共生社会に関する調査会 第2号
- 発言数
- 134 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2000/11/08
会議録
○会長(石井道子君) ただいまから共生社会に関する調査会を開会いたします。 共生社会に関する調査のうち、「男女等共生社会の構築に向けて」を議題といたします。 本日は、女性の自立のための環境整備に関する件のうち、生涯にわたる女性の健康支援について、総理府、文部省、厚生省、労働省から説明を聴取し、その後、質疑を行うことといたします。 まず、総理府より説明を聴取いたします。中原総理府政務次官。
○政務次官(中原爽君) 総理府の総括政務次官、中原でございます。よろしくお願いいたします。 本日は、生涯にわたる女性の健康支援に関する総理府の取り組みについて御説明を申し上げます。 お手元に総理府から、男女共同参画審議会の答申書が一冊と二枚とじの資料を用意いたしております。二枚とじの資料につきましてはこれから御説明申し上げる説明の概要でございますので、あわせてごらんをいただきたいと思います。 まず、これまでの総理府の取り組み、位置づけでありますけれども、生涯にわたる女性の健康支援に関する取り組みにつきましては、お手元の二重丸の一にありますように、昭和五十二年一月に、当時の内閣総理大臣を本部長とする婦人問題企画推進本部が決定いたしました国内行動計画におきまして、母性の尊重及び健康の擁護として位置づけております。 その後、国内行動計画は数次にわたりまして改正を重ねてまいりましたが、いずれの行動計画におきましても母性の尊重と健康づくりの推進、母性の重要性についての認識の浸透及び母性保護等、また母性の重要性と性の尊重についての認識の浸透及び母性保護等、こういった女性の健康支援に関して取り上げており、政府はこれに沿って取り組みを進めてきたところであります。 二重丸の二番目でありますが、平成八年十二月に、内閣総理大臣を本部長としまして全閣僚を構成員とする男女共同参画推進本部は、現行の国内行動計画であります男女共同参画二〇〇〇年プラン、すなわち男女共同参画社会の形成の促進に関する平成十二年(西暦二〇〇〇年)度までの国内行動計画を策定いたしました。そこでは、これまでの母性保護対策の観点が中心でありました女性の健康という課題に関しまして、平成七年に北京で開催されました第四回世界女性会議での成果を踏まえ、生涯を通じた女性の健康支援というとらえ方に方向が少し変わってきているわけであります。 次に二重丸の三でありますが、この男女共同参画二〇〇〇年プランでは施策の基本的方向として、①リプロダクティブヘルス・ライツに関する意識の浸透、②生涯を通じた女性の健康の保持増進対策の推進、③女性の健康を脅かす問題についての対策の推進、この三項目を掲げ、それぞれに対する具体的対策として、女性の健康問題への取り組みについての機運の醸成、女性の健康教育、相談、指導の充実、子宮がん、乳がん、骨粗鬆症等の予防対策の推進、予防から治療までの総合的なHIV、エイズ対策の推進など具体的な施策を盛り込んでおります。 次に二重丸の四でありますけれども、現在、政府はこのプランに沿って、生涯を通じた女性の健康を支援するための総合的な施策の推進を図っているところであります。 次に、二であります。国連特別総会女性二〇〇〇年会議で言及された女性の健康に関する取り組みについて御説明申し上げます。 平成七年に北京で開催されました第四回世界女性会議で採択された行動綱領の実施状況について評価、検討し、行動綱領の完全実施に向けた今後の戦略について協議をいたしております。二重丸の五番目になります。 国連特別総会女性二〇〇〇年会議が本年六月五日から十日までニューヨークの国連本部で開催されました。この会議において各国の決意表明や理念をうたうということで、二ページになりますけれども、政治宣言及び行動綱領の実施、促進のための「北京宣言及び行動綱領実施のための更なる行動とイニシアティブ」、いわゆる成果文書が採択されたところであります。 二重丸の一番上のところでありますが、会議においては、女性と健康などの十二の重大項目領域の各領域で各国の取り組みに一定の成果が見られたことが評価される一方、完全実施にはなお多くの課題が残されていることが指摘されました。また、第四回世界女性会議以降に台頭してきました新たな問題についても指摘がなされたところであります。 これらを受けて、この成果文書は健康に関する取り組みとしては、HIV、エイズその他疾病を含む健康上の問題へのジェンダー視点に立った政策の実施、HIV、エイズや性感染症の患者の差別からの保護、プライバシーの尊重、思春期女性に対する健康教育や情報提供・サービス等の必要性が強調されたところであります。 次に三でありますが、男女共同参画審議会の答申と男女共同参画基本計画であります。 本年九月二十六日に、男女共同参画審議会から内閣総理大臣に対して、男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方が答申されました。この答申の中では、二重丸の上から二つ目でありますけれども、生涯にわたる女性の健康支援に関する取り組みについては第二部のⅡの2、リプロダクティブヘルス・ライツのこの項目の中で御提言をいただいているところであります。 二重丸の三番目ですが、すなわち、答申ではそれぞれの項目において、取り組みに当たっての視点と、その視点を踏まえた具体的な取り組み、十一項目に分けて記述されているわけであります。リプロダクティブヘルス・ライツへの今後の取り組みにおいては、視点として、「リプロダクティブ・ヘルス/ライツの視点から女性の生涯を通じた健康を支援するための総合的な対策の推進を図ることが必要である。」ということを指摘いたしております。 また、この十一項目の具体的な取り組みとして幾つか抜粋をいたしますと、自分の身体や相手の身体について正しい情報を入手し、自分で判断ができるようにするための、項目の一になりますけれども、性教育や健康教育の一層の充実、項目の二に該当しますが、摂食障害、喫煙等による生殖機能や胎児に及ぼす影響などの健康被害に関する正確な情報提供、項目の四に該当しますけれども、不妊で悩む人々が自己決定ができるようにするための多面的な相談体制の整備、次いで項目の八になりますが、HIV、エイズや性感染症についての対策の推進、項目の九として、女性が主体的に避妊するため、ピル等の知識の普及等の支援、最後の丸印は項目の十に該当いたしますけれども、女性労働者の母性保護及び母性健康管理の徹底など抜粋をいたしましたけれども、このほか合わせまして十一の項目を御提言いただいているところであります。 なお、本答申のリプロダクティブヘルス・ライツの記述の具体的な内容につきましては、お手元の答申書の二十六ページ、二十七ページ、二十八ページにわたっておりますので、御参照いただければと思います。 最後の二重丸のところでありますが、政府といたしましては、この答申を受けて、平成十二年七月の男女共同参画審議会答申、女性に対する暴力に関する基本的方策について、及び国連特別総会女性二〇〇〇年会議の成果なども踏まえつつ、平成十二年のこの年内に男女共同参画基本計画を策定することとしております。男女共同参画基本計画の策定に当たりましては、生涯にわたる女性の健康支援という課題の重要性にもかんがみ、策定作業を進めてまいる所存でございます。 以上、生涯にわたる女性の健康支援に関する総理府の取り組みを説明させていただきました。 来年一月には内閣府に男女共同参画会議及び男女共同参画局が新たに設置され、男女共同参画に関する政府の取り組み体制は格段に今以上強化されることとなっております。生涯にわたる女性の健康支援につきましても、男女共同参画基本計画に基づき施策の推進に努めてまいる所存でございますので、何とぞよろしくお願いいたします。
○会長(石井道子君) どうもありがとうございました。 次に、松村文部政務次官。
○政務次官(松村龍二君) 文部政務次官の松村でございます。どうかよろしくお願いします。 文部省の御説明をさせていただきますが、お手元に「生涯にわたる女性の健康支援のための文部省の取組について」という資料を用意しております。 文部省の取り組みについてまず御報告申し上げます。 本年九月二十六日に出されました男女共同参画審議会の答申、男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方においても提言されておりますように、リプロダクティブヘルス・ライツの視点に立ち、生涯にわたる女性の健康を総合的に支援することは男女共同参画社会の形成の促進のためにも極めて重要な課題であると認識しております。本日は、生涯にわたる女性の健康支援に関する文部省における取り組みについて、説明資料に沿って御説明させていただきます。 まず、学校教育における取り組みについて御説明申し上げます。 学校におきます性教育については、リプロダクティブヘルス・ライツの視点に立ち、児童生徒の発達段階に応じた性に関する科学的知識や、生命尊重、人間尊重、男女平等の精神に基づく異性観、みずから考え判断する意思決定の能力を身につけ、望ましい行動をとれるようにするため、学校教育活動全体を通じて指導することとしております。 文部省では、学習指導要領の改訂に伴い、児童生徒の発育、発達の早期化等に対応するため、小学校の体育科で新たに第三、第四学年に保健領域を設け、体の発育、発達に関する内容を指導することといたしました。また、中学校の保健体育科において、新たに性の問題行動への対応として、性的成熟に関する正しい理解や行動選択の重要性について指導することとしたところであります。 また、学校における性教育の充実に資するため、教師用参考資料の作成、配布、推進地域による実践的な調査研究、各種研修会の開催などの施策を講じているところであります。 また、学校におきます喫煙、飲酒、薬物乱用防止教育などその他の健康教育については、児童生徒が健康の大切さを認識できるようにするとともに、生涯を通じみずからの健康を適切に管理し改善していく資質や能力の基礎を培い、実践力を育成することを目的として、学校教育活動全体を通じて指導することとしております。 文部省では、学習指導要領の改訂に伴い、小学校の体育科で新たに病気の予防について理解できるよう指導することとし、中学校及び高等学校においても内容の充実を図ることとしたところであります。 また、学校における健康教育の充実に資するため、教師用参考資料の作成、配布、モデル地域による実践的な調査研究、各種研修会の開催などの施策を講じているところであります。 次に、社会教育における取り組みについて御説明申し上げます。 社会教育においては、各種の学級、講座の開設等により、性や健康に関する学習機会の充実を図るとともに、リプロダクティブヘルス・ライツに関する知識の普及に努めております。 文部省では、社会教育における婦人教育施策として、女性団体・グループが男女共同参画の視点から地域社会づくりに参画し、その過程を通じて女性のエンパワーメントに資する事業を行っておりますが、その中でリプロダクティブヘルス・ライツについても事業のテーマとして取り上げております。例えば、今年度はこの問題に関する研修講座や高校生の男女を対象とした性に関する学習のための催し等を実施しております。 また、国立婦人教育会館においても、婦人教育、家庭教育に関する各種の研修、交流、調査研究、情報事業を実施し、女性に対する各種の学習機会の充実等に努めております。この中でも、本年八月の女性学・ジェンダー研究国際フォーラムにおいて国際ワークショップ、女性と健康を開催するなど、リプロダクティブヘルス・ライツの視点に立った事業を実施しております。 また、同会館の婦人教育情報センターにおいては、女性に関する幅広い情報をインターネットを通じて提供するWinetCASSにより女性の性や健康に関する情報等も提供しております。 さらに、家庭における教育を支援するため、文部省では、男女でともに取り組む子育てや家庭でのしつけのあり方、家庭教育に役立つ情報等を盛り込んだ家庭教育手帳及び家庭教育ノートを作成し、乳幼児や小中学生を持つ親に配布しているところでありますが、この中で薬物乱用や援助交際の違法性、危険性について紹介するなど、家庭における性教育、健康教育の重要性を親に訴えています。 地方公共団体の取り組みの支援といたしましては、多様化、高度化する地域住民の学習ニーズ等に対応するため、都道府県が生涯学習関連機関、団体との連携協力により実施する広域学習サービスのための体制整備事業の一環として、女性に対する高度な学習機会を提供するためのウイメンズライフロングカレッジを開設し、性に関する学習や高齢女性の健康問題を扱う講座等を実施しています。 また、市町村では、地域の人々の多様な社会教育活動を総合的に推進するための地域社会教育活動総合事業においても、女性の生活上の課題や女性問題学習などを行う婦人学級を開設して女性の日常の健康管理や更年期の女性の健康を取り上げたり、成人一般を対象とした講座において性に関することや健康に関することを取り上げるなど、性や健康に関する学習機会の提供に努めております。 以上のとおり、文部省におきましては、学校教育及び社会教育を通じ、生涯にわたる女性の健康支援のための施策を推進しているところでありますが、今後ともその一層の充実に努めてまいる所存であります。
○会長(石井道子君) ありがとうございました。 次に、福島厚生政務次官。
○政務次官(福島豊君) 厚生総括政務次官の福島豊でございます。よろしくお願いいたします。 それでは、厚生省の取り組みにつきまして御説明をさせていただきたいと思います。お手元に資料をお配りさせていただきましたので、随時ごらんになっていただければと思います。 男女共同参画社会の実現は政府の最重要課題の一つであると考えており、そのためにはさまざまな分野における男女共同参画社会の形成を促進するための施策を総合的に推進することが重要であると認識いたしております。少子高齢化の進展など社会経済状況の変化の中で、厚生省としても生涯を通じた女性の健康支援施策など男女共同参画社会の形成の促進に関する施策を引き続き推進していくことといたしております。 まず初めに、女性の健康問題への取り組みについての機運の醸成について申し上げます。 女性は、その身体に妊娠や出産のための仕組みが備わっているため、ライフサイクルを通じて男性とは異なる健康上の問題に直面をいたします。こうした問題の重要性について、男性を含め広く社会全体の認識が高まり積極的な取り組みが行われるよう機運の醸成を図ることが必要であります。 このため、厚生省としては、新しい考え方による国民健康づくり運動として、本年三月に生活習慣上の危険因子などの健康にかかわる九分野七十項目にわたる具体的な目標を設定し、生活習慣の改善及び健康づくりに必要な環境整備を進めることを目的とした二十一世紀における国民健康づくり運動、健康日本21を作成したところでございます。これはお手元の資料の一ページから三ページ目にわたって説明をされております。この健康日本21に基づく各般にわたる取り組みを推進することといたしております。 さらに、その一環として、女性の健康問題への取り組みを含めた二十一世紀に向けた母子保健分野の国民運動計画として健やか親子21の検討を進めており、近日中にその取りまとめを行うことといたしております。これはお手元の資料の四ページ目、資料二でございます。 この中においても、妊娠、出産に関する安全性と快適さの確保が主要な柱の一つとなっており、思春期の保健対策の強化と健康教育の推進、妊娠、出産に関する安全性と快適さの確保及び不妊への支援、小児保健医療水準を維持向上させるための環境整備、子供の心の安らかな発達の促進と育児不安の軽減について議論をしているところでございます。今後、この検討結果も踏まえて、母子保健医療施策のさらなる充実に努めてまいりたいと考えております。 次に、生涯にわたる女性の健康支援事業について申し上げます。これはお手元の資料の五ページ目、資料三でございます。 