労働委員会 第1号
- 発言数
- 334 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2000/11/08
会議録
○大石委員長 これより会議を開きます。 まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴いまして、現在理事一名が欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大石委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 それでは、理事に五島正規君を指名いたします。 ————◇—————
○大石委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 労働関係の基本施策に関する事項 労使関係、労働基準及び雇用・失業対策に関する事項 以上の両事項について、その実情を調査し、対策を樹立するため、小委員会の設置、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期中調査を進めたいと存じます。 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大石委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————◇—————
○大石委員長 労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として金融庁参事官浦西友義君、法務省入国管理局長町田幸雄君、文部省初等中等教育局長御手洗康君、文部省高等教育局長工藤智規君、中小企業庁長官中村利雄君、労働大臣官房政策調査部長松崎朗君、労働省労政局長澤田陽太郎君、労働省労働基準局長野寺康幸君、労働省女性局長藤井龍子君、労働省職業安定局長渡邊信君及び労働省職業能力開発局長日比徹君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大石委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○大石委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。宮腰光寛君。
○宮腰委員 おはようございます。自由民主党の宮腰光寛でございます。 吉川労働大臣が御就任後恐らく衆議院で初めての質疑でありますが、トップバッターとして質問させていただきたいと思います。 まず、現下の雇用情勢についてでありますが、我が国の完全失業率は、春先に四・九%という過去最高水準を記録いたしました。九月には四・七%と若干低下をしてきているものの、依然として高い水準にありまして、雇用の回復のおくれが指摘されているところであります。 前年同期に比較いたしました雇用者数は、本年五月から増加に転じまして、九月は前年より四十二万人増加してきておりますが、これは、これまでの一連の緊急雇用対策が一定の効果を上げてきているのではないかと考えられます。 一方、景気は、全体としては緩やかな改善が続いているとはいうものの、業種や規模によってもばらつきが見られ、株価の低迷や、さらには期待されているIT関連株なども必ずしも順調とは言えない状況にあります。 そこで、吉川労働大臣から、まず現下の雇用失業情勢についてどのように認識しておいでになるのか、伺っておきたいと存じます。
○吉川国務大臣 おはようございます。 順次お答えさせてもらいます。 今ほど議員御指摘のとおり、九月の完全失業率は四・七%といまだ高水準にありまして、現下の雇用情勢は依然として厳しい状況にあるものと認識しております。 しかしながら、企業からの新規求人は、サービス業、製造業など主要な産業で増加しておりまして、特に情報通信技術や介護関連の分野等におきましては、本年一月以降連続して前年に比べて二〇%以上の増加となっております。また、雇用者数も、本年五月以降連続して前年に比べて増加しているところであります。このような状況が続いていることから、雇用情勢には改善の動きが見られるものと考えております。
○宮腰委員 そこで、雇用の地域間格差ということについてお尋ねいたしたいと思います。 この九月の有効求人倍率は、全国平均が〇・六二倍と、本年一月の〇・五二倍からは多少改善をされてきております。しかしながら、山梨県、福井県が一・一六倍であるのに対しまして、青森県が〇・四〇倍、沖縄県に至っては〇・二九倍と極めて大きな格差が生じてきております。 このような地域間格差の解消のためには、全国一斉的な取り組みで全体の底上げを図るということも大切かもしれませんけれども、あわせて、地域の実情に応じてめり張りのきいた雇用対策を行えるような新たな枠組みを構築していくことが重要であると考えております。労働省としてはどのように考えておいでになるのか、伺いたいと思います。
○渡邊政府参考人 ただいま委員御指摘のように、全国の雇用失業情勢を見てみますと、北関東・甲信越あるいは北陸といったように比較的雇用情勢が順調に進展している地域もございますが、一方、北海道や九州・沖縄等のように依然として厳しい雇用情勢にある地域がございます。こういったことで、全国的に見ますと地域間に随分とばらつきがあるのが現実であろうというふうに思っております。 労働行政におきましては、従来から、地域雇用開発等促進法に基づきまして、急激に雇用が悪化したような地域を指定して、そこにおける雇用の際の賃金助成等の施策を行ってまいったところですが、ただいま申し上げましたような現状もかんがみ、あるいは地方分権の進展というようなこともかんがみまして、地方地方で雇用開発のために努力をされるといったときに、労働行政としてもその支援を講じるというふうにして、地域の実情に応じた雇用対策を進めることが必要ではないかというふうに考えておりまして、目下そのための施策について検討しているところであります。 そういったことで、従来のいわば狭い地域をとらえた対策から、地方自治体が独自に雇用対策に取り組まれるときの支援というふうに、地域対策そのものを拡大しようということで現在検討中でございます。
○宮腰委員 沖縄につきましては、求職者十人に対して求人が三人分しかない。いわば構造的なこともあるかと思います。労働省だけでは難しいと思いますが、ぜひ総合的な対策、しっかりとしたてこ入れを進めていただくように希望を申し上げておきたいと思います。 二番目ですけれども、雇用のミスマッチの解消についてお尋ねをいたします。 三百二十万人の完全失業者のうち、少なくとも五割、あるいは多く見積もって七割がミスマッチによる失業と見られているというふうにお聞きしております。ミスマッチの解消のためには、求人求職者情報を広く提供し、マッチングの可能性をふやしていくことが極めて有効であります。 インターネットを活用した求人情報の提供は、これまで首都圏、近畿圏や札幌、仙台、名古屋、広島、北九州、福岡の大都市で試行実施されておりますが、大阪労働局では、求人情報の提供に加えまして求職者情報の提供も試行実施されてきております。 私が考えますに、ホームページの入り口に求人ボタンと求職ボタンを並べておきますと、ほとんどの方がまず求人ボタンをクリックいたしまして、求人情報を見られる。その後で今度は求職ボタンをクリックいたしまして、求職者情報を登録する人が間違いなくふえてくるんではないかというふうに思います。IT時代において、少なくともホームページ上で自分の個人情報を登録できるぐらいの能力は、最低限必要な時代になってまいりました。 その際に個人情報の保護に配慮することはもちろんでありますけれども、インターネットを活用した求職者情報の提供のあり方について早急に検討していただきたいと考えますが、御見解をお伺いいたしたいと思います。 なお、先日、労働省のホームページから首都圏の求人情報の検索をかけてみましたけれども、残念ながら、凍りついたようにスピードが遅いということがわかりました。これでは、よほど我慢強い人でなければ、恐らく途中で求人情報の検索をあきらめるしかないというふうに思いました。一日も早く回線スピードを大幅にアップしていただきまして、検索エンジンもぜひ改良をしていただきたいと思いますが、このこともあわせてお伺いいたしたいと思います。
○渡邊政府参考人 求人と求職のマッチングにつきましては、情報を的確に迅速に提供するということが大変重要な課題であろうというふうに思いまして、ただいま御指摘ありましたように、求人情報につきましては、東京二十三区を初め政令指定都市等におきまして、インターネットを通じてこれを把握できるという試みを既に始めているところであります。 ただいま御指摘ありました求職者情報ですけれども、ただいま各安定所で求人開拓というのを一生懸命やっておりますが、その場合にも、実際にこういう求職者がおられるというふうなことを提示できれば求人側にとっても大変利用しやすくなるというふうに思っておりまして、私ども、基本的には、求職者情報も公開していくことが方向としては大切なことではないかというふうに思っております。 ただ、委員も御指摘ありましたように、求職者情報ということになりますと、個人の氏名や住所、あるいはその人が今失業しているんだというふうなことがわかるわけでありまして、プライバシーの保護の問題が大変大きい課題かというふうに思っております。 いずれにいたしましても、求職者情報についても何らかの形で公開できるようにするということは、基本的な方向としては私どもそういうふうに思っておりまして、検討していきたいというふうに思っているところであります。 求人情報のインターネットでの公開ですが、実際にやってみますとスピードがなかなか遅いという現状でございます。いろいろと苦情もあります。そこで、求人情報の検索の速度につきましては、これまでもサーバーの機能強化等を行って対応してきてはおりますが、さらに、サーバー等を増設するあるいは回線を増設するというふうなことによりましてスピードをアップしていきたいと考えております。
○宮腰委員 一昨日のIT戦略会議で、平成十五年までに行政手続などをネット化する電子政府を実現するということが草案として決まったわけであります。あと三年後に電子政府を実現するという目標もきちっと立ったわけでありますので、そのころまでには、そのころまでにはというのはちょっと遅いと思うんですけれども、ぜひ求職者情報についても本格的に取り上げてやっていただきたいというふうに御要望を申し上げておきたいと思います。 職業能力評価システムということについてお尋ねをいたしたいと思います。 より効果的なマッチングを実現するには、企業が求職者の職業能力を客観的かつ的確に把握できるようにすることが重要であります。その際、一人一人の労働者の職業能力を適切に評価するシステムが必要になりますが、技能に関しましては技能士制度というものがありまして、これは確立した仕組みになっております。ただ、事務や経営という分野では、人間の能力を客観的に評価することはなかなか難しいものがあると思います。 労働省でも、職業能力評価についていろいろ検討されておりますが、評価システムの整備についてどのように考えておいでになるのか、伺っておきたいと思います。
○日比政府参考人 ただいま御指摘いただきましたように、事務系、特にホワイトカラーと言われている方々につきましての能力評価システムというのは、今のところ十分発達しておらない段階でございます。 効果的なマッチングという観点から考えましても、労働者の個別の能力ができるだけ客観的に明らかにされていく、そういうことが非常に重要だと思います。非常に難しい課題ではございますが、職務をどのように記述する、あるいは履歴書をどのように書くというようなことも含めまして、あるいは民間諸団体でいろいろな評価の検討が現在行われておるというような状況をも十分勘案しまして、職業能力評価システムを整備していくことが大切だと思っております。 現在、その点につきまして中央職業能力開発審議会でも御議論をいただいておりますが、その御議論も踏まえつつ、御指摘のような点も十分念頭に置いて、できるだけ早い機会に職業能力評価システムの整備に向けての具体的な動きをとりたいと思っております。
○宮腰委員 ミスマッチについてもう一点だけお伺いしたいと思います。 若年者の不安定就労、フリーターの増加が社会問題化をしてきております。新規採用後の三年間で、中卒の七割、高卒の五割、大卒の三割が会社をやめる傾向を最近は七五三と言っているようでありますけれども、就職は一種のお見合いでありまして、最近は、景気のよしあしにかかわらず、互いに相手を選ぶ時代に入ってきたと言えるのではないかと思います。 その意味では、学生が就職を希望する企業などで業務体験をするインターンシップ制度は、学生にとっては仕事の適性を知ることができる、企業側は必要な人材を発掘することができるというメリットがあります。最近では、インターンシップ支援サービスを行う民間の仲介業者も登場してきておりますけれども、インターンシップの普及について、労働省、文部省あるいは通産省が連携をとりながら環境の整備を進めていく必要があると思います。 そこで、インターンシップの現状と普及への取り組みについて伺っておきたいと思います。
○渡邊政府参考人 今、若い人が就職をして離転職を繰り返すという傾向が徐々に強まってきておりますし、御指摘のありました一時的な就業とか離職を繰り返すフリーターにつきましてもことしの労働白書で取り上げまして、三年前の数字ですが、百五十万人ぐらいそういった方がいるんではないかという推計をしているところであります。したがって、現在ではさらにふえているんではないかというふうに思います。 このフリーターの増大等は、今の就職がなかなか困難だということを反映している面もありますが、若い人たちの職業意識が希薄化しているということも指摘されているわけであります。そういった意味で、在学中から企業での就業を体験できるインターンシップ制度を普及するということは、大変重要なことではないかと思っています。 インターンシップ制度の現在の普及状況ですが、平成十一年度の数字ですが、これは文部省調べでありますけれども、大学で二九・九%、短大では一四・七%、高校で二二・七%が実施をしておるということでございます。 私どもも、通産行政あるいは文部行政と連携をして、インターンシップの導入を促進するということにしておりますが、先月も、文部、労働の両事務次官をトップといたしました会合を開催いたしまして、若年者の職業意識の啓発の問題あるいはインターンシップの促進の問題について、これを進めていこうということで再度意思統一をしたところであります。こういったことに基づきまして、職業意識の啓発事業をさらに進めていこうというふうに考えているところでございます。
○宮腰委員 三番目に、産業構造の転換への対応についてお尋ねをいたしたいと思います。 ITを初めとする技術革新や経済のグローバル化によりまして、既存産業の衰退や新規産業の創出など産業構造が大きく変化しつつあります。今後、産業間、企業間での労働移動の増加が確実に見込まれ、労働者がスムーズに新たな産業や企業に移動できるような環境整備が一層重要になります。これまで一企業内での雇用の維持拡大ということでやってまいりましたけれども、それのみならず、社会全体で雇用の安定を図ることを重視すべき時期に来ていると考えます。いわば、労働市場を通じ企業間を移動する雇用流動化の中での雇用の安定ということが求められておりますが、労働省として、今後雇用政策の軸足をどこに置き、どのような支援策をとっていこうとされるのか、大臣から伺っておきたいと思います。
○吉川国務大臣 御指摘のように、経済産業構造が大きく変化していく中で、中長期的に雇用の安定を図っていくためには、雇用政策の軸足を、良好な雇用機会の創出、確保とともに、円滑な労働移動に対する支援など労働力需給のミスマッチ解消に置き、企業内での雇用の維持のみならず、企業間の円滑な労働移動等を支援することにより雇用の確保が図られるよう、環境を整備していく必要があると考えております。 こうした観点から、現行の各種支援策を総合的に見直す必要があると考えておりまして、現在、関係審議会で御審議いただいております。その検討結果を踏まえて、法的整備も含めまして適切に対処してまいりたいと考えております。
○宮腰委員 雇用流動化の時代において、これまでのいろいろな仕組みを大きく切りかえていく必要があるだろうと思いますが、その際に、能力開発ということについても相当変えていく必要があるのではないかなというふうに思っております。 これまでとは違って、労働者に求められる能力はますます多様化をしてくる、あるいは企業は即戦力を求める傾向が強くなってくるということでありますが、ITを例にとれば、残念ながら、日本には市場のニーズに対応できる教育制度がこれまで欠落をしていたと言わざるを得ないのではないかというふうに思います。アメリカでは、コミュニティーカレッジがITなどの技能習得に極めて重要な、大きな役割を果たしてきているというふうにお聞きをしております。 一昨日のIT戦略会議の中でも、IT技術者育成に取り組むとともに、ここから先が大変重要なんですけれども、三万人の外国人技術者を確保するというふうなことが草案の中にうたわれております。なぜ三万人も外国から呼んでくる必要があるのか。やはり、これまでのいろいろなシステム、職業能力開発もそうでありますが、それ以前の問題として、教育の場で市場のニーズに対応できる仕組みが欠落をしていたということが一番大きな原因ではないかというふうに思います。 日本では、例えば英語の教育にも外国人指導助手を呼んで勉強したり、これは小学校段階でも少しずつ配置をされているようでありますが、あるいはコンピューターの教育についても相当金をかけて整備をしてきているわけでありますが、それでも三万人緊急に外国から人を入れなければいけないというのは、これまでの職業能力開発といいますか、そういうものが、市場のニーズに合った職業能力開発をやってこなかった、そういう仕組みがなかったということが一番大きな原因ではないかと思って、極めて残念に実は思っております。 これからは、高度な職業訓練を受けようとする意欲のある個人をどう支援していくか、生涯にわたって必要な教育を繰り返して受けることができるシステムをどう構築していくかなど、産業の構造転換や市場のニーズに対応できる、時代を見越した総合的な能力開発への取り組みが求められていると思いますが、どのように取り組んでいかれるのか、所見をお伺いしたいと思います。
○日比政府参考人 ITその他当面する課題と今後の問題があろうかと思います。当面する状況に対しましては、高度な職業訓練というものも含めて大規模に展開いたしたいと思っております。 今後どう取り組むのかという点でございますが、私ども思っておりますのは、求められる能力開発というのが非常に多様化している。個人によってもいろいろ違うし、そのレベルについてもいろいろなことを想定しないといけない。また、職種別に考える発想から、個別の技能なり個別の知識なりというものも十分見据えてやっていかないといけないと思っております。 その際、意欲ある個人をどうしていくのかという点でございますが、これにつきましては、まず発想を、企業主体から個人主体へやや重点を置き直すような転換をしていく必要があろうかと思います。 その際、先ほどもお尋ねいただきました職業能力評価システム、これを基礎といたしまして、個々人ごとに、どのような能力をさらに身につけることが適当か、必要か、また望ましいかというようなことにつきまして十分コンサルタント的機能を果たす、そういうものを整備もいたしまして、その上で、個人が主体的に能力開発に取り組んでいくことについての各般の支援策を講ずべきであると思っております。現在、教育訓練給付という制度を発足させて三年ほどたちますが、これにつきましても、個人の能力開発に資するよう、講座指定のあり方等についても十分意を用いていきたい。 また、生涯にわたって繰り返しという点につきましては、これは今後の課題というようなこともございますが、個人主体ということで、例えば長期の休暇をとってしかるべき期間教育を受け直すというようなことにつきましても、社会的に広まるような方策がとれないか等についても検討してまいりたいと考えております。先ほどの能力評価システムと同様でございますが、現在関係審議会で御議論いただいておりますが、できるだけ具体的な措置を早急に打ち出したいと思っております。
○宮腰委員 今ほど局長から御答弁がありましたとおり、これから個人への支援策というのは極めて重要になってくると思いますので、ぜひ拡充をお願いいたしたいと思います。 障害者雇用について伺っておきたいと思います。 依然として厳しい雇用情勢の中で、最も影響を受けやすいのが障害者の雇用問題であります。現在の法定雇用率一・八%を達成していない民間企業は半数を超えておりまして、公共職業安定所に登録している障害者の有効求職者数も過去最高を超えるなど、障害者をめぐる雇用失業情勢は極めて厳しいものがあります。 障害者の雇用の現状をどのように認識し、どのような対策を実施しておいでになるのか、大臣からお聞きしたいと思います。
○吉川国務大臣 障害者をめぐる雇用失業情勢は、解雇者数が減少するなど一部に明るさが見られておるものの、御指摘のとおり依然として厳しいと認識しております。 このような状況の中で、労働省では、障害者の雇用を促進する、また確保するために、一つは障害者雇用率制度の厳正な運営、また障害者雇用納付金制度の運用及び同制度に基づく各種助成金の活用、公共職業安定所における積極的な求人開拓や、きめ細かな職業相談、職業紹介、職場定着指導等を引き続き積極的に行ってまいります。 また、平成十三年三月までの事業といたしまして、事業主の障害者雇用のきっかけづくりを通じまして再就職を促進することを目的とした三カ月のトライアル雇用等を内容とする事業を実施してまいります。この事業については、評判がよく、各方面からの要望を踏まえまして、来年度以降も継続的に行うことができるよう必要な予算を要求しているところでございます。
○宮腰委員 時間が残り少ないので一問パスをいたしまして、最後に、仕事と子育ての両立支援について伺っておきたいと思います。 平成十一年には合計特殊出生率が一・三四と過去最低を更新いたしまして、急速に少子化が進んでおります。その背景といたしまして、仕事と子育ての両立の負担が重くなっているということが挙げられております。両立支援対策を抜本的に拡充しなければ少子化がなお進むということだと思います。 地域において会員が相互に援助を行うことによりまして仕事と子育ての両立を容易にするファミリー・サポート・センター、これが非常に評判が高いというふうに聞いております。もともと日本は相互扶助の伝統がありまして、こういう事業というのは割と定着しやすい事業ではないかと思っておりますが、来年一月には労働省と厚生省との統合が予定をされておりまして、ぜひ事業の拡充を図っていただきたい。そのためのいい機会ではないかというふうに思います。保育行政とも一体となって事業を展開していくことができないか、両立支援対策の拡充の必要性とあわせて御所見を伺って終わりたいと思います。
○藤井政府参考人 御指摘のとおり、少子化が進展する中で、仕事と子育ての両立支援対策は大変重要な施策になっておりまして、さまざまな施策を私ども推進させていただいているところでございます。 今御紹介いただきました、地域において育児等の相互援助活動を行うファミリー・サポート・センターについては、大変御好評をいただいているところでございますので、来年度の予算要望におきまして、核家族化などによりまして地縁、血縁機能の低下が顕著でございます大都市圏において重点的に早期設置を推進していただこうということを一つの柱にしてございます。 それから、厚生省との統合のメリットを御指摘のとおり生かしていきたいと思っておりますので、これまで対象者が雇用労働者だけでございました、これを自営業者や家庭の主婦の方々にも拡大したいと考えております。また、保育所との連絡システムを整備するなど、保育行政とも一体となって、子供を育てる家庭を地域全体で支えていくことができるような総合的な事業を展開したいと思っているところでございます。 また、今御指摘いただきました両立支援対策の全体的な充実につきましては、ただいま女性少年問題審議会において御審議をいただいているところでございますので、この結果も踏まえまして、次期通常国会に育児・介護休業法の改正法案を提案させていただきたく準備を進めているところでございます。よろしくお願い申し上げたいと思います。
○宮腰委員 ありがとうございました。 終わります。
○大石委員長 坂口力君。
○坂口委員 久しぶりに質問させていただきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 三十一日に労働省から出ました「最近の雇用失業情勢について」を拝見いたしますと、先ほど宮腰先生の御質問にもございましたが、九月の完全失業率は四・七%、完全失業者は三百二十万人、前年同月比で三万人の増加、そして非自発的離職者が九十九万人で前年同月比一万人増加、こういう数字が並んでおります。この一年間を見ますと、経済の方は緩やかに回復をしてきているというふうに思いますが、失業率は四%後半のところで停滞をしていると申しますか、そこにくぎづけになっている、グラフを見ますとそういう感じを受けます。 雇用の回復は景気回復よりもおくれて起こってくるということがよく言われます。それはそのとおりだというふうに思いますけれども、今後の景気回復と並行して雇用の回復がどこまで可能なのかということは大変気になるところでございまして、その辺のところを労働省としてどのようにお考えになっているか、まずお伺いをしたいと思います。
○吉川国務大臣 ただいま議員御指摘のとおり、景気は緩やかな改善を続けていますけれども、九月の完全失業率が四・七%といまだ高水準にありまして、現下の雇用情勢は依然として厳しい状況にあるという認識は持っております。 しかしながら、新規求人は増加傾向が続いております。サービス業、製造業など主要な産業で増加しておりまして、特に情報通信技術や介護関連の分野等におきましては、本年一月以降連続して前年に比べまして二〇%以上の増加となっております。また、雇用者数も、本年五月以降連続して前年に比べて増加しているところでございます。 このように雇用情勢には改善の動きが見られるところでありますが、今後適切に雇用対策を講ずることにより、このような動きを一層確かなものにしていくことが重要であると認識しております。
○坂口委員 大臣にお答えいただきましたように、確かに改善をしている、増加をしている部分もあるのだろうというふうに思いますが、増加をしているだけならば失業率は改善をしてくるはずでございます。一方で増加をする、しかし他方で減少する部分もあるということで、全体としましては停滞をしているということだろうと思います。いいところと悪いところがあるということだろうと思いますが、その辺のところをもう少し明らかにしていただければ幸いでございます。 あわせて、最初に申しましたとおり、これから先の景気回復と雇用の回復というのはパラレルにいくのかいかないのか、それが一番大事なところでございますが、その点についてどのようにお考えになっているのか、そこをお答えをいただきたいと思います。
○松崎政府参考人 ちょっと御説明させていただきます。 完全失業者は、確かに前年同月比に比べまして三百二十万人と三万人増加しております。その内訳は、非自発的理由が一万人ふえておりますけれども、その他のものということで十二万人の増加がございます。これは、自発的失業でもなく、非自発的理由による失業でもなく、学卒の未就業でもないということでございまして、いわば先ほども御論議になりましたフリーター等、そういった方がふえてきているといったこともございます。これが十二万人ふえておるということで完全失業者及び完全失業率が若干上がったのではないかというふうにも見られるわけでございます。 また、今後の見通しでございますけれども、これも先生御指摘のように、景気の回復に伴いまして雇用情勢は改善するわけでございますけれども、やはりタイムラグがございます。そういったことで、有効求人倍率等は上がっておりますけれども、特に若年の失業率が高いといったように、ミスマッチの問題が拡大をしておりまして、そこのところをきちんと対応していくことによりまして、景気の回復に伴っての雇用情勢の改善が確かになるものというふうに考えております。
