外交・防衛委員会 第1号
- 発言数
- 133 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2000/11/09
会議録
○委員長(服部三男雄君) ただいまから外交・防衛委員会を開会いたします。 議事に先立ちまして、この際、一言ごあいさつを申し上げます。 このたび外交・防衛委員長に選任されました服部三男雄でございます。 甚だ微力でございますが、委員の皆様方の御指導、御協力を賜りまして本委員会の公正かつ円満な運営に努めてまいる所存でございますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。 この際、矢野前委員長から発言を求められておりますので、これを許します。矢野哲朗君。
○矢野哲朗君 お許しをいただきまして、一言御礼を申し上げたいと思います。 昨年の八月来、当外交・防衛委員長を務めさせていただきました。その間、与野党超えての理事の先生方、委員の先生方、御理解と御協力を賜りまして、時には対立もあったかもしれませんけれども、忘れました。大変、委員会としてそれなりに充実した活動をさせていただいた思いでいっぱいであります。心から感謝を申し上げたいと思いますし、なおかつ、今後も引き続き当委員として活動させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(服部三男雄君) 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、小山峰男君、櫻井充君、佐々木知子君、武見敬三君及び吉村剛太郎君が委員を辞任され、その補欠として吉田之久君、江本孟紀君、私、服部三男雄、松田岩夫君及び須藤良太郎君が選任されました。 ─────────────
○委員長(服部三男雄君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(服部三男雄君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に山本一太君及び依田智治君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(服部三男雄君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、外交、防衛等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(服部三男雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(服部三男雄君) この際、国務大臣から発言を求められておりますので、順次これを許します。河野外務大臣。
○国務大臣(河野洋平君) 外務大臣の河野でございます。 服部委員長を初め、委員の皆様方にごあいさつを申し上げます。 二〇〇〇年も残り二カ月を切りました。本年も、国際社会においては重要な動きがありました。朝鮮半島では、六月の歴史的な南北首脳会談の後も前向きの大きな流れが継続しており、先日は、オルブライト国務長官が米国の国務長官として初めて訪朝されました。冷戦後の欧州の最重要課題の一つであるユーゴスラビアでは、平和的かつ民主的な変革が実現し、コシュトニッツァ新政権が誕生をいたしました。中東では、七月のキャンプ・デービッド会談の際に中東和平の実現への期待が高まりましたが、その後、イスラエル・パレスチナ間の武力衝突により、現在は事態鎮静化と和平交渉の早期再開に向けて努力が集中されております。 このような国際情勢の動向をしっかりと見据え、我が国の安全と繁栄を確保していくためには、良好で安定した日米関係がその基軸となります。我が国は、次期政権との間でも引き続き日米関係の強化に努めてまいります。 我が国のみならずアジア太平洋地域全体の平和と安定に寄与している日米安保体制については、引き続きその信頼性の維持向上に努めていくことが重要であります。先般署名されました在日米軍駐留経費負担に係る特別協定について、今臨時国会にてその締結につき御承認いただきたいと考えております。また、沖縄県民の方々の御負担軽減のため、引き続き普天間飛行場の移設、返還を含むSACO最終報告の着実な実施に努めてまいります。 朝鮮半島については、先般、北京にて日朝国交正常化交渉を行いました。我が国は、今後も米国及び韓国との緊密な連携のもと、北東アジアの平和と安定に資するような形で、第二次大戦後の正常でない関係を正すよう努力してまいります。そのような中で、諸懸案の解決に向けて引き続き努力を傾ける考えであります。 私は、先週ロシアを訪問し、プーチン大統領、イワノフ外相らと率直な、信頼関係に基づいた議論を行いました。来週のAPEC非公式首脳会合には、国会のお許しが得られれば森総理が出席される予定であり、その際に日ロ首脳会談が開催される予定であります。我が国としては、引き続き平和条約の締結に向けて全力を尽くしてまいります。 中国との関係では、先月の朱鎔基総理の訪日の結果も踏まえ、広範な問題について引き続き忌憚のない意見交換を行うとともに、二十一世紀に向けた友好協力パートナーシップを一層推進してまいります。 二十一世紀の子供たちが核のない世界に暮らせるよう努力を続けることは重要です。今般、我が国は国連総会第一委員会に新しい核廃絶決議案、「核兵器の全面的廃絶への道程」を提出し、これが圧倒的多数で採択されました。我が国は、今後も軍縮・不拡散分野での外交努力を強化してまいります。 先日、イランにおいて改革、民主化を推進しているハタミ・イラン大統領が訪日し、国会演説において文明間の対話の重要性を訴えられました。次の世紀に向け、人々の心に平和の礎を築くため、繊細さと寛容の精神で文化、文明の境を越えて対話を行っていくことが重要と考えます。 二十一世紀に向け、国際社会の主要な一員としてふさわしい役割と責任を果たすためには、国民の皆様の御理解と御支援が不可欠であります。この点、本委員会での御議論が極めて重要であり、委員の皆様方の御協力を賜りますよう改めてお願いを申し上げます。
○委員長(服部三男雄君) 続きまして、虎島防衛庁長官。
○国務大臣(虎島和夫君) 防衛庁長官の虎島和夫であります。 本日は、服部委員長を初めとする委員の皆様に改めてごあいさつを申し上げるとともに、私の所信の一端を申し述べさせていただきます。 防衛庁・自衛隊は、我が国の平和と安全を確保するために不断の努力を重ねてまいりました。今後とも、我が国の防衛に万全を期するとともに、大規模災害等各種の事態に迅速かつ適切に対応し、より安定した安全保障環境の構築に貢献してまいる所存であります。 また、日米安保体制の信頼性をより一層向上することは重要な課題であり、今国会に提出されております在日米軍駐留経費負担に関する特別協定及び船舶検査活動法案につきましては、御議論が尽くされ、承認、成立が早期に図られることを心から期待しております。SACO最終報告の着実な実施についても全力を挙げて取り組んでまいります。 来年度以降の防衛力整備につきましては、ITなど科学技術の著しい進展への的確な対応や災害派遣体制の充実強化はもとより、隊員に対する福利厚生などを含め、各種施策についても鋭意検討を加え改善してまいります。 これらに加え、有事法制につきましては、先般の与党の考え方を受けとめ、国民各位の理解が得られるよう最大限努めるとともに、防衛庁の省への移行につきましては、政治の場での御議論が活発に行われ、深められることを期待しております。 私どもは、国の防衛には国民の御理解と御支持が不可欠であることを強く胸に刻み、その信頼にたがわぬよう全力を尽くしてまいります。 今後とも、委員の皆様方の御指導、御鞭撻のほどをよろしくお願い申し上げます。 ─────────────
○委員長(服部三男雄君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に警察庁生活安全局生活安全企画課長加地隆治君、金融庁検査部長西川和人君、通商産業省貿易局長奥村裕一君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(服部三男雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(服部三男雄君) 外交、防衛等に関する調査を議題といたします。 まず、防衛庁の秘密漏えい事件に関する件について、虎島防衛庁長官から報告を聴取いたします。虎島防衛庁長官。
○国務大臣(虎島和夫君) 先ほどのごあいさつで申し上げましたように、自衛隊が各種の行動を通じ国民から高い評価を得ている中、去る九月八日に発生した事件は、現職の自衛官が外国武官に対して秘密を漏えいした疑いで逮捕、起訴されるという、あってはならないものであり、国民の自衛隊に対する信頼に背き、我が国の防衛に対する不信を招きかねない、まことに遺憾な不祥事でありました。 私は、防衛庁長官として、国際的に防衛交流が進み、防衛当局者間の信頼醸成を進めている中にあってこうした事態が生起したことを深刻に受けとめ、これまで所要の措置を講じてきたところでありますが、先月二十七日、本事件の調査結果及び再発防止策を取りまとめ、公表するとともに、委員の皆様へ配付させていただいたところであります。 またあわせて、同日、本事件に関連して、秘密を漏えいした海上自衛隊東京業務隊付三等海佐萩嵜繁博を懲戒免職とし、防衛事務次官、海上幕僚長を減給としたのを初め関係職員五十二名の処分を実施いたしました。 今後の私の責務は、防衛庁・自衛隊の諸君とともに国民の信頼回復に努めてまいることであり、防衛庁内における綱紀の粛正を一層徹底させ、教訓反省事項を踏まえた秘密保全体制等の確立を図り、再びかかる事態を起こさぬよう、これからの業務運営に万全を期してまいります。 以上であります。
○委員長(服部三男雄君) それでは、これより外交、防衛等に関する調査について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○依田智治君 おはようございます。自由民主党の依田智治でございます。 私は、与党・自民党の立場から、三十分いただきましたので、当面する外交上の問題、また、今防衛庁長官から御報告のありました秘密漏えい事件に関連して、幾つか私自身主要と思われる点を質問させていただきたいと思います。 まず外務大臣、最初に、米大統領選は全く史上まれに見るような大接戦になって、いまだに決まらない、こういう状況の中で、本当は決まったところでいろいろ意見を聞こうと思っていたんですが、まだ決まっていません。今回の選挙と並行して行われた上下両院の議院でも、民主党が大幅に議席を伸ばしている。しかし、共和党が一応過半数は確保していると、こういう状況です。 アメリカみたいな国は、我々、安全保障政策というような面でも、どの政権になろうともしっかりした国としての国益を踏まえた行動がとられると思うんですが、現状を踏まえつつ、河野外務大臣に、今後の日米関係の重要性、特に安全保障問題等も踏まえながら、御感想、御意見、決意などをお伺いしたい、こう思うわけでございます。
○国務大臣(河野洋平君) 議員御指摘のとおり、アメリカの大統領選挙は、昨日新しい大統領を選ぶものと私どもも思っておりましたところが、選挙中から言われておりましたようにまことに大接戦となりまして、きょう現在もまだフロリダの票をめぐって投票が確定しないということから、当選者が確定をいたしておりません。 これは、大統領選挙の大接戦というのは、各州ごとのいわゆる選挙人の票も本当に拮抗していると同時に、投票も非常に僅差でございますし、今御指摘の上下両院議員も非常に各地区ともに接戦という、恐らくまれに見る大接戦が展開をしているわけでございます。 今議員がお話しのように、いずれが勝つかということはこの時点では申し上げられませんけれども、民主党、共和党、いずれにしても日米同盟関係というものを非常に重要視しているという点では、これまでの考え方とその点ではそう違わないというふうに思います。 民主党、共和党双方の選挙中の党の綱領あるいは演説などを点検いたしましても、民主党の方が割合と日本との関係において、公正な貿易の推進とか経済関係について日本に対して非常に関心を持っている。この関心を持っているというのは、非常に厳しい対応も含めて非常に関心があるということが民主党の綱領の中に見受けられます。一方、共和党のブッシュ大統領候補の外交演説の中には、日本との同盟関係の強化というような指摘も見られます。しかし、これはいずれにしても、共和党にせよ民主党にせよ、日米の同盟関係を強化するという点では、私はこれまで同様その重要性というものは十分認識をされるだろうと思っております。 ちょっと余計なことを申し上げるようでございますけれども、現在、朝鮮半島を初めとしてアジアにおきます外交上の問題についての日米のいわばパートナーシップといいますか、政策協議は、私はこれまでと同様に続けていかなければならないし、続けていくことができるものというふうに今考えているところでございます。
○依田智治君 河野大臣が申しますように、私は、やっぱりどの次期政権になろうとも日米関係というのは基軸であり、そしてかつその中でも日米安保体制を揺るぎないものにしていくということが重要な要素だと、こう考えております。 そういう意味で、我が委員会も、この特別協定を早期にこれは承認しますとともに、締結についてやっぱりできるだけ早くそれをやりますとともに、あと一つ、やはり日程的に大分詰まってきていますが、ガイドラインの中の三本柱、後方地域支援、後方地域捜索救援活動、そして船舶検査と、三本柱の中の一本が先送りになっていたのを今回改めて出していただいているわけでして、私どもとしても、これはぜひ今国会中に成立を期すということが日米安保体制の信頼性の維持向上に極めて重要だと、こう考えております。 防衛庁長官、船舶検査法、これは防衛庁長官として、その重要性と、ぜひ早期に成立させていただきたいという気持ちを述べていただければ、ありがたいと思います。
○国務大臣(虎島和夫君) 日米安保体制の重要性は二十一世紀においても何ら変わることはない。防衛庁としては、その信頼性を一層向上させるべく努力してまいりたいという所存であります。 また、新たな特別地位協定は、日米安保体制の円滑かつ効果的な運用を確保する上で基本的な重要性を有するものと認識いたしております。 御指摘のありました船舶検査活動法案は、周辺事態安全確保法と相まって日米安保条約の効果的な運用に寄与し、我が国の平和及び安全の確保に資するという重要な意義を有するものと認識しておるところであります。 御主張のとおり、防衛庁としては早期にこれを御承認いただき、成立させることを強く期待しておることを申し上げて、御協力をお願い申し上げます。
