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150回国会衆議院2000/10/23

政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会 第2号

発言数
173
登壇者
15
会派数
7
開催日
2000/10/23

会議録

自見庄三郎自由民主党

○自見委員長 これより会議を開きます。  理事の辞任及び補欠選任についてお諮りいたします。  まず、理事の辞任についてお諮りいたします。  理事島聡君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

自見庄三郎自由民主党

○自見委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  引き続き、理事の補欠選任についてお諮りいたします。  ただいまの理事辞任に伴うその補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

自見庄三郎自由民主党

○自見委員長 御異議なしと認めます。  それでは、理事に長浜博行君を指名いたします。      ————◇—————

自見庄三郎自由民主党

○自見委員長 この際、お諮りいたします。  第百四十八回国会、松本龍君外七名提出、国会議員の地位利用収賄等の処罰に関する法律案につきまして、提出者全員から撤回の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

自見庄三郎自由民主党

○自見委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。      ————◇—————

自見庄三郎自由民主党

○自見委員長 参議院提出、公職選挙法の一部を改正する法律案を議題といたします。  発議者より趣旨の説明を聴取いたします。参議院議員片山虎之助君。     —————————————  公職選挙法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして、自由民主党・保守党及び公明党を代表して、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  参議院の選挙制度につきましては、昭和五十七年に拘束名簿式比例代表制が導入されましたが、候補者の顔の見えない選挙、過度の政党化、政党の行う順位づけが有権者にとってわかりにくいといった批判があり、その導入以来、各方面において絶えず改革の論議がなされてきたところであります。  今日、国家的課題が山積し、国民の政治意識が急速に多様化する中、国民の多元的な意思を政治に反映し、参議院の独自性を十分発揮するために、選挙制度の改革はもはや先送りできないと考えます。この時期を逃すと改革が四年後になることをも考慮し、国民に対し責任を負うべき与党といたしましては、これに真正面から取り組むべく、ここに現行の拘束名簿式を非拘束名簿式に改め、候補者の顔の見える、国民が当選者を決める選挙にすることを決断した次第であります。  また、今回の改正案には、さきの通常国会で与党が提案いたしました定数削減につきましても、その実現を求める多くの国民の声にかんがみ、改めて盛り込むことにしております。  以上が、この法律案を提出しようとするに至った理由でございます。  次に、以下、その内容の概要を御説明申し上げます。  第一は、参議院議員の定数を削減する改正についてであります。  参議院議員の定数は、現行の二百五十二人から十人減じて二百四十二人とすることとし、比例代表選出議員を百人から九十六人に、選挙区選出議員を百五十二人から百四十六人にすることとしております。  第二は、参議院比例代表選出議員の選挙を非拘束名簿式比例代表制とする改正についてであります。  その一は、投票方法については、選挙人は、名簿登載者の氏名または政党の名称を自書することとなります。  その二は、立候補届け出については、当選人となるべき順位は付さない名簿を届け出することとなります。  その三は、当選人の決定については、まず、政党ごとに個人名の得票数及び政党名による得票数を合算して得られる得票数に基づき、ドント方式によりそれぞれの政党の当選人の数を定めます。  次に、各政党の名簿登載者の間における当選人となるべき順位は、その得票数の最も多い者から定めることとしております。  その四は、名簿登載者に認められる選挙運動については、旧全国区のときの選挙運動よりも大幅に抑制することとしております。  その五は、いわゆる連座制の適用についてであります。  名簿登載者のための選挙運動が認められることに伴い、いわゆる連座制について適用することとしております。  その他、所要の規定の整備を行うこととしております。  以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

自見庄三郎自由民主党

○自見委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。     —————————————

自見庄三郎自由民主党

○自見委員長 この際、お諮りいたします。  本案審査のため、本日、政府参考人として自治省選挙部長片木淳君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

自見庄三郎自由民主党

○自見委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。     —————————————

自見庄三郎自由民主党

○自見委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。細田博之君。

細田博之自由民主党

○細田委員 待ちに待った審議をようやく始められるということで、感慨ひとしおでございます。  本日ここに至りますまでに、連日、当委員会では理事会を開き、委員会の準備をし、十回にわたりまして野党の皆様方が御出席になれないということで流されてきたわけでございますが、先週の末に至りましてようやく出席をされたということで、審議を始めることができますこと、議会におります者として心から喜んでおります。  さて、質問に入ります前に、実は非常に大きな問題が昨日の選挙などでも起こってまいりましたので、一言だけ中谷自治総括政務次官に申し上げておきたいと思います。  それは、世の中IT革命ということで、どんどんコンピューターを通じての情報というものが流通を始めました。いろいろな政策を森政権もとって、基本法なども出すわけですが、昨日行われました選挙を見ますと、ホームページを選挙運動にどんどん使っていくという動きが出ております。  ここに、手元にございますけれども、これは昨日東京の方で当選された方のホームページでございますが、これを拝見いたしますと、まさに選挙運動そのもののような内容になっております。  もちろん、これにはいろいろな考え方がございましょう。一般の方がそこにアクセスをして見るのでありますから、それはいいではないかという考え方もある。しかし、今までは、選挙運動におきましては、文書を駅頭で、一切証紙も張らないものを皆さんに配布することでも、あるいは文書などを配布することでも選挙違反であるといって、何人の人がこれで罪を負ってきたかということを考えますときに、つまり、選挙運動のやり方というものは公正でかつ公平に行うべしということで規制が成り立っておるわけでございますが、このホームページを拝見いたしますと、もうとにかく、私の政策はこうでございまして、こういう会がございます、ボランティアを緊急に募集いたします、いついつ投票がございますのでよろしくと書いてあるわけでございますね。  したがいまして、自治省といたしましても実態をよく精査していただきまして、今までとのバランス論上、我々自身も関係があります、各政党も関係が深いわけでございますので、一体どこまでホームページやインターネットを活用した選挙運動ができるようにするのか、来年の参議院ではどうするのかということについて、ぜひとも実態を調査いただき、また検討を開始していただきたい。我々政治家もそれを開始しなければならないということを痛切に感じましたので、中谷政務次官の御答弁を願います。

中谷元自由民主党自治政務次官

○中谷政務次官 現在におきまして、ホームページにつきましては、選挙運動に関しましては文書の扱いをされております。しかし、現在非常に急速に発展をしている分野でございますので、いかに取り扱うか等につきましては、きょう細田議員の御指摘の実態をよく調査しまして、今後とも検討してまいりたいというふうに思います。

細田博之自由民主党

○細田委員 今までの解釈ですと、通常、議員活動の一環として自分のホームページを整備しておる。私自身も自分のホームページを開いて、IT革命小委員会ではこういうふうな結論が出ましたよなんてホームページに載せております。そういうのはいいとされております。しかし、それに加えまして、このたび立候補することになった、選挙運動に入る、そのときに、私の政策はこうですよ、こういう活動をやってきましたよ、どうぞよろしくということはいけないということになって、むしろそこでフリーズといいますか凍結をして、選挙運動に入ってはいけないというのが従来の運用であったと思いますね。  したがいまして、非常に疑わしい内容の実態があった。各陣営を調べておりませんので、一例を見てそう感じたわけでございますのでそれ以上申しませんけれども、不公平のないように、しかも公正な選挙が行われるようによく配慮を願います。  それでは、本題に入りたいと思います。  参議院の方で非常に御苦労された上での案だと思いますけれども、そして先ほどの提案理由説明の中である程度は示されておりますけれども、いま一度詳しく、拘束名簿式比例代表選挙制を非拘束名簿式にどうして改めるのか、どういうメリットがあるのかという点について、やや詳細に御説明願います。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 今細田委員からの御指摘でございますが、現在の拘束名簿式比例代表制というのは昭和五十七年に導入したものですね。それで六回選挙をやりまして、そういう意味では約二十年間たっているわけでありますが、導入するときから大議論があったんですよ。まあしかしいろいろな議論を経て、導入してみようと。ただその際に、当時の議長さんが、二回やったら見直そう、こういうことを言われたんですね。したがって、五十八年、六十一年とやって、六十三年に参議院の中に検討委員会をつくっていろいろ六十三年にやった。ただ、参議院だけやるのはいかがかなということで、権威ある第三者機関というので第八次選挙制度審議会ができて、これが答申するのが平成二年の七月の終わりなんですよ。ところが、それもいろいろな議論があって、さらに平成六年に参議院で検討委員会をつくって議論して、参議院にとってはこの拘束名簿式比例代表制に対する議論、批判は、いわば埋もれ火のように約二十年間ずっと来ているんですよ。  それで、どこが問題かといいますと、一つは顔が見えない。私は、申しわけないんですけれども、衆議院が党なら参議院は人だ、こう思っておりますから、衆議院が政党化されるのはやむを得ないにしても、参議院は政党化に一定の限度がなきゃいかぬ。それなら党よりも人を選ぶべきだ、人が選べないではないか。  それからもう一つは、拘束名簿は党が順番をつけるわけですから、いわば党が当選者を決めるみたいなことになるので、国民にとってみてはもどかしさとわかりにくさがありますよ。そういうことの中で、とにかく衆議院と違う制度をやって、衆議院と違う国民の意思を参議院に反映するということが参議院の役割ですよ。  そういう意味では、来年から二十一世紀ですし、今回先送りすれば、提案理由の説明にあるように四年後になるので、ぜひこの際、今までの宿痾のような拘束名簿式についての批判を一挙に解決したい。顔の見える選挙にする。国民にわかりやすい選挙にする。少なくとも、順位づけもいろいろな党でいろいろな問題があったわけですから、例えば新進党の友部達夫さんなんというのは金で順位を買ったじゃないかという議論もあった、そういうことをきちっと透明化する。そういうことによって参議院の独自性を出していって、二十一世紀にあるべき二院制を立てていくためにはこれが必要ではないか、こういう判断ですね。  また、直接、人と人とのつながりができるから、参議院議員にとってはある意味では議員活動もやりやすくなる、こういうふうに私は考えております。

細田博之自由民主党

○細田委員 今の制度を導入以来六回やって、どうしても不都合があるといいますか問題がある、よりよくしよう、そして各党の間でもそういう話が行われてきたということでございます。  そこで、昨今、テレビなどを見ますと、野党の反対される方は、何か一切協議なしに、突然にこのことを出してきたように言われますけれども、その点もう一度、国民の皆さんにわかりやすく御説明いただきますようにお願いしたいのでございます。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 先ほど説明しましたように、平成二年に第八次選挙制度審議会がしっかりした答申を出したんですね。それをもとに参議院の比例代表制度を改めようということで、平成六年に超党派の検討委員会をつくりまして、そのときは自民党は残念ながら野党でございまして、社会党の当時の上野さんという方が委員長になってやって一応案をまとめた。しかし、持ち帰ると、各党みんな反対なんですよ。  そういうことで推移して、一、二年前から、もう一遍選挙制度を見直そうじゃないか、こういうことの中で、前の斎藤議長が超党派で代表者を集められまして、とにかく超党派で議論してくれと。しかし、代表者じゃなかなか議論できませんから、それじゃワーキンググループでもつくろうか、こういうのが平成十一年の六月なんですよ。  ただ、そのときに斎藤議長は、年内に結論を出してくれ、こうなった。半年でしょう。それじゃ、選挙制度もいろいろなことをやりたいけれども、あれもこれもできぬから、衆議院との絡みもあるので、まず定数削減をやりましょうと。ただ、定数削減をやる場合に、ほかの制度が全部動くということじゃ定数削減が議論できないから、現行制度の枠組みを一応念頭に置いて、それを前提にしながらというて定数削減の議論をやってきたんですよ。  そこで一応ワーキンググループは、ことしの二月の終わりに報告書をまとめました。三案併記ですよ。定数削減ですら合意がない。いわんやそれ以外のことは、議論していないんだから、触れただけですから、何にも合意がない。それで代表者懇に四回かけましたけれども、議論したのは定数削減だけですよ。四回かけたけれども、これは結論を得ない。このままほっておくと、またこういう話は四年後になっちゃうんですよ。制度をいじるというのは次の次からやりましょうと、特に選挙制度は。次の次からといったら四年後でしょう。ずるずるいってしまいますし。  しかも、衆議院のこの間六月の選挙の結果を見ると、今のブロック比例と小選挙区が定着してきて、衆議院も参議院も同じような選挙じゃないですか、規模が違うけれども。それじゃやはり参議院は衆議院と違う制度にしたい、衆議院に対する独自性をちゃんと打ち立てたい、こういうことが今回のこの案の提案になったゆえんでありまして、我々としては唐突でも何でもない。ずうっと議論があったんだから。そういうふうに理解しております。

細田博之自由民主党

○細田委員 ただいま片山虎之助議員から御答弁がありました。私も覚えております。衆議院の選挙制度を改正したときに一番大きな議論は何だったかというと、小選挙区比例代表並立制を決めるときに、まさに参議院の制度と同じではないか、全国比例制と十一ブロック比例制の差があるではないかという議論はありましたが、そのときの答弁には、非常に多く出てきたものは、参議院もこれは見直さなければならない。これは何遍も委員会で議論をされてきました。そして、しかし参議院はまた良識の府として選び方の慎重を期さなければならないのでもうちょっと待とうと。しかし、衆議院ももうこれで二度この制度のもとでやったわけでございますから、参議院が今制度改正をするのは当然であると思います。  そして、先ほどちょっとお話がございました、ちょっと耳に痛い方がおられるかもしれないけれども、五年前、あの当時は新進党という党がありまして、比例で第一党になりました。十八議席もとる、三〇・七五%もとるということで、当時の新進党は大勝利をおさめたわけでございますが、その第十三番目に友部氏という方が当選をされたわけでございます。その直後にこの友部氏は詐欺か何かの容疑で逮捕されて、今伺いますとまだなお獄中にあられて、しかも議員辞職をされない、こういうことでございますが、その後の参議院の御努力とか、この友部議員がどういうふうになっておるのかということについてまずちょっと教えていただきたいと思います。

須藤良太郎自由民主党・保守党

○須藤(良)参議院議員 議員にはまことにあるまじき、許しがたい事件があったわけでありますけれども、友部達夫参議院議員は、オレンジ共済組合の実質的主宰者として顧客を欺いて金銭を取得したとする詐欺被疑事件について、平成九年一月二十八日に、内閣から参議院に対し逮捕について許諾を求められ、参議院は翌二十九日に全会一致をもって許諾を与えることを議決、同君は同日逮捕され、同年二月十九日に詐欺罪で起訴されたものであります。  なお、同君は、逮捕後現在に至るまで東京拘置所において勾留されており、平成十二年三月二十三日に東京地方裁判所で懲役十年の実刑判決を受け、翌二十四日控訴し、現在、東京高等裁判所において係争中であります。  なお、これにつきましては、比例順位工作問題が絡んでいると見られるわけでありますが、この事件が厳しく問われた平成九年当時、その詐欺で得た金額の一部を友部議員みずからの参議院議員当選に向けた新進党の比例順位工作に使い、特に、細川元総理との会食の際、細川氏側近の初村謙一郎元衆議院議員に現金三千万円を提供したという疑惑が報道されておりました。  これはもとより政党や議員個人の良識の問題でありますが、この背景にある問題としては、政党が順位を決めているという拘束名簿式の比例制度自体が内包する問題である、こういうふうに考えております。すなわち、候補者選定と順位決定に関して政党の執行部が最終的な決定権を持っているために、国民不在の恣意的な候補者決定につながりかねない、そうした危うさを制度自体が持っている、こういうことであります。  よって、今回の公選法改正によりまして非拘束方式に改め、候補者選定に関する不透明性等の問題は改善され、国会議員のポストが金で買われるといった国民の政治不信の解消にもつながる、こういうふうに確信しておるわけであります。  なお、参議院のこの面に関する努力でありますけれども、友部達夫参議院議員が平成九年一月二十九日に逮捕され、二月十九日に起訴されたことを受けまして、二月三日に各会派代表者会議が開かれ対応を協議し、次いで二月二十七日に当時の坂野自民党参議院議員会長、平井平成会会長連名の呼びかけにより各会派代表者懇談会を招集し、同君に対する議員辞職勧告決議に関して協議を行い、その結果を受けて同年三月十二日、当時の下稲葉議院運営委員長及び理事四名が同君と接見し、辞職を促したが、同君はこれを拒否いたしました。  こうした状況を受け、同年三月二十六日に再度各会派代表者懇談会において協議された結果、同君に対し、議員辞職勧告決議を行うことで合意し、数次にわたる議院運営委員会理事会での協議も踏まえ、同年四月四日に議員友部達夫君の議員辞職勧告に関する決議案を議決いたしました。なお、同決議を警視庁を通じ同君に伝達いたしております。  また、平成十一年一月十三日に当時の岡野議院運営委員長及び理事二名が、平成十二年三月二十四日には西田議院運営委員長及び理事四名が同君に面会し、辞職を促しましたが、同君はいずれもこれを拒否している状況でございます。  以上でございます。

細田博之自由民主党

○細田委員 私は決して、この問題を取り上げたのは今の野党がどうだということで言ったのじゃないのです。なぜかというと、経緯を御存じない方もおられますから念のため申しおきますが、当時の新進党というのは、今はばらばらになって、与党にもおられるし野党にもおられるわけです。したがって、全員の責任として考えなければならないわけですね。  十八人、当時比例で新進党から当選した方々は、自民党に現在おられる方が二人、公明党におられる方が七人、保守党におられる方が二人、民主党におられる方が四人、自由党におられる方が二人、そして無所属はこの友部さんで、木暮議員がお亡くなりになった、こういうことでございますので、今の時点で言えば、何も与党とか野党とか今の騒ぎの問題じゃなくて、そもそも参議院の比例選挙を考える上で一番いい教材として、しかも反省材料として出てきたということなんですね。  そこで、特に魚住議員、弁護士でもあられますし、同じ選挙で百六万票という未曾有の大量得票を東京で得られて、新進党公認で当選されました。そして、同志の、比例の、そういう方のそういう問題が起きた。そして、その比例の中には、組合出身の方や、寺崎さんとか足立さんとか今泉さんが、なぜ四位なのか、九位なのか、十四位なのか、扇大臣もおられますが、二位とか、いろいろありますね。同じ選挙で保坂三蔵先生も六十万票とられて、堂々たる当選をされた、まさにその選挙ですよ。あのときの反省あるいは党内の問題というものを思い起こして、ちょっとどういうふうにお考えかを先生から御紹介願いたいと思います。

魚住裕一郎公明党

○魚住(裕)参議院議員 お答え申し上げます。  平成七年七月に行われました参議院選挙におきまして、今先生から御紹介をいただきましたように、私並びに保坂先生も東京選挙区で戦いをさせていただきまして、私の場合は百五万九千五百八十二票ちょうだいしたわけでございます。  私、実は、その平成七年組、比例選の方も含めて同期会を結成したところでございますが、新人候補でございますし、比例の皆様方の順位の決定につきましては、党の幹部の皆さんが選挙としては最良の順位を決定していただいた、こういうふうに私は当時考えておったところでございますが、同期会で一年ぐらいたちますと、どうもうさん臭いような話が新聞等に漏れてきた。同期といたしまして、非常に片腹痛いような思いをしたところでございますが、もっとすっきりした、有権者にとってもわかりやすい、また候補者も馬力が出るような、そういうような比例制度にした方がもっと参議院というものが独自性を発揮しつつ活性化し得るのではないか、このように当時考えた次第でございます。

細田博之自由民主党

○細田委員 当時の皆様方が、本当に関係者が反省をされ、また何とかしなければならないなと考えられたと私は信じておるわけでございますけれども、五年ほどたちますと、とにかく制度は先送りをして、まだこの制度を続けようと。これは責任ある立場ではないのではないかと私は疑問に思っているわけでございます。  そこで、今度は、もう一つは、党利党略じゃないかという話がありまして、特に自民党はこのところ比例でいろいろ、成績がよくない面もあるので、この非拘束の名簿式選挙を導入すれば有利になるから制度を改正するんじゃないかというようなことをわざと議論をするような面があります。  それはそうではございません。最近の選挙を見ますと、我が自民党、私は選挙の分析を常にやっておりますので非常に謙虚でありますが、本年行われました衆議院選挙の比例は、全国全部足し合わせても二八・三%、これが自由民主党の得票率であります。そして、平成十年の参議院選挙においては、いろいろなこともございましたけれども、二五・二%でございました。そして平成八年の衆議院選挙は、若干追い風が吹いた面もあるのかもしれませんが、それでも二百名の比例定数のうち七十名、三五%の議席ですが、得票率は三二・八%。ドントの結果、少し上がるわけでございますが、各党ともそうでございます。そしてその前の平成七年の参議院選挙でも、二七・三%。  したがって、有権者に対して我々はまじめに分析をしなきゃならない、投票行動については。つまり、党を書いていただく選挙、候補者を書いていただく選挙、いずれにいたしましても、私は、どの政策に投票するかということを有権者の皆さんはまじめに考えておられ、しかも、昔のような自社対決のような選挙と違います。多党化して、いろいろな形での連立ができてきた、しかも政権を担当したことのない大政党は共産党だけであるというようないろいろな経験も経て、今日、成熟した政党がたくさん出てきておるわけでございますから、国民の皆様方から見ると、今回の非拘束を導入すると自由民主党の票が突然、何か有名人を立てればどんどん有利になるのではないかなどという分析をすること自体、私は国民に対する侮辱ではないかとすら思うわけでございまして、そんなことはございません。  やはりそのときの政策、景気の動向、あるいは財政の問題や税制の問題や介護保険その他、社会保障の問題、いろいろな政策によって戦われるのでありますから、その点は、党利党略論というものを表に出すような議論というのは甚だ国民に対して申しわけない議論であるというふうにまず私は考えるわけでございます。  その上で、一番大事なことは、今までの反省に立ちながら、党の役員なり中枢が順番を決めて、比例は、あなたは一番、あなたは二番というふうに、歌の文句じゃないですが、順番を決めて、もう全部最後まで選挙を取り仕切る、そういう時代ではないではないか。候補者に対する、有権者のあの人に入れたいなという意思を尊重する選挙を入れようではないかという正当な、まじめな考え方を評価しなきゃならない。参議院の選挙の審議の仕方についての云々ということは私はわかりませんけれども、法案の中身をよく見ますと、そういう感じがいたすわけでございます。  そこで、もう一つの大きな問題として指摘されております、前回、六回前の全国区においては、残酷区とか、お金がかかる銭酷区というような表現があって、そして選挙が終わったらお亡くなりになった方すらおられる。こういうものに戻るのではないかというような懸念も言われておりますが、その点についてのお考えをお答え願いたいと思います。

