商工委員会 第7号
- 発言数
- 96 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2000/11/21
会議録
○古屋委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、中小企業信用保険法及び中小企業総合事業団法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより趣旨の説明を聴取いたします。平沼通商産業大臣。 ————————————— 中小企業信用保険法及び中小企業総合事業団法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○平沼国務大臣 中小企業信用保険法及び中小企業総合事業団法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 中小企業信用補完制度は、中小企業者の信用力、担保力を補完し、その事業資金の融通を円滑にすることを目的とし、信用保証協会が債務保証を行い、これについて中小企業総合事業団が保険を引き受けるものであり、保証債務残高は平成十二年三月末現在で四十三兆円を超える規模に達しております。 今日の中小企業をめぐる金融情勢は、一昨年における未曾有の貸し渋りの時期と比べれば顕著に改善しているものの、金融システム改革や金融機関の再編強化は道半ばであり、いまだ厳しい状況から脱却したとは言い切れない状況にあります。 こうした中で、一昨年十月に貸し渋り対策のための臨時異例の措置として創設された中小企業金融安定化特別保証制度の期限が来年三月末に到来することも踏まえ、間接金融に多くを依存せざるを得ない中小企業者に対し、中小企業信用補完制度の充実を図ることにより円滑な資金供給を確保するため、本法律案を提出した次第であります。 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。 本法律案は、中小企業に対する事業資金の融通の一層の円滑化を図る措置を講ずるため、中小企業信用保険法及び中小企業総合事業団法の一部を改正しようとするものであります。 まず第一に、中小企業信用保険法を改正し、無担保保険の付保限度額を現行の五千万円から八千万円に引き上げること、大型倒産や災害等の環境激変に対応した経営安定関連保証について対象範囲の拡大を行うこと等の措置を講じます。 第二に、中小企業総合事業団法を改正し、中小企業総合事業団の中小企業信用保険業務に係る資金繰りを円滑にするため、同事業団が金融機関から短期借入金を行うことを可能とするための措置を講じます。 以上が、本法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようにお願い申し上げます。
○古屋委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○古屋委員長 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として中小企業庁長官中村利雄君及び金融庁総務企画部参事官浦西友義君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○古屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○古屋委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中山義活君。 〔委員長退席、青山(丘)委員長代理着席〕
○中山(義)委員 皆さんおはようございます。 昨日は一日政局で御苦労さまでした。大変緊張した場面もありましたが、松浪健四郎君のあのことからはほとんどが水かけ論になりまして、長い間時間が中断をいたしました。大変私どもも遺憾に思っておりますが、これも正常化したわけでございますから、やはり何といっても委員会は政策を論議するところでございまして、徹底的に今回の法律案につきまして我々も論議をしたいというふうに思っております。 大臣、ちょっと銀行という機能を一回確認したいんですが、銀行というのは預金者から預金をとる、それを原資に貸し出すわけですね。そこには預金者を保護するために、貸し出すときには大変慎重にいろいろなことを検討します。そのために銀行というのは、貸し出すときに相手を審査するいろいろな能力を身につけなければなりませんね。 しかし、今までの日本の銀行のやってきたことというと、どっちかといえば、土地を担保にする、固定資産を担保にしていく、こういう単純な手法を繰り返したために、銀行そのものが相手の資質やそしてまた相手の会社の能力をなかなか見きわめられなかった。だから、土地中心の担保主義になってきたことは間違いございません。これが大きな不良債権を招いたのでありますが、もう一度銀行の原点というものを再確認したいのです。 それはあくまでも、預金者、この原資にお金を貸し出す。そのためには、預金者を守るために、銀行法という守らなきゃいけない法律があると思うのですね。そして、その預金者を守るために、本当に金を貸していいかどうかを検討するのが銀行さんの役割なんです。これは定められているんです、法律で。しかし、この銀行がだらしないからこういういろいろな問題が起きていますね。 もう一つは、銀行と同時にノンバンクというのがありますね。これは預金はとりません。過去に住専という問題がありました。これは五千五百億円の問題で国じゅうが大騒ぎした。しかし、今はもう国が銀行にじゃぶじゃぶ金を出しても全然国民が文句を言わなくなった。大体、一兆、二兆、三兆、この何兆というお金に麻痺をしてしまったわけですね。豆腐の一丁と大して変わらないくらいに考えている。これでは日本の世の中が絶対うまくいかないと思うのですね。 本当は銀行というのは、私どもが商売を始めたころは、相当重い十円玉とか百円玉とかそういうおつり銭まで持ってきてくれて、地域の要するに決済やいろいろなことについて一生懸命やってくれたのが銀行なんです。いつしかこれがバブルの時代に変わってきちゃった。そこで、保証協会という、銀行かノンバンクか政府系金融機関かわからないものが登場してきたんですね。 通産大臣、保証協会の機能というのは、これはもう一回ちょっと確かめたいのですが、何なんですかね。銀行なんですか、それとも政府が保証している保険屋さんなんですか。まずちょっとこの辺だけ。 〔青山(丘)委員長代理退席、委員長着席〕
○平沼国務大臣 今、中山委員がおっしゃいましたように、やはり銀行というものが右肩上がりの土地神話に基づく日本の高度経済成長の中にあって、おっしゃったように、土地でありますとか、あるいは確実な有価証券ですとか、そういったものを担保にして、そして安易な経営姿勢でやってきた。そのある意味ではツケが、御承知のように、バブルという形で大変な金融の大きな問題を招いたと思っています。 例えば、昔の銀行家は、住友銀行の総帥と言われた、後に大蔵大臣になった小倉正恒というような人は、その貸し出す先の企業の将来性であるとかあるいは経営者の資質を見て、むしろそっちに重きを置いて貸した。昔のことですけれども、そういうようなことで住友の財閥の総帥になった、こういうことを本で読んだことがありますけれども、そういう基本姿勢がなくなってきたと思います。 戦後の多様化したいろいろな経済発展の中で、そういう基本的な銀行の姿勢、そして、日本は経済成長を遂げなきゃいかぬ、こういうことで、国の方向も、あるいは民間経済界の要求もあって、やはり政府系金融機関というものを充実させながら経済を発展させていこうと。その中に、信用保証協会といって、銀行がリスクを負いたくない、しかし、公的なものから保証をしてもらえばそういった形でお金が潤滑に貸し出せる。そういう、ある意味の、経済が円滑に動いていく、そして国の経済政策の目的にかなった、そういう中で信用保証協会というのが全国に展開をされ、それはそれで機能をしてきた。そういうことを私は思っているところであります。
○中山(義)委員 信用収縮という言葉がちょうど三年ぐらい前から出てまいりました。 これは、銀行と我々だけじゃなくて、問屋さんと小売屋さんの間でも、うっかり商品を貸したらあそこは売れないから支払いをしてくれないのじゃないか、または、メーカーさんと問屋さんの場合でも同じですね、そういう信用収縮というのが起きたのですね。お互い人間が、信頼関係がなくなっちゃったのです。どうもあいつのところへ貸し出すと返ってこない、商品を出しても支払いしてくれない。この信用がなくなってきちゃったのですね。 これは日本だけじゃなくて、ちょうど東アジアでも同じような現象が起きました。だから金融パニックになったのですね。みんなお金を借りないと決済ができない。要するに、問屋さんも怖がって品物が行かない、だから、何かというと現金で品物よこせとか、そうすると、これは現金でやりますと銀行という機能がそこになくなっているのですね。 つまり、では信用保証協会というのは何だったのかなというと、その信用収縮、これを何とかもう一回信用をつけよう、そういう意味合いで、新たにこれが大きく、だんだん増殖をしてきたわけですね。 この信用というのは何なのか。本来は、貸し出しても返してもらえない、これは信頼関係ですね。だから、問屋さんというのは本当は、小売屋さんに品物を出すときに、問屋がそのリスクを負わなきゃいけないのですよ。または、人にお金を貸すときに、貸す方は金利を取るのですから、本来はリスクはどこが負わなきゃいけないのか、これはもうける先がリスクを負わなきゃいけないのです。だから、問屋も銀行もメーカーも、最後に売らせる場所に品物を出したときに、またはお金を貸したときに、リスクは自分が負うべきだと思うのですね。この機能がもしなくなったら、日本に金融機関というのは存在しなくなっちゃうはずなんですよ、また流通というのも行われなくなっちゃうはずなんですよ。 だから、保証協会というのは、非常に大切な部分ではあるけれども、本来日本の経済の基本的なことをつぶしかねないということがあるのですが、大臣、その辺どうですか。
○平沼国務大臣 確かに銀行というのは、性質上、リスクを負いたくない。そういう形で、私なんかも具体的に、地元が岡山ですけれども、中小企業、零細企業の方々が、やはり運転資金と設備資金とを借りたい、しかし、銀行に行くと、今おたくの状況ではこれは貸せないのだ、しかし信用保証協会の保証をつけてくれたらそれは融資をしてあげるよ、こういうことで、確かに補完的な役割を担ってきました。 ですから、そういう意味で、バブルの前からずっとそういうことがありましたけれども、今の経済体制の中で、本当にお金を必要とされている方々の、担保能力もつてもない、そういった人たちのために銀行の肩がわりをして保証をつける、やはりそういう役割を担ってきたわけでありまして、先生がおっしゃるように、とにかく、本来銀行が一切やらなきゃならない、そういったところを肩がわりしてきたということは事実あったと思います。しかし、信用保証制度というのは、そういう意味で、日本の経済にとってある重要な機能を果たした、こういうことも事実だったと思っています。
