協議会というのは。まずその辺のところをお伺いいたしたいと思います。
○政府参考人(石川重明君) 委員御指摘のように、警察活動に関連する団体といたしまして交通安全協会とか防犯協会とかそういうものがあるわけでございますけれども、これらの団体は、例えば防犯ということについて啓発をするといったようなことをみずから活動として構成員の方々が行われる、あるいは協会の事業としてそういったことを行われる、こういうことでありまして、その過程においていろいろ警察署の運営について御意見を賜るといったこともそれはあろうかと思いますが、基本的にはこれらの団体そのものがみずから活動されているという関係がございます。 今回御審議をお願いしております警察署協議会につきましては、これは警察署の業務運営に地域住民の方の意向というものを反映させるということで設置をしようとしているものでございまして、この委員は地域住民の意向を代表して警察署の業務運営に関する意見、要望等を表明するにふさわしい方を人選される、こういうことになろうかと思います。そして、その意見というのはこの協議会のいわゆる合議体としての総体の意見として警察署長に対して申し出られる、こういう関係になるわけでございまして、そういった意味で、この法律上設置を予定しております警察署協議会とその他の団体というものの性格というものは異なるのではないかというふうに考えております。
○谷川秀善君 それでは、警察署の規模によっても違うと思いますが、大きな警察署もあれば小さな警察署、大体どれぐらいの人数でどういう選考をお考えになっておられますか。
○政府参考人(石川重明君) 先ほど人選に関して公正に選任をする必要があるということを申し上げたわけでございますが、このために、法律上、委員の委嘱につきましては、第三者的管理機関でございます公安委員会が行うことといたしておるわけでございます。その人選に当たっては、地域や所属組織等に偏りがないようにするということが大事であると。それで、自治会、自治体等の意見を聞くということもございましょうし、また推薦を受けたりするということも必要であるというふうに考えております。そして、その運営につきましては、その設置の趣旨からいって、警察署長が必要なときに適時適切に意見をお聞きする、こういうことになると思うわけでございます。 どのぐらいの規模かというのは、まさにその警察署の管轄する地域の実情によって決まってくるわけでございますが、これは各県がそれぞれ判断をいたしますが、例えば交番とか駐在所の数というのは一つの目安かなと。必ずしもそれだけではございませんが、そういったような人数ということも一つ考えられるのではないかなと、このように考えておりますし、また、例えば住民の数ということだけではなくて、そこにいろいろな事業体とか会社とかそういうものがございまして、それらの方々がその管内の治安状況ということについていろいろな御意見も持っておるということもあろうかと思います。そういうことも考えながらその規模というものを警察署ごとに決めていく、こういうことになろうかと思います。
○谷川秀善君 公安委員会で任命をする、こう言うていますが、公安委員会がそんなことできるはずがないんで、だから実際は警察署長がやるということになると思いますよ、具体的に言えば。そうすると、都合のいい人ばかり選ぶということでは、何のために警察署協議会をつくったかわからなくなるわけですよ。だから、同じつくるのであれば、例えば検察審査会委員を選ぶように有権者の中から無抽出で選ぶとか、そういうことも一つの方法ではないかと私は思いますよ。それはただ、年齢構成とか男女の別とかというのは考えないかぬと思います、偏りがあるといけませんから。 それで、この任期、またこれ、任期が決まっているんですか。決まっているかどうか知りませんが、決まっていなかったら、都合のいい人を集めて二年も三年もやるということでは何にもならぬので、できればそういう方法をやって、任期一年ぐらいでころころかえていく、それで警察にも親しみを感じてもらうとかいうような何か斬新な方法をこの際、親睦会はようけあるんですから、交通安全協会とか防犯協会とか、これはこれで機能しているわけですから、改めて警察の刷新のために国民の皆さん方の意見を聞くということであれば、そういう選考方法も一案ではないかと私は思っているんですけれども、どういうふうにお考えになりますか。
○政府参考人(石川重明君) 有権者から無作為抽出といったようなことも一つの方法であろうと思いますが、私どもが期待いたしておりますのは、警察行政について意見を申し述べるということについて、意欲とある意味で識見と申しますか、そういう能力と申しますか、そういう方が委員になられるのが適切ではないんだろうかと。 ただ、その場合にも、例えば年齢的に見て若者の意見を聞かなければならない、あるいは女性の意見を警察行政に反映させなければならない、あるいは地域の中にある学校が警察との関係でいろいろな御意見を持っておられるというようなこともあろうかと思います。そういったことにつきましては、都道府県警察に対しましてガイドラインを何らかの形で示してまいりたいというふうに考えております。 いずれにいたしましても、警察運営に民意が適切に反映をできるような協議会の構成とか運営というものには十分に配慮をしていく必要がある、こういうふうに考えております。
○谷川秀善君 そこがやっぱり問題なんですよ、私から言えば。嫌だという人はなってもらわぬでいいんですよ。だから、抽出をして、あなたなってくれますかと言って、嫌だと言ったら外したらいいんです。やりましょうという人にやってもらったらいいんです。ただ、今のお考えを聞いておりますと、結局は例えば校区の自治会長さんだとか、そういうことになりますよ、これ。そうすると、本当に警察に対して御用協議会みたいになったのでは私は意味がないと、こう思っておるわけです。 だから、選出方法については一例を挙げただけでございまして、そんなばかなと言われるかもわかりませんよ。だけれども、そういうことも考えた上で、広く各方面の意見を聞くということですから、一番大事なのは率直な意見を聞くということです。先入観があるとかないとかそういうことじゃなくて。これが一番大事だと思いますよ。そうすると、全然関係ない素人が一番いいんですよ。そういう意味では、この人選については十分本当に刷新会議の提言の趣旨に沿うような人選をしていただきたい。希望をいたしておきます。 それで、情報公開ですが、やっぱり信頼の回復というのは情報を公開することによって私は信頼が回復されると思うんです。そういう意味では、今宮城県の知事と警察本部長の意見が違うということでいろいろとニュースになっておりますが、これはなぜこの見解が違うのですか。その辺のところをちょっとお伺いいたしたいと思います。
○政府参考人(石川重明君) 宮城県におきましては、公安委員会と警察本部長を情報公開条例の実施機関に加えるということに当たりまして、いわゆる公共安全情報の開示、非開示について、国の情報公開法と同様に実施機関の第一次的判断の尊重を認める規定とするかどうかということにつきまして、知事と本部長の意見が調わないままに九月県議会に条例改正案が上程をされまして、県の原案も特別委員会の修正案のいずれも成立をしなかったということでございます。 この都道府県の情報公開条例にどのような規定を設けるかについては、それぞれ都道府県において判断をされるべきものであるということでございますが、私どもといたしまして、犯罪の捜査等に支障が生じないような仕組みというものが確保される必要があるというふうに考えているところでございます。 今後、この問題につきましては、見解はこの時点で異なっておったわけでございますが、関係機関において十分な協議が尽くされて、情報公開と治安維持の双方の面で調和のとれた適切な解決が図られるということを期待しているところでございます。
○谷川秀善君 だから、やっぱりできるだけ情報公開をする。ただ、その情報公開をすることによって犯罪の捜査だとか個人の人権だとかそういうことに支障があるということであれば、これは私はやむを得ないと思います。そういう意味では、何とかよく警察庁の方も御指導をいただいて、宮城県の知事と本部長が見解を異にするということではこれは本来の情報公開ということにならぬわけですから、そういう意味ではぜひお互いの言い分を聞いていただいて、それで折り合うところでやっていただくということ。だけれども、私は原則はできるだけオープンにするということです。何も別に隠さないかぬことは何もないから、そういうことでオープンにしていくと。これが警察内部の刷新にも、また外部から警察に対する信頼回復にもつながることだろうというふうに思っておりますので、この点はどうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。 それと、人事、教育その他もいろいろ提言には書かれておるわけですけれども、私はかねがねからキャリア制度、ノンキャリア制度については今までいろいろと踏み込んだ議論をさせていただきました。基本的には、これは何も警察庁だけじゃないですよ、各役所もそうなんですけれども、いわゆる人生五十年を基礎として出発しておるわけです、キャリア制度というのは。だから、大体五十歳になったら上がり、こうなっておるんです。 ところが、今や人生八十年時代なんです。それを制度だけがいまだに人生五十年時代をやっているからそこにそごが起こる。そうでしょう。五十歳ぐらいでやめていかないかぬようになります、キャリアの人は。こんなばかなことがありますか。これから子供を大きくして、これから何とかしていかないかぬというときに肩たたきをされてやめていく、これがまた第二、第三の外郭団体の受け皿をつくらないかぬということになるわけです。そういう意味では、私はこの問題を議論する場合に、人生五十年の発想をやめて、人生八十年の発想でやっていただいたら非常に解決は早い。そうでしょう、そう思いませんか。 公務員の定年は今六十歳です。これがもうちょっと高齢化してきたら六十五歳にしようかという時代に、五十ぐらいで肩をたたかれたら本当にたまったものじゃないでしょう。だから、六十が定年の現在は六十で皆やめていけるようにお考えになっていただければ、キャリア、ノンキャリアの問題はそう大きく起こってこないと思うんです。大体五年かそこらで警視にする、そんなことをするから五十になってもう上がっちゃう。それで、警察庁長官と本庁の局長だけがずっと残っていって最後に長官になる、こんなばかな制度はそろそろもうやめていただきたい。 これは何も警察庁だけじゃないですよ、ほかの省庁を含めての問題でありますが、そういう意味で、六十歳が定年であれば六十歳ということをめどに人事を考えていただきたいと思います。同時に、キャリア、ノンキャリア、そんな時代と違います、今はもうガラガラポンの時代です。ただ、大学を卒業したのか、高等学校を卒業したのかだけの差はあると思いますよね。 そういうことでありますから、ノンキャリアの問題も大分、警察本部長にはするとかいろいろ御検討いただいているようでございますが、そういう意味で、枠をつくらずにぜひやっていただきたい。その辺の御検討の経過をお伺いいたしたい。
○政府参考人(石川重明君) 刷新会議の緊急提言をも踏まえまして、先ほど長官が御説明いたしました警察改革要綱に「Ⅰ種採用者等の人事管理の見直し」という項目を盛り込んで、その改善に取り組んでいるところでございます。 このⅠ種の採用者につきましては、やはり若い時期における現場経験をもっと充実させる必要がある、こういう観点で、警視昇任は従来入庁四年目でございましたけれども、これを段階的に七、八年目までおくらせることといたしました。その間、おくらせた期間につきましては、警部補の階級における第一線警察署等の勤務を今よりもずっと延長する、また警部の階級における警察署の課長代理の勤務等に充てるというようなことで、現場経験の充実というものを図ってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 それで、今、人生五十年時代から八十年時代へと、こういうこともございますけれども、私どもとしては、今後のことも見きわめました場合に、こうした形で現場の経験を若いうちに充実しておくということは大変重要なことだというようなことで今こういうことを考えていると、こういう次第でございます。 それから、いわゆるⅠ種以外の者、Ⅱ種採用者あるいは都道府県警察の採用者、こういう人材の今後の育成なりあるいは配置の問題でございますけれども、これにつきましても、その能力というものあるいは経験というものに応じて今まで以上にこういった方々を警察がしっかりした形で人材の活用ができるように、そういう道を拡大する方向で検討を進めてみたいと、こういうふうに考えているところでございます。
○谷川秀善君 いろいろまだお伺いしたいこともありますが、現在かかっております改正案につきましてはほぼ警察庁の考え方がわかりました。ぜひ頑張っていただきたいというふうに思います。 最後に、今までのやりとりを聞いていただいて、国家公安委員長の取り組み、決意をお伺いして、私の質問を終わります。
○国務大臣(西田司君) いろいろ御質問、答弁を聞かせていただきました。 今回の政府提出の警察法改正案を初めとする全体の改革施策を一歩一歩着実に進めてまいりまして国民の信頼を回復することは、現下の喫緊の重要な課題であると認識をいたしております。警察が国民の信頼を得ていくためには、時代とともに変化する国民の要望を敏感に把握し、その実現に向け真摯に努力することが重要であると考えております。 国家公安委員会といたしましては、警察改革要綱にもありますとおり、今後とも新たな治安情勢に対応した警察改革に積極的に取り組み、安全に安心して暮らせる社会を実現していくため、全力を尽くしてまいりたいと決意をいたしておる次第でございます。
○谷川秀善君 ありがとうございました。
○簗瀬進君 民主党・新緑風会の簗瀬進でございます。 警察法の改正についての質疑が行われておるところでありますが、私は、昨年の十二月二日に須藤正和さんという方が殺害をされました。そして、その正和さんの殺害に至る過程においての栃木県における石橋警察署の対応に大変な問題があったと。マスコミもこれについて大変大きく取り上げたわけであります。 須藤さんの生まれたうちは、栃木県の北東、茨城県との県境に近い方でございまして、黒羽の須佐木というところでございました。石橋というのはそこから車で一時間半ぐらいかかるところであります。 なぜ石橋警察署にこの正和さんの捜索願を出したのかということでございますが、それは、たまたま正和さんが勤務をしていた日産の工場が石橋署の所管であったということで石橋署になったわけでございますけれども、先日私、この亡くなられた正和さんの御両親にいろいろとお話を聞かせていただきました。三時間にわたりいろいろなお話を聞きましたけれども、県北のひなびた黒羽の須佐木から息子を助けたい一心で遠い石橋署に日参をしていたという両親の心情を思いやると、本当に胸に迫るものがございました。 きょうは警察法の改正ということでございますが、この改正によって正和さんを救うことができたのかと、そういうケーススタディーの大変つらい例示にさせていただきたいと、このように思っております。 〔資料配付〕 今、皆様のお手元に資料一から三までの、調査要請書、それからそれに対する県警本部長名の回答書、栃木県公安委員会名の回答というものが出されております。非常に一つ一つの大変問題をはらんだケースでございますので、本当は相当時間をとって、警察の対応のどこがどう問題であったのか、そして、それに対してその後のチェックがしっかりとなぜなされなかったのかということについての一つ一つの検証を実はしていきたいところでありますけれども、時間がございませんので、この調査要請書、これは亡くなられた正和さんの父親の須藤光男さんの名前で、須藤光男さんが要請人として三人の弁護士さんによって県警本部、そして同じものが公安委員会あてにも出ています。その調査要請書の中身を見ていただければ、事案の細かいところの一端がわかっていただけるのではないのかなと思います。 この資料の三、県警本部長名の回答書の三ページ目に簡単な事案の経過ということで警察側が端的にまとめた事案の内容、経過がありますので、まずそれをごらんになっていただければと思うんです。 昨年の九月前後から正和さんは会社を欠勤するようになりまして、十月になってから欠勤を続けるようになりました。ふだんは大変しっかりとした生活感覚を持っている正和さんが友達からお金を借りるようになる。それから、会社には、坊主頭でまゆ毛をそり落とす、そういう状況で出てくると。こういうふうな異変がもう既に起こっていたわけであります。完全に欠勤を開始するようになったのが十月十二日からでございまして、その直後に同僚から百万円の借金をしていたというふうな話も両親の方に伝わってまいりました。なぜ息子がそんな借金をするのかということについては両親も全く理解ができないということで非常に不安を覚えまして、石橋署にお母さんが出かけていったというのが十月の十八日でございました。 そこからこの問題が始まっていくわけでありますが、石橋署に行きますと、母親の方、あるいは両親の方としては、犯罪に巻き込まれたのではないのかという心配を訴える。ところが、それに対して警察の方では、例えば、金を借りているのはあんたのせがれで、ほかの仲間に金をやって一緒に遊んでいるんだろうというふうなことを言ったり、また、その他いろいろな言葉が警察の方からございました。その具体的な、要請人、すなわち正和さんの父親の側から見た観点ではありますけれども、その要請書の中に手際よく整理をされております。 背景事情から、特に、この資料一の要請書の三ページ目になりますけれども、四番に、要請人の正和の所在確認行動ということで、一生懸命お父さんが自分の息子を捜して警察にも行った、そのときの警察の対応が非常にそっけなかった、そして警察は事件にならないと動かないんだということを再三言われるわけでございます。 そして、正和さんの父親の側からいえば、決定的なことが起こったのは十一月三十日でございました。 友人として電話に出ていただきたい、たまたま警察に、石橋署に行っていたときに息子の正和さんから携帯に電話が入った、それを何とか自分の息子が大変異常な状況にあるということを警察官にわかっていただきたくて警察に電話を渡した。ところが、その警察の担当者が何と言ったかというと、「須藤か、今どこにいるんだ。早く帰って来いよ。」と言った後で、「石橋だ。石橋の警察だ。」というふうに言ったそうであります。 携帯電話は、後ろで聞いていれば伝わってくる音声はすぐ聞き取れますから、その「石橋だ。石橋の警察だ。」と言った瞬間にぷつっと携帯電話が切られて、そしてそれが先ほどのお話のとおり十一月三十日でございましたから、その翌々日の十二月二日に殺害をされるということで、正和さんの両親から見れば、この「石橋だ。石橋の警察だ。」という一言が非常に正和さんを生命の危機に一足飛びに追いやった、その心ない一言によって正和さんは殺害をされたんだ、こういうふうに思うのもこれは当然だと思います。 また、もう一つ、正和さんが連れられていた車の手配がもうちょっと早く、しかもきっちりとなされていれば正和さんは救われたのではないのかなと思うことがございました。 それは、殺害をされる一日前に正和さんが連れられていた車が宇都宮市内でオートバイと接触事故を起こしまして、そこで正和さんもいて、犯人の少年たちが正和さんと一緒に車に乗っていた状況で事故を起こす。物損事故ということでありまして、配備がもっと徹底した形で行われていたならば、そのときに正和さんはいわゆる監禁状態から救うこともできたのではないのか、こういうふうなことも言われて、父親の側からいえば大変悔しい事情の一つに私はなっているのではないのかなと思います。 そういうもろもろの問題があるわけでありますけれども、その後にも、県の公安委員会で、父親あるいは母親、両親としては、このような石橋の警察だなどという非常に、犯罪に巻き込まれていた人間が犯人たちに取り囲まれている、犯人たちが近くにいるかもしれないというそういう状況の中で、警察がそれを察知しているということが直接それに伝わるような状況が起こったらこれはどうなるかということは当然わかるはずでありまして、これは大変重要な事実であります。その重要な事実であるということを公安委員会と県警本部にしっかりと調べていただきたいということで、先ほど資料一でお示しを申し上げましたこの四月二十七日の調査要請書を出すわけであります。 しかし、それに対して回答が第一回目に来たのが一カ月後の五月二十七日、資料二と資料三であります。 資料の二の方は一枚紙であります。このような調査要請書で、資料一にあるように相当いろんな問題点が含まれている、それを公安委員会に対してよく調べてくれということを言って、公安委員会から返ってきたのはこの五月二十七日のたった一枚紙の回答書であります。 県警本部はもうちょっと細かいかなといいますと、結局この公安委員会とほとんど大差ないような三枚紙でありまして、それが資料三であります。資料三で、三ページ目は先ほど示したように事案を警察なりに整理したそういう整理表でありますから、実質を持っているのは一ページ半のこの文書であります。 当然これでは両親は納得がいかないということで、さらに何度も何度も調査請求をするようになる。その分量が多かったので委員の皆様へのコピーということには至りませんでしたけれども、その補足ということの回答書がこの六月三日付の回答書としてここに出ております。これは、質問に先立ちまして警察庁長官初め皆様には見ていただきたいということでお渡しを申し上げました。 この回答書、皆様のお手元にはございませんけれども、例えば、警察は事件にならないと動かないという発言があったかどうかということについて調査要請をしているわけでありますけれども、その重要な点についても非常にあいまいな回答しか寄せられておりません。 それから、先ほど申し上げた一番肝心な「石橋だ。石橋の警察だ。」というふうに、この両親は、あるいは周りにいた人はしっかりと石橋の警察だということを言ったその主任さん、主任Aということになっていますけれども、このA主任の言葉を聞いているわけでありますけれども、回答書の調査結果の方では、遠くに離れていたところから突然携帯電話を渡された、それで、前に話していたから自分が警察官であると気づかれてしまうのでこれは断ったはずだということで、一番大切な事実については水かけ論に終わっているわけであります。水かけ論に終わっていて、じゃ、それ以上突っ込んだ調査を公安委員会あるいは県警本部が石橋署のその主任に対して行ったかというと、それは今もってはっきりとしておりませんし、なぜそうなるかということを聞きますと、結局調査能力の限界があるとか、犯罪を捜査しているわけではないなどといったそういう言葉で、結果としてその一番肝心な事実についての回答は今もってなされていない、こういう状況であるわけであります。 しかも、県警本部、公安委員会に調査依頼をするときに、両親はこの四月二十七日付の調査要請書を持って栃木県の県警本部に行く。しかし、県警本部には窓口はないんです。公安委員会はどこに行ったらいいかわからないということで、警察の方にこの公安委員会への調査要請書を渡す、こういう事情になってしまう。 また、一カ月たった五月二十七日に両親のところにこの公安委員会の回答書を持ってくるときに、回答書を持ってくるのも警察の方であった。こういうふうな状況でありまして、両親の側からいえば、公安委員会が一体どういう存在なのか全く見えてこない。こういうふうな実態も私は聞かせていただきました。 ということで、長々と説明させていただきましたが、まず、事件にならないと捜査はしないよ、こういうふうに言っている、あるいは言ったか言わないかが問題になりますけれども、そういう考え方についてどういうふうにお感じになっているのか。 また、先ほど指摘をいたしました公安委員会あるいは県警本部の監察をする、チェックをするといいながら、先ほど言ったように、結局のところ事実があったのかどうか。周りの人が聞いているんですよ、石橋の警察だというふうに言った言葉を。ところが、その明瞭に周りの人間が聞いた言葉の存在自体を確認できないような、そんな調査能力だったらチェックなんかできないんじゃないのか、そういうふうに考えざるを得ません。 でありますから、この事案に対してまず全体のお話をさせていただきましたが、ケーススタディーの一番最初として聞かせていただきたいのは、事件にならなければ動かないよという、そういう実態があるのかどうか、石橋署でそういうことが現実に行われたのかどうか、あるいは、申し上げたような、本当に公安委員会あるいは警察本部の所轄署に対する調査というようなものはこの程度のものなのかということで、その辺についての御見解を警察庁長官とそれから国家公安委員長に聞かせていただきたいと思います。
○政府参考人(田中節夫君) 委員お尋ねの、栃木県石橋警察署におきますところの事案につきましては、我々としても大変残念な事件でありまして、まことに遺憾に存じておるところでございます。 まず、いろいろ御指摘がございましたけれども、警察は事件じゃないと動かないというようなことかという御質問でございます。 我々は、国民の生命、身体、財産の保護に任ずるべき警察といたしまして、相談に訪れました国民の皆様に対しまして、その相談がどのようなものでありましても消極的な対応をすることはあってはならないというふうに常々考えておりますし、一線に対してもそういうふうに指導しておるところでございます。しかしながら、今お話しのように、事件にならないと動かないというような考え方が一線にあるのかないのかと言われますと、そういうことがいまだに残っているということは否めない事実であろうと思います。 ですから、私どもといたしまして、解決の手段を求めて警察に相談に訪れる国民の皆さんに対して十分に耳を傾けまして、事案の背景、発展性についての的確な見きわめを行いまして、その行為が刑事法令に抵触する場合は的確な事件化措置を講ずることはもちろんでありますけれども、また、法令に抵触しない場合でありましても必要な相談に応ずる、あるいは必要な対応策をお示しする、そして、さらに必要な場合には、その当該事案の相手方を指導する、また警告をする必要があれば警告をするというようなことで、相談者の立場に立った積極的かつ適切な対応をとることが必要であると思います。 そういう意味で、第一線におきましてそういう面での配慮が欠けているのではないか、あるいは事件にならなければ取り組まないというような風潮があるのではないかという御指摘につきましては、これを真摯に受けとめまして、そういう風潮がないようにその一掃を図ってまいる必要があるというふうに考えておるところでございます。 それから、この具体的な石橋の事件につきましての、公安委員会の対応につきましては後ほど公安委員長から御答弁があるかもしれませんけれども、警察の対応でございますけれども、この須藤さんの家出人捜索願を受理した石橋警察署の生活安全課、これが、先ほど申し上げましたように、一般的な先入観があったかもしれませんけれども、事件性がないと判断した。そういう感覚を持ちましたところから、その後、御両親から再三にわたりますところの御相談あるいは捜査要請を受けたにもかかわりませず事件性の検討を怠る、あるいは事件がないから取り組まないんだと、こういうような考え方で終始していた。そして、署長に組織的に事後の対応に関することの報告も行いませんでした。 そういうようなことがこういう悲惨な結果を生んだということでございまして、もちろんその一線の意識もございますし、さらに栃木県からの報告によりますと、石橋警察署におきましては、当時、日々発生する事件とか事故の対応に追われまして、事件性のはっきりしない相談等への対応が非常に消極的になっていた、こういう側面もあったというふうに報告を受けております。 しかしながら、いずれにいたしましても、振り返ってみますときに、この石橋警察署の対応、その受理時の対応から、その後御両親からお話があったときの対応、さらには御両親からいろんな形での捜査といいますか調査の御要請があったときの県警の対応ということを考えました場合に、その被害者あるいは御家族の心情というものに思いをいたしていない、一般的に申しますと、国民の目線に沿ったところの対応がなされていなかったということで、私どもは謙虚に反省すべきところがあるというふうに思います。 そして、警察に対する信頼の回復という点から見ましても、今回のこの具体的なケースと申しましては甚だ申しわけないわけでございますけれども、こういうことが二度とないように対応してまいる必要がある、かように存じておるところでございます。
