地方行政委員会 第2号
- 発言数
- 201 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2000/10/26
会議録
○増田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、警察法の一部を改正する法律案及び桑原豊君外四名提出、警察法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 この際、お諮りいたします。 両案審査のため、本日、政府参考人として警察庁長官田中節夫君、警察庁長官官房長石川重明君及び総務庁行政監察局長塚本壽雄君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○増田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 —————————————
○増田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松島みどり君。
○松島委員 自由民主党の松島みどりでございます。 桑原委員外四名の御提出の警察法の一部を改正する法律案について質問させていただきます前に、当選間もない新人議員として、警察の方々に、一般国民の警察に対する率直な思いを申し上げたいと思います。 一般国民は、駐車違反の取り締まりなどを通じて警察はとにかく大嫌いという人もたまにはいるでしょうけれども、大体の国民は、本来警察というのは、危険な目に遭ったり困ったりしたときに救ってくれる、頼りにしているよりどころでございます。そしてまた、連休の行楽地など、国民が楽しんでいるときに、警察官が暑さ寒さもいとわず警備に当たってくれているのを見て、大変だな、御苦労さんだなとふだんは感謝しているのでございます。 それだけに、埼玉県の桶川や栃木県で、家族が怖い目に遭っているので捜査をしてくださいと何度も頼み込んだ、ところが警察が無視し続け、その結果殺人事件に至った、このことは全国の国民にとって本当にショックでありました。国民の命と安全を守ってくれる最後のとりでが崩れた、そういう感じをみんな持ったのであります。 ほかの官庁では、例えば経済企画庁が成長率の見通しを誤っても、建設省や運輸省がむだな公共事業をやってしまいましても、担当者が国民に糾弾されて即座に首になるということはございません。それに比べると、警察はすべての職員が大変なポストについているわけでございます。全国二十三万余りの警察官の方々は、ほとんどの方がまじめにお仕事をしていると思います。そして、人の役に立ちたい、そういう初心を取り戻して、怠慢な心とか悪に染まるかもしれない心と闘っていただきたいのです。 そのためには、警察の教育、これが本当に肝要だと考えます。いろいろな警察の不祥事の結果、家族を失ったとか悲しい思いをされた被害者の方々、例えばこういう方々に来てもらって、警察官の教育の場で本当に自分たちは重大な責務を負っているということを考えてもらうとか、そういう心の通った教育を進めていただきたいと思います。 そして、今度の法律の改正で、警察の職務に関して文書で苦情処理の申し出ができるようにするわけですが、これは非常にいいことだと思いますが、政府広報などというものは、国民は基本的に読みません。このことをわかりやすい言葉で、例えば、これまでこんな悪事をやってしまった、警察がこんなことをやった場合には、こういうふうに書いて文書で出してくださいとか、そういうふうにわかりやすくPRするとか、あるいは、例えがいいかどうかわかりませんけれども、国民がよく見るテレビの刑事番組やサスペンス番組、こういうところのシナリオライターに頼んで、新しい制度ができたから、こういう申し出をして、こういうふうな展開が起こっているということをそういう場面に取り入れてもらうとか、国民が見聞きする場面に新しい制度ができ上がったということを示していただきたいと思います。 長くなって済みませんでした。 さて、民主党にお伺いいたします。 都道府県の公安委員会に事務局を置く、さらに公安委員会の下に苦情処理委員会を設けて、そこにも事務局を置くということでございます。このあたりについての質問をさせていただきます。 まず、苦情処理委員というのは、数も資格も任期も服務内容も全部条例で決めるというふうに書かれていますけれども、もちろん東京都と小さな県では違うとは思いますけれども、大体人数はどれぐらいを考えていらっしゃるのでしょうか。 そしてまた、現在、公安委員が地元の各地域で、商工会議所のトップだとかテレビ局の会長だとか、病院長、大学長、そういった立派な方々の名誉職になっているのが実情でございます。これを改めるのが大変だ、そういう事態のときに、それぞれの都道府県で、新しく苦情処理委員、そんなに有効な、生き生きとした苦情処理委員をどういうふうに見つけてこられるんでしょうか。ましてや、生ぬるいとされている都道府県の公安委員会が任命されるわけでございます。そういうことですから、新しい苦情処理委員会をつくるというよりは、今ある公安委員会をやる気のある人で構成し、活力のあるものにした方が意味があるのじゃないでしょうか。 例えば、先日の長野県知事選、県の経済界のトップや文化人として有名な人が新しい風を起こさなきゃいけないということを言い出された。そうしますと、新しい流れができていくわけです。ですから、どの地域におりましても、名の通った、そういう今公安委員になるような、なる可能性があるような人たちが思い切ったことをやれば、新しい機関を設けなくても十分に警察の流れも世の中の流れも変えていけるものだと思っております。 そして、さらに質問させていただきます。 二つの事務局、公安委員会に設ける事務局とそして苦情処理委員会に設ける事務局、これはどういう人を何人くらい採用してスタートするんでしょうか。もしこれら二つの事務局が、都道府県の警察とも知事部局とも人事異動や人事交流をしない、そういうものだとしましたら、そこに最初に雇ったスタッフがずっといて警察官の問題点を調べる、そういう仕事だけにずっと従事し続けるわけでございましょうか。いわば、警察官だけを捜査対象とする役所を二つ事務局の形で新設するようなものではないでしょうか。 先ほど私申しましたように、幾ら警察官が公務員の中でも特別な存在の公務員だと申しましても、こういった警察官の捜査をやる仕事を、その委員会を二つ設けるというのはやはりおかしいと私は思います。逆に、もし都道府県の職員、そういった人たちをそれらの事務局員に充てるのでしたら、これは独立した事務局と言えません。内閣が提出しているように、公安委員会をしっかりさせる、そしてそこに補佐するスタッフを置く、こういうことでも構わないんじゃないでしょうか。このあたりを質問させていただきたいと思います。 最後に警察庁に一、二分質問したいので、少し簡潔によろしくお願いします。
○桑原議員 松島みどり委員にお答えをいたします。 苦情処理委員会の委員の、そういう意味ではなかなかなり手がないのではないか、また何名ぐらいを考えているのかということでございますけれども、確かに、苦情の処理と申しますのは、いわゆる警察的な感覚というよりも市民感覚的な、そういう要素を備えた人材が必要ではないか、私はこういうふうに思います。そういう意味では、私は、最近のいろいろな市民的な活動も非常に活発になってきておりますし、そういった感覚を持って苦情の処理に当たるという人材はどこの地域でもかなりいるのではないか、こういうふうに思います。 そういう意味で、私どもが提起をしております公安委員会と申しますのは、独自の事務局を持った、公安委員会直属の事務局を持ったそういう公安委員会でございますので、そういった公安委員会のあり方そのものも、ある意味では国民の目線、そういうものをしっかり備えた公安委員会をつくっていくということでございますから、そういう目線のもとでそういった人材が発掘をされるだろう、私はこういうふうに思っておるところでございます。 具体的な人数は、各県のいろいろな規模でありますとかあるいは従来の苦情の件数、そういうものを勘案してまいりますと、それぞれにいろいろな違いがございます。そういう意味では、私どもは一律に何名というふうには法律では決めておりませんで、委員の数ですとかあるいは任期ですとか、そういったことなどを含めて条例で決めていただく、あるいは、具体的な態様そのものは規則で決めていただくということにしておりますので、一概に苦情委員何人、こういうふうなことは言えないわけでございます。 ただ、そうは申しましても、事務局的なものは肥大化してはなりませんし、それぞれの県に合ったような適正なものが必要だろうというふうに思います。私どもが参考にしておりますのは、特にこういう委員会のようなものが余りございませんので、なかなかないわけですけれども、いろいろな状況を勘案して、事務局的には大体十名ぐらいが必要かな、こういうふうに思っております。 ちなみに、どういったくらいの苦情があるのかということも大前提になるわけですけれども、全国で要望、苦情が警察に上がっておるのは六十五万件だ、こういうふうに言われております。そのうち、文書によって苦情が上がっているのは四万件から八万件だ、この四万件から八万件の大体一割が本当にきちっとした処理を要する、そういう苦情だというふうに言われております。 そういう意味では、大変に数も多いようでございますし、この苦情処理委員会が新たに設けられるということになりますと、そのことによってまたさらに苦情がふえてくる、あるいは直接公安委員会にいろいろ働きかける、そういう苦情処理委員会に上げられてくる苦情がふえてくるのではないかというふうに思いますので、かなりの件数が予想されるというふうに踏まえているところでございます。
○増田委員長 答弁を簡明に願います。
○桑原議員 それから、苦情処理委員会の事務局といいますか、都道府県公安委員会等の人事交流の問題もございました。 私どもは、苦情処理委員会につきましては、例えば事務局等の人事交流については、県の知事部局とも交流をしてもいいのではないか、こういうふうに思っております。 と申しますのは、やはり苦情処理というふうなことに特定をいたしますと、人事の停滞というふうなことも十分考えられますので、そういう意味では、知事部局との交流人事なども行っていきたいと思いますし、また、苦情処理という市民感覚を要する非常に特異なものでもございますから、そういう人事の登用に当たっては特段の工夫もまた必要ではなかろうか、こういうふうに思っているところでございます。 以上です。
○松島委員 以上でございます。
○増田委員長 次に、中川正春君。
○中川(正)委員 民主党の中川正春です。私も衆法の方の提案者の一人になっていますので、閣法に限って質問をさせていただきたいと思います。 まず、実際に警察法の質問に入る前に、国会が正常化されまして、きのうのいろいろな各段階の議論の中でも問題になってきております中川官房長官、私と同じ名前なので非常に不都合を感じておるのですが、この問題について、一つ二つ確認をさせていただきたいというふうに思います。 まず、警察に関して、三つほど課題が出てきたというふうに思うのですね。 一つは、ああいう形で週刊誌の上に、警察の捜査情報というのが特別に漏えいをしていた、しかも、権力の座にあるということを利用して、その情報を入手して、それをああした形で愛人に電話で知らせておる、あるいは注意をしておる、そういう記事が公になったわけであります。これについて、警察としてはどういう関心を持っておるのかということ、これは当然捜査をすべきだというふうに思うのですが、そこのところをひとつ確認したいということ。 それからもう一つは、覚せい剤の問題であります。ああした形ではっきりと、第三者といいますか、愛人そのものが中川官房長官本人の覚せい剤の使用を示唆するような、そうした発言をしておるわけであります。これについても、当然、警察はそれなりの関心を持ちながら今対応していただいておると私は信じておるのですが、今それがどういう形で捜査が進んでいるかということであります。 最後に、右翼団体との関係であります。取りざたされる右翼団体というものを警察としてどういう定義をしているか、あるいは、対象になっている、いわゆる交際があったとされている人物、これに対して警察はどういう見解を持っておるのかということ。ああした写真がこれまた掲載されたわけでありますが、これは、警察の方としては、それは本人かどうかということも含めて認識を持っておられるはずだと思うので、それについて警察の見解を求めたいというふうに思います。
○田中政府参考人 今委員から、中川官房長官に係りますところのいろいろな報道についてのお話がございました。 いろいろお話がございましたけれども、一般的には、捜査機関としての警察は、犯罪がありますときには法と証拠に基づいて厳正に捜査するという方針でございます。 また、今お話ございました個別的な案件につきましては、答弁を差し控えさせていただきます。
○中川(正)委員 答弁を差し控えさせていただきますということでは、恐らく、国民もあるいは官房長官そのものも納得しないんじゃないですか。 警察として、その辺の意思というのをはっきりさせることが、これまでいろいろ議論されてきた信頼感ということ、これに結びついていくわけでありますから、最初からそうやって紋切り型になると、国民は、なぜ警察は動かないんだ、権力が対象だからこれは動かないんだ、こんなふうな解釈も成り立つわけですよ。だから、そんな紋切り型で言わないで、ちゃんと説明してください。
○田中政府参考人 私どもは、いかなる犯罪でありましても、その犯罪にかかわる方がどなたでありましても、法と証拠に基づいて厳正に捜査するというのが基本的立場でございます。 ただ、具体的な個別的な案件については答弁を差し控えたいということでございます。
○中川(正)委員 ということは、今回の場合でも、こうした政治的な権力を持っておる、そういう被疑者が対象であっても厳正にやっていくんだ、こういうことだと思います。そんなふうに信頼感を持って解釈をさせていただきたいというふうに思います。 これについて、大臣、どんな見解をお持ちですか。
○西田国務大臣 中川官房長官に関しましては、週刊誌等でさまざまな報道がなされておることは承知をいたしております。残念ながら、私自身は、報道以上の事実というものは承知をいたしておりません。紋切り型と言われるかもしれませんけれども、コメントは差し控えさせていただきたい、こう思います。 ただ、一般論として申し上げるならば、刑事事件として取り上げるべきものがあるとするならば、これは警察としては適正に対処していきたい、こう考えております。
○中川(正)委員 特にこの問題は、きょう、今から審議をしていきます警察法の中のいわゆる警察情報ということと、それからその規律、いわゆる漏えいということ、こんなことにも密接に関連をしておりますので、公安委員会の方としても、十分にそこに注意を払いながら、これからの対応、ひとつ厳粛にやっていただきたいというふうに思います。 以上、要望として述べさせていただきまして、質問に移っていきます。 まず、警察改革。一連の不祥事が続いてきている中で、まだそれがおさまらないという状況だと思うのですが、その真っただ中でのこの警察法の改正なんですが、まず今回の改正の目的、なぜこういう改正をしなければならなかったのかということ、これの認識を改めてお尋ねをしたいというふうに思います。委員長の方からお願いします。
○西田国務大臣 昨年秋以降、全国で警察の不祥事が続発いたしまして、国民の警察に対する信頼は大きく崩れ、失われてきたと私は認識をいたしております。 そこで、国家公安委員会といたしましては、不祥事防止を図るため、さきの通常国会に警察法の一部改正を提出、その後も国民の期待を裏切る事案が発生をいたしてまいりました。 国家公安委員会では、警察刷新会議の発足をことしの三月に求めまして、そして警察刷新会議の発足により、抜本的な改善方策を図ることとしたわけであります。その中には、公安委員会の管理機能の強化等も含めておるわけでございます。 もちろん、警察の改革のためには、提出法案を成立させていただくことに加え、各種の施策を総合的に講じてまいる必要が今後もあると私は考えております。
○中川(正)委員 いわゆる総括といいますか、これまでのいろいろな不祥事に対しての分析、総括、それに対して、これからの警察のあり方、そんなものを聞きたかったのですが、ちょっとわけのわからない話になってしまいました。 長官の方の問題意識、もう一回整理をしていただきたいと思うのです。
○田中政府参考人 今回の法改正の目的につきましては、今大臣から基本的な考え方を申し上げさせていただきました。 大臣のお話にもございましたように、さきの通常国会に警察法の一部改正法案を御提出いたしました。これは、昨年秋の神奈川県内の事件を念頭に置きました改正案でございまして、やはり警察再生といいますか、国民の信頼をもう一度回復するということを大きな目的としたものでございました。 その後、御案内のように、警察の幹部が関与するような大きな不祥事案が発生いたしました。そして、通常国会にお出しいたしました改正案では十分対応し切れないのではないかというようなことで、大臣のお話のように、刷新会議の発足を求めまして、緊急提言もいただきました。 そして、それを受けて、やはり国民の警察に対する信頼というものを再びかち取る、そして警察の本来の姿というものを取り戻そうということで今回改正案を提出したわけでございまして、また大臣からお話がございましたように、警察改革の全体の姿というのは、この法改正だけにとどまりませんで、下位の法令もございますし、予算もございますし、また組織の改正もございます。それにまた、増員もお願いしております。こういうもの一体となりまして、再び国民の信頼をかち得たいというのが今回の法改正の大きな目的でございます。
○中川(正)委員 そういうことでいいんだと思うのです。国民の信頼を回復するという言葉が四回ぐらいさっきから出ましたが、私たちもその気持ちで、私たち自身の衆法を提出させていただいたということであります。 その上に立って、では、こうして提出された法案が、国民のサイドから見て、どういう機能、どういう形で違ってくるのかということをもう一回検証してみたいというふうに思うのです。 それには、何か困り事が起こったときに、まず窓口へ行くわけですが、相談それから苦情処理、この国民に対する窓口がどう変わってきたかということですね。これをひとつ検証したいと思うのです。 私は、まず、いろいろな困り事があるとき、これは警察に、こんなことがあるので助けてくれ、こう行くわけです。その一義的な相談窓口、これが一つですね。 ところが、今回、振り返って考えてみると、さっきお話が出ました桶川にしたって、あるいは新潟にしたって、いろいろな事象で起こっている場合の警察に対する不満というのは、こうして一回相談に行ったときに警察が親身になってその相談に応じてもらえない、また、そうした適切な動きをしてもらえないということ、これが高じたわけですね。それで、放置されて事件に結びついていった。ストーカーなり、あるいは家庭内暴力なりという形で、そういうことが次々起こっているわけですね。 では、警察が思うように動いてくれないというときに、次はどこへ話を持っていったらいいのかということですね。それに対して、どういう対応をまずしようとしているのですか。これを答えていただきたいと思います。
○田中政府参考人 委員御指摘のように、国民の皆さんから見て、私どもの職務執行のあり方あるいは職務執行に対するいろいろな苦情、そしてまた国民の皆さん方の困り事というのがいろいろあろうかと思いますが、それをどういう形で受け付けるか、あるいはどういう形で我々がきちっと把握するかというようなお話ではなかろうかと思いますが、国民の皆さんからいたしますと、恐らく、そういう具体的な困り事につきましては、警察署においでになったり、あるいは交番とか駐在所においでになったり、さらには警察本部においでになったりといろいろな形がございまして、また文書でという形もいろいろございましょう。 いろいろな形があると思いますけれども、私どもは、できるだけそういうような警察の窓口、警察のそういうような国民の要望、意見を受けるという形をどうやって国民に知らせていくか、できるだけ広く国民にそういうような形を示していくというのが基本ではなかろうかと思っております。
○中川(正)委員 具体的な話が出ませんね、これに対して。私はここが一つ問題なんだろうというふうに思うんです。 恐らく警察のサイドとしては、これまでと同じように、そうした相談窓口を警察の中につくって警察官が相談を個別にしていきますよ、これは各県警レベルあるいは警察署管内レベルでそういう相談窓口をつくりました、こう言っていますが、国民にとってみたら同じ警察官なんですよ。だから、どうもおかしいなと思うときに、またそこへ向いて行くということ、これが国民の立場に立った物の考え方というのはまだ警察はできていないんじゃないかというふうに一つは思うのです。これが二番目の、相談窓口に対する問題ですね。 それから三つ目。三つ目はさらに、この苦情処理というのは何をはらんでいるかというと、警察官自身が、実際の捜査だとか、あるいは事件とは関係ないところであっても、いろいろな不祥事を犯している。身近なところでよく話に出てくるのは、飲み屋で一杯飲んでそれを踏み倒して出ていったというような、そんな記事がちょこちょこ出ていますよね。そんなことも含めて、こうした問題に対して、それじゃどこでそれを制御していこうとしているのかということ、今度の法案の中で。これは唯一、苦情処理というのは文書で公安委員会の中に出しなさいよ、こういうことですよね。 そうすると、公安委員会へ直接といったって、その窓口というのは何かといったら、やはり事務局は警察でしょう。だから、警察へ向いてその苦情を言いなさいよと言っているのと同じことですよ。そうしたことが国民に見えていて、それでそういう苦情を言ってきなさいといったところで、やはりどこまでいっても、国民としては、これは、自分のところの問題はできるだけ内部で処理をしていこうという警察の身内感覚というか、そういう体質そのものは全然変わっていないじゃないかと。こういう体質が法律の改正の中でも見えてきている限り、どうも本気になって警察は問題の把握をし、その反省点に立って新しい法律をつくろうとしているということじゃないんだ、やはりまだ身内意識が強いなということになってしまうんじゃないかということだと思うのですね。 これに対して、私たちのこの衆法の目的というか基本というのは、そういうことをひとつ脱皮をしたらどうだ、警察が自分の中だけで物を処理するという考え方、これに対して国民は、もうここまで来たらそれは限界が来ているんですよと。監察しに入った人間までおかしくなってきているわけだから。だから、そこのところはやはり何らかの形で外部でチェックしていくということと、それと同時に、公安委員会が直接市民や県民と情報のパイプをつくって、その中で警察というものに信頼感を持っていく。だから、公安委員会がやはり警察の監督をしていくんだ、それには違いない。だけれども、その機能をしっかり維持していこう、しっかり取り戻していこうとすれば、情報のパイプもやはり国民と直でこれをつくっていく必要があるんじゃないか、そういう思いの中で私たちの改正案を出させていただいたわけであります。 委員長、そこでお尋ねをしたいのです。 どうですか、今こうしてポストにつかれて、国家公安委員会、まあ機能していると言わなければいけないのだろうと思うのです。しかし、その情報が全部警察から上がってきて、警察で選択された情報のもとで委員会が協議されて、その中で今判断が進んでいくわけですけれども、ここのところどうですか。正直、限界を感じられませんか。
○西田国務大臣 委員御指摘のことは、大変重要なことでございます。 苦情は本来、警察事務を執行する警察本部長以下で処理されることが基本でございまして、しかしながら、一連の不祥事のみならず、国民の方々が、世の中の変化に伴って、いろいろな問題について御意見を持っておられます。こういう一連の不祥事件において、苦情が組織的に処理されていない事案が見られたということは事実でございます。 そこで、政府案におきましては、警察の第三者的管理機関ともいえる公安委員会に、まず苦情の受理、これを受け付けまして、そしてこれらの処理及びもう一つ、処理結果の通知、これを責任を持って行わせるようにしたものであります。 それで、質問にありました、こういうことを誠実に進めることによって、国民の信頼というもの、また国民と警察の信頼関係というものは、組織的かつ適切な苦情処理が私は今までよりもできる、こう考えております。
○中川(正)委員 長官、今苦情というのは何件ぐらい出てきていて、それは、実際取り上げられている件数と、それからもう一つは処理をされている件数と、それぞれ違うだろうと思うのです。六十五万件と聞いているのですが、それぐらい出ているのですか。
○田中政府参考人 今委員のお話の六十五万というのは、困り事相談みんな含めてだろうと思いますが、私どもが苦情と申しておりますのは、基本的には、警察職員の職務執行に係るところの不平とか不満とか、そういうことを私どもは苦情と申しております。 それでありますと、これはサンプル結果でございまして具体的な数字ではございませんけれども、大ざっぱな数字で恐縮でございますけれども、やはり全体として約四万件から八万件ぐらいじゃなかろうかというような数字でございます。
○中川(正)委員 四万から八万と、えらい差がありますけれども、恐らくこの四万から八万というのは、警察のサイドでスクリーニングをされて、それで確実なサンプル数字として上がってきたものなんだというふうに思うのですね。実際は、相手にされなかった話も含めて、よく言われる六十万件を超えているだろう、こういうことだと思うのですが、国民のサイドに立ったら、それぐらい相談に行っているわけですよね、警察に対して。そういうことを、じゃ、不満があるんだったら物に書いて直接公安委員会に送ってこいよ、そうしたら答えてやる、これは余りにも今までの国民の苦しみというのをないがしろにした、これまでの反省点に立っていない感覚だというふうに思うのですよね。 そうじゃなくて、やはり相談窓口が要るんだろうと思う。その相談窓口も、さっき申し上げたように、一たん警察というものに対して、思うように動いてくれないという不信感に立った話ですから、やはりそれは公安委員会の一つの独立した窓口として、理想的には各警察署管内に一つぐらい、例えばそれは警察署でなくても、市役所なり、あるいは違った形の市民に身近な場所で相談をする、あるいは公民館とか。そんな感覚が欲しいなというふうに思うのです。我々の想定している相談窓口、あるいは苦情処理委員会の独立した事務局とその組織というのは、そういうことを想定した中で、やはり国民の立場に立ったら要るのだろうということなんですね。 それともう一つは、さっきの話で、四万から八万というこの数字を見ただけでも、あるいはもっと言えば、もっとそこに隠れている、これから相談窓口として受け付けますよということが大っぴらになって、国民の方がそれに信頼感を持ったときの状況なんかを考えたら、これはやはり公安委員会に全部それを上げていって公安委員会だけで処理をするという話じゃないと思うのです。ここはやはり専門的なスクリーニングシステムが要るだろう。そのスクリーニングシステムが警察であってはならぬ、これは公安委員会でなければならない、いわゆる国民の信頼感を持っていくということからいえば。そういう観点が必要なんだろうと思うのですね。 長官、ここのところをどう考えられますか。
