金融問題及び経済活性化に関する特別委員会 第2号
- 発言数
- 225 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2000/11/15
会議録
○委員長(真鍋賢二君) ただいまから金融問題及び経済活性化に関する特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨十四日、峰崎直樹君が委員を辞任され、その補欠として浅尾慶一郎君が選任されました。 ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 金融問題及び経済活性化に関する調査のうち、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件の調査のため、本日の委員会に金融再生委員会事務局長森昭治君、金融庁総務企画部長乾文男君、金融庁検査部長西川和人君、金融庁監督部長高木祥吉君、証券取引等監視委員会事務局長五味廣文君、法務省民事局長細川清君、大蔵省理財局長中川雅治君、農林水産省経済局長石原葵君及び通商産業省生活産業局長林良造君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(真鍋賢二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 金融問題及び経済活性化に関する調査のうち、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件の調査のため、本日の委員会に参考人として預金保険機構理事長松田昇君、東京証券取引所理事長土田正顕君及び日本銀行総裁速水優君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(真鍋賢二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 金融問題及び経済活性化に関する調査のうち、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件を議題といたします。 まず、政府から説明を聴取いたします。相沢金融再生委員会委員長。
○国務大臣(相沢英之君) 去る八月十五日、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律、いわゆる金融再生法第五条に基づき、昨年十一月十六日以降本年七月二十六日までの間における破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出申し上げました。 本日、本報告に対する御審議をいただくに先立ちまして、簡単ではございますが、本報告の概要について御説明申し上げます。 まず初めに、特別公的管理が行われておりました長銀及び日債銀に係る措置につきまして、概要を申し上げます。 日本長期信用銀行につきましては、平成十年十月二十三日に特別公的管理の開始決定が行われ、その後、金融再生法に基づき所要の措置が講じられてきたところであります。 長銀の譲渡に関しては、昨年九月二十八日に米国のリップルウッド社が中心となって組成した投資コンソーシアムであるニュー・LTCB・パートナーズ社、パートナーズ社と言いますが、これを優先交渉先に選定し、関連の覚書が締結されておりましたが、その後、パートナーズ社と金融再生委員会及び預金保険機構との間で鋭意、協議、交渉が進められ、昨年十二月二十四日の基本合意書の締結を経て、本年二月九日、最終契約書が締結されました。 当該最終契約書に基づき、三月一日、預金保険機構が保有する長銀の既存普通株式約二十四億株をパートナーズ社に対して譲渡することにより、同行に係る特別公的管理が終了したところであります。また、譲渡に当たっては、金融再生法の規定に従い、二月二十八日、預金保険機構より長銀に対し三兆五千八百八十億円の金銭贈与及び損失の補てんが行われたところであります。 次に、日本債券信用銀行につきましては、平成十年十二月十三日に特別公的管理の開始決定が行われ、長銀と同様、金融再生法に基づき所要の措置が講じられてきたところであります。 日債銀の譲渡に関しては、本年二月二十四日、ソフトバンク、オリックス及び東京海上火災保険を中心に構成される出資グループ、いわゆるソフトバンクグループを優先交渉先に選定し、関連の覚書が締結されました。その後、ソフトバンクグループと金融再生委員会及び預金保険機構との間で鋭意、協議、交渉が進められ、六月六日の基本合意書の締結を経て、六月三十日、最終契約書が締結されました。 同行の譲渡については、当該最終契約書に基づき、八月一日に譲渡が実行される予定となっていましたが、いわゆるそごう問題に端を発した御批判、御指摘を踏まえ、臨時国会における御議論や国民の御意見に十分に耳を傾けるとともに、その理解を深めていただくため、また譲渡予定先のソフトバンクグループからも延期を希望する旨の意向が伝えられたこともあり、七月二十六日、日債銀の譲渡を九月一日まで一カ月延期することを決定いたしました。 なお、本報告書の対象期間以降の措置でありますが、九月一日には、預金保険機構が保有する日債銀の既存普通株式約二十五億株をソフトバンクグループに対して譲渡することにより、同行に係る特別公的管理が終了したところであります。譲渡に当たっては、金融再生法の規定に従い、八月三十一日、預金保険機構より日債銀に対し三兆二千四百二十八億円の金銭贈与及び損失の補てんが行われたところであります。 また、本報告書には、いわゆるそごう問題について、そごうが自主的な経営判断として再建計画を断念し、七月十二日に民事再生法の適用を申請するに至った経緯が説明されております。 次に、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分が行われた金融機関に関する措置につきまして、御説明申し上げます。 金融再生委員会は、昨年十一月十五日までに、国民銀行、幸福銀行、東京相和銀行、なみはや銀行及び新潟中央銀行の五行に対し管理を命ずる処分を行っておりましたが、各行の譲渡先選定については、各行の金融整理管財人により鋭意、作業、検討が進められ、七月二十六日までに新潟中央銀行を除く四行について、基本合意ないし最終契約書が締結されております。 なお、その後、国民銀行については、八月十四日に八千代銀行への営業譲渡が実施される一方、残っていた新潟中央銀行についても、去る十月三十一日、営業譲渡に係る基本合意書の締結が完了しております。 また、協同組織金融機関に対しましては、昨年十一月十六日以降七月二十六日までの間に、一信用金庫、七信用組合に対し金融整理管財人による管理を命ずる処分及び金融整理管財人の選任を行っております。 なお、その後において、二信用組合に対し同様の措置をとっております。 続きまして、預金保険法に基づく金融機関の破綻処理について、御説明申し上げます。 金融再生委員会による預金保険法第六十一条第一項に基づく適格性の認定、及び金融再生委員会及び大蔵大臣による預金保険法附則第十六条第二項に基づく必要性の認定を行ったものは、昨年十一月十六日以降本年七月二十六日までの間、破綻金融機関数で見ると三信用金庫、五信用組合の計八金融機関であります。 最後に、これらの破綻金融機関の処理に係る資金の使用状況について、御説明申し上げます。 預金保険機構が行う預金保険法に基づく資金援助等の業務や金融再生法に基づく特別公的管理銀行への資金の貸し付け等の業務は、それぞれ預金保険機構の一般勘定、特例業務勘定及び金融再生勘定により経理されておりますが、その七月二十六日現在の使用状況を申し上げますと、ペイオフコストの範囲内の資金援助の原資に充当される一般勘定の借入残高は一兆二千三百七十八億円であります。破綻金融機関の資産の買い取りに係る整理回収機構への貸付原資等に充当される特例業務勘定の借入残高は三兆千八十三億円であります。また、特例業務勘定においてペイオフコストを超える特別資金援助の原資に充当するために設けられた特例業務基金に交付された国債は、さきの通常国会における預金保険法の改正により六兆円増額されて十三兆円となりましたが、この交付国債の償還状況は、七月二十六日現在で四兆七千九百一億円となっております。さらに、特別公的管理銀行への損失の補てん、旧金融機能安定化法に基づく資本増強に係る整理回収機構への貸し付けの原資等に充当される金融再生勘定の借入残高は、七月二十六日現在で四兆三千百十七億円となっております。 このほか、金融機能早期健全化法に基づく資本増強に係る整理回収機構への貸付原資に充当される金融機能早期健全化勘定の借入残高は、七月二十六日現在で八兆百六十二億円となっております。 以上、七月二十六日現在で預金保険機構の各勘定の借入金残高の合計額は十六兆六千七百四十億円であり、特例業務基金に交付された交付国債の償還額の累計は四兆七千九百一億円となっております。 ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理に関しては、これまで関係法令に従い所要の措置を迅速かつ的確に講じてまいったところでありますが、今後とも我が国の金融システムの一層の安定に向けて万全を期してまいる所存でございます。 それでは、御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
○委員長(真鍋賢二君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山内俊夫君 自民党の山内俊夫であります。 相沢委員長におかれましては一昨年来より大変金融情勢が厳しい中、本当に頑張っていただいておりますことをこの席をかりまして厚く御礼申し上げます。 なお、金融行政というのは大変大事なことでございまして、私、つい最近もインドネシアの方へ行ってまいりまして、なかなかスハルト政権の崩壊以来外国からの投資もままならない、ましてや国内経済情勢は大変厳しい。その一番の原因は、中央銀行の破綻、それに伴って中央銀行の金融、つまり経済の血液であります金融行政がうまくいっていないというところに原因をしているというようなことも聞いております。当然、我が国も同じことであろうと思います。そういった中で金融再生委員会の果たす役割というのは大変貴重であり、また重要なポジションであるということを私自身感じておるところでございます。そういった背景のもとに、相沢委員長に質問をさせていただきます。 まず、質問の第一点は、金融再生委員会は一昨年夏のいわゆる金融国会を終えて我が国が深刻な金融危機に直面した一昨年の十二月に設置されたが、その金融再生委員会も来年初頭には廃止されるということを聞いております。金融庁に事務が移管されるまであとわずかになってまいりました。 一方、ペイオフ解禁は再来年の四月に実施予定であります。それまで一年半の期間しかないことを踏まえれば、今後とも金融システムの安定化に向けての万全の取り組みが図られることが重要であると私は考えておりますが、そこで、これまでの金融再生委員会における破綻処理及び公的資本増強に関する取り組みの総括及び今後の金融システム安定化に向けた決意を相沢大臣にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(相沢英之君) 確かに御説のとおり、金融の安定を図ることは経済の進展のために、特に景気の回復のために絶対に必要なことであると我々は思っているのでございます。 御質問の、平成十年の十二月に金融再生委員会が設置されてまいりましてからこの委員会はこれまで、先ほど申し上げましたように、金融再生法に基づき長銀、日債銀の特別公的管理、これはすべて終了いたしました。それから、第二地銀の五行及び協同組織金融機関十六機関に対しまして金融整理管財人による管理を行ってまいったのであります。そのうち一行、四機関は既に終了いたしております。また、早期健全化法に基づき主要十五行を初めとした二十五行、総額八兆三千八百九十三億円の公的資本増強を行ってまいりました。 我が国の金融システムは、これらの破綻金融機関の迅速な処理、資本増強等によりまして、一時期と比較して確実に安定性を取り戻してまいったというふうに思っておるのであります。 私といたしましては、今後ともこれらの法的枠組みを活用し、さらに揺るぎのない金融システムを再構築するよう最大限の努力を行ってまいる所存でございます。
○山内俊夫君 それで、金融再編については大銀行の統合等が非常に活発化しております。まさにメガバンク、世界との競争の中に勝ち残らなきゃいけないということでさまざまな動きが今見られておりますけれども、これも早期健全化法に基づく資本増強の成果の一面であると考えられますが、金融再編について相沢大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(相沢英之君) お説のとおりです。 金融機関の合併、提携等のいわゆる再編は、一般論として申し上げますと、金融機関が利用者利便の向上、金融機関の収益力の向上あるいは経営基盤の安定化に資する試みをされていることは結構なことと考えておりまして、そのような形で再編が起こってくることは望ましいと考えているのであります。 これは、御案内のとおり、金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律、この第三条に「金融再生委員会が我が国の金融機能の早期健全化を図るためこの法律に基づいて講ずる施策は、次に掲げる原則によるものとする。」と。幾つか書いてありますが、その第三号に「金融機関等の再編を促進すること等により金融システムの効率化を図ること。」ということで、明らかにこの早期健全化法におきましてもこのことが金融早期健全化を図るための有効な手段であるということを述べているのであります。 それから、昨年三月の資本増強を契機としたみずほグループ等の金融再生につきましては、基本的には各金融機関の経営戦略や経営判断によって決まるべきものでありますけれども、早期健全化法の施策の原則、ただいま申し上げました原則に沿うものであり、大変に評価をいたしております。 金融再生委員会といたしましては、この早期健全化法の趣旨を踏まえまして、今後とも、昨年三月の資本増強を契機として新たな再編や金融システムの進展に伴う再編にも適切に対処してまいりたい、このように考えております。
○山内俊夫君 ありがとうございました。 金融の再編という流れの中で大変大きな銀行になってくる。その反面、顧客ニーズにある程度対応するきめの細かい銀行というものについては少し疑問を呈するわけでございますけれども、そういった中で、実は新しい異業種参入という問題が今起きてきております。もう既にスタートしたところもあるやに聞いておりますけれども、こういった面において、金融再生委員会はこの平成十二年の夏、異業種参入の基本要件を定め、方針を決定いたしました。本年より異業種の銀行業の参入はいよいよ本格化してまいりました。 相沢委員長といたしましては、この問題について所感を述べていただけたらと思います。
○国務大臣(相沢英之君) 金融機関に対する異業種の参入というのは、私は、これは金融技術の革新とかあるいは競争の促進というものを通じて、日本の国の金融の活性化や利用者利便の向上に資するという点におきましてこれは歓迎すべきものである、このように思っているのであります。 ただ、これにつきましては、資本形態とか業務形態、店舗形態の面において従来にない新しい動きであるということからいたしまして、銀行法上に要請されている銀行業務の健全かつ適正な運営の確保の観点から免許審査、監督上適切な対応が必要である、このように考えております。 これを確保するためには、やはり金融再生委員会としましては、現行の銀行法の運用上の指針を定める必要があるということで、パブリックコメントも踏まえまして、ことしの八月三日、「異業種による銀行業参入等新たな形態の銀行業に対する免許審査・監督上の対応」、いわゆる運用上の指針というものをつくりまして、これによって個別の免許審査、監督を行っているところでございます。 それから、異業種の参入に伴う措置としましては、このようないわゆる役所によりますところの運用上の指針だけでは必ずしも十分ではない、法律の改正も必要となるのではないかということからいたしまして、銀行法上の整備あるいは他業禁止の緩和等の問題がございますが、その制度改正について金融審議会に検討をお願いしている段階でございます。 異業種の銀行参入も既に御案内のように幾つかの具体的な動きがございますが、本格的な参入はこれから始まるわけであります。私といたしましては、異業種参入の動きが現実に我が国の金融界や経済界に新風を吹き込むとともに、利便の向上に寄与してほしいと考えておるわけでございます。 なお、この異業種の参入を一つの契機として、既存の銀行につきましてもさらに利用者の利便の向上、収益力の強化というような面において一層の努力をしていただきたい、このように考えている次第でございます。
○山内俊夫君 そのように異業種がどんどん参入してくる、私も基本的には大賛成なんです。ただし、これが参入してくることによっていろんな次なる展開がシミュレーションしてくるわけなんですが、例えば従来の銀行がビッグになってまいりまして、今日的な時代という、これも一言で言いますと時代環境の変化、特に金融環境の時代環境の変化というのが言われますけれども、例えば金融面からのポイントで三つばかりポイントがあると思うんです。 視点から言えば、インターネットを中心とした多様化サービスが展開されるという面、そして金融グローバリゼーションとしての世界大競争時代、それと非競争体質を持つ、従来よく言われております、私は余り言葉は好きじゃないんですが、護送船団方式と言われておりました日本の金融システムの体質のおくれというものが、この三つの視点から大変重要視されるわけなんですが、この変容する顧客の金融ニーズに今後銀行はいかに対応していくのかということを皆さん考えられていると思います。 特に、この異業種参入で一番最初に参入してまいりましたイトーヨーカ堂の鈴木社長なんかはこういう談話を出しております。大手銀行のすき間を埋めて顧客ニーズにこたえることが進出の動機であると言っております。銀行の捨てた、これはちょっと言葉は悪いんですが、マスコミ等がよく言っております、銀行の捨てた客をコンビニが拾ったというようなちょっと過激な言い方をいたしておりますが、このコンビニなんかを通じまして新しい参入銀行は、例えば電気、ガス、水道、保険業務、通販、そういったものを扱っている。もう既にイトーヨーカ堂は百五十社ばかり会社を取り扱っているし、最近のデータでは、約八千店ある、これはセブン—イレブンですが、年間約八千五百万件取り扱っております。金額では一昨年、昨年と大体六千億、ことしはほぼ七千億になるであろうと言われております。 この異業種参入の大変な勢いというのは、私はまさに従来の銀行が捨てたお客を拾っているというようなことを感じるわけなんですが、この新しい利便性に、特に創造性をどう構築していくのかということをお聞きしたいんですけれども、お答えいただける方、お願いいたします。
○政務次官(宮本一三君) 確かに、先生御指摘のように金融システムの改革の進展は大きく変わっておりまして、特に主要行においては持ち株会社方式といいますか、これを活用いたしまして、総合金融グループの結成、非常に大規模な再編成、統合の動きがあります。 また他方では、地域銀行におきますと、地域銀行同士で場合によっては持ち株会社あるいは共同で設立をするというような動き、さらにシステムを共同化しよう、そのための合弁会社の設立をしようと、こういった動き、先生御指摘のような非常に大きな動きがうねりとなって見えてきたわけでございます。 合併あるいは提携等の再編成ということでございますけれども、金融庁といたしましては、基本的にはやはり各金融機関の経営戦略であるとかあるいは経営判断といったようなものによって決まるものであるというふうに考えておりますが、これらの動きというものは、やはり総合金融サービスの提供によりまして利用者の利便性ということを非常に今御指摘のように図っていこうという動きでございますし、事業分野、機能についてそれぞれの特色、強みを発揮するということになろうと思いますし、合理化、効率化を追求するということでございますので、非常に結構な動きであろうというふうに考えております。 また一方、例えば今御指摘のように、多くの主要行の中でインターネットを活用いたしました残高証明であるとかあるいは振り込みなどの業務を開始しているわけでございまして、ITを活用した業務展開を行う動きが非常に活発になってきております。 こういった動きにつきましても、金融技術の革新あるいは競争の促進というものを通じまして、我が国の金融機関全体が非常に活性化されますし、また利用者の利便性というものを向上させていくという可能性があるわけでございまして、そういった動きにつきましては、我々としても非常にその進展に期待をしているというところでございます。
○山内俊夫君 ありがとうございました。 新規参入、銀行業に異業種の方々が入ってくるのは私も大賛成と冒頭に申し上げましたけれども、それだけ利便性は保たれるんですが、果たして結果的に安定性はどうなんだろうという影の部分を大変心配するわけなんですが、そういった場合、新規参入銀行に経営の安全性の担保が当然なされなきゃいけない。まして、銀行免許を交付するに当たって経営内容の適切なる審査は不可欠であると私は考えるんです。 その中で、この問題をいろいろ議論しておりますとこれだけでもう数時間かかりますけれども、きょうは一つだけ例に申し上げますと、いわゆる子会社銀行になるということですから、主要銀行への過度の資金供与がなされないであろうかどうか、つまり、機関銀行化するおそれがある。この点について、金融庁はルールをどのように明確化して透明性を高めていくことを考えておるのか、そのあたりをお聞かせいただけたらと思うんです。
○政務次官(宮本一三君) お答え申し上げます。 御指摘のように、新しい異業種の銀行業参入、これが強くなってまいっております。この免許審査に当たりましては、銀行法の四条に掲げる財産基準であるとかあるいは収支の見込み、それから銀行業務を的確、公正かつ効率的に遂行し得る体制を持っておるかということはもちろんでございますが、それに加えまして、今、大臣の方からもお話がございましたような運用上の指針というものを掲げまして、免許審査に当たりまして各留意点を十分踏まえてやっているところでございます。 今、先生御指摘のように、機関銀行化の問題がどうしてもございます。運用上の指針でも、この点につきましては、子銀行が親会社からの完全なる独立といいますか、これは何としても確保せにゃいかぬ、さらにまた親会社である事業会社の事業のリスクから銀行が影響を受けることを遮断しなきゃいけない、この点は特に免許審査に当たって具体的に十分留意してまいっているところでございますし、また、特にその免許付与後におきましても、監督上、子会社に対しまして検査やあるいは報告徴収等によりまして確認をしていくことを明記いたしております。 確かに御指摘のように、この子銀行が親会社からのリスク遮断といいますか、また親会社が特に業態が悪くなっているときに当該親会社に対して支援、融資を行うということはないというように考えてまいっております。
○山内俊夫君 異業種参入の機関銀行化という問題でそれなりの歯どめはかけているというお答えはいただいたんですけれども、私は、冒頭申し上げましたように、この異業種参入によって日本の金融システムまた金融全体が活発化していく、ダイナミックに動き始めるということは大変期待をしておるところでございますし、また日本新生の旗手になってもらわなきゃいけない、そのように考えるわけで、そのために今まで質問をしてきたわけです。 この質問の最後になりますけれども、一九二七年に銀行法というのは制定されたと思いますし、また一九八一年これ全面改正、一九九三年には大幅改正をしながら金融行政に対応してきたと聞いておりますが、そのときのコンセプト、それまでのコンセプトというのは、銀行はつぶさないぞという大変な大蔵省等々の意気込みがあったと思うんです。ですから、異業種参入についてはもともと考えていなかった銀行法であると思いますから、従来の銀行法または保険業法等でこの変化する、またダイナミックに動く金融界に対応できるのかどうか、これを最後にちょっとお聞かせいただけたらと思うんです。
