厚生委員会 第1号
- 発言数
- 80 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2000/10/12
会議録
○遠藤委員長 これより会議を開きます。 開会に先立ち、民主党・無所属クラブ、自由党、日本共産党及び社会民主党・市民連合所属委員に出席を要請いたしましたが、出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 厚生関係の基本施策に関する事項 社会保障制度、医療、公衆衛生、社会福祉及び人口問題に関する事項 以上の両事項について、その実情を調査し、対策を樹立するため、小委員会の設置、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期中調査を進めたいと存じます。 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○遠藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————◇—————
○遠藤委員長 厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として警察庁生活安全局長黒澤正和君、厚生大臣官房総務審議官宮島彰君、厚生大臣官房障害保健福祉部長今田寛睦君、厚生省健康政策局長伊藤雅治君、保健医療局長篠崎英夫君、生活衛生局長西本至君、社会・援護局長炭谷茂君、老人保健福祉局長大塚義治君、児童家庭局長真野章君、以上の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○遠藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○遠藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。竹下亘君。
○竹下委員 自由民主党の竹下亘でございます。 実は、質問をする前に、私たちのふるさとの鳥取西大地震に関連いたしまして、厚生省あるいは厚生大臣にまずお願いをさせていただきますのは、あの地震の被害に遭った地域というのは残念ながら日本一の高齢地域でございます、ですから、お年寄りが非常にたくさん被災しているんだという特殊事情を考慮して、心のこもった対応をしていただきたいというのが一点。そして、例えば老人福祉施設ですとか保育所ですとか、厚生省に関連するさまざまの施設が、まだ被害の状況ははっきりはいたしておりませんが、かなり損傷を受けておるというふうな、私、現地に入ってみまして、そういう印象を受けました。これからしっかりケアをしていただきたいということを、質問の冒頭に当たりまして大臣にお願いを申し上げる次第でございます。 さて、きょうは主として少子化の問題について質問をさせていただきます。 御承知のとおり、今、特殊出生率は一・三四という数字にまで落ち込んでおります。これは、夫婦二人で子供を二人、これでチャラですが、いろいろな事故がありますので、二・〇八で現状の人口を維持できるという水準に比べますと、非常に厳しい数字でございます。これでは二十一世紀の私たちの社会というのはどうなってしまうんだろう。その一方で、平均寿命が延びまして高齢化は進んでおる。人口構成も含めまして、日本という国が二十一世紀どうなっていくのか。そのかぎを握るのは、まさに、子供がいないことにどう対応するかではないかと私は考えております。 しかも、この状況で少子化が進展をいたしますと、現在では六人で一人のお年寄りを支えておる社会でございますが、二〇五〇年には三人で一人のお年寄りを支えるという世界に類を見ない社会構造になってしまう。 私の地元でございますが、合計特殊出生率は一・六一でございまして、全国で三番目に高い数値になっておりますが、冒頭にもお話をしましたように、残念ながら全国一の高齢県でございます。高齢化率二四・三という、日本があと三十年後に達するという数字にもはや島根県は達しております。その意味で、今、全国で予想される少子高齢社会というものが幸か不幸かもう島根県では来てしまっておるというのが現状でございます。 このようないわば少子化の進行というのは、日本の将来にさまざまな分野で、一つの分野だけではなくて、労働の分野でももちろんでございますし、社会全体に影響を与える。そして、日本経済が活力を持っていくためにこれでいいのかという思いも持ってしまうわけでございます。 そこで、少子化の影響といったことについてお尋ねをさせていただきます。 最近の急激な少子化の進行は我が国の経済社会あるいは地域社会というものにどのような影響を与えると厚生省の方でお考えになっておるのか、まず伺わせていただきます。
○真野政府参考人 お答えいたします。 近年の急速な少子化の進行ということにつきまして、私ども人口問題審議会が、平成九年に、いろいろな方面、各界の方々からの御議論をいただきまして、それにつきまして基本的な考え方というものを意見としてまとめておりますが、そういう中でこの少子化の進行が我が国経済社会に与える影響というものについても分析をいたしております。 一つは、経済面につきましては、いわゆる労働力人口が減少をするということで経済に悪影響を及ぼすのではないか。また、高齢化の進展ということに伴いまして高齢者の比率が上昇することによって、高齢者は一般的には、個人差はございますが、短時間労働ということで、労働人口が減少する上に労働供給力も逼迫してくるのではないか。そういう労働力の減少と労働生産性の伸び悩みということから、我が国の経済にマイナスの影響を与えることを懸念いたしております。 また、社会面におきましても、いわゆる単身者や子供のない世帯が増加をいたしまして、社会の基礎単位でございます家族の形態が大きく変容していくのではないか。また、子供の数が減少いたしまして、いわゆる子供社会そのものが成り立たなくなるというようなことで、子供の健全な成長に影響が出るのではないか。また、地域社会そのものといたしましては、先生今御指摘のございました、高齢化または過疎化の進行によりまして、今かなりの自治体がそういう状況になっておりますが、住民へのいわゆる基礎的サービスを自治体として提供する地域社会そのものの成り立ちが難しくなってくるのではないかというようなマイナスの影響を与えることを懸念いたしております。 一方、議論の中では、少子化が進行すればいわゆるゆとりのある生活環境が形成できるのではないかとか、受験競争が緩和されるのではないかというようなプラス面の影響を指摘する御意見もございますけれども、そのような影響は短期的なものでございまして、やはりそういうプラス面よりもマイナス面の影響の方が大きいのではないかということが言われております。 人口問題審議会のそういう意見も、私ども大体そのように思っておりまして、少子化というのはそういう意味で我が国の社会経済に非常に大きな範囲で影響を与える大問題であるというふうに思っております。
○竹下委員 まさに、御答弁をいただきましたように、少子化という問題は、日本の経済や社会に対します大変大きなあるいは深刻な影響というものが心配をされておるわけでございます。そういう意味で、この問題は緊急かつ重要であると同時に、今手を打ったから来年あるいは再来年に効果が出てくるあるいは政策的に何か手を打てばそれで解決するといった問題ではないだけに、より深刻であると感じております。 また、我が国がこれから安定的な経済成長を確保する、世界の中で堂々とやっていく、しかも生き生きとやっていく、こういう社会であり続けるためには、将来の生産人口あるいは将来この日本を支えてくれる子供たちが少ないというのは非常に深刻でございます。その地域社会、私はふるさとという言葉が好きでございますが、ふるさとに活力があるかどうか一番わかりやすいバロメーターは、子供がたくさんいるかどうか。たくさん子供がいれば、見ただけで、その社会は活力がある、しかも、将来活力がさらに維持できるなということが期待できる社会だというふうに感じるわけでございます。 私はぜひ政府を挙げて少子化というものに対する対応をしていかなきゃならぬというふうに思っておりますが、一方で、今の社会は一人一人の考え方が多様化した社会である、こういうふうに言われております。この多様化したニーズにこたえながら、しかし、日本という国にとって少子化対策に取り組んでいくということが基本になってくるのではないかと思う次第でございます。 そこで、なぜ今このように少子化が起きているかという原因についてお伺いをさせていただきます。 未婚率が上昇したからだ、こういうことも確かに言われております。また、教育費がかかるからだ、こういう声もたくさんあります。さまざまな見方もあるでしょうが、厚生省として少子化の要因についてどのように分析をしておられるのか、あるいは、何か詳しいアンケート調査みたいなものでもあれば、多少説明をいただければありがたいと思います。
○真野政府参考人 現在の我が国の少子化の要因でございますが、人口学的には未婚率の上昇だと言われております。 日本の出生で大変特徴的なことは、婚外出生が非常に少ないということでございまして、婚外出生数の割合は一%程度でございます。五〇%前後のスウェーデン、デンマーク、それから三〇%強のイギリス、フランスと比べますと、非常に婚外出生が少ない。いわば結婚が出生の前提になっておるわけでございまして、そういう中で未婚率が上昇している。例えば、昭和六十年から平成七年の十年間の間に、二十歳代後半の女性の未婚率は三割から五割に上昇いたしております。そういう意味で、未婚率の上昇が少子化を進めている状況になっております。 ただ、いろいろなアンケート調査をいたしますと、未婚の男女いずれもその九割は、いずれ結婚するつもりだ、いわゆる結婚の意思はある。したがいまして、必ずしも一生結婚しないという選択をしているわけではございませんで、結婚するつもりはあるということでございます。そういう状況の中での未婚率の上昇が起こっているということでございます。 そういう晩婚化の進行ということにつきまして、いろいろなアンケート調査その他から見ますと、いわゆる個人の結婚観や価値観が変わってきたということにあわせまして、男女の固定的な性別役割分担や職場優先の企業風土、それから核家族化や都市化の進行によりまして母親の孤立という問題が起こっておるのではないか、また家庭での子育てにかかりますさまざまな負担感など子育てそのものの負担と、仕事と子育てを両立する場合の負担感が増大をして、結果として、結婚しない、子供を産まない状況になってきているのではないかというふうに考えられておりまして、私どもといたしましては、結婚をし家庭を築きたいという方々がその希望を実現でき、また子供を持ちたいという方々が子供が持てる、もしそういう状況を阻害しているいろいろな要因があれば、その阻害要因に一つ一つ対応していきたいというふうに考えております。
○竹下委員 確かに、結婚とか出産とかというものは、まさに一人一人の人間の意思にゆだねるべきものでございまして、例えば憲法にも結婚は両性の同意によってのみ成立するとはっきり書かれておるところでございます。 私は団塊の世代ですので、たくさん子供のいる社会の中で育ちました。ただ、かつて言われていた産みなさい、育てなさいという、戦争に突入する以前の日本のそういう政策を今とれるか。私は、それは間違いである、それは国家が産みなさいとか国家が産んでくださいとかという問題ではない、しかし、国を預かる政府としてあるいは国の将来を憂える国会としては、少子化はこのままでいいのか、なぜ少子化になるか、その障害になっている要因、障害になっている壁を一つ一つ取り除いていくことが大事ではないか、こう考えるわけでございます。 例えば、最近では、仕事を持つ若いお母さんが圧倒的にふえている。そういう中で、子供を育てる難しさ、あるいは、男性すなわち亭主がどこまで協力してくれるか。私に、おまえにその資格があるかと言われると、じくじたるものがないわけではありませんが、そういうことを含めて子育ての困難さ、あるいは、悩んだときに、昔なら地域社会に老人がいる、あるいは家庭におじいさん、おばあさんがいて、その悩みを吸収できるショックアブソーバーがあったわけでございますが、今は核家族化が進んでそれがない。また、地域社会の中でのつながり、特に都会ではそれを相談するところ、悩みを問いかけるところがないといったような問題もあります。 また、子供たちを伸び伸びと育てたいあるいはもう一人持とうかなというためには、魅力ある、子供たちが伸び伸びと育つような社会環境がなきゃいかぬ、法律だけで決めても難しいかなと思うような次第でございます。 アンケート調査を見てみますと、理想の数だけ子供を持たない。実は夫婦として理想は二・五三人欲しいというのが厚生省の調査で出ておりますが、現実には二・二一人で、理想よりも少ない子供しか持っていないというのがこのアンケートの結果なのでございます。子育てにかかる心理的あるいは肉体的な負担、仕事との両立の難しさ、教育費の負担、あるいは住宅の広さの問題、こういった問題を一つ一つ解決をして子供を育てやすい社会環境をつくっていくこと、これがまずやらなければならないことではないかなと思う次第でございます。 