厚生委員会 第9号
- 発言数
- 282 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2000/11/01
会議録
○遠藤委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、健康保険法等の一部を改正する法律案及び医療法等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 両案審査のため、本日、政府参考人として、文部省教育助成局長矢野重典君、厚生大臣官房障害保健福祉部長今田寛睦君、厚生省健康政策局長伊藤雅治君、保健医療局国立病院部長河村博江君、生活衛生局長西本至君、保険局長近藤純五郎君、以上の方々の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○遠藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○遠藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。西川京子さん。
○西川(京)委員 おはようございます。自民党の西川京子でございます。 本日、健康保険法、医療法改正に対しまして質疑の機会を与えていただきまして、まことにありがとうございました。 昨日も、参考人質疑が行われまして、大勢の委員の皆様からあらゆる角度の質問も出て、そしてまた各専門家の方々によります大変うんちくの深い、説得力のある御意見もいただいたと思います。 かなり議論も煮詰まってまいりまして方向性も見えてきたと思いますけれども、まず、私ども、議論の一つの前提として、保険証一枚でいつでも、どこでも、だれでも医療が受けられる日本の今の健康保険制度は大変いい制度だという認識は持ちたいと思っております。その中で、この信頼に足る制度をいかにこれから最低限維持していかなければいけないかということが私たちに課せられた大きな課題でありますけれども、近ごろの高齢者の医療費の莫大な増大、あるいは国民の健康状態の質的な変化その他いろいろな問題の中で、この医療制度、健康保険制度を維持していくのが大変困難な状況である。そのためには直近の課題としてどうすればいいかという問題が今皆さんで討議されているわけでございまして、これはやはり国民に負担をお願いしなければいけないというのが皆様の共通認識のようになってきていると思います。 しかし、国民に負担をお願いするためには、この制度が信頼に足る制度であるということを私たちも厚生省もともに努力していかなければいけないわけでございまして、その信頼に足る制度というものをどうやって私どもがつくっていくかということでございます。 この問題で、一つ。おとといでしたか、夜十二時を過ぎたころでしたが、NHKの犯罪被害者を扱ったドキュメンタリーを見ておりました。ぼうっと見ておりましたが、これは、いわゆる犯罪被害者が加害者に比べていかに守られていないかという視点でのドキュメンタリーでしたが、この前衆議院の法務委員会に参考人質疑で来ていらっしゃいました方に主に焦点を当てて扱っていましたが、私が興味を持ったのは、その御本人ではなくて、やはり被害に遭ったある女性の方のことでした。この人は犯人にいきなりガソリンを浴びせられて、火をつけられて全身九割大やけどをしてしまった。とにかくすぐ救急車で運ばれて、集中治療室で九死に一生を得たわけですけれども、四カ月間の高額な医療費を、大体その加害者が当然持つべきなんでしょうが、加害者が負担能力がないということで本人の方に病院から多額の医療費を請求されたという、まさに踏んだりけったりの状況が描かれておりました。 私は厚生委員会に入っている身ですので、えっと思いました。最低限個人の負担する限度額というのが当然あるわけで、まして高額医療費の見直しも含まれている今度の新しい健康保険の改正案の中で、高額医療費制度を使えばこんなに自己負担が重くなるようなことはない仕組みとなっているはずなんですが、現実にそういう話を聞いたものですから、この辺のところはどうなっているのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います、保険局長。
○近藤政府参考人 犯罪に巻き込まれて負傷された場合、これは一般の事故と同様に当然保険給付の対象になるわけでございます。 このケースは、具体的には存じ上げませんけれども、恐らく保険証を持ち合わせなかったということで全額医療費を払ってほしい、こういうことだろうと思います。病院の方で資格確認をすれば自己負担だけで済む、三十万というふうな大きな額になることはないと思われるわけでございます。 ただ、これは一度お払いになって、保険者の方に償還払いを要求すれば自己負担分を除いて償還されるケースであろうと思っております。法律的には一部負担についても犯罪者の方に請求できるわけですが、これはなかなか難しいとは思いますが、少なくとも一部負担を除いた額については保険から当然償還があるし、できれば病院の方でそういう手続をとるのが望ましい、こういうふうに考えております。
○西川(京)委員 ありがとうございました。 この場合は四カ月で四百万請求されたというケースになっておりますが、そのドキュメンタリーの扱いが、今まさにこの健康保険制度の改正などが叫ばれている時期に放映されたわけで、そんな不安な状況が結構出てくるんだという印象を国民に大変与えかねないという思いがいたします。安心な健康保険制度というイメージに対しての大きなあれにもなると思いますので、病院側の単なる対応のミスであったのか、ぜひその辺を精査して、よく御指導をお願いしたいと思います。 それと、三カ月間とりあえず本人が払わなければいけないというシステム、三カ月たたないと戻ってこないというシステムは、やはり高額の場合は一考を要するような気もいたしますので、将来の一つの検討課題として御考慮をお願いしたいと思います。 そして、さらに信頼に足る制度にしていくという問題で、きのうも何人かの委員から卒業後の研修制度の問題について大分質問が出ておりましたけれども、私も、ぜひこれを充実していただきたいという思いは大変強く持っております。それは医療技術という面はもちろんなんですが、きのうもある委員の方が、医師はまさにサイエンスとアートであるというお話がありました。私も大変心に落ちるものがありました。人間的な信頼感ということが医師に対する信頼感の大きな要素だということを感じるんです。 私も個人的な経験で、総合病院に子供を連れていったときに、若いお医者様が、田舎の町ですのでお年寄りの患者さんが大変多いんですが、十把一からげにおじいちゃん、おばあちゃんと言って怒るような態度なんですね。おばあちゃんと言っていい相手と、何というんでしょうか、人生の先輩としてきちんと尊敬の念を持って普通に対応しなければいけない相手とあると思うんですね。これはちょっと差別的な言い方かもしれませんが。おばあちゃんと言って丁寧に教えてあげなきゃいけない相手と、たとえ患者でも相手を尊敬しながらきちんと対応しなければいけない相手とあると思うんですが、その辺のところが全くわかっていない。若い医師が尊大なひどい態度で私の前の紳士に対応していたのを見まして、私も大変不愉快な思いをしたんです。 そういう人間的な一つの成熟度というんでしょうか、これはお医者様に限らず学校の先生などにも言える大きな課題だと思っておりますが、医師の卒業後研修制度について、実施までに何年かあるようでございますので、これからの方向性その他、ぜひ総括政務次官、御意向をお願いしたいと思います。
○福島政務次官 昨日の参考人の方々のお話を私もお聞きいたしておりましたけれども、医学というのはサイエンスとアートの結合であるということは現代においてもまことに真実であると思っておりますし、二十一世紀は超高齢社会となるわけですけれども、その二十一世紀において診療に従事していただく医師の方、また歯科医師の方には、そうした観点から、全人的に患者さんを診る基本的な診療能力というものを身につけていただきたいと私どもは考えております。 こうした観点から、今回義務化をする臨床研修につきましても、研修内容の充実を図っていかなければならない。そのため、今回の改正案が成立いたしますと、大学病院、臨床研修病院等の関係者から成る検討会を設置いたします。そして、施行までの間に、研修医が研修すべき事項、目標、そのための研修プログラム、研修修了の評価方法、研修を実施する病院等の基準につきまして、先生の御指摘を踏まえまして十分な検討を行ってまいりたいと考えております。
○西川(京)委員 ありがとうございました。教える側にそれだけの人材がいるのかというきのうの参考人の意見もありましたので、ぜひそのあたりの充実を図っていただきたいなと思っております。 さて、医療費の増大その他の大きな課題の中で、いわゆる対症療法に偏っている嫌いがあるわけですが、国民が健康保険をなるべく使わないで健康に一生を終わればこれにこしたことはないわけで、むしろ予防医学という面に厚生省が近ごろ大分取り組んでいらっしゃるということをお聞きいたしました。 私もきのう厚生省の方からパンフレットをもらったんですが、「めざせ「健康日本21」」というこのパンフレットは、初めて拝見いたしまして、これは歯の八〇二〇運動に比べてかなり国民の認知度の低い運動のようで、電通などの調査では、国民のわずか一%ぐらいしか知らないということです。 この健康日本21というプログラミングを本当に充実させていくとある意味で医療費削減に大いに効果があると思うんですが、そういう予防医学の立場から、今後、それをどうPR、浸透させていくのか、よろしかったらお願いいたします。
○福島政務次官 二十一世紀に高齢化がさらに進む中にありまして、私どもは、単に平均寿命の延長ということを期待するのではなくて、健康寿命というものを延ばしていかなきゃいけない、そのための健康づくりということを国民的運動として推進していかなければならないというふうに考えております。 私も、健康日本21というのは地元で積極的にPRをしておるのでございますけれども、ただいま先生おっしゃられました一%の認知度というのは、まだまだ努力しなければならないということではないかというふうに思っております。 具体的に若干申し上げますと、この健康日本21というのは、現在、国民の健康上の最大の課題である生活習慣病対策の予防やその原因となっておる生活習慣の改善を図るものでございまして、本年の四月からこれを実施いたしております。厚生省内に事務次官を本部長といたします推進本部を設置いたしまして、関係省庁、関係団体を含めた多くの関係者の御協力を得ながら、各種の施策を総合的に展開しているところでございます。 国民の皆様に広く知っていただくという観点から、これまで、健康日本21ホームページを開設いたしましたし、ポスターやパンフレットの配布等によりまして普及啓発を行ってきたところでございます。 また、国民に身近な地方からこの健康日本21を推進していかなければならないという観点から、各地方公共団体におきまして地方計画を策定、推進していただくようにお願いをいたしております。既に全都道府県でこの計画の策定に着手をしたところでございまして、一部は策定を終えたところでございます。 さらに、行政と民間が一体となりまして効果的に健康日本21を推進していくために、各界関係者の参加を得まして全国大会を開催するなど情報発信を行うことといたしておりまして、新しい国民健康づくり運動の浸透に最大限努力をしてまいりたいと考えております。
○西川(京)委員 ありがとうございました。ぜひ実のある運動にしていただきたいと思います。 最後に、総合的に厚生大臣にお答えをお願いしたいと思いますが、誕生から充実した最期を迎えたいというのが今の日本人の大きな思いだろうと思うんですね。できれば長々と病院に入って死にたくない、そして、これはもう手おくれだと言われたのなら、余り濃密な医療は拒否してホスピスで本当に心静かに最期を迎えたい、そういう思い、かなり自律した意識というのが日本人に育ってきたという現実があると思うんです。 今濃厚医療の問題、過剰診療の問題もありますが、ホスピスの拡充というんでしょうか、そういう終末医療の問題を含めて、医療報酬の今後の引き上げを含めて、国民に理解の得られる総合的な医療制度について厚生大臣の御所見をぜひお伺いしたいと思います。お願いいたします。
○津島国務大臣 がんの増加等疾病構造が変化をしてまいりまして、また医療技術も進歩してくる、そういう事情を背景といたしまして、末期医療のあり方についていろいろと議論が行われていることは御指摘のとおりでございます。 これについては、個々の患者さんの希望、意思といったような問題もある、それから社会的な通念もございまして、なかなか一律に対応することはできませんけれども、これまでも診療報酬等において緩和ケア病棟への入院や末期の悪性腫瘍患者さんの在宅医療について一定の評価をしてまいりました。 平成十年六月にまとめられました末期医療に関する意識調査等検討会報告書によりますと、国民や医療従事者の大半は、単なる延命治療はやめて、痛みなどの状況を和らげることに重点を置く医療を望んでいるということもうかがわれるのでございますが、しかし、これはまだ国民全体がそういうふうに割り切っておられるとは必ずしも言えないんじゃないか。御家族の中には、できるだけのことをしてあげたいという次元のお考えもあるようであります。また、幸いなことに、医療の専門家の方におかれましても、この点についてはこれまでの経緯を超えて検討してみたらどうだという動きもあるようでございます。 こういう動向を見きわめながら、患者さんの意思を尊重し、適切な末期医療が受けられるよう環境整備について医療保険制度における対応を含めて検討してまいりたいと思います。 そして、いろいろ御議論ございましたように、医療制度の現況は、急速な高齢化の中で、また社会経済がなかなか厳しい状況にあるということで、非常に難しい状況にあることは否定できないところでございます。健康保険の保険者の財政についても、高齢者医療費が大変負担になっていることは否定できない。その一方で、我が国の国民皆保険制度は世界に誇るべき制度でございますから、これも大事にしていかなければならない。そこで、二十一世紀に皆保険をどうやったら守っていけるかというビジョンを早く示せという声は非常に強いわけでございまして、私どもは、課題の残されているいろいろな問題への対応を含めて抜本改革に向けて全力を尽くしてまいりたいと思います。 ただ、この抜本改革の中心に高齢者医療をどうするかという問題がある限りかなり広範な議論が必要ですし、医療保険の分野に限らず国民全体で支えるにはどうしたらいいかという議論も必要でございますので、やはり一定の期間国民の意見を踏まえながら議論をして結論を出す必要がございますが、それまでの間何もしないでいるわけにもいかない。 そこで、これまでも薬価や診療報酬の改革を行ってまいりましたけれども、今回の改正案で、老人の一部負担について一割負担制を導入する等の改革をお願いしているというのが現状でございまして、早く日本の医療保険が安定するように最大限の努力をせよという委員の御指摘は、私どももしっかりと受けとめてまいりたいと思っております。
○西川(京)委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○遠藤委員長 次に、江田康幸君。
○江田委員 公明党の江田康幸でございます。 今回の法改正につきましては、本委員会で参考人質疑を含めまして二十八時間四十三分にわたる十分な検討を行ってまいりました。本日は、その中で特に重要と思われる点についてお伺いさせていただきたいと思います。 まず最初に、今回の老人の患者一部負担の見直しに関しまして、院外処方の場合の月額上限額の取り扱いについて御質問させていただきます。 これは政令事項であり、具体的には今後決定されるものでありますが、政府の現時点での提案では、主として院外処方をしているか否かにより医療機関単位で割り切り、上限額の適用を行っているために、個々のケースでは、同一の医療内容であるにもかかわらず医療機関によって患者の負担額に違いが生じるなど、お年寄りにとってわかりにくい仕組みとなっております。 この問題につきましては、我が党の桝屋議員からも、また野党の皆様からも、厚生大臣に対し、医薬分業の方向や患者の立場からの公平性等を勘案の上、さらに関係団体と協議してもらいたい旨の要望を行ったところでございます。 この問題につきまして、私は、医療機関ごとに上限を設定するのではなく、医療機関の窓口での事務負担が増加するとしても、患者ごとに院外処方があったか否かにより上限を設定する方式への変更を考えることが現実的かつ適切ではないかと考えておりますが、この問題に関する現時点での厚生大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○津島国務大臣 今回の改正案によりますと、委員御指摘のとおり、老人の一部負担について一定の上限を設けることにしてございます。例えば二百床未満の病院の場合には月額三千円ということでございます。これは月額でございますから、これの管理は非常に難しいということは御指摘のとおりでございますし、これをそのまま放置しますと、行く先々でいろいろな別々の扱いになって、同じ治療を受けましても行く場所によって違った扱いを受けるおそれがあるということは、そのとおりでございます。 そこで、どのような場合でも窓口での患者負担が今の例えば月額三千円を超えないようにする、それから、お年寄りに償還の手間や医療現場に無理な事務負担を課さないというような考え方で、主として院外処方を行っている医療機関であるか否かに応じて医療機関ごとに月額上限を設定する案としたわけでございますが、この原案の適用によっては、同じ医療内容であっても医療機関によって患者負担が異なるというこの問題は、確かにお年寄りにとってはわかりやすい仕組みではない。桝屋委員からも御指摘を受けましたが、今委員の御指摘のとおりでございます。 これをどのようにしてできるだけ適切な対応をするかは、患者さん単位に月の医療費というものをまとめて扱えるようにしなければならないわけでございますが、そのためには、やはり医療機関等でそれなりの対応をしていただく必要があるわけでございます。 同一の医療内容で医療機関ごとに負担が異なるような事態が生じないようにするために、患者ごとに院外処方があったか否かに着目して上限を設定、管理する方法で進められないだろうかという考え方については、医療機関の事務負担が増加するという問題がございますけれども、桝屋委員、また今の委員の御指摘を踏まえまして、患者単位で上限額を設定、管理できるかどうか、今関係団体と話し合いを進めておるところでございますので、もう少し見守っていただきたいと思います。
○江田委員 ありがとうございました。この部分につきましては、今大臣が野党の皆さんも十分評価していただける内容の御答弁をしていただきましたので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 二点目でございますが、今後とも、すべての国民が安心して生活できるようにするためには、医療保険制度が社会のセーフティーネットの一つとして十分な役割を果たせるようにすることが必要と考えております。そのためには、急速に増大する医療費を支えるために、負担できる方には応分の御負担をしていただくということが重要と考えておりますが、一方、負担能力の乏しい低所得者の方々にはきめ細やかな配慮を行うといった目配りも忘れてはならないと考えております。 今回の健保法改正におきましては、老人の患者一部負担における定率一割負担制の導入、また若年者の高額療養費制度の見直しといった医療保険制度を確固たるものにするための重要な改正が行われておりますが、今後の医療保険制度のあり方を考えていく上で、低所得者への配慮の必要性について大臣の認識をお伺いいたします。また、今回の患者負担の見直しや高額療養費制度の見直しにおいて低所得者の皆様に対してどのような配慮措置を講じられたのか、改めて大臣に御確認させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○津島国務大臣 低所得者に対する配慮が絶対に必要である、そのとおりであろうと思います。その一方で、医療保険、あるいは一般的に社会保険全体がそうでございますけれども、国民全体で支えるということがなければこれを維持することができない。その二つの要請の接点をどうするか、どこのところに低所得者向けの特別な御配慮をするかというのが私どもの一番苦労するところでございます。 再々御答弁申し上げておりますように、老人医療の患者一割負担の導入に伴ってかなりきめ細かく患者負担の上限を設けさせていただいておること、それから、いわゆる高額医療費につきまして、これまで以上にコストの一部を負担していただく方向に踏み出しましたけれども、しかし、これもやはり負担の限界の範囲内にとどめなければならないということで、一定の上限を設けさせていただいている。 このようにいろいろと配慮をさせていただきましたが、これからも社会保険制度を守ると同時に、社会政策上の低所得者に対する配慮というものを加味しながら厚生行政を進めてまいりたいと思っております。
○江田委員 ありがとうございました。 今回の健保法改正や医療法改正は抜本改革の第一歩として高く評価されるべきものと考えておりますが、今後、医療保険制度の安定を確保して国民の社会保障制度への安心を取り戻すためには、本格的な医療制度の抜本改革をぜひともなし遂げていかなければならないと常々申し上げてまいりました。 医療制度の抜本改革につきましては、薬価制度の見直し、診療報酬体系の見直し、高齢者医療制度の見直し、医療提供体制の見直しの四本柱で進めておられることは十分承知しております。 このうち、診療報酬体系の見直しにつきましては、昨年十二月、中医協におきまして、薬価制度改革の基本方針を取りまとめるとともに、今後の診療報酬体系のあるべき姿が示されたところであり、平成十二年の診療報酬改定では、病院機能とかかりつけ医機能の明確化、小児医療、緊急医療の充実等の観点から所要の措置が講じられたところであります。 また、医療提供体制の見直しにつきましては、今般の医療法改正により、高齢社会に対応するための入院医療を提供する体制整備を図るなど基本的な骨格が整ってきたところでありまして、これらを確実に実施していくことが求められている状況と認識しております。 では、薬価制度の見直しにつきまして御質問いたします。 薬価制度の見直しにつきましては、平成十二年度の薬価改定におきまして、調整幅、R幅を五%から二%に引き下げ、薬価差のさらなる縮小を図ったところでありますが、平成十四年度に向けて、今後さらにどのような課題が残されているのか、また、その課題についてどのように取り組んでいかれるのか、厚生省の見解をお伺いいたします。
○近藤政府参考人 先生御指摘のように、十二年度におきましても薬価制度の改革を一部進めたわけでございますが、十四年度に向けまして引き続き課題が残されているわけでございます。 主な課題を申し上げますと、今までR幅と呼ばれていたものでございますけれども、経済流通の安定のための調整幅を二%ということで設定したわけでございますけれども、これをさらにふさわしい算定をどのようにしたらいいかというのが一つでございます。それから、先発品と後発品の薬価算定ルールを決めるというのが大きな問題でございます。さらに、画期的な新薬でございますとか、希少疾病用医薬品、いわゆるオーファンドラッグといったものの薬価ルールをどうやって決めていくか、こういうのが主な課題でございまして、中医協の議論も踏まえつつ、確実にこれの達成を目指したい、こういうふうに考えております。
○江田委員 時間がございませんので、最後の質問にいたします。 さらに、平成十四年度に向けた極めて大きな課題といたしまして、高齢者医療制度の見直しがございます。高齢化の急速な進行によりまして、老人医療費が急速に増加する中で、老人医療費を支える現役世代の負担が極めて大きくなってきておりますが、高齢者の医療費をいかに公平に負担していくのか。若年者と高齢者の負担のバランスをどのように考えていくのか。また、医療のむだをなくし、どのように老人医療費の適正化を図っていくのか。これらの点について十分な検討を行って、安定した制度の構築を図っていく必要があるかと考えております。 高齢者医療の抜本改革の取り組みに当たりまして、その視点と方向性について、改めて大臣の御見解をお伺いできればと思いますので、よろしくお願いいたします。
○津島国務大臣 委員御指摘のとおり、今回の改正法案でもなお残された重要な課題として、高齢者医療制度の問題がございます。この点につきましては、高齢化が進んでまいります中で、老人医療費の伸びを適正な範囲内に抑制することが必要でございますし、高齢者と若年者との間の負担のバランスがとられていることが望ましく、また、保険者間の負担のあり方についても適切でなければならない、こういう重要なテーマがございますので、平成十四年度を目途として、真剣に検討を進めて結論を出したいと考えております。 そうした中で、政府といたしましては、先般の社会保障構造のあり方に関する有識者会議から報告がございまして、政府・与党の連携のもと、医療制度改革を含めた社会保障制度の全体像を明らかにする大綱のようなものを早く取りまとめ、これに基づく具体的推進方策を協議するための体制整備をしたいと考えておるところでございます。 また、この有識者会議の報告書の中で、高齢化が急速に進むここしばらくの間、高齢者医療制度を初めとして、社会保障制度を支えるためには今以上の公費の投入が必要であるという方向も示唆されておりますので、その安定的な財源として何がよろしいか、こういうことについても議論を進めていただきたいと思っております。いずれにしても、国民的な議論を基礎として、精力的に取り組んでまいりたいと思っております。
○江田委員 時間が参りました。今回は、院外処方の場合の月額上限の取り扱いについて、大臣の方から非常に重要な御回答をいただいたものと考えます。本当にありがとうございました。
○遠藤委員長 次に、小池百合子さん。
○小池委員 保守党の小池百合子でございます。 今回の医療保険法等の一部を改正する法律案、医療法等の一部を改正する法律案、ともに、この厚生委員会にとりましては大変メジャーな法律案がそろったわけでございます。これは前国会からの先送りの問題であるということで、今国会においては、これまで参考人質疑を加えれば二十時間をはるかに超える時間、審議を重ねてきたわけでございます。ということで、この法律の施行を急ぐ必要もあろうかと思います。 最初に、私御質問させていただいた折に、この法律の改正が先延ばしになっていることで月額二百二十億円の負担がどんどん積み重なっている。将来の何兆円ともいう大きな大きな額を占めるであろう社会保障の一角の中の月々二百二十億円が大きいのか小さいのか、それはまた議論が分かれるところでありましょうが、現実には月々二百二十億円がこれまでの審議のおくれで国の負担として計上されている。これが現実だと思います。 また、私は以前より、確定拠出年金については、日本の構造、また雇用の構造を柔軟にしていく上で大変必要な年金のシステムであると考えて、これまでも積極的に取り組んできたつもりでございますが、これがなかなか厳しい状況になってきている。ただ、あきらめずに頑張っていきたいというふうに思っております。 いずれにいたしましても、長々と議論議論ということでやっておりますと、制度、家の建て方も大変重要でございますが、一方で現実という問題もある。高齢化のスピードはますます加速化している。そして、IT技術が進んで、医療の現場もITを取り入れている。さらには、ジーン、ゲノムの解読などもあって、まさにサイエンスの部分はどんどんとドッグイヤー、日進月歩で進んでいるというような状況の中で、片やアートの面では、一番時間とお金がかかる教育の部分、これはなかなか一朝一夕にぐるっと変わるものではないというようないろいろなギャップ、いろいろなラグがどんどん高まっていって、結局、先送りになった制度ができたときには実は事情が変わってしまう、そういうケースは残念ながら多々あるわけでございます。 そういった意味で、今回の健保法、医療法に対しては、これだけ審議を積み重ねた上での採決ということは、結論を出すということは当然必要なことであると私は考えているわけでございます。 さて、昨日、参考人からいろいろ御意見を伺いました。それぞれ見解の相違があるとはいえ、皆さんそれぞれにおっしゃっておられましたことは幾つか共通点があったと思います。その中で大臣にお伺いをしたいと思います。 まず、特に医療保険の方でございますけれども、いろいろな制度改正に伴う、それは患者さんにとって、また、今は健康だけれども将来に不安を抱く可能性のある方、私も含めてでございますが、むしろ変わることへの漠とした不安、それをしっかりと説明をしなければ、これはますます——本当はある意味では安心の材料は多々あるわけでございますけれども、そのところが複雑でわかりにくいというような御意見が昨日参考人の先生方からそろって出ていたと思います。この制度が複雑でわかりにくいという指摘に対して、大臣はどのようにお考えになっておられるか、そして、それに対してはどのような御対応をとられていくのか、お教えいただきたいと思います。
○津島国務大臣 委員から基本的な問題の御指摘がございましたが、今回の改正法案は、確かに部分部分につきましては大変複雑だという御指摘を受けてもやむを得ない面がございます。 それは例えば、一割の定率負担を導入するときに、これまでの定額負担とのつながりを考えると、白紙に物を書くのならそれはいいのですけれども、複雑な上限設定をして管理をしなければいかぬとかいろいろな点がございますね。基本的には、かねがね委員御指摘のとおり、将来に向けて我が国の医療保険制度をどうやって賄っていくかという姿が見えないじゃないか、私はそこのところにあると思っております。 ですから、今回の改正がいろいろ複雑で厄介だという点はお認めしつつも、まず、この改正はぜひやっていただいて、先ほど御指摘の、予算原案よりも毎月毎月二百億を超える、私はこれは非常に大きな金額だと思いますよ、それが赤字になっている事態を解消するとともに、将来に向けての構想を出していきたいということで、毎度申し上げておりますが、社会保障構造に関する有識者会議等で政府・与党一体となって将来の社会保障の構想を具体化しろ、こういう御命令をいただいている。 その中で一番大きい問題は、やはり財源をどうするかということでございまして、私は、かねがね委員から御指摘を受けておりますが、高齢化が進む中でどうしても公費負担は今以上にお願いをしなきゃならない、特に高齢者医療についてはお願いをしなきゃならぬが、この場合の財源は安定財源でなければならない、その安定財源としてはやはり税財源を含めて国民的な議論をやっていただきたい、かように申し上げておりますが、そういう方向性がきちっと国民レベルでも受けとめられたときに、社会保障制度、医療保険制度に対する国民の信任も高まっていくというふうに考えております。
○小池委員 今の議論はあと十分ではできない議論でございまして、一番根本的な部分になろうかと思います。また、参考人の方々、私どももそうですけれども、抜本改革の第一歩と言って、抜本改革とは言っていないところがこの分野の抱える一番大きな問題だと思います。 ある意味で国民的コンセンサスというのはこのところ特に急激に沸騰しつつあるのではないか。つまり、あれもしますこれもしますというドゥの政治から、あれはしませんこれはしませんというドントの政治の方が。最近見てみますと、これはポピュリズムに走る危険性はありますけれども、一言で言えば有権者には受けがいいというようなことですが。そのあたりは、真剣に日本の将来の姿まで考える国民の数はふえてきているんじゃないか。むしろ腰が引けている政治に対していろいろなフラストレーションがたまっている。これは全員が全員とは申しませんけれども、そういった空気を私はしっかりと把握していかなければならないんじゃないか。それを踏まえてしっかり腰の据わった議論をやらなくちゃいけないと思っております。 それで、最初の質問に戻るわけでございますが、制度が複雑でわかりにくいところを大臣もお認めになりました。であるならば、それの周知徹底、PRでございます。これは往々にして、お役所の仕事というのはわかりやすいことをいかにわかりにくく伝えているか、そもそもわかりにくいことをそれ以上にわかりにくく伝えているんじゃないかという危惧を抱いているところでございます。 自慢をするわけではないんですが、私のホームページに、年金、介護の費用にあなたは幾らかかりますかというのがある。こういう計算はそう難しい話じゃございませんで、別にサイン、コサインが出てくるわけではございませんので、プログラムには一番適しているんですね。 大体世の中の流れとか介護保険で国の負担がどれぐらいふえるかというのは個人個人には余り興味のない話でございまして、一体自分の将来はどれだけかかるんだ、私の場合はどうなるんだ、自分のうちは家族がこれだけいて、それぞれ幾つでというような、自分のことを知りたいんですね。ですから、その意味で、今回の改正も、これだけ国はどうだという大くくりではなくて、あなたのうちはどうなりますといったようなきめの細かいPRをされること。 また、これはまさに先ほど申し上げましたホームページ上で、行政とすればすべてに正確を期されることが多いわけですからその辺は工夫が必要だと思います、役所がこう言ったじゃないかといって後でいろいろ問題になるのもあれですけれども、ネット上で簡単に計算ができるなんということもお考えになったらどうかと思うんですが、今回の二法の制度改正の周知徹底、PRについての御対応について伺いたいと思います。
