環境委員会 第5号
- 発言数
- 151 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2000/11/28
会議録
○小林委員長 これより会議を開きます。 環境保全の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、気候変動に関する国際連合枠組条約第六回締約国会議、COP6について、政府から報告を聴取いたします。川口環境庁長官。
○川口国務大臣 気候変動枠組み条約第六回締約国会議が、十一月十三日から、会期を一日延長いたしまして二十五日夕刻まで、オランダのハーグ市で開催されました。我が国からは、私が代表団長として出席をいたしました。 今回の会合では、京都議定書の早期発効を目指して、各国が京都議定書を実施するために必要となる事項についての合意を得ることを目的として開催されました。 日本政府代表団は、本会議の成功に向けて、全力で交渉に当たってまいりました。私自身も、閣僚級の協議において京都メカニズムに関する分科会の議長を務めるとともに、EUの各国と、米国を初めとしたアンブレラ諸国間の意見調整を図るなど、議論を集約すべく努力をしてまいりました。 また、プロンク議長のリーダーシップのもとに、参加した各国閣僚がそれぞれ譲歩と協力を示しましたが、最終的に合意を見るに至らなかったことはまことに残念に思います。 本日は、今回の会議での交渉の結果について、簡潔に御報告申し上げます。 まず初めに、今回の交渉につきましては、各国、各交渉グループの立場から、数多くの課題について異なった意見が出され、最終的には、吸収源の取り扱い、排出量取引などの京都メカニズムの利用の制限、遵守制度のあり方が、相互に絡み合い、一体的なものとして交渉されたことが最大の特徴でした。 その中で、吸収源につきましては、一部の国の森林等による過大な吸収量の獲得をどの程度制限するかが焦点になりました。米国等の吸収量を抑えるとの意向が一部の国から示されたものの、我が国の吸収量については、これまでの我が国の省エネルギー対策の進捗を踏まえ、理解が得られたものと考えております。 また、排出量取引などの京都メカニズムの利用を制限するかどうかにつきましては、同様に一体的な交渉の一部として、交渉の最終局面において、先進国間で定量的な上限を設けない方向で歩み寄りの姿勢が見られました。途上国で温暖化対策事業を行うクリーン開発メカニズムの対象事業を制限するかどうかにつきましては、リスト化による制限は行わないという方向性が出ました。なお、原子力発電や吸収源事業につきましては、対象とすべきでないとの意見もありましたが、最終的には意見の一致を見ておりません。 第三に、遵守制度につきましては、同様に一体的な交渉の一部として、不遵守の際に、遵守行動計画を作成し、遵守委員会に提出してそのレビューと評価を受けるとの方向で歩み寄りが見られました。なお、遵守の判断を行う組織の委員の構成について、先進国と途上国で意見が分かれました。 最後に、途上国問題につきましては、最大の焦点である資金問題について、我が国、米国、カナダ、オーストラリア等が参加するアンブレラグループが追加的資金を提供する案を提出し、途上国より総論としては歓迎されましたが、資金の目的、規模、運営主体等の詳細については合意に達しませんでした。 以上が今回の会議における主要な論点であります。 今般、合意が得られなかったことから、COP6は一時中断して、来年五月末から六月初めを目途に再開する見込みとなりました。我が国としては、今回深められた各国の閣僚レベルの相互理解を基礎として、政治的機運を失わせることなく、京都議定書の二〇〇二年までの発効に向けて、再開会合において国際的合意が得られるよう、途上国支援策も含め、引き続き最大限努力してまいる所存であります。 同時に、我が国みずからも、他の先進国におくれることなく京都議定書を締結することが可能となるよう、温室効果ガスの六%削減目標を確実に達成するための総合的な国内制度の構築に総力で取り組む必要があります。そのことが同時に、日本の国際的発言権を一層増すことにつながるものと考えます。 小林委員長を初め委員各位におかれましても、環境行政の一層の推進のため、今後とも御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
○小林委員長 これにて報告の聴取は終了いたしました。 —————————————
○小林委員長 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として環境庁企画調整局地球環境部長浜中裕徳君、環境庁大気保全局長廣瀬省君、大蔵省主税局調査課長池田篤彦君、文部省初等中等教育局長御手洗康君、通商産業省環境立地局長日下一正君、通商産業省機械情報産業局長太田信一郎君、資源エネルギー庁石炭・新エネルギー部長沖茂君、運輸省運輸政策局長岩村敬君、建設省都市局長山本正堯君及び自治省税務局長石井隆一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 —————————————
○小林委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山本公一君。
○山本(公)委員 自由民主党の山本でございます。 川口長官初め皆様方には大変お疲れさまでございました。会議の成果はおきまして、大変な御努力をされたことに対しまして、敬意を表したいと思います。 私ども、三年前に、おられます大木長官のもとで政務次官として京都会議を務めさせていただきました。そういう立場から、今回のハーグでのCOP6、極めて関心を持って見続けてまいりましたが、思うような結果が出なかったこと、私どもの立場にとりましても残念に思います。 ただ、京都会議のときにつくづくと思いましたけれども、国際会議というのは疲れ切って疲れ切って合意が得られるものだということを私は身をもって実感をいたしました。最後の最後まで、一日延長されました、ひょっとしたらという思いを抱いておったわけでございますが、報道による限り、残念な結果になったというふうに思っております。 もろもろ含めまして、今大臣から御報告ございましたが、改めて、COP6の評価について、大臣の方から一言お願い申し上げたいと思います。
○川口国務大臣 ただいま山本委員が、国際交渉は、最後の段階、疲れて疲れてそのときにようやくとおっしゃられましたけれども、本当に私もそういう実感を持っておりまして、実は、もう最後の段階で、本当にまとまる一歩手前のところまで行ったというふうには思っておりますけれども、やはり全部の気が合わなくてまとまることがなかったということで、そういう意味で私も非常に残念に思っております。 ただ、今度の会合につきましては、交渉につきましては、各国代表団が一生懸命に、大変に精力的に、それから大変に前向きに、柔軟に交渉を進めたということが非常に印象的でございます。 それから、最終的な結論は来年の五月、六月の再開会合まで持ち越されることにはなりましたけれども、今回の合意でかなりそのときのベースとなる姿ができたように思いますので、今後、前向きに会合、交渉を進めていこうという政治的なモメンタムを失うことなく、京都議定書の二〇〇二年までの発効に向けて国際的な合意がつくられるよう、一生懸命に我が国としても努力をしていきたいというふうに思っております。 以上です。
○山本(公)委員 今大臣からお話がありましたように、解釈によっては、少しでも前進をした、先への希望はつないでいるんだというようなお言葉であったように思うわけでございますけれども、新聞報道を見ておりまして、見出しにぼんと、日米が今回つぶしたみたいな表現で出てくるわけですね。その辺、極めて私は残念でしようがなかった。多分、内実は違ったのだろうと思うのです。何か、日本とアメリカが共同して、今回の会議の合意に至る過程を阻害しているような印象を与える報道があったような気がしてしようがないのですけれども、言ってみれば、日本はある種、この会議の責任ある立場であったというふうに思っておりますので、そういった合意をあえてつぶすような立場ではなかっただろうと私は信じたい。 しかし、結果的には合意に至らなかった。合意に至らなかった原因について、もう一度ちょっと大臣の方から、詳しく御報告をいただきたいと思います。
○川口国務大臣 現地で、本当に徹夜に徹夜ということで交渉いたしておりまして、その間の日本の新聞を余りつぶさに見る時間的な余裕がございませんでしたけれども、今回の交渉は、吸収源から、京都メカニズムの上限の問題ですとか、遵守の問題ですとか、あるいは途上国への支援の問題ですとか、さまざまな課題がございまして、また、その課題ごとにそれぞれの国あるいは交渉グループの立場が違っているということで、そういう複雑な関係をどうやってうまく並べて解をつくるかということがかぎであったわけでございます。 それで、そういう複雑な多次元方程式を解けなかったというのが問題であったわけですけれども、最終的に、十一月二十五日の土曜日の早朝の段階で、アメリカ、日本、カナダ、オーストラリア等のアンブレラグループとEUとの間で、先ほどちょっと御説明を申し上げました、全部を一体として扱おうという話がなされました。 通常、国際会議のそういう細かい内容については、まだ交渉が継続中でもございますし、余り外には申し上げないということではございますが、若干それに絡む発言が会議でもございましたので、御説明を申し上げます。 吸収源の取り扱いの問題、それから排出量取引などの京都メカニズムの利用に制限を設けるかどうか、国内の行動を中心に行うということを数量的に制限するか、あるいは定性的に言うかという問題、それから不遵守、守らなかったときにどういうような行動をとるかという問題について、一体として考えようということで、この点について、一時期ほぼ合意が見られそうな状況になったわけでございますが、合意一歩手前でそれが実らなかったということでございます。 その交渉の過程で、私は共同議長といいますか、ある分科会の議長を務めさせていただきましたし、それから、例えばアンブレラグループとEUの間の調整をする会議を提案いたしまして、日本の代表団の部屋にEUの閣僚とアンブレラグループの閣僚に集まってもらいまして、深夜に会議をやったり、それから途上国の問題につきましては、アンブレラグループの提案ということで、資金関係についての提案を取りまとめるための努力をいたしましたり、さまざまな努力をいたしましたけれども、結果的には実らなかったということでございます。 よく言われていますように、吸収源における日本の立場が交渉の足を引っ張ったということは全くございませんで、総合的に、その最後のパッケージの段階で、アンブレラの一部の国とEUとの関係が、アンブレラグループのためということではむしろない状況で、これは交渉の話でございますので、だれがどうだったということは申し上げませんけれども、実らなかったということでございます。 以上です。
○山本(公)委員 今大臣の方から、吸収源のお話についてございました。 吸収源というのは、基本的には、言われているように、温暖化対策としては第二、第三の道なのだろうと私自身は個人的にはずっと思っております。基本的にはガスそのものの削減ということが一番の問題というか、テーマなのだろうというふうに思っておりますが、その吸収源の問題で、今回、今大臣が言われたようにいろいろな議論があって、日本とアメリカが共同歩調をとるかのごとく、その問題についてEUと対立していったというように私どもは感覚的にとらえておりました。 そこで、浜中地球環境部長に来ていただいておるのですけれども、浜中さんは、私どもの京都会議のときからこのポストでずっと頑張ってこられたミスター地球温暖化みたいな方で、私はそういうふうに思っておるのですけれども、今回、浜中さんのお立場でまた会議に御参加になって、いろいろなことをお感じになっただろうと思います。 京都会議からブエノスアイレス、去年のボン、そしてことしというふうに会議が、どんどん年は経てきておりますけれども、実感として進んでいると思いますか。進んでいるという表現が合っているかどうかわかりませんけれども、目的に向かって確実に一年一年歩んでいるなという実感。大変失礼ですけれども、これは質問通告をしていないのですけれども、ずっとこの問題に携わってこられた浜中地球環境部長に私はちょっとお伺いをいたしたい、かように思います。よろしいですか。
○浜中政府参考人 確かに、京都会議のとき以来、長年にわたりましてこの問題に携わらせていただきました。 率直な感想として申し上げますけれども、この問題に対する国際的な理解の深まり、議論の深まりというのは着実に進んでいるというふうに考えております。京都会議から三年たったわけでございますが、毎年の締約国会議におきまして、政府代表団はもとよりでございますが、各国の民間の各界、産業界、NGO、学界、そういう関係者が多数集まりまして、雰囲気を盛り上げたり、あるいは理解を深め合う、こういった行事が非常に多彩に行われてきている。これはとりもなおさず、各界の関心の高さをあらわしているものだというふうに思うわけでございます。 交渉自体につきましては、京都議定書をいかに実施に移せるか、実行可能なものにしていくかということで、京都メカニズムの問題を初めといたしまして、大変詳細な議論を要するという段階に入ってまいりましたので、一見、非常に交渉内容がわかりにくいことになっているという問題点もございますし、また、迷路に入ったような議論が行われているということで、なかなかはかばかしい進捗を見せていないというような印象もお持ちになるとも思いますけれども、私の目から見てまいりますと、歩みは、それほどはかばかしく見えないようであっても、着実に毎年毎年進んできているのではないかというふうに思う次第でございます。
○山本(公)委員 ありがとうございました。 今私もそのことを伺いながら、環境問題というのは本当に難しいと思います。地球規模の問題から始まって身近な問題に至るまで、環境問題は、一挙に解決しようと思ったら本当に難しい問題だ。 私はたまたま今、フロンという問題を手がけておるのですけれども、総論は皆さん賛成なんですね、わかっていらっしゃる。だけれども、各論に入った段階において各方面から異論が出てくる。それがまさに環境問題だなと思いながら、今いろいろな仕事をしているようなわけでございますが、今回、浜中さん、一歩前進だというふうに認識をとらえていらっしゃるだろうと思います。着実に目的に向かってこれからも進む努力をしていただければな、かように思います。 本題に返りますが、吸収源の問題について、今大臣から御説明がございましたが、吸収源でどのような提案をされて、その提案が、それぞれの国にそれぞれの評価はいただいたんだろうと思います、しかし、どのような結果になっていったのか。その辺についてもう一度、今度は浜中地球環境部長の方から御説明を願いたいと思います。
○浜中政府参考人 吸収源の問題でございますが、この問題、京都会議以来、大変難しい課題でございまして、とりわけ、先ほども先生お話しのとおり、対策の問題としては排出削減というものを、我が国もそうでございますが、まず第一に考える。しかし、これに加えて、吸収源からの吸収量というものを全体の対策の中でどのように位置づけをして扱っていくかということも大変難しい問題でございました。 この扱いについては、大変慎重な立場をとっております例えば欧州連合、EUでございますとか、途上国の一部からは、やはり先進国全体として吸収量の規模が余りにも大きくなり過ぎるのではないか、そのことによって京都議定書の排出削減の実効性が失われるおそれがあるのではないか、そのような懸念が表明されておりました。 そういうことから、私どもいたしましては、アメリカ、カナダとも話し合いをいたしまして、過大な吸収量を獲得する国の吸収量といいますか、いわゆる獲得できるクレジット、こういうものをいかに制限していくか、そのためには吸収量に対して割引率を掛けていくというようなことが必要ではないか、このようなことを考えたわけでございます。 他方、吸収量の比較的小さな国におきましては、例えば我が国のように省エネルギー対策が非常に進んでいる、さらにその上にかなり厳しい排出削減を行おうとしている国にとっては、目標達成に当たりまして、吸収量をそれなりにカウントしていく、算入していくことが非常に大事でございまして、そういった国に対しては、むしろ割り引かずに、一定の吸収量以下については認めていくということも考えられていいのではないだろうか。 また、他方、これもアメリカなどの森林のこれからの管理の対策を進めていくという際に、今後積極的に森林の吸収量を増大させるような対策を講じていくということによりまして、吸収量がふえていった場合には、その増加した分についてはやはり割り引かないということが妥当なのではないか。 このような考え方から、日米加の共同提案をさせていただいたわけでございます。 実際、COP6におきましては、吸収源に関する小グループで集中的に議論がなされ、日米加の提案以外にも各国からも提案がございましたし、議長からもまとめに向かっての提案がなされたわけでございます。 最終的に、第二週後半におきましては、先ほど大臣から申し上げましたとおり、他の重要な課題、例えば京都メカニズムの補足性でございますとか遵守制度、いろいろな課題を一体のものとして交渉が行われたわけでございます。その中で、吸収源に関する最大の課題は、やはりアメリカの吸収量をいかに大幅に制限するかということでございまして、議論はそういう方向である程度進んだわけでございます。 他方、我が国につきましては、先ほども申し上げましたように、省エネ対策が進んでいる中で、しかし、目標達成のための対策の大部分は国内排出削減対策でやろうとしているということで、その中で吸収源による必要な吸収量を確保することが日本の場合の目標達成に極めて重要なんだということについては、EUを初め各国の理解が得られたというふうに考えている次第でございますが、残念ながら、最終局面におきましては、一括、一体としての交渉自体が、合意に近づいたものの成立しなかったということで、最終的には吸収源につきましても合意が得られなかった、こういう次第でございます。
○山本(公)委員 お話を伺っておりまして、京都メカニズムの問題、遵守の問題、一体的になって議論があったということでございますけれども、京都メカニズムの問題とか遵守の問題については、大臣も多分、分科会議長をお務めになっただろうと思うんですけれども、これは一体的と言われたのでお答えにくいのかもしれませんけれども、その方の分野においてはかなりの歩み寄りはあったわけですか。その辺について、ちょっとお答え願えませんか。
○川口国務大臣 先ほどから一体というお話を申し上げておりますけれども、これはまさに、それぞれの最後の段階で、それぞれの国の主張をできるだけ生かしつつ、京都議定書の発効に向けてハーグで合意をつくるということが環境の保全性という意味から前進であろうという立場で、一括として、一体として、パッケージということの議論になったわけでございます。 吸収源、それから補足性といいますか、京都メカニズムの上限、それから遵守、なぜパッケージになったかということでいいますと、先ほど浜中部長が申し上げましたように、地域が広い、したがって、大きな森林資源を持っている国の希望を認めながら、他方で、その補足性の上限あるいは強い遵守ということによって、ある程度、森林面積が広く、森林資源が大きい国の国内対策を強化していくということを進めてもらおう、そういう発想でパッケージになったということでございます。 そういう意味で、パッケージ、一体として補足性について議論をいたしました結果、定量的ということではなくて、むしろ、行動計画を定性的に考えようということで話が収束しつつございましたし、遵守につきましても、先ほど申しましたように、遵守行動計画をつくるという方向で、それをレビューし評価をするという方向で話が収れんしつつございました。 ただ、これらは、吸収源につきましても、補足性につきましても、遵守につきましても、それぞれ個別として議論をいたしますと、必ずしもそういう方向で収束につながるという話ではございませんで、一体として、一つの考え方のもとに考えたときに、具体的に言ってしまえばアメリカですけれども、非常に面積が広くて、吸収源の対応が非常に意味を持つ国が国内対策をやらないことにならないように、どうやって補足性なり遵守を強くしていくか、そういうことであったわけでございます。 その中で、先ほども申しましたけれども、吸収源はそういった性格の問題でございまして、その中で日本の吸収源のあり方は、国際的に言えば本当に小さい問題でございまして、それが合意の足を引っ張ったとか、そういうことでは全くございませんということを申し添えさせていただきます。 以上です。
○山本(公)委員 大臣の今のお言葉を聞きまして、私自身、安心と言っては語弊がありますが、多少安堵をいたしたわけでございます。日本が足を引っ張ったのではないという大臣のきっぱりした御答弁をいただいて、ある種安堵はいたしましたが、私は、日本が世界の中でリーダーシップをとれる分野は多分この環境の分野ではないかというふうに常々思っておるんです。軍事でとれるはずもない、経済力も、残念かな、多分世界のリーダーシップをとれるほどの力はない、かように思っております。 そうした中で、この小さな島国の日本ができ得る世界に対する貢献というのは、まさに環境の分野だと常々思っておるわけでございますが、その日本がこの地球的規模での会議を壊したというイメージを与えた、一部では与えかねなかったということを今大臣がきっぱりと否定されたということは安堵をいたしたい、かように思います。 ところで、COP6そのものは、来年再開ということになったんだろうと思います。今後のスケジュールについて、ちょっと御説明をいただきたいと思います。
○川口国務大臣 会議の最後の段階で合意一歩手前まで行ったということから、一日延長しても、そこで会期が終わってしまいましたので、各国代表団の強い希望で、これは今度の第六回の締約国会議が終わったわけではない、中断をしたのである、したがって、今後再開をしようということで意見がまとまりました。 今の日程では、来年の五月か六月に再開をされるということになっておりますけれども、場所も含め、それ以上詳しいことは、今の時点ではまだ決まっておりませんが、プロンク議長が引き続きずっと第七回のCOPまでは議長を務められますので、議長に私どもが今依頼をしているという格好になっておりますので、ディテールは今後決まってくると思っております。 以上です。