須藤良太郎自由民主党・保守党

○須藤(良)参議院議員 今度の非拘束制におきましては、当選人となるべき候補者に投票するわけでありまして、政党の選挙運動とともに、各候補者への個人の選挙運動を認めるわけでございます。そういう意味で、今おっしゃいましたように、旧全国区選出議員の選挙同様に個人の選挙活動も認める、こういうふうにしておるわけであります。  しかし、おっしゃるように、旧全国区の選挙運動、非常に批判もあるわけでありまして、できるだけこの問題点をなくすように考えて出したわけでございまして、そういう意味では、今回は党の選挙運動と個人の運動とあわせてできるだけ経費のかからない形で実施しよう、こういうことでございます。しかし、個人の投票を認めるわけでありますから、個人の情報なりあるいは政策というものは有権者にしっかりわかってもらう、そういう最低限の義務はあるわけでありまして、それを踏まえながら考えておる次第でございます。  若干詳しくなりますけれども、今回は旧全国区に比べて相当活動を削減しておりまして、例えば選挙事務所については旧全国区では十五カ所、今回は一カ所に絞った。それから、いわゆる自動車、ビラ、ポスター、すべてこれを三割減としてやっております。  例えば、ポスターにつきましても、これはできるだけ多くないと運動できないという声も多かったわけでありますけれども、いわゆる七万枚、これは投票所が今五万三千ほど全国にありますけれども、これに一枚を基準にして、若干のいわゆる広狭がありますから認めよう、こういうことにしたわけでございます。  なお、はがきだけは十二万を十五万にふやしておりますけれども、これは、有権者が八千万から一億人にふえている、こういう実態にかんがみまして、これは静かな選挙運動でありますので十五万枚といたしております。  いずれにいたしましても、今回は、いわゆる党の選挙運動、そして個人の選挙運動、これが補完し合ってやろうということでございます。そういう意味で、法定選挙運動費用も前回の全国区に比べると約四割削減しておるわけでございまして、そういう意味では最低限に絞ってひとつ個人の投票をやろう、認めよう、こういうことでございます。

細田博之自由民主党

○細田委員 次にお伺いしたいのは、いわゆる定数の削減の問題であります。  全体として十人を削減する根拠といいますか理由、それから選挙区選出六人、比例代表四人とする理由、そして選挙区選出議員のうち岡山、熊本、鹿児島を削減する理由について、御答弁願いたいと思います。

保坂三蔵自由民主党・保守党

○保坂参議院議員 この点は私から御答弁をさせていただきます。  三つ御質問がございましたが、最初に定数削減を十名するということはどういう理由かということでございますが、基本的にこれは、多過ぎるから減らすとか、あるいはまた衆議院が減らしたから減らすとか、こういう点でないことを結論的に申し上げたく存じます。  過去の推移を振り返ってみますと、与党の自自合意から始まりまして、両党の政策協定によりまして論議が進んでおりました。その中で、既に参議院におきましては、過般辞職されました斎藤議長のもとから選挙制度改革への指示が既にございまして、したがいまして各派代表者懇談会、各派代表者懇におきましてこの討議、検討を既にしていたわけでございます。そこで、衆参両院の協議の中から参議院だけは除いていただきまして、参議院は独自に各会派の意見の交換の上で、あるいはまた調査の上で議論を進めたところでございます。  そして、これも先ほどお話がございましたが、須藤協議会が結論を出しまして、この定数問題については早くやろうということになりまして各派が意見を持ち寄りましたところ、残念ながら三論併記になったわけでございます。しかし、自民党を中心にいたしまして四会派がさきの百四十七国会に案を出しまして、これを討議にかけたわけでございますが、残念ながら廃案になってしまいました。そこで、この気持ちもしっかりと生かそうということが底辺にあるわけでございます。  減らす理由につきましては、既に、申し上げるまでもございませんが、中央省庁等改革に係る大綱におきまして十年後には十分の一の国家公務員を減らすとか、あるいは基本法におきましても国の行政の事務、事業の簡素効率化を進めまして国の仕事の重点化を図る等々の議論がございます。そういう中で、同じ国の機関でありますところの参議院だけがこのままでいいわけはないという議論が一つございました。  それから、現下の経済情勢、御案内のとおり、国民の生活は厳しい十年間の経済状況の中から塗炭の苦しみも受けているところがございます。特にリストラにおきましては四・七%の失業率等がございました。こういうことがございまして、国民各層の中には国会議員も減らすべきであるという議論が厳然としてあることも否めないところでございます。  それから最後に、やはり何といいましても参議院の改革の端緒にしたい。  この三つの願いをもろもろ込めまして今回減らすことになったわけでございますが、当然ふやさねばならないという意見もございまして、そこで総合的に見まして、参議院の仕事、役割等に損ないが出ないように数を決めたのが十名というところでございます。  なお、十名という数字に関しましては、衆議院の減員に対する数字も参考になったところは当然でございます。  それから二番目でございますけれども、いささか長くなりまして恐縮でございます。六人と四人、なぜ数字を変えたのかということでございますが、選挙区選挙は、御案内のとおり、都道府県を選挙区にいたしまして、それぞれの地域の代表というにおいが、意義ないし機能を持っていることは申し上げるまでもございません。一方で、比例区は全国の、例えば職域等を代表する立場がございますから、いずれも、両制度とも対等の存在にあることは申し上げるまでもないわけでございます。そこで、現在の三対二という数字、ちなみに申し上げれば、選挙区は百五十二名、それから比例区は百名、この三対二をそのまま勘案いたしまして、十名の中を案分比にいたしまして六人と四人、四人と六人、こうしたわけでございます。  それから三番目のお尋ねでございますが、岡山県、熊本県、鹿児島県を削減する理由は何か。  これは御案内のとおり、実は鹿児島県は人口が百七十九万、三重県が百八十四万で、人口が少ない鹿児島県の方が定数四名で、人口が多い三重県の方が定数が二名という逆転区が現に存在します。これはもう一刻も早く解消しなくてはならないという前提がございました。そこで、逆転現象を今回の見直しではゼロにするということでスタートしたわけでございます。  また一方では、選挙区の一票の重さの問題が出てまいりまして、一議席当たり、現在では、平成七年の国調では、東京と鳥取の間では四・七八七という較差が出ております。これをこれ以上ふやしてしまってはだめだということで、八名の定数の東京、それから六名の埼玉、愛知、神奈川、大阪、ここで減らしますと、鳥取だけは変わらないわけでございますから、一層較差が拡大するという懸念がございまして、そこで定数四の選挙区から、少ない順に鹿児島、熊本、岡山、この三県をそれぞれ削減対象区としたわけでございます。このあたりも御理解のほどをお願い申し上げます。

細田博之自由民主党

○細田委員 いろいろな経緯についてお話がありました。  この定数格差問題は、衆議院の場合は二倍とか三倍をめぐって過去にたくさんの訴訟、判決があるわけでございます。参議院についてもたびたびありますけれども、本来、参議院の定数が少ないことと、それから選挙区選挙の定数自体が少ないということをもって、どうしても、なかなか人口比にならない、格差が四倍を超えるということですが、参議院をアメリカの上院になぞらえれば、一州すべて二人ずつで百人というような制度も加味すべきではないかという感じがしておりますが、全県二人というようなことでもまた実際の、昨今の大都会と地方の格差がありますからね、これはそうもいかない。  私などは一種の私案を考えたことがありまして、二百万人以下は定員二人、四百万人以下は四人、八百万人以下は六人、それ以上は八人とか、もう自動的に人数の閾値をつくって、それで見直した方がいいのではないかな。そうすると考え方がはっきりしますからね。格差の問題にならない。それではなぜそうなのだと言われるとまた議論は必要でございますけれども、その方が制度の将来にとっていいというので、私はそういう私案も持っておりますのでちょっと御紹介申し上げておきます。  今後も幾らでもある議論でございますので、どうやったら参議院の格差問題を乗り越えて各県ごとの割り振りを考えるか、御参考までに申し上げたわけでございます。  具体的にはいつの時点から定数削減ということになるのか、手順をちょっと教えていただきたいと思います。

保坂三蔵自由民主党・保守党

○保坂参議院議員 この点も私から御答弁させていただきます。  この法律案は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行することとなっております。この二十日という意味合いは、罰則規定が整備されたからでございまして、周知徹底のための期間でございます。  ただし、議員定数に関する部分につきましては、附則の第二条二項におきまして、施行日以降、法律が施行された以降その期日を公示される参議院の通常選挙並びにこれに係る再選挙及び補欠選挙についてこれを適用する、そして、施行日の前日までにその期日を告示された参議院の通常選挙並びにこれに係る再選挙及び補欠選については、なお従前の例によるものとするとなっております。  これを具体的に説明させていただきますと、平成十三年に行われる予定の通常選挙においては新しい定数でやろうということでございます。その通常選挙に選挙無効等の事由が生じて行われます再選挙やあるいはまた欠員等が生じて行われる補欠選挙についても、同様に新しい定数で行われるわけでございます。  しかしながら、既に終わりました平成十年の通常選挙において、この法律の施行日以降になりましても、平成十年のとき行われた選挙の無効等の理由などによります再選挙や補欠選挙等々につきましては、従前の定数で行われることになっております。  と申しますのは、その都度もし定数を見直してまいりますと、参議院の定数自体が五月雨的に変更されるようになってまいりまして、議員定数としての安定性を欠くおそれがあるからでございます。  以上でございます。

細田博之自由民主党

○細田委員 そういった手続も決められておるということを理解いたしたわけでございますが、このたびの法改正は政党名投票もあわせて認めるという、これが大きなポイントの一つになっておるわけですが、この政党名投票を認めるという趣旨について御説明を願いたいと思います。

月原茂皓自由民主党・保守党

○月原参議院議員 お答えいたします。  今度の選挙は、比例代表制というものをやはり基本にしているわけであります。順位を決定する拘束制でなくて、非拘束制というのはそこに意義があるわけでありまして、そこで個人名というものが登場するわけであります。そういうことから、個人名でなくても、御承知のように、比例代表制というのは議席というものを的確に表現する、民主主義の制度としては代表的なシステムでありますので、政党名で投票されたものについてもそれを認める。その結果、政党名それから個人名、そういうものを合わせて合算いたしまして、そしてドント方式で議席を決めていく、こういうシステムになっているわけであります。

細田博之自由民主党

○細田委員 この点はさまざまな意見もあるところでございますので、これから議論が深まっていくと思いますが、とりあえず、私としては、まだ質問の数がございますので、そちらへ移りたいと思いますが、かなり複雑な集計になると思いますね。したがいまして、この際、投票方式を記号式を考えるとか、そしてまた、さらに言えば電子式投票の導入をぼちぼち検討していってはどうか。そういった実際の実地の練習もしてみて、あるいは市町村などでやってみて、いずれはこの電子式投票、記号式投票などもやっていくということを検討してはどうかと思いますが、まず自治省、どういう検討状況か、お願いします。

片木淳自治省行政局選挙部長

○片木政府参考人 お答えいたします。  二点御質問ございました。  まず、記号式投票の導入でございますが、今回の非拘束名簿式比例代表制におきまして、仮に記号式投票を導入するといたしますと、政党数あるいは候補者数によりましては投票用紙がかなり大きくなるのではないかということで、選挙人の便宜からどうかといった問題があるのではないかと考えておるところでございます。  電子式投票を導入してはとの御質問でございますが、これはもう御案内のとおりでございますけれども、自書式を変更いたしまして記号式投票にするということにつきましては、平成七年に衆議院選挙で一たん導入されたわけでございますが、議員立法によりまして自書式に戻されました経緯がございます。これらのことを踏まえる必要があるというふうに考えております。  また、機器のセキュリティー等の問題も当然ございます。この問題につきましては、各党各会派において御論議をいただくべき問題とは考えておりますが、自治省におきましても大変重要な課題と考えておりまして、問題の整理をするという意味で研究会を設置いたしまして、ことし八月には中間報告を取りまとめたところでございまして、今後、技術的な側面、経費的な側面等からの検討も行ってまいりまして、解決すべき課題をより明確にしていきたいというふうに考えております。

細田博之自由民主党

○細田委員 先般、アメリカのテキサス州の政党の責任者が来て、選挙の管理その他をやっておるという人に聞いたのですが、もうかなりの程度、どうやったらインターネット投票を実現できるかとか、電子式投票をどのようにやったら不正を防ぎながらできるのか、万一停電の場合とか、それも含めていろいろな検討がなされておるということでございます。  IT革命、森政権が今いろいろなことを言っておりますけれども、その中には、もっと大きなことをやっているわけですよ。つまり、IT、インターネットによる取引をして、そして本人確認をして、巨額な金を動かしても、株を買っても、金融をしても、ありとあらゆる取引に使っても大丈夫なようにセキュリティーをきちんとして進めましょうと言っているわけですね。  非常に小さな選挙の集計だとか投票について、いろいろなセキュリティー対策をやりつつ、そして結論としては瞬時に出たって何も罪はないので、万歳するのに時間が要るなどと言う人もありますけれども、そんなことは大したことじゃないので、むしろ結果が速やかに出て、さらに次の行動に移るということができるようにすべきではないかと私は個人的に考えております。  いろいろ抵抗感のある人もおられるようですから、まずは選挙におけるITの導入ということで皆様方にもお考えいただきたいわけでございますが、ぜひとも機械的なあるいは仕組みとしての安全な、秘密も守られて、いざ事故のときにも大丈夫なような仕組みあるいは機器の開発等を進めていただきたいと思います。  沖縄のサミットにおきましても、各首脳にそういったデモンストレーションも行いましたところ、各国ではむしろこれはいいからやろうというような流れが生じておるようでございますので、どうも日本はこういった面でもおくれておるのではないかなと感覚的に思う次第でございます。  さて、もう一つの大きな議論といたしまして、参議院の比例代表選出議員の選挙について、いわゆる連座制の問題というのがございますが、連座制が適用されることとなった理由、あるいは問題点等について、どういう懸念、議論があったのかということについて御答弁いただきたいと思います。

魚住裕一郎公明党

○魚住(裕)参議院議員 この点につきましては、魚住からお答えをさせていただきます。  連座制は、選挙の腐敗を防止して公正な選挙の実現を図るために、候補者のために行われる選挙運動におきまして一定の選挙犯罪が犯された場合に、その候補者の当選を失わせたり、あるいは立候補を制限するという制度でございます。  これまで、政党等の得票数を競う拘束名簿式の選挙におきましては、そもそも候補者のために行われる選挙運動というものが想定されていなかったところであります。また、仮に政党等が行う選挙犯罪につきまして連座制を適用いたしまして、政党等のすべての当選人の当選を無効とすることは、選挙の公正を確保するといえども、余りにも過大な制裁になるというふうに考えるところであります。  以上の理由から、参議院の比例代表選出議員の選挙につきまして、今までは連座制の適用がなかったところでございます。  しかし、今回の改正では、この比例代表選出議員選挙における候補者の選挙運動が認められるところでございまして、他の選挙の場合と比較して、連座制を適用しないという理由は見出しがたいというふうに考えるところでございまして、候補者個人のために行われる選挙運動におきまして選挙犯罪が犯された場合につきまして、連座制を適用することが適当であるというふうに考えたところでございます。  衆議院と異なりまして全国の範囲があるわけでございまして、余りにも目が行き届かないところで連座制が適用になった場合過酷ではないかというような議論ももちろんあったわけでございますが、比例選挙といえどもやはり選挙の腐敗の防止を図って、公正な選挙を実現する必要があるのではないか。そしてまた、過去の全国区の選出の議員選挙におきましても連座制がございました。これとの対比の関係上、連座制をやはり適用すべきだというところに落ちついたところでございます。

細田博之自由民主党

○細田委員 連座制についてはなかなか難しい問題があるなという気がいたすのですが、これは選挙運動の幅と深さとの関係にもよると思うんですね。  そこで、自治省も、最初にお伺いしましたが、いわゆるホームページ、インターネットの活用というようなことを私、最初に言ったんでございますけれども、大きな、名前を書いていただくような全国比例区制度を導入するに当たりまして、やはり従来の考えをもうこの際少し変えていただいて、有権者の方々に、インターネットでアクセスすれば、なるほど、こういう意見があるんだな、あるいは政党もこういうふうになっているんだなということがわかるような、秩序ある、新しい考え方を早急に検討してみていただいてはどうかと思います。  さっきのあれは、きのう行われた選挙について、中谷総括政務次官から、至急調べてみますということを伺ったのでございますが、むしろ参議院選挙を目指しても、非常にもう今や必要なことでございますので、どう考えておられるか、選挙部長からお答え願いたいと思います。

片木淳自治省行政局選挙部長

○片木政府参考人 インターネットを利用した選挙運動についての御質問がございました。  御指摘のとおり、IT革命が進んでおる中でインターネットの普及が急速に進んでおるというところは事実でございますし、選挙民の方が必要な情報を得られまして選択をされるということも、当然選挙制度として大変重要なことだとは存じております。  ただ、先ほど中谷総括政務次官の方からお答えいたしましたのは、従来の非常に長い歴史にわたります公職選挙法の解釈といたしまして、やはり文書図画につきまして積み重ねられた判例等がございまして、そのアナロジーといいますか、その論理的な帰結からいきますと、どうしても現行法解釈といたしましては、文書図画に当たって、ホームページを利用した選挙運動は公職選挙法上禁止されているというふうに解釈せざるを得ないということでございます。  ただ、先ほど申し上げましたように、大変重要な問題であるという認識はいたしております。選挙制度そのもの、基盤にかかわる問題でございますので、各党各会派の方で十分御論議をいただきまして、また、私ども必要な技術的な御協力を申し上げていきたいというふうに考えております。

細田博之自由民主党

○細田委員 今おっしゃったようなお考えだと、きのう当選した人はもう逮捕ですよ。やはりやり過ぎなんですよ、選挙運動していますから。では、本当にいけないのかというと、まあ時代も変わってきますから、私はすぐ逮捕するばかりが能じゃない、どうしたらいいかを考えるべきだ。  私の個人的な考え方を言いますと、選挙運動期間でも、自分が一生懸命物を配る、書いたものでも何でも、配るのは、これはちゃんと証紙が張ってなきゃいけない、ある枚数の範囲で決まっているんですね。それから、テレビで積極的に打って出るのも、決められた画面の中、分数の中でやらなきゃいけない。つまり、候補者みずからが出かけていって情報を提供する部分は平等にしましょう、お金のかかり過ぎを防ぎましょう、これはこれでいいと思うんですよ。しかし、インターネットやホームページを利用する場合は、有権者の中の意思ある者が聞いてくるわけですから、そして、実際どんな考えなんだろうか、あるいは政党はどういうことが問題になっているんだろうかと思って聞いてくるわけでございますから。選挙事務所に有権者の人がやってきて、いや、この問題についてこの候補者がどう考えているか知りたいんだけれども関係資料はありますかと言って、もらう、それは合法ですね。知りたいから下さいと言ってその資料をもらうのは私は合法だと思うんです、一般に配布するのは違法であっても。そういう仕切りがあるんじゃないかと思いますので、ここでお答えいただかなくてもいいですが、そういった整理もできるんじゃないか。  ただ、そう言いましたら、よくインターネットを知っている人は、いや、そうじゃないぞ、これは成り済ましというのがあって、もう、だれがやっているかわからないけれども、どんどんインターネットを通じて知らない人のところへEメールを送る人が出て、これが捕まえがたいんだ、だから、およそインターネットを通じてのものは規制した方がいいんだと言う人もあります。  しかし、Eメールを送るというのは、もうアメリカでは全部解禁になって、やっているんです。何十万件のEメールのアドレスを持っておって、全部選挙のときはEメールを出しているんですが、日本ではそれは違法ですね。選挙に入って、私に投票してくださいといってEメールを送ることは違法だと思いますけれども。そういう打って出るのはアウトだ、受けるのはセーフだというような考え方は私はあるんじゃないかと思いますので、よく精査していただいて、検討していただきたいと思います。これは大変急がれることでございまして、さもなくば逮捕をしていただかなくちゃいかぬ、こう思うわけでございます。  それでは最後に、もう時間もなくなりましたので、私は、ここにおられる民主党の堀込理事とも仲よくずっと選挙制度の改正をやってきておりまして、外国にいる日本邦人の比例投票まで認めようじゃないかというので、もう大変苦労して、六十万の在外邦人にこのたび衆議院選挙で投票していただきました。まだまだなかなか行き渡らないで、六万人が登録、二万人が投票、概数でございますが、そういったことが行われたわけでございます。  そして、もう一つは洋上投票。遠洋航海に出かけていって船の上にいる人の投票も認めようじゃないかということで、法改正しまして、特別なファクシミリで洋上で投票しますと、こちらの受け手では、シールがずっと上へ張って投票の秘密が守られる、投票日にあけてそれを見る、そういうファクシミリ投票を認めたということになりますね。  これを、比例投票で名前も書けるという投票をするときに、一番問題は、既存の政党であれば、アマゾンの奥地で働いている人もいるだろうし、アフリカにいる人もいるだろうが、大体何党と何党があるなということはわかるわけでございますね。まあ、五年たったら新進党がなくなったというさっきの例でわかるようにいろいろ動きはありますけれども、大体新聞なども見ておられればわかるだろうということで政党投票ならいいんでございますが、そこに立候補している個人の名前も書くということになるとなかなか大変でありますが、一体在外投票の比例投票におきましてはどのように考えているのか。法案の中身、自治省がこれから努力しようという中身、それから今回の衆議院の選挙の反省点。  これはもう自見委員長のもとに鈴木筆頭や各党の皆様方と一緒に海外でも調査をしてきたわけでございますが、これは参議院の比例投票においてはなかなか大変な、有権者から見るとだれが立候補しているのかまだわからぬじゃないかというようなことがあるかもしれぬけれども、それを政党投票をしてもらえばいいんですよ、それから名簿はどこにありますよというようなことは言っていただかなきゃいけないと思いますが、選挙部長から御答弁を願います。

