予算委員会 第3号
- 発言数
- 286 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 2000/11/20
会議録
○原田委員長 これより会議を開きます。 この際、理事辞任の件についてお諮りいたします。 理事吉田公一君から、理事を辞任いたしたいとの申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。 ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原田委員長 御異議なしと認めます。 それでは、理事に生方幸夫君を指名いたします。 ————◇—————
○原田委員長 平成十二年度一般会計補正予算(第1号)、平成十二年度特別会計補正予算(特第1号)、平成十二年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題とし、基本的質疑を行います。 この際、お諮りいたします。 三案審査のため、本日、政府参考人として労働省労働基準局長野寺康幸君、労働省職業能力開発局長日比徹君及び自治省行政局選挙部長片木淳君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○原田委員長 次に、お諮りいたします。 最高裁判所千葉民事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○原田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。斉藤斗志二君。
○斉藤(斗)委員 自由民主党の斉藤斗志二でございます。 質問要旨ということでさきにお手元に配付させていただきましたが、それに先駆けまして、本日提出されるだろう不信任案について、まずもって総理にお聞きしたいというふうに思います。 昨日、私地元に戻っておりまして、実りの秋、収穫の秋、農業祭、農協祭があちこちで開かれる中で、私も多くの有権者と対談、対話をしてきたところでございます。そんな中で、私の地元は静岡県の富士山のふもとでございますので、富士山が抜けるような青い空の中にくっきりと浮かび上がりまして、堂々たる姿を私どもに見せてくれたわけでございます。多くの有権者は、政治も堂々とあってほしい、そして今の混乱状態は嘆かわしいというのが異口同音に出された言葉でございます。 私は、今回の政局について、三つの点から、私なりの判断を申し上げたいと思います。 まず、支持率でございます。確かに森総理、支持率がこのところ低下をしてまいっておりますが、過去を調べてまいりました。竹下さんのときは一けたまで落ちているわけでございます。そして、この支持率につきまして、私は、支持率そのものが上がったり下がったり動くものだ、同時に、一過性のものもある、したがいまして、参考にすることは参考にするが、これがすべてではないという考え方を持っておりますし、声が大きいとか、マスコミが大騒ぎするからそれが正しいというのは間違いだということだと思っているところでございます。世論形成というのは、一つの考え方ではございますが、私は、もっと冷静にこの事態を見なきゃならない、支持率がすべてではないというのが第一点でございます。 第二点は、森内閣に失政があったかどうか。(発言する者あり)そんなことはありません。真摯に、内政に外交に、お仕事を邁進されていらっしゃるわけでございます。御案内のように、きょうも、補正予算、提出をされたわけでございますが、景気対策、下支え、そして新しい日本の経済構造をつくるためのあらゆる戦略が、先頭になって率先垂範されてやられているわけでございます。(発言する者あり)黙って聞いてくれ。 私は、十八日ですかの新聞記事を拝見させていただきました。石原東京都知事、最も今人気のある政治家、支持率の高い政治家である、見識があると私は思っています。こういうことを言っているんですね。今回の騒動は非常にぐあいが悪いと言っているわけです。そして、森首相については、別に失政しているわけじゃないし、これからせいぜい東京都のためにもやってもらおうと思っていたということをおっしゃっている。 私はそのとおりだと思うんです、何の失政もしていない。なのにこれだけ皆さんからある意味ではいじめられる、言葉が悪いかもしらぬけれども、そういう事態についてはもっと冷静になるべきだというふうに考えているところでございます。 もう一点は、政治空白をつくっていいかという、三点目でございます。 御案内のように、憲法によると、まず不信任案というのが最優先で採決をされる。否決、可決、私はわかりません。ただ、万が一の確率を考えたときに、十日以内にこれを決しなければならない、判断をしなきゃならない。万が一解散になったときは、四十日、そして三十日、こういう長い間の、私が単純計算すると二月の上旬まで政治空白を続けなきゃならない。こういう大事なときに、日本が大変難しい時期にそれだけの長い政治空白をとっていいのかどうかということ、ゲームをやっているわけじゃない、ファミコンをやっているわけじゃないのでありまして、ぜひとも、この大事な時期に政治空白をつくってはならないと思っておりまして、もし本日出されるということであるならば、断固不信任案否決、そういうかたい決意で臨みたいと思いますが、総理にその御決意を、今のお考えをお伺いしたいと思います。
○森内閣総理大臣 御指摘ございました点が今三点あったというふうに承知をいたしております。 内閣の支持率につきましては、あるいはまた不支持率に関しましては、最近の厳しい調査結果については十分承知をいたしておりますし、これまでも、本会議等でも私の考えを述べております。世論の動きを示す一つの指標として謙虚に受けとめなければならないと考えております。 支持率の変動要因というのはさまざまなものがあると考えておりますが、私としては、厳しいこういう状況にあるときこそ、基本にしっかりと立ち返って、国家国民のために何が必要かということを第一に考えることが大切である、こう考えております。 率直に申し上げて、きょうも補正予算の御審議をいただくわけでございますが、これは、与党、野党を問わず、日本の景気、そして経済に対してどなたも心配をされているということは、これはもう当然なことであろうと思いますし、私ども政府としては、国民の皆さんに安心したお気持ちになっていただきますように全力を挙げてこの経済対策を進めているわけでございまして、そういう意味では、あと一押しというところまで来ているなと。 そういう状況の中で、景気を本格的な回復軌道に乗せたい、そしてさらに次への安定的な経済的な基盤、そうしたものをしっかりと構築するためにも、IT革命への対応をしっかりしておきたい。さらに、二十一世紀の社会というものを見てまいりますと、改めて人づくりの重要性というのがあるわけでありますから、そういう意味での教育改革、さらに、先般有識者会議から御答申をいただいておりますので、社会保障改革の実行などの政策をしっかりと積み上げていくことが求められている、そういう時期だろう、こう考えております。 政治には一時の停滞も許されない。私としては、国民が求めております政策を着実に実行に移していくことが内閣を預かる私の責任である、このように考えているところでございます。 失政はあったかなかったかというのは、これは私から申し上げることではないと思いますが、思い起こしていただければ、四月、突然小渕さんがお倒れになって、そしてそのときも大事な政治的な局面であったと思いますし、私も党の幹事長として小渕内閣を支えてまいりました。ということは、小渕さんが進めようとしておられた政策を党として、しっかり三党連立によってお支えをしてきた、そういう私には責任がある、こう考えておりまして、したがって、皆さんのお薦めもございまして、小渕さんの後をしっかりと継承してほしいということもございまして、私なりに小渕内閣が何としてもやろうとしてきたことをしっかりと誠心誠意解決していきたい、今日まで努力してきたつもりでございます。 大きな柱は、沖縄サミットが目前でありました。これはおかげさまで大成功したと思っておりますし、それは私一人の役割ではないわけでありまして、多くの皆さんの御協力があったし、特に沖縄県民の皆さんにも大変御協力いただき、また喜んでいただきましたし、当時は、キャンプ・デービッドでの中東紛争についての仲介に入っておられたクリントン大統領が、わざわざ中断をして、そして沖縄まで来てくださった。私もそのことを小渕さんから一番伺っておりましたから、一番そのことを熱望しておりました。アメリカの大統領が初めて沖縄のこの地に足をおろしていただけるということが極めて大きなテーマだと私は考えておりまして、そういう意味でも、本当によかったな、こう思っているわけでございます。 そういう中で、もう一つ柱は、景気を本格的に回復させるということでございましたから、その努力も今日もただいまいたしておるところでありまして、そういう意味で、新しい新発展政策をしっかり裏づける補正予算もこの国会に提出して、皆様方にきょう御審議をいただき、少しでも早く成立をさせていただいて国民の皆さんに喜んでいただきたい、こう思っています。 先ほど触れましたように、IT基本法は、これはまさに二十一世紀社会を展望する最も大事なものだというふうに考えておりますし、また、国民の皆さんにとっては、この一、二年、もっと以前からと申し上げていいかもしれませんが、こうした社会的ないろいろな混乱の状況の中で、少年法の問題、そして警察法の問題が一番やはり関心を持っておられたと思うんです。 二十一世紀、本当に安心して暮らせる国家としてのそういう基盤をしっかりとこの際構築しておく必要があろう、そう思って、先国会から御審議をいただいておりました少年法を改めてこの国会に提出をさせていただいた。そしてまた、警察法につきましては、より充実した警察法として内閣から提出をさせていただいて、これが何とかこの国会で御審議をいただき、成立ということになれば、国民の皆さんにも心から私は喜んでいただけるのではないか。この二つの法案につきましてもぜひ私は成立をさせたい、その努力をいたしておるところでございます。 先ほど触れましたように、教育問題やあるいは社会保障の問題も当然なことでございます。ぜひ私は、そういう意味で、小渕政権をお預かりして、私なりに二十一世紀を展望して、そしてみんなで協力して、そして率直に申し上げれば、来年の一月六日からはまさに中央省庁がスタートをする、これも長い御議論を重ねた上で、まさに二十一世紀の幕あけといいますか、それにふさわしい新しい中央省庁の、つまり政府の新生だろう、こう思っております。 そうしたことをいろいろ考えてまいりますと、私は、今、政治的な空白というのはまさにつくってはいけない、そういう状況であって、みんなでより協力をしながら新しい時代の幕をぜひ切り開いていきたい、私はこのように考えているわけでございます。
○斉藤(斗)委員 それに関連して、宮澤大蔵大臣、大先生にお伺いしたいというふうに思います。 報道で知ったのでありますが、十七日の閣僚懇談会で、保守党党首の扇建設大臣からの問いがあった。この事態についてどのように先輩としてお考えなのか教えていただきたいという記事に触れたものですから、宮澤大蔵大臣は四十数年にわたる政治歴、そして長い官僚歴の中で、日本をしっかり引っ張ってきた指導者の一人で、尊敬申し上げておるわけでありますが、後に続く私どもがどのようにこういう難しい事態を考えたらいいのか。閣僚、政務次官として、また政党人として、さらに政治家として、このような事態にどのように臨むか、ぜひお教えいただければというふうに思います。 宮澤先生、よろしくお願いいたします。
○宮澤国務大臣 せんだって、閣議が閣僚懇談会になりました際に、一閣僚から、ただいま斉藤委員のおっしゃいましたようなことにつきまして、私に、どう思うかというお尋ねがありました。 私は、何もそういう難しいことにお答えする資格はありませんが、自分の考えを申しますならば、閣僚であるということは、内閣に対して無制限な忠誠を誓うことでございますから、その不信任が提案せられましたときにそれに賛成するということは、いわば自分自身の不信任に賛成するようなことであって、私には考えられないことである。その場合には、閣僚を辞任して賛成されるのが筋道ではないか。ただ、このことは難しい理屈でも何でもありませんで、人間としての最低のモラルに関係することだと思っておりますという卑見を申し上げたことがございます。
○斉藤(斗)委員 宮澤先輩、ありがとうございました。 それでは、総理に、先週末、お忙しい中帰国されたAPECの外交の話に入っていきたいというふうに思います。 APECというのは、御案内のように、十九カ国と二地域、二十一のエコノミーが集まった大きな会議でございまして、お聞きしますと、WTOの新ラウンドスタートの必要性などについて、かなりの前進、大きな成果があったというふうにお聞きいたしております。 総理からぜひ、具体的なその内容について御説明いただきたいと思います。
○森内閣総理大臣 今回のAPEC首脳会議では、WTO新ラウンドの立ち上げについての議論が中心となったわけでございます。 私からも、可能な限り早期のラウンドの立ち上げの必要性を強調いたしました。もちろん、その前には、河野外務大臣などを中心にいたしまして、いわゆる大臣会合も積み重ねられてきたわけでありますけれども、いわゆる二〇〇一年の立ち上げということについてはかなり議論の分かれるところで、すべてではございませんけれども、そうした点もありましたので、まさにAPECではこのことが中心的な議題でありました。 結果といたしましては、二〇〇一年中の立ち上げを目指す前向きな内容の首脳宣言を発出することができました。我が国のイニシアチブのもとに、新ラウンドの早期立ち上げに向けて道筋を示すことができた、こういうふうに考えております。 また、議論は、いわゆる情報革命、IT問題に関する議論、それからグローバル化等についての議論が非常に、特に開発途上国にとっては、大変神経をそこに集中させておられた議論が多かったというふうに承知をしております。 情報格差解消のための包括的な協力策を私からも示させていただきました。WTO協定実施のためのAPECの戦略的能力構築計画の提案もいたしました。APECに対します貢献策を示して、そして参加国の皆さんからも高い評価を得たというふうに私は考えております。今後、我が国といたしましても、この協力を着実に実施するということが極めて重要であろうというふうに考えております。
○斉藤(斗)委員 APECの場では、それぞれ首脳会談も行われておられます。日韓首脳、日米首脳、そして日ロ首脳も行われました。時間がないので、一点だけに絞ります。 それはロシア関係でございまして、今後の平和条約交渉の見通しということについてお伺いしたいわけでありますが、一部マスコミは二島先行返還ということも報道されて、真偽のほどはわからない。私どもは四島一括がありきだというふうに思っておるわけでございますが、どのようなプーチン大統領との間で話し合いがあったか。加えて、この十二月ですか、近々訪ロされるということもお聞きいたしておりますが、その点についてもお伺いしたいと思います。
○森内閣総理大臣 今回、ブルネイでの日ロ首脳会談では、プーチン大統領の訪日、そして今月初めの河野外務大臣の訪ロのそうした結果を踏まえまして、平和条約問題につきまして、私とプーチン大統領の間に率直な話し合いを行いました。そして、交渉におきましては、着実な一歩を画することができたのではないかと考えております。 これを受けまして、私とプーチン大統領は、今後両国の外務大臣、さらには専門家のレベルでの交渉をさらに詰めていこう、年末までさらに努力をしようということで一致をいたしました。この交渉の進捗を踏まえまして、平和条約締結に向けた具体的な進展が得られるのであれば、私のイルクーツク訪問を年内にも行うことは結構でありますよということを合意いたしたわけでございます。 問題は極めて難しいものであるということは言うまでもございませんが、政府といたしましては、北方四島の帰属の問題を解決することによって平和条約を締結するという一貫の方針のもとに、こうした作業を通じて引き続き交渉を粘り強く進めていきたい、このように考えております。
○斉藤(斗)委員 時間の関係で、引き続いてASEANのことをお聞きしたいというふうに思います。 今週末、ASEAN会議が開かれるわけでございます。これはプラス3といいまして、別の会議もセットされているというふうに思います。たまたま私、スポーツ新聞を読みましたら、どうも総理は行かれないんじゃないか、そういう報道もあって、そんなことあってはならぬというふうに思っているわけでございますが、間もなく行われるASEANにつきまして、総理の臨む心構えをお伺いしたいというふうに思います。
○森内閣総理大臣 ASEANの首脳の会議は、これまで歴史的な経過もあるわけでございますが、私の承知しておる範囲では、時折ASEAN以外の国々の首脳などもゲストとしてお迎えをしながら、いろいろと話し合いを詰めているということであります。 このところ、日韓そして中国の首脳を交えた話がほぼ定期的に行われるようなそういう方向になっておりまして、ASEANと我が国あるいは中国、韓国、極めて私は大事なエリアであろうというふうにも考えておりまして、この会合が二十四日から予定をされているわけでございます。もちろん、こうした日程は早くから定められておりまして、それについての準備的なことも、作業も進められておるというふうに思っております。 私といたしましては、こうした政情、政局ということもあるわけでございますが、ASEANを含むアジア、さらに日本のことを考えましても、ぜひ我が国としてもこれに出席することが重要であろうというふうに思っておりますし、昨年、小渕前総理がおいでになりましたときから日韓中の首脳のいわゆる会合を持つことができたわけでありまして、特に経済的な問題に絞ってということで昨年行われたというふうに承知をいたしておりますが、ことしもそうした会合、会議の予定も出されていることでありまして、極めて重要な会議だというふうに私は考えております。
○斉藤(斗)委員 重要な会議でございます。政治空白をつくらないで、国際的な活躍もぜひ総理にはしていただきたいと思っています。今、プロ野球ではイチローがいよいよメジャーで世界的活躍をするわけです。日本ではヨシロウがやはり世界で頑張ってもらわなきゃならぬ、そういうふうに激励を申し上げるところでございます。 さて、補正予算についてお尋ねしたいと思います。 今回の補正予算、かなり内容が充実していると私は思っておるのでありますが、より確かな景気回復、下支え、さらに新しい時代をつくっていかなきゃならない、経済構造も変えていかなきゃならない、その意気込みを私自身感じているんです。その中心がIT関連だというふうに思いますが、総理、今回の補正予算についての心構えをお伺いしたいと思います。
○森内閣総理大臣 これまでの政府・与党の迅速にして大胆な経済政策を積み重ねてまいりまして、我が国経済も緩やかながら改善をしている、このように承知をいたしております。しかしながら、依然として雇用情勢は厳しいわけでありますし、個人消費もおおむね横ばいの状況で、一進一退というふうに申し上げていいのかなと思います。まさにそういう意味では、あと本当に一押しというところではないかな。少し構造的な変化もあるところもいわゆる雇用の問題に影響しているんだろうと思いますが、こうした観点から補正予算を編成してさらにあと一押しをしたい、こういう考え方でこの予算を提出させていただいたわけでございます。 補正予算におきましては、急激な公需の落ち込みを回避し、あるいは、原油価格の上昇それから世界経済の不透明感の増大等の景気の下押し要因に備えるとともに、未来型社会において、今御指摘ございましたように、特に重要と考えられます四つの分野に重点的に配分をしていきたいという意味で、IT革命の推進、環境対応、高齢者対応、そして都市基盤整備に重点を置いたそういう補正予算を編成させていただきました。 これらの諸施策を強力に推進することによりまして、景気を自律的な回復軌道に乗せるとともに、新しい産業が育っていく、そういう基盤をつくるということも極めて大事でありまして、永続性のある自律的な発展につなげていきたい、そして二十一世紀にふさわしい構造へと改革がなされているということに期待をしたい、こう考えております。
○斉藤(斗)委員 そこで、宮澤大蔵大臣にお聞きしたいと思いますが、たしか宮澤大臣は、春先の段階におかれましては、補正予算の出動については慎重な姿勢をとられていたのではなかったかなというふうに思っておりまして、今なぜこのような補正予算、財政出動が必要になったか、その点、お伺いしたいと思います。
○宮澤国務大臣 今年三月の当委員会におきまして、ことしの秋には従来のような大きな補正予算を組まないで済むのではないかということを申し上げました。 当時、私は、秋になりますと大体公需から民需へのバトンタッチができるのではないか。その中で、企業設備、企業関係は当時既にかなり回復の兆が見えまして、現段階ではまず期待十分の企業の活動の回復がございます。 しかし、通例の不況脱出のときでございますと、それが家計に及び、消費に及ぶというのがパターンでございますが、今回、その家計に及び、消費に及ぶ部分が、期待したよりは十分なテンポでございません。あるいは、後から考えますと大きな経済社会の構造的な変化が起こっておるのかもしれないと思いますが、やがては転嫁いたしますでしょうが、十分両方がそろったという状況でございません。 七—九の結果もどうも、格好はよろしいのですが、もう一つ元気がないということがございますから、やはりここは、民需への転換を、バトンタッチを促進いたしますためにも、年度末に公需がやや落ちるといういつものパターンがございますから、それは防いでおいた方がいいということと、二十一世紀を前にしてITを中心とする新しい社会への息吹があって、そのために財政も対応しなきゃならない、そういうニーズもございますので、両方を含めまして、従来のような大きな補正ではございませんが、必要最小限の補正をお願い申し上げたい。ただ、その財源も、できるだけ公債に頼る程度は減らしていきたい。こんなことで御審議をお願いいたしております。
○斉藤(斗)委員 重ねて大蔵大臣にお伺いしたいわけでありますが、今回の補正に関しましては、赤字国債は発行しない、それで建設国債のみ発行で対応すると。もちろん、自然増収という好条件も相まったんだと思いますが、一部野党がばらまきだと言っているのですが、私は決してばらまきではないと言えるんだと思いますね。そしてこれは、今後の財政再建をにらんだ、そのような一歩であるというふうに考えておるのでありますが、その点、いかがでございますか。
○宮澤国務大臣 御所見のとおりの心構えでおります。 今回御審議の予算の半額を国債以外の方法で処理できたということの意味は、まず、前年度の剰余金が生まれたということ。これは、税収がそれだけ期待よりやや多うございましたために、前年度の国債発行を一部削減いたしまして、なお剰余金がございました。 それから、今年度において、これは初めてのことでございますけれども、当初の予算見積もりを少し増額いたしておりまして、法人税と所得税につきまして一兆二千億ほどの増額をいたしました。従来、当初の見通しが減額するのが何年間かの残念な例でございましたが、今回、やや増額の見通しができたということも、景気のその部分での回復を意味しているものと思っております。 したがいまして、こういう状況の中で、できるだけ固有の財源で賄い、そして公債発行は減らしていきたい。これは、来年度の予算編成に当たりましてもそういう心構えでいたしてまいりたいと思いますので、御指摘のとおりの考え方でございます。
○斉藤(斗)委員 時間の関係もあるので、実は、今回の補正の柱の一つがITということになっているわけであります。これについて、まだまだ十分国民の中では理解が進んでいないと私は感じているところでございまして、加えて、一部マスコミはこういうふうに言うんですね。政府は景気対策に専念して経済構造を先送りしているんじゃないか、こういうような言い方をしていますが、私はそうじゃないんだというふうに思っています。 そこで、経済全体をごらんになっていらっしゃる堺屋長官にお尋ねしたいと思うのですが、今回の日本新生のための新発展政策、これは先ほど総理も少し触れられましたが、単なる対策ではなくて、IT革命など重要な構造改革を含んで、そういう視野のもとでやっているんだということをお答えいただきたいと思いますし、またITそのものもなかなかわかりにくいので、国民にわかりやすく御説明いただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。
○堺屋国務大臣 確かに、昨日のテレビなどを見ておりますと、一部の解説員また出席した国会議員の中にも、政府は景気対策ばかりをやっていて経済構造改革を先延ばししているんではないかというような指摘をしている方もございました。 政府は、九八年には緊急経済対策をやりました。九九年には経済新生対策をやりました。そして、ことしお願いしております補正予算を含む経済政策は、日本新生のための新発展政策でございまして、単なる経済対策では、景気対策ではございません。 この中では、前二回とは異なりまして、前二回は景気対策に重点でございましたが、今回も公需の急激な落ち込みを防ぎつつ、なお大きな経済構造の改革を目指しております。特に、医療関係、中小企業関係の法律、それにIT基本法等と相まちまして、構造を抜本的に変えようということで、特に社会資本関係の予算の三分の二を、ITと環境対策と都市基盤の整備と高齢化対策という四分野に集中させてきております。 また、日本新生のための経済新発展政策におきましては、こういった法律と予算とワンセットとして考えることによりまして、二十一世紀の多様な知恵の時代にふさわしい新しい日本をつくる第一歩をつくる。まず、あの大不況のときには落ち込みを防止した、そしてその次には環境を整備した、今度はいよいよ構造改革に法制の面でも予算の面でも突っ込んでいこう、そういうような、段階的に経てやってきたものでございまして、決して、景気対策ばかりやって構造改革を先送りしているわけではございません。 今出ております諸法、さまざまな法律、これが成立させていただきますれば、日本がITを中心に二十一世紀の新しい知恵の時代をつくるきっかけになることは確実だと確信しております。
○斉藤(斗)委員 ITに関連してもう一点、これは郵政大臣からお聞きしたいと思いますが、料金の問題なんです。 IT革命が成功するかどうかというのは通信料金のさらなる低廉化が必要だということだと思います。かなり努力されまして下がってはきていますが、欧米、アメリカ、ニューヨーク等々と比べましても、まだ割高感があるわけでして、ぜひとも、国民がより使いやすくなる、そしてIT革命がより推進されるような料金体系、大臣の決意と今後の具体的な見通しについてお伺いしたいと思います。
○平林国務大臣 斉藤委員御指摘のとおり、IT革命を進めていくという見地からは、料金を低廉化する、安くするということは非常に重要な要素であろうと思っております。御承知のように、十五年前に電電公社をNTT、民営化をいたしまして、以来、規制緩和をやりながら、民間事業者の競争促進をいたしまして、それで相当の効果を上げて、今日の料金は安くなってまいっております。 十五年前に比べますと、電話の長距離の通話料は約六分の一になりましたし、国際通話料金は約十分の一になっております。けれども、国際的に比較いたしますと、通信料金とかあるいはインターネットの料金とかというものはまだまだ下げていく必要が認められるということでございまして、最近では、十月から東西NTTの通信料金にいわゆるプライスキャップ制、上限価格方式というものが適用されまして、都道府県内の市外通話が大幅に引き下げられました。 また、携帯電話では、事業者間の接続料引き下げ等によりまして、NTTドコモが通信料金の引き下げを発表しました。十二月一日実施ということでございます。 インターネットの分野におきましても、地域でのアクセス分野の事業者間競争が活発になりまして、東西NTTの月額四千五百円という完全定額サービスに見られるように、低廉な定額制料金、従量制でなくて定額制にして安くするという傾向が出てまいっております。 現在、アクセス網における実質競争の促進、非対称規制の拡充など公正競争条件の整備、NTTのあり方の見直しなど競争政策全般にわたりまして、この活性化を図る観点から、この十一月十六日に、電気通信審議会の特別部会におきまして、競争政策のあり方について第一次答申の草案が発表されました。今パブリックコメントを求めたりしておるところでございますが、新たな競争政策を迅速かつ大胆に実施をいたしまして、通信料金の一層の低廉化を図ってまいりたいと考えておるところでございます。
○斉藤(斗)委員 いろいろな施策の中で景気の回復、下支えが行われる、経済構造改革も行われているわけでありますが、現実的にはなかなか厳しいんですね。 通産大臣、中小企業庁、中小企業を担当されていらっしゃるわけでもありますが、倒産件数は依然として厳しい水準にございますし、取引先の倒産、リストラのあおりを受けたり、また外国から安い商品が入ってくる等々で苦しんでいらっしゃるわけですね。これ、景気回復等もするために本格的に対応しなきゃならない。ずっとやってきているのでありますが、一層強力な支援対策が必要なんじゃないかと思いますが、御意見をお伺いしたいと思います。
○平沼国務大臣 お答えをいたします。 中小企業を取り巻く環境というのは、御指摘のように、なかなか厳しいものがあります。景気というのは回復基調にありますけれども、今御指摘のように、中小企業の倒産件数というのは、昨年の十月を見ますと、同月に比して一八%増加をしている、そういう厳しい状況にあります。 御承知のように、中小企業というのは全企業数の九九・七%でありまして、また七二・七%の雇用を受け持っていただいている。言ってみれば、我が国の経済の根幹を支えていただいているわけであります。 通産省といたしましても、やはりこの中小企業に活力を持っていただかなければならない、こういうことで、委員御承知のように、ちょうど二年前に貸し渋りが起こりました、その貸し渋り対策として思い切って当初二十兆円の特別保証をいたしました。さらに、一年延長いたしまして三十兆円の規模にして特別保証をしたわけでありますけれども、その間、約百四十一万社の方々に利用していただき、そして二十四兆一千億の保証をさせていただきました。 この平成十年、十一年度、これによって倒産が防げた企業が約一万社ある、倒産総額でも二兆円が救済されたであろう、そしてさらに、失業者もこれによって十万人防げた、こういう統計も出ているところであります。 これは異例特別の措置でございまして、貸し渋りというのもようやく鎮静化の方向に来ておりますので、三月に期限が来るわけでありますけれども、私どもは今国会でぜひ成立させていただきたいと思っておりまして、中小企業信用保険法、これによって一般保証の枠を拡大して、中小企業の資金需要にやはり積極的にこたえていかなきゃいけない。 さらに、今、ITということを考えてみますと、ITを利用している中小企業はまだ一割にしか満ちません。しかし、そのITに対していろいろな形で支援をさせていただくことによって、平成十五年には、五割の中小企業の皆様方がITを活用して新しいビジネスチャンスを持っていただく、そしてITのオポチュニティーを持っていただく、こういうことで、我々はきめ細かい施策をしていかなきゃいかぬと思っています。 さらに、中小企業に活力を持っていただくために、今、産業新生会議、そういったところで、構造改革を進めて、そして中小企業に対してきめの細かい適切な支援措置を講じていく、こういうことで、企業の基盤を支えていただいている中小企業に我々としては積極的に対応させていただきたい、このように思っております。
○斉藤(斗)委員 現場は必死の思いだと思います。ぜひとも、大臣、よろしくお願いを申し上げたい。 ITを進めることによって、これは光の部分が大きいんだと思いますが、影の部分もまた生じてくるという中で、雇用の問題についてお伺いをしたいと思います。吉川大臣にお願いをいたします。 完全失業率四・七%ということで、九月ですが、過去最高の四・九より下がってはきているんですね。しかしながら、現場としては、仕事はない、収入は減るということで、やはり不安が残っている。労働省としてもかなりの対策を講じてきてくれたというふうに理解をいたしておりますが、一段の強力な対策が必要だというふうに思っていますので、大臣、その点、よろしくお願いします。
○吉川国務大臣 お答え申し上げます。 現下の雇用失業情勢につきましては、完全失業率が高水準で推移するなど依然として厳しい状況にありますが、これまで政府・与党が一体となって大胆かつ迅速に取り組んできた政策の効果によりまして、求人が主要な産業で増加するなど改善の動きが見られます。 この改善の動きをより確かなものとするために、今後成長が見込まれている新たな産業に必要な人材を早期に育成し、着実な就職促進を図るため、また、情報通信技術や介護関連分野の職業訓練の拡充強化、成長分野に重点を置いた雇用機会の創出や就職促進策等を柱とするミスマッチ解消を重点とする緊急雇用対策を策定して、現在実施しているところでございます。 さらに、日本新生のための新発展政策に盛り込まれた、ITにかかわる多様な職業能力習得機会の確保、提供、中高年齢者の雇用、就業の機会を増すための施策等の効果的な実施に全力を挙げて取り組んでいる状態でございます。
○斉藤(斗)委員 しっかり雇用対策を講じていただきたい。改めてお願いをいたしておきます。 私の持ち時間の関係がかなり限られてきてしまって、何人かの先生方に事前にお願いしておったのでありますが、時間の関係でお許しいただいて、最後、教育問題に参りたいと思います。 御案内のように、私が見る限り、最近の教育、だらしなくなったというふうに思います。ここで教育に活を入れなきゃ日本が危ないという認識を持っています。 たしか、森総理は、十数年前、臨教審発足のときの文部大臣でございました。私もそのときの最年少委員で、教育改革、一緒にさせていただいたことが思い起こされるわけでありますが、あの当時より世の中はどんどん変わっていってしまった。個性尊重を打ち出しましたけれども、公徳心等々については少し足りなかったのかな、また、ゆとり教育を打ち出しましたけれども、それが緩みとなってしまった、弛緩となってしまった、たるみにもつながってしまった、そんな心配をいたしておりますし、自主性尊重が自由放任の堕落に通じていってしまったんではないか。そういう意味で、正しい負荷もかけなきゃならない、それから、緊張ある、適度な緊張を持った学校制度にもしなきゃならないということだと思います。 時間がなくなりましたので、ぜひとも、教育改革に、森総理、全力を挙げて二十一世紀の扉を開いていただくことを切にお願い申し上げまして、質問を終わります。
○原田委員長 これにて斉藤君の質疑は終了いたしました。 次に、坂口力君。
○坂口委員 公明党を代表いたしまして、平成十二年度補正予算に関する質問をさせていただきたいと思います。 きょうは、何となく騒然とした国会の中での予算委員会でございます。与党の立場から政局についてお聞きするのは勇気の要ることでございますし、しかし、何も聞かないのもまた不自然でございますので、一言だけお聞きをさせていただきたいと思っております。 自民党内から森総理に退陣要求が出されまして、野党からも不信任案のお話が出ているわけでございます。野党から提出されるのはいつものことでございますし、これはそう珍しいことではないわけでございますけれども、しかし、与党の中から退陣要求が出るというのは非常にまれなことでございます。 自民党の総裁に対して退陣要求というのならば、これは自民党の中のお話でございますし、それは自民党の中でいろいろと御議論をいただく話でございますが、総理ということになってまいりますと、これは自民党の中の話ではなくて、もはや国会全体の話になってくるわけでございますので、我々も看過できないわけでございます。 そこを、自民党の中の論議、自民党の中の話し合いは飛び越えて、全体の話になってしまっている、この状況を見ますと、おしかりを受けるかもしれませんが、派閥あって党なしの感を抱くわけでございまして、なぜこういう状況に立ち至ったのか。我々連立政権を組ませていただいております者にとりましても甚だ遺憾なことでございまして、何とかひとつここはならないのかということを言い続けてきたわけでございますが、本日を迎えているところでございます。 これは、自民党の中のルールに問題があるのか、それともルールを守らないところに問題があるのか、総理はどのように現状をお考えになり、そして、今後残されました時間、そんなに長い時間ではないというふうに思いますけれども、最後にどのようなことを考えておみえになるのか、ひとつ御答弁をいただきたいと思います。
○森内閣総理大臣 騒然とした中というふうにおっしゃいましたが、私は、この予算委員会、第一委員会室は極めて粛々と予算の御審議をいただいていると思いまして、本当に感謝を申し上げています。恐らく、国民の皆さんにおかれましては、本当に一日も早くこの補正予算が成立をしてくれることを期待しておられる方の方が私は多いだろう、そのように考えているわけでございます。 今、坂口委員、あくまでも仮定の中でいろいろお話をされたわけでございますが、もし野党が内閣不信任案をお出しになるということであって、それに対しまして、我が党の、率直に言えば、もうテレビ等でも公言をされておられますので、加藤元幹事長や山崎元政調会長がこれに対して賛成すると発言していることは、政党人として全く私は理解ができないと思っております。 補正予算等の重要案件の処理あるいは景気の本格的回復、特に、省庁の再編、先ほどから申し上げましたような教育改革や社会保障改革など課題が山積をいたしておりますだけに、与党三党が結束して対応しなければならないときに、自民党の中からこうした動きが出てくることは大変残念なことでありまして、特に、御協力いただいております公明党あるいは保守党の皆様方に対しても、大変申しわけないことだと思っております。 野党が提出されると言われる内閣不信任案につきましては、内閣ということだけではなくて連立与党に対する不信任案ということになるわけでありまして、そうしたことを考えて対処すべきであるというのが政党人としてのルールであるというふうに私は考えております。 私といたしましては、連立与党結束のもとに、国家国民が求める政策を着実に実行に移すため、不信任案に対しましては動ずることなく正面から対応していく考えでございまして、改めて信任を得て、連立与党の御協力をいただきながら、先ほど申し上げましたような政策課題について、二十一世紀に向けて山積する課題に積極的に取り組んでいきたい、このように考えておるところであります。
