経済・産業委員会 第7号
- 発言数
- 211 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 2000/11/30
会議録
○委員長(加藤紀文君) ただいまから経済・産業委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る二十七日、木庭健太郎君が委員を辞任され、その補欠として続訓弘君が選任されました。 ─────────────
○委員長(加藤紀文君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法案の審査のため、本日の委員会に科学技術庁原子力局長中澤佐市君、資源エネルギー庁長官河野博文君、資源エネルギー庁長官官房審議官藤冨正晴君及び資源エネルギー庁公益事業部長大井篤君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤紀文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(加藤紀文君) 原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法案を議題といたします。 まず、発議者衆議院議員細田博之君から趣旨説明を聴取いたします。細田博之君。
○衆議院議員(細田博之君) 原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 天然資源の乏しい我が国にとって、原油価格の高騰などに左右されずにエネルギー供給を行うことができるというエネルギー安全保障の観点からも、また温室効果ガスの削減に資する電源であるという環境特性からも、原子力発電の着実な推進は、今後ともますます重要な課題となってきております。 しかしながら、昨年九月末の株式会社ジェー・シー・オー・ウラン加工施設の臨界事故以降、原子力発電所の立地をめぐる環境が厳しくなっております。こうした中で、今後のエネルギーの安定供給のためには、原子力による発電が我が国の電気の安定供給に欠くことができないものであることにかんがみ、原子力による発電の推進等に資するため、原子力発電施設等の周辺の地域について、生活環境、産業基盤等の総合的かつ広域的な整備に必要な特別措置を講ずること等により、これらの地域の振興を図る必要があると考え、本法案を取りまとめた次第であります。 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。 第一は、内閣総理大臣を議長とする原子力立地会議の設置であります。 原子力発電施設等の立地地域の振興は原子力発電の着実な推進に不可欠であり、内閣総理大臣のもと、政府一体として取り組んでいく体制を整備することとしております。 第二は、原子力発電施設等立地地域の指定であります。 この立地地域は、原子力発電施設等の周辺の地域であって、市町村の区域の隣接すること等により自然的、社会的条件から見て一体として振興することが必要な地域について、市町村の意見を聞いて知事が案を作成し、原子力立地会議の審議を経て、内閣総理大臣が指定するものであります。 第三は、地域振興計画であります。 この地域振興計画は、原子力発電施設等立地地域の生活環境、産業基盤等の総合的な整備等について、市町村の意見を聞いて、知事が案を取りまとめ、原子力立地会議の審議を経て、内閣総理大臣が決定するものであります。これに基づき、原子力発電施設等立地地域の住民生活の安全の確保に資することから緊急に整備することが必要な施設の整備に係る補助率のかさ上げ等の措置を講じることとしております。 第四は、本法案に基づく財政措置については、一般会計予算など各省の所管する予算において手当てし、原子力立地地域の地域振興策の一層の充実を図ることができるようにいたしております。 第五は、これらの措置は、既設、新設の原子力施設とも対象とすることとしております。 以上がこの法律の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(加藤紀文君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○足立良平君 民主党・新緑風会の足立でございます。 きょうは、この法案は議員立法ということで出されているわけでありますが、これからのエネルギー行政に大変深いかかわり、あるいはまた今日までの経過というものもあるわけでありまして、議員立法でありますけれども、通産大臣あるいはまた政務次官を含めて、ちょっといろんな所用があったようでありますけれども、無理に出席をお願いいたしました。大臣に対する質問は、いろんなスケジュールの関係でその出席の間に一応集中をしておきたいと思います。 それで、まず最初にちょっと大臣にお聞きをいたしておきたいというふうに思いますのは、ことしの春、三月か四月ごろだったと思いますが、前大臣の深谷さんが総合エネルギー調査会において、エネルギーの全体的な見直しをやっていこうということを提起されました。これは、日本の今日のエネルギーの状況、経済社会の変化あるいはまたCOP3から生まれたいわゆる地球環境の問題等々、いろんなそういう諸条件を踏まえて一応見直していこうということでスタートされているようでありますが、まず今どういうふうな状況になっているのかということについてちょっと御説明を願いたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをいたします。 我が国のエネルギー政策においては、環境保全や効率化の要請に対応しつつ、安定的なエネルギーの供給を実現することが求められているところでありますが、近時、エネルギーの需給両面における各種情勢の変化を踏まえまして、各種施策や長期エネルギー需給見通しについて、今御指摘がございましたけれども、本年四月より総合エネルギー調査会等において検討を行っている最中でございます。 具体的には、需要面では民生などの分野にも重点を置きました総合的な省エネルギー対策、供給面では石油や天然ガスなどの安定供給に向けた取り組み、また原子力や新エネルギーへの取り組み等を今鋭意検討しているところでございます。 これらの検討結果につきましては来年の春から夏ごろをめどに取りまとめる、こういうことにいたしておりまして、こうした取り組みを通じて適切なエネルギー政策を構築してまいりたい、このようなことでございます。
○足立良平君 民生というのは、今実際的には相当民生を中心にしてエネルギー消費というのは伸びているわけでありまして、これは省エネの問題をどういうふうに具体的に進めていくかというのは大変難しい問題だと思います。 本日のこの原子力立地地域特別措置法案というこの法案からいたしますと、この省エネの問題も少し触れたいと思うんですが、時間の関係でこれはちょっと横に置かせていただきたいと思います。 それで、今大臣がちょっと説明はされましたけれども、まず新エネルギーあるいはまた原子力問題についても今鋭意検討をしているというふうに御答弁がございました。この新エネルギーといういわゆる再生可能なエネルギー、地球環境なりそういう面から考えてみると、我が国のこれからのエネルギーの供給源として新エネルギーというものを相当重視していかなければいけないのではないかというふうに私としては考えているわけでありまして、この新エネルギーの位置づけを通産省として、あるいはまた通産大臣としてどのようにされているのか、この点ちょっと御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 委員御指摘のとおり、新エネルギーというものは、エネルギーの安定供給の確保、地球環境問題への対応を図る観点から、その開発、導入を積極的に推進していくことが重要だと私どもは思っております。しかし、現時点では経済性や安定性の面ではまだ課題がある、そういうことから、政府といたしましては、低コスト化のための技術開発や設置費に対する補助を通じて導入促進に取り組んできているところでございます。 予算関係のことをちょっと申し上げますと、新エネルギー関係予算については過去五年間で倍増以上に増加をしているところでございまして、平成十三年度予算概算要求におきましても、平成十二年度の九百二十五億円と比較して百八十億円の増額となる千百五億円を要求させていただいているところで、施策の強化を図る方向で検討しています。 また、新エネルギーの導入量は、近年、特に太陽光発電や風力発電について国と電力会社による支援策の効果が相まって急増をしている状況でありますけれども、導入量全体で見ますと、一次エネルギー供給量全体のまだ一%と、こういうことで、まだ小さな規模となっております。 今後の導入量の見通しについては、総合エネルギー調査会でのエネルギー政策の見直しの中で、新エネルギー部会の場を通じて、今後の対策の基本的方向性や政策のあり方を踏まえつつ御審議をいただくことになっておりますが、政府といたしましては、新エネルギーというのは、今委員御指摘のように、いろいろな面で、再生可能でありますとかあるいは公害を出さないとか、そういう形で非常に重要でございますので、今後とも政府としてはこの導入に積極的に取り組んでいきたい、このように思っております。
○足立良平君 今大臣のお話を聞いていまして、私も認識としてはそんなに違わないなというふうに正直言って思いました。 それで、新エネルギーというのはこれから、ある面におきましては今開発段階でありますから、それなりに相当政策的な支えというものをしていかないと、これは実際的には余り進んでいかないものだろうというふうに私も実は思います。 ただ、ちょっとこの点でさらに大臣に考え方をお聞きしておきたいと思うのは、今大臣もいみじくも御指摘になりましたけれども、経済性それから安定性に現在の段階では欠けるのではないかというふうに御指摘がございました。これは私も、まさにここが一番の新エネルギーの泣きどころなのではないかというふうに実は思っています。 例えば風力というのは、風が吹いているときにはそれなりの一応電力を発生する。これは、風というのは二十四時間同じ状態で、自然現象でありますから、それは考えることはできない。太陽光にしても、いわゆる夜間にしてもあるいはまた雨天にしましても、そういう点では考えることはできない。極めてこれは不安定ないわゆる電源であるというふうに一応考えておかなければいけないのではないかと。 そうすると、問題は、地球環境面からすると、これは日本の政策として一方では進めていかなきゃいけない。大臣が御指摘のように、そういう面では大変不安定であるということは、逆に言うと、バックアップ電源というもの、いわゆる安定的にそれをカバーする、例えば火力発電所にしてもあるいは原子力発電所にしても、そういうバックアップ電源が安定的な電源というものをきちんと一方では担保しておかないと、この新エネルギーだけに依存するということは実際的には私は不可能だろうと思うんです。 そうなってまいりますと、例えばこのバックアップ電源というのが簡単にいったとしましても、実際的には稼働率というのは相当低くなります。現実に火力発電所の今日の例えば稼働率というのは大変に低いわけですね。一般の企業で設備投資を行ったら、大体損益分岐点は仮に稼働率からすると大体七〇%から八〇%というのを前提にするんでしょうけれども、火力にしてもバックアップ電源的に見るとこれは大変に低い、効率の悪くならざるを得ない電源というものを一方で持たなきゃならない。ということになってまいりますと、この新エネルギーというものは進めていかなきゃならないという一つの大義名分と、そしてそれに伴って生じてくるであろうコストを一体だれがきちんと負担をしていくかという問題に実はなってくるのではないかというふうに思うんです。 したがって、そういう点を考えてみましたときに、このコスト負担というのを、これは例えば新エネルギーの場合には、今だったら電力会社が全部購入しなさい、しかもそれは大体販売価格に相当するような高い価格で購入するとか、いろんな議論があるわけでありますけれども、そういう点について、大臣としてどういうふうにお考えになっているのか、ちょっとお聞かせを願いたいと思うんです。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今委員御指摘のとおり、やはりこの新エネルギーというのは、風力にいたしましても、それから太陽光発電にいたしましても、大変不安定な要素があります。そういう中で、先ほど私が申し上げましたように、この新エネルギーの推進というのはやはり重要なテーマでございますから、これは積極的に進めていかなければならない。それはそれで私ども一生懸命努力をしていきたいと思いますが、御指摘のように安定的な電力を供給する、そういうことを考えたときには、やはり私は原子力発電というものの必要性というものは、安定的にそういうものを供給できる、こういう観点からいっても、今御指摘のありました火力を含めてそういったことは必要だと思います。 そして、そのコストでございますけれども、私はコストの負担に関しましても、やはり今御指摘のように、そういう中で安定的な供給を図れる、そういう意味で電力会社等を中心に、やはり国もそのことに関して積極的にコミットをしてコストの面でも安定的な供給が図れるように努力をしていかなきゃいけない、そういうふうに思っております。
○足立良平君 ちょっと私ぼけたのかしらないんですが、今電力会社の方にもコミットして考えていかなきゃいけないというふうにおっしゃったと思うんですが、どういうふうに理解をすればいいんでしょうか、今の大臣の答弁を。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今いわゆる電力の自由化というのをしておりまして、その電力の自由化ということに関しては、例えば太陽光発電というものは一般の家庭で、私たまたまきのうの朝、住宅建設会社の社長にお会いをしました。そうしましたら、太陽光発電というのは非常に補助金が足りないぐらいどんどん導入をされている。そうしますと、非常に主婦の意識が変わって、そしていわゆる家に設置されている売電のメーターをよく見て、そして非常にそういう意識が向上してきたと。 ですから、私が言った意味は、そういう新エネルギーを電力会社に買わせる、こういうことがやはりこれから新エネルギーを開発していく、そういう意味の電力会社の負担、そういう意味でちょっと申し上げたわけであります。
○足立良平君 これは、電力会社が買うというのか、ある面においては配電会社が買うという形になるんでしょうけれども、結局問題は、先ほどちょっと言いましたようにいわゆる相当コストアップにそのことがつながってくるという問題が私はあると思います。 ですから、今大臣の方からちょっと話がありましたけれども、一方で電力における自由化というものはことしの春からスタートしているわけです。自由化ということになって相当それぞれIPPを中心にして競争関係が厳しい状況になってきている中で、かつてのような地域独占を前提にして、電力会社というものはこういうある面においてはいろんなもろもろのものに対応していた状態から大分変化してきている、実際的に。そういう状態における、例えば新エネルギーの購入義務というものの考え方と電力の自由化というものを一方で進めていて大変な競争関係にある中で、そういう中で電力の同じように購入義務というものを課すか課さないかという問題が私はこれからの一番焦点になってくるのではないかというふうに実は思っているわけです。 ですから、そういう面では、大臣が今おっしゃいましたけれども、自由化の中におけるこういう購入義務というものを一体どういうふうに考えていくかということ、あえてもうそれ以上今ここでは申し上げませんけれども、通産省、大臣としてもまずその点を十分これからの検討の中の大きな一つの要素にしておいていただきたい、こういうふうに思います。 それと同時に、ちょっともう一つだけ。これは政務次官にお聞きをしておきたいと思うんですが、衆議院の商工委員会でしょうか、新エネルギーの国会決議というものがなされているわけでございますが、この国会決議について通産省としてどういう考え方でやっていこうとされているのか、この点ちょっとお聞かせを願いたいと思います。
○政務次官(坂本剛二君) 今の新エネルギーについてどのような取り組み方をしていくかということでございますが、これは鋭意取り組んでいくということでこの間の委員会でも対処した次第でございます。
○足立良平君 鋭意努力する。今私はもうそれ以上何も言いません、それでは。 それじゃもう一つ。その長期計画の中で、新エネは今お聞きをいたしました。原子力の問題についての位置づけをお聞きしておきたいというふうに思います。 これはもう言うまでもないんですが、世界的にはドイツの今原子力発電に対する取り組みという政治的ないろんな状況も踏まえた動きが出てきておりますし、あるいはまたスウェーデンもベルギーも台湾も含めて世界的に原子力問題というもののいろんな動きというものが出てきていることは御承知のとおりであります。この原子力というものを、これからの長期計画といいますか、この中で通産大臣としてどのように位置づけをされているのかということをお聞きしておきたいと思います。 それから同時に、とりわけ、先ほどもちょっと新エネで申し上げましたけれども、電力が自由化を進めていく段階における原子力の位置づけというものは、従来の地域独占体制をきちんと確立した上でのと相当大きく変化してくるのではないかというふうに私は実は思ったりいたしているわけですが、その点を含めて大臣の見解をお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 原子力につきましては、今委員御指摘のとおり、ドイツでありますとかスウェーデンでありますとかまた最近の台湾、こういったところでは後ろ向きのそういう姿勢が出ていることは事実だと思っております。 しかし、やはりそれは国が置かれたいろいろな条件、そういう立場で私はそれぞれあっていいと思っておりますけれども、我が国に関しましては、燃料供給や価格の安定性に加えまして、発電過程においてCO2を発生しないという環境特性を原子力は有しております。このため、エネルギー資源の乏しい我が国が環境保全及び効率化の要請に対応しつつエネルギーの安定供給の確保を図るためには、原子力は重要な位置づけ、こういうふうに我々通産省は思っているところでございまして、今後とも相当程度原子力に依存することになるものと認識をいたしております。 もちろん、原子力を推進するに当たっては、第一に安全性をいかに担保するか、このことを一番留意しなければならないと思っておりますけれども、原子力に対するこうした基本的な認識を踏まえつつ、幅広い検討を行って、我が省といたしましても適切なエネルギー対策を実施してまいりたい、こういうふうに思っております。 それから第二の御質問の電力の自由化に関しまして、競争を通じて電気事業全体の効率化を達成することを電力自由化というのは目的とするものでありますけれども、その実施に当たってはエネルギーの安定供給や環境保全といった課題との整合性を保ちながら行うことを基本としているわけであります。 この電力自由化のあり方は、本年三月の制度改正実施後おおむね三年後に再度検証することとしておりますけれども、その際には、エネルギーの安定供給や環境保全といった課題との整合性を保つという観点から、原子力発電への影響についても適切に行っていきたいと考えています。 そしてまた、電力の自由化というのは、特別、委員御承知のように高圧の需要家への小売に限定された部分的な自由化であるわけでありまして、本自由化を行うに当たっては原子力発電の地位への影響は直ちには想定されないという基本的な認識を持っておりますけれども、念のため電力需要量が著しく少なくなる場合には、新規参入者の発電所に優先して原子力発電を稼働させるという仕組みを実は設けております。 制度実施後三年後の検証に当たっても、原子力発電への影響について適切な検証を行った上で、必要であれば対応策について検討を行ってまいりたい、このように思っております。
