沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号
- 発言数
- 106 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2000/11/15
会議録
○北村委員長 これより会議を開きます。 北方問題に関する件について調査を進めます。 本日は、本件調査のため、参考人として、社団法人千島歯舞諸島居住者連盟理事長小泉敏夫君、根室市長藤原弘君、社団法人千島歯舞諸島居住者連盟羅臼支部副支部長鈴木日出男君、以上三名の方々に御出席をいただいております。 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位には、北方問題につきまして、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。 次に、議事の順序について申し上げます。 まず小泉参考人、藤原参考人、鈴木参考人の順に、お一人十分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑に対してお答えいただきたいと存じます。 念のため申し上げますが、発言はその都度委員長の許可を得てお願いいたします。また、衆議院規則の規定により、参考人は委員に対して質疑ができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。 それでは、小泉参考人にお願いいたします。
○小泉参考人 ただいま御紹介いただきました小泉でございます。 本日、北村委員長初め委員各位と、関係する皆様の御高配により、北方領土に居をともにした者を代表して意見陳述の機会をお与えいただきましたことについて、まことに名誉なことであり、厚くお礼を申し上げますとともに、日ごろ、私ども元島民に御厚情、御支援を賜っておりますことをまずもって心から感謝を申し上げます。 私は今、元島民の一人としての立場、また元島民で組織しております全国唯一の社団法人千島歯舞諸島居住者連盟の理事長としての立場でここに出席をいたしておりますので、まず先んじて、組織の長として、お手元に配付いたしております要望書の主な点について、この場をおかりし若干御要望申し上げ、その後、元島民としての意見陳述をさせていただきたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。 要望の初めは、北方領土の早期返還についてでございます。北方四島を返還し、平和条約を締結するという国の方針を不変のものとし、一日も早い北方領土問題の解決を強く願うものであります。 次の要望は、元島民の残置財産、北方地域旧漁業権などが戦後から今日まで凍結された状態にされており、元島民に甚大なる不利益を生じせしめている現状にあります。そこで、この問題について、貴委員会としても議題としてお取り上げ、御審議をいただき、国の対応について元島民にぜひお示し願いたいと考えております。 なお、委員の皆様には、この要望書を御一読願えれば幸いであります。 さて私、一人の元島民の立場で北方領土問題についてその心情をお話し申し上げるならば、戦前の一家そろっての楽しかった生活の日々、そこに突然の敗戦、そして強制退去。しける海への深夜の続出する逃避行とその悲劇。 一例を挙げれば、小舟による一家九名の深夜の離島。海は次第にしけを増し、舟は転覆。父母が抱えた幼子は大波により砂浜に打ち上げられ、一命は助かったものの、五名の子供の姿がない。半狂乱のように子の名を叫び続ける父母。しかし、返答はなく、夜明けを迎え、その朝、父母が打ち上げられた砂浜から百メートルの場所に三人の子供の遺体を見つけることができましたが、残る二人は行方不明という悲惨な事実。このような事実は枚挙にいとまがないと千島連盟のライブラリーに記録をされております。 敗戦によって、日本国民は押しなべて何らかの悲惨な思いを体験していることは事実でありますが、北方領土の元島民の思いは、戦前から日本固有の領土であって、父祖伝来の地として私たちが受け継いできたものであり、その地にあったすべての生活基盤を失ったのであります。このことは他に類例のないものであり、遺憾なことであります。そして、生涯忘れることのできない心の傷となり、だれがいやしてくれるのか、その方途も見出せない苦悩の日々を送っております。 しかし、近年は、そのような怒りの高まる反面、現島民であるロシア人との相互理解と友好を深め、北方領土問題解決への雰囲気づくりの事業に率先して参加し、笑顔で迎え、交流する元島民の思いをおもんぱかるとき、その心情は皮肉で複雑なものであり、そこに悲壮感さえあるのであります。 そこで、北村委員長初め委員各位に御要望申し上げます。 一、目下森総理、河野外相を先頭に、二十世紀の最後の最後までロシアとの外交交渉を重ねられており、その御尽力に敬意を表するものであり、さらに一日も早い北方四島の返還実現に向けて、なお一層の交渉を深化、加速化されますようお願い申し上げます。 二、交渉の際は、元島民の意向が十分反映されなければ、願う外交交渉の成果は得られないと思っておりますので、今日まで一貫して主張してきた北方四島返還という元島民の意向を崩すことなく、強い姿勢で外交交渉に当たることをお願いいたします。 三、戦後から今日まで、重なる外交交渉のたびにそのよい結果を期待し、そして失望を繰り返すという長い歴史が流れ、元気で返還運動の中核としてその使命を果たしてきた元島民も、今は高齢化しました。その間に志半ばにして他界した元島民も多く、一万七千余名いた島民は現在九千九名と減少の一途をたどり、疲労感があるのも事実であります。しかし、苦渋の道を歩いてきた元島民は強く、先達から引き継いできた北方四島返還運動への意欲は決して衰えておりません。 他方、心の傷、怒りも次第に高揚していることも事実であります。どうか元島民に、心の傷、怒りをいやす何らかの国の対応を特に強く求めるものであります。 このほか多くのお願い事がありますが、後日の機会とし、私としては北方領土問題の解決なくして第二次大戦の戦後処理は終わっていないと受けとめておりますことを皆様に訴えたいと思います。 私ども高齢化した元島民としては、残る時間の少ない中、国の外交交渉を支援するという立場を堅持し、北方四島返還実現の日まで返還要求運動を推進し、元島民とロシア人との話し合いによる民間外交のでき得る範囲において、引き続き返還を求める当事者としてあとう限り努力することをお誓い申し上げ、私の陳述を終わります。 最後に、北村委員長初め委員各位のますますの繁栄を願っております。 本日は大変ありがとうございました。(拍手)
○北村委員長 小泉参考人、ありがとうございました。 次に、藤原参考人にお願いいたします。
○藤原参考人 ただいま御紹介いただきました根室市長の藤原でございます。北村委員長さん初め委員の皆様の御高配によりまして意見陳述の機会を得ましたことを御礼申し上げます。また、日ごろ当市初め北方領土隣接地域に対しまして御厚情、御支援を賜っておりますことに対しまして、感謝申し上げます。 まず、北方領土返還運動への取り組みについてでございますが、北方領土返還運動は、昭和二十年十二月の安藤石典根室町長の、北方四島をアメリカの占領管轄下に置いてほしいとする旨のマッカーサー元帥への陳情により始まりました。以来、当市は、半世紀以上にわたり、返還運動原点の地として全国の先頭に立ちまして、不安と希望が交錯する中、常に返還運動を推進してきました。 現在、当市の港湾を拠点にいたしまして、北方領土問題解決の環境整備の一環として、北方四島とのビザなし交流、北方四島住民に対する人道支援、自由訪問などの人的、文化的交流が行われております。また、本年二月に、新たな交流拠点施設となります道立北方四島交流センターが当市に設置されました。 戦後半世紀の集大成を期し、クラスノヤルスク合意以来、本年を目標に全力で返還運動に取り組んできましたが、九月初旬の日ロ首脳会談の結果のとおり、情勢は厳しく、市民の中からは失望、落胆の声を初めさまざまな意見が聞かれております。 次に、当市における元島民の状況について御説明いたします。 終戦後、四島に最も近い当市には、島が返ってきたならば直ちに戻ろうとする約七千人の元島民が居住しておりましたが、半世紀以上の歳月の経過とともに、平均年齢も六十九歳となり、多くの元島民が涙をのみながら他界していったわけでございます。 現在、当市には、元島民二千百九十一人、後継者五千三百六十人の、合わせて七千五百五十一人の関係者が居住しており、根室市民約三万四千人の二三%、五分の一強に達しております。 しかし、戦後五十五年が経過し、ただいま千島連盟の小泉理事長さんがお話しされたとおり、元島民の中には疲労感が募り、残置財産や旧漁業権に対する何らかの措置を求める声が大きいところであります。 今般、私は、この意見陳述の前に元島民から意見を伺ってまいりました。我々には残された時間がない、残置財産や旧漁業権に対する補償を何とか考えてほしい、巨額の人道支援に比べて我々元島民には何の手当てもない、公平を期するのが政治ではないかというような、元島民に対する支援を求める声が相次いだわけであります。 今後の返還運動を考えるとき、今こそ、先頭に立っております元島民やその後継者に対し、国によるきめ細かな配慮が必要であると思います。 次に、北方四島と当市のかかわりについてお話しします。 戦前、当市は、北海道と北方の島々とを結ぶ六つの航路の玄関口として、北方四島とは経済的にも社会的にも関係が深く、いわば親子の関係でありました。 戦前、北方四島では、平均約二十一万一千トンの漁獲高があり、北海道全体の約四分の一を占めておりました。当市は、終戦直前の空襲により市街地の約八割を焼失し、また北方領土がソ連に占領されたことにより、二重の打撃を受けました。当市を中心とする根室地域は、こうした豊かな北方四島の生産の場があれば戦後も順調に発展したことが想像にかたくないところでございます。 次に、北方基金についてであります。 北方領土問題が未解決にあることから、北方領土に隣接します一市四町の根室地域に対する救済措置として、昭和五十七年に北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律、いわゆる北特法が制定されました。この法律によりまして、北方領土隣接地域の振興及び住民の生活の安定を図るため、水産資源増大対策や生活環境施設整備などの事業に補助することを目的に百億円の基金が設置されました。 しかし、この基金の運用益も最近の低金利情勢の中にあって大きく目減りしており、当初の目的が十分達成されない状況にございます。この運用益の目減り、当初見込み額に対しまして現在約四億五千八百万円の減でございますが、この目減りに対しまして何らかの具体的な補てん措置をしていただきたいと思います。 次に、北方領土返還を見据えた振興計画についてであります。 北特法の第九条には、国は、北方領土隣接地域の振興及び地域住民の安定を図るために必要な財政上、金融上及び技術上の配慮をしなければならないことが規定されておりますが、今まで具体的な適用事例がございません。 当市におきましては、近年、北方領土を取り巻く諸情勢が大きく変化したことから、北方領土返還前に確固たる北方四島への拠点形成を目指すため、昨年五月、交通、輸送等の整備や医療の確保など、五分野二十六事業にわたる北方領土返還を見据えた振興計画を策定いたしました。 しかし、水産業を初め地域経済の発展が阻害されているため税収が伸びず、財政状況が極度に悪化しており、老朽化した当市唯一の総合病院であります市立根室病院を建てかえるのにも非常に苦慮している状況にございます。 私は、返還運動の原点の地の民生の安定を図るため、市民が現在市政に対し一番望んでおります、また劣悪な環境に置かれている北方四島ロシア住民に対して医療面で支援の手を差し伸べるためにも、国際的な医療を視野に入れた市立根室病院の建設はぜひとも必要と考えております。 北特法の趣旨を踏まえまして、国からの特別な支援を切に要望するものであります。 次に、北方領土返還促進についてであります。 冒頭申し上げましたとおり、北方領土問題をめぐる昨今の日ロ関係は、依然として非常に厳しい状況にあると思います。しかし、当市は、北方領土に隣接しており、北方四島との深いかかわりから、常に全国の先頭に立って返還運動を推し進めていかなければならない宿命的な立場にあると認識しております。 北方領土問題は、決して元島民や我が地域に限られた問題ではなく、民族の誇りと国家の尊厳をかけた日本国の主権にかかわる重要な問題であり、戦後残された大きな懸案事項であると思います。この問題が一日も早く解決されますよう、一層強力な対ロ外交交渉を強く望むものであり、今後は、ロシア国内世論への働きかけが特に重要であると痛感しております。 総理大臣及び外務大臣の北方領土視察についてであります。終わりになりますが、この問題の重要性を強く内外に訴え、国民世論の一層の喚起を図るために、総理大臣及び外務大臣の北方領土視察をぜひとも実現していただきたいと願うものであります。 総理大臣の視察は、昭和五十六年当時の鈴木総理以来行われておりません。また、外務大臣の視察は、昭和六十三年以来行われておりません。このたびの日ロ首脳会談の結果について、元島民を初めとする市民や運動関係者の失望感、気落ちは大きいものがあります。しかし、このようなときこそ、外交と内政の最高責任者であります大臣が現地視察されることが、元島民を初めとする地域住民や関係者にとって大きな励みとなり、勇気づけられることになると思います。新世紀を迎えるに当たり、新たな返還運動の出発の節目に、ぜひともお願いいたしたいと思います。 以上で私の陳述を終わりますが、北村委員長を初め委員各位の御健勝と御活躍を祈念いたします。どうもありがとうございました。(拍手)
○北村委員長 藤原参考人、ありがとうございました。 次に、鈴木参考人にお願いいたします。