○坂口委員 統計を詳細に拝見いたしますと、確かにいわゆる雇用者数というのは五カ月連続してふえておりますし、九月には四十二万人ふえております。しかし、自営業者とか家族従業者数が八カ月連続して減少しておりますし、九月には六十七万人減少いたしております。したがって、いわゆる就業者数として見ますと三十四万人減少しているわけでございます。中身はそれぞれいろいろでございますが、タイムラグだけで現在こういうふうになっているというのならば、そんなに心配はしないわけでございますが、果たしてそれで済むのかどうかというところを若干心配、取り越し苦労を実はしているわけでございます。 先日香港に経済の勉強に行ってまいりました。香港は、ことしになりましてから経済成長率は、第一・四半期が一四%、第二・四半期が一〇%と、大変なGDPの伸びを示しておりますが、失業率は五%のままでずっと推移をいたしております。そして、行政官にお聞きをしましたら、来年も少なくとも八%の経済成長は達成できるというふうに思っておりますが、失業率は五%は動かないだろう、これ以上下がらないだろう、こう言っております。 香港の場合には、大陸から人が入ってくるという特殊事情もございます、企業の本社は香港に存在しますが工場は大陸にあるというようなこと、これからもそういう傾向が続いていくということを勘案しますと、やはり五%は減らないということになる、こういうことを言っているわけでございます。 日本はそれほどではないというふうには思いますけれども、しかし日本の場合にもよく似た現象はかなり起きておるわけです。中小企業の事業所数が減ってまいりましたり、製造業の減少が起こってまいりましたり、後で中小企業庁の方からお聞きをしたいというふうに思っておりますが、そういう状況が確かにございます。それらのことを考えますと、タイムラグあるいはミスマッチ、ミスマッチという意味はかなり広いですから、その中に広い意味では入るのかもしれませんが、果たしてそれだけかなという心配をちょっといたしているわけでございます。 中小企業庁の方からお見えをいただいておりますので、中小企業庁に少しお聞きをしたいというふうに思います。 中小企業白書を二、三日前から拝見をいたしておりますと、この十年間における中小製造業のいわゆる事業所数というものの変化を見てみますと、昭和六十三年には四十三万三千八百カ所でございましたが、平成十年には三十七万カ所に減っておりまして、この約十年間で六万四千カ所の減少になっております。 バブル期あるいはそれ以前に日本で生産をされていました産業で、この十年の間に生産しても採算がとれなくなったものは、事業所数で、あるいは企業数でも結構でございますし業種別でも結構でございますが、どのようになってきているのかということをお聞きをしたいと思います。 また、今後IT化が進んでまいります場合に、既成の製品のIT化で採算がとれるようになって、日本の国内でどんどん製造が進んでいくものなのか、それとも、若干のIT化、いわゆる既成の製品のIT化ぐらいでは日本の中の製造業は回復をしていかないのか。その辺についてどういうふうにお考えになっているかもあわせてお答えをいただければ幸いでございます。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。 先生御指摘のように、中小企業の製造業におきます事業所数あるいは雇用者数というのは年々減少しているわけでございます。 その中で、例えば海外生産との関係を見てみますと、海外生産につきましては年々増加傾向にありまして、とりわけプラザ合意でございますとか、九五年のころの円高局面の中で大変加速をされまして、海外生産が伸びているということでございます。 最近の中小企業の景気の動向の中でも、製造業については、相対的ではございますが、他の業種に比べまして比較的いいという傾向がございます。とりわけ電機電子でございますとか機械でございますとか、そういうものがよいということでございます。他方また、同じ業種の中でも比較的規模の大きな中小企業の方が景況がよいというような傾向が出ておりまして、私ども、全体として緩やかな改善傾向が続いているというふうに認識いたしております。 さらに、投資につきましても、設備投資につきましては、二十七年ぶりに、製造業につきましては当初計画の段階でプラス一・六ということになっておりまして、そういう中で、製造業については比較的良好なパフォーマンスを示しているのではないかというふうに認識いたしております。 それから、ITとの関係でございますが、ITにつきましては、もちろん、新しいビジネスチャンスを創造する、あるいは生産性の向上でございますとかアウトソーシング等が可能になるといったいろいろなチャンスをもたらすという点もございますし、一方において省力化とかいろいろな点で中小企業に厳しい局面をもたらすということがあるわけでございます。 日本の中小企業の製造業というのは、これまで熟練技能というような非常にすぐれた特性を持っているわけでございまして、私どもとしましては、ITと物づくりの融合化を図って、日本の製造業、中小企業を含む製造業がやはり今後とも日本経済の中できちっとした役割を果たしていく、従来から蓄積しました熟練技能というのを糧にして日本としては伸びていく必要があるということで、ITと物づくりの融合というようなことについて力を入れたいと思っております。 さらに、創業という点につきまして、御承知のように、ここ数年ずっと開業と廃業が逆転傾向にあるわけでございます。やはり新しい企業が出てくることによって新しい雇用を創造していく、それはやがて産業構造の転換にも資するということで、創業、さらには既存企業の経営革新ということにさらに力を入れてまいりたいと考えております。
○坂口委員 今のお話を聞きますと、それほど心配は要らないような気がいたしますが、この十年間は厳しい時代でございましたから、先ほど数字を挙げましたように、昭和六十三年と平成十年とを比較しますと、六万四千ぐらい事業所数が減っている。そして、中小製造業の収益力を見ましても、総資本純利益率で見ますと、平成元年には二四・三%ありましたものが平成十一年には六・四%になっている。あるいは売上高純利益率を見ましても、平成元年に三・六%ありましたものが平成十一年には一・二%になってきているというふうに、数が減ってきているだけではなくて、その内容もかなり厳しくなってきているという状況にある。 また、いわゆる欠損法人の割合を見ましても、昭和六十三年には四〇%でありましたものが平成十年には六〇%になっているということで、全体として内容も悪化をしてきている。 こういう状況は、この十年間は経済状態が非常に厳しい状況でありましたからこういうことになっているのであって、これからなだらかな経済成長が続いていくならば、日本の国内においても中小企業の事業所数がどんどんと減っていくようなことにはなっていかないと理解をしておみえになると考えてよろしゅうございますか。 時間がありませんので、もう一つだけ、あわせてお聞きをしておきたいと思います。 中小企業の場合には、製造業だけではなくて第三次産業の分野もあるわけでございますが、第二次産業が非常に厳しいということになれば、これから第三次産業が非常に大事になってくるというふうに思うんですが、その動向、それに対する考え方というものもあわせてお答えいただければ幸いです。
○中村政府参考人 ちょっと言葉が足りなかったのかもしれませんが、最近の動向を見てみますと、中小企業についても緩やかな改善にあると申しておりますけれども、やはり大企業に比べますと厳しい状況にあるという認識でございます。中小企業については、ここ十年来、大変大きな構造変化の波に洗われているということで、とりわけ構造変化の一番大きな影響を受けているのは中小企業である、こういうふうに認識いたしているわけでございます。 ただ、ここ一年、ここ数カ月を見ますと、かなり改善の傾向があるということでございます。したがいまして、中小企業にとりまして、この構造変化にきちんと対応していくことが必要である、そうしないと中小にとってさらに厳しい状況が現出してくるというふうに認識いたしております。 そういう観点から、昨年、中小企業基本法などを改正していただきまして、創業と経営革新というのを一番大きな柱といたしまして施策を展開しているわけでございます。経営革新につきましては、既存の中小企業は約五百九万に上るわけでございまして、その五百九万の方々が、こうした構造変化に対応して経営革新をしていただく必要がある、それを大いに支持しなければいけないということでございますし、やはり新しい企業が生まれるということが経済の活性化に必要であるということで、創業についても二本柱で支援をいたしておるということでございます。 ただ、製造業全体としますと、いろいろな生産性の向上等がありまして、かなり減少傾向にある。減少傾向といいますのは、従業員等につきましても相当な減少をいたしているわけでございます。一方、第三次産業についてかなりの増加が見られるわけでございます。今後とも、消費者ニーズの多様化、さらには、いろいろなアウトソーシング等で対事業所サービスが相当伸びているわけでございまして、サービス産業については今後伸びていく産業であるということで、中小企業の方々がそうした分野でビジネスチャンスをつかんでいくということについては、税あるいは金融、それから、いろいろなサービス産業についてはまだ十分認知されていないというようなこともございますので、そうしたことを国民の方々に認知していただくようなフェアを行うとかセミナーを行うとか、いろいろな施策を展開して、中小企業の方々の支援をいたしているということでございます。
○坂口委員 時間に追われてまいりましたので。 文部省の方からもお越しをいただいておりますが、雇用状況と学校教育、とりわけ職業教育と申しますか、あるいは専門学校も含めてでございますけれども、非常に関係が深いわけでございますし、先ほど労働省からお話ございましたとおり、ミスマッチがあるということになれば、これは学校教育とも大変関係をしてくるわけでございます。 第三次産業の問題もございますし、そうしたものも含めて、文部省としてこれからの教育の中でこの経済の状況を踏まえてどのように取り組もうとお考えになっているのか、現状につきましてお聞かせをいただきたいと思います。
○御手洗政府参考人 特に高等学校段階では、専門高校を中心といたしまして、職業生活に必要な専門的知識や技術、技能の基礎、基本を身につけると同時に、また普通高校を卒業して職業につくという子供たちもいるわけでございまして、文部省といたしましては、全体として、就業体験等のインターンシップの体験を労働省とも連携をしながら進めてまいっているところでございます。現在、インターンシップ等の就業体験を実施しています学校は、普通科高校も入れまして二二%、専門学校全体では約五割の学校が実施しております。 特に専門教育の分野におきまして、最近の産業のサービス化の進展や社会の変化等を踏まえまして、特に情報サービス関連で、新たに高等学校の専門教育の分野といたしまして「情報」、それから介護福祉の分野といたしましては「福祉」という教科をつくりまして、専門的なこれらの分野に進む人材養成が計画的に行えるようにしたところでございます。また、既存の「商業」におきましても、マネジメントサービス、あるいはカルチャー、レジャーサービスなどの新しいサービス産業やベンチャービジネス等について取り上げますとともに、「家庭科」等におきましては、生活関連の産業や生活関連サービス、こういった分野を積極的に取り上げることとしておるところでございます。 高校生の就業状況は大変厳しい状況でございまして、昨年の新卒の就職率は八八%ほどでございましたけれども、就職者のうち、サービス業への就職状況はおよそ六万人、全体の四分の一ほどがサービス産業へ就職しているところでございます。 また、専門学校におきましては、柔軟な制度やその特色を生かしまして、産業経済の変化を具体的にとらえて発展することが期待されているわけでございますけれども、最近におきましては、医療衛生あるいは教育、社会福祉分野への学生がふえておりまして、従来型の商業実務関係は、学生数は減少ぎみというような状況でございます。 文部省といたしましては、専門学校につきましても、質の高い職業人の育成を支援するという観点から、産学連携によります専門学校教育の高度化のための具体的な事業を展開してまいりたいと考えておるところでございます。
○坂口委員 ぜひ、労働省、通産省、中小企業庁あるいは文部省、連携を密にしていただいて、雇用がスムーズにいきますように、さらに力を発揮していただきますようにお願いを申し上げたいというふうに思います。 アメリカのように、賃金をある程度引き下げて雇用の幅を確保する、そんなことを日本が選択するわけにもまいりませんし、さりとて、ヨーロッパのように、失業率が一〇%ぐらいになっても、賃金は守るけれども失業率は多少上がってもやむを得ないというような選択を日本はするわけにもいかない。日本はそのいずれでもない選択をしなければならない、大変難しい選択をしていることは間違いがないわけでありまして、皆さん方の御苦労も当然のことながら大きいというふうに思っております。 賃金も守り、そして失業率も下げるという双方の決意でこれを進めていくためには大きな力が必要だというふうに思いますので、さらにひとつ御精進をいただきますようお願いを申し上げて、質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○大石委員長 加藤公一君。
○加藤(公)委員 民主党の加藤公一でございます。 前お二人の先生方の議論の中でもございましたとおり、相変わらずまだまだ厳しい雇用環境が続いている。多少なりとも明るい見通しが出てきたという話題もございましたが、それでもなおまだまだ大変厳しい状況が続いているわけです。それだけ、お仕事を探していらっしゃる方、あるいは働きたいと思っていらっしゃる方からしますと、労働省に対する期待は大変大きくなっている、また行政に携わっている方々の責任も大変大きくなっているところではないかと思います。 その点も踏まえまして、本日は、昨今大変大きな問題になっておりますケーエスデー、きょうは言いやすくケーエスディーと言わせていただきますが、このKSD関連の問題について大臣のお考えを伺ってまいりたいと思います。 まず、KSDそしてKSD豊明会という二つの団体がございますが、KSD豊明会の中には、豊明会中小企業政治連盟の支援ということが実は定款で明らかにうたわれております。そして、KSD自体の設立目的からしますと、どうもそれにそぐわないのではないかというような補助金が毎年毎年二十億円から約三十億円支出をされ続けているわけであります。 まずは、この高額な補助金につきまして、大臣は果たしてこれが適切だとお考えかどうか、ここからお伺いをしたいと思います。
○吉川国務大臣 今御指摘のとおり、年々かなり多額な補助金が出ているわけでございますが、その推移についてちょっと申し上げます。平成七年度では約二十四億円、平成八年度には約二十六億円、平成九年度は三十億円、平成十年度は三十億円、平成十一年度は約二十七億円となっております。 そして、この補助金は適切であるかどうかということについては、これは私の判断ではなくて、これは、KSDからKSD豊明会に対して、専ら福利厚生事業を目的とした補助金を交付していると承知しております。
○加藤(公)委員 大臣がこの補助金を適切かどうか、どう考えているかということを私は伺ったのですから、そこだけ答えていただければ結構でありまして、続けて伺います。 平成八年九月二十日に、公益法人指導監督基準という閣議決定がされております。その中で、公益法人の事業は、当該法人の目的に照らして適切な内容の事業でなければならないと書いてあるわけです。KSDの設立目的からして、豊明会へこれほどの補助金を支出することが本当に適切な事業と言えるのかどうか、大臣、簡潔に答えてください。
○吉川国務大臣 あえて中身についてお尋ねがなかったわけでございますけれども、私から説明しますと、各種スポーツのイベントや国内、海外旅行、文化教養の教室等の福利厚生事業、KSD会員の事業発展のための仕事紹介サービス、中小企業によるビジネス見本市及び即売会であるKSD豊明会メッセ&フェア等の開催の事業を対象として補助金を出しておると聞いておりまして、これなら適法だと思っております。
○加藤(公)委員 しかし、報道によりますと、これは本年十月二十七日号の週刊朝日の記事でございますが、伊藤庄平事務次官が、平成六年五月の段階で既に、KSDから豊明会に流れている二十億から三十億円の補助金の使途に不明瞭な部分が多かったという御発言をされていらっしゃいます。この記事は明らかに掲載をされておりますし、また実際に、平成八年、平成九年、二度にわたって補助金の使途の明確化を求める指導というのを古関理事長に対して労働省が行っていらっしゃるわけでありまして、今の大臣の御答弁からしますと、これは明らかに矛盾をすると思います。補助金が本当にその事業に使われて、しかもそれが適切だとこれでもお考えかどうか、お答えください。
○吉川国務大臣 若干経緯を含めて御説明申し上げますと、KSDからKSD豊明会に対する補助金については、KSDに対し、平成九年ごろから必要な指導を行うとともに、平成十年十一月には豊明会における補助金の使途、区分経理について指導したところであります。 しかしながら、その是正が確認されないこともあり、本年五月に立入検査を行い、八月十日には、豊明会に対する補助金の審査、検査体制の確立、補助金の使途の明確化、豊明会における経理について、補助金と他の経理との区分経理などについて改善勧告を行ったところであります。 今回の改善勧告に対しましては、KSDは九月八日付の文書において改善の意向を示しているところでありますが、その後、強制捜査が行われ、十月十八日にはKSD独自の改革方針を発表しております。 こうしたことを踏まえ、現在は、補助金の審査、検査体制を確立し、区分経理を実施させるとともに、改革方針に盛り込まれた豊明会の解散について、労働省としてKSDに対して指導している状況にあります。 今後は、捜査の推移を見守りつつ、これまで労働省が改善を勧告してきた事項やKSDが本年十月十八日に発表した改革方針等の必要な改革をKSDが確実に実施し、公益法人として適正な運営が行われるよう、厳しく指導していく必要があると考えております。
○加藤(公)委員 一生懸命作文を読んでいただいても、国民の皆さんは多分納得されないのではないかと思いますよ。 今それだけ指導されたとずっと読み上げていただきましたが、結果的に、今日まで何ら改善を見ていないわけです。いいですか。さっきも申し上げましたが、平成六年五月の段階で既に補助金の使途がおかしいではないかということを現在の事務次官がおっしゃっているわけですよ。平成六年五月、もう六年以上前です。それからもう六年以上たって、その間、これだけ指導しましたからいいのです、これは通りませんよ。 だとすれば、今言いました平成六年それから八年、九年、ここで口頭指導が三度あったというふうに聞いております。それから平成十年に文書。同じく平成十年十一月にはまた口頭指導。そして今年度の立入検査と続いているわけですが、この口頭指導は、一体だれがだれに対して口頭で指導したのか、明らかにお答えください。
○吉川国務大臣 今ほどのお尋ねは詳細な事実に関する問題でありますので、政府参考人から答弁させます。
○野寺政府参考人 今先生お尋ねの件でございますけれども、補助金の問題につきまして、労働省が例えば平成五年以降指摘している問題というのは、約三十億近い補助金が福利厚生事業に使われているという御説明をKSDの方からいただいているわけですが、福利厚生事業を委託しております豊明会の方には自前収入がございます、福利厚生事業をやっているわけですが、その福利厚生事業の中身それぞれに応じて、補助金の方から使っているのか、それとも自前収入の方から使っているのか、当時の書類では明確でございませんので、そこを明らかにしろ、こういう要求をしてきておるわけでございます。 ちなみに申し上げますと、こういった要求を平成五年以降やっておりますが、最近でも平成十年、十二年とやっておりますけれども、なかなかこの趣旨が十分に理解されておりませんのでいまだに指導している最中でございますが、それなりの改善を心がけているのは事実でございます。
○加藤(公)委員 質問に答えていないのですよ、全然。そんな時間稼ぎ、子供だましみたいなことをされても困る。だれがだれに口頭で指導したのですかと聞いたんですよ。わかるならわかる、わからないならわからないと答えてください。
○野寺政府参考人 その時々の局長、つまり、今、伊藤次官というお話をなされましたが、そのとき担当であった局長が指導しているわけでございます。
○加藤(公)委員 ということは、現事務次官が局長時代に指導されたということかと認識をいたします。 今、野寺局長は指導を続けている最中だというお話でございましたが、何度も言いますが、平成六年の段階で、どうもおかしいのではないか、高額な補助金が豊明会に渡ってどうもきちんと使われていないのではないかという疑惑がもう既にあったわけです。 所管の労働省からいたしますと、事業報告書あるいは収支計算書、事業計画書、収支予算書、こういった書類はすべてそろえていらっしゃるはずでありますし、指導を行った後にどれだけの改善がされたかというのはすぐにでも確認をできるお立場にあったはずです。またその責任もあったというふうに私は考えます。 また、平成八年九月二十日の閣議決定には「所管官庁は、本基準に適合しない公益法人に対しては、原則として三年以内に本基準に適合するように指導する。」とあるわけです。この閣議決定は八年の九月二十日でありますから、もう既に三年以上経過をしているわけであります。 これで今まで適切な指導が行われた、改善をされてきたとお考えかどうか、大臣に伺います。
○吉川国務大臣 ただいま多くの指摘があったことについて御披露がありまして、そのとおりだとは思います。しかし、そのことについてどこまで改善がなされているのか、またどこが改善されていないのかという個々の事例については、私承知しておりませんので、政府参考人をして答弁いたさせます。
○野寺政府参考人 労働省が文書等で改善を勧告している事項は平成五年以降いろいろございますけれども、それぞれそれなりの改善がなされております、一々申し上げますと大変時間を食いますが。ただ、補助金と自前収入の区分経理の問題、これだけはなかなか改善されませんで今日に至っている、こういうことでございます。
○加藤(公)委員 今局長がおっしゃったように、まさに区分経理、つまり補助金の使い道の部分が実は一番大きな問題なんですね。つまり、KSDという労働省認可の財団法人、百七万人の会員の方がいらっしゃる。中小企業の経営者の方を初め、多くの会員の方が毎月二千円ずつそこに払っているわけです。その会費が自分たちの知らないうちに任意団体に流れて、しかもその使い道が不明瞭だ。これは一番大きな問題であるのではないでしょうか。 実際、豊明会に流れたその補助金に対して、KSDに指導していると。この指導に従わない場合には、これが本当に問題だと思えば、極端な話、認可の取り消しだって労働省としては可能なわけです。あるいはその前段階として過料を科すことも可能なわけです。強力な指導ができる。今までそういったことをされてきたのかどうか、一度伺いたいと思います。
○野寺政府参考人 確かに過料を科すこともできますし、法人の認可の取り消しもできるわけでございます。ただ、先ほど申しましたように、労働省の指摘事項についてそれなりの改善を一方でしているのも事実でございます。 また、もともと公益目的で設立された財団でございますので、その事業内容が基本的に適切かどうかということを一方で判断しているわけでございまして、事業そのものが基本的に問題なく運営されているということであれば、改めてそこまでいく必要があるのかどうか、これは別の判断であろうと思います。 ただ、補助金の問題につきましては、先生御指摘でございますけれども、補助金の使途が不明確ということではございませんで、福利厚生事業に使われているという報告があるわけですから、そのことについて私どもが疑いを持っているわけではございません。 繰り返しになりますけれども、自前収入で賄っているのか、それとも補助金で賄っているのか、それが不明確である、ここを指摘しておるわけでございます。
○加藤(公)委員 今、その補助金が福利厚生に使われていることには疑いはないというお答えでございましたが、豊明会に流れたその二十数億円あるいは三十億円という補助金が本当に福利厚生に使われているのですか、どうやって確認をしたのですか。
○野寺政府参考人 これは、基本的に書類で確認させていただいておりますし、その後、KSDの者を呼び立てていろいろ口頭注意する際にも、この関係については直接役員等から伺っているわけでございます。
○加藤(公)委員 書類というのは一体どんな書類か。そしてまた、口頭注意というのは、いつ、どこで、だれが、だれに注意をしたのか。ここの指導という一覧には入っておりませんから、それ以外にあるのであれば、ここで明らかにしていただきたい。二点お願いいたします。
○野寺政府参考人 書類というのはたくさんございまして、例えば事業計画、それから予算書、さらには年度が終われば決算書、さらに豊明会に関しては三十億に関します収支計算書、あるいは本元でございます寄附行為、あるいは豊明会の定款とか、そういったいろいろな書類を指すわけでございます。 さらに、指導の相手でございますが、指導する側は、先ほど担当局長と申しました。指導を受ける方はKSDの理事長以下の役員でございます。
○加藤(公)委員 その指導というのは、ここに、平成八年、九年、二度古関理事長に口頭指導をしたとあります、十年にも口頭指導をしたと書いてありますが、これ以外の話でいらっしゃいますか。
○野寺政府参考人 日にち等は、特に記録に残っているかどうかと言われると私ども弱いのでございますけれども、必要に応じて、この単純に挙げられている期日の前後あるいはそれ以外の期間におきましても常に指導はしているわけでございます。
○加藤(公)委員 そこまで一生懸命指導をされて、書類も見て、それでも改善をされなかったのであれば、過料を科すとか取り消すぞということだって言えるわけですよ。すぐに過料を科せとか取り消せと言っているわけじゃない。ただ、改善が行われないのであればこういうことになるのですよと言うことは十分に可能なわけであります。 最初に申し上げたとおり、KSDの事業が適切に行われているからここには目をつぶるんだなんという理屈は通るはずがなくて、毎月二千円ずつ会員の方は払っているんですよ、百万人以上が。そのお金が流れているんですよ。それがどこに行ったかわからない、政治献金に使われた、こういう話になっているわけですよ。これをどうして適切な事業だと言えるんですか。 これは大臣にお考えを伺います。
○吉川国務大臣 同じ物事でも、とりようによって、また見ようによってはいろいろ違うことがあるはずでございますが、このことについては、私は、適切に行われていると思っております。
○加藤(公)委員 大臣、この問題は、多くの会員の方は怒っていますよ。毎月二千円払っている人が百万人以上いるんですよ。わかっていますか。 中小企業の経営者の方を初め、百万人以上が毎月二千円払っている。お金を集めているんですよ。そのお金が毎年二十億、三十億、福利厚生事業に使われるという名目で豊明会なる団体に移されている。でも、そのお金がどうなっちゃったかわからない。福利厚生事業に使われているという報告を受けていますから、それを信じているのです、疑いを持っていません、そして口頭指導も何度もしました、それなりの改善をしているからこれでいいじゃないですか、こんな話が通るとでも思っているんですか、大臣。 大臣は責任者なんだから、まずいと思えばどんどん指導をすればいいでしょう。もっと幾らでも打つ手はあるのじゃないですか。どうですか、大臣。
○吉川国務大臣 この問題が公になってから、私はもう何回となく労働省の幹部の皆さんとも打ち合わさせてもらって、今おっしゃられますように、不明なところ、それからまだ返事をもらっていないところ、早急にその返事をもらうようにということは、私からも強く指導しておりますし、言っております。
○加藤(公)委員 お話しになっていないので、次の切り口から御質問をしたいと思いますが、今話題になっております豊明会です。 豊明会については、今ずっと申し上げてまいりましたが、KSDの補助金が流れているわけです。それも二十億、三十億という単位です。KSDに入ってくる年間の会費の収入がおおむね二百五十億円と言われる中、その一割以上が豊明会に補助金として移されているわけでありますから、その豊明会についても、その団体が果たして適切なものなのかどうなのか、つまりは、その補助金を出すという事業自体がKSDという財団にとって適切な事業であるのかどうか、これはやはり確認をする必要があると思います。 労働省におかれて、その確認をこれまでされてきたのかどうか、改めて伺いたいと思います。大臣、どうですか。
