政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会 第8号
- 発言数
- 290 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 10
- 開催日
- 2000/11/15
会議録
○委員長(倉田寛之君) ただいまから政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律案の審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(倉田寛之君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○入澤肇君 トップバッターで質問をさせていただきます。 私はこの法律を読みまして、まず、あっせん利得罪禁止法的なものは本来、民主主義国家で成熟している場合には慣習法的な倫理観が確立されていて不文法の世界で本当は対応すべきじゃないかと思うんですが、残念ながらいろんな世論にも配慮してこういうような法律ができたということじゃないかと思っております。 この法律、私は衆議院の質問も十分に読ませていただきまして、できるだけ重複しない範囲内で質問をさせていただきたいと思うんですけれども、受けとめ方であります。一つは司法の受けとめ方、もう一つは行政当局の受けとめ方でございます。 司法の関係でいえば、あっせん収賄罪がなかなか請託の事実を十分な証拠書類を含めて立証しがたい。挙証責任転嫁の問題もあります。そういういろんな問題で、起訴件数は多いけれども実際に対象は二件だという説明がございましたけれども、今回の与党案につきましては構成要件がかなり明確になっている。行政処分とそれから契約ということで明確になったということであります。挙証責任の転嫁の問題も少なくなった。その結果、立件がスムーズに行われて公判維持が可能だというふうに受けとめてもいいのかと思うんですけれども、あっせん収賄罪と比べて、この法律は、具体的に今私が申しましたように、検察当局から見た場合に十分に運用がスムーズに行えるかどうか、この点について御見解をお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(尾身幸次君) 私どもこの法案を作成するに際しまして、構成要件を非常に明確にするということに特に意を用いまして、いいことはいい、だめなことはだめという点を明確にしているつもりでございまして、そういう意味で、執行の面では問題ないような配慮をしたつもりでございます。
○入澤肇君 私も今、尾身委員が答弁されましたように、あっせん収賄罪の規定に比べると、あるいはまた野党の案に比べますと、与党の案は非常に構成要件が限定されて明確であるというふうに認識しております。 ただもう一つ、行政との関係でいいますと、どうもこの法律は、行政当局は性善であると、性善説を前提にいたしまして、行政当局の裁量についてチェックするという視点の配慮がないのではないかなという感じがするわけであります。この点について幾つか御質問をいたしたいと思います。 まず、一番大きな問題は予算の配分でございますけれども、予算の配分というのは、有力な政治家がいるところには当然のことながら意欲的な国づくりが行われておりますから多くの予算が配分される、これは歴史的事実でもございます。役人というのはそういう政治の力関係というのは十分わかっておりますから、そういう地元の意向を受けて、政治家の意向を受けて、そういうものの実態を把握した上で予算の配分を行うんですけれども、この予算の配分というのは、そもそもこの法律では行政処分に当たるのかどうかということをお聞きしたいと思います。
○衆議院議員(小池百合子君) 今の御質問は、まさに長年行政の方に携わっておられて、いろんな側面を行政の側から見られていた、その御経験に基づいての御質問だと感じております。 そして、予算の配分でございますけれども、さまざまな予算の配分の仕方があるわけでございますけれども、本法案で申します、これは「特定の者に対する行政庁の処分」ということが書かれているわけでございますが、これにつきましてちょっと御説明させていただきたいと存じます。 これは「特定の者に対する行政庁の処分」といいますのは、国または地方公共団体が行う行為、その行為のうち直接国民の権利義務を形成する、あるいはその範囲を確定することが法律上認められているものでございまして、特定の個人または団体に対してなされるものを指しているところでございます。そして、その予算の編成と執行、箇所づけ、これはいずれも政策決定の場でございまして、これによって直接国民の権利義務を形成するあるいはその範囲を確定するということから、この法案におきましては特定の者に対する行政庁の処分には当たらないと考えているところでございます。
○入澤肇君 予算の配分については今御答弁があったとおりだと思うんですけれども、補助金にも間接補助と直接補助がございますね。具体的に特定の法人に対して補助金を出すという場合にも、これは予算の配分とちょっと違うと思うんです。予算の配分そのものはこの法律の対象となりませんよと。しかし、具体的に直接補助金として法人とか個人に出す場合あるいは融資金額を決定するような場合、こういう場合にはこれは行政処分に当たりましょうか。
○衆議院議員(小池百合子君) 今お尋ねの補助金の件でございますけれども、国等が特定の事業を助成するために行う給付ということでございますので、その交付決定についてはこの交付を受ける者、団体に直接権利を付与することになるわけでございます。したがいまして、このような補助金の交付決定は、当然本法案で申しますところの特定の者に対する行政庁の処分に当たる、そして処罰の対象となるわけでございます。したがいまして、今御指摘の補助金につきましては、本法案ではそういった考えをベースにさせていただいております。
○入澤肇君 非常にこれで明確になったと思うんです。各地方公共団体等に対する予算の配分は本法の対象にならないけれども、さらにその先、あるいは国が直接個人なり法人に補助金を出す場合には行政処分の対象になるということで、一応基準を明確にしておきたいと思います。 もう一つ、そのやり方でございますけれども、私どもよく頼まれるんですけれども、可能であればやってくれというふうに、継続的に後援会費を出してくださっている後援会の皆さん方に依頼を受ける、たまたま成功してしまったという場合にはこの法律の対象になりましょうか。
○衆議院議員(尾身幸次君) 今、後半の部分と政治資金との関係でございますが、継続的に政治資金を受けている関係、それは政治資金そのものがいわゆるあっせん行為に基づく利得とは考えられないことであるという点については意見統一ができている次第でございます。
○入澤肇君 この点も非常に明確になったと思います。 ただ、この補助金の配分というのは行政当局が、私当初申しましたように、この法律が出て非常に裁量権が要するに強化されたというのか、政治家はいろんな形で行政当局に注文をすることによって行政当局の意思をチェックしているんです、規制しています。これも全部失われるということになりますと、例えばこういうこともあるんです。天下りを予定している会社に重点的に公共事業が行くようにいろんな工作をして配分する、あるいはこれから知事に出たい、市町村長に出たいというときにそこの地域に重点的に予算を配分する、こういうこともあるわけです。 こういうふうなことはこの法律の対象にならないけれども、それをチェックするということはなかなか難しい。難しいけれども、私は、こういう法律ができることによって、慣習法的なルールがおのずからできていくということが期待されるんじゃないかと思っているんですけれども、いかがでしょうか。
○衆議院議員(小池百合子君) まさにおっしゃるとおりでございまして、先ほど来御説明させていただいております補助金の取り扱いについて等々ございます。そして、その中で、裁量が働かないような形、そういったことで補助金交付の決定がこれによって透明化されていくということも期待をしているところでございます。
○入澤肇君 補助金の配分については非常に今の御答弁等で明確になったと思いますので、これで終わりにします。 この法律でもう一つ非常に疑問に思いましたのは、実は閣僚というのは半分までは民間人でよろしゅうございますね。民間出身の大臣は公職にある人に該当するのかしないのか、そこをちょっとお聞きしたいと思います。
○衆議院議員(小池百合子君) 民間人の大臣ということでございますけれども、大臣に対しましては、国会議員の身分を有するか否かを問わず、内閣の構成員として国会に対して責任を負う存在と考えておりまして、民間人であれだれであれ、私の利益ですね、私利を図る目的で本来公正であるべき行政を曲げてしまうという場合には当然にその責任を追及されるべき存在と考えております。 なお、民間人の出身でありましても、今申し上げましたように、大臣は公務員としての地位を有するものでございます。そして、例えば大臣が請託を受け、その所管する行政庁の職員に職務上の行為を命じる、そしてその報酬として財産上の利益を受けた場合、これは本法案の罪は成立いたしませんが、刑法の第百九十七条受託収賄罪の罪、または同じく第百九十七条三にございます加重収賄の罪が成立し、その刑で処罰されることとなるわけでございます。
○入澤肇君 今の御答弁で明らかになったんですけれども、この法律は政治公務員についての要するに処罰法だ、刑法の方は一般公務員だ。そのために、例えば私的な秘書も対象にするかしないかという議論もありましたね。私設秘書を対象とするかどうかというのも要するに政治公務員の仕組みの中で妥当かどうか。それから、今の百九十七条の四ですか、これとの整合性において除外しているわけですね。 民間の大臣は、公職にある人がこの法律に該当しないというのは、政治公務員じゃないけれども一般の公務員と同じだということは、若干私はこの法律の矛盾点じゃないかと思うんですけれども、重ねてちょっと尾身先生に。
○衆議院議員(尾身幸次君) この法案そのものが選挙によって選ばれた政治公務員の廉潔性を守る、そして、それによって国民の政治に対する信頼感を確保するという意味で対象を政治公務員に限ったものでございます。しかしながら、民間出身といえども大臣は公務員でございまして、その職務に関して収賄罪その他の罪の適用は当然ある、こういうことだと思います。
○入澤肇君 これは今の法体系からそういうことなんでしょうけれども、私は、これについては政府が統一見解をきちんと出して、そして民間人の大臣はこれからもふえてくる可能性があるわけですから、民間出身の大臣もこういうことについては政治公務員と同じような行為をやってはいけないというようなことをきちんと内外に示しておくことが必要じゃないかなと思っているんですが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(小池百合子君) ただいまの委員の御指摘また御質問、それに対します私どもの答弁、これが一つの大きな指針になってくるものと存じます。ということで、今のやりとりの中でもかなり明確になってきたということを期待いたしております。
○入澤肇君 この答弁でぜひ内外にそういうことを普及、宣伝していただきたいと思っております。 それから、今度は行政当局内部の問題なんですけれども、大臣と行政当局、執行側の意見が大幅に対立することがございます。例えば予算の配分にしても、それから行政処分にしても、契約にしても、行政当局は従来からの積み上げでこういうふうにしたいと思っているんだけれども、大臣が言ってそれはこっちに直せという場合に、大臣のいわゆる命令ですね、これは行政命令でございますが、これはこのあっせんとか何かに、口ききに該当するかしないか。
○衆議院議員(小池百合子君) 大臣の命令はまさに職務権限そのものになってくるわけでございまして、この法案でいうところのあっせんの行為とは考えておりません。ですから、大臣が請託を受けて、その所管する行政庁の職員にまさに大臣の命令として職務上の行為を命じ、その報酬として財産上の利益を受けた場合、先ほども挙げた条文に匹敵するわけでございますが、刑法第百九十七条の受託収賄罪、そして百九十七条三の加重収賄罪の罪が成立することになりまして、その刑によって処罰の対象となるということを考えております。
○入澤肇君 当然そういう答弁が返ってくると思うんですけれども、私は、この法律によってますます政治家のチェック機能が個別に働かないとすると、大臣なり行政当局担当者の裁量行為の範囲が非常に広くなって強くなるんじゃないかということを懸念しているわけであります。 こういうことをチェックするために、例えば国会がチェックするという場合に、参議院においては行政監視委員会がございますね。それから、衆議院においても予算委員会あるいは決算委員会等でいろんな質問をしてチェックすることができると思うんですけれども、特に参議院においては行政監視委員会の機能が極めて重大な役割を果たすようになると思うんですけれども、いかがでしょうか。
○衆議院議員(小池百合子君) 御指摘のように、チェック機能というのは大変重要な国会における役割であるというふうに考えます。また、衆議院の場合ですと決算委員会、そしてそれぞれ関係の委員会、さらには今御指摘ございました参議院での決算、行政監視委員会、そしてそのほか関係の委員会、すべてが、予算が法令そして予算の定めに従って適切に執行されているかどうか、まさにこの機能をさらに高めていく必要もあろうかと存じております。
○入澤肇君 このような法律が新しく制定されますと、立法府の手足だけ縛ってしまって、そして行政当局、繰り返しになりますけれども、裁量行為が非常に強くなるおそれがありますので、一層国会における監視なりあるいはチェックなりの機能が強く働くようにしなくちゃいけないんじゃないかと私は考えております。 そこでもう一つ、先ほどの質問に戻るんですけれども、民間人の大臣は、あっせんをする場合はこの法律の対象にならない。具体的に民間人の大臣が行う処分、契約についても、先ほどの国会議員である大臣と同じように私的な計算が入っても何もとがめられない、この法律では。それは要するに、刑法の百九十七条の四ですか、そちらの方の条文が該当して責めを負うということになるのでよろしゅうございますね。
○衆議院議員(小池百合子君) 先ほどお答えしたとおりでございまして、大臣は、国会議員の出身なのか民間人の出身なのかを問わずして内閣の構成要員としての責任がある、そしてその責任は当然追及されるべきであるというふうに考えております。そして、今御指摘のように、民間人の出身であっても大臣としての公務員の身分を有する限りは、報酬として請託を受けて、そしてまたその報酬として財産上の利益を受けた場合、刑法の第百九十七条受託収賄罪、そしてその三の加重収賄罪の罪が成立し、その刑によって処罰される、重ねてお答えを申し上げます。
○入澤肇君 非常にこれで行政当局の中の関係が明確になったと思います。 重ねて御質問申し上げますけれども、やっぱり政治活動には一定の資金が必要だと思うんですね。こういうふうな法律が出るということは、今政治資金規正法等で認められている資金の調達について場合によっては不十分だという一般的暗黙の認識があるんじゃないかと思うんですけれども、諸外国、アメリカとかイギリスとかフランスとか、特に民主主義が成熟しているというイギリス、フランス等においては一体政治活動に必要な資金の調達方法についてどのような規制があるか。もし調べている結果があったら教えていただきたいし、また調べていなかったら改めて調べていただきたいと思うんですが、これは政府参考人でいいんですけれども、お願いします。
○政府参考人(片木淳君) 各国の政治資金の調達方法の制度についてお答えをいたします。 アメリカにおきましては、個人献金が候補者の政治資金の主力になっておると承知しているところでございます。また、企業、労働組合が直接行います政治献金は禁止をされておりまして、別組織として御案内のとおり政治活動委員会、いわゆるPACを組織いたしまして、これに管理職、組合員等の個人献金を集め政治献金を行っているというふうに承知をいたしております。最近は、連邦選挙運動法の規制の対象とならない政党組織全体のために行われる政治献金、いわゆるソフトマネーが増加している実態だと聞いているところでございます。 イギリスでございますが、イギリスにおきましては政党中心に政治資金が集められておりまして、伝統的に企業、労働組合の献金に依存しておりましたけれども、最近は大口の個人献金が増大する傾向にあると承知をいたしております。 ドイツにおきましては、政党法がございますが、政党を中心に政治資金が集められておりまして、政党への国庫補助の配分におきまして、一部が党費、個人献金の額と連動して決められるという仕組みになっておりますことから、政党の収入におきまして党費、個人献金、国庫補助の比重が高いというふうに承知をいたしております。 フランスにおきましては、企業献金は禁止をされております。政党の収入としては、党費、個人献金、国庫補助等があるという実態だと承知をいたしております。
○入澤肇君 大体わかったんですけれども、私はこの法律を読んで、想定問答を自民党の先生方とも一緒に読ませてもらったんですけれども、あれはいい、これはいいと、よくわからないところがたくさんあるんですね。特に、事後収賄的なことになりかねないような場合、これ非常に疑問があるところがありまして、想定問答の答えを見ても、これは裁判所だったら違うと答弁するんじゃないかななんというふうに感じたりしているんです。 ここまでは大丈夫だよと、具体的な事例ですね、こういうふうなことはいいんだよ、それからこういうことはいけないんだよと、ネガリストにするかポジリストにするかはわからないけれども、代表的な事例を二、三もし教えていただけたらありがたいんですけれども。
○衆議院議員(尾身幸次君) 法案に私どもとしてはいわゆるあっせん利得の罪の構成要件をできるだけ明確にしたつもりでございまして、個々の事案によりまして事実関係がどうなっているかということを見た上で、このあっせん利得の罪が成立するかどうかということを判断していただくことになろうと思っております。
○入澤肇君 今の質問は恐らくまた同僚の与党の議員からも御質問があると思うんですけれども、ぜひ二、三事例を挙げてお示しいただきたいと思うのであります。 もう一つ最後に、時間がありますので、これは予告していないんですが御質問申し上げますと、条文に書いてあります「国又は地方公共団体が資本金の二分の一以上を出資している法人」、この出資というのは出資法に基づく出資なんでしょうか、あるいは単なる補助金適化法に基づく補助金の交付でよろしいのでございましょうか。
○衆議院議員(小池百合子君) その御質問につきましては、商法に基づく出資法によるところの出資ということを──失礼しました。今の答弁、改めて申し上げますと、会計検査院法に基づく考え方に準拠いたしております。
○入澤肇君 あとは予告していないので、質問するとちょっと申しわけないので割愛いたしますけれども、会計検査院の検査対象になる補助金、交付金等のトータルをもって、資本金の二分の一以上を出資しておるというふうに理解するんだと思うんですけれども、一体この法人が幾つぐらいあるのか。細かいことはいずれまた資料として、今答弁結構でございますから、恐らく同僚議員が質問すると思いますので、よく調べておいていただきたいと思います。 以上が通告している質問でございますので、私の質問はこれで終わらせていただきます。
○衆議院議員(小池百合子君) 今のいいですか。
○委員長(倉田寛之君) 答弁されますか。
○衆議院議員(小池百合子君) 後ほど委員の方にはしっかりと御説明をさせていただきたいと思っておりますけれども、先ほど申し上げた基準で申し上げますと、対象の団体は約八十数団体に上っているものと考えております。
○入澤肇君 どうもありがとうございました。終わります。
○亀井郁夫君 自由民主党の亀井でございます。 質問の機会をちょうだいしましたこと、心から感謝申し上げたいと思います。 質問に先立ちまして一言申し上げたいことは、国民に選ばれる立場にある我々政治家のみを対象にして、他国に類を見ないようないわゆるあっせん利得処罰法が今国会に提案され、審議しなければならない状態に置かれていることは、私たち国会議員の恥であり、まことに残念至極に存ずる次第でもあります。 戦後五十余年、二十一世紀を迎えようとする今日、静かに振り返ってみますと、私たちは確かに経済的な豊かさを実現することはできましたけれども、しかし反面、日本人として大事なもの、それは日本人の心を失ってしまったのではないかと思うわけであります。そしてまた、私たち政治家も同じように日本人の伝統的な廉恥の心、恥を知る心を残念ながら失ってきたのではないかと私は思うわけであります。 この法律案の提案趣旨は、こうした状況の中で、国民の中に高まる政治に対する不信感を払拭し、政治家の政治活動の廉潔性と政治に対する国民の信頼を確保しようとするものであり、法案成立のため御尽力いただいております発議者の先生方に対し、心から敬意を表したいと思うわけでもございます。 しかし、国民の政治に対する不信は、本来私たち政治家がみずからの問題としてこれを恥じ、このような法律に頼らずにみずからの手で信頼の回復に努めるべきであると私は思うわけでもございます。世界に類を見ない政治家のみを対象とした、政治家のモラルを維持するための法律を私たち国会議員がみずからの手で制定しなければならない、こういうことは本当に残念でございます。私たちの恥だと私たちは言っていいと思うわけであります。 政治に対する国民の信頼を取り戻す手だては、私たち政治家がみずから姿勢を正すことであり、また国のために真剣に努力している私たちの姿を国民に理解していただくことではないでしょうか。私たち国会議員にとり今大切なことは、今さら言うまでもないことでありますが、みずから身を正し、政治活動にまつわる金銭的な疑惑の発生を未然に防ぎ、本法律の発動の機会を失わせることではないかと思います。 さらに大切なことは、国会における私たち国会議員のあり方でもあろうかと思うわけであります。最も重要な国家基本政策委員会においてさえ、国の将来を憂う政策中心の論議は行われず、総理の言葉じりや枝葉末節のことをとらえた党利党略的な質問ばかりが最近行われておるわけでありまして、こういう姿を見て、国民の政治に対する不信感はいやが上にも募るばかりであります。 実は昨夜も地元の大勢の議長さんたちと会いましたけれども、皆さん方は口をそろえて、異口同音にクエスチョンタイムの内容の問題性と政治不信の増幅について厳しく指摘されたわけでもございます。 私たち政治家にとりまことに不名誉な、失礼ではございますけれども、私はあえて不名誉と言わせていただきますが、不名誉なこの法律案でありますけれども、将来にわたり一度も適用されることがないように、そして結果的には無用の法律となることを祈念しながら、具体的な質問に入らせていただきたいと思うわけでもございます。 私たち国会議員また地方公共団体の議員は日常それぞれの地元において地味な活動を続けておりますけれども、その中心は何といっても世話活動でございます。世話活動の中には、後援会の方々と行政とのパイプ役という仕事も大きなウエートを占めておるわけでございまして、この法律の解釈によっては世話活動が大きく制約される可能性もございますので、細かい点について何点かお尋ねいたしますので、わかりやすくお答えいただきたいと存ずるわけでございます。 まず一点は、第一条の問題ですけれども、第一条は基本的な条項でございますので、この中で特に、真ん中あたりにあります「その権限に基づく影響力を行使して公務員にその職務上の行為をさせるように、又はさせないようにあっせんをすること」、こういうあたりについていろいろとお尋ねしたいと思います。 まず、ここで、「その権限に基づく影響力を行使して」という条件がついておるわけでありまして、あっせんの方法がかなりこれで限定されることになるのではないかと思いますけれども、これが設けられた趣旨についてお尋ねいたしたいと思います。
○衆議院議員(谷津義男君) 亀井議員がただいまおっしゃいましたこの法案云々につきましては、実は私自身もじくじたるものがあるわけであります。そういう中で、今御質問がありました件につきましてお答えを申し上げていきたいと思います。 あっせんの方法を権限に基づく影響力の行使としている理由としては、あっせんの方法を限定しない場合には、国会議員等の身分を有する者が行政府の公務員に対して行う働きかけのほとんどが対象になってしまうのでありまして、処罰範囲が過度に広がるのではないかと思うわけであります。政治公務員による正当な政治活動を不当に萎縮させるおそれがあるからこうしたものにしたわけであります。
○亀井郁夫君 ありがとうございました。 それでは、この権限の問題ですけれども、「その権限」というのは、当該政治家の持つ権限で、法令に基づくものに限定されるものだと考えてよいのかどうか。あるいはまた、その政治家が、法律で定められていること以外に、事実上いろいろと持っている政治的な力というものがあろうかと思いますけれども、そうしたものを含めた形で「その権限」という言葉が理解されるのかどうか、お尋ねしたいと思います。
○衆議院議員(谷津義男君) ただいまの御質問は、政治的力ということをおっしゃいましたが、これは党役員あるいは団体役員を指しているのかなというふうに思いますので、御答弁をさせていただきたいと思います。 「権限」とは、御指摘にもあったとおり、法令に基づく公職にある者等の職務権限をいうのでありまして、国会議員について言えば、その一例として、議院における議案発議権、修正動議提出権、委員会における質疑権等があります。この質問の党役員あるいは団体役員等の権限は、本法案に言う「権限」そのものには当たらないと思っております。 もっとも、具体的な証拠関係に基づく事実認定の問題ではありますが、国会議員である政党の役員が影響力を行使して公務員に対しあっせんする場合には、政党の役員としての影響力の行使のみならず、みずからの国会議員としての権限に基づく影響力の行使を含むのが通常であると考えられます。その場合、「権限に基づく影響力」には、他の国会議員に対して法案の賛否等を働きかける事実上の職務行為から生ずる影響力も含まれるのでありまして、当該議員の権限に基づく影響力の程度の判断においては、当該議員の政党役員としての立場も考慮されることとなろうと思います。
○亀井郁夫君 わかりました。 次に、権限のことなんですけれども、権限の行使としないで「権限に基づく影響力を行使」と定められておるわけでございますけれども、「影響力」という言葉になりますと、少し抽象的な表現になるわけでございますけれども、そういう意味でこれが漠然と受けとめられると。地位の利用等も入ってくるのかなということになるわけでありますけれども、そういう意味では非常に判断しがたいように私は思うわけであります。そうしますと、事件の処理の場合に、警察なり司法当局の裁量判断に任される部分が多くなってくるのではないかと思うわけでございまして、そういう意味では非常に危険だなという感じがせぬでもないわけでございます。 そういう意味では、「権限に基づく影響力」という言葉でございますが、これは、命令、指示、助言、あるいは審議、審査、こうした法令で定められている権限事項以外にどのようなものが含まれることを予定しておられるのか、考えておられるのか、お尋ねしたいと思うわけでございます。
○衆議院議員(谷津義男君) 「その権限に基づく影響力」とは、公職にある者等が法令に基づいて有する権限に直接または間接に由来する影響力をいうのであります。すなわち、法令に基づく公職者の職務権限から生ずる影響力のみならず、法令に基づく職務権限の遂行に当たって当然に随伴する事実上の職務行為から生ずる影響力も含まれます。 ここに言う事実上の職務行為の例としては、他の国会議員に法案への賛同あるいは反対を求める行為、他の国会議員に一定の質問を行うよう働きかける行為、行政庁に対し説明を要請する行為等が挙げられます。
○亀井郁夫君 今のことに絡んでもう少しお尋ねしたいんですが、権限の行使ということとは、これはわかりやすいんですけれども、影響力の行使という言葉ですけれども、これについて具体的にはどのようなことが予定されているのか、わかりやすくお願いいたしたいと思います。
○衆議院議員(谷津義男君) 影響力の行使とは、公職者の権限に基づく影響力を積極的に利用すること、言いかえますれば、実際に被あっせん公務員の判断を拘束する必要はないものの、態様として、被あっせん公務員の判断に影響を与えるような形で被あっせん公務員に影響を有する権限の行使、不行使を明示的あるいは黙示的に示すことであります。 どのような態様の行為が被あっせん公務員の判断に影響を与えるような形での行為に当たるかは、具体的な証拠関係に基づく事実認定の問題でありますけれども、あっせんを行う公職者の立場、あっせんの際の言動、あっせんを受ける公務員の職務内容、その他諸般の事情を総合して判断されるものになると思います。 典型例といたしましては、権限の行使、不行使と交換条件にあっせんを行う場合が考えられまして、その具体例としては、ある省に対応する委員会に属する衆議院議員が特定の業者からその省への物品納入契約の締結についてあっせんの依頼を受けまして、今後あなたの省の関連法案に反対するかもしれないと言いながら、その省の物品調達担当者に対し、当該特定の業者から物品を納入するように働きかけた場合などが挙げられます。
○亀井郁夫君 ありがとうございました。 次に、同じことにこだわるようでございますけれども、権限と影響力の行使の絡みですけれども、あっせん者に権限があるにもかかわらず、被あっせん公務員が直接的な影響力を感じなかった場合どうなのかということですね。それからまた、あっせん者には権限がないのに被あっせん者が影響力を感じた場合、この場合には、いずれも私は構成要件に該当しないのではないかと思うんですけれどもいかがなものか、お尋ねいたします。
○衆議院議員(谷津義男君) 今御説明申し上げましたとおり、権限に基づく影響力の行使とは、公職にある者の権限に基づく影響力を積極的に利用すること、言いかえますれば、実際に被あっせん公務員の判断を拘束する必要はないものの、態様として、被あっせん公務員の判断に影響を与えるような形で被あっせん公務員に影響を有する権限の行使、不行使を明示的または黙示的に示すことでありまして、どのような態様の行為が被あっせん公務員の判断に影響を与えるような形での行為に当たるかは、具体的な証拠関係に基づく事実認定の問題でありますが、あっせんを行う議員等の立場、あっせんの際の言動、あっせんを受ける公務員の職務内容、その他諸般の事情を総合して判断されることになります。 したがって、あっせん者に権限があり、客観的に被あっせん公務員の判断に影響を与えるような形で被あっせん公務員に影響を有する権限の行使、不行使が明示的または黙示的に示されたと認められた場合には、現実には当該被あっせん公務員自身は影響を感じていなかったとしても、権限に基づく影響力の行使があったとなります。 一方、あっせん者に影響力の泉となる、もととなる権限がない場合のお話がありましたが、幾ら被あっせん者が影響力を感じたとしても本法案の構成要件には、この該当する処罰の対象にはならないというふうになっております。
