外交・防衛委員会 第3号
- 発言数
- 170 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2000/11/16
会議録
○委員長(服部三男雄君) ただいまから外交・防衛委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に外務省北米局長藤崎一郎君、防衛施設庁長官大森敬治君、環境庁自然保護局長松本省藏君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(服部三男雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(服部三男雄君) 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。 本件の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより直ちに質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○森山裕君 おはようございます。自民党の森山でございます。 ただいま議題となりました在日米軍駐留経費負担特別措置協定に関して、賛成の立場から質問をいたします。 河野外務大臣におかれましては、APECの閣僚会議に御出席、大変御苦労さまでございました。首脳会議も開催をされているようでありますが、まず冒頭、APECの閣僚会議に出席をされての感想を大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 国会のお許しをいただきまして、先般APECの閣僚会議に出席をさせていただきました。 APECは、議員も御承知のとおり、アジア太平洋経済協力会議でございますが、これはかねてからアジア太平洋地域におきます経済問題をかなり実務的に議論するということで会議が行われておりましたが、一九九三年になりまして、クリントン大統領がシアトルにおきますAPECの会議に出席をして、そこにAPEC参加国、参加各地域のリーダーの参加を求めて、それ以来、一九九三年以来、首脳会議が行われるということになっております。 現在、APECは二十一の国と地域が参加をいたしております。国と地域と申しますのは、香港あるいは台湾、こういった地域が参加をするということで、APECでは二十一のエコノミーというふうに呼んでおりますが、この二十一のエコノミーが参加をして経済問題について議論をするということになっております。 今回のAPECの閣僚会議におきましては、幾つかの問題について議論が行われました。 できるだけ簡潔に申し上げたいと思いますが、まず各国が関心を持ちましたのは、WTO世界貿易機構の新しい閣僚会議をいつから始めるか。これは、御承知のとおり昨年シアトルで会議を行いましたけれども、会議が不調に終わって、その後合意ができずにおりますが、このWTOの新ラウンドの立ち上げをできるだけ早くやろうじゃないか、二〇〇一年から始めようという話がありまして、しかしこれについては出席者の中から消極論といいますか慎重論もございまして、大分議論が行われました。 閣僚会議そして首脳会議を通じて、この議論は閣僚、首脳の場で議論が行われておりまして、現在最終的にまとまっておりますのは、できるだけ早く議題を整理しようと。我々の理解としては、議題が整理されればそれはもう始まるということだと思うんですけれども、そこは慎重論がありまして、議題を整理すると。議題の整理ができたら二〇〇一年中にでも始めようというようなところがコンセンサスになりつつあるというふうに聞いております。 それから、アジア太平洋地域の開発途上国に対しまして、人材養成について日本とかアメリカとかあるいはオーストラリアとかこういった国々ができるだけ協力をする。とりわけ我が国から途上国に対しますキャパシティービルディングの構想について各国から評価をいただくということがございました。 また、ニューエコノミー、新しい経済問題について、これはITの問題がその大きな問題でございますけれども、このITを主力とするニューエコノミーを広げていくというためにどういうことをするか。これもまた、日本を初めとする国々ができるだけ開発途上国に協力をしていこうという話、それから石油価格の問題についても議論が出ております。 こういったようなことが閣僚会議で討議をされ、その閣僚会議でのまとめをもって首脳会議が行われる、こういう状況になっておりまして、なお、閣僚会議あるいは首脳会議の場におきましても、集まった人たちが二国間で個別の会談を行うということもあちこちで見受けられた次第でございます。
○森山裕君 今御報告をいただきましたが、ITの問題というのはまさに今後APECの大事な議題となっていくんだろうというふうに思います。 ここでちょっと一点だけ伺っておきますが、WTOの立ち上げをどうするのかというのはそれぞれの国によっていろんな考え方があると思いますが、消極論を唱えている国の主張というのはどういうところに論点があるんでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 慎重論は、表向き、議論では議題がまだ整理できていないと、議題もできていないのに開始の期日だけ議論してもしようがないじゃないか、まず議題を整理するところから始めろというのが議論でございますが、恐らくその議論の裏側にはいろいろな駆け引きがあるというふうに感じております。
○森山裕君 それでは、質問に入らせていただきたいと思いますが、まず質問の前提として、最近我が国を取り巻く北東アジアを中心とするアジアの外交及び安全保障上の環境について、僣越ながら私見を少し述べさせていただきたいと思います。 この地域が、我が国の平和と安全確保のため細心かつ不断に重大な関心を払わざるを得ない地域であることは申すまでもありません。本年六月、電撃的に行われました金大中韓国大統領と金正日北朝鮮総書記による南北の首脳会談は、確かに歴史の転換を予感させるものでありました。しかも、十月にはオルブライト長官がピョンヤンを公式訪問され、金正日総書記と会談をされました。この一連の動きは大方の予想を上回る展開であり、朝鮮半島の緊張緩和のため歓迎をすべきことであると思います。 この事実を前に、一部マスメディアやあるいは報道や論評、専門家の間に北東アジア情勢をめぐって楽観論が聞かれるところでありますが、日朝交渉をめぐり、一部にバスに乗りおくれるなという軽薄な意見があることを私は憂慮しております。外交及び安全保障の問題は国家と国民の存亡にかかわる問題であって、錯誤や誤認による状況判断の失敗は絶対に許されないことだというふうに思いますし、わざわざ外務大臣に申し上げることではありませんが、我が国の外交及び安全保障の基軸は日米同盟と日米安全保障条約であるということをいま一度しっかりと認識しなきゃいけないと思っております。 しかしながら、米ソ冷戦構造の崩壊もあって、最近殊さらに、日米関係をないがしろにしないまでも、あたかもその役割が減少したかに論ずる風潮が強まっております。私は、政権を預かる与党の一員としてこの考え方にくみしません。日本を取り巻く極東の情勢は、安定どころか不安定と不確実、そして不透明を増しているのではないかというふうに思います。 中国の海洋調査船が我が国の排他的経済水域にしばしば入って調査活動をし、さらには複数の中国海軍艦艇が日本列島を遊よくする不可解な動きが話題になりましたのはほんの数カ月前のことであります。我が国の再三の警告と申し入れにもかかわらず、中国の艦艇はこれを無視しました。一衣帯水の距離にあり、歴史的にもかかわりの強い中国と友好な関係を保持しなければならないことは申すまでもありませんが、この中国調査船の日本近海における調査行動や海軍艦艇の動きについて不必要な誤解を招くことがないよう、事前協議ないし通報するための枠組みについて日中関係当局で協議をすることになったと承知をしておりますが、この交渉はその後どのような取り組みになっているのか、御説明をいただきたいと思います。 次に、日朝の正常化交渉と北朝鮮をめぐる動向でありますが、先般、自民党外交部会における高野大使の報告においても、複雑で困難な交渉は始まったばかりであり、これから本格的な交渉になるものと思っております。将来において禍根を残さない、じっくり腰を据えた交渉であることを強く望みます。 国民感情からすれば、北朝鮮の動向について拉致問題を初め幾つもの疑念と不安があります。北朝鮮のミサイル問題も、米朝交渉の間凍結をすることになっていますが、依然未解決のままであります。核疑惑も完全に払拭をされたわけではありません。しかも昨年三月、我が国の領海を侵犯して本土に接近をした不審船が海上自衛隊の追跡を振り切って北へ向けて逃走した事件もまだ記憶に新しいところであります。米国防総省が去る九月に発表した朝鮮半島の軍事情勢報告書は、北朝鮮の軍事的脅威に依然変化はないとしています。大きな論議になりました。五十万トンに及ぶ食糧米の緊急支援問題についても、日本の国民の好意と善意が果たして北朝鮮の一般の人々に伝わるのかという疑問の声というのは消える気配がありません。 そこで、外務大臣にお伺いをいたしますが、北東アジアを中心とする我が国を取り巻くアジアの平和と安全の状況を現在どう見ておられるのか。特に、北朝鮮の緊張緩和への政策転換というのは本物であるというふうに思っておられるのか。また、であるとすれば、その理由は何かをお答えいただきたいと思います。
○政務次官(荒木清寛君) 前段の中国の調査船の御質問は私がお答えをいたします。 海洋の科学的調査の相互事前通報の枠組みにつきましては、八月末の北京での唐家セン外交部長との間の日中外相会談における協議一致を踏まえまして中国側と協議を実施してきております。 具体的には、これまで累次にわたり事務レベルで協議を実施するとともに、種々の機会をとらえて協議を行っておりますし、外交ルートを通じてのやりとりも継続的に行っております。十月の朱鎔基総理訪日の際には、この作業を加速化させるということで一致をしておりまして、できるだけ早く成案を得るように引き続き努力をしていきたいと考えています。 また、海軍艦艇につきましては、お話しのように今年の五月と七月に一度ずつ我が国近海にあらわれました。こうした活動につきましては、日中間の信頼関係、友好関係の観点からは適切ではありませんので、我が国より外交ルートを通じて繰り返し懸念を表明し、八月の外相の訪中の際にも自制を求めました。その後、日本近海にはあらわれていないというふうに承知をしております。 また、先般の日中首脳会談の際には、相互理解と信頼醸成に寄与するという観点から、艦艇の相互訪問実施につきましても一致を見たところであります。 今後は、この成果を踏まえまして、安全保障面における日中間の協力を進め、相互理解の増進と信頼関係の構築を図っていきたいと考えております。
○国務大臣(河野洋平君) 北朝鮮の問題について、私から少し申し上げたいと思います。 議員がもう御指摘になりましたとおりでございまして、朝鮮半島は今、南北首脳会談から緊張緩和の方向に動く兆しを見せているというふうに感じてはおりますものの、それはあくまでも兆しでございまして、現実の問題としてどこまでそれが具体化されているかということになりますと、必ずしも当初言われていたように順調にいっているわけではございません。 なかんずく安全保障の面につきますと、これは今のところ、ミサイルの問題にいたしましてもそうでございますし、それ以外に南北が対峙いたします状況も新たな好転を見せているわけではございませんで、こうしたことを見てみますと、私どもは日米会談あるいは日米韓の会談におきましても、兆しは見せていると、そしてこの兆しはやはり具体化するようにみんなで後押しをしていかなければならない、そういう共通の認識は持っているものの、現実としてはまだそこまでは行っていないというのが我々の現時点におきます認識でございます。 それから、米の問題についても、これは当然のことでございますけれども、五十万トンの人道的支援を我が国からいたしまして、それに対しましては、北側の総理から我が国森総理あてに感謝の気持ちを込めたお礼の手紙といいますか、そういうものが届いているということがございます。
○森山裕君 今御答弁をいただきましたが、中国の調査船の問題と海軍の艦艇の行動につきましては、できるだけ早くルールをしっかりつくっておくということが、特に日中関係を大事にしなければならないという観点に立っても大事なことだというふうに思いますし、このことに余り時間がかかることがよく理解ができない面もあるんですけれども、ぜひ御努力をいただきますように要望を申し上げておきます。
○国務大臣(河野洋平君) 調査船の問題につきましては、私と唐家セン外相との間でフレームワークをつくりまして、事務的な作業を今いたしております。もうこれは既に五回、六回と会議を重ねておりまして、そう大きな難しい問題があるとは思っておりません。若干の問題がございますが、これらをクリアするべく、できるだけ議員おっしゃるようにその協議は加速する必要があるということを私申しまして、先般のAPECでも、これは立ち話でございましたけれども、中国の外相に対して、あれは早くやろうね、そうだねというようなやり取りがございました。 それから、海軍艦艇につきましては、先ほど政務次官から申し述べましたように、相互訪問をやろうということは、これは日中の首脳会議で決まっておりまして、この艦艇の相互訪問は必ず行われるものと思います。 なお、一言、余計なことですが、中国の首脳はその後韓国へ参りまして、韓国でも同じような発言、つまり中国と韓国も海軍艦艇の相互訪問をやってはどうか、つまり日中韓が三カ国で相互訪問、相互というんでしょうか、三カ国の訪問というような感じの話が今進んでいるというふうに私は理解しております。
○森山裕君 ありがとうございました。 次の質問に入りますが、私はかねがね日米安全保障を考えるときに、かつて第二次世界大戦を我が国の同盟国として米国を初め連合国と戦って敗戦をし、国土を東西二つのドイツに分断をされたドイツのことを思うんですけれども、ドイツはその後、冷戦時代西ドイツとしてNATOの加盟国になって、一九八〇年代にはその中核として、またNATOの盾として積極的な軍事的な役割を果たしてきました。西ドイツという国家の安全保障をNATOと一体化することによって確保してきたと言えるのではないかというふうに思います。一九八九年十一月、東ドイツ市民の大脱走が引き金となってベルリンの壁はあっけなく崩壊をしました。 私がここで指摘をしたいのは、国家と民族を防衛するというドイツの人々の決然たる意思であります。そして、欧州大陸の国ドイツと海洋国家である島国の日本の違いであるかもしれませんが、我々は俗に平和ぼけと言われる太平の夢をむさぼってきました。しかし、今や科学技術も途方もなく発展をいたしまして、対岸のアジアの地から発射したミサイルが数分で日本を直撃する時代になりました。島国というゲオポリティーク上の有利な立場にあって安眠をむさぼることができなくなってきているというふうに思います。 我々は現実の問題として安全保障のため知恵を絞らなければなりませんし、先ほど申し述べましたように我が国にとって安全保障の核心は日米同盟であり、また日米安全保障条約であります。集団的防衛の枠組みを保有しない我が国にとって、日米安保体制はドイツにおけるNATOとの関係に匹敵するものと言ってもいいのではないかというふうに考えます。 この二つの関係を比較して、さきのコソボ紛争に際しドイツがNATOの軍事作戦に参加したことを思いますと、日本が日米安保体制に取り組む姿勢がいかにも甘いのではないかという気がしてなりません。ドイツは無論、NATO加盟諸国は、フランスは例外でありますが、加盟国として相互防衛を軍事的にコミットメントしています。これらに対して日米安保体制は、有事において米国は日本を守るが日本は米国を守らないという俗に言う片務的なものになっています。このことは日本ではなかなか議論がしにくい雰囲気があり、非常に短絡した軍国主義論に発展をして、自由に論議することさえ封じられる嫌いがあるのは民主主義の国家として極めて不健全なことではないかというふうに考えております。 これから先、二十一世紀の安全保障問題が冷戦時代にも増して重要な問題になることは避けられないというふうに思いますし、ことしの六月、外務省がギャラップ社に委託して行った米国における対日世論調査によれば、現在の日米安保条約を堅持すべきであると見る米国有識者は八六%という高い水準にあり、これは一九九六年以降一貫した傾向であります。また、日本は防衛力を増強すべきかどうかという質問に対して六五%がすべきと答えております。これも一九九六年以降一定した高い傾向にあります。 このようなことを考えますときに、日本の対応に米国は少し不満があるのではないかと見て間違いないというふうに思いますし、日本国に合衆国軍隊を維持することに伴う経費を日本で負担するための特別措置協定は、合衆国軍隊の効果的な活動に有益なことであって、片務的と言われる日米安保体制を形式的にせよ双務的たらしめる重要な意味があるというふうに思っております。 しかしながら、米国側の深層心理としては、こうした経費の負担にとどまらず、極東の安全のために日本が軍事的にももっと積極的な役割を果たすように期待をする思いがあるやに私は観測するのですが、この点についていかがお考えでございましょうか。 また、国防に金がかかるのは当たり前のことであって、一たん有事となってエスカレートした結果、日本の国土や国民に直接被害が及ぶ事態を想定する場合、その損害額ははかり知れないものであります。抑止として安全保障のため先行投資があらゆる意味で得策ではないか。 この点、政府は安全保障の何たるかを率直かつ具体的に国民に説明をする必要があろうかと思います。また、そのことはむしろ政府にとって義務ではないかというふうに思いますけれども、虎島防衛庁長官のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 議員のお尋ねでございますが、これはいろいろな見方がございまして、日米安保条約が片務的な条約だと見る見方もございますし、いやそうではないと、日米安保条約はきちんと双務的な条約になっているんだ、それは我が国がアメリカに対して極東の平和と安全のために我が国の施設・区域の使用を認めている、そういうことなどを考えて、この条約全体を通じて日米双方はきちんと義務のバランスをとっているんだというふうにとってくださる方もあるわけです。 これはいろいろな受けとめ方はございますけれども、私どもはその後者、つまり片務的ではない、これは双務的にバランスのとれたものだというふうに思っておりますが、しかし、日米両国国民の中には安保ただ乗り論という議論があったり、あるいはいかにも片務的ではないかという議論が依然としてある。ずっとそういう議論があることも事実だと思います。 そういう状況の中で、今議員がおっしゃいましたように、我々としては、国を守るためにはやはりただで守るというわけにはいかないんだと。どういう守り方をするかということを真剣に考えれば、ドイツはこういう守り方をしているじゃないか、あるいは韓国はこういう守り方をしているではないかという、それぞれの国々にはそれぞれの国の、その周辺の状況もありますし歴史的な状況もあると思います。 日本の国は、今でこそこういう議論ができますけれども、恐らく終戦直後、周辺諸国は日本に対して、日本の再軍備といいますかそういうものに対しては殊さら厳しい目を向けて、日本は決してそういう国であってはならない、そういう国にしたくないというふうに思っていた部分というのはあったに違いない。そういう状況の中で、我々の先輩がいろいろなことを考え知恵を出し、日米安保条約という条約をつくることによって我が国の安全、そしてそれは日本の平和と安全だけではなくて極東の平和と安全にまで寄与する日米安保条約というものをつくった。その判断は正しい判断だったというふうに私は今思っているわけでございます。 しかし、それが五十年時間を経てきて、いつも、これは未来永劫このままいくのかねという議論があるとすれば、それは未来永劫このままいくかどうかはわからぬと。それなら、どういう状況のときにはどういうことが考えられるのかといったような議論も、それはあっていいのだと思っています。 しかし、今我々がどうかと言われれば、我々は、日米安保条約というものを基軸にして我が国の平和と安全を守るというこの考え方は、あくまでも国の大方針といいますか、基本的な方針としてこれを堅持していくということが重要であろうというふうに思っております。
○国務大臣(虎島和夫君) 外交努力などの非軍事的手段のみで国の安全を確保することが困難であることはお説のとおりと承知いたしております。防衛力は、侵略を未然に防止し、侵略があった場合にはこれを排除する機能を有しており、国の安全を最終的に担保するものと確信をいたしております。 このような観点から、適切な防衛力の整備と日米安保体制の堅持が必要であり、このような考え方については防衛庁としても従来も心して国民に説明してまいったところでありますけれども、このような国会の議論等を通じ、今後とも国民にわかりやすく説明していくことが肝要であるというふうに考えております。
○森山裕君 時間が参りましたので終わります。