女性は、妊娠・出産期のみならず、思春期、更年期など生涯を通じて男性とは異なる健康上の問題に直面することから、女性の健康状態に応じた健康教育や健康相談等を実施することが重要でございます。このため、保健所等におきまして、婦人科的疾患や更年期障害、出産の悩みなどの女性特有の健康状態に応じた健康教育及び健康相談等を行う生涯を通じた女性の健康支援事業として、保健婦等による健康教室等の開催により、地域に住む女性に対し生涯を通じた健康の自己管理をするための教育、不妊に悩む御夫婦に対し不妊に関する医学的な相談の実施や不妊治療の実施状況に関しての情報提供などを実施しているところでございます。 次に、医師、保健婦、助産婦、保健所等の担当職員等に対する研修について申し上げます。これは資料四、七ページ目でございます。 医師、保健婦、助産婦及び保健所等の担当職員等に対する研修につきましては、これまで母子保健に携わる医師、保健婦、助産婦、看護婦や保健所、市町村保健センター等の担当職員に対するリプロダクティブヘルス・ライツに関する研修等を行う母子保健要員研修等事業を実施をいたしているところでございます。 さらに、平成十二年度から保健、福祉、医療等の総合的な視点に立って、市町村の母子保健事業等に対する広域的な指導、支援を行うため、保健所に勤務する保健婦、助産婦を対象に母子保健事業やリプロダクティブヘルス・ライツ等のより専門的、技術的研修について新たに取り組んでいるところであり、母子保健に携わる担当職員の質の向上を図っておるところでございます。 厚生省としましては、今後とも地域における母子保健行政の向上のため、母子保健に携わる職員に対するさらなる研修の充実に努めてまいりたいと考えております。 次に、安全で快適な妊娠、出産の実現のための母子保健医療施策について申し上げます。 妊娠・出産期は女性の健康支援にとっての大きな節目であることから、妊娠、出産の安全性や快適さを確保していくことが重要でございます。このため、厚生省としては、小児医療、母性医療、父性医療に関する高度な医療を行うとともに、周産期、小児期、成人期と一貫した最先端の医療を行う国立高度専門医療センターとして国立成育医療センターを平成十三年度に開院し、さらに当該センターを中心とした成育医療の機能を有する国立病院・療養所による診療、臨床研究、教育研修、情報発信の全国的な成育医療ネットワークを構築することを考えております。これは資料五、八ページ目でございます。 また同時に、地域においては救急医療を必要とする未熟児等に対応するため、一般の産科院などから高度な医療機関に母胎や出生児を搬送し、適切な医療を提供する周産期医療ネットワークを整備し、妊娠から出産、小児期に至るまでの高度な医療を提供するための小児医療施設、周産期医療施設を整備することを考えております。これはお手元の資料の九ページ目、十ページ目の資料六、七でございます。こうした施策を通じて、専門的な周産期医療体制の整備及び医療水準の向上を図ることといたしております。 次に、女性が主体的に避妊するための支援について申し上げます。 女性が主体的に避妊するための支援をしていくことは、リプロダクティブヘルス・ライツの観点からも重要であると認識をいたしております。このため、厚生省としましては、女性が主体的に避妊できる低用量ピルや女性用コンドームの承認、また思春期の男女を対象として市町村保健センター等において性や避妊に関する知識の普及や人工妊娠中絶の影響などについての相談、指導を行う健全母性育成事業の実施、性教育や避妊、人工妊娠中絶の影響などについて保健所の保健婦や受胎調節実地指導員等による指導や情報提供など、女性の主体的な避妊を支援していくための施策を実施しているところでございます。これはお手元の資料十一ページ目、資料の八にございます。 厚生省としましては、今後ともリプロダクティブヘルス・ライツに関する意識を広く社会に浸透させるとともに、思春期、出産可能期、更年期など、女性の生涯を通じた健康を支援するため、総合的な施策の推進を図ってまいる所存でございます。 以上でございます。
○会長(石井道子君) ありがとうございました。 次に、労働省藤井女性局長。
○政府参考人(藤井龍子君) 労働省女性局長の藤井でございます。 釜本総括政務次官は国際会議出席のために海外出張中でございますので、私がかわって御説明申し上げたいと思います。 生涯にわたる女性の健康支援について労働省として講じております対策、女性労働者の母性保護及び母性健康管理について、資料に従って御説明申し上げたいと思います。 女性の職場進出が進み、妊娠中または出産後も働き続ける女性が増加しているという中で、職場において女性が母性を尊重され、働きながら安心して子供を産むことができる条件を整備することは大変重要な課題になっているところでございます。このため、労働基準法では産前産後休業など女性労働者の妊娠、出産に関する最低基準を定めております。また、男女雇用機会均等法では、母性健康管理の措置を講じるべきであるという事業主の措置義務を定めているわけでございます。 具体的には、下の箱で囲んでございますが、労働基準法では産前産後休業、産前休業が産前六週間、多胎妊娠の場合は十四週間、産後休業が産後八週間という定めをしてございます。そのほか、妊婦の軽易業務転換、妊産婦の危険有害業務の就業制限、妊産婦に対する変形労働時間制の適用制限、妊産婦の時間外労働、休日労働、深夜業の制限、育児時間等の措置を定めてございます。 一枚おめくりいただきまして次のページでございますが、男女雇用機会均等法では、従来、事業主の努力義務でございました母性健康管理に関する規定が改正、強化され、平成十年七月より事業主の義務とされております。 一つは、保健指導または健康診査を受けるための時間の確保ということで、事業主は、女性労働者が妊産婦のための保健指導または健康診査を受診するために必要な時間を確保することができるようにしなければならないと定めてございます。 また、指導事項を守ることができるようにするための措置として、妊娠中及び出産後の女性労働者が健康診査を受け、主治医等から指導を受けた場合は、その女性労働者がその指導事項を守ることができるようにするために、事業主は、勤務時間の変更や勤務の軽減等の措置を講じなければならないと定めてございます。そして、この事業主が講ずべき措置に関して具体的に指針で定めてございます。点線の囲みの部分に書いてございますが、妊娠中の通勤緩和、妊娠中の休憩の措置、妊娠中または出産後の症状等に対応する措置に関して具体的に定めてございます。 このほか、これらの措置を的確に事業主に伝えることができるように、母性健康管理指導事項連絡カードというものを指針の中で様式を示してございます。一番最後のページにその様式そのものをつけさせていただいております。 これは、女性労働者が医師から指導があった場合、このカードにその指導事項を具体的に書いていただきます。次に、この女性労働者がこのカードを事業主に提出をいたしまして、先ほど御説明いたしました母性健康管理の措置を申請いたします。申請を受けた事業主は、このカードに記入された指導事項に沿って必要な母性健康管理の措置を講じるという形になっているものでございまして、このカードは一種の診断書のようなものでございます。この活用というのが母性健康管理の措置が的確に講じられるために大変重要なものとなっているものでございます。 続きまして、具体的な対策について御説明申し上げたいと思います。 今申し上げました大変重要なものとなっております母性健康管理指導事項連絡カードにつきまして、厚生省とも連携しつつ、各都道府県労働局雇用均等室、市町村母子保健担当窓口等において周知を図っております。また、活用方法に係るマニュアルを作成し、労使、医療機関等に配布しているところでございます。 また、事業主に対する集団説明会を開催するほか、法律や指針に基づいた措置を講じていない事業主等に対して必要な指導を行っております。 また、全国の雇用均等室に産婦人科医等をお願いいたしまして、母性健康管理指導医ということで委嘱をし、相談等への対応をしているところでございます。 また、企業における母性健康管理体制の整備に対する支援もあわせて行っておりまして、事業所内で母性健康管理に携わる方、産業医や看護婦等の方々に対する研修を実施するとともに、事業所内で妊産婦が働きやすい職場環境づくり等を職務とする機会均等推進責任者というものが選出されておりますが、こういう人に対する情報提供を行っているところでございます。 以上が対策でございますが、若干施行状況について御紹介をさせていただきたいと思います。 まず、産前産後休業等に係る状況でございますが、平成九年の八月に調査した結果によりますと、産前産後休業を取得した女性労働者一人当たりの平均休業日数は、産前が三十七・三日、週に直しますと五・三週間、産後が五十八・七日、週に直しますと八・四週間という状況になっております。また、妊娠中の女性で請求をされて軽易な業務に転換された方が一・八%という結果になっております。 また、母性健康管理指導事項連絡カードの活用状況でございますが、十一年の七月から十二月にかけまして、女性労働者、事業所、そして医療機関を対象に行ったアンケート調査の結果でございますが、カードを利用した女性労働者の評価といたしまして、指示内容のとおりの措置を実施してくれたとお答えになった女性が八七・〇%に上っております。また、事業所の方の評価は、女性労働者が措置の申し出をしやすくなったと見る事業所が三五・〇%。事業所としても措置を実施しやすくなったとする事業所が三三・三%という状況になっております。また、医療機関の評価としても、八割強がカードを知っており、六割強の病院・診療所でこのカードを常備されているという状況になっているところでございます。 簡単ではございますが、労働省の対策及び現状は以上のとおりでございます。 労働省といたしましては、これらの政策を着実に推進していくことによりまして、働きながら安心して子供を産むことのできる環境づくりに今後とも取り組んでまいりたいと考えております。
○会長(石井道子君) どうもありがとうございました。 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○仲道俊哉君 自由民主党の仲道でございます。 本日は、関係各省庁に、生涯にわたる女性の健康支援のためのもろもろの施策をお聞きしました。まことに御苦労でございました。 さて、リプロダクトヘルス・ライツ、これは大変舌をかみそうでございますから、この後はちょっと要約させていただきますが、そのうちの産む産まない、女性が決めるという自己決定権の問題は、女性の地位の向上という観点からも非常に重要な論点ですが、一九九六年に改正された優生保護法は、優生思想に基づく規定が削除され、名称が母体保護法と改められたものの、先日の参考人の質疑のとおり、識者が満足する形でのリプロダクトライツを保障するものとはなっていないことが事実であります。 リプロダクトライツの内容は、妊娠や中絶を主なテーマとする産まない自由、人工授精や体外受精を主なテーマとする産む自由、それから男女の別、知能の高い子や病気にかかる可能性の低い子供などの子供の特性を選択する権利などに分かれますが、産む自由と子供の犠牲を選択する権利は、人間の尊厳と生命倫理に反しない限り、生涯にわたる女性の健康支援と同様、最大限に尊重されなければなりません。 しかし、産まない自由のうちの中絶は、受胎する前の避妊とは異なり、胎児という一個の生命体が既に存在しているために、多くの場合罪悪感を伴い、胎児の生命の尊厳の問題、倫理観の問題、また宗教観などが絡んで、一部の識者が主張するような完全な形での中絶の権利や自由を認めることは少なからずためらいを私は感じます。 そこで、産まない権利のうち一番問題の多い中絶を中心に質問をいたしたいと思うんですが、これまで私はこの調査会に所属して、自分なりにはかなり意識改革ができたつもりでもありますし、理解もしてまいりましたが、きょうはこの問題について配偶者として、夫の立場として、また男性の立場として質問をいたしたいというふうに考えます。 第一は、中絶に対する各国の取り扱いについてでありますが、女性のリプロダクティブライツの主張は、結局のところ、堕胎罪を廃止せよ、中絶については夫の同意を必要とする母体保護法を見直せというところに行き着きます。先日、当調査会に招きました芦野由利子さん、金城清子さんですか、両参考人ともそれを主張されておりました。 フィリピンやインドネシアが中絶を全面禁止し、宗教を問わず我が国を初め多くの国々が中絶を原則禁止とし、一定の条件を備えたものだけを合法としているのは、母体の保護もさることながら、胎児の生命の尊厳に最大限の配慮をしているからにほかなりません。 そこで、改めて確認の意味で中絶に対する各国の取り扱いについてお教えをいただきたいというふうに思います。また、特に先進国において中絶について完全な権利と自由とを認め、一切の制約を課さない国がもしあればあわせてお伺いをいたしたいと思います。 以上、厚生省の方にお願いします。
○政務次官(福島豊君) お答えいたします。 人工妊娠中絶に関する取り扱いにつきましては、各国間でさまざまな対応がなされておりまして、国際的にもその対応というものは分かれているというふうに承知をいたしております。 しかしながら、各国とも人工妊娠中絶を行うことができる要件や時期について何らかの制約を設けておりまして、一切の制約がないという国は承知をいたしておりません。
○仲道俊哉君 もう少し詳しく聞きたかったんですが、答弁する資料があれば。何かちょっと簡単過ぎて、各国の状況やその背景なりがわかればお願いしたいんですが。もし答弁ができなければまたお聞きします。
○政務次官(福島豊君) これは九三年の資料でございますが、社団法人家族計画協会の調査の結果でございます。 幾つかの分類がございまして、一つは初期中絶に関してという要件を設けまして、女性の要請のみで行えると。これは世界人口に比べた比率ですと大体四〇%に相当する。その中に含まれる国としましては、カナダ、アメリカ、そしてまた、アジアにまいりますと中国、モンゴル。この初期中絶というのが何週までかということにつきましては、それぞれに違いがございます。 次に、社会医学また社会経済的理由という要件を設けているもの、この中に日本も入るというふうにこの報告では分類をされておりますけれども、具体的な国名を幾つか挙げますと、ヨーロッパですとイギリス、フィンランドといった国が入ります。そしてまた、アジアですと日本、インド、台湾というような国が入ります。この分類は二一%の人口が相当すると。 次に、妊婦の健康そしてまた胎児の異常、強姦、近親姦など、これは社会経済的理由を除外しているという三番目の分類でございますが、こういった国は、ヨーロッパですとドイツ、スペイン等が入ります。そしてまた、アジアですとマレーシア、パキスタン等の国がこの中に挙げられております。 次に、強姦、近親姦または妊婦の生命の危険のみということで、より厳しくなっているわけでございますが、これが五%の人口が相当するということで、ここに所属しておりますのがブラジル、メキシコといった国でございます。 そして最後に、最も厳しい条件としまして妊婦の生命の危険のみという条件を設けているところが一八%でございますけれども、ヨーロッパですとアイルランドといった国が入ります。そしてまた、アジアですとインドネシア、フィリピン等々の国がございます。 アイルランドについて申し上げますと、これは法律上では中絶を全面的に禁止いたしておりますけれども、その解釈に当たりまして、女性の生命を救うための中絶は認めるという法解釈をしているということだそうでございます。 以上申し上げました国は随時選ばせていただきましたので、必要であればまたその資料を先生にお届けさせていただきたいと思います。
○仲道俊哉君 大体各国の事情がわかったんですが、次に、中絶と宗教についてお伺いいたしたいと思うんです。 中絶すなわち堕胎に対する考え方は個々の人間の倫理観や信仰、宗教と無縁ではありません。そこで、世界の主な宗教における中絶に対する考え方がもし資料としてあればひとつお伺いをいたしたいと思うんです。