○山本(公)委員 引き続き、各国が真剣な議論を重ねていただいて、二〇〇二年の発効に向けて、時間は余りないと思うのです、お互いに譲り合うべきところは譲り合って、合意に向けて努力をしていただきたいと思います。 申し上げたように、私は、日本は、アメリカと言っては語弊があるかもしれませんけれども、そういった国々の鼻面を引き回すぐらいの覚悟で、こっちが引っ張られるのじゃなくて、日本が引っ張っていくのだぐらいの覚悟を持って、この問題に対処をしていただきたいと思うわけです。再開に向けて、まだまだ努力をされるだろうと思いますけれども、ぜひ頑張っていただきたいと思います。 今回の会議の報道の中で、大臣が記者会見で、交渉で発言力を持つには国内での温暖化対策や途上国支援をどの程度やっているかにかかるというような発言をされただろうと思います。新聞に書いてございます。やはり国内対策というのをある程度やっていないと、ああいう国際会議の場というのは、出ていっても大きな顔ができないと思うのです。 確かに、日本はこの数年間、恐らくかなりの努力をして省エネ対策を進めてきた。でもそれは、EUの国に比べれば、またイギリスに比べれば、ひょっとしたらまだまだ足らないというようなところが、今回、ある意味で、国際交渉の場で大臣も御苦労されたのじゃないか、かように思うわけでございます。 京都会議以降の国内対策の現状について、大臣、どのように認識を持っていらっしゃいますか。
○川口国務大臣 先ほど委員がおっしゃられましたように、日本が国内対策あるいは途上国向けの温暖化対応のための支援をやっていくことが日本の国際的な発言力がますます強くなることにつながるということは、私、記者会見で申し上げました。 なぜそういうふうなことを申し上げたかといいますと、今度の交渉の過程で、日本は、省エネ対策にいたしましても、世界で冠たると申し上げていいと思いますが、かなりいろいろなことをやっております。 これは私の所管ではございませんけれども、省エネ法ということにつきまして、世界の国の中で恐らく一番強い、したがって実行力のある、効果のある省エネ法を持っていると思っておりますし、それから、地球温暖化対策法という、温暖化のみに焦点を絞った法律を持っている国はほかにないわけでございます。 GDP一単位当たりのエネルギーの消費量を見ましても、日本は、アメリカの二倍以上といいますか、半分以下というふうに申し上げた方がいいと思いますが、そういうことでございますし、日本の省エネは、ヨーロッパのほとんどの国よりは進んでいるわけでございます。 日本が今まで重ねてきた努力というのが国際社会で認識をされていて、それから、私も代表団のほかのメンバーも、その認識を深める努力をいたしましたけれども、そういうことが、日本の吸収源なりほかの補足性なり遵守なりといったことの主張に対しての裏づけとして理解されているということでございます。日本は、この対策をすっぽかす国ではない、サボる国ではない、それを今までもきちんとやってきた国であるし、今後ともやっていく国であるというふうに信頼をされているということが、日本の発言権に対する信頼となってあらわれてきているということだと思います。 現在、そういう状況に日本はもう既にあるわけでございますけれども、今後、六%削減という約束をいたしておりますし、それは二〇一〇年のビジネス・アズ・ユージュアルのシナリオからいきますと、実に二七%の削減を必要としていることでございまして、それを進めていくためには、これからもますますやっていかなければいけないというふうに私ども思っております。 そういう意味では、今後ともそれをやり続けることが、COP6の再開期においても、日本の発言にさらにつながるということでもあると思いますので、私どもも、一生懸命にその方向に向けて努力をしていきたいと思っております。 以上です。
○山本(公)委員 京都会議以降、国内対策としていろいろなことが法律でもうたわれ、そしてまた実際に実行されてきた分野もあるというふうに私どもも思っております。 例えば、あのとき、たしか原発二十基とあったと思うのです。でも、私自身、選挙区に原子力発電所を抱えている地域なんですけれども、多分、国内では、原子力発電所というのは今後建設はなかなか難しいのだろうということを認識せざるを得ない状況にあると思っております。二十基というのはなかなか難しいのかなと思ってみたりもする。一方では、化石燃料を使った火力発電所ができてきている。 そういった国内の現状を見ていくときに、よその国に向けて、胸を張って、国内対策をやっていますよ、実効性が上がっていますよと、確かに法律はできているんだけれども、実際のところ実効性は上がっているのかどうか、胸を張って言えるのかどうか、私は、今非常に懸念を抱いておるようなわけです。 例えば交通の分野でも、モーダルシフトを随分と研究してきましたけれども、なかなか進んでいない、それが現実だというふうに思います。 そういったことを考えていくときに、日本はもうちょっと国内対策というものに、同じ法律をつくっても実効性の上がる法律をつくっていく。そのためには、ある分野では多少痛みは伴うかもしれない、その業界がつぶれてしまうような痛みだったら大変な話ですけれども、多少痛みは伴うかもしれないけれども、日本という国は真剣に国内対策をやっているよということのためには、そういった協力を経済界に得ていく努力を、我々もそしてまた行政の分野もやっていかなかったらいけないのじゃないかと私は今しみじみと感じております。 そこで、もう時間がございませんので、最後、今私が手がけておりますフロンの回収・破壊について、この際でございますので、これもやはり地球温暖化防止には大きな役割を果たしていく分野だというふうに認識をいたしておりますので、お伺いをいたしたいと思います。 いろいろな意味で、このフロンの問題というのは、事フロンという一つのガス、そしてそれを使う業界、地球温暖化のミニチュア版みたいなところがあるような気がいたしておるのです。 御承知のように、フロンというガスは人体には直接的には影響はありません。そこでガスをしゅっと抜いたって、そばにいる人は何ら影響がない。処理するのに、破壊するのに、何でそんなものにお金を払って我々が協力しなければいけないんだという考え方の方もいらっしゃいます。しかし、そのガスが出ることによって、今の自分には関係ないけれども、次の世代、また次の世代には大きな影響を及ぼしていく、そういうガス。一方では、そのガスは今の人類、人間の便利さを追求する上において極めて有効な手段であるということで、経済活動の一環として生産が続けられておる。一方で最終的にはひょっとしたら地球全体には有害かもしれないものが、一方では有益なものとして生産されている。 この問題の処理というのは、まさに私は地球温暖化問題のミニチュア版のような気がしてしようがないのです。そういった問題を何とか法において規制ができないものかと今努力をしているわけでございますけれども、やはり総論は皆さん方賛成でございます。しかし、各論に入った段階において各種の異論が出てまいって、私自身今非常に苦労をいたしておるところなのでございますけれども、こういったフロンの問題について、大臣は、何か御所見がありましたら、我々を励ます意味でも、一言承りたい、かように思いますが、いかがでしょうか。
○川口国務大臣 本当に釈迦に説法もいいところになってしまいますけれども、南極のオゾンホールは過去最大という状況になっておりまして、南極大陸の二倍というふうに広がっております。オゾン層が今非常に脆弱な状況になっているということでございます。したがいまして、フロン回収の問題は、その観点から非常に重要な、焦眉の急となっていると思っております。 それから、温暖化という観点からいいますと、冷媒で使われているHFCだけでも、機器が廃棄されたときにそのまま大気に出てしまうということになりますと、これは温暖化ガスでございますので、二〇一〇年には、一九九〇年、基準年の温室効果ガス全体の一・四%に相当する排出量となってしまうということでございまして、フロンをしっかりと回収していくということは、地球温暖化防止の観点からも非常に重要なことだというふうに認識をいたしております。 それで、自民党が一日も早く議員立法でフロンの回収法を制定するという方針を明らかにされまして、ことしの三月以降精力的に取り組んでいただいているということにつきまして、大変に感謝を申し上げたいと思います。 特に、山本委員長は、小委員会の委員長として、その小委員会の場以外でも、現場の視察ですとか関係者との話ですとか、大変に精力的に行動をしていただいておりまして、実効性のあるシステムの構築ということでお考えをいただいているというふうに承知をいたしておりまして、大変にありがたく思っております。どうもありがとうございます。 それから、国会の非常に大事な時期でありましたにもかかわらず、ハーグの会合の際には、大木議員と柳本議員には、おいでいただきまして、フロン回収法の検討状況を発表されまして、これはNGOからも高く評価されたところでございまして、両議員に厚く御礼を申し上げます。 それから、各党でもフロン回収法の検討が進められていまして、前回の環境委員会では、フロン回収法の成立のために、四人の参考人の方をお呼びになられて、各党から熱心に質疑がなされたというふうに承知をしております。 環境庁といたしましては、議員立法の成立に向けて、精いっぱいの御協力をさせていただきたいというふうに思っておりますので、一日も早く成案が得られまして、フロンの回収法を速やかに成立させていただけるよう、よろしくお願いを申し上げる次第でございます。
○山本(公)委員 COP6、残念な経過を今たどっておるわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、吸収源というのはやはり第二の道だろうというふうに思います。 私、今、フロン対策というのは、ひょっとしたら第一の本道を歩む手だてだろうというふうに思っておりまして、そういった観点から、わずかなお金とちょっとした工夫で、地球温暖化防止への大きな貢献ができる分野だと思っております。 ぜひ、大臣初め、また業界の各関係者の方々に、この問題について、このCOP6を機会に御協力をいただければということを最後に申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○小林委員長 近藤昭一君。
○近藤(昭)委員 民主党の近藤昭一でございます。 大臣におかれましては、今回のCOP6の会議、大変お疲れさまでございました。 会期末に向けて、国会が残念ながら大変に混乱をいたしまして、私自身は、先週の月曜日に何とかCOP6に行きたいと思っておりましたところ、かなわず、水曜日から土曜日という大変に短い期間、そして、最後延長になりましたところ、どうしても都合がつかず先に帰国せざるを得なかったということでありました。大変に残念だったわけであります。 また、結果を見ますと、決裂ということになりました。私も、現地に参りまして、川口長官が、分科会でしたでしょうか、会議の議長も務められて、大変に名議長ぶりだったというお話を承りまして、各国の意見あるいは各グループの意見がぶつかり合う中で、大変に御苦労があったと思うわけであります。ただ、ああいう結果になりましたこと、残念というよりも、これからのことが本当に心配でございます。 そういう中で、今自民党の委員の方からも、COP6を終えての感想をと質問がありました。これにつきましては、今大体お聞きをした中で、私はそれを受けてちょっと質問したいわけでありますけれども、私は、本当に川口長官が御苦労なさったと思う。そして、先ほどのお話の中にもありました、COP3のときを見ましても、本当にいろいろ各国がぶつかり合う中で苦労する、深夜に及ぶ交渉も続いていたようでありまして、大変だったと思う。しかしながら、最後に合意をすれば、その結果も報われるということでありましょう。ただ、今回決裂をしてしまった。残念だ。 それと、こういうことを言うと大変に失礼になってしまうかもしれませんけれども、現地へ行きまして、NGOから、化石の国といいましょうか、今回のCOP6の会議の合意に向けて、どうも足を引っ張っているという国を毎日発表していたような気がいたします。そこで日本は、高得点というか、たしかアメリカ、カナダと並んでトップだった、日本の国から行った議員としては大変に残念だった。そして、決裂の結果、私の誤解もあるのかもしれませんけれども、一部のNGOからは、もうこの結果を見て、長官には辞任をしてもらわなくちゃならない、そういうような厳しい声も飛んでいるわけであります。 日本が決してこの会議の足を引っ張ったというようなことがないことを私は願っておるわけでありまして、それで幾つか質問をさせていただきたいと思います。 今回決裂をしてしまったわけでありますが、京都議定書の二〇〇二年までの発効の見通しはどうなのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○川口国務大臣 近藤委員には、お忙しい中をハーグでの会合の一番山場の時期に応援に来ていただきまして、ちょうどお目にかかったのが、EUとアンブレラの国の間で、パッケージが先ほど申し上げたような形で全面的に成立していませんで、吸収源と京都メカニズムの補足性を二つパッケージで議論をしようということをやっていたときでございましたけれども、そのときにおいでいただきまして、応援をいただいて、まことにありがとうございました。 それから、二〇〇二年までの発効の見通しでございますけれども、今回のハーグの会合では合意には至らなかったということでございますけれども、合意の一歩手前まで行ったあるいは合意をするに際しての形がかなり見えてきたということだろうと思います。 そういうことでございまして、日本が引き続き議定書の二〇〇二年の発効を目指しているということについては、全く変更はございません。今後、来年の五月から六月において、COP6の再開会合が行われますので、その時点で、日本といたしましては、確実に合意を目指していきたいというふうに思っております。 以上でございます。
○近藤(昭)委員 私も、何せCOP3、あれは一九九七年でしたでしょうか、あのときも京都には参ったわけでありますけれども、合意の一歩手前まで行かれた、二〇〇二年までの京都議定書の発効は大丈夫だろうというお見通し、私も期待はするわけでありますが、本当にそうなんだろうかというふうに心配するわけであります。 それで、ちょっと先ほどのお話の中にもありました、また私も新聞で読みましたけれども、まとまりそうな局面があったというようなお話があった。しかし、まとまらなかった。長官の御認識としては、どういう局面でまとまりそうだったのか、あるいはそういう場面でどうしたら合意ができたのか、まとまったのだろうか、その認識はどうだったのか、お聞かせいただきたいと思います。
○川口国務大臣 今回のCOP6の交渉の一番の中核たる部分が何であったかといいますと、アンブレラの中の非常に数の少ない一部の国の、これは日本を含まない、アメリカ等と申し上げたらいいかもしれませんが、温暖化対策、逆にそれは、国際競争力をEUがどれぐらい制限できるかということをめぐっての争いであったというのが私の認識でございます。 吸収源の、減らすあるいは抜け穴をつくらないというふうにNGOの方はおっしゃいましたけれども、温暖化対応をやっていくために、国内策を中心として一生懸命に各国はやっていくということを約束しているわけですが、それをやるに際して、吸収源の問題というのは、アメリカはもともと地理的に非常に広い国でございますし、森林資源が豊かですし、したがって、アメリカの林業対策ということからいいましても、一部のヨーロッパの国から見れば、吸収源を認めることによってアメリカの林業に対してヨーロッパが援助をすることになるということではヨーロッパの国内に説明ができないということで、森林吸収源対策問題については、かなり厳しくEUからアメリカに対して議論がなされたというのが実は非常に問題の核たる部分でございます。 そういう意味で、アメリカの吸収源の実際にとれる数量をどれぐらい減らしていくかということ、それから国内的に対策をやるために京都メカニズムの上限をどれぐらい認めるか、要するに、これは定量的ではなくて定性的にやっていくということと、遵守を強くして、それによって全部のパッケージがきちんと守られるということを確保しましょう、そういう考え方がまとまってパッケージになったというのが今回の会合の核たる部分の一つでございます。 それからもう一つは、これは国連の会議でございまして、先進国間の話のほかに、途上国との間の話というのが非常に大きなウエートを占めております。実際にその会議が時間がかかってなかなか進まないというのは、途上国にどういう支援をするか、あるいは途上国が必要としている温暖化対策のための支援をどうやって先進国側がやるかということについてがもう一つのかぎでございます。 ここについても、途上国の考えていることと先進国の考えていることが、最後、アンブレラが会議のかなり早い時期に提案をしたにもかかわらず、細部について途上国との合意が成立しなかったということがあったという、ここの二つが核であったということでございました。パッケージという意味から申し上げますと、そういうことでございます。
○近藤(昭)委員 長官もいろいろなところで、難しいパズルをするようなことだったということをおっしゃっているようで、大変に難しい問題ではあると思うのですが、ただ、今いみじくも長官もおっしゃいました、国際競争力を各国が維持する中でどうCO2削減を達成していくかというせめぎ合いだったと思うのですが、まさしく国際競争力というところが私はかなりポイントだったのかなというふうに思うわけであります。まさしくそれぞれの国がそれぞれの国の経済的な競争力をいかに落とさないでCO2を削減するかということだったと思うのです。 ただ、見ておりますと、経済力を落とさない中でCO2をいかに削減するかということよりも、国際競争力を落とさないためにいかにCO2の削減をしないで、しかしながら、数字上は京都会議で約束したものを達成する、つまり、数字上では達成するけれども、実際のCO2の削減は決して減っていないことをいかに繕うかということだったような気が私はするわけであります。だからこそ吸収源というものが非常にテーマになってきた。つまり、森林の吸収源というものをいかに見るか。日本そしてアメリカ、カナダはその吸収源を、森林が吸収する数というものをいかに多く認めさせるかということだったような気がするわけであります。 京都会議からこの間、特に吸収源の問題で申し上げますと、温室効果ガスの排出量が全体では二%減っているEUが、京都メカニズムと呼ばれる柔軟性措置に否定的であり、国内での努力で、まさしく今申し上げたCO2の削減をきちっと行おうとしているのに対して、残念ながら我が国は、CO2の排出が一〇%も増加しているにもかかわらず、国内での削減努力は可能な限りやってきたと主張して、この柔軟性措置、特に今申し上げた森林の吸収をどれだけ見るかということを非常に大きく主張してきたというふうにしか私は見えなかった。だからこそ、化石の国としてある種の非難を受けてきたと思うわけでありますが、この点について、長官、いかにお考えでしょうか。
○川口国務大臣 今のお尋ねの件でございますけれども、まず吸収源についてでございますが、先ほど来申し上げていますように、パッケージとしての交渉はなされましたけれども、それの中心部分というのはEUとアメリカということでございまして、日本の吸収源は、その中ではほとんど国際的には問題ではなかったということでございます。これは強調申し上げたいと思います。 それで、省エネのことでございますけれども、EUと比べてというお話をおっしゃられましたけれども、たまたま一九九〇年という、これは京都議定書、その母体である気候変動枠組み条約の中で九〇年という年が基準年としてとられておりますので、九〇年と比較をすると日本はどう、ヨーロッパはどうという数字が出てくるわけでございますけれども、絶対的な省エネの進み方という意味で、例えばGDPとの比較におけるエネルギーの数字を見ますと、日本は、先ほども申し上げましたように、ヨーロッパのほとんどの国よりも高いというのが日本の実績でございまして、そういうことがかなり評価をされているということは先ほど申し上げたとおりでございます。 したがって、九〇年というのは基準年でございますから、その前にかなり省エネの努力をしてしまった国の実績というのは、パーセントとして九〇年比で見たときには残念ながら余り高くあらわれてこないということですけれども、やはり日本の実績がどこにあるかというのは絶対的な数値でごらんをいただければ御理解いただけると思いますし、それが、国際社会でも、先ほど申しましたようにかなり理解が進んでいるということが今度の日本のとったそれぞれのことについての発言といいますか、方針についての理解につながったということだと思っております。 以上です。
○近藤(昭)委員 先ほどもといいますか、今までのお話の中でも、長官は、今回、我が国が省エネに努めてきたということの理解はかなり得られたというお言葉とか、今の中にも、たまたま九〇年と比較して、日本はもう既にその時点で省エネも随分進んでいた、EUは進んでいなかったのに、当時悪かったにもかかわらず、その後ちょっと努力をしたから減ったというような認識の言葉がありましたけれども、私はそれは違うんではないかと思うわけであります。 後からまた通産の関係の方にも質問しますけれども、省エネ率が高いというのをどういうふうに見るのかと私も思いまして、細かく調べたわけではないのでありますけれども、例えば電気製品でも、日本の電気製品は非常にエネルギー効率が高いとか、そういうようなことがあるのかもしれません。 特に、ヨーロッパなんかに参りますと、非常に質実というか、もちろん経済の発展も必要なわけでありますけれども、経済の発展ということで言えば、今、日本がこれだけ停滞している中で、EUは二%ぐらいの経済成長率を確保しているわけでありますから、経済成長の面でも私はそんな大きなことは言えないと思うんですが、町にあふれる自動販売機なんかを見ていますと、こんなものが必要なんだろうかと。もちろん自動販売機を全く否定するわけではありません。しかし、これほどの数が必要なんだろうかとよく思うわけであります。例えば、あの機械のエネルギー効率はいいと言われてしまうと、ああそうなのか、しかし、全体で使っているむだなエネルギーということでいうと、かなりあるんではないか、そういうある種の数字のまやかしがいろいろなところであるんではないかというふうに私は思うわけであります。 そういう中で、特に今、森林の吸収源については、特にEUとアメリカの問題であった、日本が主張している三・七%の数なんというのは大したことがないというようなニュアンスに私は聞こえてしまったわけでありますが、それは全然違うんじゃないか。 プロンクさんが途中で調停案として出した数字も、たしか日本が森林の吸収源として認めてもいいという数は〇・五六でしたかね、ほぼ最終日の前日ぐらいだったと思いますけれども、プロンクさんが出した段階で、〇・五六%だったというものを、我が国が三・七%を主張して、これが大した数ではないという認識は間違っているんではないかと思いますし、日本が三・七%を主張した場合、計算すると一千百万トン、一緒の仕方でいくと、アメリカは一億二千五百万トンのCO2を森林が吸収するという計算になると思うんですね。 この日本、アメリカ、そしてカナダが主張する森林の吸収でいくと、森林の吸収源だけで、長官、多分五・八%になってしまうんではないか。つまり、京都会議での目標、先進国のCO2の削減目標は五・二%だった。ところが、日本が主張する方法を使ってしまうと、もうそれだけで五・八%、CO2の削減ではないけれども、数字の上での削減が達成できてしまう、こういうまやかしになるかと思うんですが、いかがでしょうか。
