労働・社会政策委員会 第11号
- 発言数
- 176 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2000/05/11
会議録
○委員長(吉岡吉典君) ただいまから、労働・社会政策委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 港湾労働法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に運輸省海上交通局長高橋朋敬君及び労働省職業安定局長渡邊信君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉岡吉典君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(吉岡吉典君) 港湾労働法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○大島慶久君 自由民主党の大島慶久でございます。 通告に従いまして順次質問をさせていただきたいと思いますが、まず最初に、労働大臣、実は五月九日でしたでしょうか、私の地元、名古屋の職安におきまして、いわゆる俗にあぶれ給付と言っております給付金の不正受給を長期黙認していたということで、まさにその事件は、名古屋の中枢にかかわる一番大きな職安だと思いますけれども、そこの元課長が逮捕されるという事態が起きてまいりまして、連日大変新聞紙上をにぎわしました。今回の法改正も関連のあることでございますので、まずお伺いをしたいと思います。 新聞報道によりますと、名古屋中公共職業安定所における日雇労働求職者給付金の不正受給事件に関連して、当時の職安の担当課長が収賄で逮捕された、こういうことでございます。今回の不正は、実際に働いていない日に、事業主が雇用保険印紙を不正に貼付して就労したかのように見せかけた、あるいは女性労働は極めて重労働と思われるところに派遣をされていた、こういうような事態でございます。 この問題は、ただ職安の、労働省関係の役人がただ責められるということだけじゃなくて、それにかかわっております第三者、あるいはその給付を受ける労働者自身もそういう不正ということがわかりながらそれを給付していると。まさに三者が、三方丸もうけというようなことを新聞は書いておりますけれども、非常にゆゆしき問題というふうに私もこれは直視せざるを得ない。 そこで、今後のこのような不正受給の再発防止、少し日にちがたっておりますけれども、その後の労働省の対応、どんな指示を出されて、今後どういうふうにそれの再発を防止していこうとされているのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
○国務大臣(牧野隆守君) 日雇労働被保険者手帳、これに張りつけます雇用保険印紙、この印紙をめぐる不正受給事件でございます。 職員が関与していたとされる事態でございまして、私としてはこれは深刻に受けとめまして、事実関係を速やかに調査の上、厳正に対処してまいりたいと思っています。改めて職員全体の綱紀の粛正について徹底して行いたい、こう考えております。 また、このような不正受給事件を受けて、日雇い労働者や日雇い労働者を雇用する事業主の双方について、その実情を把握いたし、適正な業務を徹底するよう全国の雇用保険業務担当者に既に指示いたしたところでございます。さらに改めて今月の早い時期に担当者を招集し、不正受給防止に全力を挙げるよう重ねて指示いたしたい、このように考えております。
○大島慶久君 御答弁ありがとうございました。 とにかく、この事件を境にいたしまして、発覚後は、実際多いときは月に三千人ぐらいの受給者が激減をいたしまして、これは新聞報道がすべてきめ細かに報道しておりますけれども、昨年の五月はその三千人ぐらいが二千六百人、それから六月、一カ月後には千七百人、ことしの三月に至りましては七百三十七人の受給者しかない。いかにこういう不正が頻繁に行われたかということが、この数値からもよくわかるわけでございます。 特に私が今回危惧いたしておりますのは、その第三者、介入していた関係者が暴力団の幹部であったという、こういう実態が報道にもはっきりとなされておりました。これは間違いないだろうと思います。今、いろんな法律をつくって日本の治安を維持していこうというさなかに、こういう労働関係、しかも深刻な、今は失業者が多い。この委員会でも過去採決いたしました二法案もまさにそういう審議が非常に多かったわけでありますので、今大臣が御答弁いただきましたが、さらに、もうこんなことは二度と繰り返さないように、しっかりとした指示のもとに再発防止に努めていただきたい。重ねてお願いを申し上げておきます。 それでは、今回の改正法律案の中身に入らせていただきたいと思います。 少し経緯なんかを述べさせていただきまして、極めて簡単に私は質問を何問かさせていただきますので、労働省におかれましても簡単明瞭な御答弁を願いたい。冒頭からお願いをしておきたいと思います。 港湾運送においては、貨物の取扱量が日ごとに変動するという特徴、いわゆる波動性が存在して、企業外労働力に依存せざるを得ない状況にあります。かつては企業外労働者として日雇い労働者を活用し、この日雇い労働者の活用に際し第三者が不当に介入するなどにより大きな問題が生じたものと承知をいたしております。第一問目の私の質問も当然関連をいたします。 このような港湾労働の課題を解決するために昭和四十年に旧港湾労働法が制定されたわけでありますが、旧港湾労働法においては日雇い労働者の登録制度を設け、公共職業安定所に日雇い労働者を登録し、公共職業安定所が登録された日雇い労働者を優先的に紹介することにより、港湾運送の波動性に対応してきたものと私は承知をいたしております。 また、昭和六十三年にはコンテナ輸送の増大等港湾における輸送革新の進展に対処するため、港湾運送の波動性に対応するための労働者を常用労働者として雇用し、この労働者に計画的に訓練を施すことにより、港湾の技術革新に対応することができる技能労働者として他の港湾運送事業主に派遣する制度、すなわち港湾労働者雇用安定センターによる労働者派遣制度の創設を柱とする現行の港湾労働法が制定されたものと承知をいたしております。そして、今般港湾運送の波動性に対応する方法として、現行のセンターの労働者派遣制度にかえ、港湾労働者派遣制度の導入を提案されておられるわけでございます。 この制度は、作業量が多く労働者が不足している時期、いわゆる波動性の山の時期に他の港湾運送事業主が雇用している一定の技術、技能を有する労働者の受け入れを可能とするだけでなく、作業量が少なく労働者が余剰となってしまっている時期、いわゆる波動性の谷間の時期にみずからが常用雇用する労働者を他の港湾運送事業のもとで就労させることによって、常用労働者の実作業に従事していない遊休状況を解消することも可能にするものであります。港湾労働者の雇用の安定につながるものであると私もお聞きをいたしております。このいわゆる波動性の谷間の時期にも対応することが可能であるという点が港湾労働者派遣制度の最大の特徴ではないのか、こんなふうにも思うわけでございます。 これは、旧港湾労働法に基づく登録日雇い労働制度や現行のセンターの労働者派遣制度にはない視点からの対応であり、港湾運送事業の規制緩和により各港湾事業主が効率的な経営が求められる中での対応としては画期的なものと評価することができると思います。しかし、問題は、この制度が波動性に対応するための制度として適正に機能するかどうかということに私はかかっていると思います。 現行のセンターの労働者派遣制度についても、波動性に十分対応するものとして導入されたものと思います。しかし、現実にはセンターの労働者派遣業務は十分活用されず、センターの労働者と比べ多くの日雇い労働者が活用されているという事実があるのではないかと思うわけでございます。 それで、早速、本題の質問に入らせていただきます。 センターの労働者派遣制度が活用されなかった理由についてどうお考えになっておられるのか、まずお伺いをいたします。
○政府参考人(渡邊信君) 現在、港湾労働法が適用になっている六大港について見ますと、おおむねその運送事業者が常時雇用しております労働者によって事業が担われておりまして、企業外の労働者を利用しているというのは一・五%程度であります。その一・五%の中でもセンター労働者よりは日雇い労働者の方が多く使われているという状況にありまして、今御指摘のように、港湾労働者雇用安定センターの労働者の活用率が低いという状況で推移してまいりました。 その理由、背景でございますけれども、港湾におきましては常用労働者を使うことが望ましいという思想で現行の法律もできておりますが、センター労働者は派遣労働者ということでどうしてもいろいろな仕事に従事せざるを得ないということで、技能訓練等も随分行ってはまいりましたが、なかなか需要側の希望に応じられる労働力というものが十分養成されなかった、そういうところでどうしてもミスマッチが起きてなかなか活用されない、赤字も累積してくる、こういったふうにして今日まで来ていたかと思います。
○大島慶久君 次に、港湾労働者雇用安定センターの行う労働者派遣制度はもっと早い時期に廃止すべきではなかったのかな、こういう感じがいたしますが、その点はいかがでしょうか。
○政府参考人(渡邊信君) この港湾労働安定センターの事業の行い方につきましても従来からいろいろと問題点が指摘されておりまして、平成八年でございますけれども、港湾労働者雇用安定センターの検討委員会というものが設けられたときにいろいろと検討されました。 ただ、この時点では、なおこういった派遣労働、常用労働による波動性への対応が必要であろうという結論になりまして、そのために幾つかの改善点というものを指摘いたしまして、例えばセンター労働者についてもう少し能力開発を充実すべきである、あるいは事務局体制等も効率化すべきであるとか、いろんな提言がありました。ということで、平成八年段階ではまだこのセンターを十分活用するという方向で、再建をしようと、そういった提言になっておりました。 そういったことで、その後も努力をしてきたわけですが、先ほど申しましたようなことでなかなかセンター労働者の活用に至らないということで、平成十年度末には累計の赤字というものが二十五億円計上されたというふうなことになりました。こういったことで、センターの指定を受けております財団法人港湾労働安定協会の理事会におきまして昨年の十一月二十四日に、これは廃止しようと、そういう決議もなされたところでありまして、今般、こういったことも踏まえまして改正法案を提出している、こういった経緯でございます。
○大島慶久君 次に、港湾労働者雇用安定センターの労働者派遣業務の廃止から港湾労働者派遣制度の導入までの間、港湾運送の波動性にはどのように対応するおつもりなのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(渡邊信君) 今般、現行の派遣制度にかえまして新しい派遣制度を導入するということで、施行日は政令で定めるということになっておりますが、秋ごろを想定しておりますが、この四月三十日に労使合意のもとで約三十名おられましたセンター労働者が全員離職をするということになっておりまして、現在、そういった意味では雇用安定センターは機能していないというふうな状況になっております。 ただ、このセンター労働者の活用状況を見ますと、先ほどから申し上げておりますが、就労状況は一日平均五十八人程度ということでございました。六大港では約三万人ぐらいの常用労働者がおられるわけでありまして、こういったことで、この程度の人数でもありましたので何とか新しい派遣制度までつなげるのではないかというふうに思っておりますが、仮に企業外労働力が必要であるということになりますと、安定所でまず日雇い労働者を優先的に紹介するということで対応したいというふうに思っております。
○大島慶久君 次に、港湾労働者派遣制度の導入により波動性にどの程度対応できるとお考えになっておられるんでしょうか。
○政府参考人(渡邊信君) 現在のセンター労働者によります派遣制度は、先ほど申しましたように、その就労の場所とか職務の場所とかが異なるということで技能なりそういったものを継続的に向上させるということがなかなか難しかった問題がありますけれども、今般は、各港湾運送事業主に雇用されて現に常用労働者として港湾運送の業務に従事している方たちを相互に融通するといいますか、そういった仕組みにするということを考えておりますし、また、その人たちが日常主として従事している業務以外の業務には派遣してはいけないと、主として労働安全等の観点からもそういったことを法律に規定しておりますが、そういったことで、これからの新しい派遣制度は十分技能、技術を持った人がその同じような仕事につくということで十分代替は可能ではないかというふうに考えておりますし、量的な問題につきましても、先ほど六大港で三万人ぐらい常用労働者がいると申しましたが、この人たちの稼働日数も月平均大体十七・五日ということでありますから、人数的な面でも十分派遣にたえる、こういうふうに見ておりまして、新しい派遣制度によって質、量ともに波動性に対応を十分できるのではないかというふうに見ております。
○大島慶久君 いろいろと政府参考人から今答弁をいただきました。 次は、大臣にお答えをいただきたいと存じますけれども、日雇い労働者の違法就労対策について、先ほど私が第一問目で質問いたしましたものももちろん関係があるわけでございますけれども、その対策についてどのような対策を講じているのか、大臣から御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(牧野隆守君) 港湾労働の分野における日雇い労働者の違法就労を防止していくことは、当労働者の雇用の安定、福祉の増進という観点から極めて重要なことであり、このため、従来より安定所による現場パトロールの実施や個別の事業所に対する訪問指導等を通じて秩序の確保に努めてまいってきております。 しかし、日雇い労働者が常用労働者に偽装して港湾運送の業務に従事しているとの指摘があることも事実でございまして、港湾運送事業の規制改革の実施により競争の激化が伴い、この港湾の雇用秩序が混乱することも実は懸念されるところでございます。 このため、今回の法改正におきまして、港湾労働法に違反する事実に係る港湾労働者からの公共職業安定所長に対する申告制度を創設することにいたします。また、公共職業安定所長が港湾運送事業主に対して報告聴取及び立入検査を実施することができる旨の規定も盛り込んだところであります。 これらの制度を活用することにより港湾における雇用秩序の維持に努めてまいりたい、こう考えております。
○大島慶久君 次に、センターから離職した労働者の再就職状況はどのようになっているのか、お聞かせを願いたいと思います。
○政府参考人(渡邊信君) 先ほど申し上げましたように、この四月三十日をもちまして労使合意の上でセンター労働者全員が離職をされておりまして、再度港湾運送事業に就職を希望する方については港湾運送事業主の方であっせんをするということに労使間でなっておりましたけれども、そのあっせんに応じて港湾運送事業に再就職したという方は現在時点ではおられません。なかなか労働条件等の折り合いもつかなかったというふうにも聞いております。 そこで、現在離職をされました約三十名の方は公共職業安定所に求職の申し込みをされておりまして、雇用保険の手続等もとっておられるところであります。 今般、法改正に伴う離職ということでもありますし、労働行政としても全力を挙げて就職を希望される方の再就職を安定所を通じて行いたいというふうに考えているところであります。
○大島慶久君 労使合意に基づいて業務を終了したわけでありますけれども、港湾労働者雇用安定センターの労働者派遣業務は法律に基づく業務として実施されているものでありまして、現時点において、業務に従事していた方のうち再就職した方が一名もいないというのは極めて残念なことだなと、こういうことを申し上げざるを得ないと思います。 それでは、次の質問に入りたいと思います。 今後、離職した労働者の雇用確保について国はどのように取り組んでいこうとされているのか、お答えを願いたいと思います。
○政府参考人(渡邊信君) このセンター労働者の方は長い間港湾運送の事業に携わってこられたわけで、現在時点では再び港湾運送に入られるという方はなかったわけですが、いろいろ希望をお聞きする中で、再度そういった仕事をしたいという方ももちろんおられると思いますし、また別の職種に行くというのもなかなか困難だと思いますが、そういった方で、例えば職業訓練が、能力開発が必要だということであれば、安定所長の指示で訓練を受けるという道もあるわけでございますから、百三十人の方一人一人の希望を十分聞きながら、きめ細かに、ともかく全力を挙げて再就職の問題については取り組みたいというふうに考えております。
○大島慶久君 私の最後の質問になります。ぜひ大臣から御答弁を願いたいと思いますが、港湾労働者派遣制度の適正な運営を図るためにどのような対策を講じようとされているのか、お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(牧野隆守君) 今般導入いたします港湾労働者派遣制度は、港湾労働者の雇用の安定を図ることを目的とするものでありまして、このことを担保しつつこの制度の適正な運用を確保しなきゃならない、こういう見地から、一つは、現に港湾運送事業を営んでいる事業主のみを許可の対象とするということ、二番目に、許可基準に適正な派遣料金、派遣日数の上限を設定するということ、それから三番目は、派遣労働者を港湾労働者証の交付を受けた常用労働者に限定するということ、四番目に、港湾労働者雇用安定センターに港湾労働者派遣制度に係る情報収集、提供、あっせん業務、事業主及び労働者に対する相談援助業務を行わせる、このようなことをしたい、こう考えております。 また、日別の業務量の繁閑に対応し、港湾運送に必要な労働力の需給調整を迅速に行うためにはセンターによる一元的な運用が不可欠である、これについては労使間で一致した見解となっております。したがって、労働省としましては、労働大臣が定める港湾雇用安定等計画において、港湾労働者派遣制度については、港湾労働者雇用安定センターによる一元的な運用が図られることが適当である旨を記載し、その計画に基づきまして必要な指導を行ってまいりたい、このように考えております。