○政務次官(福島豊君) 世界の宗教におきます人工妊娠中絶への対応ということを取りまとめた資料が手元にはございませんけれども、さまざまな宗教におきまして人工妊娠中絶についての考え方というのは異なっているというふうに認識をいたしております。 具体的に若干申し上げますと、ローマカトリックにおきましては、生命はその起源の最初の瞬間から神聖であるという考え方から、いかなる理由があっても中絶を認めていないと、そのように承っておりますし、そしてまた、イスラム教におきましてはいかがかといいますと、すべての宗派におきまして中絶は禁止されておりますけれども、ただ、宗派によりましては解釈の違いがあって、胎児がその魂を獲得する時期が違うということからいつの時期かということが異なるというようなことがあるようでございます。 以上、若干の事例につきましても含めて御説明をさせていただきました。
○仲道俊哉君 宗教との関係、大変難しい問題があろうと思いますが、中絶を考える場合にも一応各国の状況や宗教がどのように考えておるのかということでちょっと質問をさせていただいたわけです。 第三点目に、産まない権利と胎児の民法上の権利の侵害ということについて質問をいたしたいと思います。 胎児は、民法上、相続、遺贈、それから損害賠償請求の三つについて既に生まれたものとみなされ、権利能力を認められております。先日の両参考人を含む一部識者は堕胎罪を廃止せよ、母体保護法を見直せと主張していますが、堕胎罪を廃止し母体保護法を見直すことによって女性に中絶の自由を認めることは、単に母親の都合と意思のみによってとうとい胎児の生命を不当に奪うおそれがあるばかりでなく、民法が胎児に認めた権利をも踏みにじることにもなりかねません。 母体保護法の所管官庁である厚生省としては、女性の産まない権利の主張が胎児の生命の尊厳を侵し、場合によっては民法が胎児に認める相続権等を著しく侵害する事実のあることについてどのように考えるか、その見解をお伺いいたしたいというふうに思います。
○政務次官(福島豊君) 民法につきましては私どもの所管するところでございませんが、人工妊娠中絶の問題につきましては、先生がるる御指摘いただきましたように、胎児の生命の尊重という立場、そしてまた女性の自己決定の尊重という立場、さまざまな立場がございまして、国民の中でも多様な考え方がある、そのように申し上げることができるかと思います。そしてまた、それは国内だけではございませんで、国際的にもさまざまに対応が分かれていると承知をいたしております。 私どもとしましては、この問題につきましては、このように国民個々の倫理観また道徳観、宗教観とも深く関係している問題であるということから、国民各層においての議論の深まりが重要である、そのように認識をいたしております。
○仲道俊哉君 厚生省としては答弁の苦しいところでありましょうし、なかなか結論的には申しにくいだろうというふうに思いますが、一応どういう考えを持っているかということについてお聞きをいたしたわけでございます。 第四は、配偶者の同意削除論についてでございますが、特にこの点を私は強くここでは申し上げたいんです。 おおよそ子孫を持つということは、男女の性別を問わず、人間というよりあらゆる生物の本能であり、正常な欲求であり、また法によって守らなければならない利益だと考えております。多くの注釈書にも妊娠中絶について、妊婦だけでなく配偶者の同意を必要とする母体保護法の規定は、子孫を持つことは人間の正常な欲求であり、法が、父母が生まれる子に対して共同に持つ利益を保護しようという考え方を含めていると説いております。 すなわち、子を産む産まないには、女性側の権利や利益だけでなく、男性側の権利と利益にも配慮が必要になってくるわけです。確かに産むのは女性ですが、自分の胎児に対する愛情や出生への期待については男女に違いはございません。 ところで、先日の金城参考人などの一部識者は夫の同意の削除を主張し、さきの参考人質疑において金城参考人は、我が同僚委員の問いに対し、夫の同意を削除するというのは、あくまで両方で話し合いをして、どうしても最終的に話し合いがつかないというときは女性の決定を優先させる趣旨と答弁しております。もとより、受胎という事実は女性のみによって起こり得ることではなく、男性側にとっても大きな関心事であるはずです。したがって、夫の同意の削除という主張は、受胎に対する男性の、子孫を持つ喜びや立場を余りにも軽視する意見だとの反論が成り立ち得るわけです。 夫の同意権を削除せよという主張に対する厚生省の見解を、これも大変難しい質問でございますが、厚生省はこれに対してどのように考えるかお伺いいたしたいというように思います。
○政務次官(福島豊君) 先生御指摘いただきましたように、この母体保護法に盛り込まれております人工妊娠中絶にかかわる配偶者の同意の規定について、女性の自己決定権の尊重という観点から削除をすべきであるという意見があることは私どもも承知をいたしております。 しかしながら、先ほどから申し上げておりますように、この人工妊娠中絶に関しましては、御指摘の意見も含めて国民の中にさまざまな意見がございます。個々人の倫理観や、そしてまた宗教観、道徳観、生命観といったものに関連をしていると私どもは考えております。したがって、国民各層における議論の深まりということがこの点については重要であると、そのように認識をしている次第でございます。
○仲道俊哉君 答弁になっているかどうかちょっと。 大変難しい答えだろうと思うんですが、今、いろいろな中絶に対することでなくて、これに対して男性側の、夫の立場としてこれを削除しようということに関して、女性の立場を、妻の立場を尊重しながらも、やはり胎児に対しては両性の、夫婦の責任があるんだというようなことで、削除ということに対して私は実は反論をいたしたいわけです。 例えば、これは一つの例ですが、女性のリプロダクティブライツは無制限に認められるものではなく、他の権利や利益との調和のもとに認められると考えますと、米国の判例です。それ以降、したがって、むしろ夫の同意を削除するのではなく、ただし書きによって、中絶の同意に関し配偶者に対して説得に最大限の努力を払ったのにもかかわらず、配偶者が何ら合理的な理由もなく拒絶する等、社会通念上相当と認められる場合はこの限りにあらずとして、合意不調の場合の例外規定を設けると。こういう例外規定を設ければそれで女性の権利は十分保障されると、そのように私は思うわけですね。一つの私の考え方の案ですが、もし今後厚生省として、そういう考え方が米国の判例にあるんだということで、参考になればということで意見を述べさせていただきました。大変厚生省としては苦しい答弁だと思いますが、失礼しました。 第五番目に、学校教育における正しい性教育のあり方ということについてお聞きをいたしたいと思います。文部省では、学習指導要領により児童生徒の発育段階に応じた性教育を行っていることは先ほどの説明にもございました。 ところで、平成三年から九年にかけての我が国の全妊娠に対する中絶の割合は二二・六%も減少しているのにもかかわらず、十代の中絶数はかえって急増する傾向にあり、未成年者の妊娠や中絶、生命の尊厳に対する認識の未熟さを浮き彫りにしております。 また、エイズを含む性病の低年齢化現象を踏まえ、中高校生を含む未成年者の、親としての自覚と責任に乏しい軽はずみな妊娠や、罪悪感も伴わず女性の身体の健康に配慮しない無軌道な中絶などを減らし、若者の身体をむしばむ性病を撲滅するためにも、今後、中高校の学校教育現場において性教育の時間の大幅な充実が必要だと思うのですが、この点についての文部省の見解をお伺いいたしたいと思います。 また、親になることの意味、責任の重さ、胎児の生命のとうとさ、胎児に認められた権利の尊重、中絶が女性の精神と身体に与える影響、特に場合によっては生殖機能まで奪ってしまうということ、性病はみずからの身体ばかりでなく国も滅ぼすことなどを、医者や保健婦の講話または中絶の体験者の手記などを用いたより実質的な性教育によって徹底的に教え込むべきだと思うのですが、文部省として、今後のこれに対する考えもお伺いをいたしたいと思いますし、またあわせて、性教育には養護教諭の役割が大きいと思うんですが、先ほどの説明の中では、養護教諭は健康教育のところでは示されておりますが、性教育における養護教諭制度のあり方についてもお伺いをいたしたいと思います。
○政務次官(松村龍二君) 仲道先生、教育の現場にも長くおられて、学校教育におきます問題に精通しておられるわけでございますが、近年、未成年者の中絶者が増加しておるという御指摘でございます。 厚生省の母体保護統計によりますと、人工妊娠中絶の実施率は、女子総人口千人に対して平成七年十一人でありましたのが、現在、平成十一年十一人ということで、ほぼ同数でありますけれども、二十歳未満の数は平成七年が六・二人であるのに対しまして、平成十一年一〇・六と、しかも年々ふえてきたということから、今、委員御指摘のような状況があるというふうに思います。 その中におきまして、この生命のとうとさとか、家族の持つ意味とか、また性教育そのもの、直接的な性教育ということに対しまして学校教育が果たさなければならない役割は大きいというふうに思います。 文部省におきましては、平成十年度に告示されました新学習指導要領におきまして、小学校の道徳において生命を大切にする心を持つこと、中学校の家庭科におきまして子供が育つ環境としての親の役割など、家族について考えることを示しております。また、高等学校の保健体育科におきまして受精、妊娠、出産、それに伴う健康問題や人工妊娠中絶の心身への影響などについて指導することといたしておりまして、発達段階に応じた性教育を行うこととしております。また、高等学校の保健体育科におきまして、妊娠中絶が生命尊重の上からも母体に対して心身両面に大きな負担をかける、手術後の対応によっては不妊症などの原因になったり、精神的にも母体にダメージを与えるというようなことも理解させるようにしておるところであります。 さらに、性教育に関する推進地域を指定いたしまして、先ほど御指摘のようないろいろな専門のお医者さんあるいは経験のある方等を講師に招いたり、また、その推進地域の中で実践研究を実施して紹介するということもやっておるところであります。学校におきます性教育の進め方についての教師用参考資料を作成し各学校に配布するなど、性教育のより一層の充実を図っているところであります。これらの施策を通じまして、今後とも学校におきます性教育のより一層の充実を図ってまいりたいと思っております。 なお、養護教諭につきましては、昨今、非常にその価値、存在が注目されているところでありまして、このことについても力を入れておりますが、これにつきましては体育局長から答弁させていただきたいと思います。
○政府参考人(遠藤純一郎君) 学校におけます性教育は、学校教育活動全体を通じまして、養護教諭を含めまして関係教職員が協力しながら取り組むことが重要である、こう考えております。 特に、養護教諭につきましては疾病予防に関する保健指導、救急処置などの職務に加えまして、その専門的な知識や能力を生かしまして体の発育、発達、男女交際など、性に関するさまざまな悩みを抱えて保健室を訪れる児童生徒の相談に応ずるなど、他の教職員と連携を図りながら学校における性教育の実施に関しまして重要な役割を果たしてきていると考えております。 このような養護教諭の役割の重要性にかんがみまして、保健室での活動にとどまらず、授業でもその専門性を生かせますよう平成十年に教育職員免許法の改正等をお願いしまして、三年以上の経験を持つ養護教諭が一般の教員と同様に保健の授業を担当できるようになったところでございます。ただ、まだ始まったばかりで定着がまだまだでございますので、もっとこの制度を活用するよう促してまいりたい、こう思っております。
○仲道俊哉君 性教育は、私は、学校教育のときにやらないとなかなかやる機会がなくて、学校教育の中でも今後かなりウエートを置いて、また本当に実のある性教育を行うべきだというふうに考えております。 先般、たまたまテレビを見ておりましたらアメリカの性教育の実態が出ておりました。スタジオに原宿におる茶髪のああいう子供たちを十人ぐらい集めて、そしてアメリカで使っている性教育の実態のフィルムを見せているのをたまたま私は見ることができたんですが、中絶を医者がしておるのをフィルムに映しているんですね。私も本当に背筋が寒くなったんですが、胎内におる胎児のもうかなり形ができている頭等、それをはさみで本当にぐしゃっとやりまして、そして掻爬しておるんです。 そういう現実のフィルム、アメリカで性教育に使っているそれを茶髪の女の子たちに見せまして、中には私はもう十何回中絶しましたとかいうような十七、八の女の子ですけれども、それを見た後感想を書かせたときに、本当にこんなことになるのかということで、自分の体が悪くなると同時に、やはり胎児に対するところの自分の道徳的な、倫理的なそういう考え方に対しての感想文を、あのフィルムを見て私は絶対こういうことをしませんと、こういう強い意志のレポートを書いている。もう十人が十人全員が感銘を受けたようなフィルムを見ておりました。 ですから、今学校教育で、私自身も現場で保健体育を教えた経験もあるんですが、教師としてなかなか性教育をどうだということは非常に難しゅうございます。しかし、現実のフィルムのこういうことをやることによって、まず私は、今の子供たちの性に対するところのいろいろな道徳的なものとかそういうことは別にして、具体的にそうなったときにどうなるんだという、そういうことをもう少し学校教育の中で教える必要があると思うんです。 実際に今どうなんでしょうか、文部省の方ではそういうことでのフィルムはあるんでしょうか、そういう実態を教えているか。私は今アメリカの例を挙げたんですが、もし日本でそういうことの実態があればお教えをいただきたいと思うんです。
○政府参考人(遠藤純一郎君) フィルムを使って生々しく教えるといったところまではまだ行っていないようでございます。(「やっていますよ」と呼ぶ者あり)
○仲道俊哉君 やっていますよという声がありますので、今後は大いにそれを参考にして、学校教育の中でぜひ取り入れていただきたいというふうに思います。 時間があと四分ありますので、では最後の質問に移ります。 今度は厚生省の方にお願いいたしたいと思うんですが、専業主婦の医療保険制度上の扱いについてでございます。 男女共同参画社会への推進を云々する識者の中には、税制上の妻の扶養控除や社会保障制度としての第三号被保険者制度が一定のライフスタイルに誘導するものと決めつけ、女性を専業主婦として家庭に閉じ込め、女性の社会進出を阻む要因となっていると指摘している識者もおります。私、これはちょっと理解できないんですが、この理屈からいえば、専業主婦の妻を健康保険の上でも扶養者とする現行医療保険制度も同様のおしかりを受けなければなりません。 私は、収入のない扶養者としての妻が保険料を負担しないにもかかわらず保険による医療を保障するものとして、リプロダクティブヘルスの観点からもむしろ女性の健康支援に大いに役立つというように思うんですが、現行医療保険制度における専業主婦の扶養者たる扱いについての厚生省の見解をお聞かせいただきたいというように思います。
