決算委員会 閉会後第6号
- 発言数
- 246 件
- 登壇者
- 41 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2000/09/20
会議録
○委員長(鎌田要人君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、岩本荘太君が委員を辞任され、その補欠として水野誠一君が選任されました。 ─────────────
○委員長(鎌田要人君) 平成十年度決算外二件を議題といたします。 本日は、法務省、自治省、警察庁、裁判所及び公営企業金融公庫の決算について審査を行います。 ─────────────
○委員長(鎌田要人君) この際、お諮りいたします。 議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明の聴取は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鎌田要人君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(鎌田要人君) 速記を起こしてください。 ─────────────
○委員長(鎌田要人君) それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○佐々木知子君 おはようございます。自民党の佐々木知子でございます。 早いもので、二十一世紀まで残すところ三カ月余となりました。日本のキーワードは少子高齢化と、そういうことをいつも言われておりますけれども、平成十二年版厚生白書の概要によりますと、一九七〇年には六十五歳以上の人口は七百三十九万人で、総人口に占める割合、いわゆる高齢化率は七・一%だったのが、二〇〇〇年には六十五歳以上が二千百八十七万人、高齢化率は一七・二%、要するにおおむね人口の六人に一人となりまして、この三十年間に急速に高齢化が進行してきておるのが明らかでございます。 一方で少子化も非常に進んでおりまして、既に六十五歳人口は、ゼロ歳から十四歳の年少人口、これは二〇〇〇年は一千八百六十万人ですが、それを上回っておるという状況でございます。 ちなみに、私は日韓フォーラムという会議から戻ってきたばかりなのですが、韓国ではまだ高齢化率というのは日本の一九六〇年代のレベルということで、若年労働者がかなりまだいるのでまだまだ大丈夫だということを言っておりました。日本の高齢化というのは世界にも例を見ないほどのスピードで進んでいる、こういうのは事実として受けとめなければならないと思います。 さて、高齢化ということになりますと、刑務所人口、いわゆる犯罪を犯す人たちの年齢層も高齢化という現象を免れないということになろうかと思うのですけれども、実際問題、その高齢者、ただ矯正統計年報によりますと何十歳代という分け方をいたしますので、六十五歳以上という分け方ではなくて六十歳以上という形で認定しているというふうに承知しておりますけれども、この高齢の受刑者がふえているのかどうか、どのようなふえ方をしているのか、現在の数、そういうものについて雑駁なところをお述べいただきたいと思います。
○政府参考人(鶴田六郎君) お答えいたします。 ただいま委員の方からお話がありましたように、矯正当局では六十歳以上を高齢者というような取り扱いをしておりますけれども、そういったことでお話しいたしますと、平成十一年末の行刑施設における六十歳以上の高齢受刑者は四千百五十四名で、全受刑者に占める比率は約九・二%となっております。十年前の平成二年、このときは人員にして千九百九十名、全体の約五%でありましたが、それと比較いたしますと約二・一倍の増加となっております。このうち六十歳から六十九歳までの者が平成十一年末で三千四百九十五名、七十歳以上の者となりますと六百五十九名ということになっております。 以上です。
○佐々木知子君 日本の矯正は分類処遇というのがこれまで世界に例を見ないほど進んでおりまして、例えばJ級、これは少年ということでございますが、Y級二十六歳未満と。ただ、高齢者ということでのE級なりO級というのはございません。 ただ、高齢者だからということで恐らくは特別な処遇というのがなされておるのではないかというふうに思うわけですけれども、例えば高齢者だけを入れる刑務所というのはあるのかどうか、そういう分類処遇というのがなされているのかどうか。それで、どういうふうな形での処遇の特徴があるのか、そういう点について述べていただきたいと思います。 ついでに、もし罪名的な特徴、こういう人が高齢者でよく刑務所に入っているんだよというような特徴があれば、それについても述べていただきたいと存じます。
○政府参考人(鶴田六郎君) お尋ねは高齢受刑者の処遇の現状と、また犯罪傾向だと思いますので、まず後者の方から御説明させていただきたいと思います。 現在、収容しております高齢受刑者の犯罪の傾向を罪名別に多い順で見てまいりますと、やはり窃盗が四一・七%ということで一番多いわけであります。そのあとは詐欺一三%、それから覚せい剤取締法違反が一〇%、あとは道路交通法違反といったような順になっておりまして、犯罪傾向としてはやはり窃盗、詐欺……(「聞こえない」と呼ぶ者あり)
○委員長(鎌田要人君) ちょっと発言者、マイクに近づいてください。聞こえないという声が大きいから。
○政府参考人(鶴田六郎君) はい、わかりました。 そういう順になっております。それから、処遇の現状ですけれども、今、委員の方からお話がありましたように、高齢受刑者ということで分類処遇上、特別の収容分類級なり処遇分類級はありません。 そういった意味で、特に六十歳以上の者を特定の施設に集めて特別の処遇を行っているわけではありませんで、結局、刑名とか刑期、あるいは犯罪傾向の深度、心身疾患あるいは障害の有無とか、あるいは人格の特性、そういった個々の高齢受刑者の持つ問題性に応じまして、それに適した処遇を行っているというのが原則ですけれども、一般的な傾向として申し上げれば、やはり高齢受刑者の場合、身体疾患、障害があったり運動機能等の全般的な低下によりまして歩行等の日常動作や意思の疎通が困難であるといったことが少なくありませんし、一般受刑者と一緒に集団で処遇するということもなかなか難しいので、個別に処遇や介助が必要とされる、そういった問題を抱えている受刑者が多いわけです。 それでは、そういう問題を抱えている受刑者に対してどういうふうな処遇をやっているかということですが、やはり身体機能の維持、老化防止のために自立心を持たせるように一方で配慮しなければなりません。ただ他方で、個々の受刑者の心身の状況に応じまして、歩行等の介助をしたり、あるいは建物に手すり等を設置する区画を設けたり、また食事はおかゆといったような軟食とか減塩食といったものを給与したり、冬になりますと衣類や寝具等の貸与数をふやしたり、また作業ですと軽作業をしたりする、そういった配慮を行っていると。そういったのが処遇の実情でございます。
○佐々木知子君 私は実は尾道刑務所に見学に行ったことがあるんですけれども、そこは高齢者だけを収容している施設でございました。皆が六十歳以上で、八十歳になられた方もおられました。中では非常に皆さん規律正しいというか、当たり前かもわかりませんけれども黙々と作業に従事しておられまして、この方たちがまじめに生きていれば今ごろは孫に囲まれて幸せな生活を送っていたのかもしれないなと思うと、私自身は非常に胸に迫るものがあったのですけれども。 今お答えになったように、確かに窃盗事犯が非常に多い。累犯者、もう何度も何度も窃盗を繰り返して来る。今、詐欺と言われましたけれども、そんな高級な知能犯ではございません。大抵は無銭飲食を繰り返しているというような詐欺犯でございます。それが一三%というようなお答えがございましたけれども、あと覚せい剤事犯と。私は、やくざがいるんじゃないかと思ったんですが、やくざは節制をしていないので、本当に好きなものを食べて好きな暮らしをしているので、なかなか長生きはできないので余りこういうところには来ないんですというふうに言われまして、ああそうかなと思ったんですけれども。 彼らは基本的に受け取る家庭がないというか、あるかもしれないんですけれども、帰ってきてもらっても迷惑だというような家庭がもうほとんどでございます。ですから、懲役三年なり四年なりで無事に出所できたといたしましても、その後帰る場所がない。 あと更生保護施設というようなのもございますけれども、そこに行って居心地がいいのかどうかわかりません。居心地がいいのが多分刑務所の中なんだろうと思うわけなんです。朝昼晩とちゃんと御飯が出ますし、医療も完備されております。何も心配することはありませんで、週刊誌も随分積んでありました。私も本が好きなものですから、本さえ読めるんだったらこういう生活もいいかなとかいうのを思ったりもしないわけではないわけなんですけれども。 そういうふうにして戻ってきたいというのでは、これは刑務所の刑務所たる役割が本当は果たせていないわけで、刑務所というのは、あくまでもその後ちゃんと普通の社会に帰って普通の生活ができるように処遇していくというのが本来の目的だろうと思うわけですが、なかなか難しいところもあるだろうというふうには察しております。 保護局長の方にお伺いしたいんですが、更生保護施設というのはどのようになっておりますでしょうか。
○政府参考人(馬場義宣君) お答え申し上げます。 更生保護施設は全国に約百、定員で申しますと約二千二百ほどということでございます。 この更生保護施設におきましても、近年、高齢入所者がふえております。このような状況に対応するため、高齢の入所者の安定的な働き先、就労先の確保や施設につきましてバリアフリー化を図るというふうなことを進めているほか、必要に応じていわゆる福祉施設に移行できるよう福祉機関との緊密な連携に努めているところでございます。 また、本年七月には愛知県豊田市に特別養護老人ホームを併設し、高齢者を専門に受け入れる更生保護施設が開設されるなど、高齢者の積極的な受け入れということに努めているところでございます。
○佐々木知子君 更生保護施設というのは非常によくやっていると思うわけですけれども、実は本当に笑い事ではなく、高齢受刑者のその後というのが非常に問題になるわけなんですね。若いときに年金とかを積んでこなかったから、きっちりとした老後が保障されないという面もございます。本当に体が悪くなってしまえば医療保護なりそういう生活保護も受けられますけれども、体自体はそう悪くはないと、そういうことになると福祉になかなか乗らない。 そして、私は、高齢者の公判というのも実際よく立ち会いましたし、高齢者もよく調べましたけれども、その後どうするのかといいますと、ちゃんと働きますというふうには一応は皆さん答えるんですが、実は弁護士ですらそういう事情は非常にほとんど難しいということをわかっているというのがこれは現実なんですね。一般の人ですら最近はもうリストラで職を見つけるのが難しいのに、いわんや高齢者、手に職はない、おまけに前科、前歴はあるというようなことで、職を見つけること自体非常にこれはもうはっきり言って不可能に近いということで、これは法務省だけの問題ではなく、厚生省なり労働省なりいろんなところとの連携というのが必要だろうというふうに思っております。 これについて産経新聞がこの八月二十一日に、受刑者の六十歳以上が急増している、生きがい探しを支援、大半が常連組というような、こういうヘッドラインで記事を出しておりましたけれども、日本全体を、こういうことも高齢化社会を背景に考えていかなければならないということで問題を提起させていただきました。 次に、外国人犯罪の問題に移らせていただきたいんですけれども、石原都知事の発言に見るまでもなく、外国人犯罪がふえていると。それも凶悪犯罪がふえているんではないかというのが一般の方々が持っているイメージでございます。 外国人といっても定義はいろいろございまして、犯罪統計で使う場合の外国人というのはいわゆる来日外国人、永住資格を持つ者とか、それからアメリカ軍の関係者を除いた者を来日外国人と定義して、彼らの犯罪という形でまとめているわけですけれども、その来日外国人犯罪というものが実際にイメージだけでふえているのか、本当にふえているのか。ふえているとして、現在の数値、それからどういうふうな罪名が多いのか、それから国籍としてはどういうふうな傾向があるのか、そういうようなことについてお答え願いたいと思います。
○政府参考人(鶴田六郎君) お答えいたします。 いわゆる先ほど申し上げました在日外国人がほとんどを占めます韓国・朝鮮籍を除いた者につきまして状況を説明させていただきたいと思いますが、平成十一年末の行刑施設におけるそういった外国人受刑者は全部で千六百八十三名ということになっております。 国籍の内訳は、多い順に申し上げますと、中国が一番多いわけで六百五十一人、イランが三百二名、その後はフィリピンの百九名、ベトナムが九十四名、ブラジルが八十三名と、そういった順になっております。 また、犯罪の傾向を罪名別に多い順に見ますと、やはり窃盗が一番多いわけでありまして、全体の約二七%くらいを占めております。その後は覚せい剤取締法違反が約二二%くらいを占めており、その後は出入国管理及び難民認定法違反、それから強盗致傷、強盗といったような順になっております。
○政府参考人(島田尚武君) 来日外国人とは、いわゆる商用、留学、旅行等で我が国に滞在する外国人から永住者、特別永住者、在日米軍関係者等を除いた者をいうこととしております。 我が国の国際化の進展に伴いまして、御質問にありましたように、近年、来日外国人による犯罪が深刻化しており、平成十一年中の警察による全検挙件数、人員は三万四千三百九十八件、一万三千四百三十六人で、過去十年間、平成元年から十一年までで見ますと、検挙件数では六倍、検挙人員では二・九倍に急増し、特に検挙件数は過去最高を記録しております。 刑法犯に限って見ましても、平成十一年中の検挙人員は、件数、人員で二万五千百三十五件、五千九百六十三人で、過去十年間で検挙件数では七倍、検挙人員では二倍に急増し、件数は過去最高を記録しております。 罪種別では、凶悪化の傾向が見られ、平成十一年中の凶悪犯検挙は二百六十七件、三百四十七人と、前年比でそれぞれ一七・一%、三八・二%増加をしております。そのうち、中国人の割合が多いわけでありますけれども、平成十一年中の検挙状況を見ますと、中国人が検挙件数で一万五千四百五十八件、人員で五千三百五十二人となっており、構成比で見ますとそれぞれ四四・九%、三九・八%と約四割を占めております。平成十二年上半期では、全検挙で七千四百二十七件、二千四百二十二人と、昨年同期比でそれぞれ一二・三%増、六・六%減という形になっております。 態様別、罪種別に見ますと、平成十一年中における窃盗犯二万二千四百四件、三千四百四人のうち、一万一千二百八件、構成比五〇%、それから千六百四十人、構成比四八・二%を中国人が占めており、近年中国人による組織的な窃盗事犯が目立っているという状況にあります。 以上であります。
○佐々木知子君 かつてイラン人だったのがもうとっくの昔に中国人にメジャーは取ってかわられたというのが事実なんですけれども、中国人が蛇頭グループなどの関与によって密航者が非常に多いと、日本の暴力団がもちろん絡んでいるわけですけれども。それから、中国人の組織的なすりグループというのも非常に問題になっております。だから、組織的なすりによる悪質な窃盗事犯というのが非常にふえているというふうに私も認識しているものでございます。 来日外国人の中で、適法に滞在している者、ちゃんと外国人登録をして適法に滞在している者もいれば、不法滞在、要するに今申しましたように密入国をしている者、そしてちゃんとした、一応ビザなりパスポートで入ってはきているんだけれども、認められた滞在日数を超えて、最初から超える意図がある者が大部分ですけれども、超えていわゆるオーバーステイイングをしている者とか、そういうふうにまとめて不法滞在ということになりますけれども、その割合についてはどのようなものでございましょうか。
○政府参考人(島田尚武君) 平成十一年中の来日外国人全検挙人員のうち、不法滞在者は一万三千四百三十六人中七千八百三十七人ということで、五八・三%を占め、また、刑法犯の検挙人員五千九百六十三人中では千五百二十九人と二五・六%を占めております。また、凶悪犯の検挙人員について見ますと、三百四十七人中百八十六人と五三・六%を占めております。また、薬物事犯検挙人員について見ますと、七百五十四人中三百五十一人で、四六・六%に上っております。 以上であります。
○佐々木知子君 というぐあいに不法滞在者の割合が非常に多いということで、来日外国人の犯罪を取り締まるためには、やはりその予防というんですか、密入国をさせないようにきっちりするという、その水際作戦というのが非常に大事であることと、それからオーバーステイもさせないと。 オーバーステイイングにつきましては、入ってきているという数が把握されているわけですから、出ていった数を換算すれば現在どれぐらいの数が不法滞在しているかというのはもうおのずから計算で出てくるわけですけれども、平成五年に三十万人近くに最高値を記録したわけですが、現在少し減っていると言われていて、二十五万人。それでも二十五万人の不法滞在者が常にいるということでございます。 警察の方々に言わせれば、こういう方を入管行政によってもうそのまま帰してもらうなりなんかしてもらえればかなりの部分の外国人犯罪というのが防げるはずだというので、私も実際そうだというふうに思うわけですけれども、入国管理行政というもの自体を根本的にいろいろ考えないといけないんではないかというふうに思う次第でございます。 外国人犯罪がふえていると。いろんな国からも来ているということで、これは当然また通訳の確保というのが非常に捜査上も公判の維持上も問題になってくるわけです。それゆえ、言うならば受刑者処遇の上でも問題になってくるわけですけれども。通訳ですけれども、一体今何カ国ぐらいの確保をして、どれぐらいの数の通訳がいるのかどうか、そのようなことについて、まず警察の方からお答え願えますか。
○政府参考人(島田尚武君) 警察では、全国で約八千七百人、部内が三千四百、部外五千三百の通訳人を確保しており、約七十言語に対応しているところであります。 各都道府県警察におきましては、通訳人の登録、派遣手続等を定めた通訳人運用要綱の制定、通訳人を統一的に管理運用する通訳センターの設置等を行っているほか、集団密航事件等、都道府県警察単独では通訳人を確保できない事案に備え、各管区警察局に通訳人の応援派遣を円滑に行うための管区通訳センターを設置するなどしているところであります。また、各都道府県警察では、大学、国際交流団体等の関係機関と緊密に連絡をとり、緊急時における通訳人の確保に努めているところであります。 被疑者の国籍等が多様化する中で、通訳人の確保が困難な場合も少なくないところでありますけれども、被疑者の人権に配慮した適正な捜査を推進するため、今後とも高度の語学力を有する民間通訳の方の確保等、通訳派遣体制の整備等に最大限の努力を払ってまいりたいと考えております。 以上であります。
○佐々木知子君 捜査段階では時給七千円で通訳を確保しているというようなことを聞いておりますけれども、実際捜査に携わっておりますと、その方が学生だったりすると、試験があるのでその時間はちょっと行きにくいとか、いろいろもう確保に難航した記憶が随分あるんですけれども、かなり現場は大変だろうというふうに推察しております。 ちなみに裁判所ででも、私がもう十七年ぐらい前に某地方都市におりましたときには、外国人、これはアメリカ人だったんですけれども、捕まってきたときには、裁判所始まって以来の通訳つきの裁判だということで地方紙に大きく載ったぐらいの、そういうようなことだったんですが、東京地裁などでも外国人担当部というのがあった、とてもじゃないけれどももう間に合わなくなりまして、各部ともどももう外国人がかなりの割合を占めているというような実情になってきておりまして、私も最後出るときに東京地検の公判部というところで東京地裁の一カ部を持っておりましたけれども、五分の一かそれぐらいは外国人だったのではないかというような記憶がございます。 非常に裁判所の方でもいろいろこれ苦労されておるだろうと思いますけれども、通訳の確保状況とか、もし予算だとかいろいろなことがありましたらお述べいただきたいと存じます。
○最高裁判所長官代理者(白木勇君) お答え申し上げます。 裁判所では、外国人事件の急増に伴いまして、大使館、大学、語学学校等の協力を得、また広報による公募などを通じまして通訳人の確保に努めてまいりました。その結果、平成二年には通訳人の候補者が二十七言語、延べ四百十四人でありましたものが、平成十二年には四十二言語、二千七百三人にまで増加いたしております。ただ、それで十分かと申しますとそうではございませんで、今申し上げました二千七百三人のうち二十言語につきましては通訳人候補者が一けたでございます。また、そのうち十一言語は候補者が一名にすぎないという状況でございます。 裁判所といたしましては、引き続き通訳候補者の量的確保に努めるとともに、その研修に力を入れてまいりたいと考えております。 それから、通訳の予算というお話でございましたが、予算の額は、突然のお尋ねでございますので総合計で申し上げますと、通訳謝金に限りませんで、外国人事件一般のための予算でございますが、平成元年には四千百万でございましたが、平成十二年には六億一千万余となっております。 以上でございます。
○佐々木知子君 刑務所の中での外国人受刑者の数というのも非常にふえていると私は認識しております。かつて府中刑務所だけが外国人を入れるところだったんですけれども、とても間に合わなくて大阪刑務所の方に入れておりますし、またある程度日本語がしゃべれて日本になじんでいる人は、F級と外国人の級という形で認定をせずに普通の日本人として普通の扱いで刑務所に入れているというふうに承知しているわけですけれども、外国人受刑者の数というのは今現在どういうふうになっているのかというようなことについて、お答え願いたいと存じます。
○政府参考人(鶴田六郎君) お答えいたします。 現在、行刑施設における外国人収容者、先ほどもお答えしましたように、約千六百八十三名おるわけですけれども、今、委員がお述べになりましたように、F級という日本人と異なる処遇をするという分類級に分けまして、主に府中それから大阪の各刑務所で処遇しておりましたけれども、数がだんだんふえてきましたので、その後これらに加えまして横浜とか神戸、名古屋というようなところにおいても収容を開始しておりまして、現在、約十五の施設において外国人受刑者を取り扱っているということでございます。 それから、処遇に当たってはやはり言葉の問題あるいは食事の問題とかいろいろありますので、そういった面で、例えば習慣の違い、宗教上の理由によりまして豚肉や牛肉は食べられないという外国人受刑者もおりますので鶏肉等を用いた食事を与えるとか、また宗教の面でも各自の信仰する宗教の方式にのっとった礼拝とか、あるいは経典、数珠などの礼拝用用具も使用を認めまして、そういった形で、原則は日本人受刑者と同じように扱うという中で外国人の特性等々に応じた配慮を行っているというのが処遇の実情でございます。
○佐々木知子君 日本の刑務所は非常に待遇がよろしいということで、外国人の犯罪者を調べていても、捕まっても余り怖くないと、そういうことを言われるんですね。 前科があって入った者についてはもちろんそういうことを言われますし、三度三度の食事が出て大体そこの宗教も考えてくれて、自分は肉食だからということでお肉も日本人とは違うのを出してくれて、おまけに作業賞与金を外国人とは別に、外国人は日本人とは別だというふうな扱いもできませんから大体月四千円程度の作業賞与金ももらえて、それから四、五年して、四、五年という刑期は日本では非常に長いですけれども、帰るときにはある程度の額を持って帰れると。日本では大した額ではなくても彼らの国でかえるとかなりの額になって、それでうちを建てたというような話もあるわけです。日本に出て、捕まらなくて密輸ができると大もうけだし、捕まってもまた人道的処遇を受けてお金も持って帰れると、どちらにしてもいいことずくめだということも私は直接聞いております。 ペルーの大使が日本の府中刑務所に行きまして、ペルーの受刑者と一緒に話をしていたら、いやここの待遇はいいですね、ペルーだったら五つ星ホテル並みですよ、私はもう出たくない、ペルーに帰りたくないと言っていましたということをお話しになりましたけれども。これでも人道的処遇ができていないだのどうのこうのとか言っている人権団体があって、私はとんでもないことだと思っておりますけれども、これでは本当は犯罪に対する抑止効果というのはどうもないのではないか。これをまともに聞くと普通の日本国民は怒るだろうというふうに私は思うわけです。 本当は私は、彼らは日本の国内でまともな社会人となる人たちではないのですから、刑務所で処遇をして教育をしてやるという必要ははっきり言ってない。本来であれば、彼らはちゃんと自国の、いわゆる本国に帰ってもらって本国でちゃんと受刑をしてもらうべきではないかと常々考えているんですが、これは条約というものが必要である。 受刑者の移送条約というのをバイ、お互い両国同士交わしている国というのも結構あります。日本もそういうことを考えないといけないのではないかと前から思っているわけですけれども、これについては現在どのような段階に来ておりますでしょうか。お答えできればお答えしてください。
○政務次官(上田勇君) 今、受刑者移送の条約についての法務省内での検討状況についての御質問でございましたけれども、佐々木委員も御指摘のとおり、我が国の行刑施設における外国人受刑者の数というのは非常にふえております。また一方で、外国の行刑施設におきましても、受刑している日本人の数、相当数に及んでいることから、こうした傾向というのは今後とも続くものではないかというふうに予想されているところであります。 こうしたことを踏まえまして、諸外国からも受刑者移送制度の導入について打診を受けたことを契機といたしまして、現在、法務省としては、外国人受刑者及び外国で受刑中の日本人受刑者の改善、更生並びに社会復帰等の観点から、一定の要件を満たしている場合には、条約に基づいてこれらの受刑者をその母国に移送して刑の執行を行うために必要な国内手続を定めるための法律案について鋭意検討を行っているところでございます。
○佐々木知子君 次に、少年非行対策について移らせていただきたいと思います。 十三年度の青少年対策関係予算を見ますと、警察庁関係で少年サポートセンターを中心とした補導活動、そして少年被害対策、それから少年を非行から守るパイロット地区活動の実施という項目が載っておりますけれども、少年の非行対策というのは、もちろん非行を犯した少年に対しての処遇というのも非常に問題でございますけれども、少年にその非行を犯させる前にストップするという予防も非常に大事でございますので、こういうようなことはどのようなことを意図されておられて、実際、今どのような活動をされておられるのかについて、お答え願いたいと存じます。
○政府参考人(黒澤正和君) お答えいたします。 最近の少年非行でございますが、御案内のとおり、社会を震撼させる特異、重大な事件が相次いで発生するなど、極めて憂慮すべき状況にあると認識をいたしております。また、御指摘の少年の犯罪被害につきましても、凶悪犯、性犯罪の被害件数が増加しておる状況にございまして、少年非行等の情勢は非行と被害の両面において依然として厳しい局面が続いているところでございます。 このような少年非行問題につきましては、例えば飲酒でありますとか喫煙でありますとか深夜徘回、こういったことを初めとする非行の前兆となり得る問題行動の段階からの的確な対応が不可欠と考えておるところでございます。また、心身の発達段階にある少年が犯罪等の被害に遭った場合には大変大きな精神的ダメージを受ける場合が少なくありませんで、その後の非行でありますとか問題行動の原因となるケースもございますことから、被害少年対策は少年の健全育成を図る上で極めて重要なことだと認識をいたしております。 このような観点から、警察におきましては、全国に設置してございますが、少年補導職員を初めとする少年問題に関する専門職員等により構成された少年サポートセンターがございまして、ここが中心となりまして学校や児童相談所、保健医療機関等の関係機関、団体等との連携強化によるネットワークの構築、そしてまた、非行の前兆段階での的確な対応に向けた街頭補導活動でありますとか、少年やその保護者等に対する継続的な指導の強化、そしてまた、被害少年が受けた精神的なダメージからの早期回復に向けまして、部外の専門家や民間ボランティアなどとの協力によりますカウンセリング等の継続的支援活動の強化、こういった取り組みを積極的に推進をいたしておるところでございます。 また、特に少年非行が多発しておる地区につきましては、少年を非行から守るパイロット地区に指定をいたしまして、広報啓発活動、非行防止教室等の開催等の各種の非行防止活動を重点的に実施することなどによりまして、地域社会が一体となりまして総合的な非行の防止の対策を実施しているところでございます。 今後とも、関係機関等との連携のもと、少年の非行の防止と保護の両面にわたる総合的な対策の推進に全力を注いでまいりたいと考えております。
○佐々木知子君 今出ましたように、最近本当に世間を震撼させるような少年による重大事犯が相次いでおります。ただ、そういう少年がどういう問題点を持っているのか、その少年の資質なりそれから家庭環境はどうだったのか、家庭環境に限らず、どういうことが要因になってそういう非行というか犯罪が起きたのかということについて、実は少年はかなりプライバシーにおいて守られていて、一般の人にもわからないし、また恐らくそれにかかわっている専門家の方たちですらお互いの知識というのはシェアできていないんじゃないかというふうに私は考えているものなんですけれども。 家庭裁判所が実際に調査官なり鑑別所の技官なりを使っていろいろなことを調べているわけですが、このような重大事件について一層的確に非行のメカニズムというのを私は理解する必要があるのではないか。具体的な事件を取り上げて、実証的な研究を行って、どういうふうな原因があったのかということ、つまり原因を調べなければ対策というのはあり得ないわけですから、それを分析して検討する必要があるのではないかというふうに考えておりますが、この点について裁判所の方で何かお考えというようなものはございますでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(安倍嘉人君) 御説明申し上げます。 ただいま委員から御指摘がありましたとおり、最近、少年非行、中には重大で、しかもその非行の理解がなかなか難しい事件がふえているのが現状でございます。こういったところから、私どもといたしましては、今後こういった重大かつ困難な事案の非行メカニズムを的確に理解する、こういったために、過去に起きました具体的な事件を取り上げまして、これを実証的に検討して、非行の背景でございますとか原因についての分析を行いたいと考えている次第でございます。こういったところから、実は本年七月から研究チームを発足させまして研究に入っている段階にございます。 概要を簡単にかいつまんで御紹介させていただきますと、対象事件といたしましては、過去三年ぐらいの間に起きました重大事件十五件、内訳は単独犯によるもの十件、共犯によるもの五件という内訳で研究対象にしたいと考えております。研究員といたしましては、家庭裁判所の裁判官、家裁調査官のみならず、部外の実務家、これは教育関係者でございますとか法務省の執行関係者でございますとか、さらには学識経験者の方に入っていただくということで、総勢十七名の研究メンバーを発足させた次第でございます。 本年七月に全体会を持ちまして、そこで各研究員の非行に対する問題意識を議論いただいた上で、現在は家庭裁判所調査官がこの十五の事例について記録に基づいた問題点の整理、分析を行っている段階にございます。 今後は、この取りまとめたものをもとに全体会を数回持ちまして、外部の専門家の方々の御意見等を十分踏まえながら、その各事例に共通する問題点について事例横断的な分析を行いたいと考えている次第でございます。 なお、委員が御指摘ございましたように、非行に関する情報が共有できていない、こういった点につきましても今回考えたいと思っているわけでございますが、こういった研究の成果について、もとよりプライバシーの保護には十分配慮いたした上で、今申し上げたような事例横断的な問題、例えば少年の人格、資質上の問題点でございますとか、御指摘があったような家族環境上の問題点でございますとか、そういう問題点ごとに分析をした結果を取りまとめたいと思っておりまして、これは本来実務的な面で活用したいと思うわけでございますけれども、関係機関でございますとか、さらには社会にも還元することを考えていきたいと、このように考えている次第でございます。ただ、その具体的な方法については、プライバシー保護の関係もございますので、研究チームとよく相談をさせていただきたいと考えている次第でございます。 以上でございます。
