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150回国会衆議院2000/11/08

農林水産委員会 第4号

発言数
154
登壇者
15
会派数
5
開催日
2000/11/08

会議録

宮路和明自由民主党

○宮路委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、農地法の一部を改正する法律案を議題といたします。  この際、お諮りいたします。  本案審査のため、本日、政府参考人として農林水産省経済局長石原葵君、農林水産省構造改善局長渡辺好明君、農林水産省農産園芸局長木下寛之君、農林水産省食品流通局長西藤久三君、農林水産技術会議事務局長小林新一君、食糧庁長官高木賢君及び建設省都市局長山本正堯君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

宮路和明自由民主党

○宮路委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————

宮路和明自由民主党

○宮路委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。楢崎欣弥君。

楢崎欣弥民主党・無所属クラブ

○楢崎委員 おはようございます。民主党の楢崎欣弥です。  昨日は、我が党の同僚議員が農地法を含む農政全般の課題について質問をいたしました。私はその総括の意味も込めて質問をいたしたいと思います。多岐にわたりますので、簡潔な御答弁をお願いしたいと思います。  東海道新幹線下りの終着駅になりますが、私の地元でありますJR博多駅があります。ここ一帯は、三十五年ほど前までは稲穂が実る美しい田園地帯だったんですね。この博多駅にかかわらず、今、都市化の波、そして不耕作地がふえてきている、美しい田園風景というのは減少の一途をたどっている。私も以前、農地開発に携わった者としてそのような情景を悲しく思っておるところですが、新しい農地制度の理念とは何か。私は二つが基本になると思っています。  一つは、食料の安全保障の観点に立った農地保全という理念であり、いま一つは、合理的でアメニティーに富んだ、そして、豊かな環境に恵まれた農村空間形成という理念であろうと思います。私は、これらの理念をバックボーンに据えて、農地の保全と利用に対する公的な規制を飛躍的に強めるべきであろう、このように思います。  私たち民主党は、農業への新規参入については規制緩和、農地転用については規制強化という基本方針を持っておりますけれども、そういう意味では、多様な担い手確保の一環としての株式会社方式導入であると考えたときに、今回の一部改正案というものは半歩前進であろうと思います。なぜ半歩なのか、それはこれから述べていきたいと思います。  私はまず、現在の農地法がその目的で、「農地はその耕作者みずからが所有することを最も適当であると認め」とうたっていますように、法制定当時の、いわゆる自作農主義的立場を今日に至るまで保ち続けている、このように思います。  あの戦後間もない昭和二十七年に制定されました農地法というのは、極めて明快な二つの理念がありました。一つは、地主、小作関係にかわる自作農体制を創出しました農地解放の成果を見守ること、もう一つは、疲弊した農業の生産力を高めて食料難を克服することであった、このように思います。  しかし、昭和五十年に始まりました農用地利用増進事業に見られますように、農水省自身が賃貸借権や利用権の設定による規模拡大路線を明確にして、自作農主義からの転換を打ち出してきていると私は思うのです。しかも、このような政策が、あくまでも農地法第七条の例外規定を根拠にするといういびつな方法で進められてきた。一言で言えば、戦後農政は、自作農主義的側面を維持しながら、農地法の例外規定をよりどころに農政の基本方向を模索してきたと私は思います。そのために、一つは、農地の効率的利用集積が思うように進んでいない、また、農外からの新規参入も、今日ではその希望者が多いにもかかわらず、これもまた進んでいない。  そこで、農地法の目的についてお聞きしたいのですけれども、つまり、これはひとえに、現行農地法が法制定当時の自作農主義を払拭し切れないで、折衷的な内容のまま今日に至っていることに起因しているのではないか、このように思うわけですけれども、いかがでしょうか。

渡辺好明農林水産省構造改善局長

○渡辺政府参考人 今御指摘の中で、自作農主義という言葉と耕作者主義という言葉が出てまいりました。  昭和二十七年の制定当時は、確かにおっしゃられるように、自作農主義という考え方に立っていたわけでありますが、四十五年の改正の中で、一条の目的規定に、土地の農業上の効率的な利用を図るという旨の追加が行われたわけでございます。これによりまして、現在はいわゆる耕作者主義の考え方をとっております。もちろん、食料確保の時代から、生産性を向上させる、そのためには農地を効率的に使わなければいけないというプロセスがあって、効率的な利用という耕作者主義の考え方がとられたわけでございます。  この耕作者主義の三原則は、農地のすべてについて耕作を行う、効率的に使う、そして農作業に従事する、こういうことでございますので、この考え方は現在の時代においても通用するものであろうというふうに私どもは思いますし、総理の諮問機関である食料・農業・農村基本問題調査会の中でも、関係者の御意見をいただきましたところ、農業生産法人制度の見直しにつきましては、耕作者主義を維持することを前提として見直しをしたらどうかということでございました。  この点から考えましても、耕作者主義という考え方は必ずしも現状にそぐわない、あるいはこの考え方では農業の発展が図られないというものではないというふうに思っております。

楢崎欣弥民主党・無所属クラブ

○楢崎委員 今言われました耕作者主義はもう限界に達しているのではないか、実は、政府、農水省も実態的に限界に達しているということがわかっておられる、そしてまた、家族農業経営の延長線上での農政には、もはや限界が明らかになっておることもわかっておられると私は思うんです。だから、自作農主義から耕作者主義に転換を図って、さらに、耕作者主義の限界を克服するべく、今回、改正の目玉である株式会社方式まで導入して、多様な担い手を認める方向へと体系を変えようとしているのではないかと思うんですが、いかがですか。

渡辺好明農林水産省構造改善局長

○渡辺政府参考人 率直に申し上げまして、現況の耕作者主義の枠組みの中であっても、今先生から御指摘がありました多様な担い手も含めて、まだまだやること、やれることは多いわけでございます。ここをやはり私どもは精いっぱいやらせていただくということであります。  その一方で、この耕作者主義の枠組みを踏み出すことについて、株式会社の問題もそうでありましたけれども、世の中には農業関係者を中心に相当懸念も強うございます。今回の改正におきましてはこの懸念を払拭するための措置を導入いたしておりますので、この措置が有効に働くということを十分見きわめた上で、また次のステップというものは議論の中から生まれてこようかと思っております。私どもは耕作者主義の枠組みにおいて、この農地にかかわる農業政策の発展は図られるものと確信をしております。

楢崎欣弥民主党・無所属クラブ

○楢崎委員 先ほども言いましたように、今、我が国の農業というのは、農地の効率的利用、集積が進んでいない、また、担い手の確保もままならない厳しい現実に直面していることは周知の事実であろうと思うんです。これはやはり、法の基本理念が自作農主義を払拭し切れないのみならず、耕作者主義に固執していることに原因があるのではないかと思います。だとすれば、今回法改正を必要としたということは、戦後農政の行き詰まりの結果を意味しているのではないかと思うんです。しつこいようですけれども、お聞かせいただきたいと思います。

谷洋一自由民主党農林水産大臣

○谷国務大臣 今のお話でございますが、先ほどの構造改善局長のお話も、私の聞いております聞き方からいいますと、戦前の農地というのは地主制度があり、その下で小作をしておられた、年貢と称した小作料金が余りにも高かったところに原因があって、戦後の農地解放の制度があった。ところが、小作料という表現はいまだに戦前も戦後も言葉は変わっておりませんけれども、その言葉の意味は全く変わった様子になっておる。そして、耕作者主義という言葉にもありますように、その耕作者の支払う小作料は、今回、水田の場合、米でも支払えるということになっておりますが、戦前のそういう体系と今とは全く変わってきておるということでございますから、余り言葉にとらわれることなく、字引をひもとくと、その言葉の内容は変わっていないかもしれませんけれども、私は時代時代の要請によって言葉も変わってきておると思うんです。  そういう意味において、昨日も議論いたしました専業農家あるいは営農主義という言葉の表現が、時代の表現のように変わってきたことは事実でございますけれども、内容的にはさほど変わっていないというふうな思いをしております。

楢崎欣弥民主党・無所属クラブ

○楢崎委員 今回は法の一部改正ですから、法体系にかかわる件に関してはそぐわないかもしれませんけれども、私たち民主党は、やはり法の目的ということにこだわっていることは御承知おいていただきたい、このように思います。  次に移ります。食料・農業・農村基本問題調査会の答申では、「我が国農業の発展可能性の追求」の項で、「意欲ある多様な担い手の確保・育成と農業経営の発展」として「農業経営の法人化の推進」等を挙げておられるわけです。これに基づいて新しい農業基本法が制定されたわけですが、この「多様な担い手」として、今回の法改正では一定の要件を満たす株式会社方式の導入がなされましたけれども、この要件を見れば有限会社でもよかったのではないかという思いもあるわけですけれども、これで農業生産法人の範囲をすべて網羅されたとみなされているんでしょうか。

渡辺好明農林水産省構造改善局長

○渡辺政府参考人 現在の農業生産法人の動向を見ますと、有限会社を中心に非常に数がふえてきております。その有限会社のレベルにとどまっていていいんだろうかという声も各地で聞かれているところでございます。現実問題として、これは実感なんですが、農業生産法人の経営者の意見を聞きましたところ、資金の調達、人材の確保、販路の開拓、こういう点ではやはり株式会社形態の方が有利であるという意見がかなりございました。  それから、有限会社と比較いたしました場合には、三つほどの株式会社にとっての有利な点がございます。一つは、構成員の数に制限がないために多くの人に参加を求めることができるというところ、それから二つ目には、定款を変更しなくても、株式会社の場合、資本の増額が可能であるということ、そして三つ目には、株式会社の場合、取締役会の権限が大きくて機動的な運営が可能だということで、つまり、経営をダイナミックに行っていく点において株式会社の形態というのはすぐれている。  もちろん、どなたでも株式会社になるということではないのでありまして、そういう選択の余地を与えていく、選択の幅を広げる、もちろん、農業生産法人だけで農業生産が成り立っているわけではありませんから、個別経営もありますし生産組織もあるわけですが、多様な担い手を確保していく面でも、上下左右といいますか、選択の幅を広げていくということがこれからの農政の方向にとって望ましいものでもありますし、基本法が掲げているところに合致をすると思っております。

楢崎欣弥民主党・無所属クラブ

○楢崎委員 今回の改正における農業生産法人経営への株式会社方式の導入、これは要件が厳しくて、メリットが十分に享受できないのではないかという考え方も一部あるんですね。  そこで、必要な農地の確保、担い手の確保、国内農業生産の増大、これらの課題を解決するには、農地の賃貸借によって進みつつある土地の所有と農業経営の分離を明確にして、さらに株式会社方式のウエートを大きくして、農業の多様な担い手を日本農業展開の基本に据えるべく、法の目的と体系を変える必要があるのではないかと思うのですが、いかがですか。

石破茂自由民主党農林水産政務次官

○石破政務次官 これはきのうも似たような御質問があったかと思っております。すなわち、企画管理を専ら行い、実質的に所有者たる構成員とは全く関係ない人が役員になれるようにすべきじゃないかというようなのが所有と経営の分離という御指摘であるとすれば、これはやはり耕作者主義から外れることになるんだろうというふうに思っておるわけでございます。  この耕作者主義というものを維持します限り、今回が最大限のものに近いと私は思っておりまして、これは今から予断を持って申し上げる話ではございませんが、とにかく、今回これが第一歩である。委員御指摘のように、有限会社まで認めていた、これを限定的ながら株式会社まで持ってきた、これでどれだけ効果を上げるかということではなかろうかと思っております。  ですから、経営と所有の分離ということが今申し上げたような意味であるとすれば、これはもう農地法の一条そのものを見直していかねばならぬということになるであろう。ただ、そこへ至ることが仮にあるとしましても、今回の改正でどのような効果があるか、そして、国民の御理解がどのように得られるか、それをまず踏むことが肝要なことではなかろうかと思っておる次第でございます。

楢崎欣弥民主党・無所属クラブ

○楢崎委員 わかりました。ありがとうございました。  次に、農地の転用規制についてお伺いしたいのです。  私が疑問に思うのは、現在でも農地法と農振法によって農地の転用が厳しく制限されているはずなのに、現実には農地が減少し続けているわけですね。昭和三十六年の六百九万ヘクタールをピークに、ことしの八月一日付の統計では四百八十三万ヘクタール。昨年からだけでも四万ヘクタール減っているわけです。この実態は何なんですかね。これでは転用規制の実効性が確保されていないと思うのですけれども、いかがでしょうか。

渡辺好明農林水産省構造改善局長

○渡辺政府参考人 今、六百九万ヘクタールからの推移の御説明がありましたけれども、この間約百万ヘクタールの農地が減少しておりますが、一方で、私たちは、百万ヘクタール余の農地をその過程で造成しております。転用なり壊廃というのは約二百万ということで、差し引き百万の減少になっております。現在も年間四、五万ヘクタール減っているわけですが、そのうち半分がいわゆる転用、そして残り半分が耕作放棄という実態にございます。  耕作放棄につきましては、昨日も御説明いたしました。転用の問題というのは、やはり可住地面積が非常に小さい我が国では避けて通れない問題であります。日本の産業全体が発展していくためには、最小限度必要なものは出していかなければならない。現実問題としても、住宅用地、工業用地、その他公的機関の用地というものを出しているわけですので、これを出しながら、なおかつ他方で優良な農地をきちんと守っていくという、その両者を実現しなければならないところに難しい問題があるわけであります。  優良農地を確保しながらその利用率を高めていくということで、転用は厳正な運用をするという方針でこれまで臨んできておりますし、これからも都市計画等と調整をとりながら、転用する場合には必要な最小限度を一番劣後順位のものからやっていくという方針で臨みたいと思っております。

楢崎欣弥民主党・無所属クラブ

○楢崎委員 真剣に農地の転用を懸念するのであれば、まず実態を直視して、現行制度の抜本的な見直し、つまり、永久農地とまではいきませんけれども、三十年から五十年くらいの転用を規制する必要があるとは思われませんか。

石破茂自由民主党農林水産政務次官

○石破政務次官 御指摘の点は、例えばきのうの参考人質疑でも、生源寺参考人がゾーニングという言葉を使ってお話をしておられました。それなりに一つの御見識ではなかろうかと私は思っております。ただ、永久農地的なものを認めた場合に、それが憲法に認めたところの財産権の侵害になりませんか、それと公共の福祉をどのように関連づけますか、そういうような議論がまたあろうかというふうに思っております。  ただ、私自身が思っておりますのは、委員御案内かと思いますが、計画なきところに開発なしという言葉がありますよね。今、どこの農村を見ても余りきれいじゃない。要件を満たした上で転用がばんばんなされてみたり、そういうようなことがあって、余り計画的にいろいろな物事がなされているとも思えないし、突然道路ができてみたりする、そういうこともある。  そうすると、では、ここをどのようにしてずっと農地として使い、土地を売るとかそういうことではなくて、そこに農地を集積し、本当に一生懸命やる、専業的にやる人がそこで他産業並みの所得を上げるためにやっていく農地を集積する、そういうような観点はあってしかるべきだろうというふうには思っておるのです。  そうしますと、道路ですとか学校ですとか公民館、そういうものの公共の開発、また財産権の侵害ということと農地の集積ということ、その辺をどういうふうにして考えていくか、今後の課題ではなかろうかというふうに思っておりますが、今の時点で永久農地というようなことを考えることはまだ難しいのではないか。ただ、御意見は御意見として、本当に私ども、勉強させていただきたいと思っておる次第でございます。

楢崎欣弥民主党・無所属クラブ

○楢崎委員 国それから都道府県は許可権者ということで、転用に当たっての基準は特にない。私は、一般の農地転用に沿って運用すべきではないかと思うのですけれども、それはいかがでしょうか。

渡辺好明農林水産省構造改善局長

○渡辺政府参考人 先生のおっしゃるとおりだと思います。  それで、実は農振法を前の通常国会で直していただきまして、その中で国が基本方針を定めるということになっております。これを先ごろ制定いたしまして、その中で、地方公共団体が公用公共用施設への転用のための農用地利用計画を変更する場合にも、一般の変更の場合の変更要件を満たすように努める旨というのを明らかにしております。つまり、みずから行うものでありますので、許可権者として手続は適用されませんけれども、その内容は一般の変更の場合の変更要件を満たすようにするというふうに方針を定めたところでございます。  もちろん、今先生がおっしゃるように、国や都道府県が行う農地転用は公共性、公益性が高い事業に供されるものでありますので、農地転用の許可不要というのは、今後もそういう方向で臨みたいと思っております。  なお、当然のことながら、こういった転用は大規模な事業に絡むものでございますので、開発部局と農林部局の間で調整が十分行われるようにということも指導いたしております。

