内閣委員会 第3号
- 発言数
- 90 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2000/08/24
会議録
○佐藤委員長 これより会議を開きます。 去る十五日、人事院より国会に国家公務員法第二十三条の規定に基づく一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する法律の制定についての意見の申し出があり、同日、議長より当委員会に参考送付されましたので、御報告申し上げます。 ————◇—————
○佐藤委員長 公務員の制度及び給与に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として人事院総裁中島忠能君、人事院管理局長尾木雄君、人事院給与局長大村厚至君及び人事院職員局長中橋芳弘君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○佐藤委員長 去る十五日の一般職の職員の給与についての報告及び給与の改定に関する勧告につきまして、人事院から説明を聴取いたします。人事院総裁中島忠能君。
○中島政府参考人 人事院は、去る十五日、国会と内閣に対し、公務員の給与に関する報告及び勧告を行いました。 以下、その概要について御説明いたします。 まず、職員の給与に関する報告及び勧告の内容について御説明いたします。 本年も、民間給与の精密な調査はもとより、給与抑制措置や雇用調整等の実施状況について幅広く調査を行うとともに、東京を初め全国三十三都市で、中小企業の経営者を含む各界、国民各層との意見交換を行いました。その上で、これら各種調査結果や諸情勢を踏まえ、人事院のとるべき措置について、さまざまな角度から検討いたしました。 その結果、本年については、基本給である俸給表の改定は見送ることとし、ボーナスは〇・二月分引き下げるとともに、子等に係る扶養手当の改定を行うこととしました。 これにより、勧告による改定後の職員の平均年間給与は六万九千円減少することになり、二年連続のマイナスとなります。 次に、このような勧告を行うこととした人事院の考え方を申し上げます。 まず第一に、勧告の意義等から、官民給与の正確な比較による公務員給与の適正な水準の維持確保が、昨年の給与法改正の際の本委員会の附帯決議を初め、各方面から強く求められております。 このような中、本年の民間の春季賃金改定の状況を調査しましたところ、厳しい合理化等を行いつつ、約半数の事業所では、極めて低率、低額であってもベースアップが行われ、従業員の給与処遇の維持改善に努めていることが認められました。 第二に、同じ公務組織で勤務する四現業職員については、中央労働委員会より平均〇・一二%の仲裁裁定が行われ、既にその実施が閣議で了解されております。 第三に、本年もボーナスは、民間の支給実績を踏まえると、昨年に引き続き支給月数を引き下げる必要があり、職員の平均年間給与は二年連続で相当程度減少することになるところでございます。 これらに加えて、公務においても、平成十三年一月からの中央省庁の再編など行政組織の整理合理化、定員の削減等の取り組みが本格的に進められております。 以上を総合的に勘案すると、ベースアップ中止やベースダウン、賃金カットを行っている事業所を含めた民間企業の給与と正確に比較し算出された較差については、これを埋める形で官民給与の均衡を図ることが原則であると考えました。 しかしながら、本年の官民給与の較差は例年になく小さく、世代間の配分の適正化にも留意しつつ、従来どおり配分にめり張りをつけた俸給表の改定を行うことは困難であり、また、職員全体について薄く一律的に俸給表を改定することは適当ではないと判断しました。 したがって、連年のボーナス引き下げにより、特に家計への影響が大きいと考えられる子等の扶養親族を有する中堅層職員を中心に、扶養手当により措置をすることが適当との結論に至ったところでございます。 続いて、勧告の主な内容について順次御説明いたします。 本年四月時点における官民給与の較差は、公務員一人当たり平均四百四十七円、率で〇・一二%となっております。 冒頭申し上げましたとおり、本年は、すべての俸給表について改定を見送りました。これは、現行の勧告方式となった昭和三十五年以降初めてのものです。 扶養手当については、子等に係る支給額を、二人目までは五百円ずつ引き上げ六千円に、三人目以降は千円引き上げ三千円といたします。 また、期末・勤勉手当については、前述のとおり、民間のボーナスの支給割合との均衡を図るため、支給月数を〇・二月引き下げることといたしました。 実施時期につきましては、本年四月一日としております。 なお、このほか、民間賃金等の特に高い地域に支給される調整手当については、社会経済情勢の変化を踏まえた地域別の給与配分の一層の適正化を図る必要があり、平成十三年度より、支給地域、支給割合の見直しを行うこととしました。 また、給与システムの改革について、職務や能力、実績を重視した給与体系への転換を表明するとともに、昇級制度や昇格メリットのあり方、本省課長級や専門的スタッフ職について勤務実績の給与処遇への反映の強化など、俸給表構造の基本的見直しについて検討を進めていくことを報告しました。 次に、公務員人事管理の改革に関する部分について御説明いたします。 社会経済状況の急速な変化に対応し、民間企業では人事システムの改革が進められ、また、行政運営に関し、中央省庁の再編や情報公開、政策評価の導入などの改革が進められております。人事院は、時代の大きな変化に対応し、国民本位の効率的な行政の実現を図るため、公務員人事管理を能力、適性に基づいた柔軟で開放的なシステムへと改革する必要があると考え、次のような改革への取り組みについて報告しています。これらの課題について速やかに成案を得て改革を進めてまいりたいと考えています。 第一に、能力、適性等を重視した人事管理への転換を進めるため、事務官、技官の別等による硬直的な人事管理の見直し、II種、III種等採用職員の幹部職員への登用の推進などの施策に取り組むとともに、その基礎となる公正で信頼性の高い評価システムの整備に取り組みます。 第二に、適正な退職管理の推進につきまして、政府方針のもとで、各省庁が退職年齢引き上げのための指針を作成することなど、計画的に幹部公務員の在職期間の長期化を図るための取り組みを進めます。 第三に、幹部公務員の役割の重要性にかんがみまして、深い教養と哲学に裏づけられた使命感、国民の目線を持つ幹部公務員を確保し育成するため、具体的方策を進めます。 第四に、男女共同参画社会の実現に向け、公務における女性の採用、登用の拡大に積極的に取り組む必要があります。このため、幅広い職務経験の付与を通じた女性の計画的育成などに関する指針の策定について検討するなどの取り組みを進めます。 このほか、旧所属省庁にとらわれない適材適所の人事配置など、再編後の新府省における一体的、効率的な人事管理の推進やロースクール構想に対応した幹部行政官要員の養成、確保のあり方の検討などについても報告しております。 以上、本年の報告及び勧告の概要を御説明申し上げました。 続きまして、本年の勧告とあわせて国会及び内閣に対して行いました民間人材採用の円滑化のための任期つき採用制度についての意見の申し出について御説明いたします。 この意見の申し出は、行政課題の高度化などに対応するとともに、行政組織の活性化を図る観点から、公務に有用な専門的な知識経験等を有する者を任期を定めて採用することができること、高度の専門性等にふさわしい給与を支給することができることなどを内容とする法律を制定するよう要請するものであります。 この法律の制定により、内閣府を初め各府省庁において公務外からの人材活用が促進されるものと考えます。 内閣委員会の皆様におかれましては、人事院勧告制度が果たしている役割や、公務員が行政各部において真摯に職務に精励している実情にも深い御理解を賜り、これら勧告や意見の申し出が速やかに実施していただけるよう衷心よりお願い申し上げる次第でございます。
○佐藤委員長 以上で人事院からの説明は終わりました。 —————————————
○佐藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山元勉君。
○山元委員 閉会中、暑い中、皆さん御苦労さんでございます。民主党の山元勉でございます。今、人事院総裁から説明がありました勧告について御質問申し上げたいというふうに思います。 去年、一時金が〇・三カ月引き下げになりました。二年続いて引き下げになります。あるいは、一九六〇年以来四十年ぶり、給与表が改善をされない、極めて厳しい内容でございました。公務員にとっては大変厳しいし、気の毒な思いをしますけれども、それだけではなしに、今まさに二十一世紀を目前にしている、国では省庁の再編、さらには地方分権の時代に入っていく、こういうときに、国、地方の公務員の皆さんの士気なり意欲というものが高くなっていかなければならないときに、こういう状況といいますか、勧告は、タイミングとしては極めて悪いというか、好ましい事態ではないというふうに思います。 しかし、こういう勧告ですけれども、人事院の皆さんが、第三者機関としての役割を果たそうということで、真摯に調査もいただいて勧告をしていただいたんだというふうに思います。 官房長官にまずお尋ねをしたいわけですけれども、こういう勧告、好ましくないタイミングですとか、あるいは厳しい内容の勧告が出されました。私はこの勧告を見て、やはり民間の皆さんの給与、賃金、あるいは雇用なり経済の状況が大変な状況になっている、それが反映された勧告だというふうに思うのです。そういう事態を生んでいる政治の責任というのは大きいと思う。それが反映してこういう厳しい勧告になるわけですから、政府には、ぜひ一層雇用の問題やあるいは経済の回復の問題で適切な措置をとっていただきたい、そういう努力をさらに続けていただきたいということをお願いしたいと思いますし、決意のほども聞かせていただきたいというふうに思います。 そしてもう一点、官房長官、お出になるそうですから、まとめてですが、この勧告は、御承知のように、十分御案内だと思いますが、公務員の労働基本権剥奪の代償措置としての人事院勧告制度です。したがいまして、厳しいこういう状況、マイナスの勧告ですけれども、今までですと、早期に完全実施をと言って私どもが高らかに言いましたけれども、こういうマイナス勧告であるけれども、一方で、今申し上げましたような経済政策とかそういうものについての努力をする決意を持っていただくと同時に、これは制度を堅持するという立場で早期にやはり完全実施の閣議決定をしていただきたい、すべきだというふうに思うんですが、官房長官のお考えをまずお伺いしたい。
○中川国務大臣 山元委員にお答えを申し上げます。 委員御指摘のとおり、まさに我が国経済は今一番大事な時期を迎えている、このように認識いたしておりまして、かねてから申し上げておりますとおり、公需から民需への景気の自律的回復、これに向けて今政府は、ありとあらゆる努力を続けていく、その決意のもとに政策運営あるいは財政運営を行っているところでございます。今後もその政策の基本をゆるがせにすることなく、さらに全力を挙げて自律回復に向けて努力をしてまいりたい、こう考えておる次第であります。 また、今回の勧告、おっしゃったとおり、なかなか厳しいものがあるということは、その御指摘は私も理解するところもございますが、人事院におかれまして、これまた御指摘があったとおり、民間給与の実態等々精力的に調査、精査をいたしまして、依然として民間が厳しい経済状態にあるということ等を踏まえて、人事院勧告制度の基本にのっとり、こうした勧告をしていただいたのではないか、このように考えております。 政府としては、去る八月十五日に給与勧告を受け取りまして、同日、直ちに給与関係閣僚会議を開催いたしまして、国家公務員の給与の取り扱いについて検討に着手をいたしておるところであります。 今後に向けましても、人事院勧告制度を尊重するという基本姿勢のもとに、なお国政全般との関連も考慮しつつ、国民の理解が得られるような、そういう結論が出せますように誠意を持って検討していく所存でございます。
○山元委員 国政全般にという言葉を使われました。私もこの内閣委員会に長いこと所属をして、いつも答えはそういう答えが出てきて、そして時には政争の具にされるところや、あるいは財政の困難さの理由でこれが値切られるといいますか、そういう措置が過去にはありました。そういうことがないように、こういうマイナスのときですけれども、やはりきちっと法の精神を守るという立場を堅持していただいて、今申し上げましたように政争の具だとかあるいは財政の理由でいじられないように、ぜひきちっとした基本的な態度を堅持していただきたいというふうにお願いをしますし、早期に、やはり公務員の皆さん心配をしていますから、次の閣議がいつだとは聞きませんけれども、できるだけ早期に完全実施の決定をしていただきたい。 それからもう一つですが、退席されるそうですから、後で人事院にもお願いをしようと思うんですが、この人事院勧告制度というのは国家公務員と地方公務員とにかかわる問題ですね。例えば、国家公務員については民間準拠という言葉を使われますし、地方公務員については国均衡という言葉が使われてきて、国家公務員に準じて地方公務員がある。ところが、そうでない例が相当出てきているわけです、財政の困難という理由で。そうすると、この制度の精神というのは、国では守られるけれども、地方へ行くと、地方分権の名のもとに崩されるということがあるわけです。 ことしもそういう兆しが見えていますから、これは国として制度を守る、国としても公務員全体の問題ということで認識をしていただきたいし、そういう指導も地方へ向けて発信をしていただきたい。これはお願いをしておきたいんですが、何かありますか。
