科学技術委員会 第1号
- 発言数
- 12 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 2000/11/07
会議録
○古賀委員長 これより会議を開きます。 まず、理事辞任の件についてお諮りをいたします。 理事近藤昭一君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○古賀委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。 ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○古賀委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 それでは、理事に樽床伸二君を指名いたします。 ————◇—————
○古賀委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 科学技術振興の基本施策に関する事項 原子力の開発利用とその安全確保に関する事項 宇宙開発に関する事項 海洋開発に関する事項 生命科学に関する事項 新エネルギーの研究開発に関する事項 以上の各事項につきまして、本会期中調査をいたしたいと存じます。 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○古賀委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————◇—————
○古賀委員長 次に、本日付託になりました内閣提出、ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律案及び近藤昭一君外三名提出、ヒト胚等の作成及び利用の規制に関する法律案の両案を一括して議題といたします。 両案について順次趣旨の説明を聴取いたします。大島国務大臣。 ————————————— ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○大島国務大臣 ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 近年の生命に関する科学技術の著しい発展に伴い、生命科学をどこまで人間に適用することが許されるのかという新たな問題が生じております。平成九年二月、英国において、哺乳類で初めての羊の成体の体細胞の核移植により、クローン羊が誕生したとの発表がありました。これにより、人についても、成体の体細胞の核移植によるクローン個体を誕生させること、すなわち人に対するクローン技術の適用が現実の問題として懸念されることとなり、同年六月のデンバー・サミットにおいて、これを禁止するとの首脳宣言が採択されました。 このような動きを受けて、我が国においては、同年九月、総理の指示により科学技術会議に生命倫理委員会が設置され、自然科学系の研究者だけではなく法学者、宗教学者、言論人等国民各般の多様な意見を代表する委員により、この問題について精力的に議論が行われてまいりました。この間、委員会の取りまとめに対し、広く国民からの意見公募なども行われました。その結果、昨年十二月に、人クローン個体の産生は、人の尊厳等を侵害するものとして、罰則を伴う法律により禁止するべきとの最終的な結論を取りまとめ、公表いたしました。 また、クローン技術と同等もしくはそれ以上の重大な影響を人の尊厳に与える可能性があるものとして、ヒトの細胞と動物の細胞を融合または集合させる技術、これを特定融合・集合技術と呼びますが、この技術により生じた胚から、人と動物のいずれであるかが明らかでない個体がつくり出される可能性があることなども、生命倫理委員会において指摘されています。 本法律案は、このような生命倫理委員会での検討の結果を踏まえ、また、この研究分野における国際的動向をも勘案し、人クローン個体等の産生を禁止するとともに、クローン技術等により作成される、特定胚と呼ぶさまざまの胚の適正な取り扱いを確保するための措置等を講ずるものであります。 なお、本法律案はさきの通常国会に提出いたしましたが、残念ながら十分な審議時間が確保できず審議未了、廃案となりました。しかしながら、その後のクローン技術の一層の進展等により、人クローン個体等の産生の危険性がますます高まっており、本法案を早期に成立させる必要があることから、本臨時国会に再度提出したものであります。 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。 第一に、本法案を制定する目的であります。 本法案は、クローン技術等が、その用いられ方いかんによっては人の尊厳の保持、人の生命及び身体の安全の確保並びに社会秩序の維持に重大な影響を与える可能性があることにかんがみ、クローン技術等を規制し、社会及び国民生活との調和のとれた科学技術の発展を期することを目的としています。 第二に、人クローン個体等の産生を禁止することであります。 