○坂口委員 誤解があるといけませんので言葉を足しておきたいと思いますが、先ほど、そんなに時間がないと申しましたのは、これは不信任案が提出されるまでの時間がそんなにないのではないかということを申し上げたわけでありますから、誤解のないようにしていただきたいと存じます。 先ほど、無制限な忠誠を誓うということを宮澤大蔵大臣がおっしゃいましたけれども、もう一つだけお聞きをしておきたいと思いますのは、これはもう甚だ聞きにくい話であり、閣僚の皆さん方に大変失礼な話ではございますが、いわゆる自民党の中が派閥次元で動いておりますからこういう質問をさせていただくわけでございます。総理から任命を受けたそれぞれの大臣でございますけれども、もし、万が一、不信任案が出ましてそれに賛同をされるようなことがありました場合には、総理としてどのようになさいますか。一言だけ聞いておきたいと思います。
○森内閣総理大臣 私が責任を持って任命をさせていただきまして、そして今重要な課題に取り組んでいらっしゃいます閣僚の皆さんを、私は御信頼を申し上げて、国民の皆さんのためにしっかりとした政策の遂行のために努力してくださる、このように私は考えております。
○坂口委員 それでは、補正予算の中身につきまして質問をさせていただきたいと存じます。 宮澤大蔵大臣、既に先ほど御答弁になりましたが、ことしの三月でございますが、参議院の方の予算委員会におきまして、「今の状況を見てみますと、ことしの秋、」この秋のことですね。「従来やっておりましたような大きな補正予算を組まないで済むのではないだろうかと。いわんや十三年度予算はこういう景気刺激的なものである必要はない。」こういう御答弁をされているわけでございます。確かに、従来のような大きな補正予算ではなかったというふうに私も思いますが、しかし補正予算を組まなければならなくなったことは事実でございます。 この組まなければならなくなったことに対する状況につきましては、先ほど御説明がございました。秋には民需にバトンタッチができるというふうに思っていたけれども、しかし、そこが今まで思っていたように十分にいっていない、家計に及び消費に及ぶというところが、そこがスムーズにいっていないというお話が先ほどございました。 そこはよく理解ができましたが、何が原因でそこがうまくいっていないというふうにお考えになっているのかという、その次のところを少しお聞きしたいというふうに思います。
○宮澤国務大臣 それは極めて大切な御質問だと思います。 後から振り返りませんと正確なことは申し上げられないかもしれませんが、従来の景気回復の型からいいますと、当然、企業の経済活動がよくなりますと、それは雇用にも影響を及ぼし、消費、家計にも好影響を及ぼすというパターンでございますが、どうもそのパターンがまだ十分に動いていないという原因でございますが、具体的に見ますと、完全失業率は五%に達するかと恐れておりましたが、五%に達することはなく推移しております。それから有効求人倍率は、少しずつでございますが、好転しております。 それらを見る限りは、状況は方向としてはいい方向に向かっていると考えるべきだと思いますが、私が先ほど申し上げかけましたことは、我が国の経済社会がいろいろなことから二十一世紀に向かって非常に変貌していくであろうことの中に、雇用関係あるいは雇用等に伴ういろいろな慣習もまたかなりの影響を受けるのではないか。もちろん、アメリカに起こったようなことを我々はまねをしてはならないし、することもいいと思いませんが、しかし、かなりはっきり雇用についての慣習等々が変わっていくのではないかということが考えられます。 そしてまた、企業側のリストラクチャーもかなり大きなスケールのもので、それは日産の場合などがそうでございますが、そういう先を見てのリストラクチャリングが行われておるということから、普通の不況脱出と違いまして、すぐにそれが雇用のプラスになり、例えば、少しよくなればパートタイムはふえるということがございますが常雇用はなかなかふやさないというようなことが、普通のときよりももっともっと慎重に行われているように思われます。 したがいまして、この大きな経済社会の変動、それは私は、後から考えれば、少しつらくてもそういうことはやり切っていくということは大事と思いますけれども、しかし、それは時間のかかることであるし、社会的な摩擦というものもあることでございます。そういうことに構造的なものがあるのではないだろうか。 実は、ことしの夏のボーナスが前年よりもよくなるか悪くなるかと注意しておりましたが、ちょっといいという話でございますが、実際はほとんど同じでございました。冬のボーナスはどうであろうか。これは今、〇・一%ぐらいはよかろうという予測があるそうでございますけれども、ここらのところが今の問題のやはり一つの注目点ではないかと考えておりまして、これからの雇用の問題というのは十分注意をしていく必要のあるそういう構造的なものを含んでおるのではないかというのを、私は、一つ注意して考えておく必要があるのではないかと思っております。
○坂口委員 ことしの三月に大蔵大臣が答弁をされておみえになりますその後半の部分、「いわんや十三年度予算はこういう景気刺激的なものである必要はない。」こう三月時点では述べておみえになるのですが、ちょっと三月時点のことをお聞きするのは早過ぎるかというふうに思いますけれども、来年の予算、ことしの三月にこういうふうに大蔵大臣は御指摘になっておりますが、来年の予算、御指摘のような状態になるかどうか、現在のところどのようにお考えになっているかもあわせてお聞きをしておきたいと思います。 〔委員長退席、甘利委員長代理着席〕
○宮澤国務大臣 先ほど申しましたことからの延長から申しますと、七—九という時期は過ぎておりますが、十二月早々に統計としては出てくる。先ほど申しましたような理由から、余り大きな期待ができないかとは思いますが、しかし、全体の経済の動きは決して逆転をいたしておりません。それは前進をいたしております。 したがいまして、来年度の予算、まだ非常に早い段階ではございますけれども、今年度の予算に盛られておりますいろいろな緊急対策のうち、かなりのものは一遍限りで済ますことができるということもございまして、来年度の予算につきまして、歳入補てん国債の発行というのは、何とか今年度よりは少ない金額でとどめたい。もとより、国債に頼らなければならないことは事実でございますけれども、それについての国民的な心配もございますから、何とか国債の発行額はやはり減っていっているという姿は、来年度の予算で私は示したいと思っておりまして、それは一つは、国の税収が今年見積もり増をいたしましたような、殊に法人税を中心にそういう傾向にございますから、税収について多少の期待ができるのではないかということ等々でございます。 ただ、今心配しておりますのは、実は御承知のように、地方財政の問題をいつか正面から取り上げなければならないがという要素がございますけれども、全体といたしましては、私は、来年度の予算は国債発行額は減っていくような予算にいたしたいと思いますし、それは国全体の経済状況から見まして、それでいいのではないか、無理なことではないのではないかということをただいまは考えております。
○坂口委員 ありがとうございました。 ことしのこの補正予算の中にはいろいろのものが組み込まれております。我々が今まで主張してまいりました、先ほど斉藤先生の方からも御議論がございましたが、IT問題につきましても、無料で五百五十万人に講習をしていただく道ができるとか、あるいはまた、新たに全国で千五百の公立の小中高校を高速かつ大容量のネット回線で接続をしていただいて、今までのものも含めて全体の一割に当たります四千二百校ぐらいが結ばれるというようなことになるやに聞いております。 これらのことができましたならば、さらに全体の景気回復にも役立つものと期待をしているところでございます。これらの問題、後でまた時間がございましたらお聞きをさせていただきますが、なくなりましたらお許しをいただきたいと存じます。 そのほか、仕事と育児の両立のために、ファミリーサポートセンターを、全国に五十カ所の設置準備費というのをつけていただいておりますが、これもかなり働く女性の皆さん方にとりましてはプラスになる話ではないかというふうに思いますし、小中学校の余っております教室を育児の場として活用する新たな試みもこの中には、金額は少ないですけれども入っておりますことも注目すべきだというふうに思っております。 また、快適な生活空間というようなことで、公営住宅にエレベーターをつけるというようなこともさらに進めております。公営住宅のバリアフリー化の推進に三百二十六億円が盛り込まれておりますが、バリアフリー型の公営住宅三千戸を新たに供給するほか、既設の公営住宅四千戸につきましても、手すりの設置でありますとか段差の解消でありますとか、こうした細かな配慮がされている。エレベーターの設置もその中に含まれている。 あるいは、交通網の大変な渋滞がありますが、この交通の、踏切を立体化する問題でございますとか、そうした問題につきましても特段の配慮がされている。 こうした新しい形の補正予算でございますので、この成果を期待いたしているところでございます。 さて、景気の問題のことが言われます場合に、現状の産業の活性化がどう進むか、いわゆる他の国の追従を許さない、日本の国独自の創造的な産業がどう立ち上がるかという問題が一つの大きな柱でありますと同時に、もう一つは、国民の皆さん方になかなか財布のひもを緩めていただくことができ得ない、それはやはり社会保障にあるという話がよく言われるところでございます。社会保障の中でも、とりわけ、それはやはり年金だろうというふうに思います。この年金を一体どうするかということが一つの大きなこれからの課題になるというふうに思いますし、総理にもこの点を十分御検討いただきたいと思うわけでございます。 社会保障審議会におきましても、あるいはまた総理のところにつくられました有識者懇談会におきましても、さまざまな御意見を集約していただいて、そしていろいろの選択肢をその中に示していただいておりますが、選択肢はもう非常に狭められていると思います。 年金の場合には、現在のこの制度の中で足りない財源をどうカバーするかという話と、現在の制度そのものをどう変えていくかという話と、両方あるわけでございます。現在、この年金を、過去のことを別において、今から新しいプランをつくって、白地のところに新しい設計図をかくというのでありましたら、それはいろいろの考え方があると思います。現在行われております保険制度をそのままにして、そして現在の賦課方式を積立方式に変えるということもそれはできるでありましょうし、また、保険方式から、税制で、税でこれをすべて賄うという方式に変えるということも、これもあるいは可能かもしれません。 しかし、昭和三十六年以来、皆年金、皆保険という形で今日まで来ておりますし、これだけを見ましてももう四十年間の月日がたっているわけでございますから、年金は、それ以前から掛金をしている方もたくさんおみえでございますから、長い歴史があるわけでございます。 したがいまして、年金は、現在の世代の皆さん方が公平でなければならない。その現在の世代の皆さんの公平そのものと、それから、過去の世代、現在の世代、未来の世代、垂直的な公平、この水平的な公平と垂直的な公平、両方とも維持されなければならない。そういう年金制度でありますから、そのことを考えますと、やはり現在の制度の中でどう足らざるところを補っていくかということにならざるを得ないということではないかと思うわけでございます。 現在の賦課方式を採用いたしましたがゆえに、現在多くの年金をもらっておみえになる皆さん方もおみえでございますが、その皆さん方には、早く給付ができる年金が確立ができたといういい面もあったわけでございます。しかし、年金にはと申しますか、この賦課方式には、人口が将来ともに増加をする、あるいは減らないということが一つの前提になっておりますから、ここのところが、これから先減っていく、そこを一体何をもって補うかということに尽きると思うわけでございます。 したがいまして、これは厚生大臣に、もうよく御存じのことを今さら申し上げて失礼でございますが、もし、現在の賦課方式でいくということになれば、人口の減少分、すなわち、保険料を掛けていただくその保険料の不足分を何によって補うか。それは、お若い皆さん方に保険料で全部お願いをするか、それができないということになるならば、みんなが公平にこれは負担をする税でもって補う以外に方法はないということになってくるわけでありますから、そこは大変詰めた議論になってくる。そこは、政治が早く決断をし、そして、ほかのことは別にして、まずとにかくこの年金だけは、足らざるものは必ず国が責任を持ってそこを埋めるという決意が生まれれば、皆さん方は安心をしていただいて、財布のひもも緩めていただけるのではないだろうかと思います。そこのところの決断をどうするかにかかっているというふうに私は思います。 そこのところを厚生大臣はどのようにお考えになり、そして、ここを早急にどうしようとお思いになっているのかということをまずお聞きしたいと思います。
○津島国務大臣 委員御指摘のとおり、年金制度を初めといたしまして、社会保障制度をどのように構築し、持続可能な、国民が安心していただける制度にするかということは、私は当面の最大の課題の一つだと思っております。そのことが、国民のセーフティーネットを提供し、安心をしていただくとともに、当面の経済の浮揚のためにも不可欠な要件であるという御指摘、そのとおりであろうと思っております。そして、この問題につきましては、これまで日本の制度は、国民みずからが共同で費用を出し合い、給付と負担の関係を明確にするという社会保険方式を基本としながら、これと国庫負担と組み合わせてやってきた。この点も委員御指摘のとおりでございます。 特に公的年金は、国民生活に定着し、大変重要なものでございますが、二十一世紀の高齢社会に本当に安定して持続可能な制度になっているかどうかという問題につきまして、今大きな課題が残されている。 それは、端的に申し上げますと、ことしの通常国会で成立をいたしました年金法の中にはっきり書かれてございますように、基礎年金は、二分の一はやはり公費で負担をすべきであるという立法府の方向が示され、そのことについて、私どもはできるだけ早い結論を求められている、そういう形になってございます。 〔甘利委員長代理退席、委員長着席〕 問題は、社会保障の財源、今の基礎年金もそうでございますし、恐らく高齢者医療についても似たような問題は出てくると思いますが、これは、あくまでも安定財源でなければならない。ある年に、例えばほかの事業をカットしてそれでよしとするものでなくて、安定的に国民に負担をしていただける無理のない制度でなければならない。そういう社会保障財源というものを、今、早く求めてもらいたい。こういうことでございまして、そのような見地に立って、先般、総理の諮問機関として設定をされました有識者会議におきましても、その報告書で、高齢化がこれから進んでいく間には社会保険制度をサポートする公的助成の強化が絶対に必要である、それを早く検討して、結論を出してもらいたい、こういうふうに指摘をされているところでございます。 私といたしましては、そのような財源を求めていく上では、社会保障制度と税制を一体として議論していただく、そして、結果としてでき上がった両方を検討してみると、水平的な公平、垂直的な公平、両方の要請にもかなうものにしなければならない。そういう意味で、できるだけ早くこの点について結論を出していただきたいと思っておるところでございます。 そして、政府としては、先般、有識者会議の報告書を受ける受け皿といたしまして、閣僚懇談会をつくって検討を始めようという御決定をいたしました。その閣僚懇談会及び与党の間のお話し合いで、速やかにその方向に議論が進められることを私は強く望んでおるところでございます。
○坂口委員 総理大臣、ここはもう、他の分野を多少犠牲にしてでも年金だけは守り抜くという決意があるかどうかにかかってくるんだろうというふうに思っています。その決意を国会の方が示せばこれはもう皆さん方も安心をしていただける、もうそこにかかってきておりますので、一言だけ御意見をお伺いして、この問題を終わりたいと思います。
○森内閣総理大臣 今、坂口議員と津島厚生大臣のやりとりの中に、ポイントはある程度集約をされてきているというふうに私も拝聴いたしておりました。 公的年金は、所得保障制度として国民の生活に欠かせない重要な役割を担っているところでありまして、国民が安心して老後を送ることができるよう、本年三月にも年金改正を行いまして、この年金制度の長期的な安定を図ったところでございます。 今後、高齢化の進行によりまして公的年金の給付に必要な費用は増大していくということが予想されるわけでありまして、これも今委員からも御指摘があったとおりでございます。これに要する費用につきましては、社会保険方式を基本としながら保険料と公費を組み合わせることによりまして、その確保に努めていく必要があると考えております。 いずれにいたしましても、先日まとめられました社会保障構造の在り方について考える有識者会議の報告書におけるさまざまな御意見を踏まえながら、少子高齢化が進展する中で、将来にわたりまして国民が安心できる持続的で安定的な年金制度の確立に向けて、最大限の努力をしてまいりたい、このように考えております。
○坂口委員 ぜひひとつ決断をお願い申し上げたいと思います。 さて、もう一つ大事な問題が実はございまして、これは第一次産業でございます。二次産業ないし三次産業華やかな中で、第一次産業はだんだん忘れられていくような立場にありますが、第一次産業、とりわけ農業は、もう徳俵に足がかかったような状況になっておりまして、どういたしましても、ここを踏ん張らないと、農水省が目指しておりますところの食糧自給率四五%というのはなかなか難しいという局面に立ち至っております。 私もこの予算委員会で農業問題をやらせていただくというのは初めてでございますけれども、やはりここはもう一言言わせていただかざるを得ない状況に立ち至っているというふうに思っております。 国内におきましては、その自給率四五%を目指して、今四〇%で、このまま捨てておきますと、これがだんだん三八%ぐらいに落ちていく可能性がありますから、これをぜひ支えていかなきゃならないという一面がございますが、しかし、一方におきまして、国際的に見ましたときに、WTOの中におけるさまざまな問題があって、なかなかこれは難しい局面を迎えております。WTOの問題につきましては、外務大臣も先日来大変御苦労をいただいておりまして、まことにありがとうございます。その中で、農業問題がこれからどう進展をしていくかということが大きな問題になってまいりました。 お米だけを見ますと、お米の問題、日本は何と申しましても一番中心でございますし、総理の地元も大変お米中心でございますが、国内におきましては三〇%減反が行われている。にもかかわらず、アクセス米として、七十七万トンでございますか、毎年入れなければならない。さらにこれは、これからまだふやさなければならないというようなことがあって、減反までしてやっているのに、そして、その輸入するお米を、それを食べるのならいいのですけれども、日本人はそれは食べないのになおかつ輸入しなければならないのは、なぜそこまでこの制度でやらなければならないかという国内的な不信もあることも事実でございます。 しかし、国際的に見ましても、問題が私は起こっているというふうに思っております。ウルグアイ・ラウンド以後、食糧事情がどうなっているかを見ましたときに、先進国と開発途上国との格差がだんだんと広がってきております。 先進国は、十年前に五千万トンの生産量でありましたものが、一九九六年から九八年、ちょっと統計が古いのですが、この九六年から九八年には一億三千万トンに穀物の生産量はふえてきているわけでございます。ウルグアイ・ラウンド以後、先進国の穀物生産量はうんとふえてきている。 その一方におきまして、開発途上国はどうなっているかといいますと、十年前には八千万トンの不足でありましたものが、九六年から九八年には一億トンの不足に、不足がふえてきている。こういうことになりまして、貿易における均衡、効率化というものを追求いたしております間に、生産国の方はさらにふえ、そして不足をしているところはさらに不足をしている。 多分生産国は、日本だとか韓国だとかいうようにアクセス米を輸入してもらえるようなところがふえたものですから、今までのように補助金等をつけなくても、今までよりも高い値段でこういう国々に買ってもらうことができるようになる、こういうことでだんだんふえていったのではないかというふうに思われます。一方、低開発国の方は、そうすると、それが入りにくくなってきているというような事態が起こっている。 こういうことを考えますと、現在のWTOのあり方を考えていただきますときに、その前に、世界全体の食糧の配分をどうするか、飢餓を起こすような地域をいかにして減らしていくかというようなことを考えていかなければなりませんし、そしてまた、日本の国内におきましてもさまざまなひずみが起こっている。こういうことを考えますと、このWTOでの農業問題の考え方というのは、もう一度原点に返っていろいろの角度から検討をしていただく必要があるのではないかという私は率直な気持ちを持っているわけでございます。 ここのところは農林水産大臣のところで懸命におやりをいただいているというふうに思いますので、大臣から一言お話を伺いたいと思います。
○谷国務大臣 お答え申し上げます。 ただいま農業の問題が第一次産業の中で一番厳しいというお話でございますが、おっしゃいますとおりに、農業、水産業はともに大変苦しい立場に追い込まれております。しかしまた、林業はもっと厳しいんじゃなかろうかと思っておりまして、閉塞状態にあると言っても過言でない状態だと思います。 そういうことを考えてみますと、少なくとも我々人類が食べなければならない食糧ということから考えますと、何といっても農業問題、水産問題等々を考えなければならぬと思うのですが、今御指摘のとおりに、世界の飢餓の人口というのは八億五千万あると言われておりますものの、それがこのWTOで従前、公平に配分するという立場が崩れておるじゃなかろうかと思っておりまして、我が国は、食料の一人当たりの消費量が、昭和三十七年が一番高うございまして、百十八キロほど食べたと思います。昔の言葉で言えば、六十キロの俵が二俵ということでございましたが、現在では六十キロないし六十五キロに落ち込んでおると言われております。 そういうことから見ると、半分に減っておるのだ、だから米は余るから、三割から五割の減反をお願いしてほしいというふうなことになれば、それだけのことであれば農家の方々も御理解をいただけるところが大きいと思うのですが、しかし、余っておる米、そして消費も減っておるにかかわらず、なぜ七十万トンも七十五万トンも買わなきゃならないのかというところに農家の皆さん方の不安があるし、また厳しい御指摘もあることは、皆さん御存じのとおりでございます。 そういうことから考えまして、我々は、WTOのこれからの目標につきまして本年中に取りまとめるということになっておりますので、それらの問題について、我が国としても本年中に取りまとめる。 その骨子が今できつつございますが、そういうことで、まとめるに当たりましては、このWTOの考え方をもう一度洗いざらい考えていただいて、日本のように工業国家としての立場、また農業の立場から考えて、やはりもう米だけは日本の場合は余っておる。それじゃ、ほかのものはどんどん輸入してきておるということから考えてみますと、一つの例として、酪農にいたしましても肉用牛にいたしましても、えさはすべて買ってきておるという現状から考えますと、やはり無理をして米を買う必要はないじゃないかという議論も当然あろうかと思います。 そういうことに対しまして、我々は本当にどういう立場で今後のあり方をすべきか。今、WTOの内部事情からいいますと、そう簡単にこれを崩すことができないことはよくわかっております。しかしながら、国民全体の理解を深めるためには、そういう御指摘の点もよくわかりますので、そういう点を加味しながら十分、気持ちとしては白紙の立場で考えていきたい。そういうことを考えながら、どういうふうにして日本のWTOに対する考え方を今後やっていくかということが一番大事じゃなかろうかと考えまして、そういう点で今後努力するつもりでおります。
○坂口委員 ありがとうございました。その決意でぜひともお願いを申し上げたいと思いますが、総理大臣にも最後に一言だけお伺いをしておきたいというふうに思います。 農林水産省が大変な勢いでおやりをいただいておりましても、これは日本全体がバックアップをしなければならないことでございます。ややもいたしますと二次産業にウエートがかかるこの日本でございましたから、ぜひともひとつこの第一次産業も、もう徳俵に足がかかっているということを認識して、そして全体で守るのだという気迫を今示さなければならないときだというふうに思いますので、どうぞひとつ、総理大臣のその御決意をお伺いして、私の質問を終わりたいと存じます。
○森内閣総理大臣 御指摘どおり、農業は国のまさに基、こういうふうに私たちも承知をしていたわけでありまして、極めて重要な産業であるわけです。農業者が明るい展望を持って農業に取り組めますように、将来にわたって守り育てていかなければならない、このように考えております。
○坂口委員 ありがとうございました。
○原田委員長 これにて坂口君の質疑は終了いたしました。 次に、井上喜一君。
○井上(喜)委員 保守党の井上喜一でございます。 既に質問されましたお二方から、まず政局のお話がございましたけれども、私は、内外ともに大変課題の多いこのときでありますから、政府といたしましては、粛々と、着実に課題をこなしていくことが大切である、こういうふうに考えておりまして、総理が、いや、ひとつ一言だけ何か言っておかないといけないということであればよろしいのでありますが、私はそういうような考えから、特別にこの課題については質問をいたしません。 私が質問いたしたい第一は外交問題でございまして、先週、APECの首脳会議等がございました。関係各国の首脳が集まりましていろいろな重要な議題が討議をされたと思いますし、さらには、そういう機会を利用されまして、総理も、韓国あるいはアメリカ、ソ連等の首脳との会議も行われたようでございます。既にそういう諸会議の成果につきましては、報道等もございますし、我々もおおむね承知をいたしているところでありますし、また、ただいま一番最初の質問者の御答弁にもそういうことがございました。 私がお伺いをいたしたいのは、そういうこととは別に、そういう会議を通じまして総理が一番印象に残ったこと、今、激動する国際社会の中で日本がこれから十分注意をしておかないといけないぞというような点、そういうことについて率直な総理のお考えといいますか、お気持ちをお聞かせいただきたいと思います。
○森内閣総理大臣 今回のAPEC首脳会議ではさまざまな議論が行われたわけですが、先ほどもちょっと触れましたけれども、グローバル化という問題、それからWTOが議題になったわけでありまして、とりわけグローバル化につきましては、途上エコノミーを含めまして域内の首脳が一堂に会しまして、それがもたらす具体的な利益と課題というものについて極めて率直な意見交換がありました。恐らくこの問題だけで三時間ばかり費やしておったような気がいたしますが、それぞれの国々が、それぞれの持つ悩み、それからまた、グローバル化という世界の趨勢についていろいろな御意見をおっしゃっておられましたことは、とても印象的でございました。 こういう場所でございますので、どなたがどうおっしゃっていたということは、これは省かなければなりませんけれども、やはり一極にグローバル化されていくことが本当にその国にとって幸せなことなのかというようなこと、例えば、巨大なる金融機関がどんどん中小の金融機関を吸収していくというようなこと、若干日本のようなことも例として取り上げておられた首脳もございましたけれども、そうしたようなお話が非常に印象に残っておりました。 それからもう一つは、いわゆる情報格差の問題でございました。 これにつきましても、電気のないところに果たしてインターネットが可能なんですか、そういうものは必要なんですかというようなことを率直に漏らされる、そういう首脳もございました。そうしたことなどを、それぞれ国の持つ悩み、そして、将来への方向というものをある程度認めながら率直な意見交換ができ得たというふうに思っております。 先ほど御答弁で申し上げましたように、特にWTOにつきましては、新ラウンドの立ち上げについてかなり、まず何をやるのかという課題を決めてからやれということと、いや、まずいつから始めるのかということが先ではないか、こういう議論などもございましたが、最終的には、二〇〇一年のできるだけ早い時期に課題を決めて、そして二〇〇一年じゅうに立ち上げをやろう、こういう考え方が合意をできたわけでございます。 いずれにしましても、こうした問題をしばしば首脳間で議論をし合いながら、世界の平和と世界の繁栄のために議論し合うということは、極めて私はすばらしいことだな、そんな感想を持って帰ってきた次第でありますし、この問題、いずれにしましても我が国の置かれている立場は極めて重要だというふうに私は感じ取ってきた次第でございます。 その他、日韓、日ロ、日米、それぞれ首脳会談を行ってまいりました。 日ロにつきましては、先ほども触れましたけれども、九月の私とプーチン大統領との会談、さらに河野外務大臣が訪ロいたしました会談、また、さまざまなレベルでの協議、そういうものを踏まえまして、さらに平和条約交渉について着実な一歩を画するということができたのではないか、このように考えておりまして、でき得ればさらに専門的なレベルでこの年内議論をしていただきたい。そして、でき得れば河野外務大臣にももう一度訪ロをしていただいて詰めをしていただいて、少なくともその具体的な進展が得られるという道筋が明確になってくるということであれば、プーチン大統領がぜひイルクーツクで話し合いたいということをおっしゃってくださっていますので、それにこたえたいということでも合意をいたしたわけです。 日韓首脳会談あるいは日米首脳会談は、もう御承知のように日朝関係の正常化についてのお話し合い、さらには南北の進展ぐあい、さらに米国クリントン大統領の訪朝の問題などということが中心的な議論の中でございました。
○井上(喜)委員 次に、景気、経済に関連した質問をいたしたいと思うのです。 まず経済企画庁長官にお伺いしたいのは、十一月の経済の月例報告を見ましても、全体としては十月とそう大きな違いはないと思うのです。経済全体としては回復の兆しがあるけれども、まだ本格的な動きではないということですね。設備投資でありますとか生産、出荷の方はまずまず順調な回復を見せているけれども、個人消費を初めとして雇用あるいは賃金等々、なお厳しい状況にある、こういう判断だったと思うのでありますが、最近の経済の状況につきまして、長官御自身が年度の初めにお考えになっておりましたことと大体合っておりますか、当初の予想と違っておりますか。その点、まず最初にお伺いしたいのです。
○堺屋国務大臣 私がこの職につきましてから九四半期になりますけれども、大体その都度発表してまいりました経済見通しとそれほど大きな違いはございません。 現在のところを申しますと、本年度の初め四月ごろには、前半、一月から六月ぐらいまではかなり景気はよくなるだろう。しかし、そこで企業部門を中心とした収益あるいは設備投資はかなりよくなるだろうけれども、それがバブル以来の不良債権の処理にかなり食われること、それから、産業全体の組みかえが進みますので、労働の問題にいたしましても、各分野の調整の問題にいたしましても、やや長引くだろう。だから、所得の増加は産業が利益を上げたほどにははかばかしく進まないだろうし、また雇用、消費の面でも厳しい状況が出てくるだろう。特に年の後半、今の時期でございますが、秋の時期になりますとやや厳しい状況が出てくるのではないか、こう予想しておりました。 したがって、さきの見通しで二〇〇〇年度の予想を一・五%と見直したのでございますが、これも、従来のところからゼロ、ゼロと横並びに引っ張るよりも少し下がるという数値になっておりまして、現在のところ、私たちの考えと同じような歩み方をしております。七月以来、森内閣のもとで日本新生のための経済発展政策、新発展政策を立ててまいりましたのも、そういった予想に従っております。
○井上(喜)委員 私は質問通告をしていなかったのでありますけれども、大蔵大臣、現在の景況感といいますか、今の経済の状況、大体予想どおりに展開をしているというようなお考えですか。
○宮澤国務大臣 今企画庁長官の言われたことと同じように考えておりますが、ただ、普通の回復のパターンにしては、雇用それから家計へのつながりがなかなか思ったほど十分でないということの中に、さあ今度のリストラクチャリングというのが、経済社会全体に将来に向かってのやはり変革が進行しているのかもしれない、ちょっとわかりませんけれども、そういうことも考えておかなければいけないという感じはございます。
○井上(喜)委員 このたびのこの補正予算というのは、現下の経済情勢を背景にいたしまして、経済の自律的回復に向けてさらに後押しをしよう、こういう意図のもとに編成をされたと思うのでありますが、この補正予算の景気への影響、効果あるいはこれからの景気の足取り、どのように予想されますか、まず経済企画庁長官にお伺いいたします。
○堺屋国務大臣 この際申し上げたいことは、この三年間、政府は、あの九七、八年の大不況から立ち上がるのに、一応三段階の計画を立ててまいりした。 第一回の九八年緊急経済対策においては、とにかく下支えをしなきゃいけないというので、相当大胆な政策をし、金融の再生や中小企業の倒産防止、そして大型の公共事業、減税を行いました。そして、九九年の経済新生対策におきましては、これが新しい面に定着してくるということに重点を置きまして、緩やかながらも回復をとってまいりました。 そして今、今回御審議いただいております日本新生のための新発展政策におきましては、単なる経済対策、景気対策ではなくして、ITの問題あるいは中小企業や厚生省関係の問題等も含めて、法関係の整備をあわせて構造改革に一歩踏み入る。他方においては、急激に公需が落ち込むことによって景気が後退することを防ぐと同時に、一方では、はっきりと構造改革、これから二十一世紀の日本を目指す最も重要なITを中心とした構造改革に予算を集中させて、そのバランスをとった、構造改革と景気対策と両にらみという政策に立ってきております。その意味におきまして、この政策がかなりこの一連の中で大きな地位を占めていると思います。 なお、経済社会資本の整備及び災害対策の今後一年間の波及効果ということをマクロ経済を使った数値的なことで見ますと、名目GDPの一・三%、実質GDPの一・二%程度の効果がある、これは、マクロ経済を使った統計数字でそういうものも出ております。
○井上(喜)委員 景気が緩やかに回復をしてきている、あるいはそういうことが展望できるというようなお話でありましたけれども、私は中小企業の問題をここで取り上げたいのでありますが、中小企業、総体としては景気全体の足取りと同じような傾向を示しているように思うのでありますけれども、しかし、中身をよく見ますと、これはなかなか一様じゃないわけです。 特に、日本の伝統産業と言われました織物でありますとか、あるいは金物なんかもそうでありますけれども、これは大変大きな問題を抱えてきているんですね。外国からの輸入がどんどんふえる。これは特に中国からの輸入がふえているということでありますけれども、賃金が安いとかあるいは円高であるとか等々理由がありますけれども、何せその輸入の急増が激し過ぎるわけですね。非常に急激過ぎると私は思うのです。そういうようなことから、企業が倒産をする、あるいは休止をするというようなことがもう続出してきているわけですね。 総理の地元も繊維でなかなか難しいところだと思うのでありますが、私の地元も、播州織物といいまして、かつて輸出の綿織物をつくっていたところなんでありますけれども、もうこの十年間に七〇%ぐらい減ってしまったわけです。生産量が落ちてくる、したがって休業の企業がどんどんふえているということで、今なお大変苦しい状況なんですね。したがって、織物の後継ぎをするような人もいなくなってくるというような状況でありまして、もう大変深刻な状況なんです。 そこでまず、質問に入る前に、こういう中小企業の現況というものを通産大臣はどういうぐあいに御認識されているのか、それをお伺いいたしたいのです。
○平沼国務大臣 お答えをいたします。 今、井上委員御指摘のように、中小企業の状況というのは非常に厳しいものがあると思っています。全体的には景気は回復基調にありますけれども、日本のいわゆる経済の根幹をなす中小企業は、この十月の統計を見てみますと、昨年の同期に比べて一八%も倒産が増加をしている、こういう非常に厳しい状況であります。 そういう中で、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、通産省といたしましては、中小企業、特に金融関係で手助けをしなきゃいかぬということで、特別保証制度を導入して一生懸命お手助けをしてまいりました。これは、当初は二十万件も申し込みがありましたのが、今三万件以下、こういう形になって、大分そういった面では貸し渋りは改善はされてきております。 そして、御承知のように、この特別保証制度というのは、異例の措置として一年延長いたしましたけれども、来年の三月まで、こういうことにしております。 したがいまして、来年の四月以降、やはりこの血液に相当する金融というものをぴしっとしていかなければならないということで、この国会にもお願いをしている中小企業の信用保険法、これを改正しまして、一般保証の枠を大幅に拡大して、そして、中小企業の皆様方にお役に立つ、そういう強力な施策をしていかなきゃいけない。 さらに、中小企業は非常に厳しい状況に置かれておりますので、堺屋経済企画庁長官が言われましたように、起爆剤という形でITに関する支援も同時並行的にきめ細かく行っていこう、こういうふうに思っておりまして、我々といたしましては、中小企業の厳しい現状をとらえ、そして企業数では九九・七%を占める中小企業に活力を取り戻すために、全力でこれから力を傾けていかなければならない、このように思っております。