○国務大臣(西田司君) 本件につきましては、栃木県石橋警察署において真摯かつ積極的な対応がなされず、結果的に大変痛ましい事件となったことはまことに遺憾でございます。 栃木県警察は、本件について不適切な対応があった可能性があることを認識して以来、栃木県公安委員会に対し逐次報告を行い、県公安委員会におきまして、これに対し、県民の立場に立った警察の運営、管理の重要性にかんがみ、適正な調査について指示を行い、その管理のもと、事案の解明と関係者の厳正な処分が図られたものと承知をいたしております。
○簗瀬進君 通告にない質問があったので答弁が漏れたのかなと思いますけれども、石橋の警察だということを言ったか言わないのかという、そういう事実の確認のための調査能力ですね、これはしっかりと行われたのかどうかということなんです。 先ほど、両親が受け取られているように、これは犯罪捜査じゃないから、そこまで詰めた、確定といいますか、調査はできないんだよというふうな受け取り方が一方であるようでありますけれども、その程度の調査能力であるならば、これから監察とか指示とかいったって何の意味もないじゃないのか、こういうふうに言わざるを得ないですね。 その辺についてどうですか。
○政府参考人(田中節夫君) 失礼いたしました。 先ほど委員からの御質問の中で、調査のやり方等につきまして御質問がございました。 今回のこの石橋の事案につきましては、石橋警察署の関係、石橋警察、そのほかの職員もございますけれども、関係職員百二十八人に対しまして四百三十一回、それから警察職員以外の方につきましても十四人に対しまして二十二回の事情聴取を行いました。そして、事案の解明に当たったわけでございますけれども、具体的な言葉のやりとりにつきまして明らかにならない点もあったわけでございます。 したがいまして、須藤さんのお話と私どもの調査の内容と食い違いがあるということにつきまして、私どもはそれを埋めるべく努力をしたわけでございますけれども、最終的になかなか埋め切れない部分もあったということでございます。これが調査の限界と言われますと、そういう限界があるのではないかと言われますと、それは私どもの調査といたしましては結果として明らかにならない、あるいは食い違いがあるというような場合もこれはあろうかと思います。
○簗瀬進君 内部調査だけにとどめていれば確定はできませんよ。例えば、両親から、この石橋の警察だというふうなことについての発言があったのかどうか、この調査依頼についてその事実を確定するその過程において、要請人である須藤さんの方の話は聞いたんですか。 それから、もう一点。今も和田委員から言われましたけれども、犯人といいますか、その皆さんが供述調書の中でそういうことを、なぜ十二月二日に殺害に至ったのかという動機を確定する際には当然聞かなければならない話でしょう。それはチェックしたんですか。
○政府参考人(田中節夫君) 我々はいろんな具体的なケースは調査いたしますけれども、それは一方の方のお話とそれからもう一方の方のお話が最後まで食い違うというケースは、これはもうございます。したがいまして、今回の場合につきましてもいろんな手段を講じ、また、いろんなお話を聞きながらも、なおその部分は埋め切れなかったということでございます。
○国務大臣(西田司君) 国家公安委員会といたしましても、警察庁に対して事実関係の把握について厳しく指示をしたところであります。栃木県警としては、六月三日の回答書として取りまとめたということを承知いたしております。
○簗瀬進君 私は、長官の今の答弁は納得できませんね。なぜかと言えば、当然それはしっかりとした監察をする、あるいは指示をする前提として、事実関係の、それは裁判ではありませんから厳密な確定ということまでは行かないにしても、心証を九〇%以上とれるぐらいじゃなきゃそれはチェックはできないでしょう。そのためにはあらゆる努力を惜しまない、そういう対応、これは当然のことだと思います。そして、そのために判断をすべき材料としては、警察内部の事情だけではないはずですよ。警察の外の話もちゃんと聞いて、調査をして、総合的に判断すべきではないでしょうか。 今のお話だと、結果として水かけ論だと。そうなると、内部の警察の方の意見を優先するかあるいは両論併記で終わりになってしまう。それじゃ何のチェックもできないでしょう。どうなんですか。
○政府参考人(田中節夫君) 具体的なケースでいろいろございますけれども、今お話しのように、具体的に被害者の方あるいは被害者の御両親の方からいろいろ、一般的にそういうケースがございます。そういうような場合に、そのお申し越しの内容とそれから私どもに関係しております警察官の供述が食い違うことがございます。 私どもといたしましては、それは公正に客観的に判断するということが必要でございますので、そういう立場から、何回も繰り返し繰り返し、このケースにつきましても須藤さんの方からそういうお話がございますので、繰り返し繰り返しその関係警察官に問いただしましても、その警察官はそういう発言はしていない、記憶はないと、こういうことでございますので、私どもといたしましてもできる限りの努力はしたということでございまして、最初からどちらかの立場に立ってとかということではなくて、あくまでも客観的な事実を公正に見るというような立場から捜査をしたわけでございまして、それは私どもといたしましては、今もお話しのように、水かけ論ということではなくて、できるだけその供述の食い違いを埋めるという努力を最大限やったつもりでございます。
○簗瀬進君 これは重要な事実ですからもう一回確認をしますけれども、栃木県警本部あるいは栃木県の公安委員会がこの回答を寄せるに際して、特に「石橋の警察だ。」というそういう事実を確認するについて、須藤さんの側の事情をちゃんと聞いたのか。警察としてですよ、あるいは公安委員会としてですよ。 それからもう一つ、正和さんを殺害に至らしめたそういう犯人の皆さんに対しての調査というようなものもちゃんとやった上でこの結論を出しているのかどうか。事実を聞きます。
○政府参考人(田中節夫君) 具体的に今公判にかかっている部分もございますのであれなんですが、私どもといたしましては、御両親にもお話をお聞きいたしましたし、ただ、いまだ理解が得られていない部分もございます。 ですから、私どもといたしましては、今委員の方から事実というお話がございましたけれども、先ほど来申し上げておりますように、私どもとしては、この御両親のお話あるいは一連のいろんな方のお話も踏まえましてこの関係警察官に対しまして意見を求めましたけれども、その辺のところの話し合いの違いというものの差は埋められなかったというのが事実でございます。
○簗瀬進君 どうもやっぱりしっかりと答えてくれないのでまた聞かざるを得ないんですけれども、話を聞いたというのは、こういう要請書を寄せられたから話を聞いたとか、やりとりしているから話は聞いたということを私は聞いているんじゃないんですよ。この判断をする際にきちんとした形で話を聞いたのかということなんです。 それから、捜査中であるというふうに言っても、捜査中の情報を、捜査中のいろんな供述調書とかそういうようなものを外に出すというようなことについては、それはプライバシーの問題ですよ。だけれども、同じ警察内部のことじゃないですか。それを参考にしたんですか、しているんですか、現実に。その二つの事実を聞きます。
○政府参考人(田中節夫君) それは、先ほど来申し上げておりますように、その御両親のお話あるいは関係者、というのは被疑者も含めてでありますけれども、そういうような話も含めまして、そしてその上でその関係警察官にそういう発言があったのかないのかということを聞いておるわけでございまして、その辺は、私どもといたしましてはあらゆる情報というものをもとにして関係警察官に話を聞いたということでございます。
○簗瀬進君 それからもう一つ、情報の開示といいますか、こういうのは非常に重要だと思います。当事者の間でも、またその事件全体が警察の信頼に絡んでいるわけでありますから、もっと広い情報公開も必要だろうと思います。 今回のやりとりを見ていますと、要請があった、警察も大変やっぱりそれなりのミスは当然認めている。にもかかわらず、この回答書が極めて逃げたような表現が多い、私から読ませていただければ。しかも、そのやりとりの回数が一回だけでは足りない、不十分だ、納得がいかないということで、五回もやっている。何か情報を小出しにして、それで世論の状況を見て、例えば警察に相当な抗議の電話が来たというような話も聞きました、そういう抗議の電話によってまた出していくという、そういう大変後ろ向きの情報公開の姿勢が当然感じられるんですよ。どうですか、こういうふうな公開の態度でいいんですか。
○政府参考人(田中節夫君) 情報公開一般の御議論と今回のこの石橋警察署の具体的な案件での御議論とは若干やや趣を異にいたしますけれども、先ほど谷川委員のお話もございましたように、やはり情報公開というのは警察が国民の信頼を回復するための大前提であるということは私どもも十分認識しておるところでございます。したがいまして、そういう方向で私どもはできる限り情報公開に努めていく必要はあると思いますし、その方向で今後具体的な施策を進めてまいりたいと思っております。 ただ、具体的な案件になりますと、それをどこまで公開するかということになりますと、それは個別の案件でいろいろ問題はあろうかと思いますけれども、基本的な考え方は、先ほど申し上げましたように、できる限り情報公開に努めていくということは基本でございます。
○簗瀬進君 お手元に資料の四ということで、この前の参考人の前田さんが刑法犯の検挙率ということの移り変わりを指摘いたしておりまして、私もこれはある意味で大変驚きました。 ここにグラフがありますけれども、御案内のとおり、これで見ますと、大体六〇%前後でずっと推移をしたわけでありますが、八九年、九〇年あたりから急に下がってまいりました。六〇%が五〇%になり、四〇%を切り、そして直近では二五・二八%だと。大変な検挙率の低下であります。 前田参考人の指摘は、このような検挙率の低下というようなことに警察も大変心を痛めておるわけでありますが、その結果として、検挙率を上げていくために軽微な事件は落としていこう、あるいは重大事犯に特化をしていわゆる捜査の限られたマンパワーを投入していこうと、こういうふうな一種の警察の捜査の重点化の方向といいますか、これが顕著になってきているのではないのかな、そういう参考人の御指摘でございました。 私は例えば、このたびの、事件にならなければと。明瞭な事件になる、それはもう一番はっきりと明瞭な事件になったということは、殺害されたということですよ。殺害されるまで捜査はしないよと、殺害の危険に置かれている人に対して、事件になるまでは捜査しないということは、そういうことになるわけでしょう。極端な話、例えかもしれません。しかし、まさに事件になるまでは動けないよという感覚が、一種の警察の、できるだけパワーを集約して使っていかなきゃだめだというところの中で、何となく習い性になって、それが別の弊害を出しているんじゃないのか。 それからもう一つ、民事不介入の原則ということ、これはこの委員会でもよく議論になるわけでありますけれども、事件性がなければやらない、民事には介入しないということは、まさに警察の重点化ということで、非常に集約をしていって、その結果として肝心なものを落としてしまっているという、そういうことになるんじゃないのか。さらには検挙率自体も落としめてしまっているということになるんじゃないのかなという感じがするんですけれども、この辺の感想について警察庁長官に聞かせていただきたいと思います。
○政府参考人(田中節夫君) 今、委員御指摘のように、犯罪検挙率につきまして最近低下が著しいという御指摘でございます。私どもといたしましても非常に深刻に受けとめております。 その主たる原因がどこにあるのかというようなことにつきましてはいろいろ御指摘があると思いますけれども、認知件数の増加そのものによりまして初動捜査への捜査力の投入が大変増大をしておりますし、大変困難な事件、例えば来日外国人に係る犯罪でありますと大変な捜査力が投入されます。そういうような事案がふえていること。それから、新たに発生した事件の早期検挙に重点を置かざるを得ないことから、窃盗などで検挙いたしました被疑者の余罪の解明率が非常に低下しているというようなこと。さらには、先ほど申し上げましたように、外国人等の組織的犯罪が増加して捜査が困難になっているというようなことが直接的な原因としては挙げられるところでございます。 先ほどお話しのように、例えば民事不介入というような問題、あるいはその他いろんな指摘されるような、大きな事件にシフトしたがゆえのことではなかろうかと、いろいろ御指摘がございますが、民事不介入の問題につきましては、これは窃盗でありましても、今認知件数ということは既に発生しているわけでございますので、これは民事不介入の問題とは当たらない。ただ、小さい事件について、それを看過するというようなことがありましてはこれはいけないことでございまして、そういうことはない。民事不介入の原則が検挙率の低下に結びつくというようなことは私はないだろうと思います。 ただ、何よりも私どもが大変に問題として考えておりますのは、認知件数は非常にふえておりますが、やはり人員の不足というのが大変致命的でございまして、これは委員も御承知かと存じますけれども、私どもの勤務時間が週四十八時間から四十時間になりました。そういたしますと、警察力が実は六分の一減っているということになります。そこに対しますところの手当てといたしまして、資器材でありますとかあるいは科学技術の導入とかいろんなことを考えましたけれども、やはりなかなかそこが追いついていけない。 そして、そのほかに新たな、例えばサイバーテロ、サイバー犯罪といいますか、ハイテク犯罪のような、ああいうような非常に難しい犯罪がふえてくるということになりますと、どうしてもそちらに人をとられるということがありまして、国民の身近な、本当に日々起きているような小さな、しかしその方にとっては大変重要なというような犯罪というものになかなかに力を振り向けることができなかったというような面も、これは私は否めない事実であると思います。 そういう意味で、私ども、検挙率の低下ということにつきましては、警察の基本的な仕事のあり方をどうするかということを踏まえまして、組織全体として深刻に受けとめ、そしてそれに対する対応というのを今考えていく必要があるところでございます。
○簗瀬進君 まさに限られた人員の中で国民の生命と安全を守るためにしっかりとやらなければならない、御苦労のほどは十分理解できるんですが、どうも警備公安部門の人員の肥大化ということが結構言われておるようでございます。 警察出身の平沢衆議院議員が「財界」の四月号で、「たとえば機動隊です。いま警視庁に十の機動隊があるけども、この十機動隊が、いまどういう形で使われているか。この機動隊の基本的な配置は、学園紛争で火炎瓶が飛び、治安が荒れたときの、暴動を想定した配置のままで、いつもは訓練が中心です。現在は外国人犯罪などはありますが、治安は落ちついてきています。」等の、警察の内情をよく知っている方の御指摘もある。 警備公安部門の適正化ということを図る必要はあるんではないのかな、その辺のお考えはどうでしょうか。
○政府参考人(石川重明君) ことしの四月一日現在の全国の警備公安部門の配置状況でございますけれども、これはおおむね割合として約一二%であるわけでございます。これは、平成三年の四月一日現在が約一三%でございましたから、約一ポイント減少している、こういう状況にございます。 警備警察につきましては、警察法二条に定めます警察の責務を果たすということで、暴力主義的破壊活動、集団不法事案の予防、鎮圧、捜査等を行っておるわけでございまして、公共の安全と秩序の維持に当たる重要な警察活動を担っておるということでございます。 こうした活動の一環といたしまして、極左暴力集団あるいは右翼、国際テロ組織、オウム真理教等の対象勢力について常日ごろ情報収集を行ったり、その分析に当たっているところでございます。これによりまして、テロ・ゲリラ事件の未然防止あるいは事件検挙、要人警護、警備実施等さまざまな警備措置に役立てているところでございます。 機動隊について今お話があったわけでございますが、これは警備実施部門でございますが、これは危機管理といった目的のために、集団警察力の中核といたしまして、集団不法事案等に対する治安警備活動に当たるわけでございますが、このほか、台風とか地震等の災害警備活動にも従事をいたしておりますし、場合によりましては祭礼や催し物等に伴う雑踏警備、あるいは盛り場における集団パトロール、暴走族の一斉取り締まりといったような市民生活に密着した活動をも行っておるところでございます。 したがいまして、警備公安警察が御指摘のように何か肥大化をしているというようなことになっているとは私どもは考えていないわけでございまして、警備公安警察がその設置の目的に従って今活動をしている、こういうふうに考えているところでございます。
○簗瀬進君 今の御答弁にもいろいろと議論をしかけたいところなんですけれども、時間が限られております。申しわけございません。残念ですが、次の質問に行きます。 公安委員会の機能強化、私はこれは絶対必要だろうと思います。私ども民主党は、独自の事務局をしっかりと置くべきだ、最低それぐらいはやらなければ公安委員会を強化したことにならないよ、こういうふうな考えでおりますけれども、それ自身も警察法の改正ではやられていない。参考人のある方が、刀を持って切りつけるところを、切りつけようとしている相手から刀を借りようとする、そんなものだ、こういうふうなお話を例えとしてしておりました。全く私はそのとおりなんではないのかなと思います。 そこで、国家公安委員会、十二条の二、あるいは都道府県公安委員会、四十三条の二、監察の指示ということなんですけれども、まさに先ほどのような須藤さんの事案、公安委員会が率先指揮をしてびしびしと指示をしてやっていく、それによって警察全体の信頼が回復される、そういう高い見地に立った指示をこれは当然この法案でもやっていかなきゃならないんだけれども、じゃ、独自の事務局がなくてどういうふうに事案の確定をやるんですか。先ほどみたいな、みんなが聞いている、石橋の警察だというふうに言った事実一つすら確定できないようなそういう中で、どんな指示ができるんですか。この指示を具体的にどういうふうにやろうとしているのか、それを国家公安委員会のお立場からちょっと聞かせてください。
○国務大臣(西田司君) 公安委員会の事務局についての御指摘でございますが……
○簗瀬進君 指示をどうするかという質問です。
○国務大臣(西田司君) 警察刷新会議におきましても、このことについては議論がなされてまいりました。警察庁は国家公安委員会の事務局そのものであり、二重組織になってしまうから、警察庁において補佐制度を確立すべきものとされたところであります。また、公安委員は警察のトップに遠慮なく意見を述べ、直ちに対応を求めることができる等の点からも、公安委員の意見のあったところでもあります。 公安委員会としては、現行の警察庁との関係を維持しつつ、警察庁の補佐機能を強化することが望ましいと考えておりますので、独立の事務局は考えておりません。
○簗瀬進君 警察庁と連携をしつつ、警察庁を補佐して何の指示ができるんですか。その答弁自体が全くおかしいんじゃないですか。
○国務大臣(西田司君) なお、個別具体的な指示につきましては、警察に対応、あるいは的確にやっていき、警察がやっていき、その趣旨に沿うこととしたいと、こう思っております。
○簗瀬進君 全くかみ合っていないというか、質問の趣旨が全くわかられていないというか、だからこそ公安委員会と警察庁はやっぱり少なくとも事務局ぐらいは独自のものを持たなきゃだめだということになるわけですよ。一体化じゃないですか、まさにそれは。これ以上のお答えは結構です、もう時間がありませんので。 それから次に、苦情の申し出について、七十八条の二というようなものがあります。確かにここに七十八条の二というのが新しくできて、「苦情がある者」、まさに須藤さんのような方ですよ、その人は「都道府県公安委員会に対し、国家公安委員会規則で定める手続に従い、文書により苦情の申出をすることができる。」と。 苦情の申し出をするのになぜ規則で定める手続に従わなきゃならないのか。なぜ文書という厄介なハードルを置くのか。まさにこの手続に従い文書を要求することによって苦情の門前払いをやっているんじゃないですか。こんな苦情の申し出をつくったとして、先ほどのような、須藤さんのような両親のそういう悩みとか訴えとかというようなものを国家公安委員会あるいは都道府県公安委員会は受けられるんですか。これはどちらでも結構です。
○政府参考人(石川重明君) 公安委員会に対する苦情につきましては、法律のシステムといたしましては、文書で受け付けて文書で処理結果を回答する、こういう最終的な担保を行っているわけでございますが、先ほど谷川委員の御質問にもお答えをいたしましたけれども、この文書の申し出ということにつきましては、その利便という観点からは、必ずしも直接公安委員会にお見えにならなくても、警察本部あるいは警察署でもそれを受け付ける、そういうシステムにしたいと思っております。 文書以外の苦情のことについて、この法律は門前払いをしているということではございませんで、口頭によるものであれ、その他いろいろな手段で今情報が交換をされますが、そういったものにつきましても、例えば警察署あてあるいは警察本部長あてというようなものでございましても、きちっとそれは処理をして、その結果は公安委員会に御報告しよう、そういうシステムをきちっとつくりたい。そして、そういうものの中に本当にこれはきちっとした処理が必要だというものが漏れがないような、そういう苦情の処理を行うようなシステムをつくっていきたい、こういうふうに考えているところでございます。
○簗瀬進君 確認の意味でもう一回質問しますけれども、例えば窓口ですね。確かに文書という形になれば窓口は必要ないかもしれませんよ、この法文上からいえば。だけれども、苦情を言いたいという人は窓口がどこにあるんだろうかというのはまず探しますよ。それが県警本部だったり所轄署だったりあるいは交番だったりいろいろあると思うんですよ。だからやっぱり広く、そういう苦情があれば幅広に受け付けますよというそういう姿勢を示す意味では、これは窓口を県警本部、警察署、交番ということにしっかりとわかるようにつくるべきなんじゃないでしょうか。 それからもう一つ、今のお答えの中でそれはお触れになられたかもしれないですけれども、もう一回確認の意味で、文書じゃなくても苦情はいいのかということです。
○政府参考人(石川重明君) 窓口という観点では、例えばそれが受付であるとか、あるいはいろいろな形で警察が住民の方と直接接する場面というものがあるわけでございますから、そういうところにおいて苦情の受け付けということはして、それをきちっと処理のルートに上げるということは徹底していくようにしたい、こういうふうに思っております。まずそれが第一点でございます。 それから、文書以外の苦情、こういうものにつきましても、これが公安委員会あてのものであれ、あるいは警察本部長、警察署長あてのものであれ、そういったものをきちっと集約して、そしてその処理結果というものが適正に公安委員会に報告されるような、そういうシステムを考えてまいりたいというふうに考えております。
○簗瀬進君 同僚の議員の質問時間にちょっと食い込んじゃっていますので、最後に一つ聞かせていただきたいんですけれども、国家公安委員会の方に顕著なのかもしれませんが、警察と公安委員会は一体化である以上に、公安委員は警察によって何といいますか、スポイルされているといいますか、たらし込まれているというふうな国民のそれは一つの言葉でありますけれども、それを──ちょっとこれ、ごめんなさい。
○委員長(朝日俊弘君) 携帯ぐらい切っておいてください。
○簗瀬進君 失礼をいたしました。ごめんなさい。 質問を続けますが、そういうことで週一回しか行かない、二時間ぐらいだと。それで二千六百六十七万円というのがこれは随分テレビをにぎわせたわけであります。実態は非常勤だと。ところが常勤扱いをして多額の給料を払っている。こういうふうなお取り扱いを随分なさってきたようでありますけれども、今後はこの部分はどうするんですか。 また、公安委員会が本当に一生懸命やろうという形になると、都道府県なんかの場合は非常勤扱いが多いようでありますけれども、やっぱりこれは常勤ということでかなりしっかりとした対応をしてもらわなければならない、こういうふうなことになるんではないのかなと思います。 でありますから、質問は二つ、これで終わりにいたしますけれども、今の点についての御回答、御答弁をお願いしたいと思います。
○政府参考人(石川重明君) 今御指摘のとおり、国家公安委員の方々の勤務時間等については、既に毎週一回の定例会議だけではなくて、従前にも増して各委員による検討会の開催とかあるいは各種行事への積極的参加等が行われておりまして、その活動は活性化をしておるわけでございます。 十二月に私どもの新庁舎が完成をいたしますが、公安委員の執務室が整備されることもございまして、公安委員会の管理機能の強化の観点から、各公安委員にあっては出勤回数とか在庁時間をふやされるという予定であるというふうに伺っております。 以上でございます。
○簗瀬進君 都道府県の方は、常勤化の。
○政府参考人(石川重明君) 刷新会議の緊急提言におきまして、都道府県公安委員会の委員を「常勤とすることができるようにすることが適当である。」とされましたのは、先ほども御答弁を申し上げましたけれども、公安委員会の管理機能の充実を図るためと、こういう観点からであったというふうに承知をいたしております。これは、委員会の開催日をふやしたりあるいは委員の出勤頻度を高めるといったような運用の見直しによりましてこの提言の趣旨の実質的な具体化を図ることが可能である、こういうふうに考えておるわけでございます。 そこで、今回の改正におきましては、都道府県公安委員会の委員の常勤化を図るための規定を設けることはいたしませんでしたけれども、公安委員会の事務量、開催頻度の増加等の状況等を勘案いたしまして今後の検討課題としてまいりたいと、こういうふうに考えているところでございます。
○簗瀬進君 終わります。
○委員長(朝日俊弘君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(朝日俊弘君) 速記を起こしてください。
○浅尾慶一郎君 同僚の簗瀬委員に続きまして質問をさせていただきます。 まず冒頭、先日の一般質疑の中でお伺いをさせていただきました警察大学校における試験問題の漏えいというか、ビール券を対価にといったような話があって、それについて調査をされるということでございましたが、その調査の経過を伺いたいと思います。
