地方行政委員会 第3号
- 発言数
- 315 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2000/10/31
会議録
○増田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、警察法の一部を改正する法律案及び桑原豊君外四名提出、警察法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 本日は、両案審査のため、参考人として、学習院大学法学部教授高木光君、東京女子大学教授林道義君、日本弁護士連合会刑事法制委員会委員長岩村智文君、ジャーナリスト寺澤有君、以上四名の方々の御出席をいただいております。 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多用中のところ当委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと思います。 次に、議事の順序について申し上げます。 まず、各参考人の方々からそれぞれ十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。 なお、念のため参考人の方々に申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださるようお願いを申し上げます。また、参考人は委員に対し質疑をすることはできないことになっておりますので、よろしくお願いを申し上げます。 それでは、高木参考人、お願いをいたします。
○高木参考人 高木でございます。 今回、警察法の一部を改正する法律案について意見を申し述べる機会を与えられましたことを光栄に存じます。私は、法律学の立場から、政府案及び民主党案に対する考え方を述べさせていただきます。 まず、結論から先に申しますと、私は今回の政府案に賛成する者でありまして、速やかに法律として成立すること、その前提としまして、本委員会で政府案が可決すべきものとされることを願うものであります。 なお、この点は、法律学を専門とする者の中でも意見の分かれ得るところであると思われます。と申しますのは、今回の法改正は、警察刷新会議の緊急提言を受けてなされるものでありまして、政策的な当否が問題となります。政策的な問題となりますと、純粋の理論的問題以上に、専門分野によって、あるいは学者個人の思想傾向によって意見が分かれるのがむしろ当然と考えられるからであります。 法律学の分野も専門分化が進んでおりまして、基本的なものとしてまず、憲法、民法、刑法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法の六つがございます。このうち憲法は国の最高法規ということで別格といたしまして、残りの五つがなぜ基本的かと申しますと、二つの理由がございます。 一つは、これらの分野については法典が存在する。法典といいますのは、ある分野の基本的なルールを定めた単一の法律でございます。例えば、民法という分野ですと、民法という名前の法律がありまして、千余りの条文に、相手が約束を守らない場合に契約をなかったことにできるかどうか、他人の名誉を侵害した場合には損害賠償をしなければならないかなどの基本的なルールが書いてあります。また、刑法という分野ですと、刑法という名前の法律があり、三百弱の条文に、どのような場合に人は犯罪者として刑事責任を問われるのか、どのような犯罪がどの程度の罪になるのかというようなことが書いてございます。 二つ目の理由は、これら五つの分野が大昔からある。例えば、世界史で近代国家として先陣を切ったのはフランスでありますが、一七八九年に革命をなし遂げたとされております。フランスでは、十九世紀の前半に既に五つの分野の法典化が進みまして、基本五法典と呼ばれたそうであります。我が国でも明治時代に、先進国に学びまして、例えば民法典を明治二十九年、一八九六年につくったのであります。 私の専門としております行政法は、残念ながら、以上の六つには含まれておりません。その理由は、第一に、行政法という名前の法典がないこと、第二に、行政法の歴史がやや浅いということであります。 御案内のとおり、現代国家におきましては、行政機関の活動の当否が経済や国民生活に決定的な影響を与えるのでありまして、九〇年代には規制緩和、行政手続法や情報公開法の制定、中央省庁再編、地方分権などが注目を集めたところであります。このような時代には、司法による行政のチェック機能が特に重要でありまして、そのための理論を提供する行政法という分野の重要性を我々は各方面で主張しているところであります。 ただ、現在進行中の法科大学院、いわゆる日本版ロースクール構想の中で、文部省主導で準備されているカリキュラム案では、この点は必ずしも十分に認識されていないようでありまして、我々行政法学者は不満を持っております。近く、我々行政法学者の有志は、行政法を法科大学院のカリキュラムで必修にすべきであるという提言を「自治研究」という雑誌に掲載する予定でございますが、委員の先生方には、この場をかりまして、御理解、御助力をお願いしたいと存じます。 さて、行政法は、憲法を具体化する法と言われておりまして、三権の一つである行政権の行使を適正、妥当なものにするための法的ルールを扱う科目であります。警察も行政組織の一部でありますから、警察の権限を適正、妥当なものにするための法的ルールも行政法学の守備範囲に入ります。現在、我が国には約千七百本の法律が生きていると言われておりますが、そのうち少なくとも千本の法律は、さまざまな行政機関の組織や活動に関するルールを定めております。今回、改正が問題になっております警察法という名前の法律は、そのうちの一本ということになりますが、これら無数の行政法規を素材にして、憲法で論じられている民主主義あるいは基本的人権の尊重という大所高所の議論を具体化するのが行政法学者の任務とされております。 しかし、行政法学者も人間でありますから、行政法規の細かい条文をすべて検討する余裕はございません。ある者は都市計画法や建築基準法などの建設省関係の法律、ある者は薬事法や食品衛生法という厚生省関係の法律を得意とするように、おのずから分業がなされるようになっております。私自身は、この数年、警察庁所管の法律に関心を持ちまして、少しずつ理論的研究を進めてまいりました。教育面では、学生を主たる読者とする「法学教室」という雑誌がございますが、九八年四月から二年間、二十四回の連載をいたしまして、道路交通法ですとか風営法を素材にいたしまして、行政法の考え方をわかりやすく書いたつもりでございます。 ところで、警察の組織や活動に関するルールを扱う行政法の一分野を理論上の警察法と呼びますけれども、この分野は実は古典的な分野に属します。古典的と申しますのは、明治の時代の教科書には重要な位置づけをされていたということでございます。現在はどうかと申しますと、残念ながら、社会保障法あるいは環境法などの現代的な分野が注目を集めている反面といたしまして、影が薄くなっていると言わざるを得ません。また、私の見るところ、全国で三百人程度の行政法学者のうち、警察の分野に特に関心を持って研究をしているのは十名程度にとどまるのが現状でございます。私自身は、この十名程度のうちの一人であると自負しているのでありますが、長年にわたって警察の分野を研究してこられた他の先生方からは、まだまだ修行が足りないということで御批判を受けることもあろうかと思われます。また、警察のあり方に関しましては、行政法学者が発言権を独占するということではございませんで、憲法学者あるいは刑事訴訟法学者からもそれぞれの見方が示されることが予想されます。 それでは、いささか前置きが長くなりましたが、以下、今回の法案につきまして、法律学の立場から私なりの評価を申し述べたいと思います。 政府案、民主党案で取り上げられている主要なポイントについて、順次、理論的な観点、それから警察刷新会議の緊急提言を具体化する改革立法のあり方という観点の両面からコメントいたします。 問題となりますのは、第一に公安委員会の事務局、第二に公安委員会委員の任期、第三に監察に関する公安委員会からの個別の指示、第四に苦情処理、第五に情報公開、以上の五点であろうかと思われます。概略的に申しますと、理論的な観点からは、政府案、民主党案ともに特に難点はなく、一方、改革立法のあり方という観点からは、政府案の方がより望ましいというのが私の評価であります。 第一、公安委員会の独自の事務局に関しまして、政府案は触れておりませんが、民主党案は独自の事務局を設けるものとしております。 理論的観点からしますと、独自の事務局を設けるか否かは政策的な便宜の問題でありまして、理論上どちらかでなければならないということはございません。現行の体制でもよいし、独自の事務局を設けることが許されないわけでもないということになります。 他方、改革立法のあり方という観点からは、警察刷新会議の警察刷新に関する緊急提言に沿った形の政府案が政策的により穏当であると思われます。緊急提言は、市民の代表として警察活動をチェックするという公安委員会の制度趣旨を前提とした上で、公安委員会の活性化を提言しているのでありまして、公正取引委員会のように独自の事務局を抱え、みずから規制権限を行使する合議制の行政機関と同様の機能を果たすということを期待しているわけではありません。したがって、他の方法によって公安委員会の活性化が期待できるのであれば、当面は、組織を複雑にし、それなりのコストをかけるという方法は見送るのが穏当であると思われるのであります。 この点に関連して申しますと、民主党案は、公安委員会みずからが監察を行うということを提言しております。これは、一つの考え方ではありますけれども、緊急提言の考え方、その枠からはやや外れるものであるというふうに私は考えます。 第二点、公安委員会委員の任期制限でありますけれども、政府案は、国家公安委員会の委員の再任を一回、都道府県公安委員会及び方面公安委員会の委員の再任を二回に限定しております。これに対して民主党案は、国家公安委員会の委員の再任を一回に限定するだけではなく、任期を三年に短縮し、都道府県公安委員会及び方面公安委員会の委員の再任は一回に限定するという案になっております。 まず、理論的な観点でございますが、公安委員会は合議制の行政機関でありまして、職権行使の独立性、そしてそれを裏打ちするものとして委員の身分保障が不可欠な要素とされております。今回の改革は、このような基本的な部分に変更を加えるものではありませんので、任期の短縮、再任の制限のいずれも理論上は問題なく許されることになります。 他方、改革立法のあり方という観点からは、同じく緊急提言の別紙二で「公安委員の任期を制限して、公安委員会と警察との間の緊張関係を担保する。」とされたのを受けたものであることがポイントであるというふうに私は考えます。これは、かなり長期にわたって委員を務める場合の弊害を想定したものと思われるのでありまして、逆に、委員が機械的に交代する仕組みというのも適任者の確保を難しくするおそれがあります。また、公安委員会の審議機能を充実させるためには、委員が警察実務について理解を深めることが必要でありますので、そのためには、年数を経ることにも意味があります。そこで、在任期間が長くなること自体が問題であるとは言えないというふうに考えます。 したがいまして、政府案の、国家公安委員会については五年二期で最長十年、都道府県、方面公安委員会につきましては三年三期で九年を上限とする案が比較的穏当なものであると評価するわけでございます。 第三点でございますが、監察に関する公安委員会からの個別の指示等について、政府案は特に条文を設けるということにしておるのに対しまして、民主党案はそのような規定を置いておりません。 まず、理論的な観点から見ますと、警察法五条二項そして三十八条三項の「管理」の意味について、必ずしも明確でなかったということが前提になります。緊急提言の別紙三を見ますと、次のように整理されております。国家公安委員会による警察庁の管理は、警察行政の運営がその大綱方針に則して行われるよう警察庁に対して事前事後の監督を行うことを一般原則とするが、警察事務の執行が法令に違反し、あるいは国家公安委員会の定める大綱方針に則していない疑いが生じた場合には、その是正または再発防止のため、具体的事態に応じ、個別的または具体的にとるべき措置を指示することも管理の意味内容に含まれると言っております。 この考え方、監察に対して管理の意味内容に含まれるという考え方をとりますと、今回の条文、監察に関して公安委員会から個別的指示をなし得るという政府案の条文は、理論上の確認的規定ということになります、これは一つの考え方ですけれども。確認的規定であるというふうに考えますと、その意味はどういうことかと申しますと、そのような条文がなくても公安委員会は個別的指示をすることができる、そしてそのような権限は既に警察法五条二項あるいは三十八条三項によって与えられているということが考えられるというわけであります。もしそう考えるのであれば、民主党案のように規定を置かなくても、理論上は特に不都合はないということになるわけでございます。 ただ、改革立法のあり方という観点からしますと、政府案のように、監察に関して明確な規定を置くことがより望ましいというふうに私は考えます。従来、今申しましたように、警察法の五条二項、三十八条三項の「管理」の意味は必ずしも明確ではなかったのでありまして、いかなる場合にも個別的指示はできないというような消極的な考えに陥るおそれがあったことからいたしますと、緊急提言に従って明確な規定を置くことにも積極的な意味があるというふうに思われるわけであります。 第四点でありますが、苦情処理につきまして、政府案は、文書による苦情申し出制度を創設し、書面による苦情に対しては回答義務を定めております。また民主党案は、さらに苦情処理委員会という制度をつくることを提言しております。 理論的な観点から見ますと、この苦情処理と申しますのは、実は法律によって規律することが難しい領域であることが指摘できます。と申しますのは、苦情処理といいますのは、その性質上、かた苦しい制度抜きに行われるところに妙味があるからでございます。したがって、行政上の不服申し立て、これは行政不服審査法という名前の法律があるんですけれども、行政上の不服申し立てという制度にどの程度近いものにするかは、政策的な判断によるほかないというふうに言えます。 そこで、改革立法のあり方という観点から見ますと、政府案の程度にとどめるのが穏当であるというふうに私は評価いたします。回答が義務づけられるということ自体、従来の制度あるいは他の分野と比較いたしますと積極的な意味が認められるのでありまして、当面はこのような制度でどの程度利用されるのか、どこまで成果を上げるのかを見守る必要があるというふうに考えます。 第五点、情報公開につきましてですが、政府案は特に触れないということでございますが、民主党案は、訓示規定を置くべきものというふうにしております。 理論的な観点から見ますと、政府の国民に対する説明責任は警察についても妥当するところであります。ただ、昨年、第百四十五回通常国会で成立した行政機関の保有する情報の公開に関する法律、いわゆる情報公開法は、国家公安委員会及び警察庁を実施機関に含めております。また、都道府県レベルでも、国の情報公開法を受けて、情報公開条例を改正し、公安委員会及び警察本部長を実施機関とすることになっております。したがいまして、理論上は、警察法自体にわざわざ情報公開に関する規定を置くことは必要でない、ただ、置くことが許されないかとなりますと、それは妨げられないということになるわけでございます。 他方、改革立法のあり方という観点からしますと、政府案のように、警察の情報公開も一般的なルールである国の情報公開法、都道府県の情報公開条例にゆだねるのが穏当であると評価いたします。さきの個別的指示の場合と異なりまして、明確な書かれたルールが存在することになるからであります。 以上、五点にわたって、政府案と民主党案を比較しながら私なりの評価を申し述べました。結論的には、総じて政府案を妥当とするものとなりましたけれども、民主党案に特に難点があるという趣旨ではございません。一連の警察不祥事を受けて、国民の信頼を取り戻すべく何らかの改革が必要であるという認識は、各方面で一致しているところと思われます。本委員会で十分な審議がなされ、立場や意見の相違を超えて、改革への一歩が速やかに踏み出されることを願いまして、意見陳述を終わらせていただきます。(拍手)
○増田委員長 次に、林参考人にお願いをいたします。
○林参考人 林でございます。 私は、政府案を基本的に支持する立場から、警察改革を考える際の基本的発想のあり方について意見を述べさせていただきます。 警察の活動の質をよくするための方策として、根本的に異なる二つの発想があると思います。一つは内部倫理を高めるという発想、いま一つは外部からの監視を強めるという発想であります。前者は内部の士気を高め、使命感を強め、それによって警察活動の質を高める働きをするという意味で、プラスを多くしようという発想であり、後者は悪いことをさせない、すなわちマイナスを少なくしようという発想であります。 どちらの方法によって改革をするのがよいかは、現在の警察がどの程度悪くなっているのかという評価によって分かれると思います。全体が腐敗していると評価すれば、これは外部監察を強化して、いわゆる外科手術をする以外に方法はないということになります。しかし、一部が腐っているだけで、多くの警察官たちは腐敗を断ち切り組織を立て直そうという熱意を持っているのだと評価すれば、内部の自浄能力に期待した方が実効性があるということになります。 私は、どちらとも断定するだけの警察に対する知識もなければ、資格もありません。しかし、常識で考えて、全部が腐っているとは到底考えることができないと思われます。もし全部が腐っていたら、現在のような日本の治安は保たれていない。我々まだ安心して市民生活を行っているわけですから、それに日本の犯罪の検挙率もまだまだ世界に有数のものがありまして、我々日常接している警察官の方々も、大部分の方はまじめに一生懸命やっておられるというふうに私は認識しております。 したがいまして、本日の私の意見は、警察の一部だけがおかしくなっているという前提でお話ししたいと思います。 一般論として考えましても、一つの組織の目的達成度というものは、各成員の主体的姿勢あるいは心構えによって大きく左右されます。平たく言えば、警察官の一人一人のやる気があるかないかで、国民の必要に対してどれだけ真剣に取り組むかが違ってまいります。この点を考えれば、警察改革は、警察官一人一人のやる気をできるだけ引き出せるように警察の内部をつくり変えていくという視点が優先されなければならないと思います。 すなわち、警察官一人一人の職業倫理や使命感を高めるように作用するような教育方法や制度改革を実現することが最も肝要と思われます。 内部倫理を低くする原因としましては、内部の不公平感による不満のうっせき、それによるサボタージュ、あるいはチームワークの質の低下などが考えられます。これらによって一人一人のやる気は極度に低下するものです。これに対する対策としては、例えば功績を上げた者への優遇策、昇進の公平、現場の仕事への高い評価などがその一例として挙げられます。 次に、内部の質を高めるという点で特に重要なのが、リーダーシップの涵養という問題であります。 警察や軍隊においては上意下達が原則ですから、上の地位にある者ほど、人物識見、的確な判断力、公明正大な指導力、部下の能力のあり方を見抜いて適材適所に使う能力等、いわゆるリーダーシップが要求されます。まず大切なのが、真にリーダーシップを持った者を幹部に登用するメカニズムを確立することであります。次に、登用された幹部候補生に有効な教育を施さなければなりません。その場合に、そもそもリーダーとは何か、いかなる資質を必要としているかについて、自覚を高めるような教育が求められます。 この点は、政府案においても、人事や教育の重要性が指摘されていますが、人事の公正や教育の適正を増す方策をさらに具体化し徹底するように、警察内部の努力が必要だと思われます。 以上、要するに現場の警察官の士気と倫理を高める方策を優先して考えるべきと思います。 次に、不祥事をなくすために外部からの監視を強めるという方法の是非について考えてみたいと思います。 この外部監察という考え方は、内部倫理を高める作用をしないばかりか、かえって内部倫理を低める作用をする場合さえあると考えられます。といいますのは、外部監察は内部倫理が比較的低い場合にこそ必要になりますが、内部倫理が低い場合には外部監察に対して不祥事を隠すように作用し、自浄作用をかえって働かなくさせる作用をしがちです。 いたずらに監視を強めるという発想で締めつけるというやり方では、その対象となる者は業務に対して消極的になってしまいがちです。つまり、プラスをふやすという精神ではなく、失点をなくせばよいという精神になりがちです。この方法では、正義感のある者や初めからやる気のある者は、かえってやる気をなくすおそれがあります。 そもそも、外部の素人が監視するという原理そのものに無理がありますが、それをあえて有効にしようと思えば、内部をひっかき回してしまい、使命感を持ったやる気のある者の活動を妨害するおそれが出てきます。しょせんは、マイナスを少なくしようという発想に問題があると思われます。 組織についての一般論をまたここで言いますと、組織の内部においては、やる気も能力もあるという人間は俗に二、三割と言われております。警察官の場合はその割合が五割なのかそれ以上なのかわかりませんが、その何割かの人々が実質的な警察の質の向上を担っています。この割合をふやすということはもとより重要ですが、この人々が仕事をやりやすいように、またこの人々の足を引っ張ることのないように配慮することが大切と思います。 すなわち、いたずらに監視の原則を強めることは、こうした一番優秀な人たちの足を引っ張る懸念があります。また、もちろん指摘されているように、隠密の捜査活動などの場合に対しては、活動に支障を来すおそれも考えられます。 もちろん、内部に不心得者や犯罪を犯す者がいてもかばってもらえるとか、あるいは罪が発覚しても軽い罰で済むということであれば、これもまた内部の倫理や士気に重大な悪影響を与えます。内部でのなれ合いは絶対になくさなければなりません。 しかし、最近の不祥事の発覚の様子を見ていますと、今の時代は、内部でなれ合いをして隠すということが非常に難しくなって、ほとんど不可能になってきていると思われます。警察官の中には正義感の強い人の割合が多いと私には思われますので、内部告発もなされると思われます。したがって、今以上に監視の目を光らせるという発想は、それほど必要とは思われません。 それよりも大切なことは、一たん不祥事を起こした者に対しては、厳正な処罰をもって当たるという原則が大切であると思います。警察官に限らず、政治家や公務員等の公務に当たる者は、一般国民よりも厳しい罰則を定めるべきであると考えます。 以上、内部倫理を高める方式と外部監視を強める方式とを比較考量いたしました。どちらがよいかを決める基準は、警察が全体として腐っていると判断するか、一部がおかしくなっているだけだと判断するかにあります。全体が腐っていると判断すれば、外部監察しか手はありません。しかし、一部が腐っているだけだとしたら、内部からの自浄能力に期待する方がベターだということになります。 私の個人的判断を申し上げると、警察改革の本筋を内部の倫理と質を高める方向で進めるべきと考えます。外部監察の方法は、現時点では、かえって混乱をもたらしこそすれ、実効性は少ないものと思われます。 以上であります。(拍手)
○増田委員長 次に、岩村参考人にお願いをいたします。
○岩村参考人 警察法改正に当たっての意見を述べさせていただきます。 まず初めに、手続的問題についてです。 警察は、個人の権利と自由を保護し、公共の安全と秩序を維持するための組織です。したがって、その警察を改革する問題は、まさに国民的課題と言わなければなりません。それは、国家公安委員長のもとに置かれた私的な機関にすぎない警察刷新会議だけで議論され、結論が出されるべきものではありません。国会なり政府のもとに警察問題を議論する組織を設置し、そこで審議されるべきものと考えております。 また、警察で頻発する不祥事の問題点を探り、解決の道を示す作業は、警察のあり方そのものを問う作業なのですから、その取り組み方も全国民的なものにしなければなりません。現在精力的に進められている司法制度改革審議会に並ぶ取り組みにすべきではないでしょうか。 さらに、警察刷新会議での議論には、キャリアの声はこの会議を進めた警察庁の人によって反映しているのでしょうが、ノンキャリア、特に巡査とか巡査部長などといった第一線で働く警察官の声が聞こえてきていません。こうしたことで真の改革案がつくれるでしょうか、大いに疑問があります。 次に、警察改革の視点について申し上げます。 まず、警察の改革を論じるに当たっては、警察法第一条「目的」を厳格に解し、個人の生命、身体及び財産の保護、犯罪の予防、鎮圧、捜査、被疑者の逮捕を第一義的な責務として、できる限りその範囲に活動を限るべきです。警察活動は何といっても権力的な作用を持ったものですから、市民生活の場面では、何にでも顔を出し、積極的に前面に出るということは好ましくありません。警察がかかわれる市民生活の範囲も限定されるべきと考えております。 警察改革の議論を進めるに当たっては、警察の組織、権限、活動実態などの正確な分析から進めることが必要です。なぜなら、一連の不祥事というより腐敗現象と呼ぶべき事件が次々に発覚しているということは、一部のたまたまの現象と言うことはできず、警察の構造的な問題と考えることが物事の法則にかなっているからです。不祥事が警察の構造的なところに問題があるとなれば、警察の現状を正確に把握することが出発点にならざるを得ません。この点の解明のためにも、大がかりな調査、検討が必要となります。 次に、警察の改革の方向について申し上げます。 警察改革の方向の第一は、警察の民主的コントロールです。とりわけ、監視・チェックシステムの構築です。今回の不祥事で、警察自身にはみずからを的確に監視、チェックするシステムも力量もないことが示されました。市民が参加する外部監察制度が必要です。警察刷新会議は、警察の組織や業務に精通している者が当たらなければ実効ある監察とはなり得ないとの意見のようですが、この間の事実がこの言い分の誤りを示しています。 公安委員会の機能化、活性化も必要です。警察法によれば、公安委員会は警察を管理することになっています。管理という言葉の本来の意味は、これは法律用語辞典を引用するのですが、当該機関に対する主任の大臣の指揮監督権が、内部部局に対する場合と大差ないくらい立ち入って行われ得ることを示したもので、監督とか所轄という言葉よりも当該機関の独立性が弱く、指揮監督権が上局に強くあるというもののようです。公安委員会と警察の関係を、この管理の本来の意味に立ち返って見直すべきと考えます。その上で、警察を真に管理するために、公安委員会の選任方法、組織のあり方、例えば事務局の設置とか、運営、例えば会議の公開を原則とするとか議事録を公開するとか、そういうことをして、こういった公安委員会の中身を抜本的に見直すことが必要でしょう。 我が国の警察機構は、自治体警察が基本と言われています。しかし、実態はそうなっていません。この機会にぜひとも都道府県公安委員会を充実させ、活性化することが強く求められています。地方分権一括法によって都道府県警察事務が自治事務になることとあわせて、都道府県公安委員会を実質的に強化し、機能化して、自治体警察の方向に転換を図っていくべきと考えます。 第三には、警察情報の開示の問題です。情報が国民に開示されるということは、国民がその機関を監視できるということにつながります。警察の不祥事の根源の一つが警察の秘密体質にあると言っても過言ではありません。警察刷新会議では、情報公開問題で一定の議論が行われました。この中で、会計支出文書の開示が取り上げられ、旅費と会議費については原則公開の方向が打ち出されています。しかし、それに限らず、経理面の情報開示が強く求められます。経理の民主制なくして組織の民主制はあり得ないからです。 警察改革で欠かせないことは、警察人事の民主化です。とりわけ、都道府県警察の幹部にキャリアが就任するのは問題です。この改善のためには、都道府県公安委員会に都道府県警察の人事権を与えるといったことも考えられます。人事の点では、キャリアの特別待遇の改善が必要です。昇任試験制度も、捜査活動の現場などで実力を発揮している者が昇進できるといったものに改善していくべきでしょう。あわせて、巡査、巡査部長といった第一線で働く警察官の権利の確立と待遇の改善が行われるべきでしょう。 警察は、近年、生活安全警察、地域社会の安全と平穏を掲げて地域の中心になろうとしています。しかし、さきに述べたとおり、警察消極の原則は守られなければなりません。現在、行政改革あるいは地方自治体の赤字のために、地域住民に密接にかかわる生活関連行政が縮小されてきています。地域社会の安全と平穏のためには、この状態を逆転し、警察以外の行政機関、福祉機関ですとか教育機関などの充実を図って、住民の民力を豊かにして、警察が補充的立場に徹せられるようにすべきではないでしょうか。地方行政委員会の方々には、ぜひこういった点の検討もお願いしたいと思っています。 継続した検討の点について最後に申し上げたいと思います。 警察改革は、今回の改正の検討で終わりにしないでいただきたいと思います。警察の組織、運用、活動などの実態を把握するための継続した活動を国会としてもしてほしいものです。 現在、警察はいろいろな場面に登場し、奮闘していることは間違いありません。しかし、繰り返すようですが、すべてを警察が取り仕切ってよいのかということを考え直す時期に来ているのではないでしょうか。警察権限の見直しです。交通免許の登録などは運輸省が行うとか、他の行政機関への権限の分散化も考えられるべきことです。警備・公安中心の警察から刑事警察への転換を実現することも必要でしょう。本来の警察活動に徹する警察に脱皮してほしいと思います。 これらの警察のあり方、権限配分、それに伴った人員配置などの検討を欠いたままでの警察権限の拡大や人員増には、にわかには賛成できません。 さまざまな角度からの審議を期待しまして、私の意見表明を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○増田委員長 次に、寺澤参考人にお願いをいたします。
○寺澤参考人 ジャーナリストの寺澤です。 先ほど林参考人の方から、警察がもう全体的に組織的に腐っている、腐敗しているのであれば外部監察制度もやむを得ないのではないかというお話があったように思います。私もこの御意見には全く賛成でして、これから私、きょうは、警察の問題はたくさんありますけれども、一点に絞ってお話しさせていただきます。 これは、警察を取り締まる警察がもはや必要だという話です。これはもう、外部監察などという手ぬるいものではなくて、強制捜査権を持った、警察を取り締まる警察をつくるしかない、そういうことでお話しさせていただきます。 まず、私はジャーナリストですから、警察のことを十一年間取材してきまして、いろいろな警察の実態を見てきました。事実として、警察がどのようなことを行ってきたかということを私は十一年間見てきました。 それで、ことしの四月に私が週刊宝石という週刊誌に取り上げた、まず、千葉県警船橋東署の留置場の中で、女性の拘留されている人に対して強姦をしていた。しかも、それが行われたのは一九九五年十月の話なんですね。要するに、五年前の話なんです。五年前に船橋東署の中で、留置場で警察官が制服を着て強姦した事件を五年間隠していたわけです。それを私が、その女性が刑務所から出てきて、やはりこれは絶対に許せない犯罪であるということで私の方に訴えてきて、私の方も、その女性の話だけで信じて書くことはできませんから、二カ月余り、ほかの週刊宝石の記者の方たちの御協力をいただいて調べた結果、この女性の証言は間違いないということで、全部では五週になりますけれども、連載したわけです。 それで、先に言いますと、この問題は、その当該警察官、当時強姦した警察官ですけれども、その巡査長はそのときに諭旨免職、まあ諭旨免職といいますけれども単なる辞職です。辞職させられて、その後警察の方から警備会社、天下り先を世話されましてそこに就職していたのですけれども、結局、現在、先週判決がありましたけれども、特別公務員暴行陵虐という罪で二年六月の実刑判決を言い渡されることになった。 それで私は、この問題は何が問題かということで言いますと、まず、留置場の中で女性が強姦されるという事件なんですが、これは表ざたになっただけでも実は結構あるわけですね。例えば、昨年も北海道警の函館西署でそういう同じ事件がありました。この事件のときも、最初警察は強姦したという事実を隠していました。それで、こういう留置場の中で女性を強姦するような事件が頻発しているというのは、これはもはや警察の組織的な腐敗を意味しているもの以外の何物でもない。しかも、北海道であったり、あと過去には静岡県の三島署でもありましたけれども、あちこちで同じようなことが起きている。これはもう警察庁の責任でしかないのではないかというふうに思われるわけです。 それで、その五年前の話にさかのぼりますけれども、一九九五年の、先ほど十月と言いましたけれども、十一月二十六日なのですが、その強姦事件が船橋東署の留置場の中でありました。要するに、巡査長がその女性、当時は二十代でしたけれども、女性を強姦してしまって、それで、その女性が翌日別の取り調べの警察官に、昨日そのようなことがあったというようなことを申し出て、捜査が開始されたわけです。特別公務員暴行陵虐ということで捜査が開始されて、当初、私が今からお話しすることは、私の取材だけではなく、その公判の中で事実として認定されていることですので言いますけれども、千葉県警が、そういった強姦があったのではないかということで捜査を始めたわけです。 それで、特別公務員暴行陵虐ということで、最初、その強姦した巡査長は、相手も同意していた、和姦だと言っていたわけです。留置場の中で和姦も何もないわけですけれども、そういうようなことを言っていた。しかし、何回か取り調べをして、なおかつその被害者の女性の方にも事情聴取、事情聴取というか、警察官が話を聞くということですけれども、調書とかとっていないようですから。それを行っていて、どうもこれは強姦した、それで本人も、巡査長も強姦したということを認めた。これはもう特別公務員暴行陵虐という犯罪で、刑法犯で立件する材料が十分にそろったわけです、五年前に。 それで、その後、千葉県警がどうしたかというと、千葉県警は、このような重大な不祥事ですから、まず当然発表はしません。そのようなことがありましたなんということは発表はしません。まず箝口令をしいて、絶対にそれは漏れないようにしました。それで、その処分を自分のところだけで決められるかというと、今の警察の組織上、自分の千葉県警だけでこういう重大な不祥事の処分を決められませんね。当然、警察庁にお伺いを立てたわけです。それで、このような重大な不祥事ですから、それが表ざたになったときの反響というのはかなり大きいわけです。そこで、警察庁の方で、これをどうするのだという会議が開かれたわけですよ。 私は、その会議に出席した人物に直接話を聞くことができまして、本人はすごく話すのを嫌がっていましたけれども、長い間説得して話を聞いたわけです。要するに、千葉県警、当時の本部長の遠藤豊孝という人は、これはとにかくあくまでも内々に済ませたい、要するに、巡査長はやめてもらう、だけれども懲戒免職にすればそれは表ざたになる可能性があるから、懲戒免職にはしない、天下り先も世話して口どめするというようなことを警察庁に、これでよろしいかということで、当時の警務部長の福島克臣という人間もいますけれども、それですとか、当時の監察官室長香取良俊というような人間を警察庁に派遣して、どうだろうかということをお伺いを立てて、会議をやったわけです。 そこで、当時の警察庁長官、トップは国松孝次という人でしたけれども、国松孝次氏やナンバーツーである次長、この人は後で警察庁長官になりますが、関口祐弘さんという人、それとナンバースリーは菅沼清高さんという人でしたけれども、この人たちは、ではそれでいい、内々に済ませなさい、要するに、留置場の中で起こった強姦事件は刑事事件として立件しなくていいというふうに決断したわけです。 そこで、若干の救いではありますけれども、その会議の中で、それはおかしいのではないか、こんな留置場の中で警察官が制服を着て強姦した事件を刑事処分にしないだとか懲戒免職にしないだとか、そんなのは警察のやることではないという意見もごく一部から出たそうですけれども、そんなものは、上から三番目までがこれでやるのだと言っているわけですから通らないわけですよ、警察のような組織では。 となった場合に、ではどうするのか。これで内部監察ということで、一部だけがおかしいんだということでできるのかというと、これはできないわけですね。これは、警察を取り締まるような警察をつくるしかないということです。 それで、この問題は、もう一つ、林参考人のお話の中で私は非常に賛成したい部分がありまして、それは何かというと、そういった不正な行為を働いた警察官に対しては厳しく処分するべきだというお話がありました。内部監察をやりながら、もしもそういった不正を働いた警察官が見つかった場合は、厳しく処分するべきだというお話がありました。これは全く私は賛成です。 しかし、このときの千葉県警の事件でどうなったかというと、当時の遠藤豊孝という本部長も、そのときの福島克臣という警務部長、ナンバーツーですけれども、この二人はキャリアです。この二人は何の処分も受けていません。それで、私がことしになってこういった五年前の事件を暴き出して報道して、それでその強姦した警察官が先日実刑判決を受けましたけれども、そうなっても一切、いまだに何の処分も受けていません。 それで、この行為というのは、以前、昨年の神奈川県警の渡辺泉郎元本部長が覚せい剤を使用していた警部補の事件を握りつぶした事件と全く同じで、犯人隠避などの犯罪に当たるわけですね。時効にはなってしまいましたけれども、五年前ですから。要するに、時効にさえなれば犯罪行為をしている本部長、警務部長に対して何にも処分がないわけです。 それで、私はそのことももちろん警察庁に取材したわけです。警察庁は、一警察署の事件で一々本部長の処分はないとかいうことを言うわけですけれども、これは本部長みずからが指示して犯人隠避を行っていたのは明らかな事件なわけですから、それは先日の千葉地裁で、その強姦した警察官に実刑判決が出ましたけれども、その中でも警察の捜査はおかしいということは指摘されているわけですね。だって、五年前にもう既に立件できるものを隠ぺいして、今ごろになって、これだけ世間で問題化したら、今気がついたみたいなことでやっているわけですから。ですから、いずれにしても、警察の中で厳しい処分ですとかそういったものは出ない。 それで、その遠藤豊孝という本部長は先日まで、八月までですけれども、警察大学の校長をやっていました。それで、警察大学の校長を最後に、推定で六千万円を超えるという退職金をもらってやめました。要するに、この人は、もしもこの事件が今じゃなくて、犯人隠避の時効にならない、例えば一九九七年でもいいですけれども、九八年でもいいですけれども、そのときに発覚していたら、刑事責任は問われるし、当然懲戒免職にもなるだろうしというような犯罪を行った本部長でありながら、時効だというだけで何の処分も受けずに、六千万円を超える退職金をほいと受け取ってやめちゃう。 しかも、この問題で私が強調したいのは、この遠藤豊孝という人も警察大学の校長でした。その前の、神奈川県警の覚せい剤の警察官のもみ消し事件の渡辺泉郎という人も警察大学の校長でやめているわけですね。要するに、そういった組織的な隠ぺい工作を指揮してきた人間が、全国の警察官を教育するところの最高責任者なわけですよ。そうすれば、どんな警察官が末端までできるかということは明らかなわけですね。ですから、私はこれは、警察を取り締まる警察が必要だということを思います。 それと、あともう一つ、警視庁の個人情報漏えい事件というものがありまして、最近報道で処分が出ましたから、警視総監以下二十九人が処分されたという報道がありましたから、御記憶の方も多いかと思いますけれども、それを週刊プレイボーイという週刊誌で八月から何回かこれも連載して取り上げていったわけです。私はきょう本当は、この事件の、具体的にこういった情報が警察の方から警察OBが経営する興信所へ流されている、そこのどこがどう具体的に組織的な腐敗の問題なのかということを証拠として示しながら御説明したかったのですけれども、何やらそれを配ることはならないということなので、ちょっと話を変えさせていただきます。 一九九六年に私が月刊誌に、警視庁赤坂署防犯課の裏金事件というのを書きました。これはどういうことかといいますと、警察、まあ検察もそうですけれども、事件の参考人としてお話を聞かせてくださいということでだれかを呼んだ場合には、旅費、日当を払うのですね。きょう私たちも参考人ですから、こうやって来て、旅費、日当が支払われるわけですけれども、警察の場合ですと、こういったオープンな場でお話をしているわけではないですから、いつだれを呼んだというような記録は残っていても、なかなか、それを本当に呼んだかというのはわからないわけです。 私、一九九六年に月刊誌に書いたのですが、一九九三年の警視庁赤坂署防犯課の一月から十月までの参考人呼び出し簿というものを手に入れたのです。要するに、一九九三年一月から十月まで、五十四人の参考人を呼びました。この人たちからいろいろ貴重なお話を聞かせていただいて、事件捜査に役立つお話を聞かせていただいて、それで調書をとったりして、旅費と日当を払った。日当は一万円ですね。旅費はそれぞれ、どこから来るかによって違いますけれども。そういったことが記録されている書類を手に入れたわけですね、これも内部告発ですけれども。 そういったものを手に入れて、その五十四人に一万円だとか、交通費も入れれば一万数千円払われている、では、これは本当に払われたのかということで、その五十四人について調べたところ、そのうち四十四人というのは全然架空の人物なんですね。四十四人はいないのです。要するに、そういった住所にそういった名前の人もいない、住民票もない、除票もないですから過去に住んだこともないというような結果になりました。 それと、あと、実際に呼ばれた人が七人いらっしゃいました。それで、七人も、日当を支払ったことになっているのですが、その七人に取材したところ、だれ一人日当なんかもらっていないというわけです。要するに、呼んでもいない参考人を呼んだとか、実際呼んだ参考人であるけれども、日当を払ったというようなことにして、要するにそのお金を自分たちが着服していたわけですね、税金を。 こういうようなことをやったということで、私、記事に書いたところ、私の友人でもありまして東京都民の今井亮一さんという方が、東京都監査委員会に監査請求しました。これはおかしい、これは空出張ですとかそういったもの、要するに空の支出だ、実際には警察幹部が公金を横領して着服したものであるという監査請求をしたところ、当時の東京都監査委員は何というふうな判断を下したかというと、これは却下するというわけです、この監査請求は。門前払い。では何で門前払いかというと、要するに、この参考人呼び出し簿に出ている人たちのことを調べると、その方たちのプライバシーを侵害するとかいうわけですよ。要するに、プライバシーを侵害するから調べられません、個人の名前、住所等が記載されているものを調べることはできないというわけです。 それで、私きょう、本当はここの委員会でそういった警視庁から流出した情報の具体的な物証となるものを配付資料としてお配りする予定でしたけれども、それができないということですから、ちょっとそれに基づいてお話しすることができなくなってしまったわけですけれども、いずれにしても、監査委員ですとか、あとはこちらにいらっしゃる議員の方たちとか、本当だったら警察をチェックすべき人たちが、そういったチェックする機会がありながら、それをなかなかやらないんじゃないかというふうなことも感じていますし、それは先ほどの監査委員の例でいいますと、その後、実際住民訴訟が起きまして、警視庁側は全面的にそれを認諾ということで、不正に支出された費用だということで翌年返還しましたけれども、いずれにしても、外部監察ということも必要なのですけれども、監査委員ですとか、あるいはこの国会の方でももう少し、警察のそういった組織的な腐敗を追及する機会がなかなかないわけですから、そういった機会があったときは、ぜひそれを何とか生かしてやっていただきたい。それがやはり国民の期待にこたえることではないかというふうに思います。 では、終わります。(拍手)