片木淳自治省行政局選挙部長

○片木政府参考人 まず、啓発の関係でございますが、改正法が成立いたしましたときには、常時啓発として、在外の有権者に対しましても自治省のホームページや衛星新聞等によりまして、速やかに制度全般についての啓発を行いますとともに、選挙執行時における臨時啓発といたしましても、非拘束名簿式比例代表制による投票方法の周知を重点に啓発を行っていく所存でございます。  それから、さきの衆議院議員総選挙における在外投票の反省点のお尋ねがございました。  お話がありましたとおり、今回の総選挙から在外投票制度が新たに導入されました。外務省とも連携をいたしながら周知啓発を行いますとともに、関係選挙管理委員会と一体となりまして、万全の体制で執行、管理に当たってまいったところでございます。おかげさまで、在外公館を初め関係者の御努力によりまして、大きなトラブルもなく執行できたと考えておるところでございます。  ただ、総選挙後、在外邦人を中心といたしまして、制度をもっと周知すべきではないか、あるいは手続が煩雑ではないかといった意見が寄せられておるところでございます。また、お話がありましたとおり、在外選挙人名簿の登録者数や投票率についてもさらに向上させていく努力が必要と考えておるところでございます。  今後は、在外邦人からの意見等も踏まえまして、周知啓発を充実いたしますとともに、運用面での改善を含めまして、管理、執行についても万全を期してまいる所存でございます。  非拘束名簿式比例代表制が導入された場合の洋上投票についての情報提供でございますが、洋上投票におきましては、船員は、選挙に関する情報を通信社等からファクスにより配信されるニュースやNHKが行っている海外ラジオ放送等により得ることができるところでございます。現在におきましても、指定船舶のほとんどが通信社からファクスによりまして配信されますニュースを受信していると聞いておりまして、特に今回の衆議院総選挙におきましては、私どもの方から当該ファクスニュースの中で候補者の一覧が配信されるよう通信社に依頼もしたところでございまして、今後同様に、参議院選挙におきましても、名簿登載者の氏名等の一覧の記載が配信されるように通信社に依頼するなど、努力をしてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。

細田博之自由民主党

○細田委員 間もなく時間でございますので、最後に片山議員に総括的なお尋ねをいたしたいと思います。  私は、先ほど来の質疑でもおわかりのように、このたびの制度改正は、やはり深い過去の反省にも基づき、一歩、二歩前進したものであると認識しております。しかし、もちろんそれで終わりというのではなく、また三歩、四歩と前進して、制度をよりよくしていかなければならないという点も数々あると思いますが、その点についての御決意のほどを表明していただきたいと思います。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 今細田委員からお話がありましたが、選挙制度に百点はないんですね、昔から。だから、常によりよい制度を目指して、お互い研さんし、切磋琢磨をしなければなりませんが、全国区という五十七年までは大変な制度を経験して、そのリアクションというのか、大きな反省から今の拘束名簿式になって、やはり拘束名簿式にも大変な問題があるなということで、平成二年の第八次選挙制度審議会の今の非拘束になったわけでありまして、その非拘束でやってみなければ我々もわからないところはありますが、今の段階では我々はベターだと思っています。  党利党略というお話も一部の党や何かで、参議院のいろいろな過程の中でありましたが、小手先を変えてだまされるような私は国民じゃないと思いますよ。国民はもっと賢明ですから、我々は、そういう国民の賢明さを期待しながら、よりよい制度を求めていくということが今後のあり方だと思いますので、やってみていろいろな問題点があればまた直していけばいい、そういうふうに思っております。

細田博之自由民主党

○細田委員 以上で終わります。

自見庄三郎自由民主党

○自見委員長 堀込征雄君。

堀込征雄民主党・無所属クラブ

○堀込委員 参議院を通じて、野党側質問は初めてだと思います。今も細田先生の質疑を聞いておりまして、私は、これは何をねらっているのか、何でこう急がなきゃならないのか、ますますわからなくなってきたわけであります。  この法案をそもそも出したのが、そろそろ来年夏には参議院選挙を控えている、秋風が吹き始めるころ突然出してきた。もみじが黄色くなるころには、赤くなるころには全部上げてくれという強行的なやり方ですね。これは、私は、憲政史上初めてのケースじゃないか。過去にこういう事例があったんだろうか。例えば、全国区から今の拘束名簿式に変えるそのときの審議も、八一年の十月から約一年間、十カ月ぐらい、八月ぐらいまでかけて実は国会で議論されています。  それから、皆さん御存じのとおり、今の衆議院の比例代表並立制、これはもう何年もかけて、宮澤内閣が倒れる、海部内閣が倒れるというような経過を踏みながら、みんなで努力してつくり上げてきているわけです。しかも、あれは衆議院の制度でありながら、参議院へ行ったら否決されたんですよ、一度。そして、両院協議会が開かれて、細川・河野会談が開かれて、やっと成案を得た。つまり、与野党の話し合いの中でできてきているわけです。  この間の衆議院の比例の二十名定数削減問題も、実は、強行採決に最後にはなったけれども、それまでに、六党の幹事長会談をやり、実務者会議をやり、いろいろ意見を闘わせて、そういう手続を踏んでちゃんとやってきているんですよ。  私は、今度の参議院のこの法案は、全く憲政史上この選挙制度にして初めての暴挙だというふうに言わざるを得ないと思うんです。このやり方というのは今まで例がなかったし、少なくも政治改革以来、私が携わった段階でも、先ほど細田議員から大変いろいろな協議のお話いただきましたが、外国人の在外投票の問題は、いや、うちの党はここまでは無理だよ、こういうふうにしようとか、洋上投票はこうしようとか、あるいは、その前は選挙制度はいろいろな話し合いが行われてきているんですよ。ポスター何枚にするから政見放送何分にしよう、党の配分どうしようかということまでみんな与野党で話し合って決めて今日に来ている。制度だけじゃなくて、細部にわたってそういう経過と歴史を私ども持っているわけでありまして、今度のはどう見ても全くこんな一方的でそういう経過を無視したやり方はない、今回が初めてだ、こういうふうに思うんです。多分国民も、何でこんなに急ぐの、何でこんなやり方をするのというのがわかっていないと思いますから、提案者、どうですかそこは。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 堀込委員には野党質問第一号で、大変ありがとうございます。参議院の質疑の中でも、与党が、野党なら恐らくこう質問するだろうというシミュレーション的な質問がありましたが、本当の野党がちゃんと質問されるというのは第一号でございまして、大変敬意を表したい、こういうふうに思います。  そこで、堀込委員いろいろ言われるんですが、この問題は長い歴史があるんですよ。五十七年の導入のときに、先ほども言いましたが、大議論があって導入して、後、常に見直そうということで来ているんです。だから、そういう意味では、六十一年の拘束名簿の選挙が終わったときから常に議論がずっと来ているんですよ。  何度も言いますけれども、例えば六十三年の参議院の中につくった超党派の検討委員会、平成二年の第三者の権威ある機関の第八次選挙制度審議会、あるいは平成六年のこれも超党派の参議院選挙制度検討委員会、あるいは去年からやっておりますワーキンググループ、代表者懇の下の。あるいは、ことしの春ですが、前の斎藤議長が私的な諮問機関をつくられまして、そこでも選挙制度も議論しているんですよ。そういうふうに常に長い歴史の中で出てきたので、突如出てきたのなら、あなたが言うように私は唐突だと思いますよ、そういうことはない。みんな認識があるんだ、この問題をどうするか。ただ、ワーキンググループは代表者懇の下の下部機関で、限られた権限しかありませんし、時間がないから定数削減だけやろうと。その定数削減すら小一年やってまとまらないんだから。  だから、そういう意味で、選挙制度をほっておいていいということに私はならないと思う。だからこの際、思い切って定数削減とあわせて今までの長い間の十何年の懸案の今の比例代表を拘束から非拘束に直そう、こういう結論に達したわけでありまして、それを与党が法案を提出するのがおかしいなんというのは、国会の議員の法案提出権を縛るものですよ。  だから、私は今御承知のように国対委員長をやっておりますから、臨時国会が始まる前から、野党の皆さんには、与党は法案を出させてもらいます、国会の委員会で十分な審議を尽くしましょうと。同時に、政党間の話も代表者懇を中心にやるのはいささかもやぶさかではありません、やりましょうと、話し合いを。  ところが、野党の皆さんは、野党の中がまとまらないとか、私の党の中に大変な議論があるんですということで、おやりにならなかったのですよ。しかも、後ずっと審議拒否でしょう。我々は手続を尽くしたと思っていますよ。それを乗ってこられない、ずっと審議拒否、こういうことでございますので、堀込委員のお立場やお考えはありますけれども、経緯を十分御理解、御認識を賜りたい、こういうふうに思います。

堀込征雄民主党・無所属クラブ

○堀込委員 そういう経過があったことは事実だろうと思います。これまたちょっと後で参議院の協議会の話は質問させてもらいますけれども。  そういう経過はあって、いろいろな議論をしてきて、しかも結論は出なかったのです。八次審だっていろいろなことを言っているわけですよね。拘束も言っていますし、選挙区はこうしろとかいろいろ言っているのですよ。そういう経過を議論しているというのは事実でしょう。そういう長い間の経過をここで断ち切っちゃって、もう与党で決めたから来年の選挙に間に合わせるようにこれをやりますよ、こういうふうに言われては協議も何もないんですよ。法案を出しておいて、片っ方はこうだ、とにかく協議はするけれども法案出したのは通させてもらいますよという姿勢では、これは協議じゃないんです。今片山先生がおっしゃった過去の経過を無視したやり方をしちゃっているんですよ、与党側が。  私は、とりわけこの選挙制度、議会のルールの問題もそうなんですが、選挙のルールを決めるのは、ある程度一致をする、あるいは一致しなくてもかなり徹底した議論を経た上で決めていく歴史があったし、そうあるべきだろうと思っています。  政権を握った多数党がいつもそのときの多数で自分の都合のいいように選挙制度を変えられる、こんな慣例を今回のこれはつくるんですよ。これは今までも例がなかったことですし、もし政権がかわって多数党になったらいつでも都合のいいように選挙制度を変えますよ、こういう歴史をつくっちゃうことになるんですよ。  だから、私は、多数党が都合のいいように、自分のいいようにルールを変える、土俵を変えちゃう、こういうやり方はやはりやめた方がいい。とりわけこの選挙制度については大方の賛同が得られるような仕組みということを考えるのは我々議会人の最低の常識ではないか、こういうふうに思いますが、いかがですか。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 堀込委員、先ほども言いましたように、政党間では何回も今まで長い経過の中で話し合ってきて、しかも平成二年には第八次選挙制度審議会という大変権威のある第三者機関が政府に答申したのですね。あのメンバーを見ていただきたい。恐らく日本でその当時の最大のそういう有識者、経験者の集まりの答申ですよ。今回の与党の案は、第八次選挙制度審議会の案そのものなんですね。我々は勝手につくったんじゃないんですよ。今まで議論をしたこの第八次答申、選挙制度審議会の答申をそのままやろう、こういうことなんですよ。  それからもう一つ、私はちょっと堀込委員と考えが違うのは、国会議員というのは国会に来て論議を尽くすんですよ。政党間の事前折衝も必要でしょう。それはあっていい。あっていいけれども、それがうまくいかないときは、国会で一方が法案を出して国会の委員会や本会議の中で論議を尽くして結論を集約していくんですよ。その過程で、国民の前に開かれた議論で国民の皆さんの批判をもらえばよろしい。そういうことで、最後は粛々と多数決で決めるというのが私は議会制民主主義だと理解しております。  出てこない、出てこないということが私は今回の最大のあれではなかろうか、こういうふうに思っています。

堀込征雄民主党・無所属クラブ

○堀込委員 第八次選挙制度審議会、ちょっと後で質問しようと思ったのですが、今言われましたから。  あの答申では、確かに拘束名簿の問題点を指摘しているんですよ。しかし前段がずっとありまして、片山先生はもう御存じのとおりですよ。二院制のあり方をどうするんだ、そしてその中で衆議院に対する参議院の抑制や均衡、補完といった役割はどう果たしていくんだ、そのために参議院改革をしなきゃいけない、一つの案として、実はこの非拘束というのはどうだろうかと。今度の法案にあるとおりなんですよ。  だけれども、もう一つ、選挙区の方は、各都道府県に二名を割り振ってあとは人口比例配分したらどうですか、こうも言っているんですよね。八次審の第二次答申ですか。  つまり、今度の法案は、八次審の都合のいいところだけ取り出して法案にしている。しかも、これは十年間ほったらかしてきたんでしょう、議論はしてきたと言いますけれども。もう十年も前、九年も前ですか、この話を取り出して、都合のいいところだけを今度法案にしているんじゃありませんか。参議院改革なんて全然ないじゃないですか。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 都合のいいところだけをつまみ食いしていませんよ。よく見てください。八次審の第二次答申とおりの案が、我々の今度の皆さんに御議論賜る案でございます。  それから、いろいろおっしゃられましたが、たなざらしじゃないんです。何度も議論してきたのです、八次審の答申をもらっても。その結果、各党の立場やお考えがあるからなかなかまとまらないのですよ。  だから、我々は、このままいくと二十一世紀に入る、衆議院と似たような制度が定着するのはぐあいが悪いので、この際思い切って、衆議院とは違う、国民の意思を代弁するのが我が参議院だと思っていますから、今堀込委員言われました、抑制、補完、調整というのですか、衆議院の出過ぎを抑え、足らざるを補い、しかも両院でバランスをとるというのが我々の立場だと思っている。そのためには、党中心じゃなくて人中心の選挙制度にすべきじゃないか。それが我々の考えですから、それに基づいて、一番権威ある第三者機関が十分な議論を尽くしてまとめたものを今回我々の案として国会に提出した次第でございます。

堀込征雄民主党・無所属クラブ

○堀込委員 日本の二院制は、GHQが民主的な一院制というのを提案して、日本政府が二院制度を出して、結局、二院制度に落ちついた経過があるわけですね。そして、そうはいっても、両議院の構成をできるだけ異質なものにしていこう、こういうことで全国区制が生まれる。そして、社会各部門の経験のあるあるいは知識のある方々に出てもらって、全国区制ができたと思いますし、当初はこの全国区制というのは非常に大きな機能を果たし得た。無所属議員が大変たくさん当選されて、実は緑風会が第一党になって、一味違う参議院の機能を果たされてきた経過があったと思うのです。  しかし、その後、参議院の政党化が進んで、衆議院のカーボンコピーだなんという言葉まで出ちゃっている。こういう状況があったと思うんです。つまり、参議院の存在価値が問われる。選挙制度調査会や各党でも議論が行われて、候補者推薦制だとか職能代表制だとか完全地域代表制だとか、いろいろな議論がされてきたのですよ。おっしゃるとおりなんですよ。  片山議員に私が言いたいのは、つまり、そういう議論がずっと戦後もあって、八九年に政治改革のバイブルと言われる自民党の政治改革大綱が出されるわけですよ。そして、九〇年に選挙制度審議会が一次、二次という答申をしている。この答申を受けて自民党内で本当に真剣な議論が行われているのですよ、歴史を見ても。まことに参議院の機能をどういうふうにすべきかという真剣な議論。斎藤十朗議長も私案を提案されていますよ。参議院会派が名簿を提出して全国十一ブロックの一票制の比例代表制にしたらどうか。片山議員も提案されているじゃないですか。候補者推薦制を基軸にした案で参議院の機能発揮に努めるべきじゃないかと。  私が言いたいのは、当時の自民党のこの改革の熱意と情熱といいますか、本当に参議院を改革し、期待される二院制をつくり上げていこうとする、そういう熱意がこの間の議論に、この前後にずっとあったと私は思うのです。  今回の法案は、私は、そういう意味では、今議論してきたとおっしゃるけれども、そういうレベルの高さとか問題意識の深さといいますか、そういうのが全然感じられない。党利党略しか感じられないのですよ。一体あの当時の自民党はどこへ行っちゃったのという感じしか受けないのですよ。  そういう意味で、私は、顔の見える選挙だとか何だとかいろいろな理屈はしているけれども、一体、この法案をやって機能ある二院制の発揮をどういうふうにしていくんだとか、そういう問題意識が見られないから国民も支持をしない、こういうことになっていると思うのです。  感想はありますか。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 今、いみじくも御指摘になりましたが、私も個人的には、参議院を、衆議院との比較の中で独自性を出すためには、本当に有識者の良識の府にする必要があると途中では考えました。  私は、あれは平成五年だったか六年だったか、私個人の私案として候補者推薦制というのを提案したのですよ。衆参で候補者を、本当に国民の皆さんが納得するような方を選んで、それを最終的には国民の投票にかけて、認知されればその方々に参議院議員になっていただこうじゃないかと。ただ、それは憲法上もいろいろな議論があるのですよ。したがいまして、私は、それはなかなかとれないな、こういうことなんですね。  そこで、同じ議論を繰り返すのはあれでございますが、全国区で人を選んできた、しかし、これはいろいろな弊害があって、それでは、ヨーロッパを中心にやっている比例代表制をとろうと、比例代表というのは党が中心ですから、それをとった。それはそれなりの、何度も言いますけれども、参議院の政党化を促進したり、党が順番を決めたり、参議院の本来のあり方からいって必ずしもふさわしくない。それでは、比例代表の中で、より顔の見える、人が選べる、国民からもわかってもらえる非拘束にしたらどうか、こういう経緯を経てきているわけでありまして、堀込議員御存じかどうか知りませんが、参議院の中では常に議論してまいりましたよ、自民党は自民党で、自民党以外の各党も。  そういうことの中で、なかなかまとまらないので、いつまでも放置できない、四年後に先送りするのは我々としては耐えられない、二十一世紀にもなる、衆議院の選挙制度も定着しかかっている、我々としては、この際、定数削減とあわせて、参議院の独自性を、衆議院のカーボンコピーなんて言われているのですから、そういうことを言われないように、ちゃんとしたことにするために、まず参議院の選挙制度から変えるべきではないか、こういう結論に達したわけであります。

堀込征雄民主党・無所属クラブ

○堀込委員 どうも私の質問をよく理解していただいていないようですが、選挙制度を変えるだけであって、やはり、参議院の本質的な改革とか二院制の機能をどういうふうにしていくのか、こういう発想がこの法案の背景に見られない、感じられないということを実は申し上げているのです。  自民党政治改革大綱が八九年五月十九日に出されます。それで、選挙制度審議会がつくられて、政治改革の議論が行われていきますね。当初は、リクルート事件が当時ありまして、政治倫理だとかあるいは腐敗防止だとか、そういう議論で、政治倫理を確立しようという議論で政治改革の議論が片山議員御存じのとおり進んでいくわけであります。  しかし、その倫理を確立するために選挙制度を変えようという議論が一つあったけれども、だんだんその一方に、政治倫理の問題だけじゃなくて、この国の戦後政治が極めて内向きになってしまった、やはり政治を大きく変える必要があるのではないか。国際社会における適切な政治の役割を果たせるような仕組みに変えていこうとか、利益政治や業界政治を打破しながら、国民に対して存在感ある機能を果たす政治を確立していこう、こういう議論がなされてくるのです、まさに自民党さんを中心に起こってくるのですよ。そして、あの選挙制度が変えられて、大きな意味での戦後政治の改革になる。  つまり、あの改革は、政治倫理や腐敗防止もあったけれども、もう一つ大きな意味での政治改革をやろう、政治のレベルを変えよう。当時、後藤田正晴先生が、小文字の政治改革と大文字の政治改革ということを言っています。まさにそれは、機能しなくなった日本の政治を何とかしよう、こういうものをおっしゃったわけでありまして、私は、自民党政治改革大綱もそういう文脈の中でとらえると極めてレベルの高いものだ、今読み返してもそう思います。  そういう格調の観点から見て、一体この法案は何をねらっているのでしょうか、何を目指そうとしているのか。私は、自民党政治改革大綱、後藤田正晴先生を初め、あの当時は、片山私案だってそうですよ、格調と問題意識があったと思う。この法案は、さっきも議論がありましたように、党利党略か何かしかない、こういうふうにしか感じられないのですよ。どうですか。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 堀込委員、二院制というのは世界的に大変難しいのですよ。日本の二院制はある意味では特殊なんです。イギリスは、御承知のように貴族院ですね。ドイツの連邦参議院は、連邦の代表者が集まるあれなんです。そういう意味で、日本は、これは憲法をつくるときのいろいろな経緯もあるのだけれども、やや衆議院と参議院を似た制度にしているのですね。  衆議院の皆さんから見ると、参議院は第二院じゃないか、衆議院に権限が似過ぎている、ほとんど同じじゃないか、若干の、予算だとか条約だとか首班指名だけじゃないか、あとは全く同じじゃないか、こういう御不満があるかもしれぬけれども、参議院から言うと、同じ直接選挙で選ばれて、票だけ言うと、制度が違うから、参議院の方がずっと多いわけです。それが、一方に若干でも優越があるのはおかしいじゃないか、こういう議論があるのですよ。  私は、個人的な意見を言えば、両院は、優越だとかなんとかということじゃなくて、アメリカの上院と下院のように、機能を分担すべきだと思います。しかし、それは憲法を直さないと、今の時点ではなかなかできないのです。だから、憲法調査会で憲法のことは大いに議論してもらえばよろしい、しかし、その中で、現行の憲法の中でできることからしていかなければいかぬ、こういうのが我々の考えです。  参議院は、衆議院と違って、半数改選だけれども、六年の任期保障があります。だから、私は、長期的な日本の将来を考えるようなことは参議院が中心になってやればいいと本当に思っている。ここが、衆議院が政権争奪の場なら、参議院は一歩退いて、良識の府であり、再考の府であり、調整の府であっていいと思う。そういうためには、党よりも人を選ぶ、党よりも人という要素を出していく、そういうことを国民の皆さんに選んでもらうという仕組みがどうしても必要なんです。ただ、百点はできません、百点は。だから、今の比例代表の中で、拘束よりは非拘束の方がずっといいではないか、こういうふうに思うわけです。全国区はまた別の議論がある。  そういうことで我々は考えたので、それだけの議論をしてもよろしゅうございますけれども、ここは法案の審議の場でございますから、私は、そういうことでこの法案を提出したわけで、そこは見解の相違はもちろんあるかもしれませんけれども、おまえは何の考えもないじゃないか、単に党利党略じゃないかなんて、とんでもありません。党利党略を超えたところで我々はこの法案を出しております。