○政務次官(福島豊君) 現行の健康保険制度におきましては、適用事業主に使用されている労働者を被保険者とするとともに、その方に扶養されている配偶者や家族についても保険給付の対象といたしております。これによりまして、専業主婦の方でありましてもみずから医療保険料を負担することなく保険給付を受けることができる仕組みとなっているわけでございます。 この制度は、厚生年金保険制度におきまして、基礎年金の給付に必要な費用を厚生年金保険制度が負担することにより、専業主婦自身が年金保険料を負担することなく、将来基礎年金の支給を受けることができる仕組みと同一の仕組みと考えることができます。 なぜこのような制度になっているかといいますと、医療や年金の給付は必要がある方に対してなすと、そしてまた、そのための負担はその能力に応じて求めていくという考え方に成り立つものでございまして、所得のない専業主婦の方もこのような考え方から社会保障の給付を受けられる仕組みとなっているわけでございます。 今後どうするかということでございますけれども、さまざまな御意見が現在もございます。女性の方々も含めて、引き続き国民が安心して生活を送ることができるよう国民的な議論というものを喚起しつつ取り組んでいきたいというふうに考えております。
○岡崎トミ子君 岡崎トミ子でございます。 男女共同参画社会が二十一世紀に向けての最重要課題であると位置づけられまして、つい先ごろの男女共同参画審議会の答申の中では、これまでの私たちのさまざまなところでなかった新しいリプロダクティブヘルス・ライツの概念、この視点が大事だということがここで記されたわけでございます。 このリプロダクティブヘルス・ライツといいますのは、当然、生涯にわたる女性の健康と権利という広い概念でありますけれども、その中心的な課題であります妊娠、出産の調節、すなわちいつ何人子供を産むか産まないか、この選択ができるように自己決定権がいかに大事であるか、その教育が大事だということについてもうたわれてきちんと記されているわけなんです。 それで、行政が一体どんな責任でどんなことをやっていかなければならないのかという中で、まずは厚生省に人工妊娠中絶の実施件数からお教えいただきたいと思います。
○政府参考人(真野章君) 人工妊娠中絶件数でございますが、母体保護統計によりますと、平成十一年には三十四万件弱ということになっております。ちなみに、昭和三十年には年間百二十万件弱でございましたが、総数では三分の一以下ということでございます。また、この間人口の増減がございますので、十五歳以上五十歳未満の女子千人当たりという実施率で見ますと、昭和三十年には五〇・二でございましたが、平成十一年には一一・三ということで約五分の一に減少いたしております。 ただ、先ほども御指摘がございましたが、二十歳未満の人工妊娠中絶につきましては、昭和三十年の一万四千件強、実施率三・四から、平成十一年には四万件弱、実施率一〇・六に増加をいたしております。
○岡崎トミ子君 ただいまの中で、中学生、高校生に関しての調査はございますか。
○政府参考人(真野章君) 申しわけございませんが、二十歳未満ということでございまして、中学生、高校生に特化した調査はございません。
○岡崎トミ子君 そうしますと、今私が手にしておりますこれが「学校における性教育の考え方、進め方」ということで、厚生省にちょっと頭に入れておいていただきたいんですけれども、実はこの二ページのところで、性教育のところなんですけれども、「現状では、暴力行為、自殺、人工妊娠中絶、売買春やその類似行為などのほか様々な偏見、差別問題が生じており、人間の生命や男女の生き方、さらにはエイズによる偏見・差別の払拭などを学習課題とする性教育の意義や役割は一層重要である。」というところで、現状で、性教育の中で暴力行為や自殺と売買春、その間に人工妊娠中絶ということを置いて、これは学校の先生全員に配って学校の先生が教育するということなんですね。 私は大変びっくりいたしまして、これは確かに平成十一年三月三十一日に配られたものですから、今回のこの答申を受けた結果で、新しい概念であるリプロダクティブヘルス・ライツの考え方はもしかしたら取り入れていないのかもしれませんけれども、こうした範疇の中にこれが入っているということに関して厚生省は御存じでしたか。
○政府参考人(真野章君) 厚生省全体がこれを承知していたかどうかというのはちょっとあれですが、少なくとも私は今、先生の御指摘で初めて拝見をいたしました。
○岡崎トミ子君 これを並列に扱っているということに関しては、福島さん、いかがですか。
○政務次官(福島豊君) ただいま私もこの資料、きょう初めて拝見をさせていただきましたが、暴力行為、自殺、人工妊娠中絶、売買春、それと同列の重みのある、そしてまた近年におきまして青少年の世代において増加を見ているということについて、これから政府としても重点を置いて取り組まなければいけないということについても同じような重みを持った課題である、そのように認識をいたしております。
○岡崎トミ子君 並列に扱うということについて、同じ重みだというふうにただいまおっしゃいましたけれども、そういうお考えですか。
○政務次官(福島豊君) それは、人工妊娠中絶を女性のリプロダクティブヘルス・ライツの観点からどうとらえるのかという一つの課題というのがあると思うんです。そういう意味では同列ではないという考え方も私はあると思いますけれども、ただ一方では、未成年の性行動というものが大きく変わってきて、そしてその中で避妊も十分になされないままに、そしてまた当事者にとりましては遊び半分の気持ちの場合もあるのかもしれません。そういう中で妊娠をするということがあって、そしてそれがために人工妊娠中絶をする。それが昭和三十年から平成十年までの間に三倍以上もふえているということですけれども、そういう事態というのは、これは一方では憂慮すべき事態でありますし、そういう世代の方に対してみずからの健康と体というものをどういうふうに考えていくのか、どういうふうに大事にしていくのか、そういうことをしっかりと勉強していただく。そしてまた、教育の側では教えていく必要があるということだろうというふうに私は思います。
○岡崎トミ子君 私は世界的に流れを見ていて、中絶は国際的には合法化されておりまして、例えば三十四万人弱というふうに現在中絶の件数があって、これが女性です、全部。男性が一つの病気にかかって、三十三万人いたとすれば、これはもう社会防衛ではなくて医療の問題としてきちんととらえて、パブリックヘルスという考え方で持っていかないととんでもないことになる。ですから、社会防衛ではなく、合法化の根拠というのはパブリックヘルスの考え方の中にある。それだけたくさんの人たちに影響を与えるものだというふうに思うわけなんです。 いきなり中絶は悪いものだぞ、怖いものだぞというふうなことをもしずっと教育をいたしますと、妊娠をして、そして適切な時期にもしかしたらこれは中絶できるということができないで、望まない妊娠、出産と、そういうことになってしまう。こういうことにならないために今回のリプロは自己決定権、その視点が大事なんだということを今口をそろえておっしゃっていらっしゃるわけなんですけれども、どうもその視点ではきっちりないと。ないものが教育の現場や、あるいはこれから厚生省関係の方々で助産婦さんや保健婦さんや、どういう学びをして、教えて、広めていくのかという根本的なところで大変心配になってしまうわけなんです。 この自己決定権が大変今回のこの中では大事なんだという視点を一つ取り出して考えませんと、モラルの教育ですとか、その点からいきますとちょっと違ってきてしまうんだというふうに思うんですけれども、いかがですか。
○政務次官(福島豊君) 自己決定権というのは大変大切なことだと思います。そして、まずその自己決定をするためにはその決定ができる人格といいますか、そしてまた十分な知識ということも私は必要だと思うんです。ですから、その前提条件となるところ、これは権利がありましてもしっかりと私ども取り組みませんと、十分な権利というものの展開というものは望み得ない、そのように私は思います。
○岡崎トミ子君 それでは、その相談できる体制がどのようになっているのか、専門家に相談できる環境づくり、厚生省、文部省にも伺っていかなければならないと思います。 まず、厚生省の方からお伺いしたいと思いますけれども、どういう体制でいかに行政の責任がここで果たせるのかについて、お教えいただきたいと思います。
○政府参考人(真野章君) 先ほど政務次官の御説明で申し上げましたように、平成八年度から生涯を通じた女性の健康支援事業ということを実施いたしております。 平成十一年度におきましては全国で二十の自治体で実施しておりますが、相談件数そのものは現在集計中でございまして、十年度実績で申し上げますと、約九千件ぐらいの相談がございます。そのうち思春期や妊娠、避妊に関する相談は約五千七百件強という状況になっております。これは主として保健所等で行うものでございます。 またさらに、このほか市町村保健センターにおきまして健全母性育成事業、また保育所などにおきまして乳幼児と触れ合う体験学習の機会などの確保、また医師等が相談に応じます思春期の保健相談事業等を実施しているところでございます。
○岡崎トミ子君 最初の御説明からただいまの御答弁の内容をお伺いいたしましても、例えば子供たちが相談できるところが社会の中で体制として確実にないということは、これははっきりしているなと。 そして、教育の現場、これから文部省にもお伺いしたいと思いますけれども、先ほどのような性教育に関する、そして子供たちが相談所に行って心を開いて自分の悩みを言う、それは学校以外のところにもあるべきだというふうに思いますし、学校の中にももちろん充実させてあるべきだというふうに思いますけれども、ただいまの御説明の中では、まずその相談体制というのは全然伝わってこないという状況です。 専門家の方々の中で知り得るかもしれないけれども、広く国民の中にその相談体制があるということ、そういうことの周知はどのようにしていこうというふうにお考えですか。
○政務次官(福島豊君) ただいまの先生の御指摘は、現在厚生省がやっておるところの事業というのではなかなか相談体制というものが十分機能していないのではないかという御指摘だろうというふうに思います。 近年の未成年における人工妊娠中絶の急激な増加ということを考えますと、私どもとしましてもこうした相談事業というものを強化していかなければならない、その認識は先生と同一でございます。 現在、先ほども若干御説明をいたしましたけれども、二十一世紀に向けた母子保健分野の国民運動計画として健やか親子21の検討を進めておりますが、間もなくこれは取りまとめられる予定になっております。その中で思春期の保健対策の強化と健康教育の推進というものを主要な柱といたしておりまして、その中には先生がおっしゃられるような趣旨の施策というものも十分反映をさせていただきたいと思いますが、その量的拡大、そしてまた質的拡充というものを図っていきたいと考えておりまして、この検討結果を踏まえて具体的な施策として展開をしてまいりたいと思います。
○岡崎トミ子君 厚生省が示された生涯を通じた女性の健康施策に関する研究会の、母子保健課で出されました七ページのところなんですが、「教育施策における対応」です。 ここには、性教育の問題に対して、「学校間や教師間で格差が大きいのが現状である。特に学校における避妊やエイズを含む性感染症についての科学的な知識の普及については、医師・助産婦などの専門的な知識と経験を有する者の活用が十分でない。」ということで、性教育全般に係ることだと思いますけれども、厚生省は必要で専門家を育てて、そしてそれを学校に送りたいというふうに思っていても、なかなか学校の現場でそれを受け取ってもらえない、そういうことをここでは言っている、活用は十分でないと。 学校の受け入れがうまくいっていないという現状を御存じですか、福島政務次官。
○政務次官(福島豊君) 私もつまびらかに承知をいたしておりませんで、後ほど文部政務次官から御説明いただければと思っておりますけれども、さまざまな現場があるんだろうということを踏まえての御指摘ではないかというふうに思います。 そして、先ほど委員からも、同僚議員の方からも御指摘ございましたように、専門家ができるだけ生の知識というものをきちっとお伝えするということは大切なことだ、そのように認識をいたしております。
○岡崎トミ子君 では、そろそろ文部省にお伺いしたいと思うんですけれども、先ほどと繰り返すことになると思いますけれども、先生に配られております「学校における性教育の考え方、進め方」の中での性教育のあり方、暴力行為と自殺と売買春の間にこの人工妊娠中絶を入れて教育をするという考え方に関して、私はこの項目はここに置いておいてはいけないものだというふうに思って、むしろこれを撤回していただきたいなというふうに思っておりますけれども、これを撤回する御意思、それからなぜこういうふうにこの中にあるのか、そのことについてちょっと御説明をいただきたいと思います。
○政務次官(松村龍二君) このリプロダクティブヘルス・ライツの問題で性教育、性の問題を考えるとき、広く考えないといかぬというふうに思います。 性教育も人間尊重、男女平等の精神に基づくものでなければならないということをこのテキストは強調しているところでありまして、私もさきにストーカー法案を通常国会でまとめさせていただきましたけれども、ストーカー行為とかあるいはドメスティック・バイオレンスとか、こういうのも広い意味でこの問題にかかわってくるんじゃないかというふうに思います。 そういうような意味におきまして、人間尊重、男女平等という意味において書いたわけでありまして、この文字だけ読みますと、町で行われているギャングのけんかとリストラで自殺する自殺者と売春と何か並列に思われるのかもわかりませんが、そういう意味ではございませんで、あくまでもこれは人間尊重、男女平等の精神に基づく性教育、その一環として広くジェンダーの問題を人間尊重の観点から取り上げるということでの例示として書いてある、こういうふうに私は理解しております。
○岡崎トミ子君 やはり、この人工妊娠中絶の扱い方を変えるべきではないかと思いますけれども、先生に、そういうただいまの視点での教え方が大事なんだというふうに改める項目ですよね。これはまだこの参画審議会の答申が出される前のことなので、これを受けてきっちり二十一世紀に持っていかなきゃいけないわけですから、この扱い方を変えるべきじゃないでしょうか。ただいまの政務次官の言い方でよろしいかというふうに思いますけれども。
○政務次官(松村龍二君) ただいま申し上げましたとおり、このテキストをつくった意図はそういう意図でありまして、全く問題はないと思いますが、ただ、先生、非常に長い御経験の中からの御指摘でありますので、今後これを改訂するようなときに先生の意見も十二分に取り入れて、同じ行に書くのか、あるいは違う表現になるのか、その辺については前向きに考えてもいいんじゃないかというふうに思っております。
○岡崎トミ子君 そうした考え方があるからなんでしょうか、高校の保健の教科書というので、これは文部省が自信を持って私のところに四枚こういう教育をしているというのでお持ちくださったんですけれども、それは「家族計画」として「幸せな家族づくり」、そこに避妊法があって、人工妊娠中絶の項はサブタイトルがついて「悲しい選択」と、こういうふうなタイトルになっているんです。 究極の、悩んだ上での最終的な一つの選択だと私も思いますけれども、こういう表現で高校の教科書では教えていらっしゃるということからしますと、私たちが思います対等な人間である、男女平等である、そして自己決定権が大事である、そして多様なセクシュアリティーがある、こういう観点からの教育がこの高校の保健教科書の中には全く記されていないんです。ぜひこのことを踏まえていただきたいということを重ねて政務次官にお願いしておきたいと思います。 そこで、先ほど厚生省の方では、文部省の教育現場の性教育のあり方についても、もっともっと専門性を持った人たちで連携をしていきたいという希望を述べられたと思いますけれども、私がこれまで文部省の方とお話をして、あるいはまたこれらの文章を読みましたところで、学校の中ですべての先生や養護教諭がしっかりしていればいいんだと。外部から人を入れるということについては余りお認めになっていなかったものですから、ぜひこれこそは縦割りではなくて厚生省と文部省との連携というのが大事だと思いますけれども、その連携のことに関してはいかがでしょうか。
