総務委員会 第4号
- 発言数
- 80 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2000/11/14
会議録
○委員長(岡崎トミ子君) ただいまから総務委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に政府参考人として人事院事務総局管理局長尾木雄さん、同給与局長大村厚至さん、同職員局長中橋芳弘さん、総務庁人事局長中川良一さん、大蔵省主計局次長丹呉泰健さん及び厚生省保健医療局国立病院部長河村博江さんの出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡崎トミ子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(岡崎トミ子君) 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案につきましては既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○高嶋良充君 民主党・新緑風会の高嶋でございます。 人事院勧告の内容も含めて、本年はこの参議院ではきょうの委員会が最初でございますので、若干人事院勧告の内容について、まず人事院総裁にお伺いをいたしたいというふうに思っています。 本年度の給与勧告につきましては、公務員の生活防衛という観点から見れば極めて厳しいものだというふうに言わざるを得ないというふうに思っています。とりわけ、その中でも俸給表の改定が見送られたということは、これは現行の勧告方式になったのが昭和三十五年だというふうに伺っておりますけれども、それ以来初めてではないか。ということは、異例中の異例な措置だなというふうに私は理解をしているんですけれども、それらも含めて、本年度人勧に対する人事院総裁の所感を伺いたいと思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君) おっしゃるように非常に厳しい勧告だというふうに受けとめております。ただ、ことしの民間企業で働く労働者の賃金の改定状況等、民間労働者の賃金水準というものを正確に把握いたしましたところが、非常にベアの率も小さいと、〇・一二%の四百四十七円という非常に低い率でございましたし、民間企業の労働者の賃金の引き上げ状況というのを見ましても、事業所でいいますとやっと五割を超えた事業所が賃金の引き上げをしておるという状況でございますし、管理職員は五〇%を切っておるという状況が把握できました。 そういうもとにおいて、どのようにことしの勧告に対応していくかということでございますけれども、昨年、本委員会で附帯決議がございましたように、やはり官民較差として出てきたもの、〇・一二%という非常に小さいものでございますけれども、それは埋めるという前提に立って考えました。俸給表を改定するかどうかということは私たちも随分内部で議論いたしましたけれども、やはり賃金を改定する限りにおいては、昨年までとってきましたように世代間の配分というものを適正化していくという基本方針がございますし、特に高年齢者、高位号俸におるところの職員の対民間との比較というものは非常に微妙な段階に差しかかっております。 したがいまして、昨年のようにアクセントをつけた改定をするということになりますと、高位号俸におるところの職員というものについては非常に微妙な判断をしなければならないということでございますので、やはりこの際俸給表の改定は見送り、較差に相当するものを扶養手当を改善していくということで対応することにしたわけでございます。 非常に異例な勧告でございますけれども、大方の公務員によく御説明申し上げまして御納得を得たいというふうに考えておりますし、国会議員の先生方にもよく今まで御説明してきたところでございます。
○高嶋良充君 今の所感を聞いておりますと、俸給表を据え置いて扶養手当で措置をしたというのは、世代間の較差というか、とりわけ生活防衛を図らなければならない今一番出費の多い部分にだけを何とか措置をしたいという、そういう意図と受け取れるわけですけれども、率直にそういうふうにとらせていただいていいんでしょうか。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 昨年に続きまして、ことしも公務員の年収ベースで見ますとマイナスだと、その中で特にボーナスが昨年もことしもマイナスになると、そのことによって家計への影響が大きい層というものを意識して扶養手当の改善ということを考えたわけでございます。
○高嶋良充君 今日まで人事院勧告というのは、昭和三十八年以来民間準拠ということが定着をしてきておりますから、そういう意味では、経済不況のもとでの民間の厳しい賃金実態のもとでこのような人勧が正確に民間調査を把握されてやられてきているということについてはこれはもうやむを得ないというふうに思っていますし、さらにそういう状況の中でも官民較差を埋める勧告を今回も行われたということについては、この人勧制度を維持するという側面から見れば私は評価をしたいというふうに思っております。 そこで、人事院総裁の決意を伺いたいんですが、人事院勧告というのは労働基本権制約の代償措置であることはもう言うまでもないわけですが、人事院総裁として、今後もこの人勧制度を維持していくんだという、そういう決意について伺いたいと思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 今まで民間の企業の実態というものをよく調べまして、その較差が出た場合には較差を改善勧告するということを行ってまいりました。そして、政府の方でもそれを尊重して実施をしてもらっております。 そのことによって公務の労使関係というものが安定的に推移し、その安定的な推移のもとにおいて良質な公務サービスというものが国民に提供されておると。そのこと自体は非常に高く評価されておりますし、そういう機能を果たす人事院勧告制度というものを今後も守っていくという基本的な立場に立ってこれから私たちはその職責を果たしてまいりたいというふうに考えます。