○田中政府参考人 今委員お話しのように、苦情とか相談、これはなかなか区別がつくものじゃございませんけれども、警察には、六十五万というのは相当ないろいろな範囲のものが参ってまいります。 私が先ほど御答弁申し上げましたのは、窓口はうんと広くする、問題は、その処理体制がどうかということが一番問題でございまして、今回法律案で御審議を賜っております、公安委員会あてのものはきちんと文書で来たものは文書で回答する、こういう基本的な考え方でございますけれども、そのほかにも、現場で迅速に対応できるものもございますし、また警察署長とか本部長あてに文書で来るものもございます。こういうものもきちんと回答する。そして、それを全体として公安委員会に御報告申し上げ、公安委員会名で回答するものは当然でございますけれども、それ以外のものでも公安委員会の御指導を得ながらやっていくというような感じでございます。 また、スクリーニングのお話がございましたけれども、やはり私どもとしては、いかなる形にせよ、できるだけ多くのものを公安委員会に上げるというような形は基本的にとりたい。そしてまた、その中で、公安委員会の御指導を得ながら、定型的なものでありますとか現場で迅速に処理されたものはともかくといたしまして、重要な御判断を仰ぐべきものにつきましても、公安委員会の御判断を仰ぐような道もきちっと残しておくのが大切なのではなかろうかと思っております。
○中川(正)委員 そこのところが基本的によって立つスタンスが違うのだろうというふうに思いまして、まず皆さんに御認識をいただきたいと思うのです。片方は、やはりどこまでいっても警察のサイドから物を見ている、もう片方は、国民のサイドから物を見て、今回の、警察しっかりしてもらおうじゃないかという法案の中身の違いがあるのだということ、ここのところを指摘させていただきたいと思うのです。 それから次に、情報公開についてひとつ進んでいきたいと思うのですが、宮城県で今、知事と警察本部長が争っているというより、いい議論をしておってくれるというふうに思います。 その後、どうも聞き及ぶところによりますと、折衷案的なものが出てきて、ひとつ警察の業務を二つの区分に分けていこうじゃないか。それは、行政警察としての機能とそれから司法警察としての機能、この二つに分けて、行政警察については、これは知事の権限の中で情報開示をしていってはどうか、司法警察については、捜査の関連があるということであればそれを加味しながら考えていこう、こんな案ではどうですかというふうな話が出ているようですが、これについて警察のサイドの見解をお聞きしたい。 それからもう一つは、これも自治省の関連ですが、先日もお話が出ていましたが、これまで公安委員会がそれとは別のもう一つの第三者機関をつくることができないということに対して、自治法の法改正をしていこうということで、できるのですよということになる。できるということになると、情報公開したときに、不服があって、それは十分でないという訴えが出たときに、その第三者機関へ調停に行くわけですね。行ったときには、第三者機関は、今問題になっている事柄が何なのかということを第三者機関に対しては情報開示してもらわないと判断できないということですね。 それを、自治省はあえて、そうなんですよ、だから第三者機関でできるようにしましょうということを言っているわけですね。私はこれは正しいと思うのですが、警察の方としては、この見解、自治省の動きに対してどういう考え方を持っておられるのか、お聞きをしたいと思います。
○田中政府参考人 二つお尋ねがございました。 一つは、宮城県で今議論されておりますところの情報公開条例につきまして、宮城県公安委員会、宮城県警察本部を実施機関とするという内容に関連するものでございますが、今お話しのように、国と同様な内容の情報公開条例につきまして、一応県議会では過半数の賛成を得ましたけれども、御承知のような結果で、全体としては私どもの意見は受け入れられなかったわけでございます。 その後、宮城県で現在いろいろな調整が行われておると聞いておりますけれども、これは基本的には宮城県の判断でお決めになるべきものでございまして、私どもで現在どのような案があるのかということも承知しておりませんし、またそのような案につきまして私どもの立場を具体的に申し上げることは適当ではないと考えております。 ただ、私どもとしては、従来から申し上げておりますように、国の仕組み、あるいは他の都道府県での条例の仕組みと同じであることが望ましいというのが基本的立場であることは変わりません。 それから二つ目の、例の情報公開審査会と申しますか、それに相当する機関の設置の問題でございます。 これは、地方自治法施行令の改正の問題でございますが、自治省においてそうした検討をされたということを承知しておりますし、この委員会でも自治省からそういうお話がございました。私どもにも御相談がございまして、私どもは改正することに依存はないということで回答をしております。 そして、そのような政令改正が行われました場合に、都道府県におきましてどのような情報公開審査会に相当するような機関が設けられるかどうかは、私どもでは現在述べるわけにはまいりませんけれども、国と同じような機関が設けられるということになりますと、先ほど委員御指摘のように、情報公開につきまして不服申し立てがあった、そしてそれについて裁決をする、そのときには、その委員会といいますかその機関に諮問をする、そういうような仕組みになるわけでございましょうし、当然に私どもの機関も、もしそういう条例になれば、その機関の諮問といいますか、そういうことにお諮りをしながら進めるというようなシステムに乗っかっていくのではないかと思います。 ただ、その情報公開審査会の態様と申しますか、委員の任命の仕方とか守秘義務の問題とかいろいろございますけれども、そういうものが国と同じような形になるとすれば、それは当然に対象になると考えております。
○中川(正)委員 ちょっと時間が迫ってきましたので、最後に、政策評価についてお尋ねをしたいと思うのです。 これは、行革の関係で一条入れ込んだのだという程度の認識なんですよとどなたかがおっしゃっていましたけれども、私はこれはそうじゃないと思うのですね。政策評価ということを基本にしながら公安委員会の運営を見直していったらどうですかというのがキーポイントなんだろうと思うのです。 それだけに、この中身、どんなシステムでどういう基準をつくりながら政策評価のシステムを生かしていこうとしているのか、ここのところをお尋ねしたいと思います。
○田中政府参考人 今回の改正案で、政策評価にかかわるところの条項を設けることをお願いしております。 これは、どのような手法で政策評価を行うかにつきましては、評価対象となりますところの政策の性質等において個別具体的に判断するべきものでございますけれども、警察のいろいろな施策を見ましても、予算措置を講じ、あるいは人を投入しているわけでございますが、それが国の政策として評価されるというのは当然のことでございます。 ただ、具体的に警察分野について評価手法が確立していないというところがございます。では、具体的にどういうようなことが政策評価に関して考えられるかということを申しますと、例えば交通安全対策に関する政策ということになりますと、交通事故死傷者数の数字を用いた評価の方法でありますとか、あるいは特定の犯罪の抑止を目指した政策につきましては、犯罪認知件数とかあるいは検挙件数とかそういうものを用いた指標とか、あるいは新しい法律、例えばストーカー対策もそうでございますけれども、そういうものが施行されました場合にどのような効果があり、そしてどのように国民の治安の維持ということに役立っているかというようなことを指数等を用いてやるということが、現在我々としては考えておるところでございます。
○中川(正)委員 もう時間ですので、最後に一つだけ要望しておきたいと思います。 この評価については、今回の一連の警察改革の中でも、これだけ複雑な時代になって犯罪もふえてきたから人員もふやしてほしいということで、予算要求まで出ていますね。これは見方によったら焼け太りじゃないか、こういう批判もある。これに対してこたえていくのがこの評価なんだと思うんですよ。 これをしっかりしたパフォーマンスを指数化してあらわせるようにした中で、やはり責任を問うていくべきだと思うんです、各本部長それから担当者に対して。警察署長も、このパフォーマンスが悪かったらこれはやめなさいよ、こういうことだと思うんです。実はそれのための評議会というのが今度つくりましょう、警察署の中につくりましょう。市民は何を見ているかといったら、パフォーマンスと信頼なんですよ。警察にパフォーマンスが出てきたら、いわゆる成果が出てきたら必ずそれは市民の信頼感に結びついてくる、こういうことだと思いますので、そこまで掘り下げる評価システムというのをつくっていただくことを期待しています。 私たちの法案の中にもこれはしっかり入っているということ、そのことをひとつお願いして、質問を終わります。ありがとうございました。
○増田委員長 次に、松原仁君。
○松原委員 現在の日本には、全国で二十三万人の警察官がおり、日夜二十四時間の体制で頑張っているわけでありまして、地域には一万五千の派出所、駐在所等も存在しております。そういった皆さんが地域の治安と安全、安寧のために奮闘されていることに対しては、敬意を表するものであります。 また、歴史的に見ますと、そういったことによりまして、日本の治安というものは世界最高とも長いこと言われてまいりました。その世界最高の治安に対しては、また多くの国民が全幅の信頼を寄せてきたことであります。商売の世界においても、信頼を築くというのは大変に長い年月を要するわけでありまして、本当にこつこつと毎日の努力をして、その上に盤石の信頼が築かれるということは周知のことでございます。 逆に言いますと、そうして長い年月をかけてつくり上げた信頼、そういったものが、一瞬のすきもしくは不祥事、油断というものによって一気に崩されてしまうということを私たちは知っているわけでございます。 今日の我が国の警察をめぐる環境というのは、まさにそうした状況でございまして、一部の緩みというんですか、制度疲労というんですか、それが大きくクローズアップされ、そして警察に対する信頼感が根底から揺るぎ始めているという甚だ危機的な状況だろうというふうに考えているわけであります。 こういった状況の中において、緊急に警察の信頼を高めるためにどうしたらいいかという議論が行われたわけであります。現在の日本における治安状況は、さまざまな国際的犯罪や、またストーカー等を含む異常な犯罪が激増しているわけでありまして、いかにして警察への信頼を取り戻し高めるか、これをしなければ新しい時代に向かっての私たちの国の治安というものは成り立たないだろうと言われております。 こういったまさに国際的犯罪を含むさまざまな犯罪、異常犯罪等の急増に対して、私たちはどのようにしてこれを解決していくか。従来は、警察は犯罪を摘発するというだけで、それを主たる目的としておりましたが、今後は警察がそういった意味で、閉ざされた警察ということではなく、広く国民と連携をしながら相互に信頼し合う関係にならなければ、こういった広範な社会的な変化、社会的な犯罪の急増には対応できないのではないかというふうに考えているわけであります。 今回の刷新会議の中におきましてもそういったことは幾つか書かれているわけでございまして、例えば、最後の「終わりに」というところに書かれておりますのは、「第一に、一連の不祥事を見るにつけ、国民に顔を向けず、組織の「上」ばかり見ている警察幹部が増えつつあるのではないかとの危惧を抱かずにはいられない。」、その次の部分が私は重要だと思っておりますが、「全警察職員は国家と国民に奉仕するとの原点に立ち戻ってほしい。困り苦しむ国民を助け、不安を抱く人々に安心を与えることこそ警察の真髄であり、」そして第二のところで「社会と市民生活の安全の確保は、国民と警察が責任を共有しながら自発的に協同してこそ初めて創出可能なものである。」。 この社会と市民生活の安全の確保、治安の確保は国民と警察、警察だけではない、国民と警察が責任を共有する。責任を共有するということは、当然そこには情報のしかるべき公開、そして開かれた警察というものが極めて肝心になってくるわけでありまして、そうした責任を共有しながら自発的に協同する、そういった状況の中において初めて市民生活の安全というものは確保されるのであるということが、この緊急提言の中にも書かれているわけであります。 具体的にはその中で、例えば「住民の意見を警察行政に」というふうな項目もございます。今、保護司会とかいろいろなものが警察の関連で、これは法務省でありますが、ありますけれども、そういったもの、ここにNPO、被害者団体、女性団体、そういったものも含むものでということでありまして、この段階では仮称警察署評議会という名称でありましたが、こういったものもどこまで地域に開かれた組織として確立をされ得るのかということが極めて重要であろうというふうに思っているわけであります。 そういったことにおきまして、警察がみずからの閉鎖性をいかにして解き放つか。緊急提言の中でも、その閉鎖性をいかにして打破し、開かれた警察にするか、国民の目線で物事を考える開かれた警察にするかということがるる語られていたわけでありますが、まさにその閉鎖性を乗り越えることが、国民と協同する警察の誕生のための不可欠な条件であろうというふうに思っているわけであります。 情報公開を行い、地域社会との連携を目指し、そして開かれたものにしていく、国民と警察との相互信頼関係を確立することが大事だ。それは同時に、国民と警察との距離感を縮めるという努力と不可分に結びついているわけでありまして、従来は、民事不介入の原則というふうなこともございます。それに対しての誤った考え方ということによって、さまざまな地域の皆さんから寄せられた声が、結局、苦情というのですか、思いが十分に反映されないまま犯罪につながってしまった事例もあるだろうし、警察に対して物を言っても自分の発言は取り上げてもらえないという無力感につながったこともあるのではないだろうかというふうに思っております。 そういった意味において、とにかく、単に犯罪を摘発するだけの警察ではなく、広く地域住民のさまざまな不安に対処し得るような警察、それは新しい警察だろうというふうに私は思っておりますが、そういった新しい警察に生まれ変わり、地域の住民の方との距離感をさらに縮めることが極めて大事だと思っております。 そういった意味におきまして、私は民主党案に対して質問をするわけでありますが、民主党案はそういった部分においてどのような解決策を持っていくのかということに関しまして、さまざまな御所見、考え方をお伺いいたしたいと思っております。 それでは、まず最初に、民主党案と政府案の違いについて、総論的な部分になりますが、お話を伺いたいと思います。
○松崎議員 松原委員の御質問にお答えをさせていただきます。 今御指摘のとおり、まさに今までの警察の問題点をしっかりと把握されての御質問だと思います。民主党案と政府案との違いということの御質問でございました。 民主党案は、警察が独善的な運営に陥らないように、国民の監視のもとに民主的に運営されるべきであり、国民の代表としての公安委員会は、国民の目線で警察を管理する、そういう立場に立っております。政府案は、警察が政治的中立を守って運営できるように、公安委員会がむしろ防波堤のような役割を果たすべきだ、そして、余り警察運営の一つ一つには指示をしないで、治安維持のために警察情報の秘密を守っていくべきだ、こういう立場に基本的に立っております。 では、両方の案の違いと申しますと、民主党案に特にこういうものがある。つまり、国家公安委員会の予算に関しましてはみずから所掌する、そしてまた、公安委員会の事務局もみずから設置をする、そして国会にしっかりと報告をする、そしてまた大きく違うところは、みずから監察をするということであります。この辺が大きく違う。政府案の場合は、むしろ必要なときに個別的、具体的な指示をして監察をするということは言っておりますけれども、その辺、みずから常に外部監査に関係する、外部監査の立場でやる。 それから、苦情処理委員会というものがしっかりと事務局を持って、各都道府県の公安委員会に置く。これは、口頭も含みまして文書でもしっかりと返事を出す。政府案の場合は、どうしても警察の窓口の相談を充実しながら、行政措置を建前に文書に限って公安委員会が受理するということになっておりまして、そこが大きく違う。 最後に、情報公開でありますけれども、情報公開に関しましては、特別、条項を設けて、訓示規定ではありますけれども、つくり上げております。この辺は、政府案の場合は、情報開示の判断については執行機関の長が裁量権を持つとの立場を堅持しております。長官官房が情報公開事務をつかさどるのみという一項だけの情報公開ということで、ここが際立って差異があるということであります。 以上であります。
○松原委員 今の御説明をお伺いいたしまして、民主党案の大きなポイントというものが、冒頭私が提起をいたしました、二十一世紀の新しい警察を目指す、そういったことを踏まえたものだという理解をしたわけであります。 先ほど申し上げましたように、社会と市民生活の安全の確保は、国民と警察が責任を共有しながらということのために必要な情報公開、さらにはそのための開かれた警察、そういったものをつくるということを前提にしての民主党案であるということで私は認識をした次第でございます。 次に、民主党が考える国家公安委員会の管理とは何かということをお伺いいたしたいと思っております。 管理ということは極めて重要でありまして、今回、管理ということでありますが、さまざまな不祥事案が発生をしたわけであります。この不祥事案が発生した理由というのは、さまざまな意味においてのなれ合いというものが長いこと続いてきたわけでありますが、なれ合いが続く中においての発生というだけにとどまらず、十分にそういったことに対して管理が、管理監督というのですか、管理が行き届かなかったということに大きな問題があるのだろうと思っております。この不祥事についての責任というのはどこが負うのかといえば、それは警察それ自体が負うわけでありますが、同時に、国家公安委員会というものがやはり責任の過半を負っていかなければいけない。 ただ、そこで私たちが問うていかなければいけないことは、国家公安委員会にその責任能力があったのか、管理をして管理不十分だということであればそれはけしからぬという話になるわけでありますけれども、国家公安委員会がそういった意味において十分な管理を行えるだけの責任機能を有していたのかということが大きく問われているというふうに思っております。そういったことも含めて、国家公安委員会の管理機能というのはどういうものなのか、民主党案でのこの管理というものについての考え方をお伺いいたしたいと思います。
○松崎議員 国家公安委員会制度の本来的な趣旨は、警察が政治的に中立であるということを確保する、そして、権力機関たる警察が独善的な運営に陥らないように、国民を代表して警察を管理することであります。国家公安委員会の警察に対する管理については、第一義的には、警察の政治的中立を確保するために、警察運営の一つ一つの問題には立ち入らずに、大綱方針を示してこれを警察庁長官を通じて執行するものと今までは解されております。 しかしながら、警察が権力を乱用したり独善的な運営に陥ってしまった場合、また、そのことに警察が自浄能力を失ってしまった場合、現在がそんな状態でありますけれども、国家公安委員会は国民を代表して個別具体的な是正の指示を行い、場合によっては、国家公安委員会みずからが監察し処分することも国家公安委員会の管理というふうに解釈しております。 この点に関しましては、刷新会議も以下のように勧告しております。警察事務の執行が法令に違反し、あるいは国家公安委員会の定める大綱方針に則していない疑いが生じた場合には、その是正または再発防止のため、具体的事態に応じ、個別的または具体的にとるべき措置を指示することも何ら否定されていない、このように書かれております。 以上です。
○松原委員 まさに、そういった意味できちっとした中立性を持ち、国民の側を向いた国家公安委員会ということが管理の一つの前提になるという答弁だったと思っております。 次の質問でございますが、そういう中で、今度は地方の公安委員会に監察部門を置くというふうなことでございますが、その必要性につきまして御答弁をいただきたいと思います。
○松崎議員 都道府県の警察は、警察庁の統括が今強まっております。大変中央集権化しておるということであります。その性格があいまいになってもおります。依然として、本来は都道府県の自治体警察でありますので、その自治体警察を住民を代表して管理する任に当たるのが都道府県の公安委員会であります。したがって、監察が警察を管理する重要な任務の一つである以上、それをほかに委任することは適当ではありません。 とりわけ、警視正以上の階級の警察官については、懲戒または罷免に関しましては国家公安委員会に必要な勧告ができるということもされておりまして、前提として、監察は都道府県公安委員会の責務でもあります。 また、警察法の体系の上では、国家公安委員会が監察できますことは、職員に関しては国家公安委員会の任命に係る警視正以上の者に限られ、職務執行上の問題に関しましては警察庁長官の命令に係るものに限られると解されるものでありまして、それ以外の都道府県警察に関する監察は都道府県公安委員会でないと行えない、そのように承知しております。
○松原委員 今の御答弁で、要するに、地域の時代ということもありますが、地域住民の声がまたその地域で反映されるための一つの必然性を説明いただいたというふうに認識しております。 ところで、そういった監察の問題でありますが、しばしば言われることでありますが、実務に精通をしていないスタッフ、その実務に精通していないスタッフが、実際、実効性のある監察がなし得るのかということがしばしば問われているわけでございまして、この点についてのお考えをお伺いいたします。
○松崎議員 実務に精通していないスタッフというふうな御指摘でありますけれども、公安委員会の監察は、警察実務の効率性や的確性を監察する警察そのものの内部監察とは異なりまして、警察が行うべき監察を行っていなかったのではないか、あるいは警察官の非違行為に対する処分が国民的な常識からかけ離れているのではないか、そういう国民的な目線で行われるものでありまして、警察実務に精通している必要は必ずしもないのではないかと思います。また、国家公安委員会の監察は、警察の内部監察と異なるからこそ意味がありまして、警察実務に対する精通よりも、国民的な目線に立って、フレッシュな感覚、これが一番重要であろう、そのように思っております。 しかしながら、公安委員会の監察に対して警察に主張がある場合に、その主張の根拠となる法令や行政の常識について知識を持たなくてよい、そういうことではありません。したがいまして、私たちの案の中では、公安委員会の監察部門に首席監察官及び監察官を置く、このようにしているものであります。
○松原委員 まさに、この緊急提言にもありますが、公安委員会が第三者的機関として監察点検機能を十分に果たし得る、この第三者的な効率性を持つ外部監察ということで、ぜひとも、こういった外部スタッフが実務について精通していなくても十分に対応できる、そういった実現を目指していかれたいと思っております。 次に、国家公安委員会の事務局についての具体的なイメージをお伺いいたしたいと思っております。 国家公安委員会のいわゆる責任能力というものが問われるわけでありますが、そのために具体的な事務局が必要であるというのは一つの考え方というふうに認識をしております。その具体的な事務局のイメージについてお伺いをいたします。
○松崎議員 事務局のイメージのお尋ねであります。 そもそも、この事務局を置くということは、先ほど桑原委員からも答弁があったと思いますけれども、一連の警察不祥事とそれに対する警察の内部監察の結果は、国民の警察不信を助長いたしました。しかしながら、国家公安委員会も警察に対する適切な管理を行えなかった、これがまた今回の国民の批判を招いた、そういうことであります。 また、国家公安委員会は、警察権力が独善的にならないために民主的に警察を管理する機関であります。したがいまして、国家公安委員会にとって最も重要なことは、再三申し上げておるとおり、国民の目線、そこで物を考え、国民を代表して警察を管理する。しかしながら、現状は、国家公安委員会は警察庁に補佐されることによりまして、むしろ警察の目線で物を考えてきた。それが今回の、先生の御指摘の多くの問題にもつながった。また、警察庁の補佐がバリアとなりまして、国民の目線を持ちにくくしてしまったというのが現状であります。 したがいまして、国家公安委員会が国民の目線で警察を管理できるようにするために、警察庁による補佐、こういうものを解き放ち、独自の事務局を持つ必要がある。これが独自の事務局を持つ理由であります。 具体的なイメージというのは、事務局長の下に監察部門と総務部門を置き、総勢百人ほどの職員を配置すべきではないか、こう思っております。 総務部門は、三十人程度の職員を置きまして、国家公安委員会の会議を補佐し、国家公安委員会の予算並びに犯罪被害者等給付金に係る事務等、個別法で国家公安委員会の事務とされた事務をつかさどり、地方公安委員会、警察庁長官等との緊密な連絡などをとります。 また、監察部門は総勢七十人程度といたしまして、首席監察官のもとに監察企画室並びに監察官に指揮される複数の監査課を置きます。監察部門は、警察が行った監察の報告を点検し、直接または地方公安委員会を経由して申し立てられる監察の必要性を精査し、国家公安委員会が警察庁の監察に対して行う個別具体的な指示を起案し、国家公安委員会が独自に行う監察に任じます。 これが私たちの提案をしております事務局像でありまして、具体的には政令及び国家公安委員会規則に委任されることになると思います。 地方公安委員会に関しましては、先ほど桑原委員の方からの御説明のとおりであります。 以上です。
○松原委員 これに絡むわけでありますが、事務局職員、今百人というようなイメージも冒頭あったわけでありますが、この職員はどこから登用するのかということにつきましてお伺いをいたします。
