厚生委員会 第7号
- 発言数
- 264 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2000/10/27
会議録
○遠藤委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、健康保険法等の一部を改正する法律案及び医療法等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 両案審査のため、本日、政府参考人として、文部大臣官房審議官清水潔君、厚生大臣官房障害保健福祉部長今田寛睦君、厚生省健康政策局長伊藤雅治君、保健医療局長篠崎英夫君、保健医療局国立病院部長河村博江君、医薬安全局長丸田和夫君、保険局長近藤純五郎君、労働大臣官房審議官鈴木直和君、労働省職業安定局長渡邊信君、以上の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○遠藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○遠藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。三井辨雄君。
○三井委員 私は、八月四日に第一回目の質問をさせていただきました。また、このように二回目の質問の機会を与えていただきまして、本当にありがとうございます。 私はずっと以前より医療福祉の仕事に携わってまいりましたが、さらに頑張っていきたいという中で、やはり医療保険行政というのは非常に大事でございますし、今回それらについての改正案が政府から出されましたが、抜本的な改革が先送りされてその場しのぎの改革になったことは本当に残念だと私は思っております。 そこで、改正案の問題点などについて幾つか質問させていただきたいと思います。 御存じのとおり、医療保険財政は大変逼迫しておりまして、特に政府管掌健康保険は二年後には積立金も底をつく、また、この状態でいきますと当然破綻しかねない。また、組合健保も十一年度は七割の組合が赤字の決算になるという見通しでございます。 これらの要因は、七十歳以上を対象とした高齢者医療制度の各保険からの老人拠出金がふえ続けていることが大きな要因ではないだろうか。また、抜本的な改革を早急に行わなければ医療保険制度そのものが破綻してしまうのではないだろうか。また、国の負うべき負担も増加することは間違いないと思います。 そこで質問ですが、今回残念ながら見送りとなりましたが、当然抜本策についていろいろ議論はなされたと思いますが、今後、医療保険制度の抜本的な改革についてどのように取り組まれていくのか、大臣に改めてお考えをお聞かせ願いたいと存じます。よろしくお願いします。
○津島国務大臣 我が国では、国民皆保険制度により国民にひとしく良質な医療が提供されていることは御承知のとおりでありまして、我が国の医療の質についてはWHOからも高く評価をされているわけであります。 その一方で、委員御指摘のとおり、急速な高齢化が進みまして老人医療費等が急増する状況の中で、それぞれの医療保険が大変厳しい状況にあることは、そのとおりでございます。これからさらに高齢化が進んでまいります中で、国民が安心して良質な医療を受けられるようにするためには、医療保険の抜本改革を着実に進めなければならない、これは国民共通の認識であろうと思っております。 今日まで薬価や診療報酬の改定は行ってまいりましたし、今回の御提案によりまして、若年者とのバランスを図るために老人の一部負担について定率一割負担制を導入することを提案しておるところでございますが、この改革だけで抜本改革が達成されるわけではございませんので、引き続き、高齢者医療制度の見直しを初め、残された課題に全力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。 そのために、厚生省としましては、省内に事務次官を本部長とする高齢者医療制度等改革推進本部を設けまして、平成十四年を目途に精力的に検討を進めております。 また、政府といたしましても、社会保障構造のあり方に関する有識者会議の御議論をいただきまして、その報告はきょうじゅうに総理に提出をされることになっておりますが、そこで高齢者医療制度をめぐる問題の所在や改革のあり方について国民的な議論の材料になる問題点を提示しておるところでございます。 政府として、この報告書を受けまして、医療制度の抜本改革及び社会保障制度の将来のあり方を税制を含めて根本的に見直すためにフォローアップする舞台を設けて、関係閣僚ともども力を合わせて取り組んでいきたいという方向をけさ示しておるところでございまして、私としても全力を挙げて取り組んでまいりたいと思っております。
○三井委員 ありがとうございました。 この抜本改革というのは、むしろ本年度の四月に行われる予定だったはずだと思うのですね。平成十四年ということでございますけれども、この間のおくれというのは、非常にいろいろな意味で赤字の部分が出てきておりますし、サービスの低下にもつながっているのではないかな、こういうぐあいに思います。 また、介護保険等も、これは別のお話になりますけれども、いろいろ聞いてみますと、非常につき合いにくい制度だと。確かに、見切り発車した中では、四月からですからまだこれからいろいろな問題が出てくると思いますけれども、しかし、医療保険も医療制度もやはり使いやすい、本当に安心して受けられるような制度に持っていっていただきたい、こういうぐあいに思うところでございます。 また、今大臣がおっしゃった中で、今回の定率一割負担について、私も大変疑問に思うことがございますので、ちょっとお尋ねさせていただきたいと思います。 皆さんのお手元にもあると思いますけれども、まず、どういう根拠で二百床で分けたのか、これをぜひお聞きしたいのと、診療所はなぜ定額と定率になっているのか。 もう一遍言いますと、この二百床の区分というのは政策誘導的なものがあるのではないかなと私は思ったわけです。大きい病院から診療所に移行させるという背景があるのかなと疑ってみたりしたのですが、この区分の仕方についてぜひお聞かせ願いたいと思います。
○近藤政府参考人 二百床以上と未満で分けているわけでございますけれども、これは先生御指摘のような問題があるわけでございまして、比較的病床規模が大きくて高度な医療を行うところに比較的軽い患者さんが行かれると、医療として非常に非効率だというのがつとに指摘されたわけでございます。それと、総合病院でございますと、二つの診療科にかかっても同じ上限があるということになりますと不公平ではないか、こういう御議論もあったわけでございます。 どちらかといえば、そういうことに配慮いたしまして、二百床未満はかかりつけ医機能が高いというふうなことで、今までも診療報酬上の位置づけ、地域支援病院といったものにつきましても二百床がメルクマールになってきたものですから、二百床未満で分けさせていただいた次第でございます。 それから、診療所の定額、定率制の問題でございます。 本来、私どもとしては定率制一本でやってほしいという希望を持っているわけでございますけれども、こういう上限がある中で事務的に煩瑣なものがございまして、診療所でその事務処理能力にたえられるかどうか、こういう問題がございまして、診療所につきましては定額制の選択も認めている、こういうことでございます。
○三井委員 余りよくわかりませんけれども、しかし、この分け方については百でもいいのではないか、あるいはもっと少なくてもいいのではないかと私は思うのです。いろいろ聞いてみますと、患者さんの中にも、今までむしろ二百ベッド以上の病院に通院していたから、このことによって診療所に移行するということは考えられないのですね。 きょう、私がその中で一番お聞きしたいのは、お手元にある資料でございますけれども、この分け方の中で、上からごらんいただきたいと思いますが、例えば病院で、二百ベッド以上が上限五千円、二百ベッド未満が上限三千円、それから、診療所の方をごらんいただければ、定率で上限三千円、定額では八百円で月四回、こういうことになっているのですが、二百ベッド以上の上限五千円の病院を見た場合、例えばA病院は医薬分業をやっていますから、主として院外処方せんを出すといった場合に、病院に二千五百円を払い、薬局へ二千五百円払うわけでございます。そして、B病院においては主として院内処方でございますから、病院に五千円を払う、調剤薬局へは全く払わない。 この部分だけをとらえてみますと、患者さんが二千五百円払ってみたり、全くゼロになってみたり。あるいは上限三千円の二百ベッド未満では、千五百円払ってみたり、全く払わなくていいと。この選択肢が十四あるわけでございますけれども、患者さんは、どこが二百ベッド以上の病院で、どこが二百ベッド未満の病院なんだと。例えば汽車のグリーン車とか指定席とか普通席に置きかえた場合、二百ベッド以上の病院は五千円ですからグリーン車としましょうか、三千円を普通席あるいは指定席としましょうか。汽車の場合ですと、間違って乗ったとしても、グリーン車ですからここには座れませんよと。しかし、病院の場合は、二百ベッド以上の病院に行った場合には五千円あるいは二千五百円を払わなければならない、そして、薬局で払わなければならない。 A、B、C、Dというぐあいに病院がございますけれども、患者さんは耳鼻科にも行く、あるいは眼科にも行く、一般内科にも行く。やはり高齢者の人はいろいろな病気をお持ちですから。その中で、二千五百円取られてみたり、千五百円取られてみたりということになると、私は、患者さんが大変混乱するのじゃないか、また、現場の薬局あるいは病院の窓口においても大変混乱すると思われるのです。 いつも大臣は、福祉、医療、介護はみんなで分かち合い助け合っていくものだということをおっしゃっていますけれども、こういうわかりづらい——分かち合うのは私も大賛成です。しかし、わかりづらくしてしまうと、さらに高齢者が——私から見れば、今介護保険の負担、あるいは来年一月からこれが施行されるようですけれども、こういう中で何かお年寄りにサンドバッグをしょわせているような感じがするのです。そして、急な坂を上らせているような感じがしてならないのです。 今まさに高齢化社会になる中で、お年寄りも本当に一部負担という中では大変苦慮されていると思うのです。ですから、私は、高齢者の皆さんが安心して老後を送るためにも、もっとわかりやすいシステムにしなければ、さらに負担が多くなる中で何かもっとお年寄りに優しいこともしていかなければならないのじゃないかな、こういうぐあいに思うわけでございますけれども、この件についてひとつ御答弁願いたいと思います。
○近藤政府参考人 先生御指摘のとおり、今回の老人の患者一部負担は、いろいろな御指摘の面もあろうかと思うわけでございます。 ただ、今回の患者一部負担につきましては、定率制を導入する、しかも上限が非常に低い限度で設定されましたものですから、本来ですと、これは市町村の段階で償還事務を行うということであればスムーズにいくわけでございますけれども、償還件数が非常に多くなるものでございますから、これは医療機関サイドで調整してもらうしかない。こういうことになりますと、医薬分業の実態というものも踏まえますといろいろ複雑な仕組みにせざるを得なかった、こういうことを御理解願いたいと思うわけでございます。 しかし、当然のことながら、これについて高齢者の方々に御理解をいただいて利用していただかなければいかぬわけでございますので、私どもといたしましては、さまざまな手段を講じまして、患者の方々に的確に理解していただけるように努力をする必要があると考えておるわけでございます。 具体的に申し上げますと、改正の内容、それから考え方につきまして、私ども、みずからさまざまな広報を通じましてやっていく必要があるわけでございますし、地方公共団体でございますとか各保険者、それから老人クラブなどにも御協力をいただきまして、地域ごと、職域ごとにきめ細かな周知をしたい、こういうふうに考えているわけでございます。特に、現場が大事でございますので、現場におきましては、医療機関でございますとか薬局の見やすいところに、月額の上限とか定額、定率の別など一部負担に関する事項を掲示していただく必要があると考えております。 それから、その前に知る必要があるということでございますので、市町村の窓口で必要な情報が閲覧できるような形もつくりたいというふうに今考えているわけでございまして、患者など現場の方が混乱しないように関係者の協力を得まして工夫を凝らしてまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。
○三井委員 患者さんにも周知徹底されるということでございますけれども、これは一月一日から施行でございますよね。そうしますと、これは残すところあと二カ月もないのですね。この中でこれを周知徹底させるということは可能なのでしょうか。この法案が通れば、これからまだ参議院もあります。そうなりますと、私から見ますと、周知徹底させるということはまず難しい。そして、大混乱が起きるということは明らかなのですね。ですから、私が先ほど申し上げたように、厚生省の皆さんが、患者さんに、高齢者に本当に迷惑をかけない、安心してもらう、さらにこういう難しいことを理解してもらうためにきちっとやれるのかということで、ぜひ徹底していただきたいのです。 それで、もう一つ私から質問させていただきます。 この仕組みについて、当然戸惑うわけですけれども、今医療現場も当然周知徹底させるということでございますけれども、しかし、この周知徹底が、今果たして医療現場ではどういうような混乱が起きると想定されていますか。今患者さんのことについてはお尋ねしましたけれども、もう一度、医療現場、薬局、あるいは病院事務、どういうぐあいに想定されていますでしょうか。
○近藤政府参考人 これは、当然医療現場の方の理解というのが必要であるわけでございます。これについては、当然のことながら、関係団体を通じまして周知徹底したい、私どもこういうふうに今考えているわけでございます。 特に、医療機関同士といいますか、医療機関と薬局の関係が問題になるわけでございます。これは、医薬分業の関係で処方せんが出ることになりますので、部内ですと割合連絡がうまくいくと思いますけれども、外との関係でございますので、この辺はしっかりしなければいかぬというふうに今考えているわけでございまして、処方せんで患者さんがどういう負担区分であるか明確にしないと事務処理が円滑に進みませんので、処方せんによりまして患者の負担区分が明確になりますような簡明な事務方式を工夫したい、こういうふうに考えているわけでございます。 具体的には、はっきり言って、処方せんの中に書いてもらう、こういうことでございます。そういうことによりまして、医療機関や調剤薬局の窓口等で混乱が生じないようにしたいというふうに考えているわけでございます。
○三井委員 これをもう少しわかりやすく、例えば病院の窓口で一括徴収するとか、あるいは三千円、五千円と分けずに、まず三千円で横並びにするとか、こういうもう少しわかりやすい方法を、時間がございませんので、医療法についても御質問したいと思いますので、ぜひそのようにできないかどうか、御検討いただきたいと思います。 次に、医療法について御質問したいと思います。 最近、きょうも私出てくる前に、医療事故等の問題が——医療ミスが毎日のように続いたわけでございますけれども、八月に報道されたデータだけでも二十四件という医療事故が起きております。 そういう中で、薬品による事故も多うございます、また、患者さんの取り違えあるいは輸血ミスということも多発しているわけでございますけれども、私は、これは医療従事者が過酷な労働環境にあると思いますし、労働条件の見直し、改善をぜひ急がなければならない。それと同時に、医療従事者の資質の向上ということに心がけていただきたいと思うのです。 今回の改正案では、医師及び歯科医師の臨床研修が必修となっています。このこと自体は私は評価しているわけでございますけれども、この医療従事者、すなわち、資格を有する技術者もたくさんいらっしゃるわけですね。それで大臣にちょっとお伺いしたいのですが、中小病院、これはいろいろな病院があると思います、科目があると思いますけれども、俗に言う一般病院で有資格者がどれだけの職種の方がお働きになっているか、おおよそで結構ですから、ちょっと大臣にお答え願いたいと思います。
○津島国務大臣 御承知のとおり、今の医療は、医師、歯科医師、薬剤師、看護婦等々、大変多くの職種の方々がチームワークで提供しておられる点、それは専門家の三井議員御指摘のとおりであります。 一体どういう職種、どれだけの職種があるかということにつきましては、医療法施行規則十三条で病院の管理者が病院報告を提出することになっております。その報告の項目を拾ってみますと、医療従事者は二十二職種に分類されているという報告を受けております。
○三井委員 どうもありがとうございました。今は、実際に病院で職種を数えてみますと三十三職種もいらっしゃるのですね。私も、その三十三職種を全部言えといいますと、二十四、五までしか言えないぐらいで、むしろ有資格者のデパートと言われるぐらい病院というのは資格者が多い。 そういう中で、先ほどの医療事故に関連するのでございますが、資格者の資質の向上ということで、冒頭申し上げました研修制度を、医師、歯科医師以外に、薬剤師、看護婦、保健婦等それぞれの研修が行われる見通しがあるのかどうか、ちょっとお伺いしたいと思います。 〔委員長退席、坂井委員長代理着席〕
○伊藤政府参考人 今回の改正におきましては、医師、歯科医師の臨床研修の必修化について御提案させていただいたわけでございますが、現状を申し上げさせていただきますと、医師、歯科医師以外の医療従事者につきましても、例えば薬剤師につきましては、薬剤師の資格取得後、平成九年度より、日本薬剤師研修センターにおきまして薬剤師の実務研修を実施しております。また、看護職員につきましても、平成十二年度予算におきまして、看護職員が従事している領域の専門性の向上等を図るための実務研修事業を創設したところでございます。 したがいまして、この医療従事者の資質の向上策というのは、医師、歯科医師のみならず他の職種についても重要な課題と認識しておりまして、今後とも、良質な医療の提供体制に向けて、すべての職種について資質の向上策を検討してまいりたいと考えております。
○三井委員 本来ですと、医師、それからパラメディカルを含めてもっと研修の予算をお聞きしたいところなのでございますが、今申し上げましたように、医療関係者審議会令によって医療審議会で審議されると聞いていましたが、薬剤師については医療関係者審議会令の対象から除かれている理由は何ですかということを私はお聞きしたいのです。今お話ございましたように、どうしてここから薬剤師が外されているのか、お聞きしたいと思います。
○丸田政府参考人 今御指摘の中央薬事審議会につきましては、薬事法第三条におきまして、薬事に関します重要事項を調査審議することとされているところでございます。 薬剤師につきましては、先生御承知のように、調剤業務のほか、処方せん中に疑義があった場合の医師への照会、あるいは患者に対します薬剤の適正使用のための情報提供などを行いますとともに、一般販売業者における業務の管理や製造業者におきます製造の管理を行うものでありまして、薬事行政において欠かすことのできない重要な役割を担っているところでございます。 このようなことを踏まえまして、薬剤師の資格につきましては中央薬事審議会において審議する、こういうふうになっております。
○三井委員 ところが、この中央薬事審議会で、薬剤師の免許取得後のあり方については全く検討されていないんですね。ぜひこれは御検討をよろしくお願い申し上げたいと思います。 冒頭に申し上げましたように、これからチーム医療という中で、姿の見える薬剤師を育成していく上でも、最後にお願いしたいのは、今、医師は六プラス二で八年、それから歯科医師は六プラス一で七年、薬剤師は二十年以上前から六年制ということを御提案申し上げているのですが、これがなかなか実現せずに今日まで来ているわけでございますけれども、どうか文部省さんとの連携で六年制を導入していただきたい、こういうぐあいに御依頼申し上げまして、私の質問にかえさせていただきます。どうかよろしくお願いします。 ありがとうございました。
○坂井委員長代理 次に、肥田美代子さん。
○肥田委員 最近、病院における人為的ミスによる医療事故が相次いで報告されております。厚生科学研究として行われた看護業務における冷やり、はっと事例の調査によりますと、四六・七%が薬剤にかかわるものだと言われておりますけれども、これは事実ですか。
○伊藤政府参考人 事実でございます。
○肥田委員 医療従事者の中で、薬剤にかかわることで大きな責任を負わなければならないのは実は薬剤師だと私は思っております。ところが、報道なんか見ておりますと、どうしても看護婦さんの名前が出てきたりして、薬剤師の責任云々とされることが大変少ないんですね。私はこれは残念に思っております。私も薬剤師の一人ですけれども、残念に思っております。はっきり申し上げれば、まだ薬剤師が病院内で当然責任を果たすべき場所に置いていただいていない、そういうことじゃないかと思うのですね。 それで、最近、抗がん剤の投与ミスの事件がありました。その病院の十六病棟中九病棟には薬剤師が配置されておりましたけれども、あとは配置されていなかった。そして、事故が起きたのは、薬剤師が配置されていなかった病棟で起きたということですが、この事実関係は当たっておりますか。
○丸田政府参考人 先生御指摘の医療事故が生じた病院の体制でございますが、先生が今御指摘されたように、十六病棟のうち九つの病棟に薬剤師が配置されておりましたが、事故が発生いたしました病棟には薬剤師は配置されていなかった、こういう状況でございます。
○肥田委員 病院薬剤師の配置問題について少しお尋ねしたいと思うのですけれども、患者七十人に一人という配置基準はどういうところから算定されておりますか。
○伊藤政府参考人 薬剤師の配置基準につきましては、医療法の施行規則におきまして決めているわけでございますが、従来、薬剤師業務の主たる業務が調剤だけの時代に、調剤数八十につき一人という基準があったわけでございます。 その後、特定機能病院が制度化されましたときに、この薬剤師業務というものは、調剤だけではなくて病棟における服薬指導等、薬剤師業務のあり方がいろいろ変わってきている実態を踏まえまして、特定機能病院にだけ入院患者に着目した配置基準ができたわけでございます。 その後、平成十年の十二月に、薬剤師業務の事情の変化等を踏まえまして、今御指摘のように、一般病床については入院患者七十人に一人、療養型病床群、精神病床については百五十名に一人と決めさせていただいたわけでございます。 その根拠でございますが、特定機能病院の薬剤師の配置基準を決めます場合に、入院患者三十名に一人、ただし、五年間の経過措置といたしまして入院患者三十五名に一人の薬剤師を配置するということになったわけでございます。 これらの経緯を踏まえまして、平成十年十二月に施行されました配置基準におきましては、医師数、看護婦数などにおきます特定機能病院と一般病院の配置のバランス等を考慮いたしまして、医師の配置が特定機能病院と一般病院が大体二対一であるということに着目をいたしまして、一般病院につきましては、入院患者七十名に一人という基準を定めたということでございます。 また、老人病院、療養型病床群につきましても、一般病院と老人病院、療養型病床群の医師、看護婦等の配置のバランスの数を参考にいたしまして、入院患者百五十人に薬剤師を一人という基準を決めたわけでございます。 この基準についての考え方でございますが、これはあくまでも暫定的といいますか経過措置的な配置基準という考え方でございまして、平成十年十二月に施行されたときに、施行後三年後を目途に病院薬剤師の業務や配置状況等を踏まえて見直しを行うこととするという条件つきで決めた配置基準でございます。
○肥田委員 るるおっしゃっていただきましたけれども、もう少し簡単に申せば、医師会が五十名に一人とおっしゃり、薬剤師会が百名に一人とおっしゃりということで、その真ん中をとって七十名ぐらいに一人になったように私は伺っております。実は、厚生省が開催されました医療安全対策会議で、日本看護協会から、医療事故の中でも薬に関する事故は多く、薬剤師が病棟で一緒に仕事をし、役割分担することは重要である、その数は十分ではありませんと発言していらっしゃいます。 現在、薬剤師は一・五病棟に大体一人ですね、一病棟が患者五十人ぐらいですから。それで、先ほど申し上げた療養型病床群の場合には三病棟に一人ぐらいということになっておりますけれども、病院における薬剤にかかわるミスがこれほど多くなってきておりますと、私は、やはり厚生省は独自にきちっとした計画をおつくりになって、本当に一・五病棟または三病棟に病棟薬剤師が一人でいいかどうかということをもう一回検討されるべきだと思うんです。 再考されることが条件にはなっておりますけれども、こういう事故が起きてまいりますと、私は何年後と言っている場合じゃないような気がするんですよ。 病院の中で医者、薬剤師、看護婦がお互いに役割分担して、一日も早く人為的ミスをゼロにするためにはどうしても早い措置が求められると思うんですけれども、大臣、お聞きになってどういうふうにお考えになりますか。
○津島国務大臣 適正な医療が提供をされ、また、医療事故が防止されるために、個々の医療従事者が努力をされることはもちろんでありますけれども、チームプレーとしての組織的な取り組みがしっかりしなきゃならない、御指摘のとおりだろうと思います。 専門職種としての薬剤師も、医師や看護婦とともに病棟における医療チームの一員として積極的な役割を果たしていただくことは極めて重要であると考えております。 そこで、薬剤師の人員配置につきましては、平成十三年十二月、来年の十二月に見直しを行うこととし、そのための予算要求もことしはいたしております。薬剤師の業務の役割の変化や配置状況等の実態も踏まえて検討を進めてまいりたいと思います。
○肥田委員 では、次にまいります。 今回の健康保険法の改正案で、老人医療費の一部負担を定率一割とし、従来の薬剤負担を廃止するとしております。私は、前回の通常国会で、実は厚生省が考えておられるこの老人医療費の定率一部負担が患者には極めてわかりにくいものであるということを指摘申し上げました。そうした指摘にもかかわらず、今回もまた医療機関や保険薬局の窓口で混乱を生じることを危惧される内容の改正案が全く修正をなさらずに出てまいりました。この案では、先ほど三井議員からもありましたけれども、私は医療費に対する患者の不信感が増大すると思います。 ところで、平成十二年の二月に予算委員会で、丹羽厚生大臣と改正案についていろいろなやりとりをさせていただいておりましたときに、丹羽大臣がこうおっしゃいました。現行の薬剤費一部負担の仕組みはわかりにくくて、現場で混乱したから改正するんですとこの必要性をおっしゃったわけですけれども、私は今度の改正案は現行の仕組みよりもさらにわかりにくくなっていると思っております。 それで、私は厚生省にお尋ねしたいんですが、外来患者の区分は十四通りでいいですね。
○近藤政府参考人 数え方はいろいろあるかと思いますけれども、そういう数え方もあろうかと思っております。
○肥田委員 その十四通りのうち七通りの患者が薬局の窓口に見えますね、それも正しいですか。
○近藤政府参考人 そのとおりでございます。
○肥田委員 そうしますと、薬局の窓口でその七通りの患者を見分けるにはどうしたらいいんでしょうか。
○近藤政府参考人 先ほども申し上げましたけれども、処方せんを出す医療機関と薬局の関係というのはまさに連携が必要なわけでございまして、一々問い合わせをするわけにいきませんので、やはり処方せんにきちっとその区分けを書いていただく、こういう事務処理手続を、しかも非常にわかりやすい形でつくりたいということで、今関係団体と調整をいたしたいというふうに考えているわけでございます。簡潔な方法でチェックできるようなものを工夫したい、こういうふうに考えております。
○肥田委員 二月の予算委員会のときの丹羽大臣とのやりとりを今思い出しましても、まだ私はあのときの御答弁がすとんと胸に落ちないんですね。津島大臣もあのとき予算委員会にいらっしゃいましたので、恐らく私は津島大臣は御理解していただいていたんじゃないかと思うんです。丹羽大臣みたいに本当に頭のいい方でも、ああやって、何が何だかわからないような状況も、こういう言い方はちょっと失礼かもしれませんけれども、お互いに意思疎通ができなかったんですね。そのぐらいややこしい窓口負担であることを申し上げたいのですが、津島大臣、私はもう一度お尋ねさせてもらっていいでしょうか。虎の門病院に行ったおばあちゃんと東大病院に行ったおばあちゃんの話をもう一度させていただいて、今度は胸にすとんと落ちるように御説明をいただきたいと思います。 Aおばあちゃんが虎の門病院に行きまして治療を受けました。Bおばあちゃんは東大病院に行って治療を受けたんですね。どっちも診療費は一万円です。ですから、おばあちゃんが払うのは、その一割ですから千円ですね。AおばあちゃんもBおばあちゃんも千円払ってきたのです。そのAとBのおばあちゃんがそれぞれ薬局に行きますね。どちらも薬剤費は一万円かかったとします。そういたしますと、虎の門病院の処方せんを持っていったおばあちゃんは、薬局ではお金は結構ですと言われたんですね。負担はゼロですね。ところが、東大病院の処方せんを持っていったおばあちゃんは、一万円の一割で千円ですということで、千円取られたんですね。病状が全く同じということはないにしても、そういう同じような状況のもとで、AおばあちゃんとBおばあちゃんにあったこの違いを、津島大臣、ちょっとおばあちゃんにわかるように説明してあげてください。
○津島国務大臣 私も、今の制度をしゃくし定規に適用すると胸に落ちないと思います。まず、それは率直に申し上げた方がいい。 なぜそういうことになるかといいますと、要するに、多様な病院から今の薬局に至るまでの幾つかの機関がかかわる医療費の自己負担について低いところに限度を置いた。これは高くても理論的には同じ問題が起こりますよ。一割ですっといくのなら、これはどこへ行ったって計算できる。そこへいわゆる限度管理というのが出てくる。これは必然的に難しくなる。だから、理屈の上からそれを解決するためには、どこかの機関で、特定の患者さん、そのおばあちゃんの医療費を、ずっとその月の額を集中管理して、はい、ここが限度ですよ、これが一%ですよという管理をやらないと、これはできないわけです。ですから胸に落ちない。 そこで、局長が御答弁しておりますのは、いずれにしても非常に難しい幾つかの機関がかかわるのだけれども、それを具体的に、できるだけ手間のかからないように、どうしたらいいだろう。集中管理をどこかでやることになると、これは償還払いになる。そうすると、それもまた御迷惑をかけるな。だから、償還払いにならないところで、余りにも無理な事務負担を課さないようにするにはどうしたらいいか。これは厚生省だけでああせいこうせいと言うには無理がございますから、今関係団体とよく御相談をして、何かいい方法がないか一生懸命させていただいております。 まことに胸に落ちないあれでありますけれども、少しでも胸に落ちるようにもう少し努力をさせていただきます。