しかし、先ほどお話ししましたように、私は団塊の世代で、子供のたくさんいる状況の中で育ちました。今よりも住宅環境は全然劣悪でございましたし、食糧をめぐる問題も大変難しい状況、教育環境に至っては今とはとても比較にならない。基礎的条件が違うという、いいか悪いかということでいえば、確かに数字の上では以前の方が悪かったと思いますが、しかし、その中でもたくさん子供たちはいました。そして、たくさんの子供たちがお互い地域でもまれて育ってきた。 私自身の経験からいいますと、年齢の違う地域のグループに餓鬼大将がいまして、その餓鬼大将にこつんとやられたこともありますし、子供同士でけんかをすることもある。あるいは年上の子供がより小さな子供の面倒を自然に見るような地域社会、子供の社会がある。つまり、そこで社会訓練といいますか、心の訓練をする場面があったわけでございます。 それだけではなくて、もちろんけんかもします。子供ですから、けんかしていいと思うんです。けんかもしますが、けんかをする中で、ああ、これ以上はやっちゃいけないなという、けんかの限界みたいなものを子供のときに体で覚える。いきなり刺すというような最近の行動を見ておりますと、もしかしたらこの子たちは子供の時代に、地域社会あるいは子供たちの社会の中でもまれて、心のたくましさを育てられないままに、いきなり、十五歳だ、十六歳だ、十七歳だという社会に飛び込んではいないかなという危惧を覚えるような次第でございます。 子供は、しかし、何といいましても宝でございます。「しろがねもくがねも玉も何せむにまされる宝子にしかめやも」、山上憶良が詠んだあの歌、私は好きでございますが、この宝物を、最近の経済用語でいいますと未来への投資という表現になるのでしょうか、そういった視点も加えて、積極的に政府が支援していく必要があると思います。 そこで、お尋ねをさせていただきますが、少子化のさまざまな要因に対応するためには総合的な少子化対策というものを考えていかなければならない。一つの政策だけではどうしても難しい。政府としてどのように総合的な政策を推し進めていくつもりでいらっしゃるのか、お尋ねをさせていただきたいと思います。
○津島国務大臣 竹下委員の少子化の御質問に答えます前に、冒頭お触れになりました鳥取県西部地震について一言申し上げます。 現地では今も余震が続いておりますし、それから相当多数の方がまだ避難生活を余儀なくされておりますので、私どもといたしましては、地元の地方自治体ともよく連携をいたしまして、こういう方々への仮設住宅の供与であるとか当面の生活必需品の提供等できるだけのことをさせていただいております。今後とも、厚生省関連施設や水道施設の被害状況も精査の上、国庫補助等できる限りいたしたいと思いますので、また予算の面で委員会の皆様方の御支援をお願い申し上げる次第でございます。 さて、少子化でございますが、今お話を聞いておりまして、戦後の日本社会の変化の、老齢化と並んで一番大きい要因だなという感を深くいたしました。今さら申し上げるまでもなく、今からちょうど五十年前の一九五〇年の合計特殊出生率が三・六五でございました。一年間に二百三十万以上の子供さんが生まれていた。それが、ちょうど真ん中の二十五年ぐらい前、昭和で申しますと五十年ぐらいに二を割ったのですね。一・九一になってきて、出生数が二百万を割ってきた。そして、今日の一・三四までずうっとつるべ落としに減ってきた。 この原因というのは、委員御指摘のとおりさまざまな要因がございますけれども、しかしこのままにしておくわけにはいかないわけでございます。我々として、一番大きな励ましの要因としては、若い方々がイメージしておられる子供さんの数というものが現実の生まれてこられる数を上回っているという、ここはやはり重視しなければならない。希望されているほど子供さんを持っていただけないのは、やはり子育てそのものや仕事と子育ての両立にかかる負担感があるんじゃないかなというふうに思いまして、福祉、雇用、教育、住宅等幅広い分野にわたる総合的な施策を推進することが重要であるという点は、委員の御指摘のとおりでございます。 政府としては、厚生省ばかりでなく、総合的な施策を実施するために、少子化対策推進関係閣僚会議を設置いたしまして、昨年末に少子化対策推進基本方針を決定いたしまして、重点的に推進すべき対策として具体的には新エンゼルプランを関係六大臣の連携のもとに策定し、これを推進しているところでございます。 その具体的な内容をさらに申しますと、保育サービス等子育て支援サービスを充実するということ。仕事と子育ての両立のための雇用環境の整備をすること。働き方についての固定的な男女の役割分担というものをやはり是正をしていく。それから、日本は職場優先に少し行き過ぎているのではないか、家庭を大事にするという風土をつくっていくこと。それから、申すまでもなく、母子保健医療体制を整備すること、こういうことを進めておるところでございます。 そして、委員の御質問を聞きながら感じたのは、基本的には、将来の日本に対して前向きの社会心理といいますか気持ちが出てくることが大事だなと。これは外国のいろいろな例を見ておりましても、そういう面が意外に大きいということを感じておりまして、今我々が推進してまいりました二十一世紀に向けての新生計画あるいは再生計画、そして経済の新しい活力が出てくるということもまたこの少子化問題を解決する大きな要因であるということをつけ加えさせていただきたいと思います。
○竹下委員 ありがとうございました。 子供たちをふやしていかなきゃならない、しかし、先ほど大臣がおっしゃいました子供をたくさん産んでいた戦後の時代と比べますと、若いお母さんたちの社会進出がどんどん進んでいる状況である、そういう社会の変化に対応して、政府も企業も、あるいは社会全体も、子供がたくさんいる社会にするんだという思いでもっていかなければ、この問題は、法律を直したから解決するという問題ではないというふうに思います。私たちの務め、今の世代を生きておる者の務めとして、次の世代に少しでもいい日本を引き継いでいかなきゃならないという使命があると思います。政治の仕事の大きな一つも、次の世代に少しでもいいものを引き継ぐんだという思いを込めて毎日の仕事をやっていくことであろうと思います。 そういう中で、今統計の数字を見てみますと、二〇五〇年には七千万だ八千万だ、二一〇〇年には六千万を切るというふうな日本の人口の予想図を見ますと、これでいいふるさと、いい日本を私たちは次の世代に渡したと言えるのかな、やはりここでもう一踏ん張りも二踏ん張りもして努力をしなければならぬなという思いを強くいたすわけでございます。 こうした認識に立ちまして、先ほど大臣がおっしゃいましたように、将来どのような明るい社会を目指すのかということが、では、もう一人子供をつくろう、もう二人つくろうという、若い人たちの将来への思いをかき立てるのに非常に重要な問題であると思います。そして、少子化への対応を図るためには、政府の取り組みだけではなくて、実は企業も非常に大きな役割を持つ。若いお母さんたちを雇っている企業が子育てに対してどういう態度、理解を示すかによって大きく違ってくる。また、地域社会が子供たちにどう接するかによっても違ってくる。まさに、いろいろな人たちが一体になって社会全体で子育てを支援していく必要がある。 その意味で先ほど大臣のおっしゃいました認識とは基本的に一致をいたすわけでございますが、これからどういう社会を目指し、そして、みんなが一緒になってやっていくというのなら、どういう形で支援をしていく必要があるというふうにお感じになっているか、お尋ねをさせていただく次第でございます。
○津島国務大臣 少子化対策の推進に当たりまして、政府ばかりでなくて国民的な理解や広がりを持って運動をしていかなきゃならないということ、委員の御指摘のとおりだと思います。家庭や子育てに夢を持つことができる環境を社会全体で整備していくということに尽きると思います。 このために、今、総理のもとに、経済界、労働界、マスコミ、地方公共団体、それから保健、医療、福祉関係者など幅広い分野の代表者から成る少子化への対応を推進する国民会議というものを設置いたしておりまして、本年四月には当面の取り組み方針を取りまとめていただきました。 現在、これに基づいて各界各層における取り組みを進めていただいているところでございまして、今後とも、多くの国民の理解を得ながら少子化対策の推進に努力してまいりたいと思っております。
○竹下委員 これで終わります。ありがとうございました。
○遠藤委員長 続いて、鴨下一郎君。
○鴨下委員 おはようございます。 今、竹下委員からお話がありましたけれども、世の中のムードが、多少、今のところ先行きに対していろいろな意味で不安な気分がある、こういうようなことであります。そういう中で、少子化と同時に私が非常に心配して憂慮している問題は、ここ数年間非常にふえてきた自殺の問題であります。 今、警察庁のいろいろな資料をいただいたんですが、この資料でいいますと、平成十一年の自殺者の総数は三万三千四十八人で、前年に比べて〇・六%増加している、こういうことであります。特に、性別でいうと、男性がその中の七一%、七割以上で、男性の方がそういう意味でみずからの命を絶っている、こういうようなことであります。 私は、この問題について、これから政府が、そして政治がいろいろな意味で手を差し伸べなければいけない重要な分野である、こういうふうに考えております。そういうことできょうはお伺いをしたいというふうに思っておりますが、今の数字について警察庁の方は大体それでよろしいのか、それから、その後の例えば対策等につきましてもお答えをいただきたいというふうに思います。
○黒澤政府参考人 お答え申し上げます。 ただいま委員御指摘のとおりでございまして、平成十一年中における自殺者の総数でございますが、三万三千四十八人でございまして、前年に比べて〇・六%増加しておりまして、これは昭和五十三年に私ども警察庁が自殺の統計をとり始めてから最も大きい数字になっております。 この内訳でございますが、年齢別で見てみますと、六十歳以上が全体の三三・七%と三分の一以上を占めております。また、五十歳代が二五・一%、四十歳代が一六・二%、三十歳代が一一・五%といったぐあいで、年代が上がるごとに自殺者が増加しておるという状況にございます。 それから、原因・動機別の分類でございますが、自殺の原因は個別かつ複合的ではございますが、遺書のある方は九千二百七人でございますけれども、私ども警察が推定いたしました原因・動機別の分類で見てみますと、健康問題が四一・二%、次に多い経済・生活問題が三〇・二%、家庭問題が八・九%の順となっております。 警察といたしましては、各種の執行務を通じまして、例えば、巡回連絡で管内実態の把握に努めますとともに、管内住民等の悩み事や困り事の相談に応じまして解決を図る活動を行う、あるいは家出人の届け出による捜索でありますとか、パトロール中などにおきます自殺のおそれのある者の発見等により、また、少年につきましては各種相談業務や少年補導等の活動を通じまして、この種事案の防止に努めているところでございます。今後とも、適切に対処してまいりたいと考えておるところでございます。
○鴨下委員 今のお話の中にありましたけれども、少年の自殺等につきましてはマスコミが非常にセンセーショナルにとらえますので多いように思いますけれども、私は、一番深刻なのは中高年の男性の自殺だというふうに思っています。 これはいろいろな原因があると思いますが、一つは今の経済状況等もあるんでしょうけれども、これから構造的に自殺がふえていくことを私は非常に心配しておりまして、例えば家庭の中のいろいろな、コミュニティーの崩壊だとかひとり暮らしだとか高齢化だとか、さまざまな要因が重なって自殺がふえている、こういうようなことだろうと思うんです。 お亡くなりになった方もそうですけれども、残された方は非常に痛ましい状況でありますし、例えば病死等ですといろいろな意味で周囲のサポートもあるんですが、自殺というと何となく御家族、親戚も含めてそれを隠すような状況の中で救済をされないような形で、非常につらいつらい思いをしている方々も多い。 こういうようなことで、いよいよ、三万人という数でありますから、政府も挙げて、それから厚生省も挙げてこの問題に真っ正面から取り組む、こういうような時期なんだろうなというふうに私は思っております。厚生省にお伺いしますが、この現状について厚生省としてのお考えはいかがでしょうか。
○今田政府参考人 委員御指摘のように、また警察庁からの御報告にもございましたように、三万人を超える自殺者に上っているという状況、御指摘の五十歳代の自殺が八千人余りにも上っているという状況、さらにはその原因において健康問題あるいは経済・生活問題、家庭問題等が大きな要因になっている、このように承知をしているわけであります。 自殺によりまして残された家族の心の負担、それから将来への不安は大変大きいと思われますし、また、地域社会への影響もはかり知れないものがあると考えられます。これらの背景には御指摘の幾つかの因子もあろうかと思いますが、それに加えまして、うつ傾向のような心の問題もあるのではないかと考えております。 厚生省といたしましては、こういう心の問題という視点にも大いに目を向けながら、自殺者の増加に対して、これを憂慮すべき課題として積極的に取り組まなければならないと考えております。