○足立良平君 ちょっとこれは事務的な問題かもしれませんから、政府参考人、言っておりませんでしたけれども、もし大臣なり政務次官でちょっと何でしたら政府参考人の答弁もひとつお願いしていいと思います。 というのは、今もちょっと大臣もお話しありましたけれども、アメリカというのは原子力の発電では、一応量的に見ますと世界一の国であります。ただ、ここ三十年近く新規の原子力発電というものは、立地といいますか、稼働していない。百何基くらい、たしか百一基か二基くらいあったんだろうと思いますが、この約三十年弱、二十八年か九年だろうと思いますが、全く新しい原子力発電所はできていない。 今、アメリカの場合の原子力の状況をちょっと私見ますと、今までの既設の、ある程度三十年、四十年たった、あるいは減価償却がほとんど終わってしまったような発電所の売買というのが、それは今相当動いているようですけれども、新規が全くできていないというところに、一体それはどういう理由があるのかという点が私の質問の趣旨なんです。 これは、実際的にはアメリカという国がいわゆる電力の自由化あるいはまた電力会社というものが、大変規模の小さな発電会社がもう本当に群雄割拠しているとか、そういう問題も私はあるだろうと思いますし、そういう点、いろんな理由が考えられるんですけれども、少なくとも原子力をずっと世界に先駆けて一番初めにやってきたアメリカが全く新規電源がスタートしていないという理由を一体どういうふうに通産省として分析をされているのか、これをちょっとお聞きしたいと思います。
○政府参考人(河野博文君) 御説明申し上げます。 確かに御指摘のように、かなり長い間、原子力発電先進国でありました米国において新規の原子力発電所が稼働していないのは御指摘のとおりでございます。 さまざまな理由があると思いますが、確かに今先生おっしゃいましたように、日本のような比較的大きな電力会社が少数で市場で活動しておる国と、米国のように幾つか大きな電力会社もありますものの中小の電力会社も非常に多いということで、原子力発電所は比較的初期投資が大きいものですから、これを選考するあるいは体力に欠けるという要素もかなりあるのではないかというふうに思います。 また同時に、やはり自由化の過程の影響かもしれませんし、またいわゆるアメリカ的な経営という問題かもしれませんけれども、キャッシュフローを重視するですとか、あるいは長期固定資金を余り寝かせないというタイプの経営から見ますと、原子力発電所というのは非常に長期の資金を寝かせるという要素がありますので、やや経営者からは好まれないというようなことの影響もあるのかもしれない、さまざまな要素があるように思っております。
○足立良平君 多分私もそんなところなのではないかと思うんです。 これは、直接的にはこの議員立法の法案とストレートに結びつかないかもしれないんですが、私はこの点をきちんとこれからのなにとして認識をしておく必要があるのではないかというふうに実は思っているんです。 これは例えばの話、私はこの前、中部電力の浜岡原子力のあの増設の大変大きな工事をやっているところ、ちょっと現場へ行ってずっと視察してまいりました。これは浜岡の一、二、今この既設のところへ増設をしているわけです。増設の原子力発電というのはまだ比較的金額的には単価が安くできるんですね。ざっと概算で見て四千億くらいだろう、ワンユニット。百数十万のやつがですね。新規電源の場合は、新しいところに発電所をつくっていくときには大体片手くらい要る、ワンユニットで、現実的に。そうすると、増設のときにはワンユニット約四千億ですから、既設のやつでそういう四千億が、今長官の答弁にありましたように、初期投資というものは極めて集中的に一番初めに要る。そして、後で回収するわけなんですね。これは、だからまだある程度対応が可能なんです。 ところが、新規の電源というものは、ずっとこれから仮に、ちょっと後でずっと詰めていきますけれども、これ片手いったら、普通新規の場合にはツーユニットは必要になる、大体最低限、一兆円。さらに、今日の例えば流通コストというのは大変に高くついてくる。状況いかんによっては個々の発電所の電源開発に相当するほどの、距離によっては流通コストが同じくらいかかってくる可能性がある。それはもう地域によって一概には言えません、これは。流動的になるかもしれない。 そうすると、この原子力発電というものを新規にこれからスタートしてどんどんふやしていこう、新設をしていこうとするなら相当のコストがかかる。しかも、それは初期投資だという問題がある。もちろん、リードタイムが長いとかどうかは後の問題になりますが。 それを考えていくと、私はアメリカの新規原子力発電というものが進んでいないという先ほどの状況、自由化とかいろんな要因があるというふうに言われたその点から考えてみると、これからの日本の、初めから大臣がおっしゃっているように、原子力というのはこれからの我が国のエネルギーの大体中心をなしていくものだというその考え方あるいは環境に対して優しい、そういう面があるとか、あるいはまたエネルギーのセキュリティーという面からしても原子力というのは必要なんだとか、いろんな位置づけはあるとしても、実際的にこれから原子力というものがひょっとすると現在の自由化路線をどんどん進めていったときに日本の原子力の新規立地ということが経済的な面から耐え得ることができるんだろうかという感じを私はふっと思ったりするんです。その点、ちょっといかがでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 確かに、今、足立委員御指摘のとおり、初期投資が非常に膨大になる、こういうことがこれからの原子力推進の阻害要因になるということは、私は一面ではそのとおりだと、こういうふうに思います。 しかし、日本の二十一世紀のエネルギー、その対策を考えたときに、やはりこの原子力発電というものは避けて通れない。現段階でも、例えば油価の高騰がございました。その油価の高騰の中で、意外にヨーロッパやあるいはアメリカに比べて日本が影響が少なかった。これは、やはり全エネルギーに占める油の割合が非常に低まってきたと。そういう中で、例えば原子力の比重が発電の中でもう四割近い、三七%になっている、こういった私は側面もあると思いますし、これからも安定的な供給ということを考えたときに、やはりこの原子力、そういうものは初期投資はかかるけれども、今後とも我々の認識ではやっていかなければならない。繰り返しになりますけれども、安全を第一に担保してでもやっていかなきゃいけない。 ですから、初期投資はかかるけれども当然見合う、そういう私は原子力の位置づけ、こういうふうに思っております。
○足立良平君 ちょっと、もう少し議論を深めたいんですが、何か大臣が次のなにでどうしてもということのようですから、これ一番おもしろい話なんですが、ちょっと横に置きたいと思う。また総括政務次官もおいでになることですから、ひとつ十分議論をしたいと思います。 それで、大臣に一点だけ考え方を聞いておきたいといいますか、なにしたいと思うのは、ちょっと話を全然原子力から飛ばしちゃいます。 この法案は議員立法として出されてきているわけです。私は、こういう今言いましたように原子力問題をめぐって、いわゆる電力の長計とか、いろんな全体のエネルギーの中で原子力というものを一体どういうふうに位置づけをして、そしてその上でこれからエネルギー問題、原子力を中心にどうするかというふうなことに関しては、私は本来議員立法というものじゃなしに、これは政府が責任を持ってというか、通産大臣が責任を持って、これからの日本のエネルギーというのはこういうふうに進めてまいりたいと思っている、そしてそういう面でこういう対策を打っていくというものが出されて私はしかるべきだろうと思う。にもかかわらず、この法案というのは議員立法としてぽんと出てきてという問題がある。これは一体どういうことなんだと。 政府として本当の意味で日本のエネルギー政策なり、それを責任を持ってこれから進めていこうとしているのかというふうにも、ちょっとはすかいから考えるとそんな感じもしないわけでもない。その点で、通産大臣のお考え方をちょっとお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 確かに、足立委員御指摘のそういう面もあるかと思います。我が国においては、環境保全、それから効率化の要請に対応しながらエネルギーの安定供給を確保するため、安全確保に万全を期しつつ原子力政策を円滑に推進することが必要であると思っています。政府としては、ウラン加工施設の臨界事故以降、これまで原子力災害対策特別措置法の制定でございますとか原子炉等規制法の改正など、原子力発電施設等の安全の確保のために種々の対応を行ってまいりました。 しかしながら、原子力発電の着実な推進のためには地元のより一層の理解を得ることが不可欠であります。このような現状にあって、原子力立地地域の住民生活の安全の確保のために緊急に整備することが必要な事業を初め、原子力立地地域における生活の環境、産業基盤等の総合的かつ広範的な整備に必要な措置を講じ、これらの地域の振興を図ることを目的とする法案というものは非常に我々も重要な法案だ、こういう認識をしております。 このたび、この法案が議員立法により国会に提出されたことは、私はまことに時宜を得たことであると思っておりますし、議員立法で出していただいた、こういうことはある面では非常にありがたいと思っておりまして、御指摘のように国が責任を持ってこういった法案を出すべきという御意見は、私は一面ではある意味でそのとおりだと思っておりますけれども、今回、時宜を得た形で法案を提出していただいたので、私どもとしては大変ありがたいことだ、このように思っております。
○足立良平君 通産大臣、退席していただいて結構です。 科技庁、来ていただいていますか。 この新原子力利用長期計画について一応変更のなにがちょっと出たと思うんですが、今回の長期計画は前回と比べてどこが変わっているのか、御説明を願いたいと思います。
○政府参考人(中澤佐市君) お答え申し上げます。 今回の長計でございますけれども、従来の長計がどちらかといいますと原子力関係者のための具体的な指針という色彩が強いというふうに受けとめられていたわけでございますが、今回の長期計画は、その具体的な指針にとどまらず、二十一世紀の原子力研究開発、利用の全体像と長期展望について広く国民の皆さんにメッセージとして示すとの役割を重視して策定されたものと承知しております。 また、従来の長計は、もろもろの計画といいますか、具体的な計画のスケジュールなどに大きな関心が持たれがちだったわけでございますけれども、今回は、先ほども出ておりましたジェー・シー・オー事故などの原子力をめぐる大変厳しい状況の中にありまして、原子力に批判的な委員の方々も入っていただいて、原点に立ち返って今なぜ原子力が必要なのか、なぜ核燃料サイクルを行うのかなどについて、できる限り国民にわかりやすく示したものというふうに受けとめております。 内容面では、特に今のような状況のもとで策定されたものと絡みまして、安全確保と防災あるいは積極的な情報公開などによる国民の信頼の確保、立地地域との共生の重要性といった点が特に強く指摘されたものと思っております。 また、今も御議論ございましたが、原子力発電等々につきましても、エネルギーの安定供給あるいは二酸化炭素排出量の削減に寄与しているということから、引き続き基幹電源に位置づけて最大限に活用するんだ、あるいは使用済み燃料を再処理して回収されるプルトニウム、ウランを有効利用していくことを基本とするんだというふうな中身も入ってございます。 最後に、なお三点目の特徴ではないかと思いますけれども、今回の長計の作成過程でございますけれども、従来以上に透明性の高いものとなるように審議はすべて公開で行われまして、さらにこの計画案につきましても国民からの意見募集を五十日間にわたって行う、あるいは全国三カ所で具体的に長期計画の策定委員の方々が出席して御意見を聞く会というのを開催するといったような形で国民の意見の反映に努められたものと承知しております。
○足立良平君 それで、今もちょっと説明いただきました、確かに従来の長計を議論する対象の透明性が明らかになるとか、あるいはまたそれぞれ原子力に対しても批判的に考えているような人たちとかいろんな人も含めて議論をするというのは、そういう面では大変きちんとした対応だったというふうに私は評価をいたしております。 ただ、もう一点その上でお聞きをしておきたいと思うのは、従来であれば原子力発電等については、例えば何年に大体幾らの発電所をつくる、あるいは二〇〇〇年にはこれだけだ、二〇一〇年にはこれだけと、具体的目標数値というものは明確になっていたわけですね。今回はそれが大変抽象的には必要だ、今おっしゃったようないろんな理由づけで必要だというふうにおっしゃっている。けれども、一応具体的なそういう目標数値というものははっきりしていないという、これは大変特徴的な点だろうというふうに私は受けとめております。 しかも、そういう点を考えてみると、例えば実質民間なんですが、電力会社も民間でありますが、どういうふうに発電所を将来的に建設していくかということに関してはすべて民間任せになっているわけです。極端に言えば、例えば原子力を選択するのか石炭火力を選択するのか、あるいはLNGの燃料を使った火力を選択するのかということを含めてすべてもう全部民間任せになっているということになってまいりますと、これは先ほど来出ているCOP3の問題にもかかわってまいるわけでありますけれども、一方で原子力発電とか、これは環境の面からしても温暖化ガスを含めて大変大切だと言っているけれども、すべてこれは民間任せになっている、一方では。しかも、先ほど大臣のときにもちょっと質問いたしましたけれども、原子力というのは大変な初期投資を一方でして、将来の自由化の中において、本当に民間がそれを将来的にずっと選択していくことが可能かどうかという問題も一つの疑問符が今つきかけている。 そういう状態の中で、こういうふうな長計というものの考え方が本当にそれでいいんだろうかということについて、これは科技庁の方にもう一度お聞かせを願いたいと思います。
○政府参考人(中澤佐市君) 足立先生言われましたように、今回の長計には前回の長計のように、前回の長計ですと二〇一〇年に七千五十万キロワット、あるいは二〇三〇年に約一億キロワットというふうな目標数値が入っておったわけですが、入ってございません。 これは、先ほど御説明申し上げましたように、今回の長計というのがエネルギーとしての原子力発電の必要性とか位置づけについて広く国民に明らかにしていくということが主眼であったということで、具体的な原子力発電の規模、これにつきましては、このような原子力委員会の政策を踏まえて、エネルギーの将来需給とかあるいは他の電源の状況などエネルギー需給全体を見通して、エネルギー全体に関する専門的見地から総合エネルギー調査会の方において審議されることになっているというふうに承知しております。 ただ、もう一点つけ加えさせていただきたいんですが、今回の長計の中に、たまたま今そこのところを見ておったわけでございますが、「国と民間の役割の基本」という記述があります。ここは、先ほど先生言われたように事業、多くが民間においてやられているわけでございますけれども、その場合、国としてのやるべきこととして以下のような記述がされてございます。つまり、「エネルギー分野では、国は長期的観点からエネルギーの安定供給の確保や地球環境問題に係る国際的約束を果たすために必要な対応方針を明確に示して、国民の理解を求めるとともに、民間の自主的な活動に伴う原子力発電の規模が、原子力発電の果たすべき役割を踏まえた目標を達成するものとなるよう、状況に応じて誘導することが必要である。」というふうに書かれてございます。 こういう考え方も含めて、政府としては努力をしていきたいというふうに考えてございます。
○足立良平君 そこで、政府として誘導という今言葉がございまして、この誘導というのは一体具体的にどういうものなのかという問題がこれから出てくるのかもしれません。 ただ、きのうもこれは日経新聞の夕刊でしたかね、見ていまして、アメリカのエンロンという会社が青森にLNG火力で二百万キロのをつくるという計画がある、将来的には大体四百万キロワットの発電所をつくるという動きがあると、こういうふうに報じて、これは最終的にどうなるかちょっとわかりませんが、一応そういうことになる。 IPPのいわゆる発電の自由化の問題を今進めてまいりましたときに、例えばこれは青森ですから東北電力の管内でありますが、青森県だけで約百二、三十万くらいの電力需要なのではないかと思います。ちょっとこれ数字、もし間違っていたら後ほど訂正願いたいと思います。これは青森県全体の今の電力の需要が百二、三十万。そこへ仮に四百万のアメリカのエンロンという会社が発電所をつくる、LNGで。 ということになってまいりますと、これは先ほどの原子力問題も含めてですけれども、それでは東北電力としては、四百万の新規、これがIPPでできて、しかもそれは東北電力なりあるいはまたひょっとしたら東京電力なりまでこれを売るということになってくるんでしょうけれども、それでは相当無理して原子力発電所を、しかもそれは相当の初期投資で、経営的には大変な圧迫をもたらされるかもしれない、そういう大きな投資をしていこうとする意欲を持ち続けることができるんだろうか。 しかも、それは原子力発電の初期投資で何兆円という資金を投入してなっていった場合に、これはこれからの新しい技術開発というものが、例えば燃料電池の問題もしかり、あるいはマイクロガスタービンの問題もしかり、いわゆるローカルエネルギーの新技術というものが、風力や太陽光よりももっとそちらの方がこれから私は主流になってくるだろうと思いますけれども、そういう状態になって、ずっと大きく変化するということが予測されるときに、三十年、四十年後の経営を予測して、相当リスクの高いそういう投資というのはそのインセンティブが働きにくいのではないんだろうかという感じも私は持っているわけです。 ですから、そういう点を考えてみたときに、これはもう科技庁の問題というよりも通産省の次官の問題になってくるわけですけれども、そういう状況の中で、これからの我が国のエネルギー政策なり、あるいはまた原子力を含めた政策というものを一体どういうふうにやろうとしているのか、その点、ちょっとお聞かせを願いたいんです。