○佐々木知子君 ぜひそれがうまく機能することを心から願っておるものでございます。 次に、警察刷新会議の提言についてに移らせていただきますが、実に幅広に警察刷新に関する緊急提言がございまして、警察も改革要綱を出されております。その中に増員ということが出されておりまして、確かに日本では警察官一人頭が持っている人口が非常に多いということも言われておりまして、本当に警察官というのは土日もない作業である、特に捜査にかかわっていればもちろんそうでございまして、大変な仕事だというふうに認識しております。 三Kということが言われておりますが、本当にその代表になるのではないかと、こういうことを言っては失礼なのかもわかりませんけれども、大変な仕事である。だから、ぜひ待遇上とかそういうことも報われなければいけないというふうに思っておるわけですけれども、ただ、全般的に今はリストラの時代でございまして、国家公務員は全体的に削減をしようというような動きでございます。 その中でひとり警察だけをふやすということになりますと、必要であれば当然ふやさないといけないわけですけれども、人員を適正に配置をしていただいて、ここの部署では余って遊んでいる人がいるんだけれども、こっちの部署はやたら忙しいと、そういうようなことは決してないような適正な配置というのを考えていただくということが人員を増員するということの私は前提になると思うんですけれども、それについてはどのようにお考えでございましょうか。
○政府参考人(石川重明君) 現有体制のもとでさまざまな新しい警察事象に対応していくということで、従来から各都道府県警察におきましては、デスク部門をなるべくフラット化すると申しますか、デスク部門の人員を削減いたしましてそれを業務負担の多い第一線の現場に再配置をするといったような内部努力を続けてきたわけでございますが、さらに年々厳しさを増している状況がございまして、こうした情勢に的確に対処していくためには現行の体制ではどうしても限界があるということで、今回、平成十三年度の概算要求におきまして地方警察官の増員をお願いしているところでございます。 委員御指摘のとおり、その前提といたしまして、警察の業務のあり方やその必要性にまで踏み込んださらなる合理化を推進する必要があるというふうに私ども考えておりまして、このことにつきましては、警察刷新会議から提出をされました緊急提言におきましても御指摘を受けているところでございまして、また厳しい財政状況のもとで、今お話しのように増員に対する国民の皆様の理解を得るためにも不可欠なことである、こういうふうに認識をいたしております。 そうした観点から、警察庁から先般、各都道府県警察に対しまして、徹底した合理化による人員の配置、運用の抜本的見直しということにつきまして指示をしたところでございまして、現在、それぞれの県警察等で実情に応じた具体的な合理化方策について、人員の配置あるいは運用の見直しということを含めた見直しを行っているところでございます。 警察庁といたしましても、なるべく早期にその結果を皆様の前にお示しできるように努めてまいりたい、このように考えているところでございます。
○佐々木知子君 この中にもございましたけれども、交番というのは今世界的に通用するような言葉になって、割と世界に輸出されているようなシステムでございますけれども、交番に行っても警察官がいなかったりとかすることが多いわけですが、地域パトロールをされているんだろうと思うわけですけれども、交番というのはやっぱり人がいるということがまた大事なことだろうと思うんです。 空き交番の問題とか地域パトロールを充実させることについて、そういうことについてはどのようなお考えでございましょうか。
○政府参考人(黒澤正和君) お答えいたします。 交番はまさに地域住民の安心のよりどころだと考えておりますが、警察刷新会議におきましても、住民からの要望の強いパトロールの強化、空き交番の解消など交番の機能強化が提言されたところでございます。 警察庁といたしましても、交番の活動は、犯罪の予防はもちろんのこと、検挙の面でも効果を有するものでありますとともに、地域住民の要望にこたえるものでございますので、先日取りまとめました警察改革要綱の中に空き交番の解消とパトロールの強化などを盛り込みまして、その実現に積極的に取り組んでいくことといたしているところであります。 若干具体的に申し上げますと、各交番の昼夜の人口、事件事故の発生状況などを勘案いたしました配置人員の見直し、それから近接する二つ以上の交番等を組み合わせましたブロック単位の運用でありますとか、時差出勤の推進による通勤通学時間帯における勤務員の確保、こういった措置を講ずることによりまして、交番の警察官を各管内の特性に応じて効率的に配置、運用するよう努めますとともに、さらに交番相談員の配置でありますとかパトカーの積極的な活用によりまして、地域における実態に応じた諸対策を推進しているところでございます。
○佐々木知子君 これからハイテク犯罪とか、それから先ほど申しましたが、国際組織犯罪など新しい犯罪がふえてまいります。 聞くところによりますと、銀行などで働いていた方を財務捜査官などとして専門分野から人材を積極登用しているというふうに聞いておりますけれども、それは非常に有益なことだろうと思っておりますが、そういうことも含めまして、新しい犯罪に対処する方策とか、そういうことについてお考えをお述べいただきたいと思います。
○政府参考人(石川重明君) 新たな犯罪、あるいは最近多発しておりますハイテク犯罪とか、あるいは複雑な金融犯罪あるいは国際組織犯罪、また脅威でございますサイバーテロ、こういったような問題に的確に対応していくためには専門的な知識や技能というものがその捜査に必要でございます。 こうした事件が発生をしたという場合には、いわゆる財務捜査官とかあるいはハイテク犯罪捜査官といったような捜査員が中心となって、財務分析をしたりコンピューターデータの解析を行うといったようなことで捜査を推進いたしまして事件解決に寄与すると。それが大変効果が大きいというふうに考えておりまして、ことしの四月一日現在でございますが、二十八都道府県警察におきまして百三十三名、内訳で申しますと、財務捜査官が四十四名、国際捜査官が四十六名、ハイテク犯罪捜査官が三十二名、科学捜査官が十一名といったようなことで、それぞれの専門的な知識を、既に技能を持っておられる方を中途採用しておりまして、それぞれの現場で活躍をしているところでございます。 この点につきましては、御指摘にもございましたように、私どもも優秀かつ多様な人材の確保と活用ということが今後ますます必要になってくるというふうに思っておりまして、今後ともこういう人材の確保について積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えておりますし、また第一線の警察官に対しましても、こうした知識、技術というものをいろいろな形で教育をする、あるいは部外の研修機関に派遣をしてそういう技能を習得させるといったような施策を推進してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○佐々木知子君 では次に、犯罪被害者の保護に移りたいと思いますけれども、幸い犯罪被害者保護のための二法というのがことしから公布されるようになりました。 犯罪被害者というのは、お金の問題が一つ、それから心理的ケアの問題が一つ、それから刑事訴訟における地位の向上という面が一つということで、大きく分けて三つの柱があるかと思うのでございますけれども、警察庁なり法務省なりで結果を通知するとか、公判の期日を通知するとか、そういうような制度をとるようになったということも私はよく存じております。 犯罪被害者保護のためにビデオリンクの措置だとか、それからこの前、横山ノック知事の事件では、被害者を遮へいするというような、証人として遮へいするというような措置がとられましたけれども、あれも犯罪被害者保護のための二法を受けているという形で非常に前進だというふうに考えておりますが、私がとても強調したいことは、犯罪被害者というのは非常に傷ついている。それが調べを受けることとかそういうような捜査の段階で二次的被害に遭うということを私は非常に憂えているものでございます。 警察なり法務省、例えば実際に調べる検事たちに、そういうことに対しての思いやりというんですか、簡単に言えば思いやりになるわけですけれども、そういうような教育をされているのかどうか。裁判所についても同じようなことを私は申し上げたいと思います。 最近よく言われているんですけれども、例えば妻を殺されたとかいうような方が法廷に遺影を持ち込んだ場合に、それはもう絶対に拒否というような形で拒否されると。だけれども、本当に私はその被害者の立場に立ってみればその気持ちはよくわかります。どうしてそれがいけないのかということもございますし、それから、私は、裁判官が、正直な話を申し上げますと、反省しているのか反省しているのかということを、本当に反省しているとはとても思えないのに向かって何度も何度も言うと。それで弁護士も何度も何度も聞いて、はいと言ったそれだけをつかまえて、一応反省していることを考慮しというようなことを判決文の中に盛り込んで、罪一等を減ずるというようなことをもう実際によくやっております。 反省をするかどうかというのはもうしようがないことで、被告人が実際にやるかどうかの問題で、それを受け取れる立場にあるのは実際は被害者なり遺族だけであって、それを裁判官が受け取って、それをなおかつ、だから宥恕してやるというのは、私はもう裁判官の越権行為であるというふうに思っています。 これについては、岡村勲さんという奥さんを殺された弁護士の方が、この前、文芸春秋の七月号に書かれておりまして、そのとおりだと私も思うんですけれども、それによって私は第二次被害を受けた、非常に傷ついたというようなことを書かれております。そういうことも含めて、裁判官というのは本当に権力者なんですから、そこのところの教育というのをきっちりやっていただかないともっと傷つく人が本当にふえると。それは司法に対する信頼感を損なうことですからぜひ考えていただかないと、と思うわけですけれども。 ちょっと時間の関係で申しわけないんですが、まず裁判所にそこの点をお聞きしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(金築誠志君) 裁判官が国民の要請にこたえて適正な裁判を行ってまいりますためには、法律や理屈だけではなくて人間に対する深い洞察とか理解というものが必要でございます。お話にありました犯罪被害者や遺族の心情を十分に受けとめるということができるための感受性を磨くということが裁判官にとって大変重要なことであると思っております。 こうした洞察力とか感受性といったものは、最後のところでは裁判官各個人が仕事の中で先輩、同僚の裁判官とか当事者との交流をしていく中で、あるいはまた日常の社会生活を通じて身につけていくものだというふうには思いますけれども、裁判所の側でもそういう自己研さんの一助とするためにいろいろと研修などの機会を設けております。 先般成立いたしましたいわゆる犯罪被害者保護法に関しましては、裁判官の協議会とか司法研修を受ける裁判官の研修におきまして法の趣旨の徹底を図っているところでございます。また、犯罪被害者や遺族の心情の理解といった視点は、現在の社会において極めて重要な課題となっております関係上、裁判官の研修におきましては今後とも十分留意するように努めてまいりたいと思っております。
○佐々木知子君 ぜひそうしていただきたいと思います。 時間のマネジメントが非常に下手で申しわけなかったんですけれども、次に司法制度改革、最後のところに行きたいと思います。 現在、司法制度改革はさまざまな面で言われまして、一元制の導入ということも言われております。要するに、今申したことも少し絡んでくると思いますけれども、裁判官は非常に世間知らずな人が多いので、弁護士の中から優秀な者だけを裁判官に抜てきしようというのが一元制ということでございまして、英米ではとられている措置でございます。 とは言われているんですが、現在、一九八八年がスタートだったと思うんですけれども、弁護士の中から裁判官に任官できる制度というのを実際に設けておるはずでございます。ところが、実際余りこれが機能しているというふうに聞いたことはないんです。 私は、この夏に高木新二郎さんの、これは第一号の方ですけれども、「弁護士任官裁判官」という本を出されておるのを読みましたけれども、その実態というのもよくわかったつもりなんですけれども、これのちょっと実態について、少しで結構ですがお話しください。
○最高裁判所長官代理者(金築誠志君) 御承知かもしれませんが、昭和六十三年に最初に弁護士任官に関しまして判事採用選考要領というものをつくりました。それに基づいてその高木元判事などが任官されたわけですが、この選考要領で八人任官されました。 その後、平成三年に選考要領を改正しまして選考対象を広げました。少し任官しやすくするということで、弁護士としての経験年数等を少し短くいたしましたり、年齢を少し広げたりいたしました。任期や採用条件についても柔軟に対応することにいたしたわけでございますが、その新しい選考要領に基づきましてこれまでの間に判事三十三名、判事補七名の合計四十名任官している状況でございます。
○佐々木知子君 弁護士の数をふやせということもよく言われております。これは主に業界から、安い労働力を得るために弁護士を外から雇っているんでは高いのでということが私は基本にあるんだろうというふうに思っているわけですけれども、ただ弁護士をふやしたとして弁護士の過疎地域が減るだろうとは思っておりません。 今、弁護士ゼロワンと言うんです。弁護士がゼロか一人しかいないというような自治体が多分二百五十のところで七十一かあったというふうに思うわけですけれども、そこのところがふえるかどうかというのはまた別途の問題だというふうに思っております。 それから、弁護士をふやせば裁判の遅延というのはなくなるのかどうかというのもこれまた別途の問題だと思うんですけれども、私の理解では、裁判というのは平均的に見れば刑事も民事も日本は決して欧米諸国に比べて遅延しているわけではないと。ただ、一部非常に遅延する事件があって、それがかなり大きな事件であるがために、またマスコミで報道されるがために、非常に遅いんだというイメージが国民の中にできているというふうに思っているわけですけれども。 多分、刑事と民事というのは現状が違う、対策も違うと思うんですが、実際、遅延している裁判というのはどのようなもので、何が原因で、何をどうすれば早くなるかというのを刑事と民事で分けて、ちょっと簡単にお答えください。
○最高裁判所長官代理者(千葉勝美君) 民事事件についてお答えいたします。 平均的な事件につきましては、今、委員御指摘のとおり、新しい民事訴訟法ができましてから審理期間が短くなっておりまして、九・二カ月という数字でございます。これは世界的にも遜色のない数字であろうと思っております。ただ、当事者が非常に多い事件、公害の事件とか、あるいは医療過誤や建築関係の事件、専門的な事件につきましては長期化している事件がございます。 その原因でございますけれども、事犯自体が難しいということももちろんございますが、二つございます。一つは、主張と証拠を裁判所に提出する立場の当事者が必ずしも審理の進め方について計画的なものを持っていない、裁判所もそれが十分コントロールできていないということで審理が迷走するという点がございます。もう一つは、やはり専門的な事件について専門家の活用が十分できていない、この二点だろうと思います。 したがいまして、我々といたしましては、審理の計画性を高める、いわゆる計画審理を実現する、それから専門家の活用を図る、そのための運用、さらに法改正を含めた制度的な対応も検討していきたいと考えているところでございます。
○最高裁判所長官代理者(白木勇君) 刑事の関係につきましての訴訟の遅延状況というのは、まさに委員御指摘になったとおりでございます。 どういう事件かと申しますと、一般的に大型事件になりやすい殺人の事件でありますとか、あるいは一種専門的な事件でございます税法違反の事件というのが長期化しやすうございます。 その原因でございますが、こういった事件は訴因の数が多いということもございますが、十分な準備が行われなくて、結局のところ集中審議が行われていないということが最大の原因であろうかと思います。 そういった事態を解消するためには、何といっても当事者、殊に弁護人の理解と協力が不可欠であると考えておりますが、その他いろいろ法整備等も必要になってくるのではないかと考えております。
○佐々木知子君 時間が過ぎましたので、お答えできなかった方々には申しわけなかったんですけれども、今専門家というのを言われましたけれども、そういう意味での参審制の導入などは私は賛成でございますので、司法制度も十分改革されることを願いまして、私の質問を終わらせていただきます。
○松田岩夫君 自由民主党の松田岩夫でございます。 それでは、法務大臣お見えですので、法務大臣の方から御質問させていただきます。 佐々木委員からも御質問があったかと思うのでございますが、大臣も、私も身を置いております参議院の法務委員会でも、司法制度改革というのを当面の重要政策の第一としてその重要性を述べておられました。森内閣の所信表明でも、内閣が掲げます日本新生に向けての取り組みの一つとして司法制度改革をしっかりやっていきたいということをおっしゃっておられます。 私も、司法制度改革というのは非常に大事なことだ、もうその重要性をあえて述べるまでもないことだと思うのでございますが、いろいろな意味で非常に大事だと思いますので、司法制度改革、今まさに三十数年目になるわけですか、前回の臨時司法制度調査会の改革以来ということで、ある意味では非常にタイミングを得たといいますか、あるいは遅きに失したといいますか、いずれにしても大改革のチャンスを迎えたわけであります。国会としても非常にこの問題を大事に取り上げていかなきゃならぬと思っている一人であります。 そこで、現在の制度改革審議会での状況もさることながら、最初に法務大臣に、司法制度改革にかける意気込みをまずお述べいただけたらと思います。
○国務大臣(保岡興治君) 松田先生御指摘のように、今非常に大転換期を迎えていて、明治のときもそうでありましたが、戦後も同じように、そしてまた今、農業革命、産業革命、そういったものに次ぐIT革命、コンピューターネットワーク、そういった要素もあって国際化が一気に進んで、そして世の中も変容を遂げている。この大転換期に、従来、日本は行政中心に国内を管理して効率よく発展させてきた。これを、舞台が国際的な広がりを示す一方、先ほど申し上げたような社会構造の変容もある。しかも、行政が管理するというよりか、むしろ透明なルールと自己責任で新しい知恵と工夫を競い合って、そこに活力とさらなる繁栄、高度化を進めていかなきゃならないというような、そういう時代に突入していこうとしております。 そういった意味で、従来、我が国では司法は非常に地味な存在で、どちらかというと小さい司法ということで、行政が前面に出て事前に管理する社会で、事後的なチェックは補完的なものでありましたが、これからは規制緩和で、行政の過剰介入を排除して、自由な活動の中に新しい時代を展開していくと。したがって、そういうルールを担保する司法制度というものは極めて日本の将来にとって重要な意味を持っている。これは先進各国がいずれも抱えている同じ問題だと思います。そういった中で、我が国が世界から、すばらしいいい司法を持っているね、そして日本の国情も十分踏まえたいい制度になっている、しかもそれを支えるすばらしい人材をきちっと備えていると、こう言われるような二十一世紀を築かなきゃならない。 そういった意味で、司法改革の重要性は、今後の日本の発展、世界の中の存在を大きく決定づけるものとして、今政府において、昨年七月から司法制度改革審議会等において鋭意検討を進めていただいているところでありますし、また、国民的な広い活発な議論をもってして、いい答えが出るようにしていかなければならない課題と受けとめております。
○松田岩夫君 ただいまの大臣の力強い御決意のほど、感銘をいたしました。大臣御就任の前は、党の方でも司法制度調査会の会長をされ、まさに適任の方が、ちょうどこの審議会でも本格的な御議論をなされているときに大臣に御就任なされたということで、ぜひひとつイニシアチブをとっていただき頑張っていただきたい、心から期待をいたしております。 せっかくの機会ですので、私、日ごろ思っているほんの数点、これからもちろん御審議が進むことではありますけれども、この機会をいただいて述べさせていただこうと思います。 一つは、知的財産権といったものにかかわる問題で、司法制度改革との関連で少しお話をさせていただこうと思います。 正直、今日、日本の経済は世界に冠たる経済になりましたけれども、しかしどうやら九〇年代を振り返ってみますと、アメリカにかなり負けたなと言うといけませんが、そんな実感を持つ一人であります。その一つは、何といっても知的財産権というものに対する対応にちょっともっと真剣に取り組むべきだったかなと私個人は思っている一人でありますが、そういう意味で、例えば我が国の企業と外国の企業との間での紛争がありましたときに、正直、我が国の裁判所ではなくアメリカの裁判所に持ち込まれることが多いと。この面でも、言い過ぎるかもしれませんけれども、司法の空洞化と言われるような状況に陥っているのではないか。そんな話も出るわけでございます。 そんなお話を聞きますと、この知的財産権が関係する分野については、我が国の司法制度の面からも十分な対応ができていなかったのかなという感想を持つわけであります。もし不十分な点があるとすれば、いいチャンスであります、今回の司法制度改革においてそれを補っていただき、こういった面でも問題がないようにしていきたい。 そういう意味で、正直思いますと、我々が持っている知的財産権に関するあらゆる専門家、マンパワーというものを本当にフルに活用しているだろうかという気がするわけでございます。ちょうど司法制度改革審議会におきましても、現在、国民の司法参加という審議項目の中で陪審・参審制度の導入、その当否について大変活発な議論が今まさに繰り広げられておられるように新聞等で承るわけでありますが、正直、国民のこうしたニーズにこたえて国際競争に打ちかっていくために、司法にもさまざまなマンパワーを結集するという観点から、知的財産権など専門的な分野につきましては、専門家が裁判官とともに事件の審理に関与することによって専門家の知見を活用することができる制度、つまり専門参審制度というものを導入したらいいのではないかというふうに私は考える一人でありますが、こんな考え方について、法務大臣、どんなお考えをお持ちでしょうか。
○国務大臣(保岡興治君) 我が国が今日の経済的発展を遂げてきた一つの大きな理由も、科学技術、教育水準、こういった人の対応というものに一生懸命努力してきたからだと、そう思います。 こういった、二十一世紀の国の発展を展望しても、やはり科学技術立国、創造立国ということが我が国の活力の重要な柱になる。そういった意味では、知財権というのでしょうか、知的財産権を最大限に戦略的に活用していくということは我が国の国是である。それを支えるのは、何といっても司法的な対応が重要であって、そのまた司法を担える専門的知見を持った人材というものが、先生御指摘のように、重要であります。 また、裁判を迅速、的確に行うということで、裁判が利用しにくい、なかなか時間もかかる、費用もかかる、あるいは専門的知見にも問題があるというようなことになりますと、これは先ほど先生も御指摘になったように、日本で裁判するよりか外国で裁判した方が早いと。もう裁判しているうちに次世代のものができてきて裁判の意味がない、そういうことが言われるゆえんであります。 日本の将来を考えるとそういった点は非常に重要な点でありまして、二十一世紀の我が国の社会において、ITを初めとする技術革新や社会の複雑、専門化、社会経済活動の国際化の進展に伴って、今お話がありまして、私も申し上げたような高度の専門的知見を要する紛争がますます増加していくことが考えられますので、これらの専門性の高い事件に適切に対処するため、裁判においてさまざまな分野の専門家を活用する方途について検討していかなければならないと思います。 御指摘の専門参審制度というものは、専門家が裁判官とともに専門的知見を要する訴訟の審理に当たる制度でございますが、そういったことで提案もされております。 司法制度改革審議会においても、国民が利用しやすい司法の実現、国民の期待にこたえる民事司法のあり方並びに国民の司法参加といった論点項目に関連して、専門家の知見を活用するための方策として、専門参審制度あるいは専門委員制度等の導入の当否について議論を進めておられるものと承知しております。 法務省といたしましても、今後とも同審議会の審議に最大限協力を惜しまないという姿勢で対応するとともに、司法機能を充実強化し、国民のニーズに的確にこたえて国際化にも十分対応し得る司法制度を構築するために、同審議会の審議状況等を踏まえながら、専門性の高い事件に対応できる司法制度のあり方について検討を進めて、来るべき新しい時代の要請にこたえてまいりたいと考えております。
○松田岩夫君 ぜひ法務省におきましても、司法制度改革審議会での議論を踏まえていただいて、ただいま申し上げた点についても前向きな方向で御検討いただきたいなと心から御期待申し上げます。 次に、この司法制度改革審議会で現在大方の意見の一致したところとしてと報じられておりますことが法曹人口の増加の方向。どうしても法曹人口を全体としてふやさなきゃいけないというようなことについては大方の意見の一致を見ておるというようなことが報じられておるわけであります。 私も、その点当然のことと存じますが、そういうことを思えば思うほど、今たまたま知的財産権のことについて専門家を活用しようというお話をいたしたわけでございますが、しかし、思えば司法にかかわる専門家というのはいろいろある。あらゆるマンパワーをこの際思い切って活用していくという発想をもっと持ったらいいのではないかと、私などはそういう物の考え方をする一人なのでございます。 そういう意味で、例えば先ほどの知的財産権の分野では弁理士という職種がある。それぞれいろんな分野の専門家がおられるわけでございます。何か専門用語では隣接法律専門職種と。なかなか難しい言葉を使うものだなと私もしみじみ思うんですけれども、この隣接法律専門職種といったものをもっと積極的に活用することを考えていったらいいのではないかと私は思います。 例えば、弁理士に知的財産権に関する訴訟代理権を認めるとか、あるいは現在、簡易裁判所の活動というのは司法書士の皆さんによってほとんど実質行われていると言うと言い過ぎかもしれませんが、かなりの御活躍であります。だとすれば、司法書士の方にも簡易裁判所の代理権を認めるとか、あるいはまた、今日のようなグローバルな時代でございます、日本の法律家だアメリカの弁護士だなどということも必要でございますが、しかしまた活用できるものは大いにそれぞれ所を得て使っていったらいいという意味で、外国法律事務所の日本国内における活動についても、現在は多少制約があるように私はお見受けするわけであります。 例えば、外国法律事務所の国内活動の制約といったものも緩和して、それぞれ所を得て思う存分活躍していただくというような方向であらゆる資源、とりわけ得がたい人的な資源というものを、日本の司法を本当に国民のニーズに合うように改めていくに当たって活用する方向でぜひ思い切って検討していただきたい、こういう思いを持つわけでございますが、この点について大臣、どんな思いでございましょうか。
○国務大臣(保岡興治君) 松田先生が御指摘のように、二十一世紀の司法の役割というのはますます重要性を持って、日本を支える不可欠の基盤として担っている意義というものは大変大きいものがあります。その大宗をどういう人たちで担っていただくかということになると、やっぱり弁護士先生が中心になり、また政府にも、あるいは国会のような立法機関にも、あるいは民間の法務部みたいなところにも広く法律家が必要となる時代になってまいります。 そういった意味で、幅広い法曹人口の拡大、質のいい法曹の養成ということが非常に日本の将来に重大な意味を持ってくるということは、先ほど来の先生との質疑の中で明らかになってきたことだと思いますが、そういう中で、先生御指摘のような隣接法律専門士の活用の問題でございますが、こういった職種の皆様方から要望も出ておりまして、司法制度改革審議会においてもそういった専門士の皆様方から御意見を聴取されているようでございます。 そうして、やはり国民に身近なところで活躍をされている司法書士の先生方に例えば簡裁における民事訴訟の代理権などを与えるべきかどうかということや、弁理士の先生に特許等の侵害訴訟の代理権をどう考えたらいいか、あるいは税理士の先生の税務訴訟における出廷陳述権、行政書士の行政訴訟事件の出廷陳述権、あるいは社会保険労務士の労働社会保険関係訴訟の出廷陳述権、こういったものについてどうあるべきかということがいろいろ議論になっていくものと思います。 我々としては、国民に一定の法的なサービスの質を確保するという点で、やはり能力を担保する何らかの措置が必要であろう。そういったことなどがきちっと答えが出るようであって、つまるところは国民の目線で本当に必要な法律サービスというものをこの方々に御協力いただいて担っていただけるかどうか、国民のためになるかどうか、そこを基準に、弁護士先生が今まで独占されていた業務についてこういった隣接法律専門士の方々にどの程度どういう対応をして開放というか、参加していっていただくかということなど、今鋭意司法制度改革審議会で御議論があっているところでございます。 また、政府の規制緩和委員会等、あるいは規制緩和推進三カ年計画で閣議決定されている、こういったところも審議会の結論を待って対応する姿勢でおられますので、審議会でいい結論が出ることを期待しておりますし、先ほど来申し上げているように審議会でのよき審議のために最大限の協力を惜しまないつもりでおります。
○松田岩夫君 ぜひそういう方向になりますように、また大臣からもよろしくお願いをしたいと思います。それから……
○国務大臣(保岡興治君) ちょっと一つ答えを忘れておりました。済みません。お答えを忘れてしまって申しわけなかったです。 外国法事務弁護士と弁護士の協働のあり方についてでございますが、御案内のとおり、平成十年の法改正で特定共同事業の目的に関する規制緩和を行いました。外国の企業とか外国人に関する訴訟については、幅広く訴訟を含めて関与していただけるような包括的、総合的な協力関係に基づく法律サービスが訴訟事務に至るまで一貫して提供し得るような制度改正にしたわけでございますが、今その運用状況をよく見ながら日弁連や外国法事務弁護士協会の意見交換などを行って特定共同事業の実情、ニーズの把握に努めているところでございまして、現行制度の不都合の部分があれば、それに対しては的確な対応をしたいという姿勢で今取り組んでいるところでございます。
○松田岩夫君 おっしゃるとおりです。 国民の側にもある種の、何ですか情報不足もございまして、もっともっと開かれた日本の社会にしていく上でも私は非常に、別に法律事務所に限りませんけれども、いろんな意味で外と内の境がまだまだ日本の社会はあるなということを私しみじみ感ずるわけでございますが、そういう意味でも、これからぜひ外国法律事務所といったものももっと身近に我々考えていける社会というものにしていきたいなということをあえて思っているものですからちょっと触れさせていただいたわけであります。 いずれにいたしましても、今申しました、大臣からもおっしゃったように、いろんな方々にそれぞれ御活躍いただくとしても、今後の日本の社会の姿を思いますと、やはり法曹人口というのは恐らく絶対的に足りないのかなということは私も感ずるわけでございます。 そういう意味で、これから一体どうやっていわゆる法曹人口と言われる方々を育成し、そして国民のニーズにこたえる立派な職責を果たしていっていただけるようなことにできるのかということを思いますと、これまた今この審議会の中でも法科大学院構想というものが真剣に取り上げられ、具体的に検討が今進められているということで、私は非常にいいことだと思うのでございますが、ただ反面、今の教育制度そのものについてまさに我々総力を挙げて現代のニーズに合う、そしてまたコスト的にもこれからは大変大事な要素になるわけでございます。いかに効果的に、そしてまた立派な人材を育成していくか、そういう意味では今日、日本の教育制度そのもの全体について大きく問われているさなかであります。 そういう議論の中でいつも思いますことは、また新しい法科大学院ができても、それが何となく硬直的で、また屋上屋を重ねたよなんていうことには絶対したくない。同時にまた、アメリカの友の話などを聞くと、アメリカの制度もなかなかいいぞと。あのロースクールという仕組みも、いろんな学部を出てきてそれぞれ専門分野を修めた方が最後、弁護士になるとか法曹界に入られる方はロースクールへ行って、ある意味で、技術とは申しませんが、技術的な部分も含めて専門的なロースクールで学んで幅広いいろんな経験、幅広いいろんな学識を持って法曹に入っていかれる。かえってアメリカの弁護士の方が使い心地がいいんではないか、能率はいいんではないか、質はいいんではないかなどということを聞かないわけでもありません。 そういうことを思うにつけても、アメリカの仕組みといったようなものについても十分検討する必要があるだろう。そんなことも恐らく審議会では御検討いただいていることと思いますが、立派なひとつ法科大学院構想、それが構想ではなくて実現されていくことを切に希望いたしまして、この点については特に希望だけ申し上げまして、時間も参りましたので、次に国家公安委員長の方に移らさせていただきます。ありがとうございました。 先ほど、佐々木委員からも既に出ておりますので重複は避けたいと思うのでございますが、やはりいろんなことを思いますと、今の警察も、結局、最後は警察を担ってくださる人々の問題というものも非常に大きな要素だなということを思うんです。 最近いろんな不祥事が重なって、今国会にはまた警察法改正も含めて国家公安委員会としては本格的にいま一度国民にしっかりと信頼される警察を確立しようということで頑張っておられる。特に、その先頭に立っておられる西田国家公安委員長には心から御労苦をたたえさせていただくと同時に、一層のひとつ御活躍をと願う気持ちでいっぱいでございます。 私、いろいろ議論されておりますので、ただ一言、やはり日本の警察も結局この時代の新しいニーズに十分に対応してこなかった、対応してこれなかったと。対応しようと思ったけれども、してこれなかったという面もあると思いますし、財政的な制約とかいろんなことでという面があると思うんです。キャリアの警察官何をおごっているかとか、なに怠慢な警察官とかいって、一方でぜひおしかりをいただきということでございますが、しかし本当にしっかりとした活躍ができる体制を我々政治の世界ではつくっていかなきゃいかぬということをもう一方で思うわけでございます。 交通事犯にしても、あるいはいろんな警察がかかわります事案、非常に数がふえてきております。そういう量的な警察の対応力というものに問題はないのか、私はかなりあるのではないかと。行政改革あるいは人員の削減といったことも一方でしていかなきゃならぬわけでありますが、しかし最も治安がいいなんと言われながらもいろいろ問題を抱えるようになってきた。新しい時代を迎え、あるいは世の中が変わるにつれ、進歩するにつれていろいろな問題が起こってきております。 先ほどもちょっと話題になっておりましたけれども、例えばサイバーテロなんというのは余り十年前は聞きませんでした。しかし、そういうものに対応するのに一体どういう教育を警察の諸君に施したんだろうかと。あるいは、これだけグローバル化し、麻薬を初めいろんな国際犯罪、しかもそれが国際的な組織犯罪、一体我々は海外のそういったものについてどれほどの情報を得るような仕組みに今の警察体制がなっているのかというようなことを思いますと、正直、大した情報力も調査力もないなということを私は実態を見て、それにしてはよくやっておられるというふうなことも思うわけでございます。あるいはまた、最近のようにストーカー事案だとか家庭内暴力だとか、要すれば従来の警察のままでは対応できない新しい質的なニーズの変化というものもどんどん起こってきている。 そういう意味で、今回の警察改革を機に、警察自身がこの時代の変化に十分対応していける量的な、そしてまた質的な能力というものをしっかり身につけさせるということも極めて大事なポイントだと、そういったことをもちろん述べておられるわけでありますが、私、特にきょうはその点を強調させていただいて、国家公安委員長の警察改革に取り組むお気持ちをひとつお話ししていただければと思います。
