予算委員会 第1号
- 発言数
- 519 件
- 登壇者
- 38 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2000/08/07
会議録
○委員長(倉田寛之君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、予算の執行状況に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(倉田寛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 予算の執行状況に関する調査についての理事会決定事項について御報告いたします。 本日の質疑は総括質疑方式とし、質疑の割り当て時間は百六十分とすること、各会派への割り当て時間は、自由民主党・保守党五十四分、民主党・新緑風会四十九分、公明党十四分、日本共産党十七分、社会民主党・護憲連合十四分、無所属の会八分、二院クラブ・自由連合四分とすること、質疑順位につきましてはお手元に配付いたしておりますとおりでございます。 ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 予算の執行状況に関する調査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(倉田寛之君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 予算の執行状況に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁速水優君、預金保険機構理事長松田昇君及び株式会社新生銀行代表取締役会長兼社長八城政基君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(倉田寛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 予算の執行状況に関する調査を議題とし、これより質疑を行います。久保亘君。
○久保亘君 最初に、プーチン大統領の来日が一カ月後に迫っておりますが、我が国の日ロ交渉に臨む基本的な立場は、九七年のクラスノヤルスクにおける首脳会談での合意に変わりはありませんか、総理。
○国務大臣(河野洋平君) そのとおりでございます。
○久保亘君 その合意の内容が、プーチン大統領来日の際の首脳会談において変わるという可能性はありませんね。
○国務大臣(河野洋平君) 領土問題を解決し平和条約を結ぶと、こうしたことは我が国の一貫した対ロ、この問題に対する政策でございまして、こうした考え方に基づいて首脳会談が行われるというふうに考えております。
○久保亘君 これは一カ月後にわかることでありますが、今のお答えをしっかり記憶いたしておきます。 次に、森さんが政権の座に着かれてからもう早くも四カ月を経過いたしております。この間に、内政においては総選挙、外交においてはサミットがございました。これらを通じて、今日、森内閣に対する世論調査の結果は極めて厳しいものがあります。特に、あなたが若いころお勤めになりました産経新聞の世論調査報告は、支持一八・四%、不支持七八%となっておりますが、これはまさに政権にとっては末期的症状であり、内閣崩壊の前夜を示す数字だと思うのでありますが、このことについて総理はどのような御認識か、伺いたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 支持率は世論の動きを示す一つの指標として受けとめておりまして、それなりに注目をし、参考にし、また日々反省の糧ともいたしております。 内閣支持率につきましてはいろんな調査結果は出ておりますが、その原因としては、政権に対する御批判あるいは評価、期待、また私自身に対する御批判、評価、いろんなさまざまなものが絡み合っているというふうに私は受けとめております。 私といたしましては、支持率につきましては謙虚に受けとめながらも、国家国民のために何が必要かを常に第一に考えることが大切であると、このように考えております。国民の声に真摯に耳を傾けて、国民とともに歩み、国民から信頼される政府を信条として、日本新生に向けた努力を積み重ねていくことによって国民の皆様の期待におこたえをしていきたいと思っております。 特定の新聞、私の出身新聞を挙げられましたけれども、それだけその新聞は非常に冷静にやっていらっしゃるということじゃないかと思って、これもまた大変謙虚に受けとめなければならぬ。 ただ、今の新聞が出ましたのは総選挙の前のことでございますから、その支持率が大変悪かったというその後に我々は選挙を受けて国民の批判を受けとめていると、このように解釈しています。
○久保亘君 私が先ほど申し上げました数字は総選挙の前ではありません、ごく直近の世論調査であります。それは大変間違っておられるんじゃありませんか。
○国務大臣(森喜朗君) 後にいたしましても先にいたしましても、基本的には謙虚に受けとめておると、こういうことでございます。たまたま自分の出身の新聞のことを挙げられましたので、ちょっと触れただけでございます。
○久保亘君 謙虚に受けとめるということはわかりましたが、総選挙の結果を所信表明の中では森内閣に対する信任と激励と受けとめたと、こういうことを述べておられます。 一体、どういう根拠をもって信任と激励と認識されたのか。また、そのことによってどうしてもう一方の厳しい評価でもあるということを無視されるのか。厳しい評価というのは、所信表明の中で言われているのはどういう意味でしょうか。
○国務大臣(森喜朗君) このたびの総選挙では、私どもとしては自公保三党、この三党の政権の枠組みを明示して選挙に臨んだということでございます。 我が国は、御承知のように、ここ近年連立政権に入らざるを得ない、そういう政治の形をとっているわけでありますけれども、よく私どもは、自社さのときもそうでございましたし、それから自自公のときもそうでございますし、今もそうですが、野党の皆さんが常におっしゃるのは、世論の支持を受けたかとか世論の批判を受けたかとかいうことを必ず例に出されますけれども、大体、細川内閣のときもそうでしたけれども、選挙前にこういう連立を組みますよといって選挙の批判を受けるといいましょうか、選挙を受けるというケースは今までなかったと思います。 そういう意味では、今度はいわゆる自公保というこの三党の枠組みを、政権の枠組みを明示した選挙ということでは私どもとしての考え方が間違っていないと、こう思っています。 そういう中で、景気回復とサミットの成功、そして日本新生に向けた構造改革の必要性を国民の皆様にお訴えを申し上げた、その結果与党三党で絶対安定過半数の議席を得ることができたということは、国民の皆様から連立政権に対する信任を受けたと、このように受けとめているわけです。 そして一方では、国民の皆さんの厳しい評価があるということも事実でありまして、それは私どもの政党も大きく数を敗れたということもこれは率直に認めておるわけでございますから、そういうことに対して謙虚に耳を傾けて、その要請にこたえていかなければならぬと、このようなことを申し上げているわけであります。
○久保亘君 総選挙の結果というのは、自公保三党で小選挙区における得票率は四五%、比例代表区における得票率は四一%であります。自民党だけなら、選挙区において四〇・九七、比例代表区において二八・三一%にすぎないのであります。この得票率を議席に換算すれば、自民党は五十九議席とり過ぎであります。また、自公保三党でも六十一議席とり過ぎているのであります。 これは制度のなせるわざでありまして、民意がそのまま議席に反映しているわけではない。そのことを考えれば、大変厳しい結果と受けとめなければならないと思うのですが、もう一度その点について御見解を伺いたい。
○国務大臣(森喜朗君) 選挙制度は、現在これは個人中心の選挙から政党中心の、そういう政策中心の選挙にしようということでこの衆議院選挙は制度を改めたというふうに、私どもはその経過に携わっておりましたので、そのように理解をしております。 したがって、今回の総選挙というのは現行の選挙制度になりまして二回目の選挙でございますから、御指摘のとおり、民意の集約というような面など、あるいは民意の反映という面では確かに問題はあるのかもしれませんが、しかし、だからこそ小選挙区制と、そして民意の集約ということで比例制というものとの二つを加味した、いろんな意見はその当時あったのは久保議員もよく御承知のとおりでありまして、その経緯を経ながら、その二つのこと、反映と集約という問題をどうやって選挙の結果に受けとめていくか、受け入れていくかということからこの制度になったわけでありまして、数だけでいろいろと言われれば、いろんな矛盾はやっぱりあるだろうと思います。 逆に言えば、例えば私どもの党からいえば、公認候補が当選した率からいえば約七〇%が投票している。大変御無礼でございますが、民主党の場合は公認候補が半分以下、四六%ということですから、そういう意味でも政党の支持をされること、されないことの見方もあります。これはすべてじゃないと思います。 そういう見方もできるわけだと思いますし、それからこれも大変余計なこととおしかりいただくかもしれませんが、いろんな分析を党でやっておりますが、共産党は全選挙区に全部候補者をお立てになっている、三百。しかし、当選は今回たしかゼロだったと思います。逆にしかし、社民党は四とっていらっしゃいますね。(発言する者あり)いや、余計なことって、いろいろ御参考までにいろんな見方があるということを申し上げているわけでありまして、前もってお断りをして申し上げているわけで、社民党の場合も全体の投票とか得票数から見れば逆に言えば少なかったけれども、投票率は、四人当選されたということがあるわけですから、そういうふうにいろんな見方がやっぱりこの制度にはあるんだろうと私はそう思っております。
○久保亘君 選挙制度の問題もいろいろと議論のあるところでありましょうけれども、この総選挙の結果を見て、与党内において敗北した都市部を中選挙区にしようという見解が述べられたと報道されておりますが、このことについて総理はどうお考えですか。
○国務大臣(森喜朗君) 選挙制度というのは、やはりいろんな試行錯誤というのをこれまで続けてきているんだろうと思います。これは絶対というものはなかなかないんだろうと思います。ですから、衆議院選挙に限っていえば、先ほど申し上げたように、小選挙区制と比例並立制という仕組みについての矛盾というものはやっぱりあると思いますけれども、これは先ほど申し上げたように、個人中心の選挙から政党選挙に改めようという当時の一番大きなやはりねらいがあったわけであります。 そして、先ほど申し上げたように、二度目の選挙でございますから、なかなか一、二度の選挙で、現行選挙制度についての問題が指摘されてはおりますけれども、すぐまた改善をしていくということについては、やはりそれぞれの御意見もあるだろうというふうに私ども考えています。 今、御指摘ありました点については、私ども、この議員定数、議席の定数、定数減の問題を昨年与党内で議論をしておりましたときに、政党によっては小選挙区制を減ずることによるプラス、マイナスあるし、あるいは比例代表のところを減ずることによるプラス、マイナス、それはさまざま政党によって違うだろうと思います。そういう議論の中から、例えば国調がことし結果が出るわけですね。そうなると、また定数の改善を求められるということになる。そういうときに、また境界線を動かすというふうなことが果たしていいのかどうかとか、そういう議論の中から、確かに議論の過程の中から出てきた意見でございまして、今すぐ、これは我が党の中ではそういう議論はまだしていないと思いますけれども、この小選挙区制の定数等についての改革をするあるいは改善をするという意見は、まだ正式には議題として上っていないというふうに私は承知をいたしております。
○久保亘君 次に、もう一つの、あなたの外交上の大きな仕事でありました沖縄サミットが終わりました。このサミットの評価について、所信表明では、二十一世紀の扉を開くサミットとして大成功であったと、こういう御報告であります。 私はそのことを否定はいたしませんが、それだけでいいのかと。すべてのことには光と影ということがあるのでありまして、私たち、特に沖縄県民の皆さん方がクリントン大統領に言ってもらいたかったこと、それから日米首脳会談で日本を代表して森さんに言ってもらいたかったこと、クリントン大統領からぜひ聞きたかったこと、こういうものがこのサミットにおいては十分に尽くされたのかどうか、その点について伺いたいのであります。 あなたのカチャーシーを踊っておられる写真を見ますと、すべてはこのサミットは成功に終わったということに見えるのでありますが、果たしてそういう評価でいいのであろうか、どうでしょうか。
○国務大臣(森喜朗君) サミットに対する評価というのは、あの時点ですぐ出ることもございましょうし、これからまたいろいろと内政、外交を進めていく中にまた評価が出てくる点もあるだろうと思いますし、また長い歴史の中においてあの沖縄サミットについての評価というのもまた私は出てくる、そういうものだろうと思っています。 私としては、クリントン大統領には、二国間のお話をいたしました際には、適切な私は申し上げるべきことをきちんと申し上げたつもりでございます。 ただ、御承知のように、もう何もかも御承知の上でお尋ねになっておられると思いますけれども、サミットとしては全体のG8首脳の会合でございますので、二国間の問題はある意味では儀礼的な面もないとは言えないわけでありますし、あるいはサミットの前にやった首脳もございますし、時間的な調整がなくてサミット後になったという経緯もございますので、それぞれの二国間の話し合いについては、私はやはりそれなりのきちんとしたお話をし、成果をおさめたものだと思っております。 なお、これは久保議員はどういう視点でおっしゃったかわかりませんが、私が踊っておりましたというのは、成功しましたからといって浮いた浮いたでそういうことをしたのではございません。名護市の皆さんに感謝をしたかったので、サミットが終わりましてから、実は名護市は主要会場ではございましたが、実質的にはマスコミの皆さんを受け入れたり、首脳の皆さんと接する機会が名護市の皆さんにはなかったということを私は市長さんから伺ったものですから、それじゃ帰りにお寄りしてお礼を申し上げに伺いたいと、こう申し上げたわけです。ちょうど、その後、市民の皆さんが何か公園のところで皆さんでその打ち上げのような催しをやっていらっしゃるというから、じゃそこへ行って私からお礼を申し上げるということで伺ったんです。 それで、お礼を申し上げておりましたら、舞台の上にそのままいてくださいと言うので、私はそのまま立っておりましたら突然踊りが始まったわけで、そこで市長や地元の議員の皆さんから、あなたも一緒に踊って市民の皆さんとともに喜びを分かち合ってくださいと、こういうことでしたので、初めてでございましたけれども、なれない手つきで踊りのまねをしたというのが経緯でございまして、決して成功したといって浮いた浮いたでやっていたんじゃないということはぜひ御理解をいただきたいと思います。 二国間の問題につきましては、必要がございましたら外務大臣から答えさせていただきたいと思います。
○久保亘君 六〇年にまだ占領下でありました沖縄にアイゼンハワー大統領が参りまして以来、復帰後初めてアメリカ大統領が沖縄を訪れたということにおいて、このサミットの持つ意味は非常に大きかったと思っております。それだけにクリントン大統領の平和の礎における演説、それから米軍基地における米軍将兵に対する演説は、私どもが最も注目したところであります。 しかし、将来にわたって基地の整理、縮小に努力するということは言われましたけれども、その一方で、沖縄をアメリカは太平洋における戦略的なキーストーンとして位置づけてまいりました。そのことが今も変わっていないことを示す表現として沖縄の死活的役割という表現を使われた。このことは、基地は将来にわたってはどうなるかわからないけれども、今はアメリカの戦略としてはこれを返すわけにはいきませんよということを言われたのではないでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) ちょっと総理のお話の補足をまず最初にさせていただきますが、サミットと日米間の問題とは分けてこの際考えた方がいいのではないかと。私は、サミットはサミットの議論として非常な成果をおさめたというふうに評価をしていただいて、それと同時に、今まさに議員がお話しのように、このサミットの機会に沖縄を訪問されたアメリカの大統領が沖縄で日米間の問題についてどういう話をされたかというのは、またこれは日米間の問題として評価をしていただいた方がいいのではないかとまず思います。 その上で、大統領が平和の礎でなさったスピーチについて今お触れになりましたけれども、このスピーチは確かに死活的問題という言葉をお使いにはなりましたけれども、他方で、自分は沖縄県民の気持ちは十分理解しているつもりである、そして基地の縮小についても努力をする、現にSACOの合意については着実にやっておるということを言われたわけでございます。 少なくとも現在は、日米安保条約によりまして日本側が基地を提供し、米側はその基地を利用して日本及び極東周辺の平和と安定のために努力をお互いにするということになっているわけでございますから、この点について大統領のスピーチは適切なものであったというふうに考えております。
○久保亘君 サミットの中で開かれる首脳会談というのは、やっぱり全体的にサミットの中に位置づけられるものではありませんか。特に日米の関係というものが極めて重要であることは、私もそのとおり考えております。それだけに日米首脳会談の持つ意味、アメリカ大統領の訪沖ということの意味は非常に大きいと思うのです。 それでお尋ねをしたのでありますが、それならば、SACOの合意を確認するということだけではなくて、あなた方が既に閣議決定されておりますこの普天間の移設の前提条件としての使用期限十五年というのは、クリントン大統領に対して会議の中で明確にこちらから主張されておるのですか。
○国務大臣(河野洋平君) 日米首脳会談におきまして、総理より、代替施設に関する使用期限の要請につきましては、既に貴国政府との間の話し合いの中で数回にわたって取り上げてきたところであり、今後国際情勢の変化に対応して、同飛行場の代替施設を含め在沖縄米軍の兵力構成などの軍事態勢につき貴国政府と協議していくこととしたいということを言われたわけでございます。 そして、今御指摘の、県及び市からの御要請は、これを重く受けとめて話し合いにのせるという閣議決定につきましては、総理からしばしば私どもに御指示がございまして、私どもが米側との間でこの閣議決定の線に沿って話し合いの場にのせているところでございます。
○久保亘君 いやいや、その使用期限十五年ということについて、アメリカ側はどう、それじゃあなた方のその主張に対して答えているんですか。
○国務大臣(河野洋平君) 私どもがこうした説明を申しましたことに、アメリカ側は耳を傾けておられます。
○久保亘君 私は、このことに対してアメリカ側はどういう答えをしているかと聞いているんです。
○国務大臣(河野洋平君) クリントン大統領からは、在沖縄米軍を含む在日米軍の兵力構成などの軍事態勢については、SACOの最終報告及び一九九六年の日米安保共同宣言を踏まえて日本側と緊密に協議をしていきたい、こういうふうにアメリカ側は述べておられます。
○久保亘君 それは、日本側が現地の意思を酌んで閣議決定して申し入れている使用期限十五年ということに対する回答とはなっていないじゃないですか。
○国務大臣(森喜朗君) クリントン大統領は、先ほど久保委員から御指摘がありましたように、スピーチのときにもかなり明確に基地問題についての御発言がございます。 沖縄は、この同盟維持のために極めて重要な役割を担ってきました。私は、沖縄の人々がみずから進んでこの役割を果たしてこられたわけではなく、日本の国土の一%以下の面積でありながら日本の米軍の五〇%以上を受けておられることを理解いたしております。こういう最初の語り方から、ずっとこの問題についてかなり具体的な御発言が礎のスピーチではあったと私は受けとめて、私もテレビでそれは拝見をいたしておりました。 したがいまして、私は、大統領とお目にかかりましたときにも、最後のときに、先ほどの礎での御発言を私は非常に重く受けとめておりますし、大統領としてもかなり思い切った御発言があった。そのことは、一番沖縄の県民の皆さんが本当に真剣に聞いていらっしゃったと思います。 長い間の御苦労、そして基地に対するさまざまな考え方について、米大統領自身のお口からそういうお言葉があったということを、私は、ぜひあなたもこれから生涯大事にしてもらいたい、私も努力いたしますし、あなたが御発言をされましたことについてはこれからもぜひ責任を持っていただいて、一緒に沖縄の皆さんの気持ちにこたえていきたい、私はそういう努力をしたいので一緒に頑張ってほしいと、こういうことを最後に私は申し上げたわけでございます。 もちろんそれは最後にと今申し上げたでしょう。だからその前に、今余り答弁の時間をとっちゃいかぬと思うから最初のところだけ申し上げたわけでありまして、最初には、普天間飛行場の移設についても十分クリントン大統領との間には、私は私なりの意見を申し上げております。
○久保亘君 では、ならば、私は改めて伺いますが、ことしの四月十九日にコーエン国防長官の諮問機関であります二十一世紀国家安全保障委員会が国家戦略の探求という報告を公表いたしました。この報告は、アメリカのアジアにおけるというか、世界戦略を大きく変えようとするものではないかと私は思うのでありますが、このことについてどう受けとめておられますか。
○国務大臣(河野洋平君) コーエン長官の諮問機関がいろいろな提言をしておられるということは議員御指摘のとおりでございますが、恐らく、こういう言い方はあるいは言い過ぎかと思いますけれども、アメリカはこの秋に大統領選挙がございまして、新政権の誕生はこれは不可避でございます、任期が満了になるわけでございますから。そういう状況下で、さまざまなこの種の提案というものはあるだろうということもまた想像にかたくないわけでございます。 私どもは現在、アメリカが少なくともそんなに大きな、現時点でございますが、そんなに大きなアジアにおける戦略の展開ということが考えられているというふうには思っておりません。しかし一方で、朝鮮半島の大きな変化の兆し、こういった点は我々は注目すべきものだというふうには思っております。
○久保亘君 朝鮮有事が沖縄の基地を考える場合にその基本にあったわけでありますが、このコーエン氏の諮問機関の報告は、明らかに朝鮮有事から朝鮮統一の方向へ戦略の転換を行っていると私は思っております。そういう意味でも、沖縄の基地に対しても当然に変化が起こってきていいのでありますが、クリントン大統領は、みずからは世界戦略の変化に伴って国内の七十九の基地を閉鎖し、二十六の基地を統合いたしました。また、常備軍を十万減らしたのであります。にもかかわらず、日本に駐留いたします米軍は一兵たりとも削減されていない。 これは一体どういうことなのであろうか。日本政府が思いやり予算は組んでくれる、そして、米軍兵士の基地外における犯罪に対しても治外法権的に扱われる、こういう状況に対して日本政府が断固たる意思を示さないところに問題があるんじゃありませんか。
○国務大臣(河野洋平君) 日米安保条約というものは特定の国とか地域を対象にしているわけではございません。日本及びその周辺、極東と申しますか、その周辺の平和と安定を考えた米軍のプレゼンスというものは現在でもなお効果的であり、我々にとってやはり必要なものだというふうに考えていいと思いますし、この問題につきましては、国際情勢その他いろいろと検討がなされているというふうに考えております。
○久保亘君 私は、新しい世紀を迎えるに当たって、日米関係というものは重要であればあるだけに、日米関係のあり方について日本政府としては、今日の世界情勢、アジアの情勢の上に立って、こちらからも問題提起ができなきゃだめだと思うのであります。 ノーと言える日本ということを言うた人がおりますが、そのノーと言える日本ということは不十分でありまして、アメリカに対してイエス、ノーを答えてもらう、そういう立場も明確にして日米はよりよきパートナーとならなければならないと思うんですが、これらの日米関係の今後のあり方について、どうですか総理、お答えいただけますか。
○国務大臣(森喜朗君) 我が国の外交方針は日米が基軸であるということは、いろんな場面でも申し上げてまいりました。日米の関係というものを基軸に考えるその大きな一つの柱としては、やはり日米の安全保障ということがあることも委員にも御理解をいただけると私は思っております。 そういう中で、先ほど御指摘ございましたが、私は途中で省略をいたしましたけれども、クリントン大統領のスピーチの中でも、この沖縄との同盟維持をし、そして役割を重大に担っているということで、二十七項目の具体的なお約束をいただきましたと。そのことについてアメリカ大統領も、私たちはその半分以上を達成いたしました、そしてまたその約束の実現のためにさらに努力し続けることを再確認させていただきます、我々は沖縄における米軍の足跡を減らすために引き続きできるだけの努力をいたします、我々、よき隣人としての責任を真剣に受けとめており、この責任を全うできないことなど米国としては受け入れることはできません、このようなお話が礎のスピーチの中にもございました。 私は、また、二国間の首脳会談、日米首脳会談の際にも、普天間飛行場の移設についても今後貴国と協力しつつ基本計画の策定を進めていきたい、代替施設に関する使用期限の要請については、既に五月に、私が連休の際お伺いしたときでございますが、五月の貴大統領との会談を含めて貴国政府との話し合いの中で数回にわたり取り上げてきたところでございまして、今後、国際情勢の変化に対応して、同飛行場の代替施設も含め、在沖縄米軍の兵力構成等の軍事態勢につき貴国政府と協議していくこととしたい、このように私は申し上げて、そして、我が国としては国際情勢の肯定的変化のための外交努力を積み重ねていく考えでありまして、右についても貴国との協力をぜひしていきたいというふうに私から申し上げたところでございます。 したがいまして、大統領といたしましても、これまでの日米間のさまざまな協議の中で、日米関係を重視すると同時に、この沖縄の基地の問題も含め、また日米安全保障についても今後ともいろんな角度からお話し合いを進めていきたいということのお話、お気持ちがあったというふうに私どもは受けとめております。
○久保亘君 余り時間がありませんから、この問題についてはまた改めて議論をする機会を持ちたいと思っておりますが、サミットに関連してもう一つだけ伺っておきたいことは、情報格差の是正のための途上国に対する支援、それから貧困、感染症対策に対する支援のために百八十億ドルの基金を日本が提供することをG8の席上で明らかにされたと思うんですが、この二兆円に近い基金というのはどこに基金としてつくられるんですか。それから、だれがこれを管理運営するのですか。それから、この基金に対して、G8の各国はどういう協力を約束したのでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) デジタルデバイドを初めといたしますIT関係の問題につきまして、五年間で百五十億ドルを日本としては支出する気持ちがある、さらに感染症その他の対策にこれまた五年間で三十億ドルの拠出を、支出をする用意がありますということを申したわけでございます。 これにつきましては、まだ具体的にどこでどうするということは決めてございません。これらはいずれも先進国が引き続きデジタルデバイド解決について、さまざまなアイデアもございましょうし、やり方も出てくると思います。そういうものに対して我々は百五十億ドルを使う意思がありますと、こう申し上げているところでございます。 外務大臣として申し上げれば、アジアを重視した使い方ができればなというふうには思っておりますが、それも含めて具体的にどこでどうということが決まっているわけではございません。
○久保亘君 それは、しかし、日本側の百八十億ドルの基金提供は、これは国際的な公約となったんですね。
○国務大臣(河野洋平君) そうとられてもいいと思います。
○久保亘君 すると、他の先進諸国家はこのことに対して支持をしたのでしょうか。そして、参加の意を表明したのでしょうか。
○国務大臣(森喜朗君) 御承知のように、サミットはこのたびは日本が議長国という立場でございました。そして、ITを進めていくということは、この人類を取り巻く環境に大きな変化を与えていくということは、これは単に産業を起爆剤として盛んにしていくということだけではなくて、人々の生活が大きく変わるということを、どの首脳もこのことは真剣にやっぱり受けとめておきたいということでございました。同時にまた、開発途上国においては、やはりこのITの問題は重要ではあるけれども、自分たちの国としてそこまでまだIT革命を進めていくだけの国としての支援はなかなかとるだけの余裕がないということでございました。 例えば、前の国会でもちょっとここで申し上げたと思いますが、宮崎で島サミットといういわゆる太平洋諸島の国々との首脳の会議を行ったときも、皆さんから出た言葉は、正直言って静かなこの島の生活でいつまでもいたいという気持ちはみんなにあるけれども、しかし、このITのグローバル化というのは、これは避けられないだろうな、しかし現実問題として我が国としてはこの問題をどうやって教育していくのか、単に他の国々に結局凌駕されてしまうようなことが産業の面とか技術的な面でされていくのは耐えられないというような意見もやはり首脳の皆さんのお話がございました。そういうお話があったことも、この沖縄での首脳国会議で私からもそのことはよく御説明を申し上げてまいりました。どの首脳も大変なテーマであるということは皆さんは同じ考えでございました。 同時にまた、感染症の問題も、エイズにしても結核にしてもマラリアにしても、これは放置しておけない問題だと。これは今は特定の地域にある程度集中しているけれども、いずれは世界に大きく広がっていく問題であると。どういう対応をしていくかというのは、これは専門的にこれから協議していく必要があると、こういうさまざまな意見が出ました。 そういう中で、今、外務大臣からお話がありましたように、議長国としての責任として、私どもはこの程度の基金を用意して、そして何らかの対応をとっていこうじゃないですかという、こういう呼びかけをいたしたわけでありまして、首脳の皆さんも大事なことだと、しかしここで自分たちも、ここで幾ら基金をどうするかというところにまで話は行かなかったけれども、そういう議長国としての日本の責任ある説明に対して我々は了として、そしてそれぞれの国に持ち帰って考えてみたい、そして何がどうでき得るか、どうやって解決をしていくかということをもう少し専門的に議論していこうじゃないかということでございました。 いずれにしましても、日本が議長国としてのこういう対応を用意しておりますよということを世界に向けて国際的に我が国のそういう姿勢を示したものだと、このように御理解をいただきたいと思います。
○久保亘君 やっぱり百八十億ドルといいますと、そう簡単なお金ではありません。これだけ膨大な財政赤字のある国の状況の中で、こういう基金が出されるという場合には、その内容、運営、そういうものについても明確にならなければいけないと思っております。湾岸戦争の百三十億ドルも、拠出したところまではいいが、それから先、このお金は最終的にどうなったのか私どもは知ることができなかったのであります。だから、そういうことについてもう少し国民に明快な説明ができるようにしていただきたい。 次に、金融再生委員長の更迭に関連してお尋ねをいたしますが、久世金融再生委員長が任命をされるに当たって官房長官を通じていろいろと事情説明が行われていると聞いておりますが、その中に、三菱信託銀行とのかつてのいろいろな関係というものが述べられたと。 この三菱信託銀行というのは、そごうが債権放棄を求めております金融機関の中で何位に当たり、どれだけの債権放棄を求められている銀行であるか。それから、そのほかにもこの三菱信託銀行が債権放棄を企業から求められているものがあったはずでありますが、こういう問題について深く検討された上でのことであったのでしょうか。
○国務大臣(森喜朗君) 久世氏を金融再生委員長に御選任をさせていただきましたその当時といたしましては、過去の報道などから伝えられたところもございましたので、当時、幹事長代理として党の党務を担当しておられまして官房長官としてお願いする予定でございましたので、中川現官房長官に、久世氏にもお目にかかってその真意をしっかりただしてほしいということを私はお願いをしたわけです。 詳細、直接お会いになった中川長官から答えさせたいと思います。
○国務大臣(中川秀直君) ただいま総理からお話しのとおりの経緯で、私が過去の報道を踏まえまして調査を久世先生にお会いしていたしました。 過去の報道では、三菱信託銀行の顧問をなさっておられたこと、霊友会から資金提供を受けておられたのではないかというそんな報道がございまして、それについてたださせていただいたわけでございます。 顧問の件については、議員になる前から就任しておりましたが、議員当選後は議長にも報告書を提出し所得報告書にも記載するなど正規の手続をとっている、それからまた霊友会からの資金提供については、借入金であり、担保も提供し月々利子もつけて返済をしているということで、既にきちんとしている過去の問題であり法律上も問題がないという御説明でありまして、そういう観点からの精査をいたしましたが、法律上は問題がないだろう、こういう報告を官房長官にさせていただいた次第でございます。 今、久保委員お尋ねの信託銀行の債権放棄要請がどのくらいであったかということ等々まで精査をしたわけではないことは、そのとおりでございます。
○久保亘君 そんなことは精査しなくてもすぐわかることじゃありませんか。三菱信託銀行がそごうに出しておりました貸出債権は三百五十二億、それで債権放棄を要請されたものは百六億、これはその当時からわかっていることです。それから、ハザマが債務を担っている金融機関に対して、四行に対して債権放棄を求めておりますね。それは長銀であり日債銀であり第一勧銀であり、そして三菱信託。 こういうのがわかっておるのに、三菱信託といろいろな関係のあった人を何で任命したんですか。これは、任命された方も、後にこういう問題になるということになれば非常に迷惑な話ではなかったんですか。
○国務大臣(森喜朗君) 久保議員からお話しのとおり、三菱信託銀行には平成十年と十一年に合計三千五百億円の資本注入があったということは、これは承知をいたしております。 久世氏を金融再生委員長に任命するに当たりまして、三菱信託銀行に関する問題についても、今、官房長官が申し上げましたとおり、過去の報道で指摘された点について調査を行ったわけでありまして、これにつきましては今御説明どおりそれぞれきちんと整理がされておりましたし、また法律上も問題がないということの説明でもございましたので、そのように承知をいたしたわけです。 久世議員のそうしたいろいろな問題視されましたことは、これはいずれも過去、平成三年でありますとかあるいはかなりの昔の話でございましたから、そのことについては法的に問題はないということでございました。したがいまして、三菱信託であれどこの銀行であれ、資本注入している問題とこの久世議員とは直接的な私は次元の問題ではない、当時そういうふうに私どもは考えて、再生委員長として、大変政務に明るい、政策面にも参議院の政策審議会の中で非常によく務めておられましたので、私は御選任を申し上げたわけであります。 金融再生委員長の職務については、厳正に行われるべきであることは当然でございますし、少なくとも再生委員長の間は現にそうであった、このように私は承知をしております。
○久保亘君 これは森さんね、法的に問題がないということで任命したんだと、こうおっしゃいますが、それじゃおやめになったのは法的に問題があったんですか。
○国務大臣(森喜朗君) 久世氏から、御自分がこういうことでいろいろと御批判をいただいている、そのことが、金融再生委員長としての職におれば内閣の運営あるいはまた金融問題について大変御迷惑になることになるので私からやめたいという、そういう理由でみずから辞表をお持ちになりましたので、これは私としてはお受けをさせていただきました。 したがいまして、たびたび本会議場でも申し上げましたとおり、御自分みずから辞任をされるようなそういう閣僚を選んだということについては、私は大変大きな責任がある。そういう意味では大変残念でもあるし、遺憾でもございまして、またそのことについては率直におわびを申し上げてきた次第であります。
○久保亘君 そういうのを日本ではよくトカゲのしっぽ切りと言うのでありますよね。 それで、法的に問題はないということで任命したが、本人が国会対策上もいろいろ迷惑をかけちゃいかぬのでやめますと言った、それじゃやめてくださいというそんな簡単なものではないんじゃありませんか。 それから、新たにまた大京の問題が言われておりますが、この大京の問題は、首相が国会でお答えになったことが正しいのか、わざわざ先週の金曜日に記者会見までお開きになった久世さんが言っていることが正しいのか。そしてこの問題は、比例選挙のあり方、議会制民主主義の根本を問われる問題でもあるだけに明確にしなければならぬと思っておるのであります。真相は一つしかない。それで、もしここで首相が御答弁になりますならば、あなたの真相を、一つしかない真相を語ってください。
○国務大臣(森喜朗君) この件につきましては、自由民主党に私は調査を求めました。報告を求めました。 その党の報告によれば、平成三年当時、財団法人自由民主会館では建物の管理、維持運営費や人件費などに必要な寄附を募っておりまして、その一環として大京からは関連会社等も含めて平成三年に合計一億円の寄附を受けていました。このことは大京側が振り込んだとされている銀行においての入金で確認をいたしております。当然ながら、当財団法人の収支はこれは適正に処理されておりまして、財団法人自由民主会館の人件費含む管理、維持運営の費用として使用しておりますということでございました。 なお、自由民主会館に対する寄附は、党本部の建物等の財産の管理、維持運営の費用として使用されているものでございまして、当財団法人から個々の議員に対して支出するというようなことはあり得ません。再調査した結果、自由民主会館から久世議員への支出はないということの報告を党から受けております。
○久保亘君 当時、久世さんとしては、霊友会が名簿をつくってくれた三万三千三百三十三人の名簿に見合う党費を大京に立てかえてもらった、こういうことなんですよね。そして、それをわざわざ総理が今おっしゃったようなことを国会で答弁されたのを受けて、記者会見で自分はこう思っているということを言われているのでありますから、このことは、この真相を明らかにするために久世さんにも国会に来てもらって明確にしなければならぬ問題だと思いますが、明らかに総理の御答弁と当事者の記者会見の内容は異なるものでありますから、このことをこの当委員会は明らかにする任務があると思います。 委員長に対して、適切なお取り計らいをお願いいたします。
○委員長(倉田寛之君) ただいまの久保亘君の要求につきましては、その取り扱いを後刻理事会で協議させていただきます。
○久保亘君 次に、今この国会に提出されておりますあっせん利得罪法につきまして、この法案は緊急を要する非常に重要な法案だという認識を首相はお持ちでしょうか。
○国務大臣(森喜朗君) そういう認識は持っております。
○久保亘君 でありますならば、この国会で審議を行って成立させる努力を首相としてもまた自民党総裁としてもおやりになることが重要だと思うのであります。 我々は、政治倫理綱領や行為規範というものをみずから定めておるのであります。しかし、このような政治倫理綱領、行為規範に照らしても、速やかにみずから規制するところがなければならぬと思うのでありますが、この国会でこの法案の審議を進め、成立の努力をするというお約束はできますか。
○国務大臣(森喜朗君) あっせん利得罪の法制化につきましては、絶えず私も先般の衆議院の予算委員会でも申し上げてまいりましたけれども、その目的については十分吟味をした上で、解釈次第では適用範囲が変わることがないように、法律はできてしまいましてからでは、いろんな解釈がとれるという面もないわけではありません。そういう意味では犯罪の構成要件というものを明確にする必要がある、少なくともこの点については十分論議していただきたい、このように私は党に対しても申し上げております。 この問題につきましては、野党から案が出されていることも承知しておりますし、自由民主党はかつて、平成十年のときにもこの問題につきましては法案をまとめたという経緯は、これは久保議員はよく御承知のとおりだと思います。 今、与党三党間においてこのプロジェクトチームが発足いたしましたので、ここで今議論をされている、法制化に向けた協議を現に行っているというところでございますので、私はまず各党各会派において十分御議論いただくことは基本だと思います。しかし、でき得る限り私としては早くまとめていただきたいという、そういう思いは常にいろんな機会を通じて申し上げているところでございまして、この国会でも十分、間に各党間で御協議をいただき、また与党の三党でぜひまとめていただきまして、でき得れば次の国会にはきちんと議論ができるようにしていただきたいという旨のことは、昨日、広島でも申し上げたところでございます。
○久保亘君 時間がなくなりましたので、あと、あなたが提唱されております日本新生の中で経済の新生と教育の新生について簡単にお尋ねをいたします。 今の日本の経済情勢といいますか、景気の状況についてどのような判断をされておりますか。 日銀総裁から行きましょう。