○政務次官(坂本剛二君) 今のエンロンのきのうの記事でしょうか、かなり衝撃的に受けとめられる面もあったわけでございますけれども、現実問題として、東北から関東にかけての送電線の余裕、電力を送電する余裕がほとんどないというそういう状況でもございます。二百万キロワットを関東の大口需要家に送電するとなると、送電線の設備だけでもかなりの投資を要求されるようでございます、六ケ所村からですからね。 どういうふうにこれが今後具体化していくのかまだよく見え切っておりませんけれども、ただ、先ほども大臣が御答弁の中で申し上げましたように、とにかく安定的に、しかも安い電力を、引き続き環境に十分に配慮できる電力をということであれば、どうしても現段階では原子力に頼っていかざるを得ないと、こういうものが私はかなり強く出てくるだろうと思いますが、一方では、先生おっしゃった燃料電池、まさにこれが二十一世紀、主流になっていくのかなと。 自動車とかあるいは家庭用、だんだんそれが産業用にも燃料電池電力というものが活用されていく時代に入ってくるだろうし、それからどこまでいってもやはり太陽あるいは風力に代表される自然エネルギーの不安定さというものは、これは自然を相手にしておるわけでございますから、この不安定さはぬぐい切れないものがあろうかと思いますし、また、さまざまな面で別な意味での環境問題等が出てまいりまして、例えば風力の場合は騒音公害であるとか、あるいは緑の環境を壊す環境破壊であるとか、いろんな問題があって、そういうことで辟易している欧米諸国も実はあるわけでございまして、そんなに思うように、私は風力なり太陽光なりが普及していくには相当な乗り越えなくちゃならない壁と時間を要するのかな、こんなふうな思いをしております。
○足立良平君 ちょっと議論を戻したいと思うんですが、COP3の京都会議が終わった後で、長期計画のいわゆる六%の温暖化ガス削減というときに、原子力が当時あれは何ぼでしたか、十六基から二十基ですかね、を新設して、そして温暖化ガスというものをこれでどんと落としていきます、落としてというか伸びを完全に抑え込んでいくという前提を組んで、それは省エネも含めて計算は一応やっていたわけですね。 それで、今までの議論のように、現実的に原子力というのは、そういうものは必要だということはずっとこれは終始一貫している、政府の答弁というのは。これは各省庁全部一緒なんです。それはいろんな問題点はあるけれども、原子力が必要なんだなということはみんな知っているんだけれども、私は、ずっと必要だ必要だという、抽象的という言葉は悪いかもしれませんけれども、おっしゃっている割に、こっち側の環境問題では全部民間任せになっていますよと。原子力を選択するのかあるいは石炭火力を選択するのか、あるいはまたLNGであるのか重油火力であるのかは別として、すべてこれはいわゆる経済ベース、採算ベースで自由化を進めながら民間に任せていきましょうというのがずっと一方で流れている。そうすると、どうも今政務次官のお話も聞いていて私そこでぴんとこないのは、一方では環境問題を含めてこういうふうにしなきゃならないというものと、それからこっち側で進めているこの方針とは全然つながっていない、一貫性がない、真ん中ですとんと断絶しちゃっている。 そうするとこれは、国際公約である例えばCOP3の、今回COP6というのがちょっと意見の一致は見ませんでしたけれども、しかし、まず現実としてはCOP3というものが厳然として国際公約として存在している以上、これとの関係で一体だれが責任をとるんだと、もし達成できなかったとしたら。政府として一体どうするんだ、国際的に約束した問題について、ということに、次官、なってくるんではないかと思うんですが、この点、どう考えればいいんでしょうか。
○政務次官(坂本剛二君) 御承知のように、先生今おっしゃったように、COP3では一定の枠がはめられまして、二〇〇八年から二〇一二年までは一九九〇年の六%削減というようなことでございました。この京都メカニズムの取り扱いやその後の合意について、先般、十一月十三日から二十五日にかけてオランダのハーグで行われたことは御承知のとおりでございます。最終的には合意には至らなかったわけでございます。 通産省としましては、今後の国際交渉において、京都議定書が地球環境問題への取り組みあるいは経済活動及び国民生活が両立し得る枠組みとなるように取り組んでまいる所存であります。また、地球温暖化対策は、今後、国際交渉の進捗状況を踏まえて講じられていく必要があるとともに、国、地方公共団体、産業界、消費者等におけるさまざまな対策や取り組みを着実に進め、環境と調和した活力ある経済活動や質の高い国民生活をもたらす経済構造を実現する柱の一つとして積極的に進めていくという考え方でおります。
○足立良平君 積極的に進めていくというのは、それはそういうことでしょう。問題は、積極的に進めていくと言うけれども、一体それは本当に可能なんですかということが私がお聞きしている焦点なんです。 ですから、今私の表現がちょっと、語彙が貧しいものですから十分伝わっていないのかもしれないんですが、本当にこの国際公約が達成できなかったとき、これから積極的にやるんだといえばそれまでなんだけれども、今のままだったら、先ほどずっとしつこく申し上げてきている状況を踏まえて考えてみると、今までの延長線上から一遍にがたんと起きて理想的な姿になるとはなかなか考えにくいと私は思うんです。多分、そのことは政府の方も通産省の方も大体認識をされているんではないかというふうに私は思うんですけれども、ずっと言葉の端々を、その言葉の裏を解釈してみますと。 だから、その面を考えてみると、これは本当にどうなの、何かもう少しぱしっとした責任は、ここはきちんとやっていくとか、あるいはいわゆる発電も含めた選択の問題はこういうふうにきちんとこれからやっていくとか、あるいはまた一月六日で現行の電調審、電源開発調整審議会というものが省庁再編に伴って今度なくなるというふうな問題もこれあり、いろんな変化の中で通産省としてこれからそういうものを、これからこういう体制でこういうふうに進めていきますというものが私は必要なのではないかというふうに思うんですが、この点、いかがでしょうか。
○政府参考人(河野博文君) 大変恐縮でございますけれども、私どもが今進めております作業の事実関係の方から御説明をさせていただきたいと思います。 先ほど大臣からもお答え申し上げましたように、この四月から総合エネルギー調査会を立ち上げて将来のあるべきエネルギー需給の姿を検討させていただいているわけでございますけれども、その際の最も大きな視点の一つは、御指摘のCOP3あるいは地球温暖化問題にどのように対応していくかということでございます。 また、これに先立ちまして、三月に電力各社から原子力発電の将来にわたる供給計画が提出をされておりますけれども、先ほど御指摘ありましたように、従来、COP6に対応しては原子力発電所を新たに十六ないし二十基建設することによってCO2の原単位を下げるという考えでありましたけれども、現実的には十三基にとどまるだろうというような報告があったのも事実でございます。 これらを踏まえまして、それでもなおかつ全体としてCO2の六%削減、なかんずくエネルギーについて申し上げれば、一九九〇年横ばいという課題をどのようにバランスよく達成し得るかというのがこの総合エネルギー調査会の検討課題だというふうに心得ております。 また、自由化との関係では、おっしゃるように、先々自由化をさらに進めるに当たっては原子力あるいは環境問題への配慮というものが大きな検討視点であるのは御指摘のとおりだろうと思っておりますから、そういう視点を当然含めながら三年後に考えていくということになろうかと思います。 当面の自由化との関係で申し上げれば、私どもの総合エネルギー調査会の原子力部会での試算によれば、原子力の発電コストは、確かに初期投資は大きいわけでございますけれども、全体としての経済性は他の電源に比して遜色はないという状況のもとで、また現段階の自由化におきましては、給電ルールの運用という形で原子力のベース電源としての役割を確保するという仕組みも手を加えた上で自由化を行っておりますので、当面のこの十三基を電力会社としても積極的に検討していただける環境を保持しているのではないかというふうに思うわけでございまして、全体としてのバランスは、先ほど申し上げたような検討作業の過程にあるということを御説明させていただきます。
○足立良平君 提案者には大変長い間お待たせいたしました。これは通産次官と両方、ちょっとお聞きをしたいと思うんです。 今までずっと議論の中で、結局、原子力発電の立地が進まない理由はどこにあるというふうに考えておられるのか。これは通産政務次官とそれから提案者の方、ちょっとお聞きをしたいと思います。
○衆議院議員(細田博之君) 私ども提案者、ほぼ一道十二県、合計十三道県の各地域の代表の衆議院議員から構成しておりまして、お願い申し上げておるわけでございます。 国策としてはCOP3の問題あるいは一次、二次にわたるオイルショックの影響というものも踏まえまして原子力発電所の立地は必要であるということは総論としておわかりいただいているわけでございますが、やはり地域においてはさまざまな批判もございます。国のために協力するという大局的見地で大いに進めようという方も多いわけでございますが、他方、そのようなものをなぜ自分の町村でやらなければならないのか、むしろ東京や大阪や名古屋のような大消費地において、安全なものであるのだから建設をしてもらいたいということも含めて非常に強い批判があるわけでございまして、漁業補償等も含めましてさまざまな調整を要しておるというのが実態でございます。 それにしても、オイルショック以降も含めまして五十一基まで稼働するに至っておる、電力の中で三七%の供給まで行っておるということ、そして今後もあと十年であと十三基は稼働する状態に行っておるということはかなりの進展ではないかとは思っておるわけでございますが、残念ながらCOP3あるいは今回のCOP6の結果を、これは決裂しましたが、それを踏まえて、さらにやらなければならないという状態にはいま一つ何らかのインセンティブが必要であるという認識で御提案申し上げているわけでございます。
○政務次官(坂本剛二君) なぜ進まないのかということでございますけれども、地元の合意形成の段階において必ずしも順調にプロセスが進んでいない地点が存在することも事実でございます。 他方、今提案者の方からお話しございましたように、既に四基、現在建設中でございます。さらにまた、ジェー・シー・オー事故以降におきましても、去る八月に中国電力島根三号機の増設計画、それから十月には北海道電力の泊三号機の増設計画がそれぞれ電源開発調整審議会に上程されておりまして、計画の着実な進展も見られるわけです。さらには、十三基今後増設をしていきたいという、こういう予定にもなっておりますので、それぞれ都道府県では努力をしているさなかではないか、こう思っております。 エネルギー供給構造が脆弱な我が国におきましては、やはりエネルギーの安定確保をするためにどうしても原子力を強力に推進していくという、この考え方には変わりはございませんで、このために安全確保を前提に地元の御理解と御協力を得つつ、一歩一歩着実に原子力立地に向けて計画を進めてまいる所存でございます。
○足立良平君 この十三基の見通しがある程度は立っておるとか、あるいはまた四基は今一応工事中であるとか、これを進めるに当たっては実は大変な苦労というか、これはもうこの場所で口に出すことのできないようないろんな問題を解決し乗り越えてきているという問題が私は現実にあると思います。ですから、今それぞれ提案者と通産次官の方から話がございましたような状態だけでこの原子力問題というのを私は考えるわけにはいかないだろうというふうに思うんです。 ただ、一番問題は、私は、やっぱりこの種の問題は、王道といいますか、原子力に対する不信、不安が今国民の中に大変強く出てきているということ、これを直視していかなければいけないのではないかというふうに思います。 これはもう一々申しません。チェルノブイリの事故なりスリーマイル島の事故から始まりまして、そしてかつての動燃の事故あるいはまたこの事故隠しの問題、あるいは先ほどもちょっとありましたが、ジェー・シー・オーの問題を含めてそういう一連のものを考えてみたら大体二年か三年で、少し落ちついてきたかな、信頼感が少し出てきたかなと思うとまた何かぽかんとやっちゃうという体制といいますか、どこに隘路があるのか、もう一度我々もきちっとしなきゃいけませんけれども、そういう点の繰り返しだった。 その事故というものを振り返ってみますと、チェルノブイリが一九八六年あるいは「もんじゅ」が九五年あるいは東海村の再処理が九七年あるいはジェー・シー・オーが去年ですから九九年とか、大体二、三年ごとにもう何回でも何回でもまさにちょっとしたミスというふうなものを前提に起きてくる。私は、これをどういうふうにきちんとしていくのかというのが原子力問題の一番の大きな解決策ということになってくるのではないか。その点を本当に真剣に考えないと、この問題というものは国民の間に理解されることはないのではないか。 あと、法案の問題に入っていきますけれども、私はそのことをまず冒頭申し上げておきたいと思うんです。その上で、提案者にちょっとお聞きをしたいと思うんです。 正直に言うと、私もこの法案が出てくるというのを聞いたのはつい最近なんです。唐突に出てきてびっくりしたんです。どういうことでこんなに急に出てきて、しかも短時間に問題を処理せにゃいかぬと、こういう感じになったのか、ちょっとその点をお聞きいたしたいと思います。
○衆議院議員(斉藤鉄夫君) 先ほど足立委員がおっしゃった、原子力について国民の信頼を取り戻すのがまず先決だという御指摘がございました。ちょっとこのことにつきまして、その唐突だという御質問の前に一言。私は、ジェー・シー・オー事故の直後に科学技術総括政務次官になりまして、現地対策本部長になりました。そのことの反省も含めて一言申し上げさせていただきたいと思います。 私が現地対策本部長になりまして、すぐ東海村の役場に行きました。そうしますと、村上村長が私が部屋に入るなり、今ごろ何しに来たと、このようにどなられました。我々は国の原子力政策を信じてこれまで協力をしてきたのにこのざまは何だ、住民の避難も、国は何にも助けてくれない中で私ひとり孤独の決断をしなければならなかった、国は何も助けてくれなかった、このような鋭い御指摘がございました。 我々は本当にその点を重く受けとめて、科学技術庁としても、当時、私は科学技術庁の人間でございましたので、国としてこの責任を重く受けとめて国民の信頼を取り戻す努力をしていかなければならない、このように決意をしたわけでございます。今回のこの法案も、実は私自身の心の中ではその延長線上にあると思っております。 昨年の臨時国会で原子力災害対策特別措置法をつくらせていただきました。この中で、防災という面に関していろいろな手を各党の御賛同をいただいて打つことができるようになったわけでございます。また、電源三法もございますが、その電源三法でも手が届かない、そして原子力災害対策特別措置法でも手が届かない安全と防災という面のところに、いわゆる道路とか港湾とか消防施設とかという公共事業がございます。今回のこの法案は、そういう原子力災害対策特別措置法でも手が届かない、電源三法でも手が届かない、しかし防災上非常にキーポイントになる、そういう公共施設についても国としての防災に対する決意をあらわしていこう、これが今回の法案の私は命だと思っております。 唐突という御意見でございますが、実は先ほど細田議員がおっしゃいましたように、かなり前から議論されてきたものでございますし、また昨年のジェー・シー・オー事故以来、我々が検討してきたものでございます。また、我々もぜひ各党の御賛同をいただいて共同提案としたいということで、二週間前に民主党さんにもこの法案を御説明申し上げ、ぜひ共同提案にというお願いをしたところでございまして、そういう点で時間を食って国会終盤での提出になりましたけれども、唐突というふうに我々は考えておりません。どうかその点、御理解をいただきたいと思います。
○足立良平君 考えてみましたら、私もこの提案者の方の説明を全部、民主党の場合には二回議論をしたと思います、国会に出る前でしょうか。私も二回ともそれに出席してお話も聞いておりました。だから、そこからしてもつい最近なんですよ。それまでは私の方はそれを承知していないわけですね。しかも、それは衆議院の方において現実的には三時間ですよ、三時間の質疑でばっとやっちゃって、そして今こっちに来て云々と、本当に私はこれでいいのだろうかと。日本のエネルギー政策の中心になるべきこの原子力問題を含めて、これから本当にどういうふうに考えて、そして進めていったらいいのかという議論は、二時間や三時間あるいはまた一日議論してそれで終わるというものでは本来的にはないのではないかというふうに実は思っています。 それで、このエネルギー問題というのは、これは先ほど来もずっとそれぞれ政府の方から答弁されていますように、日本はエネルギー資源というのはほとんど皆無に等しい。そして、それでは国のセキュリティーという、これはもうまさに国の防衛問題なり食料問題に匹敵するエネルギーというものを確保するということは、極めて日本のこれからの生きていく道にとってはもう最重要課題だと思います。国のセキュリティーという面からしてですね。 私は、そういう面であればあるほど逆にこの種の問題というのは国会の中で十分議論をして、そして原子力問題についてもいろんな意見が現実に国民の皆さん方に存在している、それを一つ一つやっぱり解消していく努力というものが立法府の場合に本当に必要なのではないかというふうに実は考えているんです。 ですから、そういう意味において、やっぱり今もう大変長い間検討していたというのは、それは皆さん方検討していたのかもしれないけれども、国会の中で俎上にのって議論をしているということについては、これは私は極めて唐突であり、そしてまた余りにも短過ぎるんじゃないんでしょうかねと、これも答弁要りませんが、こういうふうに申し上げておきたいというふうに思います。 それで、この法案の問題なんですが、今御答弁の中に、この法案というのは安全、防災、そういうもの、例えば今の電源三法の問題があるとか、こういういろんな隘路といいますかいろんな問題点にやり得ないものということをおっしゃりながら、安全、防災というものはこの命、この法案の一番の趣旨だというふうに今おっしゃったわけです。 だとするなら、私は、この法案の名称というのは、原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法案というこの名称では間違っているんじゃないか。むしろ、今の御答弁をそのまま私が解釈するとするなら、原子力発電所施設等立地地域の安全防災に関する特別措置法案というふうに法案の名称も変更し、というかそういうふうにきちんとし、防災なら防災なりそういうものを中心に置いてこの法案を出してくるというのが、今の答弁からすると私はそういうことになるのではないのかなというふうにちょっとお話を聞きながら思ったんですが、その点はいかがですか。
○衆議院議員(細田博之君) これは、私どもの趣旨はやはり両方ございまして、長年の、最前私が御答弁申し上げましたように、本格的な原子力発電所が稼働したのが一九七〇年以降でございますけれども、この三十年の間、五十一基にわたって建設をしてきた地元の方々が過疎のままに放置され、そしてつらい思いをしてきたと、これ以上の協力はなかなか難しいという悲痛な叫び、特に震源地は福島県でございますし、参議院の太田先生ももう何十年自分はやってきているんだということでおっしゃっておられるわけでございますけれども、そういった悲痛な声にもおこたえをしたいと。 せめて、何とか総合的に我々も地元の振興というものも含めて考えてさしあげたいという意思があり、かつ、しかし公共事業等のかさ上げとかそういう特別な措置をとるのは、やはり安全対策、住民の不安におこたえして、この点はどうしても必要であるから何とか例外的にかさ上げ措置等をとらせていただくという意味で防災の観点を盛り込んでいるわけでございますので、この両方の要請を組み込んでおるんだということで御理解をぜひいただきたいと思っております。