○国務大臣(西田司君) 冒頭に、過去における警察のありようについて御指摘がございました。私も非常にそのことは遺憾に思うと同時に責任を感じて、二十二万日本警察、お互いに新たな気持ちでひとつ国民、住民の生活、安全、そういうものを守っていくことに懸命の努力を払っていく決意で現在取り組んでおるところでございます。 御案内のように、公安委員会、警察におきましては警察刷新会議から警察刷新に関する緊急提言をちょうだいいたしました。私どもはこのことを非常に重く受けとめておるわけであります。さらに、これらについて検討を行ってまいりましたが、八月、警察が当面取り組むべき改革施策を警察改革要綱というもので取りまとめたところでございます。 要綱には警察法の改正や、それと同時に予算措置の必要なものなども含まれておるわけであります。警察法改正につきましては、警察刷新会議から提言されておりますように、公安委員会の監察点検機能をさらに実効的に機能させる仕組みや、またもう一つ、苦情、困り事、こういう申し出に対しましても警察署管内における協議会を設置いたしまして、そしていろいろな皆さん方の御意見等も踏まえながら、本当に警察というものが国民、住民と一体になって治安を守り、困り事を整理していくというようなことがこれからの新しい警察の仕事であると、こう考えておるわけでございます。速やかにこれらの改正案を取りまとめ、今度の臨時国会においてまた真剣、慎重に御審議をいただけるよう現在努力をしておるところでございます。また、予算措置におきましても必要とする事項については平成十三年度警察庁予算概算要求に可能な限り私は盛り込んでいく考え方であります。 そして究極は、皆さん方が安全に、そして安心して暮らせる社会、この実現を図っていかなければいけない。そして、警察はその第一線に立って、断固たる決意を持って改革要綱の実現を初めとする警察改革に全力を尽くしていく考え方でございます。
○松田岩夫君 日本は先進国の中では最も治安のすぐれた犯罪の少ない国だということを私は大変心から誇りにしている一人であります。そのよき伝統をいつまでも守り続けていかねばならない、そう思っております。そういう意味でも、ぜひ国家公安委員長、ただいま力強い御決意をいただきました。頑張っていただきたいと存じます。 時間の関係もありますので、警察改革の点につきましてはこの程度にさせていただきまして、次に自治大臣としての西田先輩のお考えをまた幾つかお聞きしたいと存じます。 御案内のとおり、国の財政も今大変でございますが、地方の財政もまたこれほど危機的な状況になったのも、ずっと昔は知りませんが、少なくとも私の知る限り、今日最も危機的な状況に陥ってしまったなと思うわけであります。十年前、借金が多いよと言っていたときでも地方自治体の借金残高は六十七兆円でございました。いや、多いなと。しかし、今十年たってその二・七倍、百八十四兆円、十年で二・七倍、百八十四兆円と。国も足しまして六百四十五兆円という数字が出るわけでございますが、しかしまた、地方もこれ偉大な借金をつくってしまいました。しかし、さらに将来を思いますと、このままいけばさらにどうなるんだと。 正直、ほとんどの自治体でむしろ今後十年以内に地方債の償還、今までお借りして借金したその償還がまた上に乗っかってまいります。そのピークが今後十年以内に来る。あるいは、退職する方々の数もこれからがピークだと。正直、自治体の財政においては退職給与引き当てなどということもいたさない仕組みになっております。これから退職者もピークを迎えるということになれば、これまた大変な資金であります。景気対策もあり、つくってくれ、いや、つくろう、いや、地方の社会資本を整備しようということで、いろんな社会資本も整備してまいりました。いろんなものもつくってまいりましたが、その更新の時期、あるいはその維持のための、運営のための経費というものがまさに年々これまたウナギ登りであります。 将来のそんなことを思いますと、現在の危機的な状況というのはもっと危機になるのかなということを一面思うわけでありますが、こういった地方財政の現状について、まず自治大臣のお考え、御感想、お伺いできたらと思います。
○国務大臣(西田司君) 委員御指摘のように、現在の地方財政は、近年の我が国経済の厳しい状況を反映いたしまして大幅な財源不足が続くとともに、税収入の低迷や累次の景気対策のために、公共事業の追加や減税の実施などによりまして、お話にも出ましたが、借入金残高が急増し、平成十二年度末におきましてはその額は百八十四兆円、こう見込まれておるところでございます。また、個々の地方団体の財政事情を見ましても、公債費の負担比率一五%以上の団体が全体の約六割を占めるなど、硬直化が懸念をされるわけでございます。 地方財政を冷静に見た場合に、マクロ的にもミクロ的にも極めて厳しいという、私は危機感にも近い認識を持っておるところでございます。
○松田岩夫君 さて、それをどうやって解決していくか、どうやって健全な地方財政へと持っていくことができるのか、今、我々政治が抱えた一つの大変大きなこれは課題でございます。そういう意味で、時間も余りありませんけれども、ほんの二、三点、基本的なことについてお聞きしたいと思います。 一つは、地方と国の税源配分の問題であります。 この四月に地方分権一括法というのを施行されたわけであります。それはそれで地方分権への大きな一歩だと誇りにすると同時に、ぜひ一層の地方分権へと、こう思うわけでありますが、しかしまた、思えば、その実質的な裏づけとなる地方財政の自立という面ではまだまだ不徹底だというふうに思うわけであります。補助金や地方交付税で何くれとなく面倒を見て、ある意味では財政的に丸抱えに近いと言うと言い過ぎですけれども、現在のシステムそのものを維持しながら地方分権地方分権と言っても、これは本当の地方分権ではあり得ません。一刻も早くそういう意味で地方財政自体を自立させなければなりません。 平成十年度の決算を見ますと、国民が負担した税金は全部で八十七兆円、国税が五十一兆円、地方税が三十六兆円でございます。大ざっぱに言って、国が六割、地方が四割でございました。これが国税と地方税の配分であります。しかし一方、歳出はどうだったか。同じ決算で見ますと、その割合は大ざっぱに言えば、細かく計算してみますと、国が三七%、地方が六三%、端数を切り上げ切り下げ、国が逆に今度は四割、地方が六割と。つまり逆になっておるわけでございます。この乖離を何で埋めたか。簡単に言えば補助金や地方交付税で埋めた、こういう姿になっておるわけでございます。 国と地方のそれぞれの行政の割合、それぞれこれからまさに徹底した行政改革、中身をよく調べていかなきゃいけませんけれども、しかしおおむね、例えば国の行政四割、地方の行政六割ということだとすれば、税も大きくいえば国が四割、地方が六割となっていて当然であります。ここにそもそも構造的な国税と地方税の地方分権を妨げている根本的な姿があるわけでございます。 決算委員会としてもこのことは十分に意識しなければいけない。根本的なこれは決算上の問題だと私は思うわけでございますが、決算上の問題ということはすなわち政策の問題だと、こう思うのでございます。そういう意味で、この地方税財源をしっかりと確立していくということが今まさに与えられている我々の最大の仕事であります。 東大の神野教授なんかは、もう所得税の一定部分を、明らかなことだ、地方の住民税に移せ、そして国と地方の事務の実態に合わせろといったような提案をされておられますが、私ももう平たく考えれば非常にわかりやすい話で、そんなことがなぜできないでいるんだというような感じさえするわけであります。 そういう意味で、自治省の方もこの点については今真剣に考えておられ、大臣も所信の中で、国と地方の税源配分の見直しなどによる地方税財源の充実確保に向けて取り組んでいくということをはっきり述べておられますが、この点について、大臣のまたお考えをお伺いできたらと思います。
○国務大臣(西田司君) 地方分権の進展に伴いまして地方公共団体がより自主的、自立的な行財政運営を行えるようにするためには、まず地方における歳出規模と地方税収入の乖離をできるだけ縮小するという観点に立って、自主財源である地方税を充実し、国庫補助負担金等、国からの移転財源への依存度をできるだけ少なくするということが必要だと考えております。 今後、この基本的な方向に沿って、関係方面の御意見も伺いながら、地方財政の健全化に資する具体的な方策について検討し、地方税財源の充実確保に真摯に取り組んでいく考え方でございます。
○松田岩夫君 ぜひ大臣、これは本当に地方分権とか地方主権とかいろいろ我々もう長いこと、正直、政治家にさせていただいてからも言ってまいりました。 しかし、地方財政自身が確立しなければできることではありません。本当にそれぞれの地域が、それぞれ議会を持ち、それぞれ主張を抱き、三千余りあるこの日本の市町村ほど、正直非常に特色が少ない。どこの町へ行っても大体同じような感じ。我が町はこうだ、我が村はこうだとやろうと思っても、その財源は中央に頼らざるを得ない。こんな姿のままで一体、我々は二十一世紀へそのまま行くのかということをしみじみ私は残念に思うのでございます。 そういう意味で、いろいろ改革がありますが、私は、最も国の根幹にかかわる、人間の生き方にかかわる一つの大きなところがこの地方税財源をしっかりさせてあげて地方分権をしっかりつくり上げることだ、こういうふうに思うわけでございます。 そういう意味でもう一点、地方交付税、これについても少し議論をさせていただこうと思います。 もともと地方交付税、税財源が国と地方にそれなりに適正に配分された上でもなおかつ各地方間に格差が生ずる、それはある程度やむを得ません。国として、いわゆるナショナルミニマム、憲法で保障するナショナルミニマムを保障するために、地域間、自治体間のこの格差を是正するための措置として、地方交付税制度、名前はともかく、この地方交付税制度という仕組みが要ることは厳然たる正義であります。事実であり、維持すべきものであります。 いま一つ、いろいろこれ考えてみますと、地方税財源をしっかりつくっていないがために、何となくこの地方交付税が地方財源そのものを補てんするという機能も一方で果たし、他方で今言う地域間の格差調整という役割も果たしておる。非常に性格があいまいになってきてしまったというのが一つの課題。これは、税財源をしっかりつくり上げて、そして地方交付税というのは地域間の格差是正ということだけが本来の役割ですよという制度にすっきりさせるということにぜひしていかなければならぬと私は思う一人であります。 同時にまた、この地方交付税、国が豊かで高度成長の中で財源も豊かであったときには、このナショナルミニマムという意識を我々は厳密に運用してきただろうか。財源があるからということで基準財政需要を膨らましてきた。一たん膨らましたものを切り下げるということは日本の社会では極めて難しいというのも、正直私自身みずから感ずるわけでありますが、しかし今日の地方財政、この交付税特別会計の借入金、年間交付額のほぼ二倍近い借り入れ、交付税会計そのものの借入金がそこまで膨らんできておるわけであります、短期間の間に。 そんなことを思いますと、そもそも好景気の時代、調子がよかった時代につくり上げてきたこの基準財政需要額そのもの、これが本当のナショナルミニマムかと。いや、ナショナルマキシマムとは言いませんけれども、ちょっと今のは失言ですかね、少なくとももっと厳密にナショナルミニマムかどうかといったことも再検討し、そしてしっかりとした地方交付税制度にしていく。地域間の格差を憲法が保障する国としての最低限の役割、国民それぞれ最低限の生活、最低限の生活環境、そんなものを保障しますよという仕組みにしっかり位置づけ直す。そのために私は、一方で税財源をしっかりさせると同時に、他方、この地方交付税の基準財政需要、つらいことではありますが、思い切ってナショナルミニマムを精査して、そして引き下げていくといった努力も必要ではないかというふうに思うわけであります。 話は尽きませんけれども、この地方交付税のあり方、ほかにもいろんな議論がされておりますが、最も基本的なことだけを少し述べさせていただいたんですが、大臣、御所見を賜れたらありがたいと思います。
○国務大臣(西田司君) 地方税財政制度のあり方を考える場合に、地方の行財政運営の自律性をより高めていく観点から、基本的には地方税の充実、先ほど申し上げたとおりであります、これを高めつつ、一方で各種の施策を的確に推進するために必要な財源の保障に支障が生じないようにしていくことも必要であり、地方交付税総額についても適正な水準は私は確保すべきものと考えております。 一方で、現下の地方財政は引き続き大幅な財源不足を生じておりまして、交付税特会におきましても平成十二年度では三十八兆円という不足を生じておる、三十八兆一千三百億円、こういう数字になっておるわけでございます。厳しい状況になっておるということを基本に置いて、今後、国と地方の財政のあり方を含め、地方財政上の諸課題につき中長期的視点から幅広くしっかりとした検討を行わなければいけないと考えております。その場合に、御指摘のように、地方交付税制度に関する各方面からのいろいろな御意見も踏まえまして、交付税制度の運用を含めこれから検討をしてまいりたい、こう考えております。
○松田岩夫君 省内にも、今、大臣のお話のように地方税財政基本問題懇話会というんですか、それをおつくりになって今真剣に御検討を始めておられるということでございます。ぜひひとつこの機会にしっかりとした案をつくっていただいて、現実に実現していくということでお願いをしたいと思います。 収入面の話をしてまいりましたんですが、一方、歳出といった面でも、国もそうでございますが、地方も歳出というものを徹底的に合理化していく、徹底的に改革していくと。歳出の見直しについてもこれまた私は一方で大きな問題があるのではないかと。そういう意味で、時間もなくなってまいったんですが、もう少し地方行政の中に、地方自治法自身にも「最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。」と、もうずっと書いてあるわけであります。 しかし、そういう努力を本当に地方自治体としても一生懸命しておられるかどうかという意味では、地方自治体に対する行政運営の面で大いにひとつ御指導賜りたいと思うわけであります。もっと簡単に言えば、今の言葉で言えば、市場メカニズムといいますか民間のノウハウといいますか、そういうものを使えるところは思い切って活用していくということが大事ではないかというふうに思います。 昨年成立いたしましたPFI法も、従来、官主導で行われてきた社会資本の整備運営などに民間の資金、経営ノウハウを導入し効率的な公共サービスを実現しよう、こういうことでできたわけであります。その積極的な活用も一方で図っていただきたいと思いますと同時に、また、これは諸外国でもまさに、いかにこの公共サービスを効率化するか、人類挙げてのある意味では課題になっているわけです、とりわけ先進国において。 そういった中から、例えば新公共管理法といったような提案、研究もなされております。ニュー・パブリック・マネジメント、NPMなんて最近はよく片仮名で、ローマ字で見る言葉でありますけれども、簡単に言えば、この民間の手法を公共管理にも活用していこうということだろうと思います。 住民をお客さんと考えて、本当にお客さんたる住民が満足しているかどうかといった観点から行政をしっかり見直してみる。あるいは業績とか成果、予算をただ実行した、決算をしたというだけではなくて、一体それは本当に本来の目的を達したのか、業績として成果として上がったのかということをしっかり見届けると。競争原理が活用できるところはどんどん競争原理を入れる、そして資源配分を効果的にしていくなんということを主要な内容にしたこのニュー・パブリック・マネジメントといったような考え方をもっともっと地方行政、国の行政、いわゆる行政へと。 お役所仕事と。お役所仕事は能率が悪いからねと、今でもこの言葉は何か永遠の真実のように我々、国民から聞かされるわけであります。お役所仕事だからね、一種のあきらめ。しかし、もうそんなことが許される時代ではない。どこから見ても、地方自治法に書いてあるように、最少の経費で最大の効果を上げなければならない。こう、まさにいいことを書いてくださっているわけですが、本当にそうなっているのかということを今こそ真剣に問い直さなきゃならぬと。 そういう意味で、地方行政も思い切った歳出の見直し、徹底した行政改革というものが求められるわけでありますが、私、いただきました時間になってしまいました。最後に、自治大臣からこの歳出面の見直し、地方行政における改革といったことについて御決意のほどを承れればと思うのであります。
○政府参考人(中川浩明君) 地方におきます行政改革について私からお答えをさせていただきます。 国、地方を通じました財政再建が今後の課題となっている現状におきまして、国民負担の増大を極力抑えながら多様化する住民ニーズに的確にこたえていくためには、簡素で効率的な地方行政体制を実現することが喫緊の課題であると認識をいたしております。 議員御指摘のとおり、地方公共団体におきまして、必要に応じ市場メカニズム、民間のノウハウを活用するという観点から、事務事業の民間委託やあるいは民間の効率的な業務運営を参考にした行政体制の整備を行うことは、地方行革を推進するための有効な手段の一つであると考えているところでございます。 自治省といたしましては、ことしの三月に行政評価を円滑に導入するための進め方あるいはバランスシートの作成の手法などにつきまして報告書を公表し、地方公共団体におきます普及啓発に努めているところでございます。また、ことし三月には御指摘のPFI法の基本方針が策定されましたことに伴いまして、地方公共団体におきましてもPFI事業を進めるに当たっての基本的な考え方を示しまして、事業の円滑な実施の促進に努めているところでございます。 今後とも、地方公共団体がみずからの行政改革に一層取り組むことについて引き続いて要請をいたしますとともに、主体的な地方行革を促すための国においてのさまざまな行財政上の支援につきましても積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○松田岩夫君 西田大臣を初め皆さんの思い切りの御活躍を心から期待を申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○月原茂皓君 保守党の月原です。 それでは、主として法務省、警察庁に質問させていただきます。 今、森内閣、ITの主導で景気回復する、コンピューターが入って情報社会が非常に進展しておるということはもう既に御承知のとおりでありますが、それに基づいて、まあ後から追っかけるような形でありますが、刑法改正が行われ、またそれで足らないところは不正アクセス禁止法をつくったり、また裁判所の方においてもテレホンカードが有価証券であるというふうに認めるとか、着々とそれに何とか応じているわけでありますが、いまだにその点でも、要するに偽造キャッシュカードをつくる場合のスキミングとか、あるいは偽造カード、でき上がっておるものを所持する場合の罰則がそれに対処することができないとか、そういう空白があるわけであります。 それも含めて、これからの情報化社会、そういうものを先取りした刑法というものについて、刑事罰について、法務省としてどのように取り組んでいるか、法務大臣にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(保岡興治君) 先ほど松田先生のときにも申し上げましたけれども、非常に社会が大きく変容しております。そういった社会の変化に適切に対応して法の秩序をしっかり確保していくためには、おっしゃるようにいろいろな変化に対応する刑事政策も非常に重要でございまして、法務省としても、法制審議会あるいは立法スタッフの限られた能力の中で一生懸命努力をしているところでありますが、私としては、やはりそういった立法体制の強化ということが今非常に重要な課題ではないだろうか。こういった立法の人員についてやはり行政改革の、行革の定員管理の枠の中で処理される制約下にありますけれども、こういう大立法時代という変化が大変な時代には法整備が喫緊の課題でどんどん洪水のように押し寄せる、こういうことに対応できる政府の体制を整えていくことは非常に重要だ、そういう問題意識で努力をしておるところでございます。 御指摘の点に触れて申し上げますと、クレジットカードなどの支払い用カードの偽造等をめぐる最近の犯罪情勢等にかんがみますと、偽造カードに関する罰則の整備は重要な課題だという認識を持っております。当局にその検討を指示してまいったところでありますが、専門的な見地からも御議論いただく必要があることから、電磁的記録を不可欠の構成要素とする支払い用カードの不正作出、所持、カード情報の不正取得など、先生が御指摘のように現行法制では処罰することができません。 〔委員長退席、理事鹿熊安正君着席〕 こういった空白がないように、これらに対する罰則整備を内容とする刑法改正案要綱につきまして、九月八日に開催された法制審議会に諮問いたしました。できる限り早期に法整備を実現させる必要があると考えますので、法制審議会の答申をいただいた上、次期通常国会に法案を提出できるよう鋭意努力をしてまいりたいと存じます。
○月原茂皓君 今真剣に、また次期国会に向けて空白部分については対処するように努力されると。巷間言われておるところですが、偽造カードによるものは九十億円の損失がもう既に発生しておると、十一年ではですね、そういうふうにも言われておるだけに、お願いしたいと思います。 そしてまた、法務大臣が冒頭にお話しになられましたが、先取りして刑事政策としてこの時代の変革に応じてやっていくんだというお話、私は心強く感じました。特に行政と立法、国会と行政府との関係というのは、日本の場合また特異な関係にありますだけに、法律というものはやはり責任を持って行政府もつくる努力をしていただかなきゃいかぬ。 このごろ、例えば瑕疵担保責任の、長銀、新生銀行の問題にしても、法務大臣、党におられたころにはそういうことも検討された方でありますけれども、今瑕疵担保責任なんかが出ておるのもやはりそこのところが、行政と立法のところで緊密な連絡がなかったというようなところが私は一つの欠点が出ているんだと。それだけに、よりスタッフを持っておる行政府がしっかりしてこういう問題に、刑事だけでなくてすべての法の分野についても努力していただきたい、このように私は思うわけであります。 次に、警察庁にお尋ねしたいんですが、本年の一、二月ごろに国会とかあるいは政府関係機関のホームページにハッキングが行われて、南京事件というようなものに書きかえられた事件があったわけでありますが、その捜査の状況はどうなっておるのか、そのことについてお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(五十嵐忠行君) お尋ねの件につきましては、本年一月下旬から二月下旬にかけまして中央省庁等のホームページが十八回にわたり何者かに不正に侵入され、その内容が改ざんされるなどの被害を受けたものでございます。 〔理事鹿熊安正君退席、委員長着席〕 警視庁などの関係府県警察では、電子計算機損壊等業務妨害容疑事件あるいは不正アクセス行為の禁止等に関する法律違反容疑事件として、被害に遭ったそれぞれのサーバーコンピューター内のハードディスクの提出を受けまして、ログ、これは通信記録でございますけれども、こういったものの解析とか内容の分析等を行ってきたところでございます。 その結果、一連の事件のうち中国とか米国など国外のサーバーを経由してアクセスしていることが確認されたものについては、現在、中国や米国等の捜査当局に対しまして捜査協力を依頼しているところであります。引き続き関係府県警察におきまして捜査を継続しているところでございます。 なお、被害にかかったサーバーで、ログがそもそもとっていないとか、あるいはログが消去されているというようなものにつきましてもログが残存していないということで、捜査はその時点で事実上行き詰まっているというものもあるという状況にございます。
○月原茂皓君 今、米国あるいは中国の方を通じてさらに捜査を進められておるということを、さらに捜査を徹底していただきたいと思います。米国等においては完全に最後まで突きとめておるわけでありますから、国家の威信にかけても私はお願いしたいと思います。 そしてまた、それとともに、警察が指導するというのもおかしいんですが、反省事項としてセキュリティーについてのホールがあると、これはたまたま書きかえられたからいいようなものの、中に眠っていろいろな情報をとられておる可能性もあるわけでありますから、警察の捜査の結果は、秘密にならない範囲で各行政機関にはちゃんと指導するようにしていただきたい、このように思うわけであります。 さて、情報で特に国家が守らなければならないいろいろな問題がありますが、きょうは法務、警察というところにお尋ねしておるわけなんで、代表的なものとして、犯罪捜査等の記録とかその他重要な情報資料システムというものに外部からアクセスする場合もあり得る、そしてまた内部から漏示する、これは一番恐ろしいことですが、こういうこともあり得る、こういうふうに思うわけであります。 こういう場合、外部からあるいは内部から、その場合どのような罰則が適用されるのか、法務省にお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(古田佑紀君) まず、検察庁について申し上げたいと思います。 検察庁でコンピューターで管理をしておりますデータとしては、御指摘の中では、典型的には犯罪歴、つまり前科がございます。こういうふうな情報につきまして、これに外部からアクセスしてコンピューターの中に入っていったというようなことがあるとすれば、これは不正アクセス行為の処罰法に該当することになろうかと思います。 また、内部の職員が仮に外にそういうデータを漏らしたといたしますれば、これは通常、国家公務員法上の守秘義務違反になりますので、秘密漏えいの罪が成立するということになろうかと思います。
○月原茂皓君 今の適用条文はよくわかりました。 そこで、この資料等をどのように防御しておるのか、保護手段はどのように構築されておるのか、このことについて法務省及び警察庁にお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(古田佑紀君) 検察庁におきます前科等のデータの管理につきましては、これは法務大臣の訓令という形で非常に詳細な事務規程を作成しており、これによりましてその管理体制及びその管理方法あるいは取り扱い方法を非常に厳格に定めております。 したがいまして、まずこういうところで防止を第一次的には図っているわけですが、もちろんそれに加えて、コンピューターシステムへのアクセスについてパスワード等のセキュリティーの対策を講じているところでございます。
○政府参考人(五十嵐忠行君) 警察では、検挙した被疑者に関する記録を初めといたしまして、犯罪捜査等の警察任務遂行のために必要な情報を収集、管理しているところでございます。 これら警察の保有する電子計算機処理に係る個人情報の取り扱いでございますが、一つは、そのネットワークは外部のネットワークと切り離すといいますか独立させるということがございまして、これによって外部からのアクセスを防ぐということをとっているところでございます。それから、国家公安委員会規則などによりまして、データの目的外使用を禁止するなどデータの漏えい防止のための安全確保の措置を講ずるとともに、都道府県警察に対しまして平素から指導を行っているところでございます。 ちなみに、犯罪経歴の漏えい防止の関係について申し上げますと、犯罪経歴が記録されている警察庁のコンピューターと都道府県警察の照会センターを結ぶネットワーク、先ほど申し上げましたように外部から完全に独立させているということ、それから照会センター等の端末設置場所でのいわゆる出入りの管理、これをきちっと行う、あるいは端末装置の操作を特定の者に限定する、あるいは照会の際に照会者の本人確認を行う、また照会に当たって照会事由、どういう理由で、どういう目的で照会するのかということを明らかにさせるといった措置をとっておるところでございます。また、事後チェックが可能なように照会状況を記録いたしまして、事後に照会が適正に行われているかどうかを組織的にチェックするということも行っているところでございます。
○月原茂皓君 今、法務省及び警察庁の保護対策について十分わかりました。 要するに外部から遮断さすということ、これは一つ非常に大事なことだと思います。それからもう一つ、中の人間が使う場合に、やはり日本の場合、ややもするとその重要性についてのランクづけがおろそかになっておる。重要なものについてはこの人間しか見られない、そして必ずその人間が見たならば証拠が残る、こういうふうなシステムに恐らくなっておると思いますが。 私はここで、法務大臣、自治大臣おられるわけですが、お二人の大臣にお願いしたいことは、ここでお話し申し上げておることは他の行政機関についても同じような問題があるだけに最もすぐれた、今私は警察のを聞いて現在ならばここまでだなと、こう思う点がありますから、そういうようなことを他の省庁にも参考になるように私は指導していただきたい。このことを、先ほど法務大臣にお答えしていただいたので、自治大臣、予定外の質問ですがひとつお答え願いたいと思います。
○国務大臣(西田司君) ただいまの御指摘は極めて大事なことだと考えておりますので、私の方からも関係各省庁連携をとりながら対処していきたい、このように考えております。
○月原茂皓君 内部の漏示ということに関して言うとただのぞき見するだけと、のぞき見と言ったらちょっと言葉が悪いですが、興味本位で、そういうふうなものに対してでも私は何らかの処罰、外に開示すればそれはもちろん公務員法違反になるだろうけれども、そういうことを見たことについてでもそのくらいのことでないと、これはもう非常にインターネットが発達してくる、国民が人のプライバシーに関心がある、週刊誌とか雑誌がいろいろなことを書き上げる、そういうときにいかにも見たことであるように書かれることだってこれからあるわけだけに、そういう点でもちゃんとした処罰もするし、そして内部規程で結構ですが、ちゃんと証拠が残るように調査ができるような体制を持っておるんだということを示すことは私は大切なことだと思うので、あえて申し上げる次第であります。 次に、時間があと少なくなりましたが、これからさらに進んでくるとサイバーテロというような話になるわけでありますが、そこまでは行かないにしても民間の重要なインフラについて、米国等においても金融とか交通とか重要なインフラについては管理体制、そしてアクセスがあれば必ず報告が来る、こういうふうな制度をつくっているわけであります。 日本においてもこの不正アクセス、重要なインフラについて、不正アクセスについて法律ができておるわけですから、その認知件数及び検挙件数はどうであるか。そしてあわせて、民間重要インフラのところに必ず報告してくれと、法律には制度はないわけでありますが、こういうところはもし本気で大きな背景を持ちながら行動された場合にはもろいものであるだけに、こういうところと常に連携をとりながら情報が入ってくるシステムをつくっておかぬといかぬと私は思うのですが、その点についてお答え願いたいと思います。
