予算委員会 第6号
- 発言数
- 289 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2000/03/07
会議録
○委員長(倉田寛之君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 平成十二年度総予算三案についての理事会決定事項について御報告いたします。 本日及び明日の質疑の割り当て時間は百九十九分とし、各会派への割り当て時間は、自由民主党・自由国民会議四十分、民主党・新緑風会六十六分、公明党・改革クラブ十八分、日本共産党二十七分、社会民主党・護憲連合二十分、自由党九分、参議院の会十三分、二院クラブ・自由連合六分とすること、質疑順位につきましてはお手元に配付いたしておりますとおりでございます。 ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 平成十二年度一般会計予算、平成十二年度特別会計予算、平成十二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。小山孝雄君。
○小山孝雄君 自由民主党の小山孝雄でございます。 最初に、外務大臣にお尋ねをいたします。 報道によりますと、北朝鮮に対する米支援の問題でございますが、与党の了解が得られればきょうにでも米支援の再開を決定したい、このように聞いておりますが、どうでございましょうか。自由民主党もきょう朝八時から、私は出られませんでしたが、つい先ほどまでかんかんがくがくの議論があったやに聞いております。どうぞお答えください。
○国務大臣(河野洋平君) 議員御案内のとおり、日本と北朝鮮との間にはさまざまな問題がございます。とりわけ、私どもにとりまして拉致事件という解決をしなければならない問題が目の前にあるわけでございます。これまで慎重にいろいろと情報収集その他をやってまいりましたが、このたび北朝鮮との間でテーブルに着いて意見を交換する、問題解決に向かって議論をするという時期が来たという判断をいたしまして、私どもからそういう提起をいたしたいと考えました。つきましては、人道上の問題にかんがみまして食糧援助を行うということをまずいたしたい、こう考えて、今与党に対しましてそうした提案をし御判断を仰いでいる途中でございます。 与党各党各レベルにおきます御審査が終わりました時点で、その御議論なども踏まえまして次のステップをどうするかを慎重に考えたいと考えております。
○小山孝雄君 大臣は昨日、拉致事件の被害に遭いました御家族の方にお会いをされた。昨日はその家族の皆さんが外務省前、きょうは自由民主党の本部前に朝早くから寒い中、座り込んで問題の早期解決を訴えておられます。 きのうお会いになられたようでございますけれども、どのように受けとめられたのでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 今回、外務大臣に就任いたしまして以来、昨日で二回目の拉致された方々の御家族、肉親の方々にお目にかかったわけでございます。 私といたしましても、こうした方々の心情を察すると、本当に一日も早く問題を解決しなければならないという思いが募ってまいります。私と一緒に外務省で仕事をしてくれております山本一太政務次官は、そうした気持ちを行動にあらわして、各拉致事件に遭われました御家族の方々の御自宅にお伺いをしていろいろお話をお聞きする、あるいは政府としての考え方を申し上げるということなどもこれまでにやってきたところでございます。 議員御指摘のように、昨日、多くの方々が大変心配をされて外務省前に集まられる、座り込むということになりましたので、私としては、もう大変寒い中でございますから、どうぞ外務省の中に入ってひとつ思いのたけを私ども伺いますからということを申し上げたわけでございます。御家族の方ばかりではなくて、これを支援する方々もお集まりでございました。 結果、私は二十名を超える方々とお目にかかりましたが、私も三人の子供を持つ親でございますから、本当にお気持ちは痛いほどよく理解ができまして、こうした方々の気持ちを何としても踏まえて問題を解決したい、こう考えたわけでございます。 ただ、お話のやりとりは、この問題が解決するまで食糧支援をすべきでないということをおっしゃっておられた方がおられまして、私は、ただにらみ合っていただけでは問題は解決しない、これはテーブルに着いて話し合う以外には問題解決の糸口を見つけることはできないのですということを申し上げて、そこは少し認識の違いといいますか、議論の分かれるところでございましたが、私として、この問題を解決するために何としても力で解決をするということができないという認識を私は持っておりますので、話し合いで解決する以外にない、話し合うためにはテーブルに着かなきゃならぬ、ぜひテーブルに着いてこの問題について話し合うという場をつくらせてほしいということを御家族の方々に申し上げた次第でございます。
○小山孝雄君 あの方々は、本当にこれしか訴えるすべがないと、やむにやまれない気持ちで座り込んでおられると思います。 実は、けさあそこを通って国会に参りますときにちょっと党本部前でおりまして、二言三言言葉を交わしてまいりました。 外務大臣は、御自分の子供を拉致された、そんな同じ気持ちで解決に当たりたいと言ってくれたけれども、これは率直にそのとき、先ほど党本部前で聞いた言葉を申し上げます。 予想をしていたとはいえ、どのような聞き方をしても同じ答えしか返ってこなかった。何かテープレコーダーを前にして陳情しているようで、非常にがっかりしました。本当に日本国政府は責任を持ってやってくれるんだろうか、今のままではとても思えない、そんな気持ちでありますと。 これは直接お聞きしたことでございますので、そういったことはなかなか外務大臣のところには直接伝わらないと思います。いかがでございましょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 私は外務大臣に再任をされましてからおよそ半年近くたつわけでございますけれども、その間、この問題の解決のために多くの関係者が最善の努力をしてきたというふうに私は考えております。北京におきましてもそうでございますし、それ以外のいろいろな場面で我々はこの問題を解決するための努力をしてまいりました。 もちろん、日本と北朝鮮との間にはほかにもさまざまな問題がございます。何としてもテポドンをとめなければならない、あるいは核の拡散をとめなければならない、あるいは日本と北朝鮮との間の国と国との関係を改善しなければならないなどなど、いろいろな問題が今我々の目の前にはあるわけですけれども、しかし何よりも我々が一刻も早く話し合わなければならない問題の一つはこの拉致問題だというふうに私は考えまして、この問題については私は話し合いの中で必ずこの問題を提起して、これまでも例えばロシアのイワノフ外相との会談にもこの問題を提起してロシアからの口添えもお願いをいたしましたし、アメリカのオルブライト国務長官とのやりとりの中でもこうした問題についても話し合いをしてきたところでございます。 我々が今できることは何でもやってみたいという気持ちで、私としては誠意を尽くして最善の努力をいたしてまいりましたし、これからもしてまいりたい、こう考えておりまして、ぜひ御家族の皆さんには気持ちを理解してほしいという思いもございます。しかし、それは、私が何を申しましても、御家族の方々のお気持ちの方がつらいということはよく私はわかっておりますから、しばらくの間、今回の措置については見ていてくださいということを申し上げた次第でございます。
○小山孝雄君 解決のためには何でもやってみたいというその大臣の決意、どうぞ、この問題はまさに国家主権にかかわる問題そのものでありますので、最重要課題として取り組んでいただきますことを再度要請して次に移りますが、同じく米国内でも最近日本企業に対する戦時賠償を求める訴訟、提訴が相次いでいるということであります。 新聞報道でしか私はわかりませんけれども、たくさんの企業が総額百兆円に上る提訴を米国の企業から受けたと。どんな企業が受けて、どれぐらいの金額の提訴を受けているのか、詳細おわかりでありましょうか。そして、どう外務省はこの問題について認識し対処しようとなさっておられるのか、お尋ねします。
○国務大臣(河野洋平君) 訴訟の相手が政府でございませんということもありまして、私ども詳細を承知はいたしておりません。きょう政府参考人も参っておりますので、若干御説明をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(藤崎一郎君) お答え申し上げます。 本件訴訟は、議員も御案内のとおり、元米軍捕虜等と我が国民間企業の間の民事訴訟でございますけれども、日本政府は訴訟の当事者ではございません。 被告とされております日本企業の名前あるいは具体的請求金額等につきまして私どもの方から御説明することは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、これらの訴訟におきましては、米軍捕虜等が戦時中に日本の企業で課された労働に対しまして未払い賃金の現在価値での支払いあるいは損害賠償等の支払いを求めているというふうに承知しております。
○小山孝雄君 これも決して民間の話じゃないと思います。やはり国として対処すべきじゃないか。一企業のためのことではない、戦時賠償、こういうのでありますから、どうかその方針で臨んでいただきたい、このように思います。 次に、憲法第十三条と胎児の生命尊重という問題についてお尋ねをいたします。法制局長官、お見えでしょうか。 昭和五十七年三月十五日に、十七年前でありますが、現在の我が党の議員会長の村上正邦議員と当時の鈴木総理、森下厚生大臣、角田法制局長官の間で非常に注目されるやりとりがありました。憲法十三条と胎児の生命尊重に関する質疑でございます。 その内容につき法制局長官にお尋ねいたしますが、資料として議事録をお配りしてあるはずでございますが、簡単に申しますと、一つは、人間の生命は受胎に始まり、受胎をして生命が宿ったときから人間の生命というものを尊重し、これを守っていかなければならない。こうした生命尊重は、憲法第十三条にうたわれているとおり、あらゆる立法、施策を通じて最大限尊重されなければならないという趣旨である。 二つ目は、生命の宿った新しい命の象徴である胎児を人工的に中絶するということは、生命尊重の基本に触れる問題である。当時は優生保護法と言いましたが、その優生保護法の中に経済的理由による中絶ということが掲げられているが、これは単なる経済的事由ではなしに、継続して妊娠、分娩することが母体の健康を著しく害するおそれがある場合と、厳しくこれは解釈されるべきものであるという点が第二点。 第三点が、憲法第十三条で、「すべて国民は、個人として尊重される。」に言う、個人が尊重されなければならない理由は、人間性そのものの価値のゆえんであり、近い将来生まれてくる胎児もまた尊厳なものである、したがって胎児の生命を尊重することは憲法十三条の趣旨に沿うものである、このように要約できるかと思います。 この見解は現在も変わっていないと思いますが、確認の意味で内閣法制局長官に見解を尋ねます。
○政府特別補佐人(津野修君) お答えいたします。 憲法第十三条は、「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」というふうに規定されているわけでございます。 そこで、お尋ねの胎児との関係でございますけれども、これは先ほど先生の方から御指摘がございました、角田法制局長官が昭和五十七年三月十五日の参議院予算委員会でお答えしているとおりでございますけれども、内容を申し上げますと、胎児は近い将来基本的人権の享有者である人となるのであるから、その生命を保護し、尊重することは憲法第十三条の趣旨に沿うものと解されるというふうにお答えしているわけでございまして、私どもも現在においても同様の見解を持っているところでございます。
○小山孝雄君 すなわち、胎児の生命は憲法十三条で最大限尊重されなければならないものであり、だからこそ、資料もお配りしておりますように、刑法第二百十二条は堕胎罪を設けております。そして、その罪は一年以下の懲役刑も科してあるわけでございます。憲法、刑法がこのように重く規定しているところに大穴をあけたのが昭和二十四年の優生保護法という法律でございます。 憲法調査会が設置されました今、論議が本院でも始まりました。私もメンバーの一人として加わらせていただいておりますが、現在、論議されておりますその中で憲法と現実の乖離という問題が言われておりまして、私は、この生命尊重の問題につきましても、今確認いただいた憲法の趣旨と現実が非常に乖離している大きな問題だと思っているところであります。なぜなら、これは生まれるべくして授かった生命が大量に失われているという現実があるからでございます。 厚生省にお尋ねいたしますけれども、平成十年度の人工妊娠中絶件数と、それが母体保護法のどの条文により許可されたものなのか、トータルとそのおのおのの分類の数をお示しいただきます。
○政府参考人(真野章君) 平成十年度人工妊娠中絶件数は、厚生省の母体保護統計報告でございますが、三十三万三千二百二十件でございます。 先生御指摘の人工妊娠中絶の要件でございますが、母体保護法第十四条におきまして、「妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるもの」、第二号といたしまして、「暴行若しくは脅迫によつて又は抵抗若しくは拒絶することができない間に姦淫されて妊娠したもの」に対して、都道府県の医師会の指定する医師が本人及び配偶者の同意を得て実施することができるとされております。
○小山孝雄君 大半が母体保護法十四条一項一号に基づいて行われている。このお配りしている資料、「出生数と人工妊娠中絶数の推移」というのをごらんいただきたいと思いますが、昭和二十四年がこの母体保護法の前身の優生保護法が制定され、施行された年であります。それから今日までちょうど五十年でございます。その間に生まれた子供の数は八千二百二十七万六千四百三十七人、そして正式に届け出られた数字だけでも人工妊娠中絶数が三千四百四万一千十四件と、このように膨大な数でございます。実際にはこの二倍から三倍あるというのが常識だ、このように報ずる機関もございます。したがって、累々たる胎児のしかばねの上に築かれた戦後の日本だ、このようにも言えるかと思います。 厚生省に尋ねますが、この中絶理由、大量の中絶件数の大半が身体的または経済的理由によって母体の健康を著しく害するおそれのある場合、このような事由で中絶された、こういうことでありますが、その中の身体的理由とは何でしょうか。また、経済的理由とは何でしょうか。
○政府参考人(真野章君) 身体的理由につきましては、疾病などによりまして妊娠を継続し、または分娩することが母体の健康を著しく害するおそれがあるものと医学的に判断された場合であると考えております。 また、経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるものにつきましては、平成八年の厚生事務次官通知におきまして、「妊娠を継続し、又は分娩することがその者の世帯の生活に重大な経済的支障を及ぼし、その結果母体の健康が著しく害されるおそれのある場合をいうものであること。 従って、現に生活保護法の適用を受けている者が妊娠した場合又は現に生活保護法の適用は受けていないが、妊娠又は分娩によって生活が著しく困窮し、生活保護法の適用を受けるに至るような場合は、通常これに当たるものであること。」ということをお示しいたしております。
○小山孝雄君 そうすると、経済的理由というのは、例えばことしはちょっと収入が減ったからとか、あるいは車を買いかえたいからとか、そういう理由ではないということですね。 現に生活保護法の適用を受けている者が妊娠した場合、または現に生活保護法の適用は受けていないが受けざるを得ない状態になる場合というふうに決められている、このような事由が関係者に徹底されていると思いますか、政務次官。
○政務次官(大野由利子君) 現場で守られているかどうかという御質問でございましたが、母体保護法におきましては、人工妊娠中絶の要件に該当するかどうかの認定を指定医師が行うこととするとともに、人工妊娠中絶を実施した場合には指定医師の都道府県知事に対する届け出義務を課しているところでございます。 また、こうした取り扱いにおいて人工妊娠中絶が指定医師により適正に実施されるように、厚生省と日本医師会が共催で研修会を毎年実施しております。母体保護法の趣旨を徹底する、そしてまた指定医師の団体である社団法人の日本母性保護産婦人科医会が母体保護法の適正な運用を図るため、会員に対する指導を行うなどの取り組みを行っているところでございます。 厚生省としては、この認定を行う指定医師の一人一人が生命尊重の観点から母体保護法の適正な運用を図るよう、関係団体と協力しつつ指導や研修をより一層推進してまいりたいと考えております。
○小山孝雄君 今の説明聞きましたが、こんなことを言いたくはありませんけれども、政務次官、大臣にも伝えてください。 先ほど局長が御答弁になりましたけれども、この問題について少し意見を聞きたいということでお越しをいただきましたときに、局長、担当課長もおられました。経済的理由ということが実態としては大半の理由になっているけれども、経済的理由というのは何ですか、何に定められておりますかとお聞きした。担当局長、担当課長が答えられなかったじゃないか。そのようなことで現場に徹底しているなどと言えませんよ。数日後だ、私のところへ来たのは。 事ほどさように、経済的理由というこの法が決めたことは非常に重いもので、生活保護法の適用を受けているか、または受けざるを得ないような状態をいうんだということをこの際認識しなきゃいけないんじゃないでしょうか。政務次官、いかがですか。
○政務次官(大野由利子君) 先日、小さなお子さんを抱えて凍死をされたというような大変悲惨な事件もございました。委員が御指摘のように、生命の尊厳というのが大変大事であり、そのためには生命の尊重が大事だ、こういう御趣旨はよく理解できることでございます。 経済的理由というのもさまざまな観点、さまざまな立場で論じることもできるのではないか、大変難しい問題である、このように思っております。
○小山孝雄君 この出生数と人工妊娠中絶数の推移を見ますと、人口妊娠中絶が百万台に乗った年が昭和二十八年であります。 それは、昭和二十四年に法律ができて、二十七年に今私が申し上げたところは大幅に換骨奪胎、骨を抜かれたからでございまして、皆さん奇異に感じられると思うので申し上げますが、経済的理由について定めた厚生事務次官通知が平成八年となっていますが、これは母体保護法という法律が改まったから改めて出し直ししたんだろうと、こう理解しておりますけれども、昭和二十七年までは今申し上げたような経済的理由という、生活保護法の適用を受けているとか受けざるを得ないとかそんな状態になるなというようなことは民生委員が判断をし、そして身体的理由、これ以上妊娠、分娩が続けられないというその判断は、中絶を施行する医師以外のほかの医師が判断をして、その同意書をつけて初めて実行できるという取り決めになっていたんです。それを外したがために大幅に中絶件数が増加したという、こういう経緯があります。そして、だからこそ日本の優生保護法はざる法だと、そして堕胎天国日本だという不名誉なことも言われてきたわけであります。 どうですか、このようなざる法のままでよろしいと思いますか。
○政務次官(大野由利子君) ざる法という御指摘がございました。法律と実態に乖離があるのであれば、またいろいろと立法府においても御検討をいただきたいと思います。 厚生省といたしましては、このような認定を行う指定医師の一人一人が生命尊重の観点から母体保護法の適正な運用を図るよう、関係団体と協力しつつ指導や研修をより一層推進してまいりたい、このように考えております。
