経済・産業委員会 第4号
- 発言数
- 176 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2000/11/16
会議録
○委員長(加藤紀文君) ただいまから経済・産業委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、続訓弘君が委員を辞任され、その補欠として但馬久美君が選任されました。 ─────────────
○委員長(加藤紀文君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 書面の交付等に関する情報通信の技術の利用のための関係法律の整備に関する法律案の審査のため、本日の委員会に内閣官房内閣内政審議室内閣審議官宮城勉君、同壺井俊博君、同古田肇君、警察庁長官官房審議官上田正文君、警察庁生活安全局生活安全企画課セキュリティシステム対策室長坂明君、金融庁総務企画部審議官藤原隆君、総務庁長官官房審議官藤井昭夫君、総務庁行政管理局長坂野泰治君、経済企画庁国民生活局長池田実君、文部大臣官房審議官玉井日出夫君、文部省初等中等教育局長御手洗康君、厚生大臣官房統計情報部長金子洋君、厚生大臣官房障害保健福祉部長今田寛睦君、厚生省社会・援護局長炭谷茂君、厚生省老人保健福祉局長大塚義治君、通商産業省機械情報産業局長太田信一郎君、労働省労働基準局長野寺康幸君、労働省職業安定局長渡邊信君及び自治大臣官房総務審議官林省吾君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤紀文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(加藤紀文君) 書面の交付等に関する情報通信の技術の利用のための関係法律の整備に関する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○本田良一君 私は、民主党・新緑風会の本田良一でございます。 まず私は、従来から特にこの委員会、そして予算委員会の審議などを通じまして、国家戦略としての産業政策の重要性を主張してまいりました。我が国が、高度経済成長が終わった後、安定成長軌道に円滑に移行し切れなかったのは、政府の政策の中において特に確固たる産業政策の位置づけが与えられてこなかったことからだと考えております。 この国会の冒頭、森総理が所信表明演説で、日本型IT社会の実現こそが我が国の競争力の強化を実現するためのかぎであると述べられました。我が国も、産業・社会構造の変革に向け、迅速な対応をしていかなければならないと言及されたのであります。私はこの言及について、やや遅きに失した感もありますが、この発言を納得しているというところです。 それはなぜかといえば、冒頭申しましたように、公共工事の前倒し、国会での、これは地方議会でもそうですけれども、それしか景気対策ではないようなことが長く続きました。だから産業政策を時の政権が打ち出すことが重要だと、これを言い続けておりましたけれども、今回初めて歴代数代の中でその所信表明演説があったわけです。私は野党でありますけれども、また今回のIT基本法が国会で、参議院も提案をされました。それに我が民主党からもその対案というべき指摘が果敢に行われたわけでありますが、この産業政策についてそういう与野党の論議がされることが今まで国会ではなかったわけです。私は、そこを意図するところが今回のIT基本法の提案ではないかと、そういうふうに思います。 このような視点で今回提出をされたIT書面一括法案を評価するに、これは我が国のIT革命の推進にとって、さらに我が国の産業・社会構造を変革していく上で極めて重要な法案であると認識をしております。IT社会は、法による環境整備が重要であります。それは、法の規制ではなく、緩和と自由競争を基本にしていなければなりません。 さらに、私はいつも日本は法律の後進国であると主張をしてまいりました。時代の変化とともにスピード感を持って法律が改正されていくことがこの国には期待できず、アメリカが法整備を行い、ヨーロッパが法整備を行い、その成果が定着をしてからやっとそれを日本は模倣して法律化をする、それが我が国のこれまでの立法でありました。歴史的には帝国憲法、そして最近はPL法を挙げることができましょう。そういう例はもう枚挙にいとまがないものがあります。 それに比べて今回の法律案は、欧米諸国に先駆けて書面の電子化についてその詳細なルールを定めるものであり、私は、調査を開始してから三カ月という短期間にこの法案を提出されたそのスピード感も実を言いますと評価するところであります。 二十二問の設問をいたしておりますから、これから七十分でございますけれども、少々私早口でこれを昨日どれくらいの時間か試してみたんですが、二十分かかりますから、その点答弁も行き着くところまでひとつお願いしたいと思います。 平沼通産大臣の方で先般提案をされましたこの提案の理由と経緯、これは十分示されておりますから、これを引き合いに出すことを省略いたしまして、まず質問をいたします。 通産大臣は、この法律案を取りまとめられて、どのような意義を認められているでしょうか。この法案の意義について、まず大臣にお尋ねをいたします。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをいたします。 まず、大変本田委員にこの書面一括法の件に関しまして御評価をいただきまして、非常に心から感謝を申し上げる次第であります。 一九九〇年代の半ばにインターネットが商取引に用いられるようになって以来、これまで通常の取引のあり方を制限してきた時間でありますとか、あるいは空間、形態、こういった障壁がネット上ではいとも簡単に乗り越えられる、そういうことが実証されてまいってきたところです。 歴史を振り返ってみますと、紙や電話の発明がさまざまな新しい事業を生み、産業や社会の仕組みをインセンティブを与えながら変化させていきました。インターネットの普及による社会への影響が急速に拡大するところが、まさにこういうことだと思っています。特に商取引の世界にもたらされた変化はほとんど戻ることができない、不可逆的と見られる、そういう変化をもって今まさに私たちの目の前でそれが展開をされている、こういうことだと思っています。 委員もよく御承知のように、我が国においては、現在インターネットの利用人口は全人口の二割強、約二千七百万人と言われています。これが、今の統計上、その数字が推移してまいりますと、二〇〇五年には六割強、すなわち約七千七百万人の人たちがインターネットを利用する、こういうことに相なって、急速な勢いでそれが伸びているわけであります。 他方、御指摘のように、我が国の法制度においては、まだ民と民の間の手続の義務づけについて、書面、すなわち紙によって行うことを強制している、そういう法律が多くあります。民と民の間の契約自体は電子的手段で行えるにもかかわらず、これらの法律が民間のIT化の阻害要因になっている、このことも指摘をされているところであります。 また、これらの法律は、その所管が多くの省庁にまたがっておりまして、個々の省庁の取り組みではその解決がなかなか困難であります。個々の省庁ごとに制度改善に取り組んだ場合には、制度が省庁によってばらばらとなって、かえって国民に不利益が及ぶ可能性もあるわけでありまして、情報通信技術の進化は地球的規模で急速に進んでおりまして、我が国がこの変化への対応におくれをとった場合には我が国産業の国際競争力が危惧される、そういう状況に立ち入る可能性すらあるわけでございます。 そこで、通産省といたしましては、本問題をやはり一気に解決をしなければならない、こういう考え方に立ちまして、内閣官房と御相談をいたしまして、七月十八日に全省庁に対して法律の実態調査を行わせていただきました。その結果として七省一庁一委員会の法律の主務省庁を特定いたしまして、これらの省庁に御協力をいただいて、今議員が評価をしていただきましたけれども、三カ月で法案の策定を行わせていただきました。 そして、十月二十日に閣議決定の上、総計五十本の法律を統一的な方針のもとに改正する、今御提出いたしている書面一括法案を国会で御審議いただいている次第でございまして、私といたしましては、こういった意義を踏まえて、一刻も早い御成立を日本型IT社会の実現のためにお願いいたしていきたい、こういうふうに思っております。
○本田良一君 今答弁をいただきまして、とにかく通産省がこのIT戦略では初めて官の中で先頭を切ってやるべき時代になったのではないか、こう思いますから、頑張っていただきたいと思います。 一応今、通産大臣の答弁の中にも前置きでありましたが、今からの二問の中にはその部分が入っております。 ITの振興は国民に利便性を与えていくものでなければなりません。本法案によって、これまで数多くの法律によって紙で行うことを強制されていた情報提供がインターネットなどの電子的手段によっても行えることになります。私は、この法律による規制緩和は、事業者だけでなく消費者も含めていろいろな面のプラスの経済的な効果をもたらすと考えております。もちろん、送り手と受け手の双方が同意した場合に限って電子的手段が認められるわけでございますが、定量的には言えないと思いますが、事業者、消費者など個々の経済主体にどのようなプラスの効果が生じるのか、通産省の見解をお伺いいたします。経済効果と申しましょうか。
○政務次官(伊藤達也君) お答えをさせていただきたいと思います。 経済効果についてのお尋ねでございますが、この法律は、規制緩和によって電子商取引の法的基盤の整備に大変貢献するものだというふうに考えております。したがって、この法律を施行することによって直接に経済効果が発生するものではありませんので、先ほど先生からお話がございましたように、定量的にその効果をあらわすということは大変難しい面があろうかと思います。 ただし、この法律を含めて電子商取引の基盤が整備され、その発展が図られる場合には、経済の各方面にわたって電子商取引の発展による経済効果が発生されることが十分に予想されるわけであります。 具体的には、まず企業にとっては、電子商取引の推進によって、その企業の生産性が相当に向上していくということが期待をされます。また、在庫の合理化が可能となり、在庫管理のコストを低く抑えていくことが可能となります。これに伴い、有効にIT技術というものを利用するこうした企業は、競争力を強化していくことが可能となります。 さらに、より直接的には、電子的手段を利用した製造業、こういった方々が、消費者の注文を受けて直接消費者に商品販売を行うといった新しい形のビジネスモデルというものをつくり出していく可能性があり、IT産業自体の規模の拡大というものも予想されるわけであります。 他方、消費者にとってどういうメリットがあるかという点でありますが、こうした電子的手段の利用によって、迅速に、自分に便利な場所と時間に企業からの情報を得るということができるわけであります。 さらに、これまでは、販売される商品やサービスに関しての情報は圧倒的に売り手が握ってきたわけでありますが、IT技術の普及によって、消費者が競合する他社の商品やサービスに関する情報そしてその評価というものを自由に収集できる環境というものが整ってまいりますので、これを利用すれば、いわゆる消費者の主権が拡大をしていく、そして新しい売り手と買い手の関係を構築することができる、こういったことが期待をされるというふうに思います。
○本田良一君 これは後でまた官と民のところでも質問したいと思います。 IT戦略を進めていく上で一番問題なのは省庁の縦割りであります。今回の書面一括法では、通産省が中心となって統一的な方針のもとで各省の法律を改正いたしました。いつも縦割りに執着をし問題になる官にしてはよくやったと思います。 この経験を生かして、IT国家戦略を立てていくときにも官庁間の横の連携を密にすべきと考えます。縦割りを克服できなければ国家戦略を立てる意味がない。これについてIT戦略本部副本部長たる通産大臣に決意をお伺いいたします。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをいたします。 世界規模で生じておりますIT革命のスピードに我が国が適切に対応していくためには、関係省庁が連携をいたしまして、新たな課題に果敢に挑戦をしていかなければならないと思っています。 IT国家戦略につきましては、先日行われました第五回IT戦略本部そして戦略会議の合同会議において、委員も御承知と思いますけれども、草案が示されました。一つ目は、超高速ネットワークインフラの整備及び競争政策、二つ目は、電子商取引ルールと新たな環境整備をしていこう、三つ目は、電子政府の実現を図ろう、四つ目は、当然のことではございますけれども、人材育成の強化をしていこう、こういったことが重要分野とされておりますけれども、委員御指摘のように、いずれの分野も郵政でありますとか建設でありますとか公正取引委員会などの複数の省庁にまたがるものでありまして、その密接な連携を図ることが五年以内に世界最先端のIT国家となるためには不可欠だと思うわけであります。 御指摘のとおり、従来は縦割りでございましたけれども、こういった急速に進展するITの進捗状況に対応するためには、やはり横の連携を密にして、そして果敢に挑戦的な姿勢で臨んでいかなければならないと思っております。 高度情報通信ネットワーク社会形成基本法案においても、総理大臣を本部長にした高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部を内閣に設置することが盛り込まれておりまして、各大臣が結集をして、そして横の連絡も密にしながらIT革命に臨むということに相なっております。 IT戦略本部の副本部長を務めます私といたしましては、この書面一括法のときもそのようにさせていただきましたけれども、政府一体となってITの国家戦略の実現が図られますように全力で努力をしていきたい、このように思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○本田良一君 決意をありがとうございました。 これからは消費者保護について御質問をいたします。 先ほど答弁の中にもありましたが、消費者の利便性もある半面、今回の書面法は大変消費者保護が重要になってまいります。 法律が書面交付を義務づけている理由の一つには、当事者間で紛争が生じるかもしれない事項について記録を保存して、後日トラブルが生じたときに備えるいわゆる保存機能が挙げられると考えられます。 この点、書面は長期保存が可能であるが、電子的な媒体については機械のトラブル、アクシデントがあったりすると消失をしてしまうおそれがあるのではないかと思います。電子的媒体の場合でも、書面と同等の保存機能が担保されるのが重要と思いますが、見解をお聞きします。
○政府参考人(太田信一郎君) お答えいたします。 委員も御案内のように、電子的手段による記録はコンピューターに備えられましたハードディスクあるいはフロッピーディスクなどの磁気記録媒体に記録されます。そういうことで、コンピューター本体の機器のトラブルやアクシデントによりましてこの磁気記録自体が消失する可能性は極めて小さいと考えております。 また、磁気記録の場合、御案内のように、磁気テープや光記憶ディスクなどにバックアップを保存するというのが非常に容易になっておりまして、このようなバックアップさえしておけば、仮に万一機器のトラブルやアクシデントによってデータが消失した場合でも情報を復旧することができます。このバックアップにつきましては、最近では自動的にバックアップを行うソフトなども市販されておりまして、中小企業者だけでなく個人においても定期的に記憶装置全体のバックアップをとることが大変容易になっているところでございます。 さらに、保存の問題でございますが、電子的記録による保存のみでなく、受信者側で書面、まさに紙による保存も行うことができるように、電子的方法による送信を、例えば事業者が行う際には、受信者側、消費者が電子的記録をプリントアウトする、出力することによって紙を作成できる方法をとらなければならないことを省令で義務づけたいと考えております。これによりまして、情報を印刷して紙媒体とすることも可能となりますので、私どもとしては、電子書面の保存性については書面に比べてまさるとも劣らないというふうに考えているところでございます。
○本田良一君 それでは、自信を持った答弁でございますから、よろしくお願いします。 次に、今回の法律案では、実需があるものについては携帯端末を認めることとなっております。ところが、携帯端末の場合、次世代はともかく、現段階の携帯端末には送られた内容を記録するのに十分なファイルが備えられていないと思います。したがって、ファイルに記録された情報を紙として印刷をして保存することもできません。もちろん、携帯端末を利用することは消費者側の承諾がある場合でありますが、やはり送信をされた内容は保存をされて消費者が見られるように、当面は携帯端末については特段の消費者保護措置を導入するべきと考えますが、いかがでございますか。
○政府参考人(太田信一郎君) 委員御指摘のとおり、今の携帯端末については、少なくとも現在の技術ではファイルの容量が極めて限定されております。送られてくる情報を端末内のファイルに保存することは難しい状況にあります。 したがって、通産省としても消費者保護のため、現行の携帯端末について、実需がある場合ということを認めたいと思っておりますが、その場合においても必要な要件を加重する、つけ加えるということが必要と考えております。 具体的に申し上げますと、本法案におきましては、情報通信技術を利用する方法を主務省令で、各省の省令で特定することとしておりますが、携帯端末について規定する際には次の要件をつけ加えるということを検討したいというふうに考えております。 第一に、送り手側の電子計算機に個々の受け手側の消費者専用のファイル、顧客のファイルを作成して、このファイルに書面に記載すべき事項を記録することをまず義務づけます。 それから第二番目に、そのファイルがいつでもその顧客、消費者側の携帯端末から閲覧できるような措置を送り手の側がきちんと講じることを義務づけたいと考えております。 それから第三に、そのファイルがトラブル等の蓋然性が、いろんなトラブルがあり得る可能性があるわけでございますが、その蓋然性があると判断される一定の期間、適正にファイルが見られるようなことを義務づけたいということによって消費者の保護を図っていきたいというふうに考えているところでございます。
○本田良一君 次は、今回の法律案は我が国の法制度では新たな取り組みであることもあり、法律の施行当初は消費者の方々もいろいろとわからないことがあり、トラブルが生じることが想定をされます。私は、そういうときに相談に行ける窓口をぜひとも準備していただきたいと思います。これも通産省の見解を。
○政務次官(伊藤達也君) 先生御指摘のとおり、この法律を施行するに当たって、相談できる窓口をしっかり準備していくことは大切だというふうに私たちも考えております。 そこで、この法律を取りまとめさせていただいた私ども通産省としては、この法律の施行後も、この法律に関係して各省庁からの問い合わせにお答えができるよう窓口を特定して、そして周知をしていきたいというふうに考えております。 さらに、五十本の個々の法律の運用を担当する窓口についても、関係省庁にお願いをさせていただいて特定をしていただき、当省の窓口と合わせてリストを作成し、そして周知をしていきたいというふうに思っております。 また、消費者の方々に向けては、通産省において、本省及び各地方の通産局に設置をされている消費者のための相談室において、消費者の方々からの直接のお問い合わせやあるいは相談に積極的に対応できるよう、体制を整えていきたいというふうに考えております。 さらに、全国に四百十二カ所ある消費生活センターにもお願いをいたしまして、この法律の内容をよく理解していただくとともに、通産省及び関係の省庁の法律施行の窓口のリストも配布をさせていただいて、センターの日常の業務の中で消費者の方々の相談に十分に対応できるように体制をしっかりと整えていきたいというふうに考えております。
○本田良一君 これ、今から二つも消費者保護のことですが、一括お願いしたいと思います。 電子商取引が活発になると、消費者の無知やふなれにつけ込む悪質な業者が参入してくるおそれもあります。消費者向けの電子商取引に参入してくる業者の信認性を確保するため、マーク制度が必要だと考えますが、いかがでしょうか。 それからもう一つは、インターネット時代の進展に対応して、通産省として消費者保護策をどのように進めていかれるのか、見解を両方とも通産省にお伺いします。
○政務次官(伊藤達也君) インターネット通販では、代金を支払ったが商品が届かず事業者が雲隠れしてしまった、こういったトラブルが見られることから、事業者の信頼性について消費者が判断するのに役立つ適切な情報が提供される、こうしたことが大変重要だというふうに思っております。このため、御指摘のようなマーク制度、すなわち適切な消費者保護の取り組みを行っている企業を一定の基準のもとに認定をして、そしてマークを付与する制度が極めて有効だというふうに認識をしております。 このような観点から、海外でも例えばアメリカではBBBオンライン、イギリスではトラストUKといったマーク制度がスタートしておりますが、我が国でも本年の六月から社団法人日本通信販売協会及び日本商工会議所が共同でオンライン・トラスト・マーク制度の運用を開始したところであります。同制度では、運用開始以来、既に約三百五十社の企業が審査を経て、そしてマークを取得したというふうに聞いております。 そして、消費者保護策についてでございますが、電子商取引は消費者にとっても大きな利便性をもたらすものであり、その発展が望まれておりますが、一方でその進展に伴い消費者トラブルも近年急速に増加しております。その健全な発展のためにも適切な消費者保護策を講じなければならない、先生の御指摘のとおりだというふうに思います。 具体的には、無料と思ってクリックしたら有料だったといったクリックミスによる誤った注文などのトラブルや、マルチ商法や内職・モニター商法の誇大広告など、インターネットを利用した悪質商法によるトラブルというものが大変多く見られます。これらの問題に対応するため、今回の臨時国会で成立した訪問販売法の改正法において、事業者に対する申し込み画面でのわかりやすい表示の義務づけやマルチ商法等にかかわる誇大広告の禁止の規制が盛り込まれたところであります。 また電子商取引は、技術やニーズの変化とともに日々変化、進展していくものであり、法規制だけではなくて、民間による自主的な対策も含め総合的な対応を柔軟かつ機動的に講じていくことも大変重要であります。具体的には、先ほど指摘をさせていただいたオンライン・トラスト・マーク制度やガイドラインの策定、普及、そして消費者団体による情報提供や相談受付等、多面的な対策が推進されているところでありますが、政府としましても、これらの取り組みについて推進、支援をしていきたいと考えておるところでございます。
○本田良一君 今、私はこの消費者保護について五点申し上げました。衆議院の討論を聞いてみますと、大体この法案で消費者保護のことが大半だったと聞いておりますので、今その中で特定なことを五つ申し上げたところです。これからの各委員の質問にも多々あろうと思いますので、消費者保護についてはこれで終わりまして、次に行きたいと思います。 今回の法案の最も紛らわしい点をここで押さえておきたいと思います。 今回のIT書面一括法案の性格づけについてここで確認をしたいと思います。 中には、今回の法律は民と民の間の売り買いの契約自体を定めるものであり、この法律によってネット上で売り買いの契約が初めてできるようになると誤解をされている方がいらっしゃると思います。こういう方々にしてみると、売買契約を定めるものであるから、消費者のために十分な規制を行わないと不安であるということになるだろうと考えます。 しかしながら、事実は、我が国の民法はもともと当事者間で合意する限り、書面であろうがインターネットであろうが、あるいは口頭であろうが自由に契約を結ぶことができるものであります。もともとインターネット上の契約は認められているわけであります。それにもかかわらず、その契約の前や後ろに事業者が行わなければならない書面による情報提供義務が定められている規制法があるために、全体としてはインターネットで手続が完了しないことが問題であること、したがって、今回の法案でその情報提供はインターネットで行えるようになるということが、この点の理解を関係者に持っていただくことが重要だと考えます。 そこで、この法律案の性格について、通産省に確認のため説明をいただきたいと思います。これだけの情報提供義務があるという法が、ここにたくさん資料でいただきましたが、このことが誤解をされておりますので、よろしくお願いします。
○政府参考人(太田信一郎君) この法律案の性格について御質問いただきました。御説明をさせていただきたいと思います。 今、本田委員御指摘のとおり、我が国の民法は、売り買い等の契約自体については当事者間の合意によって意思表示を伝達する手段を問わないことになっております。したがって、書面契約書を交わすか、あるいは電子的手段であろうが、あるいは口頭であろうが、従来より自由に契約を結べることとなっております。これは、現在でもパソコンを使ってまさにインターネット上で商品の売り買いの契約を結べるということからも御理解いただけるのではないかと考えます。 他方、契約自体は電子的手段で行えるにもかかわらず、今委員御指摘のように、契約の前後で情報提供等の手続的義務を書面で行うことを義務づけている法律が多く存在しております。これは消費者保護等行政的なニーズから義務づけているわけでございますが、ただ、その結果、電子的手段で一連の商取引を完結することができないという点が電子商取引を阻害する面があるのではないかという指摘が従来からされているわけでございまして、この点を一括して解決しようとするのが本法律案のまさに眼目でございます。 したがって、今回の法律案は、個々の規制法に基づくそのような民と民との間の書面の交付あるいは書面による手続について電子的手段を許容しようとするものであるというのがまさに法律の性格であるというふうに御理解いただきたいと思います。