○中山(義)委員 今大臣の言ったのはよくわかります。最後に言ったお言葉は、要するに、緊急事態においてはこういうやり方も仕方なかった、こういうふうにおっしゃりたいんじゃないかと思うのですね。ですから、保証協会が保証をするというのは、日本の経済が緊急事態だ、しかも中小企業が貸し渋り対策に遭ってとんでもない状況になっている、こういうことだったのですね。 しかし、中小企業対策としていろいろ考えたときに、貸し渋り対策、初めから保証協会の保証をやったわけじゃないのですね。その前に政府はちょっと失敗しているのですよ。大銀行に資本注入をすれば貸し渋りはなくなるということで、十五兆も十六兆も使った。しかし、その結果どうだったろう。全然だめだったのですよ。みんな言いましたよ、中小企業をだしにして結局は大銀行を助けているんじゃないか、しかも六十兆、七十兆出して、何だと。 一兆円というのは、こうやって積んでいきますと一万メーターですよ、富士山の三倍ですよ。一日に百万円一生懸命使ったとしても二千七百年もかかるという、本来、国民が考えたら気の遠くなるようなお金なんですが、本当に毎日一兆、二兆、三兆と出てきますと、それを忘れちゃうんですよ。だからそういう面で、この大きなお金をどんどん銀行に注入していった、これに国民がある程度麻痺していったということがあるのですね。 ですから、この中小企業対策によって何かいつも大銀行を救っていた、こういうことがありますから、私は、もうちょっと考えたときに、金融政策の考え方に問題があったんじゃないか。 例えば、保証協会へすぐ走るよりも、BIS規制を八%、だけれども、これは国内でやっている中小の信用金庫、信用組合はなぜBIS規制が八%なのか。私は、この委員会でこれを言っても仕方がないかもしれません。ただ、全体の流れとして、中小企業に対応している金融、金庫、信用金庫であれ信用組合であれ、これまでなぜBIS規制を八%にしたのか。この辺も大きな問題として残ると思うのですね。 私どもがちょうど都議会議員をやっているときに、二信組の問題、コスモ信組の問題が起こりました。このときは、BIS規制よりもオーバーローン、つまり、預金よりも貸し出しの方が全然多くなっちゃう、こういう現象が随分責められていたのです。そのうち、あるときに、貸出資産を分母にしたBIS規制というのが出てきたのです。これは僕らも初めて聞いた話で、何でこれが問われるのかなと思っていたのですが、銀行の状況を見るのにBIS規制というのが一番正しい判断だということになってしまって、オーバーローンとかそういうものが余りとられなくなった。 しかし、一番大きな問題は、このことによって、中小の金融がBIS規制四%を八%にするために貸し渋りをやったということなので、保証協会の保証をする前にまずやるべきことがあったんじゃないかと思うのですが、この辺は大臣、どうでしょうか。
○平沼国務大臣 商工委員会よりもむしろ大蔵委員会の様相を帯びてきたわけですけれども、私は、確かに中山委員御指摘のように、銀行に対して大量の資金をつぎ込んだ、これがやはり失敗ではなかったかという御指摘は、ある面では当たっているのじゃないかと思っております。 しかし、当時を振り返ってみますと、日本発の世界大金融恐慌が起こる、こういうことが言われておりました。そういった中で、やはりこれは、特に銀行、金融機関の怠慢だったと思いますけれども、安易なバブルに走って、そして不良の資産をたくさん増大させた。そういう中で、日本発の世界大金融恐慌が起こる、これが起こると、かつての昭和二年の悪夢のように大変なことになる。こういうことで、日本発の金融パニックを防ぐという意味で、今おっしゃったように何兆そして何十兆、そしてさらには小渕政権になって六十兆のお金を積んで、そしてある意味ではそれを世界が見て安心をして金融パニックが防げた、こういう側面も私はあったと思います。 ですから、そういうことで、そういう側面もありましたけれども、しかし、今中山先生が言われたことはおっしゃるとおりだ、私はそういうふうな感想を持っております。
○中山(義)委員 私たちは、前回の国会のときですか、参考人を呼んで、一番今大切なのは、保証協会で保証することよりも、本当に中小企業者向けの金融機関をしっかりつくっていく。特に信用組合、これは皆さんで出資をしてやっているわけですから、本当に地域のために金融機関をつくっていく、そういう態度が、商業者からも必要なんじゃないかと。 ところが、ちょうど二信組の問題とかコスモの問題とか、ああいう信用組合がだんだん大きくなろうとして、銀行になろうとして、それでみんな失敗したわけです。我々は、原点に戻りまして、本当に地域に有効に働く金融機関が本当は必要だと思うのです。そういう金融システムをつくることがこれから中小企業のためだと思うのですね。 私たちは、今回のこの法案に対して、初めは必ずしも賛成をしていたわけではありません。本当に日本の金融システムが、この保証協会の増殖によって果たしてマイナスの方向に行ってしまうんじゃないか、こういう危機感を持ちまして、反対という面からこれを精査していったんです。いろいろな面で精査していきました。 例えば、保証協会は預金もとっていないから相手の企業者の状況というのはわからないわけですよ。銀行がある程度相手の企業者の状況がわかるというのは、預金をとっているからなんです。当座をとっていますと大体わかるというのです。それから、金を貸したときにはいろいろな決算書なんか出させますから、相手の企業のことはよくわかる。保証協会はわからないんですよ。何にも審査する能力もなくて金出すわけでしょう。 これ、金額見たってとんでもないお金が保証協会から出ているわけですね。ますます職員さんや何かも増殖していると思うのですよ。しかも、都道府県から天下って、特に都道府県の副知事さんクラスがみんな行っているんですよ。だから、当然そこの議員さん、これはすごく顔見知りですよ。私だって顔見知りですよ。ひとつ何とかと、こういう相手になっちゃうんですね。私は、あっせんをしても一銭もその利得は得ないというのが私の主義でございますから全然安心なんですが、これをやはり悪用しようと思えばできる可能性があるということをまず御指摘をしたいんです。 そういう面で、この信用保証協会を増殖したり、そしてまたどんどん大きくなっていくということがいかに怖いことであるかということをぜひ御認識いただきたいのです。 ですから我々は、今回の、枠を広げていく、これについて本当に正しいやり方ができるのかどうか。そのためには、一般保証に移る前に、まず特別保証の今までやってきたことを一回総括をして、ちゃんと数字でも出して、犯罪があったとすればそれがどうして行われたか、こういうものを総括してから次に進んでもらいませんと、ずっとこのまま保証協会がやっていく、いわゆる国が銀行みたいなことをやっていく、国が全部銀行に対して保険を、しかも保険料をある意味では国が払っていくようなものですから、こんなことが行われたら日本の金融システムは壊れちゃうんじゃないか。しかもペイオフは延期されるというようなことですから、なおさら日本の金融機関というのはちっとも民間の力として大きく育っていかない、こういう御指摘をさせていただきたいのです。 一般保証に入る前にまず総括をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○平沼国務大臣 確かに御指摘のそういう問題は、私はあると思います。 しかし、異常事態という形で、ちょうど一九九七年あたりが貸し渋りのピークに相なりました。そういった中で、中小企業、零細小企業の方々は大変運転資金等に困った、こういう事態があって、そして、銀行はやはり私企業でございますから、自分たちの保身のために大変な貸し渋りをする。そういう中で、異例、特例、臨時の措置として御承知のように特別保証制度をつくりました。 これはもう釈迦に説法で恐縮ですけれども、当初は二十兆の枠で行いました。そのときには、まさに干天に慈雨というような形で、申し込みも二十万件を超える、こういうようなことになってきまして、そしてさらに、御承知のように、一年延長して来年の三月までということで三十兆の規模にいたしました。 これももう委員の方々よく御承知だと思いますけれども、現時点でそれを総括してみますと、百四十万社を超える企業に利用していただきました。そしてさらに、保証をさせていただいた絶対額も二十四兆一千億、こういう形になって、その間、これによって救済された企業は、直近の数字では一万社に上るであろう。そして、倒産を未然に防ぐことによって約二兆円のそういうお金が守られた、あるいはまた、直近の数字ですけれども、九万五千人の失業者が出なくて済んだ、こういうことが総括として私は言えると思っております。 しかし、今御指摘のように、やはり審査能力、そしてまた火急に対応しなければならないということで本当に少ない人数で二十万件を処理する、こういう形の中で、やはりどうしても悪質な人たちが出てきて、そして新聞紙上をにぎわしたりテレビでいろいろ問題が指摘されるような、そういう忌まわしいことが起こったことも事実です。 しかし今、言ってみますと日本の中小零細企業の皆様方は非常にまじめに返済をされておられまして、そして、これからは比率は高まると思いますけれども、これも総括をさせていただきますと、当初一〇%を予定しておりました代位弁済も、直近では一・八二にまだとどまっております。これは後追いになってまだふえる可能性は当然ありますけれども、一・八二という形で推移をしています。 そういうことで、私は、ああいう異常事態の中で、やはり国が、本当にそういう意味では、本来の金融機関、そういうあり方を超えた形の中でやったことは事実ですけれども、総括をしてみますと、それはプラスの効果が非常にあった、そしてまた、中小零細企業の方々には感謝をしていただいている。 しかし、これは臨時特例の措置ですから、もう三月でこれを打ち切りまして、そしてさらに、これは今おっしゃったようにネガティブリストということで割合簡単な審査をしておりましたけれども、今度は、一般保証制度に変えるに当たりましては、それぞれきめ細かい審査方式で対応するようにいたしておりますし、またそういう意味では、そういう審査の対処人員も、どんどん膨れ上がってはいけませんけれども、必要な審査の人員も確保はしていかなければならない。そういう中で、やはりしっかりとした審査体制も同時につくっていこう、こういうことで今回この法律でお願いをしているところでございます。
○中山(義)委員 干天に慈雨というお話がありましたけれども、これは確かにそうなんですけれども、それが限度を越しますと砂に水をまくような状況にもなりかねない。今までもずっといろいろ国が使ってきたけれども、なかなか景気対策が実らなかった、そういう部分があったと思うのですね。ですから、これを有効に生かすということが大事だと思うのです。保証協会がどうやって本当に中小企業のためになるか。 つまり、中小企業国会のときもよく言われたんですが、中小企業と一くくりにするんですね。中小企業といったって、三億で三百人以下。これは前は一億だったのが三億になった。どんどん中小企業の範囲が大きくなってしまって、その中小企業を一くくりにして融資の対策をやるということ自身にすごい問題点があると思うのです。 中小企業というのはピンからキリまでありますよ。父ちゃん母ちゃんと言われている三ちゃんでやっているところだってあるわけです。三百人でやっているところもある。これを同じように考えて、一般保証についてもまた特別保証についても同じようにやること自身に矛盾があるわけですね。本来、銀行だったらば、そういうことを勘案しながらやるわけですよ。だけれども、国がやる大ざっぱなこのやり方について私は大変疑問を持ちますけれども、もうちょっと、保証協会と、信用組合とか信用金庫とか本当に地元の銀行さんとの兼ね合いとか、しっかり考えるべきだったと思うんです。 初め、実は私の地元なんかでも、この特別保証のときに信用金庫が圧倒的にぐわっと伸びたんです。ほとんど、一流銀行の方は、都市銀行の方はなかなか手をつけなかったんです。何となく、保証しても貸さないとかそんなことまであったんです。ところが、余りにも信用金庫が一生懸命やったために一流銀行が後からついてきたという形で、いろいろ三十兆円とか大きく広がっていったわけですが、現実問題として私たちは、特別保証の枠ではこれはよかったんですが、今後の問題として、本当に保証協会が相手を審査できるのかどうか。 それから、政府系の金融機関でも一緒なんですが、政府系の金融機関もやはりノンバンクなんです。銀行というのは、預金をとって、その預金を原資にして貸すことによって預金者を守る。つまり、保証協会は国の予算、国の予算は国民が預金したものと同じだという形で、国民のために本当にこの人にお金を貸していいのかどうか。または、貸す相手をある程度選別して、これは初めから十人以下の人たちに貸すお金である、これは三百人以下の中小企業に貸すべきである、そういうふうに分けていかないと、今回みたいにただ五千万を八千万に広げたというだけではどこが対象だかよくわからないんですよ。恐らくもう、今まで特別保証で借りられた人は今回絶対借りられませんよ。 だから、この政策というのは、中小企業でも実はベンチャーとかもうちょっと発展的な過程にある会社を助けるためにやっているんだよとかということがないと、何だかよくわからない今回の保証協会のあり方だと思うんですね。 保険法の一部を改正する。しかし、これはだれのためなのか。少しその辺の明確なメッセージが伝わってこない。本当に弱小企業のためなのか、零細企業のためなのか、それとも発展途上の、もう百人ぐらいいて、これからがんがん伸びようというところに対応しているのか。その辺もちょっと明確にしてくれませんかね。