○野寺政府参考人 事実関係のお話でございますので、私の方からまずお答えを申し上げます。 豊明会というのは、KSDとの関係では、福利厚生事業をやるということで事業をいわば請け負っておるわけでございますが、豊明会自体は任意団体でございまして、これは労働大臣の監督権限の及ぶ範囲ではございません。 ただ、補助金を流している、この補助金がちゃんと使われているか、そういう意味で監督責任があるわけでございますので、その範囲については労働省は監督をしている、こういうことでございます。
○加藤(公)委員 今図らずも、任意団体であるから、労働大臣の、そして労働省の監督下にないという御発言でございましたので、今度は、ではその点を御質問したいと思います。 確かにKSD豊明会は任意団体だと言われてはいます。そこで伺いますが、豊明会は正会員、賛助会員と二つ会員の制度があるようでありますが、豊明会の正会員になるためにはどういう手続を経ればよろしいのでしょうか、吉川大臣。
○野寺政府参考人 これまた事実関係だと思いますので、お答え申し上げます。 豊明会の会員は、KSDに加入している会員事業所の事業主、これは自動的に豊明会の会員になるということでございますが、役員及びその家族というふうにKSDから聞いております。
○加藤(公)委員 局長が随分答弁をしたいようですので局長に伺いますが、今のお話のとおり、KSDに入会をするとそっくりそのまま豊明会の会員に自動的になるわけですね。であれば、KSDに入会はした、でも自分は豊明会の会員にはなりたくないんだ、これは認められるのですか。
○野寺政府参考人 KSDの会員になると自動的にKSD豊明会の方の会員になるということ、これは定款等に書いてあるわけでございまして、入られる方はKSDに入る際にその点を了解した上で入られているというふうに理解しております。
○加藤(公)委員 では、逆に、KSDには別に入会したくないんだ、でも会費のない豊明会の正会員にだけなりたい、これはどうなのでしょうか。
○野寺政府参考人 それは豊明会の問題だと思います。したがいまして、労働省の関知するところではございません。
○加藤(公)委員 では教えて差し上げますが、それは不可能であります。 つまり、KSDと豊明会という二つの団体があって、KSDに入ると自動的に豊明会の会員にもなってしまう、そして、豊明会だけ参加をしたいというときには賛助会員として別に会費を払わなければならない、こういう状態にあるわけです。いいですか。つまり、会員については、KSDの会員も豊明会の会員もほぼ一致をしているわけです。 では、会員が一緒だ、家族の方が入りますからそこだけは違いますけれども、これは家族も強制加入ですからね、こんなことが本当に通るのかという問題はありますが、それはさておき、ほぼ会員が一緒だと。その上で、では、豊明会の会長というのはいかなる手続で選ばれるのでしょうか。
○野寺政府参考人 豊明会の方の会長は、豊明会の方の定款でKSDの方の理事長がなるというふうに書いてあると承知しております。
○加藤(公)委員 ですね。つまり、KSDの理事長古関さんが自動的に豊明会の会長にもなるような、そんな定款になっているわけです。 さらに、豊明会の事務局というのが当然存在をするはずであります。年間三十億円規模の予算を使っているわけでありますから、当然事務局が存在をする。その豊明会の事務局の職員、そしてKSDの職員、この二つを兼務している方はどれくらいいらっしゃるのでしょうか。
○野寺政府参考人 豊明会事務局は、幾つかの部で構成して五部体制、職員五十七名の組織だというふうに聞いております。これは、ことし五月の十七、八日の立入検査の際に、先生御指摘のように、KSDの業務に従事しながら一方で豊明会の業務を行っている職員がいるというふうに私ども認めましたので、これにつきましては早急に解消しろという趣旨の改善勧告を出しております。
○加藤(公)委員 いや、勧告を出したかどうかではなくて、これまで何人が兼務していたのですか、もっと言えば、それは豊明会の職員のうちのどれぐらいの割合なのですか、そういうことです。それをお答えください。
○野寺政府参考人 今申しましたように、職員数五十七名のうち、かなりの者が兼務しているというふうに聞いております。
○加藤(公)委員 かなりと言ってお茶を濁していらっしゃいますが、聞くところによると一〇〇%一緒ではないか、また、オフィスについても全く別々にはなっていないではないか、こう指摘をされているわけです。確かに改善勧告を出されたという事実は存じ上げておりますし、また、その後の回答で、オフィスがすぐに移せないからパーティションで区切りましょう、そんな中途半端な回答が来たことも存じ上げてはおります。 しかし、今日に至るまで、この返事が来るまで、この長きにわたって、豊明会の会長はKSDの理事長が自動的になる、会員も自動的になる、職員も一緒だ。ここまで一緒なのですよ。さらに言えば、豊明会には三十億円近い補助金が出されていて、実はそれが豊明会の運営経費の大半を占めているわけです。どれくらいだか御存じですか。
○野寺政府参考人 例えば、補助金の額が三十億程度でございますが、豊明会の自前収入というのは二億数千万でございます。
○加藤(公)委員 そのとおりでありまして、毎年九割以上、大体九二%から九三%ぐらいがKSDからの補助金によって運営をされている団体なわけです、この豊明会というのは。 それで、理事長、会長一緒、職員一緒、会員一緒、そして運営経費の九二、三%が豊明会からの補助金だという中で、本当にこれが別の団体だと言えるのかどうか。表向き、その財団の方でこれは別の任意団体ですからと言われたからといって、はいそうです、わかりましたと言えるのかどうか、どうお考えですか。これは事実関係ではなくて、どう認識をされるか、大臣に伺いたいと思います。
○吉川国務大臣 豊明会は任意団体であり、独自の定款を持ち、都道県に専門部、女性部、青年部等の組織を持ち、会員相互の親睦あるいは福利厚生というようなものをやっているわけでございますので、これは同一視するということにはならぬと思うのですね。
○加藤(公)委員 いいですか。今何回も言ったでしょう。KSDの理事長が豊明会の会長に自動的になるように、これは別々に選ばれてたまたまなったんじゃないんですよ、定款にそう書いてあるんですからね。だれがKSDの理事長になっても必ず豊明会の会長になるんですよ、ルールがそう書いてあるんだから。会員も自動的になるんですよ、これも書いてあるんです。それで、補助金で九割二分から九割三分運営をされているわけですよ。 さらに言えば、豊明会の資産、毎年三十数億円あるいは三十億円前後になるんでしょうか、この豊明会の資産は一体だれが管理をしているか、大臣は御存じでしょうか。(発言する者あり)事実関係じゃない。大臣が知っているかどうか聞いているんですよ。
○吉川国務大臣 KSD豊明会は任意団体でありまして、労働省の監督権限は及ばないため財産目録の提出を行わせていないことから、KSD豊明会の財産については労働省としては承知しておりません。
○加藤(公)委員 財産目録なんか要らないんです。これは豊明会の定款に書いてあるんですよ。今局長が持っていらっしゃったじゃないですか。これは会長が管理をすると定款に書いてあるんです。 つまり、豊明会の財産、資産というのはKSDの理事長一人で管理をするというふうに定款に書いてあるんですよ。これでは好き放題やれるということじゃないですか。これでもまだ任意団体だと言えますか。 いいですか。KSDの理事長が即そのまま豊明会の会長、会員もそっくり同じ、運営経費は九割二分から三分がKSDからの補助金、しかもその経費、資産についてはKSDの理事長が管理できるようになっているわけですよ、定款でつながっているんだから。大臣、これでもまだ別々の独立した法人だと言えるんですか。
○野寺政府参考人 確かにKSDと豊明会は大変密接な関係にございますし、KSDがなければ豊明会はそもそも存在しないということでございます。それは、KSD本体の一番重要な事業の一つである補償事業あるいは福利厚生事業、そもそもその福利厚生事業をやるということが中心になってできた団体であるというふうに承知しておりますので、したがって、KSDからの補助金が収入の大部分を占めるということはあり得るわけでございます。だからといって、これは別団体であるというふうには考えておりません。ごめんなさい、別団体であると考えております。
○加藤(公)委員 本音がぽろっと出た。局長もかわいそうだなと思いながら、そうはいっても質問は続けますが、幾ら局長がそう突っぱねても、何度も言いますけれども、理事長、会長が一緒、会員一緒、九割二分補助金、それでその資産はすべてKSDの理事長が管理をすると定款に書いてあって、別々の法人のわけないじゃないですか。これは明らかに一体なんですよ。 しかも、豊明会のほかの役職員は会長指名ですよ、定款を見ると。わかりますか。任意団体だといいながら、KSDの理事長につくと豊明会の役員を全部決められるんですよ。それで資産を全部管理できるんですよ。定款にそう書いてあるんですよ、お持ちだと思いますけれども。よく読んでください。 つまり、KSDの理事長につけば、豊明会という名の任意団体らしき団体を使って、そこに移した補助金を自分の好きなように使っていい、こう書いてあるわけですよ。これで、別々の団体だ、別々の団体で福利厚生事業をやっているからそこに補助金を出すことはオーケーなんだ、これは幾ら何でも通らないんじゃないですか。 しかも、先ほど来御指摘しているように、その補助金の使途がどうも不明瞭だ、怪しいという疑惑がもう六年も前から今の事務次官が認識をされていて、それで今日まで改善をされていない。先ほど申し上げたように、過料だって、あるいは設立の取り消しだってKSDに対してはできるわけで、それを全くせずしてここまで来たということに関して、これはやはり指導監督の責任を感じられているんじゃないかと思います。大臣、どうお考えですか。
○吉川国務大臣 労働省といたしましては、KSDに対し必要な指導を行ってきたにもかかわらず、今般KSDが捜索を受けたということは極めて遺憾であり、その管理体制に問題があったことを真剣に受けとめております。 今後は、捜査の推移を見守りつつ、これまで労働省が改善を勧告してきた事項やKSDが本年十月十八日に発表した改革方針の必要な改革をKSDが確実に実施し、公益法人として適正な運営が行われるよう、厳しく指導していく必要があると考えております。
○加藤(公)委員 今さら厳しくなんて言っている場合じゃないでしょう、大臣。何度も言うけれども、平成六年に補助金が怪しいと今の事務次官が言っているんだから、六年たっているんですよ。 平成八年に閣議決定されて、適切に使われなかったら公益法人に対して強力な指導をしなきゃいかぬ。もう三年たっちゃいましたよ、三年以内にという経過措置まであったのに。その経過措置の期間に何もしていないじゃないですか。口頭で指導して、変わりませんでした、ちょっとずつそれなりによくなっているからまあいいかと。その間に会員の皆さんは毎月二千円ずつ会費を払っているんですよ。毎年二百五十億円ずつKSDに入って、三十億円ぐらいが豊明会に移っているんですよ。どう思いますか。もし大臣が会員だったらどうお考えになりますか。許せないでしょう、こんな話。しかも、それが政治献金としてどんどん流れている。 いいですか。豊明会の定款には、政治団体を支援するということが明らかに書いてあるんですよ。さっき申し上げたように、実際問題として、財団と任意団体と称している豊明会は、ほぼ一〇〇%一致をしているわけですよ。その任意団体と称している豊明会の定款の中に、豊政連を支援するんだということが明らかに書いてある、政治団体を支援するということが。つまり、これは財団が特定の政治団体を支援すると言っているのと一緒じゃないですか。どう思われますか、大臣。
○野寺政府参考人 何度も申し上げておりますけれども、豊明会とKSDの関係というのは、福利厚生事業を請け負ってそれをやるという関係でございまして、豊明会自身がどのような活動をするか、それは労働省の関知するところではございません。 先生御指摘のように、豊明会の定款には、政治活動をするという趣旨のことが書いてあるわけですけれども、会員の方は当然それを御承知の上で今日まで会員を続けているんだというふうに思っております。
○加藤(公)委員 局長、会員の方に会って聞いてきたらどうですか。百七万人、本当にそれで納得するかどうか。はっきり言って、そんな話だれも納得しませんよ。 局長が平成六年に今のポストにいらっしゃったわけじゃないから、僕はあなたをいじめるのは趣味じゃないですよ、はっきり言って。かわいそうだなと思うよ、本当に。ただ、最初に言ったけれども、労働省は今の雇用環境の中で物すごく期待を集めているわけですよ。責任も重いわけ。だから、こうやって委員の先生方が集まって、何とか雇用情勢をよくしようと言っているわけですよ。 KSDの問題が発覚してしまった。起きた。だったら、もっと適切に処理をして、もっとスピードアップして問題を解決したらいいじゃないですか。それこそが大臣のリーダーシップじゃないんですか。僕は、大臣というのは、行政の責任者としてそこに座っていらっしゃるんだから、問題が発覚して、それからレクチャーを受けました、そんなことを言っている場合じゃないでしょう。 もう一つ問題点を指摘しておきます。 評議員の制度について、労働省からも指導をされているというふうには聞いておりますが、今回の一連の問題を見ておりますと、豊明会の定款、先ほど申し上げた財団との一体化という問題も含めて、理事長、つまり古関氏でありますが、KSDの理事長のポストにつくと、KSDと豊明会を、そしてまたその財産を自由に動かすことができるようになっているというこの仕組み自体に大きな問題があるわけです。では、その理事長が一体どうしてそんなに独走してしまうのか、独断で事を運べるのかというと、評議員及び評議員会が設置をされていないというところにも大変大きな問題があるんではないかと思います。 先ほど申し上げました平成八年九月二十日の閣議決定以降、評議員を置くべきだ、即刻評議員会を設置すべきだということを指導すべきだったと思いますが、いかがでございますか。
○野寺政府参考人 これに関しましては、平成十年に、先生御指摘の評議員及び評議員会を設置しろという趣旨の改善勧告を文書で出しているわけでございます。
○加藤(公)委員 私が伺ったのは、平成八年九月二十日に閣議決定がされた、すぐに取り組むべきではなかったのですかと。先ほども申し上げましたが、経過措置三年間というのが設けられて、三年というと平成十一年の九月十九日でしょうか二十日でしょうか、平成十一年までには改善をさせなければならなかったはずでありまして、なぜに二年間も放置をされていたのですか、明確にお答えください。
○野寺政府参考人 この閣議決定は先生御指摘の期日に決定されておりまして、その後、定期的な監督の際に、口頭でございますけれども、評議員会を設置しろということを言っているわけでございます。ただ、文書でその点を勧告したのが平成十年七月三十日、こういうことでございます。
○加藤(公)委員 何度も言いますけれども、口で言ったからいいとか、文書で出したから指導しているんだ、そういう問題じゃないと思うのですよ。大きな問題があるのがわかっていて、改善しなければならないのだったら、結果を出さなければ、改善しなきゃしようがないじゃないですか。何度も言うけれども、その間にも常に会費は払われ続けているのですよ、百万人から。その払っている人たちの気持ちになれば、これは問題だと思ったら次の日にでも改善させるべき話じゃないですか。次の日にやれと言ったって無理かもしれない。でも、一カ月、二カ月、三カ月とあればできる話でしょう。別に難しいことじゃないはずですよ。 そもそも、あるのが当たり前のものがなくて、さっき言ったような定款で、古関理事長が好き放題できるような仕組みになっているんだから、それを改善させるというのは当然のことじゃないですか。それをなぜ二年間放置してきたのかといえば、何かほかに理由があるとしか思えないわけですよ。どこかから圧力がかかったとか、何かわけがあってやりたくなかったとか。局長、その辺御存じなんじゃないですか。
○野寺政府参考人 先生が何を示唆しておられるのか、私、全くわかりません。 ただ、この評議員会の設置は内閣で決めたことでございますので、形はどうであれ、労働省としてはきちんと設置することを指導しているわけでございます。
○加藤(公)委員 だから、指導したって、あなた方が口で言おうが文書を出そうが、そんなの関係ない。結果として変わってないのだから、やっていないのと一緒なんですよ。何も省庁と公益法人の関係を民間企業と同じように考えようとは言いませんよ。ただ世の中では、問題がありました、ここを直そうと思っているんですよ、直せ直せと言っているんですよ、何年たっても直っていない、これを直したといいますか。結果が出ていなかったら何もやっていないのと一緒じゃないですか。 閣議決定だって、三年後までに必ずやるようにということで出ているわけですよ。経過措置ですよ、その三年だって。本当はすぐやらなきゃいけないものを、場合によってはすぐできないかもしれないから、経過措置として三年以内にというふうに書いてあるわけであって、それを、口でそのたびごとに言いました、そんなので筋が通るわけないじゃないですか。 局長、なぜ二年間も放置したのか、もう一回明確に答えてください。
○野寺政府参考人 今お答えしましたように、放置したということではございません。 確かに、結果として設置されなかった、それは事実でございます。ただ、KSDに関してはいろいろな観点からの、口頭指導あるいは文書による指導等を行ってきているわけで、例えば、それらすべてについて全く改善が見られないということであるならば、先生がおっしゃるとおり、最終的な措置の発動もあり得たかもしれません。ただ一方では、指摘されたことについてそれなりの改善も図っているわけです。したがいまして、私どもとしては、KSDはある意味では善意である、したがって例えば一つや二つ欠点があったからといって、直ちにこれを取り消すというのはおかしいのではないかと思っております。
○加藤(公)委員 一つや二つ欠点があったからという割には余りにも大きいんじゃないのですか。評議員会がない、評議員がいない、あるいは補助金の使途が不明確だというのは、これこそが問題なのです。ほかは改善された、今ここで言うと時間がなくなってしまいますからと言っていましたから、では、一個だけ教えてください、何が改善されたんですか。
○野寺政府参考人 一つ申し上げますと、例えば事務処理に伴います補償費の支給、不支給に関する事務処理規定が、必ずしも私どもの目から見て十分ではなかったということを平成五年に指摘しておりますけれども、これは指摘二カ月後に改善されております。
○加藤(公)委員 それは筋が通っていませんよ。 僕が言っているのは、平成八年九月二十日に閣議決定されたのに、なぜその後強力な指導をしなかったかと言っているのだから、平成八年九月二十日以降、何が変わったかを答えなかったら意味ないじゃないですか。一つだけ答えてください、平成八年九月二十日以降。
○野寺政府参考人 先生の御指摘の一つの重要な部分でございました、KSD本体と豊明会の役員の兼務の解消、これについては解消されております。
○加藤(公)委員 役員が解消したと言いますけれども、理事長、会長は一緒じゃないですか。この間古関さんがやめるまで一緒だったじゃないですか。それで解消されたのですか。
○野寺政府参考人 理事長は確かに、この前やめてしまったわけで、これは解消も何もないのですけれども、基本的に、ほかの兼務していた役員、これは兼務を解消しております。
○加藤(公)委員 それも平成八年からすればたっぷりと、のんびりのんびり時間をかけて、解消される前にやめちゃった。事件が起きたからやめちゃったんですよ。結局、事件が起きるまで解消されていないということじゃないですか。 それであって、さっき申し上げたように、巨額の補助金がどう使われたかわからない。そして、明らかに一体となっている団体にそれがどんどん流れている。大きな問題があったわけですよ。それをもっともっと厳しく指摘をして指導をしていれば、何も無理やり過料を科せとか、無理やり取り消せと言っているわけじゃないのです、そういう手段だってあるのだから、直そうと思えば直せたはずだ、こういうことを私は指摘をしているわけです。 さらに言えば、古関理事長には七千二百万円ほど年間の報酬が支払われています。長男には二千三百万円と聞いています。余りにも高額な報酬じゃないかと思いますが、この点、大臣はどう御認識されていますでしょうか。
○吉川国務大臣 平成八年九月二十日に閣議決定されました公益法人の設立許可及び指導監督基準においては、具体的な額についての定めはありませんけれども、「常勤の理事の報酬及び退職金等は、当該法人の資産及び収支の状況並びに民間の給与水準と比べて不当に高額に過ぎないものとすること。」とされております。 今後は、この指導監督基準をも踏まえながら、役員報酬の額に関する指導のあり方について十分検討してまいりたいと思っております。
○加藤(公)委員 十分検討するなんて悠長なことを言っている場合じゃないんですよ。どことどう比べたって、財団の理事長が七千二百万円もらって、それが適切かどうかなんていう額ではないじゃないですか。皆さんもらっているんですか、七千二百万も。そんな給料だれがもらえるの、普通に働いていて。明らかに高額でしょう。 その七千二百万円、では、だれが決めているか知っていますか。どうやってその報酬を決めているか。大臣、御存じだったら御答弁ください。知らなければ知らないと言ってください。(吉川国務大臣「知りません」と呼ぶ)
○野寺政府参考人 事実関係だと思いますので。これは恐らく理事長が決めて、そして役員会でそれを了承しているというふうに思います。
○加藤(公)委員 そうなんですよ。理事長の報酬、理事の報酬を理事会で決めているのです。お手盛りじゃないですか、そんなの。本来はそういう独走を防ぐために評議員会が必要なんですよ。それがないんだから。自分たちで自分たちの報酬を決めて、しかもさっき言ったように、理事長が任意団体と言われている豊明会の会長も自動的に兼務をして、そこの資産はその会長が管理をするというふうに定款に書いてある。好き放題お金を使えるような仕組みになっているわけです。 皆さんは、豊明会は別法人で、そこには福利厚生事業を委託しているから、きちんとやっていると答えているからそれでいいんだと。こんなのだれ一人国民は納得なんかするわけないんです。 問題は、何度も言いますけれども、二千円ずつ月々お金を払っている会員の方がいらっしゃる、その会員の方々はこんなお金の流れをさせてほしいと思って会費を払っているわけじゃないわけです。既に平成六年に今の事務次官が、おかしい、これは何とかせにゃいかぬと認識をして、六年間、幾ら口頭で指導しようが文書を出そうが、全く改善されていないんですよ、この根本的な問題については。いいですか。これはあくまでも、任意団体だからいいんだという問題じゃなくて、そこに流れている、つまりKSDの事業としてのこの二十億から三十億のお金自体に問題があるんです。 大臣はさっきから作文を棒読みされているから答えは期待できないけれども、この後、この大きな問題をいかに国民の皆さんのもとに明らかにして、責任をはっきりとさせて処理をしていくのか、いつ、だれが、どういう形で責任をとるのか、その点も含めて御答弁をいただきたいと思います。
○吉川国務大臣 まだ捜査当局の詳しい事実関係については私は承知しておりませんけれども、独自の、労働省内部の幹部との打合会におきましては、中身までは言っていませんけれども、私の決意のあるところは皆さんに申し上げてあります。 まず事実関係をよく調べなけりゃならぬと思うのでして、大変出方も遅いと思っております。
○加藤(公)委員 何を答えているんだか、日本語がわからないよ、本当に。 もう時間になったから終わりますけれども、大臣は、国会議員として国民に選ばれて、国民の代表として労働行政の責任者に立っているんですから、もうちょっと自覚を持ってもらわなきゃ困るんですよ。七月、八月の臨時国会だって、いずれ私の任期も年内いっぱいでしょうからなんということを言っていたけれども、そんなこと言っている場合じゃない。わかりますね。こんな若造にこんなことを言われたら腹も立つでしょう。そう思ったら、早くこの問題を明らかにして、解決してください。いいですね。 すべての事実を明らかにして、百万人を超える会員の皆様に、指導が足りなくて申しわけなかった、今後は絶対こういうことがないようにこういうふうに責任をとりました、こういう発表を近日中にしていただけるように強く要望して、質問を終わります。
○大石委員長 午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十三分休憩 ————◇————— 午後一時二分開議
○大石委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。大島敦君。
○大島(敦)委員 民主党・無所属クラブの大島敦です。 八月には臨時国会で、吉川大臣より私のファミリー・サポート・センターについて答弁していただきました。まことにありがとうございました。 きょうは、午前中の加藤公一議員のKSD問題を私も取り上げたいと思います。 まず大臣に質問したいのですけれども、KSDのようなずさんな労働省の認可財団というのは、ほかにありますでしょうか。
○吉川国務大臣 私はこの労働委員会関係の担当をさせてもらうことになってから日も浅いですし、その前からもこんな事件は聞いたことがございません。
○大島(敦)委員 ありがとうございます。 まず金融庁の方に伺いたいのですけれども、KSDの業務につきまして、信用金庫及び信用組合が入会事務あるいは代理事務を行っていると伺っておるのですけれども、どのような経緯でできるようになったのでしょうか、御説明お願いいたします。
○宮本政務次官 お答え申し上げます。 平成七年の三月、大蔵大臣の告示で、信用金庫及び信用金庫連合会が業務の代理を行うことができる者を指定する件、それから信用協同組合及び信用協同組合連合会が業務の代理を行うことができる者を指定する件、これの改正がございまして、信用金庫、信用組合は、信用金庫法の第五十三条それから中小企業等協同組合法第九条の八第二項に定める事業として、KSDの業務の代理ができるということになりました。 なお、当然のことですけれども、法令上、信用金庫それから信用組合が代理業務として行い得る業務は、信用金庫それから信用組合がみずからの事業として行い得る事業、これに限られておりまして、いわば金融的なものに限られて代理業務ができる、こういうことになった次第でございます。
○大島(敦)委員 具体的にKSDのどの部分の代理業務を信用金庫あるいは信用組合が行っているのでしょうか。
○宮本政務次官 信用金庫あるいは信用組合は、今申しましたように金融的な業務ということに限られるわけでございますが、KSDの業務の中で、中小企業における災害防止のための機械、設備等の資金の借り入れに係る債務保証、これをやることでございます。
○大島(敦)委員 それでは労働省、吉川大臣に伺いたいのですけれども、KSDは、この財団の中で災害補償共済事業を行っているのですけれども、その中に債務保証制度がございます。これは年間何件ぐらい債務保証が行われているでしょうか。
○野寺政府参考人 事実でございますので、私どもからお答え申し上げます。 債務保証でございますけれども、KSDの債務保証審査委員会で審査されているという形でございますけれども、その審査された件数は、平成七年で二件、平成八年三件、平成九年二件、平成十年四件、十一年で五件という数字でございます。
○大島(敦)委員 これが今話題となっておりますKSDの入会募集のパンフレットでございます。このパンフレット、私、KSD会館に行きまして、会館といっても千葉県の会館ではなくて墨田区の会館の方に行きまして、そこでいただいてきました。 中身を見ますと、KSDの業務としていろいろとうたってあるわけなんです。一つとして、まず、最高六千万円、死亡時には二千万円のごく普通の災害あるいは傷害保険の部分。そして、ここに災害防止事業として結構大きくうたってあるわけですよ。この中に、災害防止事業として、KSDは企業に対しての債務保証を行いますよという記載がございます。 これは、中小企業の方が今この時点で見たとしたら、非常に魅力を感じるわけですよ。お金が借りたくても、しようがない。これを見たら、やはり二千円払って、銀行にKSDが債務保証してくれるんだったら入ろうと思うのが当然だと僕は思うのですよ。 今の何件ぐらいあるかという問いに対しては、二件とか三件とか四件とか五件とか。会員が百万人を超えるのにこれしかないということは、会員募集のこのパンフレットはインチキであると私は考えるのですけれども、労働大臣、御感想をお聞かせください。