○国務大臣(相沢英之君) 先ほど来お話ございましたように、異業種の参入によって新しい銀行経営の手段というものが導入される、それがまた既存の銀行に対して非常な刺激になって銀行経営の合理化、効率化が促進される、大変結構なことだというふうに思っております。 ただ、おっしゃるように、今の銀行法がそのようなことを前提としてつくられているかといいますと、それはいろいろ問題点があるわけであります。ただ、銀行法からいうと異業種の参入を禁止することにはなっておりませんから、御案内のように幾つかの異業種の参入問題が現にあって、申請も出てきつつあるわけでありますね。 これに対して、おっしゃるように機関銀行化の問題とか、あるいは銀行に参入してきた異業種が破綻をするようなおそれがある場合、またおかしなものが入ってきたような場合、それをいかにしてチェックすることができるか等々の問題があるわけであります。そこで、先ほども申し上げましたように、金融庁におきまして、その異業種参入の際に一応そういった諸点についてチェックするところの言うならばガイダンスというようなものを設けているわけでありますけれども、それで十分なのかどうか、やはり法制上の規定を必要とするのじゃないかと、その点が一点。 それからもう一つ、異業種が銀行に参入することを認めると同時に、現在、銀行が他業に進出することについては銀行法上あるいはまた独禁法上の制約がございます。それをそのままにしておいていいかどうか、やはりワンウエーは問題だと。したがって、異業種の銀行業への参入について法的な規制というか法律改正を考えると同時に、銀行が他業に進出することについても従来のような規制のままでいいかどうか、私は、当然これは改正する必要があるんじゃないかと。 目下、金融審議会においてそれらの諸点について検討が進められておりますけれども、その結論を待ちまして、来る通常国会等においてその法律の改正を考えてまいりたい、このように思っております。
○山内俊夫君 ありがとうございました。 ただ、最後に気になるのが、ワンウエーはだめだということで、銀行法の改正が視野に入っている。きょうもちょうど朝、その問題がありまして、宅建業に銀行が参入するという問題は大変な脅威ということも言っております。このあたり、十分全体的に国の経済がうまく動くようにぜひお願いをしたいなと。ありがとうございました。 時間が余りありませんので、残された時間、ちょっと整理回収機構についてお聞きをしたいなと思っております。 昨年四月、公正透明なる手法をもって不良債権の早期かつ効率的な回収に努めるというようなことで、公的な資金が最小化で済むようにということで設立されました。特に、住管機構と整理回収銀行が合併して整理回収機構、RCCというものが発足したわけでございますが、この回収機構のこれまでの実績というものですか、回収実績をぜひお聞かせいただけたらと思います。
○参考人(松田昇君) お答えいたします。 現在、中間決算の確定前でございますので概数になりますけれども、平成八年度からは大体本格的な回収が始まっているんですが、平成八年度から平成十二年度の上期までの回収の累計額を申し上げますと、旧住専の勘定では二兆一千六百六十八億円を回収いたしておりますし、破綻金融機関から買い取りました、RCB勘定と言っているんですけれども、それの回収が一兆四千九百十六億円でございます。 これは、買い入れ簿価に対します回収率をざっと見てみますと、住専勘定では四六・五%でございますし、破綻金融機関から買い入れました不良債権の回収率としては四一・一%となっております。
○山内俊夫君 なるほど、かなりな回収実績を上げておられるということで大変御苦労なこと、特にこの業界においてはいろんな特殊な団体の人たちを相手にしながらやっているということでございますから、大変な仕事だろうと思います。この整理回収機構に弁護士さんがかなりメンバーとして入っておられて、専門分野でそれに対応しているということも聞いております。 ただし、最近ちょっと新聞に、整理回収機構に返還命令という、こういう新聞が出ておりました。こういったこと、これは表面的なことしか私は見ておりませんが、中身についてはもう少しまた別の機会にお知らせいただけたらと思うんですけれども、中坊さん、前の社長でございますが、血も涙もある回収を行うんだと言って、そういった方針を出しておられます。でも、この新聞を読みますと、何か取り過ぎじゃなかったかとか、他の債権者に迷惑をかけているんじゃないかというような話もございました。そういったことで、整理回収機構の中坊さんが出されたあの回収方針、それからやや変わってきたのかなという気がするんですが、そのあたり、回収方針についてお知らせいただけたらと思うんです。
○参考人(松田昇君) 中坊前社長が言っておられた血も涙もある回収という、基本的なその方針というのは現在も脈々として受け継がれておりまして、一切変更がございません。今、先生御指摘のとおりでございまして、私どもは国民負担の最小化を図るために迅速で強力で、かつ効率的な回収をするという目的が基本的な責務でございます。中には悪質なものもございますので、それは告発をしたり、あるいは預金保険機構の財産調査権を駆使して隠匿資産の発見に努めたり、そのようにやっておりますが、一方で、誠意のある債務者、いろんな事情でRCCの対象になった債務者がおられますので、そういう場合には、誠意を持ってお互いの情報を交換し合って、個別事情の実態把握をきちんとした上で、任意弁済を旨としながら現在回収を進めていると、こういうのが基本的な方針でございます。
○山内俊夫君 特に、この回収機構の中で弁護士が果たしておる役割というのは大変大きいと思うんですね。ただ、弁護士は特別顧問という立場で入っておりますから、時間当たり幾らというような報酬でやられておると聞いております。これについてはいろんなまた議論もありますけれども、それは別の機会にするといたしまして、時間が大変迫ってまいりましたので、最後に、答弁は結構でございます。 整理回収機構においては、今後とも引き続き、投入された公的資金の重みというものを十分に把握していただいて、回収の極大化というものも、血も涙もある回収をしながらぜひやっていただきたい、大いに頑張っていただきたいということを最後に申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井でございます。 まず最初に、不良債権処理の問題についてお伺いいたしたいと思いますが、ことしの三月末、それから昨年の三月末の不良債権の額と、この一年間で不良債権がどのぐらい処理されたのか、銀行全体で、金融機関全体で処理されたのか、まずその数字から教えていただきたいと思います。
○政務次官(宮本一三君) お答え申し上げます。 預金取扱金融機関全体で見てまいりますと、平成十二年三月末現在におけるリスク管理債権の総額でございますが、これが四十一兆円であります。これらの債権につきましては、基本的には各金融機関において担保による保全であるとかあるいは引き当て等によりまして適切な処理がなされているものと理解しております。 四十一兆という数字を今申し上げましたけれども、これは新生銀行を除いた額でいいますと三十九・六兆円でございまして、ちょうど一年前の十一年三月末のそれに対応する数字というのを見てまいりますと、三十八・七兆円というふうに、〇・九兆円程度でございますけれども、若干増加にはなっておりますが、しかしこれはリスク管理債権の計上、開示に当たりまして、金融機関の方でできるだけ厳しく見ようというようなことでやっていただいたものでございますので、若干微増しておりますけれども、そういった基準を変えない状況で比較をしてみますと、むしろ二・四兆円ほど減っておるという数字でございます。 それから、申されました不良債権の処理がどのぐらい進んでいるかという御指摘でございますが、平成五年三月期から十二年三月期までの八年間を見てみますと、不良債権処理の累計、これは六十六兆円に上っておりまして、またこの期間におきまして、実際に直接償却といいますか、不良債権の売却等によりましてオフバランス化した処理額で見ましても五十二兆円というふうになっておりまして、かなり不良債権の処理が進んでいるものと考えております。現在、そういうことで大分進んでおりますので、着実に不良債権処理も進んでいるなというふうに理解をしている状況でございます。
○櫻井充君 済みません。これは、本当にこれで不良債権の処理が着実に進んでいるというのが金融再生委員会の認識でございますか。再度確認させていただきたいんです。これで十分だということですか。 それからもう一つは、公的資金約七兆五千億円を投入した時期、あのときに不良債権処理のためなんだという話だったと思いますけれども、その時期にどのぐらいの年次で不良債権をきちんと処理するのかという、多分計画を立てられているんだと思います。計画を立てていないんでしょうか。その計画と今の数字というのが、順調なんだ、予定どおりなんだと、それでそうおっしゃられるんでしょうか。
○政務次官(宮本一三君) 確かに、まだまだ不良債権処理は残っているではないかという御指摘はごもっともでございまして、我々もさらに順調に不良債権の処理が進むことを望んでいるわけでございますが、一方で、今申しましたように、オフバランス化も相当な規模で進んでおりますけれども、依然として不良債権としてかなりな残高が今なお残っているということも事実でございます。 これは、一つには経済の動きというものがございます。株価の動き、あるいはまた地価が依然として下がっているというような経済のバックグラウンドといいますか、そういったものの変化もございますが、金融機関としては非常に大きな努力をしているということは、我々としてはそのように感じております。 公的資金を投入したときに計画したとおり動いているのかという御質問でございますが、投入のときそれが処理に大きく役立ってくれることを期待したし、また現に大いに貢献しているとは見ておりますけれども、何月何日までにどんなペースでというような明確な計画があったとは存じておりません。できるだけ速やかに不良債権の処理を進めていただきたい、こういう気持ちであったわけでございます。
○櫻井充君 明確な計画なしに税金を投入したんですか。
○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。 平成十一年三月、大手十五行に対しまして約七兆五千億の公的資金注入を行いました。そのときには、確かにその当時の経済情勢からいきましても銀行の不良債権の問題というのが大きな問題としてあったわけでございまして、銀行全体で申し上げれば、全国の銀行、第二地銀以上で申し上げれば、十一年三月期に大手十五行の七兆五千億、これも不良債権処理の財源になったと思いますが、そういうこともすべて含めまして不良債権の処分損は十一年三月期約十三・六兆円であったわけでございます。その後、一年後のことしの三月期で申しますと約七兆円、約半分になっておるわけでございます。 当時の再生委員会として、今御質問の趣旨は不良債権の処理についての一年後、二年後あるいは三年後の計画は立てたのかということでございますけれども、不良債権は、正常な状況でございましてもどうしても金融業につきましては不良債権というのは出てくるものでございまして、明確なそういう幾らぐらいが不良債権の処分として適正なものであるということはなかなかはかりにくいわけでございまして、ただ当時といたしましては、七・五兆円も原資にして思い切った不良債権処理に進んでほしいということで、国民から付託されたお金をいわば投資したわけでございますし、それはそれなりの効果があったと認識しております。
○櫻井充君 ペイオフが始まるまでに銀行が健全化するという目標があったんじゃないですか。それはいかがでしょうか。
○政府参考人(森昭治君) 当時、二〇〇一年三月末ペイオフ解禁ということを認識して急いでいたことは事実でございますし、それまでに何とかそういうことに対する銀行への信用についてたえられるように、金融再生委員会の委員の皆様、それを十分に認識しながら議論したことは事実でございます。そして、冒頭の大臣の説明にもございましたとおり、そこを機会にいたしまして、日本の金融環境につきましてはその安定度を相当程度取り戻してきたというふうに認識しております。
○櫻井充君 ペイオフを一年延期したのだって、要するに金融機関が健全化されていないからだったんじゃないですか。 そうしますと、今の額云々よりも、大事なことは、こういう金融機関が今健全なのかどうかということになるんだろうと思います。そのペイオフが解禁されるまでに金融機関が健全化される、とにかくそこまでにきちんとした金融機関にしなきゃいけないんだという目標を立ててやっていかなきゃいけないと思いますが、その点に関していかがでしょうか。
○国務大臣(相沢英之君) お説のとおり、ペイオフ解禁になる当初予定の平成十三年三月末までを一つのめどとしましてそういう金融機関の再生というのを進めてまいったことは事実ですけれども、ただ、これはなぜペイオフを一年延期したかというその理由にもなりますけれども、これはこの委員会でも申し上げましたが、やはり特に協同組合組織の信用金庫とか信用組合、そういったものにつきましてなかなか思うように、特に信用組合については検査も進んでいないというような情勢もありましたし、体制が十分にそれまでに整わないような情勢もございましたし、とにかくここは一年間延期をして、そしてそれをめどにして体制整備を進める方が適当ではないかという判断のもとにこれを延期したという事情があるわけであります。 不良債権がいつ完全になくなるかということは、先ほど来事務当局から答弁を申し上げましたように、なかなかこれをはっきり申し上げることは難しいというのは、ある不良債権を片づければいいという問題じゃないので、やっぱりその後も不良債権は発生します。それから、これは地価の問題あるいは株価の問題等々、経済情勢の推移にもよることはこれはもう御案内のとおりであります。そういった情勢の変化というものが不良債権の発生、処理ということにも関係してまいりますから、きちっと時期を決めてそれまでに全部整理するというようなことにはなかなかならない。 ただ、やはり不良債権を抱えているということは、もうそれは私が申し上げるまでもなく金融機関に対する信頼性を損なうことは事実でありますから、何といってもそれを回復するための努力というものを我々はしていかなきゃならない、そのためには不良債権の処理も促進をしていかなきゃならぬ、こういう思いで取り組んでいるのでございます。
○櫻井充君 目標がなくていいということですか。つまり大事な点は、今銀行にお任せしているとおっしゃいました。じゃ、銀行のペースに合わせてそのままずっとだらだらこういう状況が続いていいということでしょうか。 今、貸し渋りが続いていると我々は判断していますけれども、結果的には、日本経済が立ち直るためには金融機関が健全にならなければこれは立ち直ってこないんだと思うんです。そうであるとすれば、やはり早期にどうやって立ち直らせるのかということ自体の方が大事なんだと思います。ですから、目標をきちんと定めること、大体ペイオフを解禁する解禁しないの問題ではなくて、やはり金融機関が健全になったのかならないのかということの方がはるかに大事ではないですか。
○国務大臣(相沢英之君) それはおっしゃるとおりだと思いますけれども、しかし先ほどもるる申し上げましたが、金融機関の不良債権というものはいろんな事情によって発生をいたしますし、今後また発生をすると。ですから、今ある滞貨を一掃してそれがいつまでにできるかということになると、なかなか申し上げにくいところがある。 ただし、金融二法を制定した当時の大きく問題になりました不良債権というものはかなり処理が進んでまいりましたから、私はもう大きな山はここで当然越えている、したがってあとはできるだけこれからも不良債権の処理を進めてまいる、それについては当然この金融再生委員会、また来年以降は金融庁中心となってそれを促進してまいりたい、このように考えております。
○櫻井充君 委員長はそう見ていらっしゃるかもしれませんけれども、世界では果たしてそう見ているんでしょうか。世界からどういうふうに見られていると御認識されていますか。
○国務大臣(相沢英之君) 私は、いわゆるバブルが崩壊をいたしまして金融機関に多量の不良債権が発生すると、住専問題を契機としましていろいろそういうところが具体的に明らかになってくると同時に、何とかこれをしなければならないということで、御案内のとおり、金融二法も制定をし、そして総額七十兆円という公的資金の枠も準備する、そういう体制で取り組んでまいりましたから、日本はやはり本気で金融再生に、金融不安の解消に取り組んできているということに対する世界の国の認識は当然あるというふうに思っております。
○櫻井充君 では、確認しますが、今の金融機関、大手行でも結構ですけれども、資本注入したところの銀行というのは今あるべき姿に戻ったと、そう御判断されているわけですか。
○国務大臣(相沢英之君) あるべき姿ということの解釈でありますけれども、やはり銀行があるべき、あった姿では御案内のように相当、例えば中央の銀行においてもたくさんの数がありましたけれども、世界の中において日本の金融機関が立っていくためにはそのような形ではなくて、やはり今御案内のように、大きく四つの系列というものが中心となって再編が行われているわけであります。そういうような形で銀行がその体質を強めていくということは当然に必要なことでもあるし、それもまた自然の流れでもあると。ですから、そういう方向をまた促進するという考え方も当然必要だというふうに思っております。
○櫻井充君 何かよくわからないんですけれども。 では、もう一度お伺いしますが、平成十二年の三月末で三十九兆円あるわけです、不良債権が。またふえたわけです。そのときに、評価の仕方が変わったからだと、厳しくしたからだということをおっしゃいましたけれども、今までの評価の仕方が甘過ぎたんじゃないですか。
○政府参考人(高木祥吉君) 確かに、先生おっしゃるように、結果的にそれまでと比べて厳しくなったわけですから、以前のものが甘かったと言えばそうだというふうに思いますが、いずれにしても、それまでは税の取り扱いとの関係もございまして、六カ月以上延滞しているものについて利子を不計上にするというふうな取り扱いをやってきたわけですが、どうもそれは実態に合わないということで、債務者区分に応じて、それをもう破綻懸念先以上の悪い先につきましては、そういう六カ月以上延滞という状況ではなくして、それを積極的に不良債権に計上していくという方法をとった結果、それが拡大したというものでございます。
○櫻井充君 もっといいかげんだということを証明するのは、これは本当なのかどうかちょっと確認もう一度させていただきたいんですが、要するに週刊文春に、金融再生委員会が適として要注意C以下の日債銀の融資先上位百というのをすっぱ抜きました。 こういうのを見る限りにおいて、今までまともにやってきたとは思えないんです。この文春のものというのは、これはこのように判定されているんですか。それとも、これは全く文春はでたらめを言っているんですか。
○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。 先生がお触れになった週刊誌に出ているもの、写真で見ましたけれども、そのような資料につきましては当再生委員会は承知しておりません。
○櫻井充君 では、文春を訴えるんですか。
○政府参考人(森昭治君) その週刊誌の記事を確かに読ませていただきまして、そこにある資料がもし真実であるとするならば、債務者とされているその個別の企業、その債務者区分が出ているわけでございますので、それはその企業にとっては大変な信用の問題だろうと存じますが、いずれにいたしましても当委員会としてはそのような資料は承知しておりませんので、訴えを起こす起こさないということを検討しているわけではございません。
○櫻井充君 私は、これは企業の問題ではなくて、金融再生委員会の信用度だと思います。これは個別の案件でとおっしゃいますけれども、こういう判定をしたという金融再生委員会に対しての非難だと思います。違いますか。
○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。 確かに、金融再生委員会は、日長銀あるいは日債銀の個別の債務者につきまして資産判定基準、これは十二月十五日に金融再生委員会告示として出しており、公表しているものでございますけれども、それに従って、承継するのに適した資産とRCC行きに持っていくべき資産というものを判定したわけでございます。そしてかつ、その判定の根拠も明記したものでございますが、いずれにいたしましても先生がお触れになった週刊誌に出ているような資料につきましては当方承知していないわけでございまして、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。
○櫻井充君 何でこんなことをぐちゃぐちゃ言っているかといいますと、要するになかなか景気が回復してこないからです。政府は景気が回復しつつあるとおっしゃいますけれども、私が少なくとも宮城県で地域を回って声を聞くと、景気は一つもよくなってこないと。そうすると、とりあえず銀行に公的資金を注入しているわけですから、金融機関から立ち直ってもらわなきゃいけないんだと思っているわけです。 そこで、では今まで金融機関にどれだけの税金をつぎ込んだんでしょうか。
○国務大臣(相沢英之君) 先ほどもちょっと触れたかと思いますが、主として破綻処理に用いられる費用を経理しておりますところの預金保険機構の一般勘定、特例業務勘定、それから金融再生勘定における政府保証つき借入金の残高の合計額と、それから交付国債の使用額、それぞれ政府保証による借入金の残高が九・六兆円、それから交付国債の使用額が七・八兆円となっております。 よろしゅうございますか。内訳を申しましょうか。
○櫻井充君 いいです。 要するに、国民の皆さんが何で怒っているかというと、これだけ税金を使ってもさっぱり貸し渋りが解消しないとか、そういう現状があるからなわけです。 前にお伺いしたんですけれども、大手十五行でたしか二・九兆円の中小企業に対しての貸し出しの枠があったかと思います。そこの中でどの程度中小企業に貸し出したのか、まずその点について教えていただきたいと思います。
○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。 平成十一年三月に資本注入を大手十五行にする際に、早期健全化法におきましては中小企業向け貸し出しは増加させることという法律要件が書いてございますので、それを踏まえて各十五行に対して中小企業向け貸し出しの、一年間でどれだけ増加させるかという計画額を出させました。その合計が先生お触れになりました二・九兆円ということでございました。 それにつきましては、一年たちましたことしの三月末の決算でどの程度中小企業向け貸し出しをしたかということを、結果としてのものを我々がヒアリングしたわけでございますけれども、四・三兆円まで伸びているということを確認しております。
○櫻井充君 しかし、それは例えば三月の下旬にお金を貸して、そして四月の上旬に金を引き揚げている、そういうのも全部カウントされているはずじゃないですか。その分を差し引いて、果たして本当にそれだけ貸し出しているんですか。
○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。 昨年の四月一日あるいは二日ぐらいの話だったかと思うんですけれども、国会の要請を受けまして、まだ三月の決算が出ていない段階で、全国銀行協会に対しまして、どの程度中小企業向け貸し出しがふえたか国会に資料を出すということで、その協会ベースでは、暫定値として合計額で四・八ないし五・二兆出ている、そういう報告をいたしました。 その後、国会で先生が今御指摘になられたような、いわゆるかさ上げ的なものがないのか、おかしいではないかという御議論がございまして、我々の方といたしましてももう一度、実質的に中小企業向け貸し出しになっているかどうか、歩積み両建て的な貸し出しはないかということを各行に対して自主的に精査させまして、その結果、各行ともそういうものも自主的に排除して出てきた数字が、合計額で申しますと四・三兆円という数字でございました。
○櫻井充君 しかし、それだけ聞いていると、信用保証協会の枠を広げようとか、そういうことをしなくても十分貸し出しているということになるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。 十五行、大手行ベースで物を申しますと、大手行ベースの中小企業向け貸し出しの多くは大手行が貸している大企業関連の中小企業とかそういうものが多うございまして、いわゆる先生がおっしゃいました特別保証の顧客ベースの話とは若干顧客層にずれがあるのではないかなという感じもするわけでございます。
○櫻井充君 わかりました。 それでは、もう一つお伺いしたいのは、破綻した五つの銀行がございましたが、国民銀行、幸福銀行、東京相和などですけれども、この中で、ちょっと一つまずお伺いしたいことがありますが、新潟中央銀行の受け皿銀行が引き受けた債権の割合を教えていただきたいんです。
○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。 新潟中央銀行につきましては、基本合意ができまして、全体として六行が分割して資産を引き受けるということになりました。 しかし、資産の振り分けそのものは、現在、譲り受け人と預保の方の公認会計士との間で今協議しながら適正な振り分けというのを議論している最中でございまして、まだそれは決まっておりません。