○亀井郁夫君 よくわかりました。 権限がある場合には、だから相手の方がどう感じようとそういう状況であれば該当すると。権限がなければ、被あっせん者が影響力を感じてもその場合は構成要件に該当しないということですね。よくわかりました。 次にお尋ねしたいのは、地元の陳情等に関連いたしまして、私たち自身が県や市町村にいろいろとお願いしあっせん行為をすることがあるわけでございます。もちろんこの場合、これはいずれも対価的なものをもらわなければ別に問題はないわけでございますけれども、そういうことで、もらってもいいということじゃなしに、もらわないという前提ですけれども、いろいろそういうあっせん行為をやるわけでございます。 そうした場合、一般的には国会議員は県や市町村に対して具体的な権限は持っていないわけでございますから、今のお話ですと該当しないんじゃないかというふうに私は思うわけでございますが、しかし、国会議員がやった場合、これは影響力があったんだと、事実上影響力はかなりあるだろうと思うんですけれども、そういう場合にこれ該当するケースというのはどういうことが考えられるのか、これについてお尋ねしたいと思います。
○衆議院議員(谷津義男君) 国会議員が地方公共団体の公務員に対しまして権限に基づく影響力を有する場合には次のような例があるのではないかというふうに考えられます。 国会議員が、例えば私が群馬県の職員に対しまして、群馬県の行う公共事業に対する国の補助金は過剰ではないかと所轄委員会で質問をするぞなどと言いながら、特定の業者との間で物品納入契約を締結するように働きかけた場合がそれに該当すると思うんです。また、私が群馬県の職員に対しまして、地域振興開発特別措置法の一部改正法案に反対するぞと言いながら、特定の業者を指名競争入札に参加させるような働きかけをした場合にはそれに該当いたします。
○亀井郁夫君 わかりました。 今のお話ですと、国会議員は直接命令等をする権限はないけれども、しかし国会議員としての権限を背景にして、これこそ影響力だと思いますけれども、そういう形で話した場合にはこれは該当するというふうに理解してよろしいわけですね。わかりました。 次に進ませていただきます。 次は、今度は都道府県の議員の場合も同じでございますけれども、都道府県の議員も市町村に対しいろいろとあっせん行為をする場合があるわけでございますが、これについても、具体的には今と同じようなケースでございますから構成要件には該当しないわけでございますけれども、同じようなことが言えるんじゃないかと思いますが、これについても同じように考えていいのかどうか。
○衆議院議員(谷津義男君) 都道府県の議員が市町村の公務員に対しまして権限に基づく影響力を有する場合には、例えば、先生は広島県の御出身ですから、広島県の県会議員が広島市の職員に対しまして、広島市の行う公共事業に対する広島県の補助金は過剰ではないかと所管委員会で質問すると言いながら、特定業者の間で物品納入契約を締結するように働きかけた場合がそれに該当します。
○亀井郁夫君 よくわかりました。 次に、地方議会の議員の皆さん方は国家公務員に対して権限を有していないわけでありますが、しかし国家公務員に対してあっせんするケースがあるわけでありますけれども、これは権限に基づく影響力はありませんから、そういう意味では構成要件に該当しないんではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。これはそういうケースがあるのかどうなのか。
○衆議院議員(谷津義男君) 地方公共団体の議会の議員が本省の国家公務員に対しまして権限に基づく影響力を有する場面はちょっと想定しがたいと思いますけれども、地方の出先機関に勤務する国家公務員との関係では次のようなことが例として挙げられるのではないかと思うんです。 例えば、国立病院の院長に対しまして、病院の構造設備に関する都道府県知事の検査に不正があるからではないかとの趣旨で議会において質問を行うかもしれないなどと言いながら、特定の業者との間に物品納入契約を締結するようにあっせんする場合があるのではないか。あるいは、郵便局の新設に際しまして、建築確認において不利益な取り扱いをするような暗示をしまして縁故者を職員として採用するような場合が想定されます。
○亀井郁夫君 よくわかりました。 その次にお尋ねしたいのは、「公務員にその職務上の行為をさせるように、又はさせないようにあっせんをする」ということでございますけれども、公務員の職務上の行為という場合でございますけれども、公務員の職務ということは、法令、規則などに定められている職務に関する行為に限定的に理解されるべきだと思います。そういう意味では、全く担当外のところにあっせん行為を仮にした場合があるかもしれませんけれども、そういうのはこれに該当しないんではないか、そういう意味では厳格に限定的に理解していいんじゃないかと思うんですが、これについてはいかがでしょうか。
○衆議院議員(谷津義男君) 刑法百九十七条の三あるいは第二項、第三項これは加重収賄あるいは事後収賄、及び百九十七条の四あっせん収賄において、職務上とは職務に関しての意味でありまして、職務上の行為とは被あっせん公務員が法令上所管する職務そのものに限らず、その職務に密接な関係を有する準職務行為または事実上所管する職務行為を含むものと解されます。 本法案に言う被あっせん公務員の職務上の行為もこれと同様に解すべきであると考えます。
○亀井郁夫君 わかりました。 そういう意味では、もうちょっと周辺の関係あるところまで入るということですね。わかりました。 その次にお尋ねしたいのは、「あっせんをすること又はしたことにつき、」と定めてありますけれども、あっせんすることというのは、その意味では未来形に理解しまして約束をすることというふうに読むんだろうと思うんですけれども、その意味では将来そういうことについて約束した場合もこの処罰の対象になるというふうに理解すべきでいいんでしょうか。
○衆議院議員(谷津義男君) 先生のお尋ねのとおり、あっせんの約束をすることも処罰の対象とする意味でありまして、現実にあっせんをしていなくても、あっせんの報酬として財産上の利益を収受すれば犯罪が成立することになると思います。
○亀井郁夫君 ありがとうございました。 次にお尋ねしたいことは、第一条の二項で「国又は地方公共団体が資本金の二分の一以上を出資している法人が締結する売買、貸借、請負その他の契約に関し、」ということで、国または地方公共団体が半分以上を出している法人についてもこれはあっせん行為の対象になるんだということになっておりますけれども、これが入った趣旨についてお尋ねしたいと思います。
○衆議院議員(谷津義男君) 国または地方公共団体が二分の一以上を出資している法人については国または地方公共団体に準ずるものということができ、当該法人の職員も公務員に準ずる者と言うことができます。したがって、公職にある者が当該法人の締結する契約に関するあっせん行為を行いその報酬を得ることは、国または地方公共団体が締結する契約に関してあっせん行為を行いその報酬を得た場合と同様に、当該公職にある者の政治活動の廉潔性及びそれに関する国民の信頼を害するということになります。 そこで、この場合でも、あっせん行為を行って報酬を得る行為を処罰することとしたものであります。
○亀井郁夫君 次に、秘書の問題についてお尋ねしたいと思います。 第二条で国会議員の秘書も対象になることになったわけでございますけれども、秘書には御存じのように公設秘書と私設秘書がおるわけでございまして、そういう意味では仕事の内容はほとんど変わらぬじゃないか、だから私設秘書も入れるべきではないかということも野党の方では言っておられるわけでありますけれども、これにつきまして、公設秘書だけをこのあっせん利得罪の対象にされた趣旨というものは何か御説明願いたいと思います。
○衆議院議員(谷津義男君) 本罪は、政治に関与する公務員の活動の廉潔性、清廉潔白性とこれに対する国民の信頼を保護しようとするものであります。 公設秘書については、公務員として国会議員の政治活動を補佐するものでありまして、国会議員の権限に基づく影響力を行使し得る立場にあります。そのような公設秘書があっせん行為を行う場合には、国会議員の政治活動の廉潔性及びこれに対する国民の信頼という本法の罪の保護法益を害することになるので処罰の対象としたものであります。 一方、今述べた保護法益からすると、処罰の範囲を公務員でない私設秘書にまで拡大することは不適当であると考えます。また、私設秘書については、国会議員との関係の程度はさまざまでありまして、一律に処罰の対象とすることは不適当ではないかと思います。 また、刑法のあっせん収賄罪では、公務員に職務上不正な行為をさせた場合に成立する犯罪でありますが、本罪は公務員に正当な職務上の行為をさせた場合でも犯罪として成立するものであります。したがって、同じあっせん行為でも犯情としては明らかに本罪の方が軽いということになるわけであります。ところで、刑法のあっせん収賄罪では私設秘書を処罰の対象にしておりません。犯情の重い刑法のあっせん収賄罪においてすら処罰の対象とされていない私設秘書を、より犯情の軽い本罪において処罰の対象にすることはバランスを欠く結果になるのではないかと思います。このような観点から、本罪では私設秘書を処罰の対象としなかったところであります。 なお、私の私設秘書があっせん行為をしたときに、私がその指示をした場合には、私がその本法案の罪になるわけであります。
○亀井郁夫君 よくわかりました。 私設秘書につきましては、私たちもそうですけれども、千差万別でございまして、ボランティアで来てくれる人でも秘書という肩書きを使っているケースがありますし、特に選挙になりますと多数の秘書という肩書きをつけた人が動くわけでありますから、そういう意味では、今おっしゃったように、そういった私設秘書の責任は政治家が負うんだ、持つんだということでこの問題は解決しようということでございますので、理解することができたわけでございます。 その次が利益供与者の問題でございます、第四条の。 政治家や秘書のあっせん行為というのは後援者などから依頼があってやるのが一般的でして、そういう意味では世話活動の一環として政治家が受け身の立場でやっているケースがほとんどでございます。そういう意味では、よくお礼だといって来られるわけでございまして、茶菓子、お菓子ぐらいはちょうだいしますけれども、中には包んでこられる方がおられますから、それを全部返すようにしておるわけでございますけれども、そういう意味では、それを何だか返すのに大変だということだってあるわけでございます、現実には。 そういう意味では、利益供与者の量刑が、一部には利得者と同じでいいんじゃないか、軽過ぎるんじゃないかという説もあるわけでございますけれども、これは三分の一で一年ということになっておるわけでございますけれども、この辺についての配慮はどのように考えられたのか、教えていただきたいと思います。
○衆議院議員(谷津義男君) あっせんを請託して利益を供与した者に関する罪は本法第四条に定めるものでありますが、本条は、利益供与者が、第一条これは公職者あっせん利得です、または第二条議員秘書あっせん利得、に定める財産上の利益を公職者等に供与することが第一条または第二条の犯罪を惹起させること、あっせん利得行為を抑止するためには利得者側を処罰するだけでは不十分であることから、これを処罰することとしたものであります。 そもそも自己の利益のために政治家を利用しようとする者が悪いとの考え方もないわけではないけれども、国民の信託を受けた政治公務員はそのような働きかけにもかかわらず、みずからの廉潔性を保つべき責任を負うものと考えられます。この法案は、政治に携わる公務員の政治活動の廉潔性、清廉潔白性を保持し、それによって国民の政治に対する信頼を高めることを目的とした、その政治公務員の行為に一定の枠をはめたものでありまして、これに反した場合には厳しいペナルティーを科してその実効性を担保しようとするものであります。 この法案は、このような政治公務員みずからが襟を正すべきであるとの認識のもとにその法定刑を定めたものでありまして、妥当なものと考えております。
○亀井郁夫君 よくわかりました。 次にお尋ねしたいのは、第五条で、国外犯についても適用される、処罰されるということになっているんですけれども、これだけを読むとよくわからないものですから、具体的にどういうことがこの場合考えられるのか、お教えいただきたいと思います。
○衆議院議員(谷津義男君) 本罪の国外犯の例といたしましては、公職者が外国に出張中に現地在住の外国人の請託を受けまして、領事館の領事等に対して権限に基づく影響力を行使して、その外国人へのビザの発給をあっせんしまして、その報酬として財産上の利益を現地において請託者から収受した場合等が考えられます。
○亀井郁夫君 最後に、第六条の「適用上の注意」についてお尋ねしたいと思うんです。 現行の選挙制度を前提にする限り、政治家の場合、世話活動というのは大変重要な業務でありますし、そこの中で具体的なあっせん行為といいますか具体的な世話をするということがあるわけでありますが、もちろんこれについては対価性を求めながらのあっせん活動をすることは一般的にはないわけでございますけれども、また片方では、政治活動に必要な資金の調達ということも大事な仕事でございますので、その辺が混在となりますといろいろと誤解を受ける場面がたくさんあるわけでございまして、そういう意味では、本法において両者を無理に結びつけて罪に陥れようという格好で解釈されるといろいろと難しい問題も起こってくるのではないかと思います。そうすると、政治活動を不当に制約されるという面も出てこようかと思います。 きょういろいろとお尋ねしまして大分わかったんですけれども、しかし、こうした運用の基準等を具体的に明確化していただく必要があるのじゃないかと思うし、ぜひそうしていただかないと、我々国会議員はいろいろ聞くことができますけれども、地方の議員になりますと何にもわからないということになりますので、地方議員のためにもこうした基準をこの条文だけじゃなしに明らかにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(谷津義男君) 政治家の有権者に対する世話活動として行うあっせん行為の重要性と政治活動に必要な資金の調達についての今お尋ねがございました。 一般に、政治にかかわる政治公務員は、国民や住民の意見や要望を踏まえて、通常の政治活動の一環として公務員等に対しまして働きかけを行う場合があります。本法案は、このような政治公務員が行う政治活動と密接な関係があるあっせん行為により利得を得ることを処罰しようとするものであります。したがって、処罰の対象となる構成要件を明確に規定する必要がありまして、罪の対象となるあっせん行為による利得自体を明らかにするとともに、政治公務員の通常の政治活動の展開、政治資金規正法に基づいて行われる浄財の確保や行政権の行使の適否に関する調査など、民主主義社会において保障されている政治活動の自由が不当に妨げられることのないように細心の注意を払ったところであります。 もとより、議会制民主主義のもとにおきましては政治活動の自由は極めて重要な憲法上の権利でありまして、政治活動の意義の重要性を正しく評価する観点から、さらに本法案の第六条におきまして、「この法律の適用に当たっては、公職にある者の政治活動を不当に妨げることのないように留意しなければならない。」との規定を設けているのであります。 本法案は、このようなあっせん行為による利得の禁止と政治活動の自由とのバランスを考慮しながら、政治公務員の行為に一定の枠をはめ、国民の負託と信頼にこたえていくということを目的として提出したものであります。いわば、政治公務員の政治活動の廉潔性、清廉潔白性の確保と政治活動の自由の保障との双方の調和を図って組み立てられているものであると言っても過言ではないと思います。 以上申し上げましたとおり、本法案においては、政治活動が不当に制約されることのないよう十分配慮されており、第六条の「適用上の注意」の趣旨に従い運用がなされるものと考えます。 財産上の利益がいかなる場合にあっせん行為の報酬と認められるかにつきましては、具体的な証拠関係に基づく事実認定の問題であります。一律に基準を示すことは不適当ではないかと考えております。 なお、政治献金につきましては、社会通念上、常識の範囲内での政治献金であればあっせん行為の報酬と認めることは困難でありまして、これを受けても本法案の罪の適用対象とはならないものであります。 しかしながら、政治献金の名をかりてあっせん行為の報酬である財産上の利益を実質的に本人が収受したと認められる場合には、本法案の罪が成立することを念のために申し上げておきます。
○亀井郁夫君 ありがとうございました。終わります。
○木村仁君 自由民主党の木村仁でございます。 本法案の主要な問題点につきましては、既に先日の参議院本会議における質問においてほとんど網羅的に指摘をされ、かつ発議者の皆様によって詳細かつ明快な答弁があったところでありますし、また、ただいま亀井議員の具体的な質問によっても明確になっております。 私は、この法案に全面的に賛成する立場で、恐らく重複する範囲内において確認作業といったような性格になると思いますが、辛抱強く御答弁をいただきたいと思います。 十八世紀の英国の政治家でありますエドマンド・バークは、一七七四年十一月にブリストルの極めて厳しい選挙を勝ち抜いて当選をいたしましたが、そのときに有権者に向かって、議員は国民全体の代表であり、選挙区の利益のためにのみ働くものではないということを明確に宣言いたしました。 エドマンド・バークという政治家はこの演説のゆえに後世に名を残し、私どもも承知しているわけでございますが、実際には、このバークという人はブリストルの商業的利益を増進するために懸命に立法作業を行い、かつ政府の具体的な行政処分に影響を与えて地域のために貢献したことでも有名であります。そしてまた、逆にその信念を貫いてアイルランドに貿易権を与える政府の方針、これはブリストルにとってはとても大きな打撃であったそうでございますが、それに賛成し、これを推進いたしました。そして、一七八〇年の総選挙において落選をいたしております。 私は、選挙によって当選し、政治を行っている政治家のほとんど大部分がこのエドマンド・バークのような活動をしていると考えております。そして、私利私欲、私腹を肥やすためにあっせん行為とかそういうことを行う政治家というのはほとんど例外的な存在ではないかと考えております。 しかしながら、そのような活動を通じて、主としてこれまた地元の有権者あるいは地元の団体等から政治献金をいただいて、それを資金として活動していることも事実でありますし、そして伝統的な日本の政治形態の一つとして、その政治献金を巨大な額を集めることができる方々が同僚に対する影響を強めていって政界の大物になっていくという過程があったことも事実であろうと思います。 したがって、そういう過程がいわゆる誤解も含めて金権政治あるいは利益誘導型の政治という形で国民に次第次第に政治に対する不信の念を醸成してきて今日の状態になった。したがって、今、このあっせん利得罪という法律を設けることによってこれを打破していこう、改革していこうということはまことに時宜に適した立法ではないかと考えております。 そこで、最初にお尋ねを申し上げたいのでありますが、私がここで明確にいたしておきたいことは、なぜこのあっせん利得罪というものが刑法のあっせん収賄罪と同じように刑法の中で規定されなかったかという点でございます。 実は、もう既になきものを持ってきて数を数えてはいけないのかもしれませんが、いわゆる野党案として衆議院に提出されましたこれに対する法案におきましては、「その報酬として、賄賂を収受し、」という形になっておりまして、特定の者に利益を得させる目的でのあっせん行為に係る収賄等の処罰に関する法律案、こういうことになっております。恐らく私は、同じ法益を守るために同じ行為を罰することにした法律案だろうと思いますけれども、今議論している原案ではあっせん利得という形になり、そして刑法と明確に区分する形で特別法となったわけでございます。 私は、その理由は、一つには刑法犯とは全く違った類型の法律であるために一緒になれなかったのかとも思いますし、逆に、さらに積極的な意義を追求すれば、刑法犯の一つとして刑法の中に規定するのではなくて、一つの独立した法律としてこれを制定することによって提出者の意図、政治改革を進めたいという意図が体現されているのかなという気もいたします。 まず、理論的な面と政治的な面について御所見をいただければ幸いでございます。
○衆議院議員(大野功統君) 木村先生から政治の理想と現実のお話を承りまして、さらに今の政治をどうやってよくしていったらいいか、そのための法律という位置づけのお話を聞きまして、もう御答弁する余地はないのでございますが、私なりに申し上げたいと思います。 まず、刑法のあっせん収賄罪とそれから今回のあっせん利得罪の保護法益の問題でございます。 刑法はもちろん自然犯を対象としている。何が悪いか、殺人、強盗、不正なことを対象にしている。それから行政犯の方は、例えば公職選挙法とか政治資金規正法とか、こういうものを対象としているわけでございますけれども、まず保護法益、三つのキーワードがあると思います。一つは不正、それから二つ目が清廉潔白、そして三つ目がやっぱり国民の信頼、この三つのキーワードがあると思うんです。 刑法のあっせん収賄罪の方は、不正、清廉潔白、国民の信頼、全部含まれているのが刑法の保護法益でございます。それから、今回は不正ということは保護法益に入っておりません。つまり、正当な行為をさせるということ、それから不正なことをさせないということ、これも含まれておりますから、そこで刑法の自然犯とは全く違う、このように思っている次第でございます。それから、清廉潔白性のところはどちらかというと刑法に近い考え方だと思います。それからもう一つの国民の信頼性というのは、どちらかというと行政犯の、政治資金規正法、公職選挙法等の考えに近い方だと思います。 ですから、そういう意味において、行政犯といいますと政治公務員の活動に一定のルールをつくるということでありますが、それだけではない。やっぱり刑法の親類というところもあるような気もしますし、両方に属しないような全く独立の、世界にも類を見ない法律である。しかも、犯罪主体で考えてみましても、いわば犯罪主体は一般公務員、政治公務員も含む一般公務員としているのが刑法のあっせん収賄罪でありますし、こちらの方は政治公務員、そして政治に携わる公務員、秘書のことでございますが、というふうに限定しております。 ですから、一般法か特定法かと言われますと、これは特定法だろうと。こういうことで新しい分野の法律をつくって、そして日本の政治をよりよきものにしていこう、こういう考えで特別にいたしました。
○木村仁君 大変よくわかりました。 そこで具体的に一つだけ、確認の意味でもありますが、お尋ねしておきたいのでありますけれども、例えば地方公共団体の職員採用に際して、特定の人をぜひ合格させてくれと議員が請託を受けまして、そして権限のある公務員に何分よろしく頼むと、よろしく頼むだけじゃなくてわかっておるなというような圧力をかけて頼んだとする場合、その公務員はこの先生が言うんだからしようがあるめえということで資料を見てみたら、この方は悠々楽々採用であると、したがって結果ようございましたという連絡をして喜んでおる。そういう場合と、見てみたらとてもはしにも棒にもかからない、そこでこれはげたを履かせなきゃいかぬといって二十点ぐらい足して、あるいは同僚に頼んで面接を手かげんしてもらって、そして無事合格したと。 そういうことがあった場合には、前者はどうも違法ではないようだ、後者の場合は明らかに違法行為をさせたと。そういう場合はどう考えるんだろうかなと。一般の国民からすれば非常にわかりづらい。この先生に頼みたいなと思っても、これはやっぱりあっせん利得罪になるおそれがあるからやるべきではないと考えるのか、入り口で、その職員採用という行政処分について影響を与えようとする行為はあっせん収賄罪の危険をはらむのか、あるいはあっせん利得罪の適用の危険をはらむのか。やるべきことではありませんから思いとどまってやらないわけでありますけれども、どちらになるのでございましょうか。
○衆議院議員(大野功統君) すべて具体的な証拠関係に基づく事実認定の問題が深くかかわりますので、シロかクロかはっきり申し上げられないと思いますが、一般論としては、まず悠々採用試験にパスしている、それから落ちているけれどもパスさせたと。いずれにしても、この法律、あっせん利得罪の立場から見ますと、これは行政処分に関与することになるわけでございます。 その場合に、一つは権限に基づく影響力を行使してということでございますから、そこのくくりはございます。その採用担当者が一体、先生おっしゃるように、この先生ならしようがないから入れておこうとか、そういう影響力を感じたのかどうか、それで影響力も行使してもらわなきゃいけない、こういう構成要件が明確でございますけれども、いずれにしても、そのあっせんを依頼して、そして処分というのは、国民に対して直接権利義務を構成する、形成する、そしてその権利義務の範囲を確定するわけでありますから、これは対象になるわけでございます。 それから、実際に受かっているのか、受かっていないのか、不正があったのかどうかというのは、これはまた事実認定の問題になりますので、そこはちょっと答えにくいな、こういうことでございます。 いずれにしても、当該ケースはなり得るということでございます。本法の処罰対象になり得る、こういうことでございます。
○木村仁君 よくわかりました。 念のために申し添えておきますが、現在の公務員の採用試験はそのような圧力によって動かされているものではなくて、大体おわかりのとおりであろうと思います。 そこで、さらに新聞論調等において一番大きく指摘されているところは、あっせん行為の対象を国及び地方公共団体が締結する契約と特定の者に対する行政庁の処分というものに限定をいたした点について議論が多いと思います。 なぜ国及び地方公共団体が締結する契約と行政処分に限定したのか、そういう点について御見解を伺っておきたいと思います。
○衆議院議員(大野功統君) まず、政治公務員とそれから国民と行政庁、この三者の関係でございます。 特に、国民の意向を代表して、あるいは国民特定の者から依頼されて請託を受けて、そして政治家、政治公務員が行政庁に働きかけをする、この点でございますが、幾つかのケースがあると思います。 一つは、本当に国民全体の奉仕者として国民全体のために政策目的を実現するために立法しようと行政庁に話しかける、それから例えば高齢者のためにあるいは中小企業振興のために、こういう意味でもそういう行為はあり得ると思います。また、不当な行政処分があれば、その行政処分を受けた者の代理人として行政庁に抗議を申し込む、こういう行為もあると思います。 我々がここで念頭に置いて、きっちりとこういう行為はやめていこうじゃないか、こういう行為をやってお金をもらうのはやめようじゃないかと。特定の者のために働く、特定の者の利益を図るために働く、こういう行為をやって金銭をもらう、こういう行為をやめようじゃないかと。その理念は、衆議院で否決されました野党案もほとんど同じだったと私は思います。 しかしながら、それだけでは非常によくわからない。そこで、契約あるいは処分というのは、契約というのは必ず私法上の関係ですから相手がおります。それから、処分というのは、先ほども申し上げましたけれども、権利義務を形成し、権利義務の関係をかっちりする、こういうことではっきりするわけでございます。 そういう意味からしますと、特定の者に利益を与えるという特色が非常に強い、そういう性格を持っているものがまさに処分と契約である。ここは構成要件を明確にして処罰対象をはっきりしておかないと、この罪に引っかかったら、この罪で処罰されますと、刑を終えても十年間は被選挙権を失ってしまう、これでもう政治生命は終わりという大変なことでございます。一方、政治活動の自由という問題もありますので、構成要件をきちっと固めて処罰対象をはっきりする、こういうことで決めさせていただきました。
○木村仁君 この法律は、もう自然犯罪的にけしからぬ分野と正当行為ではないかと思われる分野の間のグレーゾーンについての法律であろうと存じます。したがって、ただいま御説明がありましたように、構成要件をできるだけ明確にするという努力によってこのようなことができているということを十分理解いたしました。 念のために一つだけお尋ねしておきたいと思いますが、契約についてでありますけれども、契約をやります場合に、その前提として制度がございます。そして、一番末端では取り扱い要領みたいなものを行政機関で定めております。 例えば、建設業のABCのランク分け、こういうものがあって、そして契約について有利に取り計らってほしいという請託を受けた場合に、考えてみたらどうもAランクに入らなきゃどうしようもならぬみたいだと。そこで、Aランクの該当要件を十点ぐらい上げさせたらどうだろうということでその制度の方を一生懸命改正する。これはエドマンド・バークもそういうことをしたんだろうと思いますが、そういうことをやった場合には、これは契約と言えるのか、契約に干渉したと言えるのか、あるいは制度上の政策議論を一生懸命やっていたんだと言えるのか、そこらあたりはいかがでございましょうか。
○衆議院議員(大野功統君) 一般的に、そういうルール、ガイドラインを決めるために働きかけた、いいガイドラインをつくっていこうと、契約なんかする場合ですね、いいガイドラインをつくっていこうと。これはほとんどこの法律の対象外である、これは御了解のとおりでございますが、例えばそのランクが低いA社を入札に入れるためにその場限りの、そのために、特定の者の利益を図るためにルールを改正しようということは、具体的な証拠関係に基づく事実認定の問題は含むわけでございますけれども、これはちょっとという問題になり得る可能性が大きいと私は思います。
○木村仁君 ありがとうございました。 要するに、あつものと思ってなますを吹いておけばいいということではなかろうかと理解をいたします。 もう一つ、決定的な問題として指摘されておりますことは、私設秘書を入れなかったこと、こういうことでございまして、特に地方議員の場合には公設秘書というものがありませんから、公設秘書と同じような身分関係を事実上持っている人が私設秘書という形で働いており、この方々がもしいろんな能力があれば大いに活躍をされるということがあるわけでございます。 例えば、最近起こりました衆議院議員の私設秘書あるいは都議会議員の私設秘書が中小企業金融安定化特別保証制度をめぐる東京信用保証協会口きき事件について法外な仲介手数料を取ってあっせんをしていた、それを罰するには出資法の違反、仲介手数料違反のことしかありませんと、これは何とかこのあっせん利得法の方で入るようにしなさいという新聞論調が多々ございました。 したがって、そういう面も含めて、いま一度確認でございますが、私設秘書をなぜ外さなければならなかったか、地方議員の場合も含めて御答弁をいただきたいと思います。
○衆議院議員(大野功統君) これは先ほども申し上げましたけれども、政治活動の廉潔性、国民の信頼を得るための政治公務員、そしてその政治公務員を助ける公務員、公設秘書でございますが、これを犯罪主体とする法律でございます。したがいまして、まず公務員という身分犯にしている。 それ以外、私設秘書はどうなんだ、私設秘書はどうなんだといって、私設秘書と公設秘書が違った仕事をしているわけでもない、同じような仕事をしているじゃないか、こういう御反論もあろうかと思います。しかし、法律に基づいて身分犯としてきちっと決めることによってまず明快に構成要件を定める、これが私は一番大事なことだと思っております。 それはどういう意味かというと、私設秘書等を入れた場合、どこまでが私設秘書なんだ、勝手に名刺を持って歩き回っている人まで私設秘書なのか、そんなことを言うと、そんな変な私設秘書がおるのかとまた反論を受けますけれども、実態は政治公務員との関係でいろいろな対応があると思います。 しかも、一つ二つ申し上げたいのは、あっせん収賄罪で私設秘書は処罰の対象になりません。それが一つ。もう一つは、先ほども申された信用保証協会の問題にしても、ほかの法律でちゃんと処罰されます。そして、結局例の場合だと出資法で処罰されますから、それは問題ない。それは出資法じゃちょっと足りないよとおっしゃればそういう問題出てきますが、そういうふうにほかの法律できちっと取り締まれる。しかも、ここが一番大事な点ですが、政治公務員と意を通じていればこれは共同正犯として処罰の対象になりますから、何の不都合もないんじゃないか。かえって私設秘書だけを犯罪主体として取り上げた場合、本当は意を通じていたのに私設秘書だけ処罰の対象として、何だかトカゲのしっぽ切りみたいな現象が起こる可能性すらある、こういうことがあろうかと思います。そこで、地方議員それから地方の首長、国会議員、すべて含めてそういう考え方でやらせていただきたい、こういうことでございます。