○川口国務大臣 日本の吸収源の数字が大したことはないというふうに私は申し上げたつもりはございませんで、国際的には大した数字ではないというふうに申し上げたということは、国際的にはこれは吸収源の交渉の焦点ではなかったということをも申し上げているわけでございまして、日本の数字が日本の削減努力の中でどれぐらい占める比率かという観点から申し上げたものではございません。 ただ、ビジネス・アズ・ユージュアルということからいって二一%ふえるところを、六%の削減分と足し合わせて二七%減らす中で、森林による吸収源が三・七ということでございますから、その段階でのそのレベルでの数字の大きさということだというふうに御認識いただければいいと思います。 それから、プロンク議長のペーパーでございますけれども、委員おっしゃられるように、あの数字をそのまま日本に適用しますと、〇・五とか〇・六とか、そういう数字になったというふうに私も聞いております。 ただ、あのペーパーの性格は何かというと、私は共同議長でございましたから、一般にあのペーパーを配付する前に呼ばれて、どうかということを聞かれたわけです。その段階でプロンク議長が言ったのは、あのペーパーの性格として、これはこれからの議論の出発点の材料として提供したにすぎない、このペーパーを自分が擁護するつもりは全くない、これは自分の考え方を書いたものではない、議論のための出発点の材料であるから、それは皆さん方で、というのはEUなり途上国なりあるいはアンブレラグループなり、あるいはコーカサスグループとかも幾つかほかにございますけれども、そういうグループの中でこれから議論をしてほしい、そういうことでございますので、プロンクがあそこで出した吸収源の数字が、それでいいということで出したわけでは全くないということでございます。
○近藤(昭)委員 〇・五六%というプロンクさんのある種の調停案、それは調停案の第一段階であって、それをもとにしてということとはいえ、長官、先ほど申し上げましたが、日本が目指してきた三・七%に対して、〇・五六%という数はやはり物すごく低い数だと思うんですよ。ですから、私は、例えば、日本が目指してきたのは三・七%だ、ところが三%だということであれば、まだそういう落としどころを探ってきたと言えるのかもしれませんが、〇・五六%というのは、かなり強く、日本の主張をもっと考えろということではないかというふうに私は思うわけであります。 それで、お聞かせをいただきたいわけでありますが、長官、今のお話の中にもちょっとあったのかもしれません、プロンクさんが〇・五六%でどうだと言ってきたときに、日本はどういう主張をされたのか。 特に、EU諸国は、森林吸収、森林が光合成によって二酸化炭素を吸収する働きは科学的に未解明な部分が多い、だから、そういう未解明なもので数だけやっても、温暖化を防止するということがこの会議の目標なわけでありますから、単純に数字を下げればいいというものではない、実質的に温暖化を防止するためには、こういう未解明なもので数の上で実施していくのはいかがなものかというのがEUの主張だったのではないか。もしかしたら違うかもしれませんが、私は少なくともそう理解しますし、そうだと思います。 それに対して、日本はどういう説明をされたのか、どういう認識でおられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○川口国務大臣 吸収源の話に関してでございますけれども、先ほどの御質問のときに、日本の主張をそのまま世界に及ぼすとアメリカが非常に大きくなってしまうだろう、吸収源の数字が大きくなるだろうというお話がございまして、それはそのとおりでございます。もしその数式をそのまま適用すればそういうことでございますが、事実はそういうことではなかったということでございます。 これは、先ほど来申し上げておりますように、ヨーロッパがアメリカに対してどれぐらい吸収源を減らさせるかということが一番関心があったことでございますので、それは行いつつ、同時に、例えば日本のような、今まで十分に温暖化対応の努力をやっている国に対しては、それだけの努力の成果を何らかの形で吸収源の数字に反映をさせよう、そういう考え方で成立して提出された考え方が、最後の段階でアンブレラとEUと議論になっているわけでございまして、日本のフォーミュラあるいはアメリカのフォーミュラがそれぞれ一律に全部の国に適用されるという発想はなかったということでございます。 それから、考え方でございますけれども、これはプロンクもそう考え、政治的な決断をということをみんなに、閣僚に言いましたときの考え方の基礎になっていたと思いますけれども、どうしたら京都議定書のルールを決めて、京都議定書の発効を早期にもたらすことができるだろうかということが一番大事なことであるという発想が背後にあったと思います。 そういうことで、それぞれの国の主張は主張でありますし、その背景もあるわけで、ずっとそれを京都の会議以降やってきたわけでございますけれども、発効のためにそれぞれが譲り合って、あるいは相互の国がのみやすい柔軟な最後のパッケージをつくることが大事だろうということで、プロンク議長のプロンク・ペーパーを議論の出発点の材料とし、各国が交渉した結果、そういうパッケージができ上がって、合意一歩手前まで行ったということでございます。 それぞれの項目で、環境のインテグリティーといいますか、保全性を十全に果たすということは、これは一番基本でございますけれども、なお、それと同様に、それを一体として、どういうことを考えて、柔軟に妥協することによって京都議定書が早く発効する事態になるかということを、両方を一つの命題として考えたということでございます。 以上です。
○近藤(昭)委員 長官のおっしゃっている話の中身は理解できないことはないんですが、ちょっと私の質問とは違う、きっちりとお答えになっていないんではないかと思うわけです。 森林吸収源というのは、複雑なパズルの中でも一番難しいパズル、そして一番キーポイントになったパズルであり、日本がやはりこの会議を決裂させる原因になったんではないかとあるところでは言われている一番大きな原因になったんではないかと思うんですね。だからこそ、今私が申し上げましたのは、各国から、なぜそんなに森林吸収源を科学的な根拠がないにもかかわらず日本は主張するんだということに対して、どういうふうに日本は理論展開を行っていったのか。私は、今回、決裂、合意できなかったところの大きな部分では、やはりこの森林吸収源というところがあると思うんですよ。いかがでしょうか。
○川口国務大臣 先ほど来申し上げておりますけれども、日本の吸収源は国際的な合意の議論の中の焦点では全くございませんで、したがって、日本の吸収源が原因で今度のパッケージが壊れたということは全くないということでございます。 それで、どういう方がそういうことをおっしゃっていらっしゃるか私は存じませんけれども、これはいろいろな見方が世の中はございますので、当然そういうことをお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、やはりコミュニケーションはきちんとさせていただきたいと思いますので、そういう方がいらっしゃれば、ぜひお目にかかって直接にお話をさせていただきたいというふうに思っておりますし、そういう観点からは、私は帰りましてまだ二日目ですので、今アレンジ中でございますけれども、日本のNGOの方々とも、これは出発前にもお話をする機会を持たせていただきましたし、帰ってからもお話をする機会を持たせていただくというつもりでおります。 そういうことで、日本が原因であったということは全くございませんし、それから、日本の吸収源についての説明については、京都議定書を早く発効することがすべての国にとって利益であるという環境十全性からの観点と、一部の国の大きな吸収源をどうやって削減をするか、それから同時に、吸収源と同様に重要な問題がございまして、プロンク議長は、実は今度の会合で六つの大きな問題があるということを言っておりまして、吸収源はその六つのうちの一つでございますけれども、途上国の資金問題とかほかにもいろいろあるわけでございまして、日本としては、そういった六つの問題について、積極的な対応をすることによって、できるだけ早く発効させたいというのが方針であったということでございます。
○近藤(昭)委員 長官の御認識は、とにかく日本の主張が決裂の原因ではなかった、森林吸収源をあの数で認めるということは非常にある種の合理性があるんだという御主張を繰り返されているのかな。しかし、私は違う認識でおるということを申し上げたい。 そしてまた、余り質問の時間がなくなってまいりましたので、短く端的にお答えいただければいいと思うんですが、そうしますと、合意できなかった一番大きな原因は何だとお考えなのか、お教えをいただきたいと思います。
○川口国務大臣 一番大きな原因というのは、まさにジグソーパズルがうまくそれぞれの場所に、時間内に、会期内にはまらなかったということでございまして、これは複雑な多次元の連立方程式でございますから、うまく解けなかったということでございます。 ちなみに、諸外国の新聞論調がどういうことであるかということを申し上げますと、ヘラルド・トリビューンは、米国の森林等による吸収源を多くしようという考え方とEUとの間で対立があったという報道をいたしておりまして、日本が云々ということは書いてございません。それから、ファイナンシャル・タイムズは、日米加の森林吸収に関する提案は理想的ではないけれども、最終局面で米国が大きく譲歩したにもかかわらず、EUの拒絶によって合意できなくなった、このことが非常に悪い事態となったとEUの対応を批判いたしているわけでございます。それで、来年五月のCOP再開会合でEUには政治的な姿勢を捨てるように求めるというふうに書いてございます。 それから、ウォールストリート・ジャーナルは、プロンク議長が提示した裁定案はEUと途上国寄りの内容であったということで、これが、米国の今後の批准を可能にするためには米国産業界の議定書の支持を強めることが重要だというふうに述べているということで、ほかの世界の主要な新聞の論調を読んでいただけると、日本の問題がこれの決裂の焦点では全くなかったということが御理解いただけるだろうと思います。 以上です。
○近藤(昭)委員 認識は平行線をたどってしまうのかなと。しかし、私は、五月か六月にボンで会議が行われるということでありますので、それまでに、余り時間もありませんが、またいろいろと議論させていただきたい。また、今長官おっしゃられたように、NGOともぜひ、もちろんNGOだけではなくて、いろいろな人と話をしていただきたいというふうに思うわけでありますし、いろいろな難しいパズルかもしれませんけれども、極端な話、アメリカが合意しなくても、もう日本がリーダーシップをとってやっていくんだ、アメリカなんていいんだとは言えないかもしれませんが、それぐらいの気持ちが必要なんだと思います。 アメリカは、たとえ合意をしても、国内的な議会対策もあって、まだまだ簡単ではない。そういう中で日本がリーダーシップをとっていく、大事だと思いますし、今、難しいパズルも幾つかあったというお話がありましたが、そういう中で、クリーン開発メカニズム、CDMについて、認められる事業について、原発を外すというEUの主張がありました。それについて日本はどう対応なさったのか。この原発に関する論議も、随分と会議がまとまらなかった理由の一つではないかという報道もあります。いかがでしょうか。
○川口国務大臣 CDMの対象をどうするか、対象のプロジェクトをどういうふうに選定するかということは、私が議長をやっておりました京都メカニズムの議論のところで議論をいたしまして、まさに議長をやっておりましたので、よく記憶をいたしております。 これは、途上国から、途上国がどういうようなプロジェクトをCDMの対象としてほしいかということは一番よくわかっている、これを先進国から、このテーマ、このプロジェクトはいい、あるいはこのプロジェクトはだめということを言ってもらうというのは、その途上国の主権を侵害するということが基本的な立場で、したがいまして、先ほど冒頭に申しましたように、CDMについてはリストをつくらない、対象業種についてリストをつくらないというのが基本的な立場でございましたし、会議の流れはこれであったということでございます。 その中で、原子力とシンク、吸収源をどういうふうにするかということについては、若干議論はございましたが、この点については結論は出ておりません。ただ、途上国の趨勢、それからアンブレラ諸国も、会議の大半の人たち、はっきり言ってしまいますと、EUを除いては全部、これは、CDMの対象業種はノーリストであるということでございます。
○近藤(昭)委員 お話を聞いていると、なるほどなと思わされるところがあるのかもしれませんが、私は、先ほど質問なさった委員の中にもありました、日本の国内で二十基の原発はもう無理だろう、これは、世界の趨勢では、やはり原子力発電所をこれからさらにつくっていくというのは大きな問題がある、つくれないという状況だと思うのです。 ですから、リストに入れないということをたとえある種認めたとしても、私は、そういうものを海外につくって、発展途上国に持っていってつくって、それをクリーン開発メカニズムにも入れるというのは大きな問題があるんだというふうに思います。 もう質問時間がなくなりましたが、一つだけ。 今までお聞きしておったような認識がおありになる、CO2の吸収源として認める、それで削減をする、日本の主張がある程度理解を得たからなんでしょうか、新聞報道によりますと、エネルギー政策はもう変更する必要はないと。今回のCOP6で日本が主張した、日本はCO2の削減努力をしてきた、だからエネルギー政策は変更しないなんという報道が新聞にあったのですが、通産省、いかがなんでしょうか。私は、エネルギー政策は変更する必要がある、日本の、特に自然エネルギーを活用することについては、もう全く不十分だと思うわけでありますが、いかがでしょうか。
○沖政府参考人 お答え申し上げます。 自然エネルギーについてでございますけれども、自然エネルギー、中でも太陽光あるいは風力などの新エネルギーにつきましては、エネルギーの安定供給の確保、また地球環境問題への対応を図る観点から、その開発導入を積極的に推進するということが重要と考えております。 新エネルギーの導入目標につきましては、現在の需給見通しにおきましては、二〇一〇年度に一次エネルギー供給の三・一%ということで、現在の導入実績の約三倍となる高い目標を掲げております。また、これらに地熱、水力も加えましたいわゆる再生可能エネルギーというものでとらえますと、一次エネルギー全体の中で七・五%を目指しているという状況にございます。 一方におきまして、新エネルギーにつきましては、現時点では、経済性であるとかあるいは供給の安定性の面で課題があるということでございます。したがいまして、政府といたしましては、低コスト化、高性能化のための技術開発や設置費に対する補助を通じた導入促進といったことに取り組んでおります。 また、通産省といたしましては、新エネルギー関係の予算につきまして、過去五年間で二倍以上に増加させてきておりますし、また十三年度も所要の予算要求をしておる次第でございます。 さらに、新エネルギーの今後のあり方につきましては、現在、総合エネルギー調査会の新エネルギー部会の場におきまして御審議賜っているところでございます。今後の政策のあり方と新たな導入目標につきまして、この総合エネルギー調査会で御審議いただいているところでございまして、その審議を踏まえながら、引き続き新エネルギーの導入につきまして積極的に取り組んでまいりたい、かように考えております。
○近藤(昭)委員 質問を終わりますが、ぜひ、CO2を実質的に削減するために努力をしていただきたい、一緒にしていきたいと思っております。ありがとうございました。
○小林委員長 次に、細川律夫君。
○細川委員 民主党の細川律夫でございます。 川口環境庁長官におかれましては、大変お疲れさまでした。COP6、どのような結論になるのか、環境問題に関心のある方、とりわけ、地球環境、この温暖化防止に向けて一生懸命努力をしておられる国内の皆さん方、期待をいたしておりました。しかし、残念ながら合意に至らずということで、ああいう結果になってしまいました。私は、川口長官が大変努力をされたということもお聞きをいたしておりますし、そのことには本当に敬意を表する次第でございますけれども、しかし、結果としては、残念ながら合意に至らずということで、国民の皆さん方は大変失望されました。 私としましては、もっと長官にリーダーシップを発揮していただいて、そしてこの合意に至るということになっておったら、こう思うわけでありますけれども、そうならなかった一つの原因として、今お聞きをいたしておりましたところ、長官をバックアップするために、もっと国内対策をきちっとやっておけば、ここはちょっと認識が違いますけれども、もっと発言力があったのではないかというふうに私は思っております。 私、この前の十五日の運輸委員会におきましても質問をいたしまして、京都メカニズムあるいは吸収源というのに頼るのではなくて、国内対策を積極的に推進をすべきだ、こういうことを主張したところでございました。先ほど山本議員あるいは近藤委員からも御指摘がありましたけれども、私は、どうも、ほかの国から見ると、我が国が国内対策を万全に行っていこうという姿勢がまだ見えていないのではないかというふうに思っておりまして、このことは大変残念に思うところでございます。 そこで、この国内対策については、まずは日本が環境立国として進んでいくんだという意味におきましても、国や自治体が見本を示す。企業やあるいは国民に環境についていろいろなことをお願いする前に、やはり国や自治体が見本を示すという意味で、環境への負荷の少ない物品を国や地方自治体が使用していくということが非常に重要ではないかというふうに思っております。 この前の通常国会におきましては、いわゆるグリーン購入法というのが成立をいたしました。正確には国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律、こういう名称の法律でありますけれども、これは、私がこの前の環境委員会で委員長をしていたとき提案をいたしまして、各党の合意を得られまして、ここで成立をした法律でありまして、私は、この法律について、どうなっていくか、非常に関心を持っているところでございます。 そこで、お聞きをいたしますけれども、来年の一月には省庁再編とともにこの法律も一部施行されるわけでありますけれども、来年四月には全面的に施行されるということになっております。そこで、環境庁といたしましては、この法律ができて、この法律の施行のために、この間、各省庁あるいは国会とか裁判所、地方公共団体などに、具体的にこの法律に向けての準備をどういうふうにしていくのか、あるいはどういうふうな要請をしてきたのか、あるいはその効果とか、そういうものはどうなっているのか、まずお聞きをいたしたいと思います。
○川口国務大臣 グリーン購入というのは非常に大切なことだと私もかねて思っておりまして、私が環境庁長官になる前に民間企業におりましたときに、ちょうど、環境庁が主導をいたしまして、民間企業を集めてグリーン購入ネットワークというものをつくったわけでございますけれども、私も、当時企業におりまして、これは非常に大事なことだということでオリジナルメンバーとして参加をさせていただいて、社内でグリーン購入を推進してきたところでございまして、グリーン購入の重要性は十分に認識をいたしております。 そういう意味で、議員立法でことしの五月にグリーン購入法を成立させていただいたということは大変にすばらしいことだというふうに思っております。 それで、それによりますと、その基本方針を閣議決定して、それから各省庁や特殊法人がその基本方針に基づきまして、毎年具体的に方針をつくって調達を実施していくということでございます。この四月一日の法律の全面施行に向けまして、現在、特定調達品目検討委員会を有識者の方八人でつくっていただきまして開催をさせていただいておりますし、それから、パブリックコメントを実施いたしまして、今広く御意見をお聞きしているところでございます。 それで、これを踏まえまして、環境にいい品物を重点的に調達をするということで、品目ですとか、その判断基準ですとか、調達全般についての基本方針というものについて検討を進めまして、来年一月を目途に基本方針の閣議決定を進めていきたいというふうに思っております。 それで、どういうふうに他に働きかけていくかということでございますが、まず、環境庁それから来年の環境省といたしまして、環境庁は既に率先してみずから実行をするということをいたしておりまして、例えば、平成十二年度に購入をする公用車につきましては、五台ございますけれども、それをすべて低公害車にするということで、グリーン購入を率先して実行をいたしております。 それから、先ほど申しましたような調達方針を作成、公表し、来年の四月一日の全面施行以降は、この方針に沿って国で購入事務を各省庁でやっていただくということになるわけですけれども、できるだけそれが広く行われますように働きかけていくということをいたしたいというふうに思っております。 以上でございます。
