地方行政・警察委員会 第2号
- 発言数
- 274 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2000/11/09
会議録
○委員長(朝日俊弘君) ただいまから地方行政・警察委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る一日、山下英利君が委員に選任されました。 また、昨日、青木幹雄君が委員を辞任され、その補欠として阿南一成君が選任されました。 ─────────────
○委員長(朝日俊弘君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 地方行財政、選挙、消防、警察、交通安全及び海上保安等に関する調査のため、本日の委員会に警察庁長官田中節夫君、警察庁長官官房長石川重明君、警察庁生活安全局長黒澤正和君、警察庁刑事局長五十嵐忠行君、法務省刑事局公安課長本田守弘君、外務省アジア局長槙田邦彦君、自治大臣官房総務審議官林省吾君、自治省行政局長中川浩明君、自治省行政局公務員部長木寺久君、自治省財政局長嶋津昭君及び自治省税務局長石井隆一君を、また警察法の一部を改正する法律案(閣法第四号)及び警察法の一部を改正する法律案(参第一三号)の審査のため、本日の委員会に警察庁長官田中節夫君、警察庁長官官房長石川重明君、警察庁生活安全局長黒澤正和君、警察庁警備局長金重凱之君及び自治省財政局長嶋津昭君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(朝日俊弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(朝日俊弘君) 地方行財政、選挙、消防、警察、交通安全及び海上保安等に関する調査を議題といたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○簗瀬進君 民主党・新緑風会の簗瀬進でございます。トップバッターとして質問させていただきたいと思います。 質問通告では、実は警察法改正というある意味で大変警察の不祥事が続いて、それを乗り越えていこうという大きな改正が行われるわけでございまして、それに先立つ質問として、私は、明治の警察を創設した川路利良大警視、ジョゼフ・フーシェに学んで警察をつくったと、こういうふうに言われている方でございまして、その明治以来の一つの警察の組織文化といいますか、そういうものが今度の不祥事にもどこかでつながっているのではないのかな、ある意味では明治以来の日本の警察の内部的なチェックといいますか、内部的な監察のシステムがどうなっているのかという、そういう歴史をしっかりと聞かせていただきたいということで質問の通告も申し上げてあったところでありますけれども、若干全体的な時間のバランス等もございまして、大変御準備をしていただいたことについては恐縮をいたしておりますが、その部分は次の警察法の改正の大きな議論の中で改めて問わせていただきたい、こういうふうに思っております。 そこで、警察といえば今国民の間で一番大きく関心を呼んでいるのは、いわゆる中川前官房長官の警察情報漏えい問題であると思います。 御案内のとおり、私も手元に持ってまいりましたけれども、フォーカスの十月二十五日におきまして中川前官房長官とくだんの女性の電話でのやりとりが再現をされております。後にテレビでこの現物のテープが流されまして、その結果、事実上、前官房長官も自分の声であるということをお認めになった上で辞任をなさっていった、こういう経過は国民周知の事実であると思います。 そこで、改めて地方行政・警察委員会、まさに参議院においての警察を所管する委員会でございますので、やっぱり冒頭この質問はどうしてもさせていただかなければならない、こういうふうに思っております。 くだんのフォーカスでございますが、その問題の部分をもう一回委員の皆さんの記憶を喚起する意味でちょっと読ませていただきたいと思うんです。これは雑誌の引用でございますから、もちろんこれが事実であるというふうなことを私は言っているわけではありません。ただ、このテープが現実に存在をし、そしてテレビに流されたものであるということについては皆さんも既に御案内のとおりであります。こういうふうに訳されております。実はフォーカスの方にも問い合わせをいたしまして、テープの現物に従った反訳の文書も手元にございます。でありますから、これはやっぱりいいかげんなものではないということは私自身も確認をさせていただきました。 こういうふうに言っております。 中川「ともかく、なにか、覚醒剤の関係で警察も動いているよ、多少」 A子「私、でも、やってないです。だから(警察が)来ても、全然関係ないです、私」 (中略) 中川「警視庁の保安課が動いているから。覚醒剤の動きが確かにあるよ。本当に……」 A子「エッ、どう言うことですか」 中川「いや、君の関係を内偵しとるちゅうんだよ」 A子「そうですか。エッ、それはどこの情報ですか?」 中川「それは警察情報だよ」 A子「それは先生が調べた情報ですか」 中川「そう、私の方の情報だ」 A子「私、でも絶対そういうことないですから」 このようなやりとりがこのフォーカスで紹介されているわけであります。 私も本職は弁護士でありますので、国民の皆さんのプライバシーを大切にしなければならないし、警察ももちろんそういうお立場に立たなければならないということは十分理解をいたしております。ということで、きょうは、このA子さんがだれであるとか、A子さんに対してどういうことがあったとかなどという、そういうやぼな質問はするつもりはございません。周辺の一般的な質問をさせていただきたいと思っております。 それは、まず情報漏えいをした警察官という、そういうことが、情報漏えいということが仮にあったとするならば、その警察官の法的な責任はどうなるんだろうか。あるいは、警察内部での内規、内部的ないろいろと規則が警察の中でもあるだろうと思います。そういう中で、この情報漏えいについてどのような規定を置き、またそれに違反をした場合はどのような制裁が警察の内部で予定をされているのか。さらには、もう一つ踏み込んで、私もかつて弁護士として栃木県警の警察学校で警察官の皆さんと一緒に勉強をしたといいますか、警察学校で講師をやったこともあります。警察では、そういう意味で警察官の教育にも一生懸命取り組んでいらっしゃるということは私自身も自分の経験からよく知っているわけでありますけれども、しからばこの情報漏えい等の問題について、特に議員とのかかわり合いについてということで、警察の学校とか、そういう内部的な教育といいますか、そういう中でどのようなことが行われているのか。この三つについて簡単に聞かせていただきたい、簡単に御説明をお願いしたいと思うわけです。
○政府参考人(黒澤正和君) お答え申し上げます。 一般論でございますが、まず都道府県警察の職員に関しましては地方公務員法三十四条第一項がございます。「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。」と規定されております。この法律の第六十条は、この三十四条第一項に違反した者について一年以下の懲役、三万円以下の罰金に処すると、こういうふうに規定しております。 それから、同じく地方公務員法の百条の第一項でございますが、職員は職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならないと規定しておりまして、百九条におきまして、この規定に違反した者は一年以下の懲役または三万円以下の罰金に処すると。失礼しました。ただいまの警察庁の職員に関しましては、国家公務員法百条一項が今申し上げました旨規定をし、百九条において一年以下の懲役、三万円以下の罰金に処すると。 それから、警察職員の職務倫理及び服務に関する規則という国家公安委員会規則がございますが、この四条で、警察職員はその職務の遂行に当たっては法令等を遵守すべき旨を規定しております。それから、同じ規則の六条でございますが、警察職員は正当な理由なく職務上知り得た個人に関する情報を漏らしてはならないという旨を規定しておるところでございます。 それから、同じく国家公安委員会規則でございますが、犯罪捜査規範がございますが、この九条で、捜査を行うに当たっては秘密を厳守し、捜査の遂行に支障を及ぼさないように注意しなければならない旨を規定しておるところでございます。 また、警察官の教育におきましては、警察が保有する情報はプライバシーなど人権に深くかかわるものが多いことから、採用時のみならず昇任等各段階の教育の場におきまして、ただいま御紹介いたしました諸規定を含めまして情報の厳格な管理や秘密の保持の重要性について繰り返し指導をいたしておるところでございます。 それから、こういった規定等に違反しました場合には、罰則法令に触れれば刑事手続ということになりましょうし、また勤務規律違反等で懲戒処分等といった、そういった対応がなされるものと承知をいたしておるところでございます。 それから、国会議員とか……。 以上でございます。
○簗瀬進君 その次に質問すると言いましたけれども、さらに今の質問で、一般的に国会議員からいろんなお話が警察にあることもあるだろうと思いますね。かつては交通違反等のそういう働きかけをして問題になったというふうな事例もございました。 ということで、警察の教育の中で、例えば権力の座にある方から何かこういう働きかけがあった場合はこう対処しなさいと、こういうふうな何かそういう意味での厳正中立をうたったようなそういうものとか、あるいはそういう教育とかというのは行われているんですか。
○政府参考人(石川重明君) 特に特定をして、権力にある者から何か特別の依頼があったときにいわゆる便宜を図るといったようなことがあってはならないとか、そういったような個別の教育や何かのカリキュラムに含まれているといったようなことについては承知をしておりませんが、ただ基本的に、警察官が職務を執行する上において厳正公平でなければならないということにつきましては、採用時の教育それから幹部となりましていろいろな過程で教育を受けますが、そういう過程においていわゆる職務倫理教育というのをやってございますが、そういったものの過程の中で指導をしておるというふうに承知をいたしております。
○簗瀬進君 それは、そういう教育あるいは指導のレベルですか、さらに内部的なきっちりとした明文がございますか。
○政府参考人(石川重明君) 国会議員あるいは地方議会の議員から何らかの依頼があったときにどう対応するべきかといったような仮定についての明文の規定というものは、私は、承知をいたしておりません。
○簗瀬進君 当然のことだから書かないという考え方もあります。しかし私は、昨今のいろんな状況を見ますと、その辺は、言うならば職務の執行に当たっては厳正中立でなければならないということをやはりこれは単なる教育レベルの問題ではなくて明文のものとして置く必要があると思いますけれども、いかがですか。
○政府参考人(田中節夫君) 先ほど来官房長から御答弁申し上げておりますように、職務の厳正中立、それを担保するためのいろんな教育というのがございますけれども、それは今申し上げましたようにいろんな形で教育をしておりますが、ただ、この具体的な事例として、今お話しのような国会議員でありますとかあるいは地方の議員でありますとかというような具体的事例を明文であらわすということにつきましては、いささかやはり慎重な判断を要するんではなかろうかと。一般的に職務の厳正の確保とかというような観点から、口頭でいろんなことを具体的事例として、あるいは過去に我々としてもいろんな非常に犠牲を強いた事例もあるわけでございますので、そういうことを一つの材料として講義をするあるいは指導をするということはあるかもしれませんけれども、明文の規定でそういうことを設けるということについては、これはかなり慎重な判断を要するのではないかというふうに思っております。
○簗瀬進君 今の発言、今の答弁は私は非常に問題だと思うんです。 教育のレベルで教えていることをなぜ明文に書かないんですか。おかしいじゃないですか。しっかりと書けばいいんじゃないですか。書くことでどこか都合が悪いことがあるんですか。
○政府参考人(田中節夫君) 具体的に内部の規定というような形でこれこれこういう方から御依頼があった場合にはこうすると、もちろん、そういうことの依頼に応じてはいけないということが大前提でございますので、どのような方から御依頼があってもだめだということでございますので、殊さらに国会議員でありますとかそういうことの名前を明文で書くということまで及ばないのではなかろうかと。 ただ、私も申し上げましたように、材料として、教材としてこういうことは個々に事例にあったということは、これは具体的に講義といいますか、その中で述べることはそれはいいわけでありますけれども、具体的に内規の形でこういう方からあった場合にはどうするかというようなことを書くということにつきましては、これはやはり私は、先ほど来申し上げておりますように慎重な判断を要するというふうに思っております。
○簗瀬進君 この質問は大変私は重要な質問だと思います。予定はしていませんでした。しかし、なぜ慎重でなければならないのか。そういう姿勢がまさに権力に弱い警察、それを象徴するような答弁ではないでしょうか。この辺についての見解あるいは対応を改める必要があると私は思いますけれども、いかがですか。
○政府参考人(田中節夫君) これは同じような答弁で恐縮でございますけれども、私どもの警察職員の職務倫理及び服務に関する規則というのがございます。そこで、「警察職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、かつ、その職務の遂行に当たっては、不偏不党かつ公平中正を旨とし、全力を挙げてこれに専念しなければならない。」という規定がございます。 この中に今委員が御指摘のようなことも全部含まれているというふうに我々は理解しているわけでございまして、具体的に事例を挙げて、こういう方から御依頼があってもそれに応じてはならないということを明文で個別に規定をするということは私どもは必要はないのではないかということを申し上げているわけでございます。
○簗瀬進君 私は、そんな具体的なケースを書けなんというそういう質問をしているわけじゃないんですよ。一般的に書いたらどうだというふうに言った。そして、現実にそのような規定がおありですよ。不偏不党というような言葉までしっかりと書いてあるじゃないですか。ところが、答弁の中でそういう規定が長官の頭の中にどうもしっかりと刻み込められていなかったんではないのかなと。私は、今のやりとりを見るとそんな感じをどうしても持ってしまいます。 これ以上この問題については私は踏み込むことはいたしません。ただ、非常にそういう意味での国民の皆さんの疑念を、特に権力にある立場の人に非常に弱いんではないのかなと、こういうふうなことを持たれるようだと、やっぱり本当の意味での警察の適正な業務の執行あるいは国民の信頼というようなものは損なわれる、かなりそういう難しい問題がそこにあるんだよということをどうか気持ちに置いていただきたいなと思います。 ということで次の質問に入りますが、先ほどお答えしかかった部分でありまして、先ほど警察官の話を聞きました、今度は逆に国会議員が警察官に対してこういうことを迫ったと、そうしたらどうなるんだろうか。国会議員に対するいろいろな法律上の問題が当然出るでありましょう。しかも、その国会議員が警察関連のそういう何といいますか所管に近いところにいるのと、あるいは一般的な国会議員であるのと、いろいろと違うと思うんですね。そういうことを簡単で結構でございますので御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(黒澤正和君) 一般論でございますが、先ほど申し上げました地方公務員法でございますが六十二条、ここには地方公務員に対して職務上の秘密を漏らす行為を唆した者、これが罰則が規定されております。それから、国家公務員法百十一条でございますが、同様に国家公務員に対して唆した者はということで罰則が規定されております。そして、これらの規定する犯罪というのは身分犯ではございません。 いずれにせよ、どのような刑罰法令に触れるかにつきましては、具体的な事実関係とこれらの規定に照らして判断すべきものと考えます。
○簗瀬進君 さて、このフォーカスの記事に触発されたのでしょうか。十月二十七日に、読売新聞と産経新聞がこの記事の後追いといいますか、具体的に警察が動いているよというフォーカスではそういう記事が出ておりました、では現実にくだんの女性そして警察の動きがあったんだろうかということをどうも新聞は一生懸命取材力を駆使して探したようでありまして、この十月二十七日には二つの新聞でこういうふうな記事が出ております。「警視庁小岩署が平成七年五月、覚せい剤取締法違反容疑でこの女性の住む東京都港区内のマンションを家宅捜索していたことが二十七日、分かった。」と。これは新聞の記事であります。 警察で確認をするということになりますと、恐らくそのくだんの女性に対するプライバシーの問題等もあるだろう、また、ある意味では捜査過程の事実であるということで、この事実があったかどうかなどといった質問をするつもりはございません。 そこで、私は一般的な質問として聞かせていただきたい。覚せい剤事犯の取り締まり実態として、あるいは取り締まり件数として、この警視庁小岩署が平成七年にどのような活動をしたのかというそういう数字があれば、これはこの女性としての私の質問ではありません、一般的な、平成七年全体で小岩署としてはどの程度の動きがあったのかと、こういうことを聞いているんです。 これは答えられないと私はおかしいと思いますね、それは警察の活動報告ですから。どうですか。
○政府参考人(黒澤正和君) 小岩署の平成七年中でございますが、覚せい剤につきましては平成七年の四月から七月までの数字しか私の手元にございませんが、件数にしまして十件の検挙を見ておるところでございます。
○簗瀬進君 それは、もう一回確認しますけれども、四月から七月までで十件ということですか。
○政府参考人(黒澤正和君) 失礼しました。 平成七年としましては、件数で三十五件でございます。
○簗瀬進君 平成七年として三十五件あった。 それで、お言葉の中に既に先行的にお述べになられていますけれども、特に五月ということで何件ぐらいありましたですか。
○政府参考人(黒澤正和君) 五月はございません。
○簗瀬進君 五月はなかったと。四月はありましたか。
○政府参考人(黒澤正和君) 四月はございます。
○簗瀬進君 六月はありましたか。
○政府参考人(黒澤正和君) 六月もございます。
○簗瀬進君 それでは四月は何件ですか。六月は何件ですか。
○政府参考人(黒澤正和君) 四月が一件、五月はなしで、六月が八件でございます。
○簗瀬進君 ありがとうございます。 さて、このフォーカスの記事の中では、中川長官とおぼしき声が警視庁の保安課という言葉を出しております。 そこでお尋ねしたい。これもまた一般的な質問として聞いてください。 覚せい剤事犯、まずは警視庁ではこれはどこが所管するんですか。
○政府参考人(黒澤正和君) 警視庁においては、生活安全部の薬物対策課でございます。
○簗瀬進君 保安課というのは、当時警視庁の中にはあったんですか。
○政府参考人(黒澤正和君) ございました。
○簗瀬進君 保安課の職務は、所管といいますか、どんな内容でしょうか。
○政府参考人(黒澤正和君) 保安課の所掌職務でございますが、風俗営業の規制のほか風俗関係事犯の取り締まり、売春関係事犯の取り締まり、危険物の取り締まりなどを担当しております。
○簗瀬進君 若干薬物対策課と保安課がずれているようでありますけれども、保安課が覚せい剤事犯を取り扱うということはあり得ないのでしょうか、あり得るのでしょうか。どうした場合にあり得るのでしょうか。
○政府参考人(黒澤正和君) 保安課が覚せい剤事犯を取り扱うことはないわけでございますが、今お尋ねの可能性の問題でございますけれども、警察のそれぞれの所属におきましていろんな事犯捜査を行うわけでございますけれども、その捜査の過程等で、例え話でございますけれども薬物が出てきた、そういった場合にはあり得るかもしれません。可能性の問題としてはそのように申し上げることができるかと思います。
○簗瀬進君 それでは、保安課と薬物対策課を束ねているその上のセクションというのはどこですか。
○政府参考人(黒澤正和君) 先ほど申し上げました警視庁生活安全部でございます。
○簗瀬進君 これ以上質問をしてもあとはかなり個人のプライバシーの話になってくるので、私は、質問はこの問題についてはこの辺でとめるのが賢明だと思っております。 ただ先ほど、小岩署が五月にはなかった、だけれども四月、六月とあった、そして六月には件数がかなりあったと。一方で、先ほどの記事の話に戻りますけれども、読売新聞の方では五月の下旬というふうな話も出ております。私は、これは後で捜索令状を裁判所の方が出してくれるのかどうかわかりませんけれども、この問題というのはかなり明らかにすることができるんではないのかなと、そういうふうな実感を持っておりますし、そういう意味ではかなり情報漏えいの可能性が、可能性といいますか確度が高かったんではないのかなという心証を私自身は持っております。 どうかそういう意味で、先ほども質問をずっとしてまいりました、そして今度も警察法がまないたに乗るわけでありますけれども、まさに警察はだれを守るんだと。権力を守るんではない、国民の一人一人の生活と安全を守るということが本務である、ここがやっぱり一番大切なんだよということをどうか肝に銘じていただいて、警察関係の私の質問は以上で終わりにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。 ところで、その次の質問として、今度は自治省の関係に移りたいと思います。 非常に一般的な話で恐縮なんですけれども、地方分権一括化法がことしの四月一日に施行されました。機関委任事務が廃止されるということで大変大きな改正が行われたわけでありますけれども、現在の法定受託事務と自治事務の割合、かつては県レベルで機関委任事務が全体の事務量の七割から八割であったと、こういうふうな話も私聞いております。 現時点で、この分権一括化法が通った後の状況といたしまして、法定受託事務とそれから自治事務、これがどんな割合になったのか、これをちょっと聞かせていただきたいと思います。
○政府参考人(中川浩明君) お答えを申し上げます。 地方公共団体が処理いたしております事務のうち、自治事務と法定受託事務がどのような割合になっているかということを正確にお示しすることは大変困難であるというように考えておりますが、ただいまお話がございましたように、従来、機関委任事務が都道府県で七割から八割、あるいは市町村では三割から四割という数字であったと仮定して考えてみますと、ただいまお示しの地方分権一括法によりまして、この機関委任事務が法定受託事務と自治事務に区分をされたわけでございますが、従前、機関委任事務を規定していた法律のうち約四五%が法定受託事務を規定する法律となったという実態を勘案してみますと、あえて推計をしてみますと、自治事務と法定受託事務の割合は、都道府県においてはおおむね七対三、市町村においては八・五対一・五程度になるものではないかと考えております。
○簗瀬進君 機関委任事務が廃止されて、非常に市町村が、あるいは県がみずからの考え方で地方行政を推進していける、そういう体制はでき上がったわけでありますけれども、よく言われるのは、まさに財源の問題ということになるわけであります。 今、IT化の問題があります。 先日、私、同僚の内藤議員と二人でインドのバンガロールあるいはハイデラバードというところに行ってまいりました。御案内のとおり、インドは各州がITの政策をお互いに競い合っている、そしてそういう非常に州同士の自由な競争の中で大変な活力が導かれている、こういうふうな状況になっていることをつぶさに見てまいりました。 アンドラプラデシュ州というところにも行きまして、そこのナイドゥさんという首相が十月にもこの日本にやってきた。そして、大変なエネルギーで、とにかく自分の州に日本からのいろいろな投資をと、その投資のきっかけにIT化をと。そのITを駆使した形で我が州において行政は大変効率化されているよ、どんどん早く処理できるから、今のようなドッグイヤーと言われているスピードの速い時代にアンドラプラデシュ州は日本の企業の皆さんにしっかりと対応できますと、こういうふうなアピールの仕方をどんどんしてくるわけですね。 まさにそういう意味では、分権が推進されるということは地方の独自の自由な競争が活発化することによって地方が活性化をしていくということになるわけでありますが、一番困るのはやっぱり財源なんですよ。自分で何かやるときにその財源がない、これは一番困る話でありまして、言うならば、一応仕組みはつくったけれども、まさに画竜点睛を欠くという言葉がありますが、自主財源の拡大、それなしではやっぱり地方分権推進といっても、あるいは私どもでは地方主権あるいは地方政府というふうに言わせていただいていますが、その実現は非常に難しいし、IT、ITといってもITの本当の意味でのメリットが出てこない、こういうことに絶対つながっていきます。 そういう意味では、この地方財源、地方の自主財源の大幅な拡大というのがぜひとも必要であるということで、これに取り組む自治省の考え方あるいは自治大臣の決意について、ぜひともまずは聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(西田司君) お答えをいたします。 御案内のとおり、お話にもありましたが、世界規模で生じておる情報通信技術による産業社会構造の変革に我が国としてどう取り組んでいくか、IT革命の恩恵をすべての国民が享受できるようにするため本年七月、内閣に御存じのようにIT戦略本部が設置されたところであります。 地方公共団体においてもこれに対応して情報化施策を的確に推進する必要があるため、自治省内に私を本部長として地域IT推進本部を設置いたしました。去る八月二十八日には、地方公共団体が早急に取り組むべき事項などを取りまとめた指針を策定の上、地方公共団体に通知をしたところであります。 お話のポイントは、これらを推進していくために地方の財政支援、この問題であろうかと思っておりますが、今自治省におきましても、地方公共団体との連携をとりながらこれらの研究、検討に鋭意取り組んでおるところでございます。
○簗瀬進君 ぜひともどんどん進めていただきたいなと思います。 若干質問の趣旨とお答えが少しずれたような感じもいたしますけれども、こだわりますと先に行けませんので次に進みます。 私は、戦略という言葉をどうも日本の政治は安易に使い過ぎるんではないのかなと。戦略でどこが大切なのかというと、組織の枠組みをつくることじゃないんですよ。一番戦略で大切なことは何か。これはもう太平洋戦争のとき、ミッドウェー海戦で日本とアメリカが戦って負けましたけれども、あのときに一番欠けていたのは何かといえば、この作戦の意味は何なのかということを上から下までしっかりと貫徹させていなかったからだめなんですよ。戦略というのはまさに、幾ら組織をつくって名前をそれにつけて人を集めたとしても、戦略の一番大切なコンセプト、何をやろうとしているのかということが見えてこない限りは私は戦略とは言えない、そういう感じがいたしております。 私はそういう意味で、このIT化、ある意味ではこれは地方電子政府を実現する、そういう大きな取り組みだと思うんですけれども、先ほど戦略とおっしゃった。じゃ、その戦略の基本に来るコンセプトといいますか、戦略目標というのは何なんですか。自治省としてそれをどう考えているのか。あるいは、内閣全体としてお取り組みになっているんだから、このIT化によって何をするのか、どこをどう変えるのか。その一番肝心な部分がかちっとわかっていて、そしてそれも見えていて、国民がそれをわかっていて初めて戦略と言えるんですよ。それは何ですか。
○国務大臣(西田司君) ちょっとまた質問のポイントに答えがなっておらぬとおしかりを受けるかもしれませんが、お答えをさせていただきます。 自治省におきましては、さきに決定した指針において情報化施策等を推進するに当たっての基本的な考え方や地方公共団体が早急に取り組むべき事項について具体的に示すとともに、全庁的な推進体制の確立など情報化施策を推進する上での留意点について取りまとめをいたし、地方公共団体に対して通知をしたところであります。 その中で特に留意すべき点として、一つは、高度、多様化する住民ニーズに対応した質の高い行政サービスの提供ということを挙げております。二つ目に、情報通信基盤の整備による社会経済活動の活性化を挙げております。三つ目に、事務処理全般の見直しによる行政の簡素効率化及び透明化の三点を掲げているところであります。 電子政府の問題についてお話があったわけでございますけれども、地方電子政府の実現のためには、議員御指摘の三点について大変重要であると自治省も認識をいたしております。先ほど申し上げましたとおり、さきに決定した指針においても同じような考え方を掲げているところであり、この指針に基づき地方公共団体の電子化に積極的に取り組んでまいる考えでございます。
○簗瀬進君 どうも大先輩から最初からずれているというふうに前置きをされてしまいますとなかなか質問がしづらくなるんですけれども、その三点という指摘もこれからする予定であったわけでございますので、どうか御答弁の順番を間違えないようにしていただきたいんです。 私が指摘しようとした三点というのは、効率的地方政府の実現が一つ、二番目は行政情報の公開と活用、三番目が行政サービスの質的向上ということだと思うんです。私は、その三点が一番重要なポイントなんではないのかなと。 ただ、今やっぱり三つ答えられた。一つは住民ニーズ、質の高いサービスを提供する、サービスの質を変えるんだよと。まさにそのとおりだと思います。それから二番目に社会経済の活性化だと。これは単なる行政だけにとどまる話じゃないよと。社会あるいは経済全体が変わっていかなければならない、そういうポイントですよね。それから三番目、簡素化、効率化、透明化、まさにこれは、地方電子政府の言うならば大変大きな簡素化、効率化それから透明化、三つのポイントだと思います。そこは私はおっしゃられているとおりだと思うんです。 私ども民主党でもIT推進プロジェクトチームというのがあります。そこで寺島実郎さんが来て、こういうふうな言い方をしていきました、三井物産の寺島さんですけれども。政府のIT革命は、革命とは名ばかりで、単なる情報化普及促進計画だと。ITを実現することによってこれは本当に簡素化になるのか、今までのたらい回しのお役所行政の姿が変わるのか、あるいは本当に効率的になるのか。 例えば、先ほどアンドラプラデシュ州の話をしましたけれども、許認可が一年以上かかる州あるいは県と、一カ月でそれがクリアできるところは、これは投資はもう早い方に行くに決まっていますよ。どんどん遅いところから逃げます。そういう意味では、日本の中央政府も地方政府も効率化は極めて悪いというのが世界のもう通説的な立場になっている。だから格付も下がっちゃう。そういうふうなことですよ、効率化というのは。 それから透明性、まさにそれは情報がはんらんをしてくる。そうしたときに、場合によっては誤った情報等も入って暴走することもある。じゃ、その暴走をだれがチェックするんだというならば、公開された情報を知り得てアクションを起こす市民なんです。まさにそういう意味では、行政を適正にチェックをしていくための公開あるいは透明化なんです。 この三つのポイントは私は絶対外してはならないと思っておりますので、どうかそこをしっかりと踏まえて進んでいっていただきたいと思います。 そこで、ここで本当は政務次官にお答えしていただくあれだったんですが、ちょっと時間がなくなったんで、次にまだ出番はたくさんありますから。 総合行政ネットワーク構想について、ぜひ聞かせていただきたい。 二〇〇一年までに都道府県と政令指定都市、それから二〇〇三年までに市町村がそれぞれ霞が関WANと言われているそれと結びついて大変大きなネットワークが計画をされています。これを総合行政ネットワーク構想あるいはLANということで広域LANなどと言われておりますけれども、これはもう絶対やっていく必要があるんですね。 その進捗状況それから自治体の具体的な負担、そしてそれに対する総合行政ネットワーク構想推進においての具体的な支援策、どういうようなことを考えているのか、ちょっと質問させていただきたい。
○政務次官(荒井広幸君) 総合行政ネットワークの進捗状況、負担そしてその対応という御趣旨だと思います。 まず、このネットワークにつきましては、ただいま実証実験を行っておりまして、技術的な面から検討を行っているところでございます。そして、来年の三月、今年度中までには地方公共団体に具体的にその標準の仕様などを作成するための提示ができるようにしたい、このように思っております。 また、負担につきましては、先ほどの冒頭にも御質問がありましたが、支援という意味では負担を小さくする、これも非常に重要なことでございますので、極力地方公共団体の負担を軽減するよう、例えば設備の構築、運営のあり方、こういった点につきましても努力をしていきたい、こう思っております。いずれにいたしましても、実証実験の結果を踏まえて、そうした負担のあり方が出てくるものというふうに思っております。 また、これらを推進するための経費につきましては、地方財政措置などをきちんと適切に使いまして積極的に支援していきたいということでございます。また、こうした内容について今検討を進めているところでございます。