○足立良平君 両方の意味を織り込んでいるということであるなら、この法案というものがこのままの形ですと、私は実はきのうこの質問をすることになりましたから一生懸命読んだ。一生懸命このように読んでみて、そしてその中で私はどうもよくわからないのは、やっぱり今申したように、これは立地地域の振興に関する特別措置法という名称が明らかになって、それに基づいて地域振興という地域のいろんななにを進めていくということが中心になる。しかも、それはもちろん今までのやり方とそう大きな違いはなかったとしても、実際的に地域の市町村長の意見を聞き、知事が云々し、そしてそれは内閣総理大臣がそれを認めてこれで公共事業をばらまいていくということになってくるわけであります。 私は、この条文を何回読んでもそういうふうに理解、解釈せざるを得ない問題だというふうに思うんですが、再度、ちょっと考え方をお聞きいたしたいと思うんです。
○衆議院議員(細田博之君) やはり同じお答えになるのでございますけれども、防災対策も含めまして、原発立地地域の皆様のことをこれからのこともこれまでのことも含めて十分配慮し、そして皆様方の御努力におこたえするという意味もございましてこうなっておることをぜひ御理解いただきたいと思います。 もちろん、先ほど来ございましたように、関係企業ですとかあるいは従業員の方々ですとかあるいは地方公共団体の方々ですとか、原発立地を達成するためにも大変な多数の皆様方の御努力をいただいているわけでございますし、かつ地元の方々にも大変な御苦労をいただいているわけでございますから、私どもとしては、そういう御努力を高く評価しながら、かつ少しでもいい措置をとっていきたい、それにもちろん防災対策に必要なものをかさ上げ措置を講ずると、こういう趣旨でございますので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
○足立良平君 その趣旨であるという今の答弁というものを私は重く受けとめたいと思います。その上でまた、我々として改めて対応を一応提起していきたいというふうに思います。 これはあえて申し上げておきたいと思いますのは、この法案の目的、第一条を見ましても、原子力が重要な位置にあるということにかんがみて、「原子力による発電の推進等に資するため」、資するためということを明確にしながら地域の云々という、こういうふうになってまいりますと、そういう面では、本当にこの原子力というものを進めていくというのは、先ほど申し上げたように、むしろ安全なりあるいはその住民の、国民の皆さん方の不安というものをきちんとやっぱり解消するということがまず第一義だというふうに私は思っております。 あるいはまた、先ほども提案者の答弁にありましたように、防災という問題なり安全という問題がより重視された法案になっていかないと、やはり国民の理解というものは得られないのではないかというふうに、私は意見としてあえてここで申し上げておきたいというふうに思います。 これはあえて具体的に申し上げるなら、例えば第五条の中で、先ほどずっとおっしゃっておりますように、安全なり防災なり、あるいはまた地域のそういう面である程度やっぱりいろんな御苦労を願っているという住民の皆さん方との関係を含めて、それを理解するとしても、そういう防災の面から、例えば基幹道路についてもきちんと整備しなきゃならない、あるいはジェー・シー・オーのような事故が起きたときに即応、きちんとできるような点をどうするのか、あるいはまた農産物なりそういうものに対する風評被害に対してどういうふうに対応するのかとか、そういうふうなものをこの法律で一応さらにちょっと考えていくというふうに、我々としてそういう観点からこれを理解するとしても、あえて申し上げるなら、この法案の中で、例えば第一項の第三号ですか、「他の産業の振興及び観光の開発」に関し、これ何じゃというふうに思う。あるいはまた、その第七号のところを見ますと、「教育、科学技術及び文化の振興に関する事項」というのはこれも一体何だよと。 というふうにずっと一つ一つ見ていくと、まさにこの法案というのは、今提案者が説明されているような意味というよりも単なる公共事業的な、一般的なものを全部ばらまいていくよ、原子力をやってくれるんだったら、原子力推進のためには何でもやっちゃうよというふうに私は受けとめざるを得ない、一つの点を申し上げると。というふうにも実は思ったりするんです。 ですから、私はそういう面でやはり防災なり安全の問題というものを本当に重視した法案というものに、今答弁のような考え方を文章としてはっきりするということが必要なのではないかというふうに、これはもう答弁要りません、これは意見として申し上げておきたいというふうに思います。 ちょっと私の時間はもう大分なくなってまいりましたが、それで、最後に少し確認を一つしておきたいというふうに思いますのは、これ一応市町村長の意見を聞いて知事が、地域のいろんな今申したような防災の問題あるいはまたいろんな問題について意見をまとめて提起をする、こういうことになっておりますが、原子力発電所なんかの立地の箇所というのは単に県の真ん中にあるわけじゃないんです。だから、隣の県、例えば島根県と鳥取県の県境にあるとか、県を越えたその基準をどうするのかという問題が私は出てくるのではないかというふうに思います。 ですから、今の電源三法の一番の問題点は、所在地なりその所在地の隣接町村ですか、市町はある程度考えられるんですが、隣隣町村というふうな問題があるわけですが、それは県を越して、しかしそれは距離的にするとほとんどもう一緒の中に入っているようなものである、たまたま県境がここにあるというふうな問題がありますので、この点は一体どういうふうにお考えになっているのか、ちょっとお聞きしておきたいと思います。
○衆議院議員(高木毅君) お答えを申し上げます。 本法案は、原子力立地地域につきまして都道府県知事が立地地域及び振興計画の案を作成することにしておりまして、これに該当する事項に対しては必要な措置を講ずるものであります。ですから、この法案によりますと一応県というものはまたがないというようなことになるわけでございますけれども、委員御指摘の隣接あるいは隣隣接につきましては、いわゆる電源開発促進対策特別会計、電源特会あるいはまた法令の規定によりまして地域の実情に応じた措置が講じられるというふうに理解をいたしております。
○足立良平君 終わります。 ─────────────
○委員長(加藤紀文君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、続訓弘君が委員を辞任され、その補欠として木庭健太郎君が選任されました。 ─────────────
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。 まず、法案提案者の方々に伺いたいと思うんですが、議員立法のあり方についてであります。 私は、国会というのは言うまでもなく国権の最高機関であって、唯一の立法機関だと思っております。法律をつくるこの機能というのは大変重い使命でありまして、国民の暮らしや権利に大きな影響を与えるわけですから。影響というのはプラスもあればマイナスもある。したがって、立法府の法案の審査というのは慎重かつ充実した審議というのが求められると、私は常々そう思っておりますけれども、法案提案者のこの点での御認識をまず伺っておきたいと思います。
○衆議院議員(細田博之君) おっしゃるとおりであると思います。
○山下芳生君 そういうことでしたら、なぜ今回のこの法案、国会の最終盤、十一月十五日に提出をされておりますが、今国会終盤というだけではなくて、当時は内閣不信任案をめぐって政局が大混乱をしておりました。そういうさなかになぜ提出したのか。 結局、衆議院、参議院とも半日程度しか審議が実質されないまま法案が強行されようとしておるわけですが、そうなるのは、細田提案者は冒頭、充実した慎重な審議、当然だとお言いになりましたけれども、そうならない、それができない時期だともう明々白々でありながらなぜこういう時期にお出しになるのか、それほど軽い法案なのかと私は疑わざるを得ないんですが、いかがですか。
○衆議院議員(斉藤鉄夫君) この法案は大変重要な法案だと我々思っております。だからこそ各党の御賛同をぜひ得たい、こういう思いで各党御説明申し上げてまいりました。日本共産党さんにも私と細田議員、行って御説明申し上げました。そういうことで、説明に時間がかかったということもありまして、最終的に提出党が三党ということになりましたけれども、そういう経過があったことをぜひ御理解いただきたいと思います。
○山下芳生君 議員立法という制度、私は積極的な制度だと思いますが、悪用ですよ、こういうやり方だと。国会の審議を形骸化する。しかも、重要だと言いながら、こういう事実上審議がほとんどできないときに出す。 法案の賛否はともかく、この法案というのは今後のエネルギーの安定供給のために非常に重要なんだと提案理由説明でもありました。それだったら、そういう大きなこれからのエネルギー政策どうあるべしということも含めてしっかりと審議できるような状況を踏まえて出すのが私は同じ立法府に身を置く者として当然の法案提出の態度だと思います。これは強くそのことを指摘しておきたいと思います。 その上で、今回の法案の具体的な内容に入る前に、少し通産省に幾つかの点、確認をしておきたいと思うんですが、まず電源三法に基づく交付金制度というものがございますが、この制度の目的について簡潔にお示しいただけますか。
○政府参考人(大井篤君) お答えいたします。 御質問にありました電源三法の目的でございますけれども、やはり電源の開発、それからまたそれを行います地元地域の振興、こういうことを通じまして電力の安定供給等に資していこう、こういうことだと理解しております。
○山下芳生君 その交付金の財源はどうなっておりますか。
○政府参考人(大井篤君) お答えいたします。 財源につきましては、目的税たる電源開発促進税、これを充てております。
○山下芳生君 それは、突き詰めますと電力消費者が電力料金に上乗せをして負担をしていることになると思いますが、それで間違いありませんね。
○政府参考人(大井篤君) お答えいたします。 本税につきましては、電力料金の算定上の原価計算の中に含まれる、こういうふうになっております。
○山下芳生君 つまり、この電源三法に基づく交付金制度というのは、答弁にあったように立地地域の振興というのが当然目的に入っております。同時に、財源というのは電気料金に上乗せをされ、消費者、つまり国民が負担するということになっているわけです。 したがいまして、私は、この交付金制度というものを、そもそも原発麻薬とも言われるように一度原発を受け入れたら次々と交付金を目的にして二号機、三号機と原発に依存せざるを得ない、麻薬中毒患者のような状態に自治体が陥るという実態を見ても、制度そのものに批判を持っております。 しかしながら、そういう目的を持ち、そして国民の負担が財源になっているということからしますと、やはりこの交付金というものがきちっと目的に沿った使われ方をしているのか、また国民の負担ということから見てむだや浪費がないのかということが問われなければならないと思うんです。 その点で具体的にひとつ伺っていきたいんですが、けさの朝日新聞にもまた改めて報道されております。コンパクトですので紹介しますと、 東京電力柏崎刈羽原発から東へ約二キロ。新潟県刈羽村役場の近くに昨秋完成した生涯学習センター「ラピカ」をめぐる無駄な交付金の使い方に、人口六千人の村が揺れている。約二万平方メートルの敷地を造成、バレーボールコート三面のスポーツアリーナや文化ホール、別棟の茶室と陶芸施設がある。十七万平方メートルの運動広場と合わせ総工費は八十四億円。このうち七十一億円が交付金でまかなわれた。 設計段階で約八千万円とされた茶室は一枚十二万円の畳が実は一万円程度。このほか、村の調査ではラピカ全体で二百カ所以上も勝手に建材や設計が変更されたことが判明した。 ことしに入ってこれは大問題になっておりますけれども、通産省、これは事実ですか。
○政府参考人(大井篤君) お答えいたします。 事実関係等につきましては現在村においてさまざまな調査が行われておりますし、また地方自治法に基づきますいわゆる百条委員会が設置されて議論が行われているというふうに理解しておりますが、私どももその中の幾つかのものにつきまして村ないしは通産局の方から情報を得ております。 先生御指摘のとおり、例えば茶室につきましては七千万円ぐらいかけたと言われておりますけれども、随所に畳等安普請が行われている、こういうことは把握しておるところでございます。
○山下芳生君 私も、村の対策委員会が立ち上げられて、そして村が新潟県建設技術センターに委託をして調査させた中間報告をいただきました。八月十日付でありますけれども、これを見ますと、いかに茶室がずさんな工事がやられていたのかということがもうリアルに書かれております。 中間報告書の中には、「安価な材料による変更で当初設計の茶室、和風建築のイメージが半減し」ているという表現がございますし、それから畳については先ほど新聞でも引用されておりましたけれども、私も聞きましたら、一畳十二万八千円、京間特注品であったはずなのに実際はベニヤ板にござをホッチキスでとめただけでありますとか、普通、高級な畳であれば中はわらが詰まっていて当たり前ですけれども、発泡スチロールと厚紙でできていた、いわゆるスタイロ畳があった、というかその二つしかなかったということも事実として報告をされております。 それから、中間報告はさらに内装についても、「特に床の間中央の軸かけくぎの取りつけ方、驚いたことに下地がないらしく抜けるのである、まことにお粗末としか言いようがない」、あるいは、結論として、茶室棟全般について「材料等当初設計と大幅な変更がなされていることが調査で判明した」、「監理者は設計図書と照合し設計者の意図を十分に理解して工事監理を行うチェック体制を取っていたか疑問である」、「工事担当者に設計図書を理解する力がないと言われても仕方がない」、工事をやった者も監理する者も何をやっていたのかという、これは村が委託調査をした中間報告であります。 これをこのまま放置していたのでは、私は先ほど確認をいたしました国民の負担、電力消費者の負担が財源になっておりますこの交付金の使われ方として極めて問題が大きいと思いますが、通産省、先ほど事実は知っていると御答弁されましたけれども、どう対応されるおつもりでしょうか。
○政府参考人(大井篤君) お答えいたします。 私どもといたしましては、現在村であるとか、あるいは百条委員会における議論というのを注視しておるところであるわけでございます。その結果、最終的にどのようなものになるかということはまだわかっておりませんけれども、仮定の話でございますが、仮にそれが不当な支出等でありますれば、予算関係の法令に基づきまして適切な措置をとるということになると思います。
○山下芳生君 これは村にももちろん問題はあると思うんですが、私は通産省の責任が重大だというふうに思うんです。といいますのは、交付金を交付するのは通産省ですよ。何でこんな事業に交付金が交付されたのか、それが問われると思うんです。 そこでまず伺いたいんですが、この立地交付金の交付の決定方法、それから額の確定方法、どうなっているんでしょうか。
○政府参考人(大井篤君) 交付金の交付の決定方法につきましては、交付金の種類ごとに、例えば発電電力量に対して一定の単価を掛けるとか、そういう形で決まってまいります。また、そういった総額の中から個別に電源立地の御要望を聞きながら、それぞれに対してどのような予算を張りつけていくのか、こういう形で見ているわけでございます。 また、予算の確定でございますけれども、年度末になりますと、村の方から、あるいはその施設を建設した地方自治体の方から報告書等が上がってまいります。私どもも個別に現地に出かけていって、その書類審査また必要に応じて現地の現物確認等をしながら予算の確定作業を行う、こういうふうになっておるところでございます。
○山下芳生君 確認しますけれども、これは自治体から申請をいただいて決定するということですね。そして、もう一つ確認ですが、交付の決定に際して、私、原子力発電施設等に係る電源立地促進対策交付金交付規則というものをいただきましたけれども、申請を受けて決定する際には、次に掲げる費目ごとの経費の配分を含む、工事費、用地費及び補償費、調査設計費云々かんぬんと、こういうものを報告させて、それを精査して交付の決定をするということでいいんですか。
○政府参考人(大井篤君) お答えします。 交付の決定につきましては、地元市町村あるいは県の申請を待ってそれを行うというふうにしておるところでございます。
○山下芳生君 そういう形で申請を受け、それを審査して決定をし、そして実際の工事の進捗状況を書類審査あるいは現地にも行ってというふうにお言いになりましたが、確かにこの交付規則を見ますと、状況報告、実績報告というものをそれぞれの年度ごとに数回やらせまして、そして必要に応じて現地調査もして最終的に交付金額の確定をすると。当初の計画よりも工事の額が少なければ少ない額しか交付はしないということになっていますけれども、それは間違いありませんか。
○政府参考人(大井篤君) お答えします。 公共施設等の建設に当たりましては、発注する主といいますか施主の方は市町村ということになりますので、そういった市町村が具体的にどう支出をしていったのかということを見て、その上で予算の支出の確定をしていくと、こういうことであります。
○山下芳生君 間違いないということですね。 そうしますと、今私が紹介いたしました新潟県刈羽村の生涯学習センター、この建設について、通産省はどのような検査をしたんでしょうか。 〔委員長退席、理事保坂三蔵君着席〕
○政府参考人(大井篤君) 私どもといたしましては、交付金の交付規則等にのっとりまして書類審査及び現地の確認、こういうことをして予算の確定をしたということでございます。
○山下芳生君 私ども、通産省からいただいた資料を見ますと、この生涯学習センターの検査については平成九年度事業で現地実地検査をやられておりますね。平成十年三月十一日、検査体制として東北通産局職員の二名が派遣されております。それから、平成十年度の事業の確定に際しては現地の実地検査がやはりやられておりまして、平成十一年三月九日、東北通産局の職員三名、現地に行っております。 こういう現地に通産局の職員が行かれながら、なぜ先ほど紹介したような、中間報告にリアルにあらわれるようなずさんな工事がやられ、それが実際発見できなかったのか。そのところを通産省は所管の官庁としてどう責任をお感じですか。
○政府参考人(大井篤君) お答えいたします。 一般的に、予算の確定の場合でございますけれども、やはり発注主が発注されたどおりのものができているかどうか、つまりそれを収得することが発注主として適切であるかどうか、そこのまず判断があって、今回の場合はその判断があって、その上で私どもとしてどのような支出が行われているかどうかということを現地の視察等も踏まえて判断をしたものでございます。 仮定の問題ではございますけれども、そういった中で私どもの確定の方法等にやはり何らかの不備というようなものがあるとすれば、そういった限りにおいて私どもとしても責任を感じざるを得ない、こういうふうに理解しておるところであります。