○増田委員長 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。 —————————————
○増田委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。菱田嘉明君。
○菱田委員 自由民主党の菱田嘉明でございます。 参考人の先生方には、大変御多用の中、当委員会に御出席をいただきまして、また、ただいまそれぞれの先生方から貴重な御意見を聞かせていただいたところでございまして、まことにありがとうございます。私に与えられました質問の時間は二十分、こういうことでございますので、早速質問に入りたいと思います。 昨年来の警察をめぐる一連の不祥事によりまして、国民の警察に対する信頼は大きく失墜をいたしました。申し上げるまでもなく、警察は、国家の存在と社会の発展の基盤であります治安の維持に当たる機関でございます。それだけに、今回、警察がこれほど国民の批判を受けるに至った原因がどこにあるのか、そしてまた、それを防ぐ対策は何か、このことを早急に究明して思い切った警察の改革を断行しなければならない、これは当然のことでございます。 ことし三月に、公安委員会の求めによりまして警察刷新会議が設けられました。お聞きをいたしますと、十一回に及ぶ会議を重ねたその結果を、去る七月の十三日に、警察刷新に関する緊急提言、こういう形で公安委員会に提出をされておられます。警察としても、この緊急提言を重く受けとめる、提言に沿って警察が当面取り組むべき施策を警察改革要綱として取りまとめる、警察法の一部改正を行う中でこの実現に全力を尽くしていく、こういう意向を示されたところでございます。 刷新会議の六名の委員、顧問の先生方が、まさにその英知を集めて取りまとめられました今回の緊急提言であります。その意図するところを十分に理解する中で、これに沿って早急に警察改革を実現して、一日も早く警察が国民の信頼を取り戻すことを、私どもといたしましても切に願うものでございます。 今回の緊急提言及びこれを受けての警察の改革施策には、法律改正が必要なものだけにとどまらずに、予算措置を講じたり、あるいは運用の改善によるものもあるわけでございますけれども、この中で、私として重要と考えるもの何点かについて質問をさせていただきたいと思います。 なお、ただいま参考人の先生方からそれぞれ意見陳述がございましたので、重複する部分もあろうかと思いますけれども、より具体的なお考えをお聞かせいただく、こういうことでお許しを願いたいと思います。 まず、冒頭の御意見の中にも種々述べられておりましたけれども、今回の一連の不祥事では、警察職員の使命感あるいは倫理意識の低下が問題として指摘をされております。警察の組織においては、人こそが最大の資源であります。それだけに、一人一人の資質の向上が求められております。これは、参考人の先生方の御意見のとおりでございます。その中で特に、警察職員は、国民の生命、身体、財産の保護、こういう大変重要な任務を持っておるものでございますけれども、こうした観点から、今後、警察職員の教育はいかにあるべきか、また、どのような点に重きを置いて教育がなされるべきか、お尋ねをいたしたいと思います。 先ほど林参考人は、警察の活動の質を高めるためには内部の自浄能力を高める方が好ましい、こういう御意見でございましたけれども、倫理観あるいは使命感を高めるためにはどのようにすればよいのか、もう一度この点を林参考人にお伺いいたします。
○林参考人 私は、基本的には内部倫理を高めるというのが大切だということを先ほど申しました。この根拠としましては、警察がすべて腐っているわけではないと申し上げましたけれども、ほかの参考人からは反論を受けまして、構造的に腐っているという言い方をなさった方もいますけれども、構造的という言葉はちょっとあいまいで意味がよくわからないのでございますが、私が認識しているところでは、警察の中にも、このような事態を深く嘆き、そして憤っている、こういう方たちが非常に多いというふうに私は感触を持っております。 警察改革というのは、もちろん私の言ったことが誤解を受けているかもしれませんが、外部からの監視というようなものをすべてなくせということではありませんので、制度としてつくるのはどうかということでございまして、このような会議であろうが何であろうがすべて外部からの意見でありまして、そういうものはもちろん必要だと思います。ただ、内部にいてこの事態を憤っておる人たちも大勢いる、そして倫理観の高い人がいるということ、この人を中核にしなければ、つまり内部からの改革なしには本当の改革はあり得ないという基本的考え方でございます。 そういう立場に立ったときに、今御質問のありましたように、この内部の倫理を高めるための登用試験とか人事、あるいは教育のあり方というのは非常に重要になってくるだろうと思います。この教育ということを考えますときに、一つには、内部の警察官、警察官全員はもちろんのこと、特に指導的な立場にある方たちに正しいエリート意識を持たせるということ、これが非常に肝要かと思います。このことによりまして、正しいリーダーシップというものも涵養されるであろうし、また、そこに焦点を置いた教育ということが非常に重要であろうと思います。 もう一点を申し上げますと、警察官の教育においては、もちろん専門的な知識や訓練が必要なことは言うまでもありませんけれども、今までは、ややもすると一般教養的なものが十分に行われていたかという疑問がございます。この一般教養といいますのは、世間の常識といいますか、あるいは国民の生活の感覚といいますか、そういうこととも関係しますので、見識といいますか、つまり人物識見を高めるような教育をもう少し充実する必要がある。 今までももちろん、それはなされていたと思います。例えば、哲学や倫理学の先生を呼んで講義を聞くとか、心理学の先生を呼んで講義を聞くということがあったかもしれないけれども、ややもするとそれは、大学で行われているような抽象的な講義に堕する嫌いがなきにしもあらずで、下手をすると、聞いている警察官の方たちが居眠りしてしまうようなこともある。これでは、実効ある教育はできておらないと思います。そういう点についても、国民の生活、つまり実際の生活あるいは警察官の実務と関連の深いような形で教養教育というものも考え直さなければいけない、このように考えている次第でございます。
○菱田委員 どうもありがとうございました。 先生の御意見としては、よい意味でのエリート意識を持たせる教育の実施、そしてまた国民の生活に沿った一般教養を高めることが重要である、こういう御意見ではなかろうかというふうに思います。 ところで、どのような組織であっても、組織は最終的には人によって動かされるものでございまして、組織には必ずリーダーが必要ということになるわけでございます。その組織の中でも、より大きな権限を有する者、つまり組織の幹部には、正確な知識と判断力、指導能力、旺盛な責任感、つまり卓越したリーダーシップを身につけることが求められるわけでございます。 そこで、いかにしてリーダーをつくっていくべきか、特に警察のキャリアのあり方、そしてその教育について御意見をお伺いいたしたいと思います。これも林参考人にお願いいたします。
○林参考人 人間の教育というのは難しいことでありまして、一たんでき上がったものをつくり直すというのは大変なことでございます。そういう意味では、教育の前に、本当は登用試験を非常に工夫し厳正に行わなければならないのでありまして、リーダーにふさわしい人物を選ぶということがまず肝要かと思います。 もちろん、今までも警察においては、指導者にふさわしい適格者を選ぶような工夫はなさっていると思うのですけれども、単なるペーパーテストではなくて面接を重視しているという方針のようですけれども、面接というものがこれはまた大変難しいことでありまして、私などもよく入学試験などで面接をやりますけれども、そんな何十分かで人物の底の底まで見抜くなどということは非常に難しいことであります。 しかし、それを抜きにしてはやはり人物をテストするということはできませんので、面接のあり方等の工夫もいろいろなさって、例えば、現実の場面を設定して、具体的にこういう場面であなたはどのように判断し、行動するのかというようなことまで問うとか、そういったいろいろな工夫が必要だろうと思います。 それから、教育においてさらにお尋ねがありましたが、教育のことをもう少し具体的に申しますと、リーダーの教育というのは抽象的な心構えにどうも偏りがちですけれども、もう少し具体的にシミュレーションの教育、航空機の操縦などでもシミュレーションで訓練を行いますけれども、今はイメージトレーニングということの重大さは大変認識されておりまして、具体的なシミュレーションを与えて、その中でリーダーとしてどのように行動すべきかというような、そういった手法も取り入れていくのが望ましいのではないかと私は考えております。
○菱田委員 どうもありがとうございました。 それでは次に、組織のあり方について一点お伺いをいたします。 今警察組織に求められております重要な柱の一つは、管理機能の充実とその活性化、また国民の目線に合わせて透明性をできるだけ高くする、こういうことだと思っております。その一つとして、監察制度があるわけでございます。これは意見の分かれるところでございまして、先ほどは、この点については特に寺澤参考人が、具体的な事例を挙げて外部監察を導入すべきだ、こういう御意見でございましたけれども、この点につきまして、高木参考人はどのようにお考えになっておるのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○高木参考人 御質問にありましたように、外部監察を導入すべきかどうかということ自体は、非常に難しい、哲学的な問題を含んでおります。私が申し上げましたのは、現在の公安委員会の仕組みを維持するという前提のもとでどういう制度設計が穏当であるかということでございますので、一般論としましては、私も林参考人と同じように、どうにもならないときには外科的な処方が必要であるが、当面はまず内部的なものでやってみるということではないかというふうに考えております。
○菱田委員 どうもありがとうございました。 それでは、時間の関係もございますので、最後になろうかと思いますけれども、もう一点お伺いをいたします。 今回の一連の不祥事で、公安委員会が形骸化をしておるのではないか、こういう強い批判が出されたわけでございます。これを受けて、刷新会議の提言でも、公安委員会の機能強化とそして活性化がうたわれておりますし、今回の政府提出法案の中には、公安委員会は監察について必要があると認めるときには警察に対して個別的、具体的にこれを指示できる、この規定が盛り込まれたわけでございます。 公安委員会は警察関係行政機関のトップにある、このように思いますけれども、これとは別に警察庁という組織があるわけでございます。公安委員会と警察、この両者の関係は本来どのようなものなのか。この点につきましては、先ほども岩村参考人の方からそのお考えをお聞きいたしましたので、この際、警察法の専門家でもあられますもう一人の参考人、高木参考人にも、両者のあるべき姿あるいは好ましい関係についてお伺いをしておきたいと思います。お願いをいたします。
○高木参考人 公安委員会の位置づけにつきましては、公安委員会制度自体が歴史的な経緯で成り立ってきたものでございまして、もともとある意味では矛盾を含んだ、素人の代表である公安委員会が専門家集団である警察庁なり都道府県警察を管理する。管理の言葉の意味としては、もともとはその細部にわたるものも含むわけですけれども、警察に関しては、性質上大綱的なものにとどめるのが望ましい、そういうやや矛盾を含んだ仕組みでございますので、そこからいたしますと、公安委員会制度を維持することを前提にした場合には、いわゆる緊張関係というのですか、お互いにそれぞれの特徴を生かしながら、両者相まって適切な運営がなされるようにしていく、そういういわば難しい運用が要求される制度であるというふうに考えております。 〔委員長退席、栗原委員長代理着席〕
○菱田委員 どうもありがとうございました。 各先生方から大変貴重な御意見を賜りまして、まことにありがとうございます。各先生方におかれましては、これからも国民が安全で安心して暮らしていけるように、それぞれの分野で一層御活躍をされますことを祈念申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○栗原委員長代理 次に、松崎公昭君。
○松崎委員 民主党の松崎公昭でございます。各先生方、大変きょうはありがとうございました。 まさに国民注視の中で今警察法が検討されているわけでありまして、刷新会議の短時間における提言というのには、確かにあの中にもありましたように、限界があることはあると思います。しかし、短い時間の中では今の制度をベースにしながらそれなりの改革はされたのかなという一定の評価は私たちはしているわけであります。 さて、特に日弁連の岩村先生にお聞きをいたしますが、刷新会議の提言そのものは、日弁連の見解も含めまして、本当に今の状況をしっかりとらえている、そして提言に反映されていると思われますでしょうか。
○岩村参考人 大変難しい御質問で、日弁連としてこの問題を正式に議論したことはございませんので、私個人の見解になると思いますが、刷新会議の中ではかなり真剣に議論したということは事実であると思います。さまざまな角度から議論をしましたし、いろいろ、聞き及ぶところによると、かなり熱烈なといいますか、厳しい議論も委員の間で交わされたということも聞いていますので、真剣な議論をされたとは思いますが、いかんせん時間が短いということで、まさに緊急提言だという意味でとらえておくことは必要だと思います。 ただ、私が言いたいことは、警察問題というのは、今回はまさにとば口であって、ここから始まるのだという意識を持っていただきたいということなんですね。ですから、もっと大きなものを見据えながら議員の先生方にはぜひ議論をしていただきたい、今後も継続していただきたいというのが私の考えでございます。
○松崎委員 もちろんこれを機会になんですが、とりあえず私どもが一番気になったのは、戦後の最初の警察法、マッカーサーの影響もありまして、あの当時は憲法を含めまして異常な状態という見方もできますが、非常に自治体警察というもの、中央集権体制から地方へ分散するという前文まで入った最初の警察法だったわけですね。その後、五四年に改正されまして、現在の中央集権体制ができてしまったわけであります。そして、さまざまな、トップにいられる方々も含めまして、大きな問題が今日ずっとあらわれている。 そこで、私ども、警察法の根本的な改革は、これからも含めてかもしれませんけれども、分権型というものをしっかりと実現していかなければならない。先ほど先生もおっしゃった、自治体警察云々というお話もございましたけれども、その辺の、今後の中央集権体制から分権体制の中での警察のあり方、そういう問題は先生はどのようにお考えでしょうか。
○岩村参考人 先ほども申し上げましたけれども、都道府県公安委員会をどう機能化するか、充実化するかというのが一つのかぎだと思っております。それと、地方分権一括法で、都道府県警察事務が国からの委託された事務ということでなくて自治体の事務というふうになりますので、その辺で、都道府県議会が条例をどのように運用していくかというのも一つ大きな要素になるのではないか。そういった方向をこれから着実につくり上げていきながら地方分権の方向へ進めていく、警察を自治体警察の方向へ進める、これが大事だというふうに考えております。
○松崎委員 そこで、今、この委員会でも何度か議題になっておりますけれども、宮城県の知事さんと本部長との、これは情報公開という一つの大きなテーマ、今回の警察刷新会議でも情報公開ということは言われています。また、民主党案では法案の中に一応書き込んでおります。 そういう中で、宮城県の知事の考え方、国の情報公開法の中に、来年から始まりますが、五条の四に、実施機関ということに入っておりますが、なかなかこれが、中央集権体制といいましょうか、今の公安委員会、国からも、一次的な裁量権をしっかりと確保せよというような指示も出ておりまして、その現場で、宮城県の知事は、そんなに裁量権を与える必要はないんだ、既に条例の中に書き込まれているものだけでも、いわゆる捜査上の秘密でありますとかそういったものは十分担保されるということで、かなり分権の視点あるいは情報公開という視点から、国の考え方、あるいはその出先機関であります本部長さんとの大変な、現在進行形の形ではございますけれども、この問題に関しましては、岩村参考人はどのように解釈されますでしょうか。 〔栗原委員長代理退席、委員長着席〕
○岩村参考人 情報公開法が制定されるときに、日弁連としてもこの一次裁量権の問題はかなり問題にしまして、やはり実質上情報公開の意味をなくすのではないかという危惧を抱いた点であります。したがいまして、今宮城県で、具体的な条例の中で宮城県知事があのような方向に踏み出したというのは、極めて勇気のある、英断だというふうに考えております。 以上です。
○松崎委員 民主党も、宮城の知事の考え方をぜひ支持をして頑張っていただきたい、そんなふうに思っているわけであります。 さて、日弁連では、警察全体の経理問題、先ほど寺澤参考人からも赤坂署の問題で具体的な事例を出されました。また、今までも何度もいろいろな報道で経理の不正、これは一般論で言いますと、警察だけじゃありません、行政全般にも大きく大きく、地方も含めて言えるわけでありますけれども、我々は、特に警察の場合にはそういうことがあってはいけないというふうに考え、いわゆる一般の国民は、警察に対して権限も与えておりますけれども、同時に、公明正大にやっていただくのが警察だろうという暗黙の国民の了解もあるわけですね。 そういう中で、先ほどの寺澤参考人の赤坂署の問題は、具体的な問題として本当に残念に思うわけでありますけれども、日弁連も今までの警察問題の中で経理の不正問題を指摘しておりますけれども、これは具体的にどのような方法で少しでも減らす方向に行けるかどうか、その辺のことはどんなふうにお考えでしょうか。
○岩村参考人 この辺は、どういうふうにすべきかというのは私も名案がございませんで、今回刷新会議でも出ましたが、食糧費の問題ですとか会議費の問題とか、そういうものも公開せよというふうになっておりますけれども、そういったあたりから少しずつ警察の経理面というものを明らかにしていく。 少なくとも、国民から二重帳簿ではないかとか、裏金が使われているのではないかというような疑いをかけられているということ自体が不幸なことですから、その点については、警察側がそういうことがないということを逆に自分たちで積極的に示すぐらいの工夫がないと、本当の意味の経理面での問題性というのは国民の中からは払拭できないというふうに考えておりますので、私どもとしては、情報公開の条例等あるいは法律を使いながらその辺を具体的に提起していき、それに警察ももっと積極的にこたえていく、こういうような形で解決していきたいというふうに考えております。
○松崎委員 そこで、今回の警察法の改正案、いろいろ今のお話もありましたけれども、私どもに言わせれば、刷新会議も短時間で頑張ったんですけれども、その刷新会議の提言をもかなり骨抜きにしてきたというふうに私は思っておりますが、これは寺澤さんからもお聞きしたいんですけれども、今回の改正案に関する評価というものを、もう一度岩村さんとお二人にお願いしたいと思います。
○岩村参考人 私は、情報公開の問題というのが刷新会議で中心的に議論されたというふうに思っております。したがいまして、民主党案がその点に触れて、情報公開法も別にありますし、警察自身の運用の問題もあるということも考えながら今回の警察法にあのような考えを入れる、民主党案の考え方には基本的に賛成であります。
○寺澤参考人 外部監察のところですけれども、これは、先ほど来のお話を聞いていますと、高木参考人も林参考人も、警察が組織的に腐敗しているのであればやはりそういうことなんだろうけれども、そうじゃないというようなこと、現状認識であるようには思いますけれども、私が十一年間取材してきて、警察は組織的にも腐敗するばかりである、これはもう事実なわけですから変わりようがないわけで、昨年の神奈川県警の不祥事以来何か変わったかというと、これは何も変わっていません。末端の警察官の不祥事を隠ぺいするのは、上の方は、責任とるのはばかばかしいから下だけは切っちゃえというような話になってきて少し目につくようになった、組織的な腐敗はまだ残っているということです。 ですから、私の現在取材しているような警察の不正、違法行為だけでも三十件以上今持っていますけれども、これはそのうち、近いうちどんどん出てきますが、いずれこれが出れば、外部監察は絶対必要だという世論になるに決まっているわけですから、ここで一回警察法をこういうふうに改正するのかもしれませんけれども、再度の改正が絶対に必要になるというふうに思われます。
○松崎委員 その今の外部監察の問題でありますけれども、私どもの案は、公安委員会そのものに百名単位ぐらいの事務局をしっかり置いて、外部監察と同じような意味で、政府案よりも強力な、みずから外部監察と同等の形でやらせようという考え方を持っているわけでありますけれども、寺澤参考人、この案ではいかがでしょうか。
○寺澤参考人 外部監察の導入のときに、その外部監察を反対するという理由の最も柱となったものが、要するに、そういった警察のことがわからないような素人が外から見ても仕方ないんじゃないかということであったわけです。そうなると、今警察法で言われているのは、公安委員会の機能強化ということで、公安委員が監察を指示するとかいうことになっていますけれども、公安委員こそまさにそういった素人の集まりであって、言うことが矛盾しているんじゃないかなというふうに感じるわけです。 ですから、私は、最初に申し上げましたように、これは外部監察とか手ぬるいことを言っているわけではなくて、私のように警察の内部の事情までよくよく知っているような人間ですとか、それは元検察官であるとか弁護士の方もよく御存じでしょうし、そういった実際に警察の内情を知っている方、元警察官でもいいと思います。そういった方たちを集めて強力な、これはもう警察を取り締まるなり監視する機関を設けるしかない。そのためには、民主党案ではちょっと弱いんじゃないか、もう一歩強めた方がいいんじゃないかというふうに思います。
○松崎委員 先ほど寺澤さんは、警察を取り締まる強力な警察が必要ということで、確かに寺澤さんの活動といったものを見ておりますと、また報道等を読んでおりますと、またきょうのいろいろなお話を聞いていますと、そのように思うんですけれども、警察を取り締まる強力な警察というのは、具体的にはどんなイメージなんでしょうか。
○寺澤参考人 私は、どんな権力も必ず腐敗するというふうなことは、これもまた真理としてあると思うんです。ですから、こういった警察を取り締まるような警察をつくると、またこの警察も腐敗しちゃうんじゃないかということは当然考えられるわけで、やはりこれは期限を区切って、二年でも三年でもいいですけれども、とにかく今の警察のひどい状態を何とかするということでやらせたらどうかというふうに思います。 今の警察もそうですけれども、長くやっていれば、風俗店ですとか交通関係ですとか、いろいろな利権に手を伸ばして、そこが腐敗の原因になっているわけですから、そういうことがないように期限を区切って、とにかく取り締まるということをやればいいんじゃないかと思います。
○松崎委員 イメージとしてはわかるのでありますけれども、私たちは、屋上屋を重ねてもいかぬという意見もかなりありました。ですから、本来的に公安委員会のあるべき姿は、国民の目線で、国民から選ばれた客観的な形で警察をチェックしようという本来の目的に沿った形にしっかりと軌道修正をして、そこに力を持たせる。非常に今、森総理じゃありませんけれども、いろいろな組織をあちこちでつくることがはやっておりますので、下手をすると屋上屋になるおそれもあるので、今の制度の中で最高の力を発揮させたらどうか、そんなことでこういう案をつくったわけであります。 岩村さんにお尋ねしますけれども、民主党案の、外部監察を強力にさせるということで事務局までしっかりとつくる、この辺は刷新会議にも一部あったのですけれども、日弁連の中にもどこかにあったような気がいたしますけれども、我々の案に関します、外部監察の意味合いを持った強力な公安委員会制度というものはどんなふうにお感じでしょうか。
○岩村参考人 私は、外部監察機関が必要だという意見も先ほど申し上げましたけれども、これは確かに、今すぐできるかという問題点はあるかというふうに感じております。やはり一つの考えとしては、即効性と実効性を考えると、当面、公安委員会の管理の活用、管理という言葉を活用しながら公安委員会に監察権を機能させる、これは非常に重要な点だというふうに思っております。 したがいまして、少なくとも、今回、外部監察機関のことができない場合であっても、民主党が言われているような、公安委員会を機能化する、そのための事務局もつくり上げていく、こういう方向にぜひ進んでいただきたいというふうに考えております。
○松崎委員 ありがとうございました。 先週、刷新会議のメンバーの方をお呼びいたしまして、やはり参考人に御質問をさせていただきました。そのときに、中坊先生だったと思いますけれども、やはり民事介入の問題が出ました。 先ほども、民事介入を限定すべきと岩村さんはお話しでございましたけれども、これが戦後、最初の警察法では余りそういう認識はなかったはずなんだけれども、徐々に民事不介入という言葉で警察がサボタージュといいましょうか、やるべきこともやらなくなってきた。あの桶川の事件なんかはまさにそうでありますね。 ですから、この民事介入の問題は、やはり隠れみのにならないように、もう一回しっかり考え直すべきだという考え方が強く出始めておりますが、この辺、日弁連さんなり岩村さんの、先ほどは民事介入をやや限定すべきではないかという御意見だったように思いますが、いかがでございましょうか。
○岩村参考人 私は民事介入を限定するというふうに言ったのではないのですが、私どもが弁護士として日常的な活動をしておりますと、例えばストーカーの問題ですとかそういう問題を含めまして、あるいは特に告訴をいろいろいたしますと、それを民事介入になるということを理由に警察が刑事事件に本来すべきものをしない。だから、警察がやるべきことを、民事介入になるということが一つの警察が仕事をしない、市民の要請にこたえない口実にしているというところが一番の問題。したがって、民事介入だからやらないという理由は言わないという方向には進まなければいけないというふうに考えております。 そのことと、一般的な市民生活の中で起きることすべてに警察が口を出すということとは違うのじゃないか。口は余り出さない方がいいけれども、市民の要請があって刑事事件ですよといったときには、本当にそれが刑事事件なのかどうかについてはきちんとかかわっていくというのが警察のあり方ではないか、そういうふうに思っている、そういうことであります。
○松崎委員 質疑時間が終わりました。大変短い時間でしたが、ありがとうございました。
○増田委員長 次に、若松謙維君。
○若松委員 若松謙維です。本日は、四人の参考人の先生方、大変に御苦労さまです。 既にお二人の委員の方が御質問されまして、私も何を質問させていただこうかなと考えていたのですけれども、いわゆる今回の公安委員会の機能強化、これは共通しているわけです。 まず高木先生にお聞きしたいなと思っているんですけれども、この公安委員の任命は、内閣総理大臣が任命して国会の同意人事ということで、かつ、これから公安委員会が機能強化されて、それで警察行政に対していろいろと管理をしていくわけですね。 では、この公安委員会がだれにチェックされるべきか。さっきの、警察を取り締まる警察という話があったわけですけれども、公安委員会をだれがチェックするのか、こういった観点からはどういうふうにお考えでしょうか。
○高木参考人 公安委員会というのは、先ほど申しましたように、職権行使の独立性ということでほかからは指図を受けない、身分保障があるのですから任期中はやめさせられない、そういう保障のもとに職務を遂行するということになっておりますので、それ自体についてチェックをするということは制度の趣旨には反するわけでございます。 ただ、当然、その任命権があるとか国会の同意権があるということで非常に重い仕組みをとっておりますので、それによって人が確保され、適切な職務遂行がなされるということでつじつまが合っている、こういう仕組みでございます。
○若松委員 そうしますと、これだけ国家公安委員会の関心が国民的に高まったわけですから、公安委員会の皆様も、定期的に、少なくとも内閣総理大臣なり国会に報告というのですか、こういった形というのは恐らくとられると思うんですよ。これに対して国会がいろいろと意見を言っていく、これは特に問題ない、そういう理解でよろしいですか。また、そうすべきだとお考えですか。
○高木参考人 あらゆる公的な職務につきますと、いわゆる説明責任というのですか、情報をできるだけ公開して、そして納得してもらうということが必要になりますので、そういうことは当然含まれているということでございます。
○若松委員 それでは林参考人にお聞きしますけれども、先ほどの幹部登用制度ですか、いわゆるリーダーシップというお話がありましたけれども、これも非常に難しい問題なんですね。いい人がリーダーシップをとってくれればいいのでしょうけれども、悪いリーダーシップというのもありますから、それをまず率直にお聞きしたいのです。 現在の運営ですか、いろいろ問題もあるんでしょうけれども、長年の警察の歴史を含めて、現在の特に幹部のあり方というか、実際の職務、勤務状況、そういったものを含めて、この幹部の働きぐあいを率直にどう思っていらっしゃいますか。当然その裏にはキャリアという話があるわけですけれども、いかがでしょうか。
○林参考人 私も、今の幹部がどんな仕事ぶりをしているか一々見ているわけではありませんので、詳しいことは知りませんけれども、ただ、抽象的に一番問題なのは、登用制度というものを根本を考えないと、後からいろいろと教育するとかつくりかえるというのは、人間は大変難しいことでありまして、最初の登用のところを一番重要視しなきゃならないというふうに思っております。 ぶちまけた話をしますと、昔は、いわゆるよい大学とか偏差値が高い大学の人は、割合人格もそれに平衡している傾向がありました。もちろん、それは一対一で対応しているわけじゃありません。昔ももちろん、いい大学を出てもへぼい人もいました。ただ、偏差値が高いことと人物が立派であることがもう全然比例しなくなっているというのが最近の傾向でございます。これは、私がいろいろな大学で教えておりましても、またいろいろな同僚の人の話を聞きましても、東大だから立派な人がいるということはないわけであります。 そういうことからいきまして、キャリア制度というものをぼつぼつ根本的に考え直さなきゃならないというふうな意見を持っております。 では、今のように試験がよくできたから登用するというのじゃなきゃ何を基準にするのだとなると、またこれは大変難しいことではありますけれども、ただ、やはりそういう観点もぼつぼつ入れてこないと、警察に限りません、日本じゅう全部そうなんですけれども、日本の指導者、エリートをどのように選ぶか、こういう問題を国民全体で考えていかなければならない時期に差しかかっていると考えております。
○若松委員 東大卒の先生がおっしゃいますから、非常にインパクトのある参考の意見、ありがとうございます。 それでは、岩村先生にお願いしたいのですけれども、先ほど林先生の方から、いずれにしても今の警察制度はいろいろ問題がある、全体は腐っていない、部分的なものである、そう言いましたけれども、基本的には、この現状を打破するには士気と倫理を高めるのが必要だ、そう御意見をいただきました。ですから、まず林先生に、では、そのための具体的な方策はどういうことなのか。もし御提言があれば、さらに具体的なものをいただきたいと思います。 もう一つ、岩村先生から、岩村先生はやはり全体的におかしいという考え方に立っていらっしゃいますので、そういった観点から、現在の警察の士気と倫理を高めるためにどうしていったらいいのか。お二人に参考意見を求めたいと思います。
○林参考人 この士気を高めるための方策というのもまた大変難しいことでありますけれども、基本的には、その職務に携わっている人たちの誇りとか使命感というものをどれだけ大切にするかということにかかっているわけであります。 これまで警察というのは、何か国民に敵対するような、権力の犬だとか権力の手先だというふうな見方が非常に有力に戦後長くなされてきて、そのために、もちろん警察官だけではありませんが、教育者の場合も同じですけれども、みずからの職務に対して誇りと使命感を持てなくなっているという点が非常に強いと思いますね。もちろん、持っている方が非常に多いのですけれども。 例えば、教育者でも同じ、警察官でも同じ、あなたは自分は聖職だと思っていますかと質問して、そうですと胸を張って答える人は非常に少なくなっております。聖職という言葉が適当かどうかは別としまして、聖職という言葉で聞きますと、いや、聖というほどではないよと謙遜される方ももちろん、そういうつもりでそうではないと言う人もいるかもしれないけれども、言葉をかえて、使命感を持っていますか、あるいはエリート意識を持っていますかと言っても、なかなかイエスと堂々と答える人が少なくなっております。 こういう点について、使命感それから職業倫理という点を、誇りを持てるように、国民的な世論といいますか、見方というのを変えていく。つまり、警察はすべてが敵だというのではなくて、国民の味方もしてくれるという面もきちんと自覚していただいて、職務に自信を持っていただく、そういう方策も必要だと思います。
○岩村参考人 先ほども少し申し上げましたが、現場の警察官はかなり日夜奮闘しているというのが私は事実だと思っております。ただ、問題は、そういう中で腐敗が起きているということなんですね。ですから、なぜそういうものが起きるのかということを突き詰めていかないと、その頑張っている警察官にさらに頑張れという一般的なことを言ってみても、物事は解決しない。遅刻してくる子供に言わないで、遅刻してこない人みんなに、おまえら遅刻するなと言うことと全く似たようなことになるわけですから、そういう解決。だから、士気を高めるというのはそういうことではないのではないか。 現実に今、少し聞いてみますと、警察の中での階層制度、警察は階級が上がっていかないと、上下関係がはっきりしていますから、出世とならないというふうになっているという中で、かつてはピラミッド形の人事構成だったものが、今は巡査は全警察官の三割しかいないというのですね。そうすると、この形は一体何なのだということ。そうすると、三割の取り残された巡査から、あるいはその上の巡査部長も三割ぐらいだというと、この人たちから見ると、周りは自分たちと同じ同僚はいない、どんどん上に行かなきゃいけない、そうすると試験だという。働きがいで出世するのではなくて、試験制度で出世していくというシステムだけに置かれている。しかし、自分たちはノンキャリアとしてキャリアの人とは全然別ルートで、キャリアの人たちは全然別個に、今度年数は長くなるかもしれないけれども、この人たちは確実に上がっていくルートがある、自分たちは第一線で、そうなっていない。 警察官のこういう全体構造の仕組みもどうしていくのか。巡査のあり方ですとか巡査部長ですとか、そういったものと、ノンキャリア、キャリアの問題、これを含めて改善していかない限り、士気を高めろ、君たちは国民の中ではエリートなんだ、君たちは国民に奉仕するんだと幾ら言ったって、逆に矛盾を感じて、十分職務を果たせない警察官が出てくる。これは僕は当たり前なのではないかというふうに考えております。したがって、その辺を全体を見ていただきたいというのが私の申し上げたい点であります。
○若松委員 それで、寺澤参考人に質問させていただく前に、高木参考人に。 今、岩村参考人がお話しした話にちょっと関連するわけですけれども、さっき、いわゆるキャリアの問題、特に巡査というのは三割しかいない、それが試験制度になっている。私どもは、ちょうどずっと行革をやっておりましたので、公務員の制度改革とか今検討しておりまして、I種、II種、III種とか、とりあえずI種ということで東大卒が多い、キャリアですと。これがどっちかというと悪い面の特権に活用されて、かつ、いわゆる責任感というのですか、そういった、自分たちはある意味で恵まれている、能力があるから、だからこそ貢献しなくちゃいけない、ノーブレスオブリージュという、そっちの方がやはり弱まっている。これは社会的な現象なのかなと思うのですね。 そういった社会的な認識があるわけですけれども、では、そのキャリア制度を、少しでも今の警察制度を改善するには具体的にどうしたらいいのか。高木参考人として、もし御提言がございましたら、この際、お願いします。