○井上(喜)委員 繊維につきまして、通産省もいろいろなことを検討して、いろいろなことを実行されてきたのでありますけれども、なかなか間尺に合わないんですね。それが現状であります。 今お話しになりました融資の制度なんかも、それが利用できないような状況が出てきているわけでありまして、私は、これまでの政策は、ゼロとは言いませんが、大変効果が少ない、あるいは生ぬるいものでありまして、じんぜん日を送るような、そんなような対策になっているんじゃないかと思うのです。 今の繊維産業が置かれている状況というのはそんな状況じゃないと思うのでありまして、いろいろなことを検討しておられます、それはよく承知をしているのでありますけれども、このような、今検討されているようなことは繊維産業の安楽死につながるんじゃないかという危機感を私は持っているんですね。 ですから、対策は二つであると思います。 一つは、輸入対策なんですね。輸入をいかにうまく調整をしていくかということが一つであります。余りにも急激に安い織物が入ってくるということは、到底短時日のうちにそれに対抗することができないわけですね。だから、どうしてもやはり輸入調整が必要だと思います。 今、セーフガードでありますとかアンチダンピングが言われておりますが、これができればいいけれども、できなければどうするのか。私は、例えば、中国が主たる輸入相手国ですから、中国と十分話をしていくというようなことだって必要なんだろうと思うのです。大変難しいことであるけれども、ぜひそういうことをやっていく必要があると思います。 もう一つは、国内の業界対策ですね。やはり競争力をつけないといけないと思います。そのためにいろいろな対策があると思うのでありますが、いろいろなことを言われるんですが、なかなか中小企業は一般対策ではどうにもならないようになっておりまして、もっと画期的なそういう業界対策、それをぜひお願いしたいと思うのです。その辺のところをどういうぐあいにお考えなのか、御意見をお伺いいたしたい。
○平沼国務大臣 お答えをいたします。 実は、私は十一年間、繊維産業で働いておりました。そして、労働組合の執行委員等もいたしまして、そういう関係で、繊維業界の方々、労働組合の方々も通産省に来てくださいまして、いろいろ今の現状を承っております。 そういう中で、今委員御指摘のように、繊維産業は非常に厳しい環境に置かれている、このことは我々としても非常によく認識しているところであります。 そこで、今セーフガード、こういう問題がございましたけれども、これは、御承知のように、WTO上認められている措置でございます。そういう中で、私どもは、発動要請があったときにはやはり厳正な形でそれを行う、そういう時期に来ているのではないか、このように思っております。 日本のいわゆるセーフガードでは、構造改善というような特別な、ほかにないそういう規定も盛り込まれておりますけれども、こういったこともやはり前向きに検討して、業界の皆様方からそういう御要望があって、発動要請があれば、私どもは厳正にそれに対処していかなければならないと思っております。 また、二国間の話し合い、中国から洪水のように来ている、これはいろいろな事情があるわけでありまして、二国間ということは、WTO上、なかなか二国間でその問題を話し合うということは非常に難しいわけですけれども、中国が今WTOに加盟する寸前に来ておりますので、やはりそういうことを含めて我々は積極的に中国との話し合いを進めていきたい、このように思っております。
○井上(喜)委員 繊維産業は、御承知のとおり、かつてのような大きな力はないわけでありますが、それでもまだ日本の製造業の中では、これは一〇%ぐらいのウエートを占めていると言われておりますし、雇用の方も七十万ぐらいですか、やはりかなり大きなウエートを占めております。 しかも、繊維産業といいますのは地域性が非常に高いんですね。繊維というのは、単に織るだけじゃなくて一連の工程がありまして、そういうのが集まっておりまして、大変地域性の高い産業だと私は思うんです。したがいまして、その地域の繊維産業がつぶれることによりまして、その地域に対する影響が非常に大きいわけですね。 私は、総理がかつて自民党で繊維対策委員長をやっておられたというふうに承知しておるのでありますけれども、ぜひこの繊維産業のそういう特殊性といいますか、重要性に着目しまして、今通産大臣が言われましたこと、またその他のこともあろうと思うのでありますが、勇断を持って対策を実現していただきたいと思うのでありますが、総理の御見解をお伺いします。
○森内閣総理大臣 御指摘のとおり、私も以前には繊維の主産業地域が選挙区でございまして、初めて当選をいたしましたときが昭和四十四年の暮れでございました。その四十五年に日米繊維協定が成立をいたしまして、話し合いが通じまして、それ以来、約三十二年間、私は議席を持っておりますこの間じゅう、繊維の問題で悩みばかりでございました。 それは、今お話しのとおり、集約的な地域に集約的な産業でありますから、例えば蚕さんから糸にするまでの過程もありますし、それを素地として、いわゆる生地としてつくる、さらにそれを染める、加工していく、いろいろな付加価値をつけていくということで、すべてがある程度その地域に集約しているわけです。 当時、日米繊維協定によって日本の繊維産業が大きく転換をしたことは事実ですが、それは、ある意味では大手の原糸メーカー、例えば、名前を挙げていいかどうかわかりませんが、東レでありますとか旭化成でありますとか鐘紡でありますとか、そうしたところが大きく転換ができたわけですね。あらゆる分野、化学薬品でありますとか素材の問題でありますとか、どんどん転換できましたが、そのずっと川下にいます弱小中小企業あるいは弱小企業は、そうしたものになかなかついていけなかったということも一時期の問題点でありました。 また、私が繊維対策特別委員長をやっておった時代は、いわゆる生糸の一元化の問題がございました。これによって、外国から高い糸を買わなければならないというようなことにもなったわけでありまして、しかし、今こう考えてみると、当時は韓国あるいはブラジル、中国ということでございましたけれども、今ではむしろ中国だけが対象になるのだろうと思いますが、いわゆる韓国の方のそうした価値も非常に高くなってきているということもございました。逆に言えば、生糸、養蚕業というのは果たしてどれだけのシェアがあるのかも考えてみる必要があるというようなことも、私もこれまでの長い政治活動の中で大きなテーマとして取り組んできたわけでございます。 しかし一方では、繊維産業というのは希望がないわけじゃありません。例えば、宇宙衛星などにも関連をいたしておりますし、工業製品にも随分関係がありますし、最近では、スポーツ用品だとか、ありとあらゆる中に繊維産業というのは入っているわけでありまして、これがどういう形でこれからまとまって、集中的な形で、効率が上げられるようにしていくかということが大事なテーマだと思いますし、これは先ほど通産大臣もお話しのように、こうした問題に積極的にしっかり取り組んでいただけるだろう、また、私どもとしてもそういう指示をしていかなければならぬというふうに考えています。 いずれにしても、おっしゃるとおり、繊維産地の再生を図っていくということは、これはグローバル、マクロ的に見ても、日本のマクロ、私のことを言っているだけじゃなくて、誤解があってはいけません、日本全土から考えて大事な主要産業であるということを申し上げておかなければならぬと思っています。 輸入対策につきましては、業界の要望が非常に強いことはよく承知をいたしております。繊維セーフガードの発動の要請が業界からなされた場合には、国際ルールを踏まえて、正当であると判断されるときには決然と対応していくことがぜひ必要だというふうに考えております。 さらに、産地の活性化対策のための業界対策としても、我が国の繊維産業の強みであります高い感性、技術力をうまく引き出しながら、新たな商品価値を生み出していく、そして次世代を担う人たちに対しての育成の有効な支援策をやはり官民で知恵を絞って考えていく、そういう大事な時期だというふうに私は考えております。 繊維産業は、我が国の文化を背景といたしておりますし、地域経済の大きな雇用を守っているということもあるわけでございまして、このことを肝に銘じながら、必要な手だてを早急に打ってまいりたい、このように考えております。
○井上(喜)委員 ぜひこの輸入対策あるいは国内農業家振興対策についてしっかりとした対策をお願いいたします。 それから、大蔵大臣に株価のことをちょっとお聞きをいたしたいのでありますけれども、株価について、私は最近の株価は低迷しているのじゃないかとも思うんですけれども、日経の平均株価の算出方法が違った等々ありますが、どうも全体としては低迷の傾向が続いているのではないかと思うのです。 株価というのは経済の先行指標等とも言われますが、どうも、日本経済全体としては回復の兆しが見えてきているということで、どちらかといえば明るい方向に行っているのではないか、こういう判断だと思うのでありますけれども、株価の動きというのは必ずしもそうでもないじゃないか、こんな感じがするんですね。 もちろん、アメリカの経済だとか石油価格等々いろいろな影響があろうかと思うのでありますけれども、最近の株価について大蔵大臣はどのような判断をしておられますか。これは大体適正な水準なのかどうなのか。その辺のところをお聞かせいただきたい。
○宮澤国務大臣 ただいまの株価水準がかつての水準と比べますと、日経の組みかえがございまして、これが恐らく数千円の開きを生じておるかと思います。 しかし、それはそれとしまして、最近の下落状況というのは、私は、大変端的に申しますと、いろいろなことを考えてそういう相場になるんだろうが、日本経済の回復傾向はかなり顕著であるし、企業の採算もよくなっておりますので、これは恐らく、現在の状況というのはどうも正常な傾向ではないな、殊に、アメリカのナスダックをすぐ写真で写すような相場というのは一体どういうものかなと思っておりますけれども、基本的には、相場のことだから相場に任せておけ、下がったらまた上がるさと思っております。
○井上(喜)委員 どうもありがとうございました。終わります。
○原田委員長 これにて井上君の質疑は終了いたしました。 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 正午休憩 ————◇————— 午後一時開議
○原田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。仙谷由人君。
○仙谷委員 民主党の仙谷由人でございます。 委員長の御許可をいただいて、資料を四枚配付させていただきたいと思います。そしてまた、前三枚の分につきましてはパネルを用意いたしておりますので、パネルの掲示も御許可をいただきたいと存じます。
○原田委員長 結構です。
○仙谷委員 それでは、まず総理にお伺いするわけですが、先ほど総理、斉藤議員の方から支持率についての御質問があったように聞いておりました。支持率をどう受けとめるかということについて、お伺いしておりましたら、余りはっきりした御返答ではなかったと思います。 この支持率というものについて、特に森内閣に対する現在の、あるいはここ一カ月ぐらいの支持率というものについて、総理はどういうふうにお考えになっていらっしゃるでしょうか。
○森内閣総理大臣 支持率あるいは不支持率は、そういう意味ではさまざまな要因があるというふうに私は申し上げております。 確かに私の支持率というのは低いということも、私は十分承知をいたしております。しかし、それはまた、ある意味では国民の皆さんによる叱咤勉励であるという意味にも私はやはり受けとめながら、先ほどから申し上げておりますように、虚心坦懐に与えられた責務をしっかりと全うすることが私は大事なことだというふうに思っております。
○仙谷委員 お配りした資料の一枚目でございますが、NHKが、支持率が一七%、それから毎日新聞が一五%、それから時事通信が一八%。そして、昨日段階で、フジテレビが首都圏で一二・二%、本日、全国で調査しますと一四%、テレビ朝日は一三%、本日付の毎日新聞では一八%、こういうことになっておるようでございます。 ただ、毎日新聞は、本日付の毎日新聞を拝見いたしますと、支持率も三%上がったけれども、不支持率も三%上がって六一%になった。テレ朝の不支持率は七六%、フジテレビの首都圏の不支持率は何と八二・八%、それから全国では六八%だということであります。(発言する者あり)今から聞くからちょっと黙っててね。 こういう支持率というのは、自民党の席からお話がございますように、国民が、森内閣のやっていること、やろうとしていることを理解していない、誤解しているということなのかもわかりませんけれども、現在時点における国民の意思、民意であることもまた一つの客観的な事実です。 そうだといたしますと、虚心坦懐に、謙虚に、こうおっしゃいますけれども、もうちょっとみずからの政権を客観化し、総理の言ってきたこととかやってきたことを対峙化して、みずからを客観化して判断なさると、これはしようがないな、あれだけ失言をし、理想を示さず、そしてまた経済実態がこうであればしようがないな、こんなふうにお思いになりませんか。
○森内閣総理大臣 先ほど申し上げたように、支持、不支持というのはそれぞれ要因があるわけでありまして、確かに私も、率直に申し上げれば、自分なりに、小渕政権の後をお引き受けさせていただきまして、一生懸命努力をいたしております。やはり私も、なかなか目に見えて効果があらわれないということに対するいら立ちもないわけではございません。しかし、こうした政治の実効といいましょうか、足跡というのは、やはりある程度少しの時間も必要になる。そういう意味では、国民の求めておられることと実績というものとはタイムラグがやはりあるだろうというふうに思っております。 決して私は、そんなことで、これからいい方向に上がるとか、そういうことを申し上げているわけじゃありませんし、支持率を少しでもよくするために政治をやっておるのではなくて、何とかして国民の皆さんの今持っておられる不安感を除去して、そして希望の持てる二十一世紀社会というものを切り開いていけるような、そういう基礎、基盤というものを一生懸命努力することに今私は誠心誠意やっておるつもりでございまして、率直に申し上げれば、その支持や不支持というものはそれからまた後に評価されてくるものだろうというふうに思っています。与えられた職責を今一生懸命やり遂げて、国民の皆さんにこたえていきたい、それが私の今持っております心境でございます。
○仙谷委員 今、情報化時代におけるコンセプトというのは、やはり政治をやる立場の人間も双方向性ということを意識しなければならない、こういうふうに言われておるんですね。だとすると、現時点で示された民意というものを私どもが酌み取るといいますか、ひしひしと謙虚に受けとめて身を処すといいますか、政治方針を決めていくということがなければ、非常に国民の気持ちとそご、ずれが生じてくるということになるんじゃないんでしょうか。 我々も、例えば昨日の栃木県知事選挙における栃木県民の意思、私どもも現職の知事を推薦して物の見事に敗れた、この現在の国民、県民がお考えになっているお気持ちというのは何なんだろうか、ここのところをやはり洞察するとか、我々のこれからの政治生活の糧にするということがなければ、ますますこのずれが広がって国民の方が白けてしまうということになるんじゃないかと思うんですね。 私は、この世論調査の支持率というのはもう少し謙虚にお受けとめになられた方がいいんじゃないかと思います。総理は、この双方向性とかをどう思いますか。双方向でなければならないというようなことをどう思いますか。
○森内閣総理大臣 たびたび申し上げておりますように、私はこれを否定しているわけではございません。支持率、不支持率というのは謙虚に受けとめておかなければならぬし、先ほど申し上げましたように、ある意味では叱咤勉励もあるだろうし、あるいは今仙谷議員がおっしゃいますように、国民が認めていない、そういう見方もあるのかもしれません。 しかし、私は、そういう与えられた仕事、職責を全うすることが大事だと思っておりますし、双方向性ということからいえば、私どもが今打っている手だてといいましょうか、あるいは政策というのは、すぐ即座に具体的なこたえとしてあらわれてこない、そういうこともございましょう。 そういう意味では、私さっき言いましたように、いわゆるタイムラグもあるだろうということを申し上げたわけでありまして、要は、私どもとしては、国民の皆さんが本当に安心をして新しい二十一世紀を迎えていただけるように、さまざまな政策をしっかりとこの機会にやり遂げておきたい、そういう意味で私は努力をいたしておるところであります。
○仙谷委員 何回聞いても、何というのですか、のれんに腕押しみたいな話でございまして、本当に現在の事態の深刻さをおわかりになっているのかどうなのか、私は疑問なしといたしません。 ところで、本日、不信任案が提出されるというようなうわさがありますけれども、そのことは別にしまして、加藤紘一さんが、七五%も不支持を、国民から支持されていない、そういう内閣を支持するわけにはいかないのだ、これは森内閣、総辞職、退陣すべきだ、こういうふうにおっしゃっているわけですよね。私もそろそろ潮どきじゃないかという気もするのですが、総理大臣、いかがですか。
○森内閣総理大臣 これも先ほどからの御質問者に対しても申し上げてまいりましたけれども、もしそういう不信任が出るということであれば、それを私は正面からしっかり受けとめてまいりたいというふうに考えております。 我が党の同僚の方の具体的なお名前がございましたけれども、私は、我が党の中におきます政策的な御意見等であれば、これはお受けする、あるいはお話をお聞きすることにはやぶさかではございませんので、何も今お名前を出された方だけではなくて、幅広く党内の皆さんの御意見は総裁として受けとめることは当然だろう、こう思っておりますから、そういう意味では門戸を広げていたつもりでございます。 ただ、残念ながら、今日まで政策的なことで直接的なお話がなかったというのはとても残念なことでございまして、私が総裁・総理という立場で不信任云々というよりも、大事な政策を掲げていく党の中でそうしたことが起きるということは、やはり党員としての自覚の問題というふうに私は考えておりまして、大変残念なことだというふうに申し上げるしかいたし方ないと思っております。
○仙谷委員 これは加藤紘一さんだけじゃなくて、連立を組んでいらっしゃる友党の公明党さんの方からも、そろそろもう森総理にはお引きいただいた方が本当はおさまりどころがいいとか、参議院選挙のために都合がいいというアンダーグラウンドの声が私のところにも聞こえてくるのですね。あるいは自民党の中からも、主流派の中の最大派閥の何とか会の意思としてはこうだ、やはりお引き取りいただいた方がいいのじゃないか、こういう声が聞こえてくるのですね。 こういう事態で、民意は、七五%が大げさであれば六八%も、もうやめてほしい、もうやめていただかないとこれは日本が立ち行かなくなるんじゃないか、夢も希望もない、こういう雰囲気に今なっていると思うのです。どうですか、総理。
○森内閣総理大臣 夢も希望もないというのはどういうことか私もわかりませんが、先ほど言いましたように、私が内閣をお引き受けいたしましてから進めてきた政策は、国民の皆さんから、これはノーだ、これはよくないよという声は、残念ながらといいましょうか、幸いと申し上げていいでしょう、ございません。ですから、何をもって不支持になるのかわかりませんが、これはある意味では私個人のキャラクターなのかもしれません。それは私自身は率直に認めてもいいと思っております。 しかし、私個人のことではなくて、この日本の国をどうするかであって、そして、今国民の持っておられる心配事や悩み事をどう解決するかということについて私は幾つかの政策課題を今一生懸命進めているわけでありまして、むしろ、このことに全身全霊を打ち込んでやることによって、私は後世評価してもらえるものだと思っていますし、別に、支持率を上げたいとか不支持率を減らしたいとか、それはもちろん努力しなきゃならぬことだと思いますが、今私の頭の中は、何としても、今当面している、国民の求めている課題だけはしっかりやり遂げたい。そのやり遂げたいという課題について、国民の皆さんが、それは必要はないよという声は必ずしも私のところには届いていない。皆さん、やってくださいということの方が私は多いと思っておりますし、恐らく仙谷さんだってそう考えてくださっているだろうと思うのです。
○仙谷委員 なぜ夢も希望もないと言われるかわからないと、随分鈍感な話じゃないですか。 いいですか、日経平均株価、ちょうどここに、就任時、四月六日の株価と現在の株価を書いております。いいですか。株価は六カ月先、八カ月先の日本の経済あるいは景気を映すんではないか、こう言われておるんですね。そうだとすると、森さんがなられてから六カ月の間に何と六千円、TOPIXのポイントでいうと三二〇ポイント、この下落。東証の時価総額で比べてみますと、何と七十三兆円信用が吹き飛んだ、これが実態なんですよ。このことをもってしても、国民は、この先どうなるんだろうか、短期的な景気回復、経済政策とおっしゃることをやりながら、短期的にはこうじゃないかと。 いいですか、我が党の岩國議員の言をかりれば、七十兆の公的資金を注入しながら七十兆の、いいですか、七十兆を超える金融資産を吹き飛ばした。不良債権処理のために七十兆、不良政権が七十兆使い込んだ、こういう表現までしているんですよ。 いいですか、こういう今の株価、時価総額、総理は何の責任もお感じにならないのですか。総理の行ってきた経済運営が間違いだった、やはりどこか間違いだったんではないか、こんな反省ないんですか。
○森内閣総理大臣 これも先ほど大蔵大臣も触れておられましたが、株価というのは、やはりこれもさまざまな要因があるわけでありまして、そして、株価によって、政権がそれによって責任をとる云々ということになれば、それは株価を振り回せば政治が動いてしまうということにもなりかねないわけでありまして、あなたも御専門であろうと思いますし、後ろにいらっしゃる岩國議員は特に御専門でもあるわけですから、恐らく株価の変動というのはいろいろな状況によって変わっているわけで、もちろんアメリカを初めとしての国際市場の関係もあるでありましょうし、あるいは今回、日本の場合はいわゆる日経の組みかえもあったわけであります。しかし、現実、経済界自身は、あるいは企業経営者は、必ずしも今株価について大変事態としては困窮した形になっているというようなことは、まだ私はそういう声は聞いておりません。 しかし、少なくともこれから、今打っておりますいろいろな経済政策が着々と私は功を奏してくることを、そうしたことに期待をしながら、政策を何としても果敢に実現をさせたい、こう思って取り組んでいるところであります。
○仙谷委員 総理、今のような御答弁をマーケットの方が聞くとどう反応するか、私責任持ちませんよ。 株価についてそれほど企業社会が関心を持ってない、株価を毎日見ながら、株価と金利を見ながら冷や冷やしているじゃないですか。そういう感覚では経済運営は、この時代の、この時期の経済運営なんか行っていけるはずないじゃないですか。 では次に、お配りしてある資料の二枚目をごらんください。 これは、宮澤大蔵大臣が財政演説の中で、緩やかな改善が続いており、自律的回復に向けた動きが続いております、こうおっしゃっているんです。緩やかな改善が続いた結果、就業者数の方から見れば、つまり働く人の数から見れば、前年比、毎月毎月減っているじゃないですか。 企業倒産、見てください。森総理が就任なさってから、毎月毎月二〇%も三〇%も前年比ふえているじゃないですか、企業倒産が。歴史上第二位になることは間違いない。年間二万件に近い企業倒産が出るだろうと言われているじゃないですか。一万五千件を超えると倒産が多いと言われているんですよ。どうですか。 そしてまた、これをごらんいただきますとわかりますように、就任した四月には、勤労者の家計消費支出はややプラスになったけれども、後は八千円から、九月は千九百六十二円でありますけれども、実額で減っているじゃないですか、消費の支出が。勤労者世帯の実収入、四月からずっと、毎月毎月減っているじゃないですか。この状態をどうお考えになるのですか。 森総理がお答えになれないのだったら、大蔵大臣でもいいですよ。どうですか。
○宮澤国務大臣 せんだっての演説でも続いてすぐに申し上げましたが、しかし、雇用とか家計消費についてはなかなかはかばかしくないということをけさほども申し上げました。普通の不景気の回復時期と比べて、非常にそこらに構造的なものがあるかもしれないということを考えておりますが、しかし、景気が回復するときにはやはり企業の方から回復していくというのが、これがパターンでございますから、それをどうやって雇用と家計につなげていくかということは、これは我々がさらに努力をしなければならないことであって、全体の経済の傾向としてはよくなっているということは申し上げてもいいだろう。 失業者数は確かにふえておりますけれども、やはりそれだけのリストラクチャリングが行われている、日本の経済社会がそれだけのリストラクチャリングを必要とするという指標として私どもは受け取っていかなければならないのだろうと思います。
○仙谷委員 企業の業績が上向いている、確かに一部の企業は上向いていますね。しかし、中身を拝見しますと、企業の収益が上向いている中身を見ますと、これはもう完全に人件費を削って、キャッシュフローがふえるけれども、みずからの借金を返すという方向でしか今の経済は回っていない、企業社会は回っていない。明らかじゃないですか。だから、この景気回復、一部の企業における収益の向上というのは、庶民の、勤労者世帯の犠牲のもとにおいて行われていると言ってもいいと思うのですよ。 そのことについて、経済の局面でそういう事態が生ずる局面というのもあるのかもわからないと私は思います。直ちに勤労者のところまでその余得が来ないということもあるのかもわからない。それならそれで、そのことをちゃんと説明しなければ、こんな苦しい局面があるんですよということを説明しなければ、国民の方は、ああ、もうあとちょっと辛抱すれば景気回復になる。宮澤さんはよくわかっていらっしゃると思うけれども、何年言い続けているんですか。 森さんの——ちょっと待ってください、私、質問しているんだから。森さんの懐刀と言われる尾身さんが経済企画庁長官をやったのはいつですか。九八年じゃないですか。九七年、九八年ですよ。忘れもしない。九八年二月の予算委員会の質問を私はした。桜の花の咲くころには景気がよくなると言ったじゃないですか。もう三年もたつじゃないですか。 この責任はどこにあるのですか。大きな借金を国でして、財政赤字をつくって、財政出動としてその金をほうり込んで、九八年の桜の花の咲くころからでありますと、もう三年ですよ。これ、だれが責任とるんですか。森さんでもどなたでも。責任論ですよ。そんな、だれだれといういいかげんなことを言わないでください。責任論。(発言する者あり)何が失礼なんだ。
○宮澤国務大臣 それは、私は、仙谷委員はよくわかっておっしゃっていらっしゃると思います。 やはり景気が回復する過程というのは、どうしたって企業が自分のリストラクチャリングをしなければなりません。そのためには借金も返さなければならないし、人も減らさなければならない。それはよくわかっていらっしゃって、その過程を今我々は歩いておるわけだと思います。 ただ、このたびの不況というのは、そのスケールの大きさと、さらに加えて、やはり社会的な構造変化を二十一世紀に向かって我々の国がしているのではないか。それだけに全体のプロセスが大きいし長い。そこは辛抱の要ることだし、また国としてそれだけの金も使わなきゃならない。それが今悪い方向に向かっておるわけではありません。有効求人倍率もよくなっていますから、それが遅いじゃないかと言われることは、それは明らかに全体の構造不況、全体の改革というもののスケール、その大きさというもの、それとして我々は考えておかなければならないというふうに私は思っています。
○仙谷委員 要するに、就業者数が減り、勤労者世帯の実収入が減り、労働分配率が減り、働く者の犠牲の上で、そして本当にこの延長線上に景気の回復なんかあるのか、みんな疑っているわけです。私も疑っています。いいですか。こんな財政の赤字をつくってしまっては、中長期的にも日本は再生できないと私は思うのですね。 つまり、現になぜ消費が減るか。消費が減って金融資産の貯蓄はふえているじゃないですか、家計統計を見ますと。いいですか。年金法を改悪し、医療費の老人の負担をつくり、この先年金、医療がどうなるかわからぬ、そういう不安心理を醸成させた。みんな防衛に走っているんじゃないですか。そして、その上にこれだけの財政の破綻状況をつくるということになりますと、そのうち大増税が来るんじゃないかと思っていますよ。後で説明しますけれども。 ところで、これは森総理にも易しい問題ですからお答え願いたいのですが、三枚目を見てください。 私は、議員一般がこのことだけは腹に据えていなければいけないと思って、いつもこれを持って歩いているのです。講演するときも本をつくるときも、これを必ず書くようにしています。 これは今の財政です。補正前は、基幹三税、所得税、法人税、消費税は三十七兆の世界でございました。補正後はこれは四十兆になっています。補正前は、国債費と地方交付税を合わせますと三十七兆でございました。約三十七兆。これはこの数年、三十七、八兆のところで、この基幹三税と国債費プラス地方交付税が非常にパラレルになっているのですね。つまり、基本的な税収は借金の支払いと地方への仕送りで消えてしまう、こんな財政をつくってしまったのですね。 国家公務員の給与が十一兆円と言われています。これは私が総務庁にも確認しましたから、あらあらの数字としては間違いない。そうしますと、雑税と言われておる、つまり、たばこ税であるとかガソリン諸税のうちの道路特定財源になっていない分とか、そういうものが約十兆あると言われておる。そうですね。そうしますと、大体四十七兆、四十七兆か、四十八兆、四十八兆か、あるいは補正後のイメージでいきますと五十兆、五十兆で、またパラレルになるのですよ。 そうすると、日本の財政というのは、税収で賄えるのは借金と地方への仕送りと公務員の給料、あとは何にもありません。その他の収入五兆円と書いてありますが、基本的にはその他の収入は、日銀納付金とかそういうものでしょうから、あるいは何かを売却したとかなんとかということでしょうから、ありません、こういう話になるわけです。 だから、ことしの一般会計予算の、端的に申し上げると、社会保障費十七兆円、本予算ですよ、防衛費五兆円、公共事業十兆円、合わせて三十二兆円、この分を公債金収入、つまり国債発行で賄いました、政策経費は、したがいまして、すべて借金でございますという財政をつくっちゃったんですよね。そうですよね。 これはえらいことです。つまり、公務員の方々を、これは憲法上身分が保障されていますから、おやめいただくというのはできません。国債費、地方交付税、地方交付税は法律で決まっています、人件費。これで税収を全部使い果たして、政策を何かやろうとすれば全部借金をしなければならない、こういう財政をつくってしまった。 総理大臣、いかがでしょう。これはどうします。
○宮澤国務大臣 財政をつくってしまったと言われます。そういう表現もできると思いますが、とにかく、三八%も四〇%も国債に依存しているということは仙谷委員の言われるとおりであって、経済成長がマイナスを続けておれば税収がふえるということはないことでございますから、したがって、全体としては国債を多くしなければならないというのは、これはもうどうしても成長がマイナスである限りは、避けがたい事態であろう。 成長が少しでもプラスになって初めて、今まで、当初見積もった税額を毎年減額補正させていただきましたが、今年は初めて少しプラスの見積もり増をこの補正でさせていただいておりますが、それだけ日本経済はよくはなってきた、非常につらいところから少しずつ立ち直りつつあって、その速度はまことに遅うございますけれども、方向としては間違っていない。 現在、なおしかし、そういう状況だとおっしゃればそのとおりでありますから、早くプラス成長に返ってそういう状況から脱却いたしたいというのが、今、私どもの努力の目標であります。
○仙谷委員 大蔵大臣、総理大臣にもお答えいただきたいんだけれども、大蔵大臣、この財政の構造、地方分がございますね。ことしでいきますと、地方交付税特別会計で約八兆円の借金をしました。それから、地財計画を拝見しますと、十一兆円の地方債を発行しています。だから、一般政府全体で見ますと十九兆円借金をしておるわけですね。つまり、端的に言うと、公債金と地方の借金分を合わせますと、これは重なっている部分があるといいますけれども、約五十兆は最低借金がふえていく、こういう構造にしてしまっているんですね。 そうだとすると、景気中立型の財政というふうに想定してみて、これはどのぐらいの借金で済むんですか。つまり、こんなことを、毎年毎年五十兆円、政策経費をやらないわけにはいかないという理屈で借金をする。借金をしてもやるんだ、景気対策もやるんだ、地方の借金も、隠れ借金もつくるんだというこの政策運営のやり方というのはどこまで続くぬかるみぞみたいな話で、毎年毎年五十兆円。 毎年毎年五十兆円借金がふえることを総理は肯定的にお考えなんですか。それとも、いや、やはりちょっとずつ借金は減額する方向で進まなければいけないとお考えですか。どちらですか、総理。
○原田委員長 宮澤大蔵大臣、先に言ってください。
○宮澤国務大臣 じゃ、まず私からお答えいたします。 国債依存率が四〇%に近いというようなこと、あるいは、御承知のように、国債費そのものが二〇%なんということは、まさに今おっしゃったような経済の実情であります。しかし、ここから脱却するためには、やはりプラス成長に入っていかなければ税収がふえません。プラス成長に入っていくためにいろいろ借金をし、いろいろ施策をしておるわけでございますから、方向としてはそういう方向で行くしか私はないんだろうと。 おっしゃいますように、地方財政もそういう状況にございます。あそこも大きな借金を毎年しておりますから、それも一緒に考えてやはり財政再建というものをしなければいけないんだというふうに思います。
○仙谷委員 総理、いかがですか。
○森内閣総理大臣 大蔵大臣からもたびたび御答弁をされておりますが、まずは民需を回復させなければ健全な財政にはならないわけであります。 私が就任してから何か急に倒産が多くなったり、失業者が多くなったような数字でございますが、ここずっと、近年マイナス成長が二年続いたということもございます。したがって、当然税収も不足になる。 では、どこで補うのかといえば、やはりある程度国がそれをかわって、そしていずれは民需が回復するように、税収がふえていくように各般の手だてをとるということは、これは当然なことだろうと思っています。今まさにそのプロセスだと思いますし、今度の補正につきましても、財源につきましては、できる限りそういう姿勢を見せるということ、それに取り組む、そういう政府の考え方は、先ほど大蔵大臣から述べたとおりであります。 まずは、国民の皆さんも、こうしたマイナス成長の中でいわゆる生活防衛という考え方が先に立たれたということは、これは否定はできないことだと思いますが、だからこそ民需が活発になるように、今、一生懸命努力しているわけであります。 もう一つには、やはり構造的な大きな変化もありますし、それから、産業そのものが、言葉は余りよくないかもしれませんが、今までの産業と新しい産業に大きく転換をしていく。そういう中に労働の問題も、あるいは企業にとって、あるいは企業を経営していこうという意味においては、意欲を持てない人たちが、倒産というよりむしろ廃業という道を選んだ方たちもたくさんあるわけでありますから、これを何とかしてもう一度活気ある、そして元気の出る、そういう経済にするように今、一生懸命努力しており、まさにそのプロセス中だというふうにぜひ御理解をいただきたいと思う次第でございます。
○仙谷委員 大蔵大臣と総理のお話を聞いておりますと、これはやはり政権交代でもして、がらっと大きく経済政策を転換しませんとどうにもならない、この延長線上でゆがめられたケインジアンポリシーとでもいいましょうか、足し算の経済学を幾らやっていても日本の経済はよくならないと改めて確信を持ちました。 景気が回復すれば税収が上がると言いますけれども、そのときに金利負担がどうなるんですか。多分、その税収のふえた分は、金利負担が上がって国債費の利払い費がふえるから帳消しになるんですよというのが大蔵省の中期展望に書いてあるじゃないですか、宮澤さん。何をおっしゃっているんですか。そんなことで財政再建ができるはずがない。 やはりここは、数年間の歳出削減を中心として財政再建の五カ年計画でも十カ年計画でも立てなければ日本の経済はあるいは財政は大変な破綻状況になるというのが、経企庁の、堺屋さんがこんなものは出したくないとおっしゃった、八月につくられた「財政赤字の経済分析」の中で書かれているじゃないですか。日本の経済は、従来の財政運営を継続したまま租税で償還することを前提として、政府債務は持続可能とは言えないと結論づけられる、「特に、最近の財政運営は、この結論を強める方向に働いていた」と書かれているじゃないですか。 ましてや、最近出た、野村総研、大和総研、いずれもシンクタンクのシミュレーション、そして、つい先週まで出ておった京都大学の吉田和男教授のシミュレーション、二〇〇六年にはこんなことをやっていたら大破綻する、ただ問題なのは、二〇〇五年までは気づかない、それほど大きな変調があらわれないから気づかないことが多い、だから、政治家は特にこの問題から目をそらし、国民に痛みを与えるような政策をとらない。大体共通していますよ。 このままいったら二〇〇六年には破綻するということが、これだけ権威あるシンクタンクや経済企画庁の経済研究所あるいは心ある経済学者、財政学者から言われ出したというのは、かつてないですよ。ムーディーズだけがいいかげんな格付しているんじゃないんですよ、国債の格付。根拠があるじゃないですか。 多分、もし仮にブッシュさんが政権をとって、リンゼーさんが財務省のしかるべきポジションについたら、日本は何をやっているんだ、今までのサマーズさんと反対のことを言い出しますよ。 どうですか、宮澤さん、御感想ありますか。