○細川委員 ぜひ環境庁といいますか、来年からは環境省、長官が先頭になって各省庁にも強く働きかけて、この法律が実効性のあるようにひとつお願いをする次第でございます。 そこで、環境庁の方はどういうふうになるのか。先ほど環境庁の方も公用車五台をすべて低公害車にするというようなお話もありましたけれども、やはり各省庁あるいは国の機関、その中で環境省の方が率先して、これはすごい、やはりさすが環境省だ、そういうグリーン購入をしていただくということが、これからのこの法律の実質的な効力を生じさせていく上で非常にいいあれだと思うのですけれども、環境省として一体どういうような、特にグリーン購入をお考えなのか、あるいはそういう計画がどういうふうになっているのか、これについてお伺いしたいと思います。
○川口国務大臣 グリーン購入、一般的に、これは特に私が企業におりましたときの経験などから申し上げますと、いいことなんだけれども、では何を買ったらいいのというのがよくわからないところがございまして、そういう意味で、環境庁は、これから出す調達方針あるいは基本方針につきましても、どういうものがいいか、なぜいいかということを説明しているという意味で非常にいい仕事をしているというふうに思っております。 環境庁といたしまして、みずからまさに、先ほど申しましたような低公害車の購入を初めといたしまして、できるだけ幅広い品目、これは今たくさん品目がございまして、それをできるだけ多く環境庁が率先して購入をし、それから、どういうものを購入しているかということを外に広く公表していく、知っていただくということによってそれが広がっていくということになることが望ましいというふうに思っております。 環境にいい品物、これは私が企業にいたときから、みずからリサイクルをして、いろいろな違う品物にする、製品にするという努力をしている中で思いましたことは、やはり日本の国民の多くの方あるいは企業の方がグリーン購入を進めていただくことによって、そのものの価格も下がり、流通も進んでいくということですので、環境庁みずから率先をして、これはできるだけ多くの品目についてそれを行っていきたいというふうに思っております。 以上です。
○細川委員 ぜひ、環境庁が率先して、ひとつよろしくお願いをいたします。 そこで、今も長官の方から低公害車のお話が出てまいりました。自動車につきましては、温暖化に対して寄与が大変大きいというだけではなくて、特にディーゼル車の排ガスについては健康被害が大変大きな話題となっております。 十一月の十三日には、中央環境審議会、中環審の最終報告案が出まして、自動車NOx法の対象にPMを追加するなど一歩前進が見られているというふうに評価してもいいと思いますけれども、しかし、昨年の十一月から話題となっております東京都知事のディーゼル車NO宣言と比べますと、どうも国の対策がおくれているように思います。 そこでお聞きしますけれども、この一月の尼崎訴訟の判決におきましては、国が敗訴いたしました。今控訴いたしておるようでありますけれども、この控訴に対して、裁判所の方からは和解勧告が出たけれども、国の方はこれを拒否しているということでございます。私は、昨日も名古屋の南部の公害訴訟の判決が出まして、国の行政の怠慢が指摘をされました。ここでも国が敗北をしたわけなんですけれども、私は、早くこの尼崎の訴訟については裁判所の勧告に従って和解をすべきだ、この名古屋の南部の訴訟については、これは控訴もせずにここで決着をつけるべきだ、被害者の救済からもそういうふうに考えますけれども、これについてどのようにお考えでしょうか。
○上田政務次官 お答えいたします。 今、尼崎公害訴訟に関するお尋ねでございまして、委員からもお話がありましたように、この一月に尼崎公害訴訟の一審の判決が出まして、国としては、その判決が本件道路を走行する自動車からの自動車排出ガスに含まれる浮遊粒子状物質と気管支ぜんそく等の発症、または増悪との因果関係を認めたこと、また、原告らの居住地への浮遊粒子状物質の排出の差しとめ請求を一部認容したことに不服がありまして、控訴をしたところでございます。 また、その後の経緯についても、今委員の方からお話があったとおりでございますが、国としては、先ほど申し上げました理由で原判決に不服があって控訴したものでありまして、この点については、控訴審での審理を尽くしていただく必要があるというふうに考えているところでございます。 そういう意味で、原判決の判断が我々の方として誤っているのではないかというふうに思っている、その立証するための有力な証拠をあわせて提出させていただいたところでございますけれども、今委員御指摘のあったように、裁判所から弁論を再開しないというような通知をいただいたところでございます。 具体的なことは、今後のことについて、建設省、環境庁とも協議しているところでございます。
○細川委員 裁判で一審で判決が出て、控訴審へ行って、控訴の段階で弁論を一度も開かずに結審で判決となるというようなことは異例中の異例だと思うんです。そういう裁判の中で、これは明らかに一審どおりの判決になることはもうだれが見ても見通しとしてはわかっているわけでありますから、これは国として和解勧告に私は従うべきだというふうに思います。 同じような事件の形で昨日は名古屋の南部の公害訴訟で国が負けているわけですから、このことも一緒にぜひとも早く解決をして、この被害者が、原告がもうたくさん亡くなっている、この裁判では、名古屋では三分の一ですか、もう亡くなっておられるし、尼崎では百三十何人も亡くなっておられる。本当にたくさんの方が亡くなっておられる、そういう現実を考えますと、被害者の救済ということも大変大事だというふうに思いますので、国の方としては、ぜひこれは和解をしていただきたいというふうに思います。 そこで、最後にお聞きをいたしますけれども、もう時間がありませんから詳しくは申し上げませんけれども、国として、DPFの装着に対して、燃料の対策を含め積極的に取り組んでいただいて、税制面の優遇とか補助金の増加を視野に入れてやっていただきたい。 それから、一部の地方自治体だけでやりますと、なかなかこれが周辺に大変な影響をいたしてまいります。したがって、全体的にこれをやるためには、国がイニシアチブをとってこの問題に対処していくということが大事だろうというふうに思っております。その点をどういうふうにお考えになっているのか、それを聞かせていただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○小林委員長 時間が終了しておりますので、簡潔にお願いします。
○川口国務大臣 簡潔にお答え申し上げます。 DPFの装着促進ということにつきましては、補助制度を創設するために予算要求を今出しているところでございます。その他、燃料につきましても、軽油中の硫黄分を減らすということで、規制の強化を行う予定でございます。 それから、地方公共団体との関係でございますけれども、特定地域内での対策の整合性が問題であるということでございますので、他自治体への悪影響がない形で推進されますように、東京都を含む関係地方公共団体と連絡を密にしてやっていきたいと思っております。 以上でございます。
○細川委員 終わります。ありがとうございました。
○小林委員長 次に、田端正広君。
○田端委員 川口大臣、COP6大変にお疲れさまでございました。 しかし、結果は残念ながら合意に至らずということで、私たちも非常に残念な思いでありますが、今回のこういう結果をどういうふうに総括されているのか。 そして、我が国として、京都議定書、二〇〇二年までに締結という方向が変更を余儀なくさせられるのではないかという意味で非常に危惧しているわけでありますが、その点について御所見をお伺いしたいと思います。
○川口国務大臣 COP6でございますけれども、これは京都議定書を発効させるための条件をつくるという意味で非常に重要な会議でございましたので、私としても全力を尽くしたつもりでございますけれども、いろいろな各国のタイミングがうまく合わなかったと申しましょうか、最終的にはまとまるに至らなかったということは非常に残念だというふうに思っておりますが、次の再開会合へ向けてのベースという意味ではかなりできたと思っておりますので、再開会合で我が国としても全力を尽くしていきたいというふうに思っております。 それから、二〇〇二年発効との関係でございますけれども、来年の五月、六月に向けて確実な合意を目指すということでございまして、二〇〇二年の発効を目指すということについては全く影響がないというふうに思っております。 以上です。
○田端委員 大変に御苦労が多い交渉事であろうと思いますが、例えば吸収源の問題ばかりが表立って出ているわけでありますけれども、それはそれとして、また後でお伺いいたします。 日本政府の代表として演説された中で、どういうふうに主張されているのかというふうに感じるわけでありますが、例えば、日本が省エネに対していかに積極的に取り組んできているかということをもう少しPRして、そういう中から訴えていってもよかったと思いますが、その辺のところは、現実はどういうふうに交渉事の中でされていったのでしょうか。
○川口国務大臣 政府代表演説を私がいたしましたけれども、その中では、まず、我が国は世界最高水準のエネルギー効率を達成しているけれども、京都議定書の目標を達成するための対策の相当部分を国内措置で行うつもりであるということを述べさせていただきました。それから、地球温暖化対策の推進に関する法律を世界に先駆けて施行しておりますので、そのことを申し上げまして、それから、さらなる省エネを促進するための法改正など、既に国内において強力な対策を講じているということも申し上げました。 それから、ほかの場で、各国の代表とインフォーマルな形でお話をする機会がありましたときに、その趣旨をさらにそのたびに申し上げております。 このような努力がございまして、これは私だけではございませんで、ほかの代表団の人たちも同じことをやっていただいたわけですけれども、EUや途上国を初めとして、我が国については理解を十分に得たというふうに考えております。
○田端委員 それにもかかわらずうまくいかなかったということでありますが、その最大のテーマになったのが森林吸収源をめぐる対立であったろうと思われます。私は、マスコミで報道される範囲で見ますと、少し日本が主張を突っ張り過ぎたかなという感じもしないではないのですが、その点はいかがなものでございましょうか。 それから、これは交渉事ですから、今回は合意に至らなかった、それはそれで仕方がないと思いますが、しかし、その場合、では来年の五月のボン会議に向けてどういうふうに仕切り直すのか、そこのところが大事になると思います。例えば考え方を修正する、そういう用意はあるのかどうか、その辺のところをお伺いしたいと思います。
○川口国務大臣 今回どうで、来年どうだということでございますけれども、国際交渉でございますので、今回につきましても、日本は、EUと主として米国の間を埋めるべく非常に努力をいたしました。これは先ほどもちょっと申しましたけれども、吸収源ですとか、それからほかの、京都メカニズムの上限をどうするかという補足性の問題ですとかについては、その間を調整する努力をいたしております。 それから、もう一つの大きな問題である途上国への資金、温暖化対策を進めるための援助をどうするかということにつきましても、日本は、かなりアンブレラの諸国の中でイニシアチブをとりましたし、それを外に向かってアンブレラ諸国の提案として提案するための努力をいたしたということでございます。 そういうベースの上に、五月、六月、来年の時点でどういうふうに会合を進めるかということですけれども、これは国際的な交渉になりますので、議長がどういうふうな進め方をするのが一番いいかということを考えるということになりまして、それを待つことになりますけれども、我が国といたしましては、今政治的なモメンタムがかなりできましたし、それから、最後の段階、会議が終わりに近づくにつれ、EUとアンブレラ諸国の間の相互理解が非常に深まったと思いますので、それを踏まえて、今から来年五月、六月までの間に我が国として何ができるかということを考え、できるものから他国に働きかけていきたいというふうに思っております。
○田端委員 ぜひ来年合意に向けて、また頑張っていただきたいと思います。 大臣は今回、京都メカニズムの分科会の議長という大役を担われたわけでありますが、ここでの議論の対立点、あるいは日本がどういうことを主張してきたのか、その辺のところを少し御報告いただきたいと思います。
○川口国務大臣 京都メカニズムというのは非常に複雑な問題で、三つ、排出権の取引ですとか、共同実施ですとか、それから途上国との間のクリーン開発メカニズムですとかございますけれども、そこの議長を務めさせていただいたわけでございます。 そこで一番大きな合意ができましたのは、CDM、クリーン開発メカニズムについて、これは先ほどちょっと申し上げましたけれども、途上国がみずからの主権をほかの国に侵されたくない、途上国が何が必要と考えるかということは途上国の判断に任せてほしいということで、対象としてノーリストということが非常に大勢を占めたということがその中では一番大きな進展であったかと思いますが、その際に残りました論点といたしましては、吸収源や原子力発電をどうするかということでございます。 それから、京都メカニズムの上限問題、上限をどういうふうに設定するか、定量的か定性的かということにつきましては、これもまだ最終的な合意には至っていませんけれども、先進各国が排出削減の相当部分を国内措置でやるということを定性的に言ったらどうだろうかということが、現在、先ほど来申し上げております総合的なパッケージの一部として、議論がそういう方向で収れんしつつあるということでございます。 それからもう一つ、今後大きな問題になっていくであろうということでございますけれども、排出権取引について、排出権取引でそれを売った国が仮にその後でコミットメントを果たせなくなった場合にどうするか、売り過ぎ防止をどういうふうにするか、そのときの責任をだれが負うかということについても議論をいたしまして、これはそのときには、いろいろなオプションが今出てございますので、その中で多少進展があったということでございますが、今後、これは大きな一つのテーマとしてあるいは総合的なパッケージの一部として議論をされることになる問題だろうと思っております。 以上です。
○田端委員 その一つとして、途上国の問題の中で、日本が五年間で十億ドルの地球環境基金を用意するという提案を行われたようでありますが、こういう途上国支援というものはいいと思うのですけれども、中国なんかは評価していただいたようですけれども、その議論の中で、どういうことでそこら辺のところがうまくいかなかったのか、その辺のところを少しお願いしたいと思います。
○川口国務大臣 アンブレラが提案をいたしました途上国支援の問題につきましては、幾つかの途上国から大きく評価をしていただきました。イランですとかサモアですとか、その日、それは全体の会合で提案が行われたわけですけれども、かなりの途上国から歓迎をする発言がなされまして、その結果として、会議全体の雰囲気が非常に和らいだといいますか、その前進に向けてさらにやろうではないかという雰囲気が生まれたというふうに思っております。 ただ、最終的な段階で、それは総論として歓迎されましたけれども、細部について、具体的なお金の使い方ですとか、基金の運営の仕方ですとか、資金の規模ということにつきまして、途上国と議論をいたしましたけれども、途上国から柔軟な対応が得られなくて、合意がなされませんでした。 その議論の際には、当初、プロンクの出した紙をベースに細部の議論を始めたわけでございますけれども、二時間で一ページの半分ぐらいしか議論が進まないというようなペースで、途上国が、そもそも昔の歴史的な話から始めまして、遅々として議論が進まなくて、ついに合意に至ることがないまま時間切れになってしまったということでございまして、この点では、途上国がもっと柔軟な態度を示していれば時間切れにならなかったかなという気もしないではないということでございます。
○田端委員 この地球温暖化防止の問題については、いろいろなことはありますが、しかし、やはり基本的には国内対策をどうしていくか、どういうふうに日本が環境先進国として二十一世紀、環境の世紀を開くために先駆的役割を果たすかということが一番大きなテーマだろうと思いますが、そういった意味で、国内におけるきめ細かな考え方、対策というものをこれから実施していくことが大事だろうと思っております。 それで、私、温室効果ガスの一つの大きな原因になっているフロンの問題についても、今、議員立法で回収・破壊法案というものを準備させていただいておりまして、そういう方向で進めているところでありますが、例えば、HFCを規制の対象の中に入れて回収・破壊するという考え方と同じように、CO2の回収・破壊あるいは再利用というふうなことは科学的に考えられないのかどうか。発電所、工場等からそういうものを回収する、そこに回収する義務を負ってもらうとか、あるいはメタノール等の原料に有効利用するとか、何かそういう前向きな技術的な研究開発、一歩実用化が進められないかということを常々感じているわけであります。 例えば、発電所の場合、CO2は国内総排出量の二五%を占めていると言われているわけでありまして、そういったところが、もしそういうふうな技術開発ができるならば、一歩大きく国内対策が進むのではないか、こう思います。 それからもう一つは、自動車の排気ガス対策がまだまだ大きなテーマだろう、こういう思いがいたしますが、こうした車に関する新しい技術の開発あるいは研究に対しての助成あるいは補助、そういったことも含めて積極的な国内対策に力を入れていくということをやっていくべきだろう。 それで、ぜひこの問題について、長官の御意見をお伺いしたいと思いますが、関係省庁の通産省、運輸省からもきょう御回答をお願いしたいと思います。
○日下政府参考人 お答え申し上げます。 二酸化炭素の回収、再利用の技術開発につきましては、地球温暖化問題の解決に資する方策の一つとして、政府として積極的に取り組んでいるところでございます。 委員御指摘の、発電所などから発生する高濃度の二酸化炭素を回収して、メタノールなどの有用物質として利用する技術開発につきましても、政府の支援を受けまして、NEDO、つまり新エネルギー・産業技術開発機構、財団法人地球環境産業技術研究機構が、RITEと申しておりますが、中心となって取り組んでいるところでございます。 具体的には、平成二年から十年間かけまして、総額八十五億円でございますが、メタノールを合成するための触媒でございましたり、CO2を分離するための分離膜などの基礎的な要素技術を研究してまいりまして、それが昨年度終わっておりますので、今年度から、太陽熱を利用して、CO2を石炭、天然ガスあるいは水蒸気などと反応させてメタノールを生産するなどの技術開発を支援することとしております。しかしながら、なかなか難しい技術でございますので、二〇一五年から二〇二〇年の実用化を目指すものでございます。 今後も、このような技術開発を引き続き推進してまいる所存であります。
○岩村政府参考人 自動車からの排出ガスの点でございます。 御承知のように、運輸部門は我が国全体の一九%を占めるCO2を排出している状況にございます。とりわけ、運輸部門の中で九割が自動車からの排出ということになっておりまして、この自動車の排出ガスをどういう形で減らしていくかが地球温暖化防止にとって一つ大きな問題になっております。 一つの方策として、燃費を改善する。すなわち、排出するCO2のガスを移動をする際に減らすということでございますが、これについては、平成十年にエネルギーの使用の合理化に関する法律を改正いたしまして、これに基づきまして、昨年、二〇一〇年の燃費基準というものを決めております。例えば、ガソリン乗用車については、平均燃費を一九九五年のレベルから、二〇一〇年までの間に二二・八%改善する、こういう内容の規制を既に実施しているところでございます。 先生おっしゃるように、こういう努力に加えて、今後さらに燃費の改善に向けていろいろな努力が要るということは当然でございまして、とりわけ技術開発が必要であろうかというふうに思っております。 運輸省としては、ガソリン車の今の燃費向上、燃料電池車という新しい排出ガスの少ない自動車、さらにはLNG車、ジメチルエーテル車等々次世代の低公害車の研究を支援していく、そういった対策をしているところでございます。具体的には、運輸省に交通安全公害研究所というのがございますが、ここでの研究の推進、また、先ほど申し上げた次世代の低公害車について実験を官民共同で実施する、そんなことを含めまして、積極的な対応を進めているところでございます。
○川口国務大臣 今、通産省と運輸省から個別具体的なお話をいただきましたけれども、環境庁といたしましては、今後、関係の各省庁と連携をしながら、技術開発等を一生懸命に推進していきたいというふうに思っております。 それから、一言申し添えますと、二酸化炭素の排出削減の研究につきましては、地球環境研究総合推進費によりまして幅広く助成を行っているところでございます。 以上です。
○田端委員 ぜひ実用化に向けた一層の御努力をお願いしたいと思います。そして、これは、私たち国民も、そういった意味でしっかりと意識したライフスタイルを確立する必要がある、こう思っております。 私は以前にもこの委員会で御紹介させていただいたことがあるかと思いますが、恐らくここにいる先生方の多くも、例えば、朝、顔を洗うときに、歯を磨くときに、あるいはひげをそるときに、水道水を出しっ放しにしながらという人が多いだろうと思います。 だから、例えばコンセントから抜いて電源を切る、つまり、今はほとんどリモコン方式になっていますから待機電気が流れているわけでありまして、そういった生活の身近な場でいろいろな努力をすることによって、これはもう大変なエネルギーが節約されることになるんだろう。 私は、実は、「たばた正広のエコライフのすすめ!」、こういう小さいパンフレットというか、メモ書きみたいなものですが、こういうものをいろいろな方に手渡して、こういうことをやりましょうと。つまり、電気、ガス、水道、この三つのむだを節約すれば、家計費の節約にもつながり地球温暖化のためにもなるんだということを申し上げると、いろいろな方々から、そういう身近なところからできるんですね、そういう大変な反応をいただいているわけであります。そういう意味で、私は、国民的にライフスタイルそのものをどうこれから構築していくかということが大切なことだろうと思うわけです。 だから、学校の現場においてそういったことを今からぜひ行っていただきたいと思いますが、この問題について、文部省の方、来ていただいていると思いますが、よろしくお願いします。