○高木参考人 私、法律家でして、人事政策については素人なのですが、個人的に思いますのは、試験にさえいい成績で通れば自動的に出世するという仕組みでは、もうやっていけない時代が来ておりますので、入ってから実際にどういうふうに自分を磨いていくかということを重視した人事政策が大事であるというふうに考えております。
○若松委員 私も同じ考えなので、ありがとうございます。 それで、寺澤参考人にお聞きしたいのですけれども、先ほど林参考人から、まさに警察の、これだけたたかれているわけですから、自信喪失というのですか、私も国会議員になって、ちょうど細川政権に入りまして、これは変わると思って、それから政党も変わりましたし、選挙区も変わりましたし、三回当選しましたけれども、全部当選の選挙区が違うというのが私の経験です。それで、あれだけ政治家を何か悪い者ということで、正直言って私も自信喪失の一人です。 そこにやはりマスコミ報道のあり方ということがあると思うのですけれども、そういった観点から、警察の士気なり倫理観を高めるに当たってどうマスコミが関与しているのか、また関係しているのか、影響を与えているのか、そういった観点についてはどうお考えですか。
○寺澤参考人 警察不祥事に関するマスコミ報道でいいますと、私は常々感じているところでありますけれども、少し現場の警察官といいますか、警察官個人個人に対する非難というか、そういった報道が強過ぎる余り、組織の腐敗している問題点というものがなかなか浮き彫りになっていないのじゃないかという不満を感じています。 それで、なぜそうなってしまうのかということを考えた場合、やはりそういった新聞記者という人たちも、先ほど来のこの議論の場で出ている言い方でいいますと、いい大学を出ていらっしゃる方が多いわけで、そういったいい大学を出ていらっしゃる方たちは、当然警察の幹部とも同期だったりするわけで、そういった方たちからの情報、話で記事を書くことが多いわけですから、当然警察のトップあるいは幹部、キャリアで将来トップまで行くような人たちが関与しているような不正、組織的な腐敗についてはなかなか情報が得られないし、現場の声を聞くような努力というのも、最近新聞も経営効率を優先させなきゃいけないとかいうようなことでやっていますから、なかなかそういった取材が組織的な腐敗というところまでいっていないのじゃないか、マスコミの報道も。 それで、先ほど来参考人の方の御認識でも、悪いのは一部の現場の警察官じゃないかというような御認識が形成されてしまっているのではないかというふうに私常々思っていますので、そういうことがないように、少なくとも私は、警察の組織的な腐敗ということを今後も、多くの国民の皆様がそこまで組織的に腐敗していたのかと御納得いただけるまでやっていこうというふうに思っています。
○若松委員 それで、引き続き寺澤参考人にお聞きしたいのですけれども、ちょうど隣の委員会室で少年法改正が議論されております。少年犯罪もふえております。警察内部の不祥事もふえております。かつ、国会議員もそうだし行政もそうだし、マスコミもいろいろな事件が出ていますね。これは極めて社会的ないわゆる不満が増長している、そういう現象だと思うのです。 ですから、ここだけがいけないという、寺澤参考人の御努力は非常に評価します。私も会計士なので、企業の不正ということについてチェックします。ところが、そればかりがまた誇張されると、結果的にさっきの、どこも悪くなっちゃうみたいな感じになって、それを国民が何もチェックしないでそのまま受け入れちゃう、それが一番今社会的な大きな問題なのかなと思うのですね。 先ほど、警察官のレイプ事件がありました。これを、こんなこと言ったらまた家に帰ったらうちの家内に怒られるかなと思うのですけれども、これは週刊宝石、ちょうど御社のですけれども、ここで例えば「オッパイ見せてください!」、こういったことが、やはりさっきの社会的な不満増長というか、ある意味で性的要求を高めている。一方、そうやって指摘している。何かすごくちぐはぐなんですね。 ですから、私は、今第四の権力とも言われるマスコミの報道のあり方というのは、本当に先ほどの士気とか意識を高めるという意味では、極めてやはり再考していただかなきゃいけないし、いろいろな問題が含まれていると思うのですけれども、そういった観点からどう考えますか。
○寺澤参考人 私、警察と、民間の会計士をやっていらっしゃるということで、組織と会社と違うというところは何かというと、民間では、やはりそういったおかしなことをやっていれば経営が傾いてつぶれてしまう、それで必然的に自浄作用といいますか、おれたちこのままじゃ会社つぶれて路頭に迷っちゃうよという作用が出てくるというところは、民間と警察、違うと思うのです。 警察、これだけいろいろな不祥事出ましたけれども、全然、危機感を持っている人なんてはっきり言っていないと思うのです。危機感を持っているふりをしている人はたくさんいますよ、私も取材で会いますから。ですけれども、彼らは結局警察はつぶれるわけはないと思っていますし、実際、警察を首になっても、懲戒免職になってすら警察の方で天下り先を用意してくれる、そういったような組織なわけですから、非常に危機感ないです。 それで、今週刊宝石の方で言われましたけれども、私、週刊宝石の記者でもないし社員でもないのですが、今の企画は、今の新しい編集長になりまして、その編集長がなぜかそういうことをやりたい人でやっているわけですが、それには非常に編集部内でも反発が強いと私聞いておりますし、そういったおかしな企画をやっていれば、それは部数落ちているわけで、激減しています、はっきり言って。ですから、近々その編集長も更迭されると思いますし、そうやって民間では自浄作用が働くわけですよ、つぶれちゃうわけですから。そんなやつは首にしろと。 ですけれども、警察、だれがトップを首にしろと言いますか。みんなだれもつぶれないのですから。そこが違いである。だから私は、警察を取り締まる警察で厳しくやるしかないということを申し上げているわけです。
○若松委員 時間が終了しましたので、同じような質問を林参考人に聞きたかったのですけれども、人生の一番の経験者だそうなんですけれども、ちょっと時間がないので、これで質問を終わります。ありがとうございました。
○増田委員長 次に、菅原喜重郎君。
○菅原委員 自由党の菅原喜重郎でございます。きょうは、参考人の方々には、いろいろ貴重な御意見、ありがとうございました。 不祥事の連発、綱紀の弛緩、緩み、警察に対する大きな批判が社会的にも問題となっておりまして、それに対応いたしまして警察刷新会議が構成され、三月以降積極的に会議を開きまして、七月十三日に国家公安委員会へ警察刷新に関する緊急提言がなされました。これを受けて、警察改革要綱なるものが国家公安委員会及び警察庁から発表されたわけでございます。今まで私たちもこの委員会で、さらにこれに関連いたしまして内閣から警察法の一部改正の法律案が出て、これを審議しているわけでございます。 端的に、今参考人の方々にお聞きするのですが、緊急提言の中でも、警察の「組織内部の過度の身内意識は許されないにもかかわらず、馴れ合いによって、監察が十分な機能を果たしていないとみられる。」との指摘もなされております。 それで、今回政府案が、果たして十分に警察の刷新がなされていくのかどうか。そのためには、先ほどからも再三議論になっておりますが、外部監察のような制度が必要なのかどうか、現状のいわゆる警察の構造改革までいかないといたしましても、改革するのに。あるいは、こういう外部監察制度にかわるような監察特別委員のような制度、これは期限を切っての任命でもいいのですが、こういうことを現状では認めなくてもよい、あるいはやはり今認めるべきだ、このどちらかの意見を、高木、林、岩村、寺澤、四参考人から順次、簡潔でよろしゅうございますので、お聞きしたいと思います。
○高木参考人 総じた評価ということになりますと、病人に例えますと、診断をして、とりあえず内科治療するのか外科手術に踏み切るのか、そういうことであろうかと思います。組織の場合には、まず穏当なというのですか、改善策をやってみて、これはもちろん改正案というのが最後でございませんので、今回はこれで済むとしても、もしそれで足りなければ次の手を打つという手段は十分残っておりますので、今回ので十分かと言われると、私も確信はございませんけれども、今回はこれでやってみたらよかろうというのが私の評価でございます。
○林参考人 現在の警察のだめになりぐあいがどのくらいかを評価しろというのは大変難しいことでありまして、私は、その評価によって対策を考えると言っている立場上、評価をいいかげんに、わからないなんと言うのは自己矛盾のようではございますが、厳密に言って、だれも、ここまで腐敗している、だからこれだとなかなか言えないことだろうと思うのですよ。先ほどのジャーナリストの参考人の方からも、組織そのものが腐っているというお話がありまして、不祥事の出方を見ておりますと、県によって大分偏りがあるというふうに私は認識しておりまして、どうしようもない県もあるけれども、ちゃんとやっている県もあるじゃないかというような、そういうふうに少し細やかに見ていかないとわからない部分もあろうかと思うのですよ。 それで、繰り返しになりますが、結局今の段階でやはり内部の倫理の高い部分に期待をして、これがどこまできちんとやってくれるか。それでもってだめならば、だめでも民間と違って破産しないじゃないかという意見もございましたが、もちろん破産はしませんけれども、やはり警察そのものが崩壊していくということになりますから、警察官の上層部の方たちもそういう危機感は十分持っていると思いますし、この自浄能力ということに今のところは期待をしまして、だめならだめで、もっと根本的にやらなければなりませんので、そういう考え方がよろしかろうというふうに考える次第でございます。
○岩村参考人 外部という言葉が非常に難しくて、刷新会議でも、外部と内部とは何かというと、公安委員会も外部だということを言った人もいるというふうに聞いております。ですから、なかなか難しいのですが、私ども外部と言う場合は、公安委員会を除いた別のものというふうに考えておりますが、そういう立場でお話をさせていただきたいと思います。 私は、やはり先ほども述べましたように、抜本的には外部監察が必要であろう。その外部監察の機関のあり方についてはこれからいろいろ議論しなければならないとは思っておりますが、とりあえず、とにかく今の状況を治療しなければいけないのも事実だ。そうなりますと、公安委員会を充実強化する、それによって監察をしていく、これはある意味でいうと、警察庁から見ると外部というふうに見るかもしれませんが、私どもとしてはこれを内部の監察というふうに見て、それをとりあえずはやっていく、これがまずは絶対必要なのではないかというふうに考えております。
○寺澤参考人 私は、だめなのは何なのか、だめな警察も県によってあるのじゃないかということでありますけれども、警察というのは警察庁が組織的に運営している機関なわけですから、一番だめなのは警察庁なわけですね。 それで、例えば桶川のストーカー殺人事件に関してちょっと言わせていただければ、あれもさんざん埼玉県警はうそをつきまくって、それで最終的には調書の改ざんがあったとか認めざるを得なくなったのです。あのときの本部長、トップの西村浩司という人は、それより以前に長崎県警本部長のときも、けん銃のやらせ押収に関する、これも組織的なやらせの調書を偽造したり、銃刀法違反にもなっていますけれども、そういった事件のときのトップなんですね。そのときもうそをつきまくりましたけれども。 そういった人が何の責任もとらないで、次から次にどんどん本部長で異動すれば、異動したところの県警本部でまた同じような不祥事が起きるのは当たり前なんですね。この人は今、九州管区の局長をやっていますけれども、埼玉であれだけのことがあっても、一応局長という名前のつく職につけてしまう。こんな組織は民間ではちょっと考えられないと思いますね。 同じようなことがほかの本部長の、例えば愛媛で同じようなけん銃のやらせ押収事件で、これはまた組織的な犯罪だったわけですけれども、警察官が三人有罪判決を受けましたが、このときの本部長の松原洋という人も、その後岡山に行って岡山の本部長で、またそこで警察官のゴルフ場接待だとか、ゴルフ場業者から接待を受けたとか、そういった同じような問題が起きる。 だから、こういった不祥事を起こして、しかもそれが組織的な広がりを見せたときの責任者がぬくぬくとまたほかの県のトップにつく、こういうような制度は明らかにおかしいのじゃないか。こういうことをやっていれば、参考人の方がおっしゃる、仮に例えば千葉県だけが悪いとしても、どんどんその悪いのが、がんが広がっていくわけですから、こういうようなことはもうやめさせなきゃいけないのじゃないかというふうに思います。
○菅原委員 次に、林参考人にお聞きしますが、こういう改革刷新のためには、内部倫理性を高めること、外部監視を強めるという二点の要素を強調されておりました。今回の警察改革要綱の中には、「警察活動を支える人的基盤の強化」の中に「教育の充実」ということが入っております。これには、民事不介入についての誤った認識の払拭等もしたいというような文章がありますが、内部の倫理性を高めるのはこういう教育と同時に、外部の監視性を強めるという点では、外部監察制度を漸進的に実施していっていいじゃないかという御意見を今聞いたわけなので、それでは外部監視を強めるということにはどういう対応をしていったらいいか、お考えがありましたらお聞かせいただきたいと思います。
○林参考人 内部の倫理を高めるという原理と外部から監視をするという原理、これは別に対立するものではありませんので、一般論として言いまして、外部の監視ということも十分必要だろうと私は思います。ですから、先ほどのジャーナリストの寺澤さんが大分活躍されて不祥事を暴いている、これも一つの監視だし、こういう活動は大切だと私は思っております。 ただ、これを制度的に導入しますと、プラスだけではなくてマイナスもあるということを私は先ほど申し上げたわけです。ですから、その導入については余り性急にやらないで、もう少し様子を見た上で考えるということが望ましいのじゃないかという意見でございます。
○菅原委員 岩村参考人にお尋ねいたしたいと思います。 参考人は、警察改革の手続的問題の中で、ノンキャリアの第一線で働く警察官の声が聞こえてこないので、このことも真剣に改革案の中につくっていくべきである趣旨の発言がなされました。実は私も、前回の委員会で、ノンキャリアの幹部登用について、大臣の方にも質問しております。このことは、内部の士気の引き締めといいますか、それから正常化のためにも非常に重要なことだ、こう思っております。 そこで、ノンキャリアを十分に登用させていくには、どのような手だてを現在の制度の中に入れていったらいいのか、御意見がありましたらお聞きしたいな、こう思います。
○岩村参考人 基本的には、ノンキャリアの人たちを幹部登用することが問題の解決になるというふうには考えていないのですね。 出世しなければ報われないというのではなくて、現場で働いていること、そのことが非常に重要であり、そういう仕事をする中で、自分たちの生活も安定し権利も獲得できる、こういうスタイルにしないとだめだというふうに感じております。現場の警察官は、二十四時間体制と言ってもいいぐらいの厳しい状況に置かれていながら、システム的には最下層で、いろいろな面で報われないという、この現状を何とかしなければおかしいのではないかというのが私の一番言いたいことなんですね。そこの点をはっきりさせること。 もう一つ、幹部の問題について言えば、警察庁をどうするかというのはまた別に考えるとしても、少なくとも都道府県警察の段階では、そういう現場を経験し、多くの一線の警察官が、ああ、あの人なら署長になるべきだし、あの人なら県警本部長になるべきだというようなシステム、全然知らない人がどこかから落下傘で来るというのでないようなシステムを都道府県警察ではつくっていく、こういうスタイルを、ある意味で地方分権的なものになるのですが、そうすることがノンキャリアの人たちにまた報いることにもなるだろうというふうに考えております。 以上です。
○菅原委員 さらに、警察権限の見直しの中に、交通免許の登録などは他の行政機関への権限の分散化も考えられる、あるいは警備・公安中心の警察から刑事警察への転換を実現するというようなお考えを示されております。これは、本当に十分に聞くに値する言葉だなと思いましたので、この点についても、強調される点がありましたら、ひとつお聞かせいただきたいと思います。
○岩村参考人 外国などでは、運転免許等は運輸省のような省が担当する、もちろん、取り締まりとかそういうのとは別個の形になるわけですが。許認可権限というものをすべて警察が持っていて取り締まる、取り締まり権限を持ったものが許認可する、このシステムというのはいかがかというのを根本的に私は持っております。 そういった点を含めて、警察の権限を分散化していくというのも今後の一つのあり方だろう。今回急にこれがどういうふうになるという問題ではないというふうには理解しておりますが、今後、ぜひ皆さんに検討していただきたいというふうに考えております。 それと、市民の安全という立場を考えると、刑事警察がどれだけきちんと充実していて、事件が起きたら現場にすぐ飛んできて、すぐ犯人を正しく見つけて検挙していく、そういうシステムこそ安全の基礎にあるというふうに思っておりますので、やはりそういったところの警察を充実するというシステム、今の警察全体の人事配置がどうなっているかということを含めて検討し直して、機動隊のようなものを今の人数をずっと置いておくことが今の社会で必要かというと、私はちょっと違うのではないかと思っておりますので、そういった人数を刑事の方に充実するために派遣するとか、そういった形での解決もあるのではないかというふうに考えております。
○菅原委員 どうもありがとうございました。 終わります。
○増田委員長 次に、春名直章君。
○春名委員 日本共産党の春名直章です。四名の参考人の皆さんには、きょうは本当にお忙しいところありがとうございます。 私どもは、相次ぐ警察の不祥事を根絶して、国民の期待にこたえる警察改革を実施する、そのかなめは、国家公安委員会の警察からの独立による管理機能の発揮、もう一つは外部監察の導入、もちろんその前提となる警察情報の徹底的な公開、こういうものが不可欠ではないかと思っています。こうした点で、何点か御質問をさせていただきます。 まず、岩村参考人に幾つかお聞きをしたいと思います。 きょうお配りの資料の中でも、五月二十六日付の「警察制度の抜本的改革を求める決議」をお持ちいただきました。その中身にかかわって最初にお聞きしたいと思います。 第一に、国家公安委員会と都道府県公安委員会の抜本的改革の項の中で、その二番目のところに、公安委員は常勤制とするという文面が出てまいります。 実は私どもも、国家公安委員会は全員実態としての常勤化を図るべきだと思っています。同時に、都道府県公安委員会は少なくとも一名は常勤にして、その職責を果たせるようにすべきではないかと思っています。日弁連として、この常勤制の問題の必要性や根拠についてどのようにお考えになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○岩村参考人 根拠というのはなかなか難しいのですが、私どもの考え方で申し上げますと、非常勤であるというのも一つのうまみといいますか、よさではあるというふうに思っているのです。自分たちが管轄する組織と余りなじまないという意味で、非常に重要な点ではあると思っておりますけれども、それゆえに、逆に言いますと、時々集まるだけということになると、すべて、資料を提供する警察庁なり都道府県警側の意向に沿って動かざるを得ない、物事が十分見通せないということが起きてくる。 そうなるとやはりまずいので、すべての人を常勤化するかどうかについては日弁連内でも幾つか議論がありまして、分かれているのですが、少なくとも事務局長的な役割、事務局長というと言葉は悪いのですが、公安委員の中に一人はそういう形で、公安委員会のあり方や警察とのかかわり、あるいは警察の動向を常に見ている人が必要なのではないか。それはある意味で、素人でありながら常勤する、そういう形の人が必要なのではないか。そういうシステムがあって、ほかの非常勤の人たちが集まる、合議する、そういうことになれば、今の公安委員会のあり方がより活性化して、生き生きしてくるのではないか。そういうふうに考えて、日弁連としては、そういう方向を目指すべきだという提案をした次第です。
○春名委員 ありがとうございます。 同じく、大きな一の四のところで、「国家公安委員会は国会に対し、都道府県公安委員会は都道府県議会に対して、警察の管理及び運用について説明責任を負う」というのが改革の提案として出てまいります。これは具体的にどういうことを想定されているのか、この説明責任、今の不十分さというのはどこにあるのか、あわせて聞かせていただきたいと思います。
○岩村参考人 公安委員会の問題点は、私どもも今回いろいろ初めて知ったのですが、公安委員の人たちがどのぐらいの活動をしているかということと、公安委員の人たちがどのぐらいの収入というと変ですけれども、税金が払われているか、そういうことを含めて、不十分だったわけですね。 したがって、ある意味でいうと、全然国民に見えない、国民に見えない中で活動している組織というのは、これは問題があるわけですね。そもそもそれだけで問題があるわけでありまして、やはり国民の目に見える形で公安委員会は存在すべきである。 その第一番目は、まさに都道府県議会なり国会という国民の代表者、都道府県民の代表者が集うその場に、公安委員会がみずからの活動をきちんと報告する。警察とのかかわりを含めて、自分たちがどういうことをやっているかということを報告する。そうなれば、公安委員の人たちも、議会でいろいろ質疑を受けて答えるだけでなくて、そういうことをしなければいけないということで、自分たちの日常活動がより活性化していく、そういう形になるというふうに考えておりますので、そういうことを考えてああいう決議の一つになったわけであります。
○春名委員 やはり、年に一回ぐらいはまとまって報告をして目に見えるようなものにするとか、私もそういうことはどうしても今必要じゃないかと思います。 その決議の中の、もう一つお聞きしたいところで、大きな第三の項目のところが、警察官の人権教育の徹底ということなんですね。これは非常に大事だと思っています。現在の警察教育、教養の内容の問題点や、どのようにそれを改善すればいいとお考えになっているのか。また、日弁連として、これまでこういう分野の問題でどういう御提案をされてきたのか、お聞かせいただけたらと思います。
○岩村参考人 この場で全部すぐ答えるというのはなかなか難しいので申しわけないのですが、人権教育の徹底というのは、先ほどから教育の専門家の参考人も申し上げておりますけれども、人権というものはこういうものだということを幾ら教育しても、ある意味できちんとしない。ですから、日弁連の人権教育の徹底と言っているのは、もちろんそういうことを教育として行うことも必要だけれども、警察官自身の人権というものをどういうふうに見直していくか。警察官自身がやはりきちんと、警察官の職務を遂行する中で自分の権利も保障されていく、そういうことの側面をあわせて教育をしていく、警察官の人格を大切にしていく、この両側面から見ていくというのが一つの考え方であります。ですから、そういう意味での人権教育。 これは、こういうところで申し上げて申しわけないんですが、日弁連が人権委員会で、人権問題が警察の中で発生したというような場合に、日弁連として内容証明などを警察に送ります、都道府県警なりに。中身もあけずに返送されるんですね。中身ぐらいあけて見てから返送すればいいと私は思うんですが、中身も見てもらえない。これはもう物事の対話ですとか、そもそもの成り立ちがなってないわけですね。 ですから、私は、物事というのはお互いが人間として認め合うというところから出発しなければいけない、こういう、すべて突っ返すとか自分が見たくないものは見ないという姿勢であるところに、人権感覚の欠落、最も大事なものが欠落している。人権感覚というより人間感覚と言った方がいいのかもしれませんね、お互いのつき合いというか。物事というのは、そういうところから信頼関係が生まれるし、お互いの批判も出てくる、そうでない限りはやはり一方的な批判しか受け取ってもらえないわけですからね、そうなる。そこのあたりはきちんとお互いに変えていかなければいけないというふうに考えております。 こういったことだけでは今のお答えになっていないかもしれませんが、そういうことで勘弁していただきたいと思います。
○春名委員 どうもありがとうございます。 続いて、高木参考人にお伺いしたいと思います。 国家公安委員会の機能強化というのですか、活性化ということは、先ほどのお話の中の第一点の争点ということでお話もあり、私たちも非常に強い問題意識を持って、この改正案でそこが実態として強化されることが大事だというふうに考えています。 ただ、お話の中では、公正取引委員会なんかの事務局とは少し違うと。それから、独立した事務局という形にするとまた少し話が変わってくるということのお話が出ましたけれども、私は、事務局強化、国家公安委員会の機能を強化するという点でのかなめは、一つはやはり独立した事務局を置くかどうかというのは大きな焦点だと思うのですね。 といいますのは、やはり鉛筆一本、全部丸抱えになっているというのが今の実態であって、この間、そういう事態にどっぷりつかってきた国家公安委員会の職責が、果たさなければならないときに果たせない事態がいろいろな形で見えてきたという面が、やはり率直に言ってあったと思うのです。その点で、きちっとした自分たちの独自のスタッフを持って、強大なものを持つかどうかは別にして、そして本当に警察を管理するという役割を全面的に果たしていけるような、民主的なコントロールを果たしていけるような、そういう役割を今持つのかどうかということが一番大事なのであって、そのときに独立した事務局を置くということについては、欠かせない要素じゃないかなと私は思っているのですね。 そこに踏み込めていないところに今の改正案の一つの大きな問題点があるような気がしてならないわけですが、改めて、私たちはそう考えますが、どうでしょうか。
○高木参考人 まさにおっしゃることはよくわかるわけで、先ほど申しましたように、公安委員会の制度というのはもともと矛盾を含んだものである。それは、素人が管理をするのだというコンセプトでできているものですから、そこを、公正取引委員会をモデルに、委員をプロにして事務局をプロをたくさん抱えて強力にやっていくということになりますと、それはもともとの趣旨からは外れてしまう。 しかし、今までの運用のように、単にたまに集まってお話を聞くというだけではどうにもならないということですので、現行の仕組みを生かしながら改革するためにはどうするかということで、恐らく、各案をつくられた方は悩まれたであろう。私も見る限り、確かにいろいろ考えられる選択肢ではあるのですが、やはり公取をモデルにするというのは今の仕組みとしてはやや難しいかなということでございます。
○春名委員 林参考人に、続いてお聞きしたいと思います。 先ほど、内部の自浄作用に期待するし、それを強化するということが非常に大事なんじゃないかということについて、私もそれはそのとおりだと思います。そして、その自浄作用を発揮できるような改革をするためにこそ国民の目も入れる、そういう立場が必要ではないかと私は思っています。 そこで、その内部の自浄作用を発揮する上での幾つかの問題でちょっとお聞きしたいのですが、警察組織の中で、第一線で働く警察官がやはり上部に対しても言いたいことを言えて、風通しがよくなるということがどうしても必要ではないかと思うのですね。なかなかそれが見えてこない。 先ほどの寺澤参考人のお話の中では、全体として腐っているというお話が出たのですが、やはり幹部がかなり大きな問題をいろいろなところで起こしているという点で、ただ、下の警察官には多くの人がまじめに職責に当たっているという人もたくさんいらっしゃるわけですね。そういう点もある。だから、その第一線で頑張っておられる警察官の方々が言いたいことを言えて、風通しをよくしていくということは、私は内部自浄作用発揮のためにはどうしても必要じゃないかと思うのですね。 それから、キャリア制度の見直しというものはもちろん必要なんですが、今回の改正、警察改革要綱と法案全体を通して見ても、その改革という点では、キャリアの人に現場経験をふやすとか昇進の期限を少し延ばすとか、その程度なんですね。本当にこれで自浄作用を発揮するということに近づいていくのかということを考えざるを得ないわけです。 当然、昔から言われていますが、警察職員の団結権も必要になると思います。それから、成績主義の打破も必要だと思います。そういうところにやはり着手していくということが今は本当に大切になっているのかなというふうに思うのですが、この自浄作用を発揮するための根本的な解決という点で、林参考人がお考えになっていることがあれば、お聞かせいただきたいと思います。
○林参考人 組織というものはチームワークで仕事をするものでございますから、そしてまた警察、軍隊といった原理のところは指揮権というものは非常に大切ですので、下の者が上の者に意見を言うというのはなかなか難しいことだろうと思います。 しかし、軍隊を例にとりますと、フランスその他の国では上官の命令に従わなくてもよい場合というのがあります。それは、非戦闘員を殺せというような命令を受けたときとか、そういった場合などには命令は聞かなくてよいという法律があります。 そういう極端な場合は別としましても、意見は当然保障されなければならないと思います。下の者が上の者に意見を言うということが保障されるためには、それによって損害を受けないという保障が必要であります。そのためには、人事権が上の方にあるわけですから、昇任等の人事において、上の人を批判したり反する意見を言ったときに損失をこうむらないという保障が必要になります。これは、昇進制度、人事の客観性ということとかかわってまいります。 この客観的なというのもまた難しい、だんだん難しいことばかりですが、もちろん難しいけれども、客観性をどうやって保障するかという工夫をしないといけないので、その点について、先ほど成績主義はいかぬという御意見もありましたけれども、成績の考え方が問題でして、どういうことを成績と考えるか。やはり成績というものを重視しませんと、客観性の中にその問題も入れてこないといけないんです。 ただ、成績といっても、ただ数字を上げるとかそういうことでないことを考えていかなきゃいけない、実質的な内容を考えなきゃいけないということで、これは警察だけじゃなくて、あらゆる組織につきまとっている難しい問題なんですけれども、内部倫理を高めるということで、先ほど御質問のあったときに私も言いませんでした。最初の陳述の中に言いましたものですからあえて言いませんが、今のことでは特に重要だと思うから、繰り返して最初の陳述には言ったことを言いますと、やはり内部の公平さというものを高めるということが一番大切な点でありまして、昇進制度、人事の制度、そういったものにもすべて客観性を高めるということによっていわゆる風通しというのもよくなるんじゃないかなというふうに考えております。
○春名委員 どうもありがとうございました。 寺澤参考人にお伺いします。警察情報の公開問題についてです。 寺澤さんの論文だとかああいう資料を週刊誌や新聞なんかで見て、それで初めて私たちも気がついて、それでこの場で問題にするというような場面が時々あるわけなんですが、私たちは警察情報の公開ということを繰り返し言ってきました。そのときに一つの壁になっているのは、捜査にかかわるから出せる資料も出せないという事態がかなりまだ残っているなという感じが非常にしているわけです。そこをいろいろ解決するために議論をしているんですけれども、やはり情報公開の問題は警察改革にとって避けて通れないと思います。 ジャーナリストの目から見て、あるいは経験からいって、警察情報の公開について、今後どうあるべきか、どこを解決すればいいのか、そのあたりについての率直な御感想を聞かせていただけたらと思います。
○寺澤参考人 警察は、とにかく捜査にかかわるということで、それを口実に情報を出さない。ですけれども、実際には、自分たちの不正行為、違法行為が発覚するということを恐れて情報を出さないということが非常に多いわけでありまして、私、冒頭でお話ししました千葉県警の船橋東署の留置場の中で女性がレイプされたという事件でも、私どもが週刊宝石で記事を書くときに、千葉県警の方に最終的に確認の取材を行ったときに、何にも答えないわけですね。被害者の人権がとか、それは記者会見でも言っていましたけれども、しかし、それは全くおためごかしな話でありまして、実際、自分たちの幹部がそういったものを隠ぺいしてきたわけだから、それは当然表には出したくない情報なわけです。 ですから、警察に情報公開の主導権をとられてしまったら、これは何でも捜査だとかそういうことで、治安上の必要だということで何の情報も出てこないということは明らかだと思います。 それともう一点、私、いろいろな警察の内部文書も持っているわけですけれども、それを見ますと、要するに警察の文書というのは、とにかく終わったら捨てろという判こが押してあるわけですね、本当に大切なものには。だから、そういうのをどうするかという問題もあるわけです。すぐ捨てられちゃうもの、最初からなかったことにされてしまうもの、そういったものに対する管理をどうするのかということを考えなければ、これから情報公開、仮に請求者の方にかなり主導権が、今移ってきているとは思うんですね、いろいろな県警情報に関する裁判の判決とかを見ていましても。しかし、もともと文書が存在しないとされてしまう、そういったものに関してどうするのか。それをちゃんとチェックするためには、以前、菅厚生大臣が厚生省でそのファイルを見つけたように、やはり外部からだれか行って調べるしかないという結論になるかと思います。
○春名委員 時間が参りました。どうもありがとうございました。
○増田委員長 次に、重野安正君。
○重野委員 社会民主党の重野安正です。参考人の皆さんにおかれましては、本日、大変お忙しい中、時間を割いて御出席をいただきました。心から感謝申し上げます。 今から幾つか質問いたしますけれども、忌憚のない御意見をちょうだいしたいと思います。それでは、よろしくお願いいたします。 これまでの審議で、この委員会の中で、外部監察の問題が重ねて審議されてまいりました。外部監察のとらえ方において、大きく分けて二つの考え方があるようであります。警察を管理する公安委員会の監察それ自体が外部監察であるという考え方、また、管理には当然監察も含まれるのであって、それをもって外部監察ととらえるのは外部性の根拠たり得ない、こういう立場に立って、したがって公安委員会、警察の外に置かれるある種監察ないし監視機構こそが外部監察ではないか、こういう二つの意見がございます。簡単に申しまして、国家公安委員会、都道府県公安委員会もまた監察ないし監視対象であるとの意見もある。 我が党は後者の立場でありますが、刷新会議あるいは警察庁、国家公安委員会は前者の立場に立っているように私は理解をしております。この点について、参考人各位の意見を賜りたいと思います。
○高木参考人 理論的に何を外部監察と言うかということで意見の相違があるということは、おっしゃるとおりだと思います。ただ、私が今ここで申し上げたいのは、外からの批判があらゆる組織に必要であるという問題と、それから監察を行う別個の組織をつくるべきであるということは、一応別であるということでございます。 ですから、先ほど寺澤参考人がおっしゃいました、あらゆる権力は腐敗するという考え方はまさに憲法学あるいは行政法学の基本的な考えでございまして、権力をいかにして法的ルールによって統制するかということを我々は日夜考えているわけでございますが、その手段というのはたくさんあるわけでございます。最終的には、国民の意思というのですか、民主主義ということですから、国民が世論によってコントロールするということが一番大事なわけでございますので、それも踏まえて制度設計をすべきであるというふうに考えております。
○林参考人 おっしゃるとおりに、外部監察という言葉は相対的なものでありまして、いろいろな段階の監察の仕方があろうと思います。 公安委員会の独立性を高めるか否かという問題がありますけれども、私が一番大切だと思いますことは、公安委員会の委員にどういう方を選ぶかということが一番大切ではないかと思います。今までは、専門家は選ばない、素人を置くということになっておりましたが、素人の方々がどれだけ勉強して、警察内部のことを一生懸命知って研究しておるかどうかという点は、どうも私は疑問に思える。そんなことを言ったら、今の方にしかられるかもしれませんけれども。 また、専門家を置いてはいけないということも、やはり余りかたくなにしない方がよろしいんじゃないかということがありまして、それは、どのくらい権限を持つかということも大事ですけれども、やはり人物識見、そしてどのくらい一生懸命やるかということをしないと、ただもう、こうでございますと報告されて、はあ、よろしいでございます、よきに計らえと言っているのでは、ただの飾り物にすぎないわけでありまして、このせっかくある制度をどういうふうに実効性のあるものにするかという、そこにもう少し神経を使って対策を考えるということが肝要と私は考えております。
○岩村参考人 警察というものが実力を持った組織だというのは、やはり普通の組織と違うというふうに考えておりますので、こういう組織の中に不祥事が起きたり腐敗現象が起きるということは、極めて危機的な事態だというふうにつかんでおります。 したがいまして、そういう中では、外部監察、内部監察という両側面からこの組織の問題点を洗い直して、きちんと立て直していく、そうしないと国民としては非常に不安になるという、そこの点を私は申し上げたいと思っております。 公安委員会の監察が外部か内部かというのは、先ほどもちょっと申し上げまして、いろいろ議論はあるんですが、少なくとも管理という言葉の中には監察というのは含まれるんだということは、私も同じ理解でおります。 問題は、そういうときに、管理に含まれるからということで、どういうふうに今度は監察するかというところにあるわけですが、先ほど参考人の高木先生がいろいろおっしゃいましたけれども、大事なのは、警察に対して公安委員会がもし監察するとしても、細部まで監察できるんだということをきちんと権限として決めておくことだと思うんですね。常々細部まで監察するかという、あるいはその能力が公安委員会にあるかということとは別個に、いざとなれば公安委員会は細部まで監察できるんだよ、そういう関係を法的にもきちんと決めておくということが、逆に言うと、警察自身が自浄作用で内部でよくしていく、こういう仕組みになると思うんです。 ですから、最も大事な、外部監察というのは、常設にするか時々のものにするかとか、いろいろなつくり方がありますが、そういう形で、実力を持った警察というものをきちんとした組織として動いていただくということが、私どもにとって重要なのではないかというふうに考えております。
○寺澤参考人 私は、警察を取り締まる警察がちゃんとしていれば、この公安委員会というものは要らないと思いますね。 それで、この公安委員会というものがどうして出てきたかといいますと、そもそも、戦後、政治の影響ですとか、そういった政治警察に利用されるのを防ぐために、民衆の代表といいますか、そういったものを上に据えるということがもともとの趣旨ではあっただろうと思います。 しかし、これが現在の警察組織では完全に悪用されておりまして、とにかく自分たちはどこからも独立しているんだ、国会でいろいろ、例えば資料請求があったりだとか質疑があった場合でも、それは捜査上の秘密だから言えないだとか、そういうことはもう連発されていると思いますけれども、そういったことが行われている。これはもう過去に、まさにさきの大戦中に、関東軍だとかが統帥権の干犯は許さないとかいって、やりたい放題やったのと全く同じような状況が今の警察では行われている。ですから、警察の責任を明確にするためには、この公安委員会というものは、なくしてしまった方がいいんじゃないかというふうに思っています。 ですから、結論として、この公安委員会というのが外部機関に当たることは絶対あり得ない。警察が公安委員を推薦して、その人間がなっているわけですから、こんなものが外部の機関になるわけがあり得ないわけです。