○福島政務次官 国民の医療制度に対しての信頼を確保するという観点からも、先生御指摘ございましたように、どのように改革されるのかということについて十分な周知徹底が必要である、そのように考えております。 具体的に申し上げさせていただきますと、厚生省みずからさまざまな媒体を通じて広報に努めるほか、地方公共団体、各保険者、さらには老人クラブなど関係団体の皆様にも御協力をいただき、地域ごと、職域ごとにきめ細かな周知徹底を図ってまいりたいと考えております。 また、患者さんの御負担の具体的な内容については、地域や医療現場において周知、広報を図ることが必要であり重要であると考えておりまして、医療機関、薬局の中の見やすい場所に月額上限や定額、定率負担の別など一部負担金に関する事柄について掲示をしていただく、そしてまた、個々の医療機関ごとの一部負担金に関する情報につきましても、市町村等の広報を活用して周知するとともに、そうした情報が閲覧できる体制を市町村にお願いしようと考えております。 ホームページの活用につきましては、先生が御指摘ございましたように、個人単位といいますか個々のケースに即した情報の提供が必要であるという御指摘は、まことにごもっともなことであろうというふうに思っております。検討して、前向きに対応してまいりたいと思います。
○小池委員 抜本改革の第一歩ということでございます。これまでのいろいろな審議を踏まえて、この第一歩を大きな一歩にさせていくように御努力のほどよろしくお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○遠藤委員長 次に、古川元久君。
○古川委員 民主党の古川元久でございます。 先ほどから盛んに、今度の改正案が医療制度の抜本改革へ向けた第一歩、第一歩という言葉がこの委員会室にこだまをしているわけでございますけれども、果たして本当に今度の改正案がそうした抜本改革へ向けた第一歩という位置づけと言えるのか、その点を幾つかの視点から検証させていただければなというふうに思います。 まず最初に、もともとは医療制度の抜本改革はこの二〇〇〇年度から実施されることが予定をされていたのが、結局二年先延ばしをされてしまったわけなんですけれども、さっきの話でも、この改正自体も先送りされた、もうこれ以上ここで議論している時間はないみたいな話があったわけでございます。そうであれば、この医療制度の抜本改革、それこそ二年先にはもうそれ以上先延ばしは到底できないはずだと思うんです。そういう状況の中で抜本改革といった場合、その抜本改革というのは具体的にどういうことを意味しているのか、ぜひそれについて確認をさせていただきたいなと思うわけであります。 これは私が考えるところでは、今の制度じゃなくて、抜本改革といってとにかく新しい制度に変えればいいと、それだけではないんじゃないのかなと思うんですね。それこそ制度を変えて、保険料をたくさん取ります、あるいは給付をがくんと減らします、それであれば制度としてはもつかもしれませんが、果たして変わった姿の制度のもとで、税負担とか保険料負担を含めて、一体私たち国民の負担がどれくらいになるのか、また、その負担のもとでどのような給付、医療サービスが受けられるのか、そういった負担と給付の全体像まで見えて、制度の改正というものもあって、初めてこれは抜本改革というふうに言えるんじゃないかと私は思うんです。 二〇〇二年に行われると言われております抜本改革として、一体そういったところまですべて含めて全体像を示していただけるのか、抜本改革といった場合に具体的にどういうことを意味しているのか、ぜひその点を大臣から御確認の御説明をいただきたいと思います。
○津島国務大臣 抜本改革というのはそういうものでなければならない。これから相当の期間にわたって医療保険制度なり社会保障制度が持続的に機能することが担保されなきゃいけませんから、そのとおりでありまして、そのためには、最終的な案をおつくりするまでにいわば給付と負担のバランスの全体像もお示ししなきゃならぬだろう、かように思っております。
○古川委員 ということは、どれくらい負担しなきゃいけないか、例えば保険料でこれくらい、税でこれくらい、そういった負担のレベルもちゃんと示されるということですね。
○津島国務大臣 ある意味ではそのとおりでありますけれども、それをどういうふうに負担するかはこれから議論をして決めていかなきゃならないと思っております。ですから、先般、総理の諮問機関である有識者会議から出された報告でも、税を含めて議論してください、こういうことになっておるわけであります。
○古川委員 抜本改革について少し視点を変えて確認をさせていただきたい部分があるのですが、二〇〇二年からの抜本改革といった場合に、それは、二〇〇二年度から抜本改革自身をスタートするということなのか、それとも二〇〇二年度中に検討に着手するということなのか。この二〇〇二年度ということの意味を明確にしていただきたいと思うのですが、その点についてはどういうお考えでしょうか。
○津島国務大臣 二〇〇二年から検討を始めるなんていう悠長な姿でないことは、これはもう委員も御承知のとおりでございまして、私はこれまでも、二〇〇二年までには全体像が描かれ、実施できるものから実施するということで取り組んでまいりたいと何回も答弁をしております。そういう意味からいうと、時間は非常に限られているというふうに思っています。 〔委員長退席、坂井委員長代理着席〕
○古川委員 今の大臣の言葉じりをとらえるようで恐縮でございますが、二〇〇二年度から実施できるものは実施していくということは、二〇〇二年度中に実施できないものも出てくる。つまり、医療の抜本制度改革の一部分は二〇〇二年度からスタートするであろうけれども、全部が二〇〇二年度中にスタートするわけではない、そういう可能性もあるということですか。
○津島国務大臣 そういう言葉の議論はやる意味はないと私は思っています。
○古川委員 やる意味はないという話じゃないでしょう。これは大きな話ですよ。 今回のも抜本改革への第一歩だと言って位置づけているわけでしょう。そんなことを言ったら、二〇〇二年度にまたちょろっと変えたって、これも抜本改革の一部分です、抜本改革を始めたことは事実です、そういうことになってしまうんじゃないですか。 これはちゃんと二〇〇二年度中に抜本改革としてトータルとしてやるのか、それとも、さっきの大臣の話だと、やれるところからやるということであれば、一体どこまでやるのか。今回のだって、そういう意味でいえば、抜本改革の一部分をやっているみたいな話にもなってしまうんじゃないですか。それはどういうふうになるんですか。
○津島国務大臣 中身の議論なしに言葉の議論をしても結論は出てこないという意味で、その御質問にはなかなか御答弁しにくいと私は思っています。
○古川委員 御答弁しにくいというのではなくて、二〇〇二年にはさっき言った全体像が出てきて、それをここで審議するんでしょう。そうじゃないんですか。審議するのであれば、それを実行すると……。一部分ずつちょろちょろ出すということも考えているんですか。そうじゃなくて、全体を出すということなんでしょう。そうじゃないんですか、大臣。
○津島国務大臣 委員、私の答弁をちゃんと聞いてください。全体像を出してと申し上げた上で、その上でやれるものからやっていくと当たり前のことを申し上げているんです。
○古川委員 だから、やれるものからといったら、今回のもやれるものからやったということになるんじゃないですか。二〇〇二年度医療の抜本制度改革だと言っているものも、そうなってしまうのではないかという危惧を我々は持っているから、そこを確認しているわけです。 ですから、二〇〇二年度のところで今回のみたいなものでお茶を濁されたんじゃたまらないわけですね。それは、さっき言われたトータルのビジョンに示されたもの、すべてこれが二〇〇二年にスタートする、そういうことを大臣の決意としておっしゃっていただくと、国民の立場からしても、二〇〇二年から医療制度が抜本的に変わるんだな、そういうことが理解できるんじゃないですか。そこの部分がなくて、やれるものからやっていくというのでは、今の姿勢とどこが違うのか。ぜひそこの部分を説明していただきたいと思います。
○津島国務大臣 何度もお答えしているように、きちっとやります。
○古川委員 きちっとやるということは、あえて憶測させていただければ、とにかく二〇〇二年にすべてやられるということで理解をしてよろしいですね、大臣。
○津島国務大臣 ですから、具体的な中身をこれから議論しましょう、全体を出して議論しましょうと言っているんですから、その全体の具体的な話のときに徹底的に議論しましょうよ。
○古川委員 わかりました。 具体的な議論をしましょうというふうに言われましたから。では、二〇〇二年へ向けて、今後どのようなスケジュールで作業を進められて、いつどういう段階で政府の原案が出てくるんですか。そのスケジュールを示してください。
○津島国務大臣 二〇〇二年といいましても、考えてみると、要するにあと一年しかないのですね。二〇〇一年。ですから、スケジュールなんて言っていられないぐらいの段階ですよ。 ですから、私がお答えしているのは、この法律をとりあえず皆様方に御審議をいただいているんだけれども、我々としては待ったなしの抜本改革の議論を始めるということを申し上げておる。またそれが、有識者会議から私どもに対して出していただいた報告書の中身であります。これを受けて政府・与党の中で大綱のようなものを早くつくって皆様方に議論の材料を差し上げよう、こういうことを申し上げているわけです。 そんな長い時間があるわけじゃない。二〇〇二年といえば、あとは二〇〇一年しか間にないんです。大変なんです。
○古川委員 だから、私は、あと一年しかないわけですから、もう少し——今大綱を出されると言いましたが、大綱はいつ出てくるんですか。それこそ一年しか時間がないのに、今の段階で、いや、いつ出るかわかりませんというのでは、本当にできるんですかという話になるわけですね。その大綱をいつ出されるのか、ちゃんとそれを示してください。
○津島国務大臣 古川委員も幾らか行政の仕事をおわかりで聞いておられるんだと思いますけれども、できるだけ早く、私としては可及的速やかに取りまとめたい。ただ、取りまとめるのに、厚生大臣一人でまとめられるわけにはいきませんね。税制まで含めれば相当広範な議論をしなきゃならない。それをした上で、とにかく一年内に出すというのですから、これは大変な話なんです。
○古川委員 大臣、あなたが怒る話じゃないでしょう。怒りたいのは我々国民の方ですよ。 行政の話をよくわかっているとおっしゃいましたけれども、大臣がそうやって取りまとめがあればというような待ちの姿勢だったら、役所はいつまでたったってまとめませんよ。私の経験からいっても、大臣がやれとがんと言われたら、嫌なものでも時間が短くてもまとめるのが役人なんですよ。それは大臣も一番よく御存じでしょう。それでいて大臣が、可及的速やかにとお役人みたいな答弁をしていたのじゃ、いつになったらまとまるのか。それこそ、そういうところで政治的なリーダーシップを示すというのが、まさに来年の一月から始まる中央省庁再編の新しい体制の政府のあり方なんじゃないですか。 そういった意味では、ここで大臣が大綱をいつまでに示すということをちゃんと言われて、そのように事務方を督励するのが大臣の務めでしょう。そういうことを大臣は言えないんですか。
○津島国務大臣 事務方には毎日がんがん言っています、早くやれと。
○古川委員 早くやれと言うだけでは動かないというのは、大臣が、それこそ私に言われましたけれども、私なんかよりもずっと役人のシステムをわかっていると思いますから。やはり期限を決めて言わないと。お役所は、早くと言うだけでは、先に期限が来ているもの、期限がこの日にあるものを優先してやってしまいますよ。 ですから、大綱について、それこそさっきのお話で、もうあと一年しか時間がない、こんなせっぱ詰まっているなんてお怒りになっていらっしゃるくらいだったら、今月末までに出せとか、一言言えばいいじゃないですか。何でそれが言えないんですか。
○津島国務大臣 大綱というのは、さっき言いましたように、恐らく税制までかかわる話でございまして、私はここで厚生大臣として答弁に立っているわけでありまして、厚生大臣としては可及的速やかにやりたいと何度もお答えをしているんですが、これは私一人で、大蔵大臣やほかの人のことを代弁する立場にないでしょう。それをあなたはわかっているはずだ。ですから、できるだけ早くやります。
○古川委員 大臣がこういう答弁の席でお怒りになって議論するのでは、とてもここの委員会で冷静な議論はやれないと思うんですよね。これはディベートの場ですから、そんなところで怒っても仕方がないわけであって、もう少し冷静にお話をしていただきたいと思います。 今大臣が、そうやって大蔵大臣も絡む話もあるというふうに言われました。もちろん、財源とかそういう仕組みの部分でほかの省庁とかほかの役所が絡むところもあるでしょう。ですから、そういった部分については、当然そういったところも含めてやらなきゃいけない。 しかし、さっき大臣が御自分で言った言葉、できるところからやっていく。厚生省の部分で、制度設計とかそういうことをすることはできるわけでしょう。ですから、それこそあと一年足らずしかない、そういう状況の中でしっかりした議論をしていこうというのであれば、まず、だれがどういう形で負担するのか、それはもちろん大事な議論です。これは、実は私は制度設計よりももっと先に議論を巻き起こしていかなきゃいけないような話じゃないかと思います。 できるところからやるという姿勢であれば、制度の部分でちゃんと姿が見せられる部分だけ見せていく。何もすべてがそろわなきゃ大綱が出せないとか、大綱はすべてがそろってから出していくというような悠長な状況に今あるのかどうかということも考えたら、それは、厚生省でまとめられる部分だけまとめて、そういった部分を世に問うていくということも必要なんじゃないですか。そういう判断というのはできないんですか、大臣。
○津島国務大臣 申し上げておきますが、私は全然怒っておりません。 あなたの御指摘は全くそのとおりだと思っています。だから、そういうふうにやりたいと思っています。
○古川委員 だったら、こそこそくだらない質問なんかするななんて言わないでください。 大臣、そう言われるのであれば、これは早い段階でどういう形でスケジュールを組むかということをしっかりと目に見える形で出してこなかったら、これはとてもじゃないですけれども、ここの厚生委員会の場で十分な議論ができませんよ。 ずっとこれまでの委員会の審議の経過を聞いていますと、大臣は、とにかくこの場で審議をしてくれ、委員会で皆さんもやってもらうことだというような発言が多々あるわけですけれども、それであれば、まず我々が審議できるような素材というものを一日も早く出してもらわなきゃいけない。そのスケジュールも出てこないし、とにかく督促していると言うだけでは、これは我々としては承服できかねるわけであります。そこの点については一日も早く具体的な、どういう段階で、どの時点で、どういうものを出してくるか、そういう目標みたいなものを設定してやっていくというのが、大臣が言われるように二〇〇二年に本当に全体像について抜本的な医療制度改革を行うのであれば、絶対に必要なことである、そう強く主張しておきたいと私は思います。 この話ばかりやっても時間がもったいないですから、次に行きます。 さっきから大臣は、この話は税の話も含めてとにかく厚生省だけではできないという話で、さっきの御答弁の中でも、公費負担をふやす議論に踏み込みたいというような話をされておられるわけでありますけれども、この場合の公費負担、先ほど大臣は税財源を含めたというふうに言われていますが、税財源を含めたというと、何か税以外にほかにあるのかなという感じがあるんですが、私は寡聞にして税財源以外に公費でどこから出てくるのかなかなか思い浮かぶことはないんですけれども、大臣が考えていらっしゃる税財源を含めという場合に、税財源以外で、しかも保険料じゃなくということでしょうから、どんなものをイメージされておられるんですか。
○津島国務大臣 少し丁寧に答弁をさせていただきます。 例えば高齢者医療制度の財源について申しますと、今後、老人医療費が増大する中で、持続可能で安定的な制度とするためにはどうしたらよいかという観点からの議論が必要ですね。 具体的には、先ほどから申し上げているように、有識者会議の報告書でも指摘されているような視点、すなわち、今後、医療リスクに比して保険料の負担能力の低い高齢者の割合が急速に増加していくこと、もう一つは老人保健拠出金の負担は保険者の財政に重くのしかかっていることなどを踏まえながら、保険料と公費と患者負担のあり方について考えていく必要があるということでございます。これらの要素をどのように組み合わせたらいいか、これから議論したい、こういうことであります。
○古川委員 大臣、先ほど私に、私が大臣の言っていることを全然理解していないというふうに言われましたけれども、今大臣は全然私の言っていることを理解していないですよ。 私が聞いているのは、税財源も含めて公費負担を考えると言っておられるときに、税財源以外に公費で負担するものが何かあるんですか、どういうものを具体的にイメージしていらっしゃるのか、ぜひそれを教えていただきたいというふうに質問したんです。
○津島国務大臣 それは、財政論の教科書を見ればいっぱいございますね。それをここで一々申し上げるまでもないが、それは、あなたの御質問が、安定的な財源として何があるかときちっとお聞きになるならば、私は、やはり税の中から選ぶ以外はないであろう、こういうふうにお答えをするわけであります。 財源として何があるかといったら、それはいっぱいありますよ。財政学の教科書に書いてあるように。
○古川委員 寡聞にして私は大臣ほど財政学を勉強していないものですから、その辺についてよくわからなくて、大変失礼をいたしました。 ただ、今のお話で、安定した財源ということであれば税財源だということを言われたわけですよね。税財源を含めたと言われましたけれども、大臣、要は税財源で考えるということだというふうに認識してよろしいわけですね。
○津島国務大臣 議論をやる場合の一つの焦点になるであろう、かように思っています。
○古川委員 税に踏み込むということであれば、これは私が言わなくても大臣が一番よくわかっていらっしゃると思いますが、安定した財源ということになれば消費税という議論になってくる。普通はそう考えるわけですよね。もし消費税以外の税であっても、税に手をつけるということであれば、二〇〇二年に医療制度の抜本改革を行う、そのときに財源も含めて考えるといえば、この議論は相当に前もってスタートしないと、私は到底国民の理解は得られないんじゃないかと思うんですね。 それは厚生大臣の所掌じゃないというふうに言われるかもしれませんが、内閣として、政府として、こうした財源、負担がどれくらいになるかは当然制度の設計とか何かから変わってきますからわかりません、しかし、それにしても、その安定した財源を税に求めるということであれば、その税をどういう形で賄っていくのか、消費税なのかあるいはほかの税なのか、そういった問題提起を早くしないといけないんじゃないですか。そうじゃないと、普通の人は、そういう話を聞けば、ああ、二〇〇二年には消費税が上がるんだなと単純にとってしまいますけれども、それでよろしいんですか。
○津島国務大臣 そういうふうに短絡的にとられるのは適当ではないという意味で申し上げますと、例えば所得税も、御党の代表も言っておられるように、課税最低限を含めて議論しろという大きな議論はございます。これは相当大きな財源にかかわるかもしれない議論でございましょう。控除のあり方も考えなきゃいけないと思う。そして、もっと広く言えば、租税のあり方については、所得、消費、資産それぞれの課税について適正を期さなければならないという観点の検討も必要であろうと思っております。これはとても難しい問題です。
○古川委員 難しい問題だからこそ、早く議論を始めないと。これを、例えば来年の税制改正、来年の年末ぐらいになって突然やり始めて、やったら医療制度の制度設計はできた、しかし、財源となる安定的な税がない、そうなると、それこそ赤字国債でそれを賄うか、あるいは安定した財源が見つからないからとりあえず制度の実施も先送りみたいなふうになりかねないんじゃないかと思うんですよね。 ですから、税でということであれば、それは相当前倒しして議論を行っていく、それこそ今度の年末の税制改正とか来年の通常国会あたりでそういった問題についてそれなりに政府としての考え方が示されてくることが必要だと私は思いますが、そういった方向に大臣は持っていこうというお考えはありますか。
○津島国務大臣 そんなにスムーズに進むかどうか、これは簡単には言えないくらい大きい問題だと思います。 ただ、委員の御指摘は叱咤激励と受けとめさせていただきますが、この機会に申し上げたいのは、皆様方はしばしば政府・与党としてのリスクをかけてきちっとやりなさい、政権政党の責任だとおっしゃる、それは重く受けとめます。しかし、同時にすべての政党、すべての政治家がそのリスクをかけてもらいたい。みずからの考え方、税についても、国民に対して人気があるないというその立場でなくて、あるべき姿をお互いに議論しましょう。
○古川委員 お互いに議論しましょうと言うのであれば、一日も早くここにまずそのたたき台になるものを出してほしい。それは、大臣、わかりますよ。ここで何にも素材がなくてただ単に議論していたって、百家争鳴みたいになるわけですよね。それはまさに政府・与党の責任として、一つの議論の素材となるものを一日も早くこの委員会に出すことが必要なんじゃないですか。だから、お互いに議論しましょうと言うのであれば、そういった素材を来年の通常国会に出す、あるいは今国会に出してくる、そういうことを約束できますか。
○津島国務大臣 そういう約束をするほど私は政治経歴は短くはございません。
○古川委員 とにかくのらりくらりと、政治経歴が長くいらっしゃるのがいいというふうにお考えで今の発言になったのかもしれませんが、そういう物の言い方が、国民の皆さんからすると、本当にちゃんとまじめに考えてくれているんだろうかなという疑問につながっていくわけです。今までの感じを見ていると、大臣が本当にどこまでこの制度改革に熱意を燃やそうとされておられるのか。内閣改造がもうすぐあるから、おれはそんなこと知らないよと思っていらっしゃるのかもしれませんけれども、その熱意が我々に伝わってくるような姿勢があってもいいんじゃないかと思うんです。 だから、今そんな約束はできない、そんな政治的に未熟じゃないというようなお話がありましたけれども、一日も早くそういうものを出してくるように努力するというくらいの御答弁はあってしかるべきだと思います。これ以上言っても大臣もお気を悪くするだけでしょうから、それだけ申し上げて、次の質問に行きたいと思いますが、この問題については、大臣は最初に声を荒げて、時間がないんだ、一刻の猶予もないんだと。あんな勢いで言ったわけですから、それでいて税の問題になったら、それは難しい問題でありますしともじょもじょになってしまうのでは、これは最初の、もう時間がないんだという意気込みとはどういうふうにつながるのか、私たちには理解できません。そういった意味では、我々に理解できるような形でお話をしていただきたい、そのことをお願いして、次に進みたいと思います。 先ほどから大臣は何度も有識者会議のお話をされておられるわけでありますけれども、もちろんこれは有識者会議が抜本改革の方向性を探る一つの指標としてまとめられたものだと思いますが、この中で、持続可能な社会保障の構築に向けた方策として、増加する負担を担う支え手をふやすこと、高齢者も負担を分かち合うこと、給付のあり方を見直し効率化することにより給付全体の増加をできる限り抑えることが挙げられていますが、先ほどから何度も大臣がおっしゃっておりますので、これは確認になりますが、抜本改革というのはこの方向で考えられていくというふうに考えてよいですね。
○津島国務大臣 基本的には、そういうふうに考えていただいて結構です。
○古川委員 では、そうであれば、こうした視点から今回の改正案のうちの幾つかの点について検証をして、その妥当性を考えてみたいと思います。 まず、薬剤の一部負担の廃止についてでございますけれども、前回九七年の改正のときに薬剤の一部負担が導入されたわけでありますが、その当時の薬剤一部負担を導入する経緯というのは、薬剤に係るコスト意識を喚起して、多剤投与などの薬剤使用の適正化を図る観点から導入されたはずだったと思いますが、導入されて三年余りでありますけれども、一体この導入によってどのような財政効果があったのか、また、多剤投与というのは減少したのか、その点についてどう効果を検証し評価しているのか、その点についてお答えいただけますか。
○近藤政府参考人 薬剤一部負担の財政効果でございますが、これは実績に基づきます推計でございますが、平成九年度の満年度ベースで約七千九百億程度財政効果があったというふうに見ております。そのうち、老人分は三千三百億円でございます。 それから、薬剤の使用の種類数でございますけれども、これは御老人の場合でございますけれども、薬剤一部負担の導入の前後の薬剤の使用状況ということで見てまいりますと、平成九年の五月の診療分、これは前でございますが、三・九三種類でございましたが、翌年の平成十年の五月の診療分で見ますと三・四九ということで減少しております。これは、従来から減少してきているわけでございますけれども、その減少幅が大きくなっているということでございます。 そういうことから見ますと、薬剤使用の種類数も減少したのではないか、こういうふうに考えております。
○古川委員 それは、いい評価をしていらっしゃるというふうに判断してよろしいんですか。
○近藤政府参考人 薬剤使用の適正化という面から見ますと、いい効果があったのではないか、こういうふうに見ております。
○古川委員 効果があったんだったら、今回どうしてこれは廃止するんですか。
○福島政務次官 薬剤一部負担につきましては、ただいま局長から一定の効果があったという御説明がありましたけれども、当初、導入するに当たりましてさまざまな議論があったことも事実でございまして、制度が複雑である、薬剤数によりまして負担が変わりますので計算が大変だ、二重負担であるというような御指摘もございました。 今回、老人一部負担の見直しにおきましては、定率負担制の若年者とのバランスというものを考慮しまして、負担を分かち合っていただき、またコスト意識を喚起するという観点から、薬剤に係る費用も含めて、かかった医療費に応じて御負担いただく定率一割負担制にした、これは今までの制度とは違うわけでございます。 同時に、平成十二年度の薬価見直しに当たりまして、薬価差の解消に向けて従来のR幅を流通安定のための調整率として一律二%とすることとした。これによりまして、薬価差ということが大変大きな問題になっておりましたけれども、大きな改善が見込まれることになった。そしてまた、先発品と後発品の問題もございますけれども、これについては新たな算定ルールをつくるということで、組織をスタートさせたところでございまして、薬剤使用の適正化ということでこの一部負担というものが設けられましたけれども、それにかわるさまざまな形の措置が行われるという観点から、そしてまた、当初の導入に当たりましてのさまざまな御議論も踏まえて廃止をすることとした、そういう考え方でございます。
○古川委員 今の政務次官の御答弁の中で、導入のときに話があった薬剤にかかわるコスト意識、それは今のような話で、病院側の方はそれなりに改善されているかもしれませんが、患者の方はどうなんでしょうか。逆に患者の方もやはり薬にお金がかかっているというコスト意識を持たなきゃいけないのじゃないかと思いますが、私は、今回の改正で廃止することによって本当にそういうコスト意識が担保されるのかどうか、非常に疑問に思うわけでありますけれども、その点は後でお伺いをしたいと思います。 今回の薬剤の一部負担の廃止によって、その所要財源はどの程度になるのか、また、それはどのように確保するのか、確認のためにお話しいただけますか。
○近藤政府参考人 今度の定率の一部負担ということでよろしゅうございましょうか。——定率一割負担の導入によりまして、二千四百四十億円、満年度ベースでございますが、効果がございます。
○古川委員 全部これを賄えるのですか、一割負担の部分で。全部これで賄えるのですか、薬剤の一部負担廃止の部分は。
○近藤政府参考人 薬剤の一部負担の廃止によりまして、満年度ベースでございますが、二千百七十億円でございますので、患者負担の見直しによりまして全部賄える、まあ、若干負担がふえる、こういうことでございます。
○古川委員 この薬剤の一部負担の廃止については、ちまたで言われていることは、そもそもこの背景には、自民党と医師会との間で九八年の八月二十七日に交わされた薬剤の一部負担について早急に検討するという覚書に従って、そして九九年の七月二十九日に交わされた薬剤一部負担を完全に撤廃するという自民党と医師会との合意によって、今回の薬剤の一部負担の廃止ということに進んだというふうに言われておるわけでありますけれども、大臣は自民党の議員としてその場にいらっしゃったわけでございますが、そういう世間で言われているうわさについては、大臣はどのようにお答えになられますか。
○津島国務大臣 私どもは、党内で議論をしておりますときには、そういう特定の団体の御意見でそうなったとは受けとめておりません。それは一つの要素であったかもしれませんけれども。 基本的には、今の定額負担が極めて複雑な制度になっておる、一定の効果はあったけれども、できることならばもう少しスムーズな制度にしたいということで一割の定率負担を導入するという前提で話が進められていったと思っております。
○古川委員 しかし、この覚書とか合意は、事実あったのでしょう、間違いなく。
○津島国務大臣 あったと思います。
○古川委員 その覚書や合意の流れの中でこういうのが出てくれば、当然、自民党と医師会との共同作業によって今回の薬剤の一部負担廃止につながったというふうに私たちは考えざるを得ないところがあるのですよね。先ほどの政務次官の説明などを聞いても、それが本当にそれだけ説得力のあるものなのか。首をかしげておられますが、聡明な政務次官は本当は違うふうに考えていらっしゃるのじゃないかと思いますけれども。 そもそも、国民生活に深くかかわるような医療制度について、それは現行制度の薬剤の一部負担のあり方は、制度も複雑だしわかりにくい、いろいろな混乱が生じている、そうした問題というのは私たちもあると思います。今の制度がいいとは思いません。しかし、そこに至るまではいろいろな議論を重ねた上で、政府としては制度改正の提案をしてきたわけです。 こうした社会保障制度の一つの大事なことは、制度が安定的に長期的にあるということですよね。ころころ毎年のように変わっているのでは、国民の側からすれば不安で仕方がないわけです。ですから、どう制度を安定したものにするか、当然そういう視点があって、いろいろな議論の上に導入されたのが、薬剤の一部負担という制度だったのじゃないかと思うのですね。 そうであれば、それが制度導入からわずか三年もたたない、実際に老人に負担を求めていたのは二年余りというような状況の中で、先ほどの保険局長の話の中でもそれなりの効果はあった、そして厚生省はいい評価をしているにもかかわらず、ここで突然手のひらを返したように廃止ということで制度を変えるということは、制度全体に対する不信感を強めることになるのじゃないですか。これは、三年前の政府の提案した制度改正は間違いだったと、その誤りを認めるということですか。