○御手洗政府参考人 子供たちが環境について正しい理解を深めるとともに、省エネルギーの実践など、責任を持って具体的な環境を守るための行動がとれるようにするということは、学校教育上も極めて重要な課題でございます。 学校教育におきましては、小中高等学校を通じまして、児童生徒の発達段階を通じて環境教育を行うということにしておるところでございますが、例えば中学校では、社会科、理科、家庭科、こういった各教科を通じまして、地球環境や資源エネルギー問題などについて具体的な課題を通して学習するということによりまして、エネルギーの使い方が資源の確保や環境保全に大きく影響すること、あるいは省エネルギーが必要であることを自分自身の問題として認識させるとともに、エネルギーの有効活用やリサイクルの推進などのみずからの生活を改善する態度を育てることとしております。 具体的に、教科書におきましても、例えば家庭科で、水を大切にする工夫、エネルギーの消費を減らす工夫、ごみを減らす工夫、こういった毎日の日常生活の中であなたが実際に行っている環境保全、資源エネルギーの節約についてもっと話し合ってみましょうというところから始めまして、生活の仕方を見直すというような授業の展開をしております。 また、こういった学習に基づきまして、各学校におきましては、省エネルギーの実践あるいはごみの減量化、リサイクルの促進、こういった具体的な児童生徒が環境問題に取り組む活動というものを、学校教育全体を通じて行うよう推進をしているところでございます。 また、学校の施設の維持管理につきましても、文部省におきましては、具体的な点検リストを作成いたしまして、毎年各学校で省エネルギーの点検を実施してもらうよう通知しているところでございまして、御指摘の十四項目の先生の「エコライフのすすめ!」に掲げる事項につきましても、おおむねこの点検項目の中に掲げまして、各学校で点検を実施いたしているところでございます。 文部省といたしまして、さらに学校施設の具体的な維持管理におきましても、省エネルギー対策につきまして引き続き調査研究を進めているところでございますので、今後、学校現場におきまして、環境教育の充実や省エネルギーに向けた取り組みの一層の推進に努めてまいりたいと考えております。
○田端委員 ぜひひとつ、ドイツとかヨーロッパに比べて十年も二十年も日本の意識がおくれていると言われているわけですから、子供の時代からそういうことがきちっと生活の中で実感できるような教育というものをお願いしたいと思いますし、また、子供たちだけじゃなくて、全国民に対して、こういう意識の啓発というものを環境庁もしっかりやっていただきたい、こう思います。 それで、ちょっとまた別な話になりますが、私たちが住んでいるこの大都会においては、ここのところ季節感がなくなってきたといいますか、温暖化の現象もあるんでしょうが、ヒートアイランド現象ということも関係しているんだと思います。 そういう意味で、環境住宅といいますか、エコ住宅といいますか、例えば、ビルの屋上とか屋根の上とか、そういうところを活用してできるだけ緑を植える、そういう発想がこれから大事になっていくだろうと思います。都市の緑化計画ということあるいは緑を町づくりにしっかりと位置づけていくということ、そういった考え方、そういう具体的な措置を建設省としてこれから考えていく必要があるんじゃないか、こう思っておりますが、その点はどうでしょうか。
○山本政府参考人 お答えをさせていただきます。 先生おっしゃるとおり、都市の緑は、ヒートアイランド現象の緩和でありますとか、防災性の向上でありますとか、あるいは自然等の触れ合いの場ということで、大変重要な必要不可欠なものであろうというふうに思っております。地球温暖化対策推進大綱におきましても、都市の緑地保全によるヒートアイランド現象の緩和と同時に、建物の屋上とか壁面の新たな緑化空間の創出の促進が位置づけられておるということでございます。 私ども建設省といたしましても、従来より、都市公園の整備や道路の緑化等を推進すると同時に、屋上緑化につきましても、都市の土地の高度利用でありますとかあるいは過密化に伴う緑の不足を補うといったような点から、大変重要であろうということで考えております。その推進に努めておるところでございますが、特に近年は、土量の軽量化でありますとか、そういったような緑化技術の開発が進んだこともございまして、屋上等の緑化を推進するために、融資制度でありますとか、あるいは先生今おっしゃいましたような環境共生住宅市街地モデル事業でありますとか、エコ住宅の事業でありますとかというような事業について支援措置を講じているところでございます。 また、官庁施設、建設省の所管施設の屋上緑化等についても積極的に進めておるところでございます。屋上緑化については、今後とも積極的に進めたいというふうに思っております。 それから、先ほどお話がございましたように、地域の都市緑化の計画でありますとか、あるいは町づくりのマニュアル作成といったような点につきましても、地方自治体、とりわけ市町村における緑化の推進が大変重要でございますので、私どもとしましても、都市緑地保全法に基づきます、市町村がつくります緑の基本計画といったようなものを、現在既に三百五の市区町村で策定済みでございます。これをさらに積極的に推進していくということが必要であろうかと思っております。 また、マニュアル等につきましては、公園の緑化技術の五カ年計画に基づきます緑化技術の開発でありますとか、あるいはまた、町づくりの参考となります都市緑化の手引等につきましての作成支援等によりまして、行政はもとより、住民、企業による緑化活動の普及啓発に努めていきたいというふうに思っておるところでございます。 今後とも、地域の実情に即した都市緑化について、私どもとしても積極的に支援、努力してまいりたいというふうに思っておるところでございます。
○田端委員 ぜひ積極的な緑化対策をお願いしたいと思います。 それから、こういう国内対策を考えていく上で今後大切なテーマとしては、やはり経済的手法を導入することによって国民の皆さんの環境に対する意識を大きく高めていく、そういうことも考えられるのではないか、そういうときが来ているのではないかということを感じます。 それで、例えば化石燃料に対する炭素税のようなことを、今までも議論はありましたが、私は、例えば地球温暖化対策税、そういう命名にして新たな税というものを考えてはどうか、こういうふうに思うわけであります。そして、これは一般財源に入れるのではなくて、あくまでもCO2削減等、あるいはさっき申し上げた国民のライフスタイルを変えるための啓発活動とか、あるいは新しい技術の開発とか、そういうCO2削減あるいは地球温暖化防止のための関係に使っていく、そういう効果を出させていくという税にしてはどうかということを御提案したいと思いますが、長官及び大蔵省の見解をお伺いしたいと思います。 それから、今申し上げましたエコ住宅といいますか、例えばそういう環境共生型住宅ということになりますと、大変お金もかかります。コストもかかります。そして、そういう意味で、固定資産税も逆に余計に負担になってくるわけでありますから、こういう住宅に対しては、税制面で基準をきちっと設けて、新たな減税措置といいますか、そういうことを逆に考えてはどうか。 それによって、これからの住宅、例えば年間百二十万戸建てているなら、そのうちの半分、六十万戸がもしそういう住宅になっていけば、一戸当たり〇・二トンとすれば、これは十二万トンという大変な数字になるわけでありますから、ぜひそういう意味で、新しい税のあり方として、逆にそういう住宅に対する減税措置というものを考えてはどうか。この二点について、大臣及び大蔵省にお願いしたいと思います。
○川口国務大臣 地球温暖化対策としての環境税でございますけれども、市場を通じて合理的にCO2あるいは温暖化ガスを削減できる手段であるということで、委員おっしゃられましたように、その有効性が今期待されているところでございます。 環境庁といたしましては、環境税の導入に向けて、環境保全効果などについて検討を進めておりまして、ことしの五月に公表をされました環境政策における経済的手法活用検討会の報告書の中で、御指摘になられましたように、省エネ技術への補助金と組み合わせると低い税率で大きな効果が得られるというような試算も出ているところでございます。 それで、またことしの七月の税調で、幅広い観点から検討をしていくことが重要という御指摘もございましたけれども、環境庁といたしましては、地球温暖化防止のための税の在り方検討会を委託先に設置をいたしまして、政府税調における検討状況も勘案しつつ、詳細かつ具体的な検討を進めているところでございまして、国民各層の理解と協力が得られるような普及啓発にも努めていく所存でございます。 それから、もう一つお尋ねの省エネ住宅のことでございますが、委員おっしゃられましたように、省エネ化をするとその住宅の資産価値が上がるということで、かえって税額が増加をするということになってしまうわけでございますけれども、環境庁では、こういった状況にかんがみまして、省エネ住宅の普及を進めるために、平成十三年度の税制改正要望といたしまして、省エネ型住宅に係る不動産取得税や固定資産税などの優遇措置を現在要望しているところでございます。
○池田政府参考人 お答えいたします。 地球温暖化防止のために京都議定書で定められました温室効果ガス削減の目標達成のために行います国内対策、その具体的な内容につきましては、御承知のとおり、国際交渉の動向といったことを踏まえまして、今後総合的に検討されていくというふうに承知しております。当然、さまざまな対策が考えられるわけでありますが、その中で、税制といったものの活用をどう考えるのかということにつきまして、今申し上げたようなさまざまな政策の組み合わせ、それをどのようにしていくのかということの中で議論していくというふうに考えております。 環境税につきましては、今大臣からもお話がございましたが、本年七月の税制調査会の中期答申の中でかなりきちんとした議論をしていただきまして、基本的な考え方が示されております。 まず、環境税につきましては、広く国民に負担を求めるという性格がございます。国民の理解と協力といったことが不可欠だという御指摘です。それから、環境施策全体の中での税制の具体的な位置づけというものをきちっと踏まえていく必要がある、なお国内外における議論の進展を注視しつつ、やはり環境政策の基本としての汚染者負担の原則、PPPについて、きちっとこれを確保していく必要がある、そのような基本的な考え方の答申をいただいております。 大蔵省といたしましても、今後の税制のあり方を検討していく中で、今申し上げたような論点を踏まえつつ、幅広い観点から検討を行ってまいりたいと考えております。 もう一点の御質問につきまして、国税に関しましては、建築物の特別償却制度といったことになろうかと思いますけれども、そういった租税特別措置につきましては、政策的な要請に基づいて当然行われるものでありますが、そういう政策的な要請の一方で、公平、中立、簡素といった税制の基本原則の例外であるという性格を持っております。そういった基本原則に照らして問題はないか、政策手段として税制になじむか、公課との関係はどうか、財政事情やあるいは社会経済情勢の変化に伴ってきちっと見直しがされているかどうかといったさまざまな論点が租税特別措置一般にございます。 また、エコ住宅等につきまして、環境対策として税制上の軽減措置ということになりますと、一般論としては、先ほども少し申しましたPPPとの関係をどう考えていくかということを十分検討する必要があろうかと考えております。 いずれにしましても、御要望を環境庁の方からもいただいております租税特別措置全般につきまして、今後、政府・与党の税制調査会におきまして審議をし、専門的、幅広い見地から検討を行う必要があるというふうに承知しております。
○田端委員 時間が来たのでこれで終わりますが、私は、自動車の問題についても、これは自動車のグリーン税化を来年度から実施すべきだ、こういうふうに思います。 つまり、燃費のいい車、排出ガス性能のいい車は税を安くし、そして悪い車は重くする、こういうことによって国民挙げての温室効果ガスの防止に当たっていく、こういう考え方を税制を通じてもぜひやっていくべきだ、今おっしゃられた税の公平化という点からもそうすべきだ、こういうふうに思います。そういったこともぜひ実現するために、関係省庁においては御努力をお願いしたいと思います。 最後にそれをお願い申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。
○小林委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後零時十一分休憩 ————◇————— 午後二時四十九分開議
○小林委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。武山百合子さん。
○武山委員 自由党の武山百合子でございます。 川口順子環境庁長官、国際会議、お疲れさまでございました。 今、私、同僚に、環境庁長官が国際会議に行くのに、たまたまある党が理由があってなかなか賛成に至らなかったということで、根回しされて、努力されて、そして国際会議に行かれたのに、何だ、その結果はなどと男の人に実は今ハッパをかけられて、戻ってきたところでございます。 まず、政府の今までの従来対策、九八年に決めた地球温暖化対策推進大綱、これがベースになっているのだと思いますけれども、石油の使用量を減らす省エネ対策、それから、原子力発電の増設によって排出量を抑えて、そして六%の削減目標を排出量取引や先進国が途上国と共同で行ういわゆるCDMといったクリーンメカニズム、こういう外国頼みの仕組み、それから森林による吸収で賄うという計画だったのだと思いますけれども、これでよろしいのでしょうか。まず、政府の従来の対応という意味でちょっとお聞きしたいと思います。
○川口国務大臣 地球温暖化対策につきまして、京都議定書が九七年に決まりました後で、九八年に政府として地球温暖化対策に向けての大綱に合意をいたしております。 それによりますと、ビジネス・アズ・ユージュアルというか、他のことは変わらないで話が進むということでありますと、九〇年の基準に比べて、二〇一〇年には二一%全体としてエネルギー起源のCO2の排出がふえるということでございまして、それを産業部門の対策ですとか、民生部門の対策ですとか、運輸部門の対策等でほぼ九〇年の水準までに戻すということと、それからメタンですとか、あとはN2Oですとか、非エネルギー起源の二酸化炭素の排出を削減することでさらに〇・五%、それからさらなる技術革新、これは国民の各層に御努力をいただいてライフスタイルの変革ですとか、そういうことを含めてさらに二%を削減し、それから残る削減分への取り組みとしては、吸収源対策ですとか、京都メカニズムですとか、必要に応じた国内対策ですとか、そういったことで削減をするということで考えられております。
○武山委員 そうしますと、今回の地球温暖化対策国際会議、最終的に決裂したわけですけれども、今後、日本の出方というか、日本は従来、今お話ししたような対応でいく予定だったわけですけれども、数日前の決裂によってどう方向性が変わるのでしょうか。
○川口国務大臣 武山委員から今決裂という言葉がございまして、それから日本の新聞も決裂というふうに書いている新聞が多いわけでございますけれども、これは決裂ということではございませんで、一時それを中断して、来年になりまして、五月、六月のころにCOP6を再開するということで合意がなされております。その五月、六月の場所ですとか、その段階でどのように会合が進むかということについてはまだ決まっておりませんが、再開会合があるということで決まっております。 それから、中断というふうに申し上げましたけれども、関係の各国の間では、引き続き、実はCOP6が終わった後のハーグでも何カ国か集まりましたし、きょうも、実は先ほど昼休みに各国の閣僚と電話で、会議電話を使って話をしておりますけれども、そういう形で今後とも引き続きモメンタムを維持し続けていくということで、各国の環境の関係の閣僚は今努力をしているところでございます。
○武山委員 結局、合意できたかできなかったかという問題で、合意できなかったわけで、それが合意できない状態、それは皆さんの表現であって、国民の側からすると、合意できなかったから、合意できなかった部分を、いろいろな表現があると思うのですね。ですから、それは閣僚の一人として、表現がどれが正しいか正しくないかという議論よりも、どの言葉も恐らく意味をそれぞれに持っているのだと思いますね。 それで、まず言葉の問題ですけれども、合意できなかったということは事実でありまして、私の資料としましては新聞報道がほとんどなものですから、この新聞報道によりますと、最後の日の午後の非公式会合で、結果を報告したプロンク議長は、我々は世界じゅうの期待にこたえられなかったと失敗を認めた、期待にこたえられなかったというふうに発言されたということですけれども、これは本当に事実なんでしょうか。
○川口国務大臣 午後の最終的なプレナリーといいますか、全体会合でプロンク議長がそういうふうに発言をなさったということはそうでございますし、日本も含め、各国、今回合意に達することができなかったということは非常に残念であってかつ失望をしているということは、みんな同じように意見を言ったところです。 また、各国同様に強調したことは、今回、次の合意に向けての主要な部分というのは形がつくられてきた、それをベースにさらに先に進もうではないかということについても合意をしているわけでございまして、今の時点で合意がまだできていないということは事実でございますけれども、引き続き各国が努力をしているということは先ほど申し上げたとおりでございます。
○武山委員 いわゆる京都議定書というものは日本で生んだわけですね。ですから、日本国民に責任を持って、川口順子長官が国際会議でぜひ頑張ってきてほしいということで国民を代表して出席したわけですけれども、今お話しのように、ちっちゃい言葉の針の穴の議論は、私、やめたいと思います。どういう表現が正しいか正しくないかとか、この場においては失敗で終わったということは事実なわけですから、その言葉の表現のつまらぬことは全然議論したくありません。 まず、今後の問題だと思うのですね。これからの問題をどう見直していくかということだと思うのです。政府は、この問題から見直していかなきゃいけないのだと思うのです。国内での本来の削減努力を進めるべきであろうと思います。 まず、ハーグ会議の教訓ですね。教訓を、感じたことをぜひお話ししていただきたいと思います。
○川口国務大臣 私も言葉についていろいろ議論をすることはやめたいというふうに思いますけれども、少なくとも今時点では失敗でも成功でもなく、残っているのは同意できなかったということでございまして、結果はまだこれから、まだCOP6の議長は依然として議長でございますし、COP6は続いている、今中断しているだけで、今度再開するということでございますので、失敗、成功についての判断は今のところは私は差し控えさせていただきたいというふうに思います。 それで、お尋ねの国内対策をどういうふうにするかということでございますけれども、私は、COP6の冒頭、ステートメントを各国が順番に読み上げる場がございますけれども、そこで申し上げましたのは、日本はエネルギー対策といいますか、省エネルギーの進め方、あるいは地球温暖化対策法という地球の温暖化に対応することを目的とする法律を持っているという意味では、世界で非常に先に進んでいる国であるということを申し上げまして、ただ、対応の主たる部分は国内対策でやるということをはっきりと申し上げたわけでございます。したがって、排出量取引とか、そういった京都メカニズムのフレキシビリティーをもたらすメカニズムは、あくまで補足的なものであるということでございます。 それで、先ほど申し上げましたように、地球温暖化対策の推進大綱で、そのような形でいろいろ進めるべき省エネルギーですとか、新エネの導入を中心としたエネルギー需給両面の対策で二一%削減をするということですとか、それから革新的な技術開発ですとか、国民の努力ということでさらに削減を進めるということは決まっておりますので、こういった対策を進めていくことが大事であるというふうに思っております。
○武山委員 それは九八年から、京都議定書から大綱をつくってずっと言われてきているわけですけれども、それはもう三年ほど言われてきておる内容であって、では、具体的にはどういうことなんでしょうか。
○川口国務大臣 具体的には、省エネ法の改正ですとか、温暖化対策の推進法ができたとか、いろいろな策で次から次へと手を打ってきているわけでございまして、今後とも引き続き強力に推進をしていくということでございます。
○武山委員 それだけの説明ですと非常に弱いと思います。具体的に、では本当に運輸部門はどうするのか、産業界はどうするのか、やはり説明が要ると思うんですね。グレーの説明だけでは、これだけの会議を行って、これだけ期待した部分に対して、ただそれこそ三年前と同じことを言っていたら国民は納得いかないと思うんですね。例えば環境税をどうするとか、具体的ないわゆる今後の方向性、そういうものをやはり答えるべきだと思います。ただ三年間同じことを言っていたら国民は納得いかないと思うんですね。どういうことを具体的にするとか、そういうところにやはり国民は一番注目しているわけですから、もっと個別具体的にお話ししていただきたいと思います。