楢崎欣弥民主党・無所属クラブ

○楢崎委員 ちょっと角度を変えたいと思います。  私は、政府が、例えば、諫早湾それから中海の干拓など、農地拡張に励んでおられるということは承知しています。大きな問題になっています島根県中海の干拓事業見直しを決定されましたけれども、推進役であった農水省の見解を今ここでお聞きしたいところですけれども、それは外します。  そこで、大きな問題である耕作放棄地対策ですけれども、政府は今どのような施策を推進されておられるのか。農振法第十五条の七、特定利用権設定に関する承認、農業経営基盤強化促進法第二十七条、遊休農地に関する措置等、関連法規による施策がありますが、これらによる対策を含めて、また評価も含めていかなる状況にあるかをお伺いしたいと思います。

渡辺好明農林水産省構造改善局長

○渡辺政府参考人 順番が後先になりますけれども、今、終わりの方で御指摘があった農振法の特定利用権制度、それから基盤強化促進法に基づく遊休農地に関する措置であります。  これは、事実関係から申し上げますと、特定利用権の設定は現在のところ行われておりません。それから、遊休農地に関する措置につきましては、農業委員会による指導が五千七百件余に上っております。  実は、この仕組みというのは、法制上、最終段階での切り札としてこういうことができるということを定めたわけであります。例えば、特定利用権制度について言えば、現に耕作の用に供されていない農用地について、その所有者の意向にかかわらず、市町村または農協が、住民または組合員の共同利用に供するために、賃借権を、言ってみれば強制的に設定をするということであります。  ですから、強制的な手法を講ずるという最後の切り札が用意はされているわけでありますけれども、昨日来お話し申し上げておりますように、耕作放棄が生じるには生じるだけの理由がございます。耕作放棄地に関して、担い手がいない、高齢化をしている、ばらばらである、整備がされていない。ですから、強制的な措置を講ずる前に、地域の実情に即して、そういったことを一つ一つ解きほぐしていくということが重要だろうと思っております。  特に、十二年度からは、遊休農地解消総合対策ということで、具体的にその目標を各市町村ごとに掲げまして、大がかりな基盤整備ではなくて、小回りのきくような簡易な土地改良等も行えるようにしておりますし、特に中山間地域においては、直接支払いを通じて、集落が全体として耕作放棄対策に取り組めるような措置を講じたところでございます。

楢崎欣弥民主党・無所属クラブ

○楢崎委員 農地として認定されているにもかかわらず、未利用になっていたり非農業的に利用されたりした場合、これは仮称ですけれども、土地保有公社等の公的機関が取り上げて、入札などによって新規参入者と賃貸契約をして農地利用をするという考え方も一部あるのですけれども、このような考え方はどう思われますか。

渡辺好明農林水産省構造改善局長

○渡辺政府参考人 先生の抱いていらっしゃるイメージがちょっと私と合っているかどうかわからないのですが、県の公社それから市町村や農協もそういったものをつくれるようになっておりますけれども、この農地保有合理化事業というのは、現在、農地の流動化にとって非常に重要な役割を果たしておりますし、その地位は決して低くありません。  ただ、問題は、買い入れた後あるいは借り入れた後、それがきちんと実際に農地を耕作する方につながっていくかどうかというところが大きなポイントであります。そこに仕事のやりにくいところがあるわけです。デッドストックを抱えたままになってしまいますと、これは非常に大きな問題がありますので、何年か後には必ずきちんとそれが耕作をする人につながるという方向で、現在、合理化公社は事業をやっているわけでございます。  幸い、現況から見まして、平成十年の実績でいえば、県の公社が一万ヘクタールぐらいの所有権の移転もしくは利用権の設定というのを行っております。また、その内容を見ましても、一件当たりの面積は高い状況にありますし、大規模層への集積も進んでおります。  これから先、市町村の農業公社は数が百以上ございますし、農協も五百近いものがございますので、こうした合理化事業というのは、流動化にとって重要な役割を果たしていくものと期待をしております。

楢崎欣弥民主党・無所属クラブ

○楢崎委員 私は、一つの問題として、農地の現況主義が挙げられると思うのです。  例えば、一度農地として認定されると、耕作放棄地でも現況が農地なら低税率が適用される、このような特典が受けられるわけですね。したがって、そういう事態を防ぐには、農地の認定判断を実態に合わせて弾力的なものにすべきであろうと思うのですが、いかがでしょうか。

渡辺好明農林水産省構造改善局長

○渡辺政府参考人 これは農地法の第二条に定義がございまして、「「農地」とは、耕作の目的に供される土地」ということで、客観的に見て現状が耕作の目的に供されると認められる土地は農地ということになっておりますので、一時的に耕作をされていない休耕地や耕作放棄地であっても、耕作をしようとすれば耕作が再開できる土地は農地という扱いになっております。  これが農地法上の定義でありますので、制度そのものをどうこうという問題よりは、具体的に、そうした耕作放棄地のようなものあるいは休耕地のようなものが解消されていく方向、利用、活用の道を選ぶことが大事だろうと思っております。  確かに、認定農業者等に集積をされれば、これが一番いいわけですが、恐らく、耕作放棄地のようなものはそういう点において難しさがあるのだろうと思います。そういう場合で、特に小さい規模のものは市民農園に活用していくとか、あるいは、条件の不利な場合には、今回、直接支払いの中でやっておりますけれども、植林をして山に戻すとか、そういったような方向で、現実的対応をしたいと思っております。

楢崎欣弥民主党・無所属クラブ

○楢崎委員 私は、やる気も能力もある経営者が農業の主流になっていくシステムが農業再生の基本だと思っています。  次に、農業委員会の制度についてお伺いします。  農地法には、農地取引に対する規制という側面もあるわけですけれども、それは第三条の、農地の所有権や賃貸権の設定、移転について農業委員会の許可を得なければならない、これにあらわされていると思います。しかし実際には、数次にわたる改正によって、取引に対する規制は随分緩和されてきていると思うのですね。昭和四十年の大改正に始まって、平成五年の農業経営基盤強化促進法に至る流れの中で、農地の売買、賃借に農業委員会の許可を得ることは事実上不要になってきているのではないかと思うのです。  一方、ことしの二月に出されました農業委員会等制度研究会報告書で、農業委員会は、構造政策への積極的な取り組みとして、青年農業者、女性を含む地域の世話役として活動できる委員の選出、構造政策に係る市町村長部局、農協系統、農業公社等他の団体との連携及び役割分割の明確化、農地情報等の整備等を進めることが重要、このような指摘がなされています。  また、全国農業会議所の果たすべき機能、役割は根本的な見直しが必要、今後は、担い手の確保、育成、農地の流動化、新規就農の促進、農業経営の法人化等構造政策の促進に活動を重点化との提案もなされておるわけです。  私は、このように、農地政策と担い手確保政策に関して、今後、農業委員会が果たす役割というものはさらに大きくなる一方であろうと思います。  ところで、平成十年、二年前ですが、四月十六日、第百四十二回国会におきまして、我が党の堀込征雄議員が当委員会において、農業委員会の当面の改革問題についてどのような進行状況であるかということを質問しているのです。  そのとき、熊澤さんという政府委員の方が、「全国農業会議所が中心となりまして、構造政策の効率的、効果的な推進に資する、そういう視点に立ちまして、」ちょっと中略しますけれども、「私ども、農業委員会系統組織と十分連携をとりながら、そうした改革、改善の方向について検討を進めてまいりたい」、このように答弁されておられます。  そこで、その農業委員会の役割の見直しに沿って、地域の関係団体との調整、事務の効率化を初めとする組織体制の整備を進める必要があると思うんですが、どのように考えておられますでしょうか、検討の進捗状況も含めて。

石原葵農林水産省経済局長

○石原政府参考人 お答え申し上げます。  ただいま先生の方から御指摘がございましたように、農業委員会系統組織の組織体制の問題につきましては、こういう問題も含めまして、農業委員会制度について、学識経験者等から成ります農業委員会等制度研究会におきまして検討を進めてきたところでございます。そして、お話もございましたように、ことしの二月に報告書を取りまとめたということでございます。  その報告書におきましては、先ほど一部先生から御指摘がございましたが、農業委員会系統組織は今後、構造政策の推進に活動を重点化するということと、市町村の実態を踏まえた農業委員の定数等の見直し、あるいは関係団体との業務の連携、共同事務局の設置、共同事務局といいますのは、一部の県におきまして、農業公社と農業会議、こういうもので事務局を共通にする、そして合理化を図るという動きを示しております。そういう共同事務局の設置。特に西日本の方からそういう声が強いわけでございますけれども、農業会議と関係団体との統合ができるようにしてほしいという声もございます。共同事務局の設置あるいは統合等の検討を行いまして、それらを踏まえまして、組織の見直しに関する改革プログラムを策定すべきだということが指摘であったところでございます。  農林水産省といたしましては、この報告を受けまして、現在、全国農業会議所等農業委員会系統組織と一体となりまして、組織、体制の見直しに関する改革プログラムの策定に取り組んでいるというのが今現在の状況でございます。

楢崎欣弥民主党・無所属クラブ

○楢崎委員 農業委員会制度、特に構成と選出において家族主義の法体系を採用しているんですが、これには問題があるとは思われませんか。

石原葵農林水産省経済局長

○石原政府参考人 家族主義という、どういう趣旨でおっしゃられたかわかりませんが、農業委員会の委員の選挙権あるいは被選挙権の問題につきましては、耕作者及びその同居の親族またはその配偶者並びに農業生産法人の組合員または社員に与えられているところでございまして、家族農業経営、それから法人経営の両方に農業委員会への参画の道を開いているというふうに考えております。家族農業経営、それから法人経営の両方に参画の道を開いているということで、この点につきましては、特段の問題はないのではないかと考えているところでございます。

楢崎欣弥民主党・無所属クラブ

○楢崎委員 次に、総合的農村整備に関して質問したいと思うんですが、本日この場に参集されています委員の方は当然のこととしまして、国政に携わる者のだれもが日本の農業と農村の再生を望んでおられる、これは間違いがないと思います。日本の農業と農村の蘇生のために何をなすべきか、これがすべての政治家に問われていると思うわけです。ですから、農外居住者、都市からの定住者を含み農村集落を再構築していく、すなわち、都市的ライフスタイルと農的生活が共生する田園コミュニティーを創造していくこと、この大事業を国家目標、さらには国家プロジェクトとして設定して、その実現へと国民すべてが努力していくことを、私はまず提唱したいと思います。そのためには、総合的な農村整備施策を考える必要があると思います。  それでは、農村整備を進める上での制度的未成熟の克服について質問を続けていきたいと思うんです。  食料・農業・農村基本問題調査会答申は、「農地は単なる私的な資産ではなく、社会全体で利用する公共性の高い財であるという認識を徹底させ、農地の有効利用のため適切な利用規制を行うべきである。」とするとともに、「二十一世紀に向けて美しく住みよい農村空間を創造していくため、」先ほど石破先生も言われましたけれども、「「計画なければ開発なし」との理念を踏まえ、」「土地利用と各種の施設整備が計画的に行われるよう、農村地域の土地利用に関する制度の見直しを行うことが必要である。」としております。  さらに、基本計画では、「農村における農地の利用等に関連する諸制度の在り方について、総合的な観点に立った検討を行う。」とされておるわけですけれども、どのような検討が行われているか、お伺いしたいと思います。

渡辺好明農林水産省構造改善局長

○渡辺政府参考人 調査会の答申を踏まえまして、平成十年の十二月に農政改革大綱と農政改革プログラム、これから当面五年なり十年何をやるかということの取りまとめをいたしました。この大綱に沿いまして、逐次制度の整備を行ってきております。  第一段階は、通常国会におきまして、農用地の確保等に関する国の指針の策定であるとか農用地区域の設定基準の法定化、あるいは市町村農業振興地域整備計画の拡充等を内容とした農振法の改正法案を成立させていただいたところでございます。  第二段階といたしましては、本日御議論いただいております農地法の改正案を提出させていただいておりますし、次の通常国会に向けましては、農村地域の生活環境も含めました土地改良制度、現在、農業農村整備事業といっておりますが、そういったものにつきましても、農業を取り巻く諸事情の変化に的確に対応するという点で、新しい基本法の方向に即した制度改正を行いたいというふうに思っております。  これらの定着状況を見ながら、さらに今後、農村における農地の利用等に関連する諸制度のあり方について、総合的な観点に立った検討も行いたいと思っております。  あわせまして、今先生から御指摘があった農村集落の再構築、田園コミュニティーということで、農家はもとより、非農家あるいは都市の住民にも開かれたということを検討しておりまして、二十一世紀の農村像はどうあるべきかという議論を年内に取りまとめをして、少しロングスパンになりますけれども、三十年ぐらい先を見通した農村地域の方向づけをしたいと思っております。

楢崎欣弥民主党・無所属クラブ

○楢崎委員 ぜひ進めていただきたいと思います。  これまで多岐にわたって述べてきましたように、農地保全問題、そして実効ある転用規制を考えたときに、それらの問題の解決を、そもそも農地転用とかが問題にならない時代につくられたこの農地法にだけ求めるのは酷だと思うんですね。では、農振法、都市計画法で農地法に足らざるものを補完しているかといえば、これもまたそうではない。特に都市計画法では、市街化区域の農地には転用の規制が全くない。ですから、農地の真ん中にスーパーが出現するなどの現象も出てくるわけです。  私は、都市計画法の管轄は建設省、農地法、農振法は農水省というふうに縦割り行政であることも問題だと思っているんですが、これについてお伺いしたいと思います。

渡辺好明農林水産省構造改善局長

○渡辺政府参考人 御質問の趣旨は、統一性を持ったあるいは整合性を持った土地の利用のあり方というものをまとめてやるべきではないかということかと思いますけれども、現在、この大きな傘として国土利用計画法がございます。これで基本的なことを決めておりまして、その国土利用計画法の体系のもとで、具体的には、都市計画法と並んで、あるいは都市計画法と重複をして農振法に基づくゾーニングが行われているわけでございます。  先ほどお話をいたしましたように、そのゾーニングを行います場合には、とりわけ都市計画の中では、農業的土地利用の確保に支障が生じることのないように、各種の調整措置も法定をされております。農林水産大臣と建設大臣の協議であるとか、私たちの常に情報交換であるとか、さらには各都道府県における開発部局、都市部局と農地部局の調整、そういった運用も行われておりまして、両省にまたがってはおりますが、この制度につきましては緊密な連絡をとりながら相当定着をしている、一定の機能を果たしていると認識をしております。

楢崎欣弥民主党・無所属クラブ

○楢崎委員 この際、農地法や農振法等、それに都市計画法、土地利用にかかわる法制度全般について、時間をかけてでも見直しの検討をして、関係省庁の調整等を行いつつ、例えば農村整備法ともいうべき一元的整備を行う必要があると思うんですが、建設省及び農水省の御答弁をお願いします。

山本正堯建設省都市局長

○山本政府参考人 お答えをさせていただきます。  土地利用に関しましては、先ほど答弁がございましたように、国土利用計画法というのがあるわけでございますが、この国土利用計画法は、我が国の国土全体の土地の利用のあり方を総合的、計画的に管理していくための法制度ということで、都道府県単位に土地利用基本計画を定めておるわけでございます。私ども、都市計画法あるいは農地法、農振法といったような各法律に基づく土地利用と国土全体の観点からする土地利用計画との整合性を図っているということでございます。  都市計画の私どもの側からも、国土全体の土地利用計画との連携の充実を図ることが大変重要であるということで認識しておりまして、それぞれの計画が有機的に連携し、全体として効果的に機能し得るように、一層の取り組みを進めていきたいというふうに思っているところでございます。これが有効であろうかというふうに思っております。  こうしたことから、法制の一元化については、先生の御指摘を今後十分慎重に検討していく必要があるのじゃないかなというふうに思っているところでございます。  なお、都市計画と農業との調整につきましては、具体的には、従来から十分意を用いているところでございまして、都市計画法そのものにも、都市計画については農林漁業との健全な調整を図りつつ、都市の健全な発展と秩序ある整備を図ることを目的としておるということが明確に規定をされておるところでございまして、優良な農地の保全にも努めておるところでございます。  特に、先ほど先生から御指摘いただきました、都市に残された農地とか環境といったようなものにつきましては、貴重な緑資源ということで積極的に保全が図られるべきものであるというふうに考えておるところでございます。

渡辺好明農林水産省構造改善局長

○渡辺政府参考人 基本的には建設省と同じ考えでありますけれども、先ほど来お話し申し上げておりますように、農村なり農地に関する諸制度について一つ一つ必要な手当てを今してきておりますが、この後さらに農村における農地の利用等に関する諸制度のあり方について総合的な観点に立った検討を行う時期もいずれやってこようかと思っております。ただ、その際には、やはりバックグラウンドとなる、農村地域をどう持っていくかという農村像があわせて構築をされている必要があると思っております。今後の課題として受けとめさせていただきたいと思います。