○木村仁君 よくわかりました。 私設秘書が行った行為であっても、公職にある者と意を通じ、あるいはその完全な支配下において手足として動いたものであるという事実関係が明確であれば罰せられる、本人の方が、公職者の方が罰せられるということであると思います。これは、先ほどの同僚の質問の中でもやりとりが行われておりますので、確認だけいたしておきたいと思います。 その次の大きな問題は、いわゆる第三者供与を処罰しないのはなぜかということでございますが、本人以外の者への財産上の利益の提供が本人の利益の提供とみなされる場合、そういうものがある、したがって、第三者供与を処罰しないでもそういう場合があるのだということが本会議の質疑応答でも明確にされました。 そこで、具体的に二つほどお聞きしておきたいのでございますが、第一は、あっせん行為を契機として後援会に入会し、そして例えば毎月一定額の後援会費を納入するような場合でございますが、これは、その人個人の政治献金でなくて後援会あるいは政党支部、そういうものに対する献金の場合もあろうかと思いますけれども、区別があるかと思いますが、こういう場合は具体的にはどういう法律関係になるのでございましょうか。
○衆議院議員(大野功統君) まず、政治資金規正法に基づいて届け出のある資金でございます。ここは、この法律とともに非常に大切な、政治資金の流れを透明化していくという意味で大切な法律だと思います。 言うまでもなく、政治団体は第三者でございます。そこで、その政治団体でお金を収受しても、それは第三者でございますから一義的にはこの法律の対象になりません。したがいまして、本人への供与とは認められませんから、処罰の対象にはなりません。 しかし、外形上このような団体が財産上の利益を受け取ったという場合でも、その受け取った金銭に対して本人が実質的な支配権、実質的な処分権、つまり本人性があるということでございます、その場合には、具体的な証拠関係に基づく事実認定の問題はございますけれども、本人が収受したものとみなして犯罪が成立する可能性はあります。したがいまして、そういう意味で何ら不都合はない、このように私は判断しておるところでございます。 そこで、お尋ねの後援会の会費でございます。後援会の会費というのは、もう言うまでもありません、社会通念上常識的な範囲である。これはもう後援会の会費としてわかっているわけでございますから、常識的な範囲でずっとお払い続けていただいていて、ある日そういう行為があって、その後も続いていく。これは、事実認定の問題はございますけれども、ほとんどこの法律の対象にならないと言っても差し支えないと思います。
○木村仁君 私がお尋ねしようと思っておりました第二のケースについてもお答えをいただきましたので私の方で整理をいたしますが、私の質問は、今まで何の関係もなかった人から請託を受けてあっせんをした。ところが、その方が感謝をして利得をもってあげようと、いやそれはだめだと言ったら、それなら後援会に入会いたしましょうという形になったというケースでございまして、そこも私はお答えいただいたと思いますから、よろしいです。
○衆議院議員(大野功統君) ちょっとまだ答えてないんです、尾身先生が。
○木村仁君 それなら御一緒に。 二番目の問題は、あっせん利得でなくて、利得あっせんの場合はどうかと、こういうことでございまして、ずっと会費を払っていただいておったから、それは何か頼まれて動くというのは当たり前のことで、その後も同じような金額で続いた場合は多分大丈夫だろうと思いますが、そこのところを整理しておいていただきたいと思います。
○衆議院議員(大野功統君) お尋ねの問題点は二つございまして、ずっと継続してある日あっせんがあったという場合と、あっせん行為があってそれから始まったと、この二つの問題があると思います。 一番目の問題は既にお答えをさせていただきましたけれども、次のあっせん行為を契機として後援会に入会して毎月一定額の後援会費を納入するというような場合でございますけれども、後援会は公職にある者本人とは別個の存在でございます。後援会費として後援会に対する財産上の利益の供与は本来本人への供与とは認められない、これはもう何度も御説明しているとおりでございます。 しかしながら、形式上後援会が財産上の利益を受け取ったとされる場合でも、公職にある者が実質的支配権を持っていれば別ですよということも先ほどの答弁で申し上げました。その認定は具体的な証拠関係である、これは非常に大事なところですから、繰り返して申しわけございません。 後援会に供与された金銭等に対して公職にある者本人が事実上の支配力、実質的処分権を有するものと認定できる場合で後援会費があっせん行為の報酬と言い得るか否か。ここも一つの構成要件になっていますから、これもくどいようですが対価関係、報酬関係、これ申し上げておきます。 もっとも、一般的には会費負担者が実際に後援会に入会してその後援会会員と同様の会費を後援会に納めるような場合、あっせんがあって後援会に入って会費を納めるという行為があった場合ですけれども、今申し上げましたように社会通念上常識的な範囲であれば通常あっせん行為の報酬と認定することは極めて難しいんじゃないか、このように思うわけでございます。ですから、本人性とそれから対価性、この二つをにらんで実際の証拠関係を見て事実認定していく、こういう作業、実際の運用になろうかと思います。 最後に、引き続き政治献金をしている者から請託を受けてあっせんを行った場合、従来どおりの政治献金を受け続けた場合について、お尋ねのような政治献金があっせん行為の報酬と言い得るか否か。これは先ほど御答弁申し上げたとおりでございますけれども、これも事実認定でございます。一般的にはあっせん行為の前後を通じて継続的に一定の金額の政治献金を受けているような場合には、先ほども申し上げましたように通常あっせん行為の報酬と認定することは難しいのではないか。ちょっと念のために、ダブったところもございますけれども申し上げました。
○木村仁君 もう少し時間がございまして、もうやめた方がいいのかもしれませんが、もう一つだけお尋ねさせていただきたいと思います。 それは、地方の議会の議員もしくは長についてもこの法律を適用することとしたことでございます。私は、これは一つの罪を構成させてそして全国的に実施するということであり、地方議員及び地方公共団体の長においても国会議員の場合と同じような政治不信の対象であることも事実でございますから、これはこの制度は当然のことであると思いますし、自然の姿である、法制的にもこれが常識であろうと思います。 若干常識外れの質問をするわけでございますが、二十一世紀の地方分権を展望いたすならば、これはあるいは構成要件、罪の範囲、対象事項、そういうものをきちっと法律で決めて、それを実際やるか否かということは地方公共団体の条例にゆだねていけないものだろうかと。 そうするとまだら模様に、ここでやったらここの議員は罰せられるけれども、隣の議員は罰せられない。ばかなことではないかと言われるかもしれませんが、アメリカの州政府は日本の地方政府とは違いますけれども、州政府ではこちらではボクシングやったら罰せられ、こちらではやっても罰せられないと、そういうのは常識としてあることで、恐らく地方分権が進む過程ではそういうこともあり得る。 そうすると、この条例を制定するかしないかということはその地方公共団体の廉潔性、清廉潔白性について非常に大きなイシューになりますから、私はその議論の過程で地方自治というのは育っていくし、もし議員がそれを提案しなければ直接請求でつくっていくという民主的な過程も可能になる。だから、将来の問題でありますが、何でもかんでも法律で決めればいいというものではないよと、そういうことが一つ。このことについて、一言で結構でございますので御感想を、無理を申し上げているわけじゃございません。
○衆議院議員(大野功統君) 清廉潔白性とか国民の政治に対する信頼性、これは普遍的な概念じゃないかと思います。 先生から大変興味深い御提議でございますけれども、検討に値する問題かもしれませんが、私はやはり普遍的な問題であって、先生の熊本県と私の香川県でどうも構成要件が違う、こういうことになるとちょっと首をかしげるんじゃないかと思いますので、私は否定的な見解でございます。
○木村仁君 現時点における見解の相違と理解させていただきたいと思います。 それで、これは極めて法律的な問題でございますが、条例における横出し、上乗せということがございます。 この法律についてもそれは可能だろうかと。例えば東京の信用保証協会の問題は、東京の出資が一・四%であって、二分の一に達していないから、たとえこの法律で私設秘書がかかわるとしても、あるいは国会議員本人がやるとしても、かかっていかないということになります。ところが地方自治法上は監査の対象法人というのは補助金を出しているところあるいは出資でも四分の一以上であれば対象になります。そういうことであると、うちの団体では、本県では清廉、廉潔性を国会以上に高めたいということでこれも一つ別の条例でつくってやろうかと。そして刑罰は懲役二年以上にはなりませんから、これは三年でございますから、こっちの方が重うございますけれども、軽いけれども自分の立法権の範囲内でやってやろうということが起こった場合には、これはそういう条例はこの法律が先占しているから違法な条例になるのか。いや、ひょっとしたら可能性があるかもしれないのか、どちらでございましょうか。
○衆議院議員(大野功統君) 先ほど申し上げましたとおり、これ普遍的な清廉潔白性、それから国民の政治に対する信頼という普遍的なものであるかと思います。 しかし、構成要件の一部において、例えば先生おっしゃいました公的出資金が二分の一以上、こういう点はどうだろうかと、こういう疑問は当然わいてくるのではないか。したがいまして、上乗せ、横出しの問題でございますけれども、これは将来の検討課題として、ただし一本筋を通しておかなきゃいけないのは、やっぱり熊本県と香川県の清廉性とか国民の信頼とか、こういうものが変わっちゃいけない、同じような信頼性、同じような清廉性、これは確保していかなきゃいけない。将来の課題として、先生の大変興味深い御提議を将来の課題とさせていただきたい、このように思います。
○木村仁君 熊本県も香川県もともに廉潔性の高い県であることを期待いたしまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(倉田寛之君) 午前の質疑はこの程度にとどめます。 午後零時四十分に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時三十八分休憩 ─────・───── 午後零時四十一分開会
○委員長(倉田寛之君) ただいまから政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小山峰男君 民主党の小山峰男でございますが、よろしくお願いをいたします。 最初に、法務省に来ていただいておりますので、まず最近新聞等で話題になっておりますKSD問題につきましてどんな感じで今法務省として対応しているのか、また東京信用保証協会問題につきましても今現状はどうなっているかということについてお話をいただきたいと思います。
○政府参考人(古田佑紀君) お尋ねの第一のいわゆるKSD事件の捜査状況についてでございますが、東京地方検察庁におきましては、十一月八日、財団法人ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団の元理事長古関忠男ら三名を業務上横領の罪により逮捕して、現在捜査中でございます。 逮捕事実の要旨は、財団法人の理事長等として財団法人の預金の管理等の業務に従事していた被疑者らが、被疑者古関忠男の私的用途に充てる目的でそれぞれ共謀の上、財団法人のために業務上預かり保管中の預金合計約八千九十五万円を横領したものであるということでございます。 東京地方検察庁におきましては、今後とも所要の捜査を遂げ、適正な処分をするものと考えております。 次に、東京信用保証協会に関する事件の捜査状況でございますが、これも東京地方検察庁におきまして、本年十一月七日、出資法違反の罪により金融ブローカーら十三名について公判請求し、二名について略式請求をしております。また、十一月九日に衆議院議員秘書一名及び東京都議会議員秘書一名を出資法違反の容疑で逮捕しておりまして、この件につきましては現在捜査中でございます。 逮捕事実の要旨を申し上げますと、被疑者らはそれぞれ金融ブローカーと共謀の上、事業者等が銀行等から貸し付けを受けるに際しその媒介を行い、その手数料としていわゆる出資法四条一項で規制されている上限であります融資額の五%を超える媒介手数料を受領したというものであると聞いております。 以上でございます。
○小山峰男君 まだこの二つの問題につきましては全容が解明されていないというふうに思うわけでございますが、いずれにしても、報道等によりますと政治家の影がかなり後ろにちらちらするというような状況かというふうに思います。 KSD問題につきましては、当初立てかえているというような問題も絡んでいるとか、あるいは今の東京信用保証協会問題については政治家の秘書が絡んでいるわけでございまして、大変重要な事件だろうというふうに思っておるところでございます。 この東京信用保証協会問題で、政治家の秘書、また都議会議員の秘書ですか、この人たちはいわゆる私設秘書というふうに言われる人たちでしょうか。それから、出資法違反で逮捕したということですが、これはかなり苦肉の策としてというふうに言われているところもあるんですが、その辺の状況がわかりましたらお願いをしたいと思います。
○政府参考人(古田佑紀君) 衆議院議員の秘書につきましては、いわゆる私設秘書と承知しております。 また、後段の出資法違反で逮捕した理由についてのお尋ねでございますが、どのような犯罪の嫌疑を認めてどういう判断で逮捕するかということは、これは捜査当局の法と証拠に基づく判断でございますので私からは答弁を差し控えますが、一般論として申し上げれば、捜査当局としては、法律と証拠に基づいて犯罪の嫌疑が認められ、強制捜査の必要性があると認められるものについて逮捕するものでございます。
○小山峰男君 いずれにしましても、国民の皆さん含めてこの全容がやはり明らかにされるということが大変大事だというふうに思いますので、ぜひ法務省としても頑張っていただきたいというふうに思う次第でございます。 もう結構ですから、どうぞ。 次に、今回課題になっておりますこの法律案の関係でございますが、衆議院で可決をされた直後のいわゆる報道関係、あるいは新聞、マスコミ含めて、大変いろいろの解説等が出たということでございます。参議院の調査室でつくりましたこの冊子によりましても、ここに、後段に新聞の切り抜き等があるわけでございますが、抜け道が多いとか、あるいはハードルが非常に高いとかいうようなのがおおむねの論調だと。これではいわゆる国民の常識からいって政治と金の問題が解決されているというふうには見えないという論調が多いというふうに思っております。 新聞によっては参議院でぜひそういう国民の常識を法案に反映させるような改正をしてほしいということまで書いているところがあるわけでございますが、この新聞論調等につきまして、まずどのように提案者として感想を持たれているのか、それをお聞きしたいと思います。
○衆議院議員(山本有二君) 新聞は必ずしも与党案に対して理解ある考え方ではなかったというように考えております。その新聞の論調につきましては謙虚に受けとめなければなりません。 しかし、本法案におきますこの法律の機能というのは大変今日において意味深いものがございます。特に本法案の中における論議は、午前中の入澤議員あるいは木村議員から御指摘がありましたように、グレーゾーンについての判断でございまして、そのグレーゾーンに処罰を与えるということになりますれば、これはかなりいわば従来の法体系から予定していたことをさらに超えなければならないという要請がございます。特に、政治公務員というのは選挙によって選ばれるものでございまして、グレーならば選挙で落としていただければ、落選すればそれで済むわけでございますが、しかしその選挙制度自体になお今、今日の課題があるということで、国民の信頼をより強化するために、司法行政手続、すなわち警察権限でもって立法機能の中の浄化を考えるわけでございます。 その意味におきましては、三権分立制度さらには漠然性のゆえの違憲、つまり憲法が要請する刑事手続の厳格性、そういったものを考えたときに、もうこれ以上はこの日本における法体系を崩すというところのぎりぎりまで考えたのが与党案でございまして、これ以上、我々といたしましては国家の基本的な理念まで変えてこのあっせん利得法の修正をすることはできないという意味におきましては、マスコミの論調に対してもひるむことなく自信を持ってこの与党案を皆様にお願い申し上げるところでございます。
○小山峰男君 今のお話を聞いておりますと、いわゆる選挙民と我々とどちらがまさに鶏で卵かみたいな話でもあったわけでございますし、いわゆるさらに超えなければならないというような決断が必要だというお話もございましたし、また今の法律以上に変えれば日本の基本的な理念がおかしくなるというような今お話があったわけでございますが、これはやっぱりかなりおかしな理論だというふうに私は思っています。 例えば、私設秘書を入れて修正をして日本の基本的な理念が変わるのかどうか、今の法律以上にもう一歩でも修正をすれば日本の基本的理念が変わるというような大げさな問題ではないというふうに思っておりますが、ちょっともう一度その辺を御答弁いただきたいと思います。
○衆議院議員(山本有二君) 私設秘書の問題に特化して申し上げれば、私設秘書は政治公務員の補佐をするものであり、その私設秘書における業務の態様というものは区々さまざまでございます。そして、私設秘書採用の少ない議員と、また大勢の私設秘書を雇っている方との公平性というものをどこで担保していくのか。さらに、態様が複雑なるがゆえに、大学を卒業してすぐに採用した人も秘書でございますし、また重要な、政治公務員と同様の権限を行使することができる私設秘書もまた秘書という同じ肩書でございます。 それを区別することが難しいという意味におきましては、構成要件の明確性、すなわち憲法が保障しております漠然性のゆえに違憲、すなわちそれはあいまいであってはならない、国民の前に、刑事法というものはこれをしてはいけないということがあらかじめわかっておって初めて犯罪としての意味が明確になってくる、明確な意味での法律として提案をしなければ行為を規制することができないという憲法理念からしまして、私設秘書を入れることは我々の考え方では不可能であるということでございます。
○小山峰男君 私設秘書の問題はまた後ほどお聞きをしたいというふうに思いますが、いずれにしても私は、やっぱり国民の常識で考えられるような法律をつくらない限り、政治に対する国民の不信感というのはますます増幅するだろうと。そのことが結局森内閣の支持率の低下にもつながってきていると、これも大きく一助になっているのではないかなというふうに思います。 我々野党では、衆議院におきまして七項目から成る修正案、修正要求と申しますか、提案させていただいたということでございます。これは、提案者の皆さんはもちろん今提案されているこの法案が一〇〇%いいものだということで提案されているんでしょうが、委員長初めこの委員会ではぜひ国民の常識に沿ってこの法案を修正し、さらにいいものにしていければということで皆さんにもお願いをしたいというふうに思っているところでございます。 ところで、平成十一年の五月二十一日に、民主党、公明党、社民党ということで前の法律を提案させていただいて、これは廃案になっているわけでございますが、今の法律に対する公明党の考え方、またこの修正等についてどうお考えになるのか。 ある新聞の社説によりますと、「参院で補強すべきだ」という題名でございますが、「参院審議では、私設秘書を対象に含めるよう法案の修正を求めたい。とりわけ、この法案に積極的に取り組んできた公明党は、それを自民党に強く働きかけるべきである。」という社説も出ているところでございまして、この修正についての考え方あるいは今までの経過も含めて公明党としての考え方をお聞きしたいと思います。
○衆議院議員(久保哲司君) 公明党ということで特に御指名がございましたので、お答えをさせていただきます。 私ども、先ほどおっしゃったような法案をかつて提出させていただきました。今回の法案につきましては、自民党、公明党、保守党、この三党の中で種々協議を重ね、今回の国会に提出をさせていただいたところでございます。その中で私どもは、今御指摘ございましたように、かつて、党の発足当時から清潔な政治をということで追求してきたことは御承知のとおりでございますけれども、その理念の上に立って、三党相寄り、さまざまな角度から、今日の国民の皆さんの御期待におこたえするのはいかがな目的で、いかがな保護法益を目指すべきなのかといったことを中心に議論を重ね、この成案に至った次第でございます。 一方、民主主義の社会、また我々が政治活動をより幅広くより懸命にやっていくためにも、多くの国民また多くの団体等々との接点の中で国民の声を吸い上げ、そしてそれを政策として実現していく、遂行していく、こういったことも強く求められているところでございまして、そういった意味では、いわゆる政治活動の自由といいますか幅広さというか、これを一方で担保しなければならない。そういった中で私どもとしては、やはり先ほど申し上げました目的、保護法益、そして犯罪に至る場合の構成要件の明確化、こういったところに力点を置いて、そして入念に検討を加えた結果、この法案の形でもって提出させていただいたものでございまして、私としましては、また公明党としましては、現在提出させていただいたこの法案こそが将来にたえ得る法案である、このように自負しておるところでございます。 衆議院におきましても委員会の場で今御指摘ございました修正協議のお話があったようでございますけれども、私ども発議者としましては、修正に応じるのは適当でない、このように考えておるところでございます。 以上でございます。
○小山峰男君 かたくなに修正に応じないということではなくて、やっぱりみんなが望んでいるような形でぜひ、いいものをつくっていければそれでいいわけですので、弾力的な対応を、公明党だけではないんですが、よろしくお願いをしたいと思います。 次に、本会議でいろいろ質問させていただいて御答弁をいただいておりますが、どうしても納得がいかない部分がかなりあるということでございまして、私は、刑法百九十七条の四のあっせん収賄罪と今回のあっせん利得罪との関係をお聞きしたんですが、尾身議員は、刑法のあっせん収賄罪とはその保護法益を異にしておりということを、また刑法のあっせん収賄罪は公務員に職務上不正な行為をさせた場合に成立する犯罪でありますが、本罪は公務員に正当な職務上の行為をさせた場合でも犯罪として成立するものであります、したがいまして同じあっせん行為でありましても犯情としては明らかに本罪の方が軽いということになります、という言い切りをしているわけでございますが、私は、やっぱり刑法のあっせん収賄罪があって、それから取り出して政治公務員、いわゆる議員ほかを今回の法律で対象にしていくということにするとすれば、犯情としては明らかに本罪の方が軽いという、そういう大前提がそもそも間違いではないかというふうに思っているわけでございます。 今回の法案を見ますと、すべてそうですが、いわゆる犯情は軽いんだから狭くしようとか、ハードルを高くしようとか、そういうあれでずっとすべての問題について統一をされた形で今回の法律ができ上がっているということでございまして、まずこの収賄罪と今回の法案との関係、また、犯情としては本当に軽くて、罪の方もすべての要件も軽くしていいのかどうか、その辺についてちょっと御答弁いただきたいと思います。
○衆議院議員(山本有二君) まず、尾身提案者が申し上げた、犯情として軽いと指摘をさせていただいた点は、あっせん収賄罪では公務員が職務上不正の行為をさせることが要件となっておりますが、本法案では、正当な職務行為をさせるようにした場合でも処罰対象になり得るという点で、すなわち公務それ自体に実害を及ぼさない場合でも本法案の罪になり処罰を受けるという可能性がある。その意味において、実害のない場合を犯情が軽いといい、実害がある場合を重いといった、そういう整理でありますれば、これは軽いという整理になるだろうというように思います。 そして、次に一方、本法案とあっせん収賄罪との対比を申し上げますと、まず第一に、主体を政治公務員及び公設秘書に限定をしております。第二に、あっせん対象行為を契約または処分に関するものに限定をしております。第三に、あっせんの方法を、権限に基づく影響力の行使に限定をしております。四番目に、収受の目的物を財産上の利益に限定しておるわけでございます。その意味におきましてあっせん収賄罪とは違うわけでございますが、根本的な違いと申しますのが保護法益でございます。 本法案の保護法益は、あくまでも政治公務員、すなわち公職選挙法によって選ばれる政治公務員の政治活動の廉潔性、清廉潔白性と、これに対する国民の信頼を保護の対象としております。あっせん収賄罪というのは、国家または地方公共団体の機関を構成する公務員自身がいわば内部的に国家または地方公共団体の作用を侵害しまたは危険ならしめる犯罪とされておりまして、保護法益といたしましては、公務員の公務の公正さ及びあっせんする公務員の廉潔性、そしてそれに対する国民の信頼、すなわち不可買収性、こういったものが保護法益となっておりまして、要は政治公務員に対するものなのか、一般公務員に対するものなのか、あるいは政治の信頼に重きを置くのか、あるいは国家、地方公共団体等の機関の組織自体を重く見るのかという重要な点において、法律としては体系の違うものであるというように考えるべきだと思います。 ただしかし、不正の行為をあっせんして利得を得た場合、特に政治公務員が利得を得た場合、両方の犯罪が成立するということになります。その点におきましては、いわゆる刑事学で言う観念的競合という理解になるだろうと考えるところでございます。
○小山峰男君 前段部分の理論はやっぱりおかしいと思います。 例えば、職務権限だとか請託だとか行為の内容だとか、そういうものが違うんですよということでこの違いを強調される、まさに発想が逆転しているのではないかなと。そういう違いを出さざるを得なかったところに問題があるというふうに私は逆に思っているわけでして、その違いがあるからこの二つの法律は違うんだというのは、やっぱりおかしい理論ではないかというふうに思っております。 それから、もう一つお聞きしたいのは、いわゆる円をかいた場合に、あっせん収賄罪とあっせん利得罪というのは完全に重なる部分がないのかどうか。重なるところがかなりあるとすれば、やっぱりそれは特例的に取り出したんだというふうに見ざるを得ない。保護法益が違うという意味で、行為の態様が全然円として重ならないかどうか、その辺をちょっとお聞きしたいと思います。
○衆議院議員(山本有二君) 先ほど御答弁申し上げましたように、観念的競合になる場合がある、すなわち、一つの行為を多数の法律で評価し得るということは重なる部分があるというように考えられるわけでございます。しかし、だからといって法体系上それが同一でなければならないという要請もないというように思います。 したがいまして、いわばこの自然法的な治安維持を中心とする刑法典の国家的システム、あるいは国家を維持するための制度からすると、これは立法機能をさらに清廉潔白にし、情報公開をより明確にしつつ、選挙制度というものに信頼、そして政治そのものに信頼を得ようということにおいては、体系上違ってもいわばおかしくはないのではないか。 むしろ、先生のおっしゃる、ともに国家を大切に思い、また政治機能を高めようとする意味においては先生のおっしゃることも理解するところでございますが、法理論としましては違っていてもいいのではないかというように考えております。
○小山峰男君 そうすると、今の話で、円としては重なる部分がかなりあるということはお認めになっていいわけですね。 それから、私は、同じ体系のような形で考えるわけではないとしましても、犯情という意味からいくと、今のあっせん収賄罪よりあっせん利得罪の方が、正しい行為をさせるんだからということで軽いという言い方をされているというふうに思うんですが、しかし、今、日本の政治が置かれている状況で、やっぱり金と政治の問題をどうするかということについてこれは対応しようとしているわけでして、そういう意味では、今の話で全然ある意味では別の法体系だという前提からいけば、いわゆるこちらのあっせん収賄罪よりあっせん利得罪の方が犯情が軽いんだからどうのこうのという議論は出てこない。むしろ、そういう意味では犯情は重いぐらいに考えるべきではないかというふうに思っておるところでございます。 ところで、具体の問題についてお聞きしたいと思いますが、例えば県警に交通違反の記録のもみ消しを依頼したというような事例を考えてみますと、この場合、依頼をした人が公設秘書か私設秘書かという問題で分かれてくる。それから、具体に指示があったかどうかという問題もあるわけでございますが、いずれにしても、私設秘書が除かれているということについては、一般の人から見ると、別に名札で私は公設秘書ですよ私設秘書ですよと持っているわけじゃないんですから、だれだれの秘書だれだれという名刺で行くとすれば、まさに一般常識としては、あの先生の代理人が来て言ったんですよということになろうというふうに思うわけです。 それで、これもまさに参議院の本会議のときの議事録でございますが、尾身議員は、本罪は政治に関与する公務員の活動の廉潔性、清廉潔白性とこれに対する国民の信頼を保護しようとするものであります、したがいまして、処罰の範囲を公務員でない私設秘書にまで拡大することは不適当でありますという、本罪の存在理由と、したがって処罰の範囲は公務員以外は除外したんですよという言い方をしておりますが、本当にこれだけでだれもが納得する理由になっているのかどうか、もう一度ちょっとお聞きしたいと思います。
○衆議院議員(山本有二君) まず、何度も繰り返すようで恐縮でございますが、保護法益は、政治に関する公務員の活動の廉潔性、清廉潔白性、これに対する国民の信頼というものに保護法益がございます。 そうしますと、私設秘書というのがいわゆる公務員、政治に関与する公務員と言えるかどうかというと、それは政治に関与する公務員ではないわけでありまして、そうするとここで私設秘書は対象ではないと、こういうことになるわけでございます。 しかし、おっしゃられるように、先生の御指摘のように、政治家と変わらざる実力のある、影響力のある私設秘書もいるのではないかということでございますけれども、そうなりますと、その基準をどこに置けばいいのかという判断が極めて難しい判断になってまいります。 そして、Aの私設秘書は重要でBの私設秘書は重要でないというようなメルクマールを明確にすることが今のところ不可能に近いわけでございますし、さらに申し上げれば、処罰範囲をこの点においてむやみに広げるということはこの法律そのものの持った立法趣旨を没却してしまう。 すなわち、当初考えられるのは、政治に信頼、政治家に信頼というところが、だんだんと広がることによって政治家以外の者までも処罰するという、いわば生まれたときの立法趣旨と違う形での運用がなされる危険性があるというようなことからしまして、やはり刑事学に言う、刑法に言う明確な構成要件をつくるという要請におきましては、対応の複雑なる私設秘書については今回は御遠慮いただき公設秘書に限定をしたというように何とぞ御理解を賜りたいと思うところでございます。