○本田良一君 電子商取引のための基盤整備としては、さきの通常国会で電子署名認証業務法が成立をし、来年四月一日に施行されることとなっております。 この法律と本法律との関係をお伺いいたします。通産省に。
○政府参考人(太田信一郎君) 御指摘のように、さきの通常国会で御審議いただき、この五月に成立、公布されましたいわゆる電子署名認証業務法、今来年の四月一日施行を目指して関係各省で政省令の準備をしているところでございますが、この電子署名認証業務法は、一定の電子署名について手書きの署名あるいは押印と同等の効果を与えて電磁的記録が真正に成立したことを推定する規定を設けるとともに、電子署名を行った者に関する証明を行う認証事業について、利用者の信頼性の目安として任意的な認定制度を導入したものでございます。 この法律によりまして、電子的な方式で民事上の契約を行う当事者は、従来の手書きの署名あるいは印鑑を用いて行う契約と同様の信頼感を持って民事上の契約を締結する手段を得たということになります。他方、売り買い等の民事上の契約自体は、当事者間の合意により、もともと電子的手段を用いて行うことも先ほど申しましたように可能でございます。 今回の書面一括法は、契約の前後に、委員御指摘のように、まさに契約の前とか後に情報提供等の手続的義務を書面で行うことを義務づけている法律が多く存在しており、その場合、電子的手段で一連の商取引をすべて完結することができない点が電子商取引を阻害しているとの指摘があったため、当事者の合意がある場合には書面による手続にかえて電子的手段を利用することを認めようとするものでございます。 このように、電子署名法はまさに契約自体の信頼性を高める、手書きの署名なり押印と同じような効果を持たせるというところに意味があった。今回の書面一括法は、契約の前後に契約の内容等を相手に知らせるというのを、相手方の同意がある場合に書面にかえて電子的手段によるということでございます。 そういう意味で、適用場面を異にします。両方相まって、まさにEコマース、電子商取引が発展していく上で不可欠なルールになるというふうに私ども期待しているところでございます。
○本田良一君 ありがとうございました。 次は、三点ほどもう一括でいきます。 今回の法案では五十本の法律を一括して改正しようとしておりますが、この五十本が実際にビジネスを行おうとするときに書面による手続の義務づけが課せられる法律のすべてではありません。政府が八月三十日のIT戦略会議に提出をした資料を見ると、民間における取引において書面による手続、交付を義務づけている法律は八十三本となっております。今回の法案で改正対象とした法律の選定基準についてどのようになっているか、お伺いをいたします。 次に、衆議院商工委員会の審議における政府答弁によると、契約をめぐるトラブルが現に多発するなど、書面の代替が困難な法律として書面一括法の対象にしなかった法律の中に、薬剤師法、医師法、歯科医師法が挙げられております。私は、医療の分野こそがIT化が進めば消費者に利益が生じると考えますが、なぜこのような医療の分野の法律を除外したのか、厚生省の見解をお尋ねいたします。 これはなかなか難しいということはよくわかります。わかりますけれども、ここをやっぱりIT国家戦略を目指すのであれば、インターネットでこれができるようにやることが私はこれからのいわゆる経済効果、そして人間の行動範囲、そういうものを安易にすると思いますので、お願いをしたいと思います。 また、電子商取引は今後の情報通信技術の発展や消費者の意識の変化に伴い不可避の流れとして進展していくものと考えます。 そこで、何らかの理由により今回の書面一括法の対象から除外をされた法律についても、技術の発展や消費者意識の変化などを見つつ見直しをし、大丈夫なものについては電子的手段を認めていくことも検討すべきではないかと考えますが、将来の法改正によりその余地は残っていると理解をしておりますが、いかがでございますか。
○政務次官(伊藤達也君) まず、私の方から今回の法律の改正の対象になりました法律の選定基準についてお話をさせていただきたいと思います。 具体的には四つの類型に該当するものについては対象から除外をさせていただきました。 その類型でありますけれども、まず第一番目は貸金業規制法、商品取引所法等、契約をめぐるトラブルが現に多発する等により、書面から電子的手段への代替が困難と見られるものの類型であります。二つ目は、借地借家法等、公証人の面前で作成されなければならない公正証書を要求しているものであります。三つ目は、国際条約に基づいて書面が要求されているものであります。これは、具体的には国際海上物品運送法です。四番目は、質屋営業法等、取引が相対で行われる等により、電子取引が行われる可能性のないものであります。 これに加えて、商法のように、本法とは別に既に法改正が予定されているものについては、この法改正によって対応をしていきたいと考えているところであります。
○委員長(加藤紀文君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(加藤紀文君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(平沼赳夫君) それでは、電子商取引の問題についての御質問にお答えをいたします。 本田先生御指摘のとおり、電子商取引は今後の情報通信技術の発展や消費者意識の変化等に伴いまして不可避の流れとして急速に進展していくと考えられております。そして、それがさらなる技術の発展や消費者意識の変化をもたらす可能性が大きいと考えております。 したがって、御指摘のとおり、いずれかの理由により今回の一括法の対象としなかった法律についても、消費者の意識の変化あるいは技術の発展、商慣行の変化等を勘案して不断に見直しを行っていく必要があると考えております。そして、見直しの結果、将来的に個々の法律の改正により電子的手段を認めることも十分にあり得ることだ、こういうふうに思っております。 通産省といたしましては、御審議を今していただいております書面一括法案を成立させていただき、これを円滑に施行する努力を行うことでさらなる制度改正を行って電子的手段の導入を拡大する環境を整備してまいりたい、このように思っております。
○本田良一君 それでは、次に行きます。 衆議院商工委員会における本法律案の審議において、民主党の後藤議員が、民間における書面の交付あるいは書面による手続の義務づけは法律に基づくものだけでなく、政省令で規制を行っているものもある。これらについても同様に電子的手段を認める改正を行うべきとの質問をさせていただき、これに対して通産大臣より前向きな答弁をいただいているところであります。 政省令であるから法律案が国会で成立をしない以上は作業にかかれないというのが建前だと思いますが、緊急性を要する問題でありますので本日のこの委員会の提案となっていると思います。まだ採決などされておりませんけれども、あえて質問をいたしますが、今後の政省令の整備に当たっての大臣の決意と具体的手順についてお伺いをいたします。
○国務大臣(平沼赳夫君) 本田先生御指摘のとおり、衆議院の商工委員会におきます審議におきまして、私は、民間における書面の交付あるいは書面による手続を義務づけている規制は法律に限らない、今御指摘の政省令によって書面の交付を義務づけられているものについても電子商取引の妨げとなり得るという点については法律と何ら変わらない、こういう御答弁をさせていただきました。したがって、政省令についても改正を図ることが必要と認識をいたしております。 そこで、政令について申し上げますと、書面手続の義務づけを行っているものについては今回の法律に倣って一括政令を制定し、本法律の施行を予定する来年四月一日に同時に施行をさせていただきたいと考えております。この点は、既に通産省と内閣官房の連名で全省庁に通知をいたしました。協力要請をしているところでございます。 そこで、具体的な手順でございますけれども、本法律案の作成のときと同様に、全省庁に対しまして、書面の交付を義務づけている政令をすべてリストアップする、そのように既に調査を依頼いたしました。今後は、内閣官房と共同して調査結果を精査いたしまして、一括政令の制定範囲を早急に確定していきたい、このように考えております。 また、省令につきましても、政令と同様、書面の交付を義務づけている省令をすべてリストアップするように既に同様に全省庁に対して調査を依頼しております。そして、これも内閣官房と調査結果を精査させていただきまして、政令に準じて来年の四月一日に改正をしていただくよう、全省庁に要請を行う予定であります。 こういった形で積極的に対応してまいりたい、こういうふうに思っております。
○本田良一君 今、全省庁に大臣の方からやられるということでございますが、今回の法案提出に当たりまして、これだけの各省庁にまたがるものを通産省では、省庁が少し鈍いのを、みずから一つ一つ各省庁の法律をチェックしてリストアップして今回の法案提出になったという経緯を聞いております。今回の通産省のそういう努力は、一つの大きな今まで歴史的にない、他省庁の法に対して関与をしていただいた、そのまた意思の結集に敬意を表するところであります。省庁がみずからもそういう法案提出には協力をする体制をひとつこれからとっていただければと思います。 それから、今回の法案が改正の対象としているのは民間における書面の交付あるいは書面による手続を義務づけている法律であり、これからの電子商取引発展の観点からも最も早急に措置をしなければならない制度改正であると思います。ただ、この法案で取り上げた企業間あるいは企業と消費者の間の規制の問題に加えて、政府に対するさまざまな申請手続を書面で行わなければならないことに対する不満や負担感も相当強いように感じます。私はこうした声にも早急にこたえることが必要であると考えており、電子政府の早期実現が急務であると考えております。 民から官への申請手続は約一万件にも上ると聞いておりますが、その電子化についてのこれまでの取り組み状況と今後のスケジュールについて、まず本件の取りまとめをしている総務庁にお尋ねをいたします。特にきょうの民主党のIT戦略のPTでも電子政府の取り組みについての質問がかなり出たということでありますから、これから電子政府の国家戦略について重要なことになりますので、総務庁の見解、強い意思を求めたいと思います。
○政務次官(海老原義彦君) 申請手続の電子化につきましては、政府の基本方針として、ことしの三月末に「申請・届出等手続の電子化推進のための基本的枠組み」を策定いたしまして、これに基づいて策定される省庁別のアクションプランに沿いまして、原則として平成十五年度までにオンライン化を図るよう努めることとしたところでございます。 この九月に省庁別のアクションプランを中間取りまとめいたしまして、その結果を見ますと、平成十五年度までに一万件の手続のほとんど、具体的に言えば九四%についてインターネットなどを活用したオンライン化を行う予定となっております。
○本田良一君 ひとつよろしくお願いします。 それでは、現在の政府の電子政府の計画では、平成十五年度、二〇〇三年度までのオンライン化実施という目標となっておりますが、ITはドッグイヤーと言われるとおり早急な実施が必要だと考えます。したがって、実施時期の前倒しを図っていくべきではないでしょうか。 これに向けて具体的スケジュール、方策を明示したアクションプランを作成すべきではないかと考えますが、再度総務庁の見解をお伺いします。
○政務次官(海老原義彦君) 今回のアクションプランの検討過程で、オンライン化を推進するための障害となる技術的な課題が種々明らかになってまいりました。例えば、データの送信等に極めて大量のデータを送付するとか、添付される図面、写真などの問題とか、そういった技術的課題の解決が必要なものがございます。それから、国や地方公共団体による証明書を添付するということを電子化でどうやったらいいかというような問題もございます。また、民間部門における証明書、例えば医療機関の診断書でございますとか学校の卒業証明書とかそういったものを添付する場合にどうしたらいいか、そんなような種々の問題がございますけれども、まずそういったことの解決に向けたスケジュール、方策について本年度中に解決を得ることとしております。 この結論を踏まえまして、各個別手続のオンライン化実施時期の前倒しを含め現行のアクションプランの見直しを行いまして、新たなアクションプランを来年春から夏にかけて各省庁において策定する、こういうことにしております。
○本田良一君 よろしくお願いします。 次に、個々の分野ごとに電子政府の進捗状況と今後の対応についてお伺いをいたします。時間がありませんので、手続数の多い重要な省庁についてお伺いをいたします。 まず最初に、今回の法案を取りまとめた通産省は当然積極的に取り組むべきと考えます。輸出入の際に各種書類の提出を求めるなどの手続を義務づけているということでありますが、通産省の電子政府の進捗状況と今後の対応についてお伺いします。
○政務次官(伊藤達也君) 先生御指摘のように、電子政府の取り組みについては早急に対応していかなければいけない、そういう認識を持ちまして、我が省としましては積極的に取り組みを進めているところでございます。 今御指摘のありました点につきましては、平成十二年四月より、外為法に基づく輸出入の許可、承認に係る電子手続である貿易管理オープンネットワークシステムの本格運用を開始しております。これにより、外為法に基づく申請が必要な輸出入者は各種提出書類を通産省に持参する必要がなくなったわけであります。 また、そのほかにも、所管をしております約二千の手続のうち、これまでに特許の申請手続など約八十の手続については電子化を進めており、今後さらにアクションプランを策定し、二〇〇三年までにはほぼすべての手続を電子化するということになっております。 通産省といたしましては、IT戦略会議等での議論を踏まえ、通産省所管の申請・届け出手続の電子化を着実に実行していきたいと考えております。
○本田良一君 特に通産省は、今御答弁がありましたとおり、国際グローバル化の中でこれが進展をしていくわけですから、先ほど冒頭で申しましたように、この法の整備が、私は評価をしましたのは、外国に先駆けてこれが法整備がなされる、そのことは、国際紛争が大変頻発する中で日本の法が常に、日本の弁護をしてくれるのも外国の弁護士が行う、そういう法の非常にまだ国際間での対応ができない。そうしたときに、この法が先駆けて国際間の紛争での一つの法の目安になる。そういうことでも私は評価できると思いますので、通産省でこういうことを積極的にやっていただいて、法の後進国にならないように努力をしていただきたいと思うわけです。 次に、運輸省では、例えば自動車保有関係手続の書類の提出などを求めておりますが、運輸省の電子政府の進捗状況と今後の対応についてお伺いをいたします。
○政務次官(実川幸夫君) お答えいたします。 運輸省におきましては、国民負担の軽減、行政の効率化等の観点から、先行省庁の一つといたしまして行政手続の電子化に積極的に取り組んでいるところでございます。本年度には、ミレニアムプロジェクトの一環といたしまして電子申請システムの構築のために不可欠な電子書面等につきまして実証実験を行っているところでもございます。また、本年八月末には「運輸省申請・届出等の電子化推進アクション・プラン」を策定したところでもございますし、このプランに基づきまして電子政府の実現に計画的に取り組んでいるところでもございます。 なお、先生御指摘の、自動車保有関係手続のワンストップ化につきましては、昨年末の政府の高度情報通信社会推進本部決定に基づきまして、関係省庁と連携し、本年度より実証実験等によります技術的、また制度的な諸課題の検討を進めているところでもございます。 今後とも、運輸省としましては、行政手続の電子化に積極的に取り組んでいこうと考えておるところでございます。
○本田良一君 次に、大蔵省にお尋ねをいたします。 大蔵省では、例えば国税申告、納税手続の際に多くの書類を求めておりますが、大蔵省の電子政府の進捗状況と今後の対応についてお伺いします。
○政務次官(七条明君) 大蔵省の方の所管のことについて御説明を申し上げますけれども、大蔵省の所管といたしましては、今、申請あるいは届け出の手続等の電子化の推進に努めてきておるところでありまして、特に税関関係におきましては、NACCS、これは国際的な税関同士の情報を収集する、そして未然に犯罪を防止していくというような観点で、もう既にこれは実施をされております。 さらに、本省内におきまして、本年の九月の下旬に公表いたしましたけれども、「申請・届出等手続の電子化推進アクション・プラン」、先ほどから先生のお話の中にもありましたアクションプランにおいて、国民の皆さん方の利便性やあるいは行政の効率化などを考えていくという観点から積極的にこれを取り入れていこう、こういうことを打ち出しております。 特に、国税、先ほど話がありました税関等々の手続あるいは届け出をできるだけ簡素化できないものかとオンライン化に努めているところであります。 そして、そのアクションプランをフォローアップすることを目的といたしまして、申請・届け出手続の電子化を推進していくことの中で、先ほど先生から御指摘がございました件につきましては、本年十一月下旬から納税者等の協力を得ながら、東京国税局の二税務署でありますけれども、麹町税務署あるいは練馬東税務署において実践的なモデルケースをつくって今実施いたしております。この実験の情報を今後慎重に検討して、それを平成十五年までにできれば全国の国税局管内へ普及をしていけるように努力をしていきたい。たしか先生は麹町に今お住まいでございますから、ぜひ積極的にそれらを推進する側で御指導を賜ればと思っておるところでございます。
○本田良一君 麹町に住んでおりますけれども、まじめに申告しています。 厚生省では、例えば厚生年金保険、健康保険に関する手続において書面の提出を要求しております。厚生省の電子政府の進捗状況と今後の対応についてお伺いします。
○政府参考人(金子洋君) 先ほど失礼いたしました。 厚生省におきましては、本年十月に「厚生省申請・届出等手続の電子化推進アクション・プラン」を策定いたしまして、これにより平成十五年度までに申請・届け出等手続のオンライン化を推進することといたしております。平成十三年度にはオンライン化のための基盤の整備といたしまして認証局の整備等を行うこととしております。これに必要な予算をただいま要求しているところでございます。 また、十四年度にはオンラインを通じての申請、届け出を受付、処理するシステムを開発して十五年度から稼働を開始する予定でございます。また、厚生省の処理する手続は全体で一千四十五件ございますが、十五年度には先生御指摘の厚生年金保険、健康保険に関する手続を含めた一千八件の手続がオンライン化される見通しでございます。
○本田良一君 次に、金融庁では、例えば有価証券報告書の提出、縦覧手続などに際して書面の提出を求めております。金融庁の電子政府の進捗状況と今後の対応をお伺いいたします。 それから、時間がありませんので、次の最後の重要なところですから加えさせていただきます。 実際に一般国民の身になってみると、日々の手続は国の窓口よりも自治体の窓口で手続をする方がはるかに多いと考えます。したがって、電子政府の推進に当たっては国民の生活により身近な自治体の手続についても同時に進めることが重要であると考えます。しかも、自治体間で電子化の方式が異なるようなことが生じれば国民経済上マイナスであります。統一的な考え方で、しかも国におくれないように自治体も早急に電子化に取り組むべきと考えます。これまでは、一般に国に比べて自治体の取り組みが遅いとの評価になっております。自治省は今後、本件にどのように真剣に取り組んでいかれるのかも具体的にお答えをいただきたいと思います。 以上です。
○政務次官(宮本一三君) 時間も迫っているようでございますから、要点だけ申します。 金融庁といたしましては、申請それから届け出等の手続の電子化推進アクションプランというのを九月二十九日に公表いたしております。このアクションプランでは、金融庁所管の法令等に基づく申請、届け出等のすべての手続につきまして、平成十四年度までにオンライン化のための所要のシステム整備それから法令等の改正を行った上で、平成十五年度までに現在の書面による手続に加えましてオンラインによる手続が可能になるよう努めているところでございます。 御指摘の有価証券報告書等の提出及び閲覧等につきましては、こうしたアクションプランに先行いたしまして、法令、システム両面での整備を進めているところでございまして、先般の通常国会で証券取引法の改正も行われ、平成十三年六月から順次オンライン化の手続を開始するというところに来ております。いずれにしても、早急に整備を進めてまいりたい、このように思っております。
○政務次官(荒井広幸君) 先生の御指摘、非常に重要な御指摘でございまして、その意味で自治体そして自治省、今後とも取り組んでまいりたいというふうに考えておりますが、少なくともすべての国民の皆様方がIT化の恩恵に浴するためには、御指摘にありましたように、六、七割方が地方自治体が身近な行政をやっておりますので、自治体の情報化、IT化ということは避けて通れない問題でございますので、非常に重要だという認識のもと、さらには霞が関WANとつなぎまして総合行政ネットワークというような形で、それぞれの自治体が、そして国と自治体が文書交換を電子化で行えるということにする必要がありますので、こうしたことも視野に入れながら自治体統一をいたしまして、そして国におくれないようにしっかり取り組んでまいりたいというふうに考えております。 また、住民主役である、住民の立場に立つという観点から質の高いサービス、新たに求められるサービス、こういったものをどうするか。そして同時に、公平性、透明性あるいは効率化、簡素化、こういったことで事務の見直しもITと同時に加えながらやっていく。そして、地域の活性化あるいは社会経済の活性化もまた自治体もかかわっていく問題でございますので、こうした視点から自治省としては地域IT推進本部を西田司大臣のもとにいち早く立ち上げまして、八月二十八日に全国自治体に対しまして、どのような考え方でいわゆるIT化を進めるべきなのかと、そうした戦略的なものを指針としてお示しさせていただきました。間もなく、年内中には具体的に年次計画を含めまして、統一してこの程度のことをやってくださいといったアクションプランをさらにお示しして、そして自治体とも協議をしながら、人的、財政的あるいは制度的そうしたものの支援を積極的に行ってまいりたいというふうに思っております。 デジタルディバイドあるいは機会均等という意味でオポチュニティーという言葉も出てきているようでございます。そうした意味で自治体の役割は非常に重いので、通産大臣お見えでございますが、一生懸命自治省としても取り組んでまいる次第でございます。先生の御指摘は肝に銘じまして、さらに努力をさせていただきます。
○本田良一君 先ほどの厚生省への質問に答えをいただきたい、それで終わりたいと思いますが、今自治省の方はおくれていると申しましたけれども、幸いにして二〇〇〇年問題で相当おくれていた部分は全国的にかなりこの意識は浸透したと思います。よって、その意識の基盤はできたと思いますから、今おっしゃった決意でやっていかれれば十分うまくいくのではないかと思いますので、努力をしていただきたいと思います。
○政府参考人(金子洋君) 医療関係の法律につきましては、患者の命に直接かかわるといったことからさまざまな制約があるということと、また薬の関係で処方せん、これは直接患者に交付しなければならないものといったことからさまざまな制約がございまして、現段階で対象とすることが困難でございまして、今後の検討課題にさせていただきたいと思います。
○本田良一君 終わります。
○西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。 まず、私は最初にIT革命についての大臣の基本的な御見解をお聞きしたいと思いますが、IT、情報通信技術の発展というのは、人類の文化技術の発展の中でも画期的な一段階を開きつつあると思います。特に、インターネットの発展と普及、多様な情報を入手し発信する新しいコミュニケーションの手段となっていると考えます。この新技術を国民の共有の財産とする、そしてその成果を国民すべてが受けられるようにする法則が今求められているというふうに思うわけです。 そして同時に、それだけではなくて、ITを利用した新たな犯罪を防止する対策、ITのもたらす否定的諸問題への対応など、特に重視する必要があると思うんです。そうやってこそ、この画期的な技術が国民のために生かされると思います。国民の幸せのために、このITを存分に生かしていく、そのための対策をとる責任が政府にあると思いますけれども、大臣の基本的な御認識、お立場をお伺いいたします。
○国務大臣(平沼赳夫君) 委員御指摘のように、IT革命というのはすべての国民に非常にその恩恵をもたらすものでありますけれども、御指摘のように、影の部分もあることは事実です。最近、インターネットを使った犯罪が多発している、そういうことも本当にこれから大変大きな問題になる可能性がありますから、きちっと対処をしていかなければならないと思っています。 また、いわゆるIT社会が発展をしていきますと、アメリカの例なんかを見るまでもなく、一時的な中抜き現象といいまして、雇用が失われてそして失業者がふえるという、そういう影の部分もあることも事実であります。また、ITを利用できる能力を持っている人と能力を持っていない人、いわゆるデジタルディバイド、こういった格差の問題もこれもあるわけであります。また、それが所得の格差にもつながる、こういう可能性も影の部分としてあると思っております。 そういうことでございますから、IT革命というものは、経済活動の観点から、国民生活の観点からも多大な恩恵をもたらすものであるという点は、これは今アメリカのIT社会があれだけ発展をしている、こういうことを考えても否定できない、そういう事実だと思っています。 例えば、経済活動の観点からは、IT革命というのは既存の産業の効率化に加えて、新たなビジネスを創造する、あるいは雇用形態を創出いたします。一時的に中抜き現象がある、こういうことでありますけれども、通産省がこれを試算いたしますと、例えば五年後、ITで創出される新たな雇用というのは二百四十九万人、そして雇用減が百六十三万人、こういう試算が出ております。そうしますと、八十六万人の新たな雇用が創出される。これは一つのデータですけれども、そういう統計もあります。 また、国民生活の観点からも、インターネットショッピングや遠隔教育あるいは遠隔医療などを可能としまして、その結果、生活上の利便性を大幅に増加させることも事実であります。 通産省といたしましては、国民全体がIT革命をデジタル・オポチュニティーとして前向きにとらえられるように、引き続き御指摘のございました影の部分の犯罪に対するセキュリティーの対策ですとかIT人材の育成でございますとか、それから高齢者や障害者等に対応した機器の開発やソフトウエアの開発などの施策を十分に行って、こういう影の部分も解消するように努力を傾けていきたい、このように思っております。