楢崎欣弥民主党・無所属クラブ

○楢崎委員 農地転用に関しては、農水省と建設省の連携は余りうまくいっていないというふうに私は思います。いずれにしても、農用地、森林と別々に対処する、農村全体に対する対応がないんですね。新しい食料・農業・農村基本法で言う多面的機能の発揮というのは、農村全体として一体的な機能性を確保して初めてできるものであろうと思います。ところが、農村全体のバランスのとれた発展を目途とした体制ができていない。  同法第五条に言う生活環境の整備を達成する上でも、村落を計画的無法地区、これは農振白地のことですね、このままで、しかも、宅地整備が実施できない状況でどうして生活環境の整備が可能であろうかと思うんです。農村という、これを僕らは有機体といいますけれども、生き物ですね、この有機体の一体性を確保する上で、農村住民の居住拠点の村落整備がなくて、どうして新しい農村づくりが可能であろうかと思うんです。  やはり決定的な欠落というのは、村落に対する法律がないということであろうと思います。農村住民にとって最も大切な生活空間、農用地区域以外の農振地域である、今言いました俗称農振白地に含まれる村落、この背景となる法律がない。すなわち、農村の住宅整備等を支えられる制度的裏づけがない。  土地改良法を改正して、宅地整備を一体的に進められるようにすべきであろうと思いますが、いかがでしょうか。

渡辺好明農林水産省構造改善局長

○渡辺政府参考人 先ほど石破総括政務次官から、計画なくして開発なしというお話を申し上げました。農村地域で、今おっしゃったようないわゆる白のところにつきましても、宅地など非農用地の創出というのが大事な問題であることは認識をしておりますし、それを計画的に土地利用調整を進めて行うということは重要であります。  実は昭和六十二年に、随分前の話になりますが、集落地域整備法というのができまして、建設省と農林水産省と共同して集落地域整備事業というのを始めることになっております。なかなか、率直に言って売れ行きが悪いんですけれども、これに積極的に取り組んで白地地域において宅地等の非農用地を創出するというふうなことも真剣に取り組んでいる地方公共団体もございます。そういった制度の活用もこれから考えたいと思っておりますし、農業農村整備事業の中では、これらの地域も含めまして、例えばここを整備することによって農用地区域内に取り込みながら非農用地を生み出したり、生活環境の整備を進めるという手法もございますので、いろいろ手法を動員してそういった点についても対応していきたいと思っております。

楢崎欣弥民主党・無所属クラブ

○楢崎委員 今多くの村落周辺で無秩序な開発が進んでいると思うんです。農村には、農業だけでなくて工業、商業もあるわけです。これらが一体的に振興されて初めて農村の産業振興が可能なんですが、それに対する支えがない。これからの農水省の農業施策は商業、工業施策と一体化したものでなくてはならないと思うんですね。農振法はそれをサポートしませんから、農村産業振興法、これも仮称ですけれども、そういった法律が必要であろうと思いますが、どう思われますでしょうか。

谷洋一自由民主党農林水産大臣

○谷国務大臣 各省がまちまちで施策をやれば弊害があるというふうな気持ちでおっしゃっておると思いますが、確かに建設省と農林水産省におきましては一体の立場でやっております。  例えて言いますと、神奈川県が山梨県に対しまして非常に有効な手当てをいろいろと打っておることも、それは水の問題があるから当然でございましょうし、また、ことしの名古屋のあの大被害を見ますと、その奥の岐阜県あるいは長野県等々の水の問題もあろうかと思います。山を治める者が国を治めるというふうなことわざは、今に通ずる言葉だと思っております。そういうことでございますし、治山と砂防というのは一体不可分の問題でございます。そういうことをあわせ考えますと、都市の開発にしても、やはり山の開発との関連性もあることも御指摘のとおりでございます。  そういうことでございますから、建設省と農林省につきましては、世間で言われるほど弊害はない、一体不可分でやっておることは間違いない、こう私は思っております。

石破茂自由民主党農林水産政務次官

○石破政務次官 あるいは委員の御質問の意味を取り違えておるのかもしれませんが、確かに、雇用機会を創出、いわゆる一種の安定的な兼業というものも創出をしていかなければならぬ、これも一方においてございます。専業的なものも育てていかねばなりませんが、一方で安定的な兼業というものは必要だろう。委員御指摘の農村工業導入法もそのために随分役割を果たしてまいりました。  ただ、それに何を追加するかというと、運輸業ですとかこん包業というものを六十三年に追加をいたしましたが、では、小売業とかサービス業、そんなものを追加するとして、そういうもののニーズがあるかというと、多分ないんだろうと思っているんですね。そうすると、これから先、はやりの言葉で言えば、例えばIT、プログラミング、ソフトウエアの開発、そういうようなものを加えていくことは必要なのかもしれない。あわせて、グリーンツーリズムみたいなもの、日本のグリーンツーリズムというのは、一生懸命やっていますが、ヨーロッパのとはやや違っているような気が私はするんですね。  農村にどうやって安定的な所得というものを移転していくか、そういうようなことで努力をしてまいりたいと思いますし、今後とも御教導をお願い申し上げる次第であります。

楢崎欣弥民主党・無所属クラブ

○楢崎委員 わかりました。ありがとうございました。  昨日、株式会社方式導入論についてはいろいろな議論がなされました。ですから、私はもう多くは申しませんが、まだ一抹の危惧を捨て切れないんですね。それはなぜかといいますと、あのバブルがはじけて厳しい状況にある経済団体がこの言い出しっぺであったということですね。確かに厳しい参入規制が課せられています。しかし、転用規制は従来どおり。考え過ぎかもしれませんけれども、この参入規制が将来、緩やかになることはないであろうと思います。ないであろうということを確信して、最後の質問に入りたいと思います。  これはちょっと農地法の改正と関連はありませんけれども、我が国は北朝鮮に五十万トンの支援米拠出を決めたわけです。その日朝間の最大の懸案事項であります日本人拉致疑惑問題の一つの解決策とされました第三国発見案、これを森総理が日英首脳会談で持ち出された。そのことを谷大臣は、軽率だと発言されて、またその発言を取り消された。私は、まことに良識ある、そして勇気ある発言であったと思うんですが、なぜ取り消されたのか、取り消す必要はなかったのではないか。  谷大臣の御見解を求めて、私の質問を終わりたいと思います。

谷洋一自由民主党農林水産大臣

○谷国務大臣 ただいまの質問に対しましては、閣議の後の記者会見で記者の方から質問がありましたときに私が答えたことについてのお話だと思います。それは、今の御質問の要旨も違っておりまして、ちょっと申し上げますと、私は、この問題は、そもそも中山先生は、私どもの大先輩として非常に親しくおつき合いさせていただいている、それで、中山先生がおっしゃることは前々から我々は聞いておった、常日ごろおっしゃっておられたんだ、そういうことを申し上げました。そこで、報道機関の情報ばかり聞いて判断するのは軽率だ、私はこう言ったんです。ですから、今御質問の、総理が軽率だと言ったのじゃなしに、私の判断が、報道機関の皆さんの言うのを軽率だというつもりで言ったんです。  ところが、官房長は、聞いておられて、それはちょっと誤解される言葉ですよとおっしゃったんで、それはそういう誤解があれば取り消す、こう言ったんです。そういうことでございますから、ちょっとその趣旨が違うんです、私の軽率と言った趣旨が。  でございますから、これはやはり、中山先生は、長年にわたって朝鮮に拉致されたと言われる方々の問題については詳しく調べておられるので、幾ら言っても向こうは聞かない、それなら、拉致という言葉が気に入らぬなら行方不明者でもいい、そして早く解放してくれ、もう人道問題だから早く解放してくれ、こういう意味合いのことをおっしゃっておられたんです。それを、ある国で突如あらわれたと言ってもいいじゃないか、ともかく早く解放してくれ、もう年老いたお父さんもお母さんも待っておることなんだからという意味のことをいつも言っておられた。  そういう意味において、私は、新聞報道だけを聞いてそれで判断するのは軽率だ、こう言ったつもりだったんです。それを、もうちょっと言葉を添えなきゃちょっと誤解されますよ、こう言って官房長に耳打ちしていただいたんで、それはもう全部取り消す、こう言ったのが私の趣旨でございました。  今、大変褒められたのかどうか、あなたの言ったのは勇気があったというような意味のことをおっしゃるのですが、そこまでのつもりじゃなかったんです。

楢崎欣弥民主党・無所属クラブ

○楢崎委員 私も誤解するぐらいですから、本当に誤解ある発言だったと思います。  終わります。

宮路和明自由民主党

○宮路委員長 次に、一川保夫君。

一川保夫自由党

○一川委員 昨日に引き続きまして質問をさせていただきます。  私は、本日の質問は、これからの新しい農政を展開する上で、その本流たる骨太の政策より若干ちょっとわきの方に位置づけされている政策に当たるかもしれませんけれども、しかし、しっかりとした政策を遂行する上で、これからいろいろと質問します問題も大変大事な課題であろうというふうに私は認識いたしておりますので、そのあたりを含めて農水省の見解をお伺いしたい、そのように思っております。  昨日も農業の担い手問題ということが大変話題になりました。これからもいろいろな、多様な担い手を期待していくという基本的な姿勢で、今回の農地法の一部改正も農業生産法人に関する改正が行われているわけでございます。  新しい農業基本法の第二十六条に農村女性の問題がうたわれておりますし、また二十七条には高齢者の農業に対する期待を込めた条文がございます。  きのうも丸谷委員の方から若干そういう質疑があったような気がしますけれども、実質、今、農村地域で、農業の実際の農作業の中で、データによると、六割以上もう既に女性が従事しているというデータもあります。今日、農村地域において農作業に女性の方々も大変な力を発揮していただいておるわけですけれども、やはり、これからの農村地域のいろいろな活性化とか各種農業団体における女性としての発言の場、そういう社会的な場に女性の皆さん方にも積極的に参画していただきたいというのが私の気持ちでございます。今現在、農水省の方としましては、農村にいらっしゃる女性の皆さん方が農業という仕事にどういう役割を担っているか、また農村地域、農村社会においてどういう役割を担っているかという現状認識、これからどういう役割を期待するかといった基本的なところをお聞かせ願いたい、そんなふうに思います。

木下寛之農林水産省農産園芸局長

○木下政府参考人 お答えいたしたいと思います。  農業の中で女性がどういう位置を占めているかという点でございますけれども、農業就業人口で見ますと、委員御指摘のとおり、六割弱が女性の割合になっているところでございますし、基幹的農業従事者数を見ましても五割弱が女性というようなところでございまして、まさに農業において重要な位置を占めているというふうに考えているところでございます。  私ども、そのような農業における女性の位置づけを踏まえまして、今回、食料・農業基本法あるいは食料・農業・農村基本計画の中で、一つは、それにふさわしいような位置づけをされるよう、農村女性の社会参画の目標の設定、それからその達成に向けました普及啓発、また女性が参画しやすいような環境整備を図るための農作業なり家事、育児、介護等の過重労働の軽減、また経営参画に必要な農業技術、経営簿記等の能力向上、あるいは起業活動に必要な情報の提供等々、総合的な対策を講じているところでございます。  私ども、このような施策を通じまして、農業に占めます女性にふさわしい社会参画が図られていくというふうに期待しているところでございます。

一川保夫自由党

○一川委員 今ほどの御説明によりましても、相当農村地域での女性の活躍が行われているわけです。私は、よく冗談半分に聞く話でもありますけれども、最近、農村地域で公共事業等のいろいろな折衝事、用地交渉とかいろいろなことが始まったり、あるいは農林省が今補助している基盤整備的なものを実施する上でも、そこの世帯主である御主人がオーケーと言っても、翌日ひっくり返るときがある。要するに、奥さんの了解がないと、なかなか物事が進んでいかないというようなケースを最近よく耳にするわけです。それくらい女性の皆さん方も、自分たちの地域のこれからの発展なり、農業に対して、強い関心を抱いてきているという一方の証拠でもあろうというふうに思います。  そういう面で、今ちょっとお話がありましたように、確かに、これからの政策としても、女性がいろいろな面で参画しやすいような環境をつくっていくということはそのとおりなんですけれども、では、具体的にどういうことにもっとポイントを置いてやっていくかということが課題になろうかというふうに思っています。  私は、もう既にいろいろなやり方があるんだろうと思いますけれども、例えば、女性の方を海外の農業的な視察とかそういうものにももっともっと積極的に派遣する機会をつくってあげるとか、いろいろな研修、農業の技術的なものの研修も含めて、女性の皆さん方が積極的にもっと参加しやすいような状況、条件を整備していくことも大変大事なことではないかなというふうに思っているわけです。そのあたりのもう一歩踏み込んだ考え方をお聞かせ願いたいと思います。

木下寛之農林水産省農産園芸局長

○木下政府参考人 具体的な取り組みの内容でございますけれども、まさに女性農業者が農業に参画できるように、一つは、そのための能力開発なり、労働環境の改善のためのいろいろな情報提供なり研修を行っているところでございます。  また、私どもは家族農業協定の締結を進めておるところでございまして、このような家族農業協定の中で、具体的なそれぞれの状況に合わせました位置づけを明確にされるように推進してきているところでございます。

一川保夫自由党

○一川委員 これも昨日の話題にもありましたように、やはり、女性の皆さん方も、これから私も話題に出しますけれども、高齢者の皆さん方も、ある面では意欲が出てくるような政策を、しっかりと農水省の方でも展開していただきたいということを強く要望しておきたいと思っております。  引き続き、私は、やはり基本法の二十七条にうたわれておりますけれども、高齢農業者の役割といったものをしっかりと評価しながら、これから農業という産業の中でしっかりとした活動をしていただきたいという願いを込めての質問をさせていただきます。  御存じのとおり、高齢者ですから、当然ながら非常に経験豊かなわけでございますし、また元気な方もたくさんいらっしゃるわけです。そういう方々に、私は、農業という産業は、ある部分では非常に高齢者に向いている部分もまだ残されているというふうに思っております。ほかの第二次産業等々を見れば、割と高齢者がずっと引き続き活動していくというのはなかなか難しい分野もありますけれども、やはり農業というのは、その地域の特性を生かしながら付加価値の高い農業を展開するとか、あるいはまた、これから畑作的なものをだんだん振興していくという中にあって、高齢者の皆さん方にいろいろな経験、技術といったものをもう一度しっかりと発揮していただく中で、そこに生きがいを見出していただく、それが農村における高齢者の福祉の問題にも大変私は貢献するのではないかというふうに考えるわけですけれども、その高齢農業者というものに対する農政としての位置づけといいますか、そのあたりを農林省のお考えをお聞きしたいと思います。

石破茂自由民主党農林水産政務次官

○石破政務次官 昔といいますか、私が子供のころですから三十何年前ですが、三ちゃん農業という言葉があって、じいちゃん、ばあちゃん、母ちゃんですか、決してポジティブな言葉じゃなかった、どちらかというとネガティブな、これから先農業は本当にそういう人たちが担うんだよというような響きの言葉だったように覚えています。これから先は、委員御指摘のように、ポジティブな女性であり高齢者であり、そういうものを目指していかなければいかぬのだろう。  その高齢者の中で、今委員も御指摘がございましたが、一番大事なのは生きがいなんだろうと思っているのですね。ほかの産業に比べて、やはり経験が物を言う世界ですから、農業者の方、高齢者の方が活躍する場面もあるだろう。しかし、がんがん生産性を上げてやってくれといっても、それは無理な話でありまして、そこにおいて着目しなければいかぬのは、一つは、バリアフリーみたいに、高齢者の方が住みやすい農村づくりということはハードで必要なんだろう。もう一つは、どうやってそういうことを聞いてくれる若い人をつくっていくか、子供たちをつくっていくかということなんだろうと思っているのです。一種の語り部みたいなものでしょうか、それを実証するような形でしょうか。  海外なんかへ行ってみますと、本当に高齢者が尊敬されている。何で尊敬されているかというと、私は夏にセネガルなんという国に行ってきたのですが、おばあさんをすごくみんなで尊敬している、大家族で住んでいるということもありますが、このおばあさんは三十年、四十年、ずっと井戸から水をくんできて、何キロも何キロも水を運んできた、このおばあさんのおかげでおれたちはあるんだよということを、本当にみんなが尊敬して聞いているというのですね。やはりそういうことが大事なんじゃないだろうか。そういうのが一番の福祉の要諦ではないのかなというふうに思っておりまして、それを農政の中で基本法の趣旨にのっとって展開をしていくことが肝要ではないかと思っておる次第でございます。