○野寺政府参考人 制度がちゃんとございまして、そのとおりPRされているにもかかわらず、申請が、先生御指摘でございますが、比較的少ないというのは、それは私どもの関知する問題ではないと思います。
○大島(敦)委員 もう一つ、金融庁の方に伺いたいのですけれども、このような募集行為というのは、誇大広告として法律上の違反にはならないのでしょうか。
○宮本政務次官 御質問の趣旨が、私の理解では、そういった広告といいますか、そういうことが違反にならないかという意味でしょうか。(大島(敦)委員「はい」と呼ぶ) 信用金庫なり信用組合がいろいろ勧誘をしたりすることがあるわけでございますけれども、それぞれ具体的にどういうケースなのか、これは個別的に見てみないと一概にはコメントできないわけですけれども、強いて一般論という形で言わせていただくとすれば、金融機関が勧誘を非常に積極的にやる、あるいはまた組織的に、集団的に、しかも反復継続してしつこくやるとか、またそれに対する対価をいただくとか、そういったことになりますれば、これはやはり金融機関としての本来の業務またはそれの付随業務ということに違反する可能性が出てくるかなというふうに思うわけでございます。 いずれにいたしましても、個別に判断をしていかなければいけない問題かなというふうに思う次第です。
○大島(敦)委員 今の問題は独占禁止法等の問題があると思います。 そして、これはKSDの平成七年の事業報告書、決算書なんですけれども、その中に、提携金融機関の拡大ということで、非常に多くの地銀あるいは信用組合、信用金庫が会員増強体制を強化したというような記述がございまして、恐らく、このような年間二件とか三件とか五件しかない債務保証をPRすることによって、いろいろな中小企業の方が金融機関に来られて、これはどういうふうになっているのかと説明を求めると思うのですよ。そのときに募集行為が行われた可能性があると私としては考えております。 金融庁の方に伺いたいのですけれども、そのようなことを調査する予定はございますでしょうか。
○宮本政務次官 具体的にいろいろな問題が出てまいる、あるいはまた国会のこういった場で具体的にこういうケースがあるというふうな問題が出てくるようでありますれば、これは我々としてもそういった問題について調査をさせていただきたいと思いますけれども、一般的に調査を予定しているわけではございません。
○大島(敦)委員 これだけ大きな問題になっているKSDでございまして、きょうの朝日新聞を見ましても記事が取り上げられておりまして、政府としては、このKSDの問題に関しては、金融当局もその実態についてやはり調査をする必要があると考えておりますが、いかがでしょうか。
○宮本政務次官 せっかくの御指摘でございます。 確かに新聞でも報道されているような次第でございますし、十分な関心は持っている次第でございますけれども、金融庁といたしましては、信用金庫あるいは信用組合の業界団体、全国信用金庫協会あるいは社団法人全国信用組合中央協会、こういうものが中央団体としてございますので、そういった協会に対しまして、両業界における指摘されているような実態についてヒアリングをしているような次第でございます。 具体的には、個々のケースというところまで行きませんで、やはりそういう中央団体に対して我々としてもヒアリングをしておりますし、両中央協会としても、自主的に傘下の金融機関に対してアンケート調査を始めたというふうに承知をいたしております。
○大島(敦)委員 労働大臣にお伺いいたします。 このKSDの理事に大蔵省の出身者の方はいらっしゃいますでしょうか。
○吉川国務大臣 一人おられます。
○大島(敦)委員 この大蔵省出身の理事がどうしてKSDにいるのか、その辺の経緯を知りたいと思います。吉川大臣あるいは金融庁の方、わかりましたら御答弁お願いします。
○野寺政府参考人 これは、それぞれどこの省庁の場合も同じでございますが、KSDの方から、かくかくしかじかの能力がある人を紹介していただけないかというお話をいただきまして、そういうお話があった際に適当と思われる方を御紹介するということでございますので、大蔵省の場合もそうではないかというふうに思います。
○大島(敦)委員 それでは、若干質問を変えます。 KSDは公益法人なのですけれども、関連会社を設立して、同社役員に親族が就任しております。誤解を招くと思いますが、労働大臣、いかがでしょうか。
○野寺政府参考人 同族の方とおっしゃいましたけれども、関連会社、例えばケーエスデーブライダルであるとか、幾つかあるわけでございますけれども、そういうところでどなたが役員なりあるいは社長なりをやっておられるか、これは行政の関知するところではないというふうに考えております。
○大島(敦)委員 この件につきまして、この質疑に当たって労働省の方に一応確認したところ、そのような資料はないと言われましたので、私の方で登記簿謄本をとらせていただきました。各関連会社がございまして、これはおとといの時点なのですけれども、一応各社の登記簿謄本を見ますと、非常に不思議なことに、この問題が問題になってから、十月に、親族の各役員の方が、ケーエスデーツーリスト、あるいはケーエスデーカードサービス、ケーエスデーエージェンシー、そしてまたケーエスデー友の会、ケーエスデーエンタープライズ等、皆さん辞任されておりました。 ところが、まだ二つほど辞任されていないところがございまして、一つが、ケーエスデー福利厚生協同組合、これはまだ古関忠男が理事長になっております。もう一つ、ケーエスデーブライダルという会社がございまして、これは、KSDが大体二億円から三億円、毎年ブライダル用の衣装を購入して、その管理を任せている会社なのですけれども、土屋茂義氏がまだいらっしゃいますし、古関知津子氏もいらっしゃいまして、この辺がどうなっているのかなというところを伺いたいのですけれども、労働大臣、お願いいたします。
○野寺政府参考人 先ほどお答え申し上げましたとおり、関連会社の社長なり役員なりに親族がおられて、それがやめられたかどうかといったようなことは、行政当局の関知するところではございません。
○大島(敦)委員 これは非常に大きい問題でございます。午前中に加藤委員からありましたように、KSDとKSD豊明会、これはほぼ同じ団体になっておりまして、そこの役員を兼ねていらっしゃる方がまだ代表として残っておるということは非常に奇異な感じがいたしております。 伺いたいところをちょっとまた変えまして、KSDの古関氏が辞任されたのは何月何日でしょうか。労働大臣、お願いいたします。
○野寺政府参考人 古関会長がKSDの会長を辞任されたのは十月七日であるというふうに承知しております。
○大島(敦)委員 十月七日に辞任されて、古関氏に退職金は支払われておりますでしょうか。
○野寺政府参考人 退職金は支払われておりません。
○大島(敦)委員 どうして退職金は支払われていないんでしょうか。
○野寺政府参考人 まず、KSDの寄附行為の中に役員の退職金に関する規定というものはございません。その上で、今回の辞任に至る経緯というものもございまして、これは、当然ながら退職金の支払いはないということであるというふうに承知しております。
○大島(敦)委員 同じタイミングに古関氏の長男の専務理事が退任されておりますが、この方についても退職金の支払いはあったんでしょうか、なかったんでしょうか。
○野寺政府参考人 この場合も退職金の支払いはないというふうに承知いたしております。
○大島(敦)委員 それでは、今後この両名に対する退職金の支払いはないと考えてよろしいでしょうか。
○野寺政府参考人 最終的な意思決定をなさるのはKSD本体の問題であると思っております。ただ、私ども監督責任を全うする立場から申しますと、支払いをするということになれば、そういうことがあってはならないというふうに考えております。
○大島(敦)委員 今回、古関氏が辞任いたしまして、新しい理事長に前副理事長の小山氏が就任したんですけれども、平成五年から専務理事に就任して以来、古関元理事長の暴走をとめられなかったわけです。どうしてこういう方が古関氏がいなくなって理事長として就任するのか、その辺のところ、御説明をお願いします。
○野寺政府参考人 現在のところ、副理事長の小山という者は理事長にはなっておりませんで、副理事長のままでございます。 なおかつ、いろいろ巷間騒がれておりますような事態、特捜部の捜査もあったようでございますが、そういったようなこととかございますので、現在いわば緊急対応しているという状態であろうと思いますので、将来、いつの日か、経営がもとに戻り、不正が全部明らかになるというような事態がもしございますれば、その時点で当然辞任なさるのではないかなと思っております。
○大島(敦)委員 労働大臣にお伺いいたします。 古関氏が叙勲を受けていると思うんですけれども、その事実はございますでしょうか。
○吉川国務大臣 お尋ねの古関忠男氏は、平成五年の秋、藍綬褒章をいただいております。
○大島(敦)委員 先ほどの御答弁の中で、要は、KSDが各役所の方に対してこういう人が欲しいということで、適任者をノミネートして来ていただくというような御説明がございました。 この役員の中に総理府の賞勲局の審査官の方がいらっしゃるんですけれども、KSDの業務とこの褒章というのは関係あるんでしょうか。
○野寺政府参考人 それは、KSDの方の御判断であろうかというふうに考えます。
○大島(敦)委員 KSDの仕事の福利厚生の中で、やはりKSDの会員の方にこのような叙勲の働きかけをするような機能があると見ても、これはなかなか否定できない点があると思います。 KSDの会員の中で、叙勲、褒章を受けた方というのは何人ぐらいいらっしゃるんでしょうか。
○野寺政府参考人 会員の方は百万人いらっしゃるわけですから、その方たちの中にそういう方がいらっしゃるかどうか、私、存じ上げませんが、ただ、先生の御質問に関連して申し上げますと、KSD自体は、例えば災害補償の関係で、会員の事業主が災害補償に大変功績があったというような場合に表彰をされております。こういった内部の表彰制度もあるということをどうぞお考えいただきたいと思います。
○大島(敦)委員 内部の報奨制度と国が認定するような叙勲とかこういう制度とは、全然考えが違うと思います。 関連で御質問したいんですけれども、先ほどのKSDの業務の中で、もともと本来業務である災害補償共済事業というのが三〇%、三割だよという押さえがあるんですけれども、これはどういう経緯でこういうふうになったんでしょうか。労働大臣あるいは金融庁の方に御説明を求めます。
○野寺政府参考人 そもそも、KSD本体自身が寄附行為の中でどんな事業をするか定めているわけでございますが、災害補償もその一部、それから福利厚生もその一部、災害防止もその一部、人材の育成等々多角的な事業をやっておりますので、予算的に見ましても、災害補償の部分はその一部であるということは当然あるわけでございます。
○大島(敦)委員 この災害補償というのは保険事業、損保の事業に近いと思うんですけれども、金融庁に伺いたいんですけれども、このような損害保険の事業を始めるに当たって、どのような手続、あるいは毎年どのような監査が行われているのか、伺いたいと思います。
○宮本政務次官 お答え申し上げますけれども、保険業ということになるかどうかあれなんですけれども、KSDの災害補償共済事業、それから災害防止事業、あるいはまた福利厚生事業などをKSDとしては一体としてやっておられるわけでございまして、そういう意味で、全体としてやられている中の一部でございまして、事業自体が保険事業に当たるというふうには思いません。
○大島(敦)委員 私の質問の答えではないと思うんですけれども。一般的な話として、金融庁が保険業を認可する際の要件、非常に専門性があると思うんですけれども、要は素人ができる事業じゃないと思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。
○浦西政府参考人 手続の関係でございますので、答えさせていただきます。 保険業に規定いたします保険業を行うためには、保険業法の三条の免許が必要でございます。免許の基準といたしましては、契約者保護とか保険数理が正しく計算されているか等の観点から、その財産的基礎、人的基礎等の観点からその申請者が適切かどうかを判断いたします。 それから、免許された後でございますが、その保険業者に対しましては、必要に応じて検査等は行われております。
○大島(敦)委員 KSDの災害補償共済事業、これの定款はほとんど災害保険の定款と同じでございまして、労働省でこのような事業を審査できる、例えば保険数理人あるいはアクチュアリー、そのような機能というのは持っていらっしゃるんでしょうか。
○野寺政府参考人 労働省は二つの保険事業をやっております。一つは、雇用保険、失業保険ですね。もう一つ、私の局で労災保険をやっております。 労災保険というのは、労働者に事故があった場合にその災害を保険するということでございまして、事業主には基本的に適用がないわけでございますが、この部分をおやりになるということでございますので、そういう意味で、私ども行政としては、この保険に似通った部分が大分ございますので、そういう意味で専門的な判断を若干させていただいたというふうに承知しております。
○大島(敦)委員 若干違う観点からなんですけれども、きょう午前中の加藤公一委員の質問の中で豊明会の御質問がありました。豊明会の会計について基準局長に伺いたいんですけれども、豊明会の事業のうち、例えば平成十年度の役員活動費の金額と地方役員会議費の金額を教えていただけるとありがたいんですけれども。
○野寺政府参考人 平成十年の役員活動費は四億六千万でございます。それから、地方役員会議費三億五千五百万という数字でございます。
○大島(敦)委員 この平成十年の当期の支出のトータルが大体三十三億円でございまして、そのうちの八億円が会議費とか役員費ということで支払われている。これはほとんど三十億円のうち三分の一をお手盛りで配っているとしか言えないと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○野寺政府参考人 役員が福利厚生事業等々を請け負って、それをやる際に必要な活動費というふうに理解しておりますので、基本的な問題はないというふうに思います。
○大島(敦)委員 この役員の活動費については、先般の新聞で、国税庁が一億円の追徴課税をしているわけですよ。要は、大体五億円弱を、全国の役員の方に三千円、数千円ずつ配っている、これは所得じゃないかということで追徴課税を受けているわけですよ。今の御説明ですと問題ないというお話なんですけれども、これは問題があるから追徴課税を受けたと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○野寺政府参考人 今の件は、国税の方で、これは所得であるというふうに御判断なさって、そういう意味の課税があったんだというふうに漏れ承っておりますが、役員がその業務の遂行上いろいろな活動をなさる、それに伴って費用が払われる、こういう関係でございますので、税金の方はともかく、この費目として問題があるというふうには考えておりません。
○大島(敦)委員 時間がもったいないので、最後にこの件について伺いたいんですけれども、三十億円のうち八億円、約三分の一がこういうような費用として使われてしまっている。運営費とか諸会議費を含めれば十四億円ですから、ほぼ半分が福利厚生というよりも役員の活動費として使われてしまっている。これに関して、労働省としては全く問題がないという問題認識なんでしょうか。
○野寺政府参考人 そういうことでございます。
○大島(敦)委員 私、サラリーマンから直接国会議員になりまして、五カ月前までは普通のサラリーマン生活をしておりまして、どうもこの辺の感覚というのが普通の人の感覚とは大分違うなという印象を受けます。 私、今回、KSDに関しまして、この資料もKSD会館までとりに行ったんですけれども、周りのビルもちょっと訪問してみたんですよ。そうすると、KSD会館の隣のビルには、ケーエスデーカードサービス、ケーエスデーエンタープライズ、ケーエスデー福利厚生協同組合、KSDのもう一つ隣のビルには、ケーエスデー商事、中小企業国際人材育成事業団、ケーエスデーツーリスト、そしてまた、シティコアというさらに向こうのビルには、ケーエスデーエージェンシー、国際技能振興財団、ものつくり大学設立準備財団ということで、KSD会館の周りというのは、ほぼKSD村なわけですよ。 その中で、たまたま中小企業国際人材育成事業団というのがございましたので、ちょっと調べてみました。中小企業国際人材育成事業団の前理事長である古関氏、これもまた古関氏が理事長をやっているんですけれども、これの報酬はお幾らでしたでしょうか。
○日比政府参考人 平成十一年度の数字で申し上げます。平成十一年度、古関理事長の報酬は三千万円でございます。
○大島(敦)委員 古関理事長が退任に当たって、退職金のお支払いはあったでしょうか。
○日比政府参考人 退職金でございますが、これは実は退職金に関する定めがございますが、現時点まで退職金の支給についてはまだ決定されておりません。
○大島(敦)委員 この中小企業国際人材育成事業団も労働省認可の公益法人でございますが、古関氏の退職金について、労働省としてのお考えを伺いたいと思います。
○日比政府参考人 退職金の件でございますが、先ほど申し上げましたように、現在決定されておらず、今後、事態の推移を見ながらアイム・ジャパンの理事会で検討されるものと聞いております。 ただ、労働省としてどう思うかというお尋ねでございますが、私ども、アイム・ジャパンという公益法人での退職金の問題でございますので、これを支給すべきでないと言う事情はないと思いますが、先ほどアイム・ジャパンでの検討状況も申し上げましたが、やはり公益法人という性格がございますので、今後の事態の推移というものは十分考慮されてしかるべきものと思っております。
○大島(敦)委員 労働省にお伺いいたします。 勧告命令の中で、軽井沢の保養所というのがございましたが、この所有者はどちらさまでしょうか。
○野寺政府参考人 軽井沢クラブのことではないかと思いますが、これの所有者はKSD本体でございます。
○大島(敦)委員 私、この質問をするに当たって、軽井沢まで行きまして、この軽井沢の保養所を見てまいりました。とても保養所と言うにはふさわしくない建物なわけですよ。ほとんど個人の別荘に近い建物でございました。72の隣の晴山ゴルフ場のちょっと奥に入ったところ、非常に閑静な別荘地にございまして、門から本館までが大体二十メートルから三十メートルございましょうか、そこに会館がありまして、そのお隣にまた立派な二階建ての建物があって、そこに管理人が住んでいらっしゃる。 この軽井沢の保養所はどういうような使われ方をしていたのでしょうか。
○野寺政府参考人 基本的にはKSDの会員が使うというふうに伺っております。
○大島(敦)委員 KSDの会員というよりも、見たところ——タクシーの運転手の方もKSDに行ってくれと言うとすぐ行ってくれるわけですよ。どんな人が利用していたのかと聞いたところ、ゴルフをされる方がちょくちょく泊まっていらっしゃったと。どうしてもこれは古関氏の接待用に使われた建物ではないかという疑いを持っておりまして、それで労働省も改善勧告を出したと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○野寺政府参考人 私どもが伺っておりました話というのは、会員のため、こういうふうに聞いておったわけですが、現実には先生御指摘のような使われ方をしている疑いがございましたので、ことしの八月の改善勧告の中でこの点を改善するように指摘してございます。
○大島(敦)委員 もう一つ伺いたいんですけれども、先ほどの中小企業国際人材育成事業団の設立の経緯について存じ上げている方がいらっしゃいましたら、御答弁お願いします。
○日比政府参考人 設立の経緯についてのお尋ねでございますが、御指摘の財団、できましたのが平成三年だったと思いますが、KSDとして人材育成のこと、これはもともと事業として考えておられたようでございますけれども、外国人研修生というものの受け入れをいろいろやりたいというようなことで発意されて財団設立の計画をつくられたものというふうに聞いております。
○大島(敦)委員 今回このKSD関係の資料をいろいろ読みますと、まずKSD豊明会定款がございます。ここで「中小企業支援事業」として「豊明会中小企業政治連盟の支援に関すること。」ということで、まずはKSD豊明会の定款で豊明会中小企業政治連盟を支援するということが明記されている。そして、豊明会中小企業政治連盟設立趣意書の中には「「中小企業向外国人研修生受け入れ機関に関する基本構想案」を作りました。本構想案が実現されれば、外国人への技術移転と中小企業の人手不足が解消されます。この構想案を四回にわたる国会議員懇談会を通じ、政府に訴えてきました。」とございまして、目的が政治性が非常に強いと思いますが、いかがでしょうか。
○日比政府参考人 お尋ねの外国人研修生、技能実習生、その制度は制度といたしまして、この財団設立の経緯といたしましては、研修生受け入れの事業をしたいということで御発案になり、平成三年、所定の手続の上で財団設立の許可がおりたということでございます。
○大島(敦)委員 そうしますと、この件は一たん御破算になったという理解でよろしいでしょうか。今の説明をもう一度お願いしたいんですけれども、御破算になったというところを御説明ください。
○日比政府参考人 御破算になったというそのこと自体が十分理解できていなくて大変恐縮でございますが、財団法人の設立の経緯として私ども行政当局として把握しておりますのは、平成三年秋に、秋といいますか冬といいますかそのころに設立されたものでございますが、私どもは平成三年の夏ごろ、寄附行為案等のお持ち込みになったものを見ながら、事前の審査といいますか、それをやりつつ、その後許可申請書を受け取り、許可をしたということでございまして、この財団設立の経緯については別に何か御破算になったというふうなものはなかったように思っております。
○大島(敦)委員 時間もあと五分でございまして、この中小企業国際人材育成事業団、これはアイム・ジャパンというところなんですけれども、毎年二千名近くのインドネシアの方を日本に派遣しているということでございます。この事業報告書を見ますとこの二千人の方で失踪してしまう方がいらっしゃるということなんですけれども、これまでに何人ぐらいの方が失踪してしまい、何人ぐらいの方がまだ行方不明なのか、教えてください。
○日比政府参考人 お尋ねの点でございますが、失踪者というものの定義がいま一つアイム・ジャパンからも聞いておるんですがはっきりしない点がございますが、アイム・ジャパンから私ども報告を受けております数字で申し上げます。 十一月七日現在でアイム・ジャパンが受け入れました研修生の累計は一万四千七十七人でございますが、いわゆる失踪者とアイム・ジャパンで呼んでいる者、これは六百五人。それから、失踪者のうち要するに行方がわからない、これは具体的には帰国が確認できていない者の数とイコールのようでございますが、その数は三百七人で、他は帰国は確認できているという意味でございます。
○大島(敦)委員 やはり、KSDに続きましてこのアイム・ジャパンも、失踪者、要は行方不明者、どこかへ行ってしまう人がいるということは、ちょっと問題が多い感じがいたします。 もう一つ、今回私が実地調査したところ、ものつくり大学というところがございまして、私ども民主党は物づくりを大切にしたいと思っておりますので、趣旨は非常にいいかとは思うんですけれども、ものつくり大学の新聞報道等を読みますと国がお金を出すという記述がございました。 文部省の方に伺いたいんですけれども、国は大学の設置に関してお金は出すことができるんでしょうか。
○工藤政府参考人 先生がおっしゃいましたように、物づくり人材の養成の大事さあるいは物づくり振興の重要性については今さら言をまたないわけでございますが、私立学校の設置につきまして、その設置及びその運営に必要な資金が土地建物あるいは運営費を含めて必要なわけでございますが、それについては種々の学校法人となるべき主体が御自分で支弁したりあるいは各界からお集めになったりするわけでございます。 そういう中で、国や地方公共団体が政策上の必要性でございますとか地域の住民の方々の学習ニーズにこたえるために支援しようということはよくあることでございまして、これまで私どもが承知しておる限りで国がそのうち一定の支援をしているものといたしましては、一つには自治医科大学がございまして、これは自治省といいますか、自治省が中心になって国と都道府県が一定の金額を差し上げてございます。それから、昭和五十二年に設立認可されております産業医科大学につきまして労働省と北九州市が経費を負担した例がございます。
○大島(敦)委員 今回つくられるこの大学についても同じような考え方なんでしょうか。
○工藤政府参考人 私ども、ものつくり大学の設立に当たってどういう資金確保が必要であるかというのを文部省としてサジェスチョンする立場にはございませんで、私ども申請をいただいております資金計画によりますと、当該ものつくり大学の設立のために、労働省からと、あるいは埼玉県、さらには行田市からも御寄附といいましょうか御援助がなされていると承知してございます。
○大島(敦)委員 労働省に伺いたいんですけれども、そのような計画はございますでしょうか。
○日比政府参考人 お尋ねのものつくり大学でございますが、国としても支援するということで、平成十年度から補助金ということで支出をいたしております。
○大島(敦)委員 話は前後して申しわけないのですけれども、法務省の方に伺います。 先ほどのアイム・ジャパンの外国人の方が行方不明になっていらっしゃる、この問題についてどうお考えでしょうか。
○町田政府参考人 先ほど労働省の方が御答弁になったように、若干の失踪者というのでしょうか、そういうのが出ているということは遺憾だと考えております。 私どもは、研修及び技能実習制度ですか、これは、我が国で培われました技術、技能、知識の開発途上国等への移転を図り、当該開発途上国等の経済発展を担う人づくりに寄与することを目的として、政界、産業界初め日本社会の総意をもってできた、そういうぐあいに考えておりまして、全体としては適正に運営されていると考えておりますが、確かに若干の失踪者等の問題があります。 そういう認識に立ちまして、昨年二月に、研修生及び技能実習生の入国・在留管理に関する指針というものを策定、公表いたしました。その中で、研修・技能実習制度の本来の趣旨、それからそれに基づく研修、技能実習のあり方について、それぞれの機関に対しまして詳細に説明した上で、研修生等が失踪した場合の対応及び失踪防止に関する留意点を明らかにしておりまして、その理解の徹底に努めております。 従来からこのような考え方に基づきまして、御指摘の財団に対しましても指導してまいりましたが、今後も、その財団も含めまして、我が国の研修・技能実習制度が一層適正に実施されるように指導してまいりたいと考えております。
○大島(敦)委員 最後の質問なんですけれども、吉川大臣に質問したいと思います。 このKSDの問題は、先ほどのアイム・ジャパンの問題、そしてものつくり大学の問題、いろいろと問題が大きく広がっていると思います。吉川大臣の決意を伺いたいのですけれども、この問題については徹底的に労働省としては追及していくという一言をいただければありがたいのですけれども。
○吉川国務大臣 今後は、捜査の推移を見守りつつ、これまで労働省が改善を勧告してきた事項や、KSDが本年十月十八日に発表した改革方針等の必要な改革をKSDが確実に実施し、公益法人として適正な運営が行えるよう厳しく指導していく必要があると考えております。
○大島(敦)委員 ありがとうございました。
○大石委員長 鍵田節哉君。