○櫻井充君 要するに、これは金融再生法にのっとって分割譲渡を決めたということですね。
○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。 金融再生法にのっとりまして金融整理管財人を派遣いたしました。そして、業務及び財産の管理を命ずる処分も打ちました。しかし、最終的には預保法にのっとりまして適格性の認定と必要性の認定がなされるわけでございまして、それを金融再生委員会が適格か否かを審査するわけでございます。その審査の前の段階でそういう資産の振り分けということが金融整理管財人を中心に行われるわけでございます。
○櫻井充君 なぜ長銀もこのような処理をされなかったんですか。 つまり、私が委員会で質問させていただいたときに一括譲渡をしなきゃいけないような話になっておりまして、これはいわば解体だと私は思っていますけれども、こうやって六つの銀行に分けることができるのであれば、長銀を適資産だけ、ほかの適資産もあったわけですから、そこの部分だけをいろんな銀行に振り分ければ済んでいたと思います。それができないというふうにおっしゃっていたんじゃないでしょうか。
○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。 ただいまの新潟中央銀行の例で申しますと、破綻したときの新潟中央銀行の資産は、ちょっと正確ではないかもしれませんけれども、一兆二、三千億ではなかったかと思います。それに対しまして長期信用銀行あるいは日債銀というものは、貸出資産だけで申しましても、適、不適を合わせて日債銀の場合は八兆ございましたし、日長銀の場合は十六兆ございます。 したがって、貸出資産だけをとらえましても、債権、貸出額の規模というものが第二地銀レベルとは格段と違うわけでございまして、そして第二地銀レベルで金融再生法八条に基づく業務及び財産の管理を命ずる処分をした後の処理でございますけれども、それはどうしても営業譲渡という形をとります。 したがって、特公管銀行にせずに、長銀を八条で打って金融整理管財人方式ではというお話でございますけれども、そうした場合にはそうした十六兆なり八兆の貸し出し、また件数でいけば猛烈な大きな件数の営業譲渡というものは基本的に不可能に近いものがあると考えた次第でございますし、それだけに特別公的管理銀行という仕組みも金融整理管財人による管理処分という仕組みと並列的に金融再生法に書いてあるわけでございまして、そういう特別公的管理銀行、これは営業譲渡ではなくて株の処分ということで一括資産を移すやり方でございますけれども、その方が破綻銀行の処理の方法として適していたというふうに当時判断されたわけでございます。
○櫻井充君 私は法律の解釈論を聞いているんです。あのときには、五十一条だったと思いますけれども、五十一条にあるからこういう譲渡しかできないんだとおっしゃいました。これは法律の解釈論です。銀行が大きかろうが小さかろうがという問題じゃありません。それは運用の仕方をあなた方が勝手に変えているだけの話であって、解釈を変えているだけじゃないですか。ですから、あのときに法律の解釈論をやったはずです。
○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。 法律の解釈ということで考えますれば、八条に基づく業務及び財産の管理を命ずる処分で絶対できないとか、株の譲渡方式を基本とする特別公的管理銀行ではこれは絶対できないとか、そういうことは法律の解釈からは出てこないわけでございまして、ただ二つのトラック、二つのやり方が金融再生法で定められているときに、それぞれの銀行に応じた処理の仕方というのはおのずからあるのではないかということで今日の姿になっているんだと認識しております。
○櫻井充君 ちょっと今ここに議事録がないんですが、森さんはそうおっしゃっていませんよ、あのときに。あのときには、できません、この法律上はできませんとおっしゃっておりますよ。
○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。 私が先生にそうお答えしたと、先生の御記憶がよくてそのとおりだったと思いますけれども、それは何を申し上げたかと申しますと、営業譲渡の場合は、営業譲渡をした残りのものは空っぽの銀行、新潟中央でも営業譲渡の実行をした後は中身が空っぽの銀行で清算をするわけでございます。ところが、特別公的管理銀行になりますと、株を強制的に国が収用して、そして株価算定委員会によって株価の算定をした上で、そしていわば特公管銀行として中身の大掃除をして、その上で譲渡先を探す。譲渡先のときは株の譲渡でいきますから、今度は清算とかそういうことは起こらないわけでございます。そういう意味で、それに対しまして、地銀の場合は八条でいきますと営業譲渡ということになります。 では、それは株の処分ではできないのかということになると、株というものは、新潟中央の株を持っている方々は今世の中にはいっぱいいるわけでございます。その人の株につきましては、何も国が没収しているわけでもございませんし株価算定もいたしておりません。したがいまして、やり方としては営業譲渡した後で無価値になったその残りの会社を清算という方法でしか、いわばもとの銀行の株というものを処分というのはできないであろう、そういうふうに申し上げたのかと思います。
○櫻井充君 それは株主が決定すればいいことじゃないですか。
○政府参考人(森昭治君) 八条に基づく業務及び財産の管理を命ずる処分を打たれますと、まず経営権につきましては金融整理管財人が全権を握りまして、もとの旧経営陣は全く力のないものになるわけでございます。 その他、株について言うならば、確かに株主総会におきまして議決権というのは残っているかと思いますけれども、基本的に債務超過の銀行でございますので資本金というものはもうすっ飛んでいるわけでございます。債務超過であるがために破綻したわけでございますのでもう資本金というのはないわけでございますので、いわば株主が持っている株券につきましても一株当たりの価値というものは全くゼロになっておるわけでございます。 そういう株式を譲渡しようとするならば、債務超過でございますから、一たん一〇〇%減資をしてそれからということになるかと思いますけれども、具体的な方法として、そういう金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分を受けた破綻金融機関を、一たん減資をして今までの株主をいわば殺した上で新しい第三者引き受け増資でもしてその株をこうするとか、そういうことではないかと思うんですけれども、なかなか具体的にはそういう方法は思いつかないわけでございます。
○櫻井充君 何かよく答弁がわからないので、後日、文書で提出させていただきたい、そう思います。 それから、宮澤大蔵大臣にちょっとお伺いしたいことがございますけれども、国債の発行のことについてです。 今、銀行がそろそろ国債を引き受けられない状況になってきているという話も聞きますし、それから今回の補正予算で国債の額が二兆円程度になるんでしょうが、その前にかなり多くなりそうだといったときに長期金利が一時期上昇したことがございました。 それを踏まえてですけれども、ちょっと来年の話になりますけれども、こういう状況で国債をどの程度発行される御予定でございましょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 来年度の予算、まだ編成を終わっておりませんので、幾らということが申し上げられません。 ただ、私がかねて思っておりますことは、不況の回復というものもかなり進んでまいりまして、民需というものも十分ではありませんが起こりかけておりますから、来年度の予算が必要とする国債発行額は今年度よりは減らしたいということだけは念願をいたしております。 恐らく、しかしお尋ねの視点は、それよりも、国債がそれでも非常に大きな金額になっておりますから、その発行というものは決して容易なことでないとおっしゃるならば、そのとおりでございます。 ただ、現状におきましては、民間の資金需要がないということも手伝っておるとは思いますが、現在利回りは一・八、この一日ちょっとよくなっておりますが、とにかく二ということになってはおりませんので、一・七とか八とか九と。でございますから、市場としては、私どももなるべく市場が買ってくれやすいような期限であるとか月々の発行であるとか注意はいたしておりますけれども、償還に困難があるというようなことはございません。そういうことがまたあってはなりませんので、来年度におきましては殊さら注意は必要だと。殊に財投というものの機関が変わりますので、また郵便貯金の問題も変わりますので、いろいろ来年度、来年と申しましょうか、いろいろ苦労しなきゃならぬということは今から考えて、手当てをいろいろに考えております。 したがいまして、結論として申しますれば、来年度の発行額そのものを今きちんと申し上げられませんが、国債としては今年度よりは少なく、また償還の方法についても、いろいろ工夫は必要でございますが、やっていけるであろう、こう考えております。
○櫻井充君 本当は時間があったらもう少しきちんと議論したいんですが、きょうはあと東証の方に来ていただいているので、マザーズに関して質問させていただきたいと思います。 マザーズが設立されて、結果的に上場二十一社中十七社が公募価格を下回っているわけです。いろいろ会社の問題もあるのかもしれませんけれども、リキッドオーディオの上場のプロセスを見ていても、審査の過程にかなり問題があったのではないだろうか、そういう指摘もございます。 その点を受けて、どうお考えか、まず教えていただきたいと思います。
○政務次官(宮本一三君) 先生御指摘のように、上場二十一社中十七社が公募価格を下回っているという状況になっているわけでございますけれども、東京証券市場が開設、運営しておりますマザーズですけれども、これはやはり新興企業の資金調達を円滑にするということが大きな目的でございます。そして、新規の産業を育成支援するということは非常に難しいわけでございますけれども、何としても成長の可能性のある新興の企業というものに対しましてこういった市場を育てるということで創設されたわけでございます。 御指摘のような状況に今公募価格が下がっているのがありますけれども、株価というものはどうしてもやはり株式市場全体の動向というものを見ていなければならないし、また個々のさまざまな要因が背景にあります。そういった自由な市場の需給関係で決まっていくわけでございますので、こうした面でございますので、マザーズの現状に対しまして市場監督当局として今がどうだというようなコメントは非常に難しいと思うわけでございます。 ただ、マザーズの上場基準、先生今言われましたこれでございますけれども、この基準につきましては、従来の一部とか二部の上場の場合と違いまして、企業の過去の実績を、従来の市場でございますと利益基準であるとかあるいは純財産の状況とかそういったものを十分勘案しますし、また設立後の経過年数基準というふうなもの、そういったもので従来審査をしておりますけれども、マザーズの場合はもともとそういった新しい、新興、魅力ある、成長の可能性のある企業の上場を助けたいということでございますだけに、やはり経営の継続性あるいは収益性ということに照らしまして、既存の市場の上場基準と比較いたしまして相対的に非常にリスクの高いものにならざるを得ないという面がございますので、そういう点もぜひひとつ御理解願いたいと思います。 ただ、ディスクロージャーについては、年四回ということでお願いしております。
○櫻井充君 それで、土田理事長にちょっとお伺いしたいんですけれども、今、この発想は決して悪いわけではありません。しかし、やはり投資家の方々がいらっしゃるわけであって、投資家の方はその市場を信用して投資されるということもあるんだろうと思います。 特に、マザーズのこういうパンフレットがございますが、そのパンフレットの中にはどう書いているかといいますと、「今後の成長、拡大が期待される事業や新たな技術・発想に基づく事業を行う高い成長可能性を秘めた企業が上場されます。」と、こういうふうにうたってあれば、最後、下のところに、あとは自分の判断で投資してくださいと書いてありますけれども、マザーズに上場される企業というのはかなり成長力を見込めますよと、実際このパンフレットに書いてあるわけです。その中でこれだけ株が下落していくということになればですが、上場している東証の責任といいますか、こういう企業を上場させてしまった東証の責任というのも私は免れないところがあるんじゃないかと思いますが、この点についてどうお考えでございましょうか。
○参考人(土田正顕君) マザーズの創設の趣旨につきましては、先ほど政府の方から御説明がございましたので私は省略をいたしますけれども、マザーズの特徴を一言で申しますと、私ども東証による事前規制を最低限のものとする。そして、企業をよく理解した引受証券会社の判断、そして明確な自己責任原則のもとで成長可能性のある企業に投資を行おうとする投資者の判断を最大限尊重する。それと同時に、私どもの方は、開示されます財務諸表等とかリスク情報が適正であるかどうか、上場後のタイムリーディスクロージャーについては十分なものとなっているか、その他に着眼いたしまして適正な規制を課するというものでございます。 現状は、確かに委員御指摘のとおり、公募価格に対しまして値上がりしているものも五銘柄はございますが、あとは公募価格を下回っております。この辺につきましては、私ども株価の動向について直接コメントする立場にはございませんけれども、若干一般論的になりますが、このマザーズ開設と前後いたしまして、テクノロジー株と申しますかIT関連株についてやや過剰な期待があった、それがその後調整局面を迎えたということは、これは日本のみならず、米国のナスダック市場その他を見てもある程度言えるのではないかと思います。そのような場合に、マザーズ銘柄には、今申しましたようなIT関連株それからテクノロジー株、そのようなものが割合多いということで、全体の調整局面と軌を一にして値下がりをするものが目立つということもあろうかと思います。 基本論でございますが、株価についてはこれは市場が決めることであって、私どもは直接コメントする立場にはないと。ただし、私どもとしましては、やはり投資者の判断を誤らしめないように、殊にそのディスクロージャーについて十分なディスクロージャーの充実を期するという点に最も主眼を置いて市場を運営しておるわけでございます。
○櫻井充君 済みません、時間がないので簡潔にお願いしたいんですが、それではリキッドオーディオについてちょっとお伺いしたいんですけれども、結局どういう会社が上場できるかといいますと、主幹事業務を引き受ける証券会社が精査して、その上で上げてくれば結果的には上場されるということになっています。 リキッドオーディオの場合には、たしか大和証券と野村証券が断ったという経緯があったかと思いますが、その辺に関しては東証は御存じだったですか。それとも、これは事実か事実でないか。またそれと、御存じか御存じでないかについて教えていただきたい。
○参考人(土田正顕君) 簡潔に申しますと、野村証券及び大和証券SBCMが主幹事を断った理由は存じません。大和が主幹事候補となっておりましたことは承知しております。 ただ、それは関係者のいろいろな協議その他で、最終的には御案内のとおり日興証券が主幹事になったということであろうと見ております。
○櫻井充君 ですから、ここで問題になるのは、証券会社が審査して、証券会社がオーケーになると、ほとんど東証で、マザーズで審査しないまま上場されてくるというシステム自体の問題なんだと思うんです。 日興証券がこういうことを知らなかったために一つはこういうことが起こっていて、もう一点申しますと、マザーズと同じころに始まりましたナスダック・ジャパンの売買代金を見てみたときに、十月の平均がマザーズが二百二十億円で、ナスダック・ジャパンが五百十六億円ですから、いかにその信用を失っているかということが明白なんじゃないかという感じがいたします。 ですから、この審査のシステムに関して不備はなかったと、そうお考えでございましょうか。
○参考人(土田正顕君) マザーズにつきましては、この開設の趣旨にかんがみまして、殊にその新規性と申しますか、また成長性と申しますか、それにつきましては、やはりその方面に習熟しておりますアンダーライターとしての主幹事会社の判断を尊重いたします。 それで、なお、この市場の出来高につきましてはもう少し長く見ていただきたいと思うのでございますが、私どもマザーズ市場のいわゆる値つけ率というものは、今日、東証第一部と遜色のないところにまで上がってきておりまして、もう少し長い目でこのマザーズの市場の成熟性をごらんいただきたいと思うわけでございます。
○櫻井充君 時間が来たので終わりますけれども、宮澤大蔵大臣も相沢委員長も、間接金融から直接金融へということをよくおっしゃっておりますけれども、こういう市場であるとすると、なかなか直接金融に移っていかないんじゃないだろうか、そういう不安がございます。 これで私の質問を終わります。
○浅尾慶一郎君 当委員会におきまして、何回か長銀あるいは日債銀の譲渡に絡んで質問をさせていただきました。 その中で再三再四、長銀についてはゴールドマン・サックスとのFA契約の開示、あるいは日債銀についてはモルガン・スタンレーとのFA契約の開示を要求させていただいておりますが、なかなかいろいろとおっしゃって答えていただいておりません。 そこで、本日はまず最初に、そのゴールドマンという会社あるいはモルガンという会社が日本において、私はこれらの会社が世界的規模でいろいろなことをやっているということはきょうは申すつもりは全くありませんが、日本においてどういった行動をされておられるかということを、少し質問をさせていただく形で明らかにさせていただきたいと思います。 ゴールドマン・サックス社は他の三証券会社と同時に、NTTの先般放出されました第六次の株放出の主幹事となりましたが、ことしの四月二十日に、きょうは宮澤大臣もお越しでございますが、フィナンシャル・タイムズ紙とかあるいはインターナショナル・ヘラルド・トリビューンといった新聞に、同社が主幹事から外れるという報道があったということを承知いたしております。 その段階ではまだ決まってはいなかったと思いますが、まずその外れるという報道が四月二十日、木曜日だと思いますが、あったときに、同社の東京から大蔵省に対して何らかの申し入れはございましたでしょうか。
○政府参考人(中川雅治君) 今、先生おっしゃいましたように、NTT株式売り出しに係る主幹事証券会社の選定は、七月十七日に提案募集案内を各証券会社に送付したところからスタートいたしたわけでございます。 ただ、四月二十日の段階でフィナンシャル・タイムズに、まだそのNTT株式売り出しに係る主幹事証券会社の選定に入っていない段階であったわけでございますが、大蔵省がゴールドマン・サックス社を主幹事から除外することを検討しているかのような報道がなされたものでございますので、ゴールドマン・サックス社の東京支店の方から私どもに、こういった報道はゴールドマン・サックス社の証券市場における信頼を傷つけるものであり、大蔵省としても対応してほしいという要請がございました。
○浅尾慶一郎君 その東京支店からの申し入れに対しては、大蔵省としてはどのように対応されましたでしょうか。
○政府参考人(中川雅治君) これは、東京支店からの要請というのは確かにございましたが、実は二十日にフィナンシャル・タイムズの記事が出ましたその日の事務次官の会見で、記者の方から質問が出たわけでございまして、そのときに事務次官の方は、四月二十日の会見におきましては、これは理財局の問題でまだ聞いていないので……
○浅尾慶一郎君 東京支店の申し入れに対しては何も対応しなかったという理解でよろしいですか。
○政府参考人(中川雅治君) それで、四月二十四日の月曜日に……
○浅尾慶一郎君 それは聞いていませんから。
○政府参考人(中川雅治君) はい。その二十日の段階ででございますか。 二十日の段階におきましては、特に対応はとっておりませんでした。
○浅尾慶一郎君 そうすると、繰り返しになりますが、四月二十日、ゴールドマン・サックスの東京支店から大蔵省に申し入れがあったが、その申し入れに対して、その日、ゴールドマン・サックス社の東京支店に対して何らの回答はしていないという理解でよろしゅうございますね。その他のことは答えていただかなくて結構ですから、その点だけ答えていただきたいと思います。
○政府参考人(中川雅治君) その日はそういう要請を承ったということでございます。
○浅尾慶一郎君 さて、何らの対応はその日はしていなかったということだと思いますが、その翌日だと思いますが、ニューヨークにいられた榊原前財務官ですか、財務官から大蔵省にこの件に関して電話が入ったというふうに聞いておりますが、大蔵省のどなたに何回電話が入りましたでしょうか。
○政府参考人(中川雅治君) 榊原前財務官からは、フィナンシャル・タイムズの記事が出まして、これは海外でいろいろな反響を呼んでいると、国際的な問題になるということで大蔵省としても対応をとったらどうかというアドバイスの電話が私とそれから当時の事務次官、財務官にそれぞれございました。 私には、不在のときを含めて数回電話があったと思います。私が話しましたのは一、二回程度だったと思います。
○浅尾慶一郎君 榊原氏はそのときに、ゴールドマン・サックス社のニューヨークのどなたかに会って電話をしたんだという話はされましたでしょうか。
○政府参考人(中川雅治君) ニューヨークから電話をされてきたというふうに記憶しております。 それで、そういった海外での反響があるということを言っておられましたので、どなたかと会ったというふうには認識しましたけれども、それがどなたであるかということについては承知しておりません。
○浅尾慶一郎君 ゴールドマン・サックス社のニューヨークにおられるマネージングダイレクターのコリガンという人と会って、そこで話が出たという話ではございませんか。
○政府参考人(中川雅治君) 私が電話を受けたときには、そういう名前は直接私には出ませんでした。
○浅尾慶一郎君 具体名は出なかったけれども、ゴールドマンのニューヨークのどなたかから依頼を受けたということでよろしゅうございますか。
○政府参考人(中川雅治君) ゴールドマンのどなたかから依頼を受けたというふうにはそのときは聞きませんでした。たしかニューヨークでどなたかと会って、この記事についていろいろな反響があるぞと、こういう話はございました。
○浅尾慶一郎君 フィナンシャル・タイムズという新聞はどちらかというとヨーロッパ、特にイギリスの新聞でございまして、確かにニューヨークでも売られておると思いますが、いわゆる経済紙ということでいえば、ニューヨークで売られているのは申すまでもありませんがウォール・ストリート・ジャーナルでございます。そのニューヨークにおられる榊原さんが普通見られるのはウォール・ストリート・ジャーナルだというふうに私は考えるわけでありまして、ですからそこの依頼があったのではないかということに関して、私が聞いております情報では、さっき申し上げた名前の方から頼まれたというふうに聞いておりますが、その点の御確認はお願いできますでしょうか。
○政府参考人(中川雅治君) 御確認というのは、榊原前財務官に確かめるという意味でございますか。──検討させていただきます。
○浅尾慶一郎君 私は、不思議だなと思ったのは、四月二十日の東京でのゴールドマン・サックス社に関する問い合わせに対しては、具体的には、基本的には何ら御返答をされていなかったと。その翌日、ニューヨークの榊原さんから電話があったらその電話は受けて話の内容は聞かれたと。そこは、財務官をやっておられた方の話ですからそこは聞かれるということはあるのかもしれませんが、そこに少しギャップがあるのではないかなという印象を持ちました。 そこで、その電話を受けて大蔵省としても対応しなければいけないということで、先ほど理財局長が少しおっしゃいましたが、木曜日の段階、木曜日の段階というのは、繰り返しになりますけれども、榊原さんからの電話がない段階での記者からの質問に対しては、そのFTの、フィナンシャル・タイムズの記事は確認していないということを記者会見の場でお答えになったわけでありますが、月曜日の記者会見では、ここにインターナショナル・ヘラルド・トリビューンの当時の記事がございますが、月曜日の記者会見では、まず薄井事務次官の定例記者会見において、いろいろなお話をされた後で、特に記者の方々から質問がなかったけれども、実は先週こういう質問があったので、それに対してお答えをしていなかったので、私の方から現段階では主幹事の選定は決まっていないということをつけ足してお答えしたいという発言をされたというふうに書いております。 事実関係でございますが、月曜日の段階で記者から質問はなかったけれども、積極的に薄井事務次官の方から、FTの記事に関してはまだ決まっていないので、言うならば誤報であるというふうに言われたという理解でよろしゅうございますか。