一川保夫自由党

○一川委員 今の政務次官の御答弁、私も同感でございます。今、介護制度という社会保障の制度もスタートしたばかりでございますけれども、要するに、基本的には介護のお世話にならないで、元気で人生を全うするというのが一番望ましいわけでございます。そういう面では、割と農村地域の高齢者の皆さん方の平均寿命が長いというデータも一方であるわけでして、これから農村地域で農作業に従事しながら、本当に生きがいを持ちながら人生を楽しんでいただくということは、ある面では、私は、農業あるいはまた農村地域の果たす大きな役割ではないかなという感じもするわけです。こういったところは本来の、本流の政策と若干異なるかもしれませんけれども、きめ細かい、非常に配慮の行き届いた、農政というものを一方ではしっかりと推し進めていくということが、これからの高齢化社会という中にあって大変大事なことではないかなというふうに考えるわけです。  また、今日的な課題ですけれども、青少年を取り巻く残虐な犯罪が展開されておりますけれども、人間のいろいろな情緒的なもの、心の問題、そういったことに対する農業の果たす役割なり農村の果たす役割というものも、やはり一方で非常に大きなものがあるわけでして、そこがまさしく、農村に住んでいらっしゃる女性の皆さん方とか高齢者の皆さん方に、ある面では非常に期待する面もあるような気が私はするわけです。  どうか、農村地域で頑張っていらっしゃる女性の皆さん方なり高齢者の皆さん方に、本当にこれからも意欲を持って活動ができますような施策を、今後とも力強く展開していただきたいということを強く要望しておきたいと思います。  次に、これも新しい農業基本法の二十九条でうたわれている事項ですけれども、要するに、農業技術の開発及びその普及という問題に関することです。  この技術開発、いろいろな研究も含めたこういう分野は、割と地味な、地道な分野ではありますけれども、これからの二十一世紀という時代にかけて、基礎的な研究、試験的なもの、それから技術の開発といったようなことにしっかりと取り組んでいただくことが大変大事な分野だというふうに私は思っております。また一方では、そういった成果を生産現場なり農村地域にしっかりと移転して、啓蒙していくということも当然ながら大事なわけでございますけれども、このあたり、農水省はどういう考え方で取り組んでおられるのか、そこのところをまずお聞きしたい、そのように思います。

小林新一農林水産技術会議事務局長

○小林政府参考人 我が国では、多様な自然条件あるいは社会経済状況を生かしました多様な農業が展開されておるわけでございまして、地域に根差しました農業の振興を図っていくことが重要であり、かつそのための研究開発が重要な課題であることは、言をまたないわけでございます。  このため、私どもにおきましては、農林水産省の地域農業試験場などが都道府県の農業試験場と協力をしながら、地域の特性に応じました高品質品種の育成や安定的な栽培技術の開発、こういうものに取り組んでいく、さらには、普及組織や産学と連携いたしまして地域に密着した技術の開発、改良を行っていく、そのような都道府県の試験研究に対して助成する、このような施策を進めておるところでございます。  今後とも、地域に根差しました現場を支える研究開発を重視しまして、積極的に推進していきたいというふうに考えております。

一川保夫自由党

○一川委員 今、来年度の予算の、政府のいろいろな事務的な作業が行われているわけでございますけれども、今説明されましたこういった技術開発に関連して、農水省としては十三年度から特にこういうことにもっと力を入れていきたいというようなところがあるのかないのか、そのあたり、ちょっと具体的に説明していただけますか。

小林新一農林水産技術会議事務局長

○小林政府参考人 現場を支える農林水産技術という視点で主要なものといたしましては、来年度要求しておりますのは、一つは、食料自給率を向上していくための二十一世紀の土地利用型の農業の確立を目指しました品種の育成とその安定生産技術の総合開発ということでございまして、麦や大豆などの自給率向上のための品種開発をこれまでも積極的に進めておりますけれども、さらにそれを総合化いたしまして、新品種の育成などを中心にし、また、それを含めた高度輪作体系の確立、そういうものの技術開発を目指しまして、新しくそうした事業に取り組んでいきたいというふうに考えております。  また、先ほど申しましたが、地域におきますさまざまな取り組みということでございますが、私ども、地域総合研究事業ということで、地域ごとのテーマに応じまして国の研究機関が地域の試験場と一緒になりまして研究テーマの開発に取り組む等々の予算がございまして、そういうものも含めまして、予算をしっかりと確保して取り組んでいきたい、このように考えております。

一川保夫自由党

○一川委員 こういった技術開発あるいは試験研究分野というのは大変重要な分野でもございますし、また、常日ごろそういう分野で活躍されている皆さん方にもしっかりとした目標を持って頑張っていただくという面でも、これからの農政の中でもこういった技術開発、試験研究分野についてしっかりとした施策を展開していただきたい、私はそのように要望しておきたいと思います。  今のにも若干関連をいたしますけれども、この農林水産委員会のメンバーで、この前、宮路団長と一緒にアメリカ等へ視察をさせていただきました。そのときに、ワシントン州立大学の方で、地域の農業者と試験研究機関の皆さん方が、いろいろな意味で連携を図りながら、その成果を普及活動としてしっかりと地域におろしていくということで、大変頑張っているということをお聞きしましたし、また、そのことがいろいろな面で成果を上げてきているというお話もお聞きしました。私もそのとき、今もあるというふうに聞いておりますけれども、昔、四Hクラブというか四H活動、そういうものがかつて日本でも相当活発な運動をしておりました。最近は若干その言い方が、名称が変わってきたというふうにも聞いておりますけれども、やはり試験研究機関なり大学なり、そういったところと地域の農業というものがしっかりと連携し合って、その地域の特性を生かした農業というものを展開していくということでは、大変すばらしいなということをこの前の視察で感じたわけでございます。  今、日本の普及事業という中で、そのあたりの活動状況はどのようになっていますか。そのあたり、ちょっとお聞かせいただけますか。

木下寛之農林水産省農産園芸局長

○木下政府参考人 農業改良普及活動の中で、四Hクラブの活動についても支援をしているところでございます。具体的には、農業に関する技術の習得なり調査研究、また農業先進地の視察研修、地域における行事やレクリエーションへの参加、あるいは消費者等との交流等に取り組んでいるところでございます。  私ども、このような四Hクラブ、日本全体で五千弱ございますけれども、それらにつきまして、農業改良普及センターが、自主的な活動を企画面あるいは技術面で総合的に支援をしているというような状況でございます。

一川保夫自由党

○一川委員 今、日本の四H活動、まあそういう言葉が残っているのかどうかわかりませんけれども、四HのHの意味すら明確でないところもちょっとございます。何となく想像はできますが、当時と今と、そういった四H活動のねらいといいますか、目的的なものというのは変わっていないんですか。

木下寛之農林水産省農産園芸局長

○木下政府参考人 四Hクラブはアメリカから導入されたわけでございますけれども、一つは、農業の改良なり農家生活の改善に役に立つ腕をつくる、ハンドを磨く、科学的に物を考えることができる頭、ヘッドを訓練する、また、誠実で友情に富む心、ハートを増進する、さらには、楽しく、元気で働くための心なり体の健康、ヘルスを増進する、四つのHを推進することで創設されたというふうに承知をいたしております。  現在は農村青少年クラブというような名称で行っておりますけれども、創設されました先ほどの四つのねらいというのは、現在の農村青少年クラブでも共通しているというふうに考えております。

一川保夫自由党

○一川委員 今日、農村青少年クラブということらしいんですけれども、最近は、そういったクラブの名称も含めて、その活動状況というのは、我々地元においては余り目立たないところもございますけれども、もともとのねらいとするところは、まさしく、今の説明を聞いておりますと、今日でも変わる必要もないだろうし、そこのところをしっかりと焦点を当てて活動をしていただきたいというふうに思うわけです。  そこで、総括政務次官に所見を伺いたいのですけれども、我々がアメリカの大学でお話を聞いたときに、非常に私自身感銘を受けた事柄の中に、農業の普及活動を通じて、地域に住んでいる住民の皆さん方とか、もちろん農業に携わっている皆さん方、また、そこの地域に住んでいる子供さん、そういった人たちを交えてのいろいろな自然に対する触れ合い体験だとか農業体験、そういうものを通じながら普及活動もあわせてやっている。  そういう中の一つの大きな成果として、今日、非常に重要な課題になりつつありますけれども、青少年のいろいろな犯罪防止という問題に、この農業の普及活動というものが非常に大きく貢献してきているというような趣旨の説明を受けたわけですね。これは、まさしく日本でも今大変重要な課題だというふうに私も認識しておりますし、こういった農業あるいは農村地域というものを、しっかりとこれからの青少年の教育の場としてうまくかみ合わせていく。余り強制的にやる問題ではないと私は思いますけれども、幼い時期に、いろいろな農業、要するに、小さな動植物との触れ合いの中で、人間の心を、本当に思いやりのある心を醸成していくという面でも大変大事な部分だというふうに思うわけです。  私は、こういった普及事業という一環でそういうものに取り組んだ方がいいのか、そのあたりはちょっとわかりませんが、あるいは文部省のいろいろな施策との関連もあろうかと思いますけれども、農業というものを通じ、農村地域というものを通じながら、青少年の教育というものに果たすこれからの役割というのは、私は、これからの農政の中でももっと十分意識を持って取り組んでいただいた方がよろしいのではないかなというふうに思うわけですけれども、そのあたり、政務次官の御所見をお伺いしたいと思います。

石破茂自由民主党農林水産政務次官

○石破政務次官 平成十年から、私ども農林水産省と文部省との間で、そういうことにつきましての協議会を定期的に持たせていただいております。農業政策は農林水産省、教育は、例えば農業高校なんかでもそうですが、文部省ということでは全然話にならない。やはりお互いによく連携をとりながらやっていかねばならぬであろうという思いで、毎年そういう会議を開いておるわけでございます。  委員御指摘のように、農業、農村の体験というものが多くの効用を持つことは、私は確かなんだろうと思っています。  私が尊敬する方に、あるいは御案内かもしれませんが、東京都武蔵野市長の土屋さんという方がいらっしゃいまして、彼がよく、農の未来は都市にありということをおっしゃるのですね。それはどういうことかというと、武蔵野市というのは人口十四万ぐらいの町だけれども、ほとんど農地なんてない、専業農家もほとんどない。だけれども、農村があって、山村があって、漁村があって、だから武蔵野市というのはやっていけるのだということをよくおっしゃる。  そして、武蔵野市立の小学生であれ中学生であれ、夏休みということではなくて、普通の時期に必ず農村体験をさせる。稲刈りをやる、田植えをやる。武蔵野の子供たちは、少なくとも稲刈りか田植えは必ず体験をし、それも一日か二日のお遊びじゃなくて、一週間ぐらい滞在をするということをやっている。それを聞いてみると、やはり一日や二日ならだれでもいい顔はできますけれども、一週間本当に一緒にいれば、人のいい面も見える、悪い面も見える、けんかもする、そういうところで、教師も子供たちも、自然に触れ合うことでさらに大きくなっていく。  教職員組合の皆様方も、最初は余り賛成ではなかったらしい。ですけれども、今はもっとやろうよということで、労使一体となって進めておられるという話を聞きました。もちろん、いいことばかりではないと思います。悪いこともたくさんあるのかもしれません。  これは、どうか委員の皆様方にも応援をしていただきたいのですけれども、そういうことを何とか全国に広めていくことはできないだろうか。スポット的ではなくて、それを全国に広めていくことが、命の大切さも学ぶことになるでしょうし、集団生活も学ぶことになるでしょうし、自然の恐ろしさも学ぶことになるだろう。どうか御指導を賜りますように、お願いを申し上げる次第でございます。

一川保夫自由党

○一川委員 人づくりという面でも、農業という部分では大変重要な役割を担う必要があるのではないかなという感じを持っておりますので、そのあたりについては、これからまた、いろいろな機会に問題を提起しながらお考えをお聞きしていきたい、そのように思っております。  さて、昨日、若干触れようと思って触れなかったのですけれども、中山間地域の問題。こういった条件不利地域に関するこれからの政策課題というのはいろいろとあるわけですけれども、今現在、直接支払い制度というものをスタートして、それぞれの地域でいろいろと行われている。昨日も、そこの県なり市町村の取り組みの意欲の度合いによって若干進みぐあいに差があるというようなお話もありました。  今現在、直接支払い制度というのは、地元におろして、地域におろして、最終的な詰めをやっているというふうに思いますけれども、当初余り予測をしていないような問題とか、あるいは今後の見直しの課題として何か問題意識として持っておられる事項があるかどうか。そのあたり、現状とこれからの直接支払い制度の課題ということについて、現段階での見解を聞かせていただきたいわけです。

渡辺好明農林水産省構造改善局長

○渡辺政府参考人 新しい政策ということもありまして、総じて、集落協定の締結状況は九月末で七割程度。これは、各県、市町村に大きな差があるということは昨日申し上げました。  その中で、やはり共通して出てきておりますのは四項目ぐらいありまして、一つは、五カ年間という契約期間が、相当な高齢化の中で、本当に約束できるかどうか。実は、逆に言うと、非常に真剣な疑問でございます。それから、一ヘクタールの連担というのが確保できるのか。それから、交付金を返還するようなことが後でさかのぼって起こることに対する心配。そして四つ目には、もう既に相当耕作放棄が進んでいるので、この集落だけではどうにもならないというふうなことが共通した課題として出てきているのですけれども、それはいずれも解決が可能な問題であるという対応を私たちはしています。  つまり、自分で何でも考えて、自分でやらずに、五年の期間も不可抗力の場合には構わないのだし、連担というものの見方も相当柔軟に、作業の連続性みたいなことで見ればいい。あるいは、耕作放棄が進んでいるところは、少しでもそれを回復するというふうな努力を、その集落だけではなくて、その集落に活力がなければ、二集落、三集落超えて、大きな集落の単位をとってもいいじゃないかというふうなことをお話しして、この柔軟な制度に乗るように浸透作業を進めております。このポイントは、やはり集落協定を結ぶところから集落の復活があるわけですから、そこをやはり大きな訴えかける点にしたいと思っています。  ただ、新しい制度なものですから、出てきた事柄をきちんと整理して、こたえられるのか、できないのか、もしこたえられないとすれば、必要な是正はとるのかどうかということを、年々やはり見直しをしていくということが大事なのだろうと思います。一人で悩まずに、各地の悩みや優良事例を、農林水産省もホームページを開いていますから、そこに載せて、だれでもが日本全国からアクセスできるようにしたいと思っています。  思わざるいい成果があったのは、全部が個人に配られずに、相当部分が集落なり市町村にプールをされて、しかも、五カ年間まとめた上ですばらしいことに使われるという事例が出てきております。

一川保夫自由党

○一川委員 今、最後の方で御説明がありましたが、どこかの事例としてお話しされましたけれども、私も、個々の農家の人たちに直接支払っていくということを余りやってしまいますと、何かその地域の平和を乱してしまう危険性もありますし、いろいろな面で集落的に物事に取り組む、合意形成がとりづらくなってくるということにもなりかねない面があるような気がするのです。  そういう面では、今のどこかの事例のように、それをプールして、何かのときにしっかりと地域の農業の振興のために使っていくというようなことも、私は非常に、一つのやり方としてはすばらしいなというふうに思います。  そのほかに、市町村とかそういったところにある程度自由裁量的なものがあったというふうに思いますし、また、県単独あるいは市町村単独で農水省の基本的な施策に上乗せして、何か新しいことに取り組んでいるという事例はあるのですか。

渡辺好明農林水産省構造改善局長

○渡辺政府参考人 もともと、この直接支払いというのは、全国各地で点的な存在でありましたけれども、行われてきたことを国レベルに引き上げて実現をしたものであります。ですから、各地でいろいろな基準があります。  例えば沖縄なんかでいいますと、条件不利の判断基準として、県の裁量の幅、これは、トータルすると、全部の農地の一〇%ぐらい自分の県で決められるということになっているのですけれども、主たる本島からの距離が離れている、離れているから輸送コストがかかるだろう、それから、つくられる生産物もペリシャブルなものはできませんから限定をされるだろうと。  そういうところは、通常の基準では拾えなくても、県としての基準で取り込んでいこうというふうなケースもありまして、各県の独自性というものも、もちろん、透明な基準でなければいけませんけれども、各地であらわれておりまして、そういう点では非常に地域裁量主義というのが生かされる政策の例であるというふうに認識しております。