○鈴木参考人 ただいま御紹介をいただきました鈴木でございます。 本日、北村委員長初め委員各位の皆様の御高配によりまして、元島民二世として意見陳述の機会をお与えいただいたことにつきましては、まことに名誉なことであり、厚くお礼を申し上げる次第でございます。 私は、元島民二世として、返還運動を通して日ごろ考えております意見について意見陳述をさせていただきたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。 私は、毎日北方領土を目の前に眺めながら生活を送っております。私の父、母ともに国後島の引揚者でありまして、子供のころから時々島の様子などを聞いて育ちました。 その話の中で特に印象に残っておりますことは、島では、それぞれ平和な暮らしを続けていたそうでございますが、終戦を迎えると同時に、旧ソ連兵が突然島に上陸し、島民は追い出されたそうです。島民のほとんどは、恐怖心から、着のみ着のまま、やみに紛れて船で島から脱出したそうです。引き揚げてきた当時は、知人を頼りながら、大変苦しい生活を送りながら子供たちを育てたそうです。この苦しみは体験した者でなければわからないよ、島はよかったとよく母が言っておりました。二度と島に渡ることなく母が亡くなったとき、その話を思い出し、私の北方領土に対する思いを強くいたしました。 私自身、北方領土返還運動に後継者二世として携わるきっかけは、道内各地での啓発運動を目的とした北方領土返還要求道内キャラバン隊に多くの二世、三世とともに参加し、北方領土返還を訴え、街頭署名活動を行い、さらには、各自治体を訪問し、返還運動に対して理解を求める行動をしたことでありました。以来、地元千島連盟羅臼支部の会員として、微力ながら、返還運動に参加をしております。 また、平成五年には、海外使節団の一員として、国連の先進七カ国とロシア代表部、アメリカ国務省を訪問し、北方領土問題解決への協力を訴える場に参加できましたことは、大変勉強になり、今後の返還運動の励みとなりました。 こうした運動の参加により、多くの方々の激励や御支援をいただき、大変心強く感じるとともに、今後の返還運動も、国内における理解の拡大と国際世論の喚起の促進が大切であることを認識し、粘り強い努力が必要であることを感じております。 私たち後継者の返還運動の意識については、地域によって差はあるものの、二世、三世による全道、全国のキャラバン隊参加や、北方同盟主催の全国各地において開催をしております元島民の語る会に、後継者二世の立場で講師として参加し、返還運動に対し理解を求める役割を果たすなど、意識の高揚に努めております。 今後さらに、後継者の拡大や意識の高揚、粘り強い運動を展開していくためには、語る会に参加をして感じたことでありますが、他府県の方々の北方領土に対する認識の不足を思うとき、北方領土教育を全国的に推進し、後継者の育成を図ることが必要であると感じております。 また、元島民の方々が、強制退去を余儀なくされ、以来、ふるさとである北方四島の返還を信じ、北方領土返還運動の先頭に立って活動を続け、今日を迎えましたが、いまだ返還の道筋さえも明らかにならない現状に怒りを感じながら、高齢のため他界されていく多くの元島民を目の当たりにしたとき、私たち後継者は、何としても島民の無念さを晴らすために力を合わせて返還運動を盛り上げてまいりたいと心に誓っております。 また最近は、元島民から、何も見えない現状のまま、返還運動を後継者にどう引き継いでいったらいいのかと、今後の運動を危惧する声を多く聞かされております。戦後五十数年間、苦難に耐えながら生き、返還運動を続けてきた元島民の心情を思うとき、後継者として、ぜひとも、元島民の方々が生きているうちに何らかの援護、支援の措置をしていただきますよう切にお願いを申し上げる次第であります。 現在、ビザなし交流や自由訪問が進められ、さらには人道支援など、ロシアとの経済交流が深まる中で、多くの元島民と現島民が接し、心を通わせてきておりますが、領土問題だけは、どんな手段を講じても解決できない状況が続いております。 戦後半世紀以上が過ぎ、元島民の高齢化が進み、他界されていく現状を見るとき、今後の返還運動がどうあるべきか考えるときが来ていると思われます。こうした状況において、政府首脳が実態を現地視察し、直接元島民の声を聞き、一層の領土返還に御理解をいただき、さらには、政府による国内外の世論喚起の促進、外交交渉を一段と強く推進を願うものであります。 また、新たな運動の展開として、私たち後継者が、運動の灯を絶やすことなく、島が返るまで訴え続けるためにも、直接ロシア人と会話ができ、交流することが、返還運動をさらに強めていくことであると感じております。 現在のビザなし交流での対話は、通訳を通しての会話であり、ほとんど話ができなく、お互いの意思疎通がないまま時間が過ぎていく実態でございます。このためには、ロシア語を学ぶ必要があることから、隣接自治体に対しロシア語のできる専門職員を国の支援により配置していただき、地域のロシア語教育の充実を図り、新たな交流の拡大に努めることが今後の課題の一つと考えられると思います。 私の住む羅臼町と国後島は距離にしてわずか二十五キロメートルであり、この狭隘な海域が羅臼漁民唯一の漁場であります。現在、日ロの合意に基づき、北方四島周辺海域安全操業が関係各位の皆様の御支援によりまして実施をされておりますことに感謝を申し上げます。 しかしながら、近年、この沖合でロシア連邦トロール漁船による操業が確認をされております。これによる漁業資源の減少、漁具などに多大な被害を受けている状態であり、漁獲高の大幅な減、また減船による廃業により地元経済に与える影響は大であります。本町も栽培漁業など資源回復に向け努力を続けている中、トロール船の操業が繰り返されることはまことに残念でなりません。つきましては、資源保護と安全操業の見地から、本海域でロシア連邦トロール漁船操業の規制について特段の御尽力と御支援をお願い申し上げます。 さらには、この海域では拿捕という危険にさらされながら操業を続けております。現在も三隻、三名の船員が拿捕、抑留されております。これから年末を迎え留守を守る家族の生活を思うとき、一日も早い釈放について御支援をお願いいたします。 今後、引き続き後継者として返還運動に努力することをお誓い申し上げ、私の陳述を終わります。 最後に、北村委員長を初め委員各位のますますの御繁栄を祈っております。 本日は大変ありがとうございました。(拍手)
○北村委員長 鈴木参考人、ありがとうございました。 以上で各参考人からの意見の開陳は終わりました。 —————————————
○北村委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。宮腰光寛君。
○宮腰委員 自由民主党の宮腰光寛でございます。 藤原根室市長さん、千島連盟理事長の小泉さん、そして羅臼支部の鈴木さんにはそれぞれ貴重な御意見をいただきまして、本当にありがとうございます。 戦後五十五年を経過し、来年からは新しい世紀に入るという中で、皆さんが大変な御苦労をされつつも返還運動に真剣にお取り組みいただいておりますことに、まず心から敬意を表したいと存じます。 沖縄返還が戦後二十七年目にしてようやく実現し、次は北方領土だという期待が高まる中で、沖縄返還後二十八年を経過してもなお北方領土返還への具体的な道筋が見えてこないということにつきまして、落胆はもとより、怒りに近いものを感じておられるということに皆さんの深い心の傷を感じざるを得ません。 私の地元富山県は、北海道に次いで北方領土からの引揚者の方々が多く、私も元島民の皆さん方と一緒に長年返還運動に取り組んでまいりました。日ソ間に領土問題は存在しないと一方的に主張していた旧ソ連時代に比べまして、曲がりなりにも領土問題の存在を認めるようになった現在は、着実にこの問題が前進しているとも言えるのであります。 それにしましても、二〇〇〇年までに領土問題を解決して平和条約を締結するよう全力を尽くすというクラスノヤルスク合意実現への期待は、残念ながら薄れてきており、高齢化してきている元島民の皆さん方の心情を思うとき、ここで手を緩めるのではなくて、領土交渉を加速することの重要性を痛感いたしております。 さて、きょう十五日はブルネイのAPEC首脳会議で森総理とプーチン大統領が会談されることになっております。プーチン大統領が一九五六年の日ソ共同宣言の有効性を確認していることから、最近、日本において歯舞、色丹の二島先行返還論が取りざたされるようになってまいりました。政府としては四島返還の基本方針は変えていないのでありますが、二島先行返還論は一九五六年の日ソ共同宣言の状態に逆戻りすることになるのではないかという考え方がある中で、その一方で、四島一括返還という原則論にこだわっていて領土問題での前進がなくてもいいのかという考え方もあるわけであります。この点の議論も含め、藤原参考人と小泉参考人から、この二島先行返還論についてどのように認識しておいでになるのか、伺いたいと存じます。
○藤原参考人 宮腰議員の御質問にお答え申し上げます。 最近、新聞などにおきまして歯舞、色丹の二島先行返還論についてさまざまな報道もされておりますが、北方領土問題につきましては、四島一括返還が原則であり、四島における日本の主権を確認させることが重要であると認識しております。その上で、返還方法や返還時期などについて外交交渉で決定すべきであると考えております。 以上です。
○小泉参考人 お答えいたします。 私どもは、北方四島の返還を実現して日ロ平和条約を締結するという政府の姿勢について、変わっていないものと理解をいたしております。 今後とも、四島返還を実現して平和条約を締結することを目指して返還運動に邁進してまいりますので、政府におきましても、国論を惑わすような議論は排除されまして、揺るぎない方針のもとに努力されますようお願いを申し上げます。 終わります。
○宮腰委員 次に、小泉参考人に伺います。 北村委員長を初め、この特別委員会が八月に根室市を訪問いたしましたけれども、その際に元島民の皆さんからは、年内に領土問題が解決しなかった場合、残置財産の政府買い取りを求めるという意見が出されたとお聞きいたしました。島が返還されても、平均年齢七十歳を超えるという高齢の元島民の皆さん方が島に帰るのはもう無理な状況下にあって、実質的に財産権が行使できなくなっていることに加え、返還後における現在の島民との権利調整は極めて困難と予想されるのであります。私は、この残置財産に対する国家補償ということを、政府だけではなく、戦後処理という観点からも政治も真剣に検討すべき時期に来ているのではないかというふうに考えております。 また、漁業権につきまして、政府は、法律上、補償を行うことは困難であるとの見解を持っておりますが、そのかわりに、旧漁業権者等に対し資金の融資を行っているような状況であります。私はこの旧漁業権問題につきましても、政治的な決着を目指すべきではないか、もうその時期に来ているというふうに思っております。 小泉参考人から、残置財産、旧漁業権の補償について、改めて率直なお考えをお伺いしたいと思います。
○小泉参考人 お答えいたします。 残置財産の処理につきましては、まず残置不動産の処理がございますが、返還後の島の計画的な開発の問題、また委員御指摘のとおり、現にロシア側が利用している現状から、これらの権利調整等の問題もございます。残置不動産の処理は、まず国が一括して買い上げし、土地の所有者である元島民が希望する場合には優先的に売り戻すか、または代替地を与える、これを希望しない土地の所有者である元島民には補償を認めるというのが、ほぼ共通した意見と理解をいたしております。 また、戦後半世紀余にわたり財産権を行使できないという不利益な状態のまま今日に至っておりますことから、平成五年以来、財産権の不行使に対する補償を要望いたしておりますが、元島民の全世帯が恩恵を受けられるような直接補償が早期に実現すること、また、必ずしも補償という形にこだわることなく、最も実現可能性のある方策を関係省庁に御相談申し上げておりますので、本委員会におきましても、元島民の心情をお酌み取りいただき、ぜひ御検討いただきますようお願いを申し上げます。 次に、旧漁業権の補償につきましては、北方地域漁業権補償推進委員会が昭和五十二年から補償要求を行っているというふうに承知をいたしております。千島連盟といたしましても、元島民の多くが旧漁業権者でありますことから、この補償措置が早期に実現するよう、平成五年以来国に対して要望いたしておりますが、委員御指摘のとおり、進展のないまま今日に至っておりますことはまことに残念でございます。北方地域漁業権補償推進委員会が要望いたしております補償が早期に実現するよう、本委員会において御検討いただきますようお願いを申し上げます。 終わります。
○宮腰委員 次に、元島民の後継者の鈴木参考人にお伺いをいたしたいと思います。 政府の平和条約締結交渉はこれからが大事な時期であります。同時に、政府交渉を支える返還運動も手を緩めずに取り組んでいく必要があります。戦後半世紀以上にわたり返還運動を続けてきた元島民の皆さんが高齢化されていく中で、後継者として、先ほど何らかの支援措置が必要であると御意見を述べておいでになりましたけれども、具体的にはどのようなことを念頭に置いておいでになるのか、伺いたいと思います。
○鈴木参考人 宮腰委員の御質問にお答えをいたします。 委員御指摘のとおり、二〇〇〇年も終わりに近づいた今日の現状を見ますとき、クラスノヤルスクの合意達成は、残念でありますが容易ではないものと認識をしてございます。しかし、政府においては二十世紀末まで懸命の努力をされておりますし、私ども後継者といたしましても、今後継続される領土交渉を加速させるためにも、元島民の方々とともにたゆむことなく返還運動に邁進する決意でございます。 そこで、支援措置でございますが、先ほど理事長からお話がございましたとおり、元島民の方々が戦後五十数年間にわたり財産権を行使できないという不利益な状態のまま今日まで至っておりますことから、平成五年以来、財産権の不行使に伴う補償を要望いたしております。元島民の方々が一人でも多く生きているうちに支援策を実施していただくようお願い申し上げますとともに、融資制度についても、後継者も速やかに承継できるような施策を講じていただきたく、あわせてお願いを申し上げる次第でございます。 以上でございます。
○宮腰委員 次に、藤原参考人に伺います。 根室市では長年にわたり、返還運動の拠点として、北方領土隣接地域以外の市町村では考えられないような特別な御苦労があったと推察をいたしております。先ほどのお話では、昭和五十七年に特別措置法が制定されてから十八年もたった現在も、法第九条にある財政上、金融上、技術上の配慮措置が適用されたことがないとのお話であります。 私も、昨年のビザなし交流に参加した際に、根室市で元島民の皆さん方からいろいろなお話を伺いました。一番記憶に残っておりますのは、北方四島への人道支援はこれまでの累計で約六十億円と手厚くなる一方で、返還運動の拠点である周辺地域の状況は一向によくならない、公平さを欠き、周辺地域では非常に不満が募ってきているとのお話でありました。政府の行う人道支援と隣接地域の振興策とのアンバランスに対し、住民の強い不満があることを率直に伺ってまいったわけであります。 先ほどの心の傷といい住民の強い不満といい、五十五年という長い歳月を考えましたときに、果たして政府の対応はこれからもこれまでどおりで十分なのかという深刻な疑問を持つわけであります。島が返還されないことによりまして、周辺地域の経済発展が阻害され、人口もどんどん減少していく、財政状況が極度に悪化する中で老朽化した病院の改築も独力では不可能であるというようなことに対しまして、国として政策的に放置したままで許されるのかどうか、今後の返還運動にも影響が出ることが懸念されているのではないかと思います。 返還運動の原点を扱っておられる市長として、住民の強い不満についてどのように受けとめておいでになるのか、伺っておきたいと思います。