○肥田委員 以前よりは随分と胸に落ちました。 それで、今、大臣はこれから少しいい方法がないかとおっしゃったんですが、私もそう思うんですね。厚生省さんを責めるばかりではなく、本当にいい方法を一緒に考えていきたいんです。例えば、主として院内処方であるとか主として院外処方であるとか、そういう区別をまずなくしまして、患者ごとに請求することにした方がいいかもしれないし、もう一つは、医療機関で一括してお金を取ってしまうということもあり得ますよね。ですから、これからいろいろな方法が考えられていくと思いますけれども、薬局の窓口でおばあちゃんたちの抗議を聞く間に時間がかかって、結局は副作用の説明もできなかったということでは大変困りますので、ぜひよろしくお願い申し上げます。 それから、これは、実はまだ厚生省の方に書類が出てきていない問題なものでございますから、これをこの場所で審議するのはいいのかな、悪いのかなと私も迷いながら来たわけですけれども、やらせてもらいます。 今、医薬分業率が四〇%になっております。その質が求められていく段階に入ったと思うんですね。四〇%といえばかなりのものですから、これから医薬分業という本来の意味、それが正しくこのシステムの中で機能しているかということがチェックされる時期なんですね。私は、それだからこそ、今厚生省の方も襟を正し、厳しく対峙していただきたいという問題が一つ起きてまいっておりますので、お願いを申し上げます。 保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則というのがございまして、保険薬局は保険医療機関と一体的な経営を行ってはならないとされておりますけれども、これはいわゆる第二薬局を規制したものですね。
○近藤政府参考人 薬局と医療機関の関係で、特定の薬局に患者誘導するという、第二薬局とか門前薬局とかいろいろ問題になったものについて規制をしているものでございます。 〔坂井委員長代理退席、委員長着席〕
○肥田委員 現在、ある鉄道会社が病院を経営し、一方、その会社が九〇%以上出資した保険薬局が同社の敷地内に開設されようとしております。 私が申し上げるまでもなく、分業の一番の問題は、経営が一体的であるかどうかということなんですね。分業の業というのは、わざでもありますけれども、なりわいということでもありますので、まさに経営が一体化していないかどうかは大きな問題なんです。 一二四〇年のフリードリッヒ大王の毒殺防止法を申し上げるまでもなく、経営が分離していることがむだなお薬を出さない、それがひいては国民の健康に大きく寄与をするということになるわけでございます。 今申し上げましたこういう状況で資料が上がってきたと仮定しますね。そういたしますと、私は、これはまさに経営一体であるから、かなり適正に審査されないとまずいことになるんじゃないかと思うんです。ただ、資料が出ておりませんし、申請書も出ていないということですので、この中でやりとりは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、もし厚生省の方に申請が上がってまいりました場合には、厚生大臣としては本当に厳正に的確に判断をしていただきたいと思うのですが、大臣、いかがでしょうか。
○津島国務大臣 現在の法律でも、健康保険事業の健全な運営を確保する観点からいえば、保険医療機関が特定の保険薬局への患者誘導を招くことがないように、保険薬局の経営は特定の保険医療機関と一体的に行われてはならないということを要求しております。御指摘のとおりでございます。 そこで、今申し上げた一体的な経営かどうかというのは、資本関係ばかりでなくて、両者の立地関係等を総合的に勘案して判断するということになっているようでございますけれども、今委員御指摘のような具体的なケースが出てまいりましたら、基本は、特定の保険薬局への患者誘導を招くことがないように厳正に審査をすることは当然でございます。 重ねて申し上げますが、実態を見た上で、特定の保険薬局への患者誘導といった事態が生じないように対処してまいります。
○肥田委員 よろしくお願い申し上げたいと思います。 これで一応私が予定いたしました質問は終わりましたけれども、ぜひお願い申し上げたいのは、今、医療に対する信頼性が国民の間で大変失われております。それは、医療ミスでもあるし、経済的なことでもあります。 先ほども大臣に申し上げましたように、お年寄りにしたら、十円違ってもどうして違うのかなと心配になるんですね。それが、行っている病院によって違う、病院の病床のスケールによっても違う、そして、病院が院内処方せんを出していらっしゃるか院外かによっても違う。先ほど表が配られておりましたけれども、少なくともあの表をお年寄りに御理解いただくのは大変難しいと思います。 先ほど厚生省の方々は、処方せんにマークをつけるとおっしゃいましたけれども、本当にそれだけで患者の皆さんに御理解がいただけるかどうか、そして、いただけるように現場の者が説明できるかどうか、私は大変心配なんですね。ですから、もう少しわかりやすい、そして、もう少し国民の立場に立った患者負担のとり方をさらにお考えいただきたいと思います。 大臣、最後によろしくお願いいたします。
○津島国務大臣 できるだけ国民の目から見てわかりやすい制度を施行してもらいたいという御趣旨は、そのとおりでございます。 基本的に、今提案をしております定率と定額負担の上限設定という組み合わせがこういう非常に難しい事態を招いていることは、私ども真剣に受けとめなきゃならないと思っております。
○肥田委員 ありがとうございました。
○遠藤委員長 午後零時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十八分休憩 ————◇————— 午後零時三十二分開議
○遠藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。家西悟君。着席のままで結構です。
○家西委員 それでは、大臣並びに総括政務次官にお伺いしたいと思います。 今回の健保法の改正についてまず御質問を申し上げたいと思います。 大臣は、この法案の提案理由説明の冒頭において、急速な高齢化による医療費の増加を考えますと、良質な医療の確保とともに医療の効率化は避けられませんというふうにおっしゃっていました。そこで一点お伺いしたいのが、私の地元といいますか、奈良の国立病院の統廃合が地元では大きな問題になっておりまして、今後どのようになっていくのか、また、国立病院の統廃合が全国的にもどういうふうになっていくのかということを少しお話しいただければと思います。よろしくお願いします。
○津島国務大臣 高齢化に伴う医療制度をどうするかという角度から私の答弁にお触れになったわけでありますが、御質問の国立病院の統廃合の問題は全く関係がないわけではございませんけれども、むしろ国立病院としての本来の機能を発揮させるにはどうしたらいいかという議論の一環でもあるということを、まず御理解いただきたいわけでございます。 国立病院・療養所につきましては、行政改革の一環として、国立医療機関にふさわしい広域を対象とした高度または専門医療を担えるよう機能の質的向上を図るべく、昭和六十年以来、統廃合及び経営移譲による再編成を推進してきたわけでございます。 御指摘の国立奈良病院につきましては、国立療養所西奈良病院の場所で統合し、がん、神経・筋疾患、呼吸器疾患、これには結核も含まれております、それから重症心身障害等の難しい政策医療を担う施設として機能強化をするという方針が打ち出されておるわけでございます。 一方、今国立奈良病院として行われている医療行為は、国立の施設としては廃止する方向でございますが、地元自治体等が医療の存続を希望する場合には、厚生省として必要な協力をするという方針でございます。 いずれにいたしましても、再編成計画の推進に当たりましては、従来から、地元関係者と十分話し合い、地元自治体、議会、医師会の御理解を得ながら進めていくこととしており、今後とも引き続き関係者などと協議を進めてまいりたいと考えております。
○家西委員 ぜひとも地域の声をお聞きいただいて、そのようにしていただければと思います。地域の方々にとっては重要な問題だと思います。そして、私どもの方にも御要請が多々来ております。何とか残していただきたい、地域医療をしっかりとやっていただけないものかというような御要請もありますので、地域の声もしっかりとお受けとめいただいて、今後の施策に反映していただければというふうに思いますので、よろしくお願いします。 次の質問に移りたいと思います。 時間的なものを見ながら、質問が若干変わるかもしれませんが、その辺は申し上げながら進めたいと思います。 私は、今回の改正は、医療保険法の抜本的な改正を先送りにしているのではないかというふうに思えて仕方がありません。患者の負担のみを強制していくことで、医療を軽視しているような思いもある部分あります。そして、福祉や医療、教育の分野まで効率性のみを追求していいのだろうかという思いがありますが、その点について御見解をいただければと。大臣並びに総括政務次官、どちらでも結構です。
○福島政務次官 委員御指摘のように、医療制度の抜本改革を行っていくに当たりまして、患者さんの立場に立ちまして質のいい医療というものが提供されるという視点、これは見落としてしまってはいけないというのは私も全く同感でございます。 効率ということを掲げる背景には、一つには、日本の医療はもう少し効率的に提供することができるのではないかという、かなり広範な国民の間での御意見も一方ではあるのではないかというふうに思います。 したがって、今回のこの医療制度の改革、私どもは健康保険法等の改正、医療法等の改正を医療抜本改革の第一歩というふうに位置づけているわけでございますけれども、さらに、今後高齢者の医療を中心とした改革を進めていくに当たりまして、先生から御指摘をいただきましたことも十分踏まえて進めてまいりたいと思っております。
○家西委員 次に、介護保険と医療保険のはざまの問題でお伺いしたいと思います。 例えば脳出血などで入院し、患者さんが介護施設のある療養型病床群でリハビリを兼ねて治療を行った場合、医療保険が適用される場合と介護保険が適用される場合があると思います。建前では介護保険認定を受けている人が介護保険であるということになるんでしょうが、実際には医師のその場のさじかげんでもあると言われています。それによって患者さんの負担も大きく違うように思われます。この判断基準を今後どうしていくのかについてお伺いしたいと思います。
○福島政務次官 介護保険がスタートいたしましてから、委員から御指摘ございましたように、医療制度と介護保険制度の境界の部分をどうするのかということは極めて大切な課題であるというふうに思っております。 具体的に御説明をさせていただきたいと思います。 まず第一点目としまして、要介護認定を受けている方を含めて、医療療養型病床群に入院しておられる患者さんに対しましての医療については、医療保険から給付をされることになっております。一方、要介護認定を受け、介護療養型病床群に入院している患者さんに対しての医療については、基本的には介護保険から給付をされることになっておりますけれども、その場合でも、密度の高い医学的管理等については、適切な医療が提供できるように医療保険から給付をされることになっております。 例えばこれはどういう場合があるかといいますと、リハビリテーションにしましても、例えば老人早期理学療法、これは診療報酬上の項目でございますけれども、こういった早期のリハビリテーションというようなものですとか、回復期のリハビリテーションにしましても、複雑なもの、高度なものについては医療保険から給付をされる形になっているわけでございます。それ以外の比較的簡単なリハビリテーションについては介護保険から給付をされる、そういう区分になっているわけでございます。 患者さんを医療保険適用の病床に入院させるか、介護保険を適用されている病床に入院させるかということにつきましては、これは基本的には、担当しておられます医師の判断をもとにして現場で判断をしていただくのが最善の選択が行われることと私どもは考えております。一律にその基準をつくるということはなじまないのではないかというふうに私どもは思っております。 そしてまた、介護保険と医療保険で患者さんの自己負担というものに差があるということでは、これはどちらを選択するかという話になるわけでございますから、今回私どもがこの国会で提出をさせていただいております法改正によりまして、どちらを選択しても負担は基本的に変わらない形に改めたいと思っております。
○家西委員 どちらを選択しても基本的に変わらないようになるということですね。わかりました。 次に、高額療養費についてお伺いしたいと思います。 今回の改正では上位所得者の区分を設けられていますけれども、私は、一%の負担を求めることは、重篤な病気を担ったときの負担が大きくなり、その患者さんにとっては当然不安を生じるのではないかという思いがあります。そして、私は、基本的にそういう重篤な人たちに負担を求めていくのがいいことなんだろうかという思いがあります。幾ら高額な所得があったとしても、病気を担ったときにはその収入は目減りをするわけですから、そのときにそれでいいんだろうかという思いはあります。 しかしながら、ここでちょっと視点を変えてお話を申し上げたいというか確認をとりたいことが一点あります。 今回の改正では、政府の方からの説明では、血友病、ネフローゼ、HIVについては既存どおりで、月額一万円の負担で改正はしないというふうにお伺いしていますが、これは間違いありませんでしょうか。
○福島政務次官 この点につきましては、従来どおりの取り扱いをさせていただくということで、間違いはございません。
○家西委員 ありがとうございます。ぜひともそのようにしていただきたいと思います。 それとあわせて、私は血友病の当事者ですけれども、血友病、ネフローゼ、HIV以外にも、同じように高額な医療にかかっている人たちはおられるじゃないかという思いも正直言ってあります。例えば、お一人だけの患者さんならばその負担はある程度やむを得ないのかもしれないけれども、兄弟、家族で出られた場合、そこの家計の負担は非常に大きくなるんじゃないか。掛ける二とかいうふうになっていく可能性があるんですけれども、こういったことも考えていただいて、そういう配慮というか何か特段の処置はございませんでしょうか。
○福島政務次官 高額な医療費が引き続き発生をした場合、また、家族の中でそうした負担が同時に発生をした場合、こういう場合にどうするのかという御指摘かと思います。 今回、高額療養費のあり方についてその見直しを加えたわけでございますけれども、過重な負担になることを避ける観点から、四カ月以上続けた場合にはそれについて見直しがなされるという多数該当ということもございますし、新たに高額医療費支給制度というものを創設いたしまして、一つの同一世帯に所属しておる複数の老人の方が入院した場合に、その上限を抑える制度も設けさせていただいたわけでございます。このような形で対応をさせていただいております。
○家西委員 それでは続いて、今回の改正によって負担増ばかりの話が多いと思いますけれども、給付という部分については、一点だけこの改正で見られる部分があると思います。それは、海外で治療を受けた場合の保険給付というものがうたわれているわけですけれども、この問題について少しお話を伺わせていただきたいと思います。 どのような場合というかどの程度のものを認めていただけるのか。これは衆議院調査局厚生調査室の方からお出しの参考資料の三十一ページにも書かれていますけれども、現行は「現在、海外において治療を受けた場合、保険給付は受けられない。」、改正案では「海外渡航が一般化しているなかで、国民健康保険においても、海外渡航中の治療について、保険給付の対象に加えることとする。」と書かれていますが、どういうことをおっしゃっているのか、具体的にお話しいただければと思います。
○福島政務次官 たった一点よくなったということでお褒めをいただきまして、ありがとうございました。 具体的にどういう制度かということを申し上げたいと思いますが、国民健康保険におきましても、被保険者の方が海外で負傷したり疾病にかかった場合の費用について、帰国後市町村等の窓口で療養費として支給する制度が海外療養費制度でございますが、その創設を盛り込んでおるわけでございます。 具体的なプロセスとしましては、まず、一たんかかった医療費の全額を海外の医療機関等に支払うことが必要でございます。そして、その支払いと同時に、担当の医師等から治療内容やかかった金額等についての証明をもらっていただきます。次に、帰国後、保険者に対しまして、これは市町村等ということになりますけれども、保険者に対して申請手続をいたしまして、それに対して償還払いを受けるという形になります。 この場合に必要とされる書類につきましては、被用者保険と同様に、療養費支給申請書、診療の内容もわかる医師の領収(診療)明細書などの書類を予定いたしておりますけれども、被保険者の方々の便宜を考え、市町村等の窓口に備えつける予定でございます。 そこで、どこまでかという範囲のお話がございました。これは、日本の健康保険の適用される範囲と海外における医療のあり方というのは、制度的に異なっております。したがって、海外で渡航された方が受けられた治療について、日本の国内の保険適用の場合にはいかがであるかということを改めて申請に基づいて検討させていただいて、それに対して適切な範囲で償還をさせていただくという形になります。
○家西委員 では、保険適用の範囲は、現在日本で保険適用されている範囲内というふうに理解していいんですね。——うなずかれていますけれども、一言そうだということを。
○福島政務次官 細部の話はあろうかと思いますけれども、基本的な考え方としてはそのようなことでございます。
○家西委員 では、極端な話、腎臓移植、角膜移植、これは保険適用されていますね。この範囲もオーケーということですか。
○福島政務次官 そもそもこの海外療養費制度におきまして支給をされる対象となる事例は、仕事ですとか、観光ですとか、さまざまなケースがあろうかと思いますけれども、何らかの目的がございまして海外に行かれた、そして、海外に行かれてたまさか病気になられる、事故に遭われる、そういうケースにおきまして、それにかかった医療費というものに対して対応するということでございます。 したがって、角膜移植、腎臓移植ということになりますと、これはさまざまなケースがあろうかと思いますけれども、直接そうした移植を目的として海外に行かれて移植を受けるということであれば、これはこの制度の対象とはならないというふうに考えております。
○家西委員 要するに、療養目的のものである場合は適用外であるということだと思うんですけれども、どこでどういうふうにそれを判断するのでしょうか。
○福島政務次官 それは、この制度の中で、申請書を出していただきます。そこでさまざまな事項を記載していただくことになっておりますけれども、そうした申請に応じて判断をさせていただくことになろうかと思います。
○家西委員 先ほど、請求があって、医師の方からの説明とかいうお話もあったと思うんですけれども、海外で治療を受けた場合については明細というか領収書をいただいて、それで、これだけのものをお支払いしたということを社会保険事務所なりに届けて還付を受けるということだと思うんです。 私もサンフランシスコでHIVの診療を受けたことがあるわけですけれども、書かれた内容は、診察をしましたとかちょっとしたものなんですね。それをレセプト請求のように詳しく書いているとは思えないのですけれども、そういう場合の判断というのはどこでするのですか。これは過剰なものであるとか過剰治療であったとか、そういう判断というのはどうするのでしょうか。
○福島政務次官 私の手元には、診療内容明細書ということでその具体的な事例のものがございます。この記載というのは、日本の医療機関におきます診療報酬の請求のものに比べると概括的なものであるということが委員の御指摘だろうというふうに思います。 概括的なものでございますけれども、請求そのものが一般的な常識に照らして著しく大きな違いがないということであれば、それは償還払いに当たりまして適切に評価をする必要があろうというふうに思っております。
○家西委員 それはいろいろなケースがあると思います。高額にかかる治療だってあると思うんですよね。そのときの判断というものはしっかりとしていただきたいと思います。 例えば、私などは血友病ですので、海外でもし事故に遭ったときに、血液製剤というものは必要です。そのときには膨大な血液製剤を使って医療費がかさむ。その請求をしたときに、これは過剰治療であるとか、通常で言うレセプトカットになってしまって、八割減になったりということのないようにしていただきたい。本当にそれだけのものを必要としてなった以上は、そういったときの対応というものをしっかりとやっていただきたいという思いもありますので、よろしくお願いをします。最後の質問として、その辺はいかがでしょうか。
○福島政務次官 委員からお褒めをいただきました一つの制度でございます。適切に運営をされるように、私ども、今後対応してまいりたいと思っております。
○家西委員 それでは、その際、国民に対して海外でもこういうふうに保険適用されますよという広報をしっかりとやっていただかないと、知らないという方が多いと思います。その辺についてどうなのかもお答えいただければと思います。
○福島政務次官 確かに、今回の海外療養費制度の創設につきまして、その趣旨や具体的な手続というものを被保険者の方々に的確に理解していただくということは、私どもも大変重要であるというふうに認識をいたしております。関係団体や地方公共団体などとも十分に相談をいたしまして、さまざまな手段を通じて周知に努めてまいりたいと思っております。 具体的には、厚生省としましては、厚生省の持っておりますインターネットのホームページなどを含め、さまざまな媒体を通じまして広報に努めさせていただきたいと思っておりますし、市町村等の保険者や関係団体の方にも御協力をいただき、それぞれがさまざまな広報誌ですとかメディアを有しておりますので、そうしたものの上でこの制度の周知を図っていただくよう要請してまいりたいと思っております。
○家西委員 ぜひとも国民の多くに、海外での治療というか何かあったときには医療を受けても安心だということを周知徹底をお図りいただくようにお願い申し上げます。 次に、今回の医療法の改正に伴って一般病床と区分された精神病、結核、感染症という部分については、私は置き去りにされたように思えてなりません。一つは、感染症予防医療法という法律が通ったわけですけれども、その後、医療の問題ということで予防指針が出ています。そして、手厚い看護、カウンセリングの充実、インフォームド・コンセント等々ということがうたわれているわけですけれども、なぜ今回感染症病床も三対一の対象から外されているのか、そこのところをお聞かせいただきたいと思います。
○福島政務次官 先般の感染症予防法の審議の際に、さまざまな御意見をいただいたということはよく承知をいたしております。 今回の医療法等の改正の中でこの点について置き去りにしてきたということでは決してございませんで、その法案の審査の際に、先生も含めましてさまざまに御議論をいただき、また御指摘をいただいた御意見というものを踏まえて、公衆衛生審議会感染症部会におきまして検討を続けてまいりまして、感染症病床の人員配置基準につきましては、十月十八日の感染症部会におきまして、一般病床における新たな基準と同等とするということで了解をいただいたところでございます。
○家西委員 ということは、HIVに関してはそうだということですか。それとも、感染症部会ですから、感染症病床すべてにおいてと判断していいのですね、一般病床群と同じ扱いをするということですね。 あと時間が残り少なくなってきましたので、次の質問へ移らせていただきます。 次に、歯科医師とか医師の研修問題について掲げられておりますけれども、私は、HIVの問題から考えますと、この研修というものは非常に大事ではないかというふうに思います。 まず、感染症の問題ということを研修項目に何としてでも入れていただきたい。それは、先ほど来質問の中でも出ています医療事故という問題もあるわけですけれども、それとあわせて、感染症、院内感染という問題が大きな問題だと思います。MRSAの問題、これは院内感染がほとんどです。こういったものを防ぐためにも研修を図るべきではないか、研修項目に入れるべきではないかというふうに私は思います。 なぜこれを具体的に申し上げるかというと、私自身の経験で申し上げると、ある大学病院の採血の際、翼状針という注射針があります。針に羽根がついたようなものですね、チューブがつながって。それで採血をするときに、手を出してくださいと言われるところのテーブルの上に採血の器具をそろえていき、清潔に保たれているパックをあける際に、下に向けてあけて翼状針を落とす、そして器具につないで私の体に刺そうとした経験があります。私はその場で怒りました、あなたは医学経験があるのか、医学知識があるのかと。相手は、はあっと言っていました。何か問題があるんですかと言うから、大ありだと。今何をやったのか自分でわかっているか、この瞬間もうこの器具は不潔なんだ、使えないんだと。いや、気に入らなかったらかえますがということを言った。これは、感染症に対して余りにも経験がないというか知識がない。本当に医学部や看護学校を卒業したのか、国家試験を通ったのか疑わしいような言動であり、行動をとった。こういうことがある以上、まず最初にやるべきではないか。 そして、一番最初に大事なことは、こういう勉強を始めたときの刷り込みです。当然、医学部では感染症やそういった病気のことを学ぶんでしょう。そして、現場に出ながら覚えていく部分もあると思います。しかし、周りが誤った知識を持っていたら、その知識をずっと持っていく。最後には何をするのかというと、そういうことをしてしまう。そして、何がいけないんでしょうか、気に入らなかったらかえますよというような話は、これは医学者として、また医療従事者としては恥ずべき行為であるのにもかかわらず、そこを気づいていない。 そして、医療忌避の問題もそうです。HIV診療というものは一般病院でもできるのにもかかわらず、医療忌避が頻繁に起こる。これはなぜかというと、周りが怖い怖いという変な知識を持っている。だからこそ、最初にきっちりと対応すれば感染するものではない、そして、自分たちが感染源になり得るんだということを知識として与えなきゃならない。また、医療器具においてもそうです。ピンセットでも何でもそうです。一回さわったら上に向けてはならない、下に向けておけというものを、平気で上に向ける者もいる。 こういったところの徹底した教育をやるためにも、この研修の中にそういったものを入れるべきだと私は思いますが、大臣並びに政務次官、どのようにお考えになられますか。そして、これを入れていただけるのかどうか、御答弁いただければと思います。
○福島政務次官 先生御指摘のように、感染症の治療や予防にかかわる知識、そしてまた、ただいま御指摘いただきましたことは無菌的操作ということに関しての基本的な技能の習得ということだろうと思いますけれども、そういうことについてあらゆる医療関係者が、医者や看護婦がきちっとこれを習得することが極めて大切なことだと思っております。 今回の医療法等の改正の中では、医師法、歯科医師法の改正ということで、医師、歯科医師につきましての臨床研修というものが義務化されるわけでございます。現在でも卒後臨床研修目標というものが定められておりまして、その中に感染症にかかわる検査、治療処置等についても盛り込まれておりますけれども、ただいま先生御指摘ありましたように大変大切な課題、そしてまた、院内感染等の発生、医療事故の発生ということを考えますと、平成十六年の実施、歯科医師におきましては十八年でございますけれども、その実施に向けてのプログラムの検討の中で、先生御指摘いただきましたことについては十分検討をさせていただきたいと思っております。
○津島国務大臣 総括政務次官の御答弁に加えまして、今の委員のお話で非常に痛感をいたしましたのは、基本が大事だということでございますね。現場における医療行為の基本は、実は本や講義からだけでは学ぶことはできない。そういう意味で、現場における研修がどんなに大事かということを私も教えていただきました。
○家西委員 時間が来ましたので終わりますけれども、ぜひとも医師、歯科医師、看護婦、医療従事者に対してそういったものを取り組んでいただきますようよろしくお願いします。 ありがとうございました。
○遠藤委員長 次に、牧義夫君。
○牧委員 本日、初めて質問に立たせていただきました民主党の牧義夫と申します。どうかよろしくお見知りおきいただきまして、今後の御指導をお願い申し上げたいと存じます。 先ほど来、民主党から質問がそれぞれ出ておりますが、薬剤師の方であるとか、あるいは今、家西先生は薬害の問題に長らく取り組んでこられた方でございます。私の後に続くのは精神科のドクターでございますが、私はそういった意味では専門家でもございませんし、また津島大臣のように長らく厚生行政に取り組んで研さんを積まれてきたキャリアを持ち合わせているわけではございませんが、まさに国民的な視点からもう一度我が国のあるべき社会保障体制のあり方等について質問をさせていただきたいと思います。そういった意味で、この午後のひととき、肩の力を抜いて国民にお答えいただくようなおつもりで質問にお答えいただければ幸いに存じます。 今回の法改正につきましては、二〇〇二年度医療保険制度の抜本改革に向けての第一歩だということを、先ほど来の答弁の中でも、また先般の答弁の中でも再三お聞かせいただいたわけでございます。ただ、今回の法改正は、特に患者の自己負担にかかわる部分、高額療養費の自己負担限度額の見直しあるいは老人医療費一部負担の見直し、介護保険料徴収との絡みだと思うのですけれども保険料率の上限の見直し、そして、薬剤一部負担の廃止などなど、まさに継ぎはぎだらけと申しましょうか、ただでさえわかりにくいこの医療保険制度が、国民の目にはさらに一層わかりにくくなっているのが現状ではなかろうかと思うわけでございます。 例えば年金の制度にいたしましても、一階建て、二階建て、三階建てと、私勉強中でございますけれども、まだまだ私にも非常にわかりづらいところがある。そんな中で基礎年金が空洞化しているというようなお話もございますけれども、そういった従来の年金制度の整理がつかないまま、確定拠出型ですか新たな制度も検討されているというようなお話も伺っております。 総じて、日本の社会保障制度というのは非常にわかりづらい。また、今後どのような方向に進んでいくのかというようなことも見えてこないというのが実情ではないかと思います。まさに今こそ二十一世紀のあるべき社会保障制度のありようというものをお示しいただきまして、その社会保障制度の中に位置づけられる年金、医療、介護、社会保障全般についてのグランドデザインのもとでの諸施策を講じることが喫緊の課題ではなかろうかと私なりに思っているわけでございます。その意味で、この質疑を通じて、あるべき社会保障制度の中に位置づけられる医療保険制度のあるべき姿、大臣がお考えになっているその姿を明らかにしていただきたいと思っているわけでございます。 まずその大前提といたしまして、国民の健康、生命を守るための医療法、健康保険法等のありようについては、この議論の対象として国のいろいろな政策課題があろうかと思うわけでございますけれども、その中でも極めてプライオリティーの高いものであると私なりには認識しているわけでございますけれども、大臣の御認識はいかがなものか。 一昨日の答弁でも、二〇〇二年度抜本改革実現に向けての決意はお聞きしたわけでございますけれども、大臣が内閣を構成する一員としてきちっとこの位置づけをしていただかないと、今回の法改正が抜本改革への第一歩だという、そのお言葉も迫力のない、説得力のないものになってしまうと思うわけでございます。その辺、いかがでしょうか。