○依田智治君 今防衛庁長官からお話ございましたように、これは日米安保体制の中でも極めて重要であり、また、こういう法律的根拠を与えていただくということによって海洋国家日本の守りとしての海上自衛隊の活動の一つの法的根拠にもなるわけでございますから、我々としても成立の努力をしたいと、こう考えておるわけでございます。 あと、いろいろ外務大臣から報告をいただいた中で個別に質問したいことがあるんですが、私は、我が国のやっぱり主権という面から、特に最近、日朝国交正常化交渉、それから外務大臣がこの間モスクワを訪問されて日ロ外相会談等をやってこられたわけでございますが、北朝鮮の関係では、この間五十万トンの米の支援というのがあったわけですが、一方、森総理の発言等をめぐって若干いろいろ話題になっていますが、やはり拉致問題というのは極めて主権にかかわる問題であり、また人道上も早期解決を要する問題だと思っておるわけでございます。 また、ロシアとの関係においては、何としてもやっぱり北方領土問題というのは、これはうやむやの解決じゃ済まない。それだけに、外務大臣としてもいろいろ努力されており、また来週にはAPEC非公式首脳会談がある。APECの非公式首脳会談の中で森総理の日ロ首脳会談も予定がされるという状況にあるわけですが、この日朝国交正常化、それからロシアとの平和条約締結という問題に向かっての現時点での外務大臣の基本的方針、決意というものをこの際伺っておきたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 北朝鮮の動向は、いつも申し上げておりますように、昨年の後半から北朝鮮が国際社会とのかかわりを持つという、言ってみれば新たな外交政策をとっているかのように見えます。そして、ことしの六月には南北の首脳会談ということで緊張緩和への一つの流れができてきた。そして、先般の米朝関係を思い切って進めるのではないかと思われるような相互訪問が行われて、アメリカの国務長官が史上初めてピョンヤンを訪問するというようなことになって、この流れはさらに大きく速くなっていくのではないかと見る向きもございましたけれども、実はそう簡単ではない部分もあって、この十月、十一月に入ってみると、なかなか北朝鮮の動きというものがむしろ非常にスローダウンしてきている。 米朝関係も、国務長官は行った、直ちに大統領もピョンヤン訪問があるのではないかというふうに言われておりましたけれども、大統領のピョンヤン訪問も、もちろん選挙という状況もありましたから、この選挙が終わるまでは恐らく何にも動きはないだろうと。さらに、来週に控えましたAPECの首脳会議前には恐らく動きはないだろうという見方の方が今強くなって、あったとしても十一月の後半から十二月ではないかというふうに言われていて、むしろ非常にアメリカのマスコミを初めとして慎重論も強くなってきたと。少しスローダウンしている状況のように思えるわけです。 そういうことの影響もございましょうか、日朝の国交正常化交渉も、非常にお互いに深みのある議論はいたしましたけれども、双方が非常に慎重でございまして、双方がといいますか、先方が非常に慎重でございまして、我々としても交渉担当者が、先方との了解もあって交渉の中身については外に一切出さないということになりました。次回の交渉も、双方の準備ができたらやるということで、次回の交渉の具体的な日取りもまだ決まっていないという状況でございます。 しかし、私は、余りここは焦る必要はないと。むしろ、議員がお話しになりましたように、拉致問題など我が国国民の生命にかかわる重要な問題、こうした基本的な問題については、これは決して避けて通れる問題ではございませんから、こうした我が国の主張をきちっとして、そして国民の納得のいく形で正常化交渉を進めるというふうにしなければならない、こう考えているところでございます。 ロシアとの関係も、これはクラスノヤルスク合意というのがございまして、二〇〇〇年に領土問題を解決して平和条約を締結するべく全力を尽くすという両国首脳の合意がありますから、これは、この二〇〇〇年最後までこのクラスノヤルスク合意を実現するために努力をしたいと考えておりまして、先般もモスクワでいろいろ話をしてまいりました。 十五日の日ロ首脳会談、これはブルネイで行うわけですが、日ロ首脳会談がどういうやりとりになるかというものもよく我々としては関心を持って見たい、こう思っております。
○依田智治君 大臣、いずれにしましても、今申されましたように、非常にやっぱり国の基本にかかわるような、両問題とも主権にかかわる重要な問題ですから、しっかりと基本を踏まえつつ、粘り強く交渉していくということが大変重要だと。決して安易な妥協のために急ぐということのないように、この点をよろしくお願いしておきたいと思います。 以上、その他中国の問題等ありますが、一点だけ、今、国会等でも永住外国人の参政権問題等が議論されております。私は、やはりこの問題は憲法十五条、公務員の選定、罷免は国民固有の権利という憲法上の規定も踏まえつつ、ただ安易に地方ならいいじゃないかという形で参政権を与えるということは、むしろ朝鮮半島から来た例えば韓国の皆さん等の法的地位を将来にわたってあやふやにするというような要素もあると思いますので、この問題についてはもうちょっと憲法上の議論も踏まえて慎重に対応すべきだと、こういう個人的見解を持っているが、意見だけ表明しておきます。 次に、防衛庁長官、先ほど秘密漏えい事件に関する御報告をいただきました。また、あらかじめ我々にも分厚い調査報告と防衛庁としてのこれからの見直し、強化の方針というのをいただいて、私も読ませていただきました。 この中で、反省教訓事項というのも、極秘書類を勝手にコピーして転勤のときには持っていって大量にあったなんというのとか、こういういかに防衛交流の盛んな時代とはいえ、やはり接触というのは命がけというか真剣勝負ですよね。 そういう中で全体を見ると、自衛官としての自覚、こういうものが足りないなというような感じもつくづく受けますし、防衛庁としても七点ばかり主な反省教訓事項を挙げておられますが、長官、この事件が起こり、長官としていろいろ報告をまとめ、その中でなぜこういう事件が起こったのかなというような点についての率直な感想をまずお伺いしたい、こう思うわけでございます。
○国務大臣(虎島和夫君) かねてこの問題については委員からもいろいろと御指摘、御指導いただいたことについては、心から感謝を申し上げたいと存じております。 私は、まず第一に、この問題は防衛庁としては国民に深く謝すべき重大な案件であるという認識を持っております。そういう立場から、防衛庁としても、広く国民的な視野と申しますか、信頼の回復ということを念頭に置いて処理を考えるべきである。しかも、迅速に行うべき処理と中長期的な立場に立って改善すべき処置、それらをまたあわせますと、現状を厳正に処理することと、それから将来こういう事故の再発を根絶するということにも直結するというような考え方から、実は庁内の取り組みを積極的にやってまいったわけでございます。 防衛庁も、発足しましてから、ことし御承知のように五十年であります。やはりいろいろその間に運営上の検討すべき事柄もあります。それらも、この際は率直、大胆に検討を加えていこうということも申しておるわけであります。 その中には、この問題はやっぱり一つは組織としての問題があると。したがって、組織としてどのようなことを行えばこのことは根絶できるのかということが一つ。 もう一つは、本人の資質にかかわる問題もある。これはやっぱり隊員の訓練その他教育、広く幹部教育まで含めたそういうものを考える必要があるのではないのか。それが個人個人の意識としては、今総体的に見てほとんど大多数の隊員はまじめに真剣に防衛の問題あるいは災害対策その他に取り組んでいることはもう御高承のとおりであります。 しかしながら、考えてみますと、やはり自衛隊という組織が、何と申しますか、お互いの一心同体という認識を他の組織よりも先んじて、あるいはより重大にこれを日常の仕事の中で執行できる、そういう体制をつくるためには、やはり行政、政治としても隊員に対する配慮をしてあげるところが欠けておるという認識も持っております。 例えば表彰制度、褒賞制度とか、あるいは福利厚生面の施設あるいは運営経費等についても、これは隊員の実態あるいは将来の生きがいというか、そういうものを見通して考えますといろいろ検討すべき課題がある。したがって、これらについては中長期的な視野に立って今後ともきちっとやっていきたい。 御報告で申し上げましたように、今回の処分については厳正にやったつもりであります。今申します待遇改善とか、あるいは士気の高揚のための環境の整備とかいうことについては、中長期的課題として、特に次期防、もう来年から始まりますので、その中でも重要な位置づけをして改善を図っていきたい。そして、隊員の士気を高め、責任感をよりしっかり認識してもらって、名実ともに国民のための自衛隊という御評価を国民からいただけるような、そういう努力を一致してやっていきたい、こういう決意でありますので、御指導よろしくお願い申し上げます。
○依田智治君 長官が今るる申し述べた中で、また報告書の中にも十四ページに適切な処遇の確保というような表現も出ておりますが、やはり自衛隊は、日本ではまだ自衛隊は軍隊かというと軍隊ではないと。しかし、外国では日本の軍人はすばらしいと、こう言われている、PKO行っても。 そして、この問題を掘り下げてみると、例えば罰則の強化というような問題がありますが、公務員と同じ秘密漏えいは一年の罰則、しかしアメリカとの関係における防衛機密は十年になっているとか、そういうような点とかいろいろ検討してみますと、自衛隊というのはやはり日本においても武力組織である、私は間違いないと。それをやっぱりしっかりと憲法上も位置づけ、それに対する規律というものもきちっと明確にし、処遇というのは、先ほど長官からございましたように、隊員に対する配慮の中でも、表彰の問題、栄典の問題、その他いろいろありますが、そういう問題も含めしっかりとやる。その上で、厳正な規律に対して厳正な処罰をやる。そういう国としての仕組みをまずしっかりするということが大変重要なことだなという、それが根底にあると思うんです。 したがって、今後これからいろいろ反省、教訓を踏まえて、文書管理を徹底するとか、安易に接触せずに、しっかりとそういう報告なり事前の計画を立てて人と会う場合でもしっかりやるとか、OA化に伴うそういう秘密保全もしっかりするとか、身上把握も徹底するとかいろいろありますが、また罰則の強化、そういう問題を考える前提として、やはりそういう武力組織としての特性を踏まえながらしっかりした根本的対応をしていくという問題、最終的には本当は憲法問題を含めきっちり議論して、我が国としてのそういう体制を整えることが重要だと思いますが、それまでには時間がかかるとすれば、やはりこういう今後の直接、当面、または長期的対策においてもそういうしっかりした特性を踏まえながら長官としても対応していただく必要があると思っております。 この点についての長官の御意見、もう一度先ほどの処遇の問題も含めた感じでお伺いしますので、よろしくお願いしたいと思います。
○国務大臣(虎島和夫君) 御指摘の点の一番根本の問題は、これはもうそのまま自衛隊の基本的なあり方に関する問題であるわけです。しかも、憲法等々のこともございましたけれども、これらについても、今、国会の方でも論議をする場ができました。今後、幅広く御議論いただかねばならない、そういうことも含めた御発言であり、御激励であったというふうに受けとめております。 私としても、長官としても、このことについては深く重く受けとめておりますことを御披瀝申し上げ、重ねて委員会、先生方の御指導、御協力をお願いする次第であります。
○依田智治君 自衛隊に対する国民の期待、信頼というのは非常に最近高まってきておると。もともと自衛隊が、武力組織として一たん我が国有事の場合に国を守るため身命を賭して本当に頑張る、これはまず基本であり、そのための努力をしているわけですが、最近やっぱり阪神・淡路大震災、有珠山あり原子力事故あり、その他いろいろの中で、日常生活においても自衛隊に対する国民の期待というのは非常に高まっておる。こういう現状を踏まえますと、自衛隊が本当に国民に信頼されるしっかりした組織として確立するということは私は大変重要だと、こう思っております。 それにはやはり、私が先ほど指摘しましたように、国として武力組織の特性というものを生かしたしっかりした政策、体制というものをつくると同時に、我々として、また自衛隊の皆さんにもそういう重い使命というものを自覚していただき、しっかりと国民の負託にこたえていただく努力というものが重要だと思いますので、今後のこの見直し強化等の作業においても、しっかりとそれらの点も踏まえた対応をお願いしたいと思います。 いよいよ最後に、私はこの報告の中で非常に重要なのは、自衛隊として情報保全に関する部隊の見直しという条項がございます。 現在、自衛隊の場合には、すなわち自衛隊に対する外部からの働きかけ等に対し部隊等を保全するために必要な資料及び情報の収集整理等を行う調査隊というものと、主として犯罪の捜査及び被疑者の逮捕を行う警務隊、この二つがあって、その両方の活動と相まって自衛隊というものの情報を保全し、自衛隊というものをしっかりと確立していくという組織があるわけです。これ自体がある。通常の公務員にはこんなものないわけですから、そういう点から見ても、自衛隊というものが非常にやっぱり私は特殊な、特殊というか、そういう武力組織としての特性を備えている組織だということが言えると思います。 そういう点で、この報告書を見ましても、例えば調査隊と警務隊を一緒にして情報保全警務隊、仮称ですが、そういうものを、一緒にするといったって、当初いろいろ議論の中で、我々も自民党の中で議論したときに、むしろ一緒にして統合すべきじゃないかという意見もあります。それはちょっと性格上おかしいということで、連絡を密にするために上部組織を統合したらどうかという意見もこの中に示唆されておりますが、私は、この調査隊というものそれから警務隊、それから一方、一般警察機関の役割、このあたりというのは必ずしも簡単にできない。自衛隊の組織、現在の憲法体制下における自衛隊の位置づけ等もいろいろ踏まえると、まず一つ言えることは、一般警察機関とのこういう機密漏えいという面についてもより高度な連携を確保していくということが大変重要であると同時に、この警務隊とか調査隊というものが自衛隊の中に置かれた意義づけというものを考えつつ、その特性を生かして、そしてしっかりと部内において機能できるように体制を見直すと同時に、その両隊が密接な連携をとって万全なやっぱり情報保全体制ができるということが私大変重要だと思うんです。 そのためのいろいろやり方というのをこれから検討していただくと思うんですが、やはり現実に、実際にそういう業務に従事しているのは自衛隊の制服の皆さんですから、そういうしっかりした現場の意見も踏まえて、また国としてのこういう組織のあり方の基本も踏まえた的確なひとつ対応をしていただくということが大変重要じゃないか。 私どもも、自民党の中にプロジェクトチームがあり、私も参加しておりますが、防衛庁の改革作業等と相まちながら、我々としても、研究を踏まえ、より適切なひとつ自衛隊の情報保全のあり方というものを追求していきたいと、こう思っておりますので、私の見解を申し述べ、これをもって私の質問を終わる次第でございます。 どうもありがとうございました。
○海野徹君 おはようございます。民主党・新緑風会の海野徹でございます。 大変日ごろ、外務大臣、いろいろ外交交渉で御苦労されていると思いますが、きょうは、日朝国交正常化交渉を中心にして幾つか御質問させていただきたいと思います。 先ほど、深みのある議論を北京ではやった、しかしながら、こちらも慎重だけれども先方も大変慎重だと、だからなかなか会談内容をつまびらかにするわけにいかないというようなお話がありました。しかしながら、それだけに、次回の交渉の日程も決まらないままに、準備ができたらやろうよという話で終わっちゃったということだったんですね。ただ、大臣は、焦る必要は全くない、原理原則論に立って国民が納得する形で今後交渉していくんだというようなお話がありました。 そういうお話、大変私も、要するに関係改善というのはやらなくちゃいけない、しかしながら急ぐ必要はないという論点でいろいろお話しさせていただきたいなと思いますが、いろんなところで国民の意向を聞いておりますね。その国民の意向を聞きますと、正常化交渉というのは慎重にという意見が非常に多い、圧倒的だと。 こういう国民の意向を含めて考えて大臣はそういうような御答弁をされたと思うんですが、いま一度この点について、国民が慎重にと言う背景にはどういう背景があるのか、大臣としてはどういう御認識をされているのか、まずお伺いさせていただきたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 各種の世論調査などを拝見しますと、この日朝交渉に対して、今議員が御指摘のように決して急ぐべきではないと、慎重にやれというそういう調査の結果が非常に多い。それから、もっと言いますと、北朝鮮という国に対して何といいますか、好感度は決して高くないというようなことが示されていることは私もよく承知しております。 私は、若干の反省を込めて申し上げたいと思うんですが、今我々が日朝の国交正常化をやらなければならないと考えている理由は幾つかあります。 まず申し上げれば、我が国と北朝鮮との間にある歴史的な問題、つまりその結果起こっている不正常な関係というものを正常化する、これはやはり我々はやらなければならない問題だと思っています。それから、それからよって来る問題でもありますけれども、我が国の安全保障上の問題を見ても、やはりこの極めて地理的にも近いところにある北朝鮮との関係をよくしておくと。よくというのは、正常にしておくという必要は私はあると思います。さらに言えば、国際的にも、現下、北朝鮮に対して例えば核の不拡散の問題、こういった問題が、これは国際社会から見ても問題だというふうに指摘をされていると思うんです。 国交の正常化を我々がなし遂げるということであれば、米朝関係、南北関係と三つのトラックがそれぞれ交渉が成立するとすれば、北東アジアの平和とか安定とかというものはやはり今よりは格段によくなることは間違いがない。そしてそのときには、恐らくミサイル問題というものも何らかの形で解決をしているだろうと思いますから、ということになれば、国際社会が持つミサイルの輸出を初めとする拡散問題についても不安は除去されるという問題があると思うんですね。こういう問題を考えると、やはり正常化交渉というものはやらなければいけない問題だというふうに思うんです。 しかし一方で、そういう問題があるということを我々がもっと国民の皆様によく説明をするということがあるいは十分でないかもしれないという点に私はある種の反省を持っているわけです。こうした説明責任といいますか、こういう問題があるんですよ、だからやらなければならないのですということを十分に果たして理解されているかどうかということをまず考える必要があると思います。 しかし、その一方で、今議員が御指摘になりましたように、大変高い世論調査の結果、七割前後の日朝交渉には慎重たるべしという世論というものがあるということもまた我々は承知をしておりますから、この世論というものは決して無視できないというふうにも思うわけです。 これらを考えて、もう一方、北朝鮮政策については、我々はアメリカ、韓国と政策調整をしながら今日まで来ているということもあって、こうした三カ国間の政策調整というものも考え、これは、韓国は金大中大統領を先頭に南北の交渉をやり遂げて将来の民族の統一という夢を果たしたいという強い気持ちがあるでしょう。そのためには、やはり日本もまた北朝鮮との関係を改善してほしいという韓国には韓国のお考えがある。アメリカには、やはり日本、韓国とともどもにスクラムを組んでミサイル交渉をよい方向に持っていきたいという気持ちもある。我が方には、先ほど申し上げたように、やはり過去の清算ということを初めとしてやっておかなければならない問題があるということでありますから、この三カ国の政策調整ということも考えながら今私は日朝交渉に臨んでいるわけでございますが、この日朝交渉に臨むに当たりましては、先ほど依田議員にも御答弁申し上げましたように、我が方として主張すべきことはきちっと主張をし、決して焦らずに、私は、急がずにというのではなくて焦らずにこの交渉には臨まなければいけない、こんなふうに考えております。