○政府参考人(石川重明君) 御指摘のテレビ放送でございますけれども、これは警察大学校ということではございませんで、内容的には管区警察学校のことではないかというふうに推察をされるわけでございます。 この事実関係の指摘がテレビでなされたわけでございますけれども、既に関東管区の警察学校からは、大変古いことではないだろうかということが一つございます。それで、指摘されました内容のような事実については把握をしていない、そういう報告を受けているところでございます。
○浅尾慶一郎君 二点あると思いますが、まず一点目、古いことであるということは、古いときにはあったということですか。
○政府参考人(石川重明君) 古いことでもあの内容のことはあってはならないことだと思いますし、また古いことであるので今記録等がないのでよくわからないという意味での古いことということでございます。
○浅尾慶一郎君 ということは、テレビの報道が間違っていたという理解でよろしいんですか。
○政府参考人(石川重明君) あそこで発言なされた方については既に退職をしたというお話で、そして匿名でお話をされておるということでございます。ぼかしのかかった方が具体的な御発言をなさっているわけでございますけれども、それにつきましては、ちょっとその信憑性というものについて詰めるのはいかがなものかなと、こういうような感じはいたしておりますけれども、古いことであってもあのようなことがあってはならないことは当然のことだというふうに考えております。
○浅尾慶一郎君 私もそのテレビを見ておりましたが、具体的な発言をされたのは、ぼかしではなくて、ちゃんと名前を名乗っておられた黒木さんというふうに理解をいたしております。この方は、確かに退職をされて今はジャーナリストとして活動をされておられると。そのテレビの報道では警視総監賞を二十三回受賞された方であるということでございますので、その方の発言を受けて、退職をされた他の方が事実を補足するというような番組構成であったと思います。その点御確認いただけますか。
○政府参考人(石川重明君) 警察学校の試験問題が教官にビール券を渡すと事前に教えてもらえるという、こういう内容の発言をされたのは、具体的には出演した元警察官と称する匿名の人物であったというふうに考えております。 そのいわゆる黒木さんに関しましては、警察学校の試験によってその後のいろいろな昇進等が決まってしまうんだとか、あるいはそういうものの中にいろいろな関係があるのだと、そういう趣旨の御発言はなさったと思いますが、一番具体的にビール券と試験問題の関係というものを発言なさったのは匿名の人物であったというふうに私は見ました。
○浅尾慶一郎君 私はたまたま見た番組ですからビデオを撮っているわけではありませんが、たしか黒木さんの発言を受けて、その中に今申し上げられた警察学校での成績がその後の出世にかかわる、したがっていろいろな問題をもらうための手だてをされるということを受けての発言だったというふうに理解しておりますが、その点は同じ理解でよろしゅうございますか。
○政府参考人(石川重明君) 大体流れとしてはそういうことだろうと思います。今手元に参りましたので。 最初の警察学校の成績で決まる、これは一年とか半年とかの学校教育の中で教官にごまをするとかビール券を上げるとかで決まる可能性もある、こういうことを言われて、そしてその匿名の出演者が先ほど申しましたような発言をなさったと、こういう状況だと思います。
○浅尾慶一郎君 ちょっと関連で質問させていただきますが、そもそも最初の警察学校の成績で決まるということ自体は事実でございますか。
○政府参考人(石川重明君) 警察学校の成績というのは、そのときの警察の教育というものの達成度というものを判定するための一つの手段でありますから、次にどこに配置になるかということについての一つの判断要素にはなると思いますが、その後の経歴なりあるいは昇任なりというものがそのことだけをもって決まるといったような運用はなされていないというふうに承知をいたしております。
○浅尾慶一郎君 そこで、大変いろんな人に誤った印象を、前回も申し上げましたが、誤った印象を与える可能性が非常に強いと思いますので、警察庁として報道をしたテレビ局に対して何らかの抗議なり申し入れはされましたか。
○政府参考人(石川重明君) 一般には、マスコミの報道が著しく事実に反するといったような場合あるいは批判、中傷という点がもう極めて事実と異なる形で行われているというような場合に、警察業務推進上著しい支障を来すといったような場合には、従来から報道の訂正要請等を行ってきたところでございます。 御指摘の番組につきましては、先ほど来申し上げていますように、元警察官あるいは元警察官と称する匿名の人物の憶測とか伝聞とかあるいは体験とか、そういったようなことを交えた発言として放映がなされているというふうに受けとめているわけでございまして、その後、報道機関によってこれが一体どうなんだといったようなこともございませんし、警察部内外に与えた影響というものもそれほど大きなものではないというふうに思いますので、現時点においては法的な対応等をとる必要があるというふうには考えておりません。
○浅尾慶一郎君 これは解釈の違いになると思いますが、私はその番組をたまたま、先ほど来申し上げておりますが、一視聴者として見ておって、それが事実としたら大変なことだろうなと思ったわけでありますので、先般も申し上げましたように、事実でないということであれば堂々とそのテレビ局に対して抗議をするというのが信頼回復につながるというふうに思いますが、重ねて最後にその点だけ伺いますけれども、そういう申し入れをされる意思はないという理解でよろしいんですか。
○政府参考人(石川重明君) 先ほど来申し上げていますように、あの事実関係を把握しておらないわけでございます。それが一つは古いということもあったということもございますが、そうした状況下で、現在、先ほど申しましたような流れのことを考えますと、現時点において法的な対応をとる、あるいは抗議をするといったようなことは考えていない、こういうことでございます。
○浅尾慶一郎君 ちょっと午前中の時間の関係もあるので、今の質問に関して最後一点だけ、最後と申し上げたんですが、もう一点つけ加えさせていただきたいんですが、古い古いとおっしゃいますが、具体的には何年前ということをもって古いということで言っておられるんですか。
○政府参考人(石川重明君) これは発言の中に、もう既に制度が変わっておる例えば教育課程のことが触れられていたわけでございまして、今段階で判断をいたしますと、平成四年以前の制度のことについて話をしておられるというふうに受けとめられる発言があったというふうに認識をいたしております。
○浅尾慶一郎君 平成四年ということですと、そんなに古いわけじゃないと私は思うものですから、ぜひもう一度その調査をしていただいて、重ね重ねになりますけれども、それで警察としてのやはり名誉というものもあると思いますので、しっかりとした対応をとっていただきたいと思います。 午前中、残り二分というふうになりましたが、もしここで次の質問、また違う項目になりますので、切らせていただきたいと思います。
○委員長(朝日俊弘君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時ちょうどまで休憩いたします。 午前十一時五十九分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(朝日俊弘君) ただいまから地方行政・警察委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、警察法の一部を改正する法律案(閣法第四号)及び警察法の一部を改正する法律案(参第一三号)の両案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○浅尾慶一郎君 民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。午前の質疑に続きまして質問をさせていただきます。 まず、午後の一番目の質問といたしましては、午前中の簗瀬委員の方からも質問が出ましたが、先般の前田先生の表を使われての質問でございましたが、刑法犯の検挙率の低下といった観点から質問をさせていただきたいんですが、その中で警備警察あるいは警備公安警察と刑事警察の人員のお話を質問させていただきたいと思います。 午前中の答弁の中で、警備公安の方が平成三年の段階で全体一三%に対して一二%まで下がっておるということでございましたが、まず質問の第一点は、それぞれ刑事事件あるいは警察の中で刑事畑に従事している人が実際に犯罪と思われる形で検挙をした件数と、そして公安畑に従事されている警察官が検挙した件数、比率で結構でございます、件数及び比率という形でお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(五十嵐忠行君) 御指摘のような部門別の認知件数とか検挙件数でございますけれども、こういった犯罪統計はとっておりません。ですので答弁いたしかねます。
○浅尾慶一郎君 それでは警察庁長官に伺いますが、警備公安に従事される方を少し減らされた、一三%から一二%にされたということでありますが、どういう客観的な数字に基づいて人員配置をされておられるのでしょうか。
○政府参考人(田中節夫君) 全国ベースで先ほど午前中の質問で官房長から答弁申し上げましたように一%減っているわけでございます。この部門別の数字につきましては、これは基本的には各都道府県警察の犯罪情勢あるいは警備情勢等々を勘案いたしましてその当該県の本部長が示しておるところでございまして、具体的に部門別の定数の基準、考え方というものを警察庁が示しているということはございません。結果として一%警備部門が少なくなったというのは、そういう本部長の判断のトータル、結果としてそういうふうになったということでございます。
○浅尾慶一郎君 では、各都道府県の本部長は、定性的なことではもちろん例えば大きな意味での治安が悪くなったということで機動隊の人数をふやされるあるいは減らされるというようなことはあるでしょうけれども、定量的にどういう数値をベースに人員配置をされておるというふうに警察庁としては認識をされておられるんでしょうか。
○政府参考人(石川重明君) 今、長官から御答弁申し上げましたが、各都道府県警察におきましては、既存の人員で最大限の警察力を発揮できるようにそれぞれその県の実情に応じた最も効果的な人員配置に努める、こういうふうにしておるところでございますけれども、この各県の治安状況というものはそれぞれいろいろな特殊な事情等もございまして大きく異なっております。したがいまして、部門別に分けた場合にあるパーセンテージは結果として出るわけでございますけれども、人員配置基準というようなものを警察本部長が毎年ヒアリングをして、それぞれの部門がどういう活動をことしするのか、また例えば去年はどういう状況だったのかといったようなことを勘案して、そしてそれぞれの部門別の人員配置というものを決定している、こういうことでございます。 ただ、集団警備力の中核でございます機動隊でございますが、機動隊につきましては全国的な見地から調整をする必要がございますので、警察庁において一定の人員の配置基準というものを示しているところでございます。
○浅尾慶一郎君 ヒアリングをされるということでございますが、重ねての質問で恐縮ですけれども、ヒアリングということは、先ほども申し上げましたけれども、状況に関する定性的なことということももちろんされると思うんです。例えば、先ほど来話が出ております外国人による犯罪がふえているといったような状況に対する定性的なこともあるかもしれませんが、当然それに伴う具体的な件数といったもの、あるいは何らかの数値がないと定性的なヒアリングを裏づける資料にはならないのじゃないかと。数値情報の項目としては、都道府県においてそれぞれ違うと思いますが、どういったような例があるかというのを、警備公安関係、そして刑事関係それぞれに分けてお答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(石川重明君) 定性的ということにも限らないわけでございますが、例えば刑法犯の認知件数がどういう状況でその県において推移しているかといったようなこともございますし、また重要な事件が多発をしているという一つの状況下においてそこに人員を投入しなければならない、こういう判断もございますから、ある意味で定量的な問題というものもそこにあるであろうと。 例えば、交通部門でございますと、交通事故の発生件数、あるいは交通事故によって亡くなられた方の人数、そういったようなものは交通警察活動をその時点において的確に展開していくために必要な一つの基礎資料としてそのヒアリングのときに各部門から説明があり、そして既存の人員の中でどういう形でそれを部門別に振り分けるかということを判断しているというふうに承知をいたしております。
○浅尾慶一郎君 細かい質問になって恐縮でございますが、午前中のあれでは、刑事関係あるいは刑事警察、そして警備公安警察、そして今のお話で交通警察、それから生活安全というふうに四つに分けられるんだと思いますが、それぞれで要するに数値情報としてはではどういったことに着目をされるのかというのを、刑事であればわかりやすいのは多分検挙犯罪、刑法犯ということでしょう、交通であれば駐車違反とかいったようなことなんでしょうけれども、具体的な数字の推移は何で見ておられるのかというのをお答えいただきたいんです。
○政府参考人(石川重明君) 例えば、生活安全ということになりますと、この分野の中にはいろいろな、例えば産業廃棄物等の野焼きとか、あるいはいろいろな生活関連事犯、例えば大規模な詐欺事件といったような事件の捜査もやるわけでございまして、そういったものが今の状況下、県内でどういう推移をしているかといったようなことが一つの指標になると思いますし、地域警察ということになりますれば、今各警察署に交番、駐在所がございますけれども、そこにおいていろいろな取り扱いをする、そのときに一当務の人間を何人にしたらいいのかといったようなことが、それぞれ都市部とそうでないところとの違いがあると。そういったようなものをきめ細かく恐らく勘案しているんだろうと、こういうふうに思います。 それから、刑事については、先ほど委員から御指摘があったように、事件の発生件数であるとか、あるいは最近起きておる事件のいわゆる非常に複雑化し困難化している状況、要は長期間多数の捜査員を投入しなければ解決しないような事件が多発しているという状況にございますれば、そういったものも一つの判断要素になる、こういうことになるのではないかというふうに思っております。 それから、警備につきましては、機動隊につきましては、これはそれぞれの県で大規模な例えば災害が発生をしたというときに災害警備活動を行うわけでございますが、そうしたものは状況がどうなっているか。あるいは全国でそれぞれ機動隊が応援派遣をされまして活動するような事態というものもあるわけでございますから、そういうようなものも一つの基準になって今の集団警察力の体制というものを確保している、こういう状況であろう、こういうふうに思っております。
○浅尾慶一郎君 公安についてはいかがですか。
○政府参考人(金重凱之君) 先生の方で定性分析、定量分析というような観点でお話をされておられるんだろうというふうに思うんですが、警備警察と申しますのは、警察法二条に定める警察の責務を果たすということで、暴力主義的な破壊活動だとか集団不法事案等の予防、それから鎮圧、それに捜査等ということを行いまして、これによりまして公共の安全と秩序の維持に当たるという警察活動を行っておるわけです。国の公安、危機管理にかかわる活動を任務としておるということであります。 したがって、常日ごろから、例えば極左暴力集団あるいは右翼あるいは国際テロ組織、オウム真理教等の対象勢力につきまして、警備情報の収集、分析に当たっておるというところであります。こうしたことによりまして、テロ・ゲリラ事件の未然防止ということにも当たっておるわけでありまして、あるいは事件検挙というのはもとよりでございますが、さらには要人警護だとかあるいは警備実施等々、さまざまな警備措置という部分でも役立てておるというようなことがあるわけでして、必ずしも事件検挙のみの、あるいは発生件数のみの定量分析だけでこれを評価できがたい面があるのではないかというふうに私どもは考えておるわけでございます。 例えば、こういう警察活動の最近の成果ということで申し上げれば、先般の九州・沖縄サミット警備というのが挙げられるというふうに思うんです。つまり、大変厳しい警備情勢の中で、全国の警察挙げて警備諸対策を推進した結果、一連のサミット会議の開催期間中に右翼による要人テロだとかあるいは極左暴力集団等によるテロ・ゲリラ事件というのは封圧したわけでございまして、そのことによって参加各国首脳等の身辺の安全と会議の円滑な進行を確保することができたというところです。これは数字には出てきません。 それからまた、例えば最近の日本赤軍最高幹部重信房子逮捕ということをいたしましたけれども、これにつきましても、永年にわたりまして日本赤軍メンバーの逮捕に向けて捜査を継続してきたところ、大阪府警におきまして、国内における日本赤軍支援者グループ、その実態解明を進める中で不審な人物が出てきた、その捜査を尽くした結果、重信であることを確認して逮捕するというようなことになっておるわけでございます。 さらには、最近の海上自衛官による自衛隊法違反被疑事件の摘発ということにつきましても、警備公安警察の方におきまして対日有害活動の実態解明を進めるという中で、警視庁と神奈川県警において在日ロシア大使館付武官に対して自衛隊の内部資料等を提供しておった海上自衛官を把握して検挙したというようなことでございます。 そういう事例にもありますように、警備公安部門というのは対象勢力の動向等、すなわち警備情勢ということに応じて警備情報収集活動というものを推進しておるわけでありまして、そういう中で事件検挙というのは当然出てまいりますけれども、それはもとよりでありますけれども、そういうことに加えて、違法行為の未然防止というようなこと、あるいは例えば内外要人の警護とそれの万全を期すというような警備措置、そういうものに役立てるというような活動も行っておるわけでありますから、この種の活動を一概に件数の多寡だけで評価するというようなことはなかなか難しいのではないかなと、こういうふうにも思っておるわけです。
○浅尾慶一郎君 件数だけでということを聞いているつもりはないので、的確にお願いしたいと思います。 私が申し上げたいのは、いろいろな御指摘の中で、少し人員配置を変えておられるというときに、確かに予防警察とそれから事件が起きてから対応する部分とではなかなか同じ尺度でははかれないというのは理解はできますが、しかし同時に、もし仮に新規で採用する人を例えばふえている刑事警察に回していくということだけではなかなか今の非常に変化の激しい世の中、ひいては犯罪に対応し切れないのではないかなと。したがって、もし限られた人員を有効に活用されるということであれば、刑事警察あるいは警備公安との相互交流的なことの何らかの尺度を持ってつくられてはいかがかということを、現状どうなっているかということを聞きたいがために伺ったわけであって、検挙数ということを伺ったわけではございません。 この話をあれしてもいけませんので次に移りますけれども、警察法の改正の中で、午前中の議論でもいろいろと出ましたが、公安委員会の機能において、なぜそこに独立の事務局を置かないのかといったようなことに対して御説明があったわけでありますが、その点についてまたるる御説明いただく中で私が一つ疑問に思いましたのは、例えば午前中議論がありました栃木県の石橋警察署の問題についても、今度の新しい、今政府が御提案されておられます警察法では文書においてということでございますが、確かに口頭でもいいというふうに官房長からは御答弁いただきましたし、またそれは各交番でもあるいは警察署でも受け付けるんだ、公安委員会にわざわざ出向かなくても受け付けるんだということでありますが、多分、問題があると考えて文書を書かれるような方は、残念ながら警察に対して一部不信な思いを持っておられるのではないかなと。端的な例がこの栃木の須藤さんのケースだと思いますけれども。 そうしたときに、本来、最終的にはもちろん相互の思いを和解させるということが必要だと思いますが、そういう方々に、いきなり警察署に来てください、あるいは交番に来てくださいと言うのもなかなか難しいだろうなと。だとすると、公安委員会に行けばいいというふうに法律は書いてあるけれども、実際に、じゃ直接公安委員会に行こうとしたら、どういうふうにすればいいんでしょうか。
○政府参考人(石川重明君) これまでも御説明を申し上げていますように、今回、公安委員会の管理機能の強化という法整備を行うわけでございますが、それとあわせまして、これは予算とか組織の問題でございますが、公安委員会に補佐機能というものを私どもとしてきちっとした体制をつくりたい、こういうことを考えているわけでございまして、一つはそこへ行っていただくということがあろうかと思います。
○浅尾慶一郎君 では、公安委員会は通常は、国家公安委員会は今度常設の机もいただけるということでございますが、まず都道府県公安委員会から伺いますが、都道府県公安委員会は都道府県警の中にその委員会はあるというふうに理解してよろしいんですか。
○政府参考人(石川重明君) これは建物と組織という両方の切り口がございますが、基本的には建物は一緒の建物に入っているということでございます。
○浅尾慶一郎君 仮に、じゃ、神奈川県公安委員会に私が参りたいと思って神奈川県警をお訪ねしたときに、細かい話で言いますが、受付を通るわけでありますが、公安委員会の受付というのはないという理解でよろしいわけですね。
○政府参考人(石川重明君) 総合受付のようなものがどの警察本部にもございます。そこへ、例えば今のお話で申しますと、行って、公安委員会に苦情の文書を提出したい、こういうことを恐らくお話になるのだろうと。そういたしますと、そこから連絡を受けて公安委員会の者がお迎えに来るなり、あるいは何号室に来てください、こういう話になって、先ほど申しました公安委員会の事務担当部署のところがそのお話を聞いて即座に、即座と申しますか、それを公安委員会に上げると、こういうことになろうかと思います。
○浅尾慶一郎君 公安委員会の事務担当部署は、ちなみに常勤ということでよろしいんですか。
○政府参考人(石川重明君) これは現在も、非常にこれから改善をしなきゃならない、体制をもっと増強しなきゃならないということはございますが、ございます。その現在の状況はいろいろまちまちでございますが、今後、公安委員会の補佐機能を充実するといった場合においては、基本的には専任の、公安委員会事務を専ら担当する要員というものを確保したいと、こういうふうに考えております。
○浅尾慶一郎君 その公安委員会の専任の、補佐という名前だったと思いますが、補佐に従事する者が、補佐室というか公安委員会事務室というか、言葉はどう使われるのかわかりませんが、そこの専任の部屋も各都道府県で用意するよう指導されるという理解でよろしゅうございますか。
○政府参考人(石川重明君) これにつきましては、それぞれ各警察本部、事情もあろうかと思いますが、基本的には部屋というものは必要だろうというふうに考えております。
○浅尾慶一郎君 それであれば、一点、それに関して、これからの多分警察庁からの都道府県警への指導、通達ということになるのかもしれませんが、先ほど受付ということもありましたが、できますれば電話番号も直通のものをつくっていただいて、それを何というか告知されるようにお願いをしたいと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(石川重明君) この苦情処理の問題、口頭によるもの、電話によるもの、それから文書によるもの、いろいろございます。それで、法律は文書によるものということで提出するわけでございますが、いずれにしても苦情というものをきちっとした形で処理をするということは大事なことでございますので、このいろいろなシステムについて、どこへ行けばどういうことが行われるのかといったことはいろんな形で広報をする、あるいは明らかにするという形で努めてまいりたいと思っております。
○浅尾慶一郎君 公安委員会の事務局に関してもう一点伺わせていただきたいと思いますが、これはむしろ国家公安委員長にお答えいただきたいと思いますが、御案内のとおり国会の審議の形態が変わりまして、基本的には、きょうもそうでありますが、政府参考人は答弁をいただかない、基本的には政治家、大臣、政務次官が答弁をいただくというふうに変わったわけであります。 変わったわけでありますが、西田大臣は自治省という大変大きな省庁とそして警察業務という二つの業務を一人で答えられるということで、大変な事務量というか勉強される部分も相当多いんだと思いますが、端的に伺わせていただいて、仮にこの委員会において今の質疑を政府参考人なしで行うという形になった場合には、かなりそれは作業的に大臣にかかる負荷が重くなると思うんですが、まず事実認識としてそういう理解でよろしいでしょうか。
○国務大臣(西田司君) 大変御理解のある御発言でございまして、感謝をいたします。 ただ、仕事が多い少ないという問題もございますが、警察行政というのは、これは一般社会とはまた違った分野の非常に広い深い仕事をやっておるわけでございます。私のように能力の不足しておる者につきましては、これは補佐をしていただく参考人的な者は必要であると、こう考えておるわけでございます。
○浅尾慶一郎君 そこで、これは確かに警察業務に一番よくあらわれておるんだと思いますが、他の省庁であれば大臣がおられて、自治省でも総括政務次官がおられて、もう一人事務次官、今度省庁再編になれば副大臣といったようなことも出てくるということであろうと思いますが、省庁再編後も警察にかかわるものは恐らく国家公安委員長である大臣がお答えになるしかないんではないかなというふうに、仮に参考人を要求させていただかなければそういうことになるんだと思いますが、まず第一点、そういう理解でよろしゅうございますね。
○国務大臣(西田司君) 今の御発言で政務次官という問題をお考えになっておるのかどうかちょっとはっきりしなかったわけでございますけれども、政務次官の職務につきましては、もう申し上げるまでもありませんが、これは大臣の命を受けて、そして政策を進めてつかさどっていくわけであります。また、大臣が不在のときは代行をしていく、こういうようなことになっておるわけでございます。 しかし、警察法上、警察を管理する権限というのは、これは非常に大事なことは、私は国家公安委員会が合議体であると、こう認識をいたしております。国務大臣たる委員長の権限はこれは非常に大きいものがありまして、会務を総理し、委員会を代表することや、会議を招集すること、また公安委員会、警察行政の責任を持つということ、非常に重要なことだと考えております。委員長に故障がある場合の代理につきましては、これはあらかじめ委員で互選をいたしまして代理者を決めておるわけでございます。したがいまして、国家公安委員会に政務次官を置くことは合議制の機関には私はなじまないものではなかろうかと、こう考えております。 また、委員御指摘のように、警察に直接の担当大臣や政務次官を置くことは、公安委員会制度が、国民の良識を代表する委員によって構成される合議制の公安委員会が内閣総理大臣から独立して警察行政を民主的にコントロールすることにより警察行政の独善を防ぐと同時に、警察の政治的中立性を確保することを目的として取り入れられたものであることから、制度の根幹にかかわる問題であり、適当ではないと、こう考えております。