○簗瀬進君 さて、次の質問でございますけれども、IT化というのは独立的な創意工夫が生かされると同時に、それが広くネットワークを組みながら進んでいくというそういう特徴を持っています。ある意味では二律背反ではあるんですが、独自性を保ちつつもお互いに共有化できる部分は共有化していく、それによってむだな投資を避ける、こういう観点がぜひとも必要だと私は考えます。 そういう意味で、各自治体が競うようにしてIT化をやっていく、これは非常に重要なことではあるんですけれども、それがある意味で無原則あるいはルールなしで行われると、簡単につなげないような、自分のところだけで閉鎖してしまうような、タコつぼのような各自治体のそういうネットワークが非常に日本じゅうできてしまって全然つながっていかないという形になると、IT化の意味というのは非常に出てこなくなるんですね。 私は、そういう意味ではIT化のための標準化、いわゆるナショナルスタンダードですよね。よく電子政府のことをeガバメントと言いますけれども、いわゆるeガバメントをつくるための標準化あるいは共通化をしていく、それによってむだな投資はお互いに避けていく。独自のソフトを開発したってそれはもうほとんど五十歩百歩の問題であるならば、いいソフトをみんな共有化すればいいじゃないかと、こういう観点で全国をまとめていかないと私はだめだと思うんです。 そういう意味での標準化、共通化の必要性を私は感じているんですけれども、自治省は、今後この地方政府のIT化を進める上において、こういう標準化あるいは共通化ということについての指導を積極的にしていくべきだと私は考えますけれども、どういうふうにお考えになっているのかちょっと聞かせていただきたい。
○政務次官(荒井広幸君) 標準化、相互運用性、共通化というところで全く御指摘のとおりだと思います。 そういう意味で、大臣が本部長となられまして地域IT推進本部、この中での指針、そしてまた、必要に応じて今ほどの御指摘のような点について積極的に取り組んでいくということでございます。 例えば組織認証基盤、そういったものも重要でございますし、GIS、統合型地理情報システム、こういったものはまさにその典型だろうというふうに思っておりますので、そうした標準化あるいは共通性、相互運用性、こういったところについて十分配慮をして指導していきたい、このように思っております。
○簗瀬進君 私はまた、IT化というのは行政コスト削減にもつながっていく問題ではないのかなと思うんですね。 今、いわゆる政府調達ということで公共事業、非公共事業いろんな場面でこの政府調達、中央政府においても地方政府においてもそれがあるわけでありますけれども、それをIT化するあるいはオンライン化することによって非常に取引の対象を広げることができますし、いわゆる電子取引のことをよくeビジネスと言うわけでありますが、そのときにBツーCからBツーBへと、こんなことが言われております。BというのはビジネスのBです。Cというのはコンシューマー、消費者です。だから、今まで電子商取引というのは、いわゆる商売をやっている人とそれから消費者との関係で電子化していこうという話でありますけれども、商売をやっている人が自分の仕入れの部分をインターネット等を使ってやっていこうというのが商売対商売、BツーBの話。 私はそういう意味で、いわゆるGツーBといいますかガバメントとビジネス、あるいはガバメントとコンシューマー、これはサービスを受ける住民の側ですね。そういう点で非常にこの電子化というのは重要だと思っているわけでありますが、とりわけこの政府調達、公共、非公共にかかわらず、いずれにしても電子化していくあるいはオンライン化していく、それによって行政コスト削減の可能性というのが非常に出てくるんではないのかなと思いますが、それについての考え方あるいは方針を聞かせていただきたいと思います。
○政府参考人(中川浩明君) 御指摘のように、地方公共団体の入札あるいは種々の契約等を行う手続に電子化を活用していくということは、ただいま御指摘のように行政事務の簡素化、効率化という観点からも重要な課題であると考えております。 既に一部の地方公共団体におきましては、発注情報とか入札結果の公表などについてホームページを活用するなど、電子化への取り組みを行っているところでございます。また国においても、公共事業については建設省において、それ以外については内閣を中心に検討を行っておりまして、政府を挙げて取り組んでいるところでございます。 自治省としては、こういう国におきます取り組み状況も参考にしながら、あるいは一部の地方公共団体の先行的な取り組みも参考にしながら、今後、地方公共団体におきます入札等の手続の電子化が促進されるよう検討を行ってまいりたいと考えております。
○簗瀬進君 私は、そういう意味でIT化をどんどん進めていくべきであるという考え方で、現在までいろいろと提案もし、活動もしてまいりました。 そういう中でああなるほどなと思う問題点がありまして、国とオンライン化をしていくことを禁止しようという動きが結構あったわけですよね。これを条例で禁じているところは結構あると聞いています、国とのオンライン結合禁止条項。これは今までの大変不完全な、不安なネットワークの中ではセキュリティーが保たれていないので、つなぐことによって全部漏れてしまったら怖いなと。そういうことで、自分の情報を自分のところだけで囲い込んでいこうと、こういう思想ですよ。 これは、自治体にあってはオンライン結合禁止条項ということで出ている。しかし、これは自治体のみならず中央省庁だってある意味ではそうですよね。自分のところだけで囲い込んでいく、例えば大蔵省だけで、あるいは建設省だけで、あるいは自治省だけでと。そういうふうな独自の小さなネットワークをつくってしまえば、本当にIT化の意味というのは逆に今度相殺されて出てこなくなっちゃうんですね。こういう意味のタコつぼネットワークを日本国じゅうつくっては絶対ならないと思うんです。 その反面として、セキュリティーの問題。これは特に個人のプライバシー情報とか非常に悪用されたら大変なことになるようなそういう情報がどんどん筒抜けにとられてしまうということも困る。 だから、これはある意味で裏腹の関係にある問題ではありますけれども、このセキュリティーの問題を一生懸命やって、いわゆるファイアウオール等の、この前省庁のホームページも随分ハッカーにやられました。ああいうことがあると、ますますこのオンラインは結んでおかない方がよかったななんというような気持ちになられてしまう。そういうことを、セキュリティーをしっかりと一方でやりながらも、私は、オンライン結合禁止といった流れというようなものは変えていく必要があるのではないのかなと。 そこで聞かせていただきたいんですが、現時点でこのオンライン結合禁止条項を置いているような自治体というのはどれくらいあるだろうか、数として。そして、これについての将来的な指導、方向づけ、どのように自治省は考えているのか。そんなことを聞かせていただきたいと思います。
○政府参考人(林省吾君) お答えを申し上げます。 個人情報保護条例におきまして国または他の地方公共団体等とのオンライン接続を一律に禁止している団体についてのお尋ねでありますが、本年四月一日現在で四百十八団体となっております。これにつきましては、お尋ねのとおり、各地方公共団体が総合行政ネットワークに参加する上で支障になる場合もあるものと私ども考えているところであります。 自治省におきましては、通信回線を活用した情報処理が高度情報通信社会の実現のためには不可欠であるというふうに考えておりまして、そのためには目的、利用形態等を個別に検討した上で接続の可否を決定することが望ましいと考えておりまして、従来からオンライン接続を一律に禁止している団体につきましてはその見直しを要請しているところでございます。
○簗瀬進君 同僚の浅尾議員の時間を若干食い込んでしまいました。御了解いただいて最後の一問をさせていただきたいと思います。 せっかく用意してまいりましたので、どうか配っていただきたいと思うんですけれども、皆さんにもう配られていますでしょうか。 今、自治体でもホームページをどんどんつくっています。聞いてみましたら、都道府県では全部ホームページを持っている。そして、市町村レベルもどんどんホームページをつくっている。これは質問は、自治省が地方の皆さんに対してどういうふうに指導するのかということであると同時に、実はこれ、中央省庁のホームページでも必要な観点なんですね。ホームページが本当の意味でだれのためにあるんだろうか。住民にとって、国民にとって使いやすいものになっているんだろうか。これがやっぱり非常に問われる。 例えば、所管ではありませんけれども、大蔵省のホームページに官報の記載があります。しかし実は、その官報は、大蔵省のホームページは写真で撮ってある。だから、これは実はダウンロードということで引っ張ることができないんですね。また、視聴覚障害を持っている方が音声でそれを聞こうとすると、写真で撮ってあるものについてはこれは翻訳、声にすることができない。写真じゃなくて文字であるならばこれを翻訳ソフトを使って視聴覚障害者も見ることができる。だから、大蔵省のあの官報、あれは差別をつくっちゃっているんですよ。そういうふうな問題も出てくるんですね。だから、ホームページをつくる際には、本当の意味で利用者にとって利用しやすい、それを一番そのポイントとして置くべきだと思うんです。 ただ私は、いろいろ調べてみると、「オランダ政府の定義する「使いやすいホームページ」」というものが非常に参考になるのではないかと思います。(資料を示す)ちょっと読み上げてみますと、いいことを言っています。 省庁の都合ではなく、利用者の都合に合わせた体系をつくる。利用者にとって利用しやすいことを主眼に置いたホームページの構成をするんだと。 それから、統合された手段を用いる。ばらばらではやっぱりだめなんです。文部省では通用するけれども自治省では通用しないということでは、これは大変混乱をします。北海道のホームページでダウンロードは簡単にできたんだけれども、例えば高知のホームページはだめだみたいな、これは例ですよ、そういうふうなことになってしまってはだめなんですね。だから、統合された手段を用いるということ、先ほども質問で聞かせていただきました。これはもうオランダ政府がちゃんとホームページの基準としてこういうのを出しています。 それから、積極的かつ迅速な対応をする。これは、各ホームページにも住民の側からのいろんな要望を寄せていただける、そういうメールの受け皿は大体できているようであります。しかし、その受け皿で、そこに寄せられた情報がそれぞれ例えば掲示板のような形でみんなに見れるようになっているかというとそれはさまざまでありますし、それに対する応答のインターバル、これについても全然基準がなくてばらばらだろうと思うんです。だから、メールを出しても全然返事が来ない、こういうふうなことであっては困るから、例えばそういうコーナーをつくった以上は何カ月以内に必ず応答せよみたいな基準もやっぱりつくる必要があるんじゃないでしょうか。 それから、可能な限り多くの情報、サービスをインターネットで提供する。どうも、例えばこれは昔の話でありますけれども、エイズの問題があれほどまでに国民の関心を呼んでいたときに厚生省のホームページには、エイズの記事をどこを探してもそのホームページには出てこない。自分に都合のいいものだけは情報を垂れ流して、自分に都合の悪いものになってしまうとこれは消してしまう、こういうことでは困ります。また、統計情報でも例えばグラフなんかは、我々、政策調査をしているときにも非常に使いやすいグラフがあったとします。だから、そのグラフを例えばホームページからとろうとすると、実はこれガードがかかっていてとれない。そういうところもあるんですよ。特に経企庁の数字なんかはそういうのが結構ありまして、そうなってくると、せっかくつくっているんだけれども利用できないんです。再利用できない。 そういうふうな観点もあるんで、可能な限り多くの情報を出して、しかもそれを利用しやすい形にしていく。当然、これの裏腹としては個人情報の保護という大きな問題が一方でありますけれども、これをつくるのであるならば、やっぱり個人情報の保護のシステムをしっかりとつくりながら住民に利用しやすい情報をどんどん出していくと。それが先ほど大臣がお答えになった効率化、透明化、簡素化と、そういう地方政府のある意味では大変な、このホームページをつくることによってみずから変えなければならない、こういうふうな状況に間違いなくなると思うんです。 私は、そういう意味でIT化というのはまさに行政革命であると、こういうふうに考えていくべきだと思っておるんですけれども、このような使いやすいホームページ、それの基準を自治省として考えて各地方の自治体の皆さんに、強制をするということはできませんけれども、こういうガイドラインでひとつやったらどうだと、そういう提案をしたらどうだ。そして、隗もて直せじゃありませんから、その提案をする以上、御自身のところのホームページもやっぱり皆さんに利用しやすいようなそういうホームページに変えなきゃならないですよ。そういう動きをしてもらいたいと思うんですけれども、その方針、考え方、聞かせていただきたいと思います。
○政府参考人(林省吾君) 今後、インターネットの利用がさらに増大していくものと考えておりますが、地方公共団体の作成するホームページの重要性は、御指摘のようにますます高まっていくものと私どもも考えております。 御参考までに申し上げますが、現在ホームページを開設いたしております地方団体は、県はすべて四十七県、政令市も十二団体やっておりますが、市区町村は二千百四十五団体となっておりまして、率から見ますと全体の六六%、約三分の二がホームページを開設している状況にはございます。しかし、その中には、住民にとって利用しやすいという観点からさまざまなものもあるのが実態でございます。 このため自治省といたしましては、住民サービスの一層の向上を図る観点から、住民の皆さんにとって使いやすいホームページが整備されるよう、さきに地方団体に対しまして連絡いたしました地方公共団体に対する指針におきまして、住民からの問い合わせに対する窓口の明確化に加えて、各種の申請等の様式がダウンロードできるようにすることなどにつきましても含めて要請をいたしているところでございます。 議員いろいろ御指導いただきましたが、この御指摘を踏まえまして、さらに住民に使いやすいホームページが整備されるよう、私どもとしても勉強してまいりたい、こう考えております。
○浅尾慶一郎君 同僚の簗瀬理事に引き続きまして、質問をさせていただきます。 私は、警察関係、そして地方自治という形で質問させていただきたいと思いますが、最初に、先ほど簗瀬理事に対する御答弁でちょっと確認をさせていただきたい点がありますのでお願いしたいと思いますが、警視庁の生活安全部保安課は、風俗営業の取り締まりというふうに御答弁をいただいたと思いますが、当然、風俗営業ということであれば、確認でありますが、いわゆるクラブというものも対象になるという理解でよろしゅうございますか。
○政府参考人(黒澤正和君) 風俗営業法上の風俗営業店ということになれば対象になるということでございます。
○浅尾慶一郎君 ありがとうございました。 それでは、私は最初に、いわゆる拉致の問題について質問をさせていただきたい、こういうふうに思います。 まず最初に、警察庁が認定をいたしております、七件十人というふうに聞いておりますが、その拉致の具体的な内容について御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(田中節夫君) 警察といたしましてこれまでの一連の捜査の結果を総合的かつ入念に検討いたしました結果、北朝鮮による拉致の疑いのある事件は、委員御指摘の七件十名であると判断しております。 その内訳を申し上げますと、昭和五十二年九月に石川県警察が検挙いたしました宇出津事件一件一名、昭和五十二年十一月に新潟県の海岸付近で発生いたしました少女拉致容疑事案一件一名、昭和五十三年から昭和五十四年ごろ発生いたしました李恩恵と呼ばれる日本人女性の拉致容疑事案一件一名、それから昭和五十三年七月から八月にかけまして福井県、新潟県及び鹿児島県の海岸で連続発生いたしましたアベック拉致容疑事案、これは三件六名、昭和六十年に韓国で検挙された辛光洙事件一件一名でございます。 また、拉致が未遂だった事件といたしまして、昭和五十三年八月に富山県の海岸で発生いたしましたアベック監禁致傷事件一件二名を把握しております。 以上でございます。
○浅尾慶一郎君 そうすると、国外で不明になった者というのは、警察の方で把握をされておられますか。国外でというのは、例えばヨーロッパを旅行中であった日本人がいなくなって、北朝鮮に拉致されたんではないかという疑いを持っている件数というのは把握されておられますか。
○政府参考人(田中節夫君) 今、委員御指摘のように、我が国の国外で北朝鮮に拉致されたのではないかというような数字につきましては、具体的にただいま持っておりません。
○浅尾慶一郎君 具体的に件数はないということでありますが、それよりも漠然とした情報というものは持っておられるんでしょうか。
○政府参考人(田中節夫君) いろんな情報とか、いろんな報道等もございますけれども、私どもの方で北朝鮮による拉致の疑いのある事案として把握したものはございませんということでございます。
○浅尾慶一郎君 それでは、拉致というものが、これは法務省にお答えいただいた方がいいのかもしれませんけれども、刑法上どういう罪に当たるのかということをお答えいただきたいと思うんですが、私はこれは刑法の第二百二十六条で定める国外移送目的略取等ということになるのかなというふうにも思いますが、あるいは普通の誘拐という形でとらえられておられるのか、そこら辺の認識をお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(本田守弘君) お尋ねの件につきましては、具体的事案において収集された証拠に基づいて判断されるべき事柄でありまして、法務当局としてお答えすべき性格のものではないと考えるのでありますが、ただ、あくまでも一般論として申し上げますと、まず不法に人を逮捕または監禁した場合には、刑法第二百二十条の逮捕罪または監禁罪、未成年者を略取または誘拐し、あるいは営利等の目的で人を略取または誘拐した場合には、刑法第二百二十四条ないし第二百二十五条の二の略取誘拐罪がそれぞれ成立することになるものと考えます。 また、略取または誘拐が人を日本国外に移送する目的でなされた場合には、刑法第二百二十六条第一項の国外移送目的拐取罪が成立することになると考えられますし、さらに略取または誘拐された者などを日本国外に移送した場合には、二百二十六条第二項の国外移送罪がそれぞれ成立することになると考えております。 以上でございます。
○浅尾慶一郎君 では、警察庁に伺いますが、今の御答弁でありますけれども、警察庁が認識しておられます七件十名、あるいは先ほどおっしゃいました未遂については、当然ある具体的な事案というふうなことでありますから、どういう刑法上の罪というものを想定して七件十名という形で発表されておられるんでしょうか。
○政府参考人(田中節夫君) 七件十名というふうに御説明申し上げましたが、具体的に我々としては北朝鮮による拉致の疑いがあるということは、総合的かつ入念に検討した結果そうであるということでございまして、その具体的な過程というものを個別につかんでおりませんので、現実に宇出津事件等では外登法事案として検挙した事案もございますけれども、現実に拉致された方がどういう形で向こうに行っているか、北朝鮮に行っているのか、そういうことにつきましては事実判断をできるところの資料を持ち合わせておりませんので、どの罪に該当するかということにつきましてはこの場で申し上げることはできないということでございます。
○浅尾慶一郎君 余り納得ができないんですが、今七件十名について具体的にどこどこの地域で拉致されたんではないかというようなこと、しかもそれが特定の地域にいるということで発表されておられるということでありますから、そしてまた、法務省の方の御説明で、日本国外に移送する目的で、略しますが、または略取された場合には二百二十六条第二項というふうな御答弁があったわけでありますから、それに該当するんではないかなと私は思うわけですけれども、繰り返しで恐縮ですが警察庁、そしてまた、法務省は先ほど当然警察庁長官のこういう事案というのを聞かれておられたと思いますし、以前にも当然聞かれておられたと思いますから、法務省としての見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(田中節夫君) 先ほど法務省の方から、一般的にこういうような罪名に当たるのではないかという一般論で御答弁がございました。私ども、この具体的な七件十名につきましても具体的な状況と申しますか、我々が従来のいろんな一連の捜査の中から疑いがあるというふうには認定をしているわけでございますけれども、それはどういう形で具体的に北朝鮮に拉致されたということは、あくまでもこれは疑いのある事案でございまして、これがどの罪に当たるかというところにつきましては、これは個々具体的に判断しなければいけない。それがまた具体的にこの罪に当たる、この事案がこの罪名に当たるということにつきましての資料というものは十分に持ち合わせていないということでございます。
○政府参考人(本田守弘君) 先ほどもお答えいたしましたように、あくまでも収集された証拠に基づいて、そこで認められた事実に当てはめて判断すべき事柄でありまして、法務当局として現段階においてこういった点についてお答えすべき性格のものではないと考えておりますので、御理解のほどをお願いしたいと思います。
○浅尾慶一郎君 実際に起訴をする場合は当然収集された事実に基づいて判断すべきだというふうに思いますが、現にある疑いがあると。疑いがあるということは、これは犯罪行為であるということも含めて国民は一般的に理解をしている。しかし、犯罪行為であるにもかかわらずその罪名がわからないというのはちょっとおかしいんじゃないかなと思いますけれども。
○政府参考人(田中節夫君) 個々の具体的な事案についてどの罪に当たるかということにつきましては、先ほど来法務省から御答弁がございましたように、法と証拠に基づいてこれは事実判断すべきものでございます。したがいまして、現段階で北朝鮮による拉致の疑いのある事案と申しておりますけれども、個々具体的に、このケースが具体的にどのような証拠があって、もちろんその当人らの供述も全く得られていない状況でございますので、それがどれに当たるかということにつきましては現段階では個々具体的に申し上げる段階ではないということでございます。
○浅尾慶一郎君 それでは伺いますが、先ほど一件未遂があるというふうにおっしゃいました。まず、未遂の場合は当然拉致をされそうになった方がまだ日本にいられる。具体的な証拠というものも当然あるわけでありますから、これは未遂罪も当然適用される罪だと思いますが、この未遂のものについては証拠もかなりあるんではないか、あるからこそ未遂だというふうに言えるんだと思いますが、未遂のものについてはどういうふうに考えておりますか。
○政府参考人(田中節夫君) 先ほど申し上げましたように、これは昭和五十三年八月に富山県で発生したアベックの事件でございますが、これは監禁致傷ということで我々は問擬をしているところでございます。
○浅尾慶一郎君 そうすると、監禁致傷ということで拉致ということではないということですか、この未遂は。
○政府参考人(田中節夫君) 拉致という言葉が、先ほど法務省からお話がありましたように、逮捕でありますとかあるいは誘拐でありますとか、あるいは国外移送でありますとかいうようなことで御説明がございましたけれども、このアベック監禁致傷事件につきましては、いわゆる国外移送ということではございませんで、これは現にその被害者となられた方も我々は確保しておりますし、供述も得ております。これはいわゆる拉致未遂というふうに言えば正しいのかもしれませんけれども、刑法の罪名として問擬する場合には監禁致傷事件ということで問擬をしているところでございます。
○浅尾慶一郎君 監禁されて傷害を負われたということで監禁致傷罪ということは理解できますが、同時に、それでは法務省にお伺いいたしますが、拉致未遂というふうに言っておられるという中で、先ほど述べられました幾つかの、これは第三十三章のところなんだと思いますが、二百二十四条以下のところは、当然これは未遂罪もあるという理解でよろしゅうございますか。
○政府参考人(本田守弘君) 今お尋ねの事件につきましては、公訴時効完成直前の昭和六十年七月十五日に、富山地方検察庁高岡支部におきまして被疑者不詳のまま逮捕監禁致傷の罪名で送致を受けております。同月の十九日、不起訴処分に付しているという状況でありまして、罪名は送致罪名のまま逮捕監禁致傷の罪名で不起訴処分となっております。
○浅尾慶一郎君 お答えをいただいていないと思いますが、逮捕監禁については理解をいたしました。しかし、それを拉致未遂というふうに言われるのであれば、当然その拉致にかかわる罪というものもあって、そこは未遂罪というのが成立するのではありませんかという質問です。
○政府参考人(本田守弘君) 当時、送致されました事実関係のもとでは、逮捕監禁致傷の罪名で処理をしているということであります。拉致未遂というのが一般的にどういうふうな形で法律的な罪名として使われているのかどうか私ちょっと承知しないわけでありますけれども、この事件についてはあくまでも証拠によって認められた事実は逮捕監禁致傷ということで送致を受けてそのまま処分をしているということでございます。
○浅尾慶一郎君 それでは、また警察の方にお伺いいたしますが、逮捕監禁の事実があったから逮捕監禁罪で被疑者不詳ということだということで伺いましたけれども、それは別に、場合によっては日本人がやった場合、可能性というのもそれだけでは否定できないと。にもかかわらず、それを北朝鮮による拉致の疑惑に含めるということであれば、それなりの疑いを持っておられるということなんだと思いますが、その点はそういう理解でよろしいわけですね。
○政府参考人(田中節夫君) 先ほど来申し上げておりますように、監禁致傷で我々は証拠に基づきましてそういう判断をしたわけでございますけれども、被害者等関係者からの事情聴取、付近の聞き込み、遺留品の鑑定、その他本件の発生日の直前に、先ほど申し上げました福井、新潟、鹿児島で発生しましたところの拉致容疑事案等々を総合的に勘案いたしますと、この富山県下の事案は北朝鮮によるところの拉致未遂、そういう疑いのある事案だというふうに認定したわけでございます。
○浅尾慶一郎君 そうすると、繰り返しになってしまって恐縮ですが、拉致未遂ということもあるということは、拉致というのは幾つか考えられるというふうに冒頭御答弁をいただいた、その誘拐罪あるいは国外移送目的略取の未遂罪ということに可能性としては否定できないという理解でよろしゅうございますか。
○政府参考人(本田守弘君) あくまでも一般論として申し上げるわけでありますけれども、国外移送の目的で略取すれば国外移送略取罪になるわけでありまして、刑法上はその未遂罪も当然処罰することとなっているということであります。あくまでも具体的な事実関係によるというふうに御理解いただきたいと思います。
○浅尾慶一郎君 なかなかすっきりとした御答弁をいただいておらないわけですけれども、いずれにしても拉致の疑惑があるということは理解をさせていただいております。 きょうは外務省の槙田局長にもお越しいただきましたが、いろいろな日朝関係の懸案事項の一つとして拉致の問題があるということは申すまでもございません。 先般、第三国で発見されたらというような発言が九七年当時にあった、それをブレア首相に対して紹介したという総理の御発言もあったわけでありますけれども、政府として、確認でございますが、拉致というものを第三国で発見するという形のオプションは残っているというふうに考えておられるのか、そこの点の御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(槙田邦彦君) 先ほど来の委員の御質問で、拉致の問題は大変難しい問題である、大変解決がまた難しい問題であるということが一般的に認識されていると思うわけでございまして、私どもは、この拉致疑惑の中で犠牲となっておられると思われる方々あるいはその家族の方々のお気持ちを察すれば、まさに日本国民の生命にかかわる問題であるということで何とかこれを解決しなければならない、そのために粘り強い交渉、折衝もやっていかなければならない、こういう心情でおるわけでございます。 しからば、この問題の解決といいますときに、具体的に特定の方式というものが我々の頭の中にあるのかどうかということになりますと、現在のところ、この方式ならばいい、あるいはあの方式ならばいけるだろうというような、そういう方式があるわけではないわけでございます。これは、かつまた相手もあることでございますし、また事がやはり国民の生命にかかわる問題でございますから、この方式でやるよということを内外に宣明してやるような話でもないというふうに思うわけでございます。 そういうことでございますから、この問題は何とか解決したいという気持ちは持っておりますけれども、特定の方式、今委員の御指摘になった方式も含めまして、この方式ならばいいということはなかなか述べられないという状況を御理解いただきたいと思っております。
○浅尾慶一郎君 わかりました。一つのオプションとして引き続きあるという可能性は否定されていないというふうに御答弁を理解いたしました。 そこで、仮に第三国で発見をされた、先ほど法と証拠に基づいてというふうにおっしゃいましたが、拉致をされた方というのは、された方という言い方はあれですが、いわゆる犯人は日本にいないというふうに理解できるわけでありまして、私が申すまでもありませんが、日本にいない場合は時効というものは中断されますね。
○政府参考人(本田守弘君) 国外にいる場合は時効が停止することになっております。
○浅尾慶一郎君 そうすると、昭和五十二年が最初だというふうに伺いましたが、昭和五十二年九月の石川の方が第三国で発見されたとしても、随分前で大変悲しい事態でありますが、時効は中断しているということであれば、第三国で発見されたときは確かにその地域にずっといたかもしれないということかもしれませんが、後々いろいろと明らかになってくる過程において自分はどうやら北朝鮮の手によって拉致をされたんだということが明らかになった場合は、そこで法と証拠が出てくるわけでありますから、罪は発生するという理解でよろしゅうございますか。あるいは、時効は中断しているから、継続しているという理解でよろしゅうございますか。
○政府参考人(本田守弘君) 先ほど申し上げましたように、犯人が国外にいる間は時効が停止するわけでありますから、そういう意味では、その後捜査して事実関係がきちっと認められれば、その段階で法と証拠に基づいて認められた事実関係に従って処分をするということになろうかと思います。
○浅尾慶一郎君 槙田局長にこういう質問をするのは大変難しいかもしれませんが、第三国で発見されて、日本としてはそれで御当人は出てきてよかったという話になるかもしれませんが、後々事実がわかって罪が残っているという場合に、先般、九七年当時の訪朝団でもうそれは既知の、周知の事実であるという御答弁を総理の方がされたんですが、発見すること自体、そこはそれでクリアできるかもしれませんが、罪が残ると。日本の政府として、やはり罪があった場合にはこれは厳に摘発をしていかなければいけない。罪があってもこれを帳消しにするというのは、私の理解ではかつてダッカで起きたハイジャックのときに超法規的にこれはもう既に捕まえていた人を釈放したというケースがあるんだと思いますが、要は発見後の対応について外務省として、その罪の部分をどういうふうに取り扱うのかということを検討されたことがあるのかということを御質問させていただきたいと思います。 また、法務省には、仮に罪があるんだけれどもそれを罪として問わないということにする場合に、どういう法的な手続を経ると問わないということができるかということを教えていただきたいと思います。
○政府参考人(槙田邦彦君) 委員御承知のように、また、今警察庁長官からも御答弁がありましたように、この問題は疑いということになっておるわけでございます。他方、北朝鮮の方はこの拉致というものについては全面的に否定をして今日に至っておるということでございますから、そういう中で、今委員が御指摘になりました第三国で発見されるということが起きた場合に、それがどういう背景で、あるいはどういう経緯でそういう状況になったのかということについては当然いろいろな調査が行われるということがあると思うのでございます。その結果として、本当に拉致が国家的な行為として行われたんだということに仮になるならば、それはまさに我が国に対する主権侵害ということになりましょうから、これは外交的にもそれなりのけじめをつけなければならないということになる、これは理屈の上でそうなるという感じがいたします。 しかし、そのような問題に入る前に、まず私どもとしては、この問題の解決の中に何といっても御当人の方々の生命、そういうものを第一に考えて、それを念頭に置きながら解決を目指したい、こういうつもりでおるわけでございます。