○小山孝雄君 政務次官にもう一つお尋ねしますけれども、少子化対策ということで、これはもう本当に莫大な予算も使いながら、政府を挙げて、国を挙げて今その対策が進められているわけでありまして、その陰で現在も、届け出された正式な数字だけでも年間三十三万もの生まれるべくして宿った命が失われているというこの現実をやはり重く受けとめて、そのようなことを少しでも防げるようにするのが厚生行政の重要な務めだと。 一方では少子化対策でどかどか金を使う、一方では生まれるべくして宿ったのを抹殺している。この矛盾をどうお考えになりますか。
○政務次官(大野由利子君) 大変難しい質問でございますが、少子化対策、少子化に対しましては、子育てに対する夢と希望がなかなか持てないというような現状もあって少子化が進んでいる、こういう現状もございます。確かに、先ほど生活保護云々のお話がございました。しかし、子供を産めば仕事を続けたくても仕事を続けることができないというような、なかなか仕事、雇用と育児の両立がまだまだ難しいというような現状もございます。 そういう意味では、私は、この少子化対策というものはもっとトータルにこれは考えていかなければいけない問題でございまして、今の社会の慣行の問題、またさまざまな経済的な負担、こうしたものの軽減も必要でございましょうし、結婚することやまた子育てに対する喜びや希望が持てるような、こういう環境づくりが必要でございまして、このことの厳しい運用を図ることが即少子化対策というものとはまた違った角度の問題点も多々あるのではないか、このように思っております。 また、国際的にも、リプロダクティブヘルス・アンド・ライツ、子供を産むことの女性の自己決定権というものについての大きな国際的な世論もございます。また、さまざまな考え方、宗教的な考え方、また思想的な考え方、これは多岐にわたる大変難しい問題であると思いますので、委員の御指摘は御指摘として、重要な御指摘として、また検討課題として受けとめてまいりたい、このように思います。
○小山孝雄君 厚生省には、今の点、くれぐれも心を込めて進めていただきたいと思います。 次に、文教問題に入ります。 今折しも卒業式、入学式の季節であります。昨年八月十三日に国旗・国歌法が制定されて以来の初めての卒業式、入学式の季節でございますが、文部省は学習指導要領において、国旗・国歌に対する記述はどうなって、どのように指導してこられたのか、国旗・国歌法の制定におきましてもたびたび論議されたことでございますが、改めて伺います。
○国務大臣(中曽根弘文君) 学校における国旗・国歌の指導は、児童生徒に我が国の国旗と国歌の意義を理解させ、またこれを尊重する態度を育てるとともに、また諸外国の国旗と国歌も同様に尊重する態度を育てるために行っているものでございます。また、特別活動におきましては、小中高等学校とも入学式や卒業式などにおいては、その意義を踏まえ国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するよう指導するものとしているところでございます。 国際化が随分進展してきた中で、自国の国旗・国歌はもとより、他国の国旗・国歌も尊重し、また敬意を払うことは当然身につけなければならない基本的なマナーと思っております。新しい学習指導要領におきましては、国旗・国歌の取り扱いに関する国際常識が小学校段階から児童生徒にきちんと身につくように記述の充実を図っているところでございまして、社会科におきましては、小学校の三年、四年における都道府県の人々の生活や産業と外国との結びつきの学習、また五年の国土の位置の学習に際し、我が国及び諸外国には国旗があることを理解させ、それを尊重する態度を育てること、さらに六年の国際理解、国際交流の学習の際には、我が国の国旗と国歌の意義を理解させ、これを尊重する態度を育てるとともに、諸外国の国旗と国歌も同様に尊重する態度を育てることといたしております。 なお、小学校の音楽科におきましては、国歌君が代はいずれの学年においても指導することとしております。特別活動におきましては、小中高等学校とも、入学式や卒業式などにおきましては、その意義を踏まえ、国旗を掲揚するとともに国歌を斉唱するよう指導するものとしているところでございます。
○小山孝雄君 今指導の内容が、原則のような内容が語られましたが、文部大臣、実は私のところにこんな資料が寄せられました。小学校二年生の子供さんの音楽の教科書でございます。その冒頭に国歌が、歌詞と楽譜がございます。それを教えずに、その上に「ぞう列車よはしれ」という、これは反戦歌だそうですけれども、私は知りませんが、その歌詞を張りつけて、国歌を教えずにこの歌を教えたという。これは父兄からの訴えでございます。 こういうことは、法令に照らした場合どういうことになるんでしょうか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 学校は、児童生徒の発達段階に応じまして教育を施すことを目的としておるわけでございますけれども、教員は、関係の法令や上司の職務上の命令に従って教育指導を行う職務上の責務を負うものでございます。また、学習指導要領は、各学校の教育課程の基準として法規としての性質を有するもので、教員はこれに基づいて学習指導を実施する職務上の責務を負っております。 今御指摘の事案につきましては、詳細を把握しておりませんので、これについての具体的な判断は差し控えたいと思いますけれども、一般論として申し上げれば、学習指導要領において小学校では各学年を通じて国歌君が代を指導することとされておりまして、これを指導しないことは法規としての性質を有する学習指導要領に違反するものでありまして、地方公務員法上の懲戒処分の対象となり得るものでございます。 なお、実際に処分を行うかどうか、また処分を行う場合にどの程度の処分とするかにつきましては、任命権者であります都道府県教育委員会の裁量にゆだねられているものでありまして、都道府県教育委員会において個々の事案に応じ、問題となる行為、性質、それから結果、また影響等を総合的に考慮して適切に判断されるべきものと考えております。
○小山孝雄君 詳細は承知していないということでございますが、これは大阪の和泉市の某小学校であります。このままお渡ししますと、提供してくれた子供さんのお名前、学年、担任の先生、すべて名前が載っておりますので、そこのところは伏せて後ほどお届けします。中山大臣もお見えでございますが、大阪府和泉市だということ。これはその学校で、ただそのクラスだけじゃなくて幅広く行われている実態も私どもつかんでおりますので、どうぞ調査をしてください。よろしゅうございますか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 事実関係を調査して、必要ならば適切な処理を、処置を行いたいと思っております。
○小山孝雄君 既に卒業式が行われて、国旗掲揚、国歌斉唱の実施率等、文部省、掌握しているところもあろうかと思います。特に公立高等学校が、もう既にその行事は終わっていると思いますが、これまで低かったのは北海道、神奈川、三重、大阪、兵庫、奈良、広島あるいは東京等々でございます。 今年度の実態について、初中局長、説明してください。
○政府参考人(御手洗康君) お答えを申し上げます。 現在、公立の高等学校におきましては、卒業式、大方実施を終わっている段階でございますが、特に昨年の卒業式におきまして国旗掲揚あるいは国歌斉唱の実施率が低かった御指摘の都道府県につきまして、文部省といたしましては、全体の調査につきましてはこれから文書で卒業式、入学式後に全体をまとめていただくことになっておりますけれども、当面、電話等による連絡の段階で把握しているところを申し上げたいと思います。 国旗の掲揚につきましては、北海道が九八・五%、神奈川、三重県が一〇〇%、それから大阪府が九九・四%、兵庫、奈良、広島県が一〇〇%。それから国歌の斉唱率につきましては、北海道が七八・七%、神奈川県が九七・五%、三重県が九八・四%、大阪府が八三・九%、兵庫県が九七・六%、奈良県が八八・九%、広島県が一〇〇%という報告をいただいているところでございます。 なお、東京の都立学校におきましては、幾つかの都立高校では既に式は終わっておりますけれども、まだ全体として終わっておりませんので、全体の集計につきましてはこの場でまだ私どもとして発表できる状況ではございませんので、お許しをいただきたいと思います。
○小山孝雄君 広島県が国旗掲揚、国歌斉唱ともに一〇〇%だと、こういうことでありますが、もし実態の伴うものであれば、大蔵大臣もおられますが、大変これは前進したことだと思います。 私の手元に、実は、卒業式、入学式のときにこのように行動しろという高教組の中で配られているマニュアルが届きました。 それを読んでみますと、職務命令を受ける場合、口頭での職務命令であれば文書での職務命令をしてくれ、そして個人個人に出してくれ、職務命令違反になってはいけないので、具体的行動としてどうすればいいかわかるような職務命令にしてもらうこと、よくわからなければわかるまで聞くことなどと細かく書いてございます。撤回しない場合は、個別具体的な命令が全員に出るまで動かないこと。職務命令に基づいて指示された行動のみ展開すること。当面、生徒への対応など一連の日程はこなすが、終了し次第、分会会議を開いて意思統一を図り、あすからの行動を協議すること。非常に事細かに書いております。 文部省はこのような組合のマニュアルは手に入っておりますか。
○政府参考人(矢野重典君) 御指摘のマニュアルは私ども入手しておりません。
○小山孝雄君 これは、じゃ後でコピーしてお上げしますので、これも調査をしてください。よろしいですか、御回答を願います。
○政府参考人(矢野重典君) 入手をして調査いたしたいと思います。
○小山孝雄君 東京都の中でも、東京都は大分よくなったということを聞いておりますが、その中でも昨年女性の市長が誕生した国立市、非常に大きくあちこちで取り上げられております。実は、私もあそこに十五年住みまして、一番問題の小学校だという国立市立第五小学校、これは団地の真ん中にある小学校でございます。私の子供も二人ともその小学校を卒業いたしました。 そうした思い出の地でございますが、そこの中で、あの国立で毎年学校に部外者が侵入をして校長室の三脚に掲げている国旗をおろしたり、あるいは国旗掲揚をしなければいけないという教師の皆さんもやろうと言っている、そこを物理的に妨害したりという事件が起こってきたと新聞報道に毎年ありました。 ここに、子どもが主体になる学校行事を求める会として、その会から要望書が出ております。小学校長、教頭、教職員の皆様へということで、その中に、「私たちの手から子どもたちを取り上げ国家にさし出そうとするなら、私たちはあなたたちの手から子どもを奪い返すしかありません。」などという物騒なことが書いてあります。「奪い返すしかありません。」ということは、これは実力行使に訴えるぞと、こういうことに受けとめるわけで、私は、これは脅迫になるんじゃないかと思って、後で法務省に見てもらおうかと思っていますが、このような東京都下国立市における状況を文部省はどのように承知しておりますか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 東京都教育委員会からの報告によれば、国立市における平成十一年春の卒業式当日、今、委員がおっしゃいました子どもが主体になる学校行事を求める会という団体のメンバーが学校に押しかけまして、四つの学校で、校長室内に掲揚されておりました国旗を外すなどの行動をとったとのことでございます。 東京都教育委員会からの報告によれば、国立市教育委員会といたしましては、当時、団体に対して確認された妨害行為について、厳重に抗議を行ったと聞いております。 学校運営は、校長の権限と責任のもとで、法令に基づいて適正に行われる必要が当然あるわけでございます。文部省といたしましては、学校や教育委員会において必要に応じ警察等の関係機関と情報交換を行うなど連携を図り、学校運営の適正化に努めるとともに、学習指導要領に基づく適切な教育活動が行われる必要があると考えております。 今回の卒業式における国旗掲揚、国歌斉唱につきましては、各学校において学習指導要領にのっとった適切な取り扱いが行われるように、今後も東京都教育委員会を指導していきたい、そういうふうに思っております。
○小山孝雄君 聞いてみますと、部外者が学校に入ってきた、校長が帰ってくださいと言っても帰らない。これは、もう住居不退去罪、刑法第百三十条、「三年以下の懲役又は十万円以下の罰金」と書いておりますが、その罪にも該当するんじゃないんですか。 どのような厳正な対処をなさったのか、もう一度聞かせてください。
○政府参考人(矢野重典君) 先ほど大臣からお答え申し上げましたように、国立市教育委員会といたしましては、当時、当該団体に対して確認されました妨害行為に対しまして厳重に抗議を行ったというふうに聞いているところでございます。 ただ、これも国立市教育委員会の報告でございますけれども、校長と市民団体との間でもみ合いとなるような、そういう状況がなかったということから、告発等の措置は行っていないという報告を受けているところでございます。
○小山孝雄君 毎年毎年このようなことが繰り返される、大変ゆゆしいことでございます。私は、当たり前のことが当たり前に粛々と行われる、そんな教育現場であってほしいと心から念願をして、こんな問題を取り上げさせていただいたところでございます。 そしてまた、文部大臣は、これまでも大変教育問題に我が党の幹部として取り組んでこられました。特に道徳教育、あるべきことを、正しい人間としての姿を、本当に簡単なことです、それをきっちり教えるという道徳教育の充実を図らなければいけないと思います。どうぞこれからの方針を、お考えを聞かせてください。
○国務大臣(中曽根弘文君) 道徳教育について御答弁申し上げます前に、先ほどの学校への侵入といいますかのことでございますが、局長からも答弁いたしましたけれども、団体の中には御父兄の方もおられることもあり得るわけでありまして、なかなか学校側としてはそういう方々の来校についての対応というのは非常に難しいと思いますが、しかし校長室、例えば先ほどのお話は校長室でございますが、校長室には国旗のほかにも重要な書類もあることと思いますし、また防犯上いろいろな点も考慮いたしまして、管理上の問題もありますので十分今後気をつけるように、また東京都教育委員会等に指導していきたい、そういうふうに思っているところでございます。 道徳教育はまさに人間の根本にかかわる大変重要なものでありまして、小学校、中学校、高等学校、あらゆる段階において子供に適切に指導することが大変重要でございます。 小さいころからの教育というものがその人の一生を左右すると言っても過言ではないと思っておりまして、そういう意味では、学校におきましては道徳教育に努めているところでございますし、各学年の発育段階に応じて、それぞれの学科であるいは道徳の時間で今やっているところでございます。今後さらに充実させるように努めていかなければならないと思っております。
○小山孝雄君 道徳教育といいましても、決してしかつめらしい顔をしてかた苦しいことを教えるんじゃないと思います。 一昨年になりましたが、学校教育の現場で苦悩している広島県の中学校の教師をこの委員会にお呼びして証言をしてもらったのが一昨年の四月でございました。それが契機に広島県においてはいろんな動きがあっているわけでございますが、宮澤大蔵大臣の地元の福山市の佐藤教諭がそのときに明らかにいたしましたが、三つのことを守れば学級崩壊などという状況はなくなりますと。 一つは、時間を守ること。朝起きたら歯を磨く、食事をする、そして学校に行く。学校に行ったら、始業ベルが鳴れば席に着く。時間を守るとはそういうことです。それができないから授業が始まらない。あいさつをする。人と会ったらあいさつをする。あいさつは友達同士のあいさつ、目上の人とのあいさつ、あるいは自分の下の、年下の者へのあいさつ、この違いを教える。それから、正しい言葉遣いを教える。この三つを守ればいいんですよということをこの委員会で証言したことを思い起こしております。 どうぞ文部大臣、学習指導要領にのっとった学校教育の現場になり、そしてまた道徳教育がきっちりと進むよう重ねて要請しておきます。
○国務大臣(中曽根弘文君) 今お話しありましたように、時間を守ること、それからあいさつをすること、また正しい言葉を使うこと、いずれも大変大事だと私も思っております。 学校教育における道徳教育については、先ほど重要性について申し上げたところでございますが、もう少し詳しく学習指導要領における指導の現状について申し上げれば、小学校の第一学年及び第二学年では、「気持ちのよいあいさつ、言葉遣い、動作などに心掛けて、明るく接する。」、それから、第三学年及び第四学年では、「礼儀の大切さを知り、だれに対しても真心をもって接する。」、第五学年及び第六学年では、「時と場をわきまえて、礼儀正しく真心をもって接する。」等を身につけることとしているところでございます。 今後とも、小学校段階から繰り返し発達段階に応じまして集団生活をしていく上での基本的なルールを守るような指導が行われるよう努めてまいりたいと思っております。
○小山孝雄君 防衛庁長官、お願いを申し上げます。 北朝鮮の工作船が日本海近辺に徘回をしたあの事件からちょうど一年でございます。つい先般、二月の末の朝日新聞に、護衛艦「はるな」の乗員の皆さんがあのときどんな気持ちで事に当たったかということが、中部防衛衛生学会でその内容が報告をされたのが二月二十四日と聞いております。その乗組員たちは半数が死を覚悟したと新聞報道はありました。 防衛庁長官、どんな報告を受けていらっしゃいますか。
○国務大臣(瓦力君) 小山委員にお答えをいたしますが、今、委員からお話がありましたとおり、昨年三月二十三日に発生いたしました不審船事案に際しまして、護衛艦「はるな」に乗り組んでおりました医官が、当時必要とされる場合に立入検査を行うこととされておりました隊員二十名のうち転勤者二名を除く十八名の隊員に対して行ったアンケート調査の結果を今お尋ねに供されたわけでございます。 当該アンケート調査は、調査対象を限ったものではございますが、海上自衛隊創設以来初めて海上警備行動が発令された状況下での精神状況を把握することによりまして、主として精神医学的観点から危険が予測される任務遂行時の精神的ケア等の医学的検討の資料を得ることを目的として実施されたものでございます。 自衛官は、自衛隊の特殊の任務から、身に危険を感ずるおそれがある状況下におきましても任務の遂行が求められるものでございます。可能な限り隊員が安んじて任務を遂行できるようにすることが重要でございまして、危険と同居をする中でこうしたことも配慮していかなければならないことだと考えるものでございます。 したがって、精神的ケア等の充実強化に配慮していく、そのことは大切なことだと思っておりますし、また必要な装備でありますとか訓練、こういったものも加えて隊員に対しまして配慮してまいらなければならぬことでありますので、これからもこういう調査を経まして十分な体制をとるように努力してまいりたいと考えております。
○小山孝雄君 防衛庁に尋ねますが、あの護衛艦の乗組員には防弾チョッキが装備されていなかったのじゃないかとも聞いておりますが、どうなんでしょうか。海上保安庁の乗組員にはちゃんと装備されていると聞いておりますが、いかがですか。
○国務大臣(瓦力君) お答えいたしますが、今の委員の御質問に限ってお答えをいたしますと、護衛艦には防弾チョッキは装備されておりませんで、立入検査実施時には陸上自衛隊が保有する防弾チョッキ等を護衛艦まで空輸する、こういうことを当時としては予定しておったわけでございます。 それにつきまして、累次、委員からも御質問をちょうだいできると思うわけでございますが、それらに対する対応につきましては、私どももこういう事案を契機といたしまして、逐次整備をしていかなければならない重要なことだと、かように考えております。
○小山孝雄君 今はどうなっているんでしょうか。
