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150回国会衆議院2000/11/07

安全保障委員会 第1号

発言数
156
登壇者
15
会派数
8
開催日
2000/11/07

会議録

高木義明民主党・無所属クラブ

○高木委員長 これより会議を開きます。  この際、一言ごあいさつを申し上げます。  このたび、安全保障委員長に就任いたしました高木義明でございます。まことに光栄に存じますとともに、その職責の重大さを痛感しておる次第であります。  今日においても依然として不透明な国際情勢のもと、我が国の平和と安全を確保するため、当委員会に課せられた責務は重大であります。  ここに、委員各位の御指導、御協力を賜りまして、公正かつ円満なる委員会運営に努めてまいる所存でございますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手)      ————◇—————

高木義明民主党・無所属クラブ

○高木委員長 理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴いまして、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高木義明民主党・無所属クラブ

○高木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  それでは、理事に桑原豊君を指名いたします。      ————◇—————

高木義明民主党・無所属クラブ

○高木委員長 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  国政に関する調査を行うため、本会期中、国の安全保障に関する事項について、衆議院規則第九十四条の規定により、議長に対し、承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高木義明民主党・無所属クラブ

○高木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。      ————◇—————

高木義明民主党・無所属クラブ

○高木委員長 国の安全保障に関する件について調査を進めます。  本件調査のため、本日、政府参考人として防衛庁長官官房長守屋武昌君、防衛庁防衛局長首藤新悟君、防衛庁人事教育局長柳澤協二君、防衛施設庁長官大森敬治君及び外務省北米局長藤崎一郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高木義明民主党・無所属クラブ

○高木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————

高木義明民主党・無所属クラブ

○高木委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。下地幹郎君。

下地幹郎自由民主党

○下地委員 皆様、おはようございます。  外務大臣にも防衛庁長官にも、公務本当に御苦労さまでございます。短い二十分という時間でありますので、内容のある御答弁をお願いして、始めさせていただきたいと思っております。  今、使用期限問題、いわゆる十五年問題というのが沖縄の基地問題の中心的な課題になっておりますので、その問題について私の方から質問をさせていただきたいと思っております。  使用期限十五年問題は、私ども沖縄の基地の負担が大きいという観点から、エンドレスにいつまでも沖縄に基地を置くわけにはいかないというふうな観点から出てきた問題提起であります。そういう意味でも、日米安保条約を承認させていただいて、それを支える役割を持ちながらも、しかし、過度に沖縄に負担が重い現状は何とか解決をしなければならないという私ども沖縄県民の気持ちも理解をしていただきながら、答弁をぜひお願いしたいと思っております。  まず、冒頭に、十五年問題に対する認識を一つにしておきたいと思っておりますから、ぜひ施設庁長官から御答弁をお願いしたいと思うんです。  十五年問題、いわゆる使用期限の問題は、基地が北部にでき上がってから十五年後、北部に移設を終わってから十五年後という稲嶺知事の考え方をもって十五年問題と言っておるわけですけれども、国の方もそういうお考えでこの問題をとらえていますか。

大森敬治防衛施設庁長官

○大森政府参考人 お答え申し上げます。  私どももそのように認識しております。

下地幹郎自由民主党

○下地委員 もう一つ御質問させていただきます。  この北部に移設する基地でありますけれども、環境アセスに三年間、そして、いろいろな工法があるかもしれませんけれども、あの程度のをつくるのに七年から八年、十年を目途として、その工事とかそういうものにかかるというふうに認識をしておりますけれども、その認識でよろしいですか。

大森敬治防衛施設庁長官

○大森政府参考人 お答え申し上げます。  具体的な建設のスケジュールにつきましては、政府として、現在、代替施設協議会が始まったばかりでございまして、今後具体的に議論が進められるわけでございます。  また、建設になりますと、具体的な場所ですとか工法にもよりますので、その辺は具体的に現在お答えはできないわけでございますけれども、今まさに先生おっしゃいましたように、環境調査には三、四年ぐらいかかる。また、建設に当たりましても、これも先ほど申しましたように、具体的な場所、工法によりますが、私どもがやっております岩国の沖合移設でも約十年ぐらいかかりますので、そういう面で、今先生おっしゃったようなスケジュールが一応は考えられるというふうに思います。

下地幹郎自由民主党

○下地委員 今の御答弁をお聞きをしてもわかりますように、この十五年問題というのは、まさに完成をしてから十五年後でありますから、二〇二五年から三〇年を目途として使用期限をやろうと。あと三十年後の話を今私どもは論じているわけなんです。その認識をまず一つにしてからこの問題を論議しないと前に進まないのであります。  平成十一年の十二月の二十八日、閣議決定をいたしました。   政府としては、代替施設の使用期限については、国際情勢もあり厳しい問題があるとの認識を有しているが、沖縄県知事及び名護市長から要請がなされたことを重く受け止め、これを米国政府との話し合いの中で取り上げるとともに、国際情勢の変化に対応して、本代替施設を含め、在沖縄米軍の兵力構成等の軍事態勢につき、米国政府と協議していくこととする。 そういうふうな閣議決定をしているわけであります。  しかしながら、閣議決定をしておりますけれども、アメリカから出てくる答えはなかなか厳しいんです。期限を基地問題で設けるべきではないとか、国際情勢が三十年後にどうなっているかわからないので、そのことに関して今の段階で話し合いをするべきではないとか、日米安保の根幹にかかわるだとか、いろいろな批判的な御意見が出ていることは承知をしております。  しかし、片方で、名護市長さんは、代替施設の受け入れに関しても、僕はもう十五年と言いませんけれども、二〇三〇年問題と、三十年問題と同時決着でなければいけないというふうなことをはっきりと申し上げている。そして、稲嶺知事に関しても、この部分は譲れないんだ、どうしてもこの部分は決着をしなければ、その自分が考えている基地問題の提供のあり方とは違うんだというふうなことも申し上げている。使用期限問題で閣議決定をして、アメリカが厳しい反応であるけれども、沖縄県と名護市はやらなければだめだと明確に言っている。  そういうふうな状況の中で、私は三点きょうの二十分間でお聞きしたいんですけれども、まず一点目は、政府のこの閣議決定をした使用期限問題に対する意気込みと申しますか、考え方、閣議決定しているわけですから考え方というふうなことを言うのもなんですけれども、河野外務大臣から、この問題に関して明確に政府として前向きにとらえてやっていくんだというふうなことをまずおっしゃることが非常に大事なことだと思っているんですけれども、そのことをぜひお願いしたい。  そして、なぜ河野外務大臣からかといいますと、大臣、外務委員会がありましたよね。それで、この前、アメリカではいろいろな声が出ているんですけれども、キャンベルさんがかごの中の卵は重過ぎだとか、そして、アーミテージさんもいろいろな意見を言っておりますけれども、外務大臣が自民党の小島さんの質問に対して、あの方々の言っていることは民間人の言っていることなので政府としてコメントを差し控えたいという答弁をしております。その答弁が沖縄では、何か消極的なことを言っているのじゃないか、政府は閣議決定をしておきながら、外務大臣の答弁はちょっと弱腰になっているのじゃないかというふうなことを、違うメッセージをとらえられている部分がある。  そのことも含めて、閣議決定したことに関して、きちっとまず外務大臣がお答えすることが大事だと思いますから、それをまずお願いしたいと思います。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 下地議員はもうこの問題に精通しておられるわけでございますから、私から重ねて御答弁をするのもどうかと思いますが、今のお尋ねでございますから、十五年期限問題ということについて申し上げれば、閣議決定には、沖縄県知事及び名護市長の要請はこれを重く受けとめるということが、閣議決定の中で書かれているわけでございます。

下地幹郎自由民主党

○下地委員 閣議決定のとおり前向きにやっていくという御答弁だと私は思っております。  それで、防衛庁長官にちょっとお聞きをしたいのですけれども、二点目は、この発表する時期であります。  名護市長は、この三十年問題と移設の問題と同時決着でなければならないというふうにお話をしているのですけれども、防衛庁としては、この問題に対して、環境アセスを始めるときにこの三十年問題も解決をして、県民に対してこの問題に関してはそうしたいとおっしゃるのか。それとも、アメリカが今政権が新しくなるかどうか、いろいろな状況の中でそう簡単に決められない状況からして、環境アセスをやっている間にその問題もきちっとアメリカ側と協議をして、決着をつけたいと思っているのか。この問題の決着をつける時期を、防衛庁としてはどれぐらいを目途に置いて話を進められているのか、そのことをまずお伺いしたいと思います。

虎島和夫自由民主党防衛庁長官

○虎島国務大臣 本件についてはかねてから委員にも何かと御高配を賜っておることを、まずお礼を申し上げたいと思います。  このことにつきましては、防衛庁というよりは、内閣として同じような見解を、つまり見解を一つにして進んでおるわけでございます。その見解というのは、今外務大臣からお話のありましたように、去年の十二月末に行われた閣議決定事項であります。これを誠実に、我々は重く受けとめながら、実現に向かって努力しておるというのが現状であります。  現に期限をいつと設定はしておりませんけれども、地元の御要請でもありますし、重く受けとめておるという経過からいっても、なるべく早く結論を得たいと思っておるのは、議員も私どもも同じような立場でございます。したがって、折に触れて、あるいは機会を求めて、我々はこのことをアメリカ側に要請しお伝えしておるということを、この際は御披瀝申し上げておきたいと思います。努力を傾注しながら頑張っていきたい、こういう信念であります。

下地幹郎自由民主党

○下地委員 名護市長の同時決着というこの発言に関して、大臣はどうお考えですか。その方向でやるというふうなお考えですか。

虎島和夫自由民主党防衛庁長官

○虎島国務大臣 交渉事でありますから、私たちとしては、政府としては、今申し上げましたようなことでなるべく早く決着をつけたいということで、機会を求め主張をいたしておるところであります。努力は傾注していきたい、継続したい、このように思っております。

下地幹郎自由民主党

○下地委員 明確な答弁じゃないのですけれども、私が沖縄の空気を大臣にお伝えしますけれども、同時決着じゃなければ、私はうまくいかないと思います。これは、沖縄のこの代替施設の問題は、北部の振興策を幾ら予算をつけても、基地問題は基地問題で解決をするというスタンスが非常に沖縄にとって必要だと思います。  そういうふうな意味では、十万人のど真ん中にある普天間基地を動かさなければいけない。あれは間違いなく基地の整理縮小なんです。だから、この整理縮小の問題をきちっとやって、使用期限の問題がエンドレスじゃない、いつごろまでに目安があるのだというふうなことをお示しになって、これがスタートだというふうなことを沖縄の県民の多くは思っておりますから、その問題が同時決着という方向は、外務省にしても防衛庁にしても、大臣は内閣とおっしゃいましたけれども、内閣においてもこの認識は持たれた方がこの問題はスムーズにいくということだけは、私は確かだというふうに思っております。そのことをぜひ御理解いただきたい。  そして、外務大臣、ここに使用期限の先ほど私が読み上げた問題がありますけれども、重く受けとめてという話もあります。米国政府と話し合いの中でという言葉も入っております。そして、米国政府と協議をしていくという言葉もあります。三つの言葉がこの使用期限問題の文章の中に入っているわけでありますけれども、この話し合い、米国政府と協議をするという観点は、この十五年・三十年問題は、米国政府とのお互いの合意があって一つの結論が出るというふうなものを含めて、こういうふうに文章化された問題になっているというふうに認識をしているのです。  一部にはこの問題を、国内問題だ、沖縄と日本政府との間でその決着をつけることでこの問題を解決したいという声が聞こえるようなことがありますけれども、私はそうじゃなくて、この文章の意味は、こういうふうに協議をする、話し合いをするという意味は、米国政府との合意を基準にしてこの問題を決着をつけたいという日本政府の、内閣の考えの中でこの文章ができ上がったというふうに思ってよろしいでしょうか。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 この閣議決定は、代替施設をつくっていくという作業の中で非常に重要な閣議決定でございます。  この閣議決定の中の一部を取り上げて今我々は議論をしているわけでございますけれども、ここに書かれておりますように、非常に重要なことは、基地問題というのは国際情勢というものが極めて重要なテーマであることは、議員もよく御理解いただけると思っております。この国際情勢というものが一体どういうことになるか。それに伴いまして、在沖縄米軍の兵力構成とか軍事態勢とかというものが考えられていかなければならない。これが本筋でございます。しかし、この本筋の議論の中にあって、知事の御要請、市長の御要請というものも一方で重く受けとめます、政府としては重く受けとめておりますから、これは議論の中で取り上げますということをここで言っているわけでございまして、この本筋は、当然のことながら基地の役割というものは、国際情勢というものが非常に重要な要素を占めておるというふうに見ていただかなければいけないと思います。

下地幹郎自由民主党

○下地委員 大臣、ちょっと歯切れが悪いですね、これは。いや、これは日米合意をするのかしないのかということを僕はお聞きをしているのです。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 大変繰り返しで申しわけありませんけれども、知事や市長の御要請というものを政府としては重く受けとめて、これは取り上げてまいりますということを今申し上げているわけで、これは閣議決定でございますから、こう申し上げる以外に御答弁のしようがないわけでございます。

下地幹郎自由民主党

○下地委員 私は、この文言を沖縄の方では、この日米関係というのは、やはり国際情勢もあるしいろいろな要素があるわけでありますから、私は間違いなく、日本独自で安保そしてアジアの今の国際情勢を決められるわけがないという観点から、沖縄の基地が日本だけじゃなくてアジア全体の平和の構築を図っているという観点からすると、やはり日米間で合意があってしかるべきだろうというふうな結論に立つのではないかなということをぜひ理解していただきたいと思います。  先ほど申し上げましたけれども、アメリカでいろいろな声が出ています。アメリカの中枢にいた人たちが、今、この兵力の問題でもう一回考えてみたらどうか、固定観念を持たずに考えてみよう、沖縄にだけ集中しているのは重いのではないか、そういうふうなことがアメリカで出ているということは大きな意味があると私は思います。この人たちは間違いなくアメリカの高官であり、その問題に精通をしてきた人、そして、まあ政権がどうなるかわかりませんけれども、その中でもまた大きな影響力を持つ人たちが柔軟な対応を今述べ始めているというのは大きな意味があると私は思っております。そこは、日本政府がそのことを踏まえて、主体的にこの問題をアメリカに語りかけていくという作業はできる、やれる状況に今来ているのではないかなと私は思っております。  そして、もう時間がありませんから、最後に結論としてお話をさせていただきたいのですけれども、代替施設の問題は二十五年後、三十年後という話であるということはきょう明確になったわけですけれども、ある意味では、三十年間は沖縄がこの安保において大きな役割を保証しましょうと言っているのと裏を返せば一緒なんです。三十年間持ちましょう、しかし、三十年後以降はエンドレスじゃないよということも明確にしてくれと沖縄側が言っているというふうなことを、しっかりとこの日時、二〇三〇年なのかということを、明確に数字を入れた協議、決定が必要だということが一つ大事だと私は思います。  しかし、今外務大臣がおっしゃったように、国際情勢ですから変化があって当たり前なんです。どうなるかわからないんです。どうなるかわからないそのチェックポイントを、この二〇三〇年だったらその前の二〇二五年にもう一回日米間で、目途としては二〇三〇年にしても、その五年前にもう一回協議をして、本当に沖縄の海兵隊の問題を、軍事力の構成を減らすことができるのかどうなのかというのは、協議をしてから最終的な物事を決めるという弾力性はなければならないと私は思います。ただ三十年と言ったからどうしても三十年なんだ、そういうようなことでは、国際情勢はだれにも不透明でありますから読めるわけはない、そのことを踏まえた中で物事をやっていくというのが必要だと僕は思っております。そして、日米合意が必要だ、日本政府内だけの結論ではだめですよということを私は申し上げたいと思います。  この三つの、日にち、二〇三〇年という数字を入れるということ、そして弾力性のある話を持つということ、そして日米合意をするということ、そうして国内問題にはしない、この二〇三〇年問題に関してはこのことを基本として結論を出していただくべきだというふうに私は思っておりますので、私のこの考えに対して外務大臣と防衛庁長官に一言ずつお答えをいただいて、私の質問を終わらせていただきたいというふうに思っています。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 二〇三〇年ということをおっしゃるのですが、私は、まだ二〇三〇年という数字を入れるということにもいろいろ問題はあるだろうと思っております。  と同時に、国際情勢につきましては、外務省として肯定的に、この北東アジアあるいはアジア太平洋周域の平和と安定のために、外交努力によって肯定的な関係が生まれるように我々としては全力を挙げて努力をしたいと思っております。

虎島和夫自由民主党防衛庁長官

○虎島国務大臣 ただいま下地委員の方から具体的な御提言がございましたが、今外務大臣がお話しのように、新しい数字、年限を入れるということについては今ここで見解を申し上げることはできないということだけは申し上げておきたいと思います。  ただ、ここに至るまでには我々もいろいろと努力しなければならぬことがありますし、使用期限に対する閣議決定にもありますように、国際情勢もあり厳しい問題があるとの認識を有しておるけれどもという、また一つの前提がついておるということも我々は重く受けとめながらやらなきゃならぬと思っております。  議員からもいろいろと、アメリカに行って直接研究された成果等についても貴重な御意見を承っておりますから、それらのことについては、一つ一つ誠実にこれの実現に向けて努力していきたい。あるいはまた、お話のように、これは日米の協議ということがあるわけでありますから、これらについても、時と場所を積極的に求めながら、この閣議決定の事項に誠実に、前向きに取り組んでいきたいということを御表明申し上げておきたいと思います。