具体的には、クローン技術または特定融合・集合技術により作成される胚を人または動物の胎内へ移植した場合、特定の人と同一の遺伝子構造を有する人、もしくは、人と動物のいずれであるかが明らかでない個体をつくり出すおそれがあり、そのような胚を人または動物の胎内へ移植することを禁止することとしております。 第三に、クローン技術等により作成される特定胚の適正な取り扱いの確保のための措置であります。 文部科学大臣は、特定胚の作成、譲り受けまたは輸入及びこれらの行為後の取り扱いの適正を確保するため、総合科学技術会議の意見を聞いて、その取り扱いに関する指針を作成、公表しなければならないものとし、特定胚を取り扱おうとする者は、この指針に従って行うとともに、一定の事項を文部科学大臣に届け出なければならないものとしております。 また、この届け出をした者は、文部科学大臣がその届け出を受理した日から六十日を経過した後でなければ、その届け出に係る特定胚の取り扱いをしてはならないものとし、文部科学大臣は、届け出をした者の特定胚の取り扱いが指針に適合しないと認めるときは、届け出をした者に対し、当該特定胚の取扱計画の変更、取り扱いの中止その他必要な措置をとるべきことを命ずることができるものとしております。 さらに、文部科学大臣は、届け出をした者に対し、必要な事項について報告を求め、または、その職員に、事務所等に立ち入り、必要な物件を検査させ、もしくは関係者に質問させることができることとしております。 第四に、届け出をした者は、特定胚の取り扱いについての一定の事項に関する記録を作成し、保存するとともに、特定胚に係る個人情報の漏えいの防止等必要な措置を講ずるよう努めなければならないものとしております。 第五に、禁止行為に違反してクローン技術または特定融合・集合技術により作成された胚を人または動物の胎内に移植した者等に対し、懲役等の罰則を設けることとしております。 第六に、この法律の施行後五年以内に、クローン技術等を取り巻く状況の変化等を勘案して、特定胚に係る制度について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとしております。 以上が、この法案の提案理由及び要旨であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
○古賀委員長 山谷えり子君。 ————————————— ヒト胚等の作成及び利用の規制に関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○山谷議員 ただいま議題となりましたヒト胚等の作成及び利用の規制に関する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。 さきの第百四十七回国会におきまして、政府は、ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律案を提出しました。しかし、ヒト胚という、科学技術の発展、生殖医療そして生命倫理にまでかかわる深遠なテーマを扱いながら、政府案は技術面のみに突出しており、多くの問題点があると民主党は指摘してきました。 政府は、この国会に、若干の手直しをして同趣旨の法案を提出してきましたが、その本質は前回のものと変わるものではありません。大まかに言って、政府案には四つの問題点があると考えます。 第一に、政府案は、行政の裁量でつくる指針にゆだねる部分が大きく、かえってクローン研究を促進するとも懸念されています。 第二に、政府案は、ヒト胚の保護、生殖医療との関連等を欠いた法案であります。ヒトクローン禁止の単独法案は世界でもまれなものです。 第三に、政府案は、余剰胚が野方図に作成、利用されている現状を放任し、これらの問題についての対策を盛り込んでいません。 第四に、政府案を策定するに当たって、生命倫理全般にまたがる問題を考えていかなければならないにもかかわらず、科学技術庁主導の縦割り論議のプロセスに問題があります。議論が十分に尽くされていなかったと伺っています。 国内外の世論にこたえるため、私たちも、クローン人間などの生成を禁止するために早急に法整備を行うべきだと考えております。同時に、クローン技術等の有用性にも着目し、一定の歯どめを講じつつも、科学的合理性及び必要性のあるものについては研究を認めていく立場であります。 こうした視点に加え、生命倫理の尊重、科学の暴走への歯どめなどを重視する立場から、ヒト胚の作成等の規制、生殖補助医療及び生殖補助医学研究に関する法整備への道筋の確立をも含めた包括的な法案を提出することといたしました。生命とは何か、人間とは何か、国民の皆様に大いに議論していただきたいと、法案を提出いたします。 以下に、政府案との相違点にも若干触れつつ、ヒト胚等の作成及び利用の規制に関する法律案の概要を各章ごとに申し上げます。 第一章は、総則を定めています。 