○鴨下委員 今お答えの中でうつという話がありましたけれども、私も医師として仕事をさせていただいていて、現代はうつの時代だというふうなことを多くの学者も言いますけれども、私もそういう実感があります。そして、自殺をしていく方々の多くは、一番最後の段階ではほとんどうつの状態で、世をはかなみ、なおかつ、将来に対して悲観的になり、現状に非常な心配と不安を感じ、結果的に自殺に至る、こういうようなことなんだろうというふうに思っています。 本来ですと、地域のコミュニティーだとか会社の中の人間関係だとか、あとは家族だとか、そういう方々が周囲にいてそれをサポートするというようなことがあれば未然に防げる方々ももっともっと多いのだろうというふうに思いますが、そこが残念ながら現代の中でだんだんと希薄になってきた部分がありまして、それが自殺がふえているということだろうなというふうに思います。 ですから、うつにまず最初にきちんと対応することも重要なんですけれども、私はその後に、ああ、死にたいなと思ったときにどこかに相談をする、言ってみればホットラインのようなものがあらゆる地域の中にあったり、それから、本来だったら例えば会社の上司に相談したり家族に相談したりすることができればいいのですけれども、できない状況で追い込まれていったときに第三者的なところがそれをカバーできるようなシステムを何かの形でつくり上げていかないといけないなというふうに思っております。 これは、例えば労働省は労災病院だとか何かでそういうような事業をやっているようでありますし、厚生省は厚生省なりの御工夫もあるようでありますけれども、来年からは厚生労働省になるわけでありますから——私は、自殺問題について今回質問する段階で警察庁や厚生省、総務庁、総理府、いろいろと尋ねてみたのですが、どことしてヘッドクオーター的にそれを統括しているようなところがなかったものですから、それぞれの省庁で縦割りの中では御工夫はなさっているのでしょうけれども、その点のところが非常に手薄になっているなというふうに思ったものですから、これから厚生労働省になっていく段階で、この自殺対策について、もっと政府を挙げて、国を挙げてやる施策はないものだろうか、こういうようなことについて大臣にお答えをいただければ幸いです。
○津島国務大臣 鴨下委員御指摘のとおり、自殺が死亡要因として非常にふえている、これは看過できない現象でございます。これをどのようにして抑止をしていくかということは、原因が複雑でございますからなかなか簡単な施策で対応することはできないわけであります。自殺者の増加が社会経済に与える影響、それから、御指摘のとおり残された家族に与える負担も非常に大きいと思いますが、その背景が非常に複雑なだけに、厚生省の施策としてこれがということはなかなか言えない。 私どもとしては、専門家である鴨下委員の御提言もいただきたいなというぐらいに思っておるわけでありますが、一つ言えることは、カウンセリングが適当なときに行われる、周りからのサポートがもう少しあったらいいのではないかというのは御指摘のとおりであります。それから、国民の大多数が非常に長い間過ごしている職場というものと、トータルとしてのその方の生活環境というものとが、うまく全体として、苦境にある、心理的に追い詰められた方を守っていく方に働いていかないという問題があるのじゃないか。 そういうことも頭に置きますと、厚生省ばかりでなくて、関係省庁、労働省等とも相談しながら対策の推進を図っていかなければならないと思っております。厚生労働省ができましたときは、その点について一つの工夫ができるかもしれないというふうに私は思っております。
○鴨下委員 ぜひ津島大臣に先頭に立っていただきまして、厚生労働省以外にも、例えば子供たちのいわゆるデスエデュケーションといいますか、生きること死ぬことについての教育なんかも重要だろうというふうに思いますし、そういう意味でいうと文部省も含めてなんですが、各省にまたがるさまざまな問題で総合的に対応をしていかなければいけないというようなことでありますので、ぜひそのことをお願い申し上げたいというふうに思います。 次の問題に移らせていただきますが、これはちょっと別の話でありますけれども、私は、薬の産業を日本の産業の基幹産業、特にリーディングインダストリーとしてこれからどういうふうに守り立てていくかというようなことについて質問をさせていただきたいと思います。 残念ながらといいますか、過去に、例えばHIVの問題で、薬務局が医薬安全局と健政局の経済課というような形で、規制と振興というようなことについて、厚生省の中でも二つの部署に分かれていったわけであります。そういう意味では、薬は非常に安全でなければならないわけでありますし、国民にとって安心して飲めるものでなければいけないわけでありますから、この流れそのものは私はそれなりに肯定はするものであります。 また、別の次元からいいますと、過去には、戦後間もなくは、それこそソニーだとかトヨタが日本を引っ張って、最終的に日本は経済の豊かな国になっていったわけでありますが、これから先は日本は何で食っていくのか。こういうような話になったときに、もちろん今国を挙げてIT、ITと言っておりますけれども、私は、ITはある種手段であって、その後には、例えばバイオを含めて、どういうふうな形で日本が高度な薬をつくっていき、世界にそれを売っていけるか、こういうようなことが、日本がこれから世界の中で豊かな国として存在し続けられる、非常に大きな一つの基幹産業になるんじゃないかというふうに思っているんですが、残念ながら、今、日本の医薬業界は、年々例えば外国資本に圧迫されてきていますし、新しい薬の開発に対してもなかなか十分な開発費も充てられない。さらに、いい薬をつくっても、そのいい薬が公定価格というような制限の中で販売されていくわけでありますから、ある意味で大変な労力と経費をかけて開発していくのは間尺に合わない、こういうようなことで日本の薬剤メーカーがだんだんと地盤沈下していく。 このことについては、私は厚生省に言うべき話なのかどうかはちょっと悩むところがあります。医薬安全局にはできない、しかし厚生省がやらなければいけない分野なのかなというふうに思っておりまして、そのことについて、一つは、国の施策として例えば基礎研究、ゲノムの研究なんかに対しては相当いろいろな意味で予算を重点的に配分しておく必要があると思いますが、それを今度は特許等についてもできるだけ容易に民間の企業に移転していくような仕組みをつくっていく必要があると思うのですが、まず先端の基礎研究をどういうふうに民間企業に移転していくか、こういうようなことについて厚生省のお考えをいただきたいと思います。
○伊藤政府参考人 医薬品等の研究開発につきましては、基本的にはメーカーの責任において行われるべき事項でございますが、しかし、今先生御指摘のように、我が国の製薬産業を二十一世紀のリーディングインダストリーとして考えていくといったときに、やはり行政としても非常に基礎的な研究などにつきまして企業の開発を支援していく、こういうことが非常に重要になってきているというふうに認識をしております。 これまで、厚生省におきましては、保健医療分野におきます基礎研究推進事業というのがございますが、この事業の充実によりまして国内の基礎研究を支援する一方、官民共同研究などの開発研究の推進に努めるとともに、そのほか出融資制度でございますとか税制における優遇措置など、民間企業に対する支援策を講じてきているところでございます。 一方、平成十二年度から、遺伝子情報を利用しました画期的な医薬品等の開発を推進するために、ミレニアムプロジェクトの一環といたしまして、遺伝子解析による疾病対策・創薬推進事業を実施しております。 こういう事業の成果をいかに民間に移転をしていくかということが目下非常に大きな課題でございまして、私どもといたしましては、例えばジェノックス創薬研究所などの研究開発法人を活用いたしまして、研究成果の民間企業への移転を図る仕組みを早急に整備していかなくてはいけないと考えております。これは、具体的に申し上げますと、研究開発法人の会員になって会費を払っていただき、このような研究成果を一定期間優先的に使用できる、こういうコンソーシアムの仕組みでございますとか特許管理の仕組みなど、必要な仕組みを整備していきたいと考えております。 さらに、来年度から、メディカル・フロンティア戦略に基づきまして、たんぱく質科学研究の推進でございますとか、画期的な医薬品への実用化の可能性の高いものにつきましては研究開発の促進を図るほか、画期的な医薬品等の開発促進のための技術開発基盤の整備も概算要求の中で新たにお願いをしているところでございまして、これらの事業を通じましてその成果の実用化に資してまいりたいと考えているところでございます。
○鴨下委員 今、新しい薬といいますか、日本で開発してアメリカで売れている薬の中で、アメリカの上位売り上げの二十五品目の中に日本のメーカーは七位と十三位に入っているのです。あとはアメリカの企業、それからヨーロッパの企業が多いのです。日本の企業というのは二十五位までにはさらにあと四つ入っているわけでありますから、最終的には、日本の企業は二十五品目の中に六つ入っているのです。ということは、相当健闘をしているところであります。 ただ、先ほど申し上げましたように、今の薬は物すごく開発に時間がかかるし、開発リスクも高いわけでありまして、特許庁の調べですと、研究開発の成功率は五千分の一だというのですね。一番低い。ほかの業種と比べると非常に低い。それから、例えば一つの特許を申請するのに物すごいコストがかかる。こういうようなことを含めますと、基礎研究については、もう企業任せだけではなかなか、すばらしい研究をしろと言ったって金が追いついていきませんから、言ってみれば国と一体になってある程度やっていかなければいけないのだろうというふうに思います。 その中で比べてみますと、医療に係る研究開発費に政府がどれだけ貢献しているかというと、日本は一九九七年で一五・八%、アメリカが四五・二%ですね。今健政局長がお話しになりましたけれども、例えばゲノムの研究、それから先端的な医療のさまざまな研究に対して、アメリカと比べると多分十分の一ぐらいのオーダーだろうというふうに思うのです。これではどんどんおくれていってしまう。 そういうようなことで、あえてきょうは、薬の産業をどういうふうにこれから活性化させていくか。例えば金融なんかでいいますと、ビッグバンがあって、世界の中で競争していけるような幾つかの大きな資本に固まってきた。だけれども、なかなかそれを官主導でやっていくわけにはいきません。しかし、これから日本が二十一世紀に向けてリーディングインダストリーとしての製薬、創薬というものを位置づけていくのだと、ある程度それは国を挙げてやらなければいけないのだろうというふうに思っております。 例えば社会保障という枠の中で、今は大体、一九九八年が二十九・六兆円の医療費の中で薬剤費が六兆円強、それも約十年間でシェアが三〇%から二一%まで薬剤費は減ってきているわけです。それは結構なことなのです。医療費の負担の中でむだが省ける。ただ、それは逆に言いますと、全体的な産業としての製薬というようなことについては、いろいろな意味で体力が減弱してくる、こういうようなことなのだろうというふうに私は思っております。 ぜひこれは官民を挙げて、これからの二十一世紀の知識集約型の産業として、製薬、創薬というものについて、厚生省がやるのがいいのか通産省がやるのがいいのか政府がやるのがいいのか、ちょっとよくわかりませんけれども、経済の問題を含めて、いかに社会保障を充実させるかというのは、片や稼ぎ頭の企業がなければいけないわけでありますから、そういう両面から、もし津島大臣のお考えがあればお聞かせをいただきたいというふうに思います。
○津島国務大臣 鴨下委員御指摘のとおり、日本は少子高齢化時代で大きな問題を抱えているが、これに取り組むだけの経済的な力も持っている。それからまた、そういう意味では薬に対する大きなマーケットを持っている。そういうことを前提といたしますと、医薬品産業というものが、厚生省の側からいうと国民の保健医療水準の向上に不可欠であると同時に、経済政策全体からいいましても知識集約型の産業として二十一世紀に一番大事な産業だ、こういう認識は広く確立をしつつあると思っております。 厚生省として、こういう立場から、二十一世紀をリードする将来性のある重要な産業として医薬品産業に育ってもらいたいと思っておるわけでありますが、この議論は、さっき局長の御答弁にありましたように、ミレニアムプロジェクトをどうやって進めるかということの中で随分議論をいたしました。 例えば、経済を発展させるという立場から通商産業省等が熱心になられる、あるいは科学技術とか文教の立場から文部省や科学技術庁がかかわられる、そして、製薬の分野におきましては厚生省がやはり一番大きな関係を持っておる。これらの関係省庁が本当に連携して育てていけるかどうか、私、閣僚レベルでも絶えず話をさせていただいていると思います。 それと同時に、厚生省として、やはり医薬品を開発し活用する立場から新しいイニシアチブが必要だということで、これもさっき触れられましたが、メディカル・フロンティア戦略というものを、来年度からミレニアムプロジェクトと同じぐらい予算も要求をいたしまして、そちらの面からもこれを促進していきたいと努力をしているところでございます。 一方では、基礎研究推進事業として、それから産官学の連携による出融資事業として研究支援をすると同時に、厚生省の本来の分野においても、ヒトゲノムの機能解析と創薬研究の推進を図るということで努力をしておるところでございますけれども、率直に言いますと、まだまだ改善の余地はあるなというふうに思っております。ヒトゲノムの解析とか遺伝子科学というものが国民が期待するようにきちっと医薬品業界の発展につながっていくためには、まだいろいろな努力が要るなという感を私は持っておるところであります。