○小山峰男君 国民の政治に対する信頼を保護法益としているというようなお話でございますが、逆に、私設秘書を入れないことによってまさにその信頼関係をなくしているのではないかなと私は思います。 それから、範囲が私設秘書というのはいろいろあってわからないという今お話もあったわけでございます。しかし、そうはいっても、そんなに何百人も私設秘書を抱えているわけではないわけですし、それはやっぱり社長たる国会議員が自分の給料を、自分の給料を払うかどうか、まあ払って、当然指揮命令系統の中で動いているわけですから、それぞれ勝手な行動をやるような統制のない形にはなっていないだろうというふうに思うわけでして、今の理屈で私設秘書を除くというのは非常に国民の信頼を逆に失わせている。だから、この法律の目的とするところのまさに反対側を行っているような感じを持っています。 それから、これ私も余りよく理解できないんですが、本罪は政治に関与する公務員の活動の廉潔性、清廉潔白性とこれに対する国民の信頼を保護しようとするものでありますと、これを一般的に読んでさっとわかる人というのはそんなにいないんじゃないかなと。聞いたときも、私も廉潔性って、接続しているような意味かなと思ったんですが、これはちょっと私も不明にしてよくわからないので、解説していただけませんか。
○衆議院議員(山本有二君) 私も国語に詳しくはないんですけれども、廉潔というこの字は、潔いし、また廉という意味はよくわかりませんけれども、要するに物の本で読む限りにおきましては、公正でだれから見ても、客観的に見ても不正のないことと、こう言われるわけでありまして、その意味におきましては、きれいな政治をやっているという、いわゆる一般の国民が期待するところということになろうかと思います。期待する、期待できる政治家であり、またその期待を裏切らないようにというような意味だろうと思います。 一方、あっせん収賄罪におきましても、これは通説と言われる団藤重光先生の考え方でいきますと、公務員の職務行為の不可買収性なんという、つまり買収することがべからず、買収できないよという意味なんというのも日常使われる言葉ではないんですけれども、要はお金で公務員の行為を評価したり買ってはいけないというようなことだろうと思います。 そんな意味で廉潔性や清廉性ということを御理解いただければというように思います。
○小山峰男君 ここに書いてある政治に関与する公務員というものの定義をちょっと教えていただきたいのと、あわせてこれは政治公務員というのと同じなのかどうか、ちょっと教えていただきたいと思うんです。
○衆議院議員(山本有二君) 本法案での政治に関与する公務員というのは、衆議院議員、参議院議員、地方公共団体の議会の議員または長、衆議院議員または参議院議員のいわゆる公設秘書を言うというわけでございまして、また提案者、発議者がたびたび答弁をいたします政治公務員というものと同一であるということでございます。
○小山峰男君 今、市町村の議会の議員というふうにおっしゃられましたが、それも入るということでいいわけですか。
○衆議院議員(山本有二君) 入ります。
○小山峰男君 いや、そうすると、市町村の議会の議員というふうなものが入る──失礼しました、これは結構です。 それでは、私は、いずれにしても私設秘書をこの中に入れるべきだというふうに思っているところでございます。 それから次に、職務権限の問題でございます。 職務権限につきまして、今回の法案では、権限に基づく影響力の行使とか、国会議員の権限に基づく影響力の行使というようなふうに言われておりますが、先ほどお話ししました、県警に第三者の交通違反記録のもみ消しを依頼したという場合に、その国会議員が指示したという前提に立って、その国会議員がどういう形態ならここで言う権限に基づく影響力の行使ということになるのか、その辺ちょっと教えていただきたいと思います。
○衆議院議員(山本有二君) 小山委員御指摘の、県警に第三者の交通違反記録のもみ消しを依頼されたとされる事例というだけの御質問ではありますが、県警でございまして、これは本来は政治公務員の中での国会議員には縁の遠い存在ではございます。けれども、例えば国の警察庁、この警察庁予算の中から各都道府県警察、すなわち県警に何らかの補助金、それがおりている場合のときにおいて、例えば参議院の地方行政委員会で質疑をする予定があるというような影響力の行使の態様でこれを何らかあっせん行為をしたとするならば、この国会議員にも職務権限があるとみなされるのではないかと、そう考えております。
○小山峰男君 非常にこの職務権限、こういう規定を入れることによってハードルが一つ高くなっているだろうという気がします。 我々野党の議員はそうでもありませんが、大勢の議員さんたちはもう議員だということだけでかなりの影響力を行使できる形になっているだろうと。そういう意味では、この職務権限というような非常にあいまいな複雑な規定を入れることによって、このあっせん利得罪そのもののハードルを高くしているのではないかなというふうに思うわけでございます。 それから次に、請託ということでございます。 これも、請託が必要かどうか、非常に請託の判定は困難だというふうに思っておりますが、本会議で漆原議員は、請託が必要な理由として、だれかに何かを頼まれてその人のためにいわゆるあっせん行為を行う場合と、国民や住民の声を吸い上げて通常の政治活動として働きかけを行う場合があると思います、請託を要件としなければ、この両者の区別が不明瞭となって処分の範囲があいまいに広がるおそれがあるということで請託を入れたんだという説明をされていますが、いわゆるこういう区分をしたとしても、例えば金をもらって行うということになるとすれば、やっぱり政治と金の問題は切れなくなるだろうと。 そういう意味では、請託の立件も大変だというふうに思いますし、またこういうふうに分けることによって意味があるのかなと。これそのものが、いわゆる金が動いているということが、基本的に今回のこの法案はそういうものを断ち切ろうということなので、この請託によって行う行為そのものがはっきり分けられるんだというようなことの問題ではないというふうに私は思っていますが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(漆原良夫君) 我々、地元で活動している中で、一般的に、何とか景気をよくしてくれ、何とかこの地域のために頑張ってくれと、いろんな要求を受けることがあります。それと同時に、あるいは個々具体的なことで、また特定の人から自分のために何とかしてくれないかというふうに依頼されることもあるわけですね。 だから、何か我々が国民の声を吸い上げてやる場合には、全くその人のために、全くその人の団体のためにやるケースもあるでしょうし、あるいは一般的な国民の声を吸い上げてやるケースもあるでしょうし、何らかの働きかけが国民の側から、市民の側からあることが通常の形態だと思うんですね。したがって、請託ということを要件としないと、全部がそれに当たってしまう、全部が構成要件のあっせんの対象になってしまう、こういうふうに考えられます。 したがって、あっせんの対象を、あっせん行為が構成要件の対象になっていますから、あとそれを峻別する判断基準がない。そこで、正当な政治活動と不明朗な政治活動とを峻別するためには、請託という要件を入れませんと処罰の範囲あるいはあっせん行為そのものに対する構成要件の範囲が非常に広がってあいまいになる、こんなことから請託を要件としたことでございます。
○小山峰男君 私は、基本的には、我々国会議員、今のような地元からのいろいろな要望を国につなげたりいろいろやっておることは事実です。ただ、それに金がつながるかどうかということが今回の法案の趣旨なんで、例えば住民だけがやったのを自発的にやるということ、そういうことはもちろん大いにやるべきだと思いますが、そこに金がつながらない、この金との断ち切りということが今回の法案の趣旨なんで、私は請託というのはやっぱり除くべきだというふうに思っております。 それから、行為の内容として契約と行政処分というふうに言われておりますが、これも、小池議員の答弁によりますと、前提とするあっせん行為は公務員に正当な職務行為をさせ、または不当な職務行為をさせないというものであってもよいこととされておりますということから、いわゆる財産上の利益の収受──失礼しました。これは利得の形態の方を今読みましたが、そういうことで、利得の形態としては財産上の利益の収受に限定すれば足るんだ、いわゆる正しい行為を行わせるとかそういうことがあるんで、財産上の利益の収受にいっておると、これも先ほどの大前提から、すべて正しい行為をさせるんだという前提で狭く解釈すればいいんだという理論につながっているというふうに思いますが、提案者である小池議員、いかがでしょうか。
○衆議院議員(小池百合子君) ちょっと聞き間違いがあったら後で御答弁させていただきますけれども、今の御質問の件、このように受けとらせていただきました。 まず、報酬として財産上の利益を収受した場合を処罰することとした理由ということで、本会議場でも述べたわけでございますけれども、刑法のわいろ罪に言うわいろというのは、財産上の利益よりもかなり広範な概念というふうに考えております。すなわち、情報とか職務上の地位の提供、それから、はたまたと申すんでしょうか異性間の情交、これら人の需要であるとか欲望を満足させるに足るものであるならばすべてが含まれるということになるわけでございます。 本罪とわいろ罪との保護法益の違いというものがまず前提にあるわけでございますので、本罪が前提としているあっせん行為というのは、公務員に正当な職務行為をさせる、または不当な職務行為をさせないというものであってもよいというふうに考えております。このことを考慮いたしまして、本罪の保護法益、すなわち政治公務員の政治活動の廉潔性、そしてこれに対します国民の信頼を端的に保護するために、処罰対象を政治公務員の活動において最も問題とされる財産上の利益の収受に限定すれば足りるということで判断をさせていただいたわけでございます。 今、第三者のお話もされましたでしょうか。
○小山峰男君 いや、していません。
○衆議院議員(小池百合子君) 以上でございます。
○小山峰男君 小池議員がいないときに、先ほどあっせん収賄罪とあっせん利得罪の関係についていろいろ御質問させていただきまして、保護法益の違いとか、あるいは犯情としては明らかにこの今回の法案の罪の方がいわゆる軽いんだと。その前提で、今の話の利得の形態も財産上の利益に絞られている。それから、行為の内容も契約と行政処分というようにかなり絞られてきている。だから、ある意味ではこの法案は一つの筋はそういう意味では通っているのかなと。しかし、国民の常識からいけば非常に曲がった筋だというふうに思います。 それから、刑の問題を若干お聞きしたいと思います。 今回の法律の中で一番疑問に思っているのは、一番でもないですが、いわゆる公民権停止の問題として、国会議員の公設秘書についてはいわゆる公民権の停止という規定が全然入っていない。これは、このあっせん利得罪で罪になって二年以下の懲役に例えばなった場合に、公民権、選挙権とか被選挙権、これのいわゆる規定をどうして入れなかったのか、その辺の理由をお聞きしたいと思います。
○衆議院議員(山本有二君) 公設秘書については公民権停止の処罰規定がないではないかという御質問でございますが、これはあっせん収賄罪でも同様でございますけれども、まず本法案は公選法自体の違反ではありません。そしてまた、あくまで政治公務員の先ほどから申し上げます廉潔性だとか国民からの信頼を確保する法律でございまして、政治公務員はそもそも公職選挙法で選ばれた、選挙で選ばれた者であり、その延長上で政治活動をしておるという意味で、公民権の停止という制裁を受けても当然でございます。けれども、たまたまその政治公務員に選任を受けた公設秘書は公職選挙法のいわば契機が乏しいというように言えるのではないかという考え方から、すなわち疑わしきは罰せず、この公設秘書には公民権停止の処分はいたしませんでした。
○小山峰男君 ちょっと理由がよくわかりませんが、疑わしきは罰せずというのはどういう意味か、これもますますわからなくなってしまいましたが、少なくとも主体、この法案の罪の主体として国会議員の公設秘書がやった場合にもこの罪には当たりますよ、二年以下の懲役にしますよということまでやって、最後のところへ来たら公民権停止の関係は野放しですよというのは、やっぱり少なくとも私はバランスを欠くというふうに思っております。 もっと軽い罪でも、あるいは選挙法関係なんかでも公民権停止というのはかなり重くくるというふうに思っておりますので、この点はやっぱりもう一度再考をしてしかるべきかなというふうに思っておるところでございます。 私の時間もそろそろでございますが、いずれにしても、先ほど私が申し上げましたように、今回の与党案につきましては保護法益の違い、あるいはそういうことからいわゆる非常に軽い、犯情としては明らかに軽いという、こういう前提ですべての項目について非常に狭く解釈を、解釈というか法定の規定がなされている。私設秘書しかり、それから職務権限の関係、それから請託を必要とさせている、行為の内容も契約と行政処分だけに絞られている、それから利得の形態もわいろじゃなくて財産上の利益とかだけに絞って要求とか約束もいわゆるカットしておる、それから第三者供与も規定が全然ない。そういう意味では、先ほど申し上げましたように、理論としては一つの線が通っているというふうには思いますが、少なくとも国民から見れば非常に曲がった線だと。 ぜひ、提案者に申し上げることもあれですが、これをいいものにするように御協力を提案者にもお願いしたいというふうに思う次第でございます。 以上で終わらせていただきます。
○高嶋良充君 民主党・新緑風会の高嶋でございます。 この間の本会議の質疑で、発議者の尾身幸次衆議院議員が、この法案、本法案こそが将来にたえ得る法案であり、百点満点、ベストであるというふうに胸を張られました。私も確かに、その後趣旨説明を再度ここでお聞きしたときの、この趣旨説明のとりわけ前文を三回ほど後でまた読ませていただいたんですけれども、この前文だけを読ませていただくと、まさに政治倫理に満ちた格調と見識の高い文章だということで感心をいたしました。 ただ、読み進んでいくうちに、法案自体は本当に将来にたえ得るものであるというふうになかなか考えられない。各論の問題点については、先ほども先輩議員の小山委員の方から修正の問題も含めて御要望し、議論がされました。また、今後も同僚の議員から修正を含めて各論に対して質疑が行われていくというふうに思っております。 きょうは、まずスタートの審議だ、こういうことでございますので、私は、三十分という限られた時間でございますけれども、そういう意味では趣旨説明の前文、まさに総論の部分で追求をされようとしている、理想といったら何ですけれども、理想の部分をどう政治の現実の中に当てはめ実現をしていくのかという、とりわけ政治の質をどう改革、向上させるのかということを中心に、少し今までの質疑とは違って、角度を変えて議論をさせていただきたいというふうに思っているところであります。 そこで、まず発議者に伺いたいというふうに思いますが、この法案の目的というのは、陳情を受けて行政に口ききをして見返りをもらうということを防止することだ、あるいは禁止することだと、こういうふうに受け取らせていただきました。 以前、この法案を与党が検討されているときに、とりわけ公明党さんなんか、あの当時野党でしたけれども、野党が検討しているときに、森総理が記者会見で、法律で抑えることよりもまず政治家の自覚が必要だという、そういう発言をされて報道されましたけれども、私は、森総理の言われていること、もっともかなというふうに思ったところでございます。 とりわけ世界の主要国の中では、あっせん利得罪のような罰則を設けている国というのはほとんどないというふうにお聞きをしているんですが、ただフランスの新刑法典にこのような似たような案文があるということはちょっと聞いたんですけれども。 こういう世界でも珍しい法律を日本でつくらなければならないほど日本の政治家と金の関係がゆがんだものになってきているということが、この法律を提案された原因だろうというふうに思うんですが、このような政治家と金のゆがんだ関係になった原因を発議者の方はどうとらえておられるのか、まずその点をお聞きしたいと思います。
○衆議院議員(亀井善之君) お答えをいたします。 御指摘の政治家と金との関係についてでありますが、現実の政治制度、選挙制度であるとかあるいは政治資金制度等々、政治活動の実態、さらには国民の政治意識など、政治的、経済的、社会的諸条件などを総合的に分析する必要もあります。 一概に原因がこうだと断定することはできないわけでありますが、もとより政治家が私腹を肥やす、いわばぬれ手でアワ的な行為は断じてあってはならない、こう考えております。主権者たる国民の厳粛な信託によって選出されました公職者は、国民全体の利益のために奉仕行動する責務を負っていることを強く自覚しておらなければならないわけでありまして、みずからの政治活動を厳しく律する必要があると考えております。 本法案は、先ほど来いろいろ御説明申し上げておりますとおり、政治公務員の政治活動の廉潔性、清廉潔白性を保持し、これによって国民の政治に対する信頼を高めることを目的に政治公務員の行為に一定の枠をはめたものでありまして、これに反した場合には厳しいペナルティーを科し、その実効性を担保しようとするものでありまして、本制度の創設によりまして政治活動のあり方を変え得る契機となるものと、このように考えております。
○高嶋良充君 非常に見識の高い御回答をいただきました。 私も、金が絡んだ政治家の不祥事というのはこの間後を絶たないという状況ですから、政治腐敗防止と政治への国民の信頼を回復していくというためには、政治家としては恥ずかしいことですけれども、こういう、あるいはもっと厳罰の法律が必要なのではないかというふうに思っているところであります。 ただ、今も御回答いただきましたように、本当に政治の質そのものを変革していく、国民の信託を受けてまさに国民の代表として国政に携わるというそういうことであるなら、見返りをもらう、あるいはもらわない、金品の収受にかかわらずに、行政が決める契約や処分の内容あるいはその決定に対して政治家が影響を与えること自体をどう防止するのかという、そういう観点も必要なのではないかというふうに思いますが、それこそが国民の信頼の回復につながるのではないかというふうに思っています。 その辺、金品収受にかかわらず政治家が影響を与えることを防止するということに対して、発議者の見解をお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(久保哲司君) お答え申し上げます。 今も高嶋委員のお話にありましたように、一方で、政治家は悪いことをするじゃないか、もっと取り締まらぬかと、こういった話があります。一方で、先ほどお話しございましたように、みずからが襟を正すべきではないのかと。こういったはざまの中で、どういった法律をどういう形で定めていくかというのが今回の私どもが出させていただいた形になったわけでございます。 まず、議会制民主主義のもとにありましては、政治活動の自由というのは、これは憲法上認められた大事な権利でございます。一般的に政治に携わる公務員につきましては、国民や住民の意見や要望を踏まえて通常の政治活動の一環として他の公務員に対して働きかけを行うことが期待されている側面がございます。と同時に、このような働きかけはまさに議案の提出などの議員の、法令に基づく職務行為に直接含まれるものではございませんけれども、国会議員の職務行為と同様に我々政治公務員に期待されている重要な政治活動の一つであるというふうに考えられます。 一方で、ただし契約や処分といった具体的な段階でのいわゆるあっせん行為というのは、国民や地域住民の利益を図るという観点よりは、むしろ当該契約の相手方や処分の対象者等、すなわち特定の者の利益を図るという性格が顕著なものでございますし、そのようなあっせん行為を行って報酬を得る行為は、まさに先ほど来私どもが申し上げております政治活動の廉潔性及びこれに対する国民の信頼を失う度合いが強いというべきでございまして、本法案ではそれらに対して処罰できる形をつくり上げようということにしたところでございます。
○高嶋良充君 政治活動との調和を優先させるということも含めて御回答いただいたんですが、私は、趣旨説明の前文に書いておられるように、陳情行政の行き過ぎというものを解決していくためには、この法律だけでなしにやはり政治のあり方の問題も含めてきちっと整理をしていく必要があるのではないかなと。そういう意味では、口きき政治と政治家みずからが決別をする、そういう制度改革が必要になってくるのではないか。これは政治家だけでなしに、有権者やあるいは業界が政治家にあっせんを依頼することが当たり前だという、そういう風潮も変えなければなりませんけれども、その辺も含めて今後十分な議論をしてまいりたいというふうに思っています。 そこで、政治家と有権者や業界の意識改革というのが必要なんですが、それとやっぱりもう一つ重要なことは、政治家からあっせんを依頼される側の公務員の意識改革、姿勢というものもこれから非常に重要になってくるのではないかと。私も地方行政に携わった経験から言わせていただければ、とりわけ政策立案の部分はこの法律は直接かかわってこないというふうに思うんですけれども、執行業務と言われる部分で、公務員の裁量権の幅が大きければ大きいほど政治家の口ききを断れないという環境に公務員は置かれているというふうに思うんです。 そういう意味では、執行業務というのは通常法令や既に決定された基準に従って政治とかかわりのないところで処理されるというのが本筋だというふうに思うんですけれども、そういう観点で行政の側からの改善策はないのか、行政の側から口きき防止への提言はないのかということについて、きょうは政府参考人の皆さん方も含めてお呼びを申し上げておりますので、お聞かせをいただきたいというふうに思っています。 まず、人事院総裁にお伺いをいたしたいと思います。 今年度の公務員白書を人事院が出されました。私も興味深く拝見をさせていただきました。大変な力作で、政治主導下の公務員の役割という項目まで設けられまして非常に有意義な提言をされています。 その中で、執行業務と公務員、執行業務と政治家のあり方について人事院総裁に伺いたいというふうに思うんですが、まず第一に、執行業務を公正に行うにはどうすればいいのか。さらに二点目に、公正中立な立場で公務に従事をしていても、裁量の幅が大きいと政治家の情実的な関与、口ききを招くことになるというふうに思いますので、その防止策はどのようなことが考えられるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 第一点と第二点をあわせて御答弁いたします。 行政国家という言葉で表現されますように、時の経過とともに行政が担う役割が広くなってきております。そういうときに、来年の一月から副大臣、大臣政務官というのが任命されまして、行政組織の中で仕事をされるわけでございます。 したがいまして、そういうときに当たりまして、行政の公正性、中立性というものについて改めて考えてみようじゃないかということで、今御指摘になりました公務員白書というのを私たちは書き上げたわけでございます。 行政というのは、先ほどから議論されておりますように、必然的に裁量行為を伴います。したがいまして、その裁量行為というのが公正かつ中立的に行使されるかされないかということが国民にとっては大変な関心事でございましょう。平成に入ってからの幹部公務員の不祥事というのもこの裁量権の行使に絡んだものが多くございましたけれども、そういうものをなくしていくということにつきましては、私たちも非常に強い関心を持っております。 そこで、この不祥事というものをなくするという観点から考えてみますと、一つはやはり行政手続というものを明確にしていく、客観化していくということが必要だと思いますし、第二番目に情報公開を推進していく、国民から見えるようにしていくということが必要でしょう。そして、三番目に今、先生がお話しになりましたように、裁量権の行使に当たってできるだけ基準化といいますか、個々の行政事務について基準化できるものは基準化していく、そしてその基準に基づいて行政庁で仕事をする人すべてについて守っていただくということがやはり必要じゃないかと。 そうすることによって、行政権というものが公正中立に、かつ国民の期待に沿えるように行使されるだろうというふうに考えて提言をまとめたわけでございます。
○高嶋良充君 総務庁から、海老原総括政務次官にお越しをいただいています。 海老原次官は長年の官僚経験豊かな方でございますので、ぜひ長い官僚経験も生かして御答弁をいただきたいというふうに思うんですが、今人事院総裁から言われています裁量権との絡みで、詳細な基準の設定とか行政手続の明確化、あるいは情報公開、すなわち基準の客観性と透明化というものが必要だと、こういうことだろうというふうに思うんですが、私も行政というものは本来ルールに基づいて公正に行われるべきであるというふうに思っておりまして、ルールが不十分なら整備をしなければならないし、政治家の介入を招かないように行政の過度な裁量を減らすということが必要だというふうに先ほども申し上げておりますけれども、その点について、ルール整備等を含めて総務庁としての考え方はございますか。
○政務次官(海老原義彦君) お答えいたします。 総務庁としての考え方ということでございますけれども、基本的には先ほど人事院総裁がお話しになりましたようなことに尽きるのだろうなと私も思っております。 まず、何よりも必要なことはルールの公開でございます。審査基準、これは原則公にされるというようなこと、これが必要なんだろうと思いますし、また現に、平成五年に行政手続法ができましてから、その効果としてそういったことも着々と進んでおるわけでございます。 また、行政指導につきましては、相手方の求めに応じて書面を交付するなど、指針内容を明確にする、事案に応じて行政指導の指針を公表するというようなことも着々と進んでおるわけでございまして、流れとしてはそういった方向になっておるだろうと。 また、行政情報公開につきましては、昨年行政情報公開法が成立いたしまして、これからの問題でございますけれども、明年四月からいよいよ昨年成立した行政情報公開法に基づいて情報公開が行われるということでございまして、このように透明性を向上させることが行政裁量の適正さの運用のためには何よりも肝要かと考えております。 今般の中央省庁等改革においても透明性の向上を図ることが基本方針の一つとして掲げられているところでございまして、中央省庁等改革の理念を踏まえつつ、今後とも行政の透明性の向上に努力する所存であります。
○高嶋良充君 情報公開と透明性ということを、ぜひ具体的にその装置として生かせるように御検討をしていただいて、実現をさせていただきたいというふうに思っています。 もう一点、質問通告をしていなかったんですけれども、私ども地方行政に携わっているときに、政治家の口ききが余りにもひどいという状況もありましたので、行政側にチェック機能を確立すべきだというふうに申し入れましたが、なかなかそれが実現しなくて、職員組合が駆け込み寺的にこういう議員さんがこういうことを言ってきているということを全部資料で出させまして、ニュースなんかで知らせたことがあるんですけれども、どうでしょう、次官としての官僚の経験から、行政側でこの種のことをチェックする装置というものができないものなのか、所見で結構ですから一言。
○政務次官(海老原義彦君) これは、先ほど申し上げました行政情報公開ともかかわる問題でございまして、行政の内部で裁量行為がどのように行われるかというのは、情報公開がなされますれば国民の目でチェックされるということになるわけでございますので、そういった効果がこれからだんだん出てまいるだろうと思っております。
○高嶋良充君 ちょっと期待をしたような御答弁がなくて、質問通告しておりませんから結構でございます。 来年一月から省庁再編がされるということで、まさに政治主導のもとに内閣機能を強化していく、こういうことなんです。そうなりますと、当然のこととして副大臣や政務官が多数行政府内に入って仕事をしていく、こういうことになるわけですが、そのことをとらえてマスコミ等では利権あさりの機会拡大だと、そう危惧する報道もあるわけですけれども、これは発議者にまずお伺いいたしますが、行政府内の政治公務員は、当然今までの職務権限でのあっせん収賄罪に加えて本法律も適用されると、こういうふうに理解してよろしいんでしょうか。
○衆議院議員(久保哲司君) ただいまの件は、委員御指摘のとおり、省庁再編後におきましても政府内の政治公務員があっせん収賄罪の構成要件に該当する行為を行った場合は、当然のことながらあっせん収賄罪が成立することとなりますし、本法案の罪の構成要件に該当する行為を行った場合には、本法案の罪が成立することに相なります。
○高嶋良充君 じゃ、大臣あるいは副大臣、政務官で民間から登用するという場合が当然出てくるというふうに思いますけれども、この場合はあっせん収賄罪だけの適用になるんでしょうか。
○衆議院議員(久保哲司君) 大臣等が民間人の場合、我々のこの法案は政治公務員の廉潔性並びにそれに対する国民の信頼性というところを保護法益にしておりまして、そういう意味では、民間から登用された大臣については、いわゆる刑法が適用される形になるということでございます。
○高嶋良充君 そこで官房副長官、お忙しい中来ていただきました。 行政府内の政治家、先ほど言いましたように大臣以下政務官も含まれると、こういうことになるんですが、これは選挙で選出された政治家というふうにとらえていただいていいと思いますが、こういう皆さん方は行政機関が業務を遂行する過程においていろんな情報を得られる、あるいは行政上の許認可などの権限行使が行われるんですが、これは当然のこととして、中立公平性を確保するというのが当然の原則なんですけれども、内閣機能強化がマスコミの心配のように逆に利益誘導型政治の拡大にならないように防止する策というものを検討されるべきではないかというふうに思っているんです。 そこで、先ほどの人事院白書の中にも提言されていたんですけれども、イギリスでは大臣や副大臣や政務次官等の行動規範がつくられているというふうに聞いておりますが、日本でも検討されたらいかがかなというふうに思っていましたら、森総理が何か古川官房副長官に指示をしたというような報道がちょっとありましたけれども、その辺の検討状況も含めて、そして、それがもしできましたらいつから、一月からそういう規範をつくられるのかどうか、その点について官房副長官にお願いします。
○内閣官房副長官(上野公成君) 今回の内閣機能強化はさまざまな課題に迅速かつ的確に対応するために総理のリーダーシップを確立するということを目指したものでございまして、利益誘導型政治の拡大というような指摘は当たらないんじゃないか、そうしてはいけないんじゃないかというふうに思っております。 今の大臣のほかに、副大臣それから大臣政務官が行政府に大勢今度は入ってくることになるわけでございますが、先般森総理から、今、議員がお話しになりましたように、大臣それから副大臣、大臣政務官の行動規範を作成するようにと、こういう指示が事務局にあったわけでございます。これは一月六日から新しい制度が発足するわけでございますから、当然それに合わせて今いろいろな面から検討をしている、作業を進めているということでございます。