○参考人(速水優君) 景気の現状につきましては、企業収益が改善しつつあります中で設備投資の増加が続いております、民間の。緩やかに景気は回復しているというふうに判断いたしております。 すなわち、民間需要の動きを見ますと、設備投資は明確な増加傾向をたどっております。個人消費の方は依然回復感に乏しい展開となってはおりますが、消費者マインドは改善傾向になっておりますほか、賃金や雇用者数の減少傾向にも歯どめがかかっております。こういった前向きの動きが出始めていることは大変喜ばしいことだと思っております。 こうした情勢のもとで、先行きにつきましても、海外経済等の外部環境に大きな変化がなければ設備投資を中心に緩やかな回復が続く可能性が高いと考えております。 また、物価につきましては、例えば六月について見ますと、卸売物価は前年比プラス〇・三、消費者物価は前年比マイナス〇・三とプラス、マイナスでございますが、これは技術革新、流通革命、コストダウンといったようないわゆる歓迎すべき値下がりも含まれておりますので、こういった緩やかな景気回復が展望されます中で、需要のいわゆる弱さといいますか需給ギャップと言ってきましたけれども、需要が弱くて潜在的に物価を引き下げていくといったような圧力は大きく後退しているというふうに判断いたしております。
○久保亘君 大蔵大臣、いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま総裁が説明されました中で、消費者マインドあるいは雇用、消費につきましては、私自身はそれよりももう少し様子を見る必要がある、一部そういう感想を持っております。
○久保亘君 この消費者マインドの問題につきましては、やはり今日的な不安、将来的な不安、この問題が解決しないとなかなか消費性向は伸びてこない、こういうことだと思うのでありますが、今、総裁や大蔵大臣からお話がありましたことについて、総理大臣として何かつけ加えることはありますか。
○国務大臣(森喜朗君) 景気全般に対します判断は、今、大蔵大臣あるいはまた日銀総裁のお考え、見方と私も同じ考えでございますが、せっかくここまでプラス成長に転ずるような努力を政府としても大胆な施策を続いて進めてきたわけでありまして、小渕前総理の思いもまさに景気回復でございましたから、私はそれを受けて、引き続き景気が本格的な回復基調に乗るまではしっかりとした従来の財政金融運営をしていくべきだという考え方を私は崩しておりません。 確かに、今特に大事なところは失業の問題でありますけれども、いわゆる雇用の問題はやはりミスマッチがあるわけでありまして、いわゆる先行指標になります有効求人倍率はいい数字が今出てきておるわけでありますし、民間の設備投資意欲も出てきておりますが、全般的な分野から見ればやはりIT中心の分野ということになりますので、まだまだ従来の既存の産業の面から見れば不安定な部分もあるというふうに見ております。 それから、消費の面はこれはやはりもう少し力強さがないというふうに私も見ているわけでございますが、昨年末のボーナスのときから、また春の給与改定というようなことも一つにはあった一面かもしれませんし、もう一つは今、久保議員からお話がございました将来に対するいろんな不安感というものが国民の中にやっぱりあるんだということについても我々は十分そのことについて留意をしておかなければならぬ。 いずれにいたしましても、もう少し慎重にこの景気動向については見きわめながら、政府としては引き続きの景気対策にきちっとした軸足を置いた政策を進めていくと。いずれにしましても、やはりこの十二年度の予算がまず執行をされていくことと、先般決定をいたしましたいわゆる公共事業予備費が着実な執行があるということを私どもとしては期待をして見守っていきたい、こう考えております。
○久保亘君 景気の状況について今お話がございました。そして、その上に立ってやはりこの景気対策というものが非常に重要だという御主張だと思うのでありますけれども、しかし今我が国の財政状況というのは、よく六百四十五兆の中央、地方の借金という話がありますが、国の予算の中で、発行される国債は、過去の国債の利払いのためにもまた国債が発行されるという形をとっているのでありまして、しかも国債の年間発行額はフランスの年間予算を超えるものであります。こういう状況にどうやって対処していくか。 これは、今景気の問題とあわせて一刻の猶予も許さない重要な問題となってきていると思うのでありますが、この財政赤字の解消についてどういう展望をお持ちなのか、大蔵大臣に伺います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 実情につきましてはよく御承知の久保委員のことでございますので詳しくは申し上げませんが、確かに国債費というものは、ただいまたまたま金利が非常に低うございますので、正常の金利に比べますれば金額はそれだけ小さいとは申しますものの、こういう金利状況そのものがそもそも正常な金利ではございませんから、国債費というものはやはり大きくなるということを将来に向かって考えておかなければなりません。 したがいまして、発行される国債の実際上ある部分が国債費に使われておるということは、これはもう事実と申し上げるしかありません。したがいまして、この状況はいわゆる財政再建という形で一日も早く解決に取りかからなければならない問題であるということはよく存じておりますが、その年度の税収そのものが実は年度の途中で減額補正をしなければならないというような我が国の経済成長あるいは非成長の状況がごくごく最近までそうであったことから考えますと、将来に向かっての国の税収の見積もりをするということが実際上まだできない、残念ながらそういう状況でございます。 したがいまして、そういうことにつきまして、事態は徐々に改善されつつありますが、まず経済成長についてのある程度の循環的なプラスの見通しが立ちませんと、財政再建策というものは実はつくりましても意味をなさないということになりますので、一日も早くそういう状況に達しまして、しかも今の状況から考えますと、財政再建と申してもそれは財政だけでなく税制も、中央、地方の行財政の再編成も、あるいは社会保障政策全体もそれらを含むものにならざるを得ませんので、そういう大きなマクロの中で二十一世紀に向かって国民が給付と負担についてどのような選択をするかということまで問わなければならない問題に発展せざるを得ない非常に大きな問題で、私自身がそれだけに気がせいておりますけれども、何しろ早くそれだけの経済成長、プラスの成長に我が国の経済を持っていくのが先決だというふうに考えております。
○久保亘君 今、大蔵大臣から金利の問題がお話ございましたが、それじゃここで日銀総裁にゼロ金利政策について伺います。 デフレ懸念の払拭できる展望が持てる情勢がゼロ金利政策を解消する基準だというのは日銀の言っているところでありますが、日銀総裁としては、この基準と現状とはどういうふうにごらんになっておりますか。
○参考人(速水優君) 久保先生には四月にこの問題について御質問を受けまして、私としてもなるたけ早い時期にできれば解除したいんだということを申し上げたことを記憶しております。 ただ、金融というのは、財政は国の歳出に要する資金を国民の納税義務で賄っていくということになろうかと思いますが、金融というのは、これは申すまでもないことですが、信用の供与でございますから、リスクを伴う以上、それに対して条件に適合した金利が課せられるというのは、これはもう当然であり自然なことだというふうに思います。これなくしてはやはり市場の持つダイナミズムというものは発揮されないことになるわけで、そういう意味からもなるたけこのゼロ金利というものをいつまでも続けることは適当でないと私は思っております。 金融政策の今基準としております翌日物の無担保コールをずっとこの十年、公定歩合を初め下げてきておりまして、無担保コールは最低限度まで引き下げて、いわゆるゼロ金利ということになっておるわけでございますが、昨年の二月の金融システム不安とデフレスパイラルの懸念といったようなものがあって、そこで緊急非常対策をとって、前にも申し上げましたように、非常対策でございますのでできるだけ早く正常に、正常といいますか、もとへ戻していくべきものだというふうに考えてきておるわけでございます。 日本銀行はかねてから、先ほどおっしゃいましたように、ゼロ金利政策の解除の要件としまして、デフレ懸念の払拭が展望できるような情勢になることというのを基準に申してまいりました。このデフレ懸念の払拭が展望できるということの意味は、需要の弱さに由来する潜在的な物価低下圧力、需給ギャップ、これが十分に小さくなっていくこと。さらに、言いかえますと、民間需要の自律的回復の展望が得られるということかと思います。 前回の金融政策決定会合、七月十七日に行われましたが、先ほど申し述べましたような民間需要の動きを踏まえまして、需要の弱さに由来する潜在的な物価低下圧力は大きく後退している、デフレ懸念の払拭が展望できるような情勢に至りつつあるというのが委員方の大勢の判断でございました。しかし、最終的にゼロ金利政策を解除するためには、先ほど申しました雇用・所得環境を含めまして情勢判断の最終的な詰めに誤りなきを期したいという意見がありました。また、いわゆるそごう問題がちょうどそのときに出まして、市場心理などに与える影響をもう少し見きわめる必要があるということが留意点として指摘されたわけでございます。 金利を上げるということは、年金生活者等、長年預貯金を積み上げてきた方々にとりましては上がることは明るい兆しであることは間違いございません。ただ、借り手の企業あるいは国債で借りておられる政府といったようなところには必ずしも喜ばれないことになるわけでございますし、また市場への影響というものも十分考えていく、よく見ていく必要があると思います。 こういうことで、次回以降の決定会合におきましてはこうした点を中心に情勢分析を行いまして、適切な政策判断を下していきたいというふうに考えております。 ただ、一つだけ申し上げますと、ゼロ金利の解除と随分派手に言われ、書かれておるわけでございますけれども、現状では、現在行っております極端な金融緩和を微調整する程度のものが精いっぱい、金融緩和の度合いを少し、多少弱めるというようなこと程度のことが解除というものの実態ではなかろうかというふうに私は思っております。 以上でございます。
○久保亘君 何か、日銀総裁は金融政策の責任者の一人でもありますから、もう少しはっきり言っていただければいいと思うのでありますが、デフレ懸念が払拭できる展望の持てる情勢に現状はあるのかないのか、それはどうなんですか。あなたがあちこちで御発言になりますことがマスコミではいろいろニュアンスが違って伝えられるものだから、なお私どもはわからなくなるわけです。
○参考人(速水優君) 実体経済のいろいろな数字を見ております限りでは、デフレ懸念の払拭が展望できたというふうに私は見ております。 ただ、これはまた市場にいろいろな影響がいろんなところから出てまいりますし、ごらんのように今株価が非常に下がったりいたしております。また、為替も動いておるわけでございますが、こういうものはやはり、外人が株から債券に大きくシフトしているとか、あるいは持ち合いの、会社同士持ち合っている株の売却が今ここで進んでいるとか、いろんな事情があるんだろうと思います。 ただ、企業収益が今のようにしっかりしておりますことを考えますと、経済全体がよくなっておる流れは変わっていないというふうに私は思います。株式市場の動きはいろいろございますけれども、それほど心配することはないのではないか。これは楽観的かもしれませんけれども、私はそういう判断をいたしております。
○久保亘君 今の日銀総裁のお話を聞いておりますと、あなたが言われるように、現在のゼロ金利政策というのは異常な経済状態に対応する異常な金融政策、これは正常な状態にできるだけ早く戻さなきゃいかぬ。それが、昨年の二月からずっとこのゼロ金利政策が続いておるわけです。 では、日銀の政策委員会・金融政策決定会合ではどういう議論があったのか。私どもがもらいます報告では、賛成多数によって継続、こう書かれてありますが、どれくらいの賛成があり反対があったんですか。あなた自身はどういう立場をおとりになったんですか。
○参考人(速水優君) これは、決定会合委員が九名おりまして、最後に投票をいたすわけでございますけれども、今まで発表されておりますのは六月十二日の決定会合でございまして、このときは現状維持が七で現状維持反対が二でございました。 私は現状維持の方に六月の会合では……
○久保亘君 七月十七日はどうなったんですか。
○参考人(速水優君) 七月十七日の金融政策決定会合におきましては、賛成多数でゼロ金利政策の継続が決定されました。ただ、個々の委員の賛否につきましては、これは次の次の回の決定会合の後に公表される議事要旨で明らかにする扱いとなっておりますので、この点は差し控えさせていただきたいと思います。 六月十二日までが発表されておりますが、ここでは私は、デフレの懸念もまだ多少残っていると思われましたので、ゼロ金利政策の継続に賛成した次第でございます。
○久保亘君 政策委員の方々があちこちで講演をされている内容も見せていただきました。この講演されております中身には、政策委員の一人一人の考え方、賛否、そういうものが国民に明らかにされるべきだという主張をされている方があります。だから、二カ月おくれ、三カ月おくれで公表するのではなくて、決定を発表するときに、賛成多数というならば、何対何でそういうふうに決まったということは発表されてもいいんじゃないですか。
○参考人(速水優君) 政策決定会合でのこの議論、一日かけてやるわけですけれども、現状の判断から始まって、政策の提言を各委員から伺って、後にそれぞれ提言を出してもらって、議長は議長として議長案を出しまして、それを採決するということになっております。 その何票ということは、次の次の決定会合、これは二カ月でない場合が多いと思います、月二回が普通でございますので、発表いたしておりますが、今後、おっしゃるような御意見も出ておりますので、発表の仕方をもう少し早くするように検討中でございますので、その点は十分考慮に入れて新しい発表の方法を考えさせていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いします。
○久保亘君 期待感という言い方で政府やあるいは外部から、外国からの圧力というものが日銀の政策委員会に影響することはありますか、ありませんか。
○参考人(速水優君) 海外の動きは十分よく情報を集めてその席でも披露してもらって意見を述べ合うことになっております。 ただ、海外からの意見で我々の政策が変えられるというようなことは絶対にありません。その点だけは御安心いただきたい。私どもは、せっかく国会でお決めいただいた独立性というものを大事にしてまいりたいと思っております。その点は外からは一切動かされておりません。
○久保亘君 あると言えば大変なことですから、それはどう感ずるかという問題でしょう。今後の動きを私どもとしても深く注目したいと思います。 経済問題の中でもう一つ伺いたいのは、先ほど大蔵大臣から御答弁がありましたことに関連して、首相は消費税をめぐる質問に対する答弁の中で、国民の理解を得られない増税は政府としてはやらないということをおっしゃったように私は記憶をしておりますが、間違いありませんか。
○国務大臣(森喜朗君) 間違いございません。
○久保亘君 念押ししない方がいいのかもしれませんが、国民の理解というのは合意と考えてよろしゅうございますね。
○国務大臣(森喜朗君) 国民の合意というのは非常に難しい判断になると思いますけれども、増税をしなければ、あるいは行わなければならぬという事態になれば、やはり国会が国民を代表する一番の議論する機関でありますから、国会で十分な議論がまた大事だと思いますし、また、いろんな世論調査等も行われるわけでありまして、国民の皆さんの意見も集約することができるんだと思います。 いずれにしても、多くの国民の皆さんのやはり理解を得ることなしに増税を行うということは適切ではない、このように考えています。
○久保亘君 次に、教育の新生についてでありますが、私、きょうは森さんにお目にかかるので、あなたがかつて文部大臣をお務めになって、おやめになった後出版されました「文相初体験」をもう一遍読ませていただきました。 それで伺いたいのでありますが、臨教審の提案者であった元文部大臣森さんと、今度教育改革国民会議に諮問されております森さんと、どこが違いますか。
○国務大臣(森喜朗君) いずれも、臨時教育審議会を設けたあの当時の教育改革は、中曽根総理大臣の強い御意思でございました。また、今回の教育改革につきましては、お亡くなりになられました小渕前総理の思いでございました。いずれにいたしましても、いろいろ立場は違いますけれども、教育改革問題について取り組まなければならないそういう思い、そういう政治的な責任は私自身もしっかりとこれは承知をしているところでございます。 そこで、当時の教育改革の場合は、これは久保委員が一番御承知のとおり、臨時教育審議会という委員会を設置する、そしてそのことは国会におきます議決を経てスタートしたものでございます。今回の教育改革は、教育国民会議ということで、総理大臣の私的な審議機関としてスタートしたということでございますから、できるだけ幅広く思い切った議論をしていただくという意味では、私は、前回の場合は審議会を設けるということの中において、衆議院、参議院でかなり長い議論がございましたし、当時、久保議員も対案の法案をお出しになって並行して審議した経緯がございますので、そういう議論の中で幾つかやはり改革に伴う、何というんでしょうか条件というとおかしいんでしょうけれども、それぞれの議員の、これは与党、野党を問わずいろんな制約がやっぱりあった、条件があったというふうに私は当時を振り返って感じております。 今回の場合は、まず思い切って議論をしてみたいというそういう小渕総理の思いでありますから、そういう違いがやはり私はあるのではないかというふうに思います。
○久保亘君 臨教審のときには、提案理由の中にも教育基本法にのっとりということが明記されております。そして、この教育基本法は、お読みになれば、まずこれは憲法に基づいて教育基本法を定める、こうなっておるのであります。したがって、教育基本法を改正する、抜本的に見直すということは憲法改正に道を開くことにもなるのであります。 このことに関して、かつて臨教審を提案されたときに教育基本法にのっとってやろうと言われた当時の文部大臣が、今度は首相として教育基本法も抜本的に見直せ、こういうふうにおっしゃっているこの変化はどこから来たものなんでしょうか。 それで、この教育基本法の抜本的見直しを主張される根拠は那辺にありや。
○国務大臣(森喜朗君) 教育全般についてさまざまな問題が生じておりますときに、今日、幅広く教育全体について議論をするということは極めて私は適切だと思っているんです。 先ほども申し上げましたように、当時の教育改革については国会の議論の中から、これはどの党がどういうふうにおっしゃったということではなくて、幾つかやはり先ほど言いましたように条件がついた、その中の一つとして教育基本法には一切触れないということがあったと思います。また、そういうことを当時の総理も、当時の担当大臣である私もそのことについて一応了承したことを申し上げてまいりましたから、基本的にはそこの問題には全く触れないままになったと思っております。 しかし、今日、教育基本法が制定をされましてから約半世紀たっているわけであります。憲法議論と必ずしもこれを同じ時点で考えるということではないと私は思っておりますけれども、あえて久保議員からそのような指摘がございました。その憲法についても、衆議院、参議院に憲法について議論をしようというそういう調査会ができたということは、このことを改正するとかしないとかとは別に憲法について大いに議論をしようということになったということで、私は大変意義あることだと思っております。 そういう状況を考えてみましても、この教育基本法は半世紀前につくられたものであるということであれば、この問題を私はいいとか悪いということを言うんじゃなくて、このことも思い切って一度検討してみる必要があるのではないかということを申し上げているわけでありまして、前回のときはこれには一切触れないということでございましたから、触れなかったことがよかったのか悪かったのかということを申し上げているわけではございませんが、今回はそういう制約はなしで議論をしていくことがより私は将来に向けて教育のあり方を問うということについてはいいことではないかというふうに思っておりますので、思い切ってこのことについても議論をしていただきたい、こういう私は希望を申し上げているところであります。
○久保亘君 これはまた別な機会に総理と議論をしなければならぬ問題だと思っておりますが、もう一点、国民会議に出席された総理が、臨教審のときの教育改革はいろいろなところから注文がついてなかなかきつかった、特に大蔵省が教育改革をやっても金は出さぬよと、こういうきつい制約をつけられて非常に教育改革は困ったんだ、だから今度はそういう制約は一切ございませんので大いにやってくださいということを国民会議で話をされておりますね。 ということは、この国民会議が少人数教育の問題を重要なテーマといたしておりますが、これらの経費を要する問題について国民会議の意見がまとまり国民的合意を得られるときには、これらの問題については財政的裏づけに責任を持つ、こういう御発言だと考えてよろしゅうございますか。
○国務大臣(森喜朗君) 当時の議論で、先ほど申し上げましたように、財政的な問題についてはたしか国会の委員会の論議の中から出てきたと思います。どの党であったか記憶しておりませんが、教育改革を進めるには経費が必要だろうと、予算が必要だろうが思い切ってやられるんですねという御質問に対して、当時、財政的にはもちろん必要があれば十分認めなければならぬというそういう財政担当の大臣のお話があったと思います。しかしながら、そのことについての教育改革に伴う財政的な負担は、いわゆる何でもすべてオーケーということではありませんというような発言もやっぱり両論あったというような気がいたします。 したがって、思い切った、例えば当時も九月入学期の問題がございましたり、あるいはいわゆる中高一貫制の問題がありますとか、さまざまな意見がありましたが、大きく経費、財政的な負担がかかることは、この際やはり具体的にまとめることについては若干皆さんについては腰が引けたというような、そういう当時の思いもございます。 やはり当時、この臨時教育審議会の議長は文部省の事務次官が務めていたと思います。したがって、財政が伴うことによる改革というのは思い切って私はやはり突っ込めなかったというような当時の記憶をいたしておりまして、今回は思い切った改革をして、何でもいいから金を使えということじゃありませんけれども、初めから財政的なものは見ないんですよと言ってしまったのではやはり思い切った議論にはならないわけですから、そういうことの制約を前提とした議論ではないんですということをごあいさつかたがた総理に就任いたしましたときの教育国民会議の懇談会の中で私は申し上げたというふうに記憶をいたしております。
○久保亘君 今、総理が言われたことについて大蔵大臣、大丈夫でしょうね。
○国務大臣(宮澤喜一君) 具体的な内容によることでありますけれども、教育は何よりも大事なことでありますので、場合によっては財政はそれに奉仕しなければならないと思います。
○久保亘君 場合によってはというところにちょっと逃げ道をつくっておられるんでしょうが、そうならないように文部大臣、頑張ってくださいよ。 それから最後に、そごうの問題について長銀の譲渡と関連して若干の質問を行いますが、日債銀ですね、この日債銀の譲渡の実行日を一カ月延期されたことについて、この延期の目的は何ですか。それから、延期後既に一週間を経過いたしておりますが、この間にどのような協議が行われたのか、御報告いただきたい。
○国務大臣(相沢英之君) 御案内のとおり、日債銀につきましては既に譲渡契約書を締結いたしまして八月一日実施ということにいたしておりましたが、この問題をめぐりましていろいろと世論においても御意見がございます。そういったようなことを考慮いたしまして、一カ月の間猶予をいただきまして、これは先方からの申し出もあったわけでありますけれども、十分に契約の内容等について御理解をいただく期間を置くと、こういう意味で一月を延期したのであります。
○久保亘君 ただ一カ月延ばしたというだけじゃありませんか。この一カ月の間に何をするんですか。
○国務大臣(相沢英之君) その間に、御案内のように、こういったような国会の場面、あるいは私どもも記者会見その他等々におきまして日債銀の譲渡に関するところの考え方を御説明もし、そして理解を得られるところの努力をしてまいったのでございます。
○久保亘君 そうすると、結局、ガス抜きの作業をやっているということですか。
○国務大臣(相沢英之君) どうもガス抜きというのは余りいいように受け取られておりませんから、そういう言葉は私ども用いませんし考えておりませんが、確かに、日債銀につきましていろいろと御批判のある中には、債権譲渡の考え方、内容等について必ずしも十分に一般に御理解の得られていない面もございますから、そういった点について御理解を得られて、そして実施する方が適当だと、こういうふうに考えたのであります。
○久保亘君 国民の皆様の御理解を得られる努力というのはどんな努力ですか。
○国務大臣(相沢英之君) それは、繰り返しになりますけれども、日債銀の譲渡に関しましていろいろと問題点等を指摘される面もございますし、委員会においても、既に衆議院の予算委員会等におきましてもいろいろ御質問がございました。それに対して私どももできるだけ的確にお答えをすると、そういうような努力もしてまいったのでございます。
○久保亘君 しかし、あなたは、既に一カ月延ばしても契約が変更されることはないという再生委員会の考え方を述べておられますね。
○国務大臣(相沢英之君) それは、本来ならばこういうことは、一遍決めたことはそのとおり実行するというのが一番いいと思いますけれども、先ほど申しましたように、いろいろと御意見とか御批判もございますし、一般の御理解の不十分なところもあるような気がいたします。それに対して日債銀の方からも一月ひとつ延期してもらいたいという話がありましたから、私どももそれを了解をしたわけであります。
○久保亘君 それじゃ、この長銀の譲渡に関する契約についてでありますが、瑕疵担保特約をどちらが言い出したんですか。再生委員会から提案されたのか、買い手側から要求したのか、それはどちらですか。
○国務大臣(相沢英之君) それは長銀を譲渡するに際しての条件交渉の問題でありますから、どちらが言い出したかということになるとなんでございますが、しかし、当方がそういう瑕疵担保条項のことを提案いたしました。
○久保亘君 八城社長はお見えですね。 新生銀行側としては、これはどちらが言い出したものと理解されておりますか。
○参考人(八城政基君) お答えいたします。 これは、再生委員会の方から提案を受けました。
○久保亘君 それじゃ再生委員長、交渉の相手側の言い分と違いますね。
○国務大臣(相沢英之君) お答えします。 当方と申し上げましたのは再生委員会のことであります。
○久保亘君 当方ですか、双方ですか。 再生委員会の方から、この瑕疵担保特約については交渉の中で提案されたと、こういうことで今一致したわけですね。それじゃ、どうしてその売る側がこういう特約を提案しなければならなかったのですか。
○国務大臣(相沢英之君) 長期信用銀行も債券信用銀行もそうでございますけれども、その売却に際しましては、当然、相手方との間の交渉もあり、契約に至るまで駆け引きと言ったら言葉は適当じゃありませんが、話し合いがあるわけであります。 その過程におきましてこの瑕疵担保条項の話が出てまいりましたのは、例えばロスシェアリングのような規定ですね、これがあればまたそういうようなやり方もありますけれども、その規定は再生法には盛られておりません。これは住専のときにはありましたのですけれども、再生法にはどういうことか、経緯はいろいろあったと思いますけれども、これはございませんでした。 そこで、法律上、ロス担保の規定がなくとも契約上そういうようなことも可能かどうかというようなこともいろいろ検討されたようでありますけれども、それはどうも法理上無理だと。そこで、民法の五百七十条でございましたか、瑕疵担保に関する規定がございますので、それを援用して瑕疵担保特約を設けることを提案したわけであります。 それは結局交渉事なんです。条件をどうするか。つまり、こちら側が株をどう持つかとか、向こうは株をどう持つかということの交渉の一環として瑕疵担保条項というものが浮かび上がってきたと、このように申し上げていいと思います。
○久保亘君 それでは、貸出債権の価値の判定を再生委員会がなさったのはどうなっておりますか。その価値判断を、引き渡しのときと、それから今度の買い取り要求のときと、両方教えてください。
○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。 長銀の場合は資産判定は十一年二月にいたしまして、約八兆ほどを適資産、四兆余りを不適資産と判定いたしました。 そして、先生御指摘の点は譲渡の際にどうしたかということでございますが、これは通常の銀行会計ルールに則しまして資産査定を適資産につきまして各債務者区分ごとにいたしまして、その合計額が九千億ほどになったわけでございます。
○久保亘君 これは、二割の減価というのは、引き渡しの前日の評価とそれから引き取りを求めたときの評価とによって二割の減価があったかどうか、劣化したかどうかが決められるようになっているはずです。その数字が、そのずっと前の再生委員会の査定の数字でもって言われても、それは問題にならぬじゃないですか。
○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。 先生御指摘の二割減価のことについてだけ申し上げますと、その判定基準になるところは、資産判定時の資産査定ではございませんで、譲渡時の資産査定、そごうの場合でいえば破綻懸念先になっていたわけですが、その破綻懸念先の場合の実質債権の価値と、そして瑕疵担保条項に従って解除権を行使するとき、そごうの場合は三カ月後ぐらいになったわけですけれども、そのときの実質資産価値、そごうの場合は実質破綻先になりました。その二つの比較でございまして、いわゆる債権の価値としての判定は資産判定時の価値の判定とは違います。
○久保亘君 瑕疵担保特約をつけて破産懸念先の債権を引き取らせる、そのことに有無を言わさぬというやり方、これはおかしいじゃないですか。もともと再生法ではそういうものは引き渡さないことになっているはずです。
○国務大臣(相沢英之君) それは長銀の場合も日債銀の場合も、おっしゃるように厳密な資産の算定をいたしまして、そしてその振り分けをすると。そして、その不良なものについてはこれを債権整理機構に回すという考え方もそれはなかったわけじゃないと思いますけれども、(「これが原則だ」と呼ぶ者あり)しかしそれは、とにかくその膨大な資産につきましてそういうことをするのに相当な時間がかかるということと、それから早期に国有化の状態を脱するということが必要だという判断のもとにこの財産の処分を考えるとすれば、それはやはり瑕疵担保条項というようなものをつけてその処分を考えることが妥当だと。 これはもう相手方の、交渉事でありますから、こちら側がそういうことだけを言って決めたということではないのでありますけれども、そういうことになったわけであります。
○久保亘君 浅尾議員に関連質問をお許しいただくようお願いいたします。
○委員長(倉田寛之君) 関連質疑を許します。浅尾慶一郎君。
○浅尾慶一郎君 今、久保委員の方からお話がありましたけれども、金融再生法にロスシェアの考え方がなかったというのは、総理は法の不備だと思われますか。総理です。(発言する者あり)
○委員長(倉田寛之君) お静かに願います。
○国務大臣(相沢英之君) いや、それは、たまたま私が一昨年のいわゆる金融再生二法の審議の際の特別委員会の委員長もいたしておりましたから、経緯については、これはいささか存じてはおりますが、ただ御案内のように、あの法案につきましては政府提案がそのままできたというようなものじゃないので。むしろ、政府提案は廃棄されまして、野党案を中心としてその審議が行われて、その過程においては無論連日徹夜にわたる折衝が行われたわけでありますが、そういうような過程を経てできた法律であります。 でありますので、私どもの立場から、今なぜそれがなかったんだということについての批判をすることは差し控えたいというふうに思っております。
○浅尾慶一郎君 総理のお考えはいかがですか。
○国務大臣(森喜朗君) 衆議院におきます予算委員会でも、今、相沢委員長からお話がありましたように、各党それぞれこの国会審議の中でいろいろなお立場をとっておられたと思います。 私は、衆議院の予算委員会を伺っておりましても、これは与党と野党という意味での分かれではなくて、与党の中にも野党の中にも、それぞれこの法案についての審議の経緯の中から非常にやっぱり難しい、そして複雑な問題が絡んでいた、いわゆるそういう政策決定だったというように見ております。 したがって、金融再生委員会は、現行金融再生法にはロスシェアの規定がないということから、国有化された銀行の速やかな譲渡をしたい、それからそのことによって、そうしない場合には国民負担抑制ということも考えなければならぬ、そういうことから、この民商法の法理を用いて瑕疵担保条項を交渉の過程で盛り込んだというのが当時の国会の審議の経緯であったというふうに思っております。 仮にこの瑕疵担保条項がなければ、国有化された銀行の譲渡候補先がなかなか見出せない、また、先ほども申し上げたように、そのことによって国民負担が相当程度増加するということも見込まれたから、やむを得ないものであるというのが金融再生委員会の判断であったと考えております。 なお、金融再生法の改正問題につきましては、現在、与党におきまして真剣な議論を行われているというふうに承知いたしておりまして、政府としてはその帰趨を見守りながら判断しなければならないというふうに考えております。
○浅尾慶一郎君 今、大変総理から重要な御発言をいただきましたけれども、実は昨年七月の参議院の金融経済特別委員会におきまして、当時の柳沢再生委員長に対しまして、金融再生法にロスシェアの考え方がないということが一つの問題であるとするならばそれを改正されたらどうですかということを何回か私自身提言させていただきました。 なぜやらなかったんですか。
○国務大臣(相沢英之君) 委員御案内のとおり、来年の四月一日から施行されますところの預保の改正ではロスシェアの考え方が入っているわけなんですね。でありまして、おっしゃるように、この金融再生法においてロスシェアの規定を当然置いてもいいじゃないかという議論はあると思いますし、あったと思います。 ただ、今からこれをやりましても、少なくとも、(「一年前から」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)いや、にしても、既に長銀、日債銀については事はもう進んでおったわけでありますので、それに対してさかのぼって適用するような形ではなかなか難しいということだったのであるので、再生法の改正につきましてはこれからの検討事項だと思っております。
○浅尾慶一郎君 今、総理はこれから再生法を改正することを検討されるというふうにおっしゃったわけであります。しかし、一年前に私が提言したときになぜやらなかったのかということを伺っているんです。
○国務大臣(相沢英之君) 先ほどの繰り返しになると思いますが、金融再生法につきまして、そのロスシェアの規定を置くことの当否も含めて再検討することについては別に私どもとして異議があるわけじゃありませんが、しかしいずれにしましても、この長銀、日債銀の問題に関しましてこのロスシェアリングの規定を適用するというような事態にはならないということを申し上げているのであります。(発言する者多し)
○委員長(倉田寛之君) 浅尾君、続けてください、質問を。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(倉田寛之君) 速記を起こして。 相沢金融再生委員会委員長、質疑者の含意にお答えをください。
○国務大臣(相沢英之君) 御案内のように、この金融再生法は早期健全化法とあわせて一昨年のいわゆる金融特会において制定された法律でありまして、これは重ねてお答えして恐縮ですけれども、もう本当に野党案を中心として行われたことであります。そういうことでありまして、本当の議員立法になっておりますから、その議員立法に対してすぐそういうような改正の手続をとるかということもいかがかという配慮があったんじゃないかというふうに思っているのであります。 ただ、繰り返しになりますけれども、長銀、日債銀の問題に関して特にこのことに御議論があるようでありますが、それに関しましては今からこれをやっても当然間に合わない、そういうことを申し上げておるんです。
○浅尾慶一郎君 私は、今からということを申し上げているわけではなくて、昨年の長銀あるいは日債銀の譲渡の契約が結ばれる前に、こういうことが予想されるので、それであれば改正されたらどうですかということを言ったのですが、やられなかったのはそれはなぜですかということを聞いているんです。
○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。 昨年の夏の状況でございますけれども……(発言する者多し)
○委員長(倉田寛之君) 御静粛に願います。
○政府参考人(森昭治君) 長銀につきまして既に相手候補先が四つから二つに絞られ、瑕疵担保条項も含めまして交渉が相当最終段階に煮詰まってきていた状況でございまして、その段階におきましてロスシェアの条項を法律で入れて再度交渉し直すというのは、早期処理を目指す以上、現実的なものと考えられなかったわけでございます。
○浅尾慶一郎君 そうすると、総理が今、金融再生法を改正されようと、与党が改正されようと議論されていると。もう譲渡は終わってしまった。何のためにされるんですか。
○国務大臣(相沢英之君) 今後こういうような長銀、日債銀のような事案が起こるということをあらかじめ想定するということは大変不謹慎であると思いますし、そういうことはないことを祈っているわけでありますが、しかしいずれにいたしましても、その再生法について今後、まだ終わったわけじゃありませんから、今後の問題処理として再生法の改正を考えるということはこれは十分検討に値することだと私も思っております。
○浅尾慶一郎君 一年前に提案をさせていただきましたけれども、基本的に我々の提案はその当時は聞いていただけなかったというふうに私は認識をさせていただきます。 ちなみに、当時提案をさせていただきましたときに、当時の柳沢再生委員長がどういうふうにお答えになったかといいますと、金融再生法においては、ロスシェアリングという考え方ではなくて、むしろ悪いものといいものとを厳然に区別する、資産判定というものに従ってやっていくんだというふうにお答えになったわけであります。 そうすると、それはそれで当然一つの考え方であって、私もそれが正しいと思っておりますが、資産判定をしっかりとやらなければその柳沢さんの答弁のとおりにならないというふうに思いますけれども。 ここに資産判定の基準というのが、再生委員会でおつくりになったと思います。(資料を示す)ここに書いてありますとおり、皆様方のお手元にも資料で配付をさせていただきましたけれども、正常債権というのは当然構いませんよと。それから、要注意先についてはいわゆる要注意先AとBまでだったら場合によってはいいということなんですが、Cとかあるいは破綻懸念先以下のものはだめだというふうな基準をつくられたわけであります。しかし、どうもいろいろ聞いておりますとそういうふうになっていないと。 なぜこの基準どおりにやられなかったんですか。
○国務大臣(相沢英之君) その資産の判定につきましてはおっしゃるとおりでございますけれども、ただ、その債務者の債務の履行状況及び債務内容の健全性に基づき判定するということでありますけれども、その当該金融機関が債務者の特殊事情、これには特許とか有力な保証先があるとか、そういう問題もあります、に基づいて将来の収益や債務履行の確保を見込んでおりまして、それが合理的と認められる場合にはそのことも判断の要素になる、こういうことでございます。
○浅尾慶一郎君 それでは伺いますけれども、例えばそごうの場合は何か特許とか保証とかがあったわけですか。
○国務大臣(相沢英之君) そごうにつきまして判定をしましたときは要注意先のAでありまして、不適当ということではないのであります。
○浅尾慶一郎君 確かに、今までの御答弁でも、そごうについては判定をされたときは要注意先のAということでございますが。 またお配りさせていただきました資料に従って質問をさせていただきますが、平成十一年の三月の末の段階でいわゆる適資産、長銀が引き継ぐとする適資産についてどれだけ引当金があったか。 そごうは一般貸倒引当金という形になっております。これは要注意先のB以上だというふうに思いますけれども、一般貸倒引当金に含まれていた。ところが、実際に譲渡される段階になると個別で、これは大変危ないということで個別貸倒引当金の項目になっております。 そういったようなものが大体約四千六百七十五億円もふえておりますが、これはまず、なぜこんなにふえてしまったんでしょうか。それから、それに対応する元本というのはどれぐらいふえておるんでしょうか。