堀込征雄民主党・無所属クラブ

○堀込委員 ただ、この法案が突然こういうふうに出されて、しかも強行されてくる。  一つは、久世前金融再生委員長の党費立てかえ問題なんかがあった。また、労働省所管の公益法人KSDから補助金を受けて福利厚生事業をしているKSD豊明会ですか、これも自民党の支部にたくさんの、党費としてこの補助金が使われた疑いすら今かかっている。こういういろいろなことがございます。これが一つある。  それから、私は、参議院選挙で、さっきも細田議員の質問の中にもありましたけれども、どうしても自民党の長期低落傾向が続いている、何とかしたい、これしか考えられないのじゃないか。  先ほども、いみじくもこの中の議論がありました。自民党は今回の総選挙で、実は小選挙区で二千五百万票弱とりまして、比例区では千七百万票弱ですから、比例の方が八百万票も少ないのですよ。これはいつか参議院の青木幹事長もおっしゃっていますが、何しろ小選挙区並みに比例票を上積みしなければいけない、これを何とかしようとした。これはもう青木さんも記者会見か何かで言っているのですね。やはりこれを理由にして、何とか党勢を挽回しようと、一つの苦肉の策だろう、こういうふうに思うのです。  実は、八二年に拘束名簿になりましたけれども、八六年選挙では、自民党さんは二千二百万票もとっているのです、二十二議席。八九年、千五百万票、十五議席。ところが、九二年以降は一千万票台前半の得票になりまして、議席が十九、十五、十四、こういうふうにだんだん低落傾向が続いているのですね。  私は、どう見てもこれは、今答弁も聞いておりましたけれども、やはり来年の参議院選挙で与党の過半数割れを何とかしなければいけない、今の土俵では選挙を勝てないからというふうに、さっきの議論で、そうじゃないという議論が行われていましたが、細田議員との質疑は、どうも我々が納得できる質疑になっていないのですよ。だから、このために土俵を変えようとしている法案なのかねというふうに、私も見ますし、多くの国民がそう見ていると思います。  何か説得力のある説明をしてください。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 いやいや、それは、何でこの非拘束を採用するかという話を何度も申し上げているので、同じことをまたおまえは繰り返しているじゃないかと言われそうですから、もう詳しく言いませんけれども、今の国民の皆さんの考え方は、私は、価値観や物の考え方が非常に多元化しておると思いますよ。同時に、政党にとらわれない無党派層というのがふえてきて、きのうの選挙の結果もマスコミの皆さんはそういう評論をしておりますけれども、そういう傾向から見るときに、やはりそういう層の意見、利害、そういうものを代弁する仕組みが必要なんですよ。  それは、私は何度も言いますけれども、党というものじゃなくて、党の中であるかもしれぬけれども、やはり人というものが、どうしても人の観点がなければいかぬ。特に参議院は、衆議院に比べると党よりも人だ。そうなると、人の要素が多い、それが濃い選挙制度をつくるべきだ。  自民党なり与党が党利党略のために変えるんじゃないかと皆さん言われますけれども、この制度をやって、どの党がどれだけ得するかわかりませんよ。選挙だとか相撲とかというのはやってみなければわからぬですから。だから、どういう制度が一番いいか考えて我々は採用したわけで、結果は国民の皆さんが審判するのです。国民の皆さんは、この制度の方がずっとわかりやすい、この方がずっと人が選べる、この方がずっとおもしろい、少なくとも私が聞く限り、そういう意見の方がずっと多いのが現実であります。

堀込征雄民主党・無所属クラブ

○堀込委員 選挙はやってみなければわからぬことは確かでしょう。ただ、わかりやすい制度で顔の見える選挙と言うのですけれども、そうならないのですよ、この制度は。  実際問題、私も党の選対をやっているのですが、これを仮に通されると、比例は四十八人立てなければしようがないのです。失礼な話、たとえ何票かしかとれない候補者でもとにかく四十八人そろえて、四十八人の候補者の皆さんに票を集めてもらうしかしようがないのです。午前中、自民党の鈴木筆頭も選対をやっていらっしゃって、二人で話して、これはとにかく四十八人立てなければしようがないね、供託金が大分むだになるねという話を実はしたところなのです。  これが通ると、主要な政党はどうしても四十八人立てるのです。そうすると、比例候補者というのは何人になりますかね。大体四百人近くなるんじゃないか。自治省は三百五十人とかなんとか推定数値を出したとか出さないとか聞いているのですが、四百人の中から一人を選ぶ選挙がどこが顔が見えるのですか。どこがわかりやすいのですか。有権者側から見て、こんなのは人を選ぶ選挙にならないのですよ。  そのことは、この間参議院の本会議で、何か村上議員の全国区を改正するときの質問を紹介していたようですけれども、この年に村上議員は、「現行の全国区選挙は、国全体が一つの選挙区であり、八千万人を超える有権者に対して選挙運動をやらなければならないという世界でも最も類例のない制度でありますだけに、資金の面においても、候補者の精神的、肉体的消耗度においても想像を絶するものがあります。残酷区とも言われます現行選挙制度の陰で、我々は多くの立派な先輩が病に倒れるのをかいま見てきた。」だから、最後にこの村上議員は、「加えて、一般有権者にとりまして、現行制度が、候補者をよく知り、その政見を十分に聞くこともできないまま、百人を超える候補者の中から一人を選択しなければならないというまことにわかりにくい選挙となっておりますことも大きな問題点であります」と。私ではないですよ。これは村上正邦議員が質問しているのですよ。  百人の全国区でも、顔が見えない、わかりにくいのですよ。今度各政党はみんな四十八人立てますよ。そんな四百人もの中から選ぶ選挙が、どこが顔が見えるのですか。どうですか。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 全国区とは違うのですよ。全国区は、四百人か五百人か知りませんが、その中から人を選ぶのですよ。この比例代表非拘束名簿方式は、まず党を選ぶのです。まず党を選んで、党の中でだれを当選させたいかを選ぶのですよ。まず選ぶのは党なのですよ。それは四十八人か三十人か知りませんけれども、まず党を選ぶのですよ。民主党という党を選ぶのですよ。党を選んで、その党の中でどなたがいいかということを選ぶので、私は、全国区と違ってずっと顔が見えやすいと思いますよ。ずっと顔が見えやすい。  それから、村上先生の話が出ましたが、確かに参議院の本会議でもそういう話が、あれは社民党の方だったか出まして、私は村上さんに聞いたのですよ。あなた、どうだったのと言ったら、そのときは自分はそう考えた、しかし、その後のいろいろな状況や自分の経験を見て、自分の認識が間違っておった、だから今回は非拘束の方がいいのだ、こういうふうに彼は私には言われましたので、念のために申し添えます。

堀込征雄民主党・無所属クラブ

○堀込委員 今の答弁は修正をしていただきたい点があります。まず党を選ぶのだ、こう言っていましたが、この法案では、投票用紙に候補者たる参議院名簿登載者一人の氏名を自書して、これを投票箱に入れなければならないものとする。ただし、名簿登載者の氏名を自書することにかえて政党名を書いてもいい、こう書いてあるのですよ。今の答弁、訂正してください。おかしいですよ、それは。取り消してください。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 いやいや、全然おかしくないのですよ。  今の選挙のやり方には、多数代表制と比例代表制とあるのです。多数代表制というのは、候補者個人の票の多寡をもって当選を決めるのです。比例代表制というのは、各党が候補者の名簿を出して、それで争うのが比例代表制なんです。その比例代表制の中に二通りありまして、順番を党が決める拘束名簿式と、順番は決めないでみんな平等で、あとは投票の多寡で党の中の当選順位を決める非拘束名簿方式があるのです。  今の堀込委員の御発言は、比例代表に対する理解が若干おかしいのではないか。法律の書き方はいろいろあるのです。これはあくまでも比例代表非拘束なのですよ。何度も言っているじゃないですか。

堀込征雄民主党・無所属クラブ

○堀込委員 制度の問題じゃなくて、これは後でも触れますけれども、この方式の一番の問題点はここなんですよ。まず名簿登載者の個人の名前を書きなさい。投票用紙には政党と結びつくものは何もないのです。それで、それにかえて政党名を書いてもいい、こう書いてあるのです。だから、さっきの片山先生の答弁は違うのです。政党名をまず選ぶのです、それから個人を選ぶのですと言ったけれども、この法案は違うのです。明らかに、個人を書きなさい、それにかえて政党名も書いてもいい、こうとしか書いてないのです。だから、投票所に行って、投票用紙があるでしょう、政党と個人名を結びつけるものは何もないのでしょう。どうなんですか。

月原茂皓自由民主党・保守党

○月原参議院議員 お答えいたします。  投票所へ行くと、政党のところにそれぞれの個人名を書いているわけであります。ばらばらではないのですよ。その点がかつての全国区と全然違う。  以上です。

魚住裕一郎公明党

○魚住(裕)参議院議員 個人名投票を法文の上では原則としているところでございまして、ただ、非拘束名簿式の比例代表制であるということ、そして、かつ、あらかじめ候補者間の順位を定めていないわけであります。ある政党内でこの候補者を上位にしよう、こういう投票になるわけでございます。これが原則なのですね。  したがって、非拘束式で個人名投票を認めるといっても、あくまでも名簿式の比例代表選挙でございまして、第一義的には名簿届け出政党等を選択する政党本位の選挙であるというふうに考える次第でございます。

堀込征雄民主党・無所属クラブ

○堀込委員 ところが、そうなっていないのですよ。やはり個人選挙になるのです。投票所に行ったら、確かに名簿は、公民館か何かが投票所だったら、そこへ張れと書いてあるのですよ。これは四百人ぐらいの名簿をこうやって書くのですね。そうでしょう。違うの。投票用紙に書いてあるのですか。

月原茂皓自由民主党・保守党

○月原参議院議員 掲示されているところに、例えば民主党、そこへ、もし四十八人立てられるのなら四十八人の名前が出ている、自由民主党四十八人出ている、こういう意味であります。

堀込征雄民主党・無所属クラブ

○堀込委員 だから、肝心の投票用紙に政党とそれを結びつけるものは何もないわけです。これは後でもちょっと触れますが、つまり、この制度は果たして憲法四十三条一項に規定されている、両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを構成する、これとの関連はどうだろうか。果たしてこれで選出される比例代表選出議員は選挙された議員と言えるのだろうかということを指摘せざるを得ないのです。  今まで、比例代表選挙の選出議員は、法制局を含め政府側の答弁は、有権者は政党の名簿を見て投票するのであり、名簿登載者集団に対して投票していることになる、その名簿には当選者となるべき順位が付されているから、結局その投票によって特定の個人が選ばれることになり、当選人は選挙された議員と言える、こういう説明をしてきているんですよ。  今度の案では、候補者の個人票が政党にカウントされる。得票数の少なかった候補者は、得票数の多かった候補者からいわゆる横流しを受けるわけですね。名簿の順位は付されていない。だから、有権者側から見ると、投票の段階では、自分の一票がどの順位で特定の個人の当選に寄与するかというのはもともとわかっていない制度なんですね。  横流しを受けて当選した者は、有権者の意思によって選ばれたことにならないのじゃないか。やはりこれは、そういう意味では、選挙された議員と言えないのではないか。だから、ヨーロッパで非拘束を採用している多くの国々は、そういう問題があるから、名簿登載者には順位を付しているのです。  例えばオランダの仕組みは、当選基数を上回った候補者の余剰票は、当選基数に達していない候補者が名簿の順に移譲を受けるような仕組みになっています。オランダでは、そういう意味では、投票の段階で有権者が熟知している、どういう順番で横流しを受けるかと。ベルギーなんかはもっと徹底していまして、当選基数に達しなかった候補者へは名簿の順位に従って票が移譲されるようになっていますけれども、実は移譲されるのは政党への投票数だけなんですね。他の候補者の得票数の移譲は認められていない。この方式であれば、私は、当選者が選挙された議員だと今までと同じ論理で説明できると思うんですよ。  どうも今度のこの仕組みは、一体選挙された議員と言えるのかねという憲法上の問題をはらんだ仕組みだ、こういうふうに指摘せざるを得ませんが、いかがですか。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 何度も申し上げておりますが、今回我々が提案している制度は比例代表制なんです。比例代表制というのは、何度もこれまた言いますけれども、政党が出した名簿に候補者を載せて、それを選んでいただく制度でありまして、したがいまして、衆議院の場合でも、これはブロック比例ですけれども、供託金没収しか票がとれない人も、比例の順番で当選することがあったわけですね。比例代表というのはそこなんですよ。  比例代表制が違憲だと言うなら話は別ですけれども、これは世界じゅうも認めているし、我が国でも合憲なわけです。ただ、比例代表制の中に、何度も言いますけれども、二つ名簿の方式があって、順番をつける名簿と順番をつけない名簿で、順番をつけない名簿は、国民の皆さんがその党を選んだ上でその名前を書いたわけですから、得票の多い順に当選します。ただ、法律の書き方は、これは順番をつけていただくというところにあれがありますから、個人名を書きなさい、党名でも結構です、こういう書き方をしているわけでありますが、考え方を整理すると、比例代表なんだから、まず党を選ぶことは間違いないんです。党を選んだ中で、その党の中で自分が一番当選させたい人の名前を書いてくれ、ここの理解がないと。  横流しなんということはおよそありませんよ。そういうことは、比例代表制を理解していない人が言うことであります。     〔委員長退席、細田委員長代理着席〕

堀込征雄民主党・無所属クラブ

○堀込委員 今審議しているんですから、選挙された議員と言えるかという質問をしているんですよ。  拘束式はこういう方式だとか、非拘束はこういう方式だという話じゃないでしょう。質問に答えてくださいよ。選挙された議員になるのか、この仕組みで選ばれた議員はという質問をしているんですよ。方式の、世界の類例の話をしているんじゃないですよ。法案のこの方式は日本国憲法と関連するんじゃないんですかと言っているのです。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 何度も言いますけれども、比例代表制ということでありますから、これは合憲であるし、四十三条に何ら違反しない。

細田博之自由民主党

○細田委員長代理 指名をされてから答弁してください。  保坂三蔵君。

保坂三蔵自由民主党・保守党

○保坂参議院議員 堀込委員、四十三条の一項でございますね。「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。」こう当然なっておりますが、疑念が御発言の中でございましたけれども、私どもといたしましては、これは、先ほどから片山発議者が答弁申し上げているとおり、比例代表制と多数代表制の混同がお話の中に見受けられるわけでございます。  有権者といたしましては、まず、名簿登載者の中で最上位にこの人をしたいということで投票するわけでございます。そして、有権者が投票した後の段階では、ほかの意思が入り込む余地が全くないのでございます。投票において表明された有権者の意思のみに基づいて当選人が決定される、こういうことになっておりますので、決して憲法違反にはなり得ない、こう思っております。

堀込征雄民主党・無所属クラブ

○堀込委員 後でもう一度法制局に質問させてもらいます。  もう一つ、この仕組みの問題点。片山議員、世界の、いわゆる選挙学界の、拘束だ、非拘束だという方式はいいのです。この方式の問題点、この法案の問題点は、もう一つは、個人投票を政党投票にすりかえちゃっているということなんですよ。これは明らかに有権者をごまかしている。  いいですか。さっき申し上げましたように、非拘束を採用している国のほとんどは、投票用紙に政党名と各政党ごとに順位をつけた候補者名簿があるのですよ。政党と候補者の結びつきがそこでは一目瞭然。ほとんどの国でそうなっているのです。そういう国では、有権者はまず選択した政党名に丸をする。今答弁で言ったとおりですよ。投票用紙がそうなっているのです。政党名に丸をつける。政党が付した順位でそのままでいいときは、そのまま投票する。優先したい候補者がいるときは、その候補者名に丸印をつけて投票する。これがほぼ一般的な、ヨーロッパの非拘束方式の国のやり方ですよね。  今言ったような問題があるから、各国は知恵を出してそういう仕組みにしていると私は思うのです。これだと、自分がどの党に票を入れようかとしている、はっきり有権者の自覚があるのですよね。  この方式はないと思うのですよ。まず原則として名簿に記載されている候補者名を記載しなさいと法律に書いてある。自書しなさい、場合によって候補者名にかえて政党名を自書してもいいと。肝心の投票用紙には、政党と候補者名を結びつけるものは何にもない。多くの有権者が、自分の投じた票がいつの間にか政党の票にカウントされちゃう。自分も知らないほかの候補者の当選の寄与に役立ってしまう。なかなか自覚できないのですよ、有権者側から見て。これは、皆さん提案者の方はそんなことはないよとおっしゃるかもしれないが、有権者から見たら少なくもそうだ。  やはりこれは、投票した有権者の個人の意思、これを強制的に実は政党投票にすりかえる、こういう仕組みになっているのですよ。やはり有権者をごまかしていることになる、この仕組みは。  私は、少なくもそこはヨーロッパ方式でやってくれればまだいいと思うのですが、この法案の最大の欠陥はそこだと思いますが、どうですか。

月原茂皓自由民主党・保守党

○月原参議院議員 先ほどのお話で、ヨーロッパの方ではというお話がありましたが、ヨーロッパの方では記号式なんですね、主として。そうすると、今堀込委員から御指摘がありましたように、各政党が目いっぱい出したら物すごい数になるわけですよ。そういうような表をつくるということは、非常に大き過ぎる。これは難解になってくる。  そしてまた、過去の例からも言われるように、最高裁の裁判官の審査なんかを見てもおわかりのように、順番をどうするんだ、その紙の書き方。大体、前の方が非常にいろいろ判断が集中する、こういうようなこともあるわけですね。そして、我が国は幸いなことに、大変識字率も高いというか、教育水準が高いがゆえに、自書で今までちゃんと進んできたわけです。だから、これの方が簡単なんです。そして、投票所へ行ったら、民主党、堀込、こう書いておる。ずっと委員の名前を書いておる。堀込さんは非常に有名な方だし、私は民主党に入れたいと思ったから、これはここだ、こういうふうになるわけでありまして、百人、二百人が並んでおるわけでないんですよ。  そういう意味で、そして基本的には何かといえば、先ほども申し上げたように、現在の民主主義の国家においては、比例代表制ということが議席の割り当てについても大変的確に反映することができるということで認められているわけでありまして、それが憲法問題ということには関係ないわけであります。

堀込征雄民主党・無所属クラブ

○堀込委員 後で法制局にもあれします。  ただ、問題は、この制度の欠陥はたくさんあるのですけれども、要するに、さっき申し上げましたように、四百人からの候補者が出るだろう、顔が見えないだろう、金がかかるんだろう。さらに、四十八人、これは大変ですよ。仲間より一票でも余計にとらなきゃいけないのですよ。物すごい同士打ちの選挙になるんですよ、これは。政党選挙なんてならない。政策選挙にもならない。そういう仕掛けなんです、この制度は。もうとんでもない制度だと私は思っておるんです。そんな言うほどいい制度にならない。  それから、今申し上げましたその中でも、個人投票を政党投票にすりかえるこのトリックですね、擬制、この仕組みはやはり何とか改めた方がいいんじゃないか、私はこういうふうに思います。  例えば、この仕組みでいいますと、ある候補者が三十万も四十万もとって落選する、ある政党の候補者は五万票でも当選するケースはもちろん出ますね。たくさん出ます。非常に有権者にとってわかりにくい制度になる。だから、衆議院でもこの間、今委員長席にいらっしゃいます細田先生とも話して、法定得票以下、それじゃあんまりだから、供託金没収以下は重複の当選は無効にしようという仕組みを衆議院ではつくったばかりなんです。有権者から見た場合、やはりこういう批判が出ることは、この制度は明らかなんです。  五万票ならまだいいんですよ。ゼロ票で当選する可能性がある仕組みなんですよ。例えば、前回二%以上か五人以上の議員を持っている政党要件のある政党が、A、B、Cと三人候補者を出したとしましょう。A候補がタレントか何か人気者で、百万票とった、B、C候補はゼロだった、政党投票もゼロだった、B、Cも当選した。得票はゼロで当選する仕組みなんでしょう、制度的には。ゼロでなくてもいいんですけれども。  つまり、これでも、今私の言ったケースで、自分の得票はゼロ、政党投票がゼロでも、憲法で言う選挙された議員と言えますか。

保坂三蔵自由民主党・保守党

○保坂参議院議員 堀込委員に申し上げますけれども、この制度は御案内のとおり、政党の中の順位を決めるわけでございまして、わかりやすく申し上げますと、オールスターの選手を決めるときに、パシフィックリーグとセントラルリーグの選手では、同じ一塁手が決まりましても、票の順は違います。場合によってはゼロでも、一名出さなければと選手を出してくることがあるわけでございまして、こういうたぐいの議論は非常にわかりやすいと思うのでございますが、現実として、理論上のゼロというのはあり得ましても、ゼロで当選することはあり得ない、こう考えております。  それから、先ほどお話がありました、これがヨーロッパ方式というお話でございますけれども、フィンランドやデンマークでは、個人票とそれから政党票の合一した算出に基づく投票方式が現に行われているわけでございますから、ヨーロッパ方式が違うというわけではないと思っております。