○海野徹君 今、大臣から、説明が余り十分でないから国民の納得を得られていない部分があるのではないかと、説明責任ということに触れられましたし、もっとも非常にタフな相手ですから、なかなか要するに情報も得にくいし、説明するにしても説明が余り明確にできない部分があるかと思いますが、確かにこの七割という世論調査というのは直近の数字ですから、大変やはり慎重にというのは、米支援に絡んで、じゃ一体拉致の問題あるいはミサイルの問題、核の問題、これは具体的に明確な何か解決のめどが得られたのか、あるいはその千二百億とか千三百億円という数字が余りに巨額過ぎるんじゃないかと、一国の食糧支援として。 大体、一国の食糧支援というのは、十億とか十五億とかというのが今までの支援の金額だったんですね。そうなると、後ほどまた御指摘させていただきますが、余剰米対策で農民保護だと、そのために要するに我々の税金を使ってはたまらないよというような、そういう深層心理というのは何となくあるやに私は思うんですね。 だから、そういった意味で、非常に冷ややかだったというのは、説明責任なだけに、要するに国内問題とそのタフな交渉相手である北朝鮮との問題が何となくあやふやなままに進んでいってしまっているということがあるんではないかなと、そんなふうに思います。タフな相手ですから、どんなふうにタフかというのは、各担当所管の方々にお聞きしてからまた大臣にお伺いしたいと思います。 金融庁にお伺いしたいんですが、金融庁いらっしゃいますね、去る八月の交渉のとき、北朝鮮側の団長であった鄭泰和大使が、国交正常化を待つまでもなく、とにかく朝銀の問題を頼む、公的資金を入れてくれというような要望をしたということなんですが、そういうことは聞いておりますか、まず。
○政府参考人(西川和人君) お答えいたします。 私どもはそのようなことは承知いたしておりません。
○海野徹君 聞いていないということなんですが、これはかなり広く、まさに周知の事実になっているんです。 朝銀の実態というのは、不良債権が相当入っている。情報によれば、ことしの七月に入ってからすべて調査に入ったと。調査に入ったところ、その全組合が債務超過に陥っている。回収不能額は約八千億円あると。それを要するに朝銀大阪のような形で処理したら、朝銀大阪は三千億円を超えていましたから、八千億円をまた処理したら一兆一千億円の公的資金を入れなくちゃいけない。そういうような状況まで来ている。これは国交正常化の経済協力の一部に含めるんだというような議論もされている。 一体、要するに朝銀の実態というのはどういうふうになっておりますか。検査をされて、それで得られた実態はどういうような実態ですか。
○政府参考人(西川和人君) 金融庁といたしましては、信用組合につきまして、平成十四年四月に控えておりますいわゆるペイオフの解禁をにらみまして、今後の存続可能性を確かめる、確認いたすと、そういうような趣旨で、本年の七月以降、これは北朝鮮系とかなんとかいうことで差をつけるということではなく、いわばあらゆる信用組合につきまして集中的に検査を実施しているところでございます。 御指摘の北朝鮮系の五つの信用組合、このうちの一つにつきましては、今事務年度ではなくて昨事務年度、五月から検査を開始しておりますけれども、それ以外の四つの信用組合につきましてはことしの七月から検査をスタートさせております。そして、それらのうち、実は二つの信用組合、朝銀西信用組合と朝銀北東信用組合につきましては検査を既に終了いたしまして、検査の結果につきましても、これは去る十一月八日でございますけれども、それぞれ相手方に通知をしてございます。 ただ、個別の検査結果につきましては、やはり取引先等に不測の損害を与えるおそれがありますほか、個別企業の経営内容を当事者の意に反して開示をする、そういったことになる等の問題がございますことから、当局から公表いたしますことは適当ではないというふうに考えている次第でございます。
○海野徹君 再度お伺いさせていただきますが、じゃ、調査はした、検査はした、公表は要するにいろんな問題があってできないと。いろんなところからの情報で、非常に要するに不良債権が多くて、全部債務超過だと、回収不能額が八千億円だというような具体的な数字というのは、全くこれは根拠がないということなんですか。
○政府参考人(西川和人君) ただいま申し上げましたように、ちょっと繰り返しになりますけれども、個別の検査結果につきましては、いろいろな理由がございまして、当局から公表することは適当でないと考えております。したがいまして、今先生がおっしゃいました不良債権が幾らあるのかとか、そういうことにつきましてもコメントを差し控えさせていただきたいと思います。
○海野徹君 わかりました。コメントを差し控えるということで大体わかりましたから。 それでは次に、通産省にお伺いしたいんですが、やはり八月の交渉のとき、国交正常化に先立ってもう一つ要望したいことがあるということが、これは今停止されている日朝間の貿易保険、これを再開してほしいというような話があったということなんですが、これは事実ですか、通産省。
○政府参考人(奥村裕一君) お答え申し上げます。 貿易保険の再開につきましては、私どもはまだ正式に先方からそういうふうな要望は承っておりません。
○海野徹君 これは国交正常化の前にどうしてもやってほしいということで、それだけ多分いろんな背景が要するに北朝鮮側にはあると思うんですけれどもね。 実際に、貿易保険を停止したのは一九七五年ですね。そのとき、約四百億円ほどの未払いがあるという数字が出ているんですが、それが要するに金利あるいは孫金利がつくと、日朝貿易決済協議会なんかの話ですと一千億円を超えるんじゃないかという話があるわけなんです。その辺のことは実態をつかんでいらっしゃいますか。
○政府参考人(奥村裕一君) 今おっしゃいました日朝貿易決済協議会の方で先方と当たっております数字は、大体一千億円前後というふうに聞いております。
○海野徹君 そういうような一千億円前後という話を聞きながらも、まだ北朝鮮側からそういう要請があったということはどの方面からもないんですね。
○政府参考人(奥村裕一君) 公式にはございません。
○海野徹君 はい、わかりました。 それでは外務大臣にお伺いしたいんですが、北朝鮮の経済が大変深刻をきわめているということが今の状況でもおわかりだと思うんです。 今回の北京で行われた正常化交渉においても、拉致の問題も何か話題にはのっけたけれどもすぐ引っ込めたような話を自民党の外交部会で話したとかなんとかという話もあるんですが、我が国の安全とか国家主権にかかわる問題については何ら進展が見られなかったんじゃないかということなんですよね。 そうすると、一体十月二十七日に決定した五十万トンというのは何を意味したんだという疑問がわいてくるんですが、これは、ではどういうことを意味していることになりますか。
○国務大臣(河野洋平君) 二つお答えをしたいと思います。 一つは、昨年来、北朝鮮が非常に積極的に外交の分野で活躍をした。ヨーロッパ各地とも外交関係を樹立するし、新たな相手とも積極的に交渉に当たっている。こういう状況は一体何を意味するのかということが我々にとってはどうしても知っておかなければならないことでございましたから、私も外国の要人、北との外交関係を持つ国の要人の方々とお目にかかるときにいつも、一体これはどういうことだと推測できるかという話を何度もいたしましたが、そのときに一番最初に言うのは、やはり経済が危機的状況だということがあるだろうと、とりわけ食糧が非常に厳しいと。しかし、食糧だけではなくて、経済全般が非常に危機的状況だということが国際社会にわっと出てきている理由の一つだろうと。 もちろん、それ以外にも幾つも理由があって、例えば金正日氏が国内的に実権をきちっと握って非常に自信を深めたということもあるかもしれない。それから、金正日氏自身が、CNNをずっと見ておられるそうですけれども、そういうものをずっと見て、国際社会の中における自分たちの立場、外国と自分たちとの間の格差といいますか状況の違い、そういったものもよくわかっている、そういったことから国際社会の中に出てきているということがあるだろうということを聞いておりまして、経済的な危機的な状況、とりわけ食糧問題は非常に危機的な状況だということがございました。 そこで、米の支援の問題でございますが、私がまず申し上げておきたいと思いますことは、米支援はあくまでも人道的な支援でございます。これは、我が国の隣国、近隣の国に食糧で本当に困っている国があれば、それに対して人道的支援を行うということは、これはあって当然だと私は思います。そのことと非常に厳しい交渉をするということとは、それは別といえば別。 あるいはお互いの信頼関係をつくる、あるいはお互いに相手の困難な状況というものはわかって、そういうときには助け合う。助け合うというか、助ける相手なんだなということを先方がわかっているということが、交渉の中にいずれ、つまり交渉をそれによって譲歩するとか妥協するとか何をするとかということを具体的に私は申し上げているのではありませんが、相手と話し合う、交渉する以上、先方に対して、この自分の交渉相手はだれかが困っているときにはやはりちゃんと助ける国なんだなということをわからせておくということは大事なことではないかというふうに私は思いまして、人道的支援は、これはやるということを私は決心をいたしました。 問題は、数量をどのぐらいやるか、それからどのタイミングでやるかというようなことが問題でございました。 少し長くなって、お許しをいただければ数量等についてももうちょっと御説明を申し上げたいと思いますが、九月にWFP、国連の機構が、北朝鮮のことしいっぱいの食糧の不足分は十九万五千トン程度であろうということを発表いたしました。この十九万五千トンが十二月までに不足するであろうということを発表したのですが、WFPはそれ以前にも、二〇〇〇年度における北朝鮮の食糧の不足分として約三十万トン不足をするということを言っておりまして、その三十万トンのうちの十万トンは依然として充足されていないという状況にございます。 したがって、充足されていない十万トン、プラス新たに不足するという発表をした十九万五千トンを足しますと、年内におよそ三十万トンが不足するということを我々はこのWFPの発表から承知をしているわけでございます。さらにWFPは、来年度もまたことしと同じ程度の不足分が発生すると。ことしと同じ程度ということは、つまりことしの不足分と称して発表されたのは約五十八万トンでございますから、それだけの数字は不足するであろうということをWFPは言ったわけです。 我々が考えますと、年内の三十万トン、それから来年、ことし程度不足するであろうということであるとすれば、五十八万トンをそれに足すとおよそ八十八万トン。毎年WFPの発表は、そういってもさらにそれに一定程度の不足分が追加発表されるわけですから、それを考えると、足らないだろうと言われる数のおよそ半数が五十万トンという数字になるということを私は知っておりました。 それからもう一つは、例えば十万トンの米を北に支援するといった場合に、その十万トンの米を集めて北に届けるまでにかかる時間ですね。これは我々の経験で言えば、ことし三月に十万トンの支援を行ったわけですが、その十万トンの支援を行うと発表したのが三月、その十万トンが完全に北側に渡ったのは八月でございます。やはり五カ月近い時間がそれにかかっております。そういうことを考えると、不足分五十万トンの支援を我々は行うと今発表するというのは、時期的に、先方の食糧の危機的状況から考えれば今は大事なタイミングだなということを考えました。 さらに、私は先ほども申し上げましたけれども、アメリカ、韓国などとの政策調整でいろいろ意見交換をしておりますときにさまざまなアドバイス、示唆を得ているわけでございますが、そうしたものを総合いたしますと、ここで五十万トンの支援をするという発表をすることは北に対して相当強いインパクトを与えることになるというふうにも私は判断をいたしましたので、私の責任において決めさせていただきました。 さて問題は、議員がお尋ねになった、ではそれがどういう意味があったのかというお尋ねでございますが、私は、五十万トンの支援をしますと発表して、そして直ちにその結果がこれだけ出ましたというものではないと。そんな結果を私はもともと期待をして五十万トンと言っているわけではないのであって、このことが交渉をする相手方との間の信頼関係をつくっていくという意味でまさに一つの意味がある、こう考えているわけでございまして、私は、これからの交渉というものにまだまだ慎重にではありますけれども、先方とお互いにお互いの立場を考えた、厳しい交渉であっても、お互いに相手の立場を考えた交渉というものをすることができるようになるのではないか、こんなふうに思っているわけでございます。
○海野徹君 相手を考えて、要するに信頼醸成のために、結果を何か期待したものじゃないという話を今最後にされました。ただ、やっぱり支援の決定過程に非常に問題があるんではないかなと私は思うわけなんです。 大臣は、今数字的な説明をされている中で、私も幾つか大臣の談話をとらせていただいている、その中で、一つには、あくまで人道支援だとおっしゃるんですが、人道的な支援と言うにはやっぱりそれなりの量があると思うんですね。今、大臣からずっとお話を聞きまして、タイミングの問題、これも人道的なタイミングの問題を言われていました。しかしながら、人道的支援となると一定の要するに枠がはまってくるのかな、それには説得力が余りにもないなと私はどうもとってしまうんです。 それで、大臣が百万トンぐらい大体不足するからこれを、先ほど八十万トンとか言っていましたけれども、約半分、五十万トンだと。それが日米で負担するんだというような発言もされているんですが、そういう負担、そういう発言はしては……
○国務大臣(河野洋平君) それは違います。ありません。
○海野徹君 ないですか。それだけ、じゃお聞かせください。