○海野徹君 おはようございます。民主党・新緑風会の海野徹であります。 きょうは若干時間が長いものですから、じっくり議論させていただきたいなと思いますから、よろしくお願いしたいと思います。 まず、議題となっておりますアメリカとの地位協定第二十四条についての新たな特別措置協定についてということでまず御質問に入りたいと思います。 この特別協定、来年三月末をもって失効するということで、それによる改定であるわけなんですが、これはきちっとした言葉じゃございませんがいわゆる思いやり予算ということであるわけです。これは、当時の金丸防衛庁長官がアメリカの財政事情を勘案して、そして日米の経済情勢を考慮に入れた上でこれを計上して、段階的に増額されて今二千七百五十億というような金額になったかと思います。 財政事情あるいは日米の経済情勢というものが出発点にあったとすると、その一点に絞れば、今のアメリカの経済状況はどうなっているかというと、いわゆるIT革命、これが経済を引っ張っています。ニューエコノミー、こういう経済がアメリカの経済を大きく引っ張っている形で大変好況を呈しているというようなことが専らであります。我々、若干今不安要因は出てきつつも、いやそれはそれなりに正しい評価ではないかなと思っているわけなんですが、この十年間のアメリカ経済のパフォーマンスを見てみますと、ニューヨーク・ダウの株価が四倍増の一万ドルを超えた。時価総額が五倍増の十五兆ドルある。GDPが七〇%増の九・九兆ドルある。国民所得が、七〇%これもふえまして八・四兆ドル。国家財政は一九九八年度に二十九年ぶりに黒字になって、二〇〇〇年会計年度に二千三百七十億ドルの黒字が見込まれています。これがアメリカです。 一方で、我が国の状況を見ますれば、財政赤字の水準というのは大変なものであります。改めて数字的にお話ししますと、財政赤字の水準というのは一般政府ベースで七%程度、これは財政破綻をした途上国並みの赤字水準なんです。国と地方の債務残高は六百四十五兆円を上回ると言われている。GDP比一三〇%だと。債務比率は二〇〇〇年末までには一三七%にもなってしまうという予想をされているわけです。ロシアが一九九八年の破綻の時点でそれが六〇%であったということを考えれば、大変厳しい財政状況に日本はあるわけです。 だから、財政事情を勘案して、日米経済情勢を考慮に入れてということでこれが始まったとすると、今まさにそれが逆転している状態があるのではないかなと。そういうことを考えれば、二千七百五十億円の思いやり予算、いわゆる思いやり予算というのをアメリカに示す必要性がどこにあるのか。国民にとって極めてわかりやすい御説明をお願いしたいと思うところであります。 そうは言いつつも、アメリカ軍が前方展開戦略をする必要性から世界規模で兵力を展開しているわけです。そうなると、日本が二千七百五十億負担をしておりますが、全世界の中でアメリカ軍が兵力を展開する、そしてアメリカ軍が駐留する国がやはりあるわけなんです。その米軍が駐留する国が具体的にどこで、それからその国がどの程度駐留に伴う直接経費を負担しているのか、それもあわせてお伺いしたいと思います。 まず、その点をお伺いします。
○国務大臣(河野洋平君) 本法案を御審議いただきますにつきましてお願いをいたしておりますことは、この法案の目的は、あくまでも日米安保条約の効果的なスムーズな運用のためにこうしたことが必要だということをこの法案の目的にいたしているわけでございます。 私どもは、日米安保条約をより円滑に効果的に運用できるということのために、これまでも、地位協定に定めた部分、さらには地位協定の定めのない部分については特別協定をつくって、それによって日本側が負担すべきものを負担して、円滑な運用というものを考えてきたわけでございます。 したがいまして、今議員がお話しになりました、この法案を今回御審議いただきますに当たりまして、思いやり予算はもういいだろうと、思いやり予算と言っている場合じゃないだろうという御指摘は、確かにその思いやり予算という視点で見れば、そうした経済状況ではないという御指摘を踏まえてそうした御議論はあると思いますけれども、私どもがこのたび御審議をお願いいたしております法案の目的は、今私が申し上げたようなことが目的でございまして、決して日本がアメリカの財政状況を心配して何かをするということがこの法案の目的ではないわけでございまして、その点はぜひ御理解をいただきたいと思います。 また、日本側の負担が大きいかどうかという点につきましては、これはいろいろ議論、つまり何を指して大きいと言うか、どういうものを大きいと言うかという点でいろいろ議論のあるところだと思いますが、私は、我が国の安全を確保するという意味で日米安保条約、そしてその日米安保条約をより円滑に運用するためにこの特別協定が効果があると、こう考えて御提案をし、御審議をお願いしている次第でございます。 米軍の駐留地域その他具体的な話は政府参考人から答弁をさせたいと思います。
○政府参考人(藤崎一郎君) ただいま米軍駐留経費負担を行っている国の数、負担している経費についてという御質問でございます。 お答え申し上げます。 我が国以外の国におきます米軍の駐留経費負担について、アメリカ国防省の報告によりますと、駐留経費負担を行っている国は、九八年度において二十カ国でございます。 同報告書に基づいて、各国の負担している経費ということでございますが、イタリア十一億一千三百八十三万ドル、ドイツ九億五千六百九十七万ドル、韓国七億五千百三十一万ドル、クウェート一億七千五百九十五万ドル等となっております。
○海野徹君 今局長から話がありました。国防省からの発表の数字ということなんですが、二千七百五十億というのは、これは国民の税金ですから、外務省としてもう少し突っ込んだ調査分析というのは今までしたことはございませんですか。
○政府参考人(藤崎一郎君) お答え申し上げます。 各国の行っております駐留経費負担につきましては、各国とアメリカ軍とのそれぞれの関係において行っておりますので、私どもとして、他の各国につきまして外務省として調査をしているものはございません。ただし、この米軍の報告は毎年出ておりまして、これを比較して趨勢等を把握しているところでございます。
○海野徹君 では、局長、結構です、まだお聞きしたいことはまた後ほどにさせていただいて。 外務大臣、安全にはコストがかかります。これは十分私もわかります。我が国の安全を確保するために相当のコストを払うんだ、それは日米安保体制の効率的な運用、円滑的な運用のためにそれが必要なんだと。たまたま非論理的な言葉で思いやりというような言葉が先走っているものですから、先行しているものですから、非常にそれはある意味では心外なんだというような私は感じをしたんですけれども、確かに、こういう非常に思いやり予算なんというような論理性を欠くような言葉でこれが二十年間議論されてきたこと自体が、私はそれが問題だと。 その点について、大臣、どう思いますか。
○国務大臣(河野洋平君) 思いやり予算という言葉はだれが言い出したかとか、だれが言ったかとか、いろいろなお話がございますけれども、そのときそのときにマスコミなどに取り上げられて、何か一番わかりやすい、ニックネームといいますか、表現だということで取り上げられて、それがひとり歩きをするということがあって、場合によればこちらも説明するときに結構都合がいい説明ができやすいと思った場合もあるいはあるかもしれません。私は政府がそういうことをしたとは思いませんけれども、そういう言葉がひとり歩きをするようになったということは事実あったと思います。 しかし、現実に今ここで御提案をいたしますこの場面では、全くそうした状況とは、それはもう議員が御指摘になりましたように状況は違うのであって、そうした説明のできるような財政状況でもございませんし、中身でもないと。そしてまた、これは表現は悪うございますけれども、もっとまじめな、我が国の安全保障という安全にかかわる極めて重要な問題だというふうに私は思っておるわけです。 今、局長が御答弁を申しましたが、各国の負担はどうかという議員のお尋ねがございましたけれども、もちろん各国がどれだけの負担をしているかということを数字の上で把握はいたしておりますけれども、これとて、これを比較をするというのは実際問題としてはそれは非常に難しいわけですし、周辺状況あるいはその基地の態様その他を一つずつとらえて分析をして比較をするということが実際可能かどうかということになると、正直難しい。それをただ単にパーヘッドで割って、どこの国は一人頭幾らだという議論は、これは計算上はできないわけではございませんけれども、それではその実態をきちんと説明をすることにはならないだろうというふうに私は考えているところでございます。
○海野徹君 先ほど来大臣は、目的は日米安保の効果的な運用と円滑的な運用に資するためにということなんです。その辺、このお金を、二千七百五十億というお金ですね、これを特別協定で日本が負担すると。国民に説明するときに、それが日米安保の効果的運用あるいは円滑的な運用、具体的にこういうことで効果的なんですよ、こういうことで円滑な運用に資しているんですよという御説明はいただけますか。
○政府参考人(藤崎一郎君) お答え申し上げます。 ただいま海野議員から、在日米軍駐留経費負担について、どの点、どのものが米軍の円滑な運用に資しているかということでございますけれども、これは包括的に在日米軍の円滑な運用に資しているということでございまして、この経費がない場合には、私どもといたしまして在日米軍の円滑な運用は非常に困難である、極めて難しいということでございます。アメリカ側といたしましても、本件は日本として行っている最大の貢献の一つであるというふうに指摘しております。
○海野徹君 局長、今包括的とおっしゃいましたね。もう一度大臣からちょっと御答弁いただきたいなと思うんですが。
○国務大臣(河野洋平君) これは、少し今回の特別協定の締結に至った経緯などを申し上げることで御理解をいただきたいと思いますが、現在行われております特別協定の実施が来年切れるということから、アメリカ側からも、この協定は米軍にとっても極めて重要な部分をなすものであるので、もう一度特別協定を結びたいという意味の話がございました。 我が方といたしましても、そのことが日米安保条約にとって重要であるということであれば、それは考えようと。しかし、それについてはこれまでどおりというわけにはいきませんよと。これをどれだけ圧縮するか、そして節約合理化をするかということも考えてほしい。ただし、これを圧縮し節約合理化──節約合理化はいいのでございますけれども、圧縮をするということで我が国の安全というものの確率が下がるということであっては意味がないわけですから、米軍とは、我が国の安全というものに対するこれまでどおりの確率を維持しながら、なおかつ合理化し、節約し、そして圧縮できる部分については圧縮をするという協議をいたしました。 これは、事務的にはそういう協議をいたしましたが、閣僚レベルでも瓦防衛庁長官が先方と協議をいたしましたし、私も先方国務長官と数次にわたって協議をいたしまして、日米安保条約というものが引き続き極めて重要なものだという認識、そしてアジア太平洋地域における国際情勢というものについても話し合いまして、安保条約がより円滑に運用されることが重要だと。その円滑な運用のためには、アメリカ側からこうした協定をぜひ結んでほしいということがございまして、この協定を締結するに至ったわけでございます。 アメリカ側から、この特別協定について、これは非常に米側にとっても重要な部分を占めているという意味の説明があったところでございます。
○海野徹君 圧縮することによって安全確保に対する低下が懸念されるということなんですが、となると、先ほど外務大臣が、日米安保条約というのは双務性を持っていますよ、片務的だという議論をされますが双務的性格ですよと、時々に応じては、どういう状況のときどういう議論をしたらいいかということはやらなくちゃいけないということもおっしゃった。 そうなると、じゃ一体、圧縮しても安全性の確保について低下しないというためには、日本にとってあるいは日米にとって安全のコストというのはトータルとしてどの程度のコストを前提として常に交渉すべきなのか、あるいは考えているのかということは、そのコスト計算ですが、これはなかなか出ないと思うんですけれども、そんな議論というのは外務省としてはおやりになったことはあるんですか。
○国務大臣(河野洋平君) これは、安全のコストというのは大変難しい御質問でございまして、現実問題としてどういう危険があるか、どういう状況の中で安全を確保するかということから考えなければなりません。 ただ、一般的に安全のコストといってもそれは全く計算のできるものではないのでありまして、我が国を取り巻く国際情勢、あるいは我が国を取り巻く国際情勢の中にある危機、危険、そういうものがどういうものかということも知らなければ安全というものは議論できませんし、そしてしかも、そのコストは恐らく、例えば我が国の防衛の態様も、完全に独立した我が国の軍隊で自国は守るといった場合のコストと、あるいは安保条約を柱として自国の安全を考えるというときとでは全くコストも違いましょうし、これは議員のお尋ねでございますけれども、私、議員に我が国の安全のコストはこのくらいでございますということを今申し上げるだけの資料がございませんが、言ってみれば、安保条約と我が国の自衛隊によって日本の国の安全というものを維持するということであるとすれば、その安保条約が効果的に運用をされる、そのために必要なコストというものが我が国の安全のコストと考えるべきではないかと思います。 〔委員長退席、理事依田智治君着席〕
○海野徹君 安全のコストというのは、明瞭な形ですぐ出る、あるいは示せるという性質のものじゃないかもしれませんが、やはり先ほど言いましたように、ある意味では説明するとき、安全のコストとか、あるいは先ほどから言っていますいわゆる思いやりとか、非常に非論理的な言語で説明をしようということに無理があるんですね。それだけに、外務省としては、要するに国民的な理解を得るためには、税金を使うわけですから、日常そういう努力をしていただきたいということをお願いして、別の質問に移ります。 韓国なんかは、直接経費負担三百五十億円と聞いております。そういった中でも、どうしてもこの二千七百五十億円というのは突出しているんじゃないかな、何かそこに特殊性があるのかなという思いがあったし、先ほど財政事情もあったんですが、歴史的にあるいは日本の安全保障、日米安全保障の戦略的ないわゆる意味合いがあるのかなということも考えるわけなんです。 一方、アメリカなんかでは、軍を本土に駐留させておくより経費が安くつくからというような、大変ありがたいねという議論があったり、あるいはそれをやることによって日本は防衛費の負担がGDPの一%という議論の中でおさまっているんだからいいじゃないかというような、余りにも日本は気前がよくていいねという議論があるというふうによく聞くんですが、その点について、外務大臣あるいは防衛庁長官、アメリカ側がこの特別協定での二千七百五十億円について今のような評価をしていることに対して、両大臣はどんな御見解をお持ちなのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) アメリカが出します報告書の中にはいろんなことが書いてございまして、日本のこうした財政的な貢献についてアメリカは日本という国は非常に、議員は気前がいいとおっしゃいましたけれども、あれは何というんですか、ジェネラスというんでしょうか、我々は寛大だとでも訳したらいいのかと思いますが、そういう表現をしている部分もございます。 しかし、一方でアメリカは、それはそうは言うけれども、それぞれの国にはやはりそれぞれの国の果たすべきこともあるのであって、例えばアメリカは、それぞれの国がどれだけ自国の防衛に予算を割いているかとか、そうしたことなどについても、あるいは国際的貢献について実際問題としてどういう具体的な作業をしているかとか、いろいろな問題について触れながら、その中の一つの財政の部分について日本はよくやってくれているというふうな評価をしているのだと承知しております。 〔理事依田智治君退席、委員長着席〕 それは、その点だけを取り出してアメリカの日本に対する評価を云々してはいけないのであって、やはりそれ以外に日本に対して厳しく求める部分もあるわけでございますから、我々は、我々ができる部分についてはやると、しかしできない部分についてはできないということはきちっと言いながら日米関係というものをしっかりとやっていくということが重要なのではないかというふうに思っております。
○国務大臣(虎島和夫君) アメリカの共同防衛に対する同盟国の貢献に関する報告においては、米軍駐留経費に関して我が国の負担比率が最も高いものとして位置づけられておるということは承知いたしております。 各国が負担しております米軍駐留経費については、ただいまも外務大臣からお話がありましたように、種々の要因を総合的に勘案して負担されているものであり、その単純な比較及び評価は困難であるという考えであります。 いずれにしても、今後とも日米安保体制の円滑かつ効果的な運用の確保のため、在日米軍駐留経費負担については適切な対応を行うことが必要であるという認識は十分に持っておるところであります。
○海野徹君 モーストジェネラスという表現でアメリカは評価しているわけなんですけれども、これは別な見方をすれば、お金だけじゃなくてもっと別な貢献の仕方もあるんじゃないですかということを言外に言っている、そういうのをそろそろ求めてきているということにもつながりませんですか。最近のアメリカの報告書なんかを見ますと、そんな気がしてならないんですが、外務大臣、その点どうでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 過日、防衛庁長官と一緒に2プラス2の会議に出席をさせていただきましたけれども、少なくとも2プラス2の会議などでは、今議員がおっしゃったような、もちろん具体的な話はございませんし、話のところどころにそうした文言があったかと思い出してみても、私には思い当たりません。 もう少し深く読まなきゃいけないのであろうかと思いますが、アメリカは現在の日本の貢献というものに歓迎の意を表しておりまして、もちろんそこには、ガイドラインでございますとか、そのガイドラインをきちんとフォローするための国内法の整備ということについての議論はあったかと思いますけれども、それ以上のことについて言及があったというふうには記憶しておりません。
○海野徹君 何回もお話しさせていただきますし、共通の認識だと思いますが、安全保障にはコストが伴うということは十分皆さんの共通認識だと思いますし、ただその安全保障というのは、ある意味では同盟関係ですから、理念があり、行動指針があって、それで財政基盤、この三点セットで同盟というのは機能していくと思うんです。 そういった意味で、この二千七百五十億というのは理解しようと思えば理解可能なところなんですが、ただ、やはりどうも二十年以上もこういう非論理的な言葉で説明されてきて、それ以外に国民的な議論を呼ばなかったということは大きな問題だと思う。こういう余りにも突出している巨額の金額をずっと出し続けてきたということは、ある意味では外交政策上、国際常識からかけ離れているんではないかなという印象を私は持つんですが、外務大臣、その辺はどうでしょうか。私の評価というか印象というのは間違っていますでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 我々といたしましても、先ほどから御議論がございましたように、アジア太平洋地域においてまだ依然として不安定な状況、不確実性と言われる状況がまだあるということであるとか、日本がその国力にふさわしい役割を果たす、それは果たし方はいろいろな果たし方があるんだと思いますが、役割を果たしていくことがやはり必要だということなどを考えますと、この特別協定というものが少なくとも今我々が考えております段階では最も適切な方法だろうというふうに思っているわけでございます。 安全のコストということについては、ただ単に金さえ出していればいいのかという議論は一方であると思いますけれども、日米安保条約というできている枠組みの中で日本の安全というものを維持していく、守っていくという一番大きな柱については私はこの方法が一番適切だと思っております。
○海野徹君 もう二十一世紀に間もなく入るわけなんですが、日米同盟、これは基軸だと思います。やはり同盟というのは、先ほど言いましたように三点セットで、理念と行動指針と財政基盤、これがきちっとうまく三点セットが機能していかないと同盟関係そのものが機能しない。そういう中で、やはり合理的な説明が国民にできるように、これも、国際常識からいったらとてもじゃないがこれは余り芳しくないなというような意見があるとしたら、若干私もそう思っているんですが、そうじゃないということを、合理的な説明をできるようにこれからも御努力いただきたいなということを要望しておきます。 それから、今回光熱水料の一〇%を削減するということで三十三億円削減、これはある意味では、改定作業の中身をずっと見ていますと、施設・区域外の経費を削る、当然の結果なんですね。これは一〇%がありきなのか、結果として一〇%になったのか、その辺の要するに事情を御説明いただきたいなと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 場合によっては詳細は政府参考人から答えさせますが、私から申し上げておきたいと思いますことは、基地の地域外にある住宅が使います光熱水料については、これは日本は負担しないと。そうして、一〇%というのは、その光熱水料の一〇%ではなくて全体の一〇%の削減ということを求めているわけでございまして、この一〇%という数字は、これは日米間で協議をした結果一〇%という数字に落ちついたということでございます。 地域外に住む人間のものまで負担していることについて今お尋ねがございましたが、本来、米軍が日本におります場合には、言ってみれば二十四時間勤務と言ってもいいのだろうと私は思います。ただし、そうはいいましても、その中には公務と公務でない部分、時間がきっとそれはあることは間違いがないわけでございまして、今回の場合には、米軍のしかるべき場所からこれは公用であるという証明書が付されたものについて負担をするということでございまして、それ以外の部分、地域外のものについては負担はしないということになっております。