○西山登紀子君 次に、この法案について御質問をさせていただきますが、この法案は、書面の電子化について五十本の法律を一括処理して提案しているわけですね。しかし、それぞれの法律には固有の目的や制定の経緯があります。それぞれに審議をして対策をとる必要があると私は思っております。 書面交付にかかわる法律は、先ほどの御質問にもありましたけれども、この五十本だけではありません。八十三本あるということですから、この法案の対象にならない書面交付規定がある法律というのが三十三本あるということになります。 厳密にお伺いしておきたいと思います。例えば訪問販売法などでも電子化が認められている部分とそうでない部分が同居しています。容認されずに残された法律の書面交付と本法案とどこが違うのか、厳密にお伺いをしておきたいと思います。
○政府参考人(太田信一郎君) ただいま西山委員御指摘のとおり、私どもが夏にすべて調査をいたしまして、八十三本の法律について書面の交付義務がございました。これはそれぞれ多数の省庁が所管しておるところでそれぞれ検討をしていただきまして、先ほどの御質問等にもございましたが、四つの類型、非常にトラブルが発生しているもの、貸金業法等。それから借地借家法、これは公証人法という法律がございまして、公証人の面前で契約をしなくちゃいかぬ。それから国際条約に基づくもの。それから質屋営業法等みたいに本来相対でやるものと。 今御質問がございましたが、訪問販売法等におきましても、例えばインターネット通販で、前払い式のところは今回書面にかえて電子的手段を認めることにいたしましたが、それ以外のところはやはりまだトラブルが多いということで、それはそれぞれの省庁が、今までの行政の中でやはり今の段階ではまだ早過ぎるという判断をきちんとした上で今回ここまでということにしたわけでございます。 ただ、今後いろんな経験を踏んで、全体として電子的手段も可能な状況が整ってくれば、その段階でそれぞれまた考えていくことになるかと思っております。
○西山登紀子君 それぞれの省庁で検討したというんですけれども、国会の審議でもやっぱりそれぞれ検討しなきゃいけないと思うんです。生まれも育ちも違う五十本の法律を一括して、しかも短時間で成立させるということは私は非常に乱暴じゃないかというふうに思っております。消費者など契約当事者の権利の保護に不安が残るということは否めませんので、我が党としては修正案を出すつもりですけれども、最低限見直し条項を置くべきであるということを申し上げまして、次に移りたいと思います。 社会福祉法の改正について、厚生省お答えいただけるわけですが、法案を提出した趣旨について、この一括法の説明を伺いましたら、通産省からは書面の交付あるいは書面による手続を義務づける規制が電子商取引等の阻害要因になっている、だから今度改正するんだと説明を受けました。 しかし、福祉の契約と商取引と同じく論ずることは少し乱暴じゃないかと思っているわけです。社会福祉法第七十七条の書面交付の電子化の要求というのはどこから出てきたのでしょうか。
○政府参考人(炭谷茂君) 今、先生が御指摘されましたように、今回の法案というのは、民間における書面の交付の義務づけが電子商取引の阻害要因になっていることにかんがみまして、書面交付を電磁的な方法によって行うことが可能な法律について、その可否を政府が一体となって検討を行って、早急な対応が可能なものについて対応したものでございます。 お尋ねの社会福祉法につきましても、政府の一体となった検討の中で行ったものでございまして、個別の特定の社会福祉の関係者から個別的な要望というものは特にありませんでしたけれども、私どもといたしましては、法第七十七条の書面の交付については、福祉サービスの利用者が書面の交付よりも電磁的な方法による情報提供を希望される場合も想定されますので、このような利用者の利便性の増加にも資することになるということで改正を行うこととしたものでございます。
○西山登紀子君 率直に具体的な要求はなかった、こういうことなんですね。法律の横並びで一括でやろうという動機が先に走っているという感じが私は否めないと思うんです。私が伺った障害者団体などでは、むしろ慎重に行ってほしいという御意見もあります。 この福祉法というのは、この六月に実際施行されたばかりの法律でございます。厚生省の対応あるいは政府の対応というのは、そういう意味でもやっぱり拙速に過ぎるんじゃないかと思っているわけです。 ところで、第七十七条で言う書面の交付が義務づけられております社会福祉事業の経営者というのは具体的にどういう事業を行う経営者なのか、教えてください。
○政府参考人(炭谷茂君) 今回の社会福祉法第七十七条に規定する書面の交付でございますが、この基本的な考え方は、社会福祉事業はたくさんございます、数え方によっては九十程度に上るわけでございますけれども、そのうち福祉サービスを利用とする形で提供されるもの、したがって例えば、専門的な用語になりますけれども、措置的な仕事、業務についてはこれは除かれるということになっております。また、相談事業等、書面の交付で義務づける実益が乏しいものについてはこの対象にしておらないというような基本的な考え方でなっております。 そこで、具体的に事業を申し上げますと少々長くなりますけれども、具体的に列挙をさせて述べさせていただきます。 まず、生計困難者に対して助葬を行う事業、特別養護老人ホームまたは軽費老人ホームを経営する事業、身体障害者福祉ホームを経営する事業、知的障害者福祉ホームを経営する事業、生計困難者に対して無利子または低利で資金を融通する事業、放課後児童健全育成事業、老人居宅介護等事業、老人デイサービス事業、老人短期入所事業または痴呆対応型老人共同生活援助事業及び老人デイサービスセンターまたは老人短期入所施設を経営する事業、視聴覚障害者情報提供施設を経営する事業及び手話通訳事業、精神障害者生活支援センターを除く精神障害者社会復帰施設を経営する事業及び精神障害者地域生活援助事業、生計困難者のために無料または低額な料金で簡易住宅を貸し付け、または宿泊所その他の施設を利用させる事業、生計困難者に対して無料または低額な費用で介護老人保健施設を利用させる事業、最後に福祉サービス利用援助事業が該当いたします。
○西山登紀子君 非常にたくさんあります。 それで、私がきょうこちらに持ってまいりましたのは、福祉サービス利用援助契約書というものなんですけれども、非常に膨大なものです。(資料を示す)これは実名をちょっと伏せるためにこういうふうに伏せておりますけれども。 私、これをいただきまして思いましたのは、この漢字の上に振り仮名が打たれています。「ふくしさーびすりようえんじょけいやくしょ」と、全部上に振り仮名が平仮名で。非常に丁寧に工夫がされています。こういう工夫が電子書面化の場合にできるのかどうかということも非常に問題になってくると思います。一つ一つ福祉の場合はこういうふうに丁寧にやらなきゃだめだと思うんですね。 それで、その問題はおきまして、介護保険の問題に移りたいと思います。 介護保険がことしの四月一日から実施されておりますけれども、介護サービス事業の書面交付に関する規定はどうなっているでしょうか。
○政府参考人(大塚義治君) ただいまお話がございましたように、この四月から介護保険制度がスタートしたわけでございますが、介護保険制度におきましては、サービスの提供が始まる前に、いわば当事者、すなわちサービスを利用される方とサービスを提供する側とでそのサービスの内容についてきちんと合意をする、納得をするということが大事でございますので、サービスの開始前に事業者の方から、重要事項と申しておりますけれども、サービスの内容に関するポイントを御説明する文書を交付して説明をしなければならない、こういう定めが運営基準という形で定められております。
○西山登紀子君 介護サービスの書面の交付、これも私は実際に特別養護老人ホームの役員の方に聞いてまいりましたけれども、実際やってみますと、利用者の方に対面で一つ一つ丁寧に説明してもなかなか難しい、一々反応を確認しながら進めているんだけれども、やはり非常に時間がかかるし困難が伴いますということで、やはり慎重な配慮が必要だなというふうに思ったわけですね。 次にお伺いしますけれども、社会福祉法で電子書面化がいいよと一部なるということになりますと、同じジャンルであるこの介護サービスについても、今は省令ということですが、書面交付の電子化が進むということが心配されると思うんです。 今私が御紹介しましたように、一つ一つ対面で説明して文書で説明していても、合意に達するというのはなかなか難しいお仕事でございます。しかも、国民生活センターが受け付けたデータがあるんですけれども、ことし一月から十月半ばまでの消費者相談のうち、四月一日から始まった介護保険の介護サービスにかかわる相談が、PIO—NETに入力されている二百三十件あるんですね。そのうち、介護契約にかかわる相談が九割、二百十件に及んでいるという報告が公表されております。 社会福祉分野での書面の電子化、とりわけ介護保険の契約にかかわる電子化というのは慎重に対応すべきではないでしょうか。
○政府参考人(大塚義治君) ただいまの国民生活センターに対する苦情の件も私ども承知しております。確かに、九割が介護サービスに関する契約に関することと書いてございますが、要は契約の仕方というよりも実質はサービスの内容に関するものでございます。 そういうことで、先ほども申し上げましたけれども、要は、最大のポイントは、介護サービスが始まる前に両当事者がサービスの内容などにつきましてきちんと確認をし納得をする、これが基本でございますから、その方法につきましてはもちろん懇切丁寧にお願いをしたいわけでございますけれども、手法というのはさまざまあっていいだろうと思っております。 相手が高齢者でございますし、そうした特殊事情も考慮しながら、一方では、最近では高齢者の方々も大変さまざまな分野で電子機器についてもなれてこられたという実態もございます。さまざまの観点から総合的に検討すべき問題だと考えております。
○西山登紀子君 十分に私は慎重に行うべきだということを再度申し上げまして、別の角度からお聞きをしたいと思います。 次に移ります。 情報通信技術の発展は、障害者、高齢者の社会参加、それから自立に新しい可能性を与えております。こうした方々こそITの発展の成果を活用できるようにするのが政府の責任だと思いますし、障害者というのはいつだれが障害者になるかわかりません。すべての国民の課題だと思います。 現在、障害者には、日常生活用具として電動タイプライターやワードプロセッサーが支給の対象になっているんですが、パソコンが対象になっていないんです。これは、障害があるからこそ、このIT機器が社会参加や自立のために極めて有効に働くということはもう論をまちません。ぜひ対象にしていただきたいと思うわけですね。 この点は、衆議院のIT基本法の参考人質疑で出席をされました全国障害者問題研究会の薗部英夫氏も訴えたところでございますけれども、これはぜひ早急に実現をしていただきたいと思うんですが、厚生省、いかがでしょうか。
○政府参考人(今田寛睦君) 御指摘の日常生活用具給付等事業でございますが、これは重度障害者の方々が日常生活をより円滑に営まれますようにということで用具の給付を行う事業でございます。 給付品目につきましては、当然、障害者団体などの御要望をお聞きするとともに、その必要性というものを総合的に勘案しながら改善にこれまで努めてきたところであります。 パソコンにつきましては、それ自体が汎用性があるということと、障害があるがゆえに必要となる用具であるという位置づけが必ずしも明確にできがたいということから、この給付事業として給付することはなかなか難しい現状にあることをぜひ御理解いただきたいと思います。 しかしながら、障害者の情報格差の解消というのは大変大事なことだということも私ども認識いたしております。今年度の補正予算におきまして、全国五千カ所の障害者の施設に、障害者が容易に利用できる障害者用パソコン、例えば視覚障害者用であれば音声が出てくる、あるいは身体障害者用であればジョイスティックでこれが操作できる、そのような障害者用のパソコンというものを配備いたしまして、在宅の障害者が利用できるようにするための事業、この経費を計上いたしているところであります。 いずれにいたしても、障害者が情報通信の利便を享受できる環境づくりにこれからも努めなければならない、このように考えております。
○西山登紀子君 厚生省も、従来の考え方からやっぱり飛躍をしていただかなければならないと思います。今IT革命、政府が言っているんですからね。 多機能だから日常生活用具に支給しないというのは、これは本当におかしな話でございまして、障害者の完全参加と平等というのは、これは政府がやっぱり目指しているものでもございますし、先ほど大臣、このIT機器の福音といいますかそういうメリットはすべての国民がやっぱり享受しなきゃいけないとおっしゃったばかりですから。省庁が違うということじゃなくて、ぜひこういうのは政府全体として進めていただかなくちゃいけない課題ではないかと思うんです。従来を引きずるんじゃなくて、今はやっぱり飛躍をするときじゃないかと、そういうことを申し上げたいと思います。 それで、このテーマについて大臣にお伺いしますけれども、通産省が本年の六月に障害者・高齢者等情報処理機器アクセシビリティー指針というものを出していらっしゃるんですね。これは私も大変勉強させていただきまして、いいことをやっていらっしゃるなというふうに思いました。先ほど御紹介しました衆議院の参考人の薗部さんも大変力作だと評価をされているんですね。この評価をされた指針が本当に有効に働くようにぜひ大臣の御決意を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 西山委員からも評価をしていただいて、ありがとうございます。 近年、IT革命の進展に伴いまして、健常者のみならず障害者、高齢者等がITを活用して社会経済に積極的に参画することが重要となっているわけであります。こうした認識のもとで、通商産業省では、障害者、高齢者等が容易に利用できるような情報処理機器の基本仕様などを盛り込んだ障害者・高齢者等アクセシビリティー指針を平成二年に策定し、その後の情報技術の進展に応じて本年六月に改定をいたしたところであります。 通産省といたしましては、本指針の普及を図るために、当省や関連業界団体のホームページへの掲載、各種展示会での広報、パソコンメーカーの開発者向けの具体的な解説書の作成等を通じて、指針に準拠した情報機器の開発を積極的に促しているところでございます。 さらに、本指針の実効性を高めるために、これまでの普及策に加えまして、指針で規定している各種機能の標準化、機器開発等の支援、障害者、高齢者等を指導する者への研修カリキュラムの策定等を行うことにしておりまして、平成十二年度補正予算におきましては十五億円計上させていただき、加えて平成十三年度概算要求において十億円の予算を要求しているところであります。 先生御指摘のとおり、非常にこれは大切なテーマと、こういうふうに思っておりますので、こうした施策を通じましてアクセシビリティー指針の普及をさらに促進して充実を図ってまいりたい、このように思っております。
○西山登紀子君 ぜひ頑張っていただきたいと思います。 次に、先ほど大臣もIT革命について基本的なお考えを述べていただいたわけですけれども、この陰の部分、しかもIT基本法を見ましても欠落している問題として労働者の健康問題があるんですね。このIT社会を支えていくコンピューター作業労働者といいますか、そういう労働者の健康問題への対応というのは私は不可欠だというふうに思うんですけれども、なぜ注意が払われていない、なぜ欠落しているんでしょうか。これは、IT戦略本部の副本部長の任務にも当たられている大臣としての御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) IT基本法に労働者の、いわゆるITを活用することによって例えばVDT障害、こういったような問題があることは事実でございまして、これが明文として記載されていないということは事実でございます。 しかし、IT基本法において規定する高度情報通信ネットワーク社会は、インターネット等を通じて国民が自由かつ安全に多様な情報や知識をグローバルに入手、共有、発信することが可能となる社会である、また同法案の基本理念にも掲げておりますとおり、すべての国民が情報通信技術の恵沢を享受できる社会の実現を目指しているわけであります。利用の機会均等等の格差の是正及び社会経済構造の変化に伴う新たな課題への対応についても基本法では規定をしているところであります。 委員御指摘のように、労働者の健康問題につきましても、こういった基本理念がございますので、これに照らして、今後とも労働者にとってその快適さや使いやすさあるいは健康問題、こういった視点も持ちながらIT化を促進していきたい。 御指摘の点は本当にそのとおりだと、こういうように思っておりますので、一生懸命にそういうことにも留意して私どもはIT化を進めていきたい、こう思っております。
○西山登紀子君 大臣がお認めになりましたのでそれ以上はというふうに思うんですが、実は私は、IT戦略会議の構成員のメンバーを見ましても、これはやっぱり大企業の社長さんばかりで、労働者、労働組合の代表は一人も入っていませんよ。欠落するのが当たり前だと思うんです。非常に大事な問題なんです、これは。その点について、あとるるお聞きしたいと思います。 このITという機器、ツールというものは、使い方を間違えますと人間にとってその快適性も健康も損なう凶器に転化するものでもございます。その経験は、八〇年代にコンピューター作業にかかわる健康障害として、ひっくるめてVDT労働災害というふうに言われてまいりました。政府がIT革命という音頭をとっている以上、この問題の第一義的な責任は政府にあるというふうに思うんですけれども、私、先般、大阪で具体的な企業の労働者に実態を聞いてまいりました。 今ではもう一労働者一台というような時代になっておりますね。目の前にパソコンがばっと並んでいる職場のさま変わりがございます。そのところで聞きまして大変私は驚いたんですけれども、便利になった分ほかの仕事がふえて残業も減っていない。それから、隣にいても声と声を交わさないようになった、表情が伝わらない、人間のぬくもりが伝わらない。メールでやりとりするようになっているわけですね。 そこで、病休で今休んでいる労働者の二人に一人がうつ病という、精神神経症という疾患を負っている。そのほかにもちろん視力の低下や色盲、色弱、ストレスなんかが非常に増加をしているんですけれども、私が驚いたのは、職場で休んでいる人のおよそ半数がうつ病、精神疾患だということ。これは非常に私は驚いたわけでございます。 こういう問題についての、予防する第一義的な責任は政府にあると思うんですが、先ほどの御答弁でそのお答えにもなっているというふうに思われるかもしれませんが、大阪の調査の感想も含めて大臣にお伺いします。
○国務大臣(平沼赳夫君) 確かに、西山委員御指摘のとおり、昨年労働省において取りまとめて発表した技術革新と労働に関する実態調査においても、VDT作業従業者を含め、コンピューターを使って仕事をしている労働者の八割弱が身体的な疲労を自覚しており、四割弱が精神的疲労、今御指摘のうつ病、それも入ると思いますが、ストレスを感じている、こういった状況が報告をされております。 今後、IT革命の進展を促していく中で、こうした労働者の職場環境及び健康問題について的確に対処していくことが御指摘のように極めて重要な課題である、このことは論をまたないものと私ども認識しております。 労働安全衛生法において規定されておりますとおり、快適な職場環境の形成は、基本的には御承知のように事業者の責任においてなされるべきものであります。しかし、国としては法律において最低限事業者が講ずべき措置を定めるほか、事業者の自主的な努力を促すように環境を整えていくという役割をこれから適切に果たしていくべきものと考えております。 こうした観点から、労働省においても、事業者が講ずべき快適な職場環境の形成のための措置に関する指針を作成されたと聞いております。そしてそれの公表も行うと、こういう予定も聞いております。普及啓発活動、事業者に対する相談、助言などの取り組みを行っている、こういうふうに承知をしております。 いずれにいたしましても、IT革命を円滑に進める観点からも、委員御指摘の快適な職場環境の形成が重要であるという認識に立って、私もIT担当副本部長でございますので、今の御指摘を踏まえて、国もやはりこれに対して一生懸命努力をしていく、こういう形で適切に対応してまいりたい、こういうふうに思っております。
○西山登紀子君 企業任せでは絶対にだめだと思うんです。しかも政府がIT革命ということで音頭をとっている。ある雑誌を見ますとIT特需というような言葉も生まれるぐらいに、ある企業は非常にそれで経済的な利潤を上げているという一方で、労働者の問題はそれぞれの企業、事業所の問題ということでは、これは私は後で後悔することになるというふうに思うんです。しかも、VDT労働の健康障害というのは非常に専門的でございます。これには科学者や研究者の知見も大いに生かされていかなければいけませんので、これは企業任せには絶対にできないと思います。 時間がないので進みますが、労働省にお伺いしますけれども、八五年にVDT労働についての指針を策定して発表されておるんですけれども、その当時と比べて最近のコンピューター作業労働者の数はどのように変化していますか。
○政府参考人(野寺康幸君) コンピューター作業に従事する労働者の数というお尋ねでございますけれども、私ども手元にございますのは割合でございますので、それでお答えにかえさせていただきます。 一九八八年当時、技術革新と労働に関する実態調査によりますと、全労働者の二三・四%がこれに従事していたわけでございますけれども、一九九八年、平成十年には全体の九〇・二%がこれに従事しているという実態でございます。
○西山登紀子君 実際の数もつかまれていないということも驚きなんですけれども、しかし八八年から、二三%が今九〇%以上超えておるというこの数の進展は非常に大きな、大変な変化だと思います。 そこで、この指針が実際どのように職場の安全衛生に生かされてきたのかということでお伺いしたいんですけれども、八五年の指針策定当時と現在を比較いたしまして、VDT作業の時間管理を行っている事業所はどのように改善が図られたのでしょうか。
○政府参考人(野寺康幸君) 先ほど引用いたしました二つの時点の同じ調査によりますと、一九八八年当時、VDT作業を行っている事業所の三三・六%が時間管理を行っておりました。九八年の調査では一五・三%の事業所でございます。
○西山登紀子君 八八年が三三・六で今が一五・三ということは、時間管理を行っていない事業所はおよそ半分に減っているということですね。 では、次に聞きます。VDT作業時間に上限を設けている事業所はどのようにふえてきているでしょうか。
○政府参考人(野寺康幸君) 同じ調査でございますけれども、一日のVDT作業に上限の時間を設けている事業所の割合は、一九八八年当時、事業所の四・七%でございました。九八年の調査ではこれが三・一%というふうになっております。
○西山登紀子君 VDT作業時間に上限を設ける、つまりそれは予防するためですね、労働災害を。健康を保つために作業時間に上限を設けている、その事業所も四・七から三・一に減っているということは、これは非常に重大じゃないでしょうか。指針に強制力がないために何の効果も上げていないばかりか、実態としてはひどい状態になっている。 さらにお伺いいたしますが、指針にはVDT作業に伴う疲労症状や心身の不調の発見、対処のために特別な健康管理が必要だとされています。VDT健康診断、これを実施している事業所はどれくらいふえているんでしょうか。
○政府参考人(野寺康幸君) 同じ調査でございますけれども、一九八八年当時には、VDT作業従事者について健康診断を実施している事業所が五・九%でございました。九八年の調査では九・九%に増加してございます。
○西山登紀子君 五・九が九・九ということですが、およそ十年以上たってもこのような率であります。 私は、技術革新と労働に関する実態調査報告、九八年版、これが出ておりますので、それを少し勉強させていただきましたが、健康診断を実施しているのは九・九%なんですね。つまり実施していない事業所というのが九割近くある。なぜVDT健康診断をしていないかといいますと、その事業所はVDT健診を知らなかったというのが三四%もあるんです。しなかった労働者は何%あるかというと八七%、今でもこの九八年にあるんですけれども、なぜ実施しなかったかという理由は、実施されなかったためだというのが八五%でございます。VDT労働衛生教育の実施は、九八年のこの実態調査でもわずか九・六%しかなされておりません。 先ほどの労働省の御答弁でも、九割近い職場はもうパソコンを目の前に置いて労働者は仕事をしているという労働形態になっております。ところが、政府のとってきている労働安全衛生行政なるものは本当に効果を上げておりません。大きな前進が見られておりません。むしろ後退をしている部分すらあるわけです。 私は、IT社会を支えていく上で、労働者のそれこそ命と安全の問題というのは車の両輪のごとく対策が進められなければ、これは本当のIT革命、国民みんなに幸せを及ぼすことができるIT革命にはならないと思うんです。 八五年のVDT指針の有効性、あるいは政府が今までとってきたVDTの労働安全衛生行政の有効性、これが問われているのではないか思うんです。指針の見直しにはとどまらないと思いますが、まず指針の見直しが必要ではないでしょうか。