○高嶋良充君 人事院総裁からは力強い決意は伺ったわけですけれども、総務庁長官にもこの問題でお伺いをしたいというふうに思います。 大変厳しい給与勧告の内容でありますけれども、勧告そのものは勧告どおり閣議決定をされて、給与法も速やかに国会に提出されたということについては評価をしたいというふうに思っています。 ただ、よく言われるんですが、厳しい財政状況のもとで人事院勧告をそのまま実施をすることがどうなのかという議論も一部にはあったように聞いていますけれども、しかし先ほど人事院総裁からもありましたけれども、そういうもとでも労働基本権制約の代償措置の人事院勧告というのはやっぱり守らなければならないんだという、そういう観点で総務庁長官も今回の給与法を出してきていただいているのだというふうに思いますが、総務庁長官としても、人勧制度を維持していくための明確な見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(続訓弘君) 今回の人事院勧告に関連をしまして、九月十九日に閣議決定をいたしました。その際の内閣の方針を官房長官談話で発表させていただきました。このことを今御紹介申し上げます。 「憲法上の労働基本権制約の代償措置の根幹を成す人事院勧告制度を尊重するとの基本姿勢に立って、労使関係の安定、職員の志気の向上等に配慮しつつ、国政全般の観点から議論を行った上で、できるだけ早期に適正な結論に達するよう格段の努力を払い、本日、人事院勧告どおり実施することを決定したところであります。」と、このような内閣の方針でございます。 同時に、総務庁、私の方針でもございます。御理解を賜りたいと存じます。
○高嶋良充君 いずれにしても、公務員にとりましては年間総収入がマイナスとなる極めて厳しい給与法の改正であるわけですけれども、先ほど人事院総裁も、そして総務庁長官も表明されましたように、労働基本権の代償措置であるこの人事院勧告制度というもの、とりわけ賃金、労働条件決定制度であるわけですから、これを維持していくという立場を明確に表明されておりますから、本年についてもこの人事院勧告の給与法を勧告どおり実施する、あるいはすべきものだというふうに私としては考えております。 そこで、早期支給の定着について総務庁長官に伺いたいというふうに思いますが、一つは給与法、きょう審議がうまくスムーズに行われれば、午前中にこの委員会で可決をして午後の本会議で緊急上程、成立をするという、そういう運びになるというふうに思うんですが、それを前提にした場合、本年度の新賃金の支給の運びについてはどのようにお考えになっているんでしょうか。
○政務次官(海老原義彦君) 給与法改正法が成立後の差額の支給についての御質問でございますけれども、この差額の支給につきましては、各省庁ごとに手続を行うことから一概に支給時期をお示しすることはできないわけでございまして、省庁によってかなりの違いがございます。 いずれにしましても、少しでも早く差額が支給されるように各省庁を指導してまいる所存でございます。
○高嶋良充君 ことしはマイナス人勧、とりわけ一時金がまた〇・二カ月下がるということですから、職員、公務員の皆さん方は逆にボーナス支給までにこの法案が決まらなければボーナスは削減をされないという、そういうことにもなるからこの早期支給というものに余り関心はないと思うんですが、これは本年度だけの状況でございまして、私が言っているのはこれから、今後も含めて、基本的にはやっぱり民間の場合は労使決着を三月にすれば四月から新賃金が支給されるという状況ですから、そういう部分をこれからは公務員にもということで早期支給の要求というのは非常に基本的には強いというふうに思っています。 そういう視点でもう一問お尋ねしたいんですけれども、八月に人事院勧告が出されるわけですけれども、以前は七月末に出されたようなこともありましたけれども、最近はちょっと人事院勧告そのものはおくれぎみだなというふうに思っています。ただ逆に、先ほども申し上げましたけれども、給与法の閣議決定や国会承認は早まりつつあるのではないかというふうに考えておりまして、今後も早期支給については定着をしていくのではないか、あるいは政府として定着をさせていかなければならないのではないか、そういうふうに思っているんです。 ただ、以前はよく給与法そのものが国会の重要法案の人質にとられたりして政局の道具にされたということもございますから、そういう観点からいくと、公務員の賃金決定手続について一定のルール化が必要ではないかというふうに思うんですけれども、そういうルール化の検討に総務庁として着手すべきではないかというふうに思うんですが、どのようにお考えでしょうか。
○政務次官(海老原義彦君) 人事院勧告の早期支給を定着させるために、むしろこれは今までのように毎年検討してやっていくということでなくて、法制度化というのか、一つのルール化をという御希望でございますけれども、人事院勧告につきましては、今後とも勧告制度尊重の基本姿勢のもとに給与改定が円滑に実施されるように努力していく所存でございます。 先生お示しのとおり、平成の初めごろにはもう既に八月勧告になっておったんですが、閣議決定は十一月というのが平成元年、二年、三年ごろでありました。それが十月になり九月になり、今や九月に閣議決定というのがもう数年間続いておりまして、いわばある意味では定着してきている。 そういう慣行の積み上げの中で、総務庁といたしましては、従来どおり人事院勧告制度尊重の基本姿勢のもとに給与関係閣僚会議において国政全般の観点から論議を尽くした上で取り扱い方針を閣議決定し、所要の給与法改正法案を国会に提出するというシステムで、こういう基本的な仕組みを通じて今後とも引き続き人事院勧告が円滑に実施されるように努めてまいる所存であります。
○高嶋良充君 ルール化の検討ということも非常に大切なんですけれども、これは一つの提案なんですが、国公法に政府の人事院勧告の尊重義務規定、私は労働基本権を制約したその代償措置の人事院勧告、これは確かに国会承認が必要な部分も財政の関係からいえば出てくるのもわからないことはないんですけれども、先ほど言ったように、労働基本権制約の代償措置という側面からいえば、やっぱり人事院勧告を尊重するという義務規定を設ける必要があるのではないかな、そのことすなわち現行の法定手続を改善していく、こういうことになるんですけれども、その面については総務庁長官としての見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(続訓弘君) 今お尋ねのように、そしてまたお答えをいたしましたように、政府としては従来から人事院勧告は労働基本権の制約の代償措置として一貫をして尊重しているというのが政府の姿勢であります。 しかし同時に、国の内外の経済の諸情勢も十分勘案する必要がある、こういう状況の中で、政府としては国政全般の関係から議論を尽くして給与勧告の決定をするという、そういう仕組みをとっておるものですから、今お尋ねのように、法律の中で明定をするということはいかがなものかなと。人事院が勧告をされた、その勧告を尊重するという姿勢は変わらない。しかし同時に、今申し上げたようないろんな諸情勢を勘案して最終的に決定をする、こういう仕組みを従来もとらせていただきましたし、今後もとらせていただきたい、このように考えております。
