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150回国会衆議院2000/11/09

青少年問題に関する特別委員会 第2号

発言数
178
登壇者
23
会派数
8
開催日
2000/11/09

会議録

青山二三公明党

○青山委員長 これより会議を開きます。  青少年問題に関する件、特に有害環境について調査を進めます。  この際、お諮りいたします。  本件調査のため、本日、政府参考人として内閣法制局第一部長阪田雅裕君、警察庁長官官房審議官上田正文君、総務庁青少年対策本部次長川口雄君、法務大臣官房審議官渡邉一弘君、文部省生涯学習局長崎谷康文君、文部省初等中等教育局長御手洗康君、文部省体育局長遠藤純一郎君、厚生大臣官房審議官堺宣道君、厚生省医薬安全局監視指導課長白石順一君、厚生省児童家庭局長真野章君、通商産業省機械情報産業局次長古田肇君、郵政省電気通信局長天野定功君、郵政省放送行政局長金澤薫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

青山二三公明党

○青山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————

青山二三公明党

○青山委員長 まず、政府参考人から順次説明を聴取いたします。総務庁青少年対策本部次長川口雄君。

川口雄総務庁青少年対策本部次長

○川口政府参考人 総務庁の青少年対策本部でございます。  青少年を取り巻く社会環境につきましては、発展途上にある青少年に強い影響を及ぼしております。青少年の性または暴力に関する価値観に悪影響を及ぼし、性的な逸脱行為や残虐な行為を容認する風潮の助長につながる要因の一つは、青少年の健全な育成に有害な環境であると考えております。  具体的には、性的感情を著しく刺激したり、粗暴性、残虐性を助長するおそれのある出版物、ビデオ、パソコンソフト、映画、広告物、放送番組など、享楽的な色彩の強いスナック、ディスコ、深夜飲食店、ゲームセンター、カラオケボックス等があり、これらは時には非行の誘因となることもあり、少年非行防止の対策上、憂慮すべき問題であります。  総務庁では、政府の青少年行政の総合調整を行う立場から、総務事務次官を長とし、関係省庁の局長クラスが参加している青少年対策推進会議を設けておりますが、この青少年対策推進会議においては、政府における青少年行政施策の指針として、青少年育成推進要綱を申し合わせております。青少年を取り巻く有害環境の浄化につきましても、同要綱に基づき、対策の推進を図ることとしております。  お手元の資料の一ページにありますように、「有害環境の浄化活動等の推進」として、  青少年の育成に有害な環境の浄化を推進するため、関係業界に自主規制の成果がより国民の目に明らかになるよう一層の充実を促すとともに、PTA等による有害情報の実態についてのモニタリング調査等の支援、その結果を踏まえた関係業界等との意見交換の促進や、地域の住民、団体等による地域活動を促進するほか、青少年の有害情報への接触を阻止する仕組みについて検討する。インターネット上の有害情報についても情報流通の各段階における格付けを軸とした具体的措置、NPO等と連携した情報のモニタリング等具体的な対応策を検討する。 などとしております。  これらの有害な社会環境については、青少年自身の意思とその判断による対応が基本となりますが、それと同時に、またそのためにも、最も身近における青少年を支える家庭や学校における指導、そして地域の人たちによる有害環境の浄化のための積極的な活動、関係業界等関係者の深い理解と協力が必要であります。  このため、総務庁といたしましては、関係省庁等と連携しつつ、一番目に、関係業界の自主規制の促進、二番目に、住民の地域活動の促進、三番目に、法令による規制と取り締まりを中心とした対策を推進しております。  関係業界への自主規制の促進につきましては、平成九年十一月二十五日に、コンビニエンスストアの団体に対し、条例により指定された有害図書類の十八歳未満の者に対する販売、提供の禁止などの周知徹底指導の要請を行っております。  また、平成十年三月二十七日には、出版業界、ビデオ業界、各種ソフト業界、テレビ放送業界に対し、現在の自主規制の成果がより一層目に見えて明らかなものとなるよう、自主規制の充実の要請を行っております。  また、平成十一年八月五日には、関係団体、関係機関等に対し、青少年問題審議会から提出された「青少年の自立と大人社会の責任」という答申の趣旨を踏まえた取り組みの充実の要請などを行っております。  次に、二番目の、住民の地域活動の促進につきましては、総務庁で主催しております毎年七月の青少年の非行問題に取り組む全国強調月間、十一月の全国青少年健全育成強調月間の際に、実施要綱の重点の一つに、有害環境浄化活動の推進や地域主導の青少年健全育成活動の推進などを掲げて、関係団体等を初め全国都道府県に協力要請を行い、地域活動への取り組みを呼びかけております。  さらに、社団法人青少年育成国民会議におきましても、有害環境浄化に関する調査研究や関係団体への啓発活動を行っております。  三番目の、法令による規制につきましては、各都道府県の青少年保護育成条例につきまして、その規制状況や改正状況などの経過を必要に応じて連絡し、助言を行うなど、緊密に連携しております。  各都道府県における青少年保護育成条例の規制の内容は、お手元の資料の二ページのとおりでございます。  青少年に有害なものとして都道府県知事が個別に指定した映画、雑誌、ビデオ等の件数の推移は、資料の三ページのとおりでございます。  なお、雑誌やビデオ等の個別指定の件数は減少傾向にありますが、これは、最近では、一定基準以上のものを自動的に指定するという包括指定方式をとる条例が多くなったためであります。  以上、総務庁として、青少年を取り巻く社会環境の問題について進めている業務等について御説明申し上げました。  今後とも、いろいろな御意見をちょうだいしながら、青少年の健全育成のため、有害環境の浄化を推進していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

青山二三公明党

○青山委員長 次に、警察庁長官官房審議官上田正文君。

上田正文警察庁長官官房審議官

○上田政府参考人 少年を取り巻く有害な環境の浄化に対する警察の取り組みについて説明申し上げます。  少年を取り巻く環境は、テレホンクラブ等の性を売り物にする営業の増加、インターネット等各種メディアによる性や暴力に関する有害情報のはんらん、カラオケボックス等不良行為を助長する深夜における娯楽施設の増加等に見られるように、年々悪化しており、最近における少年非行と犯罪被害の深刻化の背景の一つとなっております。  警察としましては、関係機関、団体や地域住民の方々と連携をしまして、性を売り物とする営業に対する指導取り締まり、少年に対する有害情報のはんらんの抑止、少年による深夜の遊興や不良行為を助長する環境の浄化等の対策を推進しております。  具体的には次のとおりであります。  第一は、テレホンクラブ等の性を売り物とする営業に対する指導取り締まりであります。  テレホンクラブ営業や性風俗特殊営業等の性を売り物とする営業は、女子少年の性の逸脱行為や犯罪被害のきっかけとなるおそれが大きいものでありまして、特にテレホンクラブ営業は、いわゆる援助交際と称する性の逸脱行為の温床となっております。  平成十一年中、テレホンクラブ営業に係る福祉犯で検挙した人員は千百十三人であり、罪種別では、青少年保護育成条例(淫行等の禁止)違反が全体の約八〇%を占めているほか、児童福祉法違反、売春防止法違反等となっております。  さらに、昨年十一月に施行されました児童買春、児童ポルノ法による児童買春事件の検挙状況は、本年一月から六月までの半年間を見ますと四百五十二件、二百八十五人でありまして、そのうちテレホンクラブ営業に係るものは二百七十七件、六一%、人員では百七十一名、六〇%となっております。要するに、全体の約六〇%を占めております。  警察としましては、テレホンクラブ営業等について、テレホンクラブ営業規制条例等の関係法令を活用した指導取り締まりを徹底するとともに、テレホンクラブ営業等に係る福祉犯の取り締まりを徹底しております。さらに、関係機関、団体や地域住民の方と連携しまして、少年がテレホンクラブを利用することがないよう、非行防止座談会、非行防止大会等のあらゆる機会を通じて広報啓発活動を推進しております。  第二は、少年に対する有害情報のはんらんの抑止であります。  近年、性や暴力に関する過激な情報を含んだ雑誌、ビデオ、パソコンソフト等の有害図書類を少年が簡単に入手できる状況にあります。性や暴力に関する過激な情報のはんらんは少年非行の深刻化の一因とも考えられており、事実、格闘技ゲームのわざを試そうとした傷害事件や、アダルトビデオの影響を受けたと見られる性犯罪の発生も見られるところであります。これらの図書類のうち、都道府県の青少年保護育成条例に基づき有害図書類として指定されたものについては、青少年に対する販売等が禁止をされております。  警察としましては、青少年保護育成条例により規制対象となっている有害図書類につきましては、条例を所管する関係機関や地域住民の方々と連携をして、関係業界の自主的措置の促進を図るとともに、個別の業者に対する指導の徹底や悪質な業者に対する取り締まりの強化を図っております。  さらに、インターネット等の新たなメディアを通じて、違法薬物等の販売情報、性や暴力に関する成人向け情報等の有害情報に少年が容易にアクセスできる状況が急速に拡大しており、また、少年がインターネット等を利用して不正アクセス、詐欺等の非行を行う事案も発生をしております。  警察としましては、インターネット等による有害情報等対策としまして、児童ポルノ、わいせつ図画等の禁制情報に対する取り締まりの強化、風営適正化法の円滑な施行、これは、映像送信型性風俗特殊営業者が十八歳未満の者を客とすることを禁止していること等、そういう規定の施行であります。そして、プロバイダーの自主的措置の促進等を推進しております。  第三は、不良行為を助長する環境の浄化であります。  カラオケボックス等の娯楽施設や深夜飲食店等においては、不良行為少年のたまり場となったり、飲酒、喫煙等の不良行為が行われるおそれが大きい状況にあります。さらに、コンビニエンスストアや自動販売機等により、少年が酒やたばこを容易に入手することができる状況となっております。  警察としましては、風営適正化法、未成年者飲酒禁止法、未成年者喫煙禁止法等に基づく指導取り締まりを徹底するとともに、深夜に少年を立ち入らせないこと、少年に酒やたばこを販売しないことなどの自主的措置の促進を図っております。  最後に、少年を取り巻く有害環境にはさまざまな形態がありますが、今日の目まぐるしい時代の変化の中で、これらも刻々と変化をしております。警察としましては、関係機関、団体や地域住民の方々と緊密に連携をし、実態を把握しつつ、少年を取り巻く有害環境の浄化対策を今後も推進をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。

青山二三公明党

○青山委員長 次に、法務大臣官房審議官渡邉一弘君。

渡邉一弘法務大臣官房審議官

○渡邉政府参考人 法務省から御報告申し上げます。  青少年を取り巻く有害環境に関しましては、法務省におきましては、本日お手元にパンフレットを配らせていただきましたが、「ふれあいのある明るい地域づくりへの参画」というパンフレットでございますが、このパンフレットに示されていますように、社会を明るくする運動を通じて啓発活動に努めております。また、検察当局におきましては、関係罰則を適正に運用し、青少年に対する有害行為等を処罰しているものと承知しており、青少年を取り巻く環境の浄化に努めているところであります。  まず、関係罰則の適用状況について御説明申し上げます。  御承知のように、刑法は、十三歳未満の女子を姦淫した場合には強姦罪、十三歳未満の男女に対してわいせつ行為をした場合には強制わいせつ罪として、それぞれ相手方の同意の有無にかかわりなく処罰することとし、また、わいせつな文書、図画その他のものを頒布、販売、公然陳列または販売目的で所持した者も、わいせつ物頒布罪等の罪で処罰することとしています。  このうち、わいせつ文書頒布等につきましては、平成十一年におきまして、全国検察庁で七百四十三人を起訴しております。  近時、インターネットの普及により、これを利用してわいせつ画像等を配信する行為が問題となっておりますが、例えば、ホストコンピューターのハードディスク等の記憶装置にわいせつ画像を記憶させ、インターネットを利用して不特定多数の者に対して右画像を閲覧させる行為は、刑法百七十五条のわいせつ物公然陳列罪の適用により処罰されることとなっております。  次に、児童買春法は、昨年五月十八日に成立し、同年十一月一日から施行されておりますが、児童買春、その周旋、勧誘、児童ポルノの頒布、販売、業としての貸与、公然陳列、これらの目的での児童ポルノの製造、所持、運搬、輸入、輸出、児童買春等の目的での児童の人身売買等を処罰することとされております。  同法施行以降、平成十二年三月までの間に、全国の検察庁で、児童買春またはその周旋により百六十三人を受理し、そのうち百二十人を起訴しております。同じ間に、児童ポルノの頒布等では、八十二人を受理し、そのうち六十二人を起訴しております。児童ポルノについても、わいせつ画像等と同様、インターネットを利用する行為が問題となっておりますが、同様に児童ポルノの公然陳列罪等が適用されることとなると思われます。  同法の十二条一項は、「事件の捜査及び公判に職務上関係のある者は、その職務を行うに当たり、児童の人権及び特性に配慮するとともに、その名誉及び尊厳を害しないよう注意しなければならない。」と規定し、同条の二項は、「国及び地方公共団体は、職務関係者に対し、児童の人権、特性等に関する理解を深めるための訓練及び啓発を行うよう努めるもの」と規定しております。  これを受けて、法務省におきましては、検察官の各種研修や会議等の機会にこの規定の趣旨を周知徹底するよう努めており、検察官においても、児童からの事情聴取に当たり、児童の受けた心身への有害な影響やその精神状態等に十分配慮し、取り調べの時間や回数等、検察庁への来庁の際の送迎など、取り調べ担当者の選定などについて必要な配慮を払っているものと承知しております。  第三に、児童福祉法は、児童の保護のための禁止行為を定め、児童に淫行させる行為など、児童に有害な影響を与える一定の行為を処罰しております。同法に言う児童とは十八歳未満の者をいいますが、一部の罰則は十五歳に満たない者を客体としております。児童福祉法違反については、平成十一年に全国の検察庁で二百四十一人を起訴しております。  そのほか、風営適正化法は、風俗営業を営む者が十八歳未満の者に接客等をさせたり、このような者を客として立ち入らせる行為等を処罰しており、また労働基準法は、最低年齢違反、未成年者の労働契約違反、有害業務就業制限違反等の罰則を、職業安定法は、有害業務につかせる目的での労働者募集等の罰則を、未成年者飲酒禁止法、未成年者喫煙禁止法は、親権者等が未成年者の飲酒、喫煙を知りつつ制止しなかった行為の罰則をそれぞれ設けております。  これらの事件についても適正に罰則を運用しております。  多くの地方公共団体では、青少年の健全な育成を図るため、これを阻害するおそれのある行為に対する罰則を条例で設けておりますが、その内容は地方公共団体により異なるものの、青少年に対する淫行、わいせつな行為、青少年の性的感情を著しく刺激し、その健康な育成を阻害するおそれのある有害図書類の青少年に対する販売等、有害図書類の自動販売機への収納等について罰則を設けられていることが多く、いわゆるテレホンクラブの営業について規制を設けている地方公共団体も、先ほど他省庁からも報告がありましたように、少なくはございません。平成十一年には、全国検察庁において、青少年保護育成条例違反により二千二人を起訴しております。  少年による薬物犯罪を見ますと、その圧倒的多数を占めるのは毒物及び劇物取締法違反であり、次いで覚せい剤取締法違反であります。  平成十一年度における少年の特別法犯の司法警察員からの送致人員総数に占める罪名別構成比を見ますと、毒物劇物取締法違反が六三・三%と最も高くなっており、次いで覚せい剤取締法違反が一一・九%を占めております。  毒劇法違反による少年送致人員は平成三年以降減少が続いており、平成十一年の少年送致人員は五千二百七十九人となっております。一方、覚せい剤取締法違反による少年送致人員は、平成十一年、九百九十六人であります。  このような薬物乱用事件の捜査処理につきましては、検察官において、犯罪事実はもとより、その少年の要保護性についても十分な捜査を遂げ、適切な処遇意見を付して家庭裁判所に送致するよう努めているものと承知しております。  最後に、社会を明るくする運動について御説明申し上げます。  法務省では、毎年七月を強調月間として全国で実施している社会を明るくする運動を主唱しております。この運動は、すべての国民が、犯罪や非行の防止と、罪を犯した人たちや非行に陥った少年たちの更生について理解を深め、それぞれの立場で力を合わせて犯罪や非行のない明るい社会を築こうとする全国的な運動であり、「ふれあいと 対話が築く 明るい社会」という標語のもとに、効果的な運動を推進しております。  この運動は、保護司会、更生保護婦人会、BBS会等を初めとする民間協力組織や関係諸機関、団体等の協力を得て全国的に実施しているものであります。  社会を明るくする運動におきましては、地域における薬物乱用防止のための広報啓発活動の強化にも努めており、青少年の薬物乱用問題についても、これを取り上げた広報資料等を積極的に活用するなど、薬物乱用対策に対する国民の理解と協力を促しております。  本年も、七月を社会を明るくする運動強調月間とし、犯罪や非行を防止するとともに、罪を犯した人や非行に陥った少年の更生を支え、触れ合いのある明るい町づくりに参画するを重点目標として、全国的に運動を展開したところでございます。  以上でございます。

青山二三公明党

○青山委員長 次に、文部省生涯学習局長崎谷康文君。

崎谷康文文部省生涯学習局長

○崎谷政府参考人 文部省におきます青少年を取り巻く有害環境への対策について御説明を申し上げます。  資料に沿いまして御説明申し上げます。  基本的な立場でございますが、メディア上の性、暴力に関する情報など青少年を取り巻く有害環境の問題につきましては、心身の発達途上にあり、判断力、責任感が未成熟な青少年に対する悪影響が懸念されるところでございます。  こういう観点から、文部省として極めて憂慮すべき状況にあると認識をしております。メディア関係者等において適切な配慮が必要であると考えております。  関係業界等への働きかけでございますが、平成十年に、人気テレビドラマの主人公をまねた子供によるナイフなどを使った凶悪事件が続きました。これを契機といたしまして、メディア上の有害情報を問題とする世論が高まったわけでございますが、この背景のもと、文部省では、平成十年の五月、放送業界、出版業界等の関係業界に対しまして、一層の自主規制を要請しております。  特に、テレビ、ビデオの問題につきましては、平成十年の四月に、郵政省、通産省に対して、Vチップあるいは事前表示の導入等について、前向きで速やかな検討を行うように要請をしたところでございます。  また、昨年、平成十一年十二月以降におきましては、文部省と経済同友会、日経連等々の経済団体との懇談会の場がございますが、そういう場において、文部大臣から各団体に対しまして、テレビ番組のスポンサーとなるに際しての格段の理解と協力を要請しておるところでございます。  PTAが行うテレビのモニタリング調査に対する支援でございます。  PTAあるいは地域住民による有害情報への取り組みを促進するという観点から、日本PTA全国協議会及び全国高等学校PTA連合会が平成十年度から三年間の計画でテレビ番組の全国モニタリング調査を実施しておりまして、これを文部省として支援をしているところでございます。  なお、資料につけておりますが、PTAは、平成十二年三月から四月のモニタリング調査の結果に基づきまして、テレビ局に加えて、スポンサーに対する要請を行っているところでございます。  この調査の結果、最も悪い評価を受けたテレビ番組「稲妻!ロンドンハーツ」の主要スポンサー数社に対して改善の要請を行ったところ、一部のスポンサーから、前向きに検討する旨の反応もあったところでございます。  学校における取り組みの改善についてでございますが、従来から、学習指導、生徒指導を通じて、学校教育全体を通しまして、児童生徒の社会性、自律性を育成するとともに、道徳教育の充実を通しまして、社会生活上のルール、基本的なモラルなどの倫理観をはぐくんでおります。みずからを律し、他人を思いやる心を持つなどの、豊かな人間性、社会性の育成を図っているところであります。  平成十四年度から完全学校週五日制の実施にあわせまして行われます新しい学習指導要領におきましては、情報教育の充実を図っております。中学校の技術・家庭科において情報とコンピューターを必修とするとともに、高等学校の教科に情報を新設し、必修としております。  このようなことによりまして、子供たちが必要な情報を主体的に判断し、選択する能力、あるいは情報モラルの必要性や情報に対する責任について考える態度等を育成することとしております。  家庭への働きかけでございます。  乳幼児や小中学生を子に持つすべての親に、現在、家庭教育手帳、家庭教育ノートを配布しておりますが、テレビ、テレビゲーム、ビデオに関して、幾つかの呼びかけを含めております。  まず、極端に暴力的な場面や露骨な性描写が盛り込まれたものは、親の判断で子供に見せないようにするような家庭でのルールをつくるということ、次に、子供によいと思われる番組を一緒に見るなどして、子供とのコミュニケーションを深めるということ、三番目には、屋内での遊びだけではなく、自然体験の活動などを通じて生命の大切さや自然環境への感謝の気持ちを教えていくというようなことを手帳、ノートに盛り込んでいるところでございます。  また、資料にもございますが、平成十三年度概算要求におきましては、NPO等における取り組みを支援するため、海外の実践例を踏まえた我が国における取り組みを検討するための調査研究に係ります経費を要求しているところでございます。  今後の方針でございますが、文部省としましては、青少年を取り巻く有害環境の問題について、メディアにおきます適切な対策が早期かつ確実に実施されますよう、保護者、教育関係者の意見を聞きながら、関係省庁、関係業界等への働きかけを引き続き積極的に行ってまいります。  あわせて、当然のことでございますが、学校教育や社会教育における取り組みを積極的に推進し、家庭教育に対する支援を前向きに行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。

青山二三公明党

○青山委員長 次に、厚生省児童家庭局長真野章君。

真野章厚生省児童家庭局長

○真野政府参考人 厚生省関係につきまして御説明を申し上げます。  資料に沿って御説明をしたいと思います。  まず、一ページをお開きいただきたいと思いますが、青少年育成推進要綱の中で、厚生省に関連する事項といたしましては、青少年の喫煙及び飲酒の防止、児童買春、児童ポルノに係ります児童の保護、青少年の薬物乱用対策、この三点でございます。  まず初めに、未成年者の喫煙及び飲酒の防止についてでございますが、二ページをお開きいただきたいと思います。  未成年者の喫煙や未成年者に対しますたばこの販売につきましては、未成年者喫煙禁止法によりまして禁止されておりますけれども、二ページにございますように、厚生省の平成十年度喫煙と健康問題に関する実態調査によりますと、未成年者の喫煙率は、男性で一九・〇%、女性で四・三%に上っております。  こうした状況を踏まえまして、資料の三ページにございますが、厚生省では、本年三月に策定し公表いたしました、二十一世紀における国民健康づくり運動、健康日本21の中で、未成年者の喫煙をなくすなどの目標を掲げて、未成年者の喫煙を防止するための取り組みを一層推進することといたしております。  この一環といたしまして、本年の五月には、未成年者の喫煙防止をメーンテーマとしました、平成十二年度世界禁煙デー記念シンポジウムを開催し、さらには、インターネットなどによる、たばこの健康影響に関する正しい知識の普及啓発等の対策を講じております。  また二ページにお戻りをいただきまして、未成年者の飲酒や未成年者に対する酒類の販売につきましては、未成年者飲酒禁止法により禁止されておりますが、その二ページにございますように、国立公衆衛生院の平成九年度調査によりますと、高校三年生男子の二人に一人が月に一、二回以上飲酒していると報告されております。  こうした未成年者の飲酒は、精神的、身体的な影響が大きいことから、三ページにございますように、先ほど申し上げました、二十一世紀における国民健康づくり運動、健康日本21においても、未成年者の飲酒をなくすなどの目標を掲げて、未成年者の飲酒防止のための取り組みを推進しております。  この一環といたしまして、パンフレット、インターネット、シンポジウムなどによる未成年者及びその周囲の大人に対するアルコールの健康影響に関する正しい知識の普及を行うほか、都道府県等に設置されております保健所、精神保健福祉センターにおいて実施しております未成年者に対する正しい知識の普及及び相談指導などの総合的な対策を強化し、アルコール関連問題の予防に努めております。  これらの施策は、酒類に係る社会的規制等関係省庁連絡協議会で決定をいたしました未成年者の飲酒防止等対策及び酒類販売の公正な取引環境の整備に関する施策大綱においても取り上げられておりまして、今後は、同協議会の関係省庁と連絡をとりながら、未成年者の飲酒防止等の対策の充実に努めたいと思っております。  続きまして、児童買春、児童ポルノに係る児童の保護についてでございます。  四ページでございますが、昨年十一月から施行されましたこの児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律におきましては、児童買春、児童ポルノに係る行為を処罰する規定に加えまして、児童の保護に関するものといたしまして、第十四条で、国民の理解を深めるための教育、啓発、第十五条で、心身に有害な影響を受けた児童に対する相談、指導、一時保護、入所施設等の必要な保護の措置、第十六条で、調査研究の推進、保護を行う者の資質の向上、関係機関、民間団体との連携協力体制の整備などが規定されております。  このため、厚生省におきましては、児童買春の相手方となったことや児童ポルノに描写されたことなどにより心身に有害な影響を受けた児童について適切な保護を実施できるよう、法律の施行に際しまして、各都道府県、各政令指定都市に対する通知を発出するとともに、関係機関及び関係団体への周知の徹底に努めております。  当該通知の具体的な内容につきましては、四ページにございますように、児童の保護に当たっての総合的な診断や児童に対するカウンセリングなどの必要性、心理的療法が必要な場合における児童相談所、児童家庭支援センター等の活用、児童福祉施設へ入所している児童に対する適切な心理的治療の実施、それから、関係機関、関係団体との連携の強化、広報啓発や調査研究、研修の推進などでございます。  なお、法律が施行となりました昨年十一月から今年三月までの間に、全国の児童相談所における児童買春、児童ポルノ禁止法関係の相談件数は九十件となっております。  また、被害に遭った児童につきましては、必要に応じて児童養護施設などで保護を行うことになりますが、個々の児童の心身の状況に応じて、カウンセリングなどの心理療法により心的外傷をいやすことが重要であり、情緒障害児短期治療施設に医師、心理療法担当職員を必置としているほか、平成十一年度から、児童養護施設にも心理療法担当職員を配置することといたしております。  さらに、平成十三年度、来年度の概算要求におきまして、児童養護施設に加えまして、乳児院、母子生活支援センターへの心理療法担当職員の配置や児童養護施設への心理療法室の整備などを要求しておりまして、児童福祉施設での保護の充実を図りたいと考えております。  最後に、青少年の薬物乱用対策でございます。  五ページでございますが、我が国におきます最近の薬物事犯は、第三次覚せい剤乱用期の深刻な状況が続いております。特に、青少年の間で薬物乱用に対する警戒感や抵抗感が薄れ、薬物乱用が拡大しているなど、大変憂慮すべき状況であると考えております。  中高校生の覚せい剤事犯検挙状況を見ますと、平成十一年は延べ百五人でございましたが、ことしの一月から六月期と昨年の同期を比較いたしますと、三十七人から七十四人と倍近く検挙者がふえております。  現在、政府の取り組みといたしましては、内閣総理大臣を本部長といたします薬物乱用対策推進本部におきまして、平成十年五月に薬物乱用防止五か年戦略を策定し、早期に第三次覚せい剤乱用期を終息させることを目標に、関係省庁の緊密な連携のもと、総合的な対策を実施しているところでございまして、厚生省におきましては、取り締まりの強化、啓発活動の充実、再乱用防止の推進、国際協力の推進など、総合的に取り組んでおります。  特に、厚生省におきます青少年に対する薬物乱用対策といたしましては、学校教育の場における啓発の推進といたしまして、薬物乱用防止キャラバンカーの整備や麻薬取締官OBなどを活用した講演実施など、文部省が取り組んでおられます全国の中学、高校におきます薬物乱用防止教室開催への協力、支援を行っております。  また、地域、家庭の場におきましては、全国的な啓発運動として、毎年、「ダメ。ゼッタイ。」普及運動や麻薬・覚せい剤乱用防止運動を展開するほか、財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センターを活用した啓発活動を実施しております。  このほか、各地区麻薬取締官事務所などで薬物に関する相談事業を実施いたしておりまして、青少年に対する薬物乱用防止対策を推進しているところでございます。  以上、厚生省関係の御説明を申し上げました。