○政府参考人(本田守弘君) 罪を問わない方法という御質問だったと思うんですけれども、ある犯罪が発生して、それが法と証拠に基づいてその事実が認定された場合は、やはり法律に従って処理をするということになるというふうに御理解いただきたいと思います。
○浅尾慶一郎君 そうすると、第三国発見方式ということが九七年当時に提案をされたようでありますが、提案というか、会話の中で出たという理解の方が正しいのかもしれませんが、仮に、これは外交交渉の話にもなるかもしれませんが、そういうことを向こうとしては、日本国政府が第三国で発見されたらもう後は免責よというふうに受け取る可能性もあるんですが、もちろん外務省は当事者じゃないですから推測の話でも結構でありますが、そこまではじゃなくて、単にそれはとりあえずそういうふうに第三国で発見された、後でまた罪は問うよというふうに理解をされているということでよろしいんですか。
○政府参考人(槙田邦彦君) 大変これは難しい御質問で、答えに窮するのでございますけれども、このアイデアなるものは、委員御承知のように、三年前の当時の連立与党の代表団が訪朝されまして、その中でそういうアイデアもあるということが言及された、私ども承知するところでは、先方からそれに対して何らかの反応があったということもないと。 こういう状況でございますから、政府として、今までこの拉致疑惑の問題を追及するに当たりまして、こういう方式ではどうかというふうなことで具体的に挙げてやっているわけではございませんので、その先の話につきましてはちょっとなかなか答弁がしにくいといったところでございます。
○浅尾慶一郎君 どうもありがとうございました。 第三国発見という形で、もちろん人命が、自由を奪われている方が自由の身になるというのはそれはそれで望ましいことだと思いますが、その先にありますいわゆる罪に対する対応ということを、恐らく外交という場で仮にそういう解決の話が出た場合でも向こうはそれは免責というふうにとらえるんじゃないかなというふうに私は理解しておりますので、今の御答弁、なかなか難しいなという思いに至るようになりました。 では、拉致の問題はこの程度にさせていただきたいと思いますので、引き続きまして、警察学校の運営ということについて質問をさせていただきたいというふうに思います。 実は先日、テレビ朝日だったと思いますけれども、の番組に警察官のOBの方で警視庁警視総監賞を二十三回とられた経験のある方が出ておられまして、私はその番組をたまたま見ておったんですが、そこでびっくりするようなことを発言されておりました。 この場でそれが正しいか正しくないかということは別として御紹介をさせていただきますが、警察学校の試験の問題が、その方の発言によりますと教官にビール券を渡すと事前に教えてもらえると。それをテレビ、これはかなり視聴率が高い番組でありますが、で言っておった。同時に、その方が言っておったことをその番組に出ておられたほかの元職員もそういう事実はあるというふうにはっきりと言っておったわけでありますが、質問の第一点目は、警察学校の試験の中において、かかるビール券という言葉はどういうものなのかは別として、試験問題が何らかの対価に対して漏えいされるということはございませんよね。
○政府参考人(石川重明君) 警察学校では、教養効果を測定すると申しますか、達成度を判定すると申しますか、そういう目的で試験を行うわけでございますが、これは当然、厳正公平に行われなければならないということでございます。 試験問題を教えて、それに対して何らかの金品の授受があるといったようなことはあってはならないことでありますし、また私どもそういった状況というものは把握をいたしておりません。
○浅尾慶一郎君 ちなみに、警察庁としてその番組について認識はしておりましたか。
○政府参考人(石川重明君) 実は昨晩、私も見てみました。
○浅尾慶一郎君 では、ごらんになられた感想というのをちょっとお伺いしたいと思います。
○政府参考人(石川重明君) 元警察官である方がコメンテーターのような形でその番組に出ておられて、いろいろな御発言をなさいました。それから、関連して元警察官と称する人物が、マスクと申しますか、匿名でいろいろな発言をしておられました。 確かに、委員御指摘のような趣旨の発言があったことを私も見たわけでございますけれども、現時点で直ちにこれは大変なことだから調査をすべきことだぞといったような感じは持ちませんでした。
○浅尾慶一郎君 昨年来のいわゆる警察の不祥事に関して、国民の警察に対する信頼が正直申し上げてかつてと比べてはかなり落ちているということが現実としてあると思うんです。 冒頭御答弁をいただきましたように、そういう事実はないということであれば、私はむしろしっかりとした法的な対応をそのテレビ局に対してとられる方が警察に対する信任を増すことになるのではないのかなと。そういう事実がないということであれば、むしろそういうような事実を電波を通して、私はかなりの方が見ておられる番組だと思いますが、そういうものだと思ってしまうとはかり知れないマイナスを警察の信任に対してもたらすということですから、ぜひ御調査をいただいて、法的な対応をとるというような考え方をお聞きしたいんです。
○政府参考人(石川重明君) いろいろ私どもも精査をいたしまして、適切に対応してまいりたいと思っております。
○浅尾慶一郎君 対応が、私が申し上げたいのは、先ほどの簗瀬理事のITの世の中ということでも出てきておりますけれども、日本の世の中の動きが物すごく速くなっているときに、調査をずっとしていますということだと、多くの国民は、その番組しか見ていない方はその番組の情報だけが真実だというふうに思ってしまいますから、迅速に調査をして、全くそういうことは事実無根であるということだったらばすぐに対応すべきだと思いますが、その点いかがですか。
○政府参考人(石川重明君) 番組の中でもほかのコメンテーターの方は、そんなことはあり得るはずはないんじゃないかといったような形で、あるいは、そんなことはあり得ないことだ、非常にびっくりしたと、こういう御発言もあったわけでありまして、そういう全体の状況をも踏まえて、先ほども御答弁申し上げたわけでありますが、私どもとしても、今委員の御提言の趣旨も踏まえまして、よく検討してみたいと思っております。
○浅尾慶一郎君 時間が参りましたので、ここで質問を終えさせていただきますけれども、今、昨年来ずっと警察に対する信任というのが落ちている中で、本当に衝撃的、私自身もびっくりしたんですよ。その情報がビール券を対価に、情報というか試験問題ですよ、漏れているとはっきりと言っているわけで、それに対してはうそであれば毅然とした態度をとらないと、そのことだけがある面レッテルとして警察に張られてしまうのではないかという危惧を持っておりますので、ぜひ適切な対応をお願いしたいと思います。 終わります。
○富樫練三君 日本共産党の富樫でございます。 自治大臣は、七日の所信あいさつの中で、「国、都道府県、市町村が一体となって、今までよりもピッチを上げて市町村合併を積極的に支援してまいります。」というふうに述べております。 そこで、まずこの点について伺いたいんですけれども、二〇〇一年度、平成十三年度ですけれども、この予算の概算要求が既に出されております。その中で、合併等を活用した地方行政構造改革推進事業、この費用として三十七億円を要求しております。この要求額は、今年度すなわち平成十二年度の予算額四億七千百万円に比べますと七・八五倍にふえております。これがこのように大幅にふえた理由はどういうことかということが一つ。それからもう一つは、その中には新設の補助金あるいは交付金が入っているのかどうか、これが二つ目。三つ目に、その新設の補助金の金額はこの三十七億のうち幾らになるのか。 この点についてまずお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(中川浩明君) 合併の推進のために補助金を平成十二年度創設いたしました。その額は、補助金及び啓発事業を含めまして御指摘のとおり四億七千百万円でございます。 平成十三年度につきましては、ただいま御指摘のように、合併等を活用した地方行政構造改革推進事業といたしまして総額三十七億円の要望をいたしておりますが、そのうちいわゆる補助的なものといたしましては、交付金という名称でございますが、全部で三十三億八千万円となっております。 この内訳は、都道府県の体制整備事業交付金が二十三億五千万円、合併準備の市町村に対します合併推進交付金のうち、合併準備交付金が三億二千万円、合併市町村交付金が七億一千万円でございまして、このふえました理由は、都道府県の体制整備事業交付金を平成十三年度初めて要望いたしたものでございまして、この部分は皆増となるわけでございます。 また、合併準備交付金につきましても、合併の予定されております市町村が増加したことから二億円の増。合併市町村交付金につきましては、昨年補助金という形で要求をいたしまして、制度としては認められておりますけれども、合併をいたします市町村が本年度出てまいりませんでしたので、この部分は本年度の予算案には計上いたしておりませんが、来年度分は七億一千万円の要望をいたしておりますので、この部分も金額的には皆増となるものでございます。
○富樫練三君 大分大幅にふえていますね。その中で、都道府県の体制整備事業交付金、これは皆増、全部ふえた、新設になると思うんです。 実は、地方分権推進計画の中では、「新規の国庫補助金の設定は厳に抑制する。」という、これが基本方針だったのではないかというふうに思うんですけれども、この趣旨にはこれは反しませんか。
○政府参考人(中川浩明君) 確かに、御指摘のように、地方分権推進計画につきましては、「国庫補助負担金の整理合理化」という項目の中で、「新規の国庫補助金の設定は厳に抑制する。」という旨の記述がございます。 ただ、「基本的考え方」の中でも、「地方公共団体の事務として同化・定着・定型化しているものや人件費補助に係る補助金、交付金等については、一般財源化等を進めるとともに、国と地方公共団体との役割分担の見直しに併せて、真に必要なものに限定していくなどにより、積極的に整理合理化を進める」、このような記述もあるわけでございます。 市町村合併につきましては、地方分権の推進に当たりまして、基礎的地方公共団体でございます市町村の行財政運営の合理化、住民サービスの向上等のためには極めて重要な課題であり、その推進に当たりましては国全体として総合的かつ積極的に取り組む必要があるものという認識に立つものでございます。 こうしたことから、市町村合併に係る今般の予算措置は、地方分権の推進にとってまさしく真に必要なものとの認識に立ちまして、平成十二年度において新たに予算化し、さらに平成十三年度の概算要求にも盛り込んだものでございます。
○富樫練三君 概算要求で出す場合、各省庁からそれぞれ出ると思うんですけれども、これは大臣に伺いたいんですけれども、それぞれの要求する側から見ればすべて真に必要なものなんです。必要じゃないものを要求しているというのはないと思うんです。ですから、そういう意味では、各省庁とも今その部分を抑えようと、こういうふうにやってきているんだと思うんです。 ですから、国庫補助金の整理合理化、これは常々自治省が言ってきたことなんですよね、ずっと。そういうふうに言いながら、自分のところでは補助金を新設する、それも今度の三十七億円のうちで言えば二十三億五千万ぐらいになりますか、この都道府県に対する交付金。これは、一つの都道府県に対して五千万ずつ全部頭割りで配る、こういうやり方だと思いますけれども、自分のところは大幅にふやしておいて他の省庁に対して整理合理化、これを要請するということができますか。どうですか。
○国務大臣(西田司君) ただいまの質問でありますけれども、ちょっと私の市町村合併に対する考え方の基本をお話ししておきたい、こう思っております。
○富樫練三君 手短にお願いします。
○国務大臣(西田司君) 現在の地方分権の推進、それからもう一つ気をつけなきゃいけないのは少子高齢化の問題、それから地方財政の、それぞれ市町村の財政再建の問題、こういうことを考えると、私は、市町村合併は二十一世紀に向かって地方行政の避けて通れない課題であると、こう考えておるわけであります。 もちろん、ただ合併をやれやれというだけのかけ声だけではなかなか今の状況からして難しい問題がありますから、国ができるだけの、自治省ができるだけの支援というものはしていく必要がある、こういう考え方から今鋭意努力をしておるところでございます。
○富樫練三君 地方分権推進計画の中ではこういうふうに言っているんです。これは十年五月二十九日閣議決定ですけれども、地方分権推進計画、これを踏まえて、制度改正を含めて既存の施策や事業そのものを見直すことを初めとして、聖域なく見直しを行い、国庫負担金及び補助金の区分に応じて、その整理合理化を積極的に推進すること、こういうふうになっているんですね。ですから、そういう意味では、今大臣が地方分権の考え方についてお述べになりましたけれども、しかしこれも聖域ではないだろうというふうに思うんです、閣議で決めた方針というのは。 その上でちょっと伺いたいんですけれども、この三十七億円の概算要求の説明によれば、新年度の新生特別枠(非公共)という部分、これで要求しているわけなんですね。市町村合併の補助金が何で日本新生特別枠なのか。ここがなかなかつながらないわけなんですよ。これはどういう関係になっているんですか。
○政府参考人(中川浩明君) 市町村合併につきましては、先ほど大臣からお答えもございましたように、二十一世紀に向かって、地方行政上大変重要な課題であるという認識に立つものでございます。このような観点から、市町村合併を強力に推進するということでただいま御指摘のございました予算要望をいたしているところでございます。 なお、前臨時国会におきます森総理の所信表明演説におきます日本新生プランの中におきましても市町村合併は政府の新生として位置づけられておりまして、また同時に地方行政の構造改革にも資する、こういう観点から、二十一世紀における我が国経済社会の新生に特に資する施策に対する予算上の重点的措置としての日本新生枠にもなじむという認識で要望いたしたものでございます。
○富樫練三君 そうしますと、ことしの八月に、これは閣議での確認事項だと思うんですけれども、日本新生特別枠の趣旨というのが、概算要求の前提として、こういうものについて各省庁から出してもらいたいと、こういうふうに出されていると思うんですけれども、これとの関係ではどういう関係になりますか。
○政府参考人(中川浩明君) 御指摘の八月の日本新生特別枠につきましての総理の指示でございますが、日本新生特別枠、非公共の概算要求に当たっての基本的考え方という部分に、本特別枠におきましては、日本新生プランの重要四分野であるIT革命の推進、環境問題への対応、高齢化対応、都市基盤整備を中心に新産業創造の観点を踏まえた人材育成や福祉・介護分野、科学技術等、二十一世紀における我が国経済社会の新生に特に資する施策に特段の予算配分を行う、こういう趣旨で指示があったものと理解をいたしておりまして、この最後の二十一世紀におきます我が国経済社会の新生に特に資する施策ということで市町村の合併を位置づけたものでございます。
○富樫練三君 この閣議了解事項というのは、新生プランの重要四分野というふうに言っているんですよね。四分野は、今答弁があったように、IT革命の推進、環境問題への対応、高齢化対応、都市基盤整備、この四分野、ここのところに特に重点的に特段の予算配分を行う、こういう意味ですよね。この四分野と市町村合併がなかなかつながらないということなんですよ。これはどういう関係になっていますか。
○政府参考人(中川浩明君) 先ほどもお答えいたしましたように、この日本新生プランは、総理の前臨時国会におきます所信表明で明らかにされたものでございまして、ここの中で二十一世紀における我が国経済社会の新生という意味から、政府の新生ということもその中の一つの大きな項目に掲げられているものでございまして、確かに例示の部分には直ちに該当するものがあるかどうか、なお議論はあるかもしれませんが、我々といたしましては、この我が国の新生に特に資する施策であるということで今回予算要求をいたしたものでございます。
○富樫練三君 ちょっと大臣に確認をしておきたいんですけれども、今答弁がありました。要するに市町村合併補助金を大幅にふやしたと。これは合併を推進しよう、こういう目的の予算要求だと思うんですけれども、重点四項目には直接は含まれないんだけれども、しかしその後段で言っている「二十一世紀における我が国経済社会の新生に特に資する施策」、ここに含まれているんだと。その四項目を含めた総体として国の政策としては大変重要なものなんだと。真に重要なもの、必要なもの、だからここの新生枠のところに含めたんですよと、こういう理解でよろしいですね。
○国務大臣(西田司君) 私は、世の中の大きな変化の中、特に二十一世紀をにらんで国民、地域住民の身近な状況というものを判断してみると、市町村合併というものは避けて通ることのできない重要課題である、こう考えております。今四分野のお話がございましたが、それと同等な意味を持っておる、こう理解をいたしております。
○富樫練三君 ということは、もうちょっと正確に確認しておきたいんですけれども、要するに市町村合併というのは、二十一世紀を考えたときに国策として非常に重要な課題なんだと、こういうことですか。
○国務大臣(西田司君) 考え方はそのとおりでございます。ただ、過去の昭和の大合併のときのような手法でやっていこうという考え方は私も自治省も持っておりません。住民主体であります。それらをどう誘導していくか、指導していくかということが一つのポイントだと、このように考えております。
○富樫練三君 ということは、将来を考えたときに、どういうふうに住民や地方自治体を市町村合併に誘導していくか、ここが自治省としては大事なんだと、こういうことですね。 ところで、ことしの十月に全国町村会から「市町村合併に関する緊急要望」というのが自民党に提出されたそうであります。この要望は、私のところにも要望書が参りましたから、もちろん大臣も自民党でありますからその内容については当然知っていると思いますけれども、御存じですね、大臣。
○国務大臣(西田司君) まず、お答えからいたしますと、存じ上げております。
○富樫練三君 その上で伺いたいんですけれども、全国町村会といえば、今全国で都道府県を除けば三千二百二十九地方自治体、その中の二千五百五十八町村でありますから七九・二%、約八割が町村ということになっております。自治体の数でいえば圧倒的な多数と、こういうことになると思うんです。 これだけの自治体から出されている緊急要望でありますけれども、その内容を見ますとこういうことが書いてあるんです。「与党においては町村合併を行う場合の市となる人口要件を「三万人以上」に緩和するとともに、連たん戸数の要件を適用しないことも検討されているようである。」、「市町村合併は、条件が整った地域から住民合意の下、自主的に行われるべきものであり、地域の実情を無視した性急な合併は、かつての経験に鑑みても、行政サービスの低下や地域格差の拡大につながることが懸念され、絶対に行うべきではない。 国においては、市町村合併を進めるにあたって地域住民の意思を十分尊重し、真に自主的なものとなるよう強く要望する。また、都道府県による合併推進要綱の提示等が、強制合併につながることのないよう十分配慮すること。」、こういうふうに書いてあるんです。 この点について、特に後段の部分ですけれども、この緊急要望を大臣はどういうふうに受けとめましたか。
○国務大臣(西田司君) それでは、御質問の最後の部分についてお答えをいたします。 合併の場合に、市となるべき人口要件を緩和することなどで現在町村である地域が市となることができることとすることは、住民の、自治体の要望もかなえるものであり、住民意識を高める上からも合併の目標となり得るものであって、合併の推進に資するものだと、このように私は理解をいたしております。
○富樫練三君 ちょっと質問の意味と若干ずれがありますけれども、先に進みます。 自治省が今中心になって全国四十七都道府県で、今年中にリレーシンポジウムというのをずっとやっていますよね。そういう中で、そのシンポジウムで自治省の幹部の方がこういうことを言っているんです、ある会場ですけれども。これはかなり共通しているようなんですけれども、合併特例法を平成十七年以降も延長することは考えられない、すなわち合併によるさまざまな特例、これは平成十七年以降はもうなくなるんですよ、だから今から五年間の間に早く合併しなさい、そうじゃないと特例がなくなりますよと、こういう話をしているわけなんですよ。 これは先ほどの全国町村会が自民党に対して要請をした、そこのところを危惧するわけなんですよ。早くやりなさい早くやりなさいと。性急にやることは絶対にあってはならないと言っているにもかかわらず、自治省の幹部の方が現地に行けばそういうことをやっているというわけなんです。これは性急な合併を露骨に誘導している、こういうふうに言えるんじゃないですか。どうですか。
○国務大臣(西田司君) 露骨に誘導しておるという御質問でございましたけれども、そういう考え方ではありません。 実は、御承知のように、特例法で十七年三月、これを限度として現在の法律ができておることは御承知のとおりであります。私はむしろ、自治省のリレーシンポジウム等でいろいろ職員が言ったということでなくて、国の財政、地方の財政、こういうものを考えてみると、私自身やはり平成十七年三月というのは一つの限界だなということを考えております。そういうことを自治省内部でも私は言っておりますし、リレーシンポのところでも私自身が申し上げておるということも御理解いただきたいと思います。
○富樫練三君 ならば、ますます問題なんですね。合併特例法が平成十七年以降続くか続かないかということは、これは国会が決めるんです。国会で審議してどうするかということは決めるんですよ。ですから、大臣が自分でどういう考えを持とうがそのことは別に構いませんけれども、そのことをもって合併を促進させようと、これはやっぱり露骨な誘導だと言うふうにしかないんだと思うんです。 その上で、こういうことなんです。町村会が合併推進要綱の提示等が強制合併につながらないようにと、こういうふうに言っているんですけれども、これを今各都道府県に自治省の方からかなり強力に、それを出しなさい、つくりなさいと、こういうふうに言っているでしょう。これはいわゆる強制合併につながるもの、これもやっぱりそういう意味では露骨な誘導だと、こういうふうに言えるんじゃないですか。大臣、どうですか。
○国務大臣(西田司君) 強制合併という言葉は、ひとつこれは取り消していただきたいと思います。 今自治省として合併を推進いたしておりますけれども、これは先ほども申し上げたように昭和の大合併のような強力な、強圧的な合併推進はしておりません。おりませんが、一つの合併の目標という年次、それはもちろん国会で御審議をいただかなきゃいけない問題でありますけれども、目標年次の問題であるとか手法の問題であるとか、そういうことについてはやはり指導をしていくということは自治省の役目であると、こう私は考えております。
○富樫練三君 指導が役目だと言いますけれども、これは強力な上からの指導であって、これは極めて露骨な誘導だと言わなくちゃいけないと思うんです。 ここに自治省が発行したパンフレットがあります。(資料を示す)もちろん大臣はこれはよく読んでいるものというふうに思うんですけれども、このパンフレット、最近発行したものだと思うんですけれども、この二ページのところにいろいろ書いてあります。 例えば、「地域のことは地域で決めて実行する地方分権の時代に、今のままの市町村の規模で十分な力を発揮できるでしょうか」という設問があるんですね。大きな赤い字で書いてあります。これに対する自治省の答えが書いてあるんです。「小さな市町村では、職員一人一人がいろんな仕事を兼ねていて、高度なサービスを行うことが困難です。」、これが自治省の答えです。さらに、一番下のところを見ていただきたいんです、一番下の矢印のところ。「このような問題を解決する有力な方法が、「市町村の合併」です。さあみんなで、市町村の合併ってどんなことなのか考えてみましょう。」、こういうふうに書いてあります。そうですね。 これで本当に市町村合併で高度なサービスを行うことができるのかどうか。ここに書いてあることは本当ですね。
○政府参考人(中川浩明君) 一般論として申し上げまして、小さな市町村よりは大きな市町村の方がいろいろな住民サービスの向上につながるための、例えば専門職の採用増強を図るとか、あるいは設置困難な都市計画、国際化、情報化などを担当する専任組織、職員を置く、こういうようなサービスが提供できるようになることは事実だと考えております。
○富樫練三君 このパンフレットはこれに続いてこういうことも書いてあるんです。五ページのところには、「福祉などのサービス水準が低下したり、水道料金などが高くなるということはありませんか」という質問に対して、これは自治省の答えが書いてあるんです。これは、「一般的には、事務処理の方法の効率化によってサービス水準は高い方に、負担は」、これは住民の負担ですね、「負担は低い方に調整されることが多いと言われています。」というふうに書いてあります。ここの部分はゴシックになっているんです、特に目立つように。こうなっていますよね。 それで、本当にそうなんだろうか。今局長が答えましたけれども、一般論としてはと局長も言いましたけれども、実態はどうなんだ。 ごくごく最近合併したところが幾つかあるんですけれども、今から五年前に合併した東京のあきる野市というところがございます。もちろん御存じだというふうに思います。合併の時点では確かにここに書いてあるようなこともあったんです。あったんですけれども、五年後の現時点ではどうか。使用料、手数料、保育料、国保税、下水道料金などが値上げされて、十二年度、今年度の値上げだけでも市民負担が六千七百万円ふえた。八年前に合併しました盛岡の場合なんですけれども、ここの場合は、体育施設の使用料、公民館使用料、各種証明書発行手数料など、二倍から三倍の値上げになっている。 パンフレットでは、合併すれば高度なサービスが行える、こう言っておりますけれども、どうも実態は違うんですね。どうして自治省の言うことと実態が違ってしまったのか。ここはどういうふうに説明されるんですか。
○政府参考人(中川浩明君) 合併後の市町村におきます住民サービスや負担の水準につきましては、合併前の市町村間で合併協議会において協議をされまして決定されるべき事柄でございます。したがいまして、こうしなければならないという制度上の要請があるわけではございませんが、一般的に申し上げて、今までの過去の合併の事例を見てみますと、サービス水準は高い方に、負担は低い方に調整されている傾向にあることから、このようなパンフレットの記述となったものでございます。 したがいまして、その後市町村が合併した後、いろいろな事情からまたその改定が行われることは、それは事実あり得ることではないかと思いますが、合併に当たっては、このような記述のとおり調整が図られている実態があるということでございます。
○富樫練三君 私が言ったように、合併した当初はそういうことだった、それはそうなんです。その後値上げされているわけなんです。合併当時の住民との約束というか、そういうことはもう既にほごにされて。値上げされている事情というのは、それは合併そのもので値上げしたわけじゃないんです。当初は確かにそういうふうになっただけですから。 ただ問題なのは、このパンフレットをずっと隅から隅まで読んで、なるほど合併するとサービスはよくなるんだ、負担は少なくなってそしてサービスは高度化するんだと、こういうふうに理解できるようになっているんです。私は理解じゃなくてこれは誤解だと思うんだけれども。誤解されるようなパンフレットになっているわけなんです。 何で値上げされたかというと、実はこういうわけなんです。例えば、平成十年度の場合もそうですけれども、行革大綱に基づいて自治省から強力な指導、先ほども言いました、大臣が言っている指導、そういう指導があって、これは全国、合併したところもしないところも全部値上げをするように指導されているわけですよ。そのことによって結果としては値上げになっている。だから、合併が直接の値上げの原因ではないことは確かです。ただ、それを促進しようという自治省の指導によってそういうサービスが低下される、あるいは負担がふえる、こういう状況になっていることも確かなんです。 自治省は、一方で、合併すればサービスはよくなりますよ、こういうふうに言いながら、もう一方では、今度は行革ということでサービスは切り捨てても安上がりの行政にしなさいと、こういうふうに二つの方法を使い分けながらやっているんです。ここに書いてあるのはその第一弾の、サービスはよくなりますよ、負担は少なくなりますよ、ここの部分だけ書いてあるんです。そうすると合併はバラ色に映る。こういうパンフレットというのはやっぱり住民にとっては誤解されるんじゃないですか。
○政府参考人(中川浩明君) 合併によりまして、当然のことでございますが、行政、財政両面にわたって効率化、合理化が図られる面があるのは事実でございまして、その結果、いろいろなサービスの向上に財源等が向けられるということから、合併はサービスの向上につながるのであるということを申し上げているわけでございます。 ただ、一方では、現下に置かれております地方公共団体の状況から、さらに一層の行政改革も必要であるという認識もあるわけでございまして、そのような趣旨で行政改革の推進もまたお願いをいたしているところでございます。
○富樫練三君 このパンフレットの最初の二ページの上から二番目のところには、「次々に現れる広域的な課題に、今のままの市町村の区域で適切に対応することが可能でしょうか」、こういう設問があります。これに対して、これは例えばの話だと思うんですけれども、「ごみ処理場から出るダイオキシンの排出量を減らすためには、一つの処理場が受け持つ区域を大きくして、大規模な連続運転のできる施設に変えていくことが必要です。」、そういうことをやるにも、そういう問題を解決するのも市町村の合併が有力な方法ですというのが一番最後の答えです。みんなここの最後の矢印の答えにつながるようにこれはできているわけなんです。 そこで伺うわけですけれども、今でも広域で大規模の焼却場をつくっているというところはありますね。地域によっては清掃組合をつくってやったり広域で管理したり、こういうのがあるわけなんだけれども、ここで環境問題についての自治省あるいは自治大臣の認識をちょっと伺っておきたいわけなんです。 例えば、今必要なことというのは、大規模な焼却場をつくるんではなくて、燃やすごみをいかに減らすか、いかに燃やさないようにしようかと。これが今のごみ問題の一番基本になっているわけなんです。そのことがもちろんダイオキシン対策にもなるわけですし。 ところが、実態はどうかというと、大きくしたところというのは全国にたくさんあります。たくさんあるんだけれども、そういうところは、その結果、焼却炉を高い温度で連続的にずっと燃し続けていなくちゃいけない。しかも、一定の温度、八百度以上を確保しなくちゃいかぬと。 こうなるためにごみを確保しなくちゃいけないわけですよ、燃やすだけのごみを。燃やすために、あるところでは大きな何百トン炉というのをつくって、そのごみが足らないために近隣からもごみを集めてきたとかね。 あるいは、温度を保つためには、プラスチックを燃すというのはこれは温度を保つことができるんです、高温になるんですよ。したがって、それまでは分別収集をやっていたところが、今はプラスチック類については今度は焼却炉に入れるようになった、こういうことさえ起こっているんですよ。 ですから、ここで、大規模な連続運転のできる施設にかえなくちゃいかぬ、そのために合併するんだと、こういうふうに言っていますけれども、これは今世界のごみ問題の流れの方向には私は逆行するというふうに率直に思うんですけれども、大臣、いかがですか。
○国務大臣(西田司君) 環境の問題は二十一世紀の最大の課題でございましょう。 そこで、御質問のポイントというのは、合併に伴うダイオキシン等の焼却炉の問題についてお触れになりましたが、確かに私もごみを減らしていくということが一番大事なことだと思っております。しかし、全国一律に一定にそれがずっとできるかというと、なかなかこれは容易ではない。むしろ、合併をして財政基盤にしろあるいは行政能力にしろ、整ったところが対応していくことの方がよいと。 だから、今ちょっと話が食い違うのでございますけれども、これは大規模がこのダイオキシンの対策というのはだめで、小さくということについては、私は一つの過程としてそのことも避けて通ることができない課題であると、こう考えております。