○松崎議員 お答えいたします。 事務局の職員はどこからかということでありますけれども、公安委員会事務局は総務部門と監察部門が必要でありまして、監察部門には監察官が必要と考えております。監察官は、弁護士、省庁の監察部門の監察官経験者、そういうところから採用すべきと思っております。監察官以外の事務局員については、都道府県の人事の中で配置する方が人事の停滞を招かないのではないか、そういう考えもございまして、具体的には公安委員会が実情に合わせて決めるべきではないか、そのように思っております。 以上です。
○松原委員 民主党案におきまして、苦情処理委員会というものが設置されるというふうになっているわけでありますが、この苦情処理委員会というのは、ある意味で、そこの地域の皆さん、住民との接点になるのが恐らくこの苦情処理委員会になるのかもしれないというふうにも思っておりまして、極めて重要な機能を有するわけであります。この苦情処理委員会につきましての具体的なイメージというのですか、これにつきまして御答弁をお願いいたします。
○松崎議員 この苦情処理委員会というものが、私たちの法案の目玉のうちの一つであります。 イメージということでございますので、お答えをさせていただきますが、警察という強大な権力、この苦情を処理するわけでありますので、独立した組織としての信頼性、これが必要。また、その処理に当たりましては、公平、公正でないといけない。また透明、迅速性、これも求められております。また、国民に対しましては、親切、誠実に接することを前提に、提起されました苦情、これを適切、確実に処理する、そして、その結果を通知する。まさに、今の時代の双方向、こういう形で完結させていかなければならないと思います。 さらに、処理結果による警察行政の改善、向上が国民の目からも明白にあらわれることになると思います。 しかしながら、今までの、閣法等でいきますと、苦情の対象である警察の手をかりるわけであります。我々は、それではいけないということで、公安委員会の行う事務と苦情処理委員会の行う事務というのは異なっている。公安委員会は、監察を主に行いまして、その事務局も監察強化でかなり手いっぱいになる、その他公安委員会の本来の仕事もあるわけでありますね。苦情処理委員会は、それ以外の、監察まではいかない段階で警察への苦情、こういった処理を行う。あくまで、苦情処理委員会というのは公安委員会の附属の機関でありまして、手がける事務のレベルが違う、また事務の内容も異なってくる。したがいまして、二つの事務局が必要だということになります。 また、先ほど長官からのお話で、六十五万件ということもございました。この苦情処理委員会という窓口ができますと、もっと物が言いやすくなるということで、ふえるかもしれません。そして、多種多様な申し出が予測されるわけでありまして、それをすべて公安委員会が処理するということは、これは閣法の方はそうですね、これは非効率です。また、本来の警察の管理業務へも影響が出る心配があります。 ですから、事務局を備えた苦情処理委員会において、苦情の内容を精査しスクリーニングをかけることで、処理するべき振り分けもできる、その上で、苦情処理委員会で処理するものは処理しまして、公安委員会による監察が必要なものは公安委員会へも送る、また、苦情の処理を通じて必要と認めた場合には警察に対して勧告も行う、こんなことが我々の考えております苦情処理委員会のイメージであります。 以上です。
○松原委員 今御答弁の中で、苦情処理委員会は警察にも勧告ができる、こういうふうなお話でございました。 とにもかくにも、この苦情処理委員会というものが地域の方々との一番の接点になるわけでありまして、民主党案におけるこの存在というのは、開かれた警察、国民と警察が責任を共有しながら自発的に協同して社会の安全を確保するという、この緊急提言にも本当にある意味ではマッチングしたものではないかなというふうな印象を持っているところであります。 次に、警察署協議会についての御質問をさせていただきたいと思います。 条文上は政府案と同じでありますけれども、この警察署協議会というものは民主党においてどのようにとらえているのかということであります。 警察、消防とよく一口に言いますが、消防の方には消防団というものがありまして、これは地方公務員法第三条によって特別職地方公務員となっております。また、消防組織法第九条や各市町村条例及び規則等々により定員、任免、給与、服務等も定められていますし、また、報酬が東京都の場合は団員で年四万円、また年数回の手当が出たりしているわけであります。 こういった消防団のような、地域に開かれた、いわゆるそういった人たちの連帯まで含むイメージが警察署協議会というものにあるのかないのかも含めながら、民主党案における警察署協議会についての政府案との違いをお伺いいたしたいと思います。
○松崎議員 お答えいたします。 確かに、この条文は閣法と全く一緒であります。ですから、どこに違いがあるのか、当然の御質問だと思います。 まず、警察署協議会の活動を通じまして、住民の生の声を十分に理解して警察行政に反映することを目的とするとともに、警察行政の遂行について住民の理解と協力を得ることも可能となります。また、これまで閉鎖的になりがちでありました警察の透明性を確保するとともに、警察職員が協議会の存在を通じまして、先ほどから指摘しております住民の目を意識することにより、国民のための警察を常に自覚することができる、これは確かに同じでございます。我々も、いいものはいいんじゃないかと。しかし、我々のイメージをするところは、やはり基本的な警察の組織あるいは公安委員会のチェック機能、そういったものが基本的に違いますので、そこで若干のイメージの違いは出てくるわけでございます。 そして、警察改革の一連の議論の中で、刷新会議から不祥事の原因、構造的問題として指摘されております、先ほど先生も御指摘のとおり、機密性、閉鎖性、無謬性、おごり、こういった指摘がされました。これらの指摘された問題点の是正には外部チェックを取り入れる必要がある、この辺が政府案ではやや欠如している。ここは、外部チェックというものが、公安委員会のみずからの監察あるいは苦情処理を含めまして、国民、市民の意見をしっかりと取り入れていく、この辺で差が出るのではないか。つまり、外部からのチェック、これが民主党の視点の特色であります。 具体的には、公安委員会や協議会の住民の目、監視の手段、これが一番の協議会の中心でありまして、問題は人選なんですね。協議会の人選。先ほど先生のおっしゃった消防団云々、あるいは各地域社会での、各自治体でも審議会等が審議委員をたくさん選任されておりますけれども、それらは大体町の有力者であるとか決まり切ったような形でなされております。ですから、ここの人選がまさにポイントでございまして、私たちは、公安委員会そのものの姿勢、これが政府案とはかなり違いがあります。ですから、おのずと人選に対する姿勢が違ってくるだろう、ここが一番の大きなポイントというふうに御理解いただきたいと思います。
○松原委員 今の御答弁におきまして、協議会については、運用面において、より開かれたものを目指しているということが明らかになったというふうに思っております。 続きまして、この緊急提言でも、警察の問題の中で「閉鎖性の危惧」というのが冒頭にあったわけであります。私もきょうの冒頭の質問に先立ちましてお話を申し上げましたが、この中にありますように、「警察行政が閉鎖的になるとともに、本来公開すべき情報が公開されないおそれがある。」これは二ページに書いてあるわけでありますが、こういったことが、やはり国民の目から見て、閉鎖された中であずかり知らぬ何かが行われているんではないか、その中でなれ合いが行われているんではないかというふうな不信感が国民の中に増幅するわけでありまして、ある意味において、情報公開というのは極めて重要な国民の信頼を取り戻すべき切り札だろうというふうに思っております。 民主党案におきましては、情報公開については訓示規定を置く、こんな文言も書かれているわけでありますが、この情報公開について、全体のイメージ、また、この訓示規定等についてお伺いいたします。
○松崎議員 お答えいたします。 情報公開、我が方の法案では七十五条に特に、訓示規定という形にはなっておりますが、「情報公開の推進」ということで書かれております。これは、一連の警察不祥事と隠ぺい工作によりまして、国民世論から警察情報の透明化が強く求められました。警察が、行政機関の保有する情報の公開に関する法律、いわゆる情報公開法、これによって与えられました非開示の判断権を乱用することは厳に戒めるべきでありまして、その趣旨を訓示規定として置いたものであります。 本来、情報公開は、原則公開、これがその精神、根本にあるのでありまして、来年の四月の法執行を待たずに、また、開示請求を待つということではなく、警察みずからが積極的に情報を公開し、国民の前に身をさらすことが求められております。民主党といたしましても、そういった姿勢を求める意味で、警察みずからの判断を促すための訓示規定としてわざわざ法文に書き込んだものであります。
○松原委員 そこで、この情報の開示、不開示というのが極めて重要になるわけでありますが、民主党の考え方として、この決定はどこが判断するのかにつきまして御質問をいたします。
○松崎議員 決定と申しますのは、情報公開法の体系どおりで参りますので、そこは御理解をいただきたいと思っております。
○松原委員 現実的な部分の議論ということで、情報公開に関して、宮城県議会における議論についてはいかなる評価をなさるのかをお伺いいたします。
○松崎議員 宮城県は、先ほど中川先生からも御質問がありましたように、大変大きな問題として私たちも受けとめております。 宮城県の県条例は、犯罪の予防、捜査等に支障を生ずるおそれのある情報を非開示とする。県警察の立場は、犯罪の予防、捜査等に支障を生ずるおそれがあると実施機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報を非開示とする。ここで争いがあるわけであります。 両案の相違は、県条例案が、支障を生ずるおそれについて客観性を求めているのに対しまして、警察案は、実施機関の長の裁量権を認めていることにあります。警察は、実施機関の長に第一次判断権を付与しないと、非開示の是非が裁判で生の形で争われることになり、その立証を行うために、非開示の意味がなくなると警察の本部長は主張しているわけであります。 宮城県知事さんの方は、ボーン・インデックスにより、訴訟で秘密性が侵されることはないとし、むしろ、実施機関の長に幅広い裁量権を与えることが恣意的な情報隠しを是認することとなるおそれ、これを強く指摘されております。この間の警察の情報隠し、宮城県でもあったわけでありますけれども、宮城県が指摘しますように、警察の恣意的な情報隠しが容認される規定は置くべきではないと考えておりますのが宮城県の知事であります。 しかし、国の行政機関の保有する情報の公開に関する法律第五条四号の規定は、宮城県で警察が主張したものと同一でありまして、この法律は未執行であるとともに、四年後見直しの規定を置いておりますので、この辺は今後留意すべきだろうと思います。 また、民主党は、宮城県の知事の立場を強く御支持申し上げている次第であります。 以上です。
○松原委員 時間が参りました。 私のただいまの質問におきまして、政府案は、緊急提言の中にあった部分でいくならば、二ページにありますが、国民の批判や意見を受けにくい体質というのを克服するという部分においては、一定の成果を上げるべく努力をしているとも言えますけれども、一番重要な閉鎖性の危惧については、十分にそれにこたえているとは言えないのではないかというふうな認識を強く持っているわけであります。 民主党案につきましては、そういった部分で、より開かれた民主的な警察のあり方を提言し得る、そういったものではないかなという評価をいたしまして、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。
○増田委員長 次に、若松謙維君。
○若松委員 公明党の若松謙維です。民主党案について、何点かお伺いいたします。 先ほど、松原委員の方からさまざまな質問がございましたが、やはり与党といたしましてもまだ疑問点がございますので、それについてさらに追加質問させていただきます。 まず、苦情処理委員会ですけれども、これが公安委員会に置かれるということになっておりますが、この法案を見て、苦情処理委員会と公安委員会、先ほど御説明ありましたけれども、ちょっとまだ不明確なんですね。それで、結局、私どもから見ますと、警察を監視、監督する同じような趣旨の機関が複数置かれるということで、非常に複雑でかつお互いの関係が不明確、そして結果として、いたずらに事務が混乱するのではないか、そう危惧するわけですけれども、その点いかがでしょうか。
○中川(正)議員 お答えをします。 もともと、今回の不祥事に反省点の原点を置いてこの議論を進めたときに、警察の閉鎖性に対して、外部監察なり、あるいは国民の目線をどう入れ込んでいくかということ、これがやはり大事なんだなという論点から始めました。その上に立って考えると、本当は、こうした苦情処理だとかあるいは監察だとかいうものは、全く第三者、外部機関を設置することも必要じゃないか、こういう議論もあったわけであります。 ところが、私たち議論を進めていくうちに、本来は、公安委員会が機能をしっかり持っていればそこのところを活用していく、公安委員会をもう一回活性化し、公安委員会の機能に重点を置くということが、屋上屋を重ねたり、あるいは第三者機関をつくっていくということを避けて、先生の言われる行革の理念にも合っていくことじゃないか。そういう観点から公安委員会の活用を考えたわけであります。 しかも、そう考えていくと、実際、苦情処理という問題については、先ほどお話も出ていたように、件数からいって全国で六十万件を超えていく、そんな中で、この処理のスクリーニング等々考えていけば、本来は公安委員会の業務なんですが、それを公安委員会、仮に独立した事務局を置くとしても、やはりそれのスクリーニングということについては別建てで、しかもある程度の専門職、それからもう一つは市民の視点を加えた形の委員会というのを構成して、そこでやっていくということの方が、これは効率という面と、それと同時に、市民の本当の意味での相談窓口としての機能を兼ね備えていくということから考えたら、いいんだろうということ。そんな観点から、こうした形で独立した委員会ということになりました。 そんなものですから、この委員会というのは、公安委員会の中の業務の一端を専門的に管轄していく、いわゆる苦情処理ということに限って、市民の立場で相談窓口としてやっていくんだということ、こういう整理をしてございます。
○若松委員 そもそも、やはり公安委員会というのは、そういう苦情処理もしっかり受ける立場にもありますし、その点は、今回の閣法提出でさまざまな改善もされましたし、また、この苦情処理は、受けたものは必ず書面をもって返す、そういったことも明確にされました。 もともと日本人というのは、こういう第三者チェックというか、なかなか機能しにくい国民性なんですね。私も公認会計士として会社を監査するわけですけれども、これは三、四十年たってかなり定着しましたから、監査する側も監査される側もお互いの関係というのを理解されているんですけれども、では、実際に苦情処理委員会で、公安委員会がさまざまな面で機能しない、だから新しいものを公安委員会につくる、だったら公安委員会をしっかりやった方がいいんじゃないかなんて、結局、簡単な結論に帰するわけなんですね。 ですから、もう時間がないので、いきなり最後の総括的な質問に再度行きますけれども、要は、民主党案の公安委員会と公安委員会事務局ですか、さらに苦情処理委員会、苦情処理委員会事務局、この四つの組織の相互関係が、結局、いろいろな組織がふえて、かなりぐちゃぐちゃになるということを危惧しております。ですから、大事なのは、やはり公安委員会をしっかり機能させるという本来の、そのための警察刷新会議の提言でもあるわけですし、それを十分踏まえてやるべきではないか、そう思うんですけれども、いかがでしょうか。
○中川(正)議員 私たちは、それぞれの機能分担、監察ということと苦情処理ということと、その中で組織をはっきりさせてやっていこうと。私たちの方が、どちらかというとはっきりしているんじゃないかということを思います。それが第一点。 それからもう一つは、この話が始まったそもそもの原点というのは、先ほどの御指摘のように、公安委員会、ではどんなふうにしっかりさせていったらいいんだということだったと思うんですね。ところが、やはり閣法を見ていると、そこのところについては、それこそ精神論でしっかりやっていきますと言っているだけで、中身が見えてこない。しかも、先ほどから委員長のお答えにもずっと私はあらわれているように思うんですが、とにかく、警察でつくったことを公安委員会の長としてオウム返しに返事をしますよというふうなことが続いていくという状況が、そもそも今回の警察不信、国家公安委員会不信につながっていったわけですから、それについて、具体的に独立した形でそれなりの機能を発揮するためにはやはり独立した事務局が必要じゃないか、それに専門性を持たせて監察も直接やる必要があるじゃないか、苦情処理も窓口をつくる必要があるじゃないか、こういうはっきりした話なんですよ。そこのところをどうぞひとつ御理解いただきたいというふうに思います。
○若松委員 何か共通点もありそうな感じなので、要は、とにかく公安委員会の機能も高めたい、独立性も確保したい、市民の要望もちゃんと受け入れるような体質にもしたい。ですから、そういう意味では、国家公安委員会の事務局ですけれども、警察庁の方から人を応援するということですから、率直に言いますとやはり独立性という面でやや問題があるでしょう。しかし苦情は、書面はちゃんと受け付けます、システムはできました。そういうことで、公安委員会をさらにさまざまな面で、本当に事務局の体制という面では恐らく与野党ともに委員としての共通の認識だと思うんですよね。 ですから、そこら辺をうまく筆頭の理事で詰めていただいて、いい形でこの委員会のものをつくれればかなりいいんじゃないかな。それは別に法案の修正じゃなくて、附帯決議でも十分な話なわけであって、ぜひ、そういった話がありましたら、西田委員長、ひとつ前向きに、さらに継続的な御努力をお願いしたい。それがどうなるかというのは、ひとえに両筆頭理事の話し合いによるところだと思います。 だんだん話がわけがわからなくなってきましたけれども、いずれにしても共通点は多くあるというところで、余り複雑な点は強調されない方がいいんじゃないかと結論としては申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。
○中川(正)議員 確かに、思いは同じなんだろうと思うんですよ。公安委員会が本当の意味で生き返るということ。 ただ、一つ根本的に違うところは、苦情処理の問題で、やはり国民の目線というのは大事だろうと思うんですよ。どうも、閣法の方を見ていると、警察サイドからの目線で、文句があるのなら文書で出してこい、こういうことですから。こういう話じゃなくて、そこのところの原点の違いというのを、国民のサイドから見たときに私たちのような工夫が必要なんだろうということ、こんなことも加味しながら、話し合いができるのであればやっていきたいなと私も思いますね。
○若松委員 時間が終了しましたので、これで終わります。頑張ってください。
○増田委員長 次に、菅原喜重郎君。
○菅原委員 まず、閣法に関連して質問をしたいと思います。 警察刷新会議は、三月下旬以降十一回の会議を経まして、七月十三日、国家公安委員会へ警察刷新に関する緊急提言がなされ、これを受けて国家公安委員会及び警察庁が警察改革要綱として取りまとめをなされました。 そこで、警察刷新に関する緊急提言の中で、「組織内部の過度の身内意識は許されないにもかかわらず、馴れ合いによって、監察が十分な機能を果たしていないとみられる。」との指摘がなされております。これは「閉鎖性の危惧」ということで、三項にわたっての指摘の内容でございます。 そこで、今回のこの一部改正では、このような趣旨を受けて、どのような条文にこのことが改革されるように盛り込まれているのかをお伺いします。警察庁長官官房長にお願いいたします。長官の方でもよろしゅうございますが。
○石川政府参考人 お答え申し上げます。 閉鎖性の危惧といったようないろいろな御指摘がなされまして、警察行政について、本来公開すべき情報をきちっと公開すべきである、あるいは監察をきちっと機能させるべきである、あるいは公安委員会が警察行政の民主的な運営を保障し、政治的中立性を確保するために警察を管理する役割、これを国民の良識の代表として機能を十分に果たすべきである、こういったような御指摘がなされたわけであります。 こうしたものを国家公安委員会、警察庁といたしまして重く受けとめまして、特に、今回の政府案におきましては、公安委員会の管理機能の充実強化ということを重点といたしております。 それから、国民的な視点という意味で、苦情処理制度、これは先ほど来御議論ございますが、法律を担保するものとして、公安委員会に対して文書で苦情が申し出された場合には、それを誠実に処理して文書で回答をするというような基本的な枠組みをつくる、そしてその余のもの、例えば警察本部長あてあるいは警察署長あて、それが文書でなされれば文書で回答いたしますし、また口頭で迅速処理をしなきゃならないといったものについてもきちっと処理をする、そしてそれを公安委員会に集約するような形で報告をする、そういうような運用的な制度的なものをつくっていきたい、こういうような考え方でございます。 それから、民意の警察行政への反映という観点で、警察署協議会というものを新たな制度として各警察署ごとに設けたい、こういうようなことになっているわけでございます。
○菅原委員 私は、組織内部の過度の身内意識は許されないということ、なれ合いということ自体に、監察のとき、このことにも問題があると思っているわけなんですが、私の知り得た情報の中にこのような事実があります。 退職前に暴力団対策にかかわっていた警察官が、退職後に犯罪や暴力から市民を守ることを旗印として会社を起こし、実態としては暴力団と癒着して零細企業経営者を脅迫したり、脅迫現場に警察官が来ると、民事だ民事だと言って警察官を追いやるという事態が現実にあるのです。これは新宿区内でです。こういう事実を警察庁としてお聞きになったことや確認したことはありますか。
○石川政府参考人 突然の御質問でございますので、私の立場で、今ちょっと承知をいたしておりません。
○菅原委員 私が今これを申し上げたいことは、身内のなれ合いという定義は、現職のみを指すのか、それとも警察OBを含めて考えるべきなのかをお伺いしたいと思います。今申し上げましたように、こういう事態があるとすれば、警察庁としてはどのような措置を講ずべきなのか、お聞きしたいと思います。
○石川政府参考人 個別の事案について私は承知しておらないわけでございますが、警察の職歴を有する退職者のその後の行動にかかわる問題でございますから、まず本人として、警察官としての職歴を持ったということについて、警察官当時の誇りと使命感というものを胸に抱きつつ、きちっとした社会人として行動していくべきだろう、こういうふうに思います。 そして、もしそうしたことの中に違法なことがあるとするならば、それは警察のOBであろうとそうでなかろうと、法と証拠に基づいたきちっとした措置をとっていくのが当然の警察の立場である、こういうふうに思います。
○菅原委員 このことはまた後ほど質問していきたいと思いますが、あわせて、緊急提言で述べている「「民事不介入」についての誤った考え方」という指摘についてはどのような認識をお持ちか、お聞かせいただきたいと思います。 警察改革要綱の中では、「警察活動を支える人的基盤の強化」という項目の中で、「教育の充実」そこで「「民事不介入」についての誤った認識の払拭等」ということも入っているわけなのですが、この「「民事不介入」についての誤った考え方」という指摘についてどういう認識か、お答えをお願いいたします。
○石川政府参考人 お答えをいたします。 警察刷新会議でも御指摘を受けまして、私どもも、民事上の法律関係に起因するいろいろなトラブルがあるわけでございますけれども、警察は、仮にそれが民事関係に関係しているといたしましても、その責務の範囲内で適正に職務を執行すべきである、それが基本的な考え方でございます。 例えば、国民から告訴、告発といったような形で申し出がある、あるいはいろいろな先ほど来の困り事相談があるといったような場合に、これを放置すれば犯罪の発生に至るといったような要因があるのであれば、それはきちっとその時点から、予防という観点で、警察としてしっかり受けとめて措置をしなければならない。そして、そのようなことにつきまして今委員お尋ねの警察改革要綱にも私ども盛り込んでおりまして、今警察の職員の教育の問題について改善を行わなければならない、こういうふうに考えていろいろな措置を検討しているところでございますが、警察学校における教育の過程におきまして、民事関係の法律問題というものをやはりきちっと理解をするという基礎的な教育を行う必要がある。また、こうした相談があったときにどういう対応をするか、しっかり組織的な対応をするということについて、こまを設けて教育をやっていく必要がある、そういうようなことを考えているわけでございまして、事案に応じた適正な対応をすべきだということで、この点についてさらに対策を進めてまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。 〔委員長退席、栗原委員長代理着席〕
○菅原委員 いずれにしましても、民事不介入の原則を余り強く意識化させますと、犯罪につながる問題に対しても非常に消極的に対応がなされていくのではないかと思います。やはりそういう点では、一人一人の教育の問題、これが取り上げられたということは、これは非常によいことだと私は喜んでおりますので、こういう点をひとつ念頭に置いて、警察活動の十全を期していくようにお願いしたい、こう思います。 次に、衆法についてですが、今回、政府提出の警察法改正案と民主党提出の改正法案とが出されました。閣法がやはり不十分だという点でこれが提出されたと思っておりますが、それで、相違点について、どこを強調しているのか、そしてまた、閣法と違ってどこを強調してみんなに理解してもらいたいのか、その相違点についてお伺いしたいな、こう思います。