一川保夫自由党

○一川委員 我が国にとっても画期的な制度がスタートをしたわけでございますので、これからさらにこの制度が充実して、当初のねらいがしっかりと、目的が達成できますように、さらにその点検を行いながら、制度的に見直しするところがあればしっかりとした見直しをしていただきたい、そのように要望しておきたいと思っております。  最後の方の問題になりますけれども、やはり中山間地域のこれからの担い手ということが非常に大きな課題でございます。今回の農地法の一部改正の中で、株式会社的なものを認めていくという一つのねらいの中にも入ってくるかもしれませんけれども、中山間地域は、もう御存じのとおり、非常に高齢化を来してきまして、担い手そのものがなかなかうまく確保できないということが今重要な問題になりつつあるわけです。  こういったときに、では、具体的にどうしたらいいかというのは、それはそれぞれ地域の特色がありますから、一概に全国画一的にこうしろということは当然言えないわけですけれども、ただ、農協という組織は全国津々浦々にしっかりとあるわけです。この農協という組織なり、ここに従事している方々も含めて、これからの中山間地域の担い手対策という中で、農協組織というものをもっともっと有効に活用していく必要があるのではないかなという感じを私は持つわけです。  農協そのものは直接、農地を取得したり、そういったことはできないというルールに一応なっておりますけれども、しかし、現実問題、農協に勤めている職員も、農村地域の農家の方々から見ると、非常にうらやましいなというふうに逆に見られているような状況でございまして、農協が栄えて農家が滅びるのではないかというようなことまで言われている地域もあるわけです。  やはり、農協の職員みずから、極端に言えば、農地に入って水管理をし、場合によっては農作業をするというようなことも含めて、そういうようなことも中山間地域ではある程度念頭に入れたような、制度改正的なことも含めてこれからは検討してはどうかなというふうに私は思うわけです。こういったことに対しての農水省の所見をお伺いしたいと思います。

谷洋一自由民主党農林水産大臣

○谷国務大臣 先般、農協中央会の総会がありましたときにも私がお願いしました点は、やはり大合併、JAがなりましても、営農指導に重点を置いてやっていただきたいということを強く言いました。  今御指摘のように、農協職員が高齢者の家のために、あるいはお仕事をしていただくということも、非常にきめの細かい、また積極的な姿勢だと思います。そういうことをやることによって地域との結びつきができ、また、もっと小さく言えば、家庭との結びつきがJAとできる。こういうことでございますから、私は、職員も研修を重ねて、やはり経済行為である預金を吸収することも大事でございましょうし、また、農家との広がりを持つということも大切ではなかろうかと。  農村で育つJAでありますがゆえに、そういうことを切実に考え、また営農指導も徹底的にやって地域の農業の活性化も図っていく。こういうところに重点を置いていただきたいということを申し上げましたが、今お説のとおりであろうと思います。

一川保夫自由党

○一川委員 今大臣の方から基本的な考え方が示されましたけれども、厳しい状況の中で、やはり農協という組織がもっともっと我が国の農業の力強い発展のためにしっかりとした役回りを果たしていただきたいということを強く要望し、農水省の方でもそういう指導をしていただくことをお願いしまして、私の質問を終わりたい、そのように思います。  ありがとうございました。

宮路和明自由民主党

○宮路委員長 次に、松本善明君。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 農水大臣に御質問をいたします。  今、日本の農業については重大な問題が幾つも起こっております。農地法ももちろんそうでありますが、農地法を中心にして、農政の根本にかかわる問題について農水大臣に伺いたいと思います。  きょう、政府参考人も呼んでいますけれども、これは農水省側の要望もあってやったことで、基本はやはり農政の根本にかかわることなので、私の質問は、基本的には農水大臣にお答えいただきたい。もちろん、いろいろな事情でほかの方に答弁させたいと思われることもあるでしょうけれども、そのときには言っていただけば、私の方からそれで結構ですと。やはり、国会が活性化をし、本当に権威を回復するためには政治家同士の議論がきちっと行われる、そして、それを国民が見るということが大事だと思いますので、そういう趣旨でお答えをいただきたいと思います。  今、全国の農家は、米価の暴落と輸入増による野菜価格の下落で、農業所得は急激に悪化をしております。文字どおり、日本の農業は存続できるかどうかというところに来ているのではないかと思います。米価は、政府の緊急総合政策にもかかわらず、低落に歯どめがかかりませんでした。稲作は、来年どうなるかという不安が農家を覆っております。文字どおり、稲作崩壊の危機であります。輸入をしながら減反をするというのはナンセンスだと大原元農水大臣が言われたことがありますが、豊作だから減反、青刈りというのは無策以外の何物でもないと私は思います。  野菜の暴落は輸入野菜にあることは明白で、多くの自治体、農水省の提出資料を拝見いたしますと、ことしに入ってから十月までに三十五道府県、三百七十八自治体、そこには十の県議会も含まれておりますが、セーフガードの発動を求めております。  やはり、今農業の危機で、日本の農業を守るためにはどうしても輸入との関係、輸入を制限するということが避けて通れない、これを抜きにしては日本の農業を守ることはできないというふうに思いますが、農水大臣、この根本問題についてどうお考えですか。

谷洋一自由民主党農林水産大臣

○谷国務大臣 米の場合で説明申し上げますならば、昭和三十七年が個人一人当たりの消費量が一番多くて、百十八キロぐらいは食べたと思います。それが今現在、六十キロ台に落ちておるということから考えてみると、日本人も食生活に変化があった、つまり、いわゆる副食物をたくさん食べるようになったといえばそれまでかもしれません。しかし一方、子供たちが幼稚園や小学校、中学校の体育大会に出ましても倒れてしまうというふうな状態もある、いや、むしろ消防団でさえそういうこともあり得るということを考えてみると、食生活というものをもっと変えることが必要じゃなかろうか。いわゆる米をもっと食べていただいて、しっかり体力をつけるということも必要じゃなかろうか、こういうふうに思います。  しかし、それだけ消費量が減っておるんですから、今、日本で米をどんどんつくっていただくと余るということでございますから、三割、五割の減反をしていただいておる。それは農家の方も理解いただけると思うんですが、外米を輸入しながらなぜ我々は減反をこれだけしなきゃならぬというところに農家の苦痛があると思うんです、不満があると思います。それはよくわかるんですが、それでは、この米の輸入はいつごろに、いつの時点でやったのかということになって、問いただせばそういうことになるわけでございますが、我々としては、今の段階では、そういう昔のことを考えてあのときにどうだった、こうだったと言うよりも、今現在でやはり米の輸入を七十万トンもしなきゃならぬということに対応しなきゃならないということでございます。  これは、WTOの問題として多面的な機能ということを盛んに我々は言っておりますけれども、これも言うことは必要だと思います。同時にまた、この問題についても十分これから考えてWTOにおける論議をしていかなきゃならぬと思っております。  しかしながら、現実の問題として今申し上げたようなことが現実でございますから、その対応ということ、それはやはり国民の理解だと思うんです。なぜ日本が四割に落ちておるのか、そしてもっと、このままであれば三八%、三五%に落ち込む可能性もある、まさに農業の危機だということもわかるわけであります。しかし、これは国民全体、いわゆる消費者全体の皆さん方がもっと理解をしていただきたい。お金さえあれば外国から物を買ったらいいんだという安易な考え方でなくて、日本は戦争を放棄しておるんですから、日本は戦争をしなくても外国に戦争が起きればたちどころに食料も高騰するでしょうし、また、高騰しないにしても、輸入がストップされることもあり得るわけであります。そのことを考えると、四五%自給するだけでなくて五〇%、六〇%というふうな考えを国民全体が持っていただきたい、そういう思いをしております。  ですから、かつての大臣が、輸入、米を入れることはナンセンスだとおっしゃった、それはそれで評論家的なことを言っておっても仕方がございませんから、我々は最善の努力を今後払っていきたいという気持ちで頑張っております。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 今度の国会の本会議では森総理大臣も、食料安全保障、それから農業の多面的機能というような観点からWTOを変えていくという方向について、私どもからすれば不十分ではあるけれども述べられました。  私は今の農水大臣の御答弁を聞いていますと、そういう気迫が感じられない。本当に農業を守るためにWTO協定を変えても頑張るんだという気迫が全く感じられない。それで、こういうふうになったのはいつだったかなんて、恐らく自民党が野党だったということを言いたいのかもしれませんけれども、その後の批准国会では自民党も賛成しているわけです。それは責任転嫁というものだと私は思いますし、やはり農業危機を本当に直視しなければならぬと思います。  こういう事態を招いたのはやはりWTO協定でありますし、市場原理万能の新農業基本法、新食糧法、そして規制緩和による優良農地の転用でありました。今回の農地法改正でも、株式会社に農地の取得を認めようとしている。これは株式会社による農地の転用、投機目的での農地取得に道を開くものであり、我が国農業をさらに衰退させることになる。農民は生産基盤を失い、農業が破局を迎えるというふうな方向に行かざるを得ないと本当に憂えております。  それで聞きたいのですが、我が党の中林さんの質問に答えて、食料自給率向上のために農地確保は不可欠だと答弁されましたが、間違いありませんか。一言でお答えいただきたい。  大臣がお答えになってください。     〔委員長退席、二田委員長代理着席〕

石破茂自由民主党農林水産政務次官

○石破政務次官 そのようにきのう私の方からお答えをいたしております。

谷洋一自由民主党農林水産大臣

○谷国務大臣 確かに、石破政務次官がそういう答弁をしたことも、私もよく聞いております。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 大臣も中林さんの質問に対してそういうふうにお答えになったのですよ。

谷洋一自由民主党農林水産大臣

○谷国務大臣 そのとおりでございます。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 そうですね。  そこで聞きたいのですが、ところが、ほかの方の御質問に対して、その質問は、改正案は株式会社の参入に際してまだ規制が結構あるが、さらに規制緩和して、もっと自由に参入させるようにすべきではないかという趣旨の質問に対して、農水大臣は、私もそう思う、進めていく、規制緩和を進めていく。私は、これは重大な答弁だと思う。本当にそう思っているのか。撤回するか、取り消すか、それとも再確認するか、お答えいただきたい。

谷洋一自由民主党農林水産大臣

○谷国務大臣 私は、先ほど言いました石破政務次官が答えた答弁も、私が話をしたのも一体のものだと思っております。そんなに別々のものじゃないんです。一体として農地の確保を図って農業の振興を図る、そのつもりでおります。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 いや、規制緩和を進めていくと、もっと参入を自由にしていくべきだというのは、あなたの今でも持っている見解ですか。

谷洋一自由民主党農林水産大臣

○谷国務大臣 この一部条件づきの株式会社にするということにつきまして、規制緩和ということであればそのとおりであります。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 もっと進めていくと言ったのです。それはどうですか。

谷洋一自由民主党農林水産大臣

○谷国務大臣 担い手の確保と株式会社の問題と両方あるわけでございますから、規制緩和は当然、我々は考えております。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 私は、ある意味では農水大臣と農水省の本音が出たと思います。構造改善局長は一生懸命、いや、そんなことはない、農地は確保するんだといって何遍も何遍も立って答弁をしていますけれども、あなたの一言でオジャンですよ。これが本音だ。  私は、そういう方向へ行きましたら、自給率の向上とか食料安全保障なんというのはもう口先だけの話で、だれも信用しない、そう思います。

谷洋一自由民主党農林水産大臣

○谷国務大臣 構造改善局長が再三にわたる答弁をしておりますけれども、私の考え方も全く変わっておりません。  私は昨日の議論を聞いておりましても、質問者によりましては、最初からこうなるということを前提にして考えていらっしゃる。我々はそんなことは考えていない。党内でも議論をいたしましたし、また、この農林省内でも議論をした末、これはここまでやればちゃんと食いとめられる、商業資本が入ってきて、農村にスーパーが入ってきて農地を乗っ取るんだというようなことは絶対できないということにするという強い決心でございますので、何ら関係ないと思っております。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 まあいいでしょう。  私はそのときの構造改善局長の顔色を見ていたけれども、しまったというような顔でしたよ。  いいです。次の質問に入りたいと思います。

谷洋一自由民主党農林水産大臣

○谷国務大臣 顔色とおっしゃいますけれども、顔色を見て判断されたのでは困るんですよ。答弁の内容によってしっかりしたところをやっていただきたいと思います。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 いろいろ弁解されるのは御自由ですけれども、私はそれが本音だと思います。  ところで、日本の稲作を守る上では、輸入米の制限は不可欠だと思います。それで、ミニマムアクセス米の取り扱いについて質問をしたいと思います。  今農水大臣も言われましたけれども、減反拡大の中でなぜ受け入れるのか。これはもう農民の中でのその声は全国に満ち満ちております。九五年から九九年度までにミニマムアクセス米は二百七十万四千トン輸入して、米価は五千円以上も下落をした。減反面積は、九五年度六十六万三千ヘクタールが二〇〇一年度百一ヘクタール。大規模専業農家ほど打撃が大きくて、本委員会でも、自民党の北海道選出の委員が、自殺者が四人も出ているという話をして質問をされました。  大幅な減反を行って、しかも、大量の備蓄米を抱えているわけですから、国内にミニマムアクセス米の需要はないんですね。それはもう実態はそうだと思います。消費者にしても、できれば国産米が食べたい。知らないから食堂で、外食では食べている人がたくさんいると思いますけれども、国産米かどっちを選ぶかといったら、やはり国産米というのが圧倒的な世論です。  私は、ミニマムアクセス米は輸入量を大量に削減すべきだと思いますが、農水省はWTO改定交渉でどういう提案を検討しているのか。

石破茂自由民主党農林水産政務次官

○石破政務次官 委員御案内の上で御質問かと思いますが、ミニマムアクセス米というのは、従来、輸入機会がほとんどなかったものに最低限の輸入機会を与えようということで、全くその名のとおり、前回の交渉の際に全加盟国賛成の上で決められたものでございます。今でもそれに反対をしておる国は全くございません。私どもとしては、本当に国益というものを考えましたときに、委員御指摘のように、ミニマムアクセス米を撤廃したときに何が起こるかということは考えていかねばならぬだろうと思っております。  すなわち、国家貿易品目でございますが、それもなくなる。関税の大幅な引き下げということが起こる。そのときに本当に日本の農家がやっていけるかどうかということを考えていかねばならぬ。その場合に、勇ましいことを言うのは簡単ですけれども、そのときに本当に農家がそれでやっていけるかということをぎりぎり考えました上で、皆様方の御判断も仰ぐべきものというふうに考えておる次第でございます。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 WTOについての「WTO農業交渉の課題と論点」という農水省のつくったものの「コメに係る検討の視点」という文章によりますと、「ミニマム・アクセス数量についての考え方」で、ミニマムアクセスについては、大別すると、ミニマムアクセスを返上すべきだ、(2)が基本水準へ縮減すべきだ、(3)が現行水準拡大を阻止すべきだ等の意見があると述べています。  言うならば、これを拡大すべきだというような意見はないということのようでありますが、これはどういう意味でここに書かれたんでしょうか。

石原葵農林水産省経済局長

○石原政府参考人 お答え申し上げます。  今回のWTOの農業交渉に臨むに当たりまして、農林水産省といたしましては、国民各界各層からの幅広い御意見をちょうだいして提案をまとめたいというふうに考えているところでございます。このような考え方に沿いまして、各農政局単位で意見を聞く会を催したり、あるいはEメールで意見を募集したりしているところでございます。  そのような中で出された意見が、もちろん、それをすべて、もうちょっと細かい御意見もございますが、大方その三つの意見に集約されるであろうということで示したわけでございます。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 そうすると、ふやせというのはないので、WTOの交渉では、ミニマムアクセス米を減らす、こういう方向で提案するというふうに伺っていいのだろうか。