○政府参考人(森昭治君) お答え申し上げます。 最初に数字の方からでございますが、個別貸倒引当金にかかわる貸出関連資産の増でございますが、十一年三月末では二千百四十億円でございましたところ、二月末に、三月一日に譲渡してございまして、その前日の二月末時点での予備的貸借対照表の際には一兆四百六十五億円でございました。 そして、なぜこう伸びたのかということにつきましては二つポイントがあると思うのでございますが、一つは、十一年三月末における長銀の資産査定、銀行会計ルール、金融検査マニュアルに基づくものでございますが、当時は金融検査マニュアルは強制適用の世界ではございませんでしたもので、長銀の資産査定におきましては金融検査マニュアルを使っていなかった、それに対して二月末のときには金融検査マニュアルを使ったということで、基本的にそこで、何と申しましょうか、資産査定の厳しさに差が出たということが一点でございます。 もう一点は、長銀の融資構造におきまして、やはり大口融資先でこの一年間に状況の悪化した企業が幾つかあったというところが影響していることも否定できないと思います。
○浅尾慶一郎君 ちなみに、今、事務局長のお答えになった一兆四百四十五億円というのは大体長銀の総貸し出しに対して八分の一以上の数字になると思いますが、間違いございませんか。
○政府参考人(森昭治君) 八分の一程度でございます。
○浅尾慶一郎君 それでは伺いますけれども、この一年間で、都銀とかほかのいろんな銀行がございますが、資産が八分の一も貸出資産に関して劣化している例というのはほかにございますか。
○政務次官(宮本一三君) お答え申し上げます。 今言いましたように、八分の一の増加があったわけでございますけれども、ほかの銀行について調べてみましたけれども、そのような大きな変化のあった銀行はございませんです。
○浅尾慶一郎君 そうすると、とりようによってはわざと最初の資産判定を甘くして、そして譲渡直前になったら資産判定を悪くして、そしてそれに対応する引当金、これは税金ですけれども、税金をふやしたというふうにとれるんですけれども、再生委員長、そのとりようで間違いないですか。
○国務大臣(相沢英之君) そういうような意図的な考え方は持っておりませんでした。 ただ、ちょうど一年一カ月の間だと思いますが、その間に経済状況の変化、また長銀の抱えておりますところの大口債権、これは私、ちょっときのう見てみましたら、上位十社で約一兆六千億の債権になっております。非常に大きいんで、これは日債銀に比べても大きいんですね。日債銀は十社で約八千億ぐらいになっています。 それらの事業の中で、やはり一年間における経済情勢の推移に応じまして大変に経営状況の悪くなったところもあり、地価の下落ということで担保価値が下がったところや株価の問題等いろいろありますが、そういったことによりまして、言うなればそれがふえたということであります。 ですから、意図的にそういう考え方を持ってやったという覚えはございません。
○浅尾慶一郎君 ほかに銀行はいっぱいあるわけでございますけれども、ほかの銀行の中で八分の一も一年間で劣化していない。長銀だけそうなっているというのはどういう理由だと総理は思われますか。
○国務大臣(相沢英之君) やはりこれは長期信用銀行の中で、特に長銀、日債銀に関しましてはバブル崩壊後の景気情勢の変化を受ける度合いが非常に大きいところの貸出先が多かったということではないかというふうに思っておるのでありまして、だからこそ長銀、日債銀がこういうような目に遭った、目に遭ったと言うのもあれなんですけれども、ということになりましたので、一般の銀行に関しましては同じようなことではなかったというふうに思っております。
○浅尾慶一郎君 もしそういうことであれば、事前にそういうことはわかっておったわけであろうかと思います。 先ほど来のロスシェアの議論というのも、私は、柳沢再生委員長がちゃんと資産をはっきり分けてやるんだというお答えになられたときに、そうは言ったってなかなか資産は分けられないだろうと。したがって、実際は資産判定時よりも後の譲渡の時点になって大幅に引当金がふえるんじゃないかなということも昨年の七月の段階で指摘をさせていただいております。 その場合には、お配りいたしました資料にもございますけれども、もし資産判定のときから多くの引当金を仮に積まなければいけなくなった場合には、個別に、そのときは適とされた企業がなぜ悪くなったのかということを含めて明らかにしていただきたいということをお願いしたことに対して、当時の柳沢委員長は、当然明らかにいたしますというふうにお答えいただいておるわけでございますから、再生委員長、なぜ悪くなったのか、個別の企業ごとにお答えいただけますか。
○国務大臣(相沢英之君) 私も、柳沢委員長のそのときの答弁、これは平成十一年七月九日、浅尾委員の質問に対する答弁でございます。その後、同じく平成十二年の七月十八日に浅尾さんに対する答弁もございます。 いろいろ見てみましたが、またその柳沢元委員長にもお話をお聞きいたしましたが、正直申しますと、そのときの浅尾さんの質問の内容について必ずしも十分に理解がなかったようで、(発言する者多し)いやいや、その個別の問題について一々お答えをするというようなそういうような意識ではなかったようでありまして、またそれで一般的に申し上げれば、個々の債権者、債務者等の内容について一々ここで申し上げるということは、いろいろと特に破綻懸念先以下の債権等につきましては問題が生じますので、それはお答えすることを御遠慮申し上げているというのが従来の立場であります。(発言する者多し)
○委員長(倉田寛之君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(倉田寛之君) 速記を起こして。
○国務大臣(相沢英之君) 少々はしょってお答えしたような感じがしますので、もう少し申し上げますと、(「いいかげんな答弁しているんじゃないのか」と呼ぶ者あり)いや、誠心誠意お答えしているつもりでありまして、決していいかげんなことを申し上げているつもりはございませんが、柳沢元委員長の答弁に関する問題でありますので、委員長にも確認をいたしましたら、こういうことでございました。 柳沢元委員長からは、御指摘の質疑で問題になっているのはいわゆる持参金を、引当金のことだろうと思うんですが、根拠もなく積むのではないかということであり、答弁の趣旨は、仮に時間の経過に伴い引当金が増加された場合、それが根拠のないいわゆる持参金のようなものではなく、そのときの資産の状況に応じた適切な引当金であることを明確にすることは当然であると、そういう趣旨のことを述べたのだということであります。 答弁は、質問の中で増加の理由に加えて付加的に言及された点、つまり個別の企業がなぜ悪くなったのかという点についてまで十分な注意を払ったものになっていないが、その点を指摘されるとすればそれは申しわけないと言わざるを得ないと、こういう話でございました。 本件について改めて整理いたしますと、浅尾議員の御要望であります、昨年二月の資産判定時においては要注意先となっていて本年二月には破綻懸念先以下に自己査定区分が悪化した先の個別の企業名等についての資料提出ということになろうかと思いますが、それは先ほども申し上げましたけれども、困難であります。 その理由としては、破綻懸念先以下に自己査定区分が悪化したとはいえ、なお生きている企業の信用に重大な影響を与え、それら企業の経営に不測の影響を及ぼすおそれがあると。それから、それによりまして新生銀行の顧客基盤に重大な悪影響を及ぼすおそれがあり、資料の提出について同行の、ということは新生銀行の了解が得られないことは明らかであります。 といった理由からして、自己査定区分が悪化した先の個別企業名簿についての資料提出は、大変残念でございますけれども、差し控えさせていただきます。(発言する者多し)
○委員長(倉田寛之君) 御静粛に願います。
○浅尾慶一郎君 今、再生委員長の方からお答えをいただいたわけでございますが、もう一度確認のために申し上げますと、なぜこういう答弁になったか、あるいはなぜこういう質疑になったかということをもう一度申し上げさせていただきます。 私は、いずれにしても資産判定を厳密にできないだろう、だからロスシェアを入れられたらどうですかということを提案させていただいた。それに対して、ロスシェアということではなくて資産判定でやるんだということが柳沢委員長のお答えであったわけでございますから、であるとするならば、仮に引当金がふえるとしたら、個別にそのときは適だった企業がなぜ悪くなったのかということも含めてお答えをいただきたいということをお願いしたわけでございます。 それは、ここで見ても明らかでございますけれども、五千億近くの税金を個別企業のある面救済のために使っておるわけでありますから、その理由を明らかにしていただきたいということに対して、当然のことと心得ておりますというふうにお答えいただいたわけでございますから、再答弁を求めます。
○国務大臣(相沢英之君) その答弁をいたしました柳沢元委員長に確認をいたしましたところ、先ほど申し上げた等でありまして、繰り返して恐縮でありますけれども、個別の企業がなぜ悪くなったかという点についてまで十分な注意を払ったものでなく、御質問のですよ、という点については、その点を指摘されるとすればそれは申しわけないと言わざるを得ないと、こういうことでありました。 したがいまして、私が申し上げましたように、個別の企業について申し上げるということは御遠慮を申し上げたい、こう思っております。(発言する者あり)
○委員長(倉田寛之君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(倉田寛之君) 速記を起こして。
○浅尾慶一郎君 昨年この問題を質問させていただいて、そしてことしこういう事態になったときに初めて柳沢大臣は、そういう理解ではなかったという御答弁をいただいたわけでございますが、なぜじゃその理解でなかったならすぐ御返答いただけなかったんですか、再生委員長。
○国務大臣(相沢英之君) お答えします。 柳沢委員長がその後なぜそういうことについての発言の修正をしなかったかということの経緯については私も十分に承知しておりませんが、推測で物を申し上げて恐縮ですけれども、そういう折がなかったんじゃないかという気がいたしています。 ただ、余計なことを言いますと怒られるかもしれませんけれども、浅尾委員の御質問に対する柳沢委員長の答弁を見てみますと、おっしゃるように、個別ごと全部言うというふうにも読めますし、そのことも含めて云々ということを言っているので、必ずしも全部開示するというふうに言っているんではないじゃないかというようにも読めますが。 まあ余計なことでありましたらここでやめておきます。
○浅尾慶一郎君 理解していなかったということですね。柳沢さんは私の質問を正確に理解できなかったと。これだけはっきり書いてあることを理解できなかったということで間違いないですか。
○国務大臣(相沢英之君) 先ほどの私が読み上げました柳沢元委員長の発言を見ますと、今おっしゃるような意味合いにとれます。
○浅尾慶一郎君 ということは、大臣として不適格だということですか。(発言する者あり)
○委員長(倉田寛之君) 御静粛に願います。
○浅尾慶一郎君 柳沢委員長は国会で答弁をされる大臣として不適格だということをおっしゃっているんですか。
○国務大臣(相沢英之君) 私はその点に関してお答えをする立場にないと思いますので、差し控えさせていただきます。
○浅尾慶一郎君 総理にお伺いいたしますけれども、内閣として連続性があると私は思っておるわけでございます、小渕内閣から続いておられるわけでございます。その小渕内閣における柳沢委員長の御答弁をいただいているわけでございますが、それをこちらから質問をしなければ答えない、あるいは訂正をしないというような、こういう対応を総理としてはどのようにお考えになられますか。
○国務大臣(森喜朗君) 相沢担当大臣は、これまでの国会での審議等いろいろと精査をされましての御発言でございますから、私は、相沢再生委員長の御答弁が当時御答弁をされた柳沢委員長と同趣旨のお話をされていると、私はこのように考えております。(発言する者多し)
○委員長(倉田寛之君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(倉田寛之君) 速記を起こして。
○国務大臣(森喜朗君) 相沢委員長の御答弁は、当時の柳沢委員長の御判断のことを今の大臣としてお話しされているというふうに思っております。
○浅尾慶一郎君 総理としては、相沢委員長の答えがここに書いております柳沢委員長の答えと全く同じだというふうに思われるわけですか、国語の能力として。
○国務大臣(森喜朗君) 相沢委員長のお答えは、当時の柳沢委員長が御発言をされていることなども含めた再生委員会の責任者としてのそういう御判断だと、そういう趣旨の発言だというふうに私は理解しております。
○浅尾慶一郎君 言葉の上では私は一貫性がないと思いますが、言葉の上ではどういうふうに御判断されますか。
○国務大臣(相沢英之君) 今の御質問の趣旨がちょっとよくわかりかねますが、また一言余計なことを言ってしかられますけれども、私は、柳沢委員長もその個別の債権の内容その他について、(発言する者あり)いやいや、一々そういうことをこういう場所でもって答弁をするものではないということを私は十分御承知だったと思うんです。 ただ、あなたの御質問は、そのことだけをお聞きになっていないんで、ことを含めてという表現も使っておられますので、その個別の問題も含めてというふうに、本旨はそうじゃなくて、そのことも含めてとおっしゃっていますから、ついその点について、そういうことよくありますよ、それは。(発言する者多し)いやいや、だから、ちょっとごめんなさい、余計なことを言って。
○委員長(倉田寛之君) 審議の妨げになりますので、質疑者以外の方の発言はお慎みください。
○国務大臣(相沢英之君) いやいや、ですから、個別の問題について、そこも含めて質問があるという、そのことだけというふうに了解をしていたんではないということを申し上げたのであります。(発言する者多し)
○委員長(倉田寛之君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(倉田寛之君) 速記を起こして。 御静粛に願います。 相沢金融再生委員会委員長、もう一度御答弁願います。
○国務大臣(相沢英之君) ちょっと繰り返しになって恐縮ですが、柳沢委員長もこのような案件につきましての個別の対象について、問題について一々お答えをするということは適当ではないということを十分御承知であったんだろうというふうに思っておったということを申し上げたのであります。 ただ、その質問が、浅尾先生の御質問がその個別の問題も含めてというふうにおっしゃった、その全体のことについてそのように処置しますということを柳沢委員長は答弁したというふうに私は理解しているんです。 よくあることでなんと申し上げたことは取り消します。
○浅尾慶一郎君 では、もう一度議事録に従ってお伺いいたしますが、「個別のそのときは適とされた企業がなぜ悪くなったのかということを含めて明らかにしていただきたいと思いますので、その確約の御答弁をお願いしたいと思います。」ということに対して、「当然のことと心得ております。」というふうにお答えいただいたんですが、それをどういうふうに考えられるんですか。
○国務大臣(相沢英之君) この今おっしゃった「資産査定をしたときから経済状況が悪化しているかもしれないということでございますが、資産査定をされたときから、ことしの一—三月は経済成長率がプラスの一・九%、マクロの数字であればそういうことでありますし、資産査定のときからもし悪化して多くの引当金を仮に積まなければならなくなったとすれば、その理由をその段階では個別のそのときは適とされた企業がなぜ悪くなったのかということを含めて明らかにしていただきたいと思いますので、その確約の御答弁をお願いしたいと思います。」、「当然のことと心得ております。」と、このことですね。 そこで、「その理由をその段階では個別のそのときは適とされた企業がなぜ悪くなったのかということを含めて」ということが今問題になっているわけですけれども、質問全体としては、要するに資産査定のときからもし悪化して多くの引当金を仮に積まなければならなくなったとすればその理由を明らかにしてくれと、そういうような質問だというふうに受けとっておったということだというふうに思っております。
○浅尾慶一郎君 話を戻しますけれども、そうすると、柳沢委員長は国会の場において受けとめ方を間違えたというふうに理解をされているということですね。
○国務大臣(相沢英之君) 間違えておったというとなんでありますが、しかし、御質問の趣旨がなぜ劣化したかということについての説明をしてほしい、わかりましたと、こういうことだと、個別の云々ということについてはちょっと答弁するときに、そのときお断りしておけばよかったと思うんです、それは難しいということを。それは難しいんだということをお断りしておけばよかったと思うんですが、その点の発言がなかったということについて問題を起こしたことは残念だと思います。
○浅尾慶一郎君 先ほど来申し上げておりますけれども、この答弁に至った経緯というのは、資産判定というものに従ってこの金融再生法というのを運用するんだ、したがってロスシェアは要らないんだということが私に対する答弁にあったわけです。 であるとするならば、私は、資産判定というのをちゃんと本当にできるんですか、多分できないんじゃないでしょうか、恐らく引当金をその後で積み増すことがあるんじゃないかと。だとすれば、そういうことがあった場合にはちゃんとお答えいただきたいということでこの答弁になっているわけでありまして、今の答弁ではその答えになっていないわけであります。 では、その「個別の」ということを抜いた場合に、なぜ悪くなったんですか。
○国務大臣(相沢英之君) それは先ほどの答弁とちょっと重複する点があると思いますが、資産の判定時から査定時まで約一年、約じゃありません、一年一カ月たっておると思いますが、その間に経済情勢の変化これあり、また特に長銀に関しましては、先ほど申し上げましたように、上位十の貸出先の債権、総額一兆六千億ということでありまして、相当巨額な数字になっております。しかも、その中の企業を一々申しませんけれども、かなりその間において劣化しているという状態でありましたから、その結果として引当金を多くせざるを得なくなったということだというふうに理解をいたしております。
○浅尾慶一郎君 私が伺っておるのは、なぜ劣化をしたのかということであります。 債権が劣化するのは、担保である土地の値段が下がるか、そもそもやっている商売がうまくならないかの二つが通常想定されるわけでありまして、そのどちらにあるんですかと。先ほどお答えいただきましたように、ほかの銀行で資産が八分の一も劣化している銀行というのはないわけでありますから、なぜ長銀だけそうなったのかということです。
○国務大臣(相沢英之君) それは、先ほどもちょっと申し上げましたが、長期信用三行、その中で特に長期信用銀行または日本債券信用銀行に関しましては、バブルの時期に相当急成長に貸出先もふえたというような事情もこれあり、バブル崩壊の影響を非常に強く受けているということが一つは当然考えられたと思います。 それから、やはりその一年間における経済情勢の変化というものもこれあり、どちらがどちらというとなんでありますけれども、割合をということはなかなか申し上げられないと思いますけれども、そういうことが理由で劣化が進んだというふうに理解しております。
○浅尾慶一郎君 最初の資産判定が甘かったのではないかなと、こういうふうに思うわけであります。 きょうは預金保険機構の松田理事長もお越しでありますが、資産判定は一回というふうにこの間御答弁いただいたわけですけれども、二回、再生委員会に要求するつもりはなかったですか。
○参考人(松田昇君) 議員御案内のとおりで、破綻処理のいろいろな方法が金融再生法に書いてございます。 ただ、特公バンクの処理の仕方というのは、法令そのものに、金融再生委員会そのものが、開始決定から資産の判定、それから管理運営、そして受け皿探しから最終的な譲渡契約まで、これ一貫的に主体的な取り組みをすると、このような決め方になっているわけであります。 そういう法的な枠組みの中で、預金保険機構としては、金融再生法の七十二条にございますが、「機構は、」「特別公的管理銀行の株式を取得したときは、金融再生委員会に対し、当該特別公的管理銀行の貸出債権その他の資産の内容を審査し、その保有する資産として適当であるか否かの判定を行うよう求めなければならない。」と、こう明記されております。したがいまして、当機構としては、株式の取得をいたしましたのは十年十月でございますので、その直後に上記の申請を行いまして、十一年の二月十九日に同再生委員会からその審査の結果の報告を受けたということでございます。 このような法的な枠組み全体を考えますと、私どもとしては、この法律に書いてありますように、一回資産判定を求めるということで十分ではないかなと、こういう認識でございました。
○浅尾慶一郎君 一回というふうには書いてございますけれども、例えばそごうにしても、あるいは第一ホテルにしてもライフというところにしても、これは破綻して国に戻ってくるということですから、資産判定というのを私は厳密にやられた方がよかったんではないかなと、こういうふうに思います。 そこで、先ほど日債銀は一カ月間延長されるということでございますけれども、この一カ月の間に何をやられるかというのは先ほどの御答弁では明らかになっていないわけですけれども、どうですか、日債銀の資産判定をもう一回請求されるおつもりはございますか。
○参考人(松田昇君) ただいま長銀の関係について申し上げましたけれども、日債銀も法的枠組みというのは全く同じでございます。したがいまして、私としては、法令と契約に従って運用主体として活動するわけでございますから、今改めて求める気持ちはありません。
○浅尾慶一郎君 そうすると、預金保険機構からないとして、政府は一カ月延ばされた中で何をやられるかというのがどうも御答弁の中で明らかになっていないわけでありますけれども、例えば資産判定を厳密にして、資産判定が厳密であれば瑕疵担保というものは要らないわけでありますから、そういう形で契約の枠組みを変更するおつもりはございませんか、再生委員長。
○国務大臣(相沢英之君) 資産判定につきましては、そうぐるぐる動かすようなことになりましたら、これまた相手方との関係もございますし、それは難しいことであります。 そこで、一月延ばしたのはなぜかという再度の御質問でありますが、それは日債銀の問題につきましていろいろと御意見がございました。そういうことを踏まえまして、やはり十分に大方の御理解を得るための努力をすることもこれあり、それからまた何よりも日債銀が一月延期をしてもらいたい、これは諸般の情勢を考えてのことだと思いますが、そういう申し出がございましたので一月延期を決めたということと了解をいたしております。
○浅尾慶一郎君 資産判定が長銀の場合は明らかに少し甘かったわけでございまして、その結果いろいろな債権が国に瑕疵担保条項に基づいて戻ってきて大きな問題になっているということを考えますと、総理として、一カ月日債銀の譲渡を延期されたわけでございますけれども、その間に今申し上げたように資産判定をそのかわり厳しくして、そしてそのかわり瑕疵担保というものをなくしていく、あるいは相手にもデューデリジェンスの機会を与えてなくしていくという考えはとられないんですか。
○国務大臣(相沢英之君) ちょっと先ほどの私の答弁の中で、一月延ばしてもらいたいというのは日債銀じゃございませんで、契約の相手方のソフトバンクグループからそういうお話があったのでございます。
○浅尾慶一郎君 質問に答えていただきたいんですが。
○国務大臣(森喜朗君) この問題は金融再生委員会が判断することだというふうに思いますから、金融再生委員長のお答えが内閣としてとるべき判断だというふうに思っております。
○浅尾慶一郎君 自民党の亀井政調会長は、この瑕疵担保条項について、いろいろと問題があるから見直すべきだということをいろいろなところで発言をされております。その総裁として、自民党の総裁としてどちらの考え方に立たれるわけですか。
○国務大臣(森喜朗君) いわゆるそごう問題に関しましては、なかなか国民の皆さんにも理解が得られなかったし、しかし金融再生委員会としては苦渋の判断をしたというふうに、当時、谷垣委員長がそういう御報告をしていたことも承知をいたしております。 しかし、国民にまず理解を得ること、それから与党の中にもきちんとした説明がなかったというようなお話もこれあり、私は政府としてそれは関与するというわけにまいりませんので、与党として亀井政調会長に少しそのことについて十分検討してみたらどうかということをお願いをしたという経緯であります。そして、亀井政調会長がいろいろと御判断をされた結果、そごうから自主的にそういうお取り下げのお話があったというふうに私は理解をいたしております。 したがって、さらに国民の皆さんに十分に理解が得られるように議論を尽くすべきではないか、こういう私たちは考えを持ってそのような判断をしているところです。
○浅尾慶一郎君 伺っておるのはそごうのことではなくて、瑕疵担保を見直すということを亀井政調会長は言っておられた。十分な議論を尽くした結果でもともと変えられないということであれば、議論そのものが何のためにする議論なのかよくわからないんじゃないかと思いますが、いかがですか、総理。
○国務大臣(森喜朗君) 瑕疵担保条項についてもやはり同じことでございまして、十分に国民に理解を得られるように御相談をいただくということが大事だというふうに私は考えております。 したがって、先ほど申し上げましたように、衆議院の予算委員会の中にもそれぞれの党の皆様方の御主張はそれぞれさまざまな御意見がございます。今、御意見を伺っておっても大変難しい問題でありますが、要は譲渡先をできるだけ早く見つけるということ、そしてできるだけ国民に負担がこれ以上広がらないようにするということ、このことが大事だったと思いますし、当時の、二年前の金融国会もそうでありまして、やはり金融システムというのは日本経済の動脈になるわけでありますから、できるだけ早くこのことについて落ちついた一つの結論を得るようにそれぞれの政党が相当の努力をされました。その中での浅尾議員の御発言があったということも私は承知をいたしております。 したがいまして、そういう国会の意思でああした判断ができたものでありまして、なお一層国民の皆さんにもその瑕疵担保条項についても理解が得られるように、私は党で十分議論をしてくれということを指示いたしているところであります。
○国務大臣(相沢英之君) ただいま総理から御答弁いただきましたとおりでございますが、この再生法は、申し上げるまでもなく議員立法として成立したわけでありますが、いろいろと問題点が指摘されておりますから、そのことにつきましては、今、与党三党の金融プロジェクトチームにおきましてもどのような点に問題点があるか、どのような修正点が考えられるか等々についていろいろと議論も重ねているところでございます。そういう動きも受けましてから私どもとしても検討いたしたい、このように考えております。
○浅尾慶一郎君 問題点の一つは、先ほど来申し上げましたけれども、昨年指摘をさせていただいた次第でございます。 さて、その瑕疵担保に関してもう一つ問題となるところがあるのかなと思っておりますけれども、そごう、第一ホテル、ライフは、八城頭取お越しでございますけれども、今、期限の利益というものを喪失している状況でございますか。
○参考人(八城政基君) 現在も期限の利益は続いております。喪失はいたしておりません。
○浅尾慶一郎君 すべて。
○参考人(八城政基君) はい。
○浅尾慶一郎君 第一ホテル、ライフはそれぞれ更生法の申し立てをいたしておりますけれども、過去の銀行取引約定書に従えば期限の利益を失っているのではないかと思いますが、その点間違いございませんか。
○参考人(八城政基君) 私の答え、間違っておりました。訂正いたします。期限の利益は失っております。期限の利益は失っております。
○浅尾慶一郎君 そうすると、約定に従って遅延損害金というものが発生しておると思いますが、間違いございませんか。また、何%でございますか。
○参考人(八城政基君) 延滞利息、いわゆる損害金でございますけれども、これは契約上、普通の金利よりも高い金利になっております。しかしながら、これは今後の日本の金融慣行に従った金利を私どもは預金保険機構から受け取ることにしたいと思っています。言いかえますと、一四%というのが、これはいわゆる損害金でございます。しかし、それを受け取るつもりはございません。
○浅尾慶一郎君 契約上は一四%瑕疵担保条項に従って受け取れるけれども、どれぐらいそこを、それは契約はあえて曲げられると、しかも利益を得る部分を放棄してもいいとおっしゃるんでございますから、どの程度曲げられるか、その点をお答えいただけますか。
○参考人(八城政基君) これはケース・バイ・ケースでありますが、当行が預金保険機構に請求するのは一般的に債務者から回収できるであろうと推定される妥当な範囲内と考えております。
○浅尾慶一郎君 わかりました。 それは大変御見識高いことで、ありがたいことだなというふうに思っております。多分、正確に計算しますと、一四%で、そごうで二千億ということは、年間二百八十億の少なくとも四分の一、七十億円ぐらいは権利として持っておられるんだと思いますが、それを放棄されるということは大変ありがたいことであろうなというふうに思っております。 時間の関係で質問を急がせていただきますけれども、新生銀行は海外の頭取に対して、役員に対して顧問料あるいはいろいろな二十一億円のお金を払っておられますが、これは私は本来損金算入ができるものかどうか非常に疑義があるんじゃないかなと思いますが、八城頭取と、そしてきょうは国税庁の方お越しでございますので、損金算入は可能かどうかお答えいただきたいと思います。
○参考人(八城政基君) 二つ、今、先生から御指摘がありましたのは、二十一億と、あとは顧問料と申しますか、そういうふうな御発言がございましたが、二十一億の方は、譲渡交渉が行われたときに、投資家とそれを代表して交渉いたしました二人の外国人との間の契約に基づくものであります。 この二十一億については、契約上は、米国の場合にはその対象になりました、取得された機関が払うというのが通常でありますが、契約の中でそういう以外の方法もあり得ると。つまり、それは投資家グループが払うこともあり得るということを私は承知いたしております。 そこで、先日来問題になったときに、これは投資家に持たせるべきだということで私から要求をいたしまして、投資家グループは同意をしたという経緯でございます。 それから二番目は、顧問料というお話でございますけれども、これは通常のいわゆるコンサルタント料として、私どもは非常に有益なアドバイスを受けております。したがいまして、これは十分諸外国の例に合わせましても妥当な水準である、そして経費として認められることは法的にもあるいは監査法人からも全く問題はないというふうに聞かされております。
○政府参考人(金井照久君) お答えいたします。 先生御指摘の点につきまして一般論として申し上げさせていただければ、法人が業務の必要上、法律事務所などから情報の提供を受け、その役務提供の対価として調査費用やコンサルタント料を支払ったような場合には、その対価の額は、原則として法人税の所得金額の計算上、損金の額に算入されることとなります。 ただ、法人の支出いたしました調査費用やコンサルタント料などが税務上どのように処理されるべきかは、個々の取引の実態に即して適正に判断することとなるわけでございます。 いずれにしましても、国税当局といたしましては、個々の事実関係に基づき法令等に照らして適正に取り扱うことになるわけでございますが、個別にわたる事柄につきましてはお答えを差し控えさせていただきたいと存じます。
○委員長(倉田寛之君) 浅尾慶一郎君、時間が来ております。
○浅尾慶一郎君 時間が参りましたので終わりますが、最後に一言だけ申し上げさせていただいて終えさせていただきたいと思いますが、新生銀行の買収に伴って費やされた法律顧問料というのは、新生銀行の業務の必要上必要なんではなくて、買収先が必要とした費用ではないかなと私は思いますので、そのことだけ申し上げさせていただいて、質問を終わります。
○委員長(倉田寛之君) 以上で久保亘君の質疑は終了いたしました。(拍手) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十四分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(倉田寛之君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 予算の執行状況に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。竹山裕君。
○竹山裕君 自由民主党の竹山裕です。 質問に入ります前に、このところテレビを見ておりますと、テレビの画面に地震情報というスーパーがしばしば流れるように見受けます。該当する伊豆諸島地域の住民の皆さん方に心からのお見舞いを申し上げます。 この地震関連につきましては、後ほど同僚保坂委員から質問もございますので、私からはお見舞いのみ申し上げておきます。 総理、連日御苦労さまでございます。「政治に一日の休止なし」という所信表明の中の言葉をまさに体現しておられ、お見かけしたところ夏休みもなく大変頼りがいあるお姿、うれしく思っております。 先週末は、東京湾の有明のゆめテクと略称しておりましたが、科学技術を易しく解きほぐすという二十一世紀の夢の技術展、みずから御視察をいただいたように伺っております。 最近は小中学生の理数科離れなどということも心配されているところでございますが、夏休みにああした大がかりな催し物が、日本経済新聞でしょうか主催で行われ、途中でも八、九十万の人が集まっているというから完了までにはもっと大勢の皆さん方が、わかりやすい、まさにこの世紀末、憂きことが多いような気もいたしますが、その中にあって夢を追うという計画、これはやっぱり、老いも若きもでありますが、特に子供たちには大きな刺激になり、将来の自分の方向づけにもなるんではないかと。関係大臣の皆さん方にも御視察をいただいたような、文部大臣・科学技術庁長官もとよりのようですが、御苦労さまでございました。 この辺のIT革命をこれまた所信の中で大きく取り上げておられます総理の視察の御感想といいますか、お聞かせいただければと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 浅学非才といいますか、なかなか専門的な知識は私も余り持ち合わせておりませんが、IT革命が着々とやっぱり進行しているなという、そんな感じは我々の周囲にもひしひしと押し寄せてきているわけでありまして、そういう中で、まさに百聞は一見にしかずと。たまたま厚生省なども展示を、出品をされておられました。あるいは理化学研究所なども出しておりまして、先般新聞を見ておりましたら、津島厚生大臣が御視察になっているそういう新聞を見まして、これはぜひ私も拝見したいなと思って、先週出かけてまいりました。 まさに二十一世紀夢の技術展というタイトルといいましょうか名前のとおり、二十一世紀に向けての情報通信分野あるいはライフサイエンス分野、生活基盤分野等において新しい技術の波が今確実に押し寄せているなという実感を得ました。例えば、ITの分野でいえば、いわゆる情報家電の発達が目覚ましい。ITによって生活が大きく変化していることや、みずから操作する楽しみなども再確認をしてまいりました。 単にIT分野だけではなくて、例えば新しい素材がありまして、子供たちが一生懸命に、私も一緒にやってみましたけれども、水をかけてもなかなか水がはじいて入らないような繊維でありますとか、それから、いよいよオリンピックですが、最近オリンピックの選手が着ておられる水着なども新しい素材なんですね。 そういうものなども見ておりまして、なるほどありとあらゆる分野で科学技術が産業の振興に大変な役割を果たしているなということを拝見いたしまして、胸躍らすとともに、これはやっぱり来世紀は我々にとっても大きな生活革命が来るなという感じがいたしました。 私も、IT革命というのはもちろん産業の起爆剤としてのIT産業を国ができる限り支えていくということだろうと思いますが、やはり同時に大変急速に人間の社会生活がすべて変わってしまう。そういう意味では、IT社会というのは確実に進んでいくなというそんな感じもいたしますから、政府として、また政治としてどこまでどういうふうなことの環境整備ができるのか。今、中川長官を中心に、IT戦略会議担当大臣としてそうした法的な整備なども含めて、またインフラ整備をどう進めていくかなどについて、今その研究、調査をしていただいているところでございます。 政府としても新しい来年度の予算の中にもやはり科学技術創造立国ということをしっかり明確に打ち出して、そうした科学技術を進めていくことが新しい産業が発展する、ひいてはそのことによって日本のまた経済的な力というものも維持できていくだろうし、また多くの国々に対していろんな役割を果たしていけるということにも通じていくのではないか、このように感じた次第でございます。
○竹山裕君 ありがとうございました。 現場の臨場感を含めての、特に科学技術に関する熱い御理解が聞かれました。 今回のIT革命、所信表明の中ではIT戦略本部とか戦略会議とか、あるいは日本型IT社会、いろいろと数多くITという言葉が、所信表明だけではございませんね、昨今ではもう報道関係、ちまたにたくさん出てきております。まさにインフォメーションのIとテクノロジー、技術のTと。でも、日本で言う場合には情報通信技術、こう言うのが私も正確、正しいんじゃないかなと。そうしますと、この間の通信、コミュニケーションというのがちょっと抜けているのかな、ICTかななんて思ったりしておりますが、これはアメリカ型のITがすっかり日本列島も行き渡り人口に膾炙しておりますから、言葉にこだわるつもりはありません。 今、科学技術のお話がありました。まさにIT化というのは一瞬のうちに情報が世界を駆けめぐるということでございますから、これをしっかりととらまえたグループは大変に経済的に産業的にも発展するわけであります。一方、これに乗りおくれますと、情報格差という影の部分といいますか、私は科学技術というのはやっぱりもろ刃の剣のような両面があるものだなと。プラスの部分とマイナスの部分、このプラスの部分でいかに貢献の度合いを高めていくかというのが政治であると同時に、この負の部分、影の部分のマイナス要因をどうして抑制していくのか、この辺に十分な目配り、気配りをしていかないと、この情報弱者などという、デジタルデバイドとか片仮名が入りますが、情報格差、こういうことでございましょうが、そういう面で、IT化あるいはもうその先にはインフォメーションマーケットですか、IM創造なんという言葉も出てきているようで、目まぐるしい変化、流転の時代でございます。総理として常に御努力をされていることに敬意を表すると同時に、やっぱりこの情報格差を、この間のサミットでも首脳宣言でいろいろとそういう支援、援助のこともお決めになったやに伺っております。 日本として、大変知的レベルも均一した、自画自賛しちゃいけないのかもしれませんが、アメリカには水をあけられているけれども、部分によっちゃなかなかどうして先を走っている部分もあるよといういろいろないまぜな状態かもしれませんが、新しい世紀へ向けてIT革命の日本のあるべき姿といいますか、イメージとしてみんなそれぞれの姿を描いているんですが、我が国の方向づけをされる総理から、その辺のお考えを伺っておきたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 先ほども御答弁の中で申し上げましたが、いわゆる民間が技術を駆使していろいろの産業分野を大変リードしているという面は、これは我が国もかなり私は高い、先端を行っているというふうに判断をしています。 特に、情報家電の発達というのは大変目覚ましいですし、それからサミットのときのいわゆるiモードなどというのは、これはまさに世界の皆さんが本当に驚いたぐらいであります。それから、NHKが開発しておりましたいわゆるデジタルのテレビ、受信のみではなくて発信をしていくという、そういうテレビに変わっているというものを、クリントン大統領を初め多くの首脳がまさに食い入るように見ておられまして、私など余り詳しい技術はわからなかったんですけれども、随分厳しい、鋭い質問が出ておりました。これが日本で開発をされて、かなりこれから廉価で売られるということになったら大変だなという思いをG8首脳がみんな異口同音にそうおっしゃっておられましたので、そういう分野は非常に進んでいるんだろう、日本もかなり私は先端を行っているんだろうなと思っています。 ただ、今、竹山議員おっしゃいましたように、やはり何かアメリカにもおくれているという、ある意味ではインドだとかその他、韓国などにも少しおくれているんではないかという指摘もありますのは、やはりインフラの整備だろうと思います。インターネット化、あるいは光ファイバー等通信網、そうしたものが大変おくれているということはよくそういう関係の方々からお聞きをするわけです。 それから、このIT革命を進めていくということは、子供からお年寄りに至るまですべての国民がこのIT革命のいわゆる恩恵を享受できるということが大事だ、こう思っていますから、そういう意味での日本型IT社会を構築するということが極めて重要であるというふうに考えております。 そういう意味で、IT国家戦略の策定、それから電子商取引がこれから促進されるわけでありますから、これらに対しますいろんな法の整備、我が国が持っています許認可制度はいろいろたくさんございますが、そういうものに対する規制のやはり改革もしていかなければならぬだろう、こう思っております。 そういう中で、先ほど申し上げましたようにIT戦略会議でぜひ議論をいただきながら、また各党の皆様方にもこれからお願いしなければならぬことでありますが、法律の整備も必要になってくるだろうと思います。特に、政府としては二〇〇三年を目途といたしまして電子政府を目指したい、こう考えていますから、これらに関してはかなりの私は法整備が必要になってくるんじゃないかな、こう思って、今、中川担当大臣にそのことも、できる限り多くの方々の意見を聴取しながら、できるだけ早く、そういうIT法案でしょうか、そういうようなものも検討するように、議論を進めるようにということをお願いしているところであります。