○鍵田委員 民主党の鍵田でございます。 既に加藤、大島両氏からKSDの問題についての質問をさせていただきまして、労働省の方からもいろいろお答えをいただいたわけでございますけれども、どうも答弁の中でもう一つはっきりしない部分がある。事実関係ははっきりしているのですが、答弁がはっきりしない。そういう意味で、我々としても、もやもやとしたものを多く残しております。 こういう共済制度というのは、全労済の国民共済とか全国生協連のやっております共済制度なども同じような制度でやっておるわけでありますが、その中身が大きく違います。例えば、二千円の共済会費でやっておるということは同じでございますけれども、また給付のあり方についても、一部違いはありますけれども、給付はきちっと決められた規則に従って行われ、必要な経費を差し引いて、それ以外の余剰金については単年度会計で加入者に返していく、非常に明朗な会計に基づいて運営をされておるわけであります。 一部の役員が私物化をしたり、いろいろトンネル会社といいますか団体をつくったり、一部の政治家の選挙の応援をしたり、そして、それについて長年指導をしてきたはずの労働省がほとんどその指導を無視されて、今日までやってきておる。こういうところに、今日こういう大きな問題が起こっておる原因があるわけでございます。 そういうことを考えますと、労働省はこういう団体に対してはもっと厳しく指導する。その指導がちゃんとできなかったら、もうその認可をしないというぐらいの気持ちでやっていただかないと。何かいろいろ事業をやっておるから今までの続きでこれをやめられないとか、経過措置をとっていくとかいうようなことではなしに、徹底的に事実を解明する。任意団体だから関知しないとかということを言っておったら、労働省も何か一枚かんでいるのじゃないか、大物の政治家がこの裏にあっていろいろ圧力をかけているのじゃないかとか、こういう疑念が国民からも会員からも持たれるわけでございます。そういうことを考えますと、これから国民の皆さんにもわかるようにぜひとも明快な答えをしていただきますように、まずお願いをしておきたいと思います。 きょうは、私は、吉川労働大臣に初めて質問をさせていただくことになったわけでございまして、実は大臣にだけ答弁をしていただこうということで他の参考人の指名はしておりませんでしたけれども、どうしても事実関係はその専門の方にということでございましたので、渡邊職安局長に来ていただくことになったわけでございますけれども、できるだけ労働大臣の方からお考えを聞かせていただきたい、こういうことでよろしくお願いを申し上げたいと思います。 五月の通常国会のときに、私は牧野労働大臣に質問をいたしました。そのときに、前労働大臣からどういう引き継ぎをされたのですかということでお聞きをいたしました。そうしますと、もちろん法律や行政全般について引き継ぎを受けたけれども、そのほかにも国会での議論でありますとか、また附帯決議などもついておりますが、そういうものにつきましてもすべて引き継ぎを受けて、それらを体してこれから労働行政を行っていくんだという非常に強い決意を聞かせていただいて、私は、行政の長としてあるべき姿勢を学ばせていただきました。 今回、初めて吉川労働大臣にお目にかかるわけでございますが、それらにつきまして牧野前労働大臣からどのような引き継ぎをされ、どういうおつもりでこれから労働行政を進めていこうとされておるのか、その辺からまずお聞きをしたいと思います。
○吉川国務大臣 鍵田委員からは私の引き継ぎのことについてお尋ねがございましたが、牧野前大臣からは、法案を初めといたしまして、附帯決議等を含めていわゆる事務的な引き継ぎを受けております。大変分厚い書面でございまして、私、まだ逐一は見ていませんけれども、かなり見せていただいております。
○鍵田委員 特に喫緊の課題などにつきましては、どのように受けとめて、今どのような取り組みをされておるのかということにつきましてお聞きをしたいわけでございます。 通常国会のときに、商法の改正に伴います労働契約の承継法というものが提案をされまして、一部修正の上、可決をされたわけでございます。また、我々もそれに賛同したわけでございます。いわゆる企業の組織再編につきまして将来やっていくんだということで、いろいろな組織再編にまつわります法案が国会で議論をされ成立していったわけでありますが、労働者の保護法がほとんどできておらなかった。こういうことを受けまして、商法の企業分割に関しては、一応労使間の協議をするというふうな修正のもとにこの法案が成立したわけでございます。 そのときの附帯決議で、今までにもありました合併や営業譲渡を含めました企業再編全般にわたって労働者保護をするための研究、さらには法律づくりに向けて研究会を持っていくんだというふうなことが決められておるわけでありますけれども、現在、学識経験者とかは、どういうメンバーでどのような議論をされておるのか、また、されようとしておるのか、それらの取り組み状況についてお聞かせをいただきたいと思います。
○吉川国務大臣 御指摘の附帯決議につきましては、現在検討中の労働契約承継法に基づく労働省令及び指針を策定次第、検討の場でありまする研究会の開催の準備を早急に進め、年度内には検討を開始したいと考えております。 研究会のメンバーは、主に労働法、商法及び企業組織論等の専門家で構成することにしておりまして、労使の意見も伺いながら検討を進めてまいりたいと考えております。
○鍵田委員 年度内ということでございますけれども、承継法に基づきます指針にしましても、今それを進めていただいておるようでございますが、もう既に企業再編に基づきます法律はそれぞれ動き出しておるわけでございまして、一日も早い指針を待っておりますし、さらには、この労働者保護法の成立につきましても、多くの労働者から期待をされておるわけでありまして、それらにつきましてはやはり一日も早く実現をしていただく。 そういう意味では、年度内ということになりますと来年の三月末までということになるわけでありますし、新しい省庁が再編されるわけでございますが、それらにつきまして労働省として今どんな準備をされておるのか、もう少し詳しくお答えをいただければと思います。
○吉川国務大臣 今ほど御指摘のことにつきましては、現在検討中の労働契約承継法に基づく労働省令及び指針を策定次第、検討の場である研究会の開催の準備等を早急に進めまして、先ほど年度内というふうに申しましたけれども、少しでも早く検討を開始できないかということを私も考えておる次第でございます。
○鍵田委員 指針ができ上がるのは大体いつごろになりますか。
○吉川国務大臣 年内に完成させたいと思っております。
○鍵田委員 先ほども言いましたように、企業の再編ということが大変多く行われておるところでありまして、これからの労使交渉の中にも影響してくるわけでございますから、一日も早い実現をお願いしておきたいと思います。 それでは、現下の雇用情勢につきまして、午前中、坂口元労働大臣からも格調の高い御質問がございまして、若干重複するかというふうにも思いますけれども、改めて質問をさせていただきたいと思います。 九月の失業率が四・七%ということで、前年よりもさらに〇・一ポイント上昇をいたしましたし、有効求人倍率も〇・六二、引き続き一を大きく割り込んだ状態が継続をしております。 有効求人倍率を年齢階層別で見てみますと、一を超えているのは、二十四歳までの若年層の一・〇六と三十五歳から四十四歳の一・〇九のみでありまして、五十五歳以上では〇・一三倍。そのうち、五十五歳から五十九歳の場合は〇・一八倍、厚生年金が来年から六十一歳ということで三年ごとに一歳ずつ支給開始年齢が引き上げられます六十歳から六十四歳の場合には〇・〇八倍という、大変厳しい、極端に低い数字になっておるわけでございます。 一方、景気の方は、政府の発表では、平成十二年度の実質のGDP成長につきまして、当初一・〇%というふうに言われておったのを十月十九日には一・五%と上方修正をされました。企業の収益も回復基調にあると言われておるわけでございます。プラス一・二%と予測している個人消費の伸びにも勢いが感じられないのが現在の実情でございます。 現在のGDPが当初予測よりも若干高くなってきておるというのも、本来財政のことを考えますと非常に苦しい事情の中にもかかわらず、赤字国債などを発行して公共事業やなんかにどんどん資金をつぎ込んで、何とかカンフル注射でもたせておる、そういう状況がある。また、民間企業も大変なリストラをして、今でも大企業もどんどん倒産をしている、またリストラをやる、こういうふうな状況の中にあるわけでございます。また、春闘の水準も非常に低い水準で推移をしておるわけでありますし、もちろんボーナスにつきましても前年を割り込む企業もたくさんある。こういうような実態の中で、景気の本格的な回復というものが見てくれの数字とは非常に違う内容があると思います。 もちろん、雇用というものは景気回復の中では一番おくれて改善されるものだというふうに一般的にも言われておりますけれども、後ほどもお聞きいたしますけれども、今までいろいろな施策をとって雇用の増大を図ってきた割にはその成果が上がっておらない。こういう実態からいたしましても、いつまた雇用がもっと深刻な状況になるかわからないわけでございます。 これらの状況におきまして、大臣としてどのようなお覚悟でこの雇用問題に取り組もうとなさっているのか、御答弁をいただきたいと思います。
○吉川国務大臣 お答え申し上げます。 政府といたしましては、雇用問題を国政の最重要課題の一つとして位置づけ、雇用の創出、安定、再就職の促進、能力開発に努めてきたところでありますが、その結果、求人の増加など雇用情勢には改善の動きが見られております。 この改善の動きをより確かなものとするため、今後成長が見込まれている新たな産業に必要な人材を早期に育成し、着実な就職促進を図ることを目的とする、ミスマッチ解消を重点とする緊急雇用対策を引き続き的確に実施してまいります。 また、先般策定されました日本新生のための新発展政策に盛り込まれました、働く人すべてのIT化対応を目指した、ITに係る多様な職業能力習得機会の確保と提供、試行的な就業を通じて中高年齢者の就業の機会をふやす事業主や、高齢者雇用確保のための職場のバリアフリー化を推進する事業主への支援などの施策の効果的な実施に全力を挙げて取り組んでまいりたいと思っております。
○鍵田委員 雇用問題には、労働省としてもまた大臣としても最重要課題として取り組むんだというお言葉をいただいたわけでございます。今までの歴代の大臣もそのようにお答えになっておられましたので、私は、そのように労働省としても最重要課題として取り組んできていただいておるというふうに信じたいわけでございます。 しかし、実際に今までいろいろな施策を実施されてきておるわけでありますけれども、それがどれだけの効果を上げられてきておるのかということにつきまして、若干私としては疑念を持っておるわけでございます。いろいろな施策をしておる割には、例えば失業率は前回よりもさらに上がってきておる、失業者の数も決して減っておるわけではございません。むしろ九八年より九九年の方が失業者もふえておる、失業率も悪くなってきておる。そして、ことしに入っての第一、第二・四半期でもそんなに改善された数字は出ておらないわけでありまして、目標と実績との間に大きな乖離があるというふうに私は見ておるわけですけれども、そうではないとするならば、そういう内容についてひとつお答えをいただきたいというふうに思うわけでございます。 そこで、平成十年の十一月に、緊急経済対策の一環として予算一兆円規模の雇用活性化プランが立てられました。これは、平成十一年一月から十二年三月までを対象期間として、百万人規模の雇用の創出、安定を目指すというものでございました。具体的な施策として、中小企業雇用創出人材確保助成金、緊急地域雇用特別交付金、中高年労働移動支援特別助成金などが創設されました。 この百万人の数字の内訳につきまして、中職審でも議論をされておるようでありますけれども、雇用創出効果が三十七万人、雇用安定効果が六十四万人、若干この両方でダブっておるようでありますけれども、合わせて百万人規模という説明がなされておるわけであります。この対象期間が終了して既に八カ月経過をしておるんですけれども、新たに創設されたそれぞれの助成制度の具体的な効果と雇用活性化プランの全体としての達成状況についてお答えをいただきたい。 そして、平成十一年の六月に、緊急雇用対策が第一次補正で立てられました。十三年度までに七十万人を上回る規模の雇用就業機会の増大を掲げて、新規・成長分野雇用創出特別奨励金、緊急地域雇用特別交付金、これも先ほど若干話が出ておりましたけれども、そういうものが創設されておるわけでございまして、現在進行中ではありますけれども、それらについての途中の経過もお聞かせをいただきたい。 例えば緊急雇用対策ということで立てられました地域雇用特別交付金、これらがどのように効果を上げておるのか。例えば、先ほどもお話に出ました近畿の雇用が非常に深刻な状況になっておるわけでありまして、全国の失業率が四・七ですか、しかし近畿では五・八というふうな数字であったと思います、また、先ほども言いました求人倍率も大変低い数字になっておるわけでありますが、これらがどのような効果を発揮しておるのか、しておらないのか、その辺につきましてお答えをいただきたいと思います。
○吉川国務大臣 詳細な事実に関しての御答弁でございますから、政府参考人にお答えいたさせます。
○渡邊政府参考人 実績等についてでございますので、私の方から御答弁をさせていただきます。 まず初めに、平成十年の十一月に策定をされました雇用活性化総合プラン、百万人の雇用創出等についてでございます。 この計画は、委員御指摘のように平成十一年の一月から本年の三月までを対象といたしまして、この間、雇用の創出と雇用の安定で百万人の雇用の確保ということを目標にしたものでございます。その百万人の内訳ですけれども、まず経済対策によりますGDPの押し上げ効果による雇用の増というものを三十万人ぐらいと見ておりました。この三十万人が経済対策によって実際に押し上げられたかどうか、これはなかなか具体的な検証が率直に言って難しいということがございますので、残りの七十万人、労働行政の対象とされました七十万人の実績について御答弁を申し上げます。 まず、雇用の創出につきましては、中小企業の人材確保助成金で五万八千人を見込んでおりました。実績は、まだ一部雇用の予定を含むものでありますが、九万二千人ということになっております。 それから、雇用の安定、確保、維持ということで六十三万六千人を見込んでおりますが、この中には幾つかの項目がございますが、トータルとしては六十五万一千人の実績を上げたかと思います。 主なものについて申し上げますと、これは四十五歳以上の方を雇ったときの賃金助成ですが、特定求職者の雇用開発助成金で三十三万二千人の目標に対して四十二万八千人。さらに、その中の雇用の維持対策としまして……(鍵田委員「特定のをもう一度言ってください」と呼ぶ)四十五歳以上の方の採用の賃金助成で三十三万二千人という目標を立てておりまして、実績が四十二万八千人。それから、大きい柱ですが、雇用調整助成金による助成、これは二十四万人と見ておりましたところ二十一万人。それから、委員御指摘の中高年の労働移動支援特別助成金、これは中高年が失業を経ないで移動したときの助成でございますが、五万四千人の目標に対して八千人ということになっております。 以上、これを累計いたしますと、雇用の創出の五万八千人について九万二千人、雇用の確保、安定の六十三万六千人で六十五万一千人ということで、ほぼ目標を達成したかと思いますが、中には、ただいま申し上げましたような中高年の移動の五万四千人に対して八千人というふうに、率直に申しまして努力不足等による効果の上がらないものもございます。 また、これは百万人の中には含めておりませんが、先ほど御指摘のありました緊急雇用創出特別奨励金につきましては、これはブロックにおいて失業率が一定以上になったときに発動するという賃金助成でございますが、この計画期間中に、沖縄県において八カ月間、近畿ブロックにおいて八カ月間、南関東ブロックで三カ月間、それぞれ発動されましたが、支給決定件数は一千二百六十人ということでございまして、これも当初想定よりは相当少ない数字ではないかというふうに見ております。 続きまして、昨年、平成十一年の六月に策定をされました緊急雇用対策ですが、この計画におきましては、十三年度末までに七十万人を上回る規模の雇用創出を目指すということにされております。 現在進行中のところですが、現在のところでは、まず、御指摘の緊急地域雇用特別交付金事業でございますけれども、平成十一年度の実績は、事業費が約三百八十七億円、雇用就業者数が約七万三千人となっております。十二年度の見込みは、事業費は約一千三十二億円、雇用就業の予定者数が約十五万六千人というふうになっております。これにつきましては、近畿地方を含めまして計画どおり現在進捗しているというふうに考えております。 また、新規・成長分野雇用創出特別奨励金ですが、これは九百億円の基金をもって雇用助成をしているところでありますが、本年十月末現在では、支給申請一万二千四百九十五人というふうになっております。この新規・成長分野の採用の際の賃金助成も目標どおりになかなか出ておりません。ことしの五月に支給要件を緩和するあるいは大々的なPRをするというようなことによりまして、まず新規・成長分野に該当するかどうかという認定を受けなければいけませんが、その件数が、例えば本年五月では五百三十八件でありましたが、毎月累増しておりまして、十月の数字ではこれが二千三百五十六件というふうに、現在かなりのスピードで伸びております。 引き続き努力をしていく所存でございます。
○鍵田委員 かなりの実績を上げておる面もあるというふうに評価をされておるようでありますけれども、実際のトータル的な雇用の面から見まして、そんなに実績が上がっておるようには思えないわけです。だから、実際の雇用全体が改善されておらないということと、これの施策が成果がある程度上がっておると評価をされておる、その乖離というのはどこから来るんでしょうね。
○渡邊政府参考人 この百万人あるいは七十万人という数字は、いわばストック的な数字でございまして、こういった努力を今申し上げましたように続けておるわけでありますが、大変残念なことに、失業者あるいは離転職者というものがなかなか減じてこない。一定の成果を上げていると私ども考えておりますが、なおそれを上回って離転職者あるいは非自発的な離職者が生じておる、こういったことでなかなか追いついていかないということではないかというふうに見ております。
○鍵田委員 今までに既に職業についておるけれども非常に不安定だというような人に対する助成というふうな形でやられておる、そういうことですね。だから、それは、例えば失業している人が就職できて失業者でなくなる、そういうことでの実績には入らないということでしょうか。
○渡邊政府参考人 先ほど申し上げました、例えば新規・成長分野の雇用というのは新しく雇用されたときの助成ですし、それから中高年の方の採用も、離職をした人を安定所の紹介で雇ったときに初めて出る助成でありますから、これは失業者の方の実際の就職に結びついていると思っております。
○鍵田委員 これらの助成のあり方についてもう少しお聞きをしていきたいんですが、産業構造転換に対応した雇用政策について、中職審の雇用対策基本問題小委員会において検討が行われております。また、雇用安定等事業部会においても、雇用保険三事業の給付金の整理合理化ということが今議論をされておるというふうに聞いておるんですけれども、九月一日にこの報告がまとめられておるわけでございますが、雇用安定策として今まで重要な働きをしてきたこれらの助成の見直しといいますか、そういうことによって例えば業種指定などを外すとかというふうなことも雇調金制度の見直しの中で検討されておるというふうなことも聞いておるわけであります。 今後それらを見直していくということになりますと、現在まで効果を上げておったものがなくなってしまうわけでありますし、また、それが今度はどのように新しい位置づけとして、効果が上がるような制度として出てくるのか、その辺についてお答えをいただきたい。今まではある程度実績を上げてきた制度がなくなったり見直されることによってどんな影響を受けるのか、それらについて今の時点でわかっている範囲でひとつお答えをいただければと思います。
○吉川国務大臣 お答え申し上げます。 雇用保険三事業の各種給付金につきましては、雇用を取り巻く状況が構造的に大きく変化している中で、積極的な雇用の創出、失業なき労働移動等の新たな政策目的に対処する観点から、その体系化、重点化を図ることといたしております。 また、真に効果的な支援を行う観点から、各種給付金の実績や実効性、助成内容の妥当性等について厳しく点検を行い、簡素合理化を図ることといたしております。 また、現在、関係審議会において、業種別対策のあり方も含め、今後の雇用対策全般のあり方について議論をいただく中で、各種給付金の見直しについても具体的に検討していただいているところでありまして、その結果を踏まえて適切に対処してまいりたいと思っております。
○鍵田委員 ですから、どういう議論をされておるのか、どういう方向でされておるのかというその内容をお聞きしたいわけで、やっていることは私はよくわかっているんですよ。その辺をよろしくお願いします。
○渡邊政府参考人 これは今大臣から御答弁いたしましたように、目下審議会で議論している最中でございますけれども、論点といたしましては、例えば、これから大きく産業構造が変わる中で、雇用の安定ということも大事であるけれども、移動がスムーズに行えるようにするためにはどういった助成がいいのかというようなことが一つの論点であります。 それから、業種別の対策ですけれども、業種といっても、今は、業種全体が悪いというよりは、業種の中でも努力しているところあるいはなかなか難しいところというふうに、業種で一くくりできないんじゃないかという議論もありますから、業種でくくって見ていた対策というものを例えば個別企業で見るようにしたらどうかとか、今そんな議論がなされております。
○鍵田委員 若干わかりましたので、次の質問に移ります。 特に、先ほど求人倍率のところで申しましたように、今非常に深刻な高齢者の雇用問題があると思います。〇・〇幾らというふうな数字でございますから、一たん失業したり定年にでもなれば、ほとんど再就職できないというような状況でございます。確かに、ハローワークに行きましても、六十歳を過ぎますとほとんど仕事がないという状態でございます。その人たちは、もう再就職をあきらめておるという人が非常に多くなってきておるわけでありまして、失業者の数にも入ってこない、それから失業統計からは抜けてしまうというふうな実態が起こっておるわけでございます。定年で退職した人はまだ退職金があったりしますから若干はいいんですけれども、六十歳にならないと年金はもらえないし、二〇一三年の六十五歳などということになってまいりますと、それこそ五年間の生活をどう支えていくのかという問題があるわけでございます。 ことしの春闘時に、電機産業とか幾つかの産業別の労使で雇用延長の話が出まして一定の成果を上げられたところもあるわけでございますが、しかし、大企業を中心とした産業別の労使の中でも、定年延長なり雇用延長なりということがまだ全く俎上に上がっておらないところの方が多いというように認識をしております。さらには、中小企業などは、ほとんどのところがそういう状況にはないということになっておるわけでございます。 労働白書でも、六十五歳までの継続雇用についての具体的な検討の動きが大きなうねりになっているというふうに記述されておるわけでありますけれども、現在、どの程度雇用延長などが実施をされておるというふうに労働省としては見ておられるのか、お答えをいただきたいと思います。
○吉川国務大臣 詳細な事実に関する問題でありますので、政府参考人から答弁いたさせます。
○渡邊政府参考人 平成十二年の雇用管理調査結果速報からの数字でございますけれども、まず、一律定年制を定めております企業のうち、六十五歳まであるいは六十五歳以上の定年を定めている企業の割合は五・八%。一律定年制を定めている企業のうち、六十五歳未満の定年——六十歳定年と定めているところで、希望すれば原則として希望者全員が六十五歳まで雇用を継続するというものが一〇・三%ございます。それから、そもそも定年制がないという企業が八・七%でありまして、これを足し上げますと、六十五まで働ける企業の割合は二三・一%というふうになっております。 なお、この数字は常用労働者が三十人以上の企業を対象とした調査でありますし、また、制度の対象となっている労働者の数は把握しておりませんで、あくまで三十人以上の企業の割合ということでございます。 ただ、企業規模が小さくなればなるほど定年制はそもそもないという企業の割合がふえてきますので、大体こういった数字ではないかというふうに見ております。
○鍵田委員 二三・何がしかのところが雇用延長の可能性があるということでありますが、残りの七六、七%のところがまだ雇用延長の見込みがない。その中で、年金は来年から三年ごとに一歳ずつ六十五歳まで支給開始年齢が引き上げられていく、こういうことでございます。 高齢者等雇用安定法なども通常国会で改正されたわけでございまして、これらの運用も含めまして、労働者の働き方をつかさどる労働省として、今後どのような対応を行っていく決意を持っておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○吉川国務大臣 本年十月一日より施行された高年齢者雇用安定法の改正によりまして、定年の引き上げや継続雇用制度の導入等による六十五歳までの雇用確保措置を事業主の努力義務としているところでございます。 労働省といたしましては、改正法に基づき、まず、従業員規模三百人以上の企業に対して個別的指導を行うことといたしておりまして、事業主に対する強力な指導に努めてまいる所存であります。また、高齢者等が離職を余儀なくされた場合にも円滑に再就職ができますよう、在職中からの求職活動を支援する事業主への助成措置を新たに講じたほか、事業主や事業主団体に対して求人の年齢要件の緩和を要請すること等によりまして、これらの方々の再就職支援にも努めているところであります。
○鍵田委員 高齢者雇用についてもう一問質問をさせていただきたいと思います。 通常国会で高年齢者等雇用安定法の附帯決議があって、雇用と年金との接続の確保ということに特に配慮する、こういう附帯決議もあるわけでございます。今、一刻の猶予も許されない実態にあるわけでございまして、最優先の政策課題であるというふうに思います。 来年、雇用と年金、それぞれ所管しております労働省と厚生省が統合されるわけでございまして、今でも既に厚生省とこれらの話し合いをされているものというふうに思うわけですけれども、話し合いの実績があれば、その内容についてお話しいただきたいというふうに思いますし、また、ぜひともこれらを実施していくようにいろいろな施策を考えていただきたい。もしそういうお話し合いを厚生省とされておるとするならば、どういうメンバーでどのようにされておるのかということも教えていただきたいと思います。
○吉川国務大臣 厚生年金の支給開始年齢が来年度から段階的に六十歳から六十五歳に引き上げられる中で、雇用と年金の連携を確保することが重要な課題となっていると思います。このため、労使で十分に話し合い、定年の引き上げや継続雇用制度の導入等によりまして六十五歳までの安定した雇用の確保を図っていくことが重要であります。ことしの春闘におきましては、電機業界や造船重機業界におきまして、雇用延長制度導入の動きが見られるなど雇用確保に向けた取り組みが進捗しているところであります。 労働省といたしましても、年金制度の改革等を踏まえまして、向こう十年程度の間におきまして、意欲と能力のある高齢者が何らかの形で六十五歳まで働くことができるよう、安定した雇用の確保や再就職の支援などに積極的に取り組んでまいります。 また、御指摘の厚生省との連携施策でございまするけれども、この問題を含め両省の協力につきましては、両事務次官を初めとする会議を開催いたしまして、今までの間に二回やっているそうでございますが、高齢者の就業活動やボランティア活動を支援する事業を実施することにより、高齢者の社会参加を推進することといたしております。
○鍵田委員 具体的なあれがわからないので何とも言えないのですが、時間がだんだんなくなってきておりますので。 これから若年労働者がどんどん減っていく、そして高齢者がふえていくという実態にあることはもう既にわかっておる事実でございますが、それらを考えますと、高齢者の方の労働力としての活用という側面と年金とのリンクということも考えて、やはり定年延長の問題でありますとか、さらには一歩進んでエージレスの問題についても取り組んでいかなくてはならないのではないかと思いますが、それらについてどのようにお考えになっているのでしょうか。
○吉川国務大臣 お答え申し上げます。 高年齢者の雇用情勢につきましては、本年九月の有効求人倍率が全体で〇・六二倍であるのに対し、五十五歳以上の有効求人倍率は〇・一三倍となるなど厳しい状況にあると認識しております。この背景には、年功を考慮した雇用慣行を反映し、企業が求人年齢の制限を付することが大きな要因であると考えております。 今後、高年齢者の雇用を推進させていくためには、我が国の年功的雇用慣行の見直しが必要であるとの指摘もされておりますが、そのためには、まず労使の間で共通の認識が形成されることが不可欠であると考えております。 労働省といたしましては、少なくとも六十五歳までの雇用確保に向けて最大限の努力を続けてまいりますが、年齢差別の禁止については、ただいま申し上げましたように、労使間における幅広い合意の形成が先決ではないかと考えております。 以上であります。