○政府参考人(野寺康幸君) 指針の見直しというお話でございますが、確かに一九八八年当時と現在、九八年の調査がございますけれども、比べますと、この間のVDT作業、コンピューター関係というふうに一口で申し上げてよろしいと思うんですが、こういった機器の普及度合いというのは当初の予想をはるかに超えたスピードであった、またその普及も、広がり方もはるかに予想を超えていたという事情はあると思います。そういう意味で、そういったような変化を総合的に踏まえまして、現行の指針につきましてもそういった事情を十分勘案した見直しを行ってまいりたいというふうに考えております。
○西山登紀子君 その見直しはいつごろどういう形で行いますか。
○政府参考人(野寺康幸君) できるだけ早急にしたいと思っていますが、時間的な制約もございますけれども、できればこの検討会そのものを年内、遅くとも来年の初めには立ち上げたいというふうに思っております。
○西山登紀子君 私は指針の見直しは必要だと提起をいたしましたが、問題は、指針というのはガイドラインでございます、そのガイドラインだけでいいのかということなんです。 一つ事例を出したいと思います。京都の職対連という組織がございますが、そちらの方からいただいた資料でございます。最近、これは労働省も御存じのとおりです、基準局を通じて労災認定がされた事例でございますが、三十五歳の男性が八カ月間コンピューター作業に従事をいたしました。八カ月で両方の手がもうぱんぱんにはれ上がって痛くてたまらない、腱鞘炎になったと。その労働実態を私は見せていただいて驚きました。この方は夜中に仕事をしている。二十一時から二時まで、こういう夜中に入力の仕事をしているんです。どれぐらい入力作業をしているかというと、一カ月の処理打数、例えば八月は四十五万回、九月は四十四万回、十月が五十三万回、十一月は五十九万回、十二月が五十七万回、そのころにずっと痛みが走ってまいりまして、それでもまだ打って、一月が五十三万回、二月が三十三万回、三月が三十九万回。もうそこで痛みがピークに達してしまって、この方は認定の申請をされるということになっているわけです。 後手後手です。認定はされまして、監督署が入っていろいろ対策をおとりになったんですけれども、その人のその疾病というのはこれはまだ治っていない、仕事ができない、収入が入らない、こういう状態です。ならない前にしなきゃいけません。そのためにも方向として強制力のある基準づくりが必要だということ、しかも、この方は派遣労働者です。派遣労働者がそういう単純といいますか労働にずっと休みなしに追い立てられているという対象になっている。これが一つ最近の大きな問題でございます。 八五年の指針よりもより、例えば作業時間の上限、一日の労働時間、作業時間は四時間を超えてはいけないとか、あるいは一時間やったら十五分をきちっと休みなさいとか、そういうきちっとした厳しいものにする必要がある。ガイドラインじゃもうだめです。そのことについて、労働省、どうお考えですか。
○政府参考人(野寺康幸君) 先生御指摘のその事例というのは私どもも承知いたしておりますが、いろんな問題があるというふうに思います。 VDT作業ということでございますけれども、VDTという特別な作業以前の問題として、安全衛生法あるいは労働基準法、そういった基本的な法律の規制を十分守っていただくということがまず必要でございます。その上でこのVDT作業というのが存在し得るわけでございますけれども、必ず強制力を持たなければこれが守られないという性質のものではないというふうに思います。 ただ、いずれにしましても、先ほど申しましたように、この十年間の変化というものを十分頭に入れまして、御指摘の派遣労働者の問題も含めまして、新たなガイドラインづくりというものを専門家の御検討によりましてできるだけ早急につくってまいりたいというふうに思います。
○西山登紀子君 最後に、大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、このITというのは非常にグローバルな発展をしているわけですが、この労働災害についても非常に国際的に大きな問題になっているんですね。 ILOがことしの十月十日付で「ILO職場の精神衛生報告書」というものを発表しているんですけれども、それを見まして私、これも非常に驚きましたけれども、職場のストレス対策費用は一般的にうつ病の増大とともに増大すると言われておりまして、報告書の内容がここにあるわけです。 例えば、フィンランド、ドイツ、ポーランド、英国、米国、こういう五カ国を調査しているんですけれども、米国では、毎年、生産年齢人口の十人に一人がうつ病にかかって、治療に関連した国民支出は三百から四百四十億ドルに達する。フィンランドでは、労働者の半分以上が睡眠障害などストレスによる何らかの症状を示している。ドイツでは、精神的な不調を原因とする欠勤によって生じる生産性の喪失高が年間五十億マルクを超すと見られている。英国では、毎年、労働者の十人に三人が精神的な不調を感じ、ポーランドの公衆衛生統計は精神衛生上の治療を受けている人の数が増加しているということを示している。問題は、その原因がやはりグローバルになってきているこのIT、情報技術革命の影響が競争を加速している、こういうふうに述べている点が私は重要ではないかと思います。 そして、ILOは、各国で職場の精神衛生問題に対処しようという動きが見られている、活発に活動が進められているということが報告されておりますので、ぜひこういう世界的な動きにも注目をしていただきまして、IT革命を言う場合に、労働者の健康、道具を使って仕事をしている人たちの健康問題を絶対なおざりにしない、置いてきぼりにしない、結局、置いてきぼりにしますとその被害というのはまたその企業や国民に戻ってくるんだということを肝に銘じていただいて、戦略会議の副本部長としての御決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 西山委員御指摘の、ILOのそういった五カ国における報告書は我々も承知をしております。 そして、その傾向として、やはりこのITが大変進捗をした結果、そういった問題が主たる原因である、私もこういう認識を持つものであります。したがいまして、職場の精神衛生の問題が先進諸国の中で今後の課題として認識をされ、その解決に向けて国際的にも積極的に取り組まれる、そういう動きが出ていることは非常に示唆に富むものだと私は思っております。 今後、IT革命の進展に伴い新たな社会経済が構築されていく中で、職場環境のみならず、これまで想定されてこなかったようなこういった諸問題が出現する可能性も否定できません。通産省といたしましては、こうした国際的な動向も注視しつつ、IT革命の恩恵がすべての国民に享受されるような社会を実現していくという基本的な認識に立ちまして、関係省庁とも密接に連携をして、そして、このIT革命の中で働いていく方々のそういった問題にも一生懸命に対処させていただきたい、このように思っております。
○西山登紀子君 終わります。
○委員長(加藤紀文君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時八分休憩 ─────・───── 午後一時二分開会
○委員長(加藤紀文君) ただいまから経済・産業委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、書面の交付等に関する情報通信の技術の利用のための関係法律の整備に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○畑恵君 自由民主党の畑恵でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 午前中の審議でもございましたように、やはり電子商取引のメリットといいますと、迅速に簡便に低コストでいろいろな取引ができるという点だと思います。このような取引において、依然として紙による書面交付がどんな場合にでも義務づけられていると、せっかくのその三つのメリットが阻害されて、結局は電子商取引自体の普及にも水を差すことになると思いますので、今回このような形で、民—民間で書面の交付などを義務づけている法律のうち、電子的手段を認めることに支障がないと認められた五十本を一括して改正ということになった運びだと理解しております。 五十本の法律をやはり省庁の壁を超えて一括してこのように審議するところまで準備をなさった通産省の方々の労苦というのは大変大きなものだったと思いますけれども、まず一括という形で改正をする、それだけIT立国に向けての志の高さといいましょうか、意気込みというのが感じられますので、法案については高く評価させていただきたいと思っております。 何分、必要なのはもちろんですけれども、いかにスピーディーに行うかというのが、また今までの商取引と違いまして、サイバー空間ではより重要になると思うんですけれども、その点をどのように政務次官は御認識なさっていらっしゃるか、まず御見解を伺えますでしょうか。
○政務次官(伊藤達也君) 今回の私どもの取り組みに対して大変高い評価をいただきまして、本当にありがとうございます。 畑先生が日ごろから御指摘をされておられますように、電子商取引を促進していくに当たっては、やはり民間の活力を十分に引き出していく、そういう環境を整備していくことが非常に大切だというふうに認識をしております。こういう環境の整備をしていくには、まず規制の改革と、そして今御指摘のありましたスピード感を持って対応していくということが何よりも重要ではないかなというふうに思っております。 今回の書面一括法というのは、ある意味では電子商取引を阻害する要因を取り除く規制緩和法案でありまして、そしてこの法案を取りまとめるに当たっては、関係省庁に御協力をいただいて統一の方針の中に取りまとめをさせていただきました。また、スピード感を持って対応しなければいけないという認識に立って、調査に入ってから三カ月間でこの法案を取りまとめさせていただきました。 このように、IT革命のスピードに対応したそうした施策というものを展開していけるように、私どもも精いっぱいの努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○畑恵君 ぜひ今回の試みに続きまして御活躍をいただきたいと思っております。 実は私も電子商取引、オークションなんですけれども、二度ほどやってみたことがございます。 一度目は、楽天という日本の中でも最大手のショッピングモールがインターネットの中にございますが、そこが有珠山の噴火に対するチャリティーでオークションというのを企画なさいまして、お声がけをいただいたので参加してみたんですけれども、出すものも余りないので、以前の仕事がニュースキャスターという仕事だったものですから、そのときの古着を数着オークションにかけましたところが、私自身も何着かそういう服がございましたので、むだにしてはいけないと思ってリサイクルショップに持っていったこともあるんですけれども、リサイクルショップでつけられる値段からすると十倍からそれ以上の値段がついて競り落とされるという結果になりまして、非常に自分自身も本当に驚いてしまいました。 この楽天というのは、もちろんオークションだけではなくていろいろなお店が入ったショッピングモールを持っているわけですが、サイトに一日にざっと三十五万人ぐらいの方々が訪れるという、それだけのスケールメリットを持っていらっしゃるので、私のような者の古着でも中には入札してみようという殊勝な方がいるわけで、そういう意味でのスケールメリットというのも電子商取引の中で非常に大きな強みだと認識させていただきました。 ただ、そのときはチャリティーでございますから、私自身もこれは私の名前を公開して入札をしていただいたわけですが、じゃ名前を伏せて物だけで今度オークションをするとどういう結果になるのか、これは比較するとおもしろいんじゃないかと思いまして、やってみようと思ったところが、なかなか入札者の方をたくさん引きつけるようにページをつくるというのは、スキルといいましょうか、ノウハウが要る。 一つは、やっぱり見ばえのいい写真を撮るとか、そこに引きつけるような、しかも若い人たちを引きつけるような非常にお友達チックというのでしょうか、いわゆるきゃぴきゃぴした言葉でちょっとコメントをつくったりとか、サイズですとか、傷ですとか、しみですとか、そういう細かい情報を載せるとか、非常に手間がかかるので、これはちょっと自分ではやり切れないと思いまして、そのオークション会社の方に委託できないかというお話をいたしましたらば、いや、それを私どもが受けてしまうと、これは古物営業法にひっかかってしまう、抵触してしまう、古物営業法の許可を持っていないといけないんですというお話を伺いました。 しかも、その古物営業法では、一万円を超える取引においては、古物商が中古品の売り手から住所ですとか職業などを記載した上で署名をした書面、紙の交付を受けるか、あるいは身分証明書ですとか運転免許証など身分を確かめられる資料の提示を受けなければならないということで、こういう煩雑な手続があるのでは、これは電子商取引にはちょっとなじまないんですよねという会社からのお話を伺いました。 このように本人確認をするというのは、盗品売買の防止という観点から必要だというのはよくわかるのですけれども、来年四月から電子署名認証法がたしか施行となると思います。これを用いますと、電子的な手段での本人確認は十分可能だと私自身は思っています。来年四月からはこの電子署名認証制度を利用すれば、古物営業法に定められた本人確認というのは電子的に行えると考えてよいのでしょうか。御所管なさっていらっしゃる警察庁に伺いたいと思います。
○政府参考人(上田正文君) 御質問にお答えいたします。 警察庁としましては、御指摘のいわゆる電子認証法に基づく電子認証が古物取引に伴う相手方の身元確認の手段になる余地はあるものと考えております。 ただ、古物営業法は、今ほども委員がおっしゃいましたように、窃盗その他の犯罪の防止及び被害の迅速な回復を目的とするものでありまして、電子認証法に基づく電子認証制度を活用する場合でありましても、なりすまし等の不正な手段により盗品等をインターネット上の古物市場において処分する犯罪の発生も懸念されますことから、今後とも電子認証制度の具体的な内容等の状況を見きわめるとともに、関連業界等の御意見、御要望を伺いつつ対応してまいりたい、こう考えております。
○畑恵君 私自身もセキュリティーの大切さというのは強く認識しておりますし、またセキュリティーが高くなければ利用も進まないという裏表の関係にありますので、今の御答弁、よくお気持ちは理解させていただくんです。ただ、どうしても、セキュリティーを一〇〇%達成しようということになると、また電子商取引自体の使い勝手ということにも問題がある。このバランス調整というのがこれから問題になってくると思いますけれども、各関係の方々によくお話を聞いてという今の御答弁でございますので、ぜひいろいろなお話をお聞きになられた上で、検討の余地があるということでしたから、前向きに考えていただければありがたいと思います。 そうした中で、先日、十一月九日付の日経新聞に保険商品をインターネット上で販売可能にするために金融庁が認可基準を新たに設けることとしたという記事が出ておりまして、その中に、商品の購入申込者にクレジット番号を打ち込ませ本人確認を徹底すると記載されておりました。保険商品というと当然高額の商品になると思いますので、そういう商品でさえクレジット番号を打ち込ませる方法で本人確認ができる、それを採用するというのであれば、古物営業法も本人確認は同様の方法でよいんじゃないか、それを認めてよいのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(上田正文君) お答えいたします。 先ほども申しましたように、古物営業法は窃盗その他の犯罪の防止及び被害の迅速な回復を目的としており、古物取引における相手方の身元確認はこのための重要な方法の一つであります。 御指摘の金融庁の認可基準につきましては承知をする立場にはありませんが、本人確認手段としてのクレジットカードの番号につきましては、他人名義で不正取得したクレジットカードあるいはスキミングしたカード番号により偽造したクレジットカード等による詐欺等の犯罪が多発しており、社会問題化しておりますことにかんがみれば、これを古物営業法における身元確認手段とすることについては慎重な検討が必要であると考えております。 なお、警察庁としましては、先ほども申しましたように、今後とも関連業界等の御意見、御要望を伺うとともに、電子認証制度等の状況を見極めつつ対応してまいりたいと考えております。
○畑恵君 今度は慎重にというところに力が入っておりましたので、なかなか難しいのかなというニュアンスは感じとらせていただきました。 確かにいろいろな御心配というのはあると思いますが、今例えば電子商取引に関係している会社の方々にお話を伺うと、いろいろな申請をする、許可をとろうとする、伺いを立てる。そうすると、その事象の担当官庁によってはっきり言って大分温度差があるということを伺います。 ですから、こういうことがこちらの所管官庁だったら認められるのに、こちらの違う担当官庁の方に行くとそれはだめというようなことで、やっぱり全体の整合性がとれていないということは混乱を招きますので、ぜひそういう意味では、きょうはさまざまな電子商取引にかかわる官庁の方々にお集まりいただいておりますけれども、それぞれ整合性のとれた形で、ぜひそういうすり合わせもお考えになった上で全体の基準設定というのをしていただけたらありがたいと思います。 さて、今回は紙による書面交付の義務というのを規制緩和するということでございましたけれども、電子商取引における規制緩和というのはほかにもいろいろ検討課題が残っておりまして、対面行為ですとか事務所の設置などを義務づける各さまざまな法律の改正案を、たしか次期通常国会に一括法としてこれも提出するというふうに報道もされておりましたし、私も党の部会などでそういうふうに報告を受けていたと記憶しているんですけれども、どうも近ごろ、いろいろ関係部署に伺ってみますと、一括法ではなくなったというようなお話も伺います。関係法律の処理が一括でなく担当省庁ごと個別になりますと、改正のスピードが鈍るのではないかという心配が当然出てまいります。 技術革新によって変化した社会状況と現行法律のギャップというのは改めるにしくはなし、スピードが大事だ、先ほどこれは政務次官も御答弁いただいたとおりでございますので、わずかのおくれというのが本当に取り返しがつかないおくれとして後々日本という国に戻ってくることになる。一括法がもしも今からは無理だというのであれば、せめて改正の時期がそれぞれの法案おくれないように、やはり各官庁の壁を超えたところできっちり指導、監視をしてもらわなければいけないと思うんです。 恐らくそういう各官庁の壁を超えたその上の次元に置かれている機関として、先般、内閣内政審議室にIT担当室が設置されたわけですので、ぜひ大きなお仕事としてこれを達成していただきたいと思いますので、御決意のほどを伺わせていただけますでしょうか。
○政府参考人(宮城勉君) お答え申し上げます。 政府として、IT革命の対応におきましてはスピードを重視いたしまして施策の推進に当たってきたところでございます。 委員御指摘の点につきましては、現在他の委員会でございますが、国会で御審議いただいておりますIT基本法がございます。これはいわゆる俗称でございますけれども、これは内閣に設けられることになっておりまして、さらに内閣総理大臣が本部長となるという組織が内閣に設けられることになっております。 したがいまして、この高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部を中心といたしまして、内閣官房として政府部内の連携をとりつつ、スピードと適切な対応というものについてきちんと図ってまいりたい、このように考えております。
○畑恵君 ぜひ力強く推進をしていただきたいと思っております。 高度情報通信社会推進本部というのがこれまでもございましたけれども、やはりその成り立ちといいましょうか、バックアップ体制というのがある意味で十分ではなかったということもあり、これまで総理がヘッドで通産大臣と郵政大臣がそれぞれ副本部長という形ではございましたけれども、やはり各官庁を指導するというよりは各官庁からそれぞれ上がってきた資料をまとめるというような、あくまでも調整ということのみにどうしても活動の範囲というのは限定されていたと思いますけれども、今度はお名前もIT戦略本部でございますので、戦略でございますので、調整ではないので、いろいろ各官庁の利害ですとか状況というのは違うとは思いますけれども、ぜひ力強く御指導賜れんことを願っております。よろしくお願いいたします。 では、ちょっとこの法案から離れますけれども、電子商取引が拡大するための条件が幾つかあると思うんですけれども、やはり基礎的な条件、イロハのイの字は通信料金を低廉化するということに尽きると思います。 私も、今回この質問に先立ちまして幾つか電子商取引を自分で行っている、あるいはオークション会社ですとか、二十社ぐらいの方にメールを送って問題点はないでしょうかとお話を伺いましたところが、圧倒的に通信料金の問題というのを皆さん指摘なさいました。一日も早くインターネットの通信料金、せいぜい月二千円ぐらいで、定額、いわゆるつなぎっ放し、使い放題という状況にインターネットはしてほしいと思っております。そうでない限り、IT立国を目指すといいましても画餅に終わってしまうのではないかと危惧しております。 通信料金の話というのは通信行政でございますから郵政省の管轄であるということはわかっているんですけれども、経済再生をIT活用で図るという通産省のお立場から、この問題についてどのようにお考えか、たしか平沼大臣もかつてNTTの再再編にまで踏み込んで言及なさったと記憶しているんですけれども、きょうは政務次官に、お若いフレッシュなお考えでぜひ御所見を伺いたいと思います。
○政務次官(伊藤達也君) 今御指摘がございましたように、IT経済社会のインフラとも言うべきネットワークサービスがより安く、そしてより高品質で、さらに利用者の多様なニーズに対応した形でサービスが提供されるということは極めて重要だというふうに考えております。 特に、固定電話とそれからインターネットというのは概念的には全く別なものでありますから、そういう意味では、今までのネットワークサービスにかかわるいろいろな制度や法制というものは固定電話を前提としてつくられてまいりました。これからはインターネットという新しいパラダイムシフトに対応した形での制度設計が極めて重要だというふうに思っております。 IT戦略会議でもこの点についてはいろいろ議論がなされておりまして、十一月六日の第五回目の戦略会議の中で、今後の重点政策として「超高速ネットワークインフラ整備及び競争政策」ということで、これを重点的にやっていかなければいけないんだということを草案に明確化したところであります。 委員からフレッシュな考え方をということでありますから、個人的な考え方を述べさせていただくとすれば、やはりこれから競争環境をしっかり整備していくに当たって二つの観点が極めて重要だというふうに思っております。 一つは、やはりエッセンシャルファシリティーのオープンアクセスというものをしっかり確保していくということ、それから市場の独占の弊害というものを排除して、そして健全なマーケットというものを育成していくための競争政策というものをしっかり確保していく、そういう観点から新しい制度設計というものをしっかりやっていかなければいけないというふうに個人的には考えているところでございます。
○畑恵君 大変明快なお答えをいただいて心強く思っております。ありがとうございました。 今、政務次官もおっしゃられた、やはり私自身も、通信料金を低廉化させるためには公正な競争環境の整備というのが必須であると。さまざまな方法があると思いますけれども、独占の排除、オープンアクセスというのは最も重要な二点だと認識しております。 そこで、今度は公正取引委員会に伺いたいんですけれども、通信市場におけるそうした独占排除のための規制というのは、米国ですとFCCという独立した機関がございます。私自身は、今は日本の中では郵政省が管轄をしてはおりますけれども、やはり望ましい形としては、各政府から独立した日本版FCCのような形で行った方がより公正な競争環境というのがつくられるのではないかと、そう認識はしておるんですが、新しいそういう機関をつくるというのもなかなか現実的に難しゅうございますし、時間がかかっては元も子もない。そうなりますと、当然これはすべての市場を管轄していらっしゃる公正取引委員会に頑張っていただくというのが最も筋も通りますし現実的ではないかと考えております。 先日もNTT東日本に対して、DSL回線をめぐって接続業者の新規参入を妨害した疑いで調査をもう既に開始していらっしゃいますけれども、今後、通信市場の公正取引を守る上でどのような方針で臨まれるおつもりか。また、これに取り組まれるとなると大変な陣容が必要になると思います。FCCに関与している方々は弁護士さんなどを合わせますと六千人ぐらいいらっしゃるというふうに仄聞しておりますので、人員強化ということも当然必要になってくると思いますが、公正取引委員会の方からお考えを伺えますでしょうか。