○竹山裕君 ありがとうございました。 これはIT戦略本部の方の所管大臣でいらっしゃいます郵政大臣からこの技術開発の、今、総理もお触れになりましたが、実技的な観点からお話をしていただければと思います。
○国務大臣(平林鴻三君) 既に総理もお触れになりましたけれども、やはり我が国においても得意分野とそうでもないという分野とがございます。 例えば、携帯電話とか情報家電、光ネットワーク技術などは我が国の得意とする分野でございます。したがって、この分野をより強化して世界をリードしていくというようなことが我々が目指すべきことであろうと思いますし、また他の国に比べましておくれをとっておるのではないかというような分野も他方ございますから、例えば次世代のインターネットなど、社会的、経済的に重要な分野でありながらこれからの開発をやっていかなきゃならぬ、そういうようなところに関しまして我々はおくれを解消するための取り組みが必要であると、そのように感じております。 したがって、郵政省では、去る二月に電気通信技術審議会から答申をされました情報通信研究開発基本計画、これを踏まえまして、通信総合研究所や通信・放送機構を中核として、大学、民間、さらには他省庁とも連携しながら戦略的にこの技術の開発をさらに進めてまいりたいと存じておるところでございます。
○竹山裕君 資源に乏しい日本国であります。まさに二十一世紀、科学技術創造立国としての地位をしっかりと固めていくためにもよろしくお願いをしておきます。 サミットについてお伺いをいたします。 もう既にいろいろな場面でサミットの高い評価、総理みずからのリーダーシップ、議長ぶり、高く評価を受けているところでございます。特に、クリントン大統領、中東和平の仲介役の中を抜けて現地へ直接飛び込んでくるというような劇的な場面もございました。平和の礎の前で沖縄県民の皆さん方とじかにお話をする場面も非常にテレビを通じて私どもも意義深く聞いておりました。稲嶺知事も大統領に先立ってあいさつをして、米軍基地整理、縮小を心から望むと、こういう切々とした願いも直接の顔と顔が出会ったところでできた、この大きな意義でございます。 こうした中での基地問題、多くの問題を抱えておりますが、日本政府としての今後の取り組みについて、このサミットを乗り越えてきた現在の状態での総理のお気持ちを伺わせていただきたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 米軍の施設・区域が集中することによります沖縄の問題につきまして、先般クリントン大統領と日米首脳会談を行いました際に、私とクリントン大統領との間でのSACO最終報告の着実な実施に取り組むことで意見が一致をいたしました。 また、そのことに加えまして、その他の機会におきましても、私からクリントン大統領に対しまして、沖縄の人々に対する気持ちを大事にお持ちいただきたい、そして先ほど平和の礎でごあいさつされましたスピーチ、沖縄の皆さんのことを非常におもんぱかった御発言があったことを私からもお礼を申し上げつつ、そうした沖縄県民の多年の希望について、私も努力するけれども、大統領もぜひ私と一緒に努力してほしいということも申し上げたところでございます。 政府としてはこうしたことを踏まえまして、今後ともSACO最終報告の着実な実施に最大限努力をしながら、沖縄県民の方々の御負担を懸命に軽減することに努めていきたい、こう考えているところでございます。
○竹山裕君 大変タイトなスケジュールの中でありましたが、日米両首脳会談も持たれまして、大統領からは、米軍基地の七五%が集中する沖縄の状況を理解し、整理、縮小に努力をするという確認、それと沖縄米軍の一連の不祥事に対する謝罪があったように伺っております。総理からは、北朝鮮のミサイル問題、日本人拉致疑惑等について協力要請をしたと伺っておりますが、この辺の経過を伺わせていただきたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) サミットが開かれる直前においでになって、そしてクリントン大統領からはもちろん関係から必ず出席をするという連絡が入っておりましたが、率直に申し上げて、キャンプ・デービッドにおきます中東紛争の調整に入っておられて、さまざまないろんな意見も入っていまして、お見えにならないんじゃないかとかそんなようなことの情報も入っておりましたけれども、私は御信頼を申し上げておりました。 そして、間接的ではございますけれども、クリントン大統領に、ぎりぎりまで中東紛争、中東情勢についての御努力は私は精いっぱい続けていただきたい、そして沖縄には直接お入りをいただきたいということを間接的にもお伝え申し上げました。この経緯について、大統領から、電話をして私に話をしたい、事前に話をしたいということもございましたけれども、そんな時間が、むしろ私は大事な時間ですからどうぞ御懸念がないようにということを申し上げておきました。したがいまして、かなり時間も早めて沖縄にお入りになって、いわゆる平和の礎の公園にお見えになって、知事を初め多くの皆さんとのお話し合いができたということで大変よかったと思っています。 そういう意味で、私の方の二国間については大きな時間をとるということはかなり難しい状況でございましたので、先ほど申し上げたようなことを中心にいたしました。 なお、北朝鮮等の問題につきましては、南北のこれからの共存といいましょうか、そして将来への統一というプロセスというのは大変長い私は経緯が、経過があるのではないか。したがって、この南北首脳がお会いになったということ、これは歴史上初めてのことであって極めて大事なことなので、こうしたプロセスは非常に厳しいとはいいつつも、ぜひこれはG8首脳の皆さんからも側面的にバックアップ体制をとってあげてほしいということを私から強く皆さんにお願いもいたしました。 当然、南北のこの問題は北朝鮮と韓国との問題でございますけれども、いわゆる朝鮮半島の緊張緩和という面においては、我が国にとっては最も重要視しなければならぬまた外交課題でもあるわけでございますから、そういう意味でG8首脳国の首脳の皆さんが、単にアジアの問題だということだけではなく、ぜひひとつ世界全体の大きな、平和への大きな問題であるという認識を持っていただいてバックアップをしていただきたいということはその都度各首脳には私からもお願い申し上げて、そして私の提案でいわゆるこの朝鮮問題についてG8は特別声明を発出しようということまで皆さんの御賛同をいただいたものでございます。
○竹山裕君 三日間、大変沖縄、コンディションもよく、皆さん方、議長初めお心がけがよかったんでしょう。すばらしい成果を得たわけでありますが、漏れ承りますと、その最終日に、この沖縄の地をサミット開催地にしようと政治的な決断をされた小渕前総理の奥様、千鶴子夫人と、三日目ですか、後半にどうもねぎらいの言葉をかけられたところで大変感動的な場面があったように伺っておりますが、エピソードとしてお聞かせをいただき、これは一般には割合国民の皆さん方知らないことでありますので、私は総理から御披露いただければなと思ってお尋ねをさせていただきます。
○国務大臣(森喜朗君) 小渕前総理が万感の思いで沖縄・九州サミットを決意されたわけでありまして、当時私は党の幹事長という立場でございましたので、小渕前総理から、まだ確定ももちろんいたしていない時期でもございましたけれども、こういう考えでいるんだというお話がございました。 私は、前の国会でもこの委員会で申し上げたと思いますが、小渕さんとは学生時代からの友人でもございましたし、そして小渕さんが沖縄にかける思いというのはもう学生時代からのものでございましたから、私はなるほどなというふうに思いました。そして大賛成をいたしました。 私は、総理に就任いたしましてからG8首脳国を歴訪いたしまして、各国を回りましたときもその小渕さんの思いを各首脳に伝えました。特に私は、ホワイトハウスでクリントン大統領に、小渕さんの思いはアメリカの大統領が沖縄の地に足を入れられる、おいでになるということが大変すばらしいことなので、このことだけは大事に考えておいていただきたいということを直接申し上げて、いろんなエピソード、いろんな経緯も申し上げたわけです。 クリントン大統領は、ですから平和の礎に何としても最初に入りたいという、そういう思いであったんでしょう。私どもとしては厳しい日程だなと思いましたけれども、無事に行事に参加されまして、そしてすばらしいスピーチをやられて、私も本当にテレビで拝見をしながら何か涙が出てまいりましたし、これは私は、小渕さんももしいらっしゃったらそういう思いでごらんになったんだろうな、そういうふうに思ったんです。 そういうこともございまして、ぜひこの沖縄のサミットを成功させなきゃならないし、その努力をされた小渕さんがいらっしゃらないということについてのやはり私なりの感傷的な気持ちもございまして、小渕前総理を県知事さん初め県民の皆さんが御招待されたパーティーをお開きになると聞いたものですから、ぜひそこに小渕夫人に御配慮いただきたいと。小渕夫人も御遠慮されていまして、私的なことですからということで大分御遠慮をされておりましたけれども、ぜひ御出席をいただいて沖縄の県民の皆さんにごあいさつをし、お顔を見せてあげてほしいということを私も直接お電話申し上げて、そして小渕夫人においでをいただいたわけでございます。 ちょうど、一番心配をいたしておりましたのは、きょうもちょっと心配でございますが、やはり台風のシーズンでもありますし、この期間中の天候ということを非常に皆さんも私も心配をいたしておりましたが、幸い先ほどお話しのとおり、三日間まさにこれ以上のお天気はないとこれは沖縄の皆さんおっしゃっていましたが、ぐらいのすばらしいお天気でございまして、本当によかったなというふうに思いました。 ちょうど、先ほどちょっとお話出ましたが、私は名護市にお礼に上がっておりまして、市民の皆さんとの集いに出て、皆さんそのまま踊りを踊れと言うので一緒に踊らせていただきまして、先ほどからちょっとどなたかが浮かれて踊っていたんじゃないかとおっしゃいましたけれども、そうではなくて、カチャーシーというのをぜひ一緒にやれということでやっておりましたときにすごい稲光とともに雨が降ってきたんです。まさにスコールのような雨でございまして、全身もちろん背広までぐっしょりになりました。ちょうどそのとき、後からわかったんですけれども、クリントン大統領が嘉手納の空港から飛び立たれたそうでありまして、飛び立たれて飛行機が離陸をしたときにちょうど今申し上げた雨に遭遇をしたということでありまして、私は翌日、小渕夫人のお宅に参りまして御報告をし、御仏壇にお参りをして御報告しましたけれども、そのとき、小渕さんの御先祖のお墓に蛟龍昇天と書いてあるんだそうでありまして、奥様がその話を私にしてくださいました。 順天堂から御遺体が御自宅にお帰りになるときもちょうど官邸の前で大変な雨とそして雷が鳴ったというのが出ておりましたけれども、ちょうどやはり同じような感じを私持ちまして、これで前総理は何か安心をして天に竜のごとく上っていかれたのかなと、そんな思いも実は偶然とはいえいたしまして、翌日、御仏前にそのことも御報告を申し上げてきたところであります。
○竹山裕君 サミット、もう一問させていただきます。 これはイギリスのフィナンシャル・タイムズ、有力紙に、費用が八百十五億円かかったという非難記事というんでしょうか。しかし、私は、沖縄という立地条件の特殊性からいって当然かかるべきものをかけ、しかも今後の沖縄振興のために大きく寄与しようということで、そう言われて、批判の記事にすぐに対応して、外務省がるる、私もそのコピーをいただいておりますが、後半の方は、報道関係者は単に批判するだけではなく、まず沖縄の長く厳しい歴史や県民の感情について十分な勉強をすべきでありましょう、二十一世紀の進路を打ち出した沖縄サミットの成功は値段をつけることのできないほど価値のあるものと思いますと、こう結んでおられるので、この即対応ぶりも大変外務省結構だと思うんですが、この辺、確かに立派なものができ上がりまして、万国津梁館、今後の活用を大いにしていただくこともあわせて期待をするわけでありまして、いち早く閣議了解で国際会議等各種会議の沖縄開催の推進についてということのお取り計らいで支援をしていこうということでございますので、この辺の批判に対する御意見あるいは今後の対応について、総理でしょうか、外務大臣でしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) イギリスの新聞が一部そうした記事を書かれたわけでありますが、私の知る限り、例えばアメリカとかイタリーとか、そういったところにはそうした批判の記事は見当たらなかったというふうに承知をしております。 今、議員がお話しのように、それはイギリスで古いお城を使い、古い施設を使って歴史と伝統を見せるということもあったと思いますけれども、日本には日本のやり方があるのでありまして、特に今回は、福岡、宮崎、沖縄と三カ所を使って九州・沖縄サミットを行ったわけでございます。 とりわけ沖縄におきましては、そうしたことも考えて、つまりインフラをこの機会に整備するというようなことも踏まえて行っているわけでございますから、一定の金額がかかることは、これは日本の考え方として織り込み済みと申しますか、考えた結果であったと申し上げていいと思います。 また、施設の後の利用につきましては、今、議員がお話しのように、閣議了解で国際会議その他の誘致をやろうと。これはただ単に国際会議の誘致ばかりではなく、国内的にもあの施設を使おうという、もう既に幾つかの申し込みがあるそうでございますけれども、国内的にもああした施設を使って、これはただ単に施設の跡地利用にとどまらず、沖縄県全体にさまざまな効果がこれからも出てくるということを考えますれば、我々はああしたことの成果というものは必ず上がってくるというふうに考えているところでございます。
○竹山裕君 ぜひその辺は国内外に大いに利活用をお願いしていきたいものだと思っております。 当面の焦眉の急を有する公共事業の見直しについてお伺いをしてまいります。 我が自由民主党、公共事業抜本見直し検討会を亀井政調会長のもとで立ち上げまして、夏休み返上で連日連夜、精力的な作業を進めているわけでございます。 見直し案としては、必要のなくなった事業は事業途中でも凍結、中止する。国家国民のために何が必要かの視点で、見直しに際しては聖域を設けない、こういう視点から、五年以上未着工の事業は原則として中止、十年たっても完成しない事業のうち、関係省庁の公共事業評価で凍結と判断されたものは原則として中止する、こういうこと。そしてまた、特に、当初完成予定だったときから二十年以上過ぎても終わっていない事業は原則中止の方針で検討すべきという強い意見も出てきておりまして、総理御自身も亀井政調会長と、先週精力的な御指示を出しておられるようでございます。 二十一世紀につながる、まさに真に国民生活に必要な事業を効果的にやっていくためには、勇気を持ってその目的を失ったものを廃止あるいは中止していって財源を生み出さなければならない、まさにスクラップ・アンド・ビルドの点でございまして、この点、総理の強力な政治指導力で率先してやっていっていただきたい。特に、この既得権益の問題では各省庁いろいろあろうとは思いますが、これでこそ総理のリーダーシップを発揮していただくときだなと、こんな思いでございまして、公共事業見直し問題についてお伺いいたします。
○国務大臣(森喜朗君) 公共事業を初めといたします公共投資につきましては、今、竹山委員から御発言のとおり、さまざまな指摘もあり、御批判もあるわけであります。 こうした状況を踏まえまして、十三年度の公共事業予算の編成に当たりまして、先ほどお話がございましたように、新しい中央省庁再編のスタートでもありますので、ぜひ効率的な私は予算編成、特に公共事業のあり方というものについて一つの考え方をまとめてもらいたい、こう思っております。 特に、省庁間の枠を超えまして日本新生プランの四分野等に思い切った重点化を行うということ、それから個々の事業につきましても、その必要性等を厳しく洗い直して、中止すべき事業は中止をする、それから来年一月からの省庁等改革を好機として省庁統合等による施策の融合や事業間の連携を推進する、こうしたことなどを中心に、過去の経緯や前例にとらわれることなく根本から見直しを行うことが必要である、そのように考えておりまして、我が党の亀井政調会長に今そのこともお話を申し上げているところです。 自民党におきましては、公共事業抜本見直し検討会が今設置をされまして、連日連夜精力的な議論が行われているわけでありまして、私自身、検討状況につきまして亀井政調会長からも逐次報告を受けた上で協議を行っておりまして、必要な指示もいたしておるところであります。
○竹山裕君 まさに焦眉の急を要する時期でございますので、総理のリーダーシップに御期待をしておきます。 景気、財政についてお伺いしてまいります。 午前中に民主党久保議員から、日銀総裁とのいろいろやりとりを伺ってまいりまして、日銀総裁お出ましでございますので、最初に日銀ダム論というようなのが最近聞かれておりますが、企業のダムの水がたまって、それが川下の家計部門へ流れていくと。企業のダムもいろいろなダムがありますから、すべて水があふれるわけにはまいりませんでしょうし、輸出産業、通信関連などは大分潤ってきているようでありますが、この日銀ダム論を通じて日銀総裁の現下の情勢のお考え等をお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(速水優君) ダム論といいますのは、正式な用語があるわけではございませんし、わかりやすい言葉としてこういう表現を使ったんだと思いますが、企業所得と家計所得との関係をダムの水位と下流への放流の関係に例えて議論をしておるわけでございます。 すなわち、現在、企業収益が改善している中でも、企業は人件費抑制スタンスを維持しております。このために、企業部門と家計部門とで改善の度合いに差が見られることは確かでございます。ただ、それでも企業部門の回復が進んでいけば、要するにダムの水がふえていけば、いずれ賃金の増加や雇用環境の改善などを通じて個人消費にも徐々に前向きの影響を及ぼしていくものと考えられます。 足元の個人消費関連指標を見ますと、全体としては回復感に乏しい状態が続いております。ただ、消費者マインドをあらわす代表的な指標は、既に九七年の消費税率引き上げ前のレベルにまで回復してきております。ずっと上がってきております。また、雇用・所得環境につきましても、このところ各種の指標などから判断いたしまして、下げどまりから改善への道筋が徐々に明らかになってきております。 このように、企業部門の改善が家計所得の増加を通じて個人消費にも好影響を及ぼしていく展望というのは次第に開けてきているように考えております。 それで、景況感としてどう考えているかということも御質問ございましたので、簡単にもう一度言わせていただきますと、日本銀行はかねてからゼロ金利政策の解除の要件としてデフレ懸念の払拭を展望できるような情勢になることという基準を申してきたわけでございます。このデフレ懸念の払拭を展望できるということの意味は、需要の弱さに由来する潜在的な物価低下圧力が十分に小さくなるということ、さらに言いかえてみますと、民間需要の自律的な回復の展望が得られるということになると思います。 そこで、民間需要の動きを見ますと、設備投資は明確な増加傾向をたどっております。個人消費は依然回復感に乏しい展開となっておりますが、消費者マインドは先ほど申し上げたように改善傾向になっておりますほか、賃金や雇用者数の減少傾向にも歯どめがかかりつつあります。 こういった前向きの動きが出始めておるわけで、こうした状況を踏まえまして、前回の七月十七日の金融政策決定会合におきましては、需要の弱さに由来する潜在的な物価低下圧力は大きく後退した、デフレ懸念の払拭が展望できるような情勢に至りつつあるということが委員の大勢の判断でございました。 しかし、最終的にゼロ金利政策を解除するためには、雇用・所得環境を含めて、情勢判断の最終的な詰めに誤りなきを期したいという意見がございました。また、いわゆるそごう問題につきましては、市場心理などに与える影響をもう少し見きわめられるところまで見ていく必要がある、そういう留意点が指摘されたわけでございます。そういうことで現状維持で来ておるわけでございます。 次回以降の決定会合におきましては、こうした点を中心にしまして情勢分析を行いまして、適切な政策判断を下してまいりたいというふうに考えております。
○竹山裕君 ありがとうございました。 七月十七日のゼロ金利政策の継続決定、私も日本経済、現下の情勢、官需から民需への本格的回復のない段階では、ゼロ金利継続は正しい判断だと思っております。 ただ、一年半経過した緊急避難措置として、家計の犠牲の上で企業が業績を上げているとか、経営改善でおくれている部分、銀行、企業、こうしたものが助けられているというような批判があることも十分御認識をいただいて、来るべきときにその緊急事態を解除できるということに強く期待を持っているところであります。 日銀総裁、ありがとうございました。 それでは、現下の景気情勢は、経済企画庁の七月の月例報告、一—三月でGDP前年比二・五%プラス、企業の設備投資も持ち直してきた、しかし一方、最終需要の六割を占める個人消費は依然横ばいであり、完全失業率が高水準である。こうした経済全体としての厳しい状況をなお脱していない、緩やかな改善が続いているとの見方でありますが、そこでまず総理に、我が国経済の現下の情勢、財政の景気の下支えの必要性等について御認識を伺っていきたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 政府・与党が大胆かつ迅速に取り組んでまいりました広範な政策の効果もございまして、我が国経済は緩やかな改善を続けてきているのは御承知のとおりでございます。 今、御議論の中にも出ておりましたし、午前中の各党の皆さんとの御質疑の中でも出ましたように、雇用面それから個人消費がなお厳しい状況を脱していない、このように私も受けとめております。 今般、公共事業予備費の使用も決定をいたしたところでございますが、引き続き、景気回復に軸足を置いた経済・財政運営を行いまして、景気を自律的に回復軌道に乗せていくように全力を挙げつつ、我が国経済の動向等を注意深く見守りながら適切な対応をしてまいりたい、このように考えております。
○竹山裕君 大蔵大臣にお伺いいたします。 国債費の増加によって財政運営の硬直化を招くことは事実ですが、しかし、財政の硬直化を恐れる余り景気の下支えに手抜かりがあってはならないと思うわけでありまして、これ以上の失業、殊に新卒者の就職難、これから将来を託す世代の人たちが希望を失うということになるとゆゆしい問題でございますので、財政運営が厳しくとも一層の景気対策をすべきと考えておりますが、この秋の補正予算あるいは平成十三年度の予算編成についての大蔵大臣の意気込みをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) かねてから、ことしの夏あるいは秋ごろにいわゆる官需から民需へのバトンタッチが起こることを期待しておるわけでございますが、企業についてはまず予定どおりの盛り上がりがあるように思いますが、雇用、消費につきましてはそこにまだ十分と言えない部分がある。 殊に、これは恐らく、二十一世紀に向けまして我が国の産業構造が変わるということはよく言われますが、実は経済社会全体が変わってしまうのではないかというふうに思いますと、ただリストラクチャリングの問題だけではなくて、新しい雇用というものがどういうふうにして生まれるかという非常に大事な問題があるのではないか、それがあるために必ずしもすぐに雇用の方の盛り上がりがないという部分があるのではないかというふうに思われますから、ここは非常に大事に見ていくところであると思っております。 具体的には、九月の十日過ぎには四—六のQEがあらわれますので、それがどう出ますかでございますが、やはり雇用の動向については余り簡単に楽観をしない方がいいのではないかという思いがいたしまして、したがいまして、その出方にもよりますが、もしやはり何かのことをするといたしましても、それはいわゆる公共事業の積み重ねというよりは、むしろ将来に向かって、新生日本といったようなものが必要とするような投資あるいはそういうニーズを盛りますような補正といいますか、どっちかといえばそういうふうなウエートをかけながらやるとすればやっていきたいと思っております。したがって、財政は非常にきつうございますけれども、何かしなければならないのに金を惜しむというつもりはございません。 ただ、やるといたしますと、やはり二十一世紀に向かって我が国経済社会の役に立つことにできるだけ重点を置いていきたい、こう考えております。
○竹山裕君 経済企画庁長官にお伺いをいたします。 今日までの景気低迷、我が自民党の政策運営、いろいろ御批判もあることも承知しておりますが、それはそれで反省すべきは反省して、今、総理、大蔵大臣からのお話のような手だてをしていくわけでありますが、現実の問題として単純化すれば、景気の低迷の結果を国の負担で対応していくのか、個別の企業、国民の対応に任せるのかという二者択一になるわけでございます。 しかし、こうした段階で企業、国民の対応に任せれば、企業はリストラに走り国民は消費を控える。こういうことで、縮小均衡の行動になって景気の浮揚につながらない、いわゆる合成の誤謬というようなことが言われますが、この辺について経済企画庁長官のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) 私は、目下の日本経済は大変重要な時期に来ていると思います。かねがね我が国は、経済が低迷したのを公需で、公の需要で支えてまいりまして、これを民需に転換していく、こういう政策をとってまいりました。これはかなりの程度成功いたしまして下支えをしているわけでございますけれども、今、公需から民需に一番転換するときでございますが、この転換が必ずしもそれほど楽観を許さない、なかなかこれは難しい話がたくさんございます。 例えば、今、日本銀行総裁がおっしゃいましたように、企業部門は確かによくなっておりますけれども、これも非常にまだら模様でございまして、一方では、ここ三、四カ月倒産件数が非常に高くなっておりますし、また七月はさらに上がりそうな気配もございます。 また、労働の問題をとりましても、確かに失業率は天井を打って少し下がって、新しい求人などもふえておりますけれども、その一方で、この労働力化率、全日本人の中で働こうとする人々の率が下がっておりまして、特にそれが十五歳から二十四歳までの女性と五十五歳から六十四歳の男性で落ちております。これも非常に気になる現象なんです。 今、そういうようなところを考えますと、日銀総裁はデフレ懸念は大きく後退したとおっしゃいました。まだなくなったとはおっしゃいませんが、どの程度を大きくと言うのかわかりませんが、一方では、やはり物価を見ますとGDPデフレーターは一・七%マイナスでございますし、この間発表された地価も土地の値段も全体としてはマイナスでございますし、そういう点でまだまだ官需から、公需から民需への転換が十分にできていると言い切れないのではないか。 この際に、やはり先ほど大蔵大臣がおっしゃいましたように、次の日本経済を担う産業、これはIT産業でございますとか環境あるいは高齢化、都市基盤というようなものに集中的に投資することによって、ここで本当に未来の日本をつくる今一番大事なときだと考えております。そういう意味で、政策の選択も非常に大胆、積極的かつ慎重に選んでいかなきゃいけない時期に来ていると考えております。
○竹山裕君 総理、両大臣のお考えを伺いまして、私は、景気回復が確固たるところに至るまで、財政再建を念頭に置きつつも、景気対策に重点を置いて財政運営、予算編成をしていくべきだという強い思いを持ちました。 また、もう一回経済企画庁長官、月例経済報告の中で個人消費の横ばいという点を相当大きな比重をかけてお考えのようでございますが、景況感の判断の中で、私はこの個人消費というのが、それじゃ人口もふえるわけではないと、大きいことはいいことから循環型社会、総理のこの間の所信表明では静脈型産業というんでしょうか、いろいろと新しい表現でありますが、そうした中で、我々国民の洋服だんす、靴箱もいっぱいだとか、いろいろ物への欲求がそう高じていくのかなという感じを持っているわけでございまして、むしろ物への消費の増加よりはもっと、抽象的であれなんですが、文化的な、精神的なといいますか、サービス産業になるのか、その辺へ政策的な移行を講じていかないと、なかなか個人消費六割にばかり頼ってはいられないのではないか、こんな心配も持ちながら、経済企画庁長官の感想をお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) 個人消費が一進一退といいますか、大きく見ると横ばいのままで余り上がってまいりません。 その原因といたしましては、一つは所得がそれほどふえないということもございます。 もう一つは、やはり将来に対する不安という問題もあると思います。この不安というのは、自分自身の家計への不安、あるいは自分の勤めている会社への不安、それから国全体への不安、三重の不安があると思うんですけれども、やはり景気がもう一つはっきりしないので、個人家計、あるいは勤めている会社の経理、こういったものの状態もかなり大きいんだろうと思います。そういう意味では、やはり景気をしっかりと回復し、新しい産業を興していくことが必要だと思います。 第三の問題は、委員御指摘のように、現在の供給と需要とが合っているんだろうかという問題がございます。例えば、人口構造も変わりましたし、社会構造も変わりました。それにもかかわらず、例えば高齢者が本当に楽しい生活、暮らせるような需要がこの国で供給されているかどうか、そういった面も考えていく必要があろうと思います。 したがいまして、IT革命を初めとして、大きな社会的、経済的な構造変化を今考えるべきときだ、そういう意味で総理もIT本部その他、戦略本部をいろいろとお考えいただいて、次の段階から、そろそろ景気の下支えの段階からそういった構造改革の方に徐々に移動していける、そんな段階に入ってきているんじゃないかと思っております。
○竹山裕君 まだまだ景気、財政再建を伺いたいんですが、若干午前中から時間が押しております。 次に、世界経済の中における日本というようなことについてお伺いをしていきたいと思います。 過去十年、アメリカの繁栄と日本の低迷などと言われておりますが、この十年間を振り返って、一部には失われた十年、極めて悲観的な表現があります。しかしながら、この十年間、我が国政府は経済対策を的確に発動して景気の落ち込みに歯どめをかける、規制緩和の促進、構造改革に取り組んできたことは事実でございますし、金融ビッグバン、グローバル化といった時代の潮流もみずから進んで推し進めてきた、このように評価すると、この十年は不毛ではなくて、構造調整あるいは新世紀へ向けての助走としての準備期間と位置づけていいんではないかと。 これはまた経済企画庁長官にお伺いしますが、この失われた十年という嫌な表現でございますが、これらについてどんなお考えを持ち、またアメリカ経済との兼ね合いを含めてお伺いをいたします。
○国務大臣(堺屋太一君) 失われた十年という言葉は、バブルの崩壊を中心に、バブルのころからのことを見ると確かにそういう面もあろうかと思います。しかし、これは日本だけではございませんで、八〇年代のアメリカもやはり大変苦労して今日の繁栄の基礎を築いたわけでございます。 日本もこの大きなバブルの処理をするのに相当の時間もかけ、費用も使い、また人々の組織や名誉にも傷つくところがありました。そういう点を強く見るとこの失われた十年ということは言えると思うんですが、その反省をもとに、今私たちはこのIT産業や循環型社会あるいは高齢化社会への対応というものをはっきりと意識するようになり、そういう手を打つようになったことを考えますと、やはりこれは大きな教訓であった、その間に新しい時代の芽生えといいますか、種子がまかれていたのではないか、そういう希望的な見方もしたいと思っております。
○竹山裕君 いま一つ、作家堺屋先生、日本型知価社会の形成という、これはまさに日本経済が持続的な発展軌道に乗るための欧米と異なった情報時代の新社会を表現してのことだと認識しておりますが、この辺から、日本の将来に向けての適切な方向づけを国民の皆さん方にわかりやすく御説明いただければと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) 話せば長いことでございますけれども、ちょっと時間の関係がございますので簡単に申し上げますと、やはり日本という国は、一つには人間の組織を大事にして、みんなが同じ情報条件、情報環境を共通にしてきた。読み書きもみんなができるし同じような情報を持っている、こういった社会の共通性をひとつ大事にしていきたい。もう一つは、これから発展する情報の中で、日本は短歌とか俳句とかいうような短縮型情報というので非常にすぐれた条件を持っております。 そういったことを考えますと、これからのモバイル時代に日本的な新しい文化、情報文化というものを築いていけるんじゃないか。これが今アニメーションとかゲームソフトなんかにあらわれているような独創性と結びつきますと、外国とは違ったものができるだろう。 この情報社会、IT社会というのは、ルールと技術においてはグローバル化、そして文化においてはやはり個別化という、この両面が存在すると思っております。私は、そういった短縮文化の面で、モバイル文化の面で、日本はアメリカを上回るような新しい文化ができる可能性を持っているんじゃないかと期待しております。
○竹山裕君 分厚い本の中身を短時間に御説明いただける、さすがだと感服しながらお伺いしておりました。 外交テーマに移りますが、目下のところ、ロシア、北朝鮮二国に絞らせていただきます。 今回の沖縄サミット、ロシアのプーチン大統領は初参加ということでいろいろ注目を浴びておられました。沖縄入りの前に中国、北朝鮮も訪問して積極的な外交展開をしておられる。この辺の最近のロシア・プーチン大統領のもとでの外交姿勢についてどのようなお感じを持っておられるか、総理、いかがでございましょうか。
○国務大臣(森喜朗君) 沖縄でのプーチン大統領との会談では、九月の大統領の訪日の際に、平和条約問題を含めまして両国関係全体について率直かつ信頼関係に基づいた議論を行うということで一致を見ております。 その際、平和条約につきましては、領土問題という敏感な問題、これはロシアがそういう表現をいたしておりましたが、があるとして、プーチン大統領から問題の難しさについての発言がございました。私からは、難しい問題についても率直に話し合いを進めるべきであって、我々の間で全面的な話し合いを行うことが重要である旨を指摘いたしておきました。 九月の日ロ首脳会談におきましては、プーチン大統領との間での率直な議論を通じまして、日ロ関係をあらゆる分野で進展させつつ、北方領土問題を解決して平和条約を締結するべく全力を尽くしたい、こう考えております。
○竹山裕君 九月三日から五日、既にもうプーチン大統領の我が国公式訪問も決定されているようでございますので、今のお話を踏まえてしっかりと対応していただくことを望んでおきます。 北朝鮮問題につきましては、このところ、朝鮮戦争以来半世紀たって急激な南北の歴史的な会談が持たれ、しかし統一までさまざまな紆余曲折が予想されますが、二十世紀の最後の年にこうした緊張緩和、和解の動きが本格化したということは大変意義深いものだと。一衣帯水の間柄であります我が国としても、北朝鮮のこうした動き、まさに国際社会との接点の機会をふやしながら引き続いて地域の平和と安定のためにやっていこうと、こういう点は大いに歓迎すべきと認識しておりますが、サミット参加国も、北朝鮮の積極外交についてはなべて好意的な反応を示していたように察知しておりますが、この北朝鮮の積極外交並びに朝鮮半島をめぐる状況の判断いかがということで、総理にお伺いをいたします。
○国務大臣(河野洋平君) 朝鮮半島をめぐります動きは、御案内のとおり、首脳会談が行われて緊張緩和に向けて動き出しております。 サミットでは、プーチン大統領が北朝鮮を訪問された、あるいはイタリーが国交の回復をする、あるいはカナダも比較的積極的だというようなことでお話し合いもあったと思いますが、先般、私がタイのASEANの会議に参ります際に総理からも御指示がございまして、私も史上初めて日朝外相会談を行ったところでございます。 この日朝外相会談におきましては、北朝鮮側も極めて積極的に外相会談に対応いたしまして、これからの日朝の善隣友好関係をできるだけ早く樹立しようと、そしてその一環として、日朝間にある諸問題についても適切に対処するために誠意を持って取り組もう、こういったことで合意をいたしました。さらに、八月二十一日から東京におきまして日朝国交正常化交渉も行うということも合意ができたわけでございます。 この朝鮮半島の動きは、G8サミットにおきましてもこれを歓迎すると、そしてこうした動きを後押ししようと、こういうことで国際社会がこの動きを歓迎しているという状況にございます。 しかし、事態はまだ幕があいたという状況と申し上げていいかと思います。これから具体的な動きが出てくることを我々としては期待をいたしますが、総理からの御指示もございますから、我々も積極的に取り組みたい。 御承知のとおり、森総理はかつてピョンヤンへ訪朝団として行かれた。恐らく日本の総理大臣が大臣御就任前に訪朝団を率いてピョンヤンを訪問したということはなかったことでございますし、また自由民主党の幹事長もしばしばピョンヤンを訪れた御経験がある。こういう状況でございますので、こうした方々の御指導もいただいて、私どもとしては朝鮮民主主義人民共和国の外交姿勢にきちっと対応して、正常化に向けて、また諸案件についてその解決に努力をしたいと思っております。
○竹山裕君 通告をしながらまだ質問の場面がない大臣、申しわけございません。 これで私、終わりまして、関連質疑にバトンタッチいたします。
○委員長(倉田寛之君) 関連質疑を許します。保坂三蔵君。
○保坂三蔵君 自由民主党の保坂三蔵でございます。 竹山理事に関連をいたしまして質問をさせていただきます。 昨日の午後三時ごろ、群馬県の水上町湯桧曽マチガ沢で、埼玉県の三十一名のサッカー少年団の皆さんが鉄砲水に遭われた。子供たちが大好きな指導者の方が一人お亡くなりになった。自然の脅威を今さらながら感じます。 それからまた、北海道の有珠山で噴火してからもう四カ月、また伊豆諸島で噴火、地震が群発しましてから一カ月が過ぎました。自然の猛烈な力、これを痛感しますとともに、犠牲になられた方の御冥福と今もって避難をされている方々の今後につきまして心からお見舞いを申し上げ、しっかり頑張ってまいりたいと思っております。 最初に、ODAでお尋ねをしたいと思っております。 対中のODAのあり方でございますが、我が国は中国に対しましてこれまで二兆四千八百億円もの多額の援助を行ってまいりました。これは、二国間の援助の累計ではインドネシアに次ぐ巨額なものであります。二兆四千八百億。我が国が中国に対して援助を行う理由といたしましては、日中関係の維持発展がアジア太平洋地域の平和と繁栄につながるものである、このような確信のもとで援助を行ってまいりました。 しかし、昨今は国民の中から対中援助に対する批判が指摘されております。それは、経済的に厳しい状況下にある我が国が対中援助を行っているにもかかわらず、我が国からの援助を自国民にほとんど知らせていないんじゃないだろうか、また国民は正しく理解をしていないんではないかという疑念があるからであります。 また、インフラ整備や経済開発の多くを我が国が負担する一方、このことによって中国が多額の予算を国防費に回す余裕が生まれているとの指摘もあります。実際、中国は、過去十二年連続で対前年度比一〇%以上の国防費の伸びを示しまして、その結果、中国人民解放軍の拡充、近代化が逆にアジア太平洋地域の安定にとって極めて重大な脅威の一つになっているとも見られております。 これらの指摘に対して、平成十年に江沢民国家主席が来日した際には、対中援助を従来の複数年度の総枠方式から単年度の供与方式に移行することで一致いたしまして、本年の五月、日中の外相会談で河野外相よりも、中国に対しましてODAの見直しを表明されております。また、七月十九日、先月でありますが、外務省の経済協力局長の私的な懇談会として二十一世紀に向けた対中経済協力のあり方に関する懇談会が発足いたしまして、見直しの機運が高まっております。 このような状況の中で、つい先ごろ、中国に対する初の特別円借款百七十二億円が決定をされました。これは最近の中国に対するODA見直しに逆行するとの指摘もあるわけでありますが、これからの対中経済協力のあり方について総理はいかなる方針で臨まれるおつもりか、伺わせていただきたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 対中ODAにつきまして、いろいろ問題を御指摘いただいていることは事実でございます。 今、議員御指摘のとおり、私も中国との外相会談におきましてその点について触れまして、今のような状況では、国内には対中ODAについてさらに不満不平が多くなることは必至である。とりあえず二点。一つは、中国の軍事予算を初めとする中国の軍事的な問題についての透明度をもっと上げてもらいたい、上げるよう努力してもらいたい。もう一点は、日本からの対中援助に対して中国国民にそれをきちっと正しく知らせてもらいたい。 私は、平たく言えば、やはり中国から日本に対してもっと感謝の念、気持ちがあらわされていいのではないか。それから、中国がどういう軍事予算を使っているか。それは、中国には、中国の脅威といいますか、軍事的脅威は、あれだけ大きな国土でございますから、何も日本海側だけではなくてあちこちにあるわけですから、いろいろ中国が軍事予算をふやさなければならない理由があるかもしれない、そういうことは透明度を上げて説明をしてもらいたい、こういうことを先方に伝えまして、先方はそれを了とされまして、その後は国民に対する説明は相当積極的に今はしておられるということを私は承知いたしております。 今御指摘の特別援助、特別円借款でございますが、この特別円借款は中国に対するODAの見直しと逆行するではないかと、こういうお尋ねでございますが、特別円借款はアジアの経済危機に対応するために特別に、年次的な援助と違って、まずアジアの経済危機を突破するために特別に円借款を行うと、こういったものの中の対中国分でございまして、これは対中ODAについてただいま特別委員会で、私的諮問委員会で協議をしておりますものとは全く別のものでございます。この点についてはひとつ分けてお考えをいただきたいというふうに思っておる次第でございます。