○重野委員 岩村参考人にもう一度お伺いしますけれども、今度の警察法の改正に当たって社民党として一番重視したのは、今私も触れましたけれども、全く独立した組織を今言う公安委員会、警察庁、都道府県公安委員会、都道府県警察本部というラインと別につくるべきだ。我々はそれを中央警察監視委員会、こういうふうに名前をつけておるんですが。 つまり、戦後幾多の警察改革が行われてきたんですが、もうあと二カ月ちょっとで新しい百年が始まる。新しい百年にたえ得る警察組織、その骨格というものを考えるときに、今警察庁が本院に提案している法律は、やはり形は今の形なんですね。だから私は、今日の幾多の不祥事、こういうことを議論しなければならないという、ある種の必然性みたいなものをやはり感じるんですね。そういう立場で私たちは我が党なりのこの案を考えております、別につくるという。 その点について、岩村参考人の御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○岩村参考人 外部監察機関のあり方として社会民主党がお考えの警察監視委員会、これは一つのお考えだとは思っております。 ただ、難しいのは、これを常設的な機関にするのがいいか、あるいは、問題が発生したときに、国会がそれを重要だと考えたときに、国会が臨時に委員を指名して組織できる、それで一定の期間動く、それなりに問題が解決すればまた別のときにというふうに、国会がその都度つくるような形でこういう機関をつくるか。この辺は、私としては、まだ個人的には結論が出ていないんですが、少なくとも、そういう外部から目を注いでいく、常々は内部でやってもらって、それと別の形で、問題ごとに外部から見ていく、そういうシステムは必要だというふうに感じております。
○重野委員 ありがとうございました。今後、その問題については、引き続き大いに議論をしていかなきゃならぬ問題と認識いたします。 次に、先ほど日弁連の意見書に触れられまして、警察に対する民主的コントロールとしての公安委員会の公選制を含む選任方法、あるいは公安委員会を監視する市民参加の監察制度、あるいは警察オンブズマンの創設等々、日弁連の意見書の中には触れられております。 その考えは、我が党の考えと一致する部分が相当にあるわけでありますが、選任方法の改革や市民参加の監察制度について、もう少し具体的に御説明いただければありがたいんですが。岩村参考人、お願いします。
○岩村参考人 これは非常に難しくて、市民参加の監査制度、先ほどから出ております監察をどういうふうにやるか、これはいまだ日弁連としては成案を得ていない、議論中であるということを述べさせていただきたいと思います。 ただ、公安委員会については、戦後、公選というシステムがあって、これは十分機能しなかったわけですが、本当に機能しないかどうかというのは、今の日本の国民の民主主義に対する感覚の中で、かなり違ってきているのではないかというふうにも感じておりますので、これは現実の課題として議論するに値するものだというふうに考えております。 ただ、当面は、少なくとも、公安委員になるべき人を警察側が推薦するというシステムだけはやめて、少なくとも国会なり行政なり、都道府県議会なり都道府県の行政が推薦して、それで議会が決めていくというようなシステムに変えなければいけないだろうということ。 それともう一つ、どういうところから人選をするかというのは非常に重要だと思っているんですが、イギリスの似たような警察委員会というものがあるんですが、そこには治安判事という人が入っているんですね。日本で裁判官がそこに入れるかというと、これはちょっと違うもので、直接は入れないと思いますが、そういう人を入れているというのは、ある意味でいうと司法的な目から警察の活動を見るという側面でもあると思いますので、そういう人間、例えば弁護士会の推薦を受けた人間を入れるとか、そういう形での改革ということもあり得るのかなというふうに考えております。 それと、人事権という問題ももう少し検討する必要があるというふうに考えております。 以上です。
○重野委員 ありがとうございました。 次に、寺澤参考人に伺いますが、この議場でも、警察官の教育あるいはモラルの向上という説明を庁の答弁として聞いてまいりましたが、単にそういうことなのかという率直な疑問を持っています。新潟県警の問題一つとってみましても、教育する側がそういう事件を、事件というか騒動を起こしておるわけですね。 したがって、今回の中で、教育という面であれば、むしろ、将来警察庁の幹部になるであろうキャリアの皆さん方に対するそういうことが、より強く求められているのではないかというように思うんですが、参考人の意見をお聞かせください。
○寺澤参考人 私、先ほど来、警察の腐敗は組織的だと言っているわけですけれども、これはもはや個人個人の警察官のモラル云々と、モラルを上げてあげれば何とかなるという問題じゃないということで言っているわけです。 それで、このキャリアの問題に関して言いますと、要するに、先ほども説明しましたけれども、千葉県警でも遠藤豊孝という本部長がいて、神奈川県警でも渡辺泉郎ですとか深山健男だとか、そういった人たちがいて、そういった自分の警察組織の不正行為ですとか違法行為、犯罪行為をもみ消してきた人間が偉くなっている組織なわけですよ。それはもう部下もみんな知っているわけですね。その人たちが何を偉そうなことを言ったって、言うことを聞く人はいません。 それで、さっき一点言いましたけれども、千葉県警の船橋東署の留置場内レイプ事件では、警察庁長官以下が、当時の国松孝次という人以下がそれをもみ消すんだということを決定したわけですけれども、その会議の中で、それはおかしいんじゃないかという意見もあった。そういうまともな意見も、ごくごくごくごく少数ですけれども、あって、ではそれはどうなっちゃったのかというと、その意見を言った人、意見を言ったような人たちというのは、その後全然出世していないと思いますよ。それをもみ消した人間たちは偉くなっている。ノンキャリアでもそうですね。そういったようなものを見ていれば、その組織の中にいる人間は進んでいいことをやろうなんということは思わないわけで、進んでもみ消しに加担しようというふうに思うのが普通だと思うんですね。 ですから、モラルを高めるとかいうのも意味がない。そういう組織的な腐敗を追放して、悪いことをやった人間が偉くなる、そういうシステムをやめなきゃだめだと私は言っているわけです。
○重野委員 それじゃ最後に、岩村参考人にもう一度お伺いします。 この間の議論の中で、管理という問題についていろいろな解釈がなされるわけですが、この部分が私は事の核心に触れる部分じゃないかというふうな感じがするんですが、その管理という概念についてお伺いしたいわけであります。 国家公安委員会、警察庁の管理概念の説明を聞いても、なかなか難しくて、ぴんと胸に落ちない。しかし私は、そういうふうなことを言わなきゃならぬという、そのことが今日の国家公安委員会の、あるいは警察の存在感というものを世に問うような形になったのではないか、このように思うわけです。そういう意味では、今警察庁が言う管理という概念、解釈というものをやはり改めなきゃならないんじゃないかというふうな感じがしないでもありませんが、そこについて御意見を承りたいと思います。
○岩村参考人 高木参考人もいらっしゃる前で言うのも変なんですが、行政法上は、管理という概念は、監督するとか所轄するという言葉よりも強い上下関係を示すというふうになっているわけですね。それで、法令用語辞典などを引きますと、昔はそういうふうになっていたけれども、今は国家行政組織法で大臣が内部部局をきちんと統括できるという言葉ができたので、管理という言葉は一般的には使わなくなった、しかし警察法ではいまだ使っているという説明になっているんですね。 ということは、管理という言葉はそういう強い上下関係を示す言葉だよというのは、今でも警察法では使っていますと、統括するという言葉はまさに大臣が内部部局を指導するのと同じ意味なんだということを書いてある。それをなぜ警察庁の官房だけで、自分たちの解釈は実は警察庁があるから緩いんだというふうに直しちゃうのかという、これが不思議なんですね。こういうことは本来あり得ないはずですね。 警察庁の官房というのは下の部局ですから、省庁でもないわけです。そもそも国家公安委員会の方が省庁になっているわけで、そういうところが解釈したもので国家公安委員会の管理という概念を決めてしまうという、この不思議な構造はやはりおかしいんじゃないか。 私はやはり、解釈というのをそうすべきではなくて、もとの原点に立ち戻る。ただ、そのことと、素人である公安委員会が現実の警察に対して細かいことまで一々常に言うかということはまた現実論としては違うんだ、現実論としては大綱的にしつつも、いつでもそういう細部にも踏み入れるよ、そういう管理の権限を持っているんだという理解をしておくことというのが、私がぜひ公安委員会に持っていてほしいというふうに思っていることであります。 以上です。
○重野委員 ありがとうございました。 それじゃ終わります。
○増田委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。 この際、参考人各位に一言御礼を申し上げます。 参考人各位には、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。 この際、暫時休憩いたします。 午後零時七分休憩 ————◇————— 午後一時五十二分開議
○増田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、お諮りいたします。 内閣提出、警察法の一部を改正する法律案及び桑原豊君外四名提出、警察法の一部を改正する法律案の両案審査のため、本日、政府参考人として警察庁長官田中節夫君、警察庁長官官房長石川重明君、警察庁刑事局長五十嵐忠行君及び警察庁生活安全局長黒澤正和君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○増田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 引き続き、お諮りいたします。 両案審査のため、本日、会計検査院事務総局第一局長増田裕夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○増田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○増田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。谷田武彦君。
○谷田委員 自民党の谷田武彦でございます。警察法の一部を改正する法律案、いわゆる民主党案についてお尋ねいたします。 持ち時間が限られておりますので、手短に質問をさせていただきます。 民主党案によりますと、法施行に要する経費として、平年度約八億八千万円の見込みとされております。この八億八千万円というのは、多分、国家公安委員会とその事務局に要する経費だと考えられます。都道府県につきましては、都道府県公安委員会の事務局や苦情処理委員会、苦情処理委員会の事務局といった新しい組織ができるわけでして、その具体的な事項については都道府県でお決めいただくことになるとお聞きいたしております。 先日の委員会でも、事務局的なものが肥大化してはならないので、十名くらいが必要かなと思っていると提出者の桑原先生がお答えになっていましたが、全体の規模、内容は定かでありません。また、当然、都道府県の公安委員会事務局、苦情処理委員会、苦情処理委員会事務局といったこれらの組織については、かなりの経費を要するのではないかと思われます。 そこで、まず、その予算措置についてはどのように対処されるのか、御所見を承りたいと存じます。
○桑原議員 お答えいたします。 八億八千万円というふうにこの前提示をいたしましたのは、国家公安委員会と事務局の経費でございます。 それから、都道府県公安委員会事務局、苦情処理委員会、そしてその事務局等につきましては条例で定めることといたしておりますので、その経費は都道府県が措置をするということでございますし、設置については法律で義務づけをされておるところでございますので、地方交付税で措置をされる。そして、本法律案が成立をした場合は、地方交付税法を改正する。 先般、私どもの内々の想定試算ということでは、公安委員会そして苦情処理委員会、それぞれ大体十名程度の事務局ということで、合わせて二十名程度、これは大きなところ小さなところ、いろいろございますので、大体平均をするとその程度のものかなということで、両方合わせますと、人件費的なものを中心に、諸経費合わせて年間大体二億円程度が必要とされるのではないか、そういうふうに考えておるところでございます。
○谷田委員 二億円という経費がかかるわけでございますよね。それだけのものを要して、果たしてこういった形をとる必要があるのかどうか、ちょっと私どもと見解が分かれるところかと思うわけでありますが、それはともかくといたしまして、次に移らせていただきたいと思います。 国家公安委員会は、「重大な不祥事件が発生したときその他必要があると認めるときは、その所掌事務を遂行するために必要な監察を行う。」とありますが、国家公安委員会がみずから監察を行う場合がいかなる場合なのか、いま一つはっきりとは理解できません。 菅原委員の質問に対して石川警察庁官房長が答弁しておられましたように、管理を受けて監察を実施する警察の立場からは、実際の事案としては、調査してみて初めてどのような事案かわかることの方が多いのではないかと思われます。調査を進めるにつれて、当初思われていたよりも重大な不祥事件であったり、あるいは逆に軽微な事件であったりということがあるわけでございます。御所見を承りたいと思います。 また、こうした重大な不祥事件に対する監察は、調査が迅速に進められることが必要であります。途中まで警察庁がやっていた監察を国家公安委員会が引き継いで、事務処理がうまくいくのでしょうか。この点についてはどのようにお考えでしょうか、お答えいただきたいと存じます。 確かに、過去の反省として、警察の実施する監察が不十分であったと認めざるを得ない場合が多々あったことも事実であります。しかしながら、新たに七十人もの体制をつくって国家公安委員会みずからが監察を行う必要があるのでしょうか。監察に関する指示権を適切に行使すればそれでいいのではないでしょうか。御所見を承りたいと存じます。 以上、お尋ねをいたします。
○桑原議員 お答えいたします。 事例といたしましては、警察のトップやあるいは監察官が警察不祥事のもみ消しに当たっていると疑われるような場合でございますとか、警察が国民の人権を侵害するとともに、警察内部の自浄作用が働いていない、そういう場合などが重大な不祥事件その他の必要があると認めるときというようなことに当たるのではないかと考えております。 それから、実際には、被害者や関係者から苦情の申し立てや告発等、またはマスコミの報道などを通じまして、今申し上げたような事例のような不祥事が疑われる場合に、公安委員会がその必要性を判断することになる。独自の判断で必要性を判断するということになりますので、やってみなければわからないということではないというふうに考えております。 それから、警察が行う監察と公安委員会の行う監察は、いわゆる異なる視点から監察を行う。公安委員会の場合には、ある意味での国民的な目線、常識、そういう点からどうなのかということを公安委員会の判断で行うということでございますので、途中から警察の何か監察を引き継ぐというようなものではございません。そういうものは想定をされないということでございます。 それから、公安委員会の監察は、さきにお示ししたような場合に行われるものでございますけれども、その監察は、先ほど来申し上げておりますように、警察に行わせることは適切ではなく、公安委員会が独自の視点で行わなければならない監察であるということで、独自の事務局が必要である、こういうふうに考えているということをあわせて申し上げておきたいと思います。
○谷田委員 民主党さんの考えはよくわかりました。 ただ、従来、この問題につきましてこの委員会でいろいろ論議が深まっておるわけでありますが、私どもとは見解を異にするわけでございます。これ以上申し上げてもなんでございますし、持ち時間もなくなりましたので、これで私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○増田委員長 次に、中沢健次君。
○中沢委員 民主党の中沢でございます。 実は、きょうの法案審議、私を含めて民主党は三名予定をしておりまして、三人合わせて二時間十五分、あえて一人ずつの時間については通告をしておりません。そうかといって、私が二時間十五分やる、こういう意味ではもちろんございません。 しかし、せっかく質問に立ちましたから、主として私は、我が党の出した衆法に対する質問ではなしに、政府提出の警察法の関係につきまして、二月時点の警察の続出をした不祥事、あの当時の集中審議等を思い起こす。そして、今回の法案審議に当たりましては、先週の木曜日に、警察刷新会議の皆さん、四名お越しをいただきまして、貴重な参考人の御意見もいただきました。本日も参考人の御意見をいただきました。こちらの席に座っておりまして、私なりに注意深く、特に参考人の御意見を聞いておりました。 そのこともしっかり受けとめて、できるだけ国家公安委員長の西田さん、あるいは、それを警察官僚のトップとして補佐をする田中長官に、集中的に質問をしていきたいと思います。 さて、まず第一に、正直言いまして、警察の関係についての世の中の関心は、いっときほど高まってはいない。しかし、二月に集中をいたしました神奈川の県警の問題、新潟の県警の問題、埼玉の県警問題、多くは申し上げません。あのときは、当時の国家公安委員長の保利さんも、毎日、国家公安委員会だけでなくて、この委員会あるいは予算委員会も含めて大変御苦労があった。警察庁、都道府県の警察は一体何をやった、あるいは、それを管理する立場の国家公安委員会としての責任は本当にこれでいいのか、こういうことが連日のようにありました。 実は、先ほども会館のエレベーターでたまたま鉢合わせになりまして、保利さん、実は例の警察法の法案がきょうの午後から大詰めの審議が始まります、あの当時は大変御苦労でした、こういう話をしたところ、その後、そちらの傍聴席にわざわざ参考人の質疑の段階でお見えになっていたようでございます。 具体的にお尋ねをしたいと思います。 西田国家公安委員長は、その当時はそういう職責にはございません。しかし、田中警察庁長官は、その当時から今日まで警察庁の長官です。あのとき、質問をする側も答弁をする側も、神奈川や新潟や埼玉の事件は前代未聞の不祥事である、日本の警察の歴史始まって以来の大変な失態である。これは、私が質問しただけじゃなくて、大勢の皆さんが質問しただけじゃなくて、当時の国家公安委員長も警察庁の長官も、そのことを明確に答弁として言っていました。同時に、被害者に対する謝罪、国民に対する警察の信頼がこれほどまで失墜をした、大変申しわけない、こういうお答えがありました。もちろん、当時の議事録に全部載っています。 そこで、改めて具体的にお尋ねをしたいのは、特に重責を担って今そちらに座っていらっしゃる西田国家公安委員長に、そういう認識についてしっかりとお持ちなのか、あるいは田中警察庁長官について、当時の認識が依然として変わっていないのかどうか、まずそのことを明確にお答えをいただきたいと思います。
○西田国務大臣 お答えをいたします。 昨年来、神奈川県警を初めとする全国警察であのような不祥事案が発生をいたしまして、御指摘になりましたように警察に対する国民の信頼というのが失われたことは、まことに残念、遺憾なことであると私は考えております。 私も国家公安委員長といたしまして、失われた国民の信頼というのをどう取り返していくか、新しい警察をどうつくっていくかということが私に与えられた責任である、こう考えて、公安委員会を初めとして、警察庁のみならず、全国二十三万の警察一体になってこの信頼を取り返していくことに全力を挙げていく決意でございます。
○田中政府参考人 委員御指摘のように、昨年来、神奈川県警を初めといたします全国警察で大変な不祥事案が発生いたしました。今委員御指摘のように、当委員会におきましても、また他の委員会におきましても、私どもはこの問題を深刻に受けとめ、そして警察の再生を図らねばならないということを再三申し上げてまいりました。その後、警察刷新会議の緊急提言も受けましたし、改革要綱もまとめ上げたところでございます。 私は、今お話しのように、あのときの厳しい認識というのを忘れてはいけないということで、地方に参りまして第一線の職員にも、なぜこういうような問題が起きたのか、ああいうような問題が起きたその仕組みはどうなのか、背景はどうなのかということにつきまして、具体的に一線の意識を改革するために一線を回っておるところでもございますし、また、昨日の全国警察本部長会議におきましても、二月、三月のときのあの緊張感を忘れてはいけない、そして国民の信頼を回復するために、もう一回原点に立ち戻って努力をしなければいけないということを強く指示したところでございます。 そういう意味で、二月、三月におきますところの私の認識というのは、いささかも変わっておりません。
○中沢委員 今、西田国家公安委員長あるいは警察庁長官の方から、一連の前代未聞、日本の警察始まって以来の不祥事を深く反省している、これではだめだ、国民の警察に対する信頼回復のために、それぞれ重大な決意を持って具体的な職責を全うしたい、こういう決意がございました。もっともだと思います。その御答弁をしっかり私なりに重たく受けとめて、これから各論あるいは総論部分についてお尋ねをしたいと思うのです。 さて、それ以降の経緯について、多くは申し上げません。当時出されておりました警察法の改正が事実上撤回される。そして、国家公安委員長の要請を受けて警察刷新会議がスタートをして、そして緊急提言をまとめる。それを受けとめて、今回この国会で新しい警察法の改正が出される。こういうことだと思うんです。 問題は、あえて我が党が、党としていろいろな議論をまとめ上げて、民主党の衆法を出したのか、その理由は一つあります。それ以外にもたくさんあると思いますが、基本的には一つ。それは、あれだけの不祥事が続いて、国民の信頼を失墜させた国家公安委員会あるいは警察庁、全国のそれぞれの関係組織、信頼回復をしようという熱意、その延長線で出された今回の政府提案では、本当にあの内容で国民が警察に対する信頼を回復するということになるのかならないのか。私なり我が党の結論としては、出された政府案は根幹に触れた改正にはなっていない。 確かに、通常国会で出されたあの当時の警察法から見ると、一歩、二歩前進。つまりは、枝葉でいうと評価もできないわけじゃないけれども、根幹部分について全く踏み込んでいない。根幹部分というのは、後で各論をやりますが、我が党としては、私としても、一応三つに集約できると思うんですよ。 それは、国家公安委員会と警察庁の関係、言葉をかえて言うと、国家公安委員会がもっとしっかりと国民の期待にこたえて、管理する側の機能を確立すべきである。政府案は、このことが全く欠落をしている。二つ目、国民の苦情処理について、依然として警察が受ける、警察で処理をする、そこに国民としては大変な不信感、不安感をまた持つのではないか。ですから、国家公安委員会、公安委員会と軌を一にして苦情処理委員会をつくるべきだ。三点目は、警察情報の情報公開。この三点がなければ、枝葉だけで、若干の修正、最初の警察法の修正の手直しで出されてきた政府案では、本当に国民の警察に対する信頼を回復するということには私はならない。 まず、その総論部分について、せっかく大変な危機意識を持って、これではだめだというふうに思っていらっしゃる認識から見ると、出てきた法案が私なり民主党としては極めて不十分だ、こういう指摘に対して、総論として、国家公安委員長あるいは警察庁の長官としてはどういう受けとめ方をされているか、はっきりとお答えをいただきたいと思います。
○西田国務大臣 まず、私の方からお答えをいたします。 御指摘がございましたように、さきの通常国会におきまして警察法改正案を提出した後にも、いろいろな事案が発生したことは事実でございます。国家公安委員会といたしましては、お話がありましたように、ことしの三月、警察刷新会議に、ひとつこれからの警察のありよう、それから国民の信頼回復、こういうことに対する御助言、指導をお願いいたしまして、御案内のように、ことしの七月にそのことが出たわけでございます。そこで、ちょっと前置きが長くなりますけれども、私どもといたしましては、これを大変重大に受けとめまして、その提言に基づきまして、警察改革要綱なるものをつくったことは御案内のとおりでございます。 そこで、御質問の趣旨というのは、さてその中身が、これほど激しく変化をしていく社会情勢の中、犯罪、治安情勢、そういうことでやっていけるのか、こういうことでございますが、私もこれがすべてだとは考えておりません。おりませんけれども、やはり今我々が、公安委員会、警察ともに取り組んでいくべきまず最初の段階というものは、今警察法の改正法案を出しておりますけれども、そういうところから始めまして、そして徐々に御指摘のことなども今後十分に研究、検討をしてやっていくべきだ、私はこういう考え方でおるわけでございます。
○田中政府参考人 ただいま大臣より、今回の警察法改正案に対しますところの基本的な国家公安委員会としての考え方が示されたわけでございますけれども、私どもといたしましても、今回の警察法改正案は、御承知のとおり、具体的、個別的な監察の指示、これを実効的に機能させるための監察担当委員等の仕組み、さらには、公安委員会に対する文書による苦情申し出制度等によりまして、不祥事の未然防止あるいは発生後の適正な処理の両面におきまして、公安委員会の監察点検機能を飛躍的に強化させる、そしてまた、警察署協議会を設置することによりまして、警察署の業務運営に地域住民の皆さん方の意向を反映させようということを主な内容としたものでございます。 警察刷新会議の緊急提言におきましては、提示されます施策につきまして、対症療法にとどまらず、制度的な解決を図ろうとするものであること、さらに緊急に実行に移されること、さらには不祥事の反省点を踏まえた具体的な提案であることなどが必要とされて、指摘を受けております。改正法案の中身はこうした提言の趣旨に沿うものであるというふうに考えておりますし、その実効性の大きさからいたしましても、現時点におきますところの最良の改革案ではないかというふうに私どもは考えております。 もとより、警察改革施策は、この法改正案に盛り込まれた事項に限られるものではございませんで、改革要綱に盛られましたその他の事項につきましても、必要な予算の獲得や運用面での改善を図るなど、実現に向けて努力をしてまいる所存でございますし、現に、学校教養制度の問題、カリキュラムの見直し、さらには国家公務員I種採用者の教育のあり方、それにまた通達の公開等につきましては、既に国家公安委員会の御指導を得ながら第一線に通達等を出し、私どもの考え方を示しております。 さらに、こうした全体の改革施策の推進に当たりまして、改革の意義、背景、内容等につきまして、第一線に至るまで、先ほど申し上げましたように、十分にその改革の意義というのを理解、浸透させまして、改革の実を上げることによりまして、国民からの信頼を回復するべく全力を尽くしてまいりたい、かように考えているところでございます。
○中沢委員 提案されている側からいえば、今の状態で最良の中身だ、そういうお答えだと思うんですね。ただ、国家公安委員長の方から、そうはいっても、まだまだたくさんの課題は残っている、これからどうするか、そういうニュアンスのお答えもございました。そのことについては、僕の質問の一番最後で少しくやりとりをやらせていただきたいと思うんですよ。 そこで、私の質問は、根幹に触れる部分三つ挙げましたが、特に公安委員会と警察の関係にやや焦点を絞って、これから具体的にお尋ねをしたいと思うんです。 実は、刷新会議の氏家座長も参考人でお越しをいただきました。氏家さんが日本テレビの社長あるいは民放連の会長、大変お忙しい中受けたのは、当時の保利国家公安委員長の要請もあったけれども、小渕総理からも直接話があった。もう亡くなりましたが、恐らく小渕さんも、このままの状態で警察がいってしまうと、日本の国家全体が大変なことになる、そういう危機感をお持ちだったのじゃないでしょうか。ですから、あえて氏家さんに、本当は国家公安委員長に任せておいてもよかったのでしょうけれども、ああいう方ですから、恐らく、氏家さんに座長をやってくれと、氏家さんは、そういう話を聞いて座長を引き受けて、やってきた。これが一つエピソードとして、改めて西田さんに紹介をしておきたいと思うのです。 もう一つ、大森さんという法制局の長官までされた極めてその道のプロ、あの方はこういうことを言っておりました。民主警察で発足をしてもう五十年以上たって、今日、こういうさまざまな問題を抱えている、言葉としては、制度疲労だ、組織疲労だ。ですから、全体の国民の信頼回復のためには、抜本的な、根源的な問題まで含めてやらなければいけないと思う、しかし緊急提言という性格もあって、相当具体的な議論も深めましたという話。 それから、氏家さんは、今の小渕総理の話にあわせまして、公安委員会に対する批判は、具体的に言うと、公安委員会が手足がないからだ、これは大事ですよ。後で私、いろいろ提言します。公安委員会が手足がないからだ、こういう表現で、いろいろな議論をやった、こういうお話なんですよ。 そこで、今私の申し上げたことを一つの前提にして、具体的なことについてお尋ねをしたいと思うのです。 現状の国家公安委員会の機能として、例えば、公安委員会の予算の要求がどうなっているのか、執行がどうなっているのか、あるいは公安委員会を補佐する現在のスタッフの人事権がどうなっているのか。ほとんど警察庁が全部、言葉は悪いかもしれませんが公安委員会を抱え込んで、別な言葉で言えば警察庁の手のひらで、それぞれ見識のある国家公安委員会の皆さんも苦労されていると思うけれども、公安委員会独自の人もいない、金もない、こういう状態が現状ではないかと思うのです。 そういう現状について、公安委員長としてどういう事実認識を持っているか。特に、警察庁の長官として、今私が指摘をした現状の具体的な中身がどうなっているか、率直に聞かせていただきたいと思います。
○西田国務大臣 ただいまの御質問は、一口に言うなら、公安委員会の独立、こういうことであろうかと私は理解をいたしました。確かにそういう御意見もあると思いますけれども、事務局と警察庁、こういうものが警察体制の中に二つ頭ができるということ、このことについては私は大変疑問を持っておるわけでございます。屋上屋を重ねるとは申しませんけれども、そういうことよりも、現在の公安委員会あるいは警察、こういうものが、どういう方向、連携、そういうことの中で、今御指摘になったような問題の解決をつけていくかということは、まさに、警察庁を初めとして公安委員会に課せられた問題だ、こう私は考えておるわけでございます。 それは、例えば事務局が仮にできるとしますと、事務局からも情報が公安委員会へ上がってくる、警察庁からも上がってくるというようなことで、御承知のような現在の公安委員会制度の中で、そのことが私は完全に整理ができにくい面も起こってくるのではないか、こう考えております。そういうことも考えながら、しかし公安委員会の機能というものを今以上に充実していくことは、全く考え方は一致をいたしております。 公安委員会の中におきましても、ひとつ補佐体制というものをきちっとつくりまして、そして、今御指摘になったような問題を、一つは円滑に物を進めていく、一つの目標に向かって進めていく、こういう体制づくりというものが必要なのではなかろうか、こう思っておるところでございます。これはひとつ課並みの公安委員会の体制もつくるし、それから公安委員にも補佐員をつけてやっていく、そういうことの方が私はよいのじゃないか、こういう考え方でございます。 そういうことを考えながら、警察庁の方へ対しても、公安委員会事務担当スタッフの増強等を図ることにより、真に効果的な補佐体制ができるようなことでやっていくべきだ、こういうことを指摘しておるところでございます。
○田中政府参考人 先ほど委員から、国家公安委員会のいわゆる事務局といいますか、国家公安委員会の手足の議論がございました。刷新会議の氏家座長からも、この前、参考人としていろいろお話がございました。よく伺っておりますが、国家公安委員会あるいは都道府県公安委員会の法律によって与えられました権能、任務が十分に果たされていない、それがどこに原因があるのか、それはやはり手足がないというようなお話がございました。具体的にそういうお話がございました。 それで、現状はどうかということになりますと、刷新会議でも御指摘がありましたように、必ずしも、事務局たる警察庁あるいは補佐機関たる警察庁の補佐機能が十分でないというところは、これは御指摘のとおりではなかろうかというふうに思っております。 そこで、今回の改正案におきましては、具体的な権限というものを明らかにするところは明らかにし、また運営上スタッフを増強するということにつきましては、緊急提言にもございましたように、その方向で私どもは、今いろいろ問題とされていることにつきましては図っていこう。全く今の体制が問題がないというわけでは決してございませんで、問題とされている事項につきましては、公安委員会の権限、任務をよりよく果たしていただけるように、十分にスタッフとして補佐を強化していくというのが我々の考え方でございます。
○中沢委員 今、非常に共通するなという思いをしておりますのは、刷新会議の指摘あるいは参考人のいろいろな意見あるいは我が党が出した中身、方法論は別にして、公安委員会の機能は今でいいとは思わぬ、もっと機能を高める必要がある、これは全く私も同感です。 問題は、公安委員会の機能を高めるということは認識として、あるいは総論として一致しても、その方法論が残念ながら現状ではかなり違う。方法論が違うということは、私が一番先に言ったように、結果的に、根幹部分に触れる問題なんですよ。 閣法と衆法のそれぞれの政策担当にお願いをして、具体的な法案のある意味で修正が可能なのかどうなのか、いろいろやっていただきました。残念ながら結論は、出した法案、閣法も衆法とも、いろいろ話をしたけれども折り合いがつかない、こういう状況。残念ですが、そういう状態なんです。 そこで、各論について少し踏み込んでお尋ねをしたいと思います。 公安委員会と警察の関係でいうと、僕は、三つ問題がある。現状における方法論、食い違い。その一つは、事務局体制についてどうするかという問題。それからもう一つは、今までも議論がありましたが、監察をどうするか。 国家公安委員会以外に別なそういう制度をつくるという党の、私の党という意味じゃなくて、別な党の意見もありますが、私は、それはどうかなと。そこまで一足飛びに行くよりも、監察問題があれだけ不祥事につながって国民の不信を買った、これは事実なんですから、国家公安委員会の独自機能として——すべての監察をやれとは言っていませんよ。これは誤解があったらまずいんですよ。国家公安委員会の必要な監察は公安委員会が責任を持つ、それ以外に一般的なことまでやれというふうにうちの衆法でも言っていない。その辺の方法論の違いが残念ながらある。 もう一つは、民主警察を国家公安委員会が管理をする、政治的な中立性を含めて、そこのところは大事な問題だと思うのです。しかし、もともと管理する側の公安委員会と管理される警察の関係が、さっき私は少し乱暴な表現をしましたけれども、ちょっと立場が逆転をしているんじゃないかと。管理する側の公安委員会が、結果的に警察の囲いの中に囲われてしまって、予算もない、人もいない、やろうと思ったって情報一つ来ない。すべて警察からの、さまざまな、人の配置から予算の配置から情報も含めてそういう状態で、もっと極論を言うと、今まで公安委員会の独自の事務局がなかったのが不思議なんです。本来は、管理する側として、独自の事務局はしっかり持たなきゃならぬ。 こういう管理の概念、具体的な内容について、残念ながら今のところ、衆法を出した私の立場と政府案を出した公安委員長、警察庁の長官の立場は、そういう各論において、方法論において食い違っている、そういう認識でこれから議論したいと思うのですが、どうですか。そういうことについてそういう認識をお持ちですか。 基本的には国家公安委員会の機能強化をしたい、僕もそう思いますよ。そのやり方について、今指摘をした三点について、私の指摘と、現状においては恐らく国家公安委員長や警察庁の長官は方法論は違うと思うのです。はたから見てそうだな、違うんだな、こういうことでないと議論としてはなかなか深まっていかないと思いますから、そういう認識でいらっしゃるのかどうか、改めて聞いておきたいと思います。
○田中政府参考人 先ほど委員が御指摘になりましたように、一連の不祥事案を見ますと、国家公安委員会あるいは都道府県公安委員会の機能を強化すべきである、現状は、その権限、任務等から考えますと機能が十分果たされていないのではないかということについて、認識は同じであるというようなお話がございました。 その機能を強化する方策としてどのようなものがあるか。それは、事務局の問題でありますとか予算の問題でありますとか、いろいろ御指摘がございました。そこにつきましては、今委員御指摘のようなお考えと、また私どもが現在法律案の形でお出しをしております、御検討いただいておりますものとは、細部にわたりまして考え方の異なるところはあるという御指摘は、そのとおりだと思います。
○西田国務大臣 今田中長官からお答えをいたしましたことと私の考え方と、大きくは変わっておりません。 公安委員会の役割というのは、一つには、やはり重要なことは、大局的な見地から警察運営の適正を図るということが重要だと思っております。公安委員には、原則として警察専門でない人を、広い社会の各層から有識者が充てられておるわけでございまして、個々具体的な警察事務の執行に当たることなく警察の事務の執行を監督するということが制度の趣旨である、ちょっと意見が食い違うのですけれども、私はそう考えておるわけでございます。根本的な問題につきましては、どう維持していくかということ、これは国家公安委員会が直接監察を行うことではないと考えております。 なお、今回の改正案は、このような基本的な枠組みを維持しつつも、公安委員会の監察点検機能の強化を図っていく、厳正な監察を担保しようとするものでありまして、これにより公安委員による第三者的な管理の実を十分に上げることができ得る、私はそう考えております。
○中沢委員 さてそこで、具体的にこれからその三つの問題についてお尋ねをし、お答えをし、少し議論を深めたいと思うのです。 今この委員会というのは、警察刷新会議の緊急提言を受ける、それをしっかり受けとめて閣法として出された。私どもの方は、あの閣法、政府提案は根幹に触れていない、ですから、これから議論する三つの内容について方法論を含めてこうすべきだと。そこで、事務局の問題からまず入っていきたいと思います。 現状は、今さらっとお答えをいただきましたが、結果的に国家公安委員会の予算というのは警察庁の予算の中、その独自性、人の配置も含めてほとんどないと言って言い過ぎではないと私は思うのです、事実は。そうすると、刷新会議の議論もあったし、参考人の皆さんも異口同音に言っていました手足がないということは、手足をつくれということなんですよ。ただ、そうはいっても、警察の中に警察をつくるような、つまり屋上屋をつくるようなことはやめた方がいい、私もそう思うのです。 うちの党の案は、事務局でいうとその陣容は百名です。公安委員会直属、自主的な事務局をつくれという提案をしているのは、非常にささやかだと思います。百人。大した年間の予算ではない。しかも、国民の不信を買った警察がやっている特別監察について大変な問題が持ち上がった。警察内部に任せていたら、言葉はきついかもしれません、秘密性、閉鎖性、お手盛り、なれ合い、それがたまたま発覚をしたのが、あの新潟の特別監察の問題じゃなかったんですか。 ということを考えると、百人程度の国家公安委員会直属の事務局を持って、公安委員長がみずからの人事権で、どこから出向するかは別ですよ、全部外部からという意見もあるかもしれない。私は個人的に、全部外部からスタッフを持ってくるということ自体は無理だ、警察庁から持っていってもいいんじゃないでしょうか。あるいはもっと言えば、その種のことに経験を持っていらっしゃる政府のほかの省庁から出向してもらってもいいんじゃないですか。そういう百人程度の事務部門と監察部門を持った方が、そのことを法律にはっきりうたった方が、国民から、なるほどな、国家公安委員の皆さんも警察の皆さんもよく反省をして、これは立派な法律だ、私はそういうふうになると思うんですよ。 もっと言うと、今までの議論の中で、当時の政権を支えていた自自公の三党が、三月にやはりこういうことを具体的に指摘をして合意をしているんですよ。ですから、例えばそういう立場の皆さんも、国民の目線から見たら、同じ与党ではあるけれども、果たしてこの法案で国民が納得してくれるかどうか、甚だやはり疑問だ、率直なそういう指摘もあるんじゃないですか。 ですから、基本的な認識として、くどいようですが、やはり国民的な信頼回復は大事だ、国家公安委員会の機能を高めようということも大事だ、そこから先が残念ながら、今具体的な方法論を含めて意見が違う。しかし、意見が違う中身で言うと、今幾つか指摘をしました。これはぜひ、この委員会で法律を決めるわけですから、決める場所は刷新会議でもないし、ましてや国家公安委員会でもないんですよ。この地方行政委員会で、この委員会の責任と権限でしっかりと議論をして、場合によっては大胆に政府案を修正する。修正の協議については、関係者では不調のようですけれども、私はあえてそのことを改めて、特に国家公安委員会委員長に、ぜひ政治家として、この一点に限ってでも結構ですよ、決断をしてほしい。もしきょう決断ができなければ、後でまたいろいろ具体的にお尋ねをしたいと思いますけれども、つまり、法令でという方法だってないわけじゃない。規則でやるということだってないわけじゃない。 僕は相当突っ込んでいますよ。衆法を出している民主党の筆頭理事としては、言わなくてもいいようなことを言っているかもしらぬけれども、国民の目線で、国民が期待をしているということを背景にした場合に、そのぐらいのことはぜひひとつ大臣、国家公安委員長、決断をしてください。国民はやはり喜びますよ。それが警察の信頼回復の一番の近道だ、私はあえてそのことをだめ押しをして申し上げたいと思う。