○政府参考人(金重凱之君) お答えいたします。 ことしの二月十三日に不正アクセス行為の禁止等に関する法律というものが施行されました。この施行後六カ月間におきまして警察庁に報告がありました不正アクセス行為の認知件数、これは三十五件でございます。それからまた、不正アクセス行為による検挙件数は十四件でございます。このうちで、いわゆる民間重要インフラというものに対する不正アクセス行為でございますけれども、これは金融機関それから放送機関に対するものそれぞれ一件ずつ計二件が認知されておるというところでございます。なお、この二件とも現在のところ検挙には至っておりません。 それからもう一つ、民間重要インフラ企業との連携はどうなっているのかというお尋ねでございました。 現在、内閣に情報通信技術戦略本部というのが設置されておりまして、この下でサイバーテロ対策を含めました情報セキュリティー対策につきまして官民一体となって検討が進められておるというところでございまして、当然でございますけれども、警察庁も関係省庁と一緒にこの中に参画しておるということでございます。 それから、警察としましては、サイバーテロ対策というふうに私ども呼んでおりますが、このサイバーテロ対策を推進する上で、その標的となるおそれのあります民間重要インフラ企業との連携を図るということが大変に重要だというふうに認識しておるところでございます。 例えば、先般開催されました九州・沖縄サミット、この際におきましても警備諸対策の一環ということで民間重要インフラ企業との連携を強化いたしまして、情報セキュリティーに関する実態把握だとか、あるいは相互の連絡体制の確立等に努めたというところでございます。 そういうことでございまして、警察庁としましては、今後はサイバーフォースというもの、これは機動的な技術部隊でございますけれども、このサイバーフォースといったものの創設等によりまして、民間重要インフラ企業等に対するサイバーテロ等の発生に迅速に対処する、同時に被害の未然防止あるいは被害の拡大防止ということを図るということのために緊急対処体制というものを充実強化するということにいたしておるところでございます。 今後とも、一層警察と民間重要インフラ企業との連携の強化ということに努めてまいりたいというふうに思っているところでございます。
○月原茂皓君 これをもって私の質問を終わりますが、サイバーテロについては今後ますます情報社会になってくると大変なことになりますだけに、そしてまた民間と利害が反する場合がありますから、民間にその重要性というものを、重要インフラのところがやられた場合には国家全部がやられてくる可能性があるんだというようなことを、常に連携しながら意思の疎通を図っていただきたい、そのことをお願いして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(鎌田要人君) 午前の審査はこの程度とし、午後一時二十分まで休憩いたします。 午後零時二十五分休憩 ─────・───── 午後一時二十三分開会
○委員長(鎌田要人君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、平成十年度決算外二件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○川橋幸子君 民主党・新緑風会の川橋幸子と申します。 では、早速質問をさせていただきたいと思います。 本日、一番最初にお伺いしたいことは、九月十七日でございますので、先週といいますか去る日曜日でございます。テレビ朝日の「サンデープロジェクト」、田原総一朗さんが司会をしていらっしゃいますので、政治番組もたくさんございまして、かなり視聴率の高い番組の中で報道されたものでございます。私もあらかじめ知っておったわけじゃなくて、その前の番組を見てふっと次のところにシーンが移ったときに、人権関係で活動していらっしゃる知人の児玉晃一弁護士がお出になったものですから、あっと思って見た番組だったわけでございます。番組のタイトルは「成田空港のウラに潜む暴力の実態」という、こういう番組でございました。 事実関係をどう把握していらっしゃるかをまずお伺いしたいと思いますので、それを伺ってから私の意見なり印象なりを述べさせていただきたいと思いますが、ぱっと私が第一印象で受けた感じは、何というんでしょうか、被害に遭われた外国人の方が、チュニジアの方でございましたけれども、非常に怖かったという言葉を漏らしておられたのが印象的でございまして、外国人労働者とか外国人の犯罪といいますと日本人の方が外国人を非常に怖いという気持ちを持つんですが、逆に日本人をとても怖いと思ったと、そんな一言が非常に印象に残るわけでございます。 まず、事実関係をどのように把握していらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○委員長(鎌田要人君) 大臣、お答えになりますか。
○国務大臣(保岡興治君) はい、答えます。 私は、その報道を見る機会がなかったのですけれども、調べますと、報道されました外国人、おっしゃるようにチュニジア人の方なんですが、この二名は、本年の六月二十日、成田空港において上陸を拒否され、本邦から退去命令を受けた者でございますけれども、このような場合に、入管法によりますとこの外国人二名は運送業者の責任と費用で出国させることとなります。これは国際民間航空条約においても認められているところでありまして、国際的な慣行にもなっております。 ところで、上陸拒否されたその外国人二名は、航空会社に引き渡されまして、その後、警備会社の事務室内に連れていかれた際、暴行等が行われたとの報道がなされていますけれども、この暴行の事実関係について、航空会社及び警備会社に対して東京入国管理局の成田空港支局において事情聴取を行いましたところ、そのような事実はない旨の回答を得ています。 なお、警備料については、航空会社、警備会社と外国人との間の問題でありまして、当局は一切関与しておらず、その詳細は承知することができません。
○川橋幸子君 法務省としても調査をなさって、これは民民といいますか私人対私人、上陸を拒否された外国人を送り返す義務というのは国際慣行上航空会社にあるということでございまして、民民の話だということが一つ。 それと、八月四日の朝日の記事によりますと、千葉県警の新東京空港署、成田空港署ということだと思います、通報があったと。警察の方も調べられたようでございますが、そのときは、アイムというのがこの警備会社の名前のようでございますが、お金を返したと。何というんでしょうか、お金を強制的に徴収、暴力を用いて六百ドルですか、一人三百ドルずつ奪われたけれども、その時点、成田空港署が入ったときにはお金が返されたということのようでございますけれども。 しかし、その後、アムネスティ・インターナショナル日本支部というものが保岡大臣の方に要望書を出しておるわけでございます。そのアムネスティの方の要望書の中に書かれている事項を見ますと、その退去命令が出ているというか、上陸を拒否された人を一時収監するところというのは一部屋五ベッドのところに十数人を入れたことがあるとか、窓といっても監視用の、のぞき用のガードマンがのぞく窓しかなかったとか、それから収容中の場合には全裸にして身体検査をすることもあるとか、男女の分離が徹底されていない、それから医療へのアクセスができないというようなことがアムネスティの方の要望書の中に書かれまして、保岡大臣に対しましては、上陸を拒否された人の身体拘束、かたい言葉でございますけれども、中に隔離されているわけですね、移動ができない、そういう拘束をするに当たっては、国際的な人権基準にのっとって適正な手続を保障するようこれは法律でもって担保していただきたいという要望が一点でございます。 それから、二点目の問題といたしましては、これは上陸防止施設という名前なのでございましょうか、その収容している人たちの部屋でございますけれども、こういう部屋は民民、私人間の問題であったとしても、先ほど述べましたような状況にあることにかんがみますと国として何らかの責任があるんじゃないか。 アムネスティ・インターナショナルの方の要望事項によりますと、まず、国が退去命令を実現するその役割を運送業者に委託したのであるから、その委託業務が適正に行われるように十分に監督する責任があるという、そういう意見を述べておりますのと、もう一つは、この上陸防止施設といいますのが国が管理運営している施設なわけでございます。管理運営者として、その内部の処遇が人権侵害があるようなことがないように、その処遇についても監視、監督する義務があるのではないかと、こういうことを言っているわけでございますが、こうしたアムネスティ・インターナショナルの日本支部の要望に対してはどのように法務省は考えておられますでしょうか。
○国務大臣(保岡興治君) 問題とされている事件は、これはいずれにせよ上陸防止施設の外の案件で、その場合は先生がおっしゃるように民民の問題だと思うんです。航空事業者それからその委託先の警備会社の民の問題、その外国人の方との関係で民民の問題なんですね。しかし、その点についても、我々も先ほど申し上げたように入管の方で事情も聴取いたしましたし、それに対しては航空会社の方にも注意を喚起して、こういうことが起こらないようにさらに適切な対応を求めていきたいと思っております。 それから、今おっしゃった事案とは違って一般的な意味だと思うんですが、上陸防止施設、これは国が管理しているところでありまして、実際には国の方も警備会社に委託をして、そこに上陸を拒否した外国人に一時とどまっていただいて、航空便が確保されてしかるべく送還される状況になるまでそこにとどまるということになっておりますが、その上陸防止施設の中の問題については、これはもう国の責任で委託先の警備会社とともにそういう暴力、暴行などがないように、これは国の窓口に当たる部署で、国のイメージを損なうことにつながりますから、しっかりとそういうことが起こらないように対応してまいりたいと存じます。
○川橋幸子君 そうしますと、費用が徴収された問題については民民の問題であるから国の責任というものはないという、そういうお答えだったということでございましょうか。 それから、上陸防止施設については国の施設なので管理運営責任はあると、これからはよく管理してまいりたいと、こういうお答えですか。
○国務大臣(保岡興治君) 先ほどもお答えしたように、民民の関係で航空会社の責任上行われている国際慣行があり、入管の規定上もそういうふうになっておるわけでございますけれども、しかし事実上そういうことがあってはよくないことは当然ですので、先ほど申し上げたように、航空会社を呼んで、そして事情を聞いたり、また注意を喚起したり、さらにそういうことがないように今後対応してまいると、先ほども申し上げたとおりでございます。
○川橋幸子君 大分、大臣は軽くお考えのようなそういう印象があるのでございますけれども、例えばこれは毎日新聞の記事でございますけれども、法務省側はどなたがお会いになったのかわかりませんが、退去外国人の苦情の多いことを認めて、「「警備会社は外国人の処遇に慣れていない。対処すべきかもしれない」と答えたという。」、こんな記事が挙がっておりましたり、あるいは八月八日の朝日の記事によりますと、元警備員、その警備会社の元社員ですね、の証言もアムネスティの方では聞いて調べているようでございます。同じような光景はテレビでも放映されたわけでございますが、非常に信憑性の高い証言として、職員の証言によれば、お金がないと言い張っていても出させなければ警備会社の職員として一人前でないと、こんな指示を会社がやっているとか、それからお金を払わなければ寝かせないぞというような暴言を吐くということは非常に間々あることだったと、こんな証言も出ているわけでございます。 私は、民民の話なのでという問題よりも、むしろこれは日本という国内の、日本国の領域の中で暴力が振るわれて、運送会社と外国人の間で費用の徴収が行われることは認められているわけでございますけれども、日本の警備会社がとめ置かれている外国人に直接暴力を用いてお金を徴収する、こういうことは本当に日本の国内法そのものが日本国という領域内で私は犯されていることだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(保岡興治君) その点については、暴力を振るう、刑法の暴行罪、傷害罪等になる、あるいは恐喝、強盗になるということであれば、これは当然犯罪でございますから、しかるべき捜査が行われるのが一般的な法の仕組みでございます。ですから、私が伺っているところによると、弁護士の方から九月七日に告発がされたということを伺っております。 しかし、その事件については、個別具体的なことについては、法務大臣としては従来発言を控えさせていただいておりますので、捜査の推移などを、これはもう厳正、公平、適切に対応していると思いますので、それを見守りたいと思います。 なお、先ほどから繰り返して申し上げておりますとおり、上陸防止施設内のことであれば国の責任において対応すべきことですが、航空会社に引き渡した後の対応は、これは事実上我々としては注意を喚起するなど再発しないように対応をきちっと促しているということでございますので、決して軽く考えているわけでもないし、対応を誤っているとも思いません。
○川橋幸子君 お金の徴収はその施設内で行われたのでございます。それから、あとおっしゃられました個別事件として告発状も出ているので、それはそれで司法の方の裁きに任せると、これは結構でございます。私もそれは個別案件としてはその処理をしていただきたいと思いますけれども、先ほどの元警備員の証言、テレビなどでも報道された言葉あるいは新聞で報道されている言葉などを見ますと、こういう状態がそうまれなことではないという印象を受けるわけですね。 そこで、やっぱりこれは身体を拘束するということは、これは法律上の根拠がなければなかなか人権が守られてしっかりとしたルールができるということがないのではないかということでございます。 まず、そもそもこれ上陸と書いてある。非常に不思議な言葉だと思いましたら、これは船の時代の入管の手続で上陸だそうでございます。上陸という言葉がたまたま出てきますが、そういうかなり時代もたっていて現代の時代には適応し得ないような法律になっているんじゃないかというのが私の印象でございますけれども、体が拘束される、自分の自由が奪われるというのは非常に大きな人権問題でございますので、法律上の根拠がなくてこういうことがやられていいのかどうか、もう一回法律上の問題に戻して御検討いただきたい。多分お答えは無理だと思いますので、これは要望させていただきたいと思います。 それから、上陸防止施設については国の施設として管理責任をお認めになっていらっしゃるわけでございますけれども、これも事実上もちろん監視、監督していただきたいと思いますが、ここもはっきりとした基準が必要なんじゃないかと、このように思うわけでございます。 例えば、類似のものとして、これはアムネスティの方の主張でございますけれども、民民の間でそうした身体的な拘束が行われる例として精神病院が挙げられておりますけれども、精神病院の施設内、精神病院内の処遇に関しましては厚生大臣や都道府県知事による監督の責務が法律上定められているということでございます。これも多分それは事実上しっかりと監督していきますというお答えで、きょうのところはそれ以上のお答えはいただけないのかもわかりませんが、私としましては長く質問させていただきたいと思いますので、今後とも質問させていただきたいと思いますので、本日のところはそうした国の責任を法律上明らかにしてほしいということを要望させていただいて、次の質問に移らせていただきたいと思います。 さて、二点目に挙げておりますのは、新潟少女監禁事件に関連いたしまして心の傷のケアの問題について何点か御質問させていただきたいと思います。 この新潟の少女の監禁事件というのは、本当に小学校四年ぐらい、これから思春期を迎えて人間的にも成長していく、大事な大事な成長過程を迎えるその女性が十年近いその成長の時代を奪われてしまった、こういう事件だったわけでございますが、この事件につきましては、まず警察の不祥事、この問題が大きく問われました。それとこの十年の期間の間に何回か発見されるチャンスがあったんじゃないかということが言われておりまして、それに対しては、警察がとり続けておられた家庭に入らずとか民事不介入、こんな姿勢がこの事件にも非常に大きな影響を及ぼしたのではないかということも挙げられておりますし、それから、最近数が、これは潜在化していたのが顕在化しただけだというお話もあるのでございますけれども、女性への暴力の問題、それから子供たちがうちに引きこもる、子供どころか成長期ずっと、成人しても引きこもるという引きこもりが犯罪に発展していく、こういう新たな犯罪への対応、こういうことが警察の課題として浮き上がってきている。 非常に複合的な要素を持ちながらこの事件は、痛ましくてかつこれを奇貨としてと言うと被害者の方からは怒られるかもわかりませんけれども、今後の警察の対応については思い切った改革をやっていく、取り組みをやっていくということが求められるのではないかと思っております。 そこで、さてきょうは、余り大きな話よりもこの心の傷の問題というところに焦点を当てまして、犯罪の被害に遭われた方に対する経済的、精神的な損害に対して社会がどう配慮していったらいいか、こういう点から質問させていただきたいと思います。 この新潟の方の場合は、日本体育・学校健康センター法に基づき、要するに文部省の方の法律に基づいて災害共済給付契約、三者の互助契約によりまして医療費が支払われているということでございます。一方、警察の方で所管しておられます犯罪被害者等給付金というこういう配慮の制度があるわけでございますが、今回、警察の方での有識者会議の提言がまとまりまして、この犯罪被害者等給付金の金額を引き上げる、あるいは、対象範囲と言ったら変ですね、今までは重度しか障害見舞金は出ていなかったわけでございますが、その障害の程度を軽度の障害にまで拡大していく、メニューを拡大していく、あるいは医療費の自己負担分を補てんするなどが提言されまして、この提言に沿いまして来年度予算要求が大蔵省に出、また次期通常国会での法案改正が予定されているということが伝えられているわけでございます。 なお、こうした犯罪被害者の、犯罪に遭われた被害者の方々への給付金をもっと拡充せよというこういう要望は、さきの通常国会で犯罪被害者保護法の審議の過程で衆参の両院で附帯決議をして、政府の方に要望させていただいたところでございます。 ということで、以上が前置きでございまして、これでお尋ねさせていただきたいと思いますが、もう質問する側でも犯罪被害者等給付金の拡充案、アウトラインを述べさせていただきましたので、差し上げた質問の一と二をまとめて伺わせていただきたいと思います。 私がお聞きしたいといいますのは、いわゆる心の傷、PTSD、心的外傷後ストレス障害というふうに書かれているようでございます。この点についても有識者会議の中で御議論されたわけでございますが、こうした心の傷についても犯罪被害者等給付金によって救済し得るように制度改正されるのかどうか、この点をわかりやすくお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(石川重明君) お答え申し上げます。 この犯罪被害給付制度の拡充につきましては、今、委員御指摘のとおりの経緯、背景を踏まえまして、犯罪被害給付制度の問題に関します中間提言というのを犯罪被害者支援に関する検討会という有識者会議からちょうだいをいたしまして、現在、概算要求もしておるところでございますし、またいろいろな法令の準備も行っている、こういう状況にございます。内容は、給付金の支給範囲を拡大していく、それから給付金額の引き上げを行っていく、こういうことが主たるものでございます。 ところで、いわゆる心の傷についてこうした改正がどのような関係になるのか、こういうことでございますが、現在の制度におきましても、犯罪被害者が犯罪によって障害を負った場合に、障害等級第一級から第四級に該当する重障害と認められるときには、その障害程度に応じて障害給付金が支給をされる。これは精神的な障害であってもそういった認定がなされればその限りにおいてなされる、こういうことでございます。 今回、その支給範囲を拡大するということでございますから、それより軽度なものであっても、この認定がなされれば、そうした精神的なと申しますか、心の傷が残ったといった場合には支給の対象になる、範囲が広がっていく、こういう関係になるのではないか、こういうふうに思っておるところでございます。 いずれにいたしましても、警察庁といたしましては、他の災害補償制度における運用というものも、よくそういうものにも倣いながら適切な適用、運用を行ってまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
○川橋幸子君 ぜひいい方向で予算が通り、実現いたしますようにお願いしたいと思います。 そこで、本件については既に医療費部分は共済給付の方から出ているわけでございますけれども、済みません、途中ちょっと条件句入れます。新潟の当該事件で被害に遭われた方にとっては、お金の問題というのは非常に聞き苦しい部分かと思います。ということですけれども、一般論として、この話は適用関係をはっきり伺わせていただきたいということなのでございますけれども、新潟の件は通学途中の事件であったわけでございまして、その関連する文部省の方の共済制度を見ましたら、通学途中の給付の場合は、障害が確定されて障害見舞金が払われる場合も、その金額は二分の一ということになっているわけでございます。そういたしますと、今回の犯罪給付金等の支給額がアップした場合にはこちらの方が適用される可能性は非常に高いというふうに、これはお答えいただかなくて結構ですが、確認させていただいてよろしいでしょうか。よろしいですね。
○政府参考人(石川重明君) 個別のケースについて申し上げますと、この新潟の女性の監禁事件について現在どうかということでございますが、症状が固定した時点で医師の診断等に基づいて裁定をする、こういうことになるわけでございますが、現在、私どもが承知しておりますのは、この被害者の方は現在も治療中である、こういうことでありますから、現時点において支給の対象になり得るかどうかということについては確たることは申し上げられない状況にございます。 それからもう一つは、他の公的補償制度によって救済がなされる場合、仮にその犯罪被害者等給付金が支給できると判断をした場合におきましても、他の制度による給付に相当する金額の限度で給付金が調整されるということでありますから、その調整が範囲内に入っているか飛び出ているかということによって決まってくるのではないか、このように考えております。
○川橋幸子君 私の話し方が悪かったせいかもわかりません。そういう条件を入れた上で確認をしたつもりでございまして、一点、私は、もしその障害が固定されて見舞金の金額が決まっていった場合に、医療費はこちらの制度、それから障害に応じた見舞金は犯罪被害者ということで、両制度にまたがって構わないというものなのですねということだけの確認だったのでございます。大丈夫でございますね。 それでは時間がありませんので先に参りますと、類似の公的制度の中で、きょうは文部省の方にもおいでいただいているわけでございますが、文部省の方の共済制度の障害等級を見たのでございます。資料をちょうだいいたしまして見たのでございます。そういたしましたら、一級から十四級まであるわけでございますが、メンタルな面に関しては一級から九級までの間に該当するものが載っております。 表現の書きぶりは、「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、」、ここまでは全部同じ表現なんですが、その障害の程度、重軽度の程度の判断基準は、「常に介護を要する」、これが第一級で一番重い、「常に介護を要する」。次が「随時介護を要する」。三級になりますと、「終身労務に服することができない」、終身働けないということなんでしょうか。四級がブランクになっていまして、五級になりますと、「特に軽易な労務」にしかつけないという。あと七級のところでは、「特に軽易な労務」のところから「特に」が抜けまして、「軽易な労務」にしか服せないとか、このような書きぶりになっているわけでございます。 障害の程度が子供、学生、生徒を対象としているのに、まず「労務」という言葉が出てくることに非常に奇妙な違和感を持ったということが一つでございますし、それからやっぱりこれはお医者さんの判定にまつのだろうと思いますけれども、身体的な障害については非常に細かい規定があるわけでございますね。客観基準がそれぞれの等級に挙がっているわけでございますが、メンタルな面についてももしかしたら現場のお医者さんたちは非常に困難をされているのではないかと思っているのでございますが、以上の点について文部省に伺います。
○政府参考人(遠藤純一郎君) 御指摘の日本体育・学校健康センターが行っております災害共済給付制度の障害見舞金の障害の等級についてのお尋ねでございますが、これは、今、先生が御指摘された点は、日本体育・学校健康センター法施行規則、いわゆる文部省令で定めておりまして、文部省令という性格上、御指摘のように抽象的な表現となっているわけでございますけれども、さらに、実はその下に適用の取り扱い方針というものを日本体育・学校健康センターの方で決めておりまして、例えば今御指摘の一番重い「常に他人の介護を要するもの」、これはこういうような、ちょっと長くなって恐縮ですけれども、「脳損傷にもとづく高度の片麻痺と失語症との合併、脳幹損傷にもとづく用廃に準ずる程度の四肢麻痺と構音障害との合併など日常全く自用を弁ずることができないもの、又は高度の痴ほうや情意の荒廃のような精神症状のため常時看視を必要とするものが、これに該当する。」と、こういうような、お医者さんなら多分わかるだろうというような感じで各等級のことにつきましてこういったような解説が別途決めておりまして、それに基づいて医師の方で診断をしていただいて出していただく、こういうような仕掛けになっております。
○川橋幸子君 お医者様、専門家にとってはそう困らないような細目まで定められているという、そんなお答えなのでしょうか。 私は、一言、やっぱり「労務」という言葉は非常に違和感を感じているということだけ、これは御記憶いただきたいと思います。学校の生徒に「労務」ということですね。長く述べなくてもその一言で御理解いただけるのではないでしょうか。 その一言を申し上げた上で、やはりこれは今度は厚生省の方にお伺いしたいと思うのでございますが、今回の心の傷というのは新しい社会的な問題として上がってきているわけでございますけれども、地下鉄サリン事件ですとか阪神大地震とか、災害でこうした障害が残ることも伝えられているわけでございます。 それから、お医者様にだけわかればよいというのと少し違うのではないか。このごろは、インフォームド・コンセントからさらにインフォームド・チョイスということまで聞かれるようになっていて、それぞれ国民がといいましょうか患者さんがというんでしょうか、対象となる人間にとっても非常にわかりやすいものであるべきではないか、このような気持ちを持つのでございます。 米国では、マスコミ報道によりますと大変詳細な判断基準が示されているようでございますが、今後のことを考えますと、障害の客観基準につきましては、やはり医学的な見地からの一般国民が理解できるようなそういう客観基準、それがきっと補償の際のルールになっていくと思いますので、そういうものが必要ではないかと思いますが、こういうことを御研究いただくということはできないでしょうか。
○政府参考人(今田寛睦君) 御指摘のPTSDを取り上げますと、おっしゃるようにいろいろなストレスの後に生ずるわけでございまして、これにつきましては、一般的な診断という観点から申し上げますと、国際疾病分類、WHOがつくっておりますけれども、この第十版に診断ガイドラインとして示されておりますし、特にアメリカでは、アメリカの精神医学会が作成しております精神疾患の分類と診断の手引きという、いわゆるDSMというものがございまして、この第四版が出ております。特にこの第四版につきましては詳細な、非常にわかりやすいといいますか、どういう状態がまさにPTSDに該当するのかということについてかなり詳細に記されておりまして、我が国においても、診断という意味から申し上げますと、おおむねこれに準拠して診断が行われているという状況にあると承知をいたしております。 さらに、このPTSDの診断の基準をどう制度として活用するかということが問われているのだろうと思いますが、いずれにしても、この診断基準そのものがまずはっきりしていること、この診断基準に沿って、その制度の特性に合わせてその障害の程度等を御判断いただくことになるのだろうと思います。 先ほど身体障害者の等級に触れていただきましたが、私ども、精神障害者手帳というものも所管をいたしておりまして、そこでも一定の程度のランクづけをしております。 しかし、心の問題ということもございまして、これを身体障害者のように詳細に分類するということはなかなか難しい面がございますけれども、この種基準の活用を今後どう持っていくかという点につきましては今後研究をしていくつもりでございます。
○川橋幸子君 今後研究をしていくというそういうお答えで、それではぜひそのようにお願いしたいということで、この件は終わらせていただきます。 少し時間の使い方がまずいといいますか、質問が盛りだくさんだったせいでしょうか、たくさん質問項目を御用意いただいたのですが、残りの時間が八分ということでございますので、恐縮でございますが最後の問題に移らせていただきたいと思います。 最後の問題といいますのは、国連人権B規約などに規定されております個人通報制度と我が国司法制度との関係についてという、こういう問いでございます。 私どもの民主党・新緑風会の所属議員の中で、本岡昭次議員はとりわけこの問題には長年情熱を傾けて質問をしておられます。その議事録を私も読んだのでございますけれども、個人通報制度を規定している条約なり選択議定書なり、そういうものの批准につきましては、日本政府は、憲法の保障する司法権の独立を含め、我が国司法制度との関連で問題が生じるおそれがあるという、全く十年間同じ答弁で通されているわけでございます。 しかし私は、これは国際的なそうした、何というのでしょうか、準司法的なものでしょうか、そういうものと各国の国内法とこれが対立しまして、国連が各国内の司法制度に内部干渉するとかというものではなくて、むしろ国際的なルールと各国司法制度とがお互い相互に補完し合いながら人権を保障していく、こんな国際秩序ができつつあるんじゃないかと思ってきております。 そこで、法務大臣にお尋ねさせていただきます。 十年間同じ答弁をなさるのも大変な御苦労ではなかったかと思いますが、国際的な潮流の変化を考えますと、やはりこの個人通報制度というのは、各国の国内法、国内の司法制度に内部干渉したり、あるいは各国の個人がこの権利を乱用して国連に上訴する、こういうものではなくて、相互に補完し両立し合うものではないか、この点について私はこのように考えるのですが、大臣はいかがでございましょうか。
○国務大臣(保岡興治君) また同じような見解を申し上げて恐縮かと存じますけれども、御指摘の個人通報制度に基づいて、個別の事案について条約に基づいて設置された委員会が見解を示す場合、当該事案またはこれに関連する事案に関する裁判官の自由な審理、判断等に影響を及ぼすおそれがあって、司法権の独立との関係で問題が生ずるおそれがあるものと考えられております。 なお、個人通報制度の司法制度との関連における問題点として、司法権の独立との関係のほか、我が国では適正かつ効果的な国内救済手続が整備され十分に機能しているところ、国内救済手続の体系を混乱させるおそれがないわけではないと考えられる点も挙げられるわけでございまして、個人通報制度については、委員会は通報を行う個人が利用し得るすべての国内的救済措置を尽くしたことを確認しない限り右通報を検討しないことになっているんですが、そのような救済措置が尽くされているか否かなどの判断は委員会が行うことになっているので、我が国としては、国内救済措置を尽くしているとは言いがたい事案についても委員会が検討する可能性は否定できないということも言えますし、また同一事案でなくても類似の事案について委員会が判断を示す可能性もあるということなども、従来お答え申し上げているとおり、この選択議定書が批准できない理由といたしているところでございます。