青山二三公明党

○青山委員長 次に、郵政省放送行政局長金澤薫君。

金澤薫郵政省放送行政局長

○金澤政府参考人 郵政省における青少年対策について御説明申し上げたいと思います。  封筒に資料が入ってございますので、ごらんいただきたいと思います。  まず、放送分野における青少年対策でございますが、放送法におきましては、放送事業者による自主自律というものを原則としております。放送番組準則を法律上定めておりまして、これに基づきまして放送事業者がみずから番組基準を策定いたしますとともに、放送番組審議機関を設置して番組の適正化を図るということを定めているところでございます。  郵政省は放送事業者とさまざまな検討を行っておりますが、この検討に基づきまして、郵政省と民放連は、自主的な機関として、放送と青少年に関する委員会というものを設置いたしております。  放送事業者が策定する番組基準でございますが、日本放送協会番組基準、日本民間放送連盟放送基準におきまして、それぞれ児童向け番組、児童及び青少年への配慮を規定しているところでございます。  調査研究会の開催でございますが、平成十年五月から十二月まで、青少年と放送に関する調査研究会というものを開催いたしました。さらに、これを詳細に具体化いたしますために、専門家会合を開催したところでございます。この提言に基づきまして、放送事業者におきましては、第三者的な苦情処理機関として、四月に放送と青少年に関する委員会というものを設置したところでございます。  次に、メディアリテラシーの向上に関する取り組みでございますが、平成十一年十一月から平成十二年六月まで、放送分野における青少年とメディア・リテラシーに関する調査研究会というものを開催いたしました。現在、この提言を受けまして、メディアリテラシー教材の開発を実施しているところでございます。  次に、衛星放送分野における青少年保護措置でございますけれども、これにつきましては、契約時における年齢確認などの一定の青少年保護措置を講ずることを認定の基準としたということでございます。CS放送では成人向け番組が存在いたしますので、このような形で処理しているところでございます。  次に、四ページをごらんいただきたいと思いますが、インターネット上の違法有害情報対策についてお話し申し上げたいと思います。  インターネット上を流通する違法有害情報の問題につきましては、郵政省といたしましては、業界団体による自主規制のガイドラインの策定、周知の支援、これに取り組んでいるところでございます。  まず、テレコムサービス協会が、平成十年二月にインターネット接続サービス等に係る事業者の対応に関するガイドラインというものを策定いたしました。  このガイドラインにおきましては、違法有害情報が流通していることを知った場合には、ISPは情報発信をとめるよう発信者に要求することができます。それでも発信をとめない場合には、当該情報の削除の措置を講じる、繰り返し行われる場合には、発信者の利用停止、契約の解除を行うというふうなガイドラインを定めているところでございます。  このガイドラインにつきましては、テレコムサービス協会がモデル契約約款を策定し、周知しているところでございます。  さらに、有害情報のレーティング、フィルタリング技術も研究開発を進めているところでございます。  今後の課題でございますが、こうした取り組みは一定の成果を上げておりますけれども、急速に進行するインターネットの普及に伴いまして、違法有害情報の流通をめぐるトラブルは、依然高度化、多様化の様相を呈しております。自主規制の実効性を高めるための施策が引き続き求められているところでございます。  現在、インターネット上の情報流通の適正確保に関する研究会等におきまして、法制度の整備を含め、検討を進めているところでございます。  検討項目の一つは、情報の媒介者としてのインターネット・サービス・プロバイダー等の責任範囲でございます。  情報が違法有害情報かどうかという判断は非常に困難を伴う場合が多くて、ISP等の責任が問われるおそれがございます。このために、違法情報の媒介行為、削除行為等に関するISP等の責任を明確化するためのルールを整備する必要があるということで、法制度の整備を検討しているということでございます。  それから、民事紛争における加害者特定のためのISP等の保有する発信者情報の開示でございます。  通信には、通信の秘密が係っておりまして、匿名性通信の発生する余地があるわけですが、だれが相手かわからない違法情報について、発信者の氏名の開示をどのような場合に求めることができるのかということについて法制度の整備の必要があるということでございます。  それから、コンテンツ提供事業者の自主的な取り組みでございますが、コンテンツの提供事業者につきましても取り組みを支援してまいりたいというふうに思っております。  最後に、レーティング、フィルタリングにつきまして、国際的な取り組みを踏まえつつ、普及の支援方策等の検討を進めたいというふうに考えている次第でございます。  以上でございます。

青山二三公明党

○青山委員長 以上で政府参考人からの説明は終了いたしました。     —————————————

青山二三公明党

○青山委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。馳浩君。

馳浩自由民主党

○馳委員 おはようございます。自由民主党の馳浩です。  きょう、私は、青少年を取り巻く有害環境の基準は何かという問題であるとか、それを国がいかに規制してよいものかどうか、そして個別には、青少年と放送、こういう観点から質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  まず、現在、参議院の自由民主党におきまして、私も参議院議員時代に関与いたしました青少年社会環境対策基本法なる法案が準備をされております。  詳細については検討いたしませんが、この法案の眼目は、青少年に有害な商品または役務を提供する事業者に自主規制をするように努力義務を課している点と、もう一つ、国または自治体によるこれら事業者に対する指導、助言、勧告を認めており、そして、勧告に従わない場合には事業者名を公表するということで勧告の実効性を担保する点に特徴があります。つまり、国による有害情報提供者への規制を初めて認める法案の内容になっております。  そこで、この法案の提出を控えて、当委員会では国の規制の適否についてしっかり議論すべきと思いますが、青少年の置かれた現状も踏まえまして、総務庁の御所見をお伺いしたいと思います。

川口雄総務庁青少年対策本部次長

○川口政府参考人 私ども、先ほど説明のときに申し上げましたとおり、青少年の性や暴力に関する価値観に悪影響を及ぼしたり、あるいは性的な逸脱行為や残虐な行為を容認する風潮の助長につながる要因の一つに、青少年の健全な育成に有害な環境があるというふうに考えております。  ただいま馳議員お述べになりました青少年社会環境対策基本法案の概要につきましては、発達途上にある青少年に強い影響を及ぼす有害環境の浄化にかかわる国の役割を法律化しようというものと理解いたしました。国による規制の適否につきましては、今後の委員会における審議を見守っていきたいというふうに考えております。

馳浩自由民主党

○馳委員 この件に関して一言コメントすれば、何をもって有害環境なのかという科学的な根拠、基準というものが非常につくりづらい一側面があるということ、と同時に、事業者の営業権の問題も絡んでくるという、いわゆる我々立法府において法律によって規制していこうと考える場合にどうしてもそういう壁が出てくるわけでありますが、今、川口さんもおっしゃったように、社会的な風潮あるいは社会的な一般認識という点から考えれば、今放置しておいてよい問題ではないという認識は、これはもう与野党問わず先生方にもでき上がっている今日なのではないか。  なぜならば、これほどまでに情報化社会が進展してきているという点と、極めて商業主義的な風潮が蔓延しているということから考えましても、二十一世紀を目前に控えた今、取り組まなければいけない問題であるということを改めて意見表明させていただきます。  さて、次の質問に移ります。  政府のあらゆる諮問機関の報告にもあらわれておりますが、現在、青少年にとって非常に有害な環境が蔓延しているということは大変憂慮すべき問題である、これは世論の常識となっていると私は思います。しかし、公的規制に反対する立場の人は、メディアの有害情報と青少年への悪影響は因果関係が証明されていないから公的規制には反対だとよく唱えております。  そこで、質問ですが、日本ではこの点についての調査がおくれていると思います。英米におきましては、テレビ等の調査が進んでいると承っております。そこではどんな結論が出ており、総務庁はどのように認識をしているのですか。そして、このような因果関係を調べる調査を日本も国が主導しながら行うべきと考えておりますが、いかがでしょうか。

川口雄総務庁青少年対策本部次長

○川口政府参考人 総務庁の青少年対策本部では、国内におきます青少年に関する調査研究につきまして、情報研究なり、あるいはみずから調査を行っているところであります。海外における調査でございますけれども、私ども十分把握しておりません。  ただ、我が国における有害情報と非行との関連につきましては、私ども総務庁の青少年対策本部がいろいろな調査を行っておりますけれども、有害情報への接触が多い少年ほど非行の経験が多いという、そういった、因果関係ではございませんけれども、相関関係があるということが確認されております。  今後とも、いろいろな格好で調査を進めたいと思います。

馳浩自由民主党

○馳委員 有害環境に触れるほど非行に走る、あるいは問題行動を起こす青少年が多いという一つの因果関係、一度、どういうふうな調査の仕方か、私に資料を渡してください。お願いいたします。  次の質問に移ります。  さて、問題は、この因果関係を証明するまでには相当な時間が必要なことであります。先ごろVチップを導入したアメリカにおきましては、この導入までに四十年余りも調査をしております。では、きっちりとした調査結果が出るまでは国は何らの規制もしてはいけないのか。つまり、疑わしきは罰せず的な考え方を支持するかであります。  私は、それでは遅過ぎると考えます。現在の有害情報のはんらんは限界を優に超えており、これ以上の野放しはできません。このような状況において、諸外国の信頼できる調査や社会通念としての常識を頼りに規制は肯定できると考えます。  しかしながら、こう言うと、憲法に保障された表現の自由を十分理解していないと常に反論されますが、そうではないと思います。すなわち、ここで言う人権の制約は、通常の場合と異なる点に着目すべきであります。  具体的には、第一に、青少年の健全育成というパターナリズム、すなわち国親的思想を根拠に規制しているということ。関連して、最高裁平成元年九月十九日判決においても、補足意見ながら、ここで問題となる因果関係については、科学的な証明は不要であり、相当な蓋然性があれば足りると述べておりますし、肝心の判決理由も、この因果関係については、社会共通の認識と判示しております。  第二に、情報の提供は、現代社会ではマスメディアが独占しており、そのマスメディアは一私人とは言えない事実上の第四の権力者であること。  第三に、ここで言う有害情報は、本来最も保護すべき政治的意見等と異なる情報であり、したがって、その両者の区別は困難ではありますが、その保護の程度は劣る表現活動でありますし、保護の程度を区別しなければ、肝心の本来保護すべき情報まで一蓮託生的に制約されてしまう危険があること。  以上三点から、青少年有害情報の公的規制は、規制の範囲を明確化すれば十分憲法上許される規制であり、一般の表現の自由の制限と同質的にとらえるべきでないと考えます。  以上、青少年有害情報と表現の自由の規制については、一般の表現の自由の規制とは異なる規制であると思いますが、判例はどう考えているのでしょうか。法制局の見解をお伺いしたいと思います。

阪田雅裕内閣法制局第一部長

○阪田政府参考人 憲法二十一条第一項の表現の自由との関係についてのお尋ねでありますけれども、憲法二十一条一項は、表現の自由を絶対無制限に保障したものではなく、公共の福祉のため必要かつ合理的な制限を是認するものであるということは、最高裁の判例で認められているところでありますし、私ども、これまで幾度か国会で同様の見解をお示ししてきたところであります。  今、先生からも御指摘がありましたけれども、青少年に有害な情報に係る規制と表現の自由との関係に関する判例として最も代表的なものは、岐阜県青少年保護育成条例違反事件についての平成元年九月の最高裁判決がございます。この判決は、この岐阜県の条例の、青少年の健全な育成を阻害するおそれがあると認めて知事が指定した有害図書等を自動販売機に収納してはならないなどといった規制が憲法二十一条第一項に違反しないかという点が争点であったわけであります。  この点につきまして、最高裁は、今先生も一部御引用になりましたが「有害図書が一般に思慮分別の未熟な青少年の性に関する価値観に悪い影響を及ぼし、性的な逸脱行為や残虐な行為を容認する風潮の助長につながるものであって、青少年の健全な育成に有害であることは、既に社会共通の認識になっている」。ちょっと飛ばしますけれども、「さらに、自動販売機による有害図書の販売は、」「書店等における販売よりもその弊害が一段と大きいといわざるをえない。」などと述べました上で、「有害図書の自動販売機への収納の禁止は、」「青少年の健全な育成を阻害する有害環境を浄化するための規制に伴う必要やむをえない制約であるから、憲法二一条一項に違反するものではない。」というふうに判示しておるわけであります。  委員の御指摘は、青少年に有害な情報の提供については、一般の表現の自由に対する規制とは異なり、より広範なといいますか、一歩踏み込んだ規制が許されるのではないかということであろうかと思いますけれども、その点につきましては、現在既に、今申し上げました岐阜県の条例のほかにも、かなり多くの地方公共団体で、青少年の保護育成という見地から、有害図書等を規制する条例が制定されているという事実がございます。  それからまた、今申し上げました最高裁判決において、伊藤正己裁判官が補足意見としても次のように述べておられるわけであります。  ポイントだけ申し上げますと、すなわち、「青少年のもつ知る自由は一定の制約をうけ、その制約を通じて青少年の精神的未熟さに由来する害悪から保護される必要があるといわねばならない。もとよりこの保護を行うのは、第一次的には親権者その他青少年の保護に当たる者の任務であるが、それが十分に機能しない場合も少なくないから、公的な立場からその保護のために関与が行われることも認めねばならないと思われる。」さらには、「青少年保護のための有害図書の規制が合憲であるためには、青少年非行などの害悪を生ずる相当の蓋然性のあることをもって足りると解してよいと思われる。」というふうに述べておられるわけです。  委員の先ほどの御提言にありました、青少年に有害な情報の規制については国親的な思想に基づく規制を行うべきではないか、あるいは有害情報と青少年非行との間の因果関係については、厳密な科学的な立証が難しいとしても、先生は社会常識とおっしゃいましたでしょうか、一種の蓋然性があれば規制が可能ではないかというふうな諸点というのは、伊藤判事のこのような見解とおおむね趣旨を一にするものだというふうに考えております。

馳浩自由民主党

○馳委員 大変丁寧に御答弁いただいて、ありがとうございます。  今、実は法制局の見解にありましたところで、私は非常にポイントがあったと思います、あえて一定の制約が表現の自由にもなされてしかるべきという答弁の中で。  これは、各都道府県、条例でやっているんですよ。我々立法府に身を置く人間として、こういう重要な問題を各都道府県の条例に任せておく。と同時に、各都道府県において大変な議論の上で条例もできておりますが、条例というのは一定の地域に限定されてその範囲が及ぶものでありますから、こういう青少年を取り巻く有害環境、事業者の立場からすれば、厳しい条例をつくられたら、では隣へ行こうか、隣の県へ行こうか、隣の町へ行こうか、こういうふうなイタチごっこが行われるものであります。  私は、この青少年特別委員会におきましても、青少年のいわゆる有害環境を取り締まるという観点からではなくて、健全に育成するためには、有害環境についても一定の制約、規制が必要であるというふうな観点からの立法措置というものは十分考えられてしかるべきであるというふうに、きょう法制局の見解を伺いながら改めて思ったという意見表明をまずさせていただきたいと思います。  次の質問に移ります。  さて、今まで規制反対派の考えを否定し続けましたが、理解できるものもあります。それは、有害情報の遮断だけではこの問題は解決しないという点であります。  この点を踏まえた答申が、昨年七月二十二日に青少年問題審議会が出した「「戦後」を超えて 青少年の自立と大人社会の責任」という答申だと思います。ここでは、青少年の健全育成のために、一つは、青少年を非行から守る環境づくりをすること、さらに、車の両輪として、青少年を育成する環境づくり、すなわち、青少年育成の基盤となる新たな地域コミュニティーの形成を具体的に提言しております。  まず、この概略について、総務庁、説明してください。

川口雄総務庁青少年対策本部次長

○川口政府参考人 ただいま議員お尋ねになりました、昨年七月に出された青少年問題審議会の答申でございますけれども、その答申の中では、青少年をめぐる問題というのは、社会全体のあり方にかかわる問題だ、単に一部の青少年とかあるいは一部の大人たちではなくて、社会全体のあり方にかかわるものとしてとらえております。その青少年問題の対応に当たりましては、青少年は地域社会からはぐくむ、そういった視点に立って、青少年が開かれた人間関係の中で社会性を培っていくための地域社会の環境づくりが必要であるというふうにしております。  このために、青少年育成の基盤となる新たな地域コミュニティーというもの、すなわち、地域の一定のエリアにある家庭とか学校とか地域住民、企業、民間団体、関係機関がネットワークを構築して、有機的なまとまりを形成するということをやっていくべきではないかというふうに提言しております。  この新たな地域コミュニティーを基盤としまして、青少年が、いろいろな人間関係とか、自然体験あるいは社会体験、そういったものを通じて社会性とか主体性を習得して、個性を伸ばしていけるような多様な活動の場を提供していくこと、それから、この地域コミュニティーを中心に、非行等問題行動を防止する社会の抑制機能を再構築していくことが必要である、そういうふうな提言を行っております。

馳浩自由民主党

○馳委員 問題は、この答申を受けて、どんな施策が具体化されているかであります。答申を受けて一年たっておりますので、その具体的中身について、総務庁、文部省、警察庁に伺いたいと思います。  そして、これらの施策の連携はどうなっているのでしょうか。今後どうなるのかを総務庁にお伺いしたいと思います。

川口雄総務庁青少年対策本部次長

○川口政府参考人 政府全体としてこの答申を実施していくべきだというのが私どもの立場でございますので、この答申を受けまして、直ちに青少年対策推進会議、これは総務庁の事務次官をキャップにしまして関係省庁の局長クラスで構成されておりますけれども、それを開催しまして、昨年の十月に、政府の青少年行政の基本的な方針であります青少年育成推進要綱、これを改正しまして、その中身にこの答申の趣旨を追加しております。  この要綱におきましては、答申に述べられている、青少年行政の運営に当たっては、地域社会の構成員である家庭とか学校、地域住民が開かれた関係をつくり上げて、地域の自主的取り組みの推進を重視していく、そういったことを行政の基本方針の一部に盛り込んでおります。それから、青少年の社会参加活動等多様な活動を推進することを当面取り組む課題ということで、全省庁足並みそろえてやっていきましょうということで要綱に定めております。  それから、私ども総務庁としては、具体策というよりも、むしろ、政府全体の施策に関しましてこうやってくださいという総合調整の立場でございます。七月は青少年の非行問題に取り組む全国強調月間、あるいは今月は全国青少年健全育成強調月間ということになっております。各自治体でありますとか、あるいは関係省庁、民間団体に、こういったことでやってくださいというふうな働きかけを行っております。

上田正文警察庁長官官房審議官

○上田政府参考人 先生の御指摘の答申は、青少年を非行から守る環境づくりを提言しておりますが、少年を取り巻く環境は年々悪化をしておりまして、最近における少年非行の深刻化の背景の一つとなっております。  警察としましては、テレホンクラブ等性を売り物とする営業、有害図書類の青少年への販売、インターネット上の児童ポルノ、わいせつ画像等について、法令に基づき厳正に取り締まりを行うとともに、学校、市区町村、少年警察ボランティア等の関係機関、団体や地域住民の方々と緊密に連携をしつつ、学校における薬物乱用防止教室や非行防止教室の開催、関係業界等による自主的措置の促進や広報啓発活動等の諸対策を推進しております。  以上です。

崎谷康文文部省生涯学習局長

○崎谷政府参考人 御指摘の青少年問題審議会の答申におきましては、教育行政につきましても非常に有意義な提言がございます。特に、次代を担う青少年の教育につきましては、学校、家庭、地域社会がそれぞれの役割を果たし、連携して社会全体として取り組む必要がございます。その中でも、今家庭や地域社会の教育力の低下ということが指摘をされておりまして、文部省におきましては、この提言の趣旨を踏まえた各種の施策を講じております。  具体的に申し上げますと、青少年を育成する環境づくりということにつきましては、地域の基礎として開かれた家庭に向けた支援としまして、家庭教育の支援策を講じております。例えば、子育て中の親の身近な相談相手となる子育てサポーターというような人を各県で幾つかの市町村で委嘱いたしまして、各学校、小学校等における余裕教室などを利用した子育て交流事業を実施する際などにおいていろいろ相談を受けるとかいうような、地域の子育て支援ネットワークづくりということで、子育て支援ネットワークの充実事業を始めております。  それから、地域の基礎として開かれた学校づくりということにつきましては、既にPTA、親と教師の会というのは各学校にほとんど設置をされておりますが、さらに保護者や地域の方々の助言をいただくための、そしてそれを学校の運営に反映していくための学校評議員制度というのを本年四月から導入し、実施に移しているところでございます。  それから、余裕教室を社会教育、福祉等に転用していくということにつきましては、手続の簡素化を図って促進をしてきたところでございますが、来年度の概算要求におきまして、そのような余裕教室等を地域の触れ合い交流センターという位置づけを行いまして、大人や子供の触れ合い交流合宿を初めとする、さまざまな異世代交流のプログラムを展開するための経費を要求しております。  また、地域コミュニティーを基盤とした青少年の多様な活動の場づくりということにつきましては、平成十四年度から完全学校週五日制の実施が予定をされておりますが、そのために、平成十一年度から、全国子どもプラン、緊急三カ年計画というものを進めております。地域で子供を育てる環境を整備し、親と子供たちのさまざまな活動を進めていっております。  例えば、河川を子供たちの遊び場として整備する「子どもの水辺」再発見プロジェクトなどの子供の活動の場の整備、あるいは、子供たちが身近な商店街等でさまざまな職業に触れることができる機会を提供する子どもインターンシップなどの子供の活動の機会の拡大、さらには、大学の施設を広く地域社会に開放して、地域の子供たちが多彩な活動を体験できる機会を提供する大学子ども開放プランなど、学校の施設機能の子供への開放などの施策を進めております。  また、提言では、青少年を非行から守る環境づくりということも指摘がございます。問題行動の早期発見、対処のための地域ぐるみの体制づくりということにつきましては、現在、警察署ごとあるいは市町村等の区域ごとに設置をされております学校警察連絡協議会を通じて、学校と警察の連携強化を図っております。  さらに、今年度からでございますが、市町村等を単位として地域を指定しまして、学校、家庭、地域社会、関係の機関が一体となって各地域の生徒指導上の諸問題に関しての実践的な取り組みを行う生徒指導総合連携推進事業を実施しているところであります。  また、開かれた情報メディアに向けた取り組みの促進ということにつきましては、先ほど御説明申し上げましたとおり、青少年を取り巻く有害環境への対策として、関係業界、関係省庁等への働きかけ、PTA等の取り組みの支援、情報教育の充実などの施策を講じております。  以上でございます。

馳浩自由民主党

○馳委員 質問項目に入れていなかったのですけれども、少年補導センター推進事業、これは所管はどこになりますか。少年補導センターは、警察かな、総務庁の方かな。  実は、私も金沢市の少年補導センターに行って、話を聞いてまいりました。現場の方々のこういう御苦労がありました。  深夜徘回等、問題行動等が見られると思われる少年を補導しようとしましたところ、何の権利があっておれをつかまえるのだと。あるいは、呼んで子供に話を聞くと、学校の担任の先生などに連絡をして呼びますと、担任の先生に非常に食ってかかる。それも、どうせ先生は子供に手を出せないだろうと、逆に、先生に対して暴言を吐き、時には暴力を振るう。やはり、十分に話を聞いてあげて、ようやく少年たちは心の平静さを取り戻しながら、家庭とも連絡をしながら、先生あるいは校長等とも連絡をとりながら、何とか平静を保つまでにはまあまあ少し時間がかかりますねということでありました。  同時に、少年補導センターの係員の皆さんは、これはむしろ文部省に申し上げるのですけれども、できる限り学校側からも、何かちょっと暴力行為であるとか、学校内でもよくあるカツアゲ、恐喝のような行為があったら、隠さないで、すぐに少年補導センターないしは警察にでも連絡してほしいと。その非行問題の芽生えがあるときに、やはりみんなで、親も入り、保護者も入り、先生も入り、警察の方も入りしてやれば、早目に手当てをすれば、それだけ早い段階において子供たちを手当てすることができるし、何よりも子供たちは話を聞いてほしがっている、自己顕示欲の強い子供ほどそういう問題行動を起こしがちであると。少年補導センターに伺いまして、こういう話を係員の方々から伺いました。  承りますれば、教育委員会からも派遣されており、校長経験者もおり、警察からも派遣されており、いろいろな方がこの少年補導センターにいらっしゃるということでありました。全国どの程度の箇所で、どの程度の内容を充実して対応しておられるかはわかりませんが、それはそれとして、資料をまた私のところによこしてください、また聞きますと答弁の時間が長くなって困りますので。  こういう少年補導センターの役割も大変大きいと思いますし、私も教員の経験があるから思うのですが、先生方はなかなか相談する人がいないんですよ。親に相談というのはなかなかできないですよね。親の方が逆に先生に相談する。先生は、なかなか校長にも相談しない。同僚あるいは自分の個人的な友人に相談をする。  そういう意味では、先生方を袋小路に追い込まないようにするためにも、一定の社会経験があり、あるいは権限を持った少年補導員の方々、こういったものも充実して、みんなで支え合う、こういう体制をとるためにも、総務庁、この少年補導センターという事業についてもう一度私の方に資料をください。大変効果があると思いますし、私も行きましたときに大変な要望をいただきましたので、またそういう点を詰めていきたいと思いますから、よろしくお願いいたします。  次の質問に移ります。  この答申が言うように、青少年を健全に育成するためには、有害情報への規制を含めた青少年を非行から守る環境づくりと、青少年を育成する学校を中核とするコミュニティーづくりが必要で、どちらか一方の施策が欠けても事は成就しない。まさに両方とも不可欠と考えます。しかし、この点、例えば、青少年を暴力や性のない非現実的な無菌室に押し込めて青少年を育成する環境づくりを実施しても、現実社会をたくましく生き抜く力は生まれないとの反対意見もありますが、この点、総務庁はどうお考えですか。