○中川国務大臣 できるだけ早期にという御指摘も踏まえまして、誠意を持って検討してまいります。 また、後段の部分につきましては、地方分権の観点から、すべてをコメントする立場にはございませんけれども、人事院勧告制度の基本、これは政府としては尊重していく、堅持をしていく、そういう立場で臨んでまいります。
○山元委員 それでは、官房長官、結構です。 人事院総裁にお伺いするんですが、先ほど説明をお聞かせいただきました。端的に言って、ことしの人勧、特徴は何ですか。先ほど、申し出もあって、いろいろとお話がありましたけれども、低いということはわかったんですが、その他の問題で、人事院がことしは特にこのことについて着目をした、あるいは努力をした、そういう特徴があったらお知らせをいただきたい。
○中島政府参考人 その特徴についてお答え申し上げる前に、私たちが民間の状況を調査することによって気がついたことを一、二申し上げておきたいと思います。 やはりことしの調査で明らかになりましたのは、民間の事業所でベースアップをしている事業所がやっと五割を超えたという非常に低いベースアップの状況だった、そして、ベースアップをしていない事業所というのが三四%に達しておる、それにプラスしてベースダウンをしている事業所もあるという非常に厳しい状況が明らかになりました。しかも、管理職に限って申し上げますと、ベースアップしてもらっているのが五〇%を切っておる、そういう状況でございます。そして、先ほど申し上げましたように、官民較差というのが今までで最も低い〇・一二%だという状況がございました。 そういう状況を前提として特徴を一、二申し上げますと、一つは、先ほど御説明申し上げましたように、ラスパイレス方式に基づいて官民給与の比較をする、それを始めました昭和三十五年以来初めて俸給表の改定を見送るという、そのことがやはり一番大きな特色だと思います。 そして、第二番目に、一年おくれの比較ということになっておりますけれども、ボーナスが〇・二月減少になる。そのことによりまして、結局扶養手当等を改正していただきますけれども、あわせまして、年間給与が二年連続でマイナスになるということだと思います。 それに加えまして、報告の中で指摘いたしましたように、現在の公務員給与を取り巻く情勢、あるいは現在の公務員の給与体系、運用というものから考えました場合に、俸給体系そのものを見直さなければならない時期に来ておるということの認識をはっきりさせたという、この三点が特に申し上げたい特色だというふうに思います。
○山元委員 それでは、少し具体的な内容について御質問をしたいと思うのです。 最初は、たった一つ、扶養手当の改善という、わずか五百円と千円、こういう形ですけれども、ここのところだけが改善される。そこで、そのこと自身は批判されるべきではありませんけれども、具体的に、公務員の中で、このことによって救われるというのですか、わずかにプラスになる、そういう人数とか割合、どれくらいの人が対象になるのですか。これは扶養手当が改善されても結局期末手当〇・二には及ばないわけですから、マイナスになるはずですが。けれども、ここのところはほっとする部分もあるわけですから、どれくらいの割合になっているのか、数についてお知らせをいただきたいと思います。
○中島政府参考人 公務員の約四〇%だというふうに私たちは認識しております。
○山元委員 そうすると、公務員の六〇%は全くマイナスということになる。圧倒的多数と言ってもいいと思うのですが、多数がダウンだけ、プラスになるのは四〇%、扶養手当でプラスになるのは。けれども、その六〇%の人に何らかの手当ができるというのは非常に難しい。四百四十七円という原資ですから、わかりますけれども、去年はたしか福祉職の俸給表が改善になった。そういうふうに、さらに広い範囲の人たちの俸給表、特別な職の俸給表、そういうような検討はされなかったのかどうか。扶養手当のアップを削るということではありませんけれども、そういう喫緊の課題、あるいはそういう部分を持っている俸給表というのはなかったのか、検討されなかったのか。いかがですか。
○中島政府参考人 今度の勧告の内容を決めるに当たりまして、いろいろな議論をいたしました。その過程におきましては、今先生が少しおっしゃいましたように、俸給表のすべての級、すべての号俸についてほんの少しでも改定したらどうだという視点からも議論をいたしましたし、他の俸給表で特に政策的に配慮する必要があるものはないのかどうかということももちろん考えました。 しかし、私たちの方では、考えました結果、今度の較差というものをもとにして俸給表のすべての級、すべての号俸について改定するということになりますと、今まで、勧告のたびに政策的意図を持って世代間の配分というものの適正化を図るという観点から、俸給表の体系といいますか、簡単に言いますと早期立ち上がり型の昇級カーブというものが実現できるように考えてまいりましたけれども、それがかなり難しいというふうに判断せざるを得なかったわけでございます。 したがいまして、俸給表の改定というものについては、どうしてもこの際とることができない、今までの延長線上の考え方からいったら、それはどうも本年に限って難しいなというふうに判断いたしました。 それから、俸給表の中で特別に配慮するものはないかということでございますけれども、昨年の場合には、高齢社会というものを控えまして、これからの高齢社会を支えるという意味において、福祉職俸給表というものを新設していただきまして、そして、指導員とか保育士等の処遇改善ということを特別におやりいただきました。そういう勧告をいたしましたけれども、今年は行政職俸給表というものを改定しないという前提で、特別に政策的意図を持って配慮しなければならない俸給表、職群はあるかということでございますけれども、本年においては、昨年のようなそういう政策的配慮をする俸給表はないだろうということで、ことしは特別な勧告をしなかったわけでございます。
○山元委員 原資が少ないわけですから大変難しいと思うのですけれども、今もおっしゃいましたように、早期立ち上がり型という、年功序列からそういう形に変わっていくということは長い間の課題ですし、今度の俸給体系の見直しという問題とも絡んでぜひこれはやらねばならぬということで、問題意識を持ち続けてもらいたい。まあしようがない、扶養手当だけだということにならないように、これからの検討をお願いしたいというふうに思います。 次に、勧告の中で、職業生活と家庭生活の両立のための休暇制度というものが提起されています。 今ここでも指摘されていますように、ボランティアの問題だとかあるいは国際的な研修だとか、さまざまな要求があるわけですし、そういう流れだろうというふうに思うのです。そういうことからいうと、提起されている休暇・休業制度というもの、これは期待いたします。ただ、どういうふうに、何をするのかということについては、ここでは全然見えないわけですね。問題提起はあるけれども、言葉として職業生活と家庭生活を両立する、そういう制度をつくるのだと。結構だけれども、一向にこの形が見えてこない。 人事院でこのことについて相当の論議というのですか、相当の想定があるのだろうというふうに思うのですが、どういう中身を考えていらっしゃるのか、お知らせをいただきたい。
○中島政府参考人 職業生活と家庭生活の両立という視点から申し上げますと、介護休暇と看護休暇というものがあるだろうというふうに思います。育児休業というものもございます。 これらにつきましては、現在、一応法律の制度というか、制度が整備されておりまして、それなりに関係公務員に喜ばれておるわけでございますけれども、介護休暇について申し上げますと、上限が三カ月だということでございます。 しかし、その介護休暇というものをとった職員の意識を調査してみますと、三カ月未満であった職員が、年を追うごとに三カ月いっぱいとるようになっている。しかし、三カ月いっぱいとった職員がその後どうしているかということをさらにフォローしてみますと、退職しておる者もおる、あるいはまた、年次有給休暇をとりながら看護、介護を続けているという職員もおるということでございますので、この社会的必要性といいますか、需要というものはかなり高いなというふうに思います。 私たちは、そういう社会的な要請というものを片一方で認識しながら、もう一つ、民間の企業における介護休暇の普及状況はどうだろうかということを調査してみますと、やはりもう少しこの普及率というものが高くなるというのが望ましいんじゃないかというふうに思います。 公務員が先行することが必ずしも悪いとは思っていませんけれども、公務員が先行することによって民間企業を引っ張っていける、そういう感触というものを得るときに公務員が先行することが許されるんだというふうに思います。 かつての週休二日制の実施とか、あるいは最近では今申し上げました介護休暇の実施とかいうのは民間に先駆けて実施いたしましたけれども、民間の状況というものを正確に把握したところが、ここらで公務員が踏み切ると民間がついてくるなという感触が欲しいというふうに思います。 家族についての看護休暇につきましても、民間の普及状況が非常に低いという状況でございますし、さらに、時々議論になりますように、総合休暇制度といいますか、海外ボランティアのための休暇制度とか、あるいは就学のための休暇制度というのがございますけれども、いかんせん民間における普及率というのが数%では、ちょっと公務員の方では手が出せないなという感じがいたしますけれども、私たちはいずれそういうことについて前向きに検討しなければならない時期が来るだろう。 そのために、どういう活動というものをこういう総合休暇制度の対象にするのか、そして、それを対象にするときには、既存の研究休職とかあるいはその他の休業制度との関係をどのように整理していくのかということも考えておかなきゃならないというので、内々そういう理論的な整理はしておきたいなというふうに思います。
○山元委員 介護、看護、例えば子供の看護ですね、そういう休暇の条件整備というのは必要だというふうに思います。そのことについてはもう緒についているわけですから、ぜひ拡充について御検討いただきたいと思いますが、最後のところに、今も総裁おっしゃいました。海外ボランティアだと、例えば教員が一年間海外に行って研修をしたいという場合の休暇制度について、ちょっと手が出せない、こうおっしゃった。 けれども、やはり今の流れからいくと、公務員がこの先導役を果たしていいだろうというふうに思うんですね。ですから、そういう本当に公務に資するような研修を含めて、ここでは少し、検討を進めると書いてある。なかなか手が出せないと総裁は今おっしゃいましたけれども、このことについてはぜひ具体化をしていって提起をしていただきたい。それは民間を引っ張ることにもなるわけですから。 その点どうですか、もう少し。
○中島政府参考人 今申し上げましたように、総合休暇制度といいますか、海外ボランティアの関係とか、内外の大学院等で勉強する、就学のための休暇というんですか、そういうものにつきまして、やはり民間の普及状況が数%では、ちょっと公務員としてこの際積極的に打って出ようかということに人事院としてはなりにくいということを申し上げたわけでございますが、今経済がこういう状況でございますから、そういうことが民間企業で議論されるような環境ではないんでしょう。 しかし、いずれそういうことが議論されるでしょうから、議論され出したときから内部的な整理をするというのでは遅いから、やはりそのときのために、対象となる活動範囲というものをどのようにするのか、既存の制度との整合性をどのように図っていくのかという内部的な検討は進めていこうということでございますので、ひとつその点は民間の普及状況がもう少し高くなるまで御勘弁いただきたいというふうに思います。
○山元委員 今の家庭生活の問題とも絡むんですけれども、男女共同参画社会をつくっていくということでいろいろの方策が必要なんですけれども、この勧告の中でも採用と登用の拡大という項があるわけです。 これは去年も私はお尋ねをいたしました。去年のところでは、確かに公務員の中で女性は一九・九%、先進諸国の中で約半分の率しかないというのが去年の状況だったんです。 今、そして去年も努力をしなきゃならぬという報告があったわけですけれども、この間、一体どういうふうに進んだのか、あるいは各省庁が、努力を怠っていると言ったら語弊がありますけれども、どういう問題があるのか。私は、余り大きく進んでいるというふうに思わないんです。ですから、ここにもことしも採用と登用の拡大というのがありますけれども、どういう状況になっているのか、現況について伺いたいと思います。