○川橋幸子君 残りの時間、恐縮です、もう時間が少ないので私は自分の意見を述べさせていただきたいと思いますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。 事情が変わっているといいますのは、批准国数が非常にふえているということですね。規約本体の批准国数が百四十四、そのうちこの通報制度を批准しているのが九十六でございます。ですから、百五十ぐらいですから、国連の加盟国のかなりの部分の国がこれを批准して、なおかつその三分の二ぐらいがもう既に通報制度を批准している。最初の通報制度に対する疑念というものは大変和らいでいるということではないかと思います。 それから、アジア地域でも、ざっと読み上げますと、サイプラス、キルギス、モンゴル、ネパール、フィリピン、韓国、スリランカ、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンというように西欧諸国だけではない、名前は読んでいると時間が足りなくなりますのでやめますけれども、アフリカ諸国の中でもこの通報制度というものは一般的に支持されるものになってきている、こういう事情変化があることでございます。 それから、それぞれの国の司法制度との関係で問題が生ずるおそれ、国内救済措置がとられていないのに国連のレベルまではね上がってしまうということが心配されているとは言いますけれども、外務省の方からちょうだいした限りにおいてはそういう事例というのは余り多くない。例えば、私がちょうだいいたしました事例では、スペインの例をちょうだいしているわけでございますが、結局委員会の最後の裁定は、スペイン裁判所の措置はこの規約に合致しているんだということを認めた上で国内の救済措置のスピードアップを図るようなそういう効果を持ったと、このように考えております。 我が国でも、現在、きょうも質問にございましたが、裁判の迅速化を図るような司法改革が行われているわけでございますし、それから現に人権救済機関のあり方も国際潮流に沿って現在法務省でやられていらっしゃるわけでございますし、それから行政内部における苦情処理の制度、今回の警察法改正の中にも盛られると伺っております。このようにさまざまな国内人権救済機関の基盤整備が進んでいった場合には、そこから漏れる個人について緊急避難的に認める、このような相互の補完関係ができると私は思っております。 例はちょっと違いますが、水泳の千葉すずさんの件を思い出していただきたいのでございます。大変さわやかな決定を国際水連はいたしました。千葉すずさんはオリンピックには行けなかった。これは、オリンピック水連の示す基準には達していなかった、だけれどもその水連の基準をちゃんと選手に広報しなかった日本の水連に対しては慰謝料の支払いを命じた、こういう件でございます。 私は、個人通報制度というのはこのように機能していくものだと思っておりますので、もうそろそろ日本政府も態度をお変えいただかないと国際社会の中では孤立してしまうのではないかということを心配いたしまして、きょうは長々と意見を述べさせていただきました。 ありがとうございました。
○海野徹君 民主党・新緑風会の海野徹であります。 それでは、与えられた時間の中で効率よく御質問をさせていただきたいと思いますが、まず地域振興券についてお伺いしたいと思います。 この問題は、景気対策ということで地域振興、景気対策等、目的があって創設された地域振興券交付事業補助金、これ七千億円が十年度の補正に計上されました。十一年度にわたって、二カ年にわたってこれは使われていったわけなんですが、補正であったから当然繰り越しをされたわけです。地域振興券を取り扱う民間業者の募集とか登録、あるいは印刷に時間がかかったからということで、半分ぐらいが次年度へ、十一年度へ繰り越した。そういう中で、十一年度決算においては八百億円が不用額だと。一たん渡ったけれども二十四億円は使っていなかったというような話があり、いろいろな報告があります。 また、地域振興券は六割は貯蓄に回っちゃったんじゃないか、家計の足しには多少なったものの、余り所期の目的の地域の商店の振興というのには回らなかったというような指摘があります。このときいろんな議論がありました。要するに、肯定的な経済学者の経済政策として大変適切であるというような議論はなかったやに思います。 また、当時、宮澤大蔵大臣もある意味では常識では考えられないけれども考えなくちゃいけないのかなというような形でお話ししていたというのも記憶に鮮明に残っているわけなんですが、非常に否定的見解が多くなっていた。あるいは信書ということで郵政省が郵便局でなくちゃいけないということで、これ本当は宅配業者、民間を使ったらかえって地域振興になったんじゃないかと思うんですが、文書性、特定性というか、保護される秘密とか、神学論争になったかどうかわかりませんが、私は民営化論者ですから、全くもってのほかな議論があったなと思っているんです。 非常に否定的な見解が多い中でこれは実施された。一体経済効果があったのかなかったのか、その辺についてお伺いしたいなと思いますし、また不用額八百億円の背景には何があったのかなということも教えていただきたいなと思います。 最近は政策評価というのをいろいろな点でやっているわけなんですが、幾ら官といえどもやっぱりコスト意識というのを持っていなくちゃいけない。そういった意味では費用対効果あるいは効率性、常に追求されてしかるべきものだと思います。そういった意味ではかなりの議論をした結果の七千億円でありましたから、厳正な検証をしてしかるべきだと思いますから、その点についてまず経済企画庁の方から経済効果をお聞きしましょう。
○政府参考人(小峰隆夫君) お答えいたします。 経済企画庁では、昨年、地域振興券が実際どの程度消費を喚起したかという点について調査をいたしまして、八月にその結果を公表いたしております。その結果によりますと、ネットでどれぐらい消費をふやしたかという点につきましては、使われた分の大体三二%ぐらいがネットの消費増になったというふうに調査結果が出ております。これをGDPベースの消費に換算いたしますと、二千億円ちょっとということになります。 これが生産ですとか所得等に波及効果を持ちまして経済全体に影響を及ぼしていくわけでございますが、この辺につきましてはマクロ計量モデルを使いまして推計いたしますと、この消費の増加が回り回ってGNPベースでは〇・一%程度GDPを押し上げたというふうに推計をいたしております。
○海野徹君 それでは、自治省側に、ぜひ大臣に御答弁いただきたいんですが、若干私の見解を述べさせていただきます。 このお金七千億円、あるいは八千億円弱のお金があったとしたら、むしろ就業支援とか失業対策に使った方が私はよかったんじゃないかなというような思いがするわけなんですね。これには地域振興券、ある意味では消費減税というような隠された、隠されたというか、減税したいんだけれども減税できないような状態に今はなってしまっている、日本全体が。それだけに、商品券でもって実質的な減税を図ろうというようなものもこれにはあったんじゃないかなと思いますから、そういう背景があるとしたら、非常にこれは税制の抜本的な改正を議論しなくちゃいけないという問題を投げかけているんじゃないかなと一つは思います。 そしてもう一点は、私は、我々の日本というのは恥の文化があったと思うんですよね。恥の文化があったと思う。西洋人は罰の文化があったのかもしれませんが、契約社会ですから。子供のころから、もらってこれを使いなさい、そういうことを植えつけられた、お金を上げるからこれを使いなさい、そういうことを植えつけられた子供たちというのはどういうふうに育っていくのかなと非常に心配になるんですよね。子供の人格形成にいい影響は決して与えないと思うんです。多様な人格を持っている、側面を持った人間としてやはり我々は扱われたい。単なる消費者じゃない。そういう意味からしても、これは大変危険なにおいが私はしてしまうんです。 消費を振興する、だけれども楽観できるような環境が用意されなかったら皆さん消費しないんですよね。むしろ、そういう環境を整備することが政策的に上位にランクされるべきじゃないかなと。だから、ある意味で宮澤さんが、常識的には考えられないことだけれども考えなくちゃと。奇策なんですが、奇策というのは、こういった意味では奇策の代表例かもしれませんが、これはやっぱり大変危険な結果を生むんではないかな。 そんなことを思いますと、地域振興券の推進室、それを設置してまでこれをやってきたわけですから、自治省としても厳正な評価をして、その実施結果、その評価等においてそれなりの見解を持っていらっしゃると思います。お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(西田司君) 地域振興券事業は、平成十年十一月の緊急経済対策の一項目として位置づけられたものだと考えております。そして、若い親の層や所得の低いお年寄りなどを対象とし、また地域振興券の交付という方法をとり、しかもその使用期間を設け、限定された期間内に使い切ることを促す仕組みとしたところであります。これにより、個人消費の喚起、地域経済の活性化を図り、地域の振興に資することを目的としたものだと考えております。 事業主体である市町村には大変な御苦労をいただきましたが、新聞、ラジオ等のメディアではしばしば取り上げられるなど、社会的な影響も大きいところ、また全国各地の商店街で地域振興券をきっかけとしてセールスやイベントが開催されるなど、地域おこしにも熱心にお取り組みをいただきました。 こういうことを総合的に考えますと、大きな意義があったと考えております。
○海野徹君 大臣から御答弁いただきました。 それじゃ、大臣、もう一度やるんですか。今効果があったというわけですから、もう一度やられるおつもりなんですか。 私は先ほど、おもらい根性が植えつけられた子供たちはどうやって育つんだ、大変危険ですよという話をした。お金を使うことが大切だから地域振興券で買ってきなさいと言われた子供たちがどういう子供たちになっていくのか。これは心配し過ぎだといえば心配し過ぎかもしれませんが、昨今の子供たちの状況を考えると、やっぱりこの辺のことを考えなくちゃいけない。あるいはイメージを膨らませて、いろんな政策の光と影があると思う、いろんな意味で。影は小さくすること、薄くすることが我々の役目だと思う。としたら、想像できるそういう危機管理みたいな部分、人間形成における余りいい影響じゃない部分は、やっぱりもう少し厳正に検証すべきじゃないかなと思うんです。 奇策を用いるということはやっぱり失意を深めるだけなんですよね。いろんな、生協なんかもあれいろいろ調査しているんですよ。経企庁だけじゃなくて、いろんなところでも調査していましたら、やっぱり効果はないと出ているんですよ。だから、そんな意味から私は、どう考えてももう少し、いま一度検証していただいた方がいいんではないかなと。 私は、最近やせ我慢という言葉がなくなっちゃったものですから、非常に憂えている一人なんです。やせ我慢というのは、私、子供たちによく教えているのは心のおしゃれだと、やせ我慢というのは。我々男性から言えば精神のダンディズムということなんでしょうけれども、そういう心のおしゃれというやせ我慢が今の日本人になくなってきている。ましてや子供たちになくなってきているとしたら私大変心配なんです。そのことがあるものですから、もう一度やるんですかということを含めて、大臣、御見解をお聞かせください。
○国務大臣(西田司君) 今やせ我慢という言葉が出ましたが、昭和初期の私にとっては非常に懐かしい言葉でございます。また、そういうことがだんだんと現代社会の中で薄れておるということは同感でございます。 そこで、効果論、効果があったのかなかったのかという御質問でございますけれども、いろいろ評価の仕方はあると考えております。しかし、この事業の大半のことがやはりお年寄りや子供や御婦人、お母さんやそういう人たちにいささかでも喜んでいただいたということは効果と評価しなければいけない、こう考えております。 ただ、今後これを引き続いてやるのかどうかという締めくくりの御質問でございますけれども、このことには景気状況、社会情勢、そういうことをよく見ながら判断をしていかなきゃいけないことで、今ここでまた引き続いてやりますとかやりませんということはひとつお許しをいただきたいと、こう思っております。
○海野徹君 ここで自治大臣がやるとかやらないとか決意を述べろと言われましても、確かにそういうような御答弁になるのかもしれませんが、やってほしくないんですよ。これは明らかに経済学者、これ全部検証したら、それは全く効果がないということはないかもしれません。だけれども、そういうマイナスの効果の方が、先ほど言いました政策の影の部分の方が私大きいんじゃないかなんということを心配するものですから、やせ我慢という、非常に同感だと。今こそ日本人はやせ我慢しなくちゃならない。これデフレ経済の日本ですからね、だからそういう時期に来ていると思うんですよ。ぜひその点は要望させていただきたいと思います。 次に、地方消費税の滞納問題についてお伺いしたいと思います。 これは地方消費税の創設の意義、いろいろ議論を国会でされました。その議論を抜粋したものをちょっと読ませていただきますと、地方消費税の創設の意義は何かというような議論がありました。それの答弁が、現行地方税制は直間比率が国税以上に直接税に偏った構造となっており、都道府県では税収が景気の変動の影響を受けやすい体系となっている、地方分権や高齢化の進展に伴う地方行政の役割を考えると、地方税の充実とあわせ安定的な地方税体系を確立することが緊要である、こういうような意義があって地方消費税を導入したんだというようなことなんですが、実態は非常に滞納額が多いですね。 国税庁も本腰を入れて、これは消費税を含めて本腰を入れているということなんですが、平成十二年度の地方財政計画で見ても、消費税額を課税標準とする地方消費税は二兆五千四百三十八億円、消費税に係る地方交付税が二兆九千七十五億円ですから、消費税関連収入は約五兆五千億円、これは地方団体にとっては非常に見過ごすことができない数字なんですね。 この状況がありながら、今こういう事態になっているという背景をどう御理解されていらっしゃるのか、その辺について。それにまた、本質的な問題がどの辺におありになるのか、まずお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(石井隆一君) 地方消費税につきましては、その創設の経緯等もございまして、納税者の事務負担の軽減あるいは税務行政の効率化の観点から、国の税務当局におきまして消費税とあわせて行う、徴収することにしているわけでございます。 先生御指摘の消費税及び地方消費税の滞納の問題につきましては、景気の低迷による事業者の資金繰りの悪化等が背景となっていると考えておりますけれども、この対策につきましては、国税当局が重点的な滞納整理の実施をしているところでありまして、これと連携いたしまして、自治省としても地方団体ともいろいろと連絡相談いたしまして、入札参加資格審査に際し納税証明書の添付を求めるような要請も行っておりまして、十三年度までに既にすべての地方団体において実施するという予定になっております。 こうした努力もございまして、消費税それから地方消費税を合わせました新規発生の滞納額につきましては、十一年度で対前年度と比較しますと一三%程度新規滞納発生額が減少しているといったような改善も見られております。 今後とも、地方消費税の滞納問題につきましては、国税当局等とも十分協力いたしまして、適切に対処してまいりたいと考えております。
○海野徹君 これは創設の経緯があって、当分の間、国の方でかわってやる、徴収するということになっています。 その当時、多分、私も県会にいて、一緒に静岡県でいたのかな、かつての仕事を一緒にさせていただいて厳しい言い方をするのは非常に申しわけないんですが、もっと大蔵とか国税庁に自治省としては厳重に、創設の経緯で当分の間だけあなたたちに任せるよと言っただけに、何でこんなていたらくだというような厳重な抗議というのはできないんですかね。 私、一番心配しているのは、我が静岡県も二兆円借金残高があるんですよ、もう。基金がゼロという状態。これは地方の自治体はほとんど同じようになっているんではないかなと。また後ほどその辺を聞くんですが。 最近、私がいろいろ資料で集めていますと、法人が今からしゃべるような状況になっているんです。 一九七〇年代に、七〇年にとって、これは五年ごとにとっているんですが、一九七〇年のことだけ言いますと、利益を上げている法人が七割あったんです、六九・八%。欠損を計上している法人が三〇・二%、三割あったと。そのとき、利益法人の利益の総額と欠損法人の赤字総額の差額、どれだけ利益が上がっているか、七割の法人がどれだけ全体で利益を上げているかということと、三割の法人がどれだけ欠損をやっているかと、その総額の差額がその当時約六兆八千億円あった。ずっと見ていくとだんだんふえてきまして、非常に右肩上がりで日本の経済がいいんだということだったんですね。 九〇年、これはバブルの絶頂期です。このとき、景気刺激策をやりましたから、利益法人が五一・六%、欠損法人が四八・四%、辛うじて五年前と比べてまた利益法人が多くなった、半分を超えた。そのとき差額が何と四十三兆六千三百四十億円、それぐらいあった。だから税収があったんです。 しかし、それが一九九七年、三四・六%しか利益法人がなくて、欠損法人が六五・四%、三割五分しか利益を計上していない。その総額、どれぐらいもうかっているかというと十三兆六千九百億円。まだそこまではいいんです、九七年度は。九八年度は、利益法人が三一・六%、欠損法人が六八・四%、もう七割が赤字の法人なんです。私は以前、六割が赤字だと言っていたんですが、もう七割なんですね。では、もうかっているのと損している差がどれだけあるかといったら、わずか一兆九千億円しかないんです。これしかないんです。法人二税に頼っている地方自治体がこの一兆九千億円からもらわなくちゃいけない、極端な話、こういうような状況の中からもらわなくちゃいけない、非常に脆弱化しているんです、日本の法人が。それに、消費税がこういうように滞納されていったら、それこそたまったものじゃないというのが地方自治体の関係者の話なんです。それだけにぜひ厳重な申し入れをすべきじゃないかなと思いますが、その辺どうなんでしょうか。 それと、シンクタンクによると一兆円も益税もあるんじゃないかというような話もありますから、その辺を含めて、決意のほどというか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(石井隆一君) 今、先生御指摘のようにいろんな問題があるわけですけれども、まず徴収の問題につきましては、本来、地方消費税はもとより地方税として定まったものでございますので、地方分権ですとかあるいは地方自治の観点から見ますと、地方団体がみずから徴収することが望ましいわけでございますけれども、地方消費税を円滑に導入するあるいは定着させていく、それから納税者の事務負担が非常にふえるんじゃないかといったような心配もございまして、そういうことにも配慮するということで、国内取引に係る分は、先生御承知のように当分の間消費税と一緒に国税当局が徴収するというふうになっているわけでございます。 もっと厳重に申し入れすべきではないかという点でございますが、この点につきましては、かねて国税当局と私どもと相当密接に協力し合っているところでございまして、先ほど申し上げました入札のときに納税証明書を出していただくようにするとか、地方自治体も含めまして、そういう滞納の問題ができるだけ適切に対応されますように、現在も努力しているつもりですけれども、今後も国税当局とよく話し合いまして適切な対応をしてまいりたいと思っております。 また、先生御指摘の、いずれにしても欠損法人がふえて地方財政が大変ではないかということもごもっともでございまして、私どもとしましても、何とか法人事業税の外形標準課税化を進めていきたいということで、今一生懸命と取り組んでおるところでございます。 それから、先生お話しの益税の問題、これも大蔵省とも話をしまして、御承知のようにだんだんそこができるだけ少なくなるように、限界控除制度みたいなのをやめるだとか、それから納付の期間の回数、中間納付をふやすだとかいろんなことをやってきておるわけでございまして、これからも納税者の皆さんの御理解も得ながら一生懸命努力をしてまいりたいと思っております。御理解を賜りたいと思います。
○海野徹君 今、外形標準課税の話が出ました。この間静岡に来られて講演もされたんですよね。さっき私もお話しさせていただいたように、欠損法人がもう七割になっちゃって、利益法人がもう三割しかない、その差額が一兆九千億円、二兆円も割っている、そういう非常に質的な脆弱化が法人で行われている、そういう中へ外形標準課税を導入する。ただ、今度はその対象によって経済活動がほとんど委縮してしまったりゼロになってしまったり、要するに地方経済がますますゆがんでいくんじゃないかという懸念も私は持っているんです。 だから、今御答弁で外形標準課税に触れられたものですからあえて聞かせていただきたいんですが、どの程度その辺は内容を検討されているのか、もし御答弁をいただければお願いしたいと思います。
○政府参考人(石井隆一君) 法人事業税の外形標準課税化の問題につきましては、政府税制調査会等におきましてもかねて御審議をお願いしておりまして、先般いただきました中期答申におきましても、地方団体の税収の安定化でございますとか、あるいは負担の公平ですとか、あるいは応益課税としての税の性格の明確化、あるいは経済の活性化、構造改革といったような趣旨からこれはやはり望ましい税制ではないかと、景気の状況もございますけれども、できるだけ早期に実現を図ることが望ましいというふうな御答申もいただいております。 私どもは、もちろんこれは法人事業税の性格をかなり変えることになりますので、当然、納税者でございます企業の御理解もいただかなきゃいかぬということで、具体的な、現在、課税の仕組みですとか、あるいは例えば中小企業なんかは大丈夫かとか、いろんな御心配もございます。そういう点、できるだけ御理解がいただけるような、課税の仕組みをどうするかというようなことで今鋭意検討しておりまして、また先生方からもいろいろと御指導、御鞭撻を賜りたいと思っている次第でございます。
○海野徹君 非常に慎重にその辺は議論していただきたいなと思いますし、私、中小企業でいろんな支援策があると思うんですね。金融支援があったり、あるいは人的支援があったり、あるいは市場、それから情報支援があったり、それで税制上の支援もある。そういう支援がありながら外形標準課税を導入する。 しかも、金融支援の中で、中小企業の方々とよく私、食事をさせていただきながら、あるいは講演させていただきながらよく話をするんですけれども、これは若干説明を聞いていただきたいんですが、金融慣行が今非常に不公正なんですね。金融機関にとっては非常に有利なんです。中小企業の経営者の方々にとっては大変不利な金融慣行が今あるんです、不公正な金融慣行が。それを是正する制度をつくりましょうかという話をするんです。 ただ、私なんかの話を聞きに来るのは大変金融機関とのつき合いがいいところなものですから、なかなか実感としてないらしいんですが、現実問題として、個人保証、連帯保証、あるいは事業資産以外のところも全部担保にとられたと、身ぐるみはいで全部パアになっちゃうんですね。 二十一世紀というのは私はリエントリー社会をつくりたいと思っていますから、そういった意味では、もう一度挑戦できる、もう一度参加できる社会にするためには、私はある程度今の金融慣行を是正すべきだと、そういう制度をつくるべきだと思って議論しているものですから、それだけにまた新たな負担を外形標準課税で、しかも何を対象とするかによって大分経済活動が違ってきますから、慎重な議論をお願いしたいなと思います。 次に入ります。 関連してくるわけなんですが、大変私は地方財政、もう放置できない状況にあると思っております。危機ラインに到達したというよりは、もう危機ラインを通り越しちゃったのじゃないかなと。 先ほど松田先生の方から百八十四兆円という話がありました。よく集まりで一兆円というのをどうやって理解してもらうか話をするんですが、百万円ずつ毎日使い続けても二千七百四十年弱かかりますよという話をすると、皆さんおっと言うんです。そのぐらい巨額なお金なんだと。それが百八十四兆円。あるいは我が県にはどうなんだという話をすると、とんでもない話ですねという話になるんです。だから、単なる数字づらだけで見ると、我々右から左に流れていっちゃうんですが、本当にこれは心していかなくちゃいけないんじゃないかなと私は思うんです。 ことしの経済白書でも、財政赤字の規模、これはもう持続不可能だという認識を示しています。それはなぜだといったら、千三百兆円もあると言われている金融資産を担保にしているから、国内債だからいいだろうというような安易なものになっているんじゃないかということを、財政規律を非常に弛緩させているんじゃないかという指摘もされている。まさにそのとおりだと思うんです。 一方で、国土庁がやったレポートで「国土レポート二〇〇〇」。これによっても、人口や経済の伸びと交通基盤の関係は明確にはあらわれない、整備された基盤を各地域が有効に活用していない可能性がある、こういうような指摘がされているんですね、国土レポートで。道路、空港の社会資本と地域活性化の関係が不明確だと推進役みずからが認めたレポートになっている。こういうような状況。 一方では、これは十年度の決算を審議しておりますから、当時、上杉大臣は、「国、地方双方の歳出抑制につながる施策の見直しなどによりまして、交付税特別会計の借入金や財源対策債等の特例的な借入金の縮減、地方債の抑制に努めていかなければならない」と考えている、こう答弁されているんです。大臣答弁ですから、大変、相当な決意でこの件に取り組まれたと思うんです。 その後、自治省としてもこの当時の上杉大臣の趣旨を、御意思を酌んでいろいろやってきたと思うんです。にもかかわらず、看過できないような財政状況があるとしたら、何を取り組んでこられたのか。あるいはその背景にまだまだ、いや、この程度だったらいいだろうという背景があるのかどうか、今の地方財政の現況、危機的な状況についてどのようにお考えになっていらっしゃるのか、数字等もあわせてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(西田司君) 地方財政は、通常収支において引き続き大幅な財源不足が生じており、極めて厳しい状況にあります。地方分権を進めるための行財政基盤を確立するためにも、地方財政の健全化は最も重要な課題であると認識をいたしております。平成十二年度の地方財政計画の策定に当たっても、経費全般について徹底した節減合理化を推進することを基本とし、地方一般歳出は対前年度比〇・九%減とするなど、一歩でも地方財政の健全化に向けて今取り組んでおるところでございます。 一方、当面の財政運営としては、景気を民需中心の本格的な回復軌道に乗せるべく全力を挙げて取り組み、このことにより地方税等の収入増を図り、歳入と歳出のギャップを抑制し、財政の健全化に資したいと考えているところであります。 さらに、景気の状況を見きわめつつ、国と地方の税財源配分の見直しと地方財政の諸課題について幅広くしっかりとした検討を行い、地方団体の財政基盤の充実強化を図っていく必要があると考えております。
○海野徹君 税収増を図ってという話もございます。先ほど日本の法人の質的脆弱性がこうやって五年ごとの数字で出ていますよということで、非常にそこから上がってくる税収というのは私、期待されていないんじゃないかなということを思うんです。確かに、外形標準課税でもって新しい税制でもあれば別なんですけれども。 要するにいろんな過去の歴史を考えて、借金を返したというところはないんですよ。民間企業は借金を返しているかつぶれているかどっちかなんですよ。だから、歳出を抑制して、あるいは二%成長で二十五年たてば倍になりますから、要するに負担割合を総体的に低下させていくしかないんです。実際、もう赤字を出さない、地方債を発行しないというような相当な決意がないといけないんじゃないかなという思いがするんですよ。 私は、この十年というのは本当にない物ねだりの十年間で、とにかく千三百兆円の金融資産を当てにしてどんどこどんどこ生活水準を下げたくないから国債を発行して地方債を発行してという十年だったんじゃないかな、もうそろそろさっきの話じゃないけれども、やせ我慢してもやっぱり抑制する必要があるんじゃないかなと、そんなことを私は思っています。 それに関連して、一方で金融システムがどんどん変わっていっている。この間、モルガン・スタンレーとチェース・マンハッタンですか、一緒になって、あれはロックフェラーとロスチャイルドが一緒になっちゃったんだという話も聞こえたんですが、第三セクターを襲う金融ビッグバンと考えられるんじゃないかなと私は思うんですね。金融システムが変わることによって資金の流れとか質というのは変わってくると思うんです。それは地方自治体にも向けられてくる。その一番最初に来るのは第三セクターじゃないかな、そんな思いをするんです。 これは通告してあると思いますからお伺いさせていただきたいんですが、いわゆる土地開発公社の塩漬けの土地の実態、これはもう明確にお調べしていただいていると思うんですが、七月二十八日に、自治体が経営を悪化させている土地開発公社の土地の買い取り、買い取る場合の起債を、これも起債なんですね、容認して利子の一部を特別交付税で補てんするような土地開発公社経営健全化対策、これを自治体に通知していますよね。こういうことまでしなくちゃいけなくなっちゃった。 この土地開発公社の塩漬け土地の処理費用が一体どの程度なのか、どの程度経営が悪化しているのか、あるいはそれも含めた第三セクターの経営の実態をどの程度把握していらっしゃるのか、おわかりになりましたらお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(林省吾君) お答えを申し上げます。 土地開発公社の状況についてでございますが、まず経営状況を先に申し上げておきますと、自治省が直接経営状況を把握しております道府県及び指定都市の土地開発公社につきましては、平成十一年度末の数字でございますが、五十八公社中十三公社が経常赤字を計上いたしている状況となっております。 なお、土地開発公社が保有している土地についてでございますが、平成十年度末の調査結果がございますが、十年度末現在で八兆七千九百億円となっておりまして、このうち五年以上保有している土地は三兆八千五百億円となっているところでございます。
○海野徹君 今お話しいただいたわけなんですが、この経営健全化対策、これは七月二十八日に通達を出したわけなんですが、これによってどの程度それが解消されていくんですか、あるいは健全化されていくのですか。どの程度その辺をもくろんでいらっしゃるのか、お聞かせください。
○政府参考人(林省吾君) 御指摘の経営健全化対策につきましては、先ほどお話ございましたように、去る七月二十八日付で地方公共団体に通知をいたしたところでございます。これを受けまして既に幾つかの団体では健全化計画の策定に取り組んでいるというふうにお聞きしておりますが、まだ全体の状況等は把握できておりません。 ただ、いずれにいたしましても、現在の土地開発公社の土地保有の状況から見まして、かなりの団体におきまして健全化計画を策定の上でその健全化に真剣に取り組んでいただけるものと期待をいたしているところでございます。
○海野徹君 それでは、自治省に通告してあった御質問をさせていただけなくなっちゃったわけなんですが、また改めていずれかの時間をとって御質問させていただいてということでお許しいただきたいと思います。 次に、法務省、法務大臣にお伺いしたいと思います。訟務費に関連して質問させていただきたいと思います。 十年度の決算で訟務費が十七億二千万円、内訳は、訟務庁費が八億六千万円、訟務旅費が四億円、保証金が三億三千万円というような内容となっています。これは事務方でないと具体的な内容等は御説明できないかもしれませんが、御説明いただけたらと思います。 それから、もう時間がありませんから全部質問させていただいて、一括して答弁していただきたいと思いますが、十年度において国が当事者となった裁判というのはどれぐらいあるのか、訟務事件というのはどれぐらいあるのか、それを教えていただきたい。国が勝訴した件数がまたどのぐらいあるのか。問題は、その費用を敗訴した国民の負担としているのかどうか。 まず、そこまでお伺いしたいと思います。
○国務大臣(保岡興治君) 十年度決算における訟務費の決算額は、先生の御指摘のとおり、総額で十七億二千六百二十一万円余でありまして、主な内訳は、訟務旅費四億千百二十万円余、訟務庁費八億六千八百九十九万円余となっております。 国が当事者となった訴訟の概要についてでありますけれども、まず民事事件で国が原告となる訴訟には、国有財産の所有権確認や明け渡しなどを求める国有財産関係訴訟、国の債権の回収を図る債権関係訴訟などがあります。 次に、民事事件で国が被告となる訴訟には、国家公務員の不法行為や公の営造物の設置・管理の瑕疵に基づく国家賠償請求訴訟があります。また、このほかに、行政庁を被告として行政処分の取り消しや無効確認を求めるための行政訴訟もあります。 平成十年の訟務事件の新受件数は八千百三十一件、既済件数は八千二百五十八件、未済件数は一万二千八百三十五件となっております。平成十年に判決を受けた事件のうち、国側が全部勝訴した割合は約九〇%でありまして、残りの一〇%が一部敗訴あるいは全部敗訴事件でございます。 おっしゃる訴訟費用の負担の問題でございますけれども、訴訟費用額の確定処分の対象となる費用の計算には相当の手数を要しますが、その割合には金額も少額であって、かつ債権回収の実を上げることが必ずしも容易でないことで、民間の当事者間の訴訟においても訴訟費用額の確定処分の申し立ては余り行われていない実情にあると承知しております。民事訴訟における一当事者である国としても、このような実情を無視できないほか、訴訟の相手が常に一般国民であり、国がたとえ勝訴したにしても、国の訴訟費用までもこれら国民から取り立てるということにはなお慎重な検討を要する問題があると考えております。 以上のようなことから、国が勝訴した場合の訴訟費用の額の確定処分の申し立ては積極的には行っておりません。