○宮澤国務大臣 この間、リンゼーとお会いになられたのではないかと承っていますが、リンゼーが何になるかならないか知りませんが、別にアメリカが日本の経済政策について注文をつけるわけでなし、またつけられるわけでなし、それは大した話でないので。 評論家が、こうすると日本の経済はだめになっちゃうと言うのはいいけれども、私どもは、だめになってはいかぬわけでございますから、何とか苦労してこれを乗り切っていかなきゃなりません。苦しいんですけれども、方法は間違っていないので、やはりこれを続けていって、そして経済成長がプラスになって、税収が幾らかふえ始めてと、そういう努力をしていかなければならないんだと思っています。
○仙谷委員 方法が間違っていないとおっしゃったけれども、私は、方法も方向も間違っていると思いますよ、方向も。 その一つが、私は、特殊法人、公益法人の改革が言われながら、ほとんどと言っていいほど手がつかない。 例えば、公益法人の問題でいいますと、我々が地元へ帰っていろいろなところを回ります。小さい建設業をなさっている方の事務所なんかへ行きますと、壁にいっぱい、講習修了証、認定証、資格何とか、壁一面に張ってありますよ。全部と言っていいぐらい、社団法人何々、財団法人何々の、名前が違うところから、この賞状をというか、認定証か何かわかりませんが、証明書をもらわないと入札できない。この社団法人には、ことごとく役人が天下っている。かてて加えて、その社団法人の横に何とか政治連盟、その横に自民党何とか職域支部と、全部ついているじゃないですか。 この参入規制とでもいいましょうか、規制こそが、あるいは法律に定められていない規制こそが、民間の活動を相当そいでいるというのが私の実感なんですよ。現に、いろいろな業の方がいらっしゃいます。仙谷さん、何とかあれを払うのをやめさせてくださいよ、あれがなければいいんだけれども、年間物すごく払う、第二税金みたいなものだと。業者の方々は本当にお悩みです。しかし、そんなことを口に出して言おうものなら、あしたから来なくてよろしい、入札は入れませんね、これだけの話ですよ。今、世の中がそうなっておるんですよ。 私は、この法律上定められていない規制、社団法人、特殊法人をめぐる規制、参入の規制、これを改めない限り、日本経済が生き生きとして活動できるというふうにはならないと思います。大胆な手術をしないと、つまり、国から出している、各省庁から出している補助金はもちろん、委託費ももちろん、発注についても一般競争入札にすべて一挙にやってしまうぐらいのことがなければ、日本の経済は活性化しないと思います。 その典型的な事例として、KSDのことを聞きます。労働大臣、聞きますよ。このKSDスキャンダルというのは何なんですかということを聞きたいわけです。 実は、きょう、パネルも用意して、皆さん方にすぐわかっていただけるような絵をつくったのでありますが、これを、自民党さんの方からでしょうか、そう断定してはいけないんでしょうか、とにかく、こんなものを掲示されたらまずいというお話がございまして、遠慮いたしたわけでございます。 そこで、私が口で言いますから、やはり絵で見ないと本当はわかりにくいんですが、これでやりますので、その点はひとつ御容赦をいただきたいと思います。 このKSDスキャンダルというのは、結局、信用金庫さんの御協力や、あるいはなぜか月二千円の会費が無税扱いになっているということもあって、それからまあ宣伝もうまかったのでしょう、現在では百七万人の会員が毎月二千円、KSDというところにお支払いになる。それで、このKSDというところがKSD豊明会という任意団体をつくって、そこをトンネルにして自民党に献金をする、党費を流す、広告費を払う、これが一つ。 それから、そのお金でもってアイム・ジャパンという、インドネシアの青年たちを研修生で日本に呼び込む、そういう新たな財団法人をつくる。 さらにはもう一つは、職人大学をつくるためのKGS、国際技能振興財団ですか、これをつくって、ここへは労働省のお金が何と現時点で八十七億円も入る、そういうことをやってしまう。 かてて加えて、ここへ天下った役人と古関さんというのは、我々が目もくらむような報酬を取る、そしてさらには、加えて愛人も持ち、ファミリー企業も持ち、ファミリー企業からは配当金ももらう、こういう構造だと思うのですね。 なぜこんなことが、労働省が管轄しているのに起こったのか。吉川労働大臣は数日前に、これからは厳しく監督するみたいなことで何か呼んだというのですけれども、労働省から見て、このKSDスキャンダルというのは、つまり、事件になっているからスキャンダルと呼んでもいいと思うのですが、何なのか。そして、労働省的反省点は何なのか。これについてお答えください。
○吉川国務大臣 今その全容についてすべてを納得していただけるところまで説明できるかどうかと思いますけれども、まず、私がKSDから受けた説明によれば、豊明会の自民党への寄附には、KSDからの補助金は充当しておらず、それ以外の自前収入から充当しているということでございまして、豊明会において、私は、両者を十分識別して経理させるよう、KSDに対して指導しているところでございます。 つまり、このKSDから豊明会には毎年三十億からの補助金が出ているわけでございますが、自民党豊明支部には毎年五、六千万円ぐらい行っているのです。それが即KSDからの金じゃないかと言われますけれども、豊明会独自に年額二億円からの自前収入がありますので、そこから出しておるということでございます。 今般、KSDがこのような事態になったことについては、極めて遺憾であると私は思っております。本事案については、現在、東京地検特捜部の捜査が行われているところであり、その推移もまた見守りたいと思っておる次第でございます。
○仙谷委員 労働大臣、そういういかにも官僚的答弁というのは世の中に通用しないのです。 つまり、KSD豊明会というのはどういう団体か。それは、会員さんもおりますよ、KSDの会員と別の。おることはおるけれども、こういうのは、古関さんなりKSDに実質的に支配をされた団体だ。実質的同一性がある。もっと法律学の用語でいえば、法人格否認される、法人格の否認の法理が適用されて、こんなものは実質的に同一だ。当たり前じゃないですか。 かてて加えて、KSDの、何でこんなお金が理事に払われるのですか。何だったら読み上げましょうか。 古関前理事長七千二百万円、警視庁警視長出身の小山副理事長二千六百万円、東京労働基準局長一千五百万円、大蔵大臣官房審議官一千七百万、総理府賞勲局審査官一千七百万、東京労働基準局労災業務課長補佐七井さん一千四百二十万、東京消防庁消防司監警防部長一千二百万、元新宿税務署長六十四万八千円、労働省基準局賃金時間部賃金課長一千二百万円。 何で元役人ばかりがこんなことできるのですか。これは全部、KSDだけ足しましても二億円超えているのですよ。 独自の会費を集めているからできている、冗談言わないでください。ましてや、さらにはアイム・ジャパンにも三十一億つぎ込むとか、どんどんこのKSDから金をつぎ込んでいるじゃないですか。 こんなことが労働省は監督できないというのは、痛くない腹を探られてもしようがないでしょう。要所要所に、全部労働省の元官僚と大蔵省と警察庁がおるじゃないですか。これだけ、税務当局と警察と労働、監督官庁を押さえれば、怖いものないと言い出しますよ。どうですか。 こんなことを放任してきたのですよ。いつから放任してきたか言いましょうか。 九二年の村上さんの参議院選挙、こんなものがあるじゃないですか。村上さんを支援する署名活動に御協力ください、こんなものがありますよ。百十五万八千四百二十人を署名として集めるんだ。これは九二年。いいですか、もっと言いましょうか。 その過ぐる二年前には、ようやく豊政連というのができた。豊政連の「豊明会中小企業政治連盟設立趣意書」、これを見てください。平成二年の十一月吉日、「「中小企業向外国人研修生受け入れ機関に関する基本構想案」を作りました。」「ここで最終的に実現させるためにはさらに政治的圧力が必要であり、今回「豊明会中小企業政治連盟」を結成することになりました。 是非とも皆様方に参加して頂き、中小企業の最も深刻な問題である人手不足を解消したいと思っております。」政治的圧力をかけるために、村上さんに署名運動をするのと一体となっているじゃないですか。百十五万人集めようと言っているじゃないですか。これは、KSDもKSD豊明会も全部一体となってやっているのですよ。 集めるところには、社労士会、豊明会関連企業、全部書いてあるのですよ。アイム・ジャパン、豊政連、全部獲得目標数が書いてあるのですよ。 こういう実態があったことがわからなかったのですか。
○吉川国務大臣 労働省としては、数次にわたって指導を行ってきたにもかかわらず今般KSDがこのような事態となっていることについては、指導が十分でなかったということで、極めて遺憾と考えております。 このため、十一月十日、私みずから、先ほどお話にもありましたような、小山副理事長に対して出頭していただき、KSDが責任を自覚し、会員を初めとする社会的信頼の回復に全力を挙げる必要があるということから、労働省が改善を勧告した事項及びKSDが十月十八日にみずから発表した改革方針の内容を年内に着実に実施することを初めとする四項目について指導した次第でございます。今後、KSDが指導に従い公益法人として適切な運営が図られるように指導していく所存であります。 ただ、私が指導をした四項目については、時間も限られておりますから割愛させていただきます。
○仙谷委員 このKSD豊明会の定款というのをごらんになったことはありますか、労働大臣。ごらんになったことはある、この定款というのは。ありますか。見ていないというのはとんでもない話ですよ、あなた。 いいですか。この定款の中に、KSD豊明会なるものの事業、この九番「中小企業支援事業」、そのアとして「豊明会中小企業政治連盟の支援に関すること。」と書いてある。政治連盟を支援することが、村上さんが主として名簿集めをしていただいた政治連盟を支援することが、KSD豊明会という任意団体の定款に書いてあるんですよ、堂々と。そこへ毎年毎年三十億円内外が補助金としてKSDから流れている。こんな話なんですよ。 もっと言いましょうか。一九九二年一月十日付のKSDの関連合同部長会議というのがあるのです。古関理事長が、「村上正邦先生の署名運動について話したい。村上先生は、IMMの」アイム・ジャパンですね、「設立に大きな御助力を頂いた。前回の比例区の選挙では名簿は六番であったが、今回の七月の選挙では三番に上げたい。恩返しの意味もある。」「村上先生は国対委員長で次期大臣は確実で、参議院なので労働大臣に就任する可能性は八〇%ある。」「村上先生の署名は、遅くても四月には署名を完了したい。豊明会キャンペーンは六ないし八月を考えている。署名で動いた人は、キャンペーンでも動いてくれる。期間が詰まっていた方が好都合である。村上先生の署名は、中小企業を結束させる緒戦ということになる。皆で百万人署名実現のための手段、方法を考えて頂きたい。」 もっとえげつないことも書いてありますけれども、この辺でやめておきますが、こういう活動がKSDの活動なんですよ。こんなことが、公益法人を名乗る団体がその巨額のお金を使ってやることとして認められるのですか。 村上さんという労働族のボスがおったから労働省が文句を言えなかったのか、その反対なのか、わかりません。わかりませんが、いずれにしても、こういうことがKSDの実態であるということをおわかりになっていますか、なっていませんか。
○吉川国務大臣 KSDの定款の中に、いわゆる寄附行為という中に、第三条に、「この法人は、中小企業における災害防止活動を促進し、及び労働条件の改善、国際化等に対応した人材の育成を図る事業に対する助成を行うほか、中小企業に係る災害補償を実施し、」云々と書いてあるので……(発言する者あり)これは委員が先ほど、この事業の第九番目に、中小企業におけるその云々というものと符節を一致させるわけでございますから、これは公益法人がやっているというならそれは問題でしょうけれども、そこから出て豊明会が独自にやっている政治活動ですから、別にこれは私は問題ないと思っております。
○仙谷委員 大臣、あなた、読むところを間違えているんじゃないの。私が先ほど読み上げた関連合同部長会議というのは、古関理事長と書いてあるのですよ。豊明会は、古関さんは理事長といいません。政治連盟は総裁という方が別におります。これは、明らかにKSDの関連合同部長会議の議事録なんです。 先ほどから言っていますように、豊明会とKSDそのものも一体化している、豊政連というのは使っているだけだ、こんなことが許されるのかということを聞いているのです。どうですか。
○吉川国務大臣 お答えいたします。 先ほども申し上げましたように、公益法人たるものが政治活動を行っているということであれば、これは問題だと思うのでございますが、豊明会という別人格の法人格でやっているということであれば、私は許されるものだと思っております。
○仙谷委員 では、いいですか、九八年の名簿集めも持っていますよ。九八年の村上さんの分もちゃんと持っていますよ。このときは、職人大学をつくるために村上さんを応援しよう、こう書いてあるじゃないですか。これも百万人の計画を持っているじゃないですか。この実態を、では、あなた認めたら、KSDの解散を命じるのですね。公益法人が政治活動を実質的にやっているということを認めたら、KSDの解散を命じますね、どうですか。
○吉川国務大臣 KSDの経営のことにつきましては、労働省としましてもたびたび指導勧告を行っているわけでございまして、そのことについて今日まで守られなかったことについては甚だ遺憾とするということは、冒頭申し上げたとおりでありまして、今後は、自主的に直すということと、私に対して約束したことについては、年内に必ず改善いたしますという約束を取りつけてあるわけでございますので、しばらく猶予願いたいと思うのであります。
○仙谷委員 私の質問に端的にお答えいただくようにひとつ御命じください。 つまり、政官業のこれだけ明らかな癒着の構造というのはないじゃないですか。私が申し上げているのは、公益法人をネタにした、こんなものを公益法人、口実ですよ。丸ごとの政治活動をやっているんじゃないですか。こんなものを取り消さないでどうするんですか。中小企業の経営主の皆さん方が迷惑ですよ。ちゃんと答えてくださいよ。
○吉川国務大臣 公益法人の設立許可及び指導監督基準においては、後援会等特定個人の精神的、経済的支援を目的とするものは公益法人として適当でないとされておりまするが、その政治活動については、公益法人も一つの社会的存在である以上、一切禁止されているというものではないと一般に解されております。 いずれにいたしましても、本事案については、東京地検特捜部の捜査が行われているところであり、その推移を見守りたいと思っております。
○仙谷委員 大臣、捜査で、じゃ、自民党に対する献金が、表献金のほかに党費の立てかえ分もあった、村上さんのために党員をこれだけ獲得した、あるいは百万人の名簿をつくろうとして運動したということがわかったときには、取り消すんですね。公益法人が政治活動をやってもいいかのようなお答えもなさったけれども、本当はどっちなんですか。公益法人がこんなことをやっていいんですか、お金を使って。公益法人の会員から集めたお金を使って政治活動をいわば相当やっている、政治活動をやることによってみずからの業容を広げている、こういうやり方を肯定するんですね。どうですか、大臣。
○吉川国務大臣 現在、古関理事長は東京地検で逮捕されているわけでございまして、そのことについてまだ詳しい調べもあるわけないんですから、ひとつ様子を見ていてもらいたいということを申し上げているわけでございます。
○仙谷委員 それでは非常に不十分な御答弁で、何をおっしゃっているのかちょっとよくわからない部分ですから。 しかし総理、こんな実態、どう思いますか。 この間、総理の支持率の低さの一つは、自民党が、一月に衆議院の選挙制度について強行採決した、また今度は参議院の選挙制度について強行採決した。つまり、選挙直前に選挙制度を強行でいじってしまうというふうなことも影響あると思うんですよ。 それで、選挙に絡んでこの種のことが、お金と名簿と票と、ここへ堂々と書いてあるように、比例区の順番まで一生懸命業界団体というかKSDという団体がやった。村上さん、次は労働大臣になると言ったらそのとおり労働大臣になった。労働大臣になって、もう少し時間があれば言うんですけれども、アイム・ジャパンという別の財団がインドネシアから青年を労働者として呼び入れる事業が拡大した、こういうからくりみたいなことがあるんですね。こういう政官業の関係が、選挙でも、票集めでも、お金集めでも、順位を上げるための名簿集めでも行われている。 総理、どうお考えになりますか。
○森内閣総理大臣 今一つ一つ例示を挙げられましたことについて申し上げれば、また時間も要することでございますが、こうした法人格を持つもの、任意団体が工作をしたような活動というのは、やはりこれはかなり遺憾な点もあると私は思っております。 そこで、労働大臣も、今その改善の命令をしておられるわけでありますから、その結果を年内にきちっと報告をしろということを言っておるわけですから、それをまず待つことが大事だと思います。 KSDにつきましては、先ほど大臣も申し上げましたように、今理事長が逮捕されて、その捜査が進められておりますから、私として、今の立場でこれは見守っていくということが大事だというふうに考えております。
○仙谷委員 では、かわります。
○原田委員長 この際、日野市朗君から関連質疑の申し出があります。仙谷君の持ち時間の範囲内でこれを許します。日野市朗君。
○日野委員 今、私はもっと別のところから入りたかったんだが、余りにも労働大臣の答弁がひどいんで、ちょっと労働大臣に聞きますよ。 KSD豊明会の会費は一体幾ら。そして、豊明会はどの財源で運営されているの。答えてください。
○吉川国務大臣 会費は月二千円でありまして、豊明会の方はどうなっておりますか、私には今近くに資料がなく、承知しておりません。
○日野委員 豊明会は会費なしなんですよ。会費はなし、約三十億円ずつをKSDから毎年もらっているんです。KSDから豊明会はもらっているんですよ。これはどうなんですかね、独立した法人だなんて言えますか。独立した団体だなんて言えますか。まさにこれはKSDそのものではないですか。KSDの手足なんだな、これは。 KSDとそれからKSD豊明会と、これは一体のものとして見るのに何の支障があるの。何で一体のものとして見ない。そこに私は非常に大きな暗やみが介在しているように思いますが、どうですか。
○吉川国務大臣 KSD豊明会は、KSD会員の事業所が相互に連帯し、福利厚生、事業開発及び経済事業等の充実拡大を図ることにより、中小企業の発展及び社会福祉向上に寄与することを目的とした、昭和五十八年に設立された任意団体であり、KSD会員の事業所の事業主、役員及びその家族の福利厚生事業を行っております。 以上であります。
○日野委員 もうだめだね。これはこれ以上聞いてもしようがない。答えられる人がいたら答えてください、答えられる人がいたら。 KSD、これは労働省からきちんと補助金をもらった公的団体です。政治活動なんかできません。そして、別の、全く別とは言えない別のと称する団体をつくって、そしてそれに政治活動なんかやらせた。村上さんの支援をやらせた、自民党に党員を入党させてその党費の立てかえをやった、これが本当なんでしょう。 だれか答えられる人いたら答えてください。総理でもいいですよ。
○森内閣総理大臣 政党にとりましていろいろな支持団体というのは存在しているわけでございまして、それぞれの、政治資金法によりますところ、あるいは選挙法によって、そして支持団体が候補者を支持していくということは通常の、私は当然あるべきことであると思います。 ただ、先ほどの仙谷さんのときに申し上げたように、そのことが法人格を持っておりますKSDと混然一体のようになっておったということは極めて遺憾なことであり、残念なことだと私は申し上げました。 そこで、そのことを今きちっと改善をするように労働大臣から指摘をし、年内にその結論を出すようにと、これを求めているわけでありますので、私どもとしては、その結果を待ちたい、このように考えているところであります。
○日野委員 これ以上この問題をここで取り上げてみても自分の持ち時間に食い込むばかりだと思いますので、この程度にしておきますが、私が指摘をしておきたいのは、この手のことはいっぱいありますよ。今までだってそうだった。この団体だけではなくて、今までだって同じような問題は随分この国政の中で取り上げられてきたのですね。しかし、それがさっぱり直っていない。これは、私はあえて言わせてもらいます。やはり自民党の体質、これを直さなければ、私はこれからの日本の将来というものはないと思う。これは自民党の諸君にも自戒してもらいたい。(発言する者あり)だれか大きなお世話だなんということを言った思慮に乏しい人物がおりますが、ぜひこの点はちゃんと自戒をしてもらいたいと思います。 それで、今度は、私の本題のテーマといいますか、そちらの方に移らせていただきます。 森さんが総理になられたとき、私はずっと中立的な立場で実は拝見をしておりました。というのは、別に好意も悪意も持たずに、この方はこれから総理としてどういう仕事をしていかれるんだろうかなと思いました。一般の国民の皆さんと同じ程度のレベルであなたを見詰めていたと言ってよろしかろうと思います。 それで、私、きょうは不信任案がもう数時間後に出るのでありましょう。この内閣不信任案には賛成するつもりです。これは、私が民主党に属しているからというよりも、もっと深い私自身の思いがあって、この内閣不信任案には賛成をさせていただきます。 それで、私、あなたをいろいろ見ながら、いろいろなことを考えました。あなたはいろいろなことをおっしゃったですね。世の中、随分あなたの一挙手一投足、それから一つ一つの発言、注意をして見ておられた。世の中一般が見ていたと思うんですよ。私もそのとおりです。それで、余りきょうはその細かい話をしようとは思わない、あなたが言われたことの。 ただ、私、あなたがいわゆる第三国で発見されたことにしてはということを英国のブレアさんに言われたという新聞記事を読んだときに、我が目を疑ったのです。これは内閣総理大臣が言うべきことなのかどうか。このことについては私は非常にショックを受けました。そして、このこと一つとってみても、私は、あなたの、内閣総理大臣として、資質という言葉になると非常に失礼な言葉だが、これはもう一般的に使われている言葉だから御勘弁をいただきたいのですが、資質についての疑いを持たざるを得なかった。 その内容は言うまでもありません。いわゆる拉致された方々が第三国で見つかったという形にしてこの問題を解決してはどうかというような考え方もあったというようなことを言われたわけですな。このこと、いわゆる第三国発見発言をあなたはどんなつもりでおっしゃったの。お話しになってください。
○森内閣総理大臣 日英首脳会談におきまして、私は、確かにブレア首相とお話を申し上げたときに、過去の経緯といたしましてそのような発言をいたしました。これは、たびたび本会議でもお尋ねがございましたので申し上げてまいりましたけれども、日野議員のお耳に入っていなかったのかなと思うとちょっと残念な気もしますが、これはかなり過去の、三年前のときからこの議論が出ておりまして、我が党の外交部会などでもこの議論がかなり激しくやりとりをされておりますし、新聞にもこのことは報道されているんです。 私は、このことを申し上げたのは、決して不用意で申し上げたのではなくて、資質云々という問題はまた別途の問題だろうと思いますから、それはそれの御批判として承っておきます。大事なときでありますし、国民の皆さんもテレビをごらんになっておりますから、この際きちっと申し上げておきたい、こう思っています。 ASEM3がソウルで行われました日に、ブレア首相は当時、初めは欠席ということだったそうでございますが、急遽夜お見えになりまして、翌日開会式を終えてすぐまたお帰りになるということでございました。(発言する者あり)大事なことですので、横路さん、そこでやじられては困るのです。大事なことの経緯を申し上げているのです。 ですから、そのときに、ブレア首相がわざわざお見えになったのは、開会式だけ出るということもあったかもしれませんが、いわゆる日本の首相としての私と会いたいということがあったようでございまして、それはお話の中を承ったら、イギリスとしては北朝鮮との国交正常化に結論を出したい、こう思っておるので、一応あなたにそのことをお伝えしておきたい、そういうお話でございました。 そして、日本と北朝鮮との間の正常化についていろいろ聞きたい、どういう問題があるのかということでございましたので、率直にかつ極めて突っ込んだ意見交換を行いました。その中で、もちろんミサイルの問題もございますし、長い過去の清算の問題もございますし、朝鮮半島と日本とのずっと歴史的な経緯なども、十分にお話もブレア首相にもさせていただきました。 その中で、拉致問題ということについて大変興味を持たれたのでしょう、どういうことだったのでしょうかということ。だから私は、平常の生活をされておられるいたいけない子供たちあるいはそういう青年たちが日本からいなくなった、しかし、これは警察等の調査によれば大体北朝鮮に拉致されたのではないか、そういうことも警察白書等にも出ておるというようなお話も申し上げて、何とかしてこの人たちの気持ち、この親御さんの気持ちを考えて、返してもらえるように今努力をしておるんだということも申し上げたわけです。 それで、解決は難しいんですかというようなお話でございましたから、実はこの拉致問題ということを正面から持ってまいりますと、北朝鮮はそういうことはない、こうおっしゃるものですから、なかなか話が前に進まないのです、日本の国民感情からいっても、この問題はきちっと解決しない限りは正常化はあり得ないというのはこれは国論だということにもなっておりまして、本当に苦慮いたしておるところでありますので、ぜひ御理解をしておいていただきたい、こう申し上げた。 具体的な何か策はなかったのかということでございましたから、実は、三年前、たまたま私が三党によります訪朝団を編成して団長としてお伺いいたしましたときに、これは三党でも、党と党として政府の正常化の話の中の環境を整備するという目的で我々は伺ったわけですが、このときに、この拉致問題になりましたときに、なかなか議論が進まず、議論そのものが混乱状況になるといいましょうか、立ち上がって大変強い御意見で北朝鮮側も反応を示された。 そういう中に、我々の代表団の副団長であります、きょうそちらにいらっしゃいますが、中山正暉議員が副団長として、こういう考え方もあるではないか、拉致拉致と言っても本当に皆さん真正面から受けとめてくださらないのなら、何とかこの子供たちが、要は安否がはっきりされて何とか親元に返してほしいんだ、その方法としてこういう方法もあるじゃないかということを中山議員は切々として訴えられた。そこでその場が、大変混乱しておりました場所がそれで少し静まったわけです。 そして、最終的には、行方不明者として検討しましょうというところで、我々の会談は一応その結果を待つことになったわけでありまして、結果としては、その後半年になってからでありましょうか、北朝鮮側からそういう行方不明者はないという御返事が正式にされたわけであります。その後のまた変化はございますが、これは御承知だと思いますから、申し上げません。 ですから、そういう経緯がありましたことを私も方々で述べておりましたし、それから中山副団長も党に、帰ってきて報告もきちっと公式の場でなさっておるわけでありまして、そのことについては党の記録にもありますし、あるいは新聞にもきちんと出ているわけでありまして、決してそんな秘密めいたことでもなければ、それから外交上大事な機密事項を漏らしたとかそういうことじゃないのであって、そういうきちんとした経緯を申し上げて、これだけ難しいんです……(発言する者あり)こういう方法を申し上げてもなかなかいい結果が今出てこないんだということを私は申し上げたので、これは今やじっていますけれども、総理大臣だからこういうことを言っちゃいかぬなんて、そんなことはないでしょう。私は当然、ブレア首相から、どういう経緯があったのか、何かいい方法はなかったのかということでありましたから、こういう方向も考えとして出されたのだよということを申し上げたわけであります。 ですから、決して外交上の機密でありますとか、あるいは総理が無断でそういうことを勝手に言った、そういうことじゃないわけでありまして、その席上におられました三党それぞれお考えがあるだろうと思いますが、そのときは、中山さんがそういう形の中でその場を何とか、こうして混乱状況を静められたことについては、全団員が、本当によく中山さん言ってくださった、何とかこの方向で解決したいものだなということを申し上げて皆さんそれぞれ帰国したというのも、当時の経緯の記録の中にもきちんと残っております。
○日野委員 今のお話を聞いて、私は今まで本会議で、または委員会で取り交わされた総理と質問者との間のものは知っています。 きょうは随分いろいろ長々とお話をいただいたわけですが、私は、ちょっとこれは困るなというのは、このような事項、党内でこれが公表されたとか、記録に残る、これはあっていいでしょうね、その記録が外に出ない限りは。党内でこれが話された、それからそっちこっちで話をされたというが、こういうことがあってはいけないんだと私はまず第一前提として思いますよ。 それから、もしそのようなことがあったら、何でこれがマスコミ等に広がらなかったんでしょう。新聞記事として大きく出ましたか。国民はこのような事態を知っておりますか。私はノーだと思う。出ていないと思う。国民の皆さんもよく知らないと思う。恐らくこの詳しい内容、これをテレビでごらんになった方は、この詳しいいきさつなどというものは初めて御承知になるんだろう、こういうふうに思いますね。 ただ、私はこういうことだと思います。事実というのは厳粛なものです。これを動かすことはできません。ですから、この問題について今おっしゃられたような、言うなれば方便を使われるとすれば、私は国民の皆さんはうんと言わないと思う。そんなことは絶対に許せない、こうおっしゃるだろうと思う。いかがでしょう。
○森内閣総理大臣 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、このことについてはいろいろな場面でお話し申し上げておりますし、ここに新聞のコピーもございますけれども、いろいろな当時の新聞にも、中山先生がいられて恐縮でございますが、そのことはきちっと出ております。むしろ日野さんのお目にとまらなかったのは不思議だなと私は思っております。 それから、当時訪朝団に参加されましたのは、当時のあなたも所属しておられた社会党の方もいらっしゃいましたし、それからさきがけと三党で行ったわけですから、もしそれが、中山副団長のそういう御発言があってこれはよくないことだとおっしゃるなら、終わった後にでも当然そういうお話があったはずでありまして、記者会見も、三党のそれぞれ団長がまとまって記者会見をしたときにもこのことを申し上げているわけでありまして、決してこれは機密事項でも何でもない。 しかも、これは政府が言ったんじゃないんですよ。そこは間違えないでください。三党、政党が向こうで行って話をした。その経緯を私は、こういうやり方も一つの解決方法でということでお願いをしてみたけれども、残念ながら今日までその結論はまだ、当時はだめだという返事だった。しかし、その後また村山訪朝団がおいでになりましたときも、行方不明者ということで何か考えていただけないかということについては考慮しようということに今はなっておりますけれども、そういう経緯を申し上げて、それほど非常にこの問題は難しいんだということで、ぜひ御理解をいただきたいということを私は申し上げたわけであります。
○日野委員 今、総理は幾つかのことを言いましたね。ただし、その中でどうしてもまず第一に、事実というものは厳粛なものだということは踏まえなくちゃいかぬと思う。これを聞いたら国民はどう思うだろう、それから相手国である北朝鮮の方々はどう思うだろう、こういうことも考えなくちゃいかぬ。 そして、これは議員団の話だとおっしゃったですね。しかし、外交というのはいろいろなチャンネルを使いますね。議員団がどこかに行けば、その議員団は、事前にやはり政府と打ち合わせをして、外務省なんかともいろいろ話を聞いて、そして外交の一つのチャンネルとしてそこで仕事をしてくるというのが普通であります。私は、これは単なる議員団の話だというのは、ちょっとこれはまゆにつばをつけて聞かなくちゃいかぬな、私の議員団としていろいろなところに行ったときの経験をも踏まえて、今そんなふうに思います。 それから、これはもう昔の話だというふうなお話をなすったが、私はそうは思いませんよ。今、我が国は本当に心身をすり減らすような苦労を重ねながら北朝鮮の方々と外交交渉をやっているじゃありませんか。そういうときにこのような発言が総理から語られるということについて、私は非常に強い懸念を覚えます。 これは総理としてお話しすべきことではないと思う。まさかブレアさんとの間で話題に詰まってそんなことを言ったともちょっと思えないし、そんなことはやはり国と国、日本と北朝鮮との間の問題、これを英国という外国の総理に話して何がそこから生まれるのですか。それは総理対総理、非常に親しく話をしていたにしたって、お互いに自分の国益を背後に背負って話をしているんだね。これは公的な立場で話をしているのですよ。決して個人的な立場で話をしているのじゃないと思う。 私は、ここで、あなたは総理大臣としての自分の立場、これに対する認識が少し薄いのではないか、まことに失礼だが、そう思わざるを得ないのです。みずからじっと胸に手を置いてお考えになってみて、どう思われますか、私が今言ったことに対して。
○森内閣総理大臣 何か今まゆつばだとおっしゃった。まゆつばというのはうそをついたということになるのでしょうけれども、私は事実を、事実お話しになった中山さんがそこにいらっしゃるわけですから、私が言っていれば首を振られるはずであります。 ですから私は、あの場面は、それは今あなたもおっしゃったように、いろいろな外交のやり方で、チャネルはあると思います。党と党の話し合いもあります。私たちは、できれば政府の日朝間の話し合いが正式に持たれるように、促進できるようにと思って、その環境をできればつくりたい、そういう思いで我々は出かけたわけです。 しかし、残念ながら、この拉致の問題になりましたときに大変激しい意見になりまして、ちょっとこういう場所で申し上げていいかどうかわかりませんが、ちょっと激高した形になって、皆立ち上がられたというようなこともあったので、私は責任団長という立場もありましたから、まあまあお座りくださいということで、それじゃ話にならぬじゃないですかということから、中山副団長が我が党の責任ある団長という立場でお話をされたわけですね。それについて一応そこは静まったわけです。そして、ただし、それでは最終的には行方不明者として検討しましょうということであの訪朝団は一応の成果を得て、私どもは帰ってきました。そのほかにもいろいろございました。 ですから、それは何も自民党だけでやったわけではございませんし、当時は社会党の皆さんも、さきがけの皆さんもいらっしゃって、記者会見のときも、三党でそろって記者会見をしてこのことを申し上げております。そして、そのことは、帰りましてから我が党の外交部会等でも御報告を中山さんがなさっています。 正直申し上げて、中山さんがそれをされたことによって、中山さんが随分皆さんからおしかりをいただいて、今の日野さんのような話がありましたよ。しかし、あの場でいい方法があるとすれば何なんだろう。もちろん、国の立場もある。それは、国が何としても、主権を脅かされたことでもあるわけですから、正面から切り込まなきゃならぬことにもなりますが、しかし一番我々の思いは、日野さん、あなたも同じだと思う。あの拉致された子供たちが何とかして元気で無事で帰ってきてほしい、そしてお父さんにお母さんにその安否がわかるようにしてやってほしい。あの激しいやりとりの中でせめてもそうあってほしいなと思う、そういう中から中山副団長はそうおっしゃった。 その経緯、それを、総理大臣でおかしいとおっしゃいますが、私はそのときの団長だったから、そういうことがあって、そういう申し入れもしたけれども残念ながらお答えはノーであった、それほどこの問題は難しいんですということをブレア首相に申し上げて、正常化をお結びになることはもちろん我々としては結構だと思うけれども、日本との間にはこういう問題があるんだということをぜひ理解をしてくださいということを申し上げたことは、私は総理大臣として言うべきことでなかったとは思っておりません。むしろ、ブレア首相から、いろいろな話をお聞きしたいと、わざわざそのためにソウルまでお見えになって、私の意見を聞きたいとおっしゃったわけですから、日本の場合はこういう難しい問題があるんだ、他の国とは少し違うんですと、こう申し上げたわけでして、決して私は、今、日野さんから非難をされるようなことは申し上げたつもりはございません。