堀込征雄民主党・無所属クラブ

○堀込委員 現実にはない、しかし仕組みの上ではあり得る仕組みなんですよ、これは法律上。その得票がゼロで当選した議員は選挙された議員と言えますか。それを質問しているのです。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 何度も同じことを押し問答風にやるのもいかがかと思いますけれども、比例代表というのはそういう制度なんですよ。衆議院のブロック比例は直しましたけれども、その前は、場合によってはゼロでも当選したわけであります。比例代表制というのは、そういうある一種の問題点があるということは事実ですけれども、あなたが言われるようなことは、私は現実にはないと思います。  それから、我が国の国民は、やはり何党のだれ、民主党の堀込、こういうことで入れるんですよ。自由民主党の片山ということで入れるんで、堀込個人を入れるかもしれませんけれども、それは必ず民主党というのをお考えになって入れているんで、そこの御心配は、私は我が国の場合には御無用だと思います。

堀込征雄民主党・無所属クラブ

○堀込委員 現実にないと言いますが、ゼロはともかく、かなり少ない得票で当選をして、違憲訴訟が起きる可能性は非常に含んだ制度なんですよ。つまりそれは、肝心の投票用紙が個人名で書くのが原則になっているからです。これがヨーロッパ方式のようになっていれば、私はまた違った見解が出るだろうと思います。  そこで、今答弁を聞いていまして、現実にはそんなことはないんだろう、民主党の堀込と書くんですよというようなことを答弁で言ったけれども、私は、これは大事なこの法律の、やはり法律論としてはこの委員会でただしておかなければならない問題だというふうに思います。  この個人名投票を強制的に政党名投票にすりかえる方式について、私自身あちらこちら学者の方々にも電話をして聞いてみたんですが、この擬制の仕組みはやはり憲法上問題があると言う先生方が多いんですよ。これは、参議院法制局はこれから聞きますけれども、私はそういう意味では、ぜひこの審議中に内閣法制局の見解もただしておきたいと思っています。質問書もきょう出させていただきたい、こういうふうに思っておるんです。  そこで、参議院法制局、きょうお見えだと思いますが、今まで、過去の議論で、拘束名簿の比例代表選挙については、名簿に投票するのであるが、名簿には個人の候補者の氏名が載っている、さらに、当選人となるべき順位もつけて載っているから、結局において有権者がその議員を選んだことになる、こういうふうに、かつての浅野参院法制局長ですか、何回か答弁していますね、記録を見ますと。  これはさっきから私があれしているんですが、今度の改正案では、政党名簿は確かにあるけれども、順位は付されていない、しかも、有権者は原則として候補者個人を選ぶことになっている、それが政党の票にカウントされるという仕組みになっている。擬制であり、横流しだと私は思うんですけれども、これは有権者の意思によったものでないんで、選挙された議員と言えますか。同じ法制局の見解を求めておきます。     〔細田委員長代理退席、委員長着席〕

桐山正敏参議院法制局第四部長

○桐山参議院法制局参事 お答えいたします。  昭和五十六年の浅野参議院法制局長の答弁は、拘束名簿式比例代表制のもとでは、旧全国区とは異なりまして、候補者の氏名を書かないことになります。これが、当選人が選挙された議員と言えるか否かという御質問に対する答弁でございました。そこで、この選挙では、名簿に投票するものであるが、名簿には個人の候補者の氏名が載っており、さらに当選人となるべき順位をつけて載っているわけであるから、結局、候補者はその議員を選んだということになり、ここで選ばれた議員は選挙された議員ではないと言うわけにはいかないという趣旨の答弁をしておるところでございます。  すなわち、拘束名簿式比例代表制度は、候補者の個人名を記載しなくても憲法第四十三条第一項に違反するとは言えないという答弁でございまして、拘束名簿式でなければだめだ、違憲だというふうに述べているわけではございません。  今回の非拘束名簿式比例代表制におきましては、当選人となるべき順位につきまして、政党ではなく候補者の氏名を記載した投票によってこれを決めようとするものでございますので、この制度については特に問題はないと思われます。  したがって、拘束、非拘束、いずれの制度によりましても、憲法違反という問題は生じない、かように考えております。

堀込征雄民主党・無所属クラブ

○堀込委員 非拘束方式だから何でもいい、つまりそれは立法権の、ここで決めた仕組みについて裁量の範囲内だという答弁ですよね、早く言えば。  私、さっき申し上げましたが、いろいろ先生方にも聞いてみたんです。このトリックの仕組み、擬制の仕組み、横流しの仕組みといいますか、これはやはり、かなり憲法上の問題は議論されなきゃいけない、こう思います。  委員長にお願いをしておきますが、私も、さっき申し上げましたように、内閣法制局の見解もぜひ聞きたいと思っていますし、できれば、ここはこの法案の憲法上との接点で一番大事なところだと思いますので、ぜひ来るべき日に参考人招致をして、ここの問題はただしていただきたい、こういうことをよく要望しておきます。

自見庄三郎自由民主党

○自見委員長 後刻理事会で協議をさせていただきます。

堀込征雄民主党・無所属クラブ

○堀込委員 それではもう一つ。  さっきのA、B、C三人の候補の場合でもいいんですが、例えば、A候補が百万票とって、B、Cも千票か二千票で当選しちゃった、このケースでもいいんですが、仮にA候補が当選無効になった、あるいは連座で当選無効になった、こういう場合、これはもうどういうことになるのか。  つまりこれは、当選人がその選挙に関し買収など一定の選挙犯罪を犯し刑に処せられたときは当選無効になる、あるいは総括主宰者とか、今度の法案でも、組織的選挙運動管理者が違反した場合は、悪質な買収などをした、選挙犯罪を犯したときは連座により当選無効になる、こうなっていますよね。つまり、その候補者が悪質な選挙運動によって、不法な手段によって当選したから、あるいはそのことが認められたから当選無効になる。つまり、当選人の獲得した票が不法な手段で得られている、だから当選無効になる。  魚住先生が参議院で答弁しているのを、先ほども答弁されました。つまり、当選無効や連座制というのは、当選人の当選を無効とする制度であって、その票まで無効とする制度ではない、こういう答弁をされています。  論理的に私はそうかもしれないと思うんです。だけれども、この横流しの仕組み、一番得票した人が仮に選挙犯罪でひっかかった、当選無効になった、連座でひっかかって当選無効になった、これは国民の納得を得られるだろうか。つまり、その票というのは大量、悪質な選挙違反で得た票だ。政党には何の制裁もないから、その大量、悪質な選挙違反で得た票によって、さっき私の言った、A候補の票でB、C候補も当選をして議員活動をやっている。これは当選無効にならない、A候補が当選無効になっても。こういう仕組みなんですよね。  やはり、これは、投票を無理やりと読みかえる仕組み、私に言わせればすりかえる仕組みなんですけれども、ここに問題があるんではないか。そういう意味では、私は、どうしてもこの擬制、個人投票を政党投票に読みかえる仕組みというのは、この選挙犯罪なり連座制のことから見ても、国民の納得を得るのはなかなか難しい、やはり、そこも一工夫この法案は要るんじゃないか、こういうふうに思いますが、どうでしょうか。

魚住裕一郎公明党

○魚住(裕)参議院議員 お答え申し上げます。  先ほど来から、先生からは横流しとかいうような表現になっておりますが、政党による票の合算というふうに私ども理解をしているところでございまして、政党名投票そして個人名投票、合わせた形で政党への投票というふうに考えるところでございます。  今御質問の連座制は、今先生から御紹介いただきましたように、選挙犯罪が犯された場合にペナルティーとして当選人の当選を失わせて、また立候補を禁止させる制度でございまして、そのほかに得票を無効とする、そういうような制度ではございません。  また、今回の個人名投票も、第一義的には参議院の名簿届け出政党等への投票であるというふうに理解するところでございまして、この連座制の効果を名簿届け出政党等の得票数まで及ぼすといたしますと、かえって投票者の意思に反することになるというふうに思料するところでございます。

堀込征雄民主党・無所属クラブ

○堀込委員 終わります。

自見庄三郎自由民主党

○自見委員長 佐藤観樹君。

佐藤観樹民主党・無所属クラブ

○佐藤(観)委員 私は、本院に議席を得ましてから、選挙の問題というのは代議制民主主義における非常に重要な課題だということで、ずっとかかわってまいりました。衆議院、参議院の定数是正の問題とか、全国区を拘束名簿に変える問題だとか、選挙の公営化の問題、あるいは現行の小選挙区比例代表並立制の問題、時には内閣におったり、あるいは議員あるいは政党の幹部という立場でこれらの問題にかかわってきたわけでございます。それをずっと振り返って考え、また、この質問をするに当たっても随分議事録等を読んでまいりましたが、どうも日本の政治というのは退化をしているんじゃないだろうか、あるいは新聞によりますれば、参議院の死に至る道だという書き方をしている方もいらっしゃいます。  そういう観点から、堀込さんとも随分長いこと選挙制度、選挙のあり方について一緒にやってまいりましたので、堀込さんが質問なさった部分は省かせていただいて、国民的に大きな疑問を持っている問題についてただしてみたいと思います。  それで、よくよく委員会室を見てみますと、全国区というのがどんなに大変なことであったかというのが、具体的に認識していらっしゃる方がだんだん少なくなりまして、後で聞きますけれども、運動論的には、これはやはり全国区に戻るものに等しいと言わざるを得ないんであります。  そのことについて、私、後でお伺いしますけれども、まず、昭和四十九年、田中内閣のときに大変な批判が起こったわけであります。金権選挙、企業ぐるみ選挙、役所ぐるみ選挙ということで、大変な批判が起きたわけであります。なるがゆえに、この全国区というのは、片山提案者からもお話ございましたように、前々からいろいろ議論はあったわけでございますが、余りにも昭和四十九年の参議院選挙というのはひど過ぎるということで、選挙管理委員長も企業ぐるみ選挙に警告を出したというようなこともあったような選挙でございます。  そのことをはっきり想起しないと、議員の方でも大変若い方がいらっしゃるし、有権者もどんどんふえているわけでありますから、そのことを、私は、今度のこの皆さん方の言う非拘束名簿式に変えるというのは、運動論、実態の選挙運動としてはかつての全国区に戻るに等しいというふうに思っているわけであります。  四十九年のあの参議院選のときには十当七落と言われたんですね。つまり、十億出さなきゃ当選しませんよ、七億では落選ですよというようなことが既に言われていたわけであります。あるいは、いろいろな計算をしてみても、どうやっても物的な、つまり、ポスターをつくったり遊説費用なり、あるいは事務所にかける費用とか、こういったものをいろいろとはじいてみますと、最低限物的に必要なものだけでも約六億かかるという計算も当時でありました。ただし、そのときにはがきが四十円、今五十円ですから、さらにいろいろな意味でかかってくるわけであります。  皆さん方が提案されているこの法案というのは、個人名を書くのが事実上主であります、法律の書き方は別にいたしまして。事実上個人名の多い順に当選するということになれば、当然これは個人名をたくさん書くように運動するわけでありますから、一体、かつての全国区とどういうふうに運動の面で違ってくるのだろうか。まず、このことをただしていかなきゃなりません。  恐らく皆さん方は、はがきの枚数が減ったとか選挙カーが減ったとか、あるいは、選挙ビラの枚数が減ったとかポスターの枚数が減ったとか言われるかと思いますが、それだけではないわけですね、選挙の実態は。それを施行するためにその他の、後援会維持のために膨大なお金がかかってくるわけでありまして、運動面から見て、今度のこの非拘束名簿というのは個人本位的になってくるわけでありますから、一体どう違ってくるのか、どうやってこの金権批判というものを皆さん方はしのいでいこうとしているのか、その点についてまずお伺いをしたいと思います。

須藤良太郎自由民主党・保守党

○須藤(良)参議院議員 おっしゃるように、いわゆる党営選挙と個人名の両方でいくわけですから、個人名の選挙活動は当然行われるわけであります。  おっしゃいますように、個人の運動に関する費用も相当かかるわけでありますけれども、これは再三申し上げておりますが、全国区のときには当時の金で三千八百万、これはいわゆる法定の選挙運動経費であります。それを今の金額に換算しますと約八千万円ということで、今回認めようとしておりますのは、一人約五千万の法定選挙費用にしよう、こういうことを考えておるわけです。  ちなみに申しますと、今の参議院の地方、いわゆる選挙区選挙でありますけれども、この法定選挙経費が、一番多い北海道が七千二百万、それから、東京がたしか五千二百万、あと、普通の県というか中等の県は大体三千万から四千万、これがいわゆる選挙区選挙に認められている法定選挙運動経費でございます。  そういう意味で、全国を選挙範囲にするこの制度では五千万程度の金はやむを得ないのではないか、こういうふうに思っておるわけであります。

佐藤観樹民主党・無所属クラブ

○佐藤(観)委員 法定選挙費用のことなんか聞いていませんよ。そんな話でこの審議をするのなら、もうやめた方がいいや、審議は。法定選挙費用の問題なんかじゃないですよ。選挙に出るまでに、パンフレットを刷ったりポスターを刷ったり、いろいろなことをやらなきゃいかぬのですよ、全国を相手に。その金が膨大にかかるじゃないですかと。それで全国区をやめにしたわけでありますから。法定選挙費用なんか、そんなもの見ればわかるわね。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 佐藤委員の御指摘もよくわかります、全国区を経験されたのかどうか知りませんけれども。  そこで、今回は全国区じゃないのですよ。何度も言いますけれども、比例代表の非拘束ですから、やはり党に相当部分のいろいろな選挙運動の役割を担わさなきゃいけません。例えば、今の拘束でもやっていますけれども、政見放送だとか新聞広告だとか選挙公報だとかは党がやる、あるいは、党が登録団体になって車を走らせたりということもやる。選挙事務所も全国区のときは十五カ所なのですよ。今度は一カ所なのです。それから、あとのポスターだとかビラだとか、そういうものも、はがき以外は全部七割にしようと。  そこで今、佐藤委員、お金をかけてむちゃくちゃな選挙運動をやって国民の共感が得られると思いますか。私は、そういう意味では、全国区時代とは大きく国民の雰囲気が違ったと思いますよ。これからは、党と個人と公営、この三つが選挙運動を分け合ってリーズナブルな選挙運動をやっていくことに恐らくなると私は思います。

佐藤観樹民主党・無所属クラブ

○佐藤(観)委員 今片山委員の言われましたように、党が、政見放送とか新聞広告とか、その辺をやっていくことは私も存じております。  しかし、現実に、九千九百五十万、今は恐らく一億を超しているのじゃないでしょうか、その有権者を対象にして、恐らく、各政党によって、七十万ちょっととればこの比例代表で一名当選しますね。そうすると、計算してみますと、経験者から言うと、約三百万人の有権者名簿、支持者名簿を持たなきゃいかぬ。三百万人向けに、自分の政策を書いたものやら個人の経歴を書いたものやら、そういったものをどんどんとつくっていく、それを配る。こういうことのために、ただそれだけですよ、ただそれだけのために膨大なお金がかかる。  確かに、選挙事務所は十五カ所が一カ所になったでしょう。では、一カ所、東京だけでできるかというと、現実にはできませんよね。そうすると、何らかの格好で、各党の支部もあるわけですから、党の支部ということで置くことになるでしょう。確かに公選法では、私も読んできているわけですから、十五カ所が一カ所になるということは知っておりますけれども、それでは実際に回っていかないということが現実じゃないでしょうか。  それは、片山議員の言われますように、党がそれなりに一定の部分をやりますけれども、しかし、とにかく基本的に個人の票が多い方が当選するのですから、党は党のことでやってもらって、現実には個人個人の選挙ということをどんどんお金を集めてやっていかなかったら、先ほど堀込委員が言った重要な課題の問題はちょっと後で触れますけれども、個人の票がとにかく多くなければいかぬわけですから、そんなきれいごとで現実にできますか。  先ほどあった法定選挙費用というのは、選挙中だけの話はそうでしょう。しかし、それに至るまでに膨大なお金がかかる、このことをどうやって避けることができるのですかということを聞きたいわけです。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 佐藤委員言われるように、個人競争という面はどうしてもありますよ。だから、それが過熱するということも私は十分考えられると思います。思いますけれども、やはり今の拘束でも、それぞれの候補を応援する団体や組合やいろいろなものはそれなりの工夫をしてやっているのですよ。  民主党さんではどういうふうに順位をお決めになるかわからぬけれども、我々の方は、例えば自民党は、新規の党員を二万人とか、後援会を百万人とか、そういうことで、今まで拘束でもそれなりにやってきているわけで、私は、それはそれでやってもらうのは仕方がないと思いますよ。ただ、国民から見て、批判を受けるような、限度を超えた個人競争はやめるように、各党が良識を持っていろいろなことをお考えいただかなければいけませんし、工夫もしていただかなきゃいかぬ。  ただ、私の方は、何度も言うように、やはり名前を書くということに大変意味があるので、ここは、名前を書く競争をしていただくのは、何度も言いますけれども、リーズナブルな範囲ではそれはやむを得ない、それがある意味では参議院の選挙の活性化にもつながる、国民の理解も深まる、こういうふうに思っています。

佐藤観樹民主党・無所属クラブ

○佐藤(観)委員 有権者数は約一億人、それにどうやって片山虎之助という名前を最低六十万から七十万書いてもらうか。それには、お互いに選挙をやっていて、やはり三百万人ぐらいは対象に物を考えなかったら片山虎之助という名前は、あなたは選挙区選挙であることは知っていますけれども、昔から知っているから言うのでありますけれども、三百万ぐらいのことをやって初めて七十万、八十万の片山虎之助票が出てくるかというのが現実じゃないでしょうか。たくさんの候補者があったら、正直言って、ええと、さっき聞いたけれども、だれだったっけなというぐらいの認識ですから。それを徹底するためには、確かに、片山議員言われますように、お互いに自制すること。ははあ、きれいなことでございます、まことにそうあってもらいたいと思いますが、個人名を書く競争になれば、そんなもの、一票で落選するようなことがあってはならぬということで、どんどんとやるに決まっているのですよ、決まっているのです。  選挙運動としては、全国区と同じように個人の競争、個人の競争ということがどんどん入っていけば、個人の競争というのは、それは大変なお金を要する。何も私は買収、供応を言っているのじゃないですよ。本当に物理的な印刷物、あるいは遊説に行くためのお金、あるいはポスター等々を言ったら、これは膨大なお金がかかるというのは、参議院の全国区の実態からいってしかりであります。それは、自制するというきれいな言葉で済めば、日本の政治あるいは日本の選挙はこんなふうなことにならなかった。私がさっき言ったように、四十九年の大変な金権あるいは企業ぐるみ選挙というものにならなかった、役所ぐるみの選挙ということにならなかったということでありますから、どうも私は、選挙の実態としてはまた全国区の再来かというふうに言わざるを得ないのであります。  なおかつ反論があれば、リーズナブルな反論があったら言ってください。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 水かけ論になるかもしれませんが、我々は、今の拘束を非拘束に直すについて、全国区の復活、再来は断じてこれは慎みたい、こういうことで今の仕組みをつくっておりまして、主として佐藤委員の言われるのは運用の問題、やり方の問題ですね。それは私は、これから各党が考え、各候補者、予定者が考えることだと思いますし、この法律の精神を、全国区のデメリットの復活ではないということを認識してもらう必要がある、こういうふうに思っております。

佐藤観樹民主党・無所属クラブ

○佐藤(観)委員 片山提案者のお言葉としてはわかりますが、それを制度的に何らかの格好で保障する道というのは、先ほど言いましたように、ある程度、政見放送なり公報なり、そういった部分は党でやってくれるけれども、ポスターも十万枚を七万枚にするとか、選挙ビラ三十五万枚を二十五万枚にするとか、そういったことはあるけれども、しょせん、これは正直言って知れています。私は、個人選挙を入れていく限り、必ずこれは同じような形態になっていってまた国民の批判を浴びる、このことを申し添えておきます。  もう一つは、残酷区、そして銭酷区ということを言われてきたわけでありますけれども、確かに我々の先輩が亡くなられました。皆さんのところの村上孝太郎さんとか、あるいは当時の民社党の向井長年さんは開票日でしたか、結論的には当選なさったのでありますが亡くなるとか、私のところの人も亡くなるというように、肉体的にこれは大変な、これからもしこれが通っても、日にちがまだ幾らか短いから肉体的に楽かと思いますが、普通は二年ぐらい前からやるわけですね。全国を歩くわけです。こんな制度は、後からお伺いしますが、まことに世界には類を見ない制度であります。  私は運動論から言っているのでありますけれども、もう一つ問題点として、昭和五十七年に参議院の全国区を拘束名簿に変えたもう一つの要因は、参議院というのは芸能院じゃないか、タレント院じゃないかということを、大きな声では言わないけれども、国民の中にはこうやゆして参議院が言われていた。私は、芸能界にいた人が出ることは、何も職業上の差別をするつもりはありませんけれども、国民の方から見ると、結局そういう全国的に名前を知られた人の方が通りやすい。  後から堀込さんが触れた票の横流しの問題もお伺いしますけれども、そういう意味では、また再びこの制度によって、この非拘束名簿によりまして、参議院が、片山議員が言われましたようにいろいろ高い理想はあるけれども、なかなかそうはならずに、寄席へ行くより参議院に行った方がいいという、こういうまことに日本の政治にとって悲劇的なことが国民の間で言われるということにつながっていくのじゃないだろうかと言わざるを得ないのであります。  この前、朝日新聞の「かたえくぼ」に出ておりまして、ぷっと笑いながらかなり深刻になったのでありますけれども、新党結成、吉本興業と。もちろんこれは「かたえくぼ」という冗談を言う欄でありますから、それはそれなんでありますが、やはり非拘束名簿、個人名を中心にしてやるということになりますと、そういう傾向に再び戻っていくのじゃないだろうか。いや、それでもいいのだと言われれば、それはそれまででありますが、お互いにそういって言われてきたことを考えてみますと、この個人名を書く制度というのは、そういう方向にまた行くのではないか。それは、片山議員が言われた二院制におきます参議院のあり方としていかがなるものだろうかと私は思うのでございますが、いかがでございますか。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 今いろいろお話がございましたが、私は、その有名人、人気の高い人もいろいろあると思うのですね。例えば、専門的な領域その他で大変な実力のある人、そういう人は大いに参議院に来てもらいたい。参議院というのは良識の府ですから、そういう実力のある有名人は大歓迎であります。  ただ、実力がなくて名前だけの、人気だけの、具体的にだれかと言われると私も困りますけれども、そういう人が来てもらうのは、やはり言われるようなおそれがある。しかし、それはもう長い間の経験から、私は国民の皆さんも大変そこはきっちりとした選択をされるのではなかろうか、こういうふうに思います。  例えば、今吉本新党の話がありましたが、西川きよしさんという方、今参議院議員でおられますけれども、あの人は高齢者福祉では第一人者ですよ。私は、大変彼はよくやっていると思う。そういう人は大いに歓迎でございますから、一概に人気タレントがおかしいということに私はならぬと思うけれども、人気タレントだけ候補にして票をとって当選者をふやそうというような党は、私はそのうち淘汰されると思いますよ。  私は、国民の皆さんは大変賢明だ、また政党も、長い間のいろいろな経験から、そういうことはちゃんと自制するような考え方にだんだんなっている、こういうふうに思います。