○山下芳生君 仮定の話とおっしゃいましたけれども、もう具体的に村の調査ではこういう形で出ているわけですね。もう事実なんですよ。畳が十二万じゃなくて一万円だったのは仮定の話じゃないんです。それが、検査を通産省がされながらできなかったというのは、これは仮定の話としての反省じゃなくて、今実際に反省をなぜしていないのか。もう一年近くたとうとしているわけですからね。なぜ今どのような反省をしているのかと聞いたときに仮定の話になるんですか。国民の負担による交付金ですよ、これは。
○政府参考人(大井篤君) これにつきましては、どうしてそのような工事が行われたのか、またその工事が行われた理由としてどういう当事者が関与していることになるのか、こういうことを含めまして現在百条委員会等で議論が行われている、こういうことでございます。 例えば、契約につきましても総価契約であるというふうに聞いておりますし、その総価契約といった場合に、個々のものとの関係が一体どういうふうになるのか、こういったことも含めていろんな角度を踏まえて審査といいますか、そういうものが行われている、こういうふうに理解しているところであります。
○山下芳生君 どうも自治体任せという姿勢が私は問題だというふうに思います。これは通産省の所管による交付金制度なんですから、そこでそういう実態があるんですから、自治体に全部責任をかぶせるという姿勢は私は間違いだと思います。 その上で、ではどういう形で工事がやられたのか、あるいは設計がされたのかということなんですが、それにかかわってもう一つ聞きたいのは、電源地域振興センターという財団法人がございます。この財団法人はどういう財団法人ですか。
○政府参考人(大井篤君) お答えいたします。 お尋ねの電源地域振興センターでございますが、電源地域の振興に関しますさまざまなアドバイスを実施する、こういう機関であるということでございます。
○山下芳生君 そのセンターと刈羽村との関係はどういうふうになっていますか。
○政府参考人(大井篤君) お答えいたします。 刈羽村が、いわゆるラピカと今呼んでいる施設であるわけですが、こういうものを地元につくろうと、こういう話がございまして、そのときに、一体どのようなデザインのものをつくったらいいのかということで設計コンペを開いたというふうに聞いてございます。その設計コンペの選定委員といたしまして電源地域振興センターの当時の理事が、電源地域振興センターとしてということではなくて、いわゆる学識経験者としての資格で参加をしたというふうに聞いております。
○山下芳生君 そのコンペは平成何年ですか。
○政府参考人(大井篤君) お答えします。 交付金がたしか七年から十年にわたって出ておりますので、平成六年ではないかなというふうに思っております。
○山下芳生君 私、通産省から、電源地域振興センターが刈羽村の受託調査として、平成五年度に刈羽村生涯学習施設整備計画調査を行っているという資料をいただきました。単にコンペだけじゃなくて、生涯学習センターの設計計画段階からこの地域振興センターはかかわっているんじゃないですか。
○政府参考人(大井篤君) お答えいたします。 先ほどもお答えいたしましたように、このセンターというのは電源地域の振興に対しましてさまざまなソフト面での支援を行うというふうになっておりますけれども、先生御指摘の点につきましては、村からの委託を受けてそういったソフト支援の一環として行われたというふうに理解しております。
○山下芳生君 ソフト支援の一環としてアドバイス等をされた結果としてラピカができていくわけですよね。 この電源地域振興センターの役員の構成はどうなっていますか。
○政府参考人(大井篤君) お答えいたします。 役員の構成でございますが、たしか常勤の役員が六名、その他、各電力会社の社長が非常勤の役員を兼ねている、こういうことでございます。
○山下芳生君 役員の中には通産省OBの方は何名いらっしゃいますか。
○政府参考人(大井篤君) 常勤では四名というふうに理解しています。
○山下芳生君 衆議院の議論を聞きますと、非常勤でも電力会社から来られている方の二人が通産省のOBですから、六人いらっしゃるというふうに聞きました。結局、役員の大半が通産省のOBなんですね。これは天下り法人ですよ。そういうところが計画段階から深く原発立地地域の地域振興にかかわっていく。その中でこういう生涯学習センターのような施設が計画され、申請される。それを許可するのは通産省の役人ですよ。そして、許可した工事をめぐってこんな国民の負担を原資とする交付金の乱脈なずさんな使用がされている。これはもうはっきり言ってそういう構図になっているわけですね。浮き彫りになっている。 私は、交付金の運用の仕方、使途のあり方、通産省として責任を持って、自治体の調査を見守るんじゃなくて、みずからこれはなぜこんなことになっているのか深いメスを入れる必要があると思いますが、いかがですか。
○政府参考人(大井篤君) お答えいたします。 電源地域の振興のために大変貴重な財源というものを電源開発促進税、そういうところからいただいて、それを地域の振興に役立てているわけであります。 御指摘のようなことが事実であるとすれば、大変残念なことであると私ども思っております。また、私どもみずから実態の把握に努めておるところであります。いやしくもそういう不当な支出等があるとすれば、私どもとしても厳しく対応していく所存であります。
○山下芳生君 提案者に伺います。 こういう交付金のずさんな運用や使途について提案者はどう認識されていますか。
○衆議院議員(細田博之君) 当然、厳しく対応すべきであると思っております。
○山下芳生君 続きまして、一つの施設の問題だけではなくて、地域振興という大きな目的全体がどのような効果を上げているのかということについて伺いたいと思います。 この刈羽村に対する電源三法交付金の交付実績、昭和五十三年度から平成十年度までの累計をお答えいただけますか。
○政府参考人(大井篤君) 累計で二百十五億でございます。
○山下芳生君 二百億を超える交付金が人口五千人程度の村におりているわけですよね。 〔理事保坂三蔵君退席、委員長着席〕 平成十年単年度だけ見ましても六十八億余りおりております。これはもう莫大な額ですね。 それで、どのぐらい地域が振興したのかということを少し私調べてみました。例えば、刈羽村における工業の出荷額で見ますと、平成四年が一億四千七百二十七万円、平成十年が一億三千九百八十七万円で、減っております。それから小売業の商店数、平成三年五十四店あったものが平成九年四十四店。販売額も三十六億から約二十五億に、これも大幅に減っております。農業、基幹産業ですが、従事者は平成二年二千十三人から平成七年一千六百四十七人、これも減っております。ことごとく刈羽村の基幹産業が衰退をしていっている。昭和五十三年度から約二十年近くにわたって二百億以上の交付金が交付されながら、一番大事な村の基幹産業がこういう状況になっている。 私はこれは本当の意味での振興には役に立っていないと言わざるを得ないと思うんですが、通産省、見解いかがですか。
○政府参考人(大井篤君) お答えいたします。 刈羽村につきましては、過去から二百億を超える交付金を交付して何とか地元経済の下支えというのをしているというのが実情であろうかと思います。 また、毎年毎年この交付金の予算をつくる過程におきましても、私どもといたしまして真に村おこし、地域おこしにつながるような予算はどういうものであるかというようなことを、他の地域において例えば成功した事例等をしんしゃくしながら、その運用に努めているというところでございます。
○山下芳生君 具体的にもう二十年近く出してこういう結果が出ているんですよね。今さらどういう効果的な運用があるのか考えるなんというのは、これはそこに無責任さがあるというんですよ。これはだれの金か。あなたの金じゃないんですよ。国民が負担している交付金なんですね、原資は。それがこういう数百億使われながら肝心かなめの地域の振興に効果がないじゃないかということが問われているんですよ。これは本当に深い検討が私は求められていると思いますね。 刈羽だけではありません。これは衆議院でも紹介しましたけれども、宮城県の女川町、基幹産業は漁業と水産加工業ですが、八〇年と九八年を比較しますと、製品の出荷額、漁業の水揚げは横ばいのままであります。漁業従事者は約千二百人減って半減しております。事業所数も半減しております。その結果、町民の所得も落ち込んで商業が成り立たなくなって小売商店の数は三百七十八軒から二百二十四軒、百五十軒減少をしております。 交付金を、まあじゃぶじゃぶという表現は余りよくないかもしれませんが、注ぎながらこういう状態が、一つ二つじゃない、大半の原発立地地域で起こっている。これは深い反省が求められていると思いますが、法案提出者に伺いますが、こういう地域振興、私は真の振興とはほど遠い実態にあると思いますが、この点についての御認識はいかがでしょうか。
○衆議院議員(細田博之君) まさにおっしゃいましたようなことが原発立地町村あるいは周辺町村から出されているわけでございます。 先ほど二百億という話がございましたが、これが大体十年ないし二十年というふうに長期にわたって支出されているわけでございますけれども、その額はやはり町村の必要な施設の一部に充てられる、本来その部分は一般財源等でやらなければならないような部分についても充てられている面がございます。 しかしながら、御多分に漏れず過疎地であり、しかも主たる産業である農林水産業は全国的なレベルで衰退をしておりますから、そしてまたほんの一部で商工業など立地をしましても、なかなか繊維産業など、地方でやっていきにくい、外国との関係でやっていきにくいというような状況も出ておりまして、過疎地の抱える問題点をそのままその原発立地町村も抱えているわけでございます。 したがって、そこだけの問題ではありません。例えばその町村の周辺を十町村ずつとっていただければ、そこのそれぞれの工業品出荷額、農林水産業の出荷額、そういったものが全部同じように減っておるわけでございます。そういった中から悲痛な声が出ておることは事実でございまして、せっかく自分たちが一生懸命国のため、エネルギー政策のためということで原発を立地しても、特に基幹的な公共事業などが進まないということも要望として受けているわけでございますので、むしろ、まさに今委員のおっしゃったことが地元の悲痛な要望であるということで、今回の法案を提出させていただいているわけでございます。
○山下芳生君 女川町の私どもの町会議員の方が実際、周辺地域と比べてみて、村の振興がどうだったのか、人口や工業、農業、漁業、比較をしたデータを私持っております。もうきょう一々紹介しませんが。周辺と比べても女川の方がかえって落ち込みがひどいという状況も出ているんですね、数字で見たら。だから、何のためにやっているのかということになっている。 それから、今発議者おっしゃいましたとおり、農業が大変だと。そのとおりです。それをどうするかということをまずやるのが政治の責任だし、繊維産業が大変な打撃を受けている、セーフガードを発動しない唯一の国となっている日本で、一方でそういう政治をやりながら、繊維が大変だ大変だと言って、その手は打たずに、こういう地域の振興に役立たない交付金をずっと交付し続けていることが果たしていいのか、やり方が間違うていないかということが私は問われているんだと思うんですね。まあこれはいいです。 その上で、法案の中身に入っていきたいんですが、そうしますと、今度新たに別の支援策をこの法律でつくるわけですが、どこがどう変わるのかということであります。 法案では、地域を指定して、そしてそこに地域の振興計画を策定させるということになっていると思いますが、計画というのはどういう内容になるんでしょうか。
○衆議院議員(細田博之君) 原発の立地市町村、どういう振興をしたいという要望が出ます。そして、どういうふうな公共事業をやりたい、あるいは産業の振興をやりたい、町として、まさに先ほど委員が御指摘のように、長期の発展のためにこういうことがやりたいという要請が出まして、それを都道府県が取りまとめさせていただきながら、その幾つかの市町村にまたがる計画を策定していくということになっておるわけでございます。
○山下芳生君 その計画の具体的な内容も法律に定められていると思いますが、どういう内容ですか。
○衆議院議員(斉藤鉄夫君) 県知事がそれぞれ関係する市町村及びその事業に関係する者から意見を聴取して振興計画をまとめることになっておりますが、その内容につきましては、第五条に、まず「振興の基本的方針」、それから二番目に「基幹的な道路、鉄道、港湾等の交通施設及び通信施設」、それから三番目に「農林水産業、商工業その他の産業の振興及び観光の開発」、それから四番目に「生活環境の整備」、五番目に「高齢者の福祉その他の福祉の増進に関する事項」、六番目に「防災及び国土の保全に係る施設の整備に関する事項」、七番目に「教育、科学技術及び文化の振興に関する事項」というふうな形で具体化することになっております。
○山下芳生君 今挙げられた中で、農林水産業、商工業の振興、高齢者の福祉の増進、教育、科学技術及び文化の振興等が振興計画の内容になっているのはなぜですか。
○衆議院議員(細田博之君) やはり当該市町村、周辺市町村も含めまして、山下委員が先ほど来おっしゃっていますようにあらゆる思いが募っているわけですよ。二十年間原子力発電所に協力してきた、そして交付金ももらった、いろいろなこともやってきた。しかし、地域の根幹的な問題、高齢化の問題や過疎の問題や産業振興の問題、若い人が出ていく、農林水産業も所得が低い、そういったことについてあらゆる思いがあるわけです。地域の振興のために何をやったらいいかということをもう一度考えさせてくれ、そしてそれが県知事においてもオーソライズされる、それがまた新しい組織によってオーソライズされるということがぜひ必要だという強い要請がございますので、いろいろな角度からこの計画の中に盛り込んでおるわけでございます。 したがいまして、これは例示的な中身でございまして、その地域が本当にやりたいことを優先的に盛り込んでいただきたいというわけでございまして、その点を御理解いただきたいと思います。 そして、決定するのは内閣総理大臣ということですから、非常に重いわけでございまして、むしろその地域あるいはその都道府県の意思を国としても尊重するといいますか、ぜひ頑張ってくださいという意味で振興計画を決定することになるわけでございます。それもそういう長年の地方の思いに対してこたえようということでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○山下芳生君 内閣総理大臣が決定する重い決定だ、地方の思いにこたえようとおっしゃるわけですが、そうしますと、そういう農林水産業、商工業あるいは高齢者福祉、教育、科学技術振興というものを計画の内容に決めましたら、どういう支援措置があるんですか。
○衆議院議員(細田博之君) いかなる都道府県あるいは市町村の計画でも、もう委員、つとに御存じのように、市町村の中ならばその財政の範囲内におきまして、自分の懐ぐあいを見ながら、何を優先的に支出すべきかということを決めるわけでございますし、自分の市町村の範囲だけでできないことは、県庁にぜひ我が市町村に県のお金を出してくださいということで頼むわけでございますし、県としては、いや、これは国の範囲内の問題であるからぜひ国からもお金を欲しいとか、そういうことで、全県が調整をして毎年度予算を作成している。市町村は市町村なりに、県は県なりにということでやっているわけです。 したがって、懐が急にこれで大幅に豊かになるわけではございませんが、しかし、その中でこういう計画にのっとっているものはできるだけ県内でも優先をしてくださいよ、あるいは国の予算配分でも優先してくださいよという姿勢を示したものであります。したがって、実利としては極めてわずかで申しわけないのでございますが、その中で、もともと配分しておるようなものの中で、このプロジェクトで防災に特に関係するものは五%ほどは上乗せしましょうという中身になっておるわけでございます。
○山下芳生君 結局、気持ちの問題のように私は聞こえましたけれども、法律に基づく支援というのは具体的にはないということですね、今申し上げた項目については。 そうすると、やっぱり具体的な補助率のかさ上げ、交付金の措置というのは、結局第七条でうたわれている道路でありますとか港湾でありますとか漁港でありますとか消防用施設でありますとか義務教育施設、具体的な支援というのはやっぱりこの項目に限られるということですか、この法律では。
○衆議院議員(細田博之君) この法律により具体的に支援が見られるのは、おっしゃったとおりこの例示事項、具体的な事項のみでございます。 あとはいわば精神的なものであったり、県の中での配分において、色をつけると申しますか多少優先される。つまり、ほかの地域があれこれと言わずに、その市町村になるべく優先的に配分する。しかし、これは県の判断の問題でございますから、あるいはその他は箇所づけの問題でございまして、予算というのも本当に大きなものは国が予算の中で決めますけれども、実際はその箇所づけにおいて配分されるわけでございますから、そのときに県の調整の中で若干その地域に配慮をするという姿勢を示したものですから、それは厳密に言うと、この法律の反射的効果であって、直接的な実額に反映するものではないということを御理解いただきたい。 したがって、この法案について新聞報道などでばらまきだ、公共事業だと言っているのは全くの誤解でございまして、その点を申し上げたいと思います。
○山下芳生君 いや、もう全く的を射た批判だと私は思っていますよ。 つまり、福祉だとか農林水産業、商工業にはこれはもう具体的な支援はないんですよ、この法律では。あるのは、結局、道路、港湾、漁港、そういう箱物なんですね。インフラなんですよ、補助のかさ上げがあるのは。結局これは、この法案ができて地域振興、地域振興と言っているけれども、私がさっき紹介しましたような基幹産業を支援するようなメニューはやっぱりない、精神的な威力しか。あるのはやっぱり従来型の土木事業、そういうことにはしっかりとかさ上げがされるということになるだけではないかと思うんですよね。そういうことをやっても地域の中が実際に活性化するのかということが、今全国の公共事業のあり方をめぐって問われているときに、またこんなことをやって、今までのやり方、交付金も真の振興に役立たない状況がもうずっと続いているのに、さらにそこから離れるような新たな私はメニューをつくるということになりはしないかと思うんですね。 それでもう一点聞きたいんですが、これまでの交付金には、いろいろパンフレットをいただきますと、交付限度額というのがあるんですね。通産省、間違いありませんか。
○政府参考人(大井篤君) お答えいたします。 交付金につきましては、交付金それぞれにおいて算定の数式がございまして、それに基づきまして交付の限度額というのが決定される仕組みになっております。
○山下芳生君 計算式いろいろありますけれども、原発の出力に応じた限度額になっているというふうに思います。 提案者に伺いますけれども、今度のこの法案に基づく補助率のかさ上げは、これは上限額、限度額というのは決めているんですか。