○川口国務大臣 具体的に何をすべきかということにつきましては、先ほど委員がおっしゃられました地球温暖化対策推進大綱に実はもうたくさん書いてございまして、さらにそれを広報するということまで書いてございます。 いろいろ例を申し上げても多過ぎまして申し上げ切れないということでございますが、例えば先ほど申しました改正省エネルギー法によってエネルギーの消費効率を大幅に改善するとか、自動車の燃費基準の強化とか、あるいは、エネルギーについて申し上げますと、家電、OA機器の省エネルギー基準の強化ですとか、住宅、建築物の省エネルギー基準の強化ですとか、工場、事業場におけるエネルギー使用合理化の徹底ですとか、それから、例えば運輸部門に行きますと、物流の効率化ですとか、それぞれちょっと御説明は差し控えさせていただきますけれども、いろいろなことがここには書いてございますので、それを着々とやっていくということでございます。 それから、先ほど環境税というお話がございましたので、それをお話しさせていただきたいというふうに思います。 環境庁では、ことしの八月に地球温暖化防止対策の在り方の検討に係る小委員会というものを設置いたしまして、この小委員会において、六%削減を遵守するための国内制度の一環として、委員おっしゃった税ですとか、あるいは自主的取り組みですとか、排出量取引などの経済的な手法ですとか、規制的な手法ですとか、環境投資などのさまざまな政策を、政策の手段としてはすべてのものを総合的に進めるということが必要でございますので、そのようなポリシーミックスについての複数の政策のパッケージ案をつくるということの検討を行っているところでございます。したがいまして、日本はそのような検討の経緯も、あるいはその推移、あるいはその結果も踏まえまして必要な対策を積極的に進めていきたいということでございます。
○武山委員 言葉じりをとるようですけれども、必要な対策をじゃなくて、必要なんですね。ですから、必要な対策をまず早急に手を打って実行していかなきゃならないというのが現状でございます。 それで、私の質問で意味がよくおわかりにならなかったようですので、私の方から。まず、それでは、環境税は、いわゆる経済的手法の一つなんですけれども、この議論というのはどういうふうな方向に今行っているんでしょうか。
○川口国務大臣 環境税についてはさまざまな場で議論がなされているわけでございまして、ことしの七月の政府の税調の答申におきましても、環境税について今後さまざまな角度から議論をするようにという指摘がございました。それから、その前に環境庁の中央環境審議会のある委員会の場では、環境税についての議論もございましたし、それを省エネ対策に対する補助金と組み合わせて行いますと率が低くかつ効果が大きいという議論もございます。それから、今申し上げたことしの八月に設置をした温暖化防止対策のあり方での小委員会で、環境庁としてはこの議論を進めているところでございます。 それから、ほかの省庁におかれましても、それぞれの立場で、どのような対策が経済的手法も含めて必要か、どのような対策が有効かという観点からさまざまな御議論がなされているというふうに承知しております。
○武山委員 最終的には政治の決着だと思いますけれども、相変わらず審議会頼みですと、今回京都議定書の批准がおくれるわけですから、どれもこれも全部計画どおりにいかなくて、法整備などもさらにおくれるということはもう事実なわけですから、相変わらずの審議会頼みというのはやはりやめるべきだと思います。 それから、排出権取引を実施するための国内制度もこれからだと思うんですね。それはどうなりますか。
○川口国務大臣 排出権取引につきましては、経済的なメカニズムといいますか、市場メカニズムを使って、したがって、資源の分配という観点からいえば、非常に効率的に進めることができる手段だというふうに認識をいたしております。それから、国際的にも、例えばアメリカでは、これは温暖化ガスではありませんけれども、SOxについて既に排出権取引がアメリカで行われております。また、ほかの国でもこれについてはさまざまな議論が今展開中でございます。 排出権取引を実際にどうやっていくかということは、今京都議定書の枠組みの中で、排出権について、例えば売り過ぎた場合にはだれが責任を持つかとか、それは売り手であるべきか、あるいは買い手もそこにその責任を持つ者として入る必要があるかとか、さまざまな議論が行われているところでもありますし、国内としてどのような排出権取引の対応策があり得るかということは、そういった国際的な場での最終的に決着する枠組みを踏まえて議論する必要もございますけれども、今、先ほど申し上げたような場でも経済的な手段の一環としていろいろな角度から議論をしているということでございます。
○武山委員 そうしますと、国内制度に手がついたんでしょうか。川口順子長官、国内制度に手をつけたんでしょうか、制度には全く手をつけないで議論だけ今している状態なんでしょうか。
○川口国務大臣 制度に手をつけたかという御質問でございますけれども、制度に手をつけたというまたその意味が何かですが、議論はしております。 それで、運用可能な制度としてそれを実際の場で実施するという前には、先ほど申し上げましたように、国際的な枠組みでどういうような手段があるか、あるいはそれがどういう決まり方をするか。それから、その観点でいきますと、京都議定書の他の部分、例えば遵守の制度ですとか、あるいは京都メカニズムの使用の上限をどうするか、定量的に決めるのかあるいは定性的に決めるのかといったさまざまなほかの議論も関係してきていますので、そういう議論の動向を見ながら検討をしているということでございます。
○武山委員 非常に相変わらずの、今までの考え方の延長線上で、今までの経済発展をこのまま何の改革もしないで持続しようという延長線上の議論のように聞こえます、今のお話は。 話を少し先に進めたいと思います。 一番議論になりました森林吸収、この点について、いわゆる科学的根拠がないとして、日本は、京都会議前はこれに対して批判していたわけですけれども、今回、京都会議後、アメリカの主張をどちらかというと側面的に支援しているような役割を担ったのじゃないかと言われているわけですね、すなわち日本は京都会議後変身したと。一九九七年以前には、森林吸収は日本自身がいわゆる科学的根拠がないということで批判してきていた、それが急に京都会議後心変わりをしたと言われているわけですけれども、これはなぜ京都会議後変わったのでしょうか。
○川口国務大臣 私は、九七年の時点では環境庁におりませんで、あるいは政府の中にもおりませんで、外から非常に関心を持って見ていたということでございまして、その時点でどういう議論があったかということは必ずしもきちんと知っているわけではございませんけれども、京都議定書の六%、七%、八%を決める、各国がそれを引き受ける段階で、いかなる手段でそれをすることが可能かということと一体でその議論がなされたというふうに仄聞をいたしております。 それから、シンクについて、それでは本当に科学的根拠がない話かということでございますと、私は必ずしもそうではないと思っておりまして、今IPCCと言われる政府間パネルの場でいろいろな議論がございますように、シンクとして科学的にできるだけ、現在わかっている知見以上の知見をさらに深める必要がある部分もございますし、わかっている部分もあるわけでございます。そういったIPCCの報告書、IPCCによる研究者の現在ある研究の評価に基づいてシンクの京都議定書以来の仕組みが決められたというふうにも聞いています。
○武山委員 では、もう一回お聞きしますけれども、一九九七年以前は、環境庁としては、森林吸収に対して科学的根拠がないとして、不確実性があるということで、まずこれに対して批判してきたわけです。でも、三年もたちましたから、その経過の中で、川口順子長官はきちっとした、今答弁のように、あるという考えになったということですね。そういうふうに解釈してよろしいですね。
○川口国務大臣 科学的な知見というのは日々刻々深まっていくということでございまして、特に、IPCCの場ではこの問題について研究者がピアレビューといいますか、同じ仲間たちの厳しい批判を受けながらペーパーをまとめているということでございます。ですから、私どもといたしましては、環境庁がということではなく、日本政府として、IPCCの判断を参考にしつつ、現在の対応方針を決めているところでございます。
○武山委員 それはまさにマスコミの言葉でいえば変身ということだと思いますね、心が変わったという。それは事実だと思いますね。その時点では、九七年のときはそういうふうな不確実性があるということで批判していて、今は政府としてそれを受け入れたということでありますので。 それでは、もうちょっと話は進みます。 今回、最後の方になりまして、気候変動枠組み条約のこの会議で、アメリカと日本とカナダとオーストラリアというのは、森林吸収で考え方が非常に近かったわけですね。それで、この考え方の近い日本は、これは新聞を見て驚いたのですけれども、一番後ろ向きな温暖化防止の取り組みだといって化石賞をいただいた、それからアメリカはパイをばんと顔にかけられた。こういうものを見て、まず何をお感じになったでしょうか。
○川口国務大臣 武山委員は私よりもはるかに国際的な経験がお長くていらっしゃいまして、国際的な情報には非常にお詳しくていらっしゃると思いますので、釈迦に説法になってもいけませんけれども、国際的に今回の交渉で何が一番のテーマであったかといいますと、シンクは確かにその一つでございますけれども、途上国の資金問題ですとか、それから京都メカニズムの一つであるクリーン開発メカニズムの対象品目をどうするかということでありますし、遵守委員会の委員の構成を先進国のアネックスIの国々と途上国の国々の間でどういうバランスにするかという問題でもございますし、どのように強いコンプライアンス、遵守のメカニズムをつくるかということでもございまして、おっしゃったそのシンクの問題というのは、幾つかの大きい問題の一つではございましたけれども、そのうちの一つである、あるいは一つにしかすぎないということでございます。 それで、アメリカのフランク・ロイ国務次官がパイを投げられたという話は、私は現場は見ませんでしたけれども、聞きまして、実はその後の委員会の場で、これはインフォーマルな委員会の場でございましたけれども、プロンク議長がフランク・ロイ次官に、投げるパイではなくて食べるパイを贈ったとか、そういうようなこともございました。 国際的な会議の場でいいますと、多くのことが問題になっている。六つぐらい大きなことが問題になっているわけでして、吸収源はその一つですので、そのこと一つだけが大きくクローズアップされて報道されるということは、物事の核心を十分に把握をしていない方の御報道ではないかと思っております。
○武山委員 これは新聞報道だけしか私は資料がないのですけれども、二百人のNGO関係者が投票した。そしてこの受賞の理由は、温室効果ガスの削減を植林などの吸収源に頼ろうとしている、先進国同士が、温室効果ガスの排出量を取引する排出量取引で売り手側に責任を負わせようとしているという。これはもう温室効果ガスの削減に積極的に取り組んでいただきたいNGOの皆さんが圧倒的多数で結局したわけで、参考にはなりますけれども、全くこれは参考にならないとも言えないわけで、そのように日本が一番後ろ向きだと見られること自体が、本当にそうじゃなかったら、やはり日本は根回しそれからPR、そういう意味で非常に欠けていると思いますね。国際会議でのもっときちっと自分たちがこういうふうにするんだという主張は、大きくクローズアップされないからこういうことが言われるのであって、川口順子長官のおっしゃることが本当であればきちっとPRすべきだと思います。事実としてこういうものがあるということをお話ししておきたいと思います。 それから、二酸化炭素排出量は日本は何といっても多いわけでして、日本が国際的にも期待されている。日本はやはり国内対策をしっかりやらなきゃいけないというのは世界が注目している。それはもう事実でございまして、この中で、日本も当初の三・七%から三・五%にほんの少し譲歩した案を森林吸収で提案したというのは、これは本当なんですか。
○川口国務大臣 吸収源の話に触れる前に、先ほど委員の御指摘になりました、国際的に日本の立場をできるだけ主張していくべきであるという委員の御意見は、私もおっしゃるとおりだと思っております。 委員が先ほど御指摘になられたようなお話につきましては、多分それが十分でなかったということの結果かもしれませんけれども、私の理解では、例えば国際的に、EUですとか、それから途上国ですとか、そういうところと話をしましたときに、日本がいかに今まで温暖化ガスを減らすための努力を、他国に先駆けて制度をつくって一生懸命やっているかということの努力は十分にしていただいているというふうに思いました。 それから、冒頭で御説明を申し上げましたように、またそういう今までの日本の実績が、今回の会議の際に、日本が言うことであればそうであろう、それだけ国内対策を一生懸命やっている国であるからということの理解から、さまざまな問題についての日本のその主張がそういうふうに理解をされたんだというふうに思っております。 それから、先ほど申しましたように、国内対策を中心としてやるということを考えているということをステートメントの中で申し上げたということも、そのとおりでございます。 それから、吸収源の提案のことでございますけれども、日本は二度に分けて提案に参加をしておりまして、一つは、日本とアメリカとカナダ、三カ国が一緒になって、この吸収源の問題をEUあるいは途上国が、まあ主としてEUですけれども、受け入れやすいような形で、非常にEUが問題としているアメリカについてはかなり削減をし、なおかつ、省エネの努力等を一生懸命やっている日本のような国に対しては、ある程度吸収源が認められるような形の提案をしたというのが一つございます。 それから、最後にパッケージとして、いろいろな要素が入った形でアンブレラグループとEUとの間で議論がなされましたけれども、その段階では、パッケージの一環として吸収源の問題が入っておりますし、それからほかに、その場合にはコンプライアンスですとか、補足メカニズムの上限ですとか、そういった問題も入っております。 武山委員はいろいろ国際的な情報にお詳しくていらっしゃると思いますので、釈迦に説法でございますけれども、今ヨーロッパ、アメリカ等で非常にニュースの的になっているのは、実はCOP6についてのフランスとイギリスとの間のいろいろな議論のやりとりでございまして、こういったパッケージを拒否したという、これは私は交渉の当事者としてどこが何をしたということを申し上げているわけではございませんけれども、新聞報道によれば、最後のそういう情報、パッケージを拒否したEUのうち、EUの議長国であったフランスと、同じくEUのメンバーではありますけれども、そのパッケージをできるだけ成立させたいというふうに動いたイギリスとの間で非常な舌戦が行われているということが、今世界で起こっていることでございます。 以上です。
○武山委員 日本が一番後ろ向きだということで、ワーストワンだという化石賞をいただいた、これは二百人のノミネートだということで、川口順子環境庁長官の言うことと真っ向から対立しているわけですけれども、これが議事録として出るわけですから、大いに、事実はどうなのかというのは、私も推移を見たいと思いますけれども、こういうような世界会議で真っ向からこういうものが出たということは、非常に何か憤慨するような事実でございまして、本当におっしゃることが事実なら、新聞も無責任だと思いますし、本当にそういうことであれば、やはり謙虚な気持ちを持たなきゃいけないというのが、私、環境委員会の理事としてそう思っておりますので、これはつけ加えさせていただきたいと思います。 終了時間、ほとんど終わってしまったのですけれども、一つだけちょっと。いわゆる脱原発ということで、世界の流れは、脱原発という流れの中に行っているわけですけれども、今回これを温暖化対策に組み込むよう主張したという日本政府の考え方が、世界の流れの中から非常に際立った孤立ぶりを見せたと思うのですけれども、これは事実なんでしょうか。
○小林委員長 川口環境庁長官、時間が超過しておりますので、簡潔に願います。
○川口国務大臣 では、手短に申し上げます。 孤立をしたということは事実ではございません。これは、原発も含め、CDM、途上国に向けてどのようなメカニズムが使えるか、その対象を何にするかという議論がありましたときに、これは私が議長をしていた部分でございますけれども、途上国を中心として、CDMの対象業種としてはノーリストだ、何もリストをつくらない、これを決めるのは途上国の主権であるという意見が大きくございまして、そのCDMの中で吸収源と原発の問題をどう扱うかについては、これはさまざまな意見がございまして、合意に達しておりません。 以上です。
○武山委員 どうもありがとうございました。
○小林委員長 次に、藤木洋子さん。
○藤木委員 大臣、国際会議、お疲れさまでございました。 しかし、早速ですけれども、COP6は、合意には失敗して、会期は終わったということになったわけですね。私は、この責任の多くは、最後まで森林吸収源を最大限に認めさせようと強硬な態度をとり続けたアメリカと日本にあるのではなかろうか、こんなふうに思っております。特に、COP3の議長国として、京都議定書発効に向けた合意に努めなければならないのに、森林吸収や原発などで強硬な態度をとり続けてきた日本政府の責任が極めて大きいと言わざるを得ない、こんなふうにも思っております。 そこで、まず初めに、COP6で議論された国内削減対策と補完措置の問題でどうだったのか、このことをお尋ねしたいと思います。 アメリカの代表は、COP6の会議で取り組む課題の筆頭に挙げたのが、柔軟性メカニズムのための強く市場に依拠したルールづくりというのを挙げました。これに対してEUの代表は、柔軟性措置はあくまで補完的措置であって、工業国が国内で温暖化ガス削減に取り組むことが重要との認識を示しました。また、途上国グループのG77と中国の声明も、これまで責任を果たしてきたとは思えず、京都議定書を実現する決意があるのか疑わざるを得ないと述べ、先進国の責任を厳しく追及いたしました。 さらに、公式閣僚級会合でも、オランダのコック首相は、温室効果ガス排出削減を工業国が国内で実施することは必須であり、効果的に時宜を得た形で行うべきだと語り、フランスのシラク大統領も、後戻りできない場所に到達する前に私たちは行動しなければならないとしながら、アメリカは世界の温室効果ガスの四分の一を排出しており、まず最初に米国民の間で地球規模の削減を行うことを希望しているとして、国内での温室効果ガス削減に消極的なアメリカの姿勢を批判いたしました。 そこで、先進国が国内での削減に消極的というこの指摘に対して、長官は、日本とアメリカの国内削減対策が果たして十分だというふうにお考えなのかどうなのか、その点をお答えいただきたいと思います。 〔委員長退席、近藤(昭)委員長代理着席〕
○川口国務大臣 国内対策でございますけれども、これは、京都議定書のメカニズムといいますか、排出権取引ですとか、クリーン開発メカニズムですとか、あるいは共同実施のところに、国内措置に対して補完的であるということが書かれておりまして、先進国全部が合意をしているところでございます。したがって、国内措置が中心であるということについて反対をしている国というのは一つもございません。 それで、日本につきましては、先ほど申しましたように、最初のステートメントでも、日本は国内措置を中心にやっていくということを温暖化対策推進大綱に基づいて私は発表しておりますし、それは今後のことでございますが、今の時点までも、ちょっと今言葉が正確ではないですが、温暖化対策推進大綱ではそういうことで考えているし、それからそれ以前の段階でも国内の対策を、省エネにせよあるいは法律をつくってやっていくことにせよ、十分にやってきたということもステートメントの中で言っております。 それから、ほかの国がどうするかということですけれども、これはいろいろな国の間でやり方はさまざまであるかと思いますが、すべての先進国は、先ほど申しましたように、フレキシビリティーメカニズム、京都メカニズムは国内措置に対して補完であるということは合意をしているわけでございまして、今ハーグの場で、あるいはそれ以降の場で議論になっている補完であるということを、どういうやり方で補完性について決めていくのか。具体的には、定性的にそれは補完しますということを、例えば各国政府がステートメントをするとか、あるいは数字を決めてそれ以上はやらないと決めるかというような、その意見の差があるということでございます。 冒頭、委員は、実はこれは武山委員に対してのお答えとのダブりになりますけれども、COP6は失敗したというふうに言われましたけれども、今の時点は単にCOP6が中断をしているだけでございまして、今後、来年に向けて、五月、六月に再開もなされるということは決まっております。 それから、その過程で、先ほど申しましたけれども、各国の環境大臣を中心としまして、今は電話とインターネットの時代でございますので、実は先ほど、昼も参加国の大臣と電話で、会議電話をやっておりましたけれども、今後どういうふうに進めていくのか、今のモメンタムをどうやって維持していくのかということについてはかなり密接な議論をしているところでございます。 そういうことでございますので、最初に戻りまして、国内措置が中心だということについては議論の余地はないというふうに思います。
○藤木委員 しかし、地球温暖化防止条約事務局のまとめによりますと、先進国各国の温暖化ガスの九八年時点の排出量というのは、九〇年比で、カナダが一三・二%、アメリカが一一・二%、日本が九・七%、これはいずれもそれぞれ増加をしております。ドイツだとかイギリスを見ますと、ドイツは一五・六%、イギリスは八・三%、それぞれ減少しているわけです。 さらに、イギリスの場合は、今後十年間の包括的な温暖化ガスの削減計画を発表しておりまして、それによりますと、二〇一〇年までに二三%削減することが可能というふうに述べているわけですね。これは京都議定書に基づく同国の目標の一二・五%を大きく上回るものになるわけです。包括計画では、英国政府は電力業界に対して、二〇一〇年までに燃料の一割を太陽光や風力など再生可能なエネルギーで賄うよう義務づけるとしております。 そこで、日本も一層の国内対策で削減努力が求められているわけですけれども、日本の九・七%の増加というのは、イギリスやドイツと比較をして果たして努力をしていると言えるかどうか。 その辺、大臣、先ほど日本は九〇年までにやってきたということをおっしゃいました。九〇年までに省エネの努力をしてきたのだから、九八年までの間に上回ったというようなことが出ている、よその国はそれからやったのだということを言われました。しかし、イギリスにしても、今後二〇一〇年までに二三%削減することは可能というようなことを準備しているわけですから、それと比べて、果たして日本の場合は努力をしたと言えるかどうかという点はどのようにお考えでしょうか。