○浅尾慶一郎君 御答弁、了解いたしましたが、私が申し上げたいのは、警察は当然政治的に中立でなければいけないということであろうと思います。 そこで、したがって国家公安委員会の委員長は国務大臣を置くという警察法の規定がございますから、それはそのとおりやっていただくということでありますが、同時に、公安委員長が余りにもいろいろな部分を兼ねる形式に現状なっておりますので、午前中、谷川委員の方からも御指摘がございましたけれども、これは国会側が決めることであるという御答弁もいただきましたが、国家公安委員長だけではなくて、合議制の国家公安委員会の委員の方々にも、私の方からもぜひ積極的に、我々の方から求めがあった場合には、現状こういう方向で警察行政を委員会として考えているというような形で出席をして御答弁いただきたいと思いますが、その点について伺いまして、和田委員と交代させていただきたいと思います。
○国務大臣(西田司君) 先ほどもちょっとお答えいたしましたけれども、国家公安委員長というのは国家公安委員会を代表する、こういうことでございます。非常に心配をして、余りにも仕事が多過ぎるんじゃないかということでございますが、その嫌いはございます。ございますが、ひとつ役目を拝命しておる以上は一生懸命その職務に努めていかなければいけないと、こう考えております。
○和田洋子君 民主党・新緑風会の和田洋子でございます。 警察法の改正の前に、一つだけ質問をさせていただきます。 オーストリアのケーブルカー火災についてお尋ねをいたします。外務省と運輸省と消防庁からおいでをいただきまして、ありがとうございます。 十一月十一日に大変何とも痛ましい事故が起こりました。日本人十人を含む死者百六十人と言われる大変な悲惨な事故でありました。十人の中身は、慶応大学生の方ら四人、また福島県の猪苗代中学校、コーチを含め、五人の生徒が亡くなられたのではないかということなのでございますけれども。 これは、火災現場のふもとの町はカプルンというんですか、モーツァルトが誕生した、山のふもとには湖が広がった、そしてとても観光のすばらしいところで、本当にいかにも猪苗代の町に大変よく似た町だそうでございますけれども、そういう中で起こった悲惨な事故に対しまして外務省では、状況とか、把握しておられる範囲内でその対応とかをお教えいただきたいと思います。
○政府参考人(今井正君) 御指摘のオーストリアのキッツシュタインホルンで発生いたしましたケーブルカー火災事故に関しましては、トンネル内から百五十二体の遺体が収容されまして、遺体の収容作業が終了したとのことでございます。これは、オーストリア側現地対策本部が、現地時間十五日十二時、日本時間で十五日の二十時でございますが、記者会見を行いまして発表したものでございまして、現地大使館から報告があったものでございます。これによりますと、この事故の犠牲者総数は、ケーブルカー山頂駅で煙に巻かれた三名の方を含めまして計百五十五名となっております。 日本政府といたしましては、事故発生後速やかにオーストリアの大使館員を現地に派遣いたしまして、現時点では、伊集院駐オーストリア大使以下職員十一名が、ザルツブルク州の州知事等現地当局者との間の緊密な協議、連絡のもとで、所在不明となっておられます十名の邦人の方々の安否確認に引き続き全力を挙げているところでございます。また、現地入りされております御家族等関係者の方々に対しましては、医務官を含む大使館員が逐次オーストリア側の作業につきまして説明を行いますとともに、支援、援護に努めております。 なお、オーストリア政府に対しましては、河野外務大臣からフェレロバルトナー外務大臣あてにメッセージを送りまして、御家族等関係者の方々への支援に最大限の配慮をするよう要請いたしました。これに対してオーストリアの外務大臣からは、支援を約束するとの返事を受け取っております。 以上でございます。
○和田洋子君 百五十五名と言われましたが、お亡くなりになられた方々の御冥福を心からお祈りするつもりであります。 そして、新聞の報道なんかによりますと、オーストリアの国営テレビの報道によるとというふうに新聞に出ているんですが、火災の前日にケーブルカーがトンネル内で停止していたという事実もあったりするんですけれども、日本にもこんなようなケーブルがたくさんあると思うんですが、これに対しまして運輸省では、これは運輸省が所管されるということですが、どういう対応をされたのかお聞かせください。
○政府参考人(白取健治君) まず、我が国のケーブルカーの現状でございますけれども、二十五の路線がございます。総延長は合わせまして二十四キロとなっております。このうち、ややトンネルの部分が長いというのが三路線ございまして、一つは青函トンネル記念館、これは青函トンネルの中にありますものですから、ここにおりていくケーブルカーでございます。それから立山黒部貫光、これは立山にあるケーブルカーでございます。これが約八百メーターのトンネルがございます。それから立山開発鉄道というケーブルカーがございますが、これが約六百メーター。我が国では、したがって一キロメーター以上の長大なトンネルというケーブルカーはございません。このようなトンネルがございまして、今までの実績でございますと、ケーブルカーで火災が起きたという今回のような事故はございません。 それから、技術基準等におきまして、座席の表面には難燃性の材料を使えでありますとかあるいは各車両に消火器を設けろとか、そういったことを義務づけております。
○和田洋子君 各ケーブルの会社に運輸省が出されたそういういろんな、例えば消火器を置くとかそういうものの規定をきちんと守っているかどうか、それを見るのは消防の方々のお役目ですか。
○政府参考人(鈴木正明君) 今回の事故の原因がまだ明確になっていない状況でございますが、今回のような登山鉄道、山岳鉄道でのトンネルなどにおきましては、その場所とか構造の関係から火災が拡大すると消防活動が極めて困難になる、こういう状況のものでございます。したがいまして、まず第一に、このようなトンネルの中では、通報連絡設備とか消火設備、あるいは避難設備の設置、さらに車両の不燃化対策、こういった事前の対策が基本と考えております。 今回の災害の教訓というものを踏まえまして、また所管省庁と連携をとって対応策はさらに検討いたしたいと思いますが、消防機関としての指導の点につきましては、立入検査を行いますので、その際に安全対策について点検を行い、また指導します。また、車両火災を想定した消火・避難誘導訓練をみずから実施、あるいはその事業管理者と共同して実施、さらに自主的な訓練を行ってもらうように指導する、こういったことによりまして安全対策に万全を期するようにいたしております。 今回の事故にかんがみまして、消防機関に対しましては、早急に立入検査を行ってこのような点検を行うように通知をいたしているところでございます。
○政府参考人(白取健治君) 運輸省におきましても、この事故を受けまして、十四日でございますけれども、これはケーブルカーだけではなくて全国の鉄道、軌道あるいはロープウエーの会社、我が国のそういった全軌道系の会社に対して、火災の安全総点検をしてください、それから火災対策に万全を期してくださいという通達を出しております。
○和田洋子君 事故が起こってからいろいろなことがなされるという、とても残念なんですけれども、家族の皆さんの心を思うと本当に胸が痛みます。外務省の皆さんの温かい御配慮とか、また今後は絶対にこういうことが起こらないというか、日本では起こしちゃいけないというふうに思いますので、運輸省の皆さん、消防庁の皆さんにくれぐれもお願いをして、この質問は終わらせていただきます。ありがとうございました。 質問を続けさせていただきます。 警察改革に関する質問で、先ほど簗瀬議員の方から、何か事故が起こらないと、何か事件が起こらないと始動しないという話を聞いて、本当にお亡くなりにならないとわからなかったのかなというふうに思いました。 それで、私、とても素朴なことなんですけれども、先日地元に帰ったら、会津若松市に住む女性、お友達から電話があって、その方のおうちは飲み屋さん街にあるおうちなので、自分のうちの駐車場にいつも飲み屋さんに来たお客さんとかとても怖いお客さんが車をとめて困るんだそうです。それで、警察に再三電話しても、奥さん、何か事故でもないとうちは行けないんですよというふうに言われたそうです。そうしたら、電話をよこして、和田さん、じゃ私が一度殴られでもしないとそれは取り締まってもらえないのかなというふうに言っておられたので、さっきの質問の内容と、もう本当に小さな質問なんですが、一県民というか市民はそういう感じで警察を見ているんだということをぜひ知っていただきたく、また質問をさせていただきます。 一連の警察の不祥事を受けて、国家公安委員会では第三者的な機関で今回刷新会議というのがあって、それの緊急提言がなされたわけでございます。 提言の中で、皆さんは、警察は閉鎖性があり過ぎる、二番目は国民の批判や意見を受けにくい、第三番目にはキャリアの資質とか教育訓練のあり方に問題があるのではないかという数々の指摘がされました。 こんなに厚い本を見せていただきましたが、それが提言になると本当に、刷新会議ではこういうふうにするべきだということが、そうではなくて、できることというふうにトーンが下がってしまっているような気がいたしますが、本当に根本から何かいろいろ改革をするというのであれば、私たちは衆議院では、もっと第三者的なものをきっちりして今後もこういうことに取り組んでいただきたいということも申し上げましたけれども、こういうことに対して前田参考人も二十一世紀の警察を考えていかなければいけないというふうに言っておられました。 国家公安委員長は、この警察改革で十分だというふうにはまさか思ってはおられないでしょうけれども、これでよい、そして今後直す意思があるかどうか、お知らせをいただきたいと思います。
○国務大臣(西田司君) 警察刷新会議の緊急提言を受けまして、国民から大変厳しい批判を受けました。このことを国家公安委員会のみならず、警察庁も本当に反省をしております。反省と同時に、このことを教訓として、これからの国家公安委員会、警察庁においては当面取り組むべき施策を警察改革要綱として取りまとめておりますことは御案内のとおりであります。 今回の警察法改正案はその骨格をなすものであります。改正案の内容は警察刷新会議の緊急提言に盛り込まれたものでありますが、これらは緊急に実行に移すべき具体的な提案であります。実効性の大きさからも、現時点における最善の改革案であると私は考えております。 それから、最後に御質問をなされたこれからの問題はどうかという問題でございますが、私はなお、警察改革要綱にありますとおり、今後とも新たな治安情勢、世の中の変化、こういうことに対応する警察改革に積極的に取り組んでいかなければいけない、こういうことを考えております。
○和田洋子君 緊急提言の中で、閉鎖性の危惧ということについて、第一番に、犯罪捜査の中でありますからということで余りにも秘密にする余りに警察行政が閉鎖的になっているのではないか、だから本来公開すべき情報が公開されないのではないか。第二番目に、組織内の内部のことに関しまして、身内で余りにもなれ合いになり過ぎて、監察が十分な機能を果たしていなかったのではないか。第三に、公安委員会は、警察行政の民主的運営を保障して政治権力から中立を確保するという余りに、今度は警察の方と何か仲よくなってしまって、国民の良識の代表として警察の運営を十分に管理していなかったのではないかと。こういう的確な現状認識、問題把握を前提とすれば、政府案のこのような内容では私は不十分だというふうに思っています。 そこで、まず監察の強化に関連してお伺いをいたします。 過度の身内意識とかなれ合いを避けるべきだということは、この間の新潟の事件なんかではもう十分に立証済みだというふうに思います。公安委員会が個別に監察の指示ができるようにすること、その結果が不十分だと考えた場合は、公安委員会のうち一名を監察の履行状況について点検できるようにする、その点検を警察庁あるいは都道府県警察の職員が補助できるという、ここに大きな問題がある。もうこれは皆さん御質問をされたところであります。 私たちは、例えば知事部局からおいでいただいてもいいんじゃないかというふうにも思いますが、民主党は、公安委員会が独自の事務局を持たなければいけない、それでないと監察は十分に行われないというふうに思っています。国家公安委員会と警察庁が管理する関係にあるのであれば、両者は一体であってはならない、絶対に一体であるべきではないというふうに思っています。若干お金がかかったとしても独立の事務局を置くということが、これは国民が求めている最大の希望だというふうに思いますけれども、国家公安委員長はどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(西田司君) 公安委員会の独立した事務局につきましては、この事務局と警察庁、警察本部の二重構造はむだと効率の低下を私は生み出すのではないか、屋上屋を架す結果となるのではないか、こう考えて、これは適当ではない、こう考えております。また、現在の国家公安委員会制度は、事務局が介在しないことにより警察からの情報がスムーズに公安委員会に上がり、公安委員会の意見に対して警察が直ちに対応することができるなど、長所を有しているものと考えております。 逆に、公安委員会に独立の事務局を設置し、警察庁、警察本部が公安委員会の事務局事務を行わないこととした場合、公安委員会が警察庁、警察本部から遊離し、ひいては適正な管理を行うことができないこととなる懸念があるわけであります。 このような考え方から、警察庁では警察刷新会議の緊急提言を踏まえ、国家公安委員会の事務局的機能を果たす課並びの委員補佐官室の設置を要求しているほか、各委員に補佐官を置くことを検討しているところであります。また、都道府県警察においても、所要の体制の整備や公安委員会事務担当スタッフの増強等を図ることにより、真に効果的な補佐体制が確立されるよう最善の努力を払っていきたい、こう思っております。
○和田洋子君 屋上屋を重ねるとか二重構造になるという答弁はもう本当に何回もお聞きしたんですけれども、絶対にそうではなくて、警察から補佐官が来ても事務職員が来ても、絶対にそれは、その人たちは異動になれば今度は監察される側に回る人と。今していた人が異動になれば、あしたからはされる側に回るとすれば、それは身内のなれ合いというか、もう言えないというような立場になってしまって、これじゃ意味がないとみんな思っていると思うんですが、これは答えは要らないんですけれども、それなら知事部局とかそういうところからそういう方を、全然知らないはずはありませんから、そういう素人だというふうにおっしゃるからいかにも二重構造になったりするというふうにお考えだと思うんですが、県職員とかそういう人からもしそういう補助が来るとすれば、それはそれでまた違った意味があるのではないかというふうに思います。それはお答えは要りませんけれども。 国家公安委員会の人選についてお尋ねいたします。 監察を直接行うことに対して警察庁は、公安委員会の役割は大局的な見地から警察運営の適正を図ることにあり、公安委員には警察の職務経験を有する者が排除されて、社会各層の有識者が充てられているそうですが、これは公安委員会制度の本来の趣旨には反しているんじゃないかというふうに思います。警察活動に余り知識を持たない人が警察運営を管理できるわけがないんですから、大局的な見地というといかにも美しい言葉なんですけれども、高齢の、とても失礼な言い方で済みませんが、高齢者で産業界の長老とか、警察分野とは全然関係ない人が学識経験者を代表して公安委員に任命をされても、厳正な、公正な警察管理はできるはずがないというふうに思いますけれども、人選についてどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(西田司君) 公安委員の人選等についての御質問だと受けとめました。 公安委員会の委員が、任命前五年間に警察の職務経験のない者のうちから任命することとされているのは、官僚による警察運営の独善を防止しようとするためであり、この基本的考え方は今後も維持すべきものと考えております。 公選制の適否につきましては、警察行政の政治的中立性を確保することが期待をされている公安委員会の役割からすると、慎重に検討すべきものであります。 いずれにせよ、公安委員会に期待される役割は今後ますます高まると思われる、その役割を果たし得るに足る豊富な経験と高い見識を有する方が委員に選任されることを期待しておるところであります。
○和田洋子君 本当に、皆さんが質問されたことと重複して、何回聞いても解せないという思いがしています。 公安委員会の人選も、今のとおり、しかりでございます。また、開催の回数とか審議の時間などからしても、公安委員会が形骸化しているというのは、もう本当にだれしもが思っていたことなのではないでしょうか。 第一番に、国家公安委員会は警察庁を管理する。二番目には、警察法第五条二項に定める警察行政を管理するために、必要な限り警察庁長官に対し警察行政の処理状況の報告をする。資料の提出、調査及びその改善を勧告し、並びに厳正な監察を実施させ、その他所要の指示を行うものとする。このようなことを何で法律で書けなかったんでしょうかね。審議会でこんなことがもうたくさん出たのに、法律でも書けなかった理由は何ですか。
○政府参考人(石川重明君) 刷新会議の緊急提言におきまして、今御指摘のように、管理概念を明確にして公安委員会の活性化につなげるべきである、このために何らかの形で法令上この管理概念というものを明確化すべきである、こういう御指摘があったわけであります。 ただ、その内容をどういう法形式で定めるかということにつきましては、必ずしも法律で決めるというようなことではない、そういうふうに決めなければならないものではないというふうに私どもも理解をしておるわけでございます。提言でも、「法令上明確にする」と、こういうふうに言っておられますし、また先日、衆議院の参考人として刷新会議の大森委員が御答弁になっておりますけれども、そのときもそういう御趣旨だったというふうに理解をしておるわけであります。 それから、管理の内容がどういう形で明確化になるかというそういう実質的な問題だと思いますが、公安委員会が管理として行う事務の処理の方法、その権限行使の具体的な態様につきましては、公安委員会の御判断で公安委員会規則という形で決めていただくということが適当なのではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。
○和田洋子君 刷新会議の言われたことが、「必要に応じて公安委員会が改善の勧告等ができるということを何らかの形で法令上明確にする必要がある。」というふうに言われたのが、トーンが落ちて法律化はされなかったのでございますが、まさに警察刷新会議が警察の隠れみのになってしまったんじゃないかというふうにさえ思われます。政府として、提言上では「法令上」とされており、法律でなくてもよいと答弁されておられますけれども、法律で明文化してこそ意義があるというふうに私は考えております。 公安委員会の管理概念の明確化というのは、公安委員会制度の充実強化にとってある意味では核心をなす部分であると考えますので、例えば、百歩譲って法律化しないとすれば、規則で定める。刷新会議の御意見をどういうふうに体現される所存か、そういうことをちょっとお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(石川重明君) 管理概念の明確化ということを先ほどのような内容で、公安委員会の御判断で公安委員会規則で定める、こういうことが適当なのではないかということを申し上げましたのですが、ではどういう形でそういう規則を定めるかということでございますが、公安委員会が示す大綱方針を具体的にどのような形で示すかという、その示す形態というものを規定する、あるいは警察庁の事務処理がこの公安委員会が示されました大綱方針に適合していないと認めるときには、国家公安委員会が警察庁長官に指示を行うことができるといったような所要の規定を置くということがその内容になるのではないかと、こういうふうに考えております。
○和田洋子君 警察の監察についてですけれども、監察あるいは公安委員会の具体的な個別的な指示に基づく監察にしても詳細な報告書が作成されるわけですけれども、それを国民に公表すべきではないかというふうに思いますが、いかがですか。
○政府参考人(石川重明君) 刷新会議の緊急提言におきましては、職務執行に関連した懲戒事案については原則として発表するとされておるわけでございまして、そういうガイドラインが示されておるわけでございます。 警察庁におきましては、今御指摘の監察の結果、警察職員に対して懲戒処分を行った場合には、このガイドラインに従いまして適時適切な発表を行うように各都道府県警察に対して今指導しているところでございますけれども、また、このガイドラインをさらに明確にしたいわゆる公表基準といったものを作成すべく作業を進めているところでございます。 したがいまして、監察の結果、懲戒処分を行うようなことにつきましては、できるだけ公表をしていくという基本的なスタンスで臨んでまいりたいというふうに考えております。
○和田洋子君 私たち民主党は、監察に限らず、「国家公安委員会は、毎年、内閣総理大臣を経由して、国会に対し所掌事務の処理状況を報告しなければならない。」というふうに御提案を申し上げましたが、そのことについてどういうふうにお考えですか。
○政府参考人(田中節夫君) 民主党の提案の中で、国家公安委員会あるいは都道府県公安委員会につきまして、それぞれ国会あるいは都道府県議会に開催状況につきまして報告をするという規定があるというふうに私ども承知しております。 私どもといたしましては、国家公安委員会の活動状況を国民に対して詳細かつわかりやすく発表するというのはこれは基本的に委員御指摘と同じ考え方でございまして、これをどういうような形式でやるかということにつきましては、ホームページもございましょうし、また現在、警察白書というような形もございます。 私どもといたしましては、委員御指摘のように、国家公安委員会の活動のあり方、状況というものを具体的にやるやり方として、今私が申し上げましたようなやり方でやるということで今のところ足りるのではないかというふうに考えているところでございます。
○和田洋子君 数々の不祥事発生を契機として二月十七日からホームページが開設されたそうで、ちょっと見せていただいたんですが、新潟の不祥事に対しましても、その報告を受けたくらいの、三行くらいのホームページなんです。その中で御議論がどんなことがあったのかとか、そういうことが全然掲載されなくて、見ても新聞の見出しを見るような感じしか知り得ないわけなんですが、それに対して国家公安委員長はどういうふうにお考えですか。
○政府参考人(田中節夫君) 今、委員御指摘のように、国家公安委員会の議事の内容をどの程度ホームページその他で公表するかということでございますけれども、国家公安委員会は、御案内のとおり、一つの政策につきまして有識者が議論をする、そういう場の審議会等とは異なりまして、警察業務を日常的に管理する機関であるということでございまして、かなり具体的な事件、事案につきまして御議論いただくということもございます。 したがいまして、基本的にできる限り公表するということはそうでありますけれども、議事内容をそのまま公表するということにつきましては、これは公安委員会の御判断を得て慎重な判断を要するものがあるということについては御理解を賜りたいと存じます。
○和田洋子君 国民が知りたい、そういう満足させるためにももう少し内容を濃いものにしていただきたいなということをお願いいたします。 地方分権と警察制度についてお伺いします。 ことしの四月に地方分権一括法が施行されて、地方分権は今や実行の段階に入っております。 警察制度の改正を振り返ってみますと、広域組織犯罪に対する警察庁長官の指示権の創設など、中央集権的な改正も多くされています。地方分権とは異なった方向で動いているなという感じがします。簡単に言えば、地方分権といいながらも警察は別よという感じであります。 これまでどおりということでありますけれども、そこでまず、地方分権の時代における警察運営について、地方分権を所管されている大臣はどのようなお考えですか。
○国務大臣(西田司君) 警察の事務は国の利害にも地方の利害にも関係を有しておりますことから、現行警察法は、警察の執行事務を都道府県の自治体警察とすることを基本としつつも、国家的ないし全国的、一斉的の要請に応じられるようにするため、地方警務官制度、警察官の所掌事務に関する都道府県警察への指揮監督等、一定の範囲で国が関与できる仕組みを設けております。警察庁長官の都道府県警察に対する指揮監督は、地方分権推進計画においても国の関与として許容されるものとして整理されております。 国の警察組織と都道府県警察との関係につきましては、犯罪の広域化、国際化の進展等、都道府県警察の枠を超えた警察事象に的確に対応していくため、十分検討していかなければならない問題であると考えております。
○和田洋子君 現在の都道府県警察は、管区区域が都道府県であるというだけで、人事権も指揮監督権も国、警察庁が握っております。知事は都道府県公安委員会を所管するという、所轄ですが、所轄というのは指揮監督権がない。都道府県の公安委員会は都道府県の警察を管理するというだけで、抽象的な取り決めになっております。 例えば、平成十一年度の予算を見てみますと、警察庁が二千九百三億円、都道府県警察の予算が三兆四千七百九十五億円、規模は国の十倍以上になっています。地方分権では権限が移譲されても財源が伴わないと町村長さんたちがみんな言っていて、それをすごく問題にしているんですけれども、事警察に関しては人事も権限も全部国が握っているけれども、財源は大部分は県が一般財源で行っています。 例えば、都道府県警察予算の内訳を見ると、約八〇%以上が人件費、財源面で国庫支出はわずかの二%でありますから、一般財源が九割を占めています。地方分権の時代に財源は地方に持たせ、人事と権限だけは国が持つというのではこれはちょっと変じゃないかなというふうに思いますので、そういう点についてもう一度大臣の御所見をお伺いします。
○政府参考人(田中節夫君) 警察の事務のあり方といたしまして、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、現在の警察法は都道府県警察が基本的な仕事を負っておる、こういう関係でございまして、それに国の関心を及ぼさなきゃいけない事項につきまして国が関与する、こういう仕組みになっておるところでございます。したがいまして、現在の警察法の仕組みというのは、これはむしろ地方分権といいますか、それに沿った形でできているというのが基本ではなかろうかというふうに思っております。 ただ、お話しのように、人事権につきましては、都道府県警察本部長につきましては、これは地方警務官は国家公安委員会が任免権を有しておりますが、都道府県警察職員につきましては本部長が全部任免権を有しております。そしてまた、予算につきましては、御指摘のように三兆幾らかのお金はこれは都道府県費でございまして、そのほとんどが人件費でございますけれども、これも都道府県が負担しております。 具体的な活動で申しますと、事件の指揮というものにつきましてはすべてこれは都道府県警察の本部長が指揮をしておりますので、国の関与は極めて限られている。その捜査のあり方の基本的な考え方、大綱方針を示すというような形は国はございますけれども、個別具体的なものにつきましてはこれは県が、都道府県警察が指揮をしているという形をとっております。 大臣が先ほど申し上げましたのは、こういう現在の基本的な都道府県警察を主体とする警察の仕事の仕組みというのが、広域的な事案とかあるいは大規模な事案が起きている、そして一つの府県では賄い切れないような事案が多いときにこのような警察の仕組みでいいのかどうかということについてこれは検討しなければいけないということを申し上げた、むしろ国の関与といいますか、それをさらに広げなければならない余地があるのではないかというような観点から申し上げたのではなかろうかと思います。 そういう意味では、現在の警察の仕組みというのはすぐれて地方分権に沿ったそういう形ではなかろうかというふうに思っております。