下地幹郎自由民主党

○下地委員 ありがとうございました。

高木義明民主党・無所属クラブ

○高木委員長 次に、松浪健四郎君。

松浪健四郎保守党

○松浪委員 おはようございます。保守党の松浪健四郎でございます。間もなく提出されるでありましょう船舶検査活動法案についてお尋ねをしたいと思います。  船舶検査活動につきましては、昨年の四月、周辺事態安全確保法案の国会審議の過程で、別途立法措置をとるとの前提で、同法案から削除されました。その内容は、周辺事態に際し、国連安全保障理事会の決議に基づき、船舶の積み荷及び目的地を検査し、確認する等の活動であって、我が国領海または我が国周辺の公海において我が国が実施するというものでありました。  それで、今般提出される新しい法案は、まず、周辺事態安全確保法とは別途の立法とする。そして、船舶検査活動は、周辺事態安全確保法における周辺事態に際し、国連安保理決議を含む国際約束及び確立された国際法規に従い、旗国の同意を得て実施するものとするというような内容になっているとお聞きしておりますけれども、船舶検査活動法案、この目的と、それをいかに具体的に実施するのかということについてお尋ねをさせていただきたいと思います。

虎島和夫自由民主党防衛庁長官

○虎島国務大臣 御発言のように、この法律の目的は、周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律第一条に規定する周辺事態に対応して我が国が実施する船舶検査活動に関し、その実施の態様、手続その他の必要な事項を定め、周辺事態安全確保法と相まって、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約の効果的な運用に寄与し、我が国の平和及び安全の確保に資することを目的としておるものであります。こういう趣旨から法案をつくりまして、御提案申し上げておるわけであります。  以上でございます。

松浪健四郎保守党

○松浪委員 その実施の内容といいますか、どういうようなときにどういうことをするのかということを、もし具体的に説明していただければ、お願いをしたいと思います。

虎島和夫自由民主党防衛庁長官

○虎島国務大臣 これは、船舶の航行状況の監視とか、あるいは呼びかけ、信号弾等により自己の存在を示すこと、船舶の名称、目的地、積み荷等の照会、船舶の停船要請及び船長等の承諾を得ての乗船検査、確認、必要に応じた航路等の変更の要請、あるいは船長等に対する説得、あるいは接近してこれを追尾して、さらに我が方のその意思を明確にする、そういうことをやるわけであります。このことについては、お説のように前提がありまして、国連の決議とか、あるいは旗国の了解が得られておるとかいうことがあることは、お説のとおりであります。  以上でございます。

松浪健四郎保守党

○松浪委員 お聞きして、この国の安全保障にとって極めて重要な法律であるということがよくわかったわけでありますけれども、この法律ができなくても、米軍は既に検査活動をやっておるわけです。この法律が成立すれば、今度は自衛隊がやるということになるわけですけれども、米軍がやれば今度は自衛隊が後方地域支援をやるというふうになるわけですけれども、これはどういうようなことをやるのか、お尋ねさせていただきたいと思います。

虎島和夫自由民主党防衛庁長官

○虎島国務大臣 このことにつきましては、当該活動に相当する活動を行う米軍の部隊に対して、お説のように後方地域支援をやるわけです。  周辺事態安全確保法には別表が掲げられております。これについて、ちょっと参考人に答弁させますけれども、物品及び役務の提供を行うことができるようになるということであります。内容については答弁を譲りたいと思います。

鈴木正孝自由民主党・保守党防衛政務次官

○鈴木(正)政務次官 周辺事態に際しまして我が国が後方支援という形でとりますものは、法律の別表第二というところで定めておりますが、具体的にお話しを申し上げれば、補給、輸送、修理及び整備、それから医療、通信、宿泊、消毒と多岐にわたっているわけでございますが、その中で、例えば補給で申し上げれば、給水、給油、食事の提供並びにこれらに類する物品及び役務の提供というようなことで具体的な後方地域の支援を行っていく、このようなことでございます。

松浪健四郎保守党

○松浪委員 よく理解できたわけですけれども、そういう米軍と自衛隊とがうまいぐあいに船舶検査活動ができるように、この法律ができれば、十分な訓練を積んでいただいて、いいチームワークで円滑に実施していただきたいなという希望を述べておきたいと思います。  問題は、この船舶検査活動の際、自衛官の武器使用が認められるわけでございますけれども、これは非常に難しい問題になろうかと私自身予想するわけですけれども、どういうふうなケースの場合に自衛官が武器を使用することができるのか。  これは一般論から言えば、当然のことながら、正当防衛というケースによるんでしょうけれども、これは素人から考えてもいろいろなケースが想定されるわけですけれども、防衛庁はどのようなケースを想定され、そしてどういうときに自衛官が武器を使っていいというふうに考えておられるのか、お尋ねをさせていただきたいと思います。

虎島和夫自由民主党防衛庁長官

○虎島国務大臣 これは、出会い頭に自衛艦が行って船舶検査を行うというようなことでなくて、議員も御指摘のように、国連で決まった場合とか、あるいは旗国、つまり旗を掲げた相手国が承諾をした場合でありますから、通常の常識から申し上げますと、武器の使用ということの状況をなかなか想定しにくいというふうに思います。  しかしながら、海の上のことでありますから、予測せざることが起こった場合には、やはり自分を守るためには、不測の事態を生ずる可能性が排除されないわけでありますから、その際には、要員の安全を確保する、こういう意味から、生命身体を防護するために必要最小限の武器の使用を行う、そのことを法律にも規定しておるわけでございます。  具体的な適用については、防衛庁長官の判断とか、いろいろなものがその時々の状況によって起こり得るかなということを想定いたしております。

松浪健四郎保守党

○松浪委員 もうちょっと具体的に鈴木総括から御答弁いただければと思います。

鈴木正孝自由民主党・保守党防衛政務次官

○鈴木(正)政務次官 今、大臣の方から総括的にお話を申し上げたわけでございますけれども、不測の事態といいましょうか、そういうことが十分考えられるということで、そういうことに対しての具体的な対応というものが必要だろう、こういうことでございます。  例えば船長の統制に服さない船員だとか同乗者等が要員に対して危害を加えるような、そういう可能性、そういう状況が生ずることも全くなしとしないということがございますので、そういうことに立ち至れば、要員の安全を確保するために必要な最小限の措置がやはり必要だ、このように思っている、そういうことでございます。  法案の第六条におきまして、かかる場合におきましては、自己または自己とともに当該職務に従事する者の生命または身体の防護のために必要最小限の武器の使用を認める、こういうことにしてございます。

松浪健四郎保守党

○松浪委員 時間が参りましたので、これで終わりますけれども、間もなくこの法案が提出されます。我が国の安全にとりまして極めて重要な法律でございますので、一日も早く成立するように私も努力をさせていただきたいと思います。  どうもありがとうございました。

高木義明民主党・無所属クラブ

○高木委員長 次に、伊藤英成君。

伊藤英成民主党・無所属クラブ

○伊藤(英)委員 民主党の伊藤英成でございます。  まず最初に、次期中期防衛力整備計画について伺います。  次期防衛政策に当たりまして、これは国際情勢に対する認識が重要なポイントになるわけでありますけれども、政府としては、現在、どういう認識を持って、それをどのように次期防に反映をさせようとしているのか。安全保障会議の検討内容を明らかにしてください。

虎島和夫自由民主党防衛庁長官

○虎島国務大臣 お説のように、我が国の防衛力というのは国際情勢と密接にかかわってまいるわけであります。  私どもは、政府としては、国際情勢は依然として不透明である、しかも不確実な要素をはらんでおる、一方ではまた安保対話、防衛交流などの国際社会の平和と安全を図るための努力を我々は継続しておる、こういう状況でございます。  特に、基本となる、紛争の起こり得る状況としては、従来、民族的な争いであるとかあるいは宗教上の紛争であるとか言われておりましたけれども、私どもが想定する中期防という数年間を要するスパンになりますと、やはり資源の獲得についてもいろいろな事態が予想される。したがって、それらも踏まえた上で次期の中期防衛力整備構想というのを立てなきゃならぬということを考えておるわけであります。

伊藤英成民主党・無所属クラブ

○伊藤(英)委員 私は、現在、日本の周辺で起こっております情勢変化について、今のお話だけですと極めて認識不足だ、こういうふうに思っております。  次に、この次期防の問題について、現在の我が国の財政状況、それこそ国、地方合わせて債務残高がGDPの一三〇%という大変な状況にあるわけですが、そうした状況なり、あるいは最近の朝鮮半島の情勢変化などを考えますと、次期防の経費について、当然これは実質減額をしなきゃならぬ、このように思っておりますが、政府の方針はどうですか。

虎島和夫自由民主党防衛庁長官

○虎島国務大臣 そのような事態を生ずることを期待しながら、実は我々も防衛庁の運営あるいは計画の立案等に当たっておるわけでございますが、先ほども申しましたように、しかし依然として日本をめぐる情勢というのは不透明であり不確実である。そういう将来が明るく見えるような端緒もないわけではないけれども、まだ具体的にこのことが実を結び我が国の防衛力を落としていくというような、そういう状況に立ち至っておらないという認識でございます。  ただ、お説のようなことでありますから、当然に財政のことについては国民の理解を得ながら執行するという立場になるわけでありますから、やはり合理性とか近代性、あるいはまたコンパクト化というようなことは、常に念頭から離さないで我が国の防衛力についての企画等を立案しておるということを御理解いただきたいと思います。

伊藤英成民主党・無所属クラブ

○伊藤(英)委員 私たち民主党としては、日本の財政について、極めて重大な状況にある、こういう認識のもとに、プライマリーバランスを五年で達成しよう、こういう思いで今検討をしているところなんですよ。ですから、そういうことを思いながら今の話を質問したりもしているんです。  それで、今の長官のお話は、実質減額を考えるというのですか、あるいは考えないのですか。

虎島和夫自由民主党防衛庁長官

○虎島国務大臣 当面、来年度の予算編成がありますし、それからまた、来年度から始まる中期防計画があるわけであります。ですから、これについては今いろいろと検討を加え、この年末までに、特に来年度の防衛力整備については作業を進めておるわけでありますから、現在、お答えできる段階にはないわけでございます。  しかしながら、いずれにせよ、先ほど申しましたように、経済、財政事情等を勘案して節度のある防衛力整備に努めてまいりたい。それは合理化、効率化、コンパクト化という従来からの方針はきっちり押さえていきたいという考えを持っておりまして、具体的な数字をここで挙げる段階にはないということは御理解いただきたいと思います。

伊藤英成民主党・無所属クラブ

○伊藤(英)委員 次期防は、今お話しのように二〇〇一年からになるわけですね。だから、二十一世紀の自衛隊というものをどう考えるかという話になっていくのだろう、こう思うんですが、現在、長官として、二十一世紀の自衛隊像というのですか、どういうふうに考えられるか。それこそアメリカではいわゆる軍事革命とかRMAという話もあったり、これからPKOの問題やら、あるいは災害派遣というようなこともあるわけですね。そんな意味で、長官としてはどういうふうに考えますか。

虎島和夫自由民主党防衛庁長官

○虎島国務大臣 今委員が一々挙げられましたことが、実は我々の二十一世紀の少なくとも出発点の計画なり構想なりの中には織り込まれるべき課題であるというふうに思っております。したがって、最小限の防衛力というのを整備していきたい。そしてまた、その中では、今までやっておりましたけれども、さらにまた自衛隊の災害対策等々についてはむしろ現状よりも充実をしていきたい。これは日常の国民生活を守る上からも、ぜひそのようなことを取り上げていきたい。  それから、国際貢献についても、当然に日本の国是として現在までやってきておるわけでありますから、これらもいろいろな制約はあるとはしながらも、やはりできるだけのことは国際貢献をして、そして日本という国を、世界の中でやはり手をつないで存立させていく、こういう姿勢は堅持すべきであると思っております。  それからもう一つは、当然にこれは、情報通信関係が飛躍的に変革の時代を迎えておるわけでありますから、IT等を積極的に導入する。このことがまたコンパクト化あるいは合理化等に資するところがあれば、大いに活用していきたいというようなこと等を考えておるわけでございます。  そのほか、予測されざる事態が起こる可能性がなきにしもあらずでありますから、そのようなことについてもその時々で十分な考察、判断を加えながら、国家存立のために誤りなきを期していきたい。そして合理的、最小限の防衛力だけはきちっと保持していきたい。その責任が我々にあるという認識を持っておることを表明させていただきたいと思います。

伊藤英成民主党・無所属クラブ

○伊藤(英)委員 先ほど大臣が、来年度の予算についてちょっと触れられていました。そこでちょっと具体的に伺うのですが、まず、空中給油機の導入についてでありますけれども、これは概算要求の中に入っておりますよね。  私は、いわゆる外交関係に与える影響やら現下の財政状況等々を考えてみても、極めて慎重に考える話なんだろうという気はするんですが、これはいわゆる本予算といいましょうか政府原案といいましょうか、そこに本当に入れるつもりなんでしょうか。概算要求では一機二百三十八億円という金額になっていますが、極めて高いと思うんですね。一体この機種の根拠はどういうことになっているのか、根拠は何なのか、そういうことも含めて、これは本当に入れるつもりですか。

虎島和夫自由民主党防衛庁長官

○虎島国務大臣 本当に入れさせてもらいたいということで、実は我々は積算をし、作業を進めておるわけであります。  これは、唐突に起こった問題ではありませんで、実は平成十一年の安全保障会議で決定をされ、そのときには、次期防において速やかに整備を行う、それから平成十二年度予算においては、そのためには必要な経費を計上するということで、空中給油機能に関する運用研究費の計上を御承認いただいておるわけであります。この作業はそれぞれ終了しまして、執行したわけでありますから、安全保障会議で取り決めましたように、次期防において速やかに整備を行うことということを実行したい、そういうことで、やはりこれは来年度予算要求の大きな一つの柱として考えておるわけであります。  これは確かに、空中給油機を入れますと、給油される側の飛行機の足が伸びるということもありますけれども、もう一つは、このことによって合理的な運用ができるということ等も実は配慮しなきゃならぬ課題であるというふうに思っておるわけであります。  なお、これは一機の計上をしたわけでありますけれども、空中給油輸送機として、つまり輸送機としての活用も視野に入れながらやろうということにして実は要求しておることを補足説明させていただきたいと思います。  以上でございます。

伊藤英成民主党・無所属クラブ

○伊藤(英)委員 機種は何を考えているんですか。

鈴木正孝自由民主党・保守党防衛政務次官

○鈴木(正)政務次官 お答えをいたします。  今大臣から、空中給油機あるいは輸送機のタイプとして云々で、総括的なお話を申し上げたわけでございますけれども、私ども、空中給油輸送機のタイプとして、航空自衛隊が運用するものに最も適したタイプというようなものを考えるというのは当然であるわけでございます。  細かくちょっと申し上げますと、幾つかの空中給油のやり方があろうかと思いますが、例えばフライングブーム方式あるいはプローブ・アンド・ドローグ方式というようなやり方があるわけでございますが、いろいろと検討をする過程で、やはり空自に最も適したものとしてはフライングブーム方式の中型の規模のものが適当ではないかというような思いをしているところでもございます。  そんなこともございまして平成十三年度の概算要求に計上しております経費は約二百三十八億円ということになりますが、空中給油輸送機一機及びこの初度部品の調達にかかわる経費ということでそのような額をお願いしていくということでございます。また、十三年度の歳出ベースで申し上げますと約一千万程度というようなことでございます。そのような状況でございます。

伊藤英成民主党・無所属クラブ

○伊藤(英)委員 いや、それで機種は何を考えていると言われましたか。

鈴木正孝自由民主党・保守党防衛政務次官

○鈴木(正)政務次官 機種につきましては、導入がまだ決まっていないというようなことでございまして、年末にかけての安全保障会議あるいは次期防の中での取り扱いということが最終的には決まっていくわけでございますので、具体的などういう機種というような形の内容ということにはとりあえずはなっていないということでございます。  いずれにいたしましても、公刊資料で言っております民間仕様の貨物機、旅客機の価格あるいは過去の改修例等調査の上、改修母機にかかわる経費あるいは初度部品等を加えまして所要の額を推定し、経費を算定した、こういうことでございます。

伊藤英成民主党・無所属クラブ

○伊藤(英)委員 二百三十八億という具体的な数値を出しているわけですが、そのときに何を想定してその金額になったのかというその根拠を教えてください。

鈴木正孝自由民主党・保守党防衛政務次官

○鈴木(正)政務次官 今御説明申し上げましたとおり、一つはタイプの特定というようなことで、どういう空中給油方式、これは航空自衛隊の持っておる戦闘機の状況があるわけでございますから、そういうものに対してどういうようなものがふさわしいかということでいろいろと種々技術的な検討をしているわけでございまして、そのような中でフライングブーム方式の中型のものが適当ではないかということでございます。したがいまして、まだ個々の機体、機種そのものというようなことは具体的にはしていない、そういうことでございます。

伊藤英成民主党・無所属クラブ

○伊藤(英)委員 二百三十八億と、こう計上しているわけですね。その計算をしたときにどの機種かということも想定していなくてこんな数字を出して本当にいいんだろうか。この安保委員会で、そのことについても全然そんなことがない。どういうことか私全然理解できません。本当にそんな、機種も想定もしなくて、いや、いろいろなケースは僕はあると思うんですよ、その想定もなくて、こんな金額どうやって計算できるんでしょうか。

鈴木正孝自由民主党・保守党防衛政務次官

○鈴木(正)政務次官 先ほども御答弁申し上げましたように、航空自衛隊に適したタイプということで現時点で想定される機種というようなことになるわけでございますが、公刊資料の民間仕様の貨物機だとか旅客機の価格あるいはそういうものに係ります過去の改修例等の調査を総合的にいたしまして、改修母機にかかわる経費あるいはその初度部品等を加えまして所要経費を算定させていただいているということでございます。