○大島慶久君 このたびのせっかくの法改正でございます。働く皆様方にとってこの法改正が必ずプラスになりますように、労働省といたしましては最大限の御努力をいただいて運用していただきたい、このことをお願い申し上げまして、少し時間を余しましたけれども、私の質問を終わります。
○笹野貞子君 民主党・新緑風会の笹野でございます。質問をさせていただきます。 この法案の審議に先立ちまして、労働行政を進めるに当たっての労働大臣の基本姿勢というんでしょうか、それについてちょっとお伺いをいたしたいというふうに思います。 二十一世紀も間近に迫りまして、いろんな問題があります。雇用対策、労働条件対策、女子の就業支援対策、あるいは少子高齢化が進む中でどういうことがあるかという非常に大きな問題を抱えているわけです。 私はかねてから、憲法が保障しております勤労権、実はこれはこの間私たち憲法調査会のところで、日本の憲法をつくった元GHQの方のお話を聞いた中で、シロタ・ゴードンさんという方が、憲法の中に女性の勤労権を入れたという事実に大変感銘をいたしましたけれども、勤労権という新しい権利、この権利を、具体的な政策をどうやって進めるかというのは、これは労働行政の物すごく大きな課題だというふうに思います。 そこで、私は、この勤労権という権利を、具体的な政策をするためには、労働者の一人一人の意見、そして労働組合の考え方などは十分聞きながら進めるべきだというふうに思いますが、大臣はこの点についてどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(牧野隆守君) 労働省は、御承知のとおり、労働者の福祉と職業の確保を図り、もって経済の興隆と国民生活の安定に寄与する、このことを任務といたしております。こうした任務を的確に果たしていくためには、ただいま先生御指摘のとおり、働く人々の意見、これは労働組合もございますし、あるいは未組織の労働者の方もございますし、またいろんな学識経験者、十二分それまで知識を集積された方々、こういう方々の意見を十分にお伺いして、適正に労働行政を推進していく、これが基本である、こういうように考えております。
○笹野貞子君 実は、聞くところによりますと、五月一日メーデーでございますが、東京の中央メーデーに対して大臣は御欠席なされたということを聞きました。私は、労働大臣として、歴代の大臣が御出席になっているわけですから、ちょっと寂しいなという思いで見ておりましたけれども、ただいま大臣は、一人一人の労働者の意見を聞くことが重大ですし、組合の意見を聞くことも大変重大だということですが、ではどのようなお考えで御欠席なされたのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(牧野隆守君) ただいま先生から、牧野、おまえ出席しなくて寂しかったというお話でございますが、そのようなお気持ちを拝聴いたしますと、やっぱり行かなきゃいけなかったかなという、こんな気持ちにもなるわけですが、実は私自身いろんな前々からの日程がございまして、どうしても出席できないという事情があったということをひとつ御承知賜りたいと思います。 しかしながら、私としましては、労働行政を推進する者としまして、働く方々や労働組合からの御意見や御要望は、今までもそのようにしておったつもりですが、今後もきちんとお伺いしながら適正な労働行政を進めてまいりたい、この気持ちに全く変化はございませんので、どうかひとつ御了承のほどをお願いいたしたいと思います。
○笹野貞子君 歴代の大臣は、メーデーになりますと御出席いただきまして大変元気よくごあいさつをいただきまして、私たち働く者に対して大変激励をしていただくというそういうことになっておりますので、私も新しい大臣でもありますのできっとすばらしいごあいさつが聞けるのだろうと楽しみにしたわけですが、そういう点では本当に残念な思いでした。 本来ならば、私はここでひっくり返って怒って大臣にもっとかみつきたいところですけれども、大臣は殊のほか女性政策にお優しいのでちょっとここで方向転換させて、この法案の質問をさせていただきたいと思います。 実は、今度の法案のことにつきましては私は、随分わかりづらい法案でして、なかなか理解できなくて大変困り果てました。私ごとを言って大変申しわけないんですけれども、私の父は貿易商をやっておりまして、大きな船を持っておりましたので、私も小さいときは何度もそういう岸壁に行ってそういう作業を見たんですが、この法案の、どういう働き方をすることによってどういうメリットがあるのかということをつかみづらかったものですから、一昨日横浜港に行きまして、実際働いている光景とか船の問題とかを視察に行ってまいりました。 やっと理解できまして、そうか、この法案はこういうことになっているのかということで、百聞は一見にしかずなんだなというふうに自分で思いましたけれども、私の子供のときの港とは全く変わってしまいまして、実に近代的な、クレーンから始まりまして、そういう近代的なことに大変感心すると同時に、在来船というのがありまして、これがやっぱりまだまだ大変な肉体労働に頼っているという、そういう実態を非常に知りました。そういう意味で、この法改正が港湾に働く人々のために有効に活用されるということを前もってお願いしておかなければいけないというふうに思います。 そこで、視察をしまして、今の日本のいろんな物流関係というのはまさに船舶に頼っているんだ、九九・八%を港湾に頼っているんだということを直接向こうに行ってレクチャーを受けましてわかりました。 そういう段階に来ますと、非常に私たち経済や国民生活に対して重要な問題をはらんでいるということなわけですから、私にしましては、きょうは視察に行って元気がつきまして次から次へと質問の通告を元気いっぱいたくさんいたしてしまいましたけれども、時間の関係で順番が変わったり途中でやめたりすることをまずもって御容赦いただきたいというふうに思います。 そこで、今、日本の経済状況を見ますと、港湾における貨物量が物すごく減少している傾向がありますし、また労働者の就労の場所も大変少ないという現状を知りました。こういう中で今度の港湾労働法を改正する趣旨とその概要についてお聞かせいただきたいと思います。
○政務次官(長勢甚遠君) 大変勉強していただきまして感謝申し上げます。 御指摘のとおり、六大港における船舶積みおろし量というものも、景気の影響だと思いますけれども、平成八年度は五億三百十三万トンという状況でしたけれども、平成十年には四億七千六百六十一万トンというぐあいに減少する。また、常用労働者の数もこの二年間で三万二千六百人から三万四百人という状況でございます。 こういう中で、いろいろ港湾をめぐる状況の変わる中で、港湾運送事業にかかわる規制改革というものが実施されておるわけでございますので、いよいよもって港湾労働者の雇用の安定ということが重要になっておるわけでございます。 こういう事態に対応して、港湾労働者の雇用の安定を図るとともに、港湾運送事業主の効率的な経営、就労体制の確立ということを目指して今回の改正をお願いいたしております。 具体的には、一つは港湾運送事業主間における労働者派遣制度を導入することによりまして、港湾労働者の就労先を確保するとともに、港湾運送事業主の効率的な経営、就労体制の確保を図る、このことが第一点でございます。 第二点は、港湾労働者雇用安定センターに港湾運送事業主に対する指導助言業務、港湾労働者からの苦情の処理業務等を行わせるということにしております。また、港湾労働法違反に係る事実について労働者からの申告制度を導入する。また、港湾運送事業主に対する報告聴取及び立入検査の実施といった港湾労働の安定化のための方策を新たに講ずる、こういうことを内容といたしておるわけでございまして、現下のいろんな規制緩和を含めた港湾をめぐる状況の変化に対応して港湾労働の安定化とまた効率化を図っていきたい、このように考えております。
○笹野貞子君 今度の改正というのは、港湾労働者の雇用の安定を図ると同時に、港湾運送事業の効率的な経営そして就労体制の確立ということが今度の法案の骨子になっているように思いますが、今度の法改正におきまして、港湾労働者の雇用の安定を図るための施策というのはどのように盛り込まれているんでしょうか。
○政府参考人(渡邊信君) 現行法におきましては、企業外に労働者を求めるときには、まずセンター労働者の派遣を受けるという順番を決めておりましたけれども、今回の改正法におきましても、企業外に労働力を求める場合には、港湾運送事業主はまず相互派遣、派遣の制度を利用して常用労働者の派遣を受けてくださいということを規定しておりまして、それで足りないときには安定所紹介の日雇い労働者、それでなお足りないときに直接募集によります日雇い労働者をもって事業に対応する、こういったことを法律上順位を決めております。 したがいまして、まず労働力が不足する場合には他の事業主の常用労働者の派遣を受けるということにいたしておりまして、港湾は大変、先ほど来議論になっていますように、業務量の波動性というものがあるわけでありますが、その波動性があって谷の方に当たった事業主の労働者は休まざるを得ないということになりますが、そういった方が他の事業主のところに派遣されてそこでまた賃金を受け取ることができる、こういったことでもちまして、いわば事業主間の相互の融通制度ということによって波動性に対応し、結果的には常用労働者の雇用の安定に資するのではないか、こういった仕組みを考えているところであります。
○笹野貞子君 最初私もそのお話を聞いたときには、何か非常におもしろい仕組みだなという感じがいたしました。もしそういうことが全企業でできたならば、A会社からB会社に、B会社からC会社になんというようなことができると経済はどうなるのかなと思いながら、やっぱりこの港湾労働者の特殊性というのが現地に行ってよくわかりました。そういう意味では、大変私は現地で聞いたことが有効になったというふうに思っております。 さて、この港湾労働者の派遣制度の導入ということなんですが、今度も派遣制度の導入というのが改正法案の中心だというふうに思いますので、その派遣制度そのものについてお聞きするんですが、派遣をする港の範囲、どういう港にこの派遣制度というのが適用されるのかなというふうに思ったんですが、六大港だけという今回のこの派遣の港ですか、それにプラス千葉、清水、四日市、博多の四港も実施されるということを聞いていたんですが、こういう制度を導入するにはもっと広くいろんな港に適用された方が雇用の安定とか派遣制度そのものに合致するんじゃないかと思うんですが、その点はいかがなんでしょうか。
○政府参考人(渡邊信君) ただいま御指摘のように、港湾運送事業法の方につきましては、六大港のほかにも千葉や清水、四日市、博多の四港につきまして、例えば事業の免許制から許可制にする、料金の認可制から届け出制にするというふうな規制改革がなされるという予定であると聞いておりますけれども、港湾労働法につきましては現在、東京、横浜、名古屋、大阪、神戸、関門の六大港に適用しております。 この法律をどこに適用するかというのは別途政令によって指定することになっていまして、現在六大港に指定になっているわけですが、今御指摘のように、この新しい仕組み等について適用港を拡大したらどうかという問題は確かにあろうかというふうに思いますが、仕事のやり方というのは事業主側だけではなくて労働者側の利益にも非常に影響のあることであります。 私ども、まず何より港々において労使慣行というものがいろいろとあると思いますので、労使の意見ができるだけ一致をして新しい制度に乗ろうというふうな仕組みができるのが一番望ましいのではないかというふうに考えておりまして、現在はこの六大港に新しい制度も適用ということを考えておりますが、これはいずれ、貨物の取り扱いの量とか労使間の話し合いの進展とか、そういうことによって政令でさらに新しい港も指定していくということは将来の課題としては十分あり得ることかと思っております。
○笹野貞子君 それでは、今度は派遣制度の内容についてちょっとお伺いをしたいというふうに思います。 この派遣制度というのは、港湾運送業者の事業主間において派遣が相互に活用できるという制度だと思いますが、しかし私たち働く者にとっては、本来は自分が雇われている雇用主のもとにおいて使われるのが一番これがベターだというふうに思うんです。 それがそうじゃなくて、違う事業主のところにも派遣されるということですが、本来の事業主のもとで就労することが原則であるということがやっぱり担保されていないと、本来の事業主じゃないところの方の派遣の方に行かせられるということは、働く方としては余り気持ちがいいとは思われないんですが、その点はどうなっているんでしょうか。
○政府参考人(渡邊信君) 現在六大港では、最初に申し上げましたけれども、ほとんどの事業が大部分はその事業主の常用労働者によって担われておりまして、新しい派遣制度を導入されましても、そこのところの利用が物すごく港々で大きくなるということはちょっと想定されないかというふうに思いますが、それにいたしましても、特定の労働者がどこの事業主で雇われているのかわからないというふうなことは本旨ではございません。 また、この派遣によって利益を上げる、例えば登録型派遣を設けるといったことではなくて、あくまでも通常働いている事業主のもとで働くというのが原則で、非常に例外的に仕事のないときに他の事業場で需要があればそちらへ派遣をされてそこで働くという仕組みであるというふうに理解しておりまして、そういったことの担保のために派遣日数の上限というものも労働大臣の告示によって定めたい、これは法律にそういうふうに規定しております。どのぐらいの日数が上限として適当なのかどうか、これは十分審議会の意見も聞いて定めたいと考えております。
○笹野貞子君 今の御説明で、派遣日数の上限を決めたり、いろいろとそういうことをなさるということですが、もともとこの労働者派遣法という法は、これは私も勉強させていただきましたけれども、その労働者派遣法の中ではこの港湾運送業務は適用除外にされている業務だったんです。労働者派遣法では建設と港湾労働は派遣を禁止されているものであったと思います。 そういう点につきまして、今般の港湾労働者派遣制度は、港湾運送の業務について行う労働者派遣制度ではどういうふうになっているのかなという、港湾労働者派遣制度の導入と今度の港湾運送業務の労働派遣の適用除外という、この二つの整合性というのはどういうふうに考えたらよろしいんでしょうか。
○政府参考人(渡邊信君) 昨年の国会で労働者派遣法の改正もお願いいたしましたが、その際も建設や港湾については派遣を行うことは一般的には禁止ということにしております。特に港湾について申しますと、かつて暴力団等によります悪質ブローカーが介在した、労働力のあっせんについてそういったものが介在し、大変な弊害があった、そういったことで、派遣法では一般的には港湾における労働者派遣を禁止しておるわけでございます。 ただ、現行の派遣法の制度のもとにおきましても、六大港におきましてはこの港湾労働法によってセンター労働者による派遣というものが最近まで、四月まで行われていたわけでありまして、特別法といいますか、一般法と特別法の関係と理解しておりますが、港湾労働法による派遣制度というものを特別な仕組みをつくりながら設けていたということでございます。 今般も、センター労働者派遣、センターに常用労働されている労働者による派遣というものは廃止をいたしますが、新しく、通常の港湾運送事業を行っている事業者による派遣を設けようということで、非常に厳格な規制をかけながら、一般的な派遣による弊害が起こらないように、そういった仕組みをいろいろとつくりながら特別に六大港についてのみ行う制度というふうに考えているところであります。 先ほど申しましたように、派遣だけを目的とする登録型派遣業者というものは一切認めないということにしまして、その港で事業を行っている港湾運送事業主のもとで現に働いている常用労働者だけを派遣するということにしておりますし、その派遣の場所もその港湾に限定をする。東京から横浜にやるというようなことは認めないというふうなことにしていますし、それから、先ほど申しました料金とか日数の上限も決めようというふうなことを考えているわけでありますし、その派遣のあっせんについては、なかなか法律上の義務づけは難しかったわけでありますが、雇用安定センターによるあっせんというものを通して派遣を行っていく、こういった仕組みも考えたいというふうに思っております。 これはなかなか、規制の強化ではないかという議論もあろうかと思いますが、こういったいろんな規制をかけながら、かつて見られたような弊害が起こらないようにしながら、六大港についてのみ特例を設けるという仕組みとして考えているわけであります。