○高嶋良充君 法律に明記しなくても政府の姿勢、立場として尊重するのは当然だと、こういうことでしょうけれども、しかし今日までの経過の中では、いろいろ先ほども申し上げましたけれども、なかなかその尊重ができなかったという政治の場での問題もあるわけですから、今後の課題として御検討いただきたいなと、これは要望として申し上げておきます。 そこで、大蔵省にも来ていただいたんですが、最近、補正予算を組まれるに当たって、マスコミ報道等を含めて、政府の剰余金を本来なら財政法六条によってこれは国債の償還に二分の一以上充てなければならないと、こういうことになっているけれども、それを改正して特例を設けて、すべてそういう剰余金は借金の返済に充てないで公共事業費に、基本的に補正予算イコール公共事業費ということに多分なると思うんですけれども、使っていくんだと、こういう報道がありました。 そこで、人件費は一体どうなるのかということについてお聞きをしたいというふうに思うんですが、まず大蔵省、昨年、ことしと二年連続でマイナス改定ということになりました。当然国の人件費は当初予算よりも減額になるというふうに思うんですが、昨年度と本年度、幾ら減額になるのか、年度ごとにお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(丹呉泰健君) お答え申し上げます。 まず、本年度の人事院勧告の実施に伴います国家公務員の給与改定に係る一般会計の所要額でございますが、扶養改定の引き上げによる増が七十六億円ございますが、期末手当の引き下げによります減が千十九億円ございまして、全体としては九百四十三億円の人件費の不用マイナスとなっております。 昨年度でございますが、俸給等の改善による増が三百二十二億円ございましたが、期末手当の引き下げによる減が千五百六十一億円ございまして、全体としては千二百三十九億円の人件費の不用マイナスとなっております。
○高嶋良充君 昨年と本年度で削減された人件費というのは、昨年が千二百三十九億円、ことしが約九百四十三億円、これは一体どのような処置というか処理をされたのか、あるいはこれからされようとしているのか、本年度の分については、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(丹呉泰健君) 今年度の人件費の所要額でございますが、今申し上げましたように、人事院勧告の実施に伴いまして九百四十三億円の不用マイナスが生じております。それから、今年度の当初予算におきましては、例年機械的に給与改善費といたしまして総人件費の〇・五%を計上しておりますが、本年度は御案内のような人事院勧告でございますので、この額も不用になっております。この額は五百三十一億円でございます。あわせて、これまで十二年度の執行におきまして人件費の不用見込みが二百二十一億円見込まれます。 以上、合計いたしまして千六百九十五億円が全体の人件費不用額でございますが、これにつきましては、今般提出いたしました補正予算におきまして減額補正計上させていただいたところでございます。 なお、昨年度につきましても同様に、人件費全体として二千百億円の不用が見込まれましたために、補正予算におきまして減額補正計上したところでございます。
○高嶋良充君 昨年度も本年度もその年度途中に減額補正をする、こういうことだというふうに今お伺いをしました。 ということは、今回の補正予算で一緒に提案をされてきています財政法六条改定云々とは、この給与削減の関係については関係ない、そういう理解をしてよろしいでしょうか。
○政府参考人(丹呉泰健君) そのとおりでございます。
○高嶋良充君 では、財政法六条に関係なくとも、この昨年の二千百億円、本年度の千六百九十五億円、これは政府の裁量で、大蔵省の裁量というんですか、補正予算に充当される、されたということでございます。 そこで、総務庁長官に見解をお伺いしたいんですけれども、今、大蔵省としてはこれらを補正予算に充当する、そういう答弁がございました。 私は、公務員の生活を犠牲にした貴重な財源だと思うんです。これを、幾ら景気回復を名目、目的にするとはいえ、補正の一般的にはばらまき的な事業というふうによくマスコミで報道されていますけれども、そういう公共事業に流用するというのはちょっと筋違いではないかというふうに思っているんです。とりわけ職員の皆さん方が、先ほども申し上げましたけれども、生活を切り詰めた財源であるわけですから、できることなら国の財政再建に役立ててほしいというのが職員の皆さん方の願いではないかなというふうに思うんですが、その点の考え方も含めて総務庁長官の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(続訓弘君) 高嶋議員は地方団体に勤務されて、そしてまた、こういう予算の問題についても大変詳しい方でございますので、あえてこういうことを申し上げていかがかとは存じますけれども、予算はあくまでも根拠がなければ支出はできません。例えば、今の公務員の問題についても根拠がなければ支出できません。 一応、今大蔵省からお答え申し上げたように、人件費の見積もりはしたけれども、結果として法律の根拠がなくなった、したがって不用額になった。その不用額を今度は別な、いわば国民の皆様のニーズにこたえるための予算に充当するために減額をして、そして流用するということは、むしろ当然やるべきことではないのかな、こんなふうに思いますし、その辺のところも御理解を賜りたいと存じます。
○高嶋良充君 予算上の制度という部分からはやむを得ないというふうに思います。 とりわけ今回の補正予算の絡みについては、財政再建とばらまき的な補正予算という面では非常に国民も注目をしている部分ですから、この問題については、補正予算案も上程をされてきておりますから、また時間があれば予算委員会の中で、本当にこの公務員の皆さん方が生活を犠牲にした約二千億あるいは一千六百億という、二年間にわたって約三千六百億、これが本当に国民の皆さん方のために使われているかどうか。一部の利益を受ける、そういう部分に使われるということについてはやっぱり問題が出てくるというふうに思いますから、そういう観点で今後はまた予算委員会でも御議論させていただきたいというふうに思っております。 次に、公務員制度の問題についてお伺いをいたします。 これは十一月七日でしたか、新聞報道なんですけれども、自民党の行政改革推進本部が公務員の身分保障の廃止を含めた公務員制度の抜本的な改革の見直しを進めているという、こういう記事が掲載をされました。 私は、政党で自主的に検討されていることについて注文をつけるつもりはないんですが、しかし、ちょうどその一カ月前の十月十五日の新聞報道では、自民党の幹事長が、行革をやるためには公務員にスト権を与えてもよいという、ちょっと理解に苦しむ発言なんですけれども、との発言もございました。 どうも最近、政治の場から公務員制度の改革が先行しているように思うんですけれども、総務庁長官としてはこの動向をどのように把握されているでしょうか。