○和田洋子君 予算の大半を出される浅野知事が情報公開してほしいと言うのに、県警本部長が第一次判断をするというのであれば、余りにも地方公共団体の自主性を無視しているのではないかなというふうな思いがしておりますので、一言つけ加えます。 情報公開に関連して、不正経理についてお伺いをいたします。 警察刷新会議の新潟の公聴会では、情報公開こそ警察改革のキーワードであるというふうに言われております、六月十七日。それで、不正経理の問題は、情報公開を徹底すればいいという問題ではなく、第三者の立場で警察刷新会議にこの問題をやってもらいたいという御意見も出ました。これを受けて六月二十三日の第九回会議では論議が行われて、金の問題が明確にならないと組織自身が乱れる、ほかの問題の開示にも増して厳格にやっていただきたいという御意見が出たそうであります。これは、単に食糧費の問題に限らず、警察の経理が不透明であって、国民にもっと情報公開すべきであるというふうに受けとめていただきたいというふうに思います。 犯罪捜査などの個別の警察活動に支障を及ぼすおそれがないと認められる旅費とか会議費に関する会計の支出文書については原則として開示するということでありますが、開示するかどうか、どこまでかという判断は一体だれがするんですか、お尋ねをいたします。
○政府参考人(石川重明君) 都道府県警察を実施機関とする情報公開条例が施行された後のこととして御説明をいたしますが、これは、都道府県警察本部長が保有する文書につきまして開示請求がなされた場合には、本部長が、請求にかかわる文書を開示した場合の支障のおそれの有無等を判断して開示決定等を行う、こういうことになると思います。
○和田洋子君 あと時間がなくなってしまいますので、この警察法の改正によって警察の不祥事の抑制がなされるかどうか、今までも全然こういうことだったんですが、今回の改正で、一連の不祥事の発生の教訓から国家公安委員会とか都道府県公安委員会等に警察の管理機能の強化ということが求められたというふうに思い、それが盛られているというふうに思います。 その具体的な中身を見ると、公安委員会は、監察が必要と認めるときは警察に対して具体的な、または個別的な事項にわたり指示できることとかいろいろ言っておられますけれども、この警察改革によって抑止効果があらわれる、必ずあらわすというふうにお考えですか。
○政府参考人(石川重明君) 今御質問のように、警察業務の適正を確保するために警察行政を監視、監督する機関として公安委員会が置かれておるわけでございまして、一連の不祥事案の反省に立ちまして、今回の政府提出の改正案では、この不祥事の再発防止ということを図るために公安委員会の管理機能を強化する、こういうことの内容になっておるわけでございます。 まず、どういう形でそれがそういう機能になるのか、こういうことでございますが、警察職員が誤った判断で職務執行を不適切に行ったといった場合に、その状況というものをまず的確に把握することが必要でございます。それがあって初めて公安委員会が管理に実を上げることができるわけでございます。今回の改正案につきましては、警察本部長に職員の懲戒事由にかかわる事案の報告義務を法律上課すということになっているわけでございます。それが一つでございます。 また、先ほど来御答弁申し上げておりますが、国民からの文書による苦情に対しまして、公安委員会がこれを誠実に処理して文書によって回答をする、こういう仕組みになってございます。これは、公安委員会がこうした苦情というものを通じまして、警察職員の職務執行の適、不適というものについて把握をするということが可能となるわけでございます。また、回答するに当たりましては組織としての説明責任もございますし、また、関係した職員というものがおった場合に、その職員の個人の責任を明らかにすることが要請をされるわけでございまして、不適切な行為の防止がこうした処理を通じて図られることになるように機能していく、こういうふうに考えているわけでございます。 そして、これらのことによりまして不適切あるいはその疑いのある職務執行が明らかになった場合を含めまして必要があると認める場合には、公安委員会におきまして、先ほど来御議論がございます、警察に対して具体的、個別的な監察の指示というものを発することになりますし、そして警察が十分な監察を行っていないというような疑いがある、あるいはそれを確かめる必要がある、適正に行われているかどうかということを確かめる必要があるということがあれば、指示をした公安委員会みずからが検証ができるように監察担当委員による履行状況の点検、さらに専門的、技術的立場からの当該監察担当委員の事務を警察職員が補助する仕組みを新たに設けておる、こういうことでございまして、こういったことが相まちまして不祥事案の的確な、また確実な究明、それから、是正を必要とする措置があればその是正、またこうした不祥事案の未然防止を図るということが可能になるのではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。 さらに、警察署の運営に住民の方の意向を反映させるために警察署協議会を創設するということにしておるわけでございますが、これも住民の声というものを警察が常に意識して警察署の業務運営に反映をしていく、こういうことがございますから、これも警察活動の適正化という一つの契機というものにもなるのではないか、こういうことを考えておるわけでございまして、こうした公安委員会の管理機能の強化策というものが不祥事の防止等業務の適正化のために大きな効果を発揮するものではないかということを考えているわけでございます。
○委員長(朝日俊弘君) もう時間が過ぎていますので、手短に。
○和田洋子君 最後に、ちょっと要望なんですが、この間の参考人の皆さんも、フランスの警察とかイギリスの警察、またニューヨークの警察とか、いろいろ諸外国の警察の事例を出されて御報告されておられますが、先進主要国の警察の制度とか公安委員会の制度とか監察の制度など、結構日本では知られていないというか、私も勉強不足だというふうに思いますが、ぜひ警察にそういう資料があるとすればこういう委員会において御報告をいただくとか、そういうことの資料をお出しいただきたいということを最後にお願いして、終わります。
○大森礼子君 公明党の大森礼子です。 私は、十一月九日の委員会の方でこの警察法の内容について既に一度質問をしております。そのときには、警察刷新会議の中で示されました緊急提言、こちらの視点からこれがどのように生かされておりますかと。法文化されたのは改正案を見ればわかるわけですけれども、それ以外はどうされるのか、制度の改善、運用とか、こういう点で提言の中身を受け入れていくのかどうか、こういう質問をさせていただきました。 そのときの印象としては、この刷新会議の緊急提言については、警察の方も非常に重く受けとめると言っておられたとおり、きちっと真摯に受けとめているなと、こういうような印象を持っております。 改正案の中身につきましてもう一点だけ、聞けなかったところがありますので、きょうはまずその点についてお尋ねいたします。 改正案の第五条二項三号に、これは国家公安委員会の所掌事務ということですけれども、新たに政策評価というものがつけ加えられております。「警察に関する国の政策の評価に関すること。」、これは三号で規定されておりまして、そして、この事務につきましては改正案の二十一条のところで、二十一条の一項の五号、長官官房が行うこととなっていると。五号では、「所管行政に関する政策の評価に関すること。」、こういう事務が規定されております。 まず、この規定を設けた意義についてお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(石川重明君) 中央省庁等改革におきましては、各府省は、所掌する政策について、その性質に応じて必要性、優先性、有効性等の観点から改廃等の評価を行うこと、内部部局に政策評価を担当する明確な名称と位置づけを持った組織を置くこと等が定められたところでございます。 今回の改正法案は、国家公安委員会の実質的な内部部局でございまして、政策の企画立案機能を担っている警察庁が国家公安委員会の管理に服しつつ政策評価を実施することにより、その適正かつ効果的な推進を図ろうというものでございます。 警察庁におきましては、平成十三年の一月から長官官房総務課に政策評価・情報公開企画官を設置することとしておりまして、こうしたことにより、政策評価の実施に必要な体制を整備した上で、本来の目的でございます国民本位の効率的で質の高い警察行政の実現を目指してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○大森礼子君 政策評価に関します総務庁のガイドラインについても確認しておきますと、第一に国民に対する行政の説明責任、アカウンタビリティーを徹底すること、第二に国民本位の効率的で質の高い行政を実現すること、第三に国民的視点に立った成果重視の行政への転換を図ること、これを目的に、具体的評価の方式としては、事業評価、実績評価、総合評価と、このように分けているわけであります。それで、私思うんですが、ほかの省庁の場合と比べまして、これをこのまま当てはめる場合、非常に警察行政の場合難しい点もあるのではないかなという気はするわけですね。 そこで、率直にお尋ねしますが、国民の生命、財産の安全保障を最大の任務とする警察行政におきまして、評価の視点、評価の方式とか、どういうふうに実施していくか、これについて基本的なお考え方を伺いたいと思います。
○政府参考人(石川重明君) 委員御指摘のように、警察における政策には、犯罪の捜査、鎮圧のための施策といったように評価手法がいまだ確立していない分野もございますし、また定量的な評価になじみにくい分野というものもあるわけでございます。また、施策と効果の因果関係がどういう形になっているかというものについてもなかなか明確でないものがございます。これらの政策につきましては、今後、指標や目標の設定方法といったような評価方式について新たに研究開発をしていく必要があるんじゃないだろうかと、こういうふうに考えております。 現在、警察庁におきましては、総務庁から示されましたこの標準的ガイドラインの案を踏まえながら、評価方式等を定めた実施要領を策定したいということで、その検討を行っているわけでございますが、評価の対象というものがいろいろございます。そういうものごとの政策の性質に応じましていかなるものが適切な評価方式なのかということを研究して、この政策評価というものには積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 例えば、交通安全に関する施策といったようなものにつきましては、一つは交通事故死者数といったようなものが評価の基準というものになろうかと思いますし、特定の犯罪の抑止を目指した政策ということになりますれば、犯罪認知件数等の指標を用いて行うような評価になるんじゃないだろうかと。今のところ、そのようなことを考えているところでございます。
○大森礼子君 わかりました。 確かに、今お答えになりましたように、評価の手法が非常に、どうやってやるか、難しいものだろうと私は思います。 今例を挙げられましたけれども、実績評価というのも、例えば検挙件数とかに走りますと、今でもあるのでしょうか、よく取り締まり月間というものがありました。覚せい剤取り締まり月間なんかがありますと、その月には検察庁の方へどっと事件が送られてきまして、何でもかんでも送ってきたという、こういう印象があって、この月間のあり方も問題だなと思ったことがございます。検挙数、数は一つの目安になりますけれども、数を出すという成果主義に余り走りますと、中身が非常に粗っぽくなってくるということもあります。非常に実績評価というのは難しいと思うのですけれども、しかしきちっと合理的な理由というものが説明されていれば国民の皆さんは納得すると思いますので、この点努力していただきたいと思います。 それから、午前中の谷川委員の質問とも重なるのですけれども、私も国家公安委員会の委員の任期についてよくわからなかったんですね。国家公安委員会の委員の任期は五年、都道府県公安委員会は三年と。それで、国と地方とで任期が異なる理由というのは何なのか。多分、それは国の方が仕事が多いからとか、なれていただくまでに時間がかかるから、多分こういう理由なんでしょうが、一応念のためにお尋ねします。簡単で結構です。
○政府参考人(石川重明君) 国家公安委員会の委員の任期が五年、都道府県公安委員会の任期が三年とされる理由につきましては、警察法の制定の際に、委員が事務に習熟するとの観点からその任期が短きに失することは適当でない、一方で職務に対する緊張感等を保持する上で長きに失することもまた適当でないというふうに考えられたということから、三年ないし五年という程度が一般的に考えて適当とされたというふうに承知をしております。 それに加えまして、国家公安委員の定数は今五人おられます。それから、都道府県公安委員は、指定府県を除きまして、三人でございます。そういうことから、毎年一人ずつが交代をされることによって委員会の継続性が図られ、また公安委員会に課された社会的責任の調和が図られるということが、現行の警察法制定時の国会における答弁を参考にいたしますとそういうことが推測されるわけでございます。
○大森礼子君 習熟しなくてはいけない、それはそうです。きちっと認識しないと評価できませんから。それは長きに失してもいけない。これも評価しなくてはいけないのかなと思います。 都道府県の場合三人ですから、それで再任が二回なのかなと。九年でしょう。だから、最初になって、順番に一人ずつかわっていっても継続性が保たれると。それだったら、これ三年なんて言っているけれども、多分任期九年まで務めちゃうのかなという気もするんですけれども、これも少し長過ぎるのではないかと思うのです。短いか長いかということはそれだけで決められることではなくて、要するに中身だと思うんですね。 それで、簗瀬委員の質問のところで、国家公安委員会の年収、二千六百七十万円とおっしゃったのか、週一回二時間ぐらいの勤務という。これを聞くと、おいちょっと待ってくれよと言いたくなるんですね。例えば先ほど政策評価の問題に触れましたけれども、これは言ってみれば、簡単に言えば国民の税金がきちっと使われているかどうかという、これを国民に明らかにしなくてはいけない。価値的に使われているか、それだけお金をかける価値あるものができているかどうかという、こういう視点だと思うんです。ですから、例えば人件費と言っていいかどうかわかりませんけれども、仕事に値する報酬なのかどうか、あるいは報酬に値する仕事をしているかどうかという、ここが大事なんだろうと思います。 それで、先ほどの報酬、それから週一回というここのところはこれからも、国家公安委員会について限定しますけれども、変わりようがないのかどうか。済みません、通告してなかったかもしれませんけれども、簗瀬委員の質問を聞いて思ったものですから。この点はどうなのでしょうか。
○政府参考人(石川重明君) 今御指摘のように、国家公安委員会は週一回の定例会議におきまして警察行政についていろいろな御議論をいただいております。また、私どもからも報告もいたします。さらには、その場において警察庁に対していろいろな指示、指導がなされておるわけでございます。また、警察事象は、御案内のように、時、所を問わず発生しておるわけでございまして、夜間、休日でございましても突発事案とか重大な案件というものにつきましては警察庁から必要な報告を行いまして所要のいろいろな御指導、御指示もいただいておる、こういうのが実態でございます。 さらに、今後どうするのかということでございますが、先ほども御答弁を申し上げましたように、十二月に新庁舎が完成をするわけでございますが、そのときに公安委員の執務室というものも今回整備をされることになります。環境の整備ということもございまして、公安委員会の管理機能の強化の観点から、各公安委員にありましては出勤の回数とか在庁時間というものをこれからふやしていかれる予定であるというふうに伺っておるところでございます。
○大森礼子君 わかりました。 確かに定例日というのは、定例日ですか定例会ですか、こういうことがあると。それから、夜間も休日も突発的な事件が起こるからと。それはそうなんです。現場の警察官だってそうですし、検事だってそうですし、裁判官だって急に令状請求が来る場合もありますし、こんなものは仕事に伴うことなんですね。でも、本当にそういうことがどれだけあったのかなと。夜間、休日に国家公安委員の方が時間をとられることがどれだけあったのかという、ここが問題だと思うわけであります。 これからここも多分改善されていくと思いますし、されなくてはいけないと思います。私なんかはもう素朴に考えまして、これは任命は内閣総理大臣が両議院の同意を得て任命する、そうなんですけれども、内閣総理大臣がみんな人を把握しているわけはありませんから、どこかから推薦されるんだろうと思うんです。これだけの仕事でこんないい収入が保証されるんだったら、次も再任してもらうようにやっぱり警察と仲よく、推薦してもらうように仲よくしておこうかなと思うのが人情じゃないかなと思うわけなんです。それからまた、これだけの回数で警察行政の知見が高まるのかということがありますので、ここはやっぱりもう一度よくお考え直しいただきたい。 実は十一月十四日に小幡純子参考人の方から公安委員会制度について意見をお述べになりました。 その正確な再現ではないのですけれども、この中で、今回の一連の不祥事をきっかけとしてではあっても、国民が警察との関係での公安委員会というものの存在を明確に認識し、その委員にどういう人がなっているのか、どういう仕事をしているのかということを興味を持って知るようになるとすれば、それはそれでプラスの面として今後につなげていくべきではないかと考えますと、こういうことをおっしゃっておられます。 それから、むしろこの機会に、国民の方々に公安委員会の働きを十分知っていただくよう広報活動を行って、国民ともどもに、民衆の代表である公安委員会の活性化に向かっていくのが望ましい姿かと思いますと、そのまま正確ではありませんけれども、こういうことをおっしゃっておられました。非常に大事な視点であると私は思います。 ですから、これから、公安委員の人がどれだけの仕事をして、つまり報酬にふさわしい仕事をしているかどうかということもやはり国民の皆さんに知らしめるべきであろうと、私はこのように思います。国会議員についてもそうなんですけれども。 それから、先ほどの小幡参考人の御意見を参考にしまして、広く国民に開かれた公安委員会ということを御提案なさっているわけなんですけれども、情報公開ですね。これは、警察の情報公開については、いろいろ難しい問題があるにせよ、やはり積極的に進めていくべきだと。そうしますと、国民に広く知っていただくという場合、公安委員会についてもこれは言えるのではないかと思うんですが、どのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(田中節夫君) 国家公安委員会あるいは都道府県公安委員会の活動状況について広く国民の方に知っていただき、理解を深めていただくということは大変重要であるというふうに私どもも認識しております。 委員御指摘のように、十四日の当地方行政委員会で小幡参考人が、先ほど委員御指摘のような御意見を述べられました。私ども、基本的にそのような方向にあるべきだと思います。そして、今回法律改正をお願いしておりますのは、公安委員会の管理機能を強化するということが大きな目的でございますので、そういう観点からも、その役割や活動内容につきまして広く国民の理解を得るということが必要だろうと思います。 そこで、国家公安委員会におきましては、本年二月からインターネットのホームページを開設いたしまして、委員会の活動状況や委員会におきますところの報告事項等について紹介いたしますとともに、国民の皆様からの意見を聞く欄を設けまして、そういう国民との距離を縮める努力をしておられます。それは公安委員会の活性化につながるものというふうに認識をしております。都道府県公安委員会におきましても同様な努力がこれからなされるというふうに考えておるところでございます。 それで、情報公開のお話もございました。先ほど和田委員のお話の中にもございました。 公安委員会の活動状況あるいは会議録の公開につきましても、刷新会議の提言にもございますように、原則として公開するという基本的な立場を維持しながら、国家公安委員会におきますところの率直な意見の交換とかあるいは意思決定の中立性が損なわれないというようなことに配慮しながら、情報公開法が来年四月から施行されますし、その施行を待つまでもなく、できるだけ公開する方向で現在国家公安委員会において検討しておられます。 ですから、私どもは事務局として、その結論が出ればそれに従いまして公開する方向で補佐してまいりたいというふうに考えておるところでございますし、都道府県公安委員会におきましても同様な判断のもとで適切に対応されていくものと考えております。
○大森礼子君 国民に信頼される、国民に愛される公安委員会というものが必要だと思います。それがあって初めてその機能を十分果たし得ると思います。 時間がなくなったので簡単にお尋ねしますけれども、同じく参考人質疑のときに、前田参考人の方が非常に貴重な御提言をされました。 今回の改正問題につきましても、国民に対しての信頼回復ということにのみ視点を奪われるのではなくて、こういう警察法改正という非常に大きな事業なんだから、二十一世紀の警察行政がどうあるべきかという大きな視点を持って臨むべきではないかと。第一のポイントとして、治安状況の悪化傾向、治安状況が非常に危機的な状況に変わろうとしていると。それから二点目として、社会の変化、参考人がおっしゃっていたのは、例えば社会とか家庭の脆弱化からくる警察行政の需要の増加、積極的な関与、この要請が強まっている。例えば、ドメスティック・バイオレンス、児童虐待、ストーカー問題もそうだと思いますけれども、こういう大きな問題点を指摘されました。そういう中で警察法改正という問題を考えていくんだと、このように参考人はおっしゃったわけでございます。 非常に抽象的な質問になるわけですけれども、警察としてはこのような御意見をどのように受けとめておられるか。参考人がたまたまお話しになったからそうだというんじゃなくて、常にこういう問題点というか、これは警察の方でもお気づきになっていたと思うんです。抽象的な質問ですからお答えも難しいと思うんですけれども、参考人の御意見、これはまた国民の皆さんの意見でもあろうと思います。どのように受けとめられておられるか、これを最後にお尋ねして、質問を終わりたいと思います。
○政府参考人(田中節夫君) 今、委員御指摘のように、当委員会におきまして、前田参考人の方から、治安状況が危機的な状況に変わろうとしている、あるいは社会、家庭の脆弱化からくる警察行政の需要の増加、積極的な関与の要請が強まっているとの御指摘がございました。私も同様の認識を有しております。 警察事象は、御案内のとおり、刑法犯、交通事故、一一〇番、どれをとりましても増加しておりますし、さらに先ほどお話しのように、ストーカー規制法の施行、あるいは家庭内暴力、児童虐待ということで、警察に対するところの要請というのは非常にふえておりますし、また外国人犯罪等も今後さらに悪質、巧妙化してくるだろうというふうに思っております。 そういうような中で、刷新会議の提言にもございましたけれども、「地域社会や家庭で本来解決されるべき問題が警察に持ち込まれる傾向が強まっていることも否定できず、この傾向を懸念する。」とか、あるいは時代の変化とそれに対応する国民の新たな意見、要望があるといった御指摘がございます。警察に求められる役割も変わってきておりますし、新たな役割というものもふえてきているのではないかというふうに認識しております。 それで、二十一世紀というような御指摘がございました。警察を取り巻く状況がどのようになるかはこれは予断できませんけれども、しかし今よりは大変厳しい状況になるということは十二分に予想されるところでございます。そこで、限られた警察力をどのようにして有効に活用して、そして国民の安全で平穏な日常生活を確保するという基本的な任務、これはいささかも変わりはないだろうと思いますが、その中で限られた力をどのように使っていくかということにつきましては、私はやはり国民の皆さんの御協力を仰がなければいけない場面も非常に多くあろうと思います。 このため、私どもといたしましては、国民の皆さんの理解を得る場というものをできるだけつくっていく、そしてともに新しい警察をつくるというような認識をしていただきまして、その中で国民の信頼を回復していく、そして真に国民のための警察をつくるという努力を重ねていく必要があるというふうに考えているところでございます。
○大森礼子君 終わります。
○富樫練三君 日本共産党の富樫練三でございます。 警察問題について質問したいと思いますが、御承知のように、一連の警察の最高幹部の不祥事件、こういうことがもう二度と起こらないようにする、これが今度の警察改革の大目的、根本問題だというふうに思います。そのために国家公安委員会はどうあるべきか、あるいは警察はどう改革すべきか、ここが問われている問題だと思います。 衆議院の質疑の中で、中川前官房長官の覚せい剤捜査情報漏えい疑惑問題、これについての議論がありました。その議論というのは、前官房長官の情報漏えい疑惑について、国家公安委員会は調査の指示をするのかと、こういう質問に対して国家公安委員長は、捜査にかかわるので調査の指示はできないと答弁しています。警察庁は捜査するのか、こういう問いに対して、個別の捜査を行うかどうかは公表できない、こう長官が答弁しております。すなわち、公安委員会は捜査にかかわる調査は指示することはできない、捜査するかどうかというのはこれは専ら警察の判断だ、こういうことだと思うんです。 そこで伺うわけですけれども、今提案されております政府案ですけれども、今度は監察に関する指示について「具体的又は個別的な事項にわたるものとすることができる。」、こういうふうになっております。すなわち具体的事案について監察の指示は国家公安委員会が警察庁に対して指示をすることができる、こういうことだと思うんです。 そこで、まず長官に伺いますけれども、その場合に、国家公安委員から捜査の指示ではなくて監察の指示をされた事案が捜査に関連するからという理由で指示を拒否する、こういうことはできないと思うんですけれども、いかがですか。