○鍵田委員 確かに労使間での合意ということが必要な部分もたくさんありますけれども、しかし、労働省として、特に働き方をつかさどる省として、こういうあり方についてしっかりした提言もしていかなくてはならぬのではないか。単に高齢者の問題だけじゃなしに、介護でありますとか育児でありますとか、そういうことを考えた場合に、今のようないわゆる常用雇用のフルタイムの労働ということだけじゃなしに、いろいろな労働時間での働き方というようなことももっと考えていかなくてはならないでしょうし、そしてまた、企業をかわるというふうなこともあってもいいのではないかというふうに思うのです。 今とにかく、年功序列体系でいきますと、労働移動しますと非常にマイナスになるわけであります。それらの問題から、結局、労働移動しますとマイナスになるというふうな制度を改める、そういう検討も必要でありますし、といって、それはやはり現在までの企業内での既得権との関連もあるわけですから、企業内での自主的な労使間の話し合いということも大切であります。労働省としても、そういう問題についていろいろ提言をしたり、また労使のそういう話し合いを誘導していくということも必要なのではないかというふうにも思いますが、それらについての考え方をお聞かせいただきたい。
○吉川国務大臣 お答え申し上げます。 我が国の雇用慣行は、長期雇用や年功賃金を特徴とするものと言われておりまして、労使双方に長期的な経営、雇用の安定というメリットをもたらしたものと認識しております。 一方で、最近は、高齢化の進展、産業構造や就業意識の変化等の経済社会の変化の中で、能力、業績主義的な賃金制度が導入されるなど、見直しの動きも見られているところであります。 どのような雇用システムが望ましいかということにつきましては、労使間の十分な話し合いの上で決定されることが基本ですが、労働省といたしましても、中長期的に雇用の安定を図るべく、産業構造の変化等に対応して、雇用機会の創出、確保や、失業なき労働移動、能力開発への支援などの施策に取り組んでまいりたいと思っております。
○鍵田委員 時間が参りましたのでもう終わりますけれども、最後に、昨年の三月にものづくり基盤技術振興基本法が両院を通って成立したわけでありますが、六月に施行されて、ことしの九月に基本計画が立てられたわけであります。 これは、文部省でありますとか中小企業庁、それから労働省など関係の省庁が集まって、これらのものづくりについての基本計画を進めていくわけでありますが、いろいろな方面から聞こえてきますのに、どうもこの問題については労働省が一番中心にならなくてはならないはずなんだけれども一番不熱心だというふうな声も聞かれるわけでございまして、それらにつきまして労働省としてどのように受けとめておられるのか、お聞きをして、終わりたいと思います。
○吉川国務大臣 お答えいたします。 ものづくり基本法及び同法に基づく基本計画に盛り込まれましたものづくり労働者の確保は、我が国にとって、産業の基盤を支えるとともに、労働者の雇用の安定を図る上でも重要であると思っております。 このため、労働省では、技能労働者を中心とした公共職業訓練及び技能検定の実施、熟練技能者の表彰等各般の施策を講ずることにより、ものづくり労働者の質、量ともにわたる確保、育成について、格別の取り組みを進めてきたところであります。 労働省といたしましては、このたびのものづくり基本法及び同法に基づく基本計画の策定を受け、今後とも、これらの施策について、関係省庁とも緊密に連携して、一層の充実強化を図るとともに、ものづくり基盤の高度化を図る観点から、IT化に対応した職業能力習得機会の確保等の施策を積極的に推進してまいりたいと思っております。 以上であります。
○鍵田委員 ぜひとも不名誉なうわさが出ないようにひとつ頑張っていただきたいというように思います。ありがとうございました。
○大石委員長 塩田晋君。
○塩田委員 自由党の塩田晋でございます。 日本の経済はここ数カ月、経済白書にも出ておりますように、明るさが見えてきておる、また緩やかな回復基調にあるというようなことで、毎月同じような表現できております。しかも、よくなってきつつあると思ったところ、また株価が大幅に下がったりしておる状況の中で、景気の回復は足踏み状態になっておる。 このような状況の中におきまして、雇用失業情勢はどのように推移しているか、現状についてお伺いいたしますとともに、今後の雇用失業情勢の見通しにつきまして、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○吉川国務大臣 景気は緩やかに改善を続けていると思っておりますが、九月の完全失業率は四・七%といまだ高水準にあり、現下の雇用情勢は依然として厳しい状況にあるものと認識しております。 しかしながら、新規求人は増加傾向が続いておりまして、サービス業、製造業など主要な産業で増加し、特に情報通信技術や介護関連の分野等においては、本年一月以降連続して前年に比べまして二〇%以上の増加となっております。また雇用者数も、本年五月以降連続して前年に比べ増加しているところです。 このように雇用情勢には改善の動きが見られるところでありますが、今後、適切に雇用対策を講ずることにより、このような動きを一層確かなものにしていくことが必要であると認識しております。
○塩田委員 雇用失業情勢は今なお好転していないどころか、今年に入りましてから失業者数は三百万人を超えておる。昨年は一時三百万を切った月もありましたけれども、ことしに入ってからは三百五十万と三百万の間を上下している、こういう状況であります。 しかも、アメリカ経済もこのところどのような状況になるか定かではございませんけれども、かつては我が国の完全失業率の倍ぐらいが常識であったわけです、アメリカの場合。それが今や逆転をして、四%台にアメリカは下がってきているし、時には三%台にまで下がった最近の状況でございます。 こういった状況を考えますと、我が国の経済の状況と世界各国あるいは東南アジア等を比べましても、我が国の情勢というものは、労働の面では本当に恥ずかしい状況になっているのではないか、このように思うわけです。 大臣、ここは雇用失業というものを経済政策の前面に打ち出して、失業率はここまで下げるというような明確な目標を示して、各省庁、各担当大臣がそろって、その目標達成のために最大限の力を尽くすというような形に持っていかないと、これは本当に遺憾な状態であると思います。 大臣、率が四・七とか九とかいうことで、抽象的な小さい数のように思われますけれども、人数におきましては三百万人を超えているわけです。その一人一人というのは、家庭を持ち、ローンを抱え、ローンの支払いに追われ、毎日の生活を送っている。しかも、家計の主たる担当者が職を失うということ、これはもう一家を挙げての大変な苦痛の状態に陥るわけでございます。疾病あるいは学業等にも支障が来るし、いろいろな面で生活にとっての非常なマイナスの面が出てくるわけでございまして、一人といえどもこれは命がかかっている。そして、家族の生命、生活がかかっているということを重大に考えますと、単に三百万あるいは四・七%ということだけでこれは済まされない。 その一番の責任を持っておられるのが労働大臣でございますから、ぜひとも、これは重大に考えて、各大臣にも訴え、この面に集中をしてやらないと、本当に国民は非常に苦しんでいる。国民は今黙ってやっているからいいやというものではないわけでございまして、労働大臣の責務は重大だと思いますが、今後、そういった目標を、国として、失業者はここまで下げるんだ、雇用はここまでふやすんだ、確保するということをはっきりと示す、そしてそれに努力する、そういう決意をひとつお伺いしたいのですが、いかがですか。
○吉川国務大臣 ただいまは塩田委員から大変切々とお訴えがございました。 私も、決して失業率四・七%がくぎづけであっていいなどということは思っておりませんで、一%でも何とか下げるようにできないものかということを、いつも労働省の幹部の皆様と打ち合わせのときには話をしているわけでございます。ただ、これだけやってもというような思いがあることだけは御理解いただきたいと思うのでございます。 なお、三百万人の失業者がいるのだ、それにはみんな子供や家族がいるのだという思いでもって労働行政をやれということについては、全くそのとおりに理解しております。
○塩田委員 先ほど申し上げました、目標値を設定して、それに向かって、政府、内閣挙げて取り組むということについてはいかがでございましょうか。 失業率の問題については、アメリカと日本は調査のやり方が大体同じですから直接比べることができます。各国によって失業のとり方も違うし、日本の場合も、四・七とか三百十万人という数字については、誤差率その他から考えるともっと厳密に調査をすべきではないかという意見もありますが、そういったことを含めまして、目標を設定して、政府の全政策を挙げて解決のために向かうということについてはいかがお考えでございますか。
○吉川国務大臣 事務方に、私、この四・七%を、どこを目標に下げるようにするのかということを問うているわけなのでございますが、答えといたしましては、三%後半にその数字を持っていくということが努力目標だというふうに聞いております。
○塩田委員 大臣でございますので、部下、職員からいろいろ聞かれるのはいいですけれども、聞いておりますというような、他人事とは言いませんけれども、そういうことではなしに、はっきりとした確信を持って、こうやれ、こうやろうという呼びかけを、やはり大臣がイニシアチブをとってやってもらいたい、こういうふうに思います。よろしくお願いします。 それから、これに関連しまして、高齢者の雇用失業情勢というものがかなり深刻であります。定年間近にして非自発的に失業する、解雇されるという場合もかなりありますし、それがふえておるということもわかっておるわけでございます。 そこで、高齢者でも、労働の意思と能力を持ち、環境的にも就業できるという人たちにはやはり就業の場をつくっていくということが必要でありますし、また、そういった需要がかなりあるわけです。 その一つのいい例として、労働省でいいことをやっておられると思いますのは、シルバー人材センターを中心にした就業、これは非常に喜ばれている。私、地元に帰りましてもよく聞くわけでございます。働きたいという人が気軽に働けるし、また、需要もかなり出てきているというふうに承っております。庭の剪定とか草刈りといった単純作業、あるいは技能の必要なものもありますけれども、非常に喜ばれている。 その上に、最近聞きましたところでは、食品工業まで進出しまして、物を製造しておられることも始まっておりますし、それぞれ創意工夫を発揮して、そういう職場を開拓し、またそういう人を受け入れてやっておられる。大変結構なことだと思うんです。しかも、最近ではリサイクルのためのいろいろな仕事に手を出したり、あるいはまた最先端のコンピューター、ITに手をつけていく。それにも教える人が出てきて、そして学びたいという人も出てくる。 そういった面までどんどん進出をしておられるということを聞きまして、非常にいいことだと思っておりますが、今のシルバー人材の就業の関係はどういうふうになっているか、全国的な状況を職業安定局長からお答えいただきたいと思います。
○渡邊政府参考人 シルバー人材センターは、平成十一年度末現在で団体数が千四百四十五団体、会員数が約六十万人というふうになっております。また、年間の仕事の受注件数が約二百三十四万件、契約金額は約二千百七十二億円というふうになっておりまして、シルバー人材センターに対する需要は年々着実に今増加をしております。 以上が現状でございますが、こういったシルバーに対する需要の高まりを背景といたしまして、さきの通常国会でもシルバー人材センターの業務を拡大するというふうな改正をお願いしたところでありまして、こういったことでさらにシルバーが活用されることを希望しております。
○塩田委員 非常にいい方向に広がっていっておるということについては、皆さん方の御努力に感謝したいと思います。なお一層これに力を入れて拡張し、皆さんに喜ばれるように一層工夫を発揮してやっていただきたいと思います。 これとの関連でございますが、昨年緊急の雇用対策として打ち出されました緊急地域雇用特別交付金事業、これは昨年から今年度、来年度にかけて行われるわけですね。これは短期間、有期の事業として六カ月ですか、これが基本になっているわけです。この状況がその後どうなっているか、現在までの状況をお伺いします。
○渡邊政府参考人 総額二千億円の事業費をもって行っております緊急地域雇用特別交付金事業についてでありますけれども、平成十一年度は事業費は約三百八十七億円、新規雇用就業者数が約七万三千人の実績というふうになっております。平成十二年度は、まだ終わっておりませんので計画を含めてですが、事業費は約一千三十二億円、新規雇用就業者数は約十五万六千人が見込まれているところであります。 確かに半年程度の短期の雇用就業でありますが、事業総体としては来年度末までで三十万人の雇用実績を上げるということを目標にしておりますが、現在はその目標どおりに進捗をしているというふうに見ております。
○塩田委員 ありがとうございました。 次に、学卒者の就職問題でございます。ことしから来年にかけてなかなか厳しい、しかし、一部では明るい情報もあるわけでございますが、学卒、特に女性の就職問題はかなり深刻な面もあるかと思われますが、どのような状況でございますか、お伺いします。
○渡邊政府参考人 ことしの春の卒業生について言いますと、大学新卒者の就職率は、男子が九一・九%、女子で八九・五%というふうになっております。また、高卒について言いますと、男子で九六・七、女子で九四・三ということになっておりまして、男子に比べますと、女子について厳しい状況にあろうかというふうに思っております。
○塩田委員 これに関連いたしまして、ここ数年ですけれども、いわゆるフリーターが非常にふえておる。これは就業構造、雇用構造から出てくる必要な面もあるわけでございますが、本人にとって必ずしもいい面ばかりではない。フリーターは、自由に動きたいということでみずから希望しフリーターになられる方もあるわけでございますが、長期的に見ると本人の幸せに必ずしも結びつかないという面もありますし、アメリカの雇用構造に日本が近づくとすれば、やはりこういったフリーターがふえていく勢いだと思うんです。しかし、そこにいろいろ問題がある。 このフリーター対策について、文部省とも連携をとりながらやっておられると思うんですが、どのようになっておりますか、お伺いします。
○渡邊政府参考人 本年の労働白書でこのフリーターの問題を取り上げまして、三年前の数字ですけれども、日本には一時的な就業あるいは離職を繰り返す若い人たちが約百五十万人くらいいるというふうに推計をしておりますが、現在時点ではさらにふえているのではないかというふうに思います。 このいわゆるフリーターの存在ですけれども、就職が今なかなか厳しい状況にありますから不本意ながらフリーターをやっているという方もおられますし、中には、将来の目標、人生設計をきちんと立てて、今そのための学資稼ぎといいますか、そういったことでフリーターとして仕事をしておられるという方ももちろんあるわけですが、かなり多くの方がなかなかはっきりした職業意識というものがなくて漫然とフリーターの仕事をしておる、あるいは正社員になれなかったのでやむを得ずフリーターとして、しかし正社員になるための努力も特にしていないという方もかなり多いわけであります。 アメリカやヨーロッパにおきましても若い人の失業というのは大変厳しいのですが、日本と欧米の一番の違いというのは、欧米の若年失業というのはいわゆる非自発失業で、やむを得ず失業している若い人が多いわけですが、日本の場合、若い人の失業というのはほとんどが自発的な離転職ということになっているわけであります。この点で、日本の若い人たちの職業意識の啓発ということは今後大きい課題ではないかというふうに考えているところであります。 先月、文部省、労働省の両事務次官を筆頭といたしまして、若い人たちの職業意識の啓発に両省協力して十分取り組んでいくということを再確認いたしまして、そのための勉強会もこれからやろうというふうにしているわけであります。 従来ややもいたしますとといいますか、現在も変わらないのですが、中高年の非自発というところを雇用対策の最重点にしておりまして、もちろんこれは変わらないと思いますが、今後こういった若い人たちのフリーターが増大していくということに十分意を払っていく必要があろうというふうに認識をしております。
○塩田委員 この対策、十分に各関係省庁と連携を密にして進めていただきたいと思います。 次に、これは主として大臣にお伺いいたします。 前にもこの委員会で取り上げた問題でございますが、社会保険労務士の訴訟代理権の付与についてお伺いいたします。労働争議不介入条項の撤廃もあわせて御意見をお伺いしたいと思いますが、まず社労士の訴訟代理権の問題についてお伺いします。 御承知のとおり、弁護士法第七十二条の規定では、社会保険労務士ほか隣接の士業者は、業として法律事務を取り扱うことが禁じられておるわけでございます。これにつきましては各方面からいろいろな意見が出ておりますし、社会保険労務士の皆さんも非常に希望しておられる。ぜひともこれを取っ払って、いわゆる垣根を低くして、規制緩和の上で、もちはもち屋と言いますね、労務あるいは保険関係につきましては我々に任せてもらいたいという切実な要望があるわけでございます。 商工委員会の場で前国会、弁理士法の改正をやりまして、弁理士の関係ではバリアフリーといいますか、みずからの業務については、百億円規模だというのですけれども、その業務を開放するということ等、司法制度改革審議会が今法務省管轄で審議されておりますが、そういった弁護士の業務についての見直しをやろうということで進められておるわけでございます。通産省を見ておりますと、非常に熱心に弁理士の立場に立って主張し、かなり思い切った改革に踏み込んでおられる。それについては法務省あるいは司法制度改革審議会の方でも考慮をしようという動きも出ておるやに聞いておるわけでございます。 社会保険労務士につきましても、やはり労働省はもっと腹を据えてといいますか、本気になって応援をしていただきたいと思います。 これは言うまでもないことでございますけれども、簡易裁判所は、現在、本人か弁護士かということですね。ところが、弁護士の数が少ないとかいろいろな状況からいって、弁護士がタッチしているのは一割ぐらい、あとの九割は本人がみずから訴訟の場で争っている、こういうことなんです。そこにもやはり労働関係の問題が出てまいります。弁護士さんで対応できない場合もある、対応されてもできない場合もある、しかも人手が足りなくてなかなかタッチができない、こういうケースも起こっておるわけです。 社会保険労務士さんは試験自体がレベルが高い、なかなか受からないということも聞くのです。また、通った人も会をつくって一生懸命研修をやり、資質を高めていっておられるといったことも、私自身よく見ておるわけでございます。 そういった状況の中で、社会保険労務士に訴訟代理権を付与することについて、どのように大臣として取り組もうとしておられるか、お伺いいたします。
○吉川国務大臣 社会保険労務士の業務について、御質問のように、労働社会保険諸法令に関する訴訟代理権を付与することの要望でございますけれども、全国社会保険労務士会連合会からも出ていることは承知しております。 そこで、社会保険労務士の訴訟代理権については、現在、司法制度改革審議会において議論がなされているところでありますので、労働省といたしましては、社会保険労務士が有する専門的知識について関係各方面の理解が得られますよう、積極的に対処してまいりたいと考えております。
○塩田委員 積極的に対処するということでございますので、それを信じて、御期待を申し上げたいと思います。 ただ、先ほど申し上げましたように、弁理士の関係の通産省のバックアップの仕方はかなり強力なものがあります。労働省の場合も一生懸命やっておられると思いますけれども、いろいろなケースも集め、理論構成はもとより、この問題については、司法制度改革審議会、法制審議会もありますけれども、政府として、労働省として、どうするかということをやはりはっきりと示し、関係のところあるいは国民に対しての理解を求めるということが必要だと思います。 弁護士さんといえども、弁理士さんも同じですけれども、特許の関係になりますと、弁護士さんは皆さん優秀でしょうから勉強すればできるのでしょうけれども、時間がかかる。やはり弁理士さんに出てもらって一緒にやるとか、あるいは弁理士さんにやってもらった方がスピーディーにいくし、また本当に本質がわかっているということがあるから、その面はある程度譲ろうという動きが出ておる。 社会保険労務という、現在の非常に複雑化している社会保険法規の関係、これはやはり社会保険労務士の方が、同じく、試験を受け、資格を取り、研修もして、経験を積み、また力量も持っておられる。そういうところに任すなり、一緒にやるなり、あるいは分野を決めてもいいと思うのです、簡裁の場合はこうだ、地裁の場合はこうだとか、とにかく踏み込んで進んでいっていただきたい、このように思います。 非常に難しい問題ではあると思いますけれども、弁護士法ができたのは戦後の二十四年ですか、そのときに決められた規定です。そのころはまだ社会保険労務士もその他のものもなかったわけですね。だから、そういう規定になったと思うのですが、今や、社会保険労務士の業務につきましてこれだけはっきりした分野ができておる。これは、現在の状況に合わせて現実的に処理をしていく、規制緩和あるいはバリアフリー、垣根を低くして、できるだけ、やれる人、一定の資格を持った、要件を備えた人ならタッチできるようにやっていくのが、やはり自由化あるいは規制緩和の方向だと思いますので、その点をぜひとも十分に御理解をいただき、御検討いただき、そして、その実現のために力いっぱい頑張っていただきたいということを希望申し上げまして、終わります。 ありがとうございました。
○大石委員長 大森猛君。
○大森委員 日本共産党の大森猛でございます。 三日付の各新聞によりますと、プロ野球の選手会労働組合が長年にわたって要求してきた代理人による契約更改交渉について、オーナー会議が今オフに限って認めることにしたとなっております。今後については、労働組合選手会と協議機関を設けて検討をすると報道されております。 このこと自体については私どもとやかく言うことは一切ないわけでありますが、これに関連して、どうしても見過ごすことのできない問題があります。それは、この決定が行われたオーナー会議の後のジャイアンツの渡辺恒雄オーナーの発言であります。マスコミを前にした発言。 どの新聞でもほぼ共通して書かれておりますけれども、発言の内容は、巨人にはくだらぬ代理人を連れてくるやつはいないだろう、連れてきたらおれが球団代表に給料をカットしろと言う、それで五千万、六千万ふえると思ったら大間違いだ、二千万、三千万下がるだけだ、嫌なら自由契約だ、うちに入りたいやつは幾らでもいる、そういう選手は他の球団も採らないようにすればよいなどという暴言であります。 この発言は、労使間で取り決めた交渉のルールをほごにしようというものであります。労働組合法第七条で厳しく禁止されております不当労働行為の意思を公然と表明したものと言えるのではないかと思います。 我が日本において、プロ野球は国民的なスポーツの一つでもあり、子供たちに夢を与えるスポーツでもあります。その中で、ジャイアンツはことし日本一になって、先日の銀座のパレードには三十六万人も集まるということから見ても、このことの持つ影響というのは非常に大きいものがあるのではないかと思います。 この発言は単に私的な見解を個人的に述べたというものでもなく、大勢のマスコミを前にして行われ、実際、翌日の新聞はこれを大きく報道したわけであります。一般新聞もそうでありますが、これはスポーツ関係の新聞であります。ごらんいただきたいと思うのですが、「代理人なら年俸カット」似たような調子で各紙とも一面を使って報道しております。「代理人 巨人選手が連れて来たら年俸下げてやる…嫌なら自由契約だ」などなどであります。 これは、現在の雇用情勢のもとで、ただでさえ雇用関係についてさまざまトラブルが発生している、労働者の権利侵害がさまざま行われている、そういう中で、もしこういうことがまかり通るようになれば、悪質な経営者を励ますことにつながるのではないか。労働組合と使用者との関係を律した労働組合法の適正な執行、労働行政、この面から見ても見過ごしてはならない非常に重要な問題ではないかと思いますが、労働省の見解をお聞きしたいと思います。
○澤田政府参考人 今先生お話ございました件については、私どもも新聞紙上で承知しておる限りでございます。渡辺オーナーの発言につきましては新聞で承知しておりますが、その場の状況あるいは発言の前後の脈絡等不明でありますので、確たることはなかなか申し上げることはできません。 ただ、一般的に申し上げるということでありますと、一つは、報道された発言等が事実であり、かつ労使間で合意された事項について、これはいわば契約でございますので、市民法上の契約につきましては当事者が履行義務を持つということになりますので、そうした意味で、労使間で合意された事項について一方的にその履行を行わないという旨の趣旨であるとすれば、二つの前提でありますが、そういうことであれば穏当な発言ではないだろうと思いますが、いかんせん、発言の前後の状況等が不明でありますので、確たることはこの場では申し上げることは難しいと思います。
○大森委員 二つの前提を置かれましたけれども、労使間で合意をしたルール、それを一方的に執行しないということを宣言すれば不穏当であるということをおっしゃいました。 これは確認をしておきたいと思うわけですが、二千万、三千万下がるだけだ、自由契約だ、うちに入りたいやつは幾らでもいるなどというのは、改めて私は申し上げますけれども、組合員の正当な権利行使を理由として不利益扱いを公言するもので、いわば脅迫にも相当する。実際、報道の中では恫喝をしたという報道もされているわけであります。このように「代理人交渉するなら「給料カット!!」」これほど大きい見出しで出している。まさにこれ自体が脅迫にもなるのじゃないかと強く思うわけであります。 労働組合法第七条は、使用者に対し「労働者が労働組合の組合員であること、労働組合に加入し、若しくはこれを結成しようとしたこと若しくは労働組合の正当な行為をしたことの故をもつて、その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱をすること」を禁じております。 今回の代理人による交渉は、労働組合である選手会と使用者団体であるオーナー会議との間で交わされた交渉のルールの正式な合意であります。このルールに基づいた交渉を行うことは労働組合員としての正当な権利の行使でもあると思うのですが、その点、ちょっと確認をしておきたいと思います。
○澤田政府参考人 まず、今回の合意についての性格でございますが、私どもが把握している限りにおきましては、当事者間で口頭で合意をした、書面を交わしているわけではない、口頭で合意したことを議事録において認証したという形式をとっていると聞いております。したがいまして、法律的に申しますと、今回のこの合意は労働組合法上の労働協約ではない、先ほどから申しております民法上の契約であるというふうに私どもは考えております。 そういう前提をはっきりさせた上で申し上げますが、不当労働行為との関係につきましては、大森先生は七条の一号あるいは三号を念頭に置いて御質問されているかと思いますが、オーナーの発言が七条の一号ないし三号に直ちに抵触するかという点については、事実関係を精査しないことにはよくわからない、抵触すると断ずることは今のところはできない、これだけは申し上げられると思います。大事なことは、オーナーの発言を一方の当事者である方々がどう受けとめ、どう理解しているかというところも大事だろうと思うのですが、そこのところは私どももまだよく把握はいたしておりません。 いずれにしましても、個別の問題につきまして不当労働行為の関係を議論するのであれば、それは、必要があれば労働委員会制度という制度を使って事実関係を精査した上で判断されるべきもの、こういうふうに考えております。