○国務大臣(河野洋平君) 食糧支援を日米でシェアしようといいますか、そういうことを言っているわけではございません。 韓国は韓国で北に対する支援をしようと考えておられるようで、ただし、韓国の場合には、米の支援というよりは肥料を支援したいというようなことを主として言っておられます。 アメリカの場合には、米の支援についてもちろん言っておられますけれども、我々と一定数をシェアしようということを言っているわけではないわけでございまして、そこはそういう調整をしているかというお尋ねであれば、それはそうではございません。ただし、アメリカも支援は考えていることは間違いございません。
○海野徹君 直接的なアメリカとのやりとりがあって日米で負担をというんじゃなくて、そういう方向へ行くだろうという期待の発言だったというわけですね。日米で必ずしもシェアするという問題じゃなくて、あくまで我々がこれだけやればあとは要するにアメリカなり韓国なりがやるだろうというような、そういうような発言だというわけですね。期待の発言だというわけですね、日米で負担をという。それは発言していないということですか。だけれども、実際は、発言したということでいろいろ報道されていますけれども。
○国務大臣(河野洋平君) 強いて言えば、同じように支援するなら支援の発表を早くした方がインパクトが強いだろうという私の判断はありました。日本はこれだけしますということを言えば、いずれそれはもちろんアメリカも何がしかの支援はなさると思います。 しかし、私は私なりに、繰り返して申し上げますが、米の支援はあくまで人道支援でございますが、その人道支援を行う際に、そのタイミングや量については総合的な判断をするということを私は考えているわけです。
○海野徹君 この問題だけでもかなり議論をさせていただきたいんですけれども、先ほど言った、私なりに解釈すれば人道的支援というのはある一定の量があるだろうな、これは少なくてもいいんだろうな、WFPの要するに要請の範囲内でいいだろうなと私は思っているわけなんです。五十万トンという数字は、やっぱりどう考えても、ある意味では戦略的に考えるんだったらもっと多い方がいいんだろうと、非常に中途半端だと。 となると、いわば信頼醸成のためのある意味では手段みたいな形でやったのかな。あくまで交渉のテーブルに着くために要するに以前から約束されたものを履行しただけなのかな。それは何か外務大臣が、七月には人道支援と言ったにもかかわらず、交渉の過程とは切り離すということを言いながら、拉致家族、拉致被害者の方々と話しているとき、いや、これはやっぱり出さないとなかなかテーブルに着いてくれないからねというような発言をしたというような報道もされているものですから、どうやって一、二カ月の間に変わっていってしまったのかというのは、新聞報道あるいはホームページで見る限り我々は釈然としないところが残るわけなんですよ。 じゃ、何でとにかく全量国産米にされたんですか。 それでは、九月二十八日に食糧庁が、「最近の需給・価格動向にかんがみ、緊急に米の需給と稲作経営の安定を図る観点から」というようないろいろ総合対策をやっている。これで七十五万トンの市場隔離、別枠扱いを実施すると決めているんですよね。これと要するにぴったりタイミングが一致してくるんですよ。全量国産米でやったというのは、やっぱり何らかのこういうような要請があったから国産米なんですね。 というのは、WFPからの話ですと、トウモロコシでもジャガイモでも何でもいいという話ですよね。米じゃなくてもいいんですよ。別に国産米じゃなくても、あるいはタイ米でしたらもっと国民負担は少なくなるという試算も出ています。そういう説明も受けています。しかしながら国産米でやった。ベトナムも大変今米の輸出で困っているんですよね。水害を受けてまた被害も大きい。我々はそういうような東南アジアを含めた近隣諸国で、同じ人道的だったら、そういう国も困っているんだったら、そこのベトナム米を買ってそれで出したって、これも両方に人道支援になるんじゃないかと思うんですけれども、その辺どうなんでしょう。
○国務大臣(河野洋平君) 食糧支援は米ではなくてもいいではないか、トウモロコシでもいいではないかという、あるいはそれ以外のものでもいいのではないかというまず最初のお尋ねについて申し上げれば、確かに韓国が北朝鮮に食糧支援をしたのはトウモロコシでございます。トウモロコシと米でございます。トウモロコシを食糧支援として送ったという事例もございます。 しかし、議員も御承知のとおり、朝鮮半島の人たち、北朝鮮の人を含めて米が主食であることは間違いがない。食糧支援というときに、主食である米を送るということができるなら米を送るということがいいにこしたことはないと、これはまず申し上げておきます。 問題は、米にもいろいろあるだろう、ベトナム米もあるだろうしタイ米もあるだろうし、あるいは国産米もあるだろうし、それはどうかというお尋ねでございますが、ここは実を言いますと、どの米を送ることが一番適当かという問題については、これはなかなか外務省だけで決められることではございません。食糧庁の意見というものもございます。農水省には農水省の政策的判断もあろうかと思いますから、そこは何も外務省だけがこれでなければいけない、こうしてほしいということを言うというほど私にすべての決定能力があるわけではございません。それらはいずれも日本の国内事情というものをあれこれ検討した結果、このやり方が一番いいというふうに判断をしたわけでございます。
○海野徹君 人道支援から政治的支援、政治判断を大臣がされて五十万トンと決められた。これは非常に私自身は誤った政治判断になる可能性がある、大変失礼な話なんですがそういうふうに私は思います。 というのは、日本というのはそんな簡単に千二百億円も出すんだという印象を与えてしまったんじゃないか。余剰米対策なんだから、むしろおれたちが感謝してもらわなくちゃいけないということで、本当にそういった意味では、まあ外交というのはお互いに腹の探り合いですから、要するに自分が優位に立って相手をできるだけ劣勢な状況に置きながら交渉するというのがこれはもう鉄則だと思いますから、そういった意味では、大変日本の外交姿勢が問われてくるんじゃないかなという意味でも私は政治的な判断に誤りがあったんじゃないかなと思います。 戦略的にやるんだったら、百万トンとか二百万トンという数字でないと本当の意味で戦略的にならないわけでありまして、だから戦略的にも誤ったこれは決断だったんではないかなというふうな私は感想を持っております。だから、今回の会談の開催だけを決めるのに使われてしまったのかなというふうに思います。この問題はまたいつかお話しさせていただく機会があると思うんです。 それじゃ、警察庁の方にちょっとお伺いします。 覚せい剤の問題なんですけれども、金正日総書記の秘密口座というか秘密資金がスイス銀行に四十三億ドルあると言われています。それはアヘンとか覚せい剤の密輸ですか、それによって得られたものもそれに含まれているということなんですが、非常に北朝鮮はアヘンというか、それを百トンほど製造する能力を持って、大半が日本へ来ているという話なんです。 数年前まで大阪朝銀の副理事長をやった人間が捕まって、それも覚せい剤の密輸に関連していたというような話があったり、防衛庁の特二部隊ですか、がそういう覚せい剤の問題は担当しているんだという話もあったり、いろいろあるわけでありますが、覚せい剤がどんなルートでどの程度入っていますか。最近は、分析結果によるともう原産地がすぐわかるという話なんですけれども、その辺ちょっと教えてください。
○政府参考人(加地隆治君) お答えをいたします。 平成十一年中におけます一キログラム以上の覚せい剤の密輸入事件でございますが、十五件を検挙しておりまして、その総押収量は一千五百十二・一キログラムに上っております。そのうち北朝鮮にかかわる事件につきましては二件でございまして、六百六十四・六キログラムを押収しておるところでございます。これは全押収量の四四・〇%を占めております。 また、本年の九月末現在におけます一キログラム以上の覚せい剤の密輸入事件でございますが、十一件を検挙しておりまして、その総押収量は五百八十六・二キログラムに上っておるところでございます。そのうち、北朝鮮にかかわる事件につきましては一件でございまして、二百四十九・三キログラムを押収しており、全押収量の四二・五%を占めておるところでございます。 いずれも、北朝鮮からの覚せい剤につきましては、北朝鮮を出た後は他の地域を経ることなく直接流入してきておるところでございます。
○海野徹君 国交正常化の中でいろいろ交渉相手である北朝鮮の問題をずっと議論させていただいているわけなんですが、朝銀の問題あるいは貿易保険の問題あるいは米、覚せい剤の問題等、北朝鮮側の状況をお聞きしているわけなんです。 防衛庁長官、コーエン国防長官が九月二十二日に来られました。朝鮮半島情勢、軍事情勢のお話をされたかと思いますが、どういうような軍事情勢のお話がおありだったんでしょうか。
○国務大臣(虎島和夫君) これは、今回おいでになったときは余りそういう大きな問題の話はしませんでしたが、河野外務大臣と私と、実は九月に2プラス2がありました。それで訪米しましたとき、あるいはそれが済みましてから、私とコーエン国防長官と日米防衛首脳会談を行いました。その際には、当然のことでありますけれども、この問題は協議の場で出ました。 結論から申し上げますと、現在いろいろ行われておるけれども、我々はもちろん南北首脳会談の成功を期待するし、また一方、我が国がすることがあれば、あるいは防衛庁がすることがあれば、このことに積極的にサポートしてその成功を期待したいというようなことも申し上げました。 しかしながら、現実には、防衛問題に関する限り緊張緩和まで進むだけの具体的な取り決めはないというようなことで、注意深くこの問題については見守りながら、特に日米間の連携の重要性を再確認したということが現状でございます。
○海野徹君 ありがとうございました。 再度、防衛庁長官にお伺いしたいんですが、これはお答えいただければ大変ありがたいと思うわけなんですが、アメリカの国防総省が、やっぱり九月二十二日に朝鮮半島の軍事情勢という報告を出しております。もう長官、それは十分御案内かと思うんですが。今、私がそれこそ金融庁あるいは通産省あるいは警察庁等、御質問させていただきながら、そしてこの朝鮮半島の軍事情勢等を御判断されて、これから我が国としては正常化交渉にどういうような姿勢で臨まれた方がよろしいかと思いますか。その辺、防衛庁長官の要するに御意見がお聞かせいただければ大変ありがたいんですが。
○国務大臣(虎島和夫君) 私どもの基本姿勢としては、防衛力整備というのは粛々とし、それを着実に充実していくという考えを、整備していくという考えを持っておるわけです。 と同時に、一方では、特にアジアを中心とする防衛交流というのを活発にやっていこう、そしてお互いの交流の中からまた理解を深めていこうじゃないかということで、現に韓国あるいは中国あるいはインドネシアその他の国々との間は防衛交流というのが活発に行われておるわけでありますが、北朝鮮の方とはまだこのことは行われておらない。 それから、認識の話、お問い合わせでありますから申し上げますけれども、先般、南北の国防大臣クラスの協議が行われたと承知いたしておりますけれども、この中でも極めて防衛問題に関する議題は限られておる。したがって、まだ緊張緩和とか我が国の防衛力整備等々をこのことによって検討するという段階には立ち至っておらないというようなことで、やはり引き続き慎重な検討を加えながら、日米の間でもよく情報交換等々をやっていこうという話し合いになっておるのが現状であります。
○海野徹君 再び外務大臣にお伺いしたいんですが、日本人コックの原さんを拉致して韓国で捕まった辛光洙という、これは拉致の実行犯ですね、彼が非転向長期囚でずっと韓国に、これは法廷へ出ていろんな発言もしているわけなんですが、彼が南北首脳会談以降、ある意味では本国北朝鮮へ凱旋して大変な歓待を受けたというような話なんですが、これに対して外務省としては何らかのアクションを起こしたんですか。
○国務大臣(河野洋平君) ことしの九月二日に、今御指摘の非転向長期囚が韓国から北朝鮮に送還をされたわけですが、その中に、我が国政府が北朝鮮による拉致の疑いがあると判断しております事件の実行犯と見られる辛光洙が含まれていたということは承知しております。 我が国政府としては、従来より、韓国政府に対して、辛光洙の問題を含め北朝鮮による拉致問題についての我が国の立場を繰り返し説明をしてきておりまして、韓国政府は非転向長期囚の送還に当たっても我が国の立場を踏まえて慎重に検討を行ったものと承知しておりますが、結果として、南北首脳会談以後の朝鮮半島情勢などを総合的に勘案した上、送還を決定したということのようであります。 なお、我が国政府は、辛光洙が服役中であった当時より、警察当局におきまして担当官を派遣して韓国当局と緊密な情報交換を行ったり、同人への事情聴取につき韓国政府の協力を要請した経緯がございますほか、特に昨年末、同人が恩赦により釈放された後には、同人に対する事情聴取などを求める捜査共助要請を韓国側に対して改めて行うなどの対応をとってまいりました。 韓国政府は、我が国よりの捜査共助要請にできる限り協力を行うという立場でありまして、共犯者とされる男性に対する事情聴取の実施や捜査資料の入手などについて必要な協力を行ってもらいましたが、辛光洙本人からの事情聴取に関しては、残念ながら本人の同意が得られなかったために実現をしませんでした。 辛光洙の身柄が北朝鮮に送還されたことによりまして、我が国捜査当局が必要性を認識している捜査の一部の遂行が困難となったことはまことに残念でございますが、政府としては、辛光洙の事件を含め、拉致問題について我が国国民の生命にかかわる重大な問題であるとの認識のもと、今後とも粘り強く取り組んでまいりたいと思っております。
○海野徹君 時間もありませんから、最後に大臣に御決意のほどをお伺いしたいんです。 今後の日朝正常化交渉、いろんな今指摘をさせていただきました。非常に難易度の高い交渉でありますから、外務大臣が直接また行かれていろんな交渉をしなくちゃいけないと思うわけなんですが、やはり獲得すべき日本の国益あるいは目標というのを十分検討していただいて、いただいていると思いますが、やるべきだと。それで、決して急いではならないと私は思っております。原則を主張し続けるべきだろうと。いろんなシグナルは国際的には発するべきだと思うんですが、決して急いではならないなと思っています。 前回も私はお話ししました。孫子の兵法で四路五動という、道は四つあっても動きは五つ、急がない、動かないというのも強みを見せるための動きの一つだというお話をさせていただきました。ぜひその辺、急がずに慌てずに焦らずに、原理原則でやっていただきたいんですが、御決意のほどをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 我が国の基本をしっかりと守って交渉に臨みたいと思います。 交渉をどういう形で進めるか等については、この場面でございますからこれ以上申し上げることはお許しをいただきたいと思いますが、今の議員からの御指摘は十分お伺いをさせていただいた上で、私なりに判断をさせていただきたいと思っております。
○海野徹君 ありがとうございました。 以上で終わります。