○日野委員 拉致されたであろう人たちが一刻も早く帰ってくること、この思い、これはもう日本国民すべての人たちの思いですよ。私たちはそういう思いを抱きながら、しかし、やはり事実は厳粛だということ、それからその手続というものはきちんとやられなければならないということ、そういうこともまた大事にしていかなくちゃいかぬと思うんだな。日本という国は、その厳粛なる事実をねじ曲げて、そしてそれを外交交渉に使っているなんて言われたらどうしますか。信用できない国だな、日本の外交は信用できないなどと言われたらどうしますか。 私は、全く、方便としてそういう手を使いたくなる、こういう気持ちが働いたとしたら、それはちょっとやはり問題だと思うな。そして、そんなことはいやしくも口外してはいけないことだ。 何かいろいろ問題があったらしいから、何なら中山さん、あなたに参考人に出てもらって、この委員会で……。ちょっと、どうです、出てもらいましょうよ。 こんなふうに私は思うのですが、少なくとも総理大臣たる者、このようなことを、しかも相手は他国の総理大臣ですよ。(森内閣総理大臣「首相です」と呼ぶ)首相ですよ。そういう方にお話しするということは極めて軽率だ。 これは私の推測を言わせてください。これだけいろいろやっていますという自分の苦労を言いたくなる、こういう気持ちはあるけれども、それは個人的なことなんだ。総理大臣としてはもっと別の対応をしなくちゃいかぬ、私はこう思いますね。 何か、あなたがAPECに行っていて、国内がこの政局でいろいろ問題になって、加藤さんが不信任案に同調するというようなことで、今自民党の内部、非常に燃えていますわね、煮えたぎっていますわね。あなたはAPECに行っておられて、私は何か悪いことをしたのか、こう言ったということが新聞に載っていたんですが、これは本当ですか。
○森内閣総理大臣 どうも私は日野さんのおっしゃることも理解できないんです。私が政府の正式な交渉で今のようなことを、第三国発見みたいなことを言えば、これは今あなたがそう言う御指摘があるかもしれぬ、御批判があるかもしれません。かつてのそういう経緯があって、こういう方法もないだろうかということをブレアさんに経緯としてお話を申し上げて、それでも解決し得ないほど難しい問題なんですという理解を求めたということです。なぜ問題なんですか、それが。 私は、そのときにブレアさんに明確に申し上げましたよ。このことで協力をしてくださいということは私はあなたには申し上げません、これは日本と北朝鮮の問題です、北朝鮮のお立場もあると思います、ただ、こういうことが日本の日朝問題が順調に進まない一つの大きな障害になっておるんだということだけ、どうぞ承知をしておいてください、こう申し上げたわけでありまして、別にそのことについて、全くの機密事項を申し上げたとかそういうことではないと思うし、ブレア首相も、日本と朝鮮の関係はどういうことだということで非常に興味深く思っておられましたから、テポドン、ノドンのお話も申し上げたわけでございます。もう一度私は、全くそんな国益に背くようなことを申し上げたことはございません、このことだけは明確に申し上げておかなければならぬと思います。 それから、APECで、何か悪いことをしたかと、そこだけ取り上げれば、日本のマスコミというのはその一言だけを取り上げるわけでありまして、私はそういうことを別に公式な発言で申し上げたわけじゃありませんよ、記者団との懇談の中で申し上げたわけですが、日本の国の方で私に対するそういう話があるようだけれども、私はこれまで、小渕さんの後を受けて、そんなに大きな失政をしたとは思っていないし、黙々と努力をしてきたつもりでありますし、何か大きなスキャンダルでも起こして問題を起こした、そういう悪いことをしたという覚えもないしということを私は申し上げたわけでありまして、そこの、悪いことをしたことはないということだけ恐らく取り上げられたのではないかというふうに思います。必要があれば、そのときの懇談をしたメモなどもありますから、いつでもごらんに入れることもできると思います。
○日野委員 私は新聞を読んだ印象で申し上げておりますし、今総理からお話を聞いたその印象もつけ加えて申し上げましょう。 しかし、総理、そんなふうに言われても、総理大臣という立場は、政治の責任、行政の責任、これは最終的には総理大臣に集中するんですよね。ですから、私は何か悪いことをしたかと言われたら、もしあなたに私がそう聞かれたら、私の方がびっくりします。現在の日本の状況、これの責任はあなたに帰属するんですよ。ですから、私は、こういうお話を聞きますと、あなたはちょっと、森という個人とそれから総理大臣としての立場と、これをきちんと区別して考えるということができないのではないかな、そんな感じがする。 これも非常に失礼だ、失礼な言い方かもしれぬ。しかし、これは、こういう場ですから、私はやはり自分の思うところは言わなくちゃいかぬ。APECの場でビールが飲みたいと言ったとか、それから電気がないところで携帯電話が使えるのかなんという、そんな話は私は今ここではするつもりはない。ただ、やはり個人的な発想でやってはいかぬと私は思いますね。 特に、この第三国発見の発言、これは私は非常に重大な問題だと思いますよ。国民の皆さんもそう思っているに違いない。しかし、この問題をいわゆるクエスチョンタイムで我が党の鳩山さんが取り上げたとき、あなたは、こんなことを取り上げる方が党代表の資質にかかわるなんて逆にばっさり、あれはクエスチョンタイムの終わり際に、もう時間がなくなって鳩山さんが反論も何もできないところでばさっと言ったんだな。一体こんなこととは何、こんなこととは。こんな大事なこと、こんなことを取り上げるなんという、森さん、そのときのあなたの思い、ちょっと語ってください。どういうことですか。
○森内閣総理大臣 何度も申し上げておりますとおり、完全な極秘の外交の案件ではないんですね。これは、多くの周知の事実であるし、何度も言っておりますように……(発言する者あり)いや、御存じないのはこれはやむを得ないと思いますよ。しかし、何も隠し事であったわけでも何でもないんで、党の中でも議論をしたことだし、新聞にもきちっと出ていますから、日野さん、後でごらんに入れますよ、それならば。それから、あなたの党の方だって御存じですよ、そのときお見えになった方は。 ですから、そういう当時の激しいやり合いの中から中山副団長がおっしゃったことは、その場で、一つの考え方として、それじゃ一遍考えてみようよというふうになったということは私は大変大きな成果だったと思うし、そして、参加されておられた皆さんもそのことを評価されていたんです。個人名は、どなたがどうおっしゃったということは、これは控えます。これは中山さんもお認めになっておられます。 ですから、私は、今さらこんな問題をここで取り上げて、そして党首がお話をされるということはいかがなものなのかなと、そう申し上げたことなんでございまして、それだけのことであります。
○日野委員 それでは、ちょっと話題を変えましょう。もっとやりたいところですけれども、どうも議論はかみ合わないような感じもいたします。 それで、私は、内閣不信任案には賛成するという立場から、さっき仙谷委員が財政のことをお話ししましたが、私もこの問題はやはり問題にしなければならないというふうに思います。 実は、この問題、私は、宮澤大蔵大臣とは何度も何度も今まで議論をしてきた問題なんですが、改めてここで森内閣の大蔵大臣としての宮澤さんにもお聞きしたいし、それから、まず森総理大臣に、このような現状をどうするつもりなのか、その手があるのかないのか。どう考えているか、ひとつ聞かせてください。 現在、これはもう言い古されてかなり久しくなりますけれども、国も地方も大変な借金を抱えている。国と地方を合わせると、大体、年度末で六百四十五兆円になるだろう。国だけでも、今度の大体二兆円ばかり発行される国債、これも加えていくと、三百六十六兆になる。これは本当に膨大な借金でありまして、これをほうっておいていいはずはない。 これから、借金というものが、国債というのがどのような影響を日本に及ぼすのかということについてもいろいろ議論もしますが、まず、これをこんなにしてしまった責任というものは、一体だれがおとりになるのかということを私、伺いたいと思います。 私、今ここで、平成元年度からずっと、当初予算、それから補正、それからそのときに発行された国債、どの程度発行されて、大体経済成長率がどの程度だったか、比較をしてみました。 しかし、まず、このような借金をしょい込んでしまった。これは細川内閣とか村山内閣なんかもあったわけだが、大体一貫して、ずっと自民党の政権が続いてきたんです。細川内閣とか村山内閣では、やはり一応の財政規律は守ろうとされたんでしょう、建設公債でずっと何とかしてこられた。宮澤総理大臣のときもそうだったですね。やはり財政の規律というものは、きちんと守っていかなければならない。 まず、こういう財政の状況、国民一人頭、赤ん坊から年寄りまで、大体五百万円ぐらいの負担をしなくちゃいかぬというような財政状況になってしまった責任、どうお感じになっておられますか。まず総理大臣に伺います。
○森内閣総理大臣 先ほども仙谷議員の御質問に対して大蔵大臣からもお話を申し上げておりますが、こうした財政が大変厳しい状況になっていることは、いいとはだれも思っておりません。 しかし、今、日野議員がおっしゃいましたように、平成元年からずっとの推移を見ましても、日本の経済はいろいろな要因があったと思います。バブルの崩壊という、経験したこともなかったこともありましたし、みんなはそれぞれ行け行けという気持ちで経済活動を営んでいたことも事実だと思います。アジア経済のこともございました。国際的にもいろいろな問題もございました。 そういう中から、バブル崩壊、そして新しい経済をつくり上げていかなきゃならぬということもありました。金融情勢も極めて不安定な状況も続きました。そういう中で、規制緩和もやらなければならぬ、行政改革もやっていかなきゃならぬということも、さまざまな要因であったと思います。 だからこそ、ここは、国民の皆さんにすべてを御負担いただくということはできないわけでありますし、やはり何といっても生々とした経済が発展をしていくためには、それだけの民需であるかあるいは公需であるか、何かがそれを負担していかなきゃならぬということで、公需にウエートがかかってきたことでありまして、それについて、今、日野さんの御指摘のとおりだろう、我々はそれは何も否定しているわけではございません。 しかし、いろいろな経済の諸要件を見ておりますと、いい方向に来ていることだけは間違いがございません。よくよく話が出ることでありますけれども、いわゆる設備投資もふえているわけでありますし、あるいは有効求人倍率も伸びているわけであります。ただ、残念ながら、新しいそうした事業の中になかなかすぐに飛び込めないといいましょうか、従事できないという面もあるわけですから、そこの労働のミスマッチをどうするかということにも、今、労働省を中心に自治体も懸命な努力をしていただいているわけでありますが、全体としてはいい方向に流れているというふうに私どもは考えております。 そういう意味で、今までは、ここ当面しばらくはやはり公需で日本の経済を引っ張っていかざるを得なかったという事情は、これは委員も十分おわかりになるし、仮に恐らく日野さんがこの運営に当たられても、同じ考え方でなければ、よほどの新しいいい発想があれば別でありますけれども、その努力をして、そしてまずは体力的に、あるいは体質的にしっかりしたものにして、それから財政健全の方向をまたみんなで努力し合っていく、私どもはそういう考えで今これを担当しておるわけでありまして、十分そのことについての責任も感じ取りながら、どうしてこれが解決できるかということに今、日々心を傾けているわけでございます。
○日野委員 では、今度は宮澤大蔵大臣に伺いましょうか。 今、総理は経済対策、それと財政対策、これを切り離されて説明をされた。私は、そこのところをそんなに切り離していいのかと思っています。景気をよくする、これはこうやってどんどんお金を使って必ずしもよくなるとは私は思わないんです。 今ここで、経済成長率とその間使われてきた、公債を発行しての使われてきたお金、これを対比して私見ております。物すごい額を使っているわけですね。特に、平成十年以降、ここで十八兆というお金をどんと使います。そして、それだけ使えば景気は上向く。上向かなかったらおかしい、これだけのお金を使って。そして、その後で、十一年には七兆五千億を使う、十二年度には一兆九千億を使う、そして今度の補正ということになります。これだけ使えばそれはよくなるでしょう。しかし、そのほかに知恵はなかったのかということを私は考えざるを得ないですね。 いかがですか、大蔵大臣。
○宮澤国務大臣 平成十年からのお話でございますので、私がこの仕事を仰せつかりましたのは平成十年八月でございますから、それ以降今日までの財政につきましては、私が責任者でございます。そのことをまず申し上げて、そして、今日まで非常にたくさんのお金を使いました。それは後の世代に非常に大きな負担を残すということも決して否定いたしません。 ちょっと簡単に回顧をさせていただけば、それまで私どもの党は、財政再建が可能であるというふうに橋本首相が考えられて、そう考えた時代も実はあったわけでございますけれども、現象といたしましては、東南アジアの為替危機は別といたしまして、大きな証券会社が幾つか倒産をした、大銀行も倒産をしたということが卒爾としていわば起こったようなことでございましたが、その結果としまして、銀行の前に国民が並んだというような状況にまでなりました。また、日本の銀行が海外で金を借りるときにジャパン・プレミアムを取られたということまでいきました。そして貸し渋りが起こったという状況がございまして、そして、小渕内閣が発足をしたときに、今までの財政再建というわけにはここはいかない、景気回復も財政再建もと言いたいけれども、それは無理な話であって、一つに不況打開にかけるという政策をきちんと意識的に決定をいたしまして、したがいまして、そのときいたしましたことは、まず、公共事業を興すために補正予算を組むこと、大幅な減税を行うこと、それから、金融機関救済のためにということは、国民の金融不安を静めるために、金融秩序を確立するためにということでありますが、いわゆる公的資金の投入ということに踏み切りました。これらはすべて膨大な支出となりましたし、殊にその後に大きな長期信用銀行二つがつぶれ、事実上破綻いたしましたので、その預金者救済のために、預金者といいますか、この場合は金融債でございましたけれども、預金者救済のために膨大な国費を投入せざるを得なかった、こういったようなことが今日までの支出の大体の総計でございます。 それに対して、これだけ金を使えば経済はよくならないはずがないとおっしゃいました。それはそうかもしれません。しかし、当初、今から二年何カ月前に、一体いつになったら経済成長がプラスになるだろうかということは全く見当がつかないまま、とにかくそれに向かっていちずに国費の投入をいたしたわけでございます。おっしゃいますように、これだけ金を使えば少しはどうかなるだろうということは、今考えてそうかもしれませんけれども、明確にそういう見通しがあってしたわけではなかった。幸いにしてと申しますか、ここへ来てようやく民需が起き上がり始めたというのが成果であったわけであります。 それで、それだけの中で一体どこが間違ったと思うかというお尋ねは、ちょっとまだ時間の経過で申し上げることができませんけれども、あえて申すならば、預金者の預金保護のためにあるいは金融債保護のために、この十二年度予算で六兆円という金額を計上しております。やむを得なかったとは申せ、別のやり方はなかったかというようなことは時々考えておりますけれども、しかし、これは国会の御審議でこういう結論になっておりますことも考えますと、現実に一概にそうも申しにくい事情でございましょう。 したがいまして、どうやればもっといい道が選べたかということを今正確にお答えすることはできませんですけれども、結論として、これだけ大きな金を使っているのにこれだけのスピードでしか回復ができていないのかということは、現実にそうでございます。それは決してむだ遣いをした思いはございませんけれども、それだけ我が国の不況というものが大きかった。もっと申せば、その不況を克服することが将来に向かって、二十一世紀の日本の経済社会にプラスになっていくのであれば、これは不幸なことであったけれども、禍を転じて福とすることができるならば、このたびのコストというものも我々の将来のために有意義に生かしていけるであろうとこれまでは思っておりますけれども、それにしても大きな借金であったなとおっしゃられれば、その点は否定をすることができません。
○日野委員 補正を使いながら景気対策をやって、補正の分だけで言ってみましょう。十、十一、十二、この三カ年間で約三十兆使っている、景気対策に。そして、一%の成長率で、大体五百兆をGDPのトータルとして、五兆円でしょう。五兆円もうけるのに三十兆使うなんて、こんなばかな商売ありませんよ。私は、根本的に何かもっと大きな欠陥が日本の経済政策の中に、財政政策の中にあると思う。 私、今一つお話ししましょう。これも宮澤大蔵大臣とは私、何回か今まで議論したことですが、また議論させてもらいます。私はあなたを尊敬しているんですよ。いろいろなことをよく御存じだ、いろいろな経験も持っておられる。しかし、何でここで踏み切れないのか。このことの責任、大蔵大臣なら踏み切るべきであった、その責任について今度は申し上げたい。 こんなにお金を国債で吸い上げてしまったら、一般の民間企業なんかにお金が回っていかないじゃないですか。現に、あなたは私にこう答えたのです。幸か不幸か、今資金需要がありませんから、国債の方もまあまあうまく回っています、こうお答えになった。 しかし、資金需要はないですか。あの信用保証協会からどっと金を出すなんというときは、みんな群がってきたでしょう。それから、貸し渋りの状況はどうなっていますか、貸し渋りの状況はもう解決したのですか。資金需要は今あると私は思うのです。こんなに膨大な国債を出すことが民間の資金の流れをつぶしてしまっている。いかがですか。
○宮澤国務大臣 ちょっと論争になってはいけないと思いますが、今おっしゃいましたような資金需要はございます。しかし、それは中小企業が設備投資をするとかいう資金需要ではなくて、過去にしょっておる債務を返済しなければならない、あるいは雇っている人に給料を与えなければならない、そういう残念ながら後ろ向きの資金需要であって、それを政府がいろいろな形で提供をしておる。 もっと普通の企業について言いますならば、今ようやく企業活動が動き始めましたけれども、しかし、いわゆる資金需要がない。これだけの金利で資金需要がないのは、過去に大きな債務を持っておるからである、またリストラをしなければならないからである。それらの資金需要は、残念ながら、前向きの資金需要でまだございません。 そういう意味で、幸か不幸かと申し上げましたのは、金利に影響するほど前向きの資金需要が出てこない。民間の金融機関は今、金を貸し出す先がないわけでございますから、正直申しまして。そういう意味で、まだ日本の企業が資金需要を本当に持っているとは言いにくい。私は論争を申し上げませんが、そういう観察でございます。
○日野委員 じゃ、もう少しお話をいたしましょう。 今、どんどんみんなお金は銀行に入れちゃうわけですな。お金はあるんですよね。しかし、政府がこのような公債を発行する。そうすると、銀行としては、その過剰流動性、これを国債に使った方が安全で得なんだ。そうですよね。 ですから、ますますお金が出回らないということと同時に、私は、ここのところのバランスというのは非常にもろいと思いますよ。もしこれ以上国債を出していくというようなことになれば、日本の国債の価格は下がってしまう。そうお思いになりませんか。私は、ここのバランスというのは非常にもろいバランスだと思います。過剰流動性から国債を買おうというのと、それから赤字財政で出す国債と、今本当に、微妙なというか、もろいバランスになっている。ここでもしバランスが壊れたら、どういうふうになるのでしょう。これはもう国民の皆さんにはっきり、想定される近未来像みたいな形でひとつお出しになるべきですよ。それを語らなくちゃいかぬ。皆さん、これは、黙っていて、国民が知らないうちに危機の中にのめり込んでいく、そういう姿を政治家としては黙視しちゃいかぬと思う。語るべきことは語ってください。
○宮澤国務大臣 最初言われました部分でございますけれども、それなら、政府が公債を出すのをやめれば、銀行は嫌々でも民間に金を貸すだろうか、こういうことになりますと、おっしゃいますように、民間は自分の金を持っておりますから、自分で金を持っているので、銀行から借りるということになかなかなっていかないんだろうと私は思います。 ただ、おっしゃいますように、とにかく政府がこれだけの金利で国債が出せるということは、その姿だけを見ますと、やはりいかにも民間の資金需要がない、銀行は資金の活用、運用にいわば苦労しているということであろうと思います。 それはそれといたしまして、しかし、一・七とか一・八とかいう金利で国債が今日でも出せるということは、上がっていないのです。一・八ぐらいのところにまたいるわけです。それはやはりどうも普通のことではありません。長く続くと思ったらいけないし、それは出し方も注意しなきゃいけませんし、まあ何とかそれで民間の資金需要が出て、もう少し普通のところへ金利が行ってくれればいいという、そういう一種のアンバランスがありますことはよく注意をいたしております。
○日野委員 大蔵大臣はそうおっしゃいますけれども、理財局あたりは国債をちゃんと消化するためにどれだけ苦労をしておられるか、これは大蔵大臣、よく御存じだ。 かつて、資金運用部が引き受けをやめた途端にばあっと上がって、大慌てで国債引き受けまた再開なんという、ぶざまなと言っては努力しておられる方々に気の毒ですけれども、そんなこともあったわけですよ。そして、現在も、ひょっとしたら、これはまた金利が上がったら大変だということで、何とか国債を引き受けてくださいということでシンジケート団を集めて、その中に保険会社も入れようとか、いろいろな努力をしながらやっておられることは、大蔵大臣、よく御存じでしょう。 そして一方で、では我が国の国債の格付がどうなっているかというと、ムーディーズとかフィッチなんという格付会社はずっと格付下げちゃった。それがいいのかどうか、これはいろいろあるのでしょう。外国の格付会社でも、スタンダード・アンド・プアーズとかそういうところはまだAAAで最高値のランクにしてますよとか、日本の格付会社は全部最高のランクにしてますよとか、こういうこともあるのですが、いやしくも、日本の国債が格付が下げられてきたということについては看過すべきことではない、私はこう思います。今財政の再建に立ち上がらなければならないんだということを政治から国民の皆さんにメッセージとしてきちんと伝えること、これが大事だと私は思いますよ。 宮澤総理は今まで言っていたんだ、いつの日かそれはやらなくちゃいかぬのですと。私との間でも何度か宮澤総理——総理じゃない、大蔵大臣ね。総理のときにも言われたと思うな。いつの日かこれはやらなくちゃいかぬのです、こう言っておられた。それはもう今既にその時期は、到来したというよりは遅いんじゃないんでしょうか。 さっき森総理が言われたような、景気対策と財政対策、これは決して相入れないものではないと私は思うのです。両立させることはできるし、そしてさせなければならないと思う。 私、見ていて感心したのはEU諸国です。EU諸国、あそこは財政赤字をGDPの三%に抑え込まないとEUのユーロに参加できないということで懸命の努力をした。そしてやったんですよ、彼らは。三%に抑え込んだ。そして、経済をごらんになってください。今経済は見事に復活しているじゃないですか。 アメリカだって、あんなに日本ではばかにした人も多い、双子の赤字だとかいろんなことを言いながら。しかし今、アメリカはちゃんと経済を復調させて、そして財政赤字の問題も着々と処理に向かって進んでいるじゃないですか。 私は、かえって、そこのところを切り離して、景気対策の方が先だなんて言うと、必ず甘えの構造が生まれると思う。甘えの構造、そしてモラルハザードも起きてくるんだろうというふうに思いますね。 私は、さっきから言いますように、きちんと民間の方に資金が行くためには、国債に膨大な金を吸い上げてしまって、そしてそれをまた公的資金として公共事業や何かに使っていく、銀行に使っていく、そういうことを決してこれ以上やっちゃいけないと思う。もう今は既にやってはいけない水域に我々は、この日本丸は入っていると思うんですよ。そこまで来た責任、これは、私は、尊敬する宮澤大蔵大臣でありますけれども、やはりそこまでしてしまったその責任は厳しく問わなければならない、こう思っています。 ですから、きょうは内閣不信任案には賛成をさせていただく、このことを申し上げて、時間ですから、終わります。
○原田委員長 この際、原口一博君から関連質疑の申し出があります。仙谷君の持ち時間の範囲内でこれを許します。原口一博君。
○原口委員 民主党の原口一博でございます。 総理並びに関係大臣に、本予算について、特に政治姿勢、そしてビジョンについてお尋ねをします。 委員長にお許しいただいて、パネルの使用と資料の配付をお願い申し上げたいと思います。 まずお尋ねをしますが、この内閣にいらっしゃる閣僚、政務次官、その中で辞表が出ているということを聞いていますが、これは事実でございましょうか。
○福田国務大臣 内閣は、辞表を受理したものはございません。
○原口委員 私は、受理をされたかどうかということを伺っているのではなくて、辞表が出ているかという事実を伺っているわけでございます。
○福田国務大臣 科学技術政務次官と自治政務次官が所管の大臣に出しているということを承知しております。
○原口委員 大事な予算ということを昨日のテレビでも多くの方がお話しになりました。森総理を中心として、一丸となっておつくりになった予算だというふうに思います。それが、私たちがまだ審議をする前に辞表が出ている。では、だれに聞けばいいのか。今、科学技術、自治というふうにお話しになりましたが、ここは厳しく申し上げなければいけない。 限られた時間でございますので、私は総理に小さなことを聞く気はございません。一つ、中学校一年生の少年の主張というものがございまして、これは、佐賀市の成井さんという方が「現代の社会、大人への意見」ということでお書きになったものであります。私はここの中に、私たちが抱えている問題が象徴的に述べられていると思いますので、読ませていただきます。中学校一年生です。 私は、この頃、よくニュースで報道される“クレームかくし”等、様々な会社が、自分達が失敗したことを公表せずに、かくしているという事が多くなっているように思います。 そして、“申告もれ”等、税金の一部を自分の利益にしているという事も多くなっているような気もします。 私は、このような、社会の中で、どんな、少年、少女が、成長していき、どんな、社会に、なるのか、そして、これで、景気が、回復するのかと考えました。それに、加え、会社などの企業だけでなく、それを、取りしまる警察までが、うそをつき、また、かくし、名誉や面つばかりを気にしているので、このような、ふしょうじが、おこるのでは、ないかと考えました。その結果、問題が、小さな時には、あまり大きく報道されない物が、大々的に、報道され、結局は、会社の名などに、傷がつきます。そして、大きな信頼も、なくなるのです。 ところで、私達が、小さい時に、親から、おそわるのは、うそをつかないこと、親などに、かくし事をしないこと、ごまかさない事などです。その教える親達が、こんなので、いいのでしょうか。 私は、このような、かくし事やごまかす親が、子供に教える資格は、ないと思います。親が、子供に教える前に、自分を思いかえして見る必要があるのでは、ないでしょうか。 そして、このような、ふしょうじなどをおこさないように努力する必要が、あると思いました。 それで、まず、親が正しい手本を見せること、上司の人やサラリーマンの人が、目上の人に、頭をさげて、ばかりでなく、自分の正直な意見を、はっきり言うべきでは、ないでしょうか。そうすれば、とても、良くなると思います。 ところで、大人の皆さん、ある番組で、大学生が、小学六年生なみの算数などが、できなかったのを知っていますか。今、そうゆう人が、多くなってきているそうです。そのような人が、もっと増えたら、この日本の社会は、どうなると思いますか。この日本は、めちゃくちゃになってしまいます。そのように、なってしまったら、この日本は、景気回復なんて、できなくなってしまいます。今、日本では、大人の人が、何も考えずに、したことで、大問題になったりしています。 例えば、自分から、進んで、ホームレスに、なる人や空き缶など、ゴミをすぐ、投げ捨てる人などです。このような人が、増えてしまっては、この日本の社会が、つぶれてしまうと、思いませんか。私は、そんな、日本に住みたいとは、思いません。 それで、もっと楽しめて、豊かな日本は、もう、なくなってしまうのでは、ないかと心配です。実際に、今の日本は、たばこ天国でもあります。 総理はたばこを吸われますか。 いたる所で、たばこが、吸われ、吸っていない人にも、害になる所がたくさんあります。(たばこを吸って、いない人でも、たばこを吸っている人のけむりを吸ってガンになる人が、いる)そうゆうことでは、人権が、おかされて、いるのと、一緒では、ないでしょうか。実際、今の日本は、とても、おかしいです。五十才以上の道理が、わかっている人でも、殺人や、どろぼうなど、する人もいます。 また、政治のトップの人が、災害現場へ行っても、一番重要な所へ行かないのです。 ですから、この日本を、今からの未来ある、子供のために、景気回復など、今、問題に、なっている、様々なことがらを皆で、解決していきたいと思いました。 しかしそのような、よくない人は、ごく一部です。でも、よくない行動は、ごく一部でも、すごく目立つのです。 そして、大多数の人が悪いような錯覚に陥ってしまいます。だけど、現実には、しっかり生きている大人の方が大多数なのでしょう。 現に、私の家の両親は、いつも、一生けん命働いています。でも、少しずつ、正しくない人が増えているのではないかという不安があります。正しい人、よい人が多くなる世の中にしたいと思います。 率直な意見で、これは与党、野党ではなくて、私たち全員が真剣に考えなければいけない、そういう重い投げかけであるというふうに思います。 まず、総理に御所見を伺いたいと思います。
○森内閣総理大臣 中学一年生の方にしては、随分幅広く、広範囲な物の見方をされているなというのはまず率直に驚くとともに、大変よく勉強もしていらっしゃる方だなと思いました。今の社会におきますさまざまな、いろいろな現象を子供の目でとらえて、しっかりと指摘をしておられるというふうに思います。 そういう面では、大変参考にもなりますし、また、こうしたことをしっかり糧として、政治の中でもしっかりこれにこたえていかなければならないというふうに思いました。
○原口委員 この国会の中での質問というのは非常に難しくて、一般の方にわかりにくい。ましてや中学生にわかりにくい。ですから、きょうはひとつわかりやすい言葉で私も御質問します。 きょう、総理の御本を持ってまいりました。「あなたに教えられ走り続けます」という本です。この中には、いわゆる、新聞社に白紙で答案を出したというところが大きく取り上げられていますが、私は、全体的に言うと非常に好感の持てる本であります。総理が、お父様のさまざまな苦難に遭ったときに自民党石川県連に対して燃えるような怒りを持たれた、あるいはさまざまな古い慣習を打ち破ろうとして頑張ってこられた、その跡が載っています。「小事争うべからず、大事争うべし」、まさにこのとおりであるというふうに思います。今こそが大事であるということであります。 ですから、私もきょうは細かな質問をする気はありません。しかし、きょうは最高裁の方にもお見えいただいて、幾つかただしておかなければいけないことがございます。その中のまず一つは、例の犯歴の問題でございます。 総理が、クエスチョンタイムで、しっかりと野党が質問をするのであれば証拠を持って質問をしたらどうかという反論をされました。しかし、このことは、私たち一般の、立法府におる人間も犯歴なんというものにアクセスできるような、そういう問題ではありません。 最高裁判所の方にきょうお伺いをしたいのは、まず、民事訴訟法百八十六条、これは、これで裁判所が必要な資料をそろえる、これをさまざまな行政機関やいろいろなところにお願いをすることができるというものだと思いますが、嘱託を受けた官庁その他の団体はこれにこたえる義務があるのかどうか、最高裁の方にお尋ねを申し上げます。
○千葉最高裁判所長官代理者 最高裁としましては、民事訴訟法の条文の解釈につきまして一般的な形で意見を述べる立場にございませんので、最高裁の見解ということではなくて、学説の紹介ということになりますけれども、御質問の調査嘱託につきましては、官庁その他の団体は裁判所の嘱託に応ずべき公法上の義務があるというふうな一般的な解釈が紹介されております。
○原口委員 ですから、これはあくまで一般的な義務でございますが、裁判所が調査を嘱託すればそれにこたえなければいけない。 私は、一国の総理が犯歴を云々されて、それは総理個人も大変悔しい思いをされていると思います。しかし、これは総理個人、お一人の問題ではなくて、我が国日本国の総理の名誉にかかわる問題です。ですから、私たちも立法府として、そういうものはないんだろうということをお尋ねしたわけです。 しかし、立法府が行政府に質問をしても、それは返ってこない。そして、司法が行政に質問をしても、これも返ってこない。つまりは、証拠を示すことは何もできなかったということでございます。 さて、次にお尋ねをしますが、司法が行政に対して回答が得られない場合に、何か制裁等がございますでしょうか。
○千葉最高裁判所長官代理者 この点につきましても、最高裁としましては、一般的な形で意見を述べる立場にはございませんので、最高裁の見解ということではなくて、文献によるとということになりますけれども、嘱託に応ずべき公法上の義務、これは一般的なものにすぎませんので、この違反に対する制裁などはないというのが一般的な解釈でございます。
○原口委員 義務はあるけれども制裁がないということになっています。これは、裁判の公平、公正と申しますか、一方の方が大変な権力についている、その方は行政府を統括する、そういう責任と義務を持っている、それで片っ方の方は一般の市民である、そして、証拠にアクセスをすることができなければ、この裁判ははなから成り立たない裁判であります。ところが、これが刑事訴訟の世界に来ると違います。検察は何も行政に対して犯歴を問うということを必要としません。何となれば、自身がそのデータを持っているからであります。 私は、このような状況が長く続くことは、私たちの日本国の国益にとってもそれはよくないことだというふうに思います。私は、このような観点から、別の機会でまた総理にもお尋ねをすることがあると思いますが、今は立法府と行政府と司法府のこの三つの関係について述べるにとどめておきます。 さて、お手元の資料を見ていただきたいと思います。 今回の予算、私は、数字にするとこの六という数字に問題があるというふうに思います。 一つは、貸し渋り条項、先ほど通産大臣が委員の質問にお答えになっていましたが、もう貸し渋りは終わったんだ、そういう判断のもとで信用保証の法律の二条の六を削除される、これがこの予算の一つの本質であります。 もう一つの本質は、これは宮澤大蔵大臣の所管でございますが、財政法の六条を改正して、そして余剰金を、将来の負担の不安におののく、先ほどお話をした皆さんに対してお支払いするのではなくて、この予算で使ってしまうという法律をつくられているわけであります。 私は、今ここに中村筆頭いらっしゃいますが、今回の政府の予算に対するその御姿勢というのは、決して是認ができない。十一兆にも上るそういう大きな総事業費の予算をお立てになって、そして十一月十日の本会議に私たちはその予算をお聞きする場をいただきました。その後、土日がございまして、APEC、COP6、ASEAN、こういう形になっています。 いや、議会の立て方なんというのは自分たちで決めればいいのだ、そう言われるかもわかりませんが、皆さんにお尋ねをする時間というのは本当に私たちは限られている。ここにいる理事の皆さん、多くの皆さんの名誉のために申し上げますので、私たちはこれをしっかりと皆さんにわかっていただきたい。これは内閣にとってもいいことじゃないと思います。十一兆も超える予算を国民の皆さんにしっかりとわかってもらう、そのための説明の義務があるはずです。 しかし、どうでしょうか。環境庁長官はいらっしゃいません。四つの柱のうちの一つは環境政策だったはずです。大臣に聞く機会はございません。 私は、こういうやり方が、結果的には、大事な予算であると言われるだけであって、それが国民に納得をされない。予算委員会の総理出席日数及び時間というものを、平成八年度、九年度、十年度、十一年度、十二年度というふうにやっています。私たちがこういう時間の中でやっていることが、ひいては国民の皆さんに予算をわかりにくくしているんだということを総理におわかりいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。(発言する者あり)
○原田委員長 原口君、質問を続行してください。ただ、理事会で了解したことについては、御了解の上、御質問いただきたい。
○原口委員 パネルの使用についてはお許しいただきたいというふうに思います。
○原田委員長 パネルじゃありません。パネルの中であなたが触れたことです。
○原口委員 私は、皆さんにわかりやすいように、この予算が本当に大事な予算である。小さなことを言っているんじゃないんだ。十一兆もの予算を組んで、そして約一兆を超えるお金を借金に返さなければいけない、それもやめて使うのであればもっとゆっくりと時間をかけてお話をされる、そういう態度が以後見られるかどうかということを聞いているわけでありまして、私は前向きな総理の答弁を求めたいというふうに思います。