川口雄総務庁青少年対策本部次長

○川口政府参考人 ただいま先生、そういう反対意見もあるというような御紹介をされました。  私どもが考えておりますのは、発達途上にある青少年が現実にある社会環境の中でたくましく生きていくための力、そういったものをはぐくむことが重要である、そのためには、多様な人間関係を築き、社会体験とか自然体験を行う場を積極的に提供していくことが必要であるというふうに考えております。  ただ、例えば暴力的なこととか性的な経験をという意見でございますけれども、発達途上にある青少年の性的な感情を著しく刺激したり、あるいは粗暴性とか残虐性というものを助長するおそれのある出版物とか各種のいろいろなソフト、店舗、そういったものが非行の原因にもなっているというふうに言われておりますし、また私どもの調査によりますと、そういった有害環境と非行との間には、因果関係ということまでいきませんけれども、相関関係が認められる。例えば、いろいろなポルノ雑誌とかアダルトビデオを見たことがあるかという質問に対して、普通の中学生は二七%くらいが見たことがある、これに対して、非行で補導された中学生については五七%くらいが見たことがあるといったようなことで、そういった有害環境と非行との間には相関関係が認められる。そういったことがございますので、そういった青少年にとって有害な環境というものは、むしろ青少年の周辺から排除していくことが必要であるというふうに考えております。  このためには、青少年を有害な環境から守るための対策というものはぜひ講じなきゃいかぬ。先ほど先生からの御指摘がありましたように、地域コミュニティーというものを中心として、青少年自身の意思と判断力、そういった力を向上させる上でも、有意義な体験を積ませていくということにより、青少年が健やかに成長していける環境づくりを進める必要がある。  先ほどの先生が紹介した意見というものに対しては、私どもの調査結果でむしろ反対の結果が出ている。そういった有害な環境に多く接している子供というのは、それを見たことによって、まあ因果関係とまでは言えませんけれども、非行をした子供が多いという相関関係があるという調査結果がございます。

馳浩自由民主党

○馳委員 次の質問に移りますが、いわゆる非行から守るという観点については、国や自治体が主導しながらしていくべきだと私は思いますし、逆に、子供たちを健全に育成していこうという観点につきましては、民間や地域、保護者の方が自主的に取り組む、それを国が後ろからバックアップする、こういう体制を整えていくのがいいのかなと私は思います。  そこで質問いたしますが、子どもゆめ基金構想であります。  この基金は、子供の自然体験や奉仕活動を行う民間団体を支援するだけでなく、表裏一体とも言える青少年を育成する環境づくり、これに取り組んでいる民間団体にも助成することが大変重要と考えております。この点について文部省はどのように考えているのか。あわせて、この子どもゆめ基金の概要についてもお知らせ願いたいと思います。

崎谷康文文部省生涯学習局長

○崎谷政府参考人 お答え申し上げます。  子どもゆめ基金についてのお尋ねでございますが、子供たちの健全な育成についての国民の関心が極めて大きい今日、子供たちに夢を与え健全な育成を図る諸活動を格段に充実させていく必要がございます。  そのような施策を充実するということを考えまして、文部省では、独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センターに、子どもゆめ基金、仮称でございますが、この基金を設置すべく、平成十三年度の概算要求において追加の要求を行ったところでございます。  基金による助成の事業としては、既に教育改革国民会議の中間報告の提言もございますので、それらを踏まえまして、現在、地域における子供たちの自然体験活動や奉仕活動などの体験活動、あるいは読書活動を推進する民間団体の事業、子供向けの良質なソフトの制作普及に資する事業などを対象とすることを考えているところでございます。  御指摘のございました、青少年を育成する環境づくりということも重要な課題と考えております。基金による事業として支援をするためには、それにふさわしい要件といいますか、そういうこともいろいろ考えていく必要がございますが、今後とも、その環境づくりにつきましても、支援のあり方について十分検討していきたいと考えております。

馳浩自由民主党

○馳委員 続きまして、青少年と放送問題について質問をいたします。  青少年と放送に関する問題といえば、すぐにVチップの問題が浮かび上がりますが、Vチップの導入に関しては、平成十年三月の中教審が前向きかつ速やかな検討を要請しました。しかし、平成十年十二月、郵政省の諮問機関である青少年と放送に関する調査研究会は、引き続きの検討事項にとどめ、事実上導入を見送りました。そして、かわりと言えば語弊がありますが、放送事業者に対して提言を行いました。  そこで質問をいたします。  まず、この研究会はどんな提言を行いましたか。次に、研究会は、この提言をより具体化するよう、新たな検討の場である青少年と放送に関する専門家会合での検討も指示しておりますが、この専門家会合で提言がどう具体化されたか教えてください。

金澤薫郵政省放送行政局長

○金澤政府参考人 まず、青少年と放送に関する調査研究会における提言でございますが、六点ございます。  まず、一点目でございますが、青少年向けの放送番組の充実ということでございます。二点目は、メディアリテラシーの向上ということでございます。三点目は、青少年と放送に関する調査等の推進ということでございます。四点目として、第三者機関等を活用しろということを言っております。五点目が、青少年向けの放送時間帯の配慮ということを言っております。六点目が、番組に関する情報提供の充実ということでございます。  これを受けまして専門家会合が開催されました。専門家会合におきましては、青少年向けの放送番組の充実につきましては、各民間放送事業者は少なくとも週三時間以上放送すること。メディアリテラシーの向上については、郵政省において調査研究会を開催すること。青少年と放送に関する調査等の推進については、郵政省として調査を実施するほか、NHKと民放連で長期的な調査を実施すること。第三者機関の活用につきましては、NHKと民放連が平成十二年四月を目途に苦情処理機関としての青少年と放送委員会を新設すること。放送時間帯の配慮につきましては、青少年に配慮する時間帯、十七時から二十一時を設定すること。さらに、番組に関する情報提供の充実につきましては、画面上の文字表示やインターネット、テレビ専門誌や広報番組枠を活用して、番組に関する情報を事前提供すること等の各機関における取り組み方針を取りまとめておりまして、各機関におきまして順次実施されているということでございます。

馳浩自由民主党

○馳委員 確かに、専門家会合が示した第三者機関の放送と青少年に関する委員会の設立と、青少年に配慮しての十七時から二十一時までの放送時間帯での自粛は、成果であります。  しかし、最も重要な研究会提言が、専門家会合で具体化されず、むしろ否定されております。それは、研究会提言のこの部分であります。「青少年の視聴が不適当と考えられる番組、あるいは逆に青少年の視聴を奨励する番組等について、事前に表示を行うこと等が考えられる。」「番組の分類基準と事前表示の方法等に関する業界のガイドラインを予め策定することが適当であり、このガイドラインに基づき、各々の放送事業者が自主的に番組に関する情報提供を実施することが望ましい。」  この、いわば格付と事前表示方法のガイドライン作成の提言が専門家会合では否定されて、番組に関する情報を事前に提供するというようにお茶を濁されております。この点について、郵政省は、どう専門家会合から報告を受け、どう認識、評価しているのか、お聞きしたいと思います。

金澤薫郵政省放送行政局長

○金澤政府参考人 お示しのような、昨年六月に発表されました専門家会合の報告書におきましては、「放送事業者には、視聴者に対して、放送番組の意図や内容に関する情報を番組の冒頭に表示したり、あるいは事前にメディアを活用して情報提供を実施することが期待されている。」というふうに述べられております。それとともに、「放送事業者の番組に対する評価を統一することや番組を画一的に分類することが直ちには困難であることから、現状においては、各放送事業者がそれぞれの判断により、自主的にメッセージの表示を行い、視聴者に対して、番組の趣旨を誤解のないよう正確に伝えることが適切であると考えられる。」とされているところでございます。  専門家の方々が検討された取りまとめでございまして、まずは、実際の取り組みに移していくことが重要ではないかというふうに認識しているところでございます。  専門家会合では、さらに、将来的にデジタル放送が導入された場合には、伝送できる情報が増加し、EPG、これはエレクトロニック・プログラム・ガイドでございますが、電子番組ガイドと言っていますが、これ等を活用することによりまして、より正確な情報提供を行うことも可能となることから、EPGを活用した情報提供のあり方についても検討していく必要があるというふうにしているところでございます。  郵政省としては、技術の発展に応じた取り組みが重要であると考えているところでございまして、平成十五年の地上デジタル放送の実施に向け、デジタル放送時代における情報提供のあり方について検討していくため、平成十三年度概算要求において所要の経費を計上しているところでございます。  また、これに関して若干付言いたしますと、一九九九年の七月に、テレビジョン放送に関する保護者の関与の研究に関するEUコミュニケというものが出ておりますが、この中では、デジタル環境を生かしたより高いレベルの保護を実現すべきだというふうにEUでは考えておりまして、現時点でのレーティング、Vチップよりも、デジタル環境の中でそれを模索すべきだということを言っているようでございます。

馳浩自由民主党

○馳委員 何か私の聞いた質問に十分答えていないような気もするのですね。  いわゆる格付というのは非常に困難で仕方がない、自主的な取り組みに任せると言っておられますが、私はここに資料を取り寄せておりますけれども、イタリアを除くG7、アジアにおいては韓国、シンガポール、香港、それとオーストラリア、ニュージーランドの国では、法令または自主規制として、番組の格付あるいは分類、そして事前表示が行われております。  さらに、日本でも、周知のごとく、映倫で映画について四段階の格付が行われております。にもかかわらず、日本では格付が難しいからできないというのは説得力に欠けると思います。しかも、研究会の提言は、まずは格付のガイドラインをつくれと言っているだけで、これすらつくれないというのは余りに無責任な態度と言わざるを得ません。  郵政省は、研究会の提言を踏まえて、時間がかかってもいいから、格付を行っている諸外国の本格的調査研究とガイドラインの作成を指導すべきではないでしょうか。最低限、外国の調査研究は不可欠であると思いますが、いかがでしょうか。

金澤薫郵政省放送行政局長

○金澤政府参考人 御指摘ございましたように、現在、ガイドラインは作成していないということでございますけれども、各放送事業者におきまして、それぞれの判断によりまして、自主的に暴力場面があることについてのメッセージ表示を行う等、視聴者に対して番組の趣旨を正確に伝えるよう努めているところでございまして、この放送事業者におけるメッセージがさらに充実したものになるよう期待しているところでございます。今後、デジタル放送が導入された場合、伝送可能な情報が非常に増加いたしますので、より正確な情報提供を行うことが可能となります。  先ほど先生も御指摘の諸外国の実態調査でございますが、平成十三年度概算要求におきまして、諸外国の実態調査に必要な経費等を計上いたしております。平成十五年の地上デジタル放送の実施に向けまして、デジタル放送時代における情報提供のあり方の中で、この諸外国の実態調査の結果も明らかにしていきたいというふうに考えております。先生御指摘のように、諸外国の実態調査を着実に実施していきたいというふうに考えております。

馳浩自由民主党

○馳委員 ガイドラインさえつくらないというのはいかがなものかというのが私が言わんとしているところなんですね。自主的な取り組みに任せますと。私のところにも民放の事業者が来ましたよ、馳さん、こんな質問はやめてくれといって。  私は、冒頭に、いわゆる青少年を取り巻く有害環境について国が規制をすることの是非、それの基準はまあまあ難しいですよねと言いながらも申し上げました。社会的常識、通念といったものは、もう歯どめをかけなきゃいけないという方向に向いていると私は思うのですね。それは、法制局にも答弁いただきましたけれども、いわゆる表現の自由の範囲を超えないものであるというふうに私は認識もしておりますし、判例でもそういうふうにも出ておりますから。  私は、どう答弁を聞いても、郵政省の今の答弁は責任を回避しているような印象しか受けないと思いますね。諸外国の事例を研究するとは今おっしゃいまして、半歩ぐらいちょっと前に進んだかなという気はいたしますが、このガイドラインをおつくりになるという、せめてその姿勢は示す必要があると私は思っております。  私は、法的に規制しろと強制しているわけじゃなくて、ガイドラインをつくるということぐらいすべきではないかと思いますが、再度の答弁を求めます。

金澤薫郵政省放送行政局長

○金澤政府参考人 先ほども申し上げましたが、現在、放送事業者におきましては、自主的に、暴力場面があることについてのメッセージの表示を行う等、彼らとしてもそれなりに努力をしているところでございまして、この努力の趣旨がさらに充実したものになるよう、私どもとしてはその状況を見守っていきたいというふうに考えている次第でございます。

馳浩自由民主党

○馳委員 先ほどから申し上げておりますように、郵政相の諮問機関である青少年と放送に関する調査研究会がガイドラインをつくった方がいいよと言っているのですよ。これを受けて、自主的な取り組みに任せたりとか、そういう姿勢を郵政省の方がおとりになるというのは、何か意図的なものを感じざるを得ないというのは私の読み過ぎでしょうか。  これに関しましては、私も過去の議事録も点検をさせていただきましたが、議論は進んできておるようですが、いま一歩郵政省として踏み込んではおりません。だから私も、きょうあえて質問させていただいたところであります。  私は、頭ごなしに規制をしろというふうな質問をしているのではありません。ガイドラインをつくる。当然、もうマスコミにも倫懇のような自主的な取り組みをしている機関もありますけれども、郵政省として、このガイドラインをおつくりください、それに基づいて自主的にお取り組みください、こういうふうな言い方をするならまだしも、ガイドラインづくりも進んでいない今の現状の中で、この郵政省の対応というのは、何におびえているのかわかりませんが、私は、非常に不適切、不親切、責任回避という印象を禁じ得ないということを申し上げて、次の質問に移ります。  格付に関連して申し上げます。  格付と言えば放送事業者は非常にかたくなになりますが、逆に、青少年にぜひ薦めたい、よい番組の格付なるものも行われるべきであり、まずはよい番組の格付を業界に指導するのも一つの手段と考えます。つまり、このよい格付がつくられ、視聴者に定着して、放送局のイメージアップにつながれば、青少年によい番組が多くつくられ、間接的ながら、悪影響を与える番組が減少するとも言えるからであります。  Vチップ導入問題の際にも議論されましたが、Vチップの導入で、Vチップが免罪符となり、暴力番組が逆にふえる可能性も示唆されていることから考えても、大切なのは、このような暴力番組をつくらせないことがこの問題の本質であります。そうであるならば、民放が行ったよい番組の指定を一歩進めて、よい番組の格付をしてもよいのではないでしょうか。この点、どう郵政省は考えているのか。  あわせて、どんな努力をして青少年に悪影響を与える番組の作成の自粛指導をしているのか、放送事業者は自粛しているのか、お聞きしたいと思います。

金澤薫郵政省放送行政局長

○金澤政府参考人 放送法は、放送事業者の自律ということを原則といたしておりまして、法律を定める場合以外は干渉されないという前提で全体ができ上がっております。したがいまして、私どもといたしましては、放送番組に関しては、放送事業者の自主性というものを尊重する必要があるというふうに考えておる次第でございます。  放送番組に関する情報提供についても、よいと考える番組の格付等につきましても、基本的には放送事業者において自主的に取り組まれるべきものと考えているところでございます。放送事業者におきましては、少なくとも週三時間の青少年向け番組というものを指定して放送しているということでございます。  郵政省としては、放送事業者に再免許を与えるに当たりまして、視聴者の人権及び児童、青少年に与える影響に十分配意するよう要請を行っているところでございます。  放送事業者におきましては、放送事業者の自律を基本とする放送法に基づきまして、番組基準とか番組審議機関の議論などを踏まえて番組の適正化を図ることとされており、今後、放送事業者において、みずからに課された社会的責任を十分認識し、視聴者の声に一層配慮された番組の編集に取り組まれることを期待しているところでございます。

馳浩自由民主党

○馳委員 私、きょうこれで質問を終わらせていただきますが、格付の問題、事前表示方法の問題について、ガイドラインをおつくりくださいというこの指導、これすらもしない、できない、何か理由があるのかもしれませんが、この点に関しましては、私は引き続き問題点として取り上げていきたいと思っておりますし、郵政省は、なぜに諸外国でもやっておるようなこういう番組についての格付や事前表示の問題について非常に消極的であるのかというこの点を、私のような者にも説明できるようなことをおっしゃっていただかないと、私は引き続きこの委員会においても問題にしていきたいと思っております。  以上をもちまして、きょうの質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

青山二三公明党

○青山委員長 次に、水島広子さん。

水島広子民主党・無所属クラブ

○水島委員 民主党の水島広子でございます。  今の馳議員の御質問でも、ガイドラインづくりなどに関しても、この一連の取り組みが極めて消極的であるという点には私も全く同感でございます。  それと同時に、先ほど馳議員は、この領域は科学的にその根拠を示したりデータを集めたりすることが非常に難しいという趣旨のことをおっしゃっておられましたけれども、ただ、私は、有害環境、有害情報と言うのであれば、やはり、何が有害であって、それがどのような害をどの程度及ぼすのかということに関するデータは、地道に集めていく必要があると思っております。  この日本におけるさまざまな政策決定の場にそのような基礎的なデータが余りにも欠けているということに、私は常々驚きを持って見ておりまして、やはり何か法律をつくったり法律を変えようというときには、それをきちんと説明するにふさわしい、十分でなくても、その方向性を示すような根拠となるようなデータを持つべきであると思っております。  そこで、私は、まず初めに、この有害情報に関するデータにつきまして、先ほども多少御質問はございましたけれども、改めて確認をさせていただきたいと思います。  有害情報が精神面に及ぼす影響、あるいは有害情報と問題行動との関係についての国内での研究は、どの程度今までになされているでしょうか。それはもちろん、相関関係を調べるものと因果関係を調べるものがあると思いますけれども、それぞれについて、今まで国内で行われている研究についてお答えをいただきたいと思います。

川口雄総務庁青少年対策本部次長

○川口政府参考人 私ども総務庁の青少年対策本部で行った結果につきまして、幾つかございますけれども、御紹介いたします。  私ども、平成十年に、非行原因に関する総合的調査研究というのを行いました。この中では、非行群というのとそれから一般の少年、非行群というのは、補導された少年とかあるいは少年鑑別所に収容された少年、そういった非行少年と、それから補導歴のない一般の少年と、こういったものをグループに区分しましていろいろと分析した結果、非行群の方が有害情報に触れた程度が高いということが確認されております。  先ほども御紹介申し上げましたけれども、ポルノ雑誌とかアダルトビデオを見たことがあるという中学生は、ごく普通の一般の中学生では二七%、非行の中学生では五七%程度。それから、高校生で比べてみますと、一般の高校生で見たことがあるというのが五四%、それに対して、非行歴のあるとかあるいは鑑別所の高校生につきましては七一%ということで、明らかに差が出ております。これは、いわゆる相関関係というふうに学者の世界では言っておりますけれども、そんな関係がございます。  そのほかにも、私どもがやった諸調査の中では、青少年とテレビ、ゲームなどに係る暴力性に関する調査、これは平成十年の十月から十二月にかけて行いました。  これは、専らテレビとかあるいはゲームの暴力場面、暴力場面の定義もいろいろとありますので、この調査では一定の、人を殴ったりしたらこれはもう暴力だというふうに、通常の暴力とはちょっと離れるかもしれませんけれども、そういったものを含めて調査しました結果、テレビの暴力シーンを一生懸命見ている子供ほど非行、不良行為を経験している者が多い、あるいは、そういったテレビとか暴力シーンを見た子供ほど暴力行為の経験が多い、そんな結果が出ております。  例えば、この調査によりますと、友達と酒やビールなどを飲んだという子供でございますけれども、テレビの暴力場面を余り見ない子供、それにつきましては六%程度が酒とかビールを飲んだことがあるというふうに答えております。それに対して、テレビの暴力シーンを多く見た子供、そういったものは一四%が飲酒の経験があるというふうに答えております。いわゆる相関関係が示されたものというふうに私どもは理解しております。

水島広子民主党・無所属クラブ

○水島委員 その中で、例えば強姦を犯して捕まった子供が、それまで強姦や性暴力を肯定するようなメディアにどの程度さらされていたかとか、そのような個別の調査はされているでしょうか。

川口雄総務庁青少年対策本部次長

○川口政府参考人 そこまでの区分はしておりませんで、私どもが選んだのは、少年鑑別所とかあるいは補導歴のある子供ということで、そういった個々の、こういった犯歴のあるという調査はしておりません。

水島広子民主党・無所属クラブ

○水島委員 今御紹介いただいたデータというのは、御指摘のように、あくまでも相関関係を示すものであって、相関関係を示すデータが得られたら、次は因果関係を調べていくというのが常道であると思いますけれども、今後、因果関係を調べていくためにどのような研究を今計画されているのか、何を知るためにどのようなデザインで調査をしていこうとされているのかを教えてください。

川口雄総務庁青少年対策本部次長

○川口政府参考人 私どもとしましては、いわゆる有害な環境というものは青少年の生育に影響を及ぼすんだ、こういったことを考えておりますので、このほかにも、いわゆる有害と考え得る環境についてもいろいろ調査を進めていきたいと思っております。  ただ、先ほど先生がおっしゃった、相関関係が済んだから因果関係ということでございますけれども、因果関係というのは本当に実験でもしないとわからない。そうすると、そういったような発育途上にある子供について実験するのかとか、いろいろな問題がありますし、学問的にもなかなか難しい問題だろうなというふうに私どもは感じております。  私ども、相関関係があるというこういった調査結果がありますし、また、相関関係があるということは、これは因果関係を否定するものでは当然ありませんので、相関関係ということで何らかの影響があるんじゃないかというふうに思っておりますけれども、いずれにしましても、こういったいろいろな青少年の有害情報と行為、行動の関係にどんなものがあるか、今後も引き続き調査を進めたいと思っております。

水島広子民主党・無所属クラブ

○水島委員 今、因果関係は実験でもしないとわからないというお答えだったんですけれども、実際には、大規模な、子供たちをランダムに選びまして、それでプロスペクティブに前向きに一定期間追跡していくことによってある程度の因果関係というのは得られるというのが、ある意味では常識だと思いますけれども、そのような常識を知るためにも、私は海外での先行研究というものはきちんと調査すべきであると思っております。  先ほどのお答えでは、総務庁としては国内の調査だけをやっているのであって海外のことについてはわからないというようなお答えを馳議員に対してされていたように思いましたけれども、実際に、海外の今までの学術研究をどの程度集めて、そこからどのような結論あるいは推測を導き出されているのかを簡潔にお答えください。

川口雄総務庁青少年対策本部次長

○川口政府参考人 私ども、ある意味では手薄というおしかりを受けるかもしれませんけれども、私どもも限られた人員の中で一生懸命やっておりますけれども、海外の情報につきましては十分把握はしておりません。  国内に関しましては、比較的予算的にもそんなにかかりませんので、いろいろな情報を集めて、私どものやった調査結果もありますし、あるいはそのほかにも、各都道府県でやっている調査でありますとか、いろいろな関係団体でやっている調査、あるいは学者の方々がやっている調査、そういったものがございますので、私どもは、そういったものを取りまとめまして、その上で、どういう施策が講じられるかということも検討していますし、また、そういった調査結果をまとめまして、関係省庁あるいは関係団体等にも送付しております。

水島広子民主党・無所属クラブ

○水島委員 今、国内のものであればお金がかからないというお答えでしたけれども、海外の今までの学術研究で論文になっているものにどんなものがあるかを知るためには、もうインターネットの時代ですから、人一人いれば一瞬にしてそれを調べることができるわけです。お金がない、人手がないということは私は全く言いわけにならないと思いますので、因果関係は調べることはできないなどと情けないことをおっしゃらないで、まず、海外ではどのようなデザインで研究が行われてきたかということをよく勉強していただきたい。  何といっても、そのような前向きの大規模な調査が全く欠けているというのが日本の一つの大きな欠点であると思います。病気の有病率を知ることもできない。また、どのような習慣がその後生活習慣病につながっていくかということも、日本人をきちんとしたデータとして使っていくこともできない。ですから、私は、もうこれは省庁の枠を超えて、きちんと、大規模な、子供たちなら子供たちを囲い込んで、そして長期間にわたって、どういう習慣のあった子供がその後どういうふうになっていくということを調査していくのは政府にしかできないことではないかと思っておりますので、ぜひ、外国ではそのような大規模な研究をどのように行ってきたかということをよく調べていただいて、これから研究にも、また、郵政省の方でも予算を要求されているようでございますけれども、そういう国民の税金から賄われる大切な研究ですので、ぜひ一円たりともむだにしないように、しっかりとした成果を上げていただきたいと思います。  さて、この件を今伺ってまいりましても、メディアが子供たちに与える影響が社会的な話題になってから随分久しいと思います。今回調べましたところ、国会でも一九七〇年代には既にテレビと子供の関係について取り上げられているわけです。このような状況にありながら、自国内の研究はもちろんのこと、海外における状況も調べていないというのは、私は、一種の行政の怠慢と言われても仕方がないのではないかと思います。先ほどの、ガイドラインすらつくっていないということに関してもそうでございますけれども、どうもこの件に関する危機感が随分足りないのではないかというような印象をどうしても持たざるを得ないと思います。  さて、日本の国内の状況はそうでございますけれども、有害情報に関する海外における法制化の状況について、また、有害情報というものを海外ではどのように定義をしているかということについて、簡潔に教えていただきたいと思います。

川口雄総務庁青少年対策本部次長

○川口政府参考人 私ども、平成十年におきます調査がございます。若干日時がたっておりますけれども、平成十年の、諸外国における青少年施策等に関する調査というものによりますと、アメリカとかイギリスあるいはフランス、ドイツなどの制度につきましては、出版物とかテレビ放送等の各メディアを規律するそれぞれの法律あるいは法令や自主規制などによって青少年保護対策がとられているというふうに承知しております。  先ほど先生がおっしゃいました有害情報という概念につきましては、こういった国々につきましては、それぞれの法令とか、あるいは業界で行っております自主規制の中で決められているようでございます。  例えば、ドイツの有害図書規制法という個別法がございますけれども、この中では、児童とか少年を道徳的に危険に陥らせる性質の文書、こういったものを青少年有害文書と規定しまして、こういったものについては、児童、少年への販売、陳列、貸し付けなどの行為を禁止しているというふうに承知しております。

水島広子民主党・無所属クラブ

○水島委員 平成十年というと少し前になりますので、ぜひ直近の海外の情報を早急に調べていただきまして、そして、私たちが、どのような規制が必要であれば規制をしていくべきなのか、どのようなシステムを採用すれば自主規制がうまく動くのか、そのあたりについて御検討をいただきたいと思います。  ただ、いずれにしましても、日本では、この点、先ほど申しましたように、随分と長いこと危機感が持たれずに野放し状態になってきたというような印象を持っておりますけれども、海外では、表現の自由という問題をわきまえながら、それでも子供たちのために一定の努力をしてきたという足跡がうかがわれると思います。日本も、もう遅きに失した感もございますけれども、本当に今からでも早急に取り組んでいくことが必要であると思います。  さて、その日本の現状の一つでございますけれども、先日、ある方からお手紙をいただきました、その方の高校生のお嬢さんが読んでいたアンアンという雑誌に何かこんな広告が載っていたと。これは伝言ダイヤルの広告でございます。アンアンという雑誌は、特に成人向けの雑誌でもございませんし、普通に中学生や高校生がおしゃれのために買ったりする雑誌なわけです。  その雑誌の中に、このような伝言ダイヤルの広告が載っておりまして、確かに、下を見ると小さな字で十八歳未満の方お断りと書いてございます。でも、このお母さんが試しにこの一つに電話をかけてみたところ、何と、割り切ったおつき合いとか、援助でとか、堂々と中高生対象に金額を提示して交際を募っているものが多かったという、そのような報告をいただきました。  先ほどから青少年向けのメディアというような話は出てきているわけですけれども、子供というのは別に青少年向けのものだけを読むわけではなくて、その辺にある、だれでも目にすることのできるメディアに子供たちは常にさらされていると考えるべきでありまして、まさにこのアンアンに伝言ダイヤルの広告が載っているというのがその一つの代表的な事例ではないかと思いまして、今御紹介させていただいたわけです。  まず、今の日本においてアンアンにこのような広告が載っているということがなぜ起こるのか、これは自主規制というもののすきをついて起こった問題なのか、あるいは現在は全く規制対象になっていないのか、そのあたりについて、今の日本の状況を踏まえて御説明をいただきたいと思います。