○藤原参考人 お答え申し上げます。 先ほどの陳述の中でも申し上げましたが、元島民に対する支援を求める声が相次いだわけでございますが、元島民にとって残された時間が少なく、率直に申し上げますと、五十五年の歳月が余りにも長かったと言わざるを得ないと思います。北方領土に隣接する当管内が北方四島を失ったことによりましてその望ましい地域社会発展を阻害されているということは、北方領土問題が戦後未処理の問題であるという特殊性に起因しているのも事実だと思います。 宮腰先生御指摘のように、当市では、老朽化した唯一の総合病院でございます市立根室病院の建てかえにも苦慮している状況でございます。市民要望の最も強い市立病院の建設に対しまして、北方四島住民に対する医療支援も視野に入れながら、国からの支援を望むものであります。 以上です。
○宮腰委員 ビザなしで国後、色丹に伺いましたときに、鈴木先生もおいでになりますが、たくさんの先生方の御支援のおかげで島にいろいろな診療所ができて、医療体制も随分進みつつある、ただし、重いのになるととてもじゃないけれども島ではどうにもならないというようなお話がありました。北方四島住民に対する医療支援の問題も含めてでありますけれども、今ほど市長は、市立病院の改築に当たって、先ほどのお話にもありましたけれども、特別措置法第九条の規定を適用されたいというふうなお話があったかと存じます。沖縄におけるSACOの例もありますけれども、私は、法律の規定上問題がなければ、返還運動の拠点を国策として守っていくためにも、ぜひ必要な事業ではないかというふうに思います。 北方四島返還実現のために、根室市には引き続いて返還運動の拠点としての役割が強く期待されているわけでありますけれども、運動の拠点としての今後の課題についてどのように考えておられるのか、藤原参考人に伺います。
○藤原参考人 お答え申し上げます。 私は、今後の課題といたしましては、やはり後継者の育成と地域での民生の安定がどうしても必要であるというふうに考えております。どうか、国におかれましては、このような実情を十分お酌み取りくださいまして、一層の御支援をお願い申し上げるものでございます。 以上です。
○宮腰委員 質問はこれで終わりますけれども、今ほどずっと御答弁をお聞きしておりますと、やはり戦後五十五年も経過したということが極めてこの問題に暗い影を投げているというふうに思います。時のアセスメントという言葉があります。いろいろな施策をやっていても、時がたつにつれてやはり見直しをしていくべきであるということだと思いますが、この北方領土を取り巻く周辺地域の問題、あるいは元島民の皆さん方の、今まで問題があるということで放置されてまいりました残置財産の問題や旧漁業権の問題、これらの問題について、これまでどおりで本当にいいのかということをぜひ検討すべき時期に来ているんではないかなというふうに思っております。法律上のいろいろな問題があると思いますから、委員長さんやあるいは各党の理事の皆さん方も含めまして、ぜひ政治的に御検討いただければ本当にありがたいな、またそうすべき時期に来ているのではないかということを申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○北村委員長 次に、鉢呂吉雄君。
○鉢呂委員 おはようございます。民主党の鉢呂吉雄でございます。 きょうは、参考人のお三人の方、大変御多用のところ、当委員会に意見陳述ということでお越しをいただきまして、心から深く感謝を申し上げる次第でございます。 まず、北方領土の返還問題。きょうも森総理がAPECの首脳会談、聞きますところ三十分程度のプーチン大統領との会談ということで、ちょっとがっかりもしておるんですけれども、二〇〇〇年までに領土問題を解決して日ロ平和条約を締結するというクラスノヤルスク合意に基づいて努力をしておるところでございます。 まず、鈴木参考人にお伺いをいたしますけれども、元島民の二世ということできょうここにいらしてくださったわけであります。九七年の秋にクラスノヤルスク合意があって、二〇〇〇年までに締結をするということで政府も努力をされておるんですけれども、この間の交渉の経緯を、一番かかわりの深い元島民あるいはまたその二世の皆様の思いを、率直な形でよろしいんですけれども、お伺いできればありがたい、このように考えております。
○鈴木参考人 鉢呂委員の御質問にお答えをいたします。 私どもは、これまでの領土問題に対する日ロ交渉の過程において幾度となく期待と失望を経験してまいりましたが、一九九七年のクラスノヤルスク合意以降の一連の外交交渉において、一九九八年のモスクワ宣言、平和条約締結問題日ロ合同委員会における国境画定委員会の設置とその後におけるたび重なる協議、また両国首脳や閣僚による協議により、平和条約問題の交渉が次第に加速しているように受けとめております。 領土返還が一日も早い実現を願う元島民といたしまして、また後継者といたしまして、返還への道筋が明らかにならない現状へのいら立ちは隠せないものの、国の積極的な外交姿勢について高く評価をしております。 以上でございます。
○鉢呂委員 藤原参考人も冒頭の陳述で、九月の日ロ首脳会談の結果について、元島民、市民の失望感は大きいものがある、このように陳述をされたところでございます。 私も北海道の出身でありますし、また日本とロシアの国会議員の議員連盟をつくっておりまして、その事務局長を七年ほどさせていただいておりまして、毎年一、二回は必ずモスクワあるいは極東ロシアを訪問して、向こう側の議員の皆さんまた政府首脳にも、領土問題の早期解決に向けてお話をさせていただいています。総じて、この領土問題、法的には日本に帰属をするという考えにロシアの議会も立っておる。ただ、今のロシアの、とりわけ経済状況を考えたとき、今なかなか返還ということをロシアの政府が取り決めをするということの困難性を訴える方が非常に多いわけであります。 また、きのうは日ロ交流フォーラム、これは議員もそうですし、あるいは民間、地方自治体も入って二年前につくられた交流フォーラム、モスクワ市長のルシコフさんがこの会長、日本側が前の日ロ議連の会長であります桜内さんが会長。きのうは東京で日ロ交流フォーラムの総会がありまして、ルシコフ市長も来日をされておるところでありまして、我々議員レベルでも総力を挙げてこの間、領土問題の解決に当たらせていただいておるところでございます。 そこで、三人の参考人の皆さんにお聞きをいたしたいんですけれども、九月のプーチン大統領の来日で、私ども日ロ議連でも五十分ほどプーチン大統領と会談する機会を得ました。その際、私の方から、前の日、森総理との二人の会談で日ソ共同宣言に言及したプーチン大統領の報道がございましたので、その日ソ共同宣言の問題について、大統領、もう少し詳しくお話を聞きたいというふうに話をしましたら、十五分ほど、用意をされたような形で、先ほどもお話がありました日ソ共同宣言の有効性、このことに言及をされまして、メモを取り上げて、共同宣言の中身は、日ロ平和条約を締結し、その後に歯舞、色丹の二島を引き渡すものとする、このように明記をされておって、私どもはこのことの有効性を認めながら、しかしその内容について専門家で協議すべきこともあるので、今後慎重に協議を行ってまいりたい、このような表明があったところでございます。 先ほどもお話がありましたけれども、その後の日本の、とりわけ政府あるいは与党の中で、この共同宣言に敷衍をされたプーチン大統領の考えを踏まえてだと思いますけれども、いわゆる歯舞、色丹の二島返還を先行させて中間的条約を結び、残る国後、択捉の二島は継続の協議とする、四島返還をして平和条約を締結する、いわゆる二島先行返還論というのがあるわけであります。この点について三人の方にもう少しく、島民の皆さんやあるいは一番かかわりの深い根室の住民、市民の皆さんが本音のところでどのように考えておるのか。先ほども、原則として四島一括で返還すべきである、あるいは、国論を惑わすような形でなくて揺るぎない姿勢で四島をというようなお考えの表明もあったわけでありますけれども、率直なところを、住民の感情というものを踏まえてお話をお伺いできればありがたい、このように考えます。
○小泉参考人 お答えいたします。 私どもは、北方四島の返還を実現して日ロ平和条約を締結するという政府の姿勢について変わっていないものと理解をいたしております。今先生おっしゃいましたいわゆる二島先行返還論の内容については、私ども具体的に承知をいたしておりません。したがって、今後とも四島返還を実現して平和条約を締結することを目指して返還運動に邁進してまいりたい。 先ほど申し上げましたが、国論を惑わすような議論は排除されまして、揺るぎない方針のもとに努力されるようお願いを申し上げたいと存じます。
○藤原参考人 鉢呂議員の御質問にお答え申し上げます。 先生御承知のとおり、我々は政府の外交交渉を支援する立場にありまして、いろいろな返還運動をやっているわけでございますから、我々が外交交渉の本質に触れるようなことを先回りして云々と言うべきでないということを私は常々言っているわけでございます。 先ほども申し上げましたとおり、四島一括返還が国の基本方針でございます。四島における日本の主権を確認させることが重要であると認識しております。その上で、返還方法や返還時期などについて外交交渉で決定すべきであるというふうに私は考えております。 以上です。
○鈴木参考人 お答えをいたします。 先ほど理事長も申し上げましたとおり、二島先行返還論については、私どもその具体的な内容を承知しておりませんので、意見を申し上げることはできませんが、四島返還を実現して平和条約を締結することが私どもの基本姿勢でございますので、容認することはできないというふうに考えてございます。 以上でございます。
○鉢呂委員 次に、藤原参考人にお伺いいたしたいと思います。 先ほどの参考人の陳述でも、総理大臣及び外務大臣の北方領土視察について、昭和五十六年以降総理大臣は、あるいはまた外務大臣は昭和六十三年以降行われておらない、いわゆる現地の隣接地域に。このことは、やはり行政を担う者としてあるいは領土交渉を行う者として、生の声を聞くことは極めて大事だというふうに私は思うわけでありまして、あるいはこの夏の当委員会の現地調査でもその声は出されておったわけでございます。この点についてもう少しく、どのような効果があるのか、私は申すまでもないと思うわけでありますけれども、あるいはどういう、根室市民として待望しておるのか、その点について詳しく御説明いただければありがたい、このように思います。
○藤原参考人 お答え申し上げます。 まずその前に、八月の三十日、三十一日の両日、公務御多忙中にもかかわらず、北村委員長さんを初めとする五名の委員の方々には、当管内の現地視察をしていただきましたことにつきまして、厚く御礼申し上げます。また、視察終了後、即座に森総理並びに河野外相に対しまして現地視察の御報告をいただきましたことについても、重ねて御礼申し上げます。 先ほどから申し上げておりますように、我々は、国が外交交渉を行っている大変大事なこの時期こそ外交交渉を強力に後押しする現地での運動の高まりが不可欠であるというふうに考えております。こうした決意の中で、なお一層声を高め、返還運動を推進していかなければならないと考えております。このようなときに、返還運動原点の地であります当管内に総理、外相が現地視察されるということは、元島民を初めとする地域住民や返還運動関係者にとってこれは大きな励みになり、また全国的に返還運動を盛り上げる契機となるものというふうに認識しております。原点の地の生の声を総理あるいは外相が感じ取ってくださいまして、外交交渉に臨まれるということも必要ではないかというふうに感じております。 私といたしましては、ぜひ総理、外相の現地訪問の実現につきまして御尽力賜りますことをお願い申し上げます。 以上です。
○鉢呂委員 プーチンさんも、九月に来たときは、その前段でサハリン州を訪れて、知事さんですとか、各界の方にお会いをしております。残念ながら外交的な手法も違うかもわかりませんけれども、我が日本では、今お話があったとおり八月三十、三十一日の当委員会の調査を踏まえて、委員長以下、総理、外務大臣に文書にて要望内容について要請をしておるところでありますけれども、残念ながらその文書には総理、外務大臣の現地調査については抜け落ちておる。今聞きますと、口頭でお話をしたということであるようでありますけれども、この間六カ月近くになるわけでありますけれども、いまだそのことは実現をしておりません。 私は、やはり日本政府に対して強く、六カ月はたっておりませんけれども、交渉の最終場面の重要な局面で、現地の元島民の皆さんの意見を聞きながら、それを背景に、きょうの三十分というような短い時間で何ができるかと私は憤りさえ感ずるわけでありますけれども、二〇〇〇年までもう一カ月ちょっとしかない段階でありますけれども、総力を挙げる観点で、やはり総理のまさに現地を訪問するということ、そこから始めて最後の闘いをやるべきだ、こう思うわけでありますけれども、北村委員長は、この間の総理に対する要請はどのような形で、どういう返事であったのか、また実現をさせるために、決意を聞かせていただきたい。まさに北海道のあの地区は日本でないような感じの遠い距離として官邸があるのかどうか、委員長の特段の決意を聞かせていただきたいと思います。
○北村委員長 鉢呂委員からの御質問、それぞれ大変重要なことでございますので、理事会等々で審議をしていただきたいと思いますし、また、先ほど藤原参考人からの御答弁の中にあったとおり、九月一日でありますけれども、委員長を先頭にそれぞれ各党の理事の皆さん方が、外務大臣、総理大臣に、八月三十、三十一日の二日間の現地調査の報告をしながら、口頭でありますけれども、元島民あるいは地域の方々の総理大臣、外務大臣の現地視察、強い要望がありますと、このことは強く申し添えてきたところでございます。 なお、まだ時間がございますので、理事会でそのことについて協議をいたしたい、このように存じます。