○西田国務大臣 ただいまの御質問で、独自の事務局体制、あるいはそれに伴う予算の問題、手足となる任命といいますか、そういうものについても御指摘があったわけでございますが、このことにつきましては、ひとつ長官の方からまたお話をすることにいたしまして、最後に、政府案は修正すべきではないか、考え方を変えたらどうだ、こういうことに絞って私からはお答えをいたしたい、こう考えております。 これはもう申し上げるまでもないんですけれども、公安委員会制度の要諦というのは、公安委員会が国民の良識を代表して警察を民主的に監督することにあると考えております。今回の改正は、警察による監察が十分に機能しなかった事態を踏まえまして、民主的監督機能を強化するために、警察事務全般にわたって行われる監察について、公安委員会が強く関与し得ることを法律によって規定するとしたものでございます。 また、公安委員会の事務的機能等を果たす委員補佐官室の設置を要求しているほか、先ほどもお答えをいたしましたが、委員の補佐官を置くことを検討しておるのでございまして、これにより、真に効果的な補佐体制が確立し得るものと考えております。公安委員会の管理機能が強化され、公安委員が市民代表としての機能も十分に果たし得ることが可能である、こう考えております。 まことに言葉を返すようですけれども、政府案を修正するという考え方は持っておりません。
○田中政府参考人 委員の御指摘のいろいろな問題がございまして、二つ区別して答弁申し上げますと、一つには、独立の事務局を置くということについてどうかということ、もう一つは、公安委員会が直接監察を行うことについてはどうかというような問題がございました。それに絡めまして、予算とか人員の問題があったわけでございます。 公安委員会の独立の事務局という考え方につきましては、さきのこの委員会でも私どもの考え方を申し上げたところでございます。独立につきましていろいろ考え方があると思いますけれども、公安委員会、あるいは警察庁、都道府県警察本部のその下に、警察本部あるいは警察庁と異なった形で事務局を置くというようなことにつきましての御提案だと思いますけれども、この問題につきましては、刷新会議でもいろいろ議論がございました。先ほどから大臣が御答弁申し上げておりますように、現在の公安委員会制度の基本的な枠組み、その政治的中立性とかあるいは民主的運営という観点から、警察庁あるいは都道府県警察本部を管理するという考え方をも維持するという前提でございますが、これは刷新会議の委員全員一致の御意見でございました。 そういたしますと、具体的にその事務局にどのような仕事をさせるのか、あるいはどのような規模になるのか。先ほど百人という御提案がございましたけれども、私どもといたしまして、百人という数字は必ずしも小さな数字ではないというふうに認識しておりますが、そのような規模の問題。それから、独立性が強い場合には、補佐機関たる事務局が、警察庁と、あるいは都道府県警察本部との関係はどうなるのかというような、いろいろな議論がございました。また、この前も申し上げましたけれども、警察業務に精通した事務局の職員をどのようにして確保するのかというような、人事の問題というのがございまして、この刷新会議におきましては、独立の事務局をとるということにつきましては、そういう考え方をとらないという結論になったわけでございます。 独立の事務局の話と密接に関連するのが、今委員御指摘の直接監察を行うということではないかというふうに思います。 公安委員会が直接監察をするといたしますと、例えば国で申し上げますと、五人の公安委員がおられるわけでございますが、当然にこれでできない。となりますと、そこに事務局を置いて監察をするんだ、こういう考え方になろうかと思いますが、この監察につきましては、公安委員会が事実を調査するというところまでは管理の概念に入るのではないか。しかし、管理することと、みずから監察をする、具体的な事務をするということとは、またこれは違うのではないか。緊急提言、その結果、いろいろな議論が出されまして、公安委員会は、警察本部長による監察が十分でないと認めるとき、あるいは警察庁長官もそうでございますけれども、そういうようなときに第三者機関的な監察点検機能を果たすということで、それで十分ではないのか、こういうような結論であったというふうに思っております。 私どもは、そういう緊急提言の御提言に沿って、今回この改正案を政府として、大臣もお話ございましたように、提案したものでございます。
○中沢委員 立場が違えばやはりお答えも違うな、率直に言って大変残念ですよ。 僕も随分選挙区で、いろいろなところを回って警察問題も聞いていますけれども、確かにあのときのように、国じゅうが警察けしからぬ、国家公安委員会何やっている、こういう声は少し鎮静化しているかもしれませんが、しかし、やはり今のままの公安委員会と警察じゃだめでないのと、平たく言えば。公安委員会というのはお目付役なんだから、自前の事務局も持たないようなお目付役なんというのは——公安委員は公安委員でいいんですよ。やり方についてはいろいろあるけれども、ちゃんと国会承認人事で公安委員を選ぶんですから。問題は、公安委員をしっかり支える事務局体制があるかないか、ここが非常に私は国民的な関心を呼ぶんじゃないですか。 おっしゃるように、今の制度の延長で、国家公安委員会については警察庁がきちっと補佐をする、補佐する体制も、例えば、現在は五名ぐらいですか、これを十名にするだとか二十名にする。それは現状よりも一歩前進だと思いますよ。しかし僕は、言葉は非常に乱暴かもしれませんが、しょせんは警察庁が補佐をするだけであって、形の上でも中身の上でも公安委員会の自前の、あえて独立ということは、仮に独立という言葉が嫌いだったら言いませんよ。自前の自主的な事務局を持つか持たないかということがやはり国民的な、この問題について関心を持っている方の非常に注目しているところだと思うんですよ。 しかし、こういう議論をやっていても、非常に残念ですけれども、やはり堂々めぐりになってしまって、個人的に中沢さんの意見もわからぬわけじゃない、しかし、国家公安委員長だから、立場上、そう簡単にその話に乗って政府提出の法案を修正するということはできないと。それはできないと思うんです。できるんだったら、もっと最初の段階から、法案を出す前に予備的な議論をこの委員会でやってもよかったんですよ。しかし、物理的にそういうことができない。 うちは衆法を出した。政府案が出た。かなり方法論が違う。すり合わせも不調に終わる。残念ながら、この後また同僚議員がやりますけれども、公安委員会と警察庁の関係については、私どもの、根幹に触れる問題だという意識と機能強化の必要性があるという認識は共通するけれども、その先の具体論、くどいようですが、我々は、国家公安委員会の自前の自主的な事務局を持って、せめて、百人にはこだわりませんよ。五十人でどうだとなったら、それは話し合いに応じてもいいですよ、私の責任で。しかし、そういう自前のものを持たないと、結果的に国民の警察に対する不信感は残る、そのことをあえて申し上げておきたいと思います。これは答弁要りません、立場が違いますから。 それと関連をして、僕はやはり監察制度について、あれだけ事件として、あえて事件と言っていいと思いますね、処分者も出たんですから。事件として国民から大変な批判を浴びている。それを承知の上でまた同じような、国家公安委員会としては具体的な管理の中身で指導の強化ができるけれども、国家公安委員会の機能としてそこまでは持たせない、あくまでも警察庁として、警察として自分たちがやるんだと。これもやはり、自前の事務局を持つべきだということを言っている私から見れば、同じようにお手盛りで、しょせんはもたれ合いで、結果的にまたああいう不祥事が起こったらどうするんですか。 田中長官、警察官僚のトップとして、本当に今のような中身で大丈夫なんですか。お答えください。
○田中政府参考人 委員御指摘のように、一連の不祥事、この背景あるいはその措置等につきましてはいろいろ御意見があろうかと思います。 その過程で、やはり私どもといたしましては、私は管理を受ける側でございますけれども、管理をされる公安委員会の権能、任務というものをさらにきめ細かく、強めるところは強める、また体制を強めるところは強めるというようなことが必要であるというようなことで、緊急提言でも御提言いただきましたし、また国家公安委員会におきましても、いろいろな場面におきましてそういう考え方が示されてきたわけでございます。 今お話しのように、今回御審議賜っておりますこの法律改正案で大丈夫か、本当にその信頼回復が可能なのか、また国民から、監察につきまして公安委員会と警察庁あるいは警察本部とのなれ合いというのが生ずるのではないかというような御指摘だろうと思います。 私どもはやはり、今回のこの御提出し、御審議賜っておりますところの法案は、過去のそういう反省、そしてまた我々も、組織といたしましても多くの犠牲を払ってきたところでございます。したがいまして、今回のこの法律、もし成立いたしましたならば、忠実にこれを私どもは施行といいますか、公安委員会の管理を受ける側として、この改正法案の趣旨に沿った形でしっかりとした事務を推進してまいりたい。また、補佐につきましても、公安委員会の機能というものが十二分に発揮されるような形で補佐してまいりたい。そして、国民の皆さんからいろいろな形で、なれ合いとか、あるいは国家公安委員会あるいは公安委員会がむしろ警察庁とか都道府県警察本部に指示されているのか、そういう御批判は決して受けないように、誠心努力をしてまいる所存でございます。
○中沢委員 今の長官の、長官としての職責をある意味でかけた、しっかり頑張ると。これは私としても、そのように素直に受けておきたいと思います。ただ、くどいようですが、やはりそれでは不十分だとあえて申し上げたい。 最後の質問にしたいと思いますが、刷新会議の皆さんも、緊急提言をまとめた、しかし警察問題はこれですべて完結とは思っていない、こういう発言をされた方もいらっしゃいます。もっと言いますと、先ほど西田国家公安委員長から、今度の法案で一生懸命頑張ってまとめてみた、これでやりたい、しかしまだ幾つかの課題も恐らくあると思う、こういうお話もありました。 私は、最後の質問で申し上げたいのは、もっと言うと、キャリア、ノンキャリアという警察の職員の問題もある。もっと根源的に、今の警察という基本的な枠組みがこれでいいのかどうか。つまり、分権型の警察という枠組みに変えてはどうかという、これはうちの法案にはまだそこまで出していません。しかし、そういう議論もやっていかなければならない。 ですから、せっかく出された警察法、私の方は三つぐらい基本的に、方法論も含めて違う。もっと厳密に言うと、方法論が違うということは基本的な認識も少しずれがあるのかな、そんな思いも実はしています。しかし、そのことは余り言いません。違ったことだけ言ってしまうと、これから先、警察問題、この法案の決着はともかく、その後のことを考えますと、やはり認識は共通するところは共通するということでお互いに受けとめて、残念ながら方法論が違う、しかし残された課題、今指摘をした二つの点以外にもたくさんあると思うんですよ。 あるいは、もっと言うと、ついこの間地方行政委員会で国内調査をやりました。新潟にも行ってまいりました。あの事件は、九年二カ月の大変な歳月が空白になっていた。事件そのものは、御本人、被害者、家族のある意味で社会的な復帰という段階でいろいろ警察もできる限りのことをやっている。私もそうだと思うんです。一方、桶川のストーカー問題は、たしか三日ぐらい前でしょうか、民放で特別番組が報道されて、亡くなった女性の御両親が被害者の名誉回復のために、あえてこの問題については裁判闘争も辞さない、こういうことなんですよ。 ですから、神奈川、新潟あるいは埼玉の三つ、象徴的にまだそういう問題も残っている。残念ながら、警察の制度疲労、組織疲労の一つの象徴として、幾つかの個別の問題も依然としてまだ発生している。こういう状況を考えますと、私は、やはり警察についてどうするか、国民の信頼回復をどうするかというのは、この法案が決着をした後も、引き続きしっかりと国家公安委員会は公安委員会で議論をしていただきたいし、法案がないにしても、この委員会でもこの委員会の責任でしっかりと、もっと言うと、後ほど同僚議員からも指摘があると思いますが、例えばおやめになった中川官房長官の警察情報の漏えいの問題等々も含めて、そういう総体的な警察の国民的な信頼をしっかり回復する、こういう観点で引き続きしっかりと私どもも、野党ですけれども、警察を大事にしたいという思いは底辺にありますから、そういう立場でこれからも大いに議論をしたいと思うんです。 ですから、最後のところは西田国家公安委員長から、法案としては審議そのものは大詰めですけれども、残された課題が今私の指摘をした以外にもたくさんあると思いますが、引き続き誠心誠意、国家公安委員会は国家公安委員会で、この委員会は委員会で、お互いに大いに議論をして、本当にすばらしい日本の警察、国民から信頼される警察をつくっていこう、こういうお答えをぜひいただいておきたいと思います。
○西田国務大臣 中沢委員が最後に一つ申された言葉、私は非常に強く、重く受けとめております。また、全く同感でございます。将来のために、本当に日本の国で、国民が安心をして安全な生活ができる国をつくっていく、そのために警察、公安委員会、ともにひとつ頑張ろうじゃないか、こういう御指摘、私はありがたくお聞きをした次第でございます。 ただ、私も七月に公安委員会へ帰ってまいりまして、そして現在の警察庁のありよう、それから公安委員会の考え方、やり方、こういうことを肌で見ております。私も、できるだけ時間があれば、公安委員会が開かれるときであろうがなかろうが、公安委員会に参りまして、そして警察庁の皆さんの意見をできるだけ聞くことにしております。 そこで、ひとつぜひこれは、私はお願いをしたいのでありますけれども、二年、三年、四年前のことは、私はわかりません。わかりませんが、今、警察庁それから公安委員会、時代の大きな移り変わりの中で、ひとつ国民の信頼を取り戻すためにみんなが力を合わせてやっていこうじゃないか、こういう気概に燃えておるということだけぜひ御理解をいただいて、いろいろ問題点はあるかもしれませんけれども、当面ひとつ、この警察法を成立させていただいて、先ほど分権時代の警察のありようについてもお触れになりましたが、また今後、お互いがいろいろと知恵を出して汗をかいていこう、こういう考え方でございます。
○中沢委員 時間が来ました。ありがとうございます。終わります。
○増田委員長 次に、桑原豊君。
○桑原委員 私の方からは、今、中沢筆頭からお話がございました中でも、特に公安委員会の管理の問題に関連をして幾つかお伺いをしたい、こういうふうに思います。 このたびの政府案では、警察の懲戒事由に係る事案の報告義務というのが新たに規定をされました。現行は、都道府県の公安委員会は、いろいろな警察職員の懲戒または罷免に関して、警視総監または都道府県本部長に対して公安委員会が必要な勧告をすることができる、こういうふうな規定になっております。 当然、現行でそういう必要な勧告をすることができるということであれば、その前提として、警察からいろいろな報告、情報を得ていなければそういうことはかなわないわけでございまして、そのような報告というのが義務づけられておるというのが現行法でも前提ではないかというふうに私は思うのですけれども、今回の改正案で新たにその規定を加えたのはなぜなのか、今まではどうだったのかということをまず長官にお聞きしたいと思います。
○田中政府参考人 委員御指摘の懲戒事由に係ります報告でございますが、これは五十六条に一項加える改正規定でございます。従来、事案の重大性等を勘案いたしまして、管理機関たる公安委員会の判断を仰ぐことが適当と認める場合に報告を行ってきております。しかし、具体的な報告基準が示されていないということで、必ずしも十分な報告がなされていないという状況が現にございました。大変にそれが問題になっております。神奈川県の事案なんかはそういう典型的な例かと思いますけれども、報告がなされていなかった。 そうすると、今回の一連の不祥事の中で、公安委員会へ報告が適切に行われなかった、その原因は何であろうかということを考えました場合に、今回の改正案は、都道府県警察の職員に職務の遂行に当たっての法令違反等があった疑いがある等一定の基準に該当する場合には、都道府県警察は速やかに事実を調査し、そのようなことがあったことが明らかになったときには、公安委員会に対し調査の結果を報告しなければならないということにするわけでございます。 これはやはり、先ほど申し上げましたように、現行の五十五条の四項という規定がございまして、ここに、「都道府県公安委員会は、警視総監、警察本部長及び方面本部長以外の警視正以上の階級にある警察官については国家公安委員会に対し、その他の職員については警視総監又は警察本部長に対し、それぞれの懲戒又は罷免に関し必要な勧告をすることができる。」という規定がございます。それは、先ほどの委員の規定でございますが、この規定が勧告する権限が付与されているわけでございますけれども、御承知のように、その勧告権が十全に行使されるためには、やはり報告が適切になされなければならない。ところが、やはり現実の運用とかいろいろな非行の実態、非違事案の実態を見ますと、このところが必ずしも明らかでなかったのではないか。 そうしますと、この勧告権を十全に行使されるためにも、この担保となる規定を設けるということが適当ではないか。そしてまた、この報告をしない場合、報告の責めを負うわけでございますので、報告の責めを果たさないということになりまして、警視総監あるいは道府県警察本部長はその義務違反に問われるということが明らかになるということによりまして、その勧告権が十全に行使されることを担保するというねらいと、やはり公安委員会の管理を受ける警察として、公安委員会に対して警察事務の執行について所要の報告を行う、その極めて重要な位置づけとしてここに明確にしたというのが今回の趣旨でございます。
○桑原委員 これは懲戒事由に関する報告ということでございますけれども、公安委員会の管理事務一般を考えてみますと、それに限らず、その他の事項についてもいろいろな報告というのが考えられるわけでございます。 そこで、緊急提言の中の「「管理」概念の明確化」という項目がございますけれども、この中では、「公安委員会が警察に対して所要の報告を求める場合には、警察は速やかにそれに応じるべきであること、必要に応じて公安委員会が改善の勧告等ができるということを何らかの形で法令上明確にする必要がある。」こういうふうに提言がなされております。それからまた、管理の意義を明確にしていくというような、緊急提言の別紙の「警察法上の「管理」について」、この項目では「いずれの場合においても、公安委員会の行う「管理」に内在するものとして、警察庁は、適宜、国家公安委員会に対して警察事務の執行につき所要の報告を行うべき職責を有し、また、国家公安委員会から報告を求められたときは、速やかにそれを行うべきものである。」こういうふうに書かれておるわけでございまして、懲戒事由に関する報告義務に限らず、その他の、監察業務等も含めて、いろいろな事項に関する報告というものについては、それではどういう扱いになるのか。 この懲戒事由に関する報告義務を明文化したがために、逆に、この前もこれとよく似たような話をお聞きしましたけれども、そのためにそれ以外のものについての報告義務が別に必要ではないというような解釈に、反対解釈みたいなものになってしまうのではないのか。その他のものについては、一体法令上どういうふうな規定で報告というものが位置づけをされていくのか、その点についてお聞きしたいと思います。
○田中政府参考人 今回、懲戒事由につきまして法律に明確に規定をいたしましたのは、これは私どもの方から御報告申し上げなければ公安委員会は知るところはないわけでございます。したがって、勧告権が十全に動かないといいますか、そういうこともありまして、これは明確にいたしました。 そしてまた、今委員御指摘のように、管理の概念で、今回、国家公安委員会あるいは都道府県公安委員会にこういうような報告の義務あるいは指示、そういうものを法律で明確にしたことによりまして、その余の報告とか指示ができないのではないか、こういうような御懸念だと思います。 これは、今お示しがありましたように、警察刷新会議の緊急提言におきまして、管理の概念を明確にし公安委員会の活性化につなげるべきである、このため、何らかの形で法令上明確にする必要があるという指摘がなされました。私どもといたしましては、管理として行う事務処理の方法、権限行使の態様を明らかにすることが求められておるところでございますので、先日の大森参考人のお話にもございましたように、法令上ということでございますので、公安委員会規則において規定していただく方向で公安委員会にもお願いをしたいというふうに考えておるところでございます。 いずれにいたしましても、今回、法律におきまして個別に報告とかあるいは指示という規定が設けられたということによりまして、その余の報告あるいは指示というものを排除するものではないというふうに考えておるところでございます。
○桑原委員 そういう解釈上の疑義が生じないように、法令上の明確な規定というものをぜひ要望しておきたいと思います。 それと、この間の議論を通じまして、やはり警察を改革していくに当たって、公安委員会の機能の強化が何よりも大切だ、そのためには、その機能たる管理というものの中身をどのように特定していくのかということが大変重要な課題になって、そのことについての議論が交わされてきたわけでございます。 警察刷新会議の提言の中でも、従来のこの管理に対する解釈の疑義というものを一定程度整理をして、今後は、問題によっては具体的なあるいは個別的な措置を指示していくということも含めて管理の概念に含まれていくのだというようなことが打ち出されて、そのことが今回の審議の中でも確認をされてきたわけでございます。 私はこの機会に、今後とも、公安委員会の管理という概念がしっかりと確実なものに定着をしていく、その意義づけに疑義がないように明確に法律の中でこれを位置づけていく。警察法の逐条解説なんかではいろいろ書いてあるわけでございますけれども、そういうことではなしに、法律の中でこのことを明確に位置づけをしていく、そういう必要があるのではないか。特に、政府案を見てまいりますと、今申し上げたような報告などのこともございます。やはり明確な位置づけがないと、この改正案全体をどのような形で解釈していけばいいのかということが非常にぶれてしまうというふうに私は思うので、政府案のような内容であれば、なおさらこれを明確に法定化すべきではないか、こういうふうに思うわけですけれども、その点はいかがでしょうか。
○田中政府参考人 管理の内容につきまして、ぶれることはないか、あるいはいろいろな問題が起きはしないかという御懸念だろうと思います。 当委員会におきましても、管理に関する考え方をたびたび御答弁いたしましたし、また参考人の方からもいろいろ御意見をいただきました。また、この場におきまして委員の方々からもいろいろな御意見を賜りました。そういうものも踏まえまして、私どもといたしましては、国家公安委員会規則という法令の形で明らかにしたい、そして恣意的に解釈することはないというような形にしたいと思っております。 国家公安委員会と警察庁という、ある意味の行政機関相互の関係でございますので、法律上、管理として一応明確にされている関係でございます。その具体的な態様ということでございますので、国家公安委員会の御判断で、国家公安委員会がこのようにして管理をするということをお定めになることで足りるのではないかというふうに考えておるところでございます。 いずれにいたしましても、その御疑問といいますか、御懸念がないような形で国家公安委員会においても決めていただくよう、我々としても努力してまいりたいと考えておるところでございます。
○桑原委員 警察法が成立をして以来、長い年月にわたって、公安委員会の管理なるものはこういうものだというふうに一応解釈がされてきた。そのことに、今回のいろいろな事件を通じて、その解釈でいいのかという疑義が出てきて、新たな見解というものが打ち出されたわけです。そういう意味では、今回の不祥事がなければ、ある意味では今までどおりで、それでいいのだというふうなことに私はなってしまったのだろうと思うわけです。 そういう意味では、時の事象に左右されていろいろ変えていくということであってはならないわけでありまして、そこら辺をきちっと明確にしていくということが、今後のさまざまな疑義を、あるいは、ある意味では不祥事というものを未然に防いでいくためにも、大変この部分は大事な部分だと私は思いますので、ぜひ明確な位置づけをしっかりとやっていただきたいということを申し上げておきたいと思います。 そこで、個別的、具体的な措置の指示というものが今回の管理というものの解釈の中にできるのだということが一応確認をされたわけでございます。警察事務の執行が法令に違反したり、あるいは国家公安委員会の定める大綱方針に則していない、そういう疑いが生じた場合には、公安委員会はそういう指示ができる、それは従来の管理の本来の意味にもとるものではないということがはっきり打ち出されたわけですけれども、この個別具体的な措置の指示が必要だというふうに認定をするのはどこなのか。自然に考えれば公安委員会なんですけれども、これは一体どこなのかということをお聞きしたいと思います。
○田中政府参考人 今回、法律案の中で提示しておりますところの、公安委員会による具体的または個別的な事項にわたる監察の指示でございますが、これは公安委員会御自身がその必要性について判断するものというふうに思っております。 公安委員会の判断の材料といたしましては、私どもから申し上げました報告とか、あるいは国民から公安委員会に対して、いろいろホームページもございます、いろいろな御意見が上がってまいります。そのようなことを踏まえて、公安委員会御自身がその必要性について御判断をされるということになろうかと思っております。
○桑原委員 当然のことをお聞きしたということになろうかと思いますけれども、具体的な態様として、警察の方が下している判断、考え方と、それから公安委員会の方で判断をされている認定の中身とが食い違うようなことが往々にしてあり得る。大体、判断をしていく資格が違うわけですから、往々にしてあり得るというふうに私は思いますけれども、そういう場合はどういうふうに調整をされるのか、あるいは、どの判断が先行することになるのかということをお聞きしたいと思います。
○田中政府参考人 公安委員会によりますところの具体的または個別的な事項にわたります監察の指示でございますけれども、それは、先ほど申し上げましたように、私どもから申し上げました報告とか、さらには国民から直接に公安委員会に対しますいろいろな意見、申し出られた苦情等を踏まえまして、公安委員会自身が御判断されるということになろうかと思います。 その過程で、今委員御指摘のように、警察としてどうかという意見は、当然にその場合、申し上げることがございます。その場合に、公安委員会といたしましては、私どもからの報告あるいは国民からの直接的な意見に基づいて総合的に判断されることになろうかと思いますけれども、そのときに、仮に私どもの意見と公安委員会の意見が食い違うということがあった場合には、これは管理機関たる公安委員会の御意見が当然に優先されるものというふうに考えるべきものだと思います。
○桑原委員 その場合は、公安委員会の指示に警察は従わなければならない、こういうことになるのでしょうか。
○田中政府参考人 公安委員会の具体的な御判断が出るまでの過程につきましては、いろいろ意見の交換があろうかと思いますけれども、最終的に公安委員会が御判断をされたということになれば、私どもはその指示に従うことは当然でございます。
○桑原委員 そこで、私は、独自の事務局の問題にまた逢着をするわけですけれども、公安委員会の指示というものにそれだけの力がある、そして警察の皆さんが食い違った場合にはそれに従わなければならないということであるならば、その判断をきちっと公安委員会がしていくためのそういう事務局というのが、どうしてもそこに必要になってくるのではないか、こういうふうに思うわけです。そうすると、また皆さんとの間で、いや、そうではない、そうではあるというような話に逢着をするわけですけれども、あえて私はこのことについて答弁は求めません。そういうところに、我々の考えている独自の事務局というものの根拠を一つ置くということになろうかというふうに私は思います。 そこで、この問題と関連をしてですけれども、情報開示の第一次裁量権と申しますか、実施機関の警察の長にあるということになるわけですけれども、そういう第一次の裁量権、判断というものが公安委員会の具体的な、あるいは個別的な指示の対象になり得るのかどうかということをお聞きしたいと思います。
○田中政府参考人 情報公開法のお尋ねでございますけれども、この情報公開法、来年の四月から施行されるのでございますが、現在、警察庁におきまして、不開示決定等を行う場合には、可能な限り国家公安委員会に事前に報告する方向で検討を進めているということは、この前の当委員会でも御説明申し上げたとおりでございます。 ところで、警察事務の執行が法令に違反する、あるいは国家公安委員会の定める大綱方針に則していない疑いが生じた場合、これは、国家公安委員会は警察庁に対し、その是正または再発防止のために、具体的な事態、事案に応じまして、個別的または具体的にとるべき措置を指示することができるというふうに私どもは解しております。 したがいまして、情報公開法に基づきますところの開示請求に対する開示、不開示の決定に当たりましても、警察庁の判断が、情報公開法の規定、あるいは国家公安委員会の了承を得て法施行までに定めるところの情報公開の開示の基準、さらには国家公安委員会が大綱方針としてお示しいただくいろいろな規則等につきまして、それに反するような疑いがあるというときには、これは国家公安委員会が警察庁に対し判断の見直しを求める、そういう個別具体の指示ができるというふうに解しておるところでございます。
○桑原委員 わかりました。 それでは次に、苦情の処理についてお伺いをしたいと思います。 まず最初に、警察官の職務執行に係る国民の皆さんの苦情というのは、今までのいろいろな相談件数や苦情の件数、そんなものを想定しながら、一体、年間どれくらいのものが今回の政府案に考えられるような苦情として出てくると想定をされているのか、お伺いしたいと思います。
○田中政府参考人 これは、今御審議賜っておりますところの苦情の申し出、苦情というのは職務執行に係る苦情でございますけれども、数につきましては、現在、全国的に統一した基準で集計を行っておりませんので、具体的な数字につきましては把握できない状況でございます。 そこで、先ほどの、当委員会におきましても、本年の一月から六月までの間に警察に寄せられました職務執行に係りますところの苦情の件数で、いわばサンプル調査を実施いたしまして、その推計でございますけれども、全国の警察においては年間四万から八万件ぐらい、大変数字に差があるわけでございますけれども、四万件から八万件ぐらいを受理しているのではないかというようなことが私どもの推計による数字でございます。
○桑原委員 推計の数からしても、大変多くのものが予想されるというふうに思うわけです。 そこで、私は少しイメージ的に、前回もどなたかが質問されたかもしれませんけれども、この種の苦情が、公安委員会にどんな形で受け付けをされて、どういうふうにそれが処理をされて、苦情を申し出た人にそれが結果として報告をされていくのかという、その流れを少し具体的に御説明をしていただければと思います。
○田中政府参考人 警察に対しますところの苦情というのは、これは一般的に言えば、警察の窓口、駐在所、交番、警察署あるいは都道府県警察本部の窓口で受理するということになろうかと思います。このうち、公安委員会にあてまして文書で出されたということになりますと、これは公安委員会が文書で回答義務を生じますので、当然にこれは法律上義務づけがございます。 また、それ以外の苦情でございましても、これはあて先が公安委員会ではありませんで、例えば、本部長あて先あるいは警察署長あて先、いろいろ多様なものがございますけれども、これにつきましても、警察刷新会議の緊急提言に指摘されておりますとおり適正な処理を図りまして、その処理の結果を、またあるいは具体的にどういうような内容のものがあるかということにつきましては、公安委員会に対して報告をするという形になっております。 したがいまして、窓口というのは、いずれの機関でも窓口として受ける。処理の対応につきましては、これは文書によるもの、公安委員会あてのものにつきましては公安委員会から回答していただく。それから、場合によりましては、回答は警察署長、本部長から回答するけれども、その具体的な処理の対応につきましては公安委員会にいろいろな形で御報告をする。こういう全体の形になろうかと思います。
○桑原委員 さて、ここでまた、警察職員の職務執行に関する苦情を警察に申し出るとか、あるいは公安委員会といたしましても、事務局は警察が補佐をするわけでございますから、公安委員会に対する苦情といえども受け付ける相手方は警察、事実上そういうことになるわけです。 そういうことを考えますと、苦情を申し出る方も、警察官の苦情を、ある意味では同僚かもしれませんし上司かもしれませんし、あるいは上司、部下との関係、そんな方かもしれません。そういった同じ警察に苦情を申し出るというところに一つの、私は大変、申し出る側にすればちゅうちょが働くのではないか。そして、例えば警察を大好きだという人はそんなに多くいないわけでして、なかなか警察に足を運ぶのは勇気が要る。あるいは、自分でかつて何か警察に少しお世話になったようなことがあれば、なおさら警察には物を申しにくいというところが私はあると思うのです。 そういう意味で、民主党の案の場合には、苦情なんかがちゃんと申し出やすいように、警察に関する苦情を言い出しやすいように、そうでない別個の事務局をつくって受け付けをするのだ、こういうふうな規定に我々は考えたわけですけれども、政府案によれば、やはり申し出る方としては大変やりにくいというところが一つあるのではないかと思いますし、今度は逆に、受ける側も、自分の同僚に関するいろいろな苦情がもし、文書を見て、あるいは話を聞いてそれを受け取るということになれば、やはり同僚を人情としてかばおう、こういう気持ちが働くのがある意味では一つの心配されるところだというふうに思いますし、また逆に、その警察官と、苦情の対象になっている方と仲が悪い人ならば、そいつの足を引っ張ってやろうというふうに思うかもしれません。 ともかく、いずれの面でも、受け取る側にしたって大変私は、そこら辺は非常にやりにくいところがあるのではないか、こんなふうに思うのですけれども、そういう警察官の苦情を警察、事実上の警察に持ってくるということが非常に難しい、ある意味では矛盾しているのではないかというように思うのですけれども、その点はどうでしょうか。
○田中政府参考人 警察官あるいは警察職員の職務執行に対するところの苦情というのは、いろいろな形で警察に届けられるということが一般的でございます。また、他の行政機関から警察に送付されてくる場合もございます。いろいろな形がございますけれども、今委員御指摘のように、警察と国民との関係を考えました場合に、若干そこにいろいろな問題があって、苦情が苦情として警察の窓口あるいは公安委員会に適切に報告されていないのではないか、そういう趣旨の御指摘ではなかろうかと思います。 それで、私どもは、今回こういう制度を設けていただくことを御提案申し上げておりますし、また具体的に苦情処理のシステムというものを構築していく方向の中で、やはり第一線の窓口におきますところの受け付けの対応というのが、この制度の基本的な使命といいますか、そこにこの制度の運用がうまくいくかがかかっておるというふうに思っております。 したがいまして、今いろいろな御懸念がありますけれども、第一線でそういうようなことがないように、混乱が起きないように、また国民の方のそういう正当な理由のあるところの苦情については、それを受け付けないということのないように、これは私どもも指導してまいりたいと思いますし、また窓口でそういうことがありました場合には、恐らく、我々の従来の経験で申しますと、直接に文書で公安委員会にその苦情を申し出るとか、さらにはホームページ上で苦情を申し出るというふうな形もございます。 したがいまして、全体として考えてみますならば、いろいろな国民の方の苦情というのは、公安委員会も含めまして、警察全体としてきちっと受けとめるということは可能ではなかろうかというふうに思っております。
○桑原委員 私は、警察の職務執行の苦情を警察に申し出ていく、申し出る方も受け付ける方も、非常にそこら辺でちゅうちょするところがあるのではないかという懸念が一つございますが、さらにもう一つは、この苦情は文書で出す必要がある。そして、文書回答を行う。きちっとした文書にまとめて出してくる人はいいのですけれども、多くの方々は文書をなかなかまとめられない。いろいろ思いが先に走って、口頭で、あるいはいろいろな表現の仕方で苦情を訴えてくるわけですから、それを警察の方は受けとめて、あるいは公安委員会で受けとめて、文書化を手伝うというプロセスがかなりあるのではないかというふうに思います。 そうしますと、その話を聞くことの中で、私は、苦情がかなり選別をされたり、あるいは時と場合によっては、あの埼玉の事例のように文書が改ざんをされるというようなことだって考えられるわけでございまして、文書でなければ受け付けないということの中でかなり苦情の窓口というのが狭められていく、そんな懸念を持つわけです。 加えて、警察法の今回の政府案の改正では、この文書回答義務の除外の規定ということで幾つか、こういう場合には回答しなくてもいいよというのがあるわけです。申し出が都道府県警察の事務の適正な遂行を妨げる目的でやられているというふうに認められたときとか、所在が不明だとか、三つ除外規定が掲げられてございますけれども、これも、例えば一番目の事務の適正な遂行を妨げる目的かどうかというのは、これは警察側の判断ですから、そういう意味では、苦情を申し出る側の思いというのは、ここでは警察側の判断で選択されるわけですから、そういう意味では、この文書でなければ申し出られない、ここら辺は大変苦情の窓口を狭めていくことにつながるのではないか。 あるいはまた、ちょっと表現とすればあれですけれども、苦情のための苦情みたいなものが、苦情処理がうまくいかない苦情みたいな話が多く出てくるのではないかというふうに大変懸念をするわけですけれども、そこら辺はどういうふうに考えておられるのかということをお聞きしたいと思います。