○海野徹君 時間がありませんものですから要望だけにさせていただきますが、今、司法制度審議会において非常にいろんな議論をされている。先ほど法務大臣も非常に決意をお述べになっていたわけなんですが、民事訴訟に要した弁護士費用敗訴者負担、これが議論されているんですよね。私人間ではなるほどなということがあるわけなんですが、国が勝った場合も個人にそれを負担させるというのはまことに私はいかがなものかなと思いますから、それは当然そういうことが、負けた個人に国に対して弁護士費用を払えというようなことがないようにしていただきたいなと思いますが、もし御答弁いただければ。
○国務大臣(保岡興治君) 今、先生がおっしゃったように、司法制度改革審議会において弁護士報酬を、これは弁護士報酬でございますが、負担しなければならないことにより訴訟に踏み切れなかった当事者が訴訟を利用しやすくすることなどから、基本的に導入する方向で考えることに大方の委員の意見が一致を見たと承知しております。 しかし、他方、敗訴者に負担させるべき弁護士費用額の定め方とか敗訴者負担の例外とすべき訴訟もあるかと思います。そういうものの範囲とか、例外的な取り扱いのあり方については今後検討事項にされたと伺っておりまして、法務省としては、その検討の結果を踏まえて適切に対応するようにしたいと思っております。
○海野徹君 ありがとうございました。
○大森礼子君 公明党の大森礼子です。 まず最初に、法務省の方に登記特別会計とコンピューター化の推進についてということでお尋ねいたします。 まず、昭和六十年七月一日から施行されました電子情報処理組織による登記事務処理の円滑化のための措置等に関する法律によりますと、第一条で、登記事務の処理のためにコンピューター化によってその処理の円滑化を図ることがうたわれております。そして、それを進めることは国の責務であるということが五条で規定されているわけであります。 国が進めるコンピューター化のための財源ですけれども、これは登記特別会計の登記手数料収入で賄うことにしていると。経理の明確化ということ、それから弾力的運営を図るということで特別会計とされているわけであります。 それで、この登記手数料収入の推移というものを見たわけなんですけれども、非常に伸び悩みというのが続いておりまして、平成十年度になりまして手数料の値上げということでふえはいたしましたけれども、その後平成十一年度、十二年度、この登記印紙収入、この歳入予算額が十年度と横ばいか低下ということになっております。 一方でコンピューター化につきましては、平成十二年一月一日現在で、全国の登記所八百七十二庁のうち約三四%の二百九十五庁にとどまっていると。法務省は平成十六年度の全コンピューター化と、こういう目標を立てているわけだけれども、これは進みぐあいとして大幅におくれているのではないかという気がいたします。 この現状認識と今後の見通しにつきまして御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(細川清君) お答え申し上げます。 登記特別会計の手数料収入でございますが、平成九年度が予算額九百二十一億八千百万円に対し、決算額は八百八十二億六千七百万円でございました。平成十年の四月に手数料を改定しまして、手数料を二五%値上げしたわけですが、平成十年度の予算額の千百五十一億六千百万円に対し、決算額は千四十億七千六百万円でございまして、値上げ前の平成九年度の予算額に対して一三%のアップということでございました。また、十一年度は、予算額千百十九億五千百万円に対し、決算額は千二十六億七千七百万円でございまして、これは平成九年度の予算額の一一%増にとどまっているわけでございます。 これは、近年の厳しい経済情勢を反映して手数料収入が伸び悩んでいるということでございますけれども、平成十二年度、本年度につきましてはこれまでのところ平成十一年度と同程度の収入の状況にあり、今後政府の対策等が功を奏しまして景気が回復いたしますればまた収入も回復するものと考えているところでございます。 これに対し、登記のコンピューター化の現状でございます。 最も最近の数字で、本年の八月一日現在の数字で申し上げますと、不動産の登記につきましては、全国の土地、建物が全国で二億七千万あるわけでございますが、そのうちの四四%についてコンピューター化されており、特に取り扱いの事件数につきましては約六〇%がコンピューター化されている登記所で処理されているわけでございます。 次に、商業法人登記の分野でございますが、これは総法人数が三百五十万法人ございますが、このうちの三一%、それから事件数につきましては約四〇%がコンピューター化で処理されているところでございます。 こういうところでございまして、当初の計画よりも最近の経済情勢を反映して厳しい状態になっていることは間違いありませんが、私ども法務省といたしましては、これまでも登記のコンピューター化を最優先の課題として推進してまいりましたので、今後もこの方針を堅持して最優先でこの登記のコンピューター化をやり遂げたいと考えているところでございます。
○大森礼子君 今御説明を受けましたけれども、そうしますと商業法人登記の方が少しパーセンテージとするとおくれているということになるのでしょうか。 いずれにしましても、この円滑化法五条によりましてコンピューター化を推進するのは国の責任なのですから、コンピューター化の積極的な展開についての取り組みを強く要望したいと思います。 確かに経済情勢といいますか、これも影響するとは思うのです。しかし、十六年度の全コンピューター化という目標に向かって進んでいっていただきたいわけなんですけれども、一方でこういうふうに収入が落ち込みますと、特別会計ということですので、一方でうまくいかなかったら手数料値上げにまたなるんじゃないかとか、こういう考えも起きてくるわけでございます。 これからの積極的な取り組みについて大臣から簡単に御答弁いただければと思います。
○国務大臣(保岡興治君) 委員御指摘のとおり、登記のコンピューター化というのは電子政府の実現を初めとするネットワーク社会形成の基礎として欠くことができないものでございまして、森内閣としても電子政府の実現には非常に積極的な対応をする姿勢でおります。社会的な期待も大きいと認識しておるところでございます。 そこで、法務省としては、コンピューター化の推進が国の責務であることに十分配慮し、これを最優先の課題として内閣と一体となって推進を図っていきたいと思っております。今のところ、平成十六年度末までに需要の多い都市部等を中心に全国の主要な登記所の移行作業を完了させるべく全力で努力をしているところでございます。
○大森礼子君 それでは次に、刑務作業収入額の低下と、それから受注活動についてお尋ねしたいと思います。 午前中の質問でも、高齢者の刑務所処遇についてあるいは外国人の処遇について質問があったわけなのですけれども、刑務所へ入りますと懲役の場合には労役というものがありまして、作業というのがあります。矯正施設における被収容者の作業による収入額実績の推移を見ましたところ、平成二年度ぐらいから見たわけなんですが、各年度の実績というのは決まって前年度実績というものを下回っております。 例えば平成十年度ですと、収入目標額百二十七億三百十四万二千円に対しまして実績は百十二億二千六百九十五万五千円。ちなみに、平成二年はどうだったかといいますと、百六十七億五千三十一万四千円に対して百六十五億九千二百六十三万円の実績であった。こういう数字を見ますと収入額が低下していることは明らかなんですけれども、刑務所とか各施設ではこの作業量といいますか、これをきちっと確保するためにいろんな契約、受注の活動を展開しているわけであります。 刑務所の中で課すべき作業がなくなるということはあり得ないと思うんですけれども、こういう数値が減少していることを見ますと、刑務所等の中で契約、受注のために努力といいますか、これはどのように行われているのか、これからの見通しについてどのようにお考えであるのか、法務省にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(鶴田六郎君) お答えいたします。 現在、刑務作業は長引く不況によりまして、刑務作業の発注元である民間企業からの作業の契約の打ち切り、解約ですけれども、あるいは生産量の削減、減産してほしいという申し入れが後を絶ちません。そのため、職員は作業量を確保するために奔走しているという状態が続いております。これに民間企業が安い労働力を求めまして生産拠点を海外に移転するといった要因も加わりまして、御指摘のように、ここ数年継続して作業収入が落ち込んでいるという状況にあります。 これを打開する方策といたしまして、受刑者の職業能力の向上を図ることはもとよりでございますが、例えば刑務所等と契約している企業から要望される品質とか納期あるいは作業能率、そういったものに対応できるような生産体制の確立とか、また消費者ニーズに適合した高付加価値製品の開発、生産を推進するとか、またリサイクル作業を導入するとか、その他コンピューター制御による印刷機器等の最新の機器の整備をするとか、また受注活動を充実させる、そういった措置を講じて何とか作業収入の落ち込みに歯どめをかけるように鋭意努力をしているという状況でございます。
○大森礼子君 よくわかりました。確かに不況の影響ということはあると思います。 矯正協会における刑務所作業提供事業等の収支という資料がありまして、これを見ましても、平成二年度から見ておりますけれども、横ばいで推移していたものが平成十年度実績では前年度実績に比べて十四億五千六百万円ほどのマイナスとなっております。十一年度計画の段階でも十年度実績を下回っているということでありまして、いろいろ確かに不況の影響にあるということは私も否定いたしません。 ただ一方で、やはりもっと工夫も要るのではないか、今、局長の方がおっしゃいましたけれども。例えば、よく矯正の方でCAPIC展というのがございまして、実は刑務所作業品で、私はCAPICが大好きであります。例えばいろんな家具とか工芸品とか見ますけれども、非常に品質がよいということで評価を得ていると思います。靴なども本当に、型がもう一つぱっとしませんけれども、ふだん使うような靴だったら十分である、安いということでCAPICのファンというものも非常に多いと聞いているわけですね。 そこで、ただ刑務所だから型が古くてもいいだろうということではなくて、あるいは値段もそれほど、品質がいいからといえば仕方ないんですが、それほど安いと思わないとか、そういう工夫が、何か刑務所作業品だからこの程度しかできませんというのでなくて、もっとやっぱり工夫をしていく必要があるのではないか、あるいは広報活動というものも必要ではないかと思うのですが、この点について改めまして局長の方にもう一回、いかがでしょうか、簡単に御答弁を求めます。
○政府参考人(鶴田六郎君) 大森委員にはCAPIC製品につきましていろいろ御関心を持っていただきまして、大変ありがたいと思っております。 今お尋ねになりました矯正協会でやっております刑務作業協力事業部の方も、やはり近年製品の販売収入というのが落ち込んでおります。これもこのままにしておくということになりますと刑務作業をする上で支障が生じてまいりますので、いろいろと打開する方策を考えておりますが、今お話のありました作業即売場を通じまして間接的に、あるいはアンケートなどの間接的な方法をとりまして、やはり消費者のニーズをよく把握していく。あるいは新製品の開発コンクールとか、あるいは高齢者社会に向けた介護製品等、そういったようなところでつくる製品についても大変工夫していかなければならないと思っておりますし、また宣伝の方法につきましても、やはりインターネットというようなものも今出てきておりますので、そういったところで、今、法務省もホームページを開いておりますけれども、そういったものも活用してできるだけ刑務作業製品に対する国民の理解を求めるような工夫、そういうものを凝らしていきたいというふうに考えております。 〔委員長退席、理事鹿熊安正君着席〕
○大森礼子君 きょうは、行刑施設における外国人被収容者の処遇に関する予算措置について通告しておりましたけれども、午前中、佐々木委員の方から少し御質問がありましたので、これは後に回しまして、時間があれば質問させていただきます。 それでは次に、きょう一番お聞きしたいことなんですけれども、司法通訳制度について質問をさせていただきたいと思います。 外国人事件というのが起きます。そして例えば捜査機関に逮捕される、身柄を拘束されると、捜査段階でも通訳ということが必要となります。それから、裁判の場でも通訳が必要となります。 それで、私は、捜査通訳、法廷通訳、このように分けまして、これを合わせて司法通訳という、このように今まで呼ぶようにしておりますので、この呼び方できょう質問させていただきます。 実は、これは私は、ずっと検事の現場におりましたときから、この通訳の問題というのは早急に解決しなくてはいけない問題だろうと、そうでなければやがて国際社会において非難を浴びるに違いないという、こういう感じを持っておりました。 〔理事鹿熊安正君退席、委員長着席〕 平成七年、議員になりまして、実は法務委員会の方でこの質問を断片的になりますが続けてまいりました。この問題は、言ってみれば非常に現場を知りにくいということで、マイナーな論点だと思うんですが、これまで過去にこういう質問をした人がいるだろうかなんて思って探してみましたら、実はお一人いらっしゃいました。それが保岡法務大臣であります。 昭和六十二年九月十六日、それから六十三年三月二日にも保岡法務大臣が衆議院の法務委員会でこの問題について質問しておられます。 とりわけ六十二年九月十六日の質問は、司法通訳そのものに限らず、広く通訳ということで質問されておられます。それから、司法通訳関係につきましても非常に大きな問題点をとらえてすばらしい質問をされている。そういう方が今、法務大臣になられたということで、ああこの問題を解決するのは今しか時がないのかなと。さあ時が来たと思うかどうかは、これはこれからの大臣の答弁にかかっているわけでございますけれども。 まず私は、大臣の過去の質問を見まして、法廷通訳人というものを非常に正確に理解しておられると思います。これは、法廷通訳に携わる方がこの部分を聞いたら非常によく理解してくださると喜ばれると思うんですけれども。この司法通訳の問題は、私は憲法三十二条、裁判を受ける権利、この保障であると思います。公平かつ公正な裁判を受けるために言語に通じない者には通訳をつけるという、この三十二条の要請だと思っています。 法務大臣、過去の質問の中で、「外国人であるために通訳を通じてしか裁判を受けられない。要するに、言葉を解することができないためにやみの中にいる人を導き出して、普通の人と同じように権利を保障してあげる、こういう役割を法廷通訳人というものは担っていると思うのです。」と、「そういった意味で、この法廷通訳というのは非常に重要な役割を担って」おりますと、こういうふうに言っておられます。ここでは法廷通訳に限定しておられますけれども、司法通訳と置きかえてもいいわけであります。 それで、この質問の中で大臣自身も、司法通訳の資格制度というものでしょうか、この必要性を述べておられるわけですね。それで、この司法通訳、資格の認定制度、これも私はつくるべきだと思うのですけれども、この議論の前提としまして、普通、資格認定制度といいますと資格がないと通訳ができないかのように思い込んでしまう方がいらっしゃいます。そうではなくて、例えば通訳ガイド試験、運輸省でしょうか、ありますけれども、あのガイド試験の資格を持っていないとガイドができないかというとそうではございません。実際、非常に語学がよりうまい人がガイドをやっている場合もある。ですから、議論の前提として、私は資格がなければ通訳できないという主張じゃないということですね。 それから、例えば資格認定の場合も一度にすべての言語を、認定制度をつくれるという性質のものではないと、これを前提にお話ししているんですが、大臣が当時質問された場合にもこの前提に立っていたと考えてよろしいでしょうか。
○国務大臣(保岡興治君) 十数年前のことですのではっきりした記憶を呼び戻すのもなかなか大変なんですが、多分アメリカにおける法廷通訳制度などを一つの例に勉強して質問をしたと思います。アメリカはスペイン語など三カ国語について法廷通訳の資格制度を実現していると思いますが、そういった意味で必ずしもすべての言語にわたらなくても可能なものから制度を起こしていくことはできると思いますし、当時もそう思っていたと思います。
○大森礼子君 この六十二年九月十六日の大臣がされた質問の中で、法廷通訳資格認定制度、これについては外国にもそういうことをきちっとしているということを証明していかねばならないと、これは相互主義の関係もあると思います。それから、こういう制度をつくることによって裁判所あるいはその関係者も法廷通訳の重要さ、研究といったものをやっていこうという動きも出てくると、そのとおりだと思います。それから、裁判所の職員とか捜査機関の職員あるいは渉外弁護士、一般の通訳、いろんな方々が法廷通訳の資格を取るように勉強していくというような目標にもなると、そのとおりだと思います。大臣もおっしゃっているように私は法廷通訳というのは実は最も高度な通訳能力を要求されるものだと考えております。そこで、通訳のステータスを高めるためにも、あるいは能力を向上させるためにも目標を与えるために一番権威ある法廷通訳、こういう制度にしなくてはいけないと、実はこのとおりだと私は思うんですね。 それで、この司法通訳の認定制度につきまして、通訳人資格制度ということにつきまして、ことしの八月八日に参議院の予算委員会で公明党の松あきら委員が質問いたしましたところ、短い時間だったのですけれども、保岡法務大臣は、「そろそろこの問題について検討をする必要があると法務省としても判断」しているというふうにお答えだったんですね。これは積極的、前向きととるべきかどうか、「そろそろ」というのが気になるんですけれども。 というのは、昭和六十二年のときにも、早く創設すべきと大臣おっしゃっているんですね。ぼつぼつ検討するなんて法務大臣が答えて、十三年間変わらない答弁なのかなと。これは変わらない答弁でがっかりすべきなのか、それともこれには深い意味が含まれているのか、これをきょうは明らかにしたいと思うのです。もう検討期間を過ぎて実際に取り組むべきかどうか、具体的な動きにかからなくてはいけないと思うのですけれども、大臣はいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(保岡興治君) 十三年前の質問のときも実は国際化が進んでいく状況が非常に顕著になり始めておりましたので、私としては、外国の方が日本で裁判を受ける、あるいは日本人の裁判でも重要な証人に外国人が立たれるというようなこともあって、裁判の事実認定等の適正な審理を行っていくためには、やはり通訳というものの果たす役割というものは極めて重要だと思って質問もしたわけでございます。 そして、事実それをきっかけに警視庁にも多分国際課みたいな課が、捜査の通訳を充実するためにいろいろ対応していただくような新たな動きが生まれたり、また検察庁や裁判所においてもそういった裁判や捜査段階の通訳の確保についていろいろと努力をしていただいて、その後、通訳人の名簿をデータベース化したり研修を行ったり、またいろいろ法廷用語というんですか、法律用語について通訳人によく理解していただくための資料を作成したり、いろんな努力をしていまして、当時は法廷通訳に限らず通訳というものの養成というのが非常に重要だということで、その養成について文部省の科研費で研究をしていただくことをしたり、いろんな動きがそれによって始まったと思っております。その結果、かなりその点が評価されたりして、外国からも視察においでになったりするような話も承っておって、それなりの前進はいたしておると思います。 この間、松あきらさんにお答えした答弁の意味はどういう意味かというお尋ねでございますが、私としては、本年度アメリカにおける法廷通訳の制度を検討するような予算措置もとっておりますし、来年もヨーロッパあたりの資格制度その他法廷通訳等の実情を調査する要求を今いたしておるところでございまして、そういうような調査検討と並行しながら法廷通訳、捜査中の通訳の重要性にかんがみていろいろ勉強、研究をしていくように省内を動かして、そういった検討を経た上、できるだけ早い機会に具体化できるかどうか、そういう最終的な判断をやろうと思っておりますが、とにかく大臣になったばかりでございますので、ちょっとそういうウオーミングアップと調査を先行させていただければと思う次第でございます。
○大森礼子君 大臣、自信を持ってください。 六十二年のこの質問は、まことに人権に関する提言、意見というものは普遍性があるなと思ったんですけれども、まさにずっとその後も通用することでありまして、資格認定制度が要ると、そのとおりであります。同じことを私もその後、後を引き継いで言っているわけなんですけれども、なかなか前進しない。 ただ、平成十二年度の予算で、司法通訳制度について法務省が委託調査費ですか、これを初めて予算措置をとりました。これでアメリカへ研究に行かれるんですね。これは非常に評価しておりまして、また来年度の概算要求でも調査委託費として、少し形が見えてきたかなと思うのです。 でも、私思うんです、六十二年のとき大臣はここまでおっしゃっていると。それで、その状況は変わっていないと思うし、それ以来外国人犯罪があのときよりもはるかにふえているわけですから、よし、自分が法務大臣になった、今こそやる時だといってリーダーシップをとられておっしゃるのかなと思ったら、ちょっと答弁が後退しているんです。 確かに、この前、松さんの答弁のところでも、「司法制度にかかわる通訳のいろんな施策の充実が図られてきて、」、これはそのとおりだと思います、今おっしゃったとおりだと思います。特に私は最高裁の取り組みを評価しているんですが、いろんな通訳ハンドブック、いろんな言語でしております。ただ、それで十分と見るか、これでは足りないと見るかですね。 それから、大臣はこうおっしゃっておる。「むしろ日本は諸外国に比べてかなり進んでいるということで外国から見学にお見えになるぐらいになってきております。」というんです。これで満足してもらっては困るんです。どこの外国と比較しているのか。本来日本が、憲法三十二条の裁判を受ける権利、これをあるべき姿にするには日本はどうするか、むしろリードしていかなきゃいけないという言い方にもなるわけです。 午前中の質問で、刑務所の処遇がいいのかどうかということで外国人に対して非常に人道的な扱いがされているという御意見もあったんですけれども、ペルーの大使がお見えになってということで。何かペルーから比べると五つ星ホテル並みということですが、それを聞いたときに私は、ペルーというのは実態は一体どうなっているのかなと、むしろこちらを不安に思ったぐらいです。 どこの国と比べるのか、そうしたら日本はどこの国を基準にして自分の国の進み方を見るのかという、こういう観点が必要だと思うんですよ。 それで、単刀直入にお聞きしますが、これを余り証拠資料で突きつけるつもりはないんですけれども、大臣どうされますか。資格認定制度について創設すべきというお考え、この十三年間で変わったのか、それとももっとその必要性を感じるのか。大臣、お考えいかがでしょうか。
○国務大臣(保岡興治君) 当然、必要性はますます増していると思います。そしてまた、先ほどお答えしたように、通訳人の名簿のデータベースにしても、これは既に七十三言語、通訳人の数でも三千七百五十八人登録をしていますし、また先ほど御説明した「捜査と通訳」という民間通訳の方に刑事手続を理解していただくための説明資料、これも逐次改定をしながら、十五言語作成、既に配付済みなど、相当通訳人の研修制度など徹底してやっているのは事実です。 しかし、先生がおっしゃるように、さらに法廷通訳の重要性に着目したいろんな諸対策を考えるべきだ、その中で資格認定ということを考えたらどうかということを私自身も十数年前言っているから決断したらどうかということでございますが、先ほど申し上げたように、その後ずっとこの問題をフォローしていたわけじゃなかったので、今度大臣になりましてから今日までいろいろな成果を、先生方のいろんなまたさらなるこのところ熱心にしていただいた御質問のせいで前進していると思うのでございますが、そういった成果を受けて、法務省としても決断し判断していくために、私自身の考え方だけじゃなくていろんな状況、例えば法廷通訳の裁判の現場における実情が今日どうなっているか、諸外国でどう進んでいるかなどを全部参考にした上、結論を求めていくのが正しいと思いますので、決して姿勢が後退しているわけじゃない、法廷通訳の重要性は重々承知して対応してまいりたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。
○大森礼子君 ここ十三年間ですか、フォローしていなかったと言うけれども、現状変わっておりませんし、それからデータベースで何人とかといろいろあります。これは、もう既に法務委員会で何度も質問しました。問題はその通訳能力です。これをどうやってチェックするのかという問題がございます。 それから、後で質問しますが、やっぱり倫理規程というものも必要なのではないか。刑事訴訟法でも通訳というのは鑑定に準じてと、それぐらい高い位置づけをされているにもかかわらず、これに対する制度というものができていない、こういう問題があると思います。 検討と言うんですけれども、例えばアメリカへ派遣する、調査をしていただきたいと思いますけれども、既に調査をしている方もいらっしゃいますので、そういう民間の方の意見を聞くのも大事だと思います。これからどうしようかわからないけれどもちょっと外国の制度を見てみようかという程度なのか、それとも実現に向けて積極的に検討するために参考にしようということでの調査委託なのか、あるいは実現しようと、そのために必要な調査、この段階によって取り組み方も違うと思うんですね。 私は、この司法通訳の問題というのはなかなか現場を体験しにくいということもありますし、それから裁判所側、検察庁側、それから警察側といろんな形ですべてを見渡すという、こういう方もなかなかいないということで本当にマイナーな問題になってしまうと思うんです。だからこそ私は、保岡法務大臣が誕生したときにもう本当にここで少しできるかなと、大きく前進するかなと。六十二年質問しましてこのことを一番最もよく御存じなのが保岡法務大臣だと思いますので、ぜひ前向きに積極的に検討していただきたいと私は思います。これはもう憲法三十二条にかかってくる問題だと思います。 それから次は、答えは要らないんですけれども、法務省だけで検討すべき問題でもないだろうと。捜査通訳というものは法廷通訳に関係しますし、警察、それから特に検察庁と、それから最高裁の方と例えば共同して研究するテーマでもあるのかなと私は思っております。それから、何もその法務省の現場の人間だけではなくて、現場の通訳をされた方とか、それから学者の方とか、裁判官、弁護士、検察官等を交えた、やっぱり準備委員会のようなものを設置して検討を進める必要もあるのではないかというふうに私は思っております。 アメリカでは一九七八年に法廷通訳法ができまして、一九八八年に法廷通訳諮問委員会、これは連邦にできております。ここでは通訳人はもとより、裁判官、検察官、弁護士、法律学者、書記官など裁判にかかわる人たちが諮問委員を構成しておりまして、ここでいろんなことが審議される。このことがアメリカにおける通訳人の質の向上につながり、法廷でのトラブルも減って外国人被告の人権擁護につながっているということでございまして、ただ法務省の検事だけで検討するのではなくて、裁判官も含めて、あるいは実際の通訳の方も含めて、もう既に民間の方が進んでいるんですよね、通訳の諸問題というのは。こういう意見も素直に聞かれたらいいのではないか、このように思います。 何かちょっと消極的な御答弁かなという気がするんですが、時間の関係で次の質問に行きます。 次に、通訳倫理の問題でありまして、資格がある者ない者にかかわらず、やはり通訳人とは守秘義務というものが中心とありますけれども、こういう倫理規程が必要ではないかと思います。 通訳人の守るべき職業倫理の徹底の現状、それから倫理規範の法定についてどのようなお考えか。法務省、裁判所それから警察庁、まず法務省、裁判所の方にお尋ねいたします。まず、そういう倫理規程の必要性についてどう考えているか、これ、率直なところをお答えいただきたいと思います。
○委員長(鎌田要人君) まずどこから答えますか。
○大森礼子君 裁判所からで結構です。
○政府参考人(房村精一君) ただいま委員御指摘のとおり、刑事司法に関与する通訳人の職業倫理の問題というのは非常に重要な検討課題だというぐあいに考えております。 法務省としても、先ほど大臣から御説明いたしましたような通訳人セミナーなどにおきまして、講話や座談会などの場を設けて捜査通訳人が守るべき倫理について指導したり、協議を通して理解を深めるよう努めております。また、検察庁においても通訳人との協議会などにおいて同様の指導を行い、倫理の保持に努めているものと承知しております。 倫理規程を定めるかどうかということについては、通訳人制度全体のあり方の中で検討していくべきものと考えております。
○最高裁判所長官代理者(白木勇君) お答え申し上げます。 裁判所における通訳人は、良心に従って誠実に通訳をすることを誓うという宣誓をした上で通訳をいたします。したがいまして、誠実に通訳をするという義務が生じるわけでございます。 それ以上にどのような倫理が要求されるかという点につきましては、現在の法律上は定めがないわけでございますが、先ほど委員が御指摘になりましたように、裁判所が通訳人の方に向けて作成いたしました法廷通訳ハンドブックなどでは、誠実に通訳をすること、それから公正を保つこと、それから職務上知り得た秘密を漏らさないことを求めておりまして、裁判官からも直接そういった注意事項を話しているところでもございます。 ただ、法律上、虚偽の通訳をいたしました場合には、虚偽通訳ということで刑法に触れるわけでございますが、それ以外は違反した場合の制裁措置などはないという現状でございます。そのあたりは今後の検討課題であると考えます。
○政府参考人(島田尚武君) 警察では、議員御指摘の守秘義務の問題や緊急時の確保の問題等を踏まえ、まず第一に通訳につきましては部内の通訳人の育成確保に努めており、現在約三千四百名を確保しているところであります。しかし、警察部内で少数言語等すべての言語に対応することは困難でありますので、高度の語学力を有する民間の方の協力を得て対応しているところであります。 直接今御質問はまだございませんでしたけれども、実は民間の通訳委託をしている方がプライバシーに触れることを外部に出したというふうな事例が過去にありまして、そういった事案については、通訳からは外れていただく、やめていただくということをしておりますし、また他の方々にも通訳人としての誓約の遵守について改めて指導したりしたところであります。 警察といたしましては、今後とも、民間の通訳人の方が捜査情報を漏えいすることのないよう、人選、誓約書の徴収等に配慮するとともに、講習会の開催等により指導を徹底してまいりたいと考えております。 また、議員御提案の倫理規範の法定につきましては、いわゆる捜査通訳、先生の言われる捜査通訳における時間的緊急性や場所的多様性等の特殊性を勘案しつつ、警察としては今後の議論の動向を見守り、必要に応じて検討に加わってまいりたいと考えているところであります。
○大森礼子君 時間ですのでもう終えなくてはいけないんですが、ほかにもこの通訳の問題、時間がなくて半分ほどできなかったので、これからも質問していきたいと思います。 最後に、一つだけ法務大臣にお尋ねします。 通訳謝金に関連するわけなんですけれども、少年法三十一条では、家庭裁判所は少年またはその扶養者から通訳人に支給した旅費、日当、宿泊料その他の費用の全部または一部を徴収することができる旨定めておりますが、この規定が市民的及び政治的権利に関する国際規約十四条、無料で通訳の援助を受ける権利、それから特に子供の場合ですので児童権利条約四十条、これも「無料で通訳の援助を受けること。」と、児童の権利に関する条約にもこのような規定があるわけです。 そうしますと、法文上、この少年法三十一条というものはこれらの国際規約との関係で、特に子どもの権利条約との関係でどのように理解すればいいのか。これは削除すべき文言ではないのかどうかということをお尋ねいたします。 近時、少年法の改正問題、これがクローズアップされておりまして、私は個人的には原則逆送の部分には反対であります。党内では少数派であります。このような議論をするときに、やはり子どもの権利条約との関係も十分考えていかなきゃいけないだろうと。私なんか、刑罰化を言う前に少年法三十一条なんかどうなっているのかなと、こうした点に目が行くわけですが、御答弁をお願いいたします。