○平沼国務大臣 今回お願いをしておりますのは、五千万円を八千万円に引き上げるわけであります。そういう形で保証をさせていただくわけですけれども、当然、一般保証に移りますので、先ほども申し上げましたように、ただ一律にネガティブリストで、貸し渋り対策として、そして臨時特例の措置としてやるということとは違って、やはりきめ細かい対応をする。 ですから、今委員御指摘のように、例えば零細の三ちゃん企業であればそれなりにしっかり見させていただく。また、規模が大きい、資本金もかなりあるところはそれなりに対応していただく。そういうやはりきめ細かい対応の中で、御指摘のように、国の、国民の皆様方の税金で最終的には保証をさせていただくわけですから、その辺はやはり慎重にやっていかなきゃいかぬし、あくまでも、特別保証制度とは違って、一般保証という形で厳正に行わせていただきたい。そのことは、今の御意見、そのとおりだと思いますので、しっかりと反映させていただきたいと思います。
○中山(義)委員 保証協会の保証というのは、さっき言ったように保険みたいなものですが、もう一つ、やはり保証協会がこんなにどんどん増殖を続けていくと、その職員の数や、こういう特別保証のときには相当な審査をしなければいけないから、今までそれだけの量も必要だったわけですね、人的な配慮も随分必要だったと思うんです。 それよりも、一応金融機関として政府系の金融機関がありましたね。こういうものとの兼ね合いで、政府系の金融機関をもうちょっとうまく使っていくとかという方法もあったと思うんですが、ある時期に保証協会に保証が集中してきた。私らも今までの資料を見ると、これはすごい金額ですよ、十一年。確かにこれはそういう政策でやったんですから、政策意図があるんですから、これはよくわかります。 それから、焦げつきが少ないというのもわかります。保証協会なんかは次の月からもう返済しろとやっているわけですよ。それはもう、銀行さんが間に入って、その方が健全だろうと。そして、次の月から返せるような企業じゃなければ貸せないというようなことも言ったそうですよ。そうやって、恐らく銀行さんが間に入っているので、銀行が審査した結果そういうような形になっているんですが、本来、やはり銀行が主体的に物をやって、そのリスクまで銀行が負うのが一番いいんです。 だけれども、政府系の金融機関があるんですから、保証協会の前に政府系金融機関がもっと銀行としての役割を本来果たさなきゃいけなかったと思うんですが、なぜ保証協会だけにこんなに偏って、これを見ても、政府系の金融機関の貸し出しは出ていないんですね、そんなに。貸出資産はそんなにないですよ、本当に。その辺はどうだったんですかね。
○坂本政務次官 政府系金融機関におきましては、これまでも、一時的な業況悪化により資金繰りに著しい支障を来している中小企業者を対象とする、中小企業運転資金円滑化特別貸し付け等の貸付制度を運用してまいりました。これは、既に中小企業運転資金円滑化特別貸し付けの実績もございまして、平成十年六月十八日から今日までの実績が、中小企業金融公庫、国民生活金融公庫、商工組合中央金庫、合計件数が四万五千二百五十九件ございまして、金額にして約一兆円でございます。 これに加えまして、このたび、災害や取引先金融機関の取引状況の悪化や関連企業の倒産といった非常時においても貸付額の一定割合の担保を免除することができる貸付制度、いわゆるセーフティーネット制度を整備することを考えており、所要の予算措置を今次補正予算に盛り込んでおるわけでございます。 このように、中小企業の経済的社会的環境の激変への円滑な対応を資金供給面から支援するため、信用保証制度の拡充に加え、政府系金融機関においても貸付制度を拡充することで、中小企業者に対し多様な資金供給チャンネルを確保してまいりたいと考えております。
○中山(義)委員 私の後に見識の深い北橋委員がおりますので、あとの質問は北橋委員にお譲りをいたしたいと思うんですが、最後に、やはり、民間企業または民間の活力、自由主義経済、自己責任、いろいろな言葉がこの金融の中で出てきました。これはすべてやはり大切にしなきゃいけない言葉なんですね。 本来、企業というのは自己責任でやっているんですね。それから、自由主義経済というのはやはり民間の活力によってやっていかなければいけない。ですから、私たちは本来、会社が失敗して、その経営者が能力がなかった、無理な融資を受けたり、また無理な仕事をやって失敗したときは、自分が責任をとらなきゃいけないですね。ですから、そういう自己責任に基づいてやっていく。 住専の問題のときにもとんでもない企業者がうんといたわけですよ。うんと金を借りておいてそのままトンズラしちゃうとか、または平気の平左で借りたままテレビに出て、何千億の金ですよ、大きなお金を借りたところは平気の平左。ところが中小企業が、たった一千万、二千万でですよ、つぶれたときには、銀行から土地建物、全部とられてしまう。こんな不公平があってはいけないと思うんですね。やはり自由主義経済は民間の活力が大事だ。 ですから、保証協会はそのときにいい機能を果たしたけれども、これからも保証協会が増殖を続けていくと日本の経済の根幹を間違える可能性がある、こう思いますので、これらについて、ちょっとこれから北橋委員に見識のある質問をしていただいて、私はここで、お後がよろしいようでございますのでかわります。
○古屋委員長 北橋健治君。
○北橋委員 民主党の北橋健治であります。 中山議員に続いて質問をしますが、これだけの重要な法改正に際して、わずかの時間しか私どもに与えられないことは極めて遺憾であります。しかしながら、きょうは簡潔に、私どもが大変重要と思われることについて質問を順次いたしますので、お答えをいただきたいと思っております。 一番目に、特別信用保証制度を来年春をもって終わらせるというのが一つの柱でありますが、先ほど大臣から総括を聞いておりますと、言うなれば、未曾有の貸し渋りに苦しんできた中小企業にとって干天の慈雨であった、中小企業に働く労働者にとってもいろいろな意味で効果があった、その反面、いろいろと問題があったというお話がございました。問題点の御指摘は、もう言うまでもなく、一部の悪質なブローカーによってこの制度が悪用された、そういったことなど、非常に大きな問題点があるわけです。 今、中山議員の方から、そもそも信用保証協会の審査能力、あるいは審査体制のもろさというものが図らずも露呈したのではないかと。この点については、この法改正を契機に、ぜひとも委員会の皆様方の了解のもとにきちんとした体制をつくり上げなければならないと思います。 それは先ほど委員から指摘しましたので、続きましてもう一つ、銀行のモラルハザードという問題が否定できないと思います。それは、いわゆる旧債の肩がわり、振りかえと言われていることであります。 これについては、金融庁と中小企業庁は一緒になって、事実が明るみに出た場合には代位弁済の免責から外すということで、かなり厳しく通知をしたと聞いておりますが、それで本当にこの問題は終わりだろうか。現実には、借り手の中小企業者と銀行との力関係は、この厳しい経済環境あるいはいろいろな面から大変に中小企業は弱いわけでありまして、なかなか物が言えない。いろいろなところで現実には旧債の肩がわりに近いことが行われているという話を、少なからず私どもは聞くわけであります。 そういった意味におきまして、この旧債肩がわりという、まさに金融のモラルハザード、あってはならないこと、これを絶対にやらせない。これは国民の税金を使って中小企業の円滑な融資を守る制度でありまして、銀行を助けるためのものでは決してない。そういう一面が事実あったわけでもありますし、まだかなりあるとも言われている。 これについてのきちんとした総括は、ぜひとも大臣から、こういうふうにしたいということがあればお聞かせ願いたいと思います。
○伊藤政務次官 私からお答えをさせていただきたいと思います。 今、北橋委員御指摘のように、そうした旧債の振りかえは絶対許さない、そういう決意のもとに私どももこれからのしっかりした対応をしていきたいというふうに思っております。 委員御指摘のように、旧債振りかえについては原則認めず、代位弁済を行わないという強い方針のもとに、これまでも政府といたしましては、広報体制、あるいは関係した金融機関に対して、業務改善命令、さらには再発防止の要請を行ってきたところであります。例外的に、金利の引き下げや借入期間の延長を伴うなど、中小企業にとって有利なケースとして信用保証協会が特に認めた旧債振りかえについては、平成十二年九月末現在で三千億円と、保証承諾額全体の一・六%にとどまっておりますが、それ以外の旧債振りかえは保証契約違反であり、信用保証協会は代位弁済の責を免れる、こういうことになっております。 先生がおっしゃられたように、銀行との力関係の中で本当にこういうひどい目に遭っているんだ、そういう実態をやはり正確につかまえる、そしてそういう実態があれば適切に対処をしていくということが一番重要だというふうに思っておりますので、信用保証協会の相談窓口等々から引き続き旧債振りかえの実態把握に努めるとともに、金融機関を初め関係機関に対して、こういうことは絶対許さない、そういう思いで、これからも適正にこの制度の運営に当たっていきたいというふうに思っております。
○北橋委員 今、政務次官からの御答弁でございましたが、大臣、これは国民の税金を使ってやっている制度でありまして、銀行がこういうものを一部使っていたことが明るみに出たというのは、恐らく氷山の一角だろうと思うのですね。 そういった意味では、今後、窓口におきましてもその趣旨をきちんと伝えていくということでございますが、できましたら大臣の口から、通産省、中小企業庁としては絶対にそういうことは許さないのだ、その趣旨を現場に徹底させる。絶対に許さない、そういった不退転の気持ちは、やはり総括の中でお示しいただきたいのでありますが、いかがでしょうか。
○平沼国務大臣 北橋議員御指摘のとおり、これは国民の税金という形で賄っておりますので、やはりこの執行に当たりましては、本当にそれぞれ徹底をいたしまして、そして万々遺漏なきように、私からもよく厳命をいたしまして、その徹底を図ってまいりたい、このように思っています。
○北橋委員 私どもも、こういった問題を発端といたしまして、いわゆる銀行のモラルハザードを防ぐためにどういう方法があるのだろうか、そういうことを今まで議論してまいりました。 その過程で、この特別信用保証制度を発足させるときに、有力な中小企業団体のリーダーからも、銀行にリスクテークを二、三〇%とらせてはどうかという議論があったと聞いております。しかし、うやむやのうちにその話は消えていくわけでございますが、改めて今、私どもは、五千万から八千万に引き上げる、新しい段階を目指すという段階におきまして、この部分保証という考え方、金融機関にも一定のリスク、それは二〇、三〇%じゃなくてもいいんです、五%でもいいんですが、要するに、金融機関によるモラルハザードを防止するために、金融機関が一定のリスクを負担する部分保証の導入というのはやはり検討すべきではないかと思うのでありますが、これについての通産省のお考えを聞かせていただきたいと思います。
○平沼国務大臣 現在、委員御承知のように、信用保証制度においては、原則として、金融機関による融資額に対する保証割合は一〇〇%になっております。 与信を行う金融機関が一定のリスクを負担する部分保証を現時点で一般保証制度に導入することは、いまだに厳しい状況から完全に脱却したとは言い切れない金融環境のもとで、保証制度を利用する金融機関の貸し渋りを再燃させることにもつながりかねない。ですから、現時点では私どもの判断では適当ではない、こういうふうに思っています。 しかし一方、御指摘のように、金融機関によるモラルハザードを防止する観点から、部分保証を導入することは十分検討に値する課題だと思っています。 御承知のとおり、昨年の法改正により導入をいたしました中小企業の発行する私募債に対する信用保証制度においては、部分保証を、保証割合九〇%ですけれども、導入したところでございまして、御指摘のような、そういうことは私は正しいことだと思いますから、やはりこれから検討課題として前向きに検討を加えていきたい、こう思っております。