○津島国務大臣 牧委員御指摘のとおり、医療制度は、国民の生命、健康にかかわる極めて優先度の高い課題であると思います。そして、我が国では国民皆保険制度を確立いたしまして、国民にひとしく良質な医療を提供してまいり、その成果についてはWHOも非常に高く評価をしてくれているところでございます。 しかし、今後、急速な高齢化の進展の中で老人医療費がどんどんふえてくる、果たしてこれからも国民皆保険を維持し、国民が安心して良質な医療が受けられる状況が続くかどうか大変に心配する向きもふえておるわけでございまして、ここに医療制度の改革を抜本的に検討し、国民にしっかりとしたビジョンを示さなければならないという私たちの役割があるわけであります。これまでも薬価や診療報酬の改革を行いましたし、今度健康保険法、医療法等の改正を御提案申し上げておりますけれども、これが最終的なビジョンにどのようにつながるかということがわからなければ、これはその場限りの改革ではないかと言われても仕方がない、これは委員御指摘のとおりであろうと思います。 医療制度につきましては、やはり基本は、高齢化に伴ってふえてまいります高齢者医療制度が今後とも安定的に運営できるかというところがポイントでございますから、このことについて私どもは平成十四年度を目途にしっかりとした将来の方向を打ち出したいと思っておりますが、政府全体として、社会保障制度、今の医療問題ばかりでなくて、委員もちょっと触れられた年金問題等々を含めて将来構想を出さなければならないということで、有識者会議を総理のもとに設置いたしました。私ばかりでなくて、大蔵大臣や経済企画庁長官等々もお入りになって審議をしてまいりまして、その報告書がきょう総理に提出をされる予定になっております。 この報告が今後の国民の選択のよい判断材料になってもらいたいと考えておりますけれども、報告書に組み入れられている点としましては、制度について不断に見直し、必要な改革を進めることが不可欠である、それを行ってまいれば持続可能な社会保障制度を二十一世紀にも維持することができる、私なりの解釈をさせていただければ、国民負担が過重にならない範囲内で今の社会保障制度、医療制度、年金等を維持していくことができるということが報告書の中に読み取れるというふうに思っております。 そういう安定した持続可能な社会保障制度を確立するのに幾つか解決すべき課題がございます。例えば、この制度を支える支え手をふやしていくにはどうしたらいいか、高齢者も元気で社会参加ができるように、また健康で生活をしてもらう、それからまた高齢者を含めて国民がひとしく能力に応じて負担をしてもらうということ等々もあるわけでございますが、さらに、老齢化が急激に進んでいく間には、公費をもう少し投入することも考えなければならないということも示唆されていると受けとめております。 このような報告を受けまして、私どもは、国民に安心を与えられる社会保障制度の構築に向けて全力で取り組んでまいる所存でございます。
○牧委員 今、社会保障制度有識者会議の結論を踏まえてそのあるべき姿のお話が出ました。 持続可能なということでございますけれども、そのあるべき姿を国民の前に示すだけであれば、学者、有識者の会議があればそれでいいわけでございまして、結論的に申し上げれば、厚生省というか国の責務は、これを実現するのが国の責務であろうと思うわけでございます。それが本当に実現されるのかどうかということがやはり国民の一番の関心事でございまして、先日の釘宮委員の質問にもございましたように、今や国民の八割が将来に対して非常に不安を抱いている、そういった各種世論調査の結果もあるわけでございます。 そこで、再度、一昨日の釘宮委員の質問とも重複いたしますけれども、二〇〇〇年抜本改革というお話が前にございました。その二〇〇〇年抜本改革がなぜ二〇〇二年に先送りされたのか、その辺のところをもう一度お願いいたしたいと思います。
○津島国務大臣 二〇〇〇年改革を目標にしてまいりましたが、残念ながら実現できなかったということは、私もまことに遺憾に思っておるわけでありますが、その背景に、経済状況が非常に厳しくなったということは委員も御理解をしておられると思います。 それで、先ほどの答弁の延長になりますけれども、きょうの有識者会議の報告書を受けまして、政府としては、政府、与党の連携のもとで社会保障改革の全体像を明らかにするいわば大綱ともいうべきものを早く取りまとめるとともに、これに基づく具体的推進方策を協議するための体制を整備するということを本日決めたわけでございます。したがいまして、委員御指摘の、ビジョンを示すだけではだめだ、具体的にどのようにしてやるかについてそれなりの職責を果たしてもらいたいということについて、私どもはこういう形でおこたえをしてまいりたい。 御案内のとおり、厚生大臣だけではできない、税制等を含めた検討が必要でございますから、関係各大臣が参加をしてそういう協議を進めて、平成十四年までに結論を得たい、かように考えておるところであります。
○牧委員 お話はよくわかるのでございます。社会保障制度を充実させるための社会的なバックグラウンド、経済情勢あるいは雇用情勢、その辺の厳しいこと、また財政事情が大変厳しいことも重々承知の上で申し上げたいのですけれども、一言申し上げれば、これは経済政策の失政であったと私ども思うわけでございまして、国民生活を二の次にしながら、ただ政権維持のみにきゅうきゅうとしてきた与党の責任であることを棚上げにすることはちょっとどうかなと、一言つけ加えさせていただきたいと思います。 しかし、冒頭のプライオリティーの話に戻るわけでございますけれども、本当にこれが重要な案件であるという御認識さえあれば、決してバックグラウンドの情勢いかんにかかわらず、これは実現できたのではなかろうかと私なりに思っているところをあえてつけ加えさせていただきます。 例えば高齢者医療保険制度の財源につきまして、先ほど大臣も将来的には公費を充実させるほかないとの認識をおっしゃっておられました。医療を支える財源は、公費か保険料か患者の個人負担か、この三つのうちいずれかしかないわけでございますから、そのバランスがどうあるべきかといった考え方があってしかるべきであろうかと思います。 私なりの考え方を申し上げれば、人口構成の将来的な見通しというのはある程度つくわけでございますから、景気の見通しや雇用情勢は関係ない。それこそ国家存亡の危機でもない限り、最低限これだけの負担でこれだけの医療サービスが受けられる、あとは公費で賄いますよ、そういったような不動の、不変の国としての国民に対する約束があってもいいと思うわけでございます。 大臣のお考え、公費と患者負担、保険料のバランスというものをどのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
○津島国務大臣 社会保障制度が全体として安定しなければならないというのは御指摘のとおりでありまして、そういう趣旨のもとで、公費と保険料と自己負担、それぞれを適切に組み合わせていく、そういう考え方は恐らく当委員会の大部分の方々は共有していただけると思います。また同時に、その組み合わせについて国民の理解があることも大事でございます。 私の今後の課題として念頭にございますのは、制度上必要な改革は一つ一つ着実に積み重ねていく。そういう中で、しかし、高齢化が急速に進むことによって生ずる負担は、これは国民が全体として担うということは理解してもらえるのではないだろうか。つまり、特定の保険にだけこれを負担させることは非常に難しい。また、保険制度に一定のゆがみを生ずるおそれがございますから、全体で持っていただく。それが公費をもう少し投入してもらったらどうだろうということになるわけであります。 しからば、どのような財源で公費を賄うかということについて、一言で言えば、これは安定財源でなければならない。さっき委員が言われた、非常に経済状況が悪い場合でもできるというのはまさにそのことでありまして、景気の変動の影響をできるだけ受けない安定財源を見出していくことが必要かな。 そういう議論を、先ほど申し上げましたような枠組みで、私ども政府・与党でもやってまいりますが、国会におきましても、多くの方々の御意見に耳を傾けながら進めてまいりたいと思っております。
○牧委員 考え方の違い、価値観の違いと申しましょうか、あるいは大きな意味での自民党と民主党の政策の違いと申しましょうか、その辺の違いが多少わかってきたような気がいたします。 さて、その違いの本質的な部分、つまりは、社会保障制度のあるべき姿を最優先するのか、あるいはその時々の情勢であるべき姿までが変わってしまうのか、その問題の延長線上でもう少し質問を続けたいと思います。 そもそもこの医療制度の抜本改革は、薬価制度、診療報酬体系、高齢者医療制度、そして医療提供体制を四つの柱として検討がなされていると聞いております。これはちょっと違うんじゃないかと私なりに思うわけでございまして、この四つの課題をそれぞれ審議会でばらばらに審議をして、ばらばらに答申が出され、それに基づいて法案をつくっていては、結果としていびつなものができ上がってしまうんじゃないか、小手先だけの改正、改正を積み重ねるだけに終わってしまうのではないかと思うわけでございまして、もうちょっと総合的な視点から検討がなされるべきだと思うわけでございますけれども、いかがでしょうか。
○津島国務大臣 私は、ばらばらにやってきたとは思っておりません。それぞれの改革の問題点がお互いにどういう影響を与えるかということを視野に置いて、医療制度全体を安定的にするにはどうしたらいいかという検討をしておるつもりでございますが、何か具体的に委員の方から御指摘があれば、教えていただければ幸いであります。
○牧委員 私が申し上げたばらばらというのは、並立でという意味で申し上げたわけであって、私はこの四本の柱の中にも優先順位があろうかと思います。まずは適正な医療提供体制があってしかるべきだと思うわけでございまして、診療報酬体系ですとか薬価というのはそれについてくるものだと思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
○福島政務次官 抜本改革の中で、薬価制度の改革、診療報酬体系の見直し、新たな高齢者医療制度の創設、医療提供体制の見直しということにつきましては、これはさかのぼりますと、自社さ連立政権のときに与党協というのができたわけでございます、その与党協は私は直接関係いたしておりませんけれども、その中での議論は、医療というのはさまざまな制度が組み合わさったものであるから一つのところだけ変えるということでは全体として効率的なものにはならない、幾つかの側面を同時に見直していくことが必要だ、同時に包括的に見直す、その中で新しい制度をつくっていくんだという議論ではなかったかと私は理解をいたしております。 そしてまた、実はそれぞれが一つの法律の中にすべて書き込まれるという性格のものではございませんで、薬価制度につきましても、診療報酬体系の見直しにつきましても、これは本年の四月から施行された診療報酬の中でかなり大きな変化というものが起こっているわけでございます。これは、中医協での議論を経て、診療報酬の体系をどうするのかというところでやられる。医療提供体制につきましては、ただいま先生方に御審議をいただいております医療法等の改正の中に盛り込まれているわけでございます。そして、高齢者医療制度につきましては、今回の健康保険法等の改正がその第一歩であると私は思っております。 そういう意味では、それぞれがかかわっている法律が異なっておりますし、先生方に御議論いただく場につきましても、それぞれ時間差が出てくるということがありまして、どうしてもばらばらな印象を先生もお持ちになられるかと私は思いますけれども、しかし、出発点はすべて一緒にやっていかなきゃいけないんだという観点でスタートしたことでございまして、残っております高齢者医療制度の抜本的な改革に向けて、平成十四年の実施に向けて、私どもはこれから全力で頑張ってまいりたい、そのような決意でございます。
○牧委員 私が申し上げているのは、優先順位というか価値観の問題ではなかろうかと思うんです。 医療提供体制の確立がまず第一だと申し上げているのは、例えば、今回の法改正において、四対一が三対一に改正されるわけでございますけれども、果たしてそれで十分なのか。現場の看護職員の声等をいろいろ聞いておりますと、まだまだそれでも不十分だと。先ほどの質問の中にも、いろいろな医療ミス、またニアミスというのが九割もあるというような報告事例もございます。そういった中で、まずあるべきものは医療提供体制の確立ではないか。 例えば三から一・五対一に変えた場合に病院が幾つつぶれるとか、そんな話もございますけれども、それになったらまた診療報酬体系を考えればいいじゃないか。それはあくまでも、まずは患者の安全、私たち国民の安心できる受診体制の確立がプライオリティーが一番高い。その観点から、いろいろな制度、これはもちろん並行してより合理性を追求しながら進めていかなければならない、当然これは密接に絡み合ったものでございますけれども、私が質問しているのは、その優先順位の問題でございます。いかがでしょうか。
○福島政務次官 医療提供体制の見直しというものが最も重要であるという先生の御指摘ではないかというふうに私は思います。医療提供体制のあり方というものが極めて大切であるということにつきましては、私どももそれは同感でございます。 しかしながら、そこだけ変えることによってすべてほかのものが変わっていくということでもなかろうというふうに私は思っておりますし、一方では、診療報酬体系の見直しというものが実は医療提供体制のあり方とも密接に関係をいたしておりますし、診療報酬体系のあり方というものが医療の提供のあり方を変える側面も同時に進める必要があると私は思っております。 そして、この三対一ではまだまだ不十分ではないか、また、医療事故が頻発をしている現状を見るのであれば、もう少し突っ込んだ議論ができないかというような先生の御指摘ではないかというふうに思っております。 この看護職員の配置基準につきまして、医療審議会ではどのような意見があったのかということを御紹介させていただきたいと思いますけれども、医療法における人員配置基準はあくまで最低基準として定めるんだ、また看護職員の地域的な偏在、充足しているところもあればまだまだ看護職員が採用しにくい地域のあることも理解していただきたいというような意見ですとか、半世紀にわたる基準の変更に対しては慎重な配慮が求められるというような議論がございました。そして、その中で、複数・夜勤月八回という体制を何とか確保するために最低限必要な配置が三対一であるということを踏まえた措置として今回の法案の中に盛り込ませていただいているわけでございます。 もちろん、医療事故というものを本当に防いでいかなければいけないということは、先生の御指摘のとおりでございます。これは委員会でも今までに繰り返し議論がございましたけれども、必ずしも医療事故の発生が看護職員の配置の体制とは関連をしていないという事実も一方ではあると思います。例えば特定機能病院のような看護職員の配置が極めて充実しているところでも、医療事故というものは当然起こっているわけでございます。 私どもは、今、冷やり、はっと事例の収集も進めておりますけれども、医療機関、医療提供体制におけるどのような要素が医療事故に結びついているのかということについて研究を深める必要があると思いますし、また、単に看護職員の配置基準にとどまらず、医療機関としてのリスクマネジメントの体制を築き上げていくためにマニュアルをつくったり、責任者の方にお集まりいただきまして、さまざまにこちら側としてもお願いをさせていただいたりとか、各面での取り組みを今進めさせていただいているところでございます。
○牧委員 そうはいっても、医療審議会で看護職の委員の、夜間も患者十人に看護職一人以上いなければまともな医療はできない、そのために病床一・五に看護職一に基準を引き上げてほしい、そういう報告もあるわけですね。現実に医療の場でこういう声が起こっている、それがまずは喫緊の課題じゃないでしょうか。もう一度。
○福島政務次官 今回、医療法等の改正で御提案をさせていただいております三対一というのは、あくまで最低基準でございまして、先ほども私御説明をいたしましたが、診療報酬体系のあり方というものが医療提供体制のあり方と深く結びついている。そして、その診療報酬の中では、三対一ということで診療報酬が一つに決まっているわけではございませんで、より看護配置を充実させた医療の提供に対しては応分の評価がなされる仕組みが一方ではあるわけでございます。この点のところを御理解いただければと思います。
○牧委員 時間が参りました。まだまだ質問させていただきたいことがたくさんあったのですけれども、その辺のところは、私どもと現政権与党との価値観の違いというか、その辺が浮き彫りになれば私の質問の意味もあったかなと思うわけでございまして、間もなく十一兆円という補正予算も組まれるようでございます、これは景気の下支えという名目であろうと思うのでございますけれども、私どもは、安心社会の実現こそが冷え込んだ個人消費を喚起するための最良の方法であろう、そういう観点からもこの質問をさせていただきました。 どうもありがとうございました。
○遠藤委員長 次に、水島広子さん。
○水島委員 民主党の水島でございます。 一昨日の厚生委員会におきまして、私の同僚議員から精神科特例、精神科医療についての質問が行われましたところ、新聞の社説で取り上げられたり、また、精神科関係の患者さんや医師の方たちから精神科を国会の場で取り上げてもらえるのかということでいろいろな御意見をいただきました。この反響の大きさを考えてみましても、今までこの精神科という領域が、日の当たらないところで長い間医療を提供する側も医療を受ける側も非常に苦しい思いをしてきたのではないかということを改めて感じさせられました。 日の当たらなかった分野でございますので、私もきょうまず最初に精神科について御質問させていただきまして、その後ほかの質問に移らせていただきたいと思いますので、大臣と政務次官、よろしくお願いいたします。 まず最初に、精神病院のハード面ということでございますけれども、精神病院のハード面の質というのは、何も病床の広さだけではございません。先日も山井議員が保護室のプライバシーのなさということで写真を提示して述べておりましたけれども、清潔度ですとか病棟のにおい、プライバシーの問題などが重要なわけです。私自身も精神保健指定医でございますけれども、患者さんが医療上閉鎖的処遇を必要としていても、病室の環境が悪過ぎて使えないということで、非常に困る状況が多々ございました。 例えば、保護室が必要な人であっても、トイレのスクリーンがなければ困る方もいらっしゃるわけです。また、今の保護室というのは、自分では排せつ物を流せない。外から看護者が流す仕組みになっておりますけれども、自分で排せつ物ぐらい流せる方もいらっしゃるわけです。 そんな状況ですので、保護室の環境が悪過ぎて、本当は保護室に入れることが医療上必要な方であっても適切な医療を提供できないというようなこともあります。適切な医療を提供するためにつくったはずの保護室が適切な医療を提供するための妨げになっているというのが、ある意味では現状ではないかと思います。 また、一般の閉鎖病棟につきましても、閉鎖的な処遇が必要であると考えられても、においがきつかったり環境が悪かったりするために閉鎖病棟を使いにくいというようなケースも実際にはございます。 例えば、精神病床独特のにおいを極力なくすような空調とか、保護室のトイレにスクリーンをつけるとか、排せつ物を病状に応じて自分でコントロールできるような環境であるとか、そのようなハード面の改善が必要であると思われますけれども、その点についてどうお考えか、教えていただけますようにお願いいたします。 〔委員長退席、鴨下委員長代理着席〕
○福島政務次官 保護室というものは、患者さんの症状から見て、隔離以外の方法では危険を回避することが著しく困難である場合に使用されるものでございますけれども、精神病院建築基準というものがございまして、これは厚生省の公衆衛生局長の通知でございますけれども、保護室につきましてはいろいろと規定がございます。 堅固であることが必要であるが、そのために圧迫感を与えないように考慮し、時には普通病室として使用し得るような配慮も必要である。細部の設計に特別の注意を払い、採光、換気、通風、冷暖房等の環境条件には特に考慮する必要がある。廊下側に余り露骨にのぞき込む感じを与えない小窓をつける。また、便所を設ける場合は水洗式とし、不潔にならないようその設計には特に注意が必要であるというようなことがこの中には定められているわけでございます。 先般も公衆衛生審議会から、国民の生活水準にふさわしい療養環境を整備することという指摘がございました。ただいま委員からこの環境が十分ではないではないかという御指摘がございましたけれども、保護室の療養環境の向上について、私どもは一層の指導の徹底に努めてまいりたいと思っております。 現実にどのようなことを行っているかということでございますけれども、保護室等の鉄格子を撤去し、一般の病室の窓と同等にするなどの療養環境向上のための改築については特別の補助を行っているところでございまして、病院関係者等にこうした事業の活用についてより一層求めてまいりたいというふうに考えております。
○水島委員 そのような取り組みを積極的に続けていただきたいと思います。 ちょっと大臣にお伺いしたいのですが、先日、山井議員の方から閉鎖病棟や保護室に入られたことがあるかという質問がございましたけれども、大臣はいわゆる精神病院のにおいというのは御存じでいらっしゃいますでしょうか。
○津島国務大臣 何度も訪ねておりますから知っていると思いますが。病院で少しずつ違うなとも思っております。
○水島委員 病院で少しずつ違うというのは、かなり鼻がよくていらっしゃるようでありますけれども、一般的には、いわゆるあのにおいといえば、患者さんでも医療者でも大体わかるものでございます。 私たちも医学生であったときに、精神科に行こうと思ったらあのにおいに耐えられなければだめだというようなことで、診療科を選択するときの基準にもなっていたほどのにおいがございます。病床の広さだけではなく、そこで実際にどのような生活の質が確保されるか、その点をぜひ十分に考慮していただいて、これからいろいろな基準をつくっていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、精神科特例についてですけれども、精神科特例の問題点というのは前から指摘されておりますけれども、実際にこれをどのようにしてこれから解消していくかということになるわけです。 日本が事務次官の通知であります精神科特例というものを出した四年前に、イギリスでは、十年間で精神病床を十万床減らすという目標を掲げまして、心の病を持つ方々が町の中で暮らせるような政策を推進させてまいりました。そして、イギリスを手本に、ヨーロッパ諸国、アメリカ、カナダ、オーストラリアなどが続いていったわけです。 いずれも方法はほぼ一致しておりまして、まず一つ目に、急性期の治療にスタッフを手厚く配置して短期間で退院できるようにしていく、退院後の住まいを確保していく、そして、町中のクリニックや訪問看護、ホームヘルプ、憩いの場で暮らしを支えて再発を防ぐ、この三本柱をやってまいりまして、その結果として、総じて全体の費用を抑えることにも成功しております。 まさに日本の精神科特例の事務次官通知というのは時代の流れに逆行するものであった。周りの国が既にそういう取り組みを始めていた中で、暫定的であったにしろ、そのような措置が今までずっと続いているということは本当に異常な事態であると言わざるを得ないわけです。 まず、今の三本柱のうちの一つ目でありますが、急性期の治療にスタッフを手厚く配置し短期間で退院できるようにする。これはまさに精神科特例にかかわる部分であるとは思いますけれども、先日、厚生省の方にこの精神科特例をどのようにして解消するのかということをお尋ね申し上げましたら、精神科医の数が一年間に何人ふえるかということで単純に計算をすると、精神科病床が一般病床並みになるのには七十五年かかるというようなことを言われました。 医者の増加を待つという全く非生産的なことをせずに、現状でも十分精神科特例というものを解消していくことはできると思いますけれども、そのためには、何といっても、入院患者さんを減らし、在院日数を減らしていくということをしなければいけないわけです。医者がふえなければ患者さんを減らすという当たり前の理屈なわけですけれども、今の状況で単に退院を促進するということですと、ただでさえ人手の少ない今の精神科医療の現場ではそういうことはできない。ただ回転が速くなって、今度は医療者側のオーバーワークになってしまうわけです。 ですから、まず第一番目の質問になりますけれども、病床を減らすためにどのようにしていくお考えをお持ちであるか。病床を減らしていったら病院がつぶれるということであったら、病院側は永遠に病床を減らすような努力をしませんので、まずどういうふうにして病床を減らすことができるか、お考えを教えていただければと思います。
○福島政務次官 最も大切なことは、退院後の受け皿づくりを進めることにあると思います。 現在、障害者プランに基づきまして、精神障害者社会福祉施設等の計画的整備というものを進めております。これは十四年度まででございますけれども、さらに引き続き社会福祉施設の充実というものに努めていく必要がある。これが一番大事だと私は思っております。 具体的に申し上げますと、受け皿としまして、生活訓練施設、授産施設などの社会福祉施設やグループホームなどを平成十四年度末までに約三万人分整備をすることといたしております。現在の進捗状況は、平成十一年度末現在で一万九千人分が整備をされております。特に、グループホームにつきましては、十四年度末までに五千人分を確保することといたしておりますけれども、進捗状況は、十一年度末現在で四千人の精神障害者の方々が利用されている。 この施策をさらに力強く前進させていきたいと考えております。
○水島委員 もちろん退院しやすい地域の基盤づくりというものは大切なわけですけれども、退院できるようになったからといって、ただ退院させていくと、結局病院がつぶれるということになってくるわけです。そこでやはりもう一つ政策が必要になってくるのじゃないかと思いますが、そのあたりはどうお考えでしょうか。
○福島政務次官 むしろ専門の先生からストレートに御指摘をいただいた方がいいのではないかというふうに私は思っておりますけれども、一方では急性期の精神科医療というものを推進する必要がございます。急性期の精神科医療を推進するためには、人員配置も厚くしなければならないということもございますし、当然それに応じた診療報酬上の評価もしていく必要があると考えております。 この点につきましては、看護配置に対しまして、二対一看護まで評価した入院基本料を創設をいたしましたし、標準医師数を満たしている場合には加算をするというようなことも設定をいたしました。さまざまな御議論がこの委員会でも行われましたので、今後の診療報酬の議論の中で、そういったものがどのように踏まえられた議論になるかということをこちらとしても見守ってまいりたいと思っております。
○水島委員 例えば、今も急性期の医療を充実させるということがございましたけれども、精神科特例を段階的に解消していくために、急性期の病棟、児童、思春期の専門病棟、また覚せい剤などの専門病棟など、まずそちらの方から一般科並みに引き上げていこう、そのような考えはいかがでしょうか。
○福島政務次官 この点につきましては、一昨日の委員会でも御答弁をさせていただきましたけれども、政省令の見直しに向けまして公衆衛生審議会のもとに置かれた委員会で検討が進められているところでございまして、その中での検討をお待ちしたいと思っております。
○水島委員 では、ぜひ活発な御議論をいただきまして、退院しやすい支援体制、特に住宅の問題というものは重要です。まだ地域、そして何といっても家族からの偏見も強い、理解が足りない。そんな状況では、家族の理解が得られないために退院できないというようなケースも非常にございます。ぜひ、退院してもしっかりと仲間と支え合って、一人で、単身で暮らしていけるような、そのための住居づくりをお願いしたいと思います。 そして、退院をしていくということになりますと、やはり大きな問題でありますのが就労の問題です。仕事をしたいのだけれどもどこも雇ってくれない、だから、仕事ができずにぶらぶらしていると、だんだん病気もまた悪くなってくるというようなこともございます。 障害者雇用促進法の雇用率制度の中には、現在精神障害者が含まれておりません。この点につきましては、一応障害者プランの計画期間である二〇〇二年までに環境を整備していくということでありますけれども、現在の進みぐあいを把握されているか、そして、二〇〇二年からは雇用率制度の中に精神障害者を含めていくことができそうであるかどうか、そちらを教えていただきたいと思います。
○渡邊政府参考人 労働省では、精神障害者の雇用の問題につきまして、昨年の七月に研究会を設置いたしました。精神科の先生や労使の代表、あるいは精神障害者の家族の団体の代表、こういった方をメンバーにしておりまして、現在まで約十回近く研究会を開いて検討しております。 その中で、現在は、精神障害者の方の雇用や就労の実態の問題、精神障害者の特性に応じた就労形態のあり方、あるいは精神障害者の雇用管理に関する配慮事項、こういったことについて議論をいろいろと重ねていただいているところであります。先ほどのお話にありました障害者プランの計画期間であります平成十四年度までにできるだけ結論を得たいということで、今検討をお願いしているところであります。
○水島委員 二〇〇二年と一口で言いますけれども、精神障害者の方から見れば、きょう、あす仕事ができるかというような非常に切実な問題でございますので、一日も早く、精神障害者の方がきちんと当然の権利として就労することができるように、社会全体でそのような責任をきちんと背負っていくような体制をまず政治がリードしてつくっていく。そういうふうにしていかなければ、いつまでたっても地域、また家族、周囲の方々の理解というものは得られないのではないかと思います。ぜひ、さまざまな偏見を解消していくためのリーダー役を行政の皆様にお願いしていきたいと思っております。 精神科についてはまた後でちょこちょこお伺いいたしますけれども、一応以上で一区切りにさせていただきまして、次に、臨床研修の専念義務についてお伺いいたします。 既に幾つか質問が出ているようでありますけれども、何といいましても、二年間の研修を義務づけるのであれば、その間の生活を保障することが必須であると思いますけれども、この必要性についてどうお考えでしょうか。