○政府参考人(古田佑紀君) お尋ねの規定は、刑事裁判及び少年審判におきまして、国語を理解しない児童のためには通訳を付するということとともに、訴訟または審判の遂行過程におきまして通訳人の費用を児童に負担させないことを義務づけているものだと考えております。 すなわち、証人等を呼ぶ場合、あるいは通訳が必要な場合、それを審判や訴訟の過程で自分のお金で負わなければならないということになりますと、これは大変問題があるわけでございます。しかしながら、一方で、じゃこの通訳に要した費用というのを最終的にどうするかという問題がございます。 非常に端的に申し上げますと、非常に富裕なお金持ちの方などの場合にそういう方に負担していただくことがこれはできないのかということになってまいりますと、この条約は、そういう意味では最終的にどこをだれが負担するかということまで決めたものではないというふうに私どもとしては理解しているわけでございます。 したがいまして、そういう意味で、少年法三十一条が児童の権利条約に反しているとは考えておりませんし、また一方で、これは御存じのとおり、負担させなければならないという規定ではなくて負担させることができるということにとどまるわけでございますので、条約の趣旨を勘案してその範囲で運用が十分なされるものと考えている次第です。
○大森礼子君 もう終わりますが、最後に一言ですが、本当にそのような解釈でよろしいのかどうか。できるとしているのだからもらわなくてもいいじゃないかと。私は、やはり条文というのはもっと厳正でなくてはいけないと。児童の権利に関する条約で原則が無料であるならば原則それを明示して、ただしこんな場合には徴収できると、このような規定ぶりにするのが当然ではないか、このように思っております。 時間が来たので終わります。 ありがとうございました。
○阿部幸代君 日本共産党の阿部幸代でございます。 学校図書館の問題について質問したいと思います。初めに文部省に伺います。 昨年の八月九日に、本院は子ども読書年に関する決議というのを上げていまして、ことしを子ども読書年とするこの決議では、「本院は、この読書の持つ計り知れない価値を認識して、子どもたちの読書活動を国を挙げて応援するため、平成十二年、西暦二〇〇〇年を「子ども読書年」とする」、こういうふうに言っているんです。私は、この「子どもたちの読書活動を国を挙げて応援する」と、こういうふうに言っているところに大変責任を感じている次第です。 ことしのこどもの日に国際子ども図書館がオープンしました。部分オープンで、この全面オープンとその充実を心から願っていますが、私は同時に、子供たちにとって一番身近な学校図書館の充実を大変重要視しているところです。 そこで伺いたいんですが、学校図書館の図書の整備状況です。文部省は九三年から九七年までの五カ年計画を立てて、学校図書館の蔵書数を一・五倍にふやす学校図書館図書標準を設定していますけれども、その達成状況はどのようになっているでしょうか。
○政府参考人(御手洗康君) 平成五年三月に、御指摘ございました整備の目標として、文部省といたしまして学校図書館標準を定めたわけでございます。 これに必要な総冊数は、小学校で一億七千万冊、中学校で一億三百万冊程度に、合計で二億七千五百万冊となっているところでございます。これに対しまして、平成十一年三月末の蔵書冊数は、小学校で一億五千万冊、中学校で七千九百万冊、合計二億二千九百万冊となっておりまして、四千五百万冊増加いたしております。 この図書館標準を個々の学校ごとに見ますと、達成している学校は平成十一年の五月一日現在で、小学校で約七千校、中学校で二千校となっておりまして、合計、全体の小中学校数の約四分の一の九千校がこの基準を達成しております。また、学校図書館図書の標準を達成していない残りの二万五千校ほどになりますが、ここでの不足の冊数は合計およそ六千六百万冊ということで、あと六千六百万冊ぐらい文部省が考えておりました図書標準の冊数に昨年時点で達していないという状況でございます。
○阿部幸代君 小学校で二九・二%、中学校で一九・三%が達成しているというふうに資料で見ましたが、問題は、達成していない学校がいっぱいあるということで、特に整備率が五〇%未満、そういう学校が小学校で一四・二%、中学校では二二・四%もあるんですね。これがとても深刻だというふうに思うんです。なぜ未達成なのか、また今後の見通しについてどのように考えておられるか、お聞きします。
○政府参考人(御手洗康君) それぞれの公立の小中学校の図書の整備はその設置主体であります市町村がその財政の中で購入するということになっておりまして、文部省といたしましては、自治省にお願いをいたしましてそのための交付税措置はお願いをしてきているところでございます。 現在、その五年間で達成できなかった理由といたしましては、平成四年度末の蔵書数の一・五倍を達成するのに必要な増加数というのが当初九千二百万冊ほど必要であったわけでございますけれども、購入数自体が平成十年度までの六年間におきまして六千三百万冊ということで、三千万冊ほど購入数が足りなかったというのが一点でございます。 また、毎年破損あるいは古くなったというような形で、この期間中に図書の入れかえ、廃棄が行われているわけでございますが、この二つの理由によりまして九千二百万冊の増加が達成できなかったということだと考えているところでございます。
○阿部幸代君 私も廃棄というのが意外に多いということに気がつきまして、九八年ですと六百九十二万冊廃棄しているんですね。一校当たり百七十八冊の廃棄になりますね、小学校。一方、千二百六十三万冊購入して、一校当たり二百七十七冊ですか。そうすると、差し引き百冊しかふえないんです。ですから、結構お金のかかる事業だなというふうに思うんです。 それで、衆参両院で子供たちの読書活動を国を挙げて応援する、こういう決議を上げているんですから、文部省はぜひ意を強くして予算要求をしていただきたいと、これは強く要望いたしますが、その気ありますよね。どうですか。
○政府参考人(御手洗康君) 当初、平成五年から五カ年計画ということで、八十億円から始まりまして平成九年まで五百億円ほどの地方交付税の交付税措置を自治省の方にお願いをいたしました。私どもの調査では、ほぼこれ以上の毎年購入額が使われているものと承知いたしておりますが、平成九年時点でまだ達成していないということで、平成十年度以降も毎年百億円以上の交付税措置をお願いしているところでございまして、文部省といたしましても、今後とも引き続き各都道府県教育委員会等を通じまして、小中学校におきます図書の整備が充実できるよう指導を続けてまいりたいと考えております。
○阿部幸代君 自治省に伺いますが、新聞報道の中にはこの問題について、使途を制限されない地方交付税が財政難からほかの事業に利用された可能性を示している、こんなふうに言っているのもあったんですね。念のために、地方交付税措置がどのように行われてきたのか、その積算内容について伺いたいと思うんですが。
○政府参考人(嶋津昭君) 学校図書館の図書整備に要する経費につきましては、普通交付税の算定上、小学校費、中学校費という単位費用の中で積算をしているわけでございまして、その積算の内容につきましては、先ほど御手洗局長からお話がございましたように、学校図書館図書整備新五カ年計画という計画に基づいた計画冊数に基づいて積算をして、平成五年から九年までに措置いたしました。 ただ、現実に交付税自体はひもつきの財源ではございません。それで、整備の役割分担として、これは設置者たる市町村が小中学校で、あるいは県が県の学校、高等学校であれば県が責任を持って整備するということになっているわけでございますので、計画終了後におきましても今御指摘のような整備水準がまだ達成していないという状況にかんがみまして、その後も、その計画期間とほぼそれに準ずる財政措置を平成十年以降も続けているわけでございまして、また今後も文部省とよく相談をして対応していきたいと考えております。
○阿部幸代君 地方交付税措置というのは非常に細かく積算されているというのを勉強しましたが、この図書費について言うと、一クラス当たり一万八千三百六十三円という措置をするんですね。それで、十八クラスの標準的な小学校だと、掛ける十八で三十三万一千円、こういう形で措置をしているわけですね。ぜひ、引き続き文部省と力を合わせて、国を挙げて子供たちの読書活動を応援する立場に立っていただきたいと思います。 文部省にもう一つ伺いたいのは、図書館を活性化させるかぎを握るのは人であるということが言われます。子供と本をつなぐのは人だということですね。図書の整備について図書館の専任の人がいるかいないかで大きく差が出るということも私自身体験してきました。司書教諭の発令が全国の小中高、特殊教育諸学校、全部合わせて五百七十四人でおくれています。やはり学級担任とかあるいは教科担当とかをやりながらの兼任の大変さからではないかと想像するんですが、今後各学校で工夫をして発令をしていくことになるだろうと思っています。 問題は、この司書教諭と協力して学校図書館を運営していく人の問題について、ぜひ文部省には建設的な対応をしていただきたいなというふうに思うんです。 文部省のつくった「変わる学校図書館 自ら学ぶ意欲と力量を育むために」という冊子では、司書教諭とあわせてボランティアが位置づけられています。このボランティア自体は結構なことだと思うんです、私は。大いに協力し合ってやっていくといいと思うんですが、実は学校図書館には自治体が独自に置いている専任の職員がいます。学校司書であったり図書館担当の事務職員であったりパートであったりいろいろなんですけれども、これらの人の果たしている役割、これは当然文部省としても評価し尊重するべきだと思うんですけれども、どうでしょうか。
○政府参考人(御手洗康君) 御案内のとおり、基幹的な職員でございます教諭あるいは事務職員等につきましては、公立の小中学校並びに高等学校につきましては文部省が標準の法律をつくりまして、それを国庫負担あるいは地方交付税措置で、最低の基準は国庫負担あるいは地方財政措置を措置するという仕組みにしているわけでございますけれども、それ以外の学校のさまざまな職員につきましては、設置者管理主義の原則に基づきましてそれぞれの市町村や都道府県で相応の工夫をしていただいているところでございます。 御指摘のように、市町村独自で、あるいは都道府県独自で置いております学校の図書館の事務職員あるいはそれ以外の職員等、事務職員で三千人ほど、それ以外の職員で高等学校ではさらに千二、三百人ほどの職員等がいるわけでございますけれども、これにつきましては、それぞれの地方自治体におきまして積極的に私どもは取り組んでいただければありがたいということで指導をしてまいりたいと考えております。
○阿部幸代君 自治大臣に伺いたいんですけれども、自治大臣も議員として国会決議を上げる一人であったというふうに思うんですけれども、図書費について交付税措置をしているわけですから、少なくとも財政危機を口実として子供の教育、学校図書館の図書整備費をけちけち削るようなことは避けるべきだというふうに思うんです。また、多くの学校でまだ標準を未達成なわけですから、今の交付税措置をぜひ継続していただきたいんです。子供たちの読書活動を国を挙げて支援するためにも、これらの点について大臣のお考え、また決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(西田司君) 学校図書館図書整備に係る交付税措置につきましては、今後とも地方団体における整備の状況等を踏まえつつ、文部省ともよく相談をいたしまして、意向も聞いて、そして検討してまいりたい、こういうことでございます。
○阿部幸代君 次に、交通安全対策について質問いたします。 まず、交通事故による死者・負傷者数の最近の推移について、特に高齢者の交通事故の状況と特徴についてどういう状況になっているか、伺いたいと思います。
○政府参考人(坂東自朗君) まず、交通事故の発生状況についてでございますけれども、最も新しいデータということで本年の八月末現在の数字で御説明したいと思いますが、発生件数につきましては約六十万件でございまして、対前年同期比九・一%の増加ということになっております。死者数につきましては五千八百十六人でございまして、前年比九十七人、率にいたしまして一・七%の増加ということになっております。負傷者数は七十四万人弱でございまして、前年同期比九%の増加ということでございまして、いずれも前年同期と比べて増加しておりまして、厳しい状況で推移しているという状況にございます。 次に高齢者、これは六十五歳以上の方でございますが、高齢者の死亡事故についてでございますが、同じく本年八月末現在の死者数は千九百三十五人でございまして、昨年同期と比べまして十八人、〇・九%の増加ということでございまして、高齢者の方々の死者数は全死者数の約三分の一を占めているという状況にございます。こうしたことから、人口十万人当たりの死者数は全年齢平均の約二倍ということで、非常に高い率になっているという状況にございます。 そこで、高齢者の死亡事故の特徴でございますけれども、歩行中に事故に遭う方が非常に多いということでございまして、高齢死者全体の約半数の方が歩行中に亡くなっている、高齢者の方が歩行中に亡くなっているということでございます。それからまた、歩行中死者数全体の約六〇%の方が高齢者であるということになっております。 また、前年と比べまして、特に自動車乗車中の高齢者の死亡事故がプラス四十人ということで増加しておりますが、一方、自転車乗車中の方はマイナス五十人ということで減少しているといったような特徴がございます。
○阿部幸代君 大変な努力をなさっていると思うんですけれども、やはりまだまだ交通事故死亡者数も、それから負傷者数も相当な数に上っているというふうに思います。特に、いかに高齢化社会とはいえ、人口構成比よりも、その二倍ですか、お年寄りの事故が多いというのは本当に胸を痛めるわけなんです。 私は、交通安全対策の中でも、特に信号機の設置の問題に非常に問題意識を持っていまして、まずこの信号機の設置計画というのはどういうふうになっているんでしょうか。
○政府参考人(坂東自朗君) 信号機の設置につきましても、これは警察の自治事務ということにされておりますので、各県警がその交差点での交通状況等々を勘案しながら必要に応じて設置をしているという状況でございます。
○阿部幸代君 平成八年度から平成十四年度までの交通安全施設等整備事業七カ年計画というのがありますが、ここでは全体で二万百七十五基整備することになっています。年平均にすると二千八百八十二基で、都道府県一県当たりにすると年六十一基になるんです。これは少な過ぎるんです、実は。下から積み上げてこういう数字というふうにおっしゃるんですけれども、私の地元の埼玉県は全国でも三番目に交通事故、死亡事故が多いところなんですが、毎年千二百件前後の信号機の設置要望が出されています。 これは、私はかつて市議会議員をやっていたんですけれども、各市町村単位では今度は生活安全課というのがありまして、住民から寄せられる信号機設置要求、これもまた厳選するんですね。厳選してそれを県がまた集約するんですよ。その数が千二百基になるんです。ところが、実際に毎年どれだけついているかというと、この五年間、九六年が百四十九基、九七年が百四十七基、九八年が百四十三基、九九年が百四十三基、ことしは百基にとどまっているんです。毎年設置数が減ってきているんですね。 それで、もう時間がなくなるので、大臣、私は交通安全対策、本当に重要視していただきたいと思うんですね。それで、この計画自体が余りにも乏しいんじゃないかと思うんです、総数が。 それから、財政問題でいうと、交通安全施設を設置する財源というのは交通安全対策特別交付金ですね。この交付金というのが交通ルール違反の反則金、これを充てて賄われているんです。どうも変な形で、交通違反がふえればふえるほどその財源が膨らんでいって、それでその信号機の手当てをするという、どうもおかしな形になっているんですね。このことも含めて、本当に高齢者の安全も含めた交通安全対策を抜本的に充実するための計画と財源措置をぜひ進めていただきたいと思うんですが、大臣のお考えと決意を伺います。
○国務大臣(西田司君) 議員御指摘のとおり、信号機の設置は交通安全対策上有効であり、非常に大事なものだと考えます。 今後とも、この地域における信号機設置の必要性及び緊急性等も勘案しながら、信号機設置のための財政支援が講じられるよう警察庁及び都道府県警察を督励してまいりたいと考えます。
○阿部幸代君 時間ですので、どうもありがとうございました。
○緒方靖夫君 日本共産党の緒方靖夫です。 中小企業向け貸し渋り対策として政府が設けました特別保証制度について質問いたします。 中小企業白書や経済白書にも指摘されていることですけれども、長期化する不況のもとで中小企業の景況感や貸し渋りによる資金繰りが依然厳しい状況にあるわけです。これに対して政府は、資金調達が困難な中小企業に対して、九八年十月から来年三月まで特別保証制度を設けております。中小業者はこの制度の融資枠や返済期間、返済条件の改善を切望しているところです。 制度発足から現在までの保証制度の保証件数、保証実績額、これがどうなっているか、まずお尋ねいたします。
○政府参考人(中村利雄君) お答えいたします。 特別保証制度は九八年十月の未曾有の信用収縮の中で臨時異例の措置として導入されたわけでございます。 保証実績につきましては、本年二月末に二十兆円、これは当初の金額でございますが、を突破いたしまして、九月十四日現在で百三十八万件、二十三兆二千億円と非常に多くの中小企業に御利用いただいておりまして、貸し渋り対策としては非常に大きな効果を上げたと考えております。
○緒方靖夫君 この保証制度は、無担保で五千万まで保証人なしで一千万円まで融資を受けることができる、そういうもので、本当に困っている中小業者は非常に助かっているわけですね。しかし、この間、この制度を暴力団が悪用するケースが相次いでいるわけです。 警察庁長官、制度発足から現在までの暴力団などによる悪用事件の検挙数、把握している被害額、どのぐらいになりますか。
○政府参考人(田中節夫君) 平成十年に中小企業金融安定化特別保証制度が実施されて以降、暴力団等による同制度に絡んで行われました融資に絡む違法事案につきましては、警察において現在までに十一件を検挙しており、被害額につきましては合計で約九千万円との報告を受けております。 中小企業者としての活動実態のない暴力団等反社会的勢力が保証を不正に得て融資を受けたり、あるいは暴力団等があっせんを行うことは、本制度が設けられた趣旨を損ねるものであるとともに、暴力団等に不当な利益を与えるものであると認識しておるところでございます。
○緒方靖夫君 資料配付をお許しいただきたいと思います。 〔資料配付〕
○緒方靖夫君 この資料は「暴力団等による「中小企業金融安定化特別保証制度」を悪用した事件検挙一覧」ということで、警察庁から提出された資料をもとにして作成したものです。これは、警察庁が提出した暴力団によるそういう今述べた状況をまとめたものなんですけれども、この内容を見ますと、今御答弁がありました計十一件のうち詐欺が最も多くて、次いで出資法違反、貸金業法違反となっております。 事件の概要を言いますと、指定暴力団の山口組系企業が虚偽の決算書や建設業許可書を偽造して保証を取りつけて融資させたものや、保証を拒絶したことに憤慨して保証協会職員や幹部に暴行、脅迫を加える、そうしたケースまであるわけですね。これを見て、非常に驚くべきことが起こっているわけです。 暴力団による保証制度を悪用した犯罪は増加傾向にあるのではないかと思いますけれども、警察庁長官、いかがですか。
○政府参考人(田中節夫君) 暴力団等によりますところの本制度を悪用いたしました検挙件数、事件でございますけれども、必ずしも増加傾向にあると言うことはできないと存じます。
○緒方靖夫君 長官、よく事実を把握していただきたいと思うんですが、この配付資料を見ると、昨年五件だったものが、ことしに入って既に六件になっているわけで、これはやっぱり世間ではこういうものを増加傾向にあると言うんだと思うんですね。明らかに増加しているわけです。 法務大臣にお伺いしたいと思います。 中小業者のための保証制度を食い物にする暴力団の不法行為には当然厳正に対処する、これは当然と思いますけれども、その点お伺いいたします。
○国務大臣(保岡興治君) 中小企業金融安定化特別保証制度を悪用する事件については、今、委員も御指摘のとおり、詐欺罪等を適用して摘発がなされてきているところでございまして、検察当局においては警察等関係当局と連携して、御指摘のような事件については厳正適切に対処するものと承知しております。
○緒方靖夫君 さらにこの件で問題なのは、この保証制度を食い物にしているのは暴力団だけではないということなんです。一部報道によりますと、ことしの四月二十八日に東京地検特捜部が東京都信用保証協会や東京都労働経済局などを詐欺容疑の関連で捜索しているわけですけれども、その際特捜部が押収した資料には、制度の利用に当たって業者を紹介した東京都議会議員や国会議員を記録したメモが出てきたというわけです。 中小企業庁はこういう事態を把握していますか。
○政府参考人(中村利雄君) その事実については新聞報道等で承知いたしております。 そもそも特別保証制度というのは非常に多くの方に利用されているわけでございまして、しかもあの時期は未曾有の信用収縮ということで、簡易迅速に処理をする必要があったということでございまして独特の制度を構築しているわけでございますけれども、我々としましては、一般保証にして非常に保証要件が緩和しておりますので、その点について書面審査のみならず必要に応じて十分面接を行うとか実地調査を行うとか、このように指導しているところでございます。
○緒方靖夫君 昨年四月二十日付の雑誌エコノミストでは、ある与党代議士が次のような証言をしているわけです。「特別保証は、地方議員に大きなプラスになっている」、取りつけに際しては「地方議員が斡旋して、その謝礼を企業から受けている」、こういうふうに述べているわけですね。もしこれが事実ならば、あっせん利得罪にかかわる重大な問題だと思います。 今回、特捜部が押収したリストには、元閣僚経験者などの国会議員の名前が複数記されていると言われております。暴力団だけではなくて、ごく一部かもしれませんけれども、政治家までもが制度を食い物にしている、これはやはり重大だと思うんですね。 法務大臣、こういう事柄についてきちっと調査をされますね。
○国務大臣(保岡興治君) 個別具体的な事件については、私は答弁を差し控えさせていただきたいと思いますが、先ほどから申し上げているように、一般的にはとにかく犯罪の事実があると認識すれば厳正に対応するということだと承知しております。
○緒方靖夫君 大臣、情けない答弁ですよ。個別の問題じゃないんです、これは。個別というのは、具体的には何県のどこで起こった、そういうケースについて言っているわけで、私は決してそういうことを言っているんじゃないんですよ。こういう性格の事件について調査されるのかというふうに言っているわけですから、やはりその点についてはっきり御答弁いただきたい。
○国務大臣(保岡興治君) 何か押収された物の関係でいろいろな政治家が関与しているということにどう対応するかということですか。
○緒方靖夫君 そうです。
○国務大臣(保岡興治君) だから、そういう意味で、先生の御指摘の、報道されたと言われて指摘された具体的な事案についての捜査の内容について、あるいは個別具体的な対応についてはお答えしかねます。しかし、犯罪事実がそこにあると認識すれば、それは厳正適正に対応するものと承知しております。
○緒方靖夫君 大臣、重ねて確認したいんですが、私が述べているのは個々具体的なケースじゃなくて、政治家がかかわっているこういう性格の問題について、この制度を食い物にして政治家がかかわっていると言われているその事案について、そういう問題について捜査されるのか、調査されるのかとお尋ねしているんですよ。
○国務大臣(保岡興治君) 今、先生の言われる口きき、あっせん利得罪というようなことを念頭に置いて言っておられると思いますが、あっせん利得罪というのはまだ今、国会で御協議中のことでございますし、そういった仮に犯罪に該当するような事実が他にあるかどうかということは、これは検察庁で具体的に対応するということで、私がここで言及することは控えさせていただきたいと思います。
○緒方靖夫君 いずれにせよ、不正に対しては厳正に対処されるということを先ほどから言われておりますし、当然検察庁がしかるべき形で捜査に乗り出すならば乗り出すということだと、そういう事案だと思います。 中小企業庁長官にお伺いしますけれども、保証制度を悪用する行為には厳しく対処する、これは当然なんだけれども、同時に、これを名目にして善良の借り手にまで厳しい審査を強いる、そういうことがあってはならないと思うんですね。先ほど面接その他、指導と言われましたけれども、私は善良の借り手に対してこういう厳しさを及ぼすということはこの制度の趣旨にも反すると思いますが、その点お尋ねいたします。
○政府参考人(中村利雄君) 先ほども申し上げましたけれども、この制度は本当に多くの方に利用されておりまして、非常に迅速に処理する必要があったということでございます。月に二十万件というような処理をしたこともあるわけでございます。そういう中で、一部に不十分な審査があったかもしれませんけれども、最近におきましては全体が落ちついているということもありまして、書面審査のみならず面接審査あるいは実地調査をしているわけでございますが、これは必要に応じてやるということでございまして、すべてにそういうようなことを求めているわけではございません。
○緒方靖夫君 必要に応じてということで、それは必要なときにはそういうことが行われるのは当然と思います。 その点で私、特に留意したいのは、保証制度要綱の留意事項、これを見ますと、制度の発足当時は、暴力的不法行為者などが介在する場合、そうなっていたわけですね。ところが、昨年九月、これに加えて新たに、申し込みに際しいわゆる金融あっせん屋などの第三者が不法に介在する場合という文言が加わりました。この改定以降、例えば申し込み本人の会計事情に詳しい立会人の同席が認められなくなり、申し込み手続の際に相談することができなくなって困った、そういう声が私たちのところにいろいろ寄せられているわけですね。 中小企業庁はこうした状況について把握されていますか。
○政府参考人(中村利雄君) 私どもは、審査の要綱の中で、暴力的不法行為者等が申し込む場合には、または申し込みに際しいわゆる金融あっせん屋等の第三者が介在する場合には保証を受けないということにしているわけでございます。往々にして第三者を装ってそのように立ち会った形になることがあり得るということで、むしろそれを排除した方がいいんではないかということでございます。ただし、これもあくまでも原則でございますので、必要に応じて第三者が立ち会うことを排除しているものではございません。
○緒方靖夫君 申し込みは本人が原則、これは当然ですよね。しかし、今言われたように、場合によってはそういう立ち会いが必要なときにはそれを認める、これはやはり当然だと思うんですね。申込者が本人の会計事情に詳しい立会人の同席を求めたけれども保証協会によって別室で待機させられる、そういった事例が数々起きている、そういう実態があるわけですね。まさに善良な借り手が暴力団や金融ブローカーと同列な扱いを受けているという、そういう事態が生まれているわけですね。 所管官庁として、こうした実態をきちっとつかんでいただきたい。そしてその上で、やはり善良な借り手に対して、こういうような一種の仕打ち、これはやっぱり改めていただきたいと思うんですけれども、その点いかがですか。
○政府参考人(中村利雄君) 全体の数の中から見れば非常に少ないとは思うのでございますけれども、もちろんその中小企業者の方々の非常に便宜を図るという観点から、そういう点については十分留意してやるように指導してまいります。
○緒方靖夫君 先ほども立ち会いについても必要に応じて認めると言われましたし、今も御答弁もありました。私は、善良な借り手に対してその点はやっぱり非常に重要であるというふうに考えます。これが例外的な、そしてまた特別のそういう制度なんだということを、名前もそうなっていますが、そういうことを長官、先ほどから言われておりますけれども、やはりこの制度は業者にとっては恵みの雨、干天の慈雨、そのように言えると思うんですね。 来年三月までのそういう期限がついておりますけれども、これについて、やはり景気が急によくなっているわけじゃない、業者にとってはほとんど変わらない、場合によってはもっと厳しくなっている、そういう事態もあるわけで、やはりそれについて、この制度について、特別制度について延期を考える、そういう考えについてはいかがでしょうか。
○政府参考人(中村利雄君) 中小企業をめぐる金融情勢につきましては、もちろん九八年の十月がピークであったわけでございます。その後落ちつきつつございますが、非常にまだ厳しい状況にはあるというふうに考えております。加えまして、特別保証制度が来年三月末に到来する、こういうような事情を考えまして、私どもとしましては、例えば一般保証の充実であるとか、あるいは大型倒産、災害等のセーフティーネットにかかわる保証制度というのが現在あるわけでございまして、こういうものをどのように措置していくかということを踏まえまして、現在、鋭意検討しているところでございます。
○緒方靖夫君 それは長官、非常に重要な検討だと思うんですね。よく、ふだんも聞かれていると思いますけれども、さらに耳を大きくして、業者の叫び、そして業者の願い、要求、それに耳を傾けていただきたいと思うんですね。 その検討に当たって、私、一つ提案といいますか、要望を申し上げたいんですけれども、この特別保証制度の精神を引き継ぐようなそういう融資制度、これをぜひその検討の中に加えていただきたい、そう思うわけですけれども、その点いかがでしょうか。
○政府参考人(中村利雄君) この制度はあくまでも臨時異例ということで特別にやっているわけでございまして、これをいつまでも続けるわけにはなかなかいかないのではないかというのが基本的な考え方でございます。 したがって、先ほど来申し上げていますように、現在ございます一般保証制度、いわゆる本来の制度の充実を図って正常な形で大多数の中小企業の皆様方の声にこたえていくということが我々としては必要ではないかと思っておるわけであります。
○緒方靖夫君 今、長官言われたことも、それからこれから検討されると言われたことも、やはり非常に重要なことだと思います。ですから、中小企業が非常に今苦しんでいる、そうした中で、ぜひ今言われたような形でこの特別保証制度を、精神を引き継ぐような、そして使い勝手のいいような、そして業者にとってやはりこれは恵みの雨だと、一時的にせよしのげるものだという、そういうものを引き続ききちっと整備していただきたい、このことを要望して、質問を終わります。
○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。 まず、警察官の増員についてお聞きをいたします。 警察刷新会議などの提言もありますが、定員増が非常になされるということになりそうです。増員要求は、来年度は二千七百七十五人、今後数年間で現行定数を一万数千人ふやしたいということが新聞などに載っております。 〔委員長退席、理事鹿熊安正君着席〕 私は、これはある意味で警察焼け太りだと思いまして、国家公務員が今非常に人員削減がなされる折、警察官のみかように大幅な増員要求をされていることをいかがかと思いますが、どうでしょうか。
○政府参考人(田中節夫君) 今、議員の御質問でございますが、この増員につきましては、御案内のとおり、警察刷新会議におきましても大変議論されました。今お話しのように、行政改革等々いろいろな問題もございますけれども、結果といたしまして、その緊急提言の中にはこのように書かれております。 労働時間短縮の一方で増大する国民からの要望やその質的変化に対応するためには、もはや内部努力のみでは限界である。我が国の警察官一人当たりの負担人口は、全国平均で五百五十六人であるが、これは、欧米諸国の警察官の負担人口が概ね三百ないし四百人であることと比較すると、著しく高いものになっている。政府は、犯罪等の危害から国民を守ることが国の最も基本的な責務であることを十分に認識した上で、警察がサイバーテロ、国際組織犯罪、ストーカー事案、困りごと相談への対応などの新たな時代の要請に的確にこたえ得るように、その体制を増強すべきである。 というふうに書かれまして、 このため、徹底的な合理化が進められることを前提に、国民のための警察活動を強化するため、当面、警察官一人当たりの負担人口が五百人となる程度まで地方警察官の増員を行う必要がある。 こういうような提言が出されているわけでございます。 〔理事鹿熊安正君退席、委員長着席〕 私どもといたしましては、この提言を踏まえまして、この五百人、現在は五百五十六人でございますので、これを仮に五百人となる程度までというふうにふやした場合には二万数千人ぐらいの増員が必要となるわけでございますが、合理化あるいはいろんな状況等を考えまして、全体としては、例えばその学校の施設の問題でありますとか、あるいは優秀な警察官を確保できるかというようなことを考えました場合に、二万数千人というのはかなり大きな数字である、むしろ合理化を考えて一万数千人ぐらいの規模の警察官を計画的に増員するということだというふうに考えました。 その基本的な考え方といたしましては、この緊急提言にもございますように、厳しさを増す治安情勢に的確に対応する、そして国民生活の基盤をなす良好な治安を維持するということで、交番の機能強化要員あるいはストーカー対策要員等、国民の身近な要望にこたえるための体制の確立を図る。また、少年事件対策強化要員、被害者対策強化要員等、複雑多様化する警察需要に対しうまく立ち向かうための体制の確立に必要な増員、こういうものを今後図っていく必要があるというふうに考えているところでございます。 そして、この計画的増員の初年度といたしまして、先ほど議員がお話になりましたように、平成十三年度概算要求におきましては、著しく業務負担が高く合理化はもう限界であるというような県を選びまして、単年度で増員可能な二千七百七十五人の増員を現在要求しているところでございます。