川口雄総務庁青少年対策本部次長

○川口政府参考人 アンアンの事例を例にとってお尋ねでございますけれども、一般的に言いますと、刑法に触れるようなものが一方にございますけれども、それは日本の法律では刑法等で取り締まっております。しかしながら、それ以外の一般的なものにつきましては、現行法上、法制度はございません。  そして、私ども、そういったことでいいのかということが一つありますし、そうすると、現行法制度上何ができるか。例えば憲法のお話もございますけれども、私どもの立場としては、自主規制をお願いします、こういったこと、それからほかにも、例えば住民運動をもっと活発にしていくとか、あるいは現行の法令で違反するものは取り締まるとか、こういったことが挙げられますけれども、一般的に言いますと、まず自主規制でやってほしいということでやっております。  そして、御指摘の点につきましては、多分、日本雑誌広告協会という団体の所管というか、そこに関連していることだと思いますけれども、日本雑誌広告協会におきましては、雑誌広告の掲載基準というものを定めているというふうに伺っております。その中で、「風紀に関する広告」で、風紀を乱す広告は掲載しない、特に青少年の育成に害を与えるものであってはならないというようなことを定めておるように伺っております。  現行法制度上では、ある意味では、こういうように自主規制をつくってくださいという、一種のお願いといいますか、そういったことでやっております。確かに、そういったいかがわしいものが一般の青少年の目に触れるということは余り好ましくないことだろうとは思いますけれども、制度上そんなふうになっております。

水島広子民主党・無所属クラブ

○水島委員 自主規制をお願いする場合であっても、具体的に何も提示しないで自主規制でお願いしますと言ったら、判断する側もどうしたらいいかわからないと思うのですが、その場合にどのような自主規制をお願いされているのでしょうか。

川口雄総務庁青少年対策本部次長

○川口政府参考人 私ども、メディア等に対するいろいろなお願いとか、大分昔から、昭和二十年代ぐらいからやっておりますけれども、各団体も、いろいろな団体がありまして、そこでいろいろな自主規制を行っております。  私どもの立場は、青少年に害を与えるものはやめてほしい、そういったことで自主規制してほしいというふうな一般的なお願いはしております。

水島広子民主党・無所属クラブ

○水島委員 そうしますと、特に青少年向けのメディアでは青少年に害を与えてくれるなということではなく、だれでも目にする可能性のあるメディアに対して青少年に害を与えないようにということをお願いしているというふうに理解してよろしいのでしょうか。あるいは、青少年を守るといった場合に、それは青少年向けのメディアという世界に限定されて今まで議論されてきたのでしょうか。

川口雄総務庁青少年対策本部次長

○川口政府参考人 私どもの立場としましては、有害な社会環境というのは青少年の生育に悪影響を及ぼす、こういった立場からやっておりまして、基本的には、いろいろな団体でそれぞれ自主規制というものを持っておりまして、その励行をお願いしますということでやってきておるわけでございます。  他方、一般的に言いますと、いわゆる有害図書とかテープにつきましては、長野県を除く各都道府県では条例を設けて、有害図書として指定されたものは、条例上、青少年には見せないように区分して陳列しておくとか、青少年には売ってはだめだ、こんな規制をかけている都道府県もございます。

水島広子民主党・無所属クラブ

○水島委員 何か、お答えを聞けば聞くほど、やはり何らかの取り組みを早急にしなければいけないのではないかという気持ちが私も強くなってまいるわけです。  ただ、この領域は本当に、ともすると危険なことになってしまう領域であると思っております。情報を規制するということになってまいりますと、それが公権力による検閲というような形をとってしまうと、当然、表現の自由を脅かすことになりますし、また価値観の単一化につながっていくものであると思います。  価値観が単一化されていくと、やはり心を病む人がふえてくるわけであって、例えば子供たちに対して有害環境が悪影響を及ぼすのと同じように、最近得られたデータでは、親がうつであるということが子供たちの発育に重大な影響を及ぼすということが示されております。  社会全体が息苦しくなって、表現の自由が認められなくなって、単一の価値観が押しつけられるような社会になってしまうと、結局それは、回り回って子供たちに悪影響を及ぼしていくということがここのところの理解であると思います。  ですから、本当にこの領域は、多様な価値観を表現する自由を守っていくということで、極めて慎重に、かつ対象を限定して、しっかりとした合理性に基づいて行っていかなければいけないものであると思います。  また、子供たちの教育という観点からいきましても、単一の価値観をただ粛々として受け取るような子供を育てることが私たちの目標ではなくて、やはり多様な価値観を受け入れることができる、また、メディアリテラシーの考え方もそうだと思いますけれども、自分の頭で考える、自分でその問題に対してどう対処していくかを自分で考えられる子供たちを育てていくということが私たちの目標であると思いますので、本当にここは、ただ規制をすればいいという考え方ではなく、子供たちの能力を伸ばしていくような形での取り組みが必要になってくると思います。  そのような観点から、今私たち民主党でも、子供たちを有害情報から守るための法律を準備しているところでございます。  ただ、なぜそれでも今規制が必要かということに関しては、今までもずっと議論してきたことが根拠となっているわけですけれども、またもう一つ、現在は、親が子供に適切な情報を与えたいと思ったときに、それを判断するような情報が全くないというのが現状でございます。  先ほど、その格付のガイドラインもまだ準備されていないということであったわけですけれども、青少年と放送に関する調査研究会の委員も務められておりました岩男寿美子先生は、放送事業者は自主的に批判にこたえるべきであり、時間帯の規制だけではなく、番組に関する情報を提供する責任がある、各番組のプロデューサーが、制作した番組にどのような暴力あるいは性描写がどのような文脈でどの程度含まれているか、またその番組は小中学生にふさわしいと考えるかどうかを二百字程度にまとめて公表するという方式を提案されております。  この方法であれば、画一的な基準によらず、国家による検閲という形もとらずに、メディアと視聴者の双方向のコミュニケーションができるという点でも、極めて有用な提案であると思っております。また、この方法であれば、格付のガイドラインづくりを待つこともなく、やる気になればあすからでも始められる方法であると思います。  この提案は議論の経過で採用されなかったということでありますけれども、なぜこの提案が採用されなかったのか、その経緯を御説明いただきたいと思います。

金澤薫郵政省放送行政局長

○金澤政府参考人 今先生がおっしゃいましたような、さまざまなメッセージを提供していけばどうかというお話でございますが、現実にそれをやり始めている局がございます。  やらないということではなくて、まだ非常に不十分な段階ではございますけれども、この番組にはどういう暴力場面が含まれているかということを番組宣伝のときに必ず明示していくとか、番組の冒頭に明示するとか、そういうことを行っている局があるということでございます。

水島広子民主党・無所属クラブ

○水島委員 引き続き先ほど来と同じような御回答しかいただけなかったわけですけれども、今私が伺いたかったのは、なぜその提案が採用されなかったのかという理由を伺いたかったわけで、現在どの番組がどういうことをやっているかということではなかったわけです。ただ、今のようなお答えがずっと続いていて、結果的に、一般の市民から見て自主規制というものが十分な効果を上げていない。  今小さな子供を持つ親たちからすれば、十年後にそれが完成したとしても遅過ぎるわけです。もう本当に今すぐに何とかしてほしい問題でありながら、自主規制が十分な効果を上げていないように見える。そして、それに対する行政の対応も、今のような極めて消極的な印象がある。そのような状況の中で、メディア規制に関心を持つ人の数が非常にふえてきているように思っております。  先ほど申しましたように、この領域は本当に、ともすれば民主主義を後退させてしまう危険性もはらんでいる領域でありますので、ぜひ民主主義が日本で後退することがないような、本当に、きちんとしたモラルを持った大人たちが、きちんとした形で子供たちを守れるような取り組みを早急に進めていかなければ大変なことになってしまうのではないかという危機感を持っております。  そして、私は、この件についていろいろと調べ始めましてから、何かを質問させていただくと、これは郵政省だとか、これは総務庁だとか、例によってそのような担当省庁があるわけですけれども、この有害環境と青少年の関係というのは決して縦割りで語れるものではなくて、きちんと包括的に取り組んでいかなければいけない重要なテーマであると思っております。  改めてお伺いしたいのですけれども、今まで各省庁では、どのような組織図で、だれが責任を持って取り組んでこられたのか、また、だれに聞けばこの問題を包括的に語っていただけるのか、そのあたりを教えていただきたいと思います。

川口雄総務庁青少年対策本部次長

○川口政府参考人 現在の行政組織というのは、各省庁がいろいろな仕事を分担してやっている、そういったことで国家行政組織法というのはでき上がっております。  ただ、一方においては、確かに、各省庁にまたがっていろいろな大事な問題であるとか、そういった問題につきましては、いろいろなレベルで調整が行われております。先生の御指摘の有害なメディアの問題につきましては、私ども、青少年の健全な育成を図る、現在の青少年対策本部がございますけれども、政府全体の青少年行政、青少年施策が統一を持って総合的に進められるようにということで、私ども、全体の立場で調整しまして、先ほども申し上げましたように、青少年育成要綱というものをつくりまして、そこで調整をやっているわけでございます。  いろいろな分担所掌、これはこういう省庁がやっているんだということは要綱の中で明示しておりますけれども、一カ所に聞けばすべてがわかるというような仕組みになっておりません。各省庁におかれましてもまた別な行政目的があって、その中の一環として青少年関係の施策もやっているということでございますので、私どもは、青少年が健全に育成するように、ほかの目的を持った施策であっても青少年の健全育成という目的にも合致した政策をやってもらう、こういった立場でございますけれども、そんなことになっております。

水島広子民主党・無所属クラブ

○水島委員 日本の子供たちをきちんと育てていくというのは、私はもう重大な行政目標であると思っておりますので、各省庁の行政目標の隅っこに子供がいて、それが切り張りで何かされているというような状況ではなくて、子供というものをきちんとメーンに据えて、そのために各省庁が知恵や人手を出していくというような体制をぜひ早急につくっていただかないと、日本はもうこれだけ諸外国に比べておくれをとっているわけですから、ここからそのおくれを取り戻すというのは大変な努力が必要だと思います。  もちろん、今まで海外で行われた先行研究ですとか、海外でどのような制度がどのように機能したか、そのような情報を手に入れられるという点では、ある程度楽かもしれません。ただ、いずれにしても、社会的な関心を一つにまとめて、またこの領域できちんとした取り組みをしていくためには本当に大きな努力が必要であると思いますので、ぜひ、どこの省庁が何だというような縦割りではなくて、子供のことを本当に大切に据えるような組織図をきちんとつくり直していただきたいと要望いたします。  さて、残りの時間で、たばこの問題を質問させていただきます。  子供の有害環境ということになりますと、先ほども厚生省の方の御説明で、たばこというものが入ってくるわけですけれども、この喫煙の害、そしてまた受動喫煙の害というものについては、国際的にも広く研究されておりまして、ある程度周知の事実となってきております。  WHOでも、たばこ枠組み条約の二〇〇三年の採択に向けて取り組みをしているわけです。青少年に対してたばこが直接与える影響、またその受動喫煙というものが与える健康被害も無視できないわけですけれども、一九九八年度の喫煙と健康問題に関する実態調査報告書によりますと、現在喫煙をしている人の四一・五%が未成年のうちに喫煙が習慣化しているということになっております。この点から考えましても、未成年に対するたばこ対策は、私は非常に重要であると思っております。苦笑いをされている委員の方もいらっしゃるのですが、お耳が痛いかもしれませんけれども、日本の子供たちの健康のために、ぜひ皆さん一緒にお考えいただきたいと思います。  さて、日本のたばこ対策は世界的に見て大きくおくれておりまして、男性の喫煙率は五二%と、先進国の中では突出して高くなっております。ここに十月十六日付の朝日新聞の記事のコピーがございますけれども、この記事に書かれておりますのは、WHOが二〇〇三年の採択を目指しているたばこ対策枠組み条約について、政府は各国の自主性を重んじる緩やかな内容にするよう求める方針を固めたと書いてございます。厚生省としては規制強化をねらっているが、大蔵省やたばこ産業の規制強化への抵抗が根強いことから、規制を骨抜きにする主張となりそうだと書かれておりますが、まず、この記事に書かれている内容が正しいのかどうか、また、その経緯を御説明いただきたいと思います。

堺宣道厚生大臣官房審議官

○堺政府参考人 たばこ枠組み条約に関しての御質問でございます。  たばこ対策というのは、世界的にも重要な健康政策上の課題となっておりまして、我が国政府といたしましても、健康増進、それから疾病予防の観点から、WHOのたばこ枠組み条約作成に向けての努力というものを基本的に支持しております。我が国を含む多数の国がこの条約に参加するということが、たばこ対策を国際的に推進するという観点からも非常に大切だというふうに認識しております。  他方、たばこ対策枠組み条約の締結に向けた作業部会というのがございまして、これまでのその議論を踏まえますと、たばこというのは世界各国において合法的な嗜好品として扱われている、そういうことから、条約によって厳しい規制を課す場合には、各国の国内事情ということがございますので、条約への参加というのが非常に困難になる国がふえるおそれが高いということが判明いたしました。  したがいまして、たばこ対策の国際的な推進という本条約の趣旨の実現のためには、できるだけ多くの国がこの条約に参加できるよう、いたずらに厳しい規制措置を本条約に盛り込んで、本条約への参加のハードルを高くするということのないようにということが大切なんじゃないかということで、多くの国の受け入れが可能な内容の条約の策定というものを求めるということにした次第でございます。  以上でございます。

水島広子民主党・無所属クラブ

○水島委員 今のお答えにもありましたように、本条約という言葉を使っておられましたが、御承知のように、条約というのは、基本原則を定めた条約本体と個別的な取り組みを定めた議定書から構成されるものでありまして、条約本体に関しては多くの国が批准できるような内容にして、そして議定書の方でより細かな厳しい取り組みを定めておけば、条約は批准するけれども議定書は採択しないという選択もあり得るわけでございまして、議定書に関しては、ある程度厳しい、WHOが提示しているような目標を定めるということについては、日本政府は賛成はしておられるのでしょうか。

堺宣道厚生大臣官房審議官

○堺政府参考人 お答え申し上げます。  まさに、本条約と議定書がございまして、現在は、条約についてどうしようかということで議論されておりまして、議定書の議論にまでは進んでおりません。ということで、どうしようかというところまで議論はいっていないというところでございます。

水島広子民主党・無所属クラブ

○水島委員 議論がいっていないというのは、厚生省の中というか、日本政府としての議論が行われていないというふうに理解してよろしいんでしょうか。それほど日本のたばこ対策というのは、WHOから提示されない限り、何も議論されないものなんでしょうか。

堺宣道厚生大臣官房審議官

○堺政府参考人 WHOの中でも、どこまで本条約にしようかというところの議論でございまして、それに今我が国としても最大に関与しているというところでございます。  以上でございます。

水島広子民主党・無所属クラブ

○水島委員 何かよくわからないんですが、そうしますと、比較的緩やかな条約本体をつくって、より厳しい議定書をつくった場合には多くの国が参加することができると思いますけれども、その場合、日本は、その議定書も採択するようになるんでしょうか。先ほどのお答えだと、より多くの国が参加できるようにという、非常にグローバルな視点のお答えだったと思いますが、ドメスティックな視点に関してはいかがなんでしょうか。

堺宣道厚生大臣官房審議官

○堺政府参考人 いつも言葉足らずで申しわけございませんが、本条約本体だけ批准すればいいのか、あるいは本条約に付加して議定書を何項目か、例えば一項目なら一項目とか、何項目とか、それも含めて批准するという手続なのかというところもまだ現在決まっておりません。まだ議論している最中であります。

水島広子民主党・無所属クラブ

○水島委員 なぜ私がこんなことをしつこく伺っているかといいますと、未成年がなぜ喫煙をするかという議論になると、自動販売機の問題だとか、入手可能性の高さという問題が大抵出てくるわけです。それは私は重要な視点であると思いますし、日本のように子供が余りにも簡単にたばこが買えるような国というのは何とかしなければいけないんじゃないかと思っておりますけれども、それと同時に、やはり周りでおいしそうに吸っている大人がいると、子供たちは吸いたくなるということがあると思います。また、受動喫煙で、いつも他人の煙ばかりかがされていて、これで健康被害があるんだったら、自分が吸っても同じじゃないかと思う人もいるかもしれないわけです。  ですから、私は、大人社会がどの程度のモラルを持ってこの問題に取り組むことができるのか、大人にとっては確かに嗜好品でしょうけれども、それが子供たちの権利を脅かさないようにしていくにはどうしたらいいか、そのためにもたばこ対策というのは必要ではないかと思っているわけでございます。  そして、そのような議論を進めていくために必要になってくるのは、未成年が喫煙をした場合に、その動機が何であったか、なぜ自分は未成年であるのにたばこを吸ったのか、そのような背景の調査というのはされていますでしょうか。

堺宣道厚生大臣官房審議官

○堺政府参考人 これに関しましては、平成五年の喫煙と健康問題に関する報告書、いわゆるたばこ白書、改訂版第二版だったと思うんですが、それで中学生を対象としたいろいろな調査がやられておりまして、それをまとめますと、喫煙を開始する理由としては、おおよその傾向として、好奇心、何となく、わからないといったような、明確な動機がうかがえない理由というのが一番多い。次いで、友人あるいは先輩、それから親や家の人に勧められてといった、対人関係による理由が多くなっております。  以上が、調査の結果の概要でございます。

水島広子民主党・無所属クラブ

○水島委員 そうしますと、やはり、身近なところにあって、また、身近にたばこを吸っている人がいると好奇心に駆られるというようなことで喫煙の可能性が高まってくるのではないかと思いますので、ぜひ入手できないような環境づくりをしていくと同時に、本当に大人たちが、たばこを吸うのであれば、きちんとした責任に基づいて、分煙や、禁煙すべきところでは禁煙したりという、高いモラルを持ってたばこというものとつき合っていくことが子供たちに何かを教えていくのではないかと私は思っております。  そして、そうなってまいりますと、今度は、テレビの中のコマーシャルやドラマなどでよくたばこを吸っている人がいるわけですけれども、そのような中で、今自主規制とされているのは、子供たち、未成年の喫煙を促進するような内容については規制するということになっていたかと思いますが、大人についてはそのような規制はないというふうに理解してよろしいんでしょうか。

金澤薫郵政省放送行政局長

○金澤政府参考人 日本民間放送連盟の放送基準には、未成年者の喫煙、飲酒を肯定するような取り扱いはしないという規定がございます。これは未成年者に限っておりまして、大人についての扱いは、規定には含まれていないということです。

水島広子民主党・無所属クラブ

○水島委員 もちろん、たばこは合法的なものであって、違法性のある麻薬とは違うわけですけれども、例えば、テレビドラマの中で麻薬をとても幸せそうに打っているなんという番組は、考えただけでぞっとするわけであります。ですから、子供たちの好奇心をそそらないような環境づくりというものは必要になってくるのではないかと思っております。  そして、今はたばこというものを例に挙げてお話をしてきたわけですけれども、最近は、電車に乗りましても、本当に目も当てられないような露骨な雑誌やスポーツ新聞なんかを子供の目にも触れるような形で読んでいる大人たちの数が、ここ数年とてもふえてきているような印象を私は持っております。  子供たちの問題を考えるときには、子供たち向けのものをよりよくしていくことももちろん大切ですけれども、子供たちは大人社会の中で毎日暮らしているわけですから、大人社会の環境を少しでもよいものにしていく、そのような大人の高いモラルが必要とされるのではないかという点を最後につけ加えさせていただきまして、質問を終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。

青山二三公明党

○青山委員長 次に、鎌田さゆりさん。

鎌田さゆり民主党・無所属クラブ

○鎌田委員 民主党の鎌田さゆりでございます。  私、質問を始める前に、冒頭でございますけれども、委員長初め理事各位の皆様に、私が参考資料としてこの場で御提示をし皆様に見ていただきたい、そのことについて御検討いただきましたことを感謝申し上げます。  結果につきまして素直に従いまして、そのとおりに、その資料を使わせていただきながら質問を進めてまいりたいと思います。ですが、百聞は一見にしかずでございまして、やはり実態を、現実を見ていただきたい、その思いでもって、今、政府参考人の方々、政府側の皆様にごらんをいただいております。  私も、このように手に持ちまして、これをもとに質問を進めてまいりたいと思います。議員の皆様にも、日本の国内の青少年の健全育成ということでここに集って議論を進められる皆様にもぜひ見ていただきたかったんですが、きっとそれぞれ、国政調査、実地調査のところでよくよく御存じだと思いますので、そのように私自身受けとめ、理解をしながら進めていきます。  今、政府側の方々に見ていただいております資料、私はきょうの時間の中で、青少年に対して非常に有害な環境として、そのおそれがあると言われているその際立ったもの一つに焦点を絞って進めていきたいんですが、それは、デートクラブが配布、頒布する、ピンクチラシと言われているものについてでございます。  このピンクチラシ、皆様も御存じかと思いますけれども、町中の至るところに散乱をしております。いわゆるまき屋と呼ばれている、それを専門にまく、十四、五歳の青少年からもちろん大人の人まで、バイトの形で雇われた方が、これを電話ボックスに。一カ所の電話ボックスで、簡単に一回に二百枚以上は集まります。  なお、私がきょう提示したそのピンクチラシは、全部、一晩のうちの三十分だけで、私がこの手で、自分自身で集めてきたものでございます。そのくらい、いとも簡単に町中にさらされており、そして目に触れるところにあるというこのピンクチラシの実態を、きょう御答弁をいただく予定になっている皆様、今改めてその実物を直視していただいたと思うのですけれども、どのように思われましたでしょうか。お一人お一人、簡単で結構です、お答えいただきたいのです。

川口雄総務庁青少年対策本部次長

○川口政府参考人 今拝見いたしまして、確かに、こういったものを見た青少年に非常に悪影響を与えるなというふうに感じました。私自身も、ちょっと余り見せてほしくないような場面だと思います。

崎谷康文文部省生涯学習局長

○崎谷政府参考人 青少年に対して極めて悪い影響を与える、大変下品なものであるというふうに感じたということを申し上げます。

天野定功郵政省電気通信局長

○天野政府参考人 ただいま二人の政府参考人が答えられました答えと全く同感でございまして、まことに文化国家として恥ずかしい限りだというふうに思っております。

渡邉一弘法務大臣官房審議官

○渡邉政府参考人 役人として申し上げるのか、個人として申し上げるのか迷いますけれども、皆様がおっしゃっておられるとおりと思います。

上田正文警察庁長官官房審議官

○上田政府参考人 青少年の健全育成上、大変問題があると思っております。

鎌田さゆり民主党・無所属クラブ

○鎌田委員 同じ認識を持っていただける政府側の方々だということは、一つ安心というか、そしてまたお答えの中には、非常に恥ずかしいというお答えもありました。下品だというお答えもありました。そして今、そのボードは、瞬間見ていただいて、すぐ伏せていらっしゃるので、きっと、見るにたえないんだというふうなお気持ちを皆様お持ちになったと思います。  ですが、これは、そういう気持ちを抱くことは極めて正常だと私は思うのですね。ずっと見れません、こういうものは、普通の感覚であれば。しかし、町中に出ますと、これがどんなに散乱している状況でばらまかれているか。しかも、これを利用する大人がいかに多いか。大人だけじゃない、女子中高生がいかに多いか。  私たちがこれを見て、見るにたえないという思いを抱くのは正常だと申し上げましたのは、なぜならば、ここにかかわる、まつわる女子高生、青少年、男の子も含みます、何とも思わないのです、ほとんど。別に恥ずかしいとも思わないし、実態は、もう通学路にもこれがまかれている状態です。あるいは小学校、中学校の児童生徒が多く住む住宅地の団地のそれぞれのお宅のポストに入っている、投げ込まれている現状があります。さらに、通学途中で拾った中学生たちが教室でトランプがわりに遊んでいるという実態も、報告としてPTAの方々から上がっております。  こういう実態を、このまま、容認というか、放任というか、そういうことをすべきでない。ぜひ、これは、今をもって撲滅に向けての立ち上がり、運動というものを、行政、民間あるいは議会一体となって、この国の青少年をどんなふうに育てていきたいと思うのか、その思い、ほぼ共通していると思います、今のお答えで十分わかりますから、であれば、これの撲滅に向けた取り組みというものを今ここで改めて深く前進を進めるべきだと思いますが、総務庁、いかがでしょうか。

川口雄総務庁青少年対策本部次長

○川口政府参考人 先ほども申し上げましたとおり、青少年を取り巻く環境、本当に大事なことだと思います。そして、そういった環境の中で、青少年の性とか、あるいはこのほかに暴力の問題もあると思います。暴力に関するいろいろな考え、価値に悪影響を及ぼしたり、あるいは性的な逸脱とか残虐な行為を容認するような風潮、こういったものにつきましては、本当に有害な環境だと思っております。  ある意味では、大人になれば、こういったものを見ても、そういった判断能力がつくというのが本当は望ましいわけでございますけれども、先ほどの話によりますと、大人でもちょっと問題がある方が多いということです。  私ども、青少年の育成というのは、単に規制ということだけじゃなくて、本当に社会全体が青少年の育成に取り組まなくちゃいけない、こういった考えでおりますので、私どもは、関係省庁の集まりもございますので、いろいろな意味で、こういった青少年に悪影響を及ぼすようなことがないように努めてまいりたいと思っております。

鎌田さゆり民主党・無所属クラブ

○鎌田委員 今のお答えの中で、ちょっと、正しく私たちがここで認識をしなくちゃいけないなと思ったお答えがあったのです。  実は、これは、もちろん大人が見れば善悪の判断がつく、良識のある大人であれば、きっと町中にあふれていても、ああ、またかと、関心もわかないし、興味もわかないしと。しかし、実はもっと深いところにこれは問題があると私は思うのです。  これは明らかに、デートクラブに、デート嬢、はっきり申し上げて、売春婦と昔は呼ばれたかもしれませんが、そういう女性を派遣している業者にかけるための電話番号が載っているカードなんですね。つまり、このピンクチラシというのは、明らかに売春を誘引している道具になるのです。  そこでなんですが、これは判例も出ているように、まき屋を摘発して、捕まえて、そして検挙をして、裁判所、司法からの刑の判定が下って、そして刑が確定してと、そういう状態まで、このピンクチラシが発端となっている業者については、そのような自治体での県警の取り組み、あるいは警察関係の方々の取り組みがあると聞いております。  そこら辺のところ、いわゆる売春防止法によってこれを摘発し、検挙しているということだと思いますが、警察庁の方に、このチラシにかかわるところでの検挙の実態を簡単に教えていただきたいのです。