○国務大臣(続訓弘君) 今、御質問がございましたのは、自民党の行政改革推進本部の案として発表されたと存じます。 その趣旨は、ここに私メモを持っていますけれども、「各公務員の適性、意欲に応じ、職務に精励し、高い成果を残した者には高い処遇を与える。他方、勤務実績不良の者が、組織に安住しているとの国民の疑念を生じさせぬよう、こうした者には厳しく対応するとの姿勢を明確化する。このため、身分保障の廃止も視野に国家公務員法、地方公務員法等の見直しを行う。」、こういういわば検討の案であります。 これに対して、確かに、今、与党三党で議論をしておられるのは、公務員は全体の奉仕者であると、その自覚のもとに公務能率を高めてほしいと、そして国民に対するサービスをよくやってほしい、こういう観点から公務員制度のありようについて議論をしておられると私どもは受けとめております。 同時に、八月四日に総理から、行革推進本部において八事項二十四項目にわたる指示がございました。その中にも、公務員制度のありようについて議論をしなさい、そして、早く、年内に結論を出してほしい、こういう指示がございました。その際には、与党三党と連携を密にしながら議論を深めるように、そして結論を出すようにという指示でございました。 したがいまして、今、私どもは与党三党のそういう議論と、そして同時に私どもが取りまとめる大綱との協議をこれから進めさせていただきたい、こういうことでございますので、今の問題については我々は今白紙の状態で臨ませていただきたいと、このように考えております。
○高嶋良充君 かなり詳しく動向は把握をされているようであります。 ただ、白紙だということですけれども、私は、行革のためにスト権を付与するとか身分保障を廃止するとかというのが事実であれば、やっぱり動機が不純ではないかというふうに思うんです。本来、公務員のスト権というのは憲法二十八条の勤労者性と、それから、これは総務庁長官もちょっと新聞の報道で言っておられますけれども、憲法十五条の全体の奉仕者性という、公務員は労働者だ、だから権利を与えなければならないという部分と、公務員は全体の奉仕者なんだから権利を制約すべきだという、この二つの考え方をどう調整、調和するかという問題だというふうに思うんですね。 現在では、そういう関係の中で人事院勧告、人勧制度というものがあるわけですけれども、だからこれを議論していく場合は、憲法二十八条と十五条の面から論議されることが筋道だというふうに思うんですけれども、総務庁長官としての見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(続訓弘君) お説のとおりだと存じます。したがいまして、そういうことも含めてこれから大いに議論をさせていただきたいと、このように考えます。
○高嶋良充君 今の考え方、先ほどの質問も含めて人事院総裁の所感を伺いたいというふうに思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 一つは公務員の身分保障の話でございますけれども、近代的な公務員制度におきましては、行政というものを公正中立に執行させるということを担保する意味において、この身分保障制度が導入されておるというふうに思います。先進諸国におきましても、この身分保障制度というのはどの国においてもございます。 したがいまして、身分保障の議論をしていただくのは非常に結構だと思いますけれども、そういう趣旨を踏まえて慎重に議論していただきたいなというふうに私は思います。 それから、スト権の話ですけれども、今、先生がお話しになりましたように、いずれにいたしましてもこの労働三権を制約して人事院勧告制度があると、その人事院勧告制度というのが戦後の長い歴史の中で非常にいい効果を労使関係に及ぼしておると、そして安定した良質の行政サービスが提供されておるという、そういう実績というものも十分評価した上で議論していただきたいなというふうに思います。
○高嶋良充君 そこで、総務庁長官にお伺いしたいんですが、公務員制度調査会というのを、これはもう三年か四年ほど前に設置をされて、政府内というか総務庁を含めて、学識経験者も入れて公務員制度の改革についての議論を行われていますね。この議論というのは、身分制度的なものは大枠現行制度を変えないということで検討を進められているというふうに聞いているんですけれども、もし先ほどのように身分保障を廃止するというようなことを含めて検討をしていくことになると、これは根本的な制度変更にかかわる部分ですから、この公務員制度調査会で数年間にわたる議論を根本からやり直さなければならない問題が出てくるというふうに思うんですが、公務員制度調査会の今後のこの公務員制度改革に対する議論のあり方の問題も含めて御見解をいただきたいと思います。
○国務大臣(続訓弘君) 与党で今議論しておられるのは、まだいわば身分保障制度を廃止するということに決定をしたわけじゃなくて、先ほど来申し上げているように、公務能率を高める、そして真に国民の皆様に対するサービスを徹底するという、そういう趣旨のもとに公務員制度のありようを考えたらどうかというのが今与党で議論されていることであります。 したがいまして、今、高嶋委員の前提であります、身分保障制度を廃止するということに決定をしたわけではございません。したがいまして、公務員制度調査会で議論する段階には私はないと存じます。そういう段階になれば、今お話しのように、公務員制度改革の中で、公務員制度調査会の中ででもあるいは議論されるテーマではあると存じますけれども、まだその段階でないので、私は今の調査会の中の議論にはならない、こんなふうに思います。
○高嶋良充君 ということは、公務員制度調査会と同時に、そのもとに労使関係検討グループというのも設置をされていますけれども、基本的にはそれらの調査会等はこれから議論を進めていくと、こういうふうに受け取らせていただきたいというふうに思います。 そこで、この労使関係検討グループについて審議が進んでいるというふうに聞いているんですけれども、現在どういう審議状況になっていて、今後のスケジュール等について簡単にお聞きをしたいというふうに思います。
○政務次官(海老原義彦君) 公務員制度調査会のもとに労使関係検討グループというのがございまして、労使関係の在り方に関する検討グループと正式には言っております。国家公務員の労使関係のあり方について検討を行うために平成十年七月から始まりました。国家公務員労使関係制度の現状評価とか勤務条件決定制度のあり方などについて専門的な見地から調査審議が行われ、十七回の会議が持たれております。 今後のスケジュールでございますが、この検討グループの調査審議の過程において今後のスケジュールを決定して進めていくわけでございますけれども、いずれにしましても、この公務員制度調査会の設置期限が平成十三年度いっぱい、つまり再来年の三月までということになっておりますので、その時期までには検討結果を取りまとめていただくということになるわけでございます。