○北橋委員 この考え方の是非をめぐりまして今後政府が真剣に御検討いただくという方向は、評価をさせていただきたいと思っております。 もう一点、私どもは党内で、そもそも中小企業に対する円滑な資金供給を確保するために、今現在の信用保証制度なり、政府系金融機関の制度なり、幾つかの政策があるわけでありますが、やはり根底にあるのは、官がすべていろいろとコントロールする、誘導するというのは限界があります。そういった意味では、民間の金融機関が早く立ち直る、そして、何でも有担保主義、担保至上主義で対応してきたことを二十一世紀は改めるべきではないのかと。 そういった意味で、民主党としましては、この際、政府系金融機関は三つあるわけでありますが、一つに統合してもよい。そこには、民間の金融機関で職を離れている人も今いっぱいいるわけでありますので、民間のそういったプロも招いて、ひとつ、担保、担保と、それに拘泥してきた姿勢を改める。そして、それぞれの中小企業の持っている技術だとか特許だとか、そういうものを評価して融資を拡大していく。そういう形で、担保至上主義に拘泥する現在の民間金融機関の姿勢を正していかなくてはいけないのではないか、そういう方向を目指すべきではないのか。 今、現にあるものを、五千万を八千万にするとか、そういうことにとどまらず、やはり根本的な、有担保主義に拘泥してきた日本の金融のあり方を今まさに見直さなければ、新しい経済の活性化は望めないのではないかと思うのでありますが、いかがでしょうか。
○平沼国務大臣 これは私は御指摘のとおりだと思っております。 これまで我が国の民間金融機関は、物的担保を重視する傾向が強くて、中小企業者の有する新規性の高い技術や信用リスク等の的確な評価に基づく融資等は十分行われてこなかった、こういうことが言えると思います。担保となる資産を十分に有しない中小企業は、必要な資金を容易に調達できないのがある面では実態だった、このように認識しております。 このため、昨年の臨時国会において、多様な中小企業の資金調達ニーズにこたえるために、中小企業の私募債発行に対する信用保証制度の創設や、公的機関からのベンチャーキャピタルへの出資の拡充、中小企業金融公庫による新株引受権つき社債、ワラント債でありますけれども、の引き受け等、担保に乏しくとも高い技術力等を有し、さらに成長が見込まれる中小企業者に対する資金供給の円滑化を図るための施策を抜本的に拡充してまいりました。 また、民間金融機関が中小企業の信用リスク評価に基づき担保によらない資金供給を行う際の一つのよりどころとなるように、信用保証協会や政府系金融機関の保有する取引先企業データを活用するためのデータベースの構築などもあわせて行っております。 現在、データベースのシステム設計開発を進めており、これは平成十三年春から信用保証協会を中心にシステムの試行的運用を開始し、十四年以降にかけて民間金融機関等への本格的な参加へと展開していく、こういうことで、御指摘のような点の拡充をしていきたい、こう思っております。 また、今後とも、中小企業者に対する資金供給の円滑化や多様化を図るため、今おっしゃったように、民間のエキスパート、そういった人たちの力を導入する、こういうことも含めて積極的に検討してまいりたい、このように思っています。
○北橋委員 基本的な目指す方向はかなり近しいものを感じておりますが、しかし私どもは、官が一つの方向性を仕切っていくということはこれからはやはり考え直すべきだ、やはり民間の力といいますか責任といいますか、そういったものを大事に、徹底させていかなくてはいけない。そういった意味では、私どもは、政府系金融機関というものは思い切って統廃合が必要だし、こういった信用保証だとか政府系金融機関ということとは別に、担保は乏しい、なくても、その経営能力なりあるいは技術なり特許なり、そういったものを評価する体制を早くつくってあげることが先決ではないかと申し上げております。 私どもは、ぜひともこれを立案して本院にも提出させていただきたいと検討しておりますが、現下においてはそういったリスクキャピタルのマーケットが整備されておりません。そういった意味では、今なお厳しい経営環境の中で頑張っていらっしゃいます中小企業のことを考えますと、今回の法改正というのは、ある意味では激変緩和あるいは緊急避難的な、我々が理想とする金融マーケットができるまではそういったものとしてやむを得ざるものと思いますが、いずれにしても、やはりこれは見直す必要があるのではないか。 現に、政府も平成十七年度末までにこれを見直すと言っておりますが、法文を読みますと、五千万を八千万に引き上げるということ、その額を中心に見直すように読めるわけでありますけれども、私は、この際、先ほど大臣が御答弁になりましたように、部分保証の是非、導入をめぐる問題、あるいは中小企業の技術を評価する本格的な審査体制をつくり上げる、そういったことを含めて見直しの時期を前倒しでやるべきではないか、こう思うわけでありますが、改めて確認をさせていただきたいと思います。
○伊藤政務次官 今御指摘のございました検討を加えるべき期限は、これ以前に検討を加えてはいけないということではありませんので、私どもも、今後のいろいろな状況を踏まえて適当と認められる場合には、今先生から御指摘がありました部分保証の問題も含めて、その是非を含めて信用保証制度全体のあり方というものをしっかり見直していきたいというふうに考えております。
○北橋委員 先ほど部分保証のところで大臣がお答えになりましたが、今すぐにこういった考えを導入するとなると今の金融システムが非常に不安定だというお話がございました。直ちには導入を考えられないということなんですが、それでは一体何年後に見直しの時期を設定するかであります。 ペイオフの解禁を一年延長した、我々民主党はそれに強く反対いたしました。いつまでも税金丸抱えでだらしない状況を黙認することは、国民が許さないからであります。そういった意味では、我が国の金融システムが安定化に向かう、そういうところをどの辺に設定するかであります。私どもは、どんなに遅くとも二年後にはもう落ちついていないと、いつまでも税金の投入を見過ごすわけにはいかない。 そういった意味で、二年後に部分保証の是非を含めてこの信用保証のあり方そのものを見直す、そういうふうにぜひとも踏み切っていただきたいのでありますが、大臣、いかがでありましょうか。
○平沼国務大臣 これは、本法施行後二年以内の時点であっても、中小企業をめぐる金融の状況等を踏まえて、これが適当と認められましたら二年以内に見直しをする、こういうことも私どもは視野に入れてやらせていただきたいと思っています。
○北橋委員 ペイオフの解禁の議論のときでも、大蔵委員会を中心に議論が相当激しく行われたわけでありますけれども、私は、いたずらに時間の経過するのを見過ごすべきではない、とにかく一日も早く安定化をさせてこの見直しをするということを強く求めておきたいと思っております。 時間が参りましたが、最後に、先ほど中山議員の質疑でもございました、信用保証協会の審査のあり方、あるいは能力を高める、この重要性についてのやりとりを聞いておりまして、天下りというお話がございました。県庁の幹部がたくさん天下っている、だから地方議会の皆様方が物が言いやすい、頼みやすい、そういった政治的に弱いという一面も今回はっきりしたわけでございます。 私は、通産、中小企業庁の立場でどこまでできるかわかりませんが、やはりこれだけ大きな問題点も明るみに出たわけです。干天の慈雨としてのいい面もあったでしょう。しかし、こういった問題点はきっちりと総括をしなければ納税者の理解は得られないのでありまして、そういった意味で、今回のいろいろな事案を契機としまして、政治的な干渉を排除するという意味で、やはり天下りというものはやめていく、そういう方向にぜひとも持っていっていただきたいのでありますが、いかがでありましょうか。
○伊藤政務次官 地方自治体の幹部職員が、退職後、信用保証協会の幹部ポストについていることによって、先生御指摘のように、いやしくも制度の適正な運用に疑念を生ぜしめることがあってはならないというのは、もう先生の御指摘のとおりでございます。 保証協会の役員の選任等は都道府県知事の権限であり、国は解任以外は一般的な人事権を有しておりません。ただ、今いろいろな事件が起きているわけでありますから、そういうことを十分留意して、今後とも、信用保証協会の監督及び信用保証制度の運営を適正に行っていかなければいけないというふうに考えております。 また、国は、保証協会の事務ガイドラインにおいて、都道府県関係者からの理事就任数は最小限にとどめるものという指導を行っておりますので、こうしたことを徹底していきたいというふうに思っております。
○北橋委員 もう終わります、あと一つだけ。 大臣、この質問を終えるに当たりまして、政府としても今回いろいろな事件が発生したということは重く受けとめておられると思うのですが、やはり通産大臣のお立場からして手の届かない世界もあるかもしれませんけれども、政府内部で、閣僚会議で、自治体に対して影響力のある自治大臣に対しまして、これだけの大きな問題を起こしたのだから地方自治体についてもぜひとも国会での論議を踏まえて善処するように、大臣から言っていただけないでしょうか。
○平沼国務大臣 御指摘のとおりだと思っておりますので、それはしっかりやらせていただきたいと思っています。
○北橋委員 それでは時間が参りましたので、終わります。
○古屋委員長 達増拓也君。 〔委員長退席、青山(丘)委員長代理着席〕
○達増委員 自由党の達増拓也でございます。 中小企業向けの貸し渋り対策特別保証制度については、平成十年夏から秋にかけての金融危機に、当時、自自連立の直前でありましたけれども、野党でありました自由党が、何とかこの未曾有の金融危機の中で中小企業を守っていかなければならない、そういう思いで強く主張し、導入に至った、そういう経緯がございます。 平成十年夏から秋にかけ、当時、株価が一万二千円余りにまで下落するということがございました。ちなみにきょうの株価でありますけれども、先ほど午後二時過ぎの時点で一万四千二百二十六円、何と前日比三百五円の下落となっております。きょうの株価は、午前中から前日比二百円下落の線で推移していたのですけれども、午後になってもう三百円近くまで下落している。内閣不信任案が否決された翌日にこれだけ株価が下落するというのは、普通では考えられない事態なのでありますが、これについての対策、これもまた考えていかなければなりません。 平成十年の話に戻りますと、当時、まずは危機管理だったわけであります。中小企業、商店街の商店、そういったところへのお金の流れが滞ってしまう、年も越せない。しかし一方では、日本の経済を構造改革して、新しい時代に向けた経済、力強い経済をつくっていかなければならない。そういう構造改革と貸し渋り対策、これがうまくマッチすれば、新しいビジネスチャンスでもあったわけであります。 したがいまして、この貸し渋り対策の特別保証、これに加えて経済全体の構造改革、そして当然、貸し渋り対策の前提としての金融再生、これがうまくいっていれば経済全体が順調に来ているわけでありますけれども、経済構造改革と金融再生についてはまだまだ課題が残っている、そういう状況だと思います。 では、この貸し渋り対策、特別保証制度それ自体については、平成十年以来どのように推移してきたのか。まずはこれまでの利用実績について、政府に伺いたいと思います。
○中村政府参考人 お答えいたします。 一昨年十月に導入されて以来、本年の十月末まででございますが、百四十三万件、保証承諾額が二十四兆一千億円となっておりまして、大変多くの中小企業の方々に利用されております。
○達増委員 非常に多い利用実績であると思います。 そして、今回のこの法改正で、まずは貸し渋り問題については対策を一段落、その前提として、政府としては貸し渋りの状況については収束しつつあるという判断ということのようでありますけれども、ただ、ちまたの貸し渋りの現状については、まだまだ借りるのはなかなか難しい、資金繰りに困っている、そういう生の声も聞こえているところであります。 そういった生の声、またいろいろな調査によりまして、政府の方で貸し渋りの状況について、今本当に収束しつつあるのかどうか、どういう状況になっているのか、承知しているところを答えていただきたいと思います。
○中村政府参考人 中小企業庁におきましては、九七年の金融破綻以来、中小企業に対する貸し出し姿勢実態調査というものをしてまいりました。 御承知のように、一昨年の十月でございますが、それがピークに達したわけでございます。ちょうどこの特別保証が導入された時期でございますが、そのときに、三五・〇%の方が厳しくなったという回答をされたわけでございます。 その後、徐々に改善をしてきておりまして、平成十二年十月現在で一九・九%というところまで減少いたしておるわけでございますが、私どもとしては、金融システムの改革でございますとか金融機関の再編強化はまだ道半ばという認識でございまして、厳しい状況から完全に脱却したというふうに言い切れないと認識いたしているわけでございます。