○政務次官(松村龍二君) 学校におきます性教育の取り組みに際しまして、必要に応じて専門家を講師として講演会を開きましたり、児童生徒の個別相談の窓口として紹介するなど、医師等の専門家を活用することが大切であるというふうに考えております。 現在、性教育を行うに当たって専門家がどの程度活用されているのかにつきましての詳細は把握しておりませんが、性教育の実践研究のため指定を行った性教育推進地域、これは毎年四十地域を指定しておりますが、そこでは専門家の指導のもとにカウンセリングを行っている例もあり、必要に応じて専門家の活用が行われているものと考えておりますし、さらに文部省におきましては、学校におきます性教育の充実のため、専門家の活用が一層進むよう指導してまいりたいと思っております。
○岡崎トミ子君 私、先日、吉祥高校の性教育が大変先進校であるということがこの共生社会調査会でもお話しになられたので、そのことについても文部省の方にお伺いいたしましたところ、いや、それはもう先進校というのはたくさんあって、そういうモデル校があるんだというお話でございましたので、どのぐらい先進校があって、それがどう生かされているのかについて教えていただきたいと思います。
○政務次官(松村龍二君) 私、吉祥高校というのが、山本先生という非常に熱心な先生がおられまして、その先進校であるというふうに聞いております。 具体的に、それでは今、日本の中でどこどこが先進校であるということは承知しておりませんが、先ほど申しましたように、全国四十の推進地域におきまして、複数の学校の教職員が合同で研究会を実施いたしましたり、医学部の教授その他お招きいただいて研究をするなどして、地域が一体的となった取り組みを行っているというふうに承知しております。
○岡崎トミ子君 そうしますと、具体的には校数はわからないから、この学校でということはないわけですね。 本当に私は、先進校の先生がまだまだここで十分でないというところで、学校間でそうした連携をしていくような、そういうことも考えていただきたいなというふうに思ったんですけれども、その点に関して、短くどうぞお願いします。
○政府参考人(遠藤純一郎君) 今、政務次官の方からお答えいたしましたように、推進地域においていろんな取り組みがされておりますけれども、その成果につきましては研修会等を通じまして全国の学校に紹介をし、参考にしてもらっているという実情でございます。
○岡崎トミ子君 そして、その相談コーナーなんですけれども、全国に女性センターがあります。それらを、男性にも相談してもらわなければいけない、男性にとっても悩みがたくさんあるわけですから、男女共同参画センターに変えましたり、インターネットで答えたり、あるいは電話相談であるとか、そういうことの充実も同時に厚生省にはしていっていただきたいなというふうに思っております。 先ほどちょっと聞くのを忘れましたけれども、相談するところはほとんど保健所だということだったんですが、保健所はどのぐらいの相談件数があって、そしてどういう内容で指導しているかについてちょっと確認をしておきたいと思います。
○政府参考人(真野章君) 先ほど申し上げました、生涯を通じた女性の健康支援事業、これが主として保健所を中心にして行っているものでございまして、先ほど申し上げましたが、十年度の実績で約九千件強の相談がございますが、今話題になっております思春期や妊娠、避妊に関する相談件数は五千七百件強という状況でございます。
○岡崎トミ子君 これは確かめておきたいというふうに思いましたのは、この一冊の「学校における性教育の考え方、進め方」、およそ百ページ強あるわけなんですけれども、この中に、リプロダクティブヘルス・ライツの中でセクシュアリティーの問題が大変大事で、性の多様化、多様性という問題を認識してもらうことが大事なんだというふうにこの審議会の方では言っているわけなんですが、この中にはそのことについての教育が全くなかったんですね。 ホモセクシュアル、性同一性障害で悩んでいる子供たちがいるということを御存じでしょうか。
○政務次官(松村龍二君) 最近、テレビ等を見ておりましても、非常に詳しく紹介されるようになりまして、私どももテレビ等を通じて個人的にも承知しておりますし、それからそういうホモセクシュアル、性同一性障害というのがあるということは承知しております。
○岡崎トミ子君 今、日本でどのぐらいかということに関しては御認識はございますか。
○政務次官(松村龍二君) それは把握しておりません。
○岡崎トミ子君 大体、私が調べたのは図書館でありますとかこうしたことで活動していらっしゃる方々なんですけれども、アメリカで調べたのでは一〇%ですとかあるいは五%から一二%でありますとか、あるいは同性愛の立場の方々の調査で二%とかありますので、まちまちではあるんですね。 厚生省のエイズに関する疫学研究班の中で、同性と性交渉を持ったことのある人たちの割合は男性一・五%、これは対面調査でしたので、本当に自分で明らかにしてそうだということがなかなか言えないだろうなというふうに思うんです。 なぜこのことについて申し上げるかというと、性差別の問題では同性愛者のことでしか触れていなかったんですね。思春期を迎えたときに、実は自分が同性愛であるという性的志向を持っていることがわかって、悩んだりいじめられたりすることが非常に多いと。彼らが調査した中での五%というのは、一クラスに一人か二人ぐらいはいるということです。 ことしの二月に、同性愛者の人を中心に、中学生、高校生が一緒になって襲撃をして、殺人事件が起きておりますけれども、同性愛者に対する差別、偏見がいかに蔓延しているかということをここに示しているだろうと思います。 この性教育の中にそうした一項目を立てて、そして教育するべきだというふうに考えます。そのリプロの精神がここに生かされていないんですけれども、いかがでしょうか。
○政務次官(松村龍二君) 私どもは、人間尊重といった観点から、ホモセクシュアルや性同一性障害について差別や偏見を持たないように教育するということが現代の教育において必要であるというふうに思います。 しかし、今、先生がおっしゃいましたように、その実態も非常に、ホモセクシュアルといいましてもいろいろ程度もあると思いますし、プラトニックなホモセクシュアルなのか、身体的なことを伴うホモセクシュアルなのか、いろいろ定義も難しいわけでありまして、そのような意味におきまして、現在時点では個別に指導するということが効果的であるというふうに考えて、それを実施しておる、こういうところでございます。
○岡崎トミ子君 そういう中から差別は解消されないというふうに申し上げたいと思いますけれども。 いずれにいたしましても、きょうは労働省にはお話を伺えませんでしたけれども、文部省、厚生省、そしてもちろん総理府、男女共同参画局と連携をする、縦割りではなく、省庁が一緒になってこれに努めていかなければいけないと思いますけれども、文部省、その点よろしいですね。
○政務次官(松村龍二君) 総理府のもとにおきましてこういうふうな取り組みをしているわけでありますから、当然に協力して行うべきであるというふうに思います。
○岡崎トミ子君 そして、一言厚生省に。 男女共同参画の社会をつくっていくため、そしてこのリプロダクティブヘルス・ライツをより一層積極的に推し進めていくためには、その部局に女性がいて、政策決定の場に女性が多いということが大変大事なことだろうというふうに思っております。そのことが一層このことが推進されていくだろうというふうに思っておりますので、そうしたことに関してもぜひ配慮をしていただきたいというふうに思っております。 質問を終わります。ありがとうございました。
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。 生涯にわたる女性の健康支援や男女等共生社会の構築に関連しまして、関係省庁に質問させていただきたいと思います。 まず最初に、生涯にわたる女性の健康支援に関しまして質問させていただきたいと思います。厚生省の方にお願いします。 日本での子宮がんによる死亡率は昭和三十年代より低下しておりますけれども、乳がんでは昭和四十年代より上昇しているということでありまして、女性の健康問題に関しましてはこの乳がんの早期発見、早期治療が大変重要であると、そのように思っております。 その意味で、マンモグラフィーによる乳がん検診の確立が重要というふうに考えておりますけれども、この点に関しまして厚生省のお考えをお聞きしたいと思います。
○政務次官(福島豊君) 先生御指摘のように、マンモグラフィーによる乳がん検診につきましては、多くの研究結果によりまして五十歳以上の対象者に関して有効性があるという治験が得られております。厚生省も平成十年三月にがん検診の有効性評価に関する研究班の報告書を受けておりますけれども、その中でも、五十歳以上の者に対する早急な導入が求められるという旨の提言がなされております。 これを受けまして、私ども、平成十二年度から保健事業第四次計画におきまして、乳がん検診について、五十歳以上の者に対して視診、触診とマンモグラフィーの併用方式を推進することといたしておりまして、市町村での取り組みが進むように地方財政上の措置を講じているところでございます。 また、健康日本21におきましても、食生活等の生活習慣の改善などの一次予防に加えて、乳がんを初めとするがん検診の受診者についてこれを五割以上増加させることを目標に掲げております。 今後とも、女性の健康を支援するため、より多くの方々に有効性の高い乳がん検診を受診いただけるように取り組んでまいりたいと考えております。
○渡辺孝男君 二番目の質問ですけれども、乳がんの摘出手術後に女性の場合は非常に精神的あるいは肉体的なストレスがかかるわけでありますけれども、これを解消するための対策、今後どのように充実していかれるのか、その点厚生省の方にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(篠崎英夫君) 乳がんの手術後の女性に対する支援策についての御質問でございますが、まずはその手術を受けた当該医療機関におきまして相談をされているという実情だろうと思います。また、医療機関以外におきましては、保健所などにおきまして生涯を通じた女性の健康支援事業というのをやっておりまして、女性にかかわるさまざまな健康問題についての悩みの相談やあるいは情報提供を行っているところであります。 このほか、財団法人日本対ガン協会に委託をいたしまして乳がんを含めたがんの相談事業を実施いたしております。また、乳房切除術を受けた女性が自主的に支援グループを組織して、その体験を生かして乳がん患者の悩みに関する相談事業を実施しているというふうに聞いております。
○渡辺孝男君 三番目の方の質問に入らせていただきたいと思います。次は、子育て支援あるいは母子保健の充実ということで質問させていただきたいと思います。 妊産婦の健診は前半期、後半期、一回は無料になっているわけでございますけれども、この妊産婦健診、それ以上、三回目以降を行った場合に市町村で独自に経済的な支援をしているというところはどれくらいあるのか、その点お聞きしたいと思います。
○政府参考人(真野章君) 現在、妊産婦の健康診査につきましては、平成十年度から一般財源化を行いまして、市町村が地域の状況に応じて実施するということにいたしております。それまで、平成九年までは国庫補助事業でございまして、二回分を国庫補助の対象にするということで、前期一回、後期一回、二回分が無料となるよう国庫補助を行っていたわけでございます。 今申し上げましたように、平成十年から一般財源化を行いましたので、私ども、それぞれの市町村がどういう無料の健診を何回行っているかというのは、申しわけございませんが把握をいたしておりません。ただ、私どもが平成九年まで国庫補助事業として二回は無料となるよう補助をいたしておりましたので、少なくともその回数はそれぞれの市町村で行っていただいているというふうに思っております。
○渡辺孝男君 産婦人科のお医者さんからも、二回で間に合う人もいれば三回以上必要な人もあるということをお聞きしておりますので、その点も市町村の取り組みを把握しまして、何らかの支援を検討していただければというふうに思っております。 もう一つ質問させていただきたいのですが、これ労働省と厚生省に関するものでございます。 乳幼児の健診で、一歳六カ月あるいは三歳児の健診のときに、お母さんが、あるいはお父さんの場合もあると思うのですが、健診に連れていくのが勤務中で大変だというようなお話も聞いているわけでございます。この健診率がどれくらいなのかということをまず最初にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(真野章君) 私ども、一歳半健診と三歳児健診、この二つを国庫補助いたしておるわけでございますが、それぞれ平成十年の実績によりますと、一歳半健診は九〇・七%、三歳児健診は八八・二%というふうに承知をいたしております。
○渡辺孝男君 この場合、一歳児未満ですと育児休業等の支援を受けられるわけですけれども、一歳半あるいは三歳児の健診のときにはやはり休んで行かなければならない。忙しいお父さん、お母さんの場合はどうしても行けなくなってしまう。会社の都合で行けなくなってしまうということも大いにあり得るのではないか、そのように思うわけでございます。 その点で、こういう休暇を企業で認めてもらえればということで、有給休暇のほかに特別な何らかの休業の支援をいただければありがたいなと、そういう声を聞いているのですけれども、その点いかがでしょうか。
○政府参考人(藤井龍子君) 共働き家庭がふえておりますので、先生御指摘のようなお声もかなり強くなってきているところでございます。また一方、事業主さんの方からは、市町村でおやりになることであるので、なるべく休日にやっていただけないかといったような強い要請も来ているというふうな状況でございます。 そういった状況で、これは厚生省さんのあれでございますが、休日健診を実施される場合に助成を行うという休日健診・相談等事業を実施されているというふうに承知しているところでございます。 ただ、先生おっしゃったような御要望も大変強いということでございますので、私ども、そういったものが必要かどうかということにつきましては、今申し上げました厚生省で行われている事業の実施状況等も踏まえまして、慎重に検討させていただきたいと思っております。
○渡辺孝男君 特に厚生省の方でコメントはございませんか。
○政府参考人(真野章君) 先生、今御指摘のようなこともございまして、これは平成十二年度、実は今年度から休日健診・相談ということをお願いしているわけでございまして、それぞれ各自治体でこの趣旨を御理解いただきまして休日に健診をしていただくというようなことをお願いしたいと思っております。 また、先ほど来御説明をいたしております健やか親子21での御議論では、やはり何らかの事情でなかなか健診に行けない、先ほどの数値の逆数の約一割ぐらいの方が健診を受けておられないわけでございますので、そのいわば健診の目から漏れている一割に対する保健婦さんの訪問した形での健診というようなことが工夫できないかというような御議論も出ておりますので、そういう面も我々またこれから検討したいというふうに思っております。
○渡辺孝男君 児童虐待の問題もございますし、そういう健診のときにそういうことがあるかどうかを把握するということも大事になってきているというようなことでございますので、ここはお父さん、お母さんがそういう健診に連れていきやすいような環境を整えていただければと思います。 同じようなことが予防接種の場合にも起こっておりまして、予防接種に連れていきたいんだけれどもなかなか仕事が忙しくて連れていけない、土日やってほしいというようなこともありますし、あるいは平日行く場合に何らかの休みをとるための支援がいただければということがありますが、この点はいかがでしょうか。厚生省、労働省。