○中川(正)議員 お答えをいたします。 相違点についてはこれまでもたびたび質問が出ましたが、改めてまとめてみたいと思うのです。 特に具体的な点では、第一に、民主党案が、必要と認めるときは公安委員会による直接の監察を行うということですね。警察に対する個別具体的な指示は、明文規定を置くまでもなく、これは可能と解釈をしていくということであります。 これに対して政府案は、公安委員会は原則として個別具体的な指示はできないのだ、これが原則になっております。ところが、それに対して、監察についてのみ、必要なときに個別具体的な指示をして、指示の履行について点検ができるということ、ここは基本的な違いであります。 それから第二に、都道府県公安委員会に、事務局を有する苦情処理委員会を置くということですね。これは、市民の目線に立って、口頭を含む苦情申し出に相談に乗って、論点を整理して、警察に是正を求めるとともに、必要な勧告を行うことができるということで、そういう権限をこの特別な委員会に与えました。 これに対して政府案は、警察の窓口相談を充実するという行政措置を建前に、文書による苦情申し出に限って都道府県公安委員会が受理し、処理することとする、法文をそのまま素直に読んでいくとそういう形になるわけであります。 これは、市民の苦情処理という観点に重きを置いた私たちの認識ということをここに御理解をいただきたいというふうに思うのです。 それから第三点でありますが、これは訓示規定ではありますが、警察情報は積極的に開示すべきだ、原則開示、こういうことをしっかりと強調していきたい、そこのところが、改めて警察に対する住民の信頼をかち得ていく、そこのもとになるんだという認識に立っております。 以上です。
○菅原委員 次に、自治大臣にお伺いします。 本年三月十六日の自由党、自民党、公明党・改革クラブの三会派による警察行政の刷新に関する合意においては、国家公安委員会に事務局を設置する等役割の明確化を図る、都道府県公安委員会の事務局を整備する等その機能を充実強化するとの内容を盛り込んでいたわけでありますが、今回の政府案においては公安委員会に独自の事務局は設置しないとした、この理由をお伺いしたいと思います。
○西田国務大臣 公安委員会の独立事務局を設置すべきか否かについては、刷新会議におきましても議論をされたところであります。事務局と警察庁、警察本部の二重構造は、むだと効率の低下を生み出すおそれがある、屋上屋を重ねることになるから適当ではないとの結論に達したものでございます。 また、現在の公安委員会制度は、事務局が介在しないことにより、警察からの情報がスムーズに公安委員会に上がり、公安委員会の意見に対して警察が直ちに対応することができるなど、一面長所を有しておることも事実でございます。 逆に、公安委員会に独立の事務局を設置し、警察庁、警察本部が公安委員会の事務局事務を行わないこととした場合、公安委員会が警察庁、警察本部から遊離し、ひいては適正な管理を行うことができないこととなることが懸念されるわけでございます。 このような考え方から、警察庁では、警察刷新会議の緊急提言を踏まえまして、国家公安委員会の事務局的機能を果たす課並みの委員補佐官室の新設を要求しているほか、各委員に補佐官を置くことを検討しておるところでございます。都道府県警察本部においても、所要の体制の整備や公安委員会事務担当スタッフの増強等を図ることにより、真に効果的な、効率的な補佐体制が確立されるものと考えております。 なお、委員御指摘の警察行政の刷新に関する合意との関係でございますが、そこで言われているところは、公安委員会に独自の事務局を設置することも含め、公安委員会の役割の明確化や機能の充実強化のための方策について検討を行うという御趣旨と理解をいたしております。 重要な点は、公安委員会の機能をいかに強化するかということであり、先ほど申し上げましたように、真の補佐機能の強化を図ることにより、合意に盛り込まれた趣旨は十分実現できるのではないかと私は考えております。 〔栗原委員長代理退席、委員長着席〕
○菅原委員 いずれにしても、公安委員会の機能が十分に果たせるような対応を私たちは考えていかなければならないわけですので、こういう点についても十分に配慮してやっていただきたい、こう思うわけでございます。 次に、衆法についてなんですが、第五条三項の改正で「国家公安委員会は、第一項の任務を達成するため、重大な不祥事件が発生したときその他必要があると認めるときは、その所掌事務を遂行するために必要な監察を行う。」、第三十八条の改正で「都道府県公安委員会は、都道府県警察において重大な不祥事件が発生したときその他必要があると認めるときは、監察を行う。」としております。すなわち、通常の監察は警察が行うが、重大な不祥事が発生したときのみ公安委員会が監察を行うという区分になると思うわけです。 それで、この重大な不祥事の指す範囲はどの程度の不祥事を想定しているのか、お伺いします。
○中川(正)議員 お答えをします。 一つ、公安委員会は、警察が監察を行っていない場合であってもあるいはまた行っている場合であっても、重大な不祥事件が発生したとき、あるいは必要と認めるとき、そう判断したときには監察を直接行うことができるということであります。だから、通常の状態は、警察みずからが自分の内部監査でやっていく。今回のように、いろいろな不祥事の中でその監察機能が十分でないと認められたとき、恐らくは必要であると認められたときということになるのですが、そのときには公安委員会が直接監察をしていくということであります。 だから、想定しているのは、これまでの反省からいきますと、例えば、警察官による多くの職務関連犯罪の発生とその隠ぺいが行われた神奈川県警事件、あるいは特別監察に際しての遊興や関係者に対する処分のあり方などが批判された新潟県警事件、あるいは国民の切実な要望に誠実に対応しなかったために重大な結果を惹起した埼玉県の桶川事件等、こうした一連の問題に対しては、やはり公安委員会みずからが監察をしてこたえていくべきだろう、そういう想定になっております。
○菅原委員 それでは、同じ趣旨のことを警察庁の方にお伺いします。衆法では、定義されている重大な不祥事の指す範囲、これは明確にできるわけですか。
○石川政府参考人 衆法について今御説明、御答弁があったわけでございますが、私の方からは、専ら監察実務の方からお話を実態という形でさせていただきたいと思います。 実務面から見ますと、いわゆる不祥事案、私どもは不祥事とか不祥事案という言葉を使っておるわけでございますが、これをどの時点で不祥事とか不祥事案というものの規模なりその重大性というものを判断できるかということが一つ実務上あろうかと思います。 いろいろな監察が開始される端緒となる情報があるわけでございますが、まず最初に、非常に軽微な、ある意味で軽微なといったような形で非違がある、こういうようなことでありましても、監察が調査をいたしますと、それは実は大きな事案の一つの片りんが出ていただけであった、調査の結果、非常に重大な問題であったということがわかる場合もございますし、また、最初の端緒の段階で非常に重大だ、これは大変だというようなことで調査を開始いたしましたら、実はそれは非常に軽微であった、あるいは全くその事実がないというようなこともあるわけでございまして、そうした調査とかあるいは捜査の結果を待って初めて不祥事案であるのかどうか、あるいはそれが非常に重大なものであるのかといったようなことがわかるということがございます。そういうようなことで、重大な不祥事件であるかどうかということについて、監察の実務サイドから申しますと、どの時点でそういう判断になるのかなというような点があろうかと思います。
○菅原委員 法治国家でございますから、こういう範囲も明確にされていくように対応をお願い申し上げまして、時間が来ましたので、質問を終わります。
○増田委員長 次に、春名直章君。
○春名委員 まず、閣法について質疑をしていきたいと思います。 神奈川県警の事件では、警察官の覚せい剤の使用の事実を県警本部長と監察官室長を含めた県警ぐるみで隠ぺいしたことが国民を驚かせて、監察官室が不祥事もみ消し機関になっていたという重大な事実が発覚した。新潟県警の事件は、この神奈川県警の教訓を受けて全国的に実施していた特別監察の最中に、九年二カ月ぶりに女性が発見されたそのときに、監察される側の本部長と監察を行う側の管区警察局長がかけマージャンと雪見酒に興じていた。そして、その監察自身も実は空監察であった。国民を本当に驚かせて、怒りを爆発させることになりました。今日の警察法改正の端緒といいますか、最大の動機になったものであります。 そこで、この二つの問題ではっきり言えることは、内部の監察がなれ合いで、全く機能していないこと、ここにこの間の動かしがたい事実がある。国民共通の認識だ。これを改革することが警察改革のかなめで、外部監察制度の導入は絶対にあいまいにできないと思います。 国家公安委員長に伺いますが、なぜ今度の改正案の中で外部監察の導入を拒否されているのか、お伺いしたいと思います。
○西田国務大臣 警察に係る監察がいかにあるべきかということを考えますときに、まず監察業務の公平性、客観性を保持することは当然でございます。 まず一つは、監察の組織や業務に精通した者が当たらなければ実効ある監察はできないのではないか、私はこう考えております。それから次に、不祥事の調査は捜査活動と密接に関連する場合が多く、警察以外の組織が行うのは不適当である、こう考えます。適正な処分を行うためには、監察と人事の密接な連携が不可欠であることなどの点から、警察の組織以外の組織に独立した監察組織を設けることは適当ではなく、警察組織の活性化を図る観点からも、公安委員会を初め警察組織に自浄能力をさらに高めていく、国民の信頼確保に努めていくことがまず第一番でありまして、申し上げました自浄能力、これをさらに高めていくことが現在の警察、公安委員会、これに最も必要なことだと考えております。
○春名委員 自浄能力を高めていくことには賛成です。私は、それを否定するものではありません。 第一に、業務に精通した人でないと実効ある監察ができないということについて議論したいと思います。 業務に精通した内部の方が監察することを否定しませんし、今申しましたように、一層自浄能力を発揮してもらいたいと思います。同時に、その内部監察が本当にきちんとやられているのか。実効が上がるようにするためにこそ、外部の者が、必要な場合、直接監察を実施する、その監視の目が必要であります。これが相補い合って実効ある監察が進むんじゃないでしょうか。この見地で私は取り組んでいただきたい。いかがですか。
○田中政府参考人 警察におきますところの監察のあり方につきまして、ただいま基本的な考え方につきまして大臣から御答弁申し上げました。外部監察に対しますところの考え方につきましては、大臣から御答弁申し上げましたし、私も当委員会で御答弁申し上げたとおりでございます。 委員の御指摘のように、外部監察という考え方でございますけれども、私どもといたしましては、まずこの内部監察というものの充実強化を図る、そして公安委員会の機能強化を図るということが、警察組織全体の活性化という点から考えてもこれが最も大切であるというふうに考えたわけでございます。
○春名委員 だから、まず内部の強化を図るというのは反対していないわけなんですね。同時に、その監察を本当に効果的に、国民の目線でしっかりと効果が上がるものにするためにこそ、外部の監察と一体に進めるということこそ必要なんじゃないかというあなた方の論理からいっても、申し上げているわけであって、それを否定する一つの理由が、外部の人にはわからないという論理を振りかざしているわけです。これはおかしいです、はっきり言って。そんなことを言い出せば、刷新会議の提言そのものだって意味がなくなりますよ。 なぜかといえば、刷新会議は警察外部の人で構成しているんですよ。そうでしょう。外部の人だからこそ客観的な指摘ができ、一定の改善の提案ができたんでしょう。しかも、提言の中には、私たちも警察活動の詳細について詳しい知識を持つ立場ではないと書いているんですよ。最初に、「はじめに」の部分で。しかし、市民の目線で、現場の第一線で警察活動に従事する警察官の苦労や心情にも配慮しながら、警察の抱える問題点を十分討議してきた、そして提言が出ているわけじゃないですか。こういうものそのものを否定するような論理につながるんですよ。第一のその理由、外部の人はわからないという論理は撤回してもらう以外にない、これを思いますね。 それで、私は、国家公安委員長に、自治大臣ですから、改めてお聞きしておきますけれども、自治体では外部監査制度を導入したんですね。なぜこの制度が導入されることになったのか、その経緯について御存じかどうか、自治大臣でもありますので、ぜひお聞きしておきたいと思うんです。
○西田国務大臣 ちょっと公安委員会と自治省とダブりましたので、自治省を先にお答えいたしましょう。 地方分権の推進のためには、地方公共団体におきまして、住民の信頼にこたえられるよう、地方公共団体みずからのチェック機能を強化することが必要だと考えております。また、地方公共団体の予算執行をめぐる住民の関心が高まる中、公費の執行に関するチェック機能を住民の信頼によりこたえられるものとしていく必要があったところであります。外部監査制度は、こうした点を踏まえ導入されたものと考えております。
○春名委員 まさにそのとおりで、九七年の通常国会でこれが自治法改正で通ったんですね。議論したんですよ。そのときに、なぜそういうことになったか。当時は、自治体OBなどで自治体監査制度を運用していたんですよ。ところが、そのもとでも官官接待や空出張や裏金づくりなどの不正が次々出る。そして、明るみに出ている腐敗事件は、監査委員のイニシアチブじゃなくて、市民オンブズマンとか情報公開要求、住民監査請求によってほとんど明らかになってきたんですね。これでいいだろうかという議論になった。 それから、東京都や北海道や埼玉などでは、監査委員事務局までが空出張などの不正行為を行っていたんですよ。こういう問題が起こった。監査に大きな役割を果たす事務局職員自身が身内であって、監査対象であることから、手心が加わる、甘くなるという事態が出てきたんですね。そこで、自治体監査に外部監査が必要だと皆さん判断されて、そういう提案をしたわけです。しかも、現行の監査委員制度も、自治体OB職員は一人を上限とするという制限を設けるというふうにしたんですね。 ですから、こういう教訓を生かしたらどうでしょうか。もっと一層怒りが広がっている問題なんですからね。内部の人じゃないとわからないというようなへ理屈は、私は通用しない。第一点、指摘しておきます。 二番目に理由を言われたのは、捜査に密接に関連している場合が多くて、外部に知られるとその情報が漏れて非常にまずいということが出てくるかもしれない。しかし、その心配を言うのであれば、外部監察に当たる人物に国家公務員と同様に守秘義務を課すればいいんです。それだけのことじゃないですか。第二の理由、どうしてこんなことが理由になるんですか。御答弁ください。
○西田国務大臣 私がお答えをいたしました第二番目の問題でございますけれども、これはちょっと御質問のポイントから外れますけれども、御指摘の外部監査制度は、都道府県におきましては、知事部局のみならず都道府県警察にも適用されることはあなたが御存じのとおりでございます。都道府県警察は監査委員により監査をするということができておるわけであります。 そこで、今御質問になりましたことでございますが、警察の業務というのは、もちろん情報公開も必要、それからいろいろなことをやっていかなきゃいけませんけれども、しかし一方においては、特に治安を守っていく、犯罪を摘発していく、非常にデリケートな仕事をやっていくわけでございます。そういう面からいたしますと、私は、それらをすべて外部監察を導入してやっていくということは、警察監察の問題についてはすべてはなじまない、こう判断をいたしております。
○春名委員 ですから、今そこの論理を議論しているわけなんですね、犯罪捜査にかかわることですから。捜査の手法とかそういう問題が外に出れば問題が大きくなる、当たり前のことなんですね。 ですから、犯罪捜査について監察するんじゃないですよ、不祥事について監察するんですよ。そして、その監察をした外部の方が守秘義務をきちっと守るという義務を課する、当たり前のことなんですよ、そんなことは。そういう対応をきちっとやれば、不祥事を解決しながら捜査情報を外に漏らさないという対応はできるんですよ。それを、あえてよくわからない理屈で拒否をされるから、私は非常に不信になるわけなんです。そこのところをどう考えているんですか。
○田中政府参考人 先ほど来、外部監察に対しますところの警察の考え方につきまして、基本的な考え方を大臣から御答弁がございました。警察業務に精通した者でなければならないこと、あるいは、捜査というものを考えました場合に、やはり外部の方が個々具体的な非違・非行事案に対して対応するということは適当ではないというようなことを申し上げたわけでございます。 それで、警察の業務をいろいろ考えました場合に、確かに刷新会議等外部の方の御意見を承ることが多いわけでございますけれども、私どもが非違・非行事案と申しておりますのは、具体的な職員の個々の行動でございます。それはやはり、警察の具体的な職務というものについてよく御存じの方にやっていただく。そしてまた、現在非違事案の対象となっている行為につきましては、捜査に関連することも多うございます。そしてまた、その結果、その行為を犯罪として立件しなければいけないというようなこともございます。 そういうことをあわせ考えますと、やはり外部の方にお願いをする、外部で、しかも警察だけを対象とする、警察の非違行為だけを対象とする独立の監察機関を設けるということは、私どもは適当ではないというふうに考えているわけでございます。
○春名委員 警察官の行動と犯罪捜査は密接に結びついているというのは、当然そうでしょう。警察というのはそのために仕事をしているんですから。ですから私は言っているんですよ。不祥事案と犯罪捜査というのは別なのであって、その不祥事案を本当に根絶して犯罪捜査に邁進できるようにするためにこそ、外部監察を導入して、守秘義務をきちっと課して、そこを区別して実行すれば、そういう捜査の能力も上がっていくということになるじゃないですか。だから私は言っているわけなんです。これは不祥事案について監察するんですから、捜査について監察するんじゃないんですから。そんなことはわかっていますよ。 それで、なぜそんなことを私が言うかというと、内部監察がもう限界だということが結論が出ちゃったんですよ。だから今回議論しているんでしょう。 二つの事案は言いました、冒頭に。具体的に聞きましょう。 二月の二十日、警察庁の特別チームが新潟に行って調査を行ってきました。ところが、その調査では、一月二十八日、例の女性が見つかったときの当日の本部長の動き、管区局長の動き、全く明らかになりませんでした。 長官に聞きます。なぜこのとき、検証チームは二人の重大な行動について事実を突きとめることができなかったのか、明確にしてください。
○田中政府参考人 今委員御指摘の新潟の事案でございますけれども、これは、先日の委員会でも御案内がございました新潟県の三条市内の女性の監禁事案に係る場合の問題でございます。 これは、時系列的に申し上げますと、一月の二十八日に発見されたわけでございますが、その後の対応につきまして、記者会見におきますところのいろいろな問題があった、あるいは捜査の問題があったということで、お尋ねの調査チームにつきましては、発見、活動状況、あるいは捜査状況、報道対応等につきまして、事実を確認することを任務として派遣いたしました。 そして、それはまだ捜査の期間中でございましたので、急遽、二月二十日、日曜日でございましたけれども、一日限りでございましたけれども、関係者、部長あるいは資料を調査して、ともかく当面問題になっていることにつきましての、具体的な項目として挙げますと、被害者発見時の捜査第一課長記者会見の経緯、これが虚偽の記者会見だと言われました。このこと。それから、保健所職員からの出動要請への対応、これが十分ではなかった。それから、被疑者の母親からの相談に対する柏崎警察署の対応。それから、前歴者である被疑者が捜査対象として浮上していなかったのはなぜか。そして、巡回連絡によりまして被害者が発見されなかった、被疑者宅におったわけでございますけれども発見されなかった。そういうような問題につきまして、現地で直接に事実認定に行ったわけでございます。 そして、この二月二十日の時点の調査といいますのは、この時点で問題になりました事項につきまして、具体的に国家公安委員会からも調査結果を求められておりましたので、とりあえず行ってまいりました。そして、その後、まず捜査中でもございましたので、引き続きその問題については調査するということで、とりあえずのまとめといたしまして、二月二十四日に国家公安委員会にその段階での状況を報告したということでございます。 御指摘のように、本部長と関東管区警察局長が、その発見の日に、監察ということも十分全うしない、そしてまた、言われておりますようにマージャンをしていたというような、きわめて不謹慎で国民の厳しい批判を招くような事態がございました。そういうことを発見に至らなかったということはまことに残念ではありますけれども、その当初の調査チームの目的というものが、とりあえず、その段階におきますところの被害者発見時の状況ということを確認する、そして問題点があれば引き続き調査するということで参ったわけでございまして、それは、その時点での調査チームの報告としては大変不十分ではありましたけれども、私どもは、それをもってその事実を隠そうとか、そういうことでは決してないわけでございまして、その辺は十分御理解賜りたいと存じます。
○春名委員 調査の項目が、本部長の動きは、まさか本部長がという思いがあったでしょうから、項目の中に入っていなかったという面があるのでしょう。ただ、神奈川県警の教訓というのは、県警本部長が中心になっていたのですね。そういう問題だったということから出発して新潟の問題が起こっているわけでしょう。それから、やはり下から上を監察することはできないですよ。警察組織の中で、上の身分の人を。そういう問題があって、見落とすということにもなったんじゃないですか。 そして、二月の二十四日、四日後に中田局長から、実はという相談が長官にあって、これは言語道断だと言ってその場でやめなさいという指摘をされる、二十五日に国家公安委員会で持ち回りの議論をする、そして二十八日にそれを追認する、そういう流れになったわけですね。そういう一連の流れの中での大きな国民的な驚きが上がったわけですね。 内部の監察を私が言っているのは、内部の監察は否定しないんですよ。充実すべきだし、今回の提案にあるような積極的な提案、積極的といってしまえばあれかもしれないけれども、それなりの提案がある。と同時に、本当に今大事なことは、国民の目線、市民の目線で、本当にこれがいいのかどうかしっかりと見ていくというところに、足を踏み出すところに本当に改革があるんですよ。私は、そのことの教訓をなぜ学ばないのかというのがどうしても理解できません。 最後の理由を言います。厳正な措置を下すためにも、人事と密接な関連を持っているから外部ではそのことはなかなかわかりにくいだろうという話が三番目の理由として出ました。しかし、これは監察をきっちり行った後の話なんですね、人事をどうするかという話は。その不祥事の事実を明確にえぐり出すことと、その後の人事という内部の調整をごっちゃにしてはなりません。外部監察をしっかり行うことの支障には何らなりません。 改めて、どうしてこんな理由にもならない理由を三つ並べて、外部監察にするということにかたくなな拒否をするのか、どうして不都合が起こるのか、もう一度きちっと説明をしていただきたいと思います。
○田中政府参考人 今委員から、私どもが外部監察につきましてどのように考えているかということにつきまして、三点に絞ってお話がございました。特に、今人事のお話がございました。 私どもは、警察というのはまさにマンパワーの組織でございまして、人事というのは極めて重要な要素を占めております。したがいまして、監察というものと人事というものは一体となって判断しなければいけないものでございまして、監察は監察、人事は人事ということで切り離して考えることができるという性格のものではないというふうに考えております。 そういうことで、やはり監察と人事は一体ということを考えましても、この外部監察ということにつきましては、いろいろ御意見があろうかと思いますけれども、私どもとしてはとらなかった理由でございます。 ただ、今回の、私どもが閣法として今御審議を賜っておりますこの監察に対する考え方につきましては、これは御案内のように、公安委員会というものが第三者的に点検機能を強化するということを盛り込んでおります。そういうことにつきましては、そういう今委員の御意見というのも一部にあることは我々は十分承知をしております。そういうことを踏まえて、今回の提出させていただきました案となっているものでございます。
○春名委員 二点申し上げます。 今長官が言われたのは、人事上大事な問題であれば不祥事を甘く見るというふうに聞こえますね。そんな問題じゃないですよ。人事と監察が一体のものだと。しかし、監察というのは非行、不祥事、これをきちっと解決するというためにやることなんであって、それは人事とそんなに意図的に結びつけちゃだめなんですよ。そこに内情がいろいろ入るわけでしょう。 第二番目に、今の改正法案で第三者的な機能を強化しているとおっしゃいました。そうであるからこそ、監察には第三者的機能が必要だというふうに認識されているからこそ、本当にそれを徹底するのであれば、外部監察も導入してきちっとやればいいじゃないですか。論理が、外部監察だけは絶対に拒否するという理由をいろいろな形で持ってきてやっているようにしか思えないわけなんですね。あなた方の考え方からいっても、第三者的な機能を本当に重視するということであれば、監察はそういう性格が必要なんだということであれば、外部監察を持ってくるというのは理の必然ではないでしょうか。私はそのことを強く申し上げたいと思います。 そこで、民主党の案にも少し質問させてもらいますが、どちらでも結構ですけれども、今国民的な関心は、警察改革の中でこういう外部の光、市民の光、国民の光を入れるということが本当に大事で、それを内部の監察と競合しない形でやることが、私は今国民が期待している改革だと思うのですね。その点について、民主党の案についてはどういう御認識と対応になっているのか、どうぞお答えください。