谷洋一自由民主党農林水産大臣

○谷国務大臣 一言で言いますと、この問題につきましては、まだ農林省はこうするということは決定しておりません。  というのは、昨年の十一月の末から十二月の初めにかけまして、アメリカのシアトルにおきましてWTOの総会が開かれました。私自身それに出席いたしましたけれども、あの場の空気というのは、たしか加盟国は百三十八カ国だと記憶しておりますが、それだけ大勢の方々がお集まりいただいて、議論がいろいろとありました。  だけれども、やはりなかなか我が国の主張をそのまま通すことは難しい。簡単に言えば、議論はぶつけたとしても、そう簡単にこの問題を修正することは困難だということをつくづく感じました。  そこで、やはり一国一国に丁寧に丁寧に日本の主張をして、日本の実情を訴えてやろうということで、農林水産省としましては、その後の動きとして、各国に次官、局長、そして審議官等々を派遣いたしまして、十分日本の考え方、主張、そして日本の実情というものを訴えてまいりました。     〔二田委員長代理退席、委員長着席〕  一方では、私も八月十六日から二十日にかけましてフィリピン、タイを訪問したり、政務次官お二人がそれぞれ各国に行くということをして、日本のWTOに関する話をいたしました。また、EUと韓国が我々の主張と同一主張をして、非常に友好的な雰囲気でやっておりますので、十一月の四日の日には韓国に行きまして、韓国の農林大臣とも、今後強く手を携えてWTOに対する考え方をまとめていこうということをいたしました。ということは、本年の末にWTOに対する考え方を示さなければなりません。そういう意味において、強く言っております。  そういうことでございますから、ただ、その主張を、我々が米の輸入は全廃するということを言うことが、果たして日本全体の問題としていいのか。それは、漸次減らしていこうという気持ちはあります。そういうことをすることによって、まず各国の理解をいただきながら、そして、日本の主張を一歩一歩近づけていくということにしたいという考え方は、強く考えております。それを実行するのには、ただ事をぶつけるだけではいけない。我々が実行できるようにしたいという念願で動いておるわけであります。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 農水大臣、私の聞いたことについては一言で、要するに、まだ決まっていない、それだけなんですよね。ですから、いろいろおっしゃりたいことはあるでしょうけれども、やはり限られた時間です。委員が質問をしているのに、ちゃんと答える、そういうことで議論をしていかないと、国民は何かはぐらかされているという感じになるんですよ。だから、いいです。また聞きます。言いたいことがあれば、また後でおっしゃってください。何も座談会じゃないんだから、ここは。  それで、資料を配付してください。これは、農水省から提出していただきましたEUの食肉のアクセスの約束についてという文章です。  私たちの党、日本共産党は、米を関税化対象から外せということを要求している。これは別枠にしろという考えなんですが、現行制度のもとでもミニマムアクセス米を減らすことは可能ではないか、政府はそのための努力をすべきではないかという観点から、質問をするわけでございます。  EUは、交渉の最終段階で、ミニマムアクセスに求められている割り当て数量、これは国内消費量を三%輸入枠で、最終年には五%まで拡大するというものです。それを、牛肉、豚肉という品目ではなくて、食肉という大分類で計算するということが認められている。  したがって、この資料によりますと、食肉では、最後の枠のところですけれども五・二%、羊肉の輸入が大きいために、EU内生産に影響の大きい豚肉では一・五%、鶏肉と家禽肉が二・三%。低く抑えることができた。要するに、羊の肉をたくさん入れることによって影響を受けないようにしたわけですね。こうして国内の畜産農家を守ったわけです。  やはり、公正なルールということでいくならば、こういうやり方を日本もとることができるのじゃないか、EUと同じように平等にやれということが言えるんじゃないか。日本は、穀物という大分類で計算いたしますと、我が国は小麦や飼料などは大量に輸入しているわけでありますから、米の輸入を大幅に削減することができるのではないかと思いますが、この点は、質問でこういうことを聞くぞということも言ってありますから、農水大臣よりも次官ですか。大臣、手を挙げられたので。

谷洋一自由民主党農林水産大臣

○谷国務大臣 先ほど私に、短い答弁をしろということでございますが、簡単ですよ、それは、答弁をすれば。だけれども、それだったら、簡潔なことを言って全然周囲のことを言っておらぬ、こう言われますから、ある程度のことは私にも自由があると思うんですよ。そういうことでございますから。  それから、今の問題については、技術的な問題がありますから、経済局長、また食糧庁長官の方から説明をいたさせます。

石原葵農林水産省経済局長

○石原政府参考人 ただいま資料が配付されましたので、これにつきまして私の方から説明させていただきます。  これは「EUの食肉アクセス約束について」ということでございますけれども、ウルグアイ・ラウンド交渉におきましては、ミニマムアクセス数量を算定する際の品目の単位につきましては、統一的なルールはございません。各国間の交渉にゆだねられたということでございます。それで、EUにおきましては、ミニマムアクセス数量の算定に当たりまして、食肉という単位で行ったものと推定されるわけでございますが、EUのアクセス数量は、関税分類に基づく品目ごとの約束がされているということでございます。  それで、この表をごらんいただきたいと思いますが、ここには食肉、すべて関税番号ごとに整理してございます。例えば牛肉の部分をごらんいただきたいと思いますが、八六年から八八年の平均の消費量が七百四十五万六千トンということでございます。これに対しまして、八六年—八八年の平均の輸入量が五十二万八千トンであったということでございます。この五十二万八千トンというのは、その当時EUは可変課徴金制度、それから関税割り当てをとっておりましたが、関税割り当てのもとで入ってくる分、それと可変課徴金のもとで入ってくる分、それを合計いたしまして五十二万八千トンという量が設定されたということでございます。  それで、今回のミニマムアクセスの問題に当たりまして、輸出をしておりませんので、日本はそれには入っておりませんが、EUは輸出国との間で、「二〇〇〇カレントアクセス約束数量」と書いてございます、この分は八六年—八八年当時の関税割り当ての分でございます。関税割り当ての分はカレントアクセスということで、現状を約束するということで、関税割り当てとして約束したということでございます。そうしますと、関税割り当ては、上の方からずっと来ますと、下の三つ、これは入っておりません。これに対しまして輸出国の方から、その一部といいますか、「生きた牛」とか「牛肉(冷蔵・冷凍)」、こういうものだけで関割りを設定するのはいかぬじゃないか、「牛肉(冷蔵)、内臓肉(冷蔵)」、こういうものについても約束しろと言われまして、そこにございます一万一千、それから五千、四千というものを約束したということでございます。あと、豚肉、鳥肉、すべて同じ考えでございます。  いずれにしましても、EUは一番下の「食肉計」、ここの部分で五%を上回っている、それでいいだろうということで、輸出国との交渉の中で関割りで設定されていない分につきましてミニマムアクセス数量を約束した。トータルでは五%を上回ったということで、輸出国との間の交渉がまとまったということでございます。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 どうも、過去の説明で、やはり今のこの事態を打開していこうという気迫が本当にない。  農水大臣、経済局長に答弁させましたけれども、あなたはこのことを御存じでしたか。いつ、お知りになりましたか。

谷洋一自由民主党農林水産大臣

○谷国務大臣 それは、大臣になる前から党の総合農政調査会の立場で十分聞かせていただいております。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 こういう方式を、穀物というやり方でやるということを、検討する前から知っているというのは、それは何でやらなかったのだろう。これはやる気がないんですか。それとも、今からでもWTO交渉で検討するという考えはありますか。大臣はどう思っているんですか。

石原葵農林水産省経済局長

○石原政府参考人 EUはこういう考え方をとったわけでございますけれども、我が国は、ウルグアイ・ラウンドの当時、米につきましては一粒たりとも輸入しない、それから、関税化というのも拒否してきたわけでございます。そういうときに、米を含んだ穀物全体でミニマムアクセス、こういうものを設定できたかどうかということであろうかと思います。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 当時はできなかったけれども、今はできるわけでしょう。今はこういう方式で主張するということは可能でしょう。少なくも理論的には可能でしょう。

石原葵農林水産省経済局長

○石原政府参考人 もちろん、交渉でございますので、米についての輸出関心国、輸出国、こういうところとの交渉がどうなるかというのが基本的な問題でございます。  それと、いろいろな利害得失がございます。穀物全体でくくってアクセス数量を算出するということになりますと、例えば、穀物セクターを一くくりにしてアクセス数量を約束することによりまして、今後、自給率の向上を図っていくこととしております国内産麦の振興に悪影響を与えないかという問題がございます。  それから、穀物セクター全体としてのアクセス数量の枠が大きくなりますので、むしろ、米についても輸出国からの輸入拡大要求を招くことになるのではないかという問題がありますので、この点は慎重に考えるべき問題であろうかと思っております。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 一言で……

宮路和明自由民主党

○宮路委員長 谷大臣。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 いや、ちょっと。済んでから。経済局長が答えたから。  理論的に可能だということは間違いないでしょう。一言で答えてください。いろいろなことを……

宮路和明自由民主党

○宮路委員長 松本委員、一言。(松本(善)委員「ちょっと待ってください」と呼ぶ)こちらの許可をとってから発言をしてください。まだ指名していなくて、大臣を指名したにもかかわらずそちらの方からお立ちになってやるというのは、ちょっと議事進行を乱しますので。(松本(善)委員「どうも失礼しました。どうぞ」と呼ぶ)  まず、谷大臣。

谷洋一自由民主党農林水産大臣

○谷国務大臣 ただいま、理論的にはこれはいけるということを断定されますけれども、我々の立場からいえば、それはできないと思っております。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 それは根拠を言ってください、理論的にできないということの。EUはできて、何で日本はできないんですか。私は、いろいろな困難が外交交渉だからあるとかなんとか、それはわかりますよ。それはそれで、別に議論をしようと思いません。EUはできて、日本はできない。何でですか。いや、ちょっと待ってよ、大臣がお答えになったんだから。大臣、できないと言うのなら、理論的にできないという根拠を言ってください。

谷洋一自由民主党農林水産大臣

○谷国務大臣 それは、技術的な問題がありますから、経済局長の方から詳細にわたって説明していただいて、納得いただきたい。納得しないとおっしゃれば、別ですけれども、そういうふうに思っておりますので。  答弁をさせます。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 経済局長に聞きますけれども、大臣、やはり自分が言うときには責任を持って言わなきゃ。理論的にできないと言うのだから、根拠は言えなくて、根拠は経済局長だなんて、そんなばかなことはないですよ、経済局長。

石原葵農林水産省経済局長

○石原政府参考人 先ほど申し上げましたように、輸出国、我が国に対しての米の輸出関心国がどう考えるかという問題がございます。ですから、そういう国がすべて結構ですと言えばそれはできないことはありませんが、事実上そういうのは不可能だという意味で、大臣が今お答えしたものだと思っております。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 そうすると、やはり理論的にできないということを言ったのじゃなくて、関係国の理解が得られるかどうかわからないから実際上難しい、こういう答弁なんですよ。だから、理論的にはできるんですよ。今の答弁は、真っ正面から答えると農水大臣のメンツをつぶすから、経済局長はああいう言い方をしたんだと思うけれども、理論的にはできるんですよ。現実の問題としては、いろいろ問題があろうかと思います。  しかし、やはり日本の農業を守るために輸入を制限する、食料安全保障というのは、安全保障に妥協はないんですよ。日本の国がつぶれるかどうかという問題ですよ、安全保障と言えば。それから、農業の多面的機能、これは国土を守るということですよ。それをいい加減な、根拠もなしに、理論的にできない、やってもいないのに難しいと。これは本当に農業を守るという気がないということじゃないか。大臣、どう思いますか。

谷洋一自由民主党農林水産大臣

○谷国務大臣 先ほどは簡単に言えとおっしゃったので、簡単に言ったのですよ。  そこで言いますと、これは国土保全のためにとおっしゃる、そのとおりですよ。だから、我々は言いたいけれども、米の輸入をやるということを決めて、そのときにできておることは、その輸入国の配慮をするというのは、何もこちらが配慮をするのではない、それを取り決めておるわけですよ。だから、説得が難しいと言ったのが経済局長。それでは、経済局長の言うように、説得が難しいと言えば、その国がそれぞれ了解しなきゃならぬのか。そういうふうな仕組みにしておるんですよ。だから、一たん踏み込んだ足場はなかなか抜け切れない、そこにつらさがあるんですよ。  そういうことを考えていただかぬと、一方的にどんどんおっしゃって、だめだ、だめだ、こんなことはけしからぬとおっしゃるけれども、そう簡単に言えることじゃないんですよ。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 やはり、国会というのはどういうところなんだと。ただ言い合いではありませんよ。  私は、私たちの立場を最初に断りましたように、米は外せと言っているのです。だけれども、政府の立場でもこういうことをできるのじゃないか、今の条件のもとで可能なすべての努力をすべきだということの提案をしているんですよ。そうしたら、もし本当に誠実に答えられるのなら、あなた方は、理論的にはできるけれども、こういう問題、こういう問題があるんだ、ここを言うべきですよ。そして、それについて、いや、それはこういうふうにして突破していくべきじゃないかという議論をしていく中で、国会の権威というのは上がっていくのだと思います。私は、やはり答弁の態度、農業を守るということについての真剣な検討が不足なんだと思いますよ。  私は、この国会は今までとはちょっと変わっている。先ほど申しましたように、総理大臣が本会議で、農業の多面的機能や食料安全保障の重要性への配慮、輸出国と輸入国の権利義務バランスの回復が確保され、各国の農業が共存できる貿易ルールの確立を図るとの基本的考え方に基づいて、国民的な理解を得ながら交渉提案を取りまとめていきたい、これは今まではおっしゃらなかったこと。WTO協定を変えようということはなかったですよ。これは、恐らく国際農林水産業議員連盟が、ここにおいでの方もたくさんおいでになってソウルで発足をしましたね、そこで共同声明で述べられていることが、ほぼ総理大臣が答弁されたことと同じです。  やはり、ここは五大陸、四十一カ国参加をして、日本、韓国、それからフランス、スイスが中心になってやっている。これは、三分の二の国が、このままではその国の農業はつぶれてしまうということになれば、協定は変わるわけですよ。国連総会でも、アメリカが反対しても国連総会で決議ができているのは幾つもあるでしょう。核兵器の廃絶問題、その他幾つでもありますよ。  だから、やはり日本の農業の展望を切り開くためにはそういう外交努力を真剣にやらなきゃだめだ。私は、率直に言って、きょうの御答弁ではそういう決意を感じられないのですね。日本の農業がつぶれていくのを、しようがないんだ。場合によっては、それを表面的に、そんなことはない、そんなことはないと言いながら、実際上はどんどん農業がつぶれていくという道を進んでいると思わざるを得ない。  私は、最後に農水大臣に、やはり非常にきょうの答弁は不満です、一体それで日本の農水大臣かと、悪い言葉で言えば言いたいぐらいですよ。最後に決意を聞きたいと思う。

谷洋一自由民主党農林水産大臣

○谷国務大臣 きょうの議論を聞きながら、国会というのはもっと議論すべきだとおっしゃる。しかし、あなたのおっしゃるのは、私も議論をするところだと思いますし、十分にお話をしなきゃならぬと思うのです。ところが、我々が答弁をすれば、それはすべてあなたが思っていらっしゃるとおりの答弁をしなかったらだめだということをおっしゃっているとしか思えないのです。これでは一方的なんですよ。農林省の経済局長がこう思うと言っていったら、それは、おまえはたるんでおる、もっとしゃんとしろ、こういう話になる。  私も山村に生まれ育ち、きょうも生活をしている者から言ったら、あなたよりもずっと私の方がはっきりと農村を守る気持ちはありますよ。だけれども、あなたは、私がだめだと言って決めつけておるではありませんか。そういう決めつけ方をされるのは、民主主義じゃないと私は思いますよ。私にも自由がある、民主主義がある。同じことですよ。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 時間がないので、本当はきょうは野菜のセーフガードの問題もやりたかったのですが、その時間がなくなったのは大変残念です。ただ、やはりこの国会で議論を十分する、農水大臣の言われたのが正しいか、私が言っているのが正しいかは、議事録を読んだ国民が判断をするだろうというふうに思います。  今後とも本当に議論をして、日本の農業が守れるような、国会はそのために一生懸命やっているということが国民にわかるような農水委員会にしていかなければならぬのじゃないかということを申し上げて、質問を終わります。

宮路和明自由民主党

○宮路委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十一時二十八分休憩      ————◇—————     午後一時三分開議

宮路和明自由民主党

○宮路委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。菅野哲雄君。

菅野哲雄社会民主党・市民連合

○菅野委員 きのうに引き続いて、農地法の一部改正法案に対する質問をさせていただきたいと思います。十時間に及ぶ審議時間最後の質問になりましたけれども、農地法の改正の株式会社参入、この辺について集中して質問させていただきますので、よろしくお願いします。  きのうからずっと議論されていますけれども、まず、農業生産法人に株式会社を加えることによって、政府はどのような農業生産法人の形態を考えておられるのでしょうか。法律案には、参入を認める株式会社は、議決権のある株式、定款に株式の譲渡について取締役会の承認を要する旨の定めがあるものに限るとなっています。そうしますと、きのうもやったのですが、既に農業生産法人となっている有限会社と、どこがどう違うのかという疑問が出てくるのであります。有限会社との違いは一体どこにあるのか、お答えいただきたいと思います。  先ほどの構造改善局長の答弁を聞いておりました。そうすると、現在の法人から構成員の数が五十人を超えて構成することができる、そして資本の増が容易である、取締役会での主体的事業経営が確立できる、こういうことを通じて経営をダイナミックにしていくこと、多様な担い手の確保ができることということを挙げておられました。そうすると、これは株式会社そのものの参入を認めたときには、こういう形態が考えられるというのですね。それが、譲渡制限等を含めて、あるいは生産法人の役員構成等も含めた規制がかかっているという状況のときに、有限会社と今想定している株式会社との違いというものがほぼなくなってしまっているのじゃないか、このことを私はずっと言い続けてきているのです。  そして、石破政務次官の答弁によりますと、企画管理あるいは農地の所有、経営の分離というものは農地法と矛盾する部分があるから、ここは制限を加えていますということを言っています。この二つの答弁を通じて考えられるのは、有限会社と今想定している株式会社の形態はどこがどう違うのだろうか、ここを明確にしていただきたいと思うのですね。  そして、昨日の参考人質疑においても、このことを私は参考人の方にお聞きしました。参考人の方も、ここは明確に答えができなかったと私は思っています。そして、参考人でさえも、法人経営なさっている人でも、人数制限の部分はおっしゃっていましたけれども、このことがはっきりと明確にならないために、今の法律改正案は、これからの部分も含めて、株式会社の参入というのは、農地によって立つ耕作者主義の見直しにつなげるための法改正であるということを払拭し切れないでいるというふうに私は思います。  こういう立場に立って、私の、あるいは今疑念を抱いている人たちに、具体的にわかりやすく説明していただきたいと思います。