○森内閣総理大臣 原口議員のお気持ちは私はよくわかりますが、国会では、委員会あるいは本会議もそうですけれども、委員会は、理事会で理事同士でいろいろ日程はお話をされる、そういうことでありますから、そのことに対して私に何か意見を言えと言われても、今私の立場で申し上げるべきではないと思っております。 ただ、政府としては、この予算につきましては、九月十一日に発表されました四—六月期のQEを踏まえまして、その後速やかに経済情勢などを総合的に分析して、景気の自律的回復に向けた動きを本格的回復軌道に乗せたい、確実にそういう方向につなげたい、こういう思いで十月十九日に日本新生のための新発展政策を決定いたしたわけです。さらに、それを予算面で具体化すべく速やかに補正予算の編成作業に取りかかりまして、十一月十日に閣議決定をして国会に提出をいたしたわけであります。あとの日程については、委員が御承知のとおりだと思います。 その間に私がAPECに出かけたり、お許しをいただければASEANに出るというようなことになるのでしょうけれども、これは早くから決まっておった日程で、それぞれの国々の皆さんで御相談をされたことでありますから、できる限り日本の立場、日本の国益上やはり出席することも大事だろう、こう思いますから、その日程の間を縫って御審議をいただくことになったのは、確かに委員からいえば審議日数がないじゃないかということになりますが、これはそういう日程の中でやりくりをしてやっていただいたもので、私自身が国会に出ることを拒んだとかそういうものではないわけです。 ただ、一言、例えの中でお話しになりましたが、川口環境庁長官がいないじゃないかとおっしゃいましたが、何のために欠席されたかは、これも御承知のとおり、国会でのお許しをいただいて、今ハーグでの大事な環境会議に出ていらっしゃって、なおかつ、きょうの報道によれば、議長をお務めになっておられるわけですね。京都議定書を何とかしっかりと実現したいというのは、これは自民党だけじゃなくて、民主党の皆さんもどの政党の皆さんも、環境はより大事だ、一番大事な政治的テーマだということでありますから、その日本の立場を代表して議長にまでなっておられる川口さんが、これは予算よりもそっちの方が大事だということは、私は言うべきじゃないと思いますよ、それはわかりませんが、そこはやはりそのときの時点でどう判断をするかということだろうと思いますから、川口さんが欠席をされたことは、日本のためにも世界のためにも、もっと大きく言えば地球環境上のためにも、これはぜひ理解をしてあげてほしい、こういうふうに思います。 それからもう一点、原口さんも経験をいろいろ積まれてくるとおわかりになりますが、総理が委員会へ出てくるのが少ないじゃないかということでありますが、これは皆さんの先輩の方々、もちろん自民党もそうですし、民主党の先輩の皆さんも、国会の運営についてどうあるべきかという、長い間国会改革というのをやってきたのです。 そういう中から、予算委員会はこうあるべきだろう、総理の出席はこれでいいだろう、こういういろいろな議論を積み重ねた上で国会改革の具体案というのはできたわけでありまして、一度その点についても、御承知だと思いますけれども、原口さんも我が党の一応佐賀県の役員もしておられたわけですから、よく御存じだろうと思いますから、よくその辺を見ていただいて、何か自民党だけで進めているというわけではないんだということを、あなたのところの大先輩の羽田さんが一番この政治改革とそれから国会改革に大変熱心だったんですよ。一度ぜひその辺の経緯もお聞きになっていただきたいな、こう思います。
○原口委員 私は今、景気が大変厳しい、そういう時期であるから、予算についてはきっちりと説明する、説明の時間をとる必要があるだろうということを申し上げているので、この制度改革がどうだったかということは申し上げているわけじゃありません。 それでは、端的にお伺いします。 中小企業信用保険法第二条第三項六号、これは貸し渋り条項を削除されますね。なぜですか。
○平沼国務大臣 お許しをいただいて、私から答弁させていただきます。 その貸し渋り条項削除というのは、特別保証制度というのが、金融機関の貸し渋りが起こりまして、そして、どうしても我が国のいわゆる経済の基盤を支えていただいている中小企業の皆様方の経営を円滑化しなければならない、こういうことで、原口委員御承知のように、異例の措置として、当初は二十兆円を積みました。そして保証をさせていただいて、さらに一年延長して、それを三十兆にいたしたわけであります。 当初は、一日に二十万件も殺到する、こういうようなことがありました。そして、当時いろいろ調べてみますと、貸し渋りというものが厳しい、こういうデータが三五・九%もございました。それが現在では一九・九、こういう形で、貸し渋りというものは非常に鎮静化している、こういうことがあります。 そして、これももう御承知だと思いますけれども、今まで百四十三万社の方々に利用していただきまして、保証も二十四兆一千億、こういう形になって、この結果、倒産が一万社防げた、いわゆる倒産の総額も二兆円救済された、さらには雇用も、十万人の失業者の防止に役立った、こういう実績がありました。 ですから、そういう中で、これは異例の措置で、来年の三月までですから、そこでこの特別保証制度、貸し渋り対策というのは一応打ち切って、そのかわり、私どもは、来年の四月以降を手当てするために、この国会でもお願いしておりますけれども、中小企業信用保険法を改正して万全を期す、今こういう対策をとっておりますから、そういう意味では貸し渋りというものに対しては一応所期の目的を達した、こういう考え方で、新たな中小企業の支援策を打ち出すことにいたしたわけであります。
○原口委員 聞いてもいない大臣が伺ってもいないことをお答えになる、これはやはりよくない。 資料一をごらんになってください。これは銀行貸し出しの推移です。 私は、先ほど大臣がおっしゃったこと、本当に貸し渋りが緩和をされたのか、そうじゃないと思いますよ。今のお答えを中小企業の皆さんが聞かれてどのように思われただろうか。新たに借りる体力もなくなって、そして、銀行をごらんになってください、この二〇〇〇年の貸し出し動向。これはテレビには映らないかもわからないけれども、急速な貸し出しの減というのは全然減っていないんですよ。土地も動かない。地べたをはいずるようにして回ってみる、そうすると、もう五カ月、不動産の売買もありません。あるいは、先ほど失業率のお話がありましたけれども、本当にそうですか。二人に一人も新しく学校を卒業する人たちが就職できない。 そのような状況の中で、今、信用保証の枠を変えられるなんというのは存じ上げています、そのことじゃなくて、本当に貸し渋りが途絶えたのか、この政治判断を伺っているわけです、総理に。総理、どうぞ。
○森内閣総理大臣 先ほどから、午前中からの議論にもありますように、そうした大変な一つの道のりを経て日本の経済が大きく変わろうとしているわけでありまして、そういう意味では、何とかして景気を安定的なものに持っていく、そのための施策の一つとして、今御指摘のような点も私どもとしては十分に進めていかなきゃならぬ。 中小企業は、何といいましても日本の産業の、企業数からいっても九割近いものを占めているわけでありますから、そうした中小企業の皆さんの活性化というものを、できるだけ我々としては努力していかなきゃならぬと思っています。 確かに、土地も売れないじゃないか、いろいろおっしゃいますけれども、そういうことであればこそ、何とかして私どもはもう一歩というところへ来ておる日本の経済をよりよくしていきたい、民需を中心に本格的な回復軌道に乗せてほしい、そういうまさに神に祈るような気持ちでこの補正予算もお願いをしているわけでありますので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
○原口委員 ですから、御判断を伺っているのです。総理のお祈りのお気持ちはわかります。私たちも本当に、後で失業のお話をしますけれども、とてもひどい状況です。もう一回伺います。貸し渋りがもう一段落したという御判断ですねということを伺っているわけです。イエスかノーかでお答えください。
○相沢国務大臣 委員長の御指名で、総理にかわってちょっとお答え申し上げますが、先ほど、今委員がお配りいただきました資料を拝見いたしましてもおわかりになるわけでありますが、確かに、中小企業に対する貸出残高がこのように減っておりました。しかしながら、ごらんいただくとわかりますが、平成十二年の五月から、二・二、二・一、二・一、二、一・八、一・七、このグラフに示しておりますように、残高の減少幅にも歯どめがかかっているということをおわかりいただけるというふうに思っているのでございます。 それから、資本注入行の中小企業向け貸し出しに関しましても、御案内のとおり、昨年四月以降の目標三兆円に対しまして、四兆二千強の貸し出しが行われておりますし、確かに、担保等の状況からいたしまして金融機関側として貸し出しにくい事情はありますけれども、私ども、見ているところによりまして、貸し渋りの問題につきましては、やや峠を越しているのじゃないか、またこれからも努力をしていきたい、このように考えております。
○原口委員 総理に伺っているわけです。私は、何も小さな話をきょうはする気はないということを申し上げたわけで、ここはとても大事なところだと思うのですね、今の金融を考える上で。 さらにお尋ねをしますが、私たちは、総理の政治姿勢、今、除名だ、離党勧告だという物騒な言葉が飛び交っていますが、先ほど、本委員の方から、派閥あって党なしということを言われました。総理は、党改革を実行しつつ選挙戦に臨むということで、平成七年一月十八日、このときは幹事長でいらっしゃいます。そして、平成六年、党改革実行本部で決定をされた事項がございます。ここを読ませていただくと、派閥の解消、派閥は年内に解消するものとする、派閥の名称は使用しない、派閥事務所は閉鎖する、派閥の総会は開かない。これは総理のもとで決まったことだと思いますが、これは一体どうなったのか、総理にお伺いをいたします。
○森内閣総理大臣 我が党のことでございますので、いろいろ御心配をいただくのは大変ありがたいことでありますし、私自身も党改革の先頭に立ったわけでありますので、今の御指摘などにつきましては十分考えなければならぬというように思っております。 御指摘のとおり、平成五年八月から約二年間、平成十年七月から総理に就任いたしますまで、私は自民党の幹事長をいたしておりました。その立場の中で、政治改革あるいは党改革にも取り組んできたつもりでございます。 平成六年は、当時まだ私ども野党でございましたから、そのときは、現行の小選挙区比例代表並立制導入を主な内容といたします政治改革関連法案の成立には、我が党の中にもさまざまな意見がありましたが、私はリーダーシップを持ってこれに取り組んだと思っております。その後の、政治家個人に対する企業・団体献金の禁止、あるいは衆議院議員の定数削減、これは御承知だと思いますが、これらのことも、幹事長という立場で責任者として取りまとめに当たりました。 自民党改革につきましては、小渕前総裁時代の幹事長としては、党改革本部におきまして、改革案を取りまとめるということをいたしました。自民党のあり方にふさわしい党改革にも取り組んできたつもりでございます。 派閥につきましては、私自身は派閥が復活したという思いはございませんし、私自身も派閥というのは今ここで初めて使ったぐらいでありまして、派閥という言葉は私は意地でも使わないようにしているんです。しかし、これだけの多くの世帯でもありますから、これは民主党だってそうだろうと思います。政策を中心に集まる場合もありますし、出身母体を中心にお集まりになることもあるだろうし、これは人間の集まりでありますから、いろいろなグループができても私はいいと思う。 そのことが、党全体にとってプラスになる方向であって、エネルギーが燃え上がってくるということであればいいなと思っておりまして、そういう意味では、私は、政策グループ、政策グループ、こう言っておるんですが、残念ながら周りがそういうふうにお認めにならない。特にマスコミの皆さんは、もう、派閥、派閥、こうお書きになってしまう。私ははっきり言って悔しいんです。何度も何度も、必ず、派閥と言うと、違うだろう、政策グループじゃないのかな、こう自分なりに言い聞かせてまいりましたけれども、皆さんがそういうふうに呼称されるということはとても残念なことだ、こう思っています。 しかし、当時の中選挙区制と違って小選挙区制になりますと、こうした政策グループの行動は、やはり様式は随分昔と違ってきておりますし、そのこと自体は党の改革にも大きく前進している点も多々あるということも、私はぜひ御理解をいただきたいと思います。原口さんももと我が党におられて大活躍をされたわけでありますから、そういう意味で、我が党に対する叱咤激励という意味で、改めて、原口さんのそういう御指摘に対して、我々も十分そのことについて考えていかなければならぬ点も多くあったというふうに思って承っておりました。
○原口委員 私は、また派閥が厳然と復活をしたというふうに思っています。そして、その体質そのものがやはり問われているんだというふうに思います。 今、そのようにおっしゃるのであれば、何か私が八年前自民党にいたことを三回も四回も言っていただいてありがとうございます。 私は、やはり、一つの政党しかないと腐ってしまう。この中にももう一つの政権政党をつくりたい、そういう夢を抱いて一緒に行動した人たちがいるわけであります。そして、その二つが切磋琢磨することによって、私たちは、本当の政策論争をする、国民の皆さんにわかりやすい方向を示すことができる。一つの政党しかないとそれは腐ってしまう、それが派閥次元で闘うと余計またわかりにくくなってしまう、だから、総理はこのときに派閥の解消を訴えられたというふうに私は思っています。しかし、それはもうあれから五年たって、またもとの状況になってしまっている。 もう一つパネルを……(発言する者あり)委員長にお渡ししたものです。質問を邪魔しないでください。ルールを破っているんじゃないんですよ。朝の理事会に……(発言する者あり)よろしいですか。 今度の国会はとても大事なんです。それで、特に検査、この検査がないがしろにやられてしまうと、さまざまな問題を起こします。
○原田委員長 ちょっと質問者に伺いますが、資料と同じものですか。資料がないじゃない。
○原口委員 いや、資料と同じじゃなくて、午前中の理事会で委員長にお見せしたものです。
○原田委員長 まあいいです。それでは、続行してください。資料を出してください。(発言する者あり)
○原口委員 いや、資料とパネルと二つお願いしますと言っているんじゃないですか。つまらないところであれしないでください。これはだれかを非難する問題じゃなくて、検査の中身を言っている話ですから。
○原田委員長 資料を出してパネルで説明されるならわかるんだけれども。まあいいですよ。ちょっとやってください。
○原口委員 これは、総理、皆さん、大事なところなんでよく聞いてください。 大阪の朝銀に、私たちはその破綻にもう三千億円ものお金を投入しています。そして、その後、集中検査の対象としていない信用組合として二十二がこの国会に、私たちに示されました。 お尋ねをしますが、なぜ、これまでの都道府県から金融庁に対して検査を移管したんでしょうか、総理。
○相沢国務大臣 信用組合に関しましては、従前、各都道府県単位のものは各都道府県知事、それから、各都道府県にまたがるものにつきましては大蔵省が監督をしておったのでありますが、ことしの四月から、その信用組合に関しましては、これを国に移管するということに相なったわけであります。
○原口委員 移管するということをもう私たちも存じ上げているわけで、なぜ移管するようになったかということを伺っているわけでございます。国がどうして、今まで都道府県にあったものを国に移してその検査をやるようになったのか、その理由を伺っているわけで、時間をむだに使わないでいただきたい。
○相沢国務大臣 信用組合に関しましては、やはりバブル後の各金融機関の受け入れの推移と同じように、なかなか問題になる機関も多く出ておったわけであります。 各都道府県におきまして、言うなれば検査監督が必ずしも基準が定まっておりませんので、簡単に言いますと、ばらばらに行われているということもありましたので、信用組合に対しまして、しっかりした検査監督を行う意味におき、全国の一つの基準によってやることが適当である、そういう考え方のもとに法律の改正が行われたというふうに承知をいたしております。
○原口委員 そのとおりだと思います。 とするのであれば、この破綻をした金融機関になぜ検査に入らないのですか。都道府県がそれぞればらばらにやっていたんじゃだめなんだ、だから国で一律にしっかりとした検査をするんだ。そして、この破綻した信用組合については、あと公的資金の投入があるんじゃないですか。しかも、この資料をごらんになればおわかりになりますが、破綻をした信用組合であるにもかかわらず、金融整理管財人選任日ということが白紙になっているのです。つまりは破綻をしている。しかし、今おっしゃったように、都道府県でやっていたらだめだ。ばらばらだから国がやる。しかし、国はやっていないじゃないですか。なぜやっていないのですか。管財人も置いていないのはなぜですか。これは政治の決断なんです。 総理、総理がしっかりと国民の皆さんに、先ほどの作文の少女や多くの皆さんが危惧をしているのは、一部の人間だけ違うスタンダードが用いられるんじゃないか、それではいけない、みんなが公正公平に検査を受けて、そして国民の前に、公的資金を投入するときにはしっかりと説明されるべきだ。私は、これは総理が決断されればできる話だと思いますが、いかがですか。
○相沢国務大臣 このおっしゃる北朝鮮系の信用組合に関しましては、お話ございましたように、既に十三組合が破綻をいたしておるのでございます。しかし、これは既にその府県の知事の管轄下におきまして破綻となったものでありまして、破綻した金融機関につきまして再び検査をするということは、この北鮮系のみならず、ほかの信用組合についてもやっていないのであります。さらに、この十三の信用組合に関しましては、受け皿機関が予定されておりまして、その受け皿機関に対する検査を今実行しているという段階でございます。
○原口委員 総理の御決断を聞いているのです。どうぞ。
○森内閣総理大臣 詳細、今金融庁長官からお話がございました。 現在、金融庁は、信用組合に対する集中検査をなお実施しているわけでありますが、これは、各信用組合の今後の存続の可能性を確認することを目的としているものでありまして、したがいまして、北朝鮮系の信用組合に限らず、既に破綻した信用組合は今般の集中検査の対象とはしていない、このように私は承知をしております。
○原口委員 それは理由にならないわけです。大蔵委員会の会議録をつぶさに見てまいりました。我が党の上田委員に対しても私たちに対しても、しっかりと検査をなさると。それは、長銀や日債銀、さまざまな金融機関について私たちが抱いた、皆さんが公表されている数字が本当は違うのじゃないだろうか、そういったことをしっかりと払拭するためにも、金融の公正さを担保する上でも、例外なくやるのだという御説明をされていますよ。それが、何で、この国会になったらいつの間にか、ここについてはもう破綻しているから検査を入れないということになるのか、全く理解がいかない。理解のできるような御答弁をいただきたい。
○相沢国務大臣 ただいま総理から答弁申し上げましたように、これは信用組合に関しましても、破綻したものについては、この北朝鮮系のものに限らず、検査は再びやるということはしていないのであります。 しかも、十三組合につきましては、既に受け皿となる機関が予定されておりまして、その受け皿に対する機関の適格性の検査というものを今実行しているという段階でございます。
○原口委員 全く同じ答弁なんですよ。きょうこれをごらんになった方々が納得されるでしょうか。私たちに、検査をやっていると途中までおっしゃっているじゃないですか。いや、検査されているだろうと思いますよ。それはどうなったんだ。それで、いきなりこういう、これは私がつくったわけじゃなくて、政府の方から出てきた資料ですよ。この赤になっているところ、青森県から新潟県まで。しかも、その資産を保全するための管財人もいない、選任されていない。検査もしていない。これで納得がいきますか。どうぞ。
○相沢国務大臣 破綻を表明しておりますところの十三組合につきましては、その経営責任の明確化を図るためには、当時の監督官庁であります都道府県の指導によりまして、弁護士等の第三者から成る責任解明委員会というものが設置されまして、その破綻原因や責任の解明というものは進められております。 同時に、先ほど申し上げたことの繰り返しになりますけれども、十三組合については、既に受け皿となるところの信用組合ができているわけでありまして、その信用組合に対する、その適格性等も含めました検査が行われて、既にその一部については検査結果についての通知を行っているのであります。
○原口委員 今の答弁では、国民はまた大阪で起こったことと同じ負担を、あのときは三千百億を超えるお金だったと思いますから、今四つ受け皿とおっしゃいました。私は、この規模がどれぐらいか、つぶさに調べた。そうすると、一兆を超えるのです。先ほどの、六という数字を出させていただきましたが、それこそ未来の子供たちにお渡しをする、将来の負担の軽減のお金もこういったところで消していくわけにはいかないんだということを強く申し上げたい。なぜ調べないのだ、それが全くわからない。 さらに、まだ質問中ですので、お出ししている資料の六ページをごらんになってください。 大蔵委員会の平成十一年七月六日、この朝銀大阪が公式にこの国会で論じられたスタートだったというふうに思います。これは、今政府の中、連立与党の中の小池百合子委員の質問でございます。この文章を、私が黒い四角で囲んでいるところ、きょうはテレビ放送ですからその中を読みません。しかし総理、この二段目の一番左をお読みください。不正を行った人たちが、不正な融資を行った人たちが訴追もされずに、来たのは三千百億円の贈与であった、そして逮捕を免れたという証言を小池委員がここでされているわけであります。私は、このことを一つとってみても、先ほど相沢大臣がお話しになったことが、いかに私たちの国の利益に反するかということをはっきり申し上げなければいけない。 総理、この文章をお読みになって、日本の国益を最大限にすることに努力をされている、これは私たちも同じです、総理として、あなたの決断を伺っているわけでございます。疑いがあるのだったら検査を入れるということをおっしゃれば、それで済む話であります。いかがでしょうか。
○相沢国務大臣 ちょっと先ほどの発言を一つ訂正いたしておきますが、それは、受け皿機関は、既に朝銀近畿を含めまして五つになります。ちょっとそのことを忘れておりましたものですから、受け皿として、五つになります。 それから、今の朝銀大阪の件でございますけれども、これはこの答弁にもございますように、十年の四月に大蔵大臣による資金援助をすることの適格性の認定を受けて云々、これは繰り返して申しませんが、その必要性の認定を行いまして、そこの資金の援助をするということになったわけであります。 これは、日本の法律によりまして設立されている信用組合でありますから、それはほかの信用組合、金融機関と同じように破綻に際しての資金援助というのは当然行わざるを得ない、このように考えております。
○原口委員 私は検査の話をしたわけで、預金保険機構からここに公的資金を導入したのがいけないなんということは一言も言っていませんよ。これはもう実際に入れているわけだから。しかし、入れていながら、ついこの間の国会ではそごうの問題が大きな話題になりました。一千億のお金を注入するかどうかということで世論が沸騰したわけです。実際に私が住んでおります九州でも、そごうの撤退によって街の灯が大変寂しくなった、そういったこともある。 しかし、ここはもう三千億の話をしているわけで、残りの今五行、そうですよ、あと残りの四行を大臣がおっしゃったわけで、その四行にさまざまな受け皿を探すについても、しっかりと検査を入れた上で国民に理解をお求めになったらどうか。 私はその政治姿勢を伺っているわけです。政治姿勢がはっきりしないから政策が継ぎはぎで出されてきて、そして国家の混迷が深まっていると思うのです。総理、お尋ねを申し上げます。
○相沢国務大臣 それは、受け入れの機関につきまして、先ほども申し上げましたように、いずれ検査をいたしまして、資金注入について、必要額についての算定等は、これは当然やるわけであります。 ただ、破綻金融機関につきまして、受け入れ銀行、その四行、そのほかに一つまだありますけれども、締めて五行、それにつきましては、十分検査をして、受け入れ資金の援助額を決めるということでありますから、その点については御懸念のことはないようにするつもりでございます。
○原口委員 総理に、私はさっき、大事なことを言っているのです。場合によっては、これだけで一兆円を超える。それはわかりませんよ、検査をしてみないとわからない。でも私は、大臣、先ほど冒頭に、何で都道府県から国が検査をするようになったかということをなぜ伺ったか。それは、ばらつきがあって、その検査だけじゃ不十分だ、それはあなたもおっしゃったじゃないですか。冒頭、おっしゃったんですよ。にもかかわらず今のような答弁をされるのは、納得がいかない。 総理、どうぞ。
○森内閣総理大臣 今再生委員長から御答弁申し上げましたように、県の監督から国の方に切りかえたわけでもありますし、そしてまた、この破綻した銀行あるいはこれを継続している金融機関、いろいろ、さまざまな条件が違うわけでありますし、引き続き営業を継続している取引先等にもまた不測のいろいろな事態を与えるということもあるわけでありますので、今委員長が申し上げましたように、慎重の上にも慎重に進めていく必要があるというふうに私も考えております。
○原口委員 もう破綻しているわけですから、今の答弁ではやはり私は納得はいかない。こういうことを丁寧に丁寧に、国民に御理解いただけるような政治姿勢、これが必要だというふうに思います。 「大平正芳回想録」、大平さんの回想録を持ってまいりました。五十五年の不信任案のときの総理のお話がここにあります。「議場閉鎖四分前に、中曾根と同派の幹部が議場に入ってきた。これと入れ替りに安倍政調会長が森喜朗(福田派)らに抱きかかえられるようにして議場から出た。」このとき不信任案が可決をする。昭和五十五年五月十六日。六十九人の採決の欠席者が出たわけでございます。 私は、国会がその意思を示す。この間、予算を提出してから総理をやめさせるのをどうだというようなことをテレビで公言する与党の幹部がいらっしゃる。まことに残念なことだというふうに思います。 また、ここに私の県の方の話もありますが、持ってきていますので。ある代議士は、「党が割れてはならないが、森首相には交代してもらいたい」、これは何も野党の代議士が言っているのではない。これは与党主流派の若手議員がおっしゃっている。その理由として、「官房長官辞任の際の対応など首相には政治に対するひたむきさが感じられない」ということをこの議員は挙げています。 私は、今何が問われているのか。この資料の二ページ目に今不信任案に賛成するということを明言されている加藤紘一前幹事長の御発言を持って上がりました。ここに書いてあるのは、政策不在と、そして、政治姿勢に対して国民がノーと言っているんだということを言われています。 堺屋長官は私に対して——眠っていらっしゃるようでございますが、菊の花が咲くころには景気は実感できるというふうにおっしゃいました。しかし、ツバキの花はもう落ちようとしている。こういう状況の中で、私は、今のような答弁であれば決して森内閣を信任することはできない。一刻も早く退陣をしていただくか、そして国民の皆さんに信を問うて、ビジョンを問うていただきたい、このことを訴えて、総理の答弁を求めたいと思います。
○森内閣総理大臣 これを全部今読む時間がございませんでしたが、政策が不在であるということであれば、党内のことでございますから、政策の提言もぜひしていただきたかったし、また、私はいつでもお目にかかってお話も聞きたいということを申し上げていたわけですが、それがなかったというのはとても残念です。ただ、我が党からそして政府から出している法案については、党内での十分な議論をしているわけでありますし、そして、それを総合的には政務調査会あるいは総務会でも議論をし、加藤先生もそのことはよく御存じなわけでありますから、その時点でいろいろとお話をされるのが私は政党政治のあり方だろうというふうに思っております。 ただ、御指摘ありましたように、かつての私が不信任のときに欠席をした云々のことをもし取り上げられるということは、その当時の状況とは全く違っておりまして、当時は、会議をしております中にベルが鳴って本会議が始まったという、そういう経緯がございますが、そんなことを申し上げているとまた時間がかかってしまいます。ただ、そのことがあって報復的にやるというようなことではまさかなかろうというふうに、加藤さんのような立派な政治家はそのようなことはなさるんではないだろうな、そう私は信頼を申し上げております。
○原口委員 終わります。
○原田委員長 これにて仙谷君、日野君、原口君の質疑は終了いたしました。 次に、達増拓也君。
○達増委員 まず、ブレア・イギリス首相に森総理大臣が、北朝鮮拉致被害者について行方不明者として第三国で発見されたことにしてほしいという話を、そういう第三国発見論を語ったことから質問をさせていただきたいと思います。 先ほど、日野委員の質問に対して総理は、るる、自分はこういうつもりでしゃべったということを説明されましたが、自分がこういうつもりでしゃべったというだけでは外交は完結しません。相手がどのように受けとめたかが問題であります。 ブレア首相は、総理の先ほど述べられたような話を聞いて、総理が今日本政府はそういう考えではないとはっきり否定したのでないならば、今でも日本政府はそういう考えである、あるいは少なくとも日本政府の選択肢の中に第三国発見が入っていると受けとめるはずであります。それはブレア首相だけではありません、北朝鮮当局、そして世界じゅうの人々がそう受けとめる危険性がある、それがこの問題の本質であります。いかがですか、総理。
○森内閣総理大臣 先ほどからもるる申し上げておりますけれども、政府がこういう考え方を示したということを申し上げたわけでもありませんし、ブレア首相とお目にかかったときは、私は日本の総理という立場でお会いしていますが、日本の政府はこういう解決策があるというふうに申し上げたわけではないんです。三年前にたまたま三党の訪朝団が伺ったときに、この拉致問題については、そういう話はないと言って机をたたいて議論にはならなくなったので、当時の副団長であった中山さんがああいう提言をされました。しかし、それも基本的には半年後に行方不明者というのはないんだという報告があった、だから、それほどこの問題は大変難しい問題なんですということを申し上げたわけでありまして、達増さんも恐らくそのころは外務省にいらっしゃったわけでしょう、恐らくお耳に入っておられたかどうかわかりませんけれども。 当時としては、政党同士でそういう話し合いをしたということの過去の問題を、ブレア首相にいかに難しいものであるかということを一つの例証としてお伝えをしたということで、そのことについて意見を求めたわけでも何でもありません。
○達増委員 相手がどう受けとめるか、周りの人たちがどう受けとめるかを全く意に介さない、得手勝手な考え方としか言えません。外交のトップに立つ日本国の総理大臣として、全く無責任きわまるとしか言いようがございません。 総理の無責任な発言は、私も前回の予算委員会の質問のときに最初から受けて、大変驚いております。八月二日の予算委員会のときでありました。久世公堯金融再生委員長が三万三千人分の党費、一億円の党費を肩がわりしてもらったという問題について自治大臣に質問した際、直接質問していなかったんですが、総理が挙手をして出てこられて、久世公堯長官の党費肩がわり問題について問題になっていたときに、総理はこう言いました。後援会員や党員については、無作為で抽出して本物かどうか本人に意思を確かめている、だから大丈夫だということを総理はおっしゃられました。ですが、私が、だったらば党員について調査結果を公表すべきではないかとさらにその場でとっさに思いついて質問したところ、総理は、無作為で抽出をして調査をするというのは後援会員についてでございますと答弁をしました。 ございますではございません。党員について肩がわりについて問題にしているのに、後援会員については調査をしています、そして、私が追及の再質問をしなければ、後援会員や党員については無作為で抽出して本物かどうか調べているといううそが国会の会議録に残り、そしてそのうそがテレビを見ている国民の皆さんの記憶に残るところだったわけであります。 これは、その場をうまく切り抜けようとして、ついつい事実に反することや言わなくてもいいようなことを言ってしまうという森失言の典型的なパターンであります。私ごときの者に対してもとっさにそのような事実と違うことを言ってしまう、これは一国の指導者として非常に危うい。外交についても内政についても、そして国会の予算委員会のテレビの中継が入っている討論においても、そのような非常に安易なやり方で発言をされるというのは、これは非常に危ないことだと思っております。 さて、その党費肩がわり問題でありますが、その後、KSD豊明会は、村上正邦参議院議員の分として九万人分もの党費肩がわりを行っていたことが発覚しております。党費肩がわりというのは印鑑を使ってやっているそうでありますから、少なくとも有印私文書偽造という犯罪に当たるのは、これはもう確実であります。 さらに言えば、前回の予算委員会でも私が申し上げましたとおり、これは買収であります。三千円なら三千円の党費、本来なら払わなければならないものを、いわば現金三千円を相手に渡して、これで我々の党を支持してほしい、あるいは特定国会議員等を支持してほしい、三千円対価を相手に払って支持を依頼している、これは買収であります。 そういう組織的な犯罪が行われている現状で、八月二日の時点では党員についての調査はしていないという答弁でありましたけれども、現在はどうなんでしょうか。自民党総裁として、総理の御答弁をお願いいたします。
○森内閣総理大臣 ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団やKSD豊明会などがどのような活動をしているか、私自身も細かに承知しているわけではございませんが、いずれにいたしましても、今御質問がございました党員の点について申し上げれば、党員の申込書及び党費は、党則に従って支部で申し込みを受けた後、所定の手続を経て都道府県支部連合会から党本部に届けられるシステム、このようになっておりますので、適正な手続を経ているとの報告を私は受けております。 先ほどお話がございましたけれども、あのときの議論は、膨大な党員だとか後援会員で何か順位を決めているようだというような御指摘……(達増委員「弁解は結構」と呼ぶ)弁解を申し上げているのではない、先ほどあなたが御質問されたことについてお答えを申し上げている……(達増委員「答弁漏れなら、答弁漏れの謝罪をしてから答弁を続けてください」と呼ぶ)ですから、関連して申し上げているわけです。ですから、そういう党員の獲得については、これは、自民党の申込書にきちっと党費を支部で申し込みを受けた後、今申し上げたように、所定の手続を経て受けている、そういうシステムになっておりますから、適正な手続を経て事務局からそういうように報告を受けているということでございまして、そのことを先ほど冒頭で幾つかおっしゃった中に我が党に関することでございますのでお答えを申し上げたのに、そんな大きな声を出して怒られなくてもいいんじゃないでしょうか。
○達増委員 大自民党の党首、総裁であれば、司直あるいは労働省等行政の手で事実が解明される前に、まずみずからの手で自民党のそういう問題について事実関係を明らかにし、国民にそれを示すべきであります。 KSD問題については、その党費肩がわりの問題にも加えて、異常に高い、高額の広告費を自民党に納めている、八千万円クラスの広告費を納めている、そして、自民党議員らに、選挙の陣中見舞いであるとか、そういう数百万円、数千万単位のお金を流している、また、自民党の若手をKSD古関容疑者は料亭接待をしている、このように組織的に行われている犯罪であります。 こうした体質をそのままにして、今この予算委員会で補正予算について審議されているわけでありますけれども、この補正予算の中には、中小企業対策、中小企業保険の信用保証の拡大も含めて、かなりの中小企業対策予算が盛り込まれているわけでありますけれども、そのお金が、せっかく、苦しんでいる、困っている中小企業の皆さんにそういった予算が行き渡った。それが、個々の零細な中小企業も含めて、そのお金が吸い上げられて、このKSDを経由して、自民党の中に、これはもう何千万円単位、何億円単位で注ぎ込まれている。このような状態を放置したままでこの補正予算の審議ができると思いますか、総理。
○森内閣総理大臣 KSDの問題につきましては、先ほどからたびたび申し上げておりますように、理事長が逮捕されておりますので、今その捜査が進められている段階で、私の立場でこの問題について解明するということは、これは私は控えなければならない。捜査当局できちっとした結論を出してこられるかというふうに私は考えます。 その他、ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団、かねてからテレビや一般紙などに広告を載せて事業団の宣伝や会員募集を行っている、自民党の機関紙への広告掲載もそのまた一環であるというふうに私ども認識しておりますが、先ほどから数千万云々、あたかも自民党にどんどん流し込んでいるというような、そういうお例え話みたいな形がございましたが、これはよく調べてみますけれども、こうした場所で、あたかも自民党に多くの金が投げかけられているというようなことは、私は、極めて、御質問の中とはいえ、もう少しきちっとした数字を示してお話しになるべきだろうというふうに思いました。
○達増委員 自民党に大量のお金が注ぎ込まれていることは事実であります。 きょうは、もう一つそういう事例を取り上げたいと思います。 それは、愛媛県八幡浜市の須田トンネル工事丸投げ問題に関する、これは西田自治大臣が社長をされていた会社、そして今でもその株の大部分を保有している西田興産という愛媛県の企業が丸投げをやっていた、こういう問題であります。 この問題について、今月開かれた愛媛県議会で質疑応答がなされたということでありますけれども、自治省、どのようにその事実関係を把握していますか。
○荒井政務次官 お答え申し上げます。 愛媛県議会の委員会でのやりとりでございまして、承知しておりません。
○達増委員 それでは、私の方から説明いたしましょう。 この問題は、堀田建設という地元の建設会社が須田トンネルについて十七億円で受注をし、公共事業であります、国民の税金十七億円、これで堀田建設がトンネル工事を受注し、県に対しては堀田建設が若築建設に発注をした。ところが、県に対しては堀田建設から若築建設に発注したと報告されているのでありますが、建設省に対する若築建設からの報告では、西田興産から十二億円で受注したと建設省にはっきりそのような届けが出ているわけであります。建設省、これは事実ですか。