上田正文警察庁長官官房審議官

○上田政府参考人 お答えを申し上げます。  先ほど来先生が示されております、いろいろないわゆるピンクチラシでありますけれども、これは、風営適正化法によりましては、性風俗特殊営業の中の無店舗型というふうになっておりまして、届け出をしてやる営業になっております。  ちょっと読んでみますと、例えばこういうことです。「人の住居又は人の宿泊の用に供する施設において異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業で、当該役務を行う者を、その客の依頼を受けて派遣することにより営むもの」。例えば、派遣型ファッションヘルスとかマッサージとか、こういう形になりまして、その届け出の態様は、要するに売春業ではないわけなんですね、簡単に申しますと。届け出そのものは、お客様の要望に応じてそういうものを派遣します、そういう形になっているわけです。ですから、そのたぐいのチラシが即、例えば管理売春云々につながるというふうには直ちには言い切れないというところがあります。  それで、御質問の答えになるかならぬかわかりませんけれども、同時に、こういったピンクチラシにつきましては、そういった無店舗型の性風俗特殊営業もありますし、先ほど来いろいろな先生から御質問がありましたテレクラのものもあります。同じようにひどいものがあります。そういったものについて、風適法の方では、今申しました営業については、広告文書の頒布の禁止区域等がありまして、それに違反をすればいろいろな指示処分をする、それに違反をすれば営業停止をかけていくというふうな規制がございます。  それから、テレホンクラブ等につきましても、これは各県にありますテレホンクラブの規制に関する条例で、例えば青少年に対してそういう宣伝文書を頒布してはならない等の規制がございます。これも罰則のある県もあります。その辺をいろいろ適用して現在の状況を改善してまいりたい、こう考えております。

鎌田さゆり民主党・無所属クラブ

○鎌田委員 改善をしてまいりたいというお返事が最後にありましたけれども、地方の実態はいかほど御存じでしょうかということをまずお聞きしたいのです。  というのは、これは十五年以上、約二十年近く、いわゆるデートクラブが昭和五十年代中ごろに出てからずっとイタチごっこの状況なんです。もちろん地方によって、このピンクチラシの度合いというか、差があるかもしれませんけれども、少なくとも、私が知り得る限り、札幌、有名ないわゆる繁華街もありますし、あるいは宮城県、福岡、神奈川、大阪、熊本、そのほかにも都道府県単位で、私が知り得るところでありますけれども、宮城県では、まき屋、先ほども申し上げましたが、売春防止法で摘発をして検挙をしています。そして、判例も出ています。明らかにこれは、司法の部分で、売春を誘引するものだという判断に基づいて刑が下っています。  ですから、今のお話の中では、売春には当たらないんだ、確定することは難しいというお話でしたけれども、私は、取り締まりの最前線に立つ警察庁の皆様には、これは明らかに売春を誘引している品物、広告物だという認識をぜひ持っていただかないと、いつまでたっても同じようなイタチごっこがこれからも続くと思いますが、いかがでしょうか。

上田正文警察庁長官官房審議官

○上田政府参考人 お答えを申し上げます。  今ほど先生がおっしゃったような事案につきましては、一件一件、例えばまき屋に該当する業務を担当している人間がどういう認識を持っておるか、その組織全体の中でどういう位置を占めておるか、そこをきちっと立証していかないと、そのビラを配ることそのものが管理売春の、例えば幇助行為であるとか、あるいは場合によっては共犯であるとか、そういう立証ができないわけです。ですから、それぞれの組織について突っ込んだ捜査をしていかないと、一概に、あらゆる町中にはんらんしておるピンクチラシは全部売春の幇助であると断定するわけにはまいらないというふうに考えております。  ただ、先ほどおっしゃいましたように、地方の実情を知っておるのかという御質問がございましたけれども、私は東京に住んでおりますけれども、東京の私のマンションでもこのようなビラは参ります。そして、そういうものについて地域でいろいろ排除する努力をしておるということも知っております。  以上でございます。

鎌田さゆり民主党・無所属クラブ

○鎌田委員 地方の実情を知っていますかと申し上げましたのは、その検挙の実態のところで地方の実情と申し上げたのです。  宮城県では、宮城県が先鞭をつけたというふうな認識を私も持っておるのですが、いわゆるまき屋から始まって、その電話をかけた先にいる電話番の方、それから経営者、この三つの部分が共犯で摘発されて検挙をされているということを県警の取り締まりの実情の報告として伺っております。今後、認識をどのように変えられるかわかりませんけれども、地方の実情は、そこのところを、共犯で一緒に、経営者までも含めて検挙しているということです。そして、売春防止法でもって、二件から三件の電話のいわゆる通話の実態、それがあれば検挙しているということのようですので、ぜひ御参考までに。ここの部分はこれだけにしたいと思います。  総務庁、先ほど、このチラシがすぐには売春にはつながらない、そこに確定することは難しいという警察庁の判断、お答えがあったのですけれども、例えば、これに電話をかける人を想像していただきたいのです。  ここの電話の先にいる電話番の人に何か用事があるとか、電話番が出前のおそばでも頼もうかということで、この電話を使って自分のデートクラブの業者のそこの場所からそういう電話をかけるなどということは、もちろん考えられないと思うのです。やはり、これを利用しよう、これにかけてみよう、そして、どんな女性が来るだろうか、場所を指定して、そこにどんな人が派遣されてくるだろうか、そういう気持ちで利用するわけですから、これは明らかに売春を誘引するものであるという考えをここではっきりと持つべきだと思うのですが、いかがでしょうか。

川口雄総務庁青少年対策本部次長

○川口政府参考人 売春防止法の問題は、法律の適用の問題ですから、そこは取り締まり当局の判断だろうと思います。  ただ、私どもの立場からいうと、こういったチラシというのは本当に青少年にとって非常に有害である、こういったところに電話をかける青少年は何を考えているんだ、多分そういうことになるんだと思います。ただ、そういった意味で、こういった有害な環境についても、青少年に悪影響を及ぼさないという意味からは、こういったものが青少年の目に入らないようにするという努力が必要だろうと思います。  先生のお尋ねになりました売春防止法というのは、これは本当に刑罰の方、捜査当局の問題だと考えております。

鎌田さゆり民主党・無所属クラブ

○鎌田委員 今のところ程度までしかお答えいただけないのが非常に残念なんですが、みんなそれぞれお立場があります。しかしながら、みんなそれぞれ、この国内の青少年を健全に育成していく大人としての責任が私たち一人一人にはあるはずだと思うんですね。そういう気持ちをみんなが自覚していれば——これでもうかっている人がいるのです。利用する人がいるからもちろんもうかる人もいる。これを業として、商売として成り立たせて利益を得ながら、そしてその陰では、中高生初め十七歳、十八歳の女性が性を売り物にしている。そういうところに電話する青少年は何を考えているんだとおっしゃった。何も考えていないんです。お金が欲しいんです。  私たちの感覚からすれば、当然こういうものはよくない、子供に見せたくない、使うべきではない、なくなればいい。ところが、一部大人に利用する人がいる。お金が欲しい、性を売り物にするということに対しても何らちゅうちょも覚えない、罪悪感も、自分を傷つけているんだということにも気づかない、そういう青少年たちがいて、もうかる業者がいる。  こういうものは、私は、立場を超えて、私たち大人一人一人がこの実態をはっきりと正しく認識して、それに対する適切な対処をとるべきだと思うのです。  それで、先ほど警察庁の方から、これが売春を誘引するとははっきりと断定できないというお答えだったのに、非常に残念であり、愕然としたのです。  私がきょうのこの委員会で最終的に理解を得たいと思ってまいりましたのは、実は、これには全部電話番号が書いてありますけれども、電話番号が書いてあるということは、人をあっせんしている、女性を派遣している業者の人が、その業を始めるときに電話の契約をとっているわけです。  例えば宮城県内だと、今確認されているだけでも、ピンクチラシが八十四種類、そして業者はわずか七業者なんです。八十四種類で七業者なんですけれども、電話回線は三十五回線存在しています。つまり、七つの業者に対して三十五回線あるわけですから、一つの業者が複数の電話回線を契約している、引いているということになるんです。  それで、一番の、このピンクチラシのもともとの発端のきっかけとなるのは、この電話番号なんです。いとも簡単にここにアクセスできる。どこからでも、携帯電話からでも公衆電話からでもここに電話をすることができる。そして、場所を指定してそこに人を派遣してもらうようにする。人というのは女性ですけれども、女性がかけて男性が派遣されているという例は聞いたことがありませんので。  ですから、この電話番号が、それぞれの電気通信事業をなしている方々が、この業者との電話契約、通信の契約を結ぶ際に、あらかじめというのは無理でしょうから、はっきりと司法の判断が下ったもの、刑が確定したもの、グレーではなくはっきりクロだと司法の判断が下ったものに対しては、私は解約をすべきでないかと思うんですが、郵政省、いかがでしょうか。

天野定功郵政省電気通信局長

○天野政府参考人 現在の電気通信事業法には、第七条に「利用の公平」という規定がございまして、「電気通信事業者は、電気通信役務の提供について、不当な差別的取扱いをしてはならない。」という規定がございます。また、第三十四条には「提供義務」の規定がございまして、「電気通信事業者は、正当な理由がなければ、」「電気通信役務の提供を拒んではならない。」というような規定がございます。したがいまして、電話の契約につきましては、逆に言えば、正当な理由があれば提供を拒むことができるというふうに解されます。  しからば、提供を拒む正当な理由とはいかなるものであるかということになろうかと思います。現在、役務の提供を拒むことができる正当な理由というものの典型的な例としましては、料金の滞納だとか、それから利用者が利用契約に違反するような場合などが解釈上挙げられておりまして、現実にも、電話契約の契約約款にはそのようなことが書いてございます。  問題は、先生御指摘の、本件の場合、司法判断が下ったような場合は正当な理由に当たるのかどうかということになろうかと思うのであります。  まず、電話を含めました通信といいますものは、基本的な人権であります表現の自由を保障するため、通信の内容や利用目的を問わず、自由にできるのが原則でございます。また、今日、電気通信は、広く国民利用者の日常生活や社会経済活動を支えるライフラインあるいは社会インフラとして、多様な目的に使用される不可欠な手段という実態がございます。このようなことを踏まえますと、仮に、その電話が、犯罪や公序良俗に反する目的に使用された、あるいはそのようなことに使用される可能性が高いといった事情があることをもって、直ちに事業者が役務提供を拒むことができる正当な理由に該当すると解するのは困難であろうというふうに考えております。

鎌田さゆり民主党・無所属クラブ

○鎌田委員 解釈が大きく違えばどこまでやっても平行線かもしれませんけれども、これが公序良俗に反するというところでは一致をしたと思うのです。  公序良俗に反するものが契約を解約することについて正当な理由になるかどうかは判断するのは難しいというお話でしたけれども、通信事業は非常に公共性が高い。だからこそ電気通信事業法によって通信の秘密というものが守られている。しかし、その公共性の高い電気通信事業をかさに着て、隠れみのにして、通信の秘密がある、表現の自由があるからと、そういうものを逆手にとってこういう業者が利益を得て、そして青少年を悪い環境にさらしているこの実態をきちんと理解すれば、公序良俗に反するものは解約をするということは正当な理由に当たる、そういう解釈を持つのがそれこそ当たり前な感覚ではないかなと私は思います。  それで、御通知が来ているのかどうかはわからないんですけれども、このピンクチラシの問題を、地方によっては、PTA、各自治会、議会、行政、ボランティアを雇って、市の予算を投入してまでもこれを回収している、そんなイタチごっこをもう十五年、二十年続けている地方都市があります。そして、この十五年、二十年の間、一貫してその運動が求めているものは、電気通信事業法の改正なんです。  この電気通信事業法、今おっしゃったまさに七条と三十四条、これをかさに着て、そして通信の秘密、表現の自由、これを隠れみのにして、ずっとこの業者が、デートクラブから始まって、今までも、そしてこれからも悪い環境を地域において、地方においてつくり出す原因になっている。  ですから、今ここで、もうこのようなイタチごっこに終止符を打って、それこそ郵政省としての、これからインターネットやさまざまな情報がたくさん飛び交う中で、もう二十年前から言われていることをまたここで積み残しにしないで、法改正を行って、そして公序良俗に反するもの、明らかにクロだ、刑が確定した、それだけでいいんです、その部分に、全部と言っているんじゃありません、そこのところに対しては、解約の要件に当たると。  電話料を滞納した、勝手に線の引き込みをした、それが解約の理由だ、そんな問題じゃないところにもう今来ているんだということを御理解の上、再度同じことをお聞きします。

天野定功郵政省電気通信局長

○天野政府参考人 この問題は、多少繰り返しになりますけれども、通信の持っております言論や表現活動の自由を保障する意味合い、それからまた、今日の社会インフラとしての通信の使命といったことから、先生おっしゃいますように、電気通信事業が非常に高度な公共性を有しているといったことにかんがみますれば、犯罪とのかかわりで今御指摘のような法改正が可能かどうか、私どもは非常に難しいというふうに考えておりますけれども、これは大いに議論をする余地があろうと思いますので、国会の先生方も御議論を深めていただくとともに、私どもも十分研究させていただきます。

鎌田さゆり民主党・無所属クラブ

○鎌田委員 最後に、一縷の望みの、今後大いに議論をし、検討するという言葉がありましたので、ぜひ地方の現状をより正しく認識し、そしてその地方の声というものを酌み取っていただいて、法解釈について前進を求め、私のきょうの質問を終わります。ありがとうございました。

青山二三公明党

○青山委員長 この際、暫時休憩いたします。     午前十一時五十八分休憩      ————◇—————     午後三時十三分開議

青山二三公明党

○青山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。池坊保子さん。

池坊保子公明党

○池坊委員 公明党の池坊保子でございます。  昨今の青少年犯罪は、数十年前では考えられなかったような、私たちの想像を絶する、理解しがたい犯罪がふえております。また、片方では、そのような突出した凶悪犯罪とは別に、普通の子供たちが十三万人も学校に行くのが嫌なんだと。あるいはまた、いじめや学校崩壊という、今まで見られなかったような現象が起こっております。現代病と言ってもいいのではないかと思いますけれども、これは現代の社会情勢と深くかかわっていると思っております。子供を取り巻く環境は、著しく子供の健全育成を阻害していると考えなければなりません。  女性であるならば、次の世代のために、有害環境を排除し、穏やかで温かな環境の中で子供を育てていきたいと願うのは当然のことだと思います。  ある大人たちは、子供は純粋培養では育てられないのだ、有害環境で免疫をつけることも時には必要だとおっしゃる方もございますが、数十年前と異なり、麻薬、有害図書、有害ビデオを初めとして、有害とされるものの質が大幅に凶悪化していき、その影響を、子供たちは避けることができず、多大に受けていると思います。  教育は、家庭が大切なのだ、親の愛情が大切なのだと言われておりますけれども、家庭においてどんなに親が細やかな愛情を注ぎ、正しく導いていっても、また地域社会が温かく子供たちを見守っても、その周りで目を覆うような情報がはんらんしていたならば、子供を密室で育てることはできないのですから、このような情報に侵されていくのは当然のことと言えると思います。  来年は教育国会と言われているそうですけれども、教育というのは、何も教育現場ではなくて、有害図書、有害ビデオ、そのような有害環境を大人たちがつくっていかないこと、これこそが教育の基本ではないかというふうに私は思っております。  私は、公明党の子供読書推進プロジェクトチームの活動の一環として、都内のコンビニエンスストアに参りまして、有害図書の陳列販売の実情を視察してまいりました。  まずびっくりしたことは、いつでもどこでもだれでも安易に手に入るということなんです。表紙はかわいらしい少女の写真で、ふと何げなく手にとりますと、中は目を背けたくなるような写真の羅列なんです。これでは、幾ら見てはいけないと言われても子供たちは見てしまう。なぜならば、日常品の横で平気で売られているわけです。  このコンビニでは、大変に良心的で、成人しかこれは手にしてはいけませんとか、あるいは子供の目につきづらいところに置いてありますけれども、それでもコンビニの書籍の一割がこういう書物であるそうです。  では、一体こういうことに対してどんな処置がとられているのだろうか、有害図書というのは一体どういうものをいうのだろうかと思って調べてみましたら、先ほどもいろいろな方々がおっしゃっているように、長野県を除いて、四十六都道府県で各自の条例があるというだけであって、国としての条例はないわけです。  では、諸外国はどうなっているのだろうかということで、私は諸外国を調べてみたのですけれども、例えばフランスでは、わいせつ文学またはポルノグラフィー、犯罪または暴力、差別または民族憎悪、麻薬の使用、密売の扇動といった場面を連想することにより青少年に危険とみなされる出版物は、未成年への販売、展示、広告を禁止することができるとしておりますし、別法では、学校の校舎から百メートル以内は、未成年に規制している出版物を販売する店舗を設置することを禁止しております。  また、アメリカは、それぞれの州法によって異なりますけれども、カリフォルニア州法では、十八歳未満の者に対するわいせつな表現物の販売、頒布、送付、持ち込みなどを禁止しており、その違反に対しては、拘束刑を含む厳しい処罰を行っているのです。  また、ドイツにおいては、ドイツ法の特徴と言われるほど徹底した青少年保護施策が行われており、有害図書を初めとする、青少年を保護するための施策が徹底しております。  では、日本においてはどうなのか。刑法で、わいせつ物販売、公然陳列罪としての処罰規定があるのみで、青少年健全育成の立場からは何もございません。これは地方自治体に任せてあるわけで、地方分権の観点からいえば、地方の独自性があってもいいじゃないかという御意見もあるかもしれませんけれども、大体、地方が決めておりますことは、一つは包括規定です。もう一つは、審議会を設けて、その審議会で審議して、知事が指定しているわけです。  この審議会というのは民主的ではないかと思われるのですが、そうではなくて、時にはその構成メンバーの中には当然業界の方も入っていらっしゃいますから、どんな立場の方がその審議会をリードするかによって、規定が大変甘くなったりあるいは厳しくなったりするわけです。  先ほど水島委員がおっしゃったアンアンですけれども、これを条例で規制しているところもございます。それぐらい厳しい規制もある。だけれども、東京都などを見てみますと、私は、甘いなと思ったりもいたしました。つまり、地方によって違うということは、千葉県で買うことができない本も東京に行ったら買うことができる、またその逆の現象も行われるわけです。  私は、諸外国のように、子供を有害環境から守るためには国の統一した見解がある方が好ましいのではないかというふうに思っている人間でございます。それは民主主義の後退ではないかとおっしゃる方があるとしたならば、アメリカやフランスでもきちんとした規制がございますが、アメリカやフランスでは民主主義は後退していないのです。日本では、民主主義は何であるかということがわからないから、何かというとすぐ、それは民主主義云々ということになってしまうのではないかと思うんです。  子供というのは可塑性に富んでおります。可塑性に富むということは、速やかに吸収する吸引器のようなもので、白紙の状態で、いいことも、だけれども悪いものもまた吸収していくのです。ですから、先を歩んでいる人間が、何が真であり何が善であり何が美であるか、そうしたものをきちんと教えていく、示していくことが務めではないかというふうに私は思っているんです。こうした、理念なき、毅然としたものを教えてこなかった大人たちのその結果が、私は、今のさまざまな子供の現象を生んでいるのではないかと思って憂えている人間です。  総務庁にお伺いしたいんです。  条例だけに頼って国としての方針がないというのはおかしいな、何か私たちは至らないんじゃないかというふうにお考えになりませんか。

川口雄総務庁青少年対策本部次長

○川口政府参考人 何回も答弁しておりますように、私どもも、今、青少年に有害な環境というものは、これは青少年に悪影響があるというふうに考えております。  ただいま、出版物、ビデオ等の御指摘がございました。確かに、現状では、長野を除く各都道府県の条例でやっております。私どもは、現段階におきましてそういった法律は特にございませんので、現行法を前提とすると、業者団体に自主規制をお願いする、自主規制の要請、それから、それに関連しまして、地域住民による運動の促進、地方における条例の励行、それから取り締まり、そういったものをお願いするという立場でございます。  そういった法律が必要ではないかということでございますけれども、先ほどからそういった法律の議論をこの委員会でも議論されておりますので、その行方を見守りたいと思います。  いずれにしても、先ほど先生がそういった意見があるという中でおっしゃいましたけれども、いろいろな経験をさせろというのはちょっと間違いだろうというふうに私どもも思っております。有害な環境に接したことが多い人間というのは非行の行為も多い。そうすると、この委員会でも議論になっておりますけれども、必ずしも因果関係を否定するものではありませんけれども、何らかの関係がありそうだという調査結果が出ておりますので、私どもは、青少年の健全育成のためには、そういった有害な環境を排除して、そしていい環境にと、いい環境を経験した子はよく育っていくということだろうと思います。

池坊保子公明党

○池坊委員 法律をつくりますのは政治家の役目でございますから、これは特に私ども女性が中心となって頑張って、有害図書規制法とかあるいは有害ビデオ規制法というようなものをつくれたらいい、それの目的に向かって頑張っていきたいと思っておりますけれども、総理府の方でまずそういうことに関する委員会を設置していただきたいと私は思うんですね。  つまり、国が網をかけるなら、どういうふうに、何が有害なのか、あるいはだれがどのように規制するのか、いろいろな問題が発生してくると思います。あるいは、四十六都道府県のいろいろな条例などを比べるということもあると思いますので、そういうことを踏まえて、私は、子供たちを守るための委員会を設置してほしいと思いますけれども、いかがでしょうか。

川口雄総務庁青少年対策本部次長

○川口政府参考人 青少年の保護育成に関しましては、いろいろな省庁もありますので、私ども現在、関係省庁の局長クラスで構成する青少年対策推進会議というのを設けております。そこで、各省で行われているいろいろな施策について、青少年の保護育成ということを念頭に置いて進めてくれということでやっております。  つまり、先ほど先生がおっしゃいました、有害とは何かとか、まずその辺を議論すべきではないかというお話でございますけれども、私どもは、できるだけ、行政的な立場から、いろいろな資料を集めたりあるいは各都道府県との意見交換など、そういったことも検討していきたいと思っております。

池坊保子公明党

○池坊委員 総理府は積極的に何を行動するかというのが余り見えてこないので、これは私たちの責任でやらなければいけないということを強く思っているところです。  昨年の総務庁の報告によれば、ゲームなどの暴力シーンや残虐な表現に接する機会が多い子供ほど暴力を振るったり非行に走る割合が高く、少年犯罪と暴力シーン映像には何らかの関係があると考えている父母が八割に達しているという報告書がございますね。  つまり、少年たちの人格形成には、地域、社会、親、教師、友人の影響も大だけれども、あるいは有害ゲーム、有害図書から与えられている影響が大であるという報告書だと思いますが、この報告書を踏まえてどのような行動をなさいましたか。

川口雄総務庁青少年対策本部次長

○川口政府参考人 議員御指摘の報告書というのは、青少年とテレビ、ゲーム等に係る暴力性に関する調査研究報告書だと思いますけれども、この調査結果によりますと、暴力的な番組を見る子供あるいは暴力的なゲームをする子というのは、非常に暴力行為の経験が多い。そして、そのほかにもいろいろな問題があり、例えば暴力に対して容認する傾向の強い子供というのは、暴力的な番組を見ることが多かったり、テレビゲームが好きだったり、あるいはもっと重大かと思われるのは、暴力を振るわれている被害者についてかわいそうとは思わない、余り感じないというような子供が多い、そんな調査結果があらわれております。私ども、これはゆゆしき問題だと。  冒頭申し上げましたように、現行法では、業者に対する自主規制、業界団体に対する自主規制等やっておりますけれども、こういったことで、こんな調査結果があるのでしっかりやってくださいということで、この調査結果が出た段階で各業界団体にこの調査結果を配布いたしまして、そして、対応方よろしくという要請文を送ったところでございます。

池坊保子公明党

○池坊委員 報告の解釈は私もできますので、していただかなくてもいいんですね。  それで、報告書だけできたらこれで終了したんだ、事足りたというのではなくて、報告書が私は出発点だと思うんです。ですから、その報告書を踏まえて、では、どういうふうに行動を起こし、どういう結果を出すかということが私は大切だと思いますので、そういうことをしていただきたいなというふうに願っているんですね。  同じことを郵政省にも伺いたいんですが、ことしの三月に、郵政省と文部省が協力をして、二千五百人を対象として、テレビゲームやテレビがどんな影響を与えているかという調査をなさったと思います。そして、それによると、一日に二時間以上テレビゲームやテレビを見ている子供たちの六〇%が、過去一年以内に、ける、殴るなどの行為をし、口で言っても聞かない相手には暴力を振るってもよいと答える比率が高くなっているというふうに答えていらっしゃいます。ゲームの長時間接触グループは短時間グループよりも、一五・三%もそのような暴力を容認する度合いが高くなっている。つまり、これは明らかにテレビやテレビゲームが害があるということなんです。  先ほど馳さんがおっしゃいましたように、平成十年に文部省の中教審でVチップ導入で積極的な働きかけがあったと思いますが、それが後退したのは、Vチップを導入するとどんな弊害が起こるとお考えになって後退したんでしょうか。

金澤薫郵政省放送行政局長

○金澤政府参考人 Vチップを導入するためには、その前段としてレーティングをどうするかという問題がございます。  青少年と放送に関する専門家会合におきましては、番組に関する事前情報の提供ということを提言いたしております。これを受けまして、民放連の放送基準審議会におきましては、暴力、性などの表現について、児童、青少年への配慮が不可欠と各放送事業者が判断した場合には事前表示を行うということで取りまとめを行いまして、民放連の各社に対して指導したということでございます。  これを受けまして、例えば、ある社では、この番組は一部刺激の強い内容が含まれております、保護者の配慮をお願いしますというふうな事前情報の提供を行っております。これは一種類のレーティング、つまり事前表示と全く同じ効果を持つものというふうに認識しておりまして、これをさらに充実強化することが望ましいのではないかというふうに考えているところでございます。諸外国でも、一種類のレーティングを採用しているところも多数ございます。  それから次に、Vチップの話でございますけれども、このVチップの導入に対しましてはさまざまな議論がございました。  調査研究会での議論の主な中身でございますが、Vチップの導入により、保護者が子供の教育をテレビに任せるのではないか、それから、子供の方が保護者より機械の操作になれており、保護者が管理できるのか疑問、かえって子供の好奇心を刺激して逆効果になるのではないか、それから、放送番組の増加、過激化、また制作者の倫理低下につながるおそれがある等々の反対意見があったところでございます。  現在、Vチップを導入いたしておりますのは、法律上義務化しておりますのはアメリカだけでございまして、カナダも自主規制の枠組みの中で導入しておりますが、その二カ国でございます。ヨーロッパ諸国においてはVチップを導入していないという状況もございます。  郵政省としては、これら世界の動向を踏まえた上で、今後さらにVチップの導入について検討を行ってまいりたいというふうに思っております。

池坊保子公明党

○池坊委員 霞が関は、何かできない、不可能だということの理由づけが天才的だとおっしゃった方がいらっしゃいますけれども、やってみなければわからないのですから、マイナス要因ばかりをするのではなくて、まずプラス要因を考えて、出発を恐れずに変革していくことが必要と私は思いますけれども、文部省の方はこのVチップ導入についてはどういうふうにお考えか、伺いたいと思います。

崎谷康文文部省生涯学習局長

○崎谷政府参考人 お答え申し上げます。  子供たちの健全育成のために、判断力、責任感が未成熟な時点において、きちっとした教育を授けるとともに、有害な情報から守っていくことは大変重要なことだと思っております。  文部省では、例えばテレビとかビデオ等の使い方にしましても、家庭に対して、親がしっかりと子供に対して、いい番組を一緒に見るとか、有害と思われる性や暴力にかかわるような番組について子供に見せないとか、きちっとやるべきことなどもいろいろ呼びかけているところでございます。  あわせて、私どもとしましては、適切な検討を経まして、Vチップには限りませんけれども、的確な方法で有害な番組から子供を守る手段があれば導入をするということを前向きに検討すべきであるというふうに考えております。