○富樫練三君 そのことがやっぱり世界の環境問題やごみ問題についての流れとは逆行する。ごみ問題を解決するというよりも、合併が先にありきなんですよね。その考え方は違うんだろうと思うんです。私は率直に言って、全国一律に合併させようというのが今自治省の方針ですよね。四十七都道府県に要綱をつくれと、こう言っているわけですから、全国一律に合併させようと、それぞれのところでですよ、ということ。そのことよりは、全国でごみを減らすことを一生懸命やった方がまだ現実的だろうというふうに私は思うんです。 その上でもう一点、この中ではこういうふうに言っています。三つ目の問題でね。「国も地方も多くの借金を抱えるなかで、はたして今までどおり、国からのお金を頼りにしていろいろなサービスを提供し続けることができるでしょうか」、こういうふうに設問があって、これに対する自治省の回答は、「国と地方の借金の合計は、平成十二年度末で約六百四十五兆円になると見込まれます。」というので、丁寧にカラーのグラフまで書いてあります、ここに。その下の回答、「このような問題を解決する有力な方法が、「市町村の合併」です。」と、こうなっているわけなんです。 これ、みんなそうですよ。普通に読めば、なるほど合併すれば財政基盤が強くなってそれで借金の問題も解決するのかと。これは恐らく自治省が全国にあちこちで配っているものだと思いますよ。別に地方自治の専門家だけが見ているんじゃない、国民の皆さんも見ているんだろうと思うんです。どのぐらいの部数を配っているのかわからないけれども。 普通に読めば、なるほど合併すれば借金の問題もこれは楽になるのかなと、こういうふうに映るんですけれども、大臣、そうですか。どうですか。
○政府参考人(中川浩明君) 六百四十五兆円という数字、ここに記述のとおりでございますが、合併をしてまいりますと、当然のことですが財政基盤が強化され、これまで以上に効率的な財政運営を行うことができるということから、これまでのような財政運営をさらに効率化することができるということから、財政的な面での寄与もあるということで、このような記述をしているものでございます。
○富樫練三君 そういうことでは、全く私は説得力がないなというふうに思います。 私は、合併したところが本当に財政的にどういうふうになったんだと。先ほどちょっと挙げましたあきる野市の例なんですけれども、これは現地に行って調べてまいりました。ここでは、合併のそもそもの要因というか動機というか、これは秋留台というところの開発計画にあるんですよ。膨大な開発計画が出されているんですけれども。 ところが、その結果、合併して五年後どうなっているかというと、インダストリアルパーク、これは工業団地として市が三十一億円かけて開発をしたんだけれども、売れずに、これは残念ながら失敗してしまった。それから、富士通誘致のために事業費百八十億円で十二万七千平方メートルを造成した。上下水道や下水道などに市が二十一億円ここに投入したと。 それから、合併後の市役所の庁舎、これは今建設中です。八十七億円でつくっているんですね。 それから、圏央道関連の都市計画道路、市が七億二千五百万円を負担している。それから、秋留台開発の一部として、区画整理事業の負担で百三十四億円。それから、そばにあります里山、町のそばにある山ですね、そこを六十三ヘクタールの宅地開発を計画して、そこに市は道路建設などに四十八億八千万円投入した。ところが、この計画は中止になったということです。 企業誘致のために十一万平方メートルを開発公社が買収したけれども、企業誘致に失敗して三十一億円の借金をつくったと。 このこれだけでも三百六十億円になるんです。 こうやって失敗が相次いでいる。事業が仮に全部成功し完成したとしても市には膨大な借金が残る。合併の目玉であった基盤整備や企業立地、これは先ほど答弁でもありましたね、これが失敗して、地域が活性化するどころか市役所は借金の山だと。にもかかわらず、立派な庁舎をまた今つくっている、こういうわけなんです。 合併すれば地方の借金があたかも少なくなる、解決するかのようにこのパンフレットには書いてあるんだけれども、実態は全く逆だということになりませんか。どうですか。合併とこの開発は密接な関連があるんです。
○政務次官(荒井広幸君) ただいま事例を出されましたけれども、それが合併によるものなのかということになれば、合併後のその町の判断、その市の判断、こういったものによるところも多いのではないかと今聞いておりました。 また、きのうも、大臣の命を受けまして私は三重県にリレーシンポジウムに行ってまいりましたけれども、大臣が先ほどからおっしゃっていらっしゃいますが、今やはり厳しいところにあるんだと、その認識を全員で持とうではないか、そうなればそれぞれの自主的な判断で、それは当然十七年ごろには一つの合併という方向になってくるのではないかということでございまして、先ほどのお話ではいたずらに何か自治省がというようなことでございますが、決してそうではございません。 その証拠に、三ページをお開きいただきたいと思うのでございますが、このパンフレットを引用されるのでございましたら、まさに最後の矢印で、「でも本当にいいことばかりなのでしょうか」とまた訴えているわけです。そして五ページには、いろいろな問題も起こり得ますが、それらを克服するためによくよくみんなで話し合いましょうと、こういうことでございまして、今の状況認識をみんなで真剣に考えればおのずと答えは出てくる、その意味では、責任ある自治省の立場として、大臣を中心に町村合併は避けて通れない、こういう認識を持っているところでございます。
○富樫練三君 次官が答えられましたので、あえて私も申し上げたいと思います。 三ページに、「でも本当にいいことばかりなのでしょうか」ということで書いてあります、確かに。これは四ページに書いてあるんですよ。「役場が遠くなって、今までより不便になりませんか」とか、「中心部だけがよくなって、周辺部はさびれませんか」とか、「住民の声が届きにくくなって、サービスのきめ細やかさが失われませんか」とか、全部書いてありますよ。私も読みました。 これに対して、自治省の答えが全部書いてあるんです。小さい字だけれども、書いてあるんですよ。どういうふうに書いてあるかというと、例えば、「役場が遠くなって、今までより不便になりませんか」ということに対して、「情報技術を積極的に活用することによって、近い将来いろいろな場所からオンラインで申請や証明などが行えるようになれば、地理的な距離は問題にならなくなるでしょう。」と、こう書いてあるんですよ。すなわち、合併してもこの問題は大丈夫ですよということを書いてあるんです。心配なこと、いいことだけではないんだと前のページで言いながら、でもやっぱり合併しても大丈夫なんです、同じような回答が全部書いてあるんです。時間がないから全部は言いませんけれども。 ですから、悪いことまで、デメリットだって書いてあるじゃないかと言いますけれども、そのデメリットだって自治省に言わせれば全部メリットの部分に入ってきちゃう。こういうふうになっているんです、このパンフは。 こればっかり言っていると時間がなくなりますので。 私が言ったような開発の問題、今の答弁では、それは合併のために開発、合併によって開発を計画したんじゃないんだ、その後からそういう計画をして、それが借金をつくったんだと、だから合併が原因ではない、こういうことだと思うんです。 ならば、申し上げますけれども、私はもう一カ所行ってきました。これはあきる野市だけじゃないんですね。平成六年に勝田市と那珂湊市が合併しました。ひたちなか市というのができました。これは千百八十二ヘクタールの広大なひたちなか地区開発、これを目的にした合併だったんです。合併の前から既にこれだけの開発をやるんだと。このときは東海村も含めて二市一町の合併の計画だったんです。というのは、実は開発の計画区域がその二市一町にまたがっていたからなんですよ。だから、その二市一町を合併させて、それでこの開発をやろうではないかと。ただ、東海村の場合は財源がたっぷりありまして、原子力関係で、だからうちの方はそういうところに合併しなくてもいいですよということで抜けて、結局二市で合併することになったというわけなんです。ですから、合併の主要な原因が実は開発計画だということなんですよ。合併した後から決めたことではない。ここはよく調べていただきたいと思うんです。 その千百八十二ヘクタール、これを開発を今もやっています。やっているんですけれども、民間企業の誘致は失敗、第三セクターの施設と大型ショッピングセンターができただけ。現地に行ってみましたら、広大な土地に雑草が生えているだけですよ。今後、平成二十二年に向けて港をつくる、この作業を今やっています。それから、区画整理などの大型開発、これをやると言っています。総事業費約一兆円とも言われているんですよ。大変なものです、これは。県と市の負担はどんどんふえ続けて、港の開発だけでも市の負担は二百五億円だと言われているんですね。合併で市の財政は確かに大きくなりましたよ、二つの市が合併したんだから。大きくなったんだけれども、その財政は実は開発の方にどんどん吸い取られて、住民のサービスどころじゃない、こういう事態なんですね。
○委員長(朝日俊弘君) 富樫さん、そろそろ時間です。
○富樫練三君 はい。 そういうことですから、こういうパンフレットで幻想を振りまいて事実と違うことを宣伝するというのは、これはやめていただきたいと思うんです。大臣、どうですか。
○国務大臣(西田司君) 私はこのパンフレットが幻想を振りまいて、そして国民をごまかしておるとは考えておりません。やはりいろいろなテーマ、テーマというものを提起しながらこの市町村合併というものに対する国民の関心というものを高めていく、このことに対してこのパンフは非常に重要であると、こう考えております。 ただ、残念ながら、根っこのところがちょっと食い違うものですから話がかみ合わないことを残念に思います。
○富樫練三君 終わります。
○委員長(朝日俊弘君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十五分まで休憩いたします。 午後零時二十四分休憩 ─────・───── 午後一時二十五分開会
○委員長(朝日俊弘君) ただいまから地方行政・警察委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、地方行財政、選挙、消防、警察、交通安全及び海上保安等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○照屋寛徳君 それでは、私の方から何点か質問をいたします。 大臣は、所信表明の中で、新世紀に向かって地方行財政はさまざまな課題に直面をしているとの認識を示されました。そのとおりだろうと思います。その上で、国、地方を通ずる行財政改革の推進、財政の効率化に徹するとの決意を所信で述べられております。国、地方合わせて六百四十五兆円の債務があると言われる現状に照らせば、大臣が所信で述べられたように、地方行財政が極めて厳しい状況にあることは、私は論をまたないだろうというふうに思います。 そのような中にあって、地方が独自に定める法定外税がここのところいろいろ論議を呼んでおります。その一つに、横浜市が独自に進めております日本中央競馬会の場外馬券売り場への課税問題で、法定外普通税、税率五%という条例案が近々議会で可決をされる見通しに至ったということが新聞で報じられておるわけであります。可決の見通しであって、まだ可決されたわけじゃありません。可決された後にまた自治大臣との協議を必要とするようでありますが、このように、厳しい地方行財政の中にあって、地方が独自に定める法定外税の法手続と、これまでに定められた地方の法定外税の種類やあるいは制定した自治体名などをお教えいただきたいと思います。
○政府参考人(石井隆一君) お答え申し上げます。 地方分権一括法によります地方税法の改正によりまして、従来法定外普通税が認められておったわけですが、これに新たに法定外目的税も認められることになりまして、かつ、これらの法定外税につきましては、従来は自治大臣の許可が必要とされておったわけでございますけれども、地方分権一括法によりまして、本年四月一日からは自治大臣の同意を要する協議が必要ということに改められたわけでございます。 本年四月一日現在で申しますと、法定外普通税は、都道府県では沖縄県において石油価格調整税というものがございます。それから、福井県、福島県など十三団体におきまして核燃料税などが課税されております。それから、市町村で申しますと、熱海市で別荘等所有税というのがございますし、また京都府の城陽市など三団体におきましては砂利採取税などが課税されているところでございます。
○照屋寛徳君 それぞれ、沖縄県の石油価格調整税等に見られるように、地方が創意工夫を凝らして地方独自に法定外税を定めておるわけでありますが、この法定外税についてはたしか許可制から協議制に変わったんですかね。しかも、議会で可決をされた後、大臣の同意を必要とするという効力発生要件があるわけですけれども、この法定外税に臨む自治大臣の態度並びに法定外税に対する所信をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(西田司君) 法定外税は地方団体にとって課税の選択の幅を広げるものでありまして、また、特に法定外目的税については住民にとって受益と負担の関係が明確になるので、各地方団体において、公平、中立などの税の基本原則に照らして十分検討した上で、地域の実情を踏まえ活用されることを期待いたしております。 現在、各地方団体において法定外税に関するさまざまな検討がなされていると聞いておりますが、今後、自治省に対し個別に協議や相談があれば、法律に定める要件に従い適切に対応してまいりたいと考えております。 なお、自治省といたしましても、地方公共団体の課税自主権活用について調査研究をし、各種情報提供、助言を行うため、先般、課税自主権活用研究会を設置したところでございます。
○照屋寛徳君 私は、この法定外税と直接関連するわけじゃありませんが、地方の極めて厳しい財政状況の中で、二つの点をぜひ提起しておきたいと思います。これは答弁は要りませんので、ぜひこういう課題があるということを大臣初め自治省の皆さんにおわかりをいただきたいと思いますが。 ここに昨日の沖縄の地元紙琉球新報の夕刊を持ってまいりましたが、「軽油輸入業者を強制調査」、「十億円余脱税の疑い」、「県、刑事告発へ」という大きな見出しで報道されております。 私はいつぞやもこの委員会で、軽油引取税の脱税が余りにも多過ぎる、しかもこれは沖縄だけじゃなくして全国的にそういう問題が起こっているわけですね。この沖縄県が強制調査をしたケースでも、軽油を輸入したのは大阪府内の業者で、韓国から輸入した。しかも、この業者から買い受けたのが鳥取県内の業者で、どうやらその鳥取県内の業者も多額の軽油引取税を納めておらないということで、鳥取県と沖縄が合同のかなり全国的な広域な強制調査に着手をしたということが報じられているわけですね。 先ほど申し上げましたように、いつぞやのこの委員会でも指摘をし、なぜこういう軽油引取税の大口の、しかも全国的な規模での脱税が繰り返し繰り返し起こるんだろうか。ここはひとつ何か、自治省としても無関係じゃないわけでありますし、それからまた自治大臣は国家公安委員長を兼ねるわけでありますから、この問題は放置できないのではないか。こういうことが続きますと、結局、都道府県税でありますから県税収入に甚大な影響を及ぼすわけで、結果的にはまた地方財政も私は深刻な打撃を受ける事態になるだろうと思います。 何かこの件で答弁なり対策なり考えているのか、もしきょうの段階で答えられるのがあればお聞かせいただきたいと思いますが。
○政府参考人(石井隆一君) 今お話に出ましたように、最近軽油の脱税事件がかなり多くなっております。今お話に出ました沖縄県、あるいは鳥取県、あるいは東京都、いろんな県で摘発事例もふえておりますし、私どもといたしましては、これは直接課税いたしておりますのは都道府県でございますけれども、脱税する業者の皆さんはいわば県境を越えていろいろやっておられますので、各都道府県相互の情報交換、連絡をよくするというようなことはもちろんですけれども、今の脱税をできるだけ少なくするために、例えば石油を輸入する際に税関との連絡、情報交換をもっと密にできないかとか、法令改正も含めてできるだけ脱税の余地を減らす手法を今各都道府県の意見も聞きながら勉強しているところでありまして、しっかり取り組んでいきたいと思っております。
○照屋寛徳君 もう一点は、大臣、沖縄県、それから県議会も全会派一致で政府に対して日米地位協定の改正を求めております。その中で、自動車税、軽自動車税の課税の問題、これが大変大きな問題になっておりまして、沖縄県でも具体的に地位協定を改正して米軍人軍属の私的に所有するマイカーについて日本人と同じような課税をすべきだと、こういったことを要求しているわけですね。 私、せんだって質問主意書を提出しましたが、沖縄県だけでも、県内に居住する米軍人軍属が所有する自動車、軽自動車に私ども国民に課せられている同じ税率で課税をするとどれぐらいの差額があるかというと、沖縄県だけで年間七億八千万ぐらいあるわけですね。七億八千万ぐらいあるんです。そうすると、基地の負担も背負い込んで、なおかつ自動車税、軽自動車税の不公平な課税によって、県が本来課税収入、上げられるべき税額が年間七億八千万円もあるということは、これはとても私は率直な県民感情、国民感情としては了とするわけにはいかないのではないか。こういうことなども実は地位協定の問題にあるんだということをぜひ大臣にもおわかりをいただいて、今県や県議会、そして県議会が全会一致で要請をするということはまさに県民の総意でありますから、それもひとつ私は、地方財政、行財政の問題として、税制の問題として御理解をしていただければありがたいなという要望だけをしておきたいと思います。 さて次に、大臣は所信表明の中で法人事業税への外形標準課税についても決意をお述べになりました。大臣の決意のほどはよく所信表明でわかったつもりであります。要は、これまで私、この地行委員会に属して、大臣がかわるたびに所信表明の中でその決意を聞いてきたわけであります。この決意だけじゃなくして、具体的な方策というんでしょうか手順というんでしょうか、全力を挙げて実現を目指してまいりますというその中身が、中身や手順や方策がなかなか見えてこない。決意だけじゃ私はこの問題はうまくいかないのではないかなと思いますが、改めてもし具体的な方策、手順をお考えでありましたらお聞かせいただければありがたいと思います。
○国務大臣(西田司君) もし私のお答えで足らないことがあったら、政府参考人からお答えをさすことにいたします。 御案内のように、東京都においては既に本年四月一日に銀行業等に対する外形標準課税に関する条例が施行されました。また、大阪府においても同様の条例が平成十三年四月一日から施行されることとなっております。東京都と大阪府の銀行業等に対する外形標準課税については、去る二月二十二日の閣議口頭了解にあるように、資金量五兆円以上の銀行業等のみを対象としていることであります。所得課税の場合の税負担の均衡がとれているか、私は疑問があると思っております。幾つかの問題をはらむものと認識をいたしております。 自治省といたしましては、全国知事会からの要望もあり、あくまでも政府税制調査会等においてこれまで論議されてきた方向に沿って、全都道府県において幅広い業種を対象に薄く広く負担を求める本来の外形標準課税が望ましいと考えておるところであります。現在、共通の外形標準課税の具体案について自治省におきましては積極的に検討を進めており、早期実現に向け全力を傾注してまいる決意でございます。
○照屋寛徳君 東京都や大阪府の銀行に対する法人事業税への外形標準課税の導入についての現状と問題点については、具体的にお聞きをしようと思っておりましたが、事務方が先につづったんでしょう、答弁をね。それで、結局東京や大阪の外形標準課税の導入についても自治省はこれは違法なんだというところまで断じ切っているわけじゃないんでしょう。どうなんでしょうか。
○政府参考人(石井隆一君) 東京都あるいは大阪府の銀行業等に対する外形標準課税の問題につきましては、先ほど大臣から御答弁ございましたように、資金量五兆円以上の大手銀行にだけ課税するとか、いろんな問題点がございます。 この点につきましては、既に本年二月二十二日の閣議口頭了解で政府としての見解、今申し上げたような点も含めまして五つほど大きな問題がある、十分慎重に対応してほしいというふうな見解を申し述べた経過がございまして、おっしゃいますように、それじゃそもそも違法なのかという点については、政府としては、いろんな論議がございましたけれども、今の地方税法の七十二条の十九のこの規定に照らして政府としてこれはもう違法だというところまで断定はいたしておりません。
○照屋寛徳君 それでは次に、大臣は所信の中で、国、地方の税源配分の問題についてもお触れになっております。 大臣は現在の国と地方の税源配分の何が問題だというふうにお考えになっているのか、それからいかなる見直しを図って地方税財源の充実を実現せんとするのか、具体的にお教えいただければありがたいと思います。
○国務大臣(西田司君) 地方分権の進展に応じまして、地方公共団体がより自主的、自立的な行財政運営を行えるようにするためには、地方における歳出規模と地方税収入の乖離をできるだけ縮小するという観点に立って、自主財源である地方税を充実し、国庫補助負担金等、国からの移転財源への依存度をできるだけ少なくしていく必要があると考えております。 地方税財源の充実強化については、税源の偏在性が少なく税収の安定性を備えた地方税体系の構築のため、個人住民税及び地方消費税の充実が望ましく、固定資産税の安定的な確保に努める必要があると考えております。 今後、景気が本格的な回復軌道に乗った段階において国、地方を通ずる財政構造改革の論議の一環として、税源移譲なども含め、国と地方の税源配分の見直しに取り組むことが必要であり、そのことをやらなければいけないと、こう考えております。
○照屋寛徳君 次に、ゴルフ場利用税の存続問題について一点だけお伺いいたしますが、このゴルフ場利用税をぜひ存続できるようにしてほしいという要請が沖縄県の市長会から私のところにも参っております。恐らく同じような要請が自治省にも届いておるんだろうと思います。私は実は幾つかのゴルフ場の顧問弁護士をやっておりまして、はて困ったなと思っておりますが、自治体の要望は、それが廃止されると貴重な税源を失うことになるから困ると、こういうことのようであります。 今、平成十年度で結構ですが、全国でどのぐらいのゴルフ場利用税の収入があるのか、そのうちどれぐらいの税収分が当該ゴルフ場所在市町村に入っているのか、そこら辺、もし数字的なものわかりましたらお教えいただければありがたいと思います。
○政府参考人(石井隆一君) ちょっと数字的なお話でございますので。 平成十年度で申しますと、ゴルフ場利用税九百二十三億円の収入になっておりまして、このうち七割が市町村に県から交付されておりますので、ちょっと手元に数字ありませんが、大体六百三、四十億ほど市町村に行っている計算になろうかと思います。
○照屋寛徳君 それで、この存続要請が強いわけですが、何か自治省の方針みたいなのはどうなんでしょうか。
○政務次官(中谷元君) 昨年は非常に市町村の要望が強いということで、現在は県の三割分を軽減してほしいという要望があるというふうに承知をいたしております。しかし、都道府県も非常に財政が逼迫しておりまして、貴重な自主財源の一つでもございますし、またゴルフ場の開発におきましては、周辺の道路とか防災とか環境対策とか、都道府県の行政サービスと密接な関連を有しているという点と、それから、ゴルフは他のスポーツと比べて非常に料金が高額な面で利用者の支出行為には十分な担税力があるのではないかというふうに見ておりまして、現状といたしましては、現行の制度の維持に向けて何とか努力していきたいというふうに考えております。
○照屋寛徳君 それでは、地方税財源の質問から一転して、大臣の御自身にかかわることをお聞かせいただきたいと思います。 といいますのは、大臣もお目通しだと思いますが、週刊ポストの十一月十日号に、西田「国家公安委員長が許永中企業と親密交際」という大見出しで報道しております。その記事の中には大臣の政務秘書官と記者のやりとりも記述をされておるわけであります。 これをお聞きするのは、中川前官房長官の愛人への覚せい剤取り締まり情報の漏えい疑惑に絡んで午前中も質問がありました。前官房長官おやめになったわけでありますが、その一連の経緯の中から、最近はポスト、フォーカス現象というのが一種の社会現象みたいになっているというふうにも言われるわけであります。 それで、率直にお伺いいたしますが、大臣御自身は許永中と面識がおありなんでしょうか。
○国務大臣(西田司君) 私は許永中氏とお会いもしたこともなければ話もしたこともない。全く存じ上げておりません。
○照屋寛徳君 安心をいたしました。 もう一点は、許永中と関連が深いと言われる若築建設、石橋産業、このことが週刊ポストの記事では大きな内容になっているわけでありますが、それらの両社の経営陣との面識はおありなんでしょうか。
○国務大臣(西田司君) 若築建設、石橋産業ともに経営陣の方々と一度もお会いをしたこともなし、お話をしたことはございません。
○照屋寛徳君 わかりました。 それであと一点ですが、これは大臣の自治大臣としての職責とも深くかかわることでありますが、記事の中では大臣が実質的なオーナーである西田興産という会社から二十億円の政治資金を無担保で借用していると、こういうことも報道されておりますね。この事実についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(西田司君) 株式会社西田興産という会社は私の先代からもともと始まった会社でございまして、私も若いときにその経営に携わったことがございますが、御承知のように、私の経歴から申しましても、もう三十四、五歳のときから公務についておりますので、現在経営には全くタッチをいたしておりません。 それから、二十億円の借金でございますが、それは事実でございます。私は、政治資金を集めるパーティーとか、あるいはいろいろなことは一切やっておりませんから、だから、そういうことで私の関連する会社から私の持ち株というものを担保に会社に入れまして、そしてそこから二十億を借りておることは事実でございます。
○照屋寛徳君 関連会社とおっしゃいましたが、西田興産と、こういうことでしょうか。
○国務大臣(西田司君) そうでございます。
○照屋寛徳君 西田興産一社から二十億円の借入金、こういうことですね。
○国務大臣(西田司君) 関連会社もございますけれども、その中心は株式会社西田興産でございますから、西田興産からの貸借でございます。
○松岡滿壽男君 無所属の会の松岡滿壽男です。 一昨日の自治大臣・国家公安委員長の所信、この順番に従って御質問をさせていただきたいと思います。 まず、先ほど来、市町村の合併問題のやりとりを聞いておりまして、避けて通ることのできない課題、そしてその次に、合併を積極的に支援してまいりたいと。何か矛盾するような感じがするんですけれども、もう少し将来の展望として、例えば道州制の導入とか、あるいは三百の市町村にまとめていくんだという積極的なお話があるかと思いましたら、どうも腰を引いてしまっているような印象を受けるんです。 しかし、大臣がおっしゃっておられますように、あと百年たつと間違いなく今の人口が半分、六千万人になっていく。そして国、地方を通じて七百兆からの借金をどうやってやっていくんだと。さらに、経済構造が大きく変わってきております。将来の税収の見込みというのはそれほどない。そうして片方ではまさに財政破綻。後ほどちょっと触れさせていただきますけれども、そういう状況の中で、これから先の展望というのが見えない中で、合併問題というのは、なかなかお互い首長は、あるいは議員さんも自分の首がかかっておるわけですし、現実にいろんな選挙を見てみますると、水道料金が上がるんじゃないかとか、あるいは学校が統廃合で遠いところに子供をやらなきゃいかぬのじゃないかとか、あるいは商店の中心が移っていくんじゃないかとか、そういう目先の問題で皆町長選挙や市長選挙が行われているという現実を見ますと、相当将来のビジョンをきちっと持ちながら的確にやはりこの問題に取り組んでいかないといかぬというように思うんですが、合併の現時点における進捗状況とか、今後の見通し、具体策についてお伺いをいたしたいというふうに思います。
○国務大臣(西田司君) 地方分権の成果というものを生かして基礎的自治体である市町村の行政サービスを維持し、より向上させていくためには市町村合併は避けて通れない問題であると考えております。 道州制のお話が出ましたが、そのことは、まず一番現在の身近な行政体、そのことをどう合理化、充実化していくかということが基本だと考えております。 市町村合併の推進については、昨年来、市町村合併特例法の改正による行財政措置の拡充、市町村の合併の推進についての指針等の策定などを行ってきたところであります。市町村合併の機運は徐々にではありますが全国的に盛り上がりつつあるものと考えております。 例えば、現在、全国で二十の法定合併協議会が設置されており、このうち、新潟県の新潟市と黒埼町については平成十三年一月一日に合併することが決定し、東京都の田無市と保谷市については平成十三年一月二十一日に、また茨城県の牛堀町と潮来町については平成十三年四月一日に、埼玉県の浦和市と大宮市と与野市については平成十三年五月一日に合併する旨の協定が締結されたところでございます。このほか、合併についての何らかの動きがある地域は、全国で百八十九地域、約八百四十市町村に上っていると聞いております。 自治省としては、平成十二年度予算において市町村合併推進補助金を確保するなど幅広い支援措置を講ずることとしており、市町村合併特例法の期限である平成十七年三月までに十分な成果が上げられるよう、国、都道府県、市町村が一体となって、今までよりもピッチを上げて市町村合併の推進に取り組んでまいる考えでございます。
○松岡滿壽男君 さっきちょっと触れましたように、具体的に例えば水道料金の問題とかあるいは学校問題とか、そういうものがネックになるんです。そういうものに対する国としての措置、バックアップ体制というのがとれると随分これは変わってくるだろうと思うんですけれども、それについてはいかがでしょうか。
○政府参考人(中川浩明君) 市町村合併は地域の将来や住民の生活に大きな影響を及ぼす事柄でございます。その推進に当たりましては、地域住民の理解と協力が不可欠であると考えております。とりわけ、合併に伴いまして、水道料金等の住民負担の水準や行政サービス水準の格差是正を行うこと、また学校などの公共施設の統合を含めた行政の一体化を行うことが住民にとって合併に対する懸念材料とならないように配慮することが必要でございます。 このような中身につきましては、基本的には関係の市町村が合併に当たっての協議で明確にしていくべきものであろうと思っておりますが、合併直後にそういう措置をとることによって必要となります臨時的な経費につきましては、合併補正といたしまして包括的に普通交付税措置を講ずることによって、各それぞれの合併の市町村の需要に応じているところでございます。
○松岡滿壽男君 昨日の読売新聞に「事業所税など五年間免除」という、合併特例として記事が出ておりました。この措置、私は、野田自治大臣のときですか、地方税法七百一条ですか、これは見直したらいいんじゃないかという意見を申し上げたことがあるんです。あのころは集中を排除する時期だったと思うんです。今度は集中させなきゃいかぬというときに、これは非常に各企業の障害になっているわけです。それと同一のものでしょうか。
○政府参考人(中川浩明君) 今御指摘の事業所税につきましては、人口三十万以上の市がその課税団体になっているわけでございますが、この人口三十万以上の市と、非課税団体、それより人口の少ない市町村が合併する場合や、事業所税の非課税団体同士が合併することによって、合併後の人口が三十万以上になり新たに事業所税が課税されることとなる場合の激変緩和を図る措置について、幾つかの地方公共団体から合併推進という立場から要望がなされております。 平成十三年度の税制改正につきましては、今後税制調査会等において御議論をしていただく必要がございますが、合併の場合について事業所税を一定期間課税免除等ができることになれば、このような各団体の要望にも沿い、合併に伴う企業や住民の懸念の解消につながり、合併推進に資することとなるという考え方のもとに検討がなされているところでございます。
○松岡滿壽男君 二ページ目に「国・地方を通ずる行財政改革の推進」ということを述べておられますけれども、具体的にどういうことを言おうとしておられるのか、この辺をちょっと伺いたいと思います。