○川口国務大臣 委員、先ほど日本について九・七%とおっしゃられまして、その数字の根拠が実はちょっと定かではないのですが、私どもの持っております調査結果の資料によりますと、温室効果ガス全体、これは二酸化炭素以外のものも含みますけれども、それの排出は全体としてそれほどございませんで、例えば二酸化炭素について申し上げますと、九〇年度と比べて、排出量で五・六%の増加ということでございまして、ちょっと数字が違うように思いますということをまず一つ申し上げさせていただきたいと思います。 それで、いずれにしても、五・六%でも増加しているということは事実でございまして、ほかの国が減っているのになぜふえているかということでございますけれども、これは先ほど申し上げたように、どこの時点でその努力を集中的にやったかということにも依存をしております。 それから部門別に見ますと、日本の場合には、これは二酸化炭素で申し上げまして、産業部門、これが排出量の四割を占めているわけですけれども、九〇年度比では、九八年に三・二%の減少になっているということでございます。ただ、運輸部門からの排出が年々増加をしておりまして、九八年度においては、九〇年度比で二一・一%増加をしているということでございます。 それから民生部門、家庭部門では、九〇年度比で九・三%増加をしているということでございます。民生部門のうち業務部門では、九〇年度比、一六・一%の増加となっているということでございまして、特に運輸部門では、車の一台一台の省エネルギーは相当進んできている、これはもう世界でも最高の水準に進んできておりますけれども、走っている車の数がどんどんふえてきている、それを上回ってふえているというのが現実でございます。 そういった意味から、非常に難しいことではございますけれども、国民一人一人に問題を理解いただいて、ライフスタイルを変えていく、先ほど別の委員からも御指摘ございましたけれども、そういうことをどんどんやっていく必要があるだろうと思っております。 環境部門については、日本じゅうもう津々浦々、いろいろ小さな努力を地域ごとにいろいろなさっていただいているわけですけれども、それをお互いに、水平展開といいますか、横に広げていって、もっとそういった動きを広げていくための努力がこれからも必要だというふうに思っております。
○藤木委員 プロンク議長は二十三日に合意に向けた最終調停案を各国に提示いたしましたけれども、各国は削減目標を主に国内対策を通じて達成しなければならないと強調しました。残念ながら、COP6では合意に至りませんでしたけれども、森林吸収源について国際的に厳しく算定する方向が明らかになったわけで、日本の国内対策の前提が足元から崩れたのではないかというふうに私は思いますね。削減計画の抜本的な見直しはやはり避けられないであろうというふうに思います。 そこで、国内対策を中心とした六%削減をするために、これは地球温暖化対策推進大綱の早急な見直しを抜本的に行うべきではないかということを考えておりますけれども、長官、この点はいかがですか。 〔近藤(昭)委員長代理退席、委員長着席〕
○川口国務大臣 プロンク議長が出しました案というのは、これは私はたまたま議長を引き受けておりましたので、各国に配る前に、共同議長を呼んで、こういうことで出すけれども、どうだろうかという話はございました。 そのときにプロンクが強調しましたことは、これは自分として、各国のポジションを見た裁定の案ではないということを言っておりまして、これを出発点として、それを材料としてこれから各国がいろいろな形で交渉を深めていってもらうための材料であるというふうに彼は断っています。したがって、自分自身はこのペーパーをディフェンド、擁護するつもりは全くない、だから、各国は、自分に対してこのペーパーがおかしいということを言わないでくれ、それぞれの間で議論を進めていってくださいというのがプロンク議長の言い方でございました。 そういうことで、各国、議論に議論を重ねて、徹夜をして議論いたしまして、その結果、そのシンクについて、今出ていることは、シンクだけを考えるのではなくて、シンクと京都メカニズムの上限といった補足性の話、それから遵守にどういうやり方が考えられるかということを総合的に一つのパッケージとして、お互いにEUとアンブレラグループの間で合意に達しようということでございました。 それで、それはかなりいいところまでいきまして、一時期、アンブレラ諸国の閣僚はこれで話が成立したと思ったわけでございますけれども、残念ながら、最後の段階ではそういうふうにならなかったということですが、ここでどの国が何を言ったということは私の立場からは申し控えさせていただきます。 先ほどちょっと申しましたように、現在、国際的に非常に議論になっているのが、これはファイナンシャル・タイムズにも記事が大きく出ている話でございますけれども、当時EUの議長、今もそうですが、議長をしていたボワネさんというフランスの環境大臣と、それからこのディールといいますか、このパッケージを一生懸命推し進めようと考えたイギリスの副首相のプレスコットの間で、これがだめになった責任の、言ってみたら、お互いの押しつけ合いといいますか、どちらが悪いという議論が今国際的には非常にみんなの注目を集めていることであるというふうに申し上げさせていただきます。 したがって、お尋ねの国内の対応策につきましては、そういうことにほぼ近い状況になっておりまして、今後、再開期のCOP6の検討状況、あるいはその合意状況を踏まえてということが必要になるわけですが、それとはまた別途、現在、環境庁でも、それからほかの関係省庁でも、委員会、審議会等の場で何が必要かということを議論いたしておりますので、そういった国内の議論の状況と国際的な議論の状況と両方あわせて、今後大綱のその先を議論するということになるだろうと思っております。
○藤木委員 大綱のその先についてはこれからの問題だというふうにお考えのようですけれども、それでは次に、今回のCOP6で最大の議論となった森林吸収源の問題でお伺いをしたいと思います。 まず、十四日に出された日本とアメリカとカナダの吸収源に対する共同提案に対して、先ほど長官はIPCCの知見がだんだん高まってきている、深まっているというお話をされましたけれども、そのIPCCのロバート・ワトソン議長が会場内で記者会見をされまして、CO2排出削減を森林による吸収に過度に頼るのは長期的に見て好ましくないとの見解を示しております。それは、森林による吸収量を科学的に算出するのは難しいことから、現時点では不確実性が伴うことを指摘しました。これに関連をいたしまして、森林管理は吸収量の増大につながるが、すぐに大気中のCO2が減るわけではないと述べて、日本の提案について、政治的判断に基づく主張と指摘をし、温暖化防止の観点からは好ましくないとの考えを示しております。 イギリスのハドレー気候予測研究センターのグループの予測でも、二〇五〇年ぐらいから森林生態系はCO2の吸収より排出が上回るようになるということが判明しているわけです。 そこで、お伺いをしたいのは、十四日に提出をされた日米加の吸収源に対する共同提案というのは、共同提案諸国の身勝手な主張を満足させるための理念を欠いた提案だったということではないのでしょうか、どうでしょうか。
○川口国務大臣 吸収源についての科学的な知見については、今どんどん事実がわかりつつある、また今後とも研究の進展に従って知見がふえていくことになるだろうと思います。そういう意味で不確実性はあると思いますし、それから、人為的に行ったことと実際上自然の吸収の増加とどうやって分けることができるのかといったようなこと、あるいはリスク、きちんと把握できるか、測定にばらつきがあるのではないかとか、いろいろな問題もあることは事実です。 それで、科学的な知見が仮にはっきり全部わかっていたとしても、実際の場でそれを測定し、あるいはそれをその国の吸収量としてカウント、計上するということの間には、データの制約その他もございますし、どうやったら現実的な観点でそれをまとめていくことができる、それを数値化することができるだろうかという問題もあるわけです。 それで、吸収源というのは、京都議定書が決まった九七年に、そのときに京都議定書を可能にすべく、それによるコミットメントが各国守れるということを考え、議論をした際に、吸収源は多分その時点ではいろいろな議論があり、その結果としての合意があったんだというふうに思いますけれども、京都議定書にはちゃんと入っていることでございまして、それを各国使うことができるということは、各国が持っている京都議定書に基づく権利でございます。
○藤木委員 確かにそうではありますけれども、そこが、先ほど私も指摘をしましたように、補完部分だということで入っているわけでして、それが本流ではないわけです。ですから、その三国の共同提案の吸収量の算定方法でいきますと、アメリカ、カナダの削減目標を約二ないしは三ポイント上回ることになるわけですね。先進国全体で考えますと、これは五・八%分にも及ぶという計算が成り立つわけで、京都議定書での先進国全体での削減目標の五・二%も吹っ飛んでしまうほどの吸収量になるわけです。 この方式でアメリカが数値目標へのカウントを求めている吸収量というのは一億二千五百万トンカロリーにもなるわけですし、日本の場合は一千百万トンカロリー、これで三・七%全部、全吸収量をカウントできてしまうということになるわけですから、もう何もやらなくてもいいということになってしまうと思うんですね。これは、IPCCが京都議定書の条項に基づいて森林管理など継続して行われている活動については人為的、追加的な改善のみを目標年だけに勘定するという、特別報告書の試算結果とも全く違った結果になるのではないかというふうに思うわけです。 そこで、日本が強く求めてきた森林全体の吸収量を第三条四項での森林管理の名のもとに獲得するようなことは非科学的なものであって、京都議定書を無意味にすることになってしまったのではないか、そんな思いがしてならないのですが、どうでしょうか。
○川口国務大臣 まず、念のためでございますけれども、京都議定書の規定によりますと、京都メカニズムについては国内措置を補完するものであるというふうに書いてございますけれども、吸収源については国内的な削減の措置を補完するものであるというふうには書いてございませんので、吸収源については補完的であるということは議定書上は決められていないということが一つございます。 それで、アメリカについていいますと、実際、非常に面積も広く、したがって森林面積も大きい国でございますので、吸収の能力というのは非常に持っている国でございますが、具体的な数字を申し上げることはちょっと避けさせていただきたいと思いますけれども、最後の段階のパッケージの議論がなされましたときには、それをかなり削減する形でほぼ合意の一歩手前まで行ったということでございます。
○藤木委員 しかし、先ほども話がありましたけれども、議長国フランスのボワネ環境相ですけれども、この方は、アメリカが提案をした森林のCO2吸収量の算定案についても、妥協案とはほど遠いもので退けるというふうに述べておられます。しかし、吸収源に関する二十一日の閣僚級会合で、長官は、第三条四項で吸収源をカウントできなければ多くの国が批准できないというふうにお述べになって、三・七%吸収源で得るというのが日本政府の合意である。このとき初めて公的に国内の獲得目標を明言されたというふうに思います。 これはCOP6での前向きな合意に向けた議論の進展を逆に封じ込めるようにする、そういう役割でしかなかったのではないか。その上、アメリカ、カナダ、オーストラリアが批准を明らかにしてもいないという中で批准のカードをちらつかせたということは、京都議定書の発効を極めて危うくさせるものになったのではないか、そんな思いがするわけです。 そこで、吸収源の拡大を批准の条件にしたということは、COP6での合意を妨げることになったのではないか、二〇〇二年の発効を危険にさらすことになったのではないか、そういう危惧をしているわけですけれども、この点はどうでしょうか。
○川口国務大臣 まず最初にはっきり申し上げますけれども、そういうことではございません。 それで、先ほどの、国際的にいろいろなCOP6の最後の段階について行われている報道の中で、もう少し続きを御紹介いたしますと、例えば最後の、アンブレラとEUの幾つかの国、それはたしか国の名前が挙げられていまして、フランス、イギリス、スウェーデン、それからドイツだったか、何か幾つかの国が並んでいたんですけれども、EUの主要国の首脳が来て、ほぼその段階では合意があったにもかかわらず、EUの中の議論でそれがなくなってしまったという報道がなされておりますけれども、そういった報道の中で日本の名前は一つも出てきていないということからも、日本がそれを壊したということの批判は全く当たらないということがわかるのではないかと思います。 それから、先ほど来申し上げておりますけれども、日本が今まで相当に長い期間努力に努力を重ねてエネルギーの消費の効率を高め、例えば電気機械、電気器具、家電器具をとっても、日本の省エネ度合いというのは非常に高いわけでございまして、そういったことに対する国際的な理解、そういうことをやった日本という国に対しての信頼というのは国際的に非常にあるということでございます。 COP3の最後の段階で吸収源がきちんと京都議定書の中に取り入れられたという経緯も踏まえ、日本の主張は妥当であるという理解が国際的にはあるというふうに思っております。
○藤木委員 プロンク議長は二十三日、合意に向けた最終調停案を各国に提示しましたけれども、森林吸収については、森林吸収量の一五%を排出削減分として二〇〇八年からカウントできるとしておりまして、上限を各国の一九九〇年排出量の三%までというふうにしておりました。この方法で削減量にカウントできるのは、日本に直しますと、先ほどもお話ございましたけれども、〇・五五%程度ですね。アメリカで三%、フランスは一・九%、カナダは一・七%などとなるわけです。 これに対して、長官は、欧州連合や途上国の主張に近く、バランスを欠いている、このままでは到底受け入れられないと表明をされて、特に吸収量に対する上限や割引率の設定に合理性がないと言われて、日本政府代表団は二十四日、吸収量の上積みを求める修正提案を提出されました。それは三・七%から三・五%にほんのわずか譲歩をするという修正だったわけですが、こうした日本の態度こそが、途上国に不信感を持たせて交渉を難航させたし、強硬な、抜け穴の拡大に最後の悪あがきをしたというふうに見られて、合意を妨げることになったのではないか、こんなふうに思いますけれども、その点はどうでしょうか。
○川口国務大臣 先ほど申しましたように、プロンク議長は紙を出しましたけれども、プロンク・ペーパーと呼ばれていますけれども、それは自分の立場を擁護するということではなくて、参加各国あるいは各交渉グループの間の議論のための出発点、その材料である、したがって、それを使って各国あるいは各交渉グループの間で交渉をどんどん進めていってほしいということを言ったわけでございます。したがって、先ほど委員がおっしゃられた三%とか幾つかの数字は、私も記憶をいたしておりますけれども、それはプロンク議長がそれでおさめようというふうに考えた数字では全くないということでございます。 それで、日本にそういう責任があったかどうかということですけれども、プロンク・ペーパーが途上国に非常にウエートを置いたものである、それからEUとアンブレラの主張とを比べると、EUの方にバランスが寄ったものであるということは、これは日本もそう思っておりますし、それからアンブレラ諸国のほかの諸国からも同じような批判が出たところでございます。 一例を挙げますと、アンブレラ諸国の提案によれば、途上国の支援というのは非常に重要であって、そのためにGEFに窓をつくって、そこに五年間、要するに二〇〇八年から二〇一二年までの第一約束期間において全体として十億ドルの資金をそこに積むということを言いましたけれども、プロンク・ペーパーによれば、それは五年間で十億ドルではなくて、毎年十億ドルと書いてあるということでございます。 それから、先進国も、アネックスIの国々が削減の努力をするということになっているわけですが、その削減の努力をきちんとしたかどうかを見る遵守委員会の構成が国連の地域代表割り、地域割りという形になっている。これは地域は五つございまして、地域で割りますと、ざっと大きく分けまして、途上国が三つ、それから北アメリカ、ヨーロッパの先進国が一グループ、それから東ヨーロッパの移行国が一つのグループということでありまして、常に途上国が大きい比率を持っているというのがプロンク・ペーパーの提案でございました。 これは、実際に削減の努力をするのは現時点では途上国ではありませんで先進国であるということを考えますと、先進国が削減を行って、それを本当に先進国が削減を行ったかどうかということについては、これは投票方法にもよりますけれども、それを決めるのには途上国が大きな力を持つ、あるいはマジョリティーを持つ、あるいは先進国が考える何かをブロックしようと思えば途上国がそれを容易にできる、しやすいというようなメカニズムになっているわけでございます。 一例を挙げればそういうことですけれども、そういう観点で、このペーパーは途上国あるいはEU寄りになっているというふうに申し上げたわけでございます。 したがいまして、そういう批判というのは、むしろ交渉でいろいろ問題になった数多くのことごと、これは途上国向けの拠出でもありますし、CDMの対象業種でもありますし、遵守委員会のメンバーシップでもありますし、補足性という問題でもありますし、いろいろございますけれども、委員がおっしゃっている吸収というのはそれら全体の中で一つの事柄でございます。 それから、先ほど申し上げましたように、最後の段階でパッケージになって議論をされたということは、吸収源だけではありませんで、京都メカニズムの上限、すなわち補足性の問題、それから遵守の問題と三つパッケージになったということでございまして、その中でも日本のシンクの問題というのは、アンブレラとEUの間で行われた議論の焦点ではなかったということははっきり申し上げさせていただきます。
○藤木委員 しかし、デンマークの政府代表は、森林吸収をそのまま認めたら先進国の削減目標の五%は実質二%になってしまうと、日米への不信感を表明しておりますし、京都議定書を無にするような案は取り下げて、いかに国内対策で六%削減目標を達成するのかということを真剣に検討すべきだと思いますね。 プロンク議長の提案というのがスタートラインだったんだということを言われましたけれども、しかし、長官の御発言で、これがスタートをして、走り出して、どこかに到達をしたというのではなくて、結局到達しなかったということでありますから、これはやはり合意を成功させるということに至る経過にはならなかったというふうに思います。 私は、長官がこういった日本の立場を貫いてこられたのにはわけがあるというふうに思うんですけれども、プロンク議長の調停案に対して、日本の政府の代表団の中に、こうなったらアメリカに頼んで議定書をつぶしてもらうしかない、京都議定書を日本が葬り去るのは無理だからとの感想を漏らしたという報道もありました。京都議長国の代表団とはとても思えない大変遺憾なことだと私は思っております。 しかし、COP6の交渉結果というのは、議定書をつぶしかねないものに結局なったわけです。いずれにしましても、今回のCOP6での日本政府の交渉態度というのは一貫性を欠いていたというふうに思いますし、それだけではなくて、やはり強硬さが目立ちました。議定書を早期発効させるための合意を決裂させることに導いたというふうに思います。日本は、長期的視野で、京都議定書の信頼性を保つために、第一約束期間に第三条四項を拡大して適応せず、強い帰結措置を伴って議定書の遵守を促すという合意に向けた建設的な妥協こそ政府みずからがなすべきではなかったかというふうに思うわけです。 長官も、COP3のこの議定書に命を吹き込むことができるかどうかという大事な会合だということも述べられて、そして、建設的な妥協を行うということについて非常に実は真剣に訴えておられたことと結果は相反するようなことになった。これは、長官が日本の立場を強く主張し続けた根底に、実は六%削減に吸収源の三・七%が不可欠だというこの推進大綱の縛りがあったからだというふうに私は思うわけですね。 そこで、COP6では合意に失敗しましたけれども、これは失敗というふうに言うのは、まだこれから継続だと言われますけれども、しかし、決まった期間にこれを合意させようと思って取り組んだことはできなかったわけですから、その限りにおいてはやはり成功したとは言えないというふうに思うんですね。あくまでもこれを流産にさせないためにという努力で今後の会合をしていこうということになったんだというふうに思うわけであって、それに向けての対応というのはこれから、もうお昼から電話でやりとりしているとおっしゃいましたけれども、極めて大事になってくるだろうというふうに思うわけです。 ですから、そのためには、来年五月ないしは六月にボン会議が行われると聞いておりますけれども、その交渉には、国内対策を中心とした六%削減とする温暖化防止対策推進大綱への早急な見直し事業をぜひ進めていただきたい、そのことを重ねて長官の決意としてお述べをいただきたいと思います。いかがでしょうか。
○小林委員長 時間が終了しておりますので、簡潔に願います。
○川口国務大臣 時間切れになってしまうのはCOP6だけではなくて、これもそうなってしまいそうなので、ちゃんと全部を申し上げられないのが残念でございますけれども、COP6あるいは京都議定書を二〇〇二年に発効させるという私たちの願いは現在もきちんとしてそのままございまして、私としては、そのために最大限の努力を今後とも続けていくつもりでおります。 その過程で、さまざまな今後国内の対策としてどういう議論を進めていくかということの議論も、まさに、申し上げましたように、日本は、国内で対応策をきちんとし、途上国支援をきちんとやってこそ国際会議での発言権ができるということでございますので、COP6の今後の進展を見きわめながら、一生懸命できることをやっていきたいと思っております。