○福島政務次官 臨床研修中の研修医につきましてどのようなことが今まで述べられているかということでございますが、平成十一年二月の医療関係者審議会医師臨床研修部会の取りまとめにおきましては、「研修中の医師に対して、その手当てが適切に支払われるよう必要な措置を講ずるとともに、指導医の処遇の在り方についても検討する。具体的な費用負担については、国及び医療保険の双方が負担している現状を踏まえ、今後その在り方を整理する。」となっておりまして、今法案の成立の後に、実際の制度の運用に向けての検討の中で検討させていただきたいと思います。
○水島委員 現在も研修中の医者には、細々と、かなり幅がありますけれども、一応給料らしきものは出ておりますけれども、二年間アルバイトをせずにしっかりと研修していくということであれば、例えば司法修習生の給与などと額のバランスをとる必要があるのではないかと思いますが、その点についての御意見を伺いたい。 それから、その場合に、全体としての財源はどの程度必要になって、今それをどこから負担するかということも含めて議論されているということでございましたけれども、そのくらいの財源を出してくる場合に、理念として、また現実的にも、どこから出してくるのが望ましいとお考えか、大臣あるいは政務次官のお考えをお聞かせください。
○伊藤政府参考人 御説明をさせていただきます。 臨床研修期間中につきましては、必修化、義務づけするわけでございますから、その間の臨床研修に専念できる体制の整備というのは基本的に非常に重要なことだと思っております。 そこで、この二年間の費用につきましては、平成十六年の実施までの間に、現在、二年間の研修生がどれくらい研修病院において給与をいただいておるか、いわゆるアルバイト先でどれくらいいただいているか、それらの実態を調査いたしまして社会的に妥当な水準がどの程度かというようなことを調査の上、その財源につきましては、現在、臨床研修に必要な基盤整備につきましては一般会計で支弁しているわけでございますし、病院におきまして保険医としての診療報酬が入ってくるわけでございまして、いわゆる医療保険の財源というものも投入されているわけでございます、それらの現状に着目いたしまして、今後その費用負担のあり方を整理することになっているわけでございます。今後、この調査結果を踏まえて具体的に額を決めていくというふうに考えております。 なお、司法修習生と同じような体系にすべきではないかという御意見があるわけでございますが、司法修習生につきましては別の法律で、そして、これはそれぞれ判事、検事、弁護士になる前の研修でございますが、臨床研修につきましては、医療保険上は一人前の医師として扱い、そして基本的にはオン・ザ・ジョブ・トレーニングだということで、司法修習生とはその点が違うのではないかという理解をしているわけでございます。
○津島国務大臣 一言追加させていただきます。 研修医と司法修習生の今の立場は非常に違うことは御承知のとおりで、片っ方は必須であり、片っ方はそうではない。しかし、必須になりました場合にこの問題は大変大事な問題になるということを頭に置きながら今担当局長からお答えしたのですけれども、修習生の給与額も参考にはしなきゃいかぬと思いますけれども、私が司法試験を通って、勤めるかどうするか随分考えたことがあるのですけれども、そのときは給料をもらうということは余り選択の材料ではなかった。ただ、勤めてみて、修習に行った人は随分いいお給料をもらっているなという印象を受けたことはあります。 一方、今の研修医の状態というのは、かなり厳しい状態に置かれている。アルバイトをやっても厳しいという印象を私は持っておりますから、修習生の給与と比べてみるだけでは適切な結論は出ないのじゃないか。ただし、アルバイトが一体どうなのかという実態もよく調べなきゃいかぬので、なかなか難しい問題だと思っております。
○水島委員 途中まではわかっていたのですが、最後のところで急にわからなくなってしまいました。 研修義務のある人間にアルバイトということで今お金が支払われているのは、独立して医療業務を行う者に対してアルバイト料を払うわけで、私も研修医のとき一人で夜当直をして当直料を稼いでいたわけでありまして、それは、自分で医療をやりながら非常に危険なことだと思いながら、ただ生活のためにやっておりました。ですから、そういう実態を十分に調査していただきまして、アルバイトをする必要がないようなしっかりとした生活保障を二年間していただきたいと思います。 肝心の研修内容ですけれども、その内容についても既に質問はあったようですけれども、研修の内容に精神科を入れることになっているか、あるいはまだ決まっていないのであれば、大臣あるいは政務次官のお考えとして精神科を入れる必要性を認めるかどうかをお答えください。 〔鴨下委員長代理退席、委員長着席〕
○福島政務次官 これまでの医療関係者審議会の議論、そしてまた大学病院、臨床研修病院関係者の意見でも、精神医療分野にかかわる研修の重要性につきましては指摘をされてきたところでございます。 研修内容につきましては、研修医が学ぶべき重要な事項について、研修施設の特色や多様性を尊重しつつ、研修医に応じた研修プログラムの作成を行える仕組みが適当と考えておりますけれども、今後、医療関係者審議会のもとに大学病院、臨床研修病院等の関係者から成る検討会を設置し、具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。
○水島委員 私が精神科を入れろと言っているのは、自分が精神科医だからというだけではなく、やはり質のよい治療、関係が持てる医師を育てていくためにも、身体疾患患者が精神症状を来したときのためにも、また、精神疾患の患者が身体合併症を来したときのためにも、あらゆる医師が精神科の研修を受けている必要があると私は確信しております。それが、ひいては精神障害者の差別の撤廃にもつながっていくわけであります。 改めてお伺いしますけれども、政務次官個人のお考えで結構ですけれども、精神科を研修内容に入れる必要性をお認めになりますでしょうか。
○福島政務次官 研修施設の特色や多様性があると思いますので、現時点で一概に入れるという御答弁は差し控えさせていただきたいと思います。 しかしながら、患者さんと医師の間の関係をどうつくっていくのかということが極めて大切だというふうにさまざまな方から指摘をされているわけでございます。そういう視点からいいましても、どのような臨床研修の形になるかはともかくとしまして、そうした要素が二年間の臨床研修の中に盛り込まれることは必要だというふうに思います。
○水島委員 ぜひ盛り込んでいただきたいと思います。それは、一般の医者と患者のコミュニケーションの持ち方という一般のことのほかに、精神科の患者さんというのは、ちょっとつき合ってみると普通の人間ですけれども、全くつき合ったことのない方から見ると、本当にどうやって口をきいたらいいかわからないというような一面もあるようでございますので。 精神科の患者さんが体の病気になって診てもらおうとして、先日政務次官は今も普通の病院で受け入れているというふうにお答えになっていましたけれども、実際私も随分断られた経験がございます。精神科の患者さんが体の病気になったとき、手術が必要なときに、自分の病院では責任を持って看護できない、安全を保証できないというような理由で断られるケースを非常に多く経験しております。もちろん東京都などではそのための合併症医療の基盤をつくっておりますけれども、その病院も非常に限られております。ちょっとおできができたというくらいだったら普通の病院に行けば済むはずの話でして、精神科の患者さんになれるためにも、臨床研修に入れることを極力前向きに御検討いただけますようにお願いいたします。 そして、その臨床研修は二年間の義務ということですけれども、その二年間は続けてとることが必要となるのでしょうか。今のようにだんだんといろいろな生命科学が進んでまいりますと、途中でちょっと基礎系の大学院に行って研究をしてまた戻るということもあるわけですけれども、二年間連続であることが必要かどうか、お答えを下さい。
○伊藤政府参考人 研修の効果という観点からは二年間連続して臨床研修を行うことが望ましいと考えておりますが、長期の病気等の事情などにより困難な場合も想定されるため、一律に二年間連続した研修を求めるものではないというふうに考えております。長期の病気以外に留学とか研究等が想定されるわけでございますが、これらにつきまして十分検討した上で、柔軟なものにしていきたいと考えているところでございます。
○水島委員 次に、いよいよ肝心の医療の抜本改革について質問をさせていただきます。 抜本改革はどこなんだとか、第一歩というようなこともいろいろございましたけれども、その第一歩が間違った方向を向いていては何歩進んでも変わらないと思いますので、それを取り巻く根本的な問題について幾つかお伺いしたいと思います。 まず、医療費が増加したからといって国民負担をふやすというような単純な図式では、いつまでたっても医療の抜本改革とは言えないわけでありまして、医療の内容にこそ踏み込むべきであると思います。今までそのような質問もありましたけれども、ここでもう一度まとめてお答えいただきたいんですが、医療費の増加に関しまして、医療の内容には問題がないと思われますか。そこをまとめてお答えいただけますようにお願いします、政務次官。
○福島政務次官 現在の医療のあり方につきまして、さまざまなことが指摘をされてきたことも事実であると思います。質の問題、効率の問題というような観点もございます。ただ一方では、人口の高齢化が著しく進んでいるという現象もございます。日本の医療費総体をGDPとの比較で見れば、必ずしも世界の中でも高い水準というわけではないということもございます。ですから、今先生おっしゃられましたように、いろいろな御指摘がございますけれども、直ちに何か問題があるんだという結論にはならないと私は思っております。
○水島委員 私は非常に問題はあると思いますけれども、続けさせていただきます。 その内容に踏み込んでいく場合、問題がないとはおっしゃっても、改善していくということに関しては賛同いただけると思います。その内容を改善していく場合には、やはり医療の標準化ということが一つの必要なプロセスになると思います。その医療を標準化していくということについてどうお考えになって、また実際にどのように取り組んでおられるか、政務次官のお答えをお願いいたします。
○福島政務次官 医療の質の向上を図る上で標準的な医療の普及を図ること、すなわち、さまざまな医学文献がございますけれども、それを幅広く収集して科学的に分析、評価を行って得られたものを活用して医療を行うエビデンス・ベースド・メディシン、EBMを推進していくことが必要であるというふうに考えております。EBMについては、経験の浅い医師や遠隔地に勤務する医師等を含めて、すべての診療の場で最適かつ最新の情報に基づく医療を容易に行えることになるために、医療の質の向上につながるというふうに考えております。 厚生省としては、具体的な推進策といたしまして、科学的根拠に基づくガイドラインの作成、これは学術団体が行うものでございますけれども、これを継続して支援をするとともに、こうした文献検索に当たる図書館司書の養成や、臨床研修において指導的な立場にある者に対してEBMを習得させる研修会の開催などを行っているところでございます。
○水島委員 その場合に、国際的ないろいろなデータを利用して国際的な標準医療を行っていくことが必要だと思いますけれども、今、日本では、国際的に標準的な論文またガイドラインを見てそのとおりの治療を行おうとすると、その薬が使えないというようなケースもございます。医療を国際的に標準化していく場合には、当然それは薬の許認可にも影響を与えてくると思いますけれども、それについてのお考えを伺いたいと思います。 もちろん、今既にICHで、外国で既にできているデータがあれば、それによって治験を簡略化していくというようなことがあるのは存じておりますけれども、それは、製薬会社がこの薬の認可をとろうと思って自分でやっていくものであって、厚生省側としてきちんとした標準化医療を行うためにはこの薬が必要だからぜひこの薬を日本に入れようというような動きを感ずることはできないわけですけれども、そのあたりはどういうふうにお考えでしょうか。
○福島政務次官 この点につきましては、かつてお父様の水島先生が、日本ではリューマチの治療にメソトレキセートが使えない、比較的安くて非常に効果があるのに保険適用になっておらない、それは見直さなきゃいかぬのではないかという御指摘を国会でなされました。私も、その御発言を聞いておりまして、そのとおりだなというふうに思いました。この点につきましては改善をされておりますし、アスピリンの脳血管性疾患等の予防に対しての使用ということにつきましても、現在見直しが進んでおるというふうに伺っております。 全体的な制度としましては、先生御指摘ありましたICHというものがございまして、インターナショナル・コンファレンス・オン・ハーモナイゼーションでございますけれども、医薬品審査に対して国際的な標準化というものを進めております。具体的には、新医薬品のデータの国際的な相互受け入れを実現するとともに、臨床試験や動物実験等を繰り返し実施することを避けるために、医薬品の品質、有効性及び安全性の評価に関する種々のガイドラインの作成を進めているところでございます。今後も、こうした国際的な標準化ということが必要であると思っておりますし、私どもも着実に進めてまいりたいと思います。
○水島委員 今の前半のお話は、主に既にある薬に対しての適用拡大という話であったと思いますけれども、日本に全くない薬も現実にございまして、精神科領域にも代表的な薬が使えないものがございます。必要なものに関してはきちんと使えるような対策をこれから厚生省の方でもぜひ講じていかれますようにお願いいたします。 そして、医療の内容に踏み込んでいく場合には、私は代替医療にも積極的に取り組むことが必要であると思います。今現在、複数の科を受診して多剤を併用しているような患者さんが、一つの、単剤の漢方薬やはり治療に切りかえることによって症状が改善したりQOLが向上したりというようなことが臨床現場では数多く経験されております。これをきちんとシステムの中で位置づけていければ、明らかにそれらの患者さんにとっては医療費は削減されると考えられますし、何といっても患者さん御自身の満足にもつながっていくわけです。このような知見をデータとして体系的に集めていくつもりがあるでしょうか。 これは、今までは自分で患者さんを集めてデータをとって公表していくというやり方しかとれなかったわけです。今現在も、あちこちに散り散りになっている人たちが自助努力でデータを集めるということは非常に困難なわけですし、また、日本はそのような研究の土壌というものがないところでありますので、特にこういった医療に関してのデータ収集というものは、民間だけの努力ではなかなか難しいと思います。 アメリカでもNIHで代替医療をきちんと研究するような取り組みを行っておりまして、日本の方がそういう意味ではおくれをとっていると思いますけれども、代替医療についてきちんと効果を検証して、医療システムの中できちんと位置づけていくということについてはどうお考えでいらっしゃるでしょうか。政務次官にお願いいたします。
○福島政務次官 はり、きゅうにつきましては、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律により資格制度が我が国においては設けられておりまして、国民保健の向上に役立っているものと認識をいたしております。そしてまた、はり、きゅうの治療につきまして有効性が認められる疾病等につきましては、医師が必要と認めた場合には公的医療保険制度の中で療養費の支給対象とされておりますし、漢方薬につきましても有用性が認められるものについては、これまでも薬事法上承認を行ってきており、保険給付の対象といたしております。 先生今御指摘がありましたように、NIHでも代替医療ということでさまざまな研究がなされているということでございます。我が国におきましても、教育機関、研究機関が存在するということも事実でございます。私どもは、こうしたさまざまな施設におきます有効性についての科学的な解明、調査の収集というものを見守ってまいりたいと思っております。
○水島委員 医療費を削減していくためには、それと同時に予防医学の充実も必要であると思いますけれども、予防医学に関して厚生省がどのように取り組まれているか、また、今後どういうふうに取り組んでいかれるおつもりかを教えてください。
○津島国務大臣 御指摘のとおり、予防医学は非常に大事でございまして、医療費の高騰を招くことなしに健康を守る、結果としてはよいものが期待できるということで、厚生省としてもその重要性はつとに認識しておるところでございまして、今我々が打ち出しております健康日本21の施策はそのような観点から行われているわけでございます。 具体的にどういうことをやるか。たくさんの課題がありますけれども、例えば喫煙の問題につきましても、WHOからも再々指摘を受けておりますように、日本でさらに喫煙防止のために施策を強化する必要があるのではないかという声が高まっていることを私どもは注目をしておるところであります。
○水島委員 喫煙のお話が出ましたので、もう一言言わせていただきますが、吸う側の問題もございますけれども、受動喫煙という問題についてもその中では研究されておられますでしょうか。
○篠崎政府参考人 ただいま大臣が申し上げました健康日本21の中での喫煙対策、四つ掲げてございますが、その中で三番目に公共の場所及び職場における分煙の徹底というのが入っておりまして、先生の御指摘の部分も含まれております。
○水島委員 そのためのどういうデータをとっているかというようなことをお伺いしたかったんですが、分煙の徹底という結果が出ているということは、恐らくそういうデータがあるんだと思いますので、また後ほど見せていただければと思います。 さて、医療を抜本的に改革していくためには、今のように過剰な検査や処方をすることによって、あるいは三分間診療で多くの患者さんをこなすことによってしか採算がとれないような仕組みを改めまして、医師の技術というものが正当に評価されるような仕組みが必要だということが指摘されてきております。この点についてどう考えられるか。 それから、例えば精神科領域におきましては、認知療法ですとか対人関係療法といった精神療法については、うつ病や摂食障害といった病気を薬物と同等あるいはそれ以上に改善するというようなデータがアメリカで行われました大規模な臨床試験からも得られているわけですけれども、今日本では、三分間診療をしてもあるいはきちんと体系的な認知療法や対人関係療法を行っても診療報酬が同じであるというのが実態でございます。特定の疾患に対して特定の効果が科学的に証明されているこれら二つの精神療法にきちんとした診療報酬を与えていくということについてどう考えられるか。 こういうことを厚生省に御質問しますと、そのためにはまず普及していることが大切だという必要条件を挙げられますが、お金が入らなかったら、三分で患者さんを診ていくような医師を病院側は好みますから、きちんとした報酬が得られなければ普及していかないというのが現場の実情です。そのあたりをどういうふうに改善していかれるか、教えていただければと思います。
○近藤政府参考人 診療報酬は物と技術について評価をいたしているわけでございますけれども、薬とか検査の合理化を図る、これは当然のことだと思って現にやっているわけでございます。 それで、技術料の評価でございますけれども、先生御指摘ありましたけれども、今、有効性とか安全性が確立したもので、さらにある程度普及する、こういう医療技術について評価をいたしているわけでございます。このある程度普及ということも、学会の関係で安全性とか有効性が認められるということで、全国満遍に認められなきゃだめだということにはならないわけでございますけれども、精神科の領域につきましては、いろいろな説があってなかなか一つにまとまらないというふうにお聞きしているわけでございます。 認知療法みたいなものについては既に精神療法として算定できるということでございますけれども、人間関係療法というふうなものはまだ確立された療法ではないというふうに私どもお聞きしているわけでございます。 いずれにいたしましても、私どもそういう面での専門家ではございませんので、学会の御意見を十分にお聞きして、診療科の特性に応じました技術の評価をやっていかなきゃいかぬ、こういうふうに考えております。
○水島委員 人間関係療法ではなくて対人関係療法ですが、それがまだ確立されていないなどということを日本の国外に一歩でも出ておっしゃられますと、非常にばかにされると思います。学会といっても国内学会だけではなく国際学会にもきちんとアンテナを張って、正しい医療が日本で行われるように御研究いただければと思います。 この対人関係療法に関しましては、既にアメリカではうつ病に対して推奨される治療法として一般プライマリーケア医師向けのガイドラインにも載っている治療法でございますし、また消費者ガイドで一九九五年に支持されている治療法でもございます。ぜひこれから厚生省でも積極的に御検討いただきますようにお願いいたします。 さて、時間がなくなってまいりましたが、ほかに抜本改革に関しまして不可欠なこととしましては、医療機関の機能分担という問題があると思います。風邪でも何でも大病院に患者さんが殺到するために、三時間待って三分間診療というような現状があるわけですけれども、医療機関の機能分担をしていくためには、やはりホームドクターがまず患者さんを診て、病院に紹介する必要があるかきちんと判断して紹介をしていく、そのようなシステムを確立する必要があると思います。ホームドクターにそれだけのきちんとしたトレーニングをしていただいて、そしてホームドクターとしての社会的なステータスを手にしていただくことも非常に重要なことであると思います。この点についての政務次官のお考えをお願いいたします。
○福島政務次官 医療機関の機能分担というものは非常に大切なことだと思います。日本の医療全体を効率化するためにも、大病院に外来の患者さんが集中をするというような、聞くところによりますと、慶応大学の附属病院は四時まで外来をずっとやらなければならないというふうに私はお聞きをしたことがございますけれども、そういう状況というのは改められる必要がある。そのためには、ホームドクターが身近で一番最初に受診をするところになるべきであるという先生の御指摘は、まことにそのとおりだというふうに私も思います。 二十一世紀は高齢化がさらに進むわけでございますけれども、すべてのドクターが将来の専門性を問わずに患者さんを全人的に診る基本的な臨床能力を身につけることが必要であるというふうに思っております。そして、臨床研修の義務化の中で、こうした要素というものが十分に反映をされる必要があるのではないかというふうに思っております。 そしてまた、実際に臨床研修を行いました後、生涯教育の中でみずからの医師としての能力というものを維持していく必要がございますけれども、これは、さまざまな関係団体の中で現在も多くの制度が用意されておりまして、こうした形でのホームドクター的な役割というのは、こうした制度の中で適切に運営をされていく必要があるというふうに考えております。
○水島委員 ぜひそのような機能分担を進めていただけますようにお願いいたします。 そしてまた、日本の医療をこれから抜本的に改革していくのであれば——今日本は非常に医療密度が低い国であるということでありますけれども、日本は、国際的な平均に比べますと、病床数は二、三倍あって、職員数は二分の一から三分の一、そして平均在院日数は三から五倍というようなかなり特異な状況にございます。その結果として、医療密度、職員数を病床数掛ける平均在院日数で割ったものですけれども、それがOECDの平均の二十分の一という非常に密度の薄い医療を患者さんが受けているという状況にございます。 これは事前通告していなくて申しわけございませんが、大臣はこの事実を御存じでいらっしゃいましたでしょうか。
○津島国務大臣 御存じどころではなくて、それこそ日本の医療の最大の問題だと。今言われた要素は全部同感でございます。
○水島委員 非常に心を強く持ちましたけれども、その異常な状況を改善していくためには、ただ待っていても改善しないものでございまして、諸外国はそれなりに政策の中で病床を減らすことをやってきております。たしかスウェーデンも七年間か何かで病床を半分以下に減らしているわけですし、行政がやる気になれば病床を減らすことができます。 それも、病床を減らす場合、ただ減らすと病院がつぶれてしまいますし、病床を減らす分職員数も減るということだといつまでたっても密度は変わりませんので、診療単価の引き上げということでバランスをとりながらきちんとやっていかなければいけないと思いますけれども、こういった考え方について、また諸外国できちんと政治が主導で病床を減らして密度の濃い医療を実現したということについて、大臣はどうお考えでしょうか。
○津島国務大臣 そこが医療改革の基本のところでございます。 委員はやる気があればとおっしゃった。しかし、これは医療の側だけではそうはいかない。そこに介護保険の問題が出てきたし、それと関係をして病床区分の話が出てきた。それはすべて、今委員が御指摘の問題をめぐって我々がどういう努力をしていくかということにかかわるわけであります。私は、今可能な我々の努力としてこれが最善であると思って皆様方の御理解をお願いしておるところであります。
○水島委員 病床区分の問題なんかがあるわけですけれども、今回の改正では、結局、急性期病床と慢性期病床というふうには分けられずに、一般病床と療養病床という区分になっているわけです。この点についてどういう議論があったかということを伺いますと、何か急性期病床に入った人がちょっと状態がよくなったからといって慢性期病床に移して、またぐあいが悪くなったから急性期病床に移してとやって、行ったり来たりさせるのは悪いではないかというような議論があったというふうに昨晩厚生省の方から伺いましたけれども、そもそもそういう発想が医療の抜本改革を妨げているのではないかと思います。 急性期の治療をするために入った方は急性期の治療を終えたら退院されるのが筋ですし、慢性期の治療をするために入った方は慢性期の治療をするものであって、例えばさっきおっしゃっていたEBMできちんとやっていくというのであれば、既に入院の時点で、このような医療を行って、大体これくらいで退院できるという計画をきちんと立てる、そのようなクリティカルパスの考え方が普及してきているわけです。それを、急性期に行ったり慢性期に行ったりというのが失礼ではないかなんというふうに考えているというのは、最初に入院ありきで、どんな状態になってもだらだらと病院の中にいるというような発想にどうしても聞こえてしまうわけです。 やはり急性期病床と慢性期病床というものを分けて、人員をどれだけ厚く配置するかということもきちんと分けて、適切な医療を提供すべきだと私は思いますけれども、その点について大臣あるいは政務次官のお考えをお聞かせください。これは、もう時間がないので、あと一問で終わりになりますから、大臣か政務次官にお答えをお願いします。
○福島政務次官 繰り返しになりまして大変恐縮でございますけれども、療養病床、一般病床という区分は、患者の病態は変化し得るものであることから、提供されるサービスの形態に着目して区分を行おうとしたものでございまして、仮に急性期、慢性期という厳格な形で区分を行い、患者を峻別すべきものとした場合には、患者の病態の変化に対応できないおそれがあるという考えからこのような形になったものでございまして、昨晩厚生省が説明をしたお答えと余り違いがないお答えでございます。 将来的にはまたこうした病床の新たな区分がありまして、その区分の中で治療が行われていくわけでございますけれども、現在も先生おっしゃられるような意見もございますし、さまざまな意見があるということも承知をいたしておりますし、そうした意見というものは受けとめつつ、この改革を進めてまいりたいと思っております。
○水島委員 では、ぜひその改革を正しい方向に進めていただく、その第一歩が今回の区分であったというふうに理解をさせていただきたいと思います。 これは今回の健保法の改正と直接関係あることではありませんが、もしかしたら将来的に関係してくるかもしれない問題でございますが、難病についてお伺いしたいと思います。 難病の中の特定疾患については、健康保険の自己負担分を国と県で折半負担して、患者さんは自己負担なしという状況でずっとやってまいりましたが、一九九八年の見直しのときから一部自己負担となりました。また、そのときに難病の概念規定に希少性という言葉が加えられております。その希少性というのは、その解釈はおおむね五万人以下とされております。そして、現在、全身性エリテマトーデスやパーキンソン病、潰瘍性大腸炎の患者数はまさに五万人を超えようとしている状況にございまして、患者さんたちは、難病の希少性は五万人以下という規定があるために、自分たちが特定疾患から外されるのではないかというような不安を抱えて暮らしていらっしゃるわけです。 ここに全国膠原病友の会による膠原病患者家族生活実態調査報告書というものがございます。これは、一部負担の話が出たときに、自分たちの生活実態を知ってもらって、身を守るためにということで、私が住んでおります栃木県支部が中心となって行った全国調査です。難病を抱えての生活というのは、これをお読みいただくとわかりますけれども、物理的、経済的、精神的に非常な困難を伴うものでございます。 特定疾患から外されるということは、医療費の負担がふえるということだけではなく、自治体から支給される難病手当などの打ち切りも意味することでありまして、患者さんにとっては死活問題でございます。完治できる治療法ができたから外されるというのなら患者さん側から見て理屈が通りますけれども、完治の見込みもないままに、単に患者数がふえたからといって特定疾患から外されるようなことがあってはならないと思います。 一九九八年に希少性という言葉が加えられ、その希少性の概念規定まで書かれたということでかなりの患者さんが不安を抱えていらっしゃるようでございますが、患者数によって特定疾患から外すようなことがあり得るのであるかどうか、そのあたりの方向性を教えていただければと思います。
○篠崎政府参考人 御指摘の件でございますけれども、九八年に、希少性の概念につきましておおむね五万人未満ということにしたわけでございます。その決めた時点は、一番多い患者さんが四万人ちょっとという時点で決めたものでございますので、今五万人を超えているものもございますけれども、現時点におきましては今までの取り扱いを変更することは考えておりません。
○水島委員 ぜひそのような方向でお願いをしたいと思います。 そして、そのときに一部自己負担ということになったわけですけれども、この自己負担に関しまして、長い先のことはわからないでしょうけれども、今後この自己負担がふやされていく可能性が当面あるかどうか。また、この難病は今研究という位置づけで治療費が負担されているわけですけれども、このあたりの考え方が今後も同じような位置づけで続いていくのかどうか。また、今のその財政状況などについて簡単に御説明いただければと思います。