○政府参考人(中川雅治君) 四月二十日の木曜日の午後五時ぐらいからの次官の会見で、今、先生がおっしゃいましたように、記者の方からこのフィナンシャル・タイムズの記事についての質問がございまして、当時の薄井事務次官が、これは理財局ですかねと、詳細については私は聞いておりません、コメントのしようがない状況にありますというお答えをしました。私どもは、フィナンシャル・タイムズの記事について当時の次官に御説明しておりませんでしたので、次官はこういうお答えになったと思います。 それで、事務次官は記者の方との関係においては中途半端な状況になっていて、いわばきちっと説明をした方がいいという宿題を負ったような意識を持っておられまして、それで先ほどのゴールドマン・サックス社の東京支店の方からの要請などもございまして、どういうふうにしたらいいのか、この点についてその後相談をしておりました。土日もどういうふうにしたらいいのか考えておったところでございます。それで、月曜日に、今お話がありました榊原前財務官からのアドバイスなどもございまして、それでこの点につきましては、記者の方との関係においてもこの点きちっと御説明をしておいた方がいい、こう判断をいたしました。 それで、一つは、現時点においてはNTTの主幹事証券会社の選定手続は開始していないということ、したがいまして主幹事については何ら決定も検討もしていないということが一つ。それから、したがいまして現時点で大蔵省が特定の証券会社を次回のNTT株式売り出しに係る主幹事証券会社の選定から除外する必要があるかどうかを検討している事実はありませんということ。それから、いずれにしましても今後主幹事選定手続が始まれば、予断を持つことなく主幹事選定基準に従って公平公正に審査する予定ですということを記者会見の終わりに次官の方から申し上げたということでございます。
○浅尾慶一郎君 通常、何かマスコミが誤ったことを伝えた場合に大蔵省として訂正をされるということは通例としてございますか。
○政府参考人(中川雅治君) そこはケース・バイ・ケースだと思いますが、本件につきましては、フィナンシャル・タイムズの記事が当局に対する国際的な信用といいますか、そういう問題にかかわると、こういう認識できちっと事実関係だけは申し上げておいた方がいいと判断したところでございます。
○浅尾慶一郎君 では、先ほどちょっと週刊文春の記事で出ていましたので、森事務局長にお尋ねいたしますが、その幾つかの企業が私の債務者区分が違うということで訂正してくれと言われたら、それは訂正をされますか。
○政府参考人(森昭治君) 御質問の趣旨は、当委員会が判定した債務者区分と先生がお触れになった週刊誌にある債務者区分が違っていた場合に、当債務者から再生委員会に違うと言ってくれといった場合にどう対応するかという意味でございましょうか。
○浅尾慶一郎君 はい。
○政府参考人(森昭治君) それにつきましては、当委員会といたしましては、適、不適をした個々の債務者名というのは、いいものであれあるいは余りよくないものであれ個々の企業の信用にかかわることでございますので、当再生委員会はそれについては対外的に言わないこととなっておりまして、確かにそういう場合だったらその債務者は大変気の毒な立場には立つわけでございますが、当再生委員会からこの債務者は実はこれじゃないんだということはなかなか言えない。そうしたらほかのものはみんな言ってくれということにもなりますし、そうしますと個々の企業の債務者区分というものが、ある銀行について特公管時代にどういう債務者区分をしていたかということがわかることになりますので、それはやはり企業の信用ということを考えますとなかなか難しいのではないかと思います。
○浅尾慶一郎君 ですから、私が申し上げたかったのは、今回のゴールドマンの件に関してはかなり、はっきり言えば相当特別な取り扱いをされたと。通常であれば、単にゴールドマン・サックス証券社に対して、主幹事の選定はまだ決まっておりませんということを返答するのが恐らく大蔵省ないし他の省庁のとられることであって、それをあえて記者会見の席でそこに触れるというのは、特殊な取り扱いをしたのではないかなというふうに思います。 そのことはそういうふうに申し上げるという形で、御答弁をお願いしてもきっとお答えになりづらいでしょうし答えられないと思いますので、そこのところはそういうふうに申し上げておきたいと思います。 さらに、私が本件に関しておかしいなと思ったのは、このインターナショナル・ヘラルド・トリビューンの記者の方は、ゴールドマン・サックス証券から、当日の事務次官の記者会見においてそういうことが話されるからぜひ聞いてくれ、来てくれと事前に連絡をもらっていたということが書かれているんです。 事前に大蔵省から榊原さんなりに、当日五時に行われた事務次官の会見の中で本件について話をするということは伝えたんですか。
○政府参考人(中川雅治君) 榊原前財務官には、事務次官が事実関係を記者会見で説明するということは伝えました。 これは一つは、申し上げたことは、まだ主幹事の選定手続は始めていないということで、これは関係者だれでも知っている事実でございます。それから、始まれば公平公正に審査をすると、これまた当然のことでございまして、特に新しい事実を発表するとか個別の企業のことを発表するということではございませんので、榊原前財務官に伝えることについて特に問題はないと考えておりました。
○浅尾慶一郎君 伝えることについて問題はないということですが、先ほど来の御答弁でかなり特殊な取り扱いをされたのではないかなというふうに思います。 〔委員長退席、理事須藤良太郎君着席〕 では、榊原さん以外には恐らく話をされていないということでしょうから、榊原さんからゴールドマン・サックス証券に対して、当日の記者会見でこの話が出るよと伝わったというふうに理解して間違いはございませんか。
○政府参考人(中川雅治君) そういうふうに推察されますが、これは榊原氏からアドバイスをいただきましたのでこういう対応をとるという回答をしただけでございまして、またその内容も特段問題があることではございませんので、仮に第三者に伝わったとしてもそれも問題はないというふうに考えておりました。
○浅尾慶一郎君 それでは、大臣に伺いますが、類似の事案が今後も出ることというのは当然あると思うんです。類似の事案というのは、行政側がまだ決めてないことについて決まったかのように報道された場合に、それを行政側が積極的にその報道に対して否定をするという理解でよろしいのか、それともそれについては、そういう場合はその当該不利益をこうむる事業会社に対して個別に伝えるだけで行政として関与しないと、それはどちらでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今のことは私、具体的に存じませんでしたが、違う報道をされることはしょっちゅうありまして困っておりますが、一々訂正することはいたしません。ただ、恐らく、ファイナンシャル・タイムズがかなり読まれている新聞ですから、ここは直しておいた方がいいなと思ってやったんだろうと思います。
○浅尾慶一郎君 かなりゴールドマンに対して特別な取り扱いをしたということなんだと思います。 私がるる申し上げておりますのは、日本の同じような金融関係の事業会社に対する取り扱いと、どうも外資系に関して、いろんな近来の金融の問題が起きてから外資系に対する対応が少しダブルスタンダードの部分があるのではないかなという印象を持っておりますので、その一例として今の議論の中でそれを明らかにさせていただいたわけでございます。 そこで、実際にはゴールドマンは結果として主幹事に選ばれました。選ばれましたが、そのNTT株、売り出しがたしか九十五万円だったと思いますが、これ、九月の中旬ぐらいまでは百二十万円前後であったと思うんですね。百二十五万円ぐらいだったと思うんです。そこで、売り出しの決定日というのは九月二十九日なんですが、その日に売り出しを決定したと。その売り出しの決定日の九月二十九日、あるいはその前日ないしはその前々日ぐらいをずっと見ていきますと、九月の二十六、二十七ぐらいなんですが、そのときのNTT株の売りの手口、売っている人たちが、売っている株数が一番多い会社はどこでしょうか。東証でも証券監視委員会でも結構ですが。
○参考人(土田正顕君) 私どもは株の売買の状況は専門の職員を置きまして観察はしておりますが、そこで若干問題意識を持ったときは調査に入ることもございますが、ただ、いかなる場合でありましても、申しわけありませんが、その売買の手口、手法、そういうものについては申し上げないことにしております。
○浅尾慶一郎君 東証の立場として申し上げられないということなんですが、売買の手口というのはこれは調べればすぐわかるので、私の手元にありますが、九月二十六日は、ゴールドマン・サックス証券、それまで別に売りの一位でも何でもなかったんですが、いきなり第一位、三千七百五十三株。九月二十七日、同じくゴールドマン・サックス証券、第一位、三千四百三十三株。 ちなみに申し上げますと、それまで一日大体平均八千株ぐらいの出来高だった会社なんですよ。ところが二十六、二十七、大変売りが多くて、一万二千株ぐらいの出来高になったんじゃないかなというふうに思っておりますが、出来高も相当ふえている。 ちなみに、価格がこの二十六、二十七が終わった段階で約十五万円ぐらい下落をいたしております。市場のことですから彼らがやったからどうなったかということは特に問題にできないかもしれませんが、少なくとも主幹事としてNTT株を市場に放出をします、売りますというときに、主幹事の務めとしては市場に余り悪いインパクトを与えるような行動はとらないというのが一般的な理解なのではないかなというふうに私は思っております。 このNTT株をどうやって売られたかというのがちょっと詳しくはもちろんわからない。どうやって売られたというのは、ゴールドマン・サックスさんがどこかから借りて売られたのか、それともそうでないのかというのはよくわかりませんが、いずれにしても大量の売りを出したというのがマーケット、そしてしかも株については生命保険会社から借りておられたというのがマーケットのうわさというか、言われておることであります。 ちなみに、空売りをする、あるいは借りて売った場合には当然その株を買い戻さないと株が返せないわけでありますから、どこかでその株を買い戻しているんだろうなと思って調べてみましたら、ちょうど十月二十四日、売り出し期間が始まってから大量にまた買いの一位でゴールドマン・サックスさんが出てこられておるということが手口から明らかになっておるわけでございます。 質問は、主幹事が知り得た情報をもって仮に空売りを事前にした場合には、これは証券取引上いかなる事項に抵触するのかということをまず質問させていただきたいと思います。
○政府参考人(五味廣文君) 個別具体のケースがございませんと一般論としてお答えしづらいものでございます。恐らく議員の念頭にはインサイダー取引あるいは株価操縦ということがおありかと存じますが、インサイダー取引の場合には、当該会社、その株式を発行しております会社の関係者というものが行為者ということになります。その他、あとは重要事実、会社の経営に関します重要事実、これは法律、政令に列挙されておりますが、それに当たる情報であったのかどうか、またその公表の時期、決定の時期との前後関係、こういったようなものが問題になります。 株価操縦の場合には、株価を操縦させる、あるいはその取引が非常に繁盛であるというようなことを誤認させる目的を持って取引を行うといったようなことがその要件となっておりますが、いずれにしましても具体的な案件ごとにそこは判定される問題でございます。
○浅尾慶一郎君 それでは、どういうことかということを御説明申し上げた方がわかりやすいと思いますが、先ほど、大体三十万円ぐらい株価が九月の下旬ぐらいから実際に売り出し価格まで下がっております。三十万円で今回百万株、政府が売っておりますので、三千億円納税者は懐が痛んだということになるんだと思いますが、しかも主幹事証券でございますので、重要な働きをされたのではないかなというふうに思っておりますということだけをその点に関しては申し上げさせていただきたいと思います。 それから、もう一点加えて申し上げさせていただきますと、主幹事証券というのは当然いろんな社内の情報を知り得る立場にございます。三十万円下がって、仮にそこで一万株の売りをするとそこは三十億円もうかるというのは申すまでもないわけでありますが、彼らが主幹事として実際の仕事はどれぐらいやったかというと、引き受けた株に対して需要を集めてくるんだと思いますが、他の主幹事証券会社、日興、野村あるいはメリルリンチといったようなところは引き受けた株以上に需要を集めてきた。これは単純に言えば、主幹事として成功したということなんだと思いますが、数値だけ申し上げさせていただきますと、日興証券は引き受けた株が二十三万二千株強、野村も二十三万二千株強でありますが、それぞれそれ以上の、日興は二十三万二千株強に対して、日興ソロモンが一三八%、野村が一三〇%、そしてメリルリンチは一一四%の需要喚起ができたわけでありますが、ゴールドマン・サックスは、残念ながら、引き受けた株数が五万六千株強でありますが、それに対して六二%しか需要喚起ができなかった。 言葉をかえて言えば、これは仕事を余りしていなかったという理解でありますが、その点についてもし理財局長の方から何か、事実関係に誤認があるかどうか、あるいは仕事を余りしていないんじゃないかという指摘に対して何かあれば御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(中川雅治君) まだ私どもも実際の数字につきましては中途の報告しか受けていないということで、最終段階の報告はこれからということのようでございます。大体、今、先生御指摘のような数字になっているということは聞いております。 ただ、主幹事の仕事といたしましてはドキュメンテーションの問題とかいろいろございまして、単にその引き受けをしてそれを販売するということ以外にいろいろありますので、総合して判断をしていく必要があろうかと考えております。
○浅尾慶一郎君 それでは次の、今インサイダーといったような話をさせていただきましたが、また別の観点からインサイダーについて伺わせていただきたいと思います。 昨年のGDP第一・四半期の数字が発表時間よりも早目に漏れていたということが報道されておりますが、経済企画庁小野次官お越しでございますけれども、六月十日の三時に発表されたというふうに伺っておりますが、その三時前の時点にどういう方に事前にその数字について御説明をされましたでしょうか。
○政務次官(小野晋也君) 先ほど浅尾委員が御指摘のとおり、この問題に関しましては、確かに一部報道機関に公表前計数の一部が漏えいしていたといいますか、報道されていたことは事実でございまして、これはまことに遺憾に思っている次第でございます。 これに関連いたしまして、事前に説明をした者ということでございますが、これにつきましては、現在、直前には内閣総理大臣、内閣官房長官、大蔵大臣、通商産業大臣及び内閣官房副長官に説明を行うことになっておりまして、当時も同様の事情といいますか、事前に説明をしておく必要性があるということでございまして、こういうことがあったと認識をしているところでございます。
○浅尾慶一郎君 発表されたのは六月十日の午後三時十何分ということでよろしゅうございますか。
○政務次官(小野晋也君) この発表は、六月十日木曜日の十五時三十分公表ということでございます。
○浅尾慶一郎君 そこで、昨年の六月十日の国債の先物のマーケットというのは十五時で閉まるという理解でよろしゅうございますか。
○参考人(土田正顕君) そのとおりでございます。
○浅尾慶一郎君 六月十日の値動きを見ますと、平成十一年六月限りのものは前日比十九銭、これは高くなったというか、下がっていますね。というか、その翌日で見ないといけないんだと思いますが、六月十一日の国債は非常に大きく動いておりまして、きのういただいた数字ですが、二円値段が変わっておるということなんだと思いますが、そうだとすると、事前に国債を先物マーケットで売っておくとかなりの収益が出ると思いますが、基本単位を売った場合に、二円の値動きがあると幾らぐらいの収益になりますか。
○参考人(土田正顕君) 一単位は一億円ということでございますので、二を掛けますと二億円でございます。
○浅尾慶一郎君 その六月十日及び十一日のそれぞれの売りが多い証券会社一位というのは、私が聞いております話では、それまでは出てこなかった会社が急にその日出てきているというふうに伺っておりますが、そういう理解でよろしゅうございますか。
○参考人(土田正顕君) その辺につきましても、先ほどちょっと申し上げたようなことでございますが、個別の手口、内容は申し上げないことにしておりますので、御容赦いただきたいと思います。
○浅尾慶一郎君 日本のGDPの数字を事前に知って大変な収益を上げている可能性があるということでありますので、ぜひ当委員会に資料提出をお願いしたいと思います。
○理事(須藤良太郎君) はい、検討します。
○浅尾慶一郎君 もう少し申し上げますと、別にどこの証券会社が売りが多いとか買いが多いということだけではその証券会社に対して特別のダメージを与えるということも特にないわけでありまして、ですからその点はぜひ東証の理事長としても御考慮をいただきたいと思います。 きょうは、証券取引等監視委員会の五味事務局長がお越しでございますが、私は、いろいろとマーケットが複雑になってくる中において、こういったような情報が事前に漏れることによって不当な利益を得る人が出てきているということもありますので、ぜひその辺の監視の強化をお願いしたいと思いますし、また今の証券取引等委員会の体制ではなかなか難しい部分もあろうかなと思いますので、場合によっては、これは五味さんにお聞きするよりかは直接の担当の御大臣であります相沢さんにお聞きした方がいいと思いますが、事務局の体制を拡充する方向で御検討いただきたいと思いますが、まず体制拡充で御検討いただけるかどうか、御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(相沢英之君) 私が委員長に就任をいたしまして、証券取引等監視委員会について、今おっしゃるように非常に人間が少ないので手薄になっていると、これをひとつふやしてもらいたいというような形での話を実はよく聞いておりませんでしたものですから、お話がございますればよくまた検討させていただきます。
○浅尾慶一郎君 ぜひお願いしたいと思います。 というのは、実は六月十日で売りが一位になっている、これは二種類ありますが、六月限りと、そして九月限り、それぞれ先ほど来問題になっておりますゴールドマンとモルガン・スタンレーでございますので、ぜひそういうことも含めて御検討いただきたいというふうに思います。 また、そういう部分もございますので、当委員会で申し上げております契約書の開示ということを積極的に行うことによって、そのさまざまな疑問に対して積極的にとらえる、向かっていくという姿勢を示していただきたいと思いますが、その点については委員長、いかがですか。
○国務大臣(相沢英之君) 証券取引等監視委員会も、御承知のように電算システムの開発とか活用、そういうことで事務の効率を上げる努力をしてまいりましたから、責務を適切に果たしているとは存じますが、なおお申し越しの件についてはよく検討させていただきます。
○浅尾慶一郎君 では、私、きょうはあと生命保険会社の破綻について質問させていただきたいというふうに思っておりますが、改正前の保険業法においては、特別の事情がある場合は予定利率を既契約者に対しても引き下げることが認められるという記述がございました。その保険業法のその記述に従って実際に予定利率を引き下げたケースは具体的にどういうものがあるか。また、そのケースに対して裁判になっておると思いますが、最高裁の判決も出ておると思いますが、その判決はいかんと。さらに、その判決に対して学説がそれに対して反対することを述べておると思いますが、その三点についてお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(乾文男君) お答えいたします。 委員が御指摘になりましたとおり一例ございまして、昭和二十一年に戦後の激しいインフレーションの進行による保険会社の事業費の高騰、それから運用資産の利回りの低下、死亡保険金の支払いの増加、それから戦時補償の打ち切り等によります生命保険会社の事業経営の窮迫を打開するために、当時の保険業法の規定に基づきまして、大蔵大臣の命令によりまして各社一斉に既保険契約に対する保険料の引き上げ、保険料の引き上げイコール予定利率の引き下げということでございますけれども、それが実施された例が一例ございます。 それで、この措置につきましては、保険契約者から保険会社に対し、その増額部分の保険料債務不存在の確認を求めた訴訟が提起されまして、昭和三十四年に最高裁判決が出ております。 その判決におきましては、第一に、保険業法第十条三項に言う保険契約者等の利益の意義については、既存契約の保険料の増額は、単に当該契約を個々的に観念すれば一見不利益のごとくであっても、保険事業の維持、経営の破綻を救う道が保険料の増額以外には存在しないと主務大臣が認めて第十条第三項の処分をした場合には、結局は契約者等の利益を確保するゆえんであり、また新契約と既存の契約との間に負担の公平を期することができるとされ、第二に、憲法判断につきましては、原告の主張の前提について事実誤認があるといたしまして、旧保険業法第十条第三項の合憲性についての判断はされなかったという判決の内容であると承知しているわけでございます。 この判決に対しましての学説等でございますけれども、これに対しましては、契約の安定性からこの判決の内容は問題はないかという学説あるいは学者の意見がありますし、また他方、終戦直後の特別な事情にかんがみると、その当時、その法体系のもとではやむを得ない措置だったのではないかとの意見もあるなど、さまざまな御意見があるというふうに承知をしております。 以上でよろしゅうございますか。
○浅尾慶一郎君 いずれにしても、終戦という大変な事態のときに唯一発動をされたというふうに理解をしております。 だとすると、今仮に、今国会はとてもということですが、無理だというふうに思いますが、その保険業法を再改正してそういったようなことを認めるという場合には、終戦のときと同じような特殊な事情があるということを政府として認めない限り私はその理論構成上おかしくなってしまうんじゃないかなというふうに思いますが、相沢大臣の御認識では、今のこの異常な低金利というのは、マネー敗戦という言葉もございますが、終戦と同じような異常事態であると、そういう認識を持っておられますか。
○国務大臣(相沢英之君) 数字が必要ならばまた申し上げますけれども、私、御案内のように、最近の生保が相次いで破綻を来したという実情をつらつら見てみますと、これは御案内のように、損保と違いまして、契約期間の長い生保におきまして、保険料率を算定する際に当然運用予定利回りというものを設定しているわけですけれども、その運用予定利回りと現実の運用利回りとの間には相当な開きがある。二%から一%、それぞれ各社によって違いますけれども、また保険の種類によっても違いますけれども、そしてそれがもう大きな逆ざやとなって、各社によって違いますけれども、年間で何百億というところのロスを生じているわけなんですね。 ですから、御承知のように、最近相次いで千代田生命また協栄生命がつぶれましたけれども、さらに巷間どこが危ないとかなんとかというようなこともしきりに言われております。私は、やはりそういうような、世の中に保険をかけるという言葉がありますけれども、危ないから保険をかける、その保険がつぶれるようじゃこれは保険にならない。 第一、やっぱりこういう生保のそういうような状態が、生保各社のその経営努力が足らない、あるいはそれだけの事情で何するのは別ですけれども、やっぱり低金利という政府といいますか日銀のそういう政策のもとにこの金利が、運用利回りも下がっているということもありますから、そういう必ずしも生保会社の責めに帰すべからざる事由で逆ざやを生じている、そのままほっておいていいのかしらと、こういうようなことでその間の調整を考える必要があるんじゃないかというわけなのであります。
○浅尾慶一郎君 今、生保会社の責めに必ずしも帰さない理由で逆ざやが拡大しているということは、一理あると私もそういうふうに思っています。ただし、じゃその低金利が続いてしまったのは別の理由があって、それは端的に言えば経済政策を失敗したから低金利が続いてしまったんだと。経済政策がうまくいっていて、そして実質金利、二%ぐらいの仮のインフレがあったとすれば五%ぐらいの金利というのは通常あるはずなのであって、低金利というのは逆に言えば銀行救済の側面もあって、生保を傷める部分もあるということだと思いますが、じゃその生保に責任を負わせないとするということで保険業法を再改正するのであれば、だれかがその低金利になった責任というのはやっぱりはっきりしておかないと、私はその責任、一億総無責任ということにつながってしまうんじゃないかなと。 そういう意味で、相沢大臣として、もしそういうことを考えて提唱されるのであれば、それは政府の経済政策の失敗だったというところまで踏み込んで改正を提案されるのかどうかということを伺いたかったわけであります。