○達増委員 数字の上でもまだまだ厳しいという声が二〇%近くあり、そして金融の再生についても、おっしゃるとおり、まだまだ道半ば、不良債権の問題ですとか、当初の想定どおりには進んでいないわけであります。 また、アンケートの手法によってそういう現場の声を吸い上げている、現場の実態を調査しているようでありますけれども、私もそういうアンケートをやったことがございます。平成十年、特別保証制度導入を強く主張する、そういう運動を国民的に起こしていくためにも、当時、自由党は、それぞれ、地元の商店街や中小企業を相手にアンケートをとるということを大々的にやりました。それは、かなり遠慮をして答えてしまうようなケースも大分あったような気もいたします。 したがいまして、数字で出てくるところと実態に乖離がないかどうかというところは、単に数字だけではなく、かなりきめ細かな実態の調査、そうしたことも必要だと思いますので、ちょっと油断するとたちまち、貸し渋りというのは見えないところで行われることであります。公然と、うちは貸し渋りをやっていますからと言って貸し渋る銀行はないのでありまして、非常にわかりにくいやり方で行われる。ですから、政府としてもその点、遺漏なきように、中小企業、商店街、商店の皆さんが泣き寝入りすることのないように、きちっと目を光らせていていただきたいと思います。 さて、この特別保証制度、事故率、代位弁済率を、八%ないし一〇%の事故率、そして五〇%の代位弁済率、そのようにかなり最悪のケースに近いといいますか、なかなか事故が多い、回収ができないというようなことを少し広目に想定しての予算措置がつけられていたわけでありますが、調査によると、今のところ、その予定の事故率や代位弁済率に比べると大分低い水準の事故率にとどまっているということでありますが、今後の見通しを伺いたいと思います。 といいますのも、やはり借りたお金、長期化すればするほど事故を起こす危険性も高まる、返済がきつくなる可能性も強くなる、そういうことも予想されるし、実際、現場感覚からすれば、今の経済状況、株価の低迷などを見ても、まだなかなか安心できる状況ではないと思うんですけれども、この辺はいかがでしょうか。
○中村政府参考人 代位弁済率でございますけれども、十月末現在で一・八二%ということでございます。これは最終事故率一〇%ということを想定いたしましたので、それに比べればかなり低い水準ではございます。 ただ、既に事故報告というような形で、代位弁済に至っておりませんが事故報告というような形で上がってきているものもございますし、中小企業の景気の状況を見てみますと、緩やかな改善傾向にはございますけれども、やはり厳しい状況にあるということから、今後とも増大していくのではないかなというふうに思っております。今後とも、中小企業をめぐる景気動向に十分注意してまいりたいと考えております。
○達増委員 国民の税金がかかっていることでありますから、その点、きちんと監視を怠らないようにしていかなければならないと思います。 さて、国民の税金といいますと、今回、次々と事実関係が発覚しております東京信用保証協会のブローカーの介在の問題、しかも、そこに政治家の秘書あるいは政治家本人が関与して、せっかく国民の税金を投入して中小企業、商店街の商店などを救おう、そういうところのために、何とかまじめな人たちに頑張ってもらおうということで制度をつくって予算を講じているわけでありますけれども、そのお金が、そういうわけのわからぬブローカーといったところや、あるいはそれに関与した政治関係者の方に流れてしまうというのは、これは非常にゆゆしき事態と考えます。 国民の税金がむだにされる、いいかげんなところに回ってしまう、これがまず第一の問題点でありますけれども、この中小企業対策予算というのは、なかなか確保が難しい分野だと思います。といいますのも、やはり経済活動の自己責任原則という考え方から、ともすれば、他の産業分野に比べまして、中小企業対策というのは、国民の支持を得て予算をふやしていくのがなかなか難しい分野だと思います。 しかし、実際、日本経済の構造を見てみますと、やはり中小企業が支えている日本経済という実態がある。そういう中で、せっかく確保した予算に対して、それがむだに使われている、政治家に流れているということになってしまいますと、本当にまじめに一生懸命やっている中小企業の皆さんがいるにもかかわらず、国民の世論全体として、そういうむだ遣いはもう予算カット、そういう方向に世論が流れかねない。 したがって、せっかく講じたこの予算、せっかくつくったこの制度がクリーンに運用されていく、これは本当に関係者が全力を尽くして確保しなければならないことなんだと思います。この点に関する認識、特に今後の再発防止策について、政府に伺いたいと思います。
○伊藤政務次官 今先生が御指摘された今回の出資法違反事件については、現在捜査が行われておりますので私どもがコメントする立場にはございませんが、今後の東京地検の捜査によって事実が解明されてくると思いますので、それを十分ににらんでいきたいというふうに思っております。 しかし、中小企業の窮状をこのような形で悪用して、ブローカーが暗躍するといったことについては、私どもも、先生御指摘のとおり、大変な怒りを持って、今回の事件を遺憾に感じているところでございます。 保証協会は今まで、書面の審査あるいは面接審査及び実地調査を適切に組み合わせて、適切な制度運営を行ってきたというふうに承知をしております。また、保証の申し込みに際しては、このような金融ブローカーが同席をする、介在する、そういった場合には承諾は行わないということにいたしているところであります。 通産省としましては、今後も、このような今まで講じてきた対策のさらなる徹底と、そして中小企業者への注意喚起というものをさらに徹底を行っていく、面接審査等の一層の活用を推進していく、そして金融機関の窓口における適切な対応等の観点から、悪用の防止に向けたさらなる具体的な対策について、金融庁とも連携協力をしつつ検討していきたいと考えておるところでございます。
○達増委員 今御答弁の最後のところ、金融庁との連携という話がございましたけれども、信用保証協会については、金融庁と通産省が共同して指導監督することになっているわけであります。金融庁は新しくできた役所でありまして、指導監督上、そことの連携をうまくとっていかないと、ともすれば、消極的権限争いで、どっちも監督しない部分ができたり、妙に譲り合って、上がったフライ、野球の野手が二人譲り合ってボールが落ちてしまうということになってはいけないわけでありますけれども、金融庁との連携について、もう少し詳しく説明いただきたいと思います。
○伊藤政務次官 今の点についてもう少し詳しくお話をさせていただきますと、通産省としましては、信用保証協会の業務、財務等各種事項について、共管官庁である金融庁と緊密な連携のもとに、信用保証協会の適切な運営を図るべく協力を行っております。 具体的取り組みといたしましては、平成十一年二月には特別保証制度の運用の実態調査を共同で行い、制度の適切な運用をチェックしたほか、業務または財産の状況に照らして改善を要する信用保証協会については、必要に応じて報告を求め、連携協力のもと、適切な指導を行っております。 また、先ほどから問題になっております東京信用保証協会の今回の出資法違反事件についてでありますが、こうした制度の悪用の対策についても、既に金融庁とも連携をとり、事実の解明の状況をにらみつつ、協力して対処をしていきたいというふうに考えております。
○達増委員 今回、法案改正によりまして、無担保保証の限度額が五千万円から八千万円に引き上げられるわけでありますけれども、これは、特別保証が、そういう制度が終了する激変緩和措置としての趣旨がまずあるのでしょうけれども、同時に、まだまだ厳しい経済環境において、中小企業者の資金調達が構造的に厳しい、こういう状況に対応する措置であるとも理解しております。 うまくやれば、既存ビジネスの行き詰まりということは、イコール、ニュービジネスにまだお金も人も入っていっていない、そういうチャンスがあるということでもあって、堺屋長官のような話になってしまいますけれども、危機管理と同時に、そういう新しいチャンスのための措置でもあると思います。 ただ、これについては、中小企業、商店街関係の各団体から聞いているのですけれども、さらに、中小企業向けの直接金融市場の整備でありますとか政府系金融機関の制度融資の拡充といった、そういういろいろな施策が求められていると思いますけれども、この点、政府としてどのように考えておられるでしょうか。
○平沼国務大臣 先ほどもちょっと私からもお話をさせていただきましたけれども、これまで日本の金融機関というのは担保至上主義でございまして、そして担保能力があるかないかということで資金の調達をしておりました。 御指摘のように、この担保至上主義でありますと、これから発展をしていく企業、あるいはそういう担保能力のない企業、そういったところに対して大変不便をかける。そしてまた、大きな目で見て、御指摘のように、将来の経済の発展性を考えると、これを大きく阻害する、こういうことがございます。こういった観点から、御指摘のように、特別保証制度のある意味では激変緩和という形で、今回、五千万円から八千万円の一般保証に切りかえさせていただきました。 そのため、また、こういう今申し上げたような背景がありますので、担保至上主義じゃなくて、何らかの形で、意欲ある経営者、そういった方々にも経営意欲を持っていただく、こういうことのために、昨年の臨時国会におきまして、多様な中小企業の資金調達のニーズにこたえるために、中小企業の私募債発行に対する信用保証制度、これを新たに創設させていただきました。また、担保に乏しくとも成長が見込まれる、こういった中小企業に対しては、中小企業金融公庫が行う資金供給制度の抜本的な拡充、例えば成長新事業育成特別融資というような形で抜本的な拡充を行わせていただいています。 中小企業者の事業活動に必要な資金供給の円滑化のための措置をこうして今講じているところでございますし、また、民間の金融機関が中小企業の信用リスク評価を行う際の一つのよりどころとなりますように、信用保証協会や政府系金融機関の保有する取引先企業のデータを活用するためのデータベースの構築を今行っています。 今後とも、中小企業者に対する資金供給の円滑化、多様化を図るために、例えば、担保じゃなくて、事業の将来性だとか経営者の能力だとか、そういうことも評価しながら柔軟に対応していきたい、このように思っております。 〔青山(丘)委員長代理退席、委員長着席〕
○達増委員 以上で終わります。
○古屋委員長 塩川鉄也君。
○塩川(鉄)委員 日本共産党の塩川鉄也です。 今、中小企業をめぐる金融環境を考えたときに、中小企業専門の金融機関である信用金庫の経営破綻問題は重大です。私の地元の埼玉では、昨年十一月、小川信用金庫の経営破綻が発表され、大きなショックを与えました。 この十月、小川信用金庫は、埼玉県信用金庫と整理回収機構への債権の振り分けを行い、債務者に対し債権の継承先を伝える通知を行ってきているものです。新聞報道では、小川信金の貸出先は個人、法人合わせて六万件弱、債務者全体では、ほぼ一割がRCC、整理回収機構に、残る九割が埼玉県信金に引き継がれるということであります。 ここに、小川信用金庫の内部資料として、RCC訪問予定先リストというのがございます。ここでも、例えば坂戸支店は、埼玉県信用金庫に行く先数が二千五百四十五件、一方、整理回収機構に行く先数が二百八十七件で全体の一〇・一%を占めているとか、また、三芳支店などでは同様に、さいしん、埼玉県信用金庫に千八百三十二件に対して、整理回収機構が二百三十三、全体の一一・三%、このようなことが記されております。これ全体で、RCC送りになる債務が五千七百八十三件で、全体の約九・四%とされております。 伝えられる話では、要注意先を含む法人の多くが整理回収機構に回ると言われております。金融機関は一たん整理回収機構に回った債権の取り扱いを嫌うというのが実際でもありますから、今後も営業を続ける意思があり、健全な経営をしているケースでも、整理回収機構に回るとなれば、新規融資が困難になるなど中小業者に大きな打撃となります。 この経営破綻によって、破綻に何の責任もない、まじめな借り手である少なくない中小企業、業者の方が整理回収機構に回されることになり、大変不安な日々を送っております。また、このような借り手の方が切り捨てられるようなことになれば、地域経済にも重大な影響を与えるものとなります。 そこで、金融庁の方にお聞きしたいのですが、今、小川信用金庫の職員によって、債務者の方に対し譲渡承認の印鑑を求める訪問が行われております。突然職員がやってきて、なぜ送られるのか説明なくRCCへの譲渡承諾書を出され、判こをついてくれと言われた。また、RCC送りになるという手紙が来ていたので、どうにかなるんですかと問い合わせると、いや、どうにもなりませんよ、余り変わりないですよ、このような返事だけということであります。 債務者の方が納得できない小川信用金庫のこのような対応をどのようにお考えか、お聞きしたいと思います。