○高嶋良充君 政治の方からかなり急ピッチで公務員の制度改革の議論がされているというもとで、十三年度、再来年の三月までに結論というのは、そういう意味ではかなり遅いのではないかなという危惧も持っているわけですけれども、私は先ほどから申し上げていますように、何といっても公務員の労使関係の最大の問題というのは、労使関係が極めて無責任になりがちだということだというふうに思うんですね。当局側としてはきちっと使用者としての責任ある立場を明確にするということがまず必要でしょうし、逆に職員組合側も現状を十分踏まえて対応していくという、そのことで労使が対等平等なパートナーシップを築いていくということが、これは最近は民間でもかなり進んできていますけれども、そういう労使関係をつくり上げていくことが非常に大事だというふうに思っているんです。 そういう意味では、まず第一に、少しでも職員組合というか職員参加ができて、交渉、話し合いで物事を決めていくという範囲をやっぱりできるだけ広げる必要があるのではないか。それともう一つは、ことしの人事院勧告でも出されていますけれども、能力、実績による人事管理、人事評価というようなものもこれからどんどん出されてくるわけですけれども、そういう部分もやっぱり一方的に決めるのではなくて労使で協議をしていくというような、そういう制度をつくることがこれから重要だというふうに思うんです。 そういうことをきちっとやっていく中で、本当に国民が信頼できる、あるいは職員からも期待をされる、そういう労使の関係というものをつくっていくことができれば、政治の側からの今のような考え方というのは薄れていくのではないかなというふうに思うんですが、その点について総務庁長官と人事院総裁の考え方をお伺いしたいと思います。
○政務次官(海老原義彦君) 今お話しの中に人事評価システムの検討で云々ということがございまして、確かに現在、人事評価システムの整備を図っておるわけでございます。 総務庁長官が主宰した人事評価研究会において御議論いただきまして、本年五月に報告書を受け取ったところでございます。この報告書の中におきまして、先生お示しのように、やはり労使で十分な意思疎通を図り、相互信頼関係の維持を図っていくことの必要性が指摘されております。そういったことも踏まえて、労使間の意思疎通を図りつつ、こういった人事評価システムの検討は進めていくという方向で考えております。 とりあえず、そこまで私からお答え申し上げます。
○国務大臣(続訓弘君) 高嶋委員の御指摘のとおり、公務能率を向上させ、そして真に住民本位の行政を執行するためには何よりも労使の信頼関係が必要である、このことはもう論をまちません。 したがいまして、私どもはそういう意味では労使の信頼関係のもとに良好な労使関係を構築していきたい、そういう意味でこれからもいろんな議論の場を通じて今の問題に対処させていただきたい、このように考えております。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 大変意義のあるといいますか、興味のある問題提起だというふうに思います。考えるに当たりましては、公務組織の中における労働団体の位置づけといいますか、それから始まりまして、人事管理の中における労働団体というものをどのように考えていくかという議論もしなければならないと思います。 ただ、そういう議論というものを余り正面切ってというか、しゃくし定規にやりますと、どうしても当局側から管理運営事項だとか、あるいはまた当局側として責任のある事項は当局側で決めさせてもらうという話になってまいりますけれども、現実の課題というのを一つ一つ眺めていきますと、例えて言いますと、今議論されております能力評価の問題にいたしましても、その性格上やはり公務員が信頼できる能力評価制度をつくらなきゃならないだろう、あるいはまた公正なものでなければならないだろうということになりますと、管理運営事項とかなんとか、そういう議論をする前にやはり職員を代表する職員団体の意見もよく聞いてみようじゃないかという、こういうことになっていくんだというふうに思います。 そういうふうに一つ一つの事項というものを見きわめながら、できるだけ職員団体の意見とか当局側の意見をよく聞いて、よりよい制度といいますか、職員の間に定着していくような制度というものをつくるように心がけていくことだろうというふうに思います。
○高嶋良充君 時間が参りましたので、最後にお伺いしたいと思います。 先ほど海老原次官の方から、人事評価システムの関係については職員側との協議の場を設けていくんだ、こういうお話がありました。そこで、人事管理の改革という面で全体的にお伺いしたいと思うんですが、この公務員の労働というか公務労働というのは民間と違って非常に評価をつけるのは難しいというふうに、これは学識経験者でも言われています。どう公正で本人たちが納得できる評価基準をつくっていくのかというのがやっぱり最大のポイントになると思うんですね。 そういう意味では、人事院総裁も言われましたけれども、今まではこの種のやつが管理運営事項ということで一方的に決められてきたという経緯も、これは地方自治体等ではあるわけですけれども、やっぱりそういう意味では、納得という観点から言うと職員参加というのがキーポイントになるのではないかなというふうに思っておりまして、人事院でも検討作業を進められるというふうに聞いておりますし、先ほど総務庁でも検討作業等を進めていくとこういうことでした。 再度それらの部分について、代表する職員団体ときちっとした協議の場で意見交換をしていくということについての決意をお伺いして、終わりたいと思います。
○政務次官(海老原義彦君) 先生今お話しになりましたところに関連して、平成十二年の五月に人事評価研究会、うちの大臣の諮問機関でございます、ここで報告書が出ておりまして、「新たな人事評価システムの導入に向けて」という報告書の中で、ちょっと関連部分を読んでみますと、「導入に際しては、労働基本権が制約されているという国家公務員の事情の下、民間部門で行われている労使協議の事例も参考に、「公務員制度調査会」の「労使関係の在り方に関する検討グループ」における労使関係の在り方に関する検討状況等をも踏まえつつ、労使で十分な意思疎通(コミュニケーション・ディスカッション)を図り、相互信頼関係の維持を図っていくことが必要である。」、このような御指摘がありまして、こういったことを十分踏まえて検討を進めてまいりたいと思っております。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 先ほどから御答弁申し上げておりますように、能力評価の問題につきまして、これから作業を進めるに当たりまして、節目節目で状況を関係労働団体とか任命権者側に説明し、そしてその意見というものを聴取した上で議論の過程に反映させてまいりたいというふうに思います。
○高嶋良充君 終わります。