○国務大臣(西田司君) 国、地方を通じた財政再建が今後の課題となっております現状において、国民負担の増大を極力抑えつつ、多様化する住民ニーズに的確にこたえていくためには、私は簡素で効率的な地方行政体制を実現することが喫緊の課題であると認識をいたしております。 自治省では、平成九年十一月に策定した地方行革指針に沿って、定員管理の数値目標の設定等、取り組み内容の充実を図るとともに、これらの内容を広く公表しながら積極的に行政改革の取り組みを進めるよう地方公共団体に要請してきたところであります。 自治省としては、今後とも、地方公共団体がみずからの行政改革に一層取り組むよう要請するなど、積極的かつ着実な地方行政改革の推進に努めてまいる所存でございます。
○松岡滿壽男君 先ほどちょっと道州制の問題に触れたんですけれども、立教大学の斎藤精一郎教授の本を見ていますと、道州制を導入して、三百ぐらいの市ですか、コミュニティーですか、それをやっていくと、十八兆円ぐらいの経費が節減できるという提言があるんです。そうすると、例えば消費税一%が二兆五千億とすれば、八%程度消費税を上げないで済むんだという提案があるんです。 私は、どうも今、日本全体がもやもやした状態であるというのは、後ほど触れます財政問題と、もう一つ国と地方の本当の将来の姿ですね、形が見えないわけですよ。目先だけなんとか転がっていこうというところに非常な不安がある。やっぱり道州制の問題は、野田自治大臣からも御答弁いただいておりますし、保利自治大臣からも御意見を伺っておるんですけれども、西田自治大臣の方のお考え、先ほどちょっとお触れになりましたけれども、こういう問題についてどのようにお考えになっておられるか、お伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(西田司君) お答えをいたします。 道州制につきましては、種々の提言がなされておりますが、一般的には、都道府県を廃し、これにかえてより広い広域の地方公共団体を置くことを意味するものと理解をいたしております。 現在の都道府県は、実態的にも意識の面でも定着をしておるところであり、直ちに道州制を導入するということについては、私は慎重な検討が必要なのではないか、こう考えております。 今後、地方分権が一層進展し、また市町村合併が進んでいけば、都道府県の果たす役割やそのあり方について、道州制の導入も視野に入れた見直しを行うべき時期が来るものと考えられ、中長期的に十分な研究を進めていく必要があるのではないか、こう考えております。
○松岡滿壽男君 今の段階ではそういうお答えしかないだろうと思うんですけれども。 先ほど富樫委員とのやりとりの中で、市町村合併についてというこのパンフレット、私は見たことがないなと思って、先ほど休み時間の間に要求をしてまいったんですけれども、せっかくこういういい資料があって、どうして議員さん方に配付されないのか、どういうことなのかちょっとお伺いしたいんですけれども。
○政府参考人(中川浩明君) 市町村合併の推進を図る立場から各方面の御理解をいただく必要があるということからこのパンフレットをつくっておりまして、現在四十七の地域におきますリレーシンポジウムを実施いたしておりますが、その場面において、入場の皆さんにお配りすると同時に、また各都道府県を通じまして市町村にもこのパンフレットをお送りして、議員の皆様方も含め、各方面の目に通していただくように努力をしているところでございます。
○松岡滿壽男君 新たな経済対策に全力で取り組み、景気を自律的回復軌道に乗せていくよう全力を尽くしてまいりますという大臣のお言葉でありますけれども、現在の状況を見ていると、仮に景気回復して三・五%の経済成長率が出てきても、毎年三十兆からの国債を発行しなきゃいかぬという状況に、これは大蔵省が発表しておりますね、そういう状況になっているんですよ。 だから、景気回復景気回復と言っているけれども、実態は回復したって財政が好転するわけではない。片方で、財政問題が完全に破綻してきているということが、たまたま今度上京するときに新幹線で「現代」の十二月号を見ていましたら、「財政赤字の経済分析・中長期的視点からの考察」という経済企画庁から資料が出ているわけですね。 私、早速きのう要求して経済企画庁からこれをもらっているんですけれども、結局これができ上がって一カ月以上も公表を差しとめている。それから、この報告書の結論は私の考え方と違うということで、堺屋長官が公表を拒んだ。しかし、最終的にはせっかくできた資料だからということで、何の説明もない記者クラブへの資料投げ込みという形だと。これは全議員にせっかくだから配ったらどうですかという話をしたら、いや、そんなにたくさん印刷しておりませんと、こういう話なんですよ。きょうは経済企画庁に声をかけるのを忘れてしまったんですけれども。 この中で、財政破綻を免れようとすると、三年後の二〇〇三年には消費税率を二六%に、最高で二〇二七年には四五%に引き上げる必要が生じるということをはっきり指摘しているわけですよ。ムーディーズも日本の国債の格下げを検討ということになっておるわけですけれども。 結局、非常に厳しいところに財政が来ているということはやっぱり国民に知らせなきゃいかぬ。その上で、こういう再建計画があるから協力してくれということであれば、年金問題、医療問題、介護の問題、それぞれ話し合っていけるんだけれども、何の資料も出さずに、またこういうせっかく東大の教授さん方がつくられた資料を全部隠してしまう。先ほどの資料も、せっかくいい資料が自治省の町村合併であるのに、そういうことはやっぱりこの際やられない方が私はいいと思うんですね。 だから、せっかく大臣がこういうことを言っておられても、恐らく私はこの二、三年先から財政再建一色になると、日本は、来年の選挙が済んだら。それをやらざるを得ないでしょう。だから、そういう中で、国も厳しいし、地方の財政ももうどうにもならぬところに追い込まれている。しかし、合併するのかしないのかということもはっきりなかなかお互いが見えないというところに今置かれておると思うんですけれども、大臣、今私申し上げたこういうのは閣僚の中での話題にはなっておったんでしょうか、突然のことで申しわけないですけれども。
○国務大臣(西田司君) 残念ながら、私はその中身については記憶がございません。
○松岡滿壽男君 この財政問題ですけれども、結局、今大臣はこの企画庁の資料はお目通しでないようですけれども、いずれにしましても、三・五%の成長軌道に乗ったって財政はよくならぬわけですよ。そういう中で、どのような地方財政、もう厳しい状況に置かれるわけですけれども、今後の財政運営をどのようにしていかれるのか、お伺いをいたしたいというふうに思います。
○政務次官(中谷元君) 三年後このような状況になるということは我々も認識、予想をいたしておりますけれども、今後とも歳入面において地方一般財源の収入増を少しでも努力をすると同時に、歳出面において行政改革を推進することでそのギャップを抑制するということが基本でございます。 また、大きな地方改革の一環でありますけれども、国、地方の税財源配分の見直しと国庫補助負担金の整理合理化、また地方財政の諸課題について幅広くしっかりとした検討をいたしまして、地方財政の健全化を図っていくというのが基本方針でございます。
○松岡滿壽男君 次に進みますけれども、三ページに「わがまちづくり支援事業を創設」ということを述べておられますけれども、具体的にこれはどういうことなんでしょうか。 平成十一年度予算のときに、当時参議院の会として田名部先生と一緒に大臣室に伺って、地域文化財等を活用した地域おこし事業を予算として六百億円計上していただいたわけですけれども、あわせてこれの進捗状況と、この両事業の関係、今度の新しい御提案と平成十一年の事業との関係について御説明いただきたいというふうに思うんですが。
○国務大臣(西田司君) わがまちづくり支援事業についての御質問でありますが、我が自治省といたしましては、これまで御承知のふるさと創生事業あるいは地域活力創出プラン等の各般の施策により、地方公共団体の自主的、主体的な地域づくりを積極的に支援してきており、地方がみずから進める地域づくりがようやく定着をしておるところであります。分権型社会における地域づくりにはこれまで以上に住民が主体的に参加し、積極的役割を担うことが求められてくると思います。このため、住民が中心になって考え、住民が主体となって行う地域づくりを推進をすることとし、来年度から新たな施策としてわがまちづくり支援事業を創設することにしたところであります。 この事業では、例えば小学校区単位程度の地域の場において住民による話し合いの場づくりや、その結果を受けた取り組みに対して市町村が支援を行うことを想定しております。市町村に対する具体的な支援策のあり方については、現在検討を進めておるところでございます。
○政府参考人(林省吾君) 先ほどのお尋ねのうちの地域おこし事業の部分につきまして、私の方からお答えをさせていただきます。 地域文化財、歴史的遺産活用による地域おこし事業につきましては、御指摘いただきましたように、平成十一年度に六百億円の枠で創設いたしましたが、平成十二年度におきましても地方財政計画の中で、ハード事業分五百億円、ソフト事業分百億円の合計六百億円を計上いたしているところでございます。 そのうちのハード事業につきましては、今年度、歴史的建造物等の修復、復元や史跡の保全、公園化などにつきまして二十六の新規事業の申請も受理いたしているところでありまして、継続事業を含めました総事業費は三百二十七億円となっている状況でございます。 それから、お尋ねのうちの、わがまちづくりとの関係でございますが、先ほど大臣からお答え申し上げましたように、わがまちづくり支援事業におきましては、住民が地域の課題を主体的に解決するための話し合いが行われることになるわけでございますが、さまざまな取り組みがその結果提案されることになろうと思っております。 こうした取り組みにつきましては、基本的にはわがまちづくり支援事業による支援を検討したいと考えておりますが、ただ、地方公共団体が地域文化財等を活用した事業を実施することとなりました場合には、御指摘いただきました地域文化財、歴史的遺産活用による地域おこし事業を活用して事業が実施されることになるものと私どもは考えております。
○松岡滿壽男君 五ページ目に「警察力の一層の充実強化が必要」ということを述べておられますけれども、この前の刷新会議の答申の中に警察官の増員という問題が取り上げられておりましたが、これは来年度予算その他でどういう対応をなさるおつもりなのか、お伺いしたいというふうに思います。
○政府参考人(石川重明君) 平成十三年度におきまして地方警察官の増員を要求しておるわけでございますが、二千七百七十五人でございます。これに必要な経費でございますが、平成十三年度の予算の概算要求におきまして、この地方警察官増員に必要な経費といたしまして三億八千万円を要求いたしております。また、この増員のため、平成十三年度の地方財政計画におきましても人件費として百三十九億四千六百万円を要望している、こういう状況でございます。
○松岡滿壽男君 国、地方の今の財政状況その他、十分に御理解いただいていると思うんですけれども、努めてやっぱり増員その他については慎重に対応されるべきであろうというふうに思います。 それと、今回の刷新会議の議事録で、私は本委員会でも何回か申し上げているんですけれども、「全警察官が総懺悔するような話ではなく、どこに特定の問題点があるかを探し出し、そこを変革していくことが必要である。」ということを第一回の記者会見で言っておられる。ところが、後から来た今度は議事録を見ると、「警察全体が総懺悔することはない。問題点を特定し、素早い改革を行う必要がある。」、こういう表現になっているんですね。どうしてこの二種類のものが出るのか。 また、基本的には私は、先ほどビール券の話とかいろいろ出ました。山口県でも残念ながらまた不祥事事件が出ていると。そういう状況から見ると、やっぱり刷新会議でむしろ、一億総ざんげという時代が戦争に負けた後あったわけですけれども、やっぱり現場で本当に真摯に頑張っておられる警察官を多く私は知っております。まじめに皆さんやっておられる。しかし、こういう事態になったら、やっぱり総ざんげするぐらいの気持ちでやれということを刷新会議でむしろ言うべきだったと私は思うんですね。非常に私はそれを残念に思っているんです。だから、どうもこの刷新会議の答申というものを色眼鏡で見てしまう。どうもやっぱり警察の皆さん方の立場に立ってやっているんじゃないかと。しかし、実際に中身を見れば、本委員会等でさんざん議論したものが主体であります、増員の問題以外は。 そういうことで、なぜこういうふうに表現が二種類のものが資料として出るのか、どっちが残ってくるのか、こういうことについてわかる範囲でひとつお答えをいただきたいと思うんですけれども。
○政府参考人(田中節夫君) 委員御指摘の警察刷新会議の第一回の議事要旨の中の表現に、「警察全体が総懺悔することはない。問題点を特定し、素早い改革を行う必要がある。」と書いてございます。その一方で、警察刷新会議の第一回の会議の後の記者会見概要には、先ほどお話しのように、「全警察官が総懺悔するような話ではなく、どこに特定の問題点があるかを探し出し、そこを変革していくことが必要である。」というふうになっておりますのは、御指摘のとおりでございます。 この件につきまして、これは第一回目の刷新会議の終了後の直後の記者会見で、座長が御自身の御記憶に基づきまして会議中のある委員の御発言を紹介されたというふうに聞いております。したがいまして、その意味するところは全く同じでございますけれども、表現ぶりに若干の違いが生じたということではなかろうかと思います。事務局といたしましては、各委員の御発言あるいは記者会見の概要につきましては、その都度取りまとめまして、会議の委員の皆さん方の御了解を得て発表しているところでございます。 それから、ただいま御指摘のように、今回の一連の問題につきまして全員が総ざんげするような気持ちで出発しなければいけないというお話でございました。これは当委員会でも私の方から御答弁申し上げておりますように、昨年来の不祥事が相次ぎまして国民の信頼を著しく失墜させたこと、まことに遺憾でございまして、やはり一から出直すという気持ちで今取り組んでおるところでございますが、この刷新会議におきますところの御発言というのは、警察として反省する必要はないという意味で述べられたものでは決してないというふうに私どもは受けとめております。速やかに国民の信頼を回復するための改革方策を打ち出す必要がある。そのためには、単に頭を下げるとか、ただ漠然と反省するというのでは決してだめだと。組織のあり方やシステム等のどこに問題があったということを具体的に早急に特定し、そしてそれを改革するんだというような趣旨だというふうに私どもは受けとめておるところでございます。 その後、私どもといたしましては、刷新会議の提言も受けまして、八月に警察が当面取り組むべき改革施策を国家公安委員会・警察庁として改革要綱として取りまとめました。その後、長官通達を都道府県警察に発出いたしまして、要綱の実現を初めといたしますところの改革に全力を尽くすよう指示したところでございますし、目下この改革要綱の意義、背景、内容等を組織全体、第一線の隅々に至るまで浸透させるとともに、この要綱を初めとする改革施策全体を推進し、組織を挙げて国民の信頼回復に向け全力を尽くしておるところでございます。
○松岡滿壽男君 終わります。
○委員長(朝日俊弘君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(朝日俊弘君) 次に、警察法の一部を改正する法律案(閣法第四号)及び警察法の一部を改正する法律案(参第一三号)の両案を一括して議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。西田国家公安委員会委員長。
○国務大臣(西田司君) ただいま議題となりました警察法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概略を御説明いたします。 この法律案は、警察の職務の遂行の適正を確保するため、国家公安委員会及び都道府県公安委員会等の警察庁及び都道府県警察に対する監察の指示、当該指示を履行させるための委員による点検等、警察職員の法令違反等の報告の聴取、警察職員の職務執行についての苦情の申し出並びに委員の再任の制限に関する規定を設けることにより国家公安委員会等が警察庁等を管理する機能の強化を図るとともに、警察署における事務の処理に民意を反映させる警察署協議会の制度について定めるほか、最近の治安情勢にかんがみ、国の重大な利益を著しく害するおそれのある航空機の強取等の犯罪に係る事案についての警察運営に関する規定の整備を行うこと等をその内容としております。 以下、各項目ごとにその概要を御説明いたします。 第一は、国家公安委員会及び都道府県公安委員会等の管理機能の強化に関する規定の整備についてであります。 その一は、国家公安委員会、都道府県公安委員会及び方面公安委員会は、監察について必要があると認めるときは、警察庁、都道府県警察及び方面本部に対する指示を具体的または個別的な事項にわたるものとすることができることとし、この場合において、国家公安委員会、都道府県公安委員会及び方面公安委員会は、その指名する委員に、当該指示の履行の状況を点検させることができることとするものであります。 その二は、警視総監または道府県警察本部長は、都道府県警察の職員が、職務を遂行するに当たって法令または条例の規定に違反した等の疑いがあると認める場合は、速やかに事実を調査し、当該事由があることが明らかになったときは、都道府県公安委員会の定めるところにより、都道府県公安委員会に対し、その結果を報告しなければならないこととするものであります。 その三は、都道府県警察の職員の職務執行について苦情がある者は、都道府県公安委員会に対し、文書により苦情の申し出をすることができることとし、都道府県公安委員会は、当該申し出が都道府県警察の事務の適正な遂行を妨げる目的で行われたと認められる場合等を除き、これを誠実に処理し、処理の結果を文書により申し出者に通知しなければならないこととするものであります。 その四は、国家公安委員会の委員については一回に限り、都道府県公安委員会及び方面公安委員会の委員については二回に限り、再任されることができることとするものであります。 第二は、警察署協議会の制度に関する規定の整備についてであります。 これは、管轄区域内の人口が僅少であること等特別の事情がある場合を除き、警察署に、警察署の管轄区域内における警察の事務の処理に関し、警察署長の諮問に応ずるとともに、警察署長に対して意見を述べる機関として、警察署協議会を置くものとするものであります。 第三は、国の公安に係る事案についての警察運営に関する規定の整備についてであります。 これは、国家公安委員会の管理する事務として、国際関係に重大な影響を与え、その他国の重大な利益を著しく害するおそれのある航空機の強取、人質による強要その他これらに準ずる犯罪に係る事案で国の公安に係るものについての警察運営に関することを加えるものであります。 その他、国家公安委員会の管理する事務として政策の評価に関することを加えるとともに、皇宮護衛官について司法警察職員としての職務を行う旨の規定を置く等所要の規定の整備を行うこととしております。 なお、この法律の施行日は、一部を除き、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日としております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概略であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願いいたします。
○委員長(朝日俊弘君) 次に、発議者富樫練三君から趣旨説明を聴取いたします。発議者富樫練三君。
○富樫練三君 日本共産党提出の警察法の一部を改正する法律案の趣旨を御説明いたします。 昨年秋の神奈川県警に始まった一連の警察の不祥事によって国民の警察不信は頂点に達しました。とりわけ、新潟で長年にわたり監禁されていた女性が発見された際に、特別監察に訪れた関東管区警察局長と監察される側の県警本部長が雪見酒とマージャンに興じていたことは、警察にはもはや自浄作用が期待できないことを示しました。さらに、その特別監察の責任者である関東管区局長の処分を辞表で済ませるという警察庁長官の処置を持ち回りの会議で追認した国家公安委員会の対応は、警察に対する公安委員会の管理機能が全く働いていなかったことを示しました。 これらの不祥事から、国民が切望している警察改革の柱は、一つは、警察の身内による監察ではなく外部監察を導入すること、二つは、公安委員会を警察から独立させ、本来の管理機能を発揮できるよう強化すること、三つは、警察情報の積極的公開を図ることであります。 ところが、本委員会に付託されております政府提案の警察法一部改正案は、この肝心な点に一切メスが入っておりません。公安委員会には依然として監察権限がなく、警察職員による監察を指示できるという権限のみであり、公安委員会独自の事務局には触れず、情報公開も来年四月施行の情報公開法の範囲にとどまっております。 したがって、国民の願いにこたえるための最低限の警察改革のために、以下の諸点を盛り込んだ警察法一部改正案を提出するものです。 第一に、公安委員会に監察権を明記し、直属機関として警察監察委員室を設け、委員や補佐には警察出身でない者を起用することとしております。また、警察監察委員室に苦情処理窓口を設け、申し出に対して文書で通知することとしております。 第二に、公安委員会に独自の事務局を設置し、警察に対する管理機能の強化を図ることとしております。 第三に、国民の良識の代表者たる公安委員の民主的基盤を強化するために、民意を代表する議会の同意に加えて、公安委員はその選任の際に議会で意見を表明しなければならないとし、議会への報告を義務づけることとしております。 また、公安委員の任期を短縮し、再任を制限することとしております。 第四に、警察情報の開示決定の際、警察庁長官など行政機関の長に限りない拡大解釈の余地を与えている情報公開法を改正し、警察情報の積極公開を図ることとしております。 以上がこの法律案の趣旨であります。
○委員長(朝日俊弘君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○阿南一成君 自由民主党の阿南一成であります。 今回の法律改正に至る経緯を振り返ってみますと、続発した警察の不祥事などから警察刷新会議が発足をし、そのメンバーの御努力によって緊急提言がまとめられたことがその下敷きになっているものと考えられるところであります。そうして、この提言は今日の警察の抱えているさまざまな問題点を踏まえて、情報の公開、苦情の言いやすい警察、監察の強化、公安委員会の活性化、住民からの相談への対応、誤った民事不介入の原則の払拭など、広範にわたる貴重なものであったと思います。警察としてもしっかりと胸に受けとめて、改革すべきところは改革をしていかなければならないと思うのであります。そうして、これまでの一連の警察不祥事によって損なわれた警察に対します国民の信頼を一刻も早く回復していただきたいと思うところであります。そのためには、法案成立後において、警察庁がその改正の趣旨が達成されるよう万全の体制で臨んでいただくことを特に要望いたしまして、早速私の質問に入りたいと思います。 今回の警察法の改正につきまして、まず基本的な点についてお伺いをいたします。それは、今回の改正の目的についてであります。 ことしの一月に召集されました通常国会におきまして、政府は警察法の改正案を提出いたしておりましたが、衆議院の解散によりましてその法案は廃案となっております。しかし、もし解散がなければその法案が成立したかといいますと、必ずしもそうではなかったのではなかろうかと私は考えておる次第です。それは、政府の改正案提案と前後いたしまして発覚をいたしました神奈川県警察における集団暴行事件に始まる新潟、京都、埼玉、栃木各県警察における一連の不祥事が次々に発生を見たからであります。かつて警察に身を置いた私といたしましても、このような事態の発生はまことに残念至極であり、一日も早く国民の皆様の信頼を回復してほしいと願っておるところであります。 そうして、これらの不祥事の続発の中にあっても、多くの警察官は日夜懸命にその職務に努力をしていることもまた疑いのない事実であろうと思います。そのような第一線で命をかけてまじめに頑張っている警察官の皆さんが働きやすい、そうして意見の言いやすい環境になるべく、改正内容がその線に沿って行われることを期待いたしたいと思います。 そこでお伺いをいたしたいのでありますが、本年二月に国会に提出されました衆議院の解散によって廃案となった前回の警察法改正案と今回の改正案の違いはどこにあるか、さらに今回の改正案は真に国民の要請にこたえる警察改革に役立つものになっているのか、まず最初に警察庁長官の見解を聞いておきたいと思います。
○政府参考人(田中節夫君) 今、委員御指摘のように、昨年来の一連の不祥事によりまして国民の警察に対する大きな信頼というものが失われたということは、大変私どもは遺憾に存じております。そして、国民の信頼を回復するためにも一日も早くいろんな施策を講じていかなければいけないということでございまして、今回御審議を賜っております警察法改正案はその大きな柱となるものでございます。 今御指摘のように、警察刷新会議の緊急提言を受けまして、国家公安委員会と警察庁は当面取り組むべき施策を改革要綱として取りまとめました。今回の政府提出の改正案は、まさにその要綱の中の骨格をなすものでございます。 そこで、今委員御指摘のように、さきの通常国会に政府から提案いたしました警察法の一部改正案、そして今回御審議を賜っておりますところの改正案、どこが違うのかという御指摘でございますが、今回は、さきに廃案となりました改正案、そしてその改正案提出後に起きましたいろんな事案をかんがみまして全面的に見直しをいたしまして、新たに次のような観点からいろんな事項を盛り込んでおります。 一番大きな項目といたしましては、公安委員会の管理機能というものを格段に強化したということでございます。そして、さきの改正案にありましたところの公安委員会の行う具体的、個別的な監察の指示というもの、さらにそれを実効的に機能させるために、公安委員会が指名する委員による当該指示の履行状況の点検、それから警察庁、都道府県警察職員による点検の補助の仕組みを設けることといたしました。 また、警察の運営というものを、より地域住民の方の意向、意見というものを反映させるために苦情処理の手続というものを明確にするとともに、組織的かつ適切な苦情処理を図るために公安委員会に対するところの文書による苦情申し立て制度というものを創設することにいたしましたし、また、警察署の業務運営に地域住民の意向を反映させるための組織として新たに警察署協議会を設置するということなどを盛り込んでおりまして、これがさきの改正案と大きな違いでございます。 私どもといたしましては、御審議賜りましたこの改正案、そしてそのほかにもいろんな改正項目がございますけれども、改正を認めていただけましたら、この改正案の趣旨というものを第一線に徹底し、そして全体としての改革要綱というものを一線の隅々まで浸透させまして、国民の信頼回復に向けて、真に国民のための警察という原点に立ち戻るということの意識というものをもう一回きちんと組織全体が受けとめ、そしてまた、それを日々の仕事の中であらわしていくというようなことでこの御期待に沿いたいと。 また、意思の疎通というお話もございました。職場につきましても、生き生きとした士気の高い職場づくりというものにつきましても努力を重ねてまいりたいと、かように考えているところでございます。
○阿南一成君 ありがとうございました。 次に、公安委員会の機能を強化し、その活性化を図るということは今回の改正の大きな課題であろうかと思います。そこで、公安委員会の権限、特に警察を管理するという問題をどう解釈するのか。さらに、公安委員会の機能を強化するための事務局体制をどのように整備するのかということが問題であったと思います。 この警察を管理するということについて、現行法と改正案の間でまずその違いはあるのか、あるとすればどのように違うのか。また、事務局体制で、独立した事務局を設けるという考え方が改正案には盛り込まれていないのでありますが、どのような理由によるのかをお伺いしておきたいと思います。
○政府参考人(田中節夫君) 警察法に規定しておりますところのいわゆる公安委員会の行う管理の概念でございますが、これにつきましても刷新会議におきましていろいろ御議論がございました。そして、その管理の概念の明確化を図るべきではないかというお話がございました。管理概念というのが、現在の警察法と今御審議を賜っておりますところの警察法の改正案というところで違いは私どもはないというふうに考えております。むしろ、管理概念といいますのは、従前にも、それから今回の改正法におきましても、警察行政の大綱方針を示し、警察行政の運営がその大綱方針に即して行われるよう、警察に対して事前事後の監督を行うものというふうな考え方でございます。 委員御承知のとおり、公安委員会は警察行政の民主的な運営の保障と政治権力からの中立性の確保のために合議制の機関とされ、その構成員たる委員には、一定限度でありますけれども、警察あるいは検察の職務経験を有する者を排除されております。このような公安委員会の性格から見ましても、捜査活動などの専門的、技術的知識が必要とされる具体的な事務につきましては、公安委員会が個々具体的な執行に立ち入った指揮監督を行うということは予定されていないというふうに考えているところでございます。 そのため、これらの事務に関する監察についての管理に関しましても、個別的あるいは具体的な指示が行い得ないのではないかというような疑念がございました。そのために、その疑念のゆえに指示というものが十全に行われていなかったのではないかと、こういうような御指摘もございましたし、また、そういうような御議論が刷新会議でございました。 そこで、今回の政府提出の改正案では、公安委員会の監察点検機能を強化するために、公安委員会が監察について個別的、具体的に指示することができるようその立法的な解決を図った、それはさきの改正案のものでございますけれども、その辺のところにつきまして明確にしたということでございます。 それから二つ目に、独立の事務局の御議論がございました。この問題につきましては、基本的には公安委員会にどのような権限を付与し、それをどのような仕組みで執行するか、あるいは警察庁なり都道府県警察本部がどういうふうにして補佐するかということの問題と密接に関連するものというふうに考えております。 この点につきましても、刷新会議でいろいろ御議論のあったところでございますが、現在の公安委員会制度の基本的枠組み、先ほど申し上げましたところの警察の政治的中立性あるいは民主的運営の確保という観点、それから警察庁あるいは都道府県警察をそういうような観点から管理するという考え方を維持するというような基本的な枠組み、前提に立ちますときに、その事務局はどのような事務を所掌するのか、あるいはどのような規模になるのか。警察庁あるいは都道府県警本部の組織ではなくて公安委員会に直結するところの独立性が非常に強い場合、警察組織の二重化を招かないか。それは公安委員会制度の本来の趣旨とは異なることとなるのではないか。また、警察業務に精通した事務局の職員をどのようにして確保するのか。警察組織以外から求めるとすれば、人事のローテーションはどうするのかというふうに問題が多いと。 独立の事務局を置くという考え方につきましては、警察庁あるいは都道府県警察本部との二重の構造となる、そしてむだと効率の低下を生み出すのではないかというようなことで、刷新会議におきましても適当でないとされたところでございます。私どもといたしましても、その結論は公安委員会の基本的な枠組みということを考えました場合に妥当であろうというふうに考えておりまして、今回の改正案となったわけでございます。 また、現在の公安委員会制度につきましては、事務局が介在しないことによりまして警察からの情報がスムーズに公安委員会に上がる、公安委員会の意見に対しても警察が直ちに対応することができるなどの長所がある、そういうような御意見もございました。 以上でございます。
○阿南一成君 次に、一連の不祥事の苦い経験、教訓から、警察の監察制度とその運用のあり方について警察刷新会議の中でも最も多くの時間をかけて議論がなされたと承知をいたしております。しかし、結論的には警察が外部の人々による監察を受け入れず、法案にも盛り込まれなかったのでありますが、その経緯及び理由についてお伺いいたします。 なお、先ほど長官、警察を管理するという条項に若干触れていただきましたが、再度確認の意味で御答弁を願えればと思います。