○政府参考人(田中節夫君) 国家公安委員会、あるいは都道府県公安委員会もそうでありますけれども、具体的な警察職員にかかわるところの非違非行等につきまして、今御審議を賜っております法律によりましての具体的、個別的な指示の問題でございますけれども、これは公安委員会の方からは、恐らくその事案に即しまして必要があると認める場合には必要な監察を行うべき旨の指示というのがあるだろうと思います。 そういうようなものに対しまして、私どもとしては、個別具体的な指示がこのお願いをしております法律によってできるかどうか、あるいはそれに従うかどうかということにつきましての御質問でございますけれども、私どもはその具体的な指示につきまして、恐らく公安委員会の御判断は、我々の報告あるいは公安委員会が独自で収集されたいろんな情報、報道からそういう指示が出てくるものと思いますけれども、その指示の中身が捜査と密接に関連する、あるいはその過程におきまして一般の国民の方から具体的にお話を聞かなければいけないような事案であるとすれば、それが国民の側からいたしますとまさしく捜査そのものではないかというようなことを言われるような可能性のあるものというようないろいろなことを考えました場合に、客観的に捜査そのものだというふうに言われるようなことがありますれば、それはそういうようなことをお求めに応じて公安委員会に申し上げるということになろうかと思います。そして、その結果、やはり個別的に指示をするということがあれば、これは私どもは従うべきことは当然だろうと思います。 ただ、いずれにいたしましても、具体的なお話がありました場合に、それについて私どもの考えはどうかということが求められるであろうと思いますので、その個別のケースにつきまして、これは捜査と密接な関連がある、これは場合によっては、客観的に見た場合に極めて捜査、ほとんど捜査と言っていいというようなことである場合には、その旨の私どもの考えを申し上げる。しかしながら、その結果に基づいて……
○富樫練三君 同じことを何回も言わなくていい。一回でいいです。
○政府参考人(田中節夫君) やはりしろということであれば、これは指示に従うということになろうかと思います。
○富樫練三君 長官、そういう答弁をするのなら改めて伺いますよ。 国家公安委員会が警察庁に対して個別具体の問題について監察の指示をしたときに、警察庁が国家公安委員会に意見を言って、その中身を確認した結果としてその指示に従うという、これは法案のどこにありますか。端的に言ってください、何条のどこにと。
○政府参考人(田中節夫君) 警察法の条文にはございませんが、いずれにいたしましても一般的に国家公安委員会の状況に照らしましても、個別の事案でこれはどうなっているのかということは通例それは問われることでございますので、私どもの考え方を通例に従って申し上げるということでございます。
○富樫練三君 私は長官の考え方を聞いているんじゃないんですよ。法令上どうなっているかと、ここを聞いているんです。 国家公安委員長、提案者の代表ですから、責任者ですから伺いますけれども、そういうふうに、要するに警察庁の方が判断をする余地が、ここの十二条の二ですけれども、「監察の指示等」というところ、ここには警察庁の判断の余地が含まれる、こういうふうになっているんですか。これは監察の指示ですよ、捜査の指示ではなくて。その監察の中身が捜査に及ぶかどうかというのは、これは警察庁が判断すればいいことなんです。それは警察庁の判断ですね。捜査するかどうか、あるいは捜査に及ぶかどうか。ここに書いてあるのは、捜査とは関係なく、個別具体について監察についての指示をする、こういうふうになっているわけですから、公安委員長、どうですか。
○国務大臣(西田司君) 国家公安委員会が改正法第十二条の二の規定によりまして警察庁長官に対して必要な監察を行うべき旨の指示をした場合、警察庁長官がこれに従うべきことは当然であると考えております。
○富樫練三君 長官、よく聞きましたか。国家公安委員長はそう言っているんです。あなたは従わなくちゃいけないんですよ、この法律に基づけば。警察庁も一緒に検討した法律でしょう。勝手に解釈はそれは許されないのです。(「委員長」と呼ぶ者あり)いいです、別に。あなたには聞いていないから。 それで、次の質問に入ります。今、結論がちゃんと出ましたから。その上で、意見があったら後で言ってください。 そこで、例の中川前官房長官の問題ですね。これについては、警察が覚せい剤の捜査情報を漏えいしたのではないかという疑い、今の段階では疑惑ですね、疑いがかけられている。法改正後にこの問題について国家公安委員長は警察庁に対して指示することは可能になるわけですから、こういう政治上の重大な問題、もし覚せい剤の情報が漏えいしているということになればこれは大変な問題ですね。 こういうことについて、あなたは警察庁に対して指示をし、かつこれが警視庁の守備範囲であれば、警察庁から警視庁に指示をしてきちんと調べると、こういうふうにさせる。そういう国家公安委員長としての意思はありますか。
○国務大臣(西田司君) 個々の具体的事案について捜査を行うかどうかという問題については、この捜査の性質上明らかにすることはできないものであります。が、職員の違法行為が疑われるような事案にかかわる監察は、捜査と密接に関連するものであり、個別の事案について監察の指示を行うかどうか明らかにすることは適切でないと考えております。
○富樫練三君 せっかくこの法案で国家公安委員会、地方の場合もそうですけれども、個別の監察について指示ができる、こういう権能が与えられるにもかかわらず、そのことについて明快に答えられない。私は今の国家公安委員会の問題はそこにあると思うんですよ。 ですから、今までは権限がなかったからできなかった。しかし、権限が与えられても、それをやるかどうかについてははっきりしない。これじゃ国家公安委員会の権限を、管理能力を高めようとか、あるいは警察を改革しようといったって、これは本当に絵にかいたもちになってしまうというふうに思うんです。 そこで、次に監察の問題について入りますけれども、例の神奈川県の覚せい剤使用事件、これを隠ぺいした事件ですね。これは県警本部長が主犯格であったということが言われています。関東管区警察局長と新潟県警本部の本部長の例の新潟事件といいますか不祥事件、こういうのは警察の最高幹部が不祥事件を起こした、ここに対して国民の強い怒りが広がったわけなんです。一人一人の警察官、お巡りさんが間違いを起こしたという程度の問題とは全然質が違う、ここが怒りの原因なんですね。 これをどうするかと、こういうことだったわけですけれども、関東管区警察局長の不祥事に関して、警察庁の長官は諭旨免職で済ませましたよね。これを国家公安委員会は持ち回りで追認をする、こういうことになったわけですけれども、こういう警察庁の長官の処置に対して国民から強い怒りが沸いてきた。今度の政府提案のこの改正案によれば、そういう警察庁の長官の判断が正しかったのかどうか改めて監察をする。どういう事態でどういう状況の中でそういう結論を出したのか、諭旨免職という結論を出したのか、こういうことで監察の指示をするということができるようになります。 そこで、警察庁の長官に今度伺いますからね。この場合、国家公安委員会が監察の指示をした場合に、その監察の指示を直接受ける人はだれですか。
○政府参考人(田中節夫君) 警察庁長官の職にある者が違法行為をするあるいは懲戒処分に付すべき事案というのが生じた場合に、当該違法行為に対します監察、国家公安委員会が指示を出されます場合には、直接にはこれは警察庁長官だろうと思いますけれども、具体的にはこういう警察庁長官が対象であるというようなことを考えました場合にはこれを外されて、警察庁の首席監察官を初めとする監察を担当する職員に指示がおりるものではないかと思います。
○富樫練三君 そうすると、国家公安委員長は警察庁の長官を外して監察官の方に直接指示をすると、こういうことも可能だということですね。
○政府参考人(田中節夫君) 今回の警察法でお願いしていますように、具体的な事案が起きました場合に国家公安委員会のどなたかを監察委員に指名いたします。監察委員が補助職員というのをまた指名いたします。そういたしますと、その補助職員の中には当然にこれは対象職員は含まれませんので、その補助職員としてどのような者が適当であるかということになりますと、それは恐らく警察庁長官の職にある者が対象であるとすれば、これは長官ではなくてその余の首席監察官その他の者がなるか、あるいは別の人間がなるか、それは国家公安委員会の御判断だと思います。
○富樫練三君 通常からいえば、その監察官を任命するのは警察庁の長官ですよね。ですから、その監察官というのは警察庁の長官の指示に基づいて監察を行う、こういうことになりますよね。ですから、国家公安委員会から監察の指示が来れば、当然のことながら警察庁の長官がまずは受けとめて、それを監察の指示を監察官に出す、これが通常だと思うんです。そうすると、その監察官という人の任命権はどなたが持っていますか。
○政府参考人(田中節夫君) 個別具体的な案件でございますのであれですが、一般的に警察庁の職員はすべて警察庁長官が任免権を有します。ただ、具体的な今お話しのようなケースの場合に、その補助職員としてどなたを指名するかということにつきましては、これは国家公安委員会がお決めになることだろうと思います。
○富樫練三君 それで、いずれにしても監察官は警察庁長官が任命した人ですよね。その任命された人たちが任命権者である警察庁の長官を監察するという関係になりますね。いわば上司に対して部下が監察をする、こういう格好になりますね。もしも警察庁の長官が直接指示を公安委員会から受けてこれを監察官に指示をしたとすれば、警察庁の長官は監察官に対して私を監察しなさいという命令を出す、こういう格好になりますよね。法律上純粋に言えばそういう格好になるんだろうと思うんです。 こういう監察で果たしてきちんと厳正な監察が行われるという保証はあると思いますか。これは国家公安委員長に伺いたいんです。そういう仕組みの中で。
○国務大臣(西田司君) 個別の事案について調査を行うかどうかということはひとつ控えさせていただきたいと思いますが、一般論として申し上げれば、国家公安委員会は、都道府県警察において法に触れるような行為の疑いがあり、必要があると判断した場合には、警察法第十二条の二の規定により警察庁長官に対して個別的な具体的な監察の指示を行うことが可能であると私は考えております。
○富樫練三君 そうですね、それは可能なんです。 問題は、どこに問題があるかというと、例えば地方の県警本部であれば管区警察が監察に行く、新潟の事件もありましたけれども、こういうことができます。管区警察に対しては警察の本庁から監察することもできます。警察庁の職員については警察庁の中の監察官が監察をすることができます。しかしながら、警察庁の長官をそれよりも上の位置にある者が監察するということはこれは不可能なんですね。そういう制度もありませんし、そういうシステムにはなっていません。 要するに、警察庁の長官を監察する場合には必ず部下が監察する、こういうふうになっているんですよ。ここに実は内部監察の限界があるということなんです。組織的な構造的な欠陥があるということなんですよ。ですから、外部監察が必要だ、こういうふうになっているわけなんですよ。ここには残念ながら今度の法改正案ではメスが入っていない、こういうことだというふうに思うんです。 それからもう一点伺っておきますけれども、都道府県警に対する個別的、具体的な事案に対する監察の指示、これは都道府県公安委員会が指示できることになりますね、今度からは。 それで、神奈川県警の覚せい剤の隠ぺい事件、これについては本部長が主犯格であった、しかも監察室も丸ごと組織ぐるみで隠ぺい工作をやってきた、こういう格好になっていますね。そういうときに、例えば神奈川県の公安委員会が神奈川県警本部長に対して監察をしなさいと言ったときに、それを受けるのは本部長ですよ。そして、その本部長の指示に従って監察をするのは監察室ですよ。ところが、監察室も本部長も一緒になって隠ぺい工作をやっていた場合に、例えばマスコミでそういうニュースが報道されたときに、公安委員会が指示したとして、厳正な監察が行われる、こういう保証はどこにありますか。
○政府参考人(田中節夫君) 先ほど、外部監察の必要性から警察庁長官に対する監察の問題、あるいは今神奈川県の本部長に対する監察のお話がございましたけれども、まさしくそういうような御指摘あるいはいろんな過去の問題からこの公安委員会の管理機能を強化したところでございまして、警察庁長官につきましては、国家公安委員会は当然任命権者として懲戒権を行使するわけでございますので、それに必要なスタッフをその補助職員として出すということになります。 また、神奈川県の具体的な事例がお話がございましたけれども、これはまさしくそのような場合には、今回お願いしておりますところの法律が成立いたしました場合には、神奈川県の公安委員会がみずから補助職員というのを使いましていろいろ監察の指示を個別具体的に指示する。そして、監察官が総ぐるみで違法行為をもみ消したというお話がございましたけれども、それはそうでないスタッフを補助職員として自分のスタッフとして抱えて、個別具体的な指示の点検、監察の履行状況を点検する、こういうような仕組みになるわけでございまして、今回お願いしておりますのは、今までのそういうような事案の反省の上に立って、公安委員会こそがそういうような第三者的な管理機能といいますか、それを発揮する、そういう仕組みの中でその問題の解決を図ろうというのがねらいでございます。
○富樫練三君 今の神奈川の例でいえば、仮に公安委員会が個別具体の問題について監察の指示をしても、受けとめる方の本部長も監察室も組織一体化して隠ぺい工作をやっているところに指示を出して何で監察ができるんですか、できるわけがないでしょう。 だから、これは外側から監察をしなかったら、内部監察は全く無力なんだということをこの間の神奈川県の問題だって示したわけでしょう。 もう一つ申し上げておきます。 なぜ内部監察というのは甘くなるのかという問題なんですけれども、私、ここに資料があります。(資料を示す)これは、宮城県が情報公開条例に基づいて開示をした情報の中身なんです。こういうふうに黒く塗りつぶされております。一番大事なところは全部真っ黒に塗りつぶされているんですね。こういう格好になっているんです。これが宮城県庁から開示された情報公開の結果です。塗りつぶされているのはともかくとして、これをずっと見るとこういう中身なんですね。 平成七年度なんですけれども、五月十九日、警察庁審議官の来県を機に、当面する諸問題につき意見交換をするため、懇談会と称して料理、ビール、しょうちゅうなど二万九千二百五十六円で宴会を開いている。参加者は警察庁審議官と宮城県警本部長の二名であります。今、安いというお話がありましたけれども、二人ですからね。 六月一日、警察庁教養課長の来県を機に、人材育成、職場教養等当面の諸問題につき協議検討及び意見交換をするため、懇談会といって料理、酒など六万五千百七十八円で宴会。参加者は警察庁の教養課長、東北管区警察局総務部長、宮城県警本部から本部長、警務部長、総務課長など合計五名。 七月六日、毎月やっているんです。警察庁装備課長の来県を機に、警察装備等当面の諸問題につき、意見交換をするため、懇談会として料理、ビールなど七万六千八百五十円で宴会をやっているんです。参加者は警察庁装備課長、警察庁装備課課長補佐、東北管区警察局総務部長、宮城県警から本部長、警務部長、総務課長、合計六人。こういう実態です。 ですから、まさにこれは官官接待なんです。五月、六月、七月、毎月やっているんですよ。これ三カ月分調べたわけですけれども。だから、ずっと調べればずっと出てくるかもしれない、こういうわけです。毎月こういうことをやって、これは全部宮城県民が納めた税金でしょう。それで、こうやってやっているのは宮城県だけじゃないということなんです。全国でこれはやられていた、だから大問題になったわけでしょう。どこでも情報公開がどんどん県庁に出されたわけなんですね。 警察庁や管区警察局の幹部が幾ら厳しく厳正な監察をやると言ったって、毎月行っては飲み食いでごちそうになっていて、何で厳しい監察ができますか。国家公安委員長、これで厳正な監察ができると思いますか。
○国務大臣(西田司君) 書いたものを読むので、まことに恐縮でございますが、第三者機関による監察についてのお尋ねでございますけれども、本国会で再三申し上げておりますとおり、警察にかかわる監察というのは、警察の組織やあるいは業務に精通している必要があると考えております。第三者機関による監察の導入は適当ではないと私は考えております。 今回の政府提出の改正案は、今いろいろ御指摘もあったようなことも踏まえて、組織の自浄能力を高めるとの観点から、公安委員会の警察に対する管理機能を強化しようとするものであり、これにより厳正な監察が担保されるものと考えております。
○富樫練三君 余りかみ合っていないようで、もうちょっとかみ合っていただければと思うんですけれども。 今三つ例を出しました。この三つの例というのは、今までやってきた内部監察ではもう既に限界があるということがはっきりしたんですよ。それで、今度の警察法の政府提案の改正案では、個々の問題について指示をすることができる、点検することができる、この二つが加えられました。加えられたけれども、監察権は、国家公安委員会にも地方の公安委員会にも直接監察する権限は与えなかったんです。これは警察庁が一番抵抗したからだろうと思うんです。警察庁はどんなことがあっても自分たちの城の中には足一歩踏み入れさせないと。だから、間接的にはいろいろ言われてもいい、しかし直接はだめと、これはもうはっきりしたと思うんです。ここを改めなければ警察改革というのは第一歩が踏み出せないんだと、ここが今問われている問題だというふうに指摘しておきたいと思うんです。 次に、情報公開について伺います。 警察庁は九月十四日付で通達を出しました。「都道府県警察における情報公開の推進について」、こういう通達を出しました。この中では、情報公開の実施機関となることが望ましい、こう言っております。ここは私もそうだと思います。それで、この中身をもうちょっと詳しく聞いておきたいんですけれども、この情報公開の実施機関に都道府県警察本部がなった場合に、これはその下にある警察署も含めて情報公開の対象にというふうに考えているのかどうか。これはどなたでも結構です。
○政府参考人(石川重明君) これは、行政文書がだれが作成してどこに保管されているかという問題だと思います。警察署におきましても、その情報公開条例の当然適用になる、警察本部長の指揮下で動いておる組織でありますから、適用になるというふうに考えております。
○富樫練三君 そうすると、警察署に保有されている情報も公開の対象、実施機関の対象ということになるということなんですね。 その上で伺うわけですけれども、この通達ではこういうふうに言っているんです。「必要な制度を確保した上で実施機関となる方向で検討を進めることとされたい。」。ここで言う「必要な制度」というのは、端的に言うとどういうことですか。
○政府参考人(石川重明君) この通達の中で、「必要な制度を確保した上で」ということの趣旨についてのお尋ねでございますけれども、これは委員も御指摘のように、行政の透明性の確保と説明責任の遂行の観点から情報公開条例の実施機関となることが望ましいというものではございますが、一方で、個人のプライバシーや犯罪捜査等の本来不開示とすべき情報が開示されることがあってはならないということもございます。 そういうことで、情報公開法と同様に個人情報の保護が図られ、捜査等のいわゆる公共安全情報が不開示情報とされるなど、警察業務に支障を生じることのない制度が確保される必要があるということを留意点として触れたものでございます。
○富樫練三君 総務庁に伺います。 これは今の答弁は、情報公開法の第五条第四項が言う、いわゆる公共の安全と秩序の維持に関連する非開示、不開示の項目だと思うんですけれども、行革審の行政情報公開部会、ここで情報公開要綱の考え方、こういうことがもう既に大分前に発表されているわけですけれども、この中では、この第五条第四項、これをどういうふうに解釈されているんでしょうか。解説というか、あるいは考え方が示されているんでしょうか。
○政府参考人(宮島守男君) 今お尋ねの点につきまして、行革委員会の情報公開部会での意見書が平成八年十二月に出ているわけですが、そこにおきましては、「第三、四号に規定する情報については、その性質上、開示・不開示の判断に高度の政策的判断を伴うこと、対外関係上の又は犯罪等に関する将来予測としての専門的・技術的判断を要することなどの特殊性が認められる。」というふうに指摘をされているところであります
○富樫練三君 ちょっと私の質問の仕方が悪かったのかもしれないんですけれども。 行革審の方では、公共の安全と秩序の維持、この場合、いわゆる行政警察の諸活動まで広く含めるという考え方が一方にあるんだけれども、しかし、この行革審の考え方としては、「犯罪の予防・捜査等に代表される刑事法の執行を中心としたものに限定する」、非開示、不開示についてはなるべく狭く考えるんだと、こういう考え方が示されていると思うんです。 その上で、もう一度伺いますけれども、住民が情報公開を行政機関に請求をする。その場合に、行政機関がこれらに基づいて、この情報については不開示ですという判定を下す。その場合に、それに不服があった場合には、住民側の方からその行政機関の長に対して不服審査の申し出をする、行政不服審査法に基づいて情報公開審査会にこれは諮問をしなければならないと義務づけられていますね。その場合に審査会の方では、必要に応じてその行政機関の長に対して不開示であった情報も含めて審査会に提示をしなければならない。これは公開はされるのではなくて、審査会の中でですね、審査会には提示しなければならない、いわゆるインカメラと言われている問題です。それから、審査会の方から行政機関に対して必要な資料の提供、これは分類して整理された資料ですね、こういうものの提供が求められた場合にはこれも提示しなければならない、いわゆるボーン・インデックスと言われているものです。この二つのことが審査会では認められている。 その場合に、総務庁に伺うんですけれども、不開示になった情報、場合によっては捜査に関連するような情報もあるかもしれない、そういう情報も含めて、これはインカメラが認められている、こういう理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(宮島守男君) 法律におきましては、「審査会は、必要があると認めるときは、諮問庁に対し、開示決定等に係る行政文書の提示を求めることができる。」というふうに規定されておりますので、審査会が必要があると判断した場合にはそういうことになると考えております。
○富樫練三君 行政機関の長はそれを拒否することはできませんね。いかがですか。
○政府参考人(宮島守男君) 同じように法律の二十七条の二項におきまして、「諮問庁は、審査会から前項の規定による求めがあったときは、これを拒んではならない。」というふうに規定されております。
○富樫練三君 そうすると、提示する義務がある、こういうことになりますね。 そこで、審査会で審査の結果、行政機関の長に対して答申を出す。その場合に、最初の行政機関の長の判断では不開示であったものが、今度は開示するべきだという答申が行政機関の長に対して審査会から出された場合に、その答申に対して行政機関の長は従う義務があるかどうか、答申はどれだけの拘束力があるか、この点については総務庁、いかがですか。
○政府参考人(宮島守男君) 行政機関の長が答申を尊重することは当然のことであると考えております。 ただ、諮問機関でありますので、行政機関の長が答申と異なる裁決等を行うことは形式的には可能であるわけですが、実際上も答申の公表が定められておりますので、よほどの特段の合理的理由がない限り答申と異なる裁決等をすることは困難ではないかというふうに考えております。
○富樫練三君 ということは、審査会が開示すべきだという情報であっても、その答申を受けた行政機関の長がその答申に従わないで、あるいはそれを尊重しないで再び不開示という決定を下しても、この場合は違法にはならないという理解ですか。
○政府参考人(宮島守男君) 特段の合理的理由がある場合には、そういうことも形式的にはあり得ると考えますが、繰り返しになって恐縮ですが、この法律の解釈としては、行政機関の長は答申を尊重することは当然であるというふうに考えております。
○富樫練三君 総務庁がその答申を尊重するのは当然だと言うことは、私もそうだと思います。 ただし、この情報公開法の中にはこういう部分があるんです。これは五条の四項なんですけれども、「公にすることにより、犯罪の予防、鎮圧又は捜査、公訴の維持、刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報」については不開示にすることができると、こういうことになっているわけなんです。 そこで、例えば県警の本部長に対して情報公開を請求した、これが開示されないと。審査会の方は開示すべきだと言って、ところが県警本部長の方は再びこれは不開示だと言った場合に、ここで問題になるわけなんです。 この場合に、行政機関の長すなわち例えば県警の本部長が判断をする、最終的な判断権はこの法律では行政機関の長に与えられていますね。審査会ではなくて行政機関の長だ、例えば警察の本部長であるとかそういうところだと、こういう理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(宮島守男君) そういう理解で結構でございます。ただ、これは国の機関ですので、県警のそういうことは入っておりません。
○富樫練三君 そうですね。県の方はまたこれから後で条例で決める、こういうことになると思うんですけれども。すなわち、国の行政機関の長が最終的に判断すると。したがって、このおそれがあると行政機関の長が思う、これは捜査に関係するんじゃないか、将来捜査にかかわってくるんじゃないかというふうに思う情報はこれは不開示にすることができる。そうすると、この不開示の範囲はどんどん拡大されていく可能性がある。このおそれがあるということは各界から指摘をされているところなんですね。したがって、私どもはこの部分について削除をするという法案を提案させていただいた、こういうわけなんです。 そこでもう一点なんですが、それでさらに納得ができないという場合には次は裁判に訴えるしか方法はありませんね。それで、裁判になった場合に、インカメラそしてボーン・インデックスはどういう格好になるか、この点についてはいかがでしょうか。もしわかりましたらお答えいただきたいと思うんです。
○政府参考人(宮島守男君) 裁判につきましては、裁判の公開等の原則から、インカメラの審理は行われないことになると考えますが、ボーン・インデックスにつきましては、行政機関の長が主張や立証の必要に応じて適宜必要な資料を裁判所に提出することになると考えておりまして、ボーン・インデックスを提出することが適切であると判断した場合にはこれを提出することになるというふうに考えております。
○富樫練三君 インカメラはだめと。ボーン・インデックスの場合は、必要と認めた場合というのはどなたの判断になるんでしょうか。
○政府参考人(宮島守男君) 基本的には裁判の手続の中で行われていく問題であろうかと思いますが、先ほど申し上げたのは、行政機関側からその主張、立証の必要に応じてやることは必要があると判断したら提出をするというふうな趣旨のことをお答えしたつもりでございます。