池坊保子公明党

○池坊委員 Vチップについては、郵政省と文部省が連携をとって、これからぜひ導入の方向に向かっていっていただきたいというふうに私は願っております。  そして、今、郵政省の方からレーティングのお話が出ました。言うまでもなく、諸外国ではレーティングを導入しているところが多いです。アメリカにおいては、ゲームソフトに対してレーティング(格付)方式による業界の格付方式というのを行っており、五つの年齢別カテゴリーによる審査方法を持っております。  このレーティングは、三名の審査員から成る審査会で行われておりまして、この審査員がさまざまなバックボーンを持つ成人ボランティアから選ばれていることは、私は大変重要だと思っているのです。また、決定した格付は、小売商、小売団体などの団体、つまり流通機関を巻き込むことによって、業界に大きな影響力を持って、その地位を確立しております。また、未成年者に、不適切なソフトをレンタルしたり販売したりする店員教育もできており、社会全体としてこのレーティングシステムを支え、運用していると思うのです。  フランスにおいては、厳しい禁止措置が行われ、懲役、罰金などが厳しく科せられております。  諸外国では、このような格付とか規制をしている、それも業界と行政が一体となってこういうことをやっているのですね。日本の場合にはどうしてレーティングというのがなかなかできないのでしょうか。これは通産省でしょうか、郵政省でしょうか、お答えいただきたいと思います。

金澤薫郵政省放送行政局長

○金澤政府参考人 放送法の建前でございますけれども、放送法は、放送事業者の自主性というものを最大限尊重するということでございまして、一定の番組準則を定め、それに基づいて番組基準を放送事業者が定め、それについて番組審議機関が審議し、その内容の適正を担保するという仕組みになっております。  レーティングにつきましても、そういう意味で放送事業者の自主的な取り組みを期待するわけでございますが、先ほども申し上げましたような専門家会合、これはNHKと放送事業者と郵政省でさまざまな点について議論をしたわけでございます。その議論の中で、当面は、番組情報の開示ということで対応し、その適正を確保する必要があるのではないかという結論が出まして、それに基づいて現在必要な施策を講じているということでございます。

古田肇通商産業省機械情報産業局次長

○古田政府参考人 御質問の点の中でゲームソフトに触れておられましたので、その点について私の方から御答弁させていただきます。  コンピュータエンターテインメントソフトウェア協会という業界団体がございますが、平成八年の設立当初から、自主規制ということでいろいろと工夫をしてきておるところでございます。協会の倫理委員会で審査をいたしまして、レーティングといたしましては、今三つのカテゴリーがございまして、販売中止とするもの、内容上注意喚起をするべく警告表示を義務づけるもの、それから何も行わないものというふうに、三つに分けて実施しておるわけでございます。  それから、先ほど先生から年齢別のレーティングというお話もございましたが、これにつきましても、この倫理審査の中身を質的に高めていくという努力を業界としては不断にやっております。その際、年齢別の問題につきましては、一つのあり方ではございますが、さらに、社会的な影響とかソフトウエアの分類の仕方でありますとか、もう少し調査検討が必要だというのが現状でございます。それからまた、一部には、詳細な表示がかえって青少年の好奇心をあおることにならないかという御議論もございます。  いずれにしましても、倫理審査の質を高めていくという観点から、私どもも、業界を督促し、研究調査活動について積極的に支援していくという立場でございます。

池坊保子公明党

○池坊委員 レーティングについては、もっと検討して、やはり何らかの方策をぜひしていただきたいと私は思います。  先ほどから自主規制、自主性というのがもう何回となく発言されました。私も、自主規制になればそれにこしたことはないわけです。でも、だめな部分に対しては、やはり毅然として取り締まるとか、何らかの行政指導というものをしなければならないのではないかと私は思います。  私も拝見しましたけれども、ゲームソフトは、確かに、この作品は暴力シーンが多い、出血が多いと、四角いのが書いてあるわけですね。子供たちは好奇心があって、書いてあると、かえってそれを買おうかという気持ちになるのじゃないか。だから、余り私はその役目はないのではないかというふうに思うのです。それならば、陳列場所を変えるとか、もっと何かの処置を私はぜひ考えていただきたいと思います。  それからもう一つ、倫理委員会というのがおありになりますね。この倫理委員会というのは、調べましたら、九名から成って、七名までが業者の方ですね。二名が外部の方でいらっしゃいます。ここにPTAの協会の方とか若いお母様とか、ぜひこういう方々を入れないとこれはチェックがされないのではないか。これも自主規制に任せますではちょっとお粗末だというふうに私は思いますので、それについてどういうふうに考えていらっしゃいますか。

古田肇通商産業省機械情報産業局次長

○古田政府参考人 お答え申し上げます。  先生御指摘のとおり、現在の業界の倫理委員会は、業界関係者七名、それから外部の有識者二名という構成でございます。  ただ、こういった倫理問題にきちっとこたえる、ゲームソフトの社会的信認を得るということがそもそもマーケットを拡大する重要なことであるという認識のもとで、それぞれの委員の方々は公正中立な審査を行っておられるというふうに私ども思っておるのでございますが、ただいまの御指摘も含めまして、今後、倫理委員会において積極的に外部の有識者をメンバーに加えるよう、督励してまいりたいというふうに考えております。

池坊保子公明党

○池坊委員 消費者代表、母親の立場あるいはPTA、こういう方々が倫理委員会に入らなければ倫理委員会の意味は全くないと私は思います。  それからまた、倫理委員会でチェックされたものに対しては販売をしないとか何らかの規制がなかったら、倫理委員会というのはただのお飾りでしかないと思いますので、これも自主規制に任せるのではなくて、この辺はきちんとした対応を私は通産省に望んでおります。  最後に、せっかく警察の方にも来ていただきましたので、警察の対応をちょっと伺いたいんですが、コンビニなんかで本当に良心的なところは、陳列場所も、目立たないところに置くとか日常品のそばには置かないとかいろいろな配慮がしてあるんですね。あるいは、子供がそれを持っていくと、あなたが見るのにはこれはまだ年齢がいきませんよというようなことを店長がそれとなく言う、注意をする、そういうような良心的なコンビニエンスストアもあれば、もう本当に、買ってくださいと言わんばかりのところもあるわけです。これに対して、警察はどのような指導をしていらっしゃるんでしょうか。  これも私が調べたところによりますと、埼玉では、コンビニで買った有害図書に刺激されて性犯罪を少年が起こしたというのが引き金になって、警察がコンビニエンスストアの指導を徹底的に行っているというのを聞いております。きょうは東京しかないと思いますが、東京都ではどのようにしていらっしゃるか、ちょっと伺いたいと思います。

上田正文警察庁長官官房審議官

○上田政府参考人 お答え申し上げます。  最近、性やポルノに関する過激な情報を含んだ雑誌、ビデオ等の有害図書類を少年が簡単に入手できるというようなことは、委員が先ほど来おっしゃったとおりでございます。そして、これが少年非行の深刻化の一因になっているとも考えております。これらの図書類のうち、都道府県の青少年保護育成条例に基づき有害図書類として指定されたものにつきましては、青少年に対する販売、自動販売機への収納等が条例によって禁止をされております。  警察としましては、法令に違反する行為に対する取り締まりを推進するとともに、関係機関、団体や地域住民の方々等と連携をして、関係業界の自主的措置の促進等を図っております。  先ほど委員がおっしゃいましたいわゆるストア、これに対しましては、この夏にも、全国展開をしているそういうチェーンの協会に対して、区分陳列、あるいは少年に対する販売をしないということの徹底等についてお願いをしております。  以上であります。

池坊保子公明党

○池坊委員 時間が参りました。  大人たちの指導のやり方によって、子供たちに大きな影響を与えていくわけです。二十一世紀を支えるのは、言うまでもなく子供です。ですから、大人たちは、きめ細やかに、子供をいい意味で指導していく、アドバイスしていく、そういう責任があると私は思います。  きめ細やかな、そして深い情熱を持って事に私も当たらなければなりませんが、これはみんなが心を一にしてしなければならないことだということをみずからも心に銘じながら、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

青山二三公明党

○青山委員長 次に、黄川田徹君。

黄川田徹自由党

○黄川田委員 自由党の黄川田徹であります。  まずもって、重複する質問があるかもしれませんが、私からの質疑ということで御理解をいただきたいと思います。  二十一世紀の新しい社会を担う青少年の健全な育成は、国民すべての願いであります。しかしながら、青少年を取り巻く最近の社会環境は、露骨な性描写や暴力を売り物にした雑誌、ビデオなどのはんらん、テレホンクラブなどの増加、さらには覚せい剤等の蔓延など、悪化の傾向にあります。また、情報化が進展する中、テレビやインターネットなどのマスメディアが青少年へ悪影響を及ぼしていることも見逃せません。  青少年を取り巻く環境問題を考える場合、人間と環境の相互関連を考える必要があると私は考えます。確固たる自我がまだ形成されていない青少年がそのような有害環境に直接さらされたとき、どうなるでしょうか。  ことし五月、十七歳の少年が西鉄高速バスを乗っ取った事件に対し、劇作家であり演出家の山崎哲氏は、子供は成長する過程で、小さな悪を犯したり、親に反抗したりする、そうすることで無垢な存在から汚れを持った存在へと脱皮しようとする、人間とは汚れを持つ存在だからである、大人になるとは汚れを持った人間をも人間として認めるようになることだからであるとも言っております。  そこで、最初に厚生省の真野局長に、以上の観点から、青少年の家庭環境と有害環境との関連についてお伺いいたします。特に、最近多い、一人っ子、母子家庭、単身赴任家庭などを想定して、有害環境に対する侵されやすさはどのように異なるでしょうか。

真野章厚生省児童家庭局長

○真野政府参考人 先生御指摘いただきましたように、二十一世紀に向けまして、少子化、情報化、国際化、地域社会の変容など、社会全体が大きく変わろうといたしておりまして、そういう意味では、青少年を取り巻く環境も大きく変化をしてきているという状況の中で、青少年を地域社会からはぐくむという観点で、地域の構成員であります家庭、学校、地域住民、関係者が開かれた関係を構築する必要があるということが青少年育成推進要綱でもうたわれております。いわば、そういうさまざまな環境の中でも、御指摘の家庭環境、これは一番身近なものであり、かつ基礎的なものだというふうに思っております。  そして、この推進要綱でも、家庭は子供の成長にとって大きな役割を担うものであるが、近年、家庭における基本的なしつけの不足、親子の触れ合いや信頼関係の不足、家庭の地域社会からの孤立など、家庭の教育機能の低下が各方面で指摘されているため、こういう家庭の育成機能を支援、補完する観点から施策の充実を図るべきだという御指摘を受けております。  そういう観点から、厚生省といたしましては、地域子育て支援センター、また児童相談所などにおきまして、相談、情報提供というようなことで、それぞれの家庭の状況に応じた対応を推進してきているところでございます。  なお、先生御指摘がございました一人っ子や母子家庭、単身赴任世帯等といった、家庭類型と有害環境との関係ということでございますが、この関係につきまして明らかにいたしました研究その他、報告等は、残念ながら私ども承知をいたしておりません。ただ、通常の家庭の養育機能そのものがなかなか低下してきている中で、やはりこういう先生御指摘のような家庭は、より一層そういう家庭機能が脆弱であるということは、たやすく想定をされます。  そういう意味では、そういう面に配慮しつつ、さらに、私ども、今申し上げましたような地域子育て支援センター、児童相談所、そういういろいろな地域のネットワークを活用して、いわば家庭の機能低下、それをできるだけ支えていきたいというふうに思っております。

黄川田徹自由党

○黄川田委員 それでは次に、今までの政府参考人の説明でも、有害な情報は多岐にわたり、どこまでが青少年にとって有害か判断が難しいと思っております。特に、テレビ放送の場合、国民の知る権利から、有害無害の判断は難しいと思います。  そこで、郵政省の金澤放送行政局長、その辺の判断基準についてお伺いいたします。

金澤薫郵政省放送行政局長

○金澤政府参考人 放送は、青少年の価値観や人生観の形成に非常に大きな影響力を有するということでございまして、配慮された放送が行われることは当然必要というふうに認識しております。  ただ、一方、言論、表現の自由というものは憲法で保障された権利でもございますし、放送法は、放送事業者の自律を基本とする、そういう理念にのっとりまして、放送事業者による自主的な取り組みを基本としているところでございます。  有害かどうかという判断基準でございますが、放送法においては、放送法第三条の二第一項に、「放送番組の編集に当たつては、」「公安及び善良な風俗を害しないこと。」というふうにされております。本準則を遵守することとなるよう、放送事業者はみずから番組基準を策定いたしまして、これに従って放送番組の編集を行うことを義務づけているということでございます。  そういう意味から、判断基準とは何かという問いではございますが、放送法には「公安及び善良な風俗を害しないこと。」というふうに書かれておりますので、公安及び善良な風俗を害するものというふうに理解しているところでございます。

黄川田徹自由党

○黄川田委員 大分項目がありますので、次から簡潔に質問していきます。  次に、麻薬、覚せい剤等の有害物質は、青少年の人格を変え、回復にも長時間を要し、かつ中毒患者が引き起こす犯罪は我々が想像もできないような大きなものになります。  そこで、警察庁の上田審議官に、多少細かくなりますが、次の三点をまとめてお伺いいたします。  第一に、海外の最近の密造国の状況と国際的取り締まり機関の活動状況、第二に、我が国の水際での防止作戦の実態、第三に、国内での流通、特に暴力団の関与の状況の変化及び末端で青少年に手渡される接点のおのおのの取り締まり状況、以上であります。

上田正文警察庁長官官房審議官

○上田政府参考人 三点の質問にお答えします。  まず第一の、海外での密造等についてでありますが、覚せい剤を初めとする我が国の乱用薬物のほとんどすべては、海外で密造され、国際的な薬物犯罪組織と我が国の暴力団が結託して密輸入を敢行しております。薬物の供給ルートは、覚せい剤は中国、北朝鮮が二大ルートになっており、大麻はタイ、フィリピン等、コカインはブラジル、コロンビア等が主要な供給ルートとなっております。  ちなみに、昨年は、中国から密輸入された覚せい剤の押収量が約八百四十キログラム、北朝鮮からは六百六十五キログラム、本年は、中国から約三百二十キログラム、北朝鮮からは二百五十キログラムとなっております。  次に、国際的な取り締まりの状況でございますが、薬物の不正取引は国境を越えて行われており、一国のみでは解決できない問題であることから、地球規模の重大な問題として、国連サミット等の国際的な枠組みでその解決に向けた取り組みがなされております。我が国は、薬物関連の国際条約のすべてを批准し、各国の取り締まり機関と連携した取り締まりを強力に推進するとともに、薬物供給地対策として、捜査に関する技術的援助も行っております。  第二の、水際での防止につきましては、警察では、我が国に薬物を入れないという水際対策を薬物対策の柱の一つとして推進しており、海上保安庁、税関等、国内関係機関と連携し、水際の監視体制を強化して密輸事犯の摘発に強力に取り組んでおります。また、この種事犯の取り締まりに当たりましては、先ほども申しましたとおり、各国の取り締まり機関との情報交換を緊密に行うなど、積極的な国際捜査を推進しております。  第三の、国内での流通等に関する取り締まり状況についてでありますが、覚せい剤を初めとする薬物の密輸密売は莫大な利益を生み出すことから、暴力団が主要な資金源として我が国の薬物の流通に大きくかかわっているところであります。最近では、それに加えて、来日イラン人等の不良外国人による薬物密輸密売事犯も増加をしております。  本年九月末現在では、覚せい剤事犯検挙人員の四割以上が暴力団員で占められており、依然として暴力団が覚せい剤の密輸密売に深く関与していることがうかがわれる状況にあります。また、その手口も、携帯電話、転送電話等を利用して、薬物を求める乱用者と直接顔を合わせることなく薬物を密売するなど、一層悪質化、巧妙化しております。また、イラン人等による薬物の密売は、潜在化、巧妙化しながらも、街頭無差別販売という形態をとり、覚せい剤を初めとするあらゆる薬物の密売を手がけ、青少年の薬物乱用事犯の急増の主要な一因となっております。  このような状況を踏まえ、警察におきましては、国内における暴力団及びイラン人密売組織の壊滅に向け、取り締まりを強力に推進しております。  以上です。

黄川田徹自由党

○黄川田委員 ボーダーレスの時代となりまして、大変な状況であります。  青少年を取り巻く有害環境は、都市も地方もその差がなくなりつつあります。特に、薬物乱用の防止については特段の対応をお願い申し上げる次第であります。  それでは次に、テレビ等のマスメディアについてであります。  郵政省では、平成十年十二月、青少年と放送に関する調査研究会において、青少年と放送にかかわる基本的問題点をまとめており、ポイントをついた指摘がなされております。  しかしながら、実態として、そこにうたわれているような青少年に夢を与える番組が多く放映されてきたか、疑問を感じるところでもあります。ヒマラヤの初登頂やアポロの月面初着陸など、大きな感動を受けたことが記憶によみがえります。時代の変遷とともに価値観も変わってきたこともあろうかと思いますが、私の子供と同世代の青少年は、テレビからこのような感動を受けることが少なくなっているのではないでしょうか。  そこで、郵政省の金澤局長にまとめてお伺いいたします。  第一に、以上の観点から、NHK、民放各社は番組編成上どのような工夫をしておられるのか、第二に、メディアリテラシーの具体策について、第三に、Vチップの導入と障害について、以上三点であります。

金澤薫郵政省放送行政局長

○金澤政府参考人 青少年に夢や感動を与える番組が最近少なくなったという御指摘がございました。  みずから制作、放送した番組が感動を与えるものとして認知されるということは大変名誉なことでございまして、放送事業者は各社それぞれ努力をしているとは思いますが、先生御指摘のような点もございますので、放送事業者においてなお一層努力していただきたいというふうに考えている次第でございます。  それからメディアリテラシーでございますけれども、このメディアリテラシーにつきましては、調査研究会を開催いたしまして、提言を受けました。現在、メディアリテラシーのための教材の開発に取り組んでいるところでございます。  次に、Vチップの導入でございますけれども、これにつきましては、この調査研究会の中でもさまざまな御議論がございまして、なかなか意見が一致しないという状況にございます。  郵政省といたしましては、放送と青少年に関する委員会という苦情処理のための第三者機関もつくりましたし、それから情報内容の事前開示というふうなことも放送事業者は努力するということでございまして、そのような状況も見ながら、Vチップの導入につきましても引き続き検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

黄川田徹自由党

○黄川田委員 次に、先ほど警察庁の上田審議官から、薬物乱用に係る青少年を取り巻く環境浄化対策についてお話を伺いましたけれども、加えてテレクラについて一点お尋ねいたします。  全国の都道府県において、テレホンクラブに対し条例が制定されていると思いますが、テレクラ等の営業に対する指導取り締まりにおいて、地域住民と具体的にどのような連携をとって進めておられるのでしょうか。

上田正文警察庁長官官房審議官

○上田政府参考人 お答えします。  テレホンクラブ営業は、最近急速に増加している状況でありまして、警察としましては、テレホンクラブ営業の規制に関する条例による指導取り締まりを徹底するとともに、青少年保護育成条例、児童福祉法及び児童買春、児童ポルノ法等により、テレホンクラブ営業に係る福祉犯の取り締まりを徹底しております。  さらに、関係機関、団体、地域住民等と緊密に連携して、少年がテレホンクラブ営業を利用することがないよう、非行防止座談会、非行防止大会等のあらゆる機会を通じて広報啓発活動を推進するとともに、ビラ、チラシの撤去等の諸対策を推進しております。

黄川田徹自由党

○黄川田委員 それでは次に、自販機設置規制を含めて、有害な図書、ビデオテープ、玩具等の規制に対し、ほとんどの地方自治体は率先して規制のための条例化を進めております。私のところの岩手県でも、昭和五十四年から条例が施行されています。  そこで、この分野の問題に対し、関係省庁は地方自治体に対しどのような支援を行っているのか、代表いたしまして、青少年対策本部の川口次長さんにお願いいたします。

川口雄総務庁青少年対策本部次長

○川口政府参考人 青少年にとって有害な図書類を規制している条例としましては、長野県を除いて、そのほかの全都道府県には条例がございます。  私ども関係省庁は、こういった条例が適切に運用されるように、いろいろな必要な連絡とか調整を行っておりますけれども、ちなみに私ども総務庁では、これらの条例を担当する都道府県の主管課長会議というものを年に二回開きまして、そこでいろいろな必要な助言だとか連絡を行うということをやっております。  このほかにも、関東とか、あるいは山梨、長野、静岡、それから新潟のブロックで行われます青少年保護育成条例事務担当者会議に、係員を派遣してくれということなので、担当官を派遣して、そこで連携を図っております。

黄川田徹自由党

○黄川田委員 それでは、時間になりますので、最後に、まとめて二つお伺いいたします。  まず一つは、青少年の健全育成に関する法律の制定について、幾つかの地方自治体から要望されているはずであります。その法制化の動向はいかがでしょうか。これにつきましては、総務庁の川口次長さんからお伺いいたします。  そしてまた、参議院では青少年有害環境対策基本法の法制化が急がれていると耳にしておりますが、出版業界、民放連等では、表現、報道の自由という憲法上の権利にかかわることで、かつ有害環境の概念規定など不確実な点も多いと、立法化に反対を表明しているようであります。ここについては、法制局阪田第一部長から法制上の見解をお伺いいたします。

川口雄総務庁青少年対策本部次長

○川口政府参考人 先生御指摘の地方自治体からの要望でございますけれども、いろいろな要望がございます。  内容的に分けますと、一つは、ここで議論になっておりますような、青少年を有害環境から保護するという観点に立った法律の制定を求めるもの、それから青少年の健全育成に関する基本理念だとか、あるいは推進体制について規定する法律の制定を求めるものなど、いろいろなものが出されております。  ちなみに、青少年問題審議会の方でも、何らかの検討を加えるべきではないかというふうな御提言もございます。青少年を有害環境から保護するという観点に立つ法律の制定につきましては、現在この委員会でも議論がなされておりますので、私どもとしましては、この委員会の議論を見守りたいというふうに思っております。

阪田雅裕内閣法制局第一部長

○阪田政府参考人 今委員からお話がありました基本法につきましては、その内容を具体的に承知していないということでもありますのでコメントすることは差し控えたいと思いますけれども、一般論として申し上げますと、けさほど馳委員の御質問に際してもお話ししたところでありますが、憲法二十一条第一項は、表現の自由を絶対無制限に保障したものではなく、公共の福祉のため必要かつ合理的な制限を是認するものであることは、最高裁の判例においても認められているところであります。  私どもも、これまで国会におきまして同様の見解をお示ししてきてまいっております。およそ、情報の提供等に関する一切の規制が憲法上許されないというものではないということだけは申し上げられると思います。

黄川田徹自由党

○黄川田委員 最後に、要望であります。  いずれ、地域住民に身近なところは各都道府県の条例でいろいろ対応できるわけなんですけれども、長野県は特別、条例なしでも住民運動でいいということで、ないということなので、長野県を除き全部の都道府県でできているということであります。そうしますと、全国にわたることでありますので、やはり基本的な法律が必要であると私も考えておりますので、よろしくお願いいたします。  以上であります。

青山二三公明党

○青山委員長 次に、石井郁子さん。

石井郁子日本共産党

○石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子でございます。  日本の子供たちが、性や暴力シーンという、むき出しの、本当に悪質な描写にさらされている、そして無防備な状態にあるという点では、私もそうですが、多くの皆さんが胸を痛めておられるわけであります。  私ども日本共産党としましても、今、子供と教育をめぐる危機的な状況が進行していることの一つに、文化の問題、子供たちを有害な情報から守るという点で、文化の面での社会としての自主的なルールづくりというのが求められているんじゃないかというふうに考えてきたところであります。  きょう各省庁から御説明いただきまして、それぞれ省庁としても、そういう認識のもとにいろいろな姿勢を示され、また一定の取り組みをされているということを伺いましたが、同時に、今の事態というのは本当に憂慮すべき事態だということが強調されたように思うんですね。その点でも、私はきょう、この問題での対応というか取り組みというのが急がれるということを、認識を新たにいたしました。  それで、諸外国でも、この性や暴力の問題でいいますと、やはり暴力事件というのをきっかけにして、社会的な世論が起こる、行政も動く、いろいろな団体が動くという形の取り組みが始まっているんですよね。相当長期にわたってこの問題の取り組みがあるということなわけであります。  その一つの到達点として、私は、カナダの例が大変興味深いわけであります。  カナダでは、CRTC、カナダ・ラジオ・テレビ・電気通信委員会が、ここは通信・放送行政を担当する独立行政委員会なんですけれども、一九九六年にこういう文書を発表しているわけです。「カナダとテレビ暴力——協力と合意」、その文書では、テレビと暴力に関するアプローチで、放送業界の自主的なコード、まさに自主的な規制という問題でしょうけれども、それと番組評価システムというのが一〇%、Vチップが一〇%の効果で、残りの八〇%は市民の意識の覚せいとメディアリテラシーにあるということであります。それで、この報告書を作成した行政当局が、テレビと暴力の問題を解決する大部分の力というのは、上からの規制ではなくて市民の側にあるというふうに言っているんです。私は、こういうふうな結論を九六年に言えたというのは、八〇年代から始まって九〇年代を通して、各界挙げて議論を進めてきた中での一つの到達点だというふうに思うんです。  カナダの場合、放送業界、研究者、教育者、子供の精神科医、専門家、親、連邦政府、そういう関係者の対話と共同というのが本当にいろいろな形で進められてきたということが言われているわけであります。こういうことを参考にしながら、私たち日本でもいろいろなことをやっていきたいということをまず最初に申し上げておきます。  私は、そうした世論を喚起するという上で、まず調査研究というのが大変重要だというふうに考えるんですね。この点でも、もう既に午前中から審議もございましたし、いろいろ各委員が触れておられますけれども、改めて私も一つ二つ尋ねておきたいというふうに思います。  総務庁の、青少年とテレビ、ゲーム等に係る暴力性に関する調査研究報告書、平成十一年の九月ですが、これをいただいたときに、日本では初めてのものだと聞いて、私も改めて、やはり今始まったばかりかというふうに思ったのです。  これは、先ほど来いろいろ御紹介されていますけれども、テレビの格闘技というのがありますね、あるいはゲームの格闘技、それなどでは、やはり、ゲームセンターで毎日遊んでいる子供が非行とか問題行動に、より走っていくというか、そういう傾向が見られる、こうありますよね。それから、家庭でのテレビゲームでも、四時間以上見ているんですね。大体、四時間からデータをとらなきゃいけないというのも、やはり子供の世界にこういうことが相当入り込んでいるなというふうに私は思うんですけれども、そういう四時間見ている子供のうちの半分が非行、問題行動に走る、遊ばない子供というのは本当に低い数値だということが出ているわけですね。  こうした調査研究は一つの大変大事な点だと思うんですが、アメリカの例で申しますと、アメリカでは、もう一九五〇年代からこうした取り組みがあると言われているわけです。私ども、その紹介の文書を幾つか見ましたけれども、七二年にも一定の調査結果がある。八二年も、国立精神衛生研究所の、「テレビと行動——十年間の科学的進歩と八〇年代に向けての課題」という形で、十年間の追跡調査をされて、報告書がある。九〇年代に入ったら、さらにそれが深められるということです。  先ほど来、相関関係と因果関係ということが言われましたけれども、子供の攻撃的な行動、態度を招く重要な要因とか、あるいは心理状況にそれがどうかかわっているかというところまで入った研究というのは、やはりなかなか進んだものがあるなというふうに思うわけであります。  そこで伺いますけれども、総務庁としてもこういう調査を始められた、今後も進めていくだろうと思うんですが、今後の計画として、どういう内容、あるいはどういう体制でこういう問題に取りかかるのかということについて伺っておきたいと思います。