○国務大臣(相沢英之君) なぜこういうような金利政策になってきたかということは、これはもうあなたも御理解いただけるように、やっぱり景気対策ということ一つを考えても、投資意欲の促進等々、これは金利政策上そういう考え方が出るのは私は当然のことだと思いますし、またそれなるがゆえにそういう政策をとってきたんだと思うんですね。 ですから、これはもう失敗があったとかなかったとかいうことではないので、もしそういうようなことが議論されるには、やっぱりこれは後世歴史の批判を待たなきゃならぬなというふうに私は思っております。
○浅尾慶一郎君 私が申し上げたいのは、仮に予定利率引き下げを政府の命令によって行えるようにした場合に、だれが守られるかということを冷静に考えていただければ、今、例えば破綻した千代田生命なり協栄生命の契約者は減額されるわけですよ。破綻しようが、それから仮に法律を変えても、減額される。だから、契約者にとってみればそれはどっちでもいい。 ただ、破綻した場合には経営者は責任をとらなければいけない。その経営者に責任を負わせるのがかわいそうだ、経営者は、先ほどまさにいみじくも大臣が言われたように、その経済政策の犠牲になっているからかわいそうだと。したがって、経営者を守るため、その部分はじゃだれかが責任をとらなきゃいけないから、政府が経済政策を失敗したんだということをはっきりとお認めにならないと、その法律を改正するということにはならないんじゃないかなと。 確かに、その経営者の予見できない部分というのがあると、私自身もそれは思いますので、それだけの覚悟を持って、もし法改正に取り組まれるのであればぜひ取り組んでいただきたいということを申し上げて、時間が参りましたので、質問を終わらせていただきます。
○理事(須藤良太郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時二十五分休憩 ─────・───── 午後一時三十五分開会
○委員長(真鍋賢二君) ただいまから金融問題及び経済活性化に関する特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、金融問題及び経済活性化に関する調査のうち、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○海野義孝君 公明党の海野でございます。 本日は、相沢大臣を初め関係省庁の皆様方、大変御苦労さまでございます。 午前中も質問にありましたけれども、私は、金融問題の中でとりわけ今問題になっております生命保険業界の問題につきまして関係各位の皆様方に御質問をしたい、このように思います。 この生保問題につきましては、既にほかの委員会等におきましても種々質問等がありましたので多少ダブる点があろうかと思いますけれども、その点は御容赦いただきたいと思うわけでございます。 まず、第一点でございますけれども、大変不幸なことでありますが、先月は中堅の業者二社が相次いで破綻するというような事態が起こりまして、相沢大臣にとりましても所管大臣としまして大変神経を悩ます、そういった問題で大変であろうかと思います。 この関係の、特に先月の破綻に関連していろいろと問題になりましたことは、いわゆる生命保険会社の財政的というか財務能力といいますか、支払い能力といいますか、こういった点につきまして、これは既にもう二年ほど前から業法改正と同時にまたいろいろ、例えば支払い能力の問題についての比率の問題であるとか、あるいはまた金融機関等、いわゆる預金業務を中心とする金融機関等のいわゆる早期是正措置等々のように、この生保業界につきましてもそうした一つのチェックのそういうシステムが確立されたわけでありますけれども、一応この数字をクリアしていながらも、現実には破綻に追い込まれたというような事態が起こったわけでございます。 その点で、そういった規制の問題について、現実の破綻とそういったいろいろな監視制度、こういった比率等の、現実にクリアしているにもかかわらずこういう破綻に至ったという点の問題、これは大変意外なことなんですけれども、どこにそういったことが生じる原因があったかという点についてまずお聞きしたいと思うんです。
○国務大臣(相沢英之君) 御案内のように、生保が六社、殊に最近二社が相次いで破綻をしたわけでありまして、大変私はこれは残念なことであると思いますと同時に、保険の契約をしておられた方々にも、言うなればまさに保険にならないわけでありますから、非常にお気の毒なことだというふうに思っておるわけであります。 無論、生保に関しましても保護機構という一応セーフティーネットができておりますから、破綻の場合においても当面、ということは来年の三月末までは、死亡保険金については一〇〇%、それから自余の保険金につきましては責任準備金の九割までは保障されるということになっておるわけであります。 なぜそういうことが起きてきたかという一番大きな原因は、一つは、要するに保険の料率を設定する際には、言うまでもなく保険料を一定の利回りで運用するという、そういう予定利回りがあるわけです、予定利率が。それでもって保険料を算定している。ところが、この超低金利時代にありまして、とても予定利回りどころじゃない、場合によってはその半分にも行かない、予定利回りで三%台、四%近く見ておっても、実際には運用利回りは二%を切るというような話になって、そこに大きな逆ざやが発生している、これが一つ大きい問題でございます。 それからもう一つは、やっぱり保険が相次いで倒れますものですから、新規の契約者がどうしても落ちてくる、解約者がふえてくる、したがって保険の契約残高が減ってくるということでありまして、このような状態でいけばとてもじゃないけれども保険会社ももたないんじゃないかと思われているそのことが幾つかの破綻になってあらわれてきているということだと思うんです。ならば、どうしたらいいかということになるわけでありまして、それの対策を私はいたずらに更生計画にゆだねるということではなくて、何らか次善的な予防措置が考えられないかということでもって、予定利回りの変更というようなことも一つの案になるんじゃないかということで提案を申し上げているのであります。
○海野義孝君 最後の部分は、これからいろいろとお聞きしようといった点をあらかじめ申されたように思いますけれども、例えばソルベンシーマージン比率といった問題、これは巷間言われていたのは、二〇〇%を上回っていればまずまず大丈夫ではないかということがあったと思うんです。そのことは雑誌等でも書いているわけでありますし、これはやっぱり保険契約者にとっても、最近の金融は大変破綻が多くなっている、こういう時代におきましては、大変な関心を持っているわけですから、当然いろいろなものを見たりして知識はあると思うんですけれども、どうもこのソルベンシーマージン比率二〇〇%自体に問題があったのではないか。あるいはアメリカあたりと比較した場合に、これは分母と分子の問題がありますけれども、その辺のいわゆる分子側のところの問題等について、いささか日米あたりでは基準というか、それが違うのじゃないかと。 かつて、金融機関の自己資本比率の問題等について、ティア1とかティア2とか、ああいった形でどこまでを自己資本と見るかというようなことがあったんですけれども、このソルベンシーマージン比率、これは二〇〇あるいは三〇〇を超えていても果たして大丈夫かという点がちょっと私は心配になるわけで、大臣がおっしゃった予定利率の問題等の今大きな問題になっていることは後の問題として、とりあえずそういった点についてはいかがなんでしょうか。
○政務次官(宮本一三君) 先生御指摘のソルベンシーマージン比率の問題でございます。 確かに、千代田生命それから協栄生命ともにことしの二月の時点でソルベンシーマージン比率は二〇〇%を超えておりましたわけでございます。それなのにというお話、ごもっともだと思うのでございますが、両社につきまして、実は低金利が今申されましたように続く中で、非常に多額の逆ざやを抱えていたということも事実でございます。 こういうような状況の中でありましたけれども、新規の契約がどうもうまく伸びない。さらにまた、解約が増加してきたというようなこともございました。また、こうした状況に対応いたしまして、他社との提携ということに向けていろいろ努力をしてきたわけでございますが、またこれも見通しが立たなかったというようなことが重なってまいりました。 そういうことで、このまま推移しますと会社の財務状況がさらに悪化する、そして破綻した場合には保険契約者の負担もさらに大きなものになるというふうな心配もございまして、早期の段階で更生手続開始の申し立てを行った、こういうような状況でございます。 それにいたしましても、確かにソルベンシーマージン比率がああいう形で二〇〇%を超えていたということは事実でございましたけれども、ただこれを中心とした早期是正措置のみで対応していくということにはやはりおのずから限界があるわけでございます。 金融庁といたしましても、こうした点も踏まえまして、千代田生命それから協栄生命の件につきまして、保険業法に基づきまして報告徴収といいますか、これを通じまして財務の状況をできるだけ早く把握したい。さらにまた、財務の基盤強化に向けての取り組みなどいろんな対応に努めてまいったわけでございます。しかし、残念ながらああいう形になったわけでございます。 御指摘のソルベンシーマージン比率でございますが、早期是正措置の中心的な指標でありますが、これが役に立たないということでは困るわけでございまして、やはり何としてもこの制度の適切な運用ということを十分考えてまいったわけで、既に実は本年の二月にも見直しを行っております。劣後債の算入限度額を厳格化するとか、あるいは生損保間のダブルギアリングといいますか、お互いに持ち合いになっている、こういうこともやっちゃいけない、勘定しないというふうな形で制度の強化に努力をしているところでございますが、御指摘のように、今後も制度の信頼性を高めるためにいろいろと努力をしてまいりたいと思っております。 それから、先生御指摘のアメリカの基準といいますか、こういうものとの違いというふうなものがあるんじゃないかという御指摘がございました。そのとおりでございます。 アメリカにおきましても、早期是正措置の発動基準として、日本のソルベンシーマージン比率基準というふうなものに準ずるRBCという、リスク・ベースド・キャピタルというか、そういったものが存在いたしておりまして、この米国のRBC基準と我が国のソルベンシーマージン比率基準、これにつきましては、その算定に当たってバックグラウンドにある会計制度の違いもございますので、なかなか一概には言えないわけでございます。 分母について今御指摘ありましたように、株式の価格変動リスクにつきましてはアメリカでは三〇%というふうにいたしている一方、我が国の場合は一〇%というふうにしております。それから、分子に算入される株式の含み損益でございますけれども、米国では非上場株式については対象にされておるんですけれども、我が国では上場株式だけに限られております。そういった点も若干の違いがございます。 それから、アメリカの場合、什器備品等実物資産として価値の極めて低いと思われるような動産額は控除しておるといったような点もありまして、若干違いがありますけれども、やはり我が国の保険会社について米国の基準を適用した場合の試算ということについて、いろいろ会計基準の差、制度の差ということがございますので、これは簡単にアメリカの基準を適用して計算するというわけにはいかないんですけれども、何としても日本の今のソルベンシーマージン比率、いろいろな改良を加えておりますけれども、さらに努力をしてまいりたい、このように思っております。
○海野義孝君 生保業界の近時の置かれている状態というのが大変緊迫感を伴う厳しいものであるということで、せっかくのそうしたいろいろな早期是正措置も発動されることもなく破綻のような企業が出てきているというようなことでありますので、この点についても、新聞報道等でも大変そういった面についてはさらに今後強化されていくということは伺っております。 そこで、劣後債とか劣後ローン等についての扱いの問題でありますけれども、これは、さっきお話がありましたように、生損保業者間では持ち合いはしないというようなことがありますけれども、現実には劣後債、劣後ローン等については銀行とそれから生保、こういった間においてはかなり持ち合いをやっているということでございまして、これは確かにそういった自己資本比率というかソルベンシーマージン比率を見せかけというか、よくするためにはいいんでしょうけれども、実際はバランスシート上はあくまで債務でありまして、これがやはり相当な額になっておりますと、ソルベンシーマージン上の比率とは違って、例えば債務超過に陥るというような問題に絡んでくるんじゃないかというふうに私は思うんです。 そういった点で、この劣後債、劣後ローン等をどう扱うかということによっては、現在置かれている生保業界においてもまだまだ厳しいことが予想されるのではないかというように私は心配するわけでありますけれども、この辺についての扱いを今後どのようにお考えになるか、あるいはたしかもう取り組み始めていらっしゃるというようなこともちょっと仄聞はしたんですけれども、その点はいかがでございますか。
○政務次官(宮本一三君) 御指摘のように、劣後債、劣後ローン、確かに債務性がございますし、保険の資産内容の強化という点でどうかという御指摘はごもっともだと思うのでございますが、実際、劣後債、劣後ローンにつきましては、事実上の資本調達手段としてやはり機能しているということも事実でございますし、それから預金取扱金融機関における自己資本比率計算におきましても、やはりこれも自己資本として算入しているという経緯もございます。また、欧米におきましてもソルベンシーマージン比率として算入しているということもございまして、いろいろ勘案いたしまして、やはりこのソルベンシーマージンの比率の算入には入れるべきではないかというふうに考えております。 ただ、今も御指摘ありましたように、無造作に入れてはいかぬわけで、やはりこのたびの二月の適正化ででもとりましたように、算入限度額を自己資本の限度内に抑えるというふうな手を打ちましたし、また劣後債を含む生損保間の今のダブルギアリングの問題についても、算入比率に入れることを否認しようということもやってきたようなことでございます。そういう介入を加えながら、しかしやはり基本としてはどうしても劣後ローン・債、こういうものも要するに基準の中に入れていくことはやはり必要かなというふうに今考えている次第でございます。
○海野義孝君 時間の関係もありますから、今の議論についてはまた私の方でもいろいろと研究をして進めていきたいと思っています。 冒頭に、相沢大臣から予定利率の変更というようなお話が出ております。この問題、大変私は難しい問題だと思っているんですが、大臣は、先般、十月の二つの破綻の後、こういったことはもうないだろうというか、願望を含めてそういったことをおっしゃったと思うんですけれども、そういったことと、予定利率の変更の問題ということと、ちょっと話が、私、その辺がやや悩ましい話なので、大臣、いろいろと深くお考えになって、我が国の金融界全体への波及の問題、あるいは回り回って金融のシステミックリスクの問題等々まで含めて深く思慮されているのかとも思うんですが、その辺、大臣の御所見というかお考えをちょっとお聞きしたいと思うんです。
○国務大臣(相沢英之君) 確かに、協栄生命が破綻をしたときの記者会見で質問を受けまして、また続いて起こるんじゃないかというようなことを言われました。正直に申しますと、私どものところにも、次はどこだろう、どこだろうと、そういうふうなことばかり聞いてくるんですね。それだけ生保に対して言うなれば不安を持っている、信頼感が欠けている、そういう状況が現にある。 私は、確かに協栄生命の破綻のときには、もうそういうことはないだろうと申し上げました。そう申し上げるよりほかに言いようがないのであります。事実、そういうことが起きないことを心から希望しておりました。 ただ、各社の実態を私、必ずしも十分に承知をしているわけじゃありませんが、先ほどちょっと申し上げたように、ソルベンシーマージン比率だけを見ると、もう二〇〇を下回るようなところはありません。相当な高い率になっておると。しかしながら、やはりその実態を見てみると、特に逆ざやが大きな原因になっておりまして、それも半端な数字じゃない。それが続けばどうしたって破綻せざるを得ないというようなおそれがあるわけですから、じゃ、このままほうっておいて、そして破綻をさせて再生計画まで持ち込んで、そうなればその予定利率を変更できるということになるわけですけれども、そこまでほっておいた方がいいんだろうかどうだろうか。 無論、先ほど申し上げましたように、来年三月末までは死亡保険金の一〇〇%、それからその他のものについては責任準備金の九割まで保障されるといいますけれども、それじゃ来年の四月一日以降については死亡保険金についても一〇〇%じゃない、ほかのものと同じ九割になるという問題もございます。 それからまた、やっぱり更生会社になっちゃったということと、それじゃ少し予定利率を変えて、ということは、保険金を下げるか保険料を上げるか、恐らく保険料は若干上げることになると思うんですが、そして会社としては続いていく方がいいか、どちらが、会社のためじゃないので、保険契約者にとってどちらの方がいいかという問題があろうと私は思っているわけなんです。 ですから、私は、つぶすよりも、つぶれるということになれば、まあそう言っちゃいけませんけれども、いろいろ会社としての従業員の問題、いろんなものもこれはあるわけです、社会的な問題もあります。あえてそれは言いません。言いませんが、保険契約者にとってもその方がいいかどうか。続けてまたつぶれたということになると保険業全体に対する一般の人の信頼がさらに薄れていく、契約がとれなくなる、解約がふえる、残高も減っていく、そういうことでいいんだろうか。こういうような気持ちからして、まあこれを抜本的とは申しませんが、とにかく救済し得る一つの手段としてはこの保険予定利回りを変更するという手段があるじゃないかと。平成八年までの法制ではそのことが認められておる。諸般の情勢上、これは削除されることになりましたけれども、もう一度そのことについても検討してみたらどうだろうか。 解釈が違いますけれども、一つ判例としては、昭和三十五年の、三十四年でしたかの判例が、これは合憲だという判例もございますから、そういうことも頭に入れながら検討をしてみたらどうだろうか。一体、当時はどういうような事情でもってそれが削除されるようになったか等々をよくひとつ調べてみるようにというようなことを事務当局に指示しておるのでございます。
○海野義孝君 お話としてはよくわかりますけれども、九六年ですか、業法を改正した際に、旧業法の中ではたしか十条の三項か何かにそういった項目があったのを削除して、破綻等以外についてはそういった予定利率の変更はできないということになったと思うんです。 このことは、この間最後に申し上げようかと思いましたけれども、生保業界のセーフティーネットの問題で昨年からことしにかけまして強化したわけで、生保業界として一千億追加してたしか五千六百億と。それから、そのほかに四千億円の公的資金を必要に応じてそのときそのときの予算措置を講じて措置をとるということで、従来の四千六百億から九千六百億に拡大をしまして、セーフティーネットは一応は強化され、現在のところは日産生命等でまだ業界の負担分の範囲内におさまっているかと思いますけれども、大変まだまだ、今後九千六百億で大丈夫かという問題があると同時に、もう一方ではこのいわゆる予定利率の変更を認めないというようなことを前提にして、いろいろと問題のあった生保業界に対しても公的資金の投入を認めるというようなところに話がまとまったというように私は関係しておりまして、たしか理解しておるんですが、そういった点について、私この辺がちょっとひっかかるんですけれども、その辺は大臣はどのようにこの点は、これはもっと大きな問題としてやらねばならないということで国民の理解も求めるということかとも思うんですけれども、その点はどうなんでしょうか。
○国務大臣(相沢英之君) おっしゃるとおり、生保の保護機構に対しまして、昨年、いや、ことしの初めでした、五千億の言うなれば保証枠をふやしたわけであります。そのときに業界からは、全額国で面倒を見てもらいたいという話がございましたが、私は、やはり業界としても誠意を見せてもらいたい、いろいろ業界内部には事情があるということをお聞きしておりましたけれども、ぜひ出せるだけでも出してもらいたいといって持ってこられた答えが千億なんですね。ですから、千億は業界から集めてもらう、そして国は四千億について、これは必要なときにはいつでも補助金として交付できるようにということでもって法律にこのことを規定したわけなんであります。 ですから、今、九千六百億、総額の中で、既に予定されておりますものが三千八百億でありますから、まだ五千八百億ほどの余裕があるわけであります。ただ、まだ未処理のものがあります。しかし、千代田生命に関しましては、恐らくこれからの問題でありますけれども、それほど大きな金額にならないんじゃないかしら。それからまた、協栄生命に関しましては、最終的にプルデンシャルに決まるかどうかということはこれからの問題なんですけれども、一応プルデンシャル等の話では、そういう保護機構には御迷惑をかけないというようなことが話としては出ているわけなんです。 でありますから、まだそんなことを言ってはいけませんけれども、まだ出てきても枠としてはあるということは言えるんですけれども、しかしながらやっぱり今のような状態が継続していると、いつまた破綻が生じないとも限らない。そのときになって慌ててもいけませんし、それを座して待つということでなくて、やっぱり積極的に対策というものを考えるということが私は政治の責任ではないかというふうに思いましたものですから、いろいろと検討も事務当局に命ずると同時に、また党内におきましてもこのことについて検討をお願いしているということなんであります。
○海野義孝君 若干御質問にお答えにならなかった部分はあったように思いますけれども、それはそれとしまして。 たしか今回のこういうような、また今度予定利回りの変更等のことを実施するためには、破綻前におきまして、法律の改正をしなくてはならないと思いますけれども、私は、ここ数年で急激に状況が変わってきたというよりも、既にバブル崩壊後今日に至るまで金融の大変な問題、不良債権の問題、いろいろなことがありました。国民の理解も得て相当巨額のそういった公的資金、税金を投入してようやく金融関係もほぼおさまってきたかなという状況にあるわけですけれども、しかしここ数年は大変な思いをしていろいろと、金融二法をつくったり再生法とか早期健全化法とかやりましたけれども、そういうような時期において、四年ほど前になぜ保険審議会においてこの十条の三項を削除するなんということを当時決めたのかということがどうも私は、当時だって今日のことが全く読めなかったはずはないと思うんですけれども、どうしてだということを私は大変残念というか、思うんですけれども、その点については、当時のことを正確には、どうだったんでしょうか、削除の問題は。
○政府参考人(乾文男君) 今、先生御指摘になりましたように、平成七年の保険業法改正、施行は平成八年四月一日でございますけれども、平成七年の保険業法の改正で旧保険業法にありました大蔵大臣の行政命令による保険金の削減の規定、あるいは相互会社における社員自治による定款の定めに基づく保険金の削減を可能とする規定が削除されたわけでございます。 この間の問題につきましては、私ども、大臣から検討の御指示をいただいた後いろいろと勉強しているわけでございますけれども、まず、午前中も御答弁申し上げましたけれども、昭和三十四年の判決というのがございまして、その判決に対しまして二つの立場からのいろいろな学説というものがあるわけでございますけれども、平成元年、二年、三年になりまして、それまでの保険業法が戦前からの片仮名の法律でございましたので、いろいろ見直しをしようということで抜本的な検討を保険審議会において行った、保険審議会の中で法制に関する専門部会も設けて行ったわけでございますけれども、その間、そうした昭和三十四年の判決以降のいろいろな学説の変遷等も踏まえましていろいろな議論が行われたと。 その中の保険審議会における議論を紹介いたしますと、今申し上げましたような旧法の規定につきまして、第一に、予定利率の引き下げにより保険契約者の保険料を引き下げることなどは、これは不利益変更を既存の契約者に及ぼすこととなり不適当ではないかと。大上段に構えますと、契約の維持の問題あるいは私有財産の権利の問題とかいろいろあるわけでございますけれども、そうした観点から不適当ではないかという議論が一つあったこと。それから、そうした法律論のほかに、そもそもそうした条項があったとしても、そうした条項を発動することによって契約を守れない保険会社は結局、解約の増加により契約者を維持できないのではないか。すなわち、そのこと自体が破綻につながるおそれがあるのではないか等の議論があったようでございまして、こうした議論を受けまして、平成六年六月の保険審議会の報告ではこれらの規定の削除が提言されまして、その後の法制化の過程でこれらの規定が削除されたという経緯でございます。