○浦西政府参考人 小川信用金庫の対応についてのお尋ねでございますが、小川信用金庫におきましては、先ほどお話があったように、債務者を訪問いたしまして、状況を説明いたしまして債務者の理解を得るよう努力をしているというふうに聞いております。また、本支店等におきまして連絡窓口を設けまして、さらに相談を受けているという体制で臨んでいるというふうに聞いております。
○塩川(鉄)委員 埼玉県が小川信用金庫の理事長あてに出した文書を見ても、「県が開催した相談会の商工団体との事前打ち合わせ会議においても、今後の成り行きに大きな不安を感じ、今後の具体的な見通しを知りたい旨の話が数多く寄せられたところです」「つきましては、事業譲渡に関する今後のスケジュール、具体的な事務処理の流れ、及び整理回収機構へ移管された場合の影響等に関し、各債務者に懇切丁寧に説明をしていただき、債務者の不安の解消及び債務者の今後の対応に資することができますよう」と求めております。 ぜひ金融庁としても、このような文書を出すことを含めて、踏み込んだ対応をすべきではないか。今後どのような指導を行っていくのか、改めてお聞きしたいと思います。
○浦西政府参考人 お答え申し上げます。 昨年十一月、小川信用金庫の破綻が発表されたわけでございますが、それ以降、いろいろな機会をとらえまして、健全な取引先に対しまして必要な資金供給が円滑に行われないという事態が生じないように要請を行ってきたわけでございます。 金融庁といたしましても、財務局、財務事務所を通じまして、小川信用金庫、埼玉県信用金庫に対しまして、顧客からの相談対応については万全を期すように促すとともに、埼玉県等の地元関係機関と緊密な連携を図りまして、事業譲渡の円滑な遂行を確保できるように努力しておるところでございます。
○塩川(鉄)委員 ぜひ通産大臣にお願いをしたいのですけれども、元本や利子をまじめに返している人まで整理回収機構となっている、こういう状況でいいのかということであります。 埼玉県西部地域で営業しているある書店の店主の方は、奥さんが自宅で焼き鳥屋も経営し、債務も滞りなく返済をしていたと言います。長男の方が書店の後を継いで、次男の方が焼き鳥屋の後を継いでくれる、中小業者の方にしてみれば本当に望まれるこのような状況。それなのに、こういった方が現実に担保割れとかということで整理回収機構送りにされている。こういった人たちをしっかりと支えていただくことが必要だと考えます。 また、年末の資金繰りも心配しなければいけない時期であります。現状をそのままにしていると、地域経済にもマイナスの影響が出てまいります。中小企業対策に責任を負う通産省として、ぜひともしっかりとした対応をとっていただけないか。特に、政府系金融機関などに、おがしん窓口をつくることなど、具体的に検討をお願いしたい。いかがでしょうか。
○平沼国務大臣 お答えをいたします。 小川信用金庫の事業譲渡については、委員御承知のとおり、昨年の十一月の譲渡合意後、当該地域の政府系中小企業金融機関の窓口に相談が寄せられております。 具体的に申し上げますと、商工中金には二十二件相談が寄せられています。また、国民公庫には十四件、九千四百万円の融資の御相談があるわけであります。これに対して、私どもとしては、親身な対応をさせていただいているところであります。 中小企業の直面する厳しい金融環境に対応して実施している特別保証制度や、政府系金融機関による金融環境変化対応特別貸付制度は、事業譲渡される小川信用金庫の取引先中小企業にも適用をされております。 また、来年の三月の特別保証制度の終了時においても、破綻金融機関の融資先である中小企業者は、引き続きセーフティーネット保証の対象として保証限度の別枠化等の措置を適用することといたしております。小川信用金庫は、ここで言う破綻金融機関に該当する、こういうことにいたしております。 御指摘の政府系金融機関、商工中金は、既に小川信金のための相談窓口を設置済みでございます。影響を受ける中小企業への円滑な資金供給の確保に、こういった形で政府系金融機関の中にも親身になって対応する窓口をつくって対応させていただきたい、このように思っております。
○塩川(鉄)委員 本法案の中小企業金融安定化特別保証制度についてでありますが、ことし一月の日本商工会議所がまとめた「特別保証制度の効果について」という報告書では、この特別保証制度によって七千件の倒産が未然に防止をされ、その結果、六万人の雇用維持効果に役立ったと記してもおります。この保証制度が、比較的軽い財政負担で効率よく実績を上げていると評価をしております。 この特別保証制度が大変政策効果が大きかったのではないか、この点についての大臣のお言葉をお願いします。
○平沼国務大臣 御指摘のように、銀行の貸し渋りが厳しくなりまして、そして、中小企業の皆様方、特に零細企業の皆様方から、大変悲痛な声が沸き起こっておりました。それに対応いたしまして、臨時特例の措置、こういうことでございましたけれども、特別保証制度を新たに創設をさせていただき、当初は二十兆の保証枠をつくって実施をいたしました。 これは先ほどもちょっと申し上げましたけれども、開設当時は二十万件を超える申し込みが殺到して、ネガティブリストを対応のもととして対応させていただきましたけれども、応接のいとまがないぐらいの状況でありました。そして現在はそれが三万ぐらいになって落ちついてはきておりますけれども、この間、もう委員御承知だと思いますけれども、約百四十万を超える、正確に申しますと現時点では百四十三万社の方々に利用していただきました。 そして、いわゆる保証枠も、三十兆のうち二十四兆一千億、その保証をさせていただいて、今商工会議所のデータをお示しになりましたけれども、現時点では、約一万社に近い中小企業、零細企業の倒産が防げた、また、これによって、倒産を回避することによってセーブされたお金というのが二兆円を超えるであろう、さらにまた、倒産をしないことによって約十万人の雇用が確保できた、こういうようなデータが直近にも出ておりまして、臨時特例の措置でございましたけれども、そういう意味では非常に私は効果があった、やってよかった制度だ、このように思わせていただいています。 ただ、御承知のように、やはり暗い部分もございまして、こういった臨時異例の措置ということで、一部悪徳ブローカーが介在して、非常に遺憾なことでありますけれども、これを利用して不当な利得をむさぼるようなケースも出てきた。こういうことは非常に残念だったと思いますけれども、総体的に言わせていただければ、私は、貸し渋りの厳しいときに、この特別保証制度というのは非常に効果があった、このように思わせていただいています。
○塩川(鉄)委員 このような政策効果が大きかった特別保証制度について、いわば再延長を行わず、来年の三月で打ち切ることとなるわけであります。今回の法案は、この制度の法的根拠となっている貸し渋り条項を削除して、名実ともにこの特別保証制度を打ち切ろうとするものであります。政策効果が大きいということであれば、ぜひこの特別保証制度を続けるべきではありませんか。
○平沼国務大臣 これは、今の御答弁でも申し上げましたように、やはり顕著な貸し渋りに対応して、異例臨時の措置として行わせていただきました。そして、平成十年の十月に各中小企業、零細企業に対するアンケート調査をいたしたところ、その時点では、やはり貸し渋りが厳しい、こういう御指摘をされたアンケートの答えが三五%もありました。しかし、平成十二年の十月の調査では、それは一九・九になってきております。そういう意味では、貸し渋りというものは非常に緩和をされた、こういう判断に立っております。 したがいまして、今この中小企業信用保険法改正でお願いをしておりますけれども、あくまでも臨時異例の措置であるので、これはやはり激変緩和もして、さらに一般保証制度の枠を拡大して、中小企業、零細企業の皆様方のニーズにこたえていこう、こういう形。 残したらどうかという御議論もわかるわけでありますけれども、しかし、そういう状況の中で、大分緩和されてきた。そして、今度はもう少しきめ細かく、五千万を八千万に拡大をし、さらにセーフティーネットも設け、そしてまた、既に特別保証をお受けになっている方々の既往の債務に関しては、例えばその経営実態を見て、既往債務に関してもこれを柔軟に対応させていただく。こういった新しい形で私どもは来年の四月から対処をさせていただきたい、こういうふうに思っております。 以上です。
○塩川(鉄)委員 私は、今ある政策効果の大きいこの制度を活用することこそ、今の中小企業の皆さんの思いにこたえることにつながるのではないかと思うんです。貸し渋りは緩和をされたといいますが、これは実際に中小企業業者の方の実感なのかということも考えざるを得ません。 中小企業庁の方にお聞きすると、この貸し出し姿勢に対する実態調査の資料をいつも示していただくのですが、でも、それ以外のいろいろな資料を見てみれば、例えば東京商工会議所の中小企業の資金繰り等に関するアンケート調査結果などを見ても、民間金融機関の最近の貸し出し姿勢、四—六月期と七—九月期を比較したらどうか。さらに厳しくなったという人が四・五%から五・八%にふえる、相変わらず厳しいという方が四八・六%から五八%にふえる、厳しい傾向が若干強まっているということも報告をされております。 貸し渋りが経営にどの程度影響を及ぼしていますかという問いに対しても、民間金融機関の貸し出し姿勢を厳しいと回答する企業のうち、既に限界に来ており、経営に深刻な影響が出ている、一一・二%。このままの状態が続くといずれ経営に影響が出る、五一・七%。貸し渋りによる経営への影響を懸念している企業の割合が増加し、六割に上る企業が経営環境の厳しさに不安を募らせている、このように触れております。 貸し渋りそのものが実際なくなっていない状況であるわけですから、これについて引き続き制度を維持していく、このことは必要ではないか。改めてお尋ねいたします。
○平沼国務大臣 確かに、先ほど私はアンケート調査のデータを申し上げましたけれども、中小企業、零細企業にとって、なかなか資金を調達するというのは難しい今の状況にある、こういうことは認識しております。 通産省といたしましては、一般保証制度の充実を図ることによって、引き続き中小企業に対する円滑な資金供給を確保していきたいと思っておりますし、特別保証制度を廃止するにいたしましても、先ほど御指摘の、中小企業信用保険法第二条第三項第六号の規定を残すべき、こういう御主張がありましたけれども、私どもとしては、当該貸し渋りを、第二条第三項第二号、事業活動の制限に基づいて指定することによりましてセーフティーネットの対象とすることが一般論としては可能でございますから、そういった面の対応をさせていただきたい、このように思います。
○塩川(鉄)委員 そもそも、この貸し渋り条項そのものが、貸し渋りという実態に対応してつくられた項目ですから、それをそもそも削除するということ自身に、貸し渋りそのものがなくなっていないという現状に反するような状況があるのではないか、このように思います。 この点で、臨時異例、この言葉で、打ち切りはやむを得ないということをおっしゃいますけれども、既に昨年十月には一度延長しているわけです。 私、昨年十月の通産大臣の記者会見での説明をホームページで拝見しましたけれども、貸し渋りは一時と比べたらかなり改善されたと思います、しかし、まだまだ中小企業の皆様方の資金需要をいわゆる民間金融機関で十分賄えるという状態ではありません、ですから、まだしばらくは景気の動向を見詰めながら、中小企業をお守りするという意味で、この措置は必要と判断していると。 そういう意味では、今お話しされたことと同じような理由の趣旨で、このときは延長されている。実際に、利用されている件数を比較をしても、保証承諾実績、先ほどの大臣のお話でも、二年前、導入当時二十万件を超えていた、今では三万件だとおっしゃいましたが、では、昨年の十月が何件か、三万一千二百十八件であります。いわば、去年と同じ水準で推移をしているという状況だ。 そういう意味でも、改めてこの実態に即して延長を、この特別保証制度を打ち切るということは誤りではないか、このことを重ねてお聞きしたいと思うんです。いかがでしょうか。