○政府参考人(藤井龍子君) 先ほどと同じようなお答えになるかと思いますけれども、有給休暇を利用して実施されているというのが通常のようでございますけれども、やはり職場ぐるみで子育てをしている働く親を支援していくというのは少子化対策の中で大変重要なことでございますので、先生御指摘のことも踏まえまして、そういった職場づくりというのができないかということで努力をさせていただきたいと思っております。
○政府参考人(篠崎英夫君) 先生の御質問のことでございますが、予防接種は御存じのように市町村が行うことになっておりますが、厚生省ではこの予防接種につきましては個別接種での実施をするように今指導しておるところでございます。したがいまして、個別接種では医療機関におきまして土曜日やあるいは夕方等に接種可能なところもあるのではないかというふうに思っております。 今後とも、市町村に対しまして個別接種、そして安全な予防接種ができますように、さらには土曜日等にも予防接種ができるように指導いたしますし、またそういう医療機関があるということを住民に情報提供するなど、そういう対策に努めていきたいと考えております。
○渡辺孝男君 次に、文部省にお聞きしたいと思います。 文部省の中で家庭教育手帳、家庭教育ノートですか、配布されているということで、余りかたい本だと読まないんじゃないかなと思ってちょっと中を見させていただいたらば、漫画とかいろんな読みやすいようにはなっておるわけでございますが、これを配布されまして、その利用状況といいますか、これを活用してよかったというようなそういう声があるのかどうか、どのくらい利用されているのか、その点に関してお話をお聞きしたいと思います。
○政務次官(松村龍二君) ただいま御指摘いただきました家庭教育ノート、家庭教育手帳でございますが、これは平成十年六月の中央教育審議会の答申を踏まえまして、一人一人の父親、母親が家庭を見詰め直し、それぞれの家庭においてしつけのあり方等について考える契機となりますよう作成いたしたものでありまして、平成十一年四月から乳幼児や小中学生を持つすべての親に配布しているところでございます。 利用状況でありますけれども、御指摘いただきましたように、漫画等も入って工夫はしておりますが、例えば夜泣きするけれどもどうしたらいいと、こういうのは健康に関する本ですと本当にぱっと読むと思うんですが、教育の話になるとなかなか活用しにくいという部分はございます。これをテキストとして、公民館を初めとする地域の家庭教育学級とかPTAの指導者研修会とか、職場におきます家庭教育出前講座とか、保健所職員、民生・児童委員の研修等においても積極的に活用していただいているところであります。 今後とも、活字を大きくするとか、やっぱりこういうものは読んでほしい人は読まないし、読んでいただける方は読んでいただかなくても大丈夫な方だというようなことが一般的に言えるかと思いますが、この活用状況の把握に今後ともしっかり努めまして、一層の充実を図りたいと思います。
○渡辺孝男君 これを見させていただいて、性教育に関しては余りこれに入っておらない、援助交際のことはちょっと書かれておったようですけれども。これからは父子家庭、母子家庭というのも当然あるので、両性が違う場合はなかなかわからないこともあると思いますので、そういう点も少し加えていただければなと、これは要望でございます。 もう一つ文部省にお聞きしたいんですけれども、児童生徒の発育、発達の早期化等に対応するために、学校の教育もさらに低年齢にもそういう教育をしていくということでありますけれども、それに見合うだけの教育側のスタッフ、例えば保健婦さんとか、あるいは先ほども話にありました養護教諭の方とかスクールカウンセリングの方とか、そういう面の充実というのは伴って行われているのかどうか、その点を確認したいと思います。
○政務次官(松村龍二君) ただいま御指摘いただきましたように、養護教諭あるいはスクールカウンセリング、これが非常に重要であるということにかんがみまして、年々予算化いたしまして充実いたしておるところでございます。
○渡辺孝男君 そういう方々もこの新しいリプロダクティブヘルス・アンド・ライツに関しまして十分な教育ができるように、またそういう子供さんに合ったお話とかできるように充実させていただければと思います。 ありがとうございました。
○八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。 「リプロダクティブ・ヘルスは、個人、特に女性の健康の自己決定権を保障する考え方。健康とは、疾病や病弱でないことではなく、身体的、精神的、及び社会的に良好な状況にあることを意味する。リプロダクティブ・ライツは、それをすべての人々の基本的人権として位置付ける理念である。」と。二十一世紀の最重要課題とされましたこの答申とか、あるいは先ほど来各省から御説明をいただいたわけでありますけれども、このような国際的な提唱に対して国における取り組みも、総理府が出されております資料を見ましても、これまでの母性保護対策が中心であった施策を生涯を通じた女性の健康支援というとらえ方をしているんだというふうに理解をしました。 そこで、労働省に伺いたいんですけれども、先ほどの御説明や資料を見ますと、旧来型の母性保護の施策にやや限定されているのではないか。子供を産む産まないにかかわらず、すべての働く女性の生涯にわたる健康という観点が大事だというふうに思われますが、藤井局長、いかがでしょうか。
○政府参考人(藤井龍子君) 先生御指摘のとおり、現在労働基準法等で規定してございますのは妊産婦についての就業制限等ということでございますので、まさにいわゆる母性保護というところかと存じますが、私どもといたしましても、女性の生涯にわたる健康支援対策というのは今回の男女共同参画審議会の答申等も踏まえて取り組んでいかなければならない課題と考えているところでございます。
○八田ひろ子君 先ほどの資料にもありましたけれども、女性特有の諸問題に対応するためにというような御説明もありましたが、そういった状況に、今局長、これからともおっしゃったんですけれども、現状を改善していただきたい点が幾つかあるんではないかというふうに思います。 これは最近の新聞に載ったんですが、「会社の健康管理 診断」「女性の病気に気配り不足」ということでありますが、この記事では、会社の健診で女性が何も問題はなかったわけなんですけれども、たまたまお母さんが卵巣がんで亡くなったことを契機に個人的に婦人科の検診をしましたら子宮筋腫が見つかったということで、会社の健診はこうした婦人科系の病気に対してはノーマークに近いことがあるんではないか。男性にありがちな糖尿病などの生活習慣病は発見できても、婦人科系の病気は見つけにくい現状がある。お医者様の話ですが、女性にとっても生活習慣病の検診は重要だが、体の不調はまず子宮、卵巣など婦人科系器官で起こりやすい。これは東京大学の医学部附属病院分院産婦人科医の木戸さんなんですけれども。 こういうような問題で、今の半日ドックなどでも婦人科の検診は任意で別途料金がかかりますということを聞いておりますが、女性特有のこういう検診もきっちりと位置づけて、厚生省の研究会では、女性の月経に関する理解を深める必要があるとか、気軽に相談できる体制を整える、こういうことを出されておりますけれども、労働省の施策でもそういったものをきっちりと受けとめていただきたい。 最近の企業の調査でも、ここでは四六%が月経を非常に重いと答えて、その同数ほどがそのために休んだり、遅刻、早退をせざるを得ないというふうに答えておるわけですけれども、そういったものを健診に加えるとか、あるいは受けやすいような条件整備、環境整備というのはお考えではないでしょうか。
○政府参考人(下田智久君) 労働安全衛生法に基づきます健康診断を実施しておるわけでございますが、この考え方といたしましては、業務に関連する健康障害の防止を図るという観点からその実施を行っておりますし、またその項目も定めているところでございます。 今お尋ねの婦人科疾患につきましては、一般的に業務との関連性が明らかでないということがございまして、事業者に対し婦人科検診の実施を労働安全衛生法に基づいて義務づけるということは適当ではないのではないかというふうに考えているわけでございます。 なお、健康保険組合等が勤労者福祉の観点から労使合意のもとで実施しているケースは承知をいたしております。
○八田ひろ子君 そういう御答弁だから、私は大変不十分で認識不足だというふうに申し上げなければいけないことを残念に思います。 今勤労者の四割は女性になっておりまして、ここに指摘されているように男性が中心の健診になっているんではないかと。今論議されておりますリプロダクティブヘルス・ライツという、ライツだけじゃなくヘルスの問題でもこれはやっぱり非常に大きな問題ですし、二〇〇〇年プランでも、先ほど私が読みましたように、女性はその身体に妊娠や出産のための仕組みが加わっているため、ライフサイクルを通じて男性とは異なる健康上の問題に直面するから留意しなければいけない。こういうことを当然具体的な施策で取り入れていただきたいというふうに思います。 次に、総理府に伺いますけれども、女性の生涯にわたる健康、二〇〇〇年プランの中にもありますように、女性の人権の重要な一つだという認識になってきておりますが、私などは、きょう働く女性の問題でいろいろと伺いたいと思いますが、深夜労働とこのリプロダクティブヘルス・ライツ、これが生涯にわたる女性の健康を守るという点で相反する点はたくさんあるんですけれども、整合性がないということも思うんです。中原次官、いかがでしょう。
○政務次官(中原爽君) 今お尋ねの深夜業と女性の生涯にわたります健康との関係についてリプロダクティブヘルス・ライツの趣旨と整合していないのではないかという御指摘、御質問であろうかというふうに思いますし、先生のお立場は、深夜業について、特に女性の深夜業についてはできるだけ規制をすべきだという御趣旨のお尋ねだというふうに思います。 男女共同参画社会基本法は、男女が社会の対等な構成員としてあらゆる分野における活動に参画する機会が保障されている、確保されるということを目指すものであります。その視点から、女性のみの深夜業の制限というのは法律の面から言えば適切ではないというふうに考えているわけであります。 一方、深夜業が御指摘のように健康に与える、特に女性の健康に与える影響については問題があるわけでありますし、男女を問わず、深夜業に対する配慮というのは必要であります。また、リプロダクティブヘルス・ライツの視点からは、女性の生涯を通じた健康に関する適切な配慮というのは必要であるということももちろん考えられることであります。 今申し上げたようなことを踏まえまして、基本的な考え方としては、女性に対しても深夜業に従事するということを認めるとともに、男女を問わず、深夜業に従事する者に対して、深夜業ということについての必要な配慮を行うということ、さらに、特に女性に対しては妊娠、出産等女性に特有の事情に個別の配慮を十分行うということが適切ではないかという立場からお答えを申し上げておきたいというふうに思います。
○八田ひろ子君 私もそのように思います。 そういう中で、日本では九九年四月から女子保護規定の撤廃があって、女性も深夜業ということになったわけですが、ここにその撤廃後の女性ユニオン東京などが主催する働く女性のホットラインに寄せられた声があります。 四月以降解禁だからと十一時、十二時まで残業で体を壊された、こういうのがたくさん寄せられているとか、あるいは以前から深夜業の除外業種だったシステムエンジニアの三十代の方は、午前の帰宅や休日出勤が恒常化して生理痛がひどくなった、こういう状態では働き続けることができないのではないかと悩んでいる、こういう声がありました。また、トヨタ自動車など生産ラインへの女性採用というのがマスコミでも取り上げられていますが、深夜にわたる交代制勤務の現場で若い女性が健康を保って働き続けられるのかどうか、こういう心配がされています。現に、深夜勤務が以前からあります看護婦さんの調査では、異常出産多発の調査もございます。 連合では改正均等法施行に関する調査というのが行われて、それでは、女性労働者の労働時間に関して、変わらないないしはふえる、これが多数だったそうで、時間外労働もふえる、休日出勤もふえる、深夜労働でもふえる、変形労働時間の中で労働時間がふえる。特に民間の規模が大きいところほど労働時間がふえるの比率が高まっているという点で共通しているという結果が出ております。 これは労働組合の調査でございますけれども、こういった長時間労働そのものが広がっているところにも歯どめが必要だとは思いますが、リプロダクティブヘルス・ライツの保障がこういう中で本当にされるのかどうか。リプロの趣旨からすれば妊娠・出産時は無論でございまして、今度の均等法でもそのときの健康保持の義務づけだとか規制はあるんですけれども、妊娠・出産時以外でもやはり女性特有の諸問題に対応するために必要な面があるんではないか。 また、労働時間の規制の強化や、先ほど政務次官にお答えいただいたんですけれども、深夜労働時間の規制というのが特に私は必要だと思うんですけれども、そういう面では、藤井局長、どうお考えですか。
○政府参考人(藤井龍子君) 今御質問いただきました問題は、男女雇用機会均等法を制定させていただくずっと前から、昭和五十三年ごろから大変大きな議論が行われてきたものでございます。特に、平成九年の男女雇用機会均等法の改正及び労働基準法の改正、そこで女性にかかっておりました深夜業の制限の措置というのを解消していただいたわけでございますが、そこで大変大きな御議論をしていただいたものであったと承知しているところでございます。 その改正の際、母性に関係する専門家の方々の会議というものを設けさせていただきまして、産婦人科関係のトップレベルの専門家の方々でいろいろ御検討いただいた、労働の現場も踏まえまして御議論いただいたわけでございますが、そこの結論をかいつまんで申し上げますと、時間外労働、休日労働、深夜労働については、妊産婦以外の女性の妊娠、出産機能に影響があるという医学的知見は見当たらないという結論をいただいたわけでございます。これが平成八年十月の専門家会議の結論でございます。 ただ、深夜勤務というのは男女を問わず一般にストレスや疲労をもたらし、健康面で影響があるという指摘があるということでございますので、それに必要な男女共通の措置というものを指針等でお示しし、指導をさせていただいているという状況でございます。
○八田ひろ子君 施行前の論議は私も承知をしておりますが、施行後の実態の調査とかあるいは声を今お示ししたわけであります。 生涯にわたる健康という視点から見れば、異常出産があるということは先ほどお示ししたとおりであります。また、今お答えになったように、男性にとっても女性にとっても長時間労働や深夜あるいは交代勤務というのは健康には影響が大きい、慢性疲労だというのは実際言われているわけで、学会でも夜勤や交代制勤務では消化性潰瘍が代表的な疾患だと言われて、呼吸器や運動器疾患、そして一般の疾病の罹患率への影響が認められているというふうにされております。 例えば、九五年にレビューが行われた中でも、交代制勤務は心血管系の疾患や死亡率に相当な影響を与える、また交代制勤務についていない人に比べて交代制勤務の心血管系の発症率は二〇%増加するというふうに指摘されて、ずっとこの問題は論議されております。八〇年代前半から九〇年代後半、最近という意味ですが、内外の研究の中で、深夜や交代勤務と疾病、とりわけ循環器系の疾患の関連性は明らかで、それに加えて女性特有の問題があるというのが今、日本では大きな問題だというふうに思うんですね。 せんだって私は、十三時間、十一時間を連続している企業の例を挙げて、労災も多いし過労死もあるという問題を追及したんです。今、男女の残業時間の規制と言われましたけれども、今のでは余りにも緩過ぎる、せめて残業時間を百二十時間に規制すべきですし、健康の保障という基本的な人権を保障する面でも深夜労働の規制というのはお考えいただきたいと思うんです。 次に、時間も少々になりましたので、中小零細企業の事業主、あるいは家族として働く女性の健康についてお伺いをしたいと思います。 これは男女共同参画基本法の審査のときに、当時の野中官房長官が、業者婦人の問題というのはまことに深刻な問題という認識を示して、基本法の成立の経過からかんがみて、私どもとしても関係省庁とよく協議をしてまいりたい、こういうことを言われておりますけれども、休みがとれない、出産とかそういうものに当たっての休業が何らかの形で援助できないかという、そういう論議だったんですが、これは厚生省それから総理府の方ではいかがなっているんでしょうか。