○笹野貞子君 実は私はここの部分が非常に理解しづらくて、何度も何度も条文を読むんですけれども、大変わかりづらかったわけです。それで実際、横浜港に行っていろんな方にお聞きして、そうか、歴史的にそういうことがあったのかということを理解しました。 勤労権という、これは戦後の新しい憲法の中に初めて入った社会権の一つですが、この社会権というのは、契約の自由の原則に対して国家権力がどう介入してその契約の自由という本来の自由を確保するかという大変技術的な権利なわけですから、自由を阻害してもいけないし、といって余り介入し過ぎてもいけないしという、大変技術的にバランスをとるそういう権利だというふうに思います。 そういうことを労働省はやっているわけですから、大変技術的にも社会情勢の変化とかあるいは働く人のいろんな形態というものをしっかり見据えないとこのバランスを崩してしまうということがありますので、この点はどうぞ大変重要な部分でもありますし、特に私は、女性の歴史を見ますと、女性というのはまさにこの部分で随分悲劇があったり悲しい歴史があったりして、大変な思いを持ちます。私などは女衒がいて横行した歴史を知っておりますが、このごろは女衒という言葉もなくなるぐらい非常に働く勤労という場が近代化されて大変いい社会になったというふうに思います。それも労働行政というのがきちっとしていないと昔の歴史に戻るわけですから、そういう点ではここのところは大変重大なところだというふうに思いますので、しっかりと政策を間違えずにやっていただきたい、そんな思いでいっぱいです。 続きまして、今の横浜港に行きまして、悪質なブローカーがいて大変に大変だったという歴史のことを聞きました。こういう歴史を踏まえた上で特別の制度として導入されたわけですが、適切な実施、そういう歴史を踏まえれば踏まえるほど具体的な運用の中でいろんな考え方をしなきゃいけないんですが、審議会の審議を見ますと、そういう歴史を踏ませないためにも、港湾労働者雇用安定センターに一度全部出向した形で一元化して、そしてその後でそれぞれにそういうブローカーが入らないような仕組みをつくった方がいいという、そういう答申が出ているんですが、今回の法案を見ますと、派遣制度については公的機関を通して行うという案から事業主間で派遣を行うという案に変わっているんですが、これはどうしてそのようになったんでしょうか。
○政府参考人(渡邊信君) 昨年の六月に中央職業安定審議会の港湾労働部会に事務局案として提示をした案は、今先生御指摘のように、現在の港湾労働安定センターに各事業主が出向させまして、そこのセンターの常用労働者として派遣をされる、こういった仕組みで御提案をいたしました。 ただ、その後いろいろ関係方面とも折衝する中でいろいろ問題点も出てきたわけですけれども、本来雇用されている事業主との雇用契約があり、それからセンターとの間で雇用契約があるというと二重の、事業主が二本になる、二人になるということになりまして、労働者の権利義務、例えば賃金をどういうふうに分担するのかとか安全衛生をどうするかとか年休をとるときはどうするんだとか、いろんな問題が事業主が二人いることによってできてくる。 派遣元と派遣先でありますと、これは派遣法の方で基準法の適用とか安衛法の適用とかいろいろきちっと区分をしているわけでありますが、派遣元と派遣先という関係以外に派遣元の方が二つの事業主があるということで、さらにそちらの労働関係をどうするかという法的には物すごく面倒になる上に、結果的に労働者の利益を損なうケースが非常に多いのではないかというようなことが、大変私どもも事後的になりましたけれども、いろいろと検討する中でそういった問題があるのじゃないかというふうなことで、むしろ事業主間で直接派遣をして雇用関係は一本、一つの事業主と一人の労働者の関係しかないという方が法の適用についてはしっかりするということになりました。 ただ、そういった場合に、それでは事業主で勝手にするということになるといろんな弊害というのも起こるのじゃないかということで、できるだけ港湾労働安定センターを中にかませるという仕組みを考えるべきであろうということで、できるだけ雇用安定センターを通して派遣をするというふうにこれから策定する計画にもその旨を書き、指導もそういうふうにしたいというふうに考えるところでありますし、また実際問題として、事業主がお互いの事業主にすべて当たって派遣できる労働者の数とか受け入れとかをやるのも不可能だと思いますので、センターを通して派遣を行うということによって事実上の解決を図りたい、こういうふうに考えていたところであります。
○笹野貞子君 今、政府参考人の意見を聞くと、私なりには理解をしているんです。また、それはいいことだと思うんです。 しかし、ちょっとわかりづらいですね、物すごくね。それで、法案を読むと何かそういうのが余り見えてこないし、大変私自身はわかりづらくて困りました、どういうふうに考えたらいいのかなと思って。聞くともちろんわかるんですけれどもね。ここはこれからの問題じゃないかなというふうに思うんですが、具体的にやっぱり審議会が言ったように一元化をした方が安全ですし、そういう過去の歴史の忌まわしい部分が入ってこないということもあるわけですから、この部分、センターの一元化の運営というのをもうちょっとしっかりする手だてというのはどういうふうに今のところ考えていらっしゃるんでしょうか。
○政務次官(長勢甚遠君) 今、安定局長から御答弁申し上げましたように、センターによって一元化的に実行していきたい、このように思っておるわけでございます。波動性が高いわけですから、これを個々の両当事者間だけで派遣の業務をこなすということは、いろいろな事情にスムーズに対応できないというケースも起きますし、またその間でいろいろ違法にわたるような行為も起きがちなケースもあり得ると思いますので、我々としてはセンターに一元的に求人求職を確保してあっせんをするという業務にしたいと思っております。 このために、労働大臣が定めます港湾雇用安定等計画におきまして、港湾労働者派遣制度について、港湾労働者雇用安定センターによる一元的な運用が図られることが適当であるという旨を明記いたしまして、その計画に基づいて今申しましたような体制がきちんとできるように指導してまいりたいと思っております。
○笹野貞子君 わかりましたけれども、大変ここのところは御苦労なさるのではないかと思います。技術的にセンターの機能というのをきちっとできるように間違いなくやっていただければ大変いいんじゃないかなというふうに思います。 そういう観点からしますと、港湾労働者派遣制度の優先利用ということについてお聞きしたいというふうに思います。 今のような御議論からすると、つまり荷役作業とかそういうものをするときは常用労働者を優先にするということがわかりました。そして、常用労働者を優先するということで雇用の安定を図るということですが、しかしその論理をずっと追求していきますと、日雇い労働者の雇用の場所を結果的に奪ってしまうんじゃないかなという気がするんです。ですから、片っ方の安定を図るために日雇い労働者のそういう雇用の場を失うということはちょっと論理的におかしいような気がするんですが、港湾労働者の常用化に対する労働省の御見解というのはどういうふうになっているんでしょうか。
○政府参考人(渡邊信君) 港湾労働におきまして先ほど申しましたようにかつていろいろと弊害があったということで、港湾労働というのはやはり常用労働者によって行われるべきものだというのが現在までの思想になっているかというふうに思いますし、またそういったことによっていろんな弊害を実際に排除してきたというふうに考えております。 また、その港湾労働の近代化、高度化に対応するためにも、日雇い労働者の方ではなくて、常用労働者できちんと能力開発を積んだあるいは日常の業務によって能力を向上させた人がこの業務に対応するというのが望ましいことであろうというふうに考えているわけでありまして、こういったことから常用化というものを従来から進めてきた、指導してきたというところでございまして、現在の実情を申しますと、現段階では既に荷役作業の九八・五%はそれぞれの事業主に雇用されている常用労働者によって担われておりまして、残りの一・五%がこれまではセンター労働者と日雇い労働者によって担われてきたというふうなことでございます。 今、日雇い労働者の職場の問題も御指摘になりましたけれども、現在でも日雇い労働者の数は六大港でも常用労働者三万に対してごくわずかということで、港湾荷役だけをしておられるということではなくて、いろいろな建設現場で働かれるとかいろんな労働をして日雇い労働者の方は生活しておられると思います。そういった問題、確かに日雇い労働者の方の生活権の問題もあるわけですけれども、それはまた別途の問題として考えていく問題かと思っております。
○笹野貞子君 これはなかなか難しい問題だというふうに思いますけれども、こちらを余り優先し過ぎちゃうと、やっぱり自由に働きたいという日雇い労働者の方もいるということで非常に技術的な問題だと思うんですが、現実問題として、港湾労働者の常用化を進めていくということはわかるんですが、実際の問題としては日雇い労働者がセンターの労働者に比べてより多く活用されているのがこれが事実だと思うんですね。 そうすると、実際には日雇い労働者の数が多いということになりますと、この改革によって、今まで使っていた日雇い労働者を常用化して、そうじゃない人を安い労働力として活用するというような、そんなことが出てこないのかなというふうに私は危惧をするんですが、港湾労働者の派遣、今度の制度で優先利用がどれだけ実効性を担保されているかということがちょっと不安になります。 そこで、今度の優先利用というこの考え方について、その実効性をどういうふうに担保されるおつもりでしょうか。
○政府参考人(渡邊信君) この点につきましては、まず、新しい派遣制度を利用してもらうということを第一番目、それからそれで人が得られないときには安定所紹介の日雇い労働者を使うことが第二番目、それでどうしてもだめなときに直接日雇い労働者を募集して使用するというふうに、法律でまずそういうふうにしなさいということを規定しているわけであります。 ただ、長年同じような日雇い労働者を事業主が使っているという場合には、どうしてもなれた人といいますか、そういった人を使った方がいいというようなことで脱法行為が行われるということも考えられなくはないというふうに確かに考えておりまして、そこで、日雇い労働者を雇用するときに、安定所にまず紹介を頼むし、それが難しいときも届け出て自分で日雇いを募集するということに仕組みはなっておりますので、安定所にそういった届け出がなされたときに、安定所としては、センターに照会をいたしまして、その事業主が果たして派遣を要請したかどうかセンターで確認をした上で日雇い労働者の紹介の、次の段階に移ると、こういった手順で進めたらどうかというふうに考えております。 また、現在も実際に港湾のパトロール等を安定所で行っておりますし、今般新しく港湾労働者からの安定所長への申告制度、あるいは安定所への報告とか立ち入り権限とかいうものも法律に盛り込んでおりますので、こういったものを総合的に活用して今おっしゃった問題の担保としたいと考えているところであります。
○笹野貞子君 実は、私は横浜に行っていろんな方に聞きましたら、違法な人がいて、パトロールをするんですけれども、パトロールをして、そういう人をこれは違法だということを見つけて注意しようとするんですが、今じゃないですね、大分前の話ですが、注意なんかしたらとても危険で大変な時代があったということを聞きました。 ですから、パトロールをするときは、現状はちょっと私わかりません、そのパトロールした人が随分前の話だということですが、大変怖かった、そういう注意するムードではなかった時代があったということを聞きました。 そういうことがありますと、常用労働者であるかそうじゃないかというのを確認する方法を、注意したら大変恐ろしかったという歴史を聞きましたので、今ももしパトロールをしたとしてもそれが実効性のないパトロールならどうしようもないんですが、それを迅速に見分ける方法というのは何かお考えですか。
○政府参考人(渡邊信君) 現在は、制度としましては安定所が発行します港湾労働者証というもの、これは写真つきの身分証明書ですけれども、これを常時常用労働者は携帯をしていて、求められればこれを提示しなければならないと、こういうことになっておるわけでありますけれども、なかなかこれはわかりにくいという問題も指摘をされております。 港湾によりましては、地区の港運協会等が主体となりましてヘルメットにその証明書の写しを貼付するワッペン制度というようなものをやっている港もあるということでございまして、今後新しい制度に移る際には、今おっしゃった識別の問題、外部から一見して明らかになるような方法があるのかどうか、ワッペン制度なども参考にしながら、関係者の意見を聞いて、その辺もう少しはっきりするような仕組みがあるかどうか検討したいというふうに考えております。
○笹野貞子君 私は一昨日横浜に行きまして、その身分証明書というのはどういうのを持つのかということを見せていただきました。こういうカードで、そこに名前を書いてこうするんだというふうに聞きましたけれども、働いていると汗をかいて、その身分証明を持っていてもどろどろになってしまうので使い物にならなくなるというふうなことをおっしゃっていました。 そうすると、コピーでもいいんだとは言っておりましたけれども、もうちょっとみんなが見てぱっとわかる方法じゃないと、せっかく論理的にはそのようになっていても、注意をすると怖いし、身分証明書はどろどろになるしというと、これはもうちょっとうまい方法を考えなければいけないんじゃないかなという、そういう思いで帰ってまいりましたので、検討を。ヘルメットにワッペンをつけるんですか、今の御発言では。その方がわかりやすいかもしれませんですね。ちょっとそんなことを気にして帰ってまいりました。 やっぱり日雇い労働者が違法に入り込んで昔の忌まわしい歴史に戻るようなことがあってはこれはいけないわけですので、そういう違法な日雇い労働者が入ってきたときには、もうちょっと罰則とか、そういうことというのはお考えになっているんですか。
○政府参考人(渡邊信君) 日雇い労働者の雇用につきましては、現行の港湾労働法におきまして、第三者が不当に介入するといったことを防止する観点から、日雇い労働者を活用する場合には公共職業安定所の紹介を受けた労働者をまず雇用しなければいけない、先ほど申したとおりですが、こういうふうに規定をしているところであります。 この点については条文がございまして、日雇い労働者をそういった手続を踏まずに違法に雇用した、活用したという場合には「六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。」ということが定められております。 こういったことの違反というものが、直ちに罰則の適用まではまいりませんでしたが、平成十一年で例えば十二事業所等あるというふうなことでございまして、そういったものは指導して直させておりますが、まず、罰則というよりは、行政指導によってそれを是正させ、どうしてもだめなときには罰則の適用ということかと思いますが、法制度上はそういうふうに罰則も整備をしておるところであります。
○笹野貞子君 私が実際に行って本当に聞いていろんなことがわかったんですけれども、そういう違法をちゃんと指摘できたり違法を排除できたりするという、そういう仕組みがないとなかなかうまく運用されないんではないかという思いをしてまいりました。 確かに、ああいう港という大変施設的にも大きくあり、また国際的ないろんな方がいっぱいいるわけで、言葉の問題とかいろんな問題とかいろいろそういうことがあるわけですので、なかなか技術的に大変だなという思いでは見てまいりましたので、その点の運用のところをひとつしっかりとやっていただきたいというふうに思います。 今度のこの法改正につきましては、そういう港湾労働者の申告制度を創設したり、あるいは公共職業安定所長への報告聴取とか立入検査などというのが明文化されているわけですが、今申し上げましたように、私も職業安定所長にお目にかかって実態を聞いてまいりました。 職業安定所長さんは毎日毎日の業務ですのでとてもよく実態を知っておりましたので、御説明を聞きましたら大変わかりやすくて、私も、本来ならこれは余りわかりづらいからわからない法案には賛成できないかなと思っていたんですが、向こうに行っていろんな実態を見たり聞いたりして、ああそうかというふうな思いで今大分ちょっと考え方が変わっているわけですけれども、この派遣制度の導入と雇用秩序維持の対策の強化という、こういう大変大きな柱がこの法案に二つあるわけです。そして、この目的というのはやっぱり港湾労働者の雇用の安定と福祉の増進という、そういう二つが盛り込まれているということは、私にしては大変評価できるなという思いですが。 しかし、今度、この二つの大きな柱と安定と福祉という問題に対しては評価できるんですが、先ほど大島委員から御指摘があったように、ちょっと違う部分もここに入っているということがわかります。 その違う部分は何かというと、雇用安定センターの問題だというふうに思います。この安定センターを廃止したという、この部分はこれも私大変わかりづらかったんですが、先ほどの御説明でだんだんわかってきたんですが、もう一度お尋ねいたしたいと思うんですが、この雇用センターを廃止した理由をお聞かせください。