渡辺好明農林水産省構造改善局長

○渡辺政府参考人 幾つかの御指摘をいただきました。  何度かお話し申し上げておりますように、今回の制度改正は、農地法の基本理念である耕作者主義にのっとり、農業生産法人制度の枠内で行おうとしているものでございます。  それで、その場合、何がポイントになるかといいますと、今先生が指摘をされました、株式の譲渡につき取締役会の承認を要する旨定款で定めている株式会社であるとか構成員の要件、事業要件、執行役員要件等々は、農業者の主導権、農業者の支配権を確立するための手法であります。  一方、株式会社という形態は、農業者の主導権というものを確保しつつも、やはり株式会社が持っているダイナミズムというものを発揮できる形でございます。といいますのは、これからの農業経営というのは、基本法にありますように、効率的かつ安定的経営を目指すわけでありますので、常に消費者も含めてマーケットに相対しているわけですから、マーケットのシグナルを得ながら、経営の機動性を持ってそれに相対していきませんと、経営も安定しませんし、消費者にこたえることもできないということであります。  そういう点で、二つ申し上げたいのですが、一つは、実際に法人経営をされておられる方々の実感として、資金の調達、人材の確保、販路の開拓面で、株式会社という形態は有限会社よりもまさっているという御指摘がございます。  それから、制度の面でいえば、今入り口のところを先生はおっしゃいましたけれども、構成員の数に制限がない、多くの人に参加を求めることができるから、資金力が確保できる。それから、定款を変更しなくても資本の増額ができる。これも、会社の大きさといいますか、力を変えることができるわけです。それから、一つ一つ社員の方々に相談をしなくても、取締役会という組織がいろいろなことを決めることができるわけでありますので、そうなりますと、やはりマーケットに対する反応なり対応というのが非常にやりやすくなる。消費者にもそういう点でこたえることもできるし、経営も効率的、安定的になる可能性が出てくるということでございます。  いずれにいたしましても、農地法の定めております枠組みの中でやりますので、耕作者主義の理念は変えませんし、農業者の主導権というものを確保した上で株式会社が持っている利点を生かしていくことができるように、選択肢の幅を広げようというものでございます。

菅野哲雄社会民主党・市民連合

○菅野委員 今までの答弁の繰り返しであるというふうに私は思えてなりません。私が聞いているのは、有限会社でできないところはどこがあるのですかということです。  法人形態としてそういうふうにやっていけるというのは、私は法人経営を否定するものではございません。今構造改善局長がおっしゃっていますけれども、販路の拡大という部分は、現在、法人経営をなさっている方も、株式会社が参入しても抵触する部分じゃないんですよね。そして、現在の農業法人も、この販路の拡大の部分に株式会社を入れて株式会社形態でやっているところはあるんですよ。そういう形態すらも独自で工夫しながら今やっております。  私が言うのは、有限会社五十人規模という制限がありますけれども、その有限会社でできないという部分はどこを想定しているのか、ここを具体的にしてもらわないと。農地法の耕作者主義というものを守りつつもやっていこうとする、少しは負の部分というのがあるけれども、株式会社が参入するプラスの面とかみ合わせたときには有利になるという説明をずっとなさっているわけですから、このことをぴしっと明確にしていかない限り、さっきからずっと言っているのですが、懸念は払拭されないのじゃないかのなと思うのです。  再度答弁をお願いします。

渡辺好明農林水産省構造改善局長

○渡辺政府参考人 今、販売面の話を出されましたけれども、努力をすればできるかできないかということではなく、より容易にいろいろなことができるように、可能性を広げてやりたいということなわけでございます。  それから、私の知り合いの例で実例を挙げてみますが、確かに先生がおっしゃいましたように、農地の所有関係についてはお父さん、お母さんと農事組合法人をつくっている、生産面については有限会社で生産をしている、それから販売確保面についてはいろいろな制約があるので、株式会社をつくっているというふうなことで、手続を三つ踏んで会社形態をやっているような経営がございます。経理、経営が非常に煩雑で困るというふうな御意見もあるわけです。  ですから、これからマーケットに相対しながら自分の経営をよくしていこうということになれば、できるだけやりやすいようにしてやる。やりやすいようにした上で、主導権は必ず農業者が持っているというふうな形にするのが、担い手を育成し、効率的、安定的な経営をもたらすということなのではないでしょうか。先ほど申し上げたように、有限会社でいえば、一つ一つのことをすべて一人一票制の社員に相談をしなければならないということでは、世の中の変化に対して機敏に、機動的に対応していくことができないのではないか。それから、規模が大きくなればなるほど、取締役会というようなところで柔軟な素早い決断ができる。一人一人の方に全部一々お願いするようなことをしなくてもできるのではないか。やりやすくしてやろうということが大きなポイントでございます。  一つは、資本の増額、これは定款を変更しないと有限会社の場合できません。資本の増額ができない、新たな構成員の参加ができないということでは、規模が大きくなった場合には会社の運営に非常に差しさわりが出ます。それから、総会の議決事項につきましても、取締役会の権限につきましても同じでございます。会社機関の権限が分化をしているということが、いろいろと経営を機動的にしていく道ではないかというふうに思うわけでございます。

菅野哲雄社会民主党・市民連合

○菅野委員 今の答弁に共通しているのは、とにかく有限会社では経営をダイナミックにしていくことはできないのだ、そういう意味では株式会社を有効に使いながら機敏に対応していく、一言で言えばそういうことだと思います。  そうしたときに、次の法改正の問題点を私、指摘しておきたいのですが、実は、私どものとらえ方です。  きのう、構造改善局長が答弁の中で、あるいは大臣も、規制緩和の中でこの法律案は出てきたものではございませんという形で答弁していますけれども、私たちのとらえ方はそうではないのですね。一九九五年の段階で経団連が、農地によって立つ耕作者主義の見直しに着手すべきだとして、農業生産法人の諸要件の見直しなど農地取得の規制緩和を打ち出してきています。そして、今回の法改正は明らかにこの経団連の主張を踏まえたものであり、この五年間、六年間非常に議論してきたというのはここがあるからであるというふうに私どもは思っているのです。  きのうの参考人の意見陳述にもありましたけれども、家族農業経営者は本当に農業の将来の姿に非常に大きな危機感を持っておられるということを表明しておられました。そして、今回の農業法人の株式会社化に当たって、株式会社一般の土地利用型農業への参入は合意が得がたいということで、ひとまず株式会社そのものの参入は阻止された、ただし一方で、将来の含みとして農地の投機的取得などの懸念を払拭できる実効措置を講じ得るなら株式会社参入も可能だとしていると言っていました。  そして、先ほど言ったように、二年後の一九九七年の九月、経団連の発表によれば、農業基本法の見直しに関する提言をやっていて、その中の経団連の考え方ですが、第一段階として、農業生産法人の株式会社化、第二段階として、借地方式による株式会社の営農を認める、第三段階として、一定条件のもとで株式会社の農地取得を認めるという方向を打ち出しているのです。このように、第一段階、今の農業生産法人の株式会社化にとどまるというふうには考えられないわけです、全体の流れの中で。  こういう家族農業経営者の危惧、心配しているわけですから、この心配にどうこたえていかれるのか、答弁をお願いしたいというふうに思います。

渡辺好明農林水産省構造改善局長

○渡辺政府参考人 入り口の論議として、そういった規制緩和の視点が世の中に喧伝されたことは事実であります。  しかし、私どもは、今回の改正は規制緩和の視点から行うものではない、株式会社が外から参入するものではないということを繰り返し申し上げております。それは、各方面で規制緩和のための検討をするグループが、経団連も含めてございました。しかし、その場において私どもがヒアリングを受けましたときにも、これは規制緩和の視点から行うのではなくて、農業者、農業がより活発な経営活動を行うために考えていることであるということを申し上げております。  現実の問題として、この農業生産法人制度の見直しに当たりましては、農業者団体の方々の御意見も十分伺っております。農業者団体も、例えて言えば、JAなどはアンケートその他もとっておりまして、そういう方々からは、株式会社のメリットが生かされるということも懸念払拭措置がきちんととられればいいのではないかという御意見がかなりの部分を占めておりました。そういう実態を受けまして、私どもは今回の、農業者主体の、農業者に支配権のある農業生産法人としての改正を行おうとしているものでございます。  それで、繰り返しになりますけれども、懸念払拭措置につきましては、農地の取得段階、それから活動段階、最終的に農業生産法人としての要件に該当しなくなった段階のそれぞれにおきまして適切なる措置を考えておりますし、地域の農業者、JA、農業委員会、市町村等が加わった協議会の場で、農業生産法人の活動に関する監視、情報交換、指導といったものをこれから常時続けていくことをしたいと思っております。

菅野哲雄社会民主党・市民連合

○菅野委員 この点で、先ほど松本委員も非常に大きな議論をなさっていたと思うんですね。構造改善局長は今の答弁をずっと繰り返しています。ただ、谷農水大臣は、時代の変化に伴って、農地法についても見直ししていくと。先ほど松本委員の答弁では、規制緩和の方向というのはこれからも考えていきますと。その言葉を解釈していけば、農地法についても今後、時代に対応した形で見直ししていくという答弁だと私は思えてならないんですね、そう言っているんですから。ここは先ほど平行線だったんですが。  そうしたときに、やはり第一段階の農業生産法人の株式会社化は今回提案している農地法だと思います。第二段階、第三段階も、これは時代の流れに沿って改正していこうと考えているのか考えていないのか、農業経営をやっている人たちはここに非常に危惧を持っているんです。今の段階でよしとしても、第二段階、第三段階とやって、最終的には一定の条件のもとで株式会社の農地取得を認める方向にもつながっていくんだ、こういう危惧を持っている。そして、このことが地域農村社会、農村集落の崩壊につながっていくんだという危惧を持っているから、きのうわざわざ遠くから出てきて意見陳述をしているんだと思うんですね。  大臣、ここをはっきりとして、今後の方向性を明示していただきたいと思います。

谷洋一自由民主党農林水産大臣

○谷国務大臣 私、先ほどもお答えしましたように、農地法の今回の改正は改正でありますけれども、また今後とも時代の変遷によって変えていくこともあるだろうと思っております。  今、山村、農村と言われる地域は過疎地域が多うございます。全国には、面積で日本の土地の約半分近く、しかし、そこに住む者は六、七%程度でございます。千二百の市町村がございます。そういうところは、高齢化率が三〇%を超え、三五%を超えているところがある。そうだとすれば、これから十年先には、その変動のある農村地域においてどういう形態がいいのかということも、我々は考えていかなきゃならない。しかし、十年先の見通しは、この場合なかなかつけにくいと思うんです。  そういうことを考えると、農地法はもう何十年変えることがない、盤石なものだということはとても言えない。やはりその都度都度でございますけれども、それは一年、二年という意味でなくて、少なくとも五年を経たら反省するときがあるだろうと私は思っております。

菅野哲雄社会民主党・市民連合

○菅野委員 そこが今回ずっと議論してきたところだと思うんですね。そして私も、大臣、一年や二年の議論をしているのじゃないんです。私は、十年先、二十年先、三十年先、下手をすれば五十年先の、国の基幹産業である日本農業がどうあったらいいのかという視点を持って議論しているつもりです。  農林水産大臣が今言っているのは、中山間地域も含めて、平場の農業も含めて日本の農業を守っていく、守り育てていくという視点があるのであれば、今の農林水産大臣の発言は出てこないと思うんです。中山間地域で非常に条件が厳しい中を、やる気のある担い手を育てていきながらも、農村地域社会を守るために農政としてこういうふうにしていく、そして、農業の耕作者主義というものを守り抜いていく、戦後五十数年、本当に地域農業、地域社会の民主化を果たしてきたこの農地法、あるいは今日までの農村地域社会というものを見たときに、これは、そこを育て上げていくという立場に立つべきだと思うんですね。  そして、先ほどから言っていますけれども、そういう大臣の考え方があるから、農業生産法人だけの株式会社から、本当に株式会社の参入を認めてしまうようなところにつながっていくというところが、参考人たちが危惧している部分だと思います。私どももそこを危惧しているから、この農水委員会によってその危惧を払拭する担保、考え方を私はみんなに示してもらいたいというふうに言っているわけです。  それが逆の方向で、大臣は、この改正を受けて将来は地域に合った形、実情に合った形でというのは、資本力を持った者がどんどん農業に参入するわけですから、今は五百万までですか、資本が制限されていますが、それが一千万以上という資本力が開放されるわけですから、そういう立場に立ったときに、日本の農業の歴史上に残る西暦二〇〇〇年になると思います、そういうことにしていたら。  二〇〇〇年のあの年に農地法を改悪したからこういう方向に今なっていますというふうに言われかねない状況が今存在するわけですから、ぜひ私は農林水産大臣に、本当に農地法の耕作者主義を今後も守り抜いていくんだという強い視点で農地法をこれから考えていくのかどうか、この点を再度答弁をお願いしたいというふうに思います。

谷洋一自由民主党農林水産大臣

○谷国務大臣 私の先ほどの答弁の例が、中山間地域、つまり、山村であるとか過疎地域というのを例にとりましたので、誤解されておると思います。私は、そういう山村あるいは過疎地域だけでなくてそれぞれの地域で、千差万別というと大げさな言い方かもしれませんが、いずれにしても地域差があるわけです。ですから、その地域によっての考え方がある。  例えて言えば、北海道には百五十幾つの過疎地域、過疎市町村があります。しかし、その北海道におきましては、一方では札幌周辺に集中しておるという傾向があります。決して北海道全体の人口は減っていない。しかし、過疎地域である、人口減少が見られるのは百五十幾つもある。  こういうことから考えますと、そして、その内容が、過疎地域に住んでいらっしゃる方が札幌周辺の地域に住まれるということについては、農地を売却して、新しい地域で生活されるというのが濃厚であります。ところが一方、四国であるとか中国地方、そういうところに参りますと、農地を手放して町の中心部に出られるという人はほとんどない。やはりどうしても最後まで自分の墳墓の地で生活するという傾向が強うございます。そういうふうにして全国的にいろいろと違いがあります。  しかしながら、私は、北海道にしろ中国地方にしろ、いずれにしても法人化を図って、本当に力強く頑張ってみようという青年たちもいると思うんです。そのときに、できるだけ幅広く門戸を開放してあげるのが当然であって、やはり私は大資本の商業資本に農地を提供するつもりでこういう法律をつくっておるわけじゃありません。絶対にそういうことはあってはならない。農業者が自分の農地を持って、株式会社をつくってやるということがいい姿であって、農業法人をつくってやるのも一つの手でしょう。  いずれにしても、その地域地域によっての考え方が違うから、私はこういうふうに広く門戸を開放することもいいことだと思って今度の法律をつくっておるわけであります。