○桑原議員 お答えをいたします。 今議論がございましたように、警察による警察に対する内部監察、これが時として身内のかばい合いになってしまう、そういうことが積もり積もって大変な不祥事が打ち続いた、こういうふうに私どもは認識しております。ですから、その内部監察の限界をどう克服していくのかということが今回の改革で問われた一番大きな問題の一つだろう、こういう認識でございます。 新しいタイプの事件もいろいろ起きておりますけれども、警察の常識が国民の常識とずれるということは、これは往々にしてございます。また、こうした場合に、それをとらえて再度監察を指示しても、内部である限り有効な監察が行われる保証というのはなかなかないというふうに私は思っております。 そういう意味では、警察が常に国民に信頼される存在になるためには、どうしても外部の目、国民の目、そういうものが監察には必要になってくるということで、むしろ、内部のいろいろなものに通じているとか、あるいは人事に絡むとか捜査に絡むとかという視点ではなしに、国民的な目で警察のあり方というものを見ていくという、そこに私は公安委員会の本来の役割というものがあるというふうに思います。 そういう意味では、公安委員会の機能を強化していくという意味で、この中に公安委員会が直接監察ができる仕組みを取り組んでいくというのが、今回の私どもの法案の考え方でございます。もちろん、何でもかんでもできるということではございませんで、重大な不祥事でありますとか、どうしても必要だという必要性、そんなものを踏まえた上でこれを行っていくということでございます。 確かに、今回の政府案の改正の中では、直接公安委員会が警察の内部監察に指示できるという仕組みになりましたけれども、しかし、本来的な公安委員会の事務局というものが、あるいは監察の事務局も含めて、ある意味では従来の警察の補佐というものを強化するということにすぎないわけでございまして、そういう意味では、本来的な独立した公安委員会の機能を果たしていくということにはならない、こういうふうに思っております。 極めて不十分な内容で、求められている改革からはほど遠いのではないかというふうに我々は考えているところであります。 以上です。
○春名委員 時間が参りました。国家公安委員会のもとに警察外部の職員から成る監察機構をつくって監察を実行する、警察職員以外の法曹資格などを有した監察官を配置して、警察監察委員会といいましょうか、そういうものを置いてしっかりと見ていくことが必要だというふうに私たちも思っていますし、そういう提案をしています。そのことを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
○増田委員長 次に、重野安正君。
○重野委員 社民党の重野です。一昨日も質問させていただきました。引き続きよろしくお願いをいたします。 前回指摘したことでありますが、刷新会議は、警察事務の執行が法令に違反し、あるいは国家公安委員会の定める大綱方針に則していない疑いが生じた場合には、その是正または再発防止のため、具体的事態に応じ、個別的または具体的にとるべき措置を指示することも、いわゆる管理の本来の意味として否定されない、このように言っております。 これから私なりに理解するんでありますが、国家公安委員会は、大綱方針という管理の基本を示すだけでなく、個別的または具体的問題についても指示することができる、しかもこの考え方は新しい見解ではなく、従前の考えを改めて示したにすぎないのではないか、そういう受けとめをするのでありますが、それについてどのようにお考えか伺います。
○石川政府参考人 前回も御答弁申し上げましたけれども、警察法における国家公安委員会の管理でございますが、警察法五条二項に掲げる事務に係る大綱方針を定めて、警察行政の運営がその大綱方針に則して行われるように警察庁を監督することを意味するというふうに解されているところでございます。 この理由についても先般御答弁申し上げました。警察行政の民主的な保障と政治的中立性の確保という公安委員会の設置目的に照らして、捜査活動あるいは警備実施等の警察運営に関する専門的、技術的知識が必要とされる事務について、具体的または個別的な指示を行うことは適当ではないのだという考え方に基づいていた、こういうふうに考えております。 今お尋ねの監察の問題でございますが、この監察は、警察法五条二項の規定ぶりで見ますと、五条二項に掲げる事務のすべてについて行うというふうにされているわけでございます。そういたしますと、専門的、技術的知識を要する事務に関しても行われるわけでありまして、その事務に関する監察についての管理ということに関しましては、具体的あるいは個別的な指示を行うことができるのかできないのか、できないのではないかというような疑義もあったというふうなことでございます。 そこで、今回の法改正によりまして、監察に関する指示につきましては、具体的または個別的な事項にわたることができるというこの十二条の二を設けることによりまして、こうした点についての立法的な解決を図って、公安委員会の監察点検機能の強化を図ろうというのが今回の政府案における十二条の二の改正の意義でございます。
○重野委員 一昨日もそういうふうな話を聞いたわけです。 それではお聞きしますが、改正法十二条の二に盛られた規定はどういう意義があるのですか。ただいまの答弁では、従前からそう解されているというなら、この規定は従前の解釈を条文化しただけではないのかというふうに私なりに理解をいたします。本改正案の行き着く問題の根源はいわゆる管理概念にあるわけで、これが従来解釈と同じであれば、十二条の二の改正規定の積極的意味は、改めて加えられたものではないのではないか。この規定をもって本改正案の改正たるゆえんであるかのように言うこと、それこそごまかしではないのか。本来からここに書かれてあることは生きていたわけですね。私はそのように考えますが、それについての見解を伺います。
○石川政府参考人 五条二項の管理、それから新しい今回の政府案の十二条の二については、先ほど御答弁申し上げましたとおりでございますけれども、この規定を設けることによりまして、ではどうなるかということであります。 都道府県警察において例えば不祥事が発生した場合、警察庁がその判断によって所要の監察を行うということになるわけでございますが、そのとき警察庁はまだ監察を実施していない、しかし国家公安委員会として警察庁がすぐ監察をすべきであるというように考える場合に、そうした指示がなされるということが一つ想定をされます。 また、警察庁が実施する監察につきまして、国家公安委員会が不十分であるというふうに考える場合には、この改正後の十二条の二の規定に基づきまして、ある事案について新たに監察を実施するべきことといったような個別的な指示でありますとか、監察の実施時期あるいは実施方法につきましての具体的な指示を行うことになる、こういうことでございます。 それで、この規定を設けました趣旨は、先ほど来御答弁しておるところでございまして、一連の不祥事案におきまして警察による監察機能が十分に機能しなかったという反省に立ちまして、警察活動を第三者的立場から監督する機関である国家公安委員会により、より客観的な立場から、みずからの発意によって個別的または具体的な事項にわたる監察についての指示を発する仕組みをつくることによりまして警察の自浄作用を確保しよう、こういうものでございます。 そこで、今までもできたのではないか、それを法文に明示しただけではないのか、そういったような観点からの御質問だろうというふうに存じますけれども、先ほど申しましたように、監察について、どこまで入れるのかということについて疑義がなかったわけではないわけであります。これを立法的な解決としてきちっと位置づける、監察につきましては個別的、具体的指示がこの法規によりましてしっかりできるようになる、こういうことを目的としてこの規定を置く、こういうことでございます。
○重野委員 従前の管理概念に含まれているとるべき措置を、国家公安員会はこれまで行使し得たのかどうか。十分その行使がなされていれば、今日のように国民から厳しい批判を浴びるような事象というものは起こらなかったのではないか、このように思うのですが、いかがですか。
○石川政府参考人 これにつきましては、先ほど来五条二項の解釈について御答弁申し上げておるわけでございますが、今回の改正案は、従来解釈が明確でなかった点について立法的な解決を図ろうというものでありまして、こういう事情を考えますと、具体の問題として、今まで監察について個別的、具体的な指示があった例というものは、先ほど御説明しましたような趣旨で、新たにこれについて個別具体的に監察をしろといったような国家公安委員会からの御指示がなかったという実態があるわけでございますけれども、その解釈上の問題といったような事情も考えますと、公安委員会が現行警察法のもとにおいてこうした対応をとってきたということをもって、公安委員会として問題があったというようなことでは必ずしもないのではないかというふうに考えております。
○重野委員 それでは、ちょっと視点を変えますが、警察法九条の規定以外の理由で公安委員は本人の意に反して罷免あるいは辞職を求められることはない、このようになっています。しかも、非常勤ではありますが、一般的な常識から見ればかなり高い報酬を保障されている、こういう部分もあります。それだけ重視されている公安委員で構成される国家公安委員会が、管理概念に含まれる当然の措置を怠ったにもかかわらず、警察刷新会議の設置を求めるということは、一体どういうことなのか。 本来なら、その不十分さを恥じてみずから辞任する、そして、新たな委員をもって国家公安委員会がみずから警察改革の方策を示すことが当然ではないか、そこに国民の不信を解く最低限の条件があったのではないか、このように思いますが、どのようにお考えですか。
○西田国務大臣 警察刷新会議は、一連の不祥事を契機として、公安委員会制度を含め、現行の警察制度全般にわたる問題が提起されているところであります。国家公安委員会の求めに応じ発足したものでありますが、緊急提言につきましては、国家公安委員会としてこれを、繰り返しますけれども、重く受けとめております。 一方で、国家公安委員会といたしましても、昨年来、警察職員の職務倫理及び服務に関する規則の制定、それから警察教養規則の改正、監察に関する規則の制定など、不祥事が再発防止できるように種々の方策にみずから取り組み、その役割を果たしているとともに、国家公安委員会における審議の充実にも努めてきたところであります。 七月から八月には、六回にわたる国家公安委員会での熱心な議論を経て、当面取り組むべき改革施策を警察改革要綱として取りまとめるに至りました。そのうち、骨格となすものを警察法改正案に盛り込むとともに、必要な予算措置や運用面の改善に努めているところであります。 警察の不祥事が相次ぎ、国民の信頼を著しく失墜させたことはまことに遺憾でございます。警察改革を一歩一歩着実に進め、その実を上げ、国民の信頼を早急に回復することが私どもに課せられた責務と考えております。今後とも、警察改革要綱の実現を初めとする警察改革に全力を挙げて取り組んでまいる考えでございます。
○重野委員 一義的にはやはり国家公安委員会が、刷新会議の結論を得るまでもなく、国家公安委員会がみずから率先してそのことを出さねばならなかった、その点については、公安委員長としても確認できますか。
○西田国務大臣 私も、過去におけるいろいろな不祥事案等の問題については大変責任を感じておるわけでございます。国家公安委員会を中心として、警察の改革を一層これから一生懸命汗をかいてしていかなければいけない、こういうことを考えております。 それと同時に、二十三万という全国の警察官が本当に使命感を持って規律正しくやってくれること、さらに、いろいろ御意見が出ておりますように、国民の皆様方と本当に信頼のされる警察をつくっていくことが国家公安委員会の役目である、こう考えております。
○重野委員 その点はしっかり肝に銘じていただきたいと思います。 視点を変えまして、次に、政策評価について質問いたします。 国家公安委員会の所掌事務として、新たに五条の二項三号として国の政策の評価が加えられました。その事務は、二十一条で警察庁長官官房が行うということになっております。政策評価に関する総務庁のガイドラインでは、一、アカウンタビリティー、二、効率的で質の高い行政、三、国民的視点に立つ成果重視を目的に、具体的評価方式としては、事業評価、実績評価、総合評価を挙げています。国民の生命財産の安全保障を最大の任務とする警察行政において、評価の観点、評価方式や実施の考え方について見解を伺います。
○石川政府参考人 御答弁申し上げます。 警察の政策評価についてでございますが、これは、国民に対する説明責任を徹底していく、国民本位の効率的で質の高い行政を実現する、また国民的視点に立った成果重視の行政への転換ということを目的といたしておるわけでございまして、その政策の必要性、効率性、有効性といったような観点から実施をすることになるわけでございます。 目標や手法につきましては、評価対象となります政策の性質等に応じまして個別具体的に判断されるべきものであろうというふうに考えるわけでございますが、また私どもの仕事の観点で申しますと、犯罪の捜査あるいは鎮圧のための施策といったように、いまだその評価手法が必ずしも確立していない分野があるわけでございまして、こうした施策と効果の因果関係というものをどう把握するか、そうしたものについてもこれから明確化していかなければならない、そういう分野がございます。こうしたものにつきましては、今後、目標の設定方法や手法の研究開発というものも必要なんじゃないか、こういうふうに考えています。 警察庁といたしましては、今委員から御指摘のございました政策評価に関する標準的ガイドラインの案におきます評価の方式等を踏まえながら、適切に政策評価を実施してまいりたい。目的とするところは、国民本位の効率的で質が高い警察行政の実現ということで取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○重野委員 それでは次に、個別省庁の評価を再評価する総務省は、設置法で「統一的若しくは総合的な評価を行い、又は」云々というのがあります。それで、「各行政機関の業務の実施状況の評価及び監視を行う」と規定されておりますが、そうすると、国家公安委員会の評価報告に対して、ただいま指摘をした規定に内容がそぐわない、そういう場合、国家公安委員会に対し再評価を求めることができると思うし、また業務監視もできるというふうに私は考えますが、どういうふうにお考えですか。
○塚本政府参考人 お答え申し上げます。 ただいま委員御指摘の、国家公安委員会におきます政策評価に関しましての総務省のかかわり方ということでございますけれども、これにつきましては、総務省設置法では、御指摘の条文、すなわち「統一的若しくは総合的な評価を行い」それから「政策評価の客観的かつ厳格な実施を担保する」、この後者の方の条文に基づきまして関与を行うことになる、こう考えております。したがいまして、評価監視という部分につきましては、これは分かれているということでございます。政策評価の土俵と申しますか、こちらの条文によりまして先生御指摘の活動は保障されているということでございます。 具体的にはどのようなことになるかということでございますけれども、一般に言いますと、各部署の行われました評価につきまして、対象範囲でありますとか手法でございますとかあるいは評価結果が出ますので、これを十分お聞きいたしまして、その「客観的かつ厳格な実施」という物差しが総務省の設置法に示されておりますので、その観点から、疑問等がある場合におきましてはまず各部署にその旨の御指摘を申し上げるということでございます。 その上で改めて評価を行っていただいてはどうかということでございますけれども、その上さらに必要があれば、総務省の方から総務省としての立場の評価を行っていく、こういう形になると考えております。
○重野委員 それでは警察庁に聞きますが、警察行政の場合、評価方式におきまして、先ほど指摘をしました三つの類型の中で、特に、実績評価を安易に導入することは極力避ける必要があるのではないかと私は思っています。 といいますのも、単純に犯罪検挙数の多寡を指標とした場合、行政のあるべき質の確保が点数競争に取ってかわるおそれがなきにしもあらず。大切なことは、国民の生命財産の安全保持という警察に課せられた最も基本的な課題について、いかなる観点、方式でするか、そのことが重要ではないかと私は思いますが、見解をお聞かせください。
○石川政府参考人 先ほども御答弁申し上げましたが、警察の政策につきましては、犯罪の捜査あるいは鎮圧のための施策といったように、定量的な評価に必ずしもなじまないものもございます。あるいは、施策と効果の間の因果関係をきちっと確定するのはなかなか困難なものもあるわけでございます。こういうときに、どういう指標を求めて、それで評価をしていくか、こういうことについての御懸念の部分があるということだろうと思います。 現在、それにつきましては検討を行っているわけでございますが、この政策評価を導入するに当たりまして、委員御指摘のその御懸念につきましても十分に考慮をして、いわゆるあしき点数主義とか検挙件数等がノルマになるといったようなことはもちろん避けなければならない、また現実もそのような運用は行っておらないと思いますけれども、そういう国民本位の効率的で質が高い警察行政の実現という観点から、専らこの問題について評価を実現してまいりたい、このように考えております。
○重野委員 次に、定員の問題についてお伺いしますが、概算要求で、地方警察官二千七百七十五人の増員要求をしていると聞いております。問題は、十年前と比較しますと、人員配置で、十年前は地域部門が三九%あったのが三%減っておる、その他の部門ではほとんど変化はない。 私が言いたいのは、地域を重視するという考え方がやはり大事ではないかということが一つ。それから、政令定員が各自治体警察条例定員に対して四千四百五人少ない。これは、今の地方自治体の財政状況厳しき折、大変問題があると思うのですね。まず、警察官の増員ということを言う以上、この乖離をどうするか、このことが先に考えなきゃならぬ問題だ、このように思いますが、どうですか。
○石川政府参考人 ただいま御指摘のように、大変厳しい行財政状況、特に地方財政状況等の中で、今回、平成十三年度の概算要求において増員の要求を行っておるわけでございますが、最近の警察事象を見ますと、これが質、量ともに非常に悪化をしている。いろいろな指標を見ましても、犯罪の認知件数、一一〇番の受理件数、交通事故の発生件数、そういったものが非常に懸念を要するような状況になっているわけでございます。 それに加えて、ハイテク犯罪とか国際組織犯罪といったような、新たにこれから相当の勢力を投入して対応していかなきゃならないような事態というものも治安情勢としてございます。また、ことしの十一月からストーカー行為の取り締まりというものにきちっと取り組んでいくための法整備がなされたわけでございますし、また、今お話しのように、パトロールの強化についての国民の皆様の御要望も多い。こういうような中で、警察は何と申しましてもマンパワーで仕事をする要素の多い組織でございますので、第一線が非常に多忙をきわめているといったような状態もあるわけでございます。 そういう中で、私どもといたしましては、今お話しのように、交番機能の強化やストーカー対策といったような国民の身近な要望等にこたえるための体制を確立させていただきたい、あるいは、少年事件の問題とか被害者対策といったような複雑あるいは多様化するような問題にも十分に対応するような体制を組ませていただきたいということを考えているわけでございます。 ただ、前提といたしまして、これは刷新会議の緊急提言でも御指摘でございますけれども、きちっとした人員の配置、運用というものを今の時点で見直しを行って、そして合理化をできるだけ部内で行って、その上でなお足りない、整備を要する人員というものを何とかお願いしたいということで今考えているところでございます。
○重野委員 時間が来ましたので、これで終わらせていただきますが、とにかく、これが終わりではない、出発である、こういうことで、さらに改革を進めていただきたいことを要望して、終わります。ありがとうございました。
○増田委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後零時四十五分休憩 ————◇————— 午後三時二十分開議
○増田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 内閣提出、警察法の一部を改正する法律案及び桑原豊君外四名提出、警察法の一部を改正する法律案の両案審査のため、参考人として、元警察刷新会議座長氏家齊一郎君、元警察刷新会議座長代理樋口廣太郎君、元警察刷新会議委員大森政輔君、元警察刷新会議委員中坊公平君、以上四名の方々の御出席をいただいております。 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多用中のところ当委員会に御出席いただき、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。 次に、議事の順序について申し上げます。 まず、氏家参考人から代表して十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。 なお、念のため参考人の方々に申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださるようお願い申し上げます。また、参考人は委員に対し質疑をすることはできないことになっておりますので、よろしくお願いを申し上げます。 それでは、氏家参考人、お願いいたします。
○氏家参考人 氏家でございます。 御命令でございますので、若干警察刷新会議の経過を述べさせていただくと同時に、その結論について、私の感想などを申し述べさせていただきたいと思います。 この警察刷新会議は、三月二十三日から七月十三日まで十一回行ったわけでございますが、一応、この会議は国家公安委員会の諮問と申しますか御下問によりまして発足した、こういうことになっておりますけれども、私はもともと新聞社の出身でございますから、いろいろな情報を総合いたしますと、やはり、亡くなった小渕前総理などが本当に一生懸命警察の問題を心配されまして、それで発足したというふうに伺っております。 まさにそのとおりでございまして、その当時、一連の、新潟における警察の不祥事、それから少し後に起きました埼玉の桶川の問題、それから栃木の石橋の問題というふうに、相次いで警察の怠慢と申しますか、弛緩を問題視するいろいろな世論が盛り上がってきた当時でございます。そういうのを受けまして私どもはこの会議を発足させたわけでございます。 まず最初に、委員の構成は、実は六人でやったのでございますが、五委員、一顧問という変則的な形になったのです。何で一顧問というのができたかというと、一顧問というのは前国会にもおられた後藤田正晴さんでございますが、後藤田さんは、この会の委員を引き受けるに当たっては、警察が仮に戦後五十年の制度疲労を起こしたとすれば、三十年前に警察庁の長官をやった私にも若干の責任があるかもしれないから、委員として改革のボードに加わるわけにはいかない、しかしながら、私は学識経験者としては確かにいろいろなことを知っているから、意見だけは述べさせていただくというようなことで顧問に引かれておりまして、したがいまして、五委員、一顧問という非常におかしな形で出発したのです。 この問題は非常に多岐にわたる問題をはらんでおりますので、かなりいろいろなところで議論が沸くかな、かなりの幅で議論が広がるんじゃないかな、こういうふうに私は判断いたしまして、座長としてこれをどういう形でまとめるかということを考えました。 その際、私どもが考えましたのは、この中の委員の議論が多岐にわたるということは、国民の議論が多岐にわたっていることであろう、しかし、その中から最大公約数を選び出すことによって会議をまとめるのでなければ、この会議はつぶした方がいい、はっきり言って。そういうのが私どもの基本的な信念でございまして、そのために、この会議においては議決はしません、満場一致でございます、満場一致になるまで徹底的に議論いたしましょう。そのことによって、国民の皆様が、大きな部分が納得していただける結論をまとめ上げたいと思います。仮に、もしその議論がどうしてもかみ合わないとおっしゃるのであれば、どうぞおやめになってください、私自身もそうなったらやめます。それで、やめた理由を天下に公表してやめようじゃないですか。そうすれば、いかに我々が真剣に討議したかと同時に、この問題がいかに複雑な問題をはらんでいるかということが国民の皆さんにおわかりいただけるだろうということで始めたわけでございます。したがいまして、時間その他についてはほとんど制限なしということでございます。 それから、大体、この委員会の顔ぶれ、委員の方をごらんいただければよくおわかりと思いますが、多少、審議会あるいは政府関係の会議の常連でございますので、言葉は悪いかもしれませんけれども、若干すれているというか得意としているというか、いろいろなところがあると思いますが、その先生方が後で感想をお述べいただいたし、私自身もそういう感じを持ちましたのは、この会議ぐらい委員が主体的に運営をした会議はなかったという感想を皆さんお持ちでございます。私自身もそう思います。 それは、最初に、ここに警察庁の方もいらっしゃるのでちょっと言いにくいところもありますが、警察庁から、こういう審議会の会議の常といたしまして、事務局という形で案を出されるのです。ところが、最初のところから、まず議題をどうするかというところから、五つばかり議題を出されたのですけれども、これはこの順序ではやらない、中身はほぼ網羅されていましたけれども、順番がこの順番ではだめだ、我々は我々で自分で議題をつくるということで、まず最初に警察組織刷新会議という名前を御提出いただいたわけなんですが、それは違う、警察制度全般だろう、だから警察刷新会議に改めるということをイの一番に決めさせていただきまして、そして問題につきましても、情報公開と苦情処理を取り上げたい。それは、ちょうどたまたま、先ほど申しました幾つかの事件で非常に問題になったのは、警察の情報公開が非常に少なかったということと、それから苦情処理を安易にさばいてしまったという問題点が指摘されたことがございまして、まず、それをどういうふうに正していくかということを問題にしようということになったわけでございます。 ただ、現行制度、つまり、国家公安委員会という制度があって、国家警察組織と地方警察組織というものがあるという現行制度そのものに抜本的な手を加えるというようなことになると、極めて大きな作業になって、その間の国家の治安、国民の安寧というものが維持できないかもしれない。したがって、制度的な大幅な改正はちょっと不向きかもしれない。この制度をきちっと研究してみますと、決して悪い制度ではないのですね。 そこで、国家公安委員会というものは、若干機能していないような感じになったのは、我々の研究調査した結果でございますと、まず第一に手が少ない。つまり、我々ですと社長室というようなものを持っていますから、幾らでも手がありますね、会社では。ところが、国家公安委員会の方は手が少ないんですよ。それで、何とかしてそういったものを、手になるような、下働きできるような組織をつくればこの組織自身は機能する。 五十年前にこの組織ができたときのことを考えますと、それまでは、私も新聞記者になりたてのころで、ちょっと覚えていませんけれども、何か極めて警察に対して第三者的勢力がいろいろと働きかけることによってゆがみが生ずるというおそれがあったそうです。そこで、そこから独立して働くために、つまり、当時における第三者としての中立、客観の機能を果たすために国家公安委員会というものができたそうでございまして、この基本的な理念というものは今なお生きているだろう、生かすべきであろうというのが我々の基本的な考えでございます。そこから出発いたしまして、最初にまず情報公開と苦情処理を取り上げたわけでございます。 当然のことながら、非常に意見は中ではありました。しかし、意見は分かれましたけれども、最初私が申し上げた、全体をとにかく国民の立場に立って徹底的に議論して、その上で、共通点がなければもうこの会議は壊してしまう、共通点ができたとき初めてコンセンサスとしてまとめようという考え方に皆さん御賛同いただきまして、決してそれぞれが御意見を捨てたりあるいは悪い意味で妥協をしたという意味じゃなしに、国民全体の立場から、大きな意味での最大公約数という形でまとめられたと私は確信している次第でございます。 したがいまして、私自身といたしましては、今の条件、経済条件とか財政上の条件とかあるいは制度上の条件の中で考えた場合には、これは今の段階では最善の策だった、最善とは言えないものの最良の策ではなかったかと実は自負している次第でございます。 あと、いろいろと話の筋等、及び会議の間に起こったいろいろなあやはございますが、その辺のところは、きょう幸い皆さん暇をつくっていただいて、参加していただいていますから、お聞きいただくということにして、私の総論はここで締めさせていただきたいと思います。ありがとうございます。(拍手)