○福島政務次官 私は、薬剤一部負担を導入しましたときに政府におったわけではございませんけれども、薬価差の問題、日本の医療における薬剤費の占める割合が諸外国と比べても大きいという問題があった、そういうことをどうするのかという観点の中から出てきたのだと思います。 その中でどのように御負担を求めるのかということは、理屈の上でも必ずしも一つに収れんする話ではない。幾つかのやり方は当然あるし、先進諸国の医療制度の改革の中でも薬剤の問題をどうするのかということで、国によってもさまざまな取り組みをいたしております。どれが非常によくて、どれがどうだということではありませんけれども。 今回の老人の定率一割負担というのは、単に薬剤の御負担もその中でしていただくという観点もございますけれども、それを超えて、医療費総体にかかって、若人の負担と比較して高齢者の方にも応分の御負担をいただくということから定率負担を盛り込んだ。これは、制度としてはより大きな見直しだと私は思います。そして、その大きな改革の中に、三年前の提案の中で薬剤の御負担ということを盛り込んだわけですけれども、それも含まれているという観点から、私どもは今回これを廃止することにしたわけでございまして、より大きな、包括的な改革がなされるのであれば、それまでに行われた改革がその中に吸収されていくという考え方はあってもいいと思います。
○古川委員 では、若人に係る薬剤の一部負担も平成十四年度までに所要の財源を確保した上で廃止するというふうに言われているんですが、それについても包括的に制度を変える中でこれを廃止する考え方だということですか。
○福島政務次官 そのように受けとめていただいて結構だというふうに思います。
○古川委員 政務次官、本当に心底からそういうふうに思っていますか。
○福島政務次官 私は、薬剤の一部負担はある意味で非常にテクニカルな制度だと。わかりにくいというような話が当時もあったと思います。しかしながら、医療保険財政というようなこともありますし、薬剤使用の適正化という観点からそれを導入した。ですから、そういうテクニカルな改革ということはありますけれども、より包括的な改革がなされるのであれば、その中に吸収されるという考え方でいいんじゃないか、私はそのように心の底から思っております。
○古川委員 より包括的な改革と……。 きょう私がこの質問をさせていただいている中で基本的な考え方を聞いているのは、本当にこれが例えば有識者会議で出ている報告書とか何かに沿っている方向なのかどうかということの中でこの話も聞かせていただいているわけですね。 確かに、制度が変わる中では、取り込むというのも一つの方法かもしれません。しかし、その制度の変え方でこれを取り込んでいくのが本当に医療保険制度のあるべき抜本改革の姿へ近づいていくものなのか、それとも、それよりも離れていくものなのか、そのことがしっかり検証されなければいけないと思うんですね。現実に保険局長は、さっきの御答弁の中でそれなりに一定の効果があったということは認めているわけですね。 では、今度これを廃止して新しい制度の中に溶け込ませるのであれば、それこそ大蔵省なんかで今政策コスト分析というのをやっていますね、ほかの役所でもやり始めたという、この制度を廃止してこっちにした方がどれぐらいコストが削減されるのかということをちゃんと検証はされたんですか。そうじゃないでしょう。全くそういうものをしていなくてやっているわけでしょう。
○福島政務次官 現在までも、日本の医療制度の経過の中で一つ一つの改革が医療経済に対してどのような影響を与えてきたのかということについては、厚生省としてもさまざまな情報の収集を行ってきたと思います。また、先ほども局長から答弁ございましたように、薬剤の一部負担を導入したことによってどうした影響があったのかということについても御報告をさせていただいたところでございます。 当然のこととしまして、今回の健康保険法等の改正が国会でお認めをいただければ、その結果として医療経済がどういうふうな形に変わっていくのかということについて引き続き私どもは検証する、そのように考えております。
○古川委員 普通、導入する前にシミュレーションするべきですよ、本当は。やってみないとわかりませんというので、その効果があったものを廃止するということは、ちょっとおかしいんじゃないですか。
○福島政務次官 医療経済と医療保険制度の関係というのは、これは非常に難しい問題だと私は思います。実際のところ、一つ一つの制度についてどうすればどうなるということについて、現在の医療経済の研究者の世界でも、きちっとした定説また理論というものができるほどまでにこの学問というのは成熟をしておらない、私はそのように認識をいたしております。 ですから、今回の場合には、先ほども言いましたように、老人の方にも定率負担をいただくという制度としてより大きな改革を御提案させていただいているわけでございますけれども、その中に、制度の整合性や関係性という観点から薬剤の一部負担の廃止によりまして吸収するというようなことを申し上げましたけれども、それについても、医療経済上の検証というのは事前にできる話ではなくて事後的に行わざるを得ない、学問的にいってもそういうことだろうと私は思います。
○古川委員 では、もうちょっと別の角度からお聞きします。 先ほどの局長の話で、老人に係る薬剤の一部負担の廃止分については一割負担のところで賄えるという話ですね。そこはわかりました。 では、十四年から若人についてはどうするのか。つまり、今の中では賄えない、所要の財源を確保した上でということですね。そこはもう完全にある意味でわかっている話ですね、どれくらいかかるかは計算できる話ですね。そうしたら、その所要の財源については、どういう財源でこれを賄うつもりなんですか。
○福島政務次官 この財源の話につきましては、先生も御承知のように、政管健保にしましても、組合健康保険にしましても、財政状況というのは非常に厳しい。財源をどう求めるのかというのは、一方ではこうした医療保険の財政状況の悪化ということを踏まえて考えなきゃいけない話だと私は思っております。 ですから、老人の医療と若人の医療は連動しているわけでございまして、先ほどから大臣が御説明いたしておりますように、平成十四年度に高齢者医療制度の抜本的な見直しを行いたい、その流れがこの若人にかかわる部分の医療保険の財政にも当然影響してくるわけでございまして、現時点で若人にかかわる薬剤負担についての財政的な措置、財源をどのように確保するかということについては明確に申し上げることはできませんけれども、十四年度の制度改正の中できちっと検討していきたい、そのように申し上げたいと思います。
○古川委員 それでは、それこそ所要の財源が確保できなきゃ若人については薬剤の一部負担はそのまま続けるという理解でいいんですか。
○福島政務次官 決してそのようなことを申し上げているわけではございませんで、高齢者につきましてこのような見直しを行ったわけでございますから、当然若人につきましても同じ方向で進めていく必要がある、そのように考えておるわけでございます。
○古川委員 そうなると、先ほどの大臣の議論のところに戻っていくわけですが、保険料を引き上げる、その保険料を引き上げるためには、今の健保組合の状況からいえば保険料率の上限を引き上げなきゃとてもやれないだろう。保険料率を引き上げるか、あるいは税に求めるとなれば、また、ここの部分の税財源はどうするのかという議論になっていく。その二つに収れんしていくというふうに理解してよろしいですか。
○福島政務次官 医療にかかわる費用そのものは、自己負担、保険料、公費としての税財源の三つなわけです。ですから、いずれの議論をしましても、先生御指摘のような形で収れんしていく、私はそのように思います。
○古川委員 そうなると、厚生省の方から大盤振る舞いをされるのはいいかもしれませんけれども、財政当局は、これも公費負担で、こっちも公費負担でと、大変な思いをするでしょうね。大臣はよくおわかりだと思いますが。だから、国民の多くは、二〇〇〇年の抜本改革によって安心できる医療制度がスタートするのかなと思ったら、何かすべてそっちは変わるかもしれないけれども大増税がやってくるんじゃないかというような不安感を持ってしまうんじゃないかと思うんですね。 これは先ほどの話とも絡むんですけれども、もしそういう話をされるのであれば、そして、いたずらに不要な不安を招きたくないと思われるのであれば、やはり一日も早くこういうものについてはどういう考え方なのかという一定の方向性というものを指し示すべきだと思うんですね。ぜひそれをお願いしたいというふうに思います。 もう少し別の視点からもう一点、この薬剤の一部負担についてお伺いしたいと思うんです。 大臣はお医者さんに行かれて薬を受け取るときには、薬を買うと言いますか、もらうと言いますか、どういうふうに普通お話しされますか。
○津島国務大臣 そのときそのときで適切な日本語を使っていると思いますが、どっちを使ったか覚えていません。 〔坂井委員長代理退席、鴨下委員長代理着席〕
○古川委員 普通の人は病院へ行って薬をもらってきたというふうに言うと思うんですよね。薬局へ行って薬を買うとは言いますが、病院で薬を買うと言う人は、医薬分業になっているようなところは別ですけれども、そうじゃなくて、病院の窓口で診察券を返してもらって、そのときに薬をもらう人は——私、今薬をもらうという言葉を使いましたけれども、まず薬をもらうという言葉を使いますよね。それは福島先生なんかはお医者さんだからよくわかると思いますが。お医者さんも薬を上げましょうと言いますよね。薬を売りましょうと言いませんよね。私もお医者さんにかかって、お医者さんから、この薬を上げましょうと言われたことはあっても、この薬を売ってあげましょうというふうに言われたことはありません。 だから、まさに医者も患者の側も、今の普通の世界の中では、医薬分業になっていない小さいところなんかはまさに混然一体としているわけですよ。 私は、この有識者会議で言っているような給付の効率化ということを考えるのであれば、これはそうした観念というんですか、患者の側も医者の側も、薬をもらうというふうに言っているようでは給付の効率化につながらないと思うんですね。大体考えていただきたいと思うんですが、薬局で買ってきた風邪薬は、それこそ有効期限がある意味切れても、もったいないと使うかもしれません。しかし、医者で受け取った薬、例えば風邪薬を受け取って、全部飲む前に風邪がよくなった、薬が残った、次にまた風邪を引いた、そのときに前の薬を飲むかといったら、かなりの人が前にもらった——またもらったという言葉を使う、それくらいに薬をもらうという観念が我々にしみついているわけなんですが、前に受け取った薬は捨てて、また新たに医者で薬を受け取るというのが、多分ほとんどの人がそういう生活をしているんじゃないかと思うんですよね。それはお医者さんの福島先生からすれば信じられないと思うかもしれませんが、ほとんどの人がそういう状況で医者から受け取った薬を扱っているのが現状だと思うんです。 そういう状況を続けていたのでは、本当の意味での給付の効率化にはつながらないと思うんですね。そういった意味では、もちろん今の現行制度自身には問題はあると思いますが、しかし、何らかの形で薬に対して我々はお金を払っているんだ、保険からもお金が出ているんだという意識を喚起させることは有識者会議の指し示す方向に合っているんじゃないか、私はそういうふうに思いますが、大臣はそう思いませんか。 〔鴨下委員長代理退席、委員長着席〕
○津島国務大臣 委員の御指摘はもっともでございまして、私がさっきそのときそのときと言ったのは、古川委員も外国生活をやっておられて、私も外国で一番最初にショックを受けたのは、私はフランスにちょっと長くおりましたから、あそこは償還払いで完全分業ですね。ですから、薬は常に買うなんですよ、常に買うなんです。恐らく世界の常識からいってその方が圧倒的に多いと思っておりますが、日本でもらうというふうな受けとめ方をされているとすれば、どうかなという感じ、これは同感であります。 そこで、今まで御議論があったことをまとめて申し上げたいのでありますが、まず第一に、若い方の薬の負担を財源を確保した上でどうかと。これは、また公費をその分だけ入れなきゃいかぬのじゃないかとおっしゃった。ただ、ここで念頭に置いていただきたいのは、この分は二千七百億ですから、先ほどから御議論している医療の抜本改革のような、高齢者医療をどうするかという場合の公費の問題とはやや規模が違うということは申し上げられる。だから、二千七百億の規模の場合には、税ばかりじゃなくていろいろな工夫はあり得る、これは古川委員御理解をいただけると思います。 そこで、今の最後の御質問、薬については一般の医療サービスと分けて考えるべきではないかというお考えは、今度の有識者会議でもある程度そういう示唆もございまして、薬剤使用の適正化については、これまでも薬価差の縮小を図るための薬価制度の見直しとか、医療機関で明細を記した領収書を発行していただくとか、基本的には医薬分業を推進するとかいうことで取り組んできたわけでありますが、今後どうするかにつきましては、いろいろな角度から検討しなければならないと思っております。 特に、今の薬に対する負担を導入いたしますときに、私は委員会の筆頭理事として当時の野党の先生方と随分議論いたしまして、最終的なあの案は委員会の話し合いでつくり上げたような案でございました。もちろん、当時の新進党、民主党は最終的には反対をされましたけれども、かなり政府の原案について大幅な模様がえをいたしました。そのときの我々の議論というのは、例えば老人医療について言いますと、一割負担のような定率負担がすっきり入っていれば、もう少しこれは割り切れるのではないかという議論が一つ。それから、薬について特別な負担をお願いするということについての意味合いはどうなんだろう、二重負担になるんじゃないかという議論もございました。 結果として、それを二、三年やってきた感じとして、私は、かなり薬剤の使用については適正化をされた、その効果は政務次官がお答えしましたように確かにあったと思います。そういう背景を考えながらも、今後、薬剤とその他の診療について分けるということは一つの考え方であって、これからの検討の一つの課題であるというふうに私どもは受けとめております。
○古川委員 時間がなくなりましたのでまとめたいと思いますけれども、今の大臣のお話だと、またこれは二年後に全体の姿を変えるときに、やはり薬剤については一部負担してもらった方がいいということも出てくるのかな、そんな感じを受けましたけれども、そういう右に行ったり左に来たりというのが、先ほどから申し上げているように医療保険制度あるいは医療制度に対する国民の不安感、不信感というものを増大させているわけですね。 最初からのお話を申し上げましたが、抜本改革への第一歩だと言うのだったら、少なくともこの流れの中で、有識者会議に出ている流れの中で、ここに位置づけられるのですよ、それでこういう形で変わっていく前ぶれなんですよというものがちゃんとこの委員会で示されるのでなければ、到底これを第一歩だと見て我々はこれに賛成するわけにはいかない。そのことを最後に申し上げて、質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○遠藤委員長 次に、石毛えい子君。
○石毛委員 民主党の石毛えい子でございます。 ただいま古川委員との間で交わされた非常に激しい議論を私はわきで伺っておりましたけれども、小休止が入りましたので、ぜひともよろしくお願いいたします。 まず冒頭に、政策形成への当事者参画という視点で政務次官にお尋ねしたいと思います。 この法案審議に入りましてから、民主党の山井委員から、精神障害をお持ちの方が例えば公衆衛生審議会などに、その審議会への当事者参画ということを実現していくべきではないかという質問が出されましたのは御記憶におありだと思います。それに対しまして、政務次官の御答弁は、参考人として十分に御意見を伺わせていただくので、それでまずはよろしいのではないか、こういう御答弁であったというふうに記憶しておりますけれども、それでよろしいでしょうか。まず確認させてください。
○福島政務次官 先般の委員会で御質問のあったことでございますけれども、精神医療のあり方を検討する公衆衛生審議会精神保健福祉部会の委員につきましては、現在、医師、看護婦、精神障害者の家族の代表の方、また弁護士等の皆様でありまして、精神医療の学識を有し、精神障害者の立場を十分理解していただいている方々に務めていただいているところでございます。また、同部会のもとに設置をいたしました専門委員会におきましては、精神障害者の方々を参考人としてお招きをし、御意見も伺いながら精神医療のあり方について検討しているところであります。
○石毛委員 その点についてはわかりました。家族会の方が参加をされていましたり、専門委員会では精神に病気をお持ちの方の御意見も伺っているということは了解いたしました。 しかし、なぜ審議会に参加をしてはいけないのでしょうか。今政務次官が御答弁になりましたことは、それはそれとして当然のことといたしまして、さらに当事者の方が審議会に参加をされることが認められて当然の方向だというふうに私は考えるわけですけれども、いかがでしょうか。
○福島政務次官 私どもは、いけないというふうに申しているわけではございませんで、さまざまな御議論があるというふうに伺っておりますけれども、繰り返し御指摘をいただいたことでもございますので、今後、精神障害者当事者の方々の御意見をどのように政策形成に的確に反映させることができるかについて、審議会の御意見も踏まえながら検討してまいりたい、そのように思います。
○石毛委員 私は、参考人として意見を聞かれる機会を持つことももちろん重要なことだというふうに思っておりますけれども、要するに聞かれる立場と聞く立場という関係、それから、審議会等々の委員になるということは合意形成の場に参画をしていくという意味で、言ってみれば縦の関係か横の関係かという、これはちょっと単純な例にはなるかと思いますけれども、申し上げたいことは、委員として参画するということは、論議を交わし合う、合意形成に参画する、決定権への関与という点で、私は違うというふうに理解をしております。政務次官は今後審議会等で検討というふうにお答えくださいましたので、ぜひ実現の方向で検討していただきますように要望させていただきたいと思います。 それでは、次の質問でございますけれども、今回の医療法改正案の第七条で、病床が、病床の名前とすれば、療養病床が少し位置が変わった、ポジションが変わったことぐらいですから、ネーミングとしては現行法の名前と変わらないんですけれども、新しく病床が五つに区分けされたといいますか特定されました。この医療法改正の議論があります折に、精神障害をお持ちの方から、精神医療に関しまして、とりわけ長期の入院の問題でありますとかさまざまな問題があるという現状を踏まえて、精神病床をあえて設けなくても、一般病床という病床種別の中で精神の病をお持ちの方についても医療をなされてしかるべきではないかというような御意見もあったと思いますけれども、この種別が五つに特定されました理由につきまして簡単に御説明をいただきたいと思います。
○今田政府参考人 特に精神病床について申し上げますけれども、精神医療につきましては、その特性から、短期間に集中的に医療を提供する場合もあれば、療養面に重きを置かなければならない場合もありまして、それぞれの場合に応じた適切な医療体制が求められているというふうに認識をいたしております。 ところが、従来、精神病床につきましては、御指摘のように一般病床の基準の特例ということで人員配置基準などの基準が定められておりましたけれども、今回の医療法改正におきましては、このような精神医療の特性というものを踏まえて、精神疾患の療養環境としてふさわしい基準を定めるために、精神病床を一般病床とは分けて、精神病床独自の基準の体系を定めることとしたものでございます。
○石毛委員 今の保健福祉局長の御答弁でございますけれども、短期的な病気と長期にわたる療養のそれぞれに応じたと申しますのは、長期をどれぐらいに見るかということともかかわるかと思いますけれども、これは精神疾患以外の、それこそ内科疾患でも外科疾患でもさまざまな病気に共通することだと思います。ですから、病床の種別では一般病床、療養病床をどのように区分けするかというのはまた議論のあるところだと思いますけれども、精神の疾患をお持ちの患者さんにとりましても、そういう意味では、一般病床、療養病床、あるいは急性病床、長期病床というような区分けの仕方を一般の医療として行っても差し支えないことという趣旨の御答弁だというふうに私には伺えましたけれども、もう一度お願いいたします。
○今田政府参考人 一つは、精神疾患の特性というものの考え方の中で、一般の内科的疾患あるいは外科的疾患とどのような差があるかというところのとらまえ方にもよりますけれども、ただ、私がもっと大事だと思っておりますのは、一方で精神障害者の施設、つまり精神病床というのは、精神保健福祉法におきましてその行動の制限とかさまざまな要件を別途課している、またそのための構造基準も定めているということもございます。 いずれにいたしましても、外科なり内科の慢性疾患あるいは急性疾患というものと精神疾患の特性について審議会等において十分御意見をいただきながら適切な基準について定めていきたい、このように思っている次第であります。
○石毛委員 行動の制限を伴うことがあるというような御答弁も今いただいたわけですけれども、この点に関しましても、例えば内科疾患等々の場合も特別な病室というのは治療に応じてあるわけですから、その患者さんの医療ニーズに応じた、治療ニーズに応じた建物の構造、配置をどのようにするかというようなことでも対応できるたぐいのことではないかというふうに思います。 私は、そんなに数多くはございませんけれども幾つかの精神病院などを訪問させていただいておりまして、やはり一般の病院と違ったなかなか普通に人々が訪れにくいような環境の中にあるということが、今まで精神医療のいろいろな問題を引きずってきた大きな理由の一つだと思いますので、今後とも、この病床区分に関しましては十分な検討をしていただきたいと思います。これ以上は申し上げませんけれども。 確認をさせていただきたいと思います。今、局長の御答弁の中にちらっと触れておられたと思いますけれども、看護職等の人員配置等々につきまして、今まで行われておりました精神科特例は廃止するということでございますね。
○今田政府参考人 先ほど申し上げましたように、一般病床の人員配置基準によらないことができるという従来の事務次官通知をもって今日これを運用しているわけでありまして、これをいわゆる精神科特例というふうに申しているわけでありますが、今回の医療法の改正案におきましては、精神病床の人員配置の基準について、精神病床以外の病床の特例として定めるというやり方を改めまして、厚生省令において、精神疾患の特性にふさわしい人員配置等を新たに定めるというふうな仕組みにする予定にしております。
○石毛委員 その点は、改正法案では第二十一条に規定されていることだと理解をいたしますけれども、厚生省令によって定めるということでございますけれども、それでは、厚生省は厚生省令を実務的に定めるとおっしゃらないでいただきたいと思いますけれども、一般病床と精神病床について、今後医師と看護婦の配置基準はどのようにしていかれるのでしょうか、その点を御回答いただきたいと思います。
○今田政府参考人 精神病床の人員配置基準、それから設備構造基準がございますけれども、これにつきましては、ことしの一月に、公衆衛生審議会から、一般の病床とできるだけ格差のないものとすべきである、こういう御指摘をいただいております。これを踏まえて、現在、精神病床の設備構造等の基準に関する専門委員会において検討が進められております。 基準の内容でございますけれども、入院患者に対して快適な環境のもとで質の高い医療サービスが提供されるという視点に立って、一つは、充実した専門スタッフによる集中的な医療を必要とする場合があるであろう、それから、先ほど申し上げました、ゆったりとした療養環境で社会復帰に向けたリハビリなどの取り組みを必要とする場合もあると考えられます。それぞれその容体に応じた医療提供体制が必要であろうという視点に立ちまして、現在、公衆衛生審議会の方で、精神医療のそういった特性を踏まえた基準について、初めにも申し上げましたけれども、精神疾患以外の一般の患者さんへの医療提供体制との差をできるだけ少なくすべきという視点に立って御検討いただいておりますので、このような方向で精神医療の提供体制の充実を図っていきたい、このように考えております。
○石毛委員 私は、厚生省令で、病床の種別で医師、看護職員等々の員数を決めていくことがいいのか悪いのかというのは別途の論議だと思います。 今回の医療法の改正案につきましては、一般病床の看護職員の配置につきましては三対一を実現していくということが出ているわけですね。四対一を三対一に変えるのも厚生省令のレベルでの課題だというふうに思いますけれども、今回の改正法案では三対一にするということが、法案というか法案に関連した省令改正の問題として既に明らかにされているということでございますね。その三対一ということに関しましても、医療審議会ですとか社会保障制度審議会の答申の中でも、最低基準であるかどうかというような言葉がつきながら是認されて今回の医療法の改正案というふうになってきている。 病院の病床を種別に分けたという点では、実態はとにかくとして、考え方の問題として、精神病床も感染病床も療養型病床も一般病床も同等であるわけですね。実態は現在時点まででいろいろ違っているわけですけれども。その同等であるはずの病床種別に関しまして、一般病床につきましては審議会答申を経て三対一になるということが明らかにされて医療法改正案が提示されている。同じ病床種別でありながら、精神病床に関しましてはこれからの方向にまつ、これはどういうことなんでしょうかということを局長にお尋ねして、次官にお尋ねさせていただいてよろしいでしょうか。
○今田政府参考人 医療審議会の方から一定の方向が示され、それに基づいてその他さまざまな案件について改善を盛り込んだ医療法が提案をされることになった。私ども精神の場合におきましては、精神保健福祉部会において、一般病床が四対一から三対一になった流れを踏まえた上で、従来六対一という特例の中にいた精神医療の実態というものをどうとらまえていくかということについて、現在審議会の中で御検討いただいているわけであります。 したがいまして、当法律の施行に当たりまして、当然それまでの間に政省令に対しての審議会としての意見をいただく仕組みになっておりまして、そういう意味では、医療審議会が先行して議論いただいて法案が提出され、その後そのことを踏まえた公衆衛生審議会精神保健福祉部会での議論ということから、現在、鋭意この政省令の案について先ほど申し上げたような視点に立って御検討いただくという流れになっております。
○石毛委員 政務次官はどういうお考えをお持ちでいらっしゃいますでしょうか。
○福島政務次官 先生の御意見はなぜ一緒にやらないのかということだと私は理解をしておるのですけれども、そもそも一般病床の基準を三対一に改める、これは五十年ぶりといいますか非常に長い経緯のあった話だと私は理解いたしております。 まず、一般病床に関して三対一に改めるという大変大きな山を乗り越えることが最初の課題だったと思うのですね。そこがありまして、その後、現時点で精神病床の方はどうするのかということで公衆衛生審議会から御意見もちょうだいいたしておりますので、そういう方向性というものを踏まえて精力的に作業を進めさせていただいておる、そのように理解をいたしております。
○石毛委員 確かに、一般病床の看護職員の配置基準は五十年ぶりなのかもしれません。昭和暦でいえば二十三年。特例が三十三年ですから、ちょうど四十年。四十年と五十年の違いなのかもしれませんけれども、この間患者さんの療養環境として適切であったかどうかというのは、五十年と四十年の違いにそれほど意味があるのかという思いもいたしますし、私は今の政務次官の御答弁にそれほど納得というか共感を持って理解をさせていただくというふうにはなかなかいかないわけです。 この間、精神疾患をお持ちの患者さんにとりましては、宇都宮の病院の事件ですとか、大和川病院等々、さまざまな過酷な事件が発生していて、そういうことを踏まえるのだったらば、少し待って、公衆衛生審議会の答申を急いでいただいて、両方の答申を得たところでそれぞれの病床種別に対応した配置基準を明らかにしてしかるべきだったのではないのか、私はそういうふうに理解をするわけですけれども、私の考えに対しまして政務次官はどんなお考えをお持ちでしょうか。
○福島政務次官 医療制度の改革は着実に進めていくことが必要でございまして、現在、精神病床の人員配置基準につきましてさまざまな議論が出ていることも私は承知いたしております。その議論を取りまとめるために、厚生省としても精力的に努力をさせていただいているということだと思います。 そういう意味では、前進をしていくためには、一つ議論がまとまって前進をさせていただく、一つ議論がまとまって前進をさせていただく、そのことの繰り返しだというふうに私は思いますので、本来であればさきの通常国会であったわけでございますけれども、この国会で医療法等の改正案を御提出させていただいた背景というものを御理解いただき、またその成立について御理解をいただければというふうに私は思います。
○石毛委員 次官の御答弁を受けとめさせていただくとしまして、そうしましたら、公衆衛生審議会で考え方がまとまりましたらば、その点をめぐりまして次の通常国会に——そもそもこの医療法の改正案がどういう扱いになるかというその前段がございますけれども、それはちょっとわきに置きまして、公衆衛生審議会でこの設備構造等に関する考え方がまとまっていきましたらば、もう一回医療法改正が提案されるというふうに理解をしてよろしいのでしょうか。
○福島政務次官 その点につきましては、医療法の法律の体系としてのあり方から、政省令の改正ということになろうと思います。
○石毛委員 今回の三対一というのは、確かに省令事項ではございますけれども、答申を経て、医療法改正案の中で立法府の審議にも付されたという違いがございますね。審議会を経て厚生省の実務として省令をつくる作業が行政の対応としてとどまるのと、今回のように立法府での審議を経て確定していくのと、同じ省令ではあるかもしれませんけれども、政策形成のプロセスがどれだけ透明化しているか、あるいは公開性が広がっているかというような観点では違うのだと思います。公衆衛生審議会で答申を得て省令でつくれば、それは今の法令作成上違反することではないとは思いますけれども、今のこの医療改革の時代、大きな要素としては透明性を持つとか公開性をもっと広げていくとかいろいろあると思いますけれども、そういう観点でいきますと、病床種別としてきちっと法律改正で並んだとすれば、それに対応して対等に、同じような政策論議をもってもう一度きちっと確定していくことが事の筋ではないかというふうに私は考えるのですけれども、いかがでしょうか。
○福島政務次官 審議会のもとに置かれております専門委員会において現在議論をしていただいているわけでございますが、その御議論を踏まえて政省令の改正という形になろうかと思います。委員会での検討、また審議会での検討の中で、ただいま先生から御指摘ございましたような公開性ですとか幅広く御意見をちょうだいするとかということについては十分注意を払いながら進めてまいりたいと思います。
○石毛委員 局長にもう一度お尋ねさせていただきたいと思います。 先ほど、充実した専門スタッフによる対応が必要な精神疾患の患者さんあるいはゆったりした環境で社会復帰を目的として療養される患者さん等々、患者さんのニーズに応じてこれから基準のあり方を検討していくという御趣旨の御答弁をいただいたと思います。そうしますと、これから精神医療に関します診療報酬の検討ですとか、あるいはちょっとディメンションが違うのですけれども、この医療法の法案の中では、たしか一般病床と療養病床の区分けを確定するのは二年間という期間が置かれていると思いましたけれども、一つの目安としましてそういう期間を置きながら、精神疾患をお持ちの患者さんに必要な療養環境を短期の間にきちっと実現していくということだというふうに理解をしてよろしいでしょうかということをもう一度お尋ねしたいと思います。