○高嶋良充君 官房副長官、それを検討されて、検討作業の終了した段階では行動規範というものをぜひつくりたい、つくるという、そういう決意として受け取らせていただいたらいいんでしょうかね、もう少し詳しく。
○内閣官房副長官(上野公成君) これは総理が既に指示をしておりますし、検討作業を一応しておりますので、そういうふうに考えていただいて結構だと思います。
○高嶋良充君 一月からの省庁再編、そして十二月が内閣改造と、こういう日程で進められているようですから、省庁再編で副大臣や政務官が行政府内に入られるときまでにはこのような行動規範をぜひ実現していただきたいというふうに思っております。 そこでもう一問、官房副長官にお伺いをいたしたいというふうに思いますが、政治家と官僚という関係からいえば、政治家があっせんを依頼するということと同時に、逆に公務員の側も政治家のあっせんを利用すると言ったらなんですけれども、そういう傾向もあるんではないか。 とりわけ官僚が、公務員が作成をする政策立案ですね、それをぜひスムーズに作業したい、あるいはスムーズに国会審議で成立をさせたい、そのためには政治家の力をかりなければならない。当然、そのときに力をかりるためには何らかの貸しをつくっておく方が力をかりやすい。だから、政治家の口ききをむげに断らないで、逆に言えばそれを活用していくという、そういうあしき風習と言ったらなんですけれども風潮がまだまだあるんではないか。多々あるとは申しませんけれども、まだまだあるんではないかなというふうに思います。このことが有権者、国民にとっては、特定の個人や業界だけがそのことによって有利になるという、この辺の不公平な行政が展開をされることに対して、政治家にも公務員にもやっぱり批判が集中をしてきているんではないか。 こういう悪循環を断ち切るということが必要だというふうに思うんですが、その辺について、これは官房副長官の方が詳しいのか、総務庁の次官の方がいいのかは別にして、そういう観点も含めて、政治主導の立法作業というか政策立案というそこの部分を内閣としてきちっとやるという、その辺の決意は表明をいただきたいと思いますが、副長官の方で。
○内閣官房副長官(上野公成君) 一昨年からもうずっとやっております政治家主導の体制にしていくということは、まさに今、委員が指摘されたようなそういうことに対する信頼感がないということで、むしろ政治家が主導で行政の中でもきちっとやっていく、そういうことになれば、これは政治家自身の責任でやれるということであります。 そのために、内閣機能の強化をするということが一月六日から行われるわけでございますけれども、もう一点、国会審議の活性化及び政治主導の政策決定システムの確立に関する法律、これはもう既にクエスチョンタイムその他で始まっておりますけれども、この中に副大臣というものがあります。この副大臣が今度は行政の中のスタッフではなくラインとして入っているわけでありますから、これは当然責任を今まで以上に担うということになりますし、大臣政務官は大臣から言われたその事項について責任を持つということでありますから、こういったことが今、委員御指摘のような官僚と政治家の間のいろんな、これは事実どの程度あるかわかりませんけれども、そういったことにもきちっと信頼感を取り戻すために政治主導ということが行われているんだというふうに認識をしておりますし、そうならなければいけないと思っております。
○高嶋良充君 もう時間がないようですので御答弁は結構ですから、御要望だけ申し上げておきます。 いずれにしても、先ほど申し上げましたような政治に対する国民の批判が非常に厳しいということと同時に、日本の政治風土が、まさに政官財ですか、そのことがあっせん、あるいはあっせん利得というあしき風潮というものを温存するような状況になってきているという、それにこの法律が一つの風穴をあけるということでは評価をしますけれども、しかし先ほどからも言っていますように、いずれにしても政治風土全体を変えていく、政治の本質をよくするという意味からいえば、政治家も官僚も、あるいは国民、有権者の意識改革が必要だと。 そういう観点からいえば、少年法ではありませんけれども、せっかくつくる法律が抜け穴、抜け道だらけではなしに厳罰化の法律なんだということを、まずそれをつくる、そしてそれを適用される政治家みずからがそういうものをつくり上げていくことが必要だというふうに思っておりますので、野党側が要求するでありましょう修正案、百点満点と言わずに、そういこじにならずに、政治家全体の質をよくする、あるいは国民の信頼にこたえるという意味でぜひ柔軟な対応をいただくように最後にお願いをして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○益田洋介君 発議者の皆様、毎日御苦労さまでございます。大分もうお疲れのようでしょうから、きょうは、私はまず最初に古田刑事局長に幾つか質問させていただきたいと思います。あわせて、政務次官にもお伺いさせていただきたいと思います。 過日、衆議院の特別委員会におきまして、板倉宏日大教授が参考人陳述の中で、一九五八年に制定されたあっせん収賄罪の中には第三者供賄が明記されていない、そのために抜け道になってしまって、実際今日に至るまで政治家で、国会議員で摘発されたのは二件にすぎないんだと。これは私は驚くべき事実であると同時に、やはり原因はその辺にあったのかなという実感も正直なところ持ちました。 それで、昨年の末に政治家個人への企業・団体献金が禁止をされたわけでございます。そのことによって政党支部が雨後のタケノコのようにふえて、実際国会議員数の十倍を超える七千五百十二支部が登場して、結局新しい政治資金の企業・団体からの受け皿となって全くその実態が変わらないのが現状であると。 このこと一つを見ても、与党案の今回の法案による献金の制限に関する実効性というものがどうしても客観的に見て疑われざるを得ないんではないか。その辺は十分発議者の方、御勘案になられたことだと思いますが、刑事局長、この辺はどのようにお考えでしょうか、この数の多さについて。では政務次官、お願いいたします。
○政務次官(上田勇君) ただいまの御質問の、本法案のことについて法務省の方からお答えするのが適当かどうか、ちょっと適当ではないのではないかというふうに思いますけれども、刑法のあっせん収賄罪のことについていえば、今第三者供賄のことが言われましたけれども、この刑法のあっせん収賄罪がつくられたときにも、その際の国会の審議の中においても、外形上公務員本人以外の者がわいろを受け取ったとされる場合であっても、公務員本人が当該わいろに対して事実上の支配力ないし実質的な処分権を有しているものと認められる場合には、公務員本人が当該わいろを収受したと言える、そういう旨の答弁が行われております。実際上もそのような運用がなされているというふうに承知しております。また、この法案の審議の過程の中でも、発議者の方からこの法案についても同様の見解が示されているというふうに私どもとしては承知しております。
○益田洋介君 局長、お願いします。
○政府参考人(古田佑紀君) ただいま政務次官から申し上げたことに特につけ加えて申し上げることもございませんが、いずれにいたしましても、仮に形式的に第三者というような形になりましても、その者が受け取った利益について公務員本人が支配力を有しているという場合には、それは本人が受け取ったものと評価できるという解釈でございます。
○益田洋介君 残念ながら質問の真意をよく受けとめていただけなかったようでございますが、結局この法律をつくっても政党支部がこれだけ数がふえると中身の点で変わりないんじゃないかと、これが質問だったんですけれども、大体想定はできますので、次の質問に行かせていただきます。 これは先ほど野党の同僚議員の方から指摘がありまして、多少のやはり修正は試みるべきではないかということでございました。特に、我が党に対して矛先が当てられたわけでございます。ただ、現状からいって、与野党の勢力比から、実際は修正が行われないままで審議は尽くされて通過するということになるわけでございますが、完全な法律というのは世の中にないわけでございます。ですが、私の考え方としては、若干の将来的な見直しという点は残してもやはり原案のまま慎重審議の上に速やかに通過させるべきである、そういう私見を持っております。しかし、いずれにしても、政治倫理の確立のための確実な一歩を踏み出すことになる、こういう点では国民の方も十分評価していただけるものと信じているわけでございます。 ところで、その際私が感じますのは、法律のそういう罰則を科さなければ口きき行為という不正行為が是正できない、この辺が要するに我々日本の国会議員みずからが襟を正さなきゃいけない、あるいは反省をしなきゃいけない、あるいはみずから恥じるべきであろうという声も一方では国民の間から聞こえてまいります。この点について政務次官、どのようにお考えでしょう。
○政務次官(上田勇君) 今、委員の方から法律で規制するのではなくて、まつまでもなく政治倫理についての確立に向けては政治家が責任を持って対応すべきであるというふうな御意見だというふうに承りましたけれども、法務省としてお答えする立場にはないかというふうには思いますけれども、私としましては、やはり政治倫理の確立というのは、まずは政治家一人一人の自覚が重要でありまして、これは法律で禁止されているとかいないとかということにかかわらず、国民の皆様方に信頼される政治活動をすることが政治倫理の確立に向けて重要なことであるというふうには考えているところでございます。 その上でこの法案というのは、公職にある者がみずからの政治活動を厳しく律する必要があるという決意のもとでこの政治公務員、つまり政治家の政治活動の廉潔性を保持し、これによって政治に対する国民の信頼を確保するということを目的として提出されたものであり、この政治家一人一人の自覚が重要であるということでは論をまたないわけでありますが、その上でこの法律が一定の効果があるものだというふうには理解をしております。
○益田洋介君 ありがとうございました。 私は、地元といいますか地方を回りまして、さまざまなおしかりとか意見を国民の皆様からじかにいただきます。それは、政治家が悪いんだと言うんですね。口を開けば何でも政治家が悪い。私は悪くないんだと言っても、お前じゃなくて政治家全体が悪いんだと、こういう御指摘でございますが、私は、その政治家を選んだ有権者の方にも責任があると、そのように強い調子ではもちろん申し上げられないわけでございますが、ひっそりとそのように。有権者の一人として古田局長いかがでしょう、この点。
○政府参考人(古田佑紀君) 刑事局長という立場を離れて有権者としてどう思うかというお尋ねでございますけれども、その点につきましては、人さまざまないろんな考え方があろうかと思いますし、私自身は何と申しましても職務上やはり刑事局長でございますので、ちょっと答弁は差し控えさせていただきたいと存じます。
○益田洋介君 もっと率直に発言をしていただきたい、そういう場であるべきだと私は思っていたのであえて伺ったんですが、答弁したくないということなので。 次に、政務次官にお伺いいたします。 日本の役所は周知のごとく、政策の立案部門と執行部門が重なり合っている部分が非常に多い、こういう面から官僚というのは法案を通してもらうかわりに政治家の要望というものを大事にして耳を傾けると、言ってみれば持ちつ持たれつという、政治家の口ききに応じなければ法案もなかなか通りにくいんだというふうな悪い構造が立法府、行政府の間にでき上がってしまっているんじゃないか、それが政治をがんじがらめなものとして改革を今まで不可能にしてきた一環ではないか、そういうふうな声も聞かれます。この点、政務次官いかがでしょう。
○政務次官(上田勇君) 今、益田委員の方から我が国の行政機構のあり方についての御質問でございましたけれども、このことについて今、委員からお話があったような意見があるということは私も承知しておりますし、またいわゆる行政と政治のかかわりについてさまざまな意見があるということも承知しております。 ただ、もちろん法務省としても政治家の方々から政策立案についてのいろんな御要望だとか御意見とかというのはそれを極力生かすような努力をしているところでございますし、それはそうした中で適切な政策が反映できるのではないかというふうには思っております。 ただ、委員が今こういう言い方をしたかどうかはわかりませんが、そういったことによって不適切な処分が行われるとか不正が行われるというようなことは、私は決してないというふうに信じているところでございます。 今回のあっせん利得の法案というのは、そういう意味で、政治家が行政機関の公務員に対してあっせんを行うに当たりその見返りとして利得を得ることを禁止しているということでありますので、今、委員が御懸念になったようなことに対するそういう対策としてその一助になるのではないかというふうに私としては理解をしております。
○益田洋介君 政務次官、私の質問は以上でございます。ありがとうございます。 次に、局長に伺いますが、問題の私設秘書を処罰の対象から外すということで随分これは衆参両院で本会議、委員会続いて議論がなされて、あらかた発議者の方の考え方、理解をいたしたつもりでおりますが、しかしこの条文の中にも一つ例外が設けられておりまして、私設秘書が国会議員本人から命令を受けて、そしてそれを実行行為に移した場合、それがあっせん収賄罪の適用を受けるというふうに判断された場合は議員本人が処罰を受けると、こういった一つの例外を設けられているわけでございます。 しかし、この場合も言ってみれば命令を受けた、それを実行したという議員本人とそれから私設秘書との間の一体性を立証するということが果たして可能なのかどうか、非常にこれは容易ならざる作業だと思いますが、その点はいかがでしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) お尋ねの件につきましては、刑事罰則という観点から申し上げますと、恐らくいわゆる共謀が成立する場合ということではないかと思うわけでございます。 ところで、共謀と申しますのは、要点のみ簡潔に申し上げますと、これも御案内のとおりですが、二人以上の者が特定の犯罪を実行するために意思が相通じるということでございまして、これが具体的にどういう場面でそういうふうに認定できるかということは、これはその事件での証拠関係によるわけでございます。したがいまして、その立証の容易さというものも、結局は個別の案件でそれぞれ決まっていくものでありまして、一概に申し上げることができないと考えております。
○益田洋介君 この辺、非常に裁判所の裁量の問題が絡んでくると思います。 次に、職務権限の問題でまた局長にお伺いしたいと思うわけでございますが、昭和五十一年にロッキード事件が起きまして、受託収賄罪で三人の政治家が逮捕されて、公判の結果有罪が確定した。贈賄側についても、これは当時私企業の会長でございましたが、受託贈賄が立証されました。 これは、このとき公判において争点になった職務権限というのは、日本の総理大臣が運輸行政の一環として民間航空機の購入の決定に対して職務権限があるかどうか、これが大きな争点の一つであったわけですが、裁判所がした認定は、総理大臣は各閣僚を通じて広く職務権限を持つんだと、これがその判決文の中に明示されたわけでございまして、問題の民間機購入に伴う航空行政についても総理大臣の職務権限があった、こういう認定だった。 これは特捜部における政界の捜査の模範とされてきたわけでございますが、自後、実にこの事件から十年の間一件も国会議員の犯罪が摘発されていない。この事実は驚くべき事実でございまして、何がその背景にあったか。一つは、言われていることは、政治家の集金方法が巧妙化したんだと。 それから、そのことがあったけれども、なかなか職務権限の壁というのは破ることができなかった。なぜできなかったかというと、政権政党の幹部といいますか役員というのは、これは政党そのものは法律的には私人でありますから、私的機関でありますから、党の三役、例えば幹事長とか総務会長とか政調会長というのは私人であります、法律的には。だから、私人には職務権限というのはないから、そうした立場を利用しての収賄であると、贈収賄ということは職務権限の壁を破れないから立件が不可能だ、多分こういうふうなことじゃないかと思います。特に、政策決定に当たりましては政権政党の実際の決定に追随するということでありますから、党の幹部の収賄というのが立件できないということで十年間何も摘発が生じなかった。 ところが、十年たった六十一年に日本撚糸工連事件、記憶にまだ新しいところでございますが、国会議員二人が摘発された。これは業界寄りの、業界の肩を持った国会質問をしたことによって政治家としての職務権限を見出された、こういう結果になったわけでございます。 さて、今回の与党案の特徴の一つとしましては、この政治家の職務権限をかなり幅広くとらえて、刑法の収賄罪の今まで網にかかりにくかった部分もすべてキャッチしよう、国会議員への適用を比較的容易にした、この点は非常に評価されるべきだというふうに考えるわけでございます。それから同時に、口ききをした相手の公務員が不正行為を働かなくても適用できるようになっている、これも私はこの法案のすぐれた部分の一つだというふうに個人的に考えております。 例えばある国会議員が、地元の大手のゼネコンとしましょうか、から大型プロジェクトへの指名を依頼された。その国会議員が県庁のしかるべき役人にその点を依頼した、口ききをしたわけです。その役人はその業者が不適当だと思わないから入札業者、指名業者の一つに加えた、リストに上ったわけでございます。結果としてそのゼネコンが落札をした。その落札をしたゼネコンは、報酬としてという形でその国会議員に献金をしたと。 この場合には、今回の場合は処罰罪の適用はなされない、そういうことですね、基本的には。ただし、その場合には、基本的にはそこまでの部分だとなされないけれども、口ききをした場合において威圧をしたとか国会において質問として取り上げるだとか、そういった自分の権能といいますか権限を行使した場合に限って処罰の対象になる。 そういう構成になっていると思うわけでございますが、この場合の権限に基づく影響力の行使というこの前提条件を立証するのがまたこれは局長大変なことですが、この点いかがですか。
○政府参考人(古田佑紀君) お尋ねの点につきましては、現在御審議されている議員提出法案の解釈ないし理解と深くかかわるような部分も多々あるように思われますので、法務当局としてはそれについてはお答えを差し控えたいと考えております。 ただ、私どもの承知しております限りでは、本法案におきましてあっせんの方法をもし限定しないと、国会議員等の身分を有する者が行政府の公務員に対して行うあっせん行為のほとんどが対象となってしまって、処罰範囲が過度に広がるおそれがある、そういうような御趣旨からただいま御指摘の要件が設けられたものと承知しており、いずれにいたしましても、先ほどの共謀のところで申し上げましたとおり、具体的な場面では具体的な個別の案件での証拠関係ということでございますので、それ以上この時点で申し上げることは難しいと考えております。
○益田洋介君 同じ質問を発議者の方、お願いいたします。
○衆議院議員(漆原良夫君) お答えいたします。 職務権限に基づく影響力の行使という点を理由とした点については、今、古田局長がおっしゃったことと同じ意味で私どもこれを要件とさせていただいたわけでございます。 なお、本法案に言う「影響力を行使して」というのは、公職者の権限に基づく影響力を積極的に利用すること、換言すれば、実際に被あっせん公務員の判断を拘束する必要はありませんが、態様として、被あっせん公務員の判断に影響を与えるような形で被あっせん公務員に影響を有する権限の行使、不行使を明示的または黙示的に示すことだというふうに解釈をしております。したがって、今お尋ねにありました、頼み事をしただけだ、紹介しただけだというのが直接今私どもの申し上げた定義に触れるかどうか、そのときの状況だとか、そのときの雰囲気だとかすべてのことを総合して考えないと、一律に申し上げることはできないのではないか。ただ、あえて言わせていただければ、本当によろしく頼むよという、全体の雰囲気はわかりませんが、ただ紹介しただけだということであれば触れないのではないかなという感じがいたします。 いずれにしても、影響力を行使するという、こういう積極的な評価をされないとこの条文は適用されない、こういうことでございます。
○益田洋介君 その場合、公務員の方にお願いするときに、にこにこしながら優しくお願いをすれば問題にならない。ところが、聞いていた公務員の方は、いつも頼むときはこの議員はにこにこしているけれども、実現しなかったら大変な目に遭うんだというんだったらこれは威嚇しているのと同じじゃないでしょうかね。まあ、その点はいいんですけれども、具体的な例を言っているわけじゃございませんので。 では、局長、また引き続きお願いしたいんですが、司法取引の問題。 この贈収賄の事件の場合というのはなべて難しい、要するに贈賄側も収賄側も口を閉ざしたまま真実を解きほぐすのに大変難しいという、捜査並びに要するに立証に当たってその点の難しさがある。いろいろな問題がこれは含まれていると思うんです。 例えば、この事件の一方の当事者である贈賄側に刑事免責、司法取引というふうにも言われていますが、を与えた、そして贈賄側が供述しやすくすれば、要するに減免をするわけですね、刑の減免を約束した上で、取引ですからその対価として事実関係をもっと詳しく話してほしい、そういうことをすることによって収賄側はどんどん摘発されるわけで、そうしますと結果として贈収賄罪から摘発は飛躍的に効果を上げることになる。アメリカでは今そうしている。 ただ、これはなかなか難しい問題が背後にやはりあって、日の当たる部分と陰の部分と当然出てくるわけでございまして、贈収賄じゃなくて例えば殺人を傷害致死にするから事件の全容を教えろとか、あるいは受託収賄を単純収賄にするといった、これも取引材料に使われている。この問題とは別に、また、今の贈収賄事件の場合に限ってこの司法取引を考えた場合に、本当にこれ、公正に許された刑事免責が適用されているかどうかというのは、アメリカの場合はこれは検事がチェックするわけです。そうすると、アメリカの検事の権限というのは物すごく広がって、逆に乱用されるという危険性が出てくるわけです。 こういった司法取引は、ですから劇薬だと、効き目もあるけれども副作用ももちろん物すごく強い。こういう観点から今、贈収賄罪、非常に立件が難しい。この司法取引について局長、どういうふうにお考えですか。
○政府参考人(古田佑紀君) ただいまのお尋ねのポイントは、いわゆるバーゲニングと呼ばれている司法取引と申しますよりは刑事免責、イミュニティーの方に中心があるお尋ねではないかというふうに思われるわけでございます。 そこで、刑事免責の問題について一般的にどのように考えているかということを申し上げますと、ただいま委員は贈収賄についてお話があったわけで、御指摘のとおり、アメリカ等ではそういう方法が用いられているということも承知しております。しかし、それだけではなくて、密行的な組織的な犯罪等について考えてみても、それが一つの有効な捜査手段であるということは恐らく言えることではないかと思うわけでございます。 しかしながら、一方で、仮に刑事免責というふうな制度を導入するといたしますと、ただいま委員が御指摘になったような種々の問題、特に虚偽供述を誘発するおそれはないかとか、国民の司法に対する信頼の確保、そういうような面から見てどういう問題があるかというふうな点をこれは十分検討した上で判断しなければならないだろうと考えております。
○益田洋介君 もともとイミュニティーというのは、減刑の考え方というのはイギリスの法律で出発したわけでございますが、それがあたかも取引のように使われるようになったのはこれはアメリカにおいて。局長がおっしゃるように、国民の目から見て法律が取引の材料にされる、手段にされるというのは余り喜ばしいことじゃないし、日本の風土にはなじまないかもしれない。それはそうですが、これからやっぱり刑法の改正をいろいろとしていかなきゃいけない段階で、当然これは議論の俎上にのせていかなきゃならない問題だと私どもも考えているわけでございます。 それから、それに関連して、さっき自白の問題が出ましたので、いわゆる自由心証主義と自白の問題について局長のお考えを伺いたいんです。 我が国の場合では、証拠の価値判断、裁判官に一定の裁量が与えられているわけでございまして、逆に合理的な疑いが残る場合にはこれは疑わしきは被告人の利益にということで無罪になる、これはビヨンド・リーズナブル・ダウトと、きざな言い方だとイギリスではそういうふうに言っているんです。結局、自白にかわる立証方法はないものなのか、これはまた一つの議論の対象になることだと思うんですけれども、主観的な要件の立証を、日本の刑事訴訟法は要するに自白にかわるものは認めていない。だから、実際には主観的要件を立証するために自白に頼らざるを得ない、そういう仕組みになっているのが現状なわけです。 ところが、英米の場合は刑法の構成要件というのはかなり大ざっぱにできていて、特にイギリスの場合、分析的ではなくても外形的な行為だとか、あるいは外形的な結果に注目して認定が行われる。だから、証拠によって客観的事実を訴追官あるいは裁判官が認定できればそれで立証できる。アメリカにおいてはさらに、自白のない場合は物証と証言をつなぎ合わせて、言ってみれば推定法則を用いている。 こういうふうな問題も、やはり日本の贈収賄事件を立証、解決に導くために必要なことじゃないか、ひいては今この特別委員会で話し合っている、なるたけ政治家がそういうことに手を下さない、近づかないようにするために必要な一つのポイントになってくるのじゃないか、刑法の見直しが。 やはり自由心証主義というか自白に頼らざるを得ない今の日本の実情について、局長どういうふうにお考えですか。
○政府参考人(古田佑紀君) 委員御指摘の自由心証主義と申しますことからすれば、法律的には自白の有無にかかわらず、委員の御指摘のようにいろんな客観的な状況からある一定の主観的な要件、認識でありますとか故意を認定するということも、これはもちろん可能なわけでございます。したがいまして、日本の刑事訴訟手続の中で、おっしゃるように自白がなければそういうものが認定されないのかということになりますと、それはそういうわけではないわけでございます。 ただ、委員御指摘のように、英米法系の国におきましては、昔から主観的要件につきまして、大陸法系よりは余り厳密な認定をせず、周りの状況等からあるものと当然考えるというふうな一種の事実認定法則とでも申しましょうか、そういうようなものがあるのではないかと私どもとしては考えているわけです。 したがいまして、日本におきましても英米法系的な一種の事実認定法則とまではいかなくても、情況証拠の上から当然に一定の主観的な要件というのが認定できると、そういう場合も十分あり得るということでございます。
○益田洋介君 局長、大変にありがとうございました。予定していない質問も中にはあったかと思いますけれども、よくやはり勉強されていらっしゃる、秀才でございますから、勉強させていただきました。私の局長に対する質問はこれで終わります。 次に、発議者の方に繰り返しにあるいはなってしまうかと思うんですが、二、三質問させていただきたいと思います。 一つは無償の選挙運動、いわゆる手弁当と言うんでしょうかね、交通費から食費からすべて言ってみればボランティア活動で選挙運動をしてもらうこと、あるいはもらったことが財産上の利益の収受に相当するのかどうか。これはやはり常識的な範囲というのは当然あると思うんですが、例えば会社員の運動員の人が自分の会社を休んでまでそういうふうな無償提供をして、結果として解雇されてしまったという場合には物すごい財産上の損害をこうむる。逆に言うならば、そのとき運動員をしてもらっていた候補としては、財産上の、言ってみればその人はすぐに解雇された翌日から就業できると約束できるわけじゃありませんから、財産上の利益をこうむったことになる。 この辺はどういうふうに皆様、発議者の方考えられましたか、議論されましたか。
○衆議院議員(漆原良夫君) 財産上の利益の収受には無償で行われる選挙運動も含まれるかというふうな御質問を賜りましたが、一般的には労務の無償提供を受けることは財産上の利益の収受に当たると思いますが、これは、通常有償でなければ得られない労務の提供を無償で受けることによって労務の対価の出捐を免れる点で財産上の利益があったと言えるためでございます。 ところで、選挙運動については公職選挙法上、無報酬でなされるのが原則となっております。そのような無報酬の選挙運動は、一般的には本法案の財産上の利益の収受には当たらないというふうに理解しております。 しかし、例えばあっせん行為の依頼者が報酬として財産上の利益を供与して選挙運動者を公職者に派遣する、こういう場合は依頼者が公職選挙法に違反するのみならず、本法案においても財産上の利益の供与ということができると思います。 以上でございます。
○益田洋介君 結局、あっせんをして口ききをして自分の利益のために政治家の方に動いてもらったと、そのこともあるけれども、しかしやはり自分としてはこの候補をどうしても応援したいんだと、あっせんを受けてもらった、またそれが実現したこととは別に、どうしてもこの候補を当選させたい、そういう思いでみずから例えば今おっしゃったように自家用車を提供したり、それからもちろんガソリン代もそうでしょうし、報酬は受けなくても結局そういうふうな形で実際にお金、金銭の移動がある、そういう場合にどのように認定するか。 もう一つは、要するにその利益を供与した側がそういう認識がなかったとしても、受けた側はそういう認識があったと、逆の場合も考えられると思うんですよ。その辺までは発議者の方、お話し合いになりましたか。
○衆議院議員(漆原良夫君) 無報酬で行われる選挙運動については、一切財産上の利益の供与にはならない、これが大原則でございます。 先ほど、例外的に申し上げたのは、あっせん行為の依頼者が報酬として財産上の利益を供与して選挙運動者を公職者に派遣する、お金を払って、例えば百万なら百万払ってあの候補のところに行ってくれないかという場合はそれに当たりますよと。ただ、益田先生の依頼者が益田先生に当選してもらいたいということで無報酬で一生懸命頑張る行為、これは全く財産上の利益に該当しない、こういうことでございます。
○益田洋介君 あっせん収賄罪の中には「賄賂」という用語が使われております。今回、発議者の方々はいろいろ検討されたようで、用語を「財産上の利益」というふうに変更されております。これもさまざまな議論がなされたと思いますが、その一端を御紹介いただきたいと思います。
○衆議院議員(漆原良夫君) 御指摘のように、あっせん収賄罪では「賄賂」、また衆議院段階で野党から提案された法案も「賄賂」、こういう言葉が出ておりました。私どもは、わいろではなくて財産上の利益というふうに限定させてもらいました。わいろというのは財産上の利益よりも幅広い概念でございまして、情報だとか職務上の地位の提供だとか異性間の情交だとか、およそ人の需要、欲望を満足させるに足るものであれば何でもよい、こういうふうになっております。 しかしながら、本罪はわいろ罪とは保護法益を異にしております上、本罪が前提としているあっせん行為というのは、公務員に正当な職務行為をさせ、または不当な職務行為をさせないというものも含んでいるものであります。このことを考慮して、本罪の保護法益である政治公務員の政治活動の廉潔性、そしてこれに対する国民の信頼を的確に保護するためには、処罰の対象を政治公務員の活動において最も問題とされる財産上の利益の収受に限定すれば足りるというふうに考えたわけでございます。