○海野義孝君 今日に至って考えてみますと、法律を改正し、また再改正をするというふうなことについては大変私は残念な話であるとは思いますけれども、しかし冒頭、大臣もおっしゃったように、やはり一生保業界の問題だけでなくして、午前中の御質問にもありましたけれども、この問題はやはり景気の問題あるいは国際的な信用の問題等にもかかわってくることでありますから、保険契約者の保護というのみならず、業界としても体力を強化していくというか財務体質を強化し、健全な経営をしていくためには避けて通れない問題かなと思いますけれども、ただ法律を変えればいいとかそういうことだけでなくて、私はこれは大変影響力の大きな問題になりかねないというように心配するわけです。 最後の御質問として申し上げますが、大臣に御答弁いただきたいと思いますけれども、グローバリゼーションが大変進展している今日におきまして、我が国の生保業界は大変大きな機関投資家でありまして、恐らく二百兆ぐらいの資産を持っているわけでありますけれども、そうした中には国内の国債を初めとする公債、公社債あるいはまた株式、それから海外の国債あるいは株式等の外国のそういった有価証券、こういったものがあるわけでございますけれども、先月のああいった、まさに千代田の破綻から十日後に協栄が破綻するという、あの段階での大変な解約が起こった。そうなれば、当然、見返りの資産を売却してこれに充てなくてはならない等々の問題もありますので、予定利率の変更というようなことをもし実施するというようなことになる場合には、よほどその点でのまさに十分な措置を講じていかないとこれは大変なことになりかねない。 マーケットというのは極めて冷酷でありますから、そういうような意味におきましても、これは大変厳しいし、さらには今後の我が国の公債発行等、やはりそういう財政面等々の問題にも響きかねないということがありますので、この問題につきましては、予定利率の変更等については、法律の変更ということだけでなくして、よほど慎重に対応していただかないと、せっかく景気が今何とか上向きかかっているところで大変な冷水を浴びせるようなことになりかねないということを私は大変心配するわけでございます。 その点についての大臣の御所見あるいは御決意、そういったことについてお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(相沢英之君) まことにごもっともな御意見であると私も思っております。 ちょっと繰り返しになるかもしれませんけれども、生保会社が公表している逆ざやだけでも、平成九年が一兆五千億、平成十年一兆六千億、平成十一年一兆六千億と非常に巨額な金額になっております。それも、先ほど申し上げましたように、生保の平均予定利回りが三・七二%、運用利回りが二・四%、逆ざやは一・三%ということなんですね。ですから、この間破綻しました協栄生命でいうと、資産は四兆円ですから、四兆円で仮に一・五%とするとそれだけで六百億の毎年逆ざやになってくると、そういうような状態にあったわけでありますし、またあるわけでございます。 ただ、おっしゃるように、この予定利率の変更ということが、それは終局的には生保会社の体質の健全化ということになるにしろ、それからまたそのことが一般の生保に対する信頼回復に役立つにしろ、また逆のデメリットの部分も当然これは考えられるわけですから、そういった点は、おっしゃるように、生保業界のみならず我が国の金融全般の情勢、あるいはまた海外から日本の金融を、経済をどう見ているかということにも関連をしてまいりますから慎重に検討をしてまいりたいと思いますが、いずれにいたしましてもその利害得失について十分検討をしてまいりたい。 ただ、私は、繰り返して言って恐縮ですけれども、つぶれたらあとは一応保護機構があるからいいんじゃないかということでもってこれを考えるのはいかがかなというふうに思っているわけであります。 いろいろと御教示賜ってありがとうございます。
○海野義孝君 終わります。
○笠井亮君 日本共産党の笠井亮です。 まず初めに、そごうの再建計画が出ました。今回の計画によって国民の負担がさらにふえて千五百億になるというふうにも言われておりますが、預金保険機構に伺いたいんですけれども、この計画に対して文書で要請をされたと伺っておりますが、どういう要請をされて先方からどのような対応があるか、お答えいただきたいと思います。
○参考人(松田昇君) お答えをいたします。 そごうが十月二十五日に東京地裁に対して提出をいたしました再生計画、これを拝見いたしましたところ、十年間の債務の弁済期間ということを前提に組み立てられていると、こういうように受け取れたものでございますから、私ども預金保険機構の立場としては、公的な立場から政策的にも回収の極大化が求められているということで、十月三十一日付でそごうに対しまして、一般に再生期間が長期にわたれば、その分さらに多くの弁済額を確保できるのではないか、そのように考えられるのではないか。 それから、民事再生法の百五十五条の二項では、特別な事情があれば原則十年を超える弁済期間を定めているけれども、同条同項の特別事情については、会社更生手続が対象とする大規模会社に匹敵するような事業規模の法人の場合などは十年を超えても特別の事情に該当するので、そういう期間の延長はあり得る、そういう解釈があり得るのではないか、こういう二点を挙げまして、そごうに対し、再生期間の延長は可能かどうか、それについて検討をお願い、要請をしたというところでございます。 これに対しまして、一部この要請をしたことが報道に流れまして、そごうの関係者から報道機関に対しましていろいろ言っておられることは承知しておりますけれども、私どもに対しましてはまだ正式に私どものその要請に対するお答えをいただいていないと、こういう段階にございます。
○笠井亮君 回収の極大化と、つまり国民負担の軽減ということで文書を出した後、答えがまだ来ていないということだと思うんですが、それに対してどのぐらいになるのかということも、それではその要請にこたえてなかなか額としてはわからないのかと思うんですが。 ハザマと熊谷組ですね、再建計画というのがありますが、それでは新生銀行がそれぞれメーンバンクに残りの債権を買い取らせる交渉をしたという経過があったと思うんです。もちろん、性格の違いは私、踏まえているつもりですが、こういうような交渉をそごう問題で預金保険機構は興銀と行うというつもりはないのかどうか、その点はいかがでしょうか。
○参考人(松田昇君) お答えをいたします。 先生御案内のとおりでございますけれども、私的整理の場合には、再建計画の内容につきましては、当事者の合意がまとまりますと、より柔軟な期間とか放棄の対象とか負担の割合などいろいろなスキームができるわけでございますが、現在、そごうは民事再生手続に入っておりまして、裁判所の関与のもとで全債権者は平等な弁済を受けるということを前提としながら、そういう法的枠組みの中で手続が進行いたしております。したがいまして、ちょっとハザマのケースとそごうのケースとでは前提が本質的に異なっているのではないか、こういう認識でございます。 そのような民事再生手続の枠組みの中にありますそごうの問題につきまして、現時点で直ちにそごう債権の肩がわりを他行に預保のみが求めるということが果たしていいことなのかどうなのか。さらに、基本的には慎重に検討していかなければならない問題だと、このように認識をしているということでございます。
○笠井亮君 民事再生法ということで、債権者の平等ということですが、私はこれは決して機会的平等じゃないと思うんです。それぞれやっぱり責任の軽重があるということでありますから、そういう点でそれに応じたやり方があるんだろうというふうに思います。 それで、再生法の立場と矛盾するということがあるとすれば、それは興銀が自主的にこれ以上の負担を引き受けない場合であると思うんです。ハザマ、熊谷組の再建計画では、新生銀行が債権放棄企業に残った債権はすべてそれぞれメーンバンクに買い取れと要求して、第一勧銀も三菱信託もそれから住友銀行もそれぞれのむという形があったと思うんです。 したがって、私は、新生銀行でできてどうして預金保険機構ではできないのか、それとも新生銀行の方が虫がいいのではないかというふうに思うんですが、その点についてはいかがお考えでしょうか。
○参考人(松田昇君) 先ほどお答え申し上げましたように、ちょっと枠組みの土壌が違うということが一つございます。その上で、その中で我々は公的な立場でどこまで踏み込んでいけるのか。先ほどお答えしましたように、さらに慎重に検討していかなきゃいけない問題だなと、このように思っております。
○笠井亮君 理事長もいつも国民負担の軽減ということを言われるわけでありまして、私は興銀の負担をふやすことには債権者のだれもが不満を言わないはずだと思います。そういう交渉はできないのかということでありまして、国民負担を減らすために努力すると言われても、結局は慎重にということで枠組みとかということでいろいろ言われる。そうなると、結局ほとんど減らないのと同じということになるんじゃないか。 私は、もとをただせば金融再生法で税金投入を認めたからこんな問題が起きるんだということをこの間も議論させてもらいました。ちょうど二年前にこの場所で私も質問で指摘をさせてもらいましたが、我が党や多くの国民の反対を押し切って金融再生法を強行した責任がそごうの件でますますはっきりしているということを感じているわけであります。 次に、新生銀行、日債銀のゼネコンに対する債権放棄について質問をしたいと思います。 私、この点で見ていてどうしても合点がいかないのは、新生銀行が受け入れる債権放棄の額というのが国民の税金から持たせてやった引当金の範囲内だと。しかも、放棄をした後に残った債権をメーンバンクに買い上げてもらう、さらには金利までという話もありますが、そうしますと、新生銀行は何もしないでハザマや熊谷組の債権を全部回収できてしまうと。 そこで伺いますけれども、長銀譲渡の際、そもそもハザマ、熊谷組の債権に一体幾らの引当金を積んでやったのか、この点についてお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。 熊谷組あるいはハザマに対して旧長銀特公管が幾らの引当金を積んで新生銀行に譲渡したかというお尋ねかと思うのでございますけれども、御承知のとおり、熊谷組にいたしましてもハザマ組にいたしましても生きている企業でございまして、そういう企業についての債務者としての評価というのはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
○笠井亮君 事ここに至っては経営に重大な影響を引き起こすということはないと思うんです。ですから、やっぱり公表すべきだと。国民の負担で引当金を持たせてやった、そして自分の腹が痛まないからといって、そっくりその全額を放棄するようなことになったら、国民としてはこれ絶対に納得できないことだと思うんです。 それでは、こちらからおおよその数字を申し上げていくしかないと思うんですけれども、新生銀行の熊谷組向け債権というのは、ことし三月末、単体で千四百九十六億円、それから連結対象会社を加えると約千八百億円を融資していると。これに対して、貸倒引当金は千二百億円から千三百億円を積んでいると見られていると。放棄要請額は引き当ての範囲内での約一千億円と。 これだけ巨額のオーダーの資金がそっくり債権放棄されて熊谷組のものになるというのは、いろいろ言っても新生銀行を通じて国民の負担で問題企業を救済することに結果としてなることは、数字は別としまして、間違いないと思うんですけれども、これはいかがでしょうか。
○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。 引当金につきましては、もう先生御案内のとおり、長銀につきましては三月一日に譲渡、つまり民営化されたわけでございますけれども、二月二十九日を基準日にいたしまして、そのときの債務者の状況を銀行会計ルールに従いまして、あるいは金融検査マニュアルに従いましてと申し上げても同じでございますが、適正な査定を行って先方に譲り渡したわけでございまして、そういうルールに従った引当金を積む。もちろん、その引当金が最終的な特別資金援助の内容になっていることはそのとおりでございますけれども、そういうような形での譲渡によって特別公的管理を終了せざるを得なかったと認識しております。
○笠井亮君 いや、だから、数字は別として、私はそういうことを言っているんじゃなくて、国民の負担で結局、問題企業を救済するという、結果としてなるでしょうと。大臣、いかがですか。
○国務大臣(相沢英之君) 私も、金融二法を審議いたしました際に特別委員会の委員長をいたしておりまして、若干詳しくいきさつも承知いたしておりますが、当時は何と申しましても異常な金融不安のさなかにありまして、とにかく北海道拓殖銀行に始まって長銀、日債銀等々、従来考えられないような大型の銀行が破綻に瀕するというふうな状況にございました。 したがいまして、これを何とか救済するということが、単に預金者のためのみならず、この銀行に関連して融資を仰ぎ、事業を継続しているもろもろの会社のため、つまり大きく言えば日本の経済のためと。本当にもうせっぱ詰まって、よんどころなく大変な国民の税金というものまでこれにつぎ込んで、結局、金融機関の救済をするということになった、まことにやむを得ない措置であったと思うのであります。 そこで、その公的資金を投入して、そして言うなれば銀行として発足させることになりました。その銀行が経営の一端としてそういう旧債権についての放棄もやむを得ないという状況になれば、これは結局、ハザマとか熊谷組も結果的には助けることになるかもしれませんが、それはやっぱりこれらの元公的管理銀行、そして新しく生まれた銀行が何とかその銀行業務を継続していくという前提のもとに行われた措置でありますから、そこは言うなればやむを得ない措置だというふうに御理解を願いたいと思うのであります。
○笠井亮君 結果的には助けることになる、それが重大だと私は思うんです。 さらに伺っていきたいと思うんですけれども、債権放棄は引当金の範囲内ということで、一千億円放棄して、債権総額の一千八百億円から一千億円引きます。残りの債権を住友銀行に八百億円でそっくり買ってもらうと。一方、引当金が一千三百億円としますと、そのやりとりの中で新生銀行がこれはどういうわけか三百億円もうかることになると。そういう仕組みだと思うんですよ。金額は言えないとしても、仕組みとしてはそういうことになりますね。
○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。 先ほども申しましたように、引当金の額の多寡については申し上げられません。ただ、その理屈の話としてそういう数字がもし正しいのでございましたら、先生のおっしゃるとおりではないかと思います。
○笠井亮君 債権放棄が引当金の範囲内ということで、引当金より少ない部分は新生銀行のもうけになるということがあるということです。こういうのをぬれ手にアワのぼろもうけと言うんじゃないでしょうか。国民は何の責任もないのに一千億円を補てんさせられる。他方で、新生銀行は三百億円、これは数字は具体的には認めないけれども、もうける額が出てくると。こういう額が出てきたら国に返してもらう、これは当然だと思うんですが、大臣、どうですか。
○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。 そごうの場合のように、国に債権が戻ってきた場合の話であれば別でございますけれども、熊谷向け債権あるいはハザマ向け債権というものはもう既に国の手を離れた民間銀行の、かつ民間銀行同士の交渉なりやりとりの中で決まっていくものでございまして、既に国の手から離れてしまった債権について国がとやかく関与はなかなか難しいものと存じております。
○笠井亮君 離れようと離れまいと国民の税金ということには変わりないんです、その部分は。 とやかくおっしゃいますけれども、金融再生委員会などは、そごう、熊谷組などの借り手保護のためつぶせないからということで新生銀行に引き取ってもらって、三年間融資を継続するかわりに十分な引当金を積むとともに、譲渡に際して二千五百億円の株式の含み益をつけたり、二千四百億円の資本注入をしてやったりしている。他方で、新生銀行は、いろんな約束も破りながら債権を売り払って、その結果ぼろもうけすると。瑕疵担保特約というのがあるから、損が出そうになれば国に買い取ってもらえると。さらに、熊谷組やハザマのように、約束を破って売り払って、その結果得たもうけは譲渡先が一方的に受けるという契約上の問題点も浮き彫りになってきていると私は思うんです。 私は、ぬれ手にアワのぼろもうけの分は少なくとも国民に返してもらうのが当然だと、そういう方向で政府、金融再生委員会が動かなけりゃいけないと思うわけであります。 最後に一点だけ伺っておきたいんですが、信金、信組の問題です。 大手都市銀の再編によるメガバンクの相次ぐ誕生の中で、信金、信組の破綻が相次いで再編統合がかつてなく急速に強まりつつあります。こういう中で査定の問題です。 再生委員長も画一的な取り扱いはしないということもおっしゃいましたが、この問題で、もちろんバブル時の不良債権などの問題もありますけれども、重大なのは、金融庁の検査・監督自身が中小金融機関を破綻に追い込んでいるという実態が現実にあるということだと思うんです。 そういう点で、信金、信組の貸出先ほとんどが零細企業や自営業者です。その七割は赤字経営と言われていると。これをマニュアルどおりに分類して査定していくと、ほとんどの貸し出しは要注意先以下の分類となって多額の償却を引き当てなけりゃならないことになる。その結果、自己資本比率が当然大きく引き下げられる、そこに早期是正措置がかかれば必然的に破綻に追いやられる、こういう仕組みになっていると思うわけであります。そういうやり方が信金、信組の貸し出し意欲を抑えて中小企業の資金難とか地域経済の停滞を招く大きな原因になっていく。これはそういう意味で、いろいろ重大な問題が引き起こされるということが現実に明らかになってきていると思うんです。 そこで、最後に再生委員長に伺いたいんですが、こういう問題について、画一的な取り扱いはしないという発言をされたというのが紹介もされておりますが、一体どういうふうに対応をされるおつもりか、伺っておきたいと思います。
○国務大臣(相沢英之君) 今の中小の金融機関に対する検査マニュアルの前に、よろしゅうございますか、さっきの債権放棄のことで一言ちょっと私、申し上げておきたかったのは、それは確かに引当金の額がどのぐらいかということを個別の企業について申し上げる立場にございませんが、引当金の額の範囲内で放棄したということに必ずしもならない、これだけじゃありませんから。ですから、引当金を超えて債権放棄ということも、これもあり得るということ。 それからもう一つ、瑕疵担保の問題につきましては、その瑕疵を生じた額そのものを補てんするということには相ならぬので、あるいはその債権を返してくるということではなくて、もう御案内のように、二割以上の瑕疵が発生した場合でありますから、例えば一割八分九厘とか一割八分とか一割九分というものについては、これはもう当然その瑕疵担保としての取り扱いはできないことですから、その辺のところはひとつもうおわかりだと思いますけれども、ちょっと黙って聞いていると承知したんだろうと思われてもいけませんので、一言申し上げておきます。 それから、検査マニュアルにつきましては、おっしゃるように、私も地方でいろいろと金融機関の方々、中小企業の人たちから話を聞くにつけましても、本当に今画一的な検査マニュアルでもってやっていくということについてはいろいろと問題が起きてきているということを承知いたしております。 ただ、金融検査マニュアルには、その運用に当たっては金融機関の規模や特性を十分踏まえ、機械的、画一的な運用に陥らないように配慮する必要があると、つまり特に中小の金融機関についてはそういうような配慮をすべきことについて何カ所もこういう規定があるわけであります。中小の企業につきましては、特にその地域における信用とか、あるいは仮に担保がなくとも十分に仕事をやっていかれるところの能力もある、希望もある、先行きもある、そういうものに対しても、例えば担保がないからだめだというような一律的な取り扱いでやるべきものではないというふうに私も思っているのであります。 その辺のところが、そう申してはなんでありますけれども、必ずしも第一線において十分に徹底していないんじゃないかという心配もありましたから、過日、金融庁の長官に話しまして、全国の財務局の検査事務を統括する責任者を招集して、改めて金融検査マニュアルについての適切な運用について徹底を図るという措置もしたわけでございます。したがいまして、心構えとして、十分今お話しのようなことは体してこれからも実施していくつもりであります。 いろいろお気づきのところがありましたら、また御叱正を賜れば幸いだと思っております。
○笠井亮君 前段も言われましたので私も一言あれですが、瑕疵担保特約の問題も私は承知しているつもりであれですが、その引当金が範囲内かどうかわからないとおっしゃるんですが、さっき幾らなのかという話をしても数は言えないという話もされましたので。国民から見れば、今とにかく明らかに表に出ている話は範囲内の話なんです、一千億ですから。そして、新生銀行があの仕組みでいくと三百億ぼろもうけすると。私たちの税金が行っちゃっているという話になっているわけですよ。だったら、明らかにする、調べる、再生委員会として責任を持ってやれというのが私の言っていることであって、そんなことを許していていいのかという問題が実際にあるわけですから、そういう性格の問題として私は伺っているんです。 それから、後段の問題で、再生委員長も言われましたけれども、私も実態をいろいろ聞いてみました。やっぱり実際にはあのマニュアルでかなり画一的にやられていると。それが非常にいろんな問題を起こしているということなので、運用の問題と同時にこのマニュアル自身も、じゃ中小信金・信組に対してこれでいいのかという問題もあるんだということを改めて私、思っておりますので、そういう観点からの問題提起ということでさらに議論をさせていただきたいと思います。 では、私の質問を終わります。
○池田幹幸君 日本共産党の池田幹幸でございます。 まず、午前中も論議されておりましたリキッドオーディオジャパン事件とか、超高額株価の乱高下の問題と上場取引のあり方等についていろいろと論議がなされました。 そこで、これは一つどうしても見ておきたい問題なんですけれども、こういったことが起こっておりまして、十月二十六日に証券広報センターがアンケート調査をしたところによりますと、証券会社は信頼できないという回答が二九・六%、三割を占めているんですね。信用できるというのが九・二%、三倍が信用できないということを言っておる。 そういう信用されていない証券会社が会員として集まった取引所、それが信頼されないのも当然かなと思うんですけれども、午前中論議されたような事件が起きて、いよいよこういう状況に置かれた証券業界、証券取引所、この信頼を回復するというのは並大抵のことじゃないだろうと思うんです。 〔委員長退席、理事須藤良太郎君着席〕 取引所自身の公共性と透明性を高める努力というのが求められておるわけなんですが、私、ここできょうは大阪証券取引所、この問題を取り上げたいと思うんですけれども、東京証券取引所にまさるとも劣らないとんでもない事件を引き起こしております。 御承知のとおり、この四月、私も取り上げたんですけれども、六月にはいろいろと理事長や副理事長が更迭されるという事態に至りました。それは中身はもっともな状態で、要するに大阪証券取引所の子会社設立の経緯と関連会社、ここに大変な疑惑が持たれておって不透明な取引所運営が行われておるということで大蔵省OBの理事長と副理事長が更迭された、こういう状況ですね。 それで、これについて大阪証券取引所では理事会が調査委員会をつくりました。調査委員会をつくって六月二十日にその報告書が出されておると聞いておりますが、金融庁は当然この問題について調査もなさったろうし、この報告書も手に入れておられると思うんですが、まずそのことを確認したいと思います。