○平沼国務大臣 重ねてお答えをさせていただきますけれども、やはりこの特別保証制度というのは臨時異例の措置、そういうことでございまして、私どもは激変緩和をしつつ、一般保証制度に切りかえて、そしてセーフティーネットも十分設けて、きめ細かく対応させていただく、こういうことでやらせていただきたい。 先生の御趣旨はよくわかるわけでありますけれども、先ほどの議論の中にも出ました、民間活力を利用しながら健全な経済を発展していく、こういう観点からいっても、一般保証制度に切りかえるということが大きな目で見て正しい方向にもつながる。こういうことでございますので、そういう今の現状を十分認識しつつ、きめ細かく対応させていただきたい、このように思っております。
○古屋委員長 持ち時間は終了しております。
○塩川(鉄)委員 はい。 中小企業に対する金融機関の貸し渋りはなくなっておらず、金融機関の再編が進む中で貸出先の選別の強化をされており、担保力や信用力の弱い中小企業にとっては、やはり融資を受けにくい状況が続いております。私は、特別保証制度の必要性はなくなっておらず、制度の打ち切りは行うべきではないと考えます。今回の無担保保証の限度額の拡大やセーフティーネット保証の拡充が行われても、特別保証制度が打ち切られれば、現在の保証対象が後退をさせられることになります。中小企業の命綱を断ち切るものにもなり、断じて容認することができません。 我が党は、特別保証制度の継続を求める立場から、この第二条第三項第六号の貸し渋り条項の削除の削除を求めて、質問を終わります。ありがとうございました。
○古屋委員長 大島令子君。
○大島(令)委員 こんにちは、社会民主党の大島令子です。 毎回感じますのは、社民党は非常に人数が少ない、質問も最後でございます。準備していた質問も、前任の方の質問、答弁が大分出てきました。非常に頭を使いながらやらなければいけないということが悩みでございますが、一生懸命頑張ってみたいと思います。 まず、中小企業の問題に入る前に、一点、お伺いしたいことがあります。 この金融安定化特別保証制度が来年の三月に終了するということで、貸し渋り条項が削除されることになる。条項が削除される前の貸し渋りの現状は、先ほど大臣は非常に緩和されたと申されましたけれども、削除後、まだ依然残っている現状も答弁から伺うと推察されますので、今後、金融機関への指導について、金融庁の見解を聞かせてください。
○浦西政府参考人 金融機関の中小企業等に対する融資でございますが、政府全体の取り組みに合わせまして、金融当局といたしましても、これまで金融機関のトップとの意見交換等の場などで、円滑な資金供給に向けた要請を行ってきております。 また、資本注入行に対しましては、経営健全化のフォローアップの一環といたしまして、中小企業向け貸し出しの増加のための施策等につきましてヒアリングを実施しているところでございます。
○大島(令)委員 では、もう一度金融庁の方にお伺いしますが、金融機関のトップの方の意見交換ということでございますけれども、金融機関と申しましても、都銀から地銀、信用金庫、本当にいろいろあるわけなんですが、このトップというのがみそなんですね。中小企業相手ですから、中小企業の人は大体本当に都銀が相手にしてくれないわけです。ですから、今御答弁いただいたトップというのはどういう方々なのか、具体的にお答えください。
○浦西政府参考人 お答え申し上げます。 私の担当といたしまして、銀行、信用金庫、信用組合を担当しておりますが、大手行、地銀、第二地銀、信用金庫、信用組合と意見の交換会を持っておりまして、その都度要請をしてきているところでございます。 その意見の交換会の中で一つございましたのは、最近、都市銀行も中小企業に対する融資は大変積極的に取り組んできておりまして、信用組合等で、都市銀行、大手行からかなり中小企業先について競合する場面が多くなった、そういうふうな話も若干聞いております。
○大島(令)委員 では、次の質問に移ります。 特別保証の功罪についてお伺いいたします。 この特別保証制度は、金融機関が融資をしてくれない、先ほど来言葉が出ておりますけれども貸し渋り、またさらには債務の返還を求める貸しはがしへと事態が進展する中で、中小企業にとっては本当に恵みの雨となったわけでございます。しかし、無担保の一般保証と、貸し渋り条項に基づく無担保特別保証を併用しますと、合計額が一億円になるという御説明でしたけれども、暴力団やあっせん屋、そしてまたある政党の代議士の秘書までがこの制度を悪用するなどの事態が起きているのは、先ほど来からいろいろな方がおっしゃってみえました。 そこで、この特別保証制度を今回思い切って廃止するわけなんですけれども、効果をどう分析し、どういうふうな決断でこういう形で提案されたのか、大臣にお伺いしたいと思います。
○平沼国務大臣 繰り返しの答弁で重複することもあると思いますけれども、この特別保証制度というのは、金融機関が貸し渋りを大変顕著にいたしまして、それで中小零細企業の方々が大変困りました。そういう中で、最初は二十兆の保証枠で出発をしました。しかし、まだ厳しいという状況の中で、昨年一年間延長をいたしまして、来年の三月までということで、さらに十兆の保証枠を上乗せして、総額三十兆の保証をさせていただいたわけです。 その中で、今まで、直近のデータでありますけれども、この期間、約百四十三万社の方々がこれを利用してくださいました。そして、これも直近のデータですけれども、この制度を利用することによって、約一万社に近い中小企業、零細企業の倒産が防がれた、こういうふうに言われています。さらに、この倒産を回避することによって、いわゆる助かった資金というものが二兆円という巨額に上るということも、データ的に出ているわけであります。 もう一つ重要なことは、やはり倒産が回避されましたから、九万五千人の失業者を救うことができた。これはやはり、中小企業、そして経済社会にとってはすばらしいデータだと私は思っています。そういう面では、中小企業そして零細企業にとっては、この特別保証制度というものは非常に効果があった、先ほどの他党の委員の方の表現にもございましたけれども、まさに干天に慈雨、こういうこともある面では言えるのではないかと思っています。 ただ、大島委員御指摘のように、本当に遺憾なことですけれども、悪用する人たちが出てきまして、その弱みにつけ込んで手数料を取る、こういうようなことで、実際の保証枠がそのままその資金を必要とされている方の企業に行かない、こういうケースが出たことは本当に残念だと思っています。しかし、総体的に言えば、それは本当に一部でありまして、おおむね大宗は正しい形で運用されていた、こういうふうに私は総括をさせていただいています。 こういう悪い面は、やはり通産省といたしましても周知徹底をする、そしてまたきめ細かく対応をして、二度と再びこういうことが起きないように、金融庁とも連携をとりながら、そして自治省とも連絡をとりながら、その対策をきめ細かく講じているところでもあります。 これは来年の三月まででございまして、今御指摘のようにまだまだ厳しい状況がありますから、三月まではこの制度でやっていただくけれども、これは臨時異例の措置でございますので、やはり急激に物事を変えてはいけませんから、今まで五千万円の保証というものを八千万円に拡大して、そして、むしろネガティブリストということじゃなくて今度は個々の企業のそれぞれの実情に対応して、担保とかそういうことではなくて、将来性だとか企業力だとか経営者の人物だとか、そういうことにやはり力点を置いて、そして積極的に対応させていただきたい、そういうふうに思っております。 また、災害が起こる、あるいはまた連鎖倒産に巻き込まれる、取引先の金融機関が破綻をした、そうなったときには八千万円の枠を倍にしてセーフティーネットを設ける。そういうことまでして、我々としては、新しい制度に切りかえていこう、こういうことでこの法律の改正をお願いしているところでございます。
○大島(令)委員 それでは、今の御答弁の中でネガティブリストということがございましたけれども、これに関して少し質問をさせていただきたいと思います。 これは信用保証要件の緩和という位置づけでございますけれども、このネガティブリストに該当する場合を除き、原則として保証を承諾する。その中に、実は私の地元愛知でもあったわけなんですが、実際に、一回手形を不渡りにすると六カ月間銀行取引停止でございますけれども、二回だとレッドカードになりまして、もう完全に二年間融資がされない。 しかし、私も実際こういう方の意見を聞きますと、非常に個人経営、零細企業者なんですね。そういう方たちは、自分が現場に行って、手形の落ちる日になかなか、銀行、金融機関と遠いところにある、事務員さんが家内労働的にやっているものですから、三時に落ちるから三時までに自分の口座にお金を入れないと手形が落ちないということがわからないわけなんです。 実際あった実例なんですが、銀行の窓口もキャッシュ化が進みまして、三時二十九分にお金を入れた、そうすると翌日扱いになるということで、この方は不渡りになってしまった。銀行は、きちっと手形交換所が三時で締め切りですから、資金不足ということでいきます。しかし、この方は実際お金がないわけじゃない。ですから、実際、その手形を持ってきた方に翌日お金を持っていった。しかし、このネガティブリストの項目に該当してしまうわけなんですね。そうすると、借りたお金を返せないということではなく、まず、実際、企業としては十分そういうルールを守らなければいけないということが前提にあるわけなんですけれども、門前払いになってしまう。そういう実態があるわけなんです。 私としましては、融資の担当の窓口の方ですとか信用保証協会の方々は、こういう一定の基準に基づいて融資をするかどうか判断されると思うわけなんですが、もうちょっと血の通った運用を信用保証協会などに指導するということは、通産省、中小企業庁としてはできないものなのか。もうちょっときめ細かい、細部にわたった運用の仕方をしていただきたい。 例えば、私は昨年まで地方議員をやっていました。そういうときには、必ずこういう規則の中に、ただし町長の認める場合はこの限りにあらずという一項目がありまして、それは悪用ではなく、厳正に、まじめに、正直にやりたいという人を助けるための条項があるわけなんです。そういった考え方を導入することは検討していただけないでしょうか。
○中村政府参考人 特別保証については、ネガティブリスト方式というのを導入しているわけでございます。これは、簡易迅速にやるということで導入しているものでございまして、原則承諾するということでございまして、そのネガティブリストの中に、大幅に債務超過でないとか、あるいは銀行取引停止処分であるとか不渡りがないことということが書いてあるわけでございまして、今の御指摘の点については、不渡りがあったということで、ネガティブリストに該当するということでございます。 通常の場合でございますと、これは、銀行に三時までに間に合わないような場合、本当にお金があって間に合わない事情があったような場合には、銀行に連絡をしていただきますと、三時を過ぎましても待っておられるというのが、通常の取引関係からすれば、むしろそういう対応をされるというのが普通だと私ども思っております。今回の場合、どのような事情でそういうふうになったかよくわかりませんけれども。 したがいまして、いずれにしましても、銀行不渡りというのは、その業者にとって非常に、信用上、事業継続も危ぶまれる状態であるというふうに通常はやはり認定されるものでございまして、これを緩和するというのはなかなか難しいのではないかと思います。