川口雄総務庁青少年対策本部次長

○川口政府参考人 私どもの有害環境調査は平成四年ぐらいから始めておりますけれども、私どもが考えているいわゆる有害環境と思われるもの、中には、有害環境そのものでなくとも、使い方によっては有害になるというものもありますけれども、そういったことで、これは平成十年に行ったものでございますけれども、今後、有害と思われるようなもの等についても調査をやりたいというふうに思っております。  それから、来年一月六日、中央省庁の再編によりまして総務庁の青少年行政の総合調整部門は内閣府に行くことになりますけれども、この有害調査につきましては、今後警察庁の方で行われることになると思います。  いずれにしても、私ども青少年行政を担当する者としては、こういった有害環境がどういうふうに青少年の非行とかに及ぼすのか、そこは、今後ともしっかりやっていきたいと思っております。

石井郁子日本共産党

○石井(郁)委員 午前中の御報告を伺っても、各省庁でそれぞれ、調査の方向というか、予算も計上していたりということを少し伺うことができましたけれども、何かやはり省庁別になっていますよね。子供の問題では本当に総合的な取り組みが要りますから、何かやはりそういう体制がとれないのかどうかということを非常に感じたところであります。  それと、私申しましたのは、別に調査がなければ対策がとれないということじゃなくて、もう既に外国で、そういう結果に基づいての一定の行政の対応というか、いろいろな対策がとられているわけですから、これは同時並行なんですよね。午前中でも、外国の例はまだつかんでいないという話がありましたけれども、それはもう、すぐにもつかめる話です。だから、やはり世界的な到達点に立って日本でも進めるということ。ただ、私は、やはり日本の現状があると思うんですよ、ほかの国とも違う、今起こっている。その現状をしっかりつかむ、そういう調査が要るだろうというふうに思うんですね。そういう点で、ぜひこの問題、しっかりやってほしい。  それから、先ほど御紹介しましたカナダの例も、やはり政府と議会のバックアップがあったからこそ大規模な調査ができたということが言われているんですよね。そういう意味での私ども国会の役割も大変大きいというふうにも思いますので、重ねてこの点での要望をしておきたいというふうに思います。  それで、私は、きょうは主にメディアリテラシーについて少し聞いておきたいなというふうに思うんです。  この点も、実はカナダが世界で初めて公教育の場にメディアリテラシーを制度化したと言われているわけで、一九八七年に導入され、既にいろいろな実践を積んでいるわけですね。  それは、カナダのオンタリオ州というところの例なんですけれども、それをちょっと御紹介しながら、これから二十一世紀に向けて日本の学校教育の中でこの分野をどうされるのかなということをちょっと文部省に伺わなきゃいけないなと思っているわけです。  というのは、先ほど郵政省のサイドでは、一定の、教材も開発されるとか放送が始まっているとかということを伺いました。しかし、文部省からはどうもそういう内容は聞こえてきませんので、伺っておきたいわけであります。  そのカナダの例で申しますと、これは国語の授業で、あるアニメ映画を見ながら、勇敢でたくましいプリンスが出る、一方で、助けを求めるプリンセスが出てくる、こういうのを見ながら、これはちょっと一九三〇年代じゃないか、では、あなた方だったらどうするのか、こういう映画にはどんな価値観が反映されているのか、自分が映画をつくるんだったらどんなふうにつくるのかということを議論させる。実際にも何かそういう取り組みをされるんでしょうけれども、そういうことをするんですね。  それから、もう一つ、ちょっとおもしろいのを御紹介するんですけれども、グローバル企業と大衆文化を教える授業の中で、まさにメディアリテラシーとして考えているんですが、子供たちの大好きなスポーツの有名メーカーのバスケットシューズがありますけれども、その原価は五ドル六十セントだ、ところが、市場では十倍の値段で売られる、それは、有名スポーツ選手を莫大な契約金で広告に起用しているんだ、一方で、このシューズの工場で働く途上国の女性労働者には一日一ドルも支払われていないというようなことを事実として出しながら、企業とメディアの結びつきだとか、それからまた大衆文化や消費社会をつくり上げている仕組みなどがここで解説され、子供たちが考える。つまり、ここでは、メディアがどういう役割をしているのかということを考えさせていくというような授業をしているわけですね。  ちょっとそういう一例を御紹介しましたけれども、それで、一体日本では、こういうメディアの問題を学校教育の中ではどう位置づけられていらっしゃるのか、どう進めようとされていらっしゃるのか、伺っておきたいと思います。

御手洗康文部省初等中等教育局長

○御手洗政府参考人 お答えいたします。  我が国の学校教育におきましては、メディアリテラシーに関する取り組みにつきまして、単一の教科で系統的に教えるという形はとっておりません。  しかしながら、国語の中では活字メディアを中心とした理解と表現、あるいは社会や公民といった教科ではテレビやラジオなどを含めたより広いメディアについての理解、さらには美術や音楽といった教科の中では映像、音声に関するメディアを扱った表現と、それぞれの教科の中で教科の目標と照らし合わせながら扱うこととしているわけでございます。とりわけ、中学校の技術・家庭科におきましては、コンピューターの基本的な操作とあわせまして、情報化社会におきます日常生活や社会への影響、こういったことを現在教えているところでございます。  新しく平成十四年度から全面的に実施されます学習指導要領におきましては、中学校の情報の分野を全員が必ず必修として実習いたしますとともに、高等学校の普通科におきましても、平成十五年度からは、すべての高校生が必ず情報の教科を学習するということにしているわけでございまして、ここでは、コンピューターを使う基礎的な知識や技能の習得とあわせまして、誤った情報に惑わされることなく、必要な情報を主体的に収集し、判断し、創造し、みずからの情報として発信できる能力ということで、基礎的な技術や理解ということに加えまして、情報社会に参画するための情報モラルの必要性や情報に対する責任、こういった、望ましい情報社会の創造に参画しようとする態度、こういったものを含めまして、体系的に、情報化社会に対応する、情報を主体的に発信できる能力の育成ということを中心にして教育を行おうと考えているところでございます。

石井郁子日本共産党

○石井(郁)委員 どうも、いろいろと言われて、もう一つ具体的なイメージがわいてこないんですね、残念ながら。それから、情報という言葉はありますけれども、今私が強調しているメディアリテラシー、そういう技能あるいは考え方というのはどうなのかと聞いているところがはっきりしないんですね。  何度も紹介しますが、カナダの場合ですと、教師用の指導手引書というのが作成されていますし、そういう中では、幼稚園から高校生までの全教育課程で学習するというようなことが出されている。  ここで言うメディアリテラシーですけれども、言うまでもないのですけれども、リテラシーというのは読み書き能力のことですから、メディアを通して分析、評価する、コミュニケーションをする基本的な力みたいなもののことなんでしょうけれども、アクセスするということを前提としながらそういうものを身につけることだというふうに思うんです。しかし、文部省に今御説明いただきましたけれども、やはり日本の学校教育の中では、なかなかまだそれがされていないという状況ですね。  それから、中教審答申、これは、それこそこれから二〇〇二年度から実施される学習指導要領のもとになるものですけれども、中教審答申で、このメディアの問題でも、主として親と家庭の責任というのが強調されている、Vチップの導入などが提案されていますけれども、この報告書のどこを探しても、教育の場でメディアにどう接するのかとか、まさにメディアリテラシーという考え方は出ていないんじゃないですか。情報という言葉は出てきます、それはもう今まさに国会でも議論されているようなレベルでのことだと思うんですが、それはありますけれども、やはりリテラシー、読み書き能力ですから、そこのところがどうなのかという問題が、文部省、抜けているんじゃないですかということを言わなくちゃいけません。  今度の学習指導要領というのは、二〇〇二年から始まって、今までどおりでいけばそれこそ十年間使われる。今一部には、学習指導要領十年は長過ぎる、もうどんどん変えるべきだという御意見も出ておりますけれども、やはり二十一世紀ということを考えたときに、本当に、これからメディア社会だという中では、文部省はもっと真剣にこの問題に取り組むという必要があるんじゃないでしょうか。

御手洗康文部省初等中等教育局長

○御手洗政府参考人 メディアリテラシーをどのように理解するかということでございますが、例えば郵政省の研究会の報告書を見ましても、メディアを主体的に読み解く能力、あるいはメディアにアクセスし活用する能力、メディアを通じてコミュニケーションを創造する能力というような形で挙げられているわけでございます。  私ども、情報教育の目標としての情報活用能力ということで挙げておりますのは、例えば情報活用の実践力ということで、情報手段を目的や課題に応じて適切に活用することを含めて、必要な情報を主体的に収集、判断、表現、処理、創造し、受け手の状況などを踏まえて発信、伝達できる能力、あるいは、社会に参画する態度と先ほど申し上げましたけれども、社会生活の中で情報や情報技術が果たしている役割や及ぼしている影響を理解し、情報モラルの必要性や情報に対する責任について考え、望ましい情報社会の創造に参画する態度ということでございます。  メディアリテラシー、これは一口で翻訳するというのは大変難しゅうございますけれども、基本的には、情報に対する主体的な判断、そして主体的な発信能力、こういった考え方をとっているわけでございますので、御指摘の、いわゆるメディアリテラシーに係る子供たちの能力の育成というものも、この情報教育の広がりの中で、私ども、それなりに十分身につけさせていくことができるものと考えているわけでございます。

石井郁子日本共産党

○石井(郁)委員 先ほど郵政省の方は教材の開発も考えていらっしゃるということでしたから、かなり実践的ですね。文部省もどうですか、何かそういう教材開発的な、参考になるような、そういうものには取りかかりますか。

御手洗康文部省初等中等教育局長

○御手洗政府参考人 例えば技術・家庭の教科書、あるいは新しく始まる情報の教科書では、当然、今申し上げたような目標に従いまして必要な教材が取り入れられるものと考えておりますし、現在も技術・家庭科の教科書等では、それなりの配慮をしながらこういった問題に十分取り組んでいるところでございます。  また、各省庁あるいは団体等でさまざまなすぐれた教材が作成され、普及されるということになりますと、それはそれぞれ各学校現場の判断におきまして、適切な教材を教師が主体的、積極的に活用していくであろうと思いますので、私どもも、関係省庁の情報を十分受けとめながら、必要な情報提供等を現場にしてまいりたいと考えております。

石井郁子日本共産党

○石井(郁)委員 時間が参りまして、郵政省にちょっと一点お伺いしておきたいというふうに思います。  今、私は、むき出しの性や暴力シーンに子供たちをさらさないようにということで、そういう社会的な規律、自主的なルールというのをどうつくっていくかという立場で考えているのですが、そしてまたメディアリテラシーという、積極的にメディアにかかわっていく、それで、いいものを摂取していくという能力をつけなければいけないという点で申し上げたのです。  私は、やはり今、悪質なもの、悪いものを規制する、どうやって排除するかということもありますが、よい文化、良質な番組というものをどうつくっていくかという、同時に両方要ると思うのですね。  そういう点でいいますと、視聴者がもっと番組制作に参加する、あるいは子供自身が番組づくりに参加する、二十一世紀というのはそういう時代になっていくのではないかというふうに思うわけです。多チャンネル時代を迎えるわけですし、いろいろな形、いろいろなものがあると思うのですが、そういうことで、双方向で番組づくりというようなことが現実になるという時代を迎えるわけです。  それで、ちょっと郵政省にお伺いしたいのですが、NHKでも民放でも、子供向けの番組を、それぞれ三時間枠をとってされるとか、そういうことがいろいろされておりますけれども、そういう番組に一層子供の声を、あるいは子供自身がその番組に参加するというようなことを考えておられるのかどうか、伺っておきたいというふうに考えます。

金澤薫郵政省放送行政局長

○金澤政府参考人 子供に良質な番組が提供されるためには、番組制作に積極的に子供の声を反映させるということが重要でございます。  我が国におきましても、ここ数年、NHKや民放各社におきまして、子供を対象としたモニター制度や視聴者と制作者の意見交換会というものを開催いたしまして、青少年の声を番組制作に反映させる機会を設ける努力をしていると承知しているところでございます。  また、子供のメディアリテラシーの涵養のためには、子供に番組づくりを経験させること、これが有効であるというふうに考えておりまして、NHKにおいては、子供自身がニュースを企画し、実際に制作、収録体験ができる、訓練の場でございますけれども、そういう場を提供しているということでございます。

石井郁子日本共産党

○石井(郁)委員 終わります。どうもありがとうございました。

青山二三公明党

○青山委員長 次に、原陽子さん。

原陽子社会民主党・市民連合

○原委員 社会民主党・市民連合の原陽子です。  質問が幾つか重なるところもあるかとは思いますが、青少年とか、あと私たち若い世代にもわかりやすいように答弁をよろしくお願いいたします。  まず、先日、少年法の改正が衆議院で可決をされました。今は参議院での審議が始まっています。  ここのところ、十代の少年による事件が続いたのは事実です。しかし、ここ数年の殺人事件の処理数と検挙数についての統計を見れば、これらより多い年は過去に幾つかあります。  これまでの少年犯罪というのは、例えば生活が苦しいとか家庭が貧しい、または両親がそろっていないといった、ある意味ではわかりやすい理由を挙げて理解されていました。しかし、最近の少年事件については、進学校に通い、成績もよいといった、括弧つきの一見いい子だと私は思うのです。いわゆる親とか学校に都合のいい子の犯罪であるなど、簡単に動機づけをすることができないために、なぜ犯罪を犯したのかがわかりにくく、それゆえ大人たちが不安になっていると私は思います。  しかし、政府は、若者たちがどのように変化をしているのか、または変化をしていないのかについて、これら大人への不安の解答として、納得できる理由を示せていないと私は思います。  私は、少年法を改正するのではなく、現行法における取り組みをさらに丁寧にしていくことの方が、よりよい効果があると考えています。もしも今回少年法が改正されたとしたら、何がどう変わるというのでしょうか。結局、私は、子供たちの心を理解できず、ゆえに彼らの行動におののき、彼らにそのような行動をさせてしまった背景について理解をする努力を怠った大人たちが、自分たちだけ何かをしたと胸をなでおろすことができるだけで、大人の自己満足に終わってしまうだけのような気がします。私は、今こそ、私たち大人が冷静になって、現状を分析して、そしてその手だてを判断していかなくてはならないと考えます。  以上のことを青少年問題に深くかかわっている皆様に強く訴えさせていただいて、質問に入らせていただきます。  まず、法務省の方にお聞きをいたします。  平成十年に、東京少年鑑別所において収監されている少年に対する意識調査の中で……(発言する者あり)済みません、ちょっと黙って聞いてください。有害環境についても調査されているようですが、非行を犯した少年と有害環境の関連について調査を行っていらっしゃいますか、お答えをお願いします。

渡邉一弘法務大臣官房審議官

○渡邉政府参考人 お答えいたします。  いわゆる有害環境と青少年の関係あるいは非行との関係につきましては、朝から総務庁の方からも御紹介がありますように、総務庁において多数の調査を実施しておられます。  青少年を取り巻く有害環境が非行の一因となる場合があることは否定できませんけれども、少年が非行に至る背景には多くの要因が重なっております。  法務省といたしまして、少年の犯罪や非行の要因として、有害環境のみを取り上げて調査をしたことはございませんが、少年非行の要因としての犯行の動機とか原因、その中には環境との関係も含みますが、あるいは犯行の計画性、共犯関係、あるいは被害者との関係、あるいは被害の状況、程度などについては適宜調査を行い、犯罪白書あるいは今おっしゃった少年鑑別所の公刊物等において公表もしているところでございます。

原陽子社会民主党・市民連合

○原委員 それでは、次に総務庁にお聞きをいたします。  これまで、青少年と有害環境との関連について、その状況を分析するために、どのような調査を行ってこられましたか。それぞれの調査が有害環境として何を対象にしているかもお答えください。  また、有害環境が少年の非行に影響しているという判断をするためには、できれば同じ質問項目について、非行を行った少年と非行を行わなかった少年とで比較をしなくてはその影響を確認することはできないと思いますが、このような比較が可能になるような有害環境についての調査は行われていますか。

川口雄総務庁青少年対策本部次長

○川口政府参考人 私ども総務庁としましては、平成四年度から有害環境に関する調査を行ってきております。私ども、その時々におきまして、これは問題だというふうに思っている項目を中心にして行ってまいりました。  平成四年度には、青少年とポルノコミックを中心とする社会環境に関する調査、こういうのを行いました。それから、平成五年度には、青少年とアダルトビデオ等の映像メディアに関する調査、平成六年度には、青少年と自動販売機等に関する調査、平成七年度におきましては、青少年と電話などに関する調査、平成九年度におきましては、青少年とパソコンなどに関する調査、平成十年度には、青少年とテレビ、ゲーム等に係る暴力性に関する調査、こういったものを実施してきております。  それで、先ほど、非行を犯した少年とそうでない少年ということでございますけれども、これらの調査におきましては一般の少年を扱っていますので、特に刑法事件を起こしてという少年は区別しておりません。  この結果でございますけれども、一般的に言いますと、ポルノコミックとか、あるいは先ほども申し上げましたけれども、暴力的な傾向のあるテレビとかゲーム、そういったものをよく見る子供というのは非行をしている子供が多い。これは本人の申告でございますからどの程度の信憑性があるかわかりませんけれども、そういったような結果がございます。  そして、私ども、こういった、その時々におきます青少年にとって有害と思われることの調査をやっております。今後ともやっていきたいというふうに思っております。

原陽子社会民主党・市民連合

○原委員 今、総務庁の調査の中で有害環境の対象となったものを挙げていただきましたが、有害環境という言葉は非常にあいまいで、その定義が難しいように感じます。  また、これも総務庁にお聞きをしたいのですが、総務庁では、この有害環境という言葉をどのように定義なさっていらっしゃいますか。

川口雄総務庁青少年対策本部次長

○川口政府参考人 私ども、有害環境というものにつきましては、発達途上にある青少年にいろいろな意味で悪い影響、有害な影響を与える可能性のある社会環境、例えば、いろいろな媒体でありますとか物であるとか場所であるとか、そういった、発達途上にある青少年に有害な影響を与える可能性のある社会環境というものを考えております。  具体的には、性的感情を著しく刺激したり、あるいは粗暴だとか、あるいは残虐性を助長するおそれのある出版物でありますとか、ビデオ、パソコンソフト、映画、広告物、放送番組、あるいは享楽的な色彩の強いスナック、ディスコ、深夜喫茶店、ゲームセンター、カラオケボックス、こういったものを私どもは言っております。

原陽子社会民主党・市民連合

○原委員 まだまだその定義についてはあいまいだなというふうに私は感じていまして、今の定義の中で聞きますと、何か世の中すべてのものが有害環境と言ってもおかしくないんじゃないかなというような印象を私は受けます。  総務庁さんの方ですよね、この第三回の非行原因に関する総合的研究調査報告書の中で、私もちょっと読ませてもらったのですが、横浜少年鑑別所首席専門官の近藤氏が、「有害環境とは、青少年の非行化を助長し、非行の誘引となるなど、青少年の健全育成を害するおそれのある社会環境をいうが、それが具体的にどのような場所であるかはその時代の一般常識による判断に任されている。」と述べられておられます。やはり、この定義も極めてあいまいであります。この問題は、表現の自由と表裏一体の問題であり、慎重な対応が必要と考えます。  また、このアンケート調査を私は読ませてもらったんですけれども、非常によくまとまっていらっしゃると思います。  アンケート調査が行われていても、それだけでは有害環境が非行やその他の悪い影響を与えていると断定はできないと思います。有害環境について、さまざまな手法や観点から、このような立派な調査も行われていらっしゃいますが、さらに慎重な調査及び分析が十分になされる必要があると思いますので、今後ともこういった調査を進めていっていただきたいと考えます。  私が子供であった時代というのもそんなに遠くなく、本当にちょっと前だったんですけれども、私が子供だったときと今の子供たち、子供自体にはさほど変化はない、子供はやはり子供だというふうに私は感じます。しかし、それを取り巻く環境には確かに大きな変化があるということは否めません。そして、環境というのはどんどん変わっていくものなので、そのような状況の中で、子供自身が、まだまだ子供で、子供であるにもかかわらず、自分で判断する能力を身につけ、そしてみずから身を守らざるを得ないのかもしれません。  そこで、私は文部省にお聞きをしたいと思います。  そのように、子供たちが自分の人生を守るために、例えば性についてとか、お酒、たばこ、薬物について、またはメディアリテラシーといったことについて、学校でどのような教育を行っていますか。これはできるだけ具体的にお願いをいたします。  そして、もし今おわかりであれば、一人の子供が十八歳になるまでにどのような教育を受けているのか、また、どれぐらいの時間そういった教育を受けているのかということも含めて、お答えをお願いいたします。

遠藤純一郎文部省体育局長

○遠藤政府参考人 御指摘のように、近年、性に関する情報や産業などのはんらん、青少年における覚せい剤等の薬物乱用の増加など、児童生徒を取り巻く社会環境は大きく変化してきておりまして、学校教育におきましては、児童生徒がこれらの情報等に惑わされずに、みずからの判断で自分の健康を適切に管理できるよう指導することが極めて重要だ、こう考えております。  このため、学校におきましては、児童生徒の発達段階に応じまして、性教育、薬物乱用あるいは喫煙、飲酒防止教育などにつきまして、体育あるいは保健体育、特別活動等を中心に、学校教育全体を通じて指導をすることとしております。  具体的な指導の内容でございますが、新学習指導要領におきましては、性教育につきましては、小学校では、道徳という時間で、生命を大切にする心を持つこと、体育におきまして、思春期になると次第に大人の体に近づき体つきが変わるなど、体の発育、発達について理解すること、中学校、高等学校では、保健体育におきまして、異性の尊重、性に関する情報への適切な対処や行動の選択などが必要であることなどにつきまして指導するということになっております。  また、薬物乱用、喫煙、飲酒の防止、こういったような教育についてでございますが、具体的にということでございますので、ちょっと長くなりますが、お許しいただきたいと思います。  小学校では、体育におきまして、薬物乱用、喫煙、飲酒などの行為が心身に影響を与え健康を損なう原因になること、中学校、高等学校では、保健体育におきまして、飲酒、喫煙に関する適切な意思決定や行動選択が必要なこと、薬物乱用は心身の健康などに深刻な影響を与えることから行ってはならないことなどにつきまして指導をするということになってございます。  これらのことを十八歳までにどのぐらいの時間で教えているのか、こういうお話でございますが、例えば保健ということで枠取りをしています時間は、小中高等学校で約百四十時間強ということでございますので、この中で今言ったような内容が教えられる。このほか、特別活動あるいは道徳といったような時間がプラスされる、こういうふうに理解しております。  今のは授業だけの話でございますが、例えば薬物乱用でいいますと、中学校あるいは高校では、薬物問題に関する専門家であります警察官あるいは麻薬取り締まりのOB等の方に来ていただきまして、薬物乱用防止教室を開催していただいておるということでございます。全学校で開催してくれとお願いをしておりますが、現状では、高校では七五%、中学校では六三%といったような状況になってございます。  以上でございます。

原陽子社会民主党・市民連合

○原委員 子供たちを教育する場というのは、学校というところは、すごく大切なところになってくると思いますので、今の数値が一〇〇%になり、そしてもっと徹底した、そういった性教育とか、薬物、たばこ、お酒等に関する教育も行っていってくださいますよう、ぜひよろしくお願いをいたします。  もう時間がないので、繰り返しになる部分もありますが、先ほどお話をしたように、今、私たち大人が、冷静になって、子供を取り巻く環境というのをしっかりと見ていかなくてはならないと思います。十七歳が、十七歳がというような報道がたくさんある中で、それに振り回されてしまわないで、やはり、大人が冷静になって正しい判断をしていくべきだと私は考えます。  そして、有害環境の定義というのもまだまだあいまいなところがありますので、そこに関しても慎重な対応が必要と考えます。  今、本当にたくさんいろいろな情報が私たちの周りには転がっているというか、目にしたくなくても自然に目に入ってきてしまうような、先ほどのピンクチラシとか、いろいろな情報があります。  水島さんがアンアンの話をなさったのですが、そのアンアンの中にツーショットダイヤルのチラシが入っている。それを見て、えっと驚く世代と、私たち世代なんかは、別にそれはそのページで何とも感じない。そういった環境で育ってきてしまったというか、私たちにとってはそれぐらいのイメージしかもうないのです。  今こそ本当に教育を徹底して、まずは子供たちが賢くならなくちゃいけない、そして、これから母親になっていく私たち世代も、子供たちに正しい情報を伝えられるように賢くなっていかなくちゃならないというふうに思います。  これは余談になるのですけれども、もちろん子供たちも賢くなってもらいたいということと同時に、今これから、私たち世代が、母親になるということ、また親になるということはどういうことだというのをしっかりと考えていかなくてはならないと思います。子供にとって一番の教育環境というのはやはり家庭だというふうに私は思うので、そういった意味で、子供たちがお手本にできるような大人にならなくちゃいけないというふうに思います。親になる私たち世代が、これから一生懸命にしっかりと生きていく。その中から、子供たちに正しいものを伝えていって、そして子供たちが本当に健やかに育っていけるように、私たち自身も努力しながら、子供たちを取り巻く状況、そして今の子供たちを、どういうふうに変わったのかということをしっかりと分析していくことが今問われていると私は考えています。  そういうことで、最後は私の意見を述べさせてもらったのですけれども、これで私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

青山二三公明党

○青山委員長 次に、谷本龍哉君。

谷本龍哉21世紀クラブ

○谷本委員 21世紀クラブの谷本龍哉でございます。  本年六月に初当選以来、今回が初めての質問になりますので、至らぬ点もあるとは思いますが、御容赦のほどをよろしくお願いいたします。  既に本日、今まで、多くの各委員の方々が、非常に熱心な調査に基づいた質疑をされてまいりました。当然、私の質問とも重なる部分が多々出てくるとは思いますが、あえてそのまま繰り返し問いたいと思います。そしてまた、私は、原委員ほどではございませんが、若い方の政治家ですので、できるだけ、わかりやすく、理解しやすい答弁をよろしくお願いいたします。  まず一問目ですが、コンビニエンスストアについて少しお伺いをしたいと思います。  といいますのは、私は地元が和歌山県になりますが、地方におきまして、これは全国各地同じかどうかははっきりした資料はございませんが、今非常にコンビニエンスストアがふえてきております。都心部とまた問題点が違うとは思うのですけれども、地方の場合には、テレクラ、カラオケボックスといったものは、繁華街にはたくさんございますけれども、少し周辺部に行けばほとんどございません。そのかわりと言ってはなんですが、どんどんと酒屋さんが今コンビニにかわっていっております。これは、酒類を販売できるという条件と、お酒の量販店がふえてきたために余儀なくされて転身しているという場合も多いと思いますけれども、非常にコンビニがふえてきております。そして、そのコンビニの周りに、深夜になりますと青少年がたむろしている。ほかに余り明るいところがない地域も多いですから、その前に集まってくる。あるいは、集まらないまでも、コンビニに行って、自由にたばこや酒類を買っている、また有害図書を買っている。そういう現状が多く見受けられるように私は感じております。  午前中総務庁から説明がありましたが、平成九年十一月に、総務庁、警察庁の連名で、全国的なコンビニエンスストアの組織である社団法人日本フランチャイズチェーン協会に対して自主規制を要請したというふうに説明がございました。条例による有害図書類は十八歳未満の者への販売が禁止されていること、及び、条例による有害図書類を販売するときは専用のコーナーを設けることということで要請がされたと説明がございました。  しかしながら、私自身の感覚としましては、現状のコンビニエンスストアにおいては、大抵の場合、未成年者に対しても平気でアルコール類を売ったり、たばこを売ったり、また、有害図書類もなかなか分けられていないのが現状のように思われます。  先ほど、他の委員の方に対する答弁の中で、ことしの夏、再度申し入れを行った旨のお話があったように思いますが、平成九年の要請を行って既に三年たつ中で、コンビニエンスストアの自主規制の現状について、要請を行った総務庁、警察庁は、どのように把握し、その実効性についてどのように評価しているのか。そしてまた、教育的な視点から、文部省は、このコンビニエンスストアの今の現状についてどのように考えておられるのかをお伺いしたいと思います。