○政府参考人(乾文男君) ただいま御指摘になりましたように、大阪証券取引所の関連会社をめぐる問題に関しましては、大証みずからが調査委員会を設置しまして、弁護士、公認会計士といった外部の専門家の参加を得て事情聴取を行ったわけでございまして、調査結果が六月二十日に開催された理事会に報告されるとともに対外公表したところでございます。 私どもも、金融庁といたしましても、その当時は大蔵省でございますけれども、大蔵省、金融庁といたしましても大証からそうした報告を受けるとともに、必要な改善策というものを求めてまいったわけでございます。これを受けまして、大阪証券取引所は現在再発防止を図るためのさまざまな改革に取り組んでいるところでございまして、その後、今日までいろいろな措置を講じてきておるわけでございます。 金融庁といたしましては、証券取引所としての公共性、信頼性の確保に向けた今後の大阪証券取引所の努力というものに期待をしてまいりたいというふうに思っているわけでございます。
○池田幹幸君 改善の努力をそれに対して期待するということなんですが、なかなか長年にわたってそういった不透明なことをやられてきたということのその後遺症は今もずっと続いている。特に、四月の時点でも私が指摘したところでありますけれども、大きな問題を抱えていますね。 そのとき、ちょっと振り返ってみたいんですが、四月の証取法改正のときに、論議の中で政府の答弁は、証券取引所の業務は市場の開設及びこれに付随する業務しかやってはならない、こう答弁になっている。そのとおりなんですね。それはその答弁はそれでいいわけですが、しかし実際はと見ますと、今報告の中では詳しい実態はなかったけれども、要するに子会社をどんどんつくる、関連会社をつくる、その関連会社の中に有価証券取引業務を行う、証券取引業を行う会社、こういうのまでつくっているんですね。果たしてこれが付随する業務の範囲なのか。当然これは超えていると思うんですね。そういったことは当然つかんでおられますね。
○政府参考人(乾文男君) 先ほどの六月二十日の報告書の中にも論点として出ておりますけれども、証券取引法第八十六条は、証券取引所が営利を目的に業務を営むことを禁止しているわけでございまして、したがいまして証券取引所が営利法人の関連会社を設立する場合にはその目的の妥当性を慎重に検討し、必要な機関決定と申しますか、証券取引所自体の機関決定がされなければならないというふうに私どもも考えているわけでございます。 今回の問題につきましては、そうした手続において必要な措置が必ずしも十全に講じられていなかったのではないかという問題があることから、そうしたことが指摘されるとともに、私どもも改善措置を求めてきたところでございます。
○池田幹幸君 その八十六条を見ても明らかにこれは違反なんですよね。日本電子証券なんて会社をつくってやってきておるということがはっきりしております。こういうところでも問題ははっきりしているんですけれども、じゃその報告書、それだけじゃありません、非常に大きな問題を抱えております。後から申し述べますけれども、ここでは仲立証券というところをめぐって争議が起きておりますね。こういった中でいろいろな問題が明らかにされてきておりますけれども、単にこういった違反の、営利を目的とする会社をつくっただけじゃなしにさまざまな問題があります。非常に詳しい報告書が出ておると聞いておるんですけれども、なかなかオープンにされておりません。ともかく今、透明性が求められているときにこんなことであってはならないと思うんですが、その報告書そのものをオープンにしていただきたい。これは金融庁の責任でそれをやっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(乾文男君) 専門家を入れました調査委員会におきまして詳細な調査が行われ、報告がまとめられているわけでございますけれども、その重要な部分につきましては恐らく先生もお持ちかと思いますけれども、調査報告書概要というものが公表されまして、全くそのプレスリリース等されて、全くオープンになっているところでございまして、こうしたことによって大証としての本問題に関する一定の説明責任は果たされているのではないかと考えているところでございます。
○池田幹幸君 それは記者会見で発表した文書のことでしょう。
○政府参考人(乾文男君) はい。
○池田幹幸君 そんな程度で何にもオープンじゃないでしょう。私が言っているのは、きちんとした報告書を見なければはっきりしないからその報告書を出すようにということを求めているんです。どうですか。
○政府参考人(乾文男君) 証券取引所が、これは一つの自治機関でございますので、その自治機関が自分で調査をいたしましたものにつきまして、それをどこまで出すかということは、これは最終的には取引所自身の判断であろうかと思います。 私どもはそうした場合におきまして、これはやはり国民の皆様に適切に説明する観点からそうしたアカウンタビリティー責任を果たすということを求めてまいりまして、その結果としてこうした概要報告書が公表されているところでございます。
○池田幹幸君 もし証券取引所、これは理事長はかわりました。その体質が変わって、ともかく公正な運営もしましょう、透明性も確保しましょうという立場に立っているんならこんなことを言う必要はないんですよ。そうなっていないから取り上げざるを得ないんですね。しかも、政府はちゃんとそれぞれ取引所に、常駐と言っていいんでしょうか、監理官を置いているわけですね、取引所監理官。この監理官は何しているんですか。そこからの報告書が出ているんですか。
○政府参考人(乾文男君) 取引所に取引所監理官というものが大蔵省の組織規程によりまして設置されておりまして、取引所監理官は取引所の業務、財産の状況、それから取引所有価証券市場における有価証券市場の売買等の監督を行うこととされているわけでございまして、そのような観点から私どもに対しまして日常的にいろいろな報告が出てきているところでございますけれども、本問題につきましては、取引所監理官からの報告に加えまして、非常に大きな問題と申しますか、そういう認識を持っておりましたことから、大蔵省当時から大蔵省本省においても必要なヒアリングを取引所から行っていたところであると承知しております。
○池田幹幸君 何だかもうはっきりしませんね。 午前中の審議でも、東証の理事長はディスクロージャーに重点を置くということを言っておられましたでしょう。大阪証券取引所も当然同じだろうと思うんですけれども、口ではそう言うけれども、やっていることは何にも透明性を確保するようなやり方じゃないじゃないですか。今はそんな概要なんて、記者会見で発表したようなぺらっとしたようなものを見て何がわかるんですか。物すごく根深い問題が起きたわけでしょう、長年にわたって。クーデターのような形で更迭がされたんでしょう。そういったことについて、金融庁は大蔵省から引き継いだままなので大してもうこれはやりませんということなのであれば、ますます問題は大きいと言わざるを得ません。実際そういう姿勢ですから、もう労働争議の問題も、この四月の時点では当面話し合って解決してもらいたいという大蔵大臣の答弁もあのときありました。 ところが、その後どうだ。事態は進んで、地方労働委員会では、大阪証券取引所に、不当労働行為である、きちんと団体交渉をやりなさいという命令が出たにもかかわらず、理事長は、今もう頭はかわりました、前のとんでもないことをやった理事長ではないけれども、やっていることは同じ、団体交渉に全く応じていないですね。これ、透明性だ何だと言うんだったら、この問題というのは仲立証券を、単なる労働争議じゃありませんよ、仲立争議を、電子化だ何だという名目のもとにどんどんどんどん手数料を削って、そして計画的につぶしてきたんでしょう。しかも、子会社をつくって、北浜何とかという会社でしたね、大証北浜ビジネスサービスですか、そういった会社までつくって計画的につぶしてきたという問題があるから大きな問題になってきたんじゃありませんか。なぜそういったことをやらせようとしないのか。 ともかく先ほどの報告書については、これは私は資料提出するよう理事会で諮っていただくように委員長に申し上げたいと思うんですけれども、いかがですか。
○理事(須藤良太郎君) はい、後で話します。
○池田幹幸君 それで、争議の問題ですけれども、これは当然御存じなんでしょう。地労委の決定が出て、団体交渉をやりなさい、その決定もそんなにいいかげんなものじゃないんですよね。非常にきちんと書いてあるんですよ。 読みますと、要するに大阪証券取引所自身が大証の仲立証券に対する支配性、使用性があるんだと。使用というのは使うですね、使用者の使用。こういう認定をした上で命令を下しているわけですけれども、当然御存じなんでしょう。それについてはどういった指導をしたんですか。
○政府参考人(乾文男君) 御指摘の仲立証券の問題につきましてですけれども、先生御案内かと思いますが、同証券は大証の中で働いていたわけでありますけれども、平成五年の三月期から市況の低迷等によりまして仲介手数料の減少等から赤字を続けてきた。それで、今後経営状態を改善する目途が立たないとの経営判断から経営継続を断念されまして、平成十一年四月に自主廃業を決定されたというふうに私どもは承知をしております。 同社の自主廃業に伴います雇用問題、それは大事な問題ではございますけれども、これは個別の会社の労使の問題でございますので、金融当局としてはお答えをする立場にはないと考えております。 今御指摘の大阪地労委からの裁定でございますか、出たということも承知しておりますし、内容も承知しておりますけれども、これにつきましても、同様の観点から、労使間で係争中の案件でございますので、金融当局としてのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
○池田幹幸君 私企業の中における労使の問題だと言われたけれども、仲立証券と労働組合の間で起きていた段階ではそれは言えるけれども、今はともかく仲立証券はつぶれました。そして、それをつぶした大阪証券取引所がその業務を引き継いでいるんですよ。計画的につぶしたから当然自分たちで引き継いだんです。仲立ち業務というのは、コンピューターでやろうが場立ちでやろうがこれは必要な業務ですから、当然のことながら、やっているわけです。 とするならば、業務を引き継いだところで当然従業員も引き継ぐべきだし、そういった交渉はやらなけりゃいかぬ。一私企業じゃないんですよ、今は。取引所がそれをやらなければいけないといって労働委員会が命令しているんです。事態は変わっているんですよ。そうでしょう。四月と同じようなことを言っておられたら困ります。どうですか。
○政府参考人(乾文男君) 平成十一年四月でございますか、仲立証券が突然に自主廃業を決定されたということでございますけれども、それから後は、まさに先生おっしゃいますように、これは証券取引所でございますから、場立ち業務が不可欠である。仲立証券が営業継続を自主断念されて撤退された後は、だからといって場立ちを一日も休むわけにはまいりませんから、やむを得ず大証自身が取引所機能の維持の観点から自分でやっているということはそれは事実でございます。 それで、十月二十六日に地労委の裁定が出ました。それは先生のおっしゃるとおりでございまして、大阪証券取引所自体にその支配性があるのではないかという指摘があるわけでございますけれども、私ども、地労委の裁定の内容を承知しておりますけれども、繰り返して恐縮でございますが、やはり仲立証券という会社の労使の雇用問題、それでその雇用関係に大証の支配性が及ぶかどうかというところの、基本的に大証を含めましても、労使問題としての現在係争中の案件でございますので、恐縮でございますが、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。
○池田幹幸君 証券取引所並びにそれを監理していた監理官、そういったところに何の責任もないのであれば私は言いません。だから最初に報告書のことを話しているんですよ。報告書の中でさっき私が話したようなものが書いてあるんです、詳しく。そのはずなんです。そのブツそのものは私は見ておりませんけれども、そう聞いております。 あなた方はそれを読んでいるんでしょう。それを知っていながらそういった答弁をするというのはとんでもないことですよ。今、委員長に資料提出は要求しましたので、これが出た段階で私はもう一度やりたいと思うけれども、知っていてあなたは言っているんでしょう、それを。つまり監督官だって、今は金融庁、当時の大蔵省、当然責任があるはずですよ。 そういうことがなければ、私はここでこういうことを言いませんよ。どうなんですか。知っていて言っているんでしょう。
○政府参考人(乾文男君) ちょっと今、私どもも記憶はあれでございますけれども、この専門家による調査報告書と申しますのは、大阪証券取引所の関連会社に関する調査報告書でございまして、先ほどのような営利事業云々という、まさにそういうものでございますので、これは仲立証券の問題を対象としたものではないというふうに理解をしております。
○池田幹幸君 そんなことを私は言っていないでしょう。だから、さっきその仲立の社長も入り、取引所とそれからもう一つ北浜ビジネスですか、この三社で協議をして、仲立ちの仕事をどんどん減らしていくということをやってきたという話をしたでしょう。まさにその関連会社の話ですよ。関連会社を使ってそういうことをやってきたんですよ。そういうことについてはあります、必ず報告が。 私、だからこそ最初から報告書のことを言っているんじゃないですか。その後遺症が続いているということを最初に申し上げたでしょう。この問題は単なる労働問題というだけじゃないんですよ。もちろん労働問題も大変なことなんですよ、路頭に迷っているんですから、労働者は。それを、そういったいい加減な形で、透明性だ何だと格好いいことを言いながら何にも明らかにしようとしないというのは、これは許せないことだと。 私は、必ずそういった方向の努力をするよう求めたいと思いますが、どうですか。少なくとも団体交渉してこんなこと解決方向へやれぐらい、なぜ指導できないんですか。
○政府参考人(乾文男君) 繰り返してのお答えで恐縮でございますけれども、労使でいわば紛争がございまして、地労委、現在は中労委に場面が移っているんだろうと思いますけれども、そういう中立的なしかるべき機関で議論が行われている問題につきまして、金融当局がそれに現時点で口を出すということはこれは差し控えるべきものだというふうに考えております。
○池田幹幸君 時間が参りましたので、私、次回にこれはやりたいと思います。 相沢委員長、申しわけございません。生命保険のことについて伺うつもりだったんですけれども、ついこういうことで長引いてしまいました。どうも失礼いたしました。 終わります。
○山本正和君 午前中の浅尾委員の御質問を聞いておりまして、これは特に相沢委員長には私の気持ちを申し上げたいんですが、私は、一九四七年に引き揚げ学徒で帰ってきました。そして、それから二年間、アルバイトをしながら学校へ行き直したんですが、生命保険の外交をやったんです。なかなか成績がよくて、もうおまえ、学校をやめて保険屋になれと、こう言われたこともあるんです。 そのときに、私どもが何をやったかといったら、戦争中に生命保険に入っておった人たち、その人たちを訪ねていって切りかえをしてもらう、額面千円とか二千円とか五百円とか、それを当時十万円あるいは二十万円の生命保険に切りかえてくれと、ずっと回ったんです。 そうしたら、もう何にもならなくなってしまったと、あんた、学生さんかと、しかし私らはこの生命保険に思いを込めておったんだと、もう何の役にも立たなくなったと、もう何にも信用できぬというふうな話をするわけですよね。 そういう話をしながらずっと回っていったんです。私がそのときに話をしたのは、だけれども戦争に負けたんだと、私も同級の子が横で流れ弾に当たって死んだりしている、大阪もこんなにひどい目に遭ってというふうな話をして、国が負けたんだから、しかしこれからは生命保険というのは、私が今こうやって皆さんのところを回っているのは会社から聞いたらこういう話なんですよと。それで、話をしたのは、保険数学というのがちゃんとあるんですと。どれぐらい死ぬんだと、どれぐらいみんな集めていったらどうなるんだと全部計算をして、そしてきちっとやるんですと。戦争なんかがなかったら生命保険ぐらい安全なものはないんですと。そういう数字を並べて一生懸命説明して、もう一遍入ってもらったと。 恐らく、戦後の日本金融というのは、そういう国民の信頼の上に成り立ってきたと私は思っておるんです。ですから、その生命保険が、先ほどの浅尾先生の話で、戦争に負けたときだからというふうな話があった。同じことで、やっぱり人間の信用というのは非常に大きいと思うんです。 それから、今外交をやっておられる外務員の人たちも、保険をとるというのは大変だと思うんですよ。保険を立派にとったら国会議員になれるぐらい難しいというぐらい説得が難しいんですね。その人たちが一生懸命になって生命保険というものを通じて日本の国の金融を支えてきている。 それが、実はどうも会社がおかしくなったから配当がだめになりますよ、下がりますよ、契約がこうですよとなったら一体どうなるんだろうかということを私は心配で仕方がないんです。 だから、それは国民が本当にわかるかしら、本当に生命保険という仕事をしている第一線の人たちが理解できるかしらと。会社の経営者はこれはもうかなわぬと思うかもしれないけれども、私はどうもその辺が納得できないので、委員長、ぜひそういうことについての十分な配慮の中でこれは検討していただきたいと、こう思いますが、ちょっと御感想をひとつ。
○国務大臣(相沢英之君) 確かに、今お話がございましたように、生命保険が大変大事な役割を果たしているということ、同時にそのためには保険に対する信頼を継続、つないでいかなきゃならないということが大事なことだというふうに思っております。 したがいまして、ここで保険が破綻をしたからといって予定利率を下げると、これは結果的には保険金を切るかあるいは保険料を引き上げるかということになるので、少なくとも今までの条件を、表現は何ですけれども、改悪するようなことになるわけですね。 そういう意味におきまして、確かに従来の保険契約者については言うなれば信用を失わせる原因にもなると思いますが、同時に、繰り返しになりますが、それじゃ入っている保険会社がつぶれるのを座して待っている方がいいのか、あるいは、そういう条件変更にはなりますけれども、言うなればそれは決して保険会社だけの責任とも申し上げかねる点があるわけです、実際、運用利回りは下がったことは。でありますから、そのところはとにかく保険会社が生きて働いていくことができるようにいま一つ御協力をお願い申し上げると。 いずれが本当に保険契約者にとってベターなのか、あるいは保険に対する信頼をつなぐゆえんなのか、その辺のところについては確かに慎重に検討する必要があろうかと思っていますが、私はここでやはりその制度変更をしても、予定利率の変更を、これは一律にやるか、あるいはそういうことを要望する会社について認めていくか、そのやり方についてはいろいろまだ検討する余地があろうかと思いますけれども、それもひとつぜひ考えたらどうかというふうに思っているわけなんです。
○山本正和君 確かに、一年間で一兆五千億とか六千億とかいうふうな逆ざやから生まれる、どうやってそれをやるんだという、大変なことですよ。だけれども、同時に、保険会社の皆さんが一生懸命に契約者と話をするときに、いろいろな話をしているわけですよ。例えば、我が社はアメリカの国債をこれぐらい持っています、絶対大丈夫なんですと、こういうことを言っている会社もたくさんあるわけですね。そういう会社に対する信頼というものにもつながっていくだろう。 それから、もっと言いますと、本来、生命保険会社が、これは相互会社の場合もそうですが、その定款に基づいて、あるいは寄附行為に基づいてやっておればこういう事態になるはずはないんですよ、本来からいえば。ただし、もちろん、大変なアメリカの新しい金融資本の動きの中で、いろんなことがあったことは私は否定しませんよ。しかし、それでも、今の保険会社、いわゆる割合強いと言われている幾つかの会社は私は負けないと思う。負けるはずはないと思うんです。しかし、弱い会社はそれじゃどうなるんだといったら、その経営責任というのはやっぱり問われなきゃいけないと思うんですね、本来は。 しかし、今ここで、そうかといって大変な被害が生まれるからということで、国が何らかの措置をするということになれば、これは国としての方針としてやらざるを得なくなるでしょう。そうすると、経営責任というものを問う部分が消えていきはせぬか、この懸念が一つあるわけですね。それから、本来そういうことをしてもらわぬでもいいですよという会社もあるわけですね。そういう会社は一体どうなるんだという問題が出てくる。また大変な混乱が私は起こりはせぬかと思っている。 〔理事須藤良太郎君退席、委員長着席〕 そういうことで、きょうは特に、また宮澤大蔵大臣にも無理やりお忙しい中出ていただいたのは、私は自分がかつて住専のときに、私の大切な友達の久保君が大蔵大臣になったもので、一生懸命になって、住専の処理のために六千八百五十億の理解を野党の皆さんに得るために一生懸命頭を下げて走り回ったんですよ。そのときのことを今思い起こすんです。やっぱり失敗したなと思っているんです。もっと本気になって事態の深刻さをあのときにしっかり考えておって、それをそのまま正直に出しておけばよかったのに、六千八百五十億やればこれで大丈夫ですからと、こう言えということだったんです、あのとき、大蔵省の中の方針は。私もそう一生懸命言ってきたんですよ。それを後で振り返って、しまったと思ったんですけれども、これはもう遅いですよね。 だから、問題は日本の国の経済にいろんなことを言うけれども、本当からいえば底力があるはずなんですよ、国が。 私の年になると、同僚はようけいますからね。この前も、高分子化学を専攻した男と話をしておったら、こんなのは、君、デュポンなんかに負けぬぞ、我が国はというような話をする。もう一人は、この前アメリカで訴訟が起こされて、カプセル会社だった。勝ったんです、ちゃんとアメリカで。 そういう連中が、要するに七十代の戦争経験の連中がこの貧しい中で一生懸命やってきて、戦って勝ってきた自信を持っておるんですね。ただ、自信を持っておるんだけれども、どうしても今できない最大の理由は何かといったら金融問題ですよ。金融の問題をきちっとやらなかったから、あれからとにかくもう八年も、六年も七年も、原因は十年前になるんでしょうけれども。 そういうことを思ったら再生委員会の役割というのは、やっぱり国民の皆さんにもっと本当のことを知らせて、こうだからこれはこうせざるを得ませんとそのまま率直に言わなければ、今の話で保険会社はどうもこんなことになって、そうすると保険を掛けている人も結局損しますよ、こうした方がいいですよというふうな話をしないと、これはもうとんでもないことになりはせぬかというふうに私は思うんです。 そこで、金融再生委員長として今この問題に取り組まなきゃいけない。今、生保が出てきたわけです、本来からいえば金融機関はまだたくさんあると思いますけれども。この金融問題を解決しなければ、我が国はやっぱりこの二十一世紀の中で一番の障害になっていると思うんです。その辺は再生委員長としてひとつ決意を、やっぱり本気になって全部示しますよというぐらいの決意をやっていただいて、それからその保険の問題なんかもいろいろとやっていただかなければ、何か聞いていると、会社がどうもこれみんな壊れたらあなたたちも損しますよ、それならこの方がいいですよというふうに聞こえるんですけれども、その辺はひとつどうでしょう、この場ですから、はっきりと御見解をお示しいただきたいと思うんです。
○国務大臣(相沢英之君) まさに、私の気持ちも今、先生がおっしゃったようなことなので、保険会社がこういうような実態にあるということをやっぱり一般の方から認識していただいて、その上でどうしたら本当にいいのかということをお考えいただかなきゃならない時期だというふうに私は思っているのであります。 確かに、保険会社によりましては、比較的に短期の保険を多くとっているところと、それから長い保険が多いところと同じ生保会社においてもかなり差がございますし、それからこれはちょっとあれですけれども、損保会社にそういう問題がないということは、確かにこの保険期間が短い。ですから、保険契約のときに、古い保険契約についてはそういう問題はあるけれども、新しい保険についてはそういう問題は、つまり逆ざやの問題というのは少ない。でありますから、保険会社によって非常に差があることも確かに事実であります。 したがいまして、仮に予定利率の変更をということが議題になっても、いや、おれのところはそんなことをしなくても大丈夫だよとか、あるいは少なくとも相当もつよというところもあると思いますし、何ともならぬからというところもある。そこは私もよくわかっていますけれども、じゃ、ほっておいてつぶれてくるのを待つ方がいいのか。そうすると、いよいよ保険に対する一般の信頼を失うということになりはしないだろうか。それよりも、とにかく少しその辺のところは皆さんに御協力を願って、辛抱していただいて、つぶれない方にやっていく方がいいのか。そこは私は、それこそ実態を明らかにした上での一般の皆さん方のお考えだ、そのことも十分に考えてこの問題の処理はしていかなきゃならぬ、このように考えています。