○鴨下委員 新しい画期的な薬というのは非常に開発に時間もかかりますから、今始めても十年後、十五年後にしか結実しないわけでありまして、そういうことでいいますと、今はまだ日本の企業はいろいろな意味で国際的に活躍できていますけれども、これから先必ずしもそうとは限りませんので、今から仕組んでおかなければいけないだろうというふうに思っておりますので、そのことを最後に申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○遠藤委員長 次に、桝屋敬悟君。
○桝屋委員 公明党の桝屋敬悟でございます。 本日は、我が厚生委員会は一般質疑をしているわけでありますけれども、野党の皆さんが御出席にならないというのは本当に残念な気がいたします。衆議院段階においては何の瑕疵もないわけでありまして、本当に一日も早く御出席をいただくことを祈念しつつ、一般質疑をさせていただきたいと思います。 最初に、鳥取県西部地震の災害対策について議論をさせていただきたいと思います。 大臣、今回の鳥取西部地震、私が極めて印象的でありましたのは、当日、介護保険のセミナーが米子でありまして、西伯町を中心に、厚生省も応援をされて、たまたま介護保険の全国的なセミナーが行われるその地域で、米子のコンベンションホールで二千人から三千人の方がお集まりになって介護保険の問題点等について議論をしている最中に、一時半に地震が起きたわけであります。私も、その次の日にこのセミナーに参加をしたいという思いで、飛行機を押さえ、ホテルも押さえて現地に向かっていたわけでありますが、その途中で一時半に地震が起きた。私自身も一番に現地に入ることができたわけでありまして、本当に大きな勉強をさせていただきました。 厚生省の皆さんに、全国的な介護保険のセミナーが行われているそのど真ん中で地震が起きたというのは、これはどういう意味があるんだというようなこともお尋ねしましたけれども、なかなかおもしろいお言葉も返ってきたのでありますが、きょうは御紹介いたしません。 私が思いますに、ことし四月に始まりました介護保険は、我が国社会保障制度の中で極めて大事な改革でありました。しかしながら、走りながら考える、こういう議論がずっとありましたけれども、いまだにたくさんの問題を抱えている。運営上の問題、あるいは抜本的な制度改革に向けてさらに議論をしなくてはいかぬ。そういう意識が常に私はあるものですから、それぐらい我が国にとって重要な問題なんだということを天が教えてくれたのではないか、こんなふうに一人で理解をしながら現地を激励等に回らせていただいたわけであります。 さて、厚生関係の被害は、先ほど同僚の竹下委員からも御発言がありましたけれども、社会福祉施設あるいは医療機関——大臣、私も当日、西伯町まで、夜中の十時、十一時、上がってまいりました。会見町まで行きました。ライフラインが切断をされておりまして、水をトラックに積んでお持ちしたり、さまざまな激励活動を衆議院議員としてやってきたわけであります。その途中で、西伯町の病院もスプリンクラーが壊れまして水浸しになった、たまたま私が避難をされておられる方を激励に回りましたら、実は病院に入っていたんだけれども、病院にいられないからうちに帰った、しかしながら、うちも余震で厳しいので避難場所に来ているんだ、こういう話がありまして、大丈夫なのかというお話もしたわけであります。 特に、医療機関あたりも大変苦労をされたのではないかと私は思っておりますが、先ほどのお話もありましたが、社会福祉関係の施設あるいは医療機関はどういう被害の状況であったのか、ただいままで把握されている状況で結構であります、そして、それに対する対策は万全なのかどうか、どういう対策を講じられようとしているのか、そのあたりをまずお伺いしたいと思います。
○炭谷政府参考人 まず社会福祉施設の被害状況でございますけれども、幸い、入所者の方、利用者の方、また職員の方についての人的被害はございませんでした。外壁、床等の亀裂や破損といった物的被害を受けた施設が九十施設余りあるわけでございます。ただ、入所施設につきましては、安全面から避難しなければならない状況にはないというふうな報告を受けております。 これら物的被害を受けた施設につきましては、入所者等の安全と安心を確保するために、設置者において速やかに復旧工事を行うことが望ましいわけでございます。 このうち、復旧費用に一定額以上を要するもの、具体的に申しますと、保育所は四十万円以上、その他の施設は八十万円以上を要する施設については、県を通じまして国庫補助の協議が厚生省に対してなされるものだろうと思っております。 このような段階において、私どもとしまして、実地調査を行った上で、適切かつ速やかに対応したいというふうに考えております。
○伊藤政府参考人 医療施設の関係につきまして御説明を申し上げます。 今回の地震によりまして、患者の避難でございますとか転院等を必要とする被害を受けた病院は三施設との報告を受けているわけでございます。 具体的に申し上げますと、日野病院でございまして、当日、患者さん全員を転院及び自宅待機の措置をとったわけでございます。水の確保が困難をきわめているということで、この病院につきましては、たまたま新病院の開設が十一月に予定されておりまして、新たな対応はこの新病院の開設を待ってということでございますが、八日から一階部分を利用しまして外来だけ対応させていただいているという状況でございます。 それから、今先生から御指摘のございました西伯病院、これは国保の病院でございますが、当日、精神患者百二名、一般患者八十九名につきまして、集会所へ避難したわけでございますが、翌日七日に、患者さんの希望を入れまして、転院でございますとか自宅待機、そのほか病院への再収容をする、そういう措置をとったというふうに報告を受けております。 もう一つの病院でございますが、済生会の境港総合病院でございまして、入院患者さんが二百四十四名のうち、患者さんの意向を踏まえまして、四十八名の方が転院、そして、この病院につきましては東病棟が非常に危険だということで、危険な東病棟から西病棟に移した、このような措置をとったと報告を受けております。 そこで、今後の対応でございますが、これら三施設の復旧につきましては、医療施設等災害復旧費補助金によりまして対応できるものと考えておりまして、今後、被害状況の調査結果を踏まえて適切に対応してまいりたいと考えております。
○桝屋委員 ありがとうございます。 今特にお話のあった三医療機関、淡々と御報告がありましたが、転院等、特に精神の病床もあったわけでありまして、関係者の皆さんの御努力に本当に敬意を表したいと思います。復旧について特段のお取り組みをお願いしておきたいと思います。先ほど大臣からもお話がありましたけれども、恐らく予算確保は大丈夫なのかなと思っておりますが、我が党も必要な分については予算確保、補正予算も含めて全力で対応していきたい、我々もそう考えております。 さて、もう一点、いつも言われることでありますけれども、災害救助法の適用。 今回、鳥取県の西部地震は、片山知事さんを先頭に極めて素早い対応が行われた、これはまことに結構なことだったというふうに私は思っております。この地域はしばらく地震がなかったということで、総合的な防災訓練を行われたということで、それがもろに功を奏した。私は、これほどの規模の災害で命の犠牲が出なかったということは、有形無形に大きな力を発揮したのではないか、こう思っておるところであります。 災害救助法の適用について、いち早く災害救助法の適用はありましたけれども、いつも言われることは、今回は溝口町と西伯町の境あたりが震源地でありますけれども、その周辺、例えばお隣の岸本町とか江府町、日南町は適用が見送られているわけでありまして、これは現場が対応されるというふうに理解をされていますけれども、今回の震災の震度の状況を見ておりましても、その三町も、島根県はきのう適用になったというふうに伺いまして安心しておりますけれども、その辺の適用というのは厚生省としてどうお考えになっているのか、ちょっと見解を伺いたいと思います。 〔委員長退席、坂井委員長代理着席〕
○炭谷政府参考人 災害救助法の適用につきましては、ただいま先生が御指摘されましたように、いわば地方分権一括法がことしの四月から施行されておりますけれども、その扱いでは法定受託事務という形で、都道府県知事がその決定を行う、国はそれの基準を定めたり技術的な助言を行っておるわけでございます。 今回の取り扱いにつきましては、私どもの定めております適用基準の本則では、例えば人口規模に対する住宅の全半壊の世帯数というような基準があるわけでございますけれども、この基準では該当しませんでしたけれども、いわばセービングクローズ的な規定がございまして、当該市町村において多数の者が生命または身体に危害を受けるまたは受けるおそれが生じ、避難して継続的に救助を必要と判断される場合には適用が可能ということになっておりますので、この規定を最大限使いまして、ただいま御指摘されましたように、鳥取県においては二市四町が災害救助法の適用がなされたものでございます。 もちろん、この適用に当たりましては、周辺の町村の状況、特に避難者の数等を十分把握した上で、この二市四町に適用したものでございまして、私ども、鳥取県から報告を受けているところでは、やはり適切な対応がされているというふうに理解しているわけでございます。
○桝屋委員 これは現場が対応されていることでありまして、知事さん、各市町村長としっかり連携をとられておやりになったことだと思いますが、もう二日、三日たちまして、余震も徐々におさまっておりますから、あの余震の最中、私も現場におりまして本当に余震の恐ろしさというものをまざまざと感じたわけでありまして、こういうことを機会に、また、災害救助法のみならず被災者再建支援法の適用、これもさまざまに地域的な問題もあるようでありまして、我が党もさらに研究をぜひ進めていきたい、こう思っているところであります。 一点だけ。これは江府町で聞いた話でありますけれども、今回の地震の最中、けが人を搬送するのにあっちこっち回って、病院にたどり着くのに八十分ぐらいかかったというような事例も、私は事実はこの目で確認をしておりませんけれども、そんな話も伺っております。 地元では平素から、救急救命センターといいますか、あるいは救急救命体制について、特に災害時における救命活動ということも、こうした大きな災害の際に改めて見直しをし、点検をする必要があるのではないかと私は思っておりますが、その辺の検討についてぜひお伺いしたいと思います。
○伊藤政府参考人 今先生御指摘の江府町におきます八十分かかった事例につきましては、これは現在鳥取県に事情を確認しておりまして、その結果を待ちまして適切に対応していきたいと考えております。 そこで、鳥取県の現在の状況でございますが、救命救急センターにつきましては、おおむね百万人に一カ所ということで、現在では鳥取県立中央病院が一カ所指定されております。そしてまた、災害時におきます医療の提供体制につきましては、平成八年度よりすべての二次医療圏内に災害拠点病院を整備することになっておりまして、鳥取県におきましては、四カ所の災害拠点病院が指定をされております。 なお、今後、迅速に搬送を行うという観点から、平成十三年度から、救急医療、災害医療体制の充実を図るためにドクターヘリの導入も検討しているところでございます。 したがいまして、今後、御指摘のように、いざ災害が起きたときにきちっと機能するということが非常に重要なことでございますので、災害拠点病院を指定し、その後、いつでも動けるような体制になっているかどうか、そういうことを点検することが非常に重要ではないかと思います。したがいまして、今後とも、以上申し上げたような点を留意しまして、体制の整備に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○桝屋委員 今の事例については私も事実を確認しておりませんから、これはぜひ反省材料として、落ちついてからでも結構であります、今の四カ所の災害拠点医療機関との関係とか、その辺も点検できるところはぜひ、また、情報がありましたらお教えもいただきたい、このように思うわけであります。 さて、次のテーマでありますが、雪印問題であります。 本年六月の食中毒事件については、私どものこの委員会でも、今委員長いらっしゃらないんですけれども、現地視察をし、集中審議をするなど、原因究明と再発防止などについて積極的に取り組みをしてきたわけであります。その後、例の大樹工場からの脱脂粉乳の話も出てきたわけでありまして、経緯からしますと、まことに遺憾だな、こう感じざるを得ない。 そんな経緯も感じているわけでありますけれども、九月二十日の厚生省と大阪市の原因究明合同専門家会議、この中間報告は私も見せていただきました。大体概要は整理されたかなと思っているわけでありますが、その後の状況を一点確認しておきたいと思います。 やはり国民が一番心配なのは、今現在、雪印の製品が本当に大丈夫かということであります。最近の報道でも、エンテロトキシンではありませんが、ほかの菌が発見されたとか、そんな報道もあったわけでありまして、雪印の直近の状況をちょっと確認させていただきたいと思います。