○中島政府参考人 採用を拡大するためには、やはり何といいましても、できるだけ多くの女性の方が公務員試験にチャレンジしてくださるということが必要だと思います。 そこで、この一年間に人事院では、国立大学とか私立大学に声をかけまして、女子学生というものを集めてください、人事院の方から出かけていきます、あるいは人事院の職員だけで足りない場合には各省庁の職員の応援も得て、一体公務員とはどういう仕事をするんだ、どういう魅力のある仕事をするのか、そしてまた、公務員になったときの処遇とか身分というのがどういうものなのかということを説明してまいりました。 その結果、女子学生の間ではかなり公務員についての認識を深めてくれたというふうに思いますけれども、何といいましても、個々の女性の方の意識というものがそれだけ高くならなければどうしようもございませんし、なかなか意識というものが高くならないというか、高くなるのが難しいというのは、ちょうど公明選挙運動とよく似ているなという感じがいたします。 なかなか個々の女性の方というのは認識を深めてくれませんけれども、ただ、そのこと自身によってあきらめてはならないというので、これからもそれはますます回数を多くして、女性の方に公務員になる熱意を持っていただくように努めてまいりたいと思います。 そうすることによって女性の方が公務員試験にチャレンジしてくれる。そして、チャレンジしてくれて合格した場合には、合格者の中に占める女性の割合と採用者の中に占める女性の割合というのが、採用者の中に占める割合が低くならないように、必ず毎年安定的に採用者比率というものが高くなるような方向に持っていかなければならない、そういう努力もしていかなきゃならないというふうに思います。 私たちはそういう認識で努力しておりますし、関係各省にもそういうことを話しかけております。関係各省もそういう認識を持ってきてくれていますけれども、私たちは、これからこの女性の採用、登用の拡大推進に向けまして、関係各省とよく意見を交換しながら、その推進のための指針というものをつくれないか、その指針というものをつくって、関係各省がその指針に従って努力をしてくれるというふうに持っていきたいな、そういう努力をこれからしてまいりたいと思います。
○山元委員 今総裁、何か女性が悪いような、女性自身の意識の問題という言葉もあったように思いましたけれども、確かに長い間の日本の社会のそういう考え方というんですか、価値観といいますか、そういうものがずっと根づいていることは事実だと思いますけれども、共同参画の基本法ができて、格段にこのことが進む必要があるわけですね。そのことでいうと、人事院の年次報告を見ていると、いかにもちょっと弱々しい。どんといこうという感じがないわけです。 今総裁がおっしゃったように、女性自身の側にも問題があるような言い方でしたけれども、やはりここに書いてある、例えば最後のところでは「女性職員の育成・活用の計画的かつ着実な推進に資する施策等について、早急に検討を進めていくこととしている。」と、遅いという感じがこれを読んだ途端にするんですよ。やっている、それで省庁にそれぞれ問題があるならあるということで、きっちりと各省庁を指導していかなきゃならぬだろうというふうに思いますけれども、この年次報告、この間もらったので見ると、「早急に検討を進めていくこととしている。」というのは弱い感じがするんです。ですから、ぜひ人事院の中でもチームをつくって、具体的な施策について格段の御努力をお願いしたいというふうに思います。 もう一つ、女性の問題についてですが、セクハラの問題についてこの年次報告でも報告をしておられるわけですが、これについても、私は、公務労働の中での取り扱いといいますか、取り組み方が弱いという感じがするんですね。 例えばこの年次報告の中には、相談員の配置は全部あると。しかし、相談室が、専用室があるかといったらほとんどない。あるいは、外部の人が相談員となっているかというと一割もない、こうなっているのです。圧倒的に内部の者が、定時ではなしに、例えば毎月第一月曜日と第二月曜日だ、こういうふうに日を決めて、専門の人が来て相談に応じるというような体制は全くできていないわけですね。ですから、こういう状況というのはいかにもおくれているという感じがするんです。 ですから、公務の中でそういう事件が起こらないための手だてというのはきちっとしなきゃならぬのですが、この報告を見ると、いかにもこれは消極的。だから、もっと積極的な方策が要るんだというふうに思うのですが、人事院にお考えをお伺いしたい。
○中島政府参考人 昨年の四月でしたか、人事院の方では規則を制定いたしまして、セクハラ対策というものをスタートいたしました。それを契機にいたしまして、各省庁で部内規程をつくってもらう。そしてまた、それぞれの省庁で相談体制というものも整備してもらっています。相談員の設置もその一つでございます。 現在の状況を申し上げますと、人事院の本院と人事院の地方事務局、そのそこにおいてはすべての省庁のセクハラ事件について相談にあずかっております。これは、電話による相談も受け付けております。また、それぞれの省庁におきましては、本省とブロック機関においてその体制の整備をしてもらっています。今先生がお話しになりましたように、それぞれの省庁の職員がその相談にあずかっておるというのが大半でございますけれども、外部の方に委託して相談業務にあずかってもらっているというところも出てきております。 したがいまして、これからこの体制というものをどのように整備、充実して、特に女性の方がこういう事件に遭って不愉快な感じで公務に従事するということを防止していかなきゃならないという認識は非常に強く持っておりますので、関係各省の今までの運用の実態というものもよく把握して、どういうような施策を次にとれば一番効果が上がるのかということを考えていかなければならないというふうに思います。
○山元委員 多くを言いませんけれども、この報告の中に、例えば、去年の十二月四日に電話で受け付けをやった。公務員の皆さんから受け付けたら、セクハラについて三十五件の相談があった。その相談内容は、性的関係の強要だとかあるいは身体接触だとかいろいろなことがあるわけです。公務員の中にそういう一一〇番を一日設置したらこういう件数が出てくるというのは、やはり先進国に比べて問題が多いんだろうというふうに思うのです。 日本の企業が海外で問題になる、問題を起こすというのがありました。確かに日本の社会というのはそういうところがたくさん残っているわけですから、大きなことが起こらないためにも、あるいは本当に女性の皆さんが働きやすい職場、まず国家公務員がということにならなければいけないわけです。ですから、電話相談を一日特設したら三十何件あったというのは余りこれは褒められたことではありませんから、専門員を置く、あるいは外部に委託する等のことを一遍しっかりとやらないと日本のそういう社会というのは変わっていかないのだろうということで、努力をしていただきたいというふうに申し上げておきたいと思います。 それから次に、これは大きなテーマですけれども、評価制度の問題ですね。そして、賃金体系、俸給体系を変える。これは公務員のあり方について根本的に変わっていく大きな問題。きょう細かいことはもう申し上げませんけれども、去年も私はこのことについて触れました。 この評価制度というのは、一つ間違うと大変な混乱を起こすし、この場合でいうと、公務に対する意欲だとか士気だというのが本当に横っちょを向いてしまう、こういう問題だというふうに思います。正しくそれぞれの能力なりあるいは職務というのを評価するというのは、至難とは言いませんけれども、大変難しい問題。 私は、過去に教員生活をしていましたけれども、公務員全体に勤務評定制度というのが出てきて大混乱をした。これは一つの意図があって、公務員を、その当時使っていた言葉で言いますと分断をするとかいろいろなことがありました。あるいは、賃下げの材料にするんだとか、そういうことがありましたけれども、今人事院が考えていらっしゃるのは、そんなものとは全然質が違うと思いますよ。思いますけれども、一つ間違うと、今言いましたように士気だとかあるいは仕事の効率を大変低下させる、こういう問題を含んでいるんだろうというふうに思います。 そこで、もう少し具体的に、この報告の中で評価システムを充実すると簡単に書いてあるんですけれども、具体的にどういうことをイメージしていらっしゃるのか、想定していらっしゃるのか。民間の皆さんですと、確かに、いいものをつくった、あるいは売り上げをどんどんと伸ばしている、さまざまな評価の観点があるわけですけれども、公務の評価というのは大変難しいと思うんですね。そういう点でいうと、どういう方法というかシステムを今想定していらっしゃるのか、その方向についてお伺いしたいと思います。
○中島政府参考人 この時期に評価制度というものの検討に着手しようじゃないかということを考えた背景は三つあると思います。 やはり、行政に対する国民の期待というか要望というのが時代の変化とともに非常に変わってきておるというか、高度化してきておる。したがって、行政の方でも、それに対応した人員配置を初め組織体制というものを整えていかなきゃならないだろうというふうに思います。そこで、私たちは、評価制度というものを整備することによって、今公務に従事しておる個々の職員の能力、適性というものを正確に把握して、人事配置の上で適正な人事配置ができるようにしていかなきゃならない、そのための資料というものをひとつしっかりつかみたいというのが第一点でございます。 もう一つは、やはり成績主義、能力主義に基づく任用をする、人事をするといった場合に、どういうような適性、能力のある人がどういうようなポストに昇格する、昇進していくのがふさわしいのかということについても、今はどちらかといいますと、上司の勘といいますか感情といいますか、そういうものによって左右される度合いがかなり強いんですけれども、やはり正確にそれぞれの職員の能力、適性というものを把握する、そのことによって係長としてふさわしいかどうか、あるいは課長補佐としてふさわしいかどうか、そういうような昇進上の資料というものを把握していかなきゃならないというふうに思います。 それから第三番目は、給与上の問題ですけれども、給与につきましても、特に民間企業を中心にいたしまして能力主義、成績主義ということが言われておりますけれども、どのようにその能力、成績というものを把握して給与上の処遇とつなげていくのかということについて突っ込んだ議論をして成案を得ていきたい、そういう認識でございます。
○山元委員 まさに評価は給与と直接的に絡んでくる、昇進もそうですけれども。ですから、とりわけ客観的な基準といいますか物差しづくりが大変難しいんだろうと思うんですね。 ことしのこの勧告の中では、そのことについては、引き続いてという書き方がしてある、早期に成案を得るようにと。けれども、去年のことを余り言ってはいかぬですが、去年は、省庁再編のことを意識しながら、それに間に合うように努力をするというような御答弁があった。これは総務庁からもあったわけです。けれども、来年一月から省庁再編が実施される。けれども、ここでは一向に、ここまで来ましたということについてはテーマすらはっきりしていないわけです。 ですから、そこのところは非常に遅いし、今総裁は昇任とか昇格とかそういうこともおっしゃいましたけれども、省庁再編に合わせて人事についての物差しをつくるということは大事なんです。だから、去年、このことを意識しながらできるだけ早くというふうにおっしゃっていたんですが、去年よりも後退しているとは言いませんけれども、進んでいない。これも難しいと言ったらしまいだけれども、ぜひもう少し具体的に検討の中身について、これは公務員の皆さんは大変心配しているわけです、過去に悪い例がありましたから。本当に悪い例があった。 ですから、そうならないように、本当に意欲が持てるような、あるいは公平、妥当な物差しができるということについて期待もしているし、そういう流れだということは理解をして、そういうものができるということを期待しているわけですが、一体どこまで作業的に進んでいるのか、論議の中身についてもう少し局長の方からでもあったらお伺いしたい。
○尾木政府参考人 人事評価システムの整備の問題につきましては、昨年の勧告、報告の際にその取り組みの基本的な方向をお示しして、その後、外部有識者の研究会を設置いたしまして検討を具体的に進めてきているわけでございます。 ことしの六月に、その研究会から、これからの評価システムの整備の具体的な視点、それから、整備する際の基本的な方向につきまして提言を受けまして、さらにその中間報告を受けた段階で、ことしの人事院の給与勧告を行っておりますけれども、ことしの報告の中で申し上げておりますように、来年三月を目途に最終報告をいただく、その際に人事院としては、今お話が出ておりますように、人事配置あるいは昇進管理、給与処遇等について適切な運用が可能となるような具体的な評価の仕組みを整えてもらう、そういう提言をいただく方向で検討をお願いしているところでございます。 現在、総務庁におきましても既に研究会の報告が出ているようでございますけれども、言うならば総務庁と連携をしながら、今後、組織の中において新たな評価システムというものを整備し、定着させていこうということで計画を立てているところでございます。
○山元委員 総務庁には続けて後でお伺いしますけれども、今ありましたように、中間報告が出されて、三月をめどにして見えてくる。 そこで、中身については今やる時間はありませんけれども、大事なことは、労使の合意がないと、職員団体の皆さんがわかったということにならないと、これは妥当で、あるいはこれから有効にそれが作用していくという制度にはならないだろうというふうに思うんですね。その労使あるいは職員団体との十分な合意といいますか、少なくとも協議が行われる、そのことについての制度といいますか、そういうものが必要なんだろうというふうに私は思う。 今まで法的に、こういう問題になるとすぐに当局は、これは管理運営事項ですという便利重宝な言葉が、便利重宝という言葉はいかぬですかね、ありました。ですから、その一言で話し合いということにならない、管理運営事項だと言われるとどうにもならない状況が今までありました。 ですから、そこのところは、人事院も今、中間報告があって、最終報告を今詰めてもらっている、こういう期待がありました。その最終報告をつくるまで、あるいは後、人事院としてその職員団体の理解を得るという努力についてはどういうふうにお考えになっていますか。