川口雄総務庁青少年対策本部次長

○川口政府参考人 先生御指摘の件でございますけれども、総務庁といたしましては、警察庁と連名で、コンビニエンスストアの日本フランチャイズチェーン協会に対しまして、平成九年十一月二十五日に要請を行ったところでございます。  この中身は、先生のお述べになったとおりでございまして、条例により指定された有害図書類の十八歳未満の者に対する販売、提供の禁止などを傘下の会社によく言ってくれるようにという周知徹底指導ということでお願いしております。その後におきましても、一部守られていないというようなお話もあるやに聞いております。  ちなみに、和歌山県では、県の条例におきまして、そういった有害図書については、未成年者に販売しないということ、それから区分陳列してくれということを規定しております。  私ども、年二回、都道府県の青少年対策主管課長会議というのを開いておりますので、ここの場におきましても、県の条例でございますけれども、取り締まり等をよろしくということでお願いしておりますと同時に、また毎年七月に、私ども主催しまして、青少年に対する全国非行防止強調月間というものを行っております。このときにも、日本フランチャイズチェーン協会など関係団体に対しまして、こういったことなのでよろしくということで依頼を行っております。

上田正文警察庁長官官房審議官

○上田政府参考人 お答えします。  平成九年の要請を踏まえまして、コンビニエンスストアでは、少年の非行防止と健全育成に配意した営業に努められておられますが、いまだ有害図書が区分陳列されていなかったり、あるいは、有害図書、酒、たばこが少年に販売されるなど、対策の推進が不十分な状況が見受けられます。  このようなことから、警察庁としましては、本年七月二十七日、日本フランチャイズチェーン協会等に対して、酒、たばこ等の販売時における年齢確認の徹底等、少年の健全育成環境の確保に向けた取り組みを強化することなど、地域安全活動の一翼を担うことのできる店舗としていろいろ努力していただきたいという要請をいたしました。

崎谷康文文部省生涯学習局長

○崎谷政府参考人 お答え申し上げます。  コンビニエンスストアにつきましては、未成年者に対するアルコール販売の問題のほかに、いわゆる有害図書類の販売等の問題もございまして、青少年に対する悪影響が非常に懸念される状況にございます。  特に、有害図書類等につきまして、平成九年の十一月に総務庁及び警察庁から日本フランチャイズチェーン協会に対して申し入れが行われたわけでありますけれども、文部省としましても、その後、平成十年の五月に、同協会に対しまして、青少年に有害図書類を販売しないこと、そもそも有害図書を置かないようにすること、あるいは教育関係団体との話し合い等に協力することなどを要請しております。しかしながら、なお依然としてこの問題につきましては憂慮すべき状況にあると認識をしております。  したがいまして、今後とも、コンビニエンスストアをめぐる有害環境の問題につきましては、関係省庁とも十分連携しつつ、文部省としても積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

谷本龍哉21世紀クラブ

○谷本委員 どうもありがとうございます。  努力されているのはよくわかりますが、要請するだけではなかなか改まっていかないと思います。常に事後の調査を的確に行っていただいて、さらに改善していけるようお願いしたいと思います。  時間の都合もありますので、次に二問目に行きます。二問目は、放送事業者についての質問でございます。  郵政省さんがことしの三月に行われた調査を見せていただいたのですが、小学校三年生、四年生の半数近くが一日のうちに三時間以上テレビを見ているという結果が載っておりました。青少年の生活の中でテレビの占める割合がいかに大きいかを示す調査結果であると思います。  我々政治家は、どちらかというと外に出ている時間の方が多いですから、逆に、なかなかテレビを見る機会が少ないのじゃないか、だから、その内容や影響についてちょっと疎遠になっているのではないかと思う部分がありますが、この結果を見る限り、やはり青少年にはかなり大きな影響をテレビが与えているということになると思います。  そういう中で、郵政省の方から、放送事業者に関しては自主自律を原則とする、自主的に、また自律的に規制をしていくことを原則とするというお話がありましたけれども、自主規制に関しまして放送界が取り組んでいることとして、まず、昨年六月、子供たちに配慮する時間帯の設定というのが行われております。これは民放連の方が、十七時から二十一時、午後五時から九時という時間帯を、民放連の放送基準で、「放送時間帯に応じ、児童および青少年の視聴に十分配慮する。」こういう条文を追加して、青少年に配慮する時間というふうに決めております。そしてまた、視聴者からの苦情や意見を受け付ける第三者機関として、これも説明にございましたが、放送と青少年に関する委員会というのを設立されております。  しかしながら、例えば、平成十一年六月に子供たちに配慮する時間帯というのを設定したにもかかわらず、同じ平成十一年十一月に行われました、日本PTA全国協議会の家庭教育におけるテレビメディアの実態についての意識調査、この中で子供に見せたくない番組のワーストファイブというのが選ばれましたけれども、これは先ほど文部省からの資料にもありましたが、この五つの番組のうち四つまでが、土曜日の午後八時、金曜日午後七時半、日曜日の午後八時、水曜の午後七時と、この子供たちに配慮する時間帯として定めた時間の枠に入っております。  これは一つの例ですけれども、これを見る限り、どうも自主規制の成果が上がっているようには私は思えないのであります。  放送事業者の自主規制の現状について、郵政省はどのように把握し、また実効性について評価をしているのか。また、文部省の、教育を管轄する省庁としての評価はどうであるのか。お答え願いたいと思います。

金澤薫郵政省放送行政局長

○金澤政府参考人 御指摘ございましたように、昨年十月から、青少年に配慮する時間帯の設定というものが実施されたところでございますけれども、これは十分定着しているとは言えない現状にあるというふうに私どもも認識いたしております。  放送と青少年に関する委員会というのが本年四月に設置されました。これは、NHKと民放が自主的に設置いたしました苦情処理、意見吸収のための第三者機関でございます。  この放送と青少年に関する委員会の活動状況でございますが、十月末までに七百六十五件の意見を受け付けております。そのうち五百六件が放送と青少年に関するものでございました。これらにつきまして、委員会で報告するとともに、意見の概要を会報とかホームページで公表いたしております。また、特定番組に対する意見は延べ二百三番組でございまして、これらについては当該放送局に伝達するほか、十五番組については、放送局の見解を求め、順次公表していくこととしております。  この放送と青少年に関する委員会が機能してくれば、視聴者の声が放送事業者に反映されていくわけでございますので、現状の改善に役立つのではないかというふうに思っている次第でございます。  私どもとしても、放送事業者の取り組みがより一層実効を上げていくことを期待しているところでございます。

崎谷康文文部省生涯学習局長

○崎谷政府参考人 お答え申し上げます。  放送業界では、平成十一年六月の放送と青少年に関する専門家会合の取りまとめを受けまして、青少年向けの放送番組の充実、メディアリテラシーの向上、第三者機関等の活用、放送時間帯の配慮、番組に関する情報提供の充実などについて自主規制を進められているというふうに承知をしております。  青少年向けの放送番組の充実ということでございますけれども、各局ごとに青少年向け番組を週三時間以上放送することとされております。しかし、既存の番組を指定した例が多く、新たに青少年向けに制作された番組が少ないと考えております。  また、第三者機関等の活用ということにつきましては、NHKと民放連によって放送と青少年に関する委員会が本年四月に設置されて、視聴者からの意見や苦情を受けて、有識者の委員が審議をして放送事業者に伝達するという仕組みができたことについては、大きな前進であると考えております。しかしながら、まだその存在は広く知られているとは言えません。十分機能しているとは言いがたいと考えております。  放送時間帯の配慮ということにつきましては、青少年に配慮すべき放送時間帯として十七時から二十一時を設定したということでございますが、目に見えた変化がないと私どもは考えております。  番組に関する情報の提供の充実ということについては、事実上何も行われていないと考えております。  なお、このように、その取り組みについてはまだ十分なレベルにあるとは言えませんので、さらなる取り組みが必要であると考えます。  文部省としましては、このような放送業界の自主規制の状況がまだ不十分であるという現状を踏まえまして、PTA等における民間の取り組みを支援するなどの関係施策の充実を図っていく考えでございます。

谷本龍哉21世紀クラブ

○谷本委員 時間が余りありませんので、次へ行かせていただきます。  他の分野にはなかなかこの時間内では触れられませんが、各委員の方々からのさまざまな議論も含めて、青少年を取り巻く現在の社会環境は非常に憂慮する状況にあると思います。また、各分野における自主規制も、決して実効性を上げているとは言いがたいと私は思っております。  総務庁から最初に、青少年を取り巻く有害環境への対策の基本姿勢は、まず自主規制ありき、次に地域住民との連携、そして最後に法令との説明がございました。  自主規制も、また都道府県の条例による規制も、現状を見る限りにおいては限界があると私は思います。この問題に関する国としての姿勢を明確化するためにも、基本法の制定が急務であると私は考えております。  確かに、憲法二十一条で保障されている表現の自由を盾にした反対論もあります。民放連の放送倫理の向上を図る放送基準審議会より、青少年問題の原因を社会環境のみに求める短絡的な考え方であり、青少年健全育成の美名に隠れた言論、表現の自由の抑制にほかならないという公式見解も出ておりますし、また日本雑誌協会や日本書籍出版協会なども、憲法違反と言わざるを得ないという見解を出しています。しかしながら、当然のことを申し上げますが、表現の自由というのは決して万能ではありません。この権利のもとに、この権利を盾にとれば何をしてもいいというわけではないはずです。  例えば、ドイツの憲法であるボン基本法においては、表現の自由及び知る権利を国民の不可侵の基本権と認めながら、ただし、これらの権利は、一般法律の規定、少年保護のための法律の規定及び個人的名誉権によって制限されると明記をされております。日本においてはこのような形で明記はされてはおりませんが、同様の解釈であると理解をしております。表現の自由があるから青少年の有害環境対策の法律はだめだということにはならないと思います。  繰り返しますが、現状を見れば法整備は急務だと考えておりますが、法制化についての総務庁の見解をお伺いします。

川口雄総務庁青少年対策本部次長

○川口政府参考人 現在の青少年を取り巻く環境というのは、本当にゆゆしい問題だろうというふうに思っております。なお、私どもの調査の結果でも、有害な環境がいろいろな影響を青少年に及ぼしている。ただ、法律で規制するかどうかという問題につきましては、ただいま議員が御指摘のとおり、憲法の問題等もあろうかと思います。  しかしながら、私どもの意識としては、こういった事態をそのままにしておいていいのかということは先生と全く同じだと思いますけれども、そういった規制立法につきましては、この委員会で議論が行われておりますので、その結果を見守りたいと思っております。

谷本龍哉21世紀クラブ

○谷本委員 最後に、短目に、インターネットの有害サイトについて質問させていただきたいと思います。  インターネットについてですけれども、皆さん御存じのとおり、インターネットは他の既存のメディアとは性格が異なります。放送や出版といった既存のメディアは、情報発信者を特定することが容易で、その対象となる事業者の数も限られております。しかしながら、インターネットは、情報発信者が不特定多数の個人であり、特定することは非常に困難でございます。その性格上、現状では、言うまでもなく、たとえ青少年の有害環境に対する規制の基本法が制定されたとしても、有害サイトの規制というのは非常に難しい状況にあると思いますが、この点について郵政省の見解をお伺いします。

金澤薫郵政省放送行政局長

○金澤政府参考人 サイト上の違法有害情報をどのように把握し、これをどのようにコントロールしていくかということでございますけれども、これにつきましては、インターネット接続サービス等に係る事業者の対応に関するガイドラインというものをテレコムサービス協会が制定いたしまして、インターネット・サービス・プロバイダーが準拠すべき指針として周知しているということでございます。  これは、違法有害情報が流通している場合には情報発信をとめるということを発信者に要請することができるというような形、それから、もしそれでも聞かなければ当該情報を削除するというもの、さらには利用停止を求めるというふうなことをガイドラインに示しておりまして、それをモデルといたしまして約款を策定しているという現状にございます。  お話がございましたように、サイト上の情報は、通信の秘密の保護との関係から匿名性がございまして、だれが発信したかわからないというところが最大の問題になっております。これにつきまして、このような情報を被害者に対してどのように開示していくかという問題がございまして、これについてのルールの整備というものが急がれるというふうに考えております。

谷本龍哉21世紀クラブ

○谷本委員 もう質疑時間が終わりましたので、最後に一言だけ。  有害環境というのは、言うまでもなく大人がつくり出しているものでございます。それをしっかりと認識した上で、規制をしなければやむを得ない部分は規制をする、しかしながら、今のインターネットのように、どうしてもそれだけではフォローできない部分もございます。そういうものに対しては、そういう有害情報に接したときの対応の仕方、メディアリテラシーと先ほどから出ていますが、いわば情報とのつき合い方というものをしっかりと大人もわきまえ、子供にも教えていくということが非常に重要であると思います。そういう姿勢でこれからも政策を進めていっていただきたいと思います。  終わります。どうもありがとうございました。

青山二三公明党

○青山委員長 次に、松浪健四郎君。

松浪健四郎保守党

○松浪委員 保守党の松浪健四郎でございます。  参考人の皆さんにおかれましては、長時間にわたり本当に御苦労さまでございます。朝から参考人の御意見をお伺いし、そして、多くの委員の皆様方の御質問を拝聴させていただきました。本当にこの国は青少年にとっては大変な有害環境にあるということを十分に認識させられたものでございます。  しかし、よく考えてみますと、単に有害環境だということだけで、表面上我々はこの問題を論じるだけで十分なのかという思いもさせられたところでございます。  過日、ハタミ・イラン大統領が公賓として日本にお見えになられました。思い起こしますと、あのパーレビ国王が絶大な権力を誇っていたイランにあって、なぜイスラム革命が起こったのかということをほうふつとさせられたわけでありますけれども、革命の原点は、イランという国が余りにもアメリカナイズされて自由な国になり、そして非イスラム的な社会ができつつあったところに革命が起こった、私はこのように理解をするものであります。町を歩く女性は、きれいにお化粧をし、そして肌を露出させる。そして、夕刻になれば男性が自由に酒を振る舞う。そして、あちらこちらに娼婦が立ち、売春宿ができる。こういうふうなことから、結局は、イスラムの原点に戻ろうということでイスラム革命が起こったわけであります。  イスラムは、御承知のとおり、売春を許すものではありません。したがいまして、このような日本の有害環境、これが嫌だな、そして、ない国はどうなんだろう、そういう国を見たければ、イスラムの国に旅をしたり住んでみれば十分であります。けれども、そういう社会の中に人間の本来持つべき自由というものがあるかどうかということになりますと、決して自由ではございません。女性は美しさを誇ることはできません。そして、人々は、アルコールでもって疲れをいやす、あるいは交友を深める、そのようなこともできません。  私は、自由というのはもろ刃の剣なんだということを、イスラムの国の中で長い間生活をして、十分に私なりに理解をしてきたものであります。つまり、私たちの国の今ある有害環境というものはこの国の自由の上にあるということをまず認識しなければいけないなというふうに思ったわけであります。  きのうの毎日新聞の一面の下にあります「余録」という欄に興味深い記事がございました。それは、パキスタンのペシャワールというところでアフガニスタン難民の医療活動をされている中村哲というお医者さんとのインタビュー記事でありました。  日本のお金持ちが、この地域の人たちは学校教育を受けることができない、学校がないから学校を援助してやろうということで中村医師に相談したそうであります。そうしますと、中村医師は、教育は学校教育だけではない、彼らが親と一緒に、小さいときから、どのようにしてヤギや羊を飼い、追うか、これを学ぶことがこの地で生きる一番の大きな教育だ、だから学校の援助なんかはこの地にあっては不必要であるということで、地域地域、国々によって価値観が異なるということ、私たちが絶対だと思っていることは国々や地域によっては違うんだということをその欄が私たちに教えてくれておったわけであります。  その中村医師はアフガニスタンの難民をずっと治療されておるわけでありますけれども、このアフガニスタンという国は二十数年戦争状態にあります。この国を旅しますと、ピンクのチラシを一枚も見ることはできません。娼婦の姿を見ることもできません。このような平和でない国、そこにはわいせつに関するようなものは全くと言っていいほどないわけであります。  このように考えてみますと、我々の有害環境というのは、この国が平和であるがゆえにこのような有害環境をつくり出しているんだということをも理解しなければならない。平和で豊かである、そして自由がある、その社会の中にあってどのようにして有害環境を除去していくかということが私たちに課せられた大きな使命であろう、こういうふうに思うわけであります。  私は、長い間イスラムの国で生活をして、そして人類学に携わってきたわけでありますけれども、人間の原点は、安産であり、多産でありました。したがいまして、往古、その昔から、性器の崇拝、信仰、性交の崇拝、信仰というものをやってまいりました。そのことは、モヘンジョダロあるいはハラッパから出土する巨大な性器を見ても容易に理解することができます。これは、人間が生きていくための一つの考え方、宗教的考えであったわけでありますけれども、私たちの今の社会の中にあるわいせつ行為というのは、実はそういう崇高なものでないというところに、大変残念だなという思いがあります。  そこで、古代エジプトのミイラがたくさん発見されておりますけれども、このミイラ、男性のミイラの性器を見ますと、全部割礼がされてあります。もちろん大人のミイラであります。このことは私たちに何を教えてくれているのかといえば、往古、その昔、古代の人々の恐れたのは性病であるということ、このことを教えてくれております。それゆえに、ユダヤ教徒やイスラム教徒は今日にあっても割礼をするんだなというふうに思うわけであります。  そのように、わいせつ行為、性交、人の命というものを考えてまいりますと、かつて我々は戦争を経験しました。多くのとうとい国民の命が奪われたのは皆様御存じのとおりでありますけれども、戦後、どれだけのとうとい命がむだな形で失われたか。過日、憲法調査会で曽野綾子さんが、戦前の日の丸よりも戦後の日の丸の方がはるかに血塗られていると言われました。それは、戦後、中絶でとうとい小さな命が奪われたのは一億人になるからだ、このように発言をされ、私たちは心を痛めたわけであります。結局は、最終的に、処理することがこの国では違法であるのか合法的であるのかは知りませんけれども、逃げ場がある、そういうことがこのようなわいせつ行為をより盛んにしているのではないのか、そういう思いもいたします。  そこで、かつてこの国も警察が非常にうるさくて、雑誌に掲載された絵や写真で、わいせつなのか芸術なのかという論争がございました。ここ数年前から、メジャーと言われる週刊誌にまでヘアの女性のヌード写真が掲載されるようになり、そのことに対して警察は全く関知しないというような社会状況になりました。もしかしたら、そういうふうに社会が変化をし、警察がもはや犯罪と認めなくなった今、そういう意味で少年犯罪がだんだん増加しつつあるのではないのかという危惧を持つものであります。  ここで警察庁にお尋ねしたいのは、ここ数年、そういう社会環境に変わってまいりました。少年犯罪がどういうふうな状況になってきたかをお尋ねしたいと思います。

上田正文警察庁長官官房審議官

○上田政府参考人 お答えします。  最近の少年の性犯罪に関してお答えしたいと思います。  過去五年間に性犯罪で検挙した少年は、平成七年が五百八十五人、平成八年が五百五十一人、平成九年が七百五十四人、平成十年は七百五十六人、平成十一年は七百四十人と、増加の傾向にあります。  また、少年が性犯罪被害に遭った事件は、平成七年が三千三十件、平成八年が三千百三十件、平成九年が三千六百八十一件、平成十年が三千六百三十七件、平成十一年は四千三百六十七件と、これも増加の傾向にあります。特に平成十一年は、前年に比べまして七百三十件と、増加が顕著であります。  さらに、売春の被害者など性の逸脱行為で補導、保護した女子少年は、平成七年が五千四百八十一人、平成八年が五千三百七十八人、平成九年が四千九百十二人、平成十年が四千五百十人、平成十一年は四千百七十五人となっております。  委員もおっしゃいましたように、いろいろな、例えば性に関する情報のはんらん、あるいはその根底にありますいろいろな規範意識の変化等によってこのような増加傾向にあるというふうに考えております。  以上です。

松浪健四郎保守党

○松浪委員 性犯罪がふえておるということを本当に心配するものでありますけれども、今のままでは、これからもどんどんふえていくんだろうというふうに思うわけであります。  その手だてはどうすればいいのか。各委員がいろいろな視点から質問をされましたので私は繰り返しませんけれども、今、大蔵委員会で酒税法の一部を改正する法律案が議論をされております。この法律はいわくつきでありまして、この国の規制緩和をどうするか、おくらすのか、それとも規制緩和するのかという議論にかかわってくる法律であります。  イスラムの国では、酒を飲むことはできません。私は顔がごついので大酒飲みのように見えますが、一滴も飲まない者であります。ちなみに、家内は大酒飲みであります。酒を飲まない者からいたしますと、酒を飲む人を、何となく悪いことをしている人だなというような思いがあるんですが、この酒税法の一部を改正する法律案、つまり、青少年に酒を売らない、買えないようにする、酒は対面でなきゃだめだ、私はそう思っております。  もっとも、青少年の一番の特徴は好奇心を持つということでありますから、大人がおいしそうに飲んでいるから一回飲んでみたい、そういうような興味に駆られるでしょうけれども、もはやその好奇心を通り越してアルコールに浸る、そこで犯罪が増加してくる。  酒に関して少年犯罪がどういうふうになっているのか、あるいは交通事故で、飲酒運転での事故の件数、傾向がどうなっているのかをお尋ねしたいと思います。

上田正文警察庁長官官房審議官

○上田政府参考人 お答えします。  まず、酒に関しまして、全国の警察でいわゆる少年の補導をしておりますけれども、昨年ですと、百万件補導しまして、そのうち三万件余が酒に関するものでございました。要するに、少年が酒を飲んで、これを補導しました。  飲酒に起因する少年の事件等につきましては、本年に入って警察庁が報告を受けているものとしましては、一点は、静岡県におきまして、河川の中州で飲酒して遊んでいた少年九人が、降雨で増水した中州に取り残されまして、救助されましたが、その際に、二名の有職少年が取材していた記者に暴行を加えた事件がございました。また、東京都において、高校のサッカー部員二十人が飲酒した後運河で遊泳中、高校一年生が水死した事例等があります。  それから、平成十一年中に、少年が原動機付自転車以上の車両を運転して第一当事者となった、酒酔い及び酒気帯び状態にある、いわゆる飲酒運転に係る交通事故は三百七十一件でございまして、そのうち死亡事故は四十四件でございます。

松浪健四郎保守党

○松浪委員 どうもありがとうございます。  きのうの夕刊に、小さくべた記事でありましたけれども、中国から密輸入した覚せい剤が二百五十キロ押収されたという記事がありました。二百五十キロの覚せい剤が輸入されて、一番下にべた記事なんです。二百五十キロの覚せい剤が押収されて、なぜこんなに小さな記事なのか、私はそのことに驚いたんです。  なぜならば、平成十一年までの年間の覚せい剤の押収量は、一年間で平均約二百六十キロだったわけです。その一年分が一回で押収されておる。恐ろしいぐらいの量の覚せい剤が中国から入ってきておった。  かつては、覚せい剤は、北朝鮮、韓国、台湾、中国、こういう国々から入ってきておったわけでありますけれども、どうも覚せい剤がどんどんこの国に入ってきている傾向にある、そして青少年が、高校生、中学生までがシャブ漬けという状況になっておる。これも恐ろしい現象だ、こういうふうにとらえております。  かつて、高校生や中学生がどのような形で覚せい剤を入手したのか。これは、イランの人がたくさんやってきていて、そういう人たちが簡単に子供たちが買えるような形で売っておった。今、覚せい剤は注射ではなくなった。覚せい剤のことをエスとかスピードというような形で呼んで、犯罪意識を希薄なものにする傾向にある。  こういうようなことから、覚せい剤が中学生や高校生にどんどん行き渡るようになった、こういうふうに言われておりますし、この覚せい剤のビジネスによって暴力団が一日に三十億から四十億稼いでおるというような統計もあるそうですが、私は、この覚せい剤をも含む薬物乱用については、恐ろしいなと。そして、これは何としても水際で防がないとどうしようもない。その水際作戦をどういうふうな形でやっておるのか。それは、大蔵省の国税あるいは警察庁、海上保安庁等が一生懸命やられておるんでしょうけれども、何としても覚せい剤がこの国に入ってこないように努力をしていただかなければなりません。  そこで、心配しておりますことは、最近、町を歩いておりますと、あちらこちらに輸入の薬が売られているお店があります。そして、そこには、合法覚せい剤というような形で表現して、あたかも認められた覚せい剤だと言わんばかりにして売っておるものもあります。  これらは大体アメリカから輸入されたものであります。薬事法によって許される範囲内で薬を輸入しておるのかどうかは知りませんけれども、とにかく、その薬を飲むことによって、覚せい剤を使ったのと同じような現象が起こる、そういうふうな薬があるそうでありますし、それらのことを書いたチラシがはんらんしているのもまた事実であります。  こういうものを専門的には脱法薬品というふうに呼ばれているらしいんですけれども、これらのことについて、厚生省にお尋ねをさせていただきたいと思います。

白石順一厚生省医薬安全局監視指導課長

○白石政府参考人 先生今御指摘のありました脱法ドラッグ、宣伝の文句でございますが、御指摘のありましたように、覚せい剤の取締法あるいは麻薬及び向精神剤取締法といった法律で、持っていること、所持、あるいは使うこと、使用が禁止されていない化学物質であるがゆえにこれは合法ですというふうな宣伝をしまして、快感を高めますとかいう効能をうたって売っているものがございます。  いろいろな方法で売るものですから、残念なことに正確な実態というのは必ずしも把握しておりませんけれども、御指摘ありましたように、チラシであるとかあるいはアダルトショップの店頭での販売があるという報告が、先進的な取り組みをしております東京都によりまして明らかになっているほか、インターネットを通じまして多くの広告が行われております。  例えば、ある検索サイトにキーワード合法ドラッグでアクセスいたしますと一万件を超える該当がある。そういうサイトもあるということを承知しております。

松浪健四郎保守党

○松浪委員 時間が参りましたので、これで終わります。参考人の皆さんにおかれましては、長時間本当に御苦労さまでした。

青山二三公明党

○青山委員長 以上をもちまして本日の質疑は終了いたしました。  次回は、来る十六日木曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時二十八分散会

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