伊藤英成民主党・無所属クラブ

○伊藤(英)委員 長官に伺います。  では、例えばどういうのをもとにして計算してこの金額になったんですか。

虎島和夫自由民主党防衛庁長官

○虎島国務大臣 今資料がここにありませんので、しばらく精査をさせていただきたいと思います。

鈴木正孝自由民主党・保守党防衛政務次官

○鈴木(正)政務次官 大変恐縮でございますけれども、具体的な機種というものは、まだ全体の空中給油システムの取り扱いというものが決まっているわけではございませんので、これは年末にかけて我々何とか導入したいということで防衛庁としても最大の努力をしている、そういう状況でございます。  繰り返しで大変恐縮でございますけれども、航空自衛隊の持っております航空機、現有のF1あるいはF2あるいはF15というようなものの、空中給油の受け口の方の、あるいはそういう運用上の様相もございますので、そういうことを総合的に考えまして、先ほどお話し申し上げましたような、公刊資料に基づきまして民間仕様の貨物機あるいは旅客機の価格あるいは改修にかかわるような過去の経費等を総合的に調査検討させていただいた上、経費を算定させていただいている、こういうことでございます。

伊藤英成民主党・無所属クラブ

○伊藤(英)委員 もう一回聞きます。  今度防衛庁は平成十三年度予算を国会に出そうとしているわけですね。どういうつもりで国会で審議をしようと思っているのか知りませんが、それこそ防衛庁の対応いかんによっては我が党もそういうのを考えなきゃなりませんね。  それで、先ほど言われたように、非常に重要視をして一機導入しようというのでしょう。そのとき二百三十八億という大きな金額の予算を概算要求として要求している、考えているそのときに、例えばこの機種は幾らこの機種は幾ら、だからこういうふうにしたんだとか、何の根拠もなくてこんなことが出せるんでしょうか。なぜそれを出さないんですか。

鈴木正孝自由民主党・保守党防衛政務次官

○鈴木(正)政務次官 繰り返しの形になって大変恐縮ではございますけれども、幅広くいろいろと全体のシステム、構想の検討をしていく過程で、あくまでも現時点の見通しというふうになるわけでございますけれども、先ほどお話ししました航空自衛隊のものとして適したタイプというような、フライングブーム方式の中型機ということで考えてみますと、現時点での取得可能性という観点から見ていきますと、ボーイングの例えば767改修母機というようなもの、あるいはエアバスA310改修母機というようなものが一つのイメージとしては考えられるのではないかなということでございますが、先ほどから繰り返してお話し申し上げておりますように、トータルで決まりました時点で機種選定というものは行っていく、そういうことでございます。

伊藤英成民主党・無所属クラブ

○伊藤(英)委員 次に、長官、P3Cの後継機の問題について伺いたいんですが、これはいわゆる国産でやるという話だと思いますが、防衛庁長官はその搭載機器を日米共同開発で行いたいという考え方を持っているようですね、ちょっとそんなふうに報道されたと私は思うんですが、これはどういう意味なのか。これはいわゆる武器輸出との関係もあるんではないだろうかと思うんですが、これはどういう意味なのか御説明してください。

虎島和夫自由民主党防衛庁長官

○虎島国務大臣 これはお説のように向こうの方ともいろいろお話ししたんですが、共同で研究したいと申し上げたのは搭載電子機器です。搭載電子機器を中心に共同研究開発をしたいということであります。機体については、これは触れられておりません。そういうことでありますから御理解いただきたいと思います。

伊藤英成民主党・無所属クラブ

○伊藤(英)委員 それは、武器輸出三原則との関係ではどういうふうに考えていますか。

鈴木正孝自由民主党・保守党防衛政務次官

○鈴木(正)政務次官 今大臣からお話を申し上げましたところでございますけれども、もう少し詳細に御答弁申し上げれば、九月に開催をいたしました日米の防衛首脳会談におきまして、P3C後継機の開発に関連して、特に搭載電子機器を中心に相互運用性を確保する、そういう観点から、情報交換を含め、どのような日米協力が可能かどうかということで、今後、米国との間で話し合いを行っていくということで意見が一致したということでございます。  武器輸出三原則等との関係を議論するという、当然そういうテーマがあろうか、このように思いますけれども、武器輸出三原則等に関する政府の立場、これはもう従来から申し上げているところでございますけれども、防衛大綱策定時の官房長官談話のとおり、装備・技術面での幅広い相互交流の充実による日米安全保障体制の効果的運用との調和を図りつつ、国際紛争等を助長することを回避するという基本理念、こういうことを維持しながら、いろいろと相談をしていくということであろうか、このように思っております。  御指摘の点、現段階で具体的に固まったということでは必ずしもございませんし、これからいろいろと日米間で話し合いをするということで意見の一致を見ている、こういうことでございます。

伊藤英成民主党・無所属クラブ

○伊藤(英)委員 次に、北朝鮮の問題についてお伺いしたいと思います。  北朝鮮の問題は、今まで外務委員会でもここでも、私も何度も取り扱ってきているつもりです。私自身が、昨年の十二月に村山訪朝団の一員としてピョンヤンを訪問したり、すぐその後にはワシントンに向かって、ワシントンの皆さん方といろいろ議論をしたりいたしました。ことしの五月にはまた訪中もいたしまして、そしてその後、五月にアメリカのシャーマン現調整官、彼にも二度目か三度目だったでしょうか、お会いしたりいたしました。  実は、その五月に訪中したとき、シャーマンさんから私が質問を受けたときに、私はこういうことを申し上げたのですね。これから、特に日本と北朝鮮との関係を考えたときには、やはり日本にとってはいわゆる拉致疑惑の問題というのは非常に重要なものだから、北朝鮮として誠意を持ってこの問題について取り組んでいるというふうに日本の国民が思うようにならないと、なかなか大変ですねという話が一つ。さらにもう一つ、今後いろいろと北朝鮮との関係で進展をするためには、金正日総書記が外国に行って外国のリーダーと会ったり、あるいは自分の国で外国のリーダーといろいろ会ったりというようなことが起こってくると、非常に信頼感が世界から持たれることになると私は思いますねという話をしたのですよ。この話はシャーマンさんに言っただけじゃなくて、中国に私が行ったときに、中国の方にもそういうことを申し上げたりしたのです。  その後、御承知のとおりに、あっという間に金正日総書記が中国に行ったり、あるいはプーチンがピョンヤンに来たりとか、あるいはこの間はアメリカの国務長官がピョンヤンにも行ったり、こういうような状況を見ていますと、私などは自分でそういう言葉も言ったのですが、その後の状況変化といいましょうか、似たようなことがいっぱい起こったりするのに実は私自身がびっくりするぐらいの状況です。  そして昨日も、EU議会の代表団でピョンヤンに行っておられた方が私のところへ来てくださって、きょうこの時間はもう成田へ向かっていると思いますが、彼にも会いました。それは、EUの代表団が行く前に、私はEメールで御本人に、日本の置かれている状況について、いわゆる日本が植民地にしていたような状況も、同時に拉致疑惑の問題というようなことについても、アメリカとかヨーロッパの国々とは全く異なった状況を我が日本としては抱えている、そういう状況について十分理解をしてピョンヤンと話をしていただきたいというEメールのメッセージを与えたりしたものですから寄ってくださったと思っています。  実はここに、これは北朝鮮の記念スタンプだと思うのですが、きのう受け取りました。ちょうどこのスタンプには、九八年八月三十一日にいわゆるミサイルを飛ばしておる、ミサイルあるいは人工衛星の絵もありますから、どちらかかもしれませんが、このきれいなスタンプをきのう受け取りました。ちょっとまた見ていただきたいと思います。参考までに見ていただけたらと思います。  そんな思いで、この問題について、本当に日本と北朝鮮あるいは北東アジアの問題について、私自身もいろいろ考えたりしているのですが、そこで伺いたいのです。  まず初めに、ミサイルの問題。米朝ミサイル協議が先月末からクアラルンプールで行われておりました。そこで伺いたいのですが、このミサイルの問題は、日朝間で話をするときには、北朝鮮からすれば何となくミサイルの問題はアメリカと話をするから、こういうような構図になっているのだと私は思うんですよ。ある意味では、日本はこのミサイルの問題については、アメリカにいわば代理的な役割も果たしていただいているということなのではないかという気がするんですね、日本の認識としては。という意味で伺うのですが、このミサイルの問題については、開発の問題、それから輸出の問題、配備の問題、これについてどういうふうにしようとしているのか。アメリカとしては、あるいは日本としては、どういう考え方をこれにとるのかということが一つ。  それからもう一つ、そのときの対象ミサイルは一体何なのか。これはテポドンあるいはノドンという話もある。あるいはスカッドミサイルの問題。これは、具体的にはどれを対象として話をしているのか、日本としてどういうふうに話をしているのか伺います。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 ミサイルの問題についてのお尋ねでございます。  一番直近の具体的なことを申し上げれば、アメリカのオルブライト国務長官がピョンヤンを訪問されたわけですが、このオルブライト長官がピョンヤンを訪問する、アメリカを出てピョンヤンに向かう飛行機の中から、外務省、私のところへ電話を飛行機の中からかけてこられまして、これからピョンヤンに行く、ついては、特にあなたから何か私に言うべきことがあれば伺いますよ、こういう話でございましたから、私の方から日本の立場について幾つか申し上げましたが、とりわけミサイルの問題については、ミサイルの問題を協議するという場合には注意してほしいことがありますと。  一つは、アメリカがミサイルという場合には、どうもICBMとか、それからテポドンのような射程の長い、つまり、アメリカに直接関係のある問題について北と議論をするというふうに思っている者もいるんだけれども、そうではないでしょうねと。これまでも繰り返し、アメリカと我々とは、韓国も入れてですが、三国で政策調整をやってきた中で、ミサイルといえば、テポドンもそうだけれども、ノドンもそうですよということを確認を、ノドンも当然含んで話をしていただきたいということは特に御注意を願いたいということを、私はオルブライト長官に申しました。  それから、その飛行機の中での話ではございませんが、その前に、この話は随分前からいろいろアメリカとは調整をしておりますから、アメリカとのやりとりの中で、今議員がおっしゃったように、開発あるいは配備、輸出、いずれもしっかり抑制してもらわなければいけませんと。とりわけ開発についてはこれはもうやめてもらいたいし、それから、配備の問題については、ノドンについてはもう既に配備されている、こう言われているわけですね。この配備をやめてもらうということも、我々としては当然、重大関心事でございますから、この配備についても十分議論をしていただきたい。輸出については、これまた、これがミサイルの拡散ということになれば世界全体への脅威を与えることになるわけですから、この輸出も何とかしてとめなければいかぬということはもうかねがね話をしてきているわけです。  オルブライト長官も、輸出の問題については、御承知のとおり、金正日総書記がプーチン・ロシア大統領に言われたと言われる、だれかかわりに打ち上げてくれればミサイルはもうやらぬでもいいんだ、しかし、その場合には自分たちが得べかりしものを補償してもらいたいというか、何といいますか、得べかりしものを我々としても考えてもらわなければいかぬと言ったとか言わないとかという話があるわけで、この点についても十分話をされるべきです。オルブライト長官も、それはもう自分として、その話の真偽から始まって、それらについて十分話をしてくるつもりです、こう言っておられました。  つまり、議員のお尋ねをもう一度繰り返せば、ノドンについて、我々としてはオルブライト長官には、含めて話をしてくださいということを申し上げましたし、開発、配備、輸出の問題についても全般にわたって議論をしてきてくださいということを申し上げた次第でございます。

伊藤英成民主党・無所属クラブ

○伊藤(英)委員 北朝鮮にとって非常に重要な話は、やはり食糧問題あるいは経済問題、それでもあるわけですね。ただ、私の理解では、南北の首脳会談が行われるようになったその一つの理由は、同じように、北朝鮮にとって経済問題あるいは食糧問題も含めてそれが非常に重要なことであって、しかも、あのベルリン宣言の中でも、韓国が北朝鮮のインフラ整備に積極的に対応するんだよというふうに言ったりしてきた、そういうことが背景にあると思うのですね。  それで、伺いたいのですが、今度は日本として見て、米の支援以外の話で、北朝鮮に対して国交正常化以前にできることは一体どういうことがあるんだろうか。これは、国としても、あるいは地方自治体やらあるいは民間というふうに考えたときに、どういうことがあり得るんだろうということをどんなふうに考えますか。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 私は、まず基本的に、今日のような日朝関係で考えれば、日本が北に対して何か考えるときには、人道的支援ということが言えると思います。この人道的支援についてはどういうものがあるかといえば、恐らく食糧であるとか医薬品でございましょうか、そういったようなものが考えられるというふうに申し上げていいかと思います。  今議員がおっしゃいましたように、国、地方あるいは民間といいますか、NGOといいますか、国の態度、国の姿勢としては、今申し上げたように、これは人道支援ということだなと私は思っております。今日のような状況で人道支援以外のものについてあれこれ考えるということは、今の段階では私はちょっと考えておりません。しかし、民間がおやりになるとかいうことになれば、これは、それをやっちゃいけないとかということを私は言うつもりはございませんが、ただ、民間が何かをなさる、あるいは地方自治体が何かをするという場合には、現実問題として、国交のない国に物を出すというときには相当面倒があるということは想定されると思います。  それらをどういうふうに、いや、自分はその道のプロだから、わかっているからといってやられるということであれば、そういう方もおられるかと思いますが、普通考えますと、こういう国交のない国、一たん物を出すことにして何かトラブルが起きたときにも、それを救済するとか、それを調整するとかという方法が非常に難しいわけですから、そうしたことは考えてくださいということは我々が申し上げた方が親切かなとは思いますが、やってはいけないとか云々ということまで、一般の法規制の範囲内であれば、それ以上のことは私は申し上げないつもりであります。

伊藤英成民主党・無所属クラブ

○伊藤(英)委員 例えば、さっき言ったNGO等々、民間団体等が、例えば農業改善等、そうしたことについての活動について、人が行ったり、あるいはいろいろな技術移転といいましょうか、そういうことをすることを推奨したい、こういう気持ちはありますか。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 私は、北朝鮮の食糧事情というものが今のままだと、恐らく恒常的に毎年毎年相当な量の不足が出てくるだろうと思います。  それからまた、これはあくまで推測でございますから、見てきて申し上げているわけではございませんので当たらない部分もあるかもしれませんが、聞いておりますところですと、今のような状況では、例えば大雨に対して、十分なかんがいとか、あるいは水をプールするとかという施設が十分でないというようなことから、天候異変に対して非常に弱いのではないかとかいうこともございましょうから、何らかの農業技術、農業土木といいますか、農業技術支援とでもいいますか、そういうことをやるということは意味があるかといえば、私は意味があると思います。  意味があると思いますが、これも先ほど申し上げたように、国交のない国からどれだけ、それじゃそういうことができるかということになりますと、これは本来、国交がきちんとできて、そして、話し合いがちゃんとできるという状況でやれる方がスムーズにできるだろうということは言えると思いますが、しかし、今議員がおっしゃるように、いや、だれかやろうというなら、それについてはどうかと言われれば、私は、それは恐らく北にとって、何といいますか、悪い話じゃないといいますか、それはやってほしいと思っておられることの一つだろうと思います。  いや、あるいはそんなことよりも、あすの百より今五十で、今食糧があった方がいいと言うかもしれませんけれども、これはあくまで私の推測でございます。そういう農業のファンダメンタルズをつくっていくという仕事もいずれは重要になってくると思いますが、そのいずれ重要になってくるときには、国交の正常化ということが重要ではないかというふうに思っております。

伊藤英成民主党・無所属クラブ

○伊藤(英)委員 KEDOの問題について伺いたいのですが、いわば核問題で合意された枠組みということでKEDOの計画が行われてきたわけでありますが、これの進行状況とその対応について伺いたいのです。  私が聞いているのでは、このKEDOのおくれというのはなかなか大変な状況にある。きのうもEUの議員からも伺いましたけれども、何年というオーダーでおくれていくのではないかという見方さえされております。そのときには、まさにこのKEDOを実行していこうと思いますと、莫大なお金が要ることになっていくのでしょう。それでは、そのときの対応というのは、日本としてはどういうことになるはずなのか、なるのか、この辺はどういうふうに考えますか。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 KEDOのプロジェクトというのは非常に重要なプロジェクトでございます。これは議員よく御承知のとおりです。このプロジェクトをしっかりやることが、北朝鮮がこれまで使用してきた黒鉛炉を軽水炉にかえていくというためのものでございますから、非常に重要だと思っております。  このプロジェクトにつきましては、建設工事を請け負う韓国電力公社とKEDOとの間で締結した主契約が本年二月に発効し、本格工事の段階に入っているわけでございます。  KEDOへの韓国及び我が国の財政的な負担割合をちょっと御説明申し上げますと、平成十年十月のKEDO理事会決議におきまして、韓国は軽水炉プロジェクトの総経費の七〇%を無利子で融資することを約束しておりまして、我が国は千百六十五億円の融資をコミットしております。この千百六十五億円の融資につきましては、我が国は国際協力銀行より融資することとし、我が国からの貸し付けに対する利子については日本政府が負担することとしております。  軽水炉プロジェクトにつきましては、本年二月に主契約が発効して、ようやく本格工事の段階に入っておりまして、二〇〇三年までに完成させることが目標でございますが、二〇〇三年までに完成させることはなかなか難しいというふうに言われております。  なぜそんなにおくれているのかということになりますと、こうしたおくれが生じましたことは、北朝鮮が、韓国との間で潜水艦侵入事件を起こしたり、弾道ミサイル発射というようなことが起きたり、こういったことでその都度工事といいますか交渉が中断していってしまうわけで、それがこうしたおくれを引き起こしているわけでございます。  しかし、いずれにいたしましても、我が国政府としては、引き続き、軽水炉建設プロジェクトの推進のためにKEDOに協力をしていくつもりでございます。  財政的な点についてもちょっとお触れになりましたので、もう少し申し上げますと、KEDOの軽水炉プロジェクトの総経費はおよそ四十六億ドルと見積もられておりますが、平成十年十月のKEDOの理事会決議では、韓国が七割、我が国が先ほど申し上げました千百六十五億、これは全体の二割二分、二二%ということになっておりまして、残りの八%についてはまだ資金手当てがついていない状況でございます。  アメリカにつきましては、それ以外の、それまでの間の重油を供給するとかそういったことを引き受けるということになっているわけでございまして、先ほど申し上げましたように、これらが二〇〇三年までにできませんと、議員がお話しのように、こうした経費はさらに膨らむということになろうかと思います。  しかしながら、今申し上げましたように、この軽水炉プロジェクトを完成させるということは極めて重要と考えておりますので、私どもとしては、この問題についてはさらに、例えばEUの支援をお願いするとかアジアの国々から支援をお願いするとか、つまり、これは国際社会全体への脅威になる問題でございますから、世界各地域からの支援もお願いをしながら、この軽水炉プロジェクトはやり遂げたいというふうに考えております。