○増田委員長 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。 —————————————
○増田委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。滝実君。
○滝委員 自由民主党の滝実でございます。 刷新会議の先生方には、大変熱心にこの間御審議をいただいた、こういうことを提言でも見せていただきましたし、今また、氏家参考人が代表されまして、その意気込みのほどをお話しいただきました。 私どもは、刷新会議の提言の発表に当たりまして、この提言どおりやってもらえばとにかく警察の信頼は回復するんだ、そういう確信に満ちたお言葉をお聞きしまして、本当に意を強くいたしておるところでございます。自由民主党といたしましても、とにかくこの提言がその意思どおり実現できますように、そういう心がけで臨んでまいった次第でございます。 そこで、きょうは、短い時間でございますけれども、せっかくの機会でございますから、四人の参考人一人一人に直接お話を聞きたいと思いますので、ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。 まず最初に、氏家参考人とそして中坊参考人に同じテーマでお聞きをいたしたいことがございます。それは、この提言の中にはどうも出てこないんでございますけれども、片りんとしてうかがえるところを少し御意見として伺わせていただきたいと思うんです。 というのは、現行の警察法は、御案内のとおり、昭和二十三年にできました旧警察法、それの改訂版として、いわば大幅に変わった警察法で来ているわけでございます。その二十三年から二十九年までの旧警察法は、御案内のとおり、都道府県の警察は国家地方警察、そして市町村に自治体警察という二本立てであったものが、不都合であるということで、国家地方警察としての都道府県警察に統合されたという経緯があるわけでございますけれども、どうもそのときの経緯が引きずられて今日に来ているんじゃなかろうか。 要するに、当時の国家地方警察、都道府県警察は、やはり公安委員会をお持ちになりました。市町村警察も公安委員会をお持ちになりました。それぞれ公安委員会の定める権限が違っていましたけれども、この二十九年の改正のときに一本化されて、今のような格好で都道府県警察を管理するというふうに制度が改まった。しかし、今までの感覚、国家地方警察時代の都道府県警察と、そして市町村警察としての公安委員会、そういう二つの公安委員会の違いがどうもあいまいなままというか、警察官の意識の中では遠慮されながら今日に来たんじゃなかろうか。警察庁も遠慮しておりますし、警察庁の命を受けた都道府県警察の方も遠慮している、そういうところがどうもあるわけでございます。 警察の特殊事情からいえば、もう少し中央というか、中央集権じゃありませんけれども、全国的なレベルの問題として統一的にやっていく必要がある。そういうものでも、かなり警察庁は遠慮されてきたところがあるんじゃなかろうかな。 しかし、今回のこの提言を見ますと、監察機能に関しては、監察官に対しまして、国の関与を強めるべきだ、こういう観点から、都道府県警察の首席監察官を国家公安委員会の任命とする、こういうような御提言をされておるわけでございますけれども、国家公安委員会の任命にするというその辺のくだりのところを少しばかり、そういう今までの流れの中でお聞かせをいただけたらありがたいと思うんでございます。
○氏家参考人 それでは、御指名でございますので、私から考えの一端を述べさせていただきます。 私は、委員の先生のおっしゃったとおりの面があったと思います。 それで、やはり監察その他というのは、一つの中心と申しますか、一本の筋が通っていないとまずいかなということでこういうものを提案した次第でございますが、それと裏腹の関係でございますけれども、地方の自治体の公安委員会、それと国家公安委員会、これはいずれも活性化することができまして、今の法律の内部でもかなりの指導力というか、後で御質問が出るかと思いますけれども、管理ということが出ていますが、管理できるんじゃないか。そういう前提を考えまして、今回のところは、やはり実現可能性があるという点で、監察なら監察につきましては地方の監察官を設けようというようなことで片がついたと私は記憶しております。
○中坊参考人 中坊でございます。 ただいまお尋ねいただきましたように、警察というものを国家単位で見るのか地方単位で見るのかというのは、それぞれの立場があろうかと思っております。しかしながら、犯罪が決して単位別に、地域別に発生するものでもなし、やはり、国家全体として警察を考えるのが基本的には正しいものだろうと思っております。 しかしながら、そういう中におきましても、警察というのは基本的に上命下服が非常に徹底しないとできないものであります。そういうことでありまして、一たん不祥事が発生いたしますと、どうしてもそこに仲間意識、そして上司の者の監督責任というのが常に問題になってまいります。そういうことから、そういうものを内輪でしまい込んでしまう、神奈川県警に見られましたように、いわゆる内部でそれを隠してしまおう、こういう傾向にあるということは否めない事実ではないかと思うのであります。 そういう意味におきましては、監察というようないわゆる警察官の綱紀に関する問題が仲間内の府県単位のものになっては、やはりいけないのではないか。そういうことから、どうかしてそういうようなものについては統一的に把握しないといけない。そういうことから、監察の件に関しましての首席監察官などは、いわゆる警視正というような単位の方によってやってもらうということにしないと、仲間内のものになるのではないか。そういう弊害を打破するためにこのようなことを考えたいきさつがあった、このように記憶いたしております。
○滝委員 ありがとうございます。今までの警察の特殊性ということも十分に議論をされたということを今お聞きいたしたわけでございます。 時間がありませんので、次に参りたいと思います。 そこで、公安委員会の管理の問題、これにつきまして大森参考人にお尋ねをさせていただきたいと思うのでございます。この提言の中にもそれらしきことを触れておられるわけでございますけれども、これもやはり遠慮があると思うのですね。 旧法のときに、国家地方警察の場合は、書き方が、警察業務の運営管理そのものを公安委員会がおやりになるような書き方になっていたわけです。それに対して、市町村の公安委員会の方は、これは今の文言どおり、ただ単に管理する、市町村警察を管理する、こういうふうに書き分けていた経緯がございまして、都道府県警察の方の公安委員会はいわば警察業務を何でも扱えるような、そういうことを示唆するような書きぶりだったものですから、現行法に変わったときに、ただ単に管理するというふうに表現が改められました。 そこで、公安委員会のいわば機能が少し制約されたのじゃなかろうか。個別問題については入らないとか、そういうような遠慮が出てきたのじゃないかと思うのでございますけれども、今回も刷新会議で、公安委員会は管理する、こういうことについていろいろ議論があったと思うのでございますけれども、特にその場合に、個別問題、具体的な問題についても御議論があったやに聞いておりますので、この刷新会議の緊急提言ではどういうふうなお考えでお示しされているのか、その辺のところをお聞かせいただきたいと思うのです。
○大森参考人 お尋ねの管理の概念についてでございますが、これは、緊急提言にも別紙三として、「警察法上の「管理」について」というペーパーにおきまして、詳細に我々の考え方をまとめているわけでございます。もうお読みいただいているから十分委員御理解のことと思いますが、そもそも管理と申しますのは、この記載によりますと、「下位の行政機関に対する上位の行政機関の指揮監督が、内部部局に対する場合と大差ない位に立ち入って行われることを示すときに用いられる。」 この警察法上の管理につきましても、やはり基本的にはこういう意味であろうというふうに理解した上で、ただ警察行政につきましては、国家公安委員会を最高の行政機関と位置づけながらも、警察事務の執行については、みずから行うことではなく、警察庁という別の組織をつくってこれに行わせる。そして、国家公安委員会、これは地方も同じでございますが、その構成委員はいわゆる警察の専門家を排除し、一般国民の良識に基づいて行うということを予定している制度でございます。 したがいまして、この管理の一般的な考え方としては、やはり従前言われていますとおり、公安委員会が警察行政の大綱方針を定め、警察行政の運営がその大綱方針に則して行われているかどうかということについて警察庁を事前事後に監督する、こういうことが一般原則であるべきだと従前から考えられてきたわけでございます。 ただ、こういう一般的な考え方と申しますのは、決して個別具体的な事柄について指示することがそもそもできないのだとか、そういうことを意味しているものではないのじゃなかろうかというのが我々の議論の内容でございまして、確かに、警察の捜査活動とかあるいは警備の実施活動とか、このような専門的、技術的な知識を要する問題につきましては、公安委員会は今述べましたような基本的原則で管理を行うということが一般的には予定されているのであろう。しかしながら、警察の事務の執行が法令に違反するとか、あるいは大綱方針に則していないという疑いが生じましたときには、その是正または再発防止のために、具体的な事態に応じて個別的または具体的な指示をすることができるということは当然のことであろうというふうに考えております。 ポイントだけ申し上げますと、そういう考えのもとに管理概念を整理したという次第でございます。
○滝委員 ありがとうございました。要するに、個別具体的な問題を公安委員会として扱えるならば扱える、こういうような趣旨として受けとめさせていただきました。 次に、樋口参考人に御意見を伺わせていただきたいのでございますけれども、今回も、埼玉あるいは栃木の事件にかんがみまして、いわば民事不介入と申しますか、一般の住民が、とにかく犯罪行為に巻き込まれる、そういう危険があるというようなことでいろいろ御相談がある。警察は、基本的に民事不介入ということで、極めて距離を置いた対応をされてきたのが、いろいろ後になってみるとぐあいが悪い、こういうことになるわけでございます。 そこで、今までも困り事相談みたいなことをやってきているわけでございますけれども、しかし基本的には、間口を広げますと何でもかんでも警察へやってくる、こういうことももちろんあるわけですね。それだけ警察が頼りにされているわけでございます。先般も、新聞を見ていましたら、大阪で毒グモが発生した。毒グモをビニール袋に一匹入れて、付近で見つかったから大変だ、何とかしてくれというのが交番に届けられたという記事が載っていましたけれども、毒グモの一匹をめぐっても警察が出動しなければならぬ。 こういうことでございますから、本来の犯罪の予防というか、食いとめるということからすると、もう物すごい件数の中で、それに焦点を合わせて何とか救援をするチャンスというのは、なかなかこれは難しいのじゃなかろうかと思うのでございますけれども、今度の刷新会議の議論を通じて、その辺のところの振り分け、一般の国民からすると、何でもかんでももう警察に頼めばいい、こういう感覚がやはり根強くあると思うのでございますけれども、その辺の御意見をお聞かせいただきたいと思うのです。
○樋口参考人 座長代理を拝命いたしました樋口でございます。 ただいまの滝先生のお話につきましてお答えを申し上げたいと思うのでありますが、民事不介入というのは、率直に申しまして、いつの間にか極めて乱用されたというのが私たちの感触でございます。私たちの学生時代にそういう言葉があったかというと、これは全くございませんでした。それがいつの間にか乱用されるようになったということでございまして、これの根本的な意味においては、委員の皆さんとともに国民的な視点の上に立って、これが乱用であるか乱用でないかということ、それから公序良俗、公の秩序、善良なる風俗に照らして、これが介入すべきときに介入していないのじゃないか。こういう問題につきましては、やはり警察も勇気を持ってやっていただきたいということでございます。 そのために、結果としまして、親切にこれを聴取するのは当然でございますが、制服の場合に鑑識票とか、あるいは私服の場合にでしたか、そういう名前の表示というものをつけるようにいたしまして、そして、いたずらに知らないということで逃げる、当然入らなければならない問題、警察本来の職務に関してはしっかりと業務を守っていただくという認識が、我々五人の委員の間で成り立ったものと私は考えております。
○滝委員 ありがとうございました。あと四分ほどございますので、もう一点だけ、氏家参考人にお聞かせをいただきたいと思うのです。 不祥事件をめぐりまして、首席監察官を国家公安委員会が任命して、そういう制度も新たに導入する、こういうような御提言があるわけでございますけれども、片や不祥事件という際には、外部監察と申しますか、そういうようなことも議論になったようにお聞きしているわけでございますけれども、この提言では、いわゆる外部監察は必要ない、こういうような結論を提言の中に載せられているわけでございます。この辺のところの考え方を少し砕いてお聞かせをいただけたら幸いでございます。
○氏家参考人 当時、世論の中に、外部監察という考え方というのが非常にあったと思います。当然のことながら、それをどういうふうに我々は考えるべきかということが議論の中で出ました。 それにつきましては、まず第一番に、外部監察をする場合には非常に専門的な知識が要るだろう。そうなると、外部に監察制度、システムをつくった場合に、同じく、警察官と同等の専門的能力を持った人を内部監察に選ばなくちゃいけないという二重組織の構造が起こるのではないか。 それから一方で、今日本の制度の中で内部監察か外部監察かという、監察機構が内部にあるのは、先生御案内のとおり、郵政と税務なんですね。これはいずれも内部で十分に機能しているじゃないか。機能している条件としては、内部で一応分かれた形になっているところに一つの大きな理由があるんじゃなかろうかというようなことが考えられまして、外部監察というのは、理想論としては成り立ち得るけれども、現実論としては、財政、それから現行のほかのシステムとのかみ合いというような問題からいって、実行が非常に難しいだろう。だから、内部監察を強化することで十分にかなえられるのではなかろうかというのが我々の判断でございまして、それで一応ああいう、外部監察は必要ないんじゃないかという提言をさせていただいたわけでございます。
○滝委員 ありがとうございました。時間があればもう少し掘り下げた御意見をお聞きする機会をと思っておりましたけれども、四人の参考人すべてに御意見をいただきまして、本当に感激でございます。 大変お忙しい中を御意見をお聞かせいただきまして、本当にありがとうございました。これで時間が参りましたので、終わらせていただきます。ありがとうございました。
○増田委員長 次に、松崎公昭君。
○松崎委員 民主党の松崎公昭でございます。お忙しいところ、ありがとうございます。 先ほどの座長のお話で、現実的な中で最大の努力をされたということはよく承知をしております。私ども民主党は、これに対しまして、警察法の閣法に関しまして対案は出しておるわけでありますけれども、その前に感想を申し上げますと、非常に役人さんではない感じの提言で、先ほどの座長のおっしゃった、熱意があふれる内容であるということは十分承知をしているんですけれども、それがいざ現実の要綱になり法案になりますと、せっかくの真髄と申しましょうか、幾つものポイントを現実論にのっとって提言されたものが、かなり色の違ったというか気の抜けたといいましょうか、そういう感じがいたしました。 それに対しまして、樋口座長代理にお聞きをしたいと思いますけれども、その提言の内容がこの要綱とか法案にしっかりと反映されたとお思いでしょうか。あるいは、もし不足と思われたら、どんなところが不足とお感じになっていらっしゃるか、お願いいたします。
○樋口参考人 松崎先生の御質問にお答え申し上げたいと思います。 我々は、当然提言をする場合に、十一回の会議を長時間にわたって持ちました。しかも、公開というので、その都度記者会見をし、そしてまた新聞に必ず書いていただいて、いろいろな批評を伺うということをいたしました。 しかしながら、冒頭、氏家座長が申しましたように、我々が指示をいただきましたのは、当時保利さんが委員長でございましたが、国家公安委員会からこういう点を提言してもらえるかということでございました。 事案につきましては、既に氏家座長が申しておりますように、我々の方でこれを決めたわけでございまして、そういう点からいきますと、あるいは先生からごらんになって思われる点があったかもしれませんが、私どもは、公聴会で恐らく三十人以上の方から伺いまして、公聴会を通じても、そういう問題についてのお話は実際は国民の方からはなかったということを申し上げざるを得ないわけであります。その点、先生の具体的にお話——これは質問しちゃいけないんですか。それは失礼しました。 そういう感覚を私は持ってやってまいりました次第でございます。
○松崎委員 大変時間がないものですから、概括的なお話でよかったのでありますけれども、一応、まあまあよろしかったというお答えだろうと私は今拝察いたします。 さて、少し具体的なことに入りますけれども、中坊先生に、この警察会議の刷新に関しまして先生は、中央集権ではだめなんだ、会議の中での御発言かどうかはわかりませんけれども、新聞等で、やはり地方分権が今回はキーワードなんだよというお話をされております。私も、五四年の改正から中央集権化がさらに進んで今日の問題点を引き起こした、原因は、やはりこれからは地方分権をキーワードにするということが正しいんだろう、警察の中でも地方分権をどんどん進めるべきだ、そんな考えを持っておりますけれども、先生自身は、この中央集権の問題と分権の問題を警察という組織の中でどのようにお考えになられておりますでしょうか。
○中坊参考人 お答えさせていただきたいと思います。 私は、確かに先ほど言うように、国家と地方という問題が基本的にある、そういうような中において、やはり地方を基礎にしつつも中央で統括していかないといけない。そこにおいて大きな、具体的な問題となったのは、やはりキャリアの問題ではないかというふうに理解いたしておりました。 キャリアというものが、本部長などは国家だけから来て、しかも非常に在任中期間が短い、そういうことにおいて両者が本当にうまくマッチしているんだろうか。その点も一つの大きな問題点ではないか。そういう意味において、二つが一緒にならないといけないというのはわかるけれども、今の制度のままで本当にいいんだろうか。 そういう点に関しても、我々刷新会議では、いや、今のままではやはりよくないんじゃないか、少なくとも在任期間であるとか、あるいは妻帯者の問題、奥さんも連れて任地に行くべきではないか、そういうようなことの具体的な提案もしたところでありまして、そういう意味における中央とそれから地方というものが一体化していかなければならない、このように考えて我々は審議をしたことでございました。
○松崎委員 ありがとうございます。大変時間がないものですから、ぶつ切りみたいな質問で申しわけございません。 もう一つ、最後の時間、中坊先生、現実問題といたしまして、皆さんの中でも情報公開が一つのポイントであった。それから、今の地方分権、いわゆる中央の警察と地方の警察のあり方、その中で、今現実的に問題としては、宮城県の知事さんと本部長との問題があります。 いわゆる第一次判断権、これを条例の中に書き込むかどうか。これは、全国的に警察庁も一つの方針として指導しているわけでありますけれども、やはり裁量、判断権を残したいというのと、知事は、いや、それはいいんだよ、やはりなるべくオープンに情報公開をしていくには今の条例のままでも大丈夫なんだ、そういう考え方で、非常に係争中といいましょうか、地方の本部長さんと知事さんがぶつかっている。 この辺はかなり情報公開に対する警察の考え方のあらわれだろうと思っておりまして、これは全く刷新会議の内容とは違いますけれども、御私見を、宮城県知事の今の問題を、よろしかったらお聞かせをいただきたいと思います。中坊先生、お願いいたします。
○中坊参考人 ただいま宮城県において問題になっておりますのは、情報公開法のあり方というのが基本的な問題ではなかろうかというふうに理解をいたしております。 そして、その視点といたしましては、本来、いかなる国家権力の行使に当たっても情報公開されるべきであるという大原則のもとにあって、やはり警察、防衛、外交という三つの分野に関しては、それぞれやはり、例えば捜査に限れば、捜査の密行性あるいは被害者等の人権問題、そういうものから当然にやはり限界があるというのもわかる。 しかしながら、そういう意味において、今の情報公開法は例外規定を設けておりますけれども、その中において、単にそれが本当に公開すべきかすべきでないかということプラス要件として、先ほど言うた外交、防衛、警察というか捜査、その三つの分野に関しては、さらにそれが情報公開することが相当かどうかということを主務の長の判断にゆだねるという規定になっておるわけでありまして、そこにやはり二重の保護があるというか、情報公開しなくてもよいという法律になっておるわけであります。 その建前というものを、我々刷新会議におきましては、やはりそれはそれとして認めざるを得ない、認めるべきかもしれない。それを前提としつつも、今の警察の情報公開で十分であろうかということが問題になって、そういう情報公開と関係なく、本来言えば、捜査情報はなるほど秘密性があるかもしれない、しかし行政情報はそうじゃないじゃないか。それだったら、行政情報と捜査情報とのガイドラインはどうなっているのか。それを我々としてはつくろうじゃないか。そういうことから、ガイドライン等をつくって対応してきたわけでございました。
○松崎委員 ありがとうございました。 宮城県の知事は、多分今の御提言の考えで沿っていくと、知事の考えでもよろしいんじゃないかというふうに読めるのでありますけれども、ありがとうございました。
○増田委員長 次に、桑原豊君。
○桑原委員 民主党の桑原でございます。 大変、刷新会議の皆さん方には、短期間に、そして集中的に、国民注視のもとで精力的な議論を展開されて、そして改革の方向を打ち出された。心から皆さんの御努力に敬意を表したいと思います。 私どもは、一連の不祥事を見ておりますと、やはり警察という力を持った権力組織と申しますか、そういった組織が、えてして陥りがちな過ちというものと国民的な常識というものが非常にかけ離れてしまった。本来、国民のためにあるべき警察が、そういう意味では非常に遠い存在、あるいは怖い存在といいますか、そういうものになってしまったということに大きな問題がある。それをどう埋めていくかということが問われておるというふうに思うんです。 そういう意味では、やはり国民的な目線といいますか常識といいますか、そういうものを代表して警察を管理していくという公安委員会の改革、これが大変重要であろうというふうに私は思います。 そういう意味では、公安委員会が果たすべき役割というのは、先ほど氏家参考人の方から、警察を管理するときには専門的な知識というものがやはり求められる、そういう意味で、国民的な常識とはいえ、そういう知識が求められるものだから、外部的な監察というのは、言うはやすいが実際にやるというときにはなかなか難しい、こういうふうにおっしゃられたわけです。 私もその困難性というのはわかるわけですけれども、しかし、今国民の皆さんが求めているというのは、やはりそこを一歩踏み出して、本当に健全な国民の常識が警察というものをしっかり民主的にコントロールしていくという仕組みを、どうつくっていくのかということに尽きるのではないかというふうに思います。 そういう意味では、外部監察の問題とか、あるいは、従来、公安委員会の事務局を警察が補佐をしている、あるいは担当しているというようなあり方というものを、本来的な第三者的な機関にするために、独立をした事務局機能というものを持たせていくというようなことがやはり求められていると思いますので、そういった点について、議論は行われたようですけれども、残念ながら、結果としてそういったものが制度としては改正の中に盛り込まれなかったということでございますけれども、この点についていま一度、事務局の独立の問題とそれから外部監察の問題について、氏家参考人に御見解を伺いたいと思います。