○吉川春子君 質問に入る前に一言申し上げます。 八月十五日に人事院は、国会と内閣に対して公務員制度について俸給制度の再構築、新しい任用制度導入などさまざまな問題を含む勧告、報告を行いました。これに対して十分審議を行うのは国会の当然の責務です。しかし、総務委員会では、昨年に続いて、日程上の都合があったとはいえ、人勧を受けての審議を行いませんでした。これは大変遺憾なことだと思います。今日の給与法の質疑のほかにも今後一般質疑でこれらを補うこと、そして来年はこの轍を踏まないように、私は委員長に要求いたしまして、政府への質問に入ります。 まず、人事院総裁、今年度の人事院勧告は官民較差がありながら基本給の改定を見送りました。これは官民較差を明示し勧告を行うようになった一九六〇年以降初めてのことです。期末・勤勉手当は二年連続の削減となり、一時金の水準は三十年前に逆戻りしたと言われています。平均年収は、ことし六万九千円削減されて、昨年の九万五千円の削減と合わせて二年間で十六万四千円も減らされたことになります。 本来、国家公務員の勤務条件を守るべき人事院が賃下げを勧告するとは、人勧制度のあり方が鋭く問われます。これでは、人事院のもとで国家公務員の労働者の権利が守られないんじゃないでしょうか。 そこで、人勧制度が創設されたときの国会の議事録、人事委員会議事録を見ますと、政府職員は団体交渉権を持たないと、しかし公務員がみずから雇用条件の改善を求める意見表明を行う権利が妨げられるものではない、そして政府職員に課せられた特別の制約があるということですから、政府に対して常に職員の福祉並びに利益に十分な保護の手段を政府がとるように、そういう責務を負わしめたというふうにおっしゃっているんですけれども、この立場は、人事院総裁、今日でも変わらないわけですか。
○政府特別補佐人(中島忠能君) お話の速記録というのをけさ読んでみました。公務員の賃金水準が低い状況のもとにおいて、かつまた日本の経済が成長していく過程において議論するとああいう議論になるんだろうなという感想を持ちながら読んだわけでございますけれども、やはり公務員の賃金というのは民間企業で働く労働者の賃金と水準が保たれるようにするというのが基本的な考え方でしょう。恐らく国会議員の大半の先生方はそのように思っておられるというふうに思います。 そういうように考えますと、やはり今日の厳しい民間の労働者の賃金状況から考えますとこういう勧告にならざるを得なかった。非常に厳しい勧告ですけれども、そういう結論に達するということでございます。
○吉川春子君 人事院の役割が変わってきたということではないですよね、制度創設の当初から。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 別段人事院の役割が変わったということではございませんし、そういう認識は持っておりません。マイナス勧告があり得るということは、国家公務員法を読んでいただいても、そういうことが予定されておるわけですから、私たちは別段法律に反したことを行ったわけでもございませんし、法律が予定している任務を踏み外したわけでもございません。
○吉川春子君 官房長官、お伺いいたします。 政府は、労働基本権を制約する代償措置として人事院制度があると繰り返しきょうも答弁されているわけですけれども、代償措置では憲法で保障された労働三権を制限している公務員の利益を国家的に保障するものとされているわけですけれども、ことしのような人勧では代償措置に値しない。そもそも憲法二十八条の権利を公務員労働者に制約すること自体が問題であります。また同時に、その人事院の役割がこういう形で果たされる、括弧つきに果たされるということになってきますと、やはり労働者の労働基本権を回復する、そういうことが必要であると思うんですけれども、官房長官、御認識はいかがですか。
○国務大臣(福田康夫君) ただいま人事院総裁からもお話をしたことだと思いますけれども、この人事院勧告は公務員給与を社会一般の情勢に適応させるために人事院が民間の給与実態を正確に調査した結果に基づき国会及び内閣に勧告するもの、そういう意味において労働基本権の制約の代替措置の根幹をなすものであるということで認識をしておるわけでございます。 本年度の人事院勧告も、これも民間の厳しい経済状況というものを適切に反映したものであるというように考えておりまして、人事院勧告制度を尊重するという政府の従来からの基本姿勢を堅持しておるものである、このように思っております。
○吉川春子君 民間の状況の反映については、これまでもいろいろ質問で指摘してきましたのできょうは触れませんけれども、要するに公務員の手足を縛っておいて、そしてマイナスの勧告を二年続けて行うという、その制度自体が非常に問題ではないかということを私は申し上げました。 総務庁長官に伺います。政府はこの人事院勧告をそのまま給与法として提出してきたわけですけれども、人勧の中には二年連続で相当程度収入が減少するということを書かれておりまして、同時に、公務においては行政需要が多様化し業務が増大するということも勧告の中で指摘しているわけです。そういう中で給与を削減するということをそのまま法律にしてきた。これで公務員の生活が保障され、公務員の士気が保たれると思うのかどうか、その辺の御認識を伺います。
○国務大臣(続訓弘君) このことにつきましては、先ほど来御議論申し上げているように、人事院勧告制度は、今の御質問にもございましたように、公務員の労働基本権の制約の代償措置として人事院勧告制度がある。人事院は官民の給与の実態を正しく調査をされ、そしてそれに基づいて勧告をされる。その勧告を先ほど申し上げたように政府としては遵守する。そして、今回も従来の方針どおりそれを遵守したということでございます。それと同時に、官房長官談話を発表いたしましたように、公務員の士気をそがないためにもちゃんと勧告制度を尊重するということを申し上げました。 そういう意味では、せっかくの吉川委員の御質問ではございますけれども、そういうもろもろのことに配慮しながらの勧告の実施でございますので、この辺のところは御理解を賜りたいと存じます。
○吉川春子君 人勧の中でも、民間で厳しい状況の中だけれども半分の事業所は賃上げを行っていると、こういう指摘もあるわけなんです。 ところが、そういう要求ができない、国家公務員の場合はできない、手足を縛られている、そのもとで人事院がそういう勧告をしてきたという、内容とそれから制度のあり方について私は従来から指摘しておりますけれども、ますますその疑念を深めたということを申し上げておきたいと思います。 それで、人勧の中でも女性の働きやすい職場環境の整備ということが指摘されているわけですけれども、私は国立病院・療養所の賃金職員、看護婦さんの育児休業問題で質問をいたします。 厚生省によりますと賃金職員たる看護婦は四千八百人おりまして、そして三交代の夜勤も含めて看護婦として同じ責任を持ち、同じ業務に携わっているわけです。しかし、定員職員に比べて給与、休暇等見過ごすことのできないいろんな差別があります。 そこで人事院に伺いますけれども、賃金職員の看護婦さんが赤ちゃんを出産し、かつ勤務を継続するということは可能でしょうか。
○政府参考人(中橋芳弘君) 非常勤の看護婦さんが勤務をしながら赤ちゃんを産むということ、その職員の方の家庭の状況あるいは勤務の状況等々によって一概にお答えすることは非常に難しいかというふうに思っております。