○政府特別補佐人(根來泰周君) ただいま仰せのように、IT革命につきましては光と影の部分があると思うわけでございます。光がよく輝くためには影の部分をなくしていくということが大切なことだと思いますけれども、それは私どもの役所の仕事の一部をなしているわけでございます。先ほど来お話のありました独占という問題とか不公正な取引方法というのは独占禁止法でかたく禁じているところでございますので、その法律に従って適正に処理しているつもりでございますし、将来もそういうつもりでおるわけでございます。 なお、具体的な点は別といたしまして、一般的な点を申し上げますと、政府規制等と競争政策に関する研究会というのを立ち上げまして、競争政策、特に電気通信に限るわけではございませんけれども、そういう分野を含めていかに私どもの仕事を適正にやっていくかという研究会も立ち上げて、いろいろ意見を発表していただいているつもりでございますから、そういう二面、具体的な事件と一般的な問題と二つの面で私ども適切に行政を推進したい、こういうふうに考えているわけでございます。 なお、人員の点について御下問がございましたけれども、これはここで申し上げるのははばかられますけれども、なかなか人が足りないというのが実態でございますので、これまで以上にひとつ御支援をいただければ大変ありがたいと思います。
○畑恵君 通信市場に限らず、公正取引委員会がこれから担われるべき役割というのはさらに拡大していくと思いますので、私どもの方も人員増強の点ではなるべくサポートしていきたいと思っておりますので、頑張っていただきたいと思います。 では、ちょっと視点を変えまして、今度は電子商取引における消費者教育について伺いたいと思います。 先日も加納議員の方から、やはりサイバー空間における商取引において、消費者保護も大事だけれども、そこへの配慮を厚くする余りにがんじがらめの事前規制を業者側に付してしまうと、今度は電子商取引の迅速さ、簡便さ、低コストというこうしたメリットを阻害してしまうんではないか、むしろ消費者教育を徹底して、いかにだまされない自立した消費者をふやすか、こちらの方に政府は力を入れるべきだという趣旨のことをおっしゃっていたと思うんですけれども、私自身も同感でございます。 しかし、なかなか日本人のこれまでのカルチャーからすると、人を疑ってかかるとか危険がいつもあると認識するというのは難しゅうございますから、本当に消費者教育というのは大切だと思います。 今、実際どのような消費者教育が一般の方々、そして学校の中などで行われているのか、また広報活動がどうなっているのか、お話を伺えますでしょうか。
○政府参考人(池田実君) お答え申し上げます。 委員御指摘のように、電子商取引は消費者の選択の幅を広げるなど消費者の利益を増進させるわけですが、電子商取引が普及するに当たっては消費者の信頼の構築が不可欠だと、そういうことで電子商取引における消費者保護というのが必要なわけです。消費者保護の中に消費者教育とか消費者啓発というものが位置づけられるだろうと私どもは思っております。 こうした認識は世界的にも共通でございまして、OECD消費者政策委員会が電子商取引上の消費者保護のためのガイドラインというのを平成十一年十二月に決めまして、理事会から加盟国に対して勧告をしております。その当ガイドラインでも、電子商取引に参加する消費者が十分に認識した上でオンライン上での意思決定を行うことができるよう政府等は情報提供を行うべきだと、こういうふうに述べておるわけです。 これを受けまして、経済企画庁では、そういったガイドラインを当庁のホームページに載せる等、あるいは消費者の電子商取引に関する情報提供等を行っております。 また、国民生活センターでも、これまで各種広報資料を使いましてインターネット関連の消費者トラブルの広報活動を行っています。最近の例で申しますと、本年十月一日発行、「くらしの豆知識 二〇〇一」という、これ年間六万部ぐらい出ているんですが、そういったものの中でインターネット関連のトラブルについての注意喚起を行っております。また、委員御存じだと思いますが、十月二十六日には、「インターネット消費者トラブルの現状と改善策」と題する特別な調査報告を行っております。また、文字情報だけでなくテレビでも、国民生活センターは「ご存じですか 消費者ミニ情報」という番組を持っておりまして、八月十六日に情報提供を行っております。 このようにいろいろな情報提供を行っているところでありまして、経済企画庁としましても、今後とも各省庁あるいは国民生活センターと連携を図って、電子商取引における消費者教育あるいは消費者啓発の推進に努めてまいりたいと考えております。
○畑恵君 ありがとうございます。ぜひ一般の方々、あと高齢者、そして若年層、それぞれに注意をすべき点というのも違うと思いますので、めり張りのある御指導をいただければと思います。 ではおしまいに、今度はIT革命におきます労働市場の弾力化の必要性という点について伺いたいと思います。 ちょっと時間が迫ってしまいましたので、最初に御所見を通産省に伺いたいと思ったんですが、ちょっとそこの部分を割愛させていただいて、具体的な部分について労働省の方から見解を伺えるとありがたいと思います。 IT革命の中でさまざまな施策を進行させていくと必ず突き当たる問題というのが労働市場の柔軟性をどのように確保するか。日本のように労働市場がかなり他国に比べて硬直化しているという状況になりますと、ここが非常に大きなボトルネックになってIT革命が進行しないという危険性が非常に大きく今存在していると認識しております。実際、米国があれだけIT革命で未曾有の経済活性化を行っている、それに比してEUがなかなか伸び悩んでいるというのは、やはりこの労働市場の問題というのが非常に大きく影を落としているせいだと私自身は理解しておるんです。 日本でもいろいろと労働市場の弾力化を確保するために、例えば年金のポータビリティ化を進めるとかいろいろな検討がなされているんですけれども、ぜひ有期雇用計画の問題、これについてメスを入れていただけないか、規制緩和をしていただけないかと思っております。 具体的に申しますと、多様な雇用計画の選択肢を労使双方に与えるという意味で、労働者派遣事業において、現在は派遣期間は原則一年未満ということになっておりますけれども、この規制を撤廃する、労働者派遣法を改正するということをぜひ行っていただけますと流動化というのがさらに進むのではないかと思うんですが、御所見を伺いたいと思います。 またあわせまして、もう一つの問題は、労働力の今ミスマッチが非常に拡大している。これを是正するために、現在の職業安定所のように労働者側のクオリティーですとかバラエティーを評価しないという仲介ではなかなか問題の解決というのは困難なのではないか。やはり有料の職業紹介事業というのをもっと振興して、そうなりますと、この職業紹介というビジネスが単なる中継ぎではなくて、仲介をするに当たってはそれぞれを評価しなければいけない一つの評価事業になりますので、その評価に対して正当な報酬が与えられるというような形に全体の制度を組み直さなければいけない。職業安定法を改正してそのようなシステムというのをつくるべきではないかと思うんですが、この二つの考えについて労働省のお考えを伺いたいと思います。
○政府参考人(渡邊信君) 初めに派遣労働の問題でございますが、労働者派遣法は御案内のように昨年改正をしていただきまして、それまで対象業務を限定しておりましたが、基本的に対象業務は自由であるということに改正をさせていただきました。 また、その際、派遣労働というものが常用労働者の代替として使われるということについても随分懸念が表明されまして、派遣期間は一年以内ということになったわけでありまして、昨年の改正で、昨年の十二月一日からこれが施行になっているという状況でございます。そろそろ施行後一年たちますので、改正点も含めてこれから実情の調査に私ども入ることにしておりまして、改正の際、三年後に見直しをするという規定がありますので、それに向けて検討していきたいというふうに考えております。 それから、有料職業紹介における料金の問題ですが、これも昨年の職業安定法の改正で、原則として紹介事業者の料金設定はみずから設定したものを労働大臣に届け出ることによって料金が自由に取れるということになりました。特定の人にサービスをするとか、あるいは非常に高額なものを除きまして、業者が設定した料金表で行えるということになりましたので、その運用によって行っていただきたいというふうに考えております。
○畑恵君 どうもありがとうございました。 終わります。
○山下栄一君 私は、まず最初に、行革推進本部の中の規制改革委員会を所管しておられる総務庁にお伺いいたします。 IT化と規制改革ということで幅広く規制改革委員会で検討をされてきたと。それで、電子商取引の規制改革にかかわる総点検、これを夏に精力的にIT戦略会議本部と連携してやられた。その一部が今回、通産省の御努力で書面交付の電子化にかかわる法整備の一括法という形で出てきたと。非常にある意味では短期の中で精力的にやられた結果、漏れた部分もあるわけでございます。 総務庁にお伺いしたいのは、この書面交付以外の部分、例えば対面行為を義務づけるさまざまな法制度の改革、それから今も職業安定事業にかかわる話もございましたが、事業所等の設置等の規制改革、この辺の問題はさまざまな省庁にかかわる部分があるし、そして総点検の結果によると、これは今回みたいに五十本ほどでもないけれども、幾つかの省庁にまたがる法整備の必要があるというふうなことが点検の結果言われておる。 こういう課題は今後どうしていくのか。特に私は、規制改革委員会がしっかりフォローしていただくことも大事ですし、それを所管される総務庁がこれをきちっとフォローするということも大事だという観点から、この書面交付以外の部分で総点検の結果指摘されたさまざまな法制度の改革をどうするんだということをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(坂野泰治君) ただいま御指摘のとおり、書面交付義務以外に電子商取引を促進する上でさまざまな規制改革が必要だということは私どもも十分認識をいたしておりまして、今御指摘のように、ことしの九月、規制改革委員会と内閣官房が共同いたしまして総点検を行いました。約四百余りの法律にかかわる、今御指摘の対面販売あるいは事務所の設置義務等の事項がリストとして上がってきておるわけでございます。 規制改革委員会は現在、今年内に見解をまとめるべく精力的な作業をいたしておりまして、その中の重点項目がこの電子商取引の推進などを含みますIT関係でございます。 総点検で上がりましたものすべてについて逐一この委員会で答えを出すというわけにはまいりませんけれども、重要なものについてはこの委員会みずからがいろいろ御提言もなさるでございましょうし、また各省庁に対してできるだけ早く検討を行って必要な改善策を取りまとめていただくように要請もされる予定ではないかと私ども推察をいたしております。 政府といたしましては、この規制改革委員会の見解が出ますれば、その見解を踏まえて今年度内には新たな規制改革計画を策定したいと思いまして、その中に可能な限り盛り込んでいきたいと考えておりますし、また、先ほどの別途御論議がございましたIT基本法に基づきますIT戦略本部におきましても具体的な検討がなされるものと期待をいたしております。
○山下栄一君 IT基本法、今審議中ですけれども、第十八条にもそういうことがうたわれておりますし、もちろん戦略本部にたくさん閣僚が参加されておるわけですから、これは精力的にしっかりやっていただきたいと思います。と同時に、総務庁もきちっと対応していただきたいということから御質問いたしました。 同じく規制改革委員会のこの総点検の中で指摘されている課題、省庁横断的に取り組むべき課題というのがございます。書面の原本性の確保、契約等の成立時期の問題、セキュリティー、個人情報保護などと、こういうことも非常に大きな課題として残っておるわけですけれども、この課題についてももう一度確認させていただきたいと思います。
○政府参考人(坂野泰治君) ただいま御指摘のとおり、書面の原本性の確保など横断的に取り組むべき課題があることは、これもことしの九月に規制改革委員会が表明いたしました中間見解の中で指摘をされ、政府としてできるだけ早い取り組みを要請しておるものでございます。これらに関しましては、この規制改革委員会で今後も御論議を継続していただくわけでございますが、同時に、内閣官房あるいは関係省におきまして広範な取り組みが既に開始をされておると承知をいたしております。 できるだけ関係省庁において検討を急いでいただいて、具体的な成果が得られるように総務庁としてもこれからもいろいろお願いをしてまいりたいと考えております。
○山下栄一君 次に、警察庁にお伺いいたします。 先ほどから影の部分の話がございますけれども、前回の委員会でも私、警察の取り組みの重要性、特に訪問販売、特定商取引にかかわるマルチ商法その他悪徳商法問題をお伺いいたしましたが、この電子商取引につきましても、先ほどからお話がございますように、ネット犯罪をどう防ぐかという観点が大変重要であると。 具体的に質問させていただきますが、インターネット、当然日本だけでなくて世界につながるということで、すぐ国際犯罪化するという大変大きなテーマがあるわけでございます。二年前の二月、福岡県警が摘発したネズミ講、この事件について概要をちょっと調べていただいたと思いますし、そのまず概要を御報告ください。
○政府参考人(坂明君) お答え申し上げます。 ただいま委員より御指摘がございましたペンタゴノ事件でございますが、これは一九九八年二月に福岡県警察が取り扱った事件でございまして、日本人被害者十二万人、被害額六億円が出ているということでございます。 これはイタリアの会社が主宰いたしまして、インターネットを利用して我が国において勧誘がなされたネズミ講事件でございまして、イタリアでは法規制がないところから、主宰者の検挙には至っておりませんけれども、我が国におきましては無限連鎖講の防止に関する法律違反ということで、関係者十四人を検挙している事案でございます。
○山下栄一君 今もお話ございましたように、これは本部はイタリアにあるけれども、首謀者も日本人がかかわっておるかもわからぬと言われているけれども、本部はそのまま何の捜査もされないままにこの事件は終わってしまったと。日本人は国内で十四名逮捕された、被害額六億円という事件であるわけですが、その後、こういう犯罪はいわゆる国際的な取り組みが必要であるというふうに思いますし、そういう取り組みのための枠組みづくりも日本が積極的に、こういう場面では日本が進んでおるわけでございますから、どのように現在警察として取り組まれておるかということをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(坂明君) お答え申し上げます。 ただいま御指摘いただきましたような事案も踏まえまして、警察といたしましては、こうした国境を越えて行われるハイテク犯罪につきまして、G8サミットの下部機関でございます国際組織犯罪対策上級専門家会合、いわゆるリヨン・グループでございますが、こちらにおきまして二十四時間コンタクトポイントの設定等の国際捜査協力体制の強化に加えまして、証拠の保全その他ハイテク犯罪に対処するために必要な法的な枠組みに関する議論等に積極的に関与いたしまして、関係省庁とともに各国と協調してハイテク犯罪に的確に対処してまいりたいと考えております。
○山下栄一君 こういう観点からの国際貢献もしっかりお願いしたいと思います。 ネット商取引にかかわる消費者トラブル、先ほどからもお話がございましたけれども、経企庁そして通産省、それぞれ取り組みをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(池田実君) お答え申し上げます。 国民生活センター及び各地の消費生活センターにおいては、通常の消費生活相談の中でインターネットについての消費者トラブルについても対応しているところであります。全国消費生活情報ネットワークシステム、いわゆるPIO—NETによりますと、インターネット関連の苦情件数はこれまで一万七千六百九十七件寄せられております。 経済企画庁としましては、各地の消費生活センターにおいてインターネットについての消費者トラブルにも相談員が的確に対応できるよう、国民生活センターにおいてこれまでも研修を行ってきたところであります。また、さらに研修を充実させるため、平成十二年度の補正予算において相談員等を対象としてインターネット関連の消費者トラブルの未然防止、回避に必要な知識を習得させる講座を開催するための研修用IT機器等の整備を図る予算を要望しているところであり、今後とも相談体制の支援に努めてまいりたいと考えております。
○政務次官(伊藤達也君) 通産省といたしましても、消費者トラブルに迅速かつ適切に対応していかなければいけないということで、相談体制の整備をしっかり進めているところであります。 我が省としましては、本省及び通産局に消費者相談室を設置して消費者からの問い合わせや相談に積極的に対応をさせていただいております。インターネットの進展に伴い、インターネット通販に関する相談件数が急速に増加しているところでありますが、全相談件数に占める割合は、平成八年度には〇・一%にとどまっていたものが、平成十一年度には一・五%に急速に拡大をしております。 このような状況を踏まえて、本年一月にはインターネット通販に関する相談を集中的に受け付けるネット通販トラブル一一〇番を実施したところ、四日間で百件を超える相談を受けたところであります。また、インターネットの利用者にとって一層利用しやすい相談体制とするために電子メールによる相談も受け付けており、電子メールによる相談は急速に増加をしているところであります。 また、民間団体においても、例えば日本通信販売協会の通販一一〇番等においてインターネット通販に関する苦情・紛争処理を行っております。また、先ほどもお話をさせていただきましたが、日本通信販売協会と日本商工会議所が本年六月に運用を開始したオンライン・トラスト・マーク制度においては、マーク取得企業と消費者とのインターネット通販にかかわる苦情・紛争処理を行うこととしております。通産省としましても、必要な情報提供の支援に努めてまいりたいと考えております。 通産省としましても、今後ともこれらの民間団体や他の政府機関と密接に連携、そして協力をしつつ、消費者にとって一層利用しやすい相談体制というものを整備していくために積極的に対応をしていきたいと考えております。
○山下栄一君 ネット犯罪、また電子商取引トラブルの話ですけれども、犯罪を犯す方々というのは、それは時代の進歩とともにテクニックもどんどん発達していく、悪い方の知恵もどんどん進んでいくわけでございます。また、悪徳商法をされる方々も同じだというふうに思うわけで、このトラブルを、また犯罪を担当する方々の方がおくれておる状況では、これは全然国民のニーズにこたえられないというふうに私は思うわけでございます。 通産省、経企庁の方はもう結構ですけれども、警察の今申し上げたようなネット犯罪担当の人の問題、対応する人のレベル向上というか、これにどう取り組まれているかということを確認させていただきたいと思います。
○政府参考人(坂明君) お答え申し上げます。 インターネット犯罪につきましては、御指摘のように大変急増しているところでございますけれども、これに対応するための捜査員につきましては、民間企業や大学等への委託を含めまして積極的な教育を行っているところでございまして、技術の進歩に対応できるだけの捜査能力の涵養に努めておるところでございます。また、民間企業等から専門知識を有する方をハイテク犯罪捜査官として採用するなど、即戦力の確保にも努めているところでございます。 また、ハイテク犯罪に関します国民からのさまざまな御相談に対応させていただくため、各都道府県警察におきましては、専用電話あるいは電子メール等を含めて相談をお受けしているところでございますが、中でも不正アクセスといったような高度な内容の相談に対応できるよう、民間企業等から専門知識を有する方を情報セキュリティ・アドバイザーとして採用いたしまして、全国における設置を推進しているところでございます。 また、こうした都道府県警に対する支援体制といたしまして、平成十一年四月、警察庁に、都道府県警察のハイテク犯罪捜査を技術的に支援するということで技術対策課を新設いたしますとともに、都道府県警察におきましてもハイテク犯罪対策プロジェクトといったようなものを設置いたしまして体制整備も図っているところでございます。 今後ともネットワーク利用犯罪の増加が懸念される中、ハイテク犯罪捜査官や情報セキュリティ・アドバイザーの体制の充実を図りまして、ハイテク犯罪の捜査に万全を期してまいりたいと考えております。
○山下栄一君 民間のそういうコンピューターの専門家を活用するということは私はどんどんやっていった方がいいと思いますし、全国の消費生活センターの相談員、女性の方が大変多いわけですけれども、もちろんそういうさまざまな資質向上のための研修等もやっておられるわけですけれども、そういう集中的に民間の専門家の活用ということも、経企庁また通産省も含めてですが、国としても支援をされたらどうかなということを御提案申し上げたいと思います。 次に、通産省にお伺いします。 先ほどは全体的な総点検の話を質問させていただきましたが、これは書面交付の電子化の法整備ということで、とりあえず五十本の法律ということ。もちろん、一括法として提案されたということは大変意義のあることだと思いますが、間に合わなかったものがあるし、これはいろいろ経緯があって、産業構造審議会でも検討し、行革推進本部でも検討し、またIT戦略会議、そこでもさまざまな検討を経て、迅速な対応をすべきだということから今国会で法案を提案されていると思うんですけれども、八月三十日のときにマルであったものが十月二十日でペケになったり、これは法律の話ですよ、それでいろんな経緯を経てこの五十本になったということですよね。 それに漏れたけれども、今回間に合わなかったけれども、やはり迅速に対応をすべきだ、消費者保護の観点もあるし、また消費者側の使いやすい商取引の発展のためにも、選択肢を広げるという意味でも、光、影、両方の部分はあるけれども、さまざまな課題があるが、これにきちっと対応するということを引き続き私は通産省がやるべきだと思うんです。 これは大臣にお答えしてもらう予定だったんだけれども、大臣がいらっしゃっていないから、政務次官でも結構です。
○政務次官(伊藤達也君) 私からお答えをさせていただきたいと思います。 先生御指摘がございましたように、今回御審議をお願いしております書面一括法案においては、書面による手続を行うことを法律上義務づけているもののうち、四つの類型に該当するものについては対象から除外をいたしております。ただし、いずれかの理由により今回の一括法の対象にしなかった法律についても、先生御指摘のとおり、消費者の意識の変化、情報通信技術の発展、商慣行の変化等を勘案して不断に見直しを行っていく必要があるというふうに考えております。そして、見直しの結果、将来的に個々の法律の改正により電子的手段を認めることも十分ある、そういうふうに考えながらこれから対応をしていきたいというふうに考えております。
○山下栄一君 今、政務次官、四つ除外したという、その四つの中に入っているやつを言っているんですけれども、僕は。除外した中に、契約をめぐるトラブルが多発する等、書面の代替が困難なものと言われたけれども、引き続き検討することによって法整備ができるというふうに至るものもあると思うんですよ。これはやっぱり精力的にやるべきだという観点から質問をさせていただいたんですけれども、今度は通産大臣、もう一度お願いします。何のことかわからぬかもわかりませんけれども、答えていただけたらというふうに思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) ちょっと商工会法施行四十周年の式典に出ておりまして、大変失礼をいたしました。 今、政務次官からお答えをしたと思いますけれども、やはり四つの類型に該当するものについては対象から除外した、こういうことでございます。したがいまして、今回一括法の対象としなかった法律についても、消費者の意識の変化とか情報通信技術の発展、また商慣習というのもいろいろ変わっていくわけでございまして、そういう状況をよく踏まえまして不断に見直しを行っていく必要があると私どもは考えております。 それで、見直しの結果、将来的に個々の法律の改正により電子的手段を認めることも十分あり得ると考えているわけでございまして、今御審議いただいている書面一括法案を成立させていただいて、これを円滑に施行する努力を行うことで電子的手段の導入をさらに拡大する環境をつくってまいりたい、このように思っている次第であります。
○山下栄一君 今回の法律は、書面交付もできるけれども電磁的方法によってもできる、その場合、ただし消費者の同意が要る、こういう規定になっているわけですけれども、この同意がやっぱり厳密にされないと私は消費者を守れないという観点もある、このように思うわけでございます。 同意をきちっと確認する、この辺の体制をどうお考えかということをお聞きしたいと思います。
○政務次官(伊藤達也君) 承諾のとり方についてはこれは政令で具体的に定めておりまして、その内容についてお話をさせていただきますと、第一に、送り手は、電子的手段を用いるに当たっては、あらかじめその方法の内容を明示して受け手の承諾を得なければならないということであります。第二に、その電子的手段の方法の内容の明示に当たっては、電子メール、ホームページ等のいずれの手段を用いるか、加えていずれの記録方式、すなわちソフトウエアを用いるかを明示して受け手側の積極的な承諾を得なければならないということ。第三に、承諾を得るに当たっては書面または電子的手段により承諾を得なければならないこととし、口頭での承諾を不可とすることであります。 なお、承諾を得るに当たり、以上の方式を満たしていない場合には書面を交付したものとはみなされないこととしております。
○山下栄一君 ありがとうございました。 次は、中小企業への配慮ですけれども、やはり情報格差の観点から、今回の法律の実施に当たりましても中小企業に対する支援も必要ではないか、このように思うわけですけれども、この点の施策をどうお考えか、お聞きしたいと思います。