○氏家参考人 今先生のお話しになったような議論、当時、やはり世論的にもかなりありましたものですから、内部でも大分議論いたしました。 確かに、先ほども若干申し上げましたけれども、理想論としてはそれが一番正しいと私は個人的には思います。ただ、実行論といたしましては、現実の公安委員会を強化することによってその機能はかなりの程度カバーできるだろう。それは、郵政とか国税で内部調査をやっていることが機能しているのと同じことで考えられやしないか。 それでは、どうやったら機能強化できるのかということになりますと、おっしゃるとおり、事務局とか補佐機関の強化ということが非常に必要になるわけだと私どもも考えまして、それで、今までは警察庁の総務課の一部が補佐をしていたということでございますが、それをさらに拡大いたしまして、一つの公安委員会室というようなものを設けて、これはほぼ内部においては独立の機能を果たせるようにしたい。そういう方向で動くことによって公安委員会は機能するだろう、補佐的には機能するだろう。 それと同時に、公安委員会の中に監察特別委員というものを任命することにいたしまして、その監察特別委員がかなりの権限を持って検査する、監察することができるというような形に落ちついたわけでございまして、現行ではこの方法で、一〇〇%とは申せないかもしれませんけれども、かなりの部分は改善できると我々は確信した次第でございます。
○桑原委員 そういう意味では、体制としては、陣容としては充実をされて、新しいそういう公安委員の方が監察に直接かかわっていく。そういうあり方も私は前進とは思うわけですけれども、基本的な、いわゆる国民的な常識というものを監察の中に働かせていくという点では、やはり基本的な部分は警察に依存をしている、あるいは警察のいろいろな情報というものを前提にした対応になってしまうのではないか。そこら辺にまだまだ不十分な点があるのではないか、こんな感想を持っているところでございます。 そこで、中坊参考人にお聞きをしたいと思います。 刷新会議の議論の中でもいろいろおありになったかと思いますけれども、日本の警察はどうも、六〇年の安保のころからでしょうか、いわゆる警備・公安、そういった部門はかなりの面で充実をしてきている。しかし、現在のように、国民生活にいろいろな問題が生じてくる、そして、日々新たな情報化の中でこれまたいろいろな問題が生じてくる、そういった時代にしっかり対応して、国民生活の安全とか保安、そういうものを守っていくという役回りの警察、生活安全といいますか、そういう役回りの警察の配置というのが必ずしも現実の問題に対応していないんじゃないか、そんな思いを私どもは持っているわけです。 今後の警察の、増員の問題は今出ておりますけれども、それ以前に、配置がそういうことでいいのかというふうに私どもは思っているわけですけれども、その点について参考人としてどういうふうにお思いか、教えていただきたいと思います。
○中坊参考人 お尋ねの点につきましては、全くそのとおりであろうと、刷新会議でも議論をされたところであります。 すなわち、我々が警察というものを見ておりますと、やはりいびつな配置になっているのではないか。特に公安関係といいましょうか、機動隊を中心とする警備の方に重点が置かれ過ぎてはいないか。本当の意味における刑事警察というか、本当に国民の生活あるいは生命、身体、財産といったようなものを保護する、守るという意味においての十分な警察であろうか。そういう意味における異動といいましょうか、大きな流れが必要ではなかろうかという点が出されました。 この点に関しましては、我々は警察当局に対しても、その点についてどうなんだということは尋ねました。そして警察の方も、それはそのとおり考えておる、しかし、確かにいろいろ今まで、これは言ってはちょっと表現が悪いかもしれぬけれども、派閥といいますか、そういうようなものがある、しかしながら、やはりそれを乗り越えてやっていかないといけないことだ、このように考えておると。 それからまた、同時に、警察の配置という点からいえば、いわゆる外勤と内勤といいましょうか、内部の管理、総務であるとか警務であるとか、そういうものに重点が置かれて外へ出ていないのじゃないか。そういう意味における外勤へもっと人を配置、異動しないといけないんじゃないか。だから、単に増員すればよいという問題ではない、むしろ適正配置という視点から警察の今後の人員配置は考えなければならない。 そういう点は、私たちもそう思いましたし、会議において当局に尋ねましても、当局もまた、そういうことはそのとおり思っておる、そのとおり実行していくということを確約されたところでありました。
○桑原委員 大変率直に、そしてまた貴重な御意見を賜りまして、ありがとうございました。 これで終わります。
○増田委員長 次に、桝屋敬悟君。
○桝屋委員 四人の参考人の皆さん、本日は本当に御苦労さまでございます。貴重な緊急提言を出していただきまして、今までのお取り組みに対して敬意を表したいと思います。 しかしながら、私は、この席に実はいささか自分の気持ちの中に割り切れないものも感じているわけであります。 と申しますのは、私は、例の一連の不祥事案が神奈川から新潟で発生するときに、この委員会に所属をしておりましてずっと議論を続けてきたわけでありますけれども、一連の不祥事案の中で、我が国の戦後警察行政のあり方が問われ、その中で公安委員会が問われたわけですね。そして、公安委員会が正直に言いまして機能しなかった、もう少し待てば機能したのかもしれませんが。 きょう十五分の報告がありましたように、氏家座長を中心に刷新会議なるものがつくられた。この刷新会議というのは、我々から見ていても、どういう位置づけなのか、何で公安委員会でやらないのだろうか、こういう思いもあったわけであります。 私は、戦後警察行政の中で公安委員会というのは一定の役割を果たしてきた、このように思っているんです。しかしながら、警察行政の独善性を監視するということについては若干弱くなってきていた、こういうこともあるわけで、それが如実に示されたわけであります。 ある意味では、刷新会議で行われた議論あるいは出された緊急提言というのは、本来、国家公安委員会がみずからの機能として行うべきものではなかったか、こう思うわけであります。皆さん方も、保利委員長から要請を受けたときに、何で自分たちがやらなきゃいけないんだ、公安委員会があるではないかと。もちろん、公安委員会みずからがみずからのことを議論するというのはなかなか困難でありますけれども、そんなことをずっと横目で見ながら感じておりました。 御感想を氏家座長にお聞きしたいと思います。
○氏家参考人 御質問の点につきましては、私どもも、今の国家公安委員会の方に会議の席に来ていただきまして、各人の御意見を承ったことがございます。 私が差し出がましく、その反省点みたいなことを、国家公安委員会の方が言っていらっしゃったのをここで申し上げていいのかどうかちょっとわかりませんけれども、公安委員会の方々も、やはり若干問題があっただろう、その問題は結局、大きな点では手足がなかったということが一つ大きな問題だったということを言っていられた方が多かったと私は記憶しております。 それで、事務局みたいなものをつくったらいいじゃないかということが議論になりまして、実は私どもが公安委員室というものを新設するように御提案したのは、事務局という観念なんです。ただ、事務局という観念が、膨大なものをつくりましてそれを事務局だとするか、あるいは、どのぐらいのスケールのものをつくるのが事務局という概念に当たるのか、この辺がちょっと、いろいろな方でいろいろな御議論がおありだと思いますが、私どもは、とりあえずは二十人ぐらいの体制で出発すればかなりなことができるんじゃないかと。 実はこれは、公安委員会の方々にも御相談したのです。そうしたら、公安委員会の方々はそういう感じのことをおっしゃっていらっしゃいましたので、とりあえずそういうことを御提案させていただいたというのが実情でございます。 そういう意味では、今後、公安委員会の活性化というのは、我々は大いに期待しておりますし、必要なことであると確信しております。
○桝屋委員 ありがとうございました。その当時の公安委員会の皆さんからも意見を聞かれたということであります。 私は、警察行政、今後とも不断の刷新作業を続けなければならぬだろう、こう思っております。今回の改正によりまして、再び皆さん方が登場していただかないとどうにもならないということにならないように、ぜひとも期待をしたいな、こう思うわけであります。 そういう意味で、重ねてもう一点、これは大森参考人にお伺いしたいと思うんです。 今、氏家参考人からもお話がありましたように、手足をつくるということで、今回、監察調査官あるいは事務担当室のようなもの、二十名という話もありましたけれども、これは当委員会でもずっと議論が行われているんです。確かに手足をつける必要があるだろう、こう思うんですが、ただ、置けば置くほど独立性の話と大変にぶつかるわけですね。それで、きょうも午前中議論があったのですが、そういう警察のスタッフを置けば置くほど、むしろ警察からコントロールされるのではないか、その心配がある、こういう声もあるわけであります。 私は、独立した事務局をつくれというふうには思っておりません。いわゆる警察行政の特殊性というのがあるだろうというふうに思っておりますから、ここは独立性と大変競合する議論だろうと思います。しかしながら、国民の皆さんから見ると、一連の不祥事を見て、公安委員会は警察にコントロールされているんだ、結局は公安委員会というのは振り回されているんじゃないか、こう思っているんですね。それも確かな国民の意識でありまして、何か私は、この辺にいい知恵はないのかなと、きょうの質疑を聞きながらも思っているのでありますが、何か刷新会議でその辺の国民の信頼を得るための具体的なアイデアといいますか、議論というのはなかったのか、もしいまだ明らかにされていない議論があれば、ぜひ御教示をいただきたいなと思うんです。どうぞよろしくお願いします。個人的な見解でも結構です。
○大森参考人 公安委員会が警察を管理するのであって、警察が公安委員会を管理するというようなことがあってはならないことは、もちろん当然でございます。そこで、結局、管理というものを公安委員会の立場からどう考えているのかというのが一つのポイントだったと思うわけです。 そこで、従前、大綱方針を示して、その方針に則してやっているかどうかというのを事前事後に監督するというところがともすれば強調されまして、その上で、もし大綱方針に従ってやっていないおそれがあるときに、さらに第二段としてどうすべきかというところが少し抜けていた嫌いがあるように私は感じまして、そこで、先ほど披露いたしましたような管理概念についてのペーパーをまとめた。 もし、そういう法令に違反している、あるいは大綱方針に従っていないと認めた場合には、事態に応じて具体的、個別的な指示をできるんだよということをあらわすことによって、それを通じて公安委員会の自主的な機能強化ということが招来できるのではないかな、今そのように確信しております。
○桝屋委員 大森参考人の今の御説明は、私は理解できます、ずっとこの問題に悩んできましたから。しかし、今大森参考人が言われたようなことが本当に国民の皆さんにすっと伝わって、そして国民の皆さんが、警察は確かに変わるな、こういうふうに思っていただけるかどうかというのは、なお警察みずからが努力をしていただかなきゃいかぬものもあるんだろうなというふうに私は思っております。 大綱方針について、さらに今回は、特に監察の部分について個別具体的な指示ということも入りましたし、さらにはまた懲戒事由等については報告をしていただくということになりましたから、少なくとも神奈川や新潟のような事案があれば、公安委員会の責任も問われるということに確かになるなというふうには感じているところでありますが、その辺は我々もPRを努力しなきゃならぬだろう、このように思っております。 もう一点、これは中坊参考人にお伺いしたいと思うんですが、今回さまざまな改革をやることによりまして、苦情処理あるいは警察署協議会、いろいろな新たな役割が警察に求められているわけでありまして、人員増ということもあります。もちろん、警察御当局からの御説明は、可能な限り合理化を図った上でなおという御説明はいただいているのでありますが、では、ただいまの警察行政の中で合理化できるものはどういう分野があるのか。 先ほど、業務ごとの大きなお話はいただきましたけれども、中坊参考人から見て、ただいまの我が国の警察行政、合理化できるものは、ではどの辺だというふうにお考えになっておられるのか、もし御賢察があればお伺いしたいと思います。
○中坊参考人 私、先ほど申しましたように、人員配置の問題で申し上げました。それがすなわち、大きな合理化であろうというふうに基本的には考えております。 しかし、同時に、基本的に警察官の一人一人の意識、そして特に、先ほども少し言いましたけれども、キャリアとノンキャリアとの問題、そういう意味におけるいろいろな内部の人に関する問題点を含んでおります。そしてまた、今議論に出ておりましたけれども、公安委員の問題にいたしましても、組織だけじゃなしに、本来の公安委員そのものの人選が一体どうなっておるのか、そこの問題があって、いかに組織をつくったところで、やはり人の問題でこの問題は行き詰まっていく。 特に公安委員というのは、我々としては、常勤というものを前提として考えなければいけないんじゃないか。国家公安委員は当然そのようになっておりますが、地方の公安委員においてもそうではないか、そのようなことが議論されまして、しかし、それでは有名人の一つの肩書になって終わっているのではないか、そういうようなことが具体的に我々の内部でも討議されまして、やはり大きな問題として人の問題、これは今言う公安委員を含めまして一般の警察官にも、内部的にも、先ほどの人員配置その他の意味における大きな人の問題を抱えておる、このことが今後の警察の刷新に関する大きなキーワードになるのではないか、このように考えております。
○桝屋委員 ありがとうございます。私が期待した以上のお答えをいただきまして、私も全く同じ思いであります。結局、公安委員会の問題は、国家公安委員の五人のお人柄に私はもう帰着するのではないかと。 昔の警察のOBの方の御意見を伺いました。昔の国家公安委員はすごかった、役所を寄せつけない迫力があった、こういうことも伺いまして、いかに手足をつくろうとも、五人の皆さん方がただいまの我が国の公安委員会の中できちっと機能していただくということが一番大事な問題だろう、そうした人を選ばなければならぬという御教示をいただいたわけで、我々国会もしっかり受けとめていきたいと思います。ありがとうございました。
○増田委員長 次に、菅原喜重郎君。
○菅原委員 自由党の菅原喜重郎でございます。 このたびの参考人の皆さんには、警察刷新会議の構成委員として、三月中旬以降積極的に会議を開かれまして、七月十三日には国家公安委員会の方に警察刷新に関する緊急提言をなしていただきました。この結果、国家公安委員会及び警察庁が警察改革要綱を私たちにまとめて出してくるまでになった。これはもう大変な皆さん方の御功績であると、深く心から敬意を表する次第でございます。 さて、それで、今この委員会で質疑をなしておりますのは、政府提出の警察法改正案と民主党提出の改正法案の二つでございます。内容は、警察の不祥事その他の連続な事項が起きたことにおける刷新をともに目指しているわけなんですが、この内容の相違は、結局、事務局の設置が大きく変わっているわけです。 前回の質疑者から氏家参考人にこの点に関する回答も聞かれたわけなんですが、私たち自由党といたしましても、実は今年の三月十六日に、自由党、自民党、公明党・改革クラブの三会派による警察行政の刷新に関する合意においては、国家公安委員会に事務局を設置する等役割の明確化を図る、また、都道府県公安委員会の事務局を整備する等その機能を充実強化するとの内容を盛り込んでおりました。しかし今回、今申し上げましたように、政府案は事務局が置かれない法案になっているわけですので、この点に関して刷新会議ではどのような議論がなされていたのか。 私といたしましては、先ほどの氏家参考人のお話の中から、二十人程度というような人数までも出された意見を聞きましたが、やはりこれには監察特別委員、そういうものを設けていれば事務局が設置されなくてもいいというようなことになっていたのかどうか。こういう点に関しまして、座長代理でもありました樋口参考人から、何か経過、そういうことがあったかどうか、いきさつをお聞かせいただければ幸いだな、こう思います。
○樋口参考人 お答えいたします。 まさに先生の御指摘の点が我々も非常に力を入れたところでございまして、そこをどういう形で決めていくかということに時間と論議を費やしたわけでございます。そしてまた同時に、地方の実態も調べました。また我々は、先ほども申し上げたことでありますが、公聴会でもそういう問題について、正式の公聴会が終わってから、私たちは残りまして、そしてその問題について最後の一人まで、お帰りになるまで伺ったわけでございまして、まさに先生のおっしゃる点は重要なポイントになったと思います。 そしてここに、警察刷新に関する緊急提言というものに明確に書いているつもりでございます。よろしくお願いいたします。
○菅原委員 余り内容について詳しくお聞きするのも失礼だと思います。 さらに、この緊急提言の中に、本当にこれもよく指摘していただきました点は、「閉鎖性の危惧」という中に、「組織内部の過度の身内意識は許されないにもかかわらず、馴れ合いによって、監察が十分な機能を果たしていないとみられる。」こういう提言もされております。 実は、この点に関しまして、今申し上げましたように、今回のこの改革が、政府案の方では、警察庁の職員を事務補助にさせることができるということで一応提案されているのですが、このなれ合いのようなものを打破するのに、こういう職員を事務補佐にさせるようなことで果たして監察が十分に行っていけるものかどうか。こういう点に対して、ひとつ大森参考人の方からお聞きしたいな、こう思います。
○大森参考人 お尋ねは、公安委員会自身が、自分の責任で監察に乗り出すべきじゃないかという御意見であろうかと思うわけでございます。 その点について、そういう御意見がかなりあったということも十分念頭に置きながら、内部で議論を重ねたわけでございます。 そこで、今回刷新会議の検討を始めるに際しまして、現行公安委員会の根幹は堅持するというところをまず確認し、そこから検討を始めたわけでございまして、やはり公安委員会の職責というのは警察の管理である、警察事務の執行は警察にゆだね、その適正を管理する、こういう基本的枠組みも維持するということでございました。 したがいまして、公安委員会の構成も、その根幹の一つとして、警察の専門家は委員から排除されているわけでございますね。国民の良識の代表としての委員によって構成される。したがいまして、監察を適正に行うということを公安委員会の新たなる任務とすることはやはり無理ではなかろうかということになりまして、そこのところは、現行を改めるということはいたさないことになったわけでございます。 大体そういうことで、公安委員会自体がみずから監察をするということは求めない。しかしながら、警察そのものが自浄能力を十分に発揮するということは、これは必要なことでございまして、そこに期待をかける。警察庁、そしてその地方支分機関である管区警察局、そして地方警察本部の監察を十分充実する、そしてそれに対する管理としての点検機能は十分に強化する。大体そういう趣旨で提言はまとまっているわけでございます。
○菅原委員 次に、「「民事不介入」についての誤った考え方を払拭しないまま、逆にこれを言い逃れにして、国民の要望・意見等を真剣に受け止め必要な捜査、保護等を行わない事例が目立つ。」こういう指摘もされておりました。この民事不介入の原則には、二つの面が実はあるなと私は思っているのです。 といいますのは、私のところに陳情されてきました事例なのですが、退職前に暴力団対策にかかわっていた警察官が、退職後に、犯罪や暴力から市民を守ることを旗印として会社を起こし、実態としては暴力団と癒着して、零細企業経営者を脅迫したり、脅迫現場に警察官を呼んでも、民事だ民事だと言って反対にこの警察官を追いやる、こういう事態が事実あったわけです。一方においては警察官自身が、民事不介入ということで、真剣に相談を受けても、それが犯罪につながる危惧があっても消極的になったりする。 こういう点を非常に、民事不介入の誤った考え方ということを指摘していただきました関係、この警察改革要綱の中では「警察活動を支える人的基盤の強化」ということで、「教育の充実」ということで、「「民事不介入」についての誤った認識の払拭等」こういう項目を設けて要綱に書かれてきました。非常にこれは皆さん方の御功績だなと思っておりますが、こういう民事不介入について中坊参考人に、これからどのような、先ほども言いましたように、警察OBも含めて身内のなれ合いという現場の実態なんですから、こういうことを改革していくのに中坊参考人の御意見をお伺いしたいな、こう思います。
○中坊参考人 お答えいたしたいと思います。 まず、民事不介入の原則というのはやはり必要な原則であります。警察が民事問題に広く関与するということは、それ自体がやはりおかしなことでありまして、民事不介入の原則自体は必要な原則、警察の捜査にとっては必要なことであろうと思います。 しかしながら、民事不介入の原則を隠れみのにして、本来、犯罪があるにかかわらず、それに対する捜査を怠けるといいますか、そういうようなことの口実に使っている。ここにやはり民事不介入の原則の一種の乱用というものが見られるのではないか、私たちはこういうふうに考えておるわけであります。 したがいまして、本来、一方においてそれは民事問題であっても、他方においては犯罪を構成している社会事実が幾らでもあるわけでありますから、その犯罪を構成しているという点については、今後も警察はきちっとやるべきではないかということを我々刷新会議としても主張してきたところであります。 そして同時に、今おっしゃるように、民事不介入の原則というのは民事暴力とも非常に関係をしております。大体、暴力団が使う手だてがそういう民事不介入の原則を逆に利用する、そういうことになってきておったものが暴力団がはびこってくる一つの大きな原因になっており、そして、ただいま御指摘になりましたように、犯罪の捜査、暴力に関与すればするほど、やはり向こうの手のうちにも入らないとわからない、情報を得なければならない、そういうことから非常に癒着がまた生じやすいということにもなってくるという、一つの本質的な問題点を含んでおろうかと思っております。そういう意味においては、まさに民事不介入の原則というのは、警察にとってそれを正しく今後適用していくということは極めて問題であります。 そういうことから、刷新会議におきましては、少なくとも、まずもって市民がいろいろ苦情を持っている、それも聞きおくということだけになっておった、それではおかしいじゃないか。苦情申し立て権というのはやはり認めて、そして、先ほども問題になっておりましたけれども、最終的には公安委員会が責任を持つんだ、公安委員会が警察に対する苦情に対してもその回答をするという回答義務を課すことによって申し立て権を確保していく。そのようなことと相まって、先ほど言うような民事不介入の問題ということを乱用させないために、どのように制度上考えていかなければいけないか、こういうことを刷新会議としては考えて、ただいま御指摘いただいたような提言をさせていただいた、こういうようないきさつになっております。
○菅原委員 最後に、警察刷新に関する緊急提言の中で、私は、氏家参考人に御意見をお伺いしたいと思うのは、やはり監察特別委員という考えなんですが、これは非常な権限を持ってきますし、これも余り強化するとその弊害も出てくるかもしれませんが、しかし一方では、非常に人格識見高潔な方であるなら、やはりこういう監察特別委員というような考え方も必要ではないか、こう思っております。 そういう点で、画竜点睛を欠かないように、こういう制度ということに対して御意見をお伺いしたいな、こう思います。
○氏家参考人 この問題は、先ほど中坊委員も申し上げておりましたけれども、すぐれて公安委員になる方の資質というようなものによる面がかなり多くなるだろうと思います。 その問題について、一体どういう人が公安委員に適任だとかなんとかいう問題につきましても、我々は話の素材にはのせたんですが、これをお選びいただくのは国会でございます。ですから、国会の先生方が国家公安委員にどういう人間がいいんだということでお選びいただければ、監察特別委員に任命された方でも余り強権を持ってやられるとかそういったことはない、モデレートな形におさまるのではないかな、こういうふうに思っております。
○菅原委員 どうも御意見ありがとうございました。時間が来たので、これで終わりたいと思います。
○増田委員長 次に、春名直章君。
○春名委員 日本共産党の春名直章でございます。四人の参考人の皆さんには、本当にきょうはお忙しいところありがとうございます。 最初に、大森参考人に、管理の問題でお伺いしたいと思っています。 それで、別紙三で管理についての考え方を非常に鮮明にされているのです。先ほどの説明もありましたけれども、警察行政の大綱方針を定めて、その方針に沿って事前事後の監督を行うということについては、専門的、技術的知識が必要とされる事務についてはこれまでどおりそういう解釈でいいと。と同時に、大綱方針に則していない疑いが生じた場合などで、それ以外の事務について国家公安委員会が個別具体的な指示ができるではないか、そういうふうにきちっと解釈しようということが先ほど来御説明があったと思います。 そこで、管理というのをそういう点で解釈しますと、国家公安委員会は、その所掌事務のうち、かなりの部分に個別具体の指示ができるということになると思うのです。事実、緊急提言でも、「公安委員会が警察に対して所要の報告を求める場合には、警察は速やかにそれに応じるべきであること、必要に応じて公安委員会が改善の勧告等ができるということを何らかの形で法令上明確にする必要がある。」こういうふうに提言をされているわけですね。それを受けて、政府案ですが、確かに、監察については個別具体の指示ができるようと、立法上明確にするということが出されているのですが、それ以外は大きな改正がないのですね。 どうも、提言の中身、皆さんがお考えになっている管理の中身と政府案で出てきたものとが、随分ギャップがあるような感じを私は受けてしまったわけです。大森参考人、この辺はどのように御感想をお持ちでしょう。
○大森参考人 ただいまの御指摘は、この提言の六ページの、「必要に応じて公安委員会が改善の勧告等ができるということを何らかの形で法令上明確にする必要がある。」という点だろうと思いますが、ここは、法律上明確とは書いていないというところがみそでございまして、必ずしも警察法の改正によってそれを明らかにする必要までは求めていない、しかしながら法令上は明らかにすべきであると。 そこで、我々、内部的な考え方としましては、国家公安委員会規則というのがございます。その中で国家公安委員会運営規則でございましたか、そこにその旨を明記すれば、それでその機能が十分果たせるのであろうという認識でございまして、多分、警察庁あるいは国家公安委員会におかれましても、そういう方向で検討作業がなされているはずでございます。そのように聞いておりますので、この部分は提言を一〇〇%履行されているものというふうに安心しております。