○保坂三蔵君 外務大臣の御答弁、わからないわけではありません、当然。しかし、対中国分が先にありきではなかなかわかりにくい。ということは、この活用につきましてももう一つ疑念があります。 それは、中国は我が国などから援助を受ける一方で、発展途上国に対して援助を逆にふやしているんです。これによりますと、私たちが知る限りでは十五カ国に年間約六百億円の援助をいたしまして、実は援助大国の一つになっているんです。これは、例えばインドを封じ込めるためにパキスタンやミャンマーに援助をしたり、また台湾との国交がある国に対して強力に援助をして台湾の孤立化やあるいは台湾との関係の切り崩しを図るなど、こういうことが自国に有利な国際環境を構築するための戦略援助ではないかと、こう言われております。 中国に対し多額の経済援助を行っている我が国といたしましては、本来受益国である中国が一方では戦略的な観点から特定の第三国に集中的な経済援助を行っていることは、我が国の中国に対するODA見直しの一つの論拠にもなっているわけであります。 こうした中国の戦略的な経済援助に対する総理もしくは外相の御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 援助に対する政策、考え方は国それぞれございますけれども、確かに議員が御指摘になりましたような問題意識を私どもも承知いたしておりますから、これから私は、この月末に北京へ参りまして日中外相会談をやる予定をいたしております。 そうした場面におきましても、今御指摘になりましたような問題、さらには中国の艦船が日本周辺に非常に何か関心を持って動き回っているというようなことも私どもは承知をいたしておりますので、こうした点も含めてよく先方の考え方をただしてみたいというふうに思っております。
○保坂三蔵君 ひとつくれぐれも御慎重にお願いを申し上げます。 ドメスティックな問題に戻ります。 先ほど申し上げました伊豆諸島、これは名称は一見静岡県のようでありますが、小笠原を含めて東京都に属しておりますことを最初にお断りを申し上げます。 その前に有珠山をお尋ねしないと。有珠山の問題につきましては、これはもう扇大臣が特別な措置をするとお約束をいただきましたとおりに実はなってきたのでありますが、実際には、火口に五百メーターぐらい近いところの虻田町の地域が二百二世帯ぐらいまだ避難解除できないでいる。こういう方々を含めて、今後、場合によっては地域一帯を移転しなくちゃならないような状況を私たちは選択しなくちゃならないかもしれない、こう言われておりますが、有珠山の今後と対策について御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(森田一君) 有珠山の問題は、だんだんにおさまってきておるわけでございますが、まだ三百七十八人が避難しておるわけでございます。これらの方々の避難の期間が長引く関係で、堀北海道知事及び虻田町長は移転の決断をしておるわけでございますが、しかし当事者はまだ家を捨てるという決断がついておりません。まだ決心がつかない状況になっております。 一日も早くこの問題が決着することを望んでおります。
○保坂三蔵君 それでは、伊豆諸島の問題に戻りますが、七月八日に噴火いたしました三宅島、過日、二十一日に私たち自由民主党の東京都連が音頭をとりまして、地元の問題ですから、野中幹事長、冬柴幹事長、そしてまた野田幹事長、三党の与党の幹事長を中心に現地へお見舞いかたがた視察に行ってまいりました、三宅島に。 そして、この三宅島の状況を見てまいりますと、一たん安全宣言がなされたにもかかわらず再び噴火が始まったという、この予知の難しさがあるわけでございます。同時に、降り積もりました火山灰三百万トンが神着だとか坪田の両地区の住宅地域の真上に積もっているんです。これから来る台風や降雨によりまして土石流となって人家を襲撃する、そういう危険性をはらんでおります。また、阿古地区などは降り積もりました火山灰によりまして家屋の損傷が非常にひどいものがあります。この三宅島の噴火というものが一体予知としてどういうふうに今後動いていくのか、それからただいま申し上げましたような三百万トンの火山灰を排除するなんて、もう自治体はお手上げであります。 そこで、できますれば防衛庁の御支援をいただきたいわけでございますが、そのあたりの見通しはいかがでございましょうか。
○国務大臣(虎島和夫君) 与党三党幹事長及び東京都連の皆さんから三宅島等々の御視察をいただきまして、その成果と申しますか、御連絡をちょうだいいたしました。 その結果、御承知のように、自衛隊が災害対策に出る場合には原則として自治体の派遣要請が要るわけでありますけれども、派遣要請を待っていろいろと準備をするということについては問題がある。したがって、国民の防衛庁・自衛隊に対する災害派遣に対する期待が非常に高い。これらを踏まえると、先ほど申しました調査の結果等もいただきました。あの降った火山灰が大雨によっておっしゃるように土石流として流れた場合一体どうなるのかということ等の御指摘もありましたので、防衛庁としては調査官を地域に派遣をいたしまして、そして常時情報を収集しておく。あっちゃならぬけれども、もし自衛隊の出動要請があった場合には、直ちに装備、部隊編成をして現地に乗り込むというような措置をとらせまして、LO班とか申しておるようでありますけれども、それぞれ三つの島に四班ほど常時派遣して情報をとっておるところであります。 発端となりましたのは、今申し上げましたようなことの御調査の結果が一つと、もう一つは、自衛艦をあの島嶼部に実は遊よくというか沖合に停泊させましたところ、大変にあの地域の人方がいざとなれば自衛隊があれで救出してくれるというようなことで安心感があったという情報も入りましたので、そういう措置をとったわけであります。 それから、恒久的な対策としてこれは検討する必要がある。したがって、全国を都市部、それから積雪山間部、それから島嶼部、三つに地域を分けまして、それから化学物質等による特異災害、原子力等の災害等を想定し、四つの分野に分けまして、それぞれ対策をあらかじめ検討しておく、そして速やかに対処できるようなそういう措置をとろうということを今鋭意検討しておるわけであります。場合によっては、これはまた総理と相談いたしますけれども、専任のそういう組織をつくり上げなきゃならぬかなという議論まで進んでおることも御報告申し上げておきたいと存じます。 ともあれ、私どももそのようなことで国民の世論の高い期待にこたえまして、防衛庁としては災害対策等にも万全を期していきたいと思っておりますので、よろしく御協力お願い申し上げます。
○保坂三蔵君 防衛庁長官、ありがとうございました。 いざとなれば自衛隊、こういう言葉が国民の間にしっかりとプレゼンスとして今存在していることに力強さを感じます。 生活再建と安全対策についてもう少し詳しくお尋ねいたしますが、このたび有珠山と伊豆諸島を合わせまして、森総理におかれましては五千億の予備費の中からとりあえず二百億円とっていただきました。これは、現地の方が喜んでいましたですね、非常に素早い対応であると。 その次をと、こう言っておりますが、その次なのでございますけれども、三宅島のアシタバを初め島内の農産品は、式根、新島、神津、全部だめですね。それで、噴火だとか流れ込んだ火山灰によりまして漁場もやられておりますから、これは長期的に大きな被害が出る。しかも、今この時期は何といいましても観光シーズンで、観光客が全然来ないんですからこれは気の毒と言うしか言いようがない。厳しい生活再建にこれから立たされるわけです。しかも、ライフラインがずたずたでございます。電信電話、道路、このことは大変な状況でございまして、既に建設省と東京都では一部もう復旧に入っているところがあるわけでございます。 問題はまた、昼夜を分かたず地震が起きておりまして、私たち東京の内地におりましても毎日テロップで流れてきますね、今地震があったと。これは現地の方々からすると寝られないんですよ。これは心身の変調というのになるんですね。もう本当に寝られないで、御高齢の方なんかも、この暑さも手伝いまして非常に厳しい状況。 したがって、早く被害の実態の調査を進めて今後の対策を待ちたいと思うのでございますが、このあたりの御見解を国土庁かあるいは建設省どちらかで。扇大臣、お願いいたします。
○国務大臣(扇千景君) 今、保坂委員のお話のとおり、私も七月の十九日に現地の調査に入ってまいりましたけれども、本当に私ども、三宅島の泥流あるいはそれらに関します多くの現状を見てまいりました。今、保坂委員のおっしゃいましたように、それぞれの三つの島を私、視察いたしましたけれども、それぞれ違った困難に遭遇していらっしゃいます。また、そういう意味では、お亡くなりになった人には心から私も弔意を表したいと思いますけれども、総理もそのことを特にお考えになりまして、予備費の、今おっしゃいましたように私どもは二百億円を重点的に配分していこうと、有珠山も含めてでございますけれども。 ただ、御承知のように、東京都と私ども建設省がすぐに砂防の専門官を派遣いたしました。それは東京都に砂防専門官がいらっしゃらないということでございましたので、これも私ども砂防専門官を派遣いたしまして実態調査に入っておりますけれども、今、御承知のとおり、道路に泥流いたしましたそれらを駆除するという、そして作業にはすぐ着手をしておりますけれども、今後の観光等々を含めた私も現地の皆さんの苦しさというものは本当に切実なものがあるというふうに聞いてまいりました。 ただ、観光に関しましては、テレビに震度六と書いてあっても自分たちには影響がないんだよとおっしゃいますけれども、後で気象庁の答弁もあろうと思いますけれども、気象庁は震度六弱というとそのとおり報道しませんと、それでも現地は大丈夫だから観光に行ってくださいよと言っても、そのときにもし何かがあったときには責任ということもございますので、現地の皆さんは震度六弱といったら、扇さん、震度六弱でも観光には間違いないのよと言ってほしいとまで私は要望を受けましたけれども、震度六弱を震度六弱とそのとおり御報道申し上げることが気象庁としての役目でございますので、あとの対策に関しましては、国と、そして私も三宅島から石原東京都知事にお電話をいたしまして、国と東京都と連携して間違いない対応をしようということもお約束いたしまして、国もそのように二百億円に関しては、特に総理を初めまして皆さん方と一緒に有珠山を含めての対策に重点を置きたいと、そのように考えております。
○保坂三蔵君 扇大臣が行かれた後に私たちは行ったんですが、女性の大臣というのは意外にいいですね、意外と言っては失礼ですけれども。ということは、あの防災服に固めた力強さと、何でも言えるという優しさ、この両方をお持ちだということで、意外という言葉は失礼しましたけれども、すこぶる評判でして、森人事のよさを私は痛感してまいりました。 伊豆諸島の地震の今後について念のためお尋ねしたいのでありますけれども、お話がありましたように、震度五弱の地震が既に二十回以上、有感地震が一万回以上なんですね。これはもう、気象庁の発表によりますと、ここ数十年で圧倒的に多いと言われる。 しかも、建設省の国土地理院の全地球測位システム、GPSですか、あれなどの調査で明瞭になったのは、島と島との間の距離が離れたり縮まったり、もう既にこれは七センチ、十センチとなっているというんですね。そこで、マグマの活発な動きも相当浅くなってきたという、この間、地震調査委員会の発表も二日にありました。 こういうことを含めて、今後マグニチュード六以上の地震の起きる可能性を秘めているんじゃないか、非常に恐怖感で見ているのでございますが、このあたりの最新のデータから今後の見解を気象庁長官おいででございましたら御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(山本孝二君) お答えいたします。 三宅島の噴火でございますが、六月二十六日にマグマが活動したわけでございますけれども、二十七日、海底で噴火をした後、マグマは沈降しております。したがいまして、三宅島での火山、マグマが関与します直接的な噴火はないものと考えております。 しかしながら、一方、伊豆諸島の地震でございますけれども、三宅島から出たマグマとは別の新たなマグマが新島、神津島の海底でまだ活動してございます。八月四日に、若干、地震活動が従来にないほど活発だったわけでございますが、このときに火山噴火予知連を気象庁では開催して検討したところ、若干のマグマの上昇の傾向があったわけでございますが、その後、土曜、日曜、きょうと、マグマの活動が鎮静化しているふうにも見えます。 しかしながら、依然としてGPSの観測では動いてございますので、この地域では当分の間、地震活動が継続するものと考えた方がいいと現在のところ考えております。 以上でございます。
○保坂三蔵君 今の気象庁長官のお言葉もございましたけれども、私も素人でございますけれども、いわばあの巨大な岩盤の太平洋プレートがちょうど私たちのフィリピン海プレート、いわゆる伊豆七島が乗っかった形のプレートの下へ潜り込んでくる、この接点が日本海溝である。そして、そのフィリピン海プレートが逆に今度は潜り込む場所がユーラシアプレートで、そのところが南海トラフと言われる。そして、この真ん中で、潜ってくるところに起きるところの現象でマグマ活動が活発になる。その真ん中で、神津、三宅、式根、新島が爆発しているんですね、マグマで。 すると、だれが考えても、その延長上には富士山もあれば、地震が多発と言われている、しかも来るであろうと言われる東海沖地震の現地もある。また、そのエリアの中には南関東地区の関東大震災の恐怖におののいている東京を含めた地域もある。これはだれが考えても何か関連があるんじゃないだろうかと。また、風説などが流れているんですね。 このあたり、なかなか見解を述べにくいかもしれませんが、いずれ富士山も噴火するし東海地震も起きるし、あるいはまた関東大震災だっていずれは起きるんですよ、そのタイムスパンは、いつということは抜きにして。 そこで、近々そういうことが起きるかどうかというお尋ねもおかしいんですけれども、関連性について、学者として、専門家としての御見解を伺いたい。
○政府参考人(山本孝二君) お答えいたします。 今月一日、気象庁では地震防災対策強化地域判定会委員打ち合わせ会というのを開催いたしました。この席上で、今回多発してございます新島、神津島等の地震の活動と東海地震との関連について、先生方に御依頼いたしまして精査したところでございます。 これによりますと、三宅島の火山活動、新島、神津島近海の地震活動などによりまして、東海地域にございます体積ひずみ計という地面の伸び縮みをはかる機械でございますが、これに非常にわずかな量の変化量が観測されているのは事実でございます。しかし、この変化量は、変化が大きい地点でもいわゆる地球潮汐、地殻には常に潮汐という力が働いているわけで、東海地域にもこの潮汐が働いているわけでございますが、この潮汐量の、ふだんからあらわれている潮汐量の変動よりも小さいこと、それから東海地域の異常の目安とされております地震防災対策強化地域判定会委員の招集要請基準、これの十分の一の量にすぎないということが定量的に評価されてございます。したがいまして、現時点ではこれら一連の活動が東海地域の地震、地殻活動に影響を与える可能性はない、こういう結論を判定会で得たところでございます。 また、先生お尋ねの伊豆諸島の陥没あるいは富士山の噴火等々の可能性でございますが、現時点ではないものと気象庁では考えているところでございます。
○保坂三蔵君 私もそんな世の中を騒がすようなことを言いたくないんですけれども、三宅島と伊豆大島と富士山、同じ玄武岩質の土の質ですよね。これは同じだななんて私は素人なりに考えていたんですが、今の気象庁の長官の御答弁で少しは安心した思いでございます。 いずれにいたしましても、観測は強化していただきたいと思っております。 そこでもう一つ、今度はさらにドメスティックな、私たち東京の同じ問題でありますけれども、今度は教育現場の荒廃についてお尋ねしたいと思うんです。 本年三月の国立市の第二小学校卒業式で、教職員組合の反対で国旗を式場に掲揚できないでやむなく屋上に掲揚したところ、これをおろせと、子供たち、五年生、六年生の卒業していく子供たちが中心になって、校長先生、教頭先生を詰めて、土下座しろ、謝れというニュースが産経新聞、総理の御出身の産経新聞に載った。このことは、文部大臣、御存じでございましょうか。
○国務大臣(大島理森君) そういう報道があり、その後、東京都教委でもいろいろ調査をして、そういう報告を受けております。
○保坂三蔵君 実は、国立という市は七万ぐらいの小さな市でございます。しかし、西の広島、東の国立と、こう言われておりまして、大変教育現場が荒廃しているんです。 このときも校長先生が、法令に従って実施すると判断した国旗掲揚について、前日ですよ、卒業式の前日九時間ですよ、夜の十一時半まで職員会議を開いて、当日、卒業式の日まで開けという要求があったとか、あるいは職員会議の中で、子供たちは日の丸・君が代を拒否する気持ちを持っている、国立第二小学校には日の丸は似合わない、そういう気持ちをよく知った上で実施してほしいと。また、思想、信条の違う人を排除して強要するのは憲法違反ではないかと。先生が言っているんですよ。それから、学習指導要領は何ら拘束力がない。これも先生が言っている。 そして、しかも子供たちは、自分たちの卒業式だから国旗掲揚のように相談もなしにやっては困る、多い方に決めるのが民主主義であり、今回の件は基本的人権をじゅうりんし、憲法第十一条違反であるということは明確である。これは小学校五年生、六年生が言っているんですよ。 それからまた、卒業式の日も、当日、卒業式の中で、子供たちの決意表明のときに、校長先生に対して望むことは、子供の意見を聞ける校長先生になってくださいと。そうしたら、職員席から大きな拍手が起こったと。これが西の広島、東の国立。広島はよくなった。国立はこれからなんですよ。 こういうことは都教委から具体的に御報告がないんでしょうか。
○国務大臣(大島理森君) ただいま保坂委員がお話しされた内容についてはいろいろ御報告がございます。そして、いずれにしても、今お話しされたように、国立市の中のいわゆる第二小学校の事件でございます。 私どもは、その姿を不正常な状態であると認識しておりまして、公教育のあり方からすると極めて遺憾である。したがって、都教委に対してもよく調査をし、報告をさらに下さいと。そういうことを続けてまいりましたが、近々に都教委としてそれに対するいろいろな結論を出すということを伺っております。 いずれにしても、公教育のあり方からするとまことに遺憾である、このように思っております。
○保坂三蔵君 あと何点かの例をお示しいたしますが、例えば組合が事務所を、校長先生を説得して教室を使って、目張りまでして使っていた例が二校であるとか、これは一校は撤去されたようですが。 それから、やっぱり組合が基本的に強いんですね。二十三名のうち二十名が組織化された教職員組合、二つの組合に属しています。それから、そのほか授業時間の勝手な短縮を行ったり、教育委員会の指導主事が学校に来ても入れてもらえない、あれは特高だ、昔のとか。それから、校歌や校章の制定をおくらせている。そして、この第八小学校というところでは、建ってから二十年たっていまだに学校の校章も校歌もないんですよ。これは、何でこんなことが起きるんだろう。そしてさらに、立派な教育は教職員組合を中心にやっていただいているはずなんですが、中学校の不登校では都内第一位に、不名誉な記事があります。 これを産経新聞が報道したときに、実は都議会の文教委員会の中で共産党さんやなんかの都議会議員の方々が、当日、子供たちは非常に丁重に扱っていたとか、丁重な行動であったとか、あるいはまた終始校長先生とのやりとりは穏やかであった、一部マスコミが不正確な報道を行って政治的に扱っているとか、こう述べているんですが、今までもう既に時間が経過しているんだ、事件発生後五カ月。 聞くところによると、この産経の報道というのはもうねらっていて、こういう不正常な状況を是正しようという記事なんですね。それでスクープなんです。私に言わせればピュリッツァー賞ものなんですよ。しかし一方では、明らかに政治的な意図を持った報道である、都議会で言う方もいるわけですけれども、産経新聞の記事というのは今までの事実の中ではうそですか、これは。このあたり御見解は難しいでしょうか。
○国務大臣(大島理森君) 一部、組合が使っておったとかという事実については、一部そのとおりだと思います。 その後、都教委に対してこのことについてもきちっと処理しなさいということ等々から、いずれにしてもそれは校長先生あるいはそういう者の適正な許可なくして使えないわけでありますから、そういうことの徹底を図るようにいたしております。
○保坂三蔵君 記事はいかがでしょうか。
○国務大臣(大島理森君) 記事は、私どもが承知している部分については、先ほど申し上げた小学校でありますとか、それから一部のその組合の話でありますとか、その辺は確認しておりますけれども、あと、産経新聞の記事自体、私は全部見ておりませんけれども、私どもはその都度確認をしながら進めております。
○保坂三蔵君 この部分はもう一、二点で終わりますけれども、七月十九日に、この騒ぎが起きている同じ国立第二小学校で、自衛隊を悪く描いたアニメーションビデオを勝手に校長先生も知らない間に教材に使って授業をしたということも出ました。 それから、さっき西の広島云々と失礼なことを言いましたけれども、この中では同じような言葉で、例えば日の丸は占領の印、赤は血の色、白は犠牲者の骨の色と児童に教え込んでいる。紅白の幕は日の丸を連想するためにだめだ、あるいは運動会での玉入れは紅白の玉入れのかわりに青と黄色の玉を使っているとか、まるで陳腐としか言いようのない現象が起きているわけなんです。 しかし、私はこのことであえて最後に教科書問題も触れておきたいんですけれども、国立の事件をこう取り上げてまいりましたけれども、国立のこの国旗と国歌の問題については御案内のとおりの状況でございます。文部省は、国旗と国歌については学習指導要領にしっかりと記載をして、それで現場で徹底できるように努力をしてきた。これは多とするところなんです。 しかし、問題は、国旗について申し上げれば、やはり国旗に対する権威というのは、みずからの国に誇りを持ったり、みずからの国の歴史に愛着を持つということが深いところでつながっていない限りなかなか本物にならないということを私は嫌というほどこの事実から感じたわけです。 しかも、御案内のとおり、この国立の子供は、率直に言って、学習指導要領に記載されているからという程度では先生方は守らないんですね。自国への誇り云々なんて言いましたけれども、校長先生自体が例えばこの取り扱いをどうやっているかといいますと、一部の先生や教職員組合が、日の丸は占領のシンボルである、こう言ったときに、真っ正面からそれに取り組んで反論をしていないんですね。 それから、子供との対応の中でも、私たちが調べた段階では、子供たちがある種の偏向した先生方の影響を受けているわけですから、その子供たちが日の丸を上げたくないと言ったときに、その主張の根拠に戦争だとか歴史を持ち出してきたときに、なぜ校長先生が君たちの見解は間違っているんだよと言ってくれなかったんだろうか、こういう考えを私は持つんです。 されど、校長先生に責任を負わすだけでは気の毒でございます。文部省が国旗や国歌の定着を目指す一方では、歴史認識では、例えば教科書の採択に際しましては明らかに、私たちが今まで国立の子供たちの発言を紹介してきたり、あるいはそれを唆すような先生方の主張に何か根拠を与えているようなところがあるように見えてならないんです。私は、既に何回もここで議論が出ましたけれども、日本の歴史教科書の自虐的な偏向というのはもう目に余るものがあると思います。 そこで、これでは児童を正しく指導する武器を先生に与えないで子供を指導しなさいと言っているようなものでございまして、私は歴史教育こそ正さなければ国歌や国旗の定着も難しいということを国立の教育現場から思わず知らされた、改めて知らされた思いでございますが、総理におかれましては、このたび教育基本法の改正を行われるということでございますが、このあたりもその際はしんしゃくをして、どうぞよろしくお願い申し上げる次第でございます。
○国務大臣(森喜朗君) 今の保坂議員の話が、現実の学校の現場で行われているという、何か全くつくられた話を聞くような思いでありますが、しかしそれは報道されているように事実だとすれば、やはり意図的に学校現場がそうした方向を求めているといいましょうか、そういう方向を持っているとしたらこれはゆゆしい問題だと私は思っています。 この国会におきましても、先国会におきましても、教育の議論は既に国会の場でも進んでいるわけでありますけれども、先般、本会議でたしか公明党の浜四津議員からも、モラルの教育が失われているのではないかという、そういう御指摘がございました。私はその際、現場も含めて議論をしてみる必要があるねということを申し上げたと思いますが、今の教育のこれまでのあり方というのは、根本的にやはりみんながそういう意図的なものを、思想的なものを超えて、本当に子供たちというのは純真無垢なんですから、その子供たちに何をしっかりときちっと教え、そして心身の発達によって自分で判断ができるようにしていくその基礎的なものは、やはり公平に指導していくことが大事だと、こう思っています。 そういう意味で、やはりこの際思い切って教育改革をやって、人間教育を中心にした学校の現場にしていくことが私は正しいことだと思っておりますし、そういう意味では、先ほどもお話がございましたけれども、教育基本法も一度よく見直してみることも大事だということを申し上げたのはそういうことでありますし、さらに、今のお話を聞いておりましても、子供たちと教員、そして校長先生、それにもう一つ私は大事なことは、やはり教育委員会というのは機能を果たしているんだろうかどうか。 一挙にそれは、管理者である、小中学校であれば市町村長、高等学校であれば都道府県知事ということになるんでしょうけれども、その前に教育委員会が本当にそうした公正な教育を現場できちんとやっているかということについてどういった対応しておるのかということも、やはり真剣にみんなでそのことにも十分留意をしなきゃならぬ問題ではないかな、こういうふうに思いました。
○保坂三蔵君 私のちょうだいした時間を思わず過ぎてしまいました。 最後に、申しわけない、十秒だけ。 津島大臣及び続総務庁長官、未成年者の飲酒の問題が今大変な問題になっておりますが、厚生省はどうお取り組みになろうとしているのか。また、酒屋さんの距離制限が撤廃されるということは、その未成年者の飲酒のむしろ拡大につながるのではないかという懸念が国民の間であるようでございますが、御答弁いただければ幸いでございます。
○国務大臣(津島雄二君) 御案内のとおり、未成年者の飲酒行動については大変に関心を集めておるところでございますが、平成八年の報告によりますと、中学一年生の六人に一人が月一、二回はお飲みになるそうであります。高校三年生の男子では二人に一人だそうでございます。こうした成長期における飲酒は身体的、精神的、社会的にさまざまな害をもたらすのでございまして、私ども、未成年者飲酒禁止法はそのような危機感の上で運用をされなければならないと思っております。 このような観点から、本年三月に策定、公表いたしました二十一世紀における国民健康づくり運動、健康日本21におきましても、既に法律で規定されている事項を未成年者の飲酒をなくすという目標として掲げたものでございます。 この目標の実現のためには、厚生省のホームページ等の活用により、飲酒のもたらす健康影響に関する正しい知識の一層の普及啓発を進めたいと思っておりますけれども、また酒類の自動販売機についても、これを段階的に廃止していただくことが至当であると私どもは思っておるところであります。 また、未成年者ばかりでなくて、大量飲酒の問題について、やはり国民の健康に対するコストを考えますと、私どもはもう一度やはりきっちりと見詰めていかなければならないだろうと思っております。外国の例を挙げましても、非常にアルコール度の高い酒について広告が自由なような国はございませんし、また酒の免許をすっかりやめてしまって自由にやらせるのがいいと言っている国は私は先進国では少数だろうと思っております。
○国務大臣(続訓弘君) 酒類に係る社会的規制の問題についてのお尋ねでございますけれども、この問題につきましては関係七省庁で十分議論させていただきました。 御心配の点のないように一生懸命取り組ませていただきます。
○委員長(倉田寛之君) 関連質疑を許します。入澤肇君。
○入澤肇君 保守党の入澤でございます。 関連して質問させていただきます。 今、各省庁とも来年度予算要求の編成作業の真っ最中であります。行政というのは、一年着手がおくれますと実行を図るためのスタートが三年おくれます。そういう意味で、私は、今夏の経済社会状況から見まして、改革を促進する立場から幾つかの質問をさせていただきます。 小渕内閣はかなりたくさんの会議体を設けまして、多くの報告書を残していただきました。経済戦略会議、産業競争力会議、さらに「二十一世紀日本の構想」懇談会、それから森内閣に引き継がれておりますのが社会保障構造のあり方についての有識者会議、それから教育改革国民会議、いろいろと会議を設けて、会して議したんですけれども、決して実行まで至っていないわけであります。 そこで、経済戦略会議、特にこの報告書は私は重要だと思っています。この経済戦略会議では、各省に実行可能性のランクづけをさせました。A、B、Cのランクづけをさせまして、二百三十四項目全部につきまして各省の回答を得ております。 Aには、例えば診療報酬制度の見直しとか、今議論になっております公共事業を初めとする補助事業のあり方の見直し、それから定期借家権の創設あるいは電線類の地中化等、Bランクには、努力した人が報われる税制改革、それから司法制度の改革、厚生年金制度の代行制度の部分の廃止、Cには年金、介護等についての社会保障制度を税方式化することについて等々、例を挙げますとこんなことでランクづけなされております。 私はこれにつきまして、森内閣がどのような考え方を持っているかにつきまして具体的にお聞きをしたいんですけれども、少なくともAにランクされたものにつきましては、アクションプログラムをつくって何年何月までにこういう方向で出すということの指示があっていいんではないか。また、Bランクに位置づけされたものにつきましては、総論を各論として位置づけて、具体的な検討期間を設けまして方法論を詰める。それからCランク、これは政治の決断が必要でありますから、政治主導のもとに行政当局を督励して実行を迫る。このような具体的な方針を出したらいかがかと思うんですが、いかがでしょうか。総理大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 経済戦略会議の答申は、今御指摘ございましたように、二十一世紀を展望した豊かな経済社会を切り開くために中長期的な経済運営の基本方針やまた理念を示していただいたものでございます。 この答申に対しまして、政府としましては昨年六月にフォローアップを行いまして、提言項目のうち実現する方向で検討するものが過半数を占めているのも御承知のとおりでございます。 また、こうした結果を踏まえまして、昨年七月から十二月にかけまして、経済戦略会議委員と各省庁の間でいわゆる政策対話として活発な議論が行われました。 森内閣といたしましても、小渕前内閣と同様に、この答申を貴重な提言として今しっかり受けとめて経済新生に取り組んでいきたい、こう考えています。そして、この二つの会議を発展的に解消いたしまして新たに経済新生会議を設けたのも、これを具体的に進めていきたいということ、特にITに関しましては早急な検討が急がれるものでございますから、これをIT戦略会議として別建てにいたして、ともに法律の面も含めてできる限り速やかな実施をしたい、こういう対応をしておるところでございます。
○入澤肇君 この間、勉強会で、中曽根内閣が支持率が低かったときにどうやって高くするかと。人工的な浮揚力を高めるために内政、外交両面にわたって極めて大胆な政策を提言したということがありました。ぜひ森総理に、内閣の支持率を高めるためにも、この経済戦略会議の文書そのものを実行する体制をつくっていただきたいと思うのであります。 そこで、中でも景気対策にも特に影響のあります都市の再開発について極めて重要な提言がございます。この都市の再開発は、税制の問題、不動産関係の取り扱いの問題等々難しい問題をかなり含んでいますけれども、それだけに、この都市の再生について都市再生委員会を創設して各論について詰めたらどうか。そして、住宅問題を中心に都市の再開発をその中に位置づけて具体的な方針を出したらいかがかという報告がなされているんですけれども、この点につきまして建設大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 今、総理からお答えがございましたように、昨年の十二月に経済戦略会議からの答申をいただきました。それで、改めて森内閣になりまして、私に対しましても都市再生委員会の創設をどうだというお話がございまして、御存じのとおり、都市再生推進懇談会というのを設置しまして、既に東京で二回、大阪で一回開催しておりますけれども、私はそれを前倒しにして、少なくともことしじゅうということでございましたけれども、総理の御了承をいただきまして、私はもう一度それを前倒しで東京で一回、大阪で一回もう一度開かせていただいて、その大体の要綱をまとめて、それを今度都市再生委員会に持ち上げていきたい。そういうことで、改めて私はこの都市再生委員会の活用によって私はぜひ、省庁再編もございますので集中的に論議していき、それを反映したいと思っております。
○入澤肇君 大変ありがとうございます。 特に、私は、おととしの予算委員会におきましても質問したんですけれども、介護保険制度が発足いたしました。ところが、東京で二十三区内に三十平米前後の築四十年という公的狭小老齢住宅が二十四万世帯もある、全国で三百万世帯以上あります。東京都内の二十四万世帯を建設省の建設単価千七百万円で計算しても四兆円の有効需要創出効果がある。こういうものはもう土地代がただなんですから、五年ないし七年で具体的に直すんだということを宣言されたらいかがかと。そういう計画を具体的につくったらいいんじゃないかと思うんですけれども、建設大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(扇千景君) 御存じのとおり、建設省の建設産業再生プログラムというのをつくりました。それは昨年でございますけれども、私もそれを継承しておりますので、少なくとも私は、企業等々活用できるようなものはあるいは民間によっても活用できるようにするということの新しい発想の転換をしなければ、私は二十一世紀の活性ある都市計画というのはできないと思っておりますので、大いに参考にさせていただいて活用していきたいと思っております。
○入澤肇君 今、建設産業再生プログラムの話が出ましたので質問を飛ばしますと、そごうの後、ゼネコンの倒産の問題、これが非常に金融機関の再編成と絡んで大問題になっております。 私は、建設業界の再編成についても、通産省が去年つくりました産業活力再生特別措置法、この適用対象にするか、あるいは構造改善を、つまり建設省がアナウンスメント効果をねらって具体的に合併を奨励するとか、あるいは雇用対策をきちんと講ずるとか、いろいろな対策を打ち出したらどうかと思うんですが、これについてはいかがでしょうか。
○国務大臣(扇千景君) だんだん世の中がおかしくなってまいりまして、そごう問題の次はゼネコンだと私も随分警告をされました。 けれども、私は、少なくともこの建設産業再生プログラムにおきましても、建設業界、それの優劣等々ございますけれども、少なくともそういう建設業界の淘汰というのは私はもう現実に迫ってきた問題であろうと思いますけれども、少なくとも個々の企業の自己責任、そしてあるいは自助努力で経済の改革や連携に向けての動きをしていくべきであろうと思いますけれども、少なくとも競争的に市場環境を整備する、そういう意味においては私どもも最大限にできるところは努力していこう、そして助言していこう、そういうふうに思っておりますけれども、基本的には個々の企業におきましてはまさに自己責任、そして自助努力ということを基本に、できる限りは私たちも助言していきたいというふうに思っております。
○入澤肇君 建設省が行政当局としてゼネコンのあり方についてどう考えているかということを内外に示すことも私は極めて重要な意味があるんじゃないかと思っています。ぜひその方向で努力をしていただきたいと思います。 それから、行政改革大綱について政府の案が新聞に出ております。私は一つ抜けていると思うんです。 一昨年も質問しましたけれども、やたらに法律の数がふえている。一昨年、何本今法律があるのかと聞きましたら、千七百十六本あるという。この法律は、機能していないものもたくさんあります。それから、目的が類似であって同じような内容のものが別々の法律になっている。それから、役割も終了した法律もあります。去年から比べますと千八百本ぐらいあるんじゃないかと思うんです。 佐藤内閣のときに二年にわたりまして整理合理化をやりました。今度の行政改革、平成の大行政改革でありますから、法律の総点検をやって、例えば一割とか二割を減らすんだということを各省に指示したらいかがかと思うんですが、森総理大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(中川秀直君) お答え申し上げます。 去る八月四日の行政改革推進本部における内閣総理大臣の御指示をいただきまして政府が検討に着手しました大綱は、規制改革、地方分権、特殊法人等の改革など、各項目について当面の措置や中長期的課題の目標及びスケジュールを明らかにすることを目指しております。 実効性を喪失した法律の整理については、これまで機会をとらえて行ってきておりまして、最近の例では、中央省庁等改革に当たりまして、関係事務の終了等によりまして不要となった法令五十六本を廃止することとしたところでございます。 今、委員御指摘のとおり、機会をとらえ、実効性を喪失した法律については逐次整理を進めてまいりたいと考えております。
○入澤肇君 法律は、やっぱり私は、一律に削減する目標を与えないと各省はなかなか作業を起こさない。それから、法律そのものも易しく書いたらどうかと言っているんですが、なかなかそうならない。少なくとも法律案要綱ぐらいは議員が読んでわかるように書いてくれと注文しているんですけれども、法制局はなかなか踏み切らない。非常に残念でございます。 時間がありませんので、最後に質問いたしますのは、先ほど経済企画庁長官からも、IT等への投資を重点的にやるべきじゃないか、政策の転換を大胆かつ率直にやるべきじゃないかというお話がございました。 そういう視点からいいまして一つ問題なのは、公共事業等の予備費五千億の使途が決まりましたけれども、予算総則を読んでみますと極めて限定的であります。ITに何百億と出せるようなぐあいになっていない。しかし、この公共事業等予備費というのは調整費的な意味がありますから、もう少し弾力的に書いたらどうか。予算総則の十五条で、七条に書いてある要するに建設国債の対象経費以外は使っちゃいけないと、こう書いているんです。そのような書き方じゃなくて、公共事業等予備費につきましては政治的な決断でありとあらゆることに使えるんだということで、もう少し弾力的に書いたらいかがかと思うんですが、いかがでしょうか、大蔵大臣。
○国務大臣(宮澤喜一君) 公共事業予備費をせんだって配分いたしましたときには、なるべく、今、入澤委員のおっしゃったような気持ちでやったつもりでございますけれども、御承知のように財政法がございまして、これがもう大変細かく項ごとに予算を区分しなければいけないということが書いてございますものですから、入澤委員のおっしゃることは、それはそうとして、心構えとして物を考えろとおっしゃるんだと思いますので、それはそう思います。 ただ、項ごとに予算書を出しますことは財政法の二十三条、これは恐らく国会が御審議をなさるという立場からの制約であると思いますが、そういうこともございますので、心構えとしてなるべくわかりやすくやってまいりますことは、そういうふうに心構えをいたしてまいります。
○入澤肇君 時間が来たので終わりますけれども、ぜひここら辺はもう少し配慮して、政治目的が十分達成されるように予算編成に臨んでいただきたいと思います。 終わります。
○委員長(倉田寛之君) 以上で竹山裕君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、山本保君の質疑を行います。山本保君。