○益田洋介君 まず、外務大臣にお伺いしたいと思います。 一九九九年の政府開発援助、いわゆるODAでございますが、の実績は、九年連続で世界一という結果が出ました。大分援助疲れが世界的な傾向で援助国に見えてきている中で、我が国が援助を重視するという姿勢を堅持したことについては評価をさせていただきたい、そのように思っております。 特に、アジアの経済危機に対する支援、非常にこれは役に立っているというふうに私どもも思うわけでございますが、残念ながら一方で、相応の評価を被援助国から、あるいは他の援助国からされているかというと必ずしもそうではない。このODAについては何回も外務大臣に、特に対中国のODAについて御意見を拝聴したり指摘をさせていただいたりということをしてまいりましたが、中国だけではなく、やはりまだ日本のODAそのものには見直さなければいけない数々の問題があるというふうに考えるわけでございます。 まずその第一点は、援助の方法でございますが、これは日本の場合の特徴は有償の資金援助の比率が非常に高い。それは、無償の資金協力と技術協力といったいわゆる贈与型の援助と比較した場合でございますが、有償資金協力の比率というのは、九九年の実績の百五十三億ドルのうちの三二%に当たる四十九億ドルが円借款などの貸し付けになっている。日本の円借款の額からしますと、世銀ですとかアジア開銀にも匹敵するぐらいの数量を供給しているわけでございますが、果たしてこのままの、いわゆる有償資金協力の比率が高いままで推移するということがいいことなのかどうかというのが一つの疑問でございます。 例えて言うならば、八八年と八九年の平均でございますと、アメリカ、ベネルクス三国あるいは北欧などでは、無償資金協力と経済協力、技術協力を合わせた贈与比率というのは一〇〇%に達している。それからドイツも八〇%。一方で日本は四三%台ということで、この中身の問題についての検討が一つ必要になってくるだろう、これが第一点でございます。 第二点は、内容の抜本的な見直しが迫られているんじゃないか。世界的にかなり高度な技術を提供している、最先端の技術提供ということで評価はされてはいるわけですが、実際、地元にとってそれが歓迎されるべきものだろうか。例えば、高額医療機器、施設なり何かを供給いたしましても、実際それを扱いこなせる技術者とかそういった担当の方が育っていない国に対して高額医療機器を、むやみにボリュームの大きな金額のものを提供しても意味がないのではないか。特に、環境関係プロジェクトに象徴されるような水力発電所であるとかかんがいであるとか、現地の農業の実績にそぐわないような大きな箱物を提供しているんだというふうな声がかなり聞かれます。ですから、一つは、ハードなものだけの提供にとどまるのではなく、やはりソフト面でのサポートも日本はしていく必要があるんではないか。 ですから、そういった援助に当たりましては、これは再三外務大臣にも私はお願いしてきましたが、援助案件の事前の調査検討、加えてその事後評価を十分にしていただきたい。かなりむだになっているという感慨が私はどうしてもしてならないわけでございます。それが第二点でございます。 そういったことで、援助大国というふうに称されるためには、我が国はやはりもう量から質の段階に転換せざるを得ない。この二点について、外務大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) ODAの実行に当たっての難しさというものを、私は一つ一つのケースを見るたびに大変難しいことがあるというふうに自分自身思っております。 例えば、今議員がおっしゃったように十分な調査、事前の調査さらには事後の調査が必要だ、私も全くそう思います。しかし、その一方で緊急性というものを非常に言われる場合もあるということも時にはあるわけです。もちろん、ケース・バイ・ケースでありますから、一つ一つのケースに全部余りしゃくし定規に当てはめるということもできないかとは思いますけれども、しかし、少なくとも今議員がおっしゃったように、むだにしてはいけないということは絶対的な前提だと私も思っておりまして、でき得る限り十分な調査というものが必要だというふうに思います。 それから、援助にいたしましても、もう既に大分シフトが行われておりますけれども、例えば環境問題に対する支援でございますとか、そういった方向に、今議員がおっしゃったように大きな箱物をつくるというのではなくて、もう少しソフト面に配慮した援助が必要だということも我々は痛切に感じているわけでございます。 一つ一つの援助はそれぞれ全く違った背景を持っておりますから、なかなか一概には言えないわけですが、今議員がおっしゃったように、一般論としては贈与比率が高い方が望ましいということは言えると思いますが、その一方で、途上国側から、もちろんこれも途上国にもいろいろなタイプの途上国があるわけでございますけれども、膨大な開発資金ニーズというものが求められて、円借款に対する非常に強い要求、要望があるというものもございます。 そうかと思うと、小規模ないわゆる草の根の支援というものを本当に喜ばれる、求めておられる、そういうケースもあったりして、なかなかこれ一概には言えませんが、少なくとも我々は、今議員がおっしゃったように量から質といいますか、質に対する点検というものをきちっとしていかなければならない。国別の調査をやり、それから年次別の考え方というものを十分考慮してこのODAの実施に当たりたいと思っております。
○益田洋介君 先ほど私がお尋ねした中で一つお答えいただいていないのは、技術水準を受け入れ側が受け入れられるような、そうしたものに照準を合わせ直していかなきゃいけないんじゃないか。結局、ODAの目的というのは被援助国の自立を促すようなそういった形の援助でなきゃいけない、その点についてはいかがでしょう。
○国務大臣(河野洋平君) 答弁漏れで申しわけありません。まさに議員がおっしゃった、いわば人材支援と申しますか人材育成のための支援というものに我々は大いに力を入れるべく考えております。 人材支援は、例えば先方のしかるべき場所にセンターをつくって、そこにこちらから指導者を送り込んで、そこに集めて技術支援をするというやり方もありますし、日本に来てもらって日本で勉強してもらう、実習してもらうというやり方もありますし、さらには若い人たちの留学支援ということもあると思います。一番重要なことは、先ほどお話がございましたように、先端技術を支援するという場合には、それを十分使いこなすだけの人材を育てるということが前提でなければならないというふうに思っております。 ただ、途上国の中にも、最近ではアメリカに留学をしたという人が戻ってきて、そういう人からの要求というものが非常に強くあるというケースもあったりいたしますが、しかし、一般的にバックアップができる、あるいは一般的なレベルを上げる、そういうための支援というものがどうしても必要だということは我々も重要視しているところでございます。
○益田洋介君 次に、中国の企業に関する問題で質問させていただきます。 前々回で、GITICという広州のノンバンクが多大な負債を出して、日本からのコングロマリット、協調融資団その他に対しての返済が不可能になって、債務保証をしたはずの広州がこの保証の履行に応じないで大変困っていると、国際問題になっているんだということでの対応をお願いして、まだこれはいい結果が出ていないのではないかと推測するわけでございますが、最近になりまして、別の東方リースという、これは一九八一年に設立された中国の外国企業との合弁第一号の会社でございまして、出発時は非常に脚光を浴びて期待もされていたわけですが、二十年たった今、オリックスとそれから中国の国際信託投資公司との合弁会社がもう全く業績が悪くなってしまって、本来のリース業務は一切行わないでリース代金の不払いの取り立てを主たる業務にするようになってしまった。 これはひとえにどういうことかといいますと、中国の国内の企業が、機械ですとかそうしたもの、あるいは施設のリースを受けているリース代金を支払わない。これは本当に商感覚として、資金がないから返済はできないのは当たり前だろうという考え方、それから同時に、国ですとか県ですとか市が行っている債務保証についての履行も行わない。その履行を拒否している。困り果てた合弁会社が裁判所に訴を提起いたしましても、中国の現状としては司法の位置というのは三権分立に必ずしもなっていないようで、裁判所は要するに地方や国の行政機構の下に置かれているから、ですからきちんとした司法手続もとられない。そういう現状であると。今負債総額が日本の投資を行った企業だけで七百二十億ドルに達している。 最近起こったことですが、一九八五年に重慶市にある国有企業である重慶ニット工場、ここに東方リースが紡績の機械をリースしました。これも焦げついている。これは裁判所にまた訴を提起しまして、執行命令を裁判所が出したんですが執行に応じない。こういうことで無法状態なわけですね。 それで、我が国の駐中国の谷野大使が相当激しく抗議をして、そして交渉をされて相当努力をされまして、例えば中国側が日本側に懇請をしております中西部の開発に対するODAの協力とか、それから中国に対するODA全般に対して、こんな状況を放置しておけば悪影響が生じるということで警告を発して、やっと重慶市が二億円のリース代金の半分を支払うということで和解といいますか、決着がついたというふうな現状でございまして、ですからまだ二百十数億円の未払いのリース代金がそのまま凍結した形になっている。 こういう現状を外務大臣はどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(河野洋平君) 中国とのこうした関係、実はロシアとの関係でもそうした問題があることを私も承知をいたしておりますが、中国との問題は、まことに中国側の対応には我々も残念でならないわけでございます。 この問題、本来は商業的な、商業ベースで行われるべきものでございますが、もうとてもそんな段階ではないということで、私は外相会談でもこの話を取り上げましたし、さらには首脳会談でもこの話を取り上げるという状況になっております。 首脳会談まで上げてこの話をいたしておりますが、一部解決をした、解決を見たという部分もあるというふうに聞いておりますが、今議員がお話しのように、まだまだそうした問題があるということでございまして、引き続き問題解決のために努力をしなければならないというふうに思っているわけでございまして、投資環境の整備とか、つまり民間の投資が欲しいとかもっと日本の経済的な支援が必要だとか、こう言われるわけでございますけれども、そういう状況の中では、やはり経済的なルールというものが守られなければそれはなかなかできない話になってくるだろうというふうに私は残念ながら思わざるを得ないわけでございまして、こうした問題の解決というものを強く望んでいるところでございます。
○益田洋介君 年間二千億になんなんとする日本は円借款をしているわけでございますから、一般の企業の方が中国と商業的な交流をこれから深めようというやさきにこういう姿勢を中国がとられるということは非常に残念で、日本の投資家の投資熱というのはこれからやっぱり相当冷めていくんじゃないかという懸念があるので、ぜひとも外交面で外務大臣、働きかけをお願いしたいと思います。 〔委員長退席、理事依田智治君着席〕 さらに、ジュネーブで六日から開かれておりますWTOの作業部会、これは本日で終わるわけでございますが、結局、中国の補助金の取り扱いで途上国の待遇を認めるかどうかということで難航して、世界貿易に門戸を開くという面でも、中国はことしじゅうにこれは、十二月の一般理事会での加盟、承認というのは事実上困難になったわけでございます。また門戸を開くのがおくれてしまった。この現状についてはどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(河野洋平君) 中国のWTO加盟については、我が国はかねてからこれを支持をしてまいりました。中国もこの国際的な自由貿易体制の中に責任ある立場として参加をされることを我々としては強く望んでおります。 共通のルールに基づいて自由貿易を行っていくということは、私は、結果として中国にも十分プラスになる、裨益するものだというふうに思っておりますだけに、中国がもちろんこれまでの体制などから来る何といいますか、理解の違いというものもあるかもしれませんけれども、WTO加盟のためにこれまで随分中国も努力をしてきたわけです。米中のWTOの交渉あるいはEUとの交渉などはかなり難しい交渉をクリアしてここまで来たわけでございますから、もう最後の大詰めと言っていいこの場面でございますだけに、中国にはもう一層の努力、そして何といいますか譲歩すべきところは譲歩をして自由貿易体制の中に入ってほしいというふうに思っております。
○益田洋介君 次に、北朝鮮問題でございますが、米の五十万トンの追加支援について大分議論が沸騰しているようでございます。それは、先ほど外務大臣、別な委員の方と議論をされておりましたので、私はむしろ拉致問題とかテポドンですとかノドンの脅威ですとか、あるいは地下核実験の疑惑であるとか、そういったものが非常に今、日本のマスコミでも政界でも照準を合わせて議論をされているわけでございます。アメリカについてもそうだと思います。 私は、一九七〇年の三月に発生したあのよど号事件、これはたまたま重信房子容疑者が、赤軍の最高責任者の一人でありましたが、昨日逮捕されたということで思い出したわけではございませんが、よど号事件というのは一体どうなっちゃっているのか。 これは、七〇年の三月に、羽田から福岡向けに飛び立ったボーイング727の日本航空の飛行機が赤軍の政治局長の田宮高麿をリーダーとした学生九人によって乗っ取られて、そして一回福岡に着陸して給油した後に、今度韓国の金浦空港にここがピョンヤンだと偽って着陸して、それがすぐにばれて非常に犯人たちは態度を硬化して、結局、日本から当時の山村政務次官まで行って説得に当たったけれども応じないで、それで最終的には、北朝鮮側が亡命を認めるということを条件にして、そしてピョンヤンに行き、よど号は無事に羽田に帰還したという恐るべき事件だったわけでございますが、そのときの九人の犯人、亡命した犯人のうち主犯格の田宮と吉田金太郎容疑者は既に死亡したわけです。田中義三はカンボジアで、柴田泰弘はそれぞれ日本で逮捕された。まだ五人残っているんです。 それで、このようなハイジャックをするような犯人たちをなぜかくまっているのか。この問題に対する政府の最近の対応、何かアクションをとられているのかどうか。もしそうでないとしたらば、放置しているとしたら、これはいけない問題だと思います。許されるべき問題じゃないと思います。どのような手段をお考えなのか、お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) よど号事件の犯人につきましては、これも実はアメリカとの間で話し合いをいたしております中で、先般アメリカの国務長官がピョンヤンを訪問するという以前に、この問題について私は話をいたしました。 アメリカは、御存じのとおり北朝鮮をテロ国家リストに載せている。そのテロ国家リストから北は自分を外せと主張しているようでありますけれども、外すためには、こうしたハイジャック犯人などをかくまうようなことではテロ国家リストからは外せないというようなやりとりがあるというふうに聞いておりまして、我々もこの問題、非常に関心を持っているのであって、ということをアメリカによく説明をいたしております。アメリカも、日本の問題でもあるけれども自分たちにとっても重要な問題だという認識で、この問題について北との間で話をしているという報告を聞いております。
○益田洋介君 今伺っていますと、テロリストから外すか外さないかというアメリカの議論に全部交渉を任せちゃっているような印象を受けるんです、我が国は。それが残念だということを申し上げている。 だから、その拉致疑惑、米の支援問題、それからミサイルの問題、地下の核実験疑惑、こういうもの等を含めて我が国がまた積極的に、これ残っている五人の昔の学生たちは、犯人なんですけれども、全部日本人です、これは。この問題はやっぱり避けて通るわけにいかないと思うんです、外務大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(河野洋平君) 御指摘のとおりでございます。今、私、言葉が足りませんでしたが、このハイジャック犯につきましては、我が方の立場は、犯人の行為は我が国刑法上重大な罪に当たるものであって、既にこれら犯人の国際手配がされているわけで、本事件に関する我が国政府の立場として、北朝鮮側が我が国に対してこれら犯人を引き渡すべきであるというのが我が方の立場でございまして、日朝国交正常化交渉などの場におきまして北朝鮮側に対して繰り返しこれら犯人の引き渡しを求めているというのが現状でございます。
○益田洋介君 ちょっと頼りのない答弁のように聞こえて、申しわけない言い方ですが、ぜひとも大事な問題ですから、忘れ去られないうちに俎上にのせて議論をきちっとしていただきたいという要請をさせていただきます。 次に、アメリカの日米問題の専門家、超党派のグループが、最近研究結果といいますか議論をした結果を発表しております。中心人物はジョセフ・ナイさんでございますが、その中で安全保障についてこのようなレポートをしております。日本の集団的自衛権否定は日米同盟関係の足かせとなっている、緊密でより効果的な両国の協力は集団的自衛権への制限をなくすことによって初めて可能になる、これは日本の国民が決定できることだが、何とかその方向に向かって努力をすべきではないかと。 この点について、外務大臣どう思いますか。
○国務大臣(河野洋平君) 今御指摘の超党派によります、アーミテージ氏でありますとかナイ氏でありますとかいう、いわば日本研究では大変な権威、見識のある方々のグループによる提言でございますが、これは民間の提言ということでございまして、政府としてはそうした民間グループの提言にコメントすることは差し控えたいと思います。