○国務大臣(瓦力君) 委員からの引き続いての御質問でございますが、いろいろな事案が起こるわけでございまして、隊員の安全確保に遺漏なきを期すためには、乗務員の防護装備は本来各艦に装備しておくべきものであると考えております。 かかる教訓といいますか反省を踏まえまして、平成十一年度第二次補正予算におきまして、護衛隊群の全護衛艦に防弾チョッキと、また救命胴衣の両方の機能を有する防弾救命胴衣を約四十着ずつ、合計一千三百十着装備したところでございます。また、防衛救命胴衣のほか、機関銃でございますとかガス探知器など、護衛艦乗務員が立入検査活動等を行う上で最低限必要と考えられる装備品は、平成十一年度第二次補正予算及び平成十二年度予算案におきましてすべて計上したところでございます。これに加え、十二年度におきまして、立入検査に先立ち、不審船の武装解除、無力化、こういったことを専門的に行う特別警備隊の新編を予定しているところでございます。 今後とも、隊員の安全を確保するため、施策につきましては不断の見直しを行いまして遺漏なきを期してまいりたい。 今、委員御指摘のように、海上自衛官におきましては、あるいは陸上の防弾であるとかそういう装備と違いまして、海上においての浮揚であるとか、軽くして防弾の機能を果たすとか、そういう工夫も要るわけでございますので、そういう装備を備えたものを逐次、その体制準備が要ると、かように認識をし、装備をしておるところでございます。
○小山孝雄君 その新聞報道を見たときに、半数が死を覚悟したという大きな見出しが出ておりましたのですが、その理由が今わかりました。やはりそのような装備をするのは当然のことだと思いますので、鋭意これからも充実をしていただきたいと思うわけであります。 昨年三月のあの北朝鮮の工作船の侵犯事件、発見してから五十一時間後に行動に移ったわけでございましたが、戦後初めて自衛隊法八十二条に基づいての海上警備行動を決断したその政府の行為には賛同をし、評価をするものでございますが、これまであのような工作船の侵犯というのは、領海侵犯というのはどれぐらいあったと確認していますか。
○政務次官(依田智治君) お答えいたします。 領海侵犯自体、正式には海上保安庁で把握するものでございますが、けさ方確認したところ、三十八年来、十九件二十隻ということで、最近では昨年の防衛庁の方で確認した二隻であると。 なお、防衛庁の方としましては、国防等を含めて沿岸等の面で警戒監視活動を常時行っているわけでございますが、防衛庁自体として最近確認した件数は、例えば平成九年でいうと、これは領海内ばかりではなくて内外で二十九隻、平成十年では内外で二十隻を何か不明なはっきりしない船だということで確認しておるわけでございまして、実際上、何かどっちつかずというような船は結構おるわけでございまして、これを防衛庁として不審船として認定して通報するというにはある程度の確証も要るなと、こんなことで九年で二十九隻、十年で二十隻、こんなようなことでございます。 以上でございます。
○小山孝雄君 今までもたびたびあったという報告でありますが、これはやっぱり有事とかじゃなくて、防衛庁長官、平時における海上自衛隊の、また陸上自衛隊の、航空自衛隊の対応というものに対する法整備というものが必要なんじゃないんですか。 領空侵犯のときはスクランブルをかけて船はいつでも出る。この前、領海侵犯、海の場合はなかなか出なかった。五十一時間もかかった。そして、初めて実行したということでありますが、有事じゃない、平時における法整備というようなことについてのお考えを聞かせて下さい。
○政務次官(依田智治君) お答えさせていただきます。 日本の治安、防衛の分担としましては、外国からの攻撃その他に対しましては、もちろん自衛隊法による防衛出動ということで自衛隊が対処し、それに対しては国際法規、慣例に基づく的確な自衛隊としての武器の使用ということでやる。一方、平素の治安活動、警察活動というのは、陸上においては警察、海上においては海上保安庁がやるということで、戦後それで大体任務を全うしてきておったわけですが、最近このすき間、結局、防衛と治安のすき間のところでいわゆる領域警備というような言葉が使われておりますが、そのあたりに対してどうするのか。 今回の北朝鮮の不審船事件につきましても、結局、正体ははっきりわからなかったんですが、推測したところ、やはり特殊工作員等による潜入をしておるということになりますと、通常の警察ではこれはなかなか対応できないな。そうかといって自衛隊も、先ほど言いましたように戦後初めて海上警備行動があの際発令された、しかし防弾チョッキも装備されていなかったというふうな状況の中では対応できないような状況になっていますので、あのときに政府挙げて反省教訓事項ということもつくりまして、今政府を中心に鋭意、小山委員御指摘の平時における対応をどうしたらいいのかと。通常、地上については治安出動、自衛隊が警察をもってしては対応できない場合は治安出動でいく、それから海上警備行動は、海上保安庁が対応できない場合は海上警備行動ということなんですが、これで問題点は二つ。 政府の中で特に研究しているその出動時期、早くいつ出動するかということが問題でございまして、やはり従来の常識では、滅多に自衛隊は治安面では出ないということですから、非常に慎重にやって、先ほど御指摘のように長くなっている。治安出動の場合でも、やはり暴徒に対して鎮圧ということの考えに立ってこれまで来ていましたので、警察が主体、自衛隊は出ないという思想になっておったんですが、ゲリラコマンドみたいなことになってきますと、早くから出ていなければいざというときに対応できないということで、そういう点で出動時期の問題。 さらに、その際に警察と同じ武器の使い方でいいんだろうか、もうちょっと相手が高度な武器を持つ集団であるならば、自衛隊も警職法七条に基づくような程度のものでいいのか、こんなような点も問題意識を持ちまして、現在政府の安危室を中心に検討しておる。防衛庁としても、当然自衛隊にかかわる問題ですので、そのあたりについても内部で検討しておる、こんな状況でございます。
○小山孝雄君 終わります。
○委員長(倉田寛之君) 関連質疑を許します。北岡秀二君。
○北岡秀二君 自由民主党の北岡でございます。関連をいたしまして質問させていただきたいと思います。 私は、新潟県警に関連した問題、そしてまた私の地元であります吉野川の可動堰の住民投票問題について数点お伺いしたいと思うわけであります。 まず、新潟県警の問題についてでありますが、九年二カ月に及ぶ少女誘拐監禁事件、大変悲惨な事件であり、私どもからしても、御家族の心情あるいは御本人の心情を思ってみますときに、もう怒り以外の何物でもないような本当に大変な事件でございました。私は、今最も大事なことは、救出されました少女が一日も早く安心して社会復帰ができる、このことが一番肝心なことではなかろうか、それを強く望むものであります。 〔委員長退席、理事竹山裕君着席〕 これまでの議論の中で、県警本部長の対応の問題あるいは国家公安委員会のあり方、さらには警察の監察制度のあり方等々、いろんな角度からたくさんの議論がされているわけであります。私も、それぞれに大変重大な問題があり、一日も早く警察に対する国民の信頼回復、これを図るべく、正すべきは大いに正すべきというふうな感じを持っておるものであります。 ちょうど昨日の質疑の中で佐藤委員の方からやりとりがございまして、ちょっと私もまだ腑に落ちない点が一点ありますので公安委員長にお答えをいただきたいわけでございますが、小林元本部長に対する処分等を持ち回りで行ったということでございますが、このあたりの経緯についていま一度御報告をいただきたいと思います。
○国務大臣(保利耕輔君) 今回の件につきまして私の耳に入りましたのは、再三御答弁を申し上げておりますとおり、二月二十四日の夜中のことでありました。これは、田中長官から私のところへ連絡があり、お話がありました。私は田中長官に対して、早く処分をし、早く更迭をすべきであるという旨を申し上げました。 翌二十五日でありますが、私は予算委員会等に出席をしておりまして忙しいさなかでありました。その中で、四人の委員の先生方が別の会合でお集まりになる機会がございました。お昼ごろだと承知をしております。そこで処分と更迭の基本的な方向、処分をしなけりゃならない、そして更迭をしなければならないという基本的な方向についてお話を申し上げ、これは警察庁からお話を申し上げ、そこの場で意見の一致を見て、これは早く処分すべしということになったわけであります。したがいまして、基本的方向はそこでお話し合い、お話し合いといいますか、どういう会話があったかは私は存じませんが、基本的方向は認知をされた。 たまたま、それではいつ付の辞任がいいんだろうということも考えて、新潟の公安委員会ほか、あるいは議会関係者等にいろいろ御連絡を申し上げることも必要でありましたので、その議会のちょうど谷間に、谷間と言っては失礼ですが、二十九日がよろしいということで、二十九日発令ということで決め、さらに、そのためには後任者の発令とか準備とかいろいろなことがございますので、二十五日中に意思決定をする必要があるということが考えられまして、具体的な処分案をその後きちんと作成いたしまして、それで基本的方向が一致しておりますので五人全員の方々に異動案、処分案についてお諮りをし、そして意見の一致を見、異論なしということでこの処分が決定をいたしました。 その過程において一度お会いになったことは確かでありますが、その後、具体的な処分案を夜中に御自宅をお回りして御決裁をいただいたという、そういう経過であります。 佐藤委員に対しては、私、昨日、舌足らずでございまして、失礼を申し上げました。
○北岡秀二君 大変重大な問題でございますので、このあたり、先ほども申し上げましたとおり、警察行政に関連するシステムの改正というのは、ぜひともこの際思い切っていろんな意味で正すべきは正していただきたいなと思うわけでございます。 私は、この事件に関連して、いま一つ違う角度から大きな問題があるように思うわけでございます。それは、犯人検挙に至るまでの過程の中で県警の対応に多くの失態があったということでございます。 私が特に注目をいたしたいのは、四年ほど前に犯人の母親が息子の暴力について警察に相談しているにもかかわらず、十分な対応がし切れていなかった。これはひょっとしたら、この時点で家の中へ入っていれば少女が救出されていたかもわからない。さらには、事件発覚当日、保健所からの数度の通報にもかかわらず警察は応じなかった。行方不明少女発見の報告により慌てて対応したことであります。 これは結果論であるというようなことも言えるかもわかりませんが、なぜ十分な対応ができなかったのか。私は、ここに最近の社会情勢あるいは犯罪情勢というのを考えてみますときに、民事不介入という原則の中で警察権の発動に限界が来ている、そこに大きな問題があるのではないかと考えるものでございます。 つい最近の似たような事件でも、昨年十月にございました桶川のストーカー殺人事件というのがございました。この件に関連しましても、殺害をされた被害者当事者がたびたび警察に相談に行っておる、そしてまた保護を警察に申し出ておったというような状況の中で、これも御承知のとおり十分な対応ができなかった。そしてまた、最終的に最悪の結果を生んだものでございます。私は、この事件に関連しても、民事不介入という大きな壁があったのではないかということを推測するものでございます。 私が申し上げたいのは、近年の犯罪情勢において民事事件と刑事事件との境界がなくなりつつある、その間のグレーゾーンというのが非常に拡大されているのではないだろうか。 一連の金融事件あるいは詐欺や恐喝事件、そしてまた最近の、これからの予想ということを考えてみますときにインターネットによる犯罪等々いろんなことが考えられるわけでございますが、犯罪による社会不安ということを解消することを考えてみますときに、従来の切った張ったの領域じゃなくて、刑事と民事の境のグレーゾーンの中での犯罪がこれからますます起こってくるのではないかというふうに予想されるわけでございます。そして、そういうような状況の中で果たして十分な警察行政が行われるのかどうか、私はここに大きな心配をいたすものでございます。 そこで、まず公安委員長にこの点に関連してお伺いしたいのですが、市民生活の生命、財産を守るといった警察法二条の精神に基づいた警察行政のありようと地域社会、地域住民の関係についてどのようにお考えになっていらっしゃるのか、お伺いをいたします。
○国務大臣(保利耕輔君) 御承知のように、警察組織の中に生活安全局というのができましたのは平成六年だったと思います。警察庁の刑事局保安部を警察庁生活安全局に改編をいたしまして、個人の権利と自由の保護という観点から市民生活の安全と平穏を確保するための活動を行うことが警察の極めて重要な任務であることを明確にいたしたわけであります。 また、現在、地域社会において安心して暮らせる空間の確保が求められておりまして、地域住民の生命、身体、財産などの保護に任ずる警察としては、地域社会の切実な要望に迅速かつ的確にこたえていかなければならないということであります。よって、地域住民の御要望を受理した場合には、事件検挙に限らず、事案に応じた各種の措置を講ずることによりまして、犯罪等による被害の未然防止を図って市民生活の安全と平穏の確保に努めていきたい、こういうことで生活安全局が発足をいたしております。 今のちょうど民事不介入という問題との兼ね合いで申しますと非常に難しいところがございます。例えば、保健所がやるべきなのか警察がやるべきなのか。警察は四六時中、土曜も日曜も一一〇番かかりますし、また保健所の方は日曜日やっていらっしゃるかどうか私は存じませんが、そこのところのいろいろな調整というのは今後私どもに課せられた課題であるかなと。いろんな役所がございますが、全部警察に持ち込まれるということでいいのだろうか。 それから、ドメスティック・バイオレンスなんかの問題で、例えば夫婦げんかにどの程度、どこで出動してどう対応するかというのは極めて微妙な問題でございますので、これはグレーゾーンみたいな感じがいたしますけれども、今後国会の中でも御議論をいただいて、そういったことに対して警察はあくまでも手をこまねいているという形にならないようにしていかなきゃならない、そう思っております。
○北岡秀二君 今の御答弁でもある程度ありましたが、従来、民事不介入についてどういうふうな解釈をされて、そしてまた、なおかつ都道府県警に対してどのような指導をされていらっしゃったのか、あわせてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(保利耕輔君) 私は、現在の法律上では、民事問題であるからといって警察がこれに関与しない、関与することを禁止するという法制度はないものと承知をいたしております。 警察はその責務の範囲内で民事に関与することができるのでございまして、現実に契約等が詐欺に当たるときなど犯罪行為に該当する場合はもとより、暴力団が介入をいたしましたり、放置しておけば個人の生命、身体、財産に被害が及び、あるいは公共の安全と秩序の維持に支障が生ずる場合には、犯罪捜査を行ったり相談に応じ必要な助言を行うなどしているところでございますが、警察が民事上の問題であってもこれに関与し得ることについては、これまでも警察学校でありますとかあるいは警察の責務等についての教育の中でこれをやっておりますし、先日も、全国警察に対して警察庁から、民事介入暴力事案等に適切に対応するように通達をしたものと承知をいたしておるわけであります。 〔理事竹山裕君退席、委員長着席〕 国家公安委員会といたしましては、警察が今後とも国民の不安を解消し国民生活の安全を守るために、民事介入暴力事案等に適切に対応するよう警察庁を督励してまいりたいと存じます。
○北岡秀二君 民事不介入にまつわる議論あるいは批判に関しては従来もございました。ともすると、これは二点の心配があるんですが、警察が民事事件への行き過ぎ介入ということの分野もあるだろうと思います。 しかし、最近の流れを見てみますと、この領域じゃなくて、逆に民事不介入の原則を盾に警察が介入を避けようとする傾向、このあたりが特に目立つのではないかと、私はそのあたりを特に心配するわけでございます。これはもうよく言われるようなことに、殴られなければ警察に取り上げられない、死ななければ捜査はしてもらえないというようなちまたの批判に対して今の警察体制が十分にこたえることができるかどうか、そのあたりを私は本当に心配するものでございます。 問題は私は、今の警察のシステムができてから四十六年が経過、制度疲労が起こってはいないか、そしてまた、なおかつ現在の社会情勢や市民ニーズに十分対応できているかどうか、さらには民事不介入の定義あるいは状況によっては積極的に介入すべきケースがあるのではないか等々を早急に再検討していただいて、弾力的に警察行政が対応できるように警察体制を見直し、民事不介入、民事介入のあり方等々について全警察官に周知徹底すべきと考えるものでございますが、そのあたりについてのまとめの公安委員長の所見というのをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(保利耕輔君) 警察は、警察法第二条によりまして、個人の生命、身体、財産の保護などを責務としております。 個々の事案に応じて、刑罰法令に抵触する場合には適切な捜査をし、抵触しない場合であっても行為者に対する指導、警告などの適切な処置を講ずることなど犯罪等による被害の未然防止を徹底いたしますとともに、困り事相談業務にかかわる体制の整備が必要と考えております。特に、女性に対するつきまとい事案あるいは夫から妻への暴力事案、家庭内暴力事案、民事介入暴力事案等、警察の適切な対応が求められている事案につきましては、このような方針で対応するように全警察職員にさらに徹底をすることが大切であると考えております。 なお、せんだっても全国の警察本部長会議がございまして、その後、分科会に分かれましていろいろ意見交換をいたしましたところ、やはり警察にはいろいろな相談事が投げ込まれる、そういう状況の中で限られた人員で全部を親切に対応していくということがなかなか現場的には難しい状況にあるという御意見がありましたことをつけ加えさせていただき、私どもはこういうことに対してやはり政治の責任として対応していかなきゃならないのだということを認識しております。