○中島政府参考人 おっしゃいますように、この評価制度につきましては、個々の職員というか公務員というものが納得し、信頼してくれるということが非常に重要だ、それでないと公務組織の中に定着しないだろうというふうに思います。 したがいまして、先ほど局長から御答弁申し上げましたように、研究会で現在精力的に勉強してもらっていますけれども、その勉強の過程で、節目節目でその内容というものを労働団体あるいは当局にお見せして、その意見をよく整理して研究会に再び報告するということによって、研究会と労働団体あるいはまた当局側の意見というものが反映され混合して、いい結果が出てくるだろうというふうに思います。 そういう努力というものは惜しまないつもりでございますので、できるだけいいものが出てきて、それが組織の中で定着し、信頼されて実施されていくということを私たちはねらっているわけでございます。
○山元委員 この勧告の中にも、「職員にとって重要な勤務条件の一つであることをも十分念頭に置いて、引き続き関係者等の意見を聴取しつつ、早期に成案を得るよう検討を進める」、こう書いてあるんですね。この文字どおり、やはりきっちりと関係者の意見を聞きながら、今総裁もおっしゃるように、定着をしていくように御努力をいただきたい。それは、出てくるのを待ってそれをどうこうというのよりも、出てくる前にやはりきちっとしたそういう手順が踏まれるように努力をしていただきたいというふうにお願いを申し上げておきたいと思います。 そこで、このことについて総務庁、総務庁が人事評価研究会で報告を出されている、総務庁がというより、この研究会が。そして、この間、人事院の中間報告が出た。そして、三月までにまとめていかれる。二つあって、これはどう違うのか、どういう関係があるのか。それだったら今から、連携しつつという言葉がさっき局長からあった、人事院と総務庁が一緒になって、どうするのかということについて相談をすることが大事なんだ、研究することが大事なんだろうと思うんですね。 報告が出て、研究会がやっている、そして人事院もやっている。そして、いや食い違いはありませんというのだったら一緒にやったらいいですし、食い違いがあるとすれば、どういう立場でどういう違いが出てくるのか。今の状況について総務庁からお知らせをいただきたい。
○海老原政務次官 人事院と総務庁と違うことをやっていたら大変なことだなという御指摘でございまして、まことにごもっともと思います。 総務庁といたしましては、新たな人事評価システムについては、人事院と十分に連携を図りつつ政府全体で検討を進めるという考え方でやっているところでございまして、もう少し具体的に申しますと、総務庁長官が主宰しております人事評価研究会というところで、国家公務員の人事評価システムについて御議論を進めていただきまして、報告書を本年五月に受け取ったところでございます。 この報告書の中身は、具体的な人事評価システムのあり方を中心にまとめられております。例えば、今まで勤務実績の評定と言っておりましたけれども、これはもっと具体的業務の遂行に着眼して業績評価、具体的業務の成果を評価していく、あるいは能力評価につきましても、期待される能力や行動特性等に着眼した評価ということに持っていくというような内容でございます。 一方、人事院におきましては、もっと広く、能力、実績の評価・活用に関する研究会というのを、先ほど人事院からお話がありましたとおり、ことしの六月、中間報告を取りまとめておりまして、具体的には、人事評価の結果を配置とか昇任とか給与への反映とかそういったことに活用するにはどうしたらいいか、評価そのものももちろんやっておられますけれども、そういった方面まで手を広げていろいろと御検討いただきました。 現在、新たな人事評価システムの導入に向けて、人事院と十分に連携を図りながら政府全体で検討を進めているところでございます。 なお、先ほどから労使間の協議における合意をというお話もございましたけれども、私が先ほど申しました人事評価研究会の報告におきましても、「労使で十分な意思疎通を図り、相互信頼関係の維持を図っていくことが必要である。」とされておりまして、こういった趣旨を踏まえつつ、検討を進めてまいりたいと考えております。
○山元委員 やはり、屋上屋とは言いませんけれども、最初からしっかりと一緒になってやられる方が、評価をする、それを活用していくという部分であれば、これは連携という言葉でなしに一体になってやられる方がいいと思うのですが、いずれにしても、もう既にあるわけですから、報告も出された、あるいは中間報告を出されたわけですから、ぜひこれは一体になってやっていただくようにお願いをしたいと思います。 重ねて、十分職員団体の皆さんの意見を聞かせていただくというだけでは、私はやはり不十分だというふうに思うのです。不安があると思うのです。しっかり聞きますよという一つの制度、先ほど言いましたように管理運営事項です、しかしながらということでの制度が要るだろうと思うんですよ。きちっとした職員団体の皆さんの意見を聞く機関なり、あるいはそういう手続というものが明確になった方がいいと思うのです、将来にわたっても。これはずっと将来使うものですから。ですから、そのときにはしっかりと職員団体の皆さんも合意をして、公務のあり方はこうなんだ、効率を上げていくためにはこうなんだ、こういうことを合意をしておくことが歴史的な出発についていいと思うのですが、そういう手順をしっかりとつくるということについてはどうですか。
○海老原政務次官 先ほど申し上げましたように、労使で十分な意思疎通を図って相互信頼関係の維持を図っていくということを非常に重視いたしまして、今後いろいろな検討を進めてまいりたいと考えております。
○山元委員 しつこいようですけれども、そのことについては将来にわたる制度ですから、一つの施策、一時的なものではなしに、これから公務員のあり方、公務員の職務のあり方を決めていくものですから、ぜひそのことについてはきっちりと手順を踏んでいただくようにお願いを申し上げておきたいと思います。 最後に、先ほど官房長官にお尋ねをしました。人事院ですが、民間準拠の公務員の給与勧告の問題。地方公務員がそのことについて、きっちりと制度の精神に基づいて、国均衡という言葉を今まで使ってきたのですか、国均衡の精神というのをきちっと各自治体が踏まえてくれということが大事だと思うのです。それぞれの自治体、今財政が大変厳しい。厳しいから評定をやって賃金を下げるとかあるいは人勧を値切るとか、そういうことがないような努力を人事院としてもしなきゃいかぬのと違うか。これは今まで、地方分権の制度に反します、地方分権の時代ですから、こういうふうにおっしゃるけれども、これは国の制度としてあるわけですから、そこのところの精神はきっちりと自治体にも理解をしていただくという努力が人事院として必要なのではないかというふうに思うのですが、どうですか。
○中島政府参考人 国家公務員につきましては、人事院が給与勧告をして、政府に尊重していただいております。それぞれの地方団体におきましては、人事委員会が勧告をし、それぞれ市長とかあるいは知事がそれを尊重するという建前だろうと思います。したがいまして、今おっしゃる議論というのは、主として地方議会でやっていただくのが筋だろうというふうに私は思います。 ただ、現下の非常に厳しい財政状況を背景に、それぞれの知事さんとか市長さんがいろいろ給与等について合理化をなさっておるようでございますから、その合理化をなさっておる理由は何なのかということをそれぞれもう少し地方団体の中で議論していただく。そして、なぜ合理化をしなければならないのか、給与水準が高いからなのか、あるいは給与の運用、給与の制度というものが国家公務員と違った運用、制度をしておるからそういう議論になっているのかというところをそれぞれの議会の中で十分議論していただいて、あるべき給与水準というものが保障されるというのが望ましいだろうと私は思います。
○山元委員 総裁のおっしゃることは本筋だと思いますよ。しかし、先ほども言いましたように、地方自治体の財政が厳しいから、だから人勧制度の趣旨を外していい、無視をしていいということにはならぬと思うのです。そこのところはしっかりと、例えば全国の人事委員会の全人連というのがありますね。そこのところでやはりしっかりとした勉強をしてもらう必要がある。あるいは、人事院からの趣旨の徹底というのはやってもらう必要があるのだろうと思うのです。 そうでなければ、地方公務員に対して労働基本権を与えるべきだ。国家公務員にないから人事院勧告制度があって、そこのところでしっかりとした勧告を行う。たとえマイナスであろうと完全実施をというふうに、私たちは大事にしたいという人事院勧告制度があるわけです。それは地方も国に準拠をしていく、均衡を保つということを考えてのことだ。そうでなければ、地方自治体の皆さんにスト権を与えなければならぬ。 そこで、ほしいままにとは言いませんけれども、財政がだとか、あるいは民間の景気が悪いから、うちの地域はこうだからということでやるのだったら、それだったらしっかりとした団体交渉を持ちましょう、労働基本権を持たせてくださいというのが出てくるのは当然でしょう。だから、人勧制度というのをきっちりと守っていくという日本の今の公務員制度のありようというのは大事にする。そうでないと、弱いところが泣くということになってしまう。 ですから、ぜひこれは人事院総裁に、地方を指導しますということについては本筋でないかもしれませんけれども、そのことについては御理解をいただいて、これから配慮をいただきたいというふうにお願いを申し上げたい、要請をしておきたいと思います。 終わります。ありがとうございました。
○佐藤委員長 次に、塩田晋君。
○塩田委員 自由党の塩田晋でございます。 まず総務長官に、三点にわたってお伺いをいたします。 人事院の給与勧告は公務員の労働基本権制約の代償措置であるわけでありまして、公務員の雇用主としての政府は、この人事院勧告を極めて重く受けとめて真剣に慎重に善処すべきものと考えるものでございますが、今まで政府は、人事院勧告の完全実施を含めまして、最大限尊重してこられたと私は認めるものでございます。民間賃金の精密な調査に基づいて、これと公務員給与との均衡をさせるいわゆる民間準拠方式を採用して、四十年間にわたって続けられております。果たして、これが最上のやり方であるかどうかにつきまして、総務長官のお考えをお聞きしたいと思います。これが第一点でございます。 次は、今回の勧告の内容を十分検討の上、今後、政府としてどのように人事院勧告を措置される方針か、これについてのお考えを総務長官にお伺いいたします。 私は、後ほど人事院総裁に、勧告の内容につきまして、多少技術的な面にわたりまして問題点を明らかにしたいと思っておりますが、特にボーナスの減額が今回勧告されておるわけでございます。これは、民間のそれが昨年の五月から本年四月に至る一年間の実績であるということ、企業規模等を考えますと、ここに出された額よりも昨年一年はボーナスは民間ではもっと大幅に減っているんじゃないか、そういうデータも他の資料から得られるわけでございますが、大幅に減っておるという感じがいたしますが、本年に至りまして、六月のボーナス、これは既に出ておるところでは、これまたかなり増額になっておる、こういう実績も出ておるようでございます。 これは来年の人事院勧告の中で反映されるものと考えておりますけれども、常に後追いになっておるということですね。本給につきましては、四月一日現在ですから現時点と考えていいんですが、ボーナスにつきましては、過去の実績ですから後追いになる、こういうことになるわけでございます。 日本の経済の後退があり、また景気がなかなか上向きにならないということ、これは最大の原因といたしましては、国民所得の中に大きなウエートを占める消費の問題、これはやはり所得、特にボーナスの減額等が消費の停滞、落ち込みの大きな要因になっておるということが考えられるわけでございまして、ボーナスの動向にかなり左右されておる、そういう面もあろうかと思うのです。 国の経済政策上から見まして、人勧の処理に当たりまして、消費の落ち込みその他を考えると、日本の経済の回復の面からはボーナスがかなり影響するわけでございますから、先ほどお話も出ておりましたが、公務員給与等、国の政策がむしろそういった点からの配慮で人勧の処理をするということが考えられていいんじゃないかというふうに考えるんですが、この点について総務長官の御意見をお伺いしたいと思います。 先ほど申し上げましたように、労働基本権の制約に対する代償措置であるということ、これは、国家公務員を初めとして公務員は人事院勧告によって非常に影響を受けるわけでございますから、ボーナスを二年連続減額されておるということについては、これはもちろん職員組合、団体からはいろいろと折衝があり、陳情があると思いますけれども、やはり公務員個々にとってみますと、家計にももちろん響きますし、家族を含めてかなり怒りに燃えているというか、非常に腹の中におさめ切れないものを感じている人が多いと思うんですね。 これは民間ですと、場合によってはストライキもできる、また団体交渉をして団体協約を結んでボーナスについての取り決めもできる。そういう権利が、いわゆる労働基本権がほとんどない、制約されておるということを考えると、やはり政府としては相当真剣に考えないと、いわゆる雇い主ですから、エンプロイヤーですから、このことはひとつよく腹に置いて、人勧の処理をするに当たって十分内容を検討し、そういった雇用者としての立場、雇われている公務員が使命感に燃えて一生懸命仕事をしている、その人たちの生活の問題でございますから、そういった点を十分に配慮して慎重にこの問題、人勧の実施については、なお政府として検討して決定をしていただきたい、このように思うわけです。 以上、三点につきましての総務長官の御意見をお伺いいたします。