佐藤観樹民主党・無所属クラブ

○佐藤(観)委員 そうあってほしいと私も思っております。  次に、私は、この選挙をやれば、選挙運動面からいって全国区の再来だというふうに思うのでありますけれども、昭和五十七年、審議の中で、自民党の先輩でございました金丸三郎先生が参議院の公選法の委員会で、わざわざこのことを出さなくてもいいのですが、金丸先生の御発言というのは非常にまとまっているものですから、引用させてもらうのでございますが、   私どもは、わが国の現在の全国区の制度のような外国に類例のない選挙制度はないと思っております。憲法が制定された当時はまだでございますが、現在では有権者が八千二百万を超しております。そして五十名の議員を選びます。候補者は百名内外にもなるわけでございます。選挙区は北海道から沖縄にまで及んでおります。候補者と有権者の間のつながりというものは、話を聞いたこともなければ顔を見たこともないというのがほとんど——九九%と申しますと申し過ぎかもわかりませんけれども、大部分であります。これが参議院の地方区であれば、ある程度人柄がわかります。知事選挙しかり、五大都市の市長選挙しかり、都道府県や市町村長、市町村の議員もしかり、これは全部有権者と候補者の間のある意味のつながりがございますけれども、わが国の現行の全国区の制度は有権者のサイドから見ましても候補者との間にほとんどつながりがないわけであります。私は、世界じゅうにこんな珍しい選挙制度はないので、したがいまして選挙区の大きさでございますとか有権者が候補者を選ぶ難易とかというようなことを考え、そして政党の働きを考えまして、国民と選挙される参議院議員との間に政党が介在をしていい候補者を選ぶようにして、そしてその名簿を見て有権者が投票するようなことにいたしますことは、有権者のサイドから見ましても一歩合理化を進めるものではなかろうか、かように考えるわけでございます。 これが、比例代表、拘束名簿式を言われたときの金丸三郎先生の答弁でございます。私も、ここに出てまいります金丸三郎先生、あるいは松浦功先生という自民党さんの先輩の方々は、まことにジェントルマン、学識豊富、まことに温厚にして大変幅広い見識を持たれた方だというふうに、私も接してまいりましたから思うわけでございます。  別に片山さんがそうじゃないと言っていることではありませんけれども、そういう意味で、私も比例代表と拘束式というのは、片山さんが先ほど言われましたように、完璧だというふうに思っているわけでありません。これは、先ほどお話があったように、二回やったら一度制度を見直そうじゃないかという経過もあるわけでありまして、そういった意味ではこれからいろいろな検討が必要かと思いますが、そもそも拘束名簿比例代表制というのを、一番最初に法案を出されたのは自民党さんなんですね。その後社会党も、もう少し個人というものに、あるいは少数政党に配慮すべきであるという修正案を出してきたという経過がありますけれども、そういった面からいきますと、事実上、私は事実上と言っているのですよ、事実上全国区に戻る制度というのは、私は、今読み上げましたような先輩の方々の苦労に苦労を、五十七年に出るまでは、片山議員ほか皆さんも御承知のように、それまでには随分いろいろ議論があって、最終的に拘束名簿比例式になったわけですね。そういったことから考えますと、何だ自民党さんは、最初にこんなことを言ってこられて、そして今は全く違うことを言われるようになる。  それはまあ、情勢がいろいろ変わることがあるからわかりますけれども、一体、金丸三郎先生とか松浦功先生はこの議論を聞いておられて、もちろん御存命ですけれども、今はどう見ていらっしゃるだろうかという思いがするのであります。  確かにいろいろな情勢は変わってまいりますけれども、また再び実態的に全国区に戻るということは、長い長い歴史からいって、私が冒頭申しましたように、歴史が逆転しているんじゃないか、後退をしているんじゃないか。こういう考えを持つのはこういった長い経過を経たからでありますが、片山議員からこの見解について御意見を賜りたいと存じます。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 佐藤委員は自治大臣をおやりになりましたから、自治省の内部の事情にも大変お詳しゅうございますけれども、なるほど、制度を直すときに、今お名前が出ました金丸三郎先生や松浦功先生が相当苦労されたことは事実ですね。私も大変よく承知いたしております。  ただ、恐らくあのときは、全国区の弊害を直すために、正反対の比例代表拘束がいいということになったと私は思いますね。しかし、その後の、当時の徳永議長が、導入してみて二回で見直そうと言ったことは、大変問題があるという認識は、金丸先生や松浦先生にもあったと思いますよ。だから、二回実験的にやってみて、その結果でなおそれを直す議論をしていこうと。それが十何年の経過を経て、今日こういう形で実ったのではなかろうか。  この前、ある会合で松浦先生にお会いしましたら、いやいや、よくわかる、片山さん、頑張ってほしい、こう言われましたので、お伝え申し上げます。

佐藤観樹民主党・無所属クラブ

○佐藤(観)委員 私は松浦先生と片山さんが会われた現場にいたわけじゃないですから。先ほどからの答弁を聞いていますと、どうも自分の御都合のいい方だけここで発表なさるという感じがしてならないのであります。  先ほど片山議員の答弁にもありましたように、制度には完璧なものはありません。ですから、その意味では、いろいろと皆さんとともに、選挙制度は議会のルールでありますから、各党、大方の合意が得られるように結論を得ていくことは確かに必要だと思うのであります。  特に、片山議員言われましたように、世界で二院制がうまくいっているところというのは、もう繰り返しませんが、なかなかないのであります。ないと言ったら語弊があるかもしれませんが、二院制というのはなかなか難しい。そういった意味では、この日本におきます衆参の二院制をどう機能的にするかということは非常に大事だと思います。ですから、私は何も、変えていくこと自体は一般論として否定はしません。しかし、実態選挙運動の現実面からいいますと、これは全国区へまた戻ることでしょう。ですから私はわざわざ金丸三郎先生の言葉を引いて出したのであります。  さて、その次に、自民党さんの方では、全国区に戻したらどうだという意見は、この法案をつくる前にはなかったのですか。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 私も必ずしも全部承知いたしているわけではありませんが、私、平成六年の参議院の超党派の検討委員会の自民党の委員でございまして、その前に自民党の中で議論いたしましたが、ストレートに全国区に返すという意見はなかったと思います。

佐藤観樹民主党・無所属クラブ

○佐藤(観)委員 なぜ私がそれを聞いたかといいますと、全国区にはたくさんの弊害があることは、冒頭申し上げたとおりであります。しかし、この案よりまだ素直である。個人の投票した個人名への投票というのがどういう形で議席に結びついていくかというのがはっきりするということであります。  かつて、石原慎太郎さんが、今東京都知事をやっておられますけれども、三百余万票という日本の選挙史上最大の票をとられました。しかしそれは、石原慎太郎さんが一人当選しただけ。その後、当然、議席としては自民党の中で活動されたわけでありますが、一人として活動されたわけであります。  ところが、今度の制度は、先ほど堀込委員からも御指摘がありましたように、皆さん方が言っていることはわかるんです、つまり、政党の中の石原慎太郎さんじゃない、名前を出していいかどうかですが、三百万票とられたということで例を出させていただくのでありますが、今度の場合には、自由民主党の中の候補者の一人として石原慎太郎さんが名前が挙がる、こういう格好になりますね。その際に、憲法違反かどうかの問題は堀込さんのところに譲りますけれども、先ほど申しましたように、比例代表の場合に、大体七十五万票あれば当選するでありましょう。そうすると、三百万票余というのは、これはいわば四人分の票になるわけですね。皆さん方の制度では、確かに自民党の名簿の中の石原慎太郎さんということを書いているからこれは自民党なんだというふうに読みかえるわけでありまして、それを我々はすりかえだとか横流しだとか、国民の皆さんもマスコミも言っているわけであります。  確かに、石原慎太郎さんは自由民主党の公認候補者として当時やられたのだと思いますから、自民党の議席を得られることは、一議席を得られることは当然でございますけれども、今度の場合にはそうじゃないんですね。これが残り三人の方をどこかの票で救ってあげる結果になっていくわけです。  ですから、私は、全国区ならば素直に、名前を書いた有権者の一票が素直に、自分が書いた名前に、当選するあるいは落選するということにつながるけれども、今度のこの非拘束名簿というのはそういうことじゃないんじゃないですかと。そこが、先ほど堀込委員が言われましたような問題も含め、制度的には、極端な話、ゼロ票でも当選するというような、そういうことも許容するような制度になっているんじゃないですか。  私は、これの出し方が、全国区なら全国区で、国民の皆さん方はもっとよくわかったと思うんですよ、これはかつてやったんだから。悪いところがたくさんあるのは冒頭言ったとおりでありますが、非常に素直にああ、こうかということがわかるけれども、今度は、一番たくさん票をとった人が、自分だけじゃなくて人まで連れていって当選していく。皆さん方の言うことはわかっているんです、いや、それは党の名簿にあるんだからいいんですと。しかし、それは勝手に皆さん方がいいと考えるのであって、一度、有権者の意見というのはどういうものか、これをはっきり、審議会等、参考人等でも呼んでいろいろ聞く必要があると思いますが、この点がこの制度の最大の問題です。  先ほどから片山議員は第八次選挙制度審議会のことを盛んに言われます。それは非拘束名簿だったからでありますが、そのときに何でだめだったか。第八次選挙制度審議会、なぜ余りあの非拘束名簿というのはみんなの話題、俎上に上らなかったかといえば、これは、個人の票と政党の票を合算して、そしてみんな政党の議席にしようという今私が指摘している問題があるものだから、だからこのときに、第八次選挙制度審議会でも、出ても、各党とも歯牙にもかけず、余り話題にならないできたわけですよ。  この問題について、先ほど堀込委員との議論を聞いていると、どうも余りぴんとこられていない感じが失礼ながらするものですから、これは、個人に書いた名簿を政党の枠だからといって政党にすりかえて、他の候補者、他の立候補者に委譲していく。私は、すりかえとかあるいは読みかえとか横流しとか余り品のよくない言葉は使わないで、強いて委譲と、委せて譲るという漢字を書きましたが、選挙法上、これが委せて譲るということになるのかどうか。実は委譲という言葉を使うこと自体もいろいろ議論が率直に言ってあろうところですけれども、これが今度の制度の最大の問題なんですよ。そう思いませんか。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 何度もお答えしておりますけれども、佐藤委員、恐らく十分御承知の上での御質問でしょうが、この選挙は比例代表制なんですよ。比例代表制。比例代表制は政党を選ぶのですよ。だから、石原さんの名前が出ましたから申し上げますが、石原さんがいかに巨大な存在でも、比例代表のある党の候補者の一員なんですね。だから、石原と書く、あるいは、仮に自民党として自民党と書く、その票は自民党とカウントして処理するというのが比例代表なんですよ。佐藤委員が言われるのは多数代表制であって、全国区の話ですよ。我々はここで、全国区、多数代表制でない、政党を選ぶ比例代表制、政党の名簿を選ぶ比例代表制度、そういう基本的な認識の中で、その中ではどんな人が出てもその政党の候補者の一人なんですよ。だから非拘束はその順番をつけないだけで、拘束は順番をつけるので石原慎太郎さんが出れば一番になるかもしれませんけれども、そこで国民の皆さんに選んでいただく。  そこはおまえ、おまえはそう言うけれどもわかりにくいではないかと。わかりにくいかもしれません。だから我々は、この制度は相当の人の御認識は得ておりますけれども、もっと広い国民の認識を得るような努力をせないかぬと思います。だから、まず党を選んで、党の中で石原さんをトップにしたければ石原さんの名前を書いてください、そこのところなんですよ。ひとつ御理解を賜りたい。

佐藤観樹民主党・無所属クラブ

○佐藤(観)委員 そこの説明がちょっとおかしいのですよ。  言われているように、皆さん方の投票用紙には政党名をチェックするところが別にあるわけじゃないでしょう。その政党の名簿のどなたかに結果的には入れるんでしょう。だから、オランダとかなんかのように、まず上に政党名があって、その政党名をチェックして、拘束式の場合にはそのままでいい、自分はこの人を入れたいという人の場合には個人名のところにチェックをする、こういう二回投票するわけじゃないわけですよ、皆さんのところは。  そこが、政党投票だ、政党投票だと言われるけれども、結果的には、選挙の結果というのは個人の多い方になるんです。これが自由民主党に属している方だというのは私もわかります、それはわかります。だけれども、それは制度としてはそうだけれども、その制度がおかしいんじゃないかと言っているんで、これはそういう制度ですというのはむしろおかしいんですよ。それが票のすりかえなり、票の横流しなり、品よく言えば票の委譲ではないか。委せる譲る、異常事態じゃない、委譲じゃないかということなんであります。いや、そういう制度なんですと言うけれども、その制度自体がおかしいんじゃないですか。  国民から見れば、石原慎太郎さんが自分は好きだからたくさん入れた、三百万票とられた、それは全国区の場合でありますが一人の当選。しかしそれが今度の制度の中に入れると、あと三人抱き合って当選に結びつくという結果になる。しかもその票は一体どこに行ったのか、どの候補者のところに行ったのかがわからぬ。  後で詳しくお伺いしますが、堀込さんが触れたように、オランダとかベルギーはその委譲のルールというのがちゃんとできているわけですよ。皆さん方のは自分が入れた票というのが一体どこでどういうふうになってしまったかわからぬ。自民党の人が当選したことは間違いないが、個人名を書いたのにその人がどういうふうになってしまったのかがわからぬ、これが今度の制度の最大の欠陥なのでありまして、いや、今度の制度はこういう制度であるんですからしようがないんだよではなくて、だから制度がおかしいんじゃないですかと言っているわけですよ。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 今制度は誕生寸前でございますけれども、この制度の考え方は、投票用紙に党名か個人名かを書いていただく。投票所には、自由民主党なら自由民主党、民主党なら民主党、公明党なら公明党と書いて、その下にずらっと三十人か四十人か知りませんよ、十人かもしれぬけれども候補者の名前を書いて、その中から選んでいただくわけで、佐藤委員が言うようにまず党名を書いて個人名を書くなんということは、それは全くとれない案ではないかもしれませんが、大変複雑になりますし、それから無効票が相当出るおそれもあるわけで、それはやはり政党の候補だということをきっちりやって、各党も候補者もそれを十分PRして、その結果、有権者の皆さんに投票してもらえば足る話なんで、あくまでも比例代表ということは、何度も繰り返しているわけで、我々はこの制度がベターだと思って提案をさせていただいているわけでありますから、ぜひひとつ御理解を賜りたいと思います。  よその国の話はちょっとどなたかに。

佐藤観樹民主党・無所属クラブ

○佐藤(観)委員 まあ、その次また聞くからいいです。  片山さんの方はそういうことで言うけれども、国民みんなが不思議に思っているのは——わかっているのです、私も制度はわかっているのです。ただし、説明の中で、まず政党を選ぶという言い方はやめた方が国民の皆さん方にわかると思うのですよ。投票所に行ったときに政党の中に個人名が書いてある制度である、それを順番がつけてあるかつけてないかの違いで拘束か非拘束かというのはわかるのです。政党名を投票してもいいけれども、今の傾向からいうと、個人名を投票する方が多くなりますよ。そのときに、繰り返しになりますけれども、三百万票をとられた方は、全部で四人分ぐらいに相当するから、残り三人だれかを結果的に、三人じゃありません、もっと、ある程度、二番、三番、四番はもう少し票があるでしょうから、ずっとだれかの票を上乗せしてあげる。それが何票だれのところに行ったかもわからぬ。個人名を書いたわけです、あくまで。  わかりますよ。自民党の名簿の中の、非拘束なのですから順番がついていないから個人名を書く、そういうことはわかりますが、自分が入れた票がだれのところに結果的に一体行ったのかわからぬ制度、これは制度としておかしいんじゃないか。そういう制度でございますでは答えにならないので、制度としておかしいんじゃないかということであります。  だから、繰り返しになりますが、第八次選挙制度審議会の中でもああいう結論だったけれども、これはやはりおかしいんじゃないかということでみんな余りよらなかったわけですよ。質問の意味はよくおわかりいただいたでしょうか。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 第八次制度審議会も、結局、五十七年に全国区の弊害から拘束に改めて、その拘束もさらに問題があるからということで、第八次審は、これは国会議員は入っていませんよ、全部有識者だけの権威ある機関が提案いたしたわけでありまして、そのときは各党の意見がばらばらだったのですね。ばらばらだったから調整しようということで、平成六年に検討委員会をつくって、そこでミックス方式を委員会ではまとめたのですけれども、これに一番反対されたのは当時の社会党さんで、社会党の反対であの案が物にならなかった、こういう経緯もあるのです。  私は、第八次制度審議会の答申というのはいいと思いますよ。私はよく考えた案だ、こう思うのです。そこのところを抜きにして、とにかく佐藤委員の言われることは、全国区の復活になるんですよ、全国区の復活はノーだと。しかし、拘束でも問題が多いから、やや真ん中みたいな案だけれども、比例代表の枠の中で個人が選べて、しかもそれで順番もすっきりするし、選ぶ方も選ばれる方も納得できる、こういうことでいこうじゃないか。しかも、つながりもできるし、親しみもできる。佐藤議員の名前を書くことによってつながりもできる。そういうことで八次審はあの答申を採択したわけでありまして、今までのところ、我々の参議院の制度ではあの案が、一番とは言いませんけれども、私はベターだと思います。ベストとは言いませんけれども。

佐藤観樹民主党・無所属クラブ

○佐藤(観)委員 ですから、一番の人は一番でいい、当選していく。例えば、オランダでもベルギーでもやっている案は、配当基数を超えた人は無条件に当選していくわけです。三百万票をとった人は無条件に当選していくわけです。そして、その配当基数に達しなかった人は、ある国では政党の票だけをその上に上乗せしてあげるとか、これは政党の票だからいいです、個人名を書いてあるわけじゃないから、それはそれで合理的ですが、それならばまだわかる。  ですから、皆さん方の方で、例えばこの案の原則でいうならば、個人名と政党名と別集計して、個人名で当選した人だけは上の方で当選する。しかし、配当基数より低くなった人については、自由民主党の票からそれを上乗せしてやって、それがゼロになった時点で当選者が決まるというふうにすれば、これは合理的だし、片山さんがいかに言われようとも、これなら国民の皆さん方もすっきりよくわかる。結果的に個人で書いた票を他の人に、個人にまた移してあげるというから、これはおかしな制度じゃないですか、しかも、たくさんとった票は、これは自民党さんだけとは申しませんけれども、この制度でいけばそういう合理性がないねと。  確かに、お話がありましたように、フィンランドとデンマークでは今この非拘束名簿に近いやり方をしている。なぜ近いかというと、私も完全に調べ切ったわけじゃないから。ただ、フィンランドとデンマークというのは、有権者数が五百万に達していないところなのですね。だから、五百万のところでやれる制度と、一億の有権者を対象とする制度では、別に国の人数で価値を決めるというのじゃなくて、制度として不満というものの大きさというのが、やはり一億でこういう制度をやれば増幅していくわけであります。  その意味で、例えば三百万票とられた方がおれば、それはそこにとどまらず、他の候補者に上乗せをしてあげるような、こういう制度というのはおかしいじゃないかということを申し上げたいのであります。いかがでございますか。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 佐藤委員の御提案、お考え、全くわからないわけでもないんですけれども、私は、選挙制度というのは、選ぶ国民の側から見て複雑難解な制度はやはり困ると思うんですね。だから、今度の斎藤前議長のミックス方式も、半分拘束、半分非拘束ですから、結局は選ぶ方も選ばれる方もかえって困るんですよね。そういう感じを私は持ったわけでありまして、やはりある程度わかりやすくなきゃいかぬ。  そこで、石原さんに入れた票は自民党の票でないと言われるなら別ですよ。自民党に属する石原さんに入れた票なんだから、その票が自民党全体の票に合算されるということは私は比例代表なら当たり前の話だと思う。石原さんが自民党でなきゃ別ですよ。自民党の石原さんに入れたということは、石原さんとともに自民党も支持したということなんです。比例代表というのはそう理解せないかぬのです。だから、それは移譲なんかじゃなくて合算だ、私はこういうふうに思っております。