○衆議院議員(細田博之君) 決めておりませんが、要するに例えば道路でありますと本来の補助率がございますね。したがって、その道路がそもそも採択されるかどうかという問題があるわけです。放置しておると採択されるのかされないのかという問題もありますし、強い要請が出てきたときに、実は市町村の負担額というものが必ずかかりますので、なかなか貧しい町村も多いということから、自分の懐から見て負担をそこまではできないと思うものはおのずとこれまで消え去ってきておりまして、どんなに避難上必要な道路でもできないという場合もあるわけです。 また逆に、既に整備をされている、道路計画によって整備をされているところもあるわけでございますが、本当に必要なものでこれまでできていないようなところについては、五%のかさ上げと自己負担分の七割の補てんによって、非常に部分的な道路になるかもしれませんけれども、あるいはその他の施設になるかもしれませんが、それが多少やりやすいようにしようということでございます。 その原発のありようによってどの区間の道路を取り上げるのか、本当に災害避難、そういったことに必要な区間がどこであるのか、どういう港が必要でどういう小学校の避難所が必要であるかということは個別に見ていかなければならないということでございます。
○山下芳生君 やっぱり上限がないということなんですね。 私はそこを心配するわけですよ。今、公共事業のあり方、道路はそれは有用な道路ももちろんあります。道路を一概に批判する、否定するつもりは全くありません。しかし、つくったけれども使われていない道路がいかに多いか。そういうときに、こういう上限なしのかさ上げ措置が道路や港湾に改めてこの施策で盛り込まれることになりますと、そういうむだな公共事業を加速させることにもなるんじゃないかということを私は心配するものです。 ただ、もう一つ細田さんが今おっしゃったのは、原発の事故等のときの避難に役に立つ道路はどこなのかということを個別に審査すると、こうおっしゃいましたが、そうしますと、この五つの具体的な補助率のアップの対象になる事業というのは、そういう原発の事故等から住民の安全を守るために役に立つものでなければ支援しないということなんですか。
○衆議院議員(細田博之君) 考え方としてはそうでございます。やはり必要なものをやると。しかも、過去に整備しておるものをさらに追加的にやるわけじゃございません。しかも、何十キロもやってその町村から県庁所在地まで五十キロも整備するというふうな話じゃございません。日本の道路網もかなり整備されてきておりますから、その原発周辺のところで、非常に未整備でいざというときにはちょっと大変だなというようなへんぴなところを改良することが中心になると思っております。
○山下芳生君 安全に資するかどうかというものを具体的に判定する基準というのはあるんですか。
○衆議院議員(石井啓一君) 法案の第七条の中に「政令で定める」というふうにされておりまして、この法案成立後、政令策定作業の中で具体的に検討されることになりますけれども、例えて申し上げれば、安全確保の観点から、原子力発電施設等からどれだけ距離があるかという地理的な条件ですとか、あるいは住民の分布がどうなっているのかという社会的な要件、こういった要件を総合的に勘案した基準がつくられる、こういうふうに考えております。
○山下芳生君 距離的な基準だけでしたら、立地周辺地域ですから、これはもう入るのに決まっていると私は思うんですよね。実際にそこに港をつくれば、あるいは周辺地域に道路をつくれば、これは事故のときに利用されるのは当たり前なんですよ、ある意味では。したがって、こんなものは何の歯どめにもならないんじゃないかと。役に立つということを否定するわけじゃありませんよ。しかし、結局は限定なしの、上限なしのそういった道路だとか港湾などの促進というものにこれはなっていく危険性が大変多いということを指摘せざるを得ないと思います。 私は、今ずっと議論を通じまして、やはり原発政策そのものの立場が私どもは違います。世界の主要な国が原発からの脱却という方向に進んでいる中で、我が国だけがこれからも原発を増設する、あるいはプルトニウム循環方式にいまだにしがみついている。そういうことから脱却して、エネルギー効率の向上あるいは省エネルギー社会の建設、そして自然エネルギーの開発普及というものに思い切ってシフトをしながら、原子力発電から段階的に撤退をしていく。そういうことこそ今の時代の流れであって、そのことを全く反省せずに、地域振興の名前でさらにそういう原発を各地域にあるいは今ある地域に立地をしていくということは、もうそもそもその発想自体が私は逆転していると思いますし、同時に、その発想の是非はともかく、こういうやり方をやっても地元地域の発展には真に貢献していないという実態を、もういい加減に見直すべきだということを申し上げて、終わります。
○委員長(加藤紀文君) 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時二十七分休憩 ─────・───── 午後一時二十三分開会
○委員長(加藤紀文君) ただいまから経済・産業委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、梶原敬義君が委員を辞任され、その補欠として福島瑞穂さんが選任されました。 ─────────────
○委員長(加藤紀文君) 休憩前に引き続き、原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○福島瑞穂君 社会民主党の福島瑞穂です。 原子力発電所を引き受けたところになぜ特別な振興策をとるのですか。発議者お願いします。
○衆議院議員(細田博之君) これは長年の歴史も背景としてございまして、御存じのように原子力発電所立地の県、市町村に対しては交付金という形でお金が、交付金が出されておるわけでございます。しかしながら、何年たちましてもその地域の過疎化あるいは農林水産業の衰退、そして公共事業のおくれ、そういった問題があるということから、地域振興への非常に強い要請が全地域から出されておるということが一つ。 それに加えまして、今回の法律でお願いしておりますように、その地域のいわば安全対策といたしまして、公共事業の一部整備が必要であると、その点について五%の補助のかさ上げ等を行うものでございます。
○福島瑞穂君 今まで振興策をとって効果がないのであれば、一般会計からお金を出しても効果がないのではないですか。今のは納得できません。
○衆議院議員(細田博之君) お金の種類が違いまして、いわゆる道路、港湾等の補助金というのは一般公共事業で行われている補助金でございます。そして、補助金に対して、その裏打ちでさらに補助金を出すということはできません。制度的にこれは行政の整理、財政の考え方から見てできませんので、今まで出されておる交付金による補助等は、その地域の一般財源に充てられたり、あるいは特定の振興事業に充てられたりしてきておるわけでございまして、公共事業の分野に充てられておりません。 そこで、強い要請がございますのは、公共事業について非常に貧しい町村も多いわけでございますので、その分において、その市町村の負担を軽減するために補助率を五%かさ上げしてほしい、そういう要請が出ておるわけでございますので、その二つは完全に分離されておるわけでございます。
○福島瑞穂君 ちょっとよくわからないんですね。 今まで特別会計など、あるいは交付金で援助をしていた。そして今回、一般会計から公共事業にお金を出すから、今までの振興策は効果がなかったけれども、今度は効果があるということですか。今のだと公共事業ばらまきだというふうに私たちは言っているわけですが、まさに公共事業としてこれを行うということをおっしゃったということでよろしいんでしょうか。
○衆議院議員(斉藤鉄夫君) 今回の法律の目的の大きな柱の一つに防災対策がございます。 昨年、ジェー・シー・オーの事故が九月三十日に起きました。その後の秋の臨時国会で、福島議員にも御議論いただき御賛成をいただき、原子力災害対策特別措置法をつくらせていただきました。この原子力災害対策特別措置法でいろいろな防災について手を打っていくと国として明確な意思が示されたわけでございます。 ところが、この原子力災害対策特別措置法で手の届かない部分がございます。また、電源三法におきましても手の届かない部分がございます。それが公共事業です。そういう意味で、避難道路とか港湾等では防災上どうしても必要だと、そういうものに対してその防災上の措置をとる、これが今の法律的な枠組みの中ではできない。そのことについて、国としてそういうものについても原子力災害対策特別措置法と同じ精神のもとに、国の原子力防災に対しての意思を示したというのが今回の法律案の大きな柱でございます。
○福島瑞穂君 今回の法律は防災にのみ支出するのでしょうか。
○衆議院議員(細田博之君) 防災に資するような公共事業に限られております。
○福島瑞穂君 防災に資する公共事業についてお聞きします。 道路は入りますか。
○衆議院議員(細田博之君) 入ります。
○福島瑞穂君 港湾は入りますか。
○衆議院議員(細田博之君) 別表にございますところは皆入るわけでございますし、入っていないところは入りません。ただし、それは補助率かさ上げの部分についてでございますので、条文の別表をごらんいただきたいと思います。
○福島瑞穂君 素朴な疑問で、あらゆるものは防災であるというふうにおっしゃるのか、それとも基本的に公共事業があって五%分の上乗せは公共事業だとおっしゃるのか、いずれですか。
○衆議院議員(松下忠洋君) 本法案をよく読んでいただきたいと思うんです。 原子力立地のいろいろな厳しい情勢については、今、細田先生からお話ありました。現在あります電源立地勘定によるいろんな企業誘致とか電気料金の割引とか、そういうようなものはずっと今までやっておりました。それに加えて、今度は新しく原子力立地地域に対して公共事業等の追加的な特別措置を講じようというものがこの法案なんです。 その内容は、今、細田先生から話がありましたけれども、公共事業のうちの道路とか、港とか、漁港とか、消防施設とか、あるいは学校なんかの教育施設、そういうものについての立地地域の住民の生活の安全、そういうものに絞って今緊急に整備しなきゃいけないものというふうにしているわけです。ですから、道路なんかでいきますと、これは避難路とかそういうものをきちっと点検した上で整備していくというふうになるわけです。
○福島瑞穂君 矛盾しているのでお聞きしている、こちらは納得できないのでお聞きしているんですが、学校やいろんなものも入っていますね。これは防災なんですか、防災じゃないんですか。
○衆議院議員(松下忠洋君) 学校も教育施設の中に校庭とか運動場とかいろいろありますけれども、そういうものの中で地域住民の人たちの生活の安全ということを確保していくという立場に立って整備を進めていこう、その上に立って十分の五を十分の五・五にしていこう、そういうかさ上げの特例措置であるということなんです。
○福島瑞穂君 あらゆることを防災に含めているようでわからないんです。 では、端的にお聞きします。この法律にのっとって防災以外の点について支出はできるんですか。
○衆議院議員(細田博之君) 基本的には案件ごとによく見まして、防災上役に立つと認定されるもののみ支出されるものと考えております。
○福島瑞穂君 港湾も道路も学校も皆、空港も入りますか、空港、ダムも防災に入りますか。 〔委員長退席、理事保坂三蔵君着席〕
○衆議院議員(細田博之君) これは別表に入っておりませんので、それは入っておりません。
○福島瑞穂君 先ほど発議者は安全対策で必要だとおっしゃいました。もう一回冒頭の質問を繰り返します。原子力発電所を引き受けたところになぜ特別な振興策をとるのか。安全対策とおっしゃいました。危険だから振興策をとるんですか。
○衆議院議員(細田博之君) まずその前に、この法律は二つの面を持っておることを申し上げました。やや広く振興計画を定めたり、その地域を発展させるために、市町村と協議しながら都道府県知事が作成し、内閣総理大臣が決定するその地域の振興計画を定めるわけです。これはやはり長年原子力発電に協力していただいた市町村や地域の人たちの振興を本当に図らなければ、先ほども委員からも御指摘ございましたが、むしろ地方は、その地域はそう発達していないじゃないかと、農林業も商業も工業もどんどん落ち込んでいって、過疎化も進んでおり大変じゃないかということをおっしゃったわけでございますが、まさにそういった点は問題でございますので、振興計画というものでできる限り地域を挙げて、そして国もその振興を図っていこうという考え方が一方であります。 〔理事保坂三蔵君退席、委員長着席〕 それから他方、では具体的な措置となるとどうなるかと申しますと、公共事業のうちのまさに防災、避難、そういったものに関連する部分のみ五%のかさ上げや、あるいは交付税措置等によって措置をすることによって支援しようという二つの顔を持っておる法案であるわけでございます。
○福島瑞穂君 全国にはさまざまな地域があります。私の質問に対して手続的なトートロジー的なことしかおっしゃらないので、もう一回お聞きします。 今、原子力発電に協力をするのでとおっしゃいました。なぜ原子力発電所に協力をすれば振興策がもらえるんですか。
○衆議院議員(細田博之君) 原子力発電の促進というのはCOP3のときにも議論されておりますし、あるいは第一次オイルショック以来、あの過度の石油依存から逃れて日本経済を安定させ、国民の生活を安定させるためにも必要であるとの認識から原子力発電を進めてきておるわけでございます。 そういった国策に対して、原子力発電立地地域の方々の中には、なぜ巨大な消費地において原子力発電所を立地しないのかという強い発言もありますし、他方、自分たちの地域がどうしても発展しないじゃないか、公共事業一つ我々の地元に充実したものをつくってももらえないという非常に強い不満が長年にわたって、二十年以上にわたって続けられてきておるということも御理解をいただきたいのでございます。
○福島瑞穂君 やはりわかりません。原子力発電に協力をすればなぜもらえるのか。原発立地自治体には既に一兆円を超える交付金や補助金が落とされております。先ほどからそれで効果が出なかったといって、これからまた一般会計からなぜお金を出すんですか。世の中には公益的なもの、必要なものはたくさんあります。なぜ原子力なんですか。
○衆議院議員(細田博之君) 原子力に対する評価が全然違うようでございますが、原子力発電は、やはり私どもは、日本においてこの三十年間にわたって必要であり、地域の方々にお願いしながら建設を進めなければならなかったことでもあるし、それに加えてこれからもまだなお建設を進めなければならない、そういうものであるというふうに認識しておるわけでございますので、その点がどうも違うんじゃないかと。 御質問の中身を伺っておりますと、一切そういうものは必要ないというふうにも承りましたが、必要性を御理解の上そういう御質問をなさっているのであれば、もう一度理解をした上で聞いておられるということをおっしゃっていただきたいと思いますが。
○福島瑞穂君 私の質問は、なぜ原子力産業のみに国のお金をこれだけ出し続けるのか、四十年間お金を出し続けております。 では、お聞きします。特別会計の中から今まで原子力に出したお金は幾らでしょうか。──これは質問通告していますよ。
○政府参考人(河野博文君) お答え申し上げます。 電源開発促進対策特別会計のうち、原子力関係の予算を創設以来累計いたしますと約四兆円の予算になります。
○福島瑞穂君 二つの立地勘定と多様化勘定を合わせて特別会計が四兆円ということでしょうか。
○政府参考人(河野博文君) 立地勘定と多様化勘定の双方のうち、原子力関係の累計でございます。
○福島瑞穂君 防災とそれから高レベル廃棄物の処理のコストについてお聞きをいたします。 一九六〇年代に防災についての試算が出ております。それより新しい統計があれば教えていただきたいですけれども、防災について試算は幾らと見積もっていらっしゃるでしょうか。
○政府参考人(河野博文君) 昨年、通産省の総合エネルギー調査会の原子力部会に原子力のコストについての試算が提出されておりますが、このときの計算は、トータル五・九円パー・キロワットアワーという数字でございます。ただ、その中の防災について今ちょっと手元に資料がございませんので、後刻お答えさせていただきたいと思います。
○福島瑞穂君 一九六〇年代に防災が当時の試算は二兆円から三兆円というふうに私の記憶では思っております。当時の国家予算が約一兆円ですから、非常に巨額なお金が防災の試算として当時は出ております。 高レベル廃棄物についての、これは法律もできましたが、試算はお幾らでしょうか。
○政府参考人(河野博文君) その際計算をいたしまして、また国会で御承認をいただきました高レベル放射性廃棄物の処分に関する法律の際にも御説明させていただきましたいわゆる高レベル放射性廃棄物の処分費用は、キロワットアワー当たりで換算いたしますと〇・一一円ということに相なります。
○福島瑞穂君 それではわかりませんので、三兆円ほどということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(河野博文君) これは当時計算をいたしまして、処分地をつくり、そこに処分をしていく経済的な規模として約四万本ということを想定したわけでございますけれども、その四万本の処分をいたします施設の建設、処分費等々の概算が約三兆円だったと記憶しております。
○福島瑞穂君 つまり、高レベル廃棄物の処理、成立した法律にのっとっても三兆円ほど。 それで、万が一事故が起きた場合に国が負担する金額については最大限幾らでしょうか。
○政府参考人(河野博文君) これは原子力賠償法という法律でございまして、ちょっと私ども直接の責任外でございまして、大変申しわけございませんが、科学技術庁で監督をしております法律ですが、私の記憶をたどって申し上げますと、一定規模まではまずは当然のことながら事業者の責任でございます。まず第一義的にはこれは事業者の責任でございます。 しかし、余りにその災害の規模が大きいなどによりまして事業者が責任を負いかねるというような場合が生じましたときは、これはすべての責任を国が負担するということになっておりまして、今私の記憶ではそれに上限はないように思っております。
○福島瑞穂君 私が言いたかったのは、原子力発電に関する、電気料金という形で加算されるもの、それから税金という形で国民が負担するもの、合わせてどれも非常に巨額なわけですね。私の素朴な疑問は、政策の正当性の根拠として、なぜ原子力にのみ特にお金をじゃぶじゃぶと出しているのか。今回、特別会計のみでなく一般会計からもお金を出すようにするわけですね。今回の法律には金額について上限はあるのでしょうか。
○衆議院議員(細田博之君) 特にございません。 ただ、例えば道路一つとったときに、非常に山村あるいは漁村の地方の小さなところが多いわけでございますから、道路を何十キロもつくるようなことは考えておりませんし、既にちゃんとした道路があるところはそれでいいわけでございますから、支障があるところに限って、しかも地元の負担をした上、その計画が出てきたものについて取り上げていくということですから、むしろ金額的にはそれほど巨額なものになるようなことはあり得ないと考えております。
○福島瑞穂君 既に原子力に巨額のお金を四十年間投与して、今この二〇〇〇年の段階でまた一般会計からお金を出す法律を国会が拙速に審議していることに非常に驚きを感じます。御存じドイツは、中立性を保つ、原発推進のためにお金を出さないということを随分前に決め、今は脱原発を決めております。 そういう意味では、私の素朴な疑問は、天然ガスの問題や自然エネルギーやさまざまな問題があるのに四十年間何兆円、全部足すと恐らく十何兆になるかもしれませんが、先ほどの特別会計でも四兆円、これから起きる事故の場合だって上限がない。そういうことで、また一般会計の中から出すという法律をなぜつくるのかというふうに思います。政策の実質的な根拠があるのでしょうか。 次に、ラピカのことについてお聞きします。 先ほど山下委員の方からも質問がありました。御存じ七千五百万円の茶室とか、社民党はこれ視察に行っておりますが、えっ、これが七千五百万円というふうな、畳一枚が十二万円という、そういうものです。それで、この刈羽村ラピカ問題についてきちっと調査が終わるまでこの法案、交付金のことが大問題になっているわけですから、審議は慎重であるべきだと考えますが、いかがですか。