○政府参考人(渡邊信君) 冒頭の議論でも指摘をされたところですが、港湾におきます労働秩序を打ち立てるということから、昭和四十年代に最初の港湾労働法が策定されたときには、日雇い労働者を安定所に登録してそこで紹介をするという仕組みをつくったわけですが、港湾労働の近代化あるいは高度化といった要請に対応するために常用労働者によってこれを担うという発想のもとに、平成元年から現行の港湾労働法ができておりまして、センターに常時雇用される労働者でもって派遣を行うという仕組みで今日まで来たわけでございます。 ただ、これはこの制度発足のときから、平成元年時でも約三百三十名くらいのセンター労働者で、もともと数も少なかったわけでありますが、直近までで約百三十名ぐらいにまで減少しているということが一つ量的な面としてあります。 それから、先ほどから申し上げていることですが、このセンター労働者につきましては能力開発を随分と行って、労働者の方も随分努力をされて港湾業務に対応するように努力をされてきたと思いますが、なかなか日にちによって就労する場所とか職種とかが異なってくるということで、ずっと同じ仕事を、例えばクレーンならクレーンの運転をずっとやっているというふうにはなりませんで、そういった点で近代化になかなかついていけない、事業主が要請する技能、技術の習得がなかなか難しいという問題がどうも基本的にあったかと思います。 そういったことで需要というものが減じてきまして、この方たちの稼働率も大変低くなったというふうなことで、センターも、これを実質的に行っております財団法人港湾労働安定協会におきましても、累計で二十五億円の赤字を生じてしまったというふうなことになってきているわけであります。 こういったことを踏まえまして、現行の制度は廃止をして、新しい、常に働いている常用労働者、現にその港で働いている常用労働者による派遣制度によって波動性に対応しようというふうに切りかえるということでありまして、派遣労働の常用化、港湾労働の常用化ということについて、センターがこの間果たしてきた役割はもちろんあったと思いますが、既に時代の変換ということついて一定の役割を終えたのではないかというふうなことで、今般改正を提案しているところでございます。
○笹野貞子君 少々私は意地悪な性格があるかどうかはわかりませんが、ここの部分が今度私はこの法案の非常に悲しい部分というんでしょうか、こんなところで私演説をぶつつもりはありませんけれども、私はやっぱり労働省の役割というのは職業の技術指導というんでしょうか、能力開発というんでしょうか、そういうものがこれから非常に重大な政策の一つだということを前もって力説している一人なんです。 私も現実に行ってみますと、この新しい近代化の港湾施設というのはどんどん技術開発というんでしょうか、クレーンの技術にしてみましてもすごい技術なんですね。あれだけ的確にぱっとつかまえるというのはなかなかの熟練が必要ですし、また全部コンピューター管理ですので、コンピューターがわからないととてもついていけない。私もとてもあそこの労働者にはなれないなということをコンピューターの部屋に行って痛感をいたしました。 そういう点では、このセンターが抱えていた働く人たちに対して、私は労働省はその職業指導を間違ったんじゃないかなという思いをしたんですが、この人方に高い技術を指導するという、そういうことに大変なこれからの問題点があるんだなというふうに思ったのですが、これは通告しておりませんけれども、政府参考人にお聞きしますけれども、やっぱりこれからの労働行政の中で時代がそういうふうに変わっていったから対応し切れなくなったということのないようにした方がいいと思うんですが、御感想だけ。
○政府参考人(渡邊信君) それは御指摘のとおりだと思いますし、技術が変化すれば技能の方も技術の方もそれによって変化するように再訓練というのが一般的には必要だということはもう御指摘のとおりだろうというふうに思います。 先ほど申しましたように、センターの労働者についても随分と技能向上等の能力開発を行ってきたわけでありますが、なかなか日によって就労場所等々が違うというふうなことで、それを常に日常磨くという点でなかなか難しかった面もあったのではないかと思います。 今般の派遣では事業主に雇われている労働者相互の派遣制度なんですけれども、その労働者が常時主として従事している業務以外に派遣をしてはいけないということも法律に書いておりまして、そういった意味では通常行っている仕事を別の事業主のもとで同じようにやるということですから、技能も向上している方が対応するという仕組みになっておるかと思います。 今までクレーンの仕事をしていた人が急にはしけの仕事をするというようなことは今般の派遣では認めないということにしているわけでありまして、そういったことからいいますと、今般の制度の方がよりそういったことにも対応できる仕組みではないかというふうに考えているところであります。
○笹野貞子君 本当に職業の技術を磨かなければついていけないという時代にどんどんなってきましたので、そういう点では労働省はあらゆる勤労者に対して、失業なき労働移動ということなんでしょうか、そういうことにやっぱり力を注いでいただきたい、そんなふうにつくづくと思いました。 さて、もう一つ私は不思議に思ったのですが、先ほど大島委員の方の御質問にありまして、わかったのですが、再度ちょっとお聞きをいたしたいというふうに思います。 というのは、お話を聞きますと、今度のセンターの廃止については労使が話し合いで大変うまく解決ができたということを聞きました。四月六日にその労使の交渉が行われたということを聞きました。その労使の交渉の結果を聞きますと、四月三十日をもってセンターを廃止する、そして再就職をしたい人は四月三十日までに申し込んで、精力的にあっせんするという、そういうことが話し合われたということを聞きました。 しかし、先ほどもお話がありましたけれども、再就職の問題のときにだれも再就職の希望者がなかったのと同時にあっせんは一人もなかったということなんですが、精力的にあっせんをしますと言った割には一人もないということは何かそこにからくりがあるんでしょうか。
○政府参考人(渡邊信君) 現場に立ち会っているわけではありませんので、からくりというのはなかなかわからないんですが、いつ閉じるかということについては、労使間でいろいろと紆余曲折があったということは聞いております。ただ、港湾労働に再就職を希望する方については業界を挙げて支援する、あっせんに最大限努めるということが組合との取り決めになったというふうに聞いておりまして、かなりそういう努力もされたというふうに聞いておりますが、現実問題といたしましてはなかなか労働者側の希望する条件と提示された条件が折り合わないというふうなことがいろいろあって、結果的には全員の方が円満退職ではありますが四月三十日で全員退職をされた、こういった経緯になったというふうに聞いております。
○笹野貞子君 私は現場に行きまして、そこのところをしつこくしつこく聞いてまいりました。それで、いろんなことがわかりました。やっぱりこういうときは本当に再就職に対しては精力的に取り組んだり、あるいは次の職場への転換に関しては親切に対応するということが大変必要な問題になってくるというふうに思います。 今回の場合は、こんなところではあれですけれども、ある程度の温かい行政的な配慮があったということを聞きますので、これからもこういう問題が起きたときにはひとつ積極的に労働行政はやっぱりこうあるべきだという、そういう見本を示すような情熱的な取り組みをしていただきたいというふうに思います。 さて、先ほどの質問にもありますが、ここで大変失業に対する転職の問題がやっぱり問われてくるというふうに思うんですが、今のお話で大体わかりましたけれども、こういうふうに制度の改正によって離職がされるという問題が今度起きてきます。こういうときにはこれから再就職支援対策というのを十分とるべきだと思いますが、その点、再度お聞きいたします。
○政務次官(長勢甚遠君) センターの行ってまいりました派遣業務の廃止に伴って離職される方々、これは国が直接雇用しておったわけではありませんけれども、制度に基づいて実質的雇用関係があった方々でございますので、この方々の再就職というか雇用の安定には十分配慮しなきゃならない、このことは御指摘のとおりであると思っております。 このため、今、港湾労働にはリタイアするという方向の方々がほとんどでございますが、この方々について、公共職業安定機関において全力を挙げて再就職のあっせんに努めたい。このために、既に再就職の希望調査も実施をいたしておりますし、また、再就職を希望される方々につきましては求職の手続も行っているところでございます。 これを踏まえまして、今後、きめ細やかな職業相談なり職業紹介を実施する、また、必要に応じて能力開発等の対応もとるということで、御心配のないように全力を挙げてまいりたいと思っております。
○笹野貞子君 そこで、先ほどの質問にありましたが、何か私は再度質問してこれでもかこれでもかという感じで恐縮なんですが、制度的にちょっとおかしな問題ができてきますよね。 というのは、センターが廃止されたのが四月三十日です。この法案を今審議している最中ですので、この法案が適用される間のタイムラグが出てくるわけです。何日間はそういうセンターが中心になって出向して、日雇い労働、要するに波動性を食いとめるということが制度的にできない状況に今なっているんじゃないかと思うんですが、波動性を食いとめられない状況になっている現状を今どのように対処しているんでしょうか。
○政府参考人(渡邊信君) 現行のセンター労働者による派遣制度は、法律でいつをもって廃止するというよりも、実際に労使交渉が行われて四月の末日で、かなり早い時期で労使交渉がまとまったという印象では確かにあるんですが、改正法の施行は政令で決めていただくんですが、秋ごろを予定しておりまして、確かに先生今おっしゃいますように空白の期間が生じるのではないかということがあります。 ただ、現状を見ますと、センター労働者の就労状況は一日平均で五十八人ぐらいということでございますから、六大港を見ますとかなりの常用労働者がおられるわけで、そのほかに日雇い労働者もいらっしゃいますので、どうしても不足をするというときには当面は日雇い労働者を安定所が紹介するということで対応することになるかというふうに思います。
○笹野貞子君 そこで、通告はないんですが、非常に基本的な問題なんで、大臣に最後お伺いをいたしたいというふうに思います。 実は、私もこの法案を質問しようとしたときに非常にわかりづらくて、条文を読んでもなかなか理解が困難でした。やっていいのかやって悪いのか、これは勤労者のためになるのかならないのか、大変机上の空論というのは理解困難で困りました。現実に港に行って、ああ、こういう働き方があるのか、こういうときにはこういうふうにするのかというふうに、見たことによって本当によく理解できました。百聞は一見にしかずとは言いますけれども、ものを理解するときには論理と実体験というのが二つ一緒になることが本当に理解度を高めるというふうに思います。 そういう点では、大臣、やっぱり労働行政とか労働政策をするというのは、働いている人の実態を見たり働いているその職種を理解したり、現場主義というんでしょうか、そういうのがなければ、机上の空論だけではなかなかできないということを私も実感いたしました。メーデーとか、いろんな問題は、働く人がこういう職場でこういう要求があるんだ、我々はこういうことに困っているんだというようなことをみんなが一堂に会して話し合うという、そういう大会なんですね。 そういう意味では、大臣、来年度は必ずメーデーにお出ましいただきまして、労働行政にとってはやっぱり労働者をしっかり理解するということが大変重要だと思いますので、その点の御決意をひとつお述べいただきたいと思います。
○国務大臣(牧野隆守君) 先生が数日前に横浜へ行かれたということをお伺いいたしまして、それなら委員会で横浜港を見に行ってもいいし、あるいは一声かけていただければ、時間があればお供をしたのではないかなと、こんなことでお伺いしておったわけですが、特に港湾関係、これは物流のちょうど接点でございまして、現在、時間と距離がなくなったという通信技術、片方はそのようにもう時間も距離もなくなってきたんですが、物だけはどうすることもできないわけなんです。片方でそういう技術を十二分に駆使しながら物流は行われなければならない。 そういうことを考えますと、本当に港湾の荷役というのは完全に近代化された作業であるということは、いつもクレーンだとかいっぱい見ておりますと、これは当然だと感ずるわけでございまして、そういう近代技術をいろいろ操作しながら働いておられるそういう方々の気持ちと申しますか、片方で今まで以上に危険がまたいっぱい大きく伴うわけでありますから、そういう点も十二分に考えた上で、労働者の皆さんの立場に立っての行政がなされなければならないなと、こう考えておりまして、そのような現場第一主義の神経を使い、汗をかかれているところの雰囲気をこうやって今先生私どもの前で御披露いただいて、私どもの労働行政が少しでもよくなるようにしていかなければならない、こう考えております。
○笹野貞子君 終わります。
○但馬久美君 公明党・改革クラブの但馬久美でございます。 大島議員、そしてまた笹野議員、また同じ質問を重ねるようなところもありますけれども、順次質問させていただきます。 今回の港湾労働法の一部改正案におきますと、提案理由の中にも、コンテナ輸送の増大等港湾における荷役革新は著しい発展があるということは、先ほどの質問でも御存じだということでありますけれども、例えば貨物量の全体に占めるコンテナ貨物の割合について見ますと、昭和四十五年には全体の約五%を占めるにすぎなかったのでありますが、平成十年には六〇%を超える貨物がコンテナ貨物となっております。私の地元の神戸におきましても、八〇%を超える貨物がコンテナ貨物となっております。 本法律案の提案理由に、港湾運送の分野において高度な技術、技能を有する労働者をより積極的に活用していく方策が求められているとありますけれども、現況を見ますと、まさしくそのとおりだと思います。私も神戸港での荷役作業をかいま見たことがありますけれども、以前は、バナナとかそしてまた冷凍された魚介類なんかはばら積みの荷物ということで人海戦術で運ぶといった作業が多かったんですけれども、今はそのような作業が少なくなり、大型の機械を利用してコンテナが次々と運ばれていくというような状況になっております。一定の技術と技能を持った常用労働者でないと、現在の荷役作業に対応することは大変難しいと思います。 昭和六十三年に現行の港湾労働法が制定されましたけれども、港湾における荷役作業は企業外労働力を含めて常用労働者で処理することを原則とするという認識があります。そのときもそういうきちっとしたベースにあったと伺っております。 一方、昔ながらの荷役作業、いわゆる在来荷役は少なくなってきていると言っておりますけれども、貨物を積み込む国の作業方法によっては我が国の荷物とリンクするので、在来の荷役作業は全くなくなるということはないと思います。 この港湾運送事業の特徴として、貨物の取扱量の日別の変動、先ほどから出ておりますいわゆる波動性というものが取り上げられておりますけれども、この波動性の影響を一番受けるのが在来荷役で、コンテナ荷役に比較して高度な技術とかそういう技能を必要としない、そういう日雇い労働者が活用されることが多いと思われます。 しかし、日雇い労働者を活用することにおいては、先ほども大島議員の方からお話がありました。特に、第三者が就労に介入をする。そうすると、過去にも神戸港におきましても、ほかの港でも大きな問題がたくさん起こっております。現行の港湾労働法においても日雇い労働者の活用について厳しい制限が課せられているものと承知しておりますけれども、このように考えていきますと、港湾における荷役労働作業についてはすべて常用労働者で対応していくことを原則とすべきだと思いますけれども、労働省としてはその点どのように取り組んでいかれるか、お聞かせください。
○政務次官(長勢甚遠君) 先生がおっしゃっておられるのと全く同じ方針でおります。 御案内のように、荷役作業自体が大変高度化をしてきておりますので、それに伴う高度な技術、技能を持つためにも、常用労働者によってそういう業務が担われる、またそのための計画的な訓練等も行われるべきであると思っておりますし、また一方、日雇い労働者につきましては、御指摘のような過去の経緯、こういうことも考えますと、常用労働者で賄っていくということが適当であるという方針で進めてまいっておる次第でございます。 今回の改正におきましても、港湾労働者派遣制度を導入することによって、港湾運送事業主間で常用労働者を活用するということを可能にし、かつ企業外労働力を活用する場合にはこの制度を優先的に使わなければならない、このことを義務づけたわけでございまして、港湾労働者の常用化に一層の役割を果たす、このことを期待しておるものでございます。
○但馬久美君 今の答弁にありますように、港湾労働者派遣制度を導入することによって、この制度の優先利用を義務づけることによってその労働者の常用化を推進していくということでありますけれども、現行法においても、港湾における荷役作業は企業の常用労働者により処理されるべきであり、日雇い労働者の利用は例外的なものとされていると承知しております。このような現行の港湾労働法の趣旨がどのように生かされてきたと考えておられるのか、その点お聞かせください。
○政府参考人(渡邊信君) 現行の港湾労働法は平成元年から施行されておりますが、その当時の港湾荷役におきます常用労働者の割合は九七・九%でありましたけれども、これが平成十年度には荷役作業全体の九八・五%は各企業で雇用する常用労働者によって行われている、残りの一・五%のうち、一・二%ぐらいが現在日雇い労働者によって担われているということでありまして、傾向としては、現行法制定以来、港湾荷役におきます常用化が進展をしてきたのではないかというふうに考えておりますし、この過程において、この港湾労働法に基づきます先ほどのような趣旨というものが徐々に浸透してきているというふうに評価できるかと考えております。