○北岡秀二君 法的な整備も多少必要だろうと思いますし、ぜひとも今の件に関して、私はこれからの警察行政大事なことだろうと思いますので、弾力的にその枠というのを検討していただきたいと思う次第でございます。 次に、第十堰の問題について質問をいたしたいと思います。 私は地元の人間として可動堰計画の必要性、賛成の立場でございますし、このたびの住民投票結果、その必要性十分に御認識をいただけなかった、御理解をいただけなかったということで大変残念に思う立場の者でございます。 まず、基本的な問題を確認の意味で数点お伺いしたいと思います。 中山大臣、御承知のとおり、吉野川は四国三郎という別名がございます。坂東太郎の利根川、筑紫二郎の筑後川と並んで、古くから三大暴れ川ということで吉野川は言われております。最近大きな洪水はございませんが、地域の歴史イコール治水の歴史でございました。 こういうような状況の中での第十堰でございますし、第十堰は、江戸時代の蜂須賀さんの時代、二百五十年前の人工構造物で、補修に次ぐ補修で現在に至っており、旧吉野川への分水という必要性があって、やりかえようが補修しようが、なくてはならない堰であるということと、老朽化が進み、一時的な補修ではなく、いつかは本格的にやりかえなければならないときは必ず来るという単純なことが十分に御理解をいただけなかった。 私も地元で、あの第十堰いつまでもつんですかというような話で、苦し紛れに壊れるまでもちます、あと十年もつか二十年もつかわからぬけれども、壊れるまではもちますよというような話をせざるを得ない状況というのはもう御承知のとおりだろうと思います。 これはもう推進派も反対派も、そのあたりの第十堰の危険性の問題は十分に認めておる。ただ、そのあたりの見解が違う。反対派は補修と堤防の補強をしなさい、そしてまた、なおかつ建設省を初め我々推進しようとする立場は可動堰をやりかえましょうというような意見なんですが、この点について、反対派が言われる第十堰の補修と堤防の強化で耐えられるものなのか、あるいはそれをやることによってまた新たな問題が発生するだろうと思うんですが、そしてまた、もう一つさらに建設省はなぜ可動堰計画なのか、この基本的なことをもう一度お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(中山正暉君) 先生のお話のございました四国三郎百九十四キロ、高知の山の中、本川というところから発しまして百九十四キロの中で十四キロだけが徳島に接しております。四十七市町村の関係のある、中央構造線の上を真っすぐに流れまして、直轄河川としては、建設省が直轄河川を管理しておりますのは百九本ございますが、その中で県庁所在地に直接流れ込む川というのはこの吉野川でございますので、先般、一月二十三日に住民投票が行われまして、その結果いろいろな社会的な問題となっておりますのでございますが、これは現在調査費だけがついておりまして、今まで五十六億円、そのうち人件費十六億円ぐらい使っておりますわけでございますが、これはすぐに工事にかかるという問題でもございませんで、まだまだ二十年ぐらいかかるんじゃないかな、こう思われることでございます。 今、現下の問題として私どもが心配しておりますのは、先生の御指摘のありました二百五十年前につくりましたこの固定堰は、昔の川は大変複雑に蛇行しておりましたものを、それを真っすぐ海に流れ出るように改修をしておりますが、その改修したときのもとの流れに沿ってちょっとはすにいがんでおりますものでございますから、これを真っすぐのもの、特に起伏型といいますか、つい立て型とも申しますが、川の水が多く出たときにはぱたんと倒れるようなもの、それからゴム式、これはゴムの堤防をつくりまして、それをいざというときには中の空気を抜いてすっと流す、それから今問題になっております可動堰、引き上げ型の可動堰という、この三種類を想定しておりますのでございますが、反対派の方々がお出しになりましたパンフレットの中には引き上げ式だけ、それも上から見上げるような、フランスのお城のようなイメージで、あとの二つが全く情報として市民の皆さん方には伝わっておりません。 今の固定堰のままでいきますと、堰上げと申しまして固定堰の上に水が盛り上がるものでございますから、それが百五十年に一遍とか七十年に一遍、大正元年に大洪水が出ておりますから、その問題をどうするかということで、これから話し合いを進めていかなければならないというのが基本的な姿勢で、私も現場に入ろうとは思っておりますが、とにかく徳島平野というのは歴史的に吉野川のはんらん域で土砂が押し流されて形成されたデルタ地帯でございますので、吉野川の堤防はその上に土を盛り上げてつくったものでございます。 したがって、洪水時の水位が周辺の人々の住んでいる地盤に比べて六メートルも高いという現状にございまして、このため吉野川の洪水対策の原則は少しでも洪水時の水位を下げることでございまして、固定堰の第十堰を可動堰に改築いたしましたら洪水時の水位を一・二メートル低下させられる、吉野川の堤防の安全性は著しく改善することとなりますし、第十堰を固定堰のままとして堤防堰上げ、いわゆるかさ上げ強化する案では、洪水時の水位が上昇しまして堤防にかかる水の力が増加するために堤防の幅を広げなければなりません。これに伴い、新たな用地約十二ヘクタール、家屋移転約八十戸が必要となりますので、沿川の住民の方々の生活基盤に大きな影響を与えることになると認識しております。 実は、この間、二十六日でございますが、兵庫県とそれから大阪の境に猪名川という、そこにこれは享保五年につくりました固定堰がありますが、それがやっと二十六年ぶりに、周辺七市、宝塚とか池田市とか、皆さん市長さんがお越しになりまして、これは住民投票も何もありませんでしたが、これが先ほど申しましたゴム式の可動堰に改修する起工式をやってまいりました。あと二年で完成することになりまして、この地域は十年に一遍の洪水が予想されております。下に中島川それから左門殿川、神崎川というような大阪湾に流れ込む川がありますので、その辺の川は六年に一遍という大変な危険地域で、その水域にいらっしゃる、沿川にいらっしゃる方の経済力というのは六兆八千億と言われておりますが、そういうところは難なく、二十六年という長い話し合いの月日がたちましたけれども、これは可動堰に変わりましたので、そういう努力をすることが、川の問題というのは、これはあした起こるかもわかりませんし、また二百年は起こらないかもわかりませんが、この沿川に住む方々の安全を守るというのは国の責務でございますので、直轄河川という意味をよく地元の方々に御理解をいただいて、三十二万の促進の署名をいただいておりますから、その方々、特に反対運動の中でも九千三百六十七という賛成の票を投じてくださった方々のお心もしっかり受けとめなければいけないと思っております。
○北岡秀二君 もう一つ、技術的というか状況をお伺いしたいんですが、反対の方々が言っている、もう過去の大洪水は起きないんだと。その根拠の大きな一つに、上流にあります早明浦ダム、そしてまた池田ダムが完成をしたものですから、これから将来にまたがって大きな洪水は起きる心配がないというようなのも大きな論拠の一つなんですが、このあたりの見解をお伺いします。
○国務大臣(中山正暉君) 吉野川の自然的な特性と申しますのは、吉野川の水源である上流部は年間雨量三千ミリという大変降雨量の多いところでございまして、全国でも有数の多雨地帯でございますし、地形的特性といたしましては、雨が池田から河口まで八十キロメートル区間を中央構造線に沿ってほぼ直線状に川の道、いわゆる河道が一気に集中流下するという地形の特性を持っておりますので、このため吉野川は全国でも洪水規模が最大河川の一つでございます。 幸いにして、吉野川におきましては近年大きな洪水が発生しておりませんが、八十八年前の大正元年には現在の計画規模二万四千トンに匹敵する洪水が起こりまして、徳島平野一面ではんらんをし、約百名の死者、それから行方不明者が出る被害が発生しております。 これまで早明浦ダム等のダム整備を進めてきたところでございますけれども、その効果を見込んだとしても、下流部の河道ではいまだにこの規模の大洪水を安全に流せる状況にはございません。いつか襲ってくる大洪水でございますので、流域の人々の生命、財産を守るために、治水を担当する建設省といたしましては洪水への対処を着実に行っていく。 特に、エルニーニョとかラニーニャとかいうような異常気象でございますし、今まではフィリピンの周辺で起こっていた台風が日本の周りで発生するというような異常気象でございます。 きょうもNHKのニュースでやっておりましたが、北極にもオゾン層破壊の面が見られるということでございます。それからまた、低気圧が日本の周りで停滞をするという異常気象が、これは今までの常識では対応できなくなってまいりましたので、そういう気象状況も兼ね合いながら、三千ミリ、特に高い山が、私もこの間ヘリコプターで祖谷まで行ってまいりました。ずっと河川を見まして池田、高校野球で有名な池田高のところから急に九十度、平家の落人が住んでいたという祖谷の谷に入りますわけでございますが、その河川を上から見まして、大変くびれが多い川でございます。岩津というところから一挙に縮まって、百五十メートルしかございません。河口は千メートルありますが、それが急に百五十メートルに詰まっておる。それから、その上は堤防もないという形になっておりますので、これは大変危険な川。 しかし、うまく堤防をずっと両側をそろえて構築していきませんと、どこかでまたひずみが出てきますと、そこからまた水が出るという大変心配なことが予想されるということを専門家の人たちから聞いております。
○北岡秀二君 ちょっともう一点、私は心配なんですが、この種の市民運動あるいは市民団体の活動の中で、ここもそうでしたが、全国至るところからその種の方たちが応援に来てくださいまして、どんどんどんどん大宣伝をしてくれた。そしてまた、ある意味で申し上げると、多少誤解があるかもわかりませんが、多少政治的なねらいもある、イデオロギー的なねらいもある。 そういうような状況の中で、特に私は、いろんな御高説をいただいておるわけでございますが、現状を知らないあるお方によりますと、上流地の遊水地帯は残しておくべきだ、遊水地帯はつぶしたらだめだというような話を、それも説の一つとしていただきました。 しかし、ちょうどまさに私はその上流に住んでおる人間なんですが、中流のちょうど岩津というところから上はほとんど無堤地域です。毎年毎年洪水の被害に遭いながら、大変な災害が起こっておる。こういうような状況で、上流と下流の不公平というのも大変起こっておる。 この上流の堤防整備、どういうふうに促進をさせるつもりなのか。ちょっとこれ順番変えましたけれども、大臣、お願いします。
○国務大臣(中山正暉君) 今、先生のお話にございましたように、私もこの間、岩津から上の方を見てまいりましたら、ずっと竹やぶで、水がはんらんしたときには竹やぶで水の勢いを緩めるような、全く無堤地域といいますか、堤防がありませんで、これを固定堰をそのままにして改修工事をするというのはなかなかこれは難しいように聞いております。 特に、いわゆる吉野川の河口から岩津、四十キロまでが明治四十年から昭和四十年の間に堤防づくりに全力を挙げてきたわけでございます。岩津から上流の地域は昭和四十年代よりやっと堤防づくりに着手いたしましたが、いまだに各所で堤防もなく、たび重なる浸水被害が発生しておりまして、このことは、岩津よりも上流部において結果的に遊水効果が発現し、上流域の犠牲のもとに下流域を守ってきたということになります。 つまり、遊水というのは水が遊ぶと書いてありますが、その遊ばれる方は大変な迷惑でございまして、その水を遊ばせる区域に住んでいらっしゃる、先生もその地域にいらっしゃるということでございますから、上流地域が洪水のために被害を受ける状況は解消しなければなりませんが、上流域の堤防づくりを逐次進めていくことが必要だということで、しかし上流部の改修を急ぐと下流部に洪水が集中して下流域の堤防に負担がかかりますので、下流部における洪水の隘路となっています第十堰の改築が結果的に急がれるということになります。 千三十億とか、千三十億というのは可動堰の上に道路がついた場合で、これは徳島の環状道路の一部になるわけでございますが、インターチェンジに向かって道路がつくということでございますが、千三十億というのはまだ予算も何もついておりません。可動堰だけならば九百五十億ということでございますが、これは先ほど申しましたように調査費だけがついておりまして、まだそのような実際に動き出すということではないのでございますが、第十堰の改築は流域全川にわたる共通の緊急的な課題であると認識をいたしております。 住民投票なんかない場合でも二十六年かかっておりますので、これは着実に話を進めながら、流域全体に被害が及ばないように、そういうふうな方式でやってまいりたいと思っています。
○北岡秀二君 さまざまなまだ危険性というのをあえて御指摘をいただきました。 いずれにしても、このたびの住民投票の結果、マスコミの報道等、あるいはちょっと私は心配するんですが、このたびの結果でむだな公共事業はもうこれでやらなくて済んだんだ、そしてまた、これでやっと環境が守られた、これで一件落着というような大変間違った誤解を与えておるように私は感じております。これは徳島市民や徳島県民の中にもそういうふうに思っていらっしゃる方がいらっしゃる。 しかし今、大臣おっしゃっていただいたとおり、依然として、反対派も賛成派も認めておるように、この吉野川の第十堰に関連する危険性というのは何にも解消されていない。この事実というのは、私は建設省というのはもっともっと広報、PRすべきだろうと思うんですが、このあたりいかがですか。
○国務大臣(中山正暉君) この間、神戸へ行きまして、今度三月十八日から始まります花博の下見に行きましたときに、神戸に泊まっておりましてニュースを見ておりましたら、向こうで住民投票をやられた方々が今度は神戸の市長のリコール運動に住民投票を一緒に勉強しようというその会合をテレビのニュースで見まして、私も異様な感じがいたしました。 これは一体住民投票というのはどういうものだろうと。先生と同じように考えますが、私、政治家として心配をしておりますのは、日本の憲法の前文には、正当な選挙により選ばれた代表を通じて政治をするという間接民主主義になっておりますから、その間接民主主義を、一つ一つ題材を取り上げて投票行動を起こすということの意味を私どもは政治的にやっぱり考える必要があるのではないかと。 それによって、いわゆる吉野川という川の流域に住まれる方々に将来補償を、住民投票条例の中で将来起こる水害に対する損害を補償するという補償条項でもあるなら別です。特に、しかし、人間が死んだ場合には人間の代替物はございませんから、そのためにはどうするんだ、投票が済んだらなくなってしまうような条例のために大きな、治水治山という、山を治め川を治める者が国を治める、治水治山というのは政治の治という字が書いてあるという意味は、私は大変大きなものがあるだろうと思います。公共事業が悪のような話がありますが、これはやっぱり、私、国土庁長官も兼ねております、自然災害に対する責任を持っておりますので、そういうものに対する、災害に対する備えをするということは、これはもうお金にかえられないもの、そういうものを公共事業でちゃんと整理していくことが国に与えられた使命である、私はかように考えます。 第十堰は、洪水時には堰上げの現象が起こることと、それから現堰が老朽化しておりますので、洪水により流失すれば水利上の支障を来すおそれがあります。このまま放置しておきましたら問題解決につながりませんで、固定堰を可動堰に改築する必要が、これは建設省としては平成七年から約三年間かけた審議委員会で、平成十一年から十八回実施してきた対話集会、それからまた平成八年の公開での模型実験、これも現場の方々に見ていただいておりますが、実施し、第十堰の改築の必要性を流域住民に対して説明は、もう先生の御心配、説明が足らないんじゃないかということでございますが、説明をしております。 しかし、間違った情報、先ほど申しましたように、三つの固定堰を一つだけ取り上げて、そして固定堰の方は鳥の目から見た、上の方から見た写真が、反対をしようというパンフレットにはそういうものが載っておりますが、先ほど申しましたように、フランスの城のような、固定堰は下から見上げたような、大変風致にも悪い影響を受けるような、印象を与えるようなものが反対をされる方々の宣伝のパンフレットに載っておりますので、私はこれは情報が流域の方々に徹底していないんじゃないか。もっと流域に徹底するようにという先生の御趣旨のような話を私もいたしております。 洪水対策のためにこの事業が必要であることは、私たち、考えが十分に理解されていなかったということを強く認識しておりますので、いろいろな代替案の議論を、対象にした関係住民との対話を積み重ね、私も現場へ行くということを、先般、建設省始まって以来でございましたが、住民投票をされた方々を中心に私の大臣室に来ていただきまして、いろいろなお話をいたしたところでございます。どうぞ、今後ともお地元で先生にもひとつよろしくお願いをいたしたいと思います。
○北岡秀二君 それにもう一点聞きたいんですが、先ほどちょっと触れておられましたが、流域の方々がこの危機感の中で三十二万の推進署名を集めました。そしてまた、このたびの住民投票の結果でも、推進派の方々は五〇%条項ということがあったことも関連して投票には行かないというような流れがございました。ある意味で申し上げると、徳島市の住民投票に関しては、サイレントマジョリティー、そしてまた、なおかつ実際意思表示をされた、三十二万の署名をされた方々も含めて、大臣はどういうふうに受けとめていらっしゃるのかもお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中山正暉君) 私は、これは先ほど先生が、いろいろな思想的な動きとかいろんな思惑がこの投票行動にあるんじゃないかというお話がありました。先ほど申しましたように、大阪の猪名川ではそれは全く行われておりません。ところが、風光明媚な吉野川という情緒的に大変訴えるものがある、そういうものを舞台にして、そういう皆さんの安全というものに関係のあるものをどういうふうにこれから評価するかというのは、私どもは川の問題は川の問題、政治の問題は政治の問題としてちゃんと分別をすることが、こうして国会で政治家同士がやりとりをする時代が来たからには、はっきりしたそういう方針を、私は住民のために我々政治家がちゃんとした方針を打ち立てるべきではないかと、かように考えております。
○北岡秀二君 これからあの結果を受けて、大臣も積極的に対話を進めていくという表明をされていらっしゃいます。 反対派の方々と話し合う約束をされているようでございますが、その際には反対団体だけではなく賛成団体や流域市町村長の意見も聞くのが公平なやり方と思いますが、この点について簡潔にお答えください。
○国務大臣(中山正暉君) 先生のおっしゃったとおりだと思いますので、私は現場へ行きますということをはっきり申し上げております。この間圏央道でも、共産党の岩佐先生の御案内で私は現場へ入りまして、九百人の方が賛成をしておられる、それから十四軒の方が反対をしておられる、その一軒の家に六十八人の一坪地主が入っておられるというようなこともありましたが、私は現場へ行きまして、そして皆さんとお話し合いをいたしましたので、私は現場へ行くこと、足を満たすと書いて満足と申しますから、足を満たすことにいたしたいと思っております。
○北岡秀二君 対話の中で、最近の流れの一つとして、大臣が近々に徳島の方へ行かれて第十堰住民投票の会の代表の方に対話を申し入れた。ところが、最近の情報によりますと、その反対派の、反対派というか住民投票の会の代表者は大臣の申し入れを拒否された。建設大臣は今後可動堰化に反対する住民との対話をこういうような状況の中でどういうふうに進められていくおつもりなのか、具体的に思いがございましたらお教えをいただきたいと思います。
○国務大臣(中山正暉君) 河川法の改正がありまして、十六条の二の4というところには地元の方々の意見をよく聞くという条項もありまして、公聴会などを通じてやりたいということで、今いろいろ申し入れているのでございますが白紙撤回が前提だとおっしゃいますので、これは白紙撤回というのはあり得ないということでございますから、席に着くことがどういう形で席に着くことになりますのか、その辺を今地元の方々と建設省の地元の工事事務所とが接触をいたしておりまして、話し合いをしております。
○北岡秀二君 ちょうど本来正常にその対話が受け入れられれば、漏れ聞くところによると三月の十一日に大臣がお会いしたいというような話だったように思いますが、そのあたり、最近の流れで近々に大臣が来られる御予定というのはまだ決まってないんですか。
○国務大臣(中山正暉君) 高速道路の開通式に行くような予定はありますが、まだ徳島の方へ入る、その固定堰の問題をどうするかということに対するまだ日程は決まっておりませんようでございまして、ちゃんとした形でそれがその後の話が続いていくような形で入る、その基盤を整備しておるということでございます。