○衆議院議員(細田博之君) 先ほども議論しておりますが、ラピカその他交付金の運用の実態の適否については当然厳しく対応すべきですし、例えば畳の単価が十二万円が一万円になったというのはどういうことであるのか、それが不正に使われているのか、そうじゃなくて節約によるものなのかというようなことを十分厳重に調べるべきであると思います。 しかし、そのこととこのこととはまた違うわけでございますし、またドイツのお話がございましたけれども、ドイツは石炭を中心とする自前の供給が石炭火力だけで五四%もあるわけでございますし、アメリカの場合は南北アメリカも含めますと天然ガスあるいは石炭その他安定的な国内供給源が非常にたくさんあって、いわばその穴埋めとして原子力を使っているようなところがあります。フランスはもう大変な率で原子力発電比率になっておるわけですし、日本の場合は自前のエネルギー源が〇・三%しかございません。したがいまして、自前の石炭資源や天然ガス資源の非常に大きなアメリカやドイツなどと比較することはむしろ適当ではない。 日本が一番脆弱な国であるわけでございまして、オイルショックのときに我々は三年間にわたりまして五四・三%の物価上昇を見ました。昭和四十八年から昭和五十年までの間に五四%も消費者物価が上がって、これは、大体昭和三十年生まれ以降の方は働いておられない方が多いものですから、そういう方はオイルショックのことは実感としてないわけでございますが、当時労働組合におられた方は年に何回も賃上げ交渉をやって、年率二割、三割の賃金アップをしなきゃ生活が保障できないということで非常に苦労をした。 その経験、これでもう石油だけに、海外に頼ってはいけないという経験から、そしてその知恵として、原子力発電とLNG発電と石炭火力発電を充実してきて、今一〇%の石油依存度に発電の場合でなったわけでございますから、先人の努力、そしてこれは今第三次オイルショックとも言われる、バレル当たり三十五ドルまで高騰しているこの石油状況、中東も紛争があり、アメリカの冬が寒いなど、そういう事情でどんどん上がってきておって、アメリカも戦略備蓄を放出しておるような、こういうときのエネルギー対策として必要だということでやっておるわけでございますから、御理解をいただきたいと思います。
○福島瑞穂君 ウランも日本は輸入しているわけですし、石油を燃やして原子力発電所を動かしているわけです。 私の冒頭の質問は、なぜ原子力についてのみこのような手厚い保護を今の段階でするのかということのまだ、今循環でお答えになったと思います。 ところで、これまで実施された電源三法交付金事業すべてを洗い直す必要があると思います。ラピカの問題は氷山の一角で、ほかにも交付金で同じような問題があるのではないかと思いますが、そういうことをきちっとやってからこのような法律についての慎重審議をすべきだと考えますが、いかがですか。
○衆議院議員(細田博之君) おっしゃったことについて政府において検討せよということは私も反対はいたしません。現に自由民主党においても、あるいは各党もそうだと思いますが、将来のエネルギー政策、効率的な政策をするにはどうしたらいいかということについては大いに検討を進めておるところでございますから。 しかし、今問題になっておりますのは、これだけ地元が協力をし、やってきたにもかかわらず、公共事業の面では全くそういった手当てが実はないわけでございまして、地元が過疎のまま、そして交通不便なままおいておかれるという不満はある。その中で、せめてジェー・シー・オー事故で学んだいざというときの対策もきちっととらなきゃいけない、そのために必要な公共事業もやっておかなければならないという認識が出てきておるということを御理解いただきたいと思いますし、交付金はそれと全く別のものをやっているわけでございますので、それはそれで検討するということは結構だと思っております。
○福島瑞穂君 ラピカの問題は、交付金がまともに使われているのか、乱脈経営でやられているのではないかということを提起しております。ジェー・シー・オーの問題の提起は、きちっとしたマニュアルもなかった、みんなが中性子を浴びながら自宅への退避を命ぜられた、むしろ道路がないとかそういう問題ではありません。この法案については、私たちは公共事業のばらまきだという批判をしていますが、おっしゃることは公共事業をやるということだけでしかないじゃないですか。 それから、先ほどから地元の地元のとおっしゃいますけれども、結局、危険な原子力を押しつける肩がわりとしてお金を落とすということではないんですか。
○衆議院議員(細田博之君) ジェー・シー・オーで申し上げたことは、先ほど斉藤議員からもお答えしましたが、ジェー・シー・オーの問題はいろんな責任問題なり補償問題は別途ありますけれども、あれを契機に原子力の安全についてはより具体的な対応をとろうということであの法律を御審議いただき、通していただいたわけでございます。 したがいまして、安全の問題というのは全原子力発電所について十分対応すべきであるし、演習もきちっとやって、実際に今まではこれはほぼ安全なものであるから安全を前提としてというような議論もありましたけれども、それを万一の場合に備えて、万一あったらどういうふうな手順でどこへ逃げてどういうふうに災害時に対応するんだ、どの規模のときはどうだというふうなことを細かく対応策を決めておるわけでございますから、そのような新しい考え方に立ってやる必要がある。そのためにも、必要な公共事業があればそれを若干上乗せするという考え方でございますから、ジェー・シー・オーと全然関係ないと言われましたが、まず原子力発電所全体の安全もあの場で問われて、新しい法律もできておるということを御認識いただきたいと思います。
○福島瑞穂君 原子力安全行政ということで言えば、例えば第三者機関を設けるとか、もっと根本的に取り組むべきことがあると思います。非常に建前上は防災、安全とおっしゃりながら、答弁の中では公共事業、安全対策、地元の要請ということをおっしゃっていらっしゃって、それはまさに原子力発電所と引きかえのばらまき、やはり公共事業のばらまきではないかと思います。 次に、補助率かさ上げで一般財源投入の枠を突破してしまうことの問題点、税制上の不均衡課税、地方債、交付税で他の自治体が割を食ってしまうなどの問題点について、地方分権の考え方からはいかがでしょうか。
○衆議院議員(細田博之君) そういう角度から見るとそういうおっしゃり方になるんでしょうが、実際は原発の地元あるいはその隣接の地域の町村は極めて貧しくて、しかも人里離れたところにあるところが多いわけでございます。そういったところは自主財源もなく、ただ国の方でやってくれと言っても、そんな急に一級国道やら高速道路、道路公団による高速道路なんかできるようなところはほとんどないわけでございますから、やはり県負担、市町村負担の伴う道路を一キロとか二キロとか、そういうものを整備するというところが多いわけでございます。 それにしてもその負担をまた強いられると、そういうことについては、安全の見地から必要なものについては国の五%と、残りは起債して返していくわけでございますが、その七割はこの交付税措置をとろうという実にささやかな実は内容でございまして、当初は我々が議員立法をしようというときには、沖縄並みの九〇%は補助をして、そういった財源不足に悩む地方について何とか支援をしてあげようかという話も出たのでございますけれども、五%のかさ上げでとどまっておるということも御理解いただきたいと思います。
○福島瑞穂君 全国的には、繰り返しになりますが、過疎地もあれば、やはり人口の少ないところ、産業の少ないところ、財源の弱いところはたくさんあります。しかし、それを地方分権という観点からどうやって分散型経済、自律経済へできるのかどうかということが二十一世紀に問われているわけです。 今の答弁は、全国の中で原子力発電所を引き受けたところになぜ手厚くするのかということに、やはりきちっと答えてはくださっていないと思います。逆に言えば、私の考えでは六ケ所村にしろ、ほかのところもそうですが、行ってみますと箱物はあります。体育館やいろんな施設はあります。しかし、どんどん村は寂れていって分散型経済、地元は本当に荒れています。荒れるというか、人口は減っておりますし、自前の経済は弱くなっております。むしろ原子力発電を引き受けた結果……
○委員長(加藤紀文君) 福島さん、質問時間経過しております。手短にお願いします。
○福島瑞穂君 わかりました。 むしろ弱くなっていると思います。これは特別会計だけでなく一般会計からお金を出すというものですから、私は税金を出す国民の皆さんから幅広く意見を聞くこと、参考人から意見を聞くこと、公聴会を開くこと、きちっと議論することを強く要求して、私の質問を終わります。
○衆議院議員(細田博之君) 御質問の中には、本当に御苦労になっている原発立地市町村及びその周辺市町村に対してエネルギーの消費者としてありがとうと、もうその人たちのために電力が三七%こうやって昼日中からつけておる、冷房もつけておるという感謝の気持ちを何とかいただきたいと思いますが、その点をお願いしておきたいと思います。
○福島瑞穂君 はい。
○委員長(加藤紀文君) いや、もう終わりです。
○福島瑞穂君 でも、ちょっと一つお聞きしたい。
○委員長(加藤紀文君) だめです。もうだめです。
○福島瑞穂君 では、終わります。
○水野誠一君 私も、この法案提出の唐突さについて、他の委員と同じく驚きを隠し得なかったということをまず申し上げたいと思います。 この委員会では、最近だけでも使用済み燃料の中間貯蔵施設に関する法案あるいは高レベル放射性廃棄物の最終処理に関する法案、原子力災害対策に関する法案、そしてジェー・シー・オー事故とその後の対策についてと、原子力発電をめぐる審議を大変数多く重ねてまいりました。 私は、原子力発電の必要性そのものを否定するものではありませんが、その安全対策、コスト面の問題あるいは長期的なエネルギー源の求め方などの観点から、核燃サイクル構想についてはその全体のデザインがどうも描き切れていないんではないか、こういう点をたび重ねて何度も指摘をさせていただいてきました。 いずれにしても、エネルギー政策が本当に重要な国家戦略であるとするならば、それは国民の理解あるいは信頼構築をすることなしには成り立たない、あらゆる機会をとらえてきちんと公開された慎重な議論を行うことが不可欠であるという点は、恐らくこの法案提出者の皆さんも異論がないんではないかと思います。 今回の法案は、第一に原子力発電が我が国の電力安定供給に欠くことのできないものであることにかんがみ、その推進に資するためと書かれています。この目的は地域振興の一点であります。とにかく原発は大事だからこれからも拡張するという前提で、しかし立地対策が進まない、だから地域振興がもっと大事になる、だから補助金もかさ上げするという法案を、しかもこの会期末に駆け込み処理するようなやり方ではいささか短絡的ではないか。原発自体に対するうさん臭さを、これは国民が感じているうさん臭さですね、これを助長することにもなりかねない。エネルギー政策全体をどうかじ取りしていくかを議論すべきときに、私は大きなマイナスになるのではないかということを懸念している、これをまず申し上げておきたいと思います。 そこで、第一に法案の必要性について伺いたいと思います。 衆議院商工委員会の質疑を聞いておりまして、公共事業のばらまきではないかという委員からの質問に対して発議者が、法案第七条に書いてあるとおり、住民生活の安全確保のため緊急性のあるものを補助のかさ上げ対象とするからばらまきではないという答弁をなさっています。 しかし、混同していただいては困るところは、この法案は、タイトルから見てもわかるように、住民の安全確保法案ではないわけであります。補助のかさ上げが防災、消防施設整備に限らない幅広い事業を対象にしていることはこれまでの御説明からも明らかでありました。また、道路や港湾などの安全確保に資するとの理屈、これもわからないでもないんですが、それをのんだとしても、この法案名を立地地域の振興に関する特別措置法案と明記し、振興計画に基づいて事業が行われるとしているからには、地域振興に主目的を置いていることは揺るがない事実ではないか、そのことこそ提出理由の柱であると私は理解をしております。 その前提に立って、まず通産省に伺いたいんですが、通産省としても、今までもいろいろ質問ありましたけれども、これまでも原発立地地域の振興が非常に重要だということをたび重ねて説明を受けておりますが、さまざまな政策を講じてきたわけです。福島委員から幾ら今まで投入しているのかというような御質問もあったわけでありますが、どのような地域振興政策を講じているかを簡単に御説明いただきたい。また、例えば今年度においてはどれくらい関連予算手当てがなされているのか、この点についてお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(河野博文君) 通産省が行っております原子力を含めた電源地域に対します振興施策、これはいわゆる電源三法交付金制度が主体でございます。この制度は、昭和四十九年の制度創設以降、さまざまな情勢変化を踏まえながら場合により拡充をされ今日に至っておりますが、いずれにいたしましても、立地の進捗状況あるいは重点的に施策を講ずべき対象事業に応じた幾つかの交付金制度に分けられているものでございます。 概略を申し上げますと、例えば立地計画の段階から工事着工まで、あるいは運転開始あるいはその後に至るまで、こうした各段階に応じた交付金制度となっておりまして、初期にはいわゆる初期対策交付金、また工事着工後運転開始後五年までの間は立地促進対策交付金、また着工後運転終了までの間には域内の電気料金の割引などに充てられる立地特別交付金などがあるのでございます。 平成十二年度予算におきましてもいろいろな工夫をいたしておりますが、お尋ねの点に直截に答えさせていただいて申し上げますと、さまざまな使途の拡充、弾力化なども含めておりますが、立地地域振興策予算としては千三百二十億円を計上させていただいております。
○水野誠一君 法案提出者に今度は本法案の提出理由を伺いたいんですが、原子力はこういう理由で重要であるとか、地域振興は欠かせないといった一般的な説明は繰り返しほかの委員へのお答えで伺っておりますので結構であります。 私自身、先ほど申し上げたように原子力を全面否定はしておりませんし、地域振興の必要性も理解しておりますが、今の通産省の説明にあったような、従来の施策が不十分だということで今回こういう法案を出されているのではないかと思うんですが、具体的にどういった点を不十分として今回の法案提出に至ったのか、この点に絞ってちょっとお答えをいただきたい。 通産省はひとつその御答弁をよく聞いておいていただきたい。後でまた伺います。
○衆議院議員(細田博之君) 私の地元でもこのたび電調審の方に島根原発三号機をかけるという段階になっておるのでございますが、やはり当該町、そして周りの市及び町において、ジェー・シー・オー事故等の影響もあるでしょう、極めて強い反対といいますか抵抗があります。それは、みずからの安全の問題ではなくて、我々はもっと発展することができたはずだという思い、何年も原子力発電所の建設にも協力してきたし、そのことは国の大義名分としてもわかると理解しつつも、我々が今本当に国からしてほしいことは何か、もっと住民の周りのインフラ、安全対策等も含めて、振興計画というのはその中に入っているのでございますが、我々はもっと発展をしたいんだという強い要請が出たということが非常に大きな動機であることは事実でございます。
○水野誠一君 どうもさっきから伺っていてよくわからないのは、振興の重要性、これもわかります。安全確保、防災という意味の重要性、これもわかるんですね。ところが、その二つを何か無理に一緒にしようとしているんじゃないか。ですから、よく子供に注射を我慢したらあめをあげます、何か買ってあげるよと言っているような、何かそういう感じというのがすごくするんですね。それよりは、なぜ注射をする必要があるのかというようなことをもっと丁寧に説明して納得させる、その努力というものがどうもこの法案を拝見していても足りない、説明を伺っていてもそれが感じられないという感じがするんです。 これまた繰り返してもしようがないんで、通産省に今度は伺いたいんですが、この議員立法について、通産省はこの法案をよしとしているのか。恐らくよしとしているというお答えになるのだろうとは思うんですが、その上でさらに伺いたいのは、この議員立法がやろうとしている施策、これには今御説明のあったような点について不足があったということ、つまり通産省がやってきたことにやっぱり不足があったという認識をどうお感じになっているのか。それから、安全対策という点において従来の施策というものがやっぱり何か足りなかった、不足だったというふうにお感じになっているのか。その辺を、通産省の感想を伺いたいと思います。
○政府参考人(河野博文君) この法案に対します通産省の考えでございますけれども、これは午前中の質疑におきましても通産大臣から答弁をさせていただきましたが、こうした法案を議員提案でしていただいたことに感謝を申し上げるというのが通産省の立場でございます。 これまでの対策に不足があったか否かという点でございますが、先ほども申し上げましたような電源立地交付金を通じまして、地域の皆さんの生活レベルの向上ですとか、あるいは産業などの活性化にできるだけ努力をしてきたつもりではございますけれども、十分に地域の皆さんの御要望にこたえられていなかったという御指摘を受ければ、そういった御指摘も一つの御指摘として私どもは受けとめていくべきものだというふうに思っております。 それから、安全対策との関係でございますが、これも先ほど細田先生がお答えになりましたけれども、昨年ジェー・シー・オーの事故が起こりまして、原子炉等規制法の強化と並んで、いわゆる防災新法が国会で御承認をいただいたわけでございます。この新しい法律に基づきまして、先般私どもも防災訓練を島根県と一緒になっていたしましたけれども、各地域におきまして地域ごとの防災計画が今見直されているところでございます。こうした防災計画が見直されてまいりますと、従来にも増して、例えばこういう道路、こういう港湾をつくった方が地域の皆さんにとっては防災上も役に立つではないかという御意見が出てくることは十分あるだろうというふうには思っております。
○水野誠一君 何かよくわからないような部分がいっぱいあるんですが、次に、財政規模について法案提出者に伺いたいと思います。 法案には、第九条に、補助率のかさ上げと地方債の元利償還に対する交付税措置のほかに、振興計画を達成するために必要があると認められたときには、国は財政上、金融上、税制上の措置を講ずるように努めるとされております。また、財源は明示されておりません。 本法案による補助金の初年度、これは十三年度になるわけですが、予算を三十三億円とする試算があると聞いております。三十三億円が大きいのか小さいのか、これは判断は非常に難しいと思うんですが、どういう根拠でそういう試算になるのか、お示しいただきたいと思います。