○政府参考人(藤崎一郎君) 今議員から施設・区域外の住宅分の光熱水料を負担対象から削るのは当然ではないかということの御質問がございまして、どうして一〇%という数字なのかということでございまして、大臣からの御指示で、これまでの交渉過程におきまして、一月の瓦防衛庁長官の訪米以降、米側と種々、防衛庁、外務省を中心に協議を繰り返してまいりました。 先ほど大臣から御説明いたしましたとおり、米側は当初現行水準の維持ということを希望していたわけでございますが、日本側より米国の節約合理化努力というものが必要であるということを繰り返し説明いたしました。これは、三月のコーエン国防長官の来日時、七月の河野大臣とタルボット国務副長官の会談等、種々の機会でございますが、米側と協議をいたしまして、この結果、光熱水料について施設・区域外の住宅分については負担しない、現行の上限調達量から上記の住宅分を差し引いた上で、さらに一〇%を引き下げた値を新たな上限調達量として定めるということで米側とも合意をした次第でございます。その結果、米側と協議いたしまして、我が国として最終的に判断を行った数値として今の数字を計上させていただくということとした次第でございます。
○海野徹君 なぜ批判があるかというところが今のような説明から浮き上がってくるわけなんですけれども、やっぱり施設とか区域外の光熱水料の費用まで持っていた、なぜ持っていたかというような説明がなかなかわかりにくいわけですし、また、今御説明にはなかったんですが、娯楽施設の建設費なんかの経費も負担したというようなこともあって、本来安全のためのコストなんだ、双務性で、しかも目的である効果的な運用のためにというようなものまでがそういう議論の中で消えていってしまう危険性があるわけですね。だから、こういう削減をする場合も、やはり過去の反省はきちっと踏まえながら、負担するものしないものというのを明確にしていかないといけないんじゃないかな、そういう議論をやっぱりこれからもぜひわかるような説明をしていっていただきたいなと思います。 次の質問に入ります。 大臣、こういう日米地位協定特別協定の二千七百五十億だけじゃなくて、日米地位協定そのものも、一九六〇年の改定安保のときからですから四十年ですね、全体そのものをやはり見直す必要があるんじゃないか、そういう議論は結構されております。 施設・区域は租借地じゃありませんから、その区域内にも日本法が適用されることに実際はなりますね。観念的にはなるはずなんです。しかしながら、いわゆる治外法権、主権免除あるいは三条管理権というようなことから米軍に広範な管理権が認められているわけです。結果として施設・区域内では日本法令が適用されていない状況である。 これに対する見直しという議論があったかと思うんですが、大臣、その点について、先ほど議論すべきときには議論するんだということを別のことでおっしゃっておりましたけれども、その点についての議論というのはあったんでしょうか、あるいは今まさにその議論をされているんでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 地位協定につきましては、民主党からも具体的な地位協定改正についての提案がなされておりまして、十一項目でしたかの提案について私も注意深くそれを拝見いたしております。 他方、政府は、地位協定の運用の改善ということで九項目、これはSACOの最終報告に入れて米側と交渉をしているわけでございまして、この運用の改善についてはおおむね日米間で協議が調いつつあるわけでございます。 私、一般論として一九六〇年にできた地位協定というものが今でもそのままでいいかというお尋ねであるとすれば、これは将来のことは私はちょっと今申し上げかねますが、現在の状況では、地位協定上問題が起こっていれば、それをできるだけ迅速に処理するために、地位協定の改正について議論をするよりも、運用の改善について日米合同委員会で議論をして、運用の改善について合意を求める努力をする方が問題処理がしやすいという気持ちもありまして、地位協定の運用の改善ということを、私は前回外務大臣を務めましたときにそんなことを考えて米側とも話をしたことがございます。 したがって、現在は運用の改善ということの合意を求める努力をいたしておりますが、地位協定そのものについて見てみますと、例えば環境問題を初めとして一九六〇年代には余り関心もなかった、あるいは問題は起こっていたんだと思いますけれども、それが顕在化していなかったために議論になっていなかった部分なども出てきていると私は思うんです。そういう部分をどうするかということについては我々も真剣に考えなければならぬと思いまして、環境の問題については、先般の2プラス2の会議のときにこの問題について日米の合意文書をつくるということにいたしました。 恐らくそれ以外にも、時代とともにこれまで余り問題でなかったものが問題になるとかいうことがあるいはあるかもしれません。そうしたことをあらかじめ予見して準備をし、あるいは協議をすることが重要ではないかとおっしゃられれば、それは一つの御見識だと思いますが、現状では、繰り返して申し上げますが、運用の改善によって日米地位協定というものの中で問題処理ができることであれば、これによる問題処理をしようということで日米間合意をいたしておりますので、運用の改善については私どもとして取り組んでいるわけでございます。
○海野徹君 今大臣の御答弁によりますと、要するに運用の改善を合意することで現状の問題は処理しているということなんですが、それでは、やっぱり日本法が適用されるというようなことについての議論は全くしていないということになってくるわけですか。また、していないということになると、なぜそういう議論を出せないのか、しないのか、その理由をお聞かせいただければありがたいんですけれども。
○国務大臣(河野洋平君) 沖縄の皆さんからも、この地位協定の改正についてはかねてから御提案がございますし、民主党からも具体的な御提案がございました。 私どもとしては、日米合同委員会その他を通じて、個々に具体的な問題があればそれを処理する、その処理において不都合があるということであれば合同委員会で十分話し合って処理をするという今のスキームで問題が進んでいるものでございますから、このやり方を今はとっているというのが現状でございます。 先ほど申し上げましたように、将来については、私は将来ともこれは決してできない、あるいはやらないというふうに決めてかかるということではないと思いますけれども、少なくとも現状ではSACOの最終報告を着実に実施するということが優先順位一番上かなというふうに考えているわけです。
○海野徹君 私は、やっぱり全体、もう四十年もたっていますし、先ほど外務大臣からお話もありましたようにその場その場で運用の改善で処理できれば問題を先送りしていけるという状況じゃないと思っております。 二十一世紀の新たな同盟のあり方というのをやっぱり議論しなくちゃいけないんじゃないか。そういう時期に来ていると思います。そういった意味ではかなり大胆に見直す必要があるのではないか、そういう時期に来ているのではないかと思いますし、施設・区域内の日本法の適用というのは早急に議論をするべきだ、議論の俎上へ上げるべきだ、私はそう思いますが、重ねてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) ちょっとその問題にお答えする前に、先ほど議員から租借地でない以上云々というお尋ねがございましたので、それについてまず先に御答弁をさせていただきたいと思います。 議員が御指摘のとおり、米軍施設・区域は、属地的には我が国の法令が適用されておりますけれども、その執行に当たっては、日米地位協定第三条によりまして米国に与えられている管理権との調整が必要となっております。 米国に対して施設・区域の一般的な管理を行う権限を認めることは、日米安保条約の目的達成のため我が国が米軍による施設・区域の使用を認める前提となっているわけでございまして、政府としては、このような管理権を認めること自体が不適当であるというふうには考えておらないところでございます。 また、一般国際法上、駐留を認められた外国軍隊には、特別の取り決めがない限り接受国の法令は適用されず、このことは我が国に駐留する米軍についても同様であります。しかしながら、外国軍隊が接受国の法令を尊重しなくてはならないことは、当該軍隊を派遣している国の一般国際法上の義務でありまして、日米地位協定第十六条が米軍構成員及び軍属による日本国の法令尊重の義務を定めているのも、こうした考えに基づくものでございます。 いずれにせよ、政府としては今後とも、昨年末に行いました閣議決定によりまして、地位協定の運用の改善について取り組んでいくつもりでございます。 先ほど来から繰り返し申し上げておりますように、これが現在の政府の基本的な態度でございますが、議員が御指摘になりましたように、二十一世紀の同盟関係というものはどうあるべきかという議論を少し中長期的に考えてみるべきではないかというそういう御意見と承りまして、その御意見には私は個人的には非常に関心を持ちます。二十一世紀における同盟関係というものはいかにあるべきかということは、やはりそれぞれが考えておかなければいけないこと、考えていかなければならないことではないかというふうに思います。
○海野徹君 日米地位協定を全体的に大胆かつ詳細に見直すべきではないかという私の発言に対して、大臣うなずいておりましたから、そういう個人的なお考えはお持ちだということを、私はそういうふうに理解させていただいて、今後とも御努力いただきたいと思うわけであります。 いろいろ御答弁いただきました。いま一度確認の意味でお伺いさせていただきたいんですが、それでは、日米地位協定の運用、これは全体的な地位協定の運用というのが日米安全保障体制の信頼性を確保するために不可欠な作業だと思うんです。それは十分皆さん方わかっていらっしゃるし、私も理解しているわけなんですが、日米地位協定の運用そのものが日本の安全保障にとってどのような意味合いを持っているのか、改めてここで御確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 運用というものが何か意味を持つかとおっしゃられると、私は運用そのものが意味を持っているとは思いませんが、それこそ日米安保体制にとって日米地位協定は日米安保体制を存在させるための基盤でございますから、その地位協定が双方の合意によってできている安保条約そのものによって円滑に進むということが大事であって、そのために地位協定というものが運用されていかなければならぬ。これは私は、こうした運用の努力がなければ、ごつごつした、ぎざぎざしたものになってしまうのであって、地位協定によって細部にわたってルールを決め、そしてそれが双方で上手に運用をされていくということが大事なんじゃないかというふうに思います。
○海野徹君 それでは、時間もなかなか配分が難しいものですから、次の質問をさせていただきたいと思うんですが、この問題が議論されるとき、在日米軍が減ると日本は軍備に大変大きなお金を出さなくちゃいけないからというような話をよく外務省は説明としてされている。実際に、在日米軍というのは直接日本の防衛は担当していないと、間接的には担当しているんでしょうけれども直接的には担当していないというようなお話を聞いたわけなんですが、在日米軍の実態について防衛庁長官にお伺いしたいわけなんです。 海兵隊の展開地域、あるいは在日米軍の沖縄に駐留している陸軍が具体的にどんな仕事をしているのか、あるいは在日米軍の空軍がどういうような役割を持ってどんな地域展開をされているのか、その辺の実情をお聞かせいただきたいと思います。
○政務次官(鈴木正孝君) お答えをいたします。 日米安保体制そのものは我が国の安全及びこの地域の平和と安定のために重要な役割を果たしているというようなことでございまして、その中で在日米軍は日米安保体制の中の中核として我が国の防衛に寄与しているものと、そのように考えております。 今お尋ねのように、在日米軍の実態ということでございます。大ざっぱに申し上げれば、横田に司令部を置くほか、陸軍は座間、海軍は横須賀及び佐世保、海兵隊は普天間及び岩国、空軍は三沢及び嘉手納などにそれぞれ配置されているところでございます。 また、在日米軍そのものは、御案内のように米太平洋軍の責任分担区域内において展開されるような場合もあるのではないかと、このように承知はしておりますけれども、言ってみますと米国の緊急事態、そういうようなものに際してどういうような部隊をどこにどのように展開させるかというようなことについては、事態の様相によって異なることも考えられますので一概に申し上げるということはなかなか難しいのではないかというように思っております。個々に細かく三沢から沖縄までそれぞれの任務を持ちながらということで駐留している、そのように承知をしているところでございます。
○海野徹君 今の御説明、若干まだ詳細にお聞かせいただきたいことがあるわけなんですが、その点はさておきまして、両大臣にお伺いしたいんですけれども、今、在日米軍のいろいろな機能、役割、展開地域その他、それは直接的には日本の防衛は日本の自衛隊がやる、日本の自衛隊がすべて日本のことはやると、それ以外のところへほとんど行っているというようなことを私は聞いております。 そうなると、とにかく日米防衛協力指針なんかでもプライマリーレスポンシビリティーということが表現されております。自衛隊が日本の防空、周辺海域の海上交通の保護、日本への侵攻の撃退に一義的責任を負うということでプライマリーレスポンシビリティーということを日米防衛協力指針では定められている。これは要するに、米軍だけではなくて、自衛隊が日本の防衛に責任を負って、その能力を持っているんだと、それを再確認した規定だと思います。そして、一九五九年以来から日本の防空というのは航空自衛隊が全面的に対応してきたという実態があると思います。そういうことを考えますと、在日米軍が減っても日本の防衛に穴があくということは考えられない。 だから、外務省が、在日米軍が減っちゃったら日本は軍備にその分だけ多額なお金を使わなくちゃいけないというような説明があるとよく聞くわけなんですが、それは当たらないんじゃないかなと思いますが、両大臣から、どのようにその点は御認識されていらっしゃるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 私は、在日米軍というのはそのプレゼンスが非常に重要なものだと思うんです。日本及び極東の平和と安全のために、米軍のプレゼンスがそうした平和と安全あるいは安定というものをつくっているというふうにも見るべきではないかと思っているわけでございます。
○国務大臣(虎島和夫君) 我が国に対する武力攻撃に対応し、自衛隊が主体的に行動することは、これはもう当然のことでありますが、ただ我が国は日米安保体制を前提とした防衛構想をとっておる、これは紛れもない事実でございます。 したがって、日米安保体制は我が国の安全に不可欠である。不可欠であり、深くかかわっておるということでありますから、これがなくなったときにという大変大胆な御発想ですけれども、我が国としては、やっぱり日米安保体制の信頼性の向上に配慮しながら防衛力の整備、維持及び運用を図る、そして我が国の防衛を全うするという姿勢を堅持するというのが公正妥当であるというふうに思っております。
○海野徹君 重ねてお伺いしますが、それでは、日米防衛協力指針では、プライマリーレスポンシビリティーというのは、私が言ったように現実に軍事的な、もう日本の自衛隊で結構ですよ、日本の自衛隊はそれだけの能力がありますよ、実力がありますよということを定めたという私の理解は間違っているということですか。防衛庁長官にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(虎島和夫君) 申しますように、日本の防衛について自衛隊が一義的、主体的に行動する、これはもう当然のことというのは申し上げたとおりであります。 ただ、我が国の防衛というのは日米安保体制の堅持という中で構築されておりますので、このことは不可分の関係にあるという認識を持っておることを御答弁申し上げたわけであります。
○海野徹君 十二年度の防衛予算が四兆九千二百十八億円ですよね。約五兆円のお金なんですが、その中で人件費、食糧費が二兆二千億円余なんです、人件費が大変多いわけなんですけれども。これだけ、五兆円弱のお金を使って日米安保体制下の中で着実に防衛力の増強には御努力されてきた、そういう結果としてこういうプライマリーレスポンシビリティーという規定ができてきたのではないかと私は時間の経過から思う。もうそろそろ肩を並べて、お互いにアメリカと日本とそれぞれ力の分担ができる、あるいはそれを求められるというところまで来ているということでこの言葉が出てきたのではないかなと私は理解しているんですが、防衛庁長官、どうなんでしょう。
○国務大臣(虎島和夫君) 先ほど外務大臣からもお話がありましたように、我が国をめぐる軍事情勢というのは大変に流動的である、目が離せないような状況にあるということは共通の認識としてあり得ると私は思っております。したがって、現状ここまで整備すれば大丈夫だというような態様というのは今固定的に考えるわけにはまいらない。 したがって、日米安保の枠組みというものを堅持しながら、我が国は我が国としての責任において対応すべきことを対応していくということで組み上げられてきたのが防衛力の大綱であり、年度ごとの予算であるという認識を持っておるわけであります。 したがって、現在ガイドラインがつくられておりますけれども、これらの事態は自衛隊が独力で対処するということを意味しておるものではないわけでありますから、現状のような枠組みの中でそれぞれが努力を重ねていく、そして我が国の安全を確保するという方途をとらざるを得ないという現状認識を持っておるわけであります。
○海野徹君 私は、在日米軍が仮に減ったとしても日本の防衛に穴があくという理解はしていないんです。穴はあかないだろう。そういった意味で、外務省の説明というのはやや間違った説明をしているのかなという思いはするわけなんです。 というのは、「日米、成熟したパートナーシップに向けて」という報告書、これはもう両大臣ごらんになったと思うんですが、その中でも、パワーシェアリング、力の分担を求めて新たな二十一世紀の同盟のあり方をここで表現されているわけなんです。その「日米、成熟したパートナーシップに向けて」という報告書、アーミテージとかナイさんが書いて報告しているわけなんですが、そのパワーシェアリングの考え方、これについては御認識はどうなんでしょう。
○政務次官(鈴木正孝君) 先般、アメリカの日米問題の専門家などからそのようなパワーシェアリングというような考え方が、提案といいましょうかそういう話が出てきたことは、私ども承知はしております。参加した研究者の方々、ある意味においては大変安全保障問題に詳しいかつての当事者ということでもありますけれども、あくまでも個人的な見解というふうなことでございまして、防衛庁としていろいろとコメントする立場にはないという、そういうことではないかというふうに考えているところでもございます。 また、先ほど在日米軍の対応というようなことで若干のお話がございました。私ども、大臣から御答弁させていただきましたけれども、若干それに補足させていただきますと、仮に日本に対する武力攻撃がなされた場合、先般の日米のガイドライン、これが調整が行われてこういう中身でということで定まったわけでございますが、その際も、整合のとれた日米間での共同対処行動というような大きな流れがそこでも基本的な考え方として共通認識に立ったというそういうことでございまして、そういう中での日本側の主体的な行動というそういう位置づけだろうというふうに思っております。米軍は、その限りにおいては自衛隊の能力を補完するというような、そのための作戦を実施するというような、そういうことではないかと、このように思っております。