○遠藤委員長 石毛さん、先ほどから局長と言っていますが、部長ですから。御承知おきください。 今田障害保健福祉部長。
○今田政府参考人 今審議をしているさなかでありますけれども、基本的に、現状を、つまり六対一というものを少しでも一般の病床に近づけるということはどういうことを意味するかといいますと、それに必要な看護婦さんの確保の問題でありますとか、もっと長い目で見れば、社会復帰のための諸施策によって今長期に入院していらっしゃる方々ができるだけ地域に出るような施策との組み合わせといったものとタイアップした形で運用させていただくことになるだろうと思います。 したがいまして、今回、今のままということではなくて、今よりもよりよいものに変えていく、先ほど申し上げましたあるいは御指摘いただきました二つのカテゴリーは、今よりも看護スタッフをどうしても必要とするだろうということになりますと、それが現実的に速やかに確保できるための一定の期間は必要でありましょうけれども、その一定の期間の中でこれを確保していただくような仕組みで組み立てる必要があろうかと思います。 その期間をあるいはその度合いをどうされるかについては、現在審議中でございますので、はっきりしたことを申し上げるわけにいきませんが、方向としては御指摘の方向でできるだけ早くそういった改善が行われるような、そういう仕組みで御提言いただくことを期待しております。
○石毛委員 今の部長の御答弁で、六対一を少しでも三対一に近づけるという、少しでもという表現は伺っていて大変気にかかります。専門委員会の議論は、この基準の抜本改正を目指す方向で必ずしも同一歩調ではないというふうに伺っております。ですから、繰り返し私はこの質問をさせていただいているわけでございます。立法府できちっと議論をして、一般病床に対する立法府の議論と同じように政策形成の方法としてきちっと段取りを踏むべきではないかということを強調しているのは、そういうことがあってのことでございます。 ですから、少しでも近づけるのではなくて、基本的に同じ水準を目指して実現を図っていくという答弁をいただきたい、そういう方向で行政として頑張っていただきたいというふうに申し上げさせていただきまして、この点に関します質問は終わりにしたいと思います。ぜひ頑張ってください。当事者の方ももちろんですけれども、注目は大いにされていることでございますので。 次の質問に移りたいと思います。 時間が押してまいりましたので、大臣に簡潔に、先ほど来の古川委員の質問と重なってしまうかと思いますけれども、社会保障構造の在り方について考える有識者会議の提言と医療の抜本改革の関係というところで、何を注目なさっておられますでしょうかという点を確認させていただきたいと思います。
○津島国務大臣 医療保険制度の抜本改革につきましては、その第一歩として今般健保法等の改正案を提出させていただいておりますが、残された重要な課題としては、やはり高齢者医療制度の見直しの問題がございます。これを平成十四年度を目途に改革の具体的措置について検討をしなければならないと思っております。 他方、先般まとめられた有識者会議の報告書は、委員御指摘のとおり、最終的な選択を行っていただく国民に対して判断材料を示すという立場から、二十一世紀に向けて社会保障がとり得る選択の幅や必要な費用をいかに賄っていくかについての考え方を示しているものと考えております。報告書においては、医療制度についても、高齢者医療の問題を筆頭といたしまして、貴重な御提言をいただいているところでございます。 今後の医療制度の改革の検討に当たりましては、こういった有識者会議の御提言等も踏まえて検討し、結論を得てまいりたいと思っております。
○石毛委員 質問通告していないことを大臣にお伺いしたいと思います、恐縮でございますけれども。 有識者会議の中では給付の見直しと効率化という点が大変強調されているように受けとめました。その中で挙げられています高齢者医療の見直しの具体的な項目として、尊厳を持って最期を迎えられる医療のあり方というような指摘もございますけれども、これは、大臣のお気持ちでは、これから政策展開として取り上げられていくお気持ちがおありになりますでしょうかどうか、簡単にお教えいただきたいと思います。
○津島国務大臣 私は、個人的に委員と同じような認識、すなわち、尊厳を持って安らかに最期を迎えることができるあり方を真剣に模索して、今の制度の改善が図れればいいなというふうに思っております。
○石毛委員 これは、文化的な面、それからメンタルな面で非常にセンシティブな問題ですので、政策化をしていくというのは非常に困難な部分があって、かなり広く解きほぐしていく問題だと思いますので、ちょっとその点の御認識を大臣にお伺いしたかったということで急遽お尋ねさせていただきました。 もとに戻りますけれども、有識者会議の給付の見直しと効率化ではコスト意識の喚起ということを大変強調しておりますけれども、今回の健康保険法の改正案の中では、もし提言と今回の法改正がリンクするとすれば、どの部分がコスト意識の喚起策というふうに位置づけることができるでしょうか。次官にお答えいただいてもよろしいです。大臣ですか。
○津島国務大臣 申すまでもなく、老人定率一律一割負担というものはコストに連動するわけでありますからその一つであり、それからまた、高額療養費について、従来よりも一定の低率とはしましたけれども負担をしていただくという同じような考え方に沿ったものだと思います。
○石毛委員 国の財政が厳しくなり、同時に社会保障財政も厳しくなってからでしょうか、コスト意識の喚起というのが随分強調されるようになっているわけです。コスト意識の喚起というのは、政策論として出す場合、今大臣がお答えいただきました負担の問題として当然出てくるわけですけれども、何を目的にしてコスト意識の喚起をするのかというのは大変気にかかります。その意味、目指すところはどんなところにあるととらえて一割負担とか高額療養費に対しての変更を打ち出しておられるのでしょうか、そこのあたりを少しお伺いしたいと思います。
○津島国務大臣 基本的な考え方についての御質問だと思います。 私は、日本が世界に誇る社会保障制度、つまり国民皆保険、皆年金というものを守っていくためには、みんながこれを支えるというのが基本であろうと思っております。一部の方だけが負担をして別のグループの方は負担をしないというようなことは、制度を皆で支えていくという民主主義的な社会保障制度の理念に沿うものではない。 私は、そういう考え方からいいますと、例えば相当な医療サービスを受けるとか年金を受けるとかいうことは、みんながその分を拠出するあるいは負担をすることによって成り立っているということが基本である、したがって、それに沿うような皆さん方の御参加を求めるというのがこの考え方であろうと思います。しかし、その場合に、低所得者の方とかは負担の限度を超えないように、社会政策的な配慮をミックスしていくのが社会保障のあり方であろうと思っております。
○石毛委員 大臣の御発言の中から、コストを意識してもらって受診を抑制することを目的にしているというようなお言葉が出されなかったことに私は安心をいたしましたけれども、一割負担するあるいは高額医療費を負担する、この負担の事実と、その負担を納得するかどうかというのは、国民が社会保障制度に対する信頼性を持つかどうかということで全然違った意味を持ってくるのだと思います。負担の強制と負担の納得というのは違う。言わずもがなのことですけれども、そういうふうに私は考えているわけです。 ですから、負担をするには、やはりそれが合理的に納得できる負担でなければならない。場合によっては負担がふえる場合もあるでしょう。そういうことを前提にした上で、先ほど古川委員が薬剤費の一部負担の廃止についてるる質問をされましたけれども、私はその質疑を伺っていまして、一割負担をした場合の多剤投与の減少というような意味での効果だとか、いろいろな意味でシステム全体に効果があったということを近藤局長も御指摘なさいましたし、私もそう思います。 でも、政務次官の御答弁は、そういう効果があったとしても、それにかわって実務的にいろいろあったりするし、一割負担の方が包括的に意味がある抜本改革へ一歩近づくことになるということで今回そういう転換を行うという御答弁を先ほどされたと思いますけれども、一割負担ということに基軸を置くのであれば、診療費の負担と薬剤負担を別途にして、薬剤費一部負担の計算を、私なんか全然理解できないようなああいう難しい計算ではなくて、同じ一割負担にそろえれば、一割負担であることは変わりないわけですよね。 それと、例えば、一割負担を総合化してしまう部分が出てくるわけですね。今ですと、医薬分業体制のもとで診療代と薬代それぞれ一割で共通はしていないわけですけれども、別途負担ですからそれぞれ幾らかかったかというのはレシートをもらえばわかるわけですけれども、今度の改正で院内処方だけになってしまったり診療所で定額払いになったりしてしまいますと、せっかく今まで診療費と薬代が分かれて医薬分業を推進してきたその分業推進は、基本的には置きますということでは変わらないという御答弁をなさると思いますから、それは要りませんので、それはおいておきまして、一割負担を基軸にしていくということでしたら、それぞれ診療代一割、薬代一割ということで一割負担をシステムとして別々に分ける方法を堅持していくということではいけないんでしょうか。
○福島政務次官 先生の御指摘は、診療にかかわる費用と薬剤にかかわる費用とを分けてこれからも扱った方がいいんじゃないか、その方がより薬剤に関してのコスト意識というものも喚起されるのではないか、そういう御指摘でよろしいですね。 この点については、有識者会議の中でも今後検討をする一つの課題ではないかというような御意見があったように伺っております。また同時に、診療費と薬剤費については、情報提供ということも非常に大切な対応になろうかというふうに思うのです。 この点につきましては、本年度の診療報酬の改定時におきまして、中央社会保険医療協議会、中医協での審議というものを踏まえて、次のような徹底を行いました。一つは、各保険医療機関等は、患者から要求があれば患者の支払った金額の領収書の発行を行うこと。各保険医療機関等は、体制を整え、医療費の内容のわかる領収書の発行に努めること。そして、関係団体におきましても、同様の趣旨の周知徹底が行われたわけでございます。 ですから、こうした情報の提供ということも、先生が御指摘いただいたことに対しての一つの回答になる話だ。検討をこれからも進めてまいりますけれども、こういった形での情報提供というものも同時に進めておるということを御理解いただきたいと思います。
○石毛委員 時間がありませんので、余りこの質問にこだわっていることはできないのですが、今の次官の御答弁の中で、私は、患者の要求があればという制約がついているところがコストを理解する上では妨げなんだと思います。要求がなくても出るのが原則であります。病気の種類によってはなかなか難しい場面もあると思いますので、それはネガティブリストをきちっとつくって、どこまでは処方せんを出す方の裁量の範囲の中におさめていいということを明らかにして、出していくことを原則にすべきだというふうに思うわけです。 そういう意味でも、私は、薬剤費は薬剤費として、それは一部負担なのか一割負担なのか、その線はあると思いますけれども、きちっと別途建てにすべきであって、軽々に丸めてしまうということは問題だというふうに思っております。 次の質問ですけれども、先ほどの大臣の御答弁で、コスト意識の中で高額医療費の問題が挙げられておりました。もう時間がありませんので急がせていただきますが、本当は全部展開したいのですけれども、上位所得者の負担に十二万一千八百円プラス一%というのはやはりいかにも高過ぎるという思いがいたします。 健保連の九九年度の高額レセプトの上位をピックアップしてみますと、狭心症の方で二千二十四万円の医療費だそうです。急性心筋梗塞の場合二千十六万円のレセプトになっているそうです。一般の標準報酬月額の方、つまり、五十六万円未満の方の場合の負担金は二十六万二千八百二十円。それから、五十六万円以上の月収がある上位所得者の方の場合で三十一万八千百十円になるそうです。計算してみますとそういうふうになるということですけれども、これは保険請求における高額医療費の負担額であって、もし心臓疾患で長期になっていきますと、実際には差額室料とか差額ベッドとかおむつ代とかいろいろなものが保険外負担としてついてくるわけですから、負担額は本当に幾らになるかわからない。こういうことでは安心していられない。 狭心症とか心筋梗塞は、まさに働き盛り、働き過ぎの世代、中年の中期、後期あたりからふえていく病気と申してよろしいのでしょうか、いろいろな意味で家計費も要る世代でもあるわけです。そういう世代の方が主に対象になるのでありましょう。そして、生活実態も大変緊張したライフステージにある方だと思います。上位所得であるからといいまして、十二万一千八百円プラス一%というこの決め方は余りにも過酷に過ぎないか。 私は、これはコスト意識ではないと思うのですね。こういうことを理解したってどうしようもないわけです。コスト意識というのは、理解したら自分の受療行動なり健康維持に関する生活態度をどうしようかということを考えることがコスト意識を喚起する重要な動因というかモチベーションであるわけですから、十二万円を超えるような、場合によっては三十万円を超える高額になることはコスト意識で語れる話ではないというふうな思いも含めて、ぜひともこのところは撤回していただきたいと思いますし、一%オンというのはこれからも続けていくのか、今後どうするのかということも含めてお尋ねしたいと思います。
○福島政務次官 今回の改正案におきまして一%の負担を導入した理由でございますけれども、そもそも患者の一部負担というのは、給付を受ける方と給付を受けない方の公平を図るという観点で設けられているものでございますけれども、医療費が一定以上となる場合については高額療養費が支給されるために、一部負担の趣旨というものが相当程度減殺される状況となっている。そしてまた、高額となった医療、特に終末期医療等については、医療機関においてコスト意識が見られていない事例が散見されるというようなことを踏まえて、一定の医療費を超える部分について一%の負担をお願いするものでございまして、その御趣旨を御理解いただければと思います。
○石毛委員 医療を受ける人と受けない人の公平というのは、医療制度の一つの切り口としてはないわけではないと思いますけれども、医療制度、社会保障制度が国民にとって安心できるということは、いざというときに、医療の場合は安心して療養に専念できることが一番大きな命題であるわけですから、自分が大きな病気になった場合に幾らかかるのかわからないということでは……。 そして、今、次官のお言葉の中には、終末期医療というお話が挙げられていたと思いますけれども、終末期医療は、これからそのあり方を本当に丁寧に国民的に議論していかなければならない課題だと私は思っております。ですから、今それをコスト意識で言ってしまうには早過ぎる、早計だというふうに私は思います。 先ほどの例えば三十数万円、四十万円というところが一体どうなっていくのか、そこのあたりで御答弁をいただきたかったと思いますけれども、時間がありませんので、再答弁はいただかないことにいたします。 残された時間は、ちょっと課題が変わって恐縮でございますけれども、広い意味で厚生行政の重要な任務としての安全性確保という観点から、スターリンクというGM食品についての質問をさせていただきたいと思います。 詳細は時間の関係で省かざるを得ませんけれども、この九月十八日に、害虫抵抗性のあるスターリンクという遺伝子組み換え食品がタコスの皮から検出されてリコールされたという事件がアメリカでございました。日本ではこのことに対してどのように対応してきているかということをお尋ねしたいと思います。
○西本政府参考人 アベンティス社が開発いたしましたアメリカ産の遺伝子組み換えトウモロコシ、スターリンクと呼んでおりますが、これにつきましては、平成九年十二月十九日に厚生省に対して申請がございました。以来今日まで、食品衛生調査会の中の組換えDNA技術応用食品等の安全性評価に関する分科会の中で審査を継続しているところでございます。 この分科会におきましては、これまで提出された資料だけでは、スターリンク中に発現いたしますクライ9cというたんぱく質、これがアレルゲン性を持つというふうに言われておるわけでございますが、このことに関するデータが足りないということは言われておりまして、昨年十一年六月、追加データを要求しているというのが現状でございます。 したがいまして、ただいまお話がございましたように、アメリカでそういうものが発見されて、日本でどういう対応をしているかという御質問に対しましては、とにかく私どもはまだ安全性を確認した状況になっておらないものでございますから、来年の四月からこれを義務化することになっておりますので、今はまだ法的根拠はございませんけれども、アメリカ大使館に具体的な状況の説明を求めております。また、情報の収集に努めてまいっているところでございます。 それから、アメリカ本国からも米国農務省の政府関係者が来日をいたしまして、いろいろと相談をしたり情報提供を受けているというようなことをいたしているところでございます。そして、とにかく、日本にまだ安全性の審査がされていないスターリンクが輸出されないように必要な措置を講じていただきたいということを強く要請しているのが現状でございます。
○石毛委員 今の御答弁を伺いますと、アベンティス社が平成九年に日本にこの遺伝子組み換え食品の承認申請をしていて云々という御答弁をいただきました。ですから、少なくとも厚生省としましては、平成九年時点からこの組み換え食品が地球上に出ているということは受けとめているわけでございますね。 そうしますと、例えば日本では、昨年九九年の七月二十六日には、市販のスナック菓子から未認可の遺伝子組み換えトウモロコシが、「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」の皆さんの活動で検出されたというようなことがあり、二〇〇〇年、ことしに入りまして、四月二十日に、家畜の飼料からスターリンクが検出されているというような事実、それから、直近の十月二十四日に、コーン製品の検査をしたところ、きょう私ここに持ってきておりますけれども、コーンミールからスターリンクが検出されたということ。 振り返ってみますと、少なくとも九九年の七月段階ぐらいから消費者運動の中で危険だということの情報が明らかにされてきているわけですし、厚生省としましては、九七年の申請の段階からこういう遺伝子組み換え食品が出てきていることは知っているというふうに私は理解をするわけです。 先ほど局長は、アメリカ大使館等々に問い合わせたり、あるいは情報を収集したりということで、輸出がされないようにしているということでございますけれども、いつからこういう対応をされ始めているのでしょうか。その点を確認させてください。
○西本政府参考人 直近のこの十月二十五日、国内の市民団体が、日本で安全性の未審査の遺伝子組み換えトウモロコシ、スターリンクが市販されているコーンミールから検出された由の発表をいたしましたことは、私どもも十分承知いたしております。既に述べましたように、私どもでは、まだスターリンクは平成九年十二月に食品としての安全性審査がなされて以来継続審査中でございまして、承認していないということでございます。 したがいまして、まず、私どもといたしましては、この発表を踏まえまして確認検査を行う必要があるということでございます。市民団体に検査に用いた検体の提供を要請しているところでございまして、提供があり次第国立医薬品食品衛生研究所において検査を行う予定になっているわけでございます。 ただ、先ほど申し上げましたように、法的な根拠はございませんので、当該商品を製造した企業に対しましては販売自粛を行政指導しているということでございます。 それから、輸入に関しましては、米国政府に対して、とにかく確認されるまでの間は輸出されないよう必要な措置を講じていただきたいということを強く要請しているということでございます。
○石毛委員 米国政府に対しまして輸出をされないよう要請されたのはいつでございますか。
○西本政府参考人 九月十八日に米国の消費者団体がこういう事実を公表し、そしてアメリカ農務省あるいはまた環境保護庁がそれぞれ二〇〇〇年度産のスターリンクを全量農家から買い上げる方針を決定した。そしてまた、十月四日以降、FDA、米国食品医薬品庁が製造者に対して同製品の回収を命令し、また、原料コーン等についてさかのぼり調査を実施しているということが判明している。それから、十月十二日にアベンティス社に対してスターリンクの取り下げを要請した。こういう事実を受けて以後のことでございます。
○石毛委員 そうしますと、輸出をしないように要請したのは十月十二日以降というふうに理解してよろしいのですか。
○西本政府参考人 正式に要請をいたしましたのは、平成十二年十月二十五日でございます。
○石毛委員 正式にというふうに言われましたけれども、少なくとも、アメリカでこのことが明らかになりましたのは九月十八日でございます。今の局長の御答弁ですと、正式に要請したのが十月二十五日、この間に一カ月余のタイムラグがあるということで、この間に日本に輸入されているかもしれない。それからもう一つは、このことがアメリカで九月十八日に明らかになる前に出回っていたものも日本に輸入されていたかもしれない。そういうものの一つがといいましょうか、あるものが、「遺伝子組み換え食品いらない!キャーンペーン」が日本で売られている製品をアメリカの検査会社に依頼して検査をして明らかになったわけですから、今局長が輸出を停止するよう要請したと言われましても、日本に出回っている確率はかなりの程度あるというふうに思わざるを得ないんだと思います。そのことに対して、厚生省としてはどういうふうに対応されるのでしょうか。
○西本政府参考人 以前にも、確かに市民団体などからそういう指摘が一、二ございましたが、私どもは、その都度、一応私どもの検査機関において検査をいたしまして、そういう事実が判明しないという対応をとってまいったところでございます。 今回の場合は、御承知のように、アメリカでは、動物の飼料としては認められている、ただ、残留農薬という観点から食品としては認められていないという対応をしておったにもかかわりませず、とにかく、先ほど申し上げましたように回収を命じたり全量買い上げを命じたりという厳しい措置をとっているということがございましたので、私どもは、安全性の審査は継続中でございますけれども、米国の対応に合わせた形で厳しくその制限をしているのが実態でございます。
○石毛委員 質疑時間が終了いたしましたし、きょうはイラン大統領の演説もおありになるということですけれども、私は、飼料であろうともアメリカでそういう対応がされて、アメリカで飼料でしか認められていないものがタコスの皮の中から検出されたというような問題になってくるわけですから、この間にいろいろなことがあるということを政策当局としてはとらえるのが当然であると思いますし、危機管理からいえば、九月十八日、それ以前の段階からでもきちっとそれに対応してしかるべきだというふうに思います。 来年の四月からは遺伝子組み換え食品の安全性の評価が義務化されるわけですけれども、今のようなお取り組みの状況を伺っていたのでは大変不安だということを率直に申し上げまして、時間が参りましたので、この件に関しましては引き続きまた別の場で議論をさせていただきたいとお願いして、質問を終わります。ありがとうございました。
○遠藤委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後零時三十四分休憩 ————◇————— 午後一時三十五分開議
○遠藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。金田誠一君。 〔委員長退席、鈴木(俊)委員長代理着席〕
○金田(誠)委員 民主党の金田誠一でございます。 大臣にお伺いをいたします。 医療保険制度の抜本改革はなぜできないのか、これが大臣にお尋ねをしようとする私の主要なテーマでございます。私は、そのなぜできないのかという理由は、これから述べる四つの問題点に起因する、こう考えております。 まず、第一の問題でございます。 最近の経過をたどれば、平成九年、政管健保が財政危機に陥る状況の中で、健保法等の一部改正が行われたわけでございます。その内容は、御承知のとおりでございますけれども、第一に被用者本人の二割負担、第二に薬剤一部負担の導入、第三に保険料率の引き上げなどでございまして、いずれも国民に多大な負担を強いるものであったわけでございます。 そして、これをめぐる国会審議の中で、医療保険制度の抜本改革の必要性が与野党を超えた共通認識となり、当時の与党、これは自社さでございましたけれども、自社さによる与党が「二十一世紀の国民医療」と題する改革案をまとめたと記憶をいたしております。この改革案自体、私どもから言わせますと、問題は多いわけでございますけれども、その後、連立の組みかえなどもあって、この改革案自体ほごにされた、現在は与党としての具体的な改革案は存在していないのではないか、こう思うわけでございます。 政権党のリーダーシップがここに放棄をされたと思うわけでございまして、政権党のリーダーシップの放棄が改革が行われない第一の問題であるというふうに私は考えるわけでございますが、大臣の御認識を伺いたいと思います。
○津島国務大臣 今の委員の御指摘、平成九年ごろから当委員会において一緒に議論をし、ある意味では苦楽をともにしてまいりました金田委員のお言葉でございます。私も大体同じような経緯をしっかりと胸におさめておりますので、それなりに、私ども政権党として十分に職責を果たしたかと言われれば、幾らか反省しなきゃならぬところはあるな、これは率直に申し上げた方がいいと思っております。
○金田(誠)委員 ここに自社さでまとめた「二十一世紀の国民医療」と題する縦書きのものがございます。実質的にほごになっている、もうこれは効力がないんだ、私はこう思うわけでございますが、その点を指摘いたしました。 大臣から今の御答弁でございますが、これについてはもはや効力を失ったものである、このように認識してよろしいわけですね。その点だけ改めてお願いします。
○津島国務大臣 平成九年八月二十九日の協議会の御意見は、その後、この中でいろいろ議論をして、改善を図るときのよすがになった点もございますから、全体としてどうこうということではなしに、しかし、これはワンセットとして、これからの抜本改革の基礎になる役割はもう終わってしまった、こういうふうに認めざるを得ないと思います。
○金田(誠)委員 今自公保でございましたでしょうか、その政権として、医療の抜本改革、何をどのように目指すのか、これにかわるものをぜひつくられてしかるべきだと私は思っております。 実は、私どももほぼまとまりかけているわけでございますけれども、お互い政党同士、こうしたものをまとめ合い、議論をし合いながら一つの方向をできればきわめていきたいものだな、こう思っているわけでございまして、政権党の責任においてぜひ方向をまとめて私どもにお示しいただければありがたい、これは強く御要請をしておきたい。大臣は内閣の立場ではあるかもしれませんが、党にあってもしかるべく責任のある立場でございますので、よろしくお願いを申し上げたい。あわせて福島政務次官にもお願いを申し上げたいと思うわけでございます。 次に、第二の問題点を指摘したいと思います。 医療保険制度の抜本改革がなぜできないのか、その第二の問題でございますが、したがって、与党はみずからの指導性を途中から放棄してしまった、私はこう思うわけでございますけれども、厚生省としてはそんなわけにもいかない。そして、医福審でしょうか、この制度企画部会と、医療審議会を舞台にして作業を続けてきたと思うわけでございます。 しかし、日本型参照価格制度に象徴されるように、官僚主導の限界はもはや明らかになった、こう思います。さらに、与党からはことごとく足を引っ張られたのではないか。今日まで二年以上に及んだ努力は、水の泡になったと私は見ております。いろいろなものが出ましたけれども、結局は、残ったものは何もない、何も決められなかったということでございます。 かつて、経済成長による保険料や税の増収があり、高齢化もさほど深刻でなかった時代には、官僚が悪役を引き受けて、政権党がそれに多少色をつけていい子になってきた、こういう分業が成り立ったのかもしれません。しかし、今日はもはやそのような茶番は通用せず、政権党がリスクをとる時代に入っているにもかかわらず、与党はそれを全く理解せずに、官僚に依存し、特定の団体の利益を代表することでその官僚の足を引っ張っている、これが第二の問題であると私は考えます。 大臣、こうした認識についていかがでございましょうか。
○津島国務大臣 医療制度、医療保険制度、これは国民ひとしく大きな影響を受ける制度でございますし、これにかかわる財源も大きいものでございますから、これが大きな改革という話になりますと、当然のことながら非常に広範な層の方の声に耳を傾けていかなければならない。委員もいっときは政権側におられたこともあると存じますので、そういう御苦労というのは御理解の上の御質問だと私は思っております。制度改革を進める上で大きな痛みを伴う、困難な作業であればあるほどこれをまとめるのに苦労は要るし、細心の注意をしなければならない。 しかし、これまでも医療制度の改革については、薬価、診療報酬の改革、それから今般御提案申し上げている健保法の改正など、一つ一つ着実にやってきたことは事実でございますけれども、二十一世紀に向けて持続可能な制度をどうやってつくれるのかというお答えにはまだ十分応じていないという意味で、今の御指摘には私は真摯に耳を傾けさせていただきたいと思います。 その場合に、もちろん政権党はそれなりの責任がございます。と同時に、お願いでございますけれども、すべての政党がそれぞれのお考えを出し合って、国民の前でわかりやすい議論をやりたいというのが私の本意でございますから、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
○金田(誠)委員 ただいま私は、第二点目の問題として、与党はみずからの責任を理解せず官僚に依存をしている体質、そして、医福審等でまとまったのに、これもまた足を引っ張るという体質、ここに第二の問題があるということを指摘させていただきました。大臣も本音では御理解をいただいたものと思うわけでございます。 第三の問題点に入らせていただきたいと思います。 平成十年でございますけれども、国民健康保険法等の一部改正の審議に当たって、参議院で抜本改革は平成十二年度までのできるだけ早い時期に検討する旨の修正が行われました。ところが、その修正が行われた翌年の平成十一年度において、突如として、高齢者の薬剤一部負担を税で肩がわりする措置が、法改正によらず、いわば密室の談合によって決められたわけでございます。 私は、この話を聞いて本当に驚きました。そんなことが法改正もせずにできるのか。何か解釈によればできるらしいという説明を当時は受けましたけれども、仮にできるとしても、できるのだから何をやってもいいのだということにはならないと私は思うわけでございます。この事態は、まさに密室の談合による民主主義の否定である、私はこう申し上げざるを得ないわけでございます。このような体質こそが、抜本改革に手がつけられない第三の問題であると私は思うわけでございます。 民主主義を踏みにじっても利益誘導を優先する体質、このことは日医にとりましても決してプラスに働かないし、こんなやり方は恐らく日医にとっても本意ではない、正々堂々、法改正をするならするということでやっていただきたいというのが恐らく本音だったのではないかなと思うわけでございます。(発言する者あり)木村先生もこの際大分活躍をされたやに仄聞をいたしているところでございます。 自民党は恐らくよかれと思ってやったと思うわけでございますけれども、結果として、こういうやり方をしますと、ひいきの引き倒しになるのではないか、私はこう思うわけでございます。 そして、この体質が、例えば看護婦の配置基準、当初の二・五対一から三対一になった、あるいは精神科特例の見直しも全く進まない、こういうことも同じ体質に起因をしているのではないか、こう言わざるを得ないわけでございます。 これが、私が指摘する問題点の第三でございます。いかがでございましょうか。 〔鈴木(俊)委員長代理退席、委員長着席〕