法律の目的は、人の生命の萌芽であるヒト胚の人為による作成、利用が人の尊厳の保持、人の生命、身体の安全の確保に重大な影響を及ぼすおそれがあり、また人の属性を有する胚が人の尊厳の保持、人の生命、身体の安全の確保に重大な影響を及ぼす個体の人為による生成をもたらすおそれがあるため、ヒト胚の作成、利用について必要な規制を行い、人の属性を有する胚の人または動物の胎内への移植を禁止するほか、その他必要な規制を行うことにより、人の尊厳の保持並びに人の生命及び身体の安全の確保を図ることとしています。 さらに、胚、配偶子、卵子、ヒト胚、人の属性を有する胚、余剰胚、ヒト胚性幹細胞等について定義を行っています。 基本的理念は、人の生命の萌芽たるヒト胚は、みだりにこれを作成、利用してはならないこと、ヒト胚の取り扱いに当たっては、人の尊厳を侵すことがないよう特に誠実かつ慎重に行うべきこと、人の属性を有する胚の作成、利用は、その胚からの個体の生成につながるものであってはならないことを明記しています。 第二章は、ヒト胚の作成等に係る規制を規定しています。 生殖補助医療または生殖補助医療に係る医学研究を除いて、何人も、人の胎外においてヒト胚を作成してはならないこととしています。利用についても同様の制限を課しています。 余剰胚を生殖補助医学研究以外に使用しようとする者は、文部科学大臣の許可を受けなければならないこととしています。その際、文部科学大臣に、厚生労働大臣、審査委員会等からの意見聴取義務を課しています。 許可の基準等は、使用目的がヒト胚性幹細胞の樹立に係る研究であって、ヒト胚を使用することが当該研究において科学的な合理性及び必要性を有するものと認められるもの、使用及び使用後の取り扱いが指針に適合するものであることとし、その指針は文部科学大臣が総合科学技術会議等の意見を聞いて定めることとしています。 第三章は、人の属性を有する胚の作成等に係る規制であります。 何人も、人の属性を有する胚を人または動物の胎内へ移植してはならないこと等の規定を定めています。 人の属性を有する胚の作成、使用は、文部科学大臣の許可を受けなければならないこととしています。特定胚の取り扱いを単なる届け出制としている政府案とは大きく異なります。 許可の基準等は、作成、使用の目的が人の属性を有する胚を作成し、または使用する方法以外の方法では行うことのできない研究であって、人の属性を有する胚を作成し、または使用することが当該研究において科学的な合理性及び必要性を有するものと認められるものであることなどを定めています。 人の属性を有する胚についても指針を定めることとしています。 第四章は、人の配偶子等の提供に関する規制であります。 ヒト胚または人の属性を有する胚の作成、使用の際の人の配偶子等の提供者の同意、財産上の利益の供与の禁止、提供者の個人情報の保護などに関する規定を定めています。 第五章は、ヒト胚等の作成及び利用に関する審査委員会についてであります。 文部科学省に、ヒト胚等の作成及び利用に関する審査委員会を置くこととし、学識経験のある者のうちから、両議院の同意を得て、十一人の委員を選ぶこととします。 第六章は雑則であり、政府が毎年この法律の施行の状況を国会に報告しなければならないこと等を定めています。 第七章は、罰則について定めています。 人の属性を有する胚を人や動物の胎内に移植した場合、十年以下の懲役もしくは一千万円以下の罰金に処し、またはこれを併科すること、また生殖補助医療及び生殖補助医学研究以外に人の胎外においてヒト胚を作成した場合等、五年以下の懲役もしくは五百万円以下の罰金に処し、またはこれを併科することなど、詳細に罰則を定めています。 最後に、附則について御説明申し上げます。 この法律は、公布の日から起算して六カ月を経過した日から施行することとしています。 さらに、政府は、この法律の施行後三年以内に、総合科学技術会議における検討を踏まえ、生殖補助医療及び生殖補助医学研究におけるヒト胚の作成及び利用の規制について法制上の措置その他必要な措置を講ずる旨を明記いたしました。換言すれば、三年以内に、欧州諸国等に並ぶ生殖補助医療、生殖補助医学研究に関する法制度を整備するための道筋をしっかり確立したものと自負しています。 なお、本案施行に要する経費は、平年度約二千三百万円を見込んでいます。 以上が法案の概要であります。熱心な御審議をいただきまして、議員各位の御賛同をいただき、私どもの法案を今国会中に成立させることをお願い申し上げまして、趣旨説明を終わります。
○古賀委員長 これにて両案の趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○古賀委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 両案審査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○古賀委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次回は、明八日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時三十九分散会