○益田洋介君 将来的には、これは議論を高めて、やはり我が国がきちっとした姿勢でこうした論議がアメリカでなされているということを踏まえて対応すべきだと思います。民間の問題だと言って捨てておいちゃいけない問題だと私は思います。ですから、国会でも議論しなきゃいけませんし、当然このような委員会でも議論しなきゃいけないので、民間の問題だからということで放置するような、放てきするようなそういう言い回しというのは外務大臣、私は適切だと思えないんです。 次に、同じくやっぱりそのレポートの中で、尖閣諸島を含んだ日本の防衛に強い責務をアメリカが果たすためにガイドラインの実施に向けてさらなる法整備を日本はすべきであると、このような指摘があります。これについてはどのようにお考えでしょう。
○国務大臣(河野洋平君) 申しわけありません。今ちょっとその部分を持っておりませんので正確な言い回しがよくわかりませんけれども、先ほどおしかりがありましたけれども、私としては、こうした専門家と言っていい方々が研究の成果を発表されたわけでございますが、これらについては、今少なくとも日本政府としてのコメントは控えさせていただきたいというふうに思います。 私は、やがてこれらの人々は、新しく大統領が決まれば、いずれかの政権に非常に近いところで強い発言権を持たれる可能性のある方々だというふうに思いますけれども、今の段階ではもう少しコメントを控えさせていただきたいと思います。 〔理事依田智治君退席、委員長着席〕
○益田洋介君 大統領が決まって側近が決まれば議論していただけるということでしょうか。 それで、最後になりますが、ジョセフ・ナイさんはこのレポートを結ぶに当たって、これから日米関係というのは、安全保障については負担の共有、つまりバードンシェアリングではなくて力の共有、パワーシェアリングという方向に進化すべきであろう、このように結んでおります。この点についてはまた機会を改めて御意見を拝聴したいと思います。 ありがとうございました。
○小泉親司君 外務大臣も冒頭のあいさつでお述べになられましたように、現在日本では、日朝交渉の問題、日ロの領土問題、核兵器をめぐる国連総会の問題、外交問題が山積をしております。 まず、私は初めに日朝交渉の問題についてお尋ねをさせていただきたいと思います。 十月末の十一回会談での外務省の発表によりますと、主として過去をどのように清算するのかという問題について非常に深みのある発言、議論を行ったという発表がされております。どのような深みのある議論をしたのかと、こう問うても、どこかの国の総理のように手のうちを見せない外務大臣としては答弁のしようがないというふうに思いますので、私、過去の清算の問題について幾つかお聞きをしたいのは、日本側の基本的な方針の問題についてお尋ねをさせていただきたいと思います。 私は、過去の清算の問題というのは御承知のように日朝交渉において極めて重要な問題で、いわゆる南北首脳会談においても、ないしは米朝首脳会談においても取り上げられていない日本の大変独自の課題の一つであるということは周知のとおりだというふうに思います。 そこでお尋ねしたいのは、この日朝交渉に当たっての日本側の基本的な方針として、過去の侵略戦争と植民地的な支配の謝罪と補償を行うという、こういう立場から過去の清算の交渉に臨むべきだというふうに私は考えますが、外務大臣はこの交渉に当たって、その点についてどのような訓令をされておるのか、まずお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 日朝の国交を正常化しようと考えて行っている日朝国交正常化交渉でございますから、私はやはり過去の清算というものは極めて重要なテーマだということははっきり申し上げていいと思います。 そこで、じゃ過去の清算はどういうことを考えているかということをお尋ねだと思いますが、過去の清算の中には、これまでの先方の話をじっと聞いておりまして、我々も考えておりますが、先方の話をじっと聞きますと、一つは謝罪である、それからもう一つは補償ですね。謝罪と補償だと先方は言っております。 そこで、この謝罪と補償という先方の主張に対して我が方がどういう対応をするかということでございますが、これは余り手のうちを見せたくないのでございますが、言えることの一つは、我々は、過去の歴史の認識については村山総理談話というものがあって、これは我が国の国会でもオーソライズされた認識でございますから、我々としてはこういう態度、こういう考え方で対応したいというふうに思っております。 もう一方の補償の問題につきましては、財産及び請求権の問題として処理されるべきだというのが、これは従来からの日本政府の立場でございます。 これ以上詳細にわたって申し上げることは御勘弁をいただきたいと思います。
○小泉親司君 過去の清算の問題というのは、やはり何か北朝鮮が今経済的な危機で援助を欲しがっているとか金額をどのくらい提示するとかそういう種の問題じゃないということは外務大臣も御承知のことだろうというふうに思います。私、この問題で一番やはり大事なのは、我々が、日本側が、交渉の主題であることは間違いないんですが、きちんとやはり侵略戦争、植民地的な支配の謝罪と補償をするかどうかという問題だろうというふうに思います。 今外務大臣のお話を聞いていると、何か財産権と請求権の補償、こういう問題は、いわば植民地時代に日本の国民もあの朝鮮半島に財産を残してきた、だからその補償も当然やるんだと。いわば日本国民が植民地支配の時代に残してきた財産と朝鮮の方々から奪った財産とを相殺するんだというふうな考え方なのか。それとも、やはり謝罪と補償という謝罪の立場に立って我々自身がきちんと補償をするという立場なのか。この点では、やはり私たちは百八十度これは違うというふうに思います。 一体、外務大臣の立場はどちらなのか。私、手のうちというよりも基本的な日本側の態度、スタンスだというふうに思いますが、この点もう一度お尋ねをさせていただきたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 議員のせっかくのお尋ねでございますけれども、この部分についてはもうしばらく答弁を控えさせていただきたいと思います。
○小泉親司君 いや、私は交渉の中身に立ち入っているわけじゃないんです。例えば日韓の国交回復交渉、一九六五年に行われた交渉でも、日本政府は韓国に対して財産権といわば請求権の処理という立場で一貫して臨んでいたわけですね。このことは外務省だってお認めになるわけでしょう。
○国務大臣(河野洋平君) 申しわけありません。もう一回お願いします。
○小泉親司君 もう一回言いますと時間がなくなりますので私の方で申し上げますと、日韓国交正常化交渉のときにも、日本は謝罪と補償という立場では臨んでいないんです。なぜかといったら、一九六五年当時には、例えば日韓交渉での高杉首席代表は何と言っていたかというと、日本は朝鮮を支配したと言うけれども我が国はいいことをしようとしたんだと、日本政府は、韓国併合が合法的だと言って植民地支配は不法だということは認めない立場で交渉に臨んでいたわけです。 その点はお認めになるのかとお聞きしたんですが、それはお認めになるわけですね。
○国務大臣(河野洋平君) 交渉にはいろいろな経緯があって、さまざまな意見の開陳があったということでございます。しかし、最終的には御承知のような決着が図られたわけでございます。日韓請求権・経済協力協定というものができまして、あわせて三億ドルの無償、二億ドルの有償経済協力を実施するということで合意ができたというのが最終的な合意でございます。
○小泉親司君 外務大臣のお話を聞いていますと、どうも歴史的認識がはっきりしていない。日韓国交回復交渉においては、当時は日本政府は謝罪をしていないんです、まず。侵略戦争と植民地支配を認めていないんです。認めたのは、河野外務大臣がおっしゃっているとおり、一九九五年の村山談話であります。 ところが、村山談話のときに外務大臣に質問を我が党の議員がいたしましたときには、河野外務大臣の答弁はどういう答弁だったかといいますと、この問題はアジアの諸国に向けられたものであって韓国に対して特別に認めたものではないという答弁だった。ところが、九八年に金大中韓国大統領が来日し、いわゆる日韓の首脳の共同宣言が出たときに初めて韓国の植民地支配の反省や謝罪をし、明確な共同宣言でうたったわけであります。その時点で初めて日本政府としては植民地的な謝罪という立場を明確にしたんですよ。 ですから、六五年の当時は謝罪をしていないんだから。どういう立場で臨んだかといえば、財産権と請求権の補償で臨んだことは公開されている日韓交渉の議事録で明確なんです。これは経緯の問題じゃないんです。日本政府の基本的な立場の問題なんです。 だから、日韓交渉は少なくとも謝罪をしていない段階の交渉なんだから、当然現段階で九八年の日韓交渉の立場に立てば、北朝鮮にはまだ依然として日韓共同宣言の立場を表明していないんですから、よろしいですか、だから当然のこととして、外務大臣がこの一九九八年の金大中大統領との日韓首脳会談の共同宣言の立場、つまり侵略戦争と植民地支配に対する反省の立場、この点を明確に私示すべきだ、これが基本的態度として当然だと思いますが、外務大臣、その点いかがでございますか。
○国務大臣(河野洋平君) 村山談話はアジアの諸国に向けたものだと仮に私が答弁したとしても、当然朝鮮半島はアジアの諸国には入っているわけでございまして、別に村山談話が朝鮮半島を排除して出されているものでないことは議員もよくおわかりのことだと思います。
○小泉親司君 私の質問したのはそういうことじゃありません。それは経緯の話です、外務大臣。 基本的に、六五年の日韓交渉のときには謝罪をしていないであいまいな政治決着、いわば経済協力とおっしゃったことで形としては決着したわけであります。しかし、北朝鮮に対しては謝罪と補償をしていないんだから、当然そういう立場で交渉すべきという訓令を外務大臣出すべきなんじゃないですかと私は申し上げているんです。 その点についてお答えしていないじゃないですか。
○国務大臣(河野洋平君) 北朝鮮側との交渉を今行っているところでございますから、その交渉の中身にかかわる問題、そしてまた交渉の先行きを予断するようなことについて申し上げることはお許しをいただきたいと思います。
○小泉親司君 そういうことでお逃げになるのであれば、私一つだけ確認させていただきますが、北朝鮮に対しては謝罪をしていませんね。
○国務大臣(河野洋平君) 北朝鮮とは現在国交正常化交渉を行っているわけでございます。
○小泉親司君 いや、国交正常化交渉の中でそのような謝罪と補償、過去の清算の問題をしているわけですから、その議論をしているということは、深みがあるか深みがないかは、その評価は別にして、していることは間違いないわけでしょう。だから、そのときになぜ謝罪をしないんですか、それじゃ。謝罪と補償という立場を外務大臣が訓令しないんじゃないですか。おかしいじゃないですか。確かに国交回復の前提としてそういうことはありますよ。しかし、国として認めないから謝罪、補償はしないんだ、こんな理屈は成り立ちませんよ。 実際、過去の清算の問題を議論しているんですから、それに対して日本政府がどういうふうに外交交渉の基本戦略としてやるのか、ここが一番肝心な私は内容だというふうに思います。例えば、朝日新聞でも、「日本無策、「潮流」逃す 日朝交渉主体的外交戦略欠く」、毎日、「日朝交渉 司令塔がふらふらするな」と、こういうふうに言われているわけですよ。なぜかといったら、基本的な立場が、外務大臣が非常にふらふらされておられると。そこにやはり一番大きな問題があるので、謝罪と補償をするというのであれば、まずその立場としてどうするかと。結果がどうあれ、どうするかということは、きちんとやはり外務大臣が訓令しないことには、この歴史的認識の立場に立った日本の外交というそういうことが貫かれないんじゃないでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 繰り返し申し上げますが、今議員がおっしゃったように、この問題をまさに正常化交渉の中で議論をしなければならないわけでございます。深みのある議論をしているということを申し上げているわけでございまして、それ以上の中身については今は申し上げられないということをぜひ御理解いただきたいと思います。
○小泉親司君 私たちは、国交回復交渉において侵略戦争と植民地支配の反省と謝罪と補償という問題は、やはり日本側の歴史的責任として日本がみずからこの交渉においてきちんと解決すべきという問題だというふうに思います。その解決が、やはり拉致疑惑問題の解決とかミサイル問題の解決とかそういった問題に大変大きな解決の方途を開く決定的なかぎであるというふうに私たちは思います。その点で、日本政府がやはり歴史的責任の問題に主体的、積極的に取り組むということが大変大事だと。 特に日韓交渉においては、先ほど私、時間があれば十分に議論するところでありましたけれども、日韓交渉においては依然今なお、交渉が決着済みといいながら、いわゆる従軍慰安婦の問題でありますとかさまざまな補償の問題が次から次へと出されてくるというような状況でありますので、私たちは、日本政府がこの植民地支配の謝罪と補償という問題をあいまいにしたまま将来に禍根を残すような過去の清算問題という形の解決をすべきではないということを明確に求めたいと思いますが、時間がないのでその点だけまず外務大臣に最後にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 小泉先生の御意見は御意見として十分承らせていただきました。
○小泉親司君 次に、核兵器の問題について、国連決議についてお尋ねをいたします。 私、この前の委員会で外務大臣に国連における核兵器廃絶決議の問題についてお尋ねいたしました。そのときの外務大臣の答弁は、私が混乱しているのかあなたが混乱しているのかどちらかわからないという、今後また議論しましょうということでしたので、この点お尋ねしたいのは、やはり二十世紀中に核兵器を廃絶するという大変大きな願いが強まっているというのは、私、この前の質問でもお話しいたしました。当時、ここにおられる山本一太議員が政務次官のときにNPT二〇〇〇の代表で出られて、実際に核兵器廃絶の明確な約束ということが合意されたわけですね。その結果、究極的廃絶決議案という、究極的廃絶という文言が完全に失敗して、私たちは失敗してと思っているけれども、失敗して、それで今度は、政府は新たな決議案を提出いたしました。 まず初めに外務大臣にお聞きしたいのは、究極的決議案と今回の日本政府が提出した決議案、この点の基本的な違いというのはどこにあるんですか。
○国務大臣(河野洋平君) 私は、議員が究極的核廃絶の決議案を失敗したとおっしゃる意味が全くわかりません。 少なくとも、国連総会第一委員会におきまして核廃絶というタイトルの決議案を出した、この核廃絶というタイトルの決議案があれだけ多数で合意されたという状況をつくり出したのは、日本が提出した決議がそもそも始まりであって、このことが核廃絶へのまずスタートになったということは議員もお認めをいただけると思います。そうでなければ、核廃絶へのスタートはなかった。つまり、あれ以前に国連では核廃絶という言葉は決議のタイトルとしてはなかったわけですから、そういうことを失敗したということで片づけられるということでは私としては全く納得ができないので、そこはぜひ理解をしていただきたいと思うんです。 あれが九四年でございますが、九四年の究極的核廃絶決議というのは、今申し上げたように究極的という文言が前についたとはいえ、核兵器国にも核廃絶ということをのませたというか、賛成をさせたという意義は私は大きいと思うんです。 本年の決議では、山本前政務次官も戻られましたけれども、本年のNPT運用検討会議において核兵器国が全面的核廃絶に向けての明確な約束ということに合意をされた。この核廃絶の目標が、究極的核廃絶を一歩進めて核廃絶の目標がより現実的な課題になってきた。そういう状況を踏まえて、今度はこの目標にいかに到達するかを明らかにするための道程というものを具体的に示すことが今回の決議の主たる目的でございます。