○海野徹君 それでは、外務大臣にお伺いしたいんですが、今報告書にちょっと触れて防衛庁からお話をお聞かせいただきました。先ほど言ったパワーシェアリングの問題なんです。 そこの中にどういうことを述べているかというと、アジアにおける潜在的危機は確かに存在する、まだまだ存在する、しかし日米同盟が抑止になっているからその辺がかなり潜在的な状況のままであると。防衛上の役割をお互いに一層ダイナミックな形で果たすべきではないか、そのためには集団的自衛権の行使をも求めますよと。日本の集団的自衛についての規制は同盟関係の障害となっている。同盟関係の障害となっているというんですね。この規制を外せば安全保障上の協力は一層緊密かつ効果的になる、これは日本国民だけが決定できると述べているというふうになっているわけです。この規制というか同盟関係の規制、この規制は同盟関係の障害であると、それを日本だけが外すことを決定できるというようなことを報告書には述べているわけでございます。 これは、やはり独立国として営々として発展してきた、ここまで来た同じ日米ですから、肩を並べてこれからも同盟関係でいこうということでのアメリカ側の願望といえば願望かもしれませんが、こういう報告書が出てきているということは、先ほどから私が防衛力は増強されていますよということを含めて、そうした日本の経済的な背景あるいはいろんな意味での日本のこれまでの国際的な貢献を含めてこういう議論がされて提案がされてきたということに対して、しかも集団的自衛権の行使を求めてきた、大変二十一世紀に向けて議論しなけりゃいけない大きな問題がアメリカ側の報告書から出ているということについて大臣はどうおこたえになっていくのか、あるいはその前にどうお考えになって、どうおこたえしていこうとされるのか、御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 議員が御指摘になっておられる報告書というのは、アーミテージさんとかキャンベルさんとか、知日家というんでしょうか、アジアの問題にかなり長い間携わってこられた、時にはアメリカの政策担当者の一員であった方々が集まってつくられた報告書ということで、これは我々としても、民間の出した報告書ではありますけれども、これはただ単に民間のものだからというだけではいられない、もう少し関心を持たざるを得ないものだというふうには思っております。 しかし、そうはいいながらも、その中に書かれていることは、いろいろな角度から研究はしておられるけれども、やはり民間の報告書という、ちょっと表現は悪いかもしれませんが若干気安さ気楽さといいますか、気安さはあって、これがもしアメリカの国務省が書く文章であればこんな文章はきっと書けないだろうなと思うような部分もたくさんあるわけです。 バードンシェアリングからパワーシェアリングへという御指摘は、これをお書きになった方の、恐らくこの人の主張ではないかと思えるような部分は私にも思い当たるところはございますが、それはかねてからそういう主張をしておられた方もあるけれども、それは決してアメリカの政策にそのまま投影されることはなかったし、これから先のことですからわかりませんけれども、私はそう簡単にこれがアメリカの政策そのものになるというふうにも思えないでいるわけです。 まして今、アメリカは大統領選挙がああいう状況でございますからどういうことになるかもわかりませんが、もちろんこの人たちはどっちの政権になったとしても関与する可能性のある人たちではありますけれども、私はこの報告書このままがアメリカの政策になるというふうにはちょっと言い切れないところがあると思っております。 ということがまず前段で、そしてここに書かれておりますことの中には、日本に対していろいろと、今おっしゃるようにこういうものは障害ではないか、あるいはこういうことがなければもっと何といいますか同盟関係は新しい同盟関係、つまり日本に対する別の意味の負担というものができるんじゃないかというようなことも言おうとしているんだと思いますが、これはやはり私は、例えば今議員がお話しになりました集団的自衛権の部分などは、これはやはり日本の国内でこれだけ議論があって、憲法上、憲法九条のもとにおいて許容されている自衛権の行使は我が国を防衛するための必要最小限度の範囲にとどまるべきものであるという解釈であって、集団的自衛権を行使することはその範囲を超えるものであって憲法上許されないといったような憲法解釈もあり、それからまた、国際的にはそうしたことは一般論として認められるとしても我が国はそうしたことはもうしないのだという、これはかねてからの主張というものはある。 そういう状況は、この知日派と言われるこういう人たちが知らないはずはないわけで、そういうことも承知の上でこういうふうに書かれたのは、今申し上げたように民間の提言だからということであろうと思うんです。これがもし公式の文書でこういうことを書かれるとすれば、これは我が国に対して、我が国の防衛政策、あるいはもっと言えば我が国の極めて根本的な部分について触れるものだというふうに私は思いますから、それは我が国は我が国の立場というものはきちっと持っていかなければならないのは当然のことだと思います。 もちろん、日米同盟の維持強化ということは重要なことでありますから、そしてまたその信頼性を高めていくという意味でやるべきことはやらなければいけませんが、我が国の判断というものも、またこれはきちっと言わなければならないというふうに思っております。
○海野徹君 今大臣が、民間の報告書だから意外と気軽に書いている、気楽に書いていると、政府の公式見解だったらこんなことは書けないだろうと。当然書けないはずですね、そんなことはある意味では内政干渉でありますから。むしろ、大臣がおっしゃっている日米安保とか日米同盟の効果的な円滑な運用の阻害になってくると思うんですね。 ただ、書いているメンバーを見ますと、これはどの政権になろうと相当な影響力を持ってくる方、政権の中枢に入ってくる方。となると、やっぱり何らかのメッセージを事前に送ってきたと考えるのが妥当ではないかなと思います。同盟関係の障害とまで表現されているというのは、非常にこれは私は懸念をするところなんです。 いろいろな政府見解が集団的自衛権の行使について出ていることは私も十分承知しておりますが、しかし、権利は持っているけれども行使はしないというのは、これは国際的には理解できないロジックなんですよ。持っていても行使はできない。健全な同盟関係を成立させるということがアメリカ側にあるとしたら、これはやっぱりどうしても理解できないロジックだけにこういうようなものが出てくるのではないか。今後とも、何回も言いますように二十一世紀の日米同盟のあり方に非常に大きな問題になってきている。それを事前に、二十世紀中に、最後になりましたけれども、我々にメッセージとして伝えてきて、まさに議論すべきだというような我々も義務を負ってきているんではないかなと私は考えるわけなんですが、大臣はどのような御見解でしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 議員が先ほど地位協定のところでおっしゃったように、やはり二十一世紀の同盟関係について中長期的に考えるべきではないかという御議論がこの部分でもやっぱりあるんだろうと思います。 私どもは、今後の日米関係、それは短期的なものではなくて、中長期的に見て日米同盟関係がどういう形になっていくべきか、あるいはなるのかということについては、例えばこういうシンクタンクであるとかそういうところで議論をするということは重要なことだろうと思います。
○海野徹君 同盟関係は、私は理念と行動指針と財政基盤、その三点セットで機能するんだというお話をさせていただいて、大臣も全く同感であると私は理解しております。 今、二十一世紀の新しい同盟のあり方という全体像について御見解をお伺いしたいんですが、今の議論をさせていただきます。 これは両大臣にお伺いしたいんですけれども、一九九六年に日米安保共同宣言、九七年に日米防衛指針というような形でいろんな諸懸案を整理してきつつある。これは、同盟関係の中の理念と行動指針ということについては整理されつつある。今度の日米地位協定の特に特別協定における財政基盤をどうするかという問題、これもある意味では今回のような形で議論をされようとしている。これを国民的なレベルまで落として、我が国の安全保障、外交防衛、日米同盟、日米安全保障、あるいは北東アジアの安全を考えたとき、新たな同盟のあり方というのは基本的にどういう理念でどういう具体的な行動を我々日本はとっていくべきなのか。その点についての御見解をお聞かせいただければ大変ありがたいと思います。両大臣にお願いしたいと思います。
○国務大臣(虎島和夫君) 御指摘のことについては、先ほども御説明申し上げましたけれども、これは振り返って考えてみますと、アメリカの有識者の御提言であると同時に、実は日本国内でもこのような議論はいろいろな分野、いろいろな立場から起こされておるわけです。それが今日のような現状で我が国の外交なり安保という問題が進められておるというのには、やはり今までの日本での議論の結果と申しますか、それは法制上の取り決めもありましょうし、あるいは国会の決議もありましょうし、あるいは政府自身の統一見解等々もありましょうし、そのような中でそれぞれ国民のそういう議論もいただきながら検討が不断に加えられておるということが現実でございます。 また、私どもも、二十一世紀という長い期間は別として、来年から始まる五カ年間は次期防衛力整備計画の中期防衛力というので現在いろんな議論を進めておるところでありますので、それらの中で消化できるものもあれば、どうしても従来からの枠組み、検討、法律等々から踏み込めないものもあるという現実に到達するということを予測いたしておりますが、いずれにしても国民的な議論が大いに起こってくるということは、当然これは大事な、しかも基本的なことでありますので、それらの動向も見きわめながら、次期防なりそのほかの基本的な問題には対応していきたい、防衛庁としてはそのような考えを持っておるわけであります。
○国務大臣(河野洋平君) 二十一世紀が目前に迫っているわけですが、先ほど来から御議論がありますように、この新しい世紀に北東アジアに緊張緩和に向けての動きが出てきて、それが本当に具体的に緊張が緩和されるという状況が来れば、これはまた新しい北東アジアの平和と安定をつくり上げ、維持するという作業に我々は取りかかる必要もきっと出てくるのだろうと思うんです。そういうときには、外交が一定の役割といいますか、相当な役割を果たすべきだと思っております。しかし、そうは言っても、先ほど防衛庁長官もお話しになりましたように、外交だけでは十分ではない、安全保障というものをしっかりと土台を固めるという意味で日米同盟というものがやはりその重要性を持つことになるのだろうというふうに思います。 そうしたことを考えますと、二十世紀の我が国周辺の状況と二十一世紀の状況が変わっていくのではないか。また、変わりつつあるものを後押ししてでも変わらせる、いい方向に変わらせるという努力もまたやらなければならないわけですが、そうしたことを踏まえて二十一世紀の我々が考える安全保障といいますか日米安保条約の姿というものをつくり上げていくべきではないかというふうに考えているわけです。 幸いにして、日米関係についての両国国民の理解といいますか、その他は大変いいわけでございますから、このよき理解を背景にしてよりよい同盟関係をつくっていくということが重要だと思います。その際に、やはり基地のあり方とかそういったことまで含めた議論が日米双方で行われていけば、さらに両国の関係について新たな関係というものが出てくる可能性があるのではないかというふうに思っています。
○海野徹君 外務大臣にお伺いしたいんですが、二十一世紀に向けた新たな同盟関係の全体像を国民的な議論でつくり上げていくということが必要だという私はお話をさせていただいているのは、何か今アメリカと日本の同盟関係というか同盟体制、これにぽっかり穴があいているんではないかなというような感じがするんです。 なぜそんな感じがするかというと、先ほどのような報告書が出てきているというのはやはりそういうことの一つのメッセージかなと。要するにアメリカと日本のいろんな意味で国の非対称性が非常に拡大しているようなんです。これは安全保障面においてもそうなんです。経済においても財政においても、あるいは社会全体の統合度というんですか、そういうことにおいても非常に今心配をしている部分があるわけなんです。それだけに、いま一度我々はその全体像を探るべく努力をすべきではないかな、真剣にすべきときに来ているんではないかなということで御質問させていただいているわけなんです。 日米同盟というのは、あくまでも民主主義という普遍的な正義、普遍的な理念で結ばれた、これは血じゃなくて盟友関係なんですね。理念の盟友関係なんです。それをさらに深めていく必要が、そしてまたそれをさらに拡大していく必要が二十一世紀にもあるなという思いの中で、一方では空洞化現象が起きてしまっているんではないかなという心配をするものですからそんな御質問をさせていただいているわけなんですが、この日米地位協定の締めくくりの御質問として、その点の御認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 日米関係は、今議員がおっしゃったように、民主主義とか自由主義とか、あるいは経済でいえば市場経済とか、そういう共通の価値を持っている、まさに議員がおっしゃったように血ではなくて理念といいますか考え方といいますか、そういうもので結ばれている部分が強いというのは私も同感でございます。 この民主的な社会、あるいは非常に自由な社会というものは時にはさまざまな意見というものが出てくる。それがまたその国の力になっているわけでございまして、アメリカから、政府から出てくる考え方とは別に、特にアメリカの場合にはたくさんあるシンクタンクがそれぞれに日米関係について考察をする、あるいはシミュレーションを行うということから、いろいろな意見が出てくるということは私はあっていいと。私があっていいと言うのも変ですけれども、あるのは至極当然であって、そういうことにも我々は十分目配りをしながら、アメリカの国民の中にはこういう意見がある、こういう心配をしている部分があるんだということを我々はやっぱり知る非常にいい重要な機会を持っていると思うんです。 私は、日本ももっとこういったシンクタンクのようなものが日米関係についてアメリカに対して情報を発信するということがあってもいいのではないかと。日本の国民の中に、現在の日米関係あるいは将来の日米関係について一体何を求めているか、何を心配しているか、何を不満に思っているか、あるいは不安に思っているかというようなことがもっと出てきても、それはそれでアメリカは恐らく十分それは許容する、耳を傾けられるに違いない。そうやって、双方は十分お互いに寛容の精神を持って、それは一つの民主主義という共通の理念の上にお互いの意見を十分聞くという態度というものがある、これがまさに日米同盟の非常に強いきずなになっているのだというふうに思うんです。 我々がやっている仕事は、そういう非常に強いきずな、基盤の上に立って、安全保障について安保条約という一つの部分について我々は議論をし、そしてそれが我が国の安全の上で非常に重要なものになってきているというふうに思っておりまして、これをさらに円滑に進めるためにこの法案が重要だということをぜひ御理解をいただきたいと思います。
○海野徹君 外務大臣にはぜひその辺のことを御期待申し上げます。 最後になるかと思いますが、日朝国交正常化交渉にどうしても質問が入らざるを得ないわけなんですが、通告した問題点全部できませんで、一点だけ時間の許す限りでお伺いしたいなと思います。 今回、日朝国交正常化交渉は進展がなかったというような感じを受けております。しかしながら、経済支援における日韓方式は突っ込んだ説明をしたんだというようなことも伝わってきております。その日韓方式を要するにどの程度説明されたのか。当然これは、その点からコストを伴った正常化交渉ということになってくるわけなんですが、政府としてはいわゆる南北が統一されたときの統一朝鮮のコストというのは、そういった意味でははじき出したことはおありなんでしょうか。これは民間では、この程度の水準に上げたらこれぐらいのコストがかかりますよなんというそういう数字ができているんですね。だから、そういうコストをある程度腹に置きながら日韓方式の説明をしたのか、全くそういう部分がなくてされたのか、その点、御説明をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 日朝交渉は、三回の交渉をいたしまして、合意できる部分について探り合うというような状況にもう入れという指示を私からいたしました。 二日間にわたって日朝交渉が先般北京で行われたわけでございますが、その交渉の際に先方から、交渉もこれから佳境に入るので、ここでの議論については両国のお互いの了承がない限り外には発表はしないことにしようという提案があって、これはいろいろ我が方には我が方の、つまり自由社会という状況から我が方には我が方の考え方があるんだと言いましたけれども、交渉相手のあることでございますから、先方からこの交渉の中身については外に出さないようにということになっておりますので、御説明をできないことをまことに申しわけないと思いますが、この日韓方式については、我が方から過去の清算という極めて重要なテーマの中で、一つの例として日本と韓国とはこういうやり方でやったんだと、これは一つの例ですよという意味で説明といいますか話をしたということはある。 失礼しました。これは今回の北京ではなくて、その前の交渉のときで、私、思い違いでございましたが、その前の交渉のときに一例としてこういうことを言ったことがあるわけでございます。 今議員がおっしゃいますように、南北朝鮮統一にかかる費用について計算しているか、試算をしているかというお尋ねでございますが、これは正直申しまして試算をしておりません。今の状況では、ちょっと試算をしてみろと言われてもなかなかこれは正直できないように私は思いまして、試算をしておらないところでございます。
○海野徹君 日韓方式となると、やっぱりコストというのは当然念頭に置く必要があるのではないか、計算する必要があるのではないかと私は思います。 これは新聞紙上で見ますと、アメリカのゴールドマン・サックスという会社、これは非常に有名な会社になっちゃいましたけれども、金融再生委員会で時々出てくる名前ですが、それが南北朝鮮の統一にはどれだけのコストがかかるだろうかということで、試算によりますと、直ちに経済統合に入る場合は、今後十年間で北朝鮮を韓国の五〇%の水準まで引き上げようとすると八千三百億から一兆二千億ドルかかる、韓国と同水準にするには二兆五千四百億ドルが必要だと。当然これは、統一の暁には一体となって日本に臨むだろうということなんです。とんでもない数字なんですよ。 なぜかというと、今韓国の経済状況は、一九九七年には経済危機を克服して設備投資もふえてきています。だから、去年の実績なんかGDPの伸びが一〇・七%、ことしも五%とか六%の成長に行くんではないかということが言われております。しかしながら、半導体やコンピューター、携帯電話、こういったハイテク関連のものが韓国経済を引っ張って、いわゆる重厚長大部分というのは壊滅的な状況にあるということも聞かれています。株価も年初来の最安値を更新する、第二の経済危機になるんではないかという不安感がマーケットにはあるという状況なんです。 そういうことを踏まえて、金大中さん、日本へしょっちゅう来ては、経済支援、早く国交正常化をというような話がされていると思うんですが、こういうことを念頭に入れていただいて、あるいはコストもやはりきちっと腹に、これは公表をもちろんしなくたってもいいわけなんですが、腹に据えて、入れていただいてやはり交渉していただく、原理原則論を持って交渉していただくということが必要ではないかと思いますが、そのことだけ要望させていただいて、時間が来ましたから質問を終了させていただきます。 どうもありがとうございました。
○益田洋介君 まず、外務大臣にお伺いしたいと思います。 昨十五日、ブルネイを訪問中の森総理大臣が、ロシアのプーチン大統領と平和条約交渉の進め方について約一時間にわたって会談をされたと報じられております。特に北方領土問題がメーンのテーマであったようですが、我が国としては、四島の帰属問題をまず解決した上で平和条約を締結するんだ、こういうふうなプロセスで交渉を進めていきたいと。これは結局川奈提案でございまして、国境線を画定すれば北方四島の施政権の返還は当面求めないで継続して審議をしていく、こういうふうな我が国の立場を森総理は強く提案したようでございますが、これに対して、残念ながらプーチン大統領は、川奈提案というのはロシアの意向に沿った提案ではないと、エリツィン大統領の了解を覆すようなそうした姿勢を示したわけでございまして、逆に、一九五六年の日ソ共同宣言の有効性については認めながらも、川奈提案は受け入れられるものではないというロシアの立場を改めて確認したと。 こういう結果でまず会談が出発したようでございますが、期限設定というのは、二〇〇〇年の末までというのは、これはもう実現が完全に不可能になったわけでございますが、今後どのような手順でこの厄介な北方領土問題について交渉を続けていくのか、その辺の御決意と、それから実際の政府の交渉の進め方について伺いたいと思います。 なお、総理の次の、次のといいますか、ロシアを訪問した際の会談場にイルクーツクが選ばれた、これは非常に何といいますか感傷的な理由で選ばれたそうでございますが、この点を含めて外務大臣の御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 日ロの首脳会談がおよそ一時間、五十五分とか聞きましたけれども、およそ一時間行われたわけですが、それはもう議員がおっしゃるように、当然この議論の中身は領土問題、あるいは領土問題を解決して平和条約を結ぶためにどうするかというようなことについて非常に率直な話し合いがされたということでございます。 これも、今お話がありましたように、四島の帰属を確定してその上で平和条約を結ぶというのが我が方の基本的な考え方でございますから、その考え方に沿って総理は先方と話し合われたというふうに聞いております。 川奈提案でございますが、川奈提案につきましては、総理は、自分は今でも川奈提案が最もいい案だと思っているということを言われたようでございますが、プーチン大統領は以前から、川奈提案は熟慮された案だと思うけれども完全には一致しないということをかねて言われておりまして、今回も、自分は川奈提案は実質的前進であると思うというふうにプーチンは言っております。しかし、議論はそこまででございまして、双方で何を決めたということではございません。 御指摘のように、五六年の共同宣言については、これの持つ意味は双方で確認し合ったということでございまして、四島の帰属云々については、なおこれから努力をしなければならないと思います。 お話しのように、クラスノヤルスク合意で二〇〇〇年に平和条約締結に向けて全力を尽くすという双方の合意があるわけでございますから、我々としても先方に対して、二〇〇〇年がもうすぐ終わりだとはいうものの最後まで全力を尽くしたい、そちらも全力を尽くして対応しろということを総理も言われたようでございますし、私も先般、モスクワでその旨申し上げてまいりました。 総理は、昨日の会議では、今後はもう一度外務大臣レベルで、もしくは専門家レベルでさらに検討をして、実質的な前進があれば自分はもう一度フォローするということも言われたと。 イルクーツクにつきましては、今議員がおっしゃったように若干情緒的な、総理のお父上のゆかりの地だということで、それについてプーチンは、そういうことであればイルクーツクへぜひお迎えしたいというようなやりとりがあったというふうに聞いております。