○扇国務大臣 そのとおりでございます。
○達増委員 いわゆる裏ジョイントと言われる丸投げの手法であります。 堀田建設が受注した十七億円、これは後に二億円ふえて十九億円になっておりますけれども、西田興産、これが間に入って、若築建設は十二億円での受注でありますから、五億円から七億円、どこに行ってしまったのかという問題であります。 西田自治大臣は、こういう問題もある中で、ことし七月四日、大臣就任のときの記者会見で、受注しているのは若築建設なんでありますが、大臣が七月四日就任されたころには中尾元建設大臣の逮捕が問題になっておりました。許永中被告、若築建設、石橋産業といった、そういった関係者と、果たして西田自治大臣は関係がないのかということが記者会見で聞かれたときに、西田自治大臣は、そういう関係者らとは面識は一切ありません、許永中被告や若築建設、石橋産業の関係者らとは面識は一切ありませんと記者会見で答えられていますけれども、それを訂正するつもりはございませんか。
○西田国務大臣 先般、一部の週刊誌で憶測に基づいて、あたかも私が許永中被告や石橋産業と親しい関係にあるかのような記事が掲載され、大変残念に思っております。私は、今まで申し上げたとおり、許永中被告や石橋産業とお会いしたことは一度もありません。また、若築建設の経営陣とも全く面識がないわけでございます。
○達増委員 自由党の調査によりますと、この須田トンネルの工事の落札の際、落札が決まった直後、平成九年の秋口ごろ、西田興産がその工事を取り仕切り、若築建設に工事をさせるとの動きがあり、堀田建設は、これは問題だとして、地元で西田興産との間でやりとりがあった由であります。 その結果、決着がつかず、当時の西田興産の社長、西田洋一氏、これは西田大臣の御長男でありますが、その西田社長が、若築建設との関係は地元では対応できない、どうしてもというのならば西田司議員に会ってくれということで、堀田建設の社長、堀田喜一郎氏が上京する運びとなり、議員会館で西田議員と面会した。その際、堀田社長から、須田トンネル工事について、若築建設との関係はどうなっているのか説明してほしいと質問したところ、西田議員は、説明する必要はないと言い、これを追い返した。 ところが、地元の方では、同工事について、工事現場での若築建設の幹部職員の話によると、この工事は若築建設の東京本社の判断で政治物件として決まったものだ、本社から十二億円で受けろと四国支店に指示があったものだとの証言があります。 以上のことから、今、西田大臣が若築の経営陣と知り合いがないという御答弁をされましたけれども、それは一体どういうことなんでしょうか。
○西田国務大臣 今の最後の質問は、若築建設の経営陣と関係がないという理由はどうか、こういうことだと思いますけれども、私は、先ほどもお答えを申し上げたとおり、若築建設等の経営陣とどなたとも接触をしたり話をしたりしたことはございません。
○達増委員 経営陣との接触がないということであれば、では、そのオーナーであるとか株式保有者であるとか、そういったところとの接触はあったわけですか。
○西田国務大臣 今御指摘のような方々とも、私はお会いをしたり接触をしたりしたことはございません。 なぜ私が経営陣と申し上げたかと申しますと、地方では出張所とかそういうところの若い方々があいさつに見えることがございますので、全く若築建設と会っておらないということになるとうそになりますから、先ほど申し上げたようなお答えでございます。
○達増委員 愛媛県では、今申し上げた須田トンネルのほかに、伊方町の町道トンネル工事でも、これは西田興産が落札し、若築建設に丸投げしたということが発覚しております。 これだけの関係が若築建設とあるにもかかわらず、かつて社長であり、今実質的にオーナーである西田大臣が会ってない、関係ないということは、大きな疑問であります。特に、須田トンネルのケースだけでも五億円から七億円のお金が差額として出ているわけであります。一方で、西田大臣は、これは前回、八月二日の国会で、この予算委員会でも御答弁されたとおり、その西田興産から二十億借り入れているわけですね。そうしますと、西田興産という会社から二十億円大臣にお金が流れている。その二十億円、これがどのような形でつくられたのか。国民の税金、公共事業、それがそこに流れていないのか。 こうした構造にメスが入らないままで、この補正予算、公共事業をかなり含んでおります。景気対策ということで公共事業の予算も含んである。こういった予算について、それが、先ほどの中小企業対策費の場合もそうでありますが、この公共事業費の場合もそうでありますが、団体や業界との組織的な犯罪によって、結局、国民の税金が自民党の手に渡ってしまう、自民党議員の手に渡ってしまう、そういう巨大なむだ遣いに賛成するわけにはいかないわけであります。 今国会ではあっせん利得罪、こういう新しい禁止、処罰項目をつくって、これを取り締まり、もって政治の構造を改革して、こういうことが起こらないようにしようという提案が野党側からあったわけでありますけれども、与党側から、ざる法である抜け道の多い案が出て、衆議院ではそちらの方が通過してしまいました。 総理は、相次ぐ、たび重なる質問の中で、与党のあっせん利得罪法案は政治活動の自由を損なわないからよいと何度も発言しておられますし、与党の答弁者も、あっせん利得罪法案をめぐる議論の中で、これは野党案と違って政治家の日常の活動を束縛しないからいいとおっしゃっておりましたけれども、これは結局、総理は、そういうあっせん、口きき、個別の要求を個別に役所に働きかけて処理していく、こういうことが政治活動だというお考えに基づいておられる、そういうことなんでしょうか。
○森内閣総理大臣 いろいろと御指摘がございましたけれども、政治倫理を一層確立していくためには何よりも政治家一人一人の自覚が大切である、このように考えておりますし、終始私はそのことを申し上げてまいりました。 遺憾ながら、政治家と金をめぐる事件というのが絶無となっていないという今日の中で、国民の政治不信が深まっているということは現実であろうというふうに私は承知をいたしております。 こうした中で、私は、前国会のときから、このあっせん利得処罰につきましてはぜひこの国会中に成立すべきだという認識はずっと示してまいりました。そして、法制化に当たりましては、その目的と構成要件を明確にして、かつ国民の要望を幅広く行政に反映させるという政治の役割にも配慮する必要があるというふうにも繰り返し申し上げてまいりました。与党三党におかれましては、こうした論点を十分に踏まえまして、構成要件や対象行為を明確に定め、実効性の確保に努められたものと承知をいたしておりまして、政治本来の機能に配慮しつつ、政治に携わる公務員の政治活動の廉潔性と、これに対する国民の信頼を確保する上で大きな効果を有しているものと考えております。 したがって、この法案は利権体質の温存になるという御指摘は当たらないものと私は考えておりまして、衆議院において可決をされているところでございますので、政治に対する国民の信頼を高めるためにも、参議院において十分な御議論をいただきまして、ぜひこの国会で成立させていただくことを期待いたしております。
○達増委員 これは国民の多くが総理に聞いてみたいと思っていることだと思うので伺いますけれども、総理は、夜な夜な地元石川県関係の方と高級料亭で会食を重ねたり、あるいは週末に自分の卒業校、母校の野球応援に行ったりする、そういうことも政治活動とお考えなんでしょうか。
○森内閣総理大臣 誤解を生むから申し上げておきますが、選挙区の方がお見えになってそんな豪華な料亭などには行っておりません。 私の後援会の皆さんは、ありがたいことに皆さんが自分で会費を払って、私が計算しても、石川県から飛行機を使って一泊されると一回五万円ぐらいかかるんだと思いますが、皆さんは御自分のお金で来られて、私を激励してくれる立場もありますし、あるいは私の国会の状況を見たいということでお見えになるわけですが、必ずしもすべて皆さんとお会いしているわけではございません。毎週多くの方が見えますけれども、ほとんどお目にかかっていない方の方が多いということだけは、私は明確に申し上げておきたいと思います。 野球に行ったり、ラグビーに行ったり、音楽会に行ったりすることは、これは個人の趣味の問題でありまして、政務の、少なくとも国会運営でありますとか政党の活動でありますとか、そういうことに支障を来さない範囲の中で自分の趣味として進めていることもございますし、また、あなたも外務省におられたからよくおわかりのとおりだと思いますが、国際試合などがあれば、やはりその国の関係者たちがぜひ見てほしいということを言われる、そういう選手等を激励してくれと言われることもある。そうしたことにおこたえすることは、ある意味ではまた政治活動なのかもしれませんけれども、一概にどちらが個人でどちらが政治活動だというようなことは言えないと思いますが、良識の中で自分で判断をして行動しているつもりでございます。
○達増委員 野球応援が趣味だということはわかりましたが、地元の皆さんと会食をすることが政治活動かどうかという私の質問になぜ答えられなかったんですか。
○森内閣総理大臣 野球の応援は趣味だとは私は言っておりませんよ。それから、選挙区の人たちと会食することが政治活動と言っていますが、私はそんなにいたしておりませんということを申し上げているんです。 皆さんがお見えになって、皆さんの会費で食事をなさることは当然あるでしょう。時間があればちょっと顔を出して、激励することもあるでしょう。それだけのことであって、私は、むしろごちそうになるケースの方が多いと思いますね、そういうところへ伺えば。 しかしそんなに、記録をお調べいただいたら結構だと思いますが、マスコミは多少そういうところを誇張してお書きになっているんだと思いますが、私はどういうふうに言われてもいいと思います。ただ、私をやはり選んでくれた私の選挙区の後援者の皆さんに対して失礼なことがあってはならないと思うので、私はあえてこのことを申し上げておきます。
○達増委員 なぜ、政治活動かどうかという質問に答えないんですか。
○森内閣総理大臣 何が政治活動かどうかというのは、どうもそこのところは私もわかりませんが。
○達増委員 はい、わかりました。理由はわかりました。何が政治活動かがわからない、それが森内閣の本質であります。 森総理は、就任以来、景気の回復が何より重要と繰り返し、六月の総選挙の際は、景気回復最優先という自民党のポスターが全国に張られました。今でも見かけることがございます。しかし、森総理が総理になられた四月五日の日経平均株価二万四百六十二円が、きょうは一万四千五百円台を上下しておりますけれども、小渕前総理が命をかけて一生懸命働いて一万二千円台から二万円に引き上げた、一年半かけて八千円引き上げた株価が、森総理は半年余りで五千五百円引き下げてしまう格好になったわけであります。 景気回復最優先と言うのであれば、なぜ九月二十一日に開催されているこの臨時国会に、きょうになって我々が予算の審議ということになるのでありましょうか。この臨時国会、秋の臨時国会というのは、常識であれば補正予算がメーンになる、補正予算のための秋の臨時国会であるはずでありますけれども、この秋の臨時国会は参院選最優先の臨時国会でなかったのでないでしょうか。 景気回復最優先という公約とは裏腹に、実は、参院選最優先で非拘束名簿式導入がまず最初にあり、そして、その後はあっせん利得について野党案をつぶし、与党案を通す、それが終わるまでは予算審議をしない。これは、景気回復最優先という総理の公約について、政府・与党一丸となってうそをついていると言われてもしようがないと思いますけれども、いかがでしょうか。
○宮澤国務大臣 御承知のように、この補正予算を編成いたしますのに、まずここに盛るべき経済対策について、与党各党の間で御協議があり、また関係各省庁からも予算に盛り込むべき事項を持ってきてもらいまして、それだけ長い時間がかかりました。それからまた、その印刷につきまして、今回は二つの、新しい省庁編成の部分も入れなければなりませんので、当然に印刷に必要な時間がかかりまして、ほかの法案の御審議を待っておくれて提出をいたしたということはございません。できるだけ速やかに御提出を申し上げた次第であります。
○達増委員 景気回復最優先という自民党のポスターが、むなしく半分ちぎれてはためいている全国各地の状況でございます。 さて、この森政権というのは、四月五日、自民党と公明党・改革クラブ、保守党の三党連立政権合意があって、それに基づいてできた連立政権であります。この連立政権合意、改めてみんなで確認したいと思いますので、お配りいただきたいんですが、委員長。 自由民主党、公明党・改革クラブ、保守党は、緊急に解決すべき課題が山積するなか、政治空白を生ずることなく、二十一世紀への新しい日本の国づくりを目指した内政・外交を推進するため、連立政権を築きあげることを合意する。 「緊急に解決すべき課題が山積」しているという認識から七カ月たっておりますが、そのうちどれだけが解決されたのでありましょうか。「政治空白を生ずることなく、」と書かれてありますけれども、実はこの七カ月そのものが政治空白だったのではないでしょうか。 その後、 三党派は、今日までの連立政権の多くの成果をふまえ、 これは自自公の連立政権のことでありますが、 政策の継続性を念頭におきつつ、心機一転、強固な信頼関係に基づく協力により、日本経済の新生と大胆な構造改革に挑戦し、国民の負託に応えるものである。 「日本経済の新生と大胆な構造改革に挑戦」、これがこの七カ月間の間にどのように行われたのでありましょうか。結局、結びにある「国民の負託に応えるものである。」国民の負託にこたえられたのかどうか、それが今我々が突きつけられている質問でありますが、この点について総理はどうお考えでありますか。
○森内閣総理大臣 日本経済新生のためには景気回復と経済の構造改革を車の両輪として進める必要があるということは、しばしば申し上げてきたところであります。こういう認識のもとに、私は日本経済の新生と大胆な構造改革に取り組んでまいりました。こうした政府・与党の一貫した経済運営によりまして、現在我が国経済は緩やかな改善を続けておりまして、本格的な景気回復までにあと一歩のところまで来ている、このように認識をいたしております。 さらに、持続的な成長軌道に我が国経済を乗せるべく、先般、IT革命の推進等四分野に重点を置きました日本新生のための新発展政策を策定し、これに沿った補正予算を国会に提出いたしまして、こうして本日御審議をいただいているところでございます。 また、新たに設置をいたしましたIT戦略会議や産業新生会議での議論を踏まえまして、IT基本法案の策定を初めとする日本型IT社会実現のための各般の施策の実施や企業法制の見直しなど、新たな時代に対応した経済構造改革を今進めているところでございます。 このように、我が国経済の新生と構造改革に向け着実に政策を遂行してきておりまして、今後も日本新生のために全力を投入してまいりたい、このように考えております。
○達増委員 「政策の継続性を念頭におきつつ、」と言い、実際継続しているのは、課題が解決されないという現状が継続しているのみであります。 もともと、改革をしないと言った人たちと改革をしなくていいと言った人たちがつくった連立政権でありますから、反改革のきわみ、究極の守旧派政権、それが今ついに自民党の中からも、自民党として離党勧告を出さざるを得ないような、そういう事態に立ち至り、崩壊しようとしているのは当然であります。 この連立に参加した公明党、そして保守党も、この際、改革の初心に戻って、内閣不信任案が出たときにはそれに賛成することを勧めまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○原田委員長 これにて達増君の質疑は終了いたしました。 次に、山口富男君。
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男でございます。 私は、日本共産党を代表して、森総理に、あなたの政権と政治の七カ月について、総決算的にお伺いしたいと思います。 総理も御承知のように、今やどの世論調査をとってみても、七割から八割の方々があなたを支持していない、支持しない、このように表明しています。もともと低かった支持率が、今下がり続けて、とうとう一〇%台です。森政権は、私、完全に世論から見放されていると思います。今や、だれが見ても、だれが考えても、もうもたない内閣ということではないでしょうか。 そこで、初めに、森総理、あなた自身が今政権への支持がなぜこんなに低いものになっていると考えていらっしゃるのか、この点を端的にお答えいただきたいと思います。 〔委員長退席、甘利委員長代理着席〕
○森内閣総理大臣 たびたび、午前中から御質問の中にこうした御指摘がございます。支持率、不支持率、さまざまな要因があると思っておりまして、また私に対するある意味では叱咤激励でもあるというふうにも思っておりますが、こうした国民の考え方というものを十分に私どもとしても認識をしながら、何としても日本の経済を本格的な回復軌道に乗せたい。そして、新しい二十一世紀が開かれる、まさに前夜でありますこの時点で、さまざまな国民の不安に対してできる限りの措置をしておきたい、こういう意味で努力をいたしておるところでございます。 支持率、不支持率は、先ほど申し上げたように、そのまま謙虚に受けとめておきますが、支持率のために政治をやるということではなくて、国家国民のために何をしっかりとやるかということが重要だと思いますし、それが問われていると思って全力を傾けて努力してまいりたい、こう考えております。
○山口(富)委員 あなたは全力を傾けているそうですが、全力を傾けている割には、きょうの質疑の中でも、だんだんと効果はあらわれてくるんだ、こういうお話がありましたが、効果があらわれるどころか、内閣の火が、日を追って支持率が下がっているんじゃありませんか。私は、国民の皆さんがあなた方のやってきたことをよく理解し、知っているからこそ、支持をしていない、支持しない、この声が高まっていると思うんです。 それで、具体的に、あなたの言ってきたことややってきたことを振り返ってみたいと思います。 まず、五月に神の国の発言がありました。あの発言では、戦前の侵略戦争の旗印を持ち出して戦後の主権在民の日本を忘れた、そういう批判がありました。そして、海外からは、世界大戦の亡霊がよみがえった、こういう驚きの論評さえ上がりました。 それから、六月の選挙のさなかです。投票に関心がないと寝てしまってくれればいい、こういう発言が行われました。これも、主権者の政治への参加を余りにも軽くみなしたものだと思うんです。 あなたのこれらの発言は、単なる失言ではなくて、どの発言も民主主義の基本にかかわる重大な発言だったと思います。だからこそ国民は、あなたに安心して政治を託せない、こう考えたんじゃありませんか。答弁を求めます。
○森内閣総理大臣 私の発言が、こうして今御指摘がありますように、御批判があることも十分承知をしておりますが、私の話の仕方がまずいのかもしれませんけれども、そのことだけを申し上げてきたわけではございません。 神の国と申し上げたことも、天皇を申し上げたことも、象徴憲法として、我が国は、戦後、民主主義の国家としてこうして維持発展をされてきていること、このことをやはり大事にしていこうと。日本国憲法の第一条で、象徴天皇として憲法が定めているわけでありますから、そういう国として大事にしていきましょうということは当然の前提でございまして、私は、そういう基本的なスタンスは全く間違っているとは思っておりません。 同時に、宗教のお話を申し上げましたけれども、私が常々申し上げておりますように、宗教はそれぞれの人の心に宿る文化でありますから、いかなる宗教であれ、それぞれ信ずるものを大事にしなければならぬということを申し上げております。指摘をされましたあの日にもそのことをきちっと申し上げておりますが、残念ながら、そこのところは全くマスコミが取り扱ってくれなかったということで、非常に私も残念な思いをいたしておりますが、あのときの話を全部読んでくださればよくわかることだと思います。 あるいはまた、選挙中に寝ていてくれたらいいなんてことを言っているわけじゃありませんので、そういうことを思っていちゃいけませんよということを私はあのとき申し上げたのですね。ところが、その後のことは全く……(発言する者あり)いや、これはお調べになればわかりますよ、そのところだけを取り上げられた。 ちょうど小渕前総理が、いわゆるクエスチョンタイムのときもそれに近い御発言をされて、非常に悔しい思いをされた。最初のことだけを取り上げられて、そしてそのことだけが酷評されたということで、本当に彼はつらい思いをしておられて、私にはそのことを何度も何度も、御生前中に話をしておられたことを思い出すわけでありますが、やはり私も、全体を通して我々の主張というものをぜひ理解してほしいなというふうに思っております。
○山口(富)委員 政治家の発言にとって、やはり長さの問題じゃなくて、どこに核心があったのか、このことが大事だと思うのです。総理は、話がどうもうまく伝わらなかったようだ、こういうふうに説明なさいましたけれども、今改めて当時の発言を振り返ってみても、どの発言をとっても、もともと誤解のしようがないものだったと思うのです。 例えば、五月十五日の発言では、日本の国はまさに天皇を中心としている神の国であるぞということを国民の皆さんにしっかりと承知していただく、こういうふうに述べておりましたし、選挙に関心がないといって寝てしまってくれればそれでよい。前後があったとしても、一体これらの発言のどこに主権在民と民主主義の精神があるのか、やはり批判が高まるのは当然だと思います。 それから十月です。いわゆる拉致疑惑に関して、イギリスのブレア首相との会談で、あなたは、例の第三国発見案、これを持ち出しました。外交交渉が継続中の問題を、全く関係のない、それこそ第三国の方に、その首脳に平気で話すわけですから、ここにも外交の初歩に反した、やはりうまくない問題がはっきりあったというふうに思うのです。 その上、重大なのは、やはり七月以降をとってみても、閣僚が相次いで辞任せざるを得ない事態が生まれていることです。 七月には、久世金融再生委員長が、企業・団体による幽霊党員の確保と一億円の党費の立てかえ、それから金融機関からの利益供与の疑いで辞任しました。しかも、今も一億円は一体どこにどういう名目で入ったのか詳細は不明で、総理自身も調査をしようともなさりませんでした。 さらに十月、内閣のかなめである中川官房長官が、政治家としての致命的弱点を右翼団体幹部に握られ、捜査情報を漏らしたという疑惑で辞任いたしました。総理自身、党首討論での我が党の不破委員長の質問に、脅迫をされたのは中川さんだ、こういうふうにはっきりお認めになりました。脅迫をされるようなことをやっていたということじゃありませんか。 ところが、総理は、中川氏をかばい続けて、きちんとした調査をしようともしない。厳しく言えば、臭い物にはふた、これが、総理、あなたの一貫した態度ではなかったのですか。答えていただきたいと思います。
○森内閣総理大臣 多くおっしゃいましたので、全部お答えできるかわかりませんが、中川さんの問題については、私は、脅迫というふうに申し上げたのは、たしかこの委員会だったと思いましたけれども、どなたかちょっと忘れました、菅さんだったか、不破委員長でしたか、何か手紙の写しのようなものをお見せになって、私はそのとき初めてそのことを知ったのです。ですから、そういう手紙が内容証明で中川議員のところに送られるということは、中川さんにとってはやはり脅迫というのでしょうか、何か言われているんだなということを思いましたから、そのことを申し上げたのであって、私は内容のことは全く承知いたしておりません。 ただ、この件については、中川さんの方ではきちっと今告訴をされて、もう法的手続は終わったというふうに聞いておりますが、いずれ解明されることだと思いますし、私は、政治家としても、また個人的にも、人間としても、このことをしっかりとやはり解明されることが大事ですよということを申し上げておりますし、御本人も、そのことをしっかりやりたい、こうおっしゃっておられますので、その結果をやはり待つべきだろう、こういうふうに思います。 久世議員の問題につきましては、我が党に入りましたのは、たびたび申し上げておりますが、自由民主会館に寄附としてそれが支払われたものであって、これはきちんと銀行にもその記録が残っております。自由民主会館は、ビル管理のいろいろなことに、人件費等にこのことを充てているわけでありまして、それを政治的にどうこう使っているというような、そういう事実は全くないわけであります。 いずれにいたしましても、私どもとしては、そのことが的確に調査をされて、そして自民党からきちっとそのことについては報告をされている、私はこのような報告も受けているところでございます。
○山口(富)委員 総理は、中川官房長官の問題については、脅迫をされたのではないかという、内容上はお認めになりました。 それから、久世金融再生委員長の問題でいいますと、実はその一億円はどこに行ったのかという説明が、久世さんの説明と総理の説明が食い違っているわけですから、私たちは、いまだに詳細は不明だ、こういうふうに申し上げているんです。 さて、政治家の場合、調査といったときに、すぐに警察の問題を頭に浮かべるのじゃなくて、やはり事実に基づいて、問題が提起されれば、政治家の国民に事実を明らかにするという立場から必要な調査が行われてしかるべきだと思うんです。それが今度行われていないわけですから、やはり自浄作用が疑われたんじゃないでしょうか。私は、国民の皆さんが、総理みずからの内閣の不始末にきちんと対応できないことにあきれ果てていると思うんです。そしてもう一つ、そういうあきれ果てた中身というのは、総理御自身の政治の中身に批判を寄せている、そういうあきれもあると思います。 それで、次に景気の問題を取り上げてみたいんですが、総理府が発表している世論調査を見ましても、政府に対する要望で大きなものは二つあります。一つは景気対策、もう一つは社会保障の充実です。この二つの要望にこたえるどころか、心配の種と国民負担をふやして、景気を冷え込ませているのがあなたの政治ではないかと私は思うんです。景気の問題では、経済活動の六割を占める個人消費、日々の暮らしに力が戻ってこそ、国民の皆さんの暮らしに力が戻ってこそ回復に向かうわけですけれども、あなたは、個人消費はおおむね横ばい、一進一退、この間このことを大分繰り返しお述べになりました。 総理、あなたは、個人消費を直接大きく温めるような具体的手だて、これを何か一つでも打ってきましたか。お答え願います。
○森内閣総理大臣 個人消費は、GDPの約六割という大きなウエートを占めておりまして、極めて重要なものだというふうに認識をいたしておりますし、また、今日のいろいろな景況感を見ましても、今御指摘がありましたように、消費の面だけがもう一つ、一進一退しているな、そういう状況は、我々も十分にそのことについては熟知をしておるわけでございます。 政府といたしましては、この十二年度予算におきましても、公共事業や中小企業対策あるいは雇用対策、最大限にこれを配慮するために、十一年からの恒久的減税を継続するなどして、人々の生活基盤の安定化につながる施策を積極的に講じているところでもあるわけです。 今回の日本新生のための新発展政策及びこれを受けました補正予算におきましては、IT革命の推進、環境対応あるいは高齢化対応、都市基盤整備の四分野に重点を置いて、生活基盤、防災のための施策、中小企業金融対策、住宅金融対策等、国民に直結したそういう分野をも盛り込みまして、全体として事業費十一兆円の事業を早急に実施したい、こういう意味で国会に今お願いをしているところであります。 これらの諸施策によりまして有効需要が創出されまして、国民の購買力向上につながっていく、このように我々としては期待をいたしておるところでございますので、ぜひ一日も早くこの補正予算が成立できますように、御協力をいただきますようにお願いを申し上げるところでございます。
○山口(富)委員 この十一月に発表された政府の月例経済報告を見ましても、「家計部門の改善が遅れるなど、厳しい状況をなお脱していない」、こういうふうに述べております。そして、景気判断を下方修正したことは御存じのとおりです。 そして、今補正予算の話が出ましたけれども、この中で、まともに暮らしを温める方策はごくわずかで、例えば、介護、医療、年金、この改善については全く盛り込まれていない。この点は、本会議で我が党の議員が質問したとおりです。 その上、国民の皆さんが今本当に怒っていらっしゃると思いますのは、例えば、一方では倒産件数が大変ふえて、帝国データバンクの調査によりますと、ことし一万五千八百三十八件が既に倒産した、しかも昨年度を十カ月間でもう既に上回っている、十月の負債総額は八兆五千億円で戦後最悪だ。そういう状態が一方にあるもとで、七月、八月に、民間の一百貨店の経営の不始末に対して、債権放棄という名目で国民の税金をつぎ込むことをお決めになった。その後、処理の仕方は変わりましたけれども、つぎ込む税金は非常に膨れ上がっているわけですね。 ですから、経済対策、経済運営一つとってみても、やはり政府みずからにモラルハザードが起きているとしか言いようがありません。その点で、総理、あなたの責任は極めて大きいと言わなきゃならないと思うのです。 もう一つ私が感じますのは、あなたの政治が国民の暮らしを冷え込ませる点ではいろいろ力を入れているようだ、このことなんです。 例えば、健康保険法の改悪です。全体で三千三十億円の国民負担がふえます。厚生省の試算によっても、七十歳以上のお年寄りの自己負担を見ますと、医療を受けている人も受けない人も含めて、年間約一万円の負担増になる。これはつい先日、十四日の日に厚生省の答弁で認めたばかりです。これに加えて、六十五歳以上の方は、来年十月から介護保険料の満額徴収が始まりますから、新たに四千億円も負担がふえる。ここでも一人当たり年間二万円を超える負担増になるのですね。 単に負担がふえただけじゃないのです。年金はどうか。ことしの年金制度の改悪の結果、基礎年金で五千億円、厚生年金で四千億円の支給減になったことは、総理も御存じだと思うのです。 こうやって見ますと、あなたのやり方は、負担はふやすけれども支給は減らす、こういうやり方ではないのですか。これでは、これからの冬、お年寄りは本当に寒くなるばかりだと思うのです。限られた収入の上に、今述べたような大きな負担をかぶせていくわけですから、これでは、消費が冷え込んで、景気回復の足も引っ張られるのはもう目に見えていると思うのです。 そこで、お聞きしますが、総理、社会保障の分野で、この森政権は、国民の要望にこたえて何か一つでも充実させたものがあるのですか。答えていただきたいと思います。 〔甘利委員長代理退席、委員長着席〕
○津島国務大臣 社会保障制度が国民のセーフティーネットとして非常に重要な役割を果たしていることは、御指摘を受けるまでもございません。そして、持続可能な安定した社会保障制度が高齢化が進む二十一世紀においても維持できるかどうか、この国民の大変な心配にこたえなければ、それは不安が広がってまいります。 そこで、私どもは、これまで数々の社会保障制度を安定させる努力をやってまいりました。 第一に、ことしの三月の年金の改正は、少子高齢化の進展や経済基調の変化を踏まえ、将来世代の過重な負担を防ぐという見地から、制度全般にわたる見直しを行い、長期的に安定し、信頼される制度を維持できるようにしたわけであります。 次に、介護保険でございますけれども、介護の必要な高齢者を支援するとともに、家族の負担を軽減することは極めて大事でございます。私どもは、この介護保険制度を導入いたしましたときに、御党に賛成していただけなかったのを非常に残念に思っておるわけでありますけれども、何としてもこの制度を安定させまして、多くの方々に、利用者負担についても、低所得者の方の負担が過大にならないように配慮をしつつ制度の安定を図ってまいらなければならない。今、努力をしておるところでございます。 次に、先般当院において御可決をいただきました健康保険法等の改正は、高齢者の定率一割負担制の導入など、医療制度の抜本改革の第一歩として行うものでございますが、この際、低い額の負担の上限を低所得者の方に決めるという配慮をするなど、きめ細かな措置を講じているところでございます。引き続いて、平成十四年度を目途に高齢者医療制度の見直しなどもしなければならない。今回、有識者会議の御提案を得て閣僚会議を設定したところでございます。 そこで、今私どもに求められているのは、国民に、ああこれならば社会保障制度はやっていけるなというしっかりしたものを見せることでございますが、委員の御質問を聞いておりますと、いかなる変化も、もしそれが多少の負担の増大につながればこれはやってはいけないというように聞こえるのでございますけれども、もしそうであれば、昔の例えば高齢者医療のように無料であるのが一番いいというふうに理論的には、ロジックとしてはつながっていくわけでございます。 私ははっきり申し上げますけれども、日本の社会保障制度を維持していくためには、みんなが可能な範囲内でこれを支え合うということが基本でございます。私は、国民の皆様方は、可能な範囲内で支え合うという私たちのこの考え方を十分御支持をいただけるほど賢明な国民だと思っております。
○山口(富)委員 津島厚生大臣、随分長々と苦しい答弁をなさったと思います。 セーフティーネットをつくるというのは、これはもう政党政派を超えて当たり前のことなんです。問題は、国民の皆さんがこの社会保障の問題でどういう声を上げているのか。あらゆる世論調査をとってみると、どれをとってみても、やはり年金、介護、医療の問題、これはもう不安でたまらない、これに政治がきちんとした責任を果たしていないじゃないか、このことははっきりしているじゃないですか。 私は、あなたの答弁、話——結構です。幾つか私、介護の問題でも紹介したいと思うのです。 例えば、介護の問題でいいますと、あなたはきめ細やかな制度とおっしゃいました。安心を持っていただきたい、こういう話もされたようです。しかし、実態はどうか。 例えば、これから私紹介いたしますのは、長崎県での介護保険一一〇番に寄せられた相談ですけれども、こういう声が沸き起こっております。年金から四千七百円介護保険料が引かれている、半額でこれなら全額だと一体どうなるのか。二人合わせて七千円が天引きされた、年金を頼りに生活しているので困る。こういう声が全国で沸き上がっております。 だから、津島厚生大臣御存じだと思いますが、この十一月九日に全国市長会が、介護保険制度に関する決議、これを発表したのを御存じですか。 この決議の中身は、時間がありませんから私の方で紹介いたします。この中身は、十月から一号保険料の徴収を行っているが、滞納者の発生及びこれに伴う混乱が憂慮されている、このように厳しい現状を述べて、現行の制度そのものに内在する問題を個々の自治体で解決することは困難だ、ここまで述べているんです。そして、困難だから、次のように国に要求しています。介護保険制度における低所得者対策の問題は、制度施行後の実態を踏まえ、国の制度として、総合的な対策を速やかに講じるよう求める、こういう内容なんです。私は、これは国が混乱を起こさないための手当てをまともにきちんとやっていないんですから、全国市長会がこのような決議を上げるのはもう当然だと思うのです。 さて、最後に、きょうは補正予算の問題、これはぜひ聞きたいので、財政破綻の問題にかかわって補正予算にかかわる問題を取り上げたいのですが、今提出されている補正予算を見ますと、ITの名前を載せていますけれども、その中身は、いろいろなマスコミが批判しているように、相変わらず従来型の公共事業への大盤振る舞いになっております。その上、赤字を減らすどころか、約二兆円の建設国債の増発を盛り込んでおります。そして、本来借金の返済に充てるべき一兆四百二億円の剰余金、これまで全額使ってしまう計画になっています。 そこで、お聞きしますが、総理、あなたは財政法第六条に何と書いてあるのか御存じですか。
○宮澤国務大臣 剰余金の半分は、翌々年の国債整理基金に送らなければならないということが考え方の基本であります。
○山口(富)委員 総理にお願いいたします。
○森内閣総理大臣 大蔵大臣が申し上げたとおりでございます。
○山口(富)委員 財政法の第六条というのは、繰り返しになりますけれども、財政の健全化の観点から、決算で歳入歳出の剰余金が出た場合に、少なくともその二分の一を国債の償還あるいは借入金の返済に充てよう、こういうものですね。それで、こういう規定が財政法に盛り込まれた経過を見ますと、国の予算が国債や借金で支えられている場合に、たとえ剰余金が出ても、その性格というのはいわゆる借金の使い残し、そういう中身を持っておりますから、そこに手をつけないで、その半額は借金の返済に充てよう、こういう仕組みです。 でしたら、赤字国債の発行が始まった一九七五年以降をとってみて、剰余金はどのように使われてきたか御存じですか。宮澤大蔵大臣でも結構ですけれども。
○宮澤国務大臣 それは、基本的にはきっと六条でやってきたと思いますが、時々、特例法案を国会にお願いして、そのお許しを受けてこういうことをやってまいったと思います。
○山口(富)委員 では、私が調べた中身を報告いたしましょう。 七五年以降をとってみると、二分の一を国債の償還に充てたのが十回、それから全額を国債の償還に充てたのが三回あります。合わせて十三回。これに反して、特例法をつくって剰余金の全額を一般財源に充てたのが八回あります。これは、振り返ってみますと、こういう経過で剰余金を使ったために、国債がふえて残高をふやしたその要因になっていることは紛れもないと思うのです。 しかも、今の状況を見ますと、政府自身がみずから持続不可能と言うほどの財政破綻なんですね。国と地方を合わせて六百四十五兆円、国民一人当たりですと五百十六万円にも上る借金を抱えている。こういうもとで剰余金の全額を使ってしまうというのですから、そんなことは、文字どおり今回初めてということではありませんか。宮澤さんにお伺いいたします。