○小泉親司君 私、外務大臣の説明ではちょっとわからないと思うんですよ。私の質問は、究極的決議案と、いいですか、今度の決議案とどこがどう違うのか。 例えば、外務大臣が国連総会でお話ししているものはこう言っているんですね。本年の国連総会においてCTBTの早期発効、カットオフ条約の交渉の早期終了及びSTARTⅢの交渉促進、大幅な削減等を通じた核兵器廃絶のための最終段階を経て、核のない世界を実現するための具体的な道程を示す決議案を出したと。 ということは、今度の決議案の特徴は、もうちょっと私が御説明いたしますと、CTBTを二〇〇三年までやる、二〇〇五年まではカットオフ条約をやる、大量の削減をする、こういうふうなことを提案しているのが新しい内容なんです。しかも、究極的という言葉を全部取った、これも新しい内容であります。 しかし、中身的には、外務大臣が国連総会で演説されているのは、二〇〇三年、二〇〇五年、それから何回か段階を経て核兵器廃絶と、これと究極的決議とはどこがどう違うんですか。例えば、二〇〇五年までは、あなた方は期限を初めてここで決められているわけですが、二〇〇五年までは核兵器廃絶というのは少なくともない、こういうことになっちゃうんですけれども、そういう意味なんですか。
○国務大臣(河野洋平君) 繰り返し申し上げますが、究極的核廃絶というのは、核廃絶という目標を明確にみんなが確認をし合ったという意味なんですね。今回の全面的核廃絶への道程は、そのためのプロセスを確認しているわけです。そこは大きな違いがあるのであって、これはわかっていただかないと、決議案を出したかいがないというふうに思います。
○小泉親司君 じゃ、例えば日本政府はこの前までは究極的廃絶決議案を出した。それから、今度はNPT二〇〇〇の核兵器廃絶の明確な約束で大変主体的な力を発揮した新アジェンダ連合、この決議案について、今回は昨年の棄権から賛成に態度を転換されました。それは間違いないですね。 その上で、核兵器廃絶決議案というのはもっとたくさん出ているんです。例えば、非同盟諸国会議は期限を切った核兵器廃絶決議案を出しております。しかし、それには日本政府は、核兵器廃絶、核兵器廃絶と言われるけれども、この期限を切った核兵器廃絶案には棄権をされておるわけですよ、さらに。つまり、これはずっと棄権をされておる。何でこういう態度になるんでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) そこは共産党と自民党の違いのようなものでございまして、全く現実性がない提案に、提案だけして賛成をしていくということに意味があるかというふうに私は思うんです。つまり、核廃絶を実行しようとするためには、核保有国が理解する、核保有国も含めて納得をして進んでいくということが必要なのであって、核保有国の意見など全く無視して自分だけ高らかにラッパを吹くということでいいかどうかというふうに、私は別に共産党のことを今言っているわけじゃありませんけれども、思うんです。 ですから、私は、まじめに現実的に核廃絶に向かって進もうと思えば、核兵器国を含めて賛成できるような決議を一つずつ積み重ねて進めていくことがいいのであって、そういうものはもう一切、核兵器国がどう考えようがだれがどう考えようが、とにかくこれがいいのだといって提案をすると。で、提案した提案したということでいいかどうかというのは、どうお考えになりますか。
○小泉親司君 質問していただいたのでお答えいたしますと、新アジェンダ連合の決議に今度は政府は棄権から賛成に回ったわけです。 じゃ、棄権していたときはどういう理由だったんですか。
○国務大臣(河野洋平君) これは私は前回、委員の御質問にそういうお答えをしたのではないかと思いますが、私は基本的に新アジェンダ連合の考え方というものにそう違和感はないんです。あの道行きというものはそんなに違和感はありません。しかし、少なくとも新アジェンダ連合の決議案も核兵器国の賛成は得られない、前回案は、という状況の中で、私はこれについては慎重に対応をしたわけです。少なくとも、前回は核兵器国の非常に強い反発を招いたことは間違いないんです、新アジェンダ連合の決議案は。 本年の新アジェンダ連合の決議案は、基本的に核兵器国も含めて合意されたNPTの運用検討会議の最終文書を確認するという内容でありましたから、それは昨年の内容とは随分違うということで、本年は賛成ということでございます。
○小泉親司君 何しろ、新アジェンダ連合を棄権していたときにも、日本の代表の発言というのは、いわゆる核兵器国の脅威を大変大げさに言い立てていると、それから核保有国の軍縮努力を評価していないと、これが主眼なんですよね。やはり一番問題なのは、NPT二〇〇〇で核兵器廃絶の明確な約束ということがかち取られたわけですから、当然その立場を大きく促進させるということが大変大事で、その意味では、核兵器の期限を切った廃絶決議、これについても当然やはり賛成しても私たちはしかるべきだというふうに思うんです。 時間がありませんから、最後まで聞いてください。 例えば、この外交フォーラムの九月号、登大使、この方が何と言っているかというと、例えば、「過去六年にわたって国連総会で日本が提案した「究極的核廃絶決議」が採択されてきたのに、今回米国が、種々の理由があったにせよ、新アジェンダ連合の圧力に屈してこれに反する案文に合意したことは、わが国としては「二階に上がってはしごをはずされた」との感を否めず、釈然としないものが残った。」と、軍縮大使までこう言っているわけですよね。 ということは、今度の新アジェンダ連合の決議には、アメリカが賛成したから日本も賛成したんですか。だから、核兵器保有国云々かんぬんと言われるけれども、実際おっしゃっていることは、これは登大使が、実際直接やっている大使がそう言っているわけですから、こういう問題についてはどうお考えですか。 それからもう一つ、私、非同盟諸国の決議案に、自民党と共産党の違いというんじゃなくて、日本政府なんですから、日本政府としてこの決議案にはなぜ棄権に、ずっと態度を変えないのか、その点の理由をまずお聞きしておきたいというふうに思います。
○国務大臣(河野洋平君) 非同盟諸国の核廃絶を目指す決議というのは、これも核廃絶を目指すという方向性については、先ほども新アジェンダ連合について申し上げたのと同じように、その方向性について私は違和感はありません。その方向だというふうに申し上げていいと思うんです。ただし、先ほど申し上げましたように、この決議案は現実性がどれだけあるか。つまり、余りに性急過ぎて、我々から考えれば少し時期尚早ではないかと思われる内容があるということがこの非同盟諸国の決議案に対する我々の判断です。 それから、前段のお話は、これは小泉議員とも思えぬ乱暴な議論をなさって、NPTの運用検討会議をやったのはことしですよ。それを、昨年の決議の問題をことしやったNPTの検討会議の結論と取りまぜて議論をなさるのは少し議論が乱暴に過ぎると思うんです。去年の新アジェンダ連合の決議と、ことしのNPTの運用検討会議の結果と、それを受けてのことしの新アジェンダ連合の決議と、こうあるわけですね。ですから、我々は、ことしのNPTの運用検討会議の結果を受けたことしの新アジェンダ連合の決議には賛成をいたしました、しかし昨年の分については賛成しませんでしたと、こう申し上げているわけです。
○小泉親司君 最後でございます。時間が参りましたので、私その点だけ最後に申し上げると、私たちは、この新アジェンダ連合とのNPT二〇〇〇における努力された核兵器の廃絶の明確な約束、これをやはり本当に前進させるためには、日本政府自体が期限を切った核兵器廃絶決議案にも当然賛成して、それを積極的に推進すべしということだけ要求をしておいて、私の質問を終わります。
○田村秀昭君 自由党の田村でございます。 防衛庁長官に二、三御質問をさせていただきます。 まず、防衛庁の省への昇格を推進する会の増岡代表、社団法人の代表ですが、防衛庁の省への昇格について署名を大変たくさん集めておられて、二十一世紀に向かってもうあと二カ月もないわけですが、国の基本である防衛を担当する防衛庁の省への昇格を、国の基本をそのままにして二十一世紀を迎えるのかどうか、長官の御決意を承りたいと思います。
○国務大臣(虎島和夫君) 本問題につきましては、かねてから大変に御熱心に御教示賜りましたことを心から厚くお礼申し上げます。 この間の当委員会でも申し上げましたように、私としては、ぜひ防衛庁は防衛省というか、とにかく省に昇格をするということを強く念願しておるし、また防衛庁自体としても、これは言うなればもう悲願というか、そういう思いをいたしております。 ただ、今新たな一府十二省庁の法律が施行されようとしておる現在、これを新たな法律として提案するということについてはいろいろ問題というか、日程的なこれもあるように私は判断する。しかしながら、行革会議の最終報告にもありますように、このことについては政治的に論議をすべき課題と、情勢の変化等々を踏まえながら、という指摘もあるわけでありますから、それらについて活発な議論が政治的に起こることを期待し、推進につながることを願望しておるというのが私の真意であります。
○田村秀昭君 長官の強い決意で、一月六日には国防省、防衛省、省への昇格を実現できるように、私たちも、自由党はもちろん全党挙げて頑張りますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。 あと、防衛庁長官にお尋ねしたいんですが、私は、これちょっと通告しておりませんけれども、わかりやすくお話ししますので、長官の御意見をお伺いしたい。 今防衛庁で一番問題なのは、私が思っていることは、一般の社会で通用する論理というのがありますね。防衛庁というのは一般の公務員と違うんですね、有事のときに役立たなきゃいけない。平時のときに役立っている人というのは余り有事のときに役立たない人が多いんですよ。それで、例えば一般社会では、もうJRにしても何にしても、事故は絶対にいけない。そうですね、一般社会ではそういう論理です。だけれども、それを一般公務員並み一般公務員並みと今防衛庁は言われて、防衛庁もそれを受け入れているわけです。そうすると、防衛庁は事故は絶対起こしちゃいけないになっちゃうわけです。そうしたら、事故を起こさないような訓練しかやらないわけですよ。そうすると、有事のときにそれは全く役立たないんです。 防衛庁は、自衛隊もそうですけれども、事故が起きてもいいんですよ。それを最小限にとどめるために各級指揮官というのがいるんです。だから、事故が起きたら申しわけないという話ではないと私は思う。事故が起きるほどの激しい訓練をやらないと有事のときには絶対に役立たない。だから、不審船でもみんな取り逃がしちゃうんですよ。 だから、そこのところが異常事態に役立つ人たちの考え方と一般社会が非常に違うということを申し上げて、そういうことを説明するために内局というのは私は存在しているものだというふうに思っているんです。そうじゃなかったら内局というのは要らないでしょう。 軍の特性をよく知った上級職の、上級職じゃなくても職員がいて、これはこういうことなんだということを、昔は、我々がまだ若いころはそういうことをきちっと言った防衛局長さんなり事務次官さんがおられた。だけれども、今は、調達の問題も含めて、みんな一般公務員並み一般公務員並み、競争原理なんて言っているわけですよ。そこのところが今私は有事のときに役立たない集団を育成しているのではないかというふうな危機を非常に持つんですが、長官、長いこと防衛長官をやっておられるわけじゃないけれども、さっと来られてそういうふうに思われないですか。
○国務大臣(虎島和夫君) 御心配の点は、一部私も理解できるところがあります。 ただ、私が参りまして、そして新しい庁舎に参りましたら、ちょっと話が広がりますけれども、あそこに慰霊碑があるんですよ。慰霊碑に参拝をいたしました。千七百四名の方が殉職されていらっしゃるわけです。 このことを、多いと見るか少ないと見るか、まあそんなものだろうと見るか、それは見方はいろいろあると思います。しかし、私は千七百四名の殉職者は多いんじゃないかという判断をしたわけです。せっかく国を守ろうというので自衛隊に入られた方々が、言うなれば志半ばにして職に殉じて倒れられるということは何とかして減らすことはできないのかということでありまして、安全圏で訓練をしろとかそういう趣旨ではない趣旨を実は防衛庁の中に強く私は示達したわけであります。そのためには、ただ単に厳正な規律でやれとかだけでなくて、もっと広くこの問題点を拾い上げるべきじゃないのかと。 例えば、航空自衛隊のパイロットを見たときに、例えば航空心理学なんというのもあるんじゃないのかと。であるとすれば、そういう人方の意見も広く聞いて、防衛庁の方には防衛医科大学もあるわけであるから、そこにはそういう心理学の先生方もいらっしゃるわけだから、広く意見を網羅して科学的な分析をして、減らせる事故があればこれは減らすべきじゃないかということを実は申しておるわけであります。したがって、訓練内容を適当なところでやめるとか安全圏でとどめる、そんなことを私は申し上げておるわけではないんです。 もう一つは、そのためにはこれを支えるというひとつ姿勢が政治としても要るという判断から、じゃ今のままの自衛隊の諸君の処遇はこれでよろしいのかと思えば、これはおっしゃるように特別の集団が一致結束しながら行動しなければならぬという集団の運用のためには、まだ配慮すべき予算もあるところではないかと。したがって、幸い来年から次期防に入るわけであるから、この次期防、来年から入る五カ年の間にこれらのことについてはもう少し整備をすべきではないのか。 具体的に申し上げますと、例えば福利厚生などというのを資金カンパしてやるということ、そういうお金をどこかにためておくというやり方などは、これは考えるべきじゃないのかというようなことであります。 必要なものは公の経費でちゃんと置いておいて、そして活発な隊内の生活あるいは訓練等々に励めるような条件の整備、環境の整備ということをやるべきじゃないかということを申し上げておりますので、決して訓練をやわらかく安全の範囲でということでなくて、必要な訓練はやってもらいたい、しかし減らせる事故は絶対減らそうじゃないか、そのためには科学的な分析その他をやろうじゃないかということで進んでおりますので、どうぞ御理解をお願いしたいと思います。
○田村秀昭君 長官が着任されてから、海上自衛隊の秘密漏えい事件等もあって、長官から管理者がもっと部下の心情をよく把握しなきゃいけないというようなことも言われたというふうに承っておりまして、非常に立派な防衛庁長官をお迎えしていると私は思っております。 もう一つ、調達の問題について。 私は、これは会社が不正を起こした事件だと、それは法律的に言うとそうですけれども、ここ十五年ぐらい情報通信の技術的な発展というのは非常にすばらしい。それで、これを見てみると、東洋通信機、ニコー電子、日本工機、藤倉航装、日本航空電子、日本電気、日本電気電波機器エンジニアリング、トキメック、富士通ゼネラル、東急車輌製造、十社です。これ全部ですよね。全部が不正をするということは、これは長官、普通にお考えになって、ミサイルが飛んできたらそれを見つけるようなものとかその辺じゃ売っていないものをつくっているわけですね、ここは。それで、ほとんどの人がみんな不正をするということは、一社が不正をする、だれか百人いたら一人ぐらいが不正をするというのならわかるけれども、全部がするということは防衛庁の調達システムに問題があるんだというふうに私は申し上げたい。 それで、一番問題は査定ですよ。大蔵省は防衛予算を査定する。だからそれをまねして、Aという会社がこういう器材をつくるために一千万かかりますと言ったら一千万払えばいいんですよ。それを払わないで何%かは引くでしょう。そうしたら向こうは損しちゃうわけですよ。だから、そういうシステムをとっていたらだめです。それで、企業努力をして、もしそれが半額でできたらそれは報奨金として向こうに上げなきゃいけないんです。それを全部とっちゃう。だから企業が経営努力しない、努力してもみんなとられちゃうから。アメリカはそんなことをしていませんよ。 だから、防衛庁は襟を正して、こんな警察官みたいなことをする必要はないんですよ、これ書いてあるけれども。巡回して悪いことをしていないかというのを見るとか、そんなことばかり書いてあったって絶対だめですよ、これ。また違うことを考えますよ。 しかも、一番おかしいのは、輸入品を買うでしょう、そうしたら一%しか払わないんです。そんなので商売するやつなんかいないじゃないですか、やっぱり一五%なり。だから、向こうはその金額が五十万だとしたら百万ですといって途中のやつをとるわけですよ。うそをつくわけですよ。だから、ちゃんと一般社会並みに、幾ら有事の体制のところだといっても、物を買うときには一般社会と同じように買わなきゃいけませんから、そうしたらそれをちゃんと払えばいいんですよ。払わないで、向こうが言ってきたものを査定して、努力したら全部それを取り上げて、そんな会社なんかいなくなっちゃいますよ。だから、防衛庁の調達システムが、私は原価計算のことはよくわかりませんが、基本的な考え方が間違っておると。 しかも、これは国家の方針として自分で工廠を持たないで、旧帝国陸海軍は全部工廠を持って自分たちでやった。それをやると膨大になるから、民間企業でこれを育成してやるんだということが国家の方針として決まっているわけですから、そうしたらそれにふさわしい、基本的な考え方ですよ、私は。 細かいことは私はわかりませんが、そういうことをきちっとやらない限り、全部が不正するということはおかしいじゃないですか。それはどういうふうにお考えになるのか。