○益田洋介君 よくわかりました。 そうすると、その財産上の利益の範疇というものについてはお話し合いになられましたか。
○衆議院議員(漆原良夫君) 財産上の利益の概念は、金銭的価値に評価されるものであれば足りるというふうに考えております。
○益田洋介君 ありがとうございました。終わります。
○吉川春子君 日本共産党の吉川春子です。 発議者の皆さん、御苦労様です。質問をいたします。 与党の発議者は、私の本会議の質問に対する答弁でも、与党案は百点満点だとかあるいはベストというふうに答弁されました。自分のことについて満点などということは余り言わないのが普通ですけれども、私はこれはおごりではないかと思いますし、政権党というものはもう少し謙虚に振る舞うべきではないかというふうにも思います。 与党案が衆議院を通った翌日のマスコミを見ましても、百点満点などと評価する記事は見当たりませんでした。元最高検検事土本武司帝京大教授は、全体に法案は穴が多い、要件が多く犯罪の証明は難しいと述べています。また、朝日の社説でも、衆議院で否決された野党案に比べるとなお検討すべき部分が多い。日経では、秘書仲間では、捜査当局から疑いをかけられないためには処罰対象ではない私設秘書に転身するほかはないという話も出ていると、法案は五十点以下などと報道されています。 提案者に伺いますけれども、国民世論のこういった声には耳を傾けないということなのでしょうか。
○衆議院議員(山本有二君) 先生御指摘のベストであるとか百点満点とかという形容詞は決して与党発議者のおごりというようなものではないと御理解いただきたいとお願い申し上げます。 これは、この法律の卵になりますところの法案の発端は自社さ連立内閣のときのあっせん利得罪のベースになるところから出発しておりまして、その間政権が幾度もかわり、さらに今回、三党連立与党の中でもここに至ります経過というのは必ずしも平坦なものではありませんでした。さらに、我が党自由民主党の中でも政調会あるいは総務会でかんかんがくがくの大勢の方々の大変多様な意見をやっと集約したという意味を込めまして、我々としましては安堵の意味を込めてベストだと、こう評価したというように御理解いただければと思っておる次第でございます。
○吉川春子君 国民の声に一切耳をかさないということではないというふうに受けとめます。 それで、今国会から法律が改正されまして地方議会の意見書が国会に上がってくるようになりました。今国会からじゃないかな。とにかく、ことしになってからなんですけれども。 それで、犯罪の構成要件から請託を外すことを求めているものも多いわけなんです。例えば兵庫県芦屋市議会では、これは市議会の代表者会に公明党がお出しになって議会で採択されたものというふうに聞いていますけれども、次のように書いています。 政治家の口ききあっせん行為の見返りとして報酬を受け取ることはわいろというべきであり、決して容認できない。広くあっせん行為をとらえるように求めておりまして、請託を受けてあっせんをしたことが犯罪成立の要件となっていることから、実際、密室でなされる請託そのものを証明することは極めて困難だとその限界が指摘されています。 また、戸田市議会で採択された意見書も、これは共産党が提案者になっていますが、これは副議長という立場でなっているんで、元来公明党から提出された決議案だそうですけれども、請託が犯罪構成要件になっていることが立証が困難で犯罪成立が困難、このように同趣旨を述べているんですけれども、こういう案を、かつてはというか割と近い時期に公明党は提案されて、自民党も賛成されているんですけれども、地方議会と国会では意見が違うんでしょうか。あるいは、どうしてそういう意見もあるのに請託を入れるんでしょうか。 この点について、公明党の提案者から御答弁いただきたいと思います。
○衆議院議員(漆原良夫君) 今回、与党案といいますか、本法案を作成し、議員立法として公明党も三党の一員として提出させていただきましたが、その際に我が党もこの案を全党的に議論させていただきまして、全党的にこれでいこう、こういうふうな了解のもとで今回提案させていただいたと。したがって、我が党全体として本法案を推進していくという、こういう意思が確認されたわけでございます。
○吉川春子君 ちょっとよくわからなかったんですけれども。その理由は、要するに地方議会と国では立場が違うんですか。そして、なぜこういう、前は請託を入れるということについて反対されていたのに、どうしてこうなったかという点がもう一つはっきりしなかったんですけれども、どうでしょうか。
○衆議院議員(久保哲司君) お尋ねの意見書というのは、九月二十八日付で出てきているものだろうと思いますけれども、御承知のように、我が党はずっと清潔な政治を進めなければならないということで立党以来やってまいりました。その過程で、この法案に取り組むに当たりましても、その過程で各地域、各議員さん、またそれぞれの都道府県、また市町村、国会等々においてさまざまな意見があったことは事実でございます。 御承知のように、各都道府県あるいは市町村の議会にありましては、議会が始まる前の議会運営委員会といったところの段階で意見書等が提出される。それが期限になる。そういう意味では、多分一般的に市町村の場合、九月議会の意見書というのは八月下旬あたりが提出期限かとも思います。細かいことを言って恐縮でございますけれども、私どもが最終的に意見を取りまとめた段階では、全国統一して今の案でいこうということで一致結束をしておることを申し添えます。
○吉川春子君 九月の最初までとその後とは態度を変えた、こういうことでございました。
○衆議院議員(久保哲司君) 違います。
○吉川春子君 違いましたか。 要するに、私も、日にちはそのとおりだと思うんですけれども、その後態度が、請託については態度を変えられた、変えたんじゃないんですか。
○衆議院議員(久保哲司君) 先ほども申し上げましたように、最終的に党、組織というのはすべてそうであろうと思いますけれども、意見が最終決議されるまでの段階で、この部分ではこういう意見を持っておられる方がある、あるいはこの地域ではこういう意見を持っておられる方がある、またそれは個々人さまざまな意見があって、それを集約していくもの、これが議論のプロセスだというふうに思っておりまして、先ほどはそのことを御説明申し上げたつもりでございます。
○吉川春子君 私は、請託をしてということを構成要件に加えることによってあっせん利得処罰罪の成立が非常に困難になるというふうに考えております。 あっせん収賄罪を導入する当時の法制審議会では、単純収賄なら請託があれば違法性が増すので加重収賄罪にする意味がある。しかし、請託という行為をしたかどうかで他の公務員に違法な行為をさせるあっせん収賄罪は請託に違法性が増すとは考えられないといって、あっせん収賄罪にさえ請託を要件に加えることに疑問視をする意見が御承知のようにあったわけです。 今私たちが審議中のあっせん利得罪について伺いますけれども、この指摘について発議者はどう受けとめられますか。請託という構成要件があることによってあっせん利得処罰罪の違法性が違ってくると、このようにお考えでしょうか。
○衆議院議員(山本有二君) 違法性が異なるというそういう説明からではなくて、まず我々は構成要件、該当事実が立証容易か困難かで法律を決めるという思考回路をとっていないわけでございます。そしてもう一つ、あっせんという言葉を使う以上、このあっせんという行為は一つの意味を持つ行為だと考えております。しかも、法的な意味を持つと評価できるだけの行為でなければなりません。 そう考えていきますと、あっせんという文言は請託を受ける、すなわち何らかの内容を依頼するというのが通常の形態でございまして、だれからも依頼されないものを頼まれたというわけにはまいりません。したがいまして、この通常の形態の意味ある行為を法的にとらえた場合には、構成要件上請託として位置づける必要があるということが第一点でございます。 第二番目には、政治公務員が他の公務員に何かを働きかける、依頼する場合に、だれかに何かを頼まれるという場合、いわゆるあっせんの場合と、いわば自分が国民はこう考えている、あるいは住民の声はこうだとして政治活動として働きかけを行う場合、二者あるわけでございますが、その請託を要件ということでなければ、いずれがあっせんされた場合でありいずれがみずから進んで国民の声として動く場合であるかというこの区別がかなりあいまいになってくるわけでございます。 とするならば、処罰範囲も明確性を欠くというそういう結論になってしまうわけでございまして、そのことから考えますと、刑法上、刑事学的に意味ある行為として法的にとらえる以上は請託を要件とせざるを得なかったというところでございます。 そしてさらに、立証が困難ということに対して……
○吉川春子君 後でそれはまた聞きます。
○衆議院議員(山本有二君) はい。以上でございます。
○吉川春子君 そうすると、だれかに頼まれてだれかのためにやるということなのか、国民の声を吸い上げてやる、こういうことなのかということでもって違ってくる。請託のあるなしということをそういうものに係らしめているというふうに私は受け取ったんですけれども、例えば自治会の会長さんが国道にガードレールを設置してほしいと、そういうような口きき、お願いをしてやる場合、これは請託があるんですか、ないんですか。だれかに頼まれて特定の人にやる行為ですか。
○衆議院議員(山本有二君) 通常の刑法の適用の場合の請託であるかどうかは別といたしまして、いわゆる依頼があったとすることにおいては、自治会の会長さんから、特定の者からの依頼ということが言えるだろうと考えております。
○吉川春子君 これは国民の声を吸い上げて一般的に国民のためにやる行為という範疇ではなくて、だれかに頼まれてだれかのためにやる行為というふうにおっしゃったわけですが、ついでにもう一つ伺います。 立証の困難さという問題なんですけれども、あっせん収賄罪を導入した当時の法制審議会で、これも指摘されているわけですけれども、立証の困難さが伴うのではないかということで、私も本会議でも指摘したんですけれども、あっせん収賄の創設から四十二年間で国会議員に適用されたのは二件のみと。これがまさに請託が立証困難だということを証明しているんじゃないでしょうか。
○衆議院議員(山本有二君) 過去の例で取り上げてまいりますと、受託収賄罪は過去五年間で九十四件の公判請求人数でございます。これはすべていわゆる立証された結果として、しかも受託収賄罪だけで考えて九十四件でございます。そう考えますと、これが必ずしも小さな数字ではないということでありますし、さらに、あっせん収賄罪も請託が要件であれば、受託収賄罪もそうでありますし、加重収賄罪でもそうでありますし、第三者供賄罪でもそうでありますし、多くのわいろ罪と言われる罪の各般には請託という要件が取り入れられているというこの事実は、すなわち立法経過の中での請託に対する議論は整理されたものと、こう考えているところでございます。
○吉川春子君 収賄罪関係の基礎数まとめという表を私はいただいているんですけれども、これは昭和二十一年から平成十一年までずっと数字が示されておりまして、トータルで申しますと単純収賄罪は一万六千三十七件、受託収賄罪は千九百五十三件、請託が要件にされていますから受託収賄罪の基礎数がもうかなり十分の一ぐらいに減っていますね。あっせん収賄罪は百二十二件、こういう数字になっておりまして、かなり請託ということが構成要件に入ったために犯罪の基礎数も、本当二けたぐらい違うということが明確になっているわけでございます。このあっせん利得罪におきまして、やはり請託を要件に加えるべきではないと私たちが主張するのもこういうことを根拠にしているわけです。 それでもう一つ、私設秘書を主体としないという問題について伺いたいと思うんですけれども、西川太一郎議員の秘書が逮捕されましたけれども、これは貸し渋り対策などのために実施されている中小企業向け制度融資に絡む出資法違反事件で東京地検特捜部は九日、西川太一郎議員の私設秘書を逮捕しました。内容は、ブローカーらと共謀して中古ゲーム機販売業者の融資を介在したと、この見返りに融資額の一四・三から一五・七%に当たる手数料九百七十七万円を受け取った疑いとされています。同秘書は、国会議員の秘書であることを名乗りまして、東京保証協会の支所幹部に融資に便宜を図ってもらうように依頼したと、このように報道されています。今回の事件で西川議員は、私自身は信用保証協会や都に口ききはしていないと語っております。 与党案では、このような秘書の口ききは見逃すことになるのではありませんか。
○衆議院議員(山本有二君) 現在、捜査中の事件のことでありますので、我々からコメントするわけにはまいりませんが、一般論でいいますと、何度も申し上げているかもしれませんが、本法案は政治に関与する公務員の活動の廉潔性と清廉潔白性及びこれに対する国民の信頼を保護しようとするものでございまして、処罰の範囲は公務員でございまして、いわゆる私人ではありません。私設秘書は公務員ではないわけでありますから、そして国会議員との関係の程度がさまざまでございまして、一律に処罰の対象とすることは不適当ということで、この秘書に本罪の適用はない、こう考えるところであります。 ですから、その意味におきまして、もし私設秘書が何らか社会の規範に違反したり治安維持に対する侵害をしたりしたときには他の罪で処断されることは当然でございまして、今のところ、今のところというより政治公務員に関する限り、私設秘書は公務員ではないという点において処罰対象としていないことに対して御理解をちょうだいしたいと思います。
○吉川春子君 具体的事例で言いにくいとおっしゃるんでしたら具体的な固有名詞は外しまして、議員が一切これは自分のあずかり知らないことですよと言った場合に、私設秘書のこういう行為が全く処罰されないということになるんですよね。
○衆議院議員(山本有二君) 先生も御存じのとおり、刑法には共犯関係というシステムがございまして、実行行為を一部分担しなければ共犯にならない、共同正犯にならないという考え方もありますが、現在の日本の判例におきましては共謀共同正犯、すなわち実行行為を分担しなくても、相意思を通じてお互いに特定の犯罪行為を目的として行動をすればそれだけで罰せられることになっておりまして、その意味においては明示、黙示に意思疎通というものがあり得るというように言われておりますので、必ずしも秘書だからといって共犯関係の処断を逃れられ得るということにはなりません。 むしろ、私が感じるところでは、かなり政治公務員との連携があると見られる場合には共犯の認定を受けるときが多かろうというように考えるところでございます。
○吉川春子君 共犯とか共謀共同正犯というふうに認定されるときに、それは罪になるのは当たり前じゃないですか。そんなことを聞いていませんよ。それは立証するのは物すごい困難ですよ。見張りが共謀共同正犯になるかどうかとか、いろいろややこしい問題があるのは御承知のとおりでしょう。 そうじゃなくて、そういうことも立証されないような場合について聞いているんですから、この法律の問題として答えていただきたいんで、私設秘書を主体に加えない限りはこういうような多くの事例が成立しなくなるじゃないか、このことを言っているんです。共犯を聞いていません。
○衆議院議員(山本有二君) 先生の御質問の意図は、事実認定において私設秘書を認定しづらいというような質問かと存じましたから先ほどの答弁でございますが、我々はあくまでも保護法益を政治公務員の廉潔性と清廉潔白性及び国民の信頼に置く以上は、私設秘書はどうやりくりしましてもこの犯罪主体にはなり得ないという解釈を申し上げておりまして、これも立法論ではございますが、当然にこの条文からすると私設秘書が入らないということを申し上げているところでございます。
○吉川春子君 議員と秘書というのは一体不可分の関係にありまして、秘書が公務員か公務員でないかということによって犯罪が成立するかしないかというふうにはならないと思います。するべきではないと思います、立法論的に。 それで、もう一つ伺いますけれども、公明党の発議者にお伺いしたいんですけれども、参議院の議院運営委員会で参考人質問をやりました。そのときに、ことし五月ですけれども、民主、公明、社民、野党三党が提案したこの法案を審議したわけですけれども、山下栄一議員は、新潟県警の交通違反点数の不正抹消事件、元自治相・国家公安委員長の私設秘書がかかわった問題で逮捕されたこと等も議題になったんですけれども、議事録を見ますとこういうふうに言っています。 「先ほどこの刑罰の対象となるのは国会議員だけだ、では広げたらどうか、地方議員、首長。秘書についての今回の交通違反もみ消し事件というのは、まさに事務所そのものといいますか、議員事務所そのものだったと思うんですね。だから、議員と秘書は一体であるということは、もうこれは一般市民がそう感じていると思うんです」と、このように述べて、議員と秘書は一体であると言っています。この見解は変えましたか。
○衆議院議員(漆原良夫君) そのときの山下議員の考え方が公明党全体の考え方であるかどうかは私承知しておりませんが、今回の議案を提出するにおいて、今申し上げたように、私設秘書は本罪の主体として入れないということに決定をしたわけでございます。 以上です。
○吉川春子君 いろいろと意見の違いがあるようなんですけれども、要するに私は、十三日の本会議の答弁で提案者は、私設については国会議員との関係の程度はさまざまだと、今おっしゃったような答弁をしていますけれども、一律に処罰の対象とすることも不適当だとおっしゃっていますよね。しかし、一律に処罰の対象としないということはもっと不都合じゃないんでしょうか。 西川太一郎議員とか、あるいは白川議員の私設秘書のように、さまざまな口きき行為をしてわいろを受け取った、こういう事例を見逃してもいいのか、これが今国民がこの国会の審議に対して強く持っている疑問であり要求なんですね。この点についてはいかがお考えですか。
○衆議院議員(山本有二君) 現在公判中のケースについてはなかなか語りがたいところでございますが、その公判中の私設秘書さんも、公判中であるということは何らかの罪で起訴されたと存じます。本法案におきましては、私設秘書もいろんなケースがある、すなわち態様がばらばらであるということでという話でございますが、すなわち、それこそまさしく構成要件の明確化という刑法の極めて重大な要請にこたえたがゆえに私設秘書を外したということでございます。 さらに、今現在皆様方にいわば御理解を賜りたいところは、私設秘書が大物だというかつての事実があったようでございますけれども、我々は、我が党だけになるかもしれませんが、そういう議論も十分した上で、今現在私設秘書として議員に準ずるあるいは政治公務員に準ずるとして評価できるのはむしろ公設秘書であるという社会実態、現在の我々の職業の中にある実態、これを抽出して法案に盛り込んだわけでございまして、むしろ今後は公設秘書の方が政治公務員に準ずるだけの地位を得るようになるであろうと思われますし、むしろ私設秘書の方々は比較的軽い職務内容になってくるのではないかというような意味を込めましての判断でございまして、決して先生の御指摘のようなものではないと思います。 また、この法案自体がぬれ手でアワ的な、公職選挙法で選挙をして地位についたらぬれ手でアワ的な特別な利得を得るというものを禁止し、そして規制していこう、こういうわけでございまして、公職選挙法で選ばれた者でない者に対してまでもこの法の適用をすること自体が、実はおよそこの法律の根本趣旨を変えてしまうのではないかという危険性すらはらんでいるというように思いますので、御理解をちょうだいしたいと思います。
○吉川春子君 秘書の定義なんですけれども、元最高検検事の土本武司帝京大学教授は、議員の力を背景に口ききをするのは、公設秘書に限らず私設秘書も同じこと、肩書や給料の出どころではなくて実質で判断しなければいけない、公選法の拡大連座制のように、きちんと秘書の定義を規定して犯罪主体に私設秘書を入れるべきだと、このように述べております。秘書の活動実態から見て、私は余りにも当然の指摘だと思います。 今、公設秘書が中心になるべきみたいな御発言もありましたけれども、やっぱり公設秘書か私設秘書かそんなことを一々確かめなくて秘書ですと、そういうことで実際はいろんな活動をしていて、それで社会的に通用し口ききもしている、こういう実態があるわけですから、やはり私設秘書を対象に、対象にというか主体にしていないということは一つの大きな欠陥であるということを指摘して、この問題については引き続き議論をしていきたいと思います。 その点について御意見ありますか、伺いますけれども。
○衆議院議員(山本有二君) 先生の政治を浄化し国民に信頼を得て公職選挙法で選ばれた者は皆期待にこたえられるというような思いは十分理解させていただきましたが、なお私設秘書については検討をさせていただきたいと思います。
○吉川春子君 ぜひ検討をしていただきたいと思います。 あっせん対象行為と影響力の行使について、次のテーマに移りたいと思います。 国会議員等が、国もしくは地方公共団体が締結する契約または特定の者に対する行政庁の処分に関し、当該議員の権限に基づく影響力を行使して公務員にその職務上の行為をさせるように、またはさせないようにあっせんすること云々と、このように趣旨説明で発議者は述べています。 与党案は、あっせん行為の対象範囲を契約と行政庁の処分に限定しています。そこで、行政庁の処分とは何か具体的にお伺いします。 例えば、国会議員が脱税容疑で国税庁の強制調査、査察を受けた会社役員から相談を受けて、国税庁の査察部長に直接電話して、よろしく頼む、そちらに行かせるから話を聞いてやってほしいと言ったと、こういう事例は行政庁の処分でのあっせん行為ということにまさになると思うんですけれども、どうでしょうか。
○衆議院議員(山本有二君) 請託を受けてその権限に基づく影響力の行使に当たるかどうかのまずその前段階で、よろしく頼むと言うだけではこの構成要件該当がないというように言えると思います。
○吉川春子君 査察とか脱税調査というものは処分に該当します。 そこで問題は、このあっせん行為に当たって議員の権限に基づく影響力を行使したかどうか。影響力を行使して行わなければ処罰されないというふうになっているわけですね。議員の権限に基づく影響力を行使してという要件は極めてあいまいで、先ほど来構成要件は厳しくきちっとしなきゃならないとおっしゃっていますけれども、これはもう実にあいまいで不明確な概念だと思いますよ。 影響力を行使してとはどういう行為を言うんでしょうか。衆議院の審議では、単に電話で頼んだだけでは犯罪にならないというふうに答弁していますけれども、それでは、今電話で頼んだだけではあれだとおっしゃったんですが、この事例でどういう行為であればこの影響力を行使したあっせん利得罪に当たるのか、ほかの要件はクリアしたとして、お示ししていただきたいと思います。
○衆議院議員(山本有二君) まず、電話ではならないという、別にこれは、影響力の行使の、行使するときの道具は格別電話でも直接面談でもいずれも問いません。 そして、「その権限に基づく影響力を行使して」というこの要件を加味したということにおいて明確性が逆にあいまいになって明確じゃないじゃないかということでございますが、かつての野党案、最近の野党案ではなくて、一つ前の野党案は地位利用ということを言っておりましたが、地位利用よりもより明確にしたと言われておりまして、先ほどの刑事局長答弁でもそのような意味の御答弁があったと思います。 そこで、権限というのは、まず、公職にある者等が法令に基づいて有する職務権限を指すわけでございまして、国会議員につきましては、議院、ハウスにおける議案発議権、修正動議提出権、表決権、委員会等における質疑権等が挙げられるところでございます。 そして、「その権限に基づく影響力」というものは、このような権限に直接または間接に由来する影響力、すなわち、法令に基づく公職者の職務権限から生ずる影響力のみならず、法令に基づく職務権限の遂行に当たって当然に随伴する事実上の職務行為から生ずる影響力をも含むものをいうというように、影響力はその言葉どおり多少権限を行使するときよりも若干ふわっとしたものになるわけでございます。 そして、「影響力を行使して」という意味は、公職者の権限に基づく影響力を積極的に利用すること、言葉をかえますと、実際に被あっせん公務員の判断を拘束する必要はないものの、態様として、被あっせん公務員の判断に影響を与えるような形で被あっせん公務員に影響をする権限の行使、不行使を明示、黙示に示すことである。すなわち、あっせんされる被あっせん公務員の方がその行為をやろうという動機づけに客観的に見てふさわしいものかということだろうと思いますが、どのような態様の行為が被あっせん公務員の判断に影響を与えるような形での行為に当たるかは具体的な証拠関係に基づく事実認定の問題でございますが、あっせんを行う公職者の立場、あっせんの際の言動、あっせんを受ける公務員の職務内容、その他諸般の事情を総合して判断するということになります。 〔委員長退席、理事鴻池祥肇君着席〕 強いて査察の点でございますけれども、そのときには、例えば大蔵委員会でそのような不公平な税務調査に対しては質問をするぞというような物の言い方で依頼をしていく場合は、この本法案の構成要件に該当するであろうというように考えられます。
○吉川春子君 若干ふわっとしたとか影響を黙示的または明示的とか、もうとてもわかりにくいので、具体的にお伺いします。 ことし九月二日の新聞各紙によりますと、大蔵省OBで金融再生総括政務次官の宮本衆議院議員は、九六年秋、所得税法違反、脱税容疑で強制捜査、査察を受けた元会社役員から相談されて、名古屋国税局にあっせんし圧力をかけた、こういう事件が報道されています。 宮本議員は、同九月三十日、名古屋国税局の査察部長に電話を入れて、知り合いにまじめな会社経営者がいる、仕事仲間が脱税で逮捕され、自分も逮捕されるのかと心配している、逮捕されるのかとただしました。さらに、十月二十五日、宮本議員は電話で、よろしく頼む、そちらに行かせるから話を聞いてやってほしいと頼んだという報道記事です。 それで伺いますけれども、よろしく頼む、そちらに行かせるから話を聞いてやってほしいと頼んだだけではあっせん行為ということにはならない。先ほど、よろしく頼むと言うときに、国会議員の権限に基づく影響力を行使することが必要ということだと思うんですけれども、それはどういう言動が当たりますか。
○衆議院議員(山本有二君) 先ほども答弁の最後で申し上げましたが、宮本議員のこのケースを離れて一般的に申し上げるならば、大蔵委員会で当該査察は公平を欠くので質問をする予定であるというような言辞を弄した場合には当たるということでございます。
○吉川春子君 済みません。もう二問聞きます。 例えば、宮本議員は大蔵OBで金融再生総括政務次官ですが、大蔵OBだと言えば影響力を行使してということになりますか。
○衆議院議員(山本有二君) その権限というものは政治公務員等でございますので、したがいまして元大蔵省官僚だということはその権限には当たりません。
○吉川春子君 もうちょっとお聞きしたかったんですけれども、時間が来てしまいましたのでやめざるを得ません。 つまり、与党案はいろいろな構成要件があって、ハードルがあって、そしてそれを一つ一つ越えるのが大変難しい。そして、いろいろ越えたとしても最後に大きなハードルがこの今お伺いをいたしました影響力の行使ということですね、これをクリアしないと犯罪は成立しませんので、そうしますとやっぱりこれは最後の抜け道になると。議員の権限に基づく影響力の行使がなければ処罰されないわけですから、こういう抜け道を残したものだと指摘せざるを得ません。 こういうことでは本当に政治の廉潔性というものが保たれるようなそういう政治になるのかどうか疑わしいということを指摘いたしまして、私の質問を終わります。
○大脇雅子君 発議者の方たちの代表質問における答弁等を検討いたしますと、議員の政治活動については口きき行為というものが正当な政治活動の一環であるということは全く疑いは持たないというような考え方が流れていたのではないかと思われます。選挙によって国民や住民の負託を受けた議員の政治活動というもの、あるべき政治活動ということをどのように認識しておられるのか、お尋ねをいたします。
○衆議院議員(大野功統君) かつて自社さ時代に、政治倫理の確立を目指して大脇先生と随分議論させていただきました。あのときは必ずしも意見が合わなくて法案は日の目を見ませんでしたけれども、今あっせん利得罪で、成立を目前にいたしましてこうして再び大脇先生と議論できる、大変感慨深いものがございます。どうぞ我々の案に御賛同くださいますようにまずお願い申し上げます。 今、口きき行為が政治活動の中でどういう位置づけになるか、私は口ききというとどうも主観的な響きがありまして、我々はこれは働きかけという言葉を使いたいと思います。 政治公務員が行政に働きかけをする場合、いろんなケースがあると思いますけれども、国民全体のために政策目的を実現する。それから、特定のグループ、例えば高齢者のため、中小企業のため、こういうために頑張る。それから、不当な行政行為を受けた者にかわって、代理して、それらの皆さんにかわって行政庁にクレーム、抗議を申し込む。あるいは、特定の人の利益のために、ここが問題なんです、特定の人の利益のために働く。我々が問題視しておりますのはまさに特定の者の利益のためにということでございます。この点は、衆議院で否決はされましたけれども、野党案と全く同じ思いでございます。 ただ、ここはもう質問されておりませんけれども、問題は特定の者といった場合非常に定義があいまいになってくる。そこで、口きき行為、悪い口きき行為、よい口きき行為とこう二つに分けるとしましたら、悪い口きき行為は特定の者のためである。しかし、それでは構成要件があいまいであるから契約と処分に限った、こういう考えでございます。
○大脇雅子君 私も大野先生とは本当に長い間議論をさせていただいて、また再びここで議論させていただけるということについては感慨深いものがございます。 それで、私はお尋ねしたいんですが、ようやくにしてこのあっせん行為による利得の処罰に関する法律案ということが日の目を見ようとしているということかもしれませんが、自社さの時代の議論の延長線上の問題点というものがたくさんあるということを私は考えるんです。あのときは、あっせん利得の処罰に関する法律をつくると同時に、我々はみずから政治を浄化するための政治倫理の確立、自浄作用といいますか、院の自治作用といいますか、そういうことを二本柱として検討をしてきたわけです。 今回は、あっせん行為による利得の処罰法案というものの議員提案でございますけれども、もう一つの政治倫理に関する我々の自浄作用、自治作用というものについて提案者の方々はどのようにお考えか、そして今回提案の法律案の枠組みでこれまでの政治活動の質をさらに高めることができるというふうにお考えかどうかということについてお尋ねをしたいと思います。
○衆議院議員(大野功統君) 政治倫理の確立、大変大切なことでございます。 基本的には、個人個人の政治家がそういう認識を持って政治活動をするべきでございますし、また議院の中で、議会の中で行為規範をつくること、あるいは政治倫理確立のために情報公開とも言える資産の公開をやる、これはやっておりますけれども、そういう内部の規範も大事でございます。それと相まってやっぱり法律にしていく、今回のことでございますけれども、それによって倫理性、清潔性、これは必ず高まっていくものと思います。 政治の流れというのは、しかしながらそれだけではなくて、やっぱり行政の裁量の余地を小さくしていく、透明性を増していく、こういう行為と相まって今回の法律は私は歴史の流れの中で日本の政治をよくしていくものだと評価しております。