○西本政府参考人 お尋ねのこの原因につきましては、ただいま議員がおっしゃったとおりでございまして、厚生省と大阪市の原因究明合同専門家会議におきまして検討してまいりまして、去る九月二十日、二回目の会議におきまして、一応中間報告というものが取りまとめられたところでございます。 この報告によりますと、本年四月上旬に北海道の脱脂粉乳製造工場、いわゆる大樹工場でございますが、ここで製造されました脱脂粉乳が停電という事態によってエンテロトキシンA型毒素が発生し、この汚染された脱脂粉乳が六月の末に大阪工場において低脂肪乳等に使用されたことによって起こったのではないかということが確認もしくは推定されて、これが主原因であるということになっております。それからもう一つは、その過程で判明いたしました大阪工場におけるいろいろなずさんな衛生管理、こういうものも要因としては否定できないというような結論が得られているところでございます。 それで、これからのことあるいは現在の状況でございますが、私どもといたしましては、今後、大樹工場での脱脂粉乳の汚染のメカニズムの解明を待って最終報告を取りまとめるということにいたしたいと考えているわけでございまして、現在、脱脂粉乳の製造過程での汚染発生についてさまざまな観点から技術的な検討を進めているところでございます。 現在の雪印の状況はどうかという御質問でございますが、突発的なことによって起こったものがはっきりしている以上、現在、それはずっとその後使われておりませんので、私どもも実際に二十工場の検査をいたしまして、操業に差し支えないということをこの八月の上旬に言っておるわけでございまして、その点は安心であると確信をいたしております。
○桝屋委員 ただいま現在は雪印の製品は大丈夫だ、こういうお話であります。そこは安心をしたいと思うのでありますけれども、してみるならば、今回の食中毒の事件の原因究明、最終報告書がいつ出るかということであります。報告をした後、また変なものが出てきても困るわけでありまして、それはきちっとやってもらいたいと思うわけであります。少なくとも警察の捜査を待っているということではいかぬだろうと思いまして、これはきちっと取り組んでいただきたい、このように思います。 警察等に伺いますと、この委員会での議論の中にもありましたけれども、最初はバルブの洗浄の問題から、大樹工場まで話が出たわけでありまして、雪印が隠したのではないかという思いもあったわけでありますけれども、どうも隠したというよりも余りにも記録の不備があったということが現場の捜査の方からも漏れ聞こえるわけであります。そういう意味では、そのことも大変に大きな問題だと思っているわけであります。 行政監察結果が最近出たようであります。もちろん、今回の食中毒の事件で、初動段階においてバルブの問題も実は最初に把握できなかったというようなこともあって、その辺の指摘もいろいろされているようですが、やはり問題なのは、原料になりました大樹の脱脂粉乳が搬入されていたということが警察の捜査でやっとわかったわけでありまして、そこを隠した隠さないという話もありますが、よく話を聞くと、記録が不備であったということであります。 行監の指摘でも、最近は食中毒事件の究明率も年々下がっているのではないか、こういう指摘もあるようでありまして、食品関係業者に対する衛生管理の徹底ということについては、HACCPの充実ももちろんでありますけれども、特段の取り組みが求められているのではないかな、ひとり雪印だけの問題ではないというふうにも私は思うわけでありまして、これからの食品衛生、業界に対する指導を、今どのように進めておられるのか、あるいはこれからどうされようとしているのか、大臣のお考え、御決意をお伺いしたいと思います。
○津島国務大臣 委員御指摘のとおり、厚生行政は国民の健康や安全に直接かかわっておりますし、また、高齢者等への社会サービスの提供、生活保護のような分野、いずれも国民生活に非常に深い関連を有しておりますから、そこの行政がちゃんと行われているかを客観的に評価をすることは大事であろう。今御指摘の雪印の問題への対応等も、これは大変に貴重な一つの検討材料になると思うわけでございます。 そこで、全体として厚生行政が適切に行われているか、あるいは改善されているかという政策評価につきましては、国民の皆様方に行政のあり方についてちゃんと説明責任を果たすということや、それから、国民の立場から見て、いい、効率的な行政が行われているかということを見ていただく、これが主眼であろうと思いますので、こういう評価を適正に行うための検討を今進めておるところでございます。 省庁再編後の導入ということでございますので、そのときに円滑かつ適正な政策評価ができますように、着実に準備を積み重ねてまいりたいと思います。
○桝屋委員 さっき私が指摘しましたように、まさに今食品衛生の分野における究明率が落ちているということもあり、今大臣がおっしゃいましたまさに政策評価、行政評価という観点からも、ぜひとも業界に対する指導徹底ということを特にお願いしておきたいと思います。 それから、大臣から次のお話もいただいたわけでありますが、今大臣おっしゃった行政評価の問題でありまして、行政改革を進める上で行政評価の問題については私どもの党も極めて重要なテーマだというふうに思っております。既に標準的なガイドラインの案も示されておりまして、今大臣お話しのとおり、来年度の省庁再編に向けて取り組みがされているというように思うのですが、ガイドラインを私も見ましたけれども、なかなか厚生行政というのは簡単にいかないな。極めて定量的に政策評価ができやすい部分となかなか難しい部分があるのではないか。今の食品衛生の、この業界の指導なんかもまさにそうでありますけれども、その辺をいかに効果的に進めていくかということは、これはある意味では国民が期待をしているわけであります。 今、我が党も二十一世紀の社会保障ということをずっと議論しておりますけれども、多くの国民の皆様は、これから二十一世紀の少子高齢社会の中で、社会保障の内部における改革、社会保障内改革ということを——ともすると今までは、改革をするとなると、国民生活を守る大事な社会保障の分野でありますから、合理化であるとか効率化であるという言葉は、きょうは野党の皆さんはいらっしゃいませんけれども、ある意味では敏感に反応される。私もそういう一人でありました。しかし、これからはやはり社会保障の制度も改革をしてもらいたい、むだを省いてもらいたい、できるだけ合理化、効率化もしてもらいたいということは、多くの国民の希望の声だと私は思います。そうした意味では、私は、厚生省における政策評価というのは極めて大事だろうと思っております。 定量的に例えばゴールドプラン21を行政評価する、政策評価をするということは、ある意味ではできるかもしれない。しかし、大臣、一番悩んでおりますのは年金と医療ですね、特に医療。医療がこれほど国民所得の伸びに比べて高い伸びを示している。こういう状況にあって、医療の分野をどう政策評価、行政評価していくのかということは、私はかなり難しい問題だろうと思います。 しかし、この行政、政策評価の考え方は、それぞれの省庁がみずから政策を評価するということでありますから、これはやっていただかなきゃいかぬわけでありまして、この辺は厚生省として、来年一月、厚生労働省になるわけでありますけれども、特に難しい分野、困難な分野を、医療の分野でも、これはできれば国民にわかりやすい形で、政策評価はこういうもので厚生省はやりますよというものは、ぜひお知恵を出していただいて、我々も考えますが、何か工夫が要るのではないかと私は思っておるのですが、大臣、いかがでしょうか。
○津島国務大臣 大変に重要な、基本的な問題の御指摘だと思います。 厚生省の役割は、ある面でいきますと、社会政策総合官庁であると私は思っております。国民生活の安定を図っていくために、場合によっては、厚生省固有の年金や医療ばかりでなくて、それこそ予算とか財政、税制に至るまで社会政策の立場から提言をしていく、そして、国民に理解を求めた上で、現状の政策の評価と将来に向けての方向性というものを打ち出していくことが今求められていると思います。 〔坂井委員長代理退席、委員長着席〕 今、桝屋委員が言われた将来に向けての政策評価というのはそのことを言っておられると思うのでありますが、今、少子高齢社会を前にして、我が国の医療保険や年金、介護保険等が持続可能な安定した制度として安心して国民に見ていただけるようにすることが求められている。それにこたえるために、今私どもは総理のもとに直属の有識者会議をつくりまして、社会保障制度のあり方について御検討いただいておりますが、こういう場を通じて、二十一世紀の社会保障のあり方として国民にわかりやすい選択肢を提示して、どういう方向に行くのかということを国民的に議論していただく。今その段階であろう。それをきちっとやることが、今求められている厚生省の役割にこたえるという意味で、評価を高める第一歩であると思っております。 そこからそれぞれの分野について、次の改革のあり方、例えば医療保険については長期ビジョンが出される、基本的な医療保険の改革の方向が出される。年金については、年金の安定をどうやって図っていくかということが国民に見えてくれば、我々は責務を果たしていると言われるのであろうと思います。 なお、専門的な分野もございます、医療制度をどうするかとか、その分野については政務次官が専門でおられるので、またお考えがあればお示しをいただければ幸いだと思います。
○桝屋委員 今大臣がおっしゃったこともよく理解はできるのですが、二十一世紀へ向けて社会保障をどう仕込むか、仕掛けるかという問題と同時に、今私がテーマにしているのは、厚生省みずからが、行政評価、政策評価という大きな流れの中で、どうやってむだを省き、制度改革をするかという取り組みをしなければなりませんよと申し上げているわけです。これは我々も研究しますけれども、先ほど国民に理解をしていただくことが大事だとおっしゃったけれども、国民の皆さんが理解できるような政策評価のあり方というものを、私はどうなるのか大変悩んでいる部分でありますけれども、これはぜひ厚生省として取り組んでいただきたいというふうにお願いをしておきたいと思います。 最後に、IT関連であります。 ここへ来て、森総理の陣頭指揮のもとに、IT、ITといってITが言われない日はないわけでありまして、大変にITが大きな動きになってまいりました。私どもは大変いいことだと思っておりますけれども、我が党はITということについては光と影があるという思いがずっとしているわけでありまして、この光と影の部分でいいますと、厚生省の仕事はまさにその部分でぴったりくるわけですね。 光の部分でいいますと、私は前から言っていますように、これからは福祉のサービスも情報を利用者にお届けする、情報を提供するということも福祉サービスの一つだというような思いも以前から持っておりまして、そういう時代がずっと来ているわけであります。そうした中で、ITをいかにうまく使っていくのか、こういう問題があります。 私は今携帯電話を持っておりますけれども、これからはこの携帯電話で、それこそ国民一人一人が、みずからが利害関係人として、年金制度について、自分の年金はどうなっているのだということがこのiモードですぐ調べられるというようなことまで私は可能だと思います。 そういうことも研究していただかなきゃいかぬし、逆に個人情報をいかに守るかということがある。もう一つは、デジタルデバイドということがあるわけであります。 そういうことを考えますと、厚生省にとってITというのは極めて重要な言葉だと思いますが、しばらく私は厚生委員会を離れていて、そばから厚生省を見ておりますと、どうもITについては厚生省は真っすぐとらえられているのかどうか、腰が引けているのではないかと思うところが多々あるわけでありまして、その何点かをちょっと議論したいのです。 一点目はデジタルデバイド対策。厚生省はどんなふうなことを今検討されているのか、簡単にお話をいただきたい。