○政府参考人(田中節夫君) まず最初に、先ほど私の答弁申し上げました管理の概念でございますが、管理の概念そのものにつきましては、今回の改正法案あるいは現行法との間で大きな差はないと言っていいと思います。 その管理の概念は、従前から申し上げておりますように、警察行政の大綱方針を示し、警察行政の運営がその大綱方針に即して行われるよう警察に対して事前事後の監督を行う、こういうような考え方でございます。 ただ、その管理の具体的なありようとしてどの辺までができるのか、どういうようなことが管理としてなし得るのかということにつきましては、刷新会議におきましてもこの管理の概念というのを明確化するべきであるということで法令上明確にすべしということがございました。私どもといたしましては、これは法令ということでございまして、刷新会議の委員の方からも、国家公安委員会規則あるいは都道府県の公安委員会規則というようなところで明確にすべきではないかという御示唆もございましたので、私どもは今そういうような方向で進めておるところでございます。 それから、ただいま御質問がございました外部監察の問題でございます。 従前から、外部監察を導入してはどうかという御意見もございましたし、先ほどお話しのように刷新会議でも大変な議論がございました。これは、御指摘のように、昨年来の一連の警察の不祥事案に関しまして警察の自浄機能が十分に働いていなかったという御意見がありました。私どもといたしましても、そのような御意見に対しましては謙虚に耳を傾けなければならないと考えておりますし、反省すべきところはしっかりと反省しなければいけないというふうに考えてきたところでございます。 そこで、警察にかかわりますところの監査はいかにあるべきかということを考えますときに、まず監察業務の公平性、客観性を保持することは当然でありますが、警察業務にかかわりますところの非違非行事案に対して警察の組織や業務に精通している者が当たらなければ実効のある監察はできないこと、対象事案の調査は警察の捜査活動と密接に関連する場合が多く、またその対応につきましても捜査に発展することを視野に入れなければならないことから警察以外の組織が行うことは適当ではないこと、また、厳正な措置を講ずるためには監察と人事の密接な連携が不可欠であることなどの点から、警察の組織外の組織に独立した監察組織を設けることは適当ではなく、警察組織の活性化を図る観点からも、公安委員会を初め警察組織の自浄能力をさらに高め、国民の信頼確保に努めることが適当であるとの考え方をとるに至ったものでございます。 刷新会議の御議論も、今申し上げましたような基本的な考え方で議論がなされまして、それにいきなり第三者が行っても実効性が上がるということは期待できないのではないか、そしてまた、専門的知識ということを考えますときに、外部の方が急に来てやれる仕事ではないのではないかというような意見も出されました。そういうことで、この刷新会議におきましては外部監察につきましてはその考え方が入れられなかったところでございます。 公安委員会は、先ほども申し上げましたところの警察の民主的運営を確保する機関であり、本来、監察の適正をも確保する役割を担うべきものでございます。そこで、先ほど来申し上げておりますように、今回の提案におきましては公安委員会の第三者機関的なそういうような要素を十分に機能させるために、警察職員の懲戒事由に係りますところの事案の公安委員会への報告、具体的または個別的な監察の指示、そしてこれを実効的に機能させるための監察担当委員による監察の履行状況の点検、監察担当委員の命により事務を補助する監察調査官の仕組みを設けることにいたしまして、また、公安委員会に対する文書によるところの苦情申し立て制度の創設によりまして、国民から直接に警察の業務運営あるいは職務の執行の問題点に関する情報を公安委員会が認知し得るという制度も整備することとしております。 これらによりまして、不祥事の未然防止、発生時の適正な処理の両面におきまして、先ほど申し上げておりますとおり、公安委員会の第三者機関的な監察点検機能というのが飛躍的に強化され、公安委員会は実効ある管理機能を発揮できることとなるというふうに考えておりまして、私どもは、こうした今申し上げましたようなことからも外部監察は必要がないというふうに考えるに至ったものでございます。
○阿南一成君 ありがとうございました。 次に、今回の改正によりまして、公安委員会の管理機能の充実等に資するための措置に関する規定の新設がなされております。例えば、公安委員会が監察について必要があると認めるときは警察に対する指示を具体的または個別的な事項にわたってすることができる。また、指名する公安委員に履行状況を点検させることができることなど、これまでと異なって公安委員会及び公安委員の任務も充実されることになっておる仕掛けであろうかと思います。そうしますと、公安委員会の委員の人選が今までどおりでいいのかどうかという問題が出てくると考えます。 これまでの各都道府県の公安委員の方々はそれぞれ立派な方々ではありましたが、どちらかというとその地元の名士であり、いわば名誉職的に選ばれていたところもあったと思うのであります。しかしそれはそれで、先ほど長官もお触れになりましたが、戦前の政治に強い影響を受けた内務省時代の警察を、政治の世界からの影響を受けずに大所高所から管理するという意味で十分にその機能を果たしてきたものと考えております。 しかしながら、今回の改正案によって公安委員会の管理機能の充実の一環として、監察についての具体的、個別的事項にわたる指示をすることができることとなりますと、こうした事務を処理する公安委員の人選のあり方が極めて重要になってくるものと考えます。その点についての今後の取り組みについてどのような見通しであるのか、国家公安委員長にお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(西田司君) 公安委員会は国民の良識を代表し、まさに国民的視点から警察を民主的にコントロールし、強力な執行力を持つ警察行政について運営の独善化を防ぎ、かつ政治的中立性を確保するという重要な役割を担っております。さらに、今回の法改正により、監察の指示や苦情処理等に関する権限が公安委員会に付与されますことから、公安委員会に期待される役割は今後一層重要なものとなっていくものと考えております。 委員の任命につきましては、内閣総理大臣及び知事が国会及び都道府県議会の同意を得た上で任命することとされておりますが、こうした公安委員会の役割を全うするに足る豊富な経験と高い見識を有する方が選任されていくものと考えております。
○阿南一成君 ありがとうございました。 次に、国の公安に係る事案についての警察運営に関する規定の整備についてお伺いをしておきたいと思います。 国家公安委員会の管理する事務の中で、国際関係に重大な影響を与え、かつ国の重大な利益を著しく害するおそれのある、例えば航空機の乗っ取りや人質をとることによる要求貫徹等の犯罪に係る事案についての警察運営を加えることとなっております。 この点については少し抽象的ではっきりしない面もありますが、具体的に日本で過去に起こった例を取り上げて、どのようなものがこれに該当するのか、また今回この改正を今必要とする直接的な理由は何なのかについてお伺いをいたしておきたいと思います。
○政府参考人(金重凱之君) お答えいたします。 過去の事案で国際関係に重大な影響を与え、その他国の重大な利益を著しく害するおそれのある、航空機の強取、人質による強要その他これらに準ずる犯罪に係る事案、これに該当するものとしましては、例えば昭和四十五年三月に発生した共産同赤軍派による日航機よど号ハイジャック事件がございます。このほか、昭和五十二年九月に発生しました日本赤軍によるダッカ事件でありますとか、平成八年十二月に発生しました在ペルー日本国大使公邸占拠事件のような事件が仮に我が国国内で発生したという場合にはこれに該当するものというふうに考えられるわけでございます。 なお、昨年七月に発生した事件で、包丁を所持した男による全日空機ハイジャック事件というのがございました。あるいは、昭和五十四年一月に発生しました大阪での三菱銀行北畠支店における人質立てこもり事件、こういうような事件につきましては適用されないものというふうに考えられるところでございます。 そこで、最近の治安情勢について見てまいりますと、複雑かつ不透明な現下の国際情勢、あるいは科学技術の高度化等を反映いたしまして、ただいま申し上げましたような事案が我が国国内で発生することが懸念されるところでございます。 したがいまして、今回の改正につきましては、このようなテロ事案の脅威が顕在化し、その対策の強化が国家的課題となっている中で、一定のテロ事案につきまして国のイニシアチブによる迅速かつ的確な対処を可能にすることによりまして、国が治安に関するその責務を果たすために行われるものでありまして、早急に実現する必要があるものであると考えておるところでございます。
○阿南一成君 次に、今回のその他の改正の中で、国家公安委員会の管理する事務として政策評価に関することを加えることとしておりますが、この目的は何なのかを確認しておきたいと思います。 確かにこれだけ国家財政が逼迫をしてきますと国民の生命、身体を守ることを使命とする警察関係においてもその効率性が求められることは当然であろうかと思います。しかしながら、現実には警察行政のどのような部分が政策評価の対象となり得るのか、かなり限られてくるのではないかとも思うのでありますが、具体的にはどのようなことを警察庁としては想定をされておられるのか、お伺いをしておきたいと思います。
○政府参考人(石川重明君) 政策評価についてのお尋ねでございますが、平成十三年一月の中央省庁等の再編に伴いまして政策評価制度が全政府的に導入をされるということを受けまして、国家公安委員会及び警察庁におきましても、一つは国民に対する行政の説明責任の徹底という観点、二つに国民本意の効率的で質の高い行政の実現という観点、それから国民的視点に立った成果重視の行政への転換ということを目的といたしまして、必要性、効率性、有効性等の観点からその政策を評価するということを実施してまいりたいというふうに考えておるところでございます。 今お尋ねの具体的な適用例といったようなことでございますけれども、例えば交通安全対策に関する政策を対象といたしまして、交通事故死者数等の指標を用いた評価を行う、あるいは特定の犯罪の抑止を目指した政策を対象といたしまして、犯罪認知件数等の指標を用いた評価を行うというようなことが想定をされるわけでございます。 これは、例えば交通安全施設整備事業を実施するという政策を立てた場合に、その整備事業を行った前と後で交通の状況が安全という観点からどのように変わっているか、それがその事業として見合うものなのかどうか、そういったような観点からの評価になるわけでございます。 また、別の観点で、今御指摘ございましたが、犯罪の捜査あるいは鎮圧のための施策といったような評価手法が確立していない分野、あるいは定量的な評価になじみにくい分野、施策と効果の因果関係が明確でない分野というものが警察の関係する施策についてはございます。こういったものにつきましては、今後、目標の設定方法あるいは手法を研究開発をしていくというようなことで、これにつきましても順次進めていくことにしてまいりたいというふうに考えております。 こうしたことで、国家公安委員会と警察庁といたしましては、可能な限り積極的にこの政策評価を実施いたしまして、先ほど申しました国民本意の効率的で質の高い警察行政の実現を目指してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○阿南一成君 次に、困り事相談窓口の創設についてお伺いをしておきたいと思います。 市民からの困り事相談の中には、本当に警察がやるべき仕事でないものまでそれこそ千差万別であろうかと思うのであります。しかしながら、これまでの一連の警察の不祥事を見ますと、本来の警察の仕事でありながらも対応がまずかったこと、あるいは事件へ発展する可能性が感じられる事案であったにもかかわらず、忙しさを言いわけに十分な対応をしなかった結果悲惨な事件になった例もあり、やはり一義的には警察が市民からの相談を真摯に受けとめ、警察で扱うものでないものの場合には関係機関に責任を持って引き継ぐということが大切ではないかと私は考えるところであります。こういうことの積み重ねによって国民の信頼を取り戻すことができれば、日常の警察の業務にも市民の協力が得られ、事件解決、検挙率の向上にも結びつくのではないかと考えておるところであります。 これまでの一般市民にとっての警察は、実際に事件に遭遇しない限りできることならばかかわりたくない、警察に協力をして後でいろいろと煩わしさが出てきては困るということから、避けていたという人も多いんだろうと思います。しかし、市民からのこのような困り事相談に真摯に対応していくとするならば、市民にとっても警察がより身近な存在になり、また頼りがいのある存在になるのではないかと思います。そうして、そのことはさまざまな事件の捜査にも今後市民の積極的な協力が得られることになると思うのであります。 その意味でも、困り事相談窓口の創設の重要性は大きいと私は見ておるのでありますが、困り事相談窓口の意義についてどのような御見解を持っておられるのか、お伺いをしておきたいと思います。
○政府参考人(黒澤正和君) お答え申し上げます。 現在、警察の相談窓口には国民からのさまざまな要望や訴えが寄せられているところでございます。警察といたしましては、相談内容のいかんを問わず、相談者の立場に立って、積極的かつ真摯に対応することが重要であると認識いたしておるところでございます。したがいまして、相談受理体制の整備充実を指示しておるところでございます。 〔委員長退席、理事簗瀬進君着席〕 また、警察の相談窓口で受理した相談案件につきましては、事案の見きわめというものを的確に行いまして、相談者等の生命、身体等に危害が及ぶおそれのある場合は犯罪等による被害の未然防止活動を迅速に行うなどの措置を講ずるほか、刑罰法令に該当するものにつきましては検挙措置を講ずる、そしてまた、他の行政機関等において対応することが適当な案件につきましては、関係機関、団体との緊密な連携のもとにこれを引き継ぐなど、相談内容に応じた適切なそして組織的な業務の推進を図っていくことが肝要であるかと存ずる次第でございます。相談業務を的確に運営すればこそ国民の信頼もかち取れるのではないかと考えておるところでございます。 以上です。
○阿南一成君 次に、苦情申し立て制度の創設についてお伺いをしておきたいと思います。 これまでの一連の警察における不祥事を見ますと、どうも内部で隠ぺいをしてしまう、あるいは外部からの声に耳を傾けない傾向があるなどの欠陥が指摘をされ、そのために、公安委員会を活性化するとともに外部からの声に真摯に耳を傾けるようにするため、この苦情申し立て制度を新たに設けることとしたものと理解をしておる次第であります。しかしながら、この制度は警察の日常業務に支障を生ずる懸念はないのか、私は若干の疑念を持つものであります。 恐らく、この苦情申し立て制度の創設は、緊急提言の三番目にあります「苦情を言いやすい警察に」と題して、末端組織における苦情がストレートに中枢に集まることが大切である、警察職員の職務執行についての苦情を誠実に受け付けることを制度化し、適切に処理する、このため、文書の苦情申し出は公安委員会に集約をし、結果を文書で回答する制度を創設すべきである、また、文書によらない苦情申し出も、本部長に集約の上適切に処理し、公安委員会に報告をするとあることを真摯に受けとめての立法化であろうかと推察をするのであります。 例えば、警察の捜査活動において、ともすると迅速な判断と果敢な行動を求められることがあり、捜査員が一歩踏み込んだ対応をとることによって事件の解決に結びつくことはたびたびあることであります。ところが、このような事件の解決に結びつく捜査員の行動の結果が、警察には苦情として来るということもあると思います。もしそうなると、捜査に当たる者が行動を起こすことに遅疑逡巡することになりはしないか、そのために事件の解決が遠のくこととなれば角を矯めて牛を殺すことになりはしないか、この苦情申し立て制度というものは一面においてそういう危険性をはらんでいると考えるのであります。 〔理事簗瀬進君退席、委員長着席〕 この苦情申し立て制度は、第一線の警察署の対応はあてにならないから苦情はすべて警察本部か公安委員会に上げろと言っているとも受け取れるのであります。確かに、今回に限らず、不祥事は警察署の内部処理によって隠ぺいされることは現実にある、またあったと思いますが、果たしてここまでする必要があるのか、若干疑問を感じていることを率直に申し上げておきたいと思います。 警察の現場では、いざというときには迅速な判断と果断な行動が求められます。職務質問にしても、犯人追跡、そして時には武器、けん銃の使用についても、勇気を持って一歩踏み込むことによって事件の解決に結びつくことが多いのであります。警察組織は、ライフルの銃口の前に突撃の命令がもし下るとするならば、それを拒否しない厳しい特別権力関係の中にある組織であると私は考えております。 私が若い時代に、いわゆる東京大学安田講堂城攻めと言われた事件の後に、文京区本郷を管轄に持つ警視庁本富士警察署長をしていたときの経験でありますが、繁華街を管内に持つ某派出所で、火事がありました。出火の際の交番警察官の任務は、消防の消火活動を援助するため、群衆、いわゆるやじ馬の整理であります。 その交番には、当日A、B、二名の巡査が勤務をいたしておったのでありますが、A巡査は極めて職務執行能力があり、B巡査は大卒で新任配置でありました。火事の現場は繁華街でもあったので、見る見る群衆がふえてまいりまして、消火阻止線を突破しようとする者も出てきたわけであります。A巡査は必死で群衆整理を行っていたのでありますが、その群衆の中の一人がA巡査の警帽を飛ばし、足で踏みつけてしまった。そこでA巡査との間でもみ合いがあり、A巡査としては、公務執行妨害で逮捕すると発言し実力行使に出たことが後で本署において苦情として上がってまいりました。署の幹部会で検討いたしたわけでありますが、混乱の中ではあったが、処分はやむを得ないという結論になりました。しかしながら、A巡査が孤軍奮闘している間、どうしてよいかわからず、火事の現場と派出所の間を行ったり来たりしていた大卒B巡査も処分すべきであるという意見が幹部会で出ました。警察組織では積極ミスよりも消極ミスに厳しい組織であるべきであります。 私は、この苦情申し立て制度によって警察全体に士気の低下が起こることを心配するものであります。この制度の運用いかんでは、犯人検挙のためにした行動に対する苦情が内部調査を受け、損をするのは自分だけだと思えば、第一線の警察官は果敢な行動を抑制してしまうことになりはしないかと思うのであります。ダーティー・ハリーのような無謀な行動は困りものでありますが、事なかれ主義の消極ミスの警察官がふえるならば、そのツケは確実に国民に回ってくるものと考えておる次第であります。 さらに、提言が言うように文書による回答が義務づけられるとするならば、警察内部の事務手続は飛躍的に増大をいたします。現場の士気低下と事務負担の増大を考えるとき、この苦情申し立て制度には相当の工夫が必要であると思うのでありますが、警察庁の私の考え方に対する率直な御見解を伺っておきたいと思います。 なお、警察刷新会議の緊急提言を受けてキャリア制度の見直しも行われているとのことでありますが、私は若干意見を異にするものであります。人間二十を過ぎたら自分の顔に責任を持てと言われていますが、二十五歳で警察署長や捜査二課長が務まらない者が、仮に十年たって三十五歳になってもその任にたえられるのであろうかと思うところであります。キャリア制度とはそういったものだと考えているのでありますが、不祥事の続いた警察当局にその見解を求めても答えにくいと思いますので、この点についての答弁は必要といたしません。結構です。
○政府参考人(石川重明君) 苦情申し立て制度についての御質問でございますが、委員も御指摘になりましたが、警察職員の職務執行の中には被疑者の逮捕あるいは証拠物の押収といったような強制力を伴うものがあるわけでありまして、こうした場合に、その行為が適法、妥当なものであったとしても、これに対する苦情の申し出がなされるということは当然予想されるところでございます。 御懸念は、警察職員がみずからの職務執行に対しての苦情の申し出がなされることを恐れて、正当な職務の執行をちゅうちょして、それがひいては個人の生命、身体、財産の保護、あるいは公共の安全と秩序の維持というものに支障を生ずるような形になるのではないかということであろうというふうに存じます。 私どもといたしましては、職員がまず正しい法令の知識というものを習得する、それから警察官としての職責の自覚というものをきちっと持って一歩前に出た仕事をする、自信を持って職務を執行できるように、平素の学校教育あるいは職場教育といったようなものを徹底する中においてそういう自覚というものの醸成を促しまして、御指摘のような懸念がないように気をつけた組織の運営をしていく必要があるというふうに考えております。 また、業務量の問題等で今後いろいろな問題が起きるのではないかといった観点からのお尋ねでございますけれども、警察におきましては、この警察法の改正案で今御審議をいただいております公安委員会に対する文書による苦情とともに、警察本部長あるいは警察署長等に対する苦情といったものをどう処理していくのかといったような問題もあるわけでございまして、警察職員の職務執行に対する苦情全体を適正に処理するシステムというものを構築しなければならないというふうに考えておるわけでございます。 このシステムというものにつきましては、機能的なものでなければならない、効率的なものでなければならないということでありますから、勢いコンピューターシステムというようなことで対応していくことになるのではないかというふうに言って今準備をしているところでございます。これによりまして、この苦情の受理、処理あるいは整理、公安委員会、警察本部長に対する報告、申し出人に対する処理結果の通知文書の作成などの増加する事務というものを効率的に処理してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○阿南一成君 よくわかりました。 次に、警察署協議会についてお尋ねをしておきたいと思います。 今回の改正により、全国各地の警察署に、例外を除いて、これは恐らく小さい署だと思いますが、協議会を設置するということになっております。まず、この制度の手本となったイギリスにおける協議会の実情については、大変うまく機能しておるという評価と、またこれとは全く正反対の、ほとんどどこでもうまくいっていないという、評価が分かれておるようであります。イギリスにおける運用状況についての警察庁の把握状況をお伺いしておこうと思うのであります。 さらに、あわせてお伺いしたいのは、この制度が有効に機能するようになれば今以上に警察が地域に密着した存在となり、市民から身近な存在となるという好ましい結果が得られると思います。しかし、これが成功するかどうかは協議会の構成メンバーにふさわしい人を得られるかどうかにかかっているのではないかと思うのであります。現在でも警察署単位に防犯、交通問題に対処する組織や懇話会などさまざまな組織がありまして、警察への提言や警察活動への協力がなされております。こうした現状の上に屋上屋を重ねて法的裏づけを持つ協議会を組織する必要が本当にあるのかどうか、私は若干の疑問なしとしないところであります。 しかしながら、警察署が地域住民の意見に耳を傾けることを促すための警察刷新会議の緊急提言でもあります。私はこの警察署協議会の制度が真に機能するためにはその組織と人が重要であろうかと思います。そこで、どのような範囲、規模の組織をつくり、その任務づけや人選方法などをどのように考えているのか、これは警察庁長官にお伺いをしておきたいと思います。
○政府参考人(田中節夫君) 今回の改正案では警察署協議会というものを御提案申し上げております。議員御指摘のように、この手本となりましたのは、イギリスにおきますところの協議会というものを念頭に置き、また刷新会議におきましてもそういうことを念頭に置かれた御議論でございました。 それで、イギリスにおきますところの地方の警察におきましては、一九八〇年代の初頭に、地域住民の声を直接的に吸収するための組織として、教育関係者あるいは宗教関係者、慈善団体関係者等で構成されますところのPCCGという警察と地域住民との協議会というものができたというふうに承知しております。 この具体的な運用状況でございますけれども、委員御指摘のように、警察と地域住民との意思疎通という点で大変向上したという評価がある、そういうところもございますし、また一方でその活動が不活発であるというような問題点がございまして、一律に問題がある、一律にうまくいっているというようなことにつきましては、これはなかなか言えない状況にございます。 また、委員御指摘ございました我が国の都道府県警察におきましても、警察署単位で防犯活動を行う防犯協会あるいは安全協会等々種々の組織があることは承知しておりますけれども、今回御提案申し上げておりますような警察署長の諮問に応じ合議体としての意見を取りまとめ提出するという組織は必ずしも全国には存在しないというふうに考えているところでございます。こうした実情にかんがみまして、緊急提言にもございました、それも踏まえまして、警察活動により直接に民意を反映させるための方法として、原則としてすべての警察署に警察署協議会を置くということでお願いをしているものでございます。 この協議会は、警察署の業務運営に地域住民の意向を反映させるために設置しようとするものでございますので、その委員の選考につきましては公正に人選する必要があると考えております。このために、委員の委嘱は、法案でお示ししておりますように、第三者的な警察の管理機関でありますところの公安委員会が行うこととしております。 その人選に当たりましては、地域や所属組織等に偏りがないようにするとともに、自治会、自治体等の御意見をちょうだいしたり、あるいは推薦を受けたりする、その中でお決めいただくということが必要ではないかというふうに考えておりまして、私どももそういうような方向で都道府県警察に対してガイドラインを示したいというふうに考えております。 いずれにいたしましても、この協議会がこの設立の趣旨に合うような形で運営されるということが一番でございますし、そしてこの会が法の趣旨どおり運営されれば、私ども警察組織全体にとりまして大変に意義のあるものとなるというふうに考えておるところでございます。
○阿南一成君 ありがとうございました。 次に、今回の警察法の改正の目的は、一連の続発する警察不祥事にストップをかけるだけでなく、最近の我が国における犯罪発生状況により的確に対応できる組織を構築することも大きな目的であると思うのであります。そうして、今国民がまさに求めておりますのは、続発する不祥事にストップをかけることであることはもちろんでありまするが、それと同時に、国民が真に望んでおるのは、国際化の波の中で出現している強大な悪に対する強い警察ではないかと思うのであります。つまり、国民は強い警察、国民から見て真に頼りになる警察を求めていると私はかたく信じております。 最近の警察統計を見ましても、刑法犯検挙率の低下は著しいものがあります。そうして、警察組織は最近の新しい犯罪傾向に必ずしも的確に対応し切れていないのではないかという不安を国民の皆さんは抱いているのではなかろうかと思うのであります。 例えば、ピッキングという荒っぽい手段による窃盗団の横行や、あるいは高級自動車に的を絞った組織的窃盗団、そしてそれは海外での盗難車両の処分機構まで備えているものの出現など、かつての日本では考えられなかったような大胆かつ荒っぽい犯罪集団が出現をしてきております。 また、国際化の波の中で、国家が製造工場を持っているのではないかと疑われる近隣からの組織的な大量の覚せい剤密輸事件、日本海沿岸で起こった不思議な日本人拉致事件など、これまでの警察の努力にもかかわらず、現在の警察組織では十分に対応し切れていない犯罪が続発をしており、このことが現在の警察組織に対します国民の漠然とした不安感、不信感の底辺になっているのではなかろうかと心配をするところであります。 そこで、このような国際的な犯罪に警察が的確に対応するためには、そのための新たな強力な組織を創設する必要があると私は考えているのであります。 私の若い時代の警察署長の経験からいってみましても、第一線の警察署においては、例えば、隣の赤ん坊の夜泣きがうるさいとか、車にひかれた猫の死骸を片づけてくれといったことなどから、夫婦げんかの仲裁に至るまで、大変な多くの要望が寄せられております。国民から警察が頼られている証左でもあろうと思います。 そしてまた、民事と刑事の境界線にある大変難しい問題を数多く持ち込まれてきますし、その処理を一つ誤りますと人権問題なども絡んできます。ストーカー事件なども、一歩誤れば人権の問題が出てくる問題であります。どうしてもそうなりますと民事不介入の原則などというものを持ち出して、前さばきで事を処理することが多くなるのはやむを得ないと思います。それは、第一線では今の組織体制では背負い切れないほど多くの困難な問題を抱えていることからくるものではなかろうかと思うのであります。 真に国民の願う凶悪な犯罪に強い捜査警察を構築するためには、私は、東京と大阪の二カ所に五百名体制の警察庁長官直属のすぐ何でもやる部といった特捜部をつくるべき時期が来ているのではないかと考えるのであります。そうして、その要員は、全国から優秀な人材を集め、教育訓練を徹底することによって、困難な刑事事件、外事事件、公安事件、覚せい剤事件などなど、どんな事件にでも対応できる強力な捜査体制を構築して、国民の真に頼りになる警察を構築すべきではないかと考えます。 それから、この東京、大阪に置く特捜部の警察官は、階級を外して捜査官という名称にし、十年くらいの周期で勤務をさせ、その練度を高めていくことが必要ではないかと思います。 そして、最も肝心なことは、武器、弾薬である捜査費、旅費を十分にセットして、例えば拉致事件に出動した特捜班においては五年でも十年でもその事件を継続して追いかける仕組みにすべきであろうと思います。 率直に申し上げますと、今回の改正内容は、私から見るならば、犯罪に強い警察をつくるという観点からするならば、どちらかといえば私は後ろ向きの対応が多いのではないかと思うのであります。しかし、今回の改正案は、続発した不祥事を見据え、国民世論を真摯に受けとめた結果でもありまするので、重要なことは、続発する不祥事を一日も早くストップさせることであろうかと思います。 そうして、不祥事を根絶した上で、国民が本当に警察に望んでおる、暴力団や外国マフィア、外国スパイ、ヘッジファンド、総会屋等々の資本主義経済社会の根底を揺るがす真の悪の集団に対して、今申し上げたような大変に困難な事件を解決していく能力を警察自体が高めていくことが緊急の課題になってくるのではないかというふうに考える次第です。 私は、警察の捜査力というものは、資本主義経済社会のセーフティーネットとしての復元力として機能することを期待されているものと理解をいたしております。不祥事対策に忙殺されて、肝心の国家組織維持機能という重要な任務にすき間風が吹くことのないように十分な目配りが必要であります。そのことが国民の皆さんの警察に対する信頼回復の一番の道ではないかと考えるのであります。 国家公安委員長の忌憚のない御見解をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(西田司君) 委員御指摘のとおり、真に国民の願う犯罪に強い警察を構築することは大変重要な課題であると認識をいたしております。 警察改革要綱におきましても、「新たな時代の要請にこたえる警察の構築」という柱を設けました。その一つは「暴力団犯罪その他の組織犯罪との対決」、二つ目は「サイバー犯罪等ハイテク犯罪対策の抜本的な強化」、三つ目は「広域犯罪への的確な対応」などの項目を盛り込んだところであります。 委員が御披露されました警察庁長官直属の特捜部構想につきましては、現行の警察制度が都道府県の自治体警察を基本としておりますので、慎重な検討を要するものと考えますが、犯罪の国際化、広域化、悪質、巧妙化が進む中で、治安状況の変化に的確に対応できる強力な捜査体制を構築しなければならないという点につきましては私も委員と思いを同じくするものでございます。 国民の警察に対する信頼を確保し、安全に安心して暮らせる社会を実現するため、断固たる決意を持って改革要綱の実現を初めとする警察万般の改革に全力を尽くしてまいる所存でございます。
○阿南一成君 ありがとうございました。力強い決断を伺いまして、私も勇気百倍です。 なお、一言だけ申し上げますと、国家警察と都道府県警察の関係でありますが、これは警察法を改正するならば可能であると私は見ております。アメリカにおけるFBI制度、これはまさに州を横断した組織でもあります。ただ、国家警察ということになると急に反対の方々もおられますので、そう一気呵成にはいきません。今回は不祥事に対する対応という警察法改正であるということは十分に認識をいたしておる次第であります。 時間でありますので、私の質問を終わります。