佐藤観樹民主党・無所属クラブ

○佐藤(観)委員 冒頭に、国民の意見をというお話がございました。参議院の方は事情があって与党さんだけ質問なさいましたが、衆議院で今審議をしているわけで、まさに投票する側の意見というのは、だれも、どこも聞いていないわけですよ。ぜひこれを、委員長、中央公聴会であろうと、あるいは参考人であろうと、地方公聴会であろうと、今、片山議員がいみじくも言われました投票する側の意見、選挙する側の意見を聞く機会をぜひ設けてもらいたいと思うんです。  それから、最後に言われました石原慎太郎さんに入れた票、全国区の場合でございますが、これは確かに自由民主党公認として戦っていることは事実でありますが、それはあくまで、政党名と個人名というのがある限り、石原慎太郎さんに入れたのは個人名なのであって、政治活動としては自由民主党の会派の中でやられる、そのことはわかりますが、票としてそれを全部自民党にすりかえる、読みかえる、きれいな言葉で委譲するような制度というのはおかしいということを申し上げさせていただきまして、私の質問を終わります。

自見庄三郎自由民主党

○自見委員長 塩田晋君。

塩田晋自由党

○塩田委員 選挙制度というものは、各政党の競争であり、また戦いであるわけでございます。そのルールを決めるのがこの選挙法でございますから、ルールを決めるのは、戦いに参加する者、競争に参加する者が納得をして話し合って、そしてこれをルール化する、その公正なルールによって戦いをする、競争をする、これはもうすべての競技についても同じ問題だと思うのです。  今回のこの選挙法の改正につきましては、ただいままでに多くの議論がこの委員会でもなされました。非常に建設的な意見、また問題、欠陥の指摘もあるわけでございますから、それらのものを謙虚に受けとめて、本当に競争する相手も納得できるようなルールづくりをするというような度量を持ってもらうべきじゃないかと思いますが、これについていかがですか。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 塩田委員言われる意味はよくわかります。ただ、選挙制度の難しさは、何度も言いますけれども、百点がないということと、各党各会派で相当立場が違うんですね。私は、あえて党利党略とは言いませんけれども、しかし、そういう意味で、これはできるだけ、言われるように選挙制度は議会制民主主義のルールづくりですから、そういう意味では与党も野党も謙虚にやっていくべきだということは同感であります。  ただし、残念なのは、参議院では我々が辞を低うして野党の皆さんにお願いしたにかかわらず、国会には出てこれない、各党の話し合いにも応じられなかったということでございまして、その点はひとつ御理解賜りたい。

塩田晋自由党

○塩田委員 参議院におきましては、参議院でいろいろ経緯があってそういった状況ができておったわけでございますが、衆議院におきましてはこのように整々とルールづくりのための議論に各党が取り組んでおるわけでございますから、そういったところで出てきた問題について、これは考え直そう、これは加えるべきじゃないか、こういうところがあれば、これはやはりルールづくりでありますから、一緒になって謙虚にこの問題に取り組んで、直すべきところは直すということがあってしかるべきだと私は思います。  それを前提にいたしまして、今回の改正の最重点の事項といいますか、ポイントは何でございますか。最優先でこれだけはぜひともと言われるところはどの点でございますか、お伺いいたします。

須藤良太郎自由民主党・保守党

○須藤(良)参議院議員 一つは、拘束式に直したときの理由の逆になるわけでありますけれども、できるだけ順位決定をわかりやすくする、不透明をなくす、こういうことであります。それからもう一つは、政党化が少し促進され過ぎたのではないか、この問題を是正したい。もう一つは、個人の名前を書かせてくれ、何となく顔が見えない、こういう有権者の不満が非常に多いわけでして、これを是正したい。この三点が、拘束式を導入したものの逆になりますけれども、今回直したいポイントでございます。  理由は、先ほどもありましたけれども、衆議院の方に比例代表が導入されて一応定着する、それから最近の有権者の非常に多様な意思、政党に関しない選択を考えている、こういうような面から、参議院の方はできるだけ衆議院と変わった制度、また変わった時期の選挙で国民の多元的な意思を出していきたい、こういう面があるわけです。さらにつけ加えれば、最近の憲法問題初めいろいろ長期的に取り組むべき課題が多い。こういうことを念頭に置きまして、これはひとつの党の決断がないとなかなかできないわけでありまして、これはひとつ先送りしない、今回真っ正面に取り組もう、こういうことで改正に踏み切ったわけでございます。

塩田晋自由党

○塩田委員 先ほど与野党の本委員会の理事会におきましても出たのでございますが、また先週も出たんですけれども、この審議が終わり次第採決だというような声も出ておりましたし、またあすやるにしても採決を含む審議、こういう意見も出ておるわけでございます。与党の方として、なぜ次の参議院選挙に間に合わせて急いでこれを今国会で上げなければならないか、その急ぐ理由についてお伺いいたします。

須藤良太郎自由民主党・保守党

○須藤(良)参議院議員 お答えしましたように、非常に有権者の考えが急速に、いわゆる無党派層といいますか、そういうことで、いろいろ多様な意見を持っているということからして、政党だけ選ばせるということは今の実情に合わないのではないか、こういうことと、もう一つは、やはりこれを逃しますと四年後になるわけでして、ぜひひとつここで決断しておく必要がある、そういうふうに考えておるわけであります。

塩田晋自由党

○塩田委員 このルールづくりにつきましては、過去におきましても、四年、五年かかって結論を出して実施した例もありますね。今回、本当に一年を切ってきている、その中で、どうして与野党が話がつかないルールを、与野党が守らなければならないルールを一方的に反対を押し切ってつくろうとしているのか。これは、我々納得のできないところであります。  直ちにでもこれはやってよろしいというものは、定数の削減。我が党は、この定数の削減は、衆参それぞれ五十名削減というような案も最初は出したわけでございますが、各党話し合っての空気を見て、妥協の産物として、衆議院では二十名削減、参議院では十名で当面やむを得ないだろう、こういう立場に今立っておるわけですから、定数の削減については異議ないと思うのですね。こういう話のついたところから今回はまずやっていく。そしてあとは、時間をかけてと言っても、もう一年切った次の参議院選挙じゃなくして、その次の選挙であってもあと四、五年のうちにあるわけですから、そういうような動きをされてはどうか、このように思いますが、いかがでございますか。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 塩田委員言われますけれども、定数削減も、自由党さんは大変理解があるのですが、結局、ワーキンググループで定数削減を中心に時間がないということでやりましたけれども、結論が得られないのですよね。与党と自由党は十人削減で、民主党さんと社民党さんは逆転区二名の削減で、共産党さんは一番最初は増員せいと言っておったのです、その後増減なしというようなことに変わられたような感じですけれども、まとまらないのですね。  そこで、今須藤提案者が言いましたように、選挙制度というのは必ず次の次からやろうといってずっと来たのですよ。だから、次の次ということは結局やらない、先送りということになる。定数削減も大変な経緯で我々は決意したものが、このままではなし崩しでやらないようなことになる。しかも、もう来年から二十一世紀ではないか、衆議院のブロック比例小選挙区も二回やって制度が定着してきている、何だ、衆議院と参議院、制度が同じじゃないか、国民の多元的な意思を、衆議院とは違う意思を参議院が代表するといって、どこがそうなんだ、こういう議論が出てきましたので。しかも無党派層はふえてくる。  そこで我々は、この際、定数削減とあわせて、来年は二十一世紀に入るわけですから、二十一世紀の最初の参議院の選挙は、最初の国政選挙になると思いますけれども、ぜひ新しい制度で、定数削減を含めてやりたい。それが参議院の自主性を高める上にも、国民の政治離れを食いとめる意味でも大変私は重要なんじゃないかと認識いたした次第であります。

塩田晋自由党

○塩田委員 そういったお考えで進めておられるということ、それから定数の削減についても各党十分話がつかないというお話。やはりこれは努力をして合意点を見出して、そして、まあまあこれはやむを得ない、しかしだんだん賛成者がふえてきたという中で決をとってルールをつくる、これは結構だと思うのです。そういったことは今後ともひとつ十分配慮して、努力をしていただきたいと思うのでございます。  そこで、世界各国の状況ですが、国連参加の世界の国数は二百にほとんど近いものだと思いますが、その二百の各国のうち、民主主義の立場にある国、まあほとんどだと思うのですけれども、その中で、今度つくろうとしておられる非拘束名簿方式の比例選挙、これはどういう国が、二百のうち幾つぐらいやっているか、お伺いいたします。

須藤良太郎自由民主党・保守党

○須藤(良)参議院議員 これは国会図書館の資料で調べたわけでありますけれども、名簿式比例代表制のうち、非拘束名簿式比例代表制を採用している主な国は、ベルギー、これは上院、下院、ノルウェー、これも上院、下院、オーストリア、オランダ、フィンランド、デンマークであります。このうち名簿に順位をつけない方を採用しているのはフィンランドと、デンマーク、これは政党の選択によって順位をつけるのも可能というふうになっております。  比例代表選挙制度は、多数代表制において死票が生じるという点を改善して、国民の意思をできるだけ国会の議席に反映させようという制度でありますが、この方法は、その国の歴史なり、あるいは導入した経緯等によってそれぞれ違うわけでありまして、単に外国がこうだというようなことではなくて、やはり我が国としてしっかり考える必要があるのではないか、こういうふうに考えております。

塩田晋自由党

○塩田委員 ヨーロッパにそういった例があるということを今言われたわけでございますが、日本の参議院に当たる上院を持っているところはそのうちベルギーとノルウェーだけなんですね。あとは一院制なんです。したがって、状況は違うと思いますが、ノルウェーとベルギーが日本の制度に近いわけで、参考にすべきものだと思います。そこで、どのようないきさつで導入され、またどのような議論がなされ、今見直しをしようとしているのか、あるいは問題なしで進んでいるのか、そのあたり、この二国についてお伺いいたします。

須藤良太郎自由民主党・保守党

○須藤(良)参議院議員 実際には導入しようとする制度と全く同じ制度を採用している国はないと思います。

塩田晋自由党

○塩田委員 先ほど来の議論を聞いておりますと、ヨーロッパにおいてはこれこれの例があるということを盛んに引用して説明もされたわけでございますのでお聞きしたわけでございますが、およそこういった大きな制度については、やはり海外の国がどのような制度を持ち、また、今言われましたように、今導入しようとしている非拘束名簿式比例の選挙とは微妙に違うところも加わっているわけですね。足切り、最低線を決めたり、あるいは拘束、非拘束といいながらある程度の順序を見たり、いろいろな形で変えられておるところがありますね。全く同じのは先ほど言われたようにないということですね。  そこで、近いものでも結構ですが、そういった各国の事情、そしてそれがどう運用され、どのような問題があり、そして今後どのようにしようとしているか、しようとしていないか、こういったことをやはり調査をする必要があると思うのですね。憲法調査でも海外に出かけて、直接運用の状況を担当者、責任者と話し合って、調べていっているわけですね、時間をかけて。憲法調査のような広範にわたる問題ではございませんけれども、やはり引用して、例を引いてやられるからには、そういった問題についてももっと詳しく調べる必要があるんじゃないか、この委員会でも急遽調査に行ってもいいんじゃないか、このような考えを持っておりますが、いかがでございますか。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 今答弁しましたように、似たような制度はあるのですよ。ところが、国で全部違うのです。選挙制度というのは極めてその国固有の事情や理由で採用されるものですから、日本と似たような制度はあるかもしれぬけれども、今言われたように、同じ制度がよその国にあるかというとないのですよ。だから、そういうことを踏まえて、平成二年には、第八次選挙制度審議会が外国の例も踏まえた上で答申をしているので、我々は、その答申が我々の考え方に合うものですからそれを制度化しよう、こういうことでございます。  また、調査なんかいいですよ。しかし、時間がかかったり、手間がかかったり、結局はそういうことが先送りといいますか、そういうことになるのは私はいかがかなと個人的には考えております。

塩田晋自由党

○塩田委員 この問題はなお引き続いて質問を今後したいと思いますが、時間がほとんど参りましたので、あと一問だけお伺いいたします。  先ほど来の御説明では、顔の見える選挙制度をまた取り入れるんだと。前の全国区の参議院選挙におきましてはいろいろな問題があったわけです。先ほど来出ておりますが、走れ走れ孝太郎さん、あるいは開票を見ながら亡くなった方、いろいろな悲劇も起こっておりますが、顔の見える選挙制度を取り入れるということで今回の法案が出てきているということでございますが、本当に顔の見えるということであれば、やはり前の全国区のあの方式に返るということが一番徹底するのではないでしょうか。

須藤良太郎自由民主党・保守党

○須藤(良)参議院議員 顔の見える選挙というのは、要するに、個人が政策なり個人情報をしっかり有権者にPRする、そういうことでやるわけですけれども、今回は、要するに党営の活動と個人の活動と一緒にして、できるだけ効率的に、経費をかけないでやろう、こういうことでございまして、そういう意味では全国区とやはり違った形で進めたい、こういうふうに考えておるわけです。よろしいですか。

塩田晋自由党

○塩田委員 この問題については、まだまだ議論の余地があると思うのですけれども。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 塩田委員、顔が見えるのなら、全国区に返す方がずっとわかりやすいじゃないかと。そうなのですよ。そうなのだけれども、全国区は別のデメリットがいっぱいあるのです。そこで我々は、全国区には返さないけれども、拘束よりは顔の見える制度、こう考えたわけであります。

塩田晋自由党

○塩田委員 顔の見える、見えないという問題は、先ほど来随分出ておりますから、議論すればこれはもう幾らでも議論がまだ進む問題だと思います。  現在の衆議院選挙では、この人に入れたいという、顔の見えるところでは小選挙区制度で投票できるわけですね。この人に入れたくないというときには、党で、ブロックの比例で入れるという余地があるわけですね。今度の参議院の場合は、それを分けられないわけですね。顔が見えて入れた場合に、その人が所属している政党に入れたことになるとおっしゃったわけですね。そういうことで、それでは、同じ党であって、この人は入れたいのだけれどもこの人に入れたくないというときに、これは選択の余地がないわけですね。顔が見えた人に入れたいけれども、見えている人でこの人には入れたくないというものには選択の余地がない。  先ほど来出ましたように、一人の人がたくさん票をとった場合には、横流しというような表現は適切でないかもわかりませんが、いずれにいたしましても、流れていくわけですね。そして、入れたくないと思った人のところにその票が行くというような制度になっているわけですね。これは矛盾ではないですか。

自見庄三郎自由民主党

○自見委員長 月原君、簡潔に御答弁をお願いします。

月原茂皓自由民主党・保守党

○月原参議院議員 それは、比例代表制であるということですから、だから、その中で順番を決めるために個人ということですね。ですから、仮に嫌な人がおるとしたら、それは何番にするかというだけの意味ですから、党にもともと票を入れるわけですから、その問題はないと私は思っております。

塩田晋自由党

○塩田委員 まだまだ問題はありますけれども、引き続いて審議をさせていただきます。  きょうはこれで終わります。

自見庄三郎自由民主党

○自見委員長 佐々木憲昭君。

佐々木憲昭日本共産党

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。  言うまでもなく、選挙制度というのは国民の参政権の基本であります。ところが、参議院で非拘束名簿式をこの国会に突然提出されまして、参議院では与党のみで強行した、極めて異常な事態であります。しかも、直ちに衆議院で通せというような強引なやり方に、私は厳しく抗議をしたいと思います。  非拘束名簿式を導入するきっかけとなりましたのは、久世問題であります。久世氏は党員二万人という比例代表名簿登載基準をクリアするために、二万人以上の党員とその党費を調達するために、大手マンション業者大京に一億円を出させた。それに見合う党員名簿三万三千三百三十三人分を霊友会に出させていたわけであります。この党員数は、一億円を当時の自民党の年間の党費三千円で単純に割っただけであります。文字どおりこれは幽霊党員ですね。これで議席を買ったという大問題であります。本人もこのことを事実上認めているわけです。変えなければならないのは、選挙制度ではなくて自民党のこういう金権体質ではありませんか。  ところが、これにはほおかむりをして選挙制度の改悪をやろうとしている。これは断じて許せない。しかも、久世事件をもっと大規模にしたKSD問題が出てきたわけであります。これは、参議院で法案強行の陣頭指揮をとった自民党村上正邦参議院会長が深くかかわっている。私は、選挙制度の法案を審議する前提として、KSD問題の徹底究明こそやらなければならないと思うわけであります。  お聞きをしますけれども、このKSDの会員名簿で何万人もの党員名簿をつくって数億円を超える党費を立てかえていたという疑いがあるわけでありますが、提案者の皆さんは、特に自民党の発議者に聞きたい、自民党のこういう事態について、この問題の調査、これをやっていますか。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 委員は突如出したと言われました。突如でないことの説明を、るるほかの質問者の方にお答えしましたので、あなたも時間が少ないでしょうからもう繰り返しません。  それから、与党のみでというのも何度も申し上げました。野党も国会審議に加わってほしい、国会以外の政党間の話し合いもやろうではないか、それを全部拒否されたのでございまして、一方的な言い方はそれは慎んでいただきたい、こう思います。  それで、今KSDの問題を出されましたが、これは一部の報道がありますが、我々が知るところでは、捜査中ということもありますし、我々の提案と我々提案者に何の関係もありません。答える立場にありません。

佐々木憲昭日本共産党

○佐々木(憲)委員 とんでもない話だ。突如出してきて与党だけで審議したというのは事実ではありませんか。二月の合意に反して、一度もあなた方は非拘束なんか提案したことはない、そういう状態で久世問題が出てきて、突如持ち出してきた。そういうルール破りをやったのは与党の方であります。野党はそれに抗議をした。これが事実であります。しかも、関係ないと。何が関係ないのですか。名簿順位の、名簿のランクにかかわる重大問題だ。しかも、あなたはそう言うなら、豊明議連に片山さん、入っているのではありませんか。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 いやいやそれは、あなたがどういうデータであれしたか知りませんが、私は入っていないと思います。

佐々木憲昭日本共産党

○佐々木(憲)委員 でたらめ言うな。豊政連の「ザ豊政連」、これは機関誌でありますが、この中に、豊明議連の方々、はっきりと片山虎之助と書いてあるではありませんか。須藤良太郎さん、保坂三蔵さん、入っていませんか。

須藤良太郎自由民主党・保守党

○須藤(良)参議院議員 入っておりません。

保坂三蔵自由民主党・保守党

○保坂参議院議員 入会しております。

佐々木憲昭日本共産党

○佐々木(憲)委員 保坂三蔵さんは正直であります。片山さんと須藤さんも入っていながら入っていないと言っている。ここに証拠があります。名簿が入っているのです。まだそれでも入っていないと言うのですか。どうなんですか。

須藤良太郎自由民主党・保守党

○須藤(良)参議院議員 私は、ちょっと記憶がなかったものですからそう答えたわけでございます。

佐々木憲昭日本共産党

○佐々木(憲)委員 事実はどうなんですか、事実は。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 私も全く知りません。うちの事務所かだれかがあれしたのかもしれません。調べてみましょう。私は全くそのあれはありません。

佐々木憲昭日本共産党

○佐々木(憲)委員 大体、入っていないと断定をするわけだから……(片山参議院議員「知らないからと言ったのです」と呼ぶ)知らないなら知らないと言ったらいいじゃないですか。全然違うじゃないですか。  明確な答弁をしてください。知らないのですか、入っていないのですか、入っているのですか。

須藤良太郎自由民主党・保守党

○須藤(良)参議院議員 入っていないと思っていましたけれども、知らないうちにそういうことになっているのなら、それは入っているということだと思います。

佐々木憲昭日本共産党

○佐々木(憲)委員 片山さんは。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 今お答えしたでしょう、調べてみますということで。  本来の議論をやってくださいよ。(佐々木(憲)委員「今、本来の議論をやっているのだ、本来の議論をやっているのですよ」と呼ぶ)

自見庄三郎自由民主党

○自見委員長 佐々木君、必ず委員長が指名をしてから発言するようにしてください。

佐々木憲昭日本共産党

○佐々木(憲)委員 わかりました。  つまり、この選挙制度の問題を議論する前提として、名簿のランクをどうするかという大問題についての疑惑がある。その疑惑について解明をする。これは政治姿勢、選挙制度に重大な関連があります。  私たちはこの間、全国のKSD豊明会の多くの会員から話を聞いてまいりました。支部長、ブロック長、班長を含めまして全国的に調査をして、約百数十人に直接当たって話を聞きました。重大な問題がその中で浮かび上がっております。  首都圏のあるKSD豊明会幹部の話でありますが、九八年の村上さんの選挙のとき、名簿登録の上に行くため党員のサインをした、しかし党費は払わなくていいよと言われた。要するに、入党のサインはしたけれども党費は払わなかった。党費は立てかえられているということであります。  また、ある北関東の中小業者はこう言っているのですね。自民党の選挙関係の文書は何度か送られてきている、小渕さんの総裁選のときには投票用紙が送られてきた、今になって考えてみるとKSDの名簿で送られてきたのかもしれない、私自身は自民党に入った覚えはないし、もちろん党費など払っていない、こういう証言が出ております。  つまり、ここには二つの問題があります。一つは、党員として入ったという自覚はあるけれども、その場合、党費を払っていない。二つ目に、本人も知らない間に党員にされているという方であります。いずれにしても、これは党費を払っていないのですから、極めて重大な問題であります。  公明党の魚住さんにお聞きしますけれども、あなたはこういう問題を重大だと思いませんか。

魚住裕一郎公明党

○魚住(裕)参議院議員 KSDの事件自体は現在捜査中でございまして、提案者としてはコメントできる立場ではないわけでございますが、各党内における名簿決定順位におきましては、各党の、どうすれば活力が出るのかというような観点からなされているものと思っておりまして、今の事実関係につきましては私としては承知をしていない状況でございます。