○今田政府参考人 IT化が進んでまいりまして、その中で、高齢者、障害者、こういった方々も一般の方々と同じように情報が享受できる体制にすることが大変重要だと思っております。 従来から厚生省では、例えば視覚障害者の方々には音声による情報を入手しやすくするためのデジタル録音図書システム、私どもDAISYと言っておりますが、この機器整備、それから、障害者に対して、お互いにインターネットを通じていろいろな情報をやりとりできるいわゆるノーマネットの整備をこれまで進めてまいっております。 御指摘のように、高齢者、障害者がIT化の進展に取り残されることがないよう、情報通信の利便を享受できる環境づくりに今後とも努めていきたいと考えております。
○桝屋委員 今お話のあったノーマネットは私も時々見せていただいておりますが、厚生省の委託事業としておやりになっているということで、障害者の皆さんにとって情報提供の場として大いに効果を上げているのじゃないかというふうに思っております。アクセス数等を見ても相当の量でありまして、本当によく活用されているな、こう思っているわけであります。 もう一点は、自治省が進めています住民基本台帳ネットワークシステム、これがここ数年で全国ネットができ上がるわけでありまして、この中で住民票カード、ICを使ったカードを平成十五年度からスタートするということで、今仕込みが進んでおります。 もちろん、これは全国民に配るものではなくて希望する国民に使っていただく、あるいは、希望する市町村、その中で希望する住民にということでありますけれども、自治省での議論をずっと聞いておりましたら、これからの少子高齢化社会における医療、介護、福祉、こうした分野にこれは使っていただけるのですというような議論がずっとされてきたわけであります。しかし、私も現地でICカードを随分研究しましたが、ことごとく失敗した経験を持っておりまして、ICカードについては大変に悩むわけでありますが、こうした住民基本台帳ネットワークシステムにおけるICカード、これは厚生省はどういうふうに見ておられるのか、ちょっと見解を伺っておきたいと思います。
○宮島政府参考人 住民基本台帳カードにつきましては、先生御指摘のように、平成十一年の住民基本台帳法の改正によりまして、法施行後五年以内にこれが実施されるということになっております。 住民基本台帳カードを具体的にどのように活用していくかということにつきましては、基本的には、まず各市町村がそれぞれのサービスにつきまして判断して行われることになるかと思われますけれども、医療、保健、福祉分野におきます活用につきましては、厚生省といたしましても、例えば市町村がカードを活用する場合には制度的な手当てというのが必要になる場合もあるでしょうし、あるいは市町村を超えた共通的な問題というのも出てくるかと思いますので、そういったことにつきまして、関係機関とも連携をとりながら、必要な対応を検討してまいりたいというふうに思っております。
○桝屋委員 非常に積極的な御答弁をいただきまして、感謝申し上げたいと思いますが、多くは言いません、自治省においては鳴り物入りで始まったこのシステム、ICカードでありますが、私は簡単なことではないと思っております。しかし、今の厚生省さんのお話では、意識はしておられる、市町村がおやりになることだという御答弁でありました。もちろん研究もされていると思います。どうぞ大臣、これは手戻りがないように、ITのこれからの戦略、片方でどんどん進んでいる、こちらを準備していて、こちらの進みぐあいでこちらをもう一回やり直すなんというような手戻りがないように、厚生省において総合的な取り組みが求められているのではないかと私は思います。 そういう意味では、もう一点、個人情報保護の問題でありますが、一斉にきょうの新聞あたりでは、いよいよ個人情報保護法の法制化に向けて準備が進んでおります、来年の通常国会が展望されておりますが、内政審議室あたりの議論を聞いておりますと、個人情報保護法というのはあくまでも基本法であって、それぞれの分野で個別的に対応してもらいたいことについてはそれぞれの個別法を期待するんだ、こういう仕組みになっているわけであります。 その中で常に言われるのが信用情報と電気通信情報と医療情報、この三つは常に耳にたこができるほど私も聞いてまいりました。この医療情報における個人情報保護の取り組み、特に受信情報の漏えいなどがマスコミで言われたりするわけであります。あるいは、今後は、ヒトゲノムということもありますが、遺伝子情報をどう取り扱っていくのかという問題でもあろうかと思います。そういうセンシティブな情報という意味ではまさに影の部分でありますが、これに対してはどういうお取り組みをされているのか、伺いたいと思います。
○伊藤政府参考人 医療情報の保護の問題につきましては、今回、個人情報保護基本法制に関する大綱が昨日公表されたわけでございますが、それらの検討とあわせまして、厚生省におきましては、個別に、医療分野におきましてどのような対応が必要かということについては、まず守秘義務規定を法制化するかどうかという点につきましては、現在既に医師等につきましては刑法で、その他の職種については医療関係の法規によって行われているわけでございますが、政府全体の取り組みを念頭に置きながら、多様な職種のうち、どの範囲にどの程度の守秘義務を課すべきか、既に守秘義務がある資格法や刑法との適用関係はどのようになるのか等の点につきまして考慮しつつ、関係者の御意見を伺いながら十分に検討してまいりたいと考えております。 そのほか、IT化に伴うセキュリティーの問題につきましては、個人認証システムというのが非常に重要でございまして、十三年度要求におきまして、医療センターと新宿区の医師会が行っているシステムの中で具体的な技術的な問題を検討するということを今予定しているところでございます。
○桝屋委員 今の最後の話はまた個別に教えていただきたいと思います。 大臣、最後にお願いだけして終わりたいと思いますが、今の御答弁でも私は少し不満であります。最初に申し上げたように、ITというものについてはどうも厚生省の皆さんは余り喜んでおられないような印象を受けます。私は、ほかの省庁で見られるように、政府のIT戦略本部に準じて、それぞれ省庁の中に、これから厚生、労働一緒になるわけでありますから、対策本部なり戦略本部なりおつくりいただいて、全庁的な取り組みをぜひお願いしたい、このように思いますので、どうぞよろしくお願いします。 以上で終わります。
○遠藤委員長 次に、小池百合子さん。
○小池委員 保守党の小池百合子でございます。 本日、一般質疑ということで御質問させていただきたいわけでございます。 まず、今国会、健康保険法の改正、医療法の改正、さらには確定拠出年金についてということで、大変重要な法案がメジロ押しでございます。本日厚生委員会が開かれまして、野党とのお約束どおりまず一般質疑から入りましょうということで、これまでの前提と申しましょうか、それを一つ一つ踏まえてきょうここに委員会を開かせていただいているわけでございます。残念ながら野党の方は、参議院に引っ張られて今衆議院の方が全くストップしているということでございまして、残念至極でございますし、また、こういった国民生活の基本にかかわる問題がこのように後回しにされているという状況については、国民への責任を放棄なさっているということも言えるかと存じます。 最近の経済の指標を見ておりましても、景気の問題も、まだまだ個人消費が本格的に回復していないといったようなことも、実はこういった健康に関すること、生活に関することといった人間の基本的な条件、環境を整える、その意味での将来の漠然とした不安というものが個人消費をいまだに大きく伸ばしていない一つの大きな原因であろうかと思います。 その意味でも、この厚生委員会で一日も早く法案の審議入りをして、その結論を出すことが全体にとってプラス、また必要欠くべからざることであるというふうに思っております。これについては質問は出しておりませんでしたけれども、大臣、一言よろしく。
○津島国務大臣 小池委員の御指摘は、全くそのとおりでございます。今、日本の経済がなかなか活性化しないということの中に、国民がそれとなく将来に対する不安を持っておる、社会保障制度というものが深くこれにかかわっているという御指摘は、全くそのとおりだと思います。 私どもが今国会に提出をしております健康保険法の改正案も、国民の健康に深くかかわる待ったなしの課題でございまして、こういう問題について速やかに国会において御議論をしていただくように私からも心からお願い申し上げる次第でございます。
○小池委員 そこで、具体的に幾つか御質問をさせていただきたいと思います。 この十月から介護保険の料金半額徴収ということも始まったわけですが、これは追ってまた厚生委員会の中で伺ってまいりたいと思います。 現在進行形のことといたしまして、先ほど他の委員からも既に御質問がございましたが、やはり私、阪神大震災の被災地をベースにしておる関係で人ごとには思えないのが、あの鳥取の西部地震でございます。 厚生省の場合には、特に災害救助法ということがかかわってこられると思います。そのほかにも関連の法律もお抱えだと思いますけれども、これまでのところ、どのような措置をどのような時点でおとりになったのか。まず、これまでのところについて伺わせていただきたいと存じます。
○福島政務次官 お答えさせていただきます。 今回の鳥取県西部地震につきましては、当初、家屋等の被害状況が詳細に確認されていない中でしたけれども、余震の可能性がある、多数の方が避難をされているということに着目をいたしまして、災害救助法を弾力的に運用しまして、迅速にこれを適用したところでございます。 また、これまで、鳥取、島根両県の三市五町に災害救助法を適用いたしまして、避難者に対する具体的な支援としまして、避難所の設置、食料品の給与及び飲料水の給与、生活必需品の給与、医師、保健婦による避難所の巡回による健康相談やメンタルケア、住宅の応急修理の対象としまして、直後に雨が降りましたので、雨漏りを防止するためのシートの配布等を実施いたしております。 そしてまた、水道につきましても被害が大きかったわけでございますけれども、鳥取、島根県等六県で、ピーク時で八千二百七十八世帯の断水が報告をされました。厚生省では、災害当日に担当官を鳥取県に派遣をいたしまして情報収集に当たらせ、早期復旧に努めたところでございます。現在までに、水道に関しましては、一部の地区を除きまして応急復旧がなされたと伺っております。 今後とも、地元の自治体と連携を緊密にとりながら的確に対応してまいりたいと思います。
○小池委員 ことしは本当に災害があちこちで多発をしているわけでございます。また、地震ということで言うならば、先ほど私申し上げましたように、阪神大震災での教訓がいろいろな形で今回は生かされてきているなと考えるわけでございますけれども、被災者にとってはそうそう大きな地震に遭うことはございませんで、一回一回、一人一人が経験をしているのでは積み重ねにならない。やはり行政がここはしっかりと、また迅速に、的確に対応することが必要だと思いますので、今後の取り組みなどについて伺わせていただきたいと存じます。 例えば、阪神大震災のとき、これは後で災特でも伺うのですけれども、半壊、全壊から新しく家を建て直す、応急処置もそうなんですが、その次の段階に移るときにも瓦れきの処理の費用が結構かかるので、それがニーズとして多大にございました。この辺も含めて、今後の方針ということで伺わせていただきたいと存じます。
○津島国務大臣 御指摘のとおり、鳥取県西部地震につきましては、まだ相当数の方が避難をしておられるし、余震も続いております。 避難をされている方については、先ほど政務次官から申し上げましたが、これからも地方自治体において食事や生活必需品の提供等が着実に行われるように、厚生省としても自治体と協力しながら万全を期してまいりたいと思います。 それから、住宅を失われた方々について、住宅の確保に関する個々の住民の御意向を踏まえつつ、地方自治体において対応される応急仮設住宅の供与等もあるわけでありますが、これについても厚生省としては御協力をしていきたいと思います。 それから、今の瓦れきの点でございますが、全く御指摘のとおりでありまして、この鳥取の地震ばかりではなくて、その前にございました愛知県の大水害のときも、要するに災害廃棄物になるわけでございますね。こういうものの処理には大変な費用がかかる面もある。手間暇もかけなければならない。これも自治体が大変に苦闘しておられますが、厚生省としても必要な応援に万全を期したいというふうに思っております。 それから、医療施設や社会福祉施設につきましては、外壁や床等の亀裂や破損といった物的被害を受けたものもございますし、入院・入所者の安全と安心を確保するためにも、その早期復旧が必要であろうと思います。 今後、厚生省では、これらの厚生省関連施設や水道施設の被害状況を精査の上、国庫補助等できる限りの支援に努めてまいりたいと思いますので、どうか小池委員におかれましても、私どもの努力に御支援を賜りますようにお願い申し上げます。