○北岡秀二君 先ほどからいろいろお話をいただいておる過程の中で私も感じておるわけでございますが、このたびの徳島の住民投票に至るまでの経過等々を間接的にはたから見させていただきますと、いろんな方が全国からおいでをいただきましていろんな運動をやっていただける。そしてまた、その中に当然純粋に運動されていらっしゃる方もあるし、いろんな思いで、それこそ環境の専門家というか、そしてまた住民投票のとにかくそういう面での専門家もおいでいただけますし、もういろんなことである意味で申し上げるとぐじゃぐじゃになりまして、非常に私らはたから見ておりまして、この第十堰の性質の問題等々を考えてみますときに、従来から議論がありますとおり、果たしてこの種の公共事業あるいは事業自身が住民投票になじむものであるかどうかというのを、私は非常にそのあたりの危惧を抱いております。そしてまた、先ほどお話をいただきましたサイレントマジョリティーの意向を酌む、これも間接民主主義の大きな私は使命だろうと思います。 今回の結果で徳島市議会を初め徳島のいろんな地方議会の方々、私どもも含めてどう対応していいかわからない。我々、責任ある立場で思いをはせるに、この事業は絶対に必要だ、必要にもかかわらずそれが十分に御理解いただけない結果、思わぬ結果になった。じゃ、ならば責任放棄していいのか、ならばこの危険な状況というのを我々は逃げていいのか、それはならない。非常にそういう面で悶々とした矛盾を感じながら、住民投票の問題あるいは間接民主主義のあり方というのを深く私は思うわけでございますが、今申し上げました住民投票について、間接民主主義との兼ね合いも含めてさまざまな問題を持っておるように思います。 最後に、自治大臣にお伺いしますが、住民投票をこれから将来、今までも質問にございましたが、どのように制度化をしていくおつもりなのか、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(保利耕輔君) 我が国におきましての住民投票のあり方等を考えます場合に、幾つかのやはり委員御指摘のような問題点があるかと思います。 第一は、やはり今御指摘の間接民主主義との関係、これをどう整理するかということ、それからもう一つは、住民投票になじむのは何か、なじまないのは何かというその適用の事項の問題、それからもう一つは、どういう範囲でやったらいいものかと、ある町だけでやって全体を決めてしまうということがいいのかどうかというその地域的な範囲の問題、さらには、今もいろいろ御議論が出ておりましたが、技術的な問題がかみ合っておりますときに、投票される方がどのくらいその内容を正しく理解された上で投票されるのかというようなさまざまな問題があると思います。 そこで、この問題については、総理の諮問機関でございます地方制度調査会というのがございまして、現在二十六次でございますけれども、そこで幅広く御審議をいただいておる状況でございます。いろいろな、さまざまな御意見がありまして、なかなかまとめにくいようでございますけれども、住民投票につきましては今後も専門家のいろいろな方々の審議内容も自治省としては十分に関心を持って見守っていきたい事項だと思っております。
○北岡秀二君 終わります。
○委員長(倉田寛之君) 以上で小山孝雄君の質疑は終了いたしました。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(倉田寛之君) 速記を起こして。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十九分休憩 ─────・───── 午後一時開会 〔理事竹山裕君委員長席に着く〕
○理事(竹山裕君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、平成十二年度総予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。久保亘君。
○久保亘君 きょうはこちらへ参ります途中で、昔、私が若いころに、保利茂先生という葉隠れ精神を今日に持ち続けておられるような風格のある政治家がいらしたことを思い起こしていたのであります。ぜひ、そういう私の思いにこたえてください。 最初にお尋ねいたしますが、保利さん、警察法六条に基づく国家公安委員長の代理はどなたですか。
○国務大臣(保利耕輔君) 私が不在のときの代理は、現在は那須委員であります。
○久保亘君 もう一つ質問をいたします前に確認をしておきたいことがございますが、持ち回りと言われる公安委員の皆さんの決裁を得られた、その処分に関する案件の起案はどなたがなさったのでしょうか。
○国務大臣(保利耕輔君) 小林元本部長につきましては、警察庁で原案をつくりました。私がそれを見ております。
○久保亘君 あなたがごらんになったことはいいですが、国家公安委員長というのは公安委員会を代表いたしますね。そして、会を総理し、招集権はあなたにあるんです。それを持ち回りでよいということもあなたがお決めになりましたか。
○国務大臣(保利耕輔君) 先ほど御答弁申し上げましたが、その昼に委員四人の方がお集まりになりまして、処分の基本的方向については意見の一致を見ておるということでございましたので、その案を私が見、先生方の意見を、国家公安委員の意見がよろしければこれでもって御決裁をいただいてこいというのを私が申しました。
○久保亘君 警察法による国家公安委員会の任務やそのあり方についての規定で、特に警察幹部の処分に関する問題などをそのような方法でおやりになることは正常ではないと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(保利耕輔君) 基本的には会議の場で決していくのが基本だと思います。ただ、緊急の場合にそのような持ち回りという形で決裁することは許されると私は考えております。
○久保亘君 公安委員会は、招集権はあなたにしかありませんね。
○国務大臣(保利耕輔君) 招集権は私でございます。
○久保亘君 そうすると、あなたがこの案件は招集に及ばず、こういうふうに決められたわけですね。
○国務大臣(保利耕輔君) 午前中の御論議の中で基本的方向を認めていただいておりますので、具体的な処分案ができて私も見ているから、それで先生方の決裁をいただいてこいと言ったのは私でございます。
○久保亘君 午前中の会議でと言われておりますが、午前中にどんな会議が持たれたんですか。その会議は、あなたが招集された会議でしょうか。
○国務大臣(保利耕輔君) その日の会議は国家公安委員会ではございませんので、この事実関係については警察庁長官から答弁をさせます。
○政府参考人(田中節夫君) 二月二十五日午前の会合でございますけれども、これは前日の二十四日、大臣に私が御報告を申し上げました。大臣からは、事実がそうであるとすれば大変な事態であるということで、至急調査するようにということで、そうだとすれば何らかの措置、更迭処分あるべしという御判断をいただきました。 二十五日午前、両名から事情聴取し、ほとんどその事実を確認いたしました。その後、公安委員四名の方と私が御一緒になる機会がございました。これは国家公安委員会ではございません。そのときに、基本的な状況といいますか、事実の関係と、それから今後の措置について意見をお伺いいたしましたところ、先生方は、基本的にはこれは更迭すべし、厳しい処分をなすべしという御判断でございました。もうお一方は、私どもの幹部が電話にて連絡をしております。 それを受けまして、私どもといたしましては警察庁の原案というのを夕刻つくりました。それを大臣にお示しをいたしました。この原案で各公安委員に御意見を伺いますと。全員がそれでよしということになれば、これは通常であれば、通常といいますか、この場合は緊急でありますので持ち回りという形になりますけれども、持ち回りという手続で進めてよろしいかというふうに伺いました。 具体的な処分の内容につきましては、これは私どもが作成いたしまして国家公安委員の各委員五名の方にお示しをしたという過程でございます。
○久保亘君 国家公安委員会のもとにあります警察庁が、そのような公安委員会の任免権に関する、人事権に関する問題を、処分をあなた方が起案されるんですか。
○政府参考人(田中節夫君) これは内部に規定がございまして、本部長と申しますのは地方警務官と申しておりますけれども、都道府県警察に勤務しております警視正以上の職員でございますが、この職員に対しますところの懲戒につきましては、警察庁内に懲戒審査会というものを設けまして、ここから国家公安委員会から処分すべしというお話がありますと、ここで検討し、原案を作成し、それを国家公安委員会に御報告をする、それで国家公安委員会が御判断をする、こういう形になっております。
○久保亘君 今までこの委員会でお聞きしてまいりましたのは、公安委員長はあたかも会議が開かれたかのように私どもに話をされてきたと思います。それから警察庁長官は、処分に当たっては公安委員会がお決めになったような話をされてきたんじゃないでしょうか。 そういうふうにくるくるくるくる話が変わりますと、国家公安委員会自体信頼が置けないということになりませんか。
○国務大臣(保利耕輔君) せんだっての答弁の中で、論議をしたということを照屋委員の御質問に対してお答えをしたことがあります。それは私の完全に思い違いでございまして、二十八日にこれは私が招集をしました委員会の中で議論をしたのと取り違えておりましたので、謹んでおわびを申し上げ、訂正をさせていただきます。
○久保亘君 この小林元県警本部長の処分に該当する事項は、何をもって減給処分にすべしと決められたんですか。
○政府参考人(田中節夫君) 小林前新潟県警察本部長にかかわりますところの処分の事由と申しますか事情でございますけれども、一つは、少女監禁事件に関しまして、一月二十八日の記者会見におきまして事実と異なる発表を行うことについて了承を与え、結果として報道をミスリードすることとなり、その後も迅速な訂正をすることなく報道対応に適切さを欠き、警察の信用失墜を招いた責任。 二つ目が、一月二十八日、被害者の発見等、出張先の車中で電話報告を受けた後、あらかじめ手配した旅館に投宿し、電話やファクス等で事件処理の指揮を行いつつも、来県中の関東管区警察局長と懇親を設け一泊するなど、最高責任者として本件の重大性についての認識を著しく欠くと言わざるを得ない不適切な行動があり、警察の信用を失墜した責任。 三つ目が、神奈川県警を初めとする一連の不祥事案の反省、教訓の上に立ち、警察において再発防止対策を講じてきたところであり、警察本部長は再生の道の先頭に立って歩まなければならず、これまでもその職責の重みとそのあり方について国家公安委員会、警察庁として指導してきたところであるにもかかわらず、その職責を果たせなかった責任。 以上、三点を問うたものでございます。
○久保亘君 事実に相違する虚偽の内容を発表したということがその罪状の一つになっておりますが、今そのことを処理した公安委員会自体が国会に対して虚偽の報告をやり続けているんじゃないですか。
○国務大臣(保利耕輔君) 私は、誠心誠意お答えを申し上げ、虚偽のお話を申し上げたというつもりはございません。
○久保亘君 そんなに勘違いをしたり忘れたりするような問題ではないように思いますね。あなたがそういうふうに言われると、それ以上のことを私は申し上げることはできませんが、非常に不信感を持ちます。 この問題に関して、官房長官も、それから総理もあなたも、言語道断という言葉をかなり頻繁にお使いになりました。私も久しぶりに言語道断という言葉を耳にしました。そのほかに、遺憾千万、あるまじき行為、許しがたき行為と続いております。こういうことに対して、管区局長は罰するに該当せずという判断はだれがしたんですか。
○政府参考人(田中節夫君) 前関東管区警察局長に対します処分は私が行いました。 その経緯につきまして御説明いたしますと、関東管区警察局長につきましては引責辞職という形をとらせております。この場合の引責辞職の位置づけでございますけれども、私どもの認識といたしましては懲戒免職に次ぐ重い処分であるというふうに考えております。通常、地方の場合、地方公務員を例にとりますと、懲戒免職、諭旨免職、停職、減給、戒告、こういう形で処分あるいは人事措置がなされているところでございますけれども、この場合、私どもは引責辞職という形で極めて厳しい措置をとったという認識でございます。 この措置は、中田前関東管区警察局長の場合でございますと、昨年八月にその職につきました。また、三十年余り警察に勤務しております。このような措置で退職させる場合には、通常、円満な形で退職する場合と比べまして千数百万円の退職金の減額もございます。そういう意味で、私は大変悩みましたけれども、彼の場合にはこういう措置であるというふうに考えました。 また、再三国会等でも申し上げておりますように、本人がみずから職を辞せざるを得ないような事案を申告してきたこと等を考慮いたしますと、それに加えて国家公務員法に言う処分をする必要はないというふうに私が判断したものでございます。
○久保亘君 それは処分ではありませんね。処分ではありません。引責辞職というのは法律上の処分ではありませんから、これは処分を受けたのではなく、みずから責任をとったということですね。
○政府参考人(田中節夫君) 御指摘のように、国家公務員法上に言う懲戒処分ではございません。しかしながら、その効果等を含めますと、退職金の大幅な減額、千数百万円の減額でございますので、これは本人にとっては極めて厳しい措置であるというふうに私は認識しております。
○久保亘君 引責辞職というのを公安委員の中では、新聞にコメントされたものの中に、何か武士の腹切りとか、そういう美談のように書かれている向きがなかったわけではありませんが、それはあなた方が引責辞職するように勧奨されたわけですね。
○政府参考人(田中節夫君) 事案の重大性にかんがみ、職を辞すべきであるというふうに申し向けました。
○久保亘君 警察庁長官というのは、公務員法によらざる処分、しかもあなたの言葉をもってすれば懲戒免職に次ぐ処分、そういうことを強制する権限はどこにありますか。
○政府参考人(田中節夫君) 職を辞すべきであるというふうに私が申し向けました権限ということでございますけれども、法律上の権限ということにつきましては、それは委員御指摘のように明確な規定はございません。私どもは、中田前関東管区警察局長の上司としてそういうことを申し向けたということでございます。
○久保亘君 そこで、私はお聞きしたいことがありますが、先ほど総理、官房長官、国家公安委員長が言語道断とおっしゃったということを申しましたが、その場合、青木官房長官は、個人として言えばということを前置きされました。 〔理事竹山裕君退席、委員長着席〕 各閣僚の皆さんは、このことに対してどういうふうにお考えになっているのか。もし、言語道断の振る舞いであるということに異論のおありな方がありましたら、挙手して答えてください。──ないようでありますから、これは内閣として、閣内は同じような認識であるという理解をいたします。 警察庁長官は、この言語道断の振る舞いということについて同じような認識をお持ちになりますか。
○政府参考人(田中節夫君) 言語道断、警察官幹部としてはあるまじき行為だというふうに私も認識しております。
○久保亘君 では、言語道断というのはどういうふうに解釈されておりますか。
○政府参考人(田中節夫君) 辞書等で言語道断の意味をどういうふうに記しているかは存じませんけれども、言うまでもなくこれはけしからないことであるということだと思います。
○久保亘君 警察庁の幹部たる者が言葉では言えないほどのとんでもないことをしでかしたということになれば、これはいわゆる公務員法上の処分の対象にならないというのを、そういうことを警察がおやりになるのはどうしてですか。 それから、それを公安委員長として報告を受けて、まあいいだろうということで了承されたのはどういうことですか。
○政府参考人(田中節夫君) 私の認識につきましては、今申し上げたとおりでございます。 このような行為につきまして、それを法に照らして、あるいは先例に照らしてどのように判断するかということでございますが、私は、中田前関東管区警察局長の行動等につきましては幹部としてあるまじき行為であるというふうに考えております。それで、その具体的な内容につきまして、今申し上げましたように、法令、先例、そして事実と照らし合わせましてどのような措置が可能であるかということも考えたところでございます。 しかし、それが国家公務員法上のどの条項に該当するかは別といたしましても、定めるところの例えば減給とかあるいは戒告というところに相当する行為があったと思います。しかし私は、それにつきましては本人がみずから申告をしてきたということのゆえをもってそれは問わないと。しかしながら、全体としてこの行為につきましては、幹部として、しかも将来これから警察の幹部として行くのは適当ではないというふうに判断をし、職を辞すべきことを命じたところでございます。
○久保亘君 では伺いますが、国民が何か犯罪を犯して自首してきました場合には、これは不問に付すということですか。
○政府参考人(田中節夫君) 国民が犯罪を自首してきた場合にどうするかという御質問でございますが、これは法令にのっとりしかるべく処置される、刑の減免とかの適用はあるということは当然でございます。
○久保亘君 警察の幹部の場合には、公安委員会も一体になってまず警察の組織を守る、それから信用を失墜しないためにあらゆる防御の手段をとるということが今度の一連の公安委員会、警察庁がおとりになった手段の一番基本にあるのじゃありませんか。
○政府参考人(田中節夫君) 私は、今回の事案が発生いたしましたときに、これは速やかに人事措置をとるべきであるということを大臣にも申し上げましたし、また公安委員会の委員の方々にも申し上げました。それを公安委員会が了承されたわけでございますし、また中田局長の行為につきましても私が判断したわけでございますけれども、それは事実を速やかに的確に把握し、それをどのような形で法令にのっとり措置するということにつきましては記者会見の形でも明確に発表したつもりでございます。
○久保亘君 県警のトップにある者、そして警察庁の管区の局長という非常に高いレベルにいる幹部がこのような事件を起こした場合には適正な処分が速やかに行われ、そしてその処分をしなければならない立場にある者こそ、そこが引責のみずからの処分をしなければならぬのではないですか。その事件の当事者が引責辞職というのはないと思うんです。何の引責なんですか。
○政府参考人(田中節夫君) 引責辞職という言葉の問題でございますけれども、今、委員御指摘のように、部下がいたしました行為につきまして、その上司が責任をとって辞職するという形もございます。また、今回のように、本人がした行為につきまして、本人がみずから責任をとってやめるという場合にも引責辞職という言葉は使われるものというふうに理解をしております。
○久保亘君 どうも今国民の間にあります不信感というのは、最近報道されました、防衛庁から警察庁に出向して、そして県警本部長に発令直前にデパートの中で怪しげな行動をやって逮捕された。これは即日出向を解かれて防衛庁に帰りまして、それで防衛庁はこれをわからないうちに退職処分にして退職金も払われた。こういう報道がありますが、これと全く同じようなやり方じゃないですか。
○政府参考人(田中節夫君) 委員御指摘の案件は、昨年七月八日付で警察庁に出向しております防衛庁の職員が、八月四日だったと思いますけれども、東京都内で東京都迷惑防止条例違反の現行犯で逮捕された事案だと思います。 これにつきましては、八月四日逮捕いたしましたその時期におきまして、本人が大変動揺し、精神的にも大変問題があるということで、このままでは警察庁に置いておくわけにはいかないという判断で、これは防衛庁と協議の上、防衛庁に身分を移したものでございます。
○久保亘君 防衛庁長官は、この問題はどうお考えになっておりますか。これ、最終的にこの人の身分を処理されたのは防衛庁だと聞いておりますが。
○国務大臣(瓦力君) 久保委員にお答えいたしますが、御指摘の件につきましては、個人的な行為とはいえ、そのような事案が起きましたことは極めて残念に思っております。 防衛庁におきましては、同人に対する処分は行われておりませんが、現行制度のもとでの処理の仕方として特に問題はなかったと考えております。 同人は、自己の責任を痛感し、職を辞することで責任をとったものと受けとめておるわけでございます。
○久保亘君 これは、それこそ警察の手によって逮捕され、そして罰金が科せられたのではないですか。それで、これは明らかに犯罪として決着している問題が全然警察庁からも防衛庁からもその責任は問われない。同じような考え方が今度の場合もあるんじゃありませんか。
○政務次官(依田智治君) ちょっと事実関係を説明させていただきます。(発言する者多し)今指名を受けましたから、説明させていただきます。 本事案につきましては、先ほど警察庁長官からお話がありましたように、逮捕し、取り調べの上、本人が非常に精神的に不安定な状況にあるということで、私どもとしては大変警察庁に対して迷惑をおかけしたことになるわけですが、親元の方でしっかりと処置をしてくださいということで帰されたわけでございます。 そして、防衛庁としましては……
○委員長(倉田寛之君) 簡単に。