○吉川春子君 そうすると、賃金職員の看護婦さんでも勤務を継続しながら出産も可能であると、そういうケースもあるという答弁ですか。
○政府参考人(中橋芳弘君) 非常勤の看護婦さんなどにつきましては、それぞれの雇用の実態など、それから民間におきましてそういう職員に対しましてどのような休暇、休日が与えられているかというようなことを前提に、人事院といたしましても非常勤職員についての休暇などを定めております。そういうものの中で、例えば産前産後などにつきましてはそれ相応の常勤職員と同様の休暇制度などを設けております。 そういうことから、その職員の方の家庭の状況、いろいろなことの状況の中におきましてそういうこともできなくはない。ただ、一般的にそうかと言われますと、それは個々的にその職員の状況によって異なってくるだろうと、かように考えております。
○吉川春子君 厚生省はお見えですか。 賃金職員の看護婦さんが出産をして、そして勤務の継続もできると今人事院の答弁ですけれども、どうですか。そうなっていますか、実態は。
○政府参考人(河村博江君) 国立病院・療養所におきます非常勤職員たる看護婦さんにつきましては、会計年度の範囲内で日々雇い入れられるということでございまして、そういう意味では常勤職員と明確に雇用形態が異なるものというふうに考えております。 ただ、人事院規則の定めるところによりまして、一日につきまして八時間を超えない範囲内において看護業務に従事されているということでございます。
○吉川春子君 賃金職員の看護婦さんは育児休業制度の適用除外と規則でされているのではありませんか。そのことを明確に答えてください。
○政府参考人(中橋芳弘君) 公務におきます育児休業制度は、御案内のように職員が一歳未満の子を養育する場合に最長一年、職員としての身分を保有しつつ職務に従事しないことを認めるということで制度が組み立てられているわけでございます。 公務におきまして日々雇用される職員につきましては、日々任期が更新されるというようなことから、身分を中断することなく勤務の継続を図るということを目的といたします育児休業法の趣旨になじまないということから、法律でもってそういう職員の育児休業法適用を排除している、除くということになっているのがシステムでございます。
○吉川春子君 最初からそこをはっきり答えてください、時間が足りないじゃないですか。 厚生省に伺いますけれども、日々雇用の賃金職員といっても看護婦の雇用は継続されて、賃金も定員職員と同程度、そしてほぼ五年のうちに定員職員として採用されています。看護婦として三交代にも組み込まれて定員職員と同じ業務をこなしている。そしてこの看護婦さんたちの存在なしには国立病院・療養所の医療は成り立たないのではないでしょうか。実態についてどうですか。
○政府参考人(河村博江君) 国立病院・療養所の非常勤看護職員の勤務実態についてのお尋ねでありますが、これらの方々の具体的な業務内容につきましては、任命権者であります各施設長が各施設の業務の実態を踏まえて決定しておるわけでございますが、実際には定員職員たる看護婦と同様の業務に従事をいたし、同じ勤務体制に組み込まれている実態があるものと承知しております。
○吉川春子君 医労連による国立病院の賃金職員の給与、休暇等の是正要求事案ということについて人事院は判断を下しているわけです。 九六年十一月に人事院は、国立病院等における賃金職員、一日八時間の日々雇用非常勤職員の給与、休暇十五項目についての是正要求に対し、厚生省が賃金職員という非常勤職員を安易に繰り返し任用して、常勤職員と区別することなく、臨時的、一時的に多忙と言えない通常業務に従事させていることにあるとして、厚生省は非常勤職員の任用の適正化を図れと、このように判定しているわけです。 厚生省、看護婦を賃金職員として雇用すること自体問題ではないですか。やっぱりこういう人たちをきちっとした条件の中で雇用し、出産もできる、勤務も継続できる、こういう形に持っていくべきではないかと思いますが、厚生省、いかがでしょうか。
○政府参考人(河村博江君) 非常勤の職員というのは、こういう雇用形態というのは制度的に認められているわけでございますから、そしてまた正規の手続をとって、御本人がどうしても再度任用されたいという場合には、私どもと合意のもとに再度任用するという形をとっておるわけでございますが、同じ勤務形態に組み込まれているという実態があるということは承知をいたしておると先ほど申し上げたとおりでございまして、同じような業務に従事している職員の処遇というのは可能な限り、例えば給与面においてそろえるように、予算の範囲内でありますが、そのように努力をしておるわけでございます。 それと同時に、より根本的には、できるだけ定員をふやす、それで非常勤職員を縮減するということが必要であるというふうに考えておりまして、極めて厳しい定員事情の中ではありますけれども、国立病院・療養所の看護職員の定員増に努力をしておるところでございます。
○吉川春子君 官房長官、今お聞きになったように、国立病院・療養所には定員職員の約二割に近い数字が非常勤の看護婦さんとしていらっしゃいまして、特に若い方々が多いんです。出産適齢年齢というのがあると思いますけれども、非常に若い看護婦さんたちが多いんですね。この方たちが赤ちゃんを出産しようとすると、育児休業制度が適用されませんので、もうやめなきゃならない、やめないで続けていこうとすれば出産はあきらめなければならない、こういう状態にあるわけです。 今、厚生省は、なるべく定員職員に組み込むという努力をしているとおっしゃいました。それは非常に重要なことでぜひやっていただきたいのですが、同時に、今その賃金職員という制度があって、赤ちゃんを産むにも産めない、こういう若い女性たちがたくさん存在するということがあるわけです。 官房長官は男女共同参画の担当大臣でもあり、また政府は少子化対策ということを政府の一つの大きな柱として進めていますよね。その場合には、どうしても働く女性が働き続けられるような職場環境、制度、そういうものを検討していかない限り、どっちかを選ばなきゃならないわけですね。産まないで働き続けるというような選択をとる可能性もあるわけです。それは御本人にとっても非常に残念なことだと思うんですよね。 そういうことを考えますと、この賃金職員に育児休業制度を適用しないという今の制度、これは国の制度なんです、規則でなっているんですけれども、ぜひそういう制度を見直していただけないか、検討していただけないか。そのことを官房長官、お答えください。