伊藤英成民主党・無所属クラブ

○伊藤(英)委員 実は、北朝鮮のインフラ整備等々について考えますと、あるいは工業団地をつくろうとかいろいろな話があるのですが、莫大な金が要るのですね。  それで、韓国の金大中大統領からも言及されていると思うのですが、北朝鮮が世界銀行とかアジア開発銀行等への加盟ということを考えたときには、どういう状況が起こったときに加盟ということになるのか、日本政府としてはこの加盟問題はどういうふうに考えられますか。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 お尋ねの目的から少し外れるかもしれませんが、非常に事務的でございますけれども、まず世銀への加盟要件について申し上げれば、世銀に加盟するためにはIMFへの加盟がまず条件でございます。IMFへの加盟資格は、IMF協定上に定められた加盟国の義務、クオータの支払い義務でありますとか情報提供義務などでございますが、これを受け入れる用意がある国家でなければならないということになっております。  加盟手続は、加盟希望国の申請に基づいて、理事会が加盟条件を決定し、総務会が承認した後に、総務会は投じられた票の過半数の賛成が必要ということになっておりますが、その後に、当該国が協定原本に署名をして受諾書を寄託するということになっているわけでございます。  それから、恐らく議員のお尋ねは、では日本はそれに対してどういう態度なのだ、こういうことだろうと思います。仮に世銀でありますとかアジア開発銀行へ加盟、非常に難しい条件がありますからそう簡単でないわけですけれども、加盟するというときに、日本はそれを支持するかどうかということになりますと、我々としては、現状ではまだ支持しますとは言い切れないものがございます。これは、やはりそうした銀行からの融資が多額に流れるということになれば、それはさまざまな問題を惹起する可能性というものがございます。我々は、まずまず何よりも先駆けて、そうした国交正常化交渉を進めるということが重要と考えているからでございます。

伊藤英成民主党・無所属クラブ

○伊藤(英)委員 先般の南北の首脳会談のときに話が出ておりましたけれども、在韓米軍、要するに、南北統一した後の在韓米軍の問題について話がありました。  南北の統一後も在韓米軍は必要だというふうに日本政府は、はっきりと言っていたのかどうかちょっとはっきりしないのですが、言っておりましたか。もしも言っていなかったならば、はっきり言える話は、金大中大統領をサポートすることにはなると思うのですね。そのように言っていたかどうかということ。  もう一つ伺いたいのは、伝えられるところによりますと、そのときの話が、米軍が撤退した場合に日本とロシアと中国が覇権争いをすることになるというような論理を話されたように、ちょっと私はどこかで読んだと思うのですが、もしもそうならば、もしもそうならばというのは、私は日本はそんなことはないと思うのですよ。だから、そのときに、金大中大統領と、日本としてはそんな考えは毛頭ないよ、だからよく御理解くださいといいましょうか、その辺のことについてしっかりと話をしているのかどうか、伺います。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 在韓米軍につきまして、我が国がこれについて何か言ったということは私は記憶しておりません。在韓米軍は、米軍と韓国といいますか、北朝鮮といいますか、朝鮮半島がまず第一義的にこれについては話し合われるのだろうと思っています。  金大中大統領は、在韓米軍の存在は非常に意味があるということを言われた。その後、情報をいろいろ聞いてみると、金正日氏もそれについては肯定的な反応であったというふうに聞いております。もし仮にこの議論があるとすれば、そうしたことを受けて米軍は判断をなさるだろうというふうに思っているわけです。  今国際情勢の中でどういう動きがあるかというと、日本と中国と韓国、この三つができるだけ風通しをよくして話し合いが十分できるようにしていく、日中韓といいますか、そういうことが重要ではないかということを我々考えておりまして、韓国側も全くそれに賛成でございますし、中国もまた、先般の朱鎔基首相が日本に来られましたときに、今月シンガポールで行われることになっておりますASEANプラス3の会合のときに日中韓三国の首脳会議をやろう、テーブルを囲んで、食事をするかあるいはコーヒーを飲むかわかりませんけれども、日中韓の首脳会議をやろうと、朱鎔基首相もそれについて賛成をしておられました。  私としては、これからできるだけこうした日中韓の首脳会議というものが行われることが望ましいと思っておりまして、少なくとも今の時点ではそういう方向に中国も韓国も合意をしてくれているというふうに承知をしております。

伊藤英成民主党・無所属クラブ

○伊藤(英)委員 質疑時間も余りありませんので、最後に提唱をしたいと思うのです。外務大臣としてどう考えられるか伺いたいと思うのですが、実は私はこの日朝交渉というのはますます大変になっていると思います。そして、日本の姿勢というものが多分ますます問われてくることになってくると思うのですね。そういう意味で、いかに日本が、交渉は非常にしっかりやらなきゃいけない、しかし同時に、ある意味では、日本としての積極的なメッセージといいましょうか、そういうものをしっかりと伝えていくことが必要だと思うのです。  そのときに、今北朝鮮サイドにとっての重要な話は、私から見ますと、先ほどもちょっと触れましたけれども、経済的な問題、農業問題等も含めた、食糧問題を含めた経済的な問題をどうするのか。それから、順番はどちらが優先するかわかりませんが、北朝鮮にとっての安全保障の問題をどうするか。あるいはもう一つは、その体制ということもあるのでしょう。そういうことだと私は思うのですね。そのときに、いわゆる安全保障の問題とか経済問題というのがどんなに重要かということを、日本から見ても当然同じように考えられるはずであります。  そんな意味で、今例えば四者協議という話が出たりいたします。これは、四者のみならず、さっき大臣も、日韓中の話が出ましたけれども、日韓中あるいはロシアの問題ももちろん、日韓米の話、もう片一方では中それから朝、ロシアというようないろいろな動きがあるわけですね。そういうことを考えれば、当然これは南、北、中、米それからロシア、日本の六者でちゃんと議論をするということが、信頼醸成という意味においてもその枠組みで進めていくことが重要だと思うのですよ。これは日本からもっと強くそういうふうに発信すべきだと思うということが一つ。  もう一つは、今後の問題として、この北東アジアを、いわば北東アジアの経済圏構想というような形で打ち上げて、経済的にも相互依存関係をつくり上げていくかということがどんなに重要かと私は思うのですよ。  そしてもう一つ、最後に、これで三つ目になりますが、これは先般の外務委員会でもちょっと私申し上げましたけれども、これからの交渉等々を考えてみてもそうなんですが、やはりピョンヤンと東京にそれぞれの連絡事務所を設置することも検討していく価値はあるのだろう、こう思うのです。  そういう意味で、この三点についてどのように考えるかを伺います。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 みんな難しいことばかりおっしゃっておられるわけですが、六者会談といいますか六者協議といいますか、私もこれは非常に重要だと思っています。  ただ、現状では、日本から呼びかけて北朝鮮が入った六者協議が、北側がそれに対して、結構でしょう、六者協議いいでしょうと現実に言うかどうかということになると、これはなかなか、正直難しいなというふうに思っています。  ただ、理論的に、考え方として私は議員のおっしゃることに反対ではございません。  現在、四者会議が開かれておりますのは、これは戦争を終結さそうということで、あの戦争にかかわり合った四者がやっているわけでございまして、未来志向といいますか、今後北東アジアをこういうふうにしていこうというときには、やはり議員がお話しになりましたように六者会議のような広がりというのが必要だろう、私はそれの実現を願っていると申し上げていいと思います。  それから、北東アジア経済構想というお話でございましたが、これはちょっと具体的なイメージが私にうまくわかないのでお答えが難しいのですが、正直、もう日本と韓国との間には大変な経済的な依存関係ができております。中国との間もそうでございます。もっと言えば、ロシアとの間でも経済関係は年々大きくなっているわけです。そういうことから、北がどういう対応をするか、これもそういうことになるのだろうと思います。  議員のおっしゃるのは、だから抱きかかえるようにしてそういうことを考えたらいいのだというふうに恐らくおっしゃっておられるのだろうと思いますが、そこはちょっと具体的なイメージが私にはどうも出てまいりませんので、もう少し研究させていただきたいと思います。  それから、ピョンヤン、東京の事務所を置けとおっしゃるのは、それはもう置ければ非常にいいと思います。  ただ、これはまだそんな状況でない、実際の交渉もそうでございますし、環境もそういうことになっていないのではないかというふうに私は感じております。

伊藤英成民主党・無所属クラブ

○伊藤(英)委員 これで終わります。どうもありがとうございました。

高木義明民主党・無所属クラブ

○高木委員長 次に、島聡君。

島聡民主党・無所属クラブ

○島委員 民主党の島聡でございます。  限られた時間でありますので、手短にいろいろな質問をさせていただきます。  まず、外務大臣、先週の水曜日、外務委員会で私どもの安住委員がいろいろな質問をしました。その再質問というような形で進めていきますので、よろしくお願いします。  安住議員の方からいわゆる拉致問題について質問をしたことに対して、交渉のやりとりについては先方との約束があるから、拉致という言葉を使ったかどうかということは今回は言わない、ただ今までは使っている、つまり、この拉致問題は交渉過程の問題だと。それで、先々週の国家基本政策委員会、党首討論で森総理が、第三国発言について、これは秘密のことでもなければ、外交上の機密事項でも何でもない、何か鳩山さんは誤解されているんじゃないかと言う。  私は、森さんの方こそ随分誤解しているんじゃないかと思います。首相が、ぺらぺら外交の交渉過程における事案について話すことが、国益にもたらすいわゆる損害というものを全く意識していないということに対して驚いたのです。首相官邸にそういうような体質があるんじゃないかということを後で御質問します。  河野大臣はエピソードを紹介されたと言われました。エピソードじゃないと思うのです。  三月二十四日の沖縄北方特別委員会で、私どもの鉢呂議員の問いに対しまして、要するに交渉過程についてもきちんと説明しなさいということに対して、河野大臣はこうおっしゃっています。もちろん、国民に説明をし、理解を得ていくことは重要だと思う、しかし、最前線で双方の交渉事をやっておりますときにはやはり国益を考えなければならない部分もある。これは私も賛成です。すべて手のうちを向こうに見せるということで交渉が有利にあるいは正しく進められるかどうかという問題も、議員も御理解いただけると思うのです。  私がいつも、こういうことをきちんと説明しなさい、外務省もきちんと国民に納得のいく外交をするためには説明が必要だと言うたびにこういう議論をされます。私も、なるほど、それはわかったということで矛をおさめました。  今回の森総理の発言は、交渉の過程において手のうちをしゃべったことじゃないのですか。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 先般、私が申しましたのは、まさに日朝国交正常化交渉の最前線で先方と、交渉相手とやりとりをしている部分については、大変申しわけございませんが、先方との約束といいますか、了解もあって、確認もあって、これは申し上げることができませんとまず申し上げました。それから、外交交渉一般について、余り国民の皆さんに説明を申し上げられないときもありますと。しかしそれは、交渉を有利に導くあるいは不利にならないために重要である場合があるので、そうしたことも御理解をいただきたいということを申し上げたわけでございます。  議員がお尋ねになっているのは、恐らく総理のソウルにおきますイギリスのブレア首相との会談の際の発言についてお尋ねだろうと思いますが、あの総理の御発言につきましては、総理からもあるいは官房長官からも累次にわたって説明を申し上げておりますように、九七年の与党訪朝団の折に、副団長であった中山先生より、息子や娘に一刻も早く帰ってきてほしいとの家族の切実な心情を説明する意味で、一つの解決策として述べられたものと承知をしております。  中山先生が、帰国された後も種々の機会に訪朝の際にこのような発言をしたことは明らかにされていることもあって、総理は先般のあの会談におきまして、この発言は周知のものであるとの前提でイギリスの首相に述べられたというふうに承知をしているわけでございまして、これは私が前段で申し上げた、交渉当事者が北側交渉相手とやりとりをしていることについて、あるいは北側との直接のやりとりについて特別にお許しをいただくということとは少しケースが違うのではないかというふうに私は思っております。

島聡民主党・無所属クラブ

○島委員 たしか、その後の総理記者会見で、そういう方法も今後とることもあり得るということをおっしゃったということは報道で聞いておりますが、先ほど質問したのは、すべて手のうちを向こうに見せるということで交渉に有利にあるいは正しく進められるかという問題も理解していただけると思う——理解しますと言って今までは私が抑えていた。ところが、総理が言ってしまうと、その手のうちを言ってもいいんですか。外務委員会ではあるいは安保委員会ではそう言っておいて、ダブルスタンダードをやっているのじゃないか、その手のうちを見せたんじゃないですかということについて、お答えください。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 手のうちにはカードはたくさんあるわけでございまして、いろいろな交渉の仕方ということも我々はいつも考えているわけでございます。でき得べくんば、手のうちのカードの種類が多いということが一般的にはいいのではないかというふうに思われがちでございますけれども、そうした問題と、総理が、これから北朝鮮との間に国交を樹立して北朝鮮との間に外交関係を持つと言われるイギリスの首相に日本の立場をよりわかりやすくといいますか、説明をすることによって英国の理解を求めるということから来るプラスと、両方考えなければいけないところがあるのだろうというふうに思います。

島聡民主党・無所属クラブ

○島委員 そう言わざるを得ないことは、これも理解せざるを得ないので、これはここまでにしておきます。  ここでちょっと、先ほど申し上げた、どうも首相官邸がそういうことを意識していないのではないかということについてのことで一つ質問をします。  これは、産経新聞に載せられた久保さんという方の文章ですが、「たとえば、日米安全保障条約と日本の“国是”としての非核三原則をめぐって、米艦船の領海通過を含む事前協議と「(核)持ち込ませず」とのあいまいさを指摘し、過去、多くの“密約”説(たとえば、ライシャワー証言など)がささやかれてきた」こうしたことは周知の事実だと思うのです。それはいろいろな考え方があるでしょう。  いわゆる核持ち込みに関して、私幾つかたびたび質問をしたことがあります。一九九九年三月三日に、一九八一年のときに野党側の五月二十九日の衆議院連合審査で、いわゆるそのときの議事録というものが残っているから出しなさいと言ったときに、野党の議事録の証拠提出を拒んだと。それで、外務省に事前にこの論文を送って、この議事録は何を意味するのかと私聞いたのです。何を意味し、こういうのは存在するのかと聞きました。そうしたら、当時の竹内政府委員が、「お尋ねの議事録というのが具体的にいかなるものか、ちょっと私にもよく、正直言ってわからないのでございます。」というふうに回答しています。この見解は今も変わっていませんね。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 御答弁を申し上げる前に、先ほどの私の答弁でもし誤解があるといけませんので、ちょっと確認のために発言をお許しいただきたいと思います。  先ほど私は、森総理が、北朝鮮との外交関係を持とうとしているイギリスのブレア首相に日本の立場について説明をした、その中の一つだというふうに申し上げましたが、第三国で云々というのが日本の立場というふうにおとりいただきませんように、日本が北といろいろな問題を抱えて今交渉中だというのが日本の立場だというふうにぜひ御理解をいただきたい、その点だけ申し上げておきます。  その議事録の話でございますが、ちょっと今私の手元に、今議員がお話しになりました一九八八年……(島委員「一年です」と呼ぶ)一九八一年。ちょっともう一度、申しわけありません。

島聡民主党・無所属クラブ

○島委員 一九九九年三月三日に私が聞いたんですが、これは一九八一年、昭和五十六年五月二十九日の衆議院連合審査のときでありますが、それについて聞いたところ、これは事実確認ですが、「いかなるものか、ちょっと」「正直言ってわからないのでございます。」と書いてあるから、それは今も変わりませんねということですから、多分変わらないと思いますが、そこだけお答えいただきたいと思います。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 申しわけありません、ちょっとどの議事録を指しておられるのかが今急な御質問でわかりかねますので、改めて外務省からどの部分かをお尋ねに上がって確認をさせていただきたいと思います。