○岩城光英君 自由民主党の岩城光英です。阿南委員から専門的な観点からの種々の質問があったわけでありますが、私、なるべく重複しない項目について質問をいたします。 私の父親は警察官でありました。巡査部長どまりで終わった出世には縁のない人間でした。しかしながら、私は警察官の息子として育ちましただけに、今回の一連の不祥事につきましては本当にやるせない思いでおったわけであります。 父は五十三歳でこの世を去りました。当時の仕事は海のすぐ近くの派出所の所長でした。夏の八月に胃がんで入院をしまして十二月に亡くなりました。亡くなる直前に、もうろうとした意識の中でこんなことを言っておりました。もう一度官服を着て海岸を警らしたい。それは、八月の海水浴のシーズン、忙しいときに入院したその本人の無念さのあらわれではなかったかと私は思っております。 今も全国各地でほとんどのお巡りさんが職務に忠実に懸命に、朝から晩まで、そして一晩じゅう一生懸命仕事についています。そういった方々がやる気をなくして、そして士気が低下してしまうことは、その地域の治安が守られない、ひいては私どもの生活が脅かされるということにもつながっていくわけであります。したがいまして、国民からの信頼の回復、これを何としてでもなし遂げなければならない、私もそのように思っております。 警察刷新会議の緊急提言にも指摘がありますように、国民の信頼回復のためには、一つには情報公開に真剣に取り組む必要がある、このように考えます。刷新会議の議事録を見ますと、会議の議論のほぼ冒頭で情報公開についての議論となっていることからも、今回の警察改革の中でその重要性がわかります。この刷新会議の提言を受けた警察改革要綱では、項目の第一に警察行政の透明性の確保と自浄機能の強化をうたい、その初めに情報公開の推進、そして都道府県警察の情報公開に関する指導が挙げられていることは改革に向けましての決意のあらわれである、こう受けとめております。 しかしながら、警察行政につきましては、国民の生活の安全や生命、財産の保護、また治安の維持等に関することなど、情報公開になじまない事柄のあることも事実であります。それに対して、国民の信頼回復のためにはこれまでの体質を改めて透明性を高めなければならない、こういう二つの難しい要請があります。そうした中で、緊急提言に示されましたガイドラインの第二、「情報公開法に基づく開示請求に対して行う開示の基準」については、「行政警察活動に関する情報については、原則として開示することとなる。」として、かなり踏み込んで情報公開を求めている、そのように思われます。 現在、警察を情報公開の対象に加えるように各都道府県で情報公開条例の改正作業が進められていますが、このガイドラインの原則公開ということについて警察庁としてどのように受けとめておられるのか、また情報公開にどのような姿勢で取り組まれるのか、お尋ねします。 あわせて、警察にはどうしても開示になじまない情報がありますが、開示の例外については警察刷新会議ではどのような議論がなされたのか、例外がガイドラインで挙げられているものに尽きると考えているのかどうか、あわせてお伺いをいたします。
○政府参考人(田中節夫君) 警察の情報公開の問題でございますけれども、委員御指摘のように、刷新会議の緊急提言におきまして、警察行政の透明性を確保し国民の信頼を回復するためには、警察は情報公開に真剣に取り組むべきであるというふうに指摘がございました。 警察庁といたしましては、警察行政の円滑な運営を図るためには国民の理解と協力が不可欠でございますし、また行政の透明性確保と説明責任の遂行という要請にこたえる観点からも情報の公開は重要であると認識しておりまして、緊急提言を重く受けとめまして、改革要綱でも冒頭に記したところでございまして、積極的に情報公開の推進に取り組むこととしております。 委員御指摘のように、情報公開法、来年の四月から施行されますし、また各都府県でも既に条例ができているところもございますし、また情報公開に向けた条例の整備についていろんな努力が重ねられておるところでございますが、そこに共通の問題として考えられますのは、情報公開法第五条におきまして、開示請求を受けた場合に例外的に不開示とされる情報として、個人情報、それからいわゆる公共安全情報というのが定められております。 刷新会議におきましては、我々の情報公開に取り組む態度といたしまして、警察は犯罪捜査の秘匿性を強調する余り本来公開すべき情報が公開されないおそれがあるとの危惧から、不開示情報のうち特に公共安全情報についてガイドラインが示されたというような経緯でございます。 御指摘のとおり、警察庁におきましては、公共安全情報のほかに個人のプライバシーにかかわりますところの情報等、不開示情報を数多く保有しております。したがいまして、今後は情報公開法の規定、それからただいまお話のございました刷新会議に示されましたガイドラインを踏まえまして、公開できない情報の具体的な基準というものを適切に定めました上で適正に情報公開を実施してまいりたい、かように考えておるところでございます。
○岩城光英君 ありがとうございました。 次に、民事不介入についての認識への対処についておただしをいたします。 埼玉県桶川市におけるストーカー事件、あるいは栃木県の少年リンチ殺人事件では、事前の犯罪防止という重要な任務が果たされなかったという点で非常に残念な事件だったと思っております。 元警察庁長官の山田英雄さんが雑誌の記事の中で述べられていますが、十二年ほど前、山田さんが長官当時に、警察学校のカリキュラムの中から民事不介入の原則の項目が外されて教えられなくなっているということでございます。当時からこの原則が犯罪を見過ごす、そういった危険性を生じることが十分認識されておりましたのに、現場に徹底するまでには至っていなかった、こう言わざるを得ないと思います。 さまざまな要望にすべて完全に対応するというのは、これは少ない人員の中で過大な要求かもしれませんが、事件以前の現場の警察官の対応が結果的に人の生死にかかわることがあるという非常にとうとい教訓を残した事件であったわけであります。 この点につきまして、住民に直接接する現場の警察官になぜ浸透することができなかったのか、今後どのように徹底させていくおつもりなのか、お伺いをいたします。
○政府参考人(石川重明君) 委員御指摘のように、警察にとりまして犯罪を防止して、また捜査が必要であれば捜査を行うということは重要な責務の一つであるわけでございます。 このため、民事不介入を言いわけとして国民からの相談等を真摯に受けとめずに、本来なすべき捜査や犯罪の防止のために必要な措置をとらないということがないように、民事上の法律関係に起因するトラブルでありましても警察はその責務の範囲内で適正に職務を遂行すべきであるという基本的な考え方、この考え方につきましては、昭和六十三年の警察学校の教材にそういうようなことを既に記載しておるわけでございますけれども、これがなかなか現場に徹底を欠いていたということは、御指摘のとおり否めない事実であったというふうに私どもも反省をしているところでございます。 したがいまして、今回の警察学校における教育制度の改善につきましては、民事問題等に対する基本的立場についてこれをしっかりまず時間をとって教育をする。それから、国民からの告訴、告発あるいは相談というものを受理する場合の事案に応じた適正な対応、あるいは民事に絡む問題についての法律的な理解を深めさせる授業といったようなことを具体的に実施をすることとしているわけでございます。 また、相談業務に従事する者がいろいろな判断を行わなければならないわけでございますが、これらの問題に対しまして適切に対応できるようにするために、警察学校におきまして相談業務に関する専門的な教育を行うということを今計画しているところでございます。
○岩城光英君 私の父親は駐在所での勤務も当然のことながら長かったわけでありますが、交番とか駐在所といいますのはその地域からとても頼られる、そういった存在であるわけであります。父親だけでなく母親のところにもいろんな人がお見えになってさまざまな相談をしていたのを子供心に覚えております。先ほど阿南委員からも指摘がありましたけれども、夫婦げんかの仲裁なんということもあったように思っております。 ところで、日本の交番制度、これは外国からも注目されるほどすぐれた制度であることは十分承知しているところですが、やはり身近に警察官がいてくれるというのはとても住民にとって心強いものであります。犯罪の抑止の面からも大切な役割を果たしているものと思います。 ところが、近ごろは人がいなかったり施錠されている交番が多いと刷新会議の公聴会でも指摘があったようです。警察官の人員不足は、犯罪の発生件数の増加が毎年続いていながら検挙件数が上がっていないことにも顕著にあらわれているものと思います。 緊急提言の中では、「当面、警察官一人当たりの負担人口が五百人となる程度まで地方警察官の増員を行う必要がある。」、こうされておりますが、全国ベースでは、現在、負担人口は五百五十六人となっております。私の福島県では七百二十八人と、警視庁の二百八十五人を除いた道府県で最低の京都府の四百二十人と比べましても大きな格差がございます。 これから全国の負担人口を五百人にするためには、警察官を二万数千人ふやさなければならないということであります。これを合理化を進めた上で一万数千人を計画的に増員する必要があるということで、初年度分としまして今回二千七百七十五人の財政措置を求めている、このように伺っておりますが、これで十分とは到底言えないわけであります。仮に合理化や適正配置による対応が限界までできたといたしましても、既に絶対数として不足を生じている、そういったことが言えるのではないでしょうか。 警察庁としましてその対処をどのようにされるおつもりか、また自治省としましてはどのようにこの問題をお考えなのか、お伺いをいたします。
○政府参考人(石川重明君) 人員の関係についてのお尋ねでございます。 警察庁におきましては、現下の厳しい治安情勢に的確に対応して国民生活の基盤をなす良好な治安を維持するためには、国民の皆様の身近な要望等にこたえる、また複雑多様化する警察事象に立ち向かうための体制の確立が必要であるというふうに認識をしているわけでございまして、これに必要な要員については増員を図る必要があるというふうに基本的には考えているところでございます。 他方、国及び地方の財政状況が極めて厳しい中にこうした増員に対する御理解を得るためには、まずは既存の人員をシフトすることによってできるだけの対応をするべきであるというふうに考えております。現在、各都道府県警察におきましては徹底的な合理化による人員の配置、運用の見直しを行っているところでございます。 警察庁といたしましては、これを実施してもなお不足する要員につきましては、これはやはり計画的に措置をしていく必要があるのではないかと。その規模は、今お尋ねにもございましたように、一万数千人程度と見込んでおるわけでございますが、当面、平成十三年度におきましては、著しく業務負担が高く合理化も既にかなり困難になってきている、そういう県に絞りまして単年度で増員可能な二千七百七十五人の増員を要求しているところでございます。 したがいまして、考え方といたしましては、今回の増員は緊急に体制の確立を要する項目に絞り込んだ上でお願いをしているものでございまして、当面この実現に向けて最大限の努力を傾注してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○政府参考人(嶋津昭君) お答えいたします。 警察官の定数につきましては、警察法の政令に基づく定数に基づきまして地方財政計画で平成十二年度で二十二万五千八百三十一人の警察官を定数として掲上し、その給与関係経費は事務職員を合わせまして二兆六千億円余になっているわけでございまして、警察官の増員についての御議論は、今委員の御指摘、あるいは地方における議会の議論、あるいは執行部等からもその状況等は私どもも聞いているところでございますが、一方で、地方財政は平成十二年度におきまして通常収支で十兆円弱、減税分で三兆五千億というような巨額の財源不足を生じているという状況、あるいは警察以外の他部門におきまして定数の削減を行ってきておりまして、国におきましても十年間で少なくとも一〇%、当初五年間で五・一三%の計画的削減を実施することとしておりますので、私どもも、地方公務員につきましてもこれに準じた定数削減を行っていかなければいけないという厳しい状況なわけでございます。 今、警察庁官房長からの答弁もございましたが、刷新会議の緊急提言におきましても徹底した合理化努力をした上で必要な定数がいかんということについて議論をすべきだという御議論もございましたので、私ども、今警察庁当局ともそういう合理化の状況についての議論をしているところでございますけれども、今後とも国の財政当局なりあるいは警察庁等ともよく協議をして、平成十三年度に向けてその対応について検討してまいりたいというふうに考えております。
○岩城光英君 ぜひとも積極的な取り組みをお願いしたいと思っております。 次に、機動隊についてでありますが、機動隊には火炎瓶闘争時代の活動といった古いイメージがまだあるようですけれども、現実はさま変わりしているようでございます。催し物の会場の警戒とかお祭りのときの盛り場での警戒、あるいは国民生活に密着した活動、そういったものがふえており、さらに大使館や原子力発電施設の警備など対象施設もふえてきております。一連の不祥事の中に、機動隊員に関しましては新聞に取り上げられるようなものはありませんでした。激務だったであろう激動の安保闘争時代ではないのに、現在でも士気の相当高い集団である、このように思われます。 機動隊への要請というものは多種多様に変わってきています。救助活動などは、常日ごろの訓練が現場での人の生死に直結する仕事です。これらに限らず、専属の機動隊が必要な活動分野も数多くあります。 そこで、機動隊が現在の体制で果たして十分と言えるのか、犯罪事象の多様化に対応できる体制になっているのか、お尋ねをいたします。
○政府参考人(田中節夫君) 委員御指摘の機動隊の問題でございますが、現在、機動隊は危機管理のためのいわゆる集団警備力の中核として集団不法事案等に対しますところの治安警備活動、あるいは台風、地震等の災害警備活動に従事しておりますほか、御指摘のありましたように祭礼とか催し物に伴う雑踏警備、あるいはその運用の一環として盛り場におきますパトロール、暴走族の一斉取り締まりのような市民生活に密着した、そのような活動も展開しておるところでございます。 また、機動隊は複雑、多様化する社会情勢あるいは国民の要請にこたえるということで、爆発物処理班あるいは銃器対策部隊、さらには水難救助隊や機動救助隊等の機能別部隊も持っております。そして、その専門的能力を生かしまして、具体的な捜査活動とかあるいは人命救助等さまざまな警察活動に従事しておりまして、最近では暴走の取り締まりとか、あるいはNBCテロへの対処等新たな事象にも対応すべくその機能の強化を図っておるところでございます。 そういう点から、やはりその運用につきましてはいろいろ考えていかなければいけないところもございますけれども、警察のあり方として、一定の規模の集団警備力の維持ということは不可欠であると思っております。 なお、機動隊だけでは対処し得ないような事案に対処するために、各県では管区機動隊あるいは第二機動隊、この第二機動隊と申しますのは、通常は交番等で勤務しておる者が一定の事案が起きた場合に招集して機動隊を編成するものでございますが、そういうものもございます。これらの部隊は、通常、今申し上げましたように警察署あるいはほかの部門において一般的な警察署に対応しておりますけれども、重大事案発生時には招集して運用されることになりますし、また具体的ないろんな事案によりましては、他府県から機動隊等の派遣を受けることなどによりましていろんな事案に対応することとしております。 先ほど申し上げましたように、警察事象がいろいろ変わります。また、いろんな合理化も言われております。しかし、その運用につきましては、これは改善を図らなければいけないと思いますけれども、機動隊等の集団警備力の確保というのは、これは今後とも続けていく必要があるというふうに考えておるところでございます。
○岩城光英君 次に、警察官のOBの活用についてでありますが、緊急提言に、「経験豊かな元警察職員等を国民と警察の橋渡しをする非常勤の困りごと相談員に任命する」と、こういった例示があります。自分のこれまでの経験を地域住民のために生かしたい、こういった意欲のある警察官OBの方も数多くいらっしゃるわけです。既に、都市部の主要な交番に限って交番相談員が配置されているようですし、警察安全相談員というものが財政要望されていると伺っておりますが、埋もれた人材をさらに積極的な登用に取り組むお考えがありましたら、お聞かせを願います。 あわせまして、女性警察官の活用についてでありますが、警察改革要綱の「警察活動を支える人的基盤の強化」の項目の中で、「女性警察官の積極的採用」として取り組む姿勢が示されておりますが、漠然とイメージはわかるんですけれども、どのようなねらいが込められているのか、また今後具体的にどのように女性警察官を活用していかれるのか、お伺いをいたします。
○政府参考人(石川重明君) 委員御指摘のとおり、豊富な知識と経験を有します退職警察職員を積極的に身近な警察に関係する仕事に活用させていただくということは、警察といたしましても重要であるというふうに認識をしておるわけでございます。 先ほど警察安全相談員の駐在要望についてもお話がございました。また、既に交番機能の強化ということを目的といたしまして、退職警察職員等を交番相談員として採用いたしまして、比較的来訪者の多い都市部の主要な交番におきまして、相談業務、遺失・拾得届の受理あるいは地理案内等の住民サービス的な業務に従事をしていただいているというところでございます。 警察といたしましては、今後ともこうした、その職歴の中でいろいろな知識と経験を備えた退職警察職員を警察行政の中に生かしていくことができるように積極的に検討してまいりたいというふうに前向きに考えているところでございます。 それから、女性警察官の活用の問題について、これも改革要綱の中で触れておるわけでございますが、これまでは職域の拡大を積極的に進めるように都道府県警察を指導してまいりました。職域の拡大と申しますのは、今までは少年警察の分野とか交通警察の分野といったようなことが主たる女性警察官の働き場所と申しますか活躍の場所だったわけでございますが、今は捜査活動にも、場合によったら機動隊にもというようなことで、女性の特性を生かした活動ぶりということが評価を部内的にもされておりまして、いろいろ職域が拡大をしているところでございます。 また、今日新たな治安上の課題であるストーカー事案、あるいは家庭内暴力、あるいは児童虐待、性犯罪等の事象への取り組みというものを強めなければならない、こういう状況にもあるわけでございます。あるいは被害者対策の充実等に的確に対応していくということも大変重要な課題になっているわけでございまして、こうしたところに女性警察官の能力や特性を効果的に活用していくことが不可欠であるというふうに考えております。 したがいまして、従来にも増して女性警察官を積極的に採用し、また活用していくことに取り組むというような考え方を持っているところでございます。
○岩城光英君 次は、警部補階級枠の見直しということでありますが、緊急提言の大きな眼目の一つに、「住民からの相談に的確な対応を」ということが挙げられています。これは一連の事件などの反省から提言されたものである、このように思うわけでありますが、その原因の一つとして、第一線の現場での規律の低下や怠慢ということが指摘をされているようです。士気が低下した現場の環境の中では、地域住民を守る警察の使命がともすると忘れられまして、組織や自己保身のために警察官としての職務に対する意欲がそがれるということが起こりがちになります。 なぜそのような背景が生じたのか考えてみますと、平成三年に警察官の階級枠が大幅に拡大されまして、警部補の割合がそれまでの一四・五%から二九%、ほぼ倍増されているわけであります。これは当然処遇改善の一環として行われたものと、このように理解するわけでありますが、果たして、警部補の職務執行の中核といった役割にふさわしい人選がされてきたかどうか、現場で混乱が生じる原因とならなかったのかどうかということが心配されます。 そこで、改革要綱にあります警部補のあり方の見直し、これにつきましてはどのように具体的にお進めになるおつもりか、おただしをいたします。
○政府参考人(石川重明君) 今、委員御指摘のように、平成三年度から階級構成の是正に着手をしたわけでございますけれども、これは警察事象が複雑、困難化してきている、そういう状況に対応いたしまして、警察力の一層の高度専門化を図るという目的で警察官の階級構成を警察の勤務実態に即したものに改める。特に、職務執行の中核である警部補を中心にその階級比率を拡大するというふうにしたものでございます。特に警部補につきましては、長年実務に精励し、高度な専門的な能力を身につけていたにもかかわらず、それまでの警部補以上の階級枠は極めて少なかったというためになかなか上位の階級に昇任できなかったものが、この枠の拡大によりまして昇任ができるようになったと。その結果として、警察官の処遇改善にも資するものであったというふうに考えております。 しかしながら、警部補の配置に関しましては、今御指摘のように、組織管理運営上の問題が指摘をされているわけでございまして、この点に関しましては、既に各都道府県警察におきまして必要な施策を講じているところでございます。警察庁におきましても、各都道府県警察からその実態あるいは今後の改善の方向性につきましての綿密なヒアリングを今実施している最中でございまして、さらなる検討を行っているところでございます。 その組織運営上の問題点というのは何かと申しますと、警部補の増加に対応して係長ポストがたくさんになったわけでございますが、その係の細分化ということが組織運営にいろいろな形で問題を生じてきているのではないかと。あるいは一つの係に複数の係長が配置になるといったような場合に、その指揮関係、調整関係をどうとっていくかといったようなことについて、いろいろな組織的な管理の面からの改善を行っていく必要があるんじゃないか、こういうことが一つございます。 もう一つは、警部補という階級にある警察官に期待されておりますのは、みずから仕事をして、そして巡査部長、巡査といった部下を管理監督する、こういう仕事であるわけでございますが、このプレーイングマネジャーとしての意識、こういうものをきちっと備えた、仕事をみずからしつつ部下を指導していく、こういう仕事のしぶりについてなお教育とか、あるいは業務の系統といったようなものについて改善をする余地がないのかどうか、こういった点について今検討をしているところでございます。
○岩城光英君 去る十月一日に、福島県警で警察職員の意見発表会というものがありました。それぞれの警察職員が使命感、誇りを持ちながら一生懸命仕事に取り組んでいる。そしてさまざまなことを教えられた。いろんな意見が出されておりますし、感銘を受ける内容ばかりでございました。 そこで、少し視点を変えてお尋ねいたしますが、現場での問題点は現場を一番よく知る者が最もよく指摘できるというのはどこの世界でも同じだと思います。私も市長の経験があるわけでありますが、やはり職員の中でも現場に精通している者が一番その問題点もわかっているわけでありますし、さまざまな課題の指摘もしてきました。 各警察本部で、そういった意味で職員からの提案受け入れ、こういったものにつきましてどのような取り組みがなされてきたのでしょうか。また、今までどのような実効性を上げた事例があるのか、お示しいただきたいと思います。
○政府参考人(石川重明君) 従来から各都道府県警察におきましては、個々の職員が業務の改善や勤務環境の改善等につきまして提案、意見を述べるシステムといたしまして、警察職員協議会といったような、これは名称はいろいろでございます。その県によって、例えば明るい職場づくりの推進委員会とか、そういったようないろいろな名称がございますけれども、そういった組織をつくりまして、第一線の職員の意見を継続的、組織的に吸い上げて、それに対して組織がそれを受けとめて、いろいろな改善措置を講ずるということによって職員の参加意識の向上といったようなことを図ってきたところでございます。 また、最近では署長と署員の電子メールによる意見交換といったようなものも始まっているようでございますし、また、匿名による勤務環境改善のアンケートの実施といったような新たな取り組みもなされているというふうに聞いておるところでございます。 そして、こういった職員から提案がなされて、それが取り入れられて実効を上げた具体的な事例といたしましては、例えば警察装備資機材の工夫による現場での受傷事故防止に効果があった提案、あるいは警察法令集をCD—ROM化して業務の効率化を図ったといったような提案、あるいはラッシュ時間帯の列車内における痴漢対策といたしまして、鉄道警察隊員がみずから出勤時間の変更というものを提案いたしまして、そうすることによって仕事が前に進んでいった、こういったようなことが報告されているところでございます。 今後とも、こうした第一線の職員の意見を吸い上げる仕組みの充実、活性化というものに努めまして、業務の改善や職員の処遇の改善に生かしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○岩城光英君 通告はしていないんですけれども、時間が若干ありますので、最後に一点だけ指摘をさせていただきたいと思います。もし御感想等があれば長官からお話しいただければと思います。 先ほど申し上げました警察職員の意見発表会の中でも出ているわけでありますが、警察官としてあるいは職員として仕事をする上で、地域の皆様方との協力というかお互いの協力体制、これは非常に大事だということでありまして、地域に溶け込まなければいけないということもさまざまな意見の中に出ておりました。 そこで、教育の問題に限って言いますと、地域での教育力を復活させようとか復権させようとか、こういったことが言われております。学校とか家庭にだけ子供たちの教育を任せるのではなく、地域でのさまざまなかかわりの中で子供たちをはぐくんでいこうということであります。同じような意味で、地域の警察力を高めるということもこれから大事なことではないかなと思っております。 今までは、子供は地域の財産として近所の大人たちが温かく見守り、時には厳しくしかったり、あるいは不審な人物がいれば駐在さんに連絡をしたり、また自然災害の予兆、そういったものがあれば近所にふれ回るなど、個人や家庭の責任、さらに行政が行う役割、そういったはざまにあることを地域でみんながお互いにフォローし合っていたと思います。 ところが最近は、おせっかいだとか余計なお世話だとか、人の家庭に口を挟むなとか、こういったことが強くなっているようであります。しかし、こういった時代だからこそ地域コミュニティーの中でお互いに助け合う、こういった精神が必要だと思っております。警察や消防や行政が協力し合い、地域の住民が情報を伝え、そしてそれを生かして犯罪等を未然に防ぐようなシステム、これが大事だと思いますし、今回、警察署協議会が設置される予定でありますけれども、それよりももっと住民に身近なものとしてのそういうシステムもこれから将来の課題としてお考えいただきたい、こんなふうに思っております。 以上です。
○政府参考人(田中節夫君) 今、委員から地域の警察力というようなお話がございました。 委員からいろいろとお話がございましたけれども、我が国の良好な治安というものを維持してきたものの一つに、やはり地域社会というものがあるというふうに思います。そういう意味で、良好な治安を支えてきた地域社会というものが果たして現在どのようになっているかということを考えますときに、いろんな問題が指摘できるのではないかと思っております。 治安というものはひとり警察だけで万全を期すことができるわけでもございませんし、やはり地域社会の力というのが大きな治安維持の支えになっていることは御指摘のとおりでございますので、そういうようなものをこれからつくり上げていくためにどのような仕組みがいいのか。先ほど自治省の方から町づくりという提案がございましたし、そういうようなものとの中でどういうふうに治安というものを考えていくかということも一つの大きな考え方ではなかろうかと思いますので、貴重な御提案として私どもは受けとめさせていただきたいと存じます。
○大森礼子君 公明党の大森礼子です。 私は、ここに平成十二年七月十三日付警察刷新会議の「警察刷新に関する緊急提言」がございますけれども、この緊急提言に盛られた内容がどのように今回の法改正に取り入れられているのか、こういう観点から質問させていただきます。 それから、八月九日の委員会の方でも私はこの緊急提言について幾つか質問いたしました。 その中で、「緊急提言を受けて、これはすべて受けとめ実現していくというふうにお考えなのでしょうか。」と、このように質問いたしましたところ、そのお答えが、これは官房長の方からお答えいただいていますけれども、「中身的には大変重要な事項でございます。」とした上で、法改正を要するのはどういうものか、あるいは予算措置を要するようなものはどういうものか、今ある警察の諸制度の中で今後この提言の趣旨を踏まえ徹底するために改善すべきものはどういうものか、こういうことを今仕分けをしている、重く受けとめてその作業をしているところですと、このような御答弁がございました。 それで、質問の仕方ですが、私はこの緊急提言の内容を順次お尋ねしていきたいと思います。ここは法改正でこのように解決しております、あるいはここの部分については今の制度の中でこのように改善しております、あるいはこれから改善していこうとしておりますと、このようにお答えいただければよろしいかと思います。阿南委員、岩城委員の質問と重複するところはお許しください。 最初の項目ですけれども、この緊急提言の中でこれは個別の事案は第二のところから始まります。この冊子の項目に沿ってお尋ねしたいと思います。 第二として、「情報公開で国民に開かれた警察を」、こういう項目がございます。そしてこの中で、「警察行政の透明性を確保し、国民の信頼を回復するためには、警察は情報を秘匿しようとする体質を改め、情報公開に真剣に取り組むべきである。」として別紙でガイドラインが示されているという、こういう形になっております。そして、この情報公開ということにつきましては、改正案のこれは二十一条一項八号でしょうか、「情報の公開に関すること。」、こういう規定が盛り込まれております。これは長官官房の所掌事務について一つこのような規定が盛り込まれたということであります。 そこでこの情報公開の問題について、改正案の中には具体的な規定というのは先ほど挙げた二十一条一項八号しかないわけなのですけれども、どのように臨んでいかれるのか、これをお尋ねいたします。
○政府参考人(石川重明君) 「情報公開で国民に開かれた警察を」という緊急提言の関係の現在の警察としての取り組み状況についてのお尋ねでございますが、まず一つは、警察庁の施策を示す訓令、通達のホームページへの掲載等というのがございます。これにつきましては、訓令、通達についての公表要領を策定いたしまして、そして今通達をして、これから新たに発出するものにつきましては逐次、開示できない部分は除きますけれども、基本的には公開をしていくという形で進めてまいるということでございます。 それから、情報公開法に基づく開示基準の細目策定というのがございます。これにつきましては、情報公開法の施行が平成十三年の四月でございますので、それまでに基準の細目を策定すべく現在作業中でございます。 それから、懲戒事案の発表基準の明確化というのがございます。これにつきましては、既に提言の内容に従った対応を都道府県警察に指導しているところでございますが、より明確な基準を策定するために作業をしているところでございます。 これに関連いたしまして、警察職員に対して厳正な懲戒処分を行うために懲戒処分の基準というものを警察庁として指針を策定いたしまして、これを通達によって都道府県警察に示すとともに公開をいたしております。 それから、都道府県警察の情報公開に関する指導ということにつきましては、これは私ども、各都道府県警察が進んで各都道府県の情報公開条例の実施機関となるようにということで通達をもって指導しているところでございまして、その通達の中でこういったことについて、今後開示の基準をつくるべきじゃないか、あるいはガイドラインをつくるべきじゃないかといったようなことについても準備作業を指示したところでございます。