○続国務大臣 お答え申し上げます。 第一点につきましては、人事院勧告制度は国家公務員の労働基本権制約の代償措置であると自分は認識しているけれども、おまえの認識いかん、こういうお話でございました。私も全く同様の認識を持っております。政府としても全く同様の認識を持っております。 第二点、今回の人事院の勧告に対して政府としてどういう措置をとるんだ、至急とるべきだ、こういう御趣旨の御質問でございました。 八月の十五日に人事院から勧告を受けましたその日に、官房長官主宰のもとに給与関係閣僚会議が開かれました。私は、今第一点にお示しをしましたような趣旨の意見を申し上げ、そして、それぞれの関係閣僚が意見を申し上げられ、そして、現時点ではとにかく人事院勧告を尊重するという立場で議論しよう、経済の状況、民間の状況等もこれあり、結論を急ぐけれども、とりあえずきょうのところはということで終わっております。したがいまして、今御趣旨の第二点につきましては、至急検討をされる課題だと存じます。そしてまた、人事院勧告どおりに措置されるものだと考えております。 第三点、ボーナスの件につきまして、いろいろな思いを込めながら御質問がございました。 このボーナスの問題につきましては、人事院が民間給与関係等を十分精査をして、そして結論づけられたものと思っておりますので、政府としてはそれを尊重させていただきたい、このように考えております。 以上でございます。
○塩田委員 総務長官の御決意をお聞きいたしたわけでございますが、後のボーナスの件につきましては後ほど人事院当局に対しましていろいろと問題点を明らかにしたいと思いますので、そういったものも参考にして、なお検討を進めていただきたいと存じます。 続きまして、人事院総裁にお伺いいたします。 民間給与との正確な比較の方式として、企業規模百人以上の七千六百事業所につきまして、職種、役職段階、年齢あるいは学歴、経験などの給与決定要素を同じくして給与額を対比させるといういわゆるラスパイレス方式を採用しておられるわけでございまして、官民較差を求めて今回の勧告となったわけでございますけれども、これはいろいろ他の方式があるわけでございます。そういった方式、例えばパーシェ方式とかあるいはフィッシャー方式とかその他にもいろいろ正確な方式、勘案されているものもあると思うんですが、そういったものによらずしてラスパイレスが適切と考えられるその理由についてお伺いしたい。 また、ラスパイレス方式についての利点と、欠点といいますか問題点があるとすればどういうところかということについて、総裁の御認識をお伺いいたします。
○大村政府参考人 今お尋ねのラスパイレス方式でございますが、これは昭和三十五年にこういう方式が確立したわけでございますが、それ以前、先生おっしゃるように、パーシェ方式とかフィッシャー方式等々、いろいろ人事院の中でも議論があったようでございます。 しかしながら、なぜこういう方式をとったかと申しますと、いわば公務員給与の水準の改定のために官民給与を比較するわけでございますので、公務員が民間並みの給与をもらうとしたならばその較差はどれだけかという観点から行うわけでございますので、やはり、公務員の人事構成を基礎にしまして、そういう人事構成がもし民間であったらどういう賃金になっているかということを調べるのが一番適当であろう、そして、公務と民間の差を求めるということが一番手がたい方法ではないだろうかという結論になったというふうに承知しております。
○塩田委員 最後に申し上げました、ラスパイレスについての問題点があるとすればどういうところがあるか、お伺いいたします。
○大村政府参考人 問題点というよりも、ラスパイレス方式、パーシェ方式ということでやりますと、年齢構成とか、いわゆる民間と公務員の人事構成というのですか、それが極端に違うという場合には若干その差が出てくると思います。 ただ、先ほど申しましたように、あくまでも公務員給与を民間に合わせるということでございますので、やはり公務員の人事構成をもってやるラスパイレス方式の方が妥当だというふうに考えているところでございます。
○塩田委員 公務員は市場性がないということも指摘されておりますが、市場で比べることができない職務がかなりあるわけですね。 それで、この一般職の給与表につきましては、第一と第二表、これは事務職と技術職ということで、民間の事務職、技術職との比較をされた。それも公務員の構成と同じにしてやるのがラスパイレスですから、一つの考えだと思うのですが、その点について問題はありませんか。
○大村政府参考人 公務員給与を民間と比較する場合に、やはり一番基幹的になる部分、公務員の場合でございますと行政職、こういうものについては民間にも同様の職種がございますので、それを基本に比較するということをやっております。行政職で、今我々が所掌している約四十九万のうち大体二十四万ぐらい、約半数がこれに当たるわけでございます。 したがいまして、そういうことをやった上で、民間にない職種、例えば警察官などにつきましては、行政職を基準にそれとの均衡をとって配分する、給与の引き上げを行うということをやっているわけでございます。
○塩田委員 職種とかいろいろと細かく分けて民間との対比をされるわけですね、ラスパイレスとして。その場合に、民間には人が少なくて公務員には多いという、あるいは、公務というものとはもちろん本質的に違う職務内容だと思うのですね。 今お話がありましたように、警察官とか自衛官とか、あるいは教員もそうですし、裁判官ももちろん公務員でありますけれども、別建てになっておる。これは、一般職の行政職、技術職のこれに倣ってスライドしてやられるわけですから、単に四十万あるいは五十万といっても比較しているのは二十万ぐらいですか、そのところの比較でもって百万、あるいは自衛官その他、また地方公務員を入れますともっと大きい範囲になるわけですが、それに影響を与えるわけです。 市場性がないといっても、初任給のところは市場性があるわけですね。給料が低いと公務員に人が集まらない、したがって給与体系上初任給のところを是正していったという経緯もあります。そういった、市場性が全くないわけではないけれども、公務というのは本質的に市場性がない。それについての何百万という人に対する給与の影響が、この人事院勧告、今言われました二十万ですか、それとの比較によってあるわけですね。ですから、問題は、ラスパイレスでやっているからこれでいいのだというものではないというふうに私は思うわけでございます。 それから、職務、能力、実績の重視による給与体系のことが述べられておりますが、これは、先ほど申しましたように公務というのは本当に難しい問題であり、能力とか実績の評価というのは、先ほども出ましたけれども、大変な難しい問題だと思うのです。 忙しく、大変仕事をしているように見えると、それがよくやる、仕事をたくさんこなしている、それで実績を上げているというのがいいのか。公務の場合、逆に、余り忙しくないというか、どんどんやってこない、あえてしなくてもいい状態の方がむしろいい行政をやっているということもあり得るわけですね。 警官の場合、これは一般職ではないですけれども、同じく公務員として、警官は泥棒がどんどんふえてそれを追っかけ回すのに忙しいというよりも、本当に平和で犯罪もない、そういう社会、裁判官も同じですね、そういうのがむしろ望ましい。ところが、民間の場合ですと、やはり成績を上げるということは、物がたくさん売れる、いい物がたくさんつくれる、そしてそれが利益でもって数字の上ではっきり出てくる。これは公務員ではないわけですね。 これは昔の話として聞いてもらいたいのですけれども、公務員のやり手というのは、あの人はよくやるという人は、どれだけ予算を獲得してくるか、どれだけ多くの人員をとってくるか、大きい組織の上に行く、そういう人が立派な人というかよくやる人だ、やり手だ、こういう評価もあったわけです。今はそうでもないでしょうけれども、非常に民間とは違うのですね。そういうことを前提にして、給与の額だけをラスパイレスで比較すればそれでいいんだというものではないということを指摘したいわけでございます。 なお、その評価に至っては、勤務評定等いろいろありますけれども、これはもう本当にやってみても大変に苦労するし、大変に難しい問題だし、何十年かたって見てみたら、非常によく評価しておった人がとんでもないことをやっておるということもあり得るでしょうし、本当に難しい問題だと思います。これは、研究をして慎重を期してやらないといけない問題だと思います。 それから、ちょっと離れますが、扶養手当の改善につきまして、子らに係る手当額が二人目までが六千円、三人目以降が三千円というふうに改定される。 これは結構なことではあると思いますけれども、現在の日本の人口の動向からいいまして、少子高齢化が急速に進んでおる、来世紀中には日本の人口一億二千五百万は六千万になるだろう、半減するだろうということも言われておる。 これは大変な、あらゆる日本の社会に大きな影響を及ぼすし、日本の国自体、日本人自体がどうなるかということすら危ぶまれる状態でございますから、この少子高齢化に対しまして、先ほども出ましたが、公務は民間に先行して、むしろ民間を引っ張っていくというような立場から、扶養手当につきましては、むしろ三人目以降を一万円にするとか二万円にするとか、思い切ってつけていくということは、これからの日本の人口動向を考え、また日本の国、日本人というものを考える場合に非常に重要なことではないか。国がむしろ先行して、政策的にもそういった線を出すべきじゃないか、このように考える次第でございます。 これについての御意見がございましたら、お伺いいたします。
○中島政府参考人 いろいろな御意見をちょうだいいたしました。 お聞きしておりまして、ごもっともな指摘もございますし、若干私たちの方で考えてみなきゃならない指摘もございます。突然の指摘でございますので、よく整理いたしまして、私たちの執務の参考にさせていただきたいと思います。 ただ、最後の扶養手当の問題につきましては、そういうような御意見もございますし、今、なかなか二人目の子供が生まれないというようなこともございますので、三人目というところに重点を置くのかどうかということは、非常に政策的に難しい問題だというふうに思いますが、いずれにいたしましても、公務員の経歴をお持ちの先輩のお話でございますので、よく勉強させていただきたいと思います。
○塩田委員 最後に、ボーナスの件でございますが、ボーナスの平均月数の算定につきまして若干お伺いいたします。 民間ボーナスの額は、先ほども申し上げましたように、景気の変動の影響を受けまして非常に大きく上下するものだ、人事院で調べられたものよりは変動がもっと大きいと私は思います。 しかし、それをどうするかというのは政策的な問題でもありますが、人事院の方式というのは、民間のボーナスの平均を出されたわけですね。調査対象は先ほどの七千六百事業所の従業員四十万を対象にしての平均だということでございます。平均というのは、単純平均か加重平均かという問題がありますが、単純平均の例で、民間の単純平均がこうだから公務員はこうだ、こういうことになりますと、大変な問題が起こるわけです。 といいますのは、ちょっと仮の例を申し上げますと、これは仮定ですけれども、十カ月ボーナスを出すところが一社というか一事業所あった、一カ月しか出さないところが一カ所だ、この場合には、月数だけを平均いたしますと五・五カ月になるわけですね。それから、例えば十カ月出すところが一カ所で一カ月出すところが十カ所の場合、これは十一分の二十ですから、一・八になるわけです。それから、例えば十カ月出すところが二カ所あって一カ月のところが一カ所という場合は、三分の二十一ですから、七カ月という平均になるわけですね。それから、もうちょっと現実に近づけますと、十カ月のところが一カ所で一カ月のところが五カ所という場合には、六分の十五ですから、二・五カ月。最初から言いますと、五・五カ月、一・八カ月、七カ月、二・五カ月、これだけ変動するわけですね。 月数だけで平均しますと、こういうぶれがあります。それは、現実に民間も大きくぶれている、上下しているということですね。これをそのまま公務員の給与に反映しますと、これは上げたり下げたりしないといかぬということになります。この辺、調査対象が全く去年もおととしもずっと同じで、ことしも同じだということであればいいんですが、これは変動しますね、民間は。つぶれる会社もあるし、中小企業についてはどんどん入れかわりがある。 こういった中で、そういう平均の月数だけでいいものかどうかということにつきまして非常に疑問を持っておるわけでございまして、ここに出されました勧告そのものもそのまま受け取るわけにいかない、詳しくもう少し追及をしたいんですけれども、そういう感じを持っておりますが、これについて、給与局長にお伺いいたします。