○国務大臣(福田康夫君) 今、いろいろと実情をお聞きしまして、まさに男女共同参画社会というものを構築するために、仕事をしながら子供を育てるという制度、これはもうその角度からどうしてもこれから進めていかなければいけない、こういうことであろうかと思います。そのことについては、政府全体が取り組んでいく問題でもあると、このようにも思っておりますので、最大限努力をしてまいりたいと、このように思っております。 ただいまのお話をお伺いしておりまして、日々雇用という非常勤の職員については、これはそういう任用形態からこの育児休業制度というものを適用する、これが今なかなか難しいということで、これはもう民間の労働者も同じようなことをしているわけでございます。 それを解決する方法として、ただいま厚生省の方からお答えがございましたけれども、雇用の枠をふやすというその努力、これは当然やらなければいけないことだというふうに思いますので、それはそれで努力をしていただき、私どもの方としては、大きな男女共同参画社会を進めるという観点から考えさせていただきたいと、このように思っております。
○吉川春子君 もう一つ、官房長官、日本はILO百五十六号条約を批准しております。これはどういう条約かと申しますと、家族的責任を負う男女労働者を職場において差別してはならないと、こういう内容になっております。つまり、育児とか介護とか家事とか、そういうものを負担している労働者が職場において差別的な取り扱いをされてはならないと。一番は解雇禁止ということなんですけれども。 まさに出産、育児というのは、育児はともかく出産というのは女性にしか負えない、男性にはかわり得ない家族的な責任だと思うんですよね。それがやっぱり非常に果たしにくいということは、今賃金職員の看護婦さんの事例で申し上げましたけれども、そういうことがありますので、今、大臣から前向きの御答弁をいただきましたけれども、そのILO百五十六号条約の締約国としての立場からもこの問題の検討を開始していただきたいと思います。その点についてどうでしょうか。──検討するだけで結構です。
○国務大臣(福田康夫君) そうですね、これはなかなか難しいところがございますので、そのようにさせていただきたいと思います。
○吉川春子君 検討していただけますか。
○国務大臣(福田康夫君) なかなかこのILOパート条約、これは特定の条約を念頭に置いたものでなくて、対応の必要性を広く指摘したものである、こんなふうに考えております。 したがいまして、お尋ねの本答申に言う女性にかかわりの深い未締結のILO条約の中に含まれるかどうか、この辺も定かでなくて、本答申を踏まえた検討の対象から排除されるものではないと、こんなふうに考えておりまして、今後、検討をさせていただきたいと思っています。
○吉川春子君 政府は、年内に男女共同参画基本計画を発表されることになっておりまして、働く女性の条件整備の問題も大きな一つの柱として答申に盛り込まれておりますので、今、官房長官が検討するというふうにおっしゃっていただきましたので、今後の検討課題として、この看護婦さんの問題に限らず、働く女性が働き続けられるような、出産、育児に伴う家族的責任が果たしていけるような、そういう検討をぜひしていただきたいということを重ねて申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
○委員長(岡崎トミ子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○吉川春子君 私は、日本共産党を代表して、一般職の職員給与法改正案に反対の討論を行います。 反対の第一の理由は、そもそも人事院勧告は、憲法二十八条の権利を国家公務員に制約を課し、その代償措置として設けられたと政府は言っているものです。労働者がみずからの待遇を改善するために闘うという基本的人権を奪っておいて、さらに国家の機関が二年連続の賃下げの勧告をし、そのための法律を提出してくることは到底認められません。 政府は、人勧は労働基本権制約の代償措置であると言うならば、これでは人事院自身の存在意義を自己否定するものであります。公務員労働者の労働基本権回復が強く求められていると思います。 第二に、賃金を引き下げることによって、国家公務員とその家族の生活に打撃をもたらすからです。俸給表の改定を見送り、期末手当〇・一五カ月分、勤勉手当〇・〇五カ月分、合わせて〇・二カ月分が引き下げられたため、年収ベースで平均六万九千円引き下げられ、昨年と合わせて十六万四千円も引き下げられるものであり、このような大幅な引き下げは到底認められません。 この二年連続の賃金引き下げは、消費不況にも悪い影響を与え、景気回復に逆行するものだからです。今回の賃金引き下げは、公務員労働者やその家族にとどまらず、地方公務員、国会職員と秘書、特殊法人、社会福祉関係職員、農協職員など約七百五十万人の労働者、さらには最低賃金、生活保護基準などにも影響を及ぼします。広範な労働者、国民に影響を与える賃下げは、景気の回復に悪い影響を与えるものであります。 以上のことから、この一般職職員の給与法改定に対して私たちは反対であるということを申し上げ、討論を終わります。
○委員長(岡崎トミ子君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(岡崎トミ子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 千葉景子さんから発言を求められておりますので、これを許します。千葉景子さん。
○千葉景子君 私は、ただいま可決されました一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、社会民主党・護憲連合及び自由党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府及び人事院は、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。 一 人事院勧告制度が労働基本権制約の代償措置であることを踏まえ、政府は人事院勧告制度を引き続き尊重するとともに、人事院は官民給与の精確な比較等により公務員給与の適正な水準の維持・確保に努めること。 一 公務能率及び行政サービスの一層の向上を図るため、全体の奉仕者たる公務員の適正な処遇の確保と勤務条件の充実・整備に努めること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(岡崎トミ子君) ただいま千葉さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(岡崎トミ子君) 多数と認めます。よって、千葉さん提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、続総務庁長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。続総務庁長官。
○国務大臣(続訓弘君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨に沿い、努力してまいりたいと存じます。
○委員長(岡崎トミ子君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡崎トミ子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時二十一分散会