○政務次官(伊藤達也君) 先生御指摘のように、急速に進展するIT革命に伴い、中小企業においてもIT化を進めることによってその経営の革新を促進していくことは極めて重要であると私どもは考えております。 このため、通産省といたしましては、例えばITに関する的確な知識や中小企業におけるIT活用事例やノウハウなどをセミナーや研修を通じて提供していくことを支援していく。さらに、物づくりとITの融合やITを活用した商業の活性化に対する支援、さらに各中小企業の経営に適したIT導入を円滑に進めていくために、経営者の立場に立った資金や情報等経営資源の確保に対する支援をこれから御審議をお願いいたします補正予算の中でもお願いをいたしているところでございます。 今後とも、多くの中小企業者が急速に進展するIT革命に円滑に対応ができるよう、積極的に取り組んでまいりたいと思います。
○山下栄一君 個人情報保護とプライバシー保護の観点からの対応、これについての通産省の取り組みをお聞きしたいと思います。
○政務次官(伊藤達也君) 個人情報の保護に関しましては、我が国における個人情報保護システムの中核となる基本的な法制の確立に向け、ことし十月十一日、IT戦略本部個人情報保護法制化専門委員会が個人情報保護基本法制に関する大綱を取りまとめたところであります。本大綱では、個人情報の目的外利用の制限、適法かつ適正な方法による取得など基本法制を立案する際の骨格が明らかにされているところであります。 政府といたしましても、本大綱を最大限に尊重いたしまして、次期通常国会への提出を目指し基本法制の立案作業を進める旨、本年十月十三日に決定を行ったところであります。通産省といたしましても、本基本法の立案作業に積極的に協力をしてまいりたいと存じております。 また、私たちといたしましては、従来より進めてまいりました個人情報保護に関するJIS規格、当該JIS規格を遵守する事業者を認定するプライバシーマーク制度の普及啓発に努めるなど、事業者による自主的取り組みの促進に積極的に取り組んで、個人情報保護というものを一層実効あるものにしてまいりたいと考えております。
○山下栄一君 冒頭質問いたしました規制改革委員会の取り組み、電子政府も入っておるわけでございますけれども、これについては政府を挙げてさまざまな準備がされておるわけでございますけれども、私は、もちろん国民に対するさまざまなサービス、これが向上していくという面もあるし、また行革の観点から経費節減につながる部分もたくさんあると、行政のスリム化。 一つ、こういうことを御検討かもわかりませんけれども、政府調達の話なんですが、政府調達を省庁横断的に電子商取引を活用して行うという、これはアメリカでも大変な成果を上げているということでございます。アメリカ合衆国は九四年から九九年の六年間にこの取り組みをした結果、百二十七億ドルですから一兆円を超える経費節減に成功した、こういうことが報告されております。こういう取り組みはなかなか私は現状では積極的に取り組まないと進まないのではないかと思うわけでございますけれども、こういうものは、米国の成功例は積極的に日本でも取り入れるべきだというふうに私は思うわけです。共通の物品調達、これをやる。これによって経費節減が相当できるというふうに私も思うわけでございまして、こういう取り組みをぜひ積極的にやっていただきたい。 計画に入っているかどうか知りませんけれども、所管はどこですか、内閣官房ですか、お答え願いたいと思います。
○政府参考人(壺井俊博君) お答えさせていただきます。 物品の調達に関する一連の手続につきましては、電子政府実現の一環といたしまして現在政府全体で取り組んでいるところでございます。具体的には、調達情報提供の充実及び提供情報への簡易なアクセスの実現、競争契約参加資格審査、名簿作成の統一、さらには入札、開札の電子化、これらを目指して取り組んでいるところでございます。 他方、現在各省庁が調達している物品は、国立の医療機関で使用する機器とか、国立の学校で使用する物品から一般事務用物品まで非常に多岐にわたっておりまして、各省庁がそれぞれの必要に応じて調達を行っているところでございます。 政府としましては、今申し上げましたように、平成十五年度末までに導入できるように、各省庁が汎用的に使用できる電子入札・開札システムを開発することといたしておりますが、御質問のような物品調達につきましては、このような各省共通の調達システムの実現を踏まえ、その必要性やメリットなどが検討されるものと考えております。
○山下栄一君 これは、それぞれ今各省庁でオンラインのための準備が進んでおる、ただ容量につきましても省庁には相当格差があるというふうにお聞きしておりますけれども、今申し上げた共通の物品調達制というのはよく具体的な検討をしていただいて、ぜひ実施に向けて取り組みをお願いしたいと思います。 次に、国民へのサービスですけれども、情報提供サービス、これも国民の側から利用しやすい電子政府であっていただきたいというふうに思うわけでございまして、例えば環境に関する情報提供を得たい、リサイクルに関する情報を得たい、仕事はそれぞれの役所にまたがっておる、だけれども国民は一括してリサイクルに関する、環境に関する情報を得たいんだというときに、例えば政府全体の窓口となる専用ホームページの開設とか、そういう関係各省庁の情報がすべてそこで手に入れることができるというふうなそういう国民が利用しやすい情報提供の仕組み、これをぜひ取り組んでいただきたいと思いますが、御答弁をお願いします。
○政府参考人(藤井昭夫君) 今、先生御指摘いただいた、電子政府の実現に当たって、できるだけ国民に利用しやすいような形で情報提供するということは極めて重要な課題だと私どもは認識しておりまして、実は既に第一歩といたしまして総合案内クリアリングシステムというものを平成十年度から運用を始めているところでございます。 これはどういうものかと申しますと、各省庁が文書情報あるいはホームページ、そういったものでいろんな情報を既に提供されておられるわけですが、それを一つのシステムにまとめ上げて、一つの窓口からすべての情報を検索できる、こういうようなシステムでございます。こういったものをまず始めたというところでございます。 さらには、こういったシステムをどんどん拡充していかなければいけないと考えておりまして、平成十三年度には、各省庁の行政手続、いろいろございますが、こういったものの主要な手続の概要だけじゃなしに申請書の様式等なんかもダウンロードしてそのまま国民の方が直接使えるようなシステム、あるいはこれはまた別途、来年の四月から情報公開法が施行されるということもあるんですが、今各省庁に文書管理をシステム的にやっていただくということをお願いしておりまして、この各省庁でおつくりいただいた行政文書のファイル管理簿、これをまた一つにまとめ上げて、一つの窓口から国民が見ることができる、そういうようなシステムもこの十三年度から始めていきたい、こういうことを考えているわけでございます。 今後は、システムはできたわけでございますので、むしろ内容をできるだけやっぱり開かれた行政とか行政の透明性とか、あるいは社会活動、経済活動に有効に活用していただく情報は何かという、そういう情報の内容の充実を図っていくことも量的な拡大を図るだけじゃなしに重要だと、こういうふうに認識して努力していきたいと思っているところでございます。
○山下栄一君 ぜひ身近な行政というか、特に行政の信頼向上のためにも大変重要なテーマだと思いますので、しっかりお取り組みをお願いしたい。 今、補正予算が国会に提出されまして、本会議では既に代表質問も行われたわけでございますが、この補正予算の中身にかかわる質問をさせていただきます。 IT基礎技能講習という制度を今回、自治省が各自治体に特例交付金を配付して行うという、そういうことが提案されております。非常に重要な提案だと思うわけでございますけれども、これは五百五十万人をめどにしているというふうに言われているわけですけれども、この五百五十万人というのも大変な数でございます。自治体がこれに自主的に取り組むわけでございますし、行われる場所もそんなにたくさん、各市においても数万人の方々が取り組めるところがあるのかという具体的な疑問も私は聞いておるわけでございます。どういうところで実施して、またこの五百五十万人に向けてのさまざまな配慮、特に基礎技能講習ですから私なんか最も早く講習を受けなければいかぬかもわかりませんけれども、まず国会議員みずからが、そういうITにふなれな方、私自身なんかそうですけれども参加するとか、これは国民運動としてやるためには非常にさまざまな国としても支援が必要であるというふうに思うわけですけれども、特にお年寄りや障害者の方やそういう方にも積極的に参加していただくということに私は意義があるというふうに思うわけでございます。 この交付金がどのように配分され、どのような形で各自治体が実施していくのか。実施場所はどうか、また多くの方が参加できる工夫はどうするんだということをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(林省吾君) お尋ねをいただきましたIT講習事業につきましてお答えを何点かさせていただきます。 補正予算で御審議をお願いいたしておるわけでありますが、御指摘の情報通信技術講習推進特例交付金は、住民の方々のIT基礎技能の早期普及を図りますために、現在も地方公共団体が実施しております講習会の拡大を飛躍的に図る、またそれを支援するという目的で都道府県に対して交付することを考えているものでございます。都道府県は、この交付金によりまして講習事業を実施するほか、市町村が講習事業を実施する場合には都道府県から市町村に補助金を交付してその財源的な支援をする、こういうことも考えております。 なお、お尋ねのございましたIT講習の実施場所でございますが、小学校、中学校、高等学校あるいは庁舎、公民館、図書館、博物館その他地方公共団体の施設のほかにも、大学、短期大学あるいは民間施設等を想定いたしているところでございまして、現在文部省の御協力もいただきながらこれら施設での供給可能性等について詰めているところでございます。 なお、御指摘ございましたように、この交付金によります受講可能人員は約五百五十万人程度を想定いたしておりますが、現在の検討状況ではこのうち約八割程度は先ほど申し上げました小中高等学校等の教育関係施設で提供が可能になるものと考えているところでございます。 それから、講習の具体的な内容についても御質問をいただきました。今回の講習は基礎技能の講習ということでございますので、住民の方々がITの基礎技能を身につけるために必要な基本的なものを対象にしたいと考えておりますが、パソコンの基本操作、ワープロ文書の作成、インターネットの利用及び電子メールの送受信を内容とするもので、十二時間程度の講習を想定いたしているところでございます。もちろん、このIT講習推進特例交付金は、このような講習の開催等これに必要な事務の実施に要する経費の全額を対象として交付したい、こう考えております。 なお、また御質問の中で、できるだけ多くの皆さん方にこの講習を利用していただきたいということを私どもは考えておりまして、基本的には交付金を交付いたしました各県におきまして協議会を設けていただき、市町村あるいは民間団体、あるいは教育関係団体と御協議の上で、県内のできるだけ多くの施設を利用しながらできるだけ多くの希望者の方々に講習の機会が与えられるようお願いをしたいと考えております。 特にそのうち、御指摘のございましたお年寄りあるいは障害者等につきましても、私どもは広く国民の方々にこの講習機会を御利用いただきたいと思っております。特に高齢者の方々が利用しやすいような講習内容となるよう、それぞれの県あるいは市町村において配慮されることを期待もいたしておりますし、また障害者の方々につきましても、障害者対応の機器やソフト等を使用していただく等の配慮が適切になされる必要があると考えておりまして、事業主体であります地方公共団体におきまして、障害者が容易に使用できる情報機器が配備されております障害者関係施設を活用する等、工夫していただくことを期待しております。 また、できる限り身近な場所で講習が受けられるようにということも考えておりまして、文部省との連携によりまして、学校のコンピューター教室等を活用させていただきたいということで、過疎地域等におきましても小学校等におきまして適切に講習の機会が開催されるよう各都道府県にお願いをしながら配慮してまいりたい、こういうふうに考えております。
○山下栄一君 私は、身近な日ごろからよくなれている場所でないとこれは定着しないと思うんです。そういう意味で、私は小学校、中学校というのは非常にすばらしいと思うし、養護学校等も利用する、すばらしいと思います。 いずれにしても、そういうことを実際やるのは市町村が中心になると思いますので、その辺のきちっとした取り組みの説明を丁寧にやるということが大事だと思いますので、その辺の取り組みをよろしくお願いしたいと思います。 これは、受講者の自己負担はどういうふうにお考えなのか。ゼロなのか、若干負担しなければいかぬのかということについてお聞きしたいと思います。
○政府参考人(林省吾君) お答えを申し上げます。 今回の交付金は、基本的に講習の開催及び関連する事務費の全額を交付することといたしておりますが、最終的には事業を実施していただきます地方団体の判断によることになろうかと思いますが、私どもといたしましては、この自己負担の点につきましては原則として受講者の所有物となる教材費ぐらいは御負担いただくことを考えておりまして、教材費のみの御負担でできるような講習を考えてまいりたい、こう思っております。
○山下栄一君 最後に、この問題で通産大臣にお聞きしたいんですけれども、このIT普及のための国民運動、今回のこのIT基礎講習、それを国が積極的に支援するということはすばらしいと思うんですけれども、ただ、これはせっかく予算措置をしたけれども参加者が少なかったとか自治体の取り組みが余り積極的でなかったとかとなるとうまくいかないわけでございまして、通産大臣、IT戦略本部副本部長として成功を何とかさせたいというその辺の決意発表をお願いしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 先生御指摘のとおり、IT革命を推進するためには、すべての国民が情報活用能力を身につけることのできる機会を設けることが重要なことは言うまでもありません。 こうした基本的認識に立って、国民の方々がパソコンやインターネットなどを利用できる技能を身につける機会が得られるようにするため、私どもとしては商工会議所等の既存の民間施設を活用して専門家の講師を派遣するなど、民間活力を利用する工夫をしながらIT講習を成功させるべく取り組んでまいりたいと思っております。 自治省の取り組みも、今御説明があったように大変意欲的な取り組みをしておりますから、そことも協力をしながら一生懸命に頑張らせていただきたい、こういうふうに思っています。
○梶原敬義君 先ほどから答弁を聞いておりましたら、何だか国際競争が今にも迫っているような話、あるいは国内でIT革命をやらなきゃ人間じゃないと、そういうような雰囲気の答弁も大分ありまして、いささかそうかなという感じを持ったものですから私の感じを申し上げたいと思うんです。 二十一世紀というのはやがて来ますが、どういう時代になるのかということを考えた場合に、私は、恐らく近いうちに石油資源が枯渇をしてくるだろう、あるいは環境が厳しくなってくるだろう、二十世紀のように戦争と競争の、あるいは多量生産、多量消費の時代というのは変わらざるを得ないんではないか、もっと人間的に豊かな社会、人間らしく生きる社会、平和な社会、そして公平公正な社会、健康で生きがいのある社会、そういう社会を目指すべきだし、社会はそういう方向に近づかざるを得ないんではないかなと、このように思うんです。 子供の問題も考えますと、日本は二〇五〇年には恐らく今の合計特殊出生率でいきますと一億を切るだろう、二〇八〇年には八千万人を切るだろうという統計が出ております。そういう社会に向かっていくのにこのIT革命とよく言われる情報通信技術の革新がどのような作用をもたらすのか、作用するのか。 本来、衣食足りて礼節を知るという言葉がありますが、それにプラス交通の手段あるいは情報の手段ということになるんでしょうが、本来の人間社会、国のあり方、国民のあり方にとってどういい作用を及ぼすかということに重点を置かないといけない。競争で、よそから先進諸国はこうだ、あるいはアジアの国々もこうだ、日本はおくれる、大変なことになるという議論が先に来ているような気がしてならぬのです。感じを申し上げました。 私はこの前の委員会で、IT革命ということに対して革命というのは言い過ぎじゃないかということをちょっと言いました。その根拠は、一つはトランジスタの発明にあり、トランジスタの発明の後、集積回路が発明され、そして超集積回路で記憶装置や何かも大変なものができて、コンピューターが小さくなって持ち運びができるような時代になってきた。その一連の流れを、言うならば情報技術通信革命と言うのかな、むしろ今の段階というのは、途中の段階ですから、革命と言うよりはむしろ情報通信技術革新と。 今度の書面の交付等に関する情報通信の技術の利用のための関係法律案、この法律案にはIT革命という表現は、大臣の提案理由の説明の中にはIT革命ということは一つも入っていないんです。革命という言葉は使っておりませんから、私、あえて言うことはないと思うんですが、どうもIT革命ということに何か意図的なものを感じてしようがないのであります。最初にそのような感想を持ちました。 大臣、何か御意見があれば。
○国務大臣(平沼赳夫君) 梶原先生から前回のこの委員会でも同様の御指摘がありまして、それに対してIT担当大臣たる堺屋経企庁長官から長々とした哲学論があったことも事実であります。 私は、梶原先生の、トランジスタから始まって、そしてもう既に革命の域から、起こった革命をさらに発展延長させる、そういう認識を持つ方がいいじゃないか、これも一つの御見識だと思っております。 ただ、IT革命とあえてこういう名前をつけさせていただいたのは、やはり我々のたどってきた人類の歴史から見ますと、一つは産業革命ということで御承知のように蒸気機関が発明され、またその中に大量生産方式も生まれ、運搬手段も変わる、こういうことで非常に大きな社会的、経済的な変革が行われました。さらにさかのぼって見ると、人類が種をまいて、そして食物を育てるということによっても大きな変革があった。 こういうことを考えてみますと、確かにIT化というものの現状を見てみますと、大きな社会構造を変え、経済構造を変える、こういうことで間違いはないわけでありまして、今御指摘の少子高齢化、こういうことで、二十一世紀は二十世紀とは違った視点で我々は人間のいわゆる行動というものを律していかなければいけない。そのためにも、日本は少子高齢化を迎えるに当たっても、そういう省力化やあるいは効率の上がるこういう、私はITというのは目的でなくて手段だと思っています、ですからこういうツールをいかにうまく活用して二十一世紀の社会に適応していくか、これが一つ大きな我々に課せられた課題だと思っております。 そういう意味で、私どもはある程度大きな大変革が起こる、そして影の部分もあるわけですから、うまくそれを制御しながらやっていく。そういう意味で、私はやっぱりITの戦略本部そして戦略会議のメンバー、そして担当副本部長として、やはり国民の皆様方にそういう意識を持っていただくためにも革命と、こういう言葉を使わせていただいた、そういうことで御了承をいただきたい、こういうふうに思っております。
○梶原敬義君 ありがとうございました。これは基本法か何かの議論のときにまたさせていただきたいと思います。 それで、確かに通産省の資料、我が調査室でいただいた資料を見ますと、主要国におけるインターネットの人口普及率とか、あるいは対アジア諸国の中で日本がどういう位置を占めているかという人口の比でグラフがかいてありますが、これは必ずしも全体を言っているんではないと思うんですけれども、おくれているという認識に立つなら、何が一体原因なのか、こういう法律の整備ができていなかったというのか、あるいはもっと私はほかに理由はあるんだろうと思うんですが、そのおくれているという原因ですね、考えられるものを挙げていただきたいと思います。 今後の普及の状況というのは、インターネット、パソコンもどんどんふえるというようなことを数字も出ておりますが、そこらの見通しもあわせてお答え願いたいと思います。
○政府参考人(太田信一郎君) お答えいたします。 今、議員おっしゃられたように、IT革命の進捗状況についてインターネットの普及率で比較するのがすべてではないと思いますが、仮にそういう比較をすると、アメリカが大体五〇%というものに対して、今急速にふえていますが、二〇%を超えたところではないかと。これは二〇〇五年ぐらいになりますと六割強の水準になるかと思っておりますが、いずれにしても現在の状況はややおくれているというふうに言わざるを得ないと思います。 なぜおくれているかということについていろんな御意見があるわけでございますが、私どもこの四月から、通産大臣の諮問機関である産業構造審議会の情報経済部会というところでかんかんがくがくいろんな議論をしております。 四つほどそういう場で出てきている議論を紹介しますと、一つはやはりサイバー空間の登場を前提としていない規制による多様な活動の制限があるのではないかと、今回お諮りしている書面法もそういう規制を緩和するという趣旨で御提案もさせていただいているわけです。 二つ目が、ネットワークサービスにおけるやはり高いユーザーコストということがあるのではないか。 三つ目は、サイバー空間に対応した今度はルールの方が未整備であるという問題があるという指摘がございます。 それから四つ目が、教育、雇用、金融などの制度の現状がITを活用した例えば新しい事業を起こすのに必ずしも適していないというような問題も指摘されております。 いずれにしても、こういう問題に対して国を挙げてきちんと取り組んでいくことが必要ではないかというふうに考えているところでございます。 普及率は、先ほど申しましたように今のところは二〇%強、二〇〇五年には六割強になると思っております。パソコンは家庭にはもう既に三九%ぐらい入っておりまして、毎年大体一千万台ぐらい最近は国内出荷がありますから、急速に家庭のパソコンの普及は伸びていくというふうに考えております。
○梶原敬義君 二〇〇〇年三月のパソコン白書によりますと、普及率が三八・六%、九・一%伸びておりますから、驚異的な伸び率で今伸びていると思うんですね。 パソコンの値段等も、価格がもうちょっと待てば下がるとか、何か日本国民の鋭いそういう物の見方というのか、そういうものもやっぱりパソコンの普及率、買いたいけれどももうちょっと待つかと、こういうことも多分にあるんじゃないかと思うんだけれども、どうでしょうか、そこは。
○政府参考人(太田信一郎君) パソコンの値段でございますが、もうデスクトップ型だと御案内のように十万円台でかなり安い、場合によっては十万円を割るようなものもございます。ノート型でも数年前に比べれば急速に値段が下がっておると。決して値段が高いことが、値段の点で大きな障害になっているというふうには我々は考えておらないところでございます。ただ、今後はさらにいろいろと競争が進んでいくと思っております。
○梶原敬義君 今ここでも話が出ておりましたが、値段もだけれども、値段よりも更新性というのか、待てばいいのが出るということがあるようでありまして、その点は余り政府の方も失望しないでこれは行くぞと、このように考えておられてもいいんじゃないかと思うんです。 それから、本一括法案の提案理由を見ますと、いろいろ書いておりますが、各方面からの要請があったような話ですが、確かに資料を見ますと経団連の方からの要請の文書もついておりますし、読みましたが、一般の中小企業とか一般の企業とか、あるいは個人の家庭、一般消費者。まず私はやっぱりこの一般消費者の意向も非常に大事だと思うんですが、その辺の早く法整備をせよという指摘をどのような形で窓口はいただいたのか、お尋ねします。
○政務次官(伊藤達也君) 一般消費者はどう思っているのかと御質問をいただいたわけでありますけれども、書面の電子化に関しては産業構造審議会消費経済部会において議論がなされたところであります。そこには、消費者側を代表して主婦連、社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会等の代表者に委員として御参加をいただき、忌憚のない御意見をいただいてまいりました。 その結果、本年九月二十五日に提言がまとめられております。その提言においては、書面の取り扱いについて、書面による通知を求める理由を十分考慮しつつ、電子的書面を認める際の適切な要件、例えば消費者の希望、同意などの設定を具体的な内容について諸外国の例なども参考にしながら検討すべきであると、こうした指摘がなされているところでございます。
○梶原敬義君 消費者のどういう層が強くそういう希望をしているか。パソコンを持っている人たちは若い人が多いんですよね。そこらの人たちの群れ、群れというか群ですね、固まりがやっぱりどういう意向を持っているかというのは非常に大事なことでありますから、また資料でもあればいただきたいと思います。 先ほど山下議員からインターネットに関する苦情、ITの中心になるのはインターネットがその中心になりITと呼んでおられるんだろうと思いますから、少しインターネットに関する苦情について繰り返して質問することになると思います。 資料によりますと、これは国民生活センターの資料ですが、インターネットに関連する苦情は、一九九五年が六十三、一九九六年が七百十三、一九九七年が千九百九十五、一九九八年が四千二百五、一九九九年が六千六百二十九、二〇〇〇年が四千九十二と、非常に急激にふえておりますね。この前、訪販法の改正法の審議のときにも出た話でありますが、こういうように急激にふえているということは、私は先ほどお話があったように十分な対応、後追いにもうなっているんだろうと思いますが、やはり先手先手を打つことも大事でありますし、特に各県にあります消費生活センターの皆さんもこのインターネットに対する苦情の処理というのはなかなか専門的で難しいのではないか。 ここをどのように早く指導していくか。経企庁の方から先ほどありましたが、通産省が一歩早く踏み出す必要があるだろうと思いますが、重ねてお尋ねします。