○大島(令)委員 この業者にしましても、十分事業者の方はわかっているわけですから、携帯電話で銀行に、息子が何時までにお金を持っていくと。当然、三時を過ぎます。夜七時に持っていった。しかし、だめであった。私も銀行協会に聞きましたところ、やはり、手形交換所のルールがあるので、これを資金不足で出さないと今度は銀行が手形交換所とのルール違反になるということで、やはり不渡りは不渡りという事実であるわけなんですね。 この霞が関にいる方々に私は聞きたい。私たちは、地域に帰りますと、本当に困った方々の一つ一つの現状が頭の中に詳しくわかるんです。例えば、この資料の中にも、中小企業者と一口で言いましても、資本金が三億円、従業員が三百人。そういう企業でしたら、事務をやる職員がいるでしょう。その方が、三時という時間を守るでしょう。しかし、個人で社長さんみずからが現場に行く人にとっては、これは非常に、今の厳しい経営環境の中では無理なんです。 私が言いたいのは、悪用する人もいるけれども、悪用する以前に、融資を受けられない、そういう門前払いになる人たちの実態をもうちょっと親切に聞いていただく対応を、やはり国としてしてほしい。そういうことをお願いしているわけなんです。 こういう人たちは、非常に自己責任意識が強いです。例えば、大手の金融機関、いろいろな企業の経営者のモラルが今問われておりますけれども、そういう方たちは、自分の会社を破産させても何億円という立派な家に住んでいるじゃありませんか。この方たちは個人事業者です。自分が借金を返せなくなったら、家族やいろいろな人の信用があるので、一生懸命働いてお金を返すわけなんです。 名古屋には、笹島に野宿生活をしている人たちがいます。私、先般、新幹線に乗るときに聞きました。去年まで中小企業の経営者だった、お金がなくて、こうやって野宿生活をしている、寒さを迎えていると。そしてまた、一昨年発表された男性の平均寿命が、この長寿国日本で下がった。それも、こういう中小企業者の破産によって、みずからの命をかけて、自殺をして、その保険金で事業の失敗の補てんをした。そうやって、この先進国と自慢している日本で、中高年の男性の自殺者の原因がそういうところからもきている、そういう背景をやはり知っていただきたい。 もう時間がありませんので、これはぜひ、中小企業庁の長官と金融庁の担当者にはっきりと答えていただきたい。心の通った、血の通った運用を私はしていただきたい。ぜひ前向きな御答弁をお願いいたします。
○中村政府参考人 本件につきましては、銀行としても、取引先の不渡りというのは重大な事象でありますので、非常に難しい問題があると思いますけれども、いずれにしましても、銀行としっかり打ち合わせ、相談をしていただく必要があると思います。 それから、特別保証については、やはり、簡易迅速にやるということで、このような場合は一律にだめだということにいたしているわけでございます。もちろん、ほかの一般保証の場合ですともっときめ細かくやるわけでございますけれども。したがいまして、特別保証という中で、このネガティブリストからこれを除くということはなかなか難しいということを申し上げているわけでございます。
○浦西政府参考人 手形の決済のルール等については、民間金融機関同士の取り決め等ということで、政府として何か申し上げることはなかなか難しいわけでございますが、利用される側にとりまして十分その仕組みが理解されるよう、金融機関等においてそういう周知徹底を図ることが重要かと思っております。
○大島(令)委員 時間が参りました。 まだまだこの件については私は申し上げたいことがございますけれども、社民党としましては、補正予算は反対しますが、この法案は賛成するわけなんです。その辺を十分お酌み取りいただき、やはり私たちは本当に、皆さんの目に見えない国民一人一人と、地元に帰れば相談を受けて実態を知るわけなんです。絶対法律を悪用なんかしないんですよ、社民党の議員は。ぜひ、そういうことを踏まえて、今後ともこの制度の運用については考えていただきたいと思います。 以上で質問を終わります。
○古屋委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○古屋委員長 この際、本案に対し、吉井英勝君外一名から、日本共産党提案に係る修正案が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。吉井英勝君。 ————————————— 中小企業信用保険法及び中小企業総合事業団法の一部を改正する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○吉井委員 私は、日本共産党を代表して、中小企業信用保険法及び中小企業総合事業団法の一部を改正する法律案に対する修正案について、その提案理由及び要旨を御説明いたします。 今回提案された法案には、無担保保証の限度額の拡大や倒産関連保証の拡充など、我が党も要求してきた中小企業の資金調達に資する内容が含まれています。しかし、こうした部分的な改善があったとしても、現在倒産関連保証の大部分を占めている貸し渋り条項の削除による中小企業金融安定化特別保証制度の打ち切りで、結果的に保証対象が大きく狭められるものとなります。 中小企業をめぐる金融環境は依然厳しく、資金調達に関する各種の調査結果を見ても、融資先の選別や貸し渋りはなくなっていません。 例えば、中小企業総合事業団の中小企業景況調査では、ことし七—九月期の資金繰りDIが前年同期比マイナス二五・四%と、悪化幅が拡大しています。また、東京商工会議所の中小企業の資金繰り等に関するアンケートでは、六割に上る企業が経営環境の厳しさに不安を募らせているとの結果が出るなど、企業規模が小さくなるほど資金繰りの悪化や金融機関の貸し出し姿勢の厳しさを訴えています。さらに、民間調査会社帝国データバンクによると、調査を行った百三十一行で、中小企業への貸出金が、件数で四十八万件、金額で三兆四百十五億円も減少しておりますが、これなど金融機関による融資先の選別が進んでいることが裏づけられております。金融環境の将来に対する不安を抱えているのが実態です。 これらの調査を見ても、現状において特別保証制度を廃止する根拠がなくなっていることは明らかです。 本修正案は、特別保証制度の根拠条項である中小企業信用保険法第二条第三項第六号のいわゆる貸し渋り条項の削除を行わないようにするものです。 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださることをお願いいたします。 なお、野党会派の反対を押し切って、与党の手で討論を封じることを理事会決定としましたが、議会制民主主義のルール破りは行うべきではありません。 政府が本法案を提出した目的は、中小企業金融安定化特別保証制度を来年三月末で打ち切るために、その根拠条項を削除することにあります。 政府が打ち切ろうとしている中小企業金融安定化特別保証制度は、中小企業に対する未曾有の貸し渋り対策として九八年十月に創設され、この二年間で、件数で百四十三万件、金額で二十四兆円を超える保証実績を上げるなど、まさに中小業者の命綱とも言える役割を果たしてきました。だからこそ政府自身も、特別保証制度を初めとする信用収縮対策、金融システム安定化策は中小企業の倒産やマクロ経済に対して大きな効果を上げた、依然として中小企業に対する貸し渋りが続いており、今なお臨時異例の措置として同制度を維持する必要があると考えると、ことしの中小企業白書でも高く評価し、必要性を認めているのであります。 しかし、政府が特別保証制度打ち切りの理由とする中小企業の金融環境が改善したとの説明は、先に述べたように、各種調査に基づく実態には合いません。それどころか、特別保証制度の延長と返済猶予期間と返済期限の延長は、多くの中小業者の切実な声です。現時点で中小企業の命綱であるこの制度を打ち切ることは断じて容認できません。 中小企業者に対する事業資金の融通の一層の円滑化を図るというなら、特別小口保険の無担保保険との併用を認め、無担保無保証人融資制度の利用を広げること、また、信用保証協会や中小企業総合事業団への出資と補助金をふやし、信用保証を拡大するなど、真に中小業者の資金調達を支えるものにすべきであることを最後に指摘して、修正部分を除く原案についての賛成の意を表明し、反対討論もあわせて行っておくものであります。
○古屋委員長 これにて修正案の趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○古屋委員長 これより原案及びこれに対する修正案を一括して討論に付するのでありますが、日本共産党から討論の申し出がありましたが、理事会の協議により、御遠慮願うことになりましたので、御了承願います。 内閣提出、中小企業信用保険法及び中小企業総合事業団法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。 まず、吉井英勝君外一名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○古屋委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。 次に、原案について採決いたします。 原案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○古屋委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○古屋委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、岸田文雄君外六名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、社会民主党・市民連合、21世紀クラブ及び保守党の七派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。中山義活君。
○中山(義)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 中小企業信用保険法及び中小企業総合事業団法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、年末の資金需要期を迎え、なお厳しさを脱していない中小企業者を取り巻く経済金融情勢等に十分配慮しつつ、中小企業者に対する円滑な資金供給に万全を期するとともに、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一 本改正により一般保証における無担保保証枠が拡大されること、及び信用保険財政の悪化が続いている現状にかんがみ、制度を悪用した不正行為やモラルハザードを厳に排除するため、信用保証業務の審査基準の明確化、並びに信用保証協会の適切な審査体制の整備も含めた制度運営の一層の透明化に努めるとともに、無担保保証枠について、その運用実績を踏まえ、検討の期限以前にも必要に応じて見直しを行うこと。 二 信用保証協会に対する都道府県副知事等幹部公務員の天下りが一般化している現状は、政官癒着の疑いを招き、信用保証協会の専門性・中立性を損なう惧れがあることにかんがみ、その抑制に努めるよう指導すること。 三 信用保証協会の既往債務に対しては、個々の中小企業の実情に応じ、返済期限の延長等の返済条件緩和を行う等、制度の弾力的運用に努めること。 四 増加を続ける代位弁済に対応するため、信用保証協会を督励し、求償権回収体制を強化するとともに、債務者の状況を踏まえた適切な回収に努めること。 五 中小企業総合事業団の信用保険部門における財政の悪化が続く状況は、中小企業者を支える信用補完制度の存立を危うくするものであり、将来に向けての保険の財政基盤の抜本的な強化策について速やかに検討すること。 以上であります。 附帯決議案の内容につきましては、審査の経過及び案文によって御理解いただけるものと存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。 以上です。
○古屋委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○古屋委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。 この際、平沼通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。平沼通商産業大臣。
○平沼国務大臣 ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、本法律案の実施に努めてまいりたいと考えております。 —————————————
○古屋委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○古屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○古屋委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時五十一分散会