○田中政府参考人 委員御指摘の、警察職員の職務執行に係る苦情、その苦情の誠実な処理及び処理結果の通知を行う際には、申し出人及び申し出内容の特定が必要でございますので、申し出が文書によらない場合には記録が残らない。これは、今の申し出人とか申し出内容の特定ができませんので、具体的にはその回答をする場合にも支障を生ずる場合があるので、文書による申し出という限定をしたわけでございます。 また、現場ではいろいろな形の苦情がございまして、口頭で行われていた苦情、これはもう圧倒的に多いわけでございますけれども、こういう場合には、簡便といいますか、現場で迅速に処理ができる、こういうこともございます。そういう意味で、迅速性が非常に強く求められる場合におきましては、現場で処理結果をきちんとお出しできますので、ただ、それについて御不満があるということになれば、これは繰り返し文書でまたということは当然あろうかと思いますけれども、いずれにいたしましても、現場でそういうことのないように、これはきちっと指導を強化してまいりたいというふうに考えておるところでございます。 それからまた、今、もう一点御指摘がございました、改正案の示しておりますところの七十八条の二の第二項のただし書きの問題でございます。 これは、苦情処理制度は、国民と直接接します第一線におきましての問題点を公安委員会に集約して、さらに公安委員会が苦情の処理及び処理結果の通知を行うことで、組織運営の適正化及び国民の権利、利益の保護を図ろうとするものでございます。 ところで、同一の方が同一内容の苦情を反復継続して申し出たり、そういうケースがございます。それから、明らかに捜査等の警察活動を牽制、妨害する意図があるというような苦情を申し出る場合等がございます。これはやはり権利の乱用ではないかというふうに考えられますけれども、これに相当する場合につきましては、申し出そのものは受理いたします。そして、公安委員会の御判断を仰ぎます。公安委員会の御判断のもとで、その処理につきましては通知を要しないということにするわけでございまして、国民の権利を制限するものではございませんし、また公安委員会の判断を仰ぎますので、当然に私どもの警察庁あるいは都道府県警察本部というもの、これは主として都道府県警察本部でございますけれども、法律につきましては。それは、都道府県警察本部の恣意にゆだねられるというようなことは私は決してないというふうに思っております。 また、申し出者の所在が不明である場合、複数の者によって共同申し出がなされた場合にまで、そのすべての申し出人に処理結果の通知を義務づけるということになりますと、公安委員会の事務処理に非常に大きな負担をかけることになります。 しかし、いずれにいたしましても、これらの事由に該当するかどうかは公安委員会の判断を得てということになりますので、都道府県警察本部の恣意的な運用ということは私どもは考えられないところでございます。
○桑原委員 警察に関連する苦情であるとか相談であるとか、あるいは特に警察官の職務執行に関しての苦情ということになれば、私は、国民の皆さんも、出向いていってまでそのことを申し上げなきゃならぬという話は、やはり相当な決意を要することだというふうに思うんです。そういう意味では、そういった話を気軽に聞いてあげる、そして文書化などについても余り面倒くさいいろいろなことを言わずに、それなりに気持ちが素直に伝わるように文書化をしてあげるというような、そういう、ある意味では国民的な感覚を持った対応の仕方というのが求められると思うんですね。 ですから、そういう意味で、私どもは苦情処理というものについては、やはり市民の目線で、そして気軽に行けるような雰囲気でということで、特別なそういう窓口と委員会をつくって処理をしていくんだ、こういう対応をしているわけでございまして、政府案の対応でいくと、私が今まで申し上げたような少し懸念もございますので、そこら辺、窓口が狭まることのないように、本当に開かれた苦情の窓口になるように、これは私は相当また工夫を要するのではないかというふうに思いますので、その点はあえて、そこら辺に注意をして、ぜひしっかりした対応をしていただきたいということを申し上げておきたい、このように思います。 最後に、一点だけお聞きいたします。公安委員の任期についてでございます。 国の場合の公安委員は五年、都道府県は三年、こういうふうになっておりますけれども、この国と都道府県の違い、これはなぜなのかということを長官にお聞きしたいと思いますし、それから、私は公安委員というのは決して警察業務にとことん通暁する必要はないと思うんです。そういう意味では、ある程度通じる人はもちろん必要ですけれども、むしろそれよりも大事なことは、偉大な素人といいますか、国民的なしっかりした常識の目を持った人、そんな人が公安委員には適任だ、こういうふうに思うんです。 そういう意味では、私どもは、都道府県の場合には三年任期で再任一回、六年。そして国の場合も、都道府県と任期を分ける合理的な理由が私は余り感じられません。そういう意味では、三年、同じ任期で再任一回、せいぜい六年ぐらいが緊張関係を持ってそういう意味での良識を働かせていく、公安委員会としては、ある意味では、警察という実力組織を持った、そういう組織に厳しい目を向けていくということであるだけに、私はほかの委員会に比べてでも短期であるべきだ、こういうふうに思うんです。 そういう意味で、政府案の国十年、地方の場合九年という、違いますけれども、短いわけですけれども、私はちょっと政府案は長過ぎるのではないか、こういうふうに思うんですが、この点については委員長にお聞きをしたいというふうに思います。
○西田国務大臣 公安委員会委員として同一人が余りに長期間在任することとなりますと、委員御指摘のような弊害を生ずるおそれも考えられると私も思います。今回、再任期限を設けることとした趣旨は、まさにそのような長期間在任を制限することにより、公安委員会と警察との間の管理運営の緊張関係を制度的にも担保しようとする考えがあるわけであります。 具体的な在任期間は、今委員御指摘のとおりでございまして、管理の客観性と業務の専門性の調和を図ることとして、国については二期十年、都道府県については三期九年、こういうことにしたわけであります。
○田中政府参考人 委員御指摘の、国家公安委員は五年、都道府県公安委員が三年ということになります。これを、なぜこうなっておるのかということにつきまして、この警察法が制定されましたときの国会の議論によりますと、委員が事務に習熟するとの観点から、その任期が短きに失することは適当ではない、一方、職務に対する緊張感等を保持する上で、長きに失することもまた適当ではないと考えられたことから、三年ないし五年という程度が一般的に考えて適当というような政府側の答弁がございます。 そしてまた、それに加えまして、国家公安委員会の委員は五人、都道府県の方は三人、こういう考え方が示されまして、その方々が毎年一人ずつ交代することによって委員会の継続性が担保される、こういうようなことで、ある意味では、国家公安委員会が五人、都道府県公安委員会が三人、その方を一人ずつ毎年交代させることによって委員会の継続性、そしてまた、公安委員会に課せられたところの社会的な責任と申しますか、そういうものの調和というところからこのような考え方が出てきているというふうに、私どもは議事録からそう推察されるところでございます。
○桑原委員 余り根拠があるような話ではないように私は思いますけれども、私は、やはり任期としては短い方がいい、政府案は少し長過ぎる、十年一昔という話になってしまうんではないか、非常に緊張関係が必要なお互いの関係ということを考えれば、我々の案が適当ではないかということをあえてもう一言申し上げて、終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○増田委員長 次に、松崎公昭君。
○松崎委員 民主党のきょうは三番手、最後になりました。通告をしていないんですけれども、ちょっと意見を言わせていただきます。 ずっとこのところ審議をし、そして我が党の今のお二人の審議も、そして午前中の参考人の意見も聞きながら感じたことなんですけれども、答弁の姿を見ていましても、やはり公安委員会は、すべてというか、ほとんど警察の管理の中で、今まだ法案も変わっておりませんけれども、非常にそういう印象が強いのですね、残念ながら。 ですから、これはやはり、警察の方はそれが一つの戦略ですから、建前は言いますよ。何度も参考人の方にもお聞きしたり、刷新会議の方にもお聞きしましたけれども、建前はそうだ。そして、確かにこれだけの大きな問題になったから、何とか形はやらなきゃいかぬよと。気持ちは、刷新会議なんか本気でやっていると思いますね。しかし、出てきた法案が骨抜きになっているということは、警察の皆さんの気持ちが、できれば今までどおり御意見番みたいな形で置いておきたいなという本音がやはりまだ続いている。 ですから、この法案は間もなく、政府・与党の数が多いですから決まっていくと思います。しかし、私個人といたしましては、この委員会にいる限り、今後も公安委員会の問題はしっかりこの委員会がチェックをしていく、それが必要だと思います。 ですから、私なんかは、今度法案が通るのであれば、いろいろ任期の問題はあるかもしれませんけれども、今までの公安委員会、国家公安委員会の皆さんも含めて、問題があったのだから、一たん総辞職してもらって、皆さんがそれだけいいと言うのであれば、具体的に、その法律のもとに全部入れかえてやってみたらどうか。 公安委員長も、これからの答弁等も公安委員会みずからの意思で、ですから、我々の言っているように、事務局がしっかりあれば、事務局長さんでも置いて、答弁書は必要かもしれませんから、しっかりそれはやっていただく。そのかわり、公安委員会の立場で、警察庁が書いた答弁じゃない形で、公安委員会独自の意見で答弁等もお願いしたいな。これは要望でありますので、質問じゃありませんから。 さて、私に与えられた問題は、中川官房長官がおやめになりました。これはいろいろな問題がありました。しかし、その中で、警察情報の機密の漏えいという問題が大きく出てまいりました。 そこで、今まさに警察法を改正しているさなかで、漏えいの問題も、きょうの午前中の参考人の方からもありましたね。漏えいは、調査会社の問題があったり、あるいは北海道でも暴力団の名簿が流れたとか、これは全国どこの警察でも結構漏れているのだという話がありました。そういう漏えい問題のさなか、警察法を改正しているわけですから、中川問題というのは、この委員会ではやはり避けて通れないだろう。そういうことで取り上げるわけでありまして、私もそう好んで取り上げるわけじゃありませんので、ただ、こういう今の法律を変えている中での問題だということで御了承いただきたい、そんなふうに思います。 中川前官房長官は、本当にいろいろにぎやかな方でございました。就任早々、いろいろな問題がありましたね。科技庁長官の石油会社の代表の兼務でありますとか、ペーパー団体の脱法献金でありますとか、そんな中で今回のこういう問題が出てきた。きょうの新聞等も、森政権、気の毒なことでありますけれども、一〇%台という新聞も発表になっております。政府の要人がこういうような問題でおやめになるということは、与党、野党を問わず、やはり余りよろしいことではないのですね。ですから、今、本当にこの内閣の評価というものが無残な形だ、国民は本当に、不信を通り越してあきれて物が言えない、そんなようなことも言われているわけであります。 大臣、今回、薬物疑惑、こんなことも言われております中川前官房長官、この辺は警察として事実関係を調査されましたでしょうか。
○黒澤政府参考人 お答え申し上げます。 いろいろな報道がなされておることにつきましては承知をいたしておりますが、お尋ねの事案について、情報漏えいに関する調査でございますけれども……(松崎委員「薬物疑惑」と呼ぶ)薬物疑惑につきましてのお尋ねでございますが、個々具体的な案件につきましてお答えすることは、差し控えさせていただきます。 なお、一般論で申し上げますならば、刑事事件として取り上げるべきものがございますれば、法と証拠に基づきまして適正に対処いたします。
○松崎委員 問題は、このテープが、中川さんは二十六日、私どもの同僚の長妻委員が内閣委員会で質疑されましたが、このときは、全く知りませんよ、そういうことを言っていましたね。それで、その晩に、どうも、テープを持っていたところが、余りにもそこまでしらを切るのならばということで、テレビ局に持っていった。そこでテープが出てきまして、二十六日の晩に急遽おやめになる、そして二十七日にやめられた、こういう経過がありました。 そのとき、公安委員長は、報道で見た以上のことは承知していないが、一般論としてはよいことではないと指摘している。一般論として、刑事事件として取り上げるべきものがあれば適切に処置していく、こう述べられているのですね。 この記事の中でも、この女性が中川さんの薬物疑惑、これも多少言及している。しかし、これは雑誌ですから、確かに、証拠がどうかということでなかなか難しいのでしょうけれども、要は、こういう経過の中で、今局長のおっしゃったとおり、そういうことがあったら調べるとおっしゃるとおりですね。委員長もそうおっしゃっていた。それはいいのですが、問題は、このテープを二十七日の会見でお認めになったのですね。ですから、ここで大分状況が違ってくるのですね。つまり、内容をお認めになったと私ども一般的には感じます。ですから、この内容を認めたということになりますと、大変ですね。 内閣委員会でも読んでいました。余り読むのはどうかと思いますけれども、会話が、これは本人が認めているのですよ。中川氏、ともかく、何か覚せい剤の関係で警察も動いているよ、多少。私、でも、やっていないです、悪いけど。まあこういうことなんですね。警視庁の保安課が動いている。覚せい剤のいろいろな動きが確かにあるよ、本当に。女性はしらを切っているのですね。君の関係を内偵しているというんだよ。えっ、これはどこの情報ですか。警察情報だよと本人が言っている。それは先生が調べた情報ですか。私の方の情報だ。そんなことは絶対ない。そういうことで、これはよほど気をつけないと大変だよ。本当に自分は苦労したな。それから、警察から目をつけられているのは事実だよ。決していいかげんな話じゃない。警察の話はいいかげんな話じゃないと言っているの。ということで、この二十六日の夜にテープが、そして二十七日、御本人は認めた。 これは、認めたということになりますと、内閣委員会はこれはまだ認めてないのですよ。このテープを読み上げましたけれども、あのときはしらを切っていた。その後おやめになっちゃったからいいというものじゃなくて、これは警察の情報が確実に漏れていたということになるわけですね。もっと証拠は、それを注意した二、三日後に、港区のこの女性のうちに家宅捜索が入った、九五年五月。これは確実な情報ですね。 そうなりますと、この内容を認めて、しかもこれだけの内容を言って、警察の情報をとったことによって二、三日前に彼女に連絡をして、そして確実に捜索が入った。こうなると、これは捜査情報の漏えいにならないのですか。
○黒澤政府参考人 ただいま委員がおっしゃいましたようなことが報道されておることにつきましては承知をいたしておりますけれども、捜査情報の漏えいの事実の有無につきましては、個別の具体的な事実関係に即して判断されるべきでございまして、答弁は差し控えさせていただきます。
○松崎委員 そういうことになると、行ったり来たりで押し問答ということになるのですけれども。 答弁は差し控えていると言うのですけれども、漏えいになるかならないか、それを差し控えるのですか。これは事実を言っているのですよ。本人は認めているんだ。
○黒澤政府参考人 ただいま申し上げましたとおり、刑罰法令に触れる行為があるかどうかにつきましては、あくまで具体的な事実関係に即して判断されるべきものでございまして、お答えいたしかねるということでございます。
○松崎委員 当時、中川さんは首相補佐官という、閣僚じゃありませんけれども、かなりの重要な政府の一員にいたわけですね。ですから、こういう情報は、その辺の位置にある方は、もっとも、探偵の調査会社でさえあれだけたくさんの情報をいろいろ警察からとっているわけですから、この間逮捕されましたね。これだけの立場の方になると、それはきっと、きちっとした情報が入ってくるのでしょうかね。その辺どうでしょうか。
○黒澤政府参考人 繰り返しで恐縮でございますが、今御指摘のような報道が種々なされておることにつきましては承知をいたしておるところでございますが、個々具体的な案件に関する事項でございますので、答弁は差し控えるということを申し上げたわけでございます。 なお、あくまでも一般論でございますけれども、仮に情報を提供した警察官がおるとするならば、これは地方公務員法三十四条一項におきまして、あくまでも具体的に事実関係に即して判断されるべきものでございますけれども、「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。」このように規定されておりまして、また六十条の第二号によりまして、第三十四条第一項に違反して秘密を漏らした者は、一年以下の懲役または三万円以下の罰金に処すると規定されておりますので、具体的な事実関係をこれらの規定に照らして判断すべきものと考えておるところでございます。
○松崎委員 そうすると、具体的な形になれば、だれかが漏らした、それを捜す、捜査すると、これは当然、地方公務員法の守秘義務違反になるのですね。
○黒澤政府参考人 ただいま御質問されておられます事項につきましては、具体的な案件でございますので、その点について答弁は控えさせていただくということを申し上げておるわけでございます。 これまた繰り返しで恐縮でございますが、あくまでも具体的な事実関係に基づきまして判断されるべきものである、具体的な事実について法と証拠に基づきまして当てはめる、かような意味で、今、地方公務員法三十四条第一項の規定、六十条の二号を一般論として申し上げた次第でございまして、あくまでも具体的な事実関係がいかなるものであるのか、事実関係をこれらの規定に照らして判断すべきものと考えておるところでございます。
○松崎委員 当時の中川さんは首相補佐官ですか、ですから、総理室には警察からも出向されている方がおりますよね。そういう方々に対しての聴取とか捜査、過去のことでありますけれども、そんなことも別にやっているわけではないのですか。このテープの事実を聞きながら、これはやはり国民がみんな注視している話なんですね。 ですから、当時のそういう首相補佐官がどこで入手したかというのは、秘密裏でも何でも、そういう捜査というのは、あるいは首相室に警察からも出向しているという話でありますから、その辺のことは調査したりということもしないのですか。
○黒澤政府参考人 委員お尋ねの質問の趣旨が、捜査と調査を区分けして言っておられるのかどうか、そこは必ずしもはっきりいたしませんけれども、繰り返しで大変恐縮でございますけれども、個々具体的な案件でございますので、答弁は差し控えさせていただくということでございます。御理解を賜りたいと思います。
○松崎委員 それはぜひやっていただきたい。 それから、女性に捜索が、九五年五月何日かわかりませんけれども入ったそうですけれども、この事実関係は公表できませんか。
○黒澤政府参考人 その点につきましても、いろいろ報道がなされておることは承知をいたしておりますが、この件につきましても、個別具体的な案件でございますので、答弁を控えさせていただきます。
○増田委員長 松崎公昭君に申し上げます。 質疑がなかなかかみ合いません。したがって、理事会で協議させてもらいます。次に進めてください。
○松崎委員 覚せい剤というのは、私はよくわかりません。覚せい剤使用の痕跡は、尿検査で検出できるというのは何日ぐらいなんでしょうか。
○黒澤政府参考人 覚せい剤を尿中から検出することが可能な期間のお尋ねでございますが、使用歴、年齢、性別等、種々の要因の影響を受け、個人差があると言われておりまして、一概には申し上げられませんが、一般的には数日間から十日間程度と言われております。
○松崎委員 なぜ聞いたかといいますと、この捜索があったときに、江戸川区の小岩署へやはり彼女も行って、そして尿検査もした。そのときは何も出なかった。しかし、この雑誌の中で言っていることは、中川先生からそういう情報があったので冷静に対応できたと彼女は言っているのですね。 ということは、二、三日ですと、今のお話ですと、もしやっていた場合、物は隠したとしても、尿検査には、やっていれば出るのですね。七日とか数日ですからね。ただ、この人がやっていないという証拠はないですね、その期間では。ということは、逆に言えば、もしやっていたとしたら、これは本当に証拠隠滅の教唆に当たるということにもなるわけでありまして、これ以上これをやっても同じ答弁ばかりですから、そのくらいのいろいろな問題がこの問題でありますよ。予算委員会でも何でも、これからまたはっきりすると思いますけれども、ひとつ警察としてもしっかりとやっていただきたい、そのように思うわけであります。 さて、時間がありません。ちょっとまた、余り個人的には好きではないんですが、週刊ポスト、何でまた、これはよく出てきますね。西田さん、あなたもかという感じなんですけれども、「国家公安委員長が「許永中企業」と親密交際」、これはきのう出てきた週刊ポストだそうでありまして、大臣は就任のときに、何か各大臣が、若築建設とか石橋産業とか許永中の関係のそういう方々との関係を、関係ありますか、ありませんかと全入閣者に対して質問があったというふうに聞いているんですが、ありましたか。
○西田国務大臣 質問は、新聞社の社名は覚えておりませんけれども、ありました。
○松崎委員 西田大臣は、もう八期当選の大ベテラン、そしてまた御出身地の長浜町では町長さんもされていた。現在は息子さんあるいは一族の方がずっと、約一万人の小さい町の中で西田先生のお力は大変なものだというふうに聞いております。 それで、実はこの地域で埋立工事を随分やられて、大臣が町長のときにも埋め立てて工業団地をつくられた。その後も第二期工事をやっているということであります。そのときに若築建設とか石橋産業、これにいろいろかかわりがあったというふうに聞いております。拓海というんでしょうか、「拓海埋め立て事業」、この内容は大臣は御存じでございますか、地元のことでございますけれども。第二期工事ですね。
○西田国務大臣 私の生まれたところでございますから、存じ上げております。
○松崎委員 もっとも、この当時は洋一さんが町長さんでもあるので、第二期工事をやられたというのはよく御存じだと思うんですけれども、実はこのとき、埋め立ての事業は若築建設がJVでとった、六十三億で町の単独事業でとった。この辺は、この工事そのものと、若築建設がJVで落とした、こんなことは御存じですか。
○西田国務大臣 私は、正直にお答えを申し上げますけれども、六十億とか六十三億というのは記憶にございません。ただ、このプロジェクトは、私がふるさとの町づくりの一つとして蛮勇を振るってやったことでございますから、輪郭は知っております。
○松崎委員 このときの若築建設のJVに、西田さんが実質的なオーナーである西田興産、これは何か商売上関連しておりませんですか。七〇%の株主ですよね。
○西田国務大臣 今御指摘がございましたように、私は株式会社西田興産の最大株主でございます。父の代からずっと引き継いできた会社でございます。ただ、今お話があった若築建設とかそれから株式会社西田興産とか、そういうところがどういうようなつながりや連携をしておるかということについては、もう私も社業から離れて非常に長いものでございますから、私は存じ上げておりません。 それから、ちょっと一つ、あなたが一番最初に許永中さんのお話をされました。それから、週刊誌なども何か私が許永中さんや石橋さんと大の仲よしのようなことを書いておりますが、それは間違っておりますから、ひとつ御理解をいただきたい、こう思っております。
○松崎委員 先手を越されて言われましたけれども、正直言いまして、余り根掘り葉掘りやるのは私は趣味じゃないんです。ただ、この若築建設のJVに西田興産がセメントだとか建設資材を納めているとか、それから埋立地の三分の一になる十一万八千平米を若築の親会社の石橋産業、これが許永中に関係するんですけれども、石橋産業が取得した。それはもう埋め立ての前から、これは県の方もさばけなかったら、一期工事だって売れ残っているのに、ちゃんと売り先をつくっていけよということで、そういうルートをつけています。 一町長さんではなかなか無理なんですよね、やはり橋本派の大重鎮の西田先生ではないかと。しかも、この地域にはこの若築は今まで関係なかった。しかも、町の方も石橋産業を誘致したのは西田先生本人ですなんということを言っている方もいるということでありまして、ですから私は、その辺が何らかのかかわりが、大物政治家でもありますし、必ずあるんではないかという国民からの疑惑があるんじゃないかということを御指摘申し上げたわけでありまして、今後、この問題もどこかでまたやるようになるかもしれません。 また、ちょっと問題なのは、許永中は犯罪人ということになっていまして、これも中尾先生にも関係するわけでありますけれども、これを収監しているのは警察だということ、その警察のトップが公安委員長である西田先生だということで、いろいろ誤解が出るんではないか、あるいは推測が出るんではないかと思いますので、今後ともひとつ、こういう問題に関しましては、しっかりと我々も調べさせていただくと同時に、先生の方も、もし何でもないのであればしっかりと身の潔白を御証明いただきたい。よろしくどうぞ。 ありがとうございました。
○増田委員長 次に、若松謙維君。
○若松委員 公明党の若松謙維でございます。 ちょっと質問通告が、私どももいよいよ質問の最後の局面にあってばたばたしておりましたので、まず質問通告を西田委員長に三つお伝えしますので、その間に五分ぐらい時間がありますからちょっと考えていただいて、質問通告したら会計検査院にお答えいただいて、それが終わったら西田委員長にお答えいただく、こういうふうに考えております。 何を公安委員長にお答えいただくかというと、今回の一連の議論で、何といっても公安委員会の管理機能の充実強化を図っていくべきだ、かつスタッフの充実もしっかりやっていくべきだ、こういう議論があったわけですけれども、それを改めてこの場で御確認をいただきたい、これが一点です。 もう一つ、二点目ですけれども、苦情申し立ても文書によれば必ず回答しなければいけない。ところが、どうしても文章が苦手な方とか、いろいろな漢字が無理だとか、かなり事実としては、苦情申し出をする意思とか内容は非常に明確なんですけれども、どうも文章に表現できないという場合にはやはり、これは都道府県になると思うのですけれども、しっかりと口頭による苦情申し出も受け入れるような工夫もしていただければな、これに対してのお答えをいただきたいと思います。これが二点です。 三つ目は、かつ国家公安委員会というのは、いわゆる内閣総理大臣の任命で国会の同意人事、こういうことですけれども、一連の流れで、警察の現場を実質的に管理している最高の立場ですけれども、やはり民主主義ということであれば、それをさらに透明性、風通しのよい組織にするには、国会にそれなりの報告というのでしょうか、これは法律的に義務化されていないわけですけれども、やはりそれはすべきじゃないかと考えております。それをぜひとも前向きなお答えをいただきたい。 この三つを、今言われますか、それとも後にしますか。——では、ちょっと時間を置いておきましょうか。 それで、西田委員長のお答えをいただく前に、会計検査院、呼んでおりますので。 先ほど、午前中の参考人の中からも、警察のいわゆる経理不祥事という話が出ました。特に空出張とか、私も仕事が公認会計士をやっておりまして、経費の精算の空出張とか、これは実際に見つけるのはなかなか大変なんですよ。 そこで、実態として、会計検査院の調査でどうなっているのか、どの程度問題になっているのか、それについて、ちょっとこの場で御披露ください。 〔委員長退席、栗原委員長代理着席〕
○増田会計検査院当局者 会計検査院といたしましては、警察に対する会計実地検査につきまして、国費が支出されている経費を対象といたしまして、毎年、警察庁本庁のほか十カ所程度の都道府県警察等を選定して検査を実施しているところでございます。その際に、検査に当たりましては、物品購入、役務契約、施設整備などの経理を中心に検査をしているところでございます。 報道等でいろいろと不正経理の話というようなこともございます。私たちも、検査対象となる機関の会計経理に不正があってはならないと考えておりまして、警察の経理につきましても、従来から厳正に検査を実施してきておるところでございます。 今後とも、そういった報道等も踏まえまして、検査手法にも創意工夫を凝らすなどして、より一層厳正な検査を実施してまいりたい、このように考えておるところでございます。
○若松委員 ちょっと何か、言葉はわかったんですけれども、具体的に不正が事実としてあるのかどうか、それがどういった量のものなのかということで、そこら辺の実態のお答えがなかったので、ちょっとお願いします。
○増田会計検査院当局者 私ども毎年検査をいたしておりますが、これまで検査を実施いたしましたところ、そのような事実は、検査した限りでは見受けられませんでした。
○若松委員 そうですか。 反対に、最近「踊る大捜査線」という映画がはやっておりますけれども、そこで、実際に出張とか経費がかかっているにもかかわらず、経費削減で、署長が署員の机にある領収書をとってしまう、それで経費として申告させない、それを当然署員の人がかぶるわけですけれども、そんな話というのも実際にあるんですか、逆の話ですけれども。今言った意味、わかりますか。余りそういった観点からの調査をしたことないからわからないですか。
○増田会計検査院当局者 繰り返しになって恐縮でございますけれども、私ども、現地に行きまして、書類を見たり、あるいは説明を聞いたりいたしまして検査をいたしておりますが、そういった検査を通じる限りでは、そういった不適正な実態というものは見受けられませんでした。
○若松委員 わかりました。 それで、西田委員長に、先ほどの質問したことについてお聞きしたいのですけれども、では、一つずつ確認しながらやりましょうか。 まず一つは、国家公安委員会の機能充実強化、これが当然この委員会の大きな目的ですので、それを改めてこの場で、しっかり強化してまいる、スタッフを充実してまいる、そういった一つの意思表明というものをしていただければと思うのですけれども。
○西田国務大臣 お答えをいたします。 そのことは、今後、公安委員会のみならず、全国警察、それから治安、こういう面から非常に重大な、重要な問題でございますので、公安委員会としても、ひとつこれからの役割を、本当に国民の信頼を取り戻していける役割を果たしていかなければいけない。これは私だけではありません、公安委員全員、そういう自覚のもとに取り組んでおりますので、御理解をいただきたい、こう思っております。
○若松委員 引き続き、公安委員長にお願いしたいのですけれども、先ほどの苦情申し出ですね、いわゆるやむを得ない場合の口頭での苦情申し出。ぜひこれも、それぞれの現場の都道府県警察署で受け付けしていただけるように配慮していただきたいわけですけれども、いかがでしょうか。
○西田国務大臣 苦情申し出の問題を、今回の警察刷新、あるいは警察法改正の中でも非常に重大に、重要に取り上げております。文書の書式とか、苦情の申し出の方法とか、お答えの方法とか、こういう問題についてはこれから定めていって、いろいろな規則をつくってやっていきたい、こう考えておりますので、御理解いただきたいと思います。
○若松委員 文書じゃなくちゃいけないとか、しゃくし定規に考えないで、国民のやむを得ない事情もあるわけですから、それもぜひ現場で吸い上げるような、口頭での苦情申し出、ぜひこれを丁寧に、かつ前向きにやっていただくように、再度要請します。 最後ですけれども、この国家公安委員会の定期的な活動報告なりをやはり私たち国会、最終的に、民主主義ですから、国家公安委員会は警察と現場を監視する、国家公安委員会はだれからある意味で適正なチェックを受けるか、また透明性を確保するか、国会しかないと思うのですね。そういった観点から、国会にやはり定期的な国家公安委員会の活動状況とか、そういったところの報告、恐らくされると思うのです、新国家公安委員会は。それについて、ぜひ、そうだと明確なお答えなりをいただければと思います。
○西田国務大臣 情報公開の原点から、今御指摘のあった問題に対しても、公安委員会、警察庁としても重大にこれを受けとめて、現在、国レベルにおきましては、国家公安委員会のホームページ、これで国民の方々には通ずるようにしてあります。 それからもう一つ、国会の問題ですが、もう御承知のとおりでございまして、警察白書なるものをきちっとつくって、そして報告をしておるわけでございます。
○若松委員 警察白書というのは、あれは国家公安委員会でつくっているんじゃないのですね。ですから、大事なのは、その上位におる立場としてのしっかりとした報告を私たちにしていただきたい。委員長ですから、しっかりやられると思いますので、くれぐれもよろしくお願い申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○栗原委員長代理 次に、黄川田徹君。
○黄川田委員 自由党の黄川田徹であります。新人議員であり、地方行政委員会では初めて発言の機会をいただきました。これまでの質疑と重複する部分があるかもしれませんが、私からの質問ということで御了承をいただきたいと思います。 私は、岩手県の風光明媚な三陸沿岸の田舎に生まれ育ちました。幼少のころ、ちょっとしたいたずらをすると、親から、駐在所のお巡りさんに言いつけるぞとよくしかられたものであります。当時の私にとってお巡りさんは、怖いながらも大変崇高な存在でありました。それに引きかえ、最近の神奈川県、新潟県あるいは埼玉県等に代表される警察のさまざまな不祥事には、強い義憤の念を感じざるを得ません。一日も早く、警察の方々が誇りと使命感を持って職務に精励できる仕組みをつくり上げなければならないと私は感じております。 さて、警察法の改正については、既に各委員の皆さんから多くの議論が重ねられてきております。しかしながら、制度や組織の改正にかかわることが多く、問題の本質に迫る議論は余り多くはなかったかのように思います。この問題の根本は、少年法の改正、広くは教育改革とも共通していると私は思っております。 そこで最初に、今では古典的な名著であります、精神科医の土居健郎さんの「甘えの構造」の一部を御紹介させていただきたいと思います。 「現代の青年は、生きる上での価値観が問題とならない限り古い世代と和合するが、一たんその価値観が問題となると古い世代と鋭く対立する。であればこそ、彼らは、両親の中でも母親とは密接な関係を続ける。父親も疎外感に悩み、現代文明の危機を感じ、子供を教育するどころではない。しかし、彼らも、社会の中ではその属する体制や組織を守る立場に置かれている。この現代の世代間の葛藤ないし断絶が主として価値観をめぐって起きているにもかかわらず、争われている価値観の相違が明確でないことが多い。今日の世代間の葛藤は、価値観自体が争点なのではなく、新しい世代は古い世代を攻撃することによって古い世代に本音を吐かせようとしている。結局、新しい世代は、そうすることによって自分たちが生きていくことができる価値観が欲しいのである。それが古い世代によって提供されないことにいら立つ。これは確かに一種の甘えである。」 以上、要約であります。 私は、日本の警察の歴史について全くの門外漢でありますが、今日の警察組織が明治維新後の、薩摩などの古きよき伝統を引き継ぎつつ、内部で自浄作用がうまく働く組織風土になっているのか、疑問を感じております。特に、最前線で働く若手の警察官がいわゆるサラリーマン化し、よき伝統を踏襲し使命感に燃えることもなく、また心に秘めた誇りも希薄になってはいないでしょうか。まさに土居健郎さんが三十年前に言った価値観の喪失、世代間の断絶などが根本にあるように思えてなりません。 そこで、国家公安委員長に、このような基本認識につき御所見をお伺いいたしたいと思います。
○西田国務大臣 お答えをいたします。 戦後、我が国の社会や世相が変化し、国民の意識も移り変わっている中で、ひとり警察のみがその例外であるとは言いがたいところでありますが、いずれにしても、警察は国民の生命、身体及び財産を守るという崇高な責務を負っておるわけであります。一人一人の警察職員がこの責務を自覚し、使命感と誇りを持って日夜職務に精励することが肝要であると考えております。大多数の警察職員は、この点を自覚し、第一線現場において一致団結し、与えられた職務に精励しているものと信じております。 しかしながら、昨年来の一連の不祥事案によって、国民の警察に対する信頼を著しく失墜させました。まことに残念、遺憾でございます。これら不祥事案の原因は多様で、一概にここで申し上げることは困難でありますが、委員御指摘の、警察官の意識の変化を背景とした職務倫理意識の欠如に原因するところもあると私は認識をしております。 こうしたことにかんがみ、また警察刷新会議の提言を踏まえ、職務倫理教育の充実等を早急に具体化し、失われた信頼の回復に全力で取り組んでいく必要があると考えております。国家公安委員長として最大限の努力を傾注し、警察庁を督励してまいる所存でございます。
○黄川田委員 国家公安委員長からさまざまなお話をいただきましたが、加えて、国家公安委員長として、期待される警察官像はどのようなものか、御認識があればお伺いいたしたいと思います。
○西田国務大臣 これは単に警察だけの問題でなく、私は七十年の人生の中で、自分で体で覚えたことでございますけれども、集団というのは、やはり第一には、私は規律が大切だ、こう考えております。それから、委員も御指摘、お話の中でございましたけれども、第二には、やはりやる気、使命感が大切だ、こう思っております。それから三番目に、これは自分だけやるとか、よいとかいうことではない、特に警察職務においては、広く国民を対象として、そして皆さん方に開かれた警察、頼みになる警察、そういうことをひとつ今後は心がけてやっていかなければいけない、こう考えております。
○黄川田委員 それでは次に、都道府県公安委員会の監察について、官房長にお尋ねいたします。 地方分権の流れの中で、現場の警察行政を活性化させる、あるいは個別的、具体的な案件の監察のためには、特に都道府県公安委員会の管理機能の充実が図られなければならないと私は思っております。 そこで、自治体の規模にもよりますが、現在、都道府県公安委員会では、何人ぐらいの者がスタッフとして委員を支えているのでしょうか。また、どのような職にある方が支えておるのでしょうか。あわせてお伺いいたします。
○石川政府参考人 御質問の趣旨が、都道府県公安委員会が第三者機関的に警察の行う監察をきちっと点検していく、そのためにいろいろ公安委員会としての御判断をする、その場合の補佐機能、こういうような観点での答弁をさせていただきたいと思います。 現在、都道府県公安委員会に何人ぐらいの者がスタッフとしておって、公安委員の先生方の活動を支えているかということにつきましては、都道府県によりまして、指定府県は五人で構成される公安委員会でございますし、一般の県は三人、こういうことでございますから、公安委員の人数あるいは都道府県警察の規模等によりましてまちまちなのが実態でございます。小規模県におきましても、公安委員会の庶務を行うスタッフといたしましては、少なくとも数名程度が配置をされている、こういうふうに承知をいたしております。 警察庁といたしましては、警察刷新会議の緊急提言をも踏まえまして、国家公安委員会には課並びの委員補佐官室の設置をしたいということで、今概算要求等を行っているところでございまして、また、その場合、各委員に補佐官を置きたい、こういうふうに考えております。 同じように、都道府県警察におきましても、今回の法改正によりまして、苦情処理の問題とか、それから監察の個別的、具体的な指示を行う、あるいは指名監察担当委員が警察の行う監察を点検する業務を補佐する業務というようなものがあるわけでございまして、そういう所要の公安委員会の事務担当スタッフを今よりも増強する必要があるんじゃないだろうか。ただ、それはその県の公安委員会業務の実態に応じて適正規模で行っていくんではないだろうか、こういうふうに考えているところでございます。
○黄川田委員 現状は、必ずしも多い人数とは思えないようでありますが、警察刷新会議の提言を受けて、都道府県においても公安委員会の補佐体制の強化をしていくことになりますが、具体的にどのような形になるのでしょうか。 聞くところによりますと、自治体によっては公安委員の執務室がないところもあるということであります。管理体制の整備のための指針をまた都道府県へ示しているのでしょうか。これもあわせてお願いいたします。
○石川政府参考人 今御説明を申し上げましたけれども、緊急提言を踏まえまして、公安委員会の事務局的機能を果たすための所要の体制の整備を行う、こういうことでございますけれども、警察庁におきましては、ことしの八月の二十五日付でございますが、長官通達によりまして「警察改革の推進について」という示達を行っておるわけでございます。 この中におきまして、警察改革施策を的確に推進するように指示がもろもろなされておるわけでございますけれども、各都道府県警察は、この中の指示にもございますけれども、その実情に応じて公安委員会の補佐体制の強化を図っていく、こういうことでございます。イメージといたしましては、先ほど国家公安委員会の例を申し上げましたけれども、都道府県公安委員会につきましても大体そのようなイメージになるのではないか。 また、国家公安委員会につきましては、この十二月を目途に新しい庁舎に移転をするわけでございますが、それまでに、所要の公安委員の先生方の事務室、あるいは必要な連絡手段といったようなものの機能をそこの部屋に備えるというようなことにしております。 各都道府県警察におきましても、こういったものに倣って、執務環境の整備に努めていくものというふうに承知をいたしております。