○益田洋介君 次に、アメリカ経済についてお伺いしたいと思います。 御承知のように、次期大統領が依然として決定を見ないという異常事態がアメリカの経済の先行きについて不安感を高めている。IT革命、IT革命と森内閣はおっしゃっていますが、IT王国と言われているアメリカが機械による投票の自動読み取りができずに結局手作業になっている。だから、余りIT、ITと朝から晩まで言うのは考えていただきたいと思う。 それはいいんですが、その財政運営が議会の主導になって、支出が拡大したりドル安や株安というものを連鎖反応的に呼んで、結局圧力がどこへ行くかというと、貿易赤字相手国である日本へ圧力がかかってくるという懸念が今経済界に広く広がっております。 十二日のニューヨークのマーケットではナスダックの総合指数が三〇〇〇の大台を割り込んだ。これは一年ぶりのことです。それから、ダウ平均株価が五営業日連続で下落している。結局、ナスダックの総合指数が年初来の安値を更新している毎日、情報技術それから通信業において設備投資が減少していることが株価の下落を助長している状況だと。設備投資の減少というのは、言うまでもなく生産性と経済成長率の低下を同時進行的にもたらす。非常に不安要因が累積して、今アメリカの経済界は進んでいる。 一方、それが日本のマーケットに、ニューヨークの株価の下落そのものが直撃して日本のマーケットに悪い影響を及ぼすわけでございまして、今の日本の株式は年金金融機関を除くと買い手がほとんどいない、買い手不在の状況にまで陥っているという暗雲が立ち込めている現状でございます。特に、日本の個人投資家というのは、八七年のブラックマンデーのときに株価下落を買い支えたのは日本の個人投資家だった。その個人投資家というのは、もうかなり買い越しをしてしまって巨額の含み損を抱えているために、株式投資には非常に及び腰になってきてしまっている。 こういう現状を外務大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) アメリカの経済をどう見るかというのは、これまた専門家の方々によって大分見方がいろいろあるようでございます。今議員が御指摘になりましたナスダックにしてもダウ平均にしても、この下落は四月十四日の下げ幅に比べれば、それよりは大分小さいではないかという見方もございますし、一方では、三〇〇〇を割っているというところに着目をすれば、やはりこれは下降傾向ははっきりしているではないかというふうに見る人もいるわけでございます。 しかし、全般的に言えば、アメリカはまだ百十五カ月経済はいい状況が続いているわけでございまして、私どもは、このナスダックやダウ平均の下げが、そのまま直ちにアメリカの経済が非常に悪い状況に落ち込むというふうにも、一方的にそう思うような状況ではないと思っているわけです。 この株価の動向は、今議員がお話しになりましたように、設備投資を初めとしてさまざまな要因を見なければなりません。つまり、実体経済が一体どういうことになっているかということを確認する必要があるのであって、よく言われるように、ちょっと大統領選挙の状況その他アメリカが非常にぐあいの悪い状況になっているのではないかという、そういうことで急にアメリカの経済が不況に向かうというふうには私は考えておりません。 一日も早く大統領がきちんと決まって、スムーズに新たな政権へ政権が移譲されて、そして当局が適切な経済運営を行うということを期待しているというのが現状でございます。
○益田洋介君 十月の上旬に共和党の外交政策顧問の一行が北京を訪れました。そこでは、目的は米国の学術機関と人民解放軍との交流計画の調整だった。その際、さまざまな中国の安全保障に対する考え方についての論議がなされた。そもそも中国の対外戦略の基本というのは、今現状においては世界は米国の一国支配である、こうした状況を打破して多極世界を構築するというのが基本路線だという認識でこの訪中団は帰ってきたそうでございます。 十月十六日に発表された国防白書、この中で、特に中国は、日米ガイドラインなどを中心とした日米の安保に関する新しい措置、これはこれから審議する船舶検査についてもそうだそうでございますが、非常に危険な事態になりつつあると非難している。これは文書で発表されたものです、公式文書でありますから。さらには、昨年の建国五十周年記念日の直前に、核兵器の自主開発をした科学者二十数名に対して表彰した、歴史的な偉業であるといって礼賛をした。その席上で江沢民主席は、自前の原水爆なしに今日の中国の国際的地位は決して築かれなかった、そのように明言している。我が国の立場は一貫して核忌避と言ってもいいぐらいの考え方ですから、非常に対照的なんです。 こういうふうにあからさまに日本の安全保障とか日本の核兵器廃絶運動に対する批判を公然とする中国に対してODAをさらに続けるおつもりですか。
○国務大臣(河野洋平君) 中国の核に対する考え方については、私も、中国のハイレベルの方々にお目にかかるときには、いつもこうした点については私の持説は申し述べているところでございます。 しかし一方で、中国はCTBTには既に署名をしております。これは非常に早い時期に中国は署名をいたしました。ただし、まだ批准はいたしておりません。中国はCTBTに署名をして、今それを批准すべく人民議会に提案をしているところでございますが、私は一日も早く批准をすべきだということを何度か申しましたが、中国側は、自分たちはアメリカの態度も見ている、視野に入れていると。中国は、やるときにはもう即時にやることができるということを言っておりまして、何かというと、いやもう既に署名はしたんだよと、我々は、批准についてはアメリカ議会がどういう対応をとるかを我々は見ているんだというような言い方をする場合もあるわけでございます。アメリカのこのCTBTに対する態度は、もう御承知のとおりでございます。 そこで私は、やはり中国に対しては、核の問題についてもっと積極的に日本と一緒になって核廃絶に向けて協力をしてもらいたいということを言っておりますが、核保有国としての中国はやはり日本とは少し態度が違うわけでございます。しかし一方で、先制核使用はしないとかそういったようなことはやっておりますが、我々の主張は核廃絶でございますから、ぜひとも中国に対してこうした我々の考え方を理解し、協力をしてもらえるように引き続き努力をしたいというふうに思っている次第でございます。 ODAにつきましては、我が国のODAに対します考え方の基本にのっとって総合的な判断をするというのが我々の立場でございますが、中国に対する支援の重要なところは、やはり中国の安定、あるいは中国の繁栄というものがアジアの安定とかアジアの経済的な繁栄のために重要ではないかと、重要な役割を担うものだというふうに我々考えている点をぜひ御理解いただきたいと思います。
○益田洋介君 先週の木曜日、九日の日、当委員会におきまして、中国の外資系との合弁会社、リース会社が二百億以上の負債を抱えたまま事実上の倒産をしたと、そういった論議を外務大臣といたしまして、これは政府としても、やはり日本の投資家を擁護するような方策をぜひとも政府レベルで、政府間でとっていただきたいと、そのようなお願いをしたんですが、残念なことに、それから二日たった十一日に、今度は海南省にあります海南省国際信託投資公司、HITICと言っていますが、これの債券を引き受けた日本の銀行の借款団が正式にデフォルトを通告した、債務不履行を通告したわけでございます。引き続きこういうことが日を経ずして起こっているんですよ、外務大臣。 これは住友銀行と新生銀行のコングロマリット、協調融資団でございますが、外債でこれは二百八十五億円分を引き受けたわけですが、デフォルトを出したって実際には既に倒産状態なわけで、債券は無価値になって回収不可能になることがこれも確実視されているということで、最悪の事態に陥っている。こんなことが頻繁に起こったら、外務大臣、日本の投資家はもう投資しなくなりますよ、中国に。 中国にとってもよくないことなので、ぜひとも政府レベルでこの問題を話を進めていただきたいんですよ、いかがでしょう。
○国務大臣(河野洋平君) 私も、今の議員の御意見に全く同感でございます。 私は、中国がどんなに日本に対して投資を要請しても、求めても、投資環境がこういう状況であれば、日本からの投資はもうなくなる、だんだん減っていくというふうに私も思います。中国側は、そうした状況をよく考えて、投資環境を整えるという努力をしなければならないというふうに私も思っております。議員が御指摘になりましたように、日中間の金融協力だけではなくて、我が国の対中投資全般について、今お話にありましたような幾つかの案件は大変大きなマイナスの影響があるというふうに認識しておりまして、中国側が適切な対応をとる必要があるというふうに私は思います。 これらについては、私からも、あるいは首脳会談で総理からも先方に伝えて、きちんとした処理をしてほしいという旨の発言をしたところでございます。 その際、中国側からは、ノンバンク問題、とりわけ本件につきましては、日本人債権者の合法的利益を守る方向で解決をしたい、国際的な慣例及び法律に従って処理をしていくべきだと自分も思っているという旨の発言がございました。
○益田洋介君 国際的な商習慣に従って対応するというふうな発言があったと言いますが、まず国とか公共機関が、あるいは中国の四大銀行が債務保証している、債務保証があるからということで日本の借款団は債券を買ったりあるいは融資をしているわけです。債務保証は、これは履行されていないんですよ。ちっとも国際的な商習慣にかなっているとは私は思えないんですよ、外務大臣。違いますか。
○国務大臣(河野洋平君) 私、そう思います。議員がおっしゃるように思います。 私が今申し上げたのは、中国の首脳がそういうふうに発言をしたということを御披露したのでございますが、実際問題として、それは国際的な慣例でございますとか法律に従ってこれまでは処理されていないというふうに私は認識しております。
○益田洋介君 次に、虎島防衛庁長官にお伺いいたしますが、来月中旬に閣議決定が予定されております二〇〇一年から二〇〇五年までの次期防についてでございます。 この中の目玉は空中給油機一機分の導入経費でございますが、これについてはさまざまな議論が政府それから自民党の間で行われているそうですが、長官の持論は、これはどうしても早期に、世界じゅうでは二十三カ国ももう既に空中給油機を保有しているわけでございます、日本が持っていないというのは異常な事態だと、私もそう思います。 長官がこの案を強く提案したときに、自由民主党の野中幹事長が、そういうことは慎重にすべきであろうと。特に北朝鮮のテポドン、九八年に発射事件がありましたけれども、個別的自衛権の行使としての、北朝鮮のミサイル基地を先制攻撃するためにも空中給油機が必要なんだ。しかし、今幹事長のお考えは、南北朝鮮が話し合いの場に着いたところなんだから少し慎重にしたらどうかということで、結局結論が出ずに、十二月中旬の閣議決定までこの決定は持ち越されている。非常にこれは憂慮すべき問題だと思います。 この点について、長官はどのようにお考えですか。
○国務大臣(虎島和夫君) お説のように、空中の航空機に対する給油機能というものは、国際協力活動にも利用できる輸送機能を有する航空機について次期防でこれを整備したいということを提案いたしておるわけであります。 これは、既に平成十二年度予算においても必要な経費は計上をして空中給油機能に関する運用研究を実施したところであります。もっとさかのぼりますと、空中給油・輸送機については、平成十一年十二月十七日の安全保障会議において、このことは次期防において速やかに整備を行うという政府の取り決めもあるわけであります。 それらを踏まえ、研究費を御承認いただいて、そしてこれを実施したわけでありますから、私としては、あるいは防衛庁としては、このような経緯を踏まえて平成十三年度の概算要求において空中給油・輸送機を一機計上いたしておるところであります。
○益田洋介君 さらには、日本が武力攻撃を受けた際の有事法制の整備については、これは何度も議論を重ねてまいりました。瓦長官の時代から当委員会においてさせていただきました。やはりこの検討作業の早期開始というのを長官は御自身の持論として訴えられているそうですが、これに対しても野中幹事長が非常に慎重論である。今はそんなことをしないで、むしろ政権が体力を整えた段階で始めても遅くないんじゃないかと、非常に政治的な判断だと思いますけれども。 これはやはり促進されるお考えですか、長官としては。
○国務大臣(虎島和夫君) このことは、国民の生命、財産を守るという自衛隊の任務遂行のために必要なものであるというようなことで従来は研究を続けてきたわけであります。さらに、これについては、研究成果については一部は公表いたしておることも委員御承知のとおりであります。 したがって、本件については、法制化を目指した検討を開始するよう政府に要請するとの先般の与党の考え方を受けとめながら、適切に対応してまいりたいというふうに思っておるわけであります。 なお、現在防衛庁におきましては、公表されました報告で、その後指摘されておる問題点に関しては報告公表後の法令の改廃等の状況を踏まえながら、自衛隊の円滑な行動を確保する、そういう観点から検討を進めているところであります。
○益田洋介君 新防衛計画大綱が策定されてから、今回の次期防は二回目になるわけでございますが、新しく加える重点項目の一つに武装ゲリラとか生物化学兵器への我が国の対応力の強化、こういう項目が加わるというふうに聞いておりますが、これは概略どんなことか、差しさわりのない程度に御説明いただけますか。
○国務大臣(虎島和夫君) これは現在政府レベルで検討中であります。したがって、具体的内容についてはまだお答えできる段階にはありませんけれども、防衛庁としては、防衛計画の大綱のもとで防衛力の合理化、効率化、コンパクト化を進めるとともに、必要な機能の充実と防衛力の質的な向上を図ることが必要という考えを持っております。したがって、こういう立場からゲリラ等による攻撃等への対処能力は向上させるべきであるということを考えておるわけであります。 いずれにいたしましても、本件については政府レベルでの検討に資するよう、引き続き内外諸般の情勢を勘案しながら所要の検討を行ってまいりたい、こういうふうに思っております。
○益田洋介君 それから次に、NMD、全米ミサイル防衛計画でございますが、これは大統領がどちらになったとしても早急に判断を迫られる防衛上の重大問題だと思うわけでございますが、一方で、ワシントンで九月の中旬に行われましたカーネギー国際平和基金が催した国際セミナーでは、フランスそれからイギリス、イタリア、ノルウェーの専門家がこぞってNMDの効果に疑問を投げかけた。一つは、短期間で実戦配備できるのかどうかという実務上の問題、もう一つは、余りに金がかかり過ぎるのではないか、実効性がないのではないか、こういう議論がなされたというわけでございます。 これは、我が国も非常に判断を迫られている課題でございますが、我が国は、現在の政府は前向きの姿勢をとっている。これだけ世界じゅうから批判が集中している、特に中国がこれは非常に以前から批判的でございました、非難に近いような言い方をしている。そういうさなかで、我が国だけがアメリカに追随してこの計画に前向きに取り組もうとしている。これはちょっと私はどうしても疑問でならないので、このNMDに対する我が国の取り組み方、御見解を両大臣からお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 日本政府のNMDに対します考え方について、私は先般の国連総会におきます一般演説で述べております。 その私の演説は、こういうふうに演説をいたしました。「私はアメリカ政府がNMDの配備決定を先送りしたことを、この重要な問題についての一層の対話を重視する慎重な配慮として評価いたします。」と。つまり、先送りしてよかったんだ、決めないでよかったんだ、そしてその先送りすることによって出た時間を十分対話してこの問題について判断をするべきだということを国連総会では言いました。 私は、この問題は、できることなら米ロがもっともっと議論をしてほしい問題でもありますし、もちろん今議員が御指摘になりましたヨーロッパの国々の中でも、この問題について非常に関心を持つ、懸念を持つ国もあるわけでございますから、アメリカとしてはその配備の決定を先に延ばすことによってそうした国々と十分話し合ってもらいたいというのが私の演説でございまして、これが現在我々の考え方だというふうにおとりをいただきたいと思います。 つまり、それは、議員がお話しになった日本はこのNMDに対してどういう態度なのかという問題につきましても、私はそのときに同じように、この問題についてはさらに議論が深まる必要があると。アメリカがこうした問題、NMD計画を検討しているというそういうアメリカの態度というものは、近年の弾道ミサイルの拡散があって、それが自国の安全保障に深刻な脅威になっている、これに対処するためにどういう外交努力をするか、さらには外交努力とともにNMD計画についても検討をするというこのアメリカの態度には一定の理解を我々はいたします、しかしその配備については、この配備を延ばして十分話し合ってもらいたいというふうに私は述べたところでございます。
○益田洋介君 地位協定そのものについて一問質問をさせていただいて、私の質問を終わりたいと思います。 藤崎北米局長がちょうどいいタイミングで入ってこられましたので、通告はしておりませんが、四ページの第四条ですね、これは邦文ではこうなっております。「アメリカ合衆国は、従来と同様、前三条に規定する経費の節約に努める。」。ところが、英文を見るとそういうふうになっていない。アーティクルⅣで「ザ・ユナイテッド・ステーツ・オブ・アメリカ・ウイル・メーク・エフォーツ」と書いてある。全然違うじゃないですか、これ。それからさらに、「アズ・ヒアトゥーフォー」と言うけれども、以前に経費の節約の努力をしたんですか、そういうお話を伺っていませんけれども。「ウイル」というのは、これは拘束力ないですよ、局長。努力目標だとか希望的な観測にすぎない。これ邦文になると、一生懸命アメリカは努力するわけです。 こういうふうな姿勢というのは僕はおかしいと思う、外務省。
○委員長(服部三男雄君) 通告ないし政府参考人の呼び方が、公明党さんから出ていない問題でありますからちょっと委員長として対応に困るんですが、外務省当局として答えられるならば答えればいいし、答えられないなら答えられないとはっきり言ってください。
○益田洋介君 答弁結構です。 終わります。
○委員長(服部三男雄君) 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時二十一分休憩 ─────・───── 午後一時二十一分開会
○委員長(服部三男雄君) ただいまから外交・防衛委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題とし、質疑を続けます。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小泉親司君 思いやり新特別協定について質問をさせていただきます。 質問をさせていただく前に、まず、沖縄のジュゴンの保護問題について初めに質問をさせていただきたいと思います。 沖縄のジュゴンの保護問題は、国際自然保護連合、IUCNが、軍事施設の建設に関する自主的な環境影響評価、それからその回復を支援するジュゴンの保全措置を日本政府とアメリカ政府に勧告したことはもう皆さん御承知のとおりだというふうに思います。日本政府も、十月三日の代替施設協議会で、ジュゴンの生息状況の予備的調査として防衛庁が環境庁から技術的助言を得て実施し、できるだけ早期に本協議会に報告するということを決定いたしました。 まず、防衛庁長官にお聞きしたいのは、この予備的調査の目的というのはジュゴンの保全措置をとる、こういうことだというふうに私は理解しておりますが、まず長官の御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(虎島和夫君) 防衛施設庁において実施しておりますジュゴンの生息状況の予備的調査については、十月三日の第二回代替施設協議会において名護市長からの御要請を受けました。同協議会の協議に資するため、環境庁からの技術的助言を得て、工事着手前に行う環境アセスメントとは別の調査として現在実施しているところであります。 なお、漁業関係者にも協力を求めて、目撃情報の収集も行っているところであります。