○鉢呂委員 鈴木参考人にお伺いいたします。 先ほどの御意見で、ロシア語のできる専門職員の配置支援ということのお話がございました。私も三年前、ハバロフスク、ウラジオストクを訪問して、むしろロシア人の若い方が極めて積極的に日本語を、その熱心さは、大変な倍率で日本センターで日本語研修をしておるという姿を見まして、それに比べて日本の体制ということについて考えておったところでございます。 そういう意味で、私の地元の函館にもロシア極東大学函館校という分校がありまして、むしろ日本人のロシア語を受験される方が非常に少ないということで、税関の方とか行政の専門家の方はそこに来て研修をするという、徐々にそのことが出てきておるわけでありまして、地方自治体等の隣接地域の関係者がロシア語を習得して、直接ロシアの方と交流等をするということは極めて大事だ、私はこう思っております。しかも、今いらっしゃる、例えば地方自治体の職員の皆さんが短期的にロシア語を研修するというようなことに対して国が財政支援をするというような方がむしろ効果があるのではないか、どこか大学でロシア語を覚えた方を新たに雇用するというようなことはなかなか、数も小さいわけでありますから、むしろ皆さんの方がロシア語を研修する、例えば函館でそういう研修の機会は幾らでもあるわけでありますから、それに対して国が支援をするというような方法について鈴木参考人としての御意見を聞かせていただきたいと思います。
○鈴木参考人 お答えをいたします。 ただいま委員からお話のございましたロシア極東大学函館校につきましては、私ども、その内容を承知しておりませんでしたので、地域におけるロシア語教育に活用可能なものであれば今後大いに活用をさせていただきたいというふうに考えてございます。 また、国の支援策についてでございますが、ロシア語教育のための、今先生おっしゃったとおりでございますけれども、指導員を国の負担におきまして市町村に配置をしていただければ幸いかというふうにも思ってございます。また、委員御指摘のロシア極東大学函館校での市町村の職員の受講につきましても、受講と必要な経費については国の負担で措置をしていただけるようお願いを申し上げる次第でございます。 さらには根室管内では、ホームステイやホームビジットなど、ロシア人との交流が数多く実施をされておりまして、ロシア語を学びたいという町民の声が多く聞かされておりますので、本件につきましても、ぜひとも実現できますようお願いを申し上げます。 以上でございます。
○鉢呂委員 最後の質問です。藤原参考人にお伺いいたしたいと思います。 五十七年に、北方領土問題等の解決の促進のための特別措置法がつくられました。しかし、今の運用益の目減り等、あるいはまた金融上、技術上、財政上の配慮がされておらないというようなこともございました。同時に、根室市では、北方領土返還を見据えた振興計画を、五分野二十六事業にわたる計画を策定されておるということでございます。 そこで、医療等の関係も、北方領土の今のロシア人の医療も含めて、対策を講じていただきたいという要望でありまして、先ほどの特措法にかわる新たな法制化、いわゆる返還を見据えて、領土における、ロシア人も含めてということでの新たな振興特別措置法というものが必要になっておるのではないかというふうに私は思いますけれども、御所見をお伺いいたしたいと思います。
○藤原参考人 先ほど申し上げましたとおり、北特法を制定していただきまして、この北特法により各種の支援措置をしていただいているところでございますが、当面は、この法律に基づく支援措置の充実と、国などによりまして直接整備していただくことで推進すべきであるというふうに私は考えております。 なお、領土問題の解決の過程におきまして具体的な進展があれば、それに伴いまして、今先生が言われました立法措置も含めまして、四島の開発や隣接地域の拠点形成のための新たな措置も必要になってくるのではないかというふうに考えております。 以上です。
○鉢呂委員 時間が来ました。ありがとうございました。
○北村委員長 次に、丸谷佳織君。
○丸谷委員 おはようございます。参考人の皆様、公明党の丸谷佳織と申します。 本日は、わざわざ当委員会まで足を運んでくださいまして、また、大変貴重な御意見を述べていただきましたことを、まずもって心から深く感謝申し上げます。 また、本日、皆さんの御発言をお伺いしておりまして、実際に私たちの世代というのは戦争を体験したこともございませんし、また戦後というものも実感をしていない世代でありますけれども、本当に戦争の悲惨さというのを改めて、元島民の皆様の生活、そして島民二世の皆様の生活ぶりをお伺いしまして、感じました。改めて平和への誓いというのを決意する次第なんです。 本日は、皆様の御答弁をいただくのも長時間にわたると思いますので、なるべく質問が重ならないようにとも思いますけれども、実際に私の方からは、この北方領土問題というのは北海道だけの問題ではないという視点と、また私たち、また次の世代にしっかりと引き継いで、認識をしていかなければいけないという視点から皆様それぞれお話をお伺いしたいというふうに思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。 まず一点目なんですけれども、先ほど来お話が出ておりますけれども、ビザなし交流が平成四年に開始をしまして、平成十年まで、これまで延べ約五千人の相互交流が図られてまいりました。その中で、実際に、ある報道では、このビザなし交流のあり方がマンネリ化しているといったような批判もあるわけなんですけれども、このビザなし交流の現状を皆様の視点からまずお伺いしたいというふうに思います。 まず、鈴木参考人にお話をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○鈴木参考人 お答えをいたします。 ビザなし交流につきましては、日ロの相互訪問によって、対話集会や施設の視察、スポーツ交流、さらにはホームステイ等、相互理解を深めようと一九九二年に開始され、今年度で九年目を迎えました。この交流の促進によりお互いの友好のきずなを深める環境づくりができたことは、大変よいことだと思っております。 しかしながら、今日のビザなし交流は、友好親善が主となり、領土問題に対する理解を促進して領土返還に資するという本来の目的が多少薄れているのではというふうに感じております。当然友好を深めることは必要でありますが、九年を経過した今、これを契機に原点に立ち返って交流のあり方を検討することが必要でないかというふうに考えてございます。 また、今後の交流を進めるに当たっては、元島民の高齢化に伴う日程の延長や、さらには交通手段に対する検討などが必要でないかというふうに思ってございます。 また、先ほど来お話し申し上げましたとおり、言葉が通じないことから真の交流ができていない状況にあることも現実であり、このためにも、ぜひ隣接地域に対してロシア語の専門職を配置していただくなど、地域でのロシア語の充実を図ることによってさらに一層の交流促進が図られるものというふうに考えておりますので、御支援を賜りたいと存じます。 以上でございます。
○丸谷委員 続きまして、小泉参考人にお話をお伺いしたいと思います。 今、ビザなし交流の現状も鈴木参考人からお話しをいただきましたけれども、小泉参考人も、元島民の皆様とロシアとの間での民間外交を日ごろ推進している立場でいらっしゃるというふうにお伺いをしておりますが、この現状についてお話しを願います。
○小泉参考人 お答えいたします。 私どもは、これまで、領土返還への環境整備の一環といたしまして、ロシアの人々に北方領土問題に対する正しい歴史的事実の認識を深めていただき、また相互理解を深めるため、ビザなし交流などに参加をいたしております。また、例年一月に行われます北方四島交流代表者間協議の機会に、元島民代表が、代表者間協議に出席された四島現島民との懇談を行い、島民同士の立場から、領土問題を初めとする各種の問題について話し合いを行っております。元島民等による自由訪問の機会をとらえ、現地に居住する島民の方と交流をいたしたいと考えているところでございます。 領土問題に対する理解というのは容易なことでは進まないものとは考えますけれども、今後とも、北方墓参、ビザなし訪問あるいは自由訪問事業等につきまして積極的に取り組んでまいり、領土返還に資するための環境整備に努める、このような姿勢で臨んでまいりたいと思います。 終わります。
○丸谷委員 どうもありがとうございました。 先ほどの意見陳述の中にありましたが、元島民のお一人としましてロシアに対してももちろんいろいろな御感情がありますでしょうし、その中でロシアと元島民の皆様との民間外交ということで努力されていることに本当に心から敬意を表させていただきたいというふうに思います。 続いて、藤原参考人にお伺いをしたいと思うんですけれども、今お二人にビザなし交流の現状をお伺いした上で、藤原市長にもお話しを願いたいと思うんです。 実際に、もちろんこの北方領土問題、政治的な決着をつけていくことは当然ですけれども、その前提ともなります人的な交流、また日本国民とロシア国民との心の交流というものも非常に必要だなというふうに今の御答弁をお伺いして思った次第なんです。 その上で、ロシア語教育のお話が先ほど来出ております。この点について、お感じになっていることで結構ですけれども、お話しを願いたいというふうに思うんですね。 実際にロシア語ができる専門職員を配置する、そしてロシア語の通訳をお願いして交流を進めていくと同時に、現地の皆様がロシア語を自分たちで使って会話をできるというふうになると、またもっと交流の活性化が図られるのかなというふうに思います。この現地の皆様のロシア語教育の必要性についてお感じになっていることがあれば、また今推進されていることがあれば、わかる範囲で結構ですが、お話を願いたいと思います。
○藤原参考人 丸谷議員の御質問にお答え申し上げます。 まず、ビザなし交流についてでありますが、平成四年から始まりましたこのビザなし訪問、現在までで双方で計百六十回、七千六百二十六人の方々が交流されているわけでございます。 ビザなし交流では、毎回対話集会を柱といたしまして、ホームステイやホームビジットが用意されております。これらのプログラムを通じて相互に対話を重ねることによりまして、総体的に四島住民の領土問題に対する理解は従前よりは次第に深まっており、領土問題解決の環境整備に寄与しているものというふうに私は認識しておりますが、最近、元島民や返還運動関係者からは、相互交流における日ロの費用負担が公平でないとか、あるいはロシア訪問団がなぜ九州まで行かなければならないのかというような意見も出されております。私は、ビザなし交流のあり方についても、見直すべき時期に来ているのではないかというふうに思っております。 また、文化交流につきましても、ビザなし交流の枠内で専門家交流が実施されておりまして、学術分野や教育分野、農業分野での交流や、音楽や絵画といった芸術分野での交流が実施されております。また、本年度におきましては、北方領土隣接地域の住民レベルでも、コーラスや和太鼓等の市民団体が訪問し、交流を深め、相互理解に努めているところでございます。 ロシア語教育についてのお尋ねでありますが、私は、根室市内においてはロシア語教育が今盛んに行われているというふうに認識しております。根室西高等学校では、ロシアから、現在は女の先生でございますけれども一名招聘いたしまして、選択科目ではありますけれども、ロシア語講座を開いております。また、民間におきましても、根室市には年間千七百隻以上のロシア貿易船が入港するわけでございまして、二万四千人以上の乗組員が上陸いたします。そうした関係等もありまして、根室市内の商店にはロシア人が店員として数名働いているような状況でございまして、民間においても、ロシア語講座、これは有料でございますけれども、そういったロシア語講座等も開いております。 いずれにいたしましても、根室市内におきましては、ロシア語教育というのはかなり進んでいるのではないかというふうに自負しております。 以上です。
○丸谷委員 ありがとうございました。 今藤原根室市長さんがおっしゃってくださいました。根室市内においては非常にロシア語教育が進んでいらっしゃるということなのですけれども、国の方も一層、根室からロシア語教育の輪が広がっていけるような、また実際により多くの皆さんが教育を受けられるような支援の方も考えていかなければいけないなというふうに思いました。 続きまして、関連してなのですけれども、鈴木参考人にお伺いをしたいと思うのですが、今いろいろお伺いしてきました地元の皆さんのさまざまな御努力、これを本当に日本全体で担っていかなければいけない問題だというふうに思っておりますし、また冒頭にも述べましたように、これは決して北海道だけの問題ではないというところを若い世代にもしっかりと認知をしていただくためには、やはり北方領土返還への世論を喚起していかなければいけないというような課題があるかというふうに思うのですけれども、鈴木参考人は、この世論喚起のための課題ということで、例えばどんなお考えをお持ちになっていらっしゃるか。また、例えば現場の知恵で、こういったことをすればもっと世論が広まっていくのだというようなお考えがありましたら、ぜひお聞かせ願いたいというふうに思います。
○鈴木参考人 お答えをいたします。 北方領土返還運動は、元島民を中心に、後継者、二世、三世により、さまざまな機会を通じて実施してきております。しかしながら、国内における北方領土に対する意識は、隣接地域に住む者との温度差があることは当然でありますが、特に戦後生まれの方々は意識が薄いと感じております。 今後の世論喚起を促進するためには、全国的に、北方領土の歴史的背景や地理的部分を教育課程においてより具体的に指導する必要があると感じております。このためにも、北方領土学習の充実を図られるようお願いを申し上げる次第でございますが、具体的に申しますと、教材のビデオなどを全国の教育委員会を通じ各学校に配付し、総合学習の場で学習させていくなど、さらには、教師の研修も強化を図っていただきたいと考えてございます。また、ビザなしには多くの教師を参加させて北方領土学習の研修の場とできるようにするなど、そんなことの配慮もしていただきたいと考えてございますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。 以上でございます。
○丸谷委員 御提案、どうもありがとうございました。 続いてなんですけれども、鈴木参考人にまたお伺いをしたいというふうに思うのです。 御意見をいただきました中に、根室海峡での漁業の現状、非常に御苦労されている点が多いというふうにお伺いをしているのですけれども、こういったことをもう少し詳しくお話をお願いします。