○衆議院議員(細田博之君) 必要額三十三億円と書いてあるわけでございますけれども、大まかな試算でございます。 それは、本法案のかさ上げに関して、原子力発電施設等の立地市町村、隣接市町村において平成十三年度に見込まれる道路、港湾、漁港、消防施設、義務教育施設の整備のうち、住民生活の安全の確保に資することから緊急に必要があると認められるものと想定される事業規模を試算いたしまして、それに五%を掛けたものでございますけれども、実際はなかなか、全体ですべての立地地点で幾らであるという積算根拠があるわけではありません。 私、そこで衆議院でも御答弁申し上げたんですが、島根三号機で具体的に一市二町から県に向かってぜひこの事業をやってくれと言われた事業の規模は、さまざまな道路だ漁港の改修だというものを全部彼らの言いなりどおりを列挙しますと四百九十七億円ぐらいありまして、それを現行では半分程度補助されておると、実現した場合ですよ、としまして、それを全部採択したときに五%かさ上げをすると幾らになるかと考えると二十五億ぐらいになるのでございます、その全部を採択したとした場合ですね。しかし、その二十五億は、恐らく工事期間がありますから、例えば十年なら十年で整備をするとすると二億五千万ぐらいだし、五年で整備をすると五億円ぐらいなんですよ。一生懸命地元から出してきたものを全部入れても、それを五年間で全部やっても年間五億ぐらいのかさ上げなんです。 だから、そういったことも例示はまだ少ないんですね、ほかのこれからの各立地地点から出してもらわなきゃいけませんから。したがって、そういったものを勘案しながら計算すると三十億円台ぐらいであろうという数字でございますので、がっちり詰めた数字でないということを申し上げますが、一例として申し上げました。
○水野誠一君 まだ事業計画そのものが出ていないから計算できないということなのかと思うんですが、今、三十三億という試算には八条関係の交付税措置については含まれていないということなんでしょうか。またさらに、九条関係のその他財政措置については全くフリーハンドであるわけですが、だれがその予算規模を決め財源はどうするのか、この辺も原子力立地会議が判断するということなんでしょうか。
○衆議院議員(細田博之君) 委員も御承知のように、こういう小規模な公共事業は、大体県のレベルで箇所づけの中で対応されるわけですね。その中で、しかも市町村の中の優先度も決められて必要なものからということで県の中でも取り合いをする、そして市町村の方も自分の自前の負担分がありますから、それが十分払えるかどうか財政上のものを考えながら調整していくわけですから、いわば中での配分の要素が非常に強いわけでございますね。 したがいまして、一つは、交付税措置による手当てといいましても、これは地方債の起債を認められて長年にわたって返していくという金でございまして、そのまた七割と、三割はやっぱり自前で調達しなきゃなりませんので、地元のもうかなり窮乏化している町村でございますから、そのバランスで考えていく。何でもかんでも要求すればいいというものじゃなくて、必ず自分の方に天につばすることになって落ちてくる問題ですから、はっきりはしないわけでございます。それで、算定の根拠に入っているかというと、三十三億とこの問題は別ということでございます。 それから、原子力立地会議云々ということは、そういう細かいことまで決めるわけじゃなくて、あくまでも地方自治の中に任されていって、その中でより有利な優先的な地位が与えられるであろう、振興計画の中にも入っている地域であって、そしてぜひお願いしますというときに県の配分等の中で優先されるであろうということを期待しておるということだとお考えいただきたいと思います。
○水野誠一君 今、原子力立地会議の話が出てきているわけですが、これは総理を議長として、そのメンバーが、総務、財務、経済産業、国土交通、環境など八人の関係大臣をもって充てるとされているわけですが、この法律を適用すべき原子力施設立地地域を指定し、また知事が作成する振興計画に総理が決定を与えるときはこの会議を経るものとされているわけです。 大変重要な任務を負うと思いますが、そのほか会議の運営に関する事項は政令で定めるとされていて、衆議院商工委員会でも、地域振興計画を決定する総理主宰の会議は現行法上ほかに例がないという説明がされておりました。これを聞いていても何かよくそのイメージがわかないんですが、この会議がどんな位置づけの会議になるのかということがよくわからないんですね。 この大臣会議は何を基準に振興計画にお墨つきを与えるのか。例えば、衆議院の法制局が答弁の中で引き合いに出しています離島振興法では、地域の指定や計画の決定に当たって国土審議会の関与が明記されているわけであります。本法案では民間有識者の関与できる可能性はあるんでしょうか。 また、国民の信頼を構築するための情報公開、ガラス張りの意思決定を担保するためのスキームというのはどこに書かれているのか、ちょっとその辺がよくわからないのでお答えいただきたい。
○衆議院議員(西川太一郎君) 端的にお答えをいたしますと、この原子力立地会議のメンバーは、水野先生が御質問の中で御披露いただきましたような関係閣僚のみでございます。したがいまして、民間の有識者を加えるということにはなりません。 二点目の情報公開につきましては、ガラス張りで運営をするということになっております。
○水野誠一君 その辺は法案の中で担保されているんですか。運営はそうするというお答えはわかるんですが。
○衆議院議員(西川太一郎君) 法律にはその点は明記してございませんが、これを構成する各省庁の事務レベルにおいては確実にこのことを実行することを前提に法案を用意いたしましたので、それは御信用いただきたいというふうに思います。
○水野誠一君 どうもやっぱりこの会議のイメージがはっきりしないというのは、恐らく私だけじゃなくて各委員みんな共通しているんじゃないかと思うんですね。これは非常に重要な役割をする会議体であることは間違いない。しかも、大臣がずらっと並んで行う会議ということでありますから、大変これは原子力立地会議の持つ意味というのは大きいので、やはりその形あるいはその運用というものがあいまいであっては非常に私は問題があると思うんですね。ですから、この点はちょっとやはり今後とも関心を持って伺っていきたいなと思いますが、きょうは時間も余りありませんのでこの辺にさせていただきます。 それで、原子力発電そのものの方向性、安全対策の検証、世界の趨勢をにらむ我が国のエネルギー政策の全体像、あるいはこれも別の観点で非常に大きなテーマではありますが、公共事業の見直しとの絡み、あるいは地方分権と補助金行政のあり方、そして国の財政事情から政府の意思決定過程の問題まで、慎重に議論すべき点はこの法案一つとっても余りにも多いのではないかと私は思っております。 この法案に賛成するためには、いわゆるむだな公共事業と安全確保、または真に地域振興に資する事業との線引きを明確に担保するスキーム、明確な説明が不可欠だと私は思うのでありますが、どうもこの法案を見ていてその部分が全く感じられない、これがやはり私は一番大きな危惧を持っております。 そして、何よりも、国民の信頼と安心を構築できる原子力行政に資するものとは思いにくい今回の法案であると。国全体から集めた税金でむだな公共事業という批判にたえられるものとはちょっと思いがたいのでありますが、それよりも何よりも、やっぱり今回の法案審議が非常に時間がない中で拙速な審議で終わってしまうということ、これは私は本当に残念な思いを持っております。 賛否を含めて、私はまだ賛成すべきか反対すべきか実は決めかねているところでありますが、どうも発議者の先生方のお答えを聞いてもますます何かちょっと賛成する自信がなくなってしまっているというのが現状でございます。もう少し賛否は考えたいと思いますが、とりあえず私の質問はこれで終わります。 ─────────────
○委員長(加藤紀文君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、倉田寛之君が委員を辞任され、その補欠として岩城光英君が選任されました。 ─────────────
○委員長(加藤紀文君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 本案の修正について渡辺秀央君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。渡辺秀央君。
○渡辺秀央君 原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法案に対する修正案の趣旨を御説明させていただきます。 私は、ただいま議題となっております原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法案に対し、自由党を代表いたしまして修正の動議を提出いたします。その内容はお手元に配付されております案文のとおりであります。 修正の要旨は、第一に、法律の目的について、「原子力による発電の推進等に資するため、」の文言を削るとともに、地域の防災に配慮しつつ特別措置を講ずることとすること。 第二に、振興計画に定める事項のうち、「観光の開発に関する事項」及び「文化の振興に関する事項」を削るとともに、同計画の内容について地域の防災に配慮したものでなければならない旨を追加すること。 以上であります。 何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(加藤紀文君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○山下芳生君 私は、日本共産党を代表して、与党三党提出の原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法案に対する反対の討論を行います。 反対理由の第一は、本法案が電源地域の振興を理由にしていますが、実態は道路、港湾などむだの多い公共事業への上積みを意図したものだからであります。本法案に定める振興計画によって支援の対象になる事業は、基幹的な道路、鉄道、港湾などの整備に限られ、限度額の上限も定められておりません。 その一方で、地域振興に不可欠な産業の振興、高齢者福祉、文化の振興は名目だけで、実質的な支援策は定められていません。しかも、地方税の不均一課税など、地方財政をますますゆがめることになるからです。 反対理由の第二は、質問でも明らかにしたように、電源三法による交付金事業が電源地域の振興につながっていないにもかかわらず、真剣な再検討と反省のないまま原発推進にさらに税金を投入するものであり、断じて国民、地域住民の理解を得られるものではないからであります。 反対理由の第三は、本法案が、世界の流れにも国民の願いにも反して、原発を強引に推進しようとするものだからであります。 昨年のジェー・シー・オーの臨界事故、「もんじゅ」事故など、核燃料サイクルの節々で事故が続き、原子力、特にプルトニウム循環方式の危険性が明らかになり、国民の不安と批判は強まっています。また、欧米の主要国のほとんどが原発建設計画を持たず、プルトニウム循環方式からも撤退しています。こうした中で、原子力推進に固執する本法案は、世界の流れにも国民世論にも逆行したものであり、撤回すべきであります。 今、政治に求められるのは、本当にクリーンで持続性のある自然エネルギーの開発と普及であり、地域振興では、農漁業を初め地場産業の振興を軸にした対策であります。 なお、提出された修正案は、与党三党案のこうした本質的問題点を何ら変えるものではなく、賛成できません。 最後に、会期末に提出し、十分な審議もなく成立させようとする与党の強引な国会運営に強く抗議し、反対の討論とします。
○福島瑞穂君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、与党三党の議員提案によります原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法案に反対討論を行いたいと思います。 まず、反対の第一の理由は、この法案が原子力発電を促進し公共事業をばらまくという、時代に全く逆行している法案であるということです。今、公共事業については大変国民の目が厳しく、大変チェックが働いているところであります。二〇〇〇年のこの段階でなぜ公共事業をこのような形でばらまくのか、全く理解をすることはできません。 二番目に、原子力の問題があります。 今、提案者は、原発の立地が地球温暖化対策、とりわけCO2を一九九〇年レベルから五・六%削減するとした国際約束を守るために不可欠と主張されておりますけれども、果たしてそうでしょうか。京都会議で日本がCO2削減案として提示したのは原発二十基の増設と森林吸収でしたが、森林吸収については、先日まで開かれていたハーグのCOP6で日本の計算方法が世界各国から身勝手と非難をされました。日本がCOP6の合意を妨害したとさえ言われております。 また、原子力発電所は確かにCO2は出しません。しかし、事故の危険性と隣り合わせで、しかも何千年も何万年も消えない核のごみ、放射性廃棄物を出します。CO2のかわりに放射能を出すわけですから立地が進まない。今、世界に逆行するこのような法律を出すことは極めて問題だと考えます。 第三番目に、原子力に対するこのような税金の使い道が果たして国民のコンセンサスを得るかということが反対の理由です。 今まで特別会計の中から何兆円も原子力についてはお金が負担をされてきました。四十年間にわたり原子力産業には国の巨額なお金が出され続ける、電気料金という形あるいは税金という形で国の巨額のお金が国民の負担のもとで投入をされてきたわけです。新しい産業が揺籃期にあるときには、確かに産業の育成政策が必要な場合もそれはあるでしょう。しかし、四十年間にわたるこのような政策が果たして公平かということを国民はもう考えている、そのように考えます。 第四番目に、質問の中でも申し上げましたが、電源三法交付金事業についてはさまざまな問題点が指摘をされております。その定義が、具体的に事件を通じてされているにもかかわらず、その究明をきちっと待つこともなく、このような法案が今拙速で成立しようとしていることには激しい憤りを感じざるを得ません。 この法案は、国民の貴重な税金を使うわけですから、一般会計において財源、金額、制限は法律上何らありません。ですから、国民の声を聞き、せめて公聴会、せめて参考人の意見を聞くなど必要であるにもかかわらず、衆議院、参議院ともに一日だけで議論が打ち切られるということについては極めて問題だと考えます。 以上が私の反対理由です。
○委員長(加藤紀文君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 それでは、これより原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法案について採決に入ります。 まず、渡辺君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(加藤紀文君) 多数と認めます。よって、渡辺君提出の修正案は可決されました。 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部の採決を行います。 修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(加藤紀文君) 多数と認めます。よって、修正部分を除いた原案は可決されました。 以上の結果、本案は多数をもって修正議決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤紀文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(加藤紀文君) 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を議題といたします。 山下栄一君から発言を求められておりますので、これを許します。山下栄一君。
○山下栄一君 私は、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、無所属の会及び自由党の各派共同提案による自然エネルギーの導入促進に関する決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 自然エネルギーの導入促進に関する決議(案) 地球温暖化対策の推進及びエネルギーの長期的な安定供給の確保等を図るため、政府は、自然エネルギーの開発・導入に関し、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一 自然エネルギーの開発・導入を一層促進するため、必要な財政上、金融上及び税制上の措置等、各般の支援策の拡充に更に努力するとともに、エネルギー分野における自由化との整合性を図りつつ、自然エネルギーの促進に関する法制面の整備について早急に検討を行うこと。 二 自然エネルギー利用の意義等について国民的な理解を深め、余剰電力購入制度及びグリーン電力制度等の電気事業者による自主的取組が実効的に機能するよう啓発活動に努めること。 三 自然エネルギーに係る実用化技術等の研究開発を積極的に推進し、関連分野における国際競争力の向上に最大限努力するとともに、自然エネルギーの普及に向けたアジア・太平洋地域等への技術移転等の国際協力の強化についてより積極的に取り組むこと。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(加藤紀文君) ただいまの山下栄一君提出の決議案の採決を行います。 本決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(加藤紀文君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、平沼通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。平沼通商産業大臣。
○国務大臣(平沼赳夫君) ただいまの決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして、自然エネルギーの導入促進のための施策の検討とその実施に努めてまいります。 ─────────────
○委員長(加藤紀文君) これより請願の審査を行います。 第一二号脱原発への政策転換等に関する請願外六十六件を議題といたします。 これらの請願につきましては、理事会において協議の結果、いずれも保留とすることに意見が一致いたしました。 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤紀文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 ─────────────
○委員長(加藤紀文君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤紀文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤紀文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(加藤紀文君) 委員派遣に関する件についてお諮りいたします。 閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤紀文君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時三十三分散会