○小泉親司君 私の質問は、この予備的調査の目的はジュゴンの保護、このことだということなんですねとお聞きしたんですが。
○国務大臣(虎島和夫君) これに入りましたのは、今申し上げましたように名護の市長からの会議における要請がありましたので、私どもが防衛庁として問題を提起し、調査に入ったところであります。
○小泉親司君 今の御答弁は経過を御説明しているので、目的を私は聞いているのであります。ジュゴンの保護ということを目的としておるんですね。
○国務大臣(虎島和夫君) そのような流れになるかと思いますけれども、防衛庁としては御要請を受けて調査に入ったと、しかもそれは、協議会において要請を受けましたので防衛庁が実施に入った、調査に入ったということであります。
○小泉親司君 国際自然保護連合の勧告は、「ジュゴンの更なる減少を食い止め、その回復を支援するジュゴン保全措置を、可能な限り」「実施する」というふうにしているわけですね。代替施設協で合意された予備的調査というのは、やはりジュゴンの保護ということを目的にするということが当然であって、この予備的調査をやったから、いわゆるおざなりの調査で基地建設を進めるというようなことがさらさらあってはならないと私は思っておりますが、防衛庁長官はこの点いかがお考えでございますか。
○国務大臣(虎島和夫君) 私どもが調査に入りましたのは御趣旨のようなことであります。ですから、詳細に調査をし、生息が確認されるとかいろんなことの態様によってその後の措置についてはしかるべきところで決めていくという認識を持っております。
○小泉親司君 この予備的調査については、なぜ環境庁がやらないのか、私大変疑問が残るところであります。代替施設協議会にも環境問題については環境庁長官が出席するということになっております。 それはともかく、これまで政府は予備的調査というのは環境庁からの助言を得てと繰り返し言っておりますが、防衛施設庁はどのような助言を受けておられるんですか。
○政府参考人(大森敬治君) お答え申し上げます。 現在、防衛施設庁で行っております予備的調査の内容でございますけれども……
○小泉親司君 いやいや、内容なんか聞いていないですよ、全部知っておりますから。
○政府参考人(大森敬治君) 内容と関係いたしますので。 航空機によります調査と、それからダイバーが潜ってジュゴンが海藻を食べた跡の状況を調べるという二つの調査に御承知のようになっております。 この調査を実施するに当たりまして、その場所ですとか、それからまたその調査のやり方ですとか、また航空機によりますと高度をどういうふうな高度にとるかとか、そういうような技術的な指導を環境庁の方と調整しながらやっているということでございます。
○小泉親司君 済みません、そこにいていただけますか。 松本環境庁自然保護局長が来られていると思いますが、自然保護局長は、現在持っているジュゴンに関する知見をもとに必要な助言あるいは指導をするというふうに答弁されておられる。そして、科学的知見は一〇〇%ではないけれども、現在ある知見の範囲内で最大限バックアップしていきたいと、こういう答弁をされておられるんです。じゃ、環境庁は一体どのくらいの知見をお持ちなんですか。
○政府参考人(松本省藏君) まず、環境庁の知見の程度でございますけれども、今御指摘のありましたように、十分な知見を持っているという段階には立ち至っておりません。 ただ、具体的に申しますと、国内あるいは国外のいろいろな調査報告、それから各種の文献、あるいは報道関係の記事などから、例えばジュゴンの生物学的な特徴、生息調査の手法、あるいは海外での保護措置、あるいは沖縄本島近海でのジュゴンの目撃箇所とか食べ跡の確認地点に関する知見など、こういうようなものをやっておるわけであります。また、ジュゴンのえさ場でございます海藻藻場、これにつきましては、環境庁が一九八九年から九二年に干潟、藻場、サンゴ礁の関係で自然環境保全基礎調査をやっておりまして、その分布状況については全体的に把握をしているということでございまして、このような知見をもとに防衛施設庁の予備的な調査に対していろいろとアドバイスをさせていただいているということでございます。
○小泉親司君 ちょっと済みません、そこにいてください。 環境庁は、丸山自然保護局長さんというのは松本さんの前任者だというふうに思っておりますけれども、丸山局長は二年前どういう答弁をされているかというと、ジュゴンの生息状況につきましては十分な知見がありませんし、まだ国際的にも十分な知見がないような状態でございます、しかし五回も出てきた、つまりジュゴンが五回も目視されてきたことを踏まえまして、生息状況を把握する上での一つの情報としての価値が十分にあると。つまり、二年前には生息状況の知見は、国内でも国際的にも十分な知見がないとおっしゃっていた。 この二年間で、どういう調査をやって環境庁が責任を持って助言、指導できるような水準の知見をお持ちになったんですか。
○政府参考人(松本省藏君) 今まで環境庁は、先ほども申しましたけれども、国内外のいろんな調査報告というのを積み上げてきているわけでございます。したがって、今持っている環境庁の知見の最大限の範囲内で指導あるいは助言をさせていただいておるということでございます。
○小泉親司君 局長は衆議院の委員会で、藻場の調査もやっておりますし、あるいはジュゴン研究会など、民間の団体でございますが、いろんな調査をやっている、こう答弁されておるんですね。今も同じような答弁だというふうに私は趣旨を理解しておりますが、その知見というのは、環境庁独自が持っているのではなくて、民間の研究を積み上げているという段階なんでしょう。違うんですか。
○政府参考人(松本省藏君) 民間も含まれておりますし、それ以外の外国の調査その他総合的に調べさせていただいているということでありまして、環境庁がいろいろなところで独自で調査を実施したということはございません。また、それを具体的に調査するところまで、その調査手法その他について環境庁として具体的なものを持っていないというのが現在の段階と、こういうことだろうと思います。
○小泉親司君 環境庁が持っていないというのは私ははっきりしたと思うんです。それを環境庁が、防衛施設庁がやる予備的調査の助言、指導をするなんというのは非常に私おかしいと思うんですよ。 そこで、私もう一つお聞きしたいんですが、環境庁は今、国内、国際的なとおっしゃったけれども、それでは国内的にいわゆる代表的な調査というのは何なんですか、具体的にお答えいただきたい。抽象的に、一〇〇%じゃないけれどもこれぐらいだ、それなりだ、最大限だって、何が何だかわからない。具体的にジュゴン研究会ならジュゴン研究会、私事前に環境庁にお聞きしたら、ジュゴン研究会だとおっしゃる。そうなんでしょう。
○政府参考人(松本省藏君) いろいろとありますけれども、代表的に例えばということで申し上げさせていただければ、今お話にございましたジュゴン研究会が一九九九年に「日本産ジュゴンの現状と保護」というようなことで一つまとめておられます。それから、三重大学の粕谷教授、「沖縄近海におけるジュゴンの現状と保護」というようなことも報告しておられます。あるいは、ジュゴンネットワーク沖縄、「沖縄のジュゴン保護のために」という資料集も出しておられます。あるいは、水産庁が編集をされておりますけれども、日本水産資源保護協会の方から「日本の希少な野生水生生物に関するデータブック」、こういうのも出しておられる。その他いろいろということになろうかと思います。 代表的なものを申し上げさせていただきました。
○小泉親司君 今代表的なものとおっしゃったジュゴン研究会、これは粕谷教授が主宰しておるんです。二番目におっしゃった粕谷教授の論文、これも粕谷教授がやっておられる。粕谷教授が第一人者だと私は思っておりますが、粕谷さんの報告というのはどういうことを報告されておりますか。
○政府参考人(松本省藏君) いろいろな項目にわたって報告がなされていると承知しております。例えば生息調査などは、この研究会では、航空機によります個体の直接観察調査、こういうようなものをやっておられる。具体的な調査のやり方についてるる述べられてもおられます。それから、海藻藻場でダイバーを使った調査もやっておられるということでございまして、そういうような中身についてはこちらの方としても承知をしておるということでございます。 ─────────────
○委員長(服部三男雄君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、立木洋君が委員を辞任され、その補欠として大沢辰美君が選任されました。 ─────────────
○小泉親司君 今の局長の御答弁は、いわゆる方法論を言っておるだけで、私が聞いておるのは粕谷教授はどのような報告の内容を発表されておりますかということを質問しているんです。そんなやり方で藻場をやっている、そんなことはさっき大森施設庁長官が言っているとおりで、藻場の調査と航空機なんというのは別に目新しいことじゃないし、私が言っておるのは、あなた方が十分な知見の国内的な最も主たる報告であるという粕谷教授の報告はどのようなジュゴンの保護について報告しているんですか。そのことを明確にしてください。
○政府参考人(松本省藏君) 粕谷先生の研究チームによります報告の中身でございますけれども、まず調査期間、それから調査方法、いろいろとございますけれども、これは省略をさせていただきまして、調査結果の概要を申し上げさせていただきますと、航空機調査として調査回数、A、B各二回、C一回、これは対象海域のことでございます。発見回数で、A九回、B一回、Cゼロ回。藻場の調査で、はみ跡確認群落、A地域で一群落、B地域で八群落と、こういうようなことで、その結果から推定いたしまして、沖縄産ジュゴンの生態についてはおおむね次のとおりではないかというような推定をなされております。 まとめてみますと、データが少なく生息個体数の推定は難しい、それから沖縄近海には小個体群が周年生息をしておると、それから日中は深いところに潜み夜間浅いところで餌場で採餌をしておる、それからフィリピンなどからの来遊可能性は否定できない、こういうような調査結果からの推定をなされているというふうに理解をしております。
○小泉親司君 ちょっと私、自然保護局長にしては現状認識が不十分だというふうに思います。 私も粕谷教授の報告書をすべて読まさせていただきました。この粕谷教授の報告書は何と言っているか。これは約二年間をかけて、日本自然保護協会の予算でこれは二年間調査をいたしました。その二年間の調査の結果は、この二年間の調査でも不十分なんだと、予算も非常に少なかった、実際に今二年間でも生息頭数を直接推定することは困難なんだ、まとまって六頭見られた状況というのがあるから下限は六頭だけれども、百頭までには達しないけれども、どのくらい生息状況があるかということは非常に把握するのが難しいんだと。これは二年間かけて難しいんだと言っておられる。 今度の防衛施設庁の調査というのは、わずか三カ月ですよ。これを予備的調査ということでやって、環境庁がそれを、十分に生息状況について把握されておらないことで技術的な助言や指導を行うと。私、これはちょっとゆゆしき問題だと。 実際に、粕谷教授の報告を私はそのように理解しておりますが、自然保護局長は、そういう報告は粕谷さんの中には含まれていない、こういうふうにお考えなんですか。
○政府参考人(松本省藏君) 冒頭も申しましたように、環境庁がいろいろな分野の調査結果などをまとめ上げた上で、まだ十分な知見を私どもとしても有していないということでございますから、粕谷先生の調査が日本のあるいは沖縄のジュゴンの全容をすべて解明したということではないというのは当然ということで理解をしております。 ただ、それは現時点のジュゴンに関する科学的知見の現実でございますので、それを最大限利用した形で防衛施設庁の現在行われております予備的な調査に環境庁としてもいろんな意味でバックアップをさせていただきたいと、こういうことでございます。
○小泉親司君 じゃ自然保護局長としては、三カ月の予備的調査では不十分だとお考えなんですね。
○政府参考人(松本省藏君) 十分不十分の程度論というのは、いろいろな物の見方があるかと思いますけれども、現在、代替施設協議会の方で基本計画に関する検討がなされておりまして、それの議論に資するという観点で、今回予備的調査を防衛施設庁さんなされているわけであります。それが三カ月ということであれば、そういう状況の中では一つの判断であろうというふうに考えております。
○小泉親司君 私、先ほども冒頭も申し上げましたように、何が代表的なものかと環境庁が言われるから、日本の代表的なものは何かと質問されれば、それは粕谷教授のものだと、これは否定すべくはない話なんですよ。実際に、粕谷教授、それからジュゴンネットワーク沖縄がやっている調査というのが大変貴重な調査なわけです。それも、やっている調査は、ジュゴンネットワークは一年、それからジュゴン研究会、粕谷教授の研究は二年、こうやっておられるわけですね。それを、わずか三カ月で、いわゆる目的は、さっき防衛庁長官に保全だということかと言ったら保全だとおっしゃったけれども、文書を見れば生息状況の調査と。三カ月では生息状況の調査ができないということは私は今のやりとりではっきりしていると思うんですが、防衛庁長官、いかがでございますか。 そういうことで、もともと代替施設協議会では自然環境に著しい影響を及ぼすことのないように最大限の努力を行うということが合意されておるにもかかわらず、三カ月の調査をやって、それも環境庁の助言や指導を得ると言っておきながら、環境庁は責任を持った知見も持っていないと。 私は、持っていないということをさっきお認めになったから、持っていない段階でそういう三カ月の非常に不十分な調査をやった上でどんどん基本設計に進む、設計やいろんな調査に、新基地の推進に向かって進むというのは非常に問題だというふうに思いますが、その点、防衛庁長官はいかがお考えでございましょうか。
○国務大臣(虎島和夫君) 本事業の推進に当たっては、「自然環境に著しい影響を及ぼすことのないよう最大限の努力を行う」ということが政府の決定でありますから、この線に沿うて、今非常に生態系等々がわかりにくい調査に入ったわけでありますから、三カ月やって、それで政府が申しております「自然環境に著しい影響を及ぼすことのない」という確信が持てるのか持てないのかということは、やっぱりその時点での判断によって次の行動は決められるべきと、こう思います。
○小泉親司君 環境庁が代表的なジュゴンの生息状況について報告していると言うジュゴン研究会の「日本産ジュゴンの現状と保護」と題する報告があります。先ほど局長にお聞きしたら、詳しいお話がされないので、私がかわって御報告いたしますと、この報告書で粕谷教授は何と言っているかというと、ジュゴンの絶滅を避けるためには何をすべきなのか。 一、保護区域を設定することだ。つまり、沖縄東海岸の区域、ここに最もジュゴンが目撃されたという事例がある。例えばジュゴンネットワークの調査でも、いわゆる辺野古沖、今度の新基地が設定されているところは二十九回もジュゴンが目撃されている。これは沖縄東海岸で最高であります。そういうところに保護区域を設定すべきだ。 二つ目は、政府がその保護区域を設定したら、当然そこに漁業者などが入れなくなるから、漁業者に対する救済措置をとることが必要なんだと。一昨日も沖縄でジュゴンの子供が混獲されてしまったことは、外務大臣もうなずいておられるから御存じで、きのうの委員会でも多くの方々が指摘されているところなんです。 さらには、無害証明ができないいわゆる新事業、特に土木事業とか海中工作物をつくるような事業はジュゴンの生態に大変大きな影響を与えるんだと。 藻場の問題も大変重要で、沖縄全島には藻場が一〇%ぐらいしかないと。特に中心的な藻場というのは、いわゆる東海岸に藻場が非常に大きく生息している、だからジュゴンがそこに集まるんだと。 だから、この問題というのは、単に簡単な、防衛施設庁などという基地建設だけを粛々と邁進する省庁がやるようなことは私は断じて容認できないと思うんですよ。もっとジュゴンの保護について真剣に、いわゆる代替施設協議会の前の閣議決定で「自然環境に著しい影響を及ぼすことのないよう最大限の努力を行う」と決定したんですから、その決定したことに従えば、当然私はもっと十分な調査が必要だというふうに思うんです。 その点、十分な知見もなしにいいかげんな調査で新基地建設が粛々とやられるということは私はあってはならないということを思いますが、まず外務大臣、これは代替施設協のメンバーでもありますので、それから防衛庁長官にお尋ねしたいというふうに思います。
○国務大臣(河野洋平君) ジュゴンの保護の問題は非常に難しい問題だと思います。私自身にそんなに知見があるわけではありませんから、私が言うのはどうかと思いますけれども、これは一般的にジュゴンの生態というものはまだよくわからないと言う人さえいるわけで、一般的に生態がよくわからないものを保護するということは実はかなり難しいといえば難しいことなんだと思うんです。 しかし、現実にあそこにいることは間違いなくいるわけで、それはあそこにいるということは、それなりにジュゴンが生息できる環境が今はあるということでしょう。ですから、今ある環境がどういう環境なのであるかということをよく調べれば、生息できる環境を引き続きまず保全しておくことが何より大事なんですから、環境を調べて、そこからジュゴンの保護というか保全の何か手がかりを得るということが重要だと思うんです。 今、少なくともあの地域をどういうふうにするかということについて、防衛施設庁が環境庁の技術的な指導を得て、環境庁も、御自身がそうした知見を持っていなくても、これは国際的に見ればまだ相当数いることは間違いはないわけで、外国の知見というものはあり得るわけです。 ただし、私の記憶に間違いがなければ、沖縄のジュゴンというのは、ジュゴンの生息の中では北限のジュゴンですから、そういう北限のジュゴンをどうやって保護するかということについてはどういうことになるのか私はよくわかりませんが、しかし国際的な知見を環境庁が集められて、その知見をもって指導をなさるということは意味のあることだと思いますし、そうした指導をよく得て、防衛施設庁がまずは海底の調査をやる、藻場の調査をやる、そして現在生息している環境が一体どういう環境なのかということを調べるところから始められるという今の調査は、私は納得できる調査をしておられるというふうに思います。
○国務大臣(虎島和夫君) 御指摘のありましたようないいかげんな調査をするつもりはさらさらないわけであります。 したがって、生態その他について不分明なところもありますけれども、要は、先ほど申し上げましたけれども、閣議決定のとおり、環境関係は影響を最小限にとどめる、そのための適切な対策を講じるということを基本にしながら丁寧に調査をやっていきたい。特に、実は漁業関係の皆さんにもお願いしまして、たくさんの地元の人がいろんな機会に目視をしたり視認したりいろんなことがあるだろうから、そういう情報もきちっとちょうだいしようということで、手広く調査はやるということからも、どうぞひとつ御類推いただきたいと思います。
○小泉親司君 私、このやりとりで環境庁長官とぜひ議論をしたかったところなんですが、先ほども指摘しましたように、環境庁が責任を持って指導、助言するような現段階では十分な知見を持ち合わせていない、こういうことははっきりしたんじゃないかと思います。 私、もしおやりになるのであれば、きちんとやはりこのジュゴンの保護問題というのは調査をすべきだと。特に、先ほども環境庁自身がお認めになった日本の代表的なジュゴン研究会の調査報告書も、二年かかっても生息状況をつかむのが難しい。これはなぜか。さっき外務大臣がなかなか難しいんだと、そのことをお認めになったけれども、ジュゴン自体は三年から五年で妊娠して出産すると言われておりまして、現実に日本産のジュゴンがどのように生息しているかということをつかむという点では、それは最低とったとしても三年と。これは外務大臣うなずいておられるからほぼお認めの、一番よく外務大臣が御存じの話ですから。三年から五年だと言われているような状況でありますから、それをやはり三カ月というふうな本当に不十分なおざなりの調査で、いや予備的調査をやったから、だからもうすぐ新基地建設に邁進できるんだというのは、私は大変重大な問題だというふうに思います。 私、環境庁に、ぜひ大臣にお聞きしたかったんだけれども、きょう御出席をいただけないということなので、松本自然保護局長は代替施設協議会に係る連絡会議の構成員でもおられますから、当然のこととしてこの点については事務的にもやはり十分な知見をやって、やはり本格的なジュゴン保護の調査を国際自然保護連合の決議の勧告に基づいてしっかりと私はやるべきだというふうに思いますが、この質問での最後に環境庁の自然保護局長に答弁していただきたいと思います。
○政府参考人(松本省藏君) 昨年の十二月に閣議決定をいたしておりまして、御承知のとおりだと思います。 普天間基地の移転に関しては、自然環境の保全に影響が最大限少なくなるように努力をするということを既に閣議決定なされております。そういう基本的な趣旨、スタンスを踏まえて、環境庁としてできる限りジュゴンの保護に向けての努力をし、そして今回の調査についても、防衛施設庁に対して助言を行ってバックアップをしていきたいと考えております。