○山本正和君 相沢大臣の言われることは私もよくわかるんですけれども、心配していますのは、この前の銀行のときにみんな公的資金を借りよと、こう言って、全部借りなければ格好はつかぬ、あそこは借りないこと、借りるということできた場合どうなんだというのがあったわけでしょう。ところが、私は正直に言ってあれは失敗だったんじゃないかと思うんです。やっぱり借りぬところもあっていいんですよ。借りるところも借りぬところもあってもいい。それを何か私が心配するのは、まず生保業界が寄ってみんなで借りようやと、こういうふうな話になったらおかしなことになる。 その辺のことも含めて本当に国民の前に透明にして、確かにこの会社はこうやって今危ないですよ、しかし今、利率をこうやることによってちゃんと立ち直りますよ、この会社はそういう必要ありませんとみんなオープンに出した方がいいと思う、本来が。フェアな格好で消費者に選択を、要するに保険契約者に選択を任せても構わない。それぐらいのことをせぬことにはどうにもならぬのじゃないかというような気がしますから、これは今お答えを聞かなくて結構ですけれども、御参考にと思います。 それから、大蔵大臣に少しこれは講義をしていただいて結構なんですけれども、私は、日本の今置かれている経済について宮澤大臣は随分いろいろとお考えだろうと思うんです。ところが、きのうの新聞だったですか、きょうですか、マハティールさんがルックイーストでいろいろ言っておった。日本はどうですかと、こういうことを言われて、いや、実は私が思ったルックイースト、日本の姿は今違ってしまったと。要するに、日本という国は、企業なら企業があると、その企業の中でのロイヤルティーというのはすばらしい。あるいは政府というのがあって、確かにそこに民間がある。しかし、この中で国がこうやって生きていかなきゃいけないときには完全にそれは協調できて、その中ですばらしい取り組みをやっている。また、一般の国民の中の教育の水準も高い。したがって、労働の質も高い。その日本が結局、これはいわゆるヨーロッパやアメリカのような形態とは違った力の強い経済を持った国なんだ、だから我々はそれに学ぼうと、こう言っておったんだ。ところが、今や日本はアメリカ式の、何でもいいから、ばくちででも何でも金をもうけたらいいというふうな中に浸っているように見えて仕方がない、日本の経済が。とにかく、そうして強ければいい、だから従業員をどんどん首切っても構わぬから会社の財務状況さえよくすればいいとか、そういうふうなことになっているように見えて仕方がない。こんな日本ではちょっと私どもは学ぶ気もしませんというふうなことを、たしかきのうの新聞だったですか、書いておったと思うんです。 私はそういう中で、正直に言って、アメリカでの特許権のいろんな競争の問題でも、製造技術の、実際にアメリカが見ている日本の力というものは我々が思っている以上にアメリカは評価していると私は思っているんです、製造技術の面ですね、細かい部分での。もちろん、弱いところもたくさんありますけれども。そういう中で、日本経済というのは私は二十一世紀は決して暗くないと思います。 なぜ暗いかといったら、実はこれは私ども政治家が悪いんでしょうけれども、政治がまず三流と初め言われたと、まさにそのときは経済は一流と言われた。ところが、経済は一流と思ったら、経済はまた三流か五流だと言われている。そこへもってきて、日本はすばらしい役人がたくさんおって、官僚が世界で最たるものだと、こう言っておったのに、これもまた皆ばかにし始めた。一番喜んでいるのは、マスコミが何でもかんでも売れさえすればいいというので飛びつくようなものばかり報道している。こういうのがおかしいのであって、本来、日本は私はちゃんとやれると思うんですよ。日本経済の二十一世紀における生き方というのは、きちっと通し得る見通しというのがあると思う。 恐らく、宮澤大臣はいろんなことを長い間見ておられて、大丈夫ですよということを思っておられると思う。それをするのにはいろんな難しい問題がありますからなかなかできませんけれども、そういう思いを、ちょっと時間が余りないんですけれども、国民の皆さん、経済は大丈夫ですよと、これはきょうは経済活性化委員会という名前もついておるので、ひとつその辺、宮澤さんのお気持ちをこの委員会の場で言っておいていただきたい。要するに、委員会に記録として残していただきたい、こう思うものですから。 もうことしも年内はあと一月ありませんので、ひとつ思いのたけを、余り時間がありませんけれども、お話しいただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 大変意味の深いお尋ねでございますし、私もとつおいつ考えるところがある問題でございますけれども、結論として、私どもは必ずもう一遍世界で尊敬されるような経済をつくり、国民になっていくだろうということを思っておりますが、いかにもこの二十世紀の最後の十年足らずのところは非常につらい形でございました。 ただ、時々思いますんですが、我々が、一九八五年ごろ、これはプラザ合意のころでございますが、あのときはもう何もかにも世界一で、銀行も世界一という、あのときの少し浮ついた気持ちでおりましたら、二十一世紀に向かっての新しい課題を背負ってアメリカが先行し始めたときに、何とかしてもう一遍やろうという、そういう機運にならなかったのではないか。つまり、苦しんでおりますために、苦しみが深いだけに、これではいけないという、そういう気持ちに国民がなって、それは暗い面もありますけれども、浮かれているのでない日本というのは、こういう苦しみというのは、あるいは将来幸せに転ずることができるのではないかというふうに思うぐらい今つらいわけですが、ということを思うわけでございます。 それで、その中で我々が、物をつくるという国民性を、これは恐らく失うことはないだろうと思っておりまして、マニュファクチャリングというのは、日本がやはりしっかりしているということは失われることはないのではないか。 問題はITのところだと思っておりまして、せんだっても申し上げたかと思いますが、アラン・グリーンスパンは、アメリカのプロダクティビティーというのは年間に大体一%というのが経験則である、しかし自分がここへ来て見ていると、三%になり、四%になり、五%になってきている。それはやっぱり見ているとインフォメーションテクノロジーである。これはどうも、ニューエコノミーかどうか知らないが、もうそのことには間違いがない。そして、アメリカ社会は変わっていっている。 それで、その次に言いましたことがいろいろ気になるところですが、しかしそれが可能であったのは、もう一つはアメリカの労使慣行というものが非常に流動的で、いわばレイオフというものができる。これは君の国でもヨーロッパでも簡単にできないことはよく知っているがという、その部分でありました。 私は、日本はインフォメーションテクノロジーでちゃんとやがておくれを取り戻していくと思いますが、そしてそこから必ずや労働慣行というものはある程度は変わらざるを得ないだろうと思います。今までどおり全部終身雇用というようなことばかりではないこともわかっていますが、しかしアメリカのような形になることがいいかどうかというと、私はそれは非常に問題があるし、必ずしもそうなるというわけではないだろう。日本には日本の、そういう労使の慣行はやはり一種の社会のあり方でございますから、そんなにアメリカ人のように変わっていっていいとは思わない。仮に時間がかかりましても、労使の関係というのは物のような関係になってしまっていいとは思わない。それゆえに時間が、今時間がかかっているのは、私はそれもあるかと思っております。 実は、ことしの十月にIMFの総会がありましたときに、IMFが日本のアウトルックというものを出すわけでございますが、専門家がちゃんと常時おりますから非常によく勉強していてこれはばかにできないわけですが、その報告の中で、我が国の失業率、御承知のように五%にならずに済んできているわけですが、来年は失業率が五%を超えるという予想をしていました。これは、我が国の国内ではそういう予測は私は見たことがありませんので、あえてそのゆえを尋ねましたところが、やはり労働慣行が変わってきている、一緒にはならないが、西欧的な慣行になってくると、今までの日本の労働慣行で考えた失業率というものとは違うものになってくるのではないでしょうかという、ちょっと私にはショックでもありましたし、その点、十分考えなきゃいけないという意味で警告でありましたが、しかしいずれにしても今までと一緒ではない。 それで、経済社会というものはそういうふうに変わってくる。それはグローバリゼーションというものがどうしてもございます。それから、こちらに少子化というものがございまして、やがて労働力の問題も出てくるというようなことから変わってくる。それは私はある程度のことはやむを得ないし、うまく変わればうまいことだと思いますが、そのことがやはり二十一世紀について一番考えておかなければならない問題ではないか。私は、IT、インフォメーションテクノロジーと物をつくること、これは必ずやっていけるのだろうと考えておりますが、そういうことを今思っております。 もう一つは、これもお尋ねの一部であったに違いないんですが、ここまで負いました大きな債務というのは、これはやはりなかなか将来に向かって負担になっていくという思いは強うございます。 国債の信用が落ちるというようなことは絶対にないと思っていますけれども、しかし今のように安い金利というのはいつまでも続かない方が道理でございますから、そうしますと国債費、償還と利払いでどうしても財政の二割ではとどまらないといったようなことになっていく。成長が高くなりますから償還はもちろん問題があると思いませんが、それだけ大きな財政、あるいは国民からいただいた税金をそれだけ利払いにするというのはかなりの負担でありまして、このたびの不況を脱出するためにむだをした覚えはございませんけれども、やっぱり薬代は大変将来に向かって高くつく。ある意味で次の皆さんに申しわけないことだと思いながら、それで国がどうなるとは思いませんが、しかしやっぱり国債費が二割もなければ本当に予算というものがもっと流動的になるという思いはございまして、それはしばらく我々あるいは我々の後に来る諸君に背負ってもらわなきゃならない部分ではないか。 どうもこの点は、非常にクイックに解決をする方法はなかなか見つからない。心配をしているわけではございませんが、やっぱりこれはなかなかひとつつらいことだなという思いがいたします。
○山本正和君 どうもありがとうございました。
○石井一二君 お疲れさんでございます。 ラストバッターでございまして、幾つかテーマを通告いたしておりましたが、一部、先の質問者が質問をいたした点もございまして、できるだけ角度を変えて重複を避けて質問をしたいと思いますが、若干の重複についてはお許しを賜りたい、そう思います。 私は、まず最初に株主代表訴訟について若干お伺いをしたいと思います。 たしか九月二十日のことであったかと思いますが、大阪地裁は、民事判決として、大和銀行ニューヨーク支店の元役員十一人に対しまして八百三十億円という巨額の賠償をするように命令をいたしました。我々もびっくりいたしました、その金額の大きさ。そのポイントは、金額の大きさもさることながら、取締役の注意の義務とか、あるいはアメリカの法律にのっとった報告義務の怠慢とかいろいろあるようでございます。 こういったことに対して、今後どんどん株主代表訴訟もふえてこようと思いますが、まず金融再生委員長の御所見を賜りたいと思います。
○国務大臣(相沢英之君) 大和銀行の株主代表訴訟の賠償額が八百三十億円にもなったということは私も新聞で承知いたしまして、大変な金額の大きさというものについて驚くとともに、また銀行経営者の責任の重大性を思わざるを得なかったわけであります。 ただ、この問題は、私が申し上げるまでもなく、銀行の役員と株主間の民事上の訴訟案件でありますし、また当事者双方が控訴している係争中の事柄でありますので、私どもの方からコメントすることはいかがかなというふうに思いますので、差し控えさせていただきたいと思っております。 ただ、一般論として申し上げますと、銀行の経営者は、銀行の業務の公共的、社会的な役割を十分認識し、内部管理体制を充実させることによりまして、業務の健全性、適切性の確保に努めているものと承知をいたしておりますし、また当然そうあらねばならないわけでありますので、その点につきましては、なお一層その充実に努力をするように指導していきたいというふうに考えております。
○石井一二君 法務省はどなたかお越しいただいていますか。 商法の改正とか、この問題に関して法改正についてのとかくの議論がございますが、その辺の見込みとか意欲的な考え方とか、何かあれば御披瀝願いたいと思います。
○政府参考人(細川清君) 保岡法務大臣が今、衆議院の法務委員会に出ておりますので私から御説明申し上げますが、株主代表訴訟につきましては従来からさまざまな御意見が寄せられておりますし、また今回の大和銀行事件の判決を契機として、さらに意見が寄せられているという状況でございます。 この問題につきましては、与党三党の商法プロジェクトチームが、議員提案で法改正をするということも含めまして現在精力的に検討されているところでございます。 現在、法務省では、法制審議会に商法の全面的な改正について御審議いただいておるところでございまして、この株主代表訴訟の問題についてもこれに含まれておりますが、当面は与党のプロジェクトチームの御審議の状況というものを見守ってまいりたいと思っているところでございます。
○石井一二君 法律が数多く出されてくる中で、閣法というのが圧倒的に多いんです。議員立法を待っておるというような消極的な考えではなしに、いやしくも法務省を代表して答弁に出てくるのであれば、法改正としてはこういった議論の余地があるとか、もう少し知的レベルの高い答弁を私は期待いたします。 例えば、普通で考えるならば、この八百三十億なんというような損害賠償を言われたら、これは破産でもしなきゃしようがないということになるわけでありまして、おれだったら払えるという人があったら手を挙げてもらいたいんですが、こういう中で、仮執行停止のための保証金の額というものが今回は八億三千万に抑えられておると、こういったところに逃げ道があるわけであります。また、株主代表訴訟保険というようなものもございまして、こういう中である程度カバーするということも考えられておると私は考えております。 だから、与党の案がどういうことになるのか私は存じ上げませんが、株主の訴訟を起こす権利の制限ということも論じなきゃならないと思いますし、責任額、もちろん先ほど申したような大きな金額じゃなしに常識的な、例えば一年分とか二年分のアッパーリミットというものを損害賠償の責任額の上限に決めるとか、あるいはまた乱訴防止のための訴訟を提起する株主に対する何らかの担保の提供を求めるとかいろいろ私はあろうと思いますので、議員立法が出てきそうだからそれを待ってというようなことではなしに、積極的に行政に取り組んでいただく姿勢をお願いして、きょうは向こうの方が大事だということで出てこない法務大臣に対して違う場所をかりて御質問をするということで、この問題を次に回したいと思います。 次に、日銀絡みで、若干金利をひっかけてお聞きしたいわけでありますが、宮澤大蔵大臣、御苦労さまでございます。 それで、金利の論議に入る前に、先般、日銀が若干のゼロ金利を是正するというような行為を行いました。気の早い人は、公定歩合が上がったのかなんて言いますけれども、まあ決してそういうものではございませんが。 この中で、私は政府がかなり干渉をされたんじゃないかと思うわけであります。例えば、新聞等を見ておりますと、森首相は、景気はここが一番の勝負どころで、そうしたところを十分留意していただけるものと考えているというような御発言もしておられますし、米国のサマーズ財務長官から電話があったとか、シャピロ次官は日本の景気は自律的で持続的な回復に達していない、慢心の余地はないというところまで言われて牽制されたわけでありますが、日銀は踏み切ったわけであります。 けれども、私は、さらに日銀法を改正してでも日銀の自律性というものをもっと重んじるべきだと思いますが、この点について、大臣、何か御所見があればお伺いしたいんですが、いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 最近の、殊に八月のことについて申し上げるならば、政府を代表する者が政策委員会におきまして、そのタイミングにつきまして御再考願いたいということを正式に申し上げて、それは御採用にならなかったわけでございますが、そこらのことも確かに私どもとしてはもう少しタイミングをおくらせていただけないかという思いはありましたが、それは申し上げました。何が絶対ということを言えるほどのことではございませんし、その後、日本銀行は依然として金融緩和の基調は変えないということでその方針を持続しておられる今日まで考えまして、これはいわば済んだことであって、日銀が日銀の立場において決定をなされたと。 そのことが今、我が国の経済がデフレ傾向を持つか持たないか、消費者物価等々が下げ続けておることをどう見るかというようなことについては、また日銀で改めて委員の意見を徴するというようなことをやっていらっしゃるようでございますので、その点にも十分御留意の上やっておられるように、私としては今はそう思っております。
○石井一二君 せっかく御懇切な御答弁をいただいたんですが、今、大臣がおっしゃったことは、事実関係として、議決延期の請求権を出したけれどもだめだったというあたりとか、あるいは政策決定会合への政府の代表が出席できるんだという事実についてお認めになったわけですが、私の質問は、日銀法をさらに変えるぐらいの必要性があるんじゃないかという法改正についての御所見をお聞きしたんですが、拡張解釈でいいとか、そんな必要はないとか、ぜひ変えにゃいかぬとか、そこらをちょっとお聞きできませんか。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまお答え申し上げました意味は、今の段階におきまして特に法を改正する必要はない、この法のもとに政府並びに中央銀行の協調というものは可能であるというふうに考えております。
○石井一二君 金利論争を大臣としておりますと一時間ぐらい時間をいただかなきゃなりませんので、とりあえず今ちょっとよそへそれまして、最近、住専とか金融機関、生保に続いて、ゴルフ場の民事再生法の申請が相次ぐのではないかとか、ノンバンクの債権放棄の状況がどうなるだろうかというようなとかくの話がありますが、このゴルフ場問題等について、通産省もしどなたか来ておれば若干御答弁を願いたいと思います。
○政府参考人(林良造君) ただいま御指摘ございましたように、八〇年代の後半のいわゆるバブル期に会員募集あるいは建設を進めたゴルフ場でございます。それらにつきまして、その後景気の低迷あるいは会員相場の低迷ということでゴルフ場の経営環境は非常に悪化してきたということでございまして、特に集められた預託金の返還期限が到来しているゴルフ場にとってはその取り扱いが非常に重要な経営課題になっていると認識しております。 預託金の返還あるいはそれの性格につきましては、個々のゴルフ場ごとに当初の契約どおり返還をされているようなゴルフ場もございますし、また会員権の分割などによって会員との間で話をされてやられていることもございます。それでも合意がつかない中で返還の請求があって、経営の再建に向けて、御指摘ございましたように民事再生法の申請を行っておるケースもまたふえてきておると承知しております。 ただ、預託金の返還問題というのは、基本的に私的自治の原則にのっとりまして経営者側と会員側の間の話し合いに従って解決されていくということが最高裁の判決のルールでもございますし、また基本的に問題があれば民事再生法による法的な処理をしていくという体制になっておりますので、当省といたしましてはそういう動向を見守っておるところでございます。 以上でございます。
○石井一二君 私、先ほど金利論争をし出すと一時間ぐらい必要なのでちょっとほかの問題を先にと申しましたが、もう一度金利に戻って考えたいと思います。 先ほど、大蔵省と日銀の間に若干の考えの違いがあって若干の金利の利上げをされたと。具体的には短期金融市場において無担保コール翌日物の金利を〇・二%上げられたということでありますが、今、日銀と大蔵省で金利に対する政策上の若干の意見の違いというものが出かかっておるのではないかと思います。私は実はこの傾向を歓迎しておるんです。 そういう中で、総裁、ちょっと今これから日本の金利の現状についてどのように考え、今後どういう方向へ向かっていこうと思っておられるのか、差し支えない範囲で御所見を承れればありがたいと思います。
○参考人(速水優君) 我が国の経済は、今、民間需要を中心として緩やかな回復過程に入っていると私どもは判断しております。さまざまな構造調整の圧力などが残っている中で、力強い拡大はなかなか今期待しにくいのではないかというふうに思います。 したがいまして、当面は原油価格とかあるいは内外の証券市場、金融・資本市場の動きなどをよく見ながら、民間需要の自律回復の力が出てくるまで物価の動向など注意深く見守って政策を運営していきたいと考えております。 当面の金融政策運営に当たりましては、金融緩和スタンスを継続することによりまして物価の安定を確保するもとで、引き続き景気回復を支援していく方針でございます。 なお、八月、三カ月前に解除いたしましたゼロ金利というのは所期の目的を十分達したと私どもは思っております。
○石井一二君 同じ問題について大蔵大臣、ちょっと一言言っていただけませんか。お聞きじゃなかったですか、質問を。
○国務大臣(宮澤喜一君) 聞いておりましたし、先ほどそのことも私は申し上げたつもりでございます。
○石井一二君 大蔵大臣はビジョンがないと言われますので、ではこちらが若干申し上げますが、今、総裁は、たった〇・二%コールの金利を上げただけで十分機能を果たしたと言われました。私はほど遠いものだと思うんです。もっともっと金利を上げなきゃならぬのじゃないかと思います。 釈迦に説法ですが、今、国際間の金利を比べた場合に、大体、写真金利と言われますように、日本の金利が三・数%他の先進国よりずっと低い。そのおかげで、日本の国際収支の資本収支を見ますと年々ずっと赤字が続いておる。これは日本の金がどんどん海外へ出ていっておる一つの証拠でございますが、例えば九八年では十七兆円、九七年も十五兆円と、こういった規模でございます。 これはもともとプラザ合意、一九八五年の暑いときでありましたけれども、恐らく当時、宮澤大蔵大臣だったと思いますが、お行きになって、そこから徐々に金利の値下げと為替の協調介入による円高、それが産業の空洞化をもたらした。そこへもってきて、アメリカの国債というものを今、世界の外国の中で一番余計持たされておる、三十数兆円持たされておる、アメリカの国債を買い続けた。そこへもってきて為替差損が発生して、その半分が差損として出てきた。私は、こういったことが日本国内全体の総購買力を非常に低めておる、そのこと自体が景気の不況の長期化というものにつながっておる、このように考えておるわけであります。 昔は、重厚長大産業なんかがどんどん景気がよくて、そして何万あるいはもっと大きな数の下請というものが日本の二重構造経済というものを構成して景気がよかったわけでありますが、ISOを中心とした国際標準戦略なんというものは、日本が全然、失敗をしておりますから、日本がもうかる産業というものをどんどん失っていっておるわけであります。 先般も沖縄サミットで森総理が、ITでODAでいろいろ支援を百五十億ドルやるなんということを言いましたけれども、パソコンやそういうものがどんどん売れても、もうかるのはウィンドウズとかあるいはMPU、超小型演算装置をやっているインテルとかマイクロソフトという会社であって、日本の産業構造自体も大きくこのところ私は失敗に次ぐ失敗というものが行政上行われておるのではないか、そう思うわけでございます。 私は、こういった中で金利を上げていくということが日本の景気の浮揚のために必要であり、また年金生活者とかその他金利が低いためにいろいろ苦労されておる、今我々が論じております生命保険会社等もそうでございまして、ぜひ日銀総裁と大蔵大臣におかれましては、こういった私のつたない意見ではございますが、そういうことも御参考にしていただいて、またいろいろ考えていただきたい、そのように思うわけであります。 この問題については私は予算委員会か何かでもう一度やりたいと思いますので、本日はこれで私の質問を、意見を申し述べて、終えたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(真鍋賢二君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十八分散会