○山本保君 公明党の山本保でございます。よろしくお願いいたします。 私は最初に、八月一日、我が愛知県の武豊町で発生いたしました日本油脂の愛知県の工場での火薬爆発事故につきまして、関係の大臣からその現状について御報告をいただきたいと思っております。 私、実は八月三日の朝から県連の幹事長と、また地元の議員と一緒に被災者のお宅、また工場にも入れていただきまして、工場長から御説明も伺いました。まだ調査中かもしれません。そして、不幸中の幸いといいますか、大変な事故であったと思いますけれども、お亡くなりになった方はなかった。しかしながら、いろんな形で被災、負傷を受けた方がきょうの報告で約七十九人ですか、八百戸以上の住宅に被害が出ております。 この事故の原因とか、また違法の点はなかったのか、また被災者への補償の状況はどうなっておるのか、さらに、ひょっとすると法令の定めているガイドラインが現状に合っていないんじゃないかとか、こういう点につきまして、現在わかっているところについて大臣から御説明をお願いいたします。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをいたします。 この日本油脂の武豊工場で起きました爆発事故というのは、委員御指摘のとおり大変な被害をもたらしたわけであります。御承知のように、この爆発事故というのは工場の稼働中に起きた事故じゃございませんで、そこで今、警察、消防で徹底的な事故調査を行っております。まだはっきりした原因の究明というのはできていないわけでありますけれども、通産省といたしましては、中部通産局にこの事故の特別調査委員会を設置いたしまして、そして、その原因の究明やあるいは法令違反があったかどうか、こういったもろもろのことについて今鋭意検討しているわけであります。 また、存置をされております残りの無煙火薬につきましても、本日、火薬類取締法三十六条第二項の規定に従ってその安全度を確認する、こういう命令を発しました。 いずれにいたしましても、大変な事故が起きたわけでございまして、今総合的に原因を究明しておりますので、この原因がはっきりわかった時点で、今御指摘のいわゆる技術基準、保安に関しましても厳正に真剣に検討を当省としてやらせていただきたい、こういうふうに思っております。
○山本保君 先ほども申し上げましたけれども、事故としての被害の状況というのはそれほど大きくないかもしれませんが、現場は実は軍隊時代からのいわゆる化学工場でありまして、丘陵地でございます。ですから、そこに新しい団地ができてきて、そこが被害になっておるわけですが、もし同じような規模の爆発がいわゆるコンビナートなり、または一般住宅地の近くで起こったら、これは大変なことになっているということがあると思います。 ぜひ、この事故原因究明、また被災者の補償に万全を尽くしていただきたいとお願いをしておきます。 〔委員長退席、理事竹山裕君着席〕 次に、二十一世紀の日本の最も重要な課題、また客観的にそんなに簡単に動かせない私は課題だと思っておりますのが少子化であります。 これから何点か少子化についてお聞きしたいと思いますが、実は私ども公明党の女性委員会は、この春、財政的なところとか、また医療的、また福祉、教育的な観点から七項目にわたる署名活動を行いまして、二千五百万人以上の署名をいただいて政府に申し入れをしております。 きょうは、そのうちの何点かについてだけ、その現状についてお答えいただこうと思っておりますが、最初に森総理大臣、この少子化についての内閣として、総理としての御認識、取り組みの方針、御決意をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 近年の急速な少子化の進展は、社会を支える働き手の減少、地域社会の活力の低下、こうした面からも我が国の社会経済にさまざまな影響を与えている、これは議員も御指摘のとおりでございまして、政府もその点については懸念を持っております。このために、二十一世紀の我が国を家庭や子育てに夢や希望が持てる社会とするように、これを目標といたしまして少子化対策に社会全体で取り組む必要があるものと認識をいたしております。 政府としましては、昨年末に策定いたしました少子化対策推進基本方針や新エンゼルプランなどに沿いまして、保育サービスの拡充、育児休業給付の給付水準の引き上げなど、各般の分野にわたりまして施策に取り組んでおるわけでありますが、児童手当につきましても本年六月から支給対象年齢の拡大を実施してきたところでございます。 また、国民的な理解と広がりのある取り組みを推進するために、私が主宰をいたしております少子化への対応を推進する国民会議というのがございますが、この会議におきまして、今各界各層における取り組みを進めることといたしております。 今後とも総合的な少子化対策に積極的に取り組んでまいりたい、このように考えております。
○山本保君 総理、もう一言ちょっとお願いしたいんですが、私も実は厚生省で子供の関係をやっておりましたので、エンゼルプランが最初にできたころのことも覚えておるんですけれども、言うなら予算対策という面が最初はどうしても強かったと思うんです。 ですから、例えば、今先ほどからお話しありますように、IT戦略の担当大臣でありますとか、年金問題の担当大臣でありますとか、こういう大臣をきちんと決めて各省を束ねているわけですけれども、何かそういう形でもう少しきちんと出されるというのはいかがでございましょうか。
○国務大臣(森喜朗君) 少子化の背景は、いろいろ幅広く論議をされなきゃならぬテーマだと思いますし、むしろ私よりも議員の方がお詳しいのだろうと思います。 育児そのものの負担感、それから育児と仕事の両立の負担感の問題、さらに個人の価値観もあると思います。また、企業風土やさまざまな要因が絡んでいるわけでありますが、少子化対策については総合的に取り組むことが重要であるということは先ほども申し上げたとおりでございます。 今、これも先ほど申し上げましたように、少子化対策推進関係閣僚会議を推進しまして、保健福祉や雇用、教育、住宅など、幅広い分野にわたる施策も政府一丸となって取り組む体制ができる、とっていきたい、このようにも考えているところですが、今御指摘ありました点を考えてみますと、来年一月から実施されます省庁再編の中には厚生労働大臣に新たに一体化するわけでありますね、両省が。 ですから、そういう意味では、少子高齢化社会への総合的な対応に関する関係行政機関の事務の調整を行うことができるんではないだろうか。そういう意味では、働く女性のための、保育といいましょうかあるいは児童の教育といいましょうか、そうしたことが一元化して新たな省庁でこれができる、またそれによって両方のことを専門的に進める大臣ができるということにもなるのも議員の今御指摘あった点と合致してくるんじゃないかなというふうに思います。
○山本保君 では、お話にありました児童手当について具体的に厚生大臣にお伺いいたしますが、ことしから、もうお話しありましたように、小学校入学前まで拡大、初めて拡大になったわけですけれども、まだまだ中途であると思っております。今後、我が公明党といたしましては、この財政的な支援というのがまず基本になくてはならないと考えているわけですが、今年度以降の方針についてお話しいただけますでしょうか。
○国務大臣(津島雄二君) お答えいたします。 児童手当につきましては、ことしからの対象拡大の後どうするかと、大きい問題がございます。八月一日の閣議で了解されました来年度の概算要求に当たっての基本方針におきましては、「児童手当については、具体的な財源の確保及び費用負担の在り方と併せて、予算編成過程で検討するもの」ということとされ、また、その前の七月二十八日の財政首脳会議におきまして、「具体的な財源の確保及び費用負担の在り方については、与党協議により、予算編成過程で検討する」ということでございます。これを受けまして、八月三日の与党政策責任者会議におきまして、各党の幹事長、政策責任者から成る児童手当検討チームを設置されたと承知しておりまして、今後、与党において協議が進められるものと認識をいたしております。 厚生省といたしましては、この与党における協議の状況を踏まえながら検討してまいりたいと思っております。
○山本保君 厚生大臣に二つほど具体的にちょっと私の考えをお話ししたいんですが、今の児童手当制度というのは、基本は、事業主がそこの会社で働いている方に対して、女性の労働を守るという観点でお金を出すというのが基本になっております。ですから、今、総理大臣も言われたように、日本の国全体が責任を持って対処しなくちゃいけないというときに、この制度の基本がちょっと違うんではないかなという気がするわけですから、ぜひここで国も、また子育ても終わった方、国民も一緒に入っていくようなそういう制度を考えるべきではないかなというのが一点。 それからもう一点は、今の運用では、働いている、雇用されている方と、あと残りは自営業者という二つの区分で、実際に収入によって幾らいただけるかどうかが決まってしまうんですね。ですから、例えばリストラなどで去年の給料は多いがことしは少ないなんという方はもらえないということを非常に今現場から私お聞きするんですよ。この辺については緊急に何か手が打てないかという二点を重ねてお願いいたします。
○国務大臣(津島雄二君) お答えいたします。 第一点の御指摘は、山本委員御自身が行政側におられたときに経緯も十分御存じの上の御質問でございまして、私も幾らか政治の方からかかわった立場で、経緯は経緯として、企業主負担を中心に組み立てた制度というのはどこまでもつかいなという疑念を持っておりますし、今後の少子化対策としての要請にこのままではこたえられないんではないかという心配も持っております。 その点が一番はっきりしてくるのは二番目の問題点でございまして、お勤めになっている間はいわゆる年金の二号被保険者としてある程度高い所得制限で児童手当をもらっておられるのに、やめたら途端に、つまり職を失ったら所得制限も低くなっちゃって、逆に児童手当ももらえなくなっちゃうという変な結果になる。そうなった原因というのを考えてみると、この企業主負担に頼っているところからきているとなると、なおさらやっぱりどうかなという感じはいたします。
○山本保君 今後検討されることを期待しております。 次に、この児童手当制度と並びまして重要な子育て支援策というのは保育制度でありまして、きょうは保育制度の中でこれまで余り論じられておりません待機児童というような形ではなくて、今、児童福祉法では日々保育に欠けるという有名な条文がありまして、日々という言葉がある。これは言うならばパートでありますとか変則的な労働というものは最初から保育所の対象にはなっていないというふうに読めるわけであります。ところが、実際には女性の、また男性もそうですが、就労形態は非常に変わっているわけですから、この辺を変えなくてはならないだろうと。 今、厚生省の方でも一時保育事業ですか、こういうものを始めているということですが、この現状と、もう一つ時間がないので一緒にお聞きしますが、ベビーシッターというものを雇った場合に支援するという制度があるんですが、多分ほとんどの方が御存じない。実は、聞きましたら、たしか八百程度の会社だけが利用できるような形になっていて、とても全国的に使えない。こういう制度も飛躍的に伸ばさなくてはならないのではないかと思うんですけれども、これは政務次官、どうぞよろしくお願いします。
○政務次官(福島豊君) お答えさせていただきます。 一時保育事業でございますけれども、委員御指摘のように、近年の育児中の母親の孤立化でありますとか、そしてまた地域における保育力、子育て機能の低下ということを踏まえて、その充実というものを図っていかなければならない大切な一つの課題であるというふうに考えております。 私どもは、本年度から開始をいたしました新エンゼルプランの中におきましても、在宅児に対しての子育て支援というものを一つの柱として位置づけさせていただきました。この一時保育事業につきましては、平成十一年度一千五百カ所でございますけれども、新エンゼルプラン、平成十六年度の目標年度には倍増させまして三千カ所というものを目標にして、着実にその整備を図ってまいりたい、そのように考えております。 そしてまた、それだけにとどまりませんで、平成十二年度の予算におきましては、利用児童数五人以下の場合も補助対象とするとともに、人数が多くなった場合に加算をするということも新設をいたしました。できるだけ使いやすい制度に改めてまいりたい、そのように考えております。 そしてまた、ベビーシッター事業についてのお尋ねもございました。 これは、働きながら子育てをしておられるお母さん方を支援するために平成六年度に創設をされた事業でございます。これは具体的に申し上げますと、企業の従業員の皆様が残業等を行った場合にベビーシッターを利用する、そのときに、その利用に当たりまして、利用料に対してバウチャー方式でその一部を支援するものでございます。社団法人の全国ベビーシッター協会が個々の企業と協定を結んでこの事業を実施いたしておりますけれども、サービスを利用する従業員の皆様のニーズやそしてまた企業の事務体制との兼ね合いもありまして、拡充には一定の限度があるのではないかと思いますけれども、平成六年度の当初は百二十二カ所でございましたが、現在それが八百二十九カ所と、約七倍にふえております。 こうした事業もより活用しやすい形に進めていく必要があると思っておりまして、本年の十月からは、双生児のいる家庭の保護者がリフレッシュするためにこのサービスを利用した場合にも助成対象とする予定となっております。 委員御指摘のように、さまざまな形で子育ての支援というものを厚生省は進めてまいりたいと思っております。
○山本保君 大分時間がなくなりましたので、ちょっと省略させていただきまして、ひとつ厚生大臣の方に、小規模作業所という、法にはないんですけれども、いろんな障害を持った方、お父さん、お母さんたちが中心になってやっている施設がある。ここに対して、もっと公的な支援が欲しいと思っておりました。ほぼ二年前から何とかならないかと思っておりましたら、このたび、前厚生大臣は、今まで一億円ないと社会福祉法人がつくれないけれども、今後、一千万円で土地も建物も借りてもいいという形の通知を出しましょうというふうに前回約束していただいておりますけれども、これはどういうふうに進んでおりますでしょうか。 また、一緒に、この小規模作業所においては、もっと地域の中で拠点として障害者のためのさまざまなサービスもやってもいいのではないかなと思っております。このサービスへの、またこの作業所へ人員配置などを配慮した形での公的な支援が必要ではないかというふうに思うわけですけれども、この辺についてまとめてお願いしたいと思います。
○政務次官(福島豊君) ただいま委員御指摘ありましたように、小規模授産施設につきましては、障害者の自立支援に果たす役割と期待というものを十分踏まえまして、その規制緩和というものを行うこととしたわけでございます。 具体的には、利用人員を二十名から十名に引き下げる。そしてまた、小規模授産施設の設立を目的とする社会福祉法人においては資産要件も一千万円に緩和することといたしております。このためには政省令の制定、そしてまたそれにかかわる通知というものが必要でございますけれども、できるだけ早くこれを実現するためにその作業を進めております。 そしてまた、こうした小規模作業所がさまざまな地域における福祉サービスというものを提供するようにしてはどうかという委員の御指摘でございますけれども、具体的には例えば精神障害者の地域生活支援センター、こういったものを小規模作業所と一体的に行うということができるためにその準備を進めております。 そしてまた、グループホームという御指摘もあろうかと思いますけれども、これにつきましては生活の本拠となるということもありまして、今回の社会福祉法人の規制緩和によりましてさまざまな形での社会福祉法人への参入というものがあろうかと思います。その実態を踏まえながら慎重に検討させていただきたい、そのように考えております。
○山本保君 補助。
○政務次官(福島豊君) 補助につきましては、これも現在、来年度の予算編成と関連をいたしております。先生からもできるだけ支援の拡充をしてほしい、その御要請は繰り返しお聞きをいたしております。 現在まで、この小規模作業所のよさというものがございまして、これは極めて運営の自由度が高いというところにあったかと思います。その自由度の高さというよさを失わないような形で今後検討の中で助成の水準については決めてまいりたいというふうに考えております。
○山本保君 最後に一つ。今度は二年前に施行されたNPOについて、お金持ちとか役人だけではなくて、普通の人が人のために仕事をすることを自分の職業にできる大変すばらしい制度であります。私もつくらせていただいたわけですが、しかし大きな欠陥があって、それはそのための税制支援がないということです。 この辺についてどういう対応ができるのか。経済企画庁長官と大蔵大臣と、そしてもう一つ厚生省にも、四月から介護保険についてはできるNPOという、介護保険の事業者としてのNPOがありますが、これだけでもまず何か援助ができないかというこの三点を申しわけございませんが一緒にお聞きしますけれども、お願いいたします。
○国務大臣(堺屋太一君) NPO法につきましては、国会決議におきまして施行後二年において見直すということになっております。その期限が今年の十一月でございまして、その際、議員の方々の方で、立法府の方でお考えいただけることになろうかと考えております。 私どもの方といたしましては、国民生活審議会におきまして六月二十一日に公表いたしました企画部会中間報告などでいろいろと議論をいたしまして、立法府の方々にその案を出させていただこうということで準備を進めております。
○国務大臣(宮澤喜一君) 三月でしたか、お尋ねがございましたときに私は事務当局に申したんですが、これはこれから大きくなっていく制度だからなるべく親切に考えてあげようじゃないかと言っておりまして、それで経済企画庁でいろいろどういうところが仕事をしていらっしゃるかということを知っておられますので、それをなるべく聞いて、できればそのモデルケースぐらいを早く一つ二つしてあげたいと実は思って督励をしております。 それから、ただ、介護のことは御存じのように社会福祉法人の問題がございますものですから、これはなかなかそれを超えてという問題に難しい問題がございます。これは先の問題として考えていかなきゃならないんだろうと思います。
○国務大臣(津島雄二君) 介護サービス等につきましてもNPOが活躍していただきたい、また活動しやすい環境づくりに努めたいということは私ども厚生省の考えでございますが、税制につきましては、今、大蔵大臣が御答弁いただきましたような問題がございますが、前の国会で四月に前厚生大臣も、このNPOの活動をやりやすくするために十三年度以降の問題であるけれども一つの懸案事項として当然検討していかなければならない問題であると答弁しておりますが、私もその点は同じように考えております。
○山本保君 どうもありがとうございました。
○理事(竹山裕君) 関連質疑を許します。高野博師君。
○高野博師君 公明党の高野でございます。 まず最初に、沖縄サミットについてお伺いいたします。 沖縄サミットは無事終了しましたが、森総理の議長としての御尽力に敬意を表したいと思います。ただ、国民の期待も大きかっただけに、あれでよかったのかなという思いもないではありません。 そこでまず、なぜこの沖縄のサミットで中心テーマをIT革命としたのか、小渕総理があれだけの情熱を傾けられて沖縄を選んだというのはIT革命を議論するためだったのかどうか、総理にお伺いいたします。
○国務大臣(森喜朗君) 今回のサミットにつきましては、これは小渕前総理のときからの、いわゆるキーワードが皆さんで協議をされておられたと思います。その結果、より世界が繁栄をするように、それから心の安寧、そして世界の安定という三つをキーワードといたしまして、私が小渕前総理の後を受けまして総理になりましてからもG8諸国の首脳を訪ねまして、この三つのキーワードを中心に議論をしてまいりたいということについて皆様の御了承をいただいたわけでございます。 IT革命をなぜされたのかということについては、経緯もいろいろございますけれども、何といいましてもより一層繁栄をしていくためには経済が持続的に発展をし成長していくということが世界のやはり安定につながるということは言うまでもないわけでありまして、そのIT産業を支えていく、それが発展をしていくためにいろんな環境を整えていかなければならぬだろう、当然デジタルデバイドの問題もございますし、これは一国家として取り上げるべき問題ではない、全世界的にこれを共通のテーマに取り組むべきだろうということでテーマにいたしたわけでありまして、それだけではなくて、余り私の答弁が長いとまたしかられますので、先ほど申し上げましたように三つのキーワードを中心にして、感染症の問題でありますとかあるいはバイオの問題でございますとか、それから世界の安定につきましては地域情勢を通じましてそうした紛争諸国などについてどういう対応ができるかなどと幅広く議論をいたしたわけでございます。
○高野博師君 グローバルなテーマを挙げるとすれば、私は四つあるのではないか。一つはITの問題、そして二つ目はバイオテクノロジー、三つ目はニューマテリアル、新素材、そして四つ目はクリーンエネルギー。この四つの分野を制する国がグローバル経済の勝者になり世界をリードすると言われております。この四つの分野の技術開発競争は熾烈をきわめておりまして、国の将来の盛衰を決するのではないか、そうも言われております。 〔理事竹山裕君退席、委員長着席〕 特に、新素材とクリーンエネルギーについては、地球環境あるいは有限な資源エネルギー等のことからして、ITに劣らず重要なテーマではないかと思います。まさにこの分野こそ我が国が力を発揮し世界に貢献できる分野ではないかと思うんですが、総理の認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 先ほどもゆめ博に関しまして私も御答弁を申し上げましたが、まず、科学技術の振興は新産業を創出するということ、そしてもう一つは、やはり産業の発展によって雇用の拡大を図るという大きな意義があるわけでありまして、それと同時に、我が国の知的資産を豊かにするというものでありますから、科学技術基本法のもとに総合的かつ計画的な施策の展開を政府としても努めているところで、まさに議員が今具体的に四つ示されましたのも含めて、そうしたことを積極的に展開を進めている、こう申し上げてよろしいかと思います。 この一環といたしまして、この六月に科学技術会議におきまして、平成十三年度科学技術振興に関する重点指針におきまして、情報通信分野のみならず、御指摘をいただきましたように、ライフサイエンスの分野、地球環境の分野、物質材料分野等に対する研究開発の重点化を示しております。 また、この四月に取りまとめられました国家産業技術戦略におきましても、ITのみならず、御指摘の分野等について今後の研究開発投資の方向性が示されております。この戦略は、現在、科学技術会議におきまして検討中の次期科学技術基本計画に反映することといたしております。 今後とも、これらを踏まえまして、まさに科学技術創造立国を目指して最大限の努力を傾注していきたいと考えております。
○高野博師君 沖縄サミットでは、平和の原点ともいうべきこの沖縄の地から、将来の東アジアにどのような新しい秩序を構築するのか、そういうメッセージを発信してもよかったのではないかなと、そういう感想を持っております。 そこで、朝鮮半島情勢についてお伺いをいたします。 先般行われた南北首脳会談の意義について簡単にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 先ほどから、午前中の御質問の中でも申し上げましたように、まさに歴史上初めての南北の首脳会談が行われました。そして、将来ともに南北が共存し、将来への統一の方向に恐らく両国が努力されるだろうと思うし、また我々としてもそのことを期待いたしているわけでありますが、しかしそのプロセスにおいてはいろんな種々の問題があるのではないかということも予想できるわけでありまして、できる限りこの南北首脳会談が成果を得て順調に両国の交流が進んでいきますように、我々日本といたしましても、また世界全体としてもこれを後押しをしていくことが重要ではないかと、こういうふうに考えます。 地域情勢の問題につきましては、バルカンの問題もございますし、あるいは中東紛争の問題もございましたけれども、私は議長といたしまして、アジアの沖縄で行われる以上は、この南北朝鮮問題についてぜひG8首脳の皆さんの御同意をいただいて、そして後押しをするという、そういうメッセージを出したいということを私から諮りまして、G8首脳の皆さんの御了解をいただきまして、そして南北朝鮮のこの話し合いが進展できるようにG8におきましてできる限りの推進をして、バック態勢をうまくフォローをしていきたいということを発信したところでありまして、まさにアジアにおきます、沖縄におきますサミットの特別声明としては極めて私は意義があったことだと思っております。
○高野博師君 この首脳会談は冷戦の終わりの始まりだと、そういうことも言われますし、金大中の太陽政策あるいはアメリカのペリー・プロセスが背景にあったと、しかしそのシナリオはアメリカが書いたのではないかという見方もあります。その後、北朝鮮が一気に国際社会の表舞台に出てきたというのは御承知のとおりでありますが、一方で、イタリアがことしの一月に国交回復をした、そしてカナダが先日国家承認をした、こういう状況から見ると、朝鮮半島の緊張緩和というのは予想より速いスピードで進むのではないかと思われます。他方で、クリントン大統領あたりが頭越しに米朝会談等をやらなければいいがなということも、こういう可能性も私は否定できないのではないか。そこで、日本はこの大きな流れの中で、後追いではなくて、ぜひイニシアチブをとっていただきたいな、そう思っております。 ところで、防衛白書によれば、北朝鮮の動向についてはなお注視すべしとありますが、防衛庁長官にその認識に変わりはないかどうか、お伺いいたします。
○国務大臣(虎島和夫君) 南北首脳会談を歓迎するものでありますが、実りある成果をこれについては期待を同時にいたしておるわけであります。しかしながら、朝鮮半島の軍事的対峙の状況には変化はない、現状ではそのような認識をいたしております。また、北朝鮮の軍事への資源投入、核兵器開発疑惑、弾道ミサイル開発等の軍事動向は重大な不安定要因であるというふうに私どもは認識いたしておるところであります。 しかしながら、対外的な関係の増大による北朝鮮の透明性の向上が期待され、また南北首脳会談の成果を基礎とし、南北対話が継続、進展し、朝鮮半島の緊張が緩和することが期待されるわけでございます。 他方、北朝鮮は依然として開放的な体制とは申せない状況にありますために、その動向に引き続き細心の注意を払っていく必要を感じております。また、対話の進展が朝鮮半島の軍事情勢に及ぼす影響を注意深く見きわめる必要がある。現状はまだ動いていないという認識であります。
○高野博師君 我が国の対北朝鮮政策の原則は対話と抑止でありますから、現実的には抑止もきちんと押さえるべきではないかなと思っております。 そこで、もう一つ。 朝鮮半島に和解あるいは統一が成ったときに、これは沖縄の米軍基地にどんな影響があるのか、外務大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(河野洋平君) 議員が御質問になりましたように和解が成ったときにと、こういう仮定を前提にしておられるわけでございますが、まだまだ私どもは、南北の首脳会談が行われて緊張緩和へ向かって歩き出したばかりのところでございます。まして、日本との間にはこれから国交正常化交渉が緒につくという段階でございまして、この段階でまだ米軍基地の問題を云々するのはいかにも早いという感じを私持っておるわけでございます。
○高野博師君 朝鮮半島の緊張緩和が進めば当然在韓米軍の存在理由も問われるわけですが、沖縄の海兵隊、一万五千あるんですが、これは朝鮮半島が統一なり和解が成ったときには一万五千は五千人ぐらいで済むのではないかという試算ももう具体的に出ております。ということで、これはもっとこういう部分についてもきちんと認識をしていただきたいと思います。 そこで、日本政府は国交回復の前に北朝鮮を国家として承認することは考えておるんでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 今も申し上げましたように、日朝国交正常化交渉は四月に七年半ぶりにピョンヤンで開かれまして、その後延期等がございまして、言ってみれば二回目の会談がこの八月下旬に行われるという状況でございまして、いまだ全く本格的な議論には入っていないのが状況でございます。 政府といたしましては、再開されました日朝国交正常化交渉を軌道に乗せて、対話を深化させることによって日朝間の諸問題を解決し、国交正常化を達成できるよう、正常化交渉にこれから粘り強く取り組もう、こう考えているところでございまして、今お尋ねの朝鮮民主主義人民共和国の国家承認につきましては、こうした今後の日朝国交正常化のプロセスの中で諸般の事情を考慮しつつ検討されるべき問題だ、こう考えておるところでございます。
○高野博師君 このカナダ方式も検討する余地はあるのではないかな、そう思っております。 そこで、北朝鮮に対する政策について、私はもう少し大局観に立って考えるべきではないか。将来は日本と朝鮮半島、台湾も含めた中国、こういう間で東アジア自由貿易市場あるいは経済共同体のようなものをつくるという、こういう構想を立てることも考えていいのではないか。そういう構想の中で日本が思い切った誠意ある態度を示す、そこからおのずと拉致問題あるいは補償の問題等も解決の糸口が出てくるのではないかなと。森総理は日朝国交回復に政治生命をかけるぐらいの意気込みで取り組んでいいのではないか。ピョンヤンに乗り込んで金正日総書記と首脳会談をするぐらいのイニシアチブをとってもいいのではないかと思うんですが、総理いかがでしょうか。
○国務大臣(森喜朗君) 先ほど申し上げましたように、南北首脳の会談が行われまして、その直前にもその後にも金大中大統領とお話をする機会がございましたし、また最近もお電話でお話もいたしました。 この南北会談が行われたということは極めて意義のあることでございますけれども、先ほど申し上げましたように、これが本当に結実するまでにはまだまだ幾つかの問題があるだろうし、それだけのプロセスが必要だろうということは、これは金大中大統領もそのことをお認めになっておられました。 最近日本においでになりましたオルブライト米長官も、あるいはまたサミットにおきましてお話し合いをさせていただきました各国の首脳あるいはプーチン大統領も、北朝鮮を訪れたその後サミットにおいでになったときのプーチン大統領の我々に対する報告など含めましても、まだまだこれからいろいろと紆余曲折があるが、しかしこの南北の両方の会談は、これは重要視しなきゃならぬ大事なことだと。そして、みんなでそのことを後押ししていくことが大事だというのが先ほど申し上げたメッセージの発出につながったわけでございます。 我が国と北朝鮮の間には多くの問題を抱えておる経緯もございますし、また人道的な問題もございます。御指摘のとおり、直接お話をするということも一つのまた考え方かもしれませんけれども、まずは外務大臣がお話をいただいた、これからさまざまな形の中でそうしたお話し合いができ得る機会もあるだろうと思いますから、我が国としても積極的なそういう取り組み、対応をしていきたい、こんなふうにも考えております。
○高野博師君 それでは、北方領土問題について一つだけお伺いいたします。 この北方領土問題について、報道によれば、領土問題とは切り離して中間条約を結ぶというようなことを考えておるということでありますが、これは事実でしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) けさほども申し上げましたように、九月三日からロシアのプーチン大統領は訪日をされまして森首相との間に首脳会談が行われることになっております。この首脳会談におきまして、森総理よりはロシア・プーチン大統領に対しましてあらゆる問題について話し合う、そのあらゆる問題の中には難しい問題もあるねと、いやしかしその難しい問題も避けずに話し合おうねというのが沖縄での両首脳の話し合いでございました。 その難しい問題について話し合われるということはもう何を話をするかどなたもおわかりのとおりでございますが、その中でも私どもは、対ロ外交方針といたしましては、現在の領土問題を解決し平和条約を締結する、こうした考え方を一貫して持っているわけでございますが、ロシア側にも日本側にもそれぞれさまざまなアイデアがあったり考え方がございまして、こういう方法もあるのではないか、あるいはこういう方法もあるのではないか、さまざまな提言とかアイデアを示されている。それはそれで私は、交渉をする前ぶれといいますか、いろいろなことがあってもそれは結構なのではないか。しかし、交渉するための方針としては、従来の方針が変更されるということは考えておりません。
○高野博師君 北方領土問題については、北朝鮮と同様に現実的に柔軟な対応が必要ではないか。北方領土問題が解決しない限り日ロ関係が進まない、進展しないということであってはどうか。私は、原則論はきちんと主張すべきでありますが、現実的な対応も必要ではないか。そういう意味では、中間条約については私は個人的には賛成しております。 ただ問題は、この中間条約を結ぶことによって当然主権の問題が出てくるわけです、条約の中には。特に課税権の問題が出てきたときには、これが固定しないようにやっぱり中間条約は暫定的なものという位置づけが必要ではないかなと思います。 そこで、時間が来ましたので最後に総理にお伺いいたしますが、沖縄の基地の問題、これは、結局はアメリカの東アジア戦略によるわけですが、朝鮮半島情勢あるいは台湾海峡あるいは中東問題、こういう情勢が好転しなければ本質的な解決にはならないだろうと。そうであるために日本は、これらの地域においてその和解や統一に向けて本格的な平和戦略あるいは外交の構想力、決断力を発揮して最大限の努力をすべきではないか、それ以外に道はないんではないかと私は思いますが、総理、いかがでしょうか。
○国務大臣(森喜朗君) 政府といたしましては、御指摘のような朝鮮半島の緊張緩和あるいは対話をめぐる問題の平和的解決、さらには中東和平の解決の促進はいずれもアジアひいては国際社会の平和と安定のために極めて重要でありまして、そのためおのおのの問題に即した適切な形での外交努力を払っていきたいと考えております。 このような政府の努力はまさに国際情勢の肯定的変化のための外交努力の一環でございまして、政府としては、米軍施設・区域の集中による沖縄県民の方々の御負担をでき得る限り軽減するため、アメリカ側とも引き続き緊密に協力をしつつ、SACO最終報告を着実に実施するべく最大限の努力をしていきたい、このように考えております。
○高野博師君 終わります。
○委員長(倉田寛之君) 以上で山本保君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、緒方靖夫君の質疑を行います。緒方靖夫君。
○緒方靖夫君 日本共産党の緒方靖夫です。 まず初めに、地震や噴火の被害で御苦労をされている三宅島、神津島、新島、利島などの皆様に心からのお見舞いを申し上げます。 私は、この災害の日本共産党の対策委員長としてこの一カ月半、数度にわたり現地を視察しましたが、観光、農漁業などすべてで甚大な被害をこうむり、住民の不安ははかり知れないものがあります。 総理、政府として二次災害の防止と当面の生活確保に万全を期すために、生活・産業支援、融資など島民の切実な要求に沿った形で東京都とも協議してしっかり対応していただくことを要望したいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 御答弁を申し上げます前に、私からも神津島の地震によりまして亡くなられた方の御冥福をお祈り申し上げますとともに、不安で不自由な生活を余儀なくされておられます方々に対しても心からお見舞いを申し上げたいと思います。 また、今御指摘ございましたように、災害によって被害をこうむった中小企業の方々に対しても災害復旧資金の貸し付け手続を迅速に行っておりまして、先ほど我が党の保坂議員からも、非常に適切に迅速な対応をしていただいたということで島の皆様方が大変喜んでおられたということを聞いて、本当に私もよかったなという、そういう思いで先ほどから保坂議員の御質問も伺っていた次第でございます。 また、火山活動及び地震に対する監視活動を注意深く続けておりまして、住民の方々の安全の確保に万全を期するとともに、速やかな復旧・復興に向けては地元自治体と密接な連携を図りながら政府を挙げて全力を挙げて対処してまいりたい、このように考えております。
○緒方靖夫君 総理、しっかりやっていただきたいと思います。 当面の問題と同時に、幾つかの災害の場合でも個人補償が問題となります。個人の住宅の再建、営業の再建に対する公的支援策も真剣に検討されるよう求めて、次の質問に移ります。 久世金融再生委員長の辞任問題についてお尋ねいたします。 久世氏が参議院比例選挙の名簿順位を当選ラインまで上げるため、党費を名目に巨額の資金を企業に頼んで集めていたという話に国民は驚きあきれております。総理は、二万人の党員獲得が比例候補になる資格条件と言われております。久世氏は、参議院比例選挙の順位が上がるよう、霊友会などを通じて集めた三万三千三百三十三人分の党費としてマンション業者の大京の社長から一億円を自民党に払ってもらったと繰り返し述べております。 我が党の志位書記局長は、二日の衆議院予算委員会での質問で、久世氏が立てかえてもらったと言っている問題についてきちんと明らかにすべきと要求し、総理、あなたは久世議員のその御発言に対して、どういう事実であったのか調査すると答弁されました。その調査の結果を報告していただきたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 自由民主党に対しましてその報告を求めたわけでありますが、先般も申し上げましたとおり、平成三年当時、財団法人自由民主会館では、建物の管理、維持運営費や人件費などに必要な寄附を募っておりまして、その一環として大京からは関連会社等を含め平成三年に合計一億円の寄附を受けておりました。このことは大京側が振り込んだとされております銀行において入金を確認いたしております。当然ながら、当財団法人の収支は適正に処理されておりまして、自由民主会館の人件費を含む管理、維持運営の費用として使用されたものでございますという報告を受けております。 なお、自由民主会館に対する寄附は、党本部の建物等の財産管理、維持運営の費用として使用されるものでございまして、当財団法人から個々の議員に対して支出するということはあり得ないわけでありまして、再調査した結果、自由民主会館から久世議員への支出はない、そういう報告を党から受けておるところでございます。
○緒方靖夫君 総理、それでは答弁になっておりません。 党費の立てかえ問題を調査されると約束されたわけですね。しかし、これでは調査になっていないと思います。 そもそも、久世氏に聞かれたんですか。
○国務大臣(森喜朗君) 久世氏とのお話し合いは、我が党の責任ある人によってそれをされているわけでありまして、我が党として公式な報告を私は受けておりますことを先ほど申し上げたわけであります。
○緒方靖夫君 それでは、あなたの党が調査されて言った久世氏の話、報告、それはどういう内容か言ってください。
○国務大臣(森喜朗君) 久世氏に確認をいたしましたところ、久世氏は、自分は霊友会を応援されていた株式会社大京の社長さんに党員集めの御協力をお願いしておりました。しかし、具体的にどのように処理したかについては、実務を自分がしたのでないのでよくわからないということでございました。 いずれにいたしましても、この件は久世氏の二回目の選挙、つまり平成四年の選挙の際のことでございまして、前回の平成十年の選挙においてはこのようなことはなく、支援団体のそれぞれの党員の皆さんから党費を納入していただいたということを念のために明確にしておきたい、こういうことでございました。
○緒方靖夫君 それではやはり答弁になっていないんですよ。 だって、問題は久世氏が大京から立てかえてもらったかどうか。この問題については、久世氏は再三述べているわけですよ、払ってもらったという確認をしたということを。 ですから、私は全然その話は信用できません。
○国務大臣(森喜朗君) 久世議員の会見メモというものを私はここに持っておりますけれども、この中でも、先般の私の記者会見で、平成三年当時、株式会社大京が一億円を党費の立てかえとして支払ったと申し上げましたが、自民党の調査によれば、一億円は財団法人自由民主会館への党本部建物等の維持管理、人件費などに当たる寄附であったということを承りました。この事実については私は全く知りませんでしたと、このように述べておられます。 会見のときに、私は、十年近く前のことではっきりしたことは覚えておりませんし、どういう事務手続がされたかもよく知らないということを申しました。大京の社長さんが当時私の支持団体である霊友会を応援していただいておりましたので、私からも党員の御協力をお願いしていたのは事実であります。何分とも十年近く前のことであり、事務手続について存じませんので、あるいは私の思い込みの部分があったかもしれませんし、また社長の方から霊友会の職域支部に直接振り込んでいただいたのかもしれません。いずれにいたしましても、この件は私の二回目の際のことでありまして、前回の平成十年の選挙においてはこのようなことはなく、それぞれ支援団体の党員の皆さんから党費を納入していただいたということであったことを念のため明確にしておきたいと思いますと、このような会見のメモも私のところに届けられております。