○小池委員 いずれにいたしましても、今も余震に大変不安を抱いておられる皆様方が一日も早く安心して生活できるように、ぜひともバックアップをしっかりとお願いしたいところでございます。 次に、先日大蔵省の方から、国の財政の貸借対照表、いわゆるバランスシートが、初めて試案と申しましょうか公表されまして、大変興味深く感じた次第でございます。以前から、やはり財政の面でのアカウンタビリティーということで、透明性を持たせて、今国はどうなっているんだということを知ることからまずスタートするということは大変重要かと思います。その意味では大変大きなチャレンジであるというふうに思っております。 その中で、九九年三月末の資産額六百五十八兆円。負債額ですが、これが問題でございまして、公的年金の計上の仕方によってピンキリ、どっちがピンでどっちがキリかわからないのでキリキリかもしれませんけれども、これが、年金給付の原資として加入者が払った積立金だけを負債に計上する場合七百九十一兆円、そして、積立金に加えて年金給付の一部を賄う国庫負担を負債に計上する場合九百二十八兆円、さらには、国が支払いを約束した年金給付全額を負債に計上する場合、これは最大でございますが、一千四百三十五兆円という、この数字が示されたわけでございます。 いずれにしても、バランスシートでは負債ということで資産を上回っておる。一言で言えば、債務超過の大変な状況である。その額は、先ほどの三つの案で、百三十二兆円、二百六十九兆円、七百七十六兆円ということでございます。 そのほか、特殊法人も厚生省関係は結構額が多うございまして、この辺のところが大きく、バランスシートの中でも年金生活、社会保障の金額の大きさをしみじみ今回感じさせていただいたわけでございます。 この三つの案について、大蔵省とのやりとりというのは実際これまであったのでしょうか。
○津島国務大臣 国の貸借対照表をつくる上で、公的年金の扱いが最大の難しい問題だというのは御指摘のとおりでございまして、これは国際的にも会計上の定説はございません。したがいまして、大蔵省もこれは容易に結論を出すことができないわけで、かなり入念な打ち合わせがございました。その結果といたしまして、これでなければならないという結論に到達できなかったものですから、大蔵省は、委員御指摘のとおり三つの案を並列にしたというのはやむを得ないことであろうと思います。 しからば、その三つのうちでどれがいいというのはなかなか難しいわけでございます。民間の貸借対照表でございますと、これは企業会計原則でございますから、企業の資産、負債というのは、民間の契約があればその契約に基づいて割り切ってできるわけでありますけれども、例えば国の公的年金の約束というのは、ある意味では、賦課方式を前提としておりますと、それはあるいは保険料、あるいは一般財源で負担することもあるべし、補てんすることもあるべしという前提でできているわけです。しからば、全部を積み立て方式でやれというと、これはできるかというとできないのですね。それは、今積み立てている人に膨大な負担になってしまう、今全部積み立てれば。ですから、賦課方式と組み合わせて少しずつだんだん積み立てていくというやり方をとらざるを得ないのです。 しからば、そうなっているときに、今積み立てている部分は国の債務、つまりこれは払い出さなきゃならないものですから、そういう第一案はかなり当然のことであろうと思いますけれども、第二案のように国庫負担を予定している分を今直ちに債務と見るのか、それからさらに、保険料で賄う分も債務と見るか、これは恐らく割り切れない話だろうと思います。 ですから、いずれもあり得る処理の仕方だということで、三つ並べて私ども評価するのが一番いいのだろう、こういうふうに思っております。
○小池委員 だからこそ三案として残ったわけでございましょうし、むしろここは政治の決断ということもどこかで出てこなくては何も決まらないということだろうというふうに考えるわけでございます。 いずれにいたしましても、今回のこのことでも、年金がいかにバランスシート全体を左右するのか。実際に、企業のバランスシートといいますか、新しい会計制度、基準を入れる際にも、年金、退職金の扱いによって、これまで優良企業だと思われていた企業が一気に債務超過というかひどい中身になってしまうということで、それがために、今も株式市場などで混乱もあらわれているところだというふうに思っております。 これは厚生省に幾ら伺っても、むしろこれは政治の決断であろうというふうに思っておりますし、私どもは以前から、年金についても大きな改革といいますか発想を変えていかなければやっていけないんじゃないかということを申し上げておりまして、このバランスシートを発表したということから、もう一度年金の重要性、そして今後のあり方というのをもっと真剣に考えていくべきではないかというふうに考えたわけでございます。 それでは次に、これは非常にタッチーな問題なのでございますが、公正性と公平性ということで私伺いたいことがございます。 シドニーでオリンピックが行われて、これからパラリンピックの方に移っていくわけでございます。きょうも私、夕方はパラリンピックの壮行会の方に伺わせていただいて、日本の選手の方々を、しっかりとシドニーの方で、身体の不自由な方々も元気にオリンピックの場で活躍してほしいとエールを送りに行くつもりでございます。また、地元でも身障者の方々を励ますいろいろなイベントがございます。私、大変積極的にそのあたり応援をしてまいっているわけでございます。 また一方で、交通バリアフリー法というのが成立をいたしました。そういった意味で、体の不自由な方々が健常者とともに社会で一体となって活動していただく、そしてそれが新たな生きる喜びであるということを分かち合えるような社会をぜひともつくっていきたい、この方針には全く異存がないわけでございますし、また、そういった形で進めていきたいと考えております。 各市町村で、障害者手帳、身障者のカードが配られているわけでございますが、時折これの不正使用が見られるということがございます。あるときはコピー、あるときはそのまま横流し、悪い言葉ですけれども、そういった実態も実はあるということが寄せられております。本当に身障者の方々が社会の一員となって、いろいろな面で優遇といいましょうか、そういった点を受けられるようにということでの手帳でございますけれども、それが余り不正に用いられるというのは、これは趣旨とは異なってくるわけでございます。 例えば高速道路を通過する車で、一つのインターで約五万台が通過する中で、これは本当にちゃんとその方々が使われる場合と、どう考えても違う場合とがあるということで、毎日約千台ぐらいが身障者の表示がされる。ところが、収受する係員がそれを突き詰めるわけにはいかないという事情もあるそうなんですね。ですから、私は身障者の手帳がこれだけ有意義に使われているということはプラスだというふうに思いますけれども、それが不正に使われるというのは話が違うわけでございますので、しっかりこのあたりを一度見直してみてはいかがかというふうに思うわけでございますが、いかがでございましょうか。
○福島政務次官 ただいま委員から御指摘がございましたような不適正な使用がなされているということにつきましては、厚生省としては、その事実関係につきまして承知いたしておりません。また、厚生省としましても、その実態調査を行うということに関しまして、おのずから限度があるのではないかという思いがあります。 いずれにしましても、この身体障害者手帳には、身体障害者福祉法におきまして、他人に譲渡したり貸与してはならないと定められ、具体的に手帳にも明記をされておるところでございまして、この手帳を市町村が交付する際にその旨の説明が行われております。 厚生省としましては、御指摘のようなことで手帳本来の趣旨が損なわれることはあってはならないことだと思っておりますので、都道府県を通じまして、説明がさらに徹底されるように努力してまいりたいと思っております。
○小池委員 以上で終わります。ありがとうございました。
○遠藤委員長 次に、民主党・無所属クラブ、自由党、日本共産党及び社会民主党・市民連合各所属委員の質疑に入ることといたしておりましたが、出席が得られませんので、やむを得ず次の質疑者に入ります。 上川陽子さん。
○上川委員 21世紀クラブの上川陽子でございます。 今、民主、自由、共産、社民ということで、各先生方の御質問を飛び越しまして、最後の質問ということでございますので、よろしくお願い申し上げます。 今回、二つのテーマにつきまして質問させていただきたいと思うのですが、まず一点としましては、ことし四月からスタートいたしました介護保険制度の運用実態につきまして数点お伺いさせていただきます。第二に、今後重要性が高まるものと予想されます予防医療に対しましての厚生省としての取り組みにつきまして御質問させていただきます。 まず、介護保険の件でございます。 関係者の皆様の御努力によりまして、ことし四月から実施されまして、丸六カ月が経過しているところでございます。厚生大臣は、さきの所信表明の中で、この制度につきましておおむね順調ということで評価されていらっしゃいましたけれども、ずばり点数をおつけになるとしましたら、百点満点中何点くらいをおつけになりますでしょうか。また、その理由もお聞かせください。
○津島国務大臣 介護保険施行後六カ月を経過いたしまして、サービス現場や市町村を初めとする関係者の方々の大変な御努力によりまして、全体として見れば、おおむね順調に実施されてきているという認識を私は持っております。また、いろいろ調べてみますと、サービスの利用者数やサービス提供量の拡大も見られるということで、制度導入によるよい効果があらわれていると思います。 そこで点数はということでございますが、私は、点数をつけるのはなかなか難しいが、及第点には達している、かように思っております。
○上川委員 なかなか自己採点は難しいということでございますけれども、国民生活に非常に密着したテーマでございますので、これをうまく浸透させていくためにも厳しい自己採点をしていただきまして、そういう姿勢で臨んでいただきたいというふうに思っております。よろしくお願い申し上げます。 六カ月たちましたところで、既に現場からたくさんの声をいただいておりまして、私も、そういう中で見せていただきながら声を伺うわけでございます。 例えば、今回措置から選択ということで、選ぶ側の立場ということで制度が非常に変わったわけでございますが、選ぼうにも選ぶ施設が足りないといった声も相変わらず聞かれております。また、評判のよい施設につきましては百人待ちというようなケースもございます。さらには、介護認定につきましてもばらつきがあるとか、あるいは家事援助についてはどういう扱いにするのか。あるいは、制度が始まって、介護度の高い人の受け入れはふえたけれども受け入れの体制はこれまでどおりということでありまして、現場の介護専門のスタッフにつきましては、大変ストレスがたまっているというような声も聞かれるところでございます。そうなりますと、施設によっては介護サービスに格差が出てくるということも予想されているところでございます。 現在、与党三党でも見直しを検討されているということでございますが、厚生省としましては、現在どのような問題点があると認識されていらっしゃいますでしょうか。また、今後どのような課題に取り組もうというふうにお考えなのか、お聞かせください。
○津島国務大臣 六カ月一生懸命やってまいりましたが、やはり現場の方の苦労は大変であったと思います。 私どもにとって大事なことは、現場の御苦労に真摯に耳を傾けて、この制度の定着を図るということに尽きると思うわけでありますが、私も何カ所か見て回りましたし、今言及されました与党のプロジェクトチームの皆さん方も、ヒアリングをしたり現場へ行ったりしていろいろ事情を聴取していただいたようであります。 そういうことの中から、いろいろ課題は確かに出てまいりました。例えば介護支援専門員、ケアマネジャーが、非常に仕事が多くて、何といってもまだ初めての制度でございますからなかなか所期のような活動ができない。認定にもばらつきがあるとか、問題が指摘をされておりますので、厚生省に支援会議を設置いたしまして、そしてまた、地方自治体においても支援体制を整備していただくように、これまでもやってまいりましたが、これからもやってまいりたいと思います。 それから、利用者の利便性や選択を尊重する観点から、訪問通所サービスと短期入所サービスの支給限度額が使いにくい状態になっておりましたが、これを一本化する、しかもそれを電算でもきちっとできるような準備を進めているということでございます。 それから、先月二十七日に、御指摘のございました「介護保険制度の定着へ向けた改善方策について」という申し入れが与党からございまして、いずれも私どもとしては誠意を持って対応すべき問題点の御指摘がございましたので、必要な改善措置を講じてまいりたいと思います。 今後とも、現場の御意見を真摯に受けとめまして、課題があればできるだけこれに柔軟に対応して、国民の御理解を得ながら介護保険制度の定着を図ってまいりたいと思っております。
○上川委員 現場の声に耳を傾けるという意味では大変厚くしていらっしゃるということでございますけれども、訪問していろいろな声を吸い上げるということだけではなくて、何かシステムとしてきちっと、たくさんの自治体の皆さんの御努力というか、問題点が吸い上げられるような取り組みをしていらっしゃるのでしょうか、その点につきまして再度お願いいたします。