○福島政務次官 平成十年度の難病対策の見直しにおきまして、重症患者以外の難病患者の方々に対しまして、他の難治性疾患との均衡にも考慮して無理のない範囲で費用負担をお願いしたところでございます。今回の医療保険制度の改正に当たりましては、難病患者さんの一部負担は現行どおりの水準を維持することといたしておりまして、見直す考えはございません。
○水島委員 どうもありがとうございました。 やはりこれから医療の抜本改革を行っていかないと、健保法改正というときに自己負担ということが必ず問題になって、いつまでたっても議論の枠組みが変わってこないと思いますので、本当にその内容に切り込んでいく抜本改革を、ぜひきょう質問させていただいた項目をしっかりと考慮しながら行っていただけますようにお願いいたします。 その際には、先日、本会議で代表質問させていただきましたけれども、子供の医療というものが今危機的な状況にございます。先日伺ったところによりますと、今まで厚生省では子供の医療というものを扱う部署がなかったということでございます。また、子供病院というのが欧米にはかなり数が多くございまして、日本でも自治体の努力でぽつぽつと出てきている今となっても、厚生省では子供病院の定義を考えたことも子供病院の現状を調査したこともなかったというふうに伺っております。これからはぜひ小児医療をしっかりと位置づけていただきまして、抜本改革を語る際にも、普通の医療、高齢者の医療だけではなく、子供の医療というものもきちんとした柱として位置づけていただけますように最後に要望を申し上げまして、私の質問を終わりにさせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○遠藤委員長 次に、樋高剛君。
○樋高委員 自由党の樋高剛でございます。 本日も発言の機会を賜りまして、本当にありがとうございました。委員皆様方の厚生行政に対します御尽力に対しまして、若輩者の私から申し上げるのもなんではございますけれども、心から敬意を表する次第でございます。また、大臣、政務次官におかれましては、大変な御苦労だと思います。本当にありがとうございます。 前回、私ども自由党の主張であります財源につきまして大臣に若干興味を持っていただきまして、ありがとうございました。その点につきましては、また二年後の抜本改革に向けまして——もちろん消費税方式のいいところと悪いところもございます、また一方で現行の保険方式もいいところと悪いところもございます。そんな中で、国民全体の皆様方の判断によりまして、時の経済情勢によりまして、また、どうするかというのは政治の判断だと思いますので、私なりにもそれに向けてしっかりとまとめて試算をしてまいりたいと思いますので、どうかそのときは、もしお時間をちょうだいできますれば、しっかりと議論をさせていただきたいと思っております。 それでは、今回の改正案につきまして、まず介護保険の別建て徴収につきまして質問をさせていただきます。 今回の見直しにおきまして、医療保険と介護保険料を切り離しまして、別建てにいたしました。そして、介護保険料については法定上限を設けないということに相なったわけであります。 今までの経過も勉強させていただきましたところ、そもそも、医療保険料と介護保険料を合わせて一つの枠組みとして徴収する仕組みを法律でつくった経過があるということがわかった次第であります。また一方で、介護保険制度の導入に伴いまして社会的入院というものは解消され、医療保険に対する負担も介護保険にシフトする分減少すると伺っていた次第であります。 素朴な疑問なんでありますけれども、なぜ、介護保険制度が始まるこのときになりまして突如としてこのような措置を提案なさったのか、お聞かせを願えますれば幸いです。
○福島政務次官 この点につきましては、この委員会でも重ねて御質疑があったところでございますけれども、介護保険法案を当初御審議いただきましたときには、介護保険制度がスタートいたしますと老人医療の一定の部分が介護保険の給付の中に移される、そのことによって医療の保険料というものが低下をする、したがって、介護保険の保険料を合わせて考えた場合でも医療保険の保険料の上限にとどまる見込みであるということを申し上げたわけでございます。 しかしながら、その後の経済状況の大変大きな変化のもとで、医療保険の財政そのものが大変影響を受けたわけでございます。被保険者数の減少、平均標準報酬月額の低下、これは今までにない事態でございますけれども、そういう中で保険財政というものが大きく影響を受けて、この上限と現行の医療保険の保険料との差の部分というのが十分な幅がなくなってしまったということが一つあります。そしてまた、その間の高齢者の医療費の増加により、医療保険の保険料というものが介護保険がスタートしても十分なまでには下がらないということが明らかになったわけでございます。 こうした状況の変化というものを踏まえると、当初の法案に盛り込んだ仕組みでは、医療保険にしましても介護保険にしましても、十分な保険料が徴収できないということから財政の運営に支障を来すということで、今回の法改正を提案させていただいたわけでございます。
○樋高委員 つまり、私が懸念いたしておりますのは、介護保険料と医療保険料が切り離された、そうしますと介護保険料につきましては青天井になってしまうわけであります。二号被保険者に対する介護保険料の負担は、今後、歯どめなくふえていくのではないかと私は心配をしているわけであります。その点についていかがお考えでしょうか。
○福島政務次官 この点につきましては、介護保険の仕組みというものが医療保険とは異なっております。一つは、介護の必要度というものを客観的に判定する要介護認定の仕組みが導入されている。二つ目は、在宅サービスについては要介護度に応じた支給限度額というものが設けられている。そして三つ目は、施設サービスについては、市町村の事業計画をもとに都道府県が策定する介護保険事業支援計画において施設の整備枠というものが定められる、また、介護報酬も包括的な評価によることを原則としている。こういう仕組みがございますので、介護費用というものが青天井に拡大をしていく事態はなかなか想像しがたい。そしてまた、それに対応して介護保険の保険料というものが青天井に上がっていくことも想定しにくいと私は考えております。
○樋高委員 ここにペーパーがございます。「介護制度に関する与党三党申し入れ」、これは昨年の十月二十九日に政府に対してなされたものであります。それにつきまして、政府の考え方として、一年前の話ですけれども、昨年の十一月五日に書面が出ております。 その中で、高齢者の保険料対策ということで国が臨時特例交付金を出された。これは一号被保険者に対してでありまして、七千八百五十億円であります。一方で、医療保険者対策といたしまして、二号被保険者向けについてであります、ここに書いてありますけれども、「四十歳から六十四歳までの方々(第二号被保険者)の負担については、介護保険法の施行に伴う医療保険者の負担のうち、すでに老人医療で負担している分を除いた負担増の一年分について、個々の保険者の財政状況等をくみとりつつ、国が医療保険者に財政支援を行い、全体として、新たな負担増をおさえることとしました。」ということで、赤字国債を含んでの話でしょうけれども、全額国費で一千二百六十億円を交付なさっているわけでありますけれども、それらの経過、そして、その後効果がどのようにあらわれたのか、具体的にお聞かせ願えれば幸いです。
○福島政務次官 昨年の介護保険制度の特別対策の中で、一号被保険者、二号被保険者それぞれに対しての対応が盛り込まれたわけでございます。具体的なその後の経過というものを御説明させていただきたいと思います。 医療保険者対策につきましては、医療保険者全体としての負担増の一年分について、個々の医療保険者の財政状況等を酌み取りつつ財政支援を行うことといたしました。昨年度の第二次補正予算におきまして、総額千二百六十億円、うち、健康保険組合分としましては六百億円、国民健康保険分としては六百六十億円を措置いたしました。 健康保険組合分につきましては、健康保険組合連合会に基金を設けまして、健保連から、政管健保に比して財政状況が悪い組合に対して介護円滑導入給付金を交付いたしておるところでございます。本年五月に、申請のありました二百五十五組合に対してひとまず二百三億円を交付したところでございますけれども、今後とも、未申請の財政窮迫組合も含め、申請を取りまとめ、交付することといたしております。 国民健康保険分につきましては、国民健康保険中央会に基金を同じく設けまして、中央会から、介護保険料の上乗せ賦課による収納率の低下を懸念する国民健康保険の保険者に給付金等を交付しているところでございます。本年五月に、市町村国保及び国保組合に対してひとまず二百三十四億円を交付したところでございますけれども、今後とも、必要な保険者に対して給付金を適宜交付することといたしております。 効果はどうだったのかということでございますけれども、財政の窮迫している組合に対して直接に財政支援をする、また、国保に対して支援をするということでございますから、介護保険の円滑導入に資しているものと考えることができるというふうに私は思っております。 そしてまた、若干追加して御説明いたしますと、国保では、こうした給付金によりまして、徴収員の増員等によりまして収納強化というものが図られているところでもございます。 以上、御説明をさせていただきました。
○樋高委員 次に、大臣にお尋ねをいたします。 介護保険料の徴収がいよいよ今月、十月から始まりました。自治体によっては一部免除するという動きもあるやに伺っております。お年寄り同士の近隣のつながりの中で、道を挟んで自治体の境界線があったそうでありまして、一方で徴収をされ一方では徴収をされないということで、混乱、苦情が殺到いたしているというふうに伺っておりますけれども、このことにつきましていかがお考えか、そして、大臣として今後どのような対策をとっていかれるおつもりなのか、お聞かせ願えますか。
○津島国務大臣 申すまでもなく、介護保険は、介護を国民みんなで支え合う制度でございますから、被保険者の保険料負担、つまり、被保険者みんなに保険料を払っていただくことを前提として給付が行われているわけであります。 そういう中で、発足をいたしました介護保険の保険料の減免を独自に行っている自治体の数は、私どもの調べでは、三千余の市町村のうちの七十四市町村、二・三%であるというふうに把握しております。したがいまして、厚生省としては、自治体はごく少数であると認識しておりますが、こうした保険料負担の意義や必要性について自治体におかれてもよく御理解の上対応していただくようにお願いをしているわけであります。 軽減をしている自治体がふえているよ、騒ぎになっているよとおっしゃる方が非常に多い。マスコミでもおっしゃっている。その一方で、先般地震のありました日に、米子で介護保険等に大変熱心な全国の市町村が多数お集まりになりまして御決議をいただきました。その決議を先般私に持っておいでになりました。七十四市町村よりもはるかに多くの市町村の首長の方々は、介護保険の基本はお互いに助け合いであるから、全国の市町村もその趣旨に即して対応してもらいたいと。それこそ引き下げ競争のようなことはお互いに慎もうではないかという御趣旨と私は承っております。 今月からの保険料徴収の開始に備えて、市町村の現場においても職員による住民説明会を頻繁に開催し、市町村独自のパンフレットを作成するなど、それぞれの自治体において独自の工夫を凝らしながら御尽力をいただいておりまして、今月十三日には大きな混乱もなく、最初の年金からの徴収が行われたと承っております。
○樋高委員 一部免除された自治体が少数だとおっしゃいます。数の上では確かに一けたのパーセンテージではありますけれども、現に一部免除なさっている自治体がおありになられるわけでありまして、そちらにつきまして、厚生行政の最高執行責任者であります厚生大臣としていかに指導なさっていかれるおつもりなのか、もう一度具体的にお聞かせ願えますれば幸いです。
○津島国務大臣 今、私としては、制度の趣旨をよく徹底して御理解をいただくということに徹しておるわけであります。
○樋高委員 ならば、納付猶予の繰り延べ徴収につきまして踏み込んでお話をさせていただきますけれども、保険料徴収の制度上の欠陥だと私は考えております。この欠陥が原因となって徴収できなかった、その分の保険料を後で取り返すという手法には私は甚だ疑問を感じるわけであります。また、国民は納付猶予された保険料をこれから追加徴収されるということを全くと言っていいほど知らないのではないかと私は感じるのでありますけれども、これは大きな問題ではないかと思うのですが、いかがお考えでしょうか。
○福島政務次官 納付猶予に対する繰り延べということも経緯があるわけでございまして、さきの通常国会に提出をいたしました法案では、平成十二年度の介護保険料率について、四月から六月まではその上限から医療の保険料率を控除した率に設定し、七月以降に介護保険料率を引き上げることにより年度を通して十二年度の介護納付金に見合う額を徴収することといたしておりました。 しかしながら、法案の廃案によりまして、七百を超える保険者におきまして、介護の保険料と医療の保険料を合わせた保険料が上限を超え、必要な介護保険料を徴収できない状況に至ったため、介護納付金のうち、介護保険料として徴収できない額については一年間の納付猶予を実施したところでございます。 この納付猶予分を十三年度に徴収いたしますと、十三年度の介護保険料率が高率になる保険者も存在することから、今回の法案では、保険者側の要請もありまして、保険者の判断で十四年度までかけてなだらかに徴収することができることとしたものでございます。 これは、決して負担を先送りしたものではございません。本来であれば十二年度に徴収すべき介護保険料をできるだけ円滑に徴収できるようにするための措置であるので、御理解を願いたいと思います。これは、なだらかに負担が変わるという形でなく、一気に高い保険料を徴収するという考え方もあろうかと思いますけれども、そうした保険料の激変の方がはるかに被保険者の方にとっては理解をされにくいのではないかと私は考えております。
○樋高委員 では、保険者全体で納付猶予額は一体幾らになったのでしょうか。
○福島政務次官 介護納付金の納付猶予額は、本年七月から十二月までの六カ月間で、政管健保で九百億円、健康保険組合全体で三百六十億円となります。
○樋高委員 では、今おっしゃいましたけれども、これを上乗せした場合、どの程度の負担増が発生するのか。例えば政管健保の場合、介護保険料徴収にかかわる保険料率の推移は今後どうなっていくのか、お聞かせ願いたいと思います。
○福島政務次官 納付猶予額を上乗せした場合の保険料率ですが、健保組合の場合どうかということをまず御説明させていただきたいと思います。 千八百の組合の医療の保険料率は、経済状況や医療費の動向等によって変動いたしますので、これと介護保険料率を合わせた全体の保険料率について現段階では把握はできませんけれども、介護の保険料率につきましては、納付猶予額を十三年度及び十四年度に分けて徴収する場合、納付猶予の対象となる健保組合は、これは七百三十七組合でございますけれども、平均で、十三年度は本来一一・四パーミルの介護保険料率が一三・四パーミル、十四年度は本来一二・四パーミルの介護保険料率が一四・四パーミル程度になるものと見込まれております。
○樋高委員 政管健保につきましては、老人医療費の増加が見込まれているわけでありまして、財政的には危機的状況にあると思うのであります。 厚生省が先般示しました平成十五年までの試算がございます。それによりますと、現在のままの保険料率でいきますと、平成十四年度には、二年後でありますけれども、五千八百億円、また、十五年度には七千六百億円の赤字となると試算されております。これを避けるためには、保険料率を八・五%から九・六%に引き上げる必要があるというふうに試算が現になされているわけであります。 早急な抜本改革の必要性があるのでありますけれども、単純な保険料の引き上げではなくて、老人の患者負担のあり方とか医療提供体制のあり方、診療報酬なども含めた総合的な取り組み方が必要なのではないかと思うのでありますが、いかがお考えでしょうか。
○福島政務次官 確かに、先生おっしゃられますように、政管健保の財政は老人保健拠出金の増大などにより大変厳しい状況にありまして、今後の高齢化の進展による医療費の増嵩などを考えますと、保険料率の大幅な上昇を回避するためには医療制度の改革が不可欠である、そのように考えております。 これまで薬価や診療報酬の改革を行うとともに、今回の改正におきましては、医療費に対するコスト意識を喚起するなどの観点から、老人の一部負担について定率一割負担制を導入したところでございますけれども、今後、残された重要な課題である高齢者医療制度の抜本的な見直しなどの制度改革を引き続き精力的に進めていくことが必要である、そのように考えております。
○樋高委員 続きまして、大臣に伺います。医療の効率化また医療の規制緩和についてであります。 総論的なお話なのでありますけれども、医療改革で大切なことは、質の高い医療を維持しながら患者本位で選べるという視点に立つことではないかと思うわけであります。時代に即した規制緩和が必要であるというのが私の考え方であります。 医療情報の公開、また通信を活用した医療の推進、保険者機能をより強化することなどを通じて必要な医療を適切に正確に受けることができて、ひいては医療費の効率化につながるのではないかと思うわけでありますけれども、医療の規制緩和につきましてどのような視点で行うべきとお考えか、御所見をお願いいたします。
○津島国務大臣 すべての国民に適正公平な医療を提供していくためには、すべての医療機関が一定以上の水準を確保するとともに、限られた医療資源の適正配分と効率的な活用を図っていくことが重要でございます。そのために、医療法等により一定の規制を行うことは不可欠なものでございます。 一方、医療をめぐる環境変化に応じて規制も見直していかなければならないことは当然のことでございまして、今回の医療法改正案におきましても、医療の効率化を図るとともに、医療に関する情報を広く国民に対し提供するという観点から、必置施設や広告規制の見直しといった規制緩和を進めることとしておるものでございます。 今後とも、良質な医療を効率的に提供するため必要な規制緩和を進めてまいりたいと思いますし、本日、総理に報告書を提出いたしました有識者会議からも、医療にむだ、非効率のないように改めて点検、見直しをする、そのために、医療情報の開示、第三者評価の推進、科学的根拠に基づいた医療の確立などをやってほしいとうたわれているところでございます。
○樋高委員 続きまして、医師、歯科医師の臨床研修の必修化につきましてお尋ねをいたします。 臨床研修医の報酬は個々の病院の判断に任されているのが現状であります。その中で、病院によって本当にまちまちだと思いますけれども、関東近辺の病院では月収五万円前後が通常なのだそうであります。また、関西近辺では十万円を超えるところが多い。ほんの一部聞いただけですので全部が全部というわけではありませんけれども、こういう例を伺いました。研修医によっては、先ほどもお話ありましたけれども、生計を立てるためにアルバイトをする。例えば、そのアルバイトの中身なのですけれども、当直をこなす、一泊すると一万円なのだそうであります、そういう方に精力を注がれているやにも、もちろん全部ではありませんけれども、伺っているわけであります。 こういう現状を考えますと、本当に優秀な方が率先して研修をしようという形にはならないわけでありまして、今回研修制度で必修化を行った前提の趣旨にかんがみますれば、身分保障もやはり考えるべきではないかと思うのでありますが、大臣、いかがお考えでございますでしょうか。
○津島国務大臣 先ほどもその議論がございましたけれども、医師の臨床研修が非常に大事であるということで、これを必修化することになっておるわけでございますから、その場合には、研修医の受け入れ体制を整備する必要は今まで以上に高まるわけであります。 必修化する場合に、複数の診療科で研修を行うことや研修の場を多様なものとするように研修内容の充実を行う一方、研修医が研修に専念できるための環境整備を進めるという意味で、今の給与等についてもしっかりとした対応をしなければならないと考えております。 今回の改正案の成立後、大学病院、臨床研修病院等の関係者から成る検討会を設置し、施行までの間に、研修医が研修すべき事項、そのための研修プログラム、臨床研修病院の指定基準など、具体的な検討を進めます。 研修のための環境整備につきましては、研修への専念義務を設けたということを頭に置きまして、従来より国の補助を強化する必要があるのではないかというふうに考えております。まず実態を調べてみることが大事だろうと思っております。
○樋高委員 時間もなくなってまいりましたので、最後、私から総論の考え方をちょっとお話し申し上げまして、その点につきまして大臣のお考えをお聞かせいただけますれば幸いでございます。 社会保障制度改革全体を考えまするときに、前々回の質問のときもお話をさせていただき、大臣からも一部御共鳴をいただきましたけれども、社会保障制度改革というのは、やはり社会システム全体、経済構造改革とか行政改革とか、すべてとリンクをさせた中で行っていくべきものであるというふうに私は考えるわけであります。 行政改革も行って例えば地方自治体を三百にする、そういう再編によりまして効率化も図れるんじゃないかと本当に思うわけであります。保険事務の効率化も行われますし、国民健康保険の保険者も広域化されるというメリットもあるわけであります。また、徹底した医療規制緩和をいたしまして、医療システム全体の効率化を図ることができるのではないかと思うわけであります。 社会保障制度改革を考えまするときに、経済構造を初めほかの社会システム全体とリンクさせて総合的に考えていくべきではないかというふうに考えるのでありますが、最後に、大臣の御所見をお伺いいたしまして、質問を終わりたいと思います。
○津島国務大臣 委員の御意見、全く同感でございます。 本日、総理に提出されました有識者会議の報告書におきましても、社会保障制度全体として、持続可能な社会保障としていくために給付と負担のバランスをどうするかを考えるべきである、かように指摘をされており、また、その場合に、高齢化が急速に進む中で増加する負担を保険料だけで賄うには限度があるかもしれない、したがって、公費負担で賄う必要性についても真剣に検討してほしい、こういう御指摘があると承知をしております。
○樋高委員 どうもありがとうございました。
○遠藤委員長 次に、佐藤公治君。
○佐藤(公)委員 自由党の佐藤公治でございます。 本日は、大切なお時間をいただきましてありがとうございます。また、私からの質問に関しましては多々失礼なこともあるかもしれませんが、お許し願えればありがたいと思います。 私、質問に先立ちまして、大臣にお伺いしたいことがございます。まず、意思統一というか価値観の統一とでもいうか、大臣の社会保険に対する基本理念というものを、大臣の思いで結構でございますので、お答え願えればありがたいと思います。
○津島国務大臣 社会保険についての御質問でございましたが、まず、社会保障制度全体として申し上げますと、これは、個人の自立を基礎としながら、人々が生活のさまざまなリスクに直面したときに社会全体で支え合う仕組みでございます。そういう意味では、国民生活のセーフティーネットとして非常に重要な機能を有していると考えております。 問題は、お互いに支え合うという趣旨からいって、そのコストをどのように負担したらいいかということでございますけれども、今は、御承知のとおり、社会保険制度を柱として、これに公費と一定の限度までの自己負担というものを組み合わせてお願いをしておるわけであります。 問題は、高齢化が急速に進むこれからの二十年、三十年の間、この社会保障制度全体が揺るぎないものとして持続可能な制度として機能し続けるためにはどうしたらいいかということが今問われているわけでございまして、本日総理に提出をされました有識者会議の報告書においては、引き続き社会保険を柱とするけれども、高齢化が進む間においてはなお一層の公的な負担というものも考えなければならないという御指摘をいただいているところであります。
○佐藤(公)委員 ありがとうございます。 政務次官、今の基本的理念をお聞きになりまして、何か追加事項とかございましたならばお答え願えればありがたいと思います。
○福島政務次官 大臣と同感でございます。
○佐藤(公)委員 全く有識者会議に書いてあるそのままの御答弁でいらっしゃるので、そのまま読んでいればわかるのかなという気がいたしますが、基本理念の中に、大臣の方のお考えとしては、負担は所得に応じて、給付は公平にという考え方があり得るのかどうか、お答え願いたいと思います。
○津島国務大臣 先ほど、高齢化が進むにつれて一層の公的負担と申しましたが、公費負担と言いかえさせていただきます。 そこで問題は、こういう非常に大きな金額、本年度でも七十兆に及ぶ社会保障給付を支えるコストを何で賄うかというのは、これは負担論としては非常に幅の広い議論を要求する課題でございます。社会保険のあり方ばかりでなくて、公費負担の分野に入ってまいりますと、租税負担のあり方ということにもかかわってくるわけであります。 保険制度について申しますと、基本的には、被保険者が適正な保険料を払うことによって、リスクが生じた場合にそのリスクをひとしくカバーしてもらうということでありますが、一方、社会保障制度全体を支えるための公費負担をどうするかということは、これは財政のあり方にかかわってくるわけであります。そして、財政を賄うための租税論の分野になってまいりますと、御承知のとおり、所得と消費と資産の間にどのようなバランスをとって負担を求めるかという世界に入ってくるわけであります。 私は、社会保障にかかわる公費負担のあり方については、やはり収入の安定性というものが一番大事である。ほかの事業費のように景気によって左右されるものではなくて、社会保障の財源というものは安定していなければならないということを加味して公費負担の財源を考えるべきである。もしそういうものがあれば、それを福祉税というふうに受けとめて、社会保障を支える一つの財源にしていただいてもいいのではないかという考え方は持っております。 今回の有識者会議の報告書は、社会保障のコストをどうするかという保険料の問題とあわせて税制にも踏み込んだ議論をやって結論を出してもらいたい、こういうふうに指摘をしておるわけでありまして、私は、高く評価していただいてもいいのじゃないかと思っております。
○佐藤(公)委員 今の御答弁を聞いていますと、やはり給付は公平にという考え方が基本的にある。ただし、現実論、財源の問題、いろいろな制度的な問題でそれはなかなか難しいものがあるが、基本的には給付は公平にという考え方があると理解してよろしいのでしょうか。
○津島国務大臣 保険である限り、保険給付というのは公平であるのが自然だと思います。ただ、社会保障政策の見地からいろいろな配慮をすることは、これはあってもいいとは思います。
○佐藤(公)委員 このたびの健康保険法等の一部改正案の中で高額療養費に係る自己負担の内容がございますけれども、これに関しては、今の考え方、これとあれとはちょっと別みたいなことをおっしゃられましたけれども、考え方の根底にあるものからすれば相矛盾する部分があるように思いますが、いかがでしょうか。
○津島国務大臣 私は、相矛盾してはいないと思っております。
○佐藤(公)委員 そういう御回答ならば、何かもう一回もとの位置から出直して、そこから歯車をかみ合わせなければいけないのかなと思いますが、それは余りにも時間のむだなので、前向きな、建設的な話をさせていただければと思います。 今、厚生行政のことをいろいろと見せていただく中、お話も聞く中、いろいろな答申が出ております。日本新生のための新発展案とか、医療保険福祉審議会、有識者会議等々から出ておりまして、この中でも幾つか触れられておりますけれども、厚生行政全体の効率化というかスリム化、合理化、言葉では非常に漠然としておりましてわかりにくい部分があるかもしれませんが、いろいろな分野にわたってあると思われます。その中の一つとしては、薬価の問題とか診療報酬の問題、電算化、電子カルテ等々の問題があると思いますが、大臣のお考えの中で、事務的なことも含めてですけれども、合理化、スリム化という中の最も基本となる柱をどこに考えていらっしゃるのか、お願いいたします。
○津島国務大臣 委員が好まれるかどうかはわかりませんけれども、有識者会議の報告書を今ざっと見まして、御指摘のとおり、今おっしゃった今後の社会保障のあり方の中で給付の効率化と合理化が一つの大事な柱になっているということでございます。 しからば、効率化していくということは具体的にどういうことかという御質問だと思いますけれども、基本的には、少子高齢化が進む中で、トータルとしての費用や負担が増大することはやむを得ないけれども、これがより適切に受ける方々、最も必要とする方々に配分をされるということであろうと思います。 そのためには、状況が変わってまいりますから、不断の見直しが必要でございます。例えば保健医療分野について申しますと、健康日本21の策定などにより、国民の健康寿命を延ばす予防的な措置等も大事であろう。それから、診療報酬や薬価基準の見直しなどにより、医療がより適切に、効率的に進められることが必要だということを例示として申し上げさせていただきます。
○佐藤(公)委員 幾つかの合理化は今お答え願いましたけれども、実際いろいろな合理化があると思いますけれども、私自身、逓信関係をやっている中で、電子カルテとかICカードというものに非常に興味を持ちました。 何でこういうことになってしまったかというと、電気通信審議会の方でICカードのことに関して報告が出ておりましたのを見まして、五色町でのICカードの利用状況、そういう話を大臣は御存じでいらっしゃいますでしょうか。
○津島国務大臣 五色町の保健医療カードというものは、あるということは聞いておりますが、具体的には私はよく存じ上げません。 ただ、委員御指摘のとおり、質の高い医療サービスを効率的に提供するためにITを応用しなければならない、これは異論のないところでございます。それから、痴呆や寝たきりになることなくできるだけ健康寿命を延ばしていくため、一次予防を充実させることもまた大事であろう。 このために、ITの応用につきましては、平成十一年四月に関係局長通知により診療録等の電子保存、いわゆる電子カルテを認めるとともに、診察情報の用語、コードの標準化やICカードを利用してのセキュリティーの確保といった技術面での取り組みなどの基盤整備を進めているところであり、今後とも、IT技術の進展に応じて医療分野での応用を推進することとしております。 また、先ほど申し上げました一次予防につきましては、健康21というものも一生懸命やっているということを申し上げさせていただきます。