○大森委員 正当な権利行使に対してこういう発言がそのまま執行されれば、これは明らかな不当労働行為であると思います。こういう形で大々的に報道されているということで、個人的な見解でもないことも明らかだと思うのですね。 この間、労働省に対しても、政府に対しても、私ども、例えば解雇にかかわるさまざまな要求をしてきた場合、労使間での話し合いを特に労働省も強調してきたわけであります。もし、労使間で合意された事項がこのような形で守られないということになれば、そのことの持つ影響は本当に大きいと思うのですね。 おれの言うことを聞かなかったらどうだこうだという形でこれほど社会的な大問題になっていることは、労働省としてもやはりきちんと何らかの措置をとるべきではないか。労働委員会のことを言われたわけなんでありますけれども、しかし、労働省としてこういうものは当然未然に防止しなくてはならないという立場からも必要な措置をぜひとるべきではないかと思いますが、この点、大臣、いかがでしょうか。
○吉川国務大臣 お答えいたします。 不当労働行為であるかどうかについては労働委員会において判断さるべきものであり、私が個々の問題について申し上げる立場にはないと思っております。 いずれにせよ、労使間での合意については、当事者間において誠実に対応されることが労使関係の安定にとって重要であると考えております。
○大森委員 労使間の合意が誠実に実行されるよう——今、私のこの質問に対して随分いろいろな反響があったわけでありますけれども、この問題について言えるのは、そして同時に、言う責任があるのは労働省だけだと思うのです。その点で、今おっしゃったように誠実に対応されるよう、これは労働大臣として明確に、この問題に関して改めて明言をしていただきたいと思います。
○吉川国務大臣 繰り返しになりますけれども、申し上げさせていただきます。 いずれにせよ、労使間での合意については当事者において誠実に対応されることが労使関係の安定にとって重要であると考えております。 以上です。
○大森委員 オーナー会議、オーナーとプロ野球選手会労働組合との合意が本当に誠実に実行されるよう、私も大いに期待をするものであります。 次に、雇用問題に関連して質問をしたいと思います。 午前中以来、今の雇用情勢、さまざまありました。失業率が四・七%、これは戦後最悪の水準に近い状態がずっと継続をしているわけであります。しかも、その中で、失業期間が一年以上、これが八十万人、四人に一人以上ということになっている。しかも、非自発的失業者が約百万。これは三年前から急激にふえて、約倍増ということになっているわけであります。 私ども日本共産党は、この間さまざま雇用問題で提案を行ってまいりました。何よりも、激増したリストラ、解雇、これを一方的に行わせない、それを規制する。あるいは、失業期間が一年以上、だんだん長期化する中で、再就職活動を支援し、また生活を支援するという意味で公的な就労事業をやるべきではないか、こういう提案なども行ってまいりました。 そうした中で、労働省も、先ほどお話もありました緊急地域雇用特別交付金という形で緊急、臨時の制度もスタートしたわけであります。これは、初めて一般会計から投入をする、あるいは地方自治体が地域に合った事業を選択できるということで、私どもも注目をしてまいりました。 これまでの到達点については、先ほどお話があったように、十一年度で七万三千人、そして十二年度見込みで十五万、こういうことでありますけれども、私は改めて、これは事業の目的が本当に遂行されているだろうかと、全国的な調査も行ってまいりました。 そこで、幾つかこれを検証し、またそれに基づいて提案もさせていただきたいと思います。 第一に、先ほど数字も出たわけですが、一体どれだけ失業者に雇用の場、就労の場を提供できたのか、まずこれをお答えいただきたいと思います。
○渡邊政府参考人 これは、ただいま委員が申された数字と同じものでございますけれども、十一年度の実績で約七万三千人……(大森委員「それはもう結構です」と呼ぶ)わかりました。 十二年度で十五万ということで、これは来年度いっぱいの事業ですが、事業全体として三十万人の雇用創出ということを掲げているわけでありますが、現在では目標どおりに進んでいると考えております。
○大森委員 それは今私が一回言ったから。私の質問に答えてください。
○渡邊政府参考人 これがどの程度労働者の雇用に役立ったかということでございますと、ただいま申し上げましたように、トータルで約二十万人を超える方々について既に雇用の場を提供していると見ております。
○大森委員 どの程度ということが具体的にわかりませんか。
○渡邊政府参考人 この事業に就業されました方、先ほど申しましたように二十万を超えていると思いますが、この中で特に安定所の紹介によってこの事業につかれた方も三割程度あると思っておりまして、そういった方は実際に失業状態からこの事業で就労されておるというふうに見ております。
○大森委員 ちょっと聞こえにくかったのですが、三割程度ですか。
○渡邊政府参考人 正確な数字は把握しておりませんけれども、安定所紹介によってこの事業に入られた方は三割程度ではないかと見ております。
○大森委員 職安経由の方が三割程度と、ちょっと不明確な御答弁でありますけれども、一体どれだけ失業者に雇用の場、就業の場を提供したのか、あるいは職安に職を求めてきた人たちにどれだけ就労の場を与えたのか。その点はもう少ししっかりとつかんでいただきたいと思うのです。 大体労働省自身、こういう事業を進めていく中で通達などを出して、多くの就業機会が望まれる、つまりできるだけ就労効果の高い事業、職安紹介を義務づけるかどうかはともかくとして、職安と連携してというようなことを言っているわけでありますから、事業の中心的な目的としてそういう実態をもっときちんと掌握をすべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
○渡邊政府参考人 この事業は、もとより、今現在職がなくてつなぎのための事業としてこの事業に就労する、そういったことを目的にした事業でありますから、職安の経由は三割程度といたしましても、そのほかに自治体の広報等によってこの事業に入ってきておられるわけでありまして、実際に正規の職がある方はこの事業には入ってきておられないわけでありますから、事業全体としては、現在仕事を探しておられる方に対して職業を提供しているというふうに考えております。
○大森委員 労働省の通達の中でも、特に中高年を中心とした非自発的失業者、つまりリストラ、倒産等の失業者とか学卒未就職者が中心になるということも具体的に要請しているわけです。ですから、要請という形で努力はされておりますけれども、そういうものが本当に実るように、ぜひさらに努力をしていただきたいと思うのです。 次に指摘をしたいのは、本来はそういう失業者の雇用就業の機会をつくるための交付金事業でありますけれども、それがシルバー人材センターに安直に委託されているのじゃないかという点であります。 もちろん、私どももシルバー人材センター委託を一概に否定するものではありませんけれども、労働省はもともとシルバーによる就業は雇用対策という位置づけはしていなかったわけであります。 ちなみに、これは神奈川県の新聞で、一面トップで大きく報道されたわけなんですが、神奈川県で二十八億円で七千八百人の雇用創出ができたという形で、この七千八百が大きく出ているわけなんですが、よく聞いてみますと、直接は就業しない研修受講者数が二千人、残り五千八百人のうち三千人がシルバー人材センターによる就業となっているわけですね。 ですから、こういう点で、雇用創出の実績と言っている分の全体の約四割がシルバー人材センターへの委託ということについては、やはり事業の本来の目的からいって、改善の余地、見直しの余地があるのじゃないかと思いますが、この点、いかがでしょうか。
○渡邊政府参考人 この事業はあくまでつなぎの就業ということでございますから、例えば半年間の就業の間に正規の職業を探していただくということを目的としているわけであります。そういったことでいえば、シルバー人材センターで半年程度働かれるということも十分意義のあることであると思います。 ただ、委員おっしゃいました数字と私どもの手元の数字とちょっと異なっておるようでありまして、神奈川県についていいますと、おっしゃいましたように、事業費は二十八億円で、研修を除いた新規雇用就業者数は五千八百七十二人ですが、このうちシルバーでの就業者数は四百五人ということで、私どもの数字ではそういうふうに把握をしております。
○大森委員 私ども神奈川県から提出していただいた資料で、そうきちんとまとめているわけであります。では、そういう資料を出していただきたいと思います。 これは神奈川県だけじゃないのです。例えば山梨県も聞きましたけれども、約三分の一がシルバーになっているわけですね。 形態は当然地方自治体でいろいろあるわけなんですが、私の住んでおります横浜市では自転車等放置緊急対策事業という事業がありまして、私もほとんど毎朝この事業に従事している中高年の方にお会いし、あいさつもするわけなんですが、これは、自転車の放置が著しい駅周辺に監視員を配置して、放置防止を促し、適正利用への啓発等の指導を行っているということですが、各地の警備会社に委託して、最長六十日、ですから約三カ月、百十四人の方がこういう固定した仕事につくことができたということです。 こういう効果もあるわけですから、こういう比較的うまくいっている事業があれば、やはり全国的にも紹介し、そういう面での各地での取り組みを促進するというようなことも必要じゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○渡邊政府参考人 この事業の進捗につきましては、私ども、地方自治体と実際に連携をとって、その実施状況の把握等に努めているところであります。 今委員御提案のように、好事例というものについては各都道府県にも今紹介していると思いますが、さらにそういった点については検討を重ねてまいります。
○大森委員 二つ目の問題は、事業内容が専門的なものになっている、機械や装置などのレンタル料が経費の大半を占めてしまう、あるいは専門家の日当分が高くなり過ぎるということで、新規の人件費に回る金額が少な過ぎるという問題があるわけです。 これは大阪府の事業でありますけれども、六千万円の事業でたった三人しか就業できない。これは大阪府が大企業に委託した事業で、十分な新規就業をつくっていない状況なわけです。大阪府の場合、こういう大企業に委託というのが多くて、例えば三和総研に委託した事業、五千五百十七万円で四十八人ということとかあるわけです。ですから、こういう大企業への委託で十一年度の大阪府の交付金予算の約一割を使いながら、新規の雇用人数は大阪府全体の二%程度にしかなっていないわけですね。 こういう委託費の多くの部分を新規の雇用に伴う人件費にということがやはり必要じゃないか。失業者等の生活保障と再就職活動の援助という点からも、そういう面での指導あるいは調査が必要じゃないかと思います。その点どうでしょうか。
○渡邊政府参考人 この事業の実施によりまして一人でも多くの方が雇用の場を確保できるということがこの事業の目的でございますから、私どもとしても、雇用の吸収力の高い事業を行ってもらいたいと思っておりまして、本年の四月一日にも、職業安定局長名で各都道府県知事に対する通知の中で、新規雇用就業の機会を生じる効果が高い事業を行うようにという通知も出しているところであります。 今おっしゃいましたような事案が仮にあるとしますと事業としては不適切であると思いますが、私ども、県から出していただいている県を含めた自治体の雇用の計画を見ますと、現時点ではそれほど不適切なものは見当たらないようでありますが、さらにこの趣旨については徹底をしてまいります。
○大森委員 既に十二年度の全国の事業計画も出ていると思うんですが、そういう見地でぜひこれはつぶさに精査もしていただきたいと思います。 最後に、これにかかわって私ども提案させていただきたいと思うんですが、一つは、間もなく補正予算も提出をされるわけでありますけれども、私ども、今、生活を支援する補正予算として、前年度の剰余金約一兆円の半分については福祉やこういう雇用対策に使うべきじゃないかという提案を行っているわけであります。 具体的には、十五万五千人は、お話がありましたけれども、各事業に係る人日計算で割り出された数なわけですね。実際に新規に働く人の数じゃないわけです。先ほどの神奈川の例のように、研修を受講した人数やシルバー人材センターなども含まれている。それをまとめて就労実績と言っているところに、カモフラージュと言ってはあれですが、そういう面があるんじゃないかと。 そういう点で、実態をリアルに見て見直しあるいは改善等を行うということと同時に、二年半で約二千億円、こういうことで十三年度末に順調に進んでいくというお話もありました。しかし、雇用情勢については引き続き厳しい状況という中、あるいは失業期間がさらに長期に延びるという中で、雇用保険の方は支給期間は短縮されましたけれども、大幅な予算の増額、当初二千億円で三十万人ということでありましたけれども、内容の改善と同時に予算を増額する、例えば少なくとも期間も延長して予算を倍額程度に伸ばしたらどうかということ。 それから、特に期間については六カ月間という限定があります。これも、教育関係については直接雇用という形で認められているわけでありますけれども、例えば教育現場のチームティーチングの臨時講師などについては、六カ月ということではやはりそうした仕事についた効果が上がりにくいんではないかということが出されているのではないかと思います。そういうことで、自治体の裁量で一定期間延ばすことができる、例えば最大一年延ばすとか、そういうことも考えてもいいのではないかと思います。 こういう予算を大幅に増額するという点と、雇用期間について、六カ月の限定について弾力的な運用、柔軟な運用、この点をぜひ検討していただきたいと思います。この点は大臣からお答えいただけますか。
○吉川国務大臣 お答え申し上げます。 緊急地域雇用特別交付金事業は、失業者が民間の安定した雇用につくまでのいわゆるつなぎの雇用の機会を確保するための事業であることを考慮いたしまして、雇用期間を六カ月未満に制限しており、この要件を見直すことは考えておりません。 また、本事業は、あくまでも臨時応急の措置として創設したものであり、本事業にかかわる予算の増額についても考えておりません。
○大森委員 大臣も随分冷たい御答弁なんですが、雇用情勢の厳しさを言う割には非常に冷たい、状況によっては、ぜひそれは検討すべきだと思います。 それとあわせて、幾つか指摘をいたしました問題点については、重ねて調査も行い、そして必要な改善、見直しを行うということを改めて要求しまして、私の質問を終了させていただきたいと思います。ありがとうございました。
○大石委員長 金子哲夫君。
○金子(哲)委員 社会民主党・市民連合の金子哲夫です。 幾つかの問題について質問させていただきたいと思います。まず最初に、KSD問題についてお伺いをしたいと思います。 私ども社民党は、去る十月十九日から二十三日まで、KSDホットラインを設けまして、会員の皆さんを中心に電話やファクスによるさまざまな意見や要望をお聞きしたところです。二百三件寄せられております。そして、十一月一日には、KSDを直接訪れまして、調査も進めてまいりました。 時間のこともありますので、私は、午前中の討論も受けながら、特にこの点だけは聞いておきたい点についてきょうはお伺いをしたいと思います。 その一つは、平成十年、一九九八年の十月十二日に出された口頭指導についてであります。 その内容は、豊明会に対する補助金の使途の明確化、豊明会の経理について、補助金と他の経理との区分経理についてということで指導をされておりますけれども、同じ年の七月三十日に、他の内容ではありますけれども、文書によって指導がなされております。 なぜわずか三カ月足らずの間に口頭による指導が行われたかということをまずお聞きしたいと思います。
○野寺政府参考人 たびたびお答えしているわけでございますが、KSDに対しましては、平成五年以来幾つかの指摘をしておりますけれども、それぞれ内容が幾つか異なっておりますし、同一のものもございます。御指摘の平成十年の七月の時点では……(金子(哲)委員「いや、内容はいいですから。なぜそういう短い間にそういうことが」と呼ぶ)はい。 別の項目につきまして改善を求めていたわけでございます。 〔委員長退席、鍵田委員長代理着席〕
○金子(哲)委員 今ちょっと日付を間違えまして、十一月十二日のようですけれども。 この問題は金銭にかかわる問題ですね、経理上の問題ということは。私は、金銭上の問題だということになると、非常に重要な問題だと思うんですね。それにもかかわらず、その前には文書で指導がなされながら、今回は口頭で指導する。これはだれにどういう形でやられたんですか。KSD側はどなたに対して指導されて、なぜ文書でなくて口頭の指導になったかということ。
○野寺政府参考人 相手方は、基本的に理事長でございます。こちら側は当然労働基準局長、こういうことになるんですが、どういう形の指導をするか。それは、例えば指摘する項目が非常に複雑であるとか文書にしないと不明瞭であるとかいったような場合には文書にする必要がございましょうし、口頭で指摘して済む場合には口頭で指摘するということでございまして、口頭であるから甘いとか、文書であるから重いとか、そういうことはないわけでございます。
○金子(哲)委員 それは、失礼な言い方ですが、全然認識が甘いんじゃないですか。 口頭で指導したことが守られるんなら、それでいいですよ。しかし、平成十年の十一月十二日の口頭指導は全く守られていないじゃないですか。そんなあいまいな指導が、指導と言えるんですか。しかも、国の税金を使って交付しているお金の行方の問題について、指導をしながら、口頭でやっている。私は、そういうことは納得できないですよ。 私は、やはり文書で指導する方が口頭指導より明らかに責任のある指導だと思うんですよ。それが同等だというのは、まやかしじゃないですか。
○野寺政府参考人 繰り返しになりますが、口頭での指導であるから守らなくていいとか、文書の指導だから守らなければいけないとか、そういう軽重は基本的にないわけでございます。 御指摘の平成十年の十一月十二日の指導の内容というのは、経理区分の問題でございます。この経理区分について、このときの指導に対するKSDの回答は、十一年度中に改善する、こういうお話があったわけでございます。
○金子(哲)委員 この問題は、ちまたでも、報道でも言われておりますように、その後、豊明会を通じて、そしてまた政治連盟を通じて政治献金が行われていた、こういう問題が明らかになっているわけでありまして、九八年のこの指導の時期というのは、実は九八年は参議院選挙が行われた年でもあるわけですよ、七月に。ですから、私は、やはりそういうことも含めて、このお金の使途に不明な部分があるから指導されたのではないかというふうに思うんですけれども、その点はどうですか。
○野寺政府参考人 これも午前中にもお答え申し上げたわけでございますが、基本的な問題というのは、KSD本体から、福利厚生事業をやるということで、豊明会の方に約三十億ぐらいのお金が補助金として行っております。 この補助金につきまして、何に使ったのかという問題でございまして、KSD側の説明によりますと、豊明会の方でこれは福利厚生事業に使っているということであったわけでございまして、その点を豊明会の方の収支計算書で見ますと、確かにそういうような記述がございます。 ただ、私どもの考えましたところは、福利厚生事業に使っているお金が果たして補助金であるのかそれ以外の収入であるのか、そこのところが帳簿上明確でないということにつきまして、これを明確にしなさい、こういう指摘をしてきているわけでございます。
○金子(哲)委員 この問題だけに時間をかけるわけにいかないので、私の意見だけ申し上げておきたいと思います。 平成十一年度までに指導をするということでしたが、結局は平成十二年に入って立入検査の時点まで一切やられていないために、八月十日の改善勧告で改めてそういうことを指導しなきゃいけないという状況になっているわけです。 実は、私どもが十一月一日にKSD本部を訪れた際に、対応された総務部長さんの発言の中では、労働省からの指導がKSD内部で必ずしもきちっと周知されていなかった、新しいものじゃないですよ、過去の経過で。ですから、平成十年の十一月十二日の口頭指導というのは、口頭指導などという指導のために、実際には、KSDの中でそのことが真剣に受けとめられて、それを解明するため、また整理するための努力はされていなかった。だからこそ、平成十二年になって改めて立入検査をしなければいけないような事態になったということで、私は、指導のあり方としては非常に問題があったということを指摘しておきたいというふうに思います。 〔鍵田委員長代理退席、委員長着席〕 それから、次ですけれども、ことしの十月十八日にKSD事業団が、「KSDの改革について」ということを発表しております。その中の第二項では、「豊明会を解散し、KSDは一切の政治活動を行わない。また、特定の政党、政治家に対する支援も行わない。なお、豊政連は事実上既に解散している。」という項目があるわけです。 午前中の討論を聞いておりますと、KSDと豊明会は団体としては一切違うという答弁を一生懸命されていたようですけれども、この文書を見ると、KSDみずからが豊明会また豊政連についてこのような改革案を出すということは、非常に深いかかわりを持っていたということをみずから表明しているというふうに私は思うわけであります。 したがって、ただ単に豊明会を解散し、豊政連を解散したから事が済むということでなくて、これまでの経過、お金の流れというものをきっちり明らかにしなければ、本当に改革に責任を持つということにならないと思うんですが、いかがですか。
○野寺政府参考人 今後のKSDにつきましては、確かに先生御指摘のとおり、今までの改善勧告等も踏まえまして、さらに今回KSDの方から表明された改革案、こういったことがぜひとも必要であると私は思っております。一方で、別件で捜査もあるようでございますが、そういった状況もわきににらみながら、確実にこういった改革、改善がなされていくかどうかを厳しく見守っていきたいというふうに思っております。
○金子(哲)委員 このKSD問題の質問を終わる最後に、このことだけは申し上げておきたいと思いますけれども、私どものホットラインに寄せられた意見の中で、かなり多くの意見が、やはり自民党に対する献金に対してであります。 つまり、会費からお金が流れて、結果としては使われていくという状況の中で、これに対して、我々は自民党に献金するために会費を払っているのではないとか、そういう多くの意見が寄せられておりまして、大変厳しい指摘の声が上がっております。 したがって、やはりこの問題については、その点を含めて解明をきちっとしていく、労働省でできる最大の解明をやっていただきたいということを最後に申し上げたいと思います。 次に、放射線被曝労働者の問題についてお伺いをしたいと思います。 昨年の九月三十日に、東海村のジェー・シー・オーでいわば初の臨界事故が発生をしまして、もう一年がたちました。責任者が逮捕され、また、労働省の方も検察庁に書類送検するなどということが行われておりますけれども、私は、この問題について少しお伺いをしたいと思います。 たくさん言いたいことはあるんですけれども、特に、本年の四月二十日に、東海村ウラン燃料加工施設事故に係る被ばく労働者の健康管理の在り方に関する検討会報告書というのが出され、その翌日に、労働基準局安全衛生部の労働衛生課長名で、報告書についてという文書が出されておりますので、この点を中心にしてお話を申し上げたいと思います。 まず、その中身の中で、特に被曝線量やその健康への影響の記述については多くの問題がある、私はこのように考えております。 被曝線量の出し方の問題、中間で出された被曝線量と最終報告としてまとめた被曝線量の問題、それから、この中には、特に低線量被曝による被曝の障害の問題等が全く無視をされている問題、また、九月一日の日本放射線影響学会第四十三回大会で報告されているようでありますけれども、御協力をいただいた三十六名の被曝者の皆さんの調査結果では十八人の染色体異常が認められるという警告も出されているわけでありますけれども、本報告では、そういう被曝という事実について、またその影響について余りにも過小に扱われているというふうに私は思っております。 そこで、大臣にお尋ねをしたいんですが、被曝者という問題について、大臣はどのような見解をお持ちですか、お伺いしたいと思います。
○吉川国務大臣 お答え申し上げます。 放射線は、人体に対して重大な健康障害を起こすおそれがあることから、放射線業務に従事する労働者の健康を確保することは、極めて重要であると認識しております。このため、労働安全衛生法では、放射線被曝の管理、健康診断等のさまざまな措置を事業者に義務づけることによりまして、労働者の被曝をできるだけ少なくするとともに、健康障害の早期発見等に努めているところです。私といたしましても、今後ともこれらの施策を通じて放射線業務に従事する労働者の健康の確保に努めてまいります。
○金子(哲)委員 全く認識がないと私は思います。そういう答弁をだれも求めていないんです。被曝者に対してどういうふうな考え方を持っているか、だれも被曝者を出さない対策について聞いたわけじゃないんです、被曝者というものがどういう状況に置かれているかということを労働大臣はもっと深く認識をしてほしいという思いで質問をしているわけですが、また質問しても時間がかかるので、そのことをぜひ考えていただきたいというふうに思います。 その報告の内容にかかわる問題で申し上げたいと思います。 先ほど言いました問題点はとりあえずおくことにして、被曝労働者の不安は大きいものと考えられ、不安解消のための健康管理対策が必要であるということを述べられ、最後に、在職、離職者に係る健康管理情報を一元的、長期的に管理することとされております。そして最後に、労働省としては本報告を踏まえて事業者に対して必要な対応を速やかに行うように指導することとなっておりますが、具体的にはどのように指導され、どのような対策が講じられているか、お知らせいただきたいと思います。
○野寺政府参考人 ちょっと周辺の情報から御説明した方がよろしいと思いますが、まず、こういった事項について、被曝を防止するというところが施策の基本でございますが、今回残念ながら被曝をされたわけでございます。被曝をされた方につきましては、先生御指摘の御報告書の中で、健康管理を一元的、長期的に行うようにという御趣旨の指摘がございますので、これによりまして、健康管理をその後も実施して、こういった方々の健康状態に注目しながらじっとこの状況を見ている状況でございます。
○金子(哲)委員 いや、事業者に対してはどういう指導をされたんですか。それで、具体的にその対策はどうなっているんですか。そのことを質問しているんです。
○野寺政府参考人 ジェー・シー・オーに対してという御趣旨だと思いますが、ジェー・シー・オーに対しまして、茨城労働局長名で今回の事故に関します労働者の長期的な健康管理をかくかくしかじかやれ、こういう趣旨のいわば通知をしてございまして、例えば……(金子(哲)委員「いいです」と呼ぶ)いいですか。通知をしてございます。
○金子(哲)委員 としますと、ジェー・シー・オーに対して指導されているわけですね。そうすると、離職者に対してもジェー・シー・オーはずっと責任を持つんですか、長期的に。そして、遠隔地に行った場合も責任を持つんですか。この報告書の中では、離職した労働者が遠隔地に転居することも予想されるので、外部機関においても健康相談やカウンセリングを受けることができるようにすることが望ましいとしているわけですね。その点についてはどのような考え方を持っておられるんですか。
○野寺政府参考人 ジェー・シー・オーがまず長期的な健康管理を責任を持ってやるようにということで、それに対しましては、例えば現実的なそれのサポートといたしまして、労災病院であるとか産業保健推進センターであるとか、そういった労働省の関係で利用できる施設の利用の利便を図る、こういった体制でございます。