○小泉親司君 次に、空中給油機の導入問題について質問させていただきます。 先ほども同僚委員から御質問がありましたが、まず初めにお聞きしたいのは、来年度概算要求に空中給油機導入のための二百三十八億円の予算を組まれておられる。防衛庁は中期防で、「空中給油機の性能、運用構想等空中給油機能に関する検討を行い、結論を得、対処する。」ということを決定していたわけでありますが、どのような検討を行って、どのような結果を得られたのか、まずその点、防衛庁長官にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(虎島和夫君) 空中給油・輸送機についてのことでございますが、一般的な研究として、その運用に関する資料を集めたり、あるいは給油機の運用、教育に関する検討を進めたり、あるいはまた本機能に関する知見の蓄積を図るため、米空軍において空中給油機を保有、運用する部隊で実地に研修させるなど、各般にわたって運用研究を進めてきたところであります。
○小泉親司君 空中給油機の導入問題というのは、これまで他国に脅威を与える兵器ではないのかという議論がこの間行われてきて、いわゆる専守防衛、政府が説明する専守防衛の原則に反しないのかどうなのかと。ここはやはり私、政治的な空中給油機導入の最大の問題だと思うんです。 防衛庁は、この点についての検討はやったんですか。
○国務大臣(虎島和夫君) これは研究というか、結局運用上の守るべき課題と申しますか、これになると思います。したがって、我々としては専守防衛という受動的な防衛戦略のもとで防空を全うするためには、空中給油機能によって要撃機の滞空時間を延ばしたり、あるいは空中警戒待機を維持することが必要不可欠であるという実は判断をしたわけであります。 したがって、専守防衛の範囲を逸脱するものではないという結論を出して、運用もその範囲で行うということから提案申し上げておるわけであります。
○小泉親司君 七三年の田中内閣の国会見解というのは、空中給油はいたしません、空中給油機は保持しません、空中給油に対する演習、訓練その他もいたしません、これが田中角栄総理の統一見解なんですね。これは、いわゆる他国に脅威を与えないという原則はこういうものなんだという立場で当時の田中内閣が統一見解として発表したものなんです。 それでは、空中給油機導入がなぜこの原則を侵すものじゃない、そして概算要求にどんと二百三十八億円を盛り込むと、一体こういう見解に変わったというのはどういう検討を経て変わったんですかということをお聞きしているんです。
○国務大臣(虎島和夫君) やはり一つは、世界における空中給油機の配備状況というのは当時と現在とは大きく変化をしておるというようなことが挙げられます。
○小泉親司君 では、攻撃兵器でも、他国が持てば自分も持ってもいいと、こういう見解なんですか。
○国務大臣(虎島和夫君) 攻撃兵器というものを、どこまでが攻撃兵器と言うのか。例えば、戦闘機が我が国にどこからか攻めてくる、攻めてくれば、これは専守防衛という立場から当然に攻撃しなきゃなりませんから、その辺については総合的に判断をしながら、これは専守防衛という枠組みは外せないと、その範囲内で運用するわけでありますから。 したがって、そういう防御力の、これはやっぱり周辺の攻撃力というのと相対的な相関関係もありますので、そのようなことを総合勘案しながら、あくまでもこれは専守防衛であるというようなことから採用を決定したわけであります。
○政務次官(鈴木正孝君) ただいま大臣からいろいろと御答弁申し上げておりますけれども、若干補足的に、繰り返しになりますがお答えを申し上げますと、ちょうど七〇年代にF4ファントムが主力戦闘機というような形でおった時期、そういうような御答弁といいましょうか、防衛庁の判断というのが一つあったかと思っております。 これは主として国際的な軍事情勢の中で、装備品あるいは軍事技術の動向そのものに非常に関連してくるようなそういう事柄でございまして、そういう意味からしましても、空中給油機というもののありよう、装備というものが現実の問題として容易に考えられなかったというようなそういう状況ではなかったか、このように思います。 その後いろいろと、言ってみますと軍事技術のあるいは装備体系の変化というのがこの長い間、約二十年間あるいは三十年近くの間に相当変化をしてきたということでございまして、我が国の防衛構想の中で専守防衛という憲法との絡みで非常に大事な基本的な枠組みといいましょうか、そういうことに相なるわけでございまして、それとの関係で、現在持っております例えばF15にいたしましても、対地攻撃能力というのはかなり限定的なものというようなそういう観点から考えてみますと、専守防衛という大きな枠組みを外すことはない。 しかしながら、いろんな意味で空中給油機能あるいは輸送機能というものを持つことが現在の段階では非常に重要なことではないかというようなことで、政府部内でいろいろと検討もし、防衛庁ではさらに何とか実現をしたいということで今努力をしている、こういうことでございます。
○小泉親司君 ですから、私が質問しているのは、なぜ専守防衛の大枠を外すことがないと、こういうふうに至った経緯というのは何なんですかというふうにお聞きしているんです。 装備体系の変化、装備体系の変化と言いますけれども、実際に田中内閣のときには、空中給油機というのは他国に脅威を与えるものだから持ちませんし、訓練もしませんし、空中給油はいたしませんと、いわゆる空中給油三原則ですよ、これが明確に田中内閣で示されていたわけでしょう。それが別に、装備体系の変化だから、いやそれはもう他国に脅威を与えなくなったんだというのは、私は余りにも整合性のとれないおかしな論理であると。 実際に、他国に脅威を与えないということで概算要求に盛り込まれた。では、何でそういうふうな判断に至ったのか、その点を明確にしないと、これは今までの政府見解を変えることですから、そこを明確にしていただきたいということなんです。
○国務大臣(虎島和夫君) これは政府としての見解は何回か出ておりまして、先ほどお話しの、御指摘のありました田中総理大臣の答弁は昭和四十八年四月十日の参議院予算委員会におけるものであります。 さらに、五十二年十一月十七日、参議院の内閣委員会においては、当時の三原防衛庁長官が、現在のところは空中給油機を保有する考えはない、未来永劫保有しないということは言えないという旨を答弁しておるわけであります。 さらにまた下っては、昭和五十九年二月二十一日の衆議院予算委員会において、前の政府の答弁に明らかにしておるように空中給油機に関して将来の可能性は否定していない、現内閣も将来の可能性は否定していないという政府答弁があるわけであります。
○小泉親司君 ですから、私がお聞きしているのは、将来のことについてというよりも、空中給油機を導入しても他国に脅威を与えないんだと、こういうふうに判断されて概算要求を出したということなんだから、どういう判断を防衛庁としてはしたのかという質問をしているんです。別に私、それは政府答弁、そう言っていることは私も全部知っております。知っていることで言っているので、他国に脅威を与えないというのであれば、どこにその根拠があるのか。これが明確にならない限り、おかしいじゃないですか、概算要求したという理由がないじゃないですか。
○国務大臣(虎島和夫君) 先ほども申し上げましたように、周辺の状況の変化ですね。それはもう当然技術でありますから、一方の技術が上がってくれば相対的にこちらの方の対応も変わってくるということは、これはあり得ることだと思っております。 それからもう一つは、空中給油機の保有状況というのが大きく変わってきた。特にアジアにおきましても、シンガポールとかマレーシアとかインドネシア、中国等が既にこのものを保有するようになっておる。 したがって、確かに空中給油機があれば足は延びますけれども、一方ではまた合理的な運営ができるわけでありますから、それらを総合勘案した上で今回導入したいということで所要の措置をとったわけであります。
○小泉親司君 周辺の状況の変化と言いますけれども、周辺の状況の変化を挙げられるけれども、例えばきょう付の読売新聞は、野中氏が防衛庁長官に対し、「南北対話が進展しており、有事法制の整備は(内閣支持率低迷にあえぐ)森政権が体力を整えてからでもいい」んだと、つまり状況は若干変わっているんだということもおっしゃって、私たちもこの点では一部同じように、当然アジアの南北朝鮮の首脳会談の対話でありますとか東アジアでの平和の流れだとか、そういう周辺の状況の変化もあるわけで、これは私、一つは理由にならないと思うんですよ。 他国が持っているからそれじゃ持つのだと、こういう理由も二番目におっしゃったけれども、これも別に、他国が持つから日本が持たなくちゃいけないんだという理由はこれもさらさらないわけで、その点では私、防衛庁の見解が非常に不明確だというふうに思います。 そこで、少しお聞きしたいんだけれども、防衛白書は空中給油機導入の理由について、一つは、空中警戒待機、いわゆるCAPが効率的に行えるんだと、つまり日本防衛のための措置なんだと。二つ目は、効率的な訓練ができるようにするんだと。三つ目は、基地周辺の騒音対策、つまり一回上がってしまってぐるぐる回っていれば騒音対策が少ないんだというわけのわからない理由を三つ目に言っておる。四つ目が、国際協力活動における空輸だと、この四点を防衛白書は挙げておられるわけです。 実際に私、CAP、CAPということを最大の理由にされているけれども、イギリスとかフランスとかNATOとか、そういう国で空中給油機を導入している根拠というのはどういうものを挙げているかということをいろいろ調べてみました。イギリスもフランスもNATOの報告も、みんなCAPをやるんだということを挙げている。 しかし、CAPだけじゃなくて、空中給油機の最大の問題というのは、主要な任務は縦深性、つまり縦に深くと。いわゆるイギリスやフランスの国防報告でも、こぞって言っているのは、他国に対する侵攻作戦に使うんだと、つまり他国への介入や侵攻作戦に使うんだということを明確にこの国防報告は言っているわけです。しかも、日本の航空専門家も、空中給油というミッションは、本来は長距離の侵攻攻撃や部隊の移動のために編み出されたもので、大変攻撃的な性格が強いんだというふうに指摘しているわけであります。 実際に、やはり空中給油機の導入というのが他国へのさまざまな干渉戦争に使われることのないという保証は私はあり得ないと思いますし、すぐにCAP、CAPと言うけれども、実際に瓦防衛庁長官は、ことしの三月十三日の参議院予算委員会では、こういう空中給油機をPKO活動などに使うんだというふうに言っておられるんですが、こういうふうな活用というのは防衛庁としては全く考えていないというふうに説明されるんですか。
○政務次官(鈴木正孝君) ただいま委員から、諸外国における空中給油機の運用といいましょうか、そういう思想、考え方につきましてお尋ねがございましたので、その点を中心にして御答弁申し上げますと、確かにそれぞれの国は、持っている国のそれぞれの軍事戦略なり、大きな意味での国家戦略に基づいて航空機を運用するというのは当然のことでございまして、例えばアメリカにおきましては、この空中給油機能の有用性に関してCAPを効率的に行うことが考慮され、またイギリスにおきましても、防空のための戦闘機のCAP支援用には不可欠なものというふうに位置づけられているわけでございます。 私ども防衛庁としても、CAPによることにより要撃機の滞空時間が延びるということが必要不可欠だと、専守防衛という受動的な防衛戦略を持っている以上、これとの関係におきまして防空を全うするためには非常に重要なことだというふうに考えております。 また、先ほどもお話ししましたけれども、我が国で持っております航空機の性能、運用目的等を考慮いたしますと、対地攻撃的な装備というのは非常に限定的に持っているというそういうことでございまして、今言われたように縦深性云々という話からは、恐らく委員も対地攻撃能力がどうかという点に絡んでのお話だろうと思いますので、その点から考えますと、言ってみますと空対地の攻撃能力は我が国の戦闘機は他国のものに比べて限定的というようなことであろうと、このように思っております。 仮に空中給油によって行動半径が延びることになったとしても、他国に侵略的な、あるいは攻撃的脅威を与えるようなものという誤解を与えるというようなおそれは少ない、このように考えておるところでございます。
○小泉親司君 私は、やはりこの空中給油機の導入というのは、他国に脅威を与えないという政府が説明した専守防衛の政策にももとるもので、やはりこういう導入はあってはならないと。今防衛庁にもお聞きしましたけれども、他国に脅威を与えないんだということの明確な説明が私ないように思えますので、その点ではやはり概算要求でも導入はすべきでないということを申し上げたいというふうに思います。 最後に、今度の特別協定について少しお尋ねをいたします。 今回の特別協定は、米軍基地従業員の給与など、米軍及び家族の水光熱費の負担、それから米軍の訓練移転費の負担などに応じるものでありますが、そこで、その訓練移転費の問題について少しお尋ねいたします。 この訓練移転費のうち、県道一〇四号実弾射撃演習の移転演習とパラシュートの移転演習についてはSACO予算で賄われるということになっているというふうに思いますが、その範囲は一体どこからどこまでというふうに日米で合意されているんでしょうか、外務大臣にまずお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(大森敬治君) お答え申し上げます。 SACO予算の関連でございますけれども、SACO予算におきまして、特別協定に基づきまして訓練移転経費が我が国の予算で賄われていますのは、御指摘のように県道一〇四号線越えの実弾射撃訓練の本土への移転関連の経費と、それからSACOにまたこれも書いてありますけれども、伊江島へのパラシュートの集約ということで、いずれも沖縄の訓練施設から本土の施設へ移転するための経費、その関連経費、パラシュート降下訓練ですと伊江島への移動のための経費、そういうものが私どもが計上している対象になっております。
○小泉親司君 私がお聞きしたのは、今の説明は防衛施設庁があちこちで文書で説明していることですから、大体施設庁長官の説明されていることは別に協定の説明書にも載っているもので極めて初歩的なことで、私がお聞きしているのは、そのSACO予算において、例えば一〇四号の実弾射撃演習の移転に係る日本側が負担していいもの、負担したらだめなもの、そういうものの範囲は具体的に指定しているのかと。 つまり、協定では第三条で、「追加的に必要となる経費の全部又は一部を負担する。」と、こう書いてあるわけですね。ですから、その「全部又は一部」というのは、その負担範囲は一体どこからどこまでなのか、これについては日米間で合意しているんですか、こういうことをお聞きしているわけです。
○政府参考人(大森敬治君) 私どもが負担しております基本的な考え方でございますけれども、これにつきましては、日本国政府の要請によりまして通常米側が訓練をしております区域以外のところで訓練するための関連の経費でございまして、これにつきましては日米の合同委員会におきまして、一〇四号線越えの実弾射撃につきましては平成九年六月十六日に、またパラシュート降下訓練につきましては平成十一年十月二十一日に、合同委員会において基本的な枠組みが合意されております。 それに基づきまして、防衛施設庁といたしましては、県道一〇四号線の実弾訓練につきましては、先ほど申し上げましたように、やむを得ずといいますか、日本国政府の要請によりまして移転して訓練するための経費、人員、物資の輸送費ですとか、また移転先での給食費ですとか、移転先演習場で必要となる燃料費ですとか、そういうものを個々に判断いたしまして計上しているわけでございます。
○小泉親司君 例えば、実弾射撃演習の移転として、日本政府は北海道の矢臼別、宮城県の王城寺原、それから北富士、東富士、大分県の日出生台、この自衛隊の演習場を地位協定二条四項bということで米軍に一時使用させているわけですね。 ところが、この演習場に自衛隊が使っていたときにはない、例えば弾薬の一時集積所、実弾射撃監視装置、食堂、それから宿泊施設、いわばワンルームのホテルみたいなものが建設されている。地元の住民は、実弾射撃演習が恒常化されるんじゃないかという不安を大変強く持っておられる。 これまで、今の説明では、政府は燃料費や食費や住居費などがいわゆる訓練経費の負担の項目だというふうにおっしゃっているわけだけれども、何でそれだったらこういう恒常的な施設をつくる必要があるんですか。その点やはりこれまでの政府の説明とはちょっと違うんじゃないですか。
○政府参考人(大森敬治君) 沖縄でやっておりました海兵隊の砲撃訓練でございますけれども、これにつきましては、沖縄の基地の過度な負担を本土で分散して行ってもらうという政府の基本方針をあらわしたのがSACOの最終報告でございますけれども、そのような日本政府の要請によりまして沖縄でやっております砲撃訓練を本土で行う、このための経費を日本側が負担をする、このような経緯でございまして、陸上自衛隊の具体的には五つの演習場でやるわけでございますけれども、陸上自衛隊の演習に支障があってはならないということで、追加的に米軍独自のものとして必要になるものでございます。 また、この移転に際しましては、地元から安全管理に万全を期するような施設整備を十分にしてもらいたいと、また米側からも、かつてやっておりましたキャンプ・ハンセンと同程度の訓練環境をつくってほしい、また短期間に十分訓練効果ができるような施設にしてもらいたいというふうなことも要請があります。 そのようなことを受けまして、今御指摘のような、やはり米軍が陸上自衛隊の演習場に展開するためには宿舎が要ります。陸上自衛隊が持っております宿舎は陸上自衛隊が使うためのものでございますので、米軍のために陸上自衛隊の演習が支障を受けるということではぐあいが悪いわけでございますので、そういう面で米軍が訓練する独自の施設を私どもSACO関係経費として整備させていただいているものでございます。
○小泉親司君 私、今おっしゃった日出生台の施設を見てまいりました。例えば、日出生台の場合は自衛隊の演習場でありますから、自衛隊の食堂も自衛隊の宿舎もございます。私、率直な感想だけ申し上げれば、自衛隊の隊舎、いわゆる野戦演習をする演習場でありますから、いわば私流に言うと女工哀史の中で出てくるような、本当に石の中に座っているような、バラックがあるようなそんな状況の自衛隊施設。ところが、すぐその隣に大変豪華な米軍の宿舎が置かれている。 自衛隊の中で私、意見聞きましたが、自衛隊の中で大変割り切れない気持ちだと、みんな言っておられる。私は、だから自衛隊をよくしろとは言いませんけれども、実際にそういう施設を米軍にはどんどんどんどんつくってやる。自衛隊の基地にそういうふうな施設を膨大な金をかけてつくるというのは、私非常に問題だと。日米地位協定でこういう特別協定をつくっておいて、実際には何でもこういう施設が米軍が欲するというのであればどんどん認められると。現実に、私たち海兵隊の司令官に話を聞いたら、海兵隊としてはこんな施設は要望したことは一度もないと。施設庁がこれについて具体的な計画をどんどん進めたというようなことを私たち聞いております。 実際に、こういう形でいわゆる追加的な経費の全部または一部を負担するということになったら、SACO予算ということで防衛予算とは別枠で話がどんどんどんどん拡大されて、負担が拡大されていってしまうということになりかねないんじゃないですか。一体、防衛庁長官、この経費の、いわゆる追加的な経費の全部または一部というのは一体どこからどこまでなのか、その負担が非常にこの協定は不明確だと。SACO予算でどんどん拡大できる仕組みになっているんじゃないかという点は、長官いかがでございますか。
○政府参考人(大森敬治君) お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたように、SACO関係予算はSACOの最終報告を着実に実施していくというための整理された経費でございます。そういう面で、このSACO関係経費はSACOのプログラムを実施するということの関連でございますので、際限なくふえるというふうなことはないと理解しております。
○小泉親司君 この前調査に行きましたときに、この施設は、一年間で三百六十五日のうちに訓練期間は約一カ月弱ですよね、ということは、この施設を使う期間というのは一カ月弱なわけです。ということは、十一カ月はそのまま放置されているわけです。何でこういう施設をつくる必要があるのか。例えば、それは宿舎であるとか食堂であるとかということになると、これまでは野戦演習的に、軍隊だから野戦演習的にやっていたのが、いつの間にか今度はホテル並みの宿舎でそれが行われるという大変おかしなことが起きてきているわけですね。 そうなってくると、この施設を実際にずっと野放しにしているということになると問題じゃないかといって、私、自衛隊の方にお聞きしたら、いや自衛隊が使うと、こういうふうにおっしゃっているわけです。実際にこれ自衛隊が使うとなると、今度はどういうことが起きるか。防衛予算で自衛隊につくってやるんじゃなくてSACO予算で米軍につくってやって、その米軍の施設を自衛隊が使用すると、こんなことが法的にまかり通るんですか、予算的に。私、非常にこれはおかしいというふうに思いますが、その法的な根拠というのは一体どこにあるんですか。