○大村政府参考人 人事院でボーナスを調査する場合には、先ほど申しましたように、職種別民間給与実態調査によりまして、民間の過去一年間の支給実績を正確に調査しまして、これに公務員の支給月数を合わせるということを基本にしておるわけでございます。 先生今御指摘のように、いろいろな例をお示しいただいたのでございますが、私ども、調査実人員で申しますと、ことしの場合でございますと大体四十六万人、これを常に母集団に復元、民間の事業所全部に復元いたします。これは毎年毎年、いつもそういう復元したものでボーナスの算定をしておるわけでございますので、去年の従業員数とことし四月の従業員数が、若干の入れかえはあるにしても、その部分は、平均値については余り変動がないのではないだろうかというふうに考えているところでございます。
○塩田委員 その点、問題あると思いますが、時間が参りましたので終わります。 ありがとうございました。
○佐藤委員長 次に、松本善明君。
○松本(善)委員 人事院勧告について、まず人事院総裁にお聞きいたします。 断っておきますが、局長を呼びました経過は、人事院の方からの要望があって、それはいいでしょうということにしたので、私の方は、人事院総裁が当然知っていなければならぬというような大きな点をお聞きしますので、万一、私は知らぬから答えてくれということを局長に言う場合には、私の方で、では、それを答えてもらうかどうかということを考えて質問いたします。国会の議論が死んでいるということが言われてもいます。やはり質問に対して的確に答えるように、ほかの答弁者もお願いをしたいと思います。 人事院総裁にお聞きしたいのは、今回の人勧は非常にひどいものというか、それは口頭報告でも他の同僚委員の質問でも、人事院総裁自身が感じておられて、答弁もされているところでありましょうけれども、関係労組は、到底容認できないとか、人勧制度そのものに対しての疑問を持つとか、歓迎をするような労働組合は一つもありません。 人勧史上最悪の二年連続のマイナス勧告、平均年収がことしで六万九千円、二年で十六万四千円減少することになる、一時金の水準は三十年前の一九七〇年の水準に逆戻り、基本給の改定見送りは一九六〇年の民間給与水準準拠方式を採用して以来初めて、これらは口頭報告でも述べられましたし、それから、同僚委員の質疑の中では、プラスになる人は四〇%ということでございます。これは、承知の上で、労働者にとっては非常にひどいといいますか厳しいというか、そういう勧告をされたんだと思います。 この経過やそれからどういう考えであったかということは、口頭報告や質疑の中でも言われておりますので、ダブってお聞きをするつもりはありませんが、私が特に聞きたいのは、人事院は労働三権の代償措置だという言葉はたびたびこの論議の中でも出ました。これがマイナス勧告と。労働組合が労働条件の切り下げを要求するということはあり得ないですね。代償措置ということについて、人事院総裁は何か悩むなり何らかの意見を持ちましたか。この点を聞きたいと思います。
○中島政府参考人 労働三権制約の代償措置だということは、もし公務員に労働三権が与えられているならばどういうふうな結果になっただろうかということを頭の中では考えるわけでございます。その場合、民間企業の労働者は労働三権を持っておるわけですが、その人たちがどういうようなことしの賃金改定を行ったかということを正確に把握するということが、今御指摘の労働三権制約の代償措置という立場を果たすことというふうに考えます。
○松本(善)委員 私は、もうちょっと、代償措置ということで設けられているとするならば、働いている人たちの気持ちに沿った答弁が出るかと思いました。これは、制度上はそういうこともあり得るような規定に読めるようになってはいます。私は、人事院総裁の答弁には大変失望もいたしましたけれども、官房長官にお聞きしたいんです。これはちょっと制度上の問題でもありますので。 同僚委員の御質問でも、みんな、これは結構だというような御質問は一つもありませんでした。それで、実際には、口頭報告でも述べられましたが、半数の民間事業所では低率、低額でもベースアップが行われているわけなんですね。 我が党は、マイナス勧告であれプラス勧告であれ、労働三権というのは憲法で保障されている基本的人権であって、この代償措置というのはどんなふうに考えてもあり得ないというふうに主張をしてきましたが、このマイナス勧告でこれはだれの目にもはっきりしてきたんじゃないか。皆さんがどうなんだということを、私どものような言葉で言われてはいませんでしたが、果たして代償措置たり得るのかという疑問が、労働組合でもそれからきょうの質疑でも出ているわけです。 長官、まず伺いたいと思いますのは、労働組合で労働条件の改悪を要求する労働組合はあると思いますか。
○中川国務大臣 まず、委員御指摘の人事院勧告制度に対する委員の御見解、また党の御見解はただいま承りましたが、私どもは、この人事院勧告が労働基本権制約の代償措置としてあるということを認識もいたしておりますし、そして、その意味で専門第三者機関としての人事院において官民の給与実態の正確な調査に基づいて行われているものと承知をし、その上でこの人事院勧告制度を従来から尊重する、こういう基本姿勢のもとで取り扱い方針をいろいろ決定してきているわけでございます。 今般、依然として民間が非常に厳しい経済状況にあること等を踏まえまして、いろいろな正確な調査に基づいてそうした勧告が行われたのではないか、そのように受けとめております。 今委員御指摘の、労働組合がマイナスのそういう要求をするか、こういうお尋ねでございますが、即答するだけの、今手元にお尋ねの、事前御通告いただいておりませんので資料を持っておりません。資料を持ってはおりませんけれども、民間企業あるいはまた労使関係においてもさまざまな経済状況を踏まえて、良好な、健全な労使関係の中で、労使交渉の中で賃金が決まっている、その結果、非常に厳しい経済状況を受けたそうした賃金が労使交渉で決定される、そういう例はたくさんあるように私自身は認識いたしております。
○松本(善)委員 それは労使交渉の中で賃下げを認めるということはあるんですよ、あり得るんです。だけれども、私の調べた範囲では、どの系統の労働組合でも賃下げを要求するという労働組合はありません。それは労働組合の否定なんですね。存在意義の否定です。 国家公務員の給与の切り下げという問題は、先ほども同僚委員から、ボーナスの切り下げというのは消費に重大な影響があるということで質問もされました。この減額勧告というのは、影響を受けるのが、地方公務員、特殊法人それから福祉関係、農協で働く人たち七百五十万の労働者の生活の切り下げを迫ることになるんです、実際上。先ほどの議論でも、地方公務員の方がもっと下がるかもしれぬということについての心配の御質問もございました。それだけじゃなくて、公務員賃金は、生活保護、年金、介護保険料の基礎ともなっているんです。これをこのまま実施いたしますと、個人消費を落ち込ませ、不況を長期化させることになると思うのです。 もし労働基本権が保障されておりまして、十分間でもストライキをやってごらんなさい。私はもう全国的な支持を受けるんじゃないかと思いますよ。民間で下げられたところも、では公務員から上げてくれということになるかもしれません。それはやってみなければわかりませんけれども。労働基本権というのはそういう性質を持っています。 それで一つ聞きたいのは、人事院のマイナス勧告、今回のような勧告というのは、労働三権の代償措置をしているということを自己否定していることにはならぬか。先ほど、労働組合については、官房長官、結果的にマイナスになるということはあり得ると、私の質問にお答えにならなかった。労働組合の自己否定になるから答えられないんですよ。それとも関係しますが、マイナス勧告というのは、いわゆる代償措置だ、代償措置だと言っていることの自己否定になるとは思いませんか。今度は的確に質問にお答えいただきたいと思います。
○中川国務大臣 そこは大変難しいお尋ねでもあろうと存じます。 私が先ほどお答えしたことは、雇用を守る、あるいはまた民間企業において雇用の場を守るということと同時に、あすに備え、この厳しい経済状況の中で、労使お互いに力を合わせていろいろな挑戦をしていこう、こういう結果として、労使交渉の中でそういう合意をし、労働組合は労働組合として民主的にそれを決定してそういう結果を受け入れる、こういうことはあるわけでありまして、それもまた労働基本権の一つの範囲でもあろうかと存じます。 私、法理上のことを申し上げているわけではなくて、現実のことも申し上げておるわけであります。 労働基本権というものと、マイナスのいろいろなそういう要求、あるいは結果として、給与においてマイナスの結果が出る、それが法理上基本権の外側のものだ、こういう法理論があるのかどうか、私はつまびらかにいたしておりませんけれども、それは必ずしも基本権の否定につながるということではないのではないか、このように思います。
○松本(善)委員 かなり苦しい御答弁のようでありますが、現実の問題として、先ほども同僚委員の質問への答弁の中で、人勧の実施につきましては、国政全般との関連を考慮してということをお話しになりました。これはいつもそういうふうに御答弁になるわけでございますけれども、しかし、今までは、完全実施以外は人勧の凍結、切り下げだけだったんですよ。国政との関連を考慮して、引き上げということも選択肢の中にあっていいんじゃないか。 景気の回復は内閣の中心課題だというわけでしょう。先ほども、自由党の同僚議員ですけれども、ボーナスが減ったら個人消費は減るんだと。今はどなたも、立場が違う政治家が全部、個人消費の刺激が景気回復のかぎだということについては共通していますよ。これは個人消費を低迷させることは間違いない。国政との関連を考えれば、人事院は情けない勧告をしたけれども、これはやはり考えてみれば、引き上げねばだめだ、こういうこともあってもいいんじゃないかと思いますが、官房長官はどう考えますか。
○中川国務大臣 委員の御主張は御主張として承りましたが、国家公務員の給与改定については、やはり国民の理解が得られる結論を得るということも、もう一つの観点から必要であろうと存じます。 同時にまた、人事院勧告制度、いろいろな官民の給与のそうした実態を正確に調査をして、それに基づいて行われた勧告、また、労働基本権の代償措置であるという観点、そういうものを全部含めた人事院勧告制度を尊重していく、こういう基本姿勢の中で判断をしていくべきであって、ただいまの個人消費を引き上げる、その経済政策上の観点、これはもとよりその重要性は認識いたしておりますけれども、そのためにもまた、政府は今さまざまな政策をとっておるわけであります。委員御案内のとおりの減税政策あるいはその継続といったようなこともずっと続けているわけでありまして、経済政策の観点からのそういう努力は、政府も懸命に今やっている最中でございます。 そういう意味で、国家公務員の給与改定については、冒頭に戻りますけれども、国民全体の理解が得られるような、そういう結論を出すべく誠意を持って検討してまいりたい、このように考えております。
○松本(善)委員 勤労者の給与水準が上がるということは景気の回復につながるし、私は国民は納得すると思いますよ。そういう観点も含めて検討をされたいと思いますし、この際、憲法の保障する労働者の基本権回復の方向に向かって一歩踏み出すべきじゃないかということを申し上げて、次の問題に移ろうと思います。 次の問題は、人事院の報告の中でも触れられております公務員の再就職問題、いわゆる天下り問題について、官房長官にまずお聞きしたいと思います。 この問題は、人事院の報告にはあるのですけれども、きょうの人事院総裁の口頭報告からは抜けているぐらい、人事院は軽視をしているんだと私は思うのです。しかしこれは、政官財の癒着をなくすという視点で緊急に解決する必要がある重大問題だと思います。 これまで汚職事件で、天下り官僚は専ら事件の背景とされてきました。しかし、今日では、天下りが贈収賄事件の直接の対象になっているんですよ。防衛庁調達本部背任事件では、副本部長の天下り先の給与がわいろと認定されました。それから中尾元建設大臣汚職事件では、受注増をもくろんだ建設会社が、建設省幹部の天下りを中尾元建設大臣に請託をしたのです。天下り問題というのはここまで来ているわけです。これは、天下りの本質を事実で物語っていると思うのです。 官房長官にお聞きしたいのは、天下り規制の抜本的強化について森内閣はどういう方針を持っているんだ、このことを聞きたいと思います。
○中川国務大臣 国家公務員のいわゆる天下り問題につきましては、行政に対する国民の信頼確保の観点から重要な課題と認識をいたしております。この八月四日、今月でございますが、開催をいたしました政府行政改革推進本部におきまして、早期退職慣行を見直して、いわゆる天下り制限のあり方について検討するということを総理から指示をし、そして本部において決めたところでございます。 与党でも、三党の行革プロジェクトチームにおいてこの検討を始められたというようにも聞き及んでおりまして、政府としては、今後とも与党とも連携をしながら、在職期間の長期化が図られるように人事システムを見直していくこと、人材バンクの導入等による再就職の透明性、公正性の確保を図ることなど、公務員の退職管理の適正化に真剣に取り組んでいく所存であります。
○松本(善)委員 今お話しの中に、現行法律についての問題は何も触れておられませんでした。 やはり、先ほど申しましたように、天下り問題が贈収賄の直接対象となるところまで来た原因の一つが、現行のざる法ともいうべき天下り禁止規定にあるのではないか。 官房長官は、この点は、天下り規制法を抜本的に強化するということが必要だとは考えていないのですか。