○政府参考人(大西珠枝君) いわゆる業者婦人に関します国民健康保険の出産手当や傷病手当の法定給付等についてその際御議論があったかと思いますが、そういったことについて関係省庁からいろいろ伺ってみますと、その制度の趣旨や内容などから見ましてなかなか難しい点があるというようなことでございます。 ただ、この業者婦人の問題につきましては、先般の男女共同参画審議会でも十分御議論が行われまして、本年九月二十六日の答申においては、その中で、「女性が家族従業者として果たしている役割の重要性が正当に評価されるようにするためには、自営業における経営と家計の分離が重要であり、関係者の理解が得られるよう努力することが必要である。」というようなことが示されているところでもございます。 総理府におきましては、この答申を踏まえて、また関係省庁と連携を図りながら、そういった取り組めるところから取り組んでいくようにしたいと思っておりますし、また幅広く関係省庁と御相談してまいりたいというふうに考えております。
○政府参考人(辻哲夫君) 厚生省サイドでの検討状況を御報告申し上げます。 自営業に従事されている女性、医療保険におきましては基本的には国民健康保険に加入されているということでございますけれども、議員御指摘の出産手当金につきましては、被用者保険では出産による休業期間中の賃金の喪失を補うという観点から法定給付として設けられておりますけれども、国民健康保険につきましては、さまざまな業態のもので構成されていること、あるいは加入者の半数近くを占めている無職者についてはそもそも休業による所得喪失といった事態が生じないといったような特性がありますので、法定給付とは位置づけられていないというところでございます。 ただし、国保の保険者である市町村がその独自の判断で条例を定めることによりまして、当該市町村の財政責任のもとで出産手当金等の保険給付を行うことは可能でございますけれども、全国的に公平になされるべき国からの財政支援の対象にはなじまないものと考えております。そこで、何とか出産手当金に結びつけられないかという観点からは、いわゆる業者婦人、自営業者の関連の御婦人に報酬を支払うという形態をとっていただきまして被用者保険に適用するというのが筋ではないかと考えます。 そのような観点からは、現在五人未満の個人事業所の被用者保険というものにつきましては、事業所ごとに任意に加入できる任意包括適用制度がございます。したがって、これにより対応していくことが適当であるというふうに考えております。
○八田ひろ子君 最後に一言。 この九九年のときと比べても依然現状では改善されていないわけですよね。産前産後の休暇もとらずに、お産をしてすぐに仕事をするという悲惨な状況に対して、また健康状態をこういう状態で放置していくということは問題ではないか、何らかの援助の方法はないかという問いに対し、官房長官も何らかの形をしたいというふうに言っているので、これは政治的な問題ですが、きょう政務次官もお二人おいでになりますので、ぜひもう一度健康の問題でもしっかりと御協議いただいて、また業者婦人の労働と健康の実態調査というのを基本計画の中に盛り込まれるようでありますが、しっかりとやっていただきたいことを御要望して終わります。
○三重野栄子君 社民党の三重野栄子でございます。 私は、いろいろとそれぞれの議員がおっしゃいましたのですけれども、男女共同参画基本計画が策定されていくわけですが、文部省なり厚生省なり労働省なり、それぞれの省庁で積極的におやりになっているその具体的な問題をどこかで統一してと言ったらおかしいんですけれども、集約して見れる本でも何でもいいでしょうし、資料でもいいんですけれども、あるいは指導にしましても、そんなことができないかということで、最後に総理府がいいんじゃないかと思うんですけれども、そういう方向についてお伺いをしたいと思っているんですが──そうか、私、総理府には御相談していなかったから来ていないですね。 「生涯にわたる女性の健康支援に関する取組」をきょういただきましたのですが、このプランに沿った施策を総合的に推進しているところであるということで、具体的にはどういうことになっているかということも総理府に伺いたいと思っておりましたけれども、私がお願いしていないからだめですね。突如として出てきていただくわけにはいかないでしょうか、後で結構ですが。 それでは、文部省の方にまず伺いたいと思います。いろいろ資料をいただきましたけれども、もう少し具体的にお伺いできたらと思います。 先ほども御質問ございましたけれども、きょういただきました資料の中の一ページですが、学校における性教育の充実の問題につきまして、学習指導要領の改訂もございましてこれは指導することとしたということになっておりますが、次に、教師用参考資料を平成十一年五月に全国の学校等に配布と。もう全部の学校にお配りになったんでしょうか。 と申しますのは、私は福岡県の出身ですが、全国的にも知りませんけれども、福岡県的にもよくわかりませんので、そういうことを伺いながら、もう少しこういう活動を具体的に広められればということで少し細かく伺いたいと思います。
○政務次官(松村龍二君) 今御指摘の「学校における性教育の考え方、進め方」ですね、これは全国の学校に配らせていただいたわけであります。したがいまして、各校一部お届けした、しかし全校にお届けしてある、こういうことです。
○三重野栄子君 各校一部ということは、どこにあるかわかりませんね。それを増刷いただくということはあるんですか、例えば、お金を払えばとか、そういう点がどうかということが一つ。 あと、ついでの話で悪いんですが、エイズ教育の問題は、研修会を開催とか各種研修会を実施とかいうのがございますけれども、これはどのような形で実施する計画をなさっているんでしょうか、伺いたいと思います。
○政務次官(松村龍二君) これは、無料でお届けしたのは一部なんですが、実費で頒布しておりまして、多くの先生がお持ちいただいているというふうに承知しております。
○三重野栄子君 あと、研修会とかはどのような方法で実施するように、そして現在どれぐらい実施されたかということはいかがでしょうか。すぐなければ後で資料をいただいても結構です。
○政務次官(松村龍二君) 先ほど御報告申しました中でお話し申し上げたんですが、全国四十の地域を指定いたしまして、それぞれの県内で、例えば私は福井県でございますが、福井県の大野高校とか、それぞれ地域別に学校を指定して研修をしていただいておると。そのためには、その地域で、大学の医学部の教授あるいは保健所長、そういう方とグループをつくって、PTAの方とかそういうのも参加されまして研修をしておる、こういうふうに承知しております。
○三重野栄子君 その四十数校はどういうふうにして選ばれたか。積極的にやる人があって、はいと手を挙げたらやっていくんですか、そのやり方を伺いたいです。
○政務次官(松村龍二君) 県から名乗りを上げていただいて、特に取り組む意志が強い学校を指定して、三年間研究していただきまして、それからまた変えると、こういうふうにやっております。
○三重野栄子君 では、県の教育委員会から各学校にお問い合わせがあって、やりたいと手を挙げたら三年間そこでやれるという意味でしょうか。
○政務次官(松村龍二君) そのとおりでございます。
○三重野栄子君 どうもありがとうございました。 それでは、学校のことばかり伺っていると時間がなくなりますから、厚生省の方にお伺いさせていただきたいと思います。 資料をこんなにいただいたんですけれども、資料一とか二とかあるんですが、これは皆さんにはどういうふうに配布をされているんでしょうか。きょうこのためにいただいたのか。こういう非常に役に立つ資料はどういうところに配布をされているかということを伺いたいと思います。
○政務次官(福島豊君) 具体的には、この資料の中で、健康日本21、これにつきましてはよりわかりやすい啓蒙用のパンフレットをつくりまして、これはさまざまな関係団体等を通じまして、国民運動として盛り上げるために、必要に応じて配布をさせていただいております。
○三重野栄子君 そうしますと、市役所だとか行きますとばっといっぱい折り物が置いてあるんですけれども、そういうところに差してあるんでしょうか、そういう資料です。
○政務次官(福島豊君) 自治体に関してその状況というのはつまびらかに把握しておりませんけれども、保健所等を介しましてこういう資料を配布させていただきたいと考えております。
○三重野栄子君 それから、資料の三あるいは四、いろいろありますが、その中には予算がついておりますけれども、これはどういう形で実施をされているんでしょうか。
○政務次官(福島豊君) この資料三、そしてまた四で記載されております予算につきましては、まず資料三における予算は十三年度の概算要求の額でございます。そして資料四の額につきましては、これは十二年度の予算額と、そして十三年度の予算要求の額を並べて書かせていただいております。 それ以外の資料につきましても、資料八のところでございますか、これも十三年度の要求額でございます。
○三重野栄子君 それで、これは実施主体はどういうふうに決められたか。
○政務次官(福島豊君) 順次御説明をいたしますと、まず資料三からまいりますと、生涯を通じた女性の健康支援事業費ということでございますが、これは、十三年度の予算要求額は一億三千七百四十九万三千円でございますけれども、実施主体は都道府県、指定都市、中核市でございます。 そして、続きまして資料の四でございますけれども、母子保健要員研修等事業費につきましては、これは十三年度の予算要求額は五千四百六十四万六千円でございますけれども、これの補助先は恩賜財団母子愛育会でございまして、ここでの事業の補助ということでございます。 そして、引き続きまして資料の六でございますけれども、周産期医療ネットワークの整備ということでございます。これにつきましては十三年度の要求額が二千十九万三千円ということになっておりますが、実施主体は都道府県ということでございます。 資料の七でございますけれども、母子保健医療施設・設備整備事業でございますけれども、これが十三年度の要求額が十八億九千万円でございます。これは都道府県、市町村、そしてまた厚生大臣の認めるもの、これは特定の医療機関ということになりますけれども、そこに対しての補助ということでございます。 資料八でございますが、健全母性育成事業につきましては、これは十三年度の要求額が三億八千七百三万七千円でございます。実施主体は市町村でございます。
○三重野栄子君 実施主体はわかるんですけれども、こういうものがありますということで、あなたの市町村はいかがですかという指示が出るんですか。それは各市町村に全部出るんでしょうか。
○政務次官(福島豊君) こうした施策の存在につきましては、都道府県の主管課長会議というものを全国規模で催させていただきまして、厚生省としまして母子保健の領域についてこうした事業があると。そして、都道府県を介しまして具体的に市町村に対して、それを実施するかどうかということについての希望を取りまとめさせていただく、そういう運びになると思います。
○三重野栄子君 そうしますと、積極的に市町村あるいは県がやるところはいいんだけれども、おくれていくところはどんどんおくれていくわけですよね。だから、それはやっぱり厚生省としては、この地域はぜひ早くやった方がいいとか、これはどうしなさいというようなことはないんでしょうか。いわゆる指導というのはないんでしょうか。
○政務次官(福島豊君) これにつきましては地方分権とも関係をするわけでございますけれども、母子保健の事業につきましては地方分権の趣旨にのっとりまして、その実施主体というのは市町村が中心になるという形になっております。 そして、今申し上げましたのは、全国的に新たな事業として推進をしていただきたいという観点から厚生省として提案をさせていただいている事業でございまして、先生もよく御存じのことかと思いますけれども、母子保健事業というのは、一歳半健診にしましても三歳児健診にしましても、それ以外に膨大な施策の体系がございまして、これは市町村において自治事務として既に定着をしているところでございます。 こうした既に定着をしている母子保健事業に加えて、新たに、状況の変化、時代の変化に応じてこういう施策をという観点から厚生省としては新たな事業を提案させていただいて、それぞれの市町村の御判断でやってみようというところはそれに応じてやっていただくという関係になっていると思います。
○三重野栄子君 それでは、労働省の方にお伺いいたします。 カードができているかとびっくりしました、こういうのがあるということで。そこで、ここの表で、三ページにカードを利用した女性労働者の評価というのが出ておりますけれども、カードを利用した場合、指示内容云々ということで八七%だとか、無回答は一三%とか、次は七一・七%とかいろいろあるんですけれども、これはどういう事業所の統計でしょうか。
○政府参考人(藤井龍子君) この対象になりましたのは、私ども全国に雇用均等室というのを置いてございまして、そちらの方で把握できる事業所を対象にさせていただいたものでございます。
○三重野栄子君 そうすると、それは後でお伺いすれば何県のどこの事業所ということになるんでしょうか。大企業とか中小企業とか、そういう企業別にはいかがでしょうか。
○政府参考人(藤井龍子君) 事業所が全国で千五百ほどでございまして、回答いただいたのはそのうちの五百六十ぐらいでございますが、これを全部まとめて集計してございますので、規模別はちょっと、あるいは地方別は出てこない状況でございます。
○三重野栄子君 こういうのを見せていただきますと、非常に各企業の中で女性が生き生きと働けるような条件に見えるわけです。最近聞いた話ですけれども、女子大を卒業した女性がいっぱい採用試験を受けに行ったんです。その中で、あなたは結婚をしても働きますかという質問があるんですね。私たちは、もう今の時代では、結婚をして働こうと子供ができて働こうと、そういうのはもう全く当たり前のこととして経営者は考えるべきだと思うんですけれども、そういう会社があった。一つの例ですけれども、その他もあるかもわかりません。 そういう問題を考えますと、事業主に対してこういう問題をぜひ御指導いただきたい。御指導と言うとあれですが、こういうことになっているんだということの、やっぱり指導と思いますけれども。私はいつも、企業の問題、これはどこに言えばいいんでしょうかといっても、労働省といったら労働者のことばかりで、経営者のことは出てこないんですよね。だから、そこらあたりの御指導は一体どうなっているかということを伺いたいと思います。
○政府参考人(藤井龍子君) 先ほど、この資料の二ページのところで対策として御説明申し上げました中にも入ってございますが、全国の雇用均等室で事業主に対する集団説明会というのを実施してございまして、こういう場を通じまして事業主等に対しまして、労働基準法、男女雇用機会均等法に定める母性保護等の規定の周知徹底を図っているという状況でございます。 なお、リーフレット、パンフレット等も相当印刷して、こういう集団説明会を通じて以外で、例えば市町村の保健所等を通じましてもお願いをしているという状況でございます。 ちょっと時間をいただきまして御説明申し上げますと、例えば、先ほどお褒めいただきました母性健康管理指導事項連絡カードでございますが、これは平成十年の四月一日から均等法が強化されて義務化されたと申し上げました。その平成十年度は百三十万部印刷をして全国に配布をしてございます。また、事業主向けのリーフレットは四十八万部、それから女性労働者向けも十五万部と、その翌年、翌々年もずっとそういった大量の印刷をして配布をし、事業主及び労働者に対する法律等の周知徹底に努めているという状況でございます。