○国務大臣(平沼赳夫君) 確かに、インターネットの商取引に関して苦情が増大しているということは事実でございまして、けさのテレビのニュースでもそのような報道がありました。 通産省では、本省及び通産局に消費者相談室を設置して消費者からの問い合わせや相談に積極的に対応をさせていただいております。 インターネットの進展に伴い、インターネット通販に関する相談件数が急速に今申し上げたように増加をしてきております。全相談件数に占める割合は、平成八年度には〇・一%にとどまっておりましたけれども、平成十一年度にはこれが一・五%に急拡大しております。 このような状況を踏まえまして、本年一月には、インターネットの通販に関する相談を集中的に受けつけるネット通販トラブル一一〇番を実施したところ、四日間で百件を超える相談を受けたところであります。 また、インターネットの利用者にとって一層利用しやすい相談体制とするために、電子メールによる相談も受け付けており、この電子メールによる相談は急速に増加を見せております。 また、民間団体においても、例えば日本通信販売協会と日本商工会議所が本年六月に運用を開始したオンライン・トラスト・マーク制度においては、マーク取得企業と消費者とのインターネット通販に係る苦情・紛争処理を行うこととしており、当省といたしましても必要な情報提供等の支援に努めたいと考えております。 今後とも、これらの民間団体や他の政府機関と密接に連携、協力しつつ、消費者にとって一層利用しやすい相談体制を整備するべく積極的にこれからも努力を傾けてまいりたい、このように思っております。
○梶原敬義君 ぜひ消費生活センターの指導を強めていただきたいと思います。 それから、この法案を見ますと、先ほども答弁がありましたように三カ月でまとめたと、これは大変なことだったと思うんです。五十本ですね。それゆえにかどうかわかりませんが、今度逆に、我々なかなか大臣の趣旨説明の文章を見ても非常に理解しにくい文章になっております。 ここで言っているのは、政令とか府省令ですね、政令、府省令で後は任せてくれと。すると、我々が国会で審議をするときに政令とか府省令の大体アウトラインみたいなものがわからないとなかなか全体を理解できにくいんですが、この辺について、これは通告も何もしておりませんが、早けりゃいいというものじゃないので、中身も、国会に出すときには、指針とか基本指針、後は基本指針に任せてくれとか政令に任せてくれというのは、非常に国会で審議をしながら我々わかりにくいわけですから、今後ぜひ気をつけていただきたいと思います。 それで、公布の日から起算して五カ月を超えない範囲においてという五カ月というのは、政省令、府省令、そこらの対応があるからこうなっているんでしょうね。どうですか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 五十本もの法律を改正する、こういう形でございますから、やはり関係するその範囲が非常に広うございます。そういう意味で、周知徹底をする、そういう期間がやはりある程度必要であると、こういう判断で一応そういう期間を設けさせていただいております。 また、先ほど委員から御指摘のありました政令、省令に関しましては、これは政令、省令にも書面の交付を義務づけている、こういうようなものもたくさんございますので、政令に関してはやはりこの法律改正と同じように一括して取りまとめをしようと思っておりますし、また省令に関しましてもそれぞれ各省庁と連携をとりながらこれにふさわしい、そういう万全な形をとってまいりたいと思っています。そういう意味でも、取りまとめをした段階では極力、どういう内容になるかと、こういうことはお知らせをしなければならない、こういうふうに思っております。
○梶原敬義君 次に、文部省おいでになっていますか。 この前、通産省の担当の方から少し話を聞きながら、インターネットでサンフランシスコのシンフォニーというか、何か音楽鑑賞の切符を日本から自由に買えるという、そういう買い方のモデルみたいなものをいただいたんですね。三十ドルで云々というんですね。これはもう全部英語で書いているんですよね、全部英語です。「Your Order.」「You are about to purchase 1 ticket.」とかなんとかいって、「A total of U.S.$30.00」。なかなかこれは難しいと思うんですよ。私だって何年か勉強したけれども、さっぱりですね。大半、今子供たちで英語好きなのはいないですよ、小中学校、高校で。 それで、私の高校の同級生で、今、東京工大の学長をしている、なかなかいろんなことを発明してやっている男がおるんです。彼が大分県に帰りまして高校生を前にして講演をやっておりましたのを私も聞いたんですが、これから二十一世紀に向けて、こういう情報通信技術が発達してくる社会では、最小限やっぱり知らないとなかなか生きていけぬのじゃないかと、必要英語は、実用英語については、そういう話をしていた。なるほど考えてみれば、発音はまあどうでもいいけれども、インターネットの恐らく英語が共通語になるんでしょうが、それらの問題をさりげなく語っておったので私もずっと引きつけられたんです。 通産省のこの資料を見ますと、どこがどう変わるのかというところで、「教育」、「企業」、「議会及び政府」という項目があって、これは「二十一世紀経済産業政策の課題と展望」というところから出ている資料ですが、「個人」の「教育」のところでは、「一対多の教育」「知識を重視(情報の記憶)」「画一化・標準化されたカリキュラム」「学習場所・時間の画一化」「受動的・一方向的な学習」、何かこういうことが変わるというけれども、しかし一番根本になる、恐らくインターネットの共通語は英語になるのかもわかりませんが、そこのところは最小限小中学校で、嫌々言ってもやっぱりやっておかないと、これはやり損なっていつもインターネットで失敗したり損害をこうむるようなことになる。急に言ったってなかなか無理ですから。その辺について、この前もちょっと文部省にも言いましたが、どのように考えておられますか。
○政府参考人(玉井日出夫君) お答え申し上げます。 やはり国際化、情報化というのは大変大きな変革が来ております。したがって、学校もインターネットをどんどん今取り入れてその接続に力を入れているところでございますし、それからこういう国際社会の中で生きていく日本人としては、やはり英語の力が相当必要になってきているという認識を持っております。 特に、基礎的、実践的なコミュニケーション能力としての英語というところをもっと力を入れねばならないという認識を持っておりまして、これまでも中学、高等学校での英語の充実を図ってきたところでございますけれども、新しい学習指導要領、小中学校は今度平成十四年度から実施するわけでございますけれども、その中でもさらに基礎的、実践的なコミュニケーション能力の育成に力を入れたところでございますし、また同時に、情報化社会の進展を踏まえまして、その指導に当たりましてコンピューターや情報通信ネットワークなどの活用もその中にまた組み込んでいこうというふうに思っていますし、それから小学校段階での英会話というのをどう考えるかということが前々からの議論にございまして、今回の新しい指導要領におきましては、小学校において今まで教科の縦割りの枠がございましたけれども、それを総合的にやろうということで、総合的な学習の時間というのを小学校三年から六年生まで設けました。中学、高校にも設けてあります。その総合的な学習の時間の中で国際理解教育も行う、そういうことができるようにしております。外国語会話をその中でも行っていく。したがって、小学校段階ではなれ親しむというところから外国語、英会話に触れていこうというところをこの新しい平成十四年度の指導要領から今始めようとしているところでございます。 このためにはやはり条件整備がなかなか重要ではないかと思っていまして、従来から御案内のとおり、いわゆるJETプログラムによります外国青年の招致事業をやっておりますし、研修もやっております。さらに、これからは小学校の先生方に対する必要な施策も打ってまいりたい、こういうように思っております。
○梶原敬義君 もう最後です。 私は、もともと子供に詰め込んで勉強させるというのは好きじゃないので、困ったことだなと。もっと小中学校の子供は太陽に当たって伸び伸びとした教育ができるような中で、最小限やっぱりやることはやった方がいいなと、このように思いますから、よろしく御指導ください。 終わります。
○水野誠一君 無所属の会の水野誠一でございます。 今、梶原委員からIT革命という言葉についてのお考えがいろいろお話があったわけでありますけれども、私も、IT革命という言葉を今、日本で、しかも政府が使うということについてはいささかいかがなものかと思っているところがありまして、これはアメリカでいけば、一九七〇年代に、それまでの重厚長大産業の衰えを新しいテクノロジー産業の伸びが補って押し上げていったという、セカンドカーブと言われるようなこういうタイミングをもってIT革命と言うこともできるとか、あるいは今お話がありましたけれども、インターネットの普及をもってそう言うと、いろいろな考え方があるようであります。いずれにしても、革命というからにはやっぱり民間から沸き上がる大きなムーブメントをとらえて革命と言うべきである。 ですから、そんなことからいくと、先ほど大臣からも、意気込みというかそういうことで革命という言葉をお使いになっているというのはわかるんですが、今、森総理がIT革命、IT革命とおっしゃればおっしゃるほど日本の株は下がる。これは何でなんだということで、先日も外資系の証券会社のアナリストにこんな雑談をしていたんですが、彼なんかが言うには、いや、それが問題なんだと。つまり、日本はおくればせながら今IT化を進めるというようなことをおっしゃればまだいいんだけれども、そうじゃなくて、胸を張ってIT革命と言われちゃうと、日本の総理の時代感覚といいますか時間感覚というか、そういうものを疑ってしまうんだというような話も出てまいりました。一つそういうことからいけば、IT革命とおっしゃるのは結構ですが、おくればせながらIT革命ぐらいのことをぜひ大臣にもおっしゃっていただきたいと思います。 そういう中で、今回の法案でありますが、私はいささかこれも時宜を得たというよりも遅きに失したという感がないでもないなと思っておりますが、今回の改正を経て電子商取引の進展に弾みがつくということは大変結構なことだと思っております。法案そのものについては、私の前にかなりいろいろな委員からさまざまな御質問、御指摘もありましたので、余り重複してもと思うのでありますが、幾つか確認をさせていただきたいと思います。 今回対象となっている五十本の法律において、従来の文書による手続に加えて、メールあるいはホームページなどによる情報提供手段を認めようとするのがまさに今回の改正内容でありますが、原則文書等の紙によるという考え方は変えずに、送信者側、受信者側の双方が電子的手段の方が望ましいと判断する場合に限り選択肢を広げる、こういう説明がされております。この双方が電子的手段の方が望ましいと判断したことを確認する手段はどのように規定されるかということなんですが、法律の数でも五十に及ぶわけでありますから、実際の手続場面は非常に多岐にわたると想像されます。 例えば、今回の法案の説明資料の中で、訪問販売法の場合のサンプルとして、これは大変わかりやすいサンプルだと思いますが、ソニーのアイボを注文する際のイラストが出ておりました。予約金などを伴う通信販売の申し込みを受けた事業者は、従来、契約の承諾に関する書面などを今までは郵送で送っていたわけですが、今回の改正を経て、その部分をメールなどに置きかえることができるというわかりやすい説明であります。 これが双方電子的手段の方が望ましいと判断した場合に限る以上、事業者は書面をメールなどで送ることを事前に消費者に承諾させる手続を経なければいけないのではないか、またその承諾手続にはメールは使えないということになるのではないか。そうすると、かなりおかしなことになってしまうんですが、この点は実際どうなっているかということをお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(太田信一郎君) お答えいたします。 本法律案におきましては、水野委員御指摘のとおり、送付側と受け手側の双方が、電子的手段の方が望ましいと判断した場合に限ってその選択肢を認めることとしております。そして、これを確認するため法律上、政令で定めるところにより顧客の承諾を得なければならないこととしております。 その承諾を得る方法でございますが、政令で定めることになりますが、その政令の中で、承諾は書面または電子メール、ファクス、ホームページ、フロッピーディスクの手交等の電子的手段で得なければならない旨規定する予定であります。したがって、口頭での承諾は認められないことになりますが、今の御質問との関係でいえば電子メールで承諾を得ることはできることとなります。 今の訪問販売法における通信販売規制の場合の例でいきますと、企業が電子メールで消費者から予約金等を取る商品の申し込みを受けた場合、その場でその消費者に対して、法律の義務に基づく書面に記載すべき事項を電子メールで送信することについて、電子メールで承諾を得、その上で当該事項を送信することができることというふうになると思います。
○水野誠一君 わかりました。 では、消費者側がその電子的手段による書面交付を受ける際には、単純なメールによるものでいいのか、あるいはバージョンの新しいブラウザを必要とするのか、あるいは書類が、ちょっと専門的になって恐縮なんですけれども、例えばワードのファイルなのかPDFファイルなのかといったさまざまなスタイルがあり得ると思うわけですが、消費者側はその書類を閲覧できる環境にあるかどうかを確認する責務、これが事業者側に生じるのでしょうか。その点はいかがでしょうか。
○政府参考人(太田信一郎君) 水野委員御指摘のとおり、電子的手段により事業者が情報を送信する場合には、例えば今もお話がございましたが、添付ファイルのソフトウエアとして一太郎を用いるのか、それともワードを用いるのかといった、使用するソフトウエアが送り手側と受け手側で異なる場合も想定されるわけです。この場合、場合によっては消費者側がその情報を閲覧できなくなる可能性もございます。 このような事態が発生しないよう、本法案におきましては、受け手、顧客の承諾を得る方法を定める政令の中で、承諾を得るに際しては、送り手はいずれの記録方式、すなわちソフトウエアを用いるかを明示して承諾を得なければならないことを規定することを考えております。 したがいまして、受け手の側は、みずからが利用するソフトウエアで送り手側が送信する情報を読み取ることができる場合のみそれを選択して承諾することとなるわけでございますので、それ以外の場合には電子的手段を用いられないことになりますということで、消費者側が電子的手段により送られる情報を閲覧できることは保障されるということになると思っております。
○水野誠一君 ところで、こういう問題はどうなのかということでお尋ねしたいんですが、原則文書などの紙によるという考え方を変えずに、送信者側、受信者側の双方が電子的手段の方が望ましいと判断する場合に限り選択肢を広げるとされていることは、消費者保護などの観点からわからなくもないということだと思います。 しかし、消費者側が望む場合に備えて紙による提供手段の道も残さなければならないとなれば、事業者側は結局、常に紙と電子的手段との両方が提供できる体制をとらなければならないことになる。例えば新しいベンチャー企業などで、我が社はネット上で完結できる取引しかしない、あるいはこの製品に関してはメールによる情報提供手段しか用意していない、紙による情報提供にかけられる体制もコストもない、それに対応できるユーザーのみおつき合いいただきたいと。当然こういう企業というのはあり得るわけでありますが、こうしたやり方は今回の改正を経ても許容されるんでしょうか。 IT化の目的というものは業務の合理化ということにある、目的の一つですが、業務の合理化ということだと思うんですが、もちろん片方で情報弱者への配慮等々、また別問題であるんですが、この辺をちょっとお答えいただきたいと思います。
○政務次官(伊藤達也君) 先生御承知のとおり、我が国の民法に従えば、売り買い等の民と民の間の契約自体については、書面であろうが電子的手段であろうが、あるいは口頭であろうが、従来より自由に契約を結べることになっております。したがって、契約の前後に書面による手続を義務づけている法律によって規制されていない分野におきましては、委員御指摘のような取引形態はこれまでも自由にできましたし、今回の改正を経ても何ら変更もなく行うことができるものであります。 他方、契約の前後に書面による手続を義務づけている法律によって規制されている分野につきましては、これまでは当事者間で合意をしようがしまいが一切電子的手段による手続義務の履行は許されていなかったわけでありますが、本法の施行後は、当事者間で合意する限り電子的手段による手続が認められるものであります。その趣旨に従えば、事業者側が強引に消費者の承諾を得るとすれば、これはきちんと消費者の承諾を得たものとして法律上取り扱うことは困難であろうというふうに考えられます。
○水野誠一君 よくわかりました。 次に、総務庁に電子商取引を推進する上で必要となる規制緩和について伺いたいと思います。 規制改革委員会事務室が八月にIT戦略会議に提出しました、電子商取引促進のための規制改革等諸制度の総点検の現状という資料を拝見したんですが、民間における取引において法令その他行政上の義務づけがある制度は法律の数で百二十四本あるとされています。書面の提出・交付を義務づけているものが八十三本、署名・捺印を義務づけているもの二十二本などという内容がそこに示されておりました。 そこで伺いたいわけですが、書面交付については今回の法改正で統一的に規制緩和されることになるわけですが、同じ資料には、対面行為を義務づけているもの六本あるいは事業所の設置基準に関するもの二十一本なども検討対象として示されております。薬局での薬の販売の義務づけ、あるいはネット上で有料職業紹介の問題など、電子商取引等の関連でしばしば話題になるものがここには含まれていると思うのでありますが、これらの点について規制改革委員会においてどんな検討がされているのか、あるいはどんな議論がされているのか、伺わせていただきたいと思います。 それからまたもう一つ、来年三月には規制改革推進三カ年計画の策定があると聞いておりますが、電子商取引の促進の観点からこうした課題についてもより踏み込んだ計画が示されることを期待しておりますが、その点についても総務庁の御見解を伺えればと思います。
○政府参考人(坂野泰治君) ただいま御指摘のように、ことしの九月二十日に規制改革委員会が内閣官房と共同して行いました総点検の結果を公表いたしておるわけでございまして、そこには委員御指摘のような法律の件数が掲げられておるわけでございます。 この委員会では、これらの法律すべてについて一つ一つを吟味するまた余裕もございませんし、基本的には各省が積極的な見直し努力を払っていただくということをこの委員会としては要請いたしておるわけでございます。 ただ、この総点検の結果の中で、電子的手段を求めることについて支障があるということを答えているもの、あるいは検討を要すると答えているものにつきまして、総じてということで委員会が各省庁に述べております見解は、やはり検討を要するものはできるだけ検討スケジュールを明らかにして早く見直し結果を出してほしい、それから支障があるということを言っておりますものについても、書面の原本性の確保とか真正性の確保などの問題があるとすれば、それは電子署名及び認証業務に関する法律の成立などによって解決が可能ではないかと思われるものもあるので、もう一度きちんと制度について洗い直しをしてほしい、そういう趣旨の要請をいたしておるわけでございます。 委員会は、この年内に最終見解をまとめるべく作業をいたしておりますが、先ほど申し上げましたように、この四百件にわたる個々の事項について一つ一つ答えを出すわけには多分いかないと思いますが、重要なものについては言及する可能性があると思っております。 また、こういう個々の問題に挙げられていない問題、例えばきょうも御審議でございますが、業法などでいろいろ仕組みが定められておる、あるいは制度が電子取引を想定していないようなもの、そういうものについてもIT化を進めるという観点から積極的に見直すべきではないかというような問題意識で審議をしておられますから、かなり広範な問題提起がなされるのではないかと考えております。
○水野誠一君 確かに、非常に対象範囲が広い検討でありますから大変だと思うんですが、やはりひとつ前向きに御検討いただきたいと私の方からもお願いをしたいと思います。 次に、これは通産省に電子商取引におけるセキュリティーの問題について伺いたいと思います。 これは言わずもがななんですが、電子商取引を促進するためには、国が幾らインフラ整備の大合唱をしてもそれだけでは不十分であります。事業者や消費者それぞれに対する電子商取引へのインセンティブづけが必要だということは言うまでもありません。これはよく言われることでありますけれども、低コストで便利で安心してこれを利用できる環境整備ということに尽きると思うのであります。 今回の書面法の改正は、コスト面にも便利さにも寄与するものではあると思いますが、こうしたプラスインセンティブとなる要素の拡大には民間の知恵と工夫に期待される部分が大変大きい、むしろ政府の役割というのはその最後の三番目の安心してこれを利用できるかどうかという部分ではないかなと。ここの環境整備に対しての期待される部分というのは大変大きいのではないかと私は思っております。 さて、一口にセキュリティーの確保といってもいろいろな側面があるわけでありますが、まず技術的な意味でのセキュリティーの問題について伺いたいと思います。 データの破壊や改ざんなどをもたらすハッキングの防止技術であるとか、いわゆる成り済ましや盗聴を防止する通信の暗号化技術などは、電子商取引そのものに対する信頼性を左右するものでありまして、今後ますます重要なインフラとなる技術分野だと考えております。また、こうした技術開発には終わりがない。つまり、ハッカーとのよく言われるイタチごっこ的な競争が続いていく分野でもあると承知しております。 国民が安心して電子商取引に参加するためにも、例えば民間の技術開発に対する支援など、国の役割も重要だと考えておりますが、この点、通産省がどんな具体的な支援策を行っているか、伺いたいと思うんです。 と申しますのは、やはりこういったセキュリティーの面でもアメリカとかイスラエル、このあたりが軍事情報の保護というようなところから研究が非常に進んでいるというようなことも伺っておりますが、暗号技術は国家機密にも関連することであって、こればかりはグローバルスタンダードに準ずればよいという分野ではないと私は思っているんです。したがいまして、やはり日本独自の研究促進というものが重要だということからいけば、これは一番急がねばいけないテーマではないかと思うんですが、その点について通産省の御見解を伺いたいと思います。
○政務次官(伊藤達也君) IT革命を推進していく場合に、先生御指摘のように、政府のやるべき環境整備の中で安心をしっかり確保していくということは大変重要であります。 特に、情報セキュリティーの確保というものは電子商取引を促進していくために必要不可欠のものであると十分認識をしておりまして、この分野の技術開発については、ビジネスとして民間が中心に行っていかなければいけないということは基本だというふうに考えておりますが、市場で直ちに評価されない先進的技術や、あるいは個別企業では開発が難しい汎用技術等は国の支援が必要であるというふうに考えております。 通産省では、かかる認識のもと、情報処理振興事業協会を通じて技術開発を支援しております。具体的には、不正アクセス対策技術開発あるいは高精度ウイルス検知技術開発等が挙げられるところであります。
○水野誠一君 これは、私は本当に重要な問題だと思うんですね。特に、民間でのセキュリティーの問題のみならず、やはり国の大きな情報に対する、機密漏えいに対する防御ということも含めて、私は日本は決してそういった民間における技術開発、研究も含めて、おくれているとは思っていないんです。ただ、やはりなかなかこの分野というのはどうしてもグローバルスタンダード、デファクトスタンダードという考え方の中でのみ込まれてしまう。しかし、本当に日本独自のこういった技術開発というものをやっておかないと、これは大きな悔いを残すことになるのではないかなと思っておりますので、その辺もやはりもっとしっかりとウオッチをしていただきたいなと思っております。 それから次に、個人情報の保護というソフト面の、情報セキュリティーの問題についても伺いたいと思います。 前回、この委員会で訪販法の審議の際に、私自身の体験として、あるサイトでビタミン剤を注文して商品が届いたんだけれども、実はその直後に別の薬のマルチへのお誘いのメールが入ってきてびっくりした、こういう話をしました。 事業者はどこのだれがいつ何を買ったかなどの個人情報を簡単に集めることができるわけでありますが、これを事業者が適正に利用する限りは立派なマーケティングのためのデータベースと言えるわけでありますが、むやみに第三者に流出するということは、これは当然許されるはずがないはずであります。 電子商取引に伴う個人情報の保護対策をどのように進めていくのか。まだまだ何となくインターネットの世界ではこの観念というのが、特にダイレクトメールとかそういう名簿管理というのは、リアルの世界では非常に最近うるさく言われるようになってきたんですが、まだ電子商取引の分野では野放し状態なんじゃないかなという感じもするんですね。通産省の見解を伺いたいと思います。 そして、もう一つ、金融庁や通産省が検討している個人信用情報保護法の法案づくりが大幅におくれて、二〇〇一年以降に先送りされる見通しとなったという昨日の新聞報道もあったわけでありますが、この点についてもその経緯と今後の作業予定を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(平沼赳夫君) 委員の最初の御質問に関して私からお答えして、後半は政務次官にお願いしようと思っております。 水野委員御指摘のとおり、個人情報の保護対策というのは、国民が安心して電子商取引を行うことができる環境整備の一環として非常に重要な取り組みである、このように認識をしております。先月十一日には、IT戦略本部個人情報保護法制化専門委員会において個人情報保護基本法制に関する大綱を取りまとめたところであります。その後開催されたIT戦略会議では、個人情報保護の取り組みの重要性について数名の委員からの御指摘もございました。 こうしたことを踏まえつつ、政府といたしましても、次期通常国会に個人情報保護に関する基本法制を提出すべく、今立案作業を鋭意進めているところでございます。 IT戦略本部の担当副本部長といたしましても、この作業に精力的に取り組んで、万々遺漏なきを期していきたい、こういうふうに思っておりますし、また通産大臣の立場といたしましても、従来から進めてまいりました個人情報保護に関するJIS規格でありますとかプライバシーマーク制度の普及啓発に努めて、個人情報保護を一層実効のあるものとしてまいりたい、このように思っております。