○藤木委員 産業界のわがままに流されずにぜひ頑張っていただきたいということを申し上げて、質問を終わらせていただきます。
○小林委員長 次に、中川智子さん。
○中川(智)委員 社会民主党・市民連合の中川智子です。 長官、本当にお疲れさまでございました。午前中から、今回のCOP6、いわゆる新聞で決裂という文字が躍って、非常に残念な思いをいたしましたが、COP6は京都議定書を二〇〇二年までに発効させるための最終的会議として世界から期待と注目が集められていました。しかし、プロンク議長の最終提案に対する各国の合意が得られず、現段階では非常に残念な結果になっているわけですが、その決裂の主要な原因というのは、森林のCO2吸収量を最大限に認めさせようとする日本やアメリカと、これに厳しい制限を求めるEUの対立が最後まで解消しなかったことにあるというふうに言われています。 そうであれば、合意に至らなかった責任というのを日本政府も重く受けとめなければいけないと思いますが、まず冒頭に、午前中から同じ質問で重複いたしますけれども、環境庁長官、川口長官は今回の結果というのをどのようにごらんになっているのか、感想を含めてお話をしていただきたいと思います。
○川口国務大臣 COP6がハーグで合意に至らなかった、今後まだその会合が続くということについては、私も非常に残念に思っております。これは私だけではなくて、COP6に出ていた主要国の閣僚はみんな口々にそういうことを言っております。したがって、だからこそこれから引き続きまたそれを頑張ってモメンタムを維持してやっていこうということになっているわけでございます。 それで、何でうまくいかなかったか、そのときに合意に至らなかったかということでございますけれども、ハーグでも新聞記者の方に申し上げましたけれども、これは幾つかの合意に達すべき主要な問題がございまして、これはプロンク議長の頭の整理では六つだというふうに彼は言っていました。 それぞれのテーマについて二国間で相手と自分たちと話をするということであれば、非常にたやすく取引が成立をして、全体パッケージとして合意しましょうということが可能になるわけですけれども、それに加えて途上国というのがあり、それから途上国の中も、恐らく、大きく言って、産油国ですとか、温暖化によって非常に影響を受ける小島嶼国ですとか、三つぐらいに分かれていて、お互いの立場が非常に複雑で、利害関係が本当に非常に複雑に入り組んでいる状況であるということから、多次元の方程式がうまく今回の会期内には解けなかったということでございます。 これは、京都での会議の場合には、これも非常に難しい交渉ではございましたけれども、決めることは非常に単純で見えやすいことでございまして、それぞれのグループがあるいは各国が何%削減をするかというコミットをするというその一つに集約をしていたということですけれども、今回の場合は、そのコミットメントを実際に可能にするようないろいろな仕組み、吸収源であったり、京都メカニズムであったり、さまざまありますけれども、それを同時に決めることが必要であった。しかも、その対象が、京都の場合には、コミットをするのは先進国といいますか、アネックスI国だけでございましたけれども、今度の場合は、それをめぐって途上国も大きな発言権を持っていて、それが決まらなかったということでございます。
○中川(智)委員 ただいまの長官の御発言に関連して、やはり交渉過程が本当に日本にいて見えなかった。当初は国会も混乱しておりまして、長官もいらっしゃるのは大変な努力がおありだったと思うんですけれども、最初は小さい記事でした。でも、こちらの方の混乱がおさまりましたら大きく報道されたんですが、EUなんかは緑の党の出身大臣なんかがいらして、国際会議の中身というのは基本的に公表しないという形で従来あったとは思いますが、特に見えなさ過ぎた。 そして、NGOがおっしゃること、そしてその報道にのみこちらは頼って、結局、三・七%、森林の吸収率、それにこだわって、その過程、長官がどんな思いで三・七に固執したのか。そして、私たちから見れば、やはり国内の排出源対策、そこのところにもっと、最初のコメントではおっしゃっていたようですけれども、国際会議では吸収率ばかりで、途中の経過がほとんど見えずに、報道のみに私たちは頼らざるを得ませんでした。 先ほどの御答弁の中でも、PR不足だったということもおっしゃっていましたが、こんなに頑張ったのだよ、わかってくださいとおっしゃっても、はい、御苦労さまでしたというふうには言えない。今回の交渉経過の中で、やはりもっとPRすべきだったし、もっと交渉の中身に対して理解を得るような形のアピールというのをすべきだったと思うのですが、長官はそのあたり、本音を聞かせていただきたいのです。
○川口国務大臣 まず、出発時に、国内の政治情勢が非常に厳しいとき、あるいは予算委員会をやっているときに出させていただきまして、その過程でいろいろな方からいろいろな御意見があったというふうに承っておりますけれども、私がハーグの会議に出発あるいは出席できるために多くの方から御支援をいただきまして、そのことについて厚く感謝をまず申し上げたいというふうに思います。 それで、見えなかったということでございますけれども、幾つかの点で、日本の貢献というのは、今までもそうだと思いますけれども、非常に大きなものがあったというふうに私としては自負をいたしております。 例えばどういうことかといいますと、一つは、途上国のパッケージをつくるということについて、アンブレラ、アメリカですとか日本、カナダ、オーストラリア、ロシアも入っていますが、そういった国々の間で途上国支援のための資金上の支援のパッケージをつくろうということがございまして、これは前々から日本が中心になって、途上国全体のパッケージをつくるための動きを、実は会期が始まる前から会議などを開きまして、呼びかけてやっておりました。 私も行きまして、実は、ある晩あるところで、アンブレラの国の閣僚の会議があったわけですけれども、そこの場で、そういうことをまじめに検討しようではないかということを呼びかけまして、それをベースにそういうアンブレラの案ができ上がったわけでございます。それが、ちょっと何日だったか日にちが混乱をいたしておりますけれども、アンブレラの途上国支援の案というふうになりまして、提示されまして、その晩、先ほども申しましたけれども、全体会合の席が非常に和らいだ。イランですとか中国ですとか多くの国から、それは非常にいい提案であるというふうに御評価をいただいたということがあります。 それからもう一つは、EUとアンブレラの間の連携をよくしたらいいではないかということを国際会議の場で、アンブレラグループというのは大体毎日のようにどこかでは集まって会議を開いてお互いに打ち合わせ、同じようなことはEUもやっていますし、G77もやっているわけですけれども、その席上で、日本から、私から、EUとアンブレラグループの間の連携をもうちょっとしようではないかということを言いまして、事実、日本政府の代表部の部屋で夜中の十二時から、閣僚に来てもらってアンブレラとEUの会合をやったこともございますし、それから、最後のパッケージにつながるような呼びかけのきっかけは、私が一番最初にそれを呼びかけたということでもございます。 そういう意味では、会合が終了いたしましたときに、フランスの環境大臣のボワネ大臣の発言がありまして、アンブレラとEUは今回の会合で非常に近くなったということを言っていまして、そういうことは今回の会合の大きな一つの得たことだと思っております。
○中川(智)委員 その御努力はあったでしょうが、それがなかなか外に見えず、結局、アピールというか、長官が努力された割には、今回、批判なりいろいろな形での残念だという声が非常に高いということで、私はもうちょっと途中の努力というのをメッセージとして伝えるべきだったのではないか、そしてまた、そういう反省を今後やはりしっかりとつなげていただきたいと思うわけなのです。 来年の五月、一応COP6・5みたいな形になるかもしれませんが、また先延ばしになった。今から始めても遅過ぎると思うことが、半年先延ばしになって、長官も内心じくじたる思いがおありだと思いますが、日本がリーダーシップをとって、来年の五月を待つまでもなくEUやアンブレラ諸国に声をかけて、その会議を、東京でも京都でもどこでもいいですからやる、そのような御決意というのはお気持ちの中にないでしょうか。これは簡単に。
○川口国務大臣 先ほどもちょっと申しましたけれども、今既に主要国の閣僚の間で、このモメンタムを維持していくために何ができるかということを、会うことができませんので、電話でさまざまな動きが現在行われております。日本政府といたしましては、そういった動きを極力プッシュしていくべきであるというふうに思っております。 それから、先ほど、日本の吸収源の問題がその決裂の原因であるという報道がありますというお話がございましたけれども、日本の新聞の中には、全部ではないと思いますが、そういうことを言っている新聞があるかもしれませんけれども、国際的な報道は、先ほど来お話をしているファイナンシャル・タイムズ等の記事では全く違ったことが書かれているということを申し添えさせていただきます。
○中川(智)委員 質問通告しているのが重複しているのがありますので、大臣は答弁書を全然ごらんにならないで、本当に自分の言葉で述べられていますので、一つ確認したいのですが、吸収源の問題でどうしても納得できないところがあります。 ここにいらっしゃる環境委員の鮫島委員が、十一月八日衆議院の外務委員会で御発言、質問されたのですが、毎年継続して吸収しているはずの森林によるCO2の吸収量を基準年に、いきなり森が目が覚めたみたいな感じで、森が出現したような感じで、基準年は吸収として勘定せずに、目標年にのみ勘定に入れて、その分だけ排出増加を容認する方式、これが本当に私は詐欺みたいなものではないかと思うのですが、これは長官どうですか。短く、済みません。
○浜中政府参考人 御説明させていただきます。 これは京都会議での合意にそもそも基づくものでございまして、京都会議での合意は、基準年については原則として排出量のみをカウントする、そして目標期間におきましては吸収を算入することができる。その算入の具体的なルールは現在交渉中ではございますが、そういう形で決められたということでございまして、これをグロス・ネット方式と呼んで、基準年はグロスで、目標年は、吸収を加味しますから、ネット方式、こういうようなことになっている、京都での合意がそもそもそうであったということでございます。
○中川(智)委員 何か手品みたいな話で、全然それが納得できないのですが、そこの議論はやはりもっとしっかりやらなければいけないと思います。 長官に、これもちょっと通告していないのですけれども、先ほどから、ずっと国内対策はやってきたとおっしゃいます、省エネ対策は。他国からの評価も高かったとおっしゃいますが、そうしたら、条約の二〇〇〇年目標、日本が国内対策をしっかりやれているならば条約の二〇〇〇年目標というのをどうして達成できなかったのかと思うのですが、そこに対しての長官のお考えはいかがでしょうか。
○川口国務大臣 条約に二〇〇〇年という数字は確かに出てきているわけでございますけれども、それがコミットする、義務であるというふうな書かれ方にはなっていなかったということでございまして、それは努力をする目標であるということでございました。そういうことで、各国そういうふうに動いてきたということでございます。 それから国内対策について、例えば、絶対値で日本の省エネが非常に進んでいるというようなことは事実でございますし、各国もそれをきちんと認識している、あるいはそれを認識しているために努力を、外から見えなかったかもしれませんけれども、大いにやったということではございますけれども、それは、今後そういう努力を日本がすることが必要でないということを申し上げているわけでは全くございません。 同じように、国際会議で日本が発言権を持ち続けるということのためには、それから京都議定書の定めている目標を日本が達成することができるためには、今後、ますます今までよりもはるかに厳しい努力をやっていくことが必要であるというふうに考えておりますので、念のため申し添えます。
○中川(智)委員 日本の努力について後ほどちょっと質問いたしますが、きょうは外務省の荒木総括政務次官にいらしていただいていますので、先にODAのことで伺いたいと思います。 ODA関連で、追加的な措置としてODAが利用できるというふうになっていますが、今回外務省も同行されたと思いますけれども、これに対する議論がどうであったのか、そして日本の考え方、それについて御答弁をお願いいたします。
○荒木政務次官 私も川口代表団長とともにCOP6に参加をいたしました。引き続き合意の形成に向けて私も努力をしたいと思います。 そこで、ODAのことですが、我が国は、いわゆるクリーン開発メカニズム、CDM事業が世界の途上国において広く行われるという地理的公平性の確保、つまり民間の資金だけですと偏りが生じるということ、さらに、ODAも含めて利用可能な資金を最大限活用すべきという観点から、ODAをCDM事業から排除すべきではないというのが我が国の立場です。プロンク議長の文書もおおむねそうした立場に沿ったものだというふうに思います。 本件については、また引き続きこれから議論が行われる、交渉が行われる予定でありますので、具体的な議論の経過をここで明らかにすることは差し控えたいと思っております。 我が国は従来よりODAを通じ途上国の温暖化対策への取り組みを支援してきておりまして、今後の交渉に当たっては、こうした日本の努力がしかるべく評価されるよう努めていきたいと思っております。ぜひ委員におかれましても御支援をいただきたいと思います。
○中川(智)委員 御支援できないかもしれませんけれども、それに対してはやはり議論がしっかり必要だ。今そのような形での御答弁しかいただけないというのはやむを得ないかと思います。 時間が余りないのですが、浜中部長にちょっと一緒に幾つか質問をいたします。 吸収源に関する問題なんですけれども、日米加の提案では、第二インターバルに六七%割り引くとしていますが、この六七%の論理。 もう一つは、IPCCの吸収源に関する特別報告書によりますと、森林管理などについては改善分のみをポテンシャルとしてカウントすることにしていまして、この考え方は論理的なものと考えられます。これに対して日本はノーということを言ったわけですが、なぜノーと言ったかという理由。 この二つをできれば二、三分でお願いします。
○浜中政府参考人 御説明申し上げます。 まず、日米加提案における第二インターバルの六七%、およそ三分の二ということでございます。三分の二を割り引いて、三分の一のみを算入するという考え方でございますが、これは日米加の相談の中で、アメリカに適用されることを想定して設定いたしたものでございまして、森林管理における直接的、人為的影響による吸収量は全体の吸収量のおよそ三分の一程度であるということがアメリカ側のデータにより示されたということでございまして、そういうデータに基づいて提案をさせていただいたということでございます。 また、IPCC関連でのお話でございますけれども、これにつきましては、実は割引率を実際にどのように適用すべきかという点については、なかなか各国の森林の実情というもの、温帯であるか亜寒帯であるかとかいろいろなことがございまして、生態系によっても違うであろうというようなことで、割引率の適用を各国の実情を反映しない形で一律にやることはなかなか難しいという点がございます。 また、割引率を余り大きくとり過ぎますと、森林管理というものをきちんと持続可能な形でやることによって、その吸収を地球温暖化対策にも組み込むということでインセンティブが働く可能性もございますが、そういうインセンティブも働かないというようなこともございました。 そういったことで、プロンク議長提案ということに対しましても、我が国は、吸収源以外にも、先ほど大臣からるる申し上げましたとおり、いろいろな問題点もありましたので、そういう点も含めて修正意見を提出させていただいたということでございます。
○中川(智)委員 けさほどからの長官の御答弁を伺っていますと、やはり本当に御苦労されたのはわかるのです。しかし、本当に希望につなげる、長官も絵が見えてきたとおっしゃいましたが、これを希望につなげたいと思うのですが、今回COP6で焦点となった森林の吸収率問題でも、国会での議論ということはほとんどなく、そして審議会とか政府での議論の中でそれをしっかりと背中に背負っていらっしゃったと思うのですね。 私は、温かい見方になるかどうかわかりませんが、経団連、プラマイ・ゼロというような形で話していて、三・七を頑張ってとってくれば、あとは産業界に対していろいろな形で、国内の排出源に対して法律でしっかり一緒にやっていこうと言えるのじゃないかというようなことで頑張られたのかもしれないと思うのです。でないと、長官が通産省出身だからやはり産業界寄りということを、私も最初は思っていたのですが、やはりそんなふうにマイナス、マイナスに見ていくのではなくて、みんなで一緒に議論しながら、どういうふうにしていけばきっちりと二〇〇二年に発効できるか、その目的が達成できるかということで取り組んでいくべきだと思うのです。 それで、COP6後の立法化などのスケジュールを着実に実行していくために国会での議論をしっかりと引き続いてやっていくべきだと思うのです。 これはぜひとも委員長にお願いしたいのですけれども、環境庁も省になります、ですから、この環境委員会の中で地球温暖化防止の小委員会、どんな名称でもいいですから、つくりまして、国会でしっかり議論する。今フロンの規制法なども党ごとに頑張ってやっていらっしゃいますけれども、今国会でも法案が提出できないという状況になりました。ですから、やはり小委員会なりをつくりまして、この問題に対して、国会も挙げて取り組んでいくという決意を持っていかなければ希望につながらないということを痛感いたします。理事会でこれを議題として取り上げていただきたいのですが、いかがでしょうか、委員長。
○小林委員長 次回の理事会で、今提案のありました件については協議をさせていただきます。
○中川(智)委員 そこの場で、やはり産業界をどんどん呼んでヒアリングをして、できれば、私はNGOもこのテーブルに着いてもらって、一緒に取り組んでいきたいと思います。それが対立していけば、何のためにあそこの場に行って意見を言うのか、それが生かされないで互いに批判していくのは本当に日本のためにならない、世界のためにならないということを痛感いたしますので、よろしくお願いしたいと思います。 きょうも、原発立地推進法が賛成多数で可決してしまいました。またもやばらまきということで、社民党は、原発に対しては脱ではなくて反原発という姿勢で取り組んでいるのですが、先ほどの長官の御答弁の中にも、合意に達してはいないけれども、CDMの中で原発の扱いが議論になった、これは原発輸出につながるのではないかという危惧を持っております。具体的にどういう議論があったのか、そして長官は、今後の原発を、日本国内だけにとどまらず海外までもということに対してのお考え、社民党は反対しているという言葉を受けて、お答えをお願いしたいと思います。
○川口国務大臣 クリーン開発メカニズムでの原発の議論でございますけれども、先ほど別の委員の方に申し上げたことでございますが、私が実はこれは議長をしていた部分ですけれども、いかなるCDMの対象事業が途上国の持続的な開発に資するかということの判断は、途上国によって発展の度合いも違いますし、与えられた地理的なあるいはさまざまな他の条件も異なりますので、それは途上国みずからが判断すべきことであって、アネックスIの国々に、これはいい、これは悪いということを言われるべきではないというのが途上国の圧倒的な意見でございましたし、アンブレラの国々もそれに賛成をいたしまして、限定的なリストをつくるべきであると言ったのは、主としてEUでございました。 そういうのが議論の中身でございますが、その上で、原子力についてはどうするか、吸収源について、CDMの扱いをどうするかという議論も同じように行われましたけれども、これについてはさまざまな意見がございました。やるべきでないという国もございましたし、やるべきだといいますか、やるべきだというのは正しくありませんが、限定するべきではない、イエスともノーとも、それをやるべきではないという国もございました。したがって、この点については結論は出ておりません。 それから、日本が、仮にCDMの中で原子力発電というのを認めるというようなことがあった暁にどうするかということについて、原子力の輸出については、環境庁の所管ではございませんので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○中川(智)委員 いつだったかちょっと忘れたのですが、社民党の議員が長官のところに参りまして、いわゆるCO2削減の一つの方策として原発を推進すべきでないと言ったときに、長官は、それに対して、二十基と当初ありましたが、十三基ということで、原発に対してはやむなしというふうにお答えになったということで、とてもがっかりして帰ってきたのですが、長官は、原発の安全性とかに対して、リスクと、CO2削減という形で原発をお認めになっていらっしゃるのか、それとも、本当に新エネルギーを新たにつくり出していって、やはり脱原発というふうな形での一歩を進めるべきなのか、どのように思っていらっしゃるか、長官自身のお考えを最後に伺いたいと思います。
○川口国務大臣 私自身の意見は意見として持っておりますけれども、こういう場でございますので、政府の一員といたしまして申し上げますが、地球温暖化対策推進大綱の中で、「エネルギー供給面の二酸化炭素排出削減対策の推進」ということが書いてございまして、「原子力立地の推進」というふうにその中で書いてございます。そして、二〇一〇年度において九七年度の五割以上の発電電力量の増加を目指した原子力発電所の増設が必要である、このためには、ちょっと途中飛ばしまして、国民の信頼の回復に努めるとともに、安全性の確保に徹底して努めることが大前提云々というふうに書いてございますので、ちょっとそれを御紹介させていただきます。
○中川(智)委員 時間になりました。お疲れさまでしたが、やはり希望につながるように、国会も挙げてともに頑張りたいと思いますので、長官も何か複雑ですが、ありがとうございました。
○小林委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時三十六分散会