○佐藤(公)委員 では、五色町のICカードに関して、大臣はもう大体お読みになられておわかりになっていると思いますが、委員の方々もいらっしゃいますので簡単にお話ししますと、ICカードの中に、受診者の方々の受診された場所とか月日、本人の氏名、病名とか投薬とか検査情報、また、メッセージ、救急情報、現病歴とか今までかかったいろいろな病歴や検診情報や結果履歴、こんなことをたくさん盛り込んだICカードをつくって、テスト的に一九九一年から一九九五年までの間にとりあえずやりまして、今現段階でもやっていますが、その一九九一年から一九九五年の間に一応調査をして、データが出てきております。 このデータを見ると、カードを持っている人と持っていない人との差が、実を言いますと、この五年間で平均値で六七・八%、約三割の医療費が削減されている、抑制されているというデータが上がってきております。これは私、電気通信審議会のホームページでも見て、こういうところに厚生行政に関しての一つの疑問を持ち始めました。 合理化、効率化ということには幾つかの趣旨があると思いますが、やはり財源議論とかいろいろなこと、これは自由党としての主張はもうおわかりのとおりでございますが、現段階で、抜本的な改革もさることながら、まず医療費の負担をいかに抑えることができるのかという考え方に立ったものを、大臣、政務次官の方でこれからもよくお考えになっていただけたらありがたいかと思います。 その中の一端としては、やはり電子カルテ、ICカード、先ほどもお話がありました健康日本21に出ているということでございましたけれども、予防医学、こういうこともすべて医療費を抑えることになると思いますが、その医療費を抑えるという部分で大臣の考え方を聞かせていただければありがたいと思います。お願いします。
○津島国務大臣 今の五色町のICカードのお話、厚生省としても関心を持っていろいろ調べたようでありますけれども、平成七年においては所持者のグループの方が未所持者のグループよりも医療費が低額となった結果になったそうです。おっしゃるとおりだそうです。平成八年度の追跡調査によると、両グループの医療費が逆転しているということも報告を受けております。 ただ、委員の御指摘の点は私は賛成でございまして、IT技術を活用して医療費の効率化を図ることができればこれにこしたことはないというふうに思っておりますし、今、IT予算を大いに要求し、実現してもらいたいという世の中の流れの中で、厚生省としても、実現性のあるよい計画があればどんどんやってまいりたい、委員からも御提案をどんどんいただければ幸いであります。
○佐藤(公)委員 私がきょう申したいことは、ICカードで、一九九一年から九五年までの間で平均値で六七・八%、約三割抑えることができたというデータが上がった。では、この後、これが本当にどの程度効果があったのか、どういう原因だったのか、またいろいろと分析していかなきゃいけないということがあったにしても、もうかれこれ五年前ですね、それに関して放置をされっ放しであった。 せっかくいいデータが上がってきて、ここまで抑えることができるのであれば、これに対する研究について、予算なり、もしくは各省庁横断的な大々的な考え方なりプロジェクトを組んでもいいのではないかな。まして、今、電子カルテというIT化の中で、こういうものと並列また並行してやることで医療費の負担、支出を下げることができるんじゃないかということを強く思います。こういう部分につきましては、ぜひ前向きな考え方でお願いできればありがたいと思います。 大臣おっしゃられるように、確かに平成八年からは逆転しているかと思います。高額医療の方が何人か入られたことによって一遍に上がったというようなことも報告は聞いておりますが、こういうこと一つ一つをとらえていくと、当然、厚生だけの分野じゃなくて通産や郵政、各省庁にまたがることで、やはり横断的にやっていただきたい。本当に国家の基本となり得ることなので、より積極的にリーダーシップを持ってやっていただけたらありがたいかと思います。 ところで、私がこうやって話をする中、本題に入りますと、もう時間がない中であっという間に終わってしまうんですけれども、私が一番本当に言いたいことは、抜本的抜本的という言葉は、大臣、政務次官を含めて僕は何十回、何百回聞いたような気がするんですけれども、確かに現行制度の抜本的な改革は必要ですし、私どもも望みますし、ちゃんと約束を守ってもらいたい、だけれども、抜本的な改革といってこういうような負担を国民の皆さんに押しつけるような法律を出す前に、まずみずからが、行政を含めてこういう財政部分での支出を削減するような努力なり行動があった上でこのたびのような話があるのではないかと私は思います。 そういうものがきちんと明確にならず、考えているとかあいまいなままでいるんじゃなくて、やはりそういうものをきちんと具体的にやった後にこのたびのような健康保険法等の一部改正案のようなものをやっていくのであれば、私は一つの話としてはわからないでもない。 だけれども、そういうこともなくして、こういうものが前に進む。同時という考え方もあるかもしれませんが、私の目にはとても同時というふうには見えません。すべてその辺の抑える部分がおくれているのではないかと思いますが、まず政務次官からお考えを聞かせていただければありがたいと思います。
○福島政務次官 今回提出をさせていただきました健保法等の改正案は、国民に負担を押しつけるものではないかという御指摘でございますけれども、私は、必ずしもそういう指摘は当たらないというふうに思っております。 といいますのは、年金法等の改正案、これは昨年の国会とことしにまたがりまして審議をさせていただきました。その中の大きな課題は、年金制度という社会保障制度を支えるに当たって、高齢者の世代と若年世代、この若年世代というのは現在の現役世代と将来の現役世代ですが、この負担をどういうふうに分かち合っていくのかということが大変大切な課題だったと私は思っております。 そして、今回の健康保険制度の改正案の中で定率一割、これは上限がございますけれども、高齢者の方の高齢者医療費に占める御負担の割合というのは一%もいきません、〇・何%という数字でございますけれども、若干御負担をいただくという形になりました。これは、それを公費で置きかえるという考え方はもちろんございますけれども、しかし、負担の公平ということを考えれば、そうした形で高齢者の方にも御負担を求める、していただく、お願いをする、このことは決して間違った方向性ではないと思います。 その上、高齢化はさらに進んでいます、二〇五〇年には三〇%を超える超高齢時代になる、そのときにも安定した制度を考えるということであれば、これは今回の有識者会議での結論のように、一定支える人をふやさなければならないという観点から、高齢者の世代の方にある程度の御負担を求めるということは避けられない道ではないかというふうに私は思っております。 それはどのような形で御負担いただくか。もちろん、高齢者の方には豊かな人もいれば所得の低い人もいる。それぞれのあり方に応じた御負担というものは当然あろうかと思いますけれども、全体の方向性としては、そのような形で御負担を分かち合っていただくことは大変大切で、その上で、高齢化がさらに進んでいく中で足らざる部分は当然出てくる、そこのところは公費をもって賄わざるを得ないというのが先ほどからの大臣の御説明ではないかと私は思います。
○佐藤(公)委員 先ほどの出だしの部分でちょっと歯車が狂っているところは事実あるかと思いますけれども、今おっしゃられることをその歯車の部分が狂った状態で考えれば、実際問題、まさにおっしゃるとおりだとは思います。でも、それはそれなんです。その負担をお年寄りの方にというのは、一つの筋、考え方としてはわからないでもないですが、それをする前にやるべきことがあるんじゃないですかと僕は言っているんです。 それはどういうことかといったらば、まず、医療費に対する今の財源状況、これをもっと抑えられる方法論が前々からICカードやいろいろなことがあるかと思いますが、なぜ今こういう状態になっているのか。そういうことをきちんとやって、私たちはこれだけ抑えることができた、だから、お年寄りの皆さん方もこういう部分でお願いしますというのが筋じゃないんじゃないかと私は思います。 この辺のことに関しては、できるできないということが現実論あるかと思いますが、私は、大臣と政務次官には本当にリーダーシップをとって国家国民のためにやっていただきたいという気持ちでございます。そういう意味で、私にきょう大切な時間をいただき本当に心から感謝を申し上げます、どうか、抑えられる部分を研究し、今ある現状の中でできることを一つ一つ具体的に実現化していく、こういうものをお願いできればありがたいかと思います。 これにて私の質問を終わらせていただきます。大臣、何か一言ございましたら、よろしくお願いします。
○津島国務大臣 大変熱心なお話を承りましたが、ここ十年近く、ちゃんと抑制策をしろ、してからこういうことをやれというお話を私はずっと聞いてきているんですよ。 では、何もやっていなかったかといったら、そうではなくて、薬価についてもR幅はあそこまで抑えた、診療報酬についても改善をした。それから、今御提案しておりますのは、疾病構造が変わり、高齢化したことにふさわしい診療体系をどうするかということを御提案しておる。それから老人医療費についても、若い人とお年寄りが負担を分け合うにはどうしたらいいかということを御提案しておるわけでありまして、その中でも高齢者医療の増嵩というものはもう待ったなしの話になっておる。政管健保にいたしましても健保組合にしてもどういう状態であるか、それは委員は百も御承知の上だと思うんですね。 ですから、それはこれをやった後やれということにはならない。やれることは何でもやりましょうということを申し上げているんですが、大きな抜本改革については厚生行政だけでは対応できない問題がある。それは、公費の負担というものをもう少しふやしていただくことをお願いしなきゃならぬ。そういう世界に踏み込んでまいりますと、平成十四年を目途にもう少し広い議論をして、高齢者医療制度を安定させるということになる。こういうふうに私どもは考えておるわけでありますから、どうか御理解の上、一緒に議論してください。
○佐藤(公)委員 済みません。終わるつもりが終われなくなりまして、残りの時間を少しまたやらせていただければありがたいと思いますけれども。 大臣の御答弁の中でも、前回の医療保険制度の改正のときと云々かんぬんということで日本の経済が大変に難しい状況になり、その結果として、実は社会保障制度にも大きな負担がかかったと。また、その食い違いを埋めていくには相当の大きな議論が必要だ、こういうような御発言をされたり、それをどういう形でということに関して、国民的な意識の統一ができてくるのであると思うのでありますと。こういう御答弁をいただいているのでありますけれども、例えばこの最初のことにしたって、いろいろな予測の中で誤ることもあるかもしれませんが、政府自体が、誤ったということを、非を認めていると僕は思います。 そういう非を認めた中で、反省に立った上で、ではこれからどうするのかということ。私は、何年も前から同じような、似たような政府側の答弁がずっと続いているような気がします。国民的な意識の統一ができてくると思います、私は、私の生きている間に国民の意識の統一ができればいいなと思うぐらいの長いレンジで考えざるを得ないような、そんなつもりにならざるを得ません。 ですので、私は本当に揚げ足をとるつもりじゃないんです、政務次官、大臣、こんなことは大臣も政務次官もすいほどわかっていらっしゃるのに、なぜやると言って——いつまでと決めて、厚生省のおしりをひっぱたいて、どうか国家国民のためにやってもらいますことを切にお願い申し上げまして、私の質問とさせていただきます。ありがとうございました。よろしくお願いします。
○遠藤委員長 次に、小沢和秋君。
○小沢(和)委員 共産党の小沢でございます。 大臣は、今回の二法改正案について医療制度の抜本改革の第一歩との説明を繰り返しておられます。しかし、この法改正の方向を進めていけば、国民、とりわけ高齢者が質の高い医療を今後も本当に安心して受けられるのか。私は、全く逆に、負担ばかり重くなって、必要な治療を思うように受けられなくなると言わざるを得ないのであります。 まずお尋ねしたいのは、政府が考えている抜本改革とは何かということです。 厚生省は、平成九年八月に、抜本改革案として「二十一世紀の医療保険制度」を発表しておられます。これを見ますと、高齢者については一割または二割の定率一部負担とするとともに、一定以上の所得のある者については一般加入者と同一の負担とすると書いてあります。別のところには、一般加入者は三割負担と書いてありますので、厚生省が理想とする将来の高齢者医療というのは、低所得者だけ一割または二割、ある程度以上の所得のある高齢者は三割ということになる。 これが、今も厚生省が目指す高齢者医療の抜本改革案でしょうか。
○福島政務次官 そのような改革を目指しておるわけではございません。(小沢(和)委員「聞こえぬ」と呼ぶ)先生が御指摘のような改革を目指しているということではございません。
○小沢(和)委員 それはまことに異なことを伺うわけです。 厚生省に、今現在で抜本改革案というふうに言えるもの、考えているものがあれば示してもらいたいと言ったら、これを持ってきたわけですよ。だから、これは今現在の到達点じゃないんですか。
○福島政務次官 先生が御自分で御想定された負担、それを指して私は申し上げさせていただきました。
○小沢(和)委員 意味がよくわかりませんね。 厚生省は、今回から定額負担をやめ、一割という定率負担を持ち込んだわけであります。大臣が今回の案を抜本改革の第一歩と言うのは、この三年前に発表した高齢者については一割または二割程度の定率一部負担という案の実現に向けて、一割ということで大きく一歩踏み出したという意味じゃないんですか。
○津島国務大臣 正確に理解をしていただきたい。 委員がおっしゃっている二十一世紀の云々という厚生省案は、当時の厚生省案として八月七日に出したものでありますが、この後、与党の協議会で協議をいたし、その後もろもろのことがございました。今議論していただきたいのは、今我々が提出をしている案、それから、今後のビジョンに照らしてどう考えるかという御議論をいただきたいと思います。
○小沢(和)委員 そういう議論をするために、厚生省が今現在到達している抜本改革の案というのはどういうものか示せと言ったら、これを持ってきているわけですよ。だから、これをベースにして私が考えるのは当たり前じゃないですか。それとも、あなたが言うのは、これは三年前の案だから、もう我々としては関知していないんだという意味ですか。
○津島国務大臣 抜本改革をことしまでにやろうとお約束をしてまいりましたけれども、残念ながら結論を得ずに、平成十四年までに皆様方と御相談しながらこれを取りまとめようということを申しつつも、とりあえずはその第一歩として、今度お出しをしているこの法案をひとつお認めいただきたい、こういうことを申し上げているわけでございます。
○小沢(和)委員 抜本改革の第一歩と言うんだったら、さっきから議論されているようですけれども、目標があって、そこに向けて一歩踏み出さなければ抜本改革の第一歩にならないんですよ。向こうに目標があるのにあっちへ行ってしまったら、これは第一歩じゃなくて、一歩後退でしょう。だから、私はそこにこだわっているんです。 それでは、これは全く荒唐無稽な、今では厚生省としては関知しないものなのか。そんなことはないでしょう。これを基礎にしてあなた方はさらに今構想を練っているわけでしょう。違うのですか。
○津島国務大臣 これをもとにしているわけではございません。 それから、委員がおっしゃるような、こっちを向けとかあっちを向けとかいうような簡単な話ではございません。抜本改革については、これから真剣に議論して、きょう提出をされました有識者会議の報告も参考にしながらつくり上げていく、方向としてはその第一歩になる、こういうことを申し上げているわけであります。それ以上でも以下でもありません。
○小沢(和)委員 では、繰り返してお尋ねしますが、三年前にあなた方が天下に公表したこの医療制度の抜本改革案なるものは、今は何なんですか。これはもうなくなっているんですか。
○津島国務大臣 当時における一つの考え方、案でありまして、私どもはこれを抜本改革そのものとは思っておりません。
○小沢(和)委員 今の答弁には私は納得しかねますけれども、こればかり押し問答するわけにはいかないから、先に行きたいと思います。 それで、私は、この厚生省が出した、高齢者については一割または二割程度の定率一部負担という方向に向けて、今度一割ということで一歩踏み出したというふうに理解をしますが、高齢者にとって医療費の一割負担というのがどんなに重いものであり、強烈な受診抑制となるかは、一昨日、我が党の瀬古議員がいろいろな角度から質問いたしました。 一割負担の重さは、ことし四月から実施された介護保険を見ればさらによくわかります。介護保険は、一割の利用料が重くて払い切れないため、全国平均でサービス限度額の半分も利用し切っていないというのが現状であります。だから、十月からの保険料徴収が始まるや、どこでも、これ以上払えない、年金からの天引きは困るなどの苦情が役所に殺到しました。 これにさらに来年一月からこの法改正で医療費の一割の負担増が加わったら、高齢者はいよいよ今までのように安心して病院に行けなくなります。病気が重くなるぎりぎりまで売薬などで辛抱し、かえって病状を悪化させたりすることになる。だれでも安心して医療を受けられるような仕組みでなければ、社会保障とは言えないのではありませんか。
○福島政務次官 まず介護保険のお話でございますけれども、厚生省もさまざまな団体に介護保険施行後の利用につきましての調査をさせていただきました。その具体的な報告では、先生は、だれもかれもが何か利用を差し控えておるという御指摘でございますけれども、そうした事例というのはごく限られた数字でしかないという客観的な報告が上がっております。 今回の老人の定率一割負担について、受診抑制というものが著しくあるのではないかという御指摘でございますけれども、今回の定率一割負担というものは定額の月額上限が設けられておりますし、低所得者の方々の入院時負担については負担の限度額を引き下げることとするなどさまざまな施策を講じており、高齢者の生活というのは多様でございますけれども、その多様な高齢者のあり方に配慮をした措置を講じているところでございます。 そしてまた、薬剤の別途一部負担を含めて、現在までの高齢者の方の御負担と全体としてはほぼ変わらない水準のものを今回の改正の中では提案をしているところでございます。 具体的な数字を若干御説明させていただきたいと思いますけれども、患者負担が変化した場合の受診行動はどうなるのかということで、直近の事例を御報告させていただきたいと思っております。 老人外来の薬剤一部負担特例措置が導入されたのは平成十一年の七月のことでございますけれども、その前後の三カ月間で比較しますと、受診率の伸び率で約〇・四%の増、一件当たり日数の伸び率で約〇・六%程度の若干の変化がこのときには見られております。したがって、受診率に変化があるという御指摘でございますけれども、こうした程度の若干の受診行動の変化が生じる可能性についてまでは否定できないと私どもは考えております。
○小沢(和)委員 今、一割負担の導入に当たっては負担が急増しないようにいろいろ配慮しているというふうに言われました。確かに、幾つかのそういう仕組みをしているということは私も否定しません。これは、一割というのを何が何でも導入したい、そのためには余り大きな抵抗が起こらないようにということでそういうようなものをつくられたのだろうと思いますけれども、それでもやはり低所得のお年寄りにとっては大きな負担になるということは、私は指摘をしておきたいと思うんです。 次の質問ですが、治療の内容によってはこれまでの三倍、四倍になるものがある。これも一昨日瀬古議員が示した数字ですが、例えば白内障の眼内レンズ手術で八日間入院した場合、全国保険医団体連合会の試算によれば、現在の負担九千二百三十円が三万五千八百七十円と、三・九倍にもなる。これは厚生省も先日の答弁で事実上認められたと思います。 この白内障の手術は、かつては健康保険の適用が認められず全額自己負担で、そのためその恩恵を受けられない高齢者が多かった問題です。その後、全国的に適用を求める運動が広がり、その力で、健康保険で安く手術が受けられるようになっております。お年寄りの方々から、世の中が明るくなったと大変喜ばれました。その負担が今回の改悪で四倍近くになれば、低所得の高齢者はまたこの手術を受けることが経済的に困難になる。こんなことがあってよいでしょうか。
○福島政務次官 今回の改正におきましては、若年者と高齢者のバランス等を踏まえ、お年寄りの方についても定率負担を導入し、かかった医療費の一割を御負担いただくことにしておりますが、その際過度な負担にならないように定額の月額上限を設けるとともに、低所得者世帯の方々につきましても、現行の月額上限三万五千四百円を二万四千六百円に引き下げまして、特段の配慮を行っているところでございます。ですから、白内障の手術につきまして一気に四倍近くなるではないかという御指摘でございますけれども、必ずしもそうではないということが一点言えるだろうと思います。 そして、もう一つの観点は、負担の分かち合いという観点でございます。白内障の治療につきましてはどのくらい医療費がかかるのかということでございますけれども、三十一万五千円が平均の数値でございます。これに対して、高齢者の方の御負担が八千百六十円程度となっているわけでございます。三%程度でございます。 これはさまざまな御意見があろうかと思います。所得の低い方も高い方もおられるということは事実でございます。しかしながら、医療における現役世代と高齢者世代の負担の分かち合いということを考えた場合に、この白内障の治療につきましても、私どもが提案をしておりますような御負担というものが果たしてそれほど妥当ではないものかということについては、私は、先生がおっしゃるような意見ばかりではなかろうというふうに考えております。
○小沢(和)委員 私は意見を言っているんじゃないんですよ。白内障の眼内レンズ手術が八日程度入院して行われたらば約三・九倍になるではないかという事実を言っておるんですよ。これについては、この前、局長でしたか、事実上認められているんですよ。だから、私はきょうはこの論争の用意をしてこなかったんですけれども。 だから、全体としては大した負担増になりませんとあなた方が言っている中で、こういう飛び抜けて負担が多くなるもの、そして、かつて社会的にも大問題になったようなケースについては特別の配慮をしたらどうかと、私は極めて建設的な提案をしているんですよ。そのことについて、大臣、どう思うんですか。さっき次官が答弁したから、今度は大臣言ってくださいよ。
○津島国務大臣 委員のお話を伺っていますと、負担はないのが一番いい、少ない方がいい、それが出発点ですね。私は、その考え方は基本的には持っておりません。 さっき、これは社会福祉に反するではないか、今度老人から負担を一定限度であるけれども取ることにしたのは社会福祉じゃないとおっしゃった。私は、社会福祉というのはお互いに助け合うことであるとまず申し上げておきたい。 そういう立場から申しますと、お払いにならない方があればだれかがこれを負担しておるわけです。医療費というのは天から降ってくるものではない。ですから、その負担の仕方を今みんなで厳しく議論しているんですよ。 さて、御指摘の白内障の手術について申し上げます。 私ももう少し年をとってくると白内障になりやしないかと今恐れているところでありますけれども、その手術の三十一万円ぐらいの医療費をもう少し下げられないかなという気持ちは私は持っております。しかし、三十数万円の医療を受けた場合に、それの一〇%なら若い人にかわりに払ってもらうよりは私なら払いますよという、私や私の友人もたくさんおります。それを基準にしていいか悪いか、これは議論していただいて結構です。 それから、おっしゃったように、一〇%負担でございますと、白内障の手術というのは入院期間が短いですから、これまでは一日当たりの定額でいったものに比べれば非常に上がって見える。これは数学の話だ。数学的に非常に上がって見える、これも事実なんだ。ですから、御指摘のような議論の材料になることは私も認めます。ただ、一割負担というものを払えるお年寄りもあれば、払っていただくということが社会保障の基本である。 ちなみに申し上げますと、ここ二十年間の変化を見ますと、公的年金が普及をしてまいりまして、高齢者の所得も相対的にかなりいい水準に維持をされるようになった。ただ、その中で本当に考えてあげなきゃならない層の方も当然いる。特に専業主婦の方は、御主人が亡くなられて独居されると所得がぐっと落ちるということがある。そういう方々の話として私ども議論するのはいいと思いますけれども、一〇%の負担を課することが社会保障に反するというお考えは私は受け取ることはできません。
○小沢(和)委員 私は、払える人が負担をすることまで何も否定しているんじゃありませんよ。 政府がこのように高齢者の負担引き上げを次々に持ち出す背景には、今や高齢者は経済的弱者ではないという認識があります。現にことしの厚生白書には、一九九七年の高齢者世帯の一人当たり所得は二百七万余円と、全世帯平均二百二十二万七千円と比べて遜色のない水準にあると述べられております。二十四日に報告をまとめた社会保障構造の在り方について考える有識者会議、この報告はまだ現物を私見ておりませんが、新聞の報道では、同様の認識に立って、高齢者に応分の負担を求めるべきだと提案をしております。 私は、この認識の根本的誤りは、高齢者の所得を平均でとらえ、実際には大部分がそれよりはるかに低い所得で苦しい生活をしていることを無視している点にあると思います。それは、厚生白書四十一ページの表で明らかであります。これがその四十一ページの表そのものをパネルにしたものです。高齢者の個人所得の分布を示しております。 まず、所得のない人が一一・八%、女性だけでいくと二〇%近いんですよ。八十万円未満が二七・一%、八十万円から百六十万円未満が二一・一%、この三つを黄色で囲ってありますが、この三つで六〇%になるんですよ。だから、二百七万円というのが平均所得だといいますけれども、六割の人はそれよりずっと低い。二百七万円といったら、その次の区分のちょうど真ん中辺ということになるわけであります。 だから、私が言いたいのは、平均の二百七万円というのは実は一部の高額所得者がこの水準を全体として押し上げているということじゃありませんか。また、私どもの党は、こういう全体の平均を押し上げるような高額所得者に応分の負担を求めることには決して反対しません。大臣の友人が自分は応分の負担をしたいということを言われたというんですが、そういう方には出してもらって結構だと私は思うんです。しかし、この表にも示されているように、圧倒的多数の高齢者の生活は苦しいのが実態ではありませんか。大臣は、こういう人々に負担を求めているのだということがおわかりでしょうか。 〔委員長退席、坂井委員長代理着席〕
○津島国務大臣 ここに白書がありますけれども、手元にある数字はほとんど違いないんです。ただ、委員の言っておられる点は、一方では正しい、一方では誤りなんです。 誤りの方から先に申しましょうか。委員は、私どもは、高齢者は押しなべていい水準の所得にある、だからみんな払うべきである、こう言っていると言った。これは誤りです。(小沢(和)委員「そんなこと言っていないよ」と呼ぶ)私どもも、所得の低い方々がある、その方々に対しては今提案を申し上げているような特例を設けておりますが、これでどうでしょうかと申し上げておるわけであります。これは、委員がもしそう言っておられるとしたら誤りであります。 同じところが一つあります。所得の高い人も低い人もあるが低い方には配慮をしろ、そこは賛成であります。私どもの提案した線でどうでございましょうかということを委員の皆さん方にお諮りを申し上げておるわけで、断じて高齢者を一緒に扱おうという気持ちはございません。所得の高い方も低い方もございます。
○小沢(和)委員 私も、あなた方が全部同じに扱っているというようなことを言っているんじゃないんですよ。 それで、低い人について配慮をしているというふうに今言われたけれども、私どもは、その配慮をしているという数字を見たら、実際に高齢者の所得の状況から見てもこれは負担できない程度の重い負担だということを今言っているんですよ。 その点で、もう一つ大臣にお尋ねしたい。生活保護との関連であります。 御存じのとおり、生活保護は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」という憲法二十五条に基づく、文字どおり最低生活を保障する制度であります。 大臣は厚生行政のベテランだから御存じだと思いますが、現在の生活保護の水準は、七十歳のひとり暮らしのお年寄りの場合で大体どれぐらいでしょうか。(津島国務大臣「最後のところをもう一遍御質問をお願いしたいのですが」と呼ぶ)大臣は厚生行政のベテランだから御存じだと思いますが、現在の生活保護の水準は、七十歳のひとり暮らしのお年寄りの場合でどのぐらいの金額でしょうか。——今から計算されてはたまらぬよ。早く答えてください。およそでいいですよ。 〔坂井委員長代理退席、委員長着席〕
○津島国務大臣 非常に複雑な表になってございます。老人二人世帯、七十二歳の男の方と奥様が六十七歳という場合、これで一級地の一、二、二級地の一、二、三級地の一、二とございますけれども、このどの数字が御必要でございますか。(小沢(和)委員「七十歳のひとり暮らしのお年寄りでどれぐらいでしょうか」と呼ぶ) 老人の単身世帯、七十歳の女の方で、一級地で十万八千九百九十円でございます。
○遠藤委員長 小沢委員に申し上げますが、極めて専門的、技術的な分野にわたるものですので、大臣に、七十歳で老人のひとり暮らしと特定されているものというのは、すぐに出てこないのは当然じゃないでしょうか。政府参考人を呼んでいるのですから、どうぞひとつ……。
○小沢(和)委員 参考人が答えたってよかったのですよ。私は大臣と言ったけれども、参考人が立ったからといって別に文句は言いません。 それで、七十歳以上のひとり暮らしの生活保護費は、今大臣も言われましたとおり、大都市の場合で月額十万八千九百九十円、年額でいいますと約百三十万、最低の過疎地でも百万円は超えるのです。 そうすると、このパネルでおわかりのとおり、三番目の階層の一部も生活保護以下ということに入るわけです。そうすると、全国で五〇%近い高齢者が生活保護かそれ以下の収入ということになります。もちろん、私も、奥さんが無収入でも御主人や息子が高額所得という人も中にはいるとは思うのです。しかし、大部分のお年寄りは生活が苦しい。生活保護を受けてもおかしくない。しかし、御本人たちが受けずに頑張っているからそういうことが表面化しないだけのことではないのですか。 大臣は、生活保護と比較をしてみても、多くのお年寄りがそういう生活実態にあるというふうに御理解になりませんか。
○津島国務大臣 高齢者の方にもいろいろな所得水準の方があるということは、そのとおりであります。そして、低所得で生活保護すれすれの方は、医療費を払うことによって生活保護水準に落ちるおそれがあるという方があるのも、もちろんであります。もし、その水準になられた方は、その部分は国がお払いをして平等に対応するということになっていることは御承知のとおりであります。
○小沢(和)委員 生活保護の問題でもう一つお尋ねをします。 被保護者が病気になった場合、その医療費はどうなりますか。