佐々木憲昭日本共産党

○佐々木(憲)委員 では、承知をしていないというのなら、その手口を今示しましょう。  ここに資料があります。「村上正邦先生を支援する署名のお願い」という資料があります。これは、豊明会中小企業政治連盟つまり豊政連、さらに村上正邦後援会、この二つの連名であります。この連名の文書を出しまして、つまり豊政連と村上正邦後援会というのは一体であります。  もう一つは、十名の署名を書き込むことができる、こういう紙があります。「私たちは村上正邦先生を支援します」。この中に十名の氏名、年齢、住所、電話番号、こういうものを書くことができるようになっておりまして、ここにKSD会員の名前が書き込まれるようになっているのです。  もう一つの資料を見ますと、「ご協力頂きましたこのご署名は、自由民主党内における参議院比例代表区候補の順位を決めるための資料となります。」つまり、こういう名簿をつくって、これが自民党の比例代表選挙の順位を決めるために使われるのだ。  これは、ただ会員を集めたり後援会を集めたりというものではないのです。これは、ここの中に、私は証言をいろいろと得ていますけれども、KSD豊明会の会員の名前、年齢、住所、電話番号を転記するようになっているわけです。印鑑は押さなかったという人もいますけれども、別に筆跡を変えろとも言われなかった。こういうことで、この第一段階、ここにどんどんKSDの会員名簿から転記をする、さらにこの名簿を使って今度は自民党の入党届に名前や住所を再び書き込む、こういうことをやっているということであります。  私どもに千葉のKSD職員からの内部告発がありました。大変驚くべき状況であります。前回の参議院選挙、つまり二年前ですね。このときに、KSDの本部から指令が来るのです、千葉支局で一万人の自民党員をつくれ、こういう指示が来た、指示は古関氏から来る、職員はこれを必死でやらされる、こう言うのですね。通常の業務の中でこういう作業をやるというのですよ。自民党の署名運動という名称をつけて仕事としてやる。  さらに重大なのは、こういう証言があるのです。KSD会員の名簿、自民党後援会の名簿、それとどこかの学校の卒業者名簿を勝手に使い、職員が三文判を数百個買いに走ってそろえてくる、それをどんどん書いて本部に送っている、職員の間ではこんな仕事っておかしいねという声があるが仕方なくやっているんだと。まさに幽霊党員をつくっているのじゃありませんか。本人が知らない間につくられている。目的は比例代表の名簿順位を上げるためだ。極めて重大であります。  この点を直ちに調査すべきではありませんか。いかがですか。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 何度も既に他の提案者が申し上げましたように、現在捜査中の事案であり、我々提案者として答える立場にはありません。

佐々木憲昭日本共産党

○佐々木(憲)委員 捜査中といったって、あなた方、自分の党内の話じゃないですか。これだけ重大な問題、各マスコミでも取り上げ、国民の疑惑の対象になる、そういう問題について自分の党内のことを調査もできない、解明もできない。一体どういう党ですか、それは。おかしいじゃありませんか。  私はこんな重大な問題は放置できないと思うのです。  委員長に提案したい。村上正邦自民党参議院議員会長、古関忠男財団法人ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団前理事長、KSD豊明会前会長の証人喚問を当委員会に要求したい。理事会で検討していただきたい。いかがですか。

自見庄三郎自由民主党

○自見委員長 佐々木君にお答えいたします。  後刻理事会で検討いたします。

佐々木憲昭日本共産党

○佐々木(憲)委員 重大な問題はそれだけじゃないんです。政治資金収支報告書に基づいて、我々が、自民党東京都豊明支部の党費と党員数、これを調べてみました。  これによりますと、九五年には党員六万五百二十人、九六年には党員ゼロ、九七年は七万四千百六人、九八年は九万九百五十九人、大量の党員集めを行っております。政治資金収支報告書に書かれている党費だけでも、四年間合計しますと二億二千二百五十六万円になります。これは、自民党東京都豊明支部に入っている、記載されている党費であります。  そこで、片山議員にお聞きをしたいんですが、当時の自民党の党費は年間幾らですか。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 四千円だと聞いております。

佐々木憲昭日本共産党

○佐々木(憲)委員 そのとおりですね。久世氏のときは三千円だったのが、千円上がって年間四千円になっていたわけであります。党員は三年間合わせて二十二万五千五百八十五人になります。したがって、計算しますと、自民党全体に九億円以上の金が入ったことになる。先ほど紹介した豊明支部に入ったのは二億二千万円程度でありますから、あとは自民党本部などに流れたことになるわけであります。  この中で問題なのは、幽霊党員の分が豊明会によって立てかえられていたという疑いがあることであります。  報道によりますと、党費がKSD豊明会から流れたこと、同会では使途不明金として処理したというふうに報道されております。そのルートは、KSDが豊明会に補助金の名目で出す、これは年間二十億から三十億であります。豊明会は自民党豊明支部にこれを献金する、自民党豊明支部は豊政連にこれを献金する、こういうルートになっているわけですね。  KSDから豊明会に流れるのは、我々労働省から資料をいただきましたが、十一年間で二百六十六億円であります。KSD豊明会、ここから自民党東京都豊明支部に流れるのは、今把握できるだけで、四年間で二億一千七百四十万円であります。この自民党の豊明支部というのは、豊明会から献金を受けたらそれを直ちに豊政連に流していくトンネル機関なんです。だから、豊明会から豊政連にいわば受け渡しをするだけなんですね。  その日のうちに豊政連に寄附されている部分、これは十七回ありまして、この間、一億三千四百万円がトンネルを通じて豊政連に流れております。翌日に豊政連に流れたのは五回あって、三千百万円であります。そのほかは六回で、四千八百万円。つまり、豊明会から自民党豊明支部を通じて直ちに流れていく、こういう関係なんですね。

自見庄三郎自由民主党

○自見委員長 佐々木憲昭君に申し上げますが、きょうは公職選挙法の一部を改正する法律案でございますから、ほかの党の質問を見ましても、いろいろな法律についての質問があるわけでございますから、いろいろそういったことに関心をお持ちということでございますが、ひとつできるだけ議題に沿って進めていただきたいというふうに私は思っております。(佐々木(憲)委員「これは法改正の前提として私は聞いているんです、選挙制度そのものの問題を聞いているわけです」と呼ぶ)私は、委員長の良識でございますので、委員長の良識でそういうふうにお願いをしておきます。

佐々木憲昭日本共産党

○佐々木(憲)委員 ですから、こういういわば献金の脱法ルートをつくって、KSDから豊政連、自民党に流れる、こういうルートができているということでありますから、これは自民党にとっては極めて重大な問題ですよ。直ちに献金を返上すべきではありませんか、どうですか。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 何度も申し上げておりますが、我々は、きょうは公職選挙法の一部改正案の提案者として参っておりまして、今委員の言われることにお答えする立場にはありません。

佐々木憲昭日本共産党

○佐々木(憲)委員 でたらめ言うんじゃないよ。今の問題は、まさに法案を質疑する前提なんですよ。今までの自民党のいわば内部の問題で重大な疑惑がある、それが名簿の順位を決めていた、久世問題があった、この久世問題を今度は法律の改正にすりかえた、だからその問題を、久世問題よりもっと大事な問題が出てきたから、私は指摘しているんですよ。  問題は、この九億円というのがどこから流れてきたかということです。KSDは、中小企業の経営者を対象に、掛け捨ての共済保険を扱っております。会員は約百万人であります。掛金は月二千円、年間二万四千円です。年に二百四十億から二百五十億程度の資金を集めております。中小企業の経営者に支払われる共済金の支払いというのは、大体六十億から八十億なんですね。年に二百四十億も集めていて、中小企業の経営者に支払われる共済金の支払いは六十億程度。ところが、KSDは、豊明会に補助金の名目で二十億から三十億流している。その規模は、中小企業に支払われる金額のほぼ四割、莫大な金額であります。その一部が、自民党豊明支部を通じて豊政連に流れている。  私は労働省に確認しましたが、十一年間で二百六十六億円が補助金として豊明会にKSDから支出されております。つまり、中小企業の大切な資金を、まさに自民党が食い物にしていたということになるじゃありませんか。自民党の村上正邦氏の比例代表名簿順位がKSDの名簿の流用と共済金による党費立てかえによって買い取られたものであることは明らかである、そういう疑いは極めて濃厚です。このKSD疑惑や久世問題を棚上げにして、これが今までの拘束名簿式の問題だからというようなことで選挙制度を変える、非拘束名簿式を導入する、これは逆じゃありませんか。  大事なのは、このようなことを徹底的に究明するということですよ。この究明をやるということが法案質疑の前提であります。だから私は、こういう点について直ちに調査を行うべきだと思いますし、証人喚問もやるべきだというふうに思うわけであります。こういう問題を、何か関係ない、あるいは今司直の手が入っているからとかそういうことで逃げ回って真相を解明しない、結局自民党の自分の党内の腐敗をただしもしないで、しかも国民に対して全く理解のできないような非拘束名簿式を出してきて、さあこれをやればすべてが解決するかのようなすりかえをやる、私は、これは全く国民に対する冒涜だと思いますよ。KSD問題の徹底究明、これこそ私は当委員会のなすべきまず最初の課題であるという点を指摘して、もう時間が参りましたので、質問を終わりたいと思います。

自見庄三郎自由民主党

○自見委員長 今川正美君。

今川正美社会民主党・市民連合

○今川委員 社会民主党・市民連合の今川正美です。  まず私は、具体的な質問に入る前に、一言だけ申し上げたいと思います。  私は、さきの衆議院選挙で初当選をした新人であります。ところが、今回のこの公職選挙法の一部改正法案をめぐって、参議院であのような事態に直面しまして本当にがっかりしましたし、国会はいま少しは、もっと権威のあるところだと思っていました。そういった意味では、与党の中には野党の審議拒否が悪いという声もあるようですが、しかし、私が思うに、やはり政権政党の側に、与党の側にもっとしっかりした自覚を持っていただきたい、国会の運営のルールをきちっと踏まえていろいろな法案の審議をやっていただきたい、強く猛省を促したいと思うわけであります。  そこで具体的に、これまでそれぞれ野党の質問に対して、与党側の答えを聞いてみますと、まともな的を射た答弁に聞こえてきません。  もう一度私の立場からも問いただしたいのでありますが、一つは、今回の参議院での混乱の一番大もとは、いわゆる参議院での選挙制度改革に関する協議会、ことし二月二十五日の報告書の中で、現行の拘束名簿式比例代表制と選挙区制については、時間的な制約等もあり、現行制度を前提として議論を進めるという与野党間の約束、合意があったのではないんですか。そこを与党の側が無視したために混乱が生じた、私はそのように理解するんですが、いま一度お聞きをしたいと思います。  二点目に、この法案は、与党の側は唐突に出してきたものではないとおっしゃいました。では、なぜこのように、衆議院本会議における趣旨説明もなくていきなりこの特別委員会にかけ、拙速に急がれるのか、よく理由がわかりません。  先ほど野党の質問にもあったように、例の前金融再生委員長久世問題、あるいは今それ以上の問題となりつつあるKSDの疑惑、こうした選挙制度にかかわる、少なくとも、最大の政権与党である自民党の内部の問題じゃないんですか。それをあたかも、与党の答弁を聞いてみますと、制度を変えればKSD疑惑だとか久世問題だとかはなくなるかのごとく聞こえてくるわけであります。それは問題の履き違えだと思うんです。自民党内部でそのような問題が生じないように努力をする課題ではないんでしょうか。  三番目に、私は、参議院における協議会、この議論の経過を振り返ってみていたら、ことし二月九日、第七回の協議会の場において、自民党の委員がこのようなことをおっしゃっています。拘束式も捨てたものではない、その持ち味を大切にすべきではないか、自民党全体の流れとしては拘束式だということを二月九日の協議会の場でおっしゃっているんですね。  それから、同じく与党である公明党の委員の方も、我が党は国民会議方式を打ち出した実績がある、党なりの良識で拘束式のよさを発揮しようとしたものだ、制度としてはなかなかのものであろうと、現行の拘束式を、自民党にせよ、公明党にせよ、最終結論は別にして、参議院のもとにおける協議会の中で委員の方がそういう意見をおっしゃっている。今度の第百五十回国会の中で、なぜ自民党にしても公明党にしても非拘束にこだわるのか、この二月から九月までの間が全然理解ができません。まず、そのことをお尋ねしたいと思います。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 例の二月二十五日の実務者会議の報告書の話は、私はきょうも何度も申し上げました。これは、定数削減をとりあえずやる、定数削減をやる場合に、ほかの制度もどうするかというと、絡むとややこしくなるから、現行制度を前提にワーキンググループが定数削減をやる、これだけの話なんですよ。拘束を守るとか、非拘束をしないとか、一言のあれもない。それは、制度の利害得失の記述はありますよ。しかも、その実務者、ワーキンググループ、これは代表者会議の下部機関なんですよ。代表者会議では、定数削減以外、拘束、非拘束について何らの議論も、いわんや合意も確認も何もないんですよ。その定数削減すら、皆さんの党を含めて野党の方がまとまらずに、単に三案を併記しただけなんですよ。合意と言われるけれども、合意というのはそれだけなんですよ。定数削減を議論の前提に現行制度で物を考えましょうと。だから、ぜひ、その点は誤解がないようによろしくお願いいたしたいと思います。  それから、二点目の久世問題もKSD問題も今回のこの法案には何の関係もありません。我々はそういうことで出したわけではなくて、二十一世紀の参議院の自主性を確立するために、衆議院と違う制度を最初の二十一世紀の国政選挙からやりたい、こういうことで与党間がまとめて、話し合いを何度も、公式、非公式に野党に申し上げました。これも何度も申し上げましたが、野党はそれをお受けにならぬで今日に至ったわけであります。  それから、報告書をまとめる過程でのいろいろな意見はあったんですよ。自民党の中にも拘束式がいいという人もおりますし、民主党の中にも非拘束がいいと言って議論をされた方もあるんですよ。恐らく公明党さんの中にもそうですよ。その中で協議会とは別に、我々は、自民党としては議論を集約して、この際、非拘束でいこうという意見を集約したわけでありまして、過程ではいろいろな意見がありますよ。公明党だって、保守党さんだって、あるいは民主党さんの中だって、社民党さんの中だっていろいろな意見があったし、いまだにあるんじゃないかと私は思いますけれども、そういうことで集約した結果でございます。

魚住裕一郎公明党

○魚住(裕)参議院議員 ただいま委員御引用の部分の発言者が私でございますので、コメントをさせていただきたいと思います。  今御引用の部分は、第七回の経過概要の中で発言要旨として語られているところでございます。  御案内のとおり、公明党は、昭和五十七年に全国区から拘束式に変えるときに、我が党は反対をしたところでございます。五十七年の七月六日だったというふうに記憶するところでございますが、選挙区の定数是正と全国区の見直しというような法案を出した経緯がございます。そして、参議院も、残念ながら欠席というような形になった次第でございますが、しかし、多数の意見をもってこの新しい比例代表制というものが通った、そしてそれが実施される。では、どうすればそれが参議院らしい制度として運用できるのか。党といたしまして、国民会議方式というものを持ち、党員でない方も比例名簿の上位に登載していただいて、良識の府である参議院らしい選挙制度、選挙運動にしていこう、こういうような形でこの協議会の場に御紹介を申し上げた次第でございまして、拘束式がいいとか、そういうような話ではございません。

今川正美社会民主党・市民連合

○今川委員 時間の関係でこれ以上今のところを質問するわけにいきませんが、では、具体的に。  先ほど与党の方から答弁の中で、全国区への前戻りではない、非拘束式とはいえ、あくまでも比例代表制であるから政党本位であるという答弁がございました。私はこの非拘束式には反対なんですが、少なくとも自民党など与党の答弁なり説明による限り、いわゆる政党名を書いてもよろしい、個人名を書いてもよろしいということではなくて。説明の本旨からするならば、政党の名前をまず書いて個人名を書くというふうになぜならないのか。政党本位ということをうたうのであれば、例えば自由民主党、そして何の何がしというふうに併記をする方が与党の側の説明の筋に合うのではないでしょうか。それが一点です。  それと、二点目には、この非拘束式にすることについて、選挙制度にかかわる長い時間をかけての協議があったとおっしゃいました。実は先ほど答弁の中にもあったような第八次選挙制度審議会の元第一委員長堀江さんという方が、ある新聞にこのように書かれています。「拘束名簿式は、金がかかるとか、政治とは関係のない分野での知名度の高い人が有利になる、といった旧全国区の弊害に対する対応策として生まれた。審議会では、全国区時代の弊害を再現させないための歯止めとして、政治資金の規制強化などを打ち出した。」その次ですね、大事なところは。「今回の議論は、その前提を抜きに進められている」。つまり、今度の与党のおっしゃる、提案している非拘束名簿方式なるものは、旧全国区の弊害を具体的にどの程度克服できるという自信がおありなのか。  以上二点を伺います。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 今川委員、政党の枠の中での個人本位の選挙なんですよ。だから、どちらを書くかというのは、それは個人名でもいいし、政党名でもいいんですよ。ただ、我々は、今度は個人に当選順位を決めてもらう選挙ですから、政党を念頭に個人名を書いてもらった方がベターではないか、私個人はこう思っております。しかし、政党名でも一つも構いません、比例代表制ですから。そういうふうにぜひ御理解をいただきたい、こういうふうに思います。

須藤良太郎自由民主党・保守党

○須藤(良)参議院議員 八次答申でも、いわゆる政党活動といわゆる個人活動、これを一緒にやるべきだという答申になっておるわけであります。そういうことで、今回は、できるだけこの政党活動を織り込んで、個人活動ももちろんやらなければいけませんけれども、両者で一体となってやる、こういうことで経費削減にも努めておるわけでございます。

今川正美社会民主党・市民連合

○今川委員 いわゆる比例代表だから政党本位といいながら、形式上はそうかもしれませんが、実態面、先ほどそれぞれの野党側からも質問があっているのは、形式上はさておいても、実態面として大変なお金がかかり、個人的に大変過重な負担がかかって、かつての全国区では、当選して一、二週間もしないで亡くなっていかれたという方もある。  ですから、少なくとも、今回この法案が出されてきて、それぞれの新聞の世論調査なりあるいは論説などを見てみても、個人名を書かせておきながら政党の票に加算してしまうというのは、いわば有権者に対するだまし討ちじゃないかという非常に厳しい論説もあるわけであります。ですから、先ほどそれぞれ答弁があっていますけれども、言いわけにしか聞こえてこないんです。実際にはやはり、ある有名な人物を抱えることで、ただでさえ評判が落ちてきている自民党と書きたくない人にも書いてもらいたい、そういうことじゃないんですか。非常にごまかしがあると思います。  つまり、このように国会の基本ルールを踏み外してみたり、自分に都合が悪くなってきたから試合の途中でルールを変えるかのようなことをやっていて、ただでさえ、国政選挙のたびに投票率が下がってきています、つまり国民の側からすると政治や政党に対する不信感がこの上なく高まってきているときに、このような進め方、やり方をして、本当に国民の政治に対する信頼を取り戻せると思うのかどうか。お答えください。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 金がかかり過ぎるその他旧全国区の弊害が復活するのではないかという御指摘、これはほかの委員の皆さんの質問にも私答えましたが、制度としては、金がかからないように、旧全国区の弊害が出ないような工夫をしております。党と分担をして選挙運動を展開していく、ただし、運用ではいろいろな御心配があると思いますから、それは社民党を筆頭に党としてしっかりお考えいただいて工夫をしていただきたい、こういうふうに思います。  それから、横流し、横流しというのは妙な言葉ですけれども、そういうことを言われるけれども、比例代表でしかも非拘束名簿ということは、何度も言いますように、政党公認の名簿登載の候補者を選ぶ選挙なんですよ。その候補者を選ぶということは、政党を選び候補者を選んだ、こういう意味になるわけで、これも何度も同じことを言いましたけれども、ぜひ御理解いただきたい。  我々はよりよい参議院をつくるためによりよい選挙制度を考えているわけでありまして、拘束でなければ一切嫌だ、それを守るんでなければ一切審議も応じないなんということの方こそ、私は党利党略ではなかろうかな、その方がむしろ問題ではなかろうかなと。よりよい制度をつくるためには与野党協力すべきであります。ぜひ御理解を賜りたい。

今川正美社会民主党・市民連合

○今川委員 よりよい制度をつくっていく、大賛成ですよ。だったら、事を急がずに、例えば先ほどお答えになった参議院選挙制度改革に関する協議会の構成メンバーの方々を参考人で呼んで、どういう経過で二月二十五日のようなことになっていったのかであるとか、あるいは国会議員以外のいろいろな学識経験者とか、いろいろな意見が新聞やマスコミに出てきているわけですから、そういう方々の意見をもっとじっくり聞く、それくらい慎重には慎重を期していいんじゃないでしょうか。少なくとも、他の野党からも質問があったように、ほかの法案と違って、選挙制度にかかわる法案ですから、私たち政治家や政党というのは選ばれる側にあるわけですから、それくらいの慎重さがあってしかるべきだと思いますが、これからこの特別委員会の進め方をめぐっても、もっとじっくり時間をかけてやる決意と覚悟はございますか。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 今川議員、これまた何度もお答えしましたように、私は臨時国会が始まる前から野党の皆さんに、ワーキンググループでも代表者懇談会でもいいからやりましょう、国会が開いたら我々は法案を出させていただくから、国会の委員会あるいは本会議で堂々と議論しましょうと何度も申し上げたんですよ。国会が開かれたのはいつですか。九月の二十一日ですよ。その前から私は野党の皆さんに申し上げているんです。そこのところはぜひお考えいただきたい。  それから、この委員会の運営は委員長さんや理事がお決めになることであって、私らは、単に提案者でございます。

今川正美社会民主党・市民連合

○今川委員 もう時間がほとんどないんですが、一つだけお答えをいただいていません。今のような参議院のありさまを含めまして、今のようなやり方をしていて、国民の皆さん方の、有権者の政治に対する信頼は高まるとお思いですかということに答えてください。

片山虎之助自由民主党・保守党

○片山参議院議員 私は、大変遺憾な事態だと思います。我々も反省すべき点はしますけれども、より反省をしていただきたいのは、野党の審議拒否、話し合いに応じない態度ではないかと思っております。

今川正美社会民主党・市民連合

○今川委員 時間が来ましたので、これで終わります。

自見庄三郎自由民主党

○自見委員長 次回は、明二十四日火曜日午後三時五十分理事会、午後四時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時十分散会

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