○福島瑞穂君 警察の不祥事が大変問題になって、それでほかの役所とは極めて違って大幅増員ということでは納得ができません。増員をした暁に組織的犯罪対策に使うということでは、何のための議論かというふうに思います。 警備公安部門の人員は今も警察全体の一二%を占めていますが、これを見直すつもりはありませんか。
○政府参考人(吉村博人君) お答え申し上げます。 ただいま長官から御答弁申し上げましたとおり、来年度の増員要求につきましては、交番あるいはストーカー対策要員、あるいは少年事件、あるいは被害者対策、こういうところをいわば増員ファクターとして今要求しておるわけでございまして、著しく業務負担が高く合理化が困難である府県に絞って増員要求を行ってまいりたいと思っております。
○福島瑞穂君 質問に答えてください。 警備公安部門の人員が今も警察全体の一二%を占めるが、これを見直さないかという質問をしたんです。
○政府参考人(吉村博人君) 委員御指摘の部門別の数字等は別途あるわけでございますが、当然、増員の前提といたしまして徹底的な合理化が必要と考えておりますので、その合理化を図っていく過程で現行の、現在の部門別の定員、部門別の数字というものが多少動いてくることは、これは十分あり得ると思います。
○福島瑞穂君 非常に不祥事を発生させた役所が極めて大きな増員を要求するということは、その中身について国民あるいは国会の目が厳しくなるのは当然だと思います。ぜひ、全体のバランスをきちっと考え、見直されることを強く要望し、また今後も追及させてください。 次に、盗聴法の予算についてお聞きをいたします。 来年度の予算、法務省は消耗品購入経費として八十八万円を予算に計上しております。携帯電話の盗聴については法務省が技術開発費を負担することになっておりましたが、八十八万円でやっていけるのでしょうか。あるいは、前回の五千四百万円でもう十分、これ以上はないということでしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) 御指摘のとおり、来年度の予算要求では消耗品ということで要求をしているわけでございますが、法務省におきましては、本年度におきまして携帯電話の通信傍受のための開発研究を行っており、これによりまして通信傍受を実施するための体制整備が相当程度図られると考えておりますところから、平成十三年度につきましては、法務省は経費を負担すべき開発研究を行うということでの予算要求の必要はないと考えたものでございます。
○福島瑞穂君 役所の方々は質問に端的に答えてください。 私の質問は、これで携帯電話の技術開発費はもう請求しないという趣旨なのかと聞いたわけです。
○政府参考人(古田佑紀君) ただいまお答え申し上げましたとおり、平成十三年度につきましてはしないということを申し上げたわけです。
○福島瑞穂君 私がちょっと懸念を感ずるのは、例のNTTドコモに対して、新聞報道によれば、あるいはまだ試算が十分でないのかもしれませんが、百億円技術開発費を要求し、NTTドコモ側がそれに難色を示しているという記事があります。そうしますと、結局、技術開発費を一企業に押しつける形でこれが進むのか。もし、NTTドコモが携帯電話の技術開発を拒否した場合、断ることは私企業ですから自由だと答弁されていらっしゃいますので、そうされると法務省はどうされるんですか。
○国務大臣(保岡興治君) 今、警察はNTTドコモに対して通信傍受に必要な開発を要請しているわけですね。これは携帯電話に用いた通信について適正かつ有効な傍受の実施を実現するために必要な機能の整備に関して協力を求めている。その依頼に当たっては、これは通信傍受法第十一条に規定されている協力義務に基づくものではなく、あくまでも任意の対応を求める趣旨であることを明示しているものと聞いておりまして、NTTドコモを強制するものではないというふうに承知しております。 ただ、事業者に対して、専ら通信傍受に用いるシステムであって何ら企業を利することのないものについて過度の負担をかけることは適当でないと考えていますが、NTTドコモにおいては社会的に相当の範囲で御協力をいただくことがあってもいいんじゃないか、そういうふうに思っております。
○福島瑞穂君 NTTドコモがこの技術開発を断り、法務省がこの八十八万円の予算のままですと、携帯電話での盗聴ができない部分があるのでしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) それ相応の、先ほども申し上げましたとおり、傍受につきまして有効かつこれが適正に行われるような相当な範囲内での技術開発というのは、私どもとしては本年度の執行する経費でかなりのところまでできると考えている次第でございます。 問題は、結局あとどのようなことが必要で、どのようなことが経費がかかるかというふうなお話で、これまた通信のいろんなシステム等の関係もございます。これの変化というようなこともございますでしょうし、そういうふうなものの動向等も見ながらその状況に応じてその後の開発研究の問題は考えていきたいと考えているところでございます。
○福島瑞穂君 現在では大体できるけれども、できない部分があると聞いてもよろしいんでしょうか。NTTドコモが協力をせず、八十八万の予算のままで全部が今の段階でカバーされるわけではない、そういうふうに聞いてよろしいでしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) 詳細の内容につきましては、これはいろんな企業のシステムの問題とかあるいは捜査上の問題がありますのでお答えは差し控えたいと存じますが、それ相応の範囲でやれることはやれるというふうに考えております。
○福島瑞穂君 それ相応の範囲でやれることはやれるということで聞いておきます。また詳しい点については教えてください。 本日、川橋さんの方からも質問がありました成田の問題についてお聞きをします。 成田上陸防止施設は私も見学をいたしました。窓がない、あるいは狭いといったこともありますが、今回問題になっていることはもっと構造的な法律的な問題ではないかというふうに考えております。 まずお聞きします。なぜ身柄を拘束する強制処分を令状なくしてできるんでしょうか。
○政府参考人(町田幸雄君) 我が国へ入国しようとする外国人が来ておりまして、これを我が国から退去するようにと、要するに入国させないという処分になっているわけです。ですから、拘束するというよりも確実に退去させる、そういう状態になっているということでございます。つまり、そのまま逃げてしまわないようにする、それだけのことでございます。
○福島瑞穂君 ただ、この処分は行政処分でもありませんから当事者は不服申し立てができません。つまり、身柄は強制的に管理されているわけです。それも私企業によって現在はされていると。しかし、そのための法律上のケアは何もありません。不服申し立ての制度もありませんし、期間の限定もありません。半年近く成田の狭い上陸防止施設に入っていたという中国人もいます。 こういうふうに、きちっとした法律上の根拠なく身柄の拘束をする、私企業にやらせているということの、なぜ私企業がそれができるのか、教えてください。
○政府参考人(町田幸雄君) お尋ねのお話は日本だけではなくてどこの国でも起こる話でありますが、国際的に、ある国に入国しようとする人がいる、しかしその国ではその人を入国させないという決定をした場合について、その者を国境線の中に入れない、速やかに立ち去っていただく、それがまず必要であるわけです。 これはどこの国でも同じことでありまして、そのために、これは先ほど大臣もお答えになっておられましたが、船の時代からその運送業者が責任を持って連れて帰るという国際的な慣行が確立しまして、その後、航空機の時代になりましても、同じように国際民間航空条約によりまして、その航空会社の責任において連れて帰るというのが国際的な考え方でございます。私どもの入管法もその考え方に立っているわけです。 なお、今、委員の質問の中に異議の申し立てができないというお話がありましたが、退去させるさせないの話の前提として、退去命令処分に対して異議がある場合につきましては、これに対する不服の申し立ての手続が入管法上定められておりまして、入国審査官の処分に不服がある場合には法務大臣に対する異議の申し立てまでできる、そういう形になっているわけでございまして、そういう意味の公権力の行使に対する不服申し立ての道は十分にあり得るわけでございます。
○福島瑞穂君 強制退去に関しては不服申し立てができるんですが、身柄の拘束、例えばかなり長期に、半年ぐらい入った人も、極めて例外的かもしれませんが、います。そういう中で、不服申し立てあるいは期間の制限、それからさまざまな準則、拘禁に伴う準則なども、ガイドラインもありませんし、法律もありません。規則もありません。この点についてはいかがですか。
○政府参考人(町田幸雄君) お尋ねのケースは非常に例外的なケースだと承知しておりますが、私どもの方でも、そのような長期間にわたって上陸防止施設を使用するというようなことは実務上起こらないようにということで、そういう話がありましたので既に改善措置をとっておりまして、そういう事例は恐らく今後発生しないと私は確信いたしております。
○福島瑞穂君 今後発生しないということで少しは安心しますが、できれば入管法を改正して、つまり日本の入管行政の一環としてある外国人を拘束し、一つの手続をとるわけですから、入管法を改正して手続的にきちっと整備をするということはいかがでしょうか。
○政府参考人(町田幸雄君) 入管法の立場からいたしますと、別に上陸防止施設に入れる必要はないわけです。現在の制度でも、例えば空港のサテライトでも構わないわけです。あるいはホテルでもいいわけです。航空業者の方で責任を持って逃亡防止の措置をとっていただく、そういう形になれば構わないわけでありまして、すべてを上陸防止施設に収容するというんでしょうか、そういうことには法律上もなっておりません。
○福島瑞穂君 要するに、入国を拒否された外国人は運送業者と警備会社の問題であって、入管は関与しないというようにも一見聞こえるんですが、しかし結果からすれば、日本の国が、入管がその人の上陸を拒否したためにいろんなことが身柄の拘束から始まって起きるわけです。 ですから、ある種のガイドラインをつくる必要があるのではないかという点についてはいかがですか。
○政府参考人(町田幸雄君) それは、私どもの方の公権力の行使につきましては異議の申し立ての道があるということを先ほど御説明したわけですね。そして航空会社の方で、ただ、こういうことは言えると思います。航空業者が入管法上送還する義務を負っているわけですが、それが適正に行われるように私どもとしては航空業者に対して従来からいろいろ指導していることがあるわけですが、その指導がもっときちっと行われるように、これは先ほど大臣も御答弁になっておられましたが、きちっと指導する、もう少し注意を喚起するといいましょうか、そういうことはできるかと思います。
○福島瑞穂君 どれぐらいの費用を具体的に徴収しているのか、入管は把握していますか。
○政府参考人(町田幸雄君) 具体的に、お尋ねの出国するまでに要した食費とか本人の警備料等、これは国との関係ではその運送業者の負担ということになっているわけであります。 では、その運送業者と本人との関係はどうかといいますと、国際民間航空条約におきましても航空会社が本人にその代金を求償するということができる道が開かれておりまして、それに従ってやっておられると思いますが、具体的に個々具体的なケースで幾ら徴収しているのかというようなことは私ども承知しておりません。
○福島瑞穂君 これは運送業者と警備会社があると。警備会社が直接本人からお金を取る場合は、今回三百ドル、二万四千円ぐらい一人から取る、そして航空会社が払う場合は一万二千円と言われています。 ところで、成田上陸防止施設に宿泊する場合でなくてエアポートの別の場所、レストハウスなどに泊まる場合は一泊ごとに三万円ということがこの業者では出ております。 それで、私はこう思うんです。法律のことをそんなに知らない外国の人が日本に来た。制服を着た人間が来いと言った。そして、上陸防止施設に連れていかれる。そして、最後に三百ドル出せとか七百ドル出せと、こう言われて、そのあげくこれは暴行が起きたんじゃないかということが非常に問題とされているわけです。 そうすると、何で制服で国がやってきて、一応それは説明をされているようなんですが、制服を着た人間がやってきて、とてつもなく窮屈なところに泊まって一泊三万とか言われると、やっぱり何なんだろうというふうに思うと思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(町田幸雄君) 今のお尋ねの点ですが、確かに警備会社が直接本人に対してそういう料金を請求するということは我々から見ても余り望ましいことではない。運送業者が運送業者の責任において徴収するのが本来であろうと思います。 そういう意味で、私どもとしては、航空会社に対して直接、そういう問題も発生しているようだと、航空会社に対してそういう点も指摘して改善を促したい、そのように考えております。
○福島瑞穂君 結局これは、この会社が直接本人に請求する場合は多額に請求し、航空会社の請求にはそれよりも安い、そういういろんな問題が絡んでどうも問題が起きたのではないかと指摘がされております。 やはり入管行政の結果、この問題が生じているということもあります。入管としては、これは警備会社が直接本人から費用を徴収することに例えばトラブルの原因があると。今後、私は立法化をしてほしいんですが、どんな改善策をすればこういう人権侵害などがなくなるというふうにお考えですか。
○政府参考人(町田幸雄君) 私どもの立場からいたしますと、航空会社に対して注意を喚起して、そして航空会社が直接請求する、警備会社の方から請求させない、そういう方向で改善していただければいいなと、そのように考えております。
○福島瑞穂君 現時点において、国の責任、直接は警備会社が絶対請求しないようにといった管理、指導をぜひやっていただきたいと考えます。そうでないと、結局構造的な問題ですから繰り返し起こるだろうと思いますが、大臣、聞いていらしてどうですか。
○国務大臣(保岡興治君) 入国管理行政は国の窓口に当たる部署で、これに関するいろんな外国人の方の取り扱いというのは日本のイメージに非常に重要な意味を持つだろうと思います。そういった意味で、航空会社の責任において警備会社との契約関係というような、法的にはそういうことになっているわけです、国際的にも慣行的にも入管の規定上も。 しかしながら、今、局長が再三申し上げておりますように、やはり窓口での外国人の取り扱いというのは、仮に航空会社の責任分野であろうとも契約を結ぶ警備会社の問題であろうとも、我が国にとって重要な意味を持ちますから、適切に注意を喚起すると、さっきから局長が言っているように。そして、向こうからも対応を求めて、対応しぶりについて相談をして、適切な対応ができるように実効性ある工夫を今後精いっぱい全力を挙げてやってまいりたいと思います。
○福島瑞穂君 大臣から実効性ある改善を一生懸命やってくださるということで、どうもありがとうございます。具体的にどうかということについてはまたお聞かせください。ありがとうございます。 では次に、司法制度改革についてお聞きをいたします。 司法制度改革では今さまざまなテーマが議論になっておりますが、きょうも質問がほかの同僚議員から出ましたが、例えば敗訴者負担の問題があります。 敗訴者負担については、日弁連も若干疑問を呈しております。官民という場合もありますが、民民といった場合に、大企業を相手にセクシュアルハラスメントや労働事件で裁判を起こして負けてしまう。そうすると、高いというか、会社顧問弁護士の費用も全額請求されるということになると、裁判に負けると破産宣告しなくちゃいけないという事態も起こりかねない。それが結果的には訴訟をためらうことになりはしないか。あるいは、そんなに多額は請求しないよということであれば、裁判所が弁護士費用を決めるというちょっと変わった、それがいいのかという問題もあります。 私は、敗訴者負担については反対なんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(保岡興治君) 先生も多分御案内と思いますが、弁護士報酬の敗訴者負担制度について、司法制度改革審議会において、弁護士報酬を負担しなければならないことによって訴訟に踏み切れなかった、そういう当事者が訴訟を利用しやすいようにするというような意味で基本的に導入する方向で考えることに大方の委員の意見の一致を見たと聞いております。 ただ、このような制度を導入した場合には、委員御指摘のように、相手方の弁護士費用を負担することを恐れる余りというか、訴え提起を不当に萎縮させることになる、そういった可能性もあるわけです。ですから、敗訴者に負担させるべき弁護士費用の額の定め方とか敗訴者負担の例外としなきゃならない訴訟の範囲とか例外的な取り扱いのあり方について、恐らく今後司法制度改革審議会で十分検討されるものだと思います。 法務省としては、引き続き審議会でいろいろ充実した議論が行われるように御協力をしながら、その結果をきちっと受けとめて適切な措置をとってまいりたいと思います。
○福島瑞穂君 あと、司法制度改革審議会でロースクール構想あるいは証拠開示の問題、参審制、陪審制などが議論になっていると聞いております。 ロースクール構想につきましても若干疑念がありまして、今の司法試験の制度が決していいとは、万全であるとは思いませんが、ロースクール構想になると大平光代さんのような弁護士が登場しなくなるのではないか。研修所に行くとうれしくなるのは、他学部の人や仕事をやめた人や実にさまざまな人が司法試験を受けて法律家になっていくという、大森さんもたしかOLからの転身組ですが、そういう人たちが法律家にならないのはやっぱり非常にまずいと思っております。その点についてはいかがですか。
○国務大臣(保岡興治君) ロースクール制度というものは、法科大学院構想ということで文部省の大学審の答申に基づいてスタートしたわけでございますけれども、司法制度審議会においても有効な法曹養成の一つの方法というような位置づけがされて、今文部省に検討会が設けられて検討し、審議会にも中間報告がされて、九月中には最終的な検討の結果が法制審議会に持ち込まれると聞いております。 全く私が承知している限りでは、先生がおっしゃるようなことに十分配慮した形で、他学部の方とか社会人とかあるいはいろいろな地域、地方の方とか、いろんな立場の方々が司法試験に合格したりできるような、あるいはロースクールに入学したりすることができるような、そういった工夫などがいろいろされるかに聞いております。
○福島瑞穂君 それから、ぜひ証拠開示の問題、積極的に取り組んでいただきたいですし、参審・陪審制もよろしくお願いします。 公的被疑者弁護制度や代用監獄などは、代用監獄の方は余り問題になっておらず、公的被疑者弁護制度もやっと議論についたというふうに聞いております。積極的な議論、それから国民にとってこう意味があるということのPRをぜひお願いしたいと思います。個人的には敗訴者負担やロースクール構想に疑念、疑問を若干持っているということを申し上げたいと思います。 通告して質問しなかったテーマがあって申しわけないんですが、以上で終わります。 ありがとうございます。
○水野誠一君 無所属の会の水野誠一でございます。 先日、次期通常国会に電子政府一括法案を提出予定という政府のIT戦略会議の方針決定という報道を拝見いたしました。情報技術の進歩、進展に合わせて国への申請や届けなどの行政手続の電子化を実現するために必要な法令を改正するということでありますから、実現すれば各国にかなりおくれをとっていると言われた日本の電子政府プロジェクトが大きく前進するものとして期待されているところであります。 きょうは、この電子政府プロジェクトに関連して、主に自治省に対して幾つか伺いたいと思います。 この電子政府プロジェクトは、昨年、小渕内閣のミレニアムプロジェクトの柱として打ち上げられたものであります。それによりますと、現在およそ九千件あると言われる国への申請や届け出、許認可手続を完全電子化することなどを含めて、二〇〇三年を目標に世界最高水準の電子政府を実現することが重点課題として取り上げられているわけであります。またさらに、この電子政府構想を盛り込んだIT基本法も提出準備中ということであります。 森総理を初め、最近、IT、ITという意識が大変高まっているさなかでありますが、まず大臣に、この電子政府プロジェクトの必要性、それから問題があるとすればその問題点をどういうふうに御理解されているかという点、それから政府のIT戦略本部設置を受けて自治大臣みずから本部長となられた地域IT推進本部というのが設置されたというふうに聞いておりますが、この機能はどんなものなのか、ひとつ簡潔にお答えをいただければと思います。
○国務大臣(西田司君) お答えをいたします。 今、世界規模で生じているIT革命に我が国として取り組んでいく、IT革命の恩恵をすべての国民が享受でき、かつ国際的に競争力のあるIT立国の形成を目指した施策を総合的に推進するため、内閣においてはIT戦略本部を設置し、国、地方を通じた電子政府の推進に取り組むこととなったわけです。 地方公共団体においてもこのIT革命に対応して情報化施策等を的確に推進していく必要があり、このような地方公共団体における取り組みを自治省として積極的に支援するため、地域IT推進本部を設置したところであります。去る八月二十八日には、地方公共団体が早急に取り組む事項などをまとめた指針を策定の上、地方公共団体に通知をしたところであります。 今後とも、地方公共団体の取り組みを積極的に支援していく考えであります。
○水野誠一君 今の御答弁を伺いまして、またさらに伺いたいと思うんですが、電子政府、その先には電子自治体というのが位置してくるわけでありまして、行政の情報化という点について中央と地方の温度差、これはかなりあるんじゃないかという危惧をしております。 中央省庁ではほぼ一人一台のパソコンが配備されているとか、省内のLANやあるいは霞が関WANも稼働中である、またホームページを拝見してもここ数年非常に整備が進んでいるというような状況の中で、事務の効率化、それから国民の情報ニーズにも一定程度貢献しているという評価ができると思うわけです。 ところが、その一方、地方自治体における情報化の進展ぐあいというのはどうなのかということを見てまいりますと、例えば自治省が例年行っております地域情報化計画・施策の状況調査の平成十一年度調査を拝見いたしますと、都道府県レベルでは四十七すべての団体が既に地域情報化計画を持っているというのに対して、市区町村レベルで見ますと、約三千二百団体のうち計画を持っているのは七百弱、すなわち割合でいうと二割程度にとどまっていると、こんなデータもあるわけであります。 特に、住民と一番大きなインターフェースを持つ市区町村レベルのばらつき、この点が一番気になるわけでありますが、実際には計画は持っていてもハードやソフトは本当に整備されているのか、あるいはネットワークやコンテンツの管理、あるいはその人材育成は大丈夫なのかというような点についてきめ細かく物差しを当てていきませんと情報化の進展ぐあいははかれないんではないかと思うわけでありますが、自治省ではこうした地方自治体の状況、このばらつきも含めてどんな把握をされているのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(林省吾君) お答えを申し上げます。 地方公共団体における情報化の進展の状況についてでございますが、御指摘いただきましたように、地方公共団体におきましては近年の高度な情報通信技術の便益を活用しながら行政事務の効率化、高度化あるいは住民サービスの向上に取り組んでいるわけでありますが、その中には国に先行して申請、届け出等の手続の電子化に取り組む団体も見受けられるわけでありますが、一方で基本的な条件整備がおくれている団体も多いのが現状であると認識をいたしております。 このような中で、地方公共団体もIT革命に対応いたしまして、国と歩調を合わせた施策の推進が要請されていると私ども認識いたしておりまして、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、自治省に設けました地域IT推進本部におきまして基本指針を定め、地方公共団体にそのような私どもの認識をお伝えしたところであります。 ちなみに、ちょっと申し上げますが、本年四月一日現在のデータで申し上げますと、庁内LANの整備状況につきましては、都道府県では一〇〇%、政令指定都市も一〇〇%になっておりますが、市区町村の状況は七二・六%でございます。昨年の数値が五二・八%でありましたことと比較いたしますと、地方団体におきましても庁内LAN等の整備が着実に進んではいるものと私ども認識いたしているところであります。
○水野誠一君 ぜひ、住民とのインターフェースになります市区町村レベルでのばらつきという点については御留意をいただきたいと思うわけであります。 次に、総合行政ネットワークについて伺いたいと思います。 やはり二〇〇三年までに国とすべての地方自治体をオンライン化する、それによって文書のやりとりや通達などを完全電子化する、これが総合行政ネットワーク構想だというふうに理解をしております。三千二百の地方自治体が参加する広域LANを構築して既に存在をしている霞が関WANと相互接続するということで、これが実現すれば大変大きな効果が出てくると思うわけであります。 しかし、そこで一つ気になる点がありまして、それについてただしたいと思うんですが、オンライン接続禁止条項の問題が一体どうなっているのかということを伺いたいと思います。 ある調査によりますと、プライバシーの保護の観点から他のコンピューターネットワークと接続することを禁止するオンライン接続禁止条項を個人情報保護条例に設けている自治体が五百二十五団体に上る、こういうデータがございます。自治体の情報化をめぐる過去の議論の中でもこれが大きなネックとして指摘をされてきているわけでありますが、この総合行政ネットワーク構想、これを実現するということにおいてはこのネック、バリアというものがどういうふうに問題になるのか、あるいはその問題は解決されようとしているのか、その点について伺いたいと思います。
○政府参考人(林省吾君) お尋ねの件は個人情報保護条例の件でございまして、実はこの保護条例におきまして国または他の地方公共団体とのオンライン接続を一律に禁止している団体がございます。お尋ねの中で御指摘いただきました五百二十五団体というのは一昨年の数字かと思いますが、本年四月一日現在では四百十八団体になっておりまして、これらの団体におきましては地方公共団体が総合行政ネットワークに参加する上でこれらの規定が支障になる場合があるのではないだろうかというふうに認識をいたしております。 自治省におきましては、通信回線を活用いたしました情報処理が高度情報通信社会の実現のためには不可欠であると考えておりまして、目的、利用形態等を個別に検討した上で接続の可否を決定することが望ましいと考えております。従来から、このため、オンライン接続を一律に禁止している団体に対して見直しを要請いたしているところでありまして、今年度におきましても前年度に比べまして百七団体、委員御指摘いただきました五百二十五団体であったのが、百七団体で見直しをしていただきまして現在では四百十八団体になっているということでありますが、今後とも自治省としてはこのような基本的な姿勢で地方公共団体と御相談してまいりたいと考えております。
○水野誠一君 百七団体、実際データは一年で減ってきたということなんですが、これやはり全部歩調がそろってこないことには機能していかない問題だと思うんですが、それは二〇〇三年までという非常に限られた時間の中で実現できるというふうに予測をされておりますか。
○政府参考人(林省吾君) 総合行政ネットワークにつきましては、私ども、従来から地方公共団体を相互に接続するとともに、国のネットワークでございます霞が関WANとも接続する広域的でセキュリティーの高い大変効果的な行政ネットワークであると考えておりまして、平成九年度よりいろいろと検討してまいっております。 本年度、十二年度におきましては構築のための実証実験を行っておりまして、先ほど申し上げました地方公共団体に対してお示しをいたしました指針の中でも、この実証実験の結果を踏まえ、都道府県及び政令指定市につきましては平成十三年度まで、その他の市町村につきましては平成十五年度までに構築を行い、順次運用が開始できるよう要請をいたしているところでございます。 したがいまして、御心配をいただきましたオンライン接続禁止条項をいまだ持っている団体につきましては、そのようなスケジュールに合わせて見直しをしていただきたいと考え、要請をいたしているところでございます。
○水野誠一君 私もいろいろ電子政府の必要性ということについて考えてきたわけでありますが、そもそも電子政府あるいは効率的で質の高い行政サービスのニーズというものは九〇年代初頭のシリコンバレーに端を発していると、こういう話が出てまいりました。 シリコンバレーに集積したIT企業、これは製品寿命が大変短い。せいぜい六カ月か一年程度しかない。それほど技術革新というのがスピーディーに行われていく。そういう、ドッグイヤーとも言われているようなサイクルで経済が進んでいくということになると、例えば工場建設に対する地方行政の許認可が六カ月もかかるというふうなことになると、もうそれ自体が事業にとって致命的な影響を与える。そのため、この地域の企業は市場では競争しても、行政、議会に対しては互いに協力して政策決定のスピードと効率を強く求めるようになっていった。つまり、企業を初めとする経済主体にとっても、効率的で質の高い行政が存在することは極めて重要な要素であるということがそこで非常に強く認識をされたというふうに聞いています。 ことしの四月に発表されたスイスのIMD、これは国際経営大学院、ここの調査というのは大変世界的にも注目されている調査なんですが、このデータによりますと、日本政府の効率性というのが世界三十三位という評価になっています。これはシンガポールなどと比較しても大きく劣っているという大変不名誉な結果が出ているわけでありますが、我が国においても知識産業社会を支える新たな行政システムへの転換が今強く迫られていることはこうした調査を見るまでもない問題だと思います。 重要なのは、IT革命をいかに行政改革につなげるかという視点でありまして、IT革命自体は一つの手段であって、大きな目標というのは行政改革にある、こういう視点をしっかり持つことが大事だと思いますし、また電子政府プロジェクトも国、地方の双方が情報技術を手段として活用した行政改革を推し進めるための一つの手段になっていく、こういう考え方をぜひしっかりと持っていただきたいと思います。 そこで、大臣からも御意見を伺いたいと思うんですが、地域住民との接点は地方自治体が中心となるということで先ほども申し上げてまいりました。そういう中で、下手をするとばらばらのインフラ整備、これは例えば地方自治体、こういうものは整備自体がばらばらになってしまう。そういうことになると、国民の無関心の間にそういったばらばらのインフラ整備が進むという構図になってしまっては、今まで言われてきたような新たなむだな公共事業になるのではないかという、こういう危惧も私はあるのではないかと思います。 やはり、そういう意味でのインフラというものが一つの大きなビジョンのもとでしっかりと整備をされる、そしてそれは先ほどから申し上げているように国レベルと地方自治体、そしてそれは市区町村レベルにまで一つきちっとした筋の通ったシステムとなっていかなければいけない。そうしませんと、例えばインフラあるいはハード、こういうものが整備されても実際に機能しないものになってしまってはまさに仏をつくって魂を入れず、こういうことになってしまうんじゃないか。こんな危惧も持っているわけでありまして、そういう意味からいきますと、自治省の役割というのは非常に私は大きいんじゃないかと思うのでありますが、その点について大臣の御見解を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(西田司君) お答えをいたします。 ITは、社会生活そのものを短期間の間に大きく変えるものであると考えております。日本型IT社会の実現が我が国における最重要課題の一つであると認識をいたしております。 このため、政府においても、総理のリーダーシップのもと、IT戦略会議等において精力的な御議論がなされているところでありますが、自治省としても、先般お示しした指針を参考に、各地方公共団体において的確に取り組みがなされるものと期待をしているところであります。 今後とも、具体的なアクションプランをお示しするなどして、地方公共団体における主体的な情報化施策等を積極的に支援してまいる考えであります。
○水野誠一君 終わります。
○委員長(鎌田要人君) 他に御発言もないようですから、法務省、自治省、警察庁、裁判所及び公営企業金融公庫の決算についての審査はこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時七分散会