○富樫練三君 わかりました。 そうすると、不開示になった情報は裁判の中で明らかにすることはできない。もう一つは、分類され整理された資料、これは行政機関の長が判断をして裁判所に出すか出さないかということを決める。そうすると、この資料についてもやはり行政機関の長の判断にかかわる、審査会の結果についても最終的には行政機関の長、それから裁判の場合でもやっぱり資料を出すかどうかというのは行政機関の長の判断によると。その行政機関の長の判断というのは無限に広げられる可能性を持っているということなんですね。 そこで、これは最後に、ちょっと時間になっていますので率直に伺いたいと思うんですけれども、宮城県ではこういうところを、県知事の方はそういうふうに行政機関の長が何でもかんでも最終的に決めちゃうというのではなかなか開示ができないから、この文章にここの部分が入らないような条例をつくろうじゃないかと県知事の方が提案している。これに対して県警本部長は、そんなことをやったら大変だということで、県警本部長の判断を第一次的に優先させるような条例にすべきだと。ここで県議会で県知事と県警本部長がやり合うという場面もあったわけなんです。 私は、情報公開というのは警察の信頼を回復する上で決定的な一つの要因だというふうに思うんです。となれば、必要な情報は、個人のプライバシーとか直接捜査にかかわる問題であるとかそういう情報はもちろん開示しないとしても、それ以外の情報は原則開示にするというのが当然ではないのかというふうに思うんですけれども、この点について総務庁のお考えと国家公安委員長のお考えを伺って、私の質問を終わります。
○政府参考人(宮島守男君) 国の情報公開法におきましては原則開示ということでありまして、ただこういう場合には不開示にするということで限定的に一号から六号まで列挙されているわけでありまして、そこの不開示条項に該当するかどうか、該当しない場合は原則開示ということになっております。
○国務大臣(西田司君) 宮城県の情報公開条例改正案につきましては、現在関係機関において鋭意協議中であると承知をしております。 都道府県の情報公開条例にどのような規定を設けるかについてはそれぞれの都道府県において判断されるべきものであり、今後十分な協議が尽くされ、適切な解決を図られることを期待いたしております。
○畑野君枝君 日本共産党の畑野君枝でございます。 今回審議されている警察法改正案は、私も選出されております神奈川県の県警本部による不祥事が発端となったものであります。 〔委員長退席、理事簗瀬進君着席〕 神奈川県警本部長もされておられた石川官房長に伺いたいと思いますが、神奈川県警察学校の校歌というのは御存じでいらっしゃいますか。
○政府参考人(石川重明君) 現在、神奈川県の警察学校で校歌を歌うのは、一月の武道初め式と六月のクラス対抗武道大会開会式の二回だそうでありまして、残念ながら私はこの歌を聞いたことがございません。入校式とか卒業式には私も出席をいたしましたが、そのときにも、あるいは記念式典等では神奈川県警察歌を歌っておったと。 ただ、その後この歌詞を見ました。これは、昭和三十一年につくられたものということでございますが、歌詞を全国から公募して審査の結果、当時、山梨県居住の公務員の方の歌詞が採用されたというふうなことをお聞きいたしました。歌詞の内容は、法と正義の厳しさあるいは治安のとうとさを学ぶ姿勢を士気高く歌い上げている、こういう内容になっているというふうに承知をいたしております。
○畑野君枝君 資料をお配りしていただきました。今、石川官房長もおっしゃいましたように、警察が正義を重んじて県民の命と財産を守るということを高らかに歌い上げております。(資料を示す)皆様のお手元にありますように、一番では、「法と正義の厳しさを明るく学ぶ悦びにああ神奈川警察学校の若人われらに理想あり」と。二番は、「久遠の平和めざしつつ担う治安の尊さを勢いて学ぶこの幸よ」。メロディーがないのが残念でございます。三番は、「公僕の責誓いつつ愛と誠のけ高さを睦びて学ぶ眉若しああ神奈川警察学校の若人われらに抱負あり」、このように歌われているということでございます。 私、こうした校歌を紹介した警察年鑑というのを見せていただきました。石川官房長が本部長のときは刊行はされておりましたでしょうか。
○政府参考人(石川重明君) これは、歴年発行されておるというふうに承知をいたしております。
○畑野君枝君 現在は発行されていないそうでございますが、発行されているということですか。
○政府参考人(石川重明君) この神奈川県警察年鑑につきましては、現在も毎年作成されているという報告を受けております。既に平成十年版までが発行されておりまして、現在平成十一年版を作成中、こういうことを聞いております。
○畑野君枝君 国会図書館に伺いましたらないんですね、最近のは。ですから、入れていただけるといいと思います。 〔理事簗瀬進君退席、委員長着席〕 それで、その二枚目のところに資料がございますけれども、一九五七年の神奈川県警察年鑑の中では、懲戒処分の状況につきまして処分種目別あるいは事案別ということで大変詳しく載っているわけです。 現在、全国の警察組織における懲戒処分の件数、処分の内訳及び主な処分事由について教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(石川重明君) 平成十一年中の懲戒処分者数でございますが、全国で二百七十六人を把握しておりまして、うち国家公務員が二十五人、地方公務員が二百五十一人ということになっております。平成十二年の上半期中では、この数字が全国で二百六十人でございまして、うち国家公務員が十七人、地方公務員が二百四十三人でございます。 国家公務員の内訳につきましては、平成十一年中が免職三人、停職三人、減給十三人、戒告六人でございまして、平成十二年の上半期中は免職一人、減給十二人、戒告四人、こういうことになっております。 それから、地方公務員の内訳でございますけれども、平成十一年中が免職が三十六人、停職が十四人、減給が百五人、戒告が九十六人でございまして、平成十二年の上半期中で申しますと免職が三十七人、停職が二十六人、減給が八十八人、戒告が九十二人ということになっております。 監督責任というものがございまして、これにつきましては平成十一年中は六十九人で、うち国家公務員が十二人、地方公務員が五十七人。それから、平成十二年の上半期中では六十三人でございまして、うち国家公務員が六人、地方公務員が五十七人、こういうことになっているわけでございます。 この国家公務員というものの中には、先ほど来御説明していますように、地方警務官として地方で警察職務についておる国家公務員も含まれているわけでございます。
○畑野君枝君 私、お配りいたしました神奈川県警察年鑑、国会図書館から借りてまいりました一九五七年版には懲戒処分の詳しい内訳が載っておりましたけれども、例えばその後の、これは昭和四十七年版、一九七二年で見ますとこういうことはもう載っていないんですね。ですから、今おっしゃったような中身を含めまして、以前はそういうものにも載せていたということであれば、今後、懲戒処分については処分事由まで含めて広く国民に公開をする、都道府県警察段階でも年間の活動がわかる、そういう点では広く公開をしていく必要があると思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(石川重明君) これにつきましては、懲戒免職処分を行った事案のほか、いわゆる懲戒処分を行った事案、これにつきましても事案に応じて公表するように各都道府県警察を指導していきたいというふうに考えております。
○畑野君枝君 直ちにそういうことも進めていただきたいというふうに思います。 こうした情報公開と並びまして、閉鎖性の問題、ここでは警察組織がいかに市民に開かれているのかが一つの物差しになると思うんです。 神奈川県では、全国初めての民間団体として警察見張り番というのもできまして、情報公開制度などを通じて是正を求めていくという運動も始まっているわけですけれども、神奈川県警の不祥事では厚木署警ら隊による集団暴行事件、相模原南署で警察官が押収物のネガフィルムで女子大生をおどすという事件が続いたということでは、この委員会でも論議をされてきたことだと思います。しかし、最も衝撃的で県民を驚かせたのは、警察官の覚せい剤使用事件を不祥事を取り締まるべき県警監察官室が隠ぺい工作をしていたと。この事件では、渡辺泉郎元県警本部長の逮捕にまでつながって、ことし五月二十九日には有罪判決が出されたわけです。まさに先ほどの県警察学校の校歌の歌詞とは正反対のことが行われてきたということなんです。 神奈川県警の不祥事が相次いだ昨年九月と十一月に地元の市民団体の皆さん、十数団体の皆さんがつくりました神奈川県警の不祥事糾弾、真相究明を求める県民共闘会議が県警に申し入れを行っております。しかし、その場で謝罪も、またその後を含めて要請書に対して回答がないということなんですが、どのように処理をされているのかというのも教えてもらえないということで、警察組織では受け取った要請文の回答、これについてはどのようにされているんでしょうか。
○政府参考人(石川重明君) 警察におきましては、来庁して面接をされる、あるいは電話、世論調査、投書、インターネットのホームページ等を通じましていろいろ国民各層から警察への意見や要望が寄せられておるところでございます。その処理という言葉が適当かどうかございますけれども、それをどう取り扱うかということにつきましては、相談等を受ける場合におきましてはその受け付ける窓口部門とその処理を行う部門とが連携をとりまして適正な対応に努めているというのが基本でございます。 こうしたものについては、法的な回答義務といったような形のものは現在のところないわけでございますが、寄せられた意見、要望に対しては可能な限り回答をするということが基本でございましょうし、また誠実にその問題を受けとめるということが必要だろう、こういうふうに思います。そして、そういう中身が可能な限り警察活動に反映されることになるということが望ましいというふうに考えております。 それから、先ほどの懲戒処分の公表の関係についてちょっと補足をさせていただきたいと思うんですが、刷新会議の緊急提言におきまして、懲戒事案の発表に関しまして、懲戒免職事案のほか、職務執行に関連した懲戒事案については原則として発表をする、こういうことが提言で示されておるわけでございまして、現在私ども各都道府県警察に対して、このガイドラインに従った発表を行うように指導を行っているわけでございます。 そういう運用の状況を踏まえまして、この当該ガイドラインをさらに明確にした公表基準というものをつくるべく、現在、検討を進めているというのが状況でございまして、方向としては、こうしたガイドラインにのっとってさらにきちっとした形で公表というものに前向きに取り組んでいくと。ただ、これが個人のプライバシーの問題とかいろいろな問題があるということもよく考慮に入れた上でそれは対応しなければならない、こういうふうに考えております。
○畑野君枝君 警察庁からもきちっと徹底をしていただきたいというふうに思うんです。 要望書の話に戻りますけれども、請願権というのは、これは法律でも、そしてそもそも根本的には憲法十六条で定められておりまして、人権を保障する基本なわけでございます。ぜひそういう回答の方向に向けて進めていただきたいというふうに思うんです。 例えば、不祥事が起きた昨年の九月以前には、そういう方が行っても敷地内にも入れてもらえない、受け付けさえしてもらえない、こういう事態だったというわけですね。これでは誠実な対応というふうには言えないわけでございます。 そういう点でも、警察刷新会議の緊急提言ということで言われているわけですが、住民の声を聞くということで、苦情申し出制度、警察署協議会を新設すると言われておりますけれども、その設ける趣旨について伺いたいと思います。
○政府参考人(石川重明君) 今回御審議をお願いしております改正法案で苦情申し出制度というものをつくるということでございますけれども、今般の一連の不祥事案に関連いたしまして、国民と直接接しておる第一線における問題点が組織にきちっと集約をされることが必要である、それから警察職員の職務執行における責任の明確化というものが今強く求められている、こういう状況にかんがみまして、苦情処理の手続を明確化いたしますとともに、都道府県警察の第三者的管理機関である都道府県公安委員会に苦情の受理、処理及びその処理結果の通知の責任というものを法律上規定するということによりまして、組織的かつ適切な苦情処理を図るというのがこの苦情処理制度の目的でございます。 それから、警察署協議会でございますが、これは、地域社会が大変今変容を遂げておるわけでございますが、住民の身近な安全に関する要望、意見といったようなものが非常に多様化をしているわけでございます。それにもかかわらず警察はそれを敏感に受けとめていないという刷新会議の緊急提言で御指摘を受けまして、そうした観点から、警察署の業務運営に地域住民の意向を反映させるために警察署に警察署協議会を置くということでこの規定を新設するということでお願いをしているところでございます。
○畑野君枝君 刷新会議の提言の中でも、警察は国民の批判や意見を受けにくい体質があるというふうにも指摘をされてきたわけでございます。そういう体質があるからこそ、今おっしゃられた苦情処理あるいは警察署協議会の制度がつくられようとしているというふうに思うんです。 西田公安委員長には事前に申し上げていないんですけれども、一つそれに関連して伺いたいのでございますけれども、実際、今後苦情を寄せられる第一的な窓口といえば個々の警察官になることが考えられると思うんです。警察の不祥事を見ても、先ほど紹介した市民への対応、例えば不祥事が起こる前には敷地内にも入れてもらえないとかいうことを変えていかなくちゃいけないということなんですが、警察組織の民主主義や基本的人権に対する感覚、意識の欠如があるのではないかと。一連の不祥事の背景にそうした人権感覚の欠如がある、そういう弱点がないと言い切れるのかどうかという点について、一言伺いたいのでございますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(西田司君) 今の世の中、大変進んでまいりまして、人権という問題は極めて重要な問題であります。 そこで、私は警察改革の基本に、まず規律をきちっとしていこう、二つ目は、警察官が使命感を持ってやっていかなきゃいけない、もう一つは、国民との信頼関係というもの、これを構築していかなきゃいけない、そういうことを基本にして教育、教養、こういうものにさらに警察は取り組んでいかなければいけない、こう考えております。
○畑野君枝君 そうしますと、そういう点で、大臣もおっしゃられたように、どんどん進んで人権が大事になると。それは、警察でもそういう方向で人権を大事にしていくということが大事だというお考えで受けとめてよろしいわけですね。──はいとうなずかれましたので、それでは先に進みたいと思います。 人権を尊重するという意識が組織にあれば、厚木署の集団暴行、あるいは相模原南署での押収物で女子大生をおどかすようなことは起きないはずだと思うんです。 外務省に伺いたいんですが、一九九八年に国連人権委員会が日本政府の第四回報告を検討した上で最終見解を示しました。この性格について伺います。
○政府参考人(高須幸雄君) お尋ねいただきました人権委員会といいますのは、正式には人権関係の条約であります市民的及び政治的権利に関する国際規約、B規約と呼んでおりますけれども、そこが設置しました規約人権委員会のことでございます。そこが一九九八年に第四回日本政府報告に対する最終見解を出されたわけですけれども、この法的性格でございますけれども、このB規約そのものは条約でございますので、この規約を誠実に遵守するということは政府のみならず立法府及び司法府の義務であることは当然でございます。 これに対しまして、このB規約人権委員会が採択いたしました最終見解といいますのは、条約そのものではございません。法的拘束力を国際法上有するものではありませんけれども、その内容については、政府として今後とも規約の効果的な実施に努力するという見地から考えていきたいと思っております。
○畑野君枝君 その中のパラグラフ三十二について、内容をお聞かせください。
○政府参考人(高須幸雄君) 一九九八年十一月に出されました、ただいま申し上げたB規約人権委員会の最終見解というのがございます。その三十二段落をちょっと読ませていただきます。 B規約人権委員会は、裁判官、検察官及び行政官に対し、規約上の人権についての教育が何ら用意されていないことに懸念を有する。委員会は、かかる教育が得られるようにすることを強く勧告する。裁判官を規約の規定に習熟させるための司法上の研究会及びセミナーが開催されるべきである。委員会の一般的な性格を有する意見及び選択的議定書に基づく通報に関する委員会の見解は、裁判官に提供されるべきである。 以上でございます。 このB規約人権委員会は、日本政府が提出した報告がございます。それから、口頭での審査のときに日本政府の代表が追加説明をいたしております。これを受けてこの委員会は勧告を出した次第でございます。その理由は明らかにしておりませんけれども、我が国といたしましては、人権教育の重要性というのは十分認識しております。今後とも人権教育の充実に努めていきたいと考えております。
○畑野君枝君 それでは、今の国連人権委員会の勧告を受けまして、警察教育の具体的な改善はどのようにされたのか伺います。
○政府参考人(石川重明君) 警察官に対する教育の中で人権という問題をどのように位置づけて教育をしているか、こういうお尋ねだろうと思います。 新たに採用されました警察官に対しまして都道府県警察学校で教育を行っているわけでございますが、その中で、憲法とか刑法、刑事訴訟法等について合計二百三十四時間の法学教育を行っております。そのうち人権の基本法でございます憲法につきましては十四時間、この中で基本的人権について十時間を充てて実施をしていると。また、これらの授業の中では憲法に限りませずに、先ほど申しましたように刑法、刑事訴訟法に関しましても市民的及び政治的権利に関する国際規約、いわゆるB規約、それから拷問及び他の残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取扱い又は刑罰に関する条約、いわゆる拷問等禁止条約、こういったもの等の人権関係諸条約の趣旨を踏まえました教育が行われるように配慮をしてまいったということでございます。 警察官に対する人権教育につきましては、警察業務が人権に深くかかわりを持つ職務でありますことから、法学教育だけではございませんで、職務執行に関する実務教育等におきましても何らかの形で関連づけて実施をしているところでございます。 そういう形で、人権にかかわる授業時間が総体としてどのぐらいになるかということで申しますと、これは概数でございますけれども、約四百時間でございまして、これは新しく採用された警察官が受ける教育全体時間の中の約二割が何らかの形で人権に関連する内容となっている、こういうことでございます。
○畑野君枝君 時間と同時に中身の問題も大事だというふうに思いまして、それではどういうテキストでお教えですかと伺いましたら、公開することができない情報が含まれているということで、今回もお出しいただけませんでした。これについては積極的な情報公開を求めたいと思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(石川重明君) いろいろな形で教科書は体系的に検討しなきゃならないものでございますので、個々の教科についてということよりも相互の関係を確認しながら、ここまでは公表できる、ここは捜査の手のうちの話だと、こういったようなことの整理をしなければならないと考えておりまして、このすべての作業が終了しましてから一括して検討した上で、そして開示すべきものは開示していく、こういう考え方でございます。
○畑野君枝君 ぜひお願いをしたいというふうに思います。警察に任せておりますとなかなか時間がかかって出てこないという状況があるので、それはぜひ改善をして進めていただくという方向に今お答えがございました。 それで、人権に対する問題という点では、警察不祥事の数々の人権侵害に結びついているということを私申し上げたんですが、最近では個人情報の流出、有名人やタレントの方々の情報が漏えいしているということが問題になって、信用調査会社東京シークレット調査会、ここでは警視庁とまた神奈川県警の現職警察官による事件が起きております。これは警察内部の個人情報を入手したという例が多いというふうに伺っていますが、人権上からも重大な問題だと思うんです。 警察庁としては、個人情報の漏えいをどう防止するのか、発覚した際にはどう対処するのか、こういうことが起こる原因は何か、この点について伺いたいと思います。
○政府参考人(五十嵐忠行君) 警察では、検挙した被疑者に関する記録を初めといたしまして、犯罪経歴等の警察任務遂行のため必要な情報を収集、保有しておりますが、その利用は警察の任務遂行のために必要な場合に限定するなど、情報の漏えい防止のための安全確保の措置を講じてきたところであります。 今回の事案では、個人情報の取り扱いについての意識が職員に欠如していたこと、あるいは個人情報の照会状況の記録についてのチェックが十分になされていなかったこと、こういったことから個人情報が外部に漏えいしたものでありますが、このようなことはプライバシー保護の観点からもあってはならないことというふうに考えております。 警察の有する個人情報の取り扱いに関しましては、情報の不当な目的での使用を禁止し、また個人情報の適切な取り扱いの重要性に関して職員に繰り返し指導教養を行うとともに、情報へのアクセスそのものを制限するなど、平素より厳重な管理を指導しているところでありますが、一連の情報漏えい事案を受け、今後さらに指導教養の徹底や個人情報保護対策についての監察を強化するなど対策を講じてまいりたいというふうに考えております。 なお、一般に情報漏えい事案が発覚した場合には、早期に事実関係を解明し、刑事事件として措置すべきものがあれば厳正に捜査を進めるとともに、関係者に対する処分を実施するなどの適切な対応を行うこととしており、こうした措置により今後の同種事案の防止にも資するものと、このように考えております。
○畑野君枝君 いろいろ対策を打っているということですけれども、九月三十日付の新聞でも、警察庁のOBが罪の意識もなかったというふうに語っているということで、人権侵害が当たり前になっているというここのところを解決していくことが何よりもチェック体制等含めて必要だというふうに思うんです。 それで、私、西田大臣に一つ御意見を伺いたいんですけれども、憲法や基本的人権をしっかり教えていれば人権を踏みにじるようなことは起こらない、その努力を一層されるということなんですが、日弁連なども指摘していますけれども、制度教育のみならず警察官の人権自体保障されていない、ここを解決する必要があるんじゃないかという声が出ているんです。 例えば、この間、千葉県警で水上警察隊の初の女性船長さんが自殺をされた、結婚問題で上司にしかられたことが原因ではないか等いろいろ言われている、報道されているわけですけれども、やっぱり労働組合もない。消防庁では消防職員委員会というのがつくられたということを伺っているんです。消防庁の所管は西田大臣でもございまして、ぜひそういう警察官自身の人権を保障していくという点でそういう仕組みということを考えていく必要があるのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(西田司君) 突然の御質問でございますのでお答えができるかできないかわかりませんが、もう委員御承知のように、警察の団結権というのはこれは規制されておるところでございます。私は、力を合わせていく、それは形の上で組織をつくって団結をしていくということと、お互いがお互いに助け合って心を通じてひとつ団結をしていく、この二つの形があると思うのでございますが、私はむしろお互いの基本になるのは心の通じ合い、助け合い、これが基本だと、こう考えております。お答えにならなかったかもしれないけれども。
○畑野君枝君 ありがとうございます。ぜひ、消防署でも、組合ではないけれども、そういう労働条件の問題とかいろいろ意見を言うところで平成十年度までにできてから二万件意見があって、いろいろ改善されているというお話も伺っているわけで、いろいろな制度を検討されていただきたいというふうに思います。 漏えいの話もございましたけれども、ことしの八月には通信傍受法、いわゆる盗聴法が施行されまして、きのうは国会の近くで盗聴法廃止を求める市民と国会議員の集会もございました。私も参りました。この間、林警察庁刑事局長は信頼してほしいと何回もおっしゃってこられたわけですけれども、私も緒方靖夫宅神奈川県警電話盗聴事件の神奈川県の住民訴訟の原告としても十年以上の取り組みをしてまいりまして、いまだに警察庁も県警も認めない、謝罪もしない、こういうことなんです。 ですから、盗聴法というのは、法律自体に犯罪に関係ない会話でも傍受されるという欠陥があるわけですし、だれが行おうと人権侵害ということでございます。ましてや、こうした違法行為に反省がない、人権感覚がどうかと言われるような組織に盗聴という力を持たせる、これは情報漏えいが際限なく広がるのではないかということですから、私は警察改革に取り組むのならば、まず過去の犯罪である盗聴事件についてきっぱりと謝罪をすべきだし、通信傍受法、盗聴法を廃止するということを求めて、次の質問に移りたいと思います。 次に、日本共産党提出の警察法一部改正案について伺いたいと思います。 まず、外部監察の問題です。日本共産党は、外部監察について、外部とはいっても本来の管理監督機関である公安委員会に果たしてもらおうと、こういう提案をしております。法案では五条と三十八条において公安委員会に監察権を付与するということですので、公安委員の方々に監察権を付与された理由と、公安委員会のもとに警察監察委員室を設置する理由について伺います。
○富樫練三君 私ども日本共産党が今回警察法の一部を改正する法律案、これを提案させていただきました。この中では、第五条第四項と第五条の第五項、そして第三十八条第五項と三十八条の六項、ここで国家公安委員会と都道府県の公安委員会に監察権を付与すると、こう規定したわけであります。 これは例えば政府案では、大綱方針に反する不祥事件が発生しても具体的な事案を監督、指示と点検、こういう権限だけであって、公安委員会が監察をするという権限はありません。間接的であります。実際に監察するのは警察職員。ですから、やはり内々の監察ということになってしまいます。その結果、監察が機能を果たしていないというのが今までの状況でありました。 したがって、これを改善するために国民を代表する国家公安委員会あるいは地方の公安委員会に警察を監察するという権限を付与することにしたわけであります。具体的には、公安委員会のもとに監察委員とそれを補佐する体制をつくりまして、警察職員の前歴を持たない者からこれを任命すると、こういうふうにいたしました。この監察委員及び補佐については、司法警察の捜査権を持つ権限を有して、立ち入り捜査あるいは警察職員に出頭を求めることも可能とすると、こういう権限を与えることとしております。 こういう新しい制度のもとで、従来からの警察の内部監察、これと相まって不祥事案の防止あるいは公共の安全や秩序を保持する、こういう警察の本来の任務が果たされるものと、このように考えております。
○畑野君枝君 次に、公安委員会の人事についてでございます。 今回、国家公安委員という方々の人となりを新聞各紙で知り得た方が多いと思うんです。国家公安委員会は内閣総理大臣もやめさせることができない独立した機関でありまして、もっと国会がその人事について同意人事を慎重に行ってもいいと思うわけですが、この点ではどういう提案をされていますか。