○近藤政府参考人 医療扶助費で支払うことになりますから、当然、国と地方の負担ということになっております。
○小沢(和)委員 局長が言ったとおりですね。病気をした場合、医療費は現物給付されるわけであります。病気の場合、受けている保護費の中から一切支出する必要はないわけです。 だから、生活保護水準かそれ以下の生活を余儀なくされている人々に毎月保険料を払わせ、病気になったらさらに医療費の一割を負担させるというのは、こういう生活保護の仕組みとのバランスを考えても到底理屈に合わないんじゃないのですか。だから、こういう人々について保険料や医療費の減免こそ行うべきであって、新たな負担をこれ以上求めることはこの層に対して行うべきではない、これが私の考え方ですが、いかがですか。大臣、答えてください。
○津島国務大臣 そのすれすれのところにある方をどうするかというのは、いろいろな議論があり得ると思います。生活保護の状態にある方々をひとしく取り扱わせていただくということで今の制度はできているのであろうと思います。 これをどの水準に決めても、決めたラインの上の方と下の方の話は、どこに決めても起こるんですね。ですから、そういう意味では、こういう制度があるときに必然的に伴う非常に難しい問題だと。ただ、生活保護水準の所得はひとしく維持してあげなければならないということで制度はできているというふうに思っています。
○小沢(和)委員 どこで線を引くか難しいということは、それは私もわからぬじゃありません。しかし、現実に引く線が、今の状態からいえば、こういうふうに高齢者が全体としてひどい状況にある中では余りに高過ぎるということを私は言っているわけであります。 次の質問に移りたいと思うのですが、大臣は一昨日から、高齢化に対応するために、老人医療制度への公費の投入が必要だ、税制も含めた議論が必要になっていると繰り返して言っておられます。きょうは、景気に左右されない安定した財源でなければならぬということまで踏み込んで発言された。 これは、私が聞いておりますと、どう考えても消費税を増税することを念頭に置いた発言だというふうに考えられますが、そうであるのかどうか。そうだとすると、消費税をどれぐらいに上げるべきだというふうに考えておられるのか、お尋ねします。
○津島国務大臣 委員であれば恐らくそういう御質問をされるであろうなというふうに考えておりますが、私は、これは、こだわることなく安定財源をみんなで考え、国民的な合意を得て何がいいか決めるべきであるというふうに、非常に慎重に対応しているわけであります。 委員は簡単に消費税とおっしゃいますけれども、今のように社会保障とのつながりが予算総則だけで言われているような状態では、私はそう簡単には——これは社会保障の財源であるからどうこうと国民に納得していただくには不十分じゃないかなと思ったりしておりますから、だから、その点は今後の検討材料と申し上げておきます。
○小沢(和)委員 その議論に応じていただけないので、私もそれ以上は追撃はいたしませんけれども、私どもの党としては、金持ちも貧乏人も同じ税率を買い物のたびに負担する消費税ほど弱い者いじめの悪税はないと考えております。増税が必要なのであれば、この前大企業の法人税や大金持ちの所得税を減税したばかりですから、これをもとに戻すようなことこそ考えるべきだということもこの機会に提案しておきたいと思います。 もう一つの高額医療費の上限に一%上乗せする改悪も、高齢者への一割負担に劣らないひどい改悪だと思うんです。ほかの人との公平のためとかコスト意識を持ってもらうためという理屈をつけて医療費の上限を定率で引き上げる改悪には、私は絶対に賛成することはできません。 ほかとの公平と言いますけれども、だれでも、いつこういう高額医療費のお世話になるかわからない、そうなったときには自分も助けてもらえる制度だということで、だれもが納得しているんじゃありませんか。だから、私は大臣にお尋ねしたいんです。この制度が本当に不公平だと厚生省に文句を言ってきた人がいるのかどうか、具体的にお答えいただきたい。 また、大臣は、コスト意識を持ってもらうというふうにおっしゃったんですが、大体生死をかけた治療を受けている人がこの高額医療費の対象の人だと思うんですね。そういうような人に具体的にはどうしろと言うんでしょうか。それは、余りにも高額な治療は保険財政を悪化させるから受けるのを遠慮してくれとえんきょくに言っていることではないのか、お答えいただきたい。
○福島政務次官 今回の改正案におきまして、高額療養費制度の見直しにつきましては、給付を受ける方と受けない方との公平を図ることやコスト意識を喚起するといった観点から、一定の医療費を超えた部分について一%の負担をお願いすることとしたところでございます。これは一%ということでございます。高額の医療費というものは、最終的には保険というものを介して皆で負担をするわけでございますから、その負担を分かち合うという観点から、御本人の方にも一%の御負担をお願いするという形になった、そういう考え方だと私は理解をいたしております。 現実に一カ月の医療費が百万円を超えるようなケースというのは全体の〇・一%と極めてまれでございますし、百万円の医療となる場合でありましても、今回の改正による新たな負担は七千円程度でございます。そして、血友病の患者さん等々長期にわたり高額な医療費を必要とする場合には、この医療費の一%の負担というのは求めないことになっておりますし、低所得の方々、高額の自己負担が四回以上継続して続いている方にも同様の措置をとることとしておるわけでございます。
○小沢(和)委員 納得できませんけれども、時間も少し気になり出したので、先に行きたいと思います。 患者の負担をふやし、それでも足りない分をカバーするために、もう一つ持ち出してきたのが政管健保や組合健保の保険料率上限の見直しだと思います。 これで介護保険の保険料率が外枠になり、その分が現役の労働者の負担として上積みできるようになる。まさに保険料の引き上げであります。今、多くの職場でリストラが強行され、そのため健保の組合員が減り、さらに賃金切り下げなどによって保険料収入が減っております。こういう苦しい状況下に置かれている労働者へのつけ回しには、私は断固反対いたします。 八年前の九二年に、政府は、政管健保への国庫補助率を健保財政の黒字を理由に一六・四%から一三%に切り下げました。その際、国会審議の中で、政府は、政管健保が赤字になったら国庫補助率を復元することを約束しておったはずであります。これだけ政管健保が赤字で大変な今こそ、約束どおり国庫補助率をもとに戻す措置を講ずべきではないのか。大臣は国会での約束を守るべきではありませんか。
○福島政務次官 介護保険料の取り扱いを、今回、医療保険の保険料との合算ということから外枠にしたということにつきましての御指摘がまず一つあったと思います。 この点につきましては、介護保険法案を審議いたしておりますときに、介護保険制度がスタートすることによりまして、老人医療費が介護保険の給付の対象でカバーされる部分が移動するということから、医療保険の保険料率というものが下がって、介護保険の……(小沢(和)委員「私は介護保険の話は全然していないよ」と呼ぶ)いやいや、今、前半の部分で委員から、別建てにするということから医療保険の保険料をむやみやたらと引き上げるのではないかという御指摘があったと私は理解をいたしておりますけれども。 今回の措置というものは、当初考えておりましたような、上限の中で介護保険の保険料もおさまるというような事態ではなくて、委員からも御指摘がございましたように、経済の状況が大変厳しくなりまして、平均標準報酬も下がった、被保険者の数も減った、そういうことで、当初のような仕組みの中では十分な医療保険料と介護保険料を御負担いただくことができない、どうしても制約されてしまう。そうなりますと、それぞれの財政というものが安定して運営をすることができなくなるという観点から、上限から介護保険の保険料を外すことにしたわけでございます。 そして、医療保険の保険料が今後むやみやたらと引き上げられるのではないかという御指摘でございますけれども、何よりも政管健保の財政に対して大変大きな影響を与えているのは、高齢者の医療、老人保健拠出金の負担というものが大変大きいわけでございます。国庫負担を引き下げ続けているではないかというような御指摘もございますけれども、老人保健拠出金というものが年々増大することによりまして、実質的には国庫負担というものはふえているわけでございます。 そのようなことを考えますと、平成十四年度に私どもは高齢者医療制度の抜本改革を実現させたいというふうに繰り返しこの委員会で述べておりますけれども、その実現を図るということが先生の御指摘に対しての最大のお答えではないかと私は思っております。
○小沢(和)委員 結局のところ、国の財政が苦しいから約束を守れないということじゃないかと思うんですけれども、それならば、なぜ財政が苦しくなったのか。医療費などに国の税金を使い過ぎたのか。 それは全く逆で、調べてみますと、一九八〇年に健保本人が十割給付になり、高齢者医療が無料化されたときが我が国の国庫負担率のピークで、医療費全体の三〇・四%だったわけであります。それが、八三年、高齢者医療が有料化されて以降、昨年までに負担金が八回も引き上げられた。健保本人負担も、八四年に一割負担、九七年に二割負担と引き上げられてまいりました。国庫負担はそれに対応して切り下げられて、九七年には二四・四%まで下がっております。この十七年間の国庫負担のカット額は、実に十七兆四千億円に達している。 だから、財政破綻の原因は全く別のところにあるわけで、そのことを棚に上げて現役にも負担増ばかり押しつけ、国の負担を削り続けるという身勝手なことをしている。それでも、国庫負担率をもとに戻すというこの最低限の約束さえ破るのは当然だというふうにお考えになるんでしょうか。
○津島国務大臣 委員の分析、私の目から見れば、当たっているところもありますが、当たっていないところもある。それは、今のそれぞれの保険の状況というのは、国庫負担をどうしたとか保険料をどうしたとかいうことのほかに、もっと大きい原因として、老齢化が進み、疾病構造が変わってきたということがあるのは、これは恐らくおわかりの上で言っておられるのだろうと思います。 それからもう一つは、これを取り巻く日本の経済状況が余りに変わった。それは、委員のお立場からいえば賃金カットを大いにやったからだというお話になるのでしょうが、賃金を払いたくても払えない会社がいっぱい出てきた、大企業だって赤字の企業がいっぱいある時期はあった。そのことが標準報酬を非常に低く抑える、伸びないということから赤字構造が出てきた。 一方、同じような苦労を味わっているのが財政でございまして、あそこがよかった、これが悪かったという議論は大いにやってもいいのですよ。いいのですけれども、事実として世界に類例を見ない赤字国家になっておる。そういう状態を我々は真剣に見詰めた上で、やはり社会保障制度だけは安定的に運営しなきゃならぬから、安定的な財源を見つけて、国民の皆さんとともに安心して二十年、三十年先の高齢化社会に備えましょうというのが我々の課題でございます。 委員におかれては、何か立派な安定財源がありましたら、私の方へ教えていただければありがたいと思います。
○小沢(和)委員 実は、その質問を待っておったんですよ。私どもはかねてから、諸外国に比べて異常に大きいむだだらけの大型公共事業を削り、諸外国に比べ余りに少ない社会保障費に回せと言い続けてきたのです。諸外国では、政治の中心は社会保障に置かれている。その諸外国並みの政治に転換すれば、財政も立て直せるし、社会保障の改悪もストップできる。最近では、これは共産党だけではなく、多くの人々の要求になりつつあるのです。 最近私が注目したのは、去る九月、社会保障制度審議会が「社会保障関係支出の抑制を図る前に、少なくとも他分野の財政支出の抑制に努めるべきである。その際、公共事業関係費の適正化はいうまでもないが、」云々という意見を具申したことであります。これは我々が言っていることと同じことなんですよ。 内閣総理大臣の諮問機関である社会保障制度審議会が、省庁再編によりみずからの任務を終えるに当たって最後にまとめた意見の中で、このような意見を表明したことを政府は重く受けとめるべきではありませんか。特に、いつもしわ寄せされる立場の社会保障の担当大臣として、政府の姿勢を根本的に社会保障重視の方向に転換するよう頑張る決意がないのか、お尋ねをします。
○津島国務大臣 頑張る決意は大いにあります。ただ、手法が委員とは恐らく随分違うと思います。 それはなぜかと申しますと、まず、諸外国ではとおっしゃった。これもわかっておっしゃっているのだろうと思いますが、公共事業のウエートはアメリカとヨーロッパと全然違うのですよ。アメリカは大体地方政府がやっています、連邦政府は公共事業は限られたもの以外はやらない。それから、ヨーロッパも国によって非常に違う。ですから、そういう十把一からげの御議論はこの場ではひとつ願い下げにしていただきたいと思うのです。 問題は、日本の今の財政赤字というものはどういうところから来たか。これは、確かに委員とも議論すれば長い議論ができると思いますけれども、一つ言えることは、アメリカが八〇年代には三つ子の赤字と言われて、財政赤字というのは救いようがないと言われていたのに、何で、ことしの大統領選挙で、どっちの候補も、数年間で今の黒字で過去の債務は全部返せる、返すかわりにこれをやろう、あれをやろうという議論ができる状態に来たかです。これは、歳出をこうしたとか公共事業をカットしたとかいうことではないのです。アメリカの経済が、質的に変わって力強くなることの中から財政も立ち直っていくということであります。 これに対して、私が今でも忘れられないのは、今からちょうど十年前、私が同じ職におりましたときに、東ヨーロッパの諸国が軒並み体制を変えていった、そして私ども呼ばれて、WHOの主催でこれらの国の社会保障制度を立て直すにはどうしたらいいかという議論をやった。これらの国の持っている制度は、薬代も医療代も全部国が払いますと法律に書いてある。ところが、経済が疲弊をいたしますと、事実上、薬は全額自己負担だった。私は驚いた。ポーランドでも全額自己負担だった。 ですから、私が申し上げたいのは、やはり健康な経済を取り戻さないと日本の社会保障もあり得ないのだから、委員、そこまで視野に入れて御議論をいたしましょう。
○小沢(和)委員 健康な経済を取り戻すということももちろん私は考えて言っているわけですよ。今のようにどんどん借金をしては公共事業などにお金をつぎ込んで、そのしわ寄せを社会保障に押しつけているような状態を正さなければ、国の財政もますます破産するし、社会保障を守っていくこともできない。 だから、せっかく社会保障制度審議会がまず公共事業にメスを入れろということを言い出した、あなた、それに乗って担当大臣として頑張るべきじゃないかということを言っているのに、何かポーランドがどうだとか、私はそんなこと聞いてない。そこのところをはっきり答えなさいよ。あなたはそういう立場に立って頑張る意思があるかどうか、そこを答えてください。
○津島国務大臣 その分野は私は長く携わってきた分野でありますが、日本の経済のために公共事業がどういう役割を果たしているか、特にここ二、三年間のこの停滞した経済を支えていくためにやむを得ず公共事業の出動をしているということは、私は否定すべきではないと思っています。 それから、今我々が目指しております公共事業というのは、新しい時代に即応した例えば情報通信産業であるとか高齢化対応であるとか、そういう方向に公共事業そのものも変えていこうと。それは恐らく共産党さんも賛成だと思うんですよ。だから、そういう努力をしながら、必要な公共事業はやろう、必要な財政の機能は発揮をしてもらう、こう言っているわけでありますから、議論してみますと、委員のおっしゃるほどかけ離れた意見ではないと思いますよ、お互いに。
○小沢(和)委員 いよいよ時間が気になってきたから、その話はまたにしましょう。 あと一、二問だけ、医療法の改正案でお尋ねをしたいと思います。 看護婦の配置基準を四対一から三対一に引き上げることは、遅過ぎたとはいえ、私どもは当然の措置だと考えております。しかし、これも他の先進諸国と比べると、このパネルも厚生省の資料から作成したものですが、日本は医師も看護婦も病床当たりでは一番少ないわけであります。 九六年でいえば、医師は、百床当たり日本が十二人に対し、アメリカ六十三・九人、ドイツが三十五・六人、フランス三十三・八人。看護婦は、日本は四十一・八人に対し、アメリカは百九十七人、ドイツ九十二・九人、フランス六十六・三人となっております。 一方では、日本は、このパネルのとおり病床数が多く、入院日数が長い。これまで日本の医師や看護婦がどんなに劣悪な労働条件のもとで働かされてきたかが明らかだと思います。そういう中で世界一の長寿国を実現したことは驚嘆に値すると思いますが、これを改善することは緊急の問題ではないのか。 先日、医師や看護婦はもう十分足りるようになってきたというような議論が当委員会でありましたが、現実は逆ではないかということをお尋ねします。
○福島政務次官 今回の医療法の改正に当たりまして、一般病床につきましては、手厚い看護体制を確保するために、看護職員の配置基準を三対一に引き上げることとしたわけでございます。これは大変大切な改革である、そのように私は認識をいたしております。その点につきましては、委員も御評価をいただけるというふうに思います。 一方、医療審議会の審議ではどういうことがあったかといいますと、医療法における人員配置基準は最低基準である、看護職員の地域的な偏在に配慮する必要がある、看護職員を確保しようと思ってもなかなか難しいところもある。これは事実です。そしてまた、半世紀にわたっての基準の変更であることから、慎重な配慮が必要であるという意見もございました。こういうさまざまな意見があるということを踏まえて、複数で月八回の夜勤体制を確保するためには三対一が必要だということで、この三対一を医療法の中に書き込ませていただいたわけでございます。 今後も、入院患者の病態や看護職員の業務量等に基づいて診療報酬上はより手厚い看護体制に対しても私どもはきちっと評価をいたしておりますので、病院の管理者が適切に判断をしていくことが望ましいと考えております。そのようにお答えします。
○小沢(和)委員 文部省、お見えでしょうか。看護婦が現実には足りないという問題で、文部省にお尋ねをいたします。 大学や特定機能病院では、看護婦も二・五対一とか二対一と、他に比べて手厚い配置になっておりますが、そういうところに入院しているのは重病の人ばかりであり、こういう人々に高度の濃密な医療を行うため看護婦さんの仕事は大変厳しいものがあります。私も、三年前に、九州大学附属病院の教職員組合支部などから、看護婦の夜勤回数が一カ月に平均で十回、多い人は十四回に達すると聞いてびっくりし、一緒に改善を要求する運動を行ったりしたことがあります。 今、重大な社会問題になっている医療事故の続発は、このような看護婦の過労をなくすための思い切った増員を行う以外に根本的解決策はないと思いますが、文部省は全国の国立大学病院でどれだけ増員をして夜勤回数をどこまで減らしたか、今後どのように改善するつもりか、お尋ねをします。
○清水政府参考人 お答え申し上げます。 国立大学の附属病院については、従来から人事院のいわゆる二・八判定に基づく一人夜勤の廃止、夜勤回数の月八回以内ということを目標に、看護婦の増員を図ってきたところであります。 昭和四十年当時と比較いたしますと、複数の夜勤体制についてはほぼ達成できたというふうに思っております。月当たりの夜勤回数については、当時の十・七回から、十二年度では八・三回と改善が図られてきております。これは、国立大学附属病院におきましては高度医療の提供を一つの使命としていることから、手厚い看護を必要とするいわゆる重症、難症の患者比率が高くて、場合によっては三人以上の夜勤体制、これは全体の約五割弱を占めますが、そういうものを組む必要がある等の事情があることによるものでございます。 文部省としては、附属病院の看護体制については、看護要員の増加、資質の向上の研修の実施、あるいは業務軽減を図るための予算の確保等に努めてきたところでありますけれども、平成十三年度におきましては、概算要求としてでございますけれども、勤務体制の改善に資するという観点、あるいは御指摘の事故防止、患者に提供する看護サービスの改善という観点から、新規に非常勤の看護婦を八百人増員すべく所要の経費を要求しているところでございます。これが認められますれば、平成十三年度中には全体として月八回に改善できるものというふうに考えております。 今後とも努力を傾けていきたい、こういうふうに思っているところでございます。
○小沢(和)委員 時間が来たようですから終わりたいと思いますが、以上の質問で明らかになったとおり、今回の二つの改正案は、高齢者だけでなく現役世代にまで、全国民に一部負担や保険料の増額の形で負担増を押しつけ、医療をますます受けられないようにするとんでもない改悪案だと思います。また、病院やそこで働く人々にも医療保険財政赤字のしわ寄せを押しつけようとしている。そういう点で、私としてはこの二つの改悪案の撤回を強く要求して、質問を終わります。 ありがとうございました。
○遠藤委員長 次に、阿部知子さん。
○阿部委員 社会民主党の阿部知子です。 いつも私の質問は最後ですので、皆さんも大変お疲れと思いますし、また御苦労さまと思います。 まず最初に、遠藤委員長にちょっと御質問がございます。 こうした委員会、私は実は初当選ですので経験がございませんが、委員会開会中の定足数というのはございますのでしょうか。と申しますのは、私どもの土井たか子党首にけさしっかりと言われましたが、委員会途中であっても、例えば四十名の委員のうち過半数を割っているようなときは、どんどん委員長に言いなさいというふうに御指示いただきましたので。国民医療という大変に重大なテーマを扱っておりますから、各委員もいろいろかけ持って大変とは思われますが、先ほど来から、特に半ば以降、数えておりますと十六人ぐらいのことが多々ございました、こうした状態というのは委員会の運営にとって望ましくないと思います。委員長の御見解をまず教えてください。
○遠藤委員長 まず、全席埋まるのは非常に理想であり、そうあるべきだと思うのですね。それから第二に、採決するときには定数が一定数必要だと書いてありますが、常に全席埋めてあれということは衆議院規則には書いておりません。 したがいまして、大事なことを皆さん質問したり議論したりすることですから、多少空席が目立つのを目をつぶって進行させていただいておりますことを御了承願います。
○阿部委員 やはり各委員の御発言を聞いて論議が交わされる場が国会だと思いますので、なお遠藤委員長の心ある運営をお願いいたします。 次に、津島厚生大臣に伺います。 実は、これも今回の健康保険法並びに医療法、医師法の改悪問題ではございませんが、御承知おきのように、昨夜のテレビで、例のテープ、中川官房長官の辞任劇の報道で持ち切りでございました。私は今回この国会にやってまいりまして、津島厚生大臣は医療の現場からよく来たと言ってくださいましたが、私が本来求めているこういうきちんとした審議、論議、特に国民の生命や健康にかかわることの論議が、いわば久世問題以降のさまざまなスキャンダル、不祥事によってかすんでしまうかのような現在の国会のあり方を大変憂えております。 昨日、中川官房長官は確かに辞任されましたが、あれは余りにも低レベル、下劣な問題でございます。しかしながら、昨日のテレビを見ましても、街頭インタビューで、中川官房長官をどう思いますかというのを一人一人の国民に問うてはいるものの、あなたは医療費の一割負担、特に御高齢の方の一割負担をどう思われますかと——本当はテレビはそれをこそやるべきであります。 中川官房長官にどんな愛人がいようと、国民の生活にはかかわりがございません。ただしでございます、医療費の特に一割問題、私も津島厚生大臣もへとへとになりながらこんなに毎日一生懸命論議しているのは、これが国民のあすにかかわる大事なことであるという面からいえば、国民の声がここに集中しないような今の内閣、政治のあり方について、内閣の一員の津島厚生大臣の御認識を伺いたいと思います。
○津島国務大臣 毎日骨を削って、一生懸命委員会の論議に参加をさせていただいているのも、委員御指摘のとおり、一日も早くこの改正案を成立させ、さらに抜本改正に取り組んで国民に安心していただこうといういちずな気持ちからでございます。 今の報道を通ずる問題についての御指摘は、私は報道のあり方に対する御意見として今興味深く受けとめさせていただきましたが、官房長官に関する問題については、政治家の出処進退は、公的、私的にいろいろな要素の中でみずから決断すべき問題であったであろうなということで、所管大臣としてのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
○阿部委員 一応津島厚生大臣の御意見として伺いましたが、なお、与党といたしまして、責任政党といたしまして、きちんと国民に関する本当に切実な課題が論議されるような国会運営にお努めいただきたいと思います。 さて、本来の私の質問に入らせていただきます。きょうは、まず最初に二問が医療保険法、そして二問が医療法、残る五問が医師法の問題について触れさせていただこうと思います。 まず、医療保険法ですが、一昨日、私の質問の中で津島厚生大臣からいただきました宿題に関して、私の側はある程度回答を用意してまいりましたので、引き続き津島厚生大臣並びに厚生省の担当の方からそちら側のお答えをいただければと思います。 一点目。きょう皆様のお手元にお配りした資料がございます。タイトルの部分を省いて申しわけございませんが、お配りした資料は、「要介護高齢者は低所得者層になぜ多いか」、逆に言えば、なぜ貧乏人には、変な言葉を使ってごめんなさい、要介護状態になる人が多いかということを分析したデータでございます。 一昨日、私が厚生省の白書を問題にいたしまして、特に医療におかかりの高齢者についてそのプロフィールがきちんと把握されていないというふうに申し上げましたところ、阿部さん、あなたが集めなさい、厚生省も集めますからということでしたので、ここに御用意いたしましたのは、直に医療ではございませんが、介護保険の導入によって生じたデータに基づいて分析されたものでございます。 まず、図の一をごらんいただきたいと思います。これは、所得によって要介護状態になる方の比率の差でございます。所得は給与所得控除後となっておりますから、所得ゼロ円となっておりますのは、もともとその方が控除を受けている分以外の分がゼロ円であるということですが、一番低い収入層に実は一七・二%の要介護状態が発生しております。引き比べて、控除後二百万円以上の世帯、これでも年額四百万いかない層と思いますが、そこは三・七%。ここに明らかに示されましたのは、所得が低いほど要介護状態になりやすい、逆に言えば所得が低いほど病院のお客になりやすい、病気を持ちがちだということの一つの傍証でございます。 重ねて厚生省にお願いいたしますが、私は、これからの時代、やはりきちんとした科学的な分析データを持つということが、今医療の中でどのような形で御高齢者がお暮らしであるかということを見るのに欠かし得ないものと思っておりますので、一昨日の段階では、特に医療に来るような高齢者だけを分析したものはないよというお返事でございましたが、こういうものを参考にされて、ちなみにこれは厚生省の科学研究費に基づくデータでございますから、ぜひとも医療高齢者白書というものへのお取り組みを、まず第一点、これは津島厚生大臣にお願いと御質問でございます。
○津島国務大臣 随分手早い御対応でびっくりしておりますけれども、今拝見しましたばかりで、内容は今後詳細に検討をさせていただきます。 厚生省といたしましては、一昨日政府参考人が御答弁いたしましたように、市町村の介護保険サービスの給与実績のデータ等が集約されてまいりますので、時間を多少いただかなきゃなりませんが、さまざまな観点から分析調査を行って、御要望にこたえていきたいと思います。 いずれにいたしましても、介護保険の保険料や利用料というのは、国民みんなで介護を支え合うという観点から御負担を分かち合うものでありますが、その際、低所得の方に大きな負担にならないようにするということは、言うまでもなく大事なことだと思います。したがいまして、利用者負担の上限額などを段階別にしたとか、社会福祉法人を通じて利用者負担の減免をするとか、あるいは高齢者の保険料について所得段階別に設定するなど、今の制度の中にもこれは繰り込まれているということをこの機会に申し上げさせていただきます。 いずれにしても、こちらも勉強いたしますから、先生のように段取りよくないですけれども、しっかりした資料を出してまた御議論させていただきます。
○阿部委員 先ほどの共産党の小沢委員の御質問にございましたが、まず高齢者像というところで認識が違ってしまったのでは次の論議の土俵がかみ合いませんので、ぜひよろしくお願いいたします。 第二点目も健康保険法の改正のことをめぐってですが、これは先ほど自由党の佐藤委員の御質問を受け取る形で、彼のお言葉をかりれば、負担は所得に応じ給付は公平にというのが健康保険制度の原則である。とするならば、今回の高額医療の見直しにおいて、さほど高額と思いませんが、ある程度以上の収入のおありの方は、保険料においても人よりも高く負担し、また受益においてもかかった分の一%上乗せされていく。これでは、入り口も取りますよ、出口も取りますよということになって、逆に言えば、お金のある程度ある人は、この国民健康保険、ちょっと私たち損しているんじゃないのと思いがちな傾向を生むと私は思います。 低所得者層への配慮があることは先ほど来厚生大臣がお答えでございますので、その部分は評価いたしましょう。ただし、ある所得以上の方にその所得に応じて払うときにもどんどん賦課していくような方式については、津島厚生大臣がずっと主張なさっているところの日本における国民皆保険制度の根幹にかかわりはしまいかと案じておりますが、先ほども少し津島厚生大臣お答えがございましたが、恐れ入りますが、再度お願いいたします。