○但馬久美君 ありがとうございました。 今の荷役作業の全体の九八・五%を常用労働者で処理していると。ほかの産業と比較しても常用化率が非常に高いと思います。港湾労働法の趣旨は十分生かされていると今の御答弁でも思いますし、港湾労働対策については評価できるところばかりであるとは思いません。しかし、この港湾労働者雇用安定センターの行っている労働者派遣業務については、波動性に対するシステムとしてはほとんど機能していないと言えるんではないか。そのほかにも問題視せざるを得ないことが幾つかあると思います。 そのまず第一点目です。 ILO第百三十七号条約の問題ですけれども、この条約については、現行の港湾労働法が制定された際の国会の附帯決議で「批准に向けて、引き続き必要な条件整備に努めること。」と指摘されております。また、政府としても、現行の港湾労働法によって同条約の内容はおおむね満たされているものと伺っております。なぜ、いまだに批准されてこなかったのか、その辺の御意見をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(渡邊信君) このILO百三十七号条約は、港湾における新しい荷役方法の社会的影響に関する条約という条約でございますけれども、この条約は、主として、今御指摘のように、港湾労働者の登録制度を創設して、この登録労働者の就労について優先権を付与する、こういったことを内容としている条約でございます。 この条約の内容はおおむね現行法においても満たされているというふうに考えておりますけれども、なお、例えば港湾労働法は現在六大港だけですけれども、ほかの港湾にも適用する必要があるのかないのか、あるいは港湾労働者の登録と言っておりますけれども、現行では事業主によるいわば届け出制というふうになっていまして、こういったことで要件を満たすかどうか、それから、港湾労働者の就労や生活保障の責任を負うべき者と規定されておる中に、例えば荷主とか船社等の港湾の利用者といったこういった方が含まれるのかどうかというふうに、幾つかまだ問題点も指摘されているところでありまして、なお関係方面の詰めを、合意形成を行っていく必要があると。 そういうことで、まだなかなか批准ができていないわけですが、批准に向けての努力は引き続き続けたいというふうに思っておるところでございます。
○但馬久美君 ぜひよろしくお願いいたします。 問題点の第二点目です。 いわゆる人つきのフォークリフト、フォークの形をして荷物を揚げるリフトですね、この問題については、現行の港湾労働法が制定される以前から問題がありました。早急に解決しなければならないと思いますけれども、この人つきフォークリフトのリースを早急に解消させる。つまり、労働者派遣法やそれからまた港湾運送事業法にも抵触することになると思われますので、いずれにしても、これは違法行為になるんではないかと思いますけれども、労働省としては、このような対策をどのように講じておられるのか、お聞かせください。
○政務次官(長勢甚遠君) いわゆる人つきリースにつきましては、労働者派遣法あるいは港湾運送事業法上違法にわたるというケースも大変多いわけでございまして、これを早急に解消しなきゃならないということは、我々もそのように進めておるところでございます。 労働省といたしましても、従来からその方針でやってまいりまして、平成九年度以降についてはフォークリフト月間延べ二百台以上を利用する事業主を対象に個別指導を行ってまいりました。さらに十一年度からは、関係都県に具体的な縮小計画を作成するよう指示をいたしまして、また指導の対象となる事業主の範囲も月間延べ二百台以上から、東京港の場合には五十台以上の事業主を対象とする、横浜港の場合には百五十台以上に対象の範囲を拡大するという個別指導をやってまいりました。 その結果、小型フォークリフトの人つきリースの借り受け台数について見ますと、平成四年度には月間で、月平均で延べ一万六百八十台といった状況でございましたが、平成十一年度には月平均で延べ三千三百四十七台というところまで減少してきたところでございまして、今後もこの縮小に鋭意努力してまいりたいと思っております。
○但馬久美君 まだ三千三百四十七台ということですので、ぜひ早急にやはり解決しなければならない問題であると思います。 三番目の問題提起でございます。 平成九年度で港湾運送量を見ますと、全国の船舶の積載量は十一億六千万トンであり、それに対しまして六大港の船舶の積載量は五億三百万トンと、全国の半分以下であります。全国へ私は拡大ということを考えていいのではないかと思いますけれども、なぜ六大港に限っているのか、その点の御意見をお聞かせください。
○政府参考人(渡邊信君) この六大港におきましては、貨物の取扱量も非常に大きく、国民生活に与える影響も大きい、またここで仕事をされる労働者の数も非常に多いということで、港湾秩序の維持というふうなことで、この六大港についてまずこういったことで施行するということで、現行の派遣制度が六大港で適用され、それ以前においては日雇い労働者の登録制度というものが行われてきたわけでございます。 今、先生がおっしゃいました貨物の取扱量における六大港の割合は必ずしも大部分ではないという御指摘もあります。どういった港に適用するかは、政令によって別途指定をするということになっております。 港湾の業務を遂行するには何よりも労使の意思疎通ということが大変大きな問題でありまして、長年にわたって六大港にこういった港湾秩序維持の制度が行われてきた、こういったことを踏まえて今般の改正におきましても六大港で当面は指定をするというふうに考えておりますけれども、労使のコンセンサスの形成あるいは諸条件の変化、こういったことを見ながら、さらにこれをふやしていくのかどうか、こういったことは十分今後の大きな検討課題であるというふうに考えているところであります。
○但馬久美君 ありがとうございました。 それでは、時間も余りありませんので、最後に今後の港湾労働対策についてお伺いしたいと思います。 このように現在まで推進してきました港湾労働対策について、評価できる点とそうでない点とが種々あります。いずれにしましても、海に囲まれた我が国日本であります。港湾運送事業は我が国における経済活動や国民生活を維持していく上で重要な役割を果たしているものでありますし、港湾運送事業に従事する労働者の雇用の安定と福祉の増進を図っていくことは我が国経済の発展にとって極めて重要な問題であります。 そこで、最後に大臣にお伺いしたいと思います。港湾労働対策に対する御決意というものを聞かせていただいて、私の質問にかえさせていただきます。
○国務大臣(牧野隆守君) 先ほども先生御指摘のとおり、我が国貿易量の一〇〇%近く、九九・八%というのは港を経由して行われているところでございまして、海陸の物流の結節点として港湾は非常に重要な役割を果たしていることは皆さん御承知の同じ認識を持っておられるとおりであります。 しかしながら、このような重要な役割を果たす港湾をめぐる環境というのは他方近年大きく変化しているところでございまして、この変化に的確に対応し、港湾運送に必要な労働力を確保するとともに港湾労働者の雇用の安定と福祉の増進を図っていく、このことが我が国経済の発展にとっても極めて重要な課題であるわけであります。 このような認識のもとに、今般港湾労働法の改正法案を提出し、御審議をいただいているわけでありますが、新たに導入される港湾労働者派遣制度の適正な運営や港湾労働者からの申告制度の導入、公共職業安定所による立入検査の実施等、こういう方法によりまして港湾運送に必要な労働力を確保するとともに港湾労働者の雇用の安定と福祉の増進を図ってまいりたい、このように考えております。
○但馬久美君 いろいろ御答弁ありがとうございました。 私もシンガポールの港湾の方を見学させていただいて、今空港もそれからまた陸海空と非常にシンガポールは発展してきております。そういう意味でも私は、日本の港湾というのは、私自身神戸に住んでおりますけれども、やはり大事な分野でありますので、これからもぜひよろしくお願いしたいと思います。 以上であります。ありがとうございました。
○八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。 私は、まず法案審議に先立ちまして有珠山対策について大臣にお伺いしたいと思います。 有珠山の被災をされました皆さんに本当に心からお見舞いを申し上げるとともに、国の責任を痛感するものでありますけれども、この噴火の影響で雇用にも深刻な影響が出ています。 労働省がそれに対していろいろ対策をされているんですけれども、新聞報道など見ましても、それについての失望の声が上がっております。例えば、これは一日付の朝日新聞なんですけれども、「頼みの綱と思っていた「雇用調整助成金」は、支給まで数カ月かかると言われた。そのうえ、支給を受けるには従業員に休業手当を毎月約六百万円支払わなければならない。収入が途絶えた中で、負担する余裕はなかった。」ということで、やむなく三十数人を解雇することになった、こういう記事が載っております。 私ども、有珠山噴火の災害対策本部をつくりまして、児玉健次本部長が現地の虻田町とか伊達市の自治体関係者あるいは洞爺湖の観光協会や温泉旅館組合などと調査や懇談をした際にも同じような要望が強く出まして、こういう実態調査を踏まえて今後の対応を伺いましたところ、この問題では一カ月で振り込むというふうにも聞いておりますけれども、迅速な対応についてはどうなっているんでしょうか。
○国務大臣(牧野隆守君) 有珠山噴火の被災地におきます雇用労働問題に対処するため、室蘭公共職業安定所の伊達分室、ここに雇用労働相談室を設置することにより雇用問題や労働災害、賃金債権の確保等の問題に関する労働者や事業主からの相談に対しましてワンストップサービスを提供しており、五月二日までの間に事業主及び労働者から五百件を超える相談に応じております。 また、伊達市等四市町の商工会議所、商工会を会場として巡回雇用労働相談を実施しており、五月二日までの間に百件を超える相談等に応じております。巡回雇用労働相談においても各種の雇用労働相談に応ずるとともに、安定所への来所が困難な被災者の方々のために雇用保険の受給資格認定等の手続も行っているところであります。 また、災害地域内の事業主につきましては、業種にかかわらず雇用調整助成金の支給対象にするという特例的な適用も行っております。 手続を速やかにやるということは、被災者のお立場から見ればこれは当然のことでございまして、今、万遺漏なきを期すよう室蘭安定所からも人員の常時派遣を命じておりまして、御要請にこたえるべく最大の努力をいたしている、こういう状況でございます。
○八田ひろ子君 雇調金の場合は数カ月かかるというふうに最初報道されて、説明も相談会でされているんです。それが、一カ月できちんと振り込むかどうかというのをまず伺ったんですが、それは具体的にはどうでしょうか。
○政府参考人(渡邊信君) 雇用調整助成金の支給決定は北海道の労働局で行いますけれども、局の運用方針といたしましては、道内からいろいろ出てまいりますが、この有珠山の被災地域を最優先するということにまずいたします。 それから、数カ月はかかりませんで、通常でも一カ月ぐらい支給申請からかかっておりますが、手続の簡素化をするということによりまして、この地域については十日程度これを短縮するということにしております。現在既に支給申請が出ておるものも数件見られますから、こういったもので確実に一カ月以内に行えるように指導してまいりたいというふうに思っています。
○八田ひろ子君 先ほど大臣は相談もワンストップサービスというふうに言われたんですけれども、実際には未払い賃金の立てかえ払いとかいろいろなことがあるわけで、現実に利用しようと思いますと担当窓口はワンストップに今なっていないというふうに現地は言ってみえるわけなんですよ。ですから、出張相談なんかをおやりになっているのは事実だものですから、そこで相談だけでなくて文字どおりのワンストップサービス、申請の受け付けもその場でやれるとか、そういうのはほかのところとも協力してやっていただきたいと思いますが、そういう御検討はされているんでしょうか。
○国務大臣(牧野隆守君) 実は私自身も、労働行政、特に補助金の交付等につきましては、いろんな窓口があるものですから、こういうときにはもうまさにワンストップサービスで、きちっと一カ所へ御相談にお見えになればそれで十二分に間に合う、内部手続は内部手続としてきちっとしなきゃいけない、こういうことで、噴火発生と同時にそのような指示を出させていただいた次第です。
○八田ひろ子君 それと、現地の新聞を見ますと、実際に解雇者が、これは五月二日現在ですけれども、六百十六人になっているわけですね。先月の二十日の調査では二百三十人ですから、十日ぐらいで三倍にもふえて、最初に雇用調整助成金のことを伺ったんですが、これが災害時の雇用維持のために本当に役立つのかと非常に疑問を持たざるを得ないわけなんです。 先ほどの説明会では、確かに百七十ぐらいの事業者が参加されたんですけれども、申請件数は、今おろしたのも含めて局長から言われたんですが、今わずか十件ですね。ですから、期間も短縮するというお話が今あったんですけれども、ハードルの高さが使いにくい原因になっているということで、それをやっぱり見直すべきだと私は思います、こういう時期には。 それと、先ほどちょっとおっしゃったんですが、労働省の体制の問題です。これも専門の職員の方は当然足りませんので、本省からも、北海道の労働局からも専門の職員の方を現地に派遣すべきだと、こういうふうに思いますが、この二つの点ではいかがでしょうか。
○政府参考人(渡邊信君) 室蘭安定所の伊達分室、これはワンストップサービスの窓口になっておりますが、ここは通常の人員だと三名しかいないような体制でございまして、現在は、今おっしゃいました本局、北海道の労働局、あるいは近隣の公共職業安定所や監督署から人を派遣しておりまして、その方たちが毎日数名の職員、こういったものを派遣しております。三名の職員プラス本局からの派遣等によって現在いわばフル動員をしてやっているという状況でございます。
○八田ひろ子君 二つ。ハードルの問題。
○政府参考人(渡邊信君) 雇用調整助成金は、災害救助法の適用されております一市二町について現在特例的に適用しているということで、この地域ですと指定業種という概念なしに、どういった業種、職種、事業所でも雇調金の適用対象になるという特例的な発動をしております。 ただ、内容はおっしゃいますように通常の雇調金と同じ内容、条件で今発動しておりまして、さらに特段の手当てが必要かどうか、もう少し推移を見て検討させていただきたいと考えているところであります。
○八田ひろ子君 きょうはこの問題は余りやりとりができませんが、ぜひ実効あるものにしていただきたいということと、実際にこういうときに雇用をしっかりと安定させることができるという、そういうのをぜひお願いしたいと思います。 次に、港湾労働法について伺います。 これまで労働者は事業所間で相互融通をしてはいけない、これが違法とされてきました。きょうもいろいろと御論議もございましたが、今までの理由として、違法になっていた理由をお示しください。
○政府参考人(渡邊信君) 労働者の相互融通というのは、一般的には職業安定法で禁止します労働者供給事業というふうに該当するかと思います。あるいは労働者派遣に該当するケースもあるかというふうに思います。 労働者派遣や労働者供給については、一般的には、いろいろな弊害があったところから、限定的に認めるあるいは禁止をするというふうな措置がなされてきておりまして、派遣法につきましては、昨年の改正で期間限定の上で広くこれを認めていくことになりましたが、その中でもさらに建設や港湾というものは一般的には派遣の対象から禁止をされている、したがって労働者の相互融通というものも派遣法違反ということに一般的にはなるということでございますが、その背景としては、この港湾労働の歴史においては、かつては暴力団等がいろいろ介在をして労働問題にいろいろと弊害があった、こういった経験を踏まえて派遣労働というものは一般的には禁止をしておると、こういうことになっているわけでございます。
○八田ひろ子君 まさにそういった歴史的な過程を経て法律そのものも変遷してきたんだというふうに思います。 ところが、今回、港湾運送事業法において免許制というのがなくなって、参入も退出も届け出で自由だと。こういう中で、こういうふうに規制緩和という名前で事業法の方を緩めておいて事業所間の労働者の相互融通を自由化するということは、港湾労働者の雇用と労働条件を、先ほどは推進するというお話が大臣からもあったんですが、反対ではないかと。そういうおそれがあるのではないかと私は思うんですけれども、いかがなんでしょうか。
○政府参考人(渡邊信君) 港湾荷役の業務、事業といいますのは、どうしても日によって波動性がある、大変大きいというのは、これはもう業務の性格上仕方がないことでありまして、通常ですと、次の日の仕事の量というのは前の日の夕方にならないと決まらないというのが実情のようであります。そういったことで、すべて事業主がこれに対応するとなると、過剰な労働力を抱えないととても対応できないということで、港湾におきましては、従来から常用労働者のほかに日雇い労働者市場というものもあり、それから平成元年からは、これを常用労働で賄うべきであるということで、港湾労働安定センターによる派遣制度が施行されてきたと、こういうふうになっているというふうに思います。 いろいろと問題があるということも確かかもしれませんが、港湾における何といっても基本的な、日によって業務量が相当大きく変動する、繁閑がある、ここのところにどう対応するかというところでいろいろ今まで苦心をしていろんな整備をしてきた、こういったことかと思いますし、今般の新しい派遣制度によって、今まで指摘されていたいろんな問題が相当程度解決をされて、港湾の技術の高度化とかあるいは波動性への対応とか、そういったものがかなりの程度これによってできるのではないか、こういうふうに考えているところでございます。
○八田ひろ子君 問題は、港湾労働の波動性にどういうふうに対応できるか、今回の法改正で、事業者の常用労働者の相互融通で本当に対応できるかどうかという問題があると思うんですね。 事業法の規制緩和で業者は一層の競争を強いられる。事業法の審議の中でも、ダンピングとか、あるいは労働条件が劣悪になるのではないか、こういうことが論議されましたけれども、そういった非常な競争になれば、今でも進められている、これまで以上に労働者の人員削減が、こういう方向に行くのではないかと。波動性があるといっても、余剰とされた常用労働者の絶対数が実際に減ってくることになると、相互融通だけでは将来的に対応し切れなくなる、そういうことも私は心配するんですけれども、それとも、仕事の絶対量というのは常用労働者で賄える保障というのがこの法改正であるというふうにお考えなんでしょうか。