○政務次官(依田智治君) 本人が非常に動揺しており、身体の不調もあり、また精神的に不安であるということで自衛隊中央病院に入院させまして一カ月くらい様子を見たところ、これは勤務を継続することは無理だということで責任をとって辞職させた。 なお、本人につきましては、警察庁としまして十月に書類送致を地検の方にいたしまして、十一月、略式命令によって五万円の罰金処置を受けておるということでございます。
○久保亘君 大変私は今の警察の綱紀に対するあり方に問題が大きいように思います。やっぱりこの際、公安委員会も、このような重要な議案を警察法の中にも規定のない持ち回りの決裁によって処分を行ったというようなことは、これは私は、職務を忠実に果たしていない、こう思います。しかも、恐らく公安委員長もそのことをここで申されることは非常につらいことだったんだろうと思いますが、これは私は、公安委員会並びに持ち回りの議案書を起案し、そして持ち回りで済ませようということを公安委員長に相談した警察庁長官の責任は極めて重い、こう思いますが、その責任はどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(保利耕輔君) 私は、この事案の判断には緊急性を要したという事態がございまして、それで持ち回りということでこれを決めるようにという処置をとったことについて、これは今でも緊急性にかんがみやむを得なかったことだというふうに思っております。
○久保亘君 それは保利さん、無理だよ。二十四日にあなたには説明し、了解を得たと言っているんです。この人たちには二十五日に持ち回っているわけでしょう。どうして二十四日から二十五日までの時間というものが緊急な会議を開く時間としてとれなかったんですか。
○国務大臣(保利耕輔君) 御承知のとおり、二十四日の夜中に私は報告を受けております。そして、事実確認が完全にできたのが二十五日、これは警察庁長官にお聞きをいただいても結構かと思いますが、事実確認ができましたのが二十五日でございました。それで、二十六日が土曜日、二十七日が日曜日ということでございまして、新潟の県議会との関係で二十九日付ではどうしても発令をしなければならないということになりますと、準備その他でどうしても二十五日じゅうに決裁をしなければならないという状況がございました。
○久保亘君 その緊急に処分を発令しなければならなかった理由をもう一遍言ってください。
○国務大臣(保利耕輔君) これは、ちょうど新潟の県議会が開かれておりまして、県議会開会最中にこのような不祥事を起こした本部長がそのまま在職するということについては適当でない、できるだけ早い機会にこれは処分をしなければならない、あるいはやめていただかなきゃならない、更迭をしなければならない、そういう判断がございましたので、私は緊急性があると、二十五日じゅうの決裁をするようにさせたわけであります。
○久保亘君 公安委員長として、それでは警察法に基づく新潟県公安委員会との連携はどのようにおとりになりましたか。──公安委員会の方ですよ。
○国務大臣(保利耕輔君) 公安委員会の事務局をいたしております警察庁から御答弁させます。
○政府参考人(田中節夫君) 今回の事案につきましては、先ほど来御説明を申し上げておりますように、二月二十四日の夜、大臣に御報告を申し上げまして、二十五日の午前中かかりまして全体を把握いたしました。その時点で、各公安委員に事案の全体の概要と今後のとるべき基本的な方針については大方の了解をいただきました。しかし、具体的な処分内容についてはもちろん了解を得ているところではございません。その後、私どもに具体的処分の内容等につきまして御下命がございましたので検討し、急いでそれをやったわけでございます。 なぜ緊急を要したかというお話でございますが、ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、目下新潟県は県議会の開会中でございます。したがいまして、本部長に非違があり更迭すべきであることになれば、できるだけ速やかにこれを措置する必要があったということ。それから、この本部長の人事につきましては、通常は県議会開会中はやらないというのが慣例になっております。したがいまして、これは県議会の関係者、関係議員の方々の了解も得なければならないということ。それからまた、当然に、法律によりまして新潟県公安委員会の同意が必要でございます。そういうことをあわせ考えますと、これは可及的速やかにやらなければならないという大臣の御判断は、私ども事務局としても全くそのとおりだというふうに思っております。 それからまた、新潟県公安委員会の同意はどのように行ったかというお話でございますが、これは、私どもの決裁の途中の過程ではこういうような状況でございます、本部長の更迭ということになりますけれどもいかがですかというようなことは、これは事務局から新潟県の事務局に連絡をいたしました。また、新潟県は、今回の場合は公安委員さんの御自宅までみんな伺いまして御同意を得たという経緯でございます。
○久保亘君 結局、公安委員会というのは法律を逆さに読まなきゃなりませんね。公安委員会のもとに警察庁を置くと書いてありますが、警察庁のもとに公安委員会が形式的に置かれているということになりはしませんか。 私は、今度の一件の処理を通じて、我が国の国家公安委員会の負った責任は極めて重いと思っております。 それで、この公安委員会は、委員長を内閣総理大臣が任命いたします関係もありまして、法律に「内閣総理大臣の所轄」と明記されております。したがって、この公安委員会の最終的責任は内閣総理大臣がとるべきものと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(保利耕輔君) いろいろな形がございましたが、公安委員会としての最終決定は良識ある委員の皆様方の御判断によりされております。 総理大臣の管轄下にあることはもちろんでありますが、そこの責任については総理大臣がどうお考えになるかということにおゆだねしなければならないと思います。
○久保亘君 公安委員の皆さんは、その後、今度の一件の扱いについての公安委員会としての責務について協議をなさったことがあるんですか。
○国務大臣(保利耕輔君) 私は、発令日が一月二十九日ということになっておりましたから、一月二十八日の夕刻に国家公安委員会を緊急、これは緊急でございますが……(「二月」と呼ぶ者あり)失礼いたしました、訂正いたします。二月二十八日の五時だったと記憶をいたしますが、緊急に招集をいたしまして、今回の件について再確認をさせていただきました。小林本部長に対する処置については、全員が全く異論なくこれでよろしいということでありました。 さらにまた、中田局長に対するものについても、警察庁長官が処断するものでありますが、その処断の理由その他を伺いまして、五人の委員の皆さんがこの警察庁長官の処置を了とするということで全員意思表示をされましたので、私はそれを受けて取りまとめをさせていただいた、そういう経緯であります。
○久保亘君 私は、保利公安委員長を政治家の一人として、立場は違いますが、非常に尊敬している一人であります。 あなたにこの際、この国会において報告されたことに誤りがあったり訂正があったり、それがしょっちゅう繰り返された。しかも、そのなされた措置については、管区局長については昔流に言えばおとがめなしということでありますね。そして、引責辞職という形で放免されたという格好になっているわけでありますが、そういうことに対する国民の不信感というものは非常に大きいのであります。このことに対して、国家公安委員長の職をかけて責任をおとりになるお気持ちはありませんか。
○国務大臣(保利耕輔君) 私は、国家公安委員会を代表し、また総理する立場であります。 しかしながら、言いわけになってしまいますので余り言いたくありませんけれども、最後の表決をするときは私は意思表示をいたしません。そして、五人の委員がそろって意思表示をされたものは取りまとめ、それを外部に発表いたします。発表する、あるいは代表して発表するということについては、私は責任がありますから、国家公安委員会の構成委員の一人として、それは全体に対して責任を持たなければならない、私はこのように思っております。 ほかに……(「責任をとること」と呼ぶ者あり)それは、私は誤った行動をしているとは思っておりませんので、もし誤った行動であると任命権者が判断をされればそれに従わなければならないと存じます。
○久保亘君 いや、今話された中にもいろいろ問題があります。というのは、私も法律を詳しく読んでみました、警察法。国家公安委員長というのは国家公安委員会を代表する立場にあるんです。あなたが当初ここで単なる座長役で何にも権限はないんだと言わんばかりのことをおっしゃいましたけれども、それは全く違うと私は思います。 表決権というのは可否同数の場合に委員長が決するのであって、これは国会の議長だって同じじゃありませんか。それに、まだこの法律は、委員は五人のうち三人来れば成立するんです。委員長は必ず出ないかぬのです。委員長ほか委員三名が出席して公安委員会は成立するようになっておるんです。国家公安委員長の責務というのは非常に重いものです。あなたがおっしゃったように、権限も責任もないというようなものとは違います。そういう認識の誤りからも、私はあなたのとるべき責任は重いと思いますよ。
○国務大臣(保利耕輔君) 責任は、代表する立場、総理する立場として十分に認識をいたしております。
○久保亘君 時間がありませんので、またこの問題は引き続きやらせていただきます。 次に、郵政省は見えておりますか、郵政大臣に伺いますが、平成十二年度と十三年度に郵便貯金の定額貯金の大量の解約の時期が、満期解約の時期がやってまいりますが、十二年度と十三年度で解約される元利総額はそれぞれの年度で幾らになりましょうか。
○国務大臣(八代英太君) お答えを申し上げます。 定額貯金の集中満期の時期に流出すると見込まれる金額、全体ではことし来年合わせて百六兆円でございますけれども、そういう中にございまして、十二年度につきましては全体が五十八兆円、平成十三年度には四十八兆円、両年度合わせて約百六兆円と、このようになっているところでございます。
○久保亘君 それでは、その五十八兆、四十八兆の中に含まれる金利といいますか利子はどれぐらいになりますか。
○国務大臣(八代英太君) このうち利子額につきましては、十二年度は約二十六兆円、十三年度は約二十一兆円で、両年度合わせて約四十七兆円と見込んでおるわけでございますが、これらの利子額のうち、六十五歳以上の方々、障害を持った方々も含まれておりますけれども、非課税という例のマル優貯金分の利子額を差し引きますと、利子課税額というのは平成十二年度は約四兆五千億円ですね。うち国税分が約三兆四千億、残りは地方税ということになるわけでございます。平成十三年度は約四兆円で、国税の方は約三兆円。合わせて八兆五千億ということになりまして、国税分はそのうちの約六兆四千億円と、このように見込んでおるところでございます。
○久保亘君 大蔵大臣、この定額貯金の集中満期による国税の税収は、十二年度の予算における税収四十八兆の中に含まれておりますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま御審議いただいております予算の中の税収に含まれております。
○久保亘君 そういたしますと、この一時的な現象をのけますと、十二年度の予算に見られる税収というのは前年度当初よりもかなり下回ることになりますね。
○国務大臣(宮澤喜一君) 本年度の、十二年度の租税及び印紙収入が四十八兆六千五百億円でございますが、これに比べまして、十一年度の当初は四十七兆一千九百億円、あと補正をいたしまして四十五兆になりますが、当初はそういう数字でございます。
○久保亘君 いや、したがって、三兆四千億というこの集中満期の金利による税収を控除いたしますと、いわゆる通常の場合で考えれば相当な税収減ということですね。
○国務大臣(宮澤喜一君) さようでございます。十一年度の当初でございますと四十七兆一千億円でございますから、四十八兆六千億円と比べますと、これがございませんと今年度の収入の方が低うございます。 なお、十一年度は補正をいたしておりますので、その場合、四十五兆六千億円と四十八兆六千億円との比較になると存じます。
○久保亘君 そうおっしゃるだろうと思っておりましたけれども、十二月の税収実績を大蔵省からいただきました。これを見ますと、補正後の四十五兆をかなり上回る見込みになっておりませんか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは十一年度の税収見積もりでございますね。
○久保亘君 そうです。
○国務大臣(宮澤喜一君) 十一年度の税収見積もりは、ただいまのところほぼ補正後の歳入欠陥はないというところまで報告を受けておりますので、全体としてこの四十五兆六千億円をさらに上回るかどうかは、まだ大分、六月までございますので、もう少し御猶予を願いたいと思います。
○久保亘君 来年度まで集中満期による金利から生ずる国税が三兆円ついてくるわけです。中期展望の中で財政についていろいろと大蔵省でも計算をされておりますが、成長率は十一年度で〇・六ですか、そうすると十二年度は幾らで見て税収をこういうふうに計算されておりますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) この中期展望は、久保委員よく御承知のとおり、昭和五十年代から最初に衆議院の予算委員会で御要請がありまして出しまして、その後ごらんのような一種のプロジェクションで、今日的にはちょっとこういうものをごらん願うことにどれだけ意味があるかというような気持ちもしておりますけれども、プロジェクションでやっておりますので、したがって名目成長率は三・五%というようなありそうもないことを想定せざるを得ないのでございます。 それでございますので、今の久保委員のおっしゃいますことをきちんと申し上げますならば、税収で申しますと、このプロジェクションによりましても二〇〇一年度は五・〇%のプラスになっておりますが、その後、二〇〇二、二〇〇三と両方落ちてしまいます。それは定額貯金の利子課税がはげ落ちますので、つまり大蔵大臣としては十二年度と十三年度、ちょっと思わないボーナスをもらっているようなものでございまして、これはそこでなくなってしまいます。したがいまして、長期的にはこの部分ははげ落ちた計算をしないといけない。おっしゃるとおりであります。
○久保亘君 この中期展望は、これが現実にそうなるということを言っているわけではないという注釈が加わっておりますけれども、一・七五と三・五を前提にされたということは、来年度以降、その間には必ずおさめるという確信ですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 全くそうではございませんで、それがプロジェクションと申し上げておる、五十年代からやっていることの作業の続きなのでございますけれども、それでは三・五%というのは何だといいますと、経済企画庁におきまして何年間かの経済見通しのようなものをしておられまして、ただそれは、数字はバックデータであるという了解でございますけれども、そのときに三・五%という成長を想定しておる、それを使ったものでございます。 したがいまして、こういうことが現実に起こるということは全く無関係の想定というふうにお受け取りいただきたいと思います。
○久保亘君 全く現実とは無関係の展望をなさっているというのは、それはわかりました。 そうすれば、いわゆる政府の国民に対する責任論としての成長率というのはどこで見たらいいですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) したがいまして、かつて経済企画庁が計算しておりましたような毎年ごとの成長率というものは現在存在しておりませんで、先年、経済企画庁がそういう計画を立てましたときも、数字はバックデータとして扱うと。実際数字を予測することは困難であったと思いますので、したがいまして今の政府の成長率についてのコミットメントは、毎年年末に予算編成をいたしますときの経済運営の見通しと基本的態度という中で決定するものが一応政府のコミットメントでございます。 したがいまして、平成十一年度につきましての政府の正式のコミットメントは〇・五%でございます。その後、経済企画庁がひょっとして〇・六%まで行けるかもしれないというそういう見通しを持っておることを発表いたしましたが、政府のお約束としては〇・五%でございます。
○国務大臣(堺屋太一君) ちょっと今の成長率のことについて申し上げますと、今議論をしておりますのは名目成長率でございます。 政府の方では、まず実質成長率というのを出しますが、それが十一年度につきましては〇・五%、名目の方は、物価が下がると見ておりまして、マイナス〇・四%でございます。そういうのが大蔵大臣のおっしゃいました見通しを立てるわけでございます。 それで、あるべき姿というのを去年長期計画にかわるものとして、ちょっと計画という言葉はやめてあるべき姿にしたんですが、その中で日本の潜在成長率という数字を出しました。これは、日本が持っている力がうまく発揮された場合の想定でございまして、現実にそうなるということではございませんが、この中では実質成長率が大体二%ぐらい、そして名目成長率が三・五%ぐらいじゃないか、こういう十年間を見通した数字として出したわけであります。 それがこの三・五に影響したかどうかわかりませんけれども、そういう数字は出しておりますが、これは現実の見通しとは違います。
○久保亘君 税財政の問題については、また財政・金融委員会でもお尋ねしたいと思っております。 最後に、宮澤大蔵大臣の財政演説の「結び」というところを非常に興味を持って読みました。危機的な財政状況を改善しつつ、同時に新しい世紀の諸課題に対応することは容易なことではないということで結ばれておりますが、これはどういうふうに解したらよろしゅうございますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 御自分で御経験をなさっていらっしゃいますので、くどく申し上げる必要はないわけでございますけれども、これだけの借金を実際返していくということは、これはまことに平時においても容易ならぬことだというふうに感じております。 実は、この二十一世紀に入りますときに、日本の経済社会がもう大変に変化をいたす。しかも、少子高齢化ということがございますために、殊に社会保障におきましてはどうしても歳出の増加は避けられない。世の中の変化の大きさが一つ大きな問題と思いますが、もっとわかりやすいことを言いましても、社会保障等々でどうしても負担増ということは避けられない。そういう大変に新しくお物入りのときに大きな借金を片づけるという両方のことが一緒になりますので、これはもうなかなか容易なことじゃないということを、まさにお読み取りいただきましたとおり正直に申したわけでございます。
○久保亘君 次に、これは官房長官にお尋ねすることになりましょうか。 教育改革国民会議が今月中には設置されると聞いておりますが、これはどういう目的、理念を持っておつくりになりますのでしょうか。
○国務大臣(青木幹雄君) 教育改革国民会議につきましては、議員も御承知のように、百五十名を超す全国のそれぞれの分野の有識者の方々から、二月末を目標に、教育改革国民会議を立ち上げた場合どういうものを議論していいかということのアンケートを現在集めております。また、広く国民の皆さんからも、総理と文部大臣のお名前でいろんな考え方を今集めております。 現在その整理をいたしておりまして、これの整理ができた段階で、まだ構成メンバー等は決めておりませんが、どういうものを議論すべきかという基本的な問題を決めまして、その上でそれを議論していただくメンバーはどうすべきかということを検討したいと思っておりまして、今集まりましたアンケート、全国民から寄せられたものを整理いたしておりますので、これが整理できました段階で具体的に構成メンバーをどうするか、そこで議論すべきものの中心は何になるか、そういうようなことを決定したいと思っておりますので、いましばらく時間をいただけたらと思っております。