○政務次官(伊藤達也君) 後半の質問についてでありますが、個人信用情報の保護、利用のあり方を検討する際の視点として二つあるのではないかというふうに思っております。一つは、多重債務者の発生防止の観点から、その積極的な活用が必要であるという視点と、もう一つは、個人にとって人に知られたくない大切な情報であるという観点から、その十分な保護が必要であるという視点であると思います。この二つの視点のバランスをどううまくとっていくかということが基本的な観点になるのではないかというふうに思います。 今、大臣が答弁をさせていただいたように、現在、内閣において個人情報保護の基本法の提出に向けて作業を進めさせていただいているわけでありますが、個人信用情報保護、利用のあり方について検討を進めるに当たっては、この基本法制との内容の調整、それから整合性の確保というものが必要不可欠でありますので、今後、金融庁ともよく相談をして進めていきたいというふうに考えております。
○水野誠一君 今のお答えの中にあった、個人情報というものをどう扱っていくか、これはIT化を進めて合理化をしていくという視点とプライバシーの問題と、これは本当に今回の個人信用情報保護法の中に何か集約されているという感じもしますので、私は、これは拙速に答えを出すということだけではなく、やはり時間をかけて論議をするということは大変重要なことだと思うんです。 しかし、とはいいながら、やはり今、現状、非常にこういういろいろな事故が多発する中で、一日も早く成立をしていかなければいけない法律でもあるかなと思いますので、ひとつ、そういった議論を積極的に進める中で、ぜひまた我々にもその内容をお教えいただきたいと思っております。 終わります。
○渡辺秀央君 大臣、御苦労さまです。 私のところまで来ますと大体問題点が全部指摘されまして、しかもまた私も久しぶりの質疑でございまして、あれを申し上げようかこれを申し上げようかと思って来たんですけれども、かなり重複もあったりしますが、きょうは時間もいただきましたので、少し切り口を変えながら、お許しをいただきまして、先ほど来もう若干のまた指摘もありますけれども、なるべくダブらないように、そしてまた大臣の気楽な見解をお聞きもしながらというような気持ちで、私の考えも申し述べながらこれから少し時間をちょうだいしたいと思います。 私は、基本的にこの法律に賛成であります。もちろん、いろんな問題点が指摘されておりますので、そういうことをいろいろ踏まえながら、まあしかし今日においてはということだろうというふうに思いますね。 先ほど来のお話のように、IT革命という言葉そのものに対しても、実は私も申し上げようと思って、もういろいろ出ましたから申しません、同じことは。しかし、やっぱりITにかかわる思い切った政策、立案、実行ということが本当は革命なんですよね。 そういう点では、通産省、私も長い間この関係で勉強させていただいてまいりまして、少しこの思いの中で、情報産業ということなどのあり方、そして私どもが、私は昭和五十一年に当選させていただきましたが、その前の段階で、私が通産省大臣室に秘書官としてお世話になっているときに、このいわゆる機構改革でいち早く通産は機械情報局という改組をされまして、今考えるとやっぱり相当なものですよね。 そういう中で、通産省が大変努力をしてきたことは承知しながらも、少し振り返ってみたい、そんな思いで、若干時間をいただいて、私は、この近年の情報通信技術の発達に目覚ましいものがありますけれども、このことについての少しまとめてきたことを、自分の整理もかんがみて、かつこれからのまたこの場における議論も相当これからも出ることだろうと思います。風聞するところによると改造とかいろいろ機構改革とかあることのようで、ぜひ平沼大臣、私は大いに期待をしていますし、これからの日本を本当に指導してもらわなきゃならぬ大事な政治家として、そういう期待も込めながら、かつ活躍をぜひお祈りもしながら、少し私の考え方をまとめたものも若干聞いていただきたい、そして最後に所見をちょっとお聞きしたいなというふうに思います。 長く演説をやっているとはぐれますから、まとめてまいりました。 大臣の本法律案に関する趣旨説明にありますように、近年、情報通信技術の発達は本当にすばらしいものであります。コンピューターがアメリカで初めてこの世に姿をあらわしたのは一九五〇年代初期でありましたが、急速な技術の進歩と旺盛な需要に支えられて五十年の間にハードウエア、ソフトウエアも著しい成長を遂げたことは、もうお互い認識のとおりです。 今日、先ほどから言っているIT革命、私はやっぱり革新だと思うんですけれども、IT革命なんていうのは、今申し述べますが、さんざんもう言ってきたことですが、かつて我が国の情報化は、一九六〇年代後半から一九七〇年代にかけて産業界におけるコンピューターの導入を中心とした第一次情報化革命を経験したんです。また、一九八〇年代の第二次情報化革命においては、情報処理技術と通信技術とが飛躍的に発展して、その両者が結合してネットワークを形成するという、第一次情報革命とは質的に異なる新たな段階に入ったわけです。そして、今日、インターネットの急速な普及に見られるような情報通信技術の発達の新たな段階を迎えているわけでありますが、その基盤が築かれたのは一九六〇年代から始まった通産省の情報産業育成策がその根底にあったのではないかと思うんですね。 そこで、私は、かつて衆議院の商工委員会に在籍していたころに、情報産業関係の法律の審議にも若干関与をしてまいりました。情報産業政策に対する評価について私自身の意見を述べ、大臣にも私のこれを少し聞きながらの全く一般的な感じをお聞きしておきたいというふうに思うんです。 同時に、私がなぜこういうことを申し上げるかというと、実は基本法の審議をやる場が参議院では交通・通信委員会というところでして、ここでは我が党が発言する場がないのであります。そういう意味で、私は、きょうここで少し考え方を申し上げておかなきゃいかぬということも兼ね合わせてお許しをいただきたいというふうに思うんです。 一九七〇年代、これまでの情報産業政策の中心となってきた特定電子工業及び特定機械工業振興臨時措置法、いわゆる機電法ですね、昭和五十三年三月で期限切れになるために、当時、機電法の内容をほぼ踏襲した特定機械情報産業振興臨時措置法、いわゆる機情法が昭和五十三年、私が当選して間もなくにこれが成立しました。この法律のほかに、情報産業の振興を図るために、半導体やソフトウエア技術に関する官民共同の研究開発プロジェクトに対する財政支援措置などの政策が講じられてきました。 この結果、コンピューター生産高は一九八〇年の一兆三千億円、機械情報産業に占める割合はこのころ三・一%だったわけです。一九九九年には五兆五千億。これは九九年までしかデータが私見つからなかったので。これはもう五兆五千億に飛躍している。八・五%、いわゆる五・四ポイントも増加しているんです。すばらしいことでありました。また、情報サービス産業の生産額については、これはサービス産業ですね、こっちは一九八〇年度、六千七百億円が、一九九八年、これは九年のデータが私見つからなかったんですが、九・八兆円と、約二十年間で十五倍近くに増加している。このことから、情報産業の振興に対しては一定の政策効果があったのではないかというふうに思っております。通産行政の成果だろうと思います。 第二次情報化革命と言われている時期では、昭和六十年には産業構造審議会、我々はいわゆる産構審と言っておったんですが、このシグマ計画を中核としたソフトウエア生産の効率化や情報処理技術者の育成を図ること。第二に、安全対策ガイドラインを提示すること。第三に、ビジネスプロトコルの統一データベースを含む共同企業間システムの構築を図ること。第四に、地域間の情報格差が生じないように、情報システムの開発に関する地域レベルでのビジョンの策定とそれに対する財政、金融、税制上の支援措置の必要性が指摘されたんです。もう非常に早い時期に、今のいろんなことがもう指摘されているんですよね。我々もこういうことを議論した記憶もあります。しかし、今ほどの深まりのある議論は、当時のことですからもちろんしているとは言えません。 このうち、シグマ計画の実施などについて、昭和六十年の第百二回国会で成立した情報処理振興事業協会等に関する法律の一部改正、いわゆるIPA法の改正で対応がなされました。また、コンピューターの安全基準については、法的措置ではなく、システム監査基準が策定、公表され、セキュリティー対策の実効性を確保するための施策が実施されてきているんです、ここでも。 さらに、地域の情報化について、平成元年、一九八九年の第百十四国会で地域ソフトウェア供給力開発事業推進臨時措置法、これは私も参画いたしましたが、いわゆる地域ソフト法が制定された。当時、情報サービス産業は全国の約七割が東京周辺でした。三大都市以外では一五%にすぎませんでした。その背景には、需要が大都市に集中していることもあったが、情報処理技術者が地方には不足しているという問題が実は一番あったわけであります。昭和六十年時点でのソフトウエア技術者は四十三万、昭和六十年ですよ。今後ソフトウエア需要は一層高度化かつ多様化した場合、そのころの我々が党内あるいは国会で議論したのは、二〇〇〇年時点で約百万人不足するということをもうこのときに指摘している。それで、養成しなきゃいかぬぞと、ソフト関係が手薄だぞという議論を盛んにやりました。 一方、昭和六十年秋以降の急速な円高の進展によって地域経済は疲弊し、雇用のミスマッチから雇用情勢は深刻な状況にある。このような状況の中で、今後高い成長が見込まれている情報サービス産業は、特に高い成長力と雇用創出効果があることに加え、立地制約要因が比較的少ないこともあって、地域におけるリーディングインダストリーとして期待されていた。このため、地域ソフト法に基づいて私ども、例えば新潟県なども全国二十地域の指定に、ソフトウエアセンターを設置していただきましたよ。プログラム業務従事者の知識や技能の向上を図るための支援策が講ぜられてきましたが、この法律は平成十年の第百四十四国会で成立して、新事業創出促進法というので一部吸収されたことは御承知のとおりです。 ちょっと長々と情報産業政策について述べましたけれども、私はこの取り組みについて、さっき申し上げたように、非常によく取り組んできたなということをまず一つは評価をいたしております。しかし、上げておいてたたくわけじゃないが、どうも政治が若干おくれたなという感じもしますね。そういう意味では、そうはいうものの、通産省各歴代局長たち、今度も現局長もやがてそういう期待もしておりますが、この局長経験者は大体事務次官に入っている。そういうことで、今はわかりませんよ。しかし、それほど重要なポジションだったということだ。あるいは、通産省としてはそれほど非常に大事に考えてこの行政をやってきたということでしょう。人間をつくり上げる、育成するということも踏まえて、そういう意味では非常に私はそれなりに努力を評価をしている。 こういう今までの政策を、私なりの評価、私なりの思いをちょっと思いつくままメモしたやつを打たせてここで申し上げているわけですが、この情報産業政策について大臣、一言、思いがあったら、いかがですか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 渡辺委員が本当にこの情報産業の進展に昭和五十一年に初当選をされて以来ずっと取り組んでこられた、そしてそれがいろいろな法律案に結実をして、今このIT化の中で非常に大きな比重を占めている、こういうことは本当に、今その歴史を委員みずから振り返っていただいて、御説明をしていただいて、その感を私は非常に強くしています。 今御指摘の中で、六十年にはIT関係の技術者が四十三万人だったという御指摘がありますが、やはり通産省が挙げて取り組んで資格試験制度というのを設けて三十年に相なります。これは直近では、年二回に分けて試験を行っておりますけれども、一回には四十万人の受験者がいる。ですから、年八十万人のこういうITを目指している方々が受験をして、そして四十三万人であったそういう何らかの形で資格を持っている方々が今五百万人ぐらいを超える、そういう姿になってきた。そういうことは、やっぱり今御指摘の長いそして前向きな歴史の中で培われてきたことだと思っています。 そして、御指摘のように、今確かに政治が少しおくれたんじゃないかということは御指摘のとおりだったと思っておりまして、いろいろなファクターがありましたけれども、この失われた九〇年代、これは特にITに関して言われているわけですけれども、それはやはりいろいろIT化を進めるに当たって法律面での整備でございますとか、あるいは規制を取り払うことに関して非常におくれをとったとかいろいろなことがあったと思いまして、やはり政治がある面ではもう少し主導的な役割を果たすべきだったんじゃないかなと思っております。 ただ、やはりここまでこういうしっかりした基礎が出てきたわけでありますし、現時点で光ファイバー網の敷設率なんというのは、ラストワンマイルというような問題が残っておりますけれども、敷設率ではもう世界に比肩し得る。そういうインフラの整備もでき上がってきておりますから、やはりこれからが本当に性根を入れてそういったおくれたものを取り戻していくべきだ、そういう意味では先生が振り返られたそういう歴史を今かみしめさせていただいたと、こういうことでございます。
○渡辺秀央君 ありがとうございました。 まさにこれからが私は問題だというふうに思いますね。その出発だと思うんです。そういう意味では、このIT関連法案を今こうやって次々に出してくるというのは一面いたし方がない。失われた十年ではなくて反省すべき十年とでもお互いに言い合っていく以外ないなと、こんな感じもいたしますね。 私は、そういう問題点を解決するのに、ぜひ通産省でとにかくもっと大胆な、思い切った規制緩和あるいは政策を、しかもセキュリティーあるいはまたある意味においては犯罪防止の細かな面にわたる防御策をきっちりつくって、そしてむしろそっちの方を、これをやったらいけないというようなことが本当は大事なんじゃないか。むしろ、民間のいろんなエネルギー、活力をどんどん吸い上げていくと。そういう意味では、私はどうも基本法というのが気にさわってしようがないんです、本当は。今、この時点かなという感じなんですよ。 普通、法律というのは、私も参議院に来てから与党もやってみたし、野党に今ある。ないよりはあった方がいいという法律というのは比較的多いんです。しかし、このIT基本法に関しては、私はこれはないよりはない方がいいなと。今の段階ですよ、今の段階のことを言うんですよ。将来ともとは言っていない。あるよりはない方がいい、言い直しますけれども。 本当に、そういう意味で、ちょっと今ここで大臣に、IT担当大臣でないが、しかし副本部長なんだ、それをあなたに今これどうだと言っても答弁のしようもないとは思うんですが、しかし私の思いはそういうことで考えております。残念ながら基本法は、これは私は政治家として、今まで申し上げてきたことを踏まえてみても、今この段階で、むしろいろんな規制を外して思い切りやらせなきゃならぬときに、何でなのかという感じで、私は基本法については少し批判をしているということを、また我が党でもこれはそういう方向に議論を進めているということを若干申し上げておきたいと思います。 しかし、このIT社会とでもいいますか国家が進んでいくと、さっきもどなたかが言っておられたけれども、もう時間もこうやってしゃべっているとすぐなくなっちゃうので、例えば政府の調達なんかも、それは一括でやったら、まさにITを活用してやったらいいんじゃないのと言ったら、総務庁、もういなくなったけれども、総務庁あたりでは、いやなかなかいろいろ多種多様でとか。そんなのは当たり前な話ですね。しかし、そういうものはもうそれだけのレベルは上がっていて、ソフトも上がっているわけですから、力もついているわけで、そんなことは幾らでも解決できることだ。 例えばそういうことを、IT革命とあえて言って打ち出しているのなら、今度の補正予算もそうですけれども、相変わらずのばらまきみたいなことではなくて、思い切って五千億光ファイバーなら光ファイバーに全部ぶち込んじゃう、日本列島全部光ファイバーやっちゃうと。思い切ってそれぐらいやったら、それは物があるかないかは別ですよ、政治家の発想としてそれぐらいのことは、まあ新幹線のことも私も推進したので大事なんですけれども、しかしそれぐらいのことであれば国民は、あっIT革命だな、政府は本気だなと、こう思うんですね。 それらもこれらも込めて、大臣、IT社会、IT国家というのはどんなふうに姿を想像されますか。全くの感じでいいですけれどもね。
○国務大臣(平沼赳夫君) IT基本法のことに渡辺先生は言及をされました。 御指摘のように、この問題に関しては本来だったらIT担当大臣である堺屋長官がお答えをする、これが筋だと思っておりますけれども、私も担当の副本部長をいたしておりまして、私は、先生御指摘のとおり、やっぱりこのITを推進していくその一大原則は民間の活力をいかに引き出すか、こういうことに尽きると思っています。民間主導の取り組みをやっぱりやっていかなければ本格化しない。IT基本法というのは、そういう意味で民間の活力を引き出す、そういうためのものでもあると思っておりまして、例えば第七条においては、「高度情報通信ネットワーク社会の形成に当たっては、民間が主導的役割を担うことを原則とし、」と、こういうことを付記してあります。そういうことで、御意見も踏まえながら、やはり民主導の形でこれが発展をしていく、こういうことを目指していきたいと思っております。 具体的にIT社会はどういうことになるか、こういうことでありますけれども、世界的にインターネット網で結ばれますと、やはりこれまでと違った生活体系、経済体系が出てくると思います。 今までは相対でやっていたものが瞬時にそういう取引も成立をいたしますし、また例えば私は二〇〇三年を想定したある家電メーカーの展示場にも行ってつぶさに体験してきましたけれども、IT家電というものがどういう形で我々の生活を規制するか、ある意味じゃ規制もあるわけなんですけれども、どういう形でIT家電というものが未来の社会をつくっていくかというと、非常にそういう意味では、これはちょっとこの前も衆議院の方でも例を申し上げましたけれども、朝、例えばトイレに行くと、もう血圧から何からもう瞬時に出て、それがホームドクターに直結をして、そういう形の健康管理ができる。また、家族がそういう形ですべてITというその一つのネットワークの中ですべて生活するようになる。ですから、確かに不便なことも随分あると思うんですね。持っている、例えば電話機なんていうのを見ますと、これを消しているとまた奥さんが疑うし、つけているとどこに行っているかもう全部わかっちゃうと。 そういう社会にはなって非常に利便性がありますけれども、やはりここで注意しなきゃいけないのは、やっぱりそういう利便性が追求されて非常に便利になって、そしていろんな経済効果は出てきますけれども、確かに影の部分というものもあります。 だから、そういうものをいかに克服するかということがIT社会を実現していくに当たってのやっぱり一番留意しなければならない点だと、こういうふうに思っておりまして、ITというものを、やはり私は目的じゃなくて手段として、人間がいかにそのものを使いこなしていくか、これにITの私は将来がかかっていると、大ざっぱにいくとそういう認識を持っております。
○渡辺秀央君 時間がなくなってきましたので、この法律の中で幾つか質問したいことを一生懸命勉強しまして、これぐらいまとめてきたんですけれども、時間がなくなってしまいましたが、しかし、この基本法については、とにかくドッグイヤーと言われる時代ですから、しかも基本法で三年後に見直しですか、そんな基本法はいまだかつて聞いたことがないです。実際初めてですよ、基本法で見直しの時期を入れておくなんというのは。ほかの基本法にはほとんどないはずだ。 まあそれはいいです。もう仕方のないことですけれども、あえて申し上げておいて、私は、もう一回言っておきますけれども、民間のことは全くそのとおりだと思うんですが、言うならば、禁止すべき事項だけをまずきちんとまとめて、そしてそれを提示して、これはやっちゃいかぬ、このことは違法ということをきちんとしておけば、どんどんもう日進月歩ですごい発展につながっていく。 ということを考えると、どうしてもこの法律は、今回は基本法については余り無造作にオーケーと言うわけにはいかないというのが今の私の気持ちだということを申し上げて、時間が参りまして、もう早く終わらないかとみんな委員の諸君は思っていますから。 ただ、地域の情報の格差ということも、先ほど申し述べたように昭和六十年の産構審で既に取り上げられている。こういうこともこれあり、現在ではインターネットの普及率は政令指定都市や県庁所在地で二四%に達しているが、そのほかの市では一七・七%、町村ではまだ一三・六%ですよ。これが世界に冠たる近代国家であるのかということ。だから私は、さっき思い切って光ファイバーを全部やったらどうだと、こういう話もするわけなので、そういうことも指摘をしておきますよ。だから、それは通産省として思い切ってそういう牽引車になっていかなきゃいかぬ、政策の中で。という期待と私は御活躍をお願い申し上げたい。 あるいはまた、IT社会の進展、この取引の安定性についても少し心配点があるので伺いたいとも思いました。あるいはまた、この電子手続の信頼性。そして、先ほども若干どなたかが触れておられましたけれども、ちょっと答弁の中でもう一つ貧弱だったなという感じは、国際取引に対するセキュリティーというかその問題はもう少しきちんと整理されるべきではないかなという感じもいたします。 しかし、この法律については、私はこの法律については賛成の意を表しながら、ぜひこれからも思い切って頑張った政策をどんどん出していただきたい。 時間の前に終わりたいと思います。
○委員長(加藤紀文君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 本案の修正について西山登紀子さんから発言を求められておりますので、この際、これを許します。西山登紀子さん。
○西山登紀子君 私は、日本共産党を代表して、書面の交付等に関する情報通信の技術の利用のための関係法律の整備に関する法律案に対する修正案について、その提案理由及び要旨を御説明いたします。 本法案により一括改正される書面交付義務等は、消費者や下請事業者の保護など、それぞれ法の目的があって定められたものです。 消費者保護に関して言えば、単なる商品情報の提供にとどまらず、消費者の負担、不利益について警告し、契約内容を確認し、紛争を未然に防止すること、また実際に紛争となった場合には、証拠として機能することにより、早期解決に資するという重要な役割を担っています。 下請事業者保護では、下請事業者の利益を保護するために、トラブルの未然防止あるいは迅速な解決のために、親事業者に対し、書面の交付、保存の義務を課し、下請事業者の利益を保護するためのものであります。 しかしながら、各法の運用状況を見れば、ネット取引、金融取引における消費者被害は後を絶たず、下請保護違反も毎年一千件前後で改善されないという状況であり、なお一層の監視と周知徹底、運用強化が図られなければならないところであります。 本改正案により、書面交付が電磁的方法により代替されることで、消費者、事業者の利便の向上が期待されるところでありますが、その一方において、消費者保護、下請保護等の法の趣旨が損なわれ、トラブルが増加するようなことがあってはなりません。また、電磁的方法による新しい取引形態が急速かつ広範に普及しているもとで、電子取引の特性に伴う新たな問題が生じ、消費者等の利益、権利が侵されるおそれもあります。 本修正案は、消費者保護、下請保護等、法の趣旨が生かされ、厳格かつ慎重な運用を確保するため、本法の施行後三年以内に、個別各法の運用状況を監視し、電子取引における消費者、下請事業者等の権利擁護の状況を踏まえて、消費者等が安心して電子取引に参加できるための必要な措置をとることを最小限の措置として政府に義務づけるものです。 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますことをお願いして、提案理由説明といたします。
○委員長(加藤紀文君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより書面の交付等に関する情報通信の技術の利用のための関係法律の整備に関する法律案について採決に入ります。 まず、西山さん提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(加藤紀文君) 少数と認めます。よって、西山さん提出の修正案は否決されました。 それでは次に、原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(加藤紀文君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤紀文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十八分散会