○鈴木参考人 お答えをいたします。 根室海峡におきましては、一九八八年から繰り返されているロシア・トロール漁船の操業によりまして、当時七万トンから十万トンの水揚げをしておりましたスケソウダラは、一九九二年以降、急激な資源の減少があらわれました。その後は、回復の兆しもなく、一万五千トンまで落ち込んだことから、スケトウダラ漁船百七十七隻での経営は到底成り立たなくなり、このことに起因をいたしまして一九九六年から五十隻の自主減船に踏み切り、さらには、漁業の廃業という苦渋の選択を強いられております。この自主減船により、残存船百二十七隻は減船補償十二億四千万円の借財を抱えての再スタートとなったものであります。 一方では、日ロの合意に基づきまして、北方四島周辺海域安全操業が実施されておりますが、本海域は漁場の競合を避けることのできない狭隘な漁場でありまして、これまでも安全操業船の刺し網漁具がトロール船にかき回されて紛失をしたり、破網などの被害が発生をしております。これによりまして多額の損害をこうむっております。 本町におきましても、禁漁区の設定など、資源確保対策を講じながら操業を続けておりますが、この繰り返されるトロール船の操業は漁民の感情を逆なでする行為であり、断じて容認できるものではありません。このようなことから、資源確保と安全操業の見地から、本海域でのロシア連邦トロール漁船の操業を直ちに停止してくださるよう特段の御高配を賜りたく、お願いを申し上げる次第でございます。 以上です。
○丸谷委員 どうもありがとうございました。 本日は、大変貴重な御意見をお伺いしまして、また、先ほど来続いております質疑の中で大変感じますことは、今、最後に鈴木参考人もおっしゃってくださいましたことに関連してくると思うのですが、豊かな水産資源、これをしっかり守っていく、また、増大をさせていくために必要である北方領土隣接地域振興等基金、これのしっかりとした確保、また予算立て、先ほど来お話に出ております残置財産の状況の把握というのにしっかり取り組んでいかなければいけないなという点です。 本年五月に、続総務庁長官が北方領土視察のために根室を訪れまして、四島返還を想定した上で、元島民の土地画定作業を後押しするために、本年度より高精度の衛星写真を利用することにはなっておりますけれども、今後も、しっかりとしたこういった動きをしていかなければいけないという点。 またもう一点、本日重点にお伺いをしました民間交流という視点では、ビザなし交流のあり方、目的の明確化と内容の充実、そしてロシア語教育、また、教育の場での教師の皆さんへの北方領土問題への認識というのをしっかりと深めていくために、本委員会でもしっかりと取り組まさせていただきたいというお誓いを申し上げて、私からの質問を終わらせていただきます。 参考人の皆さん、本当にありがとうございました。
○北村委員長 次に、佐藤公治君。
○佐藤(公)委員 きょうは、参考人の皆さん方、お忙しいところを本当に貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございます。また、日ごろ皆さん方の御活動に対しましては、本当に深く敬意を表したいと思います。私自身まだまだ皆さん方のことを理解していないところもあると思いますので、失礼がありましたらお許し願えればありがたいと思います。また、参考人の皆さん方には名前を呼ばせていただきますが、そのほかでも、私の質問に対して思いがございましたら、手を挙げてお答え願えればありがたいと思います。 まず、小泉参考人にお聞きいたします。 先ほどの御発言の中で、旧島民の皆さんの微妙な気持ちが感じ取れた内容が幾つかあったかと思います。北方領土問題への雰囲気づくりの事業に率先し、笑顔で迎えて交流をしていく、しかし心情は皮肉にも複雑なものであろうと感じ、いや、そこには悲壮感さえあるのですというようなことが、先ほどのごあいさつの中で、また要望の中であったかと思います。 何かこういうことを聞きますと、一つには、今までの政府の諸施策とか各地方においてのいろいろな施策、やってきたことが果たして本当にそれでよかったのかな、こんな思いを私も感じるところがあるのですけれども、実際、今まで政府のとられた諸施策について、個々具体的に、思いつくところで結構でございますので、それにおける具体的な評価、そして具体的な効果というものがどんなものがあったのか、教えていただければありがたいと思います。
○小泉参考人 お答え申し上げます。 北方領土問題に関して申し上げますが、かつてソビエト連邦時代は、北方領土問題は存在しないと主張する時代もございました。しかし、一九九三年の東京宣言において北方四島名が明記されたこともございます。日本政府の粘り強い交渉の結果が、一九九七年のクラスノヤルスク合意と、それに引き続く首脳会談などを経て、一九九八年のモスクワ宣言へと進展を見たものと理解をいたしております。さらには、二〇〇〇年九月の日ロ首脳会談において、一九九三年の東京宣言、一九九八年のモスクワ宣言を含むすべての諸合意に依拠して北方四島の帰属に関する問題を解決することにより、平和条約を締結するための交渉を継続することに合意し、平和条約締結問題合同委員会及び国境画定委員会の作業を加速することなどを確認したことは、平和条約交渉が次第に加速する方向に進んでいきつつあるものと受けとめており、国の積極的な外交姿勢の成果と評価をいたしております。 終わります。
○佐藤(公)委員 私の質問がちょっとよくなかったのか、わかりにくい部分があるのかもしれません。 国としての外交交渉関係は今おっしゃられたとおりでございますが、現場レベルでビザなし交流とか相互交流ということでいろいろとございました。先ほど藤原参考人の方からも出ましたが、交流や何かに関して、行き過ぎというような意見もございました。実際、いろいろな施設もつくられ、いろいろなことを努力されているかと思いますけれども、こういうことにおける何か具体的な効果と、小泉参考人のお感じになられる評価を、本当に感じるままでいいですから、お答え願えればありがたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○小泉参考人 初めに申し上げましたように、やはり元島民の高齢化、そして、領土問題への前進のぐあいのもどかしさ、こういうことは、私ども現地におりまして、また、元島民同士がいろいろ話し合っている中で、やはり非常に声が大きいといいますか、先ほど申し上げました悲壮感も現実にはございます。 しかし、そうは言いましても、国と国との交渉でございますので、領土問題というのは大変時間もかかる、あるいは相当難しさもあるということは承知はいたしておりながら、もどかしさ、こういうものを感じている昨今でございます。 できるだけ早い時期に四島返還が実現をいたしまして、そして、私どもが目の黒いうちに北方領土へ自由に行ける日の来るのを心から待ち望んでいるという状況でございます。 終わります。
○佐藤(公)委員 僕は今、小泉参考人のお話を聞いて、本当にうれしく思いました。というのは、先ほどの文書を読むのではなく、今私の目を見ながら話をしていただいた、その思いがこの委員会で何となく伝わることに関して、僕は本当に何かうれしく思い、やはり小泉参考人のその思いをこの委員会の皆さん方へより一層伝えていただきたいな、こんな感じを受けました。 ビザなし交流とか相互交流でいろいろ具体的なことをやっておりますけれども、先ほども、ごあいさつの中でも、今日まで主張してきた北方四島返還という元島民の意向を崩すことなく強い姿勢で外交交渉に当たることをお願いしますというようなお話がございました。ビザなし交流、相互交流ということが、強い外交姿勢と何か相矛盾するところも感じる部分もあるかと私は感じますけれども、小泉参考人、いかがでしょうか。
○小泉参考人 お答えいたします。 確かに、先生おっしゃるように、強い外交姿勢というものは、一方、国と国との交渉の中で、やはりちょうちょうはっしする部面が数多くあるのだろうというふうに私ども理解をいたしております。ただ、それらは私どもがわかる範囲ではございませんので、現地におりますと、やはり、今まで積み重ねてまいりました民間交流といいますか、言うなればビザなし交流等も、ある意味では大変意義があるのではないかな。 と申しますのは、今住んでいる現島民といいますか、それと私ども元島民との間におきましては、やはり、血は通わないにしても、ある程度話し合い、あるいは見つめ合って、あるいは握手をして、抱き合っているうちにお互いの気持ちが通じ合うという状況がございます。 したがって、そういう意味での相互交流というのは大変意味があるんじゃないかということで、しつこいようではございますが、国の外交方針は方針として私どもは受けとめております。それから、できる限りの民間外交といいますか、そういった交流をこれからも進めていきたいというふうに考えてございます。 終わります。
○佐藤(公)委員 ありがとうございます。 本当に、こうやって小泉参考人と今お話しして、思いがすごく伝わるので、そんなお話を聞かせていただければありがたいかと思います。 先ほどのごあいさつの中でも、いやされる、いやしてもらいたいというようなことがありましたけれども、本当に、一番最初にこれをやってもらいたい、これをやったらいやされるというものを、順列をつけるわけじゃございませんが、やはり一番これをやってもらいたいということがございましたら、順列をつけるのはなかなか難しいと思いますが、小泉参考人、いかがですか。
○小泉参考人 先ほども申し上げましたように、何といっても、一日も早いふるさとの、領土の返還、復帰でございます。その次には、申し上げましたが、高齢化しております元島民、一世の気持ちを考えるときに、やはり漁業権の補償でありますとか残置財産の問題、あるいは財産権の不行使に対する補償といいますか、お手元にお届けいたしました要望書の内容すべてでございますので、その点、よろしくお願いしたいと思います。 終わります。
○佐藤(公)委員 わかりました。思いはまた一層伝わってきましたので、それなりに委員会としても、私も委員として努力してまいるつもりでございます。 実際こうやって参考人の皆さん方を呼ぶのは、私が聞いている限りですと、昭和四十五年の五月七日、かれこれ三十年ぶりぐらいなのかなというふうに思います。 今回、北村委員長のお計らいでこういうような機会をいただき、本当に私も参考にさせていただいておりますが、三十年間、実際問題、いろいろな箇所で皆さん方が御意見を述べられたり、また総理その他の方々と、要人とお会いになってお話をされたことも、機会はほかにもあったかもしれませんが、この委員会として今まで三十年間参考人の皆さん方を呼ばずにいたという。この委員会自体の意義というもの、意味というものがいかがなものだったのかなというのを実際感じるところもございますが、このたび本当に、北村委員長のおかげでこういう機会をいただいたということ、これは私どもも努力して、続けてまいるつもりでございます。 さて、藤原参考人にちょっとお尋ねさせていただきますが、私自身思いますことは、この北方領土の問題、当然旧島民の方々、国を挙げてということもございますが、やはり一番元気の源というのは、この近隣市町村、特に根室市というのが中心になって、元気のある、活力のある町になってもらいたい、なっていく、これがやはり発信基地となって日本全土に物事を伝えていく、そんなエネルギーになると思います。藤原参考人の、北方領土だけではなくて、やはり町全体の、地方分権とか自治の行政のあり方、その目的、目標、ビジョン、こういう町にして活力を持っていきたい、現実問題、北方領土の問題があってなかなか難しいこともあるかもしれませんが、その中でいかに知恵を絞りながら、また政府に対して、私どもに要望、要請をしながら、自立した、元気のある、活力のある町にしていこうというお考えを簡単にお聞かせ願えればありがたいと思います。よろしくお願いします。
○藤原参考人 佐藤議員の御質問にお答え申し上げます。 地方自治法におきまして、地方公共団体に関する制度の策定や施策の実施に当たっては、まず、地方公共団体の自主性、自立性が十分発揮されるようにしなければならないという規定がありますが、これまで、実態といたしましては、市町村は国の法令や通例を一定のマニュアルとして行政を進めておりまして、結果的にはどうしても画一的な地方行政にならざるを得なかったという感を抱いております。 地方分権の推進は、自治体にとりまして、自己決定権の拡充により、地域に根ざした独自な政策展開が可能になることであるというふうに認識しております。これにより、地域住民がより主体的に地域づくりへの参加が求められているところでございます。 今後の行政執行に当たりましては、私は、これまで以上に情報公開に努めまして、地域住民との対話を重ねながら、地域参加型の町づくりをしてまいりたいというふうに感じております。 根室市におきましては、当市はやはり漁業と水産加工業を基幹産業としておりますから、この四島が返還されるならば、さらに充実発展するということは明らかであります。また、交通空白地域といたしまして、高速道路の整備とか、この根室市におきましては、日本最東端の地でございまして、交通網の発達から取り残されているようなこともいろいろございますので、ぜひそういった面についても、今後重点的に取り組んでまいりたいというふうに思っております。とにかく、本来島さえあれば根室市が十分発展し得たであろう。そうしたことにつきまして、島が返ってきたならばということで、今から返還を見据えた拠点整備構想というものもつくっております。そうした中で、ぜひ先生方の御理解、御支援を願いたいというふうに考えております。 以上です。
○佐藤(公)委員 今のお話で市長のお考えになられていることも大体わかりますが、本当に、今、この北方四島における問題というのがまだ長引くかもしれないみたいな今の政府の対応、状況というのがある中で、新たなる計画、本当に独自の、特別な、近隣市町村における地方分権の権限譲渡も含めたもの、交通整備、インフラ整備、いろいろなことがやはり考えられると思います。そういう意味で、本当にこの北方領土、四島返還に関しましてのエネルギーの源になる町ですので、どうか、そういう部分におきましては前向きに、また新しい産業も含めての計画を立てながら活力ある町にしていただければ、それについては私どもも協力をしていきますので、よろしくお願いしたいと思います。 最後になりますけれども、鈴木参考人にお伺いいたしますが、いろいろな活動で本当に御苦労されている中、本当に敬意を表させていただければと思います。この活動を通じながら、世の中、世論、いろいろなものが移り変わっていく姿というのが見られたり感じられたりすると思いますが、本当に鈴木参考人の目から見て、また感じ取ったものを、その移り変わり、どうなっているんだろうかなというのを私、知りたく思います。どうかその辺を、簡単で結構でございますので、お聞かせ願えればありがたいと思います。