○津島国務大臣 薬剤一部負担をこれまでどうしてきたかということについて、経緯は大分紆余曲折があったことは私も否定をいたしません。 その経緯について、国会の議論が不足していたのではないかという御指摘については、これは予算措置で行われましたから、予算の通過まで議論は十分にしていただいたと思っておりますが、ただ、これを法律によらずしてやったことはどうかという御指摘であれば、これは議論の余地はあると思っております。 これはどこからきたかと申しますと、本来は自己負担というものをもう少しわかりやすい制度で、例えば定率一割負担というような制度できれいに整序するという考え方があったわけでありますけれども、それが国会でお認めになるに至らなかったということの中からやむを得ずこういうことになったと思いますし、さらに、それを続けておるわけにはいかないということで、臨時特例措置を法律制定で本年七月にやった。その辺の事情は委員よく御承知のとおりでございます、これは議員立法であったわけでありますが。 いずれにしても、委員のような御指摘をされる向きもあるな、これは真剣に耳を傾けなきゃいかぬな、かように思っております。
○金田(誠)委員 おおむね認識はそう違わないのかなと思って受けとめさせていただきました。 そこで、聞きづらいことかもしれませんが、最後まで言わせていただきたいと思います。第四点目の問題を指摘したいと思います。 このような経過の上に、平成十二年度予算の編成に当たっては、中医協において診療側と保険者側の意見が対立し、報告書をまとめることもできない事態となったわけでございます。さらに、医福審運営部会においても同様の事態でございました。にもかかわらず、昨年十二月十八日には、与党の政策責任者会議において、実質〇・二%の診療報酬引き上げが合意をされました。 これによる給付費の増は四百七十億円、これは満年度ベースでございます。以下同じ満年度ベースの数字を使わせていただきます。さらに、老人薬剤一部負担の廃止が二千百七十億円とされているわけでございます。今回の改定は、いわば政治加算だと私は思うわけでございますが、この政治加算の穴埋め、財源対策として持ち出されてきたものであり、改革でも何でもないと言わざるを得ません。高額療養費制度の改悪はセーフティーネットに穴をあけ、これが六百五十億円でございます。(発言する者あり)
○遠藤委員長 不規則発言はお慎みください。
○金田(誠)委員 老人の一部負担は薬剤の一部負担より複雑な仕組み、けさのメディファクスを見ますと、今回薬剤一部負担の仕組みを多少変えるというのが載っておりますが、読んでもよくわかりません。何か前より複雑になるのかなという気持ちで読んでおりましたけれども、いずれにしても複雑怪奇な仕組みでございます。これが二千四百四十億円とされております。 社会保険という仕組みにおいて重要なことは、診療側と保険者側という両当事者の協議が尊重されることであるというふうに私は思います。これを全く無視する与党の姿勢、これが第四の問題であると私は考えるわけでございます。中医協も合意に達せず、医福審も同様の事態になる、そういう中で両当事者の意向が全く反映されない形で強引に事が進められるこの姿勢、これが抜本改革を阻む四つ目の問題である、こう思いますが、いかがでしょうか。
○津島国務大臣 医療保険制度につきまして、診療側、保険者、そして被保険者、それぞれの当事者間でそのあり方について協議をし、合意をして進めていくのが基本であるという御指摘、そのとおりだと思います。実際、診療報酬等を決する中央社会保険医療協議会は、これらの三者に公益代表を加えた構成となってございます。 御指摘の昨年の診療報酬改定におきましては、予算編成を目前にして関係当事者間で議論が膠着状態になるという状態でございまして、やむなく与党において関係者からさまざまな御意見を伺った上で決断をしたものでございます。 また、今回の改定に当たりましては、これまで国会等で指摘をされている医療制度の改革に沿うような工夫も凝らされている点は、これは委員もお認めになるのではないだろうかと思っております。 今回の健保法等の改正は、医療保険制度の安定を確保するとともに、医療制度の抜本改革に向けた第一歩を踏み出すものでございまして、診療報酬の改定財源対策とは別の観点からのものであると私は考えております。
○金田(誠)委員 ここは多少見解が食い違ったのかなと思うわけでございます。 私は、今回の改定は政治加算の穴埋め、財源対策、ちょうど数字的にも符合するわけでございまして、それ以外の何物でもない、こう改めて申し上げておきたいと思います。 このような一方的な当事者間の協議を無視することを繰り返しますと、保険者は不信感を高めるばかりでございます。一方の国民皆保険を支える重要な当事者でございます保険者、この方々が不信感を深めるばかり、財布のひもはかたくなるばかりでございます。 本来、保険者は口も出すけれども金も出す、今後ますます高齢化が進み、保険医療財政が厳しくなればなるほど、そういう姿勢に転換していただかなければならない。ところが、口は出すな、金は出せ、これが皆さんのやり方ではないでしょうか。少なくとも当事者である保険者にそう受けとめられても仕方がない。そういうやり方を繰り返してこられたと思うわけでございます。本来の方向に逆行するやり方を続ける限り、改革は進まない。口も出していただく、意見を十分反映していただく、そのかわりお金も出していただく、こういう話をしなければ改革は進まない、私はこう思います。四点目の問題点として強く指摘をしておきたいと思います。 以上のように、私は、今の政権が存続する限り医療保険制度の抜本改革など進むわけがない、こう思わざるを得ないわけでございます。 その理由を改めて整理をさせていただきますと、一点目としては、与党としてのリーダーシップの放棄がございます。二点目としては、官僚に依存をしながら、依存をしながらその足を引っ張る、こういう体質があろうかと思います。(発言する者あり)
○遠藤委員長 木村委員に申し上げます。私語は少し小さく言ってください。
○金田(誠)委員 木村さんの言葉も心地よく聞きながら質問を続けさせていただいておりますので、どうぞ御遠慮なくやっていただきたいと思います。 三点目としては、密室の談合による利益誘導の体質、民主主義の否定というものがあると思います。そして、四つ目は、診療側と保険者側という両当事者による協議を否定する、この体質があると思います。 私は、自民党の先生方お一人お一人は非常に優秀な方が多いというふうに思っております。正直に、本当に思っております。これはお世辞でも何でもございません。大変お詳しくて、非常にお詳しくて、非常に真摯に物事を考えておられるというふうに思います。しかし、自民党政権という、この数十年続いた構造自体がもう時代に適応しなくなっている。この間の経過を振り返って、問題点を四点に整理をしてみて、改めてつくづく思うわけでございます。 大臣、恐らく反論があろうかと思います。ぜひお聞かせをいただきたい。私はどう考えても、この四点、自民党政権の体質、構造そのものによって医療保険の抜本改革は無理だというふうに思わざるを得ないわけでございますが、説得力のある反論があればぜひお聞かせをいただきたい。なければ結構でございますが、よろしくお願いいたします。 〔委員長退席、鈴木(俊)委員長代理着席〕
○津島国務大臣 医療保険の抜本改革は、政府・与党が一体となり、それから国民各層、関係者の理解と協力を得なければなし遂げることはできない非常に大きな仕事でございます。 この仕事に取り組むに当たって、委員御指摘のような私どもに対する御批判はあるのかなと感じながら今お伺いをしておりましたけれども、これだけ大きい話になりますと、政権党の中をまとめるだけでもなかなか大変であるということは、最近、民主党の中において法案の採択のときにかなり苦労をなすったということを見ましても、お互いに事情は似たところがあるなという感じもいたしますが、これだけ大きい話になれば、やはりお互いに議論を尽くして、最後はやはり痛みを分かち合う、それから、改革をしなければならない意欲がその障害を乗り越えるということが私は大事だと思っております。 政権党のリスクと何回もおっしゃったので申させていただきますが、私は、二十五年の国会議員としての生活の中で決して忘れられないのは、消費税を導入したときのあの政権党の苦しみでございます。私も推進論者の一人でございました。どんなに厳しかったか。そして、内閣を二つもこれによって早期退陣に迫られるということもございました。 しかし、そういうことを経験しながらも、障害を乗り越えて国民のために必要なことはやっていくということが大事である。これは私ども与党にとっての大きな責任であると同時に、前にも申し上げましたけれども、各政党におかれても、この厳しい話に一緒になって考え、取り組んでいただく、切磋琢磨していただくようにお願いを申し上げる次第でございます。
○金田(誠)委員 当時の消費税の導入の評価については、また私なりに意見のあるところでございますが、今その議論を闘わせる場ではないと思いますので、別な場に譲らせていただきたいと思います。 自民党が戦後果たしてきた役割、私はあしざまに否定をするなどとは全く考えておりません。戦後の復興、日本を経済大国にまで育て上げてきた一面の成果といいますか、この点について評価する分にはやぶさかではございません。 しかし、今日、自民党を拝見いたしますと、徳川の末期を思い起こすわけでございます。江戸幕府には大変優秀な人材、官僚がきら星のごとくそろっていたんだろうと思うわけでございますが、この徳川幕府が、幕藩体制そのものがもはや時代に適応できないものになる中で薩長に敗れる、こういう道をたどったわけでございます。私は今の自民党政権を拝見して、これと重なるわけでございます。その場合、薩長はどうなのか。私どもはできることなら薩摩になりたいものだなと思っております。これから研さんを重ねて、ぜひ薩摩の役割を果たさせていただきたいものと思うわけでございます。 民主党が薩摩であれば、長州はどこだ、こういう話もあるんですが、政務次官、恐らく長州は本来政務次官のところに果たしてもらうべき役割ではなかったのかなという気がいたします。その長州が幕府と一緒になってこの政権を支えていたのでは、これは物語にも何にもならない、見るにたえない状態になるわけでございまして、ぜひ長州という立場に立ち返っていただければ話はおもしろくなるのになという気がいたします。土佐はどこだ、坂本竜馬はだれだとかいろいろありますが、この話はこの辺でとどめさせていただいて、もし政務次官に一言言いたいことがあるということであればお聞かせいただければと思いますし、なければ次に進みます。——では、次に進ませていただきます。 そこで、もろもろある中で、一つ注目すべきは、社会保障制度審議会の本年二月七日の答申でございます。 「抜本改革が先送りされたのは遺憾というほかない。」とした上で、「特別の法律に基づき、独立かつ中立の立場から抜本改革案を作成する「臨時医療制度改革調査会(仮称)」のような組織を設け、」問題の解決を図る方法を提案しているわけでございます。社会保障制度審議会でございます。いわゆる医療臨調の提案でございますが、そうでもしなければ抜本改革は不可能ではないか、そう思います。 そして、もし必要であれば、この医療臨調、学識経験者中心になることは当然としても、今おっしゃられたように、我々自身も入ったらいかがでしょうか。与党から木村義雄先生なりが入っていただいて、野党からもしかるべく入る。そういう中で医療臨調をやってみるのも意義のあることではないかな、こう思うわけでございますが、大臣、いかがでございましょう。
○津島国務大臣 医療臨調のようなものでもやって、直接利害が深くない方々を主体とした議論をやって結論を出せという御見識、これも一つのお考えとは思います。 今までいろいろな臨調と称するものがございましたけれども、それがうまくいっているかどうかを見ますと、とかく御意見は出るけれども、結局それがなかなか具体化しないということも多かったと思います。政治臨調もそうでございましたし、比較的うまくいったのは行政改革の方ではないか。これは、世の中の流れが全体としてそういう方向だったからだと思いますが。 私は、したがいまして、与野党議員を中心として、やはり政治家のエネルギーを結集してやることが最後は必要だと思いますので、いろいろな方の御意見を集約させていただくことはあった方がいいかもしれませんけれども、そういう声が出てくるのは、我々の自戒の材料とする、直接の衝にある政治家としてはやはり自戒すべきである、かように思っております。
○金田(誠)委員 このように申し上げましたのも、医福審などを通してさまざまな案がまとめられる。その案自体は、私どもから言わせると申し上げることが多々ある。そういう案ではありますけれども、それさえも党の方に持っていくとことごとくひっくり返るという繰り返しで、一体どうなのかという思いから、この社会保障制度審議会の提案も傾聴に値するのではないか、こう思って申し上げたところでございます。 しかし、今回のいわゆる有識者会議でしょうか、もしこのような轍を踏めば何にもならないことでございまして、今回も厚生省のどなたかが書かれた、今まで何回も見たような文章が出てきたわけでございます。(発言する者あり)結構意見も合うわけでございますが、そういう繰り返しをしようということで申し上げているわけではありません。 したがって、きちんとした法的な位置づけなり裏づけなり、こういうものがなければ無理なのかな。そして、有識者だけでもこれはかなり難しいことだとすれば、与野党が入ってやったらどうかという思いでございましたが、大臣の方からはこれは国会でという話でございました。それもまたいい考え方だと思います。そして、国会でといった場合に、一番の議論の場はこの委員会の場だと思いますので、ぜひ強行採決などということは万が一にも考えられませんように、エンドレスにやれなんということは申し上げておりませんので、少なくとも議論が出尽くす形で審議を深めていただきますように、これは大臣に申し上げてもしようがないことかもしれませんが、委員長にくれぐれも申し上げておきたいと思うわけでございます。 それでは、総論部分はかみ合ったところもあり、多少すれ違ったところもございますけれども、この程度にとどめさせていただいて、次に各論に入らせていただきたいと思います。 まず、健康保険法等の一部改正についてでございますが、一部負担のあり方についてお尋ねをいたします。 我が国の自己負担割合は、ヨーロッパの各国に比較をして高率であると言われております。今回の改定により、満年度ベースでどのように引き上げられるのか、また、主要な三国、ドイツ、フランス、イギリス、この実態はどうなのか、比較をしていただきたいと思うわけでございます。
○近藤政府参考人 今回の健保法の改正によりまして、自己負担割合は、医療保険全体でございますが、満年度ベースで一六・三%が一六・六%になります。 各国の比較でございますけれども、医療機関へのアクセスの問題とか、給付の支払い方式とか、保険料の水準とか、いろいろ異なりますので単純に比較するのはどうかと思いますけれども、ドイツは六・〇%、フランスは一一・七%、イギリスは二・四%、こういうことでございます。
○金田(誠)委員 次に伺いますのは、薬剤一部負担の関係でございます。先ほど来話も出ておりますけれども、多少角度を変えて伺いたいと思います。 薬剤一部負担を廃止して、医療費全体の一部負担という形にシフトするという今回の提案でございますけれども、前回の改正では薬剤一部負担は効果があるとされていたわけでございます。先ほどの古川委員の質問に対しても、そのことは明らかになったと思うわけでございます。これを今度はいわば百八十度転換をするという提案だと思うわけでございますが、この百八十度転換するに当たって根拠となる、例えばこの種の転換をするに当たっては、厚生科学研究というんでしょうか、そういう委託研究なりが普通はやられて、それに基づいて方向が定められるというふうに思うわけでございます。 今回は、若人の方は先送りで、老人の方は正式決定ということでございますから、少なくとも老人の医療についての薬剤一部負担、どういうプラス面があり、どういうマイナス面があったのか、これらがきちんと実態、実証に基づいて明らかにされるべきではないか。思いつきで変わるべきではないし、密室の談合があってそうなったからそれを追認するというのでは、余りにも場当たり主義ではないか、こう思うわけでございます。 この辺、どうなっておりますでしょうか。説明をするに足る研究報告などはあるものでしょうか。
○近藤政府参考人 今回の薬剤一部負担の関係で、具体的な研究報告等あったかということでございますけれども、これの学術的な研究報告とかは、はっきり言ってございません。 ただ、薬剤の適正な使用ということでございますから、これまでの薬剤の一部負担というのは、どちらかといえば薬剤の種類別の比例であったわけでございますが、今回は医療費の額に比例していただくということでございますので、当然のことながら同じようなコスト意識は働くのではないか、こういうふうに思っておりますし、先ほど来申し上げておりますように、薬価差益の解消に向けました取り組みでございますとか、医薬分業の推進、こういうことで着実に薬剤使用の適正化というのは進んでいる、これからも進むであろう、こういうふうに思っております。 〔鈴木(俊)委員長代理退席、委員長着席〕
○金田(誠)委員 薬に対するコスト意識を持っていただいて、それをてこにしてというか、それを手段にして薬剤使用の適正化、価格の適正化を図るというのが今までの一つの流れだったと思うんです。これに対しても賛否ございました、確かに。そして、皆さんはそれに踏み切られたわけでございます。 それをまた変えるときには、変えるなりのきちんとした客観的な資料、根拠というものがなければ、私は密室の談合とさっきから申し上げているんですが、そういうことでいわゆる政治決着みたいなものをして、その後追いのために皆さんが御苦労をされるという話じゃ、これは保険者の側にしても到底納得できるものではない。そちらとうまくやって、それで済ませようというのは、それはそれで勝手にやってくださいというふうになるんじゃないでしょうか。ですから、そういうことは厳に戒めていただきたいなと思うわけでございます。 先ほどお見せをした自社さ当時のこれも、参照価格制度というのが大きく出ております。これも、参照価格を上回る薬剤については一部負担を徴収する、それによってコスト意識を持っていただいて適正化を図るということで、薬剤の一部負担というのは、きちんと今まで政策の柱に位置づけられてきたものではないですか。これに対する反対意見があったのも事実ですけれども、それを変えるに当たっては、今のようなやり方では不信を招く。こういうことをやっていて、次が抜本改革でございます、協力してくださいと言ったって、これは協力できるような仕組みになってこないということを重ねて申し上げておきたいと思います。 次に、老人一部負担の定率化に当たって、初めに上限ありきではなかったのかということについて質問をいたします。 初めに三千円あるいは五千円の上限ありきというやり方ではなかったのか。経過を見ましても、非常に不透明でございます。実質定額制に近いのではないでしょうか。そして、診療所については一日八百円という定額も残ってしまったわけでございます。そのために、院外処方であるとか院内処方であるとか、そして今回はそれをまた手直しをするとか、非常に複雑な仕組みになったわけでございます。 本当に定額がいいのか、それとも一〇%にして定額、頭打ちをつけるのがいいのか、一〇%を例えば五%とかにして上限がない形がいいのかとか、さまざまな角度からいろいろな検討がされてここに落ちついたものではないようでございます。どうも政治決着みたいな色彩が強いのではないかと思うわけでございます。 そこで、ひとつ試算をした数字をお示しいただければと思うわけでございますが、今回の老人一部負担の定率化に当たる収入は二千四百四十億円ということのようでございます。そこで、試算していただきたいのは、仮に上限額をなくした定率負担ということにして二千四百四十億円の収入を上げるとすれば、上限がないといっても高額療養費分が上限というのは常識だと思いますけれども、こういう数字を仮につくるとすれば、何%でこの二千四百四十億円に達するのか。同じ負担です、負担がふえるわけではありません。それを上限つきで、一〇%の上限つきがいいのか、もっと低い定率がいいのか、そういう比較も私は必要だと思うものですからお尋ねをするわけでございますが、同じ収入を得るためにパーセンテージは何%になるか、お示しいただきたいと思います。
○近藤政府参考人 老人の外来の一部負担につきまして、仮に、入院と同じ一カ月三万七千二百円、低所得者は二万四千六百円、こういう上限を設けて計算をいたしますと、端数がつきますが、定率で七・二%の負担率にすれば政府案とほぼ同様の効果が出ます。
○金田(誠)委員 三千円とか五千円とかという上限額がセットされていましたから、これを取り払えば一〇%がもっと五%ぐらいになるのかなと思っておりましたけれども、そうでもない。七・二%ぐらいなわけでございますが。したがって、その頭打ち、上限を超えるというのは——外来ですから、そうそう高い外来というのはないのでしょうから、そう高くはならないものなんだなということがわかりました。 〔委員長退席、鈴木(俊)委員長代理着席〕 しかし、定率となりますと、コスト感覚といいますか、そういうものは頭打ちがあるよりは余計働く可能性がある。そうなりますと、そういう効果を期待するとすれば、必ずしも二千四百四十億にこだわる必要はないかもしれない。七・二がもっと低くても効果はあるかもしれないという感じもいたすわけでございますけれども、本当にこの複雑な仕組みがいいものなのか。そうではなくて、低率にして、どこに行ってもそのパーセンテージを払う、あるいは、もしかすれば薬だけ別なパーセンテージというのもあるのかもしれませんけれども、そういういろいろなことが考えられるのではないかと思うわけでございます。 そうしたさまざまな選択肢の中から今回の複雑な形ができてきたものなのか。私は、初めに三千円、五千円ありきから始まって、やむを得ずこうなったと思うのですが、その辺はどうでしょう。いろいろな仕組みが検討されたものなのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○近藤政府参考人 今回の改正に当たりまして、いろいろな案が検討されたことは事実でございますし、先生が御指摘のような案も検討された経緯はございます。ただ、財政中立ということで余り負担はふやさない、ほぼ同額の線でどうか、こういうふうなことで検討したものですから、はっきり言って、先ほど申し上げました七%とか、端数が出るような数字しか出てこない、こういう事情があったわけでございます。 長年続きました定額負担制が定率負担制に変わってくる過程の中でこれを円滑にするためには、やはり現行の定額負担制の月額上限とほぼ同様の月額上限を設定する、それから、その上限額を超える場合におきましても、高齢者の方々が自分で保険者のところに償還の手続をするのもどうかということで、これは医療機関の窓口で行ってもらう、こういうふうな事情で御提案のようなものを提案させていただいているということでございます。
○金田(誠)委員 大臣、いろいろな方がいろいろ質問されておるわけでございますけれども、本当にわかりにくい仕組みでございます。一回出したからということに固執することなく、私は一部負担をゼロにしろと言うつもりは全くございません。本来、どういう形が一番コスト意識を持っていただいて、そして、低所得者の方にも過重な負担にならずに一部負担が導入していけるかということで、もっとフランクにさまざまな角度から研究してやっても遅くはないではないか、とりあえず今の形を続けていったって、今すぐやらなきゃどうなるという話でもないではないかという気がいたします。 そこで、この複雑怪奇な一部負担の提案についてはひとまず撤回をしてゆっくり考える、こう思うわけでございますが、大臣、撤回をしていただけるかどうか。
○津島国務大臣 撤回をして考えるほど余裕がないのは、まことに残念であり、申しわけないと思っております。 何事についてもそうでありますが、白紙の上に、こういう制度、ああいう制度を比べて、いいものを書き込んでいく場合には、それは今委員が御指摘になったような考え方も一つの選択肢になり得るかと思いますが、既に今のような薬剤一部負担が入っている状況の中では、私は、今度御提案している方式が一番弊害が少ないのではないか、ぜひともこれでお認めをいただきたい、かような立場でございます。
○金田(誠)委員 大変残念でございますが、さらに引き続き撤回を求めてまいりたいと思います。 次に、高額療養費に係る自己負担限度額の見直しについて質問をさせていただきます。 局長、総額六百五十億円というのがこの高額療養費の見直しによる収入の増でございますけれども、この中で上位所得者という区分を導入することによる増収分と、一%定率負担というものを入れる増収分は、それぞれ幾らずつになるかわかりますでしょうか。
○近藤政府参考人 先生御指摘のとおり、今回の高額療養費の見直しによりまして、全体で六百五十億見込んでおりますが、そのうち、上位所得者の区分を設けることによります影響額は四百六十億で大部分でございまして、一%がその残りの百九十億円程度でございます。
○金田(誠)委員 そこで、政務次官にお尋ねをいたしますけれども、上位所得者という区分の導入は、負担は所得に応じ、給付は公平にという従来の医療保険制度の基本的な考え方を変更して、所得に応じた負担と給付、負担も所得に応じて、給付も所得に応じてというものへの大転換、大きな変更を意味するのではないか、こう言われているわけでございますが、そういうことになるのかどうなのか。なると考えておられるのか。私は、これはなると思うわけでございますけれども、提案者のお立場ではいかがでしょうか。
○福島政務次官 高額療養費における自己負担の限度額につきましては、現在でも、家計に与える影響ということを考慮して、低所得の方については一般の方とは異なる額を設定しているところでありまして、必ずしも現在においても給付が一律とされているわけではございません。 また、今回の改正は、上位所得者の方につきましても、一般の方と同程度の負担、月収の二二%ということになりますけれども、負担していただくものでありまして、これによって過度の負担が生じるものではなくて、給付がより公平になるものというふうに私どもは考えております。
○金田(誠)委員 低所得者の方に特別の軽減措置を講ずるということと、上位所得者あるいは比較的上位の方々にそれなりの負担を求め、さらに給付の面でも、軽減された給付といいますか給付の抑制といいますか、そういう形をとるということは、低所得者の方に一定の軽減措置をとることとはまた考え方を異にするものではないでしょうか。これを、低所得者にも軽減をしているんだから、上位所得者の方には給付を抑制しても同じことだというのは、余りにも乱暴な論拠ではないか。到底納得できる説明ではございません。そのことを強く申し上げておきたいと思います。 それから、一%定率負担の導入の理由として、給付を受ける者と受けない者とのバランスとか、医療費に関しコスト意識を高めるとか言われていますけれども、これは余りにも乱暴な意見だなと思うわけでございます。政府の立場もこういう立場なんでしょうか。給付を受ける者と受けない者とのバランス、医療に関してコスト意識を高める、こんなことで一%負担というものを導入するのでしょうか。
○福島政務次官 今回の改正案におきましては、患者の一部負担というものは、そもそも、給付を受ける方と受けない方との公平を図る観点で設けられているものであるという趣旨に立って、医療費が一定以上となる場合については高額療養費が支給されているけれども、これによって先ほど申し上げました公平を図るという観点の一部負担の趣旨というものが相当程度減殺されている。そしてまた、高額となった医療について、必ずしもその医療機関においてコスト意識が見られていない事例が散見される。こういった点を踏まえて、この一%の定率負担というものを導入させていただいたわけでございます。このような観点での導入を御理解いただければと思います。
○金田(誠)委員 非常に乱暴な御見解だなと思います。そういう見解ではなくて、本音はそこにあるんでしょうか。今言われたような給付を受ける者と受けない者とのバランス、これは一部負担というのがあるわけですから、それだけで足りることで、一%を入れなきゃそうならないというものでもない。 そして、コスト意識というのも、高額療養費を払うというのは大変なコストですよ。人間一生の間に高額療養費のお世話になるような病気になるかならないかというぐらいの、極めてレアケースだと思います。そのときに、さらに一%を加算する必要がどこにあるんですか。 コスト意識を持ってもらうために、一生の間に一回あるかないか。頻繁にある大変不幸な方もいらっしゃいますけれども、普通、健康な方であればめったにあるものではない。そんなときにコスト意識を持ってもらって、果たして何の意味があるんですか。非常に聡明な政務次官とも思えない御答弁で、本当に残念に思います。後ほどもし訂正されるのであれば、訂正していただきたいと思います。 そこで、大臣、これらによる増収は満年度で六百五十億と言われております。この程度の財源のためにセーフティーネットに穴をあけるのは、いかにも愚かなことではないでしょうか。諸外国に比較しても、冒頭局長の方から答えていただきましたように、我が国の自己負担比率はかなり高い方にあるわけでございます。何のためにセーフティーネットに穴をあけてまで一%の青天井とか上位所得者とか、そんなことをしなければならないのか。そちらよりもセーフティーネットの方がはるかに価値が高いし、守るべきものだというふうに私は思います。 したがって、この高額療養費に係る自己負担限度額の見直しについては速やかに撤回されるべきである、こう思いますが、いかがでしょうか。
○津島国務大臣 高齢者医療の問題は、考え方がいろいろあるようでございますけれども、この自己負担限度というのは、給付をカットするわけではなくて、あくまでもこれは負担の話でございます。問題は、この負担がセーフティーネットに穴をあけるような負担かどうかという評価の問題であると思います。 それで、今度提案しているのは、例えば医療費が一千万円の場合の自己負担額が大体十六万でございますね。また、今の上位所得者の場合も自己負担の限度額は月額の二二%に抑える、これをどう考えるかなんです。 それで、委員ももう御承知のとおり、一部の御指摘によりますと、今の医療の実態の中で、これは終末医療の問題なんかもあるんだろうと思いますけれども、膨大な医療費をかけたケースで、医療としては決して成功していない、そして、そこのところの医療費が全体としてとても大きいというのが、これは外国に比べても日本の特徴だとも言われておる。そういうことを私どもは真剣に考えまして、一体どこまでがこの高額医療の負担として受け入れられるかという真剣な議論をしてこのような御提案をしているわけでございまして、私は、決してセーフティーネットに穴をあけているとは思いません。 現実に、低所得者の方や高額の自己負担が四回以上続いている方や長期にわたり高額な医療費を必要とする方々に対しては特例措置を設けていることは、委員御承知のとおりでございます。
○金田(誠)委員 大変残念な大臣の御判断だと思うわけでございます。一千万の医療費がかかる場合というのは、本当に生命にかかわる重篤な病でございます。一生に何回あるかわかりません。そういう方に一%の負担を強いたら医療費が軽減されるものでしょうか。もし不当な形でそうした高額な医療が施されているとすれば、それが一%の負担で直るのであれば、だれも苦労はしないと思います。そんな効果は全く期待できない。それを期待するのであれば、もっと保険者機能とか、一つ一つの医療の実態をきちんと審査するとか、そういう仕組みを入れなければ到底不可能でございます。あたかもそんなことができるような説明をされるというのは、私は誠実性を疑わざるを得ないと思うわけでございます。 そこで一点だけ、もう時間がありませんから最後の質問にさせていただきますけれども、外来の薬代、若人についてもこれから廃止するとおっしゃいます。相当額だと思います。老人だけでも二千百七十億円だということでございます。しかし、一%にかかわる負担はわずか百九十億でございます。一%百九十億だそうです。老人に対する薬剤の一部負担廃止は二千百七十億。これが若人だと恐らく五千億からになるんでしょう。そういう外来の薬代は、元気なときの、恐らく働きながら病院に通えるような状態のときの薬代を廃止して、死ぬか生きるかという一生の間に一回あるかないかというような高額療養費に一%なんという青天井を設けるというのは、どう考えても価値観が倒錯しているのではないでしょうか。セーフティーネットとして、外来の薬代といざというときの高額療養費と一体どっちが大事でしょうか。このお答えをいただきたいと思います。