島聡民主党・無所属クラブ

○島委員 これはきちんと私の方ももう少し詳しく言っておけばよかったんですが、なぜこんなことを言ったかというと、一つのエピソードを紹介したいと思ったわけなんです。  私がこの質問をしたときに、これはかなり機密事項に属することなんだろうと思いました。プラトンの言うところの政治には高貴なる虚構が必要だというところであります。そういうことだろうと思って、私もある意味で納得をしておりましたら、その夜のパーティーがありました。多分、中川前官房長官のように薄い記憶をたどって誠実に答えましたら、安全保障委員長の招待のパーティーですが、そのときに、今首相官邸の中枢におられる方で、きょうはきちんと具体名は申し上げませんが、首相官邸の中枢におられる方で、そのとき、まだ私は面識がなくて、この岸・ハーター交換公文に非常に御関係のある方が寄ってこられて、この問題に対するある意味で非常にきちんと証明できるものを持っているということを私に言われました。エピソードでございます。  きょうは具体名は挙げませんが、パーティーのだれもが聞いているところであります。そして、私は、そのとき初めてその場でお話をした面識がない野党の一年生議員です。だれもが聞こえるところでそういうことをぺらぺらとお話しになる。私は自分自身で、これは一体何のためにおっしゃっているのかということを自分なりに考えました。私は毎日日記をつけておりますので、日記にそれは克明に書いてありました。これはきちんと外務大臣、お確かめになった方がいいと思うんですが、そういう感覚で、だれもが聞いているところでぺらぺらと、だから機密事項でも何でもないという発想になるんじゃないですか。ぜひともきちんとお確かめになった方がいいと私は思います。  もう時間がなくなりました。本当は親書の問題についてもお尋ねをしたかったんですが、時間が少ししかございませんので、またそれは次の機会にさせていただくことにしまして、緊急事態法制を防衛庁長官にお聞きしたいと思います。  私ども民主党は、安全保障基本政策というのを昨年出しました。その中で「緊急事態法制」という項がありまして、要するに、現在の自衛隊が出動するような緊急事態が発生した場合、自衛隊出動にあたっての要件・手続については、自衛隊法が規定している、しかし、出動した後の自衛隊の活動のルールについては法律の規定がほとんど存在していない、現状のままでは、日本に対する直接侵略などの緊急事態において、円滑に行われないことで国民の生命財産に対する侵害が拡大する場合もあるし、または、自衛隊が超法規的措置を取らざるを得ない可能性がある、だから、このためあらかじめ緊急事態における法律関係については十分な議論を行い法制化しておくことが重要であるという提言をまとめました。  私ども、それに従いまして、今鋭意党内での議論を深めているところでありますが、「緊急事態において、日本に対する武力攻撃などに効果的に対処できるようその活動の根拠を与えるとともに、」「自衛隊などの活動が、シビリアン・コントロールの下にあり、国民に対する必要以上の」ここから先がポイントでありまして、「権利制限とならないよう、国民の権利、とりわけ憲法上認められた基本的人権・表現の自由等を保障すること」が重要であるというスタンスで今議論をしています。  これからは国会改革によって政治家同士の議論になりましたから、ぜひとも防衛庁長官、就任間際の七月四日夜の首相官邸の記者会見で、有事法制について、研究だけにとどまらずきちんと法制化することが望ましいとおっしゃっていますので、ぜひとも議論をしておきたいんですが、いわゆる緊急事態のときは、いろいろな場合に基本的人権との関係が出てまいります。当然、憲法二十九条には、「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。」とあります。  質問は、緊急事態の場合、私有財産制度のもとに個人の財産権をどのように守っていくということを長官としては、政治家として、お考えになるかということでございます。お願いします。

虎島和夫自由民主党防衛庁長官

○虎島国務大臣 まず、有事法制については、今委員御指摘のような見解を私は持っておりますが、これにはいろいろ経過がありまして、政府としても縛りがかかっておるというのもありますので、この点については、そういう期待を持っておることとこれを具体的に動かすということとの間には、手続上まだ相当の乖離があるということを御理解いただきたいと思います。  もう一つは、さはさりながら、我が国が要するに緊急不正の侵略というか攻撃を受けたとき一体どうするのかというようなお話と思いますけれども、これは、お説のように、たとえどうであれ、有事法制の制定においては基本的人権の保障が必要であるという考えは御同様に持っております。  ただ、有事の際に個人の財産権を制限した場合の補償、これはどういうことかということでありますけれども、私どもとしては、個別具体的な状況によって正当な補償というものを、当然これはしなきゃならぬ義務があるというふうに考えております。

仲村正治自由民主党防衛政務次官

○仲村政務次官 先ほどの御質問、緊急事態法というお話でございましたが、いわゆる有事法制を想定する場合の問題であろうかと思っております。  一般論として申し上げれば、我が国が外部から武力攻撃を受けた場合、国家と国民の安全を守ることは公共の福祉を確保することにほかならないことから、そのため、必要があるときは、合理的な範囲内において法律で国民の権利を制限し、もしくは特定の義務を課すことも憲法上許されているものと考えております。もっとも、そのような場合においても、可能な限り国民の権利を尊重すべきことは言うまでもございません。  以上申し述べました点については、御指摘の私有財産にかかわる財産権を制限する場合も全く同様であるとともに、仮に補償を要する場合においては、正当な補償を行うべきことは言うまでもないと思っております。

島聡民主党・無所属クラブ

○島委員 緊急事態に対応するために一時的に私権を制限する場合があるであろう、そのときにあくまでこれは公共福祉のための措置である、そういう観点に立ってこれから議論をしていかなくちゃいけないと思っています。  今お話があったように、正当な補償は、それについてちょっとお尋ねしますが、なかなか難しいんですね、この正当な補償というのは。例えば、土地収用法七十一条だと、収用する土地に対しては、近傍類地の取引価格等を考慮して、相当な価格をもって補償しなければならないという意見もあります。その正当な補償というのが完全な補償か相当な補償かという議論が当然出てくると思いますが、これもどのように考えるか、お聞かせください。

仲村正治自由民主党防衛政務次官

○仲村政務次官 完全な補償か正当な補償かということでございますけれども、憲法第二十九条三項は、公共のために特定の財産権に対していわゆる特別の負担または制約を課す場合には正当な補償を要する旨を定めたものと理解をいたしております。  この規定のもとで、どのような負担または制約を課することができるか、あるいはどのような場合に補償をしなければならないかについては、負担または制約を課する合理的な目的があるか、負担または制約の程度とその目的とが相応しているか、補償の内容及び手続が正当であるかなどの見地から判断されることになると考えております。  したがって、御指摘の、有事の際に個人の財産権を制限した場合についても、個別具体的にどのような状況であるかによって憲法第二十九条第三項の正当な補償の内容を判断することになると考えております。

島聡民主党・無所属クラブ

○島委員 憲法論を含めて、これからきちんと議論をしながら進めていくということになると思います。  あと五分しかありませんので、ちょっと個別具体的な話も少ししたいと思います。  例えば、今私どもの伊藤委員が北朝鮮の切手を見せられました。あれがそうだと言いませんけれども、例えばの話でありますが、特定の国を指しているわけではありませんが、武装工作員が例えば入ってくる。武装工作員が入ってきて広い地域で活動をする場合、そういうときに重要な防護施設、例えば原子力発電所かもしれないし、あるいは都市部に武装工作員が入ってくるといろいろ難しい問題もあるので、ひょっとしたら移動の制限とか移動の禁止ということをする必要があると私は思うのでありますが、こういうような場合には、防衛庁はどのように考え、どのように対処しようとしておられますか。

鈴木正孝自由民主党・保守党防衛政務次官

○鈴木(正)政務次官 今委員は特定の国の工作員ということではないということでございますので、そういう前提に立って御答弁申し上げたいというふうに思いますが、御案内のように、国民の生命財産の保護の観点から、事態の推移に応じた適切な対処が重要というように基本的には考えております。  この点につきまして、防衛庁だけということではなくて政府全体として取り組むことが非常に重要な、また必要なテーマというふうに基本的には考えておるわけでございますが、先ほどお話しの、武装工作員が我が国へ侵入するような事案、これが防衛出動命令または治安出動命令等によって出動を命ぜられるというようなことになりました場合、自衛官は警察官職務執行法に基づいて、人の生命身体への危険の防止等のため、人を引きとめ、あるいは避難させるなどの措置をとることができるということになっております。  他方、災害対策基本法に規定されているような、一定地域の住民等に対して避難の指示あるいは警戒区域の設定というようなことが、警察官職務執行法に基づく措置という観点からしますと、こうしたことはできないというようなことがあろうか、こう思うわけでございまして、政府全体でこれから具体的な対応ということについて考えることも大変大事だ、そのように考えておるところでございます。

島聡民主党・無所属クラブ

○島委員 私どもも、民主党として、国民の基本的人権を守りながら、かつ生命財産を守るという意味で、緊急事態法制について鋭意取り組んでいきたいと思います。きちんとした議論を今後していきたいと思う次第であります。  最後に、一点だけ。  先ほど伊藤委員も触れられましたが、「情報RMAについて」という報告書があります。こういう先取りした報告書を出されたことは、私は極めて評価を申し上げたいとまず思います。それに関しまして、一点だけ質問をさせていただきます。  私もインターネットとかITには割と詳しい人間ですが、サイバー攻撃というのは、いわゆるハッカーという形で一番最初にいわゆる中枢のコンピューターシステムを破壊していくわけであります。これがまず武力攻撃だと私は思います。なぜかというと、相手の計画的、組織的な攻撃でありますから私は武力攻撃だと思うわけですが、こういう場合に、一体どの時点でいわゆる武力の攻撃があったというふうに認識するのか。  「客観的にだれしも認識できる明白な事態であろうと思います」というのが衆議院安保委の五十六年の栗山局長の答弁でありますが、インターネットの場合、パソコンの場合、客観的にだれしも認識できない、明白な事態でないわけであります。そういう場合に、どのように判断すればいいと考えますか。

鈴木正孝自由民主党・保守党防衛政務次官

○鈴木(正)政務次官 RMAにつきまして、先般防衛庁、一生懸命勉強した成果をオープンさせていただいたわけでございますが、大変評価いただきましてありがたく思っております。  サイバー攻撃、サイバーアタックにつきましてはなかなか難しい問題がたくさんあろうかと思います。これからの大きな現実的な課題、そういうことでございますけれども、一般論として申し上げますと、国境の設定が非常に困難、あるいは攻撃の主体がだれか、攻撃か事故か、この判断というものがなかなかしにくい、あるいは、物理的な破壊を直接的にもたらさないというようなことで、一律に云々するということがなかなか難しいトータルでの問題がある、そういう特徴があるわけでございますが、加えまして、我が国はもとより、国際的にもこの問題についての確たる定義というものがまだなかなか確立をされていない、明確でない、そういうことがございます。  したがいまして、今委員御指摘の発生の時点云々というようなこと、それが武力攻撃に当たるのか当たらないかというような事柄につきまして、なかなか一概にお答えすることは難しいのではないか、法制上そういうような問題があるということは承知の上で御答弁申し上げるしかないということだろうというふうに思っております。  また、今後予想されます情報通信技術、いわゆるITの飛躍的な発展、発達ということが軍事分野全般に非常に大きな影響を与えるだろう、こう考えておりますし、防衛庁全体で一生懸命今鋭意取り組んでいるところでございますけれども、また政府全体でも法制面を含めまして幅広く研究、検討を重ねていくことが今大変大事だ、このように考えております。

島聡民主党・無所属クラブ

○島委員 終わります。

高木義明民主党・無所属クラブ

○高木委員長 次に、田端正広君。

田端正広公明党

○田端委員 公明党の田端正広です。よろしくお願いします。  大臣、政務次官、大変御苦労さまでございます。  最初に、私は、先ほども御議論が出ましたが、普天間協議の問題についてお伺いしたいと思います。  先般、日米両政府によって普天間実施委員会が開かれ、あるいはまた、政府と沖縄県、地元市町村のメンバーにより基本計画を話し合う代替施設協議会も開かれたということで、この問題に対しての、沖縄県民はもちろん、私たちの中でも、どういうふうにあるべきかということをいよいよ本格的に議論するときが来ている、こういう思いがいたしますが、基本的に、使用期限の十五年という問題については、沖縄の方々のそういう気持ちもあり、そして先ほども御議論があったように、それに十年ないし十数年、つまりトータルで二十五年とか三十年とかという一つの目途を立ててやっていく、こういうことでありますが、私は、この問題について防衛庁長官が今後どういうふうに基本的に政府としてお考えになるのかということをもう少しはっきりとおっしゃっていただきたいと思いますが、やはりそういう意味で、沖縄県民の気持ちを大切にするということと、それからアジアの平和と安全ということと、非常に難しい問題であります。しかし、そういう中で、やはり将来的には基地は減らしていくんだ、こういう認識が一番大事だろうと思いますが、もう一度防衛庁長官の方からこの問題についての基本的なお考えをお願いしたいと思います。

虎島和夫自由民主党防衛庁長官

○虎島国務大臣 お答え申し上げます。  これは、先ほども一部お答え申し上げましたけれども、基本的には、やはり去年暮れの閣議決定事項というものを我々は行動の基本に据えながら努力をしていくということになると思います。  その中に、十五年問題もさることながら、SACO最終合意というのがございます。これは、沖縄の基地を縮小していこう、あるいは代替施設をつくって移転をしようということがあるわけでありますけれども、今、当面我々が全力を振るって当たっておるというのは、このSACO最終合意に基づいて、基地を着実に、確実に縮小していくということであるという認識を持っています。と同時に、今お話のありました期限問題については、これはどうしても日米の話になるわけでありますから、先ほど申しましたように、機会をつくり、機会をとらえ積極的に、沖縄の御提言は重いものとして受けとめながら、日米交渉の場で対応していきたい、このように思っております。  以上でこのことについては御理解いただくとありがたいし、また、ともに力をあわせてこのことの解決に御協力賜ればありがたいということもつけ加えておきたいと思います。

田端正広公明党

○田端委員 これは交渉事ですからあれですけれども、ぜひ沖縄県民の気持ちというものをベースに置いてやっていくべきだ、こう思います。  それで、防衛庁長官にはちょっときつい話になりますが、率直にひとつお答えいただきたいのです。  先般来、防衛庁の契約業者、納入業者が水増し請求という非常に思わぬ事態が起こっておりますが、株式会社トキメックが百三十三億円の水増しをしていた、こういうことで、それに対して二十四億円の遅延損害金を加えて百五十七億円の損害賠償請求を行ったということでありますが、これは国民の立場から見ますと、今非常に経済状況の悪い中で必死になって汗を流している、そういう立場からしますと、防衛庁というところはどういう感覚なんだ、こういう国民の皆さんのお怒りがあると思います。  そういう意味で、この問題、大臣としてどういうふうに認識されているのか。特に、はっきり言ったら、税金をだまし取っているということをチェックもできなかったということになるわけでありますから、そういう意味でこのトキメックの問題、そしてまたほかにも、富士写真光機あるいは日進電子等々もそういう過払い、水増しの問題があったというふうに聞いております。さらに、一昨年でしたか、NECの水増し請求の問題もあったわけでありまして、一体これらの問題は、いつまでこういう形でそういうどんぶり勘定のようなことが続いていくんだ、こういうことになるわけですから、ぜひ大臣、責任者として、この問題について明確なお答えをいただきたいと思います。

虎島和夫自由民主党防衛庁長官

○虎島国務大臣 私も、委員と御同様に、極めて憂慮すべき、しかも強くみずからも批判すべき、しなきゃならぬという立場でこの問題を受け取っております。  問題が発生したのはかなり前になるわけであります。そして、例の調本のああいう不祥事が出まして、いろいろなことが行われたわけでありますが、実は、当時の防衛庁長官を長とする、不正の、このようなものの再発防止についての取り組みが行われました。この取り組みに基づいて、これは立派なものを残してくれてあるわけでありますが、これに基づいて再精査をやったわけであります。その結果、御指摘のありました水増し請求等が出てまいりまして、これを今逐次処理をいたしておるわけであります。  私も現場を督励しまして、いろいろ難しい点もあろうけれども、これは国民の信頼を回復するという意味からもきちっとした対応をするようにということで、現場職員もかなり古い資料等もそれぞれ精査をしながら仕事を進めておりますが、率直に申し上げまして、まだこれは案件のうちに、これでよろしいのかなというようなものが実は二百八十件ぐらいあるのですね。これを、十年にしたもの、十一年にしたもの、十二年のもの等々に仕分けしまして、現在、十年、十一年のもの百七十件については精査を大体終わりました。処理をいたしておるその中の一つが御指摘のトキメックでもあるわけであります。そのほかまだ残りがありますので、これも今申し上げましたような基本的な姿勢で、速やかに、鋭意厳正に、これらは現状を取り調べて結論を出すということであります。  なお、詳しくは政務次官の方からもお答え申し上げますので、御理解いただきたいと思います。