○春名委員 ギャップがあるというのは、先ほどのお話を聞いていまして、事務局に二十人ぐらいを想定されていると氏家参考人はおっしゃったのですけれども、警察庁からいただいた資料では十人強というふうになっているんですよ、十三年度。だから、これは半分になっているんですよ。今五人ですから、担当しているのは大体五人いるんですよ。それを十人強にするというのが案らしいんですよ。 ですから、やはり、水増しじゃない、水下げじゃない、何というんですか、提言の中身が随分値引きされているというか、そういう印象を持つので、これは法案の審議自身でしっかりやっていきたいと思うんですが、そのことを言っておきたいと思います。 それで、具体的な事例で、管理の問題で少しお聞きしますが、大森参考人にもう一点だけ。 例えば、具体的な事例で、神奈川県警の厚木署の新人の警察官に対するあのひどい暴行事件がありましたね、体毛を焼くとか。ああいう事件が起きたときに、やはり私たちは、一体警察学校なんかでどういう人権教育がやられているんだろうかということを率直に疑問に思いました。憲法や人権、それから国民の生命や財産、安全、これを守るという教育が本当に行われているかどうか疑問に感じたわけですね。これは当然、大綱方針に反するということになるわけですから。 そこで、実際そうするかどうかは別の問題ですけれども、要するに、国家公安委員会が、例えばどういう教育が行われているのか警察庁から教育の実態の報告を求める、そういうことはこの管理の概念からいえば当然できるなというふうに私は感じたわけですが、具体的な話で申しわけないのだけれども、どうでしょう。
○大森参考人 その点もこの緊急提言で触れたつもりでございまして、この二十ページの「いずれの場合においても、公安委員会の行う「管理」に内在するものとして、警察庁は、適宜、国家公安委員会に対して警察事務の執行につき所要の報告を行うべき職責を有し、また、国家公安委員会から報告を求められたときは、速やかにそれを行うべきものである。」したがいまして、管理行為として必要だと感ずれば、特定の事項についての報告を求めるということは当然できるわけでございます。そして、それを求められれば、誠実に調査の上報告すべきであると考えております。この点については、警察庁においても何ら異存のないところではないかと思われます。 ただ、現実の事件についてということになりますと、そういう事態をまず認識する必要があるわけですから、そこの点で少しおくれたとか、あるいは実態認識が少し甘かったとかいうことによる問題は残ろうかと思いますけれども、制度としては何ら現行、問題はないというふうに考えております。
○春名委員 今のお話で、管理上必要と思えば報告を求めることは当然あり得るということなんですけれども、なかなかこういう大事な問題が報告に実態として出てこないものですから、やはりそこのところに光を当てないといけないなということで、一つの例としてお聞きをしたわけです。その点ではありがとうございました。 それから、氏家参考人に少しお聞きしたいのですが、提言の最大のポイントということで、先ほどもお話が出ましたが、これまでの警備・公安中心の警察から民生中心の警察に転換するというところが最も大きなポイントだと思っていると、読売新聞のインタビューなどでもお答えになっておられて、なるほどなと私は感心をして読んでおりました。 そこで、その中身なんですが、今、現行の警察制度でどういうところが警備・公安中心になってしまっているのかということ、どういう御認識なのかということと、それから、私の目から見て、改革の処方せんとして具体的に見えるのは、残念ながら増員というところに全部いっちゃっているような印象を受けるのですね。 例えば、提言の中で、業務量の減少した分野の人員、予算などをシフトさせるべきだという提言があるわけです。具体的にどういう分野を想定されているのか、民生中心の警察に生まれ変わるために、増員以外にどういうことが必要とお考えなのか、そのあたりを聞かせていただけたらと思うのです。
○氏家参考人 まさにおっしゃるとおりでございまして、まず第一番に、人員の配置の問題だと思います。 これはさっき中坊委員なんかも触れましたけれども、まず、管理部門から現場に出すというようなことが一つある。それと同時に、今の公安と警備の問題については、機動隊をどういうふうに配置するかということが一つ大きな問題になるだろうと私は思っております。これにつきましては、事務局と申しますか、警察庁にも私は随分意見を申し上げておりまして、警察庁の方でも御検討いただいているものと期待しております。
○春名委員 人員の配置という問題については、具体的なお話が出て、そういう提案をされているということですので、具体的にどうなっていくのか、私たちも注目をしておきたいと思うのです。ただ、来年二千七百七十五人増員されるという提案がされているのですね。ところが、その根拠がなかなかお示しいただけなくて、私たち自身が判断のしようがないのですね。そういう問題も横たわっていまして、議論の中でまたこれも詰めていくことになるかと思っているわけです。 それから、中坊参考人にお聞きしたいと思います。 午前中、私、外部監察問題について警察庁長官などと議論をさせていただいたのです。それで、この提言は大変ずばりと切り込んでいる面が多いと思うのですが、私の読み方がゆがんでいるのかもしれませんが、外部監察のところだけは、随分すぱっと、できないというふうに結論づけているという感じになっていまして、国民の期待から見て、非常にここは残念な思いを私自身はしているのですね。 その中で、提言の第一の部分で、「問題の所在と刷新の方向性」というところでは、「馴れ合いによって、監察が十分な機能を果たしていないとみられる。」という診断を下しておられるのだから、私が午前中議論したのは、内部監察と外部監察を対立させるものととらえてはだめだと思っているのです。むしろ内部監察を、もっと身内の監察をきちっとやる、そのことを効果的にするために、より有効にするためにも、国民の目を入れる、外部の光を入れるということが補い合って、より効果が上がっていくというふうに私は思っているのですね。 そして、先ほど氏家参考人は、ほかのシステムとの兼ね合いもあるということで郵政の話とか税務の話を出されましたが、自治体の監査制度というのは、空出張なんかがあって、いよいよ三年前から外部監査が入るようになったわけです。そういう点から見ても、私は、外部監察という問題について違和感は感じたことはありませんし、その監察官が捜査情報をつかんで、それが問題になるというようなことになるという御意見もあるのですが、守秘義務をちゃんと課するというのは当然のことだと思います。そういうことを考えますと、外部監察という問題は、私自身は、やはり重要な改革の中身になるんだろうというふうに思っているのです。 その点で、三つの理由という点でこれは要らないんじゃないかという御判断をされているのですが、そのあたりの中坊さんとしての意見といいますか、お考えをもう少し聞かせていただけたらと思っています。
○中坊参考人 ただいま御質問いただきました、外部監察とはそもそも一体何であるかということについて、刷新会議では、我々としてはまず考えたわけです。 本来、公安委員会というのはどういう目的のためにできたものであったか。先ほどからも出ていますように、本来、捜査を初めとして警察行政すべてが警察庁のもとに行われる、こうであれば、単独の官庁としてはそれでいいわけであります。ところが、その上になぜ公安委員会というものを、しかも警察官の経歴を持たない人が、第三者が行ってこれを管理監督しないといけないのかというのが、まさに民主的運営を図るために、国民の代表として、あるいは府県の代表として公安委員会というものが存在しておるわけであります。したがいまして、本来言えば、警察におきます不祥事というものも、それは公安委員会がきちっと処理すべき問題ではなかったかというふうに我々の刷新会議では言ったわけであります。 そういう意味におきましては、言葉といたしましては、公安委員会がする監察というものそのもの、あるいは苦情処理、こういうことを含めまして、これ自体が一種の外部監察ではないか、このように我々としては理解しておるわけであります。したがいまして、その権能が十二分に行使されるようにしないといけない。そのためには、一つには、管理の概念というものをもっと拡張しないといけない。もう一つは、事務局をもっとして、手足をつくらないといけない。そういう意味において、公安委員会の監察というものを入れないといけない。 先ほども言いましたように、さらに大きな問題は、最終的には、組織だけの問題じゃなしに、担い手の問題としての人の問題が残っておるのではないか、このように考えておるところであります。私といたしましては、屋上屋を重ねるという形ではなしに、公安委員会が正常に本来の機能を発揮することによって、実質的な意味における外部監察が行われるべき筋合いのものである、また、そうなさるべきだ。 そしてまた、具体的にお考えいただいてもわかりますように、本来、いろいろな不祥事というものは、やはり警察内部に精通していないと情報なんて入ってこない。だから、先ほども言いましたように、苦情というようなものをどう受けとめるのか。それは私も、組織内において動脈と静脈が必要であると同じように、静脈を警察内部で形成すること、これはやはり組織の内部においてつくらないといけない、その長に公安委員会が存在している、このように考えてやるべきではないかということについては、刷新会議みんなの意見が一致しておったところでございました。
○春名委員 そこなんですね。 それで私、認識さほど違っていないなと思っていたのは、つまり、国家公安委員会というのは識者が代表しておるわけですから、そういう意味では警察と比べれば外部ですからね。ところが、その国家公安委員会が残念ながら警察の手足にさせられているというんですか、丸抱えされているというんですか、そういう事態になっているということから、本来の機能が発揮できていないというところに大きな原因があるというのは、私は非常に認識が一致していますし、そのためにも独立した事務局を持つべきだという意見ですし、きちっとそういう体制をとる。同時に、国家公安委員会の五人、委員長を入れて六人のその体制のもとで、監察委員会というのをきちっとそのもとに置いて、国家公安委員会が監察の役割をその監察委員会という形でやるということは、私はそういう方向に進むべきだろうと思っています。 ただ、今度の法案それから刷新会議の提言の中では、補佐官とか首席監察官とか、そういう提言が幾つかされておられますけれども、その実行される方々が全部、残念ながらそういう意味では内部の方がやられるわけなんで、それを強化するとともに、そこのところに外部の目も入れるということを一緒にできないかということを私は考えているわけなんですね。そういう点では少し御見解が違うということになるかと思いますけれども、考え方は、今お話を聞いて私自身は理解をしたつもりでおります。 それから最後に、情報公開のことについて、これは座長の氏家参考人にお願いなんですけれども、情報公開は最初に非常に白熱した議論をされているということで、議事要旨も全部読みましたし、記者会見の概要も読ませていただきました。そこで、ぜひ私はもう一歩突っ込んで聞きたい、知りたい部分がありまして、議事録そのものを公開してもらうわけにはいかないでしょうか。この情報公開の部分だけで結構です。議事要旨、記者会見の概要はあるんですけれども、議事録そのものを、ABCで結構ですので、見せていただきたいということを要望したいわけですが、その点はどんなものでしょう。
○氏家参考人 議事録は原則公開ということになっているんですけれども……(春名委員「議事要旨はあるんですけれども、もう少しきちんとしたものを」と呼ぶ)議事録そのものですか、わかりました。 議事録そのものは、実は、内部で非常に議論が白熱してきたときに、ある議論をするときに例示いたしますね、例を出しますね。こういう悪い例があるからこれはだめだ、こういうことがありますね。その悪い例を出す——実はそういうことを議論したんです、物すごく。それをどういう形で出すかというのを、そのまま出していいかどうかと言ったら、それを出した場合には私は告訴されるおそれがあると言われる方もございまして、なるほどねと。 私なんかも興奮しますと、人の、まあ悪口じゃございませんが、批判するんですね、新聞記者の上がりでございますから。そして、後で気がついてみると、あれ、こんなことを言ったのを公式議事録に残されたら、おれ、事によったら名誉毀損でやられるかなというようなこともございましたものですから、これは正直な話なんですが、そういう点は抜こうと、その他の点は全部出そう、そういうことでつくられていたはずでございまして、そこは改ざんは絶対ないと思います、私は。
○春名委員 丁寧な御答弁をいただきました四人の先生の皆さん、本当にありがとうございました。 終わります。
○増田委員長 次に、重野安正君。
○重野委員 社会民主党の重野であります。 きょうは、参考人各位におかれましては、大変御多忙の中、時間を割いて御出席いただきまして、大変ありがとうございます。また、刷新会議の委員として長期間にわたり御苦労なされましたことにつきましても、心から敬意を表したいと思います。 今から二十分間という時間をいただきまして質問をさせていただきますけれども、中には非礼にわたることもあるのではないかと思いますけれども、お許しをいただきたいと思います。 一連の事件を契機に、国家公安委員会と警察庁は非常に厳しい批判を浴びました。今なおその不信というものが解消されたとは言いがたいと私は認識をいたしております。国家公安委員会は何をしておったのかという率直な気持ちが、この間審議をいたしましたけれども、今なお消えていないというのが率直な私の気持ちです。 そこで、本来公安委員会がまずやるべきことなのではないかと私は思っていたのでありますが、刷新会議が設置をされて、この間御苦労なさいましたけれども、その性格と役割、どういう認識の中から今日まで御苦労なさったのか、各委員の皆さん、一言ずつ、ひとつお願いいたします。
○氏家参考人 私は、公安委員会を中心とする現行制度をいかに活性化して客観的に国民に資するための機能をさせるかという、その具体的、実効的な方策を研究したと思っております。
○樋口参考人 お答えいたします。 私どもの提言の中に書いてございますのは、初めでございますが、「相次ぐ警察不祥事に対する国民の怒りと警察のあるべき姿へ立ち返ってほしいという願いを受けて、」ということを書いておりますが、これは内部のことではだめなんじゃないか、国家公安委員会を含めてということで私どもはお受けしたわけでございます。 終わらせていただきます。
○大森参考人 第一回の会議で自分の認識をそれぞれ披露し合ったわけでございますが、私が申し上げたのは、昭和二十九年の現行法以来五十年たちまして、このような不祥事が続出するというのは、やはり制度あるいは組織疲労を来した、そのあらわれではなかろうか。したがって、現在におきましては、そういう当面の組織防衛的なびほう策を講ずるということではなくて、非常に大げさに申しますと、二十一世紀前半、五十年をたえるような、そういう観点で、原点に立ち戻ってこの際検討すべきではなかろうかという考え方を述べた次第でございます。
○中坊参考人 私自身も、今回の一連の警察の不祥事というものは、決して偶発的にたまたま幾つか出たものではない、やはりそれは制度により組織により、あるいは人により、極めて構造的なものであるということを基本的に考えなければいけない。 それから二つ目には、私は同時に、このような私たち全国民の生命、身体そして財産、あるいは自由といったようなものを守ってくれるのはやはり警察をおいてほかにない。国民は、片一方で非難しつつ、どれほどか警察を信頼したいという気分を持っておる。それにどうこたえるのか、これがまさに問題ではないか。 そういう意味においては、私は、最善というよりかは、短期間のうちにとにかく処方せんを出して、そしてそれに対応するための態様を考えないといけない、このように考えて就任したものでございました。
○重野委員 ありがとうございました。そういう思いを持ってつくられた今度の答申と申しますか、内容について、若干触れていきたいと思います。 まず、座長を務められました氏家参考人に伺いますが、緊急提言の「はじめに」の部分で、こういうふうに述べられております。「短期間の限られた討議だったために、すべての問題が解明されたとはいえないが、」というふうな部分があるわけですけれども、残された問題というこの意識ですね。それは一体、どういうふうな認識の中からこういうことが出るんでしょうか。
○氏家参考人 私、これは最終的に自分で目を通して書きましたから、私自身の認識では、これだけでは網羅できないという意見を言われる方があるかもしれないけれども、当然我々も徹底的にやったんだけれども、短時間であるから、この範囲のことでとどめてあるという意味で書いたと記憶しています。
○重野委員 時間が制約された中からの答申と申しますか、そういう説明は理解できます。したがって、この問題は、今後とも引き続き、こういう形にするかどうかは別として、継続して考えていかなければならぬ課題であるという認識というふうに理解をしてようございますか。
○氏家参考人 おっしゃるとおりだと思います。
○重野委員 次に、中坊参考人に質問いたしますが、緊急提言でいわゆる管理概念を定義づけていることは改めて申し上げるまでもありません。この概念規定は、私も警察庁の皆さんからも説明を受けるんですが、なかなか理解しにくいんですね。国家公安委員会委員の方々も十分理解し得ていなかったのではないか、そのことが結果として今日の事態につながっていったのではないかというふうに私は理解するんですが、参考人はどのようにお考えでしょうか。
○中坊参考人 私も全くそのとおりに考えております。 したがいまして、一つには、管理の概念というものが従来の概念だけでいいのかどうか。先ほど大森参考人がおっしゃいましたように、さらにもっと突っ込んでいかないといけないのではないか。突っ込む範囲とは一体どこまでかというのが、先ほど言うように一つの問題点で、もう一つは、手足もなくしてどうしようもないじゃないか、これをどう改善していくのか、その二つに絞ってやりました。なおかつ残っておるのは、それじゃ人はどうなるのかというのがいまだ我々としては十分にはできなかったことではないか、このように考えております。
○重野委員 わかりました。 次に、氏家参考人に質問しますが、刷新会議の議事要旨を読ませていただきました。例えば五月八日の部分のそれを読みますと、「よく第三者による監察という話になるが、悪いことを隠そうとするのが人間の常であるから、いきなり第三者が行って実効性が上がるとは思えない。」といった意見が出された、こういうふうに書かれております。しかし、これに対する深い討議がなされた形跡というものを、僕はこの文書を読んで余り見当たらなかったわけであります。 ところが、提言の監察の強化に関する第三者機関によるいわゆる外部監察、先ほどから多くの方が指摘をしておりましたが、この部分については、第三者機関的監察は不要というふうにもう断言されているのですね。私はやはり、こういう結論に至った経緯、どういうふうなことからこういうふうな結論になったのかな、それについてお聞かせください。
○氏家参考人 私どもは、外部監察というものが一体どういう意味を持つものであるかということをまず最初に考えた場合に、今の国家公安委員会は一つの第三者外部機関ではなかったのかという認識を持ったわけでございます。 今の制度も全く否定した外部機関ということも考えられないことはないのですけれども、第三者機関というものは。もしそういうものを考えるとすれば、先ほども例に出しましたが、例えば郵政の内部監察は千四百人使っておりますから、しかもあれは玄人の人がやって千四百人の内部監察でございますから、もし完全な素人を持ってくるとすれば、恐らく、概数でございますが二千人以上の外部監察の人間を動員してこなければいけないんじゃないのか。そういう点は実際問題として実行不可能だ。そこで、もともとの外部監察の機能を持った公安委員会を強化することによってそれを果たしていきたい。 問題は、その実行の手足になる警察組織というものが、内部のなれ合いだからおかしくなるという考え方が一つおありだろうと思うのですが、ただ、先ほど来申し上げていますとおり、日本の政府機関の中でも、税務とか郵政とかでは十分に内部監察は機能しておりますね。そうすれば、これは運営の仕方によっては十分に機能するであろうということを考えまして、第三者機関は、いわゆる外部監察はという意味なんですよ、文章では。いわゆる外部監察は不要ではないかというふうに書かせていただいたわけでございます。
○重野委員 今最後に、いわゆる外部監察というふうなことを強調されましたが、私もそれを聞いて、およそイメージがわいてきたのでありますが、しかし、いずれにいたしましても、いわゆる内部、外部というふうに見た場合に、やはり外部という、内部の中に染まったものじゃなくて、外部の新鮮な目で見れる、そういうふうな機能というのが当然求められていく、このように私は思いますが、そういう点についてはどういうふうな思いでしょうか。
○氏家参考人 その点は私も全く同感なんです。同感なんでございますけれども、その外部というのが、先ほども申し上げましたように、今の公安委員会を活性化することによっていわゆる第三者機関的機能が持たせられないかというと、私は持たせられないことはないと判断させていただいた、こういうことでございます。
○重野委員 また中坊参考人に伺いますが、四月四日の議事要旨で、「苦情処理を権利化、制度化する必要がある。」との意見が出され、改正法では苦情の申し出として制度化され、こういうふうに載っていますね。ほかにも、警察署協議会が創設されるなど、住民の警察に対するアクセス、これは私は前進したと思うのですね。評価いたします。 参考人は、香川県における産業廃棄物問題で住民の側に立って大変な苦労をし、活躍をされた経験を持っておりますが、国民としてあるいは住民として、警察に対し、どのような制度改正が望ましい、そういう感ずるもの、それをお聞かせいただければありがたいのですが。
○中坊参考人 お答えいたしたいと思います。 私自身は、皆さん御承知のように弁護士でございます。そして、従来、私も弁護士の役員といたたしまして、人権侵害等がありました節、警察に対していろいろ我々は意見を言いました。しかし、中には突っ返してこられたことが数多いわけでありまして、受け取っても全く封は切っていない、こういう状態が実は警察の現状であったわけであります。したがいまして、今言うように、何か物を言うていくといっても、それをまず見てもらえない、このような状況が実は警察の今までの状態ではなかったかと私個人は理解しておったわけであります。 そういう立場からいいますならば、私としては、まず、いろいろな物を言ってくる、あるいは苦情とは言わないまでも、だから今回の苦情の申し立て制度のときにもかなり出ておりましたが、口頭で言うてきた場合であっても、それをできるだけこちらが教えて文書化して、それを苦情として処理しましょうというところまで我々刷新会議としては言いました。 だから、今一番大切なことは、警察に対して物が言えるという雰囲気にしないといけない。この状態をしかも制度化して、国民にまず警察は答えるんですよ、そういう意味における申し立て権、それに対する、別の意味合いとすれば警察の回答義務、これを課すということがまずもって第一歩だ、それを明らかにすることによって初めて、警察と国民との間の接点が生まれる。私はそのように考えまして、苦情の申し立て制度というものをかなり重要視して、ここでいろいろ皆さんとともに討議したところでございました。
○重野委員 ありがとうございました。 それでは最後に、氏家参考人に二点聞きますが、一つは、キャリアの問題です。キャリアの問題についても、今度の提言の中にかなり書かれております。それは私は率直に評価をいたします。 問題は、第一線で、私は大分県ですが、田舎の駐在所で奥さんも一緒になって頑張っておられる警察官といわゆるキャリア、このイメージの違い。余りにも僕は乖離していると思うのですね。ここのところをどうするかということは、私は警察組織の活性化という点においては非常に大きいと思うんです。そこら辺について議論がされておることがこの議事要旨の中にもうかがえるのでありますが、そこら辺について、一度聞かせていただきたい。 それから最後に、七月五日の要旨を見てみますと、時間がたちますと改革に対してだんだん熱が冷めていく、そういうことになりかねない、あるいは、そういうことにならないためには、提言が本当に実現されているかどうかということを不断に見直していかなきゃならぬ、こういうふうなことが記されておりますが、私もそうだと思います。 したがって、今後とも、この会議構成員の皆さん方が、自分たちがつくった提言がどういうふうに実行されておるか、そのことをやはり検証していく、そういう役割も担っていただきたいな、このように思いますが、それに対しての考えをお聞かせいただければありがたいと思います。
○氏家参考人 キャリアの問題は確かに非常に大きな問題でございまして、我々もこれを内部で随分議論をいたしました。 結局、交番でどのくらいか勤務するという勤務期間を長くしたらどうだとか、いろいろな議論がありまして、要するに、現場の苦労をキャリアが知らないと言われているところをいかに払拭するかということが最大の問題であろうと。それにつきまして、これは、おっしゃるとおり、かなり時間のかかることでございますから、警察庁の内部で努力してもらわなくちゃいけないことなんです。これは、警察庁の内部で恐らく今やっていただいていると期待しております。 さらに、おっしゃいますとおり、我々もだてや酔狂で長い時間つぶしてやったわけじゃございませんから、一日本人の使命と義務を果たそうと思ってやったわけですから、最後の最後まで見守りたい。これは皆さん共通の意見だと思います。 そういうことでございます。
○重野委員 ありがとうございました。 非常に力強いお話をお伺いしまして、私も心強く受けとめました。今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○増田委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。 この際、参考人各位に一言御礼を申し上げます。 参考人各位には、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表しまして厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。 次回は、来る三十一日火曜日午前九時理事会、午前九時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十四分散会