○大塚政府参考人 ただいまの御指摘でございますが、大臣から御答弁申し上げましたように、かねて大臣からも、現場の声にきちんと耳を傾け、真摯に受けとめるようにという御指示を賜っておりますし、私ども自身も非常に大事なことだろうと考えております。 御質問の件でございますけれども、定時に市町村から御報告をいただくというシステムはもちろんございますけれども、それをさらに素早く、また幅広く情報をキャッチしたいということで、全国百程度の市町村に御協力を賜りまして、私ども定点市町村会議と申しておりますが、そうした会議を随時、これまでも実施してから既に四回行っておりますが、そうしたシステムをつくっております。 そのほか、随時ではございますけれども、有識者の方々、事業者の方々あるいは利用者の方々、もちろんその中にはケアマネジャーでありますとかその他の介護現場でお働きになっている方々も含めまして、そうした方々から御意見をちょうだいするという場も設けております。 また、私どもスタッフも、時期をとらえましてそれぞれの市町村なり都道府県に出かけまして、担当者の方々あるいは関係者の方々と御意見を交換することも極力進めようということで取り組んでおるところでございます。
○上川委員 この間に私もいろいろ施設を見学させていただきまして、本当に感じることは、介護がいい状態で行われるための最大のかぎは、現場で介護を支えるスタッフの人の思いとその行動次第だということでございます。つまり、介護の人材ということであります。 ある施設では、おむつをかえるとか入浴サービスをするとかどんなに介護技術がすぐれていたとしても、優しい気持ちがない方には採用をお断りしているというような話がございまして、そのくらい、現場の中で毎日毎日のように繰り返して対応していくというのは大変厳しい仕事だということでございます。 そういう皆さんのストレスをできるだけ緩和しながら、また本当に意識を持って前向きに取り組んでいただくためにも、今までは施設あるいは人材の量的な確保という面ではかなり強く言われていたように思いますけれども、加えて質の面ということで、人材養成に対しましてどのような取り組みをしていらっしゃるのでしょうか。とりわけ、現場のリーダー格になるような方の教育というのが大変重要じゃないかというふうに認識しているのですけれども、その点に関しましてどのように取り組むおつもりであるのか、お聞かせください。
○大塚政府参考人 ただいまの点につきましても、おっしゃるところは私ども全く同様と考えておりまして、これから介護の質の向上というのが極めて重要な課題でございますし、介護保険制度のいわば本質にかかわる問題だと考えております。 したがいまして、私どもも、例えば先進的な事例を幅広く全国に知っていただくといったような情報提供に関する取り組みでありますとか、あるいは、やはり事業者、経営者にその認識を持っていただかなくてはなりませんので、事業経営上の運営基準におきまして、必ずスタッフ、職員に研修の機会を確保するようにといった基準を義務づけております。 個別に一、二紹介いたしますと、例えば、社会福祉施設指導職員につきまして特別研修というようなコースも関係団体の協力を得て設けておりまして、年間五百人程度の方に御参加をいただいている。あるいは、これからの事業でございますけれども、今後の重要な課題でございます痴呆に関する介護に関しまして、現在全国三カ所で痴呆介護研究研修センターの整備を進めておりますけれども、その施設を活用いたしまして指導者向けの研修を行う、こういったような取り組みも進めているところでございます。 いずれにいたしましても、質の向上という点に着目した取り組みにより力を入れてまいりたいと考えております。
○上川委員 それでは続きまして、健康づくりにつきまして御質問させていただきます。 今、医療費、とりわけ老人医療費も大変膨大な金額になっておりまして、国会の審議の中でも、健康保険法等の改正におかれてもそうした趣旨があるわけでございますけれども、これから二十一世紀の日本というのは、医療漬け、薬漬けの長寿社会から健康な長寿社会への脱皮を図っていく必要があるのではないかというふうに考えております。また、個人の幸せという観点からも、ぴんぴんころりというような言葉があるそうで、ぴんぴんころりで一生を終えるということが理想であるというふうに思うわけでありますけれども、そのためには、国民一人一人が若いころから自分の健康に自分で責任を持つという健康づくりが大切ではないでしょうか。 現在、厚生省の中で、国民の健康づくりの観点から健康日本21プロジェクトに取り組まれているということでございますが、その趣旨、考え方、背景等につきましてお聞かせください。
○篠崎政府参考人 お答えいたします。 御案内のように、疾病予防には、健康増進あるいは生活習慣の改善などを意味する一次予防と、疾病の早期発見、早期治療などを目指します二次予防とがございます。今回の健康日本21は、厚生省といたしましては三回目の国民健康づくり対策でございます。 第一回目は昭和五十三年度から約十年間でございまして、そこでは、今申し上げました早期発見、早期治療を図るいわゆる二次予防を中心といたしまして、それに加えて、一次予防であります栄養、運動、休養にかかわる施策の推進を図りました。とりわけ、栄養に重点を置いた施策を展開いたしました。さらには、市町村保健センターなどの施設整備の促進を図ってまいりました。 また、第二回目は昭和六十三年度から約十年間でございましたが、ここでは一次予防の栄養、運動、休養のうち特に運動に重点を置きまして、健康づくりのための運動を普及するための人材の育成、確保、施設の普及を図ってまいりました。 しかし、これまでの二回の国民健康づくり対策は、検診体制や健康増進施設の整備、マンパワーの確保など一定の成果をおさめてはまいりましたけれども、施策の評価が困難であるなどの課題を残してまいりました。 このため、今回の健康日本21におきましては、まず、従来にも増して一次予防に重点を置いた施策を盛り込んでおります。次いで、国民の健康増進、疾病予防などにおいて重要な課題となります生活習慣病及び生活習慣の中から対象分野を設定いたしまして、それぞれの分野ごとに科学的な根拠に基づく具体的な目標などを提示することによりまして、健康づくり対策の評価を可能としたところでございます。さらには、医療保険者、医療機関、非営利団体などの広範な健康関連団体などの参加によりまして、それぞれの機能を生かして効果的に個人の健康づくりを支援できる社会環境を構築したことがこれまでの健康づくり対策と比べると特色である、このように考えておるところでございます。
○上川委員 今のお話の中で、今回は三回目ということなんですけれども、前回のものと比べまして、多分数値目標を設定なさったというのがかなり大きな、目に見える目標設定ということで大事な点だというふうに承りました。 これまで数値目標を具体的に設定して成果があったというか効果があった事例があるのかなということでございますが、そうした事例の一つとして、歯科の分野での八〇二〇運動、八十歳で二十本の自分の歯を持つという運動という目標設定、あるいは寝たきり老人ゼロ作戦というような数値を出しての目標というものがあったかと思います。 そこで、まず八〇二〇運動につきまして、厚生省としてはどの程度の効果があったというふうにお考えなのか、また、今後この運動をどのように推進していこうと考えていらっしゃるのか、お聞かせください。
○伊藤政府参考人 お尋ねの八〇二〇運動でございますが、これは平成元年に検討会の報告を受けまして開始したものでございます。このときの考え方は、なくなる歯が十本以下、つまり残っている歯が二十本あればそしゃく機能が維持されるという考え方に立つわけでございまして、八十歳になっても二十本の歯を残そうということでございます。 そこで、運動が始まる直近の昭和六十二年の実態調査によりますと、八十歳で四・〇二本、その後、平成五年に四・五三本、それから平成十一年に六・一六本となっておりまして、この間にかなり残っている歯の数が改善されてきたというふうに考えてよろしいかと思います。 ちなみに、六十歳から六十四歳のところを見てみますと、六十二年が十四・九、平成五年が十七・一二、それから平成十一年が二十・四〇となっておりまして、少なくとも現時点におきましては六〇二〇というのは達成されている、このように考えてよろしいかと思います。 今後、健康日本21におきましては、八十歳で二十本の歯を残す人たちの割合は、現時点におきましては、八十歳以上の方の一一・五%、約十人に一人でございますが、これを二〇一〇年に二〇%以上、つまり十人に一人から五人に一人に引き上げよう、そういう目標を設定して取り組んでいきたいと考えているところでございます。
○上川委員 もう一つは寝たきり老人ゼロ作戦ということでございますけれども、一九九〇年度から健康づくり対策ということで進めてこられたということでございます。 日本は寝たきり老人の数が非常に高いということで、よく北欧などと比べられるわけでありますが、十年前にゼロ作戦に取り組まれたわけでありますけれども、その後十年経過しても、実態は改善していないどころか悪くなっているんじゃないかというような報告もあるわけでございます。 厚生省としまして、寝たきり老人減少のための施策としてこれまでどんな積極的な前向きな施策をしていらっしゃって、それに対して成果をどう評価されてきたのか、また、その評価を踏まえまして今後はどのように進めるつもりなのか、簡単にお願い申し上げます。
○津島国務大臣 いわゆる寝たきり老人についてはゼロ作戦を目指した、これはちょうど十年前にゴールドプランを私が厚生大臣として打ち出したときから打ち出しておったわけであります。それで、将来的に自立高齢者の割合を九割程度に引き上げるということを目指したわけであります。 具体的にどういうことをやったかというと、介護予防事業を推進するとか、生きがい活動の支援をするとか、地域リハビリテーション体制の整備というようなことで、市町村や都道府県とともに取り組んできたわけでございます。 なお、具体的な成果がどうかということについては、もしあれでございましたら、政府参考人からお答えさせます。
○大塚政府参考人 十年前のゴールドプラン、それから五年前から新ゴールドプランと衣がえをいたしましたが、その中心的な柱の一つが御指摘の寝たきりゼロ作戦でございました。 確かに、本当の寝たきり老人をゼロにするというのは、これは現実的にはなかなか難しい話ではございますけれども、私どもの実感といたしまして、なかなか計数でお示しはできませんけれども、十年前といいますと、リハビリに対する認識がごくごく限られた専門家にとどまっておったものが、今日では、医療関係者はもとよりでございますけれども、福祉あるいは介護の関係者に幅広く行き渡ったというのが我々現場感覚として実感するところでございます。 もちろん課題はこれからございますので、今年度から始まりますいわゆるゴールドプラン21という新計画におきましては、それを衣がえいたしまして、ヤング・オールド作戦と名づけておりますが、一歩進めまして、健康日本21と連携をとって元気な高齢者を多くつくろう、寝たきりゼロというのももちろん大事な発想ではございますが、もうちょっと積極的な意味合いを持たせて、元気な高齢者をつくるという点に力点を置いた各般の施策を進めていこう、こんな考え方で進めているところでございます。
○上川委員 時間が来たのですが、最後の質問で、よろしくお願いします。 二十一世紀、個人が自分の健康に責任を持つ時代であるということでありますけれども、個人の健康管理の一番の基本は、みずからの健康情報を自分で把握するという制度にあると思います。 現在、個人の健康情報というのは、生まれたときの母子の情報、それから学校での情報、職域での健康の情報、老人になったときと、各保健制度ごとに管理されておりまして、その所管も厚生省、文部省、労働省にまたがっているところでございまして、個人が一生涯を通じて自分の健康情報を持つということについてはそうした壁があるように思います。 今回、省庁再編が行われるわけでございますけれども、とりわけ厚生省と労働省が統合されるということで、これを機会に、厚生省としまして、個人の生涯の健康情報をそれぞれが一元的に管理できるような制度、システムを構築できるように、ぜひともその方向に進めていただきたいと思いますが、これにつきまして最後に御質問させていただきます。
○遠藤委員長 篠崎保健医療局長、簡単に。
○篠崎政府参考人 先生御指摘のとおりだと思います。 これまでの疾病予防対策につきましては、厚生省では主に地域や家庭を対象に、また労働省では職域を対象に、それぞれの施策を進めてまいりましたけれども、今般、地域と職域における生活習慣病予防のための健康診査などの保健事業の連携のあり方に関して検討を行っておりまして、その検討の一環として、個人の健康情報の地域と職域を通じた管理についても検討を行うことといたしております。
○上川委員 ありがとうございました。これで質問を終わらせていただきます。
○遠藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時三十七分散会