○久保亘君 いま一つはっきりしないことがあるんですが、今度の財政演説の中で宮澤大蔵大臣がおっしゃったのは、「文教及び科学振興費については、創造的で活力に富んだ国家を目指して、教育環境の整備、高等教育・学術研究の充実」に力を入れるということをおっしゃっておりますね。 私は、教育改革国民会議がどういう議論をなさるかは、今の官房長官のお話を聞きますとしばらく待たなきゃわからぬということになりますが、環境の整備ということで、やっぱり教育の現場にとっての一番重要な環境の整備は、学級の子供たちの人数や教師の定員をどうしていくかということが非常に重要な環境整備の項目でございます。 文部大臣にお尋ねいたしますが、平成十二年度をもって第六次定数改善計画が完結すると思いますが、これが完結しました後、十三年度からは引き続き新しい年次計画がスタートできるように文部省としては取り組んでいかれる御決意かどうか、伺います。
○国務大臣(中曽根弘文君) 今後の学級編制やそれから教職員の配置のあり方につきましては、現在、教職員配置の在り方等に関する調査研究協力者会議、ここにおきまして中央教育審議会の一昨年の答申の提言内容を基本として検討を進めているところでございます。 文部省といたしましては、平成十三年度から新たな教職員配置改善計画をスタートできるよう準備を進めていきたいと、そういうふうに考えております。
○久保亘君 それからもう一つ、高等教育に関することを重要な目標として掲げられておりますが、国立大学の独立行政法人化の問題が今非常に議論をされております。 このことについて前の文部大臣でありました有馬元東大学長は、最初はこの独立行政法人化に対して反対の御意見をお持ちでありましたが、その後、政治家におなりになってから少し考えを変えられたようであります。 しかし、賛成であっても、九十九ございます国立大学の中にはいろいろな意見があるわけです。地域との関係、地域の教育、文化、産業のみならず地域住民の生活にまで非常に密接に関係しております大学の今後のあり方というものに対していろいろな論議が加えられておりますが、有馬さんが雑誌のインタビューでおっしゃっておりますのは、反対のところは別に独立行政法人にならなくてもよいのではないか、大学側がそれは決めればいいことだという意味のことをインタビューでおっしゃっておりますが、それは文部省としてもそのような考えと受けとめてよろしいか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 国立大学の独立法人化につきましては、昨年の閣議決定におきまして、「大学の自主性を尊重しつつ、大学改革の一環として検討し、平成十五年までに結論を得る。」、そういうことになっております。 これを受けまして文部省では、有識者から御意見をいただきながら検討を進め、昨年の九月二十日でございましたか、国立大学の独立法人化の検討を行う際の基本的な方向を明らかにしたところでございます。 具体的には、国立大学における教育研究の自主性、自律性に十分な配慮が必要であること、それから、世界的水準の教育研究を行い、期待される役割を十分に果たすことが可能な教育研究条件の整備が図られることが必要であることとの考えを示したところでございます。教育機関でございますから、ほかの国の行政機関とはまた違うところがありまして、今申し上げましたような点を十分に配慮することが必要であるということでございます。 現在、国立大学協会を初め関係者の皆さんの御意見を聞きながら検討を進めておりまして、平成十二年度のできるだけ早い時期までには基本的な方向について結論を得たい、そういうふうに考えているところでございます。
○久保亘君 この際、私から一言意見を申し上げてこの教育問題を終わりたいと思いますが、教育改革国民会議がスタートされます際にどうしても基本に置いていただきたいのは、学校に子供を合わせるということじゃなくて、子供に学校を合わせるという視点をはっきりしてやってもらいたいと思います。学区制の問題にしても学校の校舎のあり方にしても、そういう視点が今だんだん薄くなりつつあるんじゃないかという憂慮の気持ちがありますので、特に申し上げたいことでございます。 それから、先ほど中曽根文部大臣が十三年度から定数改善計画の新しい年次計画をスタートさせるとおっしゃいました。大変結構なことだと思いますが、これをやるに当たっては、やっぱり日本の置かれている国際的な状況というものをよく考えながらやってもらいたいと思っております。 イギリスのブレア首相が首相になります前に私は東京で彼と会ったのでありますが、そのときブレア首相が選挙に使っているカードを私は持つことになりました。このカードには公約がほんの少しだけカードの裏に書いてありまして、その一番目が一学級のクラスの子供の数を三十人以下にすると。それで、この約束を果たすかどうか、このカードを皆さんは持っていて、そして、我々が政府をつくったときにはしっかりそれを見ていてくださいということを書いて配っておりました。クリントン大統領が大統領に再選されますときのスタッフがつくりました選挙公約も、一番重要な柱は、教育費は未来への投資であるということでございました。 そういうことを考えてまいりますと、今の大学の問題にいたしましても、GDP比、高等教育に投ぜられる国家の費用はアメリカに比べると率で半分以下であります。そういう状況をどうやって改革していくか。それで、ブレア首相はその約束を九七年には守ったのであります。ぜひ教育改革国民会議がそういう役割を果たされるよう心から期待をいたしております。 最後に、会計検査院長においでいただいておりますのでお尋ねいたしますが、防衛庁の決算に関して、先般、十一年十一月二十九日にお出しになりました報告並びに一年前の報告において、防衛庁の決算に関する問題は、どう見てみてもこれは会計検査院法三十四条による指摘を受けなければならぬと思うのでありますが、これが自主的に改善を図るよう意見を付したというだけの三十六条扱いになっておりますのはどういう理由でしょうか。
○会計検査院長(金子晃君) 九年度の航空燃料について申し上げますと、その発注は、会計法に基づき指名競争契約によって行うこととされていたものでございます。しかし、検査の結果、検査報告に指摘のとおり、指名競争契約の実施の過程において競争が有効に機能しない事態となっておりました。しかも、その事態が長年にわたって慣行化しているという事態がございました。 したがって、会計検査院としましては、こうした事態は会計法上適切ではないということで、競争入札の運用について競争が機能するような改善の措置をとるよう要請したところでございます。会計検査院の要請に従いまして防衛庁において改善の措置をとるということでございましたので、この件については会計検査院において了としたところでございます。 その後、昨年の十一月に提出いたしました報告書、ここでもまた同じような事態が出てまいりました。うちで要求した事態が防衛庁の入札事務全般について改善されていないというふうに考えましたので、これについては防衛庁に原因の究明と事態の改善を要求するということで、不当事項として取り扱うという措置を要求いたしました。防衛庁の側で今年度どういう措置をとり、そして改善されていくかということを注意深く見守っているのが現在でございます。
○久保亘君 注意深く見守っていただくのは結構ですが、これは今あなたは大変上品に言われた。しかし、本当のところを言いますと、航空機に使われる燃料の油を大手の石油商社が談合をやって、落札しない、そして最後に商議をもって価格の交渉を行うわけです。それで、この価格の交渉を行って、今度はそこで双方が納得した値段を一番最後にはその商社と随意契約でやるというやり方でかなり高いものを調達したのではありませんか。 これは、国民の税金が非常に非効率という、あなたは今非効率ということを言われた、競争入札の機能が果たされていないと。競争入札の機能が果たされていないのではなくて、初めから談合によって十一社で山分けして、そしてこの航空燃料を高く納める、こういうことをやっておったんじゃありませんか。
○会計検査院長(金子晃君) 先ほど御説明いたしましたように、発注官庁において適切に入札の事務が行われていないということで、その改善の措置要求をいたしたところであります。 会計検査院といたしましては、その事実が談合に該当するかどうかということについては公正取引委員会が判断するところでありますので、会計検査院としては会計検査院法に従いまして適切な事務処理がされているかどうかという観点で措置をしたということで、これについての後の談合についての解決は現在公正取引委員会及び刑事事件として処理されているというふうに理解をしております。
○久保亘君 これは談合ということで事件になっておるんですよ。それがどうして会計検査院の検査報告では改善をするように意見を述べたということで終わっているんでしょうか。 平成九年度は一キロリットル当たり三万四千円で買われておりますが、十年度、あなた方の検査が行われて、これは二万九千円に下がって、量が大きいですから総額で約三十八億ぐらい安くなっております。それから十一年には、今度は報告書が出た後、さらに二万七千円に下がって、さらに四十億総額で下がっております。これは明らかに調達の仕方に問題あり、こういうことではなかろうかと思う。特にこの石油十一社が防衛庁と契約いたします総額は、平成七年から平成九年の間で四百八十五億もあるんです。 こういうものが、会計検査院がおとなしければ、防衛庁と調達本部としては商社側にいろいろとやられるというようなことは極めてよくない。特に今度出された会計検査の報告書を見ましても、今度は油ではありませんが、ほかの艦船の修理などでいろいろと問題が指摘されております。 こういう問題について、防衛庁長官、防衛装備品の調達のあり方について抜本的に検討する必要はございませんか。
○国務大臣(瓦力君) お答えいたします。 今、委員御指摘のように、調達事案についての問題整理をすること、そのことは防衛行政に対する国民の信頼を確保する上でも必要でございますので、今、委員御指摘のように、抜本的に改革をするという決意で取り組んでおるところでございます。 なお、先ほど質疑がございましたように、会計検査院の指摘を受けまして、防衛庁といたしましては、燃料の課題につきましても今鋭意取り組みをいたしておるところでございますが、この事案もそれぞれに今公取委の審判でございますとか東京高裁での公判を待たなければならない問題もございますが、これらの状況を踏まえても全力を挙げて取り組んでいかなければならない課題であるということで承知をいたしております。
○久保亘君 それで、特に私はこれは重大な問題だと思っておりますのは、アメリカから有償援助として提供される防衛装備品などで、金は払ったが物は送られてこないというものが随分あるように報告されておりますが、これは事実ですか。
○国務大臣(瓦力君) 今、委員からの御指摘の問題はFMSにかかわる問題かと存じますが、これらにつきましては、米側との取り決めもございまして、調達の問題にかかわりますと、若干紛争地域等には優先して物資が回るということでもございますが、私どもとしては、そういうものが我が国防衛に資するために契約を結んでやっておることでございますから、逐次それらが適切に運営されるようにたびあるごとに申し入れをし、さような改善も逐次今つくりつつあるところでございます。
○会計検査院長(金子晃君) ただいま御質問の件につきまして、会計検査院では、検査報告の中で意見表示という取り扱いではなくて処置要求という形で取り扱っております。 平成九年度につきましては、防衛庁側において処置を自主的にとるということで、処置済みという形にしておりますが、平成十年度につきましては処置要求ということで、処置済みということではなくて処置要求ということで原因の究明と改善を要求しているというところでございますので、そのように御理解いただければというふうに思います。
○久保亘君 それでは、艦船の修理について、数社に指名を行って競争入札に付するわけでありますが、入札前に一社を残して全部辞退している、そしてそこで決まると、こういうことがあるとあなた方の報告に書かれておりますね。こういうものはどう扱われるんですか。
○会計検査院長(金子晃君) そういう点を含めまして、会計検査院では院法上適切な事態ではないということで改善の処置を図るように要請をしているというところでございます。
○久保亘君 もう一つ、私は今度の報告の中で防衛庁に関するところで少し驚いて見ましたのは、海上自衛隊の横須賀地方総監部の地域通信処理システムというのを設置するに当たって、入札といいますか、契約が行われないのに契約前に納入されたり着工したり、ひどいのは四カ月半も前から工事に入っておるんですよ。 そういうようなことがどうしてできるんでしょうか。これは法律に違反することで、これは追及されなければならない問題じゃないですか。
○会計検査院長(金子晃君) 会計検査院で検査をした結果、会計法上適切な事態ではないということで掲記をいたしておるところでございます。
○久保亘君 適切ではないということではなくて、これは明らかに法律違反であるということではありませんか。
○会計検査院長(金子晃君) 説明が不適切で申しわけございませんでした。不当事項ということで取り扱っております。
○久保亘君 不当事項というのはどういう処置をとられるんですか。結局最後は、ほかに競争相手がないんだからまあいいでしょうということになっておさまるんでしょうか。契約もないのに品物がつくられたり納入されたりしてしまっているというようなのは、どういう処置をとったらいいんですか。
○会計検査院長(金子晃君) 不当事項ということで、これにつきましては、この事務を処理しました会計事務職員については懲戒処分ということになり、契約については──失礼しました、業者について指名停止という措置がとられることになっております。
○久保亘君 そうすると、その施設や設備の工事は指名停止になって中止されたんですか。
○会計検査院長(金子晃君) この点につきましては、既にでき上がっておりますので、したがって、後、処分それから指名停止という措置がとられるということになります。
○久保亘君 ここでも実際に命に従って事務処理に当たった職員が懲戒処分を受けるということで一件落着ということにされているようでありますが、非常に問題があるように思います。 防衛庁に限らず、決算報告書を見ますと、各省庁にわたってこんなことが本当に起こり得るかというようなことが非常にたくさん書かれております。これは私は、会計検査院の報告について政府としては真剣に受けとめる必要があるのではないか。毎年同じようなことが、しかも大体その指摘される件数や金額のランキングは省庁によって決まっておるようであります。 そういうことに対して、特にきょうは防衛庁の問題を取り上げてお尋ねいたしましたが、防衛庁長官、何か反論がありましたらどうぞ。
○国務大臣(瓦力君) 大変経験の深い久保委員でいらっしゃいますので、私は反論ということはございませんが、個別の問題として御要請があれば、それぞれ用意もしてお答えをしなければならない重要な案件だと認識をいたしております。 今、格別LACSについての御質問もあり、またその機関からもお答えがございましたが、確かにその事案はございました。年次を追って今、通信システムでございますとか、そういう整備を図っていく大きな転換期にもありますが、年々そういう計画は着実に実施されてまいりますということになりますと、今御指摘のようなタイミングよりも先んじてそのものに着手するというようなことが起こりがちでございます。これはもう厳格にしておかなければならないことでございますので、それらにつきましては、今手持ちの資料はございませんが、厳格に処置をして、会計法上もたがうことなく、予算確保もされた後、きちんと順序を追って仕事に取りかかってまいらなければならぬことをよく指示をいたしておるところでございます。 これから地域におきましてのいろいろそういう課題もあることを私どもはしかと受けとめて、これまでのものよりも慎重に対処することによって信頼をかち得るわけでございますので、そういう意味でも今御指摘の問題等は、事前にありました問題ではございますが、今改めて委員からの御指摘を受けますと、今後引き続いてよく見てまいりたい、注意をしてまいらなきゃいかぬ、こう思っております。
○久保亘君 今、防衛庁長官から誠意のある答弁をいただきました。 会計検査院の指摘そのものにも私が見ますと非常に手ぬるい感じがいたします。どうも治安を守る警察、国を守る防衛、このところにどこか後ろの方が抜けておるんじゃないかという感じがしないでもありません。 とりわけ、今問題となりました綱紀の問題で、警察関係、公安委員会を含めて、粛正並びにその責任を明確にされるよう強く要請をして、私の質疑を終わります。
○委員長(倉田寛之君) 以上で久保亘君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、竹村泰子君の質疑を行います。竹村泰子君。
○竹村泰子君 きょうは私は、国民の目から見て非常にわかりにくいと思われる財政投融資特別会計の問題について質問をさせていただきます。 そして後ほど、埼玉県の桶川というところで女子大生がストーカーによってついに殺されるに至るという問題を取り上げまして、警察の姿勢を追及していきたいというふうに思っております。 初めに、財政投融資、産業投資特別会計なんですけれども、郵貯、年金の自主運用が決まりますね。それに伴って、いよいよ二〇〇一年四月から財政投融資制度の抜本的な改革が行われることになっています。 現在の財政投融資制度においては、財政投融資を制度として一つの法律のもとに統括するものとはなっておりません。資金運用部資金及び簡保資金の長期運用に関する法律ですとか、特別会計法等々の個別の法律でもって運用を行っています。それらを集めて全体で財政投融資と呼んでいるわけでありますけれども、法律の上には財政投融資という言葉はどこにも出てこない。それゆえ、財政投融資というものが大変わかりにくいものになっていると思います。 今回、財政投融資制度が抜本的に改革されるわけですから、この際、財政投融資制度という制度を法律上明確に位置づけることが必要ではないかと思いますが、大蔵大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) お話しのように、お互いが財政投融資というものを国会でこうやって議論したりしておりますからそう遠いものと思っていないのかもしれませんが、国民のお立場からいうとどうも財政投融資というものはよくわからない。いろいろ公団とかいろんなものがあるらしくて財政投融資から金が来ているらしいとか、郵便貯金や年金の金は財政投融資に入っているらしいとか、それだけ知っていらっしゃったら随分国民としては知っていらっしゃる方でしょう。そのぐらいわかりにくい制度であったことは確かで、今まで長いことやってまいりまして、便利でございましたからそうやってまいりましたが、おっしゃいますように、年金、貯金の運用部への預託というものを廃止するということが一つのはっきりした契機になり、それならばどうやって金をつくるか、それは財投会計が自分でつくるべきじゃないかと。それから、そこから、今までいろんな財投機関が金を受けていましたものも原則は自分でつくってみろと。そして、どうしても大事で及ばないところは財投債の方を分けるけれども、基本は自分でやりなさいということで、そうしますと自分で債券を出せないところもひょっとしたらあるかもしれません。また、出す条件も違ってくる。それによって財投機関の仕事そのものの合理化ができると。 こういうことを、そうやってみましたら確かにすっきりするわけでございますから、そしてそのシステム全部を国会でごらんいただいて、国会の許しを受けてそういう作業をする、こういうことが考えてみれば確かに必要であろうということで、このたび法律を提出いたしまして御審議を願っておるわけでございます。