○金子(哲)委員 同じところで時間をとりたくないんですけれども、結局何もやっていないということなんですよ。離職者に対しての対策など今おっしゃった中には一つもないわけですね。それから、長期的な問題に対して今基本的な考え方をはっきりさせなければ、問題は進まないと思うんですよ。長期的、一元的に管理しなさいということがこの検討報告書の中身なんですから、そんないいかげんな姿勢ではこの報告書を全然実施していないというふうに思うんですね。 そのためには、これはこれまでも労働委員会の中で、私ども社民党の畠山委員が二回ほど委員会の中で質問し、大臣も答弁をされておりますけれども、本当に一元的に長期的に管理するとすれば、当然のことですけれども、健康手帳など交付をして、明らかにこの方が被曝者であるということを明言しなきゃいけないと思うんですよ。 ことしの二月二十四日の委員会では、もう少し検討させてほしいということが言われておりまして、その後、四月二十一日にこの長期的、一元的に管理しなさいという報告書についてが出ているわけですから、当然のこととして健康管理手帳も含めて検討されていると思うんですが、その点についてお答えください。
○野寺政府参考人 先生御案内だと思うんですけれども、これも畠山先生との問答の中で大臣からお答えしたことでございますが、健康管理手帳という制度は、その業務につくことによって一般的に健康障害が発する蓋然性が非常に強いという場合に発給される制度でございます。したがって、今回のジェー・シー・オーの場合にはそれに該当しないということなんですが、ただ、不安をいろいろ感じておられますし、現実に健康障害もあり得るという前提で、長期的に健康管理をしろ、これは事故を起こしたのは事業主の責任でございますので、ジェー・シー・オーという事業主を通じましてそういった長期的な健康管理がなされるようにという指導をしているわけでございます。
○金子(哲)委員 それは、今労働省は逃げているとしか言いようがないと私は思うんですよ。労働大臣は、最初の答弁のときには、被曝という問題が非常に重要な問題だから、健康手帳を交付して、やはりきちんと対応しなきゃいけないという趣旨でおっしゃっているわけですよ。あなたがおっしゃるのは、安全衛生法上のいわゆる十二種類の問題で健康手帳のことをおっしゃっていると思うんですけれども、私は全然違うと思うんですよ。 そしてやはり、何といったって、一元的、長期的に管理する、その管理の方法が、何か証明書なり手帳なり持たなきゃできないじゃないですか。離職をして遠隔地へ行ったとか田舎に帰ったとか、そういう人が自分の田舎に行って健康診断を受けようと思ったって、自分に何の証明ができるんですか。そういうものがないわけですよ、今は。だからこそ健康手帳とかそういうものが問題になっているわけで、だから大臣にお聞きしたんですけれども。 被曝の問題というのはすぐに出てくる問題じゃないわけですね。健康不安があるというのは、将来、いつ出るかわからない不安があるからこれが問題になるので、だからこそ長期的に対策が立てられるような方策を講じなきゃいけないんじゃないですか。
○野寺政府参考人 くどいようでございますけれども、健康管理手帳がすべてではないというふうに思っております。健康管理手帳にはそれなりの要件があるわけですが、それは今回の場合に該当しないけれども、事故を起こした責任を持っているジェー・シー・オーの方で責任を持って長期的に健康管理をしろ、こういうことをジェー・シー・オーに対して指導しているわけです。
○金子(哲)委員 もう時間がないのでこれで終わりにしますけれども、二月二十四日の答弁の際にも、あなた自身が、大臣の答弁の趣旨を十分にかんがみて、現在検討中なので少し時間を下さいということをおっしゃっているんですよ。そして、その趣旨というのは、いわゆる安全衛生法上の健康管理手帳のことを言っているのではなくて、いわば被曝の証明という形の中でその一つの名称として健康管理手帳というものがあるのであって、同じ、同質のものを出しなさいということと趣旨が違うと私は思うんですよ。被曝者ということを証明するという意味でそのことが言われているのであって、そのことを労働大臣、どうですか。大臣に考え方をお聞きしたいので、被曝者問題。
○吉川国務大臣 私の答弁は先ほど申し上げましたので、同じことを繰り返して申し上げることになりますから、失礼させてもらいます。
○金子(哲)委員 同じ答弁と。私が今聞いているのは、被曝された方のことを聞いているんですよ。大臣は被曝させないためにどうするかという答弁をされただけで、被曝された方のことを一つも答弁していないじゃないですか。それが今本当に被曝労働者の問題を責任を持って扱おうとする労働省のトップの姿ですか。全然認識が違うじゃないですか。
○野寺政府参考人 少しだけ御答弁します。 二月二十四日というふうに先生おっしゃいました。二十四日には、私の答弁は、健康管理手帳を支給するということは不適切である、しかしながらそれにかわる方法として長期的に健康管理ができるような体制、こういうふうに申し上げているわけでございます。
○金子(哲)委員 今の答弁でも明らかなように、長期的に健康管理をすると言いながら、具体的には何一つできてないじゃないですか。あなたはそんなに立派ですか。二百何十人の人をずっと一人の人が管理をしていくんですか。どうやって管理するんですか。実際にできないじゃないですか。 次にお伺いしたいのですけれども、この放射線問題と関連するので申し上げますけれども、十月二十五日の中国新聞によりますと、原発労働者の白血病が業務上の労働災害に認定をされております。この方はお亡くなりになった後、申請があったと聞いております。これまでに原発労働者にかかわる労災申請は、ジェー・シー・オーの事故で三名の方が労災に認定をされて、うち二人の方はとうとい命を失われております。ジェー・シー・オー以外で十人申請されたうち、業務上が五件であります。業務外に当たる問題についても意見があるのですが、とりあえず業務上の問題といいますと、うち四名の方は死亡されております。そして、一名の方は、当時は療養中ということですけれども、かなり時間がたっておりますので、大変な結果になっているのじゃないかという心配をしております。 私も広島におりまして、いわば再びヒバクシャをつくってはならない、そういう思いで原水禁運動やさまざまなヒバクシャ運動をやってきたんですけれども、ジェー・シー・オー以外に核による死亡という犠牲を受けられた方がこんなにもたくさんいるということに愕然としますし、私どもの運動として本当に反省をしているところであります。 今回認定された方は、電力会社で言えば、大体一次下請の皆さんだというふうに私はお伺いしておりますが、それ以上に危険な状態で作業されているのは孫請、ひ孫請という、二重、三重の構造の中で原子力発電所の作業が行われていることは御存じのとおりだと思います。しかも、この五名の方は、いわば国が定めております年間五十ミリシーベルトという被曝許容線量といいますか、私はこれは高いと思いますけれども、そういう基準を守って、いわゆる安全基準を守っていながら白血病という労働災害が発生しているわけです。 本当は聞きたかったのですが、聞くところによれば、実は、何か事故があって大量の被曝をしたということでなくて、そこに何年間従事していたために発症した、ほとんどこういう事例だというふうに伺っております。としますと、今の労災認定基準では、白血病の場合は年間五ミリシーベルト以上の被曝線量で何年間かということになっているわけですね。それより超えて被曝をされて今回認定されたということになると思いますけれども、マスコミなどの数字を拾ってみますと、申請されるまでの数字が、すべてトータルで大体五十ないし六十ミリシーベルトの被曝です。 そうしますと、放射線障害防止法では、一般人は年間一ミリシーベルトが上限だ、そして労働者は五十ミリシーベルトが上限だというふうに言われておりますね。一方で、五ミリシーベルトで一年以上従事をしていて白血病が発生したら労災として認定をされるわけです。ところが、放射線障害防止法では五十ミリシーベルトまで被曝はいい、いいと言いませんけれども、オーケーになる。 私は、被曝線量の基準問題について十倍もの大きな差があるということで、失礼な言い方ですが、たまたま死亡事故でそのことが証明できる方が労災申請をされたけれども、実際には死に至らない被曝をされている労働者というのはかなり多いのではないか、しかも五十ミリですから、亡くなられた方よりも多い被曝線量を浴びていらっしゃるケースがあるのではないかというふうに思うんです。 そういう意味でいいますと、この被曝の問題について、私は、線量の見直し等をもっときちっとやるべきではないか。それで、ICRP90勧告が出されて、来年には見直しをされるということですが、これすら年間五十ミリシーベルトの五年間で百ミリシーベルト、こういう数字です。これではいかにも高過ぎるわけです。 こういう被曝によって、通常の作業をして亡くなられた労働者の方が現に出てきている状況をもっと真剣に考えて、原発に働かれる方、これはさっきも言いましたように、二重、三重の労働者構造になっているわけで、孫請、ひ孫請ではもっと過酷な条件の中で労働されている、こういうことがあるわけで、そのことに対してもっと真剣に、真剣にというよりも、先ほど言いました数値の問題も含めて、改めて検討していただきたいと思うのですが、どうでしょうか。
○野寺政府参考人 今回、労災認定を受けられた五名の方々の被曝線量は、いずれも十ミリシーベルトから二十四ミリシーベルトで、五十ミリシーベルトを下回っているというのが事実でございます。ただ、先生御指摘のように、この関係の国際的な基準がその後改正されておりまして、年間五十ミリシーベルトから五年間で百ミリシーベルト、これは御案内のとおりでございます。若干強化されておりますので、こういった国際的な理解に沿いまして、国内的な数値を考えてまいりたいというふうに思っております。
○金子(哲)委員 数字のことはそれでわかるのですけれども、先ほどから申し上げていますように、被曝という問題は、実は低線量の被曝であっても大変ですし、また被曝という問題が非常に難しいのは、においもしない、痛さも感じない、そういう中で被曝をして、すぐにあらわれればすぐ発見できますけれども、場合によれば二十年先、三十年先にがんなどという症状になってあらわれる。そういうところに非常にこの問題の大変な問題があるわけです。 ですから、私は、今の基準がいいということでなくて、今の基準よりも——さっき言いましたように、一方では五ミリシーベルトで労災に認定をされながら、片方では五十ミリシーベルトまでオーケーだ。こういう十倍も違うような数値がまかり通っているその原子力行政というものについて、私はまずここで強く指摘をしておきたいと思います。 時間がありませんので、最後の問題について申し上げたいと思います。 商法の改正が行われた際に、この委員会でも労働者の権利保護の問題が集中的に論議をされたところでありますし、私ども社民党も、企業の行き過ぎた行動を規制する法制があいまいなままで、かつ企業形態の変更などを理由とした解雇制限規定が明文化されていない状態の中での承継法の制定は、必ず将来に禍根を残すという指摘を当時の委員がしております。私は、今そのような指摘が、現実の状況として実際に職場の中では出てきているということを申し上げたいと思います。 広島に東京濾器という本社が横浜にある会社がありますけれども、自動車の部品メーカーです、広島の向原というところにありますが、ことしの三月十三日の朝礼において、突然として広島工場を含む三工場の三百名の解雇の命令が出されました。会社は、今回の工場閉鎖、従業員解雇に当たって、自動車業界の環境変化、設備の老朽化、管理能力の低下などということを挙げておりますけれども、実際には今期だけでも六億円も設備投資を続けている。工場閉鎖後も、地元の零細企業に生産委託をして商品の生産を続けるという状況になっております。 その中には解雇をしなければならないという理由はないわけでありますけれども、本社の社員が五十名、工場の直接の社員が百五十名ですが、本社社員はなぜか解雇になりませんけれども、残念ながら工場の百五十名だけは全員解雇ということになっております。そして、委託する先に就職あっせんをするということですが、この委託しようとした会社も、六月に決めた会社からまた変わるという状況、再就職をあっせんするといいながら、その会社の中では労働条件すら明示されないままに再就職の希望がとられているというような状況で、全く労働条件の承継というのはなされていないわけですね。 会社分割の事態が起こった際にまさに労働条件の承継ということが強く言われたわけでありますけれども、私は、今回のこの事態を見てみますと、まさにその心配が当たっているというふうに思うわけであります。その中には、女性については再就職の希望先のあっせんもしないというような、まさに男女差別の問題すら含んでいるわけであります。 こうした問題は今までも私ども指摘しておりますけれども、一方的に労働者が首を切られる、労働条件を切り下げられる、とりわけこの工場のあるのは向原町という広島市から少し入った田舎の町でありますから雇用状況だって大変厳しいわけでありまして、そういう中でこういうことが一方的に行われる、会社は全く労働者の権利を無視、保護を無視しているような状態が既にあらわれている。 この労働契約承継法の施行に当たっては、この法律を運用するための指針や省令がつくられることになっている、先ほども答弁があったわけでありますけれども。この中で、私は、もう一度、労働者の雇用と権利というもの、働く条件というもの、そういったものを不当に侵さないように、そのことがきっちりと守られるように明確にすべきだということを考えておりますが、最後にそのことの答弁を求めて、終わりにしたいと思います。
○吉川国務大臣 労働者の解雇については、判例法理が確立しておりますので、会社は会社分割のみを理由として解雇を行うことは許されません。また、労働条件の変更については、労働組合法における労使間の合意や民法の基本原則に基づく契約当事者間の合意が必要とされており、分割の際には、会社は会社分割を理由とする一方的な労働条件の不利益変更を行うことはできません。 これらの事項については、労働契約承継法に基づく指針にも明記することを考えていますが、労働契約承継法の施行に当たっては、指針の周知に努め、労働者の保護を図ってまいりたいと考えております。
○金子(哲)委員 ありがとうございました。 今おっしゃった中にあった、まさに分割の際に首切りが今進んでいるわけですから、やってはならないことが進んでいるという現実をぜひつぶさに見ていただいて、しっかりと労働行政を進めていただきたいということを申し上げて終わりにします。ありがとうございました。
○大石委員長 金子恭之君。
○金子(恭)委員 21世紀クラブの金子恭之でございます。 我が国の雇用問題を考えるときに、目前に迫った二十一世紀に向けて少子高齢化に伴う労働力不足に対してどう対応するか、非常に大きな課題だというふうに認識しております。そういう意味で、私は、将来の日本を担う若者の中に増加しておりますいわゆるフリーター、そして、我が国の経済社会の活性化や国際化に伴い受け入れが進んでいる外国人労働者について、質問させていただきます。 今後の年齢階級別の労働人口を見てみますと、二年前の一九九八年に、十五歳から二十九歳までの若年層が千六百三十一万人、五十五歳以上の高年齢層が千五百七十万人で、わずかながら若年層が上回っております。それが、これから十年後の二〇一〇年には、労働省の推計によると、若年層が約四百万人減少して千二百三十一万人に、高年齢層は約三百八十万人増加して千九百五十四万人となり、驚くべきことに、逆に高年齢層が若年層に比べて約七百万人上回ると予測されております。 このような状況の中で、労働白書の試算によりますと、いわゆるフリーターの数は、一九九七年で百五十一万人となっており、十五年前に比べ三倍に増加しております。このことは、将来の我が国を考えた場合、非常に深刻な問題であり、早急に対策を講ずるべきだというふうに思っております。 このようなフリーターの増加については、若者の甘えの問題であるとする批判的な意見もあれば、働く意識が多様化する中で当然のこととする意見もあるなど、さまざまであります。先ほど塩田委員も触れられましたが、労働省としてフリーターの増加についてどのように分析しておられるのか、お伺いいたします。
○松崎政府参考人 御指摘のとおり、ことしの労働白書におきましては、一九九七年段階でございますけれども、試算をいたしまして約百五十一万人という数字を出しておりまして、これは十五年前に比べて三倍ということでございます。ただ、これは最近におきましてはさらにふえているんじゃないかというふうに考えられるわけでございます。 この背景につきましては、昨今の不況の影響、そういったことももちろんあるとは考えられるわけでございますけれども、それに加えまして、先生も御指摘になりましたように、若年者の就業意識の変化、さらには、家庭を初めとする若年者を取り巻く環境が非常に豊かになってきておりまして、正社員として働かなくても何とか生活できるという状況、そういったものも大きく影響しているんじゃないかというふうに考えております。 また、いわゆるフリーターと言われる中には、いろいろな分け方があろうかと思いますけれども、大きく分けまして三種類ぐらいございまして、ずっとフリーターを続けたいという、例えは悪いですけれども確信犯的なフリーターもおられますし、また、自分で俳優になりたいとか画家になりたいとかというふうに何か特別の目的を持っておりまして、そのために生活の糧を稼ぐためにフリーターを行うといういわゆる自己実現型のフリーターの方もおられます。ただ、多くの方は、定職につきたいという漠然とした希望は持っていながら、何も努力また取り組みをしないでずるずるとフリーターを続けているといった方が非常に多いわけでございます。 そういったことで、こういった定職への移行希望というものは、特に男性の場合、年齢が高まってくるにつれてその割合が高まってくるわけでございますけれども、実際にはなかなか正社員への移行が円滑にいかないということで、最近におきましては、特に滞留する傾向が見られるのが現状でございます。
○金子(恭)委員 今御説明いただきましたが、例えば、フリーターの方がきちんと就職しようと思ったときに、十分な技能が形成されないままに年を重ねたために必要な職業能力が身についていないとか、また、これまでフリーターであったことだけをもって就職がままならないということがあれば個人にとっても問題であると思いますし、今後若者が急激に減っていく中でこのような人がふえていけば、将来、我が国の社会全体にとって大きな問題になると思っております。 労働省においては、若者が安易にフリーターとなることのないようにするため、どのような対策を講じられているのか、お聞かせください。
○渡邊政府参考人 フリーターの中にはいろいろなタイプのものがあるということは今答弁であったわけでありますが、かなりのフリーターの方が、職業意識が明確でないために一時的な就業や離職を繰り返すというふうな状況であるかと認識しております。また、現在、大学生や高校生で、卒業時点で就職もしない、進学もしない、いわゆる無業者という方が毎年三十万人ぐらい出ておりまして、こういった方がフリーターとして生活をしておるのではないかというふうに考えております。 雇用状況が大変厳しいので正社員になれなかったという方もあるわけでありますが、先ほど申しましたように、職業意識が希薄なためにこういった生活をする若い人がふえるということは、日本の将来にとって大変大きい問題であろうというふうに思いますし、IT革命とかその他の技術革新につきましても、やはりこれは中高年というよりは若い人に担っていただくということであろうというふうに思います。そういったことで、若い人たちの職業意識の啓発は大変大きい課題というふうに受けとめております。 先般も、労働省、文部省が、事務次官をトップといたしまして、こういった若い人たちの問題に両省協力して取り組むということを改めて確認いたしまして、そのための検討会もこれからやろうというふうなことでございます。現在のところは、通産省、文部省等と連携をいたしまして、インターンシップの導入ということを今進めております。そういったことで、できるだけ若い時代から職業意識が啓発されるように努めていくことが大きい課題だろうというふうに思っております。
○金子(恭)委員 今局長より御答弁いただきました。近年、若者がフリーターとなる背景には、若者の職業意識の問題のほかに、今お話がありましたように、就職はしたいんだけれども新規学卒者をめぐる就職環境の厳しさもあるというふうに思われます。 就職環境が厳しい中、企業の即戦力志向の高まりも手伝い、就職活動の途中で就職をあきらめてフリーターになる人や、未就職のまま学校を卒業してそのままフリーターとなる人がいると聞いております。このような状況を踏まえ、労働省としてはどのような対策を講じていくお考えか、お伺いいたします。
○吉川国務大臣 若者がフリーターとなる大きな要因といたしまして、ここ数年の厳しい雇用情勢の中での就職の困難さや、希望に合った職業につけなかったことによる早期の離職があると思われます。 このため、労働省といたしましては、学校卒業時に一人でも多くの学生生徒が就職できるよう、求人開拓や就職面接会の開催等の支援を積極的に行っているところです。また、未就職のまま卒業せざるを得なかった方には、短期間の職業講習や職業訓練を行うなど早期の就職に向けた支援を実施いたしております。 さらに、安定した雇用を希望するフリーターの方には、来年度より、都市部の公共職業安定所において、マンツーマンで職業相談や職場定着に向けた指導を行う事業を行うことを検討しているところでありまして、これらの政策を通じて就職の促進を図ってまいりたいと思っております。
○金子(恭)委員 ありがとうございます。 先ほどから述べておりますように、将来に向けて若年労働人口がどんどん少なくなっていく中で、この問題は非常に大きな問題だと思っております。大臣におかれましても、その辺を十分勘案していただいて対策を講じていただきますようにお願いする次第でございます。 続きまして、外国人労働者についてお尋ねいたします。 日本の経済社会が国際化していく中で、日本で就労する外国人はどんどんふえているのではなかろうかなというふうに思います。一方、外国人の中には、観光客を装って入国し、日本において不法就労する者も相当数存在するのではないかと思います。外国人がこれだけふえた日本において、これら外国人労働者に対して適切な対策を講じていくことは極めて重要であると思います。 まず、我が国の外国人労働者の現状についてお伺いいたします。
○渡邊政府参考人 これは平成十一年の数字でございますけれども、我が国に在留する外国人労働者は、合法、不法合わせて約六十七万人と推計されております。推計を開始いたしました平成二年の約二十六万人からほぼ一貫して増加を続けております。 この六十七万人のうち、貿易の業務、あるいは通訳、技術者などの専門的、技術的分野の労働者は約十三万人でございまして、日系人等の労働者は約二十二万人、この合法就労者は合わせて約四十二万人というふうになっております。この専門的、技術的分野の外国人労働者については、一貫して増加傾向にございます。また、日系人等の労働者につきましては、昨今の景況を反映いたしまして、ピークからはやや減少しているというふうな状況でございます。 一方、そのほとんどが不法就労ではないかと推計されます不法残留者でございますが、平成五年五月の約三十万人をピークにして、最近ではやや減少し、現在二十五万人程度の不法残留者がいるのではないかというふうに推計をされております。
○金子(恭)委員 今の局長の御説明によると、合法、不法合わせて約六十八万人も外国人労働者がいらっしゃるということがわかったわけでございますが、このことは我が国の労働市場にも影響を与えていると思いますが、不法就労者を含む外国人労働者が我が国の雇用に与えている影響と、外国人労働者受け入れに関する基本的な考え方について、労働省としてのお考えをお伺いいたします。
○吉川国務大臣 お答えいたします。 専門的、技術的分野の外国人労働者の受け入れは我が国経済社会の活性化等に資する一方で、いわゆる単純労働者の受け入れについては、国内での雇用機会が不足している高年齢者等への圧迫が生ずるおそれがある、また我が国産業構造の転換等のおくれをもたらすおそれがある等、経済社会と国民生活に多大な影響を及ぼすと予想されます。 また、不法就労につきましては、国内労働市場や労働条件の改善に悪影響を及ぼすことが懸念される上、公正な経済競争等を阻害すると考えられます。 労働省といたしましては、今後とも、専門的、技術的分野の外国人労働者の受け入れをより積極的に推進する一方、いわゆる単純労働者の受け入れにつきましては、国民のコンセンサスを踏まえつつ十分慎重に対応するという政府の基本方針に基づき、適切に対処してまいりたいと思っております。
○金子(恭)委員 ありがとうございます。 現下の厳しい雇用情勢の影響を、合法的に就労する約四十万人もの外国人労働者も少なからず受けているものと考えます。また、一般に外国人労働者は日本語や日本の雇用慣行にふなれであることなどにより、事業主とのトラブルを誘発することがあるとも聞いております。 今後、我が国のますますの国際化に伴って外国人労働者の増加が予想されるところでありますが、これらの労働者の雇用の安定、働きやすい職場環境づくりが重要であると考えます。その一方で、不法就労は我が国労働市場にもさまざまな悪影響を与えるため、不法就労対策も実施していく必要があると思います。 このような状況を踏まえ、労働省としてはどのような外国人労働者対策を講じているのか、お伺いさせていただきます。
○吉川国務大臣 お答えいたします。 労働省では、外国人労働者の雇用の確保と安定を図るために、まず一といたしまして、公共職業安定所に通訳を介した職業紹介、相談を実施する外国人雇用サービスコーナーを設置するとともに、外国人を雇用する事業主が考慮すべき事項をまとめた指針に基づき、雇用環境の整備のための指導、援助等を推進いたします。 また、不法就労を防止し、適正な就労を促進するため、関係行政機関との連携を図りつつ事業主への指導を行うとともに、不法就労者を多く送り出しているアジア諸国において、我が国の外国人労働者受け入れ方針、制度等に関する情報を提供するセミナーを開催しています。 今後とも、これらの施策の着実な実施及び充実を図ってまいりたいと考えております。 以上です。
○金子(恭)委員 ありがとうございます。 この外国人労働者の問題というのは、我が国の活性化、国際化に重大な関係もありますし、また、我が国の労働市場においても非常に大きな影響力を持っているというふうに思われます。そういう意味で、大臣から今決意の表明をしていただきましたけれども、十分に配慮していただいてこの問題に取り組んでいただきますように強く要望をいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ————◇—————
○大石委員長 次に、内閣提出、参議院送付、労働者災害補償保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。吉川労働大臣。 ————————————— 労働者災害補償保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○吉川国務大臣 ただいま議題となりました労働者災害補償保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 近年、過労死等の労災認定件数が増加傾向にあり、その発生を予防し労働者の健康を確保することが重要な課題となっております。また、建設業における災害率が低下していること等に対応し、所要の制度の改正を行うことが必要となっております。 政府といたしましては、このような状況にかんがみ、本法律案を作成し、労働者災害補償保険審議会その他関係審議会の全会一致の答申をいただき、ここに提出した次第であります。 次に、この法律案の内容につきまして、概要を御説明申し上げます。 第一は、労働者災害補償保険法の改正であります。 労働安全衛生法に基づき事業主が行う健康診断において、労働者に業務上の事由による脳血管疾患及び心臓疾患の発生に関連する高血圧、高血糖等の異常の所見があると診断されたときに、その労働者に対し、医師による二次健康診断及びその結果に基づく保健指導を労災保険の保険給付により行うこととしております。 第二は、労働保険の保険料の徴収等に関する法律の改正であります。 建設工事など事業の期間が予定されている事業である有期事業に関し、事業主の災害防止努力を促進するために事業場ごとの災害率により保険料を増減させるいわゆるメリット制について、その増減幅の上限を百分の三十から百分の三十五に拡大することとしております。 なお、この法律は、平成十三年四月一日から施行することとしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 以上であります。
○大石委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十三分散会