○宮澤国務大臣 今回の補正予算では、御承知のとおり、今年生ずべき税収につきましても、見通し可能な限りで、一兆二千億円ほど財源として組み込むような努力をいたしまして、できるだけ国債の発行を少なくしようと考えました。 言われますように、半分を国債整理基金に繰り込むという六条のようにいたしますと、その部分は、実は新しく国債を発行いたしませんと財源がございませんので、それはいかにも、どうも常識に合わないことである、こう考えています。
○山口(富)委員 ですから、そこに剰余金を使うことの無理が生まれてくるのです。 さて、財政法を破ってまでも森総理は剰余金を使うというわけですが、それではお聞きいたしますが、あなたは、それほど財政再建についてのんびりお考えになっているのですか。二十一世紀に向けてこれでは、やはり後は野となれ山となれになってしまうのじゃないですか。そのことを最後にお聞きします。
○森内閣総理大臣 常々申し上げておりますように、財政は極めて厳しい状況にありまして、財政構造改革は必ず実現しなければならないものであるが、二十一世紀の我が国の経済社会のあり方と切り離しては論ずることはできない、こう思っております。 たびたび国会でも申し上げてまいりましたので、重なるようでありますが、単に財政面にとどまらずに、税制やあるいは社会保障のあり方、さらには中央と地方との関係、そういう経済社会のあり方にまで及ぶ課題である、このように考えております。 これだけ大きな課題であるからこそ、まず我が国の経済の足元が不安定なままでは、この財政、経済の再建に取り組めないというふうに思います。何はともあれ、まずは経済の回復をさせるということが大事でありまして、我が国経済成長のしっかりとした道筋を見通して将来の計画のフレームを描いていきたい、このように考えております。
○原田委員長 これにて山口君の質疑は終了いたしました。(山口(富)委員「十六分までですが」と呼ぶ) 次に、横光克彦君。(発言する者あり)時間です。横光君、やってください。理事会で了解をとっています。(発言する者あり)
○山口(富)委員 一言。いろいろおっしゃいましたが、やはり財政再建と景気の問題は、両立させて考えていくことが必要だと思います。どの問題をとってみても、やはり森政権、国民の怒りへの無感覚、無責任ははっきりしたと思います。私は、森自民党政権に二十一世紀の国の政治を託すことなど絶対にできない。あなたが国民の声と願いにこたえるというなら、もうやめていただくしかない。 最後に、森政権の速やかな退陣を強く求めまして、質問を終わります。
○原田委員長 次に、横光克彦君。
○横光委員 社民党の横光克彦でございます。 総理は今ちょっとトイレに行っておりますが、質問をさせていただきます。 バブル崩壊後、補正予算を前提とした経済対策が連続して行われてきたわけでございます。今審議されておりますことしの補正予算案を含めまして、平成四年からことしの十二年までの八年間、この八年間の間に十回にわたり経済対策が行われてきたんですね。この八年間の事業規模の単純合計、いわゆる総合計ですね、これが百三十四兆でございます。その中で国費の投入が三十六兆でございます。これだけの経済対策を行ってきたわけでございますが、このような相次ぐ経済対策の効果は果たしてどうであったか。 そのことをちょっとパネルでお見せしたいと思うのですが、これがこの実質成長率と名目成長率の推移でございます。経済対策の後の平成四年から十一年まで、これは限りなくゼロに近い成長率、しかも平成十年、十一年は名目成長率がマイナスになっている。名目成長率がマイナスということは、御案内のように国民の所得そのものが減っているということで、先進国でこんな例はまずないわけですね。こういうふうに経済対策を行って財政支出は行ってきたのですが、いわゆる経済の押し上げ効果というものは、このグラフでおわかりのように、低下傾向を示している。 しかし、補正が必要でないと言っているわけじゃないのです。補正予算案というのは、いわゆる当初予算案を組んだ後に生じた理由によって組まざるを得ないときにはそれが許される、財政法二十九条にこのように書かれているわけです。ですから、これまで阪神・淡路大震災を初め大変な状況、災害対策、あるいは経済が危機的な状況のときには組んでいく、こういうこともこれまで行われてきました。しかし、最近補正予算が常態化してしまっている。これは、いわゆる当初予算を組むときに、まあ補正もあることだしというようなことで、補正を前提として当初予算を組む、そういった体質の変化に今なっていると思うのです。 そうしますと、これが繰り返されていくとどういうことになるか。この繰り返しによって、国の財政状況、いわゆる国債残高、はっきり言えば借金ですね、これがどのような状況になるかというのがこのグラフでございます。つまり、この公債残高の累進と財政危機の現状でございます。昭和四十年に国債の発行が始まったわけでございますが、百兆に突入したのが昭和五十八年。この間、約十八年かかっているんですね。二百兆に到達したのが平成六年。この間が十一年でございます。ところが、三百兆に到達したのが平成十一年でございますので、この間はもう五年間。しかも、ことしの十二年、今三百六十五兆という国債残高が残っている。そうしますと、このスピードでいけば、もう四百兆を突破するのはあと二年ぐらいでしょう。大変恐ろしいことだと思うんですね。 そうしますと、もっと恐ろしいことは、これに地方債が加わったときなんです。今は国債です。これに地方債が加われば、今年度末で六百四十五兆でございます。このスピードで国債を発行し続ければ、つまり、ここ数年、三十兆以上の国債を発行していますよね、大蔵大臣。これがこのまま続けば、国、地方を含めた借金というのはいずれ一千兆に到達するであろう。これはもう夢でなく悪夢ですよ。こういう状況が来るんではないか。 じゃ、このような膨大な借金はどのようにして返済していくのか。だれが返済していくのか。この借金をつくった私たちの時代では到底返済できません。私たちの子供たちや孫たちやその次の世代たちまで押しつけ回されるんです。二十一世紀の日本の中心になってくれる人たちに了解もなく、問答無用にという形で押しつけることになるわけです。 ですから、この実態が国民にわかっているだけに、将来不安というものをさらにあおって、一番心配されております、総理も先ほどから民需の活用が一番大事だと言っている、GDPの中心であります個人消費の伸び悩みにつながっているわけです。それは皆様も同じ認識だと思います。 もちろん、景気回復のために財政の果たす役割は重要だと思っております。公共事業も地方ではまだまだ必要ですし、これを否定するものではございません。しかし、私が申し上げたいのは、現状のようにむだを放置したままでのいわゆる財政出動は、景気刺激策としてはもはや効果を発揮しないのではないか。むだをなくすという歳出構造の徹底した見直しこそが今求められている。それに手をつけなければ国民の不安は解消できないと思うんですよ。加藤元幹事長や小泉さんが批判しているのもこのことなんです。与党の中でそういった声が上がっているんですね。 ですから、こういった国民の将来不安に対して総理はどのようにお考えなのか、お答えいただきたいと思います。
○宮澤国務大臣 御指摘になっておられます問題は、実は私も非常に心を痛める問題でございます。 ですから、これに対応いたしますのには、やはり固有の財源をふやすということが第一に必要でございます。したがって、毎年出していく国債を、固有の財源をふやすことによって幾らかでも漸減させるということが大事ですし、同時に、横光委員が言われますように、費用対効果の分析であるとか、あるいは公共事業におけるそういう選択であるとかいうことがどうしても、おっしゃいますように必要になってまいります。 それを申し上げました上で、しかし、これだけ累増いたしました国債を将来に向かって考えますと、やはり財政再建を考えますときに、経済成長を高めることによって固有の財源をふやす、あるいは国民の負担と給付というものを、国民的合意の中でやはり新しい水準を考えていく。それは場合によって給付の減になるかもしれないし、負担の増になるかもしれない。しかし、それは、いずれにしても国民的な選択を求めざるを得ないときが来る。 御心配していただいております問題は、私も同じように心を痛めております。
○横光委員 森総理にお考えを聞きたかったんですが、もう私、時間がございません。 森政権に対します国民の、今私が申し上げました景気対策を含めての支持率、これが、七〇%以上の方が不支持ということを表明している。いわゆる不信任を突きつけているわけですね。 私は、そういうことを考えますと、いわゆる森内閣の退陣こそが最大の景気対策である、これが国民の声であるということを申し上げて、質問を終わります。
○原田委員長 この際、辻元清美君から関連質疑の申し出があります。横光君の持ち時間の範囲内でこれを許します。辻元清美君。
○辻元委員 社会民主党、社民党の辻元清美です。 私は、前回の予算委員会で、ちょうど九月二十八日、この臨時国会がスタートした折も森総理と論戦させていただきました。その折に、この予算委員会で私はこのように最初に申し上げました。 今回の第百五十回国会は二十世紀の最後の国会になります、私は、この国会の責務は、まず政治にたまりにたまったうみを出し切るということが一つの大きな役割だと思っています。政治にたまったうみを出し切って二十一世紀をさわやかに迎えたいというように最初申し上げたことは、森総理も覚えていらっしゃると思うんです。 さて、本日、私たち野党は、共同で森内閣不信任案を提出いたします。間もなくです。この二十世紀がいよいよ終わりに差しかかるこの時期に政治を変えようという方向にかじを切ることができるのか、一人一人の議員が問われている緊迫した状況できょうは森総理と議論させていただきたいと思うんです。 さて、そういう中で、まず、先ほどから内閣の支持率について御答弁されています。七五%の方々が不支持という数字は深刻だと私は受けとめます。 私は、きのう大阪で、街頭での市民投票というのを行いました。それは、森内閣をあなたは信任しますか、不信任しますか。約三十分間の間に二百二十五名の方が投票されまして、二百十五人が不支持、十名が支持でした。私はこういう投票を街頭でよく行っているんですが、きのうは物すごい熱気でした。一人一人がマイクを持って、今の政治を変えたいということをはっきりと意見としておっしゃるというようなことを経験しました。 さて、そういう中で、私は森総理にお伺いしたいんですが、この不支持七五%と言われている原因、これは内閣の責任者でいらっしゃるわけですから分析をされていると思うんですが、どういうところに原因があると総理はお考えなのか、一、二点挙げていただきたいと思います。
○森内閣総理大臣 内閣の支持率あるいは不支持率に関する最近の厳しい調査結果については、きょうもたびたび申し上げておりますように、世論の動きを示す一つの指標として謙虚に受けとめております。 支持率の変動要因にはさまざまなものがあると考えておりますが、私としては、こういう厳しい状況にあればなおのこと、基本に立ち返って、国家国民のために何が必要かを常に第一に考えることが大切である、このように考えています。 そういう意味で、これも冒頭に申し上げたのでありますが、小渕内閣の後をお引き受けさせていただいて、まずは景気の回復をやりたいということで、これまでもいろいろ議論が尽くされておりますように、多くの施策を講じてきているところでありまして、あともう一歩というところに来ていると思いまして、この委員会でも今補正予算のお願いをいたしておるところでございます。
○辻元委員 今の御答弁は、先日、十一月十四日の本会議の速記録によりますと、世論の動きを示す一つの指標として私としても謙虚に受けとめておりますとか基本に立ち返る、同じことを繰り返していらっしゃるわけですね。私はそこに不支持の原因があると思うんです。まず、みずからの言葉で、なぜこういう事態を招いているのか深くお考えになり、そして国民に説明する責任があると思うんですね。 さて、それでは、私は不支持だと、きょう不信任案に賛成しますが、総理が今御答弁の中で具体的な点がございませんでしたので、幾つかの事例を挙げたいと思います。 先ほどからお話に出ておりますKSD問題です。これは、私は自民党問題であるという御自覚を総理がされるべきだと思います。KSD中小企業福祉事業団、年間二百七十億円もの巨額の会費を中小企業の皆さんから集める公益法人でありながら、三十億円を任意団体の豊明会に丸投げして、そこから政党支部としての自民党豊明支部を経由して、政治団体を経由させて、そして自民党国会議員にも流れていたと言われているわけです。これはKSDの問題というだけではなく、自民党そのものの問題として総理が受けとめられるべきだと思うんです。いかがお考えか。前回の総理の御答弁と同じ御答弁は避けていただきたい。 KSD中小企業福祉事業団に関しましては、現在、同財団前理事長等の横領容疑で捜査中でありまして、私の立場としては、これを見守りたいという、これは自民党の総理・総裁として、これだけ問題になっているのに、どういうふうにお考えなのか、率直にこの際おっしゃった方がいいですよ、見守りたいなんという無責任な御発言、この御答弁はいただきたくないと思いますので、きょうはこれと違う発言をしていただきたいと思います。
○森内閣総理大臣 初めから注文をつけられるなら、お問いかけにならぬ方がいいのかもしれませんが、今お話しになりましたKSD問題は、理事長が今度逮捕されております。したがって、逮捕された時点の中で、私の方からこうしたことをとやかく申し上げるという立場は、私はやはりとれないと思っております。 司直の手で十分に調査して、その結果を私は待ちたいと思っておりますが、御指摘のように大変大事な問題でありますので、私も大変関心を持ってこれを見守っていきたいと思っております。
○辻元委員 それでは、引き続き質問を続けたいと思いますが、ここにKSDの内部資料、マル秘という資料があります。これは、一「村上正邦議員との関わり」、二「何の為に署名をするのか」というタイトルになっています。 この「村上正邦議員との関わり」では、参議院の比例区候補として名簿三位を獲得するために九万人分の党費をKSDに立てかえさせたと言われております、その議員の名前が名指しで出ている、これをちょっと読み上げたいと思います。 豊明議連の設立当初から多大な貢献をしておられるのは、関係各位御存じのとおりです、村上さんのことをおっしゃっています。一例を挙げれば、財団法人中小企業国際人材育成事業団の設立の経過を見れば、これまでの常識では考えられないほどのスピードで設立許可にこぎつけており、これは豊明議連という強力なバックアップがあって初めてできたことです。それから、ちょっと省略しますが、大臣告示、省令、条例改正をしていただかなければならないさまざまなことに、お力添えと御支援を、参議院の機関車となっていただいて、お願いしなければなりません、こういうことをおっしゃっていますね。ここに出ています。 そして、「何の為に署名をするのか」の中では、こう言われています。 昨年からの党員獲得の実績、参議院自民党での役職(国対委員長)での貢献を見ますと、残されている方法は署名活動です。署名活動の成否が党内順列を決定すると言っても過言ではありません。豊明会が党員獲得と署名活動において最大限の力を発揮することによって、豊明議連を窓口とした豊明職域支部の自民党に対する発言力が増大し、こう続いているわけなんです。 こういう資料があります。 そしてさらに、ここには、先ほどもある議員が示されましたけれども、それぞれの割り当て、どれだけ名簿に署名させるかということで、具体的な数字も挙がっているわけです。社労士会十五万人、地区別豊明会全体で六十万人、KSD商事やKSDツーリストなどの関連企業で十万人、それから豊政連十万人など、こういうリストも出ています。 そしてさらに、ここには、先ほども示されましたが、そのリストを作成する署名簿には、村上正邦さんは、KSD豊明会の活動に多大の御理解をいただき、さらに新財団中小企業国際人材育成事業団の設立にも大きなお力をかしていただきました、村上さんに皆さんの力を結集しましょうというような力強い呼びかけ。 自民党は、こういうやり方で今まで選挙を進めてこられたんでしょうか。総理、いかがでしょうか。
○森内閣総理大臣 一方的にお読みになりましたので、私どもから出た書類かどうか定かではございませんが、自民党の職域支部というのは、いろいろな分野の人の要望を吸収しながら活動を行っているわけでありまして、自民党東京都豊明支部は、政治資金規正法の届け出を行って、収支報告もきちんと行っているというふうに私どもも承知しておりますし、中小企業の経営安定と働く人々の福祉向上のために活動をしているものというふうに承知をいたしております。 また、ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団やKSD豊明会などがどのような活動をしているかということについては、私自身は細かに承知しているわけではございませんが、いずれにしましても、自民党の党費は党において適正な手続を経て処理されている、このような報告を受けております。
○辻元委員 それでは、今私がこの事例を申し上げましたが、KSDに限らず、こういうようなやり方で選挙の票集めをしたり選挙を遂行するということ、KSDに限らずですよ、今私が申し上げたような事例で選挙を行うことは、総理はどう思われますか。こういう選挙運動のやり方は立派だったと思うか、ちょっと問題があると思われるか。KSDから離れて、ちょっとお答えいただきたいと思います。
○森内閣総理大臣 党員の活動にいたしましても、後援会の活動にいたしましても、法のもとに、きちんとした、整然として行われるということが重要だというふうに考えております。
○辻元委員 私は、今お答えいただいたとは思えないのですね。こういう選挙のやり方そのものが国民の批判にさらされ、こういう体質そのものが自民党を弱体化させ、総理の支持率もどんどん下げていっているんじゃないですか。 それで、昨日、栃木県知事に新顔の福田昭夫さんが選ばれました。私たち社民党は相乗りには今回は乗っておりません。自民、民主、公明、自由、保守、自由連合相乗りの現職知事を破りました。敗れた現職の知事陣営は、こう言っているわけですね。経済団体や教育団体など二百を超える支援組織が後援会加入のリーフレットを県内に配った、わずか一カ月で約四十万を回収した、平均二・二人の名前が書かれていて、全有権者の約八十八万人分の名簿を集め、組織の力を疑わなかったと。しかし、負けたわけです。 さらに、私も前回の衆議院選挙で、自民、公明の連合軍の方とも戦いました。そして、労働組合をバックにされた、連合の支援を受けられた民主党の現職の方とも戦いました。市民のボランティアで戦いました。小選挙区で勝たせていただきました。そしてさらに、田中知事も長野県に誕生しています。そして、東京の二十一区の補欠選挙も、自民党の組織力が負けたと言われているわけです。私は、確実に今政治は変わろうとしているんじゃないかというように、皆さん、思いませんか。 このKSDの事例に見られるように、自民党の金と票を媒介にした組織ぐるみ選挙で、一部業界や団体へのえこひいき政治、利益誘導政治、あっせん政治、こういうものが批判を受けて、もう政治の舞台の中心からお引き取りいただきたいというあらわれだと思います。これが国民の森内閣不支持がどんどんふえている大きな理由だと、皆さん、思いませんか。私はそう思います。(発言する者あり)
○原田委員長 ちょっと静粛にしてください。
○辻元委員 さてそこで、私たちは本日不信任案を提出して、私は賛成します。私はここで、ぜひ自民、公明、保守、与党の皆さんに不信任案賛成を呼びかけたいと思います。 賛成したら次の選挙でいろいろな組織が面倒を見てくれなくなるよなどとおどされて迷っていらっしゃる方がいたとすれば、反対に私は言い返したいと思うのです。組織ぐるみの選挙ではこれからは生き残れません、政治を変えようという自分の信念を貫いた人が国民の信任を得られますと言い返したいと思います。目先の保身だけで行動する人たちはだれなのか、国民は、きょう、この国会を注視していると言えるでしょう。 私は、前回の選挙でも、納得できない選挙協力に立ち向かった人たちが当選しているということをしっかりと受けとめるべきだと思います。私は、今迷っている人がいれば、ぜひ勇気を持って一緒に立ち上がっていただきたいと思うのです。自民党を中心にした古い体質の政治の側に身を置くということは、私は、タイタニックに残るのと同じだと思います。新しい船出を一緒にしたいと思うのです。 これは、私は、鬼の首をとったように森総理に申し上げているわけではありません。私たち野党だって深刻に受けとめなきゃいけないと思います、この政治不信を。ですからこそ、今、不信任案を出されるに至って、この古い政治の体質を一緒に変えていこうという人は本音できょうの不信任案採決に臨んでいただきたい、心からそう思うのです。そうでないと、私は、やはり今、この二十世紀最後の国会の役割を果たしたとは思えないのです。 さて、そこで総理、今私はいろいろな、支持率が下がったのが、そういう組織ぐるみ選挙や金と票を媒介にしたやり方じゃないかと申し上げましたが、率直なところどのようにお考えでしょうか。ぜひもう一回総理の答弁をお聞きしたいと思います。
○森内閣総理大臣 私どもの党も、幅広い支持をしてくださいます皆さんによって支えられているわけでありまして、今あなたがいろいろと指摘をされた、組織ぐるみ、あるいは金だ、そうしたことだけで私どもは今日までの党の活動というものはいたしておりません。 それぞれの議員の皆さんは、それぞれの御支援をいただく支持者の皆さんと中心になって、多くの国民の皆さんの期待にこたえられるようにまじめに誠実に取り組んできた、私どもにはやはりそういう誇りがあるということだけを、この際しっかり申し上げておきたいと思います。
○原田委員長 今、建設大臣のお名前を……(辻元委員「総理に今お聞きしただけですから結構です」と呼ぶ) 扇建設大臣。短く答弁してください。
○扇国務大臣 今、御質問、指名がありましたから、お答えいたしたいと思います。 名前を出されて、私たちは連立を組んでおりますので、お名前を出された以上は、我々も権利がありますから、申し上げたいと思います。賛成しろとおっしゃったので、あえて申し上げます。 この予算委員会は何のために開かれているのか。私たちは今回の補正予算にも、少なくとも我々は……(発言する者あり)
○原田委員長 静粛にしてください。
○扇国務大臣 今の有珠山とか三宅島、新島、神津島、そして愛知県のあの水害に遭った人、鳥取県の地震の皆さん方の、その政治のために私たちは補正予算を組んであるのですから、少なくとも我々はこの予算委員会は完全にしていきたいと思います。 少なくとも私たちはそう思い、そのために予算委員会を開いていただいているのですから、そのことをおっしゃってください。(発言する者あり)
○原田委員長 御静粛に願います。
○辻元委員 指名していませんよ。指名された閣僚の方だけ、お答えいただきたいと思います。 さて、内閣支持率がなぜ低下しているかということを私は真剣に考えているわけです。 今も私が答弁を求めない閣僚の方も御発言されましたけれども、私は、自公保の強引な政治手腕というもの、やり方というもの、これも支持率を低下させている大きな原因だと思うのです。(発言する者あり)
○原田委員長 静粛にしてください。
○辻元委員 私は、見事に今扇大臣が実現してくださったと思いますけれども、なぜかといいますと、ちょっと前に、参議院選挙の非拘束名簿の話がありました。これはずっと、久世前金融再生委員会委員長の話や今のKSDの問題の村上議員の問題などが発端で、そういう、何だか不正にふたをして選挙制度を強引に変えてしまおうというあのやり方を国民はしっかり見ていたわけなんです。 そして、この問題になっていた村上議員は、あろうことか、あの非拘束名簿を強行採決で通した翌日に、何だかオリンピックで金メダルをとった選手を育てた監督に出馬要請をしたとかというニュースが流れたら、あきれ返るばかりですよ。 そういう行き当たりばったりで、そしてさらに、数で強引に押し切っていこうと。与党だったら何やってもいいのですか。そういう政治のやり方が不信任の大きな一因になっていると思うのです。ですから、あのころからどんどん支持率は下がったのじゃないでしょうか。 総理、いかがですか。
○森内閣総理大臣 御質問がありましたので、テレビをごらんになっている国民の皆さんにも明確にお答えをしておかなきゃなりませんが、選挙制度の改革は、何も今おっしゃったような理由だけでスタートしたわけじゃないですよ。この参議院の選挙制度については、二回、この拘束制名簿でやった後、見直しましょうということを議長がきちっとした提起をされているんです。 それから、平成二年にも、第三者機関の選挙制度審議会でも答申が出ているんです。それをそれぞれ政党がなかなか歩み寄らなかったということでありますから、やはり与党の責任として、このたび非拘束制名簿に改正をする提案を行って国会で審議をしたものであって、何かあたかも自由民主党が勝手にどんどん進めていった、そんなものではないということを、私はこの際しっかり申し上げておかなければならぬと思います。
○辻元委員 そういう御答弁をいただくならば、ここで三時間でも四時間でも議論しなきゃいけない御答弁だと思います。こういうあり方そのものを、有権者、国民の皆さんがごらんになっていて、支持率がまた下がるでしょう、きょう。 それで、「朝日川柳」にこんな川柳がありました。「決めるなら密室ですよと打電する」、国民はしっかり見ているんです。 不信任案、きょう提出で採決になるかと思います。私たち議員は自分に恥じない行動をぜひ私は呼びかけて、質問を終わりたいと思います。 以上です。
○原田委員長 これにて横光君、辻元君の質疑は終了いたしました。 次に、平井卓也君。
○平井委員 私、21世紀クラブの平井卓也でございます。六月の選挙で当選させていただきまして、ちょうど五カ月であります。新米議員の私でありますが、委員長を初め諸先輩の皆様の御配慮によりまして質問の時間をいただきますことに、心より感謝をいたします。 私は政治家改革を信条に、政党の枠にとらわれず、日本の再生のためにさきの選挙戦を戦い、無所属という厳しい戦いを負託を受けて勝ち上がってきました。先般の首班指名では、森首相とはじかにお目にかかったことは一度もありませんでしたが、日本の政治を変えるために森首相に一票を投じさせていただきました。まさに二十一世紀への日本再生の施策を期待し、与党、言いかえれば保守の枠組みの中で、微力ながらも私なりに同じ価値観を持つ同志とともに全力で頑張ってきました。 今回の政局の節目に当たって、我が21世紀クラブは一つの会派としてフリーな立場でまとまって行動していくつもりでありますが、政治家の権力争いに私たちの去就そのものが巻き込まれることに、無所属会派の一員として戸惑っているというのが正直な現在の心境であります。 とはいえ、昨今の内閣支持率の低下、また株価の低迷に見られる経済の不透明さに非常な危機感を覚えます。しかしながら、現状においては、森首相の言葉は国民に届いていないのではないか、そのように思います。我々は、今回の局面において、実はそんなに多くの判断材料があるわけではありません。それぞれの国民の負託を受けた責任感を感じつつ、自分で判断をしなければならない立場であります。 実は週末、私は地元に帰って多くの方々と本音の議論をさせていただきました。地方の経済はまだまだ明るい兆しはないし、国民一人一人は将来に対して大きな不安を持ちながら生活しています。一般の国民はささやかな幸せを求めて、小さな希望をその手に握り締めて、一生懸命に生きているわけであります。しかし、このような局面がもたらすものは、言いかえればこのような政局は、国民の手には悲しみしか残らないと私は思っています。 今回、この局面において、一人の新米の政治家としてもどうしてもお願いしたいことがあります。それは、森首相自身が、これは大変勇気の要ることだと思います、しかし、建前ではなく本音の議論を国民は恐らく待っているんだと私は思うわけであります。つまりは、きょういらっしゃる幹部の方々、日本を率いている皆様方に、メンツとか過去のいきさつは全部捨てて、まさに今話し合うときではないかと私は思うわけであります。それも今国民の前で話し合うことを国民は望んでいると思いますが、首相、いかがお考えでしょうか。話し合っていただけますでしょうか。
○森内閣総理大臣 平井さんのお話を承りました。余り時間がありません。できるだけ平井さんの御発言に時間をとらなければいかぬと考えております。 私は、総裁としてたびたび申し上げておりますが、党の皆さんの御意見を承ることはやぶさかではありません。門戸を開いております。そのことは常々申し上げているわけであります。こうしてお話し合いができないままに、もし不信任案が出され、我が党の同志がそれに賛成をなさるというようなことは、私は、我が党の良識からいってあり得ないということを信じている一人でございます。 この国会はもうぎりぎりの時間まで、何としてもこの国会で今の補正予算を成立させて、そして多くの皆さんが期待しておられるんです。景気対策もあります。先ほど扇建設大臣がおっしゃいましたように、やはり地震初め水、そうした多くの災害に対する経費もここに盛り込まれております。さらにまた、中小企業の多くの対策費も盛り込まれております。そのことをかたずをのんで皆さんが見守っておられる。いかに私どもが批判をされようと、どんなふうに言われようと、何としてもこのことだけはこの国会で成立をさせて、国民のそうした皆さんの期待にこたえていきたい、こう思っておりますので、どうぞ平井議員にも御協力いただきますように、お願いを申し上げる次第でございます。
○平井委員 首相、今のお言葉のとおりだと思います。確かに、今は大事な法案はたくさんあるし、日本の経済にもう余裕はありません。 しかし、まだまだ実は時間があるわけでありますから、何とか首相自身のリーダーシップで、もう一回保守勢力の中で話し合う機会が持てるのではないかと私は思っておりますが、それはぎりぎりまで頑張るということが、話し合いの場に着くということが、これは責任だと私は思います。首相、いかがでございますか。
○森内閣総理大臣 大変重要、極めてまた適切な助言をいただいた、こういうふうに受けとめて、大事にしたいと考えます。
○平井委員 私は、無所属の21世紀クラブという本当に厳しい戦いを戦い抜き、本当にこの与党の枠組みの中で厳しい仕事をしてきました。そういった意味において皆様方、メンバーを代表してどうしてもそのことに納得がいかない、ぜひ話し合っていただきたい、そのように思っているわけで、どうか最後の最後まで、これはメンツとかプライドを捨てて頑張っていただきたいと私は思っております。 もう一つ、これは、私、駆け出しでありますが、どうしても首相に聞いておきたいことがありました。かつて、私も、テレビでよく予算委員会を見て、政治家のスキャンダルとかそういうやりとりはおもしろおかしく見ておりましたが、今この場に立って、国民の負託を受けてこうして首相と討論をさせていただく機会を持つと、そのことは非常に悲しいことでもあるなというふうに思うわけであります。 実は、私は内閣委員会、IT関連で堺屋大臣等も含めて何度もいろいろな質問をさせていただきました。ITに関していろいろ勉強もさせていただきました。そういった中で、実は、もうおやめになりましたけれども、中川前官房長官が物すごくITに関して勉強なさっていたということを私自身が知りました。そのことは、全然勉強しないとわからないことではありましたが……(発言する者あり)いや、ちょっと聞いてください。これは極めて大事なことであります。 政治家の能力というのは一体何か。多くの能力のある政治家がスキャンダルかスキャンダルでないかわかりませんが、いろいろなことでやめていったじゃないですか。そのこと自身はこの国家にとっては損失であります。 私は、そこで、皆さん方、特に首相にお聞きしたいのは、政治家の能力とは何か、倫理観とは何か、そのことをぜひ首相の口で御説明をいただきたい。私は新米の議員でありますが、そのことは今回あっせん利得法案、その議論にも参加をさせていただきました。そのような中で、どうしても政治家の倫理、モラル、職務と責任、これはぜひはっきりとさせていかなければならないことだと思います。このままだともう国会議員はいなくなってしまいますよ。もう本当にみんないなくなってしまう。それでこの国がやっていけるとは私は思えません。ぜひ首相にそのことをお聞きしたいと思います。(発言する者あり)
○原田委員長 御静粛に願います。
○森内閣総理大臣 平井議員が、こうして国会に臨まれて、最初に委員会等あるいは本会議などに臨まれて、国会議員としての活動にいろいろな矛盾を感じられたと思いますし、そのことはまた、若い皆さんが中心になって国会の改革というものもぜひ進めていっていただきたいなということも希望をいたしておきます。 今御指摘ございましたように、中川前官房長官は、ITにつきましては極めて深い経験と探求心をお持ちでございまして、今のIT戦略会議あるいはIT基本法を国会提出いたしますその一番の基礎的なことを進めてこられた方でございまして、私も心からそのことについては感謝を申し上げておりますし、敬意を表しております。 ただ、個人的な問題がこの国会で起きました。したがって、これ以上御迷惑をかけてはいけないということで辞職をなさいましたけれども、いわゆる言われておりますようなことは断じてないということも記者会見で明確におっしゃっておられますので、これは、法的な手続を今とっておられますから、いずれ解明されることになるだろうと思います。 ただ、平井さん御指摘のように、非常にエキセントリックに、一つの問題があるとみんなでそのことについてそこだけを追及するということは、これは国会、政党活動からいえば間々あることだと思いますが、ややもすると本質的なことと別の問題になってしまうということでは残念なことだと思いますし、そういう意味では恐らく、あなたは国会に出られる前、マスコミの経営もなさっておられ、またマスコミの中にもおられた方でありますから、そうしたことを公正に御判断をなさっておられるのだろうと思って、私は敬意を表したいと思います。 いずれ、参議院でも御活躍されたお父様、先人のいろいろな御指導もいただきながら、立派に政治家として大成をされますように期待をしたいと思っております。
○平井委員 私も首相の施政方針演説を聞いておりまして、ITという言葉が何度も使われ、特にびっくりしたのは、IPバージョン6、実はそれから私も随分勉強させていただきましたが、これは本当に、国家戦略を考える上で大変重要なことです。しかし、さらっと出てしまったものですから、その裏にはもっと何かすごい戦略があるのかと思っておりましたら、実はそれは余りなかったようにも思います。 そこで、首相にお願いをさせていただきたいのは、パソコンをさわったり、なれない手つきでメールをやったりすることはもうおやめいただいて、デジタルデバイドの象徴と言われてしまうのは、首相としては私は必要ないことだと思っております。今望まれていることは、首相自身がパソコンとかメールに精通することではなくて、思い切った規制緩和に取り組むこと、それと、やはり大胆な政策を打ち出していくことではないかと考えています。 それともう一つ、もうこのITという言葉を使うのをやめて、それぞれの人がそれぞれの分野でもっと明確に説明しないと、はっきり言って、ITは水戸黄門の印籠になってしまいました。そのようなITという言葉を使うということは、政治家としては責任を果たすことにはならないと思いますが、首相、いかがでございますか。
○森内閣総理大臣 ITという言葉は英語でありますから、法律の中でも、また日常のこうした会話の中にも果たしてそのことを言うことは、私自身は抵抗を感じているんです。しかし、情報技術と言うことも、また情報技術社会と言うことも、非常にまた長々しい説明にもなるわけでありますから、こうした、今日日本の置かれている立場を見ましても、国際的なことから考えてみましても、ある程度イニシアルをつけて言うということも、これもまたやむを得ないことかなと思っております。 私は、パソコンを自分がやって、それで国民に啓蒙しようなんて思っておりません。国民の皆さんの方がどんどん進んでおります。ただ、私も興味を持って触れてみたということですが、なかなか進歩しないことは事実でありますけれども、そういう私のような者の年齢でも一生懸命やるんだということを示すことも大事だと思います。 いろいろと、習うよりもなれろという言葉もあります。毎日一回触れていくうちにだんだん親しみも起きてくるというふうに思っておりますから、別に人様に見せようと思ってやっているわけじゃありません。自分自身がしっかりなれたいな、こう思って親しんでいるというふうに、ぜひ理解をしていただきたいと思います。 おっしゃるとおり、これからこの基本法が国会で成立をいたしましたら、これに関連をいたしましてさらに、またITと言ったらしかられるかもしれませんが、情報技術の分野でさらに日本が進んでいきますように、そしてまたいろいろなセキュリティーの問題、あるいはまたいわゆるデジタルデバイドの問題、そうした問題にもしっかりと取り組んでいきたいと思いますので、あなたのまたそういう御意見もぜひ的確にお知らせをいただき、御教示をいただければというふうに思うわけでございます。
○平井委員 もうテレビの前でメールとかそういうコンピューターということではなくて、もっと今の日本の国、強力なリーダーシップが必要だと思っております。今までのリーダーシップではなくて、要するに、よきに計らえという形ではもうこの国は健全に運営できないと思っております。首相自身の明確なビジョンのもとにリーダーシップをとらなければならない、それは今の日本の国民が望んでいることだと思います。 そういった中で、ぜひお願いがあります。 まだまだ時間がありますから、十分にリーダーシップを発揮して、国民に対して責任を果たすことをぜひしていただきたい、そのことを心からお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○原田委員長 これにて平井君の質疑は終了いたしました。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○原田委員長 それでは、速記を起こして。 この際、暫時休憩いたします。 午後六時一分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