○緒方靖夫君 いいですか、総理。問題は、久世氏自身が繰り返し、総理が説明された話、自民党が説明された話に対して、それは別の話じゃないかと言われている。そして、総理の話は二、三日前に初めて聞いた、このように述べていますよ、彼の会見でも。それから、彼の辞任の会見のときにはこのように述べている。いいですか。大京の側に、党費として払われた、そのことを私もそのように確認していると述べているんですよ。ですから、今の総理が言われた話、それと久世氏が言っている話、これ違うじゃありませんか。 ですから、私は、この問題、久世氏が一億円を大京から支払ってもらった、この話が一体どうなっているのか、そのことをお伺いしているんですよ。
○国務大臣(森喜朗君) 私も別に創作して申し上げているわけではありません。久世議員の会見のメモを今読み上げさせていただいたし、このことを久世議員から党を通じて報告をいただいたということです。 そして、調べたかということにつきましては、これは党務でございますから、党のしかるべき立場の方にぜひ調査をするようにということをお願いし、党の方から先ほど申し上げたような報告を私は受けております。そのことを申し上げたわけであります。
○緒方靖夫君 そうすると、あなたの説明があります。それから、久世氏がこれまで再三会見でやった説明がある。それは党費として一億円を大京から払ってもらったという話であります。そうすると、自由民主会館への寄附、その一億円と久世氏が言っていた一億円、それは同一のものですか、別のものですか。
○国務大臣(森喜朗君) 今会見でおりませんが、官房長官が党を通じまして久世氏に確認をいたしましたところ、久世氏は、自分は霊友会に応援をされていた大京の社長さんに党員集めの御協力をお願いしていた、しかし具体的にどのように処理したかについては実務を自分がしたのではないのでよくわからないということをおっしゃっておられます。
○緒方靖夫君 総理、あなたは調査されると言われました。ですから、この久世氏の言っている党費立てかえの一億円とそしてあなたが説明された会館への寄附、これが同じものなのか別のものか、それを伺っているんですよ。
○国務大臣(森喜朗君) 私が直接調査をするということは必ずしも適当ではないから、官房長官が久世議員にお会いになってお聞きになっていること、それから、これは党のことでございますので、私は党の総裁という立場で、党の責任ある立場の方にきちんと調査をして報告してくださいということでありまして、これは総理がきちんと調査をしたのかと言われれば、こういう形で調査をしたと申し上げるしかないんじゃないでしょうか。
○緒方靖夫君 いいですか、総理、私の質問は非常に単純なんです。その一億円が同じものなのか別のものなのか、それを伺っているんですよ。ですから、自由民主会館への一億円の寄附と久世氏の言っている党費として立てかえてもらった一億円、それが同じものか別のものか、それを伺っているんです。
○国務大臣(森喜朗君) 久世議員も、具体的にどのように処理したかについては、実務を自分がしたのではないのでよくわからない、こうおっしゃっているわけであります。
○緒方靖夫君 わからないということですね、そうすると。わからないんですか。
○国務大臣(森喜朗君) ですから、そういう報告を、そういうお話を承っておりますから、私の方としてもそのことはわかりようがないじゃありませんか。 しかし、党の方は、こういう形で受け入れた記録がちゃんとございます、こういうふうに銀行の通帳も確認しておりますと、こういう報告を受けているわけです。
○緒方靖夫君 これは、いずれにしても自由民主党の懐に入っている話です。それが一億円、別のものか、違うものか、そういう調査ができない、これはおかしな話です。 そうすると、結局久世氏の言っている一億円、これが大京から入ったもの、いいですか、大京から自由民主会館へ寄附された一億円と違うかどうかはっきり示せない、そういうふうになるじゃありませんか。そうすると、はっきりしたことはわからない、そういうことになるじゃありませんか。それが私は非常に問題だと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 久世議員が御自分でやったのではないのでわからないと言っておられるということを私は報告を受けたということです、官房長官を通じて。しかし、お金についてはちゃんとした記録があって、銀行から財団法人自由民主会館に入っているわけでありまして、自民党の懐に入ったという表現は必ずしも適当ではないと私は思います。
○緒方靖夫君 総理、そうすると、二つのケースが考えられると思うんです。一つは、久世氏からの党費の肩がわりの一億円と会館への寄附としての別の一億円があって、合計二億円が自民党に入ったケース。いいですか。もう一つは、党費として支払ったはずのものを自由民主会館への寄附として扱ったということ。このどちらかということになるんです。 なぜなら、総理は、党員二万は比例候補になる最低の資格条件と明言されました。久世氏は比例候補者名簿に登載されて、二万人基準をクリアしました。それどころか三万三千三百三十三人集めて、一億円納めた。だから候補者になり、それも当選圏内に据えられて当選したわけです。一億円払っていなければ名簿に登載すらされなかった。そういうことじゃありませんか。
○国務大臣(森喜朗君) たびたび申し上げておりますように、大京からの入金は財団法人自由民主会館に支払われているということだけは党として確認をいたしておるということです。 久世議員に関する件につきましては、久世氏自身も御自分で処理していないのでわからないとおっしゃっているわけでありますが、そういう面では、久世議員がそのような報告をされているということから考えまして、御自分が記憶に恐らくはっきり明確にされていない点があるのではないかなというふうに私は想像しております。
○緒方靖夫君 久世氏は三万三千三百三十三人分の党費を集めたと何度も言っているわけです。そして、その分の、それに匹敵する一億円の党費が自由民主党に入った、このことは明白ですね。
○国務大臣(森喜朗君) 大京からの入金は自由民主会館に入っております、この記録は銀行を通じてございましたと、こう申し上げている。
○緒方靖夫君 それじゃ総理、二万人以上が資格条件ならば、二万人分のそれに匹敵する党費が久世氏から入っていることは当然ですね、入金があったということは。
○国務大臣(森喜朗君) それは、党費として党員がそれぞれの支部、地域支部は各県連市町村支部、あるいは職域はそれぞれの職域支部を通じて党員名簿と入金をされているわけでありまして、党本部としてはそれを受け取るということが既定の取り扱い方でございます。
○緒方靖夫君 ならば、入っているということですね。 そして、久世氏が三万三千三百三十三人分の党費を集めたということ、これは、どこからかは別としても、それだけの党費が自民党に入ったということじゃありませんか。それは確認できるでしょう。
○国務大臣(森喜朗君) これはあくまでも、先ほど申し上げましたように支部を通じて党費が支払われるものであって、今議論になっております当該した資金が入ったとか、そういうことは我々としてはそれは把握ができないわけでありまして、あくまでも。ですから、当時その三万三千三百というのは実際はどうであるか私も承知しておりませんけれども、党の記録を見るしか方法がないわけでありますが、そうした記録が今党にはないというふうに私は伺っております、それは平成四年の記録でありますから。
○緒方靖夫君 総理、結局、それだけの党費が入ったということ、このことは否定できないわけですよ。久世氏も、あなたの説明によってもわからないと言っている。そして、あなたも先ほどからその点についてはっきりと答えられなかった。ということは、いいですか、このことが否定できないならば、久世氏を通じて自民党に一億円入ったかもしれない、こう言えるじゃありませんか。このことが大事なんです。 私は、総理が、大京側から自民会館への寄附を結局繰り返す、それは自民党が党費名目で企業から献金をもらったとされるのは困るから、そうだと思うんですよ。 そこで、委員長、この事態を解明するために、久世前金融再生委員長、そして、大京元社長横山修二氏の当委員会への招致を要求したいと思います。
○委員長(倉田寛之君) ただいまの緒方靖夫君の要求につきましては、後刻その取り扱いを理事会で協議させていただきます。
○緒方靖夫君 総理は、衆議院予算委員会で、党費を立てかえて党員をふやすというようなことだけは我が党としてやっていない、このように答弁されております。そう断言できないことは私は非常にはっきりしていると思うんですね。 いいですか。今あなたがわからないと言われた、久世氏もどうか確かめられないと言った。しかし、久世氏が再三言ってきたこと、やってきたこと、記者会見でも国民の前で話したこと、それは大京から一億円立てかえてもらって、それが党費として立てかえられた、そのことであります。そして、立てかえてもらった当事者の久世氏が名簿に登載され、当選圏内に入り、そして現に当選しているということです。この事実こそ、まさに党員獲得の名目で党費を肩がわりしている、このことを示していると思います。 ですから、その点で私は、あなたはそういうことはないと言われるかもしれないけれども、そういうことがあるのではないか、そのように所々の状況から思います。
○国務大臣(森喜朗君) たびたび申し上げて恐縮でございますが、久世議員の会見のメモによれば、何分とも十年近く前のことであり、事務手続については存じませんので、あるいは私の思い込みの部分があったかもしれませんと、このように述べておられるわけであります。久世議員がどれだけの党員を獲得されて、党費がどのようにして支払われたかについては、これは恐らく党として、今この資料は、何しろ平成四年のことでございますので、その資料は残っていないのではないか、そういうふうに思います。
○緒方靖夫君 いいですか。久世氏本人が記者会見であれだけ再三強調した、これが重要なんですよ。総理はそう言われるけれども、企業や業界団体による党費の肩がわりの実態、これはこれまでも多くの事例が示されてまいりました。 例えば、九二年の参議院議員選挙で建設省出身の井上孝元参議院議員がゼネコン団体の日本土木工業協会の主要業者三十数社に党費を負担してもらっていた、このことを明らかにしたことがあります。そのほか何人もの、ここでは一々挙げませんけれども、自民党の参議院議員が党費を肩がわりしてもらったことを認めております。これが実態じゃありませんか。 あなたは、これでも党費立てかえ、そういうことをやって党員をふやすようなことだけはやっていない、そのように言われるんですか。
○国務大臣(森喜朗君) 我が党におきましては、比例代表候補者の名簿の順位を決定するに当たりましては、その都度名簿作成基準というものを作成いたしております。そして、できる限りそのことを選挙を行うたびには、また改善をしたり、いろんな御意見をいただきながら、新しい基準のもとでそうした候補者の順位を決める作業をいたしております。 今、御指摘ございましたけれども、二万人を超えての党員獲得の多寡というのは順位決定の基準としないということもきちんと明記をいたしております。 順位の決定は、支持基盤の状況、党活動への貢献、あるいは本会議や委員会などの国会活動の状況、これは極めて詳しく調査をいたしております。それから、透明性というものも確保しておりまして、さまざまな角度から公平公正に審査を行いまして総合的に判断をいたしております。 したがいまして、比例名簿の順位を上げるためにいたずらに党員獲得をあおっているということはないと考えておりますし、そうしたことが基準になるというようなことは党の執行部では申し上げたことはございません。
○緒方靖夫君 党員の多寡、これが決定的な基準だということはあなた方の党の中からもいろいろ言われております。大体一人の候補者の力で二万人もの党員を獲得する、これはできるわけがありません。だから、企業、団体に頼るんじゃありませんか。 私、手元にゼネコン業界や政治連盟などで構成される自民党の国土・建設関係団体協議会の会則というものを持っております。この第八条には「未加入団体への勧誘活動」、「自由民主党への支援活動」が柱に据えられております。この支援活動の中には党員拡大と党費の肩がわりが当然含まれております。 ことし二月一日の自由民主党の機関紙「自由民主」、ここにはこれらの団体の党員拡大が実績としてさまざまな形で表彰されております。文字どおり党と団体が一体に取り組んでこのような形でやられてきている。 しかも、自民党の組織本部がつくった関係資料、これでありますけれども。(資料を示す)いいですか、この資料には、こうしたやり方が建設だけじゃない、農水、運輸、金融、あらゆる分野で組織立って行われている、このことが明らかになるわけです。 自民党総裁として、こうした事実は否定できないんじゃありませんか。
○国務大臣(森喜朗君) 率直に申し上げまして、私どもこの衆議院の小選挙区の候補者も、大体党員の一つの条件といいましょうか、努力目標といたしまして、選挙区にもよりますけれども、大体四千名から五千名の党員を獲得するように私たちは努力をいたしております。 この衆議院の場合の小選挙区制というのも、これも議員御承知のように、個人の選挙から政党の選挙にしようということでこの制度改革を行ったわけでございますから、私どもとしても、個人後援会ということよりも、党員を獲得することがやはり最も重要なことであるというふうな思いで、そうした衆議院の個人のそれぞれの候補者も党員の獲得の努力目標を持っているわけです。 したがいまして、今、議員が二万人を集めるということは至難のわざだということでございましたけれども、もともとは全国区の選挙制度であったのを、この比例制に参議院の場合も変わったわけですね。ですから、そういう意味では、これ詳しいことを私も詳細に調べておりませんが、大体五十万から六十万で一人の候補者が御当選できるということになるのかなというふうに思いますと、やはりかなりの、これは個人に入れるわけじゃありませんので、個人の名前で投票しているわけじゃありません、政党に投票を求めるわけでありますから、当然それぞれの候補者が党に対する投票を求める、応援をしていただきたいということを真剣に運動をされるわけでありますから、そういう意味では、党員の獲得をするということも、そういう意味では私は大事な政党活動だと、活動だというふうに承知をしております。 そういう意味で、各議員が平常から党員を獲得して、そして個人の名前で投票するのではないということをよく申し上げて、党員の獲得をすることは、私は党の活動としては当然なことだと思っておりまして、何かこう議員は最初からもう一つの目標を考えて、目的を考えて立てかえをやったり無意味に競争しているんじゃないかということをおっしゃっていますが、我が党に対し、私は極めて失礼な言い方だと思います。 我が党としては、そうした基準をきちっと決めて、そしてみんなでまじめに一生懸命党員を獲得しているわけでありまして、ぜひそのことは御理解をいただきたいというふうに思います。
○緒方靖夫君 自民党の党活動のそういうやり方にとやかく言っているんじゃありません。いいですか、結局、そういう目標、これも自由ですけれども、しかしそういうやり方でやると結局は企業、団体に頼るということになる。そして、そういう形ですべての自民党の候補者が動いたらどうなるか。数十億単位のやみ献金が自動的に入ってくる。そういうふうになるじゃありませんか。 そもそも、こういう形でやってお金を集める、党費という名前で。政治資金規正法第五条第二項には、「法人その他の団体が負担する党費又は会費は、寄附とみなす。」とあります。つまり、企業が納める党費は政治献金とみなすことがはっきり書いてあるわけです。あなた方の行為は、党費名目でそうした形でまさにやみ献金と言われてもしようがないような、そういう献金を集めるもの、まさに私は脱法行為ではないか、そのように思います。
○国務大臣(森喜朗君) たびたび申し上げておりますが、党員、なかんずく党費等につきましては、それぞれの支部を通じて党本部に納められておりまして、党の組織、党の支部がそうしたもろもろの注意を十分にしながら、法に定めた枠の中できちんとした党費の支払いをしているものだと私は承知しております。
○緒方靖夫君 総理、あなたが最も尊敬している福田元首相は九二年、朝日新聞で、参議院比例選挙制度について、候補者が党員を何人抱えているかが順位を決める基準になっており、何億という金がかかる。国会のいすを金で買うようなものだ、このように厳しく批判しております。こんな党員集めのやみ献金は、私はやっぱりきっぱりやめていく、このことが大事だと思うんです。このことが求められていると思います。
○国務大臣(森喜朗君) 福田先生の御発言を私は承知をいたしておりませんが、そうしたもろもろの先輩たちの皆さんのそういう御心配をいただいたことなどを常に念頭に置きながら、先ほど申し上げましたように、党としては比例名簿の策定あるいは党員の募集等については明確な基準をつくりながら実施をしているということを御理解をいただきたいと思います。
○緒方靖夫君 私は、こうしたやり方、これがやっぱりさまざまな形で企業、団体によって国会に送られ、そのために議員が働く、そのことが政治をゆがめる、そうした大きな問題になっていることを指摘しておきたいと思います。 次に、企業献金の問題についてですけれども、中尾建設大臣が逮捕されるという大変な事件がありました。私はこの問題というのは、結局特定の建設業者の要求を受け、その利益を図る見返りにわいろをもらって公共事業を食い物にしたという事件だと思います。こういう問題が起こるから企業献金を禁止すべきだ、このように思うわけです。 そこで、国と契約関係にある企業からの献金問題、その点についてお伺いしたい。 今でも国と契約関係にある企業からの献金は公職選挙法で禁止されているはずですけれども、法の百九十九条にはどのように書かれておりますか。
○政府参考人(片木淳君) お答えを申し上げます。 公職選挙法第百九十九条第一項は次のように書かれております。 「衆議院議員及び参議院議員の選挙に関しては国と、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に関しては当該地方公共団体と、請負その他特別の利益を伴う契約の当事者である者は、当該選挙に関し、寄附をしてはならない。」と規定しているところでございます。
○緒方靖夫君 その立法趣旨は何ですか。
○政府参考人(片木淳君) ただいま申し上げました条文が設けられました理由でございますが、その契約の当事者たる地位の取得、維持または公開等を求める代償として相当額の寄附がなされた場合には、そのために選挙及びその後における政治の上に好ましからざる影響の及ぼされるのを防止しようという趣旨から設けられているものと承知しております。
○緒方靖夫君 選挙の公正を維持するために腐敗を伴いやすい政治献金を防止する、それが趣旨なんです。 そこで伺いますけれども、政治資金規正法では国と契約関係にある企業からの献金は禁止されているか禁止されていないか、イエスかノーで答えていただきたい。
○政府参考人(片木淳君) 補助金等を受けておる者に対する規制はございますが、契約の関係はございません。
○緒方靖夫君 禁止されていないわけですよ。 それでは聞きますけれども、公職選挙法百九十九条によって選挙資金を提供していけない者がどうして政治資金を提供できるんですか。
○政府参考人(片木淳君) いろいろ過去に御議論があったようでございますが、国または公共団体と請負関係にある者はそもそも国とは私法上の関係に立つに過ぎず、これを一律に国と特別の関係にある者として規制する必要はないという意見もありというような記述が、今申し上げましたのは昭和四十二年の第五次選挙制度審議会答申の中に書いておるわけでございますが、そのようないろんな御意見があって現在まで立法化されるに至っていないというふうに承知をいたしております。
○緒方靖夫君 この選挙資金と政治資金の問題、その区別の問題、今のお話を伺っても、やはり私は非常に説明になっていないと思います。つまり、この二つの法律があるのは、清潔で公正な政治を実現するために、その根本にある考え方、それはその点にあって同じなわけですよ。ですから、その点について、そもそも私は選挙資金、政治資金、それは区別できるものではない、そしてそれはこれまで広く言われてきたことだと思います。実際にこの二つ区別つきますか。
○政府参考人(片木淳君) 御案内のとおり、公職選挙法または政治資金規正法の中におきまして、選挙と、選挙運動とそれから政治活動というのは明確に区別されて規制をされておりまして、その流れの中で御理解をいただきたいというふうに考えております。
○緒方靖夫君 実態は区別できないんですよ。例えば、いいですか、九六年の総選挙で森首相の政治資金管理団体への献金、これは調べてきましたけれども、選挙期間の十月十二日から二十日までの間に数十社からの建設企業からの献金がされているわけですよ。これが政治資金なら許されて選挙資金なら認められない、これはおかしな話です。ですから、この二つ、そういう関係にあるじゃありませんか。 さらに聞きますけれども、選挙制度審議会の第一次答申は政治と金の関係をどうせよと言っていますか。
○政府参考人(片木淳君) 昭和三十六年十二月二十六日に第一次選挙制度審議会の答申があったわけでございます。お尋ねの点につきまして中身を御紹介いたしたいと思います。 「会社、労働組合その他の団体が選挙又は政治活動に関し寄附をすることは禁止すべきものである。但し、その実施時期等については引き続き検討を加えるものとし、」とされております。
○緒方靖夫君 いいですか、この答申は、選挙と政治活動を区別せずに企業、団体の寄附を禁止せよと言っているわけです。しかし、とりあえずの措置として一定の受注関係にある企業からの寄附禁止も認める、認めざるを得ない、そう言っているものなんです。 そして、第一次答申に次ぐ第二次答申も同じことを再確認して、この考え方というのは、いかなる名目でも企業、団体から献金を受け取ることは選挙、政治そのものを汚すこと、このように見ているわけです。 そこで、私、日本共産党として提案をしたいと思いますが、我が党は企業・団体献金は禁止すべきと主張し、実行しておりますけれども、少なくとも国と契約関係にある企業の政治献金は、選挙、政治活動に区別なくすべて禁止すべきではありませんか。総理にお伺いいたします。
○国務大臣(森喜朗君) 政治資金制度は、政党本位、そして政策本位の政治を目指すという政治改革の理念に沿ったものであるべきと考えております。こうした政治改革の理念を踏まえまして、既に本年から政治家個人に対する企業・団体献金が禁止されたところは御承知のとおりだと思います。 一方、政党に対します企業・団体献金については、最高裁の判例でも、企業は憲法上の政治活動の自由の一環として政治資金の寄附の自由を持つことは認められており、これをおよそ悪と決めつける論拠は乏しいというふうに考えております。 政治資金のあり方につきましては、これは各党各会派で御議論をいただく問題であろうと思いますが、私としては、政治資金は民主主義に必要なコストであって、何よりも国民の疑惑を招かないように政治資金の透明性の確保が大切だと、このように考えております。
○委員長(倉田寛之君) 緒方君、既に時間が参っております。
○緒方靖夫君 最後です。 総理、大変情けないです。これだけ重大事件が起こり、国民の怒りが高まっている。そういったときにこうした部分的な政治資金の禁止、これさえも拒否する。本当に情けないと思います。 私は、その点で、あっせん利得法案の成立を今国会で求めると同時に、政治資金規正、反対、これをすべて禁止する、私たちの党はこれを提出しておりますけれども、これを実現することに全力を挙げる、そのことを述べて質問を終わります。
○委員長(倉田寛之君) 以上で緒方靖夫君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、照屋寛徳君の質疑を行います。照屋寛徳君。
○照屋寛徳君 社会民主党・護憲連合の照屋寛徳でございます。 質問に入ります前に、伊豆諸島群発地震で被災に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げます。 最初に、去る八月四日夜発生した米軍普天間飛行場におけるKC130空中給油機の緊急着陸問題について外務大臣に説明を求めます。
○国務大臣(河野洋平君) 米側とのやりとりを通じて受けた報告によりますれば、普天間飛行場所属のKC130空中給油機が四日午後七時ごろ、四基のエンジンのうち一基の不調のため、念のための予防措置として通常の対処手順に基づいて当該エンジンのみを停止させ同飛行場に着陸したが、何らの人的被害はなく、また着陸に際して何らの損傷もなかったと聞いております。
○照屋寛徳君 KC130空中給油機が緊急着陸をした。しかし、一切情報は米軍から県民に伝えられないわけですね。地域住民は恐怖におびえております。命の縮む思いをやっております。 消防車が出動し、滑走路から逸脱をした、路面がえぐられる、これでも事故じゃないと、こういうふうに米軍は言い張っているんですか。
○国務大臣(河野洋平君) 米側とのやりとりによりますれば、通常の対処手順に基づいて当該エンジンのみを停止させて着陸をした、こういう報告でございます。
○照屋寛徳君 私は、在沖米軍や海兵隊に対して外務省としてその対応を厳しく追及していただきたい、要望申し上げたいと思います。 さて、久世金融再生委員長の問題についてお伺いをいたします。 この問題は、私は、久世さんが更迭されて一件落着というふうにはまいらないと思うんですね。 総理にお伺いいたしますが、やめてしまった、辞任をした、そういう人を任命した総理みずからの任命責任について改めてお伺いいたします。
○国務大臣(森喜朗君) たびたびお答え申し上げておりますように、久世議員が御自分の個人の問題で内閣全体に迷惑をかけてはならないという、そういう御判断もあって辞任を申し出られたわけでありまして、これをお受けいたしました。 御自分で辞任をされるということのような大臣を任命したのは、これは私は深く反省をしなければならぬ、そしてまた、これもたびたび申し上げておることでございますが、まことに遺憾であり残念だと思い国民の皆さんにおわびを申し上げた次第であります。 今後、金融システムの安定化でありますとか我が国経済を自律的回復軌道に乗せていく諸施策、そうした日本新生プランの実現など現在取り組んでおります諸課題に対して、内閣としても一致結束してこれらに当たっていきたい、こういう決意を持っておりまして、そのことによってこれらの責任を果たしていきたい、このように考えております。
○照屋寛徳君 久世さんが入閣リストに名前が挙がった段階でいわゆる告発文が届けられた、こういう話でありますが、この告発文を総理はみずからごらんになりましたか。
○国務大臣(森喜朗君) 私どものところにはいろんなお手紙が参りましたり、あるいはファクスが参りましたり、そうした告発のようなたぐいのものもございますが、それを全部私は見ておりますと大変疲れてしまいます。したがいまして、正直言いましてEメールでも随分入っていることがございますが、一々それを見ることを私としては避けておりまして、久世議員に対する告発文というのも私は目にいたしておりません。
○照屋寛徳君 官房長官、どうでしょうか。
○国務大臣(中川秀直君) 七月四日の組閣前に、まだ私は幹事長代理でございましたが、総理からの御指示で過去の新聞報道を踏まえ、久世先生からお話を伺い、検討させていただいた次第でございます。しかし、御指摘のその告発文の件は、十分承知をしておりませんし、そういうものも見ておりません。
○照屋寛徳君 これは私は、これだけ大きな問題になって、告発文を見ていないというのはおかしいと思いますよ。 ここに私は告発文の写しを持ってきました。この告発文は内閣総理大臣森喜朗殿と書いてあるんですよ。官房長官、こういう告発文に照らして事実を調査したんじゃないんですか。
○国務大臣(中川秀直君) 匿名の投書のようなもので調査をするというのもいかがか、若干問題があるのではないかと存じますが、それはそれとして、いずれにしても総理からは閣僚の予定者、それについてはしっかりと過去の新聞報道も踏まえて調査をするようにと、こういうことで御指示をいただきましたので、その観点からの調査をさせていただきました。
○照屋寛徳君 そうすると、官房長官、この告発文に記載された内容については、事実関係、調査していないんですね、内閣としては。
○国務大臣(中川秀直君) お答え申し上げます。 いわゆる三菱信託銀行関連、また霊友会関連のことは、過去数年前に報道をされておりましたので、それにつきましては調査をいたしました。その結果、御本人からも、既にきちんとされている過去の問題だと、また法律上も問題がないという御説明でございましたので、そのように承知をし、総理にも御報告をさせていただいたのでございます。
○照屋寛徳君 総理大臣、私は先ほどお手紙という話をしていない。お手紙のようなものじゃないんですよ。もっと大事なことが書かれているんです。 それでは、内閣の閣僚リストに挙がった者で、久世さん以外にこういう告発文が出されたという情報に接しておりますか。
○国務大臣(森喜朗君) 私は、そうした投書でありますとか手紙でありますとか、きちんとお名前を書いて御自分の住所もしっかり書いてございました、そういう方に対しては私は手紙を拝見いたしますけれども、匿名のような形、ましてファクスで入るというのは、いろいろ入っております。ですから、そういうものは私は見ておりません。
○照屋寛徳君 これは私は、匿名だからということじゃなくして、ここに記載されているのはこれは内閣にとって大変大事なことで、これをきちんと手当てしなければ森内閣の支持率下げますよと、こういうことまで忠告されているんですね。 それ、改めて私は写しを差し上げますから調査してください。官房長官、どうでしょうか。
○国務大臣(中川秀直君) 御指摘をいただきましたその点につきましては、その後も累次の報道で承知をいたしておりますし、また現物を私は見ておりませんが、そこに指摘されている事項については、その後、総理からの御指示もございまして、大京関連の問題についても調査をさせていただきました。それは先ほどから総理がお答えしているとおりでございます。
○照屋寛徳君 この件については久世さん御本人が、党費を立てかえてもらった、当選可能な比例代表の順位に滑り込むために大京から一億円立てかえてもらった、三万三千三百三十三名分の党費を立てかえてもらった、こういうことを言っているわけですね。 もしそれが事実であれば、これは私は大変なことだと思いますよ。それが事実であれば、金で国会議員の地位を買い、国会議員になって金もうけをする、こういうことが許されておるということになりませんか、官房長官。
○国務大臣(中川秀直君) 大京関連の問題につきましては、任命時において十分我々承知をしていたわけではございません。しかし、その後、久世氏本人は、この大京関連の資金については久世氏個人に支払われたものではないと御説明をされたということも承知をいたしております。 そして、総理からの御指示もございまして、どういう事実であったかということを党を通じて久世先生にも事情も伺いまして確認をさせていただきました。久世氏は、自分は霊友会を応援されていた株式会社大京の社長さんに党員集めの御協力をお願いしていた、しかし具体的にどのように処理したかについては自分が実務をしたのでないのでよくわからないということでございました。 いずれにしても、この件は久世氏の二回目の選挙、平成四年の選挙の際のことであって、前回十年の選挙においてはこのようなことはなく、支援団体それぞれの党員の皆さんから党費を納入していただいたということを念のため明確にしておきたいということでございました。 そして、先ほど来総理が御答弁申し上げていますとおり、党の方の調査によりますと、自由民主会館に合計一億円の寄附を維持費や管理費、人件費といったようなことで大京から振り込まれて、そして大京が振り込んだとされる銀行においてもその入金を確認させていただいている、そしてまたその使用については人件費を含む管理運営の費用として使用されたものである、当該自由民主会館から個々の議員に対して支出することはあり得ないけれども、再調査した結果も自由民主会館から久世議員への支出はないという報告がなされているところでございます。 そして、久世氏自身も先般の記者会見では、これにつきましても何分とも十年近く前のことであり、事務手続については存じませんので、あるいは私の思い込みの部分があったかもしれませんと、このように述べておられることを私は承知をいたしております。
○照屋寛徳君 官房長官、今、久世氏の記者会見に触れられました。八月四日の記者会見で今、官房長官がお述べになったようなこともおっしゃっておりますが、別の一億円だったかもしらぬと、こういうこともおっしゃっていることは承知しておりますか。
○国務大臣(中川秀直君) ちょっとそこは私完全に確認はいたしておりませんが、そのようなお話もあったようにマスコミの方から伺いましたけれども、いずれにしても、会見のメモという形で私どもにいただいているものには私が申し上げたようなことになっております。
○照屋寛徳君 総理は、この大京からの一億円について、繰り返し当委員会でも、平成三年に財団法人自由民主会館に寄附があったものだと、こういうことをおっしゃっておりますが、この寄附と別に党費の立てかえがあったんだと、こういう視点からの調査はなされたんでしょうか。
○国務大臣(森喜朗君) 先ほどからも申し上げておりますように、党のしかるべき責任ある立場でこれを調査をしていただきたいということを私から命じまして、先ほど官房長官また私からも申し上げたような党からの報告でございます。 また、御本人の会見のメモにも語っておられますように、私の思い込みの部分があったかもしれませんということも述べておられますように、私どもとしては、自由民主会館に支払われたものについては、これは銀行の記録もきちんと残っておるということの報告を受けております。 党員、党費につきましては、私どもはそのことは定かに調べる方途がないわけでありますが、先ほどおっしゃったように、御自分でやったことでないと御本人もおっしゃっておられます。 ただ、党としては、党費はあくまでもそれぞれの支部を通じて党員の申し込みがあり、党費がその後自動的に支払われてくるものだと、こういうふうに私は理解をいたしております。
○照屋寛徳君 久世さんは三菱信託銀行から二億三千万円の利益供与を受けていたことをみずから認めました。この三菱信託銀行は国民の税金による支援を受けているんですね。三千五百億円の資本注入を受けている会社なんです。私はもうとんでもないなというふうに思います。 この事実が出た段階で、総理は、組閣前に事実を聞いておったが法的に問題ない、こういうことを記者会見ではおっしゃっておりますが、法的に問題ないというのはどういう意味なんでしょうか。
○国務大臣(中川秀直君) お答え申し上げます。 第一点は、三菱信託銀行から顧問に依頼をされて就任をされたということでございますが、これは議員になる前の昭和六十年、自治省を退官してから就任をしていた。議員当選後は、それも続けたわけだけれども、毎年参議院議長あて報告書を提出し、所得報告書にも記載するなど正規の手続をとっていたと、こういうことでございました。 それから、御指摘にあった事務所の提供のことでございますが、これも当初、三菱信託がつくった研究会の事務所であって、久世氏はその研究会の座長をお引き受けになったということで、その間のこの事務所は久世氏本人の事務所ではなく、その研究会の事務所であったと。その後、御自身の事務所に、この研究会が終わられたんでしょうか、転換をされて久世氏自身がその経理処理もしてきたと、こういう御説明でございました。 確認したところ、そういうことであったということで、総理にも法律上の問題ということには直ちに当たらぬということを御報告した次第でございます。
○照屋寛徳君 官房長官にお伺いいたします。 大京関係はお調べになったということでしたが、この告発文には、大京から大京の関係者の孫の裏入学資金として一億円が渡った、こういうことも記載がある。このことについてはお調べになりましたか。
○国務大臣(中川秀直君) 久世氏自身は、そのようなことは絶対にないとおっしゃっておられます。また、その久世氏自身がおっしゃっていることを否定する材料、今、委員がおっしゃったようなことを証明する材料、私どもにはございません。
○照屋寛徳君 私は、久世氏に渡ったとは言っておりません。久世氏に渡ったのか、あるいは自由民主会館に渡ったのか、そこを私は聞いているわけじゃないんです。事実関係はお調べになったと言うから結構でしょう。 いずれにしろ、この問題については、久世氏の再三の言い分と総理の予算委員会における説明と食い違っているわけですね。 委員長、私は、久世氏の参考人招致と、それから大京の当時の社長を参考人として招致をしていただきたい、呼んでいただきたいということをお願いいたしたいと思います。
○委員長(倉田寛之君) ただいまの照屋寛徳君の要求につきましては、後刻その取り扱いを理事会で協議させていただきます。
○照屋寛徳君 それでは次に、中川官房長官の献金問題について二、三お伺いをいたします。 八月二日にマスコミで報道された、実体のない三つの政治団体からの、政治資金規正法の上限を超える個人献金を集めておったというのは事実でしょうか。
○国務大臣(中川秀直君) 御指摘の三つの団体が、政治資金規正法に基づき政治団体の設立の届け出がなされまして、以後毎年、この法律に基づいてそれぞれの政治資金収支報告書の提出がなされているということは聞いております。それぞれの団体は、私を後援する方々がそれぞれの意思で設立されたもので、以前から私の政治活動を支援してもらっていると承知をいたしております。 報道を受けまして事実関係を調査したところ、委員御指摘のように同一個人が複数の政治団体に寄附をいただき、結果として私の政治資金管理団体に年間百五十万以上の金額を献金いただいたケースがあったということは報告を受けております。
○照屋寛徳君 平成九年に、会社役員をしておられる方お二人から八百五十万円の献金があったんですね。
○国務大臣(中川秀直君) そのように報告を受けております。
○照屋寛徳君 自治大臣にお伺いいたします。 政治団体である耕道会、未来経済研究会、育秀会の場所や電話番号、代表者及び会計責任者はだれでしょうか。
○政務次官(荒井広幸君) お答え申し上げます。 御指摘の三つの政治団体につきまして、平成十年の収支報告書を確認いたしました。 耕道会。主たる事務所の所在地は港区虎ノ門一の二の二十虎ノ門十九森ビル七階、代表者奥谷求、会計責任者立花隆治、電話番号〇三—三五九三—三五一一。 未来経済研究会。主たる事務所の所在地、港区虎ノ門一の二の二十虎ノ門十九森ビル七階、代表者長屋隆夫、会計責任者立花隆治、電話番号〇三—三五九三—三五一一。 育秀会。主たる事務所の所在地、港区虎ノ門一の二の二十虎ノ門十九森ビル七階、代表者中田乙一、会計責任者立花隆治、電話番号〇三—三五九三—三五一一と、それぞれ記載されております。
○照屋寛徳君 官房長官、今御説明ありました立花さんとはどういう御関係でしょうか。
○国務大臣(中川秀直君) 私の事務所の秘書でございます。
○照屋寛徳君 今お聞きをしますと、この三つの団体は、同じ場所に主たる事務所を構えて、電話番号も同一、会計責任者も同一ですね。そういうことを官房長官は認識をしておられましたか。
○国務大臣(中川秀直君) それぞれの団体は、例えば耕道会は五十一年、未来経済研究会は六十年、育秀会は昭和五十二年、それぞれ違う代表者によりまして、それぞれのまた代表者の、後援をする方々が自分の意思で設立されたものでございます。異なる時期に政治資金規正法に基づきまして政治団体の届け出がなされておりまして、ただいま自治省荒井政務次官から御答弁申し上げたとおり、それぞれの団体の代表者も設立当初より異なる方が就任されていたものと承知をいたしております。
○照屋寛徳君 自治大臣にお伺いいたします。 今指摘をした三つの政治団体は献金以外の収入はありますか。また、その団体から官房長官の政治資金管理団体である秀政会以外への支出はあるんでしょうか。
○国務大臣(西田司君) ちょっと御質問とお答えの食い違いがあるかもしれませんけれども、ちょっと我慢してください。 政治資金規正法においては、個人が複数の政治団体に対して法に定める限度額の範囲内で政治活動に関する寄附を受けることは同法に違反するものではないと、私はそう理解をいたしております。また、当該複数の政治団体が同一の候補者の資金管理団体に対して寄附をする場合には金額の制限はなく、当該寄附をすることは同法に違反するものではないと、こう考えております。 なお、個別の事案について具体的に判断されるものでございまして、実態調査権のない私どもからいろいろお答えをすることは差し控えたいと、こう考えております。
○照屋寛徳君 わざわざ長々と食い違いの答弁をされておる、珍しいですね。 どうですか自治省、答えてください、さっきの質問。
○政務次官(荒井広幸君) 平成八年、九年、十年にはございません。
○照屋寛徳君 結局、この三つの政治団体は、私は、これは脱法行為をするための受け皿団体ですよ。合法的な装いを凝らした違法献金だと思いますが、官房長官、正直にお答えください。