○津島国務大臣 保険制度全般につきましては、保険事故があったときにできるだけ公平な給付が受けられるというのは一つのメルクマールだと思いますけれども、高額療養費制度については、保険制度の理念だけでは割り切れない面があるのはおわかりだと思います。 先ほどの御質問でどなたも一度は高額療養費制度のお世話になるときがあるというようなことを言われましたけれども、一般の方から見れば、偶発的に起こる事態にどう対応するかということだと思います。高額医療が頻繁に起こるタイプの方については毎度申し上げておりますように配慮をしておるわけでありますが、偶発的に起きる場合にどうするかというのはいろいろな考え方がある。 この点は、立案いたしますときに与党の中でも随分議論がありました。委員も専門家でいらっしゃるからよくおわかりだと思いますけれども、日本の医療のあり方にもかかわる面もございます。いわゆるターミナルケアというものがはっきり確立されていないものですから、一方でそこに医療費のむだがあるという指摘が非常にございました。それから、高額医療を受けられる方で、不幸にして成功せずにそのまま亡くなられるケースも非常に多いというような議論を随分いたしまして、やはり一定のコスト意識を持っていただく、また、そのことによってみんなが分かち合うという姿をここで実現すべきであるという考え方となり、今度御提案をしたようなことになったと思います。 また、もう一言つけ加えれば、今の保険は保険者の拠出ばかりでなくて公費負担も入っておりますから、そういう点でも単純な保険の理念だけでは割り切れないということは当然御理解を得られると思います。 高額療養費の見直しは行いましたけれども、しかし、比較的所得が高い方、月収五十六万円以上の方について、その限度額を引き上げることをしたこと。それから、医療費の多寡にかかわらず自己負担の限度額が同一になっているというのもどうだろう、そこは給付を受ける方と給付を受けない方との公平やコスト意識を持ってもらうということから、限度額を医療費に応じて設定するということにした次第でございます。 高額療養費でございますから、自己負担の家計に与える影響というものはあると思いますので、低所得の方については一般の方とは異なる額をさらに設定させていただいているわけでございます。比較的所得が高い方の場合は一定の経済的負担にたえ得る方々と見てもよろしいということで今回の改正をお願いしたわけで、疾病や負傷による経済的負担を社会全体で軽減し、生活の安定を図るという医療保険制度の理念の枠の中にとどまっている改正であると我々は考えております。
○阿部委員 この論議、先ほど来何人かの方も聞かれましたが、結果において平行線のように思います。高額医療費の負担ということにおいても働く中堅層が不安を持つような医療保険システムであるということは、信頼性において大変マイナスであると思いますので、なおよろしく御検討のほどお願いいたします。 また、一昨日の厚生大臣のさまざまな御答弁の中で、私は医療現場におりましたが、この問題を論ずるに当たっては一国民の立場、医療を利用する立場から論議を進めるべきであるという御指摘もいただきました。そのような立場に立つといたしますとすれば——実は、私は自分の母親を二十年前、救急医療のたらい回し七カ所の中で亡くしました。その当時非常に救急医療はずさんでございまして、このことを当時の社会党の山本議員に国会でも取り上げていただきました、救急医療の改善に向けて。そして、今回、私が特に看護人員のことを取り上げておりますのには、私の個人的な事情がございます。実は、私は一昨年兄を亡くしました。 今回の論議が一般病床あるいは療養型病床の二つの区分の中で論じられておりますが、実はどちらの病床においても高齢化の波は押し寄せております。どういうことかというと、一般病床だから若い人が多い、療養型病床だから年寄りだというのではなくて、既に一般病床の中に御高齢者がたくさんおられます。 どういうことかというと、六人のハイケアユニット、高度集中治療室の中に兄は収容されました。そして、そのうち四人が御高齢者で、三人が痴呆状態でございました。六人の患者さんを見るのに、先ほど文部省のお答えにもございましたが、この方たちのうちに半数痴呆があれば——申しわけございませんが、二人は呼吸器をつけておられました。チューブも呼吸器もいつ抜くかわからない。そして、骨折をされておりましても、本当に不思議なことにベッドからおりようとなさるわけです。今の一般病床にも押し寄せる高齢化の波の中で、私の兄は一番いい患者でした、聞き分けがあり、手のかからない。それゆえに、モニターもつかず、看護婦さんの回診の目からも逃れ、死後六時間たって発見されました。 私は、私自身が医療供給サイドにおり、また、私が一生懸命頑張ってきた病院、その中で起きたことですので、看護婦さんたちの労働実態も知っております。夜勤三人の看護婦さんが六十数ベッドを、おまけに呼吸器が五台。これでも基準はちゃんと満たしております。一対二・五以上の看護婦を配置した病棟でございます。これでも、何度も申しますが、うち四人が御高齢者が入ればてんやわんやでございます。看護婦さんは、それこそ食事をする間も、寝る間も、仮眠などとれるわけもございません。 私はこうしたことを経験しまして、やはりこれは日本における圧倒的な看護婦の不足、すなわち医療には人手もかけず金もかけずとやってきたことが、私が勧めた病院で兄を亡くしたもとになったと思いました。せめて死に際には会いとうございました。六時間たって発見された兄を前にして、私は申しわけないとも思いましたし、政治を変えなくてはと思いました。医療現場で一生懸命頑張りました、看護婦の増員も含めて。しかし、きちんとした診療報酬上の対応がなければ病院もこれ以上やっていけません。 そこで、一昨日の質問に振り返ってもう一度お願いいたします。看護婦の増員の見通しについて、平成十三年以降についての見直しが行われているとお答えがございましたが、具体的な数値目標について再度お聞かせくださいませ。 そして、これが今国民の多くが一番求めている医療の質、きょうも家西さんからも御質問がございました、質こそ国民が問うているものでございます。モニターにしろ人手、監視体制にしろ何にしろ人手がネックでございます。幾らチェックリストをつくっても、それをチェックするのは人でございます。その点に関して、厚生省の増員計画は断固たる増員の見通しをもって、それはもしやして医療費の多少の高騰を生むかもしれません、しかしながら、命にかえられるものは何事にもございません、その信念を持って進んでいただきたいので、一昨日の質問に数値をもってお答えくださいますようにお願いいたします。
○伊藤政府参考人 二十五日にお答えした看護職員の需給見通しの数字の件でございます。 平成三年に策定されました現行の看護職員需給見通し、これはことし、十二年まででございますが、週四十時間勤務、夜勤回数は月平均八回以内等を前提として需要を算定しておりまして、平成十二年末に百十五万九千人で需給が均衡すると見込まれているものでございます。 平成十年末時点の就業者実績について見ますと百九万三千人となっておりまして、就業見込み数百八万六千人を上回っております。需要見込み数百十一万七千人に対する達成率は九七・八%となっておりまして、需給見通しに沿って順調に推移してきているところでございます。 そこで、平成十年末におきます都道府県別の達成率でございますが、大分県、宮崎県など七県で一一〇%を上回っている一方、東京都、三重県など三県で九五%を下回っているなど、ばらつきが見られるところでございます。 現行の看護職員需給見通しにつきましては本年末で終了することから、現在、平成十三年以降の新たな看護職員需給見通しを策定するため、各都道府県に需給見通しを検討していただいているところでございまして、この中では、今回の医療法等の改正による一般病床の看護職員の配置基準の変更等、新たな要素を加味いたしまして都道府県に見通しの検討をしていただいております。今後、この都道府県の計画を全部集めた段階で国全体の新たな需給見通しを立てたいと考えているところでございます。
○阿部委員 お答えをありがとうございます。 ただし、原則的な視点において、先ほど私が申し上げました、患者さんが高齢化している、それも日本は世界一の高齢化率で突き進んでおります。そのときにおける労働内容、非常に強化、集中、注意が必要、密度も高まっております。この点に関しましても、厚生省がきちんとした現状認識を持って看護婦の増員にぜひとも強い決意で臨んでいただきたい、さらに要請いたします。 引き続いて、今回の医療法の見直しの中で、一般病床並びに療養型病床の見直しの中ですっぽり抜け落ちている視点が、先ほど来水島議員も御指摘の精神科病棟のことであります。実は私は小児科の医者ですので、私からは、水島議員が最後におつけ加えいただいた小児科の日本における現状について厚生省に多大なお取り組みをいただきたく、質問をさせていただきます。 そもそも、今回の医療法の改正にも見られますが、さきの一九八〇年代半ばからの国公立病院の統廃合におきましても、日本の医療の再編の方向は、一つにはセンター化、ある集中したセンター病院をつくろう、あるいは機能分化、例えば療養型の患者さんだけを集めよう、そうした方向に大きく傾いて進んでおりますがゆえに、地域一般診療というものが非常にしわ寄せを受けております。 どういうことかと申しますと、特に二百床、あるいは百五十から三百床でもよろしゅうございます、そうした病院では夜間の救急の九割は小児医療でございます。そして、この百五十から三百床の病院は我が身をどちらにも振ることができません。センター病院にもなれず、特定の療養型だけにもなれず、しかしながら、一番苦しい運営を強いられて、一番基本的な小児医療の提供並びに日常医療を提供しております。私は小児科医で二十六年ですが、実はこの二十年、小児科医療の現状はどんどん貧しい方向へと進んでおります。 どういうことか。残念ながらフォーカスではございません。プレジデントという雑誌十月二日号、なぜか表紙が小出さんですから、ああ、参議院の非拘束比例名簿に挙げたい人かなと思いますが、残念でした、そうでもありません。この中で、小児科医療のベッドの激変、小児科医の激減問題がさまざまな事例を挙げてクローズアップされております。こうしたマスメディアの論調をまつまでもなく、すなわちフォーカスをまつまでもなく、今、少子高齢化の中で、小児科の子供を抱えたお母さんたちから、例えば地域で統廃合が起こるあるいはさまざまな病院の再編が起こるときに、まず不安の署名が集まるのが小児科でございます。 では、なぜ小児科だけが際立って削減されるか。一つは、明らかに今の医療構造の中では不採算だからであります。手間暇がかかる、二十四時間やらなければいけない。千葉では女医さんの過労死が起こりました。こういうことを解決するためには、国の長期的な展望が絶対に必要であります。 一つは、医療に過度の採算性を持ち込まないこと、二つには、きちんと連携のある医療システムを形成すること、そして三つには、地域支援病院というものを明確に位置づけ直すことであります。さらに四点目を加えれば、後ほどの研修医の教育問題にもかかわってまいります。私は、先ほどの水島議員のお話の中の、精神科を基本的な素養に入れた方がよろしいという御提案に非常に賛成ですが、小児科診療もぜひともプライマリーケアとして組み込まれることを望んでおります。 そこで、御質問したいことがあります。まず、小児医療には、プライマリー、二次、三次センターとございますが、実は、どれにおいても国の施策は本当に後手後手に回っております。 どういうことか。まず三次から参ります。センター病院は、国のものは、私が二十五年前に勤めた国立の小児病院と、香川に一つあるだけでございます。ほかは県立でございます。いかに国が小児医療に手を抜いてきたか、センター病院においてはそのツケを今明らかに払っている。 二次医療においては、先ほど申しました無理な統廃合も含めて、地域一般にどのような医療を提供すべきかをいま一度勘案しないと非常に大変なことになる。第一点については研修問題で触れますので、特に第二点目、この間の国公立病院統廃合に伴って地域支援病院としての役割はどのような受け皿をもっておのおの解決されているかについて、担当部署からお話をいただければと思います。 〔委員長退席、坂井委員長代理着席〕
○河村政府参考人 国立病院等の再編成に伴いまして、小児の医療提供体制が減ってきているのではないかというお尋ねが核心かと思います。 国立病院の再編成によりまして、施設が地方自治体あるいは民間等に移譲された結果、小児医療の提供体制がどのように変化してきたかということについては詳細は把握していないわけでございますが、国立病院といたしまして、これまで再編成を行った五十六施設のうち三十二の施設が実際に小児科を標榜し医療を実施していたのに対しまして、再編成後は五十施設の中で三十二施設が小児科を標榜しておるところでございます。 国立病院・療養所におきましては、高度先駆的な医療あるいは難治性の疾病等に対する医療など、国の担うべき政策医療を実施することにいたしておりまして、このような政策医療をなかなか担い切れない施設については再編成を行っておるというのが状況でございます。 こういった考え方に基づきまして、小児医療の分野におきましても、国立病院・療養所では例えば超未熟児に対する高度な医療あるいは小児がんなど民間医療機関ではなかなか対応が困難な医療を担うことにいたしておりまして、平成十三年度におきましては、国立大蔵病院と国立小児病院を統合いたしまして、国立成育医療センターとして整備をいたしますとともに、そのセンターを中心にいたしまして、成育医療に関する診療、臨床研究あるいは教育研修等の機能が一体となった全国的な政策医療ネットワークを形成して、国として担うべき小児医療の推進を図っていくこととしておるところでございます。 〔坂井委員長代理退席、委員長着席〕
○阿部委員 表面的に言えばそうでしょう。というふうにお答えは伺っておきますが、本当に緊急、火急、切実なことですので。内容にわたる、例えば小児の後方ベッドはあるのか、今小児科は外来だけにするところが非常に多くございます、三十二病院標榜しているといっても、何床受け入れられるのか、実際にどういう地域のネットワークの中で後方ベッドたり得るのか、そのあたりについてもぜひとも、次代を担う子供たち、その役割を厚生省は大きく担っておりますから、お願いしたく存じます。 それから、これも要望でございますが、大体百万人に一つセンター病院をという第三次の問題がございます。そして、これは津島厚生大臣の実力と経験においてお願いでございます。実は、沖縄にはそうした小児のセンター病院がございません。長い間日本でいわば基地だけを請け負わされてきた沖縄に、厚生省としてぜひとも小児病院をプレゼントしていただきたく、今お答えは結構ですから、私が、阿部知子がそう言っていたということだけお耳のどこかに残していただければと思います。 引き続いて、研修問題に入らせていただきます。 まずは、今回の医療法の改正で、私が一昨日問題にいたしましたのは、医師の教育はとても大事だからきちんとした理念を持って突き進んでほしいということを一点申し上げました。 それにつけても、きょう私が耳を疑いましたのは、例えば、臨床研修に専念するために継続性が必要ではないかという御質問に対して、柔軟な方法で対処しているというお答えがございました。質問された方は、びっちり、ばっちり、きっちり厚生省として二年間の臨床研修を、鉄は熱いうちに打つんだから、ちゃんとやるんだという決意を示してくださいねという委員の質問がありました。それに対して、厚生省のどなたかは、柔軟な論理でとおっしゃいました。柔軟ということはざるになるということです。 私が伺いたいのは、今一番問題なのは、臨床系の大学院に行っている学生の皆さんです。私は、二年間臨床研修に専念するのであれば、その間に大学院という研究を挟むことに賛同いたしません。なぜならば、継続性を持ってびっちり、ばっちりやれないからです。その点に関して、先ほど水島さんは臨床系でない研究系の大学院のお尋ねでしたが、私は臨床系大学院に行くことが初期の二年間の研修の間にぽこぽこ挟まってよいものかどうか、厚生省のお考えと、ほとんどの大学院は文部省管轄でございますから文部省のお考えを伺います。
○福島政務次官 医療関係者審議会医師臨床研修部会に設けられました臨床研修小委員会の平成八年の意見書では、卒後臨床研修を必修化する場合の制度的な取り扱い、位置づけにつきまして、次のように述べられております。「卒後の進路の如何に関わらず、臨床研修以外の形で医業を行おうとする場合には、その前に臨床研修を修了しておく。従って、臨床系大学院進学者は進学前に臨床研修を受けることが原則である。」というふうに提言をされておりまして、これを踏まえて関係者の理解を求めつつ適切に対応してまいりたいと思います。
○伊藤政府参考人 政務次官の御答弁に少し追加をさせていただきますが、柔軟にと先ほど水島委員の御質問にお答えをさせていただきました。これは、二年間の臨床研修期間中に病気等の事故、それから留学などありますけれども、そういう場合にどうかという問い合わせでございまして、先ほど申し上げましたように、二年間連続して行うことが望ましいと考えているわけでございますが、ケースによっては、病気などの場合は柔軟に対応する必要があるのではないかというふうに申し上げたところでございます。
○清水政府参考人 卒後臨床研修と大学院の関係についてでございますが、二十一世紀医学・医療懇談会報告におきまして、「臨床系の大学院への進学については、卒後臨床研修終了後とし、一方、基礎系や社会系の大学院への進学については、必ずしも卒後臨床研修後であることを要しないが、臨床に転向する際には、その段階で臨床研修を行うことを基本として、検討することが必要である。」という旨が提言されているところでございます。文部省としては、臨床系大学院への進学に当たっては、卒後臨床研修を受けた後で進学することが適切であるというふうに考えております。 ただ、先生御案内のように、我が国の課程制大学院のあり方ともかかわって、卒後臨床研修と臨床系大学院のカリキュラムが混然一体となって実施されている例も見受けられるところであります。そういう実態にかんがみまして、文部省としては、これまで各大学に対しまして、大学院のカリキュラムと卒後臨床研修のカリキュラムを別に作成し実施するよう指導してきている、そういうふうな状況でございます。
○阿部委員 大筋だけとって総括させていただきますが、文部省も厚生省も、鉄は熱いうちに、二年間ばっちり臨床研修をせよという方針であるというお答えをいただきました上で、では、この二年間、びっちり、ばっちりやっていただくためには、やはり身分保障という問題は避けて通れません。特に賃金をどのように算定するかは、先ほど来の委員の御質問にもございましたが、実は明確な御答弁にはなっておりません。そして、こうした法律義務ということを課しますときに、それに見合うどんな保障があるのかということがなければ、若手医師もおちおちと勉学に励むことができません。 ちなみに、まだこれからいろいろデータを集積するとおっしゃいましたが、既に平成六年の厚生省の科学研究において臨床研修医たちの実態について若干の報告がございます。 どういうことかと申しますと、私学では、一番安いところではお給料は月二万五千円、高いところでも十五万円くらいでございます。そして、残る十数万円をアルバイトをして何とか収入を三十五万円台に上らせております。これは厚生省の科学研究からとりましたデータですので厚生省もお持ちと思いますが、三十数万円のうち多くても半分が自分が研修を受けている機関から現在払われている給与で、あとはアルバイトであるという実態でございます。そして、この実態は特に私学の大学で顕著でございます。 研修先には国立か私学か民間の研修指定病院かの三通りがございます。私学で約四千人の方たちが今臨床実習をしておられますが、アルバイトに過半を頼らざるを得ない収入の実態ということにかんがみましたときにも、義務化なさるのであればぜひきちんとした、何も司法修習生ととんとんの給与をよこせとは申しません。さりながら、アルバイトせずとも生活が成り立つ見通しを持ってこの法を成立させなければ、若い人たちが本当に安心して研修することができません。 この点に関しまして、津島厚生大臣でも福島厚生次官でも構いません、お願いいたします。
○津島国務大臣 先ほどから御議論に答えておりますけれども、平成十一年二月の医療関係者審議会医師臨床研修部会で取りまとめられたところでは、「研修中の医師に対して、その手当てが適切に支払われるよう必要な措置を講ずるとともに、指導医の処遇の在り方についても検討する。具体的な費用負担については、国及び医療保険の双方が負担している現状を踏まえ、今後その在り方を整理する。」とされております。 従来より、指導医の手当などの臨床研修病院の経費については、国の補助により手当てするとともに、研修医の給与については診療行為の対価として診療報酬が支払われているところでございます。御指摘の研修医や指導医の給与水準のあり方については、さらに実態把握をした上、関係審議会等で議論を深め、社会的な合意を形成していくことが必要であると考えておりますが、この研修制度を必修化するときには、御指摘のような点を踏まえて、若い医師が研修に専念できるような待遇にしなければいかぬだろうなというふうに思っております。
○阿部委員 津島厚生大臣のお言葉ですから、若い人たちも頼もしいと思って聞いていると思います。 さて、その若いこれからを担う医師たちの労働実態でございます。これは、特に私学も国立も変わりはございません、民間も変わりはございませんが、勤務実態についての報告がございます。日勤と申しまして朝から晩まで働く日が週に五・五日、そして、当直並びに日直を合わせますと週に約六日。ということは、この若手医師たちは、これは福島先生もやられましたからわかりますでしょうけれども、週に六・何日、まかり間違うと週に七・何日働いております。かかる労働実態プラスアルバイトという現状が今の日本の若年医師たちに落とす影は影響が非常に大きいと私は思います。 ちなみに、先般マスメディアをにぎわしました聖マリアンナでの問題でございます。聖マリアンナでは研修医に払われますお給料は六万円、あとはアルバイトでございます。そうした体制の中で育てられた医者が、若いうちからアルバイトになじむ。申しわけございませんが、特に麻酔科のアルバイト料は高うございます。時間当たりで払われる珍しい科です。一日単位ではございません、何時間働いて何ぼ、何件麻酔をかけて何ぼ、麻酔科は非常にコスト、採算、そういうことが刷り込まれる科でございます。 もちろん研修は終わられたでしょうけれども、二十代後半の若い麻酔科の医師たちがああやって薬物におぼれていった背景には、一つにはそうした労働実態あるいは金銭感覚の麻痺、忙しい中で身を切り売りしている現状が強く出たものと私は思います。 私は白書が好きですから、若年医師の労働実態について厚生省はこれから白書をつくられるおつもりがおありか、あるいは労働基準監督局としてこの実態に迫るおつもりがおありかどうか、二点お願いいたします。
○福島政務次官 私も体験をしてまいりましたので先生の御指摘はよくわかりますが、平成六年度に行いました研修医の勤務状況等に関する厚生科学研究の結果や、研究施設により労働条件に格差があることが一部の関係者から指摘されていることは承知をいたしております。 直近のデータは厚生省としまして把握をいたしておりませんけれども、今後、実態把握を進めてまいりたいと考えております。
○鈴木政府参考人 医師、研修医等の労働実態の問題でございますが、私ども、そういった医師等の労働実態について総合的に把握しているものではございませんが、労働基準監督機関による監督指導を通じて法定労働条件の確保を図っているところでございます。 病院等の医療保健業に対しましては、平成十一年に千六百四事業所に監督を実施しておりまして、そのうち千二百九十四件につきまして何らかの労働基準関係法令違反がありましたので、その是正につき指導を行っております。 今後とも、こういった監督指導を通じて医師等の法定労働条件の履行確保に努めていきたいと考えております。
○阿部委員 先ほど千葉での小児科の女医の過労死の事件も取り上げました。もちろん医療は一面において人の命を守る聖職ではございますが、やはり過剰な労働というものは決して患者さんにもいい影響を及ぼしませんので、ぜひとも労働、賃金という側面からも取り上げていただいて、安心して働き続けられるということを、特に女性の医者もふえましたので、なお労働省の担当としてお進めいただきたいと思います。 あわせて、実は研修を受ける側だけの問題ではなくて、研修の指導にかかわる医者も大変にハードワークでございます。私は、今回の厚生省の研修義務化を高く評価いたします。どういうことかというと、これまで専ら大学病院で若手医師を育てていたがゆえの弊害というのはあると思います。視野が狭くなる、世間が狭くなる、プライマリーケアが診られない。ですから、きちんとした賃金保障をして、いろいろな病院で人間の生き死に、実相を見てほしいと思いますゆえに、今度はその教育が民間病院にかぶってきたときの指導医の労働実態、労働強化についても案じるものであります。 私は、昨年、三百四床の病院の病院長として厚生省に研修指定の申請をいたし、許可をいただきました。許可はいただいたものの、はてさて現在でも患者診療に追われるお医者様方に、かてて加えて若手医師に命の責任を持つようにきっちり指導しなさいという重労働を課したら、この人たちがばててしまうと思うほど、実は日本の医療における官民格差がございます。 どういうことかというと、やはり民間病院の方が一人当たりの医師が抱える患者数も多く、労働時間も長い。翻って大学病院は、一昨日も申しましたが、私もおりましたけれども、教育ということを目指してスタッフィングされておりますので、教育面においては恵まれております。そして、今回厚生省が研修指定をし、民間にゆだねるというのであれば、指導医についても、今働いている方以外に別途に教育に専念できるような人の手当て、すべては金です。津島厚生大臣もおっしゃいました、お金がなくては新たに人を雇うことは民間病院には大変負担になってまいります。どこからも補助金も参りません。 教育に日本が金をかけるという姿勢をこの指導医の賃金手当てということにおいても御確約いただきたく、政務次官でも厚生大臣でもどちらでも結構です、御答弁を伺います。
○福島政務次官 臨床研修病院における研修医の数また指導医の数につきましては、病院の規模や患者数など個々の事情によりさまざまなケースがあるものと考えられますけれども、それぞれの病院の体制に応じて適切な研修が行われるということが望ましいと考えております。 そして、その際、ただいま先生から御指摘がありましたように、指導医の手当など臨床研修病院の経費については、従来より国の補助により手当てをされているところでございますけれども、研修にかかわる具体的な費用負担については、昨年二月の医療関係者審議会医師臨床研修部会の取りまとめにおきまして、「国及び医療保険の双方が負担している現状を踏まえ、今後その在り方を整理する。」とされており、さらに実態把握をした上で関係審議会等で議論を深め、適切な研修が行われるように社会的な合意を形成していくことが必要である、そのように考えております。
○阿部委員 ちなみに、現在計上されております予算は、仮に試算されておりますのは五十五億ですが、申しわけございませんが到底足りませんので、よく現状を認識されて、いい医者を育てるためには金はきちんと使うということでお願いいたします。 さて、最後になりましたが、今回、研修の義務化に伴いまして、研修指定病院とそうでない病院の間のいわば格差も広がる可能性がございます。どういうことかというと、研修指定病院には若手医師が集まりますが、今まで、研修指定病院とは限らない、しかしながらいい地域医療をなさっていたところで研修を実際に受けていた方もおありです。こうした、私の言葉では地域支援病院あるいは離島のクリニック等々は、従前であれば、若い人たちがここへ行きたいあそこへ行きたいという中で選択されておりました。しかし、この義務化は、特定の指定病院しか研修の場がなくなるということでございます。 この点について私が質問しましたら、それは研修指定病院と地域の病院がネットワークすればいいよと言われましたが、大きな病院の配下に入るのは嫌だと思う医療機関があっても当然でございます。 こうした意味で、若年医師が本当に自分に見合う研修を身につけるためには、研修指定病院を強固に固定するのではなくて、個々の医師が研修の二年を終わったときに自分の二年間をチェックし、点検し、そしてそのことを国もこれこれの項目が終わった、はい、オーケーであるよということを出せるようなシステムをある程度持たないと、実は最後の認定は一つの研修指定病院の院長の采配に任されてしまいます。今までの教授権力がいいものであったか悪いものであったか、よくないと言われていますが、それと同じことが一つの個別の病院の院長に任されるわけです。人は、いい人ばかりでもございません。そして、一人の病院長からオーケーの判が出なければ、一人の研修医が二年間研修が終わったよとされないようなシステムでもございます。 さて、研修指定病院における各院長の素質、きちんと終えたことをその一人に認定をゆだねていいと考えておられる根拠、私は対案として、研修医が自己チェックし、それをある程度公的な機関がチェックするシステムがよろしいと思いますが、この二者についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○伊藤政府参考人 まず第一点として申し上げますのは、現行の臨床研修指定病院の指定基準につきましては、指導体制を含めて新たなものを策定したいと考えているわけでございます。 もっと具体的に申し上げますと、現行の臨床研修指定病院の指定要件といいますのは、例えばベット数ですとか医師数ですとかございますが、今後、基本的な考え方は、二年間で例えばどういう症例を何例くらい経験できるかという、二年間の研修医の到達レベルというものを前提に、そういうことが実際に経験できるということを主眼に新たな指定基準というものを考えていきたいと考えております。 それから二点目に、それでは研修修了の認定というものをどのように行うのかということでございます。 これは、改正法案におきまして、条文では、厚生労働大臣が、本人の申請に基づきまして臨床研修を修了した旨を医籍に登録するとともに、臨床研修修了登録証を交付すると規定しておりまして、具体的には、この研修修了の評価、認定は研修病院の院長によって行っていただくということを想定しているわけでございます。 平成十一年二月の医療関係者審議会医師臨床研修部会の取りまとめでは、「研修医から提出された研修医手帳及び指導医の評価に基づき、病院内に設けられた研修委員会による評価を踏まえて、研修責任者たる病院長が総合的に評価を行った上で、研修修了を証明する。」とされているわけでございます。 また、大学病院や臨床研修病院等から成る協議会では、臨床研修の実施機関が行う研修修了の認定については、公正かつ透明性を確保する観点から、第三者からの評価を受けることが望まれる旨の提言もされております。 そのほかさらに、研修修了の評価というものを、第三者評価に加えまして、具体的な評価に当たっては、本人、指導医、看護婦や臨床検査技師、患者等による多角的な評価方法を検討するということも提言されておりますし、評価において問題のある研修医については、研修期間の延長でございますとか進路変更の指導等の対象として検討することが必要ではないかということも提言されておりまして、これらの提言を踏まえて、実効の上がる、そして国民の期待にこたえられるような医師の研修体制というものを確立していきたいと考えているところでございます。
○阿部委員 長時間にわたりありがとうございました。 特に、きょう傍聴にも若手医師が参っておりますが、若い人の将来を決めるに当たって、その方たちが本当に自由に伸びていってくれるよう、それが日本の未来を担いますから、その点、今の御答弁でも私は実はちょっと不安ですが、あえて触れず、この医師法並びに医療保険法は特に国民の関心が強うございますから、長い時間をいただきましたが、各委員の熱心な審議と厚生省側のお答えに感謝して、終わらせていただきます。
○遠藤委員長 次回は、来る三十一日火曜日午前九時三十分から委員会を開会し、両案に関し、参考人を招致の上、意見を聴取した後、質疑を行います。なお、理事会は午前九時二十分から行います。 本日は、これにて散会いたします。 午後五時三十四分散会