○政府参考人(渡邊信君) 六大港の業務量も最近景気の変動を反映いたしましてやや減じておりますし、常用労働者数も減じてきておりますが、なお、それでも六大港で三万人くらいの常用労働者がおられまして、この方たちの稼働日数というのは月平均十七、八日という、休日ももちろんありますから、そういったところでございます。 それに対して、私どもも事業主から意向調査をした結果では、一日千人ぐらいの方がこの派遣によって需要があるのではないかというふうな意向調査の結果があらあらですが出ております。三万人の二十日弱の稼働で千人ぐらいの派遣ということですから、私どもとしては、この相互融通制度がうまく機能しますと、労働者の雇用の安定にもなるし、必要な労働力の確保もできるのではないかというふうに現時点では見ているところでございます。
○八田ひろ子君 実際には千人くらいよそから借りてこれると人員削減できるんではないかと。とりわけ港湾事業というのは中小企業も非常に多い、事業者の方がですね。そういう中で、人件費の占める割合が非常に大きいと言われている業種だものですから、私は大変心配があると思うんです。 それでは、今回の措置によって日雇い労働者への依存は高まらない、強まらないと、そういうふうにお考えなんですか。
○政府参考人(渡邊信君) 現在のセンター労働者の就労は、先ほどから申しておりますように、一日五十八名ぐらいですから、その部分を今度常用で代替するということになれば、さらに、今申しましたが、一千人ぐらいの需要に対して実際には二千人ぐらいの方が派遣で出せるかもしれないという調査もあります。 そういったことで、従来よりはむしろ常用労働者による代替労働というものが量的にもふえるというふうに今見ておりますので、先ほどちょっと議論がありましたが、むしろ日雇いの方の生活がどうなるんだというようなことはあろうかと思いますけれども、常用労働によって現在のセンター労働よりは量的にも十分対応可能かと思います。
○八田ひろ子君 そうしますと、今回の措置によって日雇い労働者への依存というのが低くなる、なくす方向になるというふうに断言できるわけですね。
○政府参考人(渡邊信君) 依存度は確実に低くなっていくと思います。
○八田ひろ子君 きょうも言われているんですが、私も港でいろいろと教えていただく中で、常用労働者の重要性というのを聞いてきました。 港湾労働の近代化のみならず、機械も非常に高度化になっている。大幅な機械化や取扱荷物の多様化、私はここに、コピーだからあれなんですけれども、すごくいろんな危険物を取り扱う。 最近のニュースでも、放射性物質が入っているのが紛れ込んでいたとか、こういうのですと、単純作業に見えるような作業でも相当な危険があるんだということを私は教えていただいて非常に驚いたわけですし、また一たん事故が起こったら死亡災害と言われるほど非常に危険と隣り合わせ、重大災害が労災の中でも多いと言われているわけです。 だから、そういう中で本当に日雇いをなくしていく、常用でやっていけるというふうに今断言をしていただきましたので、それが本当に実行されるようにというふうに思います。 次に、従来安定センターの業務として第十六条に「その常時雇用する労働者のみの派遣によつては労働者派遣の需要に応じられない場合その他の労働省令で定める場合には、その常時雇用する労働者以外の労働者であつて労働大臣が定める基準に適合するものを派遣することができる。」、こういう規定がありました。 ところが、今回の改正では、港湾労働者雇用安定センターの行う派遣業務を廃止したことでこの規定もなくなってしまったんですけれども、これはすぐに全部日雇い労働者への依存がなくなるわけではございませんので必要な規定になるのではないか、こういうふうに思うんですけれども、それはどうしてでしょうか。
○政府参考人(渡邊信君) 私どもとしましては、当初の構想では秋口から新制度へ移行し、それまでは現在のセンターによって事業が担われるということを想定しておりましたが、労使の交渉の結果、四月の末で今のセンター労働がなくなったということになったわけであります。 ただ、先ほどから申し上げておりますように、センター労働者は一日五十八名ぐらいの就労でありましたから、どうしても企業外の労働力に頼るというときには、まずは安定所紹介の日雇い労働者の活用、どうしてもそれが無理なときには直接募集による日雇い労働者の活用、こういったことで当面の業務はできるのではないかというふうに見ております。
○八田ひろ子君 私は、この十六条が日雇い労働者への依存をなくすために必要な規定であったというふうに思います。 しかし、実際にはこれは十数年間労働省令も定めずに放置をされてきたわけですから、そういう怠慢のそしりは免れないというふうに思うんですが、その上で、事業所間の労働者派遣で賄い切れない需要、先ほど日雇いは非常に低くなるというふうにおっしゃるんですけれども、そうすると、低くなると言われるけれども、賄い切れない需要は波動性があるから当然考えられる、やっぱり日雇いに頼るという前提は残っているということですね。
○政府参考人(渡邊信君) 確かに観念的にはあるかと思いますが、今、日雇い労働者の利用は一日平均六大港で約二百二十名ぐらいということでございます。九八・五%というほぼ大部分が現在でも常用労働者によって仕事が行われておりまして、二百二、三十人の方が日雇いの利用ということですから、新しい制度が発足する、あるいは発足後に、観念的にはそういったことも考えられるかと思いますが、先ほど申しましたように、新しい制度発足後はほぼすべての荷役作業において常用労働者によってこれを行うことが可能ではないかというふうに見ているところであります。 なお、先ほど申し上げたことでありますが、私どもの意向調査によりますと、三万人ぐらいの六大港の常用労働者のうち二千人ぐらいが何らかの形で港湾労働の派遣の対象となり、そのうち一千人ぐらいについて実際の派遣の需要があるのではないかというふうなこと、これは意向調査ですから現実にはどうなるかわかりませんけれども、そういった結果も出ているわけでありまして、そういったことから見ても、現在の日雇いの雇用状況と比べますと十分常用労働による代替が可能ではないかというふうに現時点では考えているところであります。
○八田ひろ子君 全体で見ると今言われたみたいに現在九八・五%で、今までで言うと、実績で言うと六千人日と二千人日ですね。そういうので一・五%だと言われるんですが、じゃ個々の事業者間でどういうふうにばらつきがあるのか、こういうのはどういうふうになっていますか。
○政府参考人(渡邊信君) 今、なかなかそこまでは調査しておりませんが、現行のセンター制度におきましても、六大港とはいっても特定の港では極端にセンター労働者が少ないというふうなところもありました。そういったところは日雇い労働者の活用等によって今まで仕事をされてきたと思いますが、これからはそういったセンター労働者の数のアンバランスというふうな問題はないわけでありまして、常用労働者の相互やりとりということでございますから、むしろ安定的に常用労働によって対応できていくというふうに思います。 ただ、そうはいいましても、こういう人が欲しいという問題ですから、数だけの問題ではもちろんないと思いますので、どうしても日雇いを使わざるを得ないという場合はもちろんあるかと思いますが、それは確実に減っていくのではないかというふうに見ているところであります。
○八田ひろ子君 私、その前提のところがどうしてもちょっと理解ができないんです。最初に事業法の審議のときにも問題になったわけなんですけれども、非常に競争が激化してくる、そしてこの規制緩和で免許制でなくなる、いろんな業者が入るということが実際にあるわけです。 今、御説明があるように、月に十八日か十九日平均で働いている、三、四日遊んでいるからその分を回すんだというふうに御説明を先ほどからされているわけなんですけれども、そういう余剰とされた労働者が実際の競争激化の中で人員削減の方向になるのではないか、それがこの自由競争の中で当然そういう方向に行くんじゃないか。だから事業法の方でも、労働条件の心配で附帯決議までついているわけですよね。 それなのに、今のお答えだと、いや、そういうことはない、余っている労働者は同じように余っているんだと。だけれども、個々の事業者間ではばらつきがあるけれども、個々の事業者のこのばらつきの実態調査というのは実際にはできていないわけですから、オールジャパンで見た数字の上だけなものですから、そういうことはそれこそ机上の空論というんですか、実際にこの現行法の十六条で言うような人手不足が起こらないというふうに言うことが机上の空論だというふうに私の方は思えるんですけれども、いかがなんでしょうか。
○政府参考人(渡邊信君) 今の御議論は、今回の改正の方向とは相当異なっているのでないかというふうに思いますが、今回の改正は、先ほども申しましたように、まず港湾においては絶対的に日別の波動性というものがあって、しかもそれは相当大きい。こういったことを前提として今までいろんな仕組みが考えられてきたというふうになっていると思っているわけであります。 今回も、新しい労働者を導入するということではなくて、現在既に働いている常用労働者を相互にそれぞれ忙しいところで働いてもらう、こういう仕組みにするということですから、あるとき人が余ったからすぐ人員削減だというふうには港湾の労働の特殊性からしてならないのではないか。むしろ、そういった方は需要のある事業主のところで働いてもらい、そういった事業主も次の日には需要が減ずるかもしれないので、そのときにはまた次のところで働いてもらいというふうに、いわば一つの港湾ごとに労働力を全体として活用しようというのが今回の改正でありますから、特定の事業主で派遣労働者が、例えば今月十日出たから、では十人ほど削減しようか、そういうふうにはならないというふうに考えているわけでありまして、むしろ労働力の効率活用、雇用の安定ということが今回の法律の大きい改正目的なのであります。
○八田ひろ子君 常用労働者の派遣化を進めていこうということ自体も私は問題はあるというふうに思うんですけれども、競争の中で人員削減をしていくというのはすぐコストにはね返るものですから、そういった意味で事業法での論議というのはこちらの労働省の側もしっかり受けとめるべきだというふうに思います。 それじゃ、事業者に融通できる労働者が一人でもあるときというのは日雇い労働者は使えないわけですね。
○政府参考人(渡邊信君) 実際の運用としましては、どこで何人余っているかということを港の事業主がすべての事業主に聞いて確認するということは不可能なわけでありますから、そこのところはセンターを活用いたしまして、求人求職というものは、求人というものはセンターに登録をしていただく。そこで何人出せる、何人欲しいということをセンターで調整するということで考えておりますので、まずセンターでそういった派遣制度を活用したかどうかということを安定所も確認した上で日雇いを使うなら使っていただく、こういう手順をとりたいと思っていますから、まず常用の派遣ということが先行するというふうに見たわけであります。
○八田ひろ子君 全事業者に、今で言う、新しい法律で言うと、聞かなければその他の日雇いは使えない、だから安定センターのあっせんを受けることになるだろうという御説明を何度もしておいでになります。 でしたら、もしあっせんを受けない事業者がいたときに、すべての事業者に問い合わせたかどうかをどうやって把握するんでしょうか。計画に明記して一元化したいというふうにおっしゃるんでしたら、センターでのあっせんを義務づける、そういう明確なものがあれば私はいいというふうに思うんですけれども、そういうあっせん義務づけというのはないわけですけれども、それはどうなんでしょうか。
○政府参考人(渡邊信君) まず、センターを利用しないでほかの事業主にあっせんを依頼したかどうかというのは、幾つかの事業主をピックアップすればそういう事実があったかどうかは確認できるかと思います。 それから、これは法的な問題かと思いますけれども、派遣契約の締結に当たって必ずセンターのあっせんを受けるというふうに義務づける問題、これは先ほども少し憲法論とも絡んで大変微妙な問題だという指摘があったかと思いますけれども、契約の自由、営業の自由、それと裏腹にありますが、基本的人権の確保、こういった点はなかなか法律上も難しい問題があるかというふうに思います。センターで一元的に派遣をすることができないのであれば、せめてセンターを必ず契約の締結に当たって代理人とするとか、必ずあっせんを受けるように法律で義務づけるという点はもちろん検討いたしましたけれども、なかなかこれは法制的に、例えば契約締結の自由という中でそういうことを義務づけるのは、禁治産者については認められるけれども、なかなか一般の契約については難しいんじゃないかというような議論がいろいろありました。 そういったことで、法制度的に契約の代理を必ずセンターにさせるとか、必ずセンターのあっせんを受けなければ契約がそもそも締結できないとかというのは現行法体系のもとでは困難だというふうなことがありまして、私どもとしては、労使も希望していると思いますが、センターの一元あっせんが一番望ましいと思っておりますけれども、それはむしろ法的に難しいのであれば事実上それができるように十分行政指導で対応する、次善の策としてそういうことを考えたいと思っているところでございます。
○八田ひろ子君 日雇いの労働者も含めて労働者全体の労働条件をきちんと守っていくという立場では、やっぱり今御答弁になったように実質的にそういうことが関与できるような、公的関与でしっかりできるようにしていただきたいというふうに思います。 労働者派遣の場合の許可基準について、派遣料金について大臣が基準を定めることになっています。その算定基準、賃金水準などはどういうふうに定めるんでしょうか。先ほどからもちょっとお話ししているように、ダンピング防止とかあるいは下請たたきの料金には歯どめがないとか、そういうのが事業法で非常に問題になっておりますけれども、こういうことによって労働者の賃金が引き下げられるおそれがないのかどうか、それの担保をどういうふうに御説明いただけるんでしょうか。
○政府参考人(渡邊信君) 御指摘のように、許可基準におきましては、適正な派遣料金というふうになっているかどうか労働大臣が基準を定める、上限を定めるということになっております。 一つは、派遣によって専らこれで利益を得るというふうなことが目的ではありませんから料金の上限を定めるということは必要であろうと思いますが、どの程度の水準にするのかということにつきましては、これはまず調査をする必要があろうかというふうに思います。一般的なその港湾におきます平均賃金というふうなものを、職種別というふうになるのかどうか、必要な調査を行いまして、具体的にはそういったものをもとにして関係審議会の意見を聞いて定めることになるかと思います。
○八田ひろ子君 もともと労働者派遣というのは、今回の改正だけでなく、労働者派遣そのものについてはさまざまな問題が指摘をされて、派遣法においても、私どもはまだ不十分だとは思っておりますが、さまざまな規制があります。港湾労働に今まではなじまないとして原則禁止されてきていたんですけれども、それを今回六大港に限って認めるわけですから、今賃金のことでは言われましたけれども、適正な運営については私は特別な措置というのが必要だというふうに思います。 ところで、今回の改正によって派遣されることになる労働者というのは、採用時はこういう法律が変わって派遣があるとかないとかというのは当然想定をされていない、了解していないわけですね。そうしますと、今回法が改正され派遣されることについて個々の労働者からあらかじめ同意をとられるのかどうか、また個々の労働者がそれぞれ都合、いろいろな生活の変化なんかがありまして同意を取り消したい、そういうときに不利益な扱いを受けずにきちんと意見表明できるのかどうか、そういう保障はどうなっているんでしょうか。
○政府参考人(渡邊信君) この点につきましては労働者派遣法の規定の適用を受けることになっておりまして、具体的には派遣法の三十二条ですが、労働者を新たに派遣労働者としようとするときには当該労働者にそれを明示して同意を受けなければならないというふうになっておりますので、今般も同意が得られないときにはもちろん派遣できないし、不利益扱いについてはちょっとあれですが、不利益扱いがそのことによってもちろんなされないように指導しなければならないというふうに思います。 また、今般の改正によりまして労働者からの申告制度というものも設けておりますから、仮に強制にわたるというふうなことがあった場合には、安定所への申告ということの制度も活用していただきたいということに考えております。
○八田ひろ子君 労働者派遣法の場合は専ら派遣を主とする労働者なんですけれども、今回の場合はそうではありませんので、やっぱりそういうものがきちんと労働条件の改悪にならないように、また本人の意思を確認したり同意を撤回するという保障ができるようなそういう指導をぜひされたいというふうに思いますが、派遣法では、今は意思確認は三十二条の二項の適用ということでお示しがあったわけですが、派遣法そのものは事業適正運営協力員の制度がありますね。派遣法五十三条は適用になるけれども、港湾の場合はこういう制度がない。それはほかに担保しているというふうに理解していいんでしょうか。