○鈴木参考人 お答えをいたします。 ただいま理事長や藤原市長が申しましたとおり、元島民がここまで返還運動を頑張ってこられた、この心情をしっかりと受けとめながら、私たち後継者、さらに一致団結をしながらこの運動を引き継いでまいりたい、そういう決意をしてございます。よろしくお願いいたします。
○佐藤(公)委員 鈴木参考人、大変申しわけございません、私も本当に参考にさせていただければということなんですが、運動をやっていて、周りの方々の見る目というか、周りの人たちの考えていることがどう参考人の方に伝わってきているのか。もしくは、それが時代の流れとともに、やはり一年、二年、少しずつ数年の間に変わってきているのか。例えば、いや、どんどん周りは冷めてきているとか、いや、周りがどんどんやはり熱いものを感じてきてくれているとか、そういう移り変わり、感じるものをもう一回お答え願えればありがたいと思います。お願いします。
○鈴木参考人 お答えをいたします。 私たち、キャラバン隊参加や元島民と語る会の場所でそれぞれ二世、三世の立場でお話をさせていただいておりますけれども、これが以前であれば、街頭署名活動を通じても、なかなか署名をしてもらえなかったとか、それから北方領土の北方という言葉がホッポウと読めないというような時代もございましたけれども、これが、長く地道な運動を続けることによりまして、国民の間にはかなり浸透をしていると感じてございます。 これから、さらにこういう思いを強くいたしまして、全国民にそういった我々の活動をもっともっとアピールしながら、この北方領土問題について、全国隅々まで行き渡るような活動を続けてまいりたいと存じております。 以上でございます。
○佐藤(公)委員 ありがとうございました。 きょうは、本当に貴重なお時間をありがとうございました。これにて自由党佐藤公治の質問を終わらせていただきます。本当に皆さん方、ありがとうございました。
○北村委員長 次に、赤嶺政賢君。
○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢でございます。きょうは、参考人の皆様方、非常にお忙しい中、こういう場で意見交換ができるということを私自身も大変うれしく思っています。 実は、沖縄北方特別委員のメンバーの一人として八月の皆さん方との懇談会にも出席をしまして、そして、旧島民の方々の思い、こういうことも受けとめてきたところでございます。その後、やはりこの問題は大事だということで、衆参の沖縄北方特別委員会のメンバーでもう一度根室の方にもお伺いをいたしまして、島民の方々のお話も聞くという機会も得ました。残念ながら私はそこには出席できませんでしたけれども、本当にしっかり受けとめて、皆さん方と一緒にその運動を強めていきたいということを最初に申し上げまして、小泉参考人そして藤原、鈴木両参考人、御三名にお伺いをいたします。 日本政府は、領土問題の解決を、二〇〇〇年までに平和条約を締結するとしておりました。しかし、これまでの日ロ交渉を振り返ってみましたら、五十五年間苦しみに耐えてこられた旧島民の皆さんが望む成果を得られないまま、期限が過ぎようとしております。本日の参考人の皆さんを初め、二〇〇〇年中の解決ということを信じてこられた現地の関係者の皆さんが、交渉が進まなかったことへの失望感を強くされているのではないかと思います。 近年の日ロ外交の話題といえば、首脳間の個人的な関係を結ぶことが強調されたり経済的な関係が話し合われることはあっても、肝心の領土返還に関する論拠の面で、国際法の道理に立った、しっかりした日本の主張が見えない。領土不拡大の原則に違反したのだから、ロシアは千島を日本に返せという正面からの主張が必要だと思いますけれども、今までの政府のやり方というのは、この根本の原点を抜きにしてやってきたわけですから、領土問題の解決を難しくしているのではないかと私は感じております。 お伺いしたいことは、皆さんが、返還が全く進まない交渉経過をごらんになって率直にどのようにお感じになっているか、御意見をお聞かせいただけたらと思います。 〔委員長退席、下地委員長代理着席〕
○小泉参考人 お答えいたします。 私どもは、一貫して、四島の一括返還と北方領土の帰属問題の解決なくして日ロ平和条約の締結はあり得ないと主張してまいっておりますが、政府においても、これまで一貫した方針のもとに外交努力をされていると承知をいたしております。 しかし、日ロ両国ともに、山積する内政問題に対処しなければならないことから断続的な交渉となっていることが、はかばかしい成果を得られない一因ではないかと考えているところでございます。したがいまして、領土交渉を加速するためには、課題を絞って集中的に協議を行う機関を設けて交渉を行うことも一つの方策ではないかと感じております。また、日ロ両国首脳間の信頼関係を醸成することはもちろん重要ではありますが、これに偏重することなく、政府及び政権を担う政党が一致して首相を支え、交渉に当たることが必要と考えております。 政府におかれましては、北方四島の帰属問題を解決して平和条約を締結するという揺るぎない方針のもとに、なお一層の御努力をいただくようお願いを申し上げます。 終わります。 〔下地委員長代理退席、委員長着席〕
○赤嶺委員 同じ質問を、藤原参考人と鈴木参考人にお願いします。
○藤原参考人 赤嶺議員の御質問にお答え申し上げます。 北方領土問題につきましては、戦後、長期間にわたりまして、旧ソ連のかたくなな態度の前に大きな前進が見られませんでしたが、全国的な運動の盛り上がりと国際情勢の変化を踏まえました外交交渉によりまして、御案内のとおり、一九九一年の日ソ共同声明及び一九九三年の東京宣言によりまして、領土問題の存在が公式に確認されたのであります。北方領土問題はこのときを境に解決に向けて大きく進展してきているものと私は考えており、このような情勢の変化の中にあって、かつて、日ソ間に領土問題は存在しないとしておりました旧ソ連時代に比べますと、隔世の感を覚えるものであります。 クラスノヤルスク合意以降、私どもは大きな期待を持って返還運動に取り組んできたわけでございますが、再三お話にありますとおり、さきの日ロ首脳会談の結果を見ますと非常に厳しい結果になっておりますが、ロシアの国内情勢など困難な状況の中での外交交渉ということも私どもは受けとめております。 北方領土問題をめぐる最近の日ロ関係につきまして、依然として厳しいものがあると感じておりますが、このようなときこそ、外交交渉を後押しする現地での運動の高まりが不可欠であるという強い決意のもと、なお一層声を高めて、国内世論の結集を図っていかなければならないと考えております。 このようなことから、返還実現に向けて、外交交渉を支え、さらなる返還運動を盛り上げるためにも、先ほどからお願いしておりますように、総理大臣、外相の現地視察と、ロシア国内世論への働きかけが特に重要だと認識しております。この点も含めまして、政府の一層の外交の努力と委員会の先生方のお力添えをお願い申し上げます。 以上です。
○鈴木参考人 お答えを申し上げます。 北方領土問題につきましては、戦後五十五年を経過した現在においてもなお先行き不透明な状況にありますことは大変残念なことと思っております。 しかしながら、今日まで、返還運動の全国的な盛り上がりと日本政府の長年にわたる粘り強い外交交渉の努力の成果が、一九九三年の東京宣言、さらにはクラスノヤルスクにおける合意ということで進展してきたものと理解をしてございます。日本政府がこの合意に基づいて北方領土問題を解決して平和条約を締結すべき努力をされていることも理解をしてございます。 しかしながら、日ロ関係は依然として厳しい現実と受けとめておりますので、この機会にこそ領土返還運動を初め組織活動の強化に努めなければならないというふうに考えてございます。 今後、運動を促進するためにも、先ほど来申し上げているとおり、ぜひとも総理大臣の現地視察をお願い申し上げまして、元島民の声を聞き、現状を理解して、なお一層のロシアに対する外交交渉を展開していただきますよう要望するものでございます。 以上でございます。
○赤嶺委員 次に、人道支援と旧島民支援のバランスといいましょうか、八月の懇談会のときにもその会場でも強く出された問題でありますが、同時に、その後我が党の調査団が根室に伺った際に、旧島民の皆さんの現在の率直なお気持ちや要望をお聞かせいただきました。その中で四島に対する政府の人道支援も話題になりまして、人道援助は必要としながらも、その実績に比べて皆さんが切実に望んでいる支援が進んでいない、こう指摘する声があると伺いました。旧島民が置かれている現状、先ほど来るる説明をされているわけですが、この現状を考えれば、そうしたお気持ちは本当に理解できるところであります。 四島に対する人道支援予算と隣接一市四町に対する安定振興対策事業予算のそれぞれについてちょっと調べてみました。九三年から七年間の政府の実績を見ると、四島に対する支援は五十七億五千万円、そしてこれはどんどん膨れ上がってきているということも伺ったわけですが、一市四町に対する安定振興対策事業が千六百四十一億六百万円です。数字の面では一定の資金が投入されているように見えますけれども、問題は、政府の支援が旧島民の方たちが求める内容になっているのかどうかという点だと思います。 そこで、政府の予算的な措置についてどうお感じになっているか、また率直にどういうことを望まれているのかをお聞かせ願いたいと思います。これは小泉参考人、よろしくお願いします。
○小泉参考人 お答えいたします。 私どもは国の外交方針を信頼し、これを支援することを基本として領土返還運動等に邁進をいたしております。したがいまして、人道支援や北方領土隣接地域振興事業の現状につきましても、これを否定するものではございません。 一方、戦後、着のみ着のままで故郷を追われ生活基盤もないという状況の中で、苦難に耐えて生活再建の道を模索しながらも領土返還運動の先頭に立って活動してきた元島民の立場からいたしますと、我が国固有の領土であるふるさとから強制的に追い出されるという、他の戦争被害とは異なった類例のない被害を受けた立場にある私たちには何ら直接的な支援が行われていない現状に比べ、四島に対する多額の支援が行われていることに割り切れない気持ちを持っていることも事実であります。人道支援につきましては、支援対象範囲について十分御検討いただき、国民が納得できる真の人道支援にとどめていただきたいと考えております。 また、私どもが平成五年以来国に要望いたしております元島民に対する直接の支援策について、本委員会においても真剣に御検討いただきますようお願いを申し上げます。 終わります。
○赤嶺委員 次は、鈴木参考人にお伺いをいたしたいと思います。 羅臼の漁港も見せていただきましたけれども、旧漁業権に対する補償措置も要望として上がっていると承知しております。 旧漁業権に関しては、一九四九年に漁業法制定の際に、政府は旧漁業権者から漁業権を買い取り、新たに現在の漁業権の仕組みがつくられました。四島の旧漁業権については、一九四六年一月二十九日付のGHQの覚書による行政分離措置によって消滅したため補償は困難なので、一九六一年に低利融資制度をつくったというのが政府の主張であります。このため、四島の旧漁業権者には四九年の漁業法による手当てはされていないと承知しています。 こうした政府の態度を率直にどうお感じになっているのか、また四島の旧漁業者にとって現在具体的にどんな措置が必要なのか、鈴木参考人からお聞かせいただきたいと思います。
○鈴木参考人 お答えをいたします。 この件につきましては専門的な知識を持ち合わせておりませんので、的確な答弁とはならないかと思いますので御理解を賜りたいと思います。後継者として、元島民から聞いている範囲のことをお話ししたいと思っております。 この問題は、国の方針として北方領土は我が国固有の領土と主張しているにもかかわらず、法律上同じ財産権として認められていた土地などの不動産や鉱業権が消滅していないにもかかわらず、漁業権だけが消滅したとしてその補償をしないことに対しては矛盾をしているということで聞かされてございます。 なお、この問題につきましては、北方地域漁業権補償推進委員会、さらには北海道弁護士会連合会が正当な補償を講じるよう要望をされておりますので、私たちもその要望しております補償が早期に実現するよう望むものでございます。 以上でございます。
○赤嶺委員 最後に小泉参考人から御意見を聞かせていただきたいんですが、現在、墓参の問題で、特に国後島のセセキという場所だと聞いているんですが、建物が建っていて立ち入りができないため墓参ができないというお話を耳にしておりますが、そういう場合どんな措置を望まれているのか、あるいはそういう問題についてどんな要望があるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○小泉参考人 お答えいたします。 北方四島の公認墓地というのは、現地調査の結果、現在五十二カ所と確認されております。このうち、先生お話しの国後島のセセキ墓地を除いては墓地所在場所の確認が行われ、順次墓参が実施されてきております。 セセキ墓地につきましては、ロシア側の事情により墓地調査の許可がおりないため所在場所の特定ができず、唯一墓参ができない墓地でございます。 私どもといたしましては、遺族の方々の心情を考えるとき、また人道的見地からも何とか墓参を実現したいものと、関係省庁に対し外交努力を要請してきておりますが、残念ながら、現在のところ実現に至っておりません。元島民も高齢化の一途をたどっておりますことから、一日も早く墓参が実現できますよう、切に願うものであります。 終わります。
○赤嶺委員 どうもありがとうございました。
○北村委員長 次に、山内惠子君。