○黄川田委員 次に、一概には比較できないと思いますけれども、都道府県の監査委員は、常勤と非常勤の委員があります。このたびの改正案では、都道府県公安委員の一部常勤化までは踏み込んでおりませんけれども、この点についてどのように認識されておられるのか、そしてまた、将来常勤化の道が開かれるのか、あわせてお伺いいたします。
○石川政府参考人 お答え申し上げます。 公安委員会の委員は、委員御案内のとおり、警察実務の専門家ではない社会各層の有識者から選任をされておるわけでございまして、社会の一線での御活躍を通じて得た幅広い視野と高い識見に基づいて大局的見地から警察を監督する、そして警察運営の適正化を図るということがその任務として期待をされているわけでございます。 こうした委員が常勤になるといった場合に、社会の一線で活躍しつつ公安委員を務めることができるような方、そういう方の適任者を得るのが困難なことといったような問題があるのも事実だろうというふうに考えております。また、刷新会議の緊急提言におきまして、都道府県公安委員会の委員を常勤とすることができるようにするというふうにされましたのは、公安委員会の管理機能の充実を図る、そういう目的からの御提言であろうと思います。 これは、委員会の開催日をその業務に応じましてふやしていく、あるいは委員の輪番制によって警察本部と申しますか、公安委員会に出勤をされる頻度を高めるといったような運用が検討されておるわけでございまして、こういうような運用によりまして、緊急提言の趣旨を当面実質的に具体化することは可能ではないんだろうか、こういうふうに考えております。 そこで、今回の改正案におきましては、都道府県公安委員会の委員の常勤化を図るための規定を設けることはいたしませんでしたけれども、この改正法案が施行された後の公安委員会の事務量、開催頻度等の増加の状況、そういうものも勘案をいたしまして、今委員御指摘の問題につきましては、今後の検討課題としてまいりたいというふうに考えております。
○黄川田委員 次に、地域住民に密着した警察署協議会と苦情処理の二つの分野を主体に、具体的な問題点について幾つかお尋ねいたしたいと思います。 まず、国民に開かれた警察署を目指し、地域住民の意見や批判に謙虚に耳を傾けるべく、警察署に新たに協議会を設けることが示されております。そこで、警察署協議会の設置について官房長にお伺いいたします。今まで警察署協議会に類似の組織は警察になかったのでしょうか、まずお伺いします。
○石川政府参考人 今まで警察署協議会と類似の組織がなかったかというお尋ねでございますが、一部の県警察におきまして、警察署長等の警察幹部と地域住民との懇談の場が設定をされておることはあったということは承知をいたしております。
○黄川田委員 各委員御案内のとおり、現代は、社会情勢の急激な変化に伴い地域住民相互の連帯意識が薄れ、地域社会が伝統的に有していた自主防災機能が低下し、各種の犯罪が増加する傾向にあります。そして、これらの犯罪等を未然に防止し、安全で住みよい地域社会を実現するために、地域住民が自主的、主体的に活動し、行政、警察が支援、協力するといった地域安全活動を推進することが強く求められております。 このような中にあって、地域住民、各種防犯団体、行政、警察がそれぞれの役割と責任を明確にして、多くの市町村では地域安全条例を定め、安全活動を展開し、地域安全推進連絡会を置いております。また地方自治体には、防犯協会あるいはまた交通安全協会なども設けられております。 そこで、これらの組織と警察署協議会とはどのような連携をとっていかれるのか、お尋ねいたしたいと思います。
○石川政府参考人 委員御指摘のとおり、警察にいろいろな形で御協力をいただく警察の関係の団体といたしまして、防犯協会や交通安全協会、あるいは今御指摘のような団体等があるわけでございますが、これらの団体は、地域住民の安全を守る活動をみずから行っておられる、こういうものでございまして、先ほど私が申し上げました警察署の協議会とは任務あるいは目的というものを異にするものでございます。 そこで、こうした地域安全推進協議会あるいは防犯協会等の地域活動と警察署協議会とがどういう形で連携をしていくか、こういうことでございますけれども、警察署協議会が警察署長に適切な意見を述べていただくためには、今申し上げましたような、地域の安全を守るための活動を行っている団体の活動状況というものを警察署協議会そのものがよく把握をして、そして警察署に物を言っていただく、こういうことも有効であろうというふうに考えております。警察署協議会の場にそうした団体の代表者等が招かれて、そしてその活動の状況について御説明をいただく、こういうようなことを通じて、こうした団体と今御提案をしております警察署協議会とが連携を図っていくのが適当なのではないだろうか、このように考えているところでございます。
○黄川田委員 次に、官房長並びに民主党にお伺いいたします。 政府案、民主党案とも、「警察署協議会の委員は、都道府県公安委員会が委嘱する。」としております。協議会を生かすも殺すも人次第でありますし、また、息の長い地道な取り組みが必要であると思います。 そこで、協議会がうまく機能するよう、最もふさわしい方を選んでいかなければなりませんが、この委員を選ぶ基準はどのようなものでありましょうか。それぞれにお答えいただきたいと思います。
○松崎議員 黄川田委員にお答えをさせていただきます。 協議会は、署長の諮問に応ずること、署長に対して意見を述べる、そういう機関でありまして、委員は、住民の側、住民の目線で意見を述べることになる。人選とか人数等、委員に関する事項は条例で定めるということになっております。ただ、協議会の委員は、警察に対しはっきりと意見を言える人でなければならず、また、特定の利害や特定の政党政派に偏することなく選ばれなければならないと思います。また、公募ということも考えております。 なお、男女共同参画の視点からも、女性の参加、これも必要であり、クオータ制なんかも考えるとよろしいんじゃないか。さらに、年齢層のバランス、これも重要でありまして、こういった諸点を勘案して、条例によって定めるものとしております。 以上です。
○石川政府参考人 この警察署協議会の性格につきまして、今お話しのとおりなのでございますが、この委員につきましては、地域住民の意向を代表して、その地域における安全に関する意見、要望等を表明していただくにふさわしい方を公正に人選する必要があるというふうに考えています。このために、委員の委嘱につきましては、地域や所属組織等に偏りがないようにするということが一つ大事だろうと思っております。 そういうことで、自治会とか自治体等の意見をお聞きする、または推薦を受けるといったような方法によって行われるのが適当ではないだろうか。こういったことにつきまして、都道府県警察に対しましてガイドラインを示したい、こういうふうに考えているところでございます。
○黄川田委員 再度官房長にお伺いいたします。 先ほど民主党さんからもお話がありましたけれども、この委員は中立的立場であることが望ましく、そしてまた、政党の党員、準党員にある者は除き、少なくとも委員在任中は政党の党員はやめていただく等の措置をとり、不偏不党の立場を貫くことが必要であると思っておりますが、いかがでしょうか。
○石川政府参考人 先ほど申し上げましたような、警察署協議会が警察署の業務運営に地域住民の意向を反映させるための機関である、そういう位置づけから申しまして、委員御指摘のように、警察署協議会が強い政治性を帯びるということは好ましくないというふうに考えておるところでございます。 そのために、警察の政治的中立性の確保を旨といたします公安委員会が委員の委嘱を行う、そういう制度設計になっているわけでございまして、そういうことからして一党一派に偏した人選というものは行われないのではないか、こういうふうに考えておりますけれども、そうした事柄につきましても、都道府県警察に対してガイドラインを示してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○黄川田委員 次に、苦情処理について幾つかお尋ねいたします。 最初に、民主党並びに官房長に伺います。 民主党案では、公安委員会及び同事務局、苦情処理委員会及び同事務局等、幾つも警察を監視、監督する機関が設置されておりますが、これでは、警察の不祥事を監視するための人ばかりがふえ、国民の安全を守るという警察本来の役割がおろそかになる可能性はないでしょうか。
○桑原議員 お答えを申し上げます。 今、公安委員会それから事務局、苦情処理委員会並びにその事務局ということで、警察を監視する機関が幾つも並列をしている、そういうような趣旨の御指摘でございますけれども、それはそういうものではございません。警察を管理する機関は公安委員会だけでございまして、事務局は公安委員会を補佐する、そういうものでございます。また、公安委員会のもとに苦情処理委員会を置きますけれども、これは国民の苦情を処理する機関でございまして、警察を監視する、そういうものではございません。 この間、国民の生命や人権が脅かされるというような不祥事が相次いだわけでございますけれども、こういったものの解決を警察任せにしておく、あるいは警察の自浄作用のみにそれを期待するというのにも限界がある、そういうことが明らかになったわけですけれども、そのままにしておいたのでは、先生が御指摘のように国民の安全を守る警察本来の役割がおろそかになるもの、こういうふうに我々は考えて、だからこそ公安委員会が警察を監察し、警察が本来の役割を果たすように管理する必要がある、そういう趣旨でございます。
○石川政府参考人 警察におきましては、一連の不祥事を踏まえまして、組織内部における自浄作用を高めるために監察体制を整備することといたしております。他方、国民の日常生活、地域に密着をいたしました警察活動や、日々複雑多様化し、また増加する警察事象に的確に対応することが求められているわけでございます。そこで、組織の合理化を強力に推進する一方で、やはりきちっとした警察活動を行うために所要の警察官の増員もお願いをしている、こういう状況でございます。 今、民主党案についてのお尋ねでございますけれども、公安委員会の事務局あるいは苦情処理委員会、その事務局職員としてどのぐらいの人員が必要なのか、その人員の手当てをどのように図るものか、これが必ずしもまだ私ども明確には存じ上げていないわけでございますけれども、仮にその人員を現行の警察組織から捻出をするということとした場合に、警察みずから監察を強化してやっていこうということとされておりますので、この監察従事職員を単純に振りかえるといったようなことはできないわけでございますし、また、その他の分野から警察官あるいは警察職員等を振り向けるということでありますと、それは先ほど申しましたような、今のような治安情勢のもとにおいて、現場での対応能力と申しますか、警察力というものに影響が出てくるということも考えられるわけであります。 いずれにしても、その前提が余りよくわからないわけでございますけれども、仮にこれを増員によって措置をするということも一つの考え方であろうと思いますけれども、これに対する地方財政の負担といったようなこともありましょうし、また、警察に関する機関がふえますと、これに応じて事務手続がどういう形になっていくのだろうか、その複雑化といったようなものはどういう形になるのだろうか、そういうようなこともございまして、効率的な警察運営に問題が出ないのかどうかといったような懸念もあるわけでございます。一般論といたしましては、組織は簡素で効率的なものが望ましいというふうに考えているところでございます。
○黄川田委員 次に、各委員が質問しておるところでございますが、文書による苦情の申し出についてであります。官房長にお伺いいたします。 定められた様式に従って苦情を申し出する、あるいは回答するとしておりますが、平成十二年三月十六日の警察行政の刷新に関する与党三党の合意に明記されているとおり、様式を定めず、だれでも気軽に物が言える目安箱的なものでよいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○石川政府参考人 先ほども御説明をいたしましたが、平成十二年八月に国家公安委員会、警察庁が策定をいたしました警察改革要綱におきましては、公安委員会に文書で申し出られたものに限らず、いかなる警察職員の職務執行に対する苦情あるいは国民からの相談に対しても、誠実に対応するということにしておるところでございます。これは、今委員御指摘の警察行政の刷新に関する与党三党合意に記されている目安箱の設置というものの御趣旨を実現しようとするものでございます。 他方、公安委員会に苦情を申し出て、公安委員会から文書による処理結果の通知を受けようとする場合には、申し出人あるいは申し出内容が特定されることが必要でありますので、今般の改正案につきましては、この場合については、公安委員会規則で定める手続に従って文書により申し出られた苦情を対象とすることとしたわけでございます。要は、最終的な法的な担保をこういう形でしようというふうにしたものでございます。 また、警察署ごとにホームページを開設するといったような状況が今進展をしておりますし、また、Eメールによって住民から苦情あるいは相談を受け付けて、警察署において迅速にこれに対応する仕組みというものについても、各都道府県それぞれ実情がございますけれども、それに応じて推進されることが望ましい、私どももそれを推奨してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○黄川田委員 各委員からお話があるとおり、一般の国民としては、様式を定めた文書となりますと、少しく抵抗感を感じたりしますので、文書作成におけるサポート等を念頭に入れながら、よろしくお願いしたいと思っております。 それでは次に、民主党並びに官房長にお伺いいたします。 民主党案においては、公安委員会内に新たに苦情処理委員会を設置し、さらに苦情処理委員会内に事務局を設置するとしております。国民の多くの苦情を的確かつ迅速に処理せねばならぬことは理解できるわけでありますけれども、事務局がまとめて取り扱うのではなく、関連する組織のおのおのが分担し、警察内の自浄作用に寄与できるようにする方がよいのではないかと私は思っております。 今までの組織の中に新たにこれだけの組織を設置する必要があるのか、その御見解をそれぞれお伺いいたします。
○松崎議員 お答えいたします。 一連の不祥事における警察の隠ぺい工作、それから空監察等によって、国民は警察の自浄作用の限界を見ております。そのため、苦情処理委員会は、極力警察の関与の機会を排除して、独立性を確保しながら国民からの声を誠実に処理すること、これが警察行政における国民からの信頼を回復しようとすることだと思います。 これまで苦情処理制度自体がなくて、国民からの苦情等は警察組織の中に閉ざされるしかなかったわけでありますけれども、独自の事務局を有する苦情処理委員会の設置により、より苦情の申し出がしやすくなる、責任を持って処理されることにより、住民の目線が苦情処理においても生かされる仕組みになると思います。 もちろん、これによって警察の自浄作用を否定したり、不必要となるわけではありませんで、警察自身の自浄作用を高める不断の努力が一方では求められております。 以上です。
○石川政府参考人 公安委員会は、苦情の処理に当たりまして、都道府県警察に対して申し出られた苦情に係る事実関係の調査結果、またそれを踏まえた措置について報告を求めて、必要な場合には所要の指示を行うことができるわけでございます。したがいまして、苦情を処理する特別の機関を置かなくても、公安委員会は、公安委員会事務担当部署に補佐させつつ、苦情の処理を行うということは可能なのではないだろうかというふうに考えております。また、苦情の処理を通じて、警察の関係部署における自浄作用の発揮というものも期待ができるというふうに考えております。 これに対しまして、苦情処理委員会というものを置くとした場合のその委員会の業務でございますけれども、今私どもの考えでは、これは都道府県警察の第三者的管理機関である公安委員会が担うべき事務そのものではないのだろうか。苦情処理委員会、さらにはその事務局を置くということと比較いたしますと、第三者的管理機関である公安委員会に、国民と直接接しております第一線における問題点が直に集約をされるということによりまして、苦情処理の適正化が図られますし、また、警察に対する管理機能を強化するという観点からは、むしろ組織合理性あるいは効率性というものとの関係で、私どもの考えている、公安委員会が文書により来た苦情というものを誠実に処理して、その結果を文書によって通知するという、その制度というものを考えたゆえんはそこにございます。
○黄川田委員 それでは、まとめとして、国家公安委員長並びに民主党にお伺いいたします。 国民からの批判や意見を的確に吸収するため、警察署協議会や苦情処理制度が設けられようとしておりますが、それら以外に、より広く県民の声を警察行政に反映させるべく、都道府県公安委員会が独自の受け皿を工夫して、直接情報収集に当たるべきであると私は考えております。組織にとっては、末端で起こっている問題が直接的に中枢に集まることが重要であるからであります。 例えば、県民との対話集会を開くとか、公安委員が講演会を開き意見を直接聞くなど、さまざまあると思いますが、それぞれ御見解をお願いいたします。 〔栗原委員長代理退席、委員長着席〕
○西田国務大臣 都道府県公安委員会は、県民の良識を代表して、警察を管理監督する機関であります。県民の声を常に意識しておくことが、適切な管理監督を行う上で非常に重要なことだと認識をいたしております。 このため、幾つかの都道府県においては、公安委員会主催で県民の声を聞くための会を開催したり、警察主催の住民との懇談会に公安委員が出席するなどして、公安委員会自体が県民の声に直接接する機会を持つよう努めているところであります。また、このため、改正案において設けられた苦情処理制度により、公安委員会に直接県民の声が届く機会がふえることとなります。 今後とも、公安委員会が直接県民の声を聞く機会を確保するよう努めてまいりたいと考えます。
○松崎議員 お答えいたします。 全く委員の申されるとおりでありまして、直接情報収集に当たるということは大変よろしいことだと思います。 また、我が党案が実現いたしますと、独自の事務局を設置いたしまして、公安委員会の管理能力を高めることになりますので、さまざまな取り組み、柔軟な対応がさらに可能となります。独自の情報収集、調査についてもさまざまな工夫がなされまして、住民感覚が生かされることはまことに有益であると考えております。 以上です。
○黄川田委員 最後に、警察の刷新は、法の一部改正もさることながら、何よりも警察内部の自浄能力を高める、これが先決であると私は思っております。どうか、国民に信頼される組織となるよう、心血を注がれることを強く望むものであります。 また、警察行政の大改革をもたらす、この警察刷新に関する緊急提言をまとめられました関係各位の御尽力に深く謝意を申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○増田委員長 次に、春名直章君。
○春名委員 日本共産党の春名直章です。 警察法の改正の議論の前提という問題にもなります、中川前官房長官の捜査情報漏えい問題についてお聞きをしたいと思います。 まず、長官にお聞きしたいと思いますが、警視庁の保安課というのは実在するのですか。
○田中政府参考人 お尋ねの警視庁の所属でございますが、警視庁に保安課という所属はございます。平成五年二月に保安課ができまして、現在でも生活安全部に保安課という所属はございます。
○春名委員 確認させていただきました。 報道されていることですが、九五年の五月に警視庁は、この中川前長官の愛人と言われている女性の港区のマンションに実際に捜査に入って、発見はできなかったという報道がされていますが、このことについて御確認をいただきたいと思います。
○田中政府参考人 今委員御指摘の、中川前官房長官に係りますところのいろいろなお話につきましては、報道で十分承知をしておりますけれども、生活安全局長も御答弁申し上げましたけれども、本件に関しますところの、今お話しの問題も含めまして、捜査と密接に関連することになりますので、個別具体的な事案については答弁を差し控えさせていただきたいと存じます。 なお、一般論で申し上げますと、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、法と証拠に基づき、厳正に対処してまいる考えでございます。
○春名委員 十月二十七日の各新聞には、九五年に捜査に入って、覚せい剤見つからずというのが躍っています。ですから、そういうものがもう出ていますので、あえて私はお聞きをしています。しかし、お答えされないということですので、次に進みます。 一般論でお聞きしますが、もし警察官が覚せい剤の捜査についての内偵情報を流すということになれば、どういう犯罪になりますか。それから、それを促した本人はどういう罪に問われることになりますか。これは一般論で。
○田中政府参考人 委員から、一般論でというお話でございました。覚せい剤取り締まりといいますか、具体的な地方公務員法で定めております守秘義務に反するということになれば、当然、地方公務員法違反に問われることになります。また、それにつきまして、それを教唆するということになれば、当然、教唆ということで罪に問われることになろうかと思います。
○春名委員 守秘義務違反で地方公務員法違反、あるいは、もし警察庁であれば国家公務員法違反になるのかもしれませんが。それから、教唆犯ということになるであろうということでありました。 そこで、長官の政治的認識といいますか、お聞きしたいと思うのですけれども、これも一般論という形でお聞きしたいのですが、覚せい剤捜査の内偵情報を第三者に流すということは警察にとっても大問題だ、こういう御認識があるかどうか。そして、日本社会を揺るがすような大問題だ、そういう御認識があるかどうか。もちろん、中川さんの話が出ているということも、私も直接そういう思いで言っていることは事実ですが、しかし一般論としても、こういうことが起こったら私は重大だと思うのです。そういう点で、長官としての御認識はどんなものでしょうか。
○田中政府参考人 一般論でというお話でございますので、御答弁申し上げますけれども、覚せい剤問題につきましては、委員御承知のとおり、我が国におきましては大変大きな問題でございまして、警察組織を挙げてこの問題に取り組んでおるところでございます。したがいまして、もし仮に、私どもの方でその捜査に関する情報を漏えいするというようなことがありますと、それは私どもとして大変ゆゆしき事態であるというふうに認識をしております。
○春名委員 率直なお答えだったと思います。ゆゆしき問題だと思います。 それで、ここから先は具体的に話ができないと今松崎さんにはさんざん言われていたので、どういうお話になるのかと思いますが、ただ私、聞いていただきたいのですが、その会話のテープやその中身、もちろん長官はごらんになっていると思うのですね。全部読むことはもちろんいたしませんけれども、ただ、どうしてもゆるがせにできない中身があるのです。彼はこう言っているわけです。決して、そのいいかげんな話じゃない、警察の方の話はいいかげんな話じゃないと言っているんだ、こういう会話が出てくるんですね。それから、きょうの写真週刊誌の中ではこう言っています。「どういうことかなーって言ったら、(警察の方では)それはないなら、堂々とちゃんと対応されればこちらは何でもフォローしますと……。心配せんでくださいって言われたわ、保安課から」ということが出てくるわけですね。 二つだけ紹介したわけです。個別の捜査という問題ではあるでしょう。しかし、私がきょうここで問題にしているのは、そういう次元の問題ではなくて、警察が持っている麻薬の取り締まりという捜査情報を、実際に漏らしたかもしれない、その疑いが濃いという、かなり具体的な状況の証拠がこういうテープの中から出されてきた。そして、松崎さんも言われましたけれども、そのテープが御本人のテープであるということをほぼ確認されて、辞任をされる、そういう段階に来てきょう議論をしているわけなんです。 二十六日に当委員会でも少し議論がありましたが、そのときにはそういう事態にはなっていないわけです。新たな進展をしているわけですね。そして、今私が挙げたそのテープの中身の二つの発言、これを見れば、万人だれが見たって、警察から情報をもらった、あるいは漏らしたとしか受け取れない中身になってしまっているんですね。 したがって、そういう問題として受けとめて、個別捜査だからノーコメントという態度ではなくて、警察の威信がかかった問題ですので、そういう問題として取り組んでいただきたいというふうに私は思うんです。その点、長官、いかがでしょうか。
○田中政府参考人 中川前官房長官が国会その他いろいろなところでいろいろ御発言されているのは、私ども承知をしております。ただ、誤解があるといけませんので申し上げておきますけれども、警視庁の保安課という課は薬物捜査を担当しておりません。これは別の所属でございます。それは誤解があるといけませんので、申し上げておきます。 今お話しのように、いろいろな状況がございます。その中で、やはり犯罪容疑があるというふうになれば、それは先ほど申し上げましたとおり、具体的に法と証拠に基づいてやるということでございます。
○春名委員 以前この委員会で、興信所の個人情報の漏えい問題も民主党の議員さんも追及されて、それが議論になりまして、そして逮捕者も出るという事態が起こったと思います。今回の場合は、その方が内閣のかなめだったという問題はもちろんなんですけれども、それが覚せい剤の情報だという点で見ても、日本社会にとって断じてゆるがせにできない問題です。どうしてもこれは解明しないと、こういうことに解明の光が当たらないようなことをやっておいて、警察改革などできるはずがないです。国民の信頼を獲得することはできないと思います。 そういう点で私は問うているわけでありまして、西田国家公安委員長、いかがでしょう。今のお話も聞いていただいて、委員長は、前回の質疑でも、それから記者会見でも、一般論として言えば、刑事事件として取り上げるべきものがあるとすれば、適正に対処するという御発言をされておられます。そして、その後に新たな決定的な事実が次々と明らかになっているわけであります。 ですから、きちんと調べて我が地行委員会に報告をするように、警察庁にそういう指示もして、しっかりやろうということを、今国家公安委員会として存在意義を示していくときではないかと私は思うんですね、この問題に限っても。その点での国家公安委員長の御認識や決意を問いたいと思います。
○西田国務大臣 お尋ねの案件につきましては、調査を行いなさいと私が指示をするということは、即、捜査をやりなさいということにつながっていくわけでございまして、個別具体的な事案については、警察において主体的に判断すべき問題であると思います。私から申し上げるのはひとつお許しもいただきたい、こう思っております。
○春名委員 その点、もう一回議論しておきます。 具体的な捜査をしてくださいということは、私も言える立場ではないし、言いません、そんなことは。そうではないのです。これは、不祥事案として出てくる、そういう問題にもう発展してきているわけです、警察の側から見れば。監察の対象になり得るような問題になってきているわけです。まさに管理の今中身が問われているわけでありまして、だから捜査ではなくて、私は意図的にきちっと区別しているつもりですが、調査をきちっとやってほしい、そういう問題について、不祥事案について。そこで、今国家公安委員会が役割を発揮してもらいたいということを要望しているわけなので、改めてその点を御認識いただいて、御答弁をお願いします。
○西田国務大臣 春名委員と調査と捜査との解釈が違うようでございますけれども、私は、くどいようでありますが、これは、私がもし国家公安委員長としてそのことを指示するということは、捜査につながるという理解をいたしておるわけでございます。 それから、もう一つつけ加えますけれども、私は、先ほど警察庁長官の答えにも政府参考人の答えにもございましたけれども、もし不祥事案がそこに出てくるということになるなら、これはまた警察は警察で取り組んでいかなければいけない、こういうことをお答えしておるわけでございますから、ひとつ御理解いただきたいと思います。
○春名委員 警察法の改正の中で、国家公安委員会が、今度の改正の中で、監察に限っては法律事項として個別具体に指示をするということをあえて入れようということを提案されているわけなので、そういう問題が、今まさに全国民注目の疑惑の問題が目の前に起こっているときに、しかもそれが、警視庁がかかわっているだろうということがほぼ明らかになっているときですから、そのことを、捜査をしなさいというのではなくて、きちっと調査をするということは、私は当たり前のことではないかなと思いますよ。その点は、同じ議論になるのかもしれませんが、改めて私は要望しておきたい、強く要請をしておきたいということを申し上げておきたいと思います。 次の問題に移りたいと思います。 先日、刷新会議のメンバーを呼んだ参考人質疑の中で、国家公安委員会の管理概念の明確化について質問がされました。その際、大綱方針や法令違反の場合には、国家公安委員会が個別的、具体的な指示を行うことができるという解釈が明確にされました。以前長官もこの点でお答えになっているように思ったのですが、改めて長官に、この管理概念の認識、同じかどうかを確認しておきたいと思うのです。
○田中政府参考人 管理概念の認識についてでございますけれども、今回の改正法にかんがみまして、当委員会におきましても繰り返し御答弁申し上げておりますように、管理につきましては、大綱方針を示す、それについて警察庁なりがそれに反している、あるいは違反しているというようなことがあれば、それは具体的に是正措置を講ずる等の指示というのは管理概念に含まれるというふうに考えているところでございます。
○春名委員 わかりました。そのことを前提にしまして、国家公安委員長に少しお聞きしたいと思います。 具体的な話でありますが、神奈川県警の厚木署の警ら隊が、新入隊員に対して暴行事件を行ったというのを御記憶あると思います。実弾入りのけん銃を突きつけたり、後ろ手に手錠をかけたり、体毛に火をつけるという、およそ人間としての尊厳が否定されるような所業にまで及ぶということが起こりました。 もう一つ、これはちょっと古い話ですから御記憶ないと思いますが、一九九二年の十二月の三十日、コップ酒を飲んでいた土木作業員の男性、当時四十歳の方に、交番にこの男性を警察官が連れ込んで、神奈川県警の問題です。ロープで後ろ手に縛って暴行を加える、首から背中に熱湯をかけて二カ月の重傷を負わせる、交番という密室で短銃を突きつける、灯油を浴びせて火をつけてやろうかなどとおどす、こういう重大な事件が起こりました。これは少し古い話ですので、九二年のことですので、JR川崎駅近くでの出来事ですが、こういう事件が起こるたびに本当に胸が痛むわけですね。 そこで、人権を守る先頭に立つ警察官の方々が、残念ながらそれを踏みにじる、こういう事態が繰り返しあった。このことについて、国家公安委員長は率直にどうお思いになられますか。
○西田国務大臣 お答えをいたします。 委員御指摘の事案は、警察官が同僚にけん銃を用いるなどして繰り返し暴行を加えたもので、人権を尊重し法を厳正に執行すべき立場にある者として、許されない行為であると考えております。私は、このような事案が二度と生じないよう警察を指導督励し、現在推進している警察改革に全力を尽くしてまいりたい、こう考えております。
○春名委員 まさに督励をしていただきたいと思っております。 そこで、私のきょう提案でありますけれども、こういう不祥事件が出ますと、人権侵害の問題が出ますと、やはり国民の目も、警察の中の人権教育というのは一体どんなになっているのだろうということが、率直に疑問として浮かんでくるわけです。そして、警察官に対する教育、教養の問題が強調されます。ところが、一体どのような教育がされているのか、私たちには全く見えません。 国家公安委員長としてぜひやっていただきたいのですが、長官も先ほど御答弁されましたが、個別の指示という権限を使って、どのような教育内容を今やっているのか、警察庁から報告を求めていただきたい。その意思はおありかどうか。つまり、人権教育ということが、言葉ではなくて、本当に教育の中身として改善をされていくということが鋭く問われているように思うのです。そういうイニシアチブといいますか、それをぜひこの権限を使って発揮していただきたい。報告を求めるようにしていただきたい、教育内容について。この点、いかがでしょうか。
○西田国務大臣 委員も御承知のとおりでございまして、警察は犯罪捜査というまことに難しい、人権にかかわりの深い職務を行っていることでございます。これまでも警察官の人権教育を積極的に行っているところでありますが、さらに今回の教育制度の改善においても、人権教育を一層充実しているところであります。 これらの人権教育を通じて、取り調べや職務質問等の警察活動において、人権に配慮した職務執行がなされるよう徹底してまいりたいと考えております。
○春名委員 その答弁はまともといいますか、そのとおりだと思います。 ただ、私があえてここで問題提起しているのは、先ほど犯罪捜査にかかわるからということをおっしゃるのですけれども、教育の中身そのものが、本当にどうなっているのか全くわからないのですね。ベールに包まれていると言ってもいいぐらいのもので、ですから、こういう事案が繰り返し起こる以上、中身を本当に国民の監視の目にもさらす、知らせるといいますか、そうすることによって、一層その信頼が高まっていく契機になると思うのですよ。それで、そういう権限も使って、警察庁から教育内容の報告を求めてもらいたいということを具体的に提案しているわけです。 その点で、少し具体的な事例をお話ししますが、例えば、ここに文芸春秋のことしの九月号で、元警察庁長官の山田英雄さんの論文がございます。「警察刷新会議に異見あり」という論文なんですが、この山田さんの論文の中であっと思ったことは、一つは民事不介入原則の問題について、こう記述されているのですね。この原則は十二年前から警察学校では教えなくなっている、市民から相談があれば、刑事事件になるかどうか真剣に吟味して、親身になって応じるようにしろと指導を改めたはずだ、しかし、それがなかなか改まってないのが残念だという趣旨のことを書いておられます。 これは具体的な話ですので、長官にお聞きした方がいいかと思いますが、実際、この山田前長官が言われるように、民事不介入という誤った認識を持たれないような、そういう対策、こういう教育の中身はもう十二年前から教えていないということになっているのでしょうか。
○田中政府参考人 この民事不介入という言葉でございますけれども、先日の当委員会で中坊参考人もいろいろ御説明がございまして、本当に民事には警察は介入してはいけない、民事不介入という言葉で、言いわけとして、国民からの相談等を真摯に受けとめないで、所要の捜査とか犯罪の防止のための必要な措置をとらない、これがいけないんだというお話がございました。 私ども、全く同じ認識でございまして、今委員御指摘の、その民事不介入という言葉のゆえに、警察が本来措置すべきことも措置しない、そういうことについての教育は徹底してきたつもりでございます。しかしながら、御案内のように、いろいろな事案が起きてまいりまして、私ども、この民事不介入というものの考え方、そして民事不介入という名のもとに積極的に措置を講じないということについての問題点、これにつきましてはなお足らないところがあると思いますので、これにつきましてはさらに指導教養を徹底して、警察官の職務執行の適正をさらに図っていかなければならないというふうに考えておるところでございます。
○春名委員 民事不介入ということでにしきの御旗になって、刑事事件に発展しそうな問題にもしっかりと支援をしていくといいますか、やらないということが問題だということで、そういう御認識で解決のために当たっているということを言われました。そのとおりで結構です。 もう一方、七月の十四日付の読売新聞にこういう記事が出ていまして、新任警察官向けの警察法の教科書には、私生活の不可侵というような項目と並んで、民事上の法律関係不介入という一項がそのまま残っているというふうに書いてあります。これも新聞の報道ですから、さっきから言っているように、私は教育内容そのものをつかむことができませんので、新聞の報道しかわからないのですが、新任警察官向けの警察法のその教科書の中身の項目には民事上の法律関係不介入ということが、中身はどうあれ、そういう中身があるということは、これも事実なんでしょうか。
○田中政府参考人 先ほど来申し上げましたように、民事上の法律が、例えば個人の財産権とか親族権の行使とか、さらには契約の締結、その民事上の法律関係は原則として個人の私的自由にゆだねるべきものである、この大原則につきましては、これは記述してございます。しかし、それを理由に、本来警察が措置すべきというところに介入するということは当然でありまして、介入してはいけないところというのはある、そこはきちっと教えておるところでございます。ただ問題は、そういうような考え方を言いわけとして使っておる、そこが大変問題だというふうに認識しております。 ただ、純粋に民事上の問題については介入してはいけない、これは教えておるところでございます。
○春名委員 説明はよくわかるのですが、改めて聞いておきます。 警察学校では十二年前に、民事不介入という問題については、先ほど言ったように、きちっと正確な理解をさせるというふうに変えたということでいいのか。それから、今でも新任警察官向けの警察法の教科書の中には、項目としては民事上の法律関係不介入、こういう項目の中身があるのか。ちょっと細かい話になっちゃって悪いんですけれども、これは事実関係なので後でもいいんですけれども、もしわかれば教えていただけますか。
○田中政府参考人 現在でもその民事上の法律関係不介入ということはございます。 それは、十二年前に変えたと申しますのは、そのような民事不介入というようなことでもって、積極的に介入することを避けるということについて、それを書き改めた、そういう趣旨でございます。
○春名委員 この読売新聞の記事では、「〈民事上の争い自体に警察が介入すべきでない〉と述べた後に、〈しかし……それが民事上の法律関係であると同時に、公共の安全と秩序の維持に関連するものとなる場合には……警察活動の対象とすることができる〉」こういういうふうに続いて、だから、先ほど言われたように、公共の安全、秩序の維持に関連する場合は当然きちっとやらなきゃいけないんだという文章になっているらしいです、これを見れば。そうだろうと思うのですけれども。 ただ、この文章を見て私はあっと思ったのは、公共の安全それから秩序の維持ということ以上に、私は、教科書の中身としては、個人の生命、身体、財産を守るということ、それが危機に陥れられる場合には警察活動の対象とするというふうにしないと、公共の安全ということだけを言っちゃうと、もしこの文章が本物であるならば、個人の身体や生命や財産を本当に守るというのが警察の第一の職責であって、そういう観点から民事不介入の問題もやはりきちっと教育をするということをしないとだめだと私は思うのです。 この文章を全面的に信用しているわけじゃないんだけれども、それしか載っていないものですから何とも言いようがないんですけれども、そういう問題もあると思うのです。この辺はどうですか。
○田中政府参考人 委員御指摘の警察の目的というのは当然あるわけでございまして、個人の生命、身体、財産の保護、あるいは自由の確保とかいろいろございますが、そういう点に照らして、我々は、警察として措置すべきことは措置するというのは当然でございます。
○春名委員 つまり、今度の改革で重大な焦点の一つとなった民事不介入問題についても、その中身がどう改善強化されているのか、よくなってきているのか私たちに十分伝わってこないというか、こうやって質問したときに少しわかってくるということになっているんですね。そのことが言いたかったわけなんです。 本当に人権教育を大事にし、警察官お一人お一人の人権も大事にするとともに、そのことによって一人一人の国民の人権を守る、そういう警察へと前進をしていく上で教育の中身は欠かせませんので、そういう問題をしっかり国民の目にも、もちろん捜査の具体的なやり方まで出せとは言いませんので、公開していただくということは理の当然ではないでしょうか。私はそのことを改めて要望したいと思うし、国家公安委員長にそういう役割を発揮していただくように希望したいと思うのですが、いかがでしょうか。