○富樫練三君 私どもの提案では第七条第四項に、「両議院は、」、衆議院と参議院でありますけれども、「第一項の同意又は前項の承認を求められた場合には、委員となろうとする者」、すなわち公安委員の予定者ですね、「又は委員の出席」、既に委員になっている者、「の出席を求め、その意見を聴くものとする。」というふうにしております。いわゆるこれが指名聴聞制度ということでありますけれども、これを三十九条の第二項において都道府県でも制度化すると、こういうことを規定しております。 現在、国家公安委員会は国会の同意を得て総理大臣が任命しておりますけれども、公安委員が国会に対して意見表明するという機会は制度としてはありません、現在は。公安委員の選任の際に、より委員の評価が正確に行われるようにするために議会の関係委員会、国会でいえば例えばこの地方行政・警察委員会に公安委員の皆様においでいただきまして、意見陳述をしていただいて委員と質疑応答をする、こういう制度が必要だというふうに考えて盛り込んだわけであります。この制度は両院が決定すれば現在も開くことは可能でありますけれども、特に、この間の警察の不祥事に対する国家公安委員会の対応と国民が求めていたものとは大きな隔たりがあったわけです。そういう点を考慮して、公安委員の選任の際に限って行う制度として今回法案に入れさせていただいたわけであります。
○畑野君枝君 続いて、公安委員会の警察官の独立のためにも独自の事務局が必要だと言われていますが、どのような事務局をお考えですか。
○富樫練三君 私どもの提案では、警察監察委員、そしてその補佐のほかに、第十三条で公安委員会が任命する事務局、これを規定しております。現行の制度でいいますと、公安委員会には独自の事務局は置かれないで警察庁の公安委員会担当がその庶務を行っている、こういうシステムを改正しようと、こういうわけであります。 今度の政府提案の法案によれば、基本的にはこの従来のシステムは変わらないものと、こういうことになっております。警察をチェックする公安委員会が独自の事務局を持たないで、チェックされる側の警察にその事務局を任せて、いわばおんぶにだっこ、こういう状況ではチェック機関としての責務は果たせない、こういうふうに考えております。 私どもは、こういう点を改めて、国家公安委員会独自の事務局を置くこと、現在警察の中に置かれております、警察担当が行っております公安委員会を支える仕事、庶務、そういうものですね、監察委員室の仕事と苦情処理の仕事、これを新しい独自の事務局が行う、こういうふうにしております。 また、二重構造や屋上屋であってむだ、非効率になるという御意見がございますけれども、この独自の事務局と警察庁の業務とは当然のことながら分担されるわけですから、二重構造や屋上屋ということにはなりません。
○畑野君枝君 最後に、警察の情報公開について伺います。一言でお答えください。 七十五条の二の訓示規定を置くだけでなく、情報公開法も改正する、この理由について伺います。
○富樫練三君 現行の情報公開法のもとでは、警察の情報開示を争う際に、捜査に影響があるという場合には行政機関の長はこれを開示しないと、その方向が際限なく拡大される条文が情報公開法の第五条第四項に含まれております。三項もそうでありますけれども。したがって、その条文を改正することによって、不開示の範囲をなるべく狭くして、国民に警察情報も含めて大いに公開をしよう、開示をしていこうと、こういうことで今度の法案を提案させていただきました。 以上です。
○畑野君枝君 終わります。
○照屋寛徳君 社会民主党・護憲連合の照屋寛徳でございます。 きょうの最後の質問でございますので、あとしばらくおつき合いを願いたいというふうに思っております。 私は、神奈川県警の不祥事に始まった一連の警察不祥事、さらにはこの不祥事を原因究明を含めて特別監察を実施した。ところが、どうもこの特別監察が空監察というか、監察の名に値しないということが新潟県警の特別監察のケースで判明をした。こういう一連の警察不祥事や特別監察のあり方をめぐって、国民はもはや警察は信頼できない、要するに国民の警察に対する信頼が揺らいだ、低下をした、失墜をした、こういうことではないかと思うんですね。あれだけ国民から批判を受けたにもかかわらず、そして警察が組織を挙げて再発防止を誓ったにもかかわらず、その後も不祥事が実は続いてきたわけであります。 きょうもこの委員会で話題になりました桶川事件をめぐる埼玉県警上尾署の問題、それからリンチ殺人事件をめぐる栃木県警の石橋署の問題、特にこの二つの上尾署と石橋署の問題というのは、被害者並びにその関係者が警察に助けを求める、救いを求めたのに、警察の不作為とも言える、不作為による違法とも言えるような捜査ミスによって事件が拡大をし、結果的に被害者の人命を奪うという悲惨な結末になったわけであります、事件になったわけであります。こういうことを考えてみますと、これはやっぱり警察の構造的な問題に踏み込んだ改革をしなければ、とても私は国民の信頼を回復することは難しいのではないか、こういうふうに考えるわけであります。 畑野委員からも質問ありました。私は通告もしておりませんし、答えを求めるつもりはありませんが、警視庁の地域課の巡査部長らも関与したという例の犯歴データや個人情報などの民間信用調査会社への漏えい事件、これなどはもう驚くばかりであります。 私は大変ショックを受けました。いろんな原因や対策について答弁がありましたけれども、現職の警察官も関与して警察が保有している犯歴データや個人情報がいとも簡単に民間の信用会社に漏えいをされる。そして、その民間信用調査会社はそれを金もうけの手段に使うという、本当に国民のプライバシーの権利がいとも簡単に侵されているということに強い驚きと怒りを覚えるわけであります。 私、特にこの犯歴データや個人情報の漏えい事件については、先ほどの答弁を聞いておってそれなりの対策を講じようという心意気はよくわかるわけでありますが、要は、この民間の信用調査会社というのも、警察OB、退職された後の警察OBらを中心に会社が設立されるわけですね。その会社を設立した警察OBたちがかつての人脈を通して現職の警察官と一緒になってこういう事件を犯すというふうな構造であってみれば、やはり私は民間の信用調査会社と警察OBとの関係、ここら辺も具体的に知恵を出して工夫して対策を講じないとこれからも同じような事件が発生するのではないかというふうに心配をしているわけであります。 もちろん、これは警察OBとて職業選択の自由があるわけですから、それもまた憲法上保障された権利でありますから、なかなか規制というかそれは難しいのかもしれませんけれども、少なくとも退職直前なりあるいは退職時に現に起こっているこの漏えい事件との関係で、私は効果的な対策を講じないといかぬのではないかと。これはまさに一種の警察と警察OBを中心とする民間信用調査会社との癒着が生んだ犯罪でありますから、そこらあたりも、きょうは答弁は結構でございますから、ぜひ対策の一環としてお考えになっていただきたいということを申し上げておきたいと思います。 それで、上尾署の問題や石橋署の問題についてはもう当委員会でも再三取り上げられましたので、私は別の具体的な事件から質問させていただきます。 大分県警の佐伯署における交通事故調書の改ざん疑惑、この件が週刊誌等でもかなり大きく報道されております。もちろん、これはまだ具体的な事件になったというわけじゃありませんから、答弁もその限りにおいて結構でありますが、これをめぐって虚偽公文書作成の疑いがあって、それが告発をされて十月十六日に受理をされたと、こういうふうに週刊誌等は報じておるわけであります。 告発の受理の段階、捜査の段階ですから、先ほど申し上げました、私は具体的なこの事件の経緯なり現段階で答えられる範囲で結構でございますから、お教えいただければありがたいなというふうに思っています。
○政府参考人(坂東自朗君) 委員お尋ねの件は、平成八年八月三十日に大分県の佐伯市におきまして普通乗用車と原動機付自転車が衝突いたしまして、原動機付自転車を運転していた男性の方が重傷を負ったという交通事件に係るものではないかと思われます。 この交通事件につきましては、平成九年三月三日に大分県の佐伯警察署の方から検察庁の方に送致されたと報告を受けているところでございます。その後になりまして、被害者の御家族の方から、この交通事故の捜査書類である実況見分調書に張りつけられていた写真二葉について、その背景の中に実況見分を行った時期に写ってはならないセイタカアワダチソウとお茶の花が写っているように見える、したがってこの写真の撮影年月日は虚偽である、そういった内容で、本年の十月十六日付で、佐伯警察署の方に対して被告発人は不詳として虚偽公文書作成罪で告発したものというように聞いているところでございます。 大分県の佐伯警察署では、これらの写真は一本の連続したネガフィルムの中間に写っている写真である、その前後の写真との関係からして撮影年月日には虚偽はないと認識しているということのようでございますけれども、告発を受理いたしまして現在捜査中であると、このように聞いているところでございます。
○照屋寛徳君 私も、質問通告をした後にネガからプリントされた写真を見せていただきました。 私のような素人にはよくわからないんですが、被害者というか告発人やマスコミ報道によると、このネガの保管場所が一体どこだったのかということをめぐってかなり疑惑ありやという形で報道しておりますが、このあたりはわかりますか、ネガの保管場所というのは。
○政府参考人(坂東自朗君) マスコミではネガの保管場所等についての報道がされているということについては承知しておりますけれども、委員お尋ねの件につきましては、大分県警の方に詳細確認をしておりませんので、この場では答弁をお答えさせていただくのを控えさせていただきます。
○照屋寛徳君 それはそれで結構でございます。もしわかりましたら後で内々に教えていただければありがたいなと思います。 それからもう一つは、警視庁碑文谷署の少年係警部補による犯人隠匿容疑事件のことであります。 これについては十一月七日付の東京新聞で割と大きく報道されておりまして、既に東京地検が当該警部補から事情聴取をしたということも触れておられます。事件の内容からして、私はもしそれが事実であればこれはまた大変なことだな、これはまさに警察の信用にかかわる重大事件ではなかろうか、こう思うわけでありますが、この件について、現段階でお話しできる程度で結構でございますから、これは生活安全局長になりますか、御答弁いただけたらありがたいと思います。
○政府参考人(黒澤正和君) 委員お尋ねの件につきましては、現在、東京地方検察庁におきまして事実関係を調べておるところでございますので、基本的にはお答えは差し控えさせていただきますが、この事案は、警視庁碑文谷警察署生活安全課の少年係警部補が、平成七年の九月の上旬に発生いたしました傷害などの事件で同じ年の十月三十一日に警視庁の荏原警察署から指名手配されている少年から相談を受けまして、現金十万円を少年の母親から預かって少年に手渡したというものであると承知をいたしております。少年は平成八年の二月二十六日に傷害などの罪で荏原警察署において逮捕されております。 この事案につきましては、ただいまお話がありましたとおり、本年十月から十一月にかけて一部新聞報道がなされております。碑文谷署におきましては、本件について、お金のやりとりは子供から相談を受け子供のためを思ってやったことであり、少年相談の範囲内で問題はないと判断しているとの報告を受けております。
○照屋寛徳君 当該警部補が東京地検で事情聴取を受けているということは事実なんでしょうか。
○政府参考人(黒澤正和君) 事情聴取を受けたというふうに聞いております。
○照屋寛徳君 これは、傷害事件で指名手配されていた暴走族の無職少年と接触をして当該少年の親族から預かった現金を手渡しておったと、こういうふうに報道されているわけですね。もちろん、その警部補の弁解も載せてあります。これは少年の相談に乗っただけだと、こういうことであります。 一方で、その少年の親族は、お金を渡したのは入院前で逃走資金だったと、こういうふうなことを書き連ねているわけで、これは地検の事情聴取がもう既に行われておったと、こういうことでありますが、私は、この問題については、これだけマスコミで報道されているわけでありますから、警察独自の調査ということも当然必要だろうと思うんですよね。それはこれまでやったのか、あるいはこれからやろうとするのか、ここら辺はどうなんでしょうか。
○政府参考人(黒澤正和君) 警察におきましても調査をいたしておればこそ碑文谷署からの報告を受けたということでございます。
○照屋寛徳君 この問題はこの程度にしておきたいと思います。 次に、警察刷新会議の緊急提言を受けて警察改革に今取り組まれておるわけであります。そして、その一環として、このたび警察法の一部を改正する法律案が出てきたわけでありますが、私は、やっぱり公安委員会の権限の問題だとか、あるいは警察署協議会をつくるとか、そういうことも大事でありましょう。改革を必要とするということについては私も異論はございません。 もう一つは、この一連の不祥事あるいは監察をめぐる問題の中でやっぱり国民が一番注目をしているのは、警察の中に、言われる警察無謬観という考え方、警察は絶対に間違ったことをしないんだ、あるいは間違ったことをしたとしても絶対にそれは認める必要はないんだというふうな考え方、これがあるのではないかというふうに私は思います。 先日、当委員会で参考人の意見を聴取したときに、久保参考人はこの警察無謬観に触れて、いやいやそれは警察だけじゃなくして官僚組織全般にある考え方なんだというふうなことをおっしゃっておりましたが、私は、久保参考人が言うようになるほど官僚組織に一種の無謬観みたいなものが、自分たちは間違い絶対に起こさないんだという考え方があるかもしれませんが、警察の組織がそういうふうな考え方に立っておっては、これは私はやっぱり国民の信頼を回復することはできないと思うんですね。 いわゆる盗聴法審議のときにも、緒方靖夫宅盗聴事件をめぐってさまざまな議論がありましたけれども、頑として警察は関与を認めなかった。やっぱりこの背景、根っこのところには、自分たちの間違いを認めないといういわゆる警察無謬観に根差しておるのかなというふうに思わざるを得ないわけですね。 そのような一連の事件の反省の中から振り返ってみると、やっぱり警察無謬観に陥っておったのかなというふうな反省を持っておられるのか、いやいやそんなのありません、一切関係ありませんというふうに言うのか。あるいは、もしそれがあったとするならば、具体的に私はそれを克服していくという手だてを考えないと抜本的な警察改革にはならないんじゃないかというふうに思いますが、その点、これは官房長になりましょうか、お答えをいただければありがたいと思います。
○政府参考人(石川重明君) 委員御指摘のように、最近の不祥事案の処理をめぐりまして、その不祥事案が明らかになることによって国民あるいは地域住民の信頼を失うということをおそれて、そして誤った対応をしてしまったという事例が見られたところでございまして、そうしたことの中で、この刷新会議の緊急提言におきましても無謬性へのこだわりなどいろいろなことが指摘されている、そういう形の記述がございます。そして、それが委員今御指摘のような観点から警察無謬観といったような批判を招いているんだ、こういうふうに思います。 ただ、警察職員は絶対に誤ったことはしないといった意味での警察無謬観が警察組織内に一般的に存在するかということになりますと、これはいろいろな議論があるところだと思います。例えば、警察官の不適正な職務執行その他の不祥事案が発生することはある意味で残念ながら前提として、そしてこれをただすために監察に関する制度というものが整備をされておるということもあるわけでございます。 いずれにしても、警察官が職権を行使するときに誤った職権行使をしないようにということは自覚、自重しつつ、ただ使命感と誇りを持って職責に当たるということは大事でございますが、一方で誤ったことがあったならば、それはきちっと監察等の制度によってただしていくということが組織としてのあり方だろうというふうに思います。 いずれにいたしましても、この提言の趣旨というものを十分踏まえまして、警察行政の透明性の確保、あるいは自浄機能の強化、国民のための警察の確立など、先般策定いたしました警察改革要綱に盛り込まれた諸施策を、国民の御意見にも十分耳を傾けながら取り組んでいく必要があると、こういうふうに考えているところでございます。
○照屋寛徳君 一連の不祥事を契機とした警察法改正の流れの中で、私はやっぱり注意を払うべきは、警察無謬観を前提にして、それで警察の不正を警察自身が調べるという監察制度のあり方についても国民は大きな関心を示しておるのではないか。これでいいだろうか。警察の不正を警察自身がチェックするというシステム、これが機能していなかった、だからこそ深刻な事態、不祥事に発展したのではないか、こういう思いを持っておるんだろうと思うんですね。 そこで、今度の法改正は、この警察刷新会議の緊急提言を受けて警察法の一部改正をやるわけでありますが、この主たる目的は、国家公安委員会等が警察庁等を管理する機能の強化を図ることが一つ。それから、警察署における事務の処理に民意を反映させる警察署協議会の制度を定めるということ。もう一つは、例の、国益を著しく害するおそれのあると言われる航空機強取罪等の犯罪にかかわる事案についての警察運営にかかわる規定の整備というのが大体今度の法改正の主たる目的じゃないかというふうに思うんですが、国家公安委員会や都道府県公安委員会の権限やそれから権能、あるいは委員の人選のあり方等を含めて、現状どういうふうな認識を持っておられるのか。そして、これを改革していく方向について、大臣の考え方を聞きたいなというふうに思っております。 私は、やっぱり公安委員については、これは国家公安委員会も都道府県公安委員会もそうですが、名誉職的な、あるいは名誉的な人選というのはもうやめにしたらどうだろうか。むしろ、もう公選制を導入するぐらいの大胆な改革をしないと公安委員会の機能を十全に果たすことはできないんじゃないかというふうに個人的には思っておりますが、大臣、いかがでございますでしょうか。
○国務大臣(西田司君) 一連の不祥事に関連し、公安委員会のあり方について各方面でさまざまな御議論があったことは十分承知をしております。 警察刷新会議の緊急提言におきましても、国民の良識の代表として警察の運営を管理する機能が十分に果たされていないとの厳しい御指摘をいただいたこともあり、このような御指摘は我々は謙虚に受けとめる必要があると考えております。 そこで、公安委員会の権限、権能の改革の方向性につきましては、公安委員会に期待されておる警察への管理能力の強化など、公安委員会の活性化を図る必要があると考えております。 そのため、今回の改正案におきましては、警察庁及び都道府県警察に対する監察の指示等、さらに警察職員の法令違反等の報告の聴取、警察職員の職務執行についての苦情の申し出、委員の再任の制限に関する規定を盛り込んでおるほか、国家公安委員会規則におきまして管理概念の明確化を図ることとしております。 また、運用面におきましては、所要の体制の整備や公安委員会事務担当スタッフの増強等を図ることにより補佐体制を強化してまいる所存でございます。 これらの措置により、公安委員会の警察に対する管理がより一層実質的なものになると考えておるわけでございます。
○照屋寛徳君 それでは次に、監察制度のあり方との関係で、私ども社会民主党は外部の独立した警察監視委員会の設置ということをこれまで強く訴えてまいりました。この外部の独立した警察監視委員会というのは、まさに公正取引委員会のような独立行政委員会というふうなイメージでございます。 先ほど申し上げましたように、警察の不正を警察が監察するというのは、もうこれはとても現行法上は機能しないし、どうも今度の改正法でもそれは十分解決し得ないというふうに思っておるわけですね。そこで、私どもが考えておりますのは、中央警察監視委員会、これを内閣総理大臣のもとに設置をすると。それから、都道府県警察監視委員会を都道府県知事のもとに設置をする。そして、事務局のメンバーとして警察監察官というのを新設して外部機関による監察をやったらどうか、監視をやったらどうか、こういうふうに考えておるわけであります。 これはもう警察内部で完結するような、監察を行うのも警察庁、それから監察を行う警察庁も警察、監察を受ける都道府県も警察と、こういうふうなことでは十分な監察というのはできないのではないか。こういう思いがあって外部の独立した警察監視委員会の設置ということを考えておるわけですが、そのことについて官房長はどうお考えなのか。 それと、共産党案、通告しておりませんが、富樫さん、もしお答えできるのであれば、共産党もその点は現行の警察内部による監察だけじゃ不十分だというお考えで独自の法案を出しておると思うんですね。それで、外部の独立した警察監視委員会みたいなものによる公安委員会、警察を含めた監視、それから監察についてどういうふうなお考えを持っておるか、もしよろしければ御答弁をいただければありがたいと思います。
○政府参考人(石川重明君) 今、委員から御説明のございました社会民主党から御提案の警察監視委員会についての考え方についてどうかと、こういうことでございますが、従来の警察組織とは別個に警察庁あるいは都道府県警察本部の所掌事務の実施状況を監視するために必要な調査等を行うために設置をされて、当然ながらこの監視委員会については独自の事務局を有する、こういう形になっておるというふうに承知をいたしております。したがいまして、警察を管理する公安委員会に加えて警察を監視する委員会及びその事務局を新たに設けるということについて、制度的にいろんな形で二重化しているということに結果的になっておるわけでございまして、それについていかがなものかということが一つございます。 それから、私ども、真に組織の立て直しを図っていくためには他力というよりも自浄能力を高めることが何よりも大切だと、こういう立場から今監察等に当たっているわけでございまして、そういう意味で、現在いろいろな不祥事案が残念ながら起きておりますが、その監察におきましては警察の内部監察が機能を果たしているということも事実でございます。 ただ、今回の政府提出の改正案におきましては、これまでのいろいろなことも踏まえまして、警察職員の懲戒事由にかかわる事案の公安委員会への報告あるいは公安委員会に対する文書による苦情申し出制度、あるいは先ほど来御議論がございます具体的または個別的な監察の指示等の仕組みを設けることによりまして不祥事案の未然防止、発生時の適正な処理の両面におきまして公安委員会の第三者機関的な監察点検機能がある意味で飛躍的に強化をされて公安委員会は実効ある管理機能を発揮できることになる、こういうふうに考えて現在御審議をいただいている改正案を提案させていただいた次第でございます。 そういう点から考えますと、御指摘のような制度を設ける必要性については疑問なしとしないというのが私の感想でございます。
○富樫練三君 警察監視委員会についてなんですけれども、今伺いまして、詳しい中身については私もまだよく伺っていないわけですけれども、一つは、監視委員会とした場合に、現在あります公安委員会との関係をどういう形にするかということは検討する必要があるのではないか。 それからもう一つは、どのような権限を持たせるか。監察権を持つものなのかどうか。監察権を持った場合に司法警察としての権限も同時になければ捜査に及ぶ場合に立ち入ったりすることができないということになれば、そういう一定の権限を付与しなければ実質的な効果がないのではないかというふうに思います。そういうことがもしクリアできるならば私は有効な方法だというふうに思います。 したがって、どれだけの組織でどういう位置づけになるのか、この辺についてはなお勉強させていただければというふうに思っております。
○照屋寛徳君 次に、これまで一連の不祥事が発生して国会の中で大きく議論されてきたのは、国家公安委員会の警察に対する管理という、この管理の概念の明確化、これが随分議論されてまいりました。 そこで、国家公安委員会の警察に対する管理というのは、一つは警察の政治的中立性の確保、それから民主的なコントロール、こういうことが言われているわけでありますが、この管理権限としての民主的なコントロールというのはうまく機能してきたと、こういうふうにお考えかどうか、大臣もしくは官房長の答弁を求めます。
○国務大臣(西田司君) 公安委員会は、国民の良識を代表して警察を民主的に監督するという役割を果たしてきたものと考えます。しかしながら、一連の不祥事を通じて公安委員会のあり方について御論議がなされ、また刷新会議からいただいた警察の運営を管理する機能が十分に果たされていないとの御指摘は謙虚に受けとめる必要があると考えております。 警察に対する第三者的チェック機関として公安委員会に果たすべき役割が期待される監察について、その関与が十分でない面があったのではないかと考えるところでありますが、そこで、今回の法改正では、公安委員会が監察について強く関与し得ることを法律によって明確に規定したところでございます。 以上です。
○照屋寛徳君 それでは次に、犯罪検挙率と広域捜査のあり方について一点お伺いをいたします。 参考人を呼んでの質疑の中でも犯罪検挙率の低下の問題が話題になりました。きょうもそういう質疑があったわけでありますが、この犯罪検挙率の低下の背景の中に、広域捜査のあり方、例えば複数の都道府県にまたがるような窃盗事件だとか、オウムによる坂本弁護士一家殺害事件のようなケースを含めて、複数の都道府県警にまたがるような事件で、警察同士の縄張り意識というか、それが犯罪検挙率の低下につながっているんだと、こういうふうに指摘する人もたくさんおるわけですね。その点はいかがお考えでしょうか。これは刑事局長でしょうか。
○政府参考人(五十嵐忠行君) 広域犯罪は犯行が広域かつ巧妙に行われるということで、実際的に広域的犯行かどうかというのは判断するのがなかなか難しいという問題がございます。また、こうした広域犯罪に対しましては、関係府県警察がお互いに関連情報を出して、それで緊密な連携の上に捜査をしないと、ともかく検挙できないというのが実態でございます。こういったことにつきましては、各府県警察とも十分に認識して取り組んでいるというふうに私は理解しております。 都道府県警察の縄張り意識が検挙率の低下の原因ではないかという御指摘ではありますが、広域犯罪につきましては、警察では合同捜査とか共同捜査を初めとした都道府県警察間の連携を強化いたしまして、また制度面でも逐次警察法の改正等の措置を講じまして広域犯罪に対処し、成果を上げてきているというところであります。都道府県警察間の連携はそういった意味で円滑に行われている。縄張り意識等で今やっているような状況ではない、そんな時代ではないと。これはもう現場の警察、捜査に携わる者はそれぞれ認識して取り組んでいただいているというふうに私は理解しております。
○照屋寛徳君 あと何点か質問を通告しておりましたが、時間でございますので、私は最後に、今回の警察法改正というのは警察刷新会議の緊急提言を受けた現時点における改正、当面の改正と、こういうふうに理解をしているわけでありますが、一連の事件から見るに、警察制度の抜本的な改革というところまで踏み込んでいかないと根本的な解決というか、警察に対する国民の信頼を回復することにはならないのではないか、こういうふうに思っておりますので、ぜひ引き続いて警察制度の抜本的な見直し、改革、これを忘れないで取り組んでいただきたいということを御要望申し上げまして、時間でございますので質問を終わります。
○委員長(朝日俊弘君) 答弁はよろしいか。
○照屋寛徳君 はい。
○委員長(朝日俊弘君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時三十九分散会