○政府参考人(渡邊信君) この協力員の制度につきましては、港湾にも別にこれを適用しないということではありませんから、まだ現在、関係者で協力員になっておられる方は大変少ないんですが、この活用はもちろんできると思いますし、先ほど申しましたが、改正法の中に港湾労働者による申告制度という制度も新しく設けておりますので、こういったものを活用していただければ対応できる場合が大変多いんじゃないかというふうに考えているところであります。
○八田ひろ子君 そうしますと、例えば派遣の上限日数を超えてはならないとか、常時派遣ばっかりというのはならない、当然ですけれども、そういうのがありますが、そういうチェックは申告がない限りはチェックできないのか、それともどういうふうにそういう労働条件のチェックというのはされるんでしょうか。
○政府参考人(渡邊信君) 労働者からの申告はもちろんありますけれども、安定所長が、安定所の職員が立入検査をするといったことも今般法律に書き込んでおりますので、こういった立ち入り権限等を活用してそういったことを調査するということはできると思いますし、また港湾労働安定センターの日常の業務として労使からの相談に応じるという業務はあるわけですから、そういったところの活用もあるかというふうに思います。
○八田ひろ子君 申告制度や安定所の立ち入り権限というのは私は大変必要なことだというふうに思いますが、やっぱりそれを補完するいろんな制度を整備することが必要だというふうに思います。 今、港の作業を私自身も本当によく知らなくて名古屋港へ行かせていただいていろいろと見せていただいたんですが、関連事業と言われるものも沿岸作業で非常に多くなっていまして、現在事業法上は届け出だけで免許は要らないわけですよね。関連事業で雇用されている労働者も、先ほどお話があった港湾労働者証というのは出ていまして、免許事業に雇用されている港湾労働者証と全く同じですね、荷役の方と。 こういうのなんかは、私なんか見ていても、船からコンテナをおろしたり船内作業をされている方あるいは実際に玉掛けしたりなんかしていらっしゃる方はわかるんですけれども、どういう仕事をどういうふうにしていらっしゃるかというのは全然わからないわけです。 わかる方が見ていても、余りこの労働者証を見ただけでは、もし提示ができるとして、わからないというふうになるんですけれども、今度の場合だと非常にだんだん複雑になってくる中で、こういう労働者証というのは余り区別がつかないままに実効性がないんじゃないかと思うんですけれども、どうなんでしょうか。
○政府参考人(渡邊信君) 現行の労働者証は、今お示しのように大変小ぶりのものですし、常時外に出ているというものではありませんから、なかなか識別しにくいんじゃないかと。それから、日雇いが偽装して常用労働者として働いているんじゃないかという指摘もあるというようなことで、確かにこの識別の具体的な方法についてさらに検討する余地はあろうかというように思いますし、先ほど申しましたように、港湾によってはヘルメットにワッペンをつけるというふうなこともあるわけですから、これは今後どういう方法があるのか、もう少し識別しやすい方法がとれるのかどうか、これは関係者の意見も聞いて検討したいというふうに考えているところです。労働者側の意見というのはもちろんあるでしょうから、そういったことも十分聞きながら検討する課題かと思います。
○八田ひろ子君 私が見せていただいたのは、本物は会社にあって、なくすといけないからということでコピーを持っていらした方のを見せていただいたんですけれども、コピーだと顔もよくわからないんですよね。 だから、先ほどヘルメットにワッペンを張るというお話もありましたけれども、やっぱり仕事の中身を知っていらっしゃる方でもその人が本来の仕事をしているかどうかというのは実際にはわかりません。今度の場合ですと、派遣の方もいらっしゃるし、常用であったとしても派遣の方というのですとそういうことも、見なれない顔だねと言ったらその方は派遣だったということで、通常の派遣ならいいですけれども、ちゃんとこの労働者証を持っていらっしゃるかどうかということが必要になってくると思うんですよね。 だから、そういうときに立入検査をしてもわからないということになるんじゃないか。実際には労働の邪魔にならないようにしなくちゃいけないんですけれども、ヘルメットにこの労働者証をつけているというようなところはないんですか、その顔写真のついているもの。
○政府参考人(渡邊信君) 具体的にそこまで承知しておりませんけれども、その労働者証のコピーをワッペンとしてヘルメットにつけているということですから、写真そのものまで貼付されているかはちょっと存じませんけれども、いずれにしてもその写しがヘルメットに貼付されているというふうに理解しております。 なお、労働者証は本物は会社が持っていればいいというふうに法律上はなっていないと思いますので、運用でそういうことも少しいいということにしているのかと思いますが、法律上は本物を本人が所持しているということが義務であります。
○八田ひろ子君 やっぱり識別ができる、それから立ち入りをしたときにすぐわかる。先ほども、これはビニールがけしてあったりしているといいんですけれども、そうでないとすぐに老化してしまうとか、そういうこともありますので、やっぱり考えていただきたい。 私は、複雑な作業を複雑に人が入り乱れてこれから仕事することになりますので、安全上からいっても、やっぱりそういう識別が一目でできるようなものを事業者とか労働者が負担にならないように、例えば労働者証をつけて作業にも支障が出ないような港湾労働者用のヘルメットを労働省がつくるとか、いろいろ考えられると思いますけれども、制度が変わるときにはやっぱりその保証を事業者や労働者にさせないように考えていただきたいというふうに思います。 それともう一つなんですが、港湾のパトロールを先ほど言われていまして、立ち入りもできるし申告もできるということなんですが、実際には職安の職員はどこも二名程度でパトロールされていて、広い港をそんなにパトロールできないんですよね。だから、職員体制というのは今後充実されるのかどうかをちょっと聞きたいんですが。
○政府参考人(渡邊信君) 権限を持ったパトロールは安定所の職員が行うことになりますが、港湾労働安定センターにおきましても実際的なパトロールというのはできると思いますので、こういったセンターの協力も得たいと思っておりますが、センターの人員につきましては、今までセンター労働者の数にかなりアンバランスがありましたので、配置数が一名とかそういうところもあったんですが、これからは常用労働者の相互派遣ということですから、センターの各支部の職員の配置についてもかなり均等になるように配置をしたいというふうに思っております。 そういったことでは体制の強化になるかと思いますし、また、各港に置かれております港湾雇用秩序連絡会議といったものも十分今後はさらに活用できるかというふうなことを考えております。
○八田ひろ子君 労使公でやっていただくことなんですけれども、雇用秩序連絡会議というのは、例えば名古屋港でいいますと、港運協会の副会長さんが事業主側で一人、労働組合からは二人、運輸省からお一人、労働省からはお二人なんですよね。 ですから、無論この連絡会議が非常な役割を果たしておられることは私もそう思うし、これからもそうしていただきたいんですが、今私が伺っている港湾パトロールとか立ち会いをして、そういう違法行為がないかどうか、それから安全を保たれるようなことができているかどうか、そういうのは本来こういう雇用秩序連絡会議の委員の方が出向かれるということはいいことなんですけれども、余りにも人数が少ないですし、ほかにもお仕事、労働省でいうと職安所長だとかそういう人が入っているものですから、この人たちが行くということはできないと思うんですよ。 だから、こういった連絡会議の労働者側の人数をふやして、その人たちもこの職安の担当の職員と一緒に立ち入りができるような権限を持たせるとか、そういうようなお考えはないでしょうか。
○政府参考人(渡邊信君) 民間の方に安定所職員と同等の強制権限、いわば一種の強制権限を持たせるということはなかなか法律上問題があるかと思いますが、当面は、先ほど申しました雇用秩序連絡員の方、この方たち、今おっしゃいましたように、例えば十一月には共同でパトロールなんかをやっておられますし、またそういったところからいろんな意見もいただいているところであります。そういったことで、民間の方についてはできるだけ協力をいただくというふうなことで雇用秩序の維持ということに努めたいと思います。 なかなか法的な権限まで付与するということは難しいのではないかと思います。
○八田ひろ子君 法改正ということになると非常に大変かもしれませんが、実際に実効あるものとして、雇用秩序連絡会議とかいろいろ労働組合とか現場の皆さんの意見も当然聞いていただくわけですけれども、権限のある立ち入りが、あるいはそれに同類のものができるようなことが必要で、そうしないと労働者の申告制度そのものも実効性あるものにする担保にならないんではないかと、こういうふうに私は思います。 安定センターはこれからも残るわけですけれども、この安定センターについては、いろいろ各方面、組合とか現場の意見が十分反映されるということで運営をされてきましたけれども、今回の改正によっては、安定センターに雇用される労働者はなくなりますけれども、実際の運営についてはどういうふうになるんでしょうか。
○政府参考人(渡邊信君) 安定センターの指定を受けております財団自体が、その運営は労使の例えば共同の運営ということになって、理事も労使共同で構成しているというふうになっておりますから、そういった点は今後とも維持されるわけでありまして、このセンターの運営についていろんな意見は労使それぞれで話し合われることになると思います。
○八田ひろ子君 今後も安定センターの運営については関係労働組合の意見が十分反映されるように、そして先ほどの実効ある立ち入りとか雇用の安定に資するようなそういうものもぜひ御検討いただくようにお願いをして、私、時間ですので質問を終わります。
○大脇雅子君 港湾労働者の雇用の安定と確保についてお尋ねをいたします。 今般、港湾労働法の法改正の前提となっております港湾運送事業法の改正において、規制緩和の名のもとに事業免許制が許可制になり、そして料金認可制が届け出制に改正されることになっております。 まず、国際競争下の受注の競争を考えれば、よりよいサービスをより安い料金でということになるのではないか。とすれば、料金の届け出制によってダンピングの競争が起きれば、当然関係労働者の労働条件の切り下げあるいは劣悪化が生じる可能性があり得るのではないか。この点について、事業法改正の上でどのように手当てをされているのか。また、受注状況と労働条件、雇用の直接的な連動が生じることについて基本的にどのような認識をお持ちなのか、確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(高橋朋敬君) お答えさせていただきます。 今回の港湾運送事業法の改正の趣旨でございますけれども、近年、各国の港の間におきまして国際的な競争が激化しておるわけでございますけれども、その中で我が国の港湾の東アジアにおける相対的な地位が大きく低下しているという状況がございます。その原因の一つとして、我が国の港湾運送事業者の間に競争が行われにくくて、船会社、荷主のニーズに合ったサービスが提供されにくくなっているという点が指摘されているところでございます。 こういうことから、コンテナ荷役などにおいて大宗を占める主要九港におきまして、需給調整規制の廃止を初めとする規制の見直しを行うことによりまして事業者間の競争を促進いたしまして、事業の効率化や多様なサービスの提供を図ろうとするものでございます。 ただ、規制緩和の結果、事業者間の競争が激化することによりまして、過度のダンピングが発生し、港が混乱するような事態は避けなければならないというふうに思っておりまして、過度のダンピングの防止のための施策を今回新たに講じようとしているところでございます。 具体的には、届け出られました料金が労働コストなどを含む変動費を下回っているような場合を過度のダンピングといたしまして、料金変更命令をかける方向で検討しておりますが、さらに、規制緩和を行う港の料金水準が著しく低下しているような場合には直ちに緊急監査を実施することにいたしております。 運輸省といたしましては、このような料金変更命令制度や緊急監査制度を適切に運用いたしまして、荷役料金の過度のダンピングを防止し、労働者に規制緩和の過度のしわ寄せが及ばないように配慮してまいりたいと、かように考えております。
○大脇雅子君 緊急監査とか料金の規制というようなのは、例えばどういう状況が現出したときに発動されるのか、具体的なイメージがちょっとはっきりしないので、もう少し説明していただけますか。
○政府参考人(高橋朋敬君) 具体的な基準については、これから定めまして公にしていきたいと思っておるわけでございますが、例えば過度のダンピングが行われているのではないかという申告があったような場合とか、それから荷役量が例えば前年に比べて大幅に減っているといったような場合にはそういう事態が起こりやすいことが予想されますので、そういったような場合とか、ある一定の基準を設けまして、その場合には発動するというふうにしていきたいと思っております。
○大脇雅子君 それでは、労働大臣にお尋ねをしたいのですが、我が国の長引く不況は海運、港湾の事業にも重くのしかかってきているわけです。今回の事業法の改正によってこの分野で働く労働者の雇用や労働条件の変化というものについてどのように予測していられるのでしょうか。
○国務大臣(牧野隆守君) まず第一に、港湾運送事業法改正による規制改革につきまして、過度のダンピングを防止するために運輸大臣が緊急監査を実施し、また料金変更命令を発することができる制度を設けることとしており、労働者の雇用や労働条件についても悪影響が生じないよう手当てがなされているものと、こういうように考えております。 私の方としましては、当然のことながら港湾労働者の雇用の安定と、他方、港湾運送事業における効率的な経営、就労体制の確立というものの両立を図ることを目的としますが、私どもの立場としてはやはり雇用の安定と福祉の確保ということを当然のことながらそれを中心にして考え、この法律の運用に対処していきたい、こう思っております。 今度の改正におきましては、今先生御指摘のとおり、景気変動との関係で雇用の安定が図れるかということでありますが、派遣事業について、先ほどから御審議いただいておりますとおり、そこできちっと雇用が安定して確保されるという見地から今度の制度が生み出されたわけでありまして、そういう観点から諸先生方の御審議をお願いしているわけでありまして、極力景気変動によって雇用されている労働者の立場が変動しないように最大の配慮をしながら運用させていただきたい、こう考えております。
○大脇雅子君 それでは、港湾労働者派遣事業の導入についてお尋ねをしていきます。 特に、船の入港や出港に合わせた波動的な仕事に合わせた労働者の確保を余儀なくされる側面というのが港湾労働ではあるわけであります。そして、波動に合わせて労働者の需給に対応できる人数を確保していくという要請が事業主にあり、そこで歴史的に港湾労働における強制労働と中間搾取の問題というものが生じてきたと思われます。したがって、労使関係におけるそうした封建的な残存があったという中で、先般の労働者派遣法の改正においても四条一項第一号で一般的な派遣労働というのは港湾労働には適用されないということになったのであると考えるわけです。 そうしますと、この規定と今回の港湾労働法の改正によって港湾労働者派遣事業というのを導入するということとの整合性、そしてその位置づけといったものをどのように認識しておられるのか、お尋ねをいたします。
○政務次官(長勢甚遠君) 港湾運送業務につきましては先生今お話しのとおりで、労働者派遣法から適用除外ということになっておるわけでございます。今般導入いたします港湾労働者の派遣制度は、派遣という形態は借りておりますけれども、派遣法に言う一般派遣事業とは全く異なるものでございますし、港湾労働法に基づく特別の制度として導入をするものでございます。 具体的にこの港湾労働者の雇用の安定を図るという目的から、現に港湾運送事業を営んでおる事業主のみを許可の対象とするものであります。また、許可基準に適正な派遣料金、派遣日数の上限を設定する、また三番目に派遣労働者を港湾労働者証の交付を受けた常用労働者に限定をする。さらに、港湾労働者雇用安定センターに港湾労働者派遣制度に係る情報収集、提供、あっせん業務、事業主及び労働者に対する相談援助業務を行わせるということにしておるわけでございまして、通常の労働者派遣事業とはその目的及び規制方法を全く異にする特別の制度として設けるものでございます。
○大脇雅子君 特別の労働者派遣事業として仕組むというためには、まず常時雇用される労働者の労働条件がしっかりと確保されるということが重要であろうかと思います。 まず確認をしておきたいのが、改正法第十四条で、許可の基準といたしまして、適正な派遣料金というのを決めるということになっております。この派遣料金の設け方について具体的にお尋ねいたします。 そして、この場合、先ほど指摘されましたように、荷役の業務以外に関連業務が港湾労働には非常にふえてきておるという場合に、この業務の範囲というものはどのように規制されるのかということを、適正な派遣料金ということをめぐってお尋ねをいたします。
○政務次官(長勢甚遠君) 今度設けます派遣制度は、港湾労働者の雇用の安定を図るための制度でございますので、また、港湾運送事業に付随する限度でその実施を認めるということにしております。そのために、許可基準として、適正な派遣料金、派遣日数の上限を労働大臣告示として設定するということにしておるわけであります。 派遣料金についてのお尋ねでございますが、派遣料金の基準につきましては、派遣労働者の賃金その他の港湾労働者派遣事業に要する経費の水準等を勘案して定めることと改正法でいたしておりますので、必要に応じて港湾運送事業主に対して調査を行って把握をし、適正なものとして定めたい、このように思っているところでございます。