田端正広公明党

○田端委員 いや、詳しくはいいです。  要するに、この問題だけではなくて、先般来いろいろな、例えば呉基地における魚雷落下事故の隠ぺい工作とか、あるいはロシアへの秘密漏えい事件とか、そのほか訓練生の飛行機事故とか、たくさん近々にはいろいろな事件が防衛庁関係で起こっているわけですから、そういった意味で、ぜひ大臣以下、これは気を引き締めて、国民の信頼というものをかち得ないと、せっかく自衛隊に対する理解の輪が広がっている中で、こういう事故が相次ぎますと、また逆戻りするということになりますから、その点をぜひ御注意願いたいと思います。  それで、次に移りますが、外務省にお伺いいたします。  私は、これからの日本の外交の基本は、いろいろなことがあると思いますが、一つの大きな考え方として、人的交流といいますか、人間と人間の交流を深めるということがまさに日本にとって非常に大事な平和外交のあり方だ、こう思っております。  それで、例えば日本人が外国に出国している数は、平成十一年でいきますと千六百三十五万何がしでありますが、逆に、日本へ外国人が入国した数というのは四百九十万、つまり三分の一であります。そういった意味で、もうすごい歴史と文化を持った国だとは私は思っておりますが、世界、国際社会の中で日本に対する理解がまだまだ少ないんじゃないか。そういう意味では、観光も含めて、一つの平和外交として、人と人が相互交流する、そういう路線をしっかりとこれからつくっていただきたい、そういう意味で申し上げたいと思います。  けさの新聞社説にも、ODAの世界一であるという日本に対して、「金額より感謝される道を」という見出しがついておりました。国際的には援助大国ということにはなっていないんだ、金額では大きいかもわからないけれども、世界各国からの日本に対する見方としては非常に冷たいものがある。それは、先般、朱鎔基首相が森総理に対して、日本の経済協力に感謝を表明し、中国国内での日本のPR強化を約束されたわけですが、そのこと自体も中国のメディアでも報道されていないという意味で、私は、ODAを含めた日本の経済援助について、もう少しここは本格的に質的転換を図らなきゃならないときに来ているのではないか、こういう思いをしております。  例えば、何事もプロジェクト支援とか経済支援、開発支援とか、そういうことではなくて、例えば人材育成あるいは人的交流のためにODAの予算を充てるように、そういう側面をきちっと、例えば国別に、何%はこういうふうにした方がいいとか、そういう意思を日本が持ってやってもいいのではないか、そういうふうに痛切に感じております。そうすれば、例えば日本に留学をして日本を知って、その国に帰って将来リーダーになった場合に、日本に対する理解も大きく深まるわけですから、そういう長い目でひとつぜひ見ていただきたい。  モンゴルに、日本・モンゴル人材協力センターというのをモンゴルとの間につくったようでありますが、例えばODA対象国に対してそういう人材協力センターのようなものをどんどんつくっていった方がいい、それから、国別にそういうことに対するプログラムをきちっと作成して、人材育成に関するそういう援助計画というものをつくってはどうか、こういう思いもしました。  そしてまた、逆に今度日本の方は、そういう支援する体制、受け入れる体制をきちっとした形で、こういう人材育成あるいは人的交流のためにODAを再考ということが考えられると思いますが、外務大臣の御所見をお願いしたいと思います。

浅野勝人自由民主党外務政務次官

○浅野政務次官 御指摘いただきましたのは、海外への日本のPRをもっとしっかりしないか、それから、ODAをもう少し人づくりを基本にしたものにシフトしていったらどうか、それから、そのためには、例えばモンゴルに置いた人材協力センターのようなものをもっとグローバルに広げていったらどうかという御指摘かと承りました。  海外へ日本のよさをPRすることにつきましては、これまでも、日本を紹介する活動、文化交流活動に積極的に取り組んできておりますけれども、中でも、これからはインターネットや広報資料、それから広報用のビデオの活用、とりわけ在外公館での大型の文化事業、人的交流というものをもっと積極的にやる必要があると存じます。  例えば、この一年、去年の夏からことしまで、ドイツで日本年というものをやってまいりまして、先ごろ、そのフィナーレの日独国際経済会議のパネラーとして私出席したのですけれども、そこでの反響は、この一年の中で一番人気があったのは、日本とドイツの双方から若者が出て、みこしを担いでデュッセルドルフの中を練り歩いたのが最も盛り上がって楽しかった、本場のみこしを見に行きたいものだという声もあるんだというようなことも伺いました。在外公館を含めて、外務省の最も重要な任務を御指摘していただいたと承知をいたしております。  それから、ODAのシフトの切りかえでございますけれども、それは既に認識をさせていただいておりまして、例えば、政府は去年の八月に政府開発援助に対する中期計画を発表しておりますけれども、その中でも人材育成を重点課題の一つとして位置づけております。人づくりは国づくりの基本というのは我が国だけではございませんで、各国とも同じ事情にあると思っております。  先週、実は太平洋諸島の首脳会議に出席をさせていただきまして、赤道直下のキリバス共和国の首都のタラワ島に参りましたが、そこには、日本政府の援助でJICAが中心になって、漁船員の研修施設がございまして、カツオの一本釣りなどを指導しておりました。そこで生き生きとした若者が育っておりまして、そういう点での御指摘と存じます。  人材協力センターにつきましては、モンゴルのほかに、ベトナム、ラオス、ウズベキスタン、カザフスタンの四カ国に設置しておりますが、これで十分とは到底申せません。委員御指摘の点について、今後懸命に努力をさせていただきます。

田端正広公明党

○田端委員 その問題について、ぜひ一言大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思いますが、もう時間がありませんので、一緒にお答えいただきたいと思いますが、大臣、先般来あちこち行って回っていただいて、大変御苦労さまでございます。  この日ロ平和条約の締結交渉ですけれども、マスコミ的には二島返還先行論というのが何か急に浮上してきた感じがいたしますが、いよいよ二〇〇〇年ももう間もなく終わるわけでありまして、そういう中で、基本的に変わったのか変わっていないのか、どうなっているのか。そして、十五日ですか、APECもございますし、そういったことも踏まえて、これは国民にわかるように明確にそのスタンスというものをしっかりとお答えいただきたい。先ほどの人的交流の問題とあわせてお答えいただきたいと思います。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 まず、人的交流の問題から申し上げたいと思いますが、浅野政務次官から御答弁申し上げましたように、私どもとしても、人材育成といいますか、それぞれの地域に優秀な人材を育てるということに着目をして、こうした作業にこれから特に重点を置きたいと思っております。  その場合に、でき得ることであれば、例えば留学生の交換とかそうしたことは非常に意味があると思っておりますが、どうも最近では、日本に来る留学生が日本へ来ないでアメリカへ行くとかヨーロッパへ行くとか、そういうケースが多くなっております。どうも日本語が非常に難しい、日本語を学ぶのに時間がかかってしまうというようなことも中にはあるかと思います。  それから、もう一方は、ただ日本に来るというだけではなくて、日本からもやはりそういう国に留学生が出ていくということが望ましいわけでございまして、一方通行ではなくて双方向でこの留学生問題というのは進められればもっと効果的ではないかというふうに考えておりまして、この点はこれから先も十分気をつけてやりたいと思っております。  日ロの問題でございますが、クラスノヤルスク合意がございますから、この二〇〇〇年に何としても領土問題を解決して平和条約の締結をするために懸命な努力を今しているわけでございます。  今議員がお尋ねでございますが、政府の方針は変わったのかというお尋ねでございますが、政府としては、北方四島の帰属の問題を解決することによって平和条約の締結をするという一貫した方針、つまり、北方四島の帰属の問題を解決するということが政府の一貫した方針であるということを改めて申し上げておきたいと思います。  先般、モスクワにおきましてプーチン大統領あるいはイワノフ外務大臣と話をいたしましたときには、答えを引き出すためには法と正義に基づかなければいかぬ、それから、国際社会が納得する答えでなければいかぬ、と同時に両国国民の納得が必要だ、こういうことを条件に、我々は、非常に難しい議論でございますけれども、何としても答えを導き出そうではないかということで、ロシア側もこの問題を避けるつもりはないと言っておりますから、今議員がお話しになりましたように、ブルネイにおきます首脳会談もそうでございますし、でき得る限りの努力をしてこの二〇〇〇年中に目的を達成するために頑張りたい、こう考えておる次第でございます。

田端正広公明党

○田端委員 では、時間が来ましたので、以上で終わります。ありがとうございました。

高木義明民主党・無所属クラブ

○高木委員長 次に、藤島正之君。

藤島正之自由党

○藤島委員 自由党の藤島正之でございます。  きょうは、時間が限られていますので、二、三点に絞って御質問させていただきたいと思います。  まず第一に、防衛庁の国防省昇格の問題でございます。この問題につきましては、私ども自由党は、全党一致で積極的に推進してきたところでございます。最近、聞くところによりますと、野党第一党の民主党さんの方では、与党の自民党さんを超えて、集団的自衛権まで認めるべきであるというような御意見がかなり出ているようでございまして、私どもは、かなりそういう意味で防衛庁を国防省に昇格する問題についても機は熟してきている、こういうふうに判断しておるわけでございます。  そこで、この昇格問題につきまして、その必要性につきまして、国民にわかりやすく、ポイントを絞って、防衛庁の方からまず御説明いただきたいと思います。

虎島和夫自由民主党防衛庁長官

○虎島国務大臣 もう議員御存じのように、現在のような組織、機構では法令の制定、改正、人事、防衛力整備などについて防衛庁長官名で閣議を求めることができない、総理府を通じた事務手続を経る必要がある。あるいはまた、今も何回か国際交流を活発にやれという御指摘がございましたけれども、私どもも、その趣旨にのっとって、あるいはまた独自の構想から国際防衛交流というのを積極的に行っておるわけであります。そういう中で感ずるんですけれども、世界各国、その組織の名称が各国によってそれぞれあるわけですが、我が国のエージェンシーという英語で表現をされるようなところがほかに見当たらないということ等もあります。  いずれにしても、これは現象面でありますけれども、現在、そのようなことから大変に憂えられまして、いろいろな団体、いろいろな地域から防衛庁を省に昇格すべきであるというお声をちょうだいいたしておりますことは、今の防衛庁の仕事が、災害その他、あるいは本来業務である防衛等々がそれぞれの国民の間で御評価をいただいているんだなということから我々自身も気を引き締めてやっておるわけでありますけれども、どうか、こういうようなことで、一日も早く私としては防衛庁が省になるようにお願いしたいという考えを持っておりますし、また防衛庁としても、この間の委員会でも申し上げましたけれども、このことについて強い願望を持っておるわけでございます。  どうかそのようなことをお酌み取りいただきまして、現在、法律ができまして、省庁再編ができて、これを施行していないというはざまにあるわけでありますので、今内閣の方から閣法として法案を提出するという雰囲気には、状況にはないと私は思っておりますが、ただ、行革会議の最終報告の中にも、このことは政治マターだ、政治の方で対応すべき課題、それは周辺の情勢等の変化にも即応して考えるべきであるという御指摘もいただいておりますので、そのような雰囲気がまた国会その他においても盛り上がっていただくことを期待しておるわけであります。  以上であります。

藤島正之自由党

○藤島委員 質問は、その必要性について国民にわかりやすく、こう申し上げたわけでございますけれども、私は、この問題は、我が国の国民が国防というものをどういうふうに意識しておるか、こういう問題だろうと思うんですね。要するに、国防省であるかどうかということは、我が国の国民の意識を外国がどういうふうに評価するか、これが一つ大事な問題だと思うんですね。防衛庁という位置づけなのか、やはり日本は国防省と位置づけているのか、これはそういう問題が一つ大きい問題であると思うんですね。  それと、やはり、国民の意識として、まさに我が国の国防を国民がどう考えているかということ、また、これをバックにしまして、自衛隊員が我が国を守ろう、こういう気概、士気、こういうものが非常に強く芽生えてまた頑張る気になるわけでありまして、そういう二つの要素が実は大きいんだろうと思うんですね。閣議請議に総理の名前を借りなきゃいかぬとか、そういうのは事務的な話で、決裁代理とかいろいろあるわけでありまして、問題は、私が今指摘したような二点が大きな問題だろう、こういうふうに実は思うわけでございます。  ところで、外国で、国防組織が国防省ではなくて、日本のような総理府の外局といったような位置づけの国は今あるんでしょうか。

鈴木正孝自由民主党・保守党防衛政務次官

○鈴木(正)政務次官 お答えをいたします。  今、国防を担当する組織が総理府の外局、エージェンシーという形をとっているわけでございますが、欧米の主要国のみならず、ロシア、中国、韓国と、この周辺につきましても、このような名称、位置づけといいましょうか、国家的な位置づけをしているところはない、このように承知しております。

藤島正之自由党

○藤島委員 今お答えいただいたような状況でございますけれども、外務大臣は海外へよく行かれてそういう事情も御存じでございますけれども、外務大臣としては、この昇格問題についてはどのような御所見をお持ちでしょうか。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 どうも、国防省昇格問題というのは所管外でございまして、私からこれについてあれこれ申し上げることはいかがかと思っておりまして、できますれば答弁は差し控えさせていただきたいと思います。

藤島正之自由党

○藤島委員 先ほど防衛庁長官からちょっとお話がありましたけれども、この件に関しまして、国防協会とか、あるいは防衛を支える会等の皆さんが、一生懸命、百万人以上の署名を集められて努力されているわけでありまして、非常に頭の下がる思いもするわけでありますし、敬意を表するわけでありますが、防衛庁長官はこの件についてどういうふうに評価しているのか、また、防衛庁はこの昇格問題についてどのような努力をしてきているのか、御説明いただきたいと思います。

虎島和夫自由民主党防衛庁長官

○虎島国務大臣 そのような御提言あるいは御激励は、私ども防衛庁までわざわざおいでになって、御要請を受けたり御激励を受けたりしております。大変ありがたいことだと思っております。  したがって、私としても、全く考え方はそれらの皆さんと同様でありますので、先ほど申しましたように、行革会議であのような枠組みができ、そして、附帯条項と申しますか、これが添えられて、現在の一府十二省庁という枠組み、法律ができたという経緯もありますので、その中に、先ほど申しましたように、このことについては政治の場で周辺の状況等、環境等の変更等を勘案しながら検討すべきであるという御指摘もありますので、今申し上げましたような、国内的にはそのようなことで、大変に周辺の環境の状況というのは、お説のように機は熟しつつあるという認識で、折あるごとにこの委員会等では、私の考えは、ぜひそうしたい、防衛庁としてはこれはまた悲願であるということをお訴え申し上げまして、政治的な成果が出ることをこいねがいながら行動しておるということで、御理解いただきたいと思います。

藤島正之自由党

○藤島委員 先日、自民党の国防部会でこの件について審議し、決議を行っていると聞いているわけですけれども、あるいは、野党第一党の民主党さんの中にも賛成であるという意見もあるわけでございまして、そうは言っていながらなかなか進んでいないということなので、先ほどから熱意はわかるのですけれども、どこかにネックがあるのだろう、こういう気がするのですが、その辺はどうお考えでしょうか。

虎島和夫自由民主党防衛庁長官

○虎島国務大臣 結局、法律事項でありますから、法律がそうならなければならないということは、もう言うまでもありません。その法律が一府十二省庁で、明けてこの一月初めから発足するという決定を見、今そのための準備が内閣として推し進められておりますので、今、内閣が内閣法としてこれを出すということは、私は至難のことではないかなというふうに思っております。  したがって、先ほど申しましたように、いみじくも、行革会議の方でもこれは政治的な課題だという指摘もありますから、またそのような方面からの働きかけと申しますか、そういうものに期待せざるを得ない、現状はそういうことであるということで御認識いただきたいと思います。

藤島正之自由党

○藤島委員 確かに行革の関連で政治マターだということになっているのですが、先ほど私が申し上げたように、その後政治状況はまた進んでいるわけでありまして、防衛庁長官は非常な決意を持って進めていただきたい。これは私ども一生懸命応援したいと思いますので、ぜひよろしくお願いしたい、こう思います。  次に、九月に起こりました海上自衛官である萩崎三佐の秘密漏えいの問題についてちょっとお尋ねしたいと思うわけであります。  これも自民党の部会で審議されまして、意見が集約されたというふうに聞いておるわけですが、その方向は、警務隊と調査隊というのが自衛隊の中にあるわけですが、これを統合する方向で抜本的な組織改編を断行する、こういったような方向であると聞いているのです。防衛庁長官にお尋ねするのがいいのかどうかわかりませんけれども、そういうふうに認識してよろしゅうございましょうか。

虎島和夫自由民主党防衛庁長官

○虎島国務大臣 お説のとおりであります。  これについて若干補足説明いたしますが、いろいろ議論があることは承知いたしております。ただ、警務隊とかああいう皆さん方には定数の限りがありますので、それで、これを統合して弾力的な運用をすることによって、行革に反しない範囲でもっと効率的な処理ができるという観点から、両組織の一本化、一体化運営ということを結論づけておるわけでありますので、御理解いただきたいと思います。

藤島正之自由党

○藤島委員 警務隊と調査隊の任務、役割、私は承知しているのですけれども、ちょっとごく簡単に御紹介いただきたいと思います。

虎島和夫自由民主党防衛庁長官

○虎島国務大臣 一方の方は外からの働きかけ等を調査することを主たる任務とする、一方の方は隊内での不祥事と申しますか、そういう事件を調査することを任務とする、こういうことであります。事柄は人にかかわってくる問題でありますので、防衛庁内の人にかかわる問題でありますから、組織を一体化して弾力的な運用をすることによって両組織の上に協議できる機関をつくって、そしてもっともっと効果の上がるようなそういう措置、厳正な運営ができるようなことをやりたいということで御相談を申し上げているわけであります。

藤島正之自由党

○藤島委員 この両部隊の統合につきましては、元陸上自衛隊の北部方面総監をやられた志方さん、これは東京都の石原知事と今一生懸命仕事をやっておられるわけですけれども、我々が尊敬する先輩なのですが、こういうことをおっしゃっているわけです。調査隊はインビジブルな活動で、警務隊とは性格が異なる、人員増なしに調査隊をふやすための案だろうが、一緒にする意味がわからない。  確かに人員増なしに何らかの改革をやろう、こういう御趣旨はよくわかるのですが、私は、やはり任務がまるで異なるものをただ単に一緒にすればいいのかどうか、この組織論については十分慎重にやっていただいた方がよろしいのではないかなということを申し上げておきたいと思います。  それと同時に、この事件は非常に残念な事件ではあるのですけれども、たかが数十万円をもらうために国の秘密を漏らすというような、本当に私は情けない事案だと思っております。と同時に、そういうことからすれば、これはそれほど深刻なものではない、大きく反応し過ぎるようなものではないのではないか、こう私は思うわけであります。そういうことから、私は、本件は組織のあり方よりもむしろ服務のあり方の問題ではないかという気がするわけです。  というのは、最近の風潮は、上司といえども部下の個人の生活に関与すべからずといった風潮がどんどん自衛隊の中にも入り込んできておりまして、上司の目が部下に行き届かないということに起因している面が非常に大きいのではないかと思うのです。ですから、まずそういうところを自衛隊の部隊はほかの社会的な組織とまた違うのだということでぴしっとやってもらう、これが私は大事なことではないかなということを申し添えておきたいと思います。  それから第三に、自衛隊の部隊と地元との協力関係であります。  これは、これまで私が承知しておるところでは、自衛隊は地元の協力が必要不可欠だ、有事のことを考えてもそうですけれども、平時からそういうふうにきちっと協力関係を結んでいかなければいかぬということで、積極的にこれまでずっと努力をしてきているわけですが、防衛庁長官は、そういう方針について変わりがないというふうに考えてよろしゅうございますか。