○津島国務大臣 そこは見解がいろいろあり得ると思いますが、私があえて申し上げれば、高額な医療費はコストは安い方がいいでしょうが、高額の医療費はどなたかがお払いになっておるということも忘れていただいては困るわけであります。
○金田(誠)委員 答弁になっていないと思いますけれども、時間がございますので、改めてまた質問させていただきます。
○鈴木(俊)委員長代理 この際、暫時休憩いたします。 午後二時三十六分休憩 ————◇————— 午後三時五十六分開議
○遠藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。瀬古由起子さん。
○瀬古委員 日本共産党の瀬古由起子でございます。 私は、医療法の改正案に関連して質問をさせていただきます。 改正案では、医療計画の見直しとして、これまでの必要病床数の名称を基準病床数と改めることになっておりますが、その理由は一体何でしょうか。
○福島政務次官 お答えいたします。 今回の医療法改正案におきましては、必要病床数の名称を基準病床数に見直すこととしておりますけれども、これは、これまで既存の病床数が必要病床数を超える場合には不必要な病床と認識される一方で、必要病床数を超えない場合には不足面が強調され、その結果として、いわゆる駆け込み増床の弊害の一因になっているという指摘もあったことによるものでございます。
○瀬古委員 九九年の医療審議会で出された議論のためのたたき台というものがございますけれども、基準病床数への見直しに当たっての算式は、平均在院日数の短縮化に対応できる算式を設定することと述べております。また、全国一律の基準を設けることとしています。 これは、算式の見直しによって全体の必要病床数を引き下げようということではないでしょうか。いかがですか。
○伊藤政府参考人 新たな基準病床数の具体的な算定式については、たたき台としてお示ししたものでございますが、算定の基礎となる入院率につきまして、これまでブロックごとの入院率を使用してきましたが、医療審議会の議論におきましてたたき台として示させていただきましたものは、地域間の格差を是正するため、全国値から算定した基準値を超える都道府県につきましては基準値を採用し、都道府県値が基準値より低い場合は都道府県値を採用するとの案が示されているところでございます。 また、たたき台では、具体的な算定については「都道府県知事の裁量により地域の医療の実情を反映することができるよう、流入・流出加算の見直し等を行った上で、各圏域での必要病床数の算定を行う。」とされているところでございます。 たたき台の案による算定式が採用された場合、基準病床数は理論的には現在と同程度か少なくなるものと考えられるわけでございますが、一方、都道府県知事の裁量によりまして地域の医療の実情を反映することができるよう算定を行うとの案も出されているわけでございます。 いずれにいたしましても、今後、これらのたたき台を踏まえ、審議会等で御議論をいただいた上で基準病床数の算定式の見直しを行うことになると思います。
○瀬古委員 基準より高い場合はその基準に合わせていく、低い場合は低いまま。そうすると、全体には低くなっていくというのは当然だと思うんですね。ですから、当然、病床数を減らすことが目的だということははっきりしているんじゃないでしょうか。いかがですか。
○伊藤政府参考人 病床数を減らすこと自体を目的にしているわけではございません。地域の医療が確保される上で、いわゆる常識的な基準病床数というのはどのような算定式に基づいて行ったらいいかという考え方に基づくものでございます。
○瀬古委員 実際には、平均在院日数が過去五年間で一〇%程度下がっている。こういうことから導き出して、この一〇%程度の削減といいますか、そういうことも想定されて今回の算定基準が出されてきている。私は大変問題だと思うのです。特に、一九九七年の行政改革委員会の最終報告では、過剰な病床を削減して効率的な医療提供を図ることによって医療費の削減、抑制を図ることを指摘しております。 そうしますと、このようなことは、結局、病床数の基準を決めて、基準よりも高いところは低くせよ、低いところは低いままにするという形で病床を減らして、行革委員会の最終報告で言うように医療費の削減、抑制を図る。初めから医療費抑制、削減と、あなたたちは言っていないかもしれないけれども、はっきりと行革委員会はこのように書いているのですが、その方向で今回提案されていると考えていいでしょうか。
○伊藤政府参考人 例えば平均在院日数につきましても、過去五年間で見てまいりますと、平成五年度につきましては三十五・三日でございまして、平成十年度が三十一・五日ということで、この五年間に平均在院日数が一〇・八%も短縮しているわけでございます。 これらの平均在院日数の短縮化傾向というものをきちっと基準病床数の算定式の中に反映をしていく。そして、地域において良質な医療を提供する体制の確保という観点から、望ましい基準病床数というのは一体どの辺に目安を置いたらいいのかということになりますと、今申し上げたように平均在院日数の短縮化傾向でございますとか地域間のアンバランス、余りにも地域間のアンバランスがあるということも御指摘を受けているわけでございまして、それらの御指摘を踏まえて、必要以上の病床数については医療計画上削減をしていくことが必要ではないかと考えているわけでございまして、たたき台をもとに医療審議会等におきまして御議論をいただき、妥当な算定式を決めていきたいと考えているところでございます。
○瀬古委員 望ましいと言うけれども、あなたたちが考えて望ましい基準を設けていく、それも、病床数を減らす方向で基準を決めていくわけですよ。地域格差の問題でも、地域間に格差があるといったって、地域によっては、そこにおける患者さんの状態、例えば北海道のような寒い地域ですと、なかなか通院できない場合は冬場入院されることが多いことだってあり得るわけでしょう。そういうように地域によってはいろいろ違うわけです。あなたたちのように一定の基準を決めて、それ以上高いのはけしからぬみたいなことを言ったら、本来の……(発言する者あり)委員長、ちょっと黙らせてください。私は静かに聞いている。(発言する者あり)いえ、北海道の地域の気候の問題を言っているのです。そういう……
○遠藤委員長 委員長の許可を得てから発言してください。
○瀬古委員 発言なんかさせないでください、私がやっているのですから。 少なくとも、地域によってはそれぞれの地域の状況があるわけですよ。それを全国一律でやるなんて、こんな乱暴なやり方はないと思うのです。そうしますと、今この地域は、とりわけ入院が多いところは、もう入院できなくなる事態だってつくられるわけでしょう。医療そのものの体制だって、それによって破壊されていくということになるのじゃないでしょうか。大臣、お答えいただきたいと思うのです。
○津島国務大臣 基本的な数字は、瀬古委員御存じのとおりでございますけれども、諸外国と比べて病床数がどうなっているか。千人に対して、日本は十三・一、アメリカが四・〇、フランスは八・五、ドイツが九・四、イギリスが四・五。これ以上のことは申しませんけれども、病床がどうあらなければならないということは、単純に数が多ければいいというものではございません。 これは有効に使う必要があるし、そこで立派な医療サービスが行われることを担保する必要があると思います。ただ数だけの議論には、私は余り深入りするつもりはございません。
○瀬古委員 私は、数の問題を言っているのじゃないのです。厚生省がいいような基準を一定引いて、そして、それ以上のものについては抑えていく、それ以下のものはそのままにしておく。そういう地域の実情なんかも考えないでやるという考え方そのものが、こういうやり方が地域の医療を荒廃させないかということを私は言っているわけなんですね。 そして、今、これ以上言わないと言って、大臣が病床数が多いなどというお話をされましたけれども、それだってもっと言っていただかなければならぬこともあるわけです。日本はなぜそういう状態になっているのか。在宅サービスや地域の福祉施設、そういうものがどうなっているのかという全体を見て病床数がどうなのかということをやはり論議していかないと。だから、私は数だけの問題を言っているわけじゃないのです。少なくともそういう地域差が現状はあるわけですね、現実的には。そういう問題を無視する形で一律的なやり方を決めるという今回の考え方は、大変問題があるのじゃないか。私はこのことを指摘して、次の質問に移りたいと思います。その辺は意見が違うというので、指摘だけさせていただきます。 今回の医療法の改正では、五十年ぶりに看護基準が改定されたわけです。一般病床では、今まで患者四人に対して看護職員一人の配置基準から、今回、患者三人に対して看護職員一人、こういう提案になっております。(発言する者あり)喜ぶべきことじゃないのですよ。 今回改善された看護婦の配置三対一の基準は、全国では八六%の病院がとっくにクリアしている数値なんですね。もうやっている、どこでも。それどころか二対一の看護は三二%もやっている。二・五対一の看護は三一・一%です。今、合わせて六三・一%は今回厚生省がこれが基準だぞと決めたものをクリアして、どんどん進んでいるというか、ある意味では配置せざるを得ない状態に各医療機関がなっているわけですね。私は、こういうことは厚生省はよく御存じだと思うのです。もっと基準を引き上げてもらいたい。 そういう意味では、少なくとも二・五対一を超える看護基準の設定を何とかしてほしいという医療関係者の皆さんなどのお声があったと思うのですけれども、一時は厚生省もそういう案も出してみえたのですが、今回その二・五対一を超える看護基準の設定が見送られた御事情はどういう理由だったのでしょうか。
○伊藤政府参考人 御説明いたします。 平成十年十二月に医療審議会に提出いたしました議論のためのたたき台におきまして、看護職員の配置が手厚いほど平均在院日数が短くなるという相関関係が存在し、二・五対一を境に平均在院日数が短いグループと長いグループに分かれることなどから、一般病床の看護職員の配置基準を二・五対一とする案を提示したところでございます。 しかしながら、医療審議会の審議におきまして、医療法におきます人員配置基準は最低基準であるということ、看護職員の地域的な偏在に配慮をする必要があるということ、また半世紀にわたる基準の変更に対する慎重な配慮が求められたことに加えまして、複数夜勤・月八回といういわゆる二・八体制を何とか確保するための最低限必要な配置が三対一であるという点を踏まえまして、医療審議会としては三対一以上とすることにしたものでございます。 厚生省といたしましては、今回の改正案を円滑かつ着実にすることによりまして、患者の病態にふさわしい医療を提供できる体制を整備するという病床区分の見直しの趣旨に沿ったものだと考えているところでございます。
○瀬古委員 この問題は、先日我が党の小沢議員が指摘したように、日本の看護職員、医師の病床当たりの数は、欧米に比べて本当に最低水準だ。これを一気に引き上げなきゃいかぬ。(発言する者あり)ちょっと黙らせてください、委員長。
○遠藤委員長 黙ってください。
○瀬古委員 一気に引き上げていかなきゃならないという事態になっていて、現状では、もう三対一ではやれないんだ、二対一だとか、看護は事実上そうやらざるを得ない。今二人夜勤の問題が出ましたけれども、今の医療の水準でいえば、三人夜勤なんかもやらなきゃいかぬというところがどんどん出てこざるを得ない事態ですね。それを、相変わらず二・八というところで提案せざるを得ないというか、私は現状に対する認識が本当に甘いと思うんです。 そこでお聞きしますけれども、療養病床における六対一、これは大変ひどいと思うんですけれども、なぜ六対一ということになったんでしょうか。
○伊藤政府参考人 療養病床につきましては、平成四年の第二次医療法改正におきまして、長期にわたり療養を必要とする患者を対象とした療養型病床群制度が設けられておりまして、長期療養にふさわしい人員配置基準、構造設備基準が定められているところでございますが、医療審議会における議論の結果、一般病床、療養病床それぞれの基準を検討するに当たりまして、療養病床については、療養型病床群の配置基準を含めその基準を踏襲するとしたところでございます。つまり、療養型病床群の基準を踏襲したという考え方でございます。
○瀬古委員 療養型病床群ならこのまま六対一でいいのか、療養病床は六対一でいいのかという問題が問われていると私は思うんです。 私自身も療養型の病棟を視察させていただいたんですけれども、六対一の体制なんですね、看護婦さんの体制は。そうすると、夜勤帯は看護婦さんは一人しかいないわけです。例えば、手を抜けば、シーツのしわ一つで一日で褥瘡ができてしまうというんですね。その褥瘡を治すために何カ月もかかるという事態になる。今高齢化で病状の急変がやはり起きてくる。それから、痴呆症状の患者さんが多い上、もし発作という事態が幾つか出てきますと、お手上げ状態だ。結局、資格のない介護者に頼らざるを得ない。こういう事態まで、今この六対一の療養型の病棟では大変大きな問題になっているわけです。 私も実際に現場でお聞きしましたけれども、長期入院の患者さんは介護の手を薄くしていい、こんなことがどうして言えるんだろうか。やはり看護体制も六対一の基準を引き上げて、そして介護もそれに見合う形で充実をしてほしい、こういう切実な声が起きているんですけれども、その点、大臣、いかがでしょうか。実際の現場の声をいかがお考えでしょうか。
○津島国務大臣 今度の医療法の改正で療養病床と一般病床に区分をし、それぞれにふさわしい人員配置基準、構造設備基準を定めたわけでありまして、療養病床については、平成四年の第二次医療法改正において、長期にわたる療養を必要とする患者を対象とした療養型病床群制度が設けられ、それにふさわしい人員配置基準が定められている、これに基づいて六対一とした、これは政府参考人からも御答弁をいたしました。 できるだけ多くのマンパワーを投入して、いいサービスをしてあげたいというお気持ちはわかるし、またそういう御要望もあると思うんですが、その一方で、一体それで全体としての医療体制が持てるのかどうか、人員の確保ができるのかどうか。率直に申しますと、私の地元の僻村あたりに参りますと、お医者さん、看護婦さんの確保自体が大変だということもございます。これは地域格差の話であろうと思います。 そういう意味で、今の六対一の基準というのは、現在の慣行を前提とすればまあまあ妥当な最低基準であるというふうに考えております。
○瀬古委員 看護の体制が地域によって大変な状況というのは、それは当然ございます。それに対する手当てをどうするかという問題は私は後で言おうと思っているんですが、それはそれとして、考え方として、介護の療養病床は六対一がまあまあ妥当なのかどうか。 私がさっき言いましたように、夜勤帯は看護婦さん一人ですよ。そうすると、何かどこかで起きると、全く看護婦さんがいない状態が続く。そうしたら、とてもじゃないけれども、だれか発作が起きたという場合には、介護者が走っていったって医療行為ができないでしょう。事実上、やらざるを得ないというところになっているんですね。 そういう意味では、やはり看護の体制をきちっと、少なくとも空白ができないような状態にするのは当然じゃないか。それをまあまあだなんという認識は、それは現状からかけ離れていると思うんですね。 次に質問させていただきますけれども、九二年には、看護婦確保法や基本指針というのが制定されました。月八日以内の夜勤、完全週休二日制の普及、業務内容や勤務状況等を考慮した給与水準、こういうものが盛り込まれているわけですけれども、制定されてから八年たちます。確保法や基本指針に基づいて看護職員の労働や健康実態を一体どのように改善されたのか、厚生省はこの間調査をされていますでしょうか。もしされていたら、結果はどうでしょうか。
○伊藤政府参考人 看護婦の人材確保法制定以後、厚生省といたしましては、離職防止対策、資質の向上対策、就業の促進、その他総合的な看護婦確保対策を実施してきているところでございます。 看護職員の労働等の実態につきましては、厚生省が直接全国的な調査をしたものはございませんが、日本看護協会の調査によりますと、例えば看護職員の週所定労働時間では……(瀬古委員「看護協会のはいいです、厚生省がやったかということを聞いているんですから」と呼ぶ) 厚生省といたしましては、労働実態等の調査につきまして全国的な調査を行っておりません。 〔委員長退席、坂井委員長代理着席〕
○瀬古委員 看護婦確保法や基本指針が出されて、どうやったら看護婦さんを確保できるのか、看護婦さんが本当に働きやすい状態をどうするのかということが議論されたわけでしょう。そして、八年間たっているのに、今看護協会の調査を言われましたけれども、厚生省がみずから一体看護婦さんがどういう状態にあるのかということをちゃんと調べないから、先ほどの大臣みたいに六対一でまあまあみたいな話が出てくるわけですよ。私は、責任持って厚生省がきちんと調べる必要があると思うんです。 そこで、今の看護婦さんの労働や健康実態がどのような状態にあるのか、これは日本医療労働組合連合会、日本医労連が九八年に公表した調査なんですけれども、「医療労働者の労働・健康実態調査」では、看護職の七四・八%、四人に三人が慢性疲労を訴えております。前回、八八年には六六・三%ですから、八・五ポイントも悪化しているわけですね。また、健康不安は六九・三%ですよ。自分の体が不安で仕方がない。一年前と比較して仕事量がふえたと答えている方が四七・八%でトップになった。看護職場の本当に深刻な実態が明らかになっております。 同じく日本医労連が毎年行っている夜勤実態調査で見てみますと、ことしの二〇〇〇年度分の平均夜勤の回数が七・六一回になっています。九八年、九九年とも七・六三なんですね。余り変わっていない。月九回以上の夜勤者が二一・一八%、二割以上もある。九八年で二二・五%、九九年で二一・四九%となっていますから、九八年から二年間で改善がほとんど進んでいない、こういう状態になっているわけですね。国が責任を持たなきゃならない国立病院はどうか。看護婦さんの三割が月九日以上の夜勤なんですよ。とりわけ、がんセンターなどでは四割にもなっているんですね、九日以上が。本当に身も心も疲れ果てて頑張っている。 やはり厚生省としては看護職場の深刻な実態をちゃんと調査をするべきじゃないかと思うんですけれども、厚生大臣、いかがでしょうか。
○津島国務大臣 私も我が党の看護議連の会長を相当な期間やっておりまして、看護婦さんの実態については絶えず御相談を受け、一生懸命応援団をやってまいりました。 それから、先ほどの厚生省として調査を行っている、いないの話がございましたが、看護協会の調査は、私はいろいろ伺いまして、かなりしっかりしたものであるというふうに受けとめております。 また、一般的に申しますと、医療の現場というのは非常に労働密度が高い、それから、やはり相当な神経が要る、ミスが許されない、そういう意味で、私は看護婦さんに本当に活躍していただける場を与えてあげたいな、まずこれは一般論として申し上げます。 これを申し上げた上で、それでは看護婦さんの数はどうか、処遇はどうかという話になりますと、今の数の話ばかりでなくて病院の体制全体ですね。ある言い方をしますと、日本は何であれだけ病床が多いか。それは、例えば、外国と比べますと、ナーシングホームでやっているようなことも日本では病院でやっておるというような実態がある。ですから、まず日本の病院と医療の現場の問題についてよく調べて、私は厚生省は知っていると思いますよ、もちろん知っていると思う、それを踏まえて議論をし、結論からいえば、看護婦さん方の数を確保するとともに、生涯誇りを持って働けるようにしたいという気持ちでございます。 〔坂井委員長代理退席、委員長着席〕
○瀬古委員 看護協会がしっかりした調査をやっていらっしゃるというのは私も知っておりますけれども、しかし、それは職能団体としてやられていることで、厚生省が、そうじゃないかということじゃなくて、正確に実態をつかんでいただくことが大変大事だと思うんです。 とりわけ、最近起きている医療看護事故の問題なんですけれども、看護協会の内部調査でも、ことしの二月一カ月間で、首都圏の十一病院で二百五十七件の投薬ミス、ほぼ一日に一件の割合で発生しているというんですね。重大事故につながりかねない投薬ミスは日常茶飯事になっている、こういう状態になっているわけです。 厚生省の研究班がことし医療審議会に報告した「看護のヒヤリ・ハット事例の分析」というのがございます。これを見てみましても、なぜこういう事態が起きるのかという場合に、看護婦の業務拡大とか業務密度というものが挙げられているわけです。今、看護の体制をどう充実するかということを急がなければ、大変な事態が進行しております。 例えば、東京の医療関連の労働組合の協議会が医療事故のアンケートをやったわけです。その報告によると、今医療事故が起きているので一定の対策をとられたというのです。例えば九〇%の職場で医療事故防止の対策がとられた。六四%の職場で事故対策委員会ができた。七〇%の職場で注射器をカラーに変えた。こうやって対策をとっていっているんですね。 にもかかわらず、どういうふうに答えているかというと、七三%の看護婦がミス、ニアミスは減っていないと感じている。対策をとったって減っていないというわけですよ。そして、九六%の職場に事故防止のマニュアルは存在する、ところが、半数の看護婦はマニュアルが実行できない状況にある、こういうふうに答えている。そして、新人看護婦の六三%は三カ月以内に夜勤に出ていかざるを得ない。これは、今の絶対量が本当に不足しているということが言えると思うんです。 そういう意味では、看護婦さんが体を壊して、ある意味では医療ミスが起こって当然という事態が、今の過重な労働環境が依然としてあるということを示していると思うんです。 お配りいたしました表を見ていただきたいと思うんですけれども、これは百床当たりの看護職員数の国際比較ですけれども、これを見てみますと、アメリカ、ドイツ、イギリス、フランス、日本とありますが、確かに日本は絶対量が全然低いわけです。しかし、下の表を見ていただくと……(発言する者あり)システムが違うという程度じゃないんです。七〇年代から八〇年にかけて、この表の上がりぐあいを見ていただきたいんです。アメリカでもドイツでも、ぐんと上がっているんですね。ある意味では医療技術に伴う増員を一気にやっているんです。ところが、日本は、不幸にもこのときには臨調行革なんて言って全然ふやしていない。 例えば一九七五年を見ていただきますと、ドイツは日本の一・二倍、アメリカは二・八倍なんですが、一九九六年、九五年の比較を見ますと、ドイツは二・二倍に広がっている。アメリカは日本の四・七倍。要するに、格差がぐっと開いているんです。もともと低いだけじゃなくて、必要なときに必要な手を打っていない、こういう現状がこの中にあらわれていると思うんです。 そういう意味では、やはり私は抜本的に看護婦をふやさなきゃならないというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○福島政務次官 まず、医療事故についてのお尋ねでございますけれども、私どもとしましても、医療事故の問題は大変重要な問題であり、その防止のためにできる限りの手だてというものを講じなければならない、そのように考えております。 看護婦さんの人員配置基準というものが医療事故の発生と関係しておるのではないかという御指摘でございますけれども、医療事故の実態を見ますと、人員配置基準を大幅に上回る看護婦が配置されていた病院でも事故は発生をいたしております。したがって、労働環境の変化と医療事故とは必ずしも直接の関係があるわけではない、そのような認識をいたしております。 医療事故を防止するためには、医療機関の職員が患者の生命を預かっているという意識を忘れずに、安全に十分に配慮して医療に従事するということが大切でございますけれども、同時に、単にマニュアルをつくるだけでは足りないのではないかという御指摘は当然あろうかと思います。そういったものを組織の中でいかに生かしていくのか、また、一人一人の医療従事者の方がそういうものを踏まえて適切な行動がとれるような体制をつくっていく必要があろうというふうに思っております。 そして、先生がお配りいただきました百床当たりの看護職員数の国際比較でございますけれども、これは、私は数だけで評価するのはなかなか難しいところがあると思います。というのは、百床当たりの看護職員ということでございますけれども、その百床という中で、入院しておられる患者さんがどういう密度の医療を受けておられるのかというファクターがこの表では評価されていないわけでございます。 昨日も、参考人の意見の中で、看護婦の配置が病棟単位で数が決められている、しかし、一つの病棟の中でも実際に看護婦さんの看護をする密度は違っている、むしろ個々に即して評価をすることが必要であるというような御意見もあったというふうに思います。そのような意見も踏まえてこうした報告というものは評価していかなきゃいかぬ、私どもはそのように考えております。
○瀬古委員 厚生省の平成九年度看護対策総合研究事業の中で、看護システムの構築に関する研究として諸外国の変動する看護提供システムに関する研究の研究報告書が出ておりますね。これを見て私もびっくりしたんですけれども、この中にこういうことが書かれているんです。 「一看護婦対患者の数は日本が最も多く、日勤の最も少ない場合で二・八人、多い場合は十二・八人である。また、夜勤帯における一看護婦対患者数は、多い場合は二十六人になり、諸外国に比べて格段多い。これが看護婦の負担を大きくしていると考えられる。」とはっきりと述べているんですよ。これは厚生省の研究報告書ですよ。 そして、「このことは、看護婦の時間外労働が諸外国に比べて多いことからも言える。看護婦の一ヶ月間の時間外労働は、諸外国のほとんどが十時間以下であるが、日本では十一時間以上のものが五〇%を越えており、勤務時間内に業務が終了できない状態が半ば日常化している。」こういうことまで厚生省がお書きになっているわけですね。 確かに、看護婦配置の多いところで事故が起きている場合もあります。しかし、私が言っているのは、諸外国と比べて話にならないぐらいの絶対量の不足があるわけです。今回医療法を改正するというなら、本当にそれにふさわしい提案をするべきだと思うんです。 そして、時間がありませんので余り言えませんけれども、それに伴って診療報酬など、看護婦の配置を手当てしたところについてはきちっと診療報酬上それを保障するということが大事です。ところが、きのう参考人質疑にあったように、看護婦を厚くすればするほど診療報酬が低くなるような診療報酬体系になっている。こういうものだってきちっと見直す必要があると私は思うんです。 このことを指摘して、最後に、私は准看護婦から看護婦への看護制度の一本化の問題についてお聞きしたいと思うんです。 この移行教育については、一九九九年四月に、准看護婦の移行教育に関する検討会は、就業経験十年以上の准看護婦・士を対象に移行教育を行う方針を出した。厚生省の調査でも、七三・二%の方がこれを受けたいと希望なさっているわけですね。そういう状態にあるにもかかわらず、移行教育の時期がまだ決まっていない。いろいろな関係者との調整があるというのは私も十分存じてきょうここで質問しているわけですけれども、いつまでもぐずぐず延ばすわけにはいかないと思うんです。 そういう意味では、移行教育の早期開始の実現に向けて、その体制づくりに向けてもっと関係者と調整し、厚生省が本当にイニシアチブをとってスケジュールを明らかにすべきだと思うんですけれども、その点、いかがでしょうか。
○伊藤政府参考人 准看護婦の看護婦への移行教育につきましては、平成十一年四月の検討会におきまして、看護職員の資質の向上を図るため、就業経験の長い准看護婦が看護婦になるための移行教育を実施することなどを盛り込んだ報告書が取りまとめられたところでございます。 この報告書におきましては、移行教育の開始時期について関係者と十分な協議を行うこととされているところでございますが、現在のところ、関係団体の一部に、移行教育開始の前提条件が整っていないという主張があるわけでございます。 厚生省といたしましては、今後とも、関係者と十分調整を図り、移行教育の早期実施に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
○瀬古委員 看護婦さんを一気にふやそう、そして質の高い看護を追求するという点では、私は移行教育を本当に急いで進めなきゃならないと思います。そういう点では、厚生省の積極的なイニシアチブ、働きかけをぜひやっていただきたいと思います。 最後の質問になりますけれども、来年四月には放送大学で一部授業が始まると言われております。十一月には入学募集要項が出される予定ですけれども、移行教育の開始時期が決まっていないために、厚生省も放送大学も明らかにしておりません。そこで、放送大学の単位を、もう放送が始まりますので、単位を取れば当然移行教育の単位として認定してもらいたい、後からそういうことも認定できるように配慮してもらいたい、今から直ちに勉強の準備を始めたいんだ、こういう准看護婦さんたちの御要望にぜひこたえていただきたいと思うんですけれども、その点、いかがでしょうか。
○伊藤政府参考人 放送大学の活用につきましては、平成十一年四月に提出された報告書の中で、移行教育は理論学習と技術学習で構成され、理論学習は放送大学の活用を原則とされたところでございます。 移行教育の実施に当たりましては、保健婦助産婦看護婦法で定められた看護婦国家試験の受験資格の特例を設けるための立法措置が必要でございまして、その際、過去に取得した放送大学の単位をさかのぼって認定できるかどうか、この点につきまして十分検討する必要があるわけでございまして、今直ちにその点につきまして直接お答えすることはできませんが、委員御指摘の点につきましては、今後十分検討させていただきたいと考えているところでございます。
○瀬古委員 審議にこの間参加させていただき、もっと審議を深めなきゃなりませんし、また、昨日は参考人の皆さんの本当に貴重な御意見もいただきましたけれども、その議論も大いに生かした論議をこれから本格的にぜひ進めたいというふうに思っております。その点で委員長のお計らいをぜひお願いしまして、私の質問といたします。 ありがとうございました。
○遠藤委員長 次に、中塚一宏君。
○中塚委員 自由党の中塚一宏と申します。 本日は、厚生行政の大ベテラン、大臣も二度目でいらっしゃいます津島大臣、加えて自由民主党の方では税制調査会の大幹部でもいらっしゃるということですが、津島大臣に高齢者医療、年金、介護等の社会保障の財源の話についてお伺いをしたいと思っております。 まず最初に、大臣、来年度の税制改正要望の話をちょっとさせていただきたいんですが、国民年金の保険料の未納者に対して個人年金保険料の所得控除を認めない案を出されているというふうに聞いておりますけれども、その趣旨を御説明いただけますでしょうか。
○福島政務次官 具体的な事柄でございますので、私の方から御説明をさせていただきたいと思います。 国民年金の未加入、未納の問題というのは、公的年金制度の安定的な運営を図り、国民の年金権を確保するという観点からは重要な問題であるということは、委員も御承知のことだと思います。 従来から、厚生省としましては、未加入者の適用促進、口座振替の促進などさまざまな対策を講じてきているところでございますけれども、さらにこの問題に対して総合的に取り組んでいく一環として、先生から今御指摘のございました税制改正要望を行っているところでございます。具体的には、国民年金の保険料を納める義務を果たしていない方、すなわち、未加入者、未納者について、個人年金保険料に係る生命保険料控除という税制上の優遇措置を適用しないようにするという要望でございます。 国民年金は、二十歳以上六十歳未満の方が全員加入し、定められた保険料を御負担いただくことで運営されているものでございますので、まず助け合いの制度である公的年金における国民の義務を果たしていただいた上で、多様化するニーズにこたえるための個人の自助努力である私的年金への加入が奨励されるべきものであると私どもは考えております。