○三重野栄子君 質疑が終わったんですけれども、先ほど総理府にお願いしようと思ったら、ちょっと回答してあげるよと連絡いただいたので、一言お願いしていいでしょうか。済みません。よろしくお願いします。
○会長(石井道子君) 時間が来ておりますけれども、先ほどの御質問に対しまして、中原総理府政務次官、お願いいたします。
○政務次官(中原爽君) 御指摘のところでございますが、総理府として最初に申し上げたのは、総まとめの総括的なことの御説明を申し上げたわけであります。 各省にまたがっております生涯を通じた女性の健康支援に関します施策ということにつきましては、男女共同参画二〇〇〇年プランに基づきまして総理府で取りまとめをいたしました。その実施状況につきましては、男女共同参画基本法に基づきまして、本年の五月に法定の白書という形で取りまとめて公表をいたしております。きょうはその白書を持参いたしませんでしたけれども、先ほど御質疑がありました教育と性にかかわりますいろいろな問題についても、項目的に内容として取り上げてございます。
○三重野栄子君 どうもありがとうございました。失礼しました。
○堂本暁子君 まず、厚生政務次官に伺いたいと思いますが、きょう議題になっておりますリプロダクティブヘルス・ライツは、一九九四年にカイロで開かれた国際人口・開発会議で提唱され、そして国際的合意を見ました。以来、厚生省が一番関係が深いわけなんですけれども、正面から、しかも正確にリプロダクティブヘルス・ライツの概念をとらえて政策化しようとしてきていないという印象を私は受けています。 この六年の間に、九四年から二〇〇〇年までの間ですが、リプロダクティブヘルス・ライツの国際的な理解も大変深まりましたし、それから充実もしてきました。それに対しても厚生行政は対応してきていないというふうに私は理解しています。 現時点で、福島次官、簡単で結構なんですけれども、リプロダクティブヘルス・ライツをどのような概念だというふうにおとらえになっているか、個人的な見解でも結構ですので伺いたい。
○政務次官(福島豊君) そのまま文章を読むと堂本先生から怒られそうですが、きちっと言葉はしておかなきゃいかぬと思いますので。 「すべてのカップルと個人が自分たちの子供の数、出産間隔、ならびに出産する時を責任をもって自由に決定でき、そのための情報と手段を得ることができるという基本的権利、ならびに最高水準の性に関する健康およびリプロダクティブ・ヘルスを得る権利を認めることにより成立している。」権利であるというように規定されているわけでございまして、簡単に言いますと、女性が自分の判断で、何人産むのか、いつ産むのかということについて決定する権利を持っておる、そしてまた女性がリプロダクションということに関して最高の健康というものを享受する権利を持っておるということだと理解をいたしております。
○堂本暁子君 百点でないまでも、大変よくおわかりになってくださっていて結構かなと思います。 ただ、最後に次官がおまとめになった部分、ですから、女性が決める権利というところだけに特化されがちだと思うんですね。であるがゆえに、むしろそこから先の部分に厚生省が進んでいないというところが最大の問題だと思っています。 この行動の基礎という、これはカイロ文書の方ですが、どういうところが今のおまとめだと抜けてしまうかといいますと、「女性が安全に妊娠・出産でき、またカップルが健康な子どもを持てる最善の機会を与えるよう適切なヘルスケア・サービスを利用できる権利が含まれる。」と。先ほどもパブリックサービスとかパブリックヘルスという言葉が出ましたけれども、そういったところになかなかいかない。それから、「リプロダクティブ・ヘルスは、個人の生と個人的人間関係の高揚を目的とする性に関する健康も含み、単に生殖と性感染症に関連するカウンセリングとケアにとどまるものではない。」。ですから、人間は動物ではないので、そういった性ということに関しても単に生殖ということではなく、もっと人間関係の高揚にと。ここは後で文部省にも伺いますが、大変大事な部分だろうというふうに思います。 そういったところがなぜか我が国の厚生省はずっと抜け落ちてきてしまった。きょうも次官が先ほど二つの相矛盾したことをおっしゃったと私は思っておりますが、リプロダクティブヘルスを社会的に浸透させるということを結論でおっしゃいました。それから同時に、これは御答弁の中で何度もおっしゃっていることですが、私は十年ここにいる間じゅういつも厚生省は同じ答弁しか繰り返さないんです。国民の間での御議論を深めと、これは本当にオウム返しにずっとおっしゃってきた言葉です。 一方で、きょうの一番最後にお話しになったことの大事な部分と申しますのは、総合的な施策の推進というふうにおっしゃいました。この二番目の総合的な施策の推進が大事なんですが、特に私が申し上げた自己決定のところだけではなくて、そこから先のいわゆる公共的なサービス、ヘルスサービスの部分での総合的な推進をなぜか厚生省はやらない。なぜやらないかということを質問するのではなくて、きょうは私の方から言わせていただきます。中絶をめぐっての対立があるからです。 きょうも最初の仲道先生の質問も中絶についてでした。そこに関して余りにも気を配り過ぎている。要するに、宗教の対立なんというのは、未来永劫とは申しませんが、洋の東西にかかわらず、これは解決しないのです。宗教であり、それから倫理なんですから。そこに気を配るばかりに国民の中での御議論を深めとか、社会的に浸透させと、日本は永久にそれを言っているのかと私はこのごろ思うようになりました。全部議事録をさらったら、ほとんどそういう答弁で終始していると思います。 ですけれども、北京文書はそういうことを求めているのかといえば、そうではないのです。中絶についても、宗教的な中絶もありますけれども、これは北京文書ですが、「妊娠中絶は多数の女性の生命を脅かし、最も高い危険を被るのが主として最も貧しく最も若い層であることから、深刻な公衆衛生の問題」であると。中絶を宗教的に取り扱うのではなくて、きちっとそうしたことで取り扱うべきだろうというふうに思います。さらに先の方で、「妊娠中絶への依存を軽減するよう強く求められる。望まない妊娠の防止は常に最優先課題」である。我が国においても同じです。「妊娠中絶の必要性をなくすためにあらゆる努力がなされなければならない。望まない妊娠をした女性には、信頼できる情報と思いやりのあるカウンセリングが何時でも利用できるようにすべきである。」。このことこそが大変大事なんです。 ところが、その前の入り口のところでもう厚生省はシャットアウトして、何度私は質問したかわかりません。ですけれども、常に国民の御議論をと。もうこれ以上そのことはいいんですが、要するにそのために何ができないかといいますと、結局、常に母子保健に終始している。ですから、きょうるるおっしゃったこと、いつもいつも、骨粗鬆症のことからずっとおっしゃいましたけれども、常に母子保健。行政的なシステムが変わらないということです。 せっかく基本法でもって、日本はナショナルマシーナリーという形で、これから総理府にはぜひとも伺いたいんですが、二〇〇一年からスタートするにもかかわらず、厚生省はなぜかもう本当にしつこく、強引に、これは私は日本の男性と女性全部にとっての不幸だというふうに思っています。なぜなら、二十一世紀の健康というのは、男女がともに今申し上げたような意味で人間として崇高な性の生活と健康を維持していくことが大事だからなんです。それを、そこの議論のところでシャットアウトしているから厚生省は先に行かれない。 だから、私はあえて政治家である政務次官に、これは行政ではできないかもしれませんが、そこのところをきちっとシステムをつくらなければだめですということを申し上げたい。 そうしない限りは、北京で私どもが国としても合意してきたこと、藤井局長も一緒にこの間ニューヨークの女性二〇〇〇年会議も行かれました。そこでの成果文書というふうに訳しておりますけれども、そこでも同じように、ICPD、国際人口・開発会議の行動計画のさらなる実施に向けての主要な行動を行うということを採択しているんです、日本国は、この六月にも。だけれども国内的にはそれに対応していない。これは大きな大きな厚生行政のミスだと思っております。 文部省にも同じようなことを申し上げたいんです。あえて御答弁というふうには思いませんけれども、きょうの質疑を伺っていますと、まるで女の子が悪いような印象をいささか受けるんですが、そうではないと。これは北京文書ですが、こういうふうに書いています。「若い男性は、女性の自己決定を尊重し、セクシュアリティーと生殖に関する事柄において女性と責任を分担するように教育されていないことが多い。」、このことを改めてくださいということが北京文書で書いてあります。これはぜひ文部政務次官には後でゆっくり、きょうは私は時間を持っていませんので、お読みいただきたい、そういう観点から文部行政を私は見直していただきたい。 「女性の人権には、強制、差別及び暴力のない性に関する健康及びリプロダクティブ・ヘルスを含む、自らのセクシュアリティに関する事柄を管理し、それらについて自由かつ責任ある決定を行う権利が含まれる。」ということなんです。全人的な、「全面的な敬意を含む、性的関係及び性と生殖に関する事柄における女性と男性の平等な関係には、相互の」、ここが一番大事でございます。「尊重と同意、及び性行動とその結果に対する責任の共有が必要である。」、これこそが文部省にやっていただきたいことなんです。 私、文教委員会のときにさんざんこれは質問したことですけれども、テレクラとか援助交際とかそういった現象ばかりをごらんいただくのではなくて、やはり子供たちの、男の子も女の子もお互いに相手の体と心と両方を尊敬し大事にするということを、これはまた政治家である次官にぜひともお願いをして、私は次へ行かせていただきます。 労働省については、やはりきょうの御説明というのはリプロダクティブヘルスではなくて、私はマタニティーヘルス・アンド・ライツだと思います。あくまでも母性だけでした。しかし、リプロダクティブヘルスの概念は、これは藤井局長に申し上げるほどのことではないんですけれども、社会的な安寧ということも入っています。ウエルビーイングが入っています。そして、その中には、例えば女性の再就職、それから妊娠、出産によって昇進、それから給与の問題、そういったことがマイナスなことがないということを保障するというようなこともリプロダクティブヘルスに入っています。 今、私は北京文書を持ってきてもらって労働の方のところを読んだんですが、例えば「妊娠中、出産休業中の女性又は出産後に労働市場に再参入する女性が差別されないよう保障するための効果的な措置を講じること。」、こういうことこそがむしろリプロダクティブヘルスの一部なんです。 労働省にジェンダーとそれからリプロダクティブヘルス・ライツの視点から労働行政を見直していただくということが、雇用機会均等法をきちっと実施するための二十一世紀の私は労働行政だと思います。女性の局長だし、御一緒にこのことにずっと関与してきた仲としては言いにくいんですけれども、やはりそれはどうしても申し上げなければならないというふうに思います。 最後に、総理府もきょうは中原次官いらっしゃいますので、あえて言わせていただくんですけれども、きょうずっと経緯を御説明いただきました。おっしゃるとおりなんです。今のところでは、きょう御説明いただきましたビジョンの中で、一番このリプロダクティブヘルスについては総理府は進んだ考え方を示しています。 ここには、「リプロダクティブ・ヘルスはライフサイクルを通じて個人、特に女性の健康の自己決定権を保障する考え方で、リプロダクティブ・ライツはそれをすべての人々の基本的人権として位置付ける理念である。」、これはビジョンにそういうふうにお書きになっていますね。 そして、最も大事なことが二つ書いてあります。今、少子化が進行している、それから不妊に悩む女性たちがいる、こういった女性たちに十分にいずれもリプロダクティブヘルス・ライツが保障されることが大事だということを書いておられます。 私は少子化対策というのは人口対策だと思うんですが、そうではなくて、リプロダクティブヘルス・ライツの政策がきちっと厚生省で展開されれば、私は少子化は一番早く解決すると思っています。リプロダクティブヘルスの予算はきょう資料でお出しになったのは一億数千万ですが、一体少子化の対策は何億あるんですか、もう何百億でしょう。それだけをリプロダクティブヘルスに投入したらば、私はさっき申し上げたような理念のもとでもっと少子化は解決されると思うんです。 このビジョンの一番下にあるのは、「自由な選択によって子どもを産み育て、子どもを持つことが男女双方の喜びとなるように、」、これは日本で書いたことですね、私はとってもいいと思います。それで、「仕事と家庭の両立支援なども含めて、子どもを安心して産み育てられる社会的・経済的環境を整備する必要がある。」、これがビジョンの中のリプロダクティブヘルスのところです。 なぜかプランになって後退し、基本法になって後退し、そしてきょういただいたこの計画に至っては後退というよりも、きょう三つの省、文部省の言い分、厚生省の言い分、そして労働省の言い分、そういったものをみんな配慮なさるから、このビジョンの場合には行動計画がすかっと来ているわけですね。それこそが日本の少子化を解決し、そして男女ともにいい家庭を持ち、そして健全な社会をつくるためのいいビジョンなんですよ。そのビジョンが各省の政策を気にしながら書くものだから、こんなことになってしまうというふうに私は思います。 やはり、このためにせっかく二〇〇一年から新しくナショナルマシーナリーがスタートされるので、ですので中原次官に、ぜひともこういった各省の縦割りに影響されるんではなくて、これが女性の基本的人権の土台だと思っておりますので、御決意のほどを伺いたいというふうに思います。
○政務次官(中原爽君) ただいま先生の御指摘のところでありますけれども、最初のお話でございますと、生まれるという、生という意味、それは動物でも私ども人間でも同じでありますけれども、生まれるということと生殖ということは、それは動物という意味では同じでありますけれども、ここで我々が問題としておりますこのライツという意味がそこにかかってくるわけであります。それを人権という形でとらえるということであれば、先生御指摘のように、ライツという意味の本来のものが浮かんでくるだろうというふうに思います。 それと、宗教につきましても御指摘がありまして、宗教の問題ではないんだ、若い女性の方たちが、御婦人たちがその生殖という意味の中でいろいろ妊娠の問題が出てくるということをどう考えるかということが問題であって、宗教の問題ではないという御指摘、それもよくわかりました。 それからもう一つは、おっしゃっておられますことは、男女のいわゆる性行動に対しまして、それぞれ若い年代の男女がその性行動に対してどう責任を持つのかという、その意識とそれに対する教育、そのことが大事だということをおっしゃいました。今三点、私は伺ったつもりでございます。 それと、後の問題としては、だんだん考え方が後退をしてくると。ビジョンから、周りの省庁のことを総理府として勘案するばかりで、だんだん計画自体が後退しているのではないかという御指摘であったかと思います。十分承知をいたしております。先ほど最後に私の方で申し上げました、総理府が内閣府に変わるということでございます。御指摘のところを十分承知いたしまして進めていきたいというふうに思っております。
○会長(石井道子君) どうもありがとうございました。 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時五分散会