虎島和夫自由民主党防衛庁長官

○虎島国務大臣 最初のことが、例の秘密漏えいの問題と称される事件の問題ですが、今後の対応が変わりますので、一言だけ申し上げておきますと、お金をもらって売ったのではなくて、もらっておったから渡さざるを得なかった、どうもそういうことのようですので、やはりこれは今後そういう人方との交流というのはきちっとしたものでなければだめだということで、今対策を決めておるわけです。これは自民党の方からもいろいろと御苦労いただきまして、御提言いただいた中にもこのことがありますので、これは今後の対応とかかわりがあるからあえて申し上げたわけであります。あとはもう全くお説のとおりです。  そこで、考えてみますと、防衛庁も五十年になるわけです。こういう問題が起こったけれども、ほとんどの隊員はまじめにやっているわけです。したがって、この五十年という期間をずっとなぞってみて、あるいは現状を見て、そしてやはり士気を鼓舞するための対策を講ずるべきであるということで、今いろいろと工夫を凝らしておるわけです。  その中の、士気を鼓舞するということの第一位は、やはり国民からの目に見える御支援だと思うんですね。そういう意味では、交流の場を深めるということは緊急な要件であるということで、今後、予算等々においてもこれらのことを配慮すべきであるということで、次期防の中で、隊員の福利厚生面とかそういうものもあわせて実は取り上げていく、積極的にやろうというようなこと等を研究中であります。近く成案を得て、一部もう成案を得たものもありますけれども、頑張っていきたいな、こう思っております。

藤島正之自由党

○藤島委員 長官の言っておられるのがどうも飛び過ぎておって、自衛隊員の福利の話ではないんでありまして、要は、地元の部隊と地元の協力団体とか一般の市民の皆さんとの協力関係を進めようという、積極的にやってきている方針は変わりないか、このことです。  この点についてだけ言えば、今長官のそれは全くそのとおりだということなんでございますが、実は、私は自由党の九州の比例区の選出でございまして、私の地元ということで、しょっちゅう帰りまして、部隊に行ったりあるいは周辺の皆さんと話をする機会があるわけですが、特に最近、公務員倫理法が施行されまして、部隊のある地元の方々とお話をしますと、非常に自衛隊はつき合いが悪くなった、意思の疎通もままならない、これではこれまで築いてきた協力関係も崩れかねない、こういった話をよく聞くわけでございます。そういうのを聞いて、防衛庁長官は、今のようなままでいい、こういうふうに思われますか、御意見を聞きたいと思います。

鈴木正孝自由民主党・保守党防衛政務次官

○鈴木(正)政務次官 大変新しい、最近の公務員倫理法あるいは自衛隊員倫理規程、この施行がありまして、利害関係を有する者との飲食等が原則禁止というようなことでございますので、地元の方々とあるいは部隊の隊員との間の交流というものがなかなか微妙で、かつ影響が出ているのではないか、実は私もそういう話はあちらこちらから正直言って聞いております。  当然ながら、同法あるいは同規程の趣旨は大変尊重しないといけないことでございますが、立食パーティー等許される行為も、あわせてその法律の中にも、こういうものはいいよということもないわけではございませんので、そういうことを含めまして、部隊としても、地元の方々との交流においていろいろと工夫をして、法律上問題あるいは疑義のないように、誤解のないように十分配慮をしながら今後とも協力関係を維持するということが大変大事ではないか、このように私ども思っております。

藤島正之自由党

○藤島委員 終わります。

高木義明民主党・無所属クラブ

○高木委員長 次に、大森猛君。

大森猛日本共産党

○大森委員 日本共産党の大森猛でございます。極めて限られた時間でありますので、端的に質問をさせていただきます。  この九月、神奈川県の大和市、綾瀬市にまたがる米軍厚木基地上空で、合計二回、七日間にわたって行われた米海軍空母艦載機による夜間離発着訓練、いわゆるNLPでありますけれども、これはもう過去最悪、史上最大の被害を周辺百五十万の住民に与えました。訓練が始まって直後から、周辺の関連自治体には苦情電話が殺到いたしました。その件数は、七日間だけで過去数年分に相当する千数百件に達したわけであります。  こういう中で、地元の大和の土屋市長さんは、市民の我慢も限界を超えており米軍に対する感情は悪くなるばかりと、抗議の記者会見を行って、米軍との友好関係を断絶するとまで宣言をいたしました。また、綾瀬の見上市長も、連日連夜の訓練で周辺住民は忍耐の限界を超え激しい怒りに変わっている、こういう状況が続けば同じく関係を断絶せざるを得ないという、これは警告までされたわけであります。  訓練が始まってそれが終了するまで約二週間あったわけでありますけれども、外務省は、日本の政府は、こういう周辺の事態を察知して、訓練の途中であっても、私は当然、日本の政府であれば、外務省であれば、これはもう米軍に対して中止の要請なり抗議をされたと思うわけなんですが、河野外務大臣、その点いかがでしょうか。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 議員御指摘でございますNLPでございますが、政府といたしましては、NLPでございますとかデモフライトの実施に伴う飛行場周辺住民への騒音などの影響を十分承知いたしております。とりわけNLPは夜間でございますから、周辺住民の皆様方に対する騒音による被害というものは大変大きいということを私自身もよく承知しております。少し戻ってお話を申し上げるようで恐縮でございますが、したがいまして、政府としては、NLPの実施について、少しでもこれを減らすべく、硫黄島にNLPの訓練場を新たにつくりまして、そちらにシフトするように米軍に言ってきているわけでございます。  今お尋ねの、NLPに対しまして政府がどういう対応をとったかということでございますが、これは、我々はかねてから、このNLP、とりわけことしはここ数年間の中で最悪の状況でございますから、米軍に対しまして繰り返し、こうした状況の改善について申し入れをいたしております。私自身もコーエン国防長官に申しましたし、今お尋ねのように、今回のNLP実施の間にも、私どもとしては米軍に対して抗議をいたしております。

大森猛日本共産党

○大森委員 みずから安保条約容認の立場と言われる市長さんが友好断絶を宣言するということに至るまでは、本当にこれは厳しい苦悩、市民の皆さんの強い思いがあったと思うんです。それを本当に外務省がしっかりと受けて、強力な抗議、要請をされたかどうか、私は率直に言って大いに疑問であります。  そこで、どういう声があるか、もうこれは本当に悲鳴に近いものが市役所に寄せられている、それを紹介したいと思います。  例えば、新婚早々の若い男性であります。これはEメールで来ているわけなんですが、私だけならまだよいのですが、この騒音にまず驚愕し、毎日直面し、精神的にかなり参ってしまっております、彼女は本来自宅で仕事をすることを考えておりましたが、その仕事の性質上、とてもとてもそれは無理なことになってしまいました、家内の体にそれが原因で障害が発生した場合や、もしこれが原因で離婚という問題に発展した場合、一体どうなってしまうのでしょう、最近になって本当に不安で仕方がありませんと。こういう、離婚とか、あるいは生まれてくる子供たちにまで強い不安が生まれている。これだけじゃないですね。寝たはずの子供が目を覚まし泣き出してしまったとか、余りにも飛行機の騒音がひど過ぎます、毎日いらいらし頭痛もするので安定剤は欠かせません、さらに、これは若いお母さんです、我慢にも限界があります、まして我が家は生まれた赤ん坊がいるのです、びっくりしてずっと泣きっ放しで赤ん坊も怖がっているんです、しかし、こんなことが何日も続くと思うだけで精神的に参ってしまいます、お乳が出ないばかりか精神的ノイローゼ状態です、安定剤なんて飲んでもだめなんです、こういう声。  とにかく、本当に深刻な、悲鳴ともいえるような状況になっている。今、厚木基地周辺の状況は、まさに危機的な、極めて深刻な事態にある、こう言わざるを得ないと思います。  今お話がありました、二十一日にNLPが中止になって、二十二日にコーエン国防長官が来日され、そして記者会見もされ、そして河野外務大臣、虎島防衛庁長官とも会談をされました。私は、この席上で河野外務大臣は当然中止の要請、あるいは抗議をされたと思いますが、いかがでしょうか。  また、報道によれば、虎島防衛庁長官との会談ではNLPの話は全く出なかった、そういう報道になっておりますけれども、だとすれば極めて遺憾ではないか。あなたの前代の防衛庁長官は、いわゆる神環保の被害で米軍の家族の方から声が出たら、朝の五時に起きて現地にすっ飛んでいっていた、こういうことも報道をされているわけであります。余りにもこれは大きな違いがあるのではないでしょうか。外務大臣からお答えをいただきたいと思います。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 コーエン国防長官との会談で、私はこのNLPの問題を取り上げて十分話をいたしました。  私は、かねてから、こうした訓練が重要であるという米軍の主張というものもこれは一理あると思います。いや、それはどこでやるかは別として、このNLPという技術を錬磨するということが重要だということについては、日米安保条約を容認する、あるいは日米安保条約の効果というものを期待する人間としては、これは米側の説明というものは聞かざるを得ないものだというふうに思っております。  しかし、それであっても、その訓練については周辺住民との関係というものは十分気をつけてやってもらわなければなりませんということを、これは繰り返し言ってきているわけでございます。  先ほどもちょっと申し上げましたけれども、硫黄島に訓練基地をつくりまして、硫黄島でNLPの訓練はしてほしいということは、日米で合意の上で訓練基地をつくっているわけでございます。米側は、若干、硫黄島が距離があるということについて問題意識を持っているということは私も聞いておりますけれども、しかし、少なくとも、一時は硫黄島で訓練が行われて、厚木で行われる訓練も全体の一割を切る状況であったこともあるわけでございます。  それが最近になって、特にことしになって大変回数がふえたということから、今議員が御披露になりましたような、周辺住民の方々に大変大きな被害といいますか、御迷惑をかけているということはあるだろうと思っております。私は、そうしたことがなくなるように、米側に対してこれから先もしっかりと働きかけていかなければいかぬというふうに思っております。

大森猛日本共産党

○大森委員 大臣もお話しありましたけれども、これは、朝日新聞の報道でも、ことしはもう八割が本州の訓練であるということになっております。神奈川県の基地対策課の調査でも、一昨年、昨年、ことしともう飛躍的に厚木基地での訓練がふえているわけであります。  問題は、私は、これはNLPももちろん最大の問題でありますけれども、日常の訓練、これも非常に重大だと思うわけであります。厚木基地周辺自治体の爆音、訓練に対する苦情、ことしはもう過去最高の五千件に達しているわけでありますけれども、この五千件に達する苦情の七割以上がNLPあるいは展示飛行以外の日常の訓練に対するものになっているわけであります。ですから、騒音被害、本当に周辺住民に配慮するのであれば、こういう日常の訓練をきちんとやめさせるということが極めて重要であると思うんです。  私は、この問題で一番の問題は何か、百五十万住民の上空でこういう危険な戦闘機の訓練をやっている、世界のどこにもない、アメリカの本国はもちろんない、このことが最大の問題であると思うわけであります。  既に米国防総省自身、これは二年前でありますけれども、訓練中の米軍機の事故、最近は減ってきているけれども、これは世界全体でしょうけれども、一週間に平均一機以上はあるということを認めているわけですね。コーエン国防長官も米軍首脳も安全問題を極めて重視している、これはベーコン報道官が三月五日に国防省で記者会見したものでありますけれども、こういう米軍機の下で毎日毎日脅かされている市民、もうたまったものじゃないと思うんです。しかも、健康被害について、これももう、例えばドイツ空軍などによって、こういう戦闘機の飛び交う下での健康被害の影響の大きいことをいろいろな形で報告をしているわけであります。  ですから、今本当に周辺住民への配慮を言うのであれば、百五十万、こういう住民の上空での危険な戦闘機の訓練はやめるべきだということを強く要求すべきだと思うんです。  河野外相も外務委員会などいろいろな場所で、とにかく政府は何としても夜間離発着訓練というものをできることならやめさせたい、やめてもらいたいという気持ちもあって米側とも話してきたといろいろ言われているわけであります。であるなら、こういう百五十万住民の上空でやっちゃならないと、断固たる思いでこれは要求をすべきだと思うわけなんですが、改めて私は河野外務大臣の見解をお聞きしたいと思います。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 議員が今御披露になりましたように、私としても、このNLPが本州の基地の中で行われるということをできる限り減らさなきゃいけない、できることなら一〇〇%硫黄島なりあるいはその他の訓練基地でやってほしいという気持ちを私は持っておりますし、米側に対しても、できるだけ周辺住民の人たちとの関係ということを考えてそうした措置をとってほしいということを強く繰り返し言ってきているところでございます。  議員もお認めいただけると思いますが、一時は米軍の訓練回数というものは非常に減りまして、減ったというのは硫黄島にシフトされたために、例えば厚木でありますとかそういうところでの訓練回数は相当減って、パーセンテージからいうと三%とか五%というところまで減った時期があったわけでございます。時期があったといっても、それは数年前でございます。それがやはり、ことしは一つは異常気象といいますか、天候の異常ということもあって、硫黄島での訓練ができないということから、本州における訓練ということになってきたという説明を聞いておりますが、それは説明は説明として伺うとしても、我々としては、やはり基地周辺住民の健康とか感情とか、そういうものは十分留意してもらいたい、そういうものを我々は守る気持ちがある、ぜひこの問題については真剣に考えてほしいということは繰り返し述べてきているところでございます。

大森猛日本共産党

○大森委員 先ほど外務大臣は、訓練の必要性、これは当然ある。それはもう米軍の都合として、訓練、それは必要でしょう。それはわかります。  しかし、それを日本のどこかでやらなくちゃならないという必要性はどこから来るのか。これは、もう言うまでもなく、横須賀を母港にしているからだと思うんですね。横須賀を母港にしているからこそ、今硫黄島その他、そういう発言が出たと思うんですが、母港にして、それゆえに訓練が必要であるとするならば、母港、これはやめたらいいんじゃないですか。一〇〇%これは訓練がなくなりますよ。その点どうでしょう。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 これは、私、しゃくし定規に物を言う男ではございませんけれども、母港という言葉、よく母港化とか母港とかというふうに使われるわけですけれども、そういう概念はないということをぜひ御理解いただきたいと思います。  言ってみれば、米軍が日米安保条約及びその関連取り決めのもとで海外家族居住計画、OFRPと言うようですが、OFRPに基づいて前方展開の任務についている空母を含む艦船の乗務員の家族を我が国に居住させるということはございます。政府としては、これを含む米軍艦船のプレゼンスは、日米安保体制の信頼性を確固たるものとする意味で重要だというふうに考えているわけでございまして、母港としている、母港化するという概念では、私ども、この問題を承知していないのでございます。

大森猛日本共産党

○大森委員 横須賀を母港としていない、母港とは言わないなどと言うのは、今外務省だけですよ。米軍も、全部ホームポートの一覧表に横須賀はちゃんと載っけている。外務省が母港と言いたくないのは、これは明らかだと思うんですね。ことしの国会でも我が党が追及したように、いわゆる核密約、核のトランジットの概念を母港にすれば離れてしまうということで、事前協議の対象になってしまう。そういうところから、こうした母港と呼ばないということが出ているんじゃないかと思います。  この問題自身大変重要な問題でありますけれども、きょうはこの点ではなくて、NLPに絞ってお聞きをするわけなんですが、もともと母港に至る経過、これは米軍側、日本政府に対して、あるいは地元の神奈川県に対して、本当に何ともないような説明を地元でも国会でもしていたわけです。ミッドウェーについては両三年程度、あるいは周辺の騒音は過去数年間の平均値と同じ程度に抑える、さらには厚木基地の訓練はやらないということを神奈川県に約束し、そのことを堂々と県議会でも当時の渉外部長は回答したりしているわけです。何でもないよということで実質上母港にして、両三年どころかもうミッドウェーだけでも十八年ですか、その後、他の空母にかえて三十年にそれが及んでいるわけであります。その間、そういう当初の約束と違うんじゃないか、日本政府はどうも当時の話と違うということで、これはもうやめるべきだと言うべきだし、そういう権利が当然あったと思うんですね。  そういう意味で、私は、改めてこういう点で、日本政府としても、こういう母港については、そういう地方自治体の中ではそれを市是とするというところまで出ておるわけです。母港化解消、これについて強く要求していくということ。  もう一つ、デモンストレーションフライト、これについては周辺住民は本当に大変な思いをされていて、昨年は九月の二十五、二十六日、二日間行われた。当時、大和市などでは小中学校の運動会が二十校行われたけれども、その間だけは飛んでくれるなと本当にささやかな要請をされたわけでありますけれども、これが無視をされた。その結果どうなったか、運動会はもうめちゃくちゃであります。たびたび競技が中断される、競技の最中に子供たちが耳を押さえてしゃがみ込むような、そんな事態まで生まれているわけであります。  このデモンストレーションフライト、これは、安保条約の効果的運用という面からいっても何ら関係ないことだと思います。少なくともこういうものについては直ちに全面的に中止をさせる、そういう強い要求を神奈川県民でもある外務大臣は行うべきだと思います。この二点を重ねてお聞きをしたいと思います。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 議員のお話でありますと、横須賀の母港化は三年と言ったじゃないか、こういう話をされましたけれども、これは、私のもとにございます少し古い速記録等を見てみますと、空母ミッドウェーの乗務員の一部の家族が横須賀に居住することとなった昭和四十八年当時、政府は、ミッドウェーは、オーバーホールのために三年ぐらいたったら本国に帰るのではないかということを申し上げたことはあります。しかし、このような家族居住計画が三年で終了するとは申し上げていなかったと承知しております。  これは、昭和五十五年三月二十五日の共産党の議員に対する大平総理の答弁にございまして、大平総理は、昭和四十八年当時、家族居住計画が三年で終了するということは申し上げていないわけでございますということを申しておりまして、ミッドウェーもオーバーホールなどの必要のために三年ぐらいたったら本国に帰るのではないかというような観測を申し上げたことはあるようでございますけれども、家族居住計画それ自体を三年以内で終了するとは申し上げていないことは御承知願いたい、こう共産党の議員の方に御答弁をしているという記録がございます。  私は、その記録をその後の変更はないと考えて、そのまま御披露したわけでございます。  デモフライトにつきましては、政府としては、地元地方公共団体などより騒音や墜落事故を懸念して中止を求める強い要請があることを承知しておりまして、これは、米側に対してデモフライトの中止を申し入れしてまいりました。  御承知だと思いますが、米側は、地元への配慮及び安全対策として、地元の中高校の期末試験に配慮し午前中に行う訓練は午後にするとか、騒音対策のため、エンジン出力は全開としないとか、飛行速度を遅くして飛行高度を高くするということを考えるとか、曲技飛行は行わず航空機の性能を見せるためだけの展示飛行にするとか、こういうようなことを米側は言っておりますが、私どもとしては、地元の地方公共団体などが望まないといいますか、やめてくれ、こう言っておられるわけですから、デモフライトの中止というものを米側にも働きかけてまいりましたし、今後とも米側に働きかけたいと思っております。