○中塚委員 制度の安定のため国民年金の加入をどんどん奨励しなきゃいけないわけですけれども、なぜ未加入者は個人年金保険について所得控除を受けられないのか、それが奨励になるかどうかというのは私自身はよくわからないような気がするのであります。実はきょう、隣の委員会室で、大蔵委員会では一般質疑を、破綻金融機関の処理の話をずっとしておりまして、確かにこの夏ごろから生命保険会社がばたばたと破綻をしておりますので、こういうときこそしっかりとした公的年金の制度をつくっていただかなきゃいけないのだろう、そういうふうに思います。 今の、国民年金を払わない方に対して個人年金保険の所得控除を認めないというのは、サラリーマンの方であれば厚生年金ということで給料から天引きになっているわけですから、恐らく個人事業者とかそういった方が多いのだろうなというふうに私は拝察をするわけです。具体的には、例えば社会保険庁の方でどんどん名寄せをされて、払っていない方はこれだけいるからということで恐らく国税庁の方に御連絡をされるのかな、私はそういうふうに想像をしておるわけでございますが、そういう意味では、保険庁と国税庁は連携が大変よくとれるようになっていくのだろうなというふうに思います。 その意味におきまして、その財源のお話をさせていただくわけですけれども、今国会の総理の所信表明に対する代表質問に総理がお答えになった中で、自己責任という原則を貫徹するために保険方式だというお答えがあったと思うんですが、厚生大臣はこれについて御意見はいかがでしょうか。
○津島国務大臣 自己責任というものはどういう意味を持つか。まず、自分の生命財産あるいは生活維持について自分できっちりリスクを負いながらやってください、コストも持ってください、これが本来の意味です。しかし、今のように組織化された社会で社会保険制度が出てきますと、これをみんなでやろうではないかという世界が出てくる。私は、これも自己責任の世界の延長であると考えておりまして、保険によるいわゆる共助、ともに助け合うというこの世界も広義の自己責任の世界であるというふうに思っております。
○中塚委員 これは私の意見というか考えなんですけれども、自己責任を強調するのであれば、公的な保険制度は要らなくて、みんな民間でおやりなさいよというふうに聞こえてしようがないのです。そういう意味では、年金にしろ医療にしろ介護にしろ公的な社会保障制度というのは、やはり国がセーフティーネットを構築する、ナショナルミニマムを保障していくんだ。例えば病気とかそういったことで一たん休憩しなきゃならない方のためにもちゃんと用意をしておくものであるのだろう。同時に、何回失敗したってまたチャレンジできる、そういうふうな世の中をつくるためにやるのが、国の責任で行う社会保障なのではないかなというふうに思うわけでございます。 それで、財源の話をさせていただくのですけれども、私自身は社会保険料というのは一種の特定財源ではないかというふうに思うわけでございますが、大臣の御意見はいかがでございましょうか。
○津島国務大臣 その御質問は、例えば財政論とか租税論から申しますとかなりきっちりした定義をしなきゃいけませんが、そういう定義からいうと、これは分けて考えるのがほぼ定説になっております。 ただ、委員が、機能において補完し合う面がある、あるいは限りなく近い機能を果たす場合もあるじゃないかという趣旨にお使いになるのであったら、そういう議論はあり得るだろうなというふうに思っています。
○中塚委員 例えば、海外の文献なんかを見ますと、日本の社会保険料のことを特定財源というふうに扱っているような文献もございますし、逆に日本の文献でも、海外の保険料のことを特定財源というふうに扱っているようなものも見受けられます。そういう意味では、今大臣がおっしゃいましたように、使われ方という意味では特定財源なんだろうなというふうに私は思っているわけでございます。 そこで、それこそ財政の専門家でもおありなわけですが、租税法定主義という言葉がございますし、憲法にも明記をしてあるわけでございます。また、憲法は国民の納税義務ということも明記をしてあるわけでございます。 今、実際問題といたしまして、恒久的減税というようなものをやっておりまして、それこそ大臣が平成十年の末に自民党の税調の方で御苦労されてつくられたあの案でございますけれども、そういった恒久的減税の影響というのでしょうか、そういうこともありまして、今、中堅所得者のほとんどの方が所得税よりも社会保険料の方が多いというふうな状況になっているんですね。私も今回当選する前は党の職員でありましたけれども、実際問題、私の給料袋も、所得税よりも社会保険料の方が多く天引きをされておったわけでございます。 そういう意味で、逆転現象というわけではないのですけれども、保険料の納付義務を負うということは憲法には書いていないわけですが、そういった観点から、私は保険料という形よりは税という形の方がなじみやすいのではないかなと思うんですけれども、大臣はいかがでしょうか。
○津島国務大臣 委員のそういう設問が出てくるのはある意味では理解し得ると私は思いますのは、例えばアメリカで社会保障負担を最初に求めるときに、社会保障税として税でいたしました。だから、そういう手法もあるわけです。 私が最初に申し上げました、税と社会保険料の世界は概念的にはきちっと分けてありますよというのは、名前のことでなくて、税として構成する場合もできるし、似たような目的に社会保険で対応することもできる。 しかし、ここはしっかり踏まえておかなきゃならないのは、税は税でございまして、その基礎になる税法として課税客体は何であるか、納税者はだれであるか、そういうことについてやはりきちっと定義しないといけないのですね。 それから、社会保険の方ですと、これは保険というシステムに乗らなきゃいけませんから、基本的には保険数理というものを基礎にしなきゃならない。だから、そこに参加をして負担する方は、保険の給付を受ける権利がそこで生じてくる。 ですから、似たような役割だし、場合によっては社会的には似たような機能を果たしているけれども、私ども専門的に見るとそこにはやはり一つの截然たる線がある。 ただ、線は制度としてありますけれども、こっちの世界とこっちの世界は全く別々だというのではなくて、こっちでさせる場合とこっちでさせる場合というのは、これは議論してもいいでしょう。そして、最後に申し上げますと、税の場合、目的税にしてしまって、その財源を専ら社会保障のために投入するということになると、その機能において社会保険制度にますます近くなるということは否めない事実だろうと思います。
○中塚委員 今大臣がおっしゃいましたように、例えば国民健康保険税ですか、地方自治体で税という形で取っているところも実際問題あるわけですし、保険料は所得控除の対象になっておって、これは要は保険料とはほとんど変わらないような仕組みになっているわけですね。 今大臣がおっしゃいました、境目はあるのだけれどもやはりというお話なんですが、例えば年金にしても医療にしても介護にしてもそうなんですけれども、現実問題として何も保険料だけでやっているわけではありませんし、今基礎年金は、三分の一の国庫負担ということになっておりますが、国庫負担分というのは所得税もあるのでしょうし消費税もあるのでしょうし、それと保険料という形のミックスということなんだろうと思うのですね。今予算総則では消費税はこの三分野しか使わないということになっておりますが、お金に色はついていないとはいうものの消費税収の方がちょっと少ないものですから……。 国庫負担といったときには、そういった意味で直接税もあれば間接税もある、その直接税の中には所得税もあるし法人税もあるのだということだと思うのですね。ですから、そういった意味で、特定財源に近い形の保険料と、所得税とか法人税とか消費税といったものを合わせた上で給付の財源になっておるということになりますと、今特定財源として徴収をしている保険料のあり方についても、所得を賦課標準とするという形にだけこだわっていていいのかなという気がするのですが、大臣はいかがでしょうか。
○津島国務大臣 委員の御議論は、ほぼ正鵠を得ておると思いますのは、今の保険の世界と税の世界、あるいは税によらない公的助成があるとすれば——あってもいいのですけれども、現実の制度は、日本の制度を含めてミックス制度であることの方が多いわけですね。だから、その場合にその組み合わせをどうするかという議論は絶えずやっていいのだろうと思います。 ただ、この間の社会保障制度のあり方についての有識者会議の報告書でも言っておりますのは、給付と負担が一番わかりやすいのは社会保険制度だ、どういう方がどういうふうに負担をしていってどういう給付を受けるかというのが一番わかりやすい、そういう意味でこれを基本に日本の社会保障制度を組み立てていくべきだと。私は、これは首肯できる、賛成できる考えだと思います。 ただ、私が感じておりますのは、これから数年間、あるいはもっと長くなるかもしれませんが、日本の高齢化が大変な勢いで進んでいく場合に、保険の領域だけで、つまり、負担をする人と給付を受ける人との関係だけに着目してこれを処理していくことは難しくなるのじゃないか。だから、保険の枠外、例えば年金でいいますと、基礎年金を維持するということになれば、これは国民全体がいつしかお世話になる制度であるから、より広く国民の負担を求めるという意味で公的助成を投入してもいいじゃないか。あるいは高齢者医療費が、高齢化が非常に進んでいくときに、やはり今以上の公的な助成をするのが適当じゃないかという議論が出てくるのは自然なことであります。 そして、その公的助成をする財源は何がいいかといえば、これは安定財源でなければならない。景気の状況に応じてことしはどんどん事業をふやしましょうといってふやせるものでもないし、あるいは、景気が悪くなったってこれは基本的にはやらなきゃならない。そういう意味で、安定財源を求めていくという見地から、租税を含めて社会保障のあり方を真剣に議論しろという御提言であったと思います。 こういう意味で御党の方でこれまで税方式ということを言っておられる。これは、我々と随分接点はある議論だなと。ただし、私から言わせていただければ、税方式で、全部税でやれなんて、これはできませんよ。計算すればすぐわかりますけれども。だから、やはりミックスでやらなきゃならないというのが私の正直な感じでございますが、この点はこれから大いにお互いに議論してまいりたいと思います。
○中塚委員 今、保険制度であれば給付と負担が明確になるというお話なのかなというふうに伺ったのですけれども、もちろん、保険料をお支払いにならない方は給付を受けられないという意味では、給付と負担の関係は明確なのかもしれません。 ただ、実際問題、年金にいたしましても、未納、未加入、免除の人を合わせれば三割の方が払っていないというようなこともございますし、健康保険にいたしましても、老人医療拠出金の方が大変で、多くの健保は赤字になっているというようなことがございます。 例えば、今から四十年ほどたったときに、今いわゆるフリーターと言われている方々がたくさんいらっしゃるわけでございますけれども、こういった方々が六十歳とか六十五歳で給付を受ける側になったときに、払っていなかったから受けられないということになると、四十年先の日本というのはすごい社会不安が起きるのではないか、私はそういうふうにも思うわけです。 安定財源というふうなお話がございまして、そうなりますと、やはり景気の変動を受けにくいというようなことが大事になってくるのだと思うのですが、そういう意味で、所得を課税標準といいますか賦課標準としている今の保険料が果たして安定的な財源なのかどうかというと、私はちょっとクエスチョンマークがつくかなというふうに思います。 そういう意味で、特定財源あるいはいろいろな税のミックスということになったときに、私どもといたしましては、税率の話は後でさせていただきますけれども、保険料分については消費税が一番適当なのではないか。と申しますのは、今大臣がおっしゃいましたように、安定財源であるということ、あともう一つは、課税ベースが広い、タックスベースが広いということで、非常に公平な制度なのではないかなというふうに思うわけですが、大臣、いかがでしょうか。
○津島国務大臣 まず、税の、特に消費税の問題に入る前に、税で社会保険の仕事をさせる上で最大の問題点は、日本の予算、財政が単年度主義だということです。 例えば年金をとっていただくとおわかりのとおり、これは再計算をしながらずっと長い間の年金会計というものを維持していくわけですが、そういう視点はそもそも税にはないんですね。税というのは、基本的には、社会保障へ投入する分も含めて財政需要をはかって、それに必要なものを税源で集めていく。税外収入もありますけれども。だから、今の年金会計のような仕組みはまだでき上がっていないわけですね。 そうであれば、そこは例えば特別会計を置いて別途にやったらどうだと。委員がおっしゃるのは、恐らくある種の税収の一部分をきちっとそこへぽんと入れたらどうだと。今のように予算総則でこれは社会保障ですよなんて言ってみるだけではよくわからぬわけですな、あれは色がついていないから。そういうことではなくて、ちゃんと入れろというのは一つの議論です。 それをまず申し上げた上で、消費税で賄っていくにしましても、極端に言えば保険料で賄っていくにしても、今の委員のお考え方を徹底すると、恐らく積立方式をちゃんとやれという話になっていくんだろうと思うんですね。賦課方式ですと、極端に言えばそのときそのときの必要な部分と給付する部分を計算してやっていけばいいわけですから。だけれども、ちゃんと責任を持ってやれということになると、積立方式になる。 積立方式というのは、ここでも私は結論を先に言うと、ミックスしかないと思っているのは、仮に今の日本で社会保険庁が将来の年金に必要なものを全部積み立てろとなると、膨大な積立金を持ちます。それこそ膨大な。これは、私どもみたいにマクロ経済を多少知っている者からいうと恐ろしい話でございまして、これだけの資金たまりを日本でつくってしまいますと、よほど国内でこの資金をどんどん使う状況がない限り、大きな国際収支の黒字をつくる。 そういうことも考えますと、ここは委員より多少先輩として申し上げさせていただくと、議論はよくわかりますけれども、現実性があるやり方はどうかということで、結局はミックスになりますけれども、どういうミックスがいいかという議論もぜひともやっていただきたい。そういう議論は、私どもこれから一緒にやっていきたいと思っております。 〔委員長退席、山口(俊)委員長代理着席〕
○中塚委員 積立方式というお話がございまして、積立方式でなければならないからミックスというのもちょっとどうかなというような気がするんですね。というのは、賦課方式でもそんなに年度年度で大きな変動があるわけでなければ、そこにはまたいろいろな知恵があるのかなというふうに私自身は思います。消費税だと、タックスベースが広くなるということでみんなで負担をするという話になるわけですから。 税率の話も、実はいろいろな考え方がございまして、それこそ大臣の言われるミックス方式によっても税率は変わってくるんだろうなというふうに思うわけでございます。 例えば、よく御存じのとおり、もう御説明するまでもないんですけれども、消費税五%といいましても、一%は地方へ行っていて、四%から交付税に行く分があるからというようなこともありますので、今一%の税収が二・五兆円ぐらいかと思いますけれども、それで高齢者に係る社会保障の総給付額を二・五で割るんじゃなくて一・八で割るんだというような議論もあるわけではございますけれども、例えば二・五兆円を、丸々消費税を総給付額に充てた場合、これは恐らく現行の国庫負担分が要らなくなるわけですので、その財源によって今度は直接税の減税をするようなことも考えられるのではないか、こういうふうに思うわけです。 いずれにしても、負担という意味では税と同じでございますし——私どもすごく残念なのは、サラリーマンの方でも給与明細をしっかりごらんになっている方は余りいらっしゃらなくて、この手の話をしてもなかなかぴんとこられない方が多いわけでございます。いずれにいたしましても、税と社会保険料のミックスがこれからの安定した社会保障にとっては必要なんだろう、そういう意味では大臣とはそう大して意見の違いはないというふうに思っております。 いずれにしろ、消費税を充てると税率がすごくなるという意見があるわけですが、これは徴収の方法の問題でございますので……。確かに、消費税率がすごく高い率になるのかもしれませんけれども、それは社会保険料であっても同じ額を徴収しなければいけないわけでしょうから。そういった意味では、私どもといたしましては、消費税の方が課税ベースが広い分だけ公平なのではないか、こういうふうに思うわけですが、大臣、いかがでございましょうか。
○津島国務大臣 問題が二つあります。 一つは、消費税は、課税ベースが広いというかすべての方の消費に対して原則として一定比率で中立的に取る、そういう意味で公平な税でございますけれども、こういう取り方が社会保障全体を構築する場合の財源を賄う最適な方法かどうか、これは多分に問題はございますよ。 例えば年金でとってみましても、報酬比例分を頭に置きますと、年金をちょうだいする場合には、報酬の高い方は余計取られるわけですからずっと掛けているところはしんしゃくしなければならないよとなると、これは消費税ではどうにもなりませんね。だから、その部分はやはり保険でなきゃいけない。これは明敏な中塚委員はすぐおわかりだと思うんです。 もう一つは、仮に全部税を財源としてやりますと、その社会保障というのは何かといいますと、公的扶助のような給付になるんですね。例えば基礎年金は全部税でやりますよとなると、生活保護とどこが違いますかと。高齢者が一定の年齢に達したときに国は全部こういう払いをしますというなら、それは一種の高齢者用の最低保障じゃありませんかと。そういう議論になってきますと、果たしていいものだろうかどうなのか。こういう議論は一つ頭に置いていただきたいと思います。 いずれにしても、非常に奥行きの深い議論でありますから、これからまた機会があれば何度でも中塚委員とは議論をさせていただきたいと思います。
○中塚委員 私どもとしては、報酬比例部分というのは保険でやってもいいんじゃないかなというふうに思っておりますし、例えば医療でも、現役の方の医療は保険制度になじむんだろうというふうに思っているわけです。だから、基礎年金の部分と高齢者医療に対する拠出金の部分と介護の三つは消費税で賄うべきなのかな、こういうふうに考えているわけでございます。 それと、今、公的扶助の話がございました。確かに、全部税金でやるということになると、保険料じゃないんだから、それは生活保護とどう違うのだという話になると思います。 私が思いますに、例えば保険料を払ってないから年金を受けられない、あるいは保険料を払ってないから医療保険が使えない、介護保険の保険料を払っていないから介護が受けられないという方がいらっしゃったといたしまして、そういう方を国として見殺しにするわけではないだろうというふうに思うわけです。いずれにしても、最後は税なんでしょうかね、税でそういう方の手当てをしていかなきゃいけないということですから、つまり、根っこから、基礎年金、高齢者医療、介護の部分は消費税でやってみればいいのではないかな、こういうふうに思うわけでございます。 消費税はいかがですかというお尋ねをして、ひょっとして逆進性の話でも大臣がされたらどうしようかなと思っていたのですけれども、さすがにそういう話はされなかったわけですが、例えば国民年金保険料は、今一万三千三百円ですか、どんなに収入のある方でも一万三千三百円だし、そこそこの収入の方でもやはり一万三千三百円ということであります。そういった意味では、消費税というとすぐ逆進性と言われる方がいらっしゃるのですが、私どもは、消費税の逆進性といった場合には、累進構造を持つ所得税に対しては逆進性が強いのかもしれないけれども、定額で徴収をするような社会保険料、あるいは医療保険でもそうなんですが、高額の方には頭打ちがございますね、そういった意味では低額所得者の方には非常にきつい制度になっているんじゃないかなという問題意識がございます。 特に社会保険料は課税最低限以下の方でもお支払いになるというようなことがございまして、そういう面でも、消費税は消費に応じて支払うということでございますので、消費税の方が公平なのではないかなと思うわけですが、大臣はいかがでございましょうか。 〔山口(俊)委員長代理退席、委員長着席〕
○津島国務大臣 今の逆進性の話について申しますと、学説というか定説では、消費税はなだらかな累進性になっている。所得の高い方の方が消費額は大きいですからなだらかに累進ではある、しかし、所得税と比べればはるかにそれは累進性が不足をしておる、こういうのが定説だろうと思っております。 それで、今の、消費税をもって専ら社会保障の財源に充てるということについて、これはどこの国もほとんどやっておりませんし、現実問題として、これから二〇二五年に高齢化が一番いったときの社会保障給付の総額が、この間の有識者会議の指摘では二百七兆円という膨大な金額、それこそ今の三倍近くになってくる場合に、これを消費税で賄うことはほとんど不可能に近いわけであります。また、税全体の間の体系も、そこまで消費に対する課税が大きくなるというのは、所得に対する課税や資産に対する課税といささかというか、かなりバランスを失する、私は、いろいろ検討してみるとそういう結論になるわけであります。
○中塚委員 少子高齢化、少子化の方は恐らく何とか私たちの努力でとめられるんじゃないかというふうに思いますけれども、高齢化というのは、決まった方がどんどんとお年をとられるということでやむを得ないことなのかな。違う角度でいえば、少子高齢化というのは、ライフスタイルの変化とか、経済的に成熟している国はほとんどそういう道をたどっているわけなので、これに歯どめをかけるのはなかなか容易なことではないなとは思うのです。 今大臣が消費税率のお話をされました。先ほど申し上げましたけれども、それをどう賄うかという方式について、消費税の方が公平なんじゃないかなというお話をしているわけでございまして、保険料であってもそれだけの給付額はやはり賄わなきゃいけないのだろうなということだと思います。 そういった意味で、給付のレベルを下げない形での給付額の削減はやっていかなきゃいけないのだろうなと思っておりまして、同僚議員が質問をしたのかもしれませんが、ITなんかの導入によって効率化、むだを省くというようなことは、今でもやろうと思えばできることがあるはずでございますので、そういったことはどんどんとお進めをいただきたいというふうに思うわけでございます。 消費税を目的税にしているのは世界で類例を見ないということでございますが、我が国はそれこそ世界に類例を見ない速さで少子高齢化が進んでいくわけでございますので、世界に例がなくてもやらなければいけないときが来ればやらなければいけないのではないか、こういうふうに思うわけですが、大臣、いかがでございましょう。
○津島国務大臣 大変勇気のある御提言でありますけれども、私は、やはり今の制度を大事にしながらバランスのとれた社会保険と税の組み合わせをするのがいい、かように思っています。 もう少し数字を詰めた上で、また議論しましょう。
○中塚委員 まさに同感でございまして、税にしても保険料にしても、納める方の納得ということがすごく必要なんだろうというふうに思うわけでございます。ですから、保険料であっても消費税であっても、徴収の仕方の問題なのでそこは同じだと思うのですが、そういった意味で、コンセンサスは国民の間で幅広く得ながら議論を進めていかなければならないのではないかな、このように思うわけでございます。 時間でございますので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
○遠藤委員長 次に、阿部知子さん。
○阿部委員 社会民主党の阿部知子です。 きょうは最後から二番目の質問者になりますが、先週二回の厚生委員会、また、今週に入りましてからは昨日の参考人の皆さんの御意見、いろいろ医療現場のこと、今般の健康保険法並びに医療法の改正に関しての各種御意見、知見をいただきまして、今この厚生委員会の場は、ちょうど脂の乗り切った審議の場かと思います。 きょうの順番は私が終わりから二番目ですが、今やっと論議がかみ合ったところと思いますので、きょうのイラン国の大統領のお話、見解の違いを超えて粘り強い討論こそが真の民主主義国家を築くというきょうの日中のお話でしたので、この波乱国会の中、願わくばぜひとも厚生委員会だけは非常に見識ある審議を国民のために積み重ねておるという評判が立つように、委員各位、とりわけ遠藤委員長の御采配をよろしくお願いいたします。 では、一番目の質問に入らせていただきます。まず医療保険法の改正問題でございます。 私は、この論議が始まりましてから、厚生省から手元に届けられました「健康保険法等の一部を改正する法律案参考資料」というのを、縦横斜め、いろいろにして拝見いたしました。そして、今般の論議も踏まえまして、果たしてこの中に述べられております抜本改革と申しますのは、これまでの審議を伺いますとあたかもお金の取り方の改革のようにしか聞こえません。 どういうことかと申しますと、私阿部知子並びに社民党、そして多くの質問者は、医療の構造改革をこそしてほしい。例えば、高い薬剤、医療材料費、医療が非公開であるために生じる不正請求、いろいろございます。その医療の構造改革、すなわち、抜本改革の中身を厚生大臣は構造改革と認識しておられるか。 先ほど金田委員の御質問にもございました。今の内閣も、戦後の政治の構造改革をしないと危ないのではないかと言われておりましたが、医療保険法もまさに構造改革をこそしないと危ないと認識をしております。その意味で、平成十四年度を目途に医療の構造改革をなさるおつもりがありや、また、そのアクションプログラム、日本語で言いますと段取りはいかがか、端的にお答えくださいませ。
○津島国務大臣 医療制度の抜本改革、構造に踏み込んだ抜本改革が必要だという点は、委員と全く見解の相違はございません。また、待ったなしになってきておりますので、もう時間の余裕もないと思っております。ですから、段取りというような悠長な話もできないくらいな状態になっておると思います。 御党の中川委員もあそこにおられるからこれまでの経緯を若干申し上げますと、今いろいろ議論の材料になっております薬剤の自己負担等を含む改正案を審議いたしましたときに、中川委員初め社民党の皆さん方は、同僚、同志として一緒に議論に加わっていただいた。あそこにおられる五島先生にも専門家として非常にいろいろ教えていただいて、私ども委員会としての一つの案をつくり上げてああいうことになったわけです。 最後に賛成はしていただけなかったお二人でございましたけれども——いや、中川先生は賛成していただいたのですよ。 そのときの考えは何かと申しますと、これは抜本改革、構造改革はしなければならないという共通の認識はあったのですけれども、しかし、ほうっておけない問題もあるということで、薬価制度であるとか、診療報酬体系であるとか、高齢者医療制度については今度一割負担をお願いするというようなこと、それから医療法の改正で医療提供体制の改正という、この四つの課題を中心に、とにかくやれることはやっていこうということで参りまして、せんじ詰めれば、さあ、あと構造に踏み込んだ抜本改革をどうするかというところに来ている点は、委員の御指摘のとおりであります。やらざるを得ないと思っております。
○阿部委員 津島厚生大臣に頑張ってやっていただくことを一つお約束いただきました。 であるならばでございます。この構造改革をもちろん先んじていれば、今般の高齢者に一割負担をしく、そして、たかだかという言葉を使っては申しわけございませんが、そのために浮くお金が二千四百四十億でしかない。逆に、医療費や医療材料費の問題にメスを入れれば、この高齢者負担をしかなくて済んだかもしれない状況が今日のこの医療法改悪でございます。私は、この点は、自社さ連立政権時代にお約束したことができていない現在の与党の問題点と思っておりますし、また、当時与党におりました社民党、現在野党におりますが、責任を持ってこの構造改革に向かわなくてはいけないと思っております。 昨日の糸氏日本医師会副会長のお話の中に、おもしろいお話がございました。医療にかかる者は受益者ではなくて受難者だと。すなわち、病気は、かかって何か益を得るものではなくて受難なのだと。その受難者に対して、かかった御病気に対して、あなた、こんなに病気が重いから何割負担しなさい、金がかかったから何割負担しなさいというのが実は定率負担の考え方でございます。今回の高額医療における一%増も、例えば人工呼吸器が十日目になったら、もうお財布の中がないから、高額医療であしたの命は、呼吸器は打ち切りよと。極端に申しますが、金の切れ目が命の切れ目になりかねない。それが医療のお支払いにおける定率負担の一番の問題点でございます。 昨日、糸氏日本医師会副会長は、定額負担が望ましいとおっしゃいました。私も、安心してかかれるためには定額負担でなくては、重い病気、それからどうなるか先の読めない病気、本当に困ると思います。にもかかわらず、今回、大変にこそくにも、そして、もしや本当はずっと定率負担にしたいのではないかと勘ぐりたくなるほどに一割負担ということにこだわっておられますが、果たして今般のいろいろな医療改革の中で、定率負担というのが非常な問題点を持つということをいま一度原点に戻って論議する必要があるやに思います。 実はこの点は、この間の論議でもいっかな詰められておりません。どういうことかというと、今の薬剤費の一部負担を肩がわりする金額に見合うためにも定率負担で御高齢者から金をいただかねばならないという、その場しのぎの論議が多いように私は思います。本当に定率負担がよいのかは、次の高齢者医療制度改革の中身に立ち入る論議でございます。私は、これだけでも一日やってもいいと思います。なぜならば、定率負担のもたらす問題は余りにも多大でございます。 その一つに、一九九七年一月、このとき被保険者本人の窓口負担が二割に上がりました。そして、この三年間で外来並びに入院の受診総数は、九七年一月が二十一億五千万件、二〇〇〇年の三月が二十億ちょうどでございまして、一億五千万件の受診抑制はございましたが、医療費はお一人当たり一九%増になりました。働く中堅層に二割負担をしいて窓口を抑制いたしましたが、医療費の総枠並びにお一人当たりは上がってしまったというデータでございます。どこから引用いたしましたかというと、日医総研のデータと、昨日参考人にお出になりました対馬さんの健保連合のデータをあわせ読ませていただきました。 窓口負担の増加は、数の抑制になろうとも、病気を重くするないしはトータルな医療費の抑制には全くかかわらない。そればかりか、医療の非常に本質的な、先ほど申しました金の切れ目が命の切れ目かというような——病気はあるところでやめることができないわけです。自分の財布と相談して、もう三十六万円になった、あすは治りたいなと思って治れるものではないわけです。このときの定率負担という問題は、私は、これは見識ある津島厚生大臣ですから、きちんともう一度各党各委員が論議を闘わせていただくように重ねてお願いして、長々と申し述べましたが、果たして高齢者医療制度における先駆けとして定率負担をお考えなのかどうか、回答をお聞かせください。
○津島国務大臣 見識のある私と言っていただいて大変恐縮していますが、私の見識によりますと、今の阿部先生の御議論は、私は十五年ぐらいずっと伺ってまいりました。昭和五十六年に厚生政務次官になって、今の老健制度をそのときにつくった。それから、十年前に一回目の厚生大臣をいたしました。この議論はずっと聞いていました。だから、この十数年間の議論に比べると、今の阿部先生のお話は決して長くはないのです。ずっと十何年間聞いていました。 確かに、病気になるというのは苦しいことですよ。気の毒なことです、ある意味では。しかし同時に、病気になったときのコストはだれかが負担しなきゃいけない。これもまた我々は避けて通れない事情なんですね。世の中は、こっちに気の毒な人、こっちは元気でぴんぴんしている人と分けて、それでこっちの人が全部持ちなさいということを言えないから、どうやって分かち合おうかという話になっている。 そういう中で、今度御提案しております一割負担というのは、今の難しい定額負担を提案して決めるときに、中川委員は大変に苦しくて、ここの委員会で賛成するときに涙を流されたのは私は忘れることができないくらいで、このときも苦しかった。苦しかったけれども、このような制度よりもわかりやすい負担にして、しかもこれまでの負担を前提に上限を置いてやろうという御提案を申し上げているわけでございまして、わかりやすい定率一割負担を基本として、本当にお困りの方にはそれなりの配慮をしていくというのがあるべき姿だ。私の見識はそうであります。申しわけありません。