○山内(惠)委員 初めまして。北海道出身の山内惠子と申します。 私的なことなんですけれども、私の兄は、若いとき根室支庁に勤務しておりました。当時私は高校生で、キャンバスを抱えて納沙布岬を旅した日をきのうのように思い出すところです。 普通の灯台は海を照らす光を発する、私は灯台はそういうもののように思っていたのですが、霧の深い日、あの納沙布灯台は霧笛を鳴らすということを知りました。ぼうっというあの霧笛は今も私の耳に残っているところです。 あの旅の途中、どなたに見せていただいたかは覚えていないんですけれども、子供たちのかいた絵を見せていただきました。漁に出る親の船が、拿捕される恐怖におびえているのが読み取れる数々の子供たちの作品でした。そのことを思いますと、まだ今日拿捕されている、そしてまだ帰ってこない方がいるというのをお聞きして、胸が痛んでいるところです。 藤原市長初め皆さん、今回お三人、遠くから本当に御苦労さまでした。新聞報道によりますと、市長が参考人として国会に来られるのは二十年ぶりということですから、私は、こういう場で質問するのは初めてなんですけれども、皆さんのお気持ちをお察しするところです。 二〇〇〇年には平和条約が締結されることを、そして元島民の悲願である北方領土の返還が現実化されることを期待して日々過ごしてこられたのだと思います。しかし、先般の日ロ首脳会談の結果は、問題の解決が後退し、現地の皆さんの失望感は本当に、私が察する以上のものがおありかというふうに思います。 そこで、藤原市長にお尋ねしたいと思います。質問の数々が今までの方たちとダブることがあるかと思いますけれども、お許しください。 戦後五十五年間の領土返還運動に費やしたエネルギーは、人の数においても時間数においても、そして財政の面でも大変なものがおありだったと思います。この間どんな取り組みをされたのか、特徴的な経過をお聞かせいただきたいと思います。 また、二百海里問題など漁業の国際規制の強化によって、根室市の地域経済の変化、また市の財政の厳しさなども、もうちょっと具体的にお聞かせいただけたらと思います。 よろしくお願いいたします。
○藤原参考人 山内議員の御質問にお答え申し上げます。 当市におきます北方領土返還運動は、戦後の昭和二十年十二月、当時の根室町長でありました安藤石典氏によるマッカーサー元帥への陳情書に始まりましたが、早くも昭和二十一年七月には、全国最初の北方領土返還運動団体であります北海道附属島嶼復帰懇請委員会を結成いたしまして、昭和二十二年八月に、この組織が中心となりまして根室国民大会を開催し、固有の領土であります北方四島の返還を求めることとしたことが、現在の国の方針の先駆けになったということに受けとめております。 こうした中で、昭和三十一年には日ソ共同宣言が署名されまして、とりあえず歯舞、色丹の二島が間もなく返還されるであろうということで、市民を挙げて大いに喜んだわけでございますが、結果は御案内のとおりでございます。しかし、そうしたことに屈することもなく、その後、全国各地にキャラバン隊を派遣するなど、幾たびとなく住民大会を開催したり、政府の外交交渉を支えるために全国の先頭に立って、返還運動を全力で推進してまいった次第でございます。 また、当市におきます漁業の状況につきましては、昭和五十二年の米ソ両国の二百海里専管水域実施以降、北洋サケ・マス漁業の規制強化によりますたび重なる減船、さらには平成三年の公海流し網漁業の停止など、国際的漁場に活路を求めた当市水産業にとりまして極めて厳しい状況下に置かれており、年間漁獲実績もピーク時の半分の約十万トン前後で低迷するなど、伸び悩みを見せております。 このように、当市の水産業は、豊かな漁場を抱える北方四島を失ったことによりまして大きく影響を受けており、領土問題の解決なくしては根本的な振興が図られないという宿命的な問題を抱えております。 次に、当市の財政状況について申し上げますと、当市の予算規模は、平成十二年度当初予算で百七十八億円、これは一般会計でございますが、百七十八億円となっており、前年度の〇・四%減と、二年連続超緊縮型予算を余儀なくされております。 自主財源の柱であります市税は、長期化する市内経済の低迷によりまして、前年比〇・八%減の二十九億三千七百万円にとどまっており、平成元年の水準とほぼ同じとなっております。歳入全体に占めます割合も、市税が歳入全体の一六・五%でございまして、経常収支比率も平成十一年度では九五・六%と、非常に高い数字となっております。 これらの主な原因といたしましては、先ほど来から申し上げております、水産業を中心に市内経済の長期低迷による市税の伸び悩みや、人口減による地方交付税の影響が考えられます。 このような状況下にありますことから、平成十一年には、平成十六年度を最終年度といたします根室市財政再建計画を策定し、財政構造の弾力的回復と体質強化に現在努めているところでございます。 以上でございます。
○山内(惠)委員 どうもありがとうございました。 根室市の財政が本当に厳しい状況にあるということを胸に受けとめておきたいというふうに思います。 ところで、市長はこちらに来られるに当たって、元島民の方々の声をお聞きしてこられたということを知りました。幾つかの生の声も新聞では紹介されていますけれども、地元の皆さんの思いというのは、きっと日ロ首脳会談後、もっと厳しく変化しているのではないかというふうに思いますので、ぜひその生の声を含めてお聞かせいただきたいと思います。
○藤原参考人 お答え申し上げます。 さきに元島民と懇談をした際、九月の日ロ首脳会談に対しての失望や落胆の声が相次ぎました。会談前の期待が現在は強いいら立ちへと、元島民を初めとする市民の気持ちはかなり変わってきておるなというふうに実感いたしました。 人道支援に対しましても、同席上で不満の声がございましたが、御指摘の元島民の残置財産問題の解決が見えてこないという中で、四島住民への支援が着々と進んでいることに対する危惧等でございまして、元島民に対する早急な内政措置を望む声が多く聞かれたところでございます。 元島民からは、元島民の残置財産や旧漁業権に対する補償や北方領土問題対策協会による低利融資の融資対象の範囲の拡大、あるいは、四島における不動産等の登記手続が現在認められておらないということや、千島歯舞諸島居住者連盟など元島民団体への助成の拡充など、さまざまな要望が出されました。 私といたしましては、これら元島民の要望の中で、実施可能なものがあれば、一つでも多く実現していただきたいと考えております。 以上です。
○山内(惠)委員 ありがとうございました。 国内でできる問題は直ちに解決ということを強く望まれていると思います。一つでも解決できるように、私も微力ながら頑張りたいというふうに思います。 この間皆さんが御質問された中に、特別措置法に基づく百億円の基金運用の課題と、それから第九条の適用で、財政支援問題として、地域振興にかかわる重要課題ということで、市立病院の老朽化の問題をおっしゃられていたというふうに思いますが、どのような状況にあるのかということ、それから、医療の問題も先ほどお話しされておりましたけれども、要求されている内容をもう少し詳しくお聞かせいただきたいと思います。
○藤原参考人 お答え申し上げます。 まず、北方基金運用の課題についてであります。 北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律、いわゆる北特法第十条に基づきまして、昭和五十八年度から基金造成が始められ、八年後の平成三年度に百億円の基金が達成されております。基金運用当初は、預託金利が七・三%を想定いたしまして、その運用益として単年度七億三千万円を見込んでおりました。 しかし、低金利情勢のもとで、これまでの単年度運用益の最高額は、平成三年度の五億九千百万円余りとなっております。七億三千万円を見込んでいたところを、最高でも五億九千百万円余りということでございます。また、平成十一年度につきましては、二億七千万円余りとなっており、当初見込みの運用益より四億六千万円の減となっております。 このような基金運用益の減に伴いまして、小中学校のグラウンド整備などを初めとする教育施設整備や生活環境施設整備等の振興事業、あるいは望郷サイクリングといった啓発事業等の縮小、廃止を余儀なくされております。 次に、北特法第九条による財政支援についてでありますが、北特法第九条には、国による財政上、金融上及び技術上の配慮が規定されておりますが、これが具体的にどのような措置を示すのかは明確にされておりません。 私どもといたしましては、昨年五月に、この法律の趣旨に沿って、独自の振興計画を策定したところでありますが、これに計画しております五分野二十六事業達成のための財政上の援助を望むものであります。 次に、地域振興にかかわる重要課題についてであります。 この振興計画の各事業につきましては、北方四島を失ったことによりその望ましい地域社会発展を著しく阻害された地域が、四島返還後も、その開発、交流の拠点となるために必要不可欠なものであります。 特に、市内唯一の公的基幹病院であります市立根室病院は、比較的専門性の高い二次医療を担う根室圏域のセンター病院といたしまして、地域医療の中核を担っております。北方四島を含めたロシア人の受け入れにつきましても、年平均五十五名の患者を受け入れている状況にございまして、これは外科等が非常に多いわけでございます。当市では、これに合わせまして、平成十一年度から、通訳の市役所職員を配置しておりまして、円滑な診療に当たっております。 しかし、現在の施設は、診療棟が昭和三十四年、病棟が昭和四十五年の建設でありまして、老朽化が著しく、維持補修にも多額の経費を必要としております。高齢化の進行などに伴いまして、快適な医療環境や高度な医療機能の充実のために、新病院の建設は、当市にとりまして極めて重要な課題と認識しております。 このことからも、北方領土返還運動原点の地の民生安定を図るために、市民が現在一番望んでおります、また、かつ北方四島ロシア住民に対して支援の手を差し伸べるためにも、その財源確保に苦慮しております市立根室病院建てかえに当たっての御支援をお願いするものでございます。 以上です。
○山内(惠)委員 ありがとうございました。 老朽化している状況、それでもなおロシアの方々を受け入れて医療に当たっていらっしゃる方々にも、本当に御苦労さまだというふうに思います。領土問題がなかなか解決しない中で、でも国内でできる問題として、ここのところも重要な課題として受けとめておきたいと思います。 時間がなくなりましたが、実は私は、冒頭に与党の自民党の方の質問をお聞きしながら、私の質問したいことと重なっていましたことをお聞きして、与党の方の質問であれば、できれば、もっと首相なり外務大臣のロシアとの交渉の手ごたえなどを含めての、もう少し別な形での質問があっていいのではないかなというふうに思いまして、本当は私そちらの方に質問したいところでございますけれども、それは立場が違いますので、やめることにします。 これからの領土返還運動の中心的役割を根室の皆さんがまた担っていくということですから、きっと政府に対しても注文も強くおありかというふうに思いますので、市長、それからお二人の元島民の方、二世の方の強い要望などもお聞かせいただいて、私の質問を終わりとしたいと思います。
○小泉参考人 お答えいたします。 国の方針に基づきまして、私どもは、領土返還運動を精力的に行っているところでございます。したがいまして、私どもができる範囲というのは限られてございますので、今のところは、政府の方針にのっとって精力的に返還運動を続けていくという、それに尽きると思います。 終わります。
○藤原参考人 お答え申し上げます。 国に対しての要望についてでありますが、ただいまお答え申し上げましたお話と重複する点があると思いますが、四点について申し上げたいと思います。 まず最初は、元島民への国によるきめ細かな配慮についてであります。 元島民から、先ほど来、残置財産や旧漁業権に対する補償や、登記など財産権の保全、千島歯舞諸島居住者連盟など元島民団体への助成の拡充など、さまざまな要望を聞いておりますが、私といたしましては、これら元島民の要望の中で実施可能なものがあれば一つでも実施していただきたいということでございます。 二点目は、北方基金の運用益の目減り分に対する補てん措置についてであります。 先ほど来詳しくお話ししておりますけれども、補てん措置を要望しております当管内の一市四町で構成しております北方領土隣接地域振興対策根室管内市町連絡協議会、我々は北隣協と呼んでおりますが、この北隣協において、補てんの具体的な方策についてまだ結論を出しているわけではございませんが、例えば基金の増額や特別交付税の中で基金運用益の目減り分に対する補てんのルール化などをお願いいたしたいと思います。 三点目は、国からの特別な支援についてであります。 先ほど来お話ししておりますように、北特法第九条によりまして、具体的な援助、支援措置をお願いいたしたいと思います。我々は、この北特法の趣旨によりまして、独自に策定いたしました振興計画の五分野二十六事業達成のための財政上の援助を求めるものでございます。その中でも、ただいまお話ししたように、市立根室病院建てかえに当たっての国の支援をお願いするものであります。 四点目は、やはり総理大臣、外務大臣の現地視察についてであります。 このことが実現すれば、元島民を初めとします地域住民や返還運動関係者にとって大きな励みになるというふうに感じておりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。 以上です。
○鈴木参考人 お答えをいたします。 先ほど来申し上げているとおり、元島民の方々が北方領土返還運動の先頭に立って今まで御活躍をされてきております。そして、戦後五十数年間苦難に耐えながら続けてきた運動を、私ども後継者はしっかりと受けとめて、今後の活動に生かしていきたいというふうに存じております。 以上でございます。
○山内(惠)委員 ありがとうございました。 本当に、森総理それから河野外相が現地訪問を早急にされることを、私もきょう皆さんのお話をお聞きしながらつくづくと願ったところです。小泉さんの先ほどの、目の黒いうちに自由に行ける日が一日も早く来ることをと、私も皆さんとともに連帯して頑張りたいと思います。 きょうは本当に御苦労さまでございました。ありがとうございます。
○北村委員長 次に、谷本龍哉君。