大森猛日本共産党

○大森委員 時間が参りましたので終わりますが、在日米軍の準機関紙とも言われる「星条旗」の中では、将来、原子力空母なども言われ、同時に、それとの関係で母港をグアム島に移すことも選択肢であるなどという報道もされているわけであります。であるならば、日本政府の交渉次第でこれは本当に解消できる、そういう展望、可能性も十分あるんじゃないかということを申し上げて、私は質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

高木義明民主党・無所属クラブ

○高木委員長 次に、今川正美君。

今川正美社会民主党・市民連合

○今川委員 私は、社会民主党・市民連合の今川正美です。  質問時間に限りがありますので、冒頭に、これから二十一世紀に向けて、日本とアジアの平和、安全保障はどうあるべきかという私なりの考え方を述べまして、具体的な質問に入らせていただきます。  まず最初に、東西の冷戦が終結をしてから既に十年を超えております。端的に申し上げれば、日米安保条約の最大の根拠であり存在理由であったソ連の脅威なるものもほとんど消失をしたと言って過言ではありません。そういった意味で、日米安保条約、日米安保体制というのは、その歴史的使命は基本的に終わっているというふうに私は思うんであります。例えば、後藤田正晴元副総理や田中秀征元経済企画庁長官も、同様のことを述べておられます。  しかも、朝鮮半島の南北首脳会談や、最近では米朝の国交正常化への動きなど、特に、北東アジアの安全保障環境は劇的な変化を遂げつつあるんだと思います。  そういう意味で、昨年来の、朝鮮半島有事を専ら想定したような新しいガイドライン関連法は、根本から見直してしかるべきだと思います。むしろ、残された一番大事な課題は、日本と朝鮮民主主義人民共和国、日朝の国交正常化こそ急がなければならないんじゃないかと思うわけであります。  二つ目に、そういう意味合いにおいて、日米安保そのものも、数年前に日米間で再確認、再定義をされた時期がございましたけれども、改めて二十一世紀に入る前に再々定義とも言うべき作業が必要ではないかというふうに思います。  二十一世紀に向けての日本にとっての平和政策、安全保障政策の選択肢は、これまでどおり相変わらず脅威対処型の軍事同盟に依存するのか、そうではなくて、信頼醸成を基盤にした多国間対話による協調型の安全保障を目指すのか。私は、後者を選択する方がより安全でコストもはるかに安上がりで済むんだと思うんであります。  既に東南アジアには、御存じのように、九四年以来、ASEAN地域フォーラムという多国間の安保の対話の場所があります。また、朝鮮半島には八年前、一九九二年に、南北双方の非核化宣言というものがございます。この二つを条約化することでアジア地域の協調型の安全保障の基盤を見つけ出すことができるんじゃないでしょうか。  我が社民党の土井党首が提唱し、既に韓国やモンゴルにも足を運んでまいりましたが、北東アジア非核地帯構想は、その具体化を目指すために、今社会民主党挙げて努力をしているところであります。  三番目に、いわゆるBMD、あるいはマスコミではTMDというふうな表現になっていますけれども、日米の共同研究も即刻中止をすべきだと思います。  これは、昨年十二月二十一日朝日新聞で、アメリカのペリー前国防長官がこのように説明をされています。「日本がミサイル防衛によって身を守ろうとTMDに行く道は、私は勧めない。軍拡競争を刺激するからだ。日本がTMDを配備すれば、中国はさらに多くのミサイルを展開する。」このようなことをはっきりとおっしゃっているわけであります。そうした意味で、TMDは役に立たないだけではなくて、これからのアジア地域における安全保障を構築する上で有害だと思うんであります。  さて、具体的な質問に入りたいと思うんでありますが、一つは、現在の日米安保条約が改定をされてからもう既に四十年を経ています。特に私が問題にしたいのは、その第六条に基づく地位協定の問題であります。  既に沖縄からもことし八月、沖縄県知事初め、地位協定の改善を求める要望書が出たんだと思います。その一々を申し上げる時間がありませんけれども、一つは、日米合同委員会の非公開性であります。年に何度、何を協議しているのか、私たち国民にはさっぱりわかりません。  さきの国会で、外務委員会の席で、在日米軍基地の実態、実情を把握し、検証したことがありますかというふうに河野大臣にお尋ねしたところ、そのようなことはございませんというお答えでした。では、北は三沢から南は沖縄に至る在日米軍基地の実態、実情というのを日本政府が十分に把握もしないで、こうした合同委員会の中で、基地をどう縮小整理していくのかという協議が果たして可能なんでしょうか。そこのところをまず外務大臣にお聞きしたいと思います。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 まず、日米合同委員会について申し上げたいと思いますが、日米合同委員会は、日米地位協定上、同協定の実施に関して協議を必要とするすべての事項に関する日米政府間の協議機関として設置をされております。  これまでも政府は、日米合同委員会の枠組みを通じ、施設・区域の提供、返還、共同使用等について米側と協議するに際して、地方公共団体からの要望を勘案してまいりました。政府としては、今後とも日米合同委員会を一層活用し、日米安保体制の目的を達成しつつ、地元の要望を可能な限り満たしていくべく努力をいたします。  なお、日米合同委員会は、昨年合計十九回開催され、施設・区域の提供、返還等に関する事項や米軍の訓練に関する事項等について協議を行っているわけでございます。  そこで、今議員は基地をどれだけ把握しているかというお尋ねでございますが、これは、どのくらい基地の実態を把握しているかというお尋ねはなかなか難しいお尋ねでございまして、どこまで把握することを期待して質問しておられるのかが私に十分わかりませんが、御承知のとおり、地位協定によって我が国は米軍に対して施設・区域を提供する義務がございます。したがって、この米軍に対する義務である施設・区域の提供という意味では、事態、状況は十分把握いたしておりますが、その中で一体米軍がどういうことをしているかというところまで我々が立ち入って実態を詳細把握しているかということのお尋ねであるとすれば、それは議員のお尋ねすべてが把握しておりますという返事はできません。

今川正美社会民主党・市民連合

○今川委員 時間が限られていますので、できるだけ簡明にお答えを願いたいと思うんです。  今おっしゃった、日米合同委員会を開くに当たっては、特に米軍基地の場合に関係自治体の意見を十分酌み取っているという趣旨のことがありましたが、これは沖縄だけじゃなくて、全国で少なくとも二百三十七議会から地位協定を改善してほしいという決議や意見書が届いているはずであります。特に、少なくともそこにかかわる、例えば普天間の移転問題だと沖縄の県知事であるとか名護市長であるとか、あるいは岩国だとか、関係する自治体の首長さんをその合同委員会の席に参加をさせるということはいかがなんですか。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 もしそういう御希望があるとしても、それは無理でございまして、先ほど申し上げましたように、日米合同委員会は日米政府間の協議機関ということになっておりまして、地方自治体がそこに参加をするということは想定をしておらないのでございます。

今川正美社会民主党・市民連合

○今川委員 次に、米軍基地にかかわっては、実は私は昨年十一月にアメリカのカリフォルニア州に行って、アラメダ、ロングビーチ、サンディエゴ、三つの軍港を見てまいりました。御承知のように、サンディエゴを除くと、もう完全に閉鎖をされています。ところが、一番問題なのは、基地の内部及びその周辺における大変な汚染であります。ひどいときには放射性物質、そうじゃなくても有毒な化学物質、PCB、ダイオキシン、そのほか大変な汚染をされているということであります。  例えば、沖縄でせっかく返還された恩納通信所が汚染のために現在も跡地利用ができないでいる。あるいは、私が住んでいる佐世保でも、十九年前、一九八一年に隣町の横瀬貯油所から大量の油漏れ事故が起こったけれども、当時米軍は偽ったデータを発表したままで、いまだに汚染の実態、地下水汚染がどの程度広がっているかどうかすらつかめないのであります。また、佐世保重工業、SSKの例のPCB汚染問題においても、米海軍は、余りにも古くさかのぼってその当時の資料がないといったような趣旨の理由で一切を公表しません。  そういった意味では、今こそ全国的に、やはり日本政府が責任を持って、三沢から沖縄に至るまで基地の内部及びその周辺の汚染の実態調査をぜひともすべきじゃないでしょうか。いかがでしょうか。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 議員が今お話しになりました地位協定の改定の問題は、私どもはいろいろ研究をし、検討をした結果、SACOの最終報告にございますように、地位協定は運用の改善をもってしようということにいたしておりますが、私、考えてみますと、地位協定を結びました時代と今とでは、議員がお話しになりました環境の問題においては極めて違う状況になってきているように思います。  市民の環境に対する関心が高くなったというだけではなくて、さまざまな、ダイオキシンを初めとしてPCB、そうした問題が発生しておるわけでございまして、この点は我々はアメリカ側とさらに十分話をしなければならぬ、こう考えまして、本年、米側に対しまして、強く環境の問題について私どもから働きかけをいたしました。米軍との間で環境管理基準について協議をいたしまして、環境原則に関する共同発表というものをしたのでございます。この環境原則に関する共同発表の中には、管理基準、情報交換及び立ち入り、環境汚染への対応、環境に関する協議などが含まれておりまして、今議員から具体的なお話がございましたが、そうした問題につきましても米軍との間に何らかの話し合いができる可能性が出てきたというふうにお考えをいただいていいのではないかと思います。

今川正美社会民主党・市民連合

○今川委員 今のところはもう少し本当はお伺いしたいのですが、時間に限りがありますので、ただ申し上げておきたいのは、御承知のとおり、この安保条約の運用に関して、日本には航空法であるとか、あるいは所得税法であるとか、いろいろな法律があるわけですけれども、安保にかかわる特例法というのがございますね。運送法、所得税法、関税法あるいは水先法の特例に関する法律だとか、十七本あると思います。こういったものも抜本的にやはりもう一度見直していただきたい。  ドイツでは、御存じのように、七年前にボン補足協定で、ドイツの法律を米軍基地に優先適用するということがはっきりと確認をされているわけであります。また、お隣の韓国でも、SOFAと呼ばれる地位協定をめぐる具体的な米国政府との協議が行われるというふうに聞いております。  私が申し上げたいのは、まさに占領時代の米軍の既得権をそのまま保障した地位協定を見直していただきたい。余りにも日本政府はこの問題に関しては腰が引けているのではないかということを申し上げたいわけであります。  次に移ります。三つ目は、これも地位協定の二十四条に明らかに違反する思いやり予算であります。  七八年当時、金丸防衛庁長官のときにドルの低下など米国の財政事情を理由に無協定のまま八七年までは支出されてきた思いやり予算が、今年度を見ますと、年間二千七百五十五億円、この二十三年間で累計しますと三兆四千七百七十五億円。実に七八年に比べて四十四倍にも膨れ上がっていると思います。しかも、その中身は、例えば沖縄の嘉手納基地の場合にはキリスト教会を建設するとか、私が住む佐世保では三階建てのクラブ建設まで、つくりたい放題であります。  外務省の資料によりますと、この思いやり予算、手元に表をいただいたわけでありますが、地位協定に基づいて日本政府が支出をするお金と、地位協定二十四条に違反するから特別協定、約一千五百億円となっていますが、この二千七百五十億円との差、いわゆる提供施設整備費九百五十億円、これは地位協定二十四条にも該当しなければ特別協定の枠にも入らないのじゃないですか。これはいかがですか。

河野洋平自由民主党外務大臣

○河野国務大臣 御指摘の地位協定第二十四条の二項におきまして、地位協定第二条に定めるすべての施設及び区域をこの協定の存続期間中合衆国に負担をかけないで提供することと規定をされておりまして、日本側は、施設及び区域を提供する一般的な義務を負っているわけです。この規定に基づきまして、我が国の経費負担で提供施設整備を実施しているところであり、これが地位協定第二十四条の拡大解釈であるとの御指摘は当たらないと思います。  なお、具体的な提供施設整備の案件については、個々の事案ごとに、安保条約の目的達成との関係、我が国の財政負担との関係、社会経済的影響などを総合的に勘案の上措置をしているわけでございます。

今川正美社会民主党・市民連合

○今川委員 私が申し上げたいのは、地位協定の運用にかかわって、今外務大臣はそう答弁されましたけれども、やはりおかしいと思うんですね。二十三年前に、地位協定二十四条に違反するから地位協定二十四条にかかわる特別協定というのをつくったわけですね。しかし、個々具体的にその中身を見ると、提供施設整備費はやはり特別協定の枠外にあるはずですし、表現は悪いですけれども、特別協定にも属することのできない、いわば裏金、やみ金みたいなものを九百億も九百五十億も毎年出していくということは、僕は非常に問題だと思うんです。  しかも、米軍駐留経費の分担の実情は、米国の資料によっても、日本の負担額約四十億ドルに比べて、NATO十四カ国が合計約二十四億ドル。このNATO加盟十四カ国の合計よりもはるかに多いということであります。これが一〇〇%がその理由だとは言いませんけれども、在日米軍が日本にソ連の脅威がなくなってなお居座る最大の原因ではないかと思うんです。七八年の場合にはアメリカの財政事情が専ら理由になりましたが、しかし、今日、日米の財政事情は逆転しているのじゃないでしょうか。しかも、日本の国家財政は、地方自治体も含めますと六百兆円を超えるような大変な借金を抱えている現状を考えれば、国民感情からも僕は許されないと思うのであります。  そうした意味で、今回の特別協定は、日米政府では合意したかもしれませんが、本国会では批准できない、そこからやはりスタートをする、それぐらい厳しい姿勢があって初めて、日米の良好な、健全な、あるいは対等なパートナーシップと言える状況はそこから始まるのじゃないかと思うのであります。  もう時間がほとんどないわけですが、いま一つ質問をしておきたいと思います。  先ほど申し上げたように、米本国では、一九八八年にいわゆる基地閉鎖・再編法なる法律をつくって、過去四ラウンドにわたって米本国内部の基地を大胆に閉鎖、縮小、整理しています。そしてまた、来年はいわゆる戦力の見直し、QDRがあるはずであります。  少なくとも私が申し上げたいのは、アメリカの基地の閉鎖状況、それに準じた形で日本における在日米軍基地も、合理的に、計画的に検証した上で、閉鎖をしたり縮小したり整理をしていく、そういう必要があるのじゃないかと思うのであります。  ちなみに、海外でも、ドイツを例にとると、八百九十カ所のうち約七割に当たる六百三十カ所が既に閉鎖をされている。それに伴って、ドイツに駐留する米軍の兵力も最盛期の二十五万人から六万九千人程度にまで減ったと言われております。  そうした意味では、こういうアメリカ本国の実情、あるいはドイツに見られるように、海外の基地というのは基本的に米本国に撤収していく流れの中に入っていると思うのでありますが、世界的に見ても日本だけが極めて突出し、異例ではないかと思うんですけれども、沖縄問題に限定せずに、三沢も含めて、在日米軍基地をもっと全体的に見直す必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

仲村正治自由民主党防衛政務次官

○仲村政務次官 ただいまの特別協定の予算の関連についてお答えを申し上げたいと思います。  アジア太平洋地域において引き続き不安定要因が存在する中で、日米安保体制は我が国及びこの地域の平和と安定のために重要な役割を果たしており、在日米軍の存在はこのような日米安保体制の中核をなすものであると考えております。このような日米安保条約の目的達成のため、我が国に駐留する米軍に対し必要な施設・区域を提供することは、我が国の安保条約上の義務であり、また、在日米軍駐留経費負担は、米軍の我が国における駐留を支える大きな柱であります。日米安保体制の円滑かつ効果的な運用を確保する上で基本的な重要性を有しているものと認識をいたしております。  したがって、在日米軍の施設・区域の整理、統合、縮小の問題と在日米軍駐留経費負担を関連づけて議論することは適当でない、このように思っているところでございます。

今川正美社会民主党・市民連合

○今川委員 もう時間が参りましたので、次回の委員会に回したい思います。これで質問を終わります。

高木義明民主党・無所属クラブ

○高木委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時四十一分散会

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