○国務大臣(中川秀直君) 御指摘の団体に携わっている者に私の事務所に勤務する者がいたことは事実でございますが、いずれにしても私自身の団体ではなく、詳細には承知しておるわけではございません。しかし、いずれも設立年月日もまた代表者もそれぞれ異なり、以前から私の政治活動を支援していてもらったものとは承知をしておりました。 今、自治大臣からも御答弁ございましたとおり、政治資金規正法においては、個人の方が政治家を応援する目的等々で複数の政治団体に対して法律に定める限度額の範囲内で政治活動に関する寄附をすることは同法に違反するものではないと承知をしております。また、当該複数の政治団体が同一の候補者の資金管理団体に対して寄附する場合も金額の制限がなく、当該寄附することは同法に違反するものではないと承知しております。 しかし、法律では適法だとは存じますけれども、今回こういう御指摘もございまして、今後十分に注意して対応していく必要があると十分認識をいたしておりまして、今般三つの団体についてそれぞれの代表者にお願いをし、直ちに解散手続をとっていただくようにお願いをして御了承いただいたと承知をいたしております。
○照屋寛徳君 長官に関係のない団体にあなたが解散を指示するというのもおかしな話ですね。 自治大臣、政治資金規正法の二十二条と十九条はどういう趣旨でつくられておるのですか。
○政務次官(荒井広幸君) 立法趣旨でございますが、政治資金規正法第二十二条は、同一の者から同一の者に対する寄附の個別制限を定めた規定でございます。その趣旨は、巨額の政治資金の授受が癒着を引き起こさないように、こういう視点からこれを防止するために設けられたものでございます。 また、政治資金規正法十九条のお尋ねでございますが、資金管理団体の届け出等を定めている規定でございます。その立法趣旨は、公職の候補者個人の政治資金についてその資金管理団体で取り扱うことで候補者の、公職の候補者でございますが、公私の峻別の徹底を図ろうとする、そういう趣旨でできているものでございます。
○照屋寛徳君 私は、この問題については官房長官、しっかりしていただかないと、国民の目から見たら、それは合法だ合法だといっても合法性を装った脱法行為としか思わないんですよ。だからあなたも、お願いをしたかもしれませんが、解散を指示したんじゃないでしょうか。そういうふうに思いますよ。
○国務大臣(中川秀直君) その御指摘の個人献金について、私もその経緯を十分知っておればこういうことはなかったのでありましょうが、詳細は承知していないのでありますけれども、地元並びに同窓の本当に若いころからの支援者によるものであって、目いっぱいに応援したいということで複数の政治団体に寄附をされたと。それが結果的に私の政治資金管理団体の段階において結果として一本化されてしまったと、こういう報告でございまして、決して意図的にやったということではないと思っておりますが、しかし、いずれにしても、私がその団体に対して解散の指示をするなどという立場にはございませんが、適法であっても、今お話しのあったような個人献金制度の趣旨からすると御指摘を受けるような点もあると考えまして、その事情を御説明して、今後十分注意して対応していく必要があると、そういうことでぜひ代表者の方々に御理解いただきたいということで直ちに解散手続をとっていただいたと、こういうことでございます。
○照屋寛徳君 では、総理に中尾元建設大臣の件についてお伺いいたします。 中尾元建設大臣が、建設省発注の公共工事、これの受注高をふやしたい、こういうことで指名参加の指定を受けたい、そういう請託を受けて報酬として三千万円を受け取った、こういうことで逮捕されました。別件でも四千万あるという報道もあります。 この事件について、総理はどうお思いになっておりますか。
○国務大臣(森喜朗君) 中尾元建設大臣が逮捕されたということについては極めて遺憾なことであると思っております。 詳細、建設大臣の方でお調べをいただいておりますけれども、そのことによって、特別の公共事業等によって便宜を与えたというようなことは私はないと承知をいたしております。
○照屋寛徳君 社会民主党は連立与党のころから、国会議員が口ききをして報酬を得る、こういういわゆるあっせん利得を罰する、こういう法律をつくろうということをずっと提起をしてまいりました。 あっせん利得罪法案を立法化することについて、総理はどのようなお考えを持っておられますか。
○国務大臣(森喜朗君) いわゆるあっせん利得罪の法制化につきましては、野党の皆さんが共同して法案を提出しておられますことは十分承知をいたしております。 与党は今、三党間におきましてもプロジェクトチームを設けて協議をいたしておるところでございまして、私といたしましては各党各会派の間におきまして十分な議論がなされることが基本であると考えております。 法制化に当たりましては、その目的について十分吟味をした上で、解釈次第で適用範囲が変わることがないように犯罪の構成要件を明確にする必要があると考えております。国会議員は国民の要望を幅広く行政に反映させる機能も果たしているわけでありまして、こうした機能を阻害することがないように配慮するということも必要であるというふうに考えております。 いずれにいたしましても、議員から御指摘がありましたように、処罰の対象なども含めまして幅広い点につきましてぜひ十分な御議論をいただきたい、私といたしましてはできるだけその結論も速やかに出していただきたいと、こういうふうに希望いたしております。
○照屋寛徳君 私は、この中尾元建設大臣の逮捕事件で見えてきたのは、公共工事を食い物にする、あるいは公共工事をめぐって政治家とやみの勢力とそして大手のゼネコンが癒着をするという構図が明らかになったんじゃないかと思うんですね。もはや国民の声は、私は、そのあっせん利得罪法の成立、先送りをしたらだめだ、それを先送りをしては真の政治倫理の確立はできない、こういうことが私の思いであり、そして社会民主党の思いであり、国民の声だと思うんですね。 したがって、臨時国会の私は会期を延長してでもこの国会で成立を図るべきだ、こういうふうに思っておりますが、総理の決意を改めてお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 先ほど申し上げましたように、今、与党の三党で議論を始めたところでございます。もちろん、自由民主党も議員御承知のように平成十年にはこの法案を作業もいたして提示をいたしたのも御承知だと思いまして、決して我が党がそれについて腰が引けているということではございませんが、先ほど申し上げましたように、十分議論を尽くしていただきたい、このように考えておりますが、できる限り早い結論を出していただきたいと、政府としてはそのように望みたいと思っております。 どの国会でどう議論をするかということについては、これは私の立場で申し上げることではなくて、やはり国会の場で御議論をいただき、国会でお決めをいただくことではないかというふうに承知をしております。
○照屋寛徳君 総理、自民党の幹部の中には、あっせん利得罪が成立をすると日常の政治活動が全くできなくなると、こういうふうに公言してはばからない人もおるんですが、総理もそういうふうにお考えですか。
○国務大臣(森喜朗君) 先ほど申し上げましたように、既に協議が始まっておりますから、できるだけ十分な議論をしておまとめをいただきたいということを希望いたしておると、こう申し上げておるわけです。 ただ、一点、先ほど申し上げましたように、解釈次第ではこの適用範囲というのが変わることがあってはならないように、そのことがまた議員活動というものを、機能というものも、これを果たさないということになってはいけないということから、その点については十分議論をしていただきたいと、こう申し上げているわけでありまして、たびたび申し上げておりますように、できるだけ早い結論を得るように私としても切望しておると、このように申し上げております。
○照屋寛徳君 総理はしきりに法律の構成要件の話もしておられます。当然であります。そういう法律をつくるからには、やはり厳密な構成要件を定めるというのは、これは立法をする者としては私はごくごく当たり前のことだと思うんですね。今大事なのは、政治と政治家の責任で国民の信頼を取り戻すためにも、私は速やかにあっせん利得罪法を立法化することだろうと、こういうふうに思っております。 さて次に、サミット、日米首脳会談について幾つかお伺いいたします。 七月の二十二日に、日米首脳会談で、続発をした米兵犯罪についてクリントン大統領は総理にどのような御説明がありましたか。
○国務大臣(森喜朗君) 先般の日米首脳会談におきまして、本件につきまして、私から、遺憾な事件の再発防止のために綱紀粛正を徹底し両首脳で協力して沖縄の人々の気持ちにこたえていきたい旨の発言をいたしました。これに対しましてクリントン大統領からは、一連の事件に対する県民の方々の気持ちを踏まえた上で、大変申しわけないことでもあるし恥ずかしいことだとの話がございまして、強い遺憾の意が表明をされました。
○照屋寛徳君 外務大臣、今、クリントン大統領は森総理に遺憾の意を表明したと。外務省はクリントンが謝った、謝罪をした、こういうふうに発表をしたんじゃありませんか。
○国務大臣(河野洋平君) クリントン大統領は、日米首脳会談の席上、大変丁寧な物の言い方で今、総理がお話しになったようなせりふを言われたわけでございます。これは同席をいたしておりました双方通訳がそれぞれ申しております。私も同席をしておりまして、大変大統領としては胸中非常につらいという、そういう御発言であったというふうに聞きました。 外務省として謝罪をしたと発表したというふうには私は承知しておりませんが、私の印象は今申し上げたような印象でございます。
○照屋寛徳君 九五年九月に小学生の少女が海兵隊の三名の兵士によって暴行されました。本当に胸が張り裂けるような事件であります。それにもかかわらず、七月三日未明に家族と一緒に寝ておった女子中学生が襲われる、あるいは七月九日にひき逃げ事故が起こる。私は、これはもう沖縄にあれだけの膨大な基地があるがゆえの、軍隊あるがゆえの構造的な暴力だと思いますよ。 それについてアメリカ政府はわざわざ二十三日に記者会見をして、残念であるとは言ったけれども謝ってはいない、こういうふうに記者会見しているんですよ。そのことを外務大臣知らないんですか。
○国務大臣(河野洋平君) アメリカ側は遺憾の意の表明をしたというふうにたしか言っておられると承知しております。
○照屋寛徳君 だから謝罪をしていないんです。これだけの事件で謝罪もしない、沖縄まで来て。沖縄の人を何と思っているんですか。私は本当に悲しい。そして怒りを覚えますよ。九五年以降、よき隣人になりたいと言った。よき隣人が寝ている中学生を襲いますか。これはまさに悪しき犯罪者である。 ところで、森総理、十五年使用期限問題については日米首脳会談ではどういう具体的なお話がありましたか。
○国務大臣(森喜朗君) 先般の日米首脳会談の際、普天間飛行場の移設につきましては、私から、代替施設に関する使用期限の要請については既に貴国政府との話し合いの中で数回にわたり取り上げたところであり、今後、国際情勢の変化に対応して、同飛行場の代替施設を含め、在沖縄米軍の兵力構成等の軍事態勢につき貴国政府と協議していくこととしたい。我が国としては、国際情勢の肯定的変化のための外交努力も積み重ねていく考えであり、右についても貴国と協力していきたい、こういうふうに述べました。 これに対してクリントン大統領からは、在沖縄米軍を含む在日米軍の兵力構成等の軍事態勢については、SACOの最終報告及び一九九六年の日米安保共同宣言を踏まえ、日本側と緊密に協議をしていきたいという旨の言及がございました。 これを踏まえまして、政府としては今後とも昨年末の閣議決定に従って適切に対処してまいりたい、このように考えております。
○照屋寛徳君 総理、私はいつかも申し上げましたが、アメリカ軍の捕虜収容所で生まれて、五十五年、基地の島沖縄で生きてまいりました。私はもうこれ以上沖縄に米軍基地をつくらすのに反対であります。 この十五年使用期限問題については、稲嶺知事も岸本市長も、それが県内受け入れの条件なんだ、こういうことを言っているということは承知しておられますか。
○国務大臣(河野洋平君) 今、総理からも御答弁を申し上げましたように、稲嶺知事あるいは岸本市長から、普天間基地の移設につきまして非常に積極的に取り組んでいただいたわけでありますが、昨年、移設先候補地の表明及び受け入れを表明されたわけでございます。 政府としては、この知事や市長の表明を踏まえて、政府としての取り組み方針を閣議決定したわけでございますが、その閣議決定の中には、沖縄県知事及び名護市長から要請がなされたことを重く受けとめ、これを取り上げていくと、こういう閣議決定になっております。
○照屋寛徳君 総理、クリントン大統領には使用期限は十五年ですよと具体的におっしゃったんですか。
○国務大臣(河野洋平君) 日米首脳会談の席上、使用期限についてはというふうに総理は言われました。 これまでも使用期限につきまして、防衛庁長官あるいは外務大臣がそれぞれ米側とはこの問題を取り上げてきておりますから、その脈絡からいって総理の御発言は十分先方に通じたと思っております。
○照屋寛徳君 総理、具体的に十五年とおっしゃったんですね。
○国務大臣(森喜朗君) 外務大臣が申し上げたとおりでございます。
○照屋寛徳君 外務大臣、具体的に十五年と言ったんですか。
○国務大臣(河野洋平君) 先ほど御答弁を申し上げましたように、使用期限についてはということを総理から言われたわけでございます。
○照屋寛徳君 私は、今の総理と外務大臣の答弁を聞いて、言っていないと、こういうふうに断言したいと思います。 ところで、これ、外務大臣ごらんになりましたでしょう。(資料を示す)劣化ウラン弾の薬きょうであります。これが民間地域に流出したんです。 これについての放射能調査の結果はどうでしたか。
○国務大臣(河野洋平君) 知らせを聞いて、外務省、科学技術庁その他専門家が参りまして調査をいたしました結果、問題はないという結果だと報告を受けております。
○照屋寛徳君 科学技術庁長官にお伺いいたしますが、劣化ウランは核燃料物質でしょうか。
○国務大臣(大島理森君) 当然に原子炉等規制法の対象になります。
○委員長(倉田寛之君) 照屋君、時間が参っております。
○照屋寛徳君 日本国内での劣化ウランの使用は許されていないはずですよ。これは核燃料物質なんです。こういうものがたとえ薬きょうとはいえ民間地域にまで流出する、これが基地沖縄なんです。しかも、これがどこで使われたのか、湾岸戦争で使われたのか沖縄県内で使われたのか、これすら明らかにされない。 流出経路、使用経路は判明しましたか。外務省は要請したんでしょう、アメリカに。何と言っているんですか、アメリカは。最後にそれをお伺いいたします。
○国務大臣(河野洋平君) 鳥島誤爆事件と私ども仮に申しておりますけれども、恐らくそのときのものであろうというふうに……
○照屋寛徳君 鳥島。全然違うよ。しっかり答えてくださいよ。
○国務大臣(河野洋平君) 失礼しました。 今お示しになりましたものを含めて、米側の調査結果によりますれば、本件薬きょうはおのおのの記載番号より、一九九五年十二月に鳥島射爆場において劣化ウラン弾誤使用事件が発生する二週間前に在沖海軍から在沖海兵隊に渡された劣化ウラン弾のものであるという報告を聞いております。 さらに、米側説明によりますれば、一般的に、在沖縄米軍において使用済みの弾薬の薬きょうについて使用済みであることが確認された後、牧港補給廠にあるDRMOを通じて他の鉄くずとともに払い下げられるものだと聞いております。
○照屋寛徳君 私は、基地沖縄の苦悩をしっかり総理は受けとめて、そして各般の政策の中で実行力を発揮していただきたい、リーダーシップを発揮していただきたいということを強く申し上げ、同時に外務省も、やっぱりもっと主権国家として、独立国家としてしっかりしてもらいたいということを強く申し上げて、終わりたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 御指摘をいただきましたので、私どももなお米側とは十分連絡をとるつもりでございますが、日米安保条約というものは、日本、アメリカ双方で合意の上、日本が基地を提供し、米側がそこに駐在をして、そして日本及び極東の平和と安全のためにお互いに努力をしているという存在でございますから、しかも九九%の人たちはよき隣人として努力をしているというふうに私ども考えております。
○委員長(倉田寛之君) 以上で照屋寛徳君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、堂本暁子君の質疑を行います。堂本暁子君。
○堂本暁子君 初めて森総理に質問いたしますが、沖縄サミットの折には京都議定書の発効に関する総理の強力なリーダーシップを、強力以上に強引なほどのリーダーシップを期待していました。でも、残念なことに共同コミュニケには二〇〇二年までという大事な文言が入っておりません。 この十一月にオランダのハーグでCOP6、気候変動枠組み条約の第六回の締約国会議が開かれますが、それまでにやはりCOP3のホスト国であった日本、そして沖縄サミットのホスト国であった日本として総理はどのようなリーダーシップをこれから発揮なさるのか、伺わせてください。
○国務大臣(森喜朗君) 九州・沖縄サミットのコミュニケはG8各国との調整の上で作成をしたものでございまして、その結果、京都議定書の発効期限につきましては、今、議員が御指摘のように、強力なイニシアチブを発揮しなかったのではないか、そういう御指摘がございますが、具体的に二〇〇二年という期限が入らなかったということを指摘されているんだろうと思います。 こうした期限を明確にするということももちろん私は重要だと考えますが、サミットはG8の参加国すべてがやっぱり合意をする、合意を得るということが大事でございまして、残念ながら難色を示すサミット参加国もあるということも御承知だろうと思います。そういう中でこういう取りまとめをせざるを得なかったということはぜひ御理解をいただきたいと思うわけでありますが、なお、今、堂本委員から御指摘のように、我々としてはさらにそのことをこれからもできる限りの可能性を求めて各般にわたって努力していきたい、このように考えております。
○堂本暁子君 十一月にCOP6がありますが、それまでにはいかがでしょうか。
○国務大臣(森喜朗君) 努力をしたいと思っております。
○堂本暁子君 次に、ベビーホテルの質問をさせていただきますが、神奈川県大和市のスマイルマム大和ルームというベビーホテルで一歳八カ月と二歳二カ月の男の子二人が死亡するという悲惨な事件が起こりました。 二十年前にも同じような事件が起こっています。私は当時TBSの記者だったんですが、一年間にわたってキャンペーンを行いました。小さい白いお棺がベビーホテルから出ていくのを、その姿を撮りながら、今でも目に浮かぶんですけれども、その当時、来る日も来る日も予算委員会で与党、野党両方の質問が続き、問題が取り上げられ、衆参両院でベビーホテルに対する規制を強化するということの決議も社労委員会で採択されています。一体あのときの子供たちの死は何だったんだろうか。 それから、厚生省は、何としてもこういったベビーホテルは認可保育所に吸収するんだという方針も出されたし、今急にふえていましたから、最近は、二月以後ですけれども、国民福祉委員会で緊急の調査と規制の強化をすべきだということを前丹羽厚生大臣に私はさんざんお訴えをしてまいりました。しかし、十分な手だてが図られる前に、そのやさきにまた赤ちゃんが亡くなる。そして、全国で亡くならないまでもいろいろな事件が起こっているんではないかということが予想されます。 これは本当にあの当時あんなに国会の場で皆さんが熱心にやってくださって児童福祉法の改正にまでこぎつけたにもかかわらず、どうして二十年たってまた同じことを繰り返しているのか、大変残念に思っております。 そこで、厚生大臣に伺いとうございますが、三点伺います。 第一に、八一年以降、各都道府県とどれほど協議され、そして閉鎖命令を出されたのかということが一点。二番目に、記録を見ると、二十年間に毎年三分の二のベビーホテルが指導基準に達していません。なぜそれをほっておいたのか、なぜ調査しなかったのかということです。三番目に、児童福祉法の五十九条には厚生大臣と地方自治体の知事に権限があると書いてありますけれども、国は県に責任を押しつけるのではなく、国の責任を明確にすべきだと思います。 御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(津島雄二君) お答え申し上げます。 ベビーホテル問題は、委員がマスコミにおられたときに大変に大きな世論の注目を集められて、私は大きな成果を残されたんだと思いますが、しからばその状況がどうなったかと申しますと、私は、率直に申しますと、当時はベビーホテルへ入っておられる児童数は一万人ぐらいであったと思いますが、今二万人ぐらい入っておられると。つまり、決して事態は改善されていないということを私は率直に認めなきゃいけないと思います。 なぜそうなったかというようなこと、またこれは時間をかけていろいろな機会に議論させていただきたいのでございますけれども、今の御質問に即してまずお答えを申し上げますと、厚生省としては、当面の指導基準とか処遇面にかかわる重点的な着眼点を定めて、都道府県に立入調査等の指導という形でやってまいりましたし、やらざるを得なかったと。 そして、この点でもう一つ申し上げますと、地方分権の流れの中で、この保育行政というのは自治事務になった。これは全体の流れでございますから、私どもとしてはその流れに従わざるを得ないわけでありまして、そのことが第三点の御質問になるわけでありますけれども、国として一体どういうふうに対応するかという御質問になってくるわけでありますが、とにかくまず保育という仕事は自治体が法律上第一義的な権限を与えられている。そういう中で私どもはどういうふうに事態を改善していくかということで、法的には地方団体が担っておりますけれども、私どもはそれでよしとすることなしに、地方団体との連携を図りながら、質の悪い認可外保育施設に対しては的確な措置がとられるように連携をしてやっていく以外にはないと思っております。 そして同時に、国の施策として、できるだけ認可した保育所が具体的なニーズにこたえられるようにやっていくことが必要だ。例えば、認可保育所がございましても、夜間保育はやらない、延長保育はやらないというような認可保育所ばかりではどうしてもそれは無認可に行かざるを得ないわけでありますから、予算的にも制度的にも、そういうことをだんだん減らしていくために、認可保育所がそこの部分に入っていってくれるように最大限の努力をこれからはやらなきゃいけないというふうに考えております。
○堂本暁子君 厚生大臣、児童福祉法の五十九条には、無認可保育所に対する調査を行う行政長としては厚生大臣または都道府県知事というふうに明確にわざわざ書いてあります。ですから、地方のせいばかりにはできないというふうに思うので、改めてここで国の責任を確認させていただきたいと思いますが、同時に提案もさせていただきたいと思います。 事件の最大の理由は保育のベビーホテルにおける密室性なんですね。ですから、このような密室性をなくすために施設長やそれから保育者に対する研修、それから認可保育所の分園化なんかが必要だと思います。また、ベビーホテルの利用者に対して、月一回は認可保育所を開放するような施策が必要だと思います。これに厚生大臣にお答えいただきたい。 そして、総理に、総理は所信表明でも保育サービスを充実するとおっしゃった。そして、二十年前に鈴木善幸元総理は、ベビーホテルについては全般に総合的な対策を立てると二十年前におっしゃった。それがちゃんとされていないんです。そのことを森総理は、今二十年後どういう御覚悟か。 まず厚生大臣に伺って、そして最後に森総理にお答えいただいて、私は終わります。
○国務大臣(津島雄二君) 認可外保育施設について保育従事者の研修を行い、そこで保育サービスの質を少しでも向上させる、これはもう当然のことでございます。 それで、一番私どもとして手をつけやすいのは事業所内の保育所、これは実は認可外施設になっておるわけでありますが、ここに我々が協力をして、従事者の研修を行うときにほかの認可外の方々にも入っていただくというような切り口からでも事態の改善を図っていきたい。今度、労働省と一緒の行政組織になります場合に、この点なんかもかなり改善が期待できるのではないかと私は個人として思っておるところでございます。 そのほか、都道府県にはベビーホテルなどの認可外保育施設について立入調査などを必ずやるように、その際には処遇面も含めた指導を行うようにしておるところでございますが、本年四月、これは堂本委員の二月の質問をお受けして前大臣がお答えされたわけでありますが、児童の年齢に応じた発達段階をわかりやすく示すようなきめ細かい指導要領を都道府県に通知したりいたしまして必要な指導が行き渡るように努力をしておりますが、これからも最大限の努力が必要な分野だと私は受けとめております。
○国務大臣(森喜朗君) かつての事故のこと、事件のこと、また今御指摘がありましたことなど、こうした幼児死亡事件を聞くにつけ、あるいはまた見るにつけて、大変痛ましいことでありまして、これは遺憾というような言葉よりも、むしろ怒りを覚えるというふうな気持ちが私の率直な気持ちでございます。 かわいいお子さんを人様に預けていかなければならないという、それだけ働く女性のお立場を考えれば、我が子以上に大事に大事にお預かりをするということは、これは人間として当然なことだろうと思います。 そういうことがなされなかったということについて、私どもはもう少し、どこに問題があるのか、どうもこの種の問題になると、地方の自治体云々であるとか国のかかわる範囲というのはどうしても限界があるとかいうような形になるんだろうと、そういう答えが出てくるんだと思いますが、そんなことではやっぱり解決をしないと思います。 幸い、かつてから幼保の問題等もいろいろ議論がございました。幼稚園にもお子様を預かるような保育園の機能、あるいは保育所、保育園についても幼児を教育するような、そうした幼児教育の機能を果たすというようなことなども話し合っているわけでありますから、そういう面で本当にお子様を預かる人たちがもっと真剣にこの問題に当たらなきゃならぬということは言うまでもないことだと思います。 二十年前からこうしたことに前進がなかったということであれば極めて私はこれは政府として残念なことでありまして、厚生大臣ともよく相談をいたしまして、どこに問題があるのか、そしてこれからどういうことを適時に対応していくのかということについてしっかりと私どもやってまいりたい、このように考えておりますので、また御専門のお立場でいろいろと御指導いただきたいと思います。
○堂本暁子君 総理、二十年前に閉鎖命令が出せるように変わったんです。幾つ閉鎖されたと思われますか。ゼロです。これが問題です。 よろしくお願いいたします。
○委員長(倉田寛之君) 関連質疑を許します。水野誠一君。
○水野誠一君 無所属の会の水野でございます。 さきの総選挙の結果分析の一つに都市住民の反乱という言葉がございます。都市部と地方の有権者の投票行動に大きな差があらわれた。端的に言えば、東京で特に顕著だったんですが、都市部で自民に厳しい結果が出たということだと思います。東京では、大臣経験者がこぞって落選されるというような結果が出たわけであります。 そもそも日本は大変都市政策が弱いと言われているわけですが、いろいろな調査、どの調査を見ても、暮らしやすさ指数のようなもの、これは東京などの都市部が上位に来ることはまずない。大変そういう意味での都市生活環境が改善されない。この原因の一つに、私は一票の格差があるんじゃないかと思っております。 この三日に自治省の住民基本台帳人口が発表されましたが、衆院選挙で最大二・四九倍、参院選挙で四・七七倍の格差、これは九八年の参院選挙の四・九九倍から比べれば大分改善されたということでありますが、この一票の格差について総理はどうお考えでしょうか。
○国務大臣(森喜朗君) 衆議院の小選挙区選挙におきますいわゆる一票の格差の是正手続、すなわち小選挙区の区割りの見直しなどにつきましては、衆議院議員選挙区画定審議会設置法につきまして、基本的には十年ごとに行われます国勢調査に基づいて同審議会がその勧告を行うということになっております。 本年十月には、この国勢調査の人口が最初に官報で告示された日から一年以内に区割りの改定案の勧告が行われているものだと承知をいたしております。この場合、小選挙区の区割りの改定案の作成については、第三者機関である衆議院議員選挙区画定審議会に全面的にゆだねられておりまして、政府としてはその勧告を尊重すべき立場にあると、このように考えております。 私としては、一票の格差是正につきましては重要な課題であるというふうに認識をいたしております。
○水野誠一君 今回の選挙の結果もあるわけでありますが、よく東京都民一人当たり租税収入、払っているお金が二百万、そしてそれに対して投資、一人が享受できる投資額というのは大体三十二万。それに対して、島根では四十一万円税金を納めて一人当たりの投資では六十九万円。まさに払った以上のそういう投資が行われていると、こういうデータがあるわけであります。これが激しい差になってしまう。ある程度はしようがないと思うんですが、ある程度こういう問題を是正していかなければいけない。 特に、地方への公共事業の見直しが必要であるということで、今、自民党内でも検討会をつくってさまざまな見直しはされているということでありますが、やはり単に、今問題になっている中海干拓事業であるとか吉野川の可動堰、これを中止あるいは凍結するというような見直しだけではなくて、もっと構造的な改革に踏み込んでいかなければいけないと思うわけでありますが、この点について総理のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 都市と地方というのは本来これは対立するものではなくて、例えば都市の健全な発展のためには、地方からの食糧、水、電力といったそうしたライフラインの供給が不可欠であります。都市と地方の国民生活は相互に支え合う、そういう関係に私はあると思っております。 やはり都市に生活をしたいという人たちが多いということは事実でありまして、そういう面では、地方にはやはり地方の魅力もありますが、地方よりも都市に生活をしたいという人たちの気持ちは何であったのか、そういうこともやはり分析してみる必要があるので、いたずらに都市の税を地方にまいているというそういう指摘は、そういう短絡的な考えは持つことではないというふうに私は思っております。 それから、公共事業の実施に際しましては、都市対地方という視点ではなくて、国土において各地域が担うべき役割に留意しながら、その地域が抱える問題や社会資本の整備状況等を勘案しながら、国民生活の質の向上や経済の活性化を図る上での効果の高い事業に重点的な投資を行うように努めてきております。 近年の公共事業を初めとする公共投資につきましてさまざまな御批判がありますし、御指摘もございますから、十三年度の公共事業予算の編成に当たりましては、たびたび申し上げて恐縮でございますが、省庁間の枠を超えて日本新生プランの四分野等に思い切った重点化を行いたい。個々の事業についても、その必要性等を厳しく洗い直して、中止すべき事業は中止する。来年一月から実施される中央省庁等改革を好機として、省庁統合等による施策の融合や事業間の連携を推進していく。国と地方の役割分担の明確化等の観点から、引き続き直轄事業等及び補助事業の見直しを行うということなどを過去の経緯や前例にとらわれることなく根本から見直しを行いたいということで、その作業も今、党において行っているところであります。
○水野誠一君 それに関連してでもあるんですが、自民党内の協議の中で、財政法第四条を改正して公共事業以外にも建設国債を使えるようにすることを検討するという報道が先日流れました。 国債の一本化に関する議論は過去にもありますし、また賛否両論あることは承知しておりますが、財政法四条が財政の規律維持の最後のとりでとして機能してきたことも事実であります。単に光ファイバーの財源にするために建設国債の適用対象を拡大するということならいささか乱暴な議論になるわけでありまして、余りにも唐突な意見だということで自民党内にも反論も強い。 既にトーンダウンしたという気配もあるようでありますが、この点について、総理そして大蔵大臣、いかにお考えかをお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 政府・与党の中に、公共事業の再検討をしております間に今、水野委員の言われたような議論があって、それがあたかも財政法四条の規定をいわばないがしろにしようという議論のように報道されたことですが、どうも私はちょっとその報道にも間違いがあるんではないかと記者会見で申しました。 というのは、前から政府自身もそこは問題意識を持っておりまして、政府自身の考え方は、世代間の負担の公平という、耐用命数というものがございますから、これが財政法第四条の規定ですが、なお、国民経済の発展に資するものであるといったようなことから、現実には、例えば建物に附帯する空調施設なんというものは実際上は建設国債の対象になっておりますし、設備される設備機械類やそれに組み込まれるコンピューターもそういう建設国債の対象に現実になっております。ですから、そういうことについての問題であれば、それならば財政法の改正ということに行かずとも現実的な考え方があるのではないかということを私は申しました。 それで、話はそこのところでとまっておりまして、恐らくオプティカルファイバーというような問題について起こっておるのではないかと思いますが、具体的にそれをどうするかということはまだ結論は出ておりませんが、水野委員の言われるような意味で、財政法四条を改めてその精神をいわばこの際埋めてしまおうと、そういう方向ではないように私は理解しております。
○国務大臣(森喜朗君) この問題につきましては自民党内の議論を見守りたいと思っておりますが、財政節度という観点からは慎重に議論を尽くす必要があるというふうに考えておりまして、今、大蔵大臣からもお話がございましたように、政府としては直ちに財政法の改正を行うというふうなことは考えておりません。
○水野誠一君 終わります。
○委員長(倉田寛之君) 以上で堂本暁子君の質疑は終了いたしました。 ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、佐藤道夫君の質疑を行います。佐藤道夫君。
○佐藤道夫君 朝来、さぞお疲れと思いますけれども、ラストバッターで時間は四分だけですから、どうぞ御辛抱くださいませ。 私は、今までの論議とはちょっと毛色を変えまして、当委員会の目的が予算の執行状況の調査ということでございますので、その目的に最もかなう問題を取り上げて総理の見解を伺いたい、こう思っております。 その問題というのは、今行われている首都機能移転の問題と、それからこれまた行われておる永田町の総理官邸の新営の問題でありまして、これはどう考えても同時並行して進行するものではない。常識的に考えましても、まず移るか移らないか、それを決めまして、移ると決めればもうこの問題はなくなる。官邸の新営というのは向こうでやればよろしいし、移らないと決めてから始まる問題だろうと思いますが、どういうわけかこれが並行して進行している。 これは、事情を知らない外国人などが見ますと、日本の政治家は頭が少し狂っているのか、なぜこんな矛盾だらけのことを平気でやっているんだ、膨大な予算が投ぜられる、今も使っておる、それはまた新天地に行けばまたそこでも使う、一体何を考えているのかと。だれでもそう思うと思いますが、これが平気でどんどん進行している。 この総理官邸の新営というのは、実は首都機能移転とほぼ同じごろ、十年前ぐらいから始まりまして、中曽根総理が言い出して宮澤内閣のときに予算を計上して第一歩が踏み出されまして、それから小渕内閣、森内閣と、こう引き継がれてきているわけであります。 官邸の新営にかかるのは七百五十億、それから公邸も新営する、これが三百億。何だ、たかだか千億かと、こうおっしゃる人も多いかと思いますけれども、先ほど議論を聞いていて私は大変感銘を受けました。有珠山の被害者に対して予備費から二百億を計上して支出することにした、そう言いましたら、被害者の方々は本当に涙を流して泣いて感動していたと。たった二百億ですよ。あの辺の被害者というのは数万人おるんでしょう。当方はたった一人の総理のために千億と。 しかも、これだけではなくて、この前、防衛庁が完成いたしました。あれは二千四百億もかかっておる。それから、霞が関はもう建築ラッシュというわけで、次から次に建物ができている。合計して四千億余りも使われておる。一体これは何だろうかと。首都機能が移ればこれは全部むだになるわけですからね。そこまで考えておられるんだろうと思います。しかも、首都機能移転については、もう二年をめどに衆議院の委員会が結論を出そうというふうに頑張っておる、そういう時期であります。これ、歴代の総理大臣、この問題について一言も言っていないんですね、多分、多分ですけれども。 地元選出の議員さんたちが駆け回っている。それに対して、首都機能移転なんかしないということは言いにくい。しかし、腹の中ではもう絶対移らないということがあるからこそ、こうやって官邸を新営したり、いろんな建物をつくったりしている。そうとしか考えようがない。 どうぞ総理、虚心坦懐に、賛成でも反対でも結構でございますから、考えを御披露いただければと思います。
○国務大臣(森喜朗君) 現在の総理大臣官邸は今私が利用をさせていただいているわけでありまして、築後大体七十年たっております。老朽化、狭隘化が大変著しいというのは、これはどの皆さんも官邸にお入りになったらよく御理解をいただけると思いますし、まずこのままでは耐震性にも不安がありますし、近年の著しい情報化への対応にももう限界がございまして、いわゆるIT配線というんでしょうか、そうした電話回線等ももう引くのも技術的には大変難しい、そういう状況になっております。 したがって、こうして官邸の前のところにちょっとプレハブに似たような建物をつくっております。あれが危機管理をやっている場所でもあるわけですけれども、そういう危機管理機能を初めとする内閣機能も充足するにはもはや限界を露呈しておりまして、新官邸を早期に整備することが必要であるということから現在その整備を進めているわけでございます。 そのことと国会移転との矛盾ということを今、議員からおつきをいただいたというふうに私は承知をいたしておりますが、この首都機能の移転の是非については、これは内閣としても重要な政策課題だと認めておりますが、一方におきまして今、国会でも、法律に伴って国会等移転審議会の答申が出されて、そして小渕前総理から当時衆参両院の議長にも答申が報告されたというそういう経緯がございます。今後、国会等の移転に関する法律によって国会において答申を踏まえた大局的な観点から検討をいただけるものと、今私どもはそういうふうに承知をいたしております。 内閣としても首都機能移転は重要な課題だという認識をしておりますが、法に定める移転の具体化に向けた検討責務に基づいて国会における審議が円滑に進められるように積極的に協力していきたい、このように考えております。 そこで、新官邸は国会等の移転までの間に官邸としての機能をするということのみならず、移転が実現を仮にいたしました後も、東京が果たす我が国の経済、文化の中心的な役割を考えておりますときには、この危機管理の拠点として使えるということもあり得ますし、あるいはその他の国公賓等の接遇の場として用いることもできるわけでありますし、私は専門的なことは聞いておりませんけれども、そうした多面的に、これが将来仮に移転をしたということを当然念頭に置きつつ、新たなそういう使用ができ得るように、幅広く活用ができるように、そうしたことを前提に置いた設計がなされているというふうに私は承知をいたしております。
○佐藤道夫君 そういうことでしたら、恐らく移転先にも千億か二千億かけて立派なものをつくり上げるんでしょう。こちらのものはもうバラックでもいいわけでしょう。 それから、動くまでに、大変老朽化している、大変だとおっしゃるけれども、それこそ本当にもう貧窮に耐えて頑張るのが日本の指導者の今までの例でしたよ。両方とも千億ぐらいかけて二つも三つも持つんですか。そんなことまじめに考えているんですか。後世の歴史家は本当にびっくりしますよ。その当時の森とか小渕とかは一体何を考えていたんだと。多分、森ハウス、小渕ハウスとか名前がついて歴史に残るんでしょう、二つとも。そんなばかなことがありますか。まじめに考えてくださいよ。 それから、国会がやることだと言いますけれども、一国の指導者はあなたですよ。あなたが国会に対して自分の考えはこうだと、そういうことはもうやめてくれとか、いやもっと早くやってくれと、どちらでも結論は任せるからとか、いずれにしろはっきり言うべきでしょう。その結論を任せるなんという言い方は本当は通用しないんですよ。日本の将来、これから百年、二百年の問題ですよ、新都市をつくるかどうかというのは。それをあなたが政治家として言えないんですか。私の考えはこうだと、これを参考にして速やかに決めてくれとおっしゃるべきでしょう。いかがですか。
○国務大臣(森喜朗君) 国会移転につきましては、それは各党間でも十分議論をして国会で法律を定めたというそういう経緯がございますから、それはやはりその法に基づいてどういう進め方をしていくかということを私どもとしては関心を持って政府としては見ているというのが正直なところだと思います。 しかし、今申し上げましたように、官邸につきましては、これは私がつくるということを作業したわけではございませんけれども、先ほど申し上げましたように、これは多目的にいろんな角度で、仮に新しい首都機能の移転ということになれば、そのことがむだにならないような活用の方法を十分考えて私は建設に当たっている、このように聞いております。
○佐藤道夫君 最後に一言だけ。 株式会社では株主代表訴訟がありまして、当然これは株主代表訴訟の対象になりますから、そのことを十分に胸に織り込んでおいてくださいませ。 以上です。
○委員長(倉田寛之君) 以上で佐藤道夫君の質疑は終了いたしました。(拍手) 明日は午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時五十六分散会