○中川国務大臣 そういう観点も含めて、これからいろいろな面から検討していこうと先ほど申し上げたつもりでございますが、現行のあり方、また、それに対するいろいろな国民各界各層からの御指摘、また、今委員挙げられたような事例における御指摘等々も勘案をして真剣に検討していきたい、こう思っています。
○松本(善)委員 人事院総裁に聞きます。 報告は幹部公務員の退職年齢の引き上げということを言っています。それはそれで一つの考えなんですが、ところが一方で、能力を活用した転身の円滑化というような矛盾したことを言っているんですね。これは、本気で天下りを規制強化をする気があるのかどうかと思うようなものです。 問題は、いつもこういうアドバルーンは上がるんだけれども、抜本的な強化という方向に行かないんですよ。 それで、総裁に聞きたいんだけれども、この幹部公務員の退職年齢の引き上げはどういう日程と計画で実施しようとしているのか、具体的に答えられるなら答えて、答えられないのなら、その計画はありませんとはっきり言いなさい。
○中島政府参考人 天下り問題を検討する際に、いろいろな方面からの検討が必要だと思います。 私たちは、こういういろいろな検討の中でも一番重要なのは、やはり現在の幹部公務員の退職年齢が若過ぎる、したがって、この若過ぎる退職年齢というものをもう少し引き上げていくということが第一歩ではないかという認識を持って今回のような報告になったわけでございます。 したがいまして、その中に書いてございますように、それぞれの人事というのはそれぞれの大臣が行っておられますので、それぞれの省庁で、今までの退職管理の実態というものを踏まえて退職年齢引き上げのための指針というものを決めていただく、そういうことが必要だということを今回の報告で指摘したわけでございます。
○松本(善)委員 先ほど来の人事院の態度、今の答弁をお聞きしますと、人事院任せでは、これは百年河清を待つということですね。私は、官房長官が答弁されたように、法律の改正問題も含めて、本格的にやはりこの問題に取り組んでほしい。 我が党は、幹部公務員が離職前一定期間在職していた省庁と監督関係、契約関係その他密接な関係にある特殊法人や企業などに天下ることを厳格に禁止する趣旨の法案を提案しております。そういうことをやらなければだめだということを指摘をして、次の問題に移ります。 ちょっと時間がなくなってきたんですが、超勤問題です。 これは、人勧の報告でも、「ゆとりある健康な職業生活に向けての取組」として超過勤務の縮減について触れております。しかし、これがなかなか効果が上がっていない。 そこで、これを進めるために、人事担当部局は省庁内の超過勤務の実態を的確に把握することが必要だということを指摘していますが、これは人事担当部局だけじゃなくて、人事院、総務庁さえ的確に実態を把握していないんじゃないか。だから的確な対策が打ち出せないんだ。ここが出発点じゃないかということ。これは時間がないのでまとめてお聞きしますので、お許しいただきたいと思います。 霞が関で働く国家公務員が組織をする霞が関国公と東京国公が、本省の職員三千四百四十三人を対象に、ことしで八回目になる超勤問題のアンケート調査を三月に実施をいたしました。 その結果によりますと、平均の超勤時間は、人事院が決めた上限の年間三百六十時間、これは月平均にいたしますと三十時間になるわけですが、それをはるかに超えた四十八時間だと。しかも、その超勤理由は、通常業務を処理するためが八二%、つまり、超勤が慢性化状態にあることを示していると思います。今、人事院や各省庁の残業対策が全く効果がないというふうに答えた人が五〇・六%。この数字は、九二年が二五・八%、九六年が三七・九%、年々効果がないという意見がふえております。この点では労働組合と人事院の認識も同じのようでございます。 そこで聞きたい点は、官房長官に、使用者の代表としてこの超勤状態をどう受けとめているか、やはりきちっと調査をしないといけないんじゃないかという問題なんです。 さらに深刻なのは、本省職員八人に一人が百時間以上の残業をしているということなんです。月百時間といいますと、残業時間が一年間続けば過労死予備軍になります。経済企画庁の報告書の「働き過ぎと健康障害」という冊子では、「過労死とみられる人の年間労働時間は、三千時間を超えている場合が多い。」と言っている。国家公務員の所定内労働時間と月百時間の残業を年間通してやりますと、三千時間を超えるんです。本省では八人に一人がその危険水準にあるということなんです。のんびりやっている状況じゃありません。とりあえず、この本省だけでもきちっと超勤の労働実態調査をやるべきじゃないか。 さらに問題なのは、残業代の不払いがあると言う職員が八七%いる。残業手当が全額払われている職員は一一・九%しかいない。実際行った残業時間の四〇%程度以下の支給しか受けていない人が三二・六%という結果が出ています。サービス残業は法律違反なんです。民間のサービス残業をなくせば九十万人の雇用が生まれるということは、予算委員会で追及したことは官房長官も御存じと思います。政府が率先してやらなければならないはずです。残業の予算が少ないなら、確実に確保すべきなんです。 これらの点について、時間がありませんので、もう官房長官にまとめてお答えをいただきたいと思います。
○中川国務大臣 超過勤務の縮減は、人材を確保する面でも、あるいはまた職員の健康を保持する意味でも、あるいは事務能率、行政能率を向上していく、そういう等々の観点からも重要な課題だと認識をいたしております。 政府としても、国家公務員の労働時間短縮を図る観点から、これまで、全省庁一斉定時退庁日を設定するなど、あるいはまた、法令協議のルール化や国会予算関係業務の合理化など行政運営の改善を図ってきたところであり、今後とも超過勤務の縮減に取り組んでまいりたいと考えておるわけであります。 ただいま御指摘の調査でございますけれども、そのような御指摘も含めて、関係機関、人事院とも十分議論してまいりたいと思っておりますが、確かにその実態を正確に把握するということはなかなか困難な面もございますけれども、人事院の方でも給与実態調査等を通じまして調査をしていただいたこともございますし、最も多い月の平均というところでいうと、本省で月四十時間、その他の機関で月二十七、八時間というような御答弁も国会で申し上げているようでございますが、今後さらに実効ある超過勤務縮減の取り組みを進めていく中で、御指摘のような点も含めまして、十分関係機関とも協議をしてまいりたいと思っています。
○松本(善)委員 ほかの質問もありましたが、これで終わろうと思いますが、ちょっと一言だけ。 官房長官が今申し上げた人事院の給与実態調査というのは、これは予算の枠にはめ込んだ調査なんですよ。それはもう人事院がよく知っている。そうじゃなくて、実態を調査して、残業の予算が必要ならふやすべきだと、このことを要求しているということを申し上げて、終わりにしたいと思います。
○佐藤委員長 次に、植田至紀君。
○植田委員 社会民主党・市民連合の植田至紀です。 人事院勧告及びそれにかかわって若干質問させていただきたいと思います。また、若干重複する部分もあるかと思いますが、そこはちょっと御甘受をいただきたいと思います。 まず、今回の人事院勧告では、俸給表の改定が見送られ、扶養手当の一部改定にとどまる給与引き上げ勧告であったということ、また、去年に続いて一時金が引き下げられて、二年連続で年間総収入がマイナスになる勧告であったことなど、結果として、公務員の生活という観点から見れば厳しい勧告でありましたし、また、この勧告が民間の中小企業の賃上げにも少なからず影響を与えることも考えますと、やはり景気にもマイナス影響を及ぼしかねない、そういう心配も大いにあるわけです。 そういうことからすれば、この今回の勧告については極めて不満であると言わざるを得ないんですけれども、結果的には、春闘相場の官民較差に基づいて給与改定に係る勧告が出されたこと自体は、公務員の基本的権利に係る人事院勧告制度そのものが、最小限ですけれども、維持されたということで重く受けとめておきたい、そんなふうに考えております。 そういう意味で、少なくとも労働基本権の代償機能であるところの人事院勧告制度を維持するという観点に立って、今回の勧告について、やはり政治的取り扱いを排して勧告どおり政府は速やかに実施すべきであると私は考えるわけですけれども、昨年の場合ですと、九月二十一日の閣議決定で臨時国会において給与法の改定がされているということですけれども、本年も昨年と同様のペースで行われるんだなというふうに理解しておいてよろしいでしょうか。これについては、官房長官及び所管大臣として総務庁長官にもお伺いしたいと思います。
○中川国務大臣 ただいま委員から今次人事院勧告についての御見解を賜りましたが、先ほど来当委員会で御答弁申し上げていることの繰り返しはあえていたしませんが、この勧告制度を尊重していくという基本姿勢のもとで、なおかつ、国政全般との関連や国民の理解を得られるような結論を得るように誠意を持って検討していくというのが政府の立場でございます。 スケジュールでございますけれども、現段階において今後のスケジュールについて確たることを申し上げることはまだできない段階でございますが、国民の理解の得られる結論を得るように誠意を持って検討してまいるということで、今回のところはいつということはまだ申し上げられないということを御理解賜りたいと存じます。
○続国務大臣 植田委員から人事院勧告制度に係る問題について御評価をいただきまして、大変ありがとうございました。つきましては、今官房長官から御答弁申し上げましたように、国民の理解が得られますように政府として鋭意努力させていただきます。
○植田委員 次に伺いたいのが、意見の申し出の中で、任期つき任用職員を採用するための法制度を設ける、そういう意見の申し出が勧告とともに行われているわけですけれども、この内容にかかわっては当然法案の審議の段階で行うことになろうかと思いますが、政府としてはこの申し出を受けていかなる方針で臨むおつもりか。少なくとも次期臨時国会にそうした法案を提出される予定でいらっしゃるのかどうか、これについては総務庁長官にお伺いしたいと思います。
○続国務大臣 今御質問の点につきましては、次の臨時国会に提案を申し上げ、来年の一月六日に発足いたします省庁再編に間に合うように準備万端整えたい、このように存じております。
○植田委員 次に、給与改定財源に関してちょっとお伺いしたいのですけれども、今回の人勧の報告どおりこれを完全実施した場合、大蔵省の試算によれば、いわゆる今回の予算の中の一般会計の人件費、十兆九千三百億円のうち九百十億円を使い残す勘定になるわけですね。そういうことだそうです。また、本年度予算の編成時にベースアップを見込んで五百三十一億円計上されているのですけれども、これもそっくり残ってしまう。 こうした中で、やはり額に汗してまじめに働いておられる公務員のやる気をどういうふうに引き出していくのかということが一つあるかと思うのです。その意味でも、来年度予算案においても給与改善経費というものをやはり計上すべきだろうと考えるわけですけれども、これについても長官、御見解をお願いいたします。
○海老原政務次官 お答えいたします。 給与改善費の計上につきましては、これは財政当局において適切に対応されるものと考えておるところであります。 なお、これまでの実績を考えてみますと、給与改善費の計上と公務員の給与改定とは直接関係を有しないと理解しております。例えば、かつて給与改善費をゼロしか積んでいないときに三・一一%の人事院勧告、三・六七%の人事院勧告などというのを完全実施しておるというようなことが平成の初めごろ、平成二年、三年ごろにあるわけでございまして、そういった意味から、私どもとしては、給与改善費の計上と公務員の給与改定とは直接の関係は有しないと理解しております。