○大脇雅子君 一九八五年十月十四日に政治倫理綱領というものを議決いたしました。 「全国民の代表として、全体の利益の実現をめざして行動することを本旨とし、特定の利益の実現を求めて公共の利益をそこなうことがないよう努めなければならない。」と書いてあります。 そして、一九八五年の十月十四日に議決され、その後改定されました行為規範、参議院政治倫理審査会規程というものがございます。 その当時、私どもは政治倫理法というものを制定すべきだという主張をいたしまして、議会の中に政治倫理委員会というものを常設いたしまして、そこで一定の人数、例えば衆議院が十人であれば参議院が五人でその委員会が開催できるようにして、疑惑を持たれた議員のいわば審査、それからみずから疑惑を持たれた者がまた主体的にそこで弁明することによってさまざまな政治倫理の問題を議論すべきであるという法案を出しました。各議院は政治倫理の遵守の勧告とか、公開議場における陳謝の勧告とか、登院の自粛とか、さまざまな委員会などの委員長の辞任とか、あるいは議員の辞職の勧告に至るまでやはり自律的にそうした作用を院に持たせるべきだというふうに主張いたしましたが、この点については発議者の方たちはどのようにお考えでしょうか。
○衆議院議員(大野功統君) 本法案は保護法益として政治活動に対する国民の信頼を確保する、そして政治公務員の廉潔性、潔白性を保持する、これが保護法益でございます。この保護法益を実効性あるものとするために、実効性を担保するために厳しいペナルティーを科しているわけでございます。 先生の御指摘の点は、この法案以前の、以前というか並んでというか問題でございます。政治倫理の確立というのは議員個人個人の自覚が必要でございます。また、実際の行為を議院、ハウスの中でいろいろ考えていく、これも大事でございます。これまでに、政治倫理綱領の実効性を高める観点から、行為規範、政治倫理審査会規程の改正強化、そして職務の公正さを明らかにすることを目的とした政治倫理確立のための国会議員の資産等公開法、こういうものをなし遂げております。 先生御指摘の問題点でございますけれども、やっぱりまず第一に問題の所在点を明確にする、どういう方向で議論していくか、その点を決めて、そして議論していくべき問題だと思っております。
○大脇雅子君 政治倫理審査会というのが非常に空洞化しているということは実態上言えるわけですから、この問題もこの現在審議されている法律案と並んだほどの重要な、まさるとも劣らない課題だということを御認識いただきまして、これからぜひ御検討いただければというふうに思います。 それでは、法案の中身についてお尋ねをいたします。 先ほど来、私設秘書を除外するということについてのさまざまな議論がありました。その中の議論を聞いておりまして私が一番納得できがたいということは、法案の目的というのは、趣旨説明によりますと、公職にある者の政治活動の廉潔性や清廉潔白性というものを保持して、もって国民の信頼にこたえる、公務員の職務自体の性質に着目した収賄罪とは違うんだということを強調しておられます。にもかかわらず、私設秘書をそれに入れないときに、この法案は公務員という身分犯というものにあるので、したがって私設秘書というものは入らないというふうに説明しておられるんです。少しずれがあるのではありませんか。
○衆議院議員(大野功統君) 私設秘書の問題、これは随分議論してまいりました。 先生御指摘のとおり、第一は身分犯として構成している、こういうことであります。構成要件を明確にしておかないと、この法律は、一たん処罰を受けまして刑に服した後、いわば被選挙権を含む公民権停止、これは十年ということになります。したがいまして、大変これは、今のは政治公務員本人でございますけれども、そういう厳しい法律であります。 そういう厳しい法律の中で私設秘書をどう考えていくか。私設秘書の問題につきましては、第一に、たびたび御説明しておりますが、身分犯、第二にあっせん収賄罪とのバランスの問題、第三に政治公務員と意を通じている場合には正犯として罰せられる、こういうことでございます。逆に、私設秘書自体を犯罪の主体にした場合には、あるいは政治公務員と意を通じていた場合でも、私設秘書だけ罰してしまう、つまりトカゲのしっぽ切りになってしまう可能性が大きいのではないかと、こういう反論もあるわけでございます。 一番大きな問題点、大変ここは悩ましいこと、事実であることはそのとおりであります。公設とそれから私設と仕事がどう違うんだと、こういうふうなこともございます。しかし、身分犯として決めたこと、それから私設秘書といってもいろんな態様がある、政治公務員との間の関係もいろいろある、そういうものを一律にしてしまうのはどうだろうか。名刺一枚で秘書活動をしている、こういう方々も、全く政治家本人が、政治公務員が知らない状態でやっている可能性もあるじゃないか。いろんな問題がございますので、この点は身分犯として、公務員という法律、国会法百三十二条に基づいた地位にある者を対象として決めておる次第でございます。
○大脇雅子君 身分犯として決めたというのは、これは立法政策の問題でありまして、必ずしも絶対的な価値ではないわけであります。 私が言いたいのは、この法案というのは公職にある者の政治活動の廉潔性ということを保護法益とするということであれば、その議員と一体性を持つ、いわば仕事の実態で公設秘書も変わりがないという実態があるわけですから、公設秘書も外すというならまあそれは一つの論理の一貫性ですけれども、その実態性というところで、公設秘書だけ入れて、そして身分犯だという立法政策の目的だけを言って、それは私は法律のいわば骨抜きというか抜け穴をつくっているに等しい論理だと思わざるを得ないわけです。 先ほど公設秘書は議員に準ずる形で、私設秘書は非常に軽くという、期待可能性ということをおっしゃったわけですけれども、私は実態上は私設秘書こそ地元で最も有権者と密接な関係を持って議員の指揮命令のもとで一体となって活動しているという実態があると思うわけですが、それはおかしいのではないかと、身分犯と言われることには納得ができないというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(大野功統君) 私設秘書につきましては、いずれにしても公設秘書との仕事の違いを言う向きもあるかもしれませんが、それは議員、政治公務員それぞれによって場合によって違う可能性が大きいと思いますので、そこは置いておきます。 私設秘書が何かの犯罪を犯した場合、何かの犯罪というよりもあっせん利得罪を犯した場合という問題でございますけれども、あっせん利得罪というのは本来、不当なこと、不正なことをさせない、正当なことをさせる、こういうことを含んでいるわけでございます。それから、私設秘書が自分の独自の判断で何かやった場合には他の法律で罰せられるわけでございます。繰り返しになって恐縮ですが、政治公務員と意を通じてやった場合には共同正犯として罰せられるわけでございます。 そういう意味で、何らの不都合もありませんというふうに御認識いただきたいと思います。
○大脇雅子君 反論をまた重ねるようですけれども、議員が共謀共同正犯で、いわゆる実行行為者を全く処罰せずに共謀性が立証できて議員だけが処罰されるということはほとんどあり得ないのではないかというふうに思います。 さらに、連座制などで私設秘書がどういうかかわりがあったときに議員が当選無効になるのかというような判例が幾多重なっておりまして、その判例を見てみますと、秘書という名称を承諾し同意した場合、そしてまた指揮命令のもとに政治活動を助けている場合、一定の裁量と責任を持っているようなスタッフ、これらは私設秘書として連座制の態様になるわけです。給与がもちろん議員から出ているわけですから、私設秘書というのは勝手に名刺を持ってうろうろしている者まで含むではないかということはこれまでの裁判例から見たらまことにおかしいわけで、もう既に判例上私設秘書というものは議員とどの程度のどういう要件があったときに一体性があるのかということは確立しているわけですから、やはり私設秘書というものは、さまざまな法令、判例やその他の法体系の中においても、この法の立法趣旨からすればどうしても含んでいただいて修正をしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(大野功統君) ただいま尊敬する大脇先生から連座制の問題が出たわけでございます。 公職選挙法の連座制の問題というのは保護法益が違う、私はそういうふうに思います。連座制の場合は、汚れた選挙で当選してきた、その当選を無効にする、その背景にある者を罰すると、こういう思想でございます。今回のあっせん利得罪におきましては、正しいことをやらせる行為、不当なことをやらせない行為、こういうことを含んでおるわけでございます。しかしながら、特定の者のために利益を与えるようなあっせんはやめていこうじゃないか、こういう一定の政治公務員の活動のルール、そしてそれによって政治公務員の廉潔性を守っていこう、こういう保護法益の基本を考えますと、やっぱり連座制とは全く違う保護法益だなと。その場合に、やはり犯罪主体というのは公務員である。それは政治公務員であり、それから政治活動を補佐する公設秘書、こういうふうに限らせていただくのは、私はあながち理屈がないわけではない。 実態的な問題は繰り返しになりますからもうやめます。
○大脇雅子君 連座制が保護法益が違うということはありますけれども、あっせん行為と選挙違反というものは、私は、汚い金で汚れているという点においては政治活動の廉潔性というものを損なうという点で優劣はないというふうに思うということを申し上げて、この件に関する質問は終わりますが、ぜひ検討していただきたいと重ねてお願いをいたしましょう。 〔理事鴻池祥肇君退席、委員長着席〕 さて、財産上の利益に限定する意義、これも自社さ政権のときに、わいろとするのか財産上の利益とするのか、財産上の利益にどこまで含むのかという激しい議論をいたしたことを思い出しますけれども、やはりこの法の趣旨で、情交関係とか供応とか票の取りまとめ、就職あっせん、投資情報の提供、後援会活動、選挙活動、これらを除いてしまうということはとても問題が多いのではないかというふうに思います。 先ほど就職のあっせんをしてお金を取ったら何か罰するというようなことをおっしゃったと思うんですが、今私が挙げたこういった問題、これはやっぱり財産上の利益にならないとお考えでしょうね。
○衆議院議員(大野功統君) まず、わいろとするのか財産上の利益とするのか、これは基本にさかのぼって考えますと、やはりこの法律の性格づけに基づいているわけでございます。 この法律は、刑法の類型として考えるのではなくて、私どもは特別の形態であると、このように考えておるわけでございます。いわば自然犯でもそれから行政犯でもない特別の法律だ、世界に類を見ない法律である、このように考えておるわけでございます。したがいまして、もし不正ということから発生したお金、財産等であればわいろという言葉を使うのでございましょうけれども、私どもはそういう発想法でございますから、財産上の利益、極めて中立的な物の言い方をしているわけでございます。 そこで、問題は、財産上の利益といった場合には金銭に換価できるものと、こういうふうに理解しているわけでございますが、わいろといいますと、すべて人間の欲望、需要を満たすものがわいろという定義のようでございます。そういたしますと、先生が今御指摘なさいましたような情報とかそれから地位とかあるいは男女間の情交とかが入ってくるわけでございますけれども、さらに例えば名誉市民にしましょうというような話もこのわいろに当たると、こういう解釈になってくるわけでございます。 先ほど就職のあっせんということで御指摘がございましたが、就職のあっせん、これは公務員になるという意味でございまして、一般の会社の採用を頼んだ、これはこの法律の対象外でございますが、その場合には対象になる場合が大きいと、こういうふうに御回答いたしております。 いずれにしましても、この法律は、何度も申し上げて恐縮なんですけれども、正当なことをさせる、不正なことをさせない、このところまで含んでおりますので、不正という概念からちょっと離れております。 もちろん、不正ということも概念上は入ってきます。しかし、恐らく不正ということでやった場合には、刑法のあっせん収賄罪が先に適用される。両方の法律が適用されますけれども、不正であれば刑法のあっせん収賄罪が適用されるということに一般論としてはなろうかと思いますが、すべてこれは具体的な証拠関係に基づく事実認定の問題である、このように理解しております。
○大脇雅子君 ここが今回の法案でやはり大きな抜け穴になるのではないかというふうに言われる一つの問題点であるということを指摘させていただきたいと思います。 またさらに、何回も言われるんですが、この職務権限についての議論の中でいま一つ納得がいかない点について私は重ねてお尋ねをいたしますが、法令に基づいて有する権利、それは国会議員等の地位と違うんですか、一緒なんですか。直接間接影響をする、随伴するもの、多々いろいろ解釈は言われているんですが、やはりこの権限というものについては、職務権限の職務というものの有無がまとわりついているとすれば、非常にこの要件が厳格に過ぎていくというふうに考えるんですが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(大野功統君) 「その権限に基づく影響力を行使して」ということも随分議論してまいりました。 権限といった場合に、これは職務というよりも国会議員としての権限でございますから、例えば発議権とか国政調査権を背景にした質問権とか、こういうことを言っているわけでございます。それから、影響力といった場合には、被あっせん公務員の判断すべてを拘束する必要はございませんけれども、やはりそれによって影響を受ける、こういうことでございます。 それから、間接直接という言い方をよくしておりますが、直接というのは、これも先ほども例で出ておりますが、例えばこのことを、言うことを聞かなければ委員会で質問しますよとか、こういうことでございます。 それから、間接というのは、一つの例でございますけれども、わかっているだろうなとか、こういう言い方もあろうかと思います。失礼しました。そこは暗示的の方です。そこは取り消します。間接のところを今完全に取り消します。 間接というのは、その本人が持っている、例えば、実際にじゃ仲間に声をかけて反対者をふやすよとか、そういう例が当たろうかと思います。 それから、明示的、黙示的という言い方のところで私、説明を先ほど間違えましたけれども、明示的はおわかりのとおりでございますが、黙示的というのは、例えば、わかっているだろうなというようなことでございますけれども、これはすべてわかりやすく説明するために申し上げていることでございますので、実際はあっせんをする政治公務員の立場、あるいはそのときの言動、あるいはあっせんされる公務員、被あっせん公務員の職務の内容、その他諸条件をいろいろ踏まえて具体的な証拠関係に基づく事実認定の問題になろうかと思います。
○大脇雅子君 影響力とか行使という点についての説明はわかりますが、私があくまでこだわるのは、この権限といった場合に、議員の地位という大まかなものを意味するということでよろしゅうございますか。
○衆議院議員(大野功統君) これは、きちっと職務権限は幾つか書いてございます。ちょっと手元にそれを書いたものがございませんけれども、先ほど申し上げましたように、議員の議院における議案発議権、修正動議提出権、表決権、それから先ほど申し上げました国政調査権を背景とした質問権等でございます。それが国会議員固有の権限でございますから、基本的にはそういう権限を言っておるわけでございまして、もし地位を利用してというような書き方をいたしますと、例えばあっせんする側、あっせんする政治公務員と被あっせん公務員との間に友達関係があるとか親戚関係とか、あるいはよく飲んでいる友達だとか、そういうことがどうなるのかという疑義が出てまいります。そういう意味で、この法律につきましては構成要件をきちっとしている、こういうことでございます。
○大脇雅子君 そうしますと、国会議員でも閣僚、政務次官、それから国会議員や首長や地方議員というふうでさまざまな権限がありますが、その中で大きかったり小さかったりあるわけですが、これによってやっぱり違いますか。
○衆議院議員(大野功統君) 基本的には、直接的には関係ございません。議員としての職務権限に基づく影響力でございます。もちろんそれは、国会議員、地方議員、首長によって異なります。ですから、大臣であるからとか、大臣であればその省内、山の中では大変な権限を持っていると思いますが、これはあっせんすることを問題にしている法律でございますから、あっせんというサイドから見ますと議員としての問題でございます。
○大脇雅子君 その対象となる行為が契約と行政処分と。これもまた前に先生と大変いろんな議論をしたんですが、私の持ち時間がもう終わりましたので、次の質問の機会に移させていただきます。 ありがとうございました。
○松岡滿壽男君 御苦労さまです。無所属の会の松岡滿壽男です。 今回のあっせん利得処罰法、わかっているだろうなと言われてもなかなかわかりにくいところも、先ほど来の議論を聞いておりますとそういう感想を持っておるんですけれども。 午前中の質疑のときに亀井先生もちょっと触れられましたけれども、我が国の国民の変質といいましょうか、随分変わってきているなという思いがするんですが。 四百五十年前にザビエルが日本に来たときに本国に書簡を送っておりまして、「日本人は今日まで発見された人民の中で最も優秀で、異教徒の間には、日本人にまさるものを発見し得ないと考える。日本人は友誼にあつく、一般に善良で、悪心なく、」、悪心なくですよ。「また何ものにもまして名誉をたっとぶ。」と。「彼らは侮辱または軽蔑の言をいささかも忍ばず、武士でない者は、はなはだ武士を尊敬し、」、これは官僚のことでしょうか、武士は。「武士は国君に仕えることを名誉とし、これに服従する。惟うに彼らがこのように振舞うのは、万一これに背く時は、名誉を失うと考えるからであり、領主より罰をうけることを恐れるためではない。云々」ということを書いているんですね。 今回、政治公務員のあっせん利得処罰法、それから公務員倫理法、それからストーカー法とか児童虐待禁止法、四百五十年たったんですから民族性が変質してしまうのは仕方ないにしても、こういうことを一々つくらなければきちっとした行いができないという状況、まことに遺憾に思います。 そして、せんだっての本会議の質疑の中で、先ほど御質疑された大脇先生が質問されましたいわゆる自社さのときの話し合い、それに対して尾身さんが、あたかも自民党は二年前は消極的であったかの発言がございましたが、当時、我が党も国会議員の政治倫理確立法案を提案した経緯もあり、決して消極的との御指摘は当たらないと考えておりますと御答弁があるんですが、私は当時こちらにおりませんでしたのでその辺のことが定かでないんですが、実際、自社さのそういうときの話し合いと今回の自公保のこの法案の内容、これはかなり前進したものなのかあるいは後退したものなのか、当時の政治倫理綱領というものについてはどうなのか。こういう点、まずちょっとお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(尾身幸次君) 私ども、二年前に政治倫理に関する法案を考えさせていただきました。社会情勢その他も大いに変わっておりますが、同時に、公明党、保守党との連立を組んでおりまして、その三党の中でこのたびの法案を合意し、提出したところでございます。 私どもは、政治活動の廉潔性の確保、そしてまた国民の政治に対する信頼の確保という観点からこの法案を出したわけでございますが、同時に、憲法に保障された政治活動の自由という観点も非常に大事であるというふうに考えておりまして、この両者を調和した形で現在のような法案を出したわけでございまして、前の案と比べて進歩しているかしていないかという御質問でございますが、私どもは、現在段階において提案をしておりますこの法案がベストのものであるというふうに考えている次第でございます。
○松岡滿壽男君 当時の自社さの案、主体は国会議員だけに限定しておったんですか、範囲は。それとも、やはり当時から地方議員とか秘書とかが含まれておったんでしょうか。
○衆議院議員(尾身幸次君) 前の案は、法律施行時は国会議員を対象にしておりましたが、一年後には地方議員も対象にするという案であったと承知しております。
○松岡滿壽男君 結局、国民の方から今度の法案を見て、過去の経緯も知っている方が多いわけですから、いわゆる自社さ時代の話し合いがあった、しかしそれで決裂してしまったと、政権が。だから、それほど大きな問題であるという認識は国民サイドも持っておったと思うんですね。今度は自公保でこういう法案が提出されたということについて、どっちがどうだろうという感覚が、どっちの方が実効性が上がるのかということについて素朴に見ている部分が私はあるだろうと思うんですね。 今回の法案の中で、そういう対象範囲が変わってきているとかあるいは職務権限の問題とか際立ってわかりやすく表現できる、そういう部分はないんでしょうか、国民に対して。
○衆議院議員(尾身幸次君) 今回の法案を考えるに当たりまして、これは非常に国会議員の身分にかかわることでもございますので、いわゆる内容をきちっと決めていく、構成要件をしっかりしていくということが大変大事だというふうに考えております。それから、同時にまた、政治活動の廉潔性、そういうものもまたきちっと保持していく、そして政治に対する信頼感を回復するといいますか信頼感を高める、そういう趣旨でございまして、私どもはそういうことを総合的に考えて今の法案をつくったつもりでございます。 自社さ政権のときに、前の法案について意見が必ずしも一致しなかったということは聞いておりますが、それだけであの三党の政権が崩れたものとは承知しておりませんで、いろんな要因で連立が解消されたというふうに考えております。
○松岡滿壽男君 先ほど来私設秘書の問題を、いろいろ議論をへりから聞いておったんですけれども、この前から山本議員とか、以前は中島議員ですか、公設秘書の報酬の問題その他いろんな問題が出てきているわけですよ。だから、その発端というのは、やっぱり他の秘書との、公設秘書との報酬の問題とかそういうものも背景にあることは薄々国民の方もわかっていると思うんです。実態的に地元秘書の方が地元とのいろんな、いわゆる仕事のあっせんですね、そういうものに深く入っているということは皆わかっている事実なんですね。だけれども、あえて今回私設秘書を外してしまっているんです。先ほど来そんな話も聞いてはおるんですけれども、これはまた一つわかりにくい話だと思うんですね、私設秘書だけ分けると。 今後、やっぱり秘書全体のあり方をお互いにもう一回検討していかなきゃいかぬという段階の中で、公設秘書と私設秘書だけ分けるということは非常に国民の側から見ておってもわかりにくい議論だし、実態からこれは乖離してしまって、それこそやれ、ざるじゃないかとか盛りじゃないかとかいう議論になりかねないという問題が私はあると思うんですね。その辺も、先ほどからわかっているだろうなと言われますけれども、わかりにくいんですよ、伺っておって。もう少し素人の私なんかにもわかるような御説明をいただきたい。本会議での御答弁やあるいはここでのやりとりを聞いておってもちょっとわからないんです。
○衆議院議員(尾身幸次君) この説明は繰り返しになると思いますけれども、この法案の罪は、政治に関与する公務員の活動の廉潔性、清廉潔白性とこれに対する国民の信頼を保護しようというものでございまして、したがいまして、公務員でない私設秘書まで処罰の範囲を拡大することは適当でないというふうに考えているわけでございます。 私設秘書につきましては、一般論としてはいろんな解釈も、解釈というか状況も変わると思っておりますけれども、国会議員との関係の程度が個々さまざまでございまして、これを一律に処罰の対象にするのは不適当であるというふうに考えているのが一つの理由でございます。さらに、刑法のあっせん収賄罪におきましても私設秘書を対象にしていないわけでございまして、それとのバランスを考えても、私設秘書を対象にするのは適当でないというふうに考えた次第でございます。 ただ、私設秘書のあっせん行為につきましても、国会議員本人の指示があった場合には、これは国会議員本人の行為として認定をされて、この法案の罪が本人の方に成立し得るということはあるわけでございまして、私設秘書そのものを対象にしていないといっても、実はこの法案そのものの法益は十分守られるというふうに考えております。
○松岡滿壽男君 公設秘書の報酬の問題が表に出ましたときに、皆さん方も御承知のような状況で、地元秘書との報酬の違いとかそういう部分がやっぱり背景にあるということは皆ある程度知っている話なんですよ。だから、地元秘書はむしろあっせんをやることによって他から報酬を得るという場合も、過去のいろいろな事例で、地方の方では行われていたということをみんな知っているわけですね。実態的に東京の秘書さん、いわゆる公設秘書はほとんどそういう機会がない、よっぽど大物になれば別でしょうけれども。 そういう実態がやっぱりあるということを踏まえた上で、こういう形で私設秘書だけ分けてしまうということに対しては、新たな国民から見た疑惑とか、またやっぱり肝心なところに手をつけていないんじゃないかという受け取り方というものは私は出てくるだろうと思うんです。ここがやっぱり私は一つ一番重要な部分だろうというふうに思っています。 先ほど来のやりとりの中でどなたか答弁者の方が検討しますということを言われたと思いますけれども、本当に検討するということでいいんですか。
○衆議院議員(尾身幸次君) 今の松岡議員と私ども、この点については意見が違うところでございまして、私どもとしては現在提出している法案が百点満点であるというふうに考えている次第でございまして、ぜひこの法案に御理解をいただいて、賛成をしていただきたいと考えております。
○松岡滿壽男君 たった三、四枚の法案ですから、私の方からも質疑すると全部重複になってしまいますので、余りしたくないのですけれども、この比較表を見てみますと、今回の案のいわゆるあっせん利得罪とあっせん収賄罪ですね、こういう比較表の中で量刑が、刑罰については、片方は刑法ということなんでしょうけれども、今回の案とは随分違うんですね。 例えば法定刑のところは、公職者あっせん利得罪の方は三年以下の懲役、議員秘書あっせん利得罪の方は二年以下の懲役と。それから、あっせん収賄罪の方は五年以下の懲役ということですから、刑法だからそっちの方が重いんだと言われればそうかもわかりませんが、この辺がちょっと、どうしてそういうふうになっておるのか。片方は公務員、片方は政治公務員ということなんですが、この辺をちょっとお答えをいただきたいと思うんです。
○衆議院議員(尾身幸次君) 刑法のあっせん収賄罪は、あっせんを依頼されるといいますか、その公務員に職務上不正な行為をさせた場合に成立する犯罪でございます。このたびのあっせん利得に関する罪は、あっせんをされる公務員に職務上正当な行為をさせた場合でもあっせんをしたということに着目して犯罪として成立する、あっせんをして財産上の利得を得たときには成立するということでございまして、犯情として明らかにあっせん収賄罪の方が重い、あっせん利得罪の方が軽いということでございまして、そういうことを勘案して罰の方につきましても三年以下、五年以下という差をつけたと考えております。
○松岡滿壽男君 また、刑法第百九十七条の四ですか、あっせん収賄罪の方には職務権限の規定はないんですね。今回の法案については職務権限の規定があるんですね。これはどうしてこういうことになっておるんでしょうか。
○衆議院議員(尾身幸次君) このあっせん利得罪の方は、あっせんの方法を権限に基づく影響力の行使ということを理由としているわけでございます。あっせんの方法をそういうふうに限定しない場合には、国会議員等の身分を有する者が行政府の公務員に対して行うあっせん行為のほとんどが対象となって処罰範囲が過度に広がる、政治公務員に対する正当な政治活動を萎縮させるおそれがあるというふうに考えたからでございます。 この法案では、公職にある者等の権限は公職にある者等が職務を行う公務員に対して権限に基づく影響力を有しているか、つまり公職にある者等があっせんを受ける公務員に対して権限に基づく影響力を有しているかどうかという場面で問題になるわけでございまして、あっせんを受けた公務員が行う職務に関して公職にある者、つまりあっせんする公務員が何らかの権限を有しているかどうかを問題にするものではございません。 その意味におきまして、あっせん収賄罪の場合と同じように、あっせんする公務員があっせんを受けた公務員の職務に関する権限を有することを要求していないものであります。この点は違いがありますので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
○松岡滿壽男君 この法案が成立した場合、それではこのあっせん収賄罪との関係、どういうふうな位置づけになっていくんでしょうか。
○衆議院議員(尾身幸次君) 本法案の罪とあっせん収賄罪との大きな違いは、先ほど申し上げましたように、あっせん収賄罪では公務員に職務上不正の行為をさせたことが必要であるのに対しまして、本法案の罪では、公務員に不正な行為のみならず正当な職務行為をさせるようあっせんした場合でも処罰対象になり得るというふうになっているわけでございまして、その意味におきまして本法案の罪は刑法のあっせん収賄罪に比べて広い範囲を対象にするものであるというふうに考えております。
○松岡滿壽男君 もう時間ですから終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○平野貞夫君 自由党の平野でございます。 衆議院の発議者の先生に二十分の予定で質問させていただきますが、私も三十三年間、衆議院事務局に勤めていまして、実は、黒い霧、撚糸工連、ロッキード、グラマン等、政治倫理の確立、政治倫理で給料をもらっていたようなものでございまして、非常に御無礼な発言があるかもわかりませんが、ひとつお許しいただきたいと思います。 率直に言いまして、世の中が変わったといいますか、驚いておるんですが、この提案理由の説明をお聞きしますと、日本列島もういわゆる政治公務員はみんな何か悪いことをしているという前提の法律なんですね。私は、わけても国会議員はこういうことは自浄作用で処理すべきだと思います。刑罰をつくって、いわゆる警察、検察からあるいは裁判所でチェックしなければ政治倫理が確立できないようなことでは、これはどうも、私、日本でどれだけデモクラシーが定着しているかということは極めて疑問でございます。 それで私は、自社さでこの話が始まり、同時にそのころの野党、新進党があるいはありましたか、で、この協議をしたときに私も党から出ていって、私は反対でございました。それでいろいろ議論をしまして、政治的にはいろんな思惑が各党あったと思いますが、議論をしまして、私はせいぜいで入札が公正に行われるように、入札に政治家が干渉してはならぬということにペナルティーを科すぐらいがせいぜいのものだという主張を一貫して貫いておりまして、今回この臨時国会で急激に成立ということになりまして、実は党のプロジェクトチームで反対だということを、四野党で出すのは反対だと言いましたら外されました経緯があります。ただ、もう対案は衆議院で否決されておりますので、大分党首からも幹事長からもしかられまして、いいかげんにせいというので、それで質疑をさせていただくわけでございます。 日本のやっぱり国権の最高機関という立場で、我々は我々独自で我々の倫理は処するべきだと思うんです。にもかかわらず、このような重い法案を出された発議者の方に御心境を、自民党、公明党、保守党と、お三人代表されてひとつお聞かせいただければと思います。