○大森礼子君 そうしますと、警察庁の施策を示す訓令、通達、もちろん不開示情報を含まないものですけれども、ホームページに掲載するということでよろしいわけですね。 それから、懲戒事案なんですけれども、これも指針を示して通達で出すということですけれども、これはとても大事なことだろうと思います。といいますのは、何か不祥事が起きますと、警察という組織に対する批判をかわすためにとか、あるいは混乱をともかくおさめようということで、場合によっては急いでしなくてはいけないということで、適切でない懲戒処分が行われていることがあるんではないか、こういうことを思うことがあります。そして、不平等な懲戒処分というものは警察官そのものの人権侵害にもなり得るわけですから、ここのところは明確な基準、多少情状によって異なるところがあると思いますけれども、明確に示していただきたいと思います。 それから、「情報公開条例上の実施機関となっていない都道府県警察に対しては、」のこの提言の部分については今お答えをいただきましたので、これは様子を見ていきたいと思います。 それからもう一つ、提言で示されているところで、「旅費及び会議費に関する会計支出文書については、原則として開示する。」という提言が出ております。これはそのようにやるのかどうか。簡単なお答えで結構ですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(石川重明君) 今のお尋ねは、緊急提言におきまして、予算執行についての情報公開は最大限に徹底されなければならないと指摘されているところでございます。これは、私どもとしても情報公開に積極的に取り組んでいくという、こういう基本的な姿勢でございます。 他方、警察の会計文書の中にも、公にすると公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれのある情報というものが多数含まれているのも事実であります。情報公開法あるいは都道府県情報公開条例におきましてそのような情報を不開示とするような規定というものも定められているところでございます。 したがいまして、開示請求があった場合には、緊急提言の趣旨というものは十分踏まえながら対応をいたしますが、その請求対象の文書を開示することによる支障のおそれの有無等については、綿密かつ前向きに検討を行って、情報公開の要請にこたえていきたい、こういうふうに考えているところでございます。
○大森礼子君 問題は、この提言の中で、「旅費及び会議費に関する会計支出文書については、原則として開示する。」とあるその前に、「犯罪捜査等の個別の警察活動に支障を及ぼすおそれがないと認められる」という限定がついているわけですね。ここで不開示情報ということになるんでしょうか。 この旅費とか会議費、新潟県警の不祥事につきましても、あの食糧費の問題でしょうか、あれも非常に批難の対象となりました。それをトップがやるんだからどうしようもない。どういう組織でも金と人事権を握っている者が不祥事をやったらだれも手をつけられない。こういう事態がありますけれども、あの新潟県警の事案もそういう側面も持っていたように思うんです。 問題は、不開示かどうかというチェックをする機能があるのかどうか、ここを国民の皆さんは知りたいのだと思います。つまり、これは不開示にしましょうと判断する場合に、その決定の適否というものをチェックする、こういうシステムがあるのかどうか。つまり、不開示の場合は例外なんですから、こういう例外的な場合には、例えば公安委員会に報告するとか、そして承認されるシステムとか、こういうふうなことがほかの行政機関と違って必要ではないのかと思うのですけれども、この点はどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(石川重明君) まず、国の場合でお答えをいたしますが、警察庁長官が行う不開示決定につきましては、警察庁は国家公安委員会の管理に服しますので、警察庁の判断が情報公開法の規定あるいは国家公安委員会の了承を得て法施行までに定める開示の基準というものに即していない疑いが生じたというような場合には、国家公安委員会は警察庁に対して必要な指示をされるというふうに解しております。それから、これは都道府県公安委員会と警察本部長との関係についても同様であろう、こういうふうに思います。 さらに、情報公開法では、この不開示決定について不服申し立てがなされた場合には、内閣府に置かれます情報公開審査会が第三者的な立場から不開示情報に該当するか否かを調査審議して答申をされるという制度が設けられているわけでありますし、またこの不開示決定が裁判で争われるということもあるわけでございまして、そういう場合においては裁判所によるチェックを受けるということになろうかと思います。
○大森礼子君 それでは情報公開を積極的にやっていただきたいと思います。 それから、第三の項目になりますけれども、「苦情を言いやすい警察に」というこの部分のこの項目について質問いたします。 この提言につきましては、改正案の七十八条の二が新設されまして、「苦情の申出等」という規定が設けられました。この七十八条の二の第一項ですけれども、「都道府県警察の職員の職務執行について苦情がある者は、都道府県公安委員会に対し、国家公安委員会規則で定める手続に従い、文書により苦情の申出をすることができる。」、これが第一項の規定であります。 それで、この国家公安委員会規則で定める手続というのは具体的には大体どういうものになるのでしょうか。公安委員会が苦情処理をするというんですけれども、今まで公安委員会そのものの実態が非常にわかりづらいというものがございました。そんなこともありまして、国民の皆さんにこの手続というのはこんな手続になりますよと、具体的イメージがわくような形で大体の流れを説明していただければと思います。
○政府参考人(石川重明君) 改正案の七十八条の二の第一項の国家公安委員会規則で定める手続についてでございますけれども、この内容は苦情申し出の際の文書の記載事項、あるいは苦情の申し出の方法、文書を作成できないやむを得ない事情がある者がおられたといった場合の文書作成を援助する手続といったようなことを定めることを今考えているところでございます。 それから、どういう形で苦情が受け付けられて処理をされ、申し出人に報告されるのかというその流れの概略でございますけれども、苦情の受け付けは警察本部あるいは警察署の苦情担当部門の窓口で行うことが多いと思います。そして、公安委員会事務担当部署がこれを集約するということになります。そして、公安委員会に報告をするという流れになろうかと思います。 今度は苦情処理の関係でございますが、これは公安委員会が都道府県警察に対しまして事実関係の調査及びそれを踏まえた措置を行わせますとともにその結果の報告を聴取する、そのほか必要に応じて都道府県警察に対して所要の指示を行うということになろうかと思います。 次に処理結果の通知でございますが、これは公安委員会が都道府県警察の報告をもとに通知内容を決定いたしまして、公安委員会名で文書によって行うということを予定しているところでございます。
○大森礼子君 今のお答えですと、国家公安委員会の定める手続の中に、例えば文書による申し出の援助手続ですか、これも含まれているということで、ここのところは緊急提言の中で「口頭での苦情申出であっても、警察署の窓口において警察職員が文書作成を援助するような制度の導入を検討すべきことは言うまでもない。」とありますけれども、ここのところをこういう形で実現するということだと思います。 それから、今のは文書による苦情申し出なんですけれども、緊急提言の中で、文書によらない苦情申し出についても、意見を集約して、苦情担当課を置いて、それでそういう文書を置かない場合ですね、広く、これが一番現場の警察官の方が受け付けることかなと思うんですけれども、ここも苦情の処理状況も管理できるような体制を整備すべきであるとしておりますけれども、ここのところはいかがでしょうか。それなりに従来の制度の中でやっていくということなのでしょうか。
○政府参考人(石川重明君) 文書によらない苦情の関係でございますが、こういった苦情は通常簡便な手続で行われますので、処理あるいは処理結果の通知ということに関しましても迅速性が強く求められているというような場合が多いだろうというふうに思います。したがいまして、現場における迅速な処理になじむ場合には、受理後速やかに処理した上で警察本部長に集約をする、その結果を。その上で公安委員会に報告をいたします。 それから、そういう処理になじまない、若干調査を要するとかいうような状況がある場合におきましては、これは苦情の申し出の事実というものを、受理した事実というものを本部長に集約の上、その指揮下で処理をして、そしてその処理結果を公安委員会に報告する、こういうことになろうかと思います。 これらの苦情につきましては、私どもとにかく大事な苦情を見落としたり放置をしたりするといったようなことは避けたいというふうに考えているわけでございまして、先ほども阿南委員の御質問にもお答えをしたんですが、苦情についての管理システムみたいなものをつくりましてきちっと管理をしなければならないのかなというふうに考えております。 いずれにしても、適切な苦情処理が行われるように、そうした文書によらないものにつきましてもきちっとした処理が行われるようなシステムづくりをしたいというふうに考えております。
○大森礼子君 それから、この苦情の申し出は文書によるとなっております。これは緊急提言の中でも、「文書による苦情に限ることとしたのは、このような義務を課すには申出についての意思と内容の明確性が必要であることなどを考慮したものである。」と、こうしてあります。 いろんな後の手続があって、それに乗っていくわけですから明確であるためには文書が来るのはいいと思うのですけれども、例えばEメールじゃだめなんでしょうか。
○政府参考人(石川重明君) 書面の場合でございますけれども、これは署名を求めるなど本人確認の方法が確立されておるわけでございますけれども、Eメールによる苦情申し出につきましては、ネットワーク上では成り済ましとか電子データの改ざんというものが容易であるわけでありますけれども、電子認証の普及がいまだ緒についたばかりである、こういった状況でございます。したがいまして、現時点では申し出人の本人確認、申し出られた苦情の内容の真正性の確保といったような観点から問題があるのではないかということから、法律上の制度の対象とはしないというふうにしましたわけでございます。 しかしながら、このEメールによる苦情の申し出でございましても、警察本部長に集約の上、先ほどの口頭のものと同じでございますが、その指揮下で処理をして公安委員会へ報告するとともに、申し出人が特定できるという場合には処理結果を通知したいというふうに考えているわけでございまして、こういったことで申し出人の保護に欠けるところはないのではないかというふうに思っております。
○大森礼子君 わかりました。 要するに意思が明確であること、それから内容の明確性といいますか、これを言いますとEメールでも別に変わらないのかなと思ったのですけれども、確かにこの七十八条の二の場合には、あとは受けたことによってどのような処理をするかということが法定されておりますので、本人かどうかの確認も必要であるということは十分理解できます。 ただ、余り難しくしますと、ちゃんと警察へ出向いていかなきゃいけないとか、これ郵送なんかできるんでしょうか、余り手続が難しくなりますと、言いたいことは言いたいけれども面倒くさいからいいやということになりますので、なるべく多くの意見が集まるようにするためにはEメールとかこういう意見も十分取り入れるべきだと思います。もちろん先ほど御答弁ありましたように、七十八条の二のこの文書によらない苦情受付のシステムの中で、このEメール、こういうようなものも十分考慮していただきたいと、このように思っております。 それから、この苦情処理制度というのは広く国民の声を聞く、愛される警察になるという点では一歩前進した制度だと思います。先ほど阿南委員が質問されたことなんですけれども、私どもは実は一抹の不安を覚えるところがあるんですね。それは、どんな制度でもやはり光の部分と影の部分があると、私は常にこう考えるわけですけれども、苦情処理制度を設けることによりましてちょっとしたことまでああだこうだと言われてしまうならば、警察職員の職務執行が消極的になるおそれがあるんではないかという、ここの部分も私は実は心配するわけであります。そして、少しでもそういう苦情を受けないようにしようと思うならば、大体人間が考えることは同じでありまして、そこそこにやっておけば文句を言われないじゃないかという、こういうことになるわけです。 つまり、この苦情処理制度というものが現場の警察官に対して萎縮効果を及ぼすようなものであってはならないと思うわけです。そして、いろんなところから見られている、見られることは緊張感を持って、監視されるということはいいんですけれども、行き過ぎた管理社会になりますと、それは人間を無気力にしますし、あるいは自分で考え判断する能力を失っていくという、こういう状況になるのではないかと思います。 先ほど阿南委員もおっしゃいましたけれども、本当に現場の警察官というのは、迅速な判断、的確な判断、それから果断な行為、相手と向き合っている場でもありますからそこで瞬間的に判断しなくてはいけない場合がある。捜査の現場なんかそうだと思います。 そして、法令をきちっと正しく正確に理解するということはこういう仕事をする上で必要なことなんですけれども、しかし法令といっても非常にたくさんありまして、そして若い警察官なんかも瞬時に判断しなければいけないとなるとつい誤ってしまうこともあるのだろうと私は思います。 現場で例えば器物損壊罪で緊急逮捕ができるかどうかとぱぱぱっと聞いたら答えられる人が幾らいるかとかという。器物損壊罪は三年以下ですので、緊急逮捕は三年以上ですから、これはできるんですけれども。こういうこともやっぱりきちっと知っておかなくてはいけないということは、警察官にとっても大変なことだろうと思います。当たり前と言ってしまえば当たり前なんですけれども。 ですから、いろんな苦情が出てきた場合、私たちの側も、例えばその現場に身を置いたならば当然自分もやったかもしれないという、こういう寛容さは持つべきではないか、このように思っております。つまり、自分のできないことを余り人に厳しく要求するようでありますと、現場の警察官自体の士気が低下してしまうのではないか。ここを余り強調するつもりはありませんけれども、こういう部分もあるということをぜひ考えていただきたいと思っております。 それから、この苦情処理制度というものは、警察外部からのものを前提としております。緊急提言でも、「国民からの苦情を誠実に受け付けることを制度化し、」とありまして、警察外部からの苦情を対象としております。 これまで警察の不祥事についていろいろこの委員会でも議論してまいりましたけれども、そこで大きく問題になったのは、警察という組織の密室性ということではなかったかと思います。普通の人は余り警察の中の方まで入り込みませんから警察という組織の中で一体何が行われているのかわからない、わからないがゆえにそこに不祥事が発生する温床というものをつくっていったのではないかという、こういう議論をしてきたと思うんです。 例えば同僚の不祥事とか、上司がやったら本当に、人事と会計の権限を持っている人がやったらなかなか困るんですけれども、こういう組織内での不祥事を見つけた場合、内部からも告発できるようなこういうシステムが必要ではないかと、私はこれまでこの委員会の中でも言ってまいりました。同じ組織の中にいる人間の不祥事を告発するということは、悪い言葉で言えばチクりと、こうなるんでしょうけれども、しかしこれは組織の内部を浄化させるための機能としてこういうことも必要ではないかと思うわけであります。 警察に対する信頼維持というこういう大局観に立って、例えば内部通報制度ですね、未然に不祥事が大きくなるのを防ぐとか、こういったものが必要ではないか。そしてその場合には、通報した者が不利益を受けないようなシステムも必要だろうと思います。言って報復人事を受けちゃったんじゃ、言わない方がよかったことになりますから。こういうことがあって初めて内部というのは浄化していくのではないかなと思うのですけれども、これについては余りきちっとしたお答えはしにくいと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(石川重明君) 不祥事案を防止するという観点で申しますと、監察や幹部による監督のほかに、個々の職員相互において不適正な職務執行や公務員にふさわしくない非行に走らないようにお互いに注意をし合う、あるいはそういうことがあった場合に看過しないというような意識を持つということが重要だろうと私も思います。また、仮に規律に違反した行為が行われているということについて他の職員が気がついた場合につきましては、その非違行為を行った者に対して注意がなされる、また上司にそのことが報告をされるということで、適切な措置がとられるということが必要だろう、そういうような職場づくりというものが行われていることが大変大切なんではないだろうかと。 それから、御指摘のように、内部のものの中で通報制度のようなものを制度としてとるかどうかということにつきましては、若干慎重に検討してみる必要があるんじゃないかなと、こういうふうに思っております。
○大森礼子君 言葉で言うのは簡単なんですけれども、上司に言うとか。でも、そういうことが、上司に言ったことがどこかへ漏れちゃうと、また、あいつは何だ、チクりやがってと、こうなりますので、そこのところは、かちっとした制度でなくてもいいかもしれませんが、そういうことを申告した場合には決して不利益を及ぼさないとか、こういうルールづくりが必要だろうと私は思います。 時間の関係で次へ進みます。 第四のところが「警察における監察の強化を」というところであります。 緊急提言の方では、公安委員会が第三者機関的に監察点検機能を十分に果たし得ることから外部監察は必要ないものと考える、こういう結論でございました。 それで、ことしの八月九日の委員会の中でも、私はこの点について多少疑問を呈しました。というのは、外部監察が必要ないとする理由として三点、この緊急提言は挙げているんですが、その一つとして、「警察の組織や業務に精通している者が当たらなければ実効ある監察とはなり得ない」、これを挙げておりました。確かにそのとおりであると思います。しかし他方で、広く国民の各界各層から公安委員会のメンバーを選ぶ、こういうようなことを考えていくならば、逆に警察の組織や業務に精通していない人から選ぶことになると思われる。そうすると、一方で、広くいい方に来ていただく、一方で警察組織や業務に精通していなければいけない、これは矛盾するのではありませんかと、こういう質問をしたことがございます。そのときのお答えは、警察行政に精通した警察職員の的確な補佐が必要であるということで、補佐体制でカバーするという、こういうお返事でございました。 そして、この部分につきましては、改正案の十二条の二、これは「国家公安委員会は、」とあります。四十三条の二、「都道府県公安委員会は、」とあります。ここのところで緊急提言をそのまま法文化した形になっておりますから、緊急提言をそのまま改正案に生かされた形になっております。 そこで、この補佐体制というのはどういう形になっているのかなと思ってこの改正案の条文を読みましたら、十二条の二の方で行きましょうか、この三項のところで、「国家公安委員会は、警察庁の職員に、前項の規定により指名された委員の同項に規定する事務を補助させることができる。」という、ただこれだけの規定でございます。これだけで十分な補佐体制と言えるのかどうかはわからないわけですけれども、いずれにせよ法律上の根拠はできたわけですね。 そこで、もう少しここのところを具体的にどういうシステムにしていくのかということを御説明願いたい。この法文だけでは十分わからないところがありますので、こういうふうにしていくから外部監察というのは必要ないんだ、この補佐体制で十分それはカバーできるのであるということをお話しいただきたいと思います。
○政府参考人(石川重明君) 今お話にもございましたように、緊急提言の幾つかの理由を挙げておるわけでございますが、一方で、警察職員の不祥事に関して厳正に処分を行い、不適切な業務運営を是正するためには、何よりも警察内部の自浄能力を高めることが先決である、公安委員会は警察本部長による監察が十分でないと認めるときはこれを是正すべきであり、第三者機関的な監察点検機能を果たすことが重要であるという考え方を示しているわけでございます。 今回の政府提出の改正案は、こうした提言の考え方を踏まえまして、警察の自浄能力を強化することが重要であるという観点から外部監察の考え方をとらなかったわけでございまして、公安委員会についてもみずから監察を行うというようなことにはなってないわけでございます。 これに対しまして、警察の行う監察について適時適切な指示を発する、そしてその実施状況を点検するという仕組みは、市民の代表として警察活動をチェックするという公安委員会の制度趣旨に合致をするんではないかというふうに私ども考えております。 さらに、今御指摘の、改正案では監察担当委員が点検を行うときに、いわばその手となり足となって活動をする、これ仮称でございますが、監察調査官の制度を法律上つくっておるというところでございまして、公安委員の良識と警察職員の専門的、技術的な知識、経験というものが相まつことによりまして実効性の高い監察を実現することができる仕組みをここでつくった、こういうふうに考えているわけでございます。 そこで、その補助に当たる警察職員の補佐体制がどうなるかということでございますが、例えば国家公安委員会の場合を例にとりますと、現在、平成十三年度の概算要求におきまして公安委員会の補佐官室といった課並びの組織を要求しておるわけでございます。それから国家公務員の増員も要求をいたしております。そこに配置になった者が公安委員会からいろいろな指示、指導を受けながらこういったものに当たっていくということになるのではないか。また、都道府県警察におきましても、公安委員会の事務補佐機能というものを強化することになりますので、そういった形で機能していくのではないだろうかと。これはあくまでも監察を監察するような場合もあるわけでございますから、監察がそのまま補佐をするということには必ずしもならないんじゃないだろうか、こういうふうに考えているところでございます。
○大森礼子君 それでは、この提言の項目では第五、「公安委員会の活性化を」のところになるんですけれども、この項目三、「管理能力の強化」のところで提言はこのように言っております。「警察庁及び警察本部内に公安委員会事務担当室(課)を設置してスタッフを増強するとともに、執務室を整備するなど真に効果的な補佐体制を確立すべきである。」と書いてありますけれども、そのままとは言えなくてもこの方向で進められていると理解してよろしいでしょうか。
○政府参考人(石川重明君) 国家公安委員会につきましては、現在、長官官房の総務課員数名が補佐をしているような状態でございましたが、今申し上げましたように、十数名から構成される委員補佐官室というものを新たに設置したいということで、概算要求等で要求をしておるところでございます。都道府県公安委員会につきましても、先ほど申しましたが、県の規模に応じまして室等の設置を行いまして補佐スタッフを充実していく、こういうことになろうかと思います。したがいまして、ここの部分はそのまま私どもも予算要求という形でやっておるということでございます。 それから執務室につきましては、今警察庁、建てかえ中の合同庁舎に近々入ることになろうかと思いますが、そのときに公安委員の執務室というものが整備をされるということで予定をしているところでございます。
○大森礼子君 それでは、緊急提言の項目第六、「住民からの相談に的確な対応を」のここのところでまず第一として挙げているのが「困りごと相談の充実強化」であります。ここのところにつきましては、これは特に改正案で条文がありませんので、現行諸制度の運用で、改善で対応していくことになると思います。 そこで、時間の関係でもう端的に聞きたいのですけれども、いわゆるストーカー行為規制法、これが十一月二十四日施行されるんでしょうか、そしてこれによりまして、一つに警察に根拠づけを与えることになりまして、こういうストーカー被害の相談体制というものもこの法律によってできることになると思います。この相談体制というのはどのように改善されていくのか。 それからあわせてお尋ねしますが、例えば先ほども答弁の中に出てきました女性に対する暴力、ドメスティック・バイオレンス、この被害者の相談窓口としても十分機能するのではないかと思いますけれども、この点いかがでしょうか。簡単で結構です。
○政府参考人(田中節夫君) 困り事相談の問題でございますが、これは法律に盛り込まれておりませんけれども、運用で対応してまいる所存でございますし、大変国民からの相談がふえてきておりますので、体制の強化に目下都道府県警察、努めておるところでございます。 委員御指摘の女性、子供に対するところの問題でございますけれども、これにつきましては、昨年の十二月に女性・子どもを守る施策実施要綱をつくりまして、ストーカー事案それから夫から妻への暴力事案につきましても、刑罰法令に触れない事案にあっても自衛対応策の教示その他につきまして適切な対応を行うよう強く全国に通達として指示したところでございます。 また、具体的にストーカー規制法の問題がございましたけれども、これは今月の二十四日から施行されます。都道府県警察におきましてストーカー対策室を設置するなどの体制整備を現在行っておるところでございまして、適切な相談対応を推進するために、担当の女性警察職員あるいは臨床心理士を配置するなどの工夫を凝らしまして、体制の万全を図っておるところでございます。
○大森礼子君 困り事のところで、これはちょっとこの改正案とは外れるんですけれども、一つ要望したいことがございます。いろんな捜査等におきまして警察の対応が犯罪の被害者となった方の困り事になる場合があるということでございます。 どういうことかといいますと、端的に言いますと、犯罪捜査を開始されますと、被害者の方は警察の方で事情聴取を受けます。その事案によりまして一回で終わる場合もあれば何回も行かなくてはいけない場合もあります。そして、これが起訴されるような事案ですと、検察庁でも同じように聞かれることになるわけです。一番最初の事情聴取は警察でなされるわけなんですけれども、例えば警察へ来てくださいという時間帯とか、ここら辺にも何か配慮をしてもらえないだろうかという声を少し耳にしたものですから、この場でお願いするわけです。 人によりますと、被害者になった、事情聴取も被害者調書をとるということで、場合によったら職場を何日も休まなくてはいけなくなるような場合もあるという、こういうことも聞いたことがございます。 それで、事件によりましては被害者であることを職場とか周囲に知られたくない場合もあります。端的な例が強姦事件であると思います。そして、そんな場合にだれにも知られたくないと言っているときに、被害者であるからという理由で、例えば警察官が職場に姿をあらわしたり、あるいは頻繁に電話がかかってきますと、周りから奇異な目で見られる、何か変なことをしたんじゃないかと見られる。そのこと自体が苦痛になるということがございます。 また、それで職場を休まなくてはいけないことになりますと、非常に精神的な苦痛が大きくなるということで、これは全部がそう言っているんじゃありません。ちょっとそういうことを耳にしたことがあるものですから、この点についてぜひ被害者側の事情とか心情とか、そこら辺も十分考慮していただいて、場合によったら仕事が終わってから夜間事情を聞くとか、そうしますと警察官の方はもう夜もずっと仕事していなきゃいけないわけで、大変だと思いますけれども、ぜひそういう点を配慮していただきたいなと、そういうことも警察に対する信頼につながると私はこのように思います。これは、今お願いだけでございます。 次に、二のところで「「民事不介入」についての誤った認識の払拭と部内教育の充実」、こういう項目がございます。ここも運用で対応ということになると思います。 それで、緊急提言では「「民事不介入」についての誤った認識を払拭させなければならない。」、こういうふうにあります。質問は、警察組織内部にあったこの誤った認識、これは警察側の認識だと思いますよ、警察側にあった誤った認識について、どのように警察庁の方としては認識しておられるのか。ここのところがきちっと正しく認識されませんと直しようもないと思いますので、この点についてお尋ねいたします。 それから、この民事不介入のところにつきましては、例えば警察法の第二条一項で警察の責務というものが規定されてあります。そして、二項のところで「警察の活動は、厳格に前項の責務の範囲に限られるべきものであつて、」とこのような規定がございます。そして、昔は民事不介入といった場合、警察は公権力の行使ですから、こういうものは余り拡大しない方がいいという趣旨で、抑制させようという意味で実は民事不介入という言葉が使われてきたと私は理解しております。ところが、だんだんそれをよいことにして、本来は介入すべき場合にも民事不介入ということを盾にして警察が十分な働きをしなかったことが、ちょっと今違った意味で民事不介入が使われているわけなんですね。 そこで、この誤った認識、あったとしたらどういう誤った認識であるのか、ここのところをお尋ねしたいと思います。そして、どのようにこれから指導されていくのか、お尋ねいたします。
○政府参考人(石川重明君) 民事不介入についての誤った認識をどう認識しておるか、こういうお尋ねでございますが、これは警察が、今もお話しございましたように、個人の生命、身体、財産の保護、公共の安全と秩序の維持という責務遂行のため、当然対処すべき事案であるにもかかわらず、その事案が民事に絡むものであるという理由で適切な対応をしてこなかったということ、その認識に基づく措置と申しますか行動、こういうことを指摘しているものというふうに認識をいたしております。
○大森礼子君 端的に言うと、警察法第二条一項のこの規定をいかに正しく理解するかということに尽きると思います。 それから次に、緊急提言第七の項目ですけれども、「警察職員の責任の自覚を」のところで、ここの部分は運用、制度の改善ということで対応することになると思います。 この中で、緊急提言で指摘されていることですが、窓口担当職員の名札をつけるとか、制服警察官の識別章の着用、これについて指摘されているのですけれども、この点はどのようになりますでしょうか。
○政府参考人(石川重明君) 警察職員の職務執行における責任の明確のための方策といたしまして、窓口業務を担当する職員とその責任者である幹部職員につきましては名札の着用を平成十三年の六月一日から実施するように先月各都道府県警察に通達をしたところでございます。 また、制服警察官の識別章についての問題でございますが、これも着装する方向で検討しているところでございますけれども、この識別章につきましてはその着装によって適正な職務執行、事案処理に支障を及ぼす可能性があるというような懸念というものもあるわけでございまして、提言においても、職務執行に当たって著しい支障がある場合は除くと、こうされているわけでございます。 こうしたことを踏まえまして、着装する警察官の範囲や、着装した際における職務執行上の具体的な支障等の運用上の問題点というものを検証する必要があるというふうに考えておりまして、来年早々に試行実施をした上で、その状況を見て本格実施に移行することが妥当であるというふうに考えております。 したがいまして、方向としては実施をする方向であるけれども、その間に検証してみたい、問題点を洗い出してみたいと、こういうことでございます。
○大森礼子君 それでは、最後の質問に移ります。 第八のところで「住民の意見を警察行政に」という項目がございます。ここの提言を受け入れまして、改正案では五十三条の二で警察署協議会というものが新たにつくられるわけであります。ここの四項の中で、「警察署協議会の設置、その委員の定数、任期その他警察署協議会に関し必要な事項は、条例(警察署協議会の議事の手続にあつては、都道府県公安委員会規則)で定める。」と、こういうふうにしてあります。 緊急提言の中では、「保護司会、弁護士会、自治体、学校、町内会、NPO、女性団体、被害者団体等の関係者などの地域における有識者からなる警察署評議会(仮称)を設置し、」と、こういうところからメンバーを選んでと例示しているわけなんですね。 この五十三条の二の四項を見ますと、どういう人を選ぶかということは多分これは必要な事項として条例で定めるということになるのかなと思うんですね。この法文の中では、例えば協議会の委員は住民の意見が広く反映されるような構成でなくてはいけないという、こう規定がありませんので、どういう人が選ばれるのか。広く意見を聞くというここら辺が、緊急提言が指摘しているところがどのように担保されるのかどうか少し不安なのですけれども、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(石川重明君) 警察署協議会につきましては、先ほど来長官が答弁をいたしておりますが、警察署の業務運営に地域住民の意向を反映させるために設置をしよう、こういうことでございます。 したがいまして、その委員は、地域住民の意向を代表して警察署の業務運営に関する意見、要望等を表明するにふさわしい方を公正に人選をする必要があるということでございます。このために、委員の委嘱は、この法律でも第三者的管理機関である公安委員会が行うということにしておるわけでございますが、その人選に当たりましては、今お話しのように、地域や所属組織等に偏りがないようにするとともに、自治会、自治体等の意見を聞いたりあるいは推薦を受けたりするというようなことが必要ではないかというふうに考えておりまして、その旨都道府県警察に対しましてガイドラインを示したいというふうに考えているところでございます。
○大森礼子君 終わります。
○委員長(朝日俊弘君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後五時五分散会