○阿部委員 ただいまの議論がなぜ十五年も長引いたかということに関して、私にも見解がございます。 実は、この委員会、私は四回目の意見の陳述でございますが、医療における高齢者の実態が、厚生省の認識と私ども医療現場におります者並びに支払い側の患者さん側で全く違っておるということです。きょうも私のお部屋に何人か陳情に見えて、この医療法、特に医療保険法の一割負担を何としてでも阻止してくださいという女性方が何人も何人も来られました。 私が先般津島大臣にお示しいたしました介護保険が始まってみてからの調査におきましても、年収が低い低所得者層には圧倒的に有意の差をもって要介護状態の方が多いというデータをお示しいたしました。すなわち、お金のないところが、病気と介護を必要とする方が多いということです。何度も申しますが、医療高齢者白書をきちんとつくらない限り、すなわち、論議すべきデータをお互いに明示しない限り、ぐるぐるぐるぐるの討論になってまいります。そして、そのあげく、時間が足りないからこの辺で採決いたしましょうというような非民主的な手法が用いられるのでは、決して国民にとっては幸せな日本の姿はないと思います。 デンマークのオールセン保健相でございますが、豊かさとは、その国の最も弱い人たちをその国がどのように遇したかにある。今、日本の国もこうした哲学、オーバーでございますが、理念を求められております。そして、津島厚生大臣には理念はおありと私はこの間拝聴しております。理由は、津島厚生大臣にあっては、だれかがつくった原稿を棒読みするのではなく、どなたとは申しません、御自身の言葉で、長年の厚生行政の積み重ねの中でのお話でございました。 私は、願わくば、二十一世紀の日本は最も弱き人々に優しくという点を原点にしたいと思います。そして、私は実は医療の中で働いてきたことを申しましたが、老人保健施設をお預かりしておりますが、平均年齢八十三歳の御高齢者は皆さん戦争の影を引きずっておられ、例えば戦争による未亡人とか、戦争のときの体の傷もまだまだお持ちでございます。現在、高齢者とは、我が国の戦後の——本当に私どもが心から感謝し、心から敬うべき御高齢者の処遇をめぐってのこの国のあり方が問われたことだと思います。 そうした中であるからこそ、私どもも津島厚生大臣に何度も今の高齢者は決して豊かではないことをお互いに認識し、確認し合う。あたかも、豊かになったお年寄りがおられることで全体像を推しはかっては大きな過ちがいく、一番苦しく、一番つらく、一番悲しい思いをした人たちに負担がいくのではないかと案じております。 私がきょうお願いしたい点は一点、医療高齢者白書、本来はこの改正案の前にお出しいただくべきものでした。十五年あったのですから。しかし、これからで結構です、お出しいただけるおつもりがありや否や、お答えください。
○津島国務大臣 資料を調べてこれから御議論をするという点については政府参考人から答えさせますが、今の阿部委員の御議論、私はほとんど全部賛成なんですよ。私は同じ気持ちなんです。 それで、阿部委員はデンマークの例を言われましたので、私が前に大臣だったときの、制度が変わりつつある東ヨーロッパのポーランド、ハンガリーの厚生大臣とお話をしたときのことをぜひ聞いていただきたい。 あそこは医療サービスも薬剤も負担がないという世界だった。共産主義時代はそういう建前でいた。ところが、実際経済的に追い詰められてくると、ポーランドは、私が行ったときは、薬剤は全部患者負担になっていたのです。ですから、社会経済をきちっと維持して、その中で国民にセーフティーネットを与える社会保障制度をきちっと構築していくことが一番大事なんです。そうでないと、みんながひどい目に遭うのです。 気の毒な方があるというのは、私どもは片時も忘れてはいけない。これは政治の原点でございますから。そのことについては、今度の定率負担でも上限を設けさせていただいた。それが十分かどうかというのは御議論していただいてもいいのでありますけれども。定率一割負担を入れたのは、私どもは気の毒な人を切り捨てるというような気持ちでしたのではございません。 そしてもう一つ、介護保険についてお触れになりました。 介護保険は、私のかつての同僚、中川先生が前に座っておられますからまた申し上げますけれども、あのときには大変に応援をしていただきまして、社民党は賛成で今の制度をつくっていただいた。そのときのお考えは何であったかというと、介護の必要性というのはどんどんふえてくる、人生で五〇%の方は何らかの段階で介護が必要な時期が来るということは、夫婦で考えれば必ず起こることだ、親子まで考えれば必ず家庭内に起こることだ。そうであれば、これをみんなで支えようということでこの制度をつくったわけでございましょう。ですから、基本的には、みんなで支え合うという気持ちを忘れたら社会保障制度は成り立たない。ここだけ私の見識として申し上げまして、あと、実態については政府参考人からお願いをします。(発言する者あり)
○遠藤委員長 全体的に御静粛に願います。全体的に御静粛に願います。
○近藤政府参考人 要介護者についてどういう生活実態かということにつきましては、これから調査していろいろ資料をお出しするというふうに老人保健局の方で答弁したわけでございますけれども、医療の場合にどの人を対象にするかということでございます。 はっきり申し上げまして、医療にかかっている高齢者というのは、毎年八十数%の方が、毎月では七割ぐらいの人が医療にかかっているわけでございまして、どういう医療にかかっている方を対象にするか、一回でも医療にかかっている方を対象にするのであれば、これはほとんど今の高齢者全体が該当するのではないか、こんなような感じでございますので、御指摘の趣旨がどういう趣旨かさらに確認させていただいた上で、そういう対応が可能かどうか検討したいと思っております。
○阿部委員 ありがとうございます。それでは、個別にお部屋にお越しくださいませ。私の方で要望事項をまとめておきます。 引き続いて、医療法についてお伺いいたします。 これも同じでございます。この三日間の論議で、改めてまた「医療法等の一部を改正する法律案参考資料」というのをこういうふうに眺めてみました。そして、はたと気がつきました。 実は、昨日の御質問の中にもございましたと思いますが、特に医療情報公開につきましては、今回の医療法におきまして、私の病院はカルテやその他医療情報公開をしていますよということを宣伝することができるという、広告規制の緩和が組み込まれております。しかしながら、現在の患者さん側からとった医療の情報公開の現状を見てみますと、実は、九月に医療一一〇番という電話相談をいたしましたが、二十二件カルテ請求をしたが、うち六件しか、御本人が自分のカルテの開示請求をされて六件しか手に届かなかったと。 このような力関係を見ますと、もちろん、ある病院が、うちはいい病院だから情報開示しているよということを宣伝するのはよいことでございますが、それ以上に、厚生省の基本方針として、医療情報開示ということをより一歩も二歩も三歩も推し進めるような法の組み立てがぜひとも必要だと私は存じます。 それにつけても、昨日、日本医師会の糸氏さんがおっしゃいましたが、日本医師会は平成十一年四月の医療情報の提供に関する資料の中で御本人への開示は述べておられますが、糸氏さん御自身は、昨日は、御遺族でもよろしいですよとおっしゃいました。へえと思いました。医師会の方の公的見解、ラッキーと思いました。本当に遺族が請求されて出るものなら出してください。 そして、それにつけてもでございます。一方、厚生省でございますが、厚生省の国立病院等診療情報提供推進検討会議にございます文面をとりますと、実は、御本人が請求された場合は当然ですが、御家族並びに御遺族になりますと、主治医が必要と認める場合に六十日以内にとなっております。どういうことでしょうか。 主治医は、もしも自分の医療ミスを隠したかったら認めません。まして、六十日以内とは何でしょうか。四十九日が終わって十一日以内に、遺族よ、はてさて、亡くなった方に何かあったかどうか、今のうちだよ、カルテ情報開示はというような、期限を設けるような厚生省のこの国立病院等診療情報提供推進検討会議の御見解をまず一点伺いまして、より高所な見地から、厚生省として医療情報開示をどのような方向にお進めくださるか、御回答をお願いいたします。
○福島政務次官 国立病院等における診療録等の開示についてのお尋ねがございましたが、先生御指摘ありましたように、本年六月に国立病院等における診療情報の提供に関する指針というものを定めました。それに基づいて、原則として患者本人に対しその受療期間中に開示申請を行っていただき、それに対応する。これは、診療情報の提供というのが、あくまで医師と患者さんの間のコミュニケーションを円滑ならしめ治療に資するところに最大の目的がある、そういう意味からこのように規定をされております。 一方、遺族に対しての診療録等の開示につきましては、遺族との信頼関係の確保の観点から、直接治療を円滑ならしめるということではございませんけれども、特例的に行うというふうに定められておりまして、例えば六十日以内と御指摘がございましたが、そのようになっておりますが、これは、行政不服審査法において処分についての異議申し立てが、処分があったことを知った日から六十日以内とされていること等にかんがみ、国立病院の対応として、主体的な取り組みとして定めたものでございます。
○阿部委員 これは、今、津島厚生大臣からお返事を伺ったものではございませんが、もし津島厚生大臣であればでございます、人の情をよく解する津島厚生大臣であれば、人間、もし愛する者が亡くなった場合、悲しみを乗り越えるのに一年は確実にかかります。もちろん一年で終わるものでもございません。カルテの請求のような本当に非日常的なことに六十日とは——患者がかかっている間は当人は火の車でございます、痛い、かゆい、何とかして、つらいと。そのときないしは家族が死んだら六十日なんという姿勢で厚生省が臨むこと自体、いかにも人間心理を御存じないと私は思います。 この点はあえて御返答を伺いませんが、津島厚生大臣に重ねての宿題といたします。前向きに人の情を解して、本当にいい御回答をいただきたいと思います。そして、そのような法が医療情報公開法としてばっちりでき上がることを、厚生大臣の任期中にぜひぜひぜひお願いいたします。 引き続いて、精神科病床のことについて伺います。 今回厚生委員会の中で一番多くの時間をとり、また、鋭い御指摘がございました問題に精神科病床の特例問題がございます。私は、これまでの各委員の御発表のように、精神科病床だけが特例化されることは大変におかしいと思っておりますし、むしろ、日常の総合病院の中にこそ精神科の病棟も精神科の外来もあって、当たり前の疾患としてだれもがかかりやすくなることが、この国が長年精神医療を差別してきたことに報いる、逆の意味の政治的な正しい解決であると思っています。 そうした観点から伺いますが、現在、三百床以上の総合病院で、精神科ベッドをあわせ持っておられる、ないしは精神科外来をあわせ持っておられる病院は全国でお幾つございますでしょうか。
○福島政務次官 総合病院というのは旧医療法上の規定でございますけれども、平成九年の日本総合病院精神医学会の調べ等によりますと、旧医療法上の総合病院のうち、精神病床を有する病院は二百四十九施設ございます。そしてまた、精神科外来を有する病院は六百三十七施設あると承知をいたしております。
○阿部委員 そういたしますと、この論議と申しますのは、もちろん特例を外すということも一つは重要でございますが、なお、総合病院の中に各病院が精神科の受け皿を持つ。例えば、十七歳のバスジャック事件でもそうでございます。精神病院という特別な病院にはかかりづらくても、一般病院の中にあれば軽いうちにかかり、そして、必要な治療が、予防的な治療が手に届くものでございます。この点はあわせて、これは福島政務次官のお役目といたしまして、お約束をいただければありがたいと思います。 そして、先ほどの瀬古委員の御発言の中でしたか、私が御答弁で一点大変気になりましたことで申し添えますが、実は、医療ミスに関しまして、私どもの保坂展人衆議院議員が取り寄せました資料によりますと、厚生省がお出しくださった資料ですが、平成十一年の一月から十二年の九月まで百二十四件の調べ上げられたものがあるということです。 そして、この医療ミスに関して、先ほど、恐らく福島政務次官は個人的な印象として、必ずしも看護婦不足が影響しているとは限らないとおっしゃられたのだと思いますが、実は、この一つ一つの医療ミスについての分析がきちんとなされてはおらないように思います。とりわけ、先ほど津島厚生大臣が看護婦の労働実態については看護協会がおやりであるとおっしゃったということと考え合わせまして、逆に、労働実態という切り口を持たないと、非常に偏った医療ミスのつかまえ方になると思います。 ちなみに、この件に関して通知、通達が二十三出ておりますが、いずれも看護婦の労働実態には触れておりません。このようなことでは、これからも相次ぐミス、冷やり、はっと事例に基づく手順をいろいろ直しても、なお七〇%の看護婦は不安を持ちながら働いているという瀬古委員の指摘、私もまさに実像であると思います。 今般の省庁再編で厚生省と労働省が一体になることを機に、ぜひとも看護婦の労働実態について掌握し、実態把握できるような手法を、この担当を、厚生省でもお持ちいただければと思います。この点については御答弁は結構でございます。 次に、医師法に参らせていただきます。特に初期研修二年の問題は、昨日の参考人の松本文六氏も多面にわたり御指摘をいただきましたので、私は本日、短く二点のみ触れさせていただきます。 一応、研修医には必要なプライマリーケア研修として、小児科診療、精神科診療等々が指摘されておりますが、救急医療というのも大事な一つの軸でございます。そして、この救急医療ということに関しまして、非常に気になります報道がございました。 二〇〇〇年六月十八日の、厚生省が違反があったセンター病院について救命センターの補助金を大幅に削減をしているという報道でございますが、何と、百五十三の救命救急センター中、五十七施設が必要な点数の半分にいかない。合格点は六割なんですけれども、六割どころか半分にもいかない、三十点満点で十六点にもいかない病院が五十七施設もあった。どういうことか。ちゃんとした当直医が泊まっていない、救急隊との連絡ができていない。病棟と外来を同じ人が診ている、これでは臨機応変に対応できない。こういうことで補助金カットという指導を受けた病院が五十七もございます。 はてさて、この中に研修指導を請け負っておられる病院はありやなしや、この点についてお伺いいたします。
○伊藤政府参考人 救命救急センターにつきましては、厚生省が補助金を出しているわけでございますが、当初の機能を果たしているかどうかということをきちっと評価すべきだということで、二年前からこの救命救急センターの評価をしているところでございます。 そこで、この評価の結果でございますが、平成十年度、十一年度の結果を申し上げますと、百四十二のセンターを調査いたしまして、評価結果についてはA、B、Cとなっておりますが、B、Cの合計を合わせますと、百四十二のうち五十六の救命救急センターがB、Cという評価を受けておりまして、五十六のセンターのうち三十八が研修指定病院でございます。 研修指定病院におきましては、救急医療というのは非常に重要な項目でございますので、私どもといたしましては、この救命救急センターの評価結果に基づきまして適切な指導をしていくと同時に、今後、臨床研修病院の指定に当たりましても、この救命救急センターの評価結果とどのように連動するかとか、つまり、二年間の研修中に救急医療をどの程度まで習得させるかという点を踏まえて、十分検討していきたいと考えているところでございます。
○阿部委員 不合格の施設の中に若人、若い医者を研修させる病院が三十八もあったということは、驚愕に値いたします。そうした現状を放置しながら、一方で義務化だけを決めても、どのような医療を若人が学ぶかということにおいては本当に心寂しく、肌寒い思いすらいたします。 そして、その研修の修了におきましても、これは昨日私が指摘いたしましたが、各個別の病院長に任せるのは非常に問題が多うございます。やはり国として、チェックリストの作成、ある程度のミニマムスタンダードの基準をお設けくださいまして、二年間研修医が自発的に幾つかの病院を移動できる自由をぜひとも確保していただきたいと思います。 教育に必要なものは身分、経済の保障、この点に関しましては、一応厚生大臣も政務次官も前向きなお答えでございました。教育の保障、すなわち、教育スタッフへの給与、人的保障、この点は三角くらいでございましたが、一応よろしゅうございましょう。自由な研修の保障という第三点、実はこれは、最後に病院長個人に任されたのではとても若い医師たちは不安でやっていられない、そのような関係性に陥りますので、重ねてお願いいたします。 時間が少なくなりましたので、御答弁はいただかず、最後の私の総括的質問に入らせていただきます。皆さん……(発言する者あり)ええ、そうでございます。この総括をよく聞いてくださいませ。 森内閣がいかに理不尽な法案を通し、今また通そうとしているかということに関しまして、昨日の少年法、本当にこの法案によって前途ある若者が人間としての心を取り直し得るか、私は一人の大人としてまた小児医療にかかわった者として、嘆かわしい法案の成立様式であったと思います。形式だけ厳罰に処した法案が通りました。 私は、長年子供たちの医療にかかわってまいりまして、今社会の中で一番必要なことは御高齢者と子供たちとの日常的な交流であると思います。ゆったり歩むことの意味、年を重ねることの意味、そうしたことを小学校で、義務ボランティアのような形で教えるのではなくて、強制するのではなくて、日常的な触れ合いの場、すなわち、学校空間にこそ、御高齢者が今最も必要とされているデイケア、デイサービス、いずれのお年寄りに聞いてもニードが高いものでございます。こうしたものを厚生省並びに文部省がどのようにこれからこの国に定着させていこうとしておられるのか。青少年の育成と御高齢者の本当の人生の歩みを重ね合わせるような政策があってこそ日本は豊かな国と言えると思いますので、この点について厚生省と文部省の御答弁を伺います。
○矢野政府参考人 学校の余裕教室でございますが、これにつきましては、文部省では、平成五年に余裕教室活用指針というものを示しまして、余裕教室の積極的な活用を促してきたところでございます。 このため、余裕教室の転用に伴います財産処分手続につきまして、従来から簡素化を図ってきたところでございまして、平成七年度には、老人デイサービスセンター等の利用型老人福祉施設への一層の転用が図られますように、財産処分手続の大幅な簡素化を図ったところでございます。 さらに、平成十年三月には、厚生省と連携をいたしまして、社会福祉施設等への転用事例に関しますパンフレットを作成いたしまして、全国の教育委員会等に周知をいたしたところでございます。 こうしたことによりまして、平成六年度から平成十一年度にかけまして、全国で五十四校の公立小中学校の余裕教室等が老人デイサービスセンター等に転用が図られたところでございます。 私どもといたしましては、今後とも、各自治体が各地域のニーズに応じ、余裕教室を積極的に活用するよう指導をしてまいりたいと考えているところでございます。
○津島国務大臣 国の持っているいろいろな施設、わけても文部省の施設を国民の幸せのために、特に福祉、介護、医療に活用すべきだと。全く賛成であります。御質問になるまでの幾つかの論旨、例えばきのうの法案についてのお考えとか、それは私は見解を異にする点がいっぱいございましたけれども、最後の御質問については全く同感であります。 一言申し上げさせていただければ、私は、平成二年に厚生大臣をいたしましたときに、私から何人かの大臣にお願いをいたしまして、例えば学校、郵便局、自治体の管理している建物を地域福祉と医療のために使わせてくれとお願いをいたしました。それが、今文部省から御報告を受けたように、かなり進んでいるということは大変うれしく思っております。 今後とも、御指摘の線で私どもも努力してまいります。
○阿部委員 さすが見識ある津島厚生大臣の御回答と伺いました。 昨日の少年法改正の議決の轍を踏まぬよう、これからも審議を重ねていきたいと思いますので、なおよろしくお願いいたします。終わらせていただきます。
○遠藤委員長 次に、上川陽子さん。
○上川委員 21世紀クラブの上川陽子でございます。 本日の委員会の最後の質問をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 まず、今回の健保法、医療法の改正が構造改革を伴う医療保険制度の抜本改革のための前向きな一歩となるよう強く切望することを申し上げまして、御質問に入らせていただきます。 今回の医療法の改正には、病院の機能分化や臨床研修の必修化など、医療の質の向上につながる重要な内容が含まれています。患者の側から医療の質を評価することは大変難しいことではございますが、競争や第三者による評価などの方法によって可能になることも少なくないのではないでしょうか。 そこで、医療の質を向上させるために、法的な基準を引き上げることも重要ではございますが、昨日の委員会で、参考人から、よい病院に対しては診療報酬で報いることが必要ではないかというような御指摘もございました。こうした御意見につきまして、厚生省としましてはどのようにお考えでしょうか。
○福島政務次官 今後とも高齢化が進んでいくわけでございまして、医療の質を高めていくということは極めて大切な課題だと考えております。そして、この医療の質を高めるには、医療法による基準を見直すことも一つの方法でございますけれども、先生御指摘のように診療報酬の上で良質な医療に対しては高い評価を与えていくことももう一つの大切な方法だというふうに考えております。 現状におきましても、診療報酬の上で、人員配置、患者一人当たりの病床面積等に応じた入院料の設定など、各種の加算というものが行われておりまして、今後も、こうした良質な医療を評価する方向で努力をしてまいりたいと考えております。
○上川委員 医療の質を高める方法として、競争を通じて病院が自主的な努力をするよう促すことも重要ではないかと考えております。医療の特性ということもございますが、医療における競争ということに対しまして大臣としてはどのようにお考えでしょうか。
○津島国務大臣 医療というのは大変に難しい仕事でございまして、基本的には人間の存在そのものにかかわる仕事でございます。したがいまして、この仕事を効率の世界に任せていいのだろうかという議論は前からございまして、私は、完全にこれを経済競争の世界にゆだねるのは適当ではないと思っています。 むしろ、医療制度の改善を図るために、いい意味のインセンティブが働くように、先ほど議論のございました診療報酬であるとか医療供給体制であるとか、そういういろいろな面で工夫をしていくことが基本ではないかと私は思っております。
○上川委員 今大臣のお話のとおり、医療においては他の分野で見られるような自由競争はできないという基本的なお考えだということでございますけれども、そのことは、医療の面で大変特殊な場合もあるということで十分理解はできるわけでございます。 例えば、公的な病院の場合には政策医療、私的な病院は一般医療と、機能分担を図ることが重要ではないでしょうか。 そこでお尋ねいたしますが、公費負担による公的病院が私的病院と競合しないためにも、政策医療と一般医療の区別を明らかにし、国立病院への補助金は人件費の補てん対象とせず政策医療部分に限定させるといった御意見がございますが、これに対しましてのお考えをお聞かせください。
○伊藤政府参考人 公的医療機関と民間医療機関の機能の分担につきましては、地域におきます事情を踏まえて、それぞれの医療機関の特徴を生かして、機能分担、連携が行われることが基本でございますが、現状では、機能分担、連携が必ずしも適切に行われていない例も見られることから、公私両方の立場からさまざまな御意見があるものと承知をしております。 お尋ねの医療施設に対する補助につきましては、厚生省といたしましては、これまでも、僻地医療、救急医療など政策的な医療に関するものを中心に行っているところでございます。また、公立病院についての地方公共団体による一般会計からの繰り入れにつきましては、地方公営企業法により制度的に救急医療、僻地医療等に限り認められているところでございます。 いずれにいたしましても、公私の役割分担の問題につきましては今回の医療法改正に係る一連の議論の中でも取り上げられまして、医療審議会におきまして、地域の公的病院において、地域の実情に応じて、救急医療、共同利用、紹介患者に対する医療提供など地域支援病院の有する機能について積極的に取り組むほか、例えば地域における役割について幅広く意見を聞く場を設置してはどうかという意見もいただいているところでございます。 厚生省といたしましては、当面、医療審議会の御意見に沿って適切に対応しつつ、引き続き公私それぞれの役割分担について検討してまいりたいと考えております。
○上川委員 次に、国立病院についてお尋ねをさせていただきます。 国立病院の場合に、国の方針を率先して実行していくということにつきましては、先回の委員会でも医療事故に対する取り組みということで御質問させていただきましたけれども、情報公開ということにつきましてどうした取り組みをしていらっしゃいますでしょうか。とりわけ、経営情報の公開ということにつきまして、現状、どうしていらっしゃるのか、お尋ねをさせていただきます。 今後、国立病院は独立行政法人に移行するということでございまして、今から経営情報を適正に把握し、コスト意識を持った運用をすべきと考えますが、この点につきましてもお考えをお聞かせください。
○河村政府参考人 国立病院・療養所につきましては、国の一般会計と区分いたしまして、国立病院特別会計において運営されておるところでございますが、特別会計の決算状況につきましては、会計法令の定めるところによりまして、毎年度国会に報告を行っておるところでございます。 また、各施設ごとの経常収支につきましては、これまでも、要請があれば公開しているところでございますけれども、さらに、平成十六年度以降国立病院・療養所が独立行政法人に移行することとなっておりまして、独立行政法人移行後は、企業会計原則にのっとった形で会計処理を行う、そういう中で個々の施設の経営状況についても公開することといたしておるところでございます。 それから、国立病院・療養所では、国の政策として行うべき医療、いわゆる政策医療として、通常の診療収入だけでは採算がとれない、結核、ハンセン、重症心身障害、神経難病、そういったものへの対応を実施しておりますことから、全体としての収支は赤字になっておるわけでございます。しかしながら、平成五年度以降、コスト意識を持った運営に特に力を入れまして、診療収入の確保でありますとか病院運営の効率化でありますとか経費の節減等によって経営改善を推進しておるところでございまして、この結果、経常収支率は改善傾向を示しておるところでございます。
○上川委員 ぜひとも、そのような情報につきましてはまたきめ細かくいただきまして、次の独立行政法人に移行する段階でうまくスムーズにいくようにしていただきたいというふうに思っております。 次に、前回の質問で、患者にとってよりよい医療機関、サービスの選択を可能にしていくための方法といたしまして、第三者による医療機能評価の現状について質問させていただきました。 今回の法改正では、広告規制緩和措置として、財団法人日本医療機能評価機構による評価結果の広告が追加されております。 昨日の委員会で、松本参考人から、理事長をされていらっしゃる病院につきまして、設立の準備段階で医療機能評価機構の評価を受けたというようなことをおっしゃっていましたけれども、期待していたような評価がなされなかったということで、この評価機構の評価能力に対しまして大変厳しい評価をされておりました。 そこで、広告規制が緩和されまして、この財団の評価結果が公開されたとしましても、機関そのものの評価能力に問題があるということでありますと、その評価結果は信頼できないということになるわけでございます。この点につきまして、こうした現場の声に今どのようなお考えで対応されているのか、現状をお聞かせいただきたいと思います。
○伊藤政府参考人 日本医療機能評価機構によります病院機能評価事業は、平成七年から二年間の試験運用を行いまして、その間提起されたさまざまな問題点について改善を図った後、平成九年度から病院機能評価事業を本格的に実施したわけでございます。昨日の委員会におきます、今委員御指摘の参考人の御意見は、この試行期間中のことではないかと理解をしているところでございます。 そこで、現在どのようにやっているかと申し上げますと、医療機能評価を行うに際しましては、実際に病院を訪問いたしまして評価を行う評価調査者の資質が大変重要でございますので、現在行っている事業におきましては、病院長、副院長相当職歴五年以上の者、看護部門につきましては看護部長相当職歴五年以上の者、また、事務長につきましては事務長相当職歴七年以上の者に対し必要な研修を行った後、これら三部門の専門家によるチームを編成して評価を行っているわけでございます。 厚生省といたしましても、評価調査者の資質の向上を図るため、試験運用の当初より評価調査者の養成に対する支援を行ってきたところでございまして、試験運用の段階から見ますと、既に相当程度の向上が図られているものと認識をしております。 この病院評価事業につきましては、十年以上にも及ぶ国内の研究の結果、またアメリカにおける知見と経験を参考に実施しておるものでございまして、方法論としては既に確立しているものと考えておりまして、今回の規制緩和によりまして広告できる事項となる評価結果は十分に信頼に足りるものと考えておりますが、今後とも、調査者の資質の向上等に努めていきたいと考えているところでございます。
○上川委員 昨日の松本参考人のお話によりますと、広告規制が緩和されたとしても、評価の結果については広告に載せるに足る内容ではないというような御指摘もございました。そういう意味では、既に四百近い医療機関がこの審査の対象になり、また認定証をとっているということではございますけれども、こうした現場の御意見を率直に聞いて、本当に医療評価の質を高めていくことに全力で取り組むべきであると考えておりますけれども、その点につきましては、もっと現場の声を聞くことに対してどのようにお考えか、御意見をお願いいたします。
○伊藤政府参考人 厚生省といたしましては、今委員御提案のように、評価を受けた病院の意見を聞いて評価手法などの改善に努めていくことは極めて重要なことであると認識しておりまして、そのように対応していきたいと考えております。 日本医療機能評価機構におきましては、平成九年度評価受審病院を対象に機能評価受審の効果などに関するアンケート調査を行ったところでございまして、さらに本年度内に受審病院を対象に、評価手法や評価調査者等に関するアンケート、具体的には評価調査者の見識や態度などを含めて調査を行うこととしております。 また、本年七月に、初めての試みといたしまして、認定病院の集いというものを開催いたしまして、認定病院の現状や病院機能評価に期待することについて認定病院より直接意見を伺う場を設けたと聞いておりまして、このような取り組みは大いに有意義であると考えておりますので、今後とも、そのような指導をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○遠藤委員長 鴨下一郎君。
○鴨下委員 動議を提出いたします。 両案の質疑を終局し、採決を……(発言する者、離席する者多く、聴取不能)
○遠藤委員長 ……申し出が……(発言する者、離席する者多く、聴取不能)採決いたします。健康保険法……(発言する者、離席する者多く、聴取不能)……起立を……(発言する者、離席する者多く、聴取不能)これにて散会いたします。 午後六時十七分散会