○国務大臣(虎島和夫君) 頭の基本的なことをちょっと私の方から御説明して、あと実態的なことについては政務次官の方から答弁をお許しいただきたいと思うんですが、これは、全部の企業が悪いことをしているという御認識は、そうでありませんで、今調べているのは、レーダーの調達不祥事件と称される事件があって、平成十年、十一年、十二年ですか、この分を実は調べているわけです。調べた結果、これは今二百六十社ぐらいのうち十社プラス二社にいろんな問題があるということでありますから、その中のごく一部分がそういうことをしておるということであります。 これは、当時の防衛庁長官が中心になりまして、そういう不祥事件防止ということで大変立派な指針をつくってくれておりますので、その指針に基づいて今洗い直しているわけです。それを二百六十ぐらいやりましたけれども、そのうち十社プラス二社がそういう問題があっておると。それで清算できたところもあるというようなことでありますから、全部が一〇〇%悪いことばかりしておったということではありませんので、これは御理解いただきたいと思います。 具体的なことについては政務次官の方から御説明させていただきます。
○政務次官(鈴木正孝君) それでは、お許しをいただきまして簡単にお話し申し上げたいと思いますけれども、田村委員、防衛装備品の調達に関しまして大変お詳しいわけでございまして、今御指摘のありました、かなり技術的なところもあろうかと、こう思いますが、予算の立て方、そしてまた現実の契約という調達の中で、先ほどのお話のような査定というような問題が一つあるということ、御指摘でございます。 確かに、世の中にあるものばかりがあるわけではないわけで、特定のものはまた特別な生産というようなことが防衛装備品につきましてはあるわけでございまして、企業から出てきますいろんな各種の計算資料、そういうものが正確に実態を把握してそれをあらわしているような、そういうものであってほしいと。これは契約に基づく信義則のようなものであるわけでございますけれども、先般、その点について予算あるいは執行、契約の段階で問題があったということでございます。 御指摘の、利益が上がったときに、じゃどうするんだという、メリットがないのではないかというようなお話に関しましては、昨年七月以降試して行っているわけで、試行中でございますけれども、減価提案制度というようなものを改革の中で取り入れまして現在行っているということでございます。企業が有する技術、製造のノウハウをより一層活用したコスト低減、こういうものを可能とするような提案を受けて、審査の上適当と認めた場合にはコスト低減額の五〇%を減価提案技術料として支払う、原則三年間無償では国は使用しないという、そういうようなことも取り入れながら現在工夫と努力をしているという、そういうことでございます。ぜひ御理解をいただきたいと、このように思います。
○田村秀昭君 終わります。
○佐藤道夫君 外務大臣にお尋ねいたします。 実は、質問通告をしていなかったのでありまするけれども、先ほどの同僚議員の質問とも関連いたしまして、北朝鮮に対する食糧支援の問題について最初にちょっとお伺いしておきたい、こういうことでございます。 ことしは五十万トンを支援すると。北朝鮮の場合には大体年間百万トン近くの食糧不足であるというふうにも言われておりまして、多分来年も同じ問題、再来年も同じ問題、いや五年先、十年先、ずっと続くんだろうとしか思えないわけであります。現に、今まで五年十年同じような状態が続いてきているわけで、そのたびに、我が国、アメリカ、韓国などが必要な食糧支援をしてきていた。これは一体どうしてなのかと、だれが考えてもおかしいと思います。 普通の国であれば、きちっとした食糧生産をするめど、計画を立てて、それに応じて食糧生産をする。しかし、予期しないことも起こるわけでありまするから、突然大型台風が来て全土水浸しになったとか、天候不順が予測もできなかったような長期間続いてもう大変な食糧不足を来したと。しかし、よくしたもので、そういうときは大体じっとこらえておると来年は天候が回復して必要以上に大変な増産がある。そこで皆、神の摂理だ、自然の摂理だと。これが当たり前のことなんですが、どうも北朝鮮の場合だけは毎年同じように米が足りない何が足りない、いや百万トンぐらい援助してもらいたいということを言ってくる。 これは日本政府としても当然、なぜこんなことが毎年起きるのか、おかしいではないかと。日本政府で調査ができなければ、アメリカ、韓国とも連携をとって調査をして、一体どうしたんだ、まともな常識では考えられないじゃないか、何をやっているんだということで調査をしたと思いますけれども、私が今これを言う前からもうずっと調査をしてきたと思いますけれども、どうなんでしょうか、その点は。どこに原因があるんでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 政府として調査をしたということはございません。しかし、民間の方々が、例えば農業関係者の団体が北朝鮮を訪問して農村部を見てきたというような方は何人もおられるわけで、そういう方々の話を伺いますと、必ず御指摘になることが二つございます。 一つは、やはりかんがい施設設備が全くだめだと。したがって、雨がだあっと降れば水がたまらずにだあっと流れちゃう。また、雨が降らなければもうからからになってしまう。あれがちゃんと水がコントロールできれば多少の天候異変にも十分持ちこたえられるだろうけれども、今の状況ではそれがないということが一つ。 それからもう一つは、やっぱり肥料について言われます。日本のある方のお話を聞くと、これはもっと計画的に肥料をつくって有機質の肥料をきちっと入れるということをしていけば、すぐにという即効性はないかもしれないけれども、何年かたてば必ず地力は出てくる。そういう計画性がない。したがって今は、まず一つは肥料が全然ない地域もあるし、それから肥料をやるときには支援してもらった金肥をだあっとまいてしまって、それで一年で大体終わりになってしまうということから、もう少し肥料について、つまり一種の農業技術を支援するということが必要ではないか、こういうふうに我々は聞いております。
○佐藤道夫君 政府としてきちっとした調査をしないで向こうの言うままに食糧支援をしているとすれば、これは国民に対する重大な私背信行為だと思いますよ。先ほども言いましたけれども、日本政府として限界があるとすれば、韓国やアメリカと共同歩調をとって調査をする、当たり前のことだと思います。 かつて主体農法という言葉がもてはやされまして、金日成主席が言い出したことで、天に至るまで山を耕してもう丸裸、木を全部切り倒してそこにトウモロコシを植えると。これが実は日本のマスコミも、いや立派なものだと、雨が降るとその雨がずっと下までしみ通っていくから水を一々まかなくてもいいんだと。肥料だって、山の上に積んでおけばそれが雨と同時に流れていくと。しかし、こんなばかげたことはないわけでして、一たび大雨が降れば、もう大変な土石流を伴ってトウモロコシと一緒に流れてしまう。今こんなことをやっているのかどうかわかりませんけれどもね。 いずれにいたしましても、日朝交渉で食糧支援の話が起きたら、どうしてこんなことを毎年続けるんだと、農業の専門家はいないのかと、当然そういうことを要求していいわけでしょう、はっきりと。何も遠慮することはないと思うんです、これは技術的な問題でもありますから。 私が思うには、食糧支援も結構ですけれども、同時に専門家チームをつくって北朝鮮に派遣しまして、専門家の目で、一体どこに欠陥があるのか、どうすれば直るのか、どうすればこんなことで毎年毎年ばかげたことを繰り返さないで済むのかということを提言させて、それを北朝鮮政府が受け入れることを条件として、もし受け入れないと、あるいは調査団の入国自体も認めないと言ったら、もう来年からは一切相手にしないよということを言ってやってもいいわけですから、それぐらいの配慮が外務省ないんですか。いかがなんでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) この食糧の問題については、議員ももう十分御承知のとおりでございますが、WFPという国連の機関がございます。国連世界食糧計画という機関がございまして、そこは北朝鮮に人も出して、そして北朝鮮の食糧事情というものを把握しているということになっておりまして、そこからのアピールが、要請が世界各国に来るというのが一つあります。 それから、我が方も、日本の外務省も、日本から支援をした食糧が本当に、つまり我々の支援がきちんと末端まで正しく浸透しているかどうかということを確認するために人を出しております。ことしも八月に北朝鮮の食糧支援に関する調査団というものを出しまして、この調査団が相当末端まで調査をして帰ってきておりまして、そういう食糧を末端に配っていく組織というものは割合としっかりできておると。したがって、末端までそれは届いているということは確認して帰ってきております。
○佐藤道夫君 私がお尋ねしているのは、日本政府として責任を持って、米を支援する、そのかわり調査団も派遣する、これを受け入れて、一体どこに欠陥があるのか、なぜ毎年毎年同じことが続いているのか、しっかりと外部の目で見てもらったらどうだと、それが条件だぞということを責任を持って言い渡してもいいわけでしょう。末端までは届いている、届いていない、そんな技術的なことを私は言っているんじゃないんですよ。 これから、恐らく来年も再来年も同じこと、毎年百万トン足りない、日本政府は半分の五十万トン出せと、こういう話になるわけでしょう。いいかげんにずるずるべったりと米の支援を続けるおつもりなのか。それが何か日本の農家の支援にもつながるからいいんだという考え方もあるようですけれども、そんなことでは国民に対する責任を果たしていないというわけですから、どうしたってそのことを言うべきでしょう。それに対するお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) これは議員、そこが国交がないということが非常にネックになっているわけでございます。したがって、国連機関からの要請を受けて、仕組みからいうと、国連機関に出して、国連機関がそれを流すという仕組みもできているわけでございます。
○佐藤道夫君 国交がないということは言いわけにも何にもなりません、食糧は国境を越えるわけですから。これは人道的な問題ですからね。支援するのもいいけれども、こういうこともきちっと守ってほしい、あるいは必要な調査をさせろということを要求することに何の遠慮も要らないと私は思うんですよ。 そこで次は、この前の党首討論でも大変問題になりましたけれども、森総理の例の行方不明者第三国で発見と、あの発言についてお尋ねいたしたいと思います。 これは平成九年十一月、森現総理を団長とする訪朝団が行った際にああいう発言をしたと。拉致されたと言われている人たちは行方不明者として第三国で発見する、こういうことはどうかという提案をしたということでありますけれども、この与党訪朝団が行くに当たって、向こうに行ってこういう提案をすることは事前に、当然のことではありますけれども、これだけ重大な提案をするわけですから、政府・外務省にきちっと連絡があって、お互いに議論をして、そういうことはやめてくださいと、いやそういうことでもとにかく帰ってくればいいんだと、いろんな議論があってあの提案を森訪朝団がしたと思うんですけれども、そのときの議論、内容、簡単で結構ですから御披露いただきたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 与党の訪朝団につきましては、政府側と発言内容についての事前の調整はございません。これはあくまでも政党レベル、政治家レベルで話をされているわけで、我々としては、あのような政党レベルの訪朝団が正常化交渉の手がかりをつくっていただくという点で大変ありがたいことと思っておりますけれども、あの訪朝団自体が交渉をするということについて我々は一緒になってやっているわけではございません。
○佐藤道夫君 大変申しわけないけれども、これは与党の訪朝団ですよ。野党じゃありませんよ。当然のこととして外務省に相談があるでしょう、こういう提案をして当たり前だと思います。そして政府の意見を聞く、こういうことを聞いて政府として困るか困らないかと。そういう議論をするでしょう、当然のこととして。 しかも、外務省から随行者が行っているでしょう、同行者が、審議官クラスの。それがただのんびりと旅行の案内してきただけですよ、観光案内してきただけですよというんですか。やっぱり先生方どういう交渉をするんですかと、それについて政府の意見とすればこうですよと言うための随行者でもありましょう。おかしいと思いますよ。 それから、帰ってきてからそういう提案をしたという報告が、森団長から当時の橋本総理それから小渕外相に報告があったという新聞記事が出ておりますけれども、やはりこういう提案をした、どうだろうかという詳しい報告があったと思いますけれども、その点はいかがですか。
○国務大臣(河野洋平君) 訪朝団が帰国された後に当時の橋本総理や小渕外務大臣に報告をされたということはそのとおりでございまして、当時の話を聞きますと、その報告の際に、北朝鮮側とのやりとりの結果、北朝鮮側が一般の行方不明者として調査をするということになったという御報告があったというふうに聞いております。
○佐藤道夫君 そういう場合に意見の交換はしないんでしょうか、そういう提案がいいとか悪いとか、政府はこう考えているとか、当然だと思いますけれども。ただ聞いているだけなんですか。何のための政府ですか。大変不思議としか言いようがない。 それから、大変大事なことですけれども、そういう話を聞いて、いやこのことは、では外交上の秘密として黙っていよう、そして水面下で北朝鮮と交渉を続けようというふうにされたのか、いやどんどん発表しようというふうにされたのか、どちらなんですか。はっきりしないんです、この点は。
○国務大臣(河野洋平君) 与党の訪朝団の訪朝の報告は、これは与党の訪朝団御自身の御判断があるわけで、私どもがその御報告を伺ったという記録はございますけれども、それ以上にこの問題について、今議員がお話しのようにこれをこうしようああしようということにはどうもなっていない。
○佐藤道夫君 全く無責任としか言いようがありません。これだけ重要な、日本国民十人の命がかかっているような問題について与党訪朝団がこういう提案をした、それにはこういう問題がある、これからどうしようかとか、真剣な意見を交換するわけでしょう、だれが考えても。そういうことを一切やっていないんですか、何が外務省ですかと言いたくもなりますけれども。別に声を荒らげているわけじゃありませんけれども、大変おかしいと思いますよ。どうなんですか、それ。
○委員長(服部三男雄君) 時間ですので、外務大臣、簡単にお答えいただけますか。
○国務大臣(河野洋平君) はい。 与党訪朝団の御報告でございますから、そのことについて外務省がマル秘扱いにしようとかなんとかという判断を加えたということは、事実関係だけを申し上げますが、ございません。
○佐藤道夫君 委員長、一言だけ。 はっきり申し上げますけれども、本当に外務省って、そんな役所要りませんよ。与党訪朝団に全部任せたらどうですか、それならば、とも言いたくなるわけでありまして、大いに反省してください。お願いしますよ、国民の一人として。
○委員長(服部三男雄君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後零時八分散会