○政府参考人(大森敬治君) お答え申し上げます。 SACO経費で整備しております米軍関係の一〇四号線の実弾射撃に関連する施設でございますけれども、これは先ほど申し上げましたように、沖縄における基地の負担を軽減するということで、政府としてその分散をお願いして米側の協力を得ているものでございます。その面で、これは我が国の経費で整備するということでございますし、また、それに当たっては陸上自衛隊に負担をかけてはいけないということで、陸上自衛隊の演習場使用に支障がないような格好でやっております。 また、確かに宿舎は、演習場の中で宿泊すると、これは演習期間以外にも準備期間その他での利用もあります。演習そのものは、どういうような格好でやるかというのは演習の形態によろうかと思いますので、一概に宿舎が適当でないということは言えないというふうに思います。 また、先ほど申し上げましたように、米側の移転訓練のために整備しなければいけない我が国として必要性があるわけでございますけれども、米軍が使用していない間において陸上自衛隊が有効活用するということについては、法的に何ら問題がないというふうに思っております。
○小泉親司君 時間が参りましたので、私終わりますが、防衛予算の枠ははめておいて、SACO予算で青天井でどんどん拡大して、実際に、米軍だ米軍だと言っておきながら、いつの間にかそれが第二の思いやりの、今度は自衛隊への思いやり予算みたいに回ってきて、それを自衛隊の増強に使うというのは、私大変おかしいと思います。 この点、一言申し上げて、質問を終わります。 ─────────────
○委員長(服部三男雄君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、田英夫君及び矢野哲朗君が委員を辞任され、その補欠として谷本巍君及び国井正幸君が選任されました。 ─────────────
○佐藤道夫君 防衛庁の関係は結構でございますから、どうぞ退席されてください。 外務省にお尋ねいたしますが、最初に協定の関係であります。 いわゆる思いやり予算という駐留経費負担の関係で調べてみますると、当然もうこれは議論の対象にもなっていることですけれども、日本の場合負担が非常に高い。同じような立場にある国々に比べまして圧倒的に高い。なぜかと、だれでも疑問を持つわけであります。 ドイツ、韓国、日本、とりあえず同じような立場にあるこの三つを比べてみますると、駐留人員というもの、米軍兵士の数ですね、駐留軍の数は、大体においてドイツが六万八千人、韓国が三万六千人、日本が四万人と、こういう状況ですが、一人当たりの経費負担になりますと、ドイツの場合には百五十万円、韓国は二百十九万円、日本が千六十七万円と、これは二年前の統計でありますけれども、圧倒的に高いんですね。 先ほどの質疑でも、外務大臣は、防衛のいろんな歴史がある、しがらみがある、そういうことの積み重ねがこうなったんであろうということを言っておりましたが、そういうことを言い出せば、冷戦時代に一番危険な立場にいたのはドイツと韓国だろうと思いますね、直接共産主義国と境を接して、いつソ連軍が入ってくるかもしらぬと。そういう国々の負担金がこの程度であって、一つ海を隔ててワンポイント置いている日本の場合にどうしてこんなに高くなったのか。多分、経済が非常に調子がいいので金が余る、そういうことでじゃぶじゃぶとつぎ込んできた結果だろうと思いますけれども。 一つこれは大事なことですけれども、アメリカ人、アングロサクソンですけれども、彼らは植民地支配が長かったものですから、いろんな民族を支配してきた。何かというとすぐ、にやにやしながら金を差し出し、口では、はいありがとうよと言いながら、腹の中ではこういう人種を一番軽べつしているわけですよ。そして、言うべきことをきちっと言う民族、これについては、なるほど大したもんだと。 今、中国がアメリカに対してはっきり物を言う唯一の国だと、こう言ってもいいと思うんですけれども、日本の場合には、戦後の金余り現象で、もう言われるままに金をつぎ込んできて、アメリカ人が頭を下げてくれた、ああ我々も偉くなった、こう思っておったでしょうけれども、実は一番これ軽べつされていたんですね。日本人、ジャップ、ジャップと言われておりますけれども、軽べつされていたんですよ。 歴史の話になりますけれども、生麦事件というのがありまして、そのときに薩摩の行列を乱したイギリス商人がその場で殺されました。イギリスは大変に激怒しまして、幕府に対して賠償金を払え、それから犯人を引き渡せと、こう言った。幕府はもう恐れおののきまして、イギリスから強くそういうことを言われたものですから、賠償金をすっと払った。犯人は、薩摩は遺憾ながらもう我々の支配には及んでおりませんのでということで、引き渡すことができないと。それでイギリスは軍艦を薩摩に差し向けまして、いわゆる薩英戦争が始まった。薩摩は一歩も後に引かない。町が焼け野原になったんですけれども、それでも徹底抗戦をしたと。イギリス人は本当に驚いたわけですよ、この東洋のしがない国の外れにこんな立派な人たちがいたのかと。この薩英戦争が何と何と薩英同盟のきっかけになりまして、もう幕府なんか相手にしていられない、これからの日本は薩摩の国だ、薩摩の人たちだということで薩英同盟ができて、これが明治維新の原動力にもなったわけです。 これがアングロサクソン人種の基本的な考え方。我々もそうだと思いますよ。にやにやしながら金を出すやつ、これはもうかるから受け取ってはおきますけれども、腹の中では皆軽べつしているわけですよ。そして、言うべきことを筋を通してきちっと言ってくる、ああ、あれは立派な人だ、なるほど金じゃ済まない問題があるんだな、よくわかったなということでその人たちを尊敬する。 もはや二十一世紀でありまして、一体対米関係をどうしていこうとするのか、この一つのあらわれがこの駐留経費の負担の問題だろうと思うんです。 森内閣の評判が大変よろしくない。さてその次はだれだと。一番手に名前が挙がっているのは河野外務大臣であります。二十一世紀の進路を決めるのはこの人だというふうに自民党内、いや一般国民も案外そう思っているのかもしれません。 まず、その姿勢の一つとして、アメリカとの関係を今までどおりでいいのかどうか、なぜ言うべきことをきちっと言っていかないのか、その辺について高いお立場から、いずれ間もなく総理大臣と思われますので、御識見を、御卓見をお聞かせいただければと、こう思います。
○国務大臣(河野洋平君) 余り高邁なことを申し上げることもできませんが、議員が例に挙げられました韓国とかドイツとかと比べて日本が米軍に対して大きな経済的な協力をしているではないか、こういうお尋ねでございますが、これは私はいろいろな角度からやっぱり考えていただきたいと思うんです。 つまり、韓国はアメリカと一緒に朝鮮戦争を戦うという経験を持ち、つまり自国の防衛について相当大きな予算を割き、その防衛に当たっているわけでございます。その点我が国は、基本的には自国の安全というものはアメリカに頼るという、日米安保条約によって自国の防衛の中心的な部分をアメリカに依存をするという政策をとっている。ここはまず大きく違いがあるだろうというふうに思います。 私は、日本が駐留米軍に対して払っておりますさまざまな、財政的にもそうですし、それ以外にも日本は駐留米軍に対して、日米安保条約そしてその地位協定の定めによって果たすべき義務を果たすということできちんとやってきた結果、相当な他国に比べて高い金額になり、さらに特別協定をつくって、なお一層日米安保条約の効果的な運用というものを維持しようと今しているわけでございまして、この金額を、議員がおっしゃいますように頭割りで割って、どこが高い、どこが低いといって比較するほど簡単ではないというふうに思っております。
○佐藤道夫君 しかし、頭割りで比較する問題ではないにしろ、高過ぎることは間違いないと思いますよ。 それから、大変延々とお話しになられまして、どうもよくわからないんです、私は。きちっと、一言でもいいんですけれども、御叱正を受け入れまして、これからは米軍に対して、あるいはアメリカに対して言うべきことはきちっと言っておきます、それが二十一世紀の日本の政治だと思いますと、その一言でいいんですけれども、どうもそれが言いたくないために延々と長いのではないかと、そういう感じもしております。 同じような問題をもう一つ取り上げますけれども、大和、厚木での米軍の夜間訓練のことで、もう地元住民の怒りは頂点に達する、いつ爆発するかもわからないと。ある新聞である市長が、もう怒りは頂点に達していると、このままではほっておけない、自分は住民の先頭に立って反米闘争をやろうかということも深刻に考えているんだということも言っておりました。まさにそのとおりだと思います。 しかし、大変おかしいことなんですけれども、米軍の夜間訓練の施設として硫黄島に平成五年に百六十七億かけまして立派な施設をつくる。しかし、米軍はこれを全然利用しない。ほとんど利用しないと言ってもいい。 なぜか。何しろ距離が遠い、燃費がかかる、それから天候もあそこまで行くとはっきりしなくなることもあって訓練に支障が生ずると、こういうことらしいんですけれども、そんなことは硫黄島にこの施設をつくるときからわかっていたことでありましょう。それを前提にして、ここに基地をつくるから、ここをこれからは利用してほしいと。いやそれは困りますと、アメリカとすればあんなところまで行って訓練はできませんと言ったんだろうか言わなかったんだろうか。 いずれにしろ、当時アメリカ軍との話し合いで、きちっと硫黄島をこれからは使いますと、ではそういう前提で基地をつくらさせてもらいますということで百六十七億円もかけてつくった基地が全然利用されていない。これは日本国が株式会社だとすれば、私は早速株式を購入しまして、株主代表訴訟を現外務大臣も含めまして提起して賠償をさせようかとも考えているくらいであります。 こんなむだなことはないんじゃないか。なぜ、米軍に約束どおりきちっと使いなさいと。いやそんな約束はしておりませんと言うならば、約束もなしにそんな基地をつくったのかということで、これは外務省の責任ということにもなりますが、いかがなんでしょうか、その辺は。
○国務大臣(河野洋平君) 大和、厚木、綾瀬はかつて私の選挙区でございましたから、事情は私はもう十分承知しております。 この夜間着陸訓練というものは、事の重要性というものもまた認識しなければなりませんが、基地周辺の住民に与える影響は非常に大きいものがございます。したがって、地元の住民から、この夜間の離発着訓練は何とかしてもらいたいという要求はもうかねてから出ておりました。その要求を受けて、政府としては米軍に対して、夜間の離発着訓練の重要性は理解できるけれども、住民に対する影響を考えればよそでやってもらいたいということにいたしまして、硫黄島に訓練の施設をつくったわけです。 議員が話をおもしろくするために大変極端な言い方をしていらっしゃると思いますが、昨年までは全体の八〇%は硫黄島で訓練を行っていたのであって、全然使っていなかったわけではございません。たまたまことし、どういう、天候のぐあいもあったでしょう、それ以外の理由もあったと言われておりますが、ことし極端に利用頻度が減りまして、これは確かに議員がおっしゃるように、ことしに限って言えば非常に硫黄島の利用頻度は少なくなりました。恐らく二五%とか三〇%という数字に減ったんでございます。それでもゼロではございませんが、しかし極端に減ったことは事実でございます。 ただ、これには若干のいきさつがございまして、離発着の訓練基地を別に移せという議論のときに、当初、政府として一番最初に候補地に挙げたのは三宅島でございます。三宅島に訓練施設をつくるということでございましたけれども、三宅島は住民の了解が得られないということで、これは暫定的に硫黄島につくるというのが今の状況でございます。硫黄島の訓練施設は暫定的なものでございまして、政府は今でも、三宅島の住民の皆さんの了解が得られれば三宅島につくろうという計画は今でもございます。 確かに、議員が御指摘のように、硫黄島では距離が遠いと。何しろ千二百キロからあるわけですから、その千二百キロの距離を飛んでいって離発着の訓練をするというのは、いかにも距離が遠過ぎるということもございます。その点は三宅島であればかなり改善をされるわけでございますから、依然として三宅島の御了解が得られれば三宅島というふうに考えているのでございますが、現状は三宅島の御了解がまだ得られませんので、硫黄島でやってもらいたい。この硫黄島に訓練所をつくりますときにも、米軍との話では、そちらで訓練をやりましょうという約束があったことは事実でございます。 したがいまして、米軍はその当時の打ち合わせといいますか約束に違反しているといいますか、約束をたがえているということはもう議員おっしゃるとおりでございますから、私も米軍に対して、これは約束が違う、硫黄島で訓練をきちんと行ってもらいたい、今のように内地である基地で夜間の離発着訓練をされるということになれば周辺住民への影響はもう非常に大きいということはわかるだろう、米軍は基地周辺の住民との関係というものを大事にしてもらいたいし、よき隣人ということを考えてもらいたいということを言ってございまして、米軍もその点は十分認識をしておりますが、まだ改善をされておりません。 来年はもう少し改善をすることになると私は確信をしておりますが、現時点は残念ながらまだそこまで行っていないのが状況でございます。
○佐藤道夫君 私は、最近ほとんど使われていないというふうに申し上げたように思うんですけれども、まあそんなことはどうでもいいですが、いずれにしろ、そういう申し入れに対して米軍はどういう回答なんでしょうか。もうこれはことし限りだと、来年からは硫黄島でやると、こういうことを言っているのか。またぐずぐず、アメリカ人が余りぐずぐず言うというのは考えられないんですけれどもね、はっきりした回答があるはずですから、それはどうなっているんでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 米軍の、米軍のといいますか、アメリカのコーエン国防長官とのやりとりもいたしておりまして、コーエン長官はその後東京での記者会見で、在日米軍は日本の方々に迷惑をかけない訓練を行うために非常に努力しておると、例えばNLPについては硫黄島でできる限り実施をする、ただし、天候の問題などで一部を本土で実施することもあり、最近の状況は遺憾である、しかし今後とも訓練を続ける上でよき隣人であるための努力は継続する、これがアメリカの返答でございます。
○佐藤道夫君 いずれにいたしましても、せっかくの硫黄島に基地があるわけですから、八割なんということを言わないで、もう全部向こうでやってほしいと。あれは大変なもう迷惑が及んでいることは間違いない。それは外務大臣もお認めになったとおりで、特にあなたのかつての選挙区だといえば、これは大事な問題ですから、よく考えていただきたい、こういうふうに思います。どうかあきらめずに、再三再四、何回でもいいからアメリカに対してこの要求を突きつけると。当たり前のことだと私は思っております。 それから、時間の関係で、最後に一つだけ。 一般的な問題でありますけれども、二、三日前の新聞に、二、三の新聞が取り上げておりまして、「ODA「債務救済無償協力」 十四か国、使途報告なし」と、これは読売新聞の見出しであります。この債務救済無償資金協力、二十カ国に資金援助をしたと。これは多分報告書が提出されないということは、使ったらその使途について直ちに報告するようにと、こういうふうな約定のもとに資金援助がなされているんだと思いますけれども、二十カ国中十四カ国がこの報告をしていない、これは会計検査院の報告ですから間違いない話であります。 なぜこれはしかし報告をしないのか。金をもらって、それを何に使ったか。それが約束だとすれば、きちっと報告をするのは当たり前のことなんでありますけれども、そもそも外務省としましても、資金援助をしたと、この報告書はいつ幾日までに出してもらうことになっているぞということをきちっと申し渡しをしておくんだろうと思います。そして、期限が近づけば、お忘れじゃないでしょうね、もういつ幾日までに提出してもらうことになっていますよという改めて申し入れもして、期限が来て提出されなければすぐ、もう率直に言うと在外公館の大使が向こうの政府に乗り込んでいって、一体何をしているんですか、すぐ出してください、私の立場もありますると、これぐらいのことを言うのが本当の外交官だと思いますけれども、どういうふうな催促をして向こうがどういう弁解をしているのか、それを長い間ほっておいたのはどうしてなのか、それをちょっと御説明いただければと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 会計検査院の指摘について申し上げます前に、佐藤議員からNLPについて一〇〇%硫黄島でやるように働きかけろと、こういう御指摘でございました。 私もできるだけのことをいたします。ただし、硫黄島の場合には、やはり天候その他の条件ということになると、これはなかなか難しいことが結果として出てくるかもしれません。しかし、いずれにしても、私は全力を挙げて申し入れを続けるつもりでございます。 会計検査院の問題でございますが、債務救済無償については、今議員がおっしゃいますように、当然のこと、被供与国に対して使途報告を行うことは義務づけてございますし、その使途報告の期限というものも言ってございます。多くの被供与国について使途報告が期限内に提出をされていないということは、まことに遺憾なことでございます。 どういう言い方をすればいいかわかりませんが、被供与国の中にはなかなか行政がきちんとした作業ができない国もあるかもしれませんし、そうしたところには何か指導をするとか、そういうことまで考えなければならないかと思いますし、あるいは、例えばNGOをモニターで派遣しておくとか、そういうことも将来は考えなければならぬと思いますが、いずれにしても、債務救済の無償をやる以上は、最低限度被供与国が報告書を出す、期限内にその使途報告を出すということは、これはやらなければこうした仕事は続けられないというふうに私も思っております。 議員がおっしゃるように、大使館あるいは大使を通じて督促をするのは当然のことでございまして、そういう作業も当然やらせるつもりでおります。
○佐藤道夫君 時間だと思いますけれども、一言だけ。 相手国に対して報告書も出さぬような国に対しては、今後一切の援助はしないというぐらいのことをきつく言っていただきたいと思います、当たり前のことですから。
○委員長(服部三男雄君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○小泉親司君 私は、日本共産党を代表して、在日米軍駐留経費に関する特別協定、いわゆる思いやり新特別協定に反対の討論を行います。 理由の第一は、新特別協定を締結する根拠が明確に崩れた点であります。 七八年の思いやり予算導入の当初、日本政府は、アメリカの財政赤字で国防費、駐留経費が逼迫していることを挙げていました。ところが、最近のアメリカの経済事情は、本年を含めて三期連続黒字、一方、日本側は六百四十五兆円という最悪の借金情勢に直面し、日米の財政状況は激変しております。思いやり予算を受け入れた日本政府の当初の立場からいっても、このまま続ける根拠は明確に失われたはずであります。日本政府の言い分から見ても、膨大な額の思いやりを実施する特別協定を廃止するのは当然であります。 第二は、アメリカ政府言いなりに負担をふやしてきていることであります。 駐留米軍のための維持経費のうち我が国に負担義務のない日本側負担は、七八年の六十二億円から始まり、二〇〇一年度予算概算要求では四十一・六倍の二千五百七十九億円に達しています。これらの費用は、米軍地位協定第二十四条一項に基づいて本来アメリカ政府が負担すべき米軍の維持経費とされていたことが明白なもので、日本側には負担義務のないにもかかわらず、本協定によって二十年以上の長きにわたって日本側負担の継続を許すことは重大な問題であります。 第三は、今回の改定で光熱水料を削減したとしても、全体の一・二%と極めて少額であり、しかも残額の九八・八%に当たる二千五百七十九億円もの日本側負担が継続される現状では問題にもなりません。 しかも、本協定による在日米軍駐留経費の日本側負担の維持継続は、世界的任務遂行として位置づけられた在日米軍を安定的に維持するためのものとなり、日本の安全を守るどころか、日本をアメリカの世界的有事に参戦させる体制にくみするものとなり、国際の平和、安全のためには武力によらないという我が国の立場とは明らかに反することになるからであります。 その上、思いやり予算は米軍の安上がり駐留に貢献し、米軍を引きとめる保証となっております。南北首脳会談を初めアジアで平和の流れが進む中で平和の流れを確かなものにするためには、基地の整理、縮小、撤去こそが必要であります。米軍基地の維持強化はアジアの平和の流れに逆行するものであります。 その在日米軍基地の撤去のためにも、駐留米軍経費、いわゆる思いやり予算は全廃すべきであり、その特別協定は認めることはできないということを強調して、反対討論といたします。
○委員長(服部三男雄君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(服部三男雄君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。 なお、本件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(服部三男雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時四十七分散会