○政府参考人(渡邊信君) 港湾荷役労働者がいろんな仕事をしているときの料金の決め方ですが、これは、今総括から申しましたように、実態に即して調査をする、それによって判断するということになろうかというふうに思います。
○大脇雅子君 大体いつごろにその実態の調査を完了して、いわゆる適正な派遣料金が提示されるというのはどのくらいをめどに考えておられるんでしょうか。
○政府参考人(渡邊信君) この法律は施行の日を政令で定めることにしておりますが、秋口施行と考えておりますので、これを可決いただきますれば速やかに調査にかかる必要があるかと思います。
○大脇雅子君 そうしますと、特に私は、ちょっとお尋ねしておきたいのは、これは常用労働者の派遣ですから、本来常用雇用として従事している労働者ということですから、その賃金形態について確認をしておきたいのですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(渡邊信君) 港湾以外の派遣労働者のうち常時雇用されている派遣労働者の賃金形態ですけれども、平成九年度の調査ですが、日給月給制を含みます月給制が八一・七%、時間給というのが一五・二、日給制が一・二%というふうになっております。
○大脇雅子君 そうすると、港湾労働における特定労働者派遣事業における常用労働としての賃金形態というのはどうあるべきだというふうに理解したらよろしいんでしょうか。
○政府参考人(渡邊信君) 港湾運送事業雇用実態調査で現行の港湾労働者の賃金形態を見ますと、月給制が四一・八、日給月給は五二・七、日給制が三・三%というふうになっておりますので、労働大臣が定めます派遣料金につきましてもこういった実情を踏まえて定めることになろうかと思います。
○大脇雅子君 しかし、特定労働者の派遣として、普通の通常労働者、常用の派遣ではない事業主に雇用されている常用雇用者と差別的な、あるいは違った取り扱いはされるべきではないと思うのですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(渡邊信君) 派遣先は派遣料金を支払いますが、賃金の支払い義務者はあくまでその労働者が雇用されている派遣元事業主でありますから、そこにおける給与の形態というものが派遣中ももちろん適用になるかというふうに思います。
○大脇雅子君 その場合に、通常の派遣労働者といわゆる派遣されない常用雇用としての労働者というのは一般の派遣事業とは違って決められる必要があると思うのですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(渡邊信君) 今般の改正では、派遣の日数の上限も定めるということになりますから、例えば一人の労働者の方がずっと派遣ばかりしているということは考えられないわけで、ある程度ローテーションを持って派遣に従事する日、通常の労働に従事する日というふうになるかと思いまして、労働者の中で交代制というふうなことが実際的になるんじゃないかというふうに思いますから、給与形態につきましても、通常の事業主のもとにおける給与形態が先ほど申しましたような派遣期間中も含めて月給制の方であれば月給制、その派遣されている間の原資といいますか、それは派遣料金から支払われることになるかもしれませんけれども、労働者本人については通常の賃金の支払い形態はそのまま適用になるというふうに通常はなるのではないかというふうに思います。
○大脇雅子君 わかりました。 少なくとも派遣労働に従事することによってこれまでの常用労働と差別的な扱いをされないということをでき得る限り、でき得るというか、それをきちっとしないといけないと思います。 日数の上限基準についてはどのようにお決めになるのでしょうか。
○政務次官(長勢甚遠君) 派遣日数の上限につきましては、港湾労働者が港湾運送の業務に従事する日数を勘案して定めることというふうに改正法の十四条一項第二号のロで定めておるところでございます。常用労働者の平均的な就労日数は把握しているところでございますので、そのデータを参考に適正な基準を設定していきたい、このように考えております。
○大脇雅子君 具体的にどのくらいになるんでしょうか。
○政府参考人(渡邊信君) これは関係審議会の意見を聞くことになると思いますが、月大体平均して十七・五日の就労ということですから、これから休日を除いた日数がいわば有給期間があるということにもなるかと思います。そういったことを勘案しながら審議会の意見を聞いて決めたいと思います。
○大脇雅子君 今回の改正によっていわゆる専ら派遣労働者の発生に結びつくおそれがあると思いますが、これに対する歯どめはどのように考えておられるのでしょうか。
○政務次官(長勢甚遠君) 今度の派遣制度は、雇用の安定を図るために設け、また港湾運送事業に付随する限度でその実施を認めるということにしておりますので、その点での適正な派遣料金を決めたり、派遣日数の上限を設定するとしておるわけであります。 そういうことでございますから、個別労働者の派遣日数の上限も設定をしておるわけでございますので、専ら派遣就業に従事する労働者が発生するということはない、こういうふうに考えております。 ─────────────
○委員長(吉岡吉典君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、清水嘉与子君が委員を辞任され、その補欠として森山裕君が選任されました。 ─────────────
○大脇雅子君 そうしますと、まず設定した基準の遵守状況についてどのように把握されるつもりなのか。 先ほど、他の議員の質問に立入検査や本人の申告等あるということでございましたけれども、どういうときに立入検査に入られるのか、あるいは脱法、違法事業主が判明したときにどういう処置をとられるのか、お尋ねをします。
○政府参考人(渡邊信君) 各労働者からの申告制度等ももちろんありますが、派遣料金や派遣日数というのは派遣を行う際の大臣の許可の基準になっておりますから、安定所長が定期的に報告を聴取し、仮に基準違反があって、これが是正されないということになると、許可基準に違反ですから、許可の取り消しというふうに最終的にはなります。
○大脇雅子君 港湾労働者雇用安定計画についてお尋ねをいたします。 この安定計画には港湾労働者派遣制度の一元的運営を明記することになっておりますが、その意図と具体的な内容を確認させてください。
○政務次官(長勢甚遠君) 港湾労働は、いわゆる波動性に対応して必要な労働力の需給調整を迅速に行う必要があるわけでございますし、また、いろんな問題を生じないためにもセンターによる一元的な運用が不可欠であると思っておりますし、これは労使においても一致した見解でございます。また、港湾労働者派遣制度の適正な運営が確保されるように、締結された派遣契約の内容を確認したり、その履行状況を調査するためにもセンターの役割はきちんとすることが適当であると考えておるわけでございまして、このため、労働省といたしましても、労働大臣が定めることとされておる港湾雇用安定等計画において、港湾労働者派遣制度について港湾労働者雇用安定センターによる一元的な運営が図られることが適当である旨を記載して、それに基づいて必要な指導を行っていきたい、このように考えております。
○大脇雅子君 一元的な運営との関係で、法第四十三条によりますと、港湾運送事業主には港湾労働者派遣制度の優先的な利用が義務づけられているわけであります。港湾労働者雇用安定センターに対し労働者派遣契約のあっせんを求めたにもかかわらず労働者の派遣を受けることができなかった場合に限って日雇い労働者を活用するということが可能になっております。 現在、日雇い労働者として港湾労働に従事している労働者の実情をどのように把握しておられるのでしょうか。また、改正法による制度のもとで、これらの日雇い労働者の雇用の確保のための施策を考えておられるのでしょうか。 平成十一年度港湾雇用安定等計画を読みますと、「都府県及び公共職業安定所が講ずる措置」といたしまして、「直接雇用の日雇労働者問題への対応」というところに、「直接雇用の日雇労働者の状況の的確な把握に努めつつ、直接雇用の日雇労働者を多数使用する事業主に対する個別指導も含め、指導を強化する。」ということになっておりますが、この指導の内容というものについてどのように考えたらよろしいんでしょうか。
○政務次官(長勢甚遠君) 港湾労働におきまして常用を基本とするという考え方がかねてからの、また今回の改正における基本でございます。 現実に、常用労働者による荷役作業は全体の九八・五%でございまして、一方、日雇い労働者による荷役作業は全体の一・二%、一日平均約二百十九人が活用されておる、これが現状でございます。 労働省としても、今後とも、基本的に港湾業務は常用労働者で対応していくという方針で進めてまいりたいと思っておりますが、あわせて、現在日雇い労働者でおられる方々につきましては、港湾に限らず建設等、他産業で就労する場合も多いと承知をしておりますけれども、今お話しのありましたように、日雇い労働者に過度に依存している事業主に対してはこれを常用労働者として雇用するように指導する、また、ほかの業務も含めて日雇い労働者の方々の雇用の安定に努力をしてまいりたいと思っております。
○大脇雅子君 そうすると、先ほどの他の議員の質問で、日雇い労働者というのは減少化するだろう、大体派遣労働者は二千人ぐらい、こういうふうに見通しも述べられたんですが、それはどういう根拠というか、これは再確認ですけれども、どんなものでしょうか。
○政府参考人(渡邊信君) これは私どもが行いました事業主の意向調査とか実際の就労実態とかから見まして、三万人ぐらいの常用労働者の方の中で二千人ぐらいが派遣対象になり得る可能性があるというふうなこと、及び一千人ぐらいについては日々派遣の需要が生じるのではないかという調査結果に基づくものでございます。
○大脇雅子君 安定計画に従わない港湾運送事業主に対しては、公共職業安定所長が指導を行うということになっています。 雇用安定計画によりますと、「港湾関係者の遵法意識の一層の高揚を図るとともに、現場パトロール及び立入検査の効果的な実施、違法就労者の識別を容易にするための対策の実施、雇用秩序連絡会議の積極的開催等により、違法就労の防止を図る。」、こういうふうに書かれておりますが、これらの指導は具体的にどのようになされるのか、お尋ねをいたします。
○政府参考人(渡邊信君) 指導の実績でございますけれども、平成十年度について見ますと、現場のパトロールというのは二千現場ぐらいについて行いましたし、また事業所への訪問指導につきましては、平成十年度、五百六十ぐらいの事業所について行っておりまして、この中で、例えば日雇いの雇用等についての違反というものが二十件ぐらい発見をされておりますので、それについては是正をさせるということにしております。 ただ、先ほど総括からも申し上げましたように、過度に依存する場合には当該労働者を常用労働者として雇用するように指導するとか、あるいは適正な手続を経た上で日雇い労働者の直接募集をするとか、そういったふうに改めるように指導をしているわけでございます。
○大脇雅子君 港湾労働の重要性とその国際的な重要性を考えて、この労働者派遣制度というものが労働者の常用労働の安定に資するよう運用されるよう祈ってやみません。 終わります。
○委員長(吉岡吉典君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉岡吉典君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○八田ひろ子君 私は、日本共産党を代表して、港湾労働法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。 反対理由の第一は、本法案が港湾の二十四時間三百六十五日稼働体制の確立を目指す規制緩和を前提にして、港湾労働のあり方を大きく変えようとしているところにあります。 港湾労働にかつて見られた前近代的雇用慣行は、関係者の努力により表向きは影を潜めてきましたが、港湾運送事業の規制緩和が必然的にもたらす運賃ダンピングなど競争の激化によって、労働者の雇用破壊、労働条件切り下げが行われることは必至と言わなければなりません。本法案は、こうした懸念にこたえるどころか、派遣労働の導入によってむしろこれを促進することになりかねません。 反対理由の第二は、こうした前提に加えて、これまで港湾における雇用安定にそれなりの役割を果たしてきた港湾労働者雇用安定センターによる派遣業務の廃止を決めたことであります。既に、法成立以前からこのセンターが派遣業務を廃止するなど、法律に基づく役割を放棄していることは極めて重大であります。今回の法改正の国会での審議の前に、安定センターの派遣業務の中止が当事者において合意され、改正法が施行される前に派遣事業が廃止されるという異常な事態を労働省が黙認してきたことは、法の適正執行を放棄することであることを厳しく指摘するものであります。 反対理由の第三は、総合的物流政策の展望のないまま、港湾の過剰整備の結果、貨物取扱量に対して過剰になった港湾労働者を新たに導入する派遣労働に従事させようとしていることであります。さきにも指摘しました競争激化の結果、常用労働者の極限までの削減によって、むしろ余剰労働者はいなくなり、そのために派遣労働による相互融通すら困難となり、それを理由とした低賃金、無権利の日雇い労働者への依存が一層強まることになりかねません。現にコスト削減のために日雇い労働者への依存が強まっていることが、このことを何よりもよく物語っています。 港湾労働者の労働条件の維持改善には、事前協議制を含む産業別労使協議制の確立と、現行港湾労働法による労働秩序維持の機能が十分発揮されてこなかったことに対し十分な検討を行うとともに、その改善を行うことにより港湾労働の安定を確立することを要求して、反対討論を終わります。
○委員長(吉岡吉典君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉岡吉典君) 御異議ないと認めます。 これより採決に入ります。 港湾労働法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(吉岡吉典君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、川橋幸子君から発言を求められておりますので、これを許します。川橋君。
○川橋幸子君 私は、ただいま可決されました港湾労働法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会及び社会民主党・護憲連合の各派並びに各派に属しない議員魚住汎英委員の共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 港湾労働法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項につい適切に対処すべきである。 一、港湾労働者派遣制度の適正な運営を図るため、港湾運送事業者が労働者派遣を求める場合には港湾労働者雇用安定センターにあっせんを求めることとするよう指導の徹底を図ること。 二、港湾労働者雇用安定センターの運営に当たっては、関係労使の意見が十分反映されたものとなるよう指導すること。 三、港湾運送事業者は企業常用労働者の使用を原則とし、日雇労働者を使用しないよう指導すること。 四、本法施行後の実績、港湾運送事業の規制緩和の実施状況等を勘案し、本法の適用港湾の拡大に努めること。 五、港湾労働者派遣制度の導入及び日曜荷役・夜間荷役の推進に伴い、労働時間が増大しないよう雇用管理の適正化を図るとともに、港湾運送事業者が協力して労働安全衛生対策を講じるなど、労働環境の整備に努めること。 六、港湾労働者派遣制度の適用においては、労働大臣の定める適正な派遣料金及び日数の上限基準を申請事業主が厳正に遵守するとともに、今回の法改正の趣旨に照らし、専ら派遣労働のみに従事する労働者が生じることのないよう、万全の配慮をすること。 七、港湾労働者雇用安定センターの労働者派遣業務の廃止に伴い、同センターが雇用していた派遣労働者の雇用の確保に万全を期すこと。 八、ILO第百三十七号条約(港湾における新しい荷役方法の社会的影響に関する条約)及び第百五十二号条約(港湾労働における職業上の安全及び衛生に関する条約)について、港湾における荷役作業の実態等を踏まえ、その速やかな批准について検討を行うこと。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ御賛同いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(吉岡吉典君) ただいま川橋君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(吉岡吉典君) 全会一致と認めます。よって、川橋君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、牧野労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。牧野労働大臣。
○国務大臣(牧野隆守君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、努力してまいる所存であります。
○委員長(吉岡吉典君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉岡吉典君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時六分散会