○西田国務大臣 人権教育の内容について、その公開について議員から御指摘があったわけでございますが、これらをひとつ踏まえて国家公安委員会において検討してみたい、こう思っております。
○春名委員 検討してみたいというお話をいただきましたので、ぜひ積極的に考えていただきたいということをお願いしておきます。 それと、委員長にもう一度伺いますけれども、刷新会議の大森参考人が、個別的な指示について法令で示すということ、管理の概念について法令で示すというふうに言っているのは、法律だけではなくて、規則でも具体化されることになるだろうと。先ほど私は、監察以外の個別的な指示ということで、具体的には教育の中身の報告をしてもらうようにしたらどうですかということをこの規定に沿って今言ったわけですね。それ以外にも、個別的な指示をしていく、報告を受けるなどという権限を国家公安委員会としてしっかり出していただかなければならないことが多数あるように思うのです。 今、現時点で結構ですから、国家公安委員会としてあるいは国家公安委員長として、具体的にどのような内容について個別的な指示を出せるように改革をするおつもりなのか、どのような内容の国家公安委員会規則を制定するということを御検討されているのか、そのあたりのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○西田国務大臣 お答えをいたします。 警察刷新会議から提出を受けた警察刷新に関する緊急提言において、今御指摘のある管理概念について「法令上明確にする必要がある。」とされたところでございます。このため、現在、国家公安委員会といたしましては、国家公安委員会規則において管理概念を明確にする方向で検討をしておるところでございます。それが現状です。
○春名委員 申しわけありません。ちょっと質問の仕方が悪かったかと思うのですが、管理概念の明確化を国家公安委員会規則でお示しするということについての質問ではなくて、大森参考人やそれから長官もおっしゃったけれども、法令に違反したり大綱に違反した場合には個別的な指示が出せる、それが管理の中身だということを言われて、今回の警察法改正案の中では、監察という問題については個別的な問題としてそれを法律の中に書いて、よりどっしりとさせたというふうに説明をされているわけです。ですから、それ以外に個別的に、具体的に指示をしたり、あるいは報告を受けたり、そういうことが具体化されるのは国家公安委員会規則の中での話だ、法律ではなくてほかのところで、規則をこれからつくっていくときにそれが具体化されると言われているんです。 ですから、どういうことを具体化される御予定なのか、どういうことを今考えられているのか、それをお聞きしたかったわけです。
○田中政府参考人 委員御指摘のように、刷新会議の緊急提言におきまして、管理概念について法令上明確にせよ、こういうような御指摘がございまして、大森参考人も先日の当委員会におきまして、法令とは、必ずしも法律に限らない下位命令、例えば国家公安委員会規則があるということで、先ほど大臣から答弁があったわけでございますが、国家公安委員会規則で定めることが予定されております。 その内容につきましては、刷新会議の緊急提言を踏まえまして公安委員会で具体的な検討が行われると思いますけれども、私どもといたしましては、どういうような内容になるか、これは公安委員会の御判断を仰がなければいけませんけれども、どういうことが考えられるかと申しますと、大綱方針を示すというふうには言っておるんですが、では大綱方針の示し方は具体的にどういうふうにして示すのかというようなこと、さらには、警察庁の事務処理がその大綱方針に適合しないと認めるときは国家公安委員会が警察庁長官に指示を行うことができるというようなことなどを、もう一回今検討しておりまして、私ども事務局としては、検討して、国家公安委員会の御判断をいただいて、そして規則が定まるものというふうに理解をしているところでございます。
○春名委員 では長官、もう一度だけお聞きしておきます。 大綱方針の示し方、それから適合しないときの指示などについて、国家公安委員会規則として定めていきたいということを今おっしゃったわけですが、私の認識が間違っていたらまずいんですけれども、私が聞いていますのは、国家公安委員会が大綱方針で管理するのは、五条二項で十八の項目がありますよね。その中で、監察という問題については、個別的な問題として警察法の中に落として指示ができるというふうにあえて強調した。それ以外に、あの十八の項目の中で、どのような場面を想定して、どのようなことを想定して、規則として国家公安委員会が個別の指示を出せるということを想定されているのか。 私が先ほど言ったように、例えば教育の問題なんかについて国家公安委員会規則として、何か問題が起こった場合にはちゃんと教育の内容を出していただくというようなことを規則の中に明定するだとか、私はそういうイメージを持っているんです。ですから、そのことを聞いているわけであって、それは国家公安委員長に聞かなければいけないのではないかと思うのですけれども、具体的にどのようなイメージを持っていらっしゃるのかをお聞きしたかったわけです。
○田中政府参考人 国家公安委員会規則、これは国家公安委員会で御判断され、決定されることでございますので、管理を受ける私どもといたしまして、事務局として検討しておりますのは、例えば今教養規則のお話がございました。教養規則も現在国家公安委員会規則という形で制定をされておりまして、これも大綱方針の示し方だろうと思います。そういう意味で、ほかにもございますけれども、大綱方針は、教養でありますとか、あるいはほかにいろいろな、学校教養の問題、職場教養の問題、五条に書かれております。そういう具体的な問題、犯罪捜査の問題につきましても国家公安委員会は大綱方針を示しておられます。 そういうふうなことに、具体的に事案が起きました場合に、その示された大綱方針にこういうふうに反しているのではないか、長官として是正すべきではないかというようなことでございますので、国家公安委員会規則の中に個別に教養に関する規則が云々とかいうことを書くことは、私ども事務局としては考えておりませんけれども、ただ、公安委員会としてこれから御議論をいただきますので、どういう形になるのか、これにつきましては、私どもは、公安委員会の御判断を仰ぎながら事務局としても進めてまいりたいと思っております。
○春名委員 教養の規則などを出すかもしれないということですが、個別に、それに反した場合どうするということまでその中に書くかどうかは国家公安委員会の判断だというふうに言われたので、ですから、そういうことまで含めて、個別の指示ということについて国家公安委員会は今まで以上に管理を本当にやる、民主的にやるということをそこで示していかないとだめだと思うんで、私は注目をしておきたいと思っています。その点を述べておきます。 次に、国家公安委員会の情報公開についてお聞きします。 改めて要請をしたいと思います。国家公安委員会の会議録を全面的に国民に公表していただきたいと思います。いかがでしょうか。
○西田国務大臣 警察行政の円滑な運営のためには、国民の理解と協力が何にも増して必要であると考えております。また、警察に対する信頼を回復し、行政の透明性の確保と説明責任の遂行という時代の要請にこたえる観点から、情報の公開は重要なことであると認識をしております。 国家公安委員会におきましては、委員会における率直な意見の交換や意思決定の中立性が損なわれることのないように配慮しながら、会議録をできるだけ公開する方向で検討をしてまいりたいと考えております。
○春名委員 一歩踏み込まれたと思います、会議録をできるだけ公開されるということで。ホームページをごらんになってくださいね。この間話をしましたけれども、あれは本当に行数、本当に概略しかなくて、全然わからないので。 それで、国家公安委員会の運営規則にも、大臣おっしゃいましたけれども、八条で「会議録は、警察庁長官官房において調製し、保存する。」とあえて書いてあるんですね。審議概要を会議録として残すということになっています。つまり、この運営規則の想定しているのは、国民に知らせるということを前提にしてこういう条文があるのではないかと私は思うんですよ。それにも即してぜひ、検討するというふうに今おっしゃいましたので、国家公安委員長のイニシアチブで会議録の公開というのは断固やっていただきたいということを要望しておきます。 それから、その際に、会議録全部が出ればそれで済むんですが、規則の制定だとか懲戒処分などのプライバシーや捜査情報に触れない事項については、結果だけではなくて、各委員がどういう発言をしているのか、このことが国民にわかるようにぜひ公開を検討していただきたいと思います。この点はいかがでしょうか。
○西田国務大臣 この間ホームページの話がありましたが、最近、公安委員会には電子メールがばんばん入ってまいります。これもホームページの影響かな、こんなことを考えております。 今の御指摘事項でありますけれども、公安委員会におきましては、委員会における率直な意見の交換が私は一番大事なことである、こう思っております。そして、意見の交換や意思の決定の中立性というものが損なわれてはいけない。そういうことに配慮しながら、会議録をできるだけ公開する方向で検討してまいりたい、こう思っております。 すべてを出しなさいということは、これはなかなか警察業務からすればできにくいことでございますが、できるだけ公開をする方向で努力をしていく、こういうことでいきたいと思います。
○春名委員 各県警の予算執行の情報公開について具体的に求めたいと思います。 二重帳簿とか多額なせんべつなどの不正経理などの不祥事を受けて、緊急提言でも、予算執行についての情報公開は最大限徹底されなければならないという提言がされています。ところが、警察庁はこの提言の中身をどのように具体化されているのか、よくわかりません。今までとどのように変わっていくのか、最大限予算執行についての情報開示をやるというのは、具体的に何を意味しているのか、どのようにされようとしているのか、このことをお伺いしたいと思います。
○田中政府参考人 刷新会議の緊急提言におきまして、情報公開、その中の一環といたしまして経理の情報公開につきまして御指摘がございました。それは、先ほど来いろいろな御意見がございますように、警察の経理につきましていろいろ不明朗な点があるのではないかというような御意見がございましたし、また刷新会議の公聴会等でもいろいろな御議論がございました。また、先ほど委員からも御疑念が提示されたところでございます。 ただ、会計検査院の方から、過去におきましていろいろ調査をしたけれども、そういうものは把握していないというお話がございました。私ども、経理の適正につきましては従来も努力してきたところでございます。 今私どもが考えておりますのは、そういう意味で、いろいろな国民の方から不明朗な点があるのではないかというようなことが言われておりますので、そういう疑念を払拭するためにも、この経理についての情報公開というのは積極的にやらなければいけないというふうに考えております。 ただ、この問題が具体的に捜査活動とかそういうものと密接に関連する部分もございますので、具体的にどの範囲まで、どのような方法で公開が可能かということにつきましては、これは十分検討させていただきたいというふうに存じています。
○春名委員 その辺のお話を聞くと、本当に不安になってくるんですよね。会計検査院がお墨つきを与えたからそんなことは把握しておらぬというふうに言われるんですが、自明のことでして、十数県の県警なんかから二重帳簿の問題とか多額のせんべつの問題とか、そういうことはいろいろな告発がされているわけでして、それでいろいろな議論になってきたわけですよ。新潟の刷新会議の公聴会でもそんな議論がかなりされたわけですから。だから、そんなことはないというふうにバリアを張られると、より一層、これで本当に刷新が進むのかなという不安を非常に抱くわけです。 疑念を払拭するためにということですが、捜査活動に支障が出ないということをおっしゃるわけなんだけれども、具体的に予算執行に関する文書、これを全面的に公開するという方向で検討されているんですか。その辺はどうですか。
○田中政府参考人 予算執行に関する文書を全面的に開示するということはできないと思います。先ほど申し上げましたように、警察活動に密接不可分の関係で予算執行が行われる場合がございますし、また、それにつきましては秘匿を要する公開できないものもございます。したがいまして、そういう警察業務の特殊性というものを勘案しながら、経理面に関する情報も公開するということでございます。
○春名委員 では、時間が来ましたから、最後に一点だけ伺っておきたいと思います。 冒頭から私たちが議論してきているように、警察改革を本当に国民の期待にこたえてやろうと思えば、警察庁自身が、やはりある意味で独立をして、本当に管理機能を強化するということで事務局をきちっと持つという問題、そして外部からの光を入れて、やはり内部監察と一体になって本当にそういう問題をきちっと解決していく体制をつくる問題ということを提起し、きょうは、情報公開の問題でも具体的な提案をさせていただいてきました。 その中で、監察という問題で一点だけちょっと長官に聞いておきたいと思うんですが、改正案は、監察を行う権限は公安委員会に与えるのですか与えないのですか、これを確認しておきます。
○田中政府参考人 公安委員会が直接にみずから監察を行うことができるかどうかについての議論は、この委員会でも申し上げましたし、また刷新会議でもいろいろ御疑念がございました。しかし、その結論といたしましては、この公安委員会が直接に監察を行うことは妥当でないという結論に達しましたので、私どももそういうような結論でございます。
○春名委員 今確認したとおりなんですが、監察は、やはり実際に実行するのは、今までと同じ警察の方々がやられるわけですよ。指示を時々出すということはできるのかもしれないが、その指示をいただくための資料がどれぐらい集まるのかという問題もある。ですから、本当に内部の監察もやりながら外部のそういう光を入れていくという方向に転換をしていかないと、国民の期待にこたえていくことにはならないだろうということを最後に申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
○増田委員長 次に、重野安正君。
○重野委員 社会民主党の重野です。 まず最初に、内閣官房長官の更迭原因の一因となっております、電話の録音内容と警察との関係について質問をします。 二十六日夜のマスコミは、何か覚せい剤の関係で警察も動いているよとか、警視庁の保安課が動いているから、覚せい剤の動きがあるよ、本当になどと、生々しい会話内容を報道しております。この会話の一方の当事者が前内閣官房長官であることは、既に前長官も認めております。また、会話内容を裏づけるかのように、問題の女性宅についてはかつて家宅捜索も行われたと聞いております。 そこで、国家公安委員長は、こうした事実をどのように受けとめておられるのか、お伺いをいたします。
○西田国務大臣 内閣官房長官の辞任の原因が何かという御質問ではありませんから、ほかのことを答弁させていただきます。 不適切な事案に関しては、一般的には、国家公安委員会は、具体的な調査方法等は警察庁において判断、実施させつつ、警察庁に対して事実の概要等について報告を必要なときに求め、不十分な点があれば問いただすなど、国家公安委員会として警察庁を管理する上で必要な報告を求めてまいり、所要の指示を行っているところであります。 また、個々の具体的事案について捜査を行うかどうかについては、捜査の性質上明らかにすることはできないのでありますが、御指摘の捜査情報の漏えいに関する監察は、捜査と密接に関連をするものでありますので、このような場合監察を行うかどうかということについて、今ここで申し上げることは適切でないと考えております。 一般論として申し上げれば、捜査の必要性があれば、法と証拠に基づき警察において適正に対処していくべきものだと認識をいたしておる次第であります。
○重野委員 この種の問題について、いつも答弁はそういうふうな形になってしまうんですね。 私は、これほど単純なことはないと思うのですね、あの週刊誌の記事を読む限りにおいては。そのことで結果として前官房長官はおやめになられた、だから言っていることは真実なのだろう、こういうふうに思うのが至極当然の成り行きと思います。そうなると、いわゆる捜査の秘密というものが漏れていたということをこれは認めざるを得ない。こうなると、そのいきさつはどうなんですかということが警察に問われてくる、あるいは今国家公安委員長に問われてくる、これも至極当然の成り行きでしょう。それに対する返事は、もう他の議員さん方も同じような質問をしましたけれども、大体同じような答弁しか返ってこないのです。 ちょっと視点を変えて、こういうことを繰り返すことが、二十三万の一線で働いている警察官に与える影響というようなことも、あなた方は、答弁するときに考えて答弁しているのですか。長官に聞きます。
○田中政府参考人 今回の中川前官房長官に係るところの一連の報道されているような事案につきましての私どもの答弁についての御意見でございますけれども、私どもといたしましては、基本的に、個別の捜査にわたるようなこと、個別事件にわたるようなことにつきましては、これは発表できない場合には発表できないということを言っていることにつきましては、全国の警察官が同じような考え方で事に当たっているものと思います。
○重野委員 この委員会室での我々議員と警察庁長官のやりとりというのは、国会の常識としてそうなのかということは言えても、今警察改革をやっているさなかです。いろいろな出来事がありました、そして世論が沸き立ってきました、もう無視できません。警察改革、刷新会議をつくって意見を聞いて、そして今ここで審議しているのです。今長官が言うようなことは、今も昔も変わらない。そのことを繰り返して、そのことを国民が見ている。 これはやはり、見ている国民の、長官なんかは組織の中におりますから、そうびんびん響いてこないかもしれません。しかし、一線の警察官というのは、常に情報をもらいに市民と対話しているのですね。行くたびにこのことが問われるのです。彼ら一線の警察官は、それに対して返事ができませんよ。そのことの繰り返しが国民と警察との乖離につながっていく。そういうことを、警察組織の最高責任者としての長官がどのように受けとめているのですか、お聞かせください。
○田中政府参考人 大変繰り返して恐縮でありますけれども、今回の委員の御指摘は、個々の具体的事案について捜査を行うかどうかについて明らかにしては、こういうような御判断でございます。そういうような捜査を行うかどうかについての考え方を示せというような御意見だと思いますけれども、それにつきましては、捜査の性質上明らかにすることはできないということを繰り返し申しておりますし、また、この考え方は、警察官隅々まで同じような考え方を持っているものと思います。
○重野委員 同じ組織の中におるとなかなか見えてこない、そういうことがあります。 もうこれ以上言っても水かけ論ですから言いませんが、しかし私は、警察改革という中において、これほど前官房長官の問題というのが具体的に明らかになって、そして、そのことでやめられたというような事実があるわけですね。事実があるのに、しかしそれについてはという今のような返事をしていくという、これは本当に、この間の警察に対するいろいろな不信あるいは不祥事、その上に立って、国民に向かって、二十一世紀の日本警察はこのように変わって出発するのですという力が僕はないような気がするのですね。 もうこれ以上言いませんが、そういう点については、私は、日常不断に内部で十分に議論をしていただきたい、そのことを申し添えておきます。 次に、具体的な内容に入りますが、私は、このテープをもって、警視庁の側から積極的情報ないし情報漏れがあったと断言する気はありません。しかし、少なくとも、国民には知り得ないことを前長官が他言している以上、国民の疑念はわいてくるのが当たり前であります。 内閣の要職にあった人がもたらした疑念を積極的に晴らす、このことが内閣並びに問題の性格上国家公安委員長の任務であって、当事者である前長官からの事情聴取、警視庁内部の監察は行われてしかるべきと私は考えますが、公安委員長、どのようにお考えでしょうか。
○西田国務大臣 まことに心苦しいのですが、同じような答弁をしなきゃいけませんけれども、お尋ねの事案につきましては、調査を行うということは、これは捜査を行うことになりますので、個別具体的な事案については警察において主体的に判断をすべき問題であり、私は逃げるわけではありませんけれども、私からいろいろ申し上げることは控えさせていただきたい、こう思います。
○重野委員 警察改革ということ、国民の警察に対する信頼を取り返すという重大な決意で、この間いわゆる警察刷新会議が持たれて、答申が出されて、今この法案になってきたわけですね。今の部分が非常に大事なところだ。 つまり、法律を幾ら改正しても、そこのところが国民の側から見て、ああ、日本警察もそうなのか、新しい百年をスタートするこのときに、日本の警察はこうなるのかというものが見えてこない、そこが問題だ。私は、国家公安委員長は、そのことを国民に向かってきちっと宣言をする、そのことが最も大きな役割じゃないかと思うのですが、どうですか。
○西田国務大臣 お答えが繰り返しになるわけでございますけれども、先ほども申し上げましたとおり、御指摘の案件のような個別具体的な事案に関して、指示をするかどうかについて申し上げることは適切でないと考えております。 一つ、一般論という言葉を使わせていただきますけれども、一般論として申し上げれば、刑事事件として取り上げなければいけないものがあれば、法と証拠に基づき適正に対処していく、こういう認識でございます。
○重野委員 現に、こうして警察法の審議が行われているさなかにこのような問題が顕在化したというのは、これは本法律改正案の当否を問う点で象徴的と言わざるを得ませんね。というのも、問題となっている、きょうも多くの方から議論が出されましたけれども、管理概念の解釈がこの問題によって問われているからだ、私はそう思うんです。 警察庁に対し、従来の解釈を条文化したにすぎない以上、改正法十二条の二、いわゆる監察の指示の問題ですが、その有無に関係なく国家公安委員会は監察指示を行う。まず確認したいんですね。よもや、「必要があると認めるときは、」そういう文言があるんですが、必要があると認めるときはなどといって判断の先送りをする、そういうことはないと思うんです。仮にもそういうふうな判断をすれば、従前のような判断をすれば、この改正案は意味がないじゃないか、こういうことを言わざるを得ないんですね。そのことが、警察庁は出直す、改革をする、国民の期待にこたえると思っているけれども、国民の側から見ればおかしい、こういうことになりかねない。 こういう点について、長官、どのように考えていますか。
○田中政府参考人 先ほど来繰り返し御答弁申し上げておりますけれども、やはり、我々捜査権をゆだねられている側といたしましては、個々の具体的事案につきまして捜査を行うかどうかなどにつきましては捜査の性質上明らかにすることはできない、この捜査機関としての基本的な性格というのは変わることはないというふうに考えております。 したがいまして、いろいろな御意見があろうかと思いますけれども、この私どもの基本的立場は変わることはないというふうに思います。
○重野委員 では、この警察法の改正ということを思い立ったのは、一体どういう背景があって思い立ったんですか。今の答弁というのは、十年一日のごとく同じ答弁ですよ、そのことに関しては。どうでしょう。
○田中政府参考人 今御審議をお願いしております警察法の改正案、これにつきまして、これが可決成立となった場合に、そのことによって個々の具体的事案について捜査を行うかどうかについて明らかにするというようなことも私どもは予定しておりませんし、またそれは予定されるべきものではないというふうに考えております。
○重野委員 では、ちょっと話を転じて、国松警察庁長官狙撃事件に関連してです。 警視庁所属警察官の自白めいた発言を報告しなかったことを理由に警視総監が罷免されたということが私の記憶にあるんですが、今回は、あいまいな自白と違って、前内閣官房長官も認めている問題なんですね。認めている事実というのは、辞任をしたというそのことではっきりしていると私は思うんです。 公安委員会の活性化、そのための管理概念の条文化、このことがこの間一貫して政府から出された見解です。であれば、この問題について個別的または具体的指示によって国民の疑念にこたえるべきだ、それができなければ、国家公安委員会の職務と政治的中立性というものがどうも絵にかいたもちと言われるような形になってしまうというふうに私は思うんですが、長官はどのように考えますか。
○田中政府参考人 現在御審議賜っておりますところの個別的な指示の性格でございますけれども、このことによりまして、先ほど来から申し上げておりますように、個々の具体的事案につきまして捜査を行うかどうかについてそれを明らかにするということまで含まれているものではないというふうに考えておるところでございます。
○重野委員 くどいように申し上げるのですが、本当に警察が国民の目線を真っ正面から受けとめて本気で出直すのか、そのことがこの法案審議を見詰めている国民の思いだと私は思うんですね。それに対する長官の答弁は、僕は非常に不親切だと。もっと目線を低くして、国民が警察に何を求めているのか、そのことに対して懇切丁寧に答弁するという姿勢こそが、二十一世紀の日本警察のありようとして国民が求めていることではないのか、そういうことをこの身に受けとめて答弁してもらいたいと私は思うんです。 もう一度やってください。
○田中政府参考人 私どもは、一連の不祥事を受けましていろいろな改革を講じてまいりましたし、また、今回御審議を賜っております警察法の一部改正はその大きな柱でございます。私どもが今行っております改革というのは、今委員御指摘のように、国民の目線に合わせるというお話がございましたが、当然でございます。私どもといたしましては、私どもの仕事のしぶり、あるいは具体的な職員の仕事のやり方が国民の目線に沿っていなければいけないということにつきましては、御指摘のとおりでございます。 しかしながら、今具体的に御提案が出ておりますような、個々の具体的事案につきまして捜査を行うかどうかについて明らかにせよというようなことにつきましては、これは事柄の性質上、捜査の性質上明らかにすることはできない、この考え方は私どもはどこまでも維持すべきであるというように考えているところでございます。
○重野委員 これももう堂々めぐりのようですから、もう時間も迫ってきますので、次に進みます。 二十六日の参考人質疑の中で中坊参考人は、とにかく警察に対し国民が物を言えることが大切だ、そういった趣旨の発言をなさっております。また刷新会議でも、苦情処理を権利化、制度化する必要があるとされ、それが七十八条の二、いわゆる文書による苦情の申し出でありますが、改正になったと私は理解をしています。 しかし、権利化と実際の条文とには少し乖離があるのではないかというふうに思う部分がある。例えば、事務の適正な執行を妨げる目的での苦情申し出には回答義務なしとされている点がそれです。一体、事務の適正な遂行とそれを妨げる目的、この二つの面はどのような根拠をもって判断するのか、その基準が一体どういうものになっておるのか、それを説明してください。
○石川政府参考人 政府提案の法案の第七十八条の二第二項第一号「事務の適正な遂行を妨げる」に該当するか否かについての判断でございますが、これは公安委員会が行うことになるわけでございます。 なお、公安委員会は、苦情の受理また処理、そして処理結果の通知の主体として位置づけられておるわけでありまして、適正な苦情処理につきまして法律上の責任を負う、こういう関係になります。また、その処理の過程におきまして、必要に応じて警察に指示をするということもあるわけでありまして、苦情に適正に対処することを求めることができるわけでありまして、処理全体に対して責任を負うことになるわけであります。そういう状況でございます。 そして、この「事務の適正な遂行を妨げる」ということがどういう場合に判断されるのか、こういうお尋ねでございますけれども、申し出人の都道府県警察の事務の適正な遂行を妨害する意図というものが何らかの形で外形的に表象されているというような場合が、これに該当するのではないだろうか。そうした場合には、この号に該当すると公安委員会が認めるわけでありまして、したがって処理結果の通知は行わないということを何らかの形で申し出人に対して連絡をする、こういうようなことになるのではないか、こういうふうに思います。
○重野委員 事務の適正な遂行を妨げる目的、今外形的というふうな表現をされましたけれども、この運用についての基準というのですか、そういうものは何か示されるのですか。
○石川政府参考人 この苦情処理制度でございますけれども、国民と直接接しておりますところの第一線における問題点というものを公安委員会に集約をする、さらに、公安委員会がその苦情を処理いたしまして、その処理結果の通知を行うということで、組織運営の適正化あるいは国民の権利、利益の保護を図るという目的でこの制度ができるわけでございます。 同一人が同一内容の苦情を反復継続して申し出る、あるいは捜査等の警察活動を牽制、妨害する意図というものが先ほど申しましたように外形的に表象されるというようなことで、その意図が明らかな苦情が申し出られた場合、こういったような場合には、私ども、これは権利の乱用に相当するというような場合ではないだろうか、こう思っておるわけであります。 申し出そのものは、これは受理はいたしますが、その処理あるいは処理結果の通知を要しないということにしても国民の権利を不当に制限するというものではないというふうに考えて、この規定を置いているものでございます。
○重野委員 このケース、苦情申し出から回答に至る手続については行政手続法は適用されない、また、回答は処分行為ではなく事実行為にすぎないことから行政不服審査法の対象ともならないとされておりますが、それはそのまま受けとめていいんでしょうか。
○石川政府参考人 大体今委員御指摘のとおりでございますが、苦情処理またその通知といいますものは、申し出人その他の国民に対して何らかの具体的な法律上の効果を発生させるものではないわけでありまして、また、申請に対する処分も不利益処分といったものには当たらないのではないか、こういうふうに考えられます。したがいまして、行政手続法は適用されないということになるのではないかと思います。
○重野委員 この間、世間を騒がせた事件が幾つかありましたけれども、すべてではありませんけれども、その被害者が、そういう事件に遭う前に警察に何度も足を運んで苦情を訴えた、そういうふうなことが一連の事件の報道の中で出されておりました。 私は、警察に申し出るということは、多分その人にとってはよほどのことだと思います。したがって、それを過般起こったような形で終わらせてはならぬという思いからこのことが発想されたと私は思っていますが、やはりその重みをみずからに課すという点からも、何らかのこの申し出制度に対する警察側の担保すべきものがあっていいのではないか、こういうふうに私は思うんですね。それがやはり国民の信頼につながっていくのではないかと思うのですが、私の考えは誤っておるのでしょうか。
○石川政府参考人 委員御指摘のように、これまで、国民が警察に意を決して赴いていろいろ相談をされたりあるいは職務執行に対して苦情を申し出られる、それに対して、きちっとした形で正面から受けとめずに、そして重大な結果が後から生ずる、そういう反省があるわけでございます。 私どもは、これは法律の制度として、一つの文書による公安委員会あての苦情というものは誠実に処理をして、その結果を原則として通知するという法律上の制度をつくって、その心は、そのもとにあるものは、それが交番に来た相談あるいは苦情であろうとも、それが文書であろうとも、またあて先が警察本部長や警察署長に対するものであろうとも、そういったものをきちっと集約して、組織的にそれを正面から受けとめて処理をする、そして、それについて重大なものに漏れがあってはならない、こういう考え方を持っておるわけでございます。 そういう意味で、何か担保をするものはないかというちょっと委員の御指摘は、私の受けとめ方でよろしいのかどうかわからないのですが、そういう思いでこの規定というものを考えておるわけでございまして、そういう意味では、苦情あるいは相談を取り扱う職員に対して、国民の目線でその問題についてきちっと取り扱うようにといったような平素の指導、教育といったものが大事でございますし、また、その体制を整備する、そのシステムをきちっと構築するということも大変大事なことだというふうに考えているところでございます。
○重野委員 例えばの話ですが、苦情を申し出た人がある種の損害をこうむった、例え話で悪いのですが、いろいろな嫌がらせを受けて、思い余って警察に行った、そのことが結果として逆恨みを買って、それで損害をこうむった、こういうふうな事件がないとも限らないんですね。例え話で恐縮ですが。 そういうふうな場合に、その事件というのか、それはどういうふうに扱うのか。警察を頼ってきた人に対する対応がおくれた、そのことが結果として、その人が被害をこうむった、そういう場合のその者に対する対応というのですか、それはどういうふうなことになるのですか。
○田中政府参考人 苦情処理の態様、態様といいますか、いろいろと区々ございますけれども、苦情処理について、例えば受理をしなかった、あるいは受理をしたけれどもその対応が不適切であったというような行為がございまして、具体的に、その不受理をした行為あるいはその後の処理手続が直接の原因、あるいは法律上何かそこに違法行為があってその結果が生じたということになりますと、それは損害賠償とかそういうような手続の中で議論されるべきものだろうと思っておりまして、この苦情処理制度そのものの問題ではないだろうというふうに思っております。
○重野委員 そうすると、今長官も触れましたけれども、その者が損害を受けた場合、それを国家賠償法の適用という提案をすることはできるわけですか。
○田中政府参考人 今申し上げましたことは、具体的にそこに当該公務員の行為と、あるいは不作為義務も含まれると思いますけれども、その行為と、それからそのことで起きたいろいろな具体的な損害、その間に法律上で議論すべき、問責すべきようなことがあるということになれば、これは国家賠償法の規定によりそういうものがある、それは可能だろうというふうに考えているところでございます。
○重野委員 多分、その種の事案が今後ふえてくると思うのですね。 この中で、「誠実に処理」という文言がございます。この誠実に処理ということは、出る結論はもちろんでありますが、申し出から回答期間がよりスピーディーでなきゃならぬ、こういう場合だってあると思うのです。それらの具体的な手続については、それぞれ各県警察が、県が独自に条例を定めて、それに従ってやるというふうなことができるのでしょうか。
○田中政府参考人 苦情処理に係るところの処理期間の問題でございますけれども、これは必ずしも不可能ではないというふうに考えております。ただ、委員御指摘のように、警察に係りますところの職務執行に係る苦情というのは大変千差万別でございまして、類型化することが非常に難しいというふうに考えております。 したがいまして、一律に標準処理期間みたいなものを定めまして、それに違背するような場合はどうかというようなことにつきましては、これは慎重な議論が必要でありまして、条例におきまして一律に標準処理期間を設けるということにつきましては、私どもといたしましては、それは都道府県において議論されるべきことではありますけれども、今申し上げましたように、慎重な判断を要する、かなり難しいのではないかというふうに思っております。
○重野委員 それでは、この前聞いたのですが返事がなかった点があるのですけれども、定員の問題です。 警察庁は、概算要求で地方の警察官二千七百七十五人の増員要求をしておるわけです。これについて二点ほどお聞きします。 一つは、現在の人員配置問題で、ことし四月現在の部門別人員配置の表をいただいて見たわけですが、十年前と比較をしますと、いわゆる地域部門の占める割合が減っておるのですね。その他の部門はほとんど変化はないわけです。私は大分県という田舎に住んでおりますが、あの駐在所に勤務されておられる警察官と地域住民の関係、地域住民にどれほど安寧感を与えているか、そういう現状というのをよく見ているわけですね。 したがって、私は、十年前と比較をして地域部門が減っておるということはやはり問題だと思うのですね。高齢化社会がどんどん進んでまいります。私は、そういう需要はますますふえてくると思うのですね。だから、まず地域重視に転換すべきだ、これが一つ。 それからもう一つは、警察官の政令定員が条例定員に対して四千四百五人少ない。これは逆に、その分地方自治体が負担をする、こういうことですね。地方自治体の財政まことに不如意な時代ですが、これは地方にとっては大変厳しい課題だと思います。したがって、この乖離を是正すべきである、このように思います。 以上二点、答弁をお願いします。
○田中政府参考人 委員から、ここ十年ぐらいの都道府県の部門別定員の推移についての御指摘がございました。それぞれの都道府県におきましては、そのときの治安情勢によりまして、部門別の定員といいますか配置を具体的に決めております。 したがいまして、その考え方によりますと、大変に忙しいところに人を配置する。具体的な事件が発生いたしますと、捜査部門にどうしても人を配置せざるを得ない。あるいは、最近のように困り事相談が大変ふえておりまして、倍ぐらいになっている。そういたしますと、窓口の対応に大変人がとられる。したがいまして、そこに人を配置せざるを得ない。そういうような我々を取り巻くいろいろな情勢の変化の中で、今申し上げましたようなことで地域部門の割合が結果的に減っているというようなことになったのではないかと思っております。 ただ、私どもといたしましては、今回、この増員を平成十三年度予算の概算要求でお願いしておりますけれども、今委員御指摘のような地域住民とのかかわり、あるいは国民の目線というものを考えました場合に、そういうところにできるだけ多くの警察官をシフトしていかなければいけないだろうという考え方を持っております。もちろん、その県の実情によりましてなかなかにうまくいかない場合もございますけれども、基本的な考え方としては、今委員御指摘のような方向で定員の再配置を考えるべきだということで指導しておるところでございます。 それから二つ目に、政令基準を上回る警察官の定員、これは条例で決めていただいていますが、そういう御指摘がございました。これは恐らく、その県の治安情勢にかんがみまして、私ども、基本的に政令の定員というのは、その県の治安維持に必要な基準の警察官だということで政令で定めているわけでございますけれども、どうしてもその治安情勢に対応できないというようなところで、都道府県の判断で具体的にそれを上回るような数字が出ているものと思います。 具体的に申しますと、例えば少年補導員とかあるいは交通巡視員というようなものを警察官に振りかえるというような、非常に背に腹はかえられないというような判断で措置をとっているわけでございます。我々としては、基本的には、それは政令で定める基準に合うことが望ましいと思っておりますけれども、ただ、今回増員をお願いして、もし仮に増員が認められまして、国会で予算をお認めいただいて、私どもの数字そのものが政府案として出されまして、そしてまた国会でお認めいただくということになりました場合に、私どもが増員をお願いしているその数字が政令を上回る条例定員の中に吸収されてしまうということがありましては、せっかくその県の増強をしたい、現状を踏まえて増強をしたいという考え方からいいますと、これは我々としてはなかなか納得できないところでございます。 それは、もし政令が基準が変わりました場合には、具体的な都道府県におきまして、条例定数のあり方につきましては我々の考え方というものを御理解いただくという努力を重ねていかなければいけないというふうに思っておるところでございます。
○重野委員 ありがとうございました。 いずれにしても、今私が幾つか申し上げましたことは、日常の警察官の活動に密接なかかわりを持つものばかりであります。警察庁におかれましては、十分そこら辺を配慮して執行に当たっていただきたいと思います。ありがとうございました。
○増田委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。 次回は、来る十一月二日木曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時四十一分散会