○谷本委員 21世紀クラブの谷本龍哉でございます。 本日は、小泉参考人、藤原参考人そして鈴木参考人、本当に貴重なお時間をいただきまして、そして当初の意見聴取並びにその後の各委員からの質疑に対する御答弁を通しまして、皆さんそれぞれの北方領土返還にかける思いを伺わせていただきました。本当にありがとうございます。 その中で、恐らく内容は幾つか重なるとは思いますが、何点か皆さんそれぞれに御質問をしたいと思います。 私は、個人的なことですが、昭和四十一年生まれでございます。ということは、先ほど鈴木参考人の方からも話がございました、戦争を知らない世代でございます。それだけでなく、戦後の厳しい時代というものをほとんど知らずに、生まれ育った時代は、日本がだんだんと回復をし好調に伸びていき、それとともに育ち、そして社会人になってしばらくしてバブルが崩壊をし、今は低迷期にしばらく入ってはおりますが、しかしながら、過去の時代、あるいは他の国々に比べれば本当に恵まれた環境の中で生きてきた世代であると、本当に幸運であると思っております。 そういう世代でございますから、小泉さんがお話しになられた、敗戦の状況あるいは島からの強制退去の状況、またそれに伴って起こったいろいろな悲劇的な出来事、そういうお話を伺いまして、また鈴木参考人の方からございました、自分の母親から、この苦しみは本当に体験した者でなければわからないよというような言葉を伺いまして、本当に御苦労、大変な思いをされたのだな、そう思いましたが、同時に、軽々しくそういう思いがよくわかりますよというふうには言えないな、そう言ってしまうと本当にうそになってしまう、我々恵まれた世代には想像のつかないような出来事であったのだなということを強く感じた次第でございます。 日本は、もう半世紀以上戦争というものを経験しておりません。これは、国際社会の中ではまれな国である。それは、日本国自体が努力をしてきたこともあり、また幸運にも恵まれて、この半世紀以上を平和裏に過ごしてきたのだと思います。 しかしながら、その半世紀を経た今であって、なおこの北方領土問題というものが未解決であるということは、小泉参考人の方からお話しありました、北方領土問題の解決なくしては第二次大戦の戦後処理は終わっていないという言葉がございましたけれども、まさに国家として非常に残念な状況であるというふうに考えております。 しかし、時間がたち、世代がかわっていく、そして私のように戦争もその後の厳しい時代も知らない人間がどんどんとふえてくる。その中で、決してあってはならないことではございますが、これだけ重要な問題に対しまして、時間を経、世代を経る中で、意識が薄れてしまうこともある。 そういう意味におきまして、お三方の率直な現在の思い、本音をお伺いしたいのですけれども、この国家として非常に重要な問題でございます北方領土問題に対する現在の日本人の一般の方々の意識や認識というものについて、まず小泉参考人は元島民としての立場から、またその一世代を置いた後継者として鈴木参考人、そしてこの問題の中心の地にあります根室の市長として藤原参考人、それぞれの立場から率直な思いを伺いたいと思います。
○小泉参考人 お答えいたします。 委員も御承知のとおり、四十七の全都道府県すべてに北方領土返還運動を推進する県民会議等の組織が設けられ、それぞれが各種の啓発活動を行っております。 また、北海道議会の働きかけによりまして、全都府県の議会において北方領土の早期返還に関する決議が行われておりますほか、国の関係省庁などによる啓発が行われておりますことから、北方領土問題に対する国民の意識は高揚しているものと理解をいたしております。 以上であります。
○鈴木参考人 お答えをいたします。 先ほど来お答えを申し上げているとおり、重複する部分が多々あろうかと思いますが、よろしく御理解をいただきたいと思います。 北方領土問題の国民意識につきましては、地域によって温度差はあると感じております。しかしながら、これまでの返還運動を通して感じておりますが、着実に意識の高揚が図られているというふうに思っております。 具体的には、二世、三世による北方領土返還要求全国キャラバン隊や、全国で開催をされております元島民の語る会に後継者として参加をし、領土返還への街頭署名活動、そして啓発活動に努めておりまして、こうした運動により、今や各地の県民会議において理解もされておりまして、着実に国民の意識は高まっていると感じております。 しかし、今後につきましては、若い世代を中心とした意識の高揚が大事かというふうに存じておりますので、さらにこの辺の運動に努力をしてまいりたいというふうに考えております。これに対する御支援も賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。 以上でございます。
○藤原参考人 お答え申し上げます。 北方領土返還運動原点の地であります当市は、御案内のとおり、歯舞群島約百平方キロメーター、これは現在、根室市の行政区域に入っております。しかし、御案内のとおり、現実的にはロシアが実効支配しておるという特異な市でございます。 また、北特法の中では、根室市長が旧六カ村の戸籍事務を担当する、事務を所掌するということになっておりまして、現在、旧四島の六カ村には二十二軒、六十二人が戸籍を有しておるというような状況の市でございます。 そうした中で、北方領土問題について歴史的な経過などを正しく認識することが、日ロ平和条約の早期締結につながり、問題解決に寄与するとの観点から、今までいろいろな運動をやってきております。啓発運動の中では、北方領土復帰促進キャラバン隊の派遣を初めとする、いろいろの啓発活動を実施してきております。 こうした中で、御案内のとおり、現在、返還運動は国民的な運動へと発展いたしまして、昭和四十五年の宮城県の北方領土返還要求県民会議の結成を契機といたしまして、昭和六十二年には全国に県民会議が組織され、各種大会や研修会など、日常的な返還運動に取り組んでおります。 また、五十六年には、閣議決定によりまして、二月七日を北方領土の日として制定されまして、同年に、当時の鈴木内閣総理大臣が初めて根室市の納沙布岬から北方領土を視察されております。 さらに、千島歯舞諸島居住者連盟が主体となりまして署名運動も展開されておりまして、平成十一年には七千人を超える署名が集まるなど、確実に国民の関心は以前に比べますと高まっているものと認識しております。 先ほどから申し上げておりますように、この北方領土問題というのは、決して根室市あるいは一市四町、元島民等の、地域に限られた問題ではなく、民族の誇りと尊厳をかけた、日本国の主権にかかわる重要な問題であるというふうに認識しております。 このことからも、より一層この問題に対する全国民の意識と認識を深めまして、世論を高揚することが大切であるというふうに考えております。 以上であります。
○谷本委員 今、三名の参考人の方々それぞれからお答えをいただきまして、ありがとうございます。 それで、一点、鈴木参考人にお伺いしたいんですが、今、さらに若い世代への伝え方、そういうものをこれから考えないといけないという部分のお話もあったかに思いますが、三世の方々というのは、さらに下の年齢になってくると思いますが、そういう方々への伝え方、あるいは三世の方々のこの問題に対する意識、その辺はどのようにとらえられておりますか。
○鈴木参考人 お答えをいたします。 確かに、この学習の問題に関しては、二世、三世、一生懸命我々とともにしてやっている後継者は幾分理解をされて、返還運動に邁進をしているわけですけれども、それ以後の世代につきましては、やはり関心が薄いということを実感をしてございます。 そういうことから、先ほど来お話を申し上げていますとおり、教育においてこの問題を取り上げて、全国各地でこの学習に取り組むことを要請いたしたいというふうに思ってございますので、御支援のほどをよろしくお願いしたいと思います。 以上でございます。
○谷本委員 どうもありがとうございます。 藤原参考人の方からもあったとおり、これは本当に国家の大切な、重要な問題でございます。まず第一に、日本国国民の世論あるいは意識、共通認識というのを本当に広げていくことが一番大事であると思います。そして同時に、この問題というのは当然、どれだけ一生懸命になっても日本だけで解決のつく問題ではございません。この問題は当然、ロシアとの二国間の問題でございます。 ということは、日本国民の認識、意識を広げていくというのと並行いたしまして、ロシアにおいて、領土問題が存在するんだということ、そしてその解決に向けて日本が頑張っている、その姿勢を一般のロシアの国民にも認識を広げていく、深めていくことが非常に大事な点だと思います。 その中で、先ほどから、元島民と現在の島民とのビザなし交流のお話、あるいはまた政治的な交渉というもののお話、たくさん出ました。ただ、それだけではなしに、やはり一般国民同士の理解を深めるための努力というのも非常に重要になってくると思います。例えばスポーツの交流でありますとか、技術者あるいは教育者、文化人等の、そういう民間の方々の幅広い分野における重層的な、人的な交流というもの、これを築くことが非常に重要だと思いますが、その辺に関しまして三人の参考人の方々の御意見をお伺いしたいと思います。
○小泉参考人 お答えいたします。 北方領土問題の解決のためには、政治的な交渉、もちろんでございます。さらには国民の相互理解と友好関係が重要でございますのは、委員御指摘のとおりと存じております。 なお、私ども、現地におりましてビザなし交流等々交流をしている中で、やはり最近は範囲が広がってまいりまして、例えば自然環境の調査であるとか、あるいはファミリーの交流であるとかそういうもの、あるいは日本語の教師が派遣される等、いろいろな面で最近は厚く、広くなってきているというふうに考えておりますので、今後もこのような形で進めていく必要があるというふうに考えてございます。 終わります。
○藤原参考人 お答え申し上げます。 御承知のとおり、平成四年から、四島住民との相互理解の促進を図り、領土問題の解決に寄与することを目的として、ビザなし交流が始まりました。北方四島との交流では、元島民や返還運動関係者だけでなく、平成九年度から専門家交流も行われるようになり、この中で、先ほども申し上げましたが、農業技術者や教育者、さらには画家や鳥類の専門家などの交流も行われております。 これらのビザなし交流での対話交流やホームステイなどを通じまして、相互理解が進み、島により温度差はありますが、四島住民の領土問題に対する理解も次第に深まっており、北方領土問題解決の環境整備に寄与しているものと認識しております。 また、当根室市にも、ここ二年の間に九回にわたり、外務省などの招聘したロシア人ジャーナリストが訪問しており、私も直接取材を受けたりして、原点の地として、北方領土に対する思いや元島民の声などをこれらジャーナリストを通じてロシア国内に伝えてもらっております。私は、こうした取材のときは、率直な意見ということで生の声を伝えております。 ロシア国内世論への働きかけは、聞くところによりますと、今月三日の日ロ外相会談でも取り上げられまして、ロシアのテレビ放送での日本のテレビ番組や映画を放映する、いわば日本月間のようなものが実施されるというふうに聞いております。 今後とも、具体的な措置を講じていくことが大切であるというふうに認識しております。 以上です。
○鈴木参考人 お答えを申し上げます。 ただいま委員御指摘のとおりと存じてございます。私たちもビザなし交流で多くの島民と心を通わせてきておりますが、この件につきましては、ただいま理事長が申し上げましたとおり、私ども運動をともにする後継者も全く同じ考えでございますので、御理解を賜りたいと存じます。 以上でございます。
○谷本委員 どうもお答えありがとうございます。 最後になりますが、返還への道筋に関する質問をさせていただきたいと思います。 二〇〇〇年という期限の中でなかなかうまくいきにくい状況が今日あると思います。その中で、四島一括返還という話を先ほどから何度も参考人の方からもいただきました。そして、この四島の日本の主権の存在の確認、そして日本への返還、これは一歩も譲るものではないという考えは私も同じでございます。ただ、現在のように半世紀以上過ぎた中で、なかなかその道筋が明確になってこない、そういう状況の中で、この解決にかける思いを持つ者としては、やはり何とかして一歩でも前へ進めたい、そして何とかいろいろな方法はないだろうか、そういう思いでアイデアを出したりあるいはいろいろな提案を考えてみたりという動きは当然あるものと思います。 これは勘違いをされては困るんですけれども、後ろ向きとか、一歩でも引くとかあるいは棚上げするということではなしに、本当に一日も早く四島を返還してもらいたい、そのための努力をとにかくする。その中で恐らくまた、九月の日ロ首脳会談のときにも一部で話題になりましたけれども、二島先行返還論といったものもその中の努力の一つとして出てくるものであると私は思っております。 確かに、四島かゼロかという中で、足して二で割って、二島で決着をつけるという論議であれば論外だとは思うんですけれども、そういう議論がたくさん出てくるということに対しまして、いま一度小泉参考人の御意見をお伺いしたいと思います。
○小泉参考人 お答えいたします。 委員御指摘のとおり、政府においては四島返還という一貫した方針のもとに御努力いただいていると理解をいたしております。私どもといたしましても、四島返還を実現して平和条約を締結することを目指して、今後とも返還運動に邁進してまいる所存でございます。 終わります。
○谷本委員 今、明確な小泉参考人からのお答えをいただきました。 同じ質問でございますが、二世の後継者である鈴木参考人にお伺いしたいと思います。同じ内容ではございますけれども、参考人のお話の中で、なかなか先の道筋が見えない中でどういうふうに引き継いでいけばいいかという悩みがあるというお話もいただいております。そういう立場も踏まえまして、全く同じであれば同じ意見でも構いませんし、また、一世代経てまた違う視点を持っておられるなら、それも加えてお答えをいただきたいと思います。
○鈴木参考人 お答えをいたします。 先ほど鉢呂委員にもお答えをしたとおりでございまして、この返還につきましては、四島返還を実現して平和条約を締結することを目的としているということで、ただいま理事長が申し上げましたとおり、私どももその考えでございますので、御理解を賜りたいと思います。 以上でございます。
○谷本委員 明確な答弁をありがとうございます。 いろいろなことを考え、悩み、努力をするのが政治家の立場でございます。その部分は御理解をいただきたいと思いますが、何よりも大事なのは、元島民の方々そして後継者の方々の思い、気持ちであると思いますので、その思いを、きょう本当に生の声で聞かせていただいたことに心から感謝を申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○北村委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の各位には、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。どうもありがとうございました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時二十六分散会