菅野哲雄社会民主党・市民連合

○菅野委員 わかりました。経営をダイナミックにしていくと、一つの表明をされました。  そういう意味で、今大臣もおっしゃったように、株式会社化という部分の方向性が打ち出されたんですが、やはりダイナミックにしていけばしていくほどリスクが伴うんですね。今日の厳しい農業経営、きのうも話したんですが、大規模専業農家ほど今日、非常に厳しい状況に追い込まれている実情というのはつぶさに見ておりますから、株式会社経営という部分は、そういう意味では、反面、リスクが大きいものになっていくのだろうというふうに思っています。  そうしたときに、どうしてもここは議論しておかなきゃならないんですが、株式会社が参入した生産法人が経営困難になった場合の問題です。そして、株式会社は当然のこととして株主に補償しなければなりませんから、出資分の回収を農地に求めてくる。  改正案では、生産法人の要件を欠いた場合、農業委員会の経営指導、他の農業生産法人への農地譲渡のあっせん、国による買収などが盛り込まれていますというふうになっていますね。しかし、株主への補償を大義名分にして農地取得を目的としている株式会社がこれに応ずることにはならないと思います。何の補てんも補償も求めない株式会社なるものが存在すると考えているんでしょうか。仮に株式会社がこれに応じたとしても、国による買収は相当高額な支出が必要となるはずです。  きのうの質疑でも一カ所だけ国が買収した例がありますが、この金額は明らかになっていないのも事実ですけれども、財政難という厳しい今日の状況の中で国による買収が本当に可能なんでしょうか。私は、そこは非常に厳しいものがあるというふうにとらえているんです。そういう意味において、農用地外への転用ということが起こってくると思えてならないんですね。  この点について、再度、経営困難に陥った場合の対応についてお聞きしておきたいと思います。

渡辺好明農林水産省構造改善局長

○渡辺政府参考人 経営困難になった場合、例えて言えば、破産をし解散をするというふうなケースも考えられるわけですけれども、その場合、農地を当然売却することは考えられますけれども、その売却先はきちんと現在の農地法によって縛られております。したがって、農業をする方に売却をされれば問題はないわけであります。仮に農業をしない人に売却をするというふうなことは、当然のことながら農地法の許可の段階でそこのところはチェックをされますので、許可が受けられないということになります。  それから、最後におっしゃられました国の買収でありますが、これはもちろん要件を確保するためのプロセスの一番最後のところに来るわけですけれども、売却自身は国が買収令書を交付いたしまして、対価を支払い、または供託することによって所有権を取得するという強制的なものでございますので、そこのところは、相手が農業者でない場合あるいは生産法人でない場合には許可が出ません。出ないときに、どうしても最後の結末がつけられないときには国が強制的に買収をするということであります。  繰り返し申し上げますが、いかなる形で農地が売却もしくは譲渡をされようとした場合であっても、農地法上の許可によってそこのところはチェックをされるということになるわけでございます。  それから、財政の問題でありますが、必要額については私どもは必ず確保する考えでおりますが、この買収という手続はプロセスの一番最後の段階でありますので、それはそうしばしば発揮をされるということにはならないと思います。  念のため申し上げれば、現在の農地価格というのは十アール当たり大体百三十万から百四十万ぐらいでありますので、億単位の金あるいは十億単位の金があれば、いざというときには間に合うというふうに考えております。

菅野哲雄社会民主党・市民連合

○菅野委員 株式会社、農業生産法人と言ってもいいんですが、その経営に対して農業委員会がどう関与していくのか、これはずっと議論されてきたことなんですが、きのうも私、参考人の方に実態を申し上げたんですけれども、地方の農業委員会が今どうなっているのか、きょうは委員会ですから、参考人質疑じゃないですから繰り返します。農業委員会が本当に充実強化しているところもあると思います。しかし、行政改革や地方分権法の中で農業委員会が非常に独立性も専門性も剥奪されてきているのが今の流れなんですね。そして、きのうもお話があったんですが、農地主事を置かなくても、必置義務が外された、そういう状況にもあります。  農業委員会をこういう状況にしておきながら、一方でこの農地法の改正を今やらざるを得なくなる。これが三年前、四年前の農地法の改正であったならば、農業委員会はこういうふうにして関与していきますということで、ああそうですかとわかるんですが、今の農業委員会をそういう状況になし崩し的に権限を弱めてきて、そういう中に再度権限を与えるという姿は私はなじまないと思うんです。なじまないというよりも、農業委員会をどう強化していくのか、この視点をぴしっと持っておかないと、十年先、二十年先の耕作者主義というものがないがしろになっていくのじゃないのかなと思うんですけれども、この点、再度私からも質問しておきたいと思います。

石原葵農林水産省経済局長

○石原政府参考人 お答え申し上げます。  農業委員会につきまして、今、機能が弱くなっているのではないかという御指摘がございましたけれども、我々はそのようには認識いたしておりません。  確かに、農業委員会の関係の予算、若干落ちておりますが、必要な事業を行うに必要な予算につきましては確保しているところでございます。今回の農地法の改正に当たりましても、農業委員会が、農業生産法人に関する要件のチェックを十分に行えるようにということで、農業委員会の委員及び職員に関する研修の費用、こういうものにつきましては手当てしてあるところでございます。  なお、農業委員会につきまして昨日の委員会でも御指摘がございました。今の農業委員会の制度がいいのかどうかという御指摘がいろいろございましたけれども、この問題につきましては、ことしの二月に農業委員会等制度研究会の方から、農業委員会系統組織の果たすべき役割に応じた組織体制のあり方に関する報告書が取りまとめられております。  この報告書の中で、農業委員会系統組織につきましては、今後構造政策の推進に活動を重点化する、そして、特に市町村段階の農業委員会におきましては、構造政策に重点的に取り組むという観点から、一つは、農業政策に係る市町村部局、農協系統、農業公社等他の団体との連携の強化、役割分担の明確化、それから、青年農業者、女性を含む地域の世話役として活動できる委員の選出、それから、農地情報等の整備を進めることが重要とされているところでございます。  農林水産省としましては、この報告を受けまして、全国農業会議所等農業委員会系統組織と一体となりまして、組織、体制の見直しに関する改革プログラムの策定に現在取り組んでいるところでございます。

菅野哲雄社会民主党・市民連合

○菅野委員 そういう意味では、具体的に、この農地法の改正案が通れば、今言ったようなことを本当に真剣になってやっていかない限り、農地法の趣旨というものが地方自治体あるいは地方において生かされていかないわけですから、精力的に取り組んでいただきたいというふうに思います。  最後になりますが、私どもは常に主張していましたけれども、家族農業経営を基本とした集落営農の方向性を日本の農業は目指すべきであり、この点に立った指導、育成を目指していってほしいというふうに思います。そして、まだまだ数は少ないのでありますが、農業者や消費者が主体となって法人化を目指して組織経営、法人化というよりも組織体をなして経営していく、農業を営む方向というものを追求していきたいと思いますし、国としてもその方向で、非常に難しいとは思いますが、努力していただきたいというふうに思います。  多様な農業形態があります。その実情を踏まえて、国の具体的な緻密な指導、援助がこれからも、一年二年じゃなくて長い年月にわたって行われていく必要があると思っています。  国の基幹産業が衰退するということは国家の存亡にもかかわることでありますので、ぜひ大臣としてのこれからの農業に取り組む決意のほどを最後に一言お聞きしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

谷洋一自由民主党農林水産大臣

○谷国務大臣 農地法改正に当たりましての私の発言等を十分踏まえまして、また皆さん方の御質問の趣旨も十分体しまして、今後の運営に頑張っていきたいと思っております。

菅野哲雄社会民主党・市民連合

○菅野委員 終わります。

宮路和明自由民主党

○宮路委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————

宮路和明自由民主党

○宮路委員長 この際、本案に対し、西川公也君外四名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党及び21世紀クラブの五派共同提案による修正案が提出されております。  提出者から趣旨の説明を求めます。鉢呂吉雄君。     —————————————  農地法の一部を改正する法律案に対する修正案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

鉢呂吉雄民主党・無所属クラブ

○鉢呂委員 私は、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党及び21世紀クラブを代表して、農地法の一部を改正する法律案に対する修正案の趣旨を御説明申し上げます。  修正案はお手元に配付をしておりますので、ごらんをいただきたいと思います。  修正の内容は、法律案の附則に、「政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律による改正後の規定の実施状況等を勘案し、国内の農業生産の増大を図る観点から、農業経営の法人化の一層の推進等の農業の多様な担い手の確保のための方策及び農地の転用制限の在り方等の優良な農地の確保のための方策について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」との検討条項を追加することであります。  何とぞ全委員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。

宮路和明自由民主党

○宮路委員長 これにて修正案の趣旨の説明は終わりました。     —————————————

宮路和明自由民主党

○宮路委員長 これより原案及びこれに対する修正案を一括して討論に入ります。  討論の申し出がありますので、順次これを許します。中林よし子君。

中林よし子日本共産党

○中林委員 私は、日本共産党を代表して、農地法の一部改正案に対し、反対の討論を行います。  反対の最大の理由は、農業生産法人の要件の緩和は、大企業の進出による農業、農村の破壊に道を開くことになるとともに、耕作者主義、家族経営を基本とした農政のあり方を大きく変えるものであるという点です。  その中でも、農業生産法人の事業要件の緩和は、一定面積の農地を残しておきさえすれば、関連事業とその他の事業を堂々と行うことができることとなり、農業生産を主とすべき農業生産法人の変質を招きます。また、農業生産法人が農業とは関係のないその他の事業を自由に行うことができるようにしたことは、その他の事業を行うために必要な農地転用を促し、農地転用圧力を一層高めることになり、農村の乱開発と優良農地の一層の減少を招きかねないものです。  さらに、農業生産法人の構成員要件の緩和は、あらゆる大企業に農業生産法人参入の道を開き、巨大な資本力を背景に、農業、農村に大きな支配力を広げることになります。また、国籍も問わないということであり、多国籍企業の農業生産法人への参入も可能とするものです。  農業生産法人の役員要件の緩和は、これまで農業生産法人の経営支配力を農業者に確保しておくための要件であった役員要件の理念を投げ捨て、農業生産法人の経営支配力を農業者以外に確保するための要件にしたと言っても言い過ぎでないものであり、少なくとも、大企業など農業と関係のない企業が農業生産法人に役員派遣などの形で参入しやすくした措置であることは明らかです。大企業による農業生産法人参入をまさに促進させるものです。  現在の農業生産法人の行き詰まりは、農産物価格引き下げ、市場原理導入による農業所得の低下にあり、それさえ転換すれば現行の農業生産法人で十分対応できるもので、株式会社導入の根拠はありません。あくまでも今回の株式会社導入を目的とする農地法改正は、財界による農業、農地支配をねらったもので、認めることはできません。  以上で反対の討論を終わります。

宮路和明自由民主党

○宮路委員長 次に、菅野哲雄君。

菅野哲雄社会民主党・市民連合

○菅野委員 私は、社会民主党・市民連合を代表して、政府提出の農地法の一部を改正する法律案に反対する討論を行います。  反対の第一の理由は、株式会社の参入を容認することによって、日本の伝統的な家族農業や地域の結びつきが破壊され、農村の自立的な再生が不可能になるということであります。一度破壊されたものはもはや取り返しはできません。  また、これからの農業は、国土の保全や水源の涵養、自然環境の保全、良好な景観の形成、文化の伝承など、多面的機能を発揮することが求められています。このことは政府が作成した基本計画でも強調されておりますが、こうしたきめ細かい農業を可能とするのは家族農業を基本とした集落営農にほかなりません。株式会社の参入はこれと逆行するものです。  第二の理由は、政府の説明では、株式会社の参入は担い手不足を解消し、すぐれた農業経営者を育成するために重要だということですが、なぜ株式会社の参入が担い手育成になるのか、全く明らかになっていないということであります。担い手の育成が喫緊の課題であることは論を待ちません。しかし、これまで農業就業人口が激減してきた農政の総括をすることなく、株式会社を参入させれば担い手が確保できるというのは、余りにも短絡的で無責任です。もし株式会社の参入で担い手が確実に確保できるというのであれば、なぜ今まで株式会社の参入を提案してこなかったのか、逆に政府の責任を問われます。  第三は、政府の食料・農業・農村基本計画とこの農地法の改正の関係が不明確であり、理解できないということです。計画の最大の柱は食料の自給率向上と食料の安定供給ですが、株式会社の参入によって食料自給率の向上や食料の安定供給が図られるのでしょうか。社民党はそうは思いません。  例えば、農地の問題ですが、株式会社が参入した生産法人が経営難になった場合、株式会社は、当然のこととして、株主への補償のための出資分の回収を農地に求めます。改正案では、生産法人への要件を欠いた場合、農業委員会の経営指導、他の農業生産法人への農地譲渡のあっせん、国による買収などが盛り込まれていますが、しかし、株主への補償を大義名分にして農地の取得を目的としている株式会社がこれに応ずるはずがありません。仮に株式会社がこれに応じたとしても、国による買収には相当高額な支出が必要になります。財政難の折、こうした国による買収が可能とは思えません。  そうなると、必然的に株式会社の土地所有、農用地外への転用という事態が起こります。食料の自給率向上や食料の安定供給の前提である農地そのものが失われていく結果になることは、火を見るより明らかであります。これは農地法の目的である耕作者主義を否定することにほかならず、社民党は絶対に容認できません。  改正案では、農業生産法人への株式会社の参入に当たって、確かに農業委員会による審査、立入調査、勧告、あっせん、協議など、新しい役割を付与しています。しかし、過去の例を見ても明らかなように、農業委員会が、独立性も専門性もなく、農地転用の単なる許可機関となっているのは周知のところであります。  第五は、株式会社は利潤を追求する組織である以上、その参入によって最も懸念されるのが農薬漬け農業や遺伝子組み換え作物の生産だということです。消費者、国民の不安もこの点にあります。株式会社の参入は、こうした農業に道を開くことにほかならないことは断言できます。  以上、農地法の一部改正案に対する反対の理由を述べ、討論を終わります。  なお、修正案は、これらの株式会社としての農地取得を制限するものにはならないという点も指摘しておきたいと思います。  以上でございます。

宮路和明自由民主党

○宮路委員長 これにて討論は終局いたしました。     —————————————

宮路和明自由民主党

○宮路委員長 これより採決に入ります。  内閣提出、農地法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。  まず、西川公也君外四名提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

宮路和明自由民主党

○宮路委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。  次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

宮路和明自由民主党

○宮路委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。     —————————————

宮路和明自由民主党

○宮路委員長 ただいま修正議決いたしました法律案に対し、西川公也君外四名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党及び21世紀クラブの五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨の説明を聴取いたします。西川公也君。

西川公也自由民主党

○西川(公)委員 私は、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党及び21世紀クラブを代表して、農地法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案の趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。     農地法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に努め、地域農業の活性化、望ましい農業構造の確立、創意工夫を生かした農業経営の展開を図り、もって我が国農業の持続的発展に万全を期すべきである。       記  一 農業経営の法人化に当たっては、家族経営が農業経営の大宗を占める現状等にかんがみ、家族経営の活性化、集落営農の推進、農地の保全・管理を行う第三セクター等の活用等と併せ多様な担い手を確保する視点に立って、適切にその推進を支援すること。その場合、地域農業の関係者による協議の場を設け、その機能の十分な発揮を確保すること。  二 株式会社形態の導入等農業生産法人の要件見直しに伴い、農地の投機的取得等の懸念を払拭するため、農地の権利移動段階における審査、農業生産法人の活動段階における報告・立入調査・勧告・あっせん等の措置、法人の要件を欠いた場合における指導・あっせん・買収の措置を厳正に実施すること。また、これらの措置の的確な実施が確保されるよう、農業委員会の役割を見直したうえで実施体制の整備を図ること。  三 国内農業生産の増大と食料自給率の向上を図るため、農業生産の最も基礎的な資源である農地の確保に万全を期すること。このため、国、地方公共団体による公共転用等が安易に行われることのないよう、関係機関に対して周知徹底を図ること。  四 農地は公共性の高い財であるとの認識のもと、農地転用の在り方を含め、農地の利用や必要な農地の確保等に関連する諸制度の在り方について、総合的かつ一体的な実施を図る観点に立った検討を行うこと。また、農地の有効利用が図られるよう、耕作放棄地の解消に向けた取組みを強化すること。  五 地域農業の新たな担い手を確保する観点から、脱サラ農業者・定年帰農者等農外からの新規参入を含め、新規就農の確保のための支援策の充実を図ること。   右決議する。  以上の附帯決議案の趣旨につきましては、質疑の過程等を通じて既に委員各位の御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。  何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。

宮路和明自由民主党

○宮路委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

宮路和明自由民主党

○宮路委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。  この際、ただいま議決いたしました附帯決議につきまして、政府から発言を求められておりますので、これを許します。農林水産大臣谷洋一君。

谷洋一自由民主党農林水産大臣

○谷国務大臣 ただいまは、農地法の一部改正につきまして御可決をいただき、まことにありがとうございました。法律の趣旨に従いまして、農林水産省として努力することを申し上げます。  また、附帯決議を賜りましたが、この趣旨に基づきまして十二分の配慮をしていきたいと考えております。     —————————————

宮路和明自由民主党

○宮路委員長 お諮りいたします。  ただいま修正議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

宮路和明自由民主党

○宮路委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

宮路和明自由民主党

○宮路委員長 次回は、明九日木曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後一時五十七分散会

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