○植田委員 これはちょっと重複する部分もあるんですけれども、公務員の給与体系の見直しと評価システムの整備にかかわって改めてちょっと私なりの問題意識から質問させていただきたいのです。 昨今、民間企業は年功序列型の賃金から能力や実績を重視する方向に転換しつつあるわけでございますけれども、人事院勧告制度もまたこれは民間準拠方式をとっているわけです。その前提となる民間の給与システムが大きく今変容を遂げようとしている、そういう状況にあるのじゃないかと思うわけです。 今回の人事院の勧告及び報告の中でも、そういう意味では、俸給体系の見直しや能力、実績等の評価、活用のあり方については、早期に成案を得るよう検討を進め、成案を得る旨の提言が行われているところでございますけれども、当然私自身、そういう新しい時代に応じた給与システムの見直しを否定するものではございませんけれども、責任の重さや勤務の密度が給与に反映する、そういう仕組みを工夫するということは非常に必要だろうというふうには認識しているわけです。 ただ、いわゆる公務員の場合、公務労働という一つの特性を考えた場合、やはり民間企業と違うのは、競争原理や利潤追求の原理とは異なる公務労働の特性というものがあるのじゃないか、そこのところがやはり十分踏まえられていなければならないのじゃないかと思うわけです。そういう意味で、いわゆる量だけではなくて、質の面を十分配慮すべきなんじゃないか、そういうふうに私は考えるわけです。 また、この勧告及び報告の中では、年功や人事グループ別のこれまでの公務員人事管理を能力や実績、適性を重視したシステムに転換していくために、公正で信頼性の高い評価システムを新たに整備することが不可欠であるとして、公務組織における新たな評価システムのあり方について積極的な取り組みを進めるということを打ち出しておられるわけです。これも私自身、当然能力評価というもののシステムづくりそのものを否定しませんけれども、この場合でも、やはり公務員というのは民間の場合とはかなり置かれている状況が違うであろうということを前提にしなければならないのじゃないかというのは当然だろうと思うわけです。 そういう意味で、給与に関しても、また評価システムに関しても、公務員の特性に対応したシステムづくりがやはり必要であろうというふうに私は思うわけですけれども、こうした公務員の給与体系の見直しや新たな評価システムの整備に当たりましては、当然、公務員の仕事のあり方、また労働条件、公務労働者の生活、組合運動のあり方、士気にもかかわる重要な問題であると私は考えますから、そうしたことも十分念頭に入れながら慎重な検討を進められることをお願いしたいわけでございます。 そして、やはり私自身、本当の意味で質の高い行政サービスを効率的に提供したいということを一番痛切に思っておられるのは、当然、国民の皆さんはそのサービスを得る、我々もそうですけれども、良識ある公務員の皆さん御自身だろうと思うのです。窓口に立って、窓口を受け手として的確な質の高いサービスを、公務員としてちゃんと喜んでもらえるようなサービスを提供したい、そういうことを常々一番よく考えられているのは、現場で働いておる公務員の皆さん方だろうと思うわけでございます。 そういう意味で、そういうために一生懸命働いておられる職員団体の皆さんも、いわゆる組合の皆さん方もそういう意味で考えておられるだろうと思いますから、やはりこの評価システム、給与体系の見直しがいたずらに混乱を及ぼさないような、そういう検討が必要になってくるというふうに私は考えますから、当然、そういう意味では良好な労働関係に配慮しながら、先ほども御答弁いただいたと思うのですけれども、公務員関係の労働組合と十分な協議を行っていただいて、合意、納得を得て進めるべきであろうかと思います。 そういう意味で、これまでの検討状況をまずお伺いしたいのと、職員参加、組合参加の視点についての配慮について、まず、これについては人事院総裁にお伺いしたいと思います。
○中島政府参考人 今議員がおっしゃいましたこととおおむね私ども、基本的に考え方は同じくしておりますので、それほどいろいろ申し上げることはございませんが、給与体系につきましては、戦後五十年近く続けてきた現在の給与体系を改めようということでございますので、非常に慎重な検討を各方面からしなければならないだろうと思います。そのときに、公務員給与を取り巻く環境が変わってきておるということと、現在の公務員給与の体系及び運用についてそれなりの問題点が指摘されているということを踏まえて検討していかなきゃならないだろうと思います。 ただ、その過程におきましては、これもまた公務員、職員にとって非常に大きな関係のある問題でございますので、我々の検討の過程というものをよく人事当局及び公務員労働組合の皆さん方に御説明して、その意見というものを十分お聞きしていきたいと思います。 評価制度につきましても、現在の状況からいいまして、やはり能力とかあるいは成績というものをできるだけ正確に把握するということが必要でございますから、その面で努力していかなきゃなりませんけれども、先ほどから議論されておりますように、一口で公務員といってもいろいろな公務員がいるじゃないか、したがって、いろいろな公務員の成績というものをどのようにして把握するのかという非常に難しい問題があるだろうと思います。 警察官もおればというような話が先ほどございましたけれども、そういう職種によりましてその能力とか成績の把握の仕方というのも非常に難しゅうございますので、私たちもそれぞれについて十分勉強しなきゃなりませんけれども、その過程については関係者、人事当局及び労働団体の意見を十分聞いて、これについても首尾よく仕事を進めていきたいというふうに思います。
○植田委員 今の問題に関係いたしまして、総務庁さんの方では新たな評価システムについても検討をされていると伺っておりますので、今御質問した趣旨で、評価システムを検討なさっている総務庁長官の方からも御答弁いただきたいと思います。
○海老原政務次官 総務庁といたしましては、去る五月に総務庁長官が主宰しております人事評価研究会において御議論の報告書をいただいたところでございます。 国家公務員の人事評価につきましては、中央省庁等改革の推進に関する方針において、客観性、公正性の高い人事評価システムの整備を図ることとされておりまして、総務庁としても一貫してその重要性を認識しているところでございます。 先ほど来、委員のお話にも、また人事院総裁のお話にもありましたように、公務の特殊性ということを十分踏まえて評価システムと給与システムと結びつけて考えていかなければならない。 ただ、この五月における報告書については、評価そのものの、どういうやり方で評価するかということを内容としたものでございまして、現在この報告を受けまして、人事院及び各省庁と十分に協議してまいりたい。また、公務員の特殊性というものを念頭に置きながら、新たな人事評価システムに関する検討を進めてまいりたい。 もちろん、その導入に際しましては、先ほど他の委員の御質問にもお答えいたしましたように、「労使で十分な意思疎通を図り、相互信頼関係の維持を図っていくことが必要である。」ということが五月の報告書にも載っておりまして、その趣旨を踏まえてまいりたいと考えております。
○植田委員 どっちにしても、これは当然生首にもかかわってくる話でございますので、くれぐれも労使仲よくしながら、やはり労使の合意を踏まえた結論を得るように努力していただきたい、そんなふうに思います。 さて、ちょっと話がかわるのですけれども、ここで官房長官にお伺いしたいのですけれども、この人事院の報告の中で、副大臣、大臣政務官制度の導入に伴って、行政府内の政治家と行政官の適切な指示、協力関係に留意することを提起されているわけです。そして、これに関連いたしまして、人事院の年次報告で一つ紹介されて取り上げられているのですけれども、イギリスの大臣行為規範というものが取り上げられています。 その中で言われているのが、例えば大臣がその公的権限を選挙区業務のために用いるのは本質的に誤りであるとか、大臣はその公的義務として、私的利益の間で問題が生じないよう、また生じていると見られないようにしなければならないであるとか、また、大臣は判断に妥協が生じたり不適切な義務が生じる、また当然生じる可能性があると見られる贈り物または接待を避けるものとするなど、イギリスの大臣行為規範では厳しい規制がなされているということを私も勉強させていただいたのです。 これから公務員の問題はいろいろ出てきますけれども、言ってみれば、頂点に立つ、統べる方々がどういうふうに身を律していくのかということは当然これからの課題であろうと思うのです。 特に、これからの省庁再編の中で、私といたしまして、例えば国土交通省のような巨大省庁ができますと、やはりいろいろなことを疑ってしまう部分もあってしまいます。そういう意味で、新しい省庁がかつていろいろな形で言われてきた癒着を引きずることのないように、やはり行政府に参画する政治家については厳格な行動の規範を定めていく必要があると私は考えているわけなんですけれども、御見解をお伺いしたいと思います。
○中川国務大臣 ただいま委員御指摘の英国におけるミニステリアルコード、いわゆる大臣規範、このまま訳すと、行為規範というよりも大臣規範と訳すべきなのかもしれませんが、そういうものがあることは承知をいたしております。 内容は、今いろいろお触れがございましたが、大臣が議員としての立場あるいはまた政党やそういう立場で選挙区で業務を行う際の責任といいましょうか、つまりそういう見解表明を行う場面では、選挙区代表として行動している旨をちゃんと明示しなきゃいけないとか、また他方、公務員の政治的中立性の尊重に関する大臣の責務なんというのも書かれておりまして、政党の党大会だとかあるいは政策会議への公務員の出席要請、これを禁止しているとか、いろいろ書かれておることも承知をいたしております。 さて、我が国の場合でございますけれども、従来より、閣僚及び政務次官については、初閣議等におきまして、在任期間中の株取引等の自粛、あるいは営利企業の兼職禁止等にあわせまして、関係業者との接触に当たりましては、未公開株の譲り受け等国民の疑惑を招くような行為は厳に慎むということで、倫理の保持に万全を期すことを申し合わせてきておるわけであります。 内閣としては、新体制になりましても、今後ともその申し合わせの徹底を図り、大臣や、新体制になれば副大臣、政務官、いろいろございますが、その倫理の保持について万全を期してまいりたい、こう考えております。 ただ、今申し上げたような申し合わせが、閣議の申し合わせであったり官房長官の発言であったりあるいは閣僚懇談会の申し合わせであったり、幾種類か積み重ねるような形で来ておりますので、そういうものもきちっと一本にまとめて整理をするということも必要であるかな、そんな観点もございまして、種々これから検討していかなければならぬかなという感じは持っております。 いずれにしても、そのような観点で今後とも倫理の保持について万全を期してまいりたい、こう思っております。
○植田委員 こういうさまざまなルールをちゃんとしていかなあかんなということだと思うのですけれども、やはり規範というのは実効あって初めて規範なんですから、そういう意味で実効力のある、それによってある意味で行動が律せられる、そうした一定の規範というものをそろそろこの際整備すべきではないかということを改めて申し上げておきたいと思います。 さて、もう時間もありませんので、最後に質問したいのですけれども、人勧のときもそうなんですけれども、私の支持者もいろいろな支持者がいます。公務員の方もいれば、中小企業の経営者もいます。結構、中小企業の経営者などの方からいうと、人勧、何や、そんなんでおまえ質問するのかといってやゆされることもあるわけです。 というのは、中小企業の経営者の皆さん、いろいろな方々、そういう自営をされている方々としてみれば、公務員は保護されている、守られているというようなことが流布していることは事実なんです。これはやはり、実際私も選挙区に行けば事実として認識せざるを得ない。しかし、巷間よく言われるように、常々、例えば行革といった場合に真っ先に公務員問題というようなことが上げられていく、公務員の生首の問題にすぐ話が行ってしまうというのは、そういう意見については、私は問題のすりかえではないかなと。そういう局面がこの間の行革の議論の中でも間々あったというふうに私は感じているわけです。 ここで、行革と公務員問題とのかかわりでお伺いしたいわけですけれども、少なくとも行革の最も大きな課題というのは、公務員の生首の問題よりも特殊法人の改革の方にもっともっと大きな問題があるのじゃないかなと私は思っているんです。例えば天下りの問題であるとか、省庁の外郭団体、公益法人の実態などにきちんとメスを入れていく、そういうことがむしろ行政改革の喫緊、最大の課題ではないのかと。 要するに、政官業の癒着であるとか、利権、高級官僚の特権というものをそのままにしておいて、公務員の定数が多過ぎるやないかとか、公務員の労働条件はほかに比べて恵まれておるやないかとかということで、すぐ行政改革イコール公務員の口減らしというふうな短絡的な意見というのは、やはりこれは弱い者いじめ、公務員いじめだろう、そして、問題の本質を国民の目からそらそうとしているのじゃないか。結局、その効果があったのかどうか知りませんけれども、自営業者の皆さんからすれば、そういうことをおっしゃる方も私の支持者にだっていらっしゃることは事実です。そこまで流布してしまっている。 しかし、これからそうした意味で、来年の中央省庁の再編にも関連しますけれども、行革のメニューもいろいろ出されているけれども、幹部公務員の特殊法人や政府関係機関への天下り人事を早期に解消するとか、そうした全般的な特殊法人改革を進めることがやはり最善の方法だろうし、国民の信頼を回復する道だろうと思うんです。この点に関連して総務庁長官のお考えを伺って、きょうの質問の締めにしたいと思います。
○続国務大臣 ただいま植田委員が国民の皆様の切実な声として御紹介をいただきましたが、行政が常に不断の努力をする、自己改革について不断の努力をするということは当然のことであります。 そういう視点から、実は先日、森総理の強力なるリーダーシップのもとで行政改革推進本部が開かれまして、八事項二十四項目にわたる具体的な、今御指摘のようなことを含めました行政改革の断行について、年末までに一定の結論を出すようにという指示がございました。全省庁を挙げてこれに取り組んでいる最中でございます。したがいまして、国民の皆様の御期待に必ずこたえられるような行政改革を断行させていただきたい。つきましては、ぜひ御理解、御協力をお願い申し上げたい、このように思います。
○植田委員 いや、それはわかるのですけれども、要するに、よく言われるように行革問題を公務員の問題に短絡させるという、そうした考え方についてはどうでしょうか。それだけもう一度お願いできますでしょうか。
○続国務大臣 もちろん、御趣旨のような趣旨でやらせていただきます。
○植田委員 わかりました。では、終わります。
○佐藤委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後三時三十三分散会