○衆議院議員(亀井善之君) お答えをいたします。 今、平野先生から、三十三年国会でお仕事をされておった、こういうお話を承り、また私、衆議院の中で議運の関係でいろいろ御意見を、あるいはまた海外に出向きまして政治改革、政治倫理の問題等々につきまして一緒に勉強したことを思い出すわけでもございます。 また、私自身、初めて当選をいたしましたときが金権政治、こういうことが盛んに言われた中で当選をいたしたわけでございまして、そういう面から政治倫理の確立、このことにつきまして、また政治家の公私の峻別、こういう面につきましても十分意を注いで今日まで来ておるつもりでもございます。しかし、最近の一連の不祥事に端を発する深刻な政治不信、このことを重大に受けとめておるわけでございます。 そういう中で今回この法律を提出する、こういうことによりましていわゆる時代の認識、そしてみずから提案者になりまして少しでも政治に対する国民の信頼を得ていきたい、こういう思いであるわけでございます。 また、一面、急激なグローバル化した今日、社会の大きな変化の中で従来どおりの官僚主導の政策づくりに限界があるわけでございまして、政治は今短期的な利害調整にとどまらず、中長期の視点に立って政治主導の総合的な政策を打ち立てて変化にスピーディーに対応することが期待をされているわけであります。こういう面から、主権者たる国民の厳粛な信託によって選出された公職にある者が、いわゆる政治公務員は国民全体の利益のために奉仕、行動する責務を負っていることを強く自覚し、みずからの政治活動を厳しく律する必要があるとまた考えるところでもあります。 したがいまして、政治に携わる政治公務員の政治活動の、先ほど来出ておりますとおり、廉潔性、清廉潔白性を保持し、これによって国民の信頼を高めていくことを目的に提案したものであり、この制度の創設によって政治活動のあり方を変え得る契機となる、このように確信をいたしております。
○衆議院議員(久保哲司君) 先ほど来、平野委員がおっしゃったこと、すべてがすべてというわけじゃございませんが、筋において私はそのとおりだろうと思います。と同時に、こういう法律が必要のない時代、またそういう状況を我々が一日も早くある意味ではつくり出さぬといかぬのだろうと。 ただ、一方で、残念ながら先ほどおっしゃったように、さまざまな疑惑、疑獄等がある中で国民の皆さんが政治家は一体何をやっているのと、こういう声があることも事実でございます。ある意味では、この法案そのものが我々の決意を国民に示す、そして我々が示しております国民の信頼を取り戻す、そして近い将来、二十一世紀の早い段階でみんなでもってこの法案の廃止法案を出せるような状況をつくることがすばらしいことになるんだろうというふうに思っております。
○衆議院議員(小池百合子君) 保守党の場合でございますが、御承知のように入札干渉罪ということの法案の立案ということで、当時の自由党の幹事長でありました野田幹事長が非常に熱心に取り組んでおられた、またそれに対しての今、議員のそのときの対応などもるるお話がございました。 今回、このあっせん利得罪処罰法案ということで私どももかかわっているわけですが、おっしゃるとおり、本来ならばこんな法律もなく、つくる必要も本来はないということだと思います。ただ、そこを取り巻く社会的ないろいろな風土ということも考えますと、例えばやはり行政の裁量の幅が非常に広いということ、それはすなわち許認可の件数がやたらと多いということもございましょう。 また一方で、有権者、国民、これまず請託を入れておりますのも、まずあっせんを、請託というか頼み事をすると、国会議員そのほかの議員に頼み事をすると、その人だけが得をするというような前例が余りにもあり過ぎるというようなことのこれまでの積み重ねであろうと思います。 今回の世界に類を見ないこの法案でございますけれども、残念ながらそういったことをある意味で無理やりと申しましょうか、大きく断ち切る第一歩になってくれば、まさに政治、そしてそれを選ぶ国民の側の意識も変わってくるということを期待しているところでございます。
○平野貞夫君 大変御立派な御答弁をお三人からいただいておりますが、それから、けさから高級官僚さんたちの非常にシャープな法律論も、全部は伺っているわけじゃありませんが、若干聞いて、なるほどすごいなと思っておるんです。 しかし、衆議院では昭和五十九年、参議院では昭和六十年に、ロッキード事件等を反省して政治倫理綱領、それから行為規範というので宣言しているんです。これを守れば、一〇〇%というのはなかなか無理でしょうけれども、これを六〇%から七〇%守ればおよそこういう世界の先進国では考えられないようなものは必要なかったと思います。 特に、行為規範の第一条に、「議員は、職務に関して廉潔を保持し、いやしくも公正を疑わせるような行為をしてはならない。」ということを書いていまして、当時、政治倫理制度をつくるときに、実は職務にかかわる犯罪を犯した場合、犯罪の容疑があった場合に、国会というところは法律的責任を問うところじゃございませんから、政治的責任を問うところでございますから、そういう人たちが明らかになったときには、最終的には懲罰の除名というようなことで、あるいはそれを実証する国政調査権、証人喚問というような制度を整えてこの制度をつくろうとしたんです。 実は、非公式に与野党で話がついて、次の日に衆議院の議運の理事会で合意するという前の晩に田中角栄さんが倒れたんです。それでそれはつくれなかったんです、もういいわといって、野党の人も与党の人も。僕は事務局をやっていてそのときに非常に残念、そのときにぴしっとしたものをつくっておけばこういうものは必要なかったと思います。 それから、その後私は事務総長のお供で、カナダであったIPU、列国議会同盟で、各国の政治倫理の制度の研究会といいますか、そういう催し物があって行きました。日本の制度が一番立派でした。しかし数年たったら、それをチェックされたら日本が一番ルーズじゃないかと。ですから、いかにいいものをつくっても実効性がなければ、それは多少無理して、日本の政治風土だからといって無理してつくっても、それが実効性がなければ何の意味もないと思います。 そこで、私、この与党さんのつくられた法律で驚いたのは、これは国会始まって以来じゃないかと思うんですが、この法案の文字数が千七百七十二、提案理由の文字数が三千九百六。これは数字に象徴されているんですよ。いかに理屈をうまく言い込めるかという、そして国民にいかにこれは立派なものであるかという、亀井先生に悪いですけれども、ということを宣伝するかという。 それで、読みますと、恒久平和の繁栄とか、もうすごい、政党の政治倫理のようなことをずっと一ページ半ぐらい書いて、本当にこれは法制局も大変だったと思うんですが、これだけの文章を書くには。ということは、中身の実効性に問題があるから私は余り直接法案に関係のないような話も書かざるを得なかったという苦労を非常に感ずるんですが、その辺について、亀井先生、じくじたるものはございませんか。
○衆議院議員(亀井善之君) 本趣旨説明につきまして、三千字というような御指摘を受けたわけであります。この趣旨とその概要、またあるいは法律案の内容等につきましていろいろ御説明を申し上げなければならないと、こういうことで三千字からになったと、こうも思うわけであります。 今御指摘のとおり、すべての法律もこれを実施するということが、忠実に守るということが一番大切なことでありますし、いろいろ今日まで不祥事、正直申し上げて、倫理綱領あるいは行為規範、私は常にこうして持って、また我が党も党の倫理憲章等もつくってそれを遵守するように努力をしておるわけでありますが、残念ながら不祥事を起こすことにつきましては大変残念に思っております。
○平野貞夫君 とはいえ、衆議院で通って参議院に送付されて、私たちは、先輩議員がいろいろ議論したように、これでは実効性がないから、せめて一つでも二つでも実効性があるようにひとつ修正をしていただけないかということを要請しているわけなんですが、その中のポイントはやっぱり秘書の問題だと思います。 それで、そもそも法律的には公設秘書というのはないんですよ。法律的に公設秘書という制度はないんじゃないですか。
○衆議院議員(尾身幸次君) 国からの給料が出ておりますから、公設秘書という制度はあると思っております。
○平野貞夫君 法律に書いているのは政策秘書と第一秘書と第二秘書です。公設秘書という言葉はないんです。
○衆議院議員(尾身幸次君) 私が申し上げているのはその三種類のことであります。
○平野貞夫君 一般的に公設秘書という概念はそれはあります。しかし、私がいろいろな先生の、参議院の先生は余り知りません、ほとんど衆議院の先生なんですけれども、の状況を見ていますのに、力のある衆議院の先生方はいわゆる事務所というものを構えて、大物秘書は皆私設秘書ですよ。それから事務員が私設秘書、いわゆる政策秘書、第二秘書、第三秘書というのは一般的には中堅のところに置いている人が多うございます。 したがいまして、問題を起こすとすれば、その事務所を仕切っている私設秘書、あるいは事務所と関係あるか関係ないかというボーダーラインのような人たちがやるんですよ、と私は承知しています。ですから、その人たちをペナルティーの対象にしなければ私はこの法律は実効性がないと思うんですが、いかがでございましょうか。
○衆議院議員(尾身幸次君) 先ほど来御説明をしておりますとおり、政治公務員としての立場の者についての廉潔性を確保する、これが私ども考えている法案の保護法益でございまして、そういう意味で公設秘書及び本人を対象とすることが適当である。 私設秘書につきましては、先ほど来私設秘書を対象にすることが適当でない理由はたびたび申し上げておりますが、私設秘書といえども、本人の指示に基づいてあっせん行為をし、その利得を本人が得た場合にはこれは本人の罪であるということで対象にしているわけでございまして、私設秘書を外しているからといってこの法律案の保護法益が失われるものではないと考えております。
○平野貞夫君 もともとこういうものに保護法益というのをつくるのが私はおかしいという論なんですが、それは言いませんが、国会議員本人の問題だというわけですけれども、本人は一人では何もできない、さまざまな事務所職員を使う、指示命令する、そこにおいては公設も私設も第一も第二も政策もないと思うんですよ。だから、そういう意味では、本当に政治公務員の清廉さを確保するためには、少なくとも事務所雇用をして指示命令ができる人はその対象にすべきじゃないですか。
○衆議院議員(尾身幸次君) 私設秘書の場合には本人との関係も個々さまざまでございますし、それから、先ほど来申し上げておりますとおり、政治公務員の活動の清廉潔白性を確保するというのが本法案の目的でございまして、その他あっせん収賄罪とのバランス等との問題も考えまして、私設秘書は対象にしないということを決めたものでございます。
○平野貞夫君 間もなく時間ですから、もうこれ以上やりませんが、また改めて機会を求めてお尋ねしたいと思います。 私、野党案もざるだと言って非常に怒られたんです。それで、ここで御紹介しておきますが、何でそんなことを言うのかといって怒るものですから。既に身分を切って、議員の実質的コントロールのきくコンサルタント会社をつくって、株式会社があっせんをやっているんですよね、地方では。だから、既にもう汚染度というのはかなりなところへ来ている。僕は、やはり国民自身がこれはわかってもらわなきゃいけませんが、やっぱり選挙でもって選択する、そしてもし問題が起これば国会自身の自浄作用として処理するということを忘れないように、この法律が仮に通ったとしても、そこのところが非常に大事、我々の基本であるということを申し上げて、終わります。
○佐藤道夫君 朝来お疲れでございますが、ラストバッターですから、余り打率の振るわないラストバッターということで気軽にしばらくおつき合いください。お願いいたします。 朝来、議論の中に構成要件の明確化という言葉が出てまいりまして、まさに我が意を得たという感じがいたすわけであります。刑罰法令はわかりやすく単純明快なものでなければならない、これは当たり前のことです。なぜかというと、刑罰法令の対象になって処罰をされるのは一般国民ですから、国民がこの法律を読む、あるいは話を聞く、なるほどそこまでやるとこれは罪になるんだな、じゃ我々も注意をしようと、そういう警告を国民に発する、それが刑罰法令の本来の目的でもあるわけです。やたらに犯罪者をつくろう、そんなことを考えているわけじゃないわけですから。 本件の場合、適用対象は一体だれかといいますと、まず第一にここにおられる議員先生方であり、それから地方議員と首長、適用対象は率直に言えば我々ですから、我々がこの法律をすっと見て、なるほどここまではいいんだな、この先はだめなんだなと、これはきちっとその辺の区分がついているいい法律だと、我々も注意しようと、そういうことにならないといけないわけでありますが、果たしてそうなのかどうなのか。 それからもう一つは取り締まりに当たる警察、検察、これがまた区分をきっちりして、これは検挙しよう、これはやめておけ、法律には該当しない、これがわからないといかぬわけです。 最後には判決を下す裁判所、これが余り議論するような法律、これは彼らはまじめ人間ですから、できが悪いと一体何だ、幾ら読んでもわからない、いろんな解釈が成り立つ、困ったな、この法律は一体どういう法律だと。それは議員立法ですよ、ああ道理でと、これは大変失礼ですけれども、それが彼らの合い言葉のようにもなっております。 ですから、そういうことも言われないためにもきちっとした法律にしておくこと。後日その解釈をめぐって争いが起きる、あるいはどんなケースが当たるのか、そんなものは起きてみなきゃわからぬわと、そんないいかげんな無責任な立案者の態度というのは許されないことであります。 そこで、この法律を眺めてみますと、私すっと見て一番わかりにくかったのが、先ほど来問題になっておる、権限に基づいて影響力を行使する、これは一体何かと、衆議院の議事録なども読んでみました。そういたしますと、ただ単に頼むだけでは該当しないと。よろしく頼むよ、おれの知り合いの会社にこの仕事を回してやってくれよと、こう言うだけでは該当しないと。 それじゃ、権限に基づく影響力の行使とは何だと重ねて質問を受けましたら、陰に陽に権限に基づいて影響力を行使することであると、これは堂々とお答えになっておる、そこにおられる方だと思いますけれども。これは昔から、問いに答えるに問いをもってするということで、答えたことにはなっていない。陰に陽にがついただけでありまして、権限に基づいて影響力を行使する、それだけのことなんであります。けさほどもこれが問題になっておりまして、これもどなたかお答えになっておりましたが、直接的、間接的に権限に基づいて影響力を行使する、これまた問いに答えるに問いをもってすると。 我々とすれば、将来適用を受ける。適用を受けたら大変です。議員の資格なんか一遍でなくなりますし、場合によったら実刑ということで刑務所に服役もせざるを得ないと。我々に対してまことに不親切ではないのかと、こういう感じがいたします。 大体法律つくるときはいろんな事例を想定しまして、国会でも答弁いたします。こういうケースならこれは積極、これがシロ、それをまた警察にも配付いたしまして、その線できちっと取り締まりをするようにと。全国歩調をそろえてこれをやらないと、あそこだけやっているとか、こっちはやっていないとか、そういう問題。それから、裁判所にもそれを参考までにお送りして、判決を下すときはひとつごらんくださいませというようなやり方をしておるのであります。 そこで一つの例を挙げますけれども、ある建設業者が建設省で計画中のその仕事を回してもらいたい、競争相手も結構いると。そこで知り合いの国会議員のところに訪ねてきまして、先生ひとつ建設省にかけ合って我が社に回すように配慮してくれませんかと。わかったわかったと言って、建設省の局長、大体国会議員が呼ぶんですから課長か局長クラスでありましょう。来てもらうか自分から会いに行くか知りませんけれども、会いに行って、そうして、おれの知り合いの会社に回してくれよと、こう言ったら、どうもこれだけではならないようでありますね。その点、大丈夫でしょうか。簡単で結構ですよ。
○衆議院議員(尾身幸次君) いやいや、これは簡単にちょっと申し上げるわけにいかないので、きちっと一遍答弁をさせていただきたいと思います。 権限とは、公職にある者等が法令に基づいて有する職務権限をいうと考えております。国会議員につきましては、議院における議案発議権、修正動議提出権、表決権、委員会等における質疑等が挙げられると考えております。 その権限に基づく影響力とは、このような権限に直接または間接に由来する影響力、すなわち法令に基づく公職者の職務権限から生ずる影響力のみならず、法令に基づく職務権限の遂行に当たって当然に随伴する事実上の職務行為から生ずる影響力も含むものと考えております。 また、影響力を行使してということでございますが、公職者の権限に基づく影響力を積極的に利用すること、換言すれば、実際に被あっせん公務員の判断を拘束する必要はないものの、態様として、被あっせん公務員の判断に影響を与えるような形で被あっせん公務員に影響を有する権限の行使、不行使を明示的または黙示的に示すことであるというふうに考えております。 どのような態様の行為が被あっせん公務員の判断に影響を与えるような形の行為に当たるかにつきましては、具体的な証拠関係に基づく事実認定の問題でございますが、あっせんを行う公務員の立場、あっせんの際の言動、あっせんを受ける公務員の職務内容その他諸般の事情を総合して判断されることになるというふうに考えております。 ただいま委員お尋ねの、国会議員が特定業者の依頼を受けて建設省所管局長に工事発注を頼んだ場合におきましては、にわかに断定しがたいわけでございますが、お話を聞きました限りにおきましては、本法案の契約あるいは行政庁の処分に関するあっせん行為に当たるものと思われます。 この場合、国会議員は建設省所管の法案について質問をし、採決において賛否を表明し、あるいは建設省の所掌事務につき質疑を行うなどの権限を有しており、建設省所管局長に対してもその権限から直接間接に由来する影響力を行使し得る地位にあると言えるわけでございます。そのような影響力を行使したと言えるかどうかは、具体的な証拠関係に基づく事実認定の問題であると考えております。
○佐藤道夫君 大変御丁寧な御説明でございましたけれども、早口でおっしゃられて、それを聞いておってわかったという方はこの中にまずいないんじゃないか。具体的に一体どうなんだと。 お聞きしたのは、まず建設省の局長を呼んで、仕事をおれの知り合いのあの会社に回してくれないかと、こう言っただけでこれは罪になるのかならないのかと、こういう単純明快な話で、これは実は結論が出ているわけでしょう。これは、頼んだだけではならないということをもうしきりに何回も言っておるでしょう。それだけを答えればよろしいんですよ。余計なことはもう知っていますから、いいんですよ。 次に、その局長さんに対して、これはいきなり仕事を頼むというような議員はおりません。やっぱりいろんな話はするわけです。今建設省は大変だな、ああいう法律を提出しようとして国会内の反対も大分強い。おれはこういう感じだな、この法案にはこういう問題があるからにわかには賛成できないな、これは雑談的に必ずそういう話をするでしょう。それから、仮に、建設省で大きな不祥事が起きている場合には、それだって必ず雑談的に話題になるわけです。君のところも大変だな、しかしあのやり方は本当にひどい、おれも国会で問題にしようかなとも考えている、こういうことを言わない国会議員はもはや国会議員にはありませんよ。当然なことなんです。 それは、しかしどうなんですか。やっぱり、何か立法権をちらつかせる国政調査権をちらつかせる、事案にはよるけれども該当する可能性が大だと、そんな感じでしょう。そうなんですか。 要するに、国会議員というのは関係役所に行ったらば用件だけ話してそそくさと帰ってこいと。決してお茶などを飲んで余計な雑談はするな、それは別の機会にやれと、そんな国会議員はおりませんし、しかしまた声を荒らげておれは国会議員だ、おれの言うとおりにしろと、そんな国会議員がいるとも思えませんし、それから国会の先生が国政調査権を持っている、立法権を持っている、こんなことはもう常識ある人はみんな知っていることですから、おれは国政調査権を持っているぞなんて言ってみたって何の意味もないことでしょう。当たり前でしょう。それを影響力の行使だとおっしゃるんですか。あなた、国会の先生の任務を何と考えているんですか。 そんなことを話すらできない、すべきではない、それはもう罪になるぞ、ひょっとしたら実刑になるぞと、こう言いたいんですか。
○衆議院議員(尾身幸次君) どのような態様の行為が被あっせん公務員の判断に影響を与えるような形の行為に当たるかにつきましては、具体的な証拠関係に基づく事実認定の問題でありますが、あっせんを行う公職者の立場、あっせんの際の言動、あっせんを受ける公務員の職務内容、その他諸般の事情を総合的に判断をすることになろうと考えております。
○佐藤道夫君 何かいつも同じことしか言わない。 国会議員の権限というのは、あなた方の説明によれば、立法権だ、それから国政調査権に基づく調査と質疑だと、こう言っているんでしょう。ですから、その話が雑談のようにして出たと。今、建設省はあの法律で大変だな君、君も苦労が多いだろう、しかしおれはああいう考えがあるからこの法案にはこういう問題があるから賛成はできないんだよと。それは当たり前のことでしょう、そういうことを言うのは。それが何か影響力を行使したことになるんですか。 私は、あなたが事実関係だと言っているからその事実を絞って話しているんです。これで警察に検挙しろと。いや、それはやめておけと。こんなことは立案者に聞いてきますよ、必ず、先生どうなんですかと。そのときに何と答えるんですか。そんなことはおまえらが考えろと、そんな無責任な言い方でもするんですか。
○衆議院議員(尾身幸次君) その権限に基づく影響力の行使というふうに私どもはしておるわけでございまして、そういう行為に当たるかどうかは具体的な証拠関係に基づく事実認定の問題であると考えております。
○佐藤道夫君 どうも同じことの繰り返しで嫌になるけれども、事実関係いかんだというから事実を今私は提起しているんでしょう。 建設省に行って、最初はお茶を飲みながらいろんな話が出て、今のような不祥事の話が出たり法案の話が出たりして、それについて国会議員として、おれはこれは考えているんだよという話もして、それから肝心の案件に移って、あの件よろしく頼むよ君と、こう言って帰ってきたとしたら、これは検挙すべきかどうかと。単純明快にお答えください、結論だけでいいですから。
○衆議院議員(尾身幸次君) ですから、先ほどからたびたび申し上げておりますように、これは、あっせんを行う公職者の立場、あっせんの際の言動、あっせんを受ける公務員の職務内容、その他諸般の事情を総合して判断するべき問題であると考えております。
○佐藤道夫君 もうそれしか答えようがないみたいですね。何と言ったって、しかしそのときの言動だと。じゃ、大きい声を出せばこれは有罪なんですか、おれは国会議員だと。そんなことは言わなくてもみんなわかっていることですよ。そんなことを言う人もいないでしょう。それから、相手方にどういう影響を与えたかと。相手だって高級公務員ですよ、局長という。おれは国会議員だと言われて恐れおののいた、仕方がなくて承知しましたと、後になればそんなことを言うやつ、まずいないと思いますよ。 大体、典型的な有罪ケースとは一体何なんですか。一つぐらい説明してくださいよ。具体的事例に沿ってこういうことだと、証拠はあるとして。
○衆議院議員(尾身幸次君) ですから、ただいま申し上げましたように、その権限に基づく影響力の行使に当たるかどうかということは、具体的な証拠関係に基づく事実認定の問題でございますし、このあっせんを行う公職者の立場とか、あるいは先ほどの言動の内容とか、あっせんを受ける公務員の職務内容、その他諸般の事情を総合的に勘案して判断すべき問題であると考えております。
○佐藤道夫君 適用を受けるのは私であり、あなたであるんです、適用のおそれがあるのは。そのときに備えてだれだって考えるでしょう。どういうケースになればこれは検挙されるんだろうか、用心しようやと、こういうことになるでしょう。それを何一つ答えていないでしょう。ケースによる、ケース・バイ・ケースだと。 相手にどんな心理的影響を与えたかと。こんなことを言ったので相手は恐れおののいた、そして仕方がないと思って承知したとかしなかったとか、この程度ではしなかったとか、何でもいいから一つだけ。その紙を読むのはやめてくださいよ。自分の口できちっと答えてください、こういうケース……
○衆議院議員(尾身幸次君) 委員長。
○佐藤道夫君 ちょっと待ってください。こういうケースならばこれは先生疑いなく有罪ですと。一つだけでもいいから例を挙げてください、その権限に基づく影響力の行使。
○衆議院議員(尾身幸次君) ただいまの、建設業者の依頼を受けて、この工事を建設業者に発注をしないならば今後建設省の提案する法案に全部反対するからというようなことを言ったときには、これに当たると思っております。
○佐藤道夫君 この考えはおかしいんですよ。国会議員というのは法案に命をかけているわけですから、どんな場合だって賛成、反対は自分の意見で決めるんです。建設省の法案全部に反対かもしれませんよ。しかし、そんなことは当たり前のことなんですよ。そうでしょう。あなただってそうでしょう。自分の意見、判断で、これはもう反対だ、何が何でも反対だ、こんな不祥事を起こしている役所の法律は皆反対だと、そういう考えを持つことだってあるわけでしょう。それを国民に告知して何か害悪の告知になるとでもおっしゃるんですか。あるいは、そんなことを言っちゃいかぬとでも言うんですか。建設大臣に会えば必ずそういう話になるでしょう。あなたのところの法律、あれはおれはみんな反対だよ、理由はかくかくしかじかだと。 相手は高級官僚ですから聞けばわかるんです。この先生が口先だけでおどしているのか、ちゃんと理由があって反対の理由を示して反対だと言っているのか、すぐわかると思うんですけれども、どうも全然具体例を示さない。そして、我々を縛ろうとしている。私は大変おかしいと。これはまあいいです、これで。 時間はありますか。
○委員長(倉田寛之君) もう少しあります。
○佐藤道夫君 もう一分。 第三者供賄について、話は違います、聞きますけれども、これはもうお調べになっているとは思いますけれども、昭和十六年につくられたんです。わいろ罪をつくったときからあったわけじゃないんですよ。 なぜつくったかというと、そのころ公務員も利口になりまして、収賄をするような人は最初から逃げ道を用意しておく。金をもらえばこれはわいろだと。ああそれじゃその金はおれの知り合いがやっているあの病院に寄附しておいてくれ、あの病院、経営が困っているからと。こういうことでしょう。わかりました、先生は病院のことまで考えているんですか、感激いたしましたといって持っていく。それをすぐ取り返したんじゃすぐばれますから、しばらくほっておいて、ほとぼりが冷めたころに、自分が定年退職するころに病院に、最初から話も出ているんでしょうけれども、病院の理事として迎えられるとか、そんなことがいろいろあったわけですからね。 逃げ道を封ずる意味で第三者供賄も処罰すると、こうしたんですけれども、今回はその逃げ道をわざわざつくってやるわけですね、我々つくってもらうんですからありがたいんですけれども。そう言われても仕方がありませんよ。どうですか。
○衆議院議員(尾身幸次君) 第三者供与を除外している事由についての御質問でございますが、現在、あっせん収賄罪におきましても第三者供与は処罰の対象とされておりません。それとのバランスもございまして、本法案におきまして第三者供与は処罰の対象としていないところでございます。 ただしかし、現在のあっせん収賄罪の場合と同様に、外形的には本人以外の者が本法案所定のあっせん行為との間に対価性が認められる財産上の利益を受け取ったとされる場合でも、当該財産上の利益に対して本人が事実上の支配力、実質的処分権を有するものと認定できる場合には、本人が収受したものとして本人に本法案所定の罪が成立する可能性はございまして、第三者供与の規定がなくても不都合はなく、本法案の法益は十分保護されるものと考えております。ここで言う事実上の支配力の有無は、具体的な証拠関係に基づく事実認定の問題であると考えております。 なお、その第三者供与を規定することは、政治公務員が形式的にも実質的にも財産上の利益を収受していない場合にまで処罰範囲に入ることになるわけでありまして、適当でないと考えております。
○佐藤道夫君 あっせん収賄罪に第三者供賄が設けられていないのは、あの法律をつくるときにまた政治家さんたちが大口を上げて反対したんです。そういう先例があって今にまで尾を引いているんでしょう。何か悪い例はすぐ見つけて持ってくるようですね。大変見事なものだと思いますよ。しかし、新しく法律をつくるんだ、新しい感覚で行こうやと、そういう発想がないんですか。おかしいと思います。 それから、最後に秘書の問題を取り上げますけれども、公設秘書をなぜ処罰の対象として取り上げているんですか。秘書と言うからには、もう権限なんというのはあってもなきがごとし、議員の権限をただ補佐しているだけであります。言うならばそういうものであり、自分の広大な権限があって、それに基づいてあれこれやっているわけじゃ決してない。公設秘書、ただ月給が国から出ていると、それだけなんですね。しかし、あなた方の説明によれば、政治活動を補佐する、従事する公務員であるからして処罰の対象にしたと。公設秘書がいろんな意味で、あちこちでもう議員に無断で口をきいて金をもうけていると、そんな弊害でも起きているんですか。余り聞いたことはないし、むしろ私設秘書の方でしょう、そうやって頑張っているのは。公設秘書が悪いことをしていると、余り聞いたことないですよ、私は。 それから、政治を補佐する公務員を処罰すると。こういうことを言い出したら、どうしてそれじゃ、首長の秘書、政治担当秘書というのがいるんですよ、議会担当秘書というのが。それから、副知事や助役の中にも専ら議会を担当している人がいるんですよ。これだって政治を担当する秘書的な存在じゃないでしょうか。しかも公務員でしょう。なぜこれを処罰の対象と。何もやっていない、もうおとなしい人たちの公設秘書を処罰するならば、議会内を我が物顔に飛び歩いているああいう副知事とか助役とか首長の秘書、政治担当秘書、あれも処罰すべきでしょう。そうでないと歩調がそろいません。法のもとの平等に反する、こんなものは憲法違反だと、なぜ我々だけ処罰されるんだと言い出す公設秘書だって出てくるかもしれませんよ。 そんなことは嫌になるくらい立案のときに議論していると思いますから、どうぞ忌憚なく、もう時間は幾らかかってもいいですから答えてください。
○衆議院議員(尾身幸次君) 公設秘書につきましては、公務員として国会議員の政治活動を補佐するものでありまして、国会議員の権限に基づく影響力を行使し得る立場にあると考えております。そのような公設秘書があっせん行為を行う場合には、国会議員の政治活動の廉潔性及びそれに関する国民の信頼という本法の罪の保護法益を害することになるからでございます。
○佐藤道夫君 委員長、いいですか。
○委員長(倉田寛之君) 時間が参っております。
○佐藤道夫君 一言だけ。 何か知りませんけれども、それを読めばいいと思っているんですか。参議院に乗り込んでくるからにはもう少し研究をして、勉強をしてきちっと答えてくださいよ。 以上。
○衆議院議員(尾身幸次君) 提案者として正式に答えているわけでございまして、読んだものでも、言葉で言ったものでも責任を持って答えております。
○委員長(倉田寛之君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。 午後五時二分散会