○竹村泰子君 郵貯や年金が自主運用されるということが一つの目玉でありますけれども、財投債や財投機関債、これを発行することになっているわけですから、財政投融資の目的、機能、仕組み、機関の運営基本、あるいはどう評価するか、それからディスクロージャーなど国会に対して負う責任等々を明確にした法律を策定すべきであるというふうに思います。 大蔵大臣も今そのようにお答えくださったと思いますけれども、再度もう少し詳しくそのあたりをお聞かせ願えませんでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それでは、まず郵便貯金、年金積立金のところから、もう御存じのことでございますが、説明せよとおっしゃいますから申し上げますが、これは、今まで預託をしておりましたものを廃止する。そういたしますと、今までその金に頼っておりました資金がなくなるわけでございますから、財政投融資資金特別会計が公債を発行する。いわばこの会計が能動的に自分で資金を調達しなければならない。黙っていても入ってくるということはなくなるわけでございます。 それで、その資金をいわゆる国の仕事に財投債の使途として使うわけでございますが、次にもう一つ、今まで財投から金を受けておりましたもろもろの何々公団、何々特殊会社は、基本的には財投から金を受けることに頼らずに自分で財投機関債というものを発行しなさい、自分の仕事だから自分で発行しなさいと。今までですと何とか財投から金がもらえるということがございましたけれども、今度は自分で機関債を発行するとしますと、その仕事のディスクロージャーなり採算性なり、それをはっきりしなければ自前では金が調達できませんし、また効率が悪ければ調達できても不利な条件でしか調達できないかもしれない。そういう意味ではみんな一種の市場経済的な建前になるわけでございます。しかし、それでも、仕事は大事だが自力では金ができないというところは例外的には財投債の方から、財投債というのは事実上国債でございますから、それを援助することもあり得る。しかし、基本的には自前でやってもらいたい。 それで、国会との関係につきましては、長期資金の運用につきましては引き続き国会の議決をいただきますし、財投債の発行限度も、これは国債の発行限度でございますから国会の議決をいただく。こういう改革によりまして、特殊法人等の施策に本当に入り用な金を自分で調達を基本的にはさせるということも同時に達成できると。 いわば、今までやってまいりましたことを市場原理の方へずっと推し進めていったということと同時に、国債の発行でございますから当然国会の議決は求めなければならないと、こういうこと。そこで、もとに返りまして、郵貯、年金等は自主運用と、こういうことになるわけでございます。 ただ、経過的には幾つかの経過規定を置きまして、自主運用と言われても郵貯、年金も突然どうされるか、安全有利ということもございましょう。それよりも、また受けた財投側が急に全部なくなってしまいますと、今まで受けたものは大体七年でお返ししていますが、財投から今度特殊法人に出します金は長いものですと三十年ほどございますので、そのギャップが出てまいりますから、しばらくの間、郵政大臣にお願いをして財投債もある程度買っていただこうというような経過規定は幾つかございますけれども、基本的にはそういうことに整備したいと思っております。
○竹村泰子君 今までは資金運用部へ全額預託されていたものが、自主運営に任すわけですから、やっぱり市場原理にのっとってリスクも負うわけですよね。ですから、そのときにはまたリスクを全部背負わせるのではなくて、財投から、またしてもそこで国債がふえるのかもしれませんが、そういう責任を負うことになるというふうに思います。 そこで、財政投融資制度が抜本的に改革されると。抜本的改革と私も大蔵省から御説明をいただきましたけれども、そこでもう一つ提案をしたいと思います。 財政投融資制度の抜本的改革の背景は財政全体の構造改革の一環としてでなければならないと思いますけれども、その基盤となります財政はますます逼迫しておりますよね。国債は毎年三十兆円を超える膨大な額が発行される状況であります。それに伴って、利払い費や国債の償還費も財政の圧迫要因として急速に膨らんでいっているわけであります。定率の繰り入れや剰余金繰り入れ、あるいは保有株式の売り払い収入等でその資金を確保しているんですけれども、それでもなかなか追いつかないと。多額の予算繰り入れを余儀なくされていますね。 財政再建ということでいえば、御存じのとおりですけれども、平成十一年度第二次補正予算の成立によって今年度の公債依存度は四三・四%と過去最高を更新することになっているわけです。これに地方分を加えた単年度の財政収支ということになりますとGDP比マイナス一〇・七%ということになって、これは、第二次世界大戦期を除き財政赤字がGDPを超えたことはなく、既に戦時財政のような異常な領域に足を踏み入れていると言わなければならないということを私たちはしっかりと認識すべきであるというふうに思います。 例えば、今後、経済規模が平均二%の成長を仮に達成したとしても、一般歳出の伸び率をゼロに抑えて補正予算を編成しないと仮定しても、これによってもたらされる税収増は一兆円程度にすぎないと。もう大蔵大臣よくおわかりになっていると思いますけれども、私の聞き違いでなければ、たしかきのうのこの予算委員会で、それは余り大したことではない、赤字国債がふえていくのはよくないことだけれども私は余り心配しておりませんというふうなお返事があったように思いますが、これは大蔵大臣、どうやってこの赤字国債を解消していこうと思っておられますか、具体的にお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨日も、非常に大変な状況だということを申し上げました後、しかし日本の経済が正常になりましたら、また日本が二十一世紀に即応する体制ができましたら、これだけの国でございますから、国がつぶれるとか財政が立ち行かなくなるとか、とことんのことは心配はいたしませんけれどもと小さな声で言いましたところを大きな声で言っていただくと、それが申し上げたかったところではないので、大変にいろいろ苦労があるということを申し上げようとしたわけでございます。 せんだってから申し上げておりますとおり、今度のことは、この二年間やむを得ずこれだけの大変大きな借金をいたしまして、これはなかなか返済するのに容易なことではないと思っていますが、同時にしかし、財政再建ということは、この二十一世紀の最初の十年、二十年で日本の経済社会が大変な変化をする、財政ばかりでなく税制も、中央と地方の行政、財政の関係も、あるいは長期的な社会保障の制度そのものもいろいろみんな絡み合って、一遍もとからやり直さなきゃならないような程度の改革が入り用だと思っておりまして、決して安易なことだと思っておりませんけれども、今の体制のままでこの借金を返していこうというのは私はなかなかそれは難しいことであって、やっぱり体制全体を見直して、その中で財政の役割は何か、あるいは地方と中央の関係はどうかとかそういう、あるいはもう一つ、社会保障の給付と負担との関連をどうするかとか、そういう全体の問題として取り上げなければならない大変難しい大きな仕事であると、先ほどちょっと久保委員にも申し上げましたようなそういう感じを持っているわけでございます。
○竹村泰子君 とりわけ小渕政権は減税とそれからばらまき公共事業というふうに国民は見ているわけです。そして、小渕政権になってから百二兆円の赤字国債をつくってしまったといいますか、国民はこういうふうに思っていると思います。この疑問に、一体これどうするんだろうと、私たちはともかく、将来世代はこれだけの借金を背負って一体どうしたらいいんだろうと皆さんは非常に心配しておられるのが現状ではないかと思います。 総理もなさり、そして大蔵大臣もなさり、もう国のすべての財政問題に、トップにお立ちになっておられます宮澤大蔵大臣としては、やはりこの国民の疑問に答えなければならないと思います。いやこれは何とかなるでしょうとか、いやこうやれば日本はこういう立派な国でありますから大丈夫ですよと言われても、やっぱり心配は消えないわけです。もう少し具体的にお答えいただけませんでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) この内閣になりましてから百兆円の借金をしたということはそのとおりでございますが、これは好きでしたのではありませんで、心ならずもそういうことになったわけで、国民の皆さんがこれはむだ遣いしたとおっしゃったらそれはおしかりをいただかなきゃなりませんが、むだ遣いをしたつもりではございません。 有効に使っていない部分があるというおしかりはそれはあるかもしれませんが、全体としてこれで不況を打開したらまず一つの仕事は済んだ、しかし一難去ってまた一難で、後の一難の方が確かに大きいわけでございます。 それは大きな借金になりますから、これはもう国民の皆さんに申しわけないがお願いをして、やはり時間をかけても返済をしてまいらなければならないことはもう否定はできません。否定することができない事実ですが、ただこれは外国から借金をしておるわけではございませんし、幸いにして国債そのものの信用は落ちておりませんし、我が国の国内の大きな貯金があるということは皆さん御存じのことでございますから、どうにもできないようなものをしょってしまったというふうには私は思っておりません。 ただ、そのためには、先ほども申しましたように、今までの体制はしょせん二十一世紀になれば変わらなきゃならないんだと思いますが、それは今までの体制ではいけないし、またかなり時間のかかることでもありますが、しかし悲観をしなきゃならない状況であるというふうには私は思っておりません。
○竹村泰子君 決してむだ遣いをしたわけではないというお言葉が冒頭ございましたが、きょう私は時間がなくてそちらの方できないんですけれども、私どもから見ますとやっぱりむだが随分とあります。要らない公共事業が随分とつくられている、それはもう構造を変えないとなかなか是正できないことであろうと思います。 そこで、提案と先ほど申し上げましたのは、多額の国債発行によって必要となってきた償還費等のために政府が保有を義務づけられているNTT株式、JT株式、これを現在保有している産業投資特別会計から国債整理基金特別会計に所有を移したらどうなるのでしょうか。いかがでしょうか。今は全部産業投資特別会計につぎ込まれていると言ったら大変悪い言い方かもしれませんけれども、これはどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) おっしゃいますように、NTTにいたしましてもJTにいたしましても、政府が保有をしていなければならない部分、法律上そういう部分がございますが、産業投資特別会計に帰属しております株式はそういう部分でありまして、売却可能な部分、それはNTTの全体の三分の二、JTの二分の一でございますが、これは国債の現金償還に充てるべき資金の充実に資するため国債整理基金特別会計におっしゃいますように帰属させております。
○竹村泰子君 これは八五年二月の参議院の予算委員会、中曽根康弘大臣は「これは国債償還に使う、そういう方向に決めておるわけでございます。」とお答えになっておられます。 それから、同じく八五年の三月二十五日、竹下登国務大臣、「この電電株の問題につきましては、私どもが政府の統一的な答弁として、要するに国民共通共有の財産であるから、したがって総合的な判断をさせていただきたい」と。「私の気持ちの中には、いわば今度また法律等でお願いしております国債整理基金への直入、すなわち公債償還財源に国民の共通の財産を国民の共通の負債に充てたいものだというような気持ちはございました。」とお答えになっております。 それから、宮澤国務大臣は、八七年四月二十八日、これも参議院の予算委員会でありますけれども、「国民の過去の努力の蓄積でございますから、まずその債務の返済に充てるのはよろしいといたしまして、」というふうにお答えになっていらっしゃいます。 今、私が産業投資特別会計から国債整理特別会計に所有を移したらどうでしょうかと申し上げましたのは、現在この予算の「平成十二年度予算及び財政投融資計画の説明」という大蔵省の主計局でお出しになっているものの産業投資特別会計という欄に「日本電信電話株式会社の配当金等を見込むほか、」というふうになっておりまして、このところへ非常に大きな配当金収入というのが明記されているわけでございます。 今こういう赤字財政の中で、これをやめて、すべて国債整理基金特別会計にお移しになったらどうですかと私は言っております。
○国務大臣(宮澤喜一君) そのことをお答え申し上げているつもりでございますけれども、御承知のように、NTTにつきましてもJTにつきましても、政府が保有していなければならないと法律に書いてある部分がございます。 これは、つまり売ってはならないという意味でございますから、国債整理基金に入れますと、これは国債償還のときに売る財源でございますのでそこへ出してはいけないわけで、売れないのでございますから、それで産投会計に置いておりますと自然に配当が入ってまいりますのでそのような計上になっておりますわけであります。 つまり、竹村委員のおっしゃいますことをそのまま実現しようとしましたら、NTTでもJTでも、政府は保有義務がないということにすればそれは売れることになるわけでございますが、これはおのおのの法律の目的がございますから一定の割合は政府が持っていなきゃならない、売ってはならない。したがいまして、そういう部分は国債整理基金に入れれば、これは財源をつくるわけでございますので売らなければならないということになりますから、そういう意味ではもとの法律のところに返っていくわけでございます。
○竹村泰子君 私の言っているのは配当金収入でありまして、十二年度予算にも、産業投資特別会計の産業投資勘定には株式の配当金収入約二百八十七億円が計上されております。さらに、この産業投資勘定には、運用金の回収や同特別会計が過去に出資した財投対象機関からの納付金収入等もあわせて計上されております。総額は約一千百七億円であります。 今日、世界の水準から見ましても最悪の状態に陥っている我が国の財政の構造を改革すること、このことが大きな政治課題となっておりまして、そのためにも従来型の財政投融資のあり方について根本的に改めていこうというわけですね。 そうした大局的な見地に立って、この際、産業投資特別会計そのものを見詰め直してはいかがですかと私は申し上げておりまして、これは大蔵大臣の御英断がなければならない問題だというふうに思いますけれども、今すぐ、そうしましょうとかこうしましょうとかおっしゃれないと思いますけれども、いかがでしょうか。どのようにお考えになりますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは、ちょっと新しい問題をおっしゃっておられると思います。 我が国の経済力の基盤になる技術研究の促進等と、それが産業投資特別会計の理由でございますが、お話の発端はそこへ配当が入るということですが、それは株式を持っているんですから配当が入るのは当然でございます。株式を持たなくてもいい、売ってしまえというので国債整理基金にすれば、それはこの法律の規定に反しますから、やはり法律の規定を成就させるために株式は売ってはならないところへ置かなければなりません。 そうすると、そこには配当が入ってくるわけでございますから、その配当が産投会計において技術研究とか経済力の基礎というふうなことに使われておる、こういうのが現状でございまして、いや、そのような会計は要らないというお話でございましたら、これはまた別の御議論になると思います。 それでも、じゃNTTやJTはどこへ置くかといえば、これは売ってはならないものでございますから、やっぱりどこかに置いて、そこへ配当が入ってくるということは変えられないと思います。
○竹村泰子君 非常に財政に精通しておられます大蔵大臣が、そう簡単に、私どものごとき者の言う提案を、ああそうですねとはおっしゃらないとは思っておりますけれども、そして、この重要な役割を果たしているこれらの特別のお財布をやっぱり見直さなければならないとは思いませんと、そういうお答えがあるだろうと思っておりましたけれども。 私も、これまで特別会計が果たしてきた役割、問題は非常に多々ありますけれども、全く否定しようと思っているわけではありません。しかし、財政の現状を見れば、とてもそんなことを言っておられないのではないか。苦しいことでも財政構造改革を進めていかなくてはならない、それにはどんなことができるのか、そういった見地で見れば、国民共有の財産であると言われるNTTの株、JT株から上がる利益、配当金を国債の償還のために使う、これはかつて政府もそう言っていたわけで、当然のことではないかなと思うんです。 確かに産業投資へ注入されてきたということは、非常にそれなりの役割を果たしてきたと私は思います。同時に、一九八七年の補正予算から始まったNTT資金活用事業、これも二〇〇〇年度予算でなお千五百九十五億円が国債整理基金から一般会計を経て産業投資特別会計社会資本整備勘定、ここに繰り入れられておりますけれども、もうそろそろこれも廃止したらどうでしょうかと思うんですね。 かつて一兆三千億円ずつを繰り入れていたわけですけれども、次第に少なくなって、二〇〇〇年度ではかつての八分の一ぐらいになっているのでしょうか。国債整理基金の資金繰りを見ましても、予算繰り入れを相当しなければやっていけない状況ですよね。そのような状況の中で、乏しい財源を無理してほかに貸し付けることをしなくてもいいのではないか。二〇〇一年度から考え直していただいたらいかがでしょうかと思いますが、どうでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 国債整理基金に置くということは、おっしゃいますように国債の償還のために使うわけでございますから、そういうことでやってまいらなきゃなりません。 殊に今、国債整理基金の金は少のうございますから、できるだけそういう余計なことをする暇はございませんので、おっしゃいますように国債整理基金にできるだけのものを集めていきたい、そう思っております。
○竹村泰子君 将来的には廃止するべきものとお考えになっていらっしゃるわけですね。
○国務大臣(宮澤喜一君) そう申しておるわけではありませんで、原資がなくなりましたらもうそれでなくなるわけでございます。
○竹村泰子君 それに二〇〇一年度からは財政投融資制度が大きく変わり、現在の資金運用部資金特別会計、これを廃止して財政投融資を専門に取り扱う特別会計をおつくりになる、創設すると聞いておりますけれども、現状のまま新しい財政投融資を扱う専門の特別会計を創設するということになれば、財政投融資を扱う特別会計が二つできる。つまり、産業投資特別会計と新しい財政投融資専門特別会計、これが二つできてしまう。 不効率で説明がつかないと思うんですけれども、こうしたいろいろな意味から、現在の産業投資特別会計が保有しておりますNTT及びJTの株を国債整理基金に移す、あるいはNTT資金活用事業を全面的に廃止する等、この産業投資特別会計の整理を行う時期に来ているのではないかと思いますけれども、どのようにお考えでございましょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは、先ほども申し上げましたとおり、政府が持っていなければならない一定量のNTTとJTの株式を国債整理基金に入れるとおっしゃいますことは、国債整理基金は国債を償還しますために使う基金でございますから、ここにある財産は売るために置くわけでございます。 したがって、売ってはならないものをここに置いてはならないのでありまして、JTの株とNTTの株の売ってはならない部分は国債整理基金に置くわけにはまいらないわけでございまして、それは産投会計に置いて、そこで配当をもらってその配当を産業技術のために使っておる、こういうのが現状でございます。
○竹村泰子君 多分そのようにお答えになると思いまして、これは本当に新しい提案と申しますか、やっぱり抜本的に何かを変えていかないといけない。売ってはならない部分を全部売ってしまえと言っているわけではなくて、やはりそこの運用益金をどのようにどこへ入れるか、国民が一生懸命働いて、そしてできた財産をどのように使うか。 これはもう私などが言うまでもなく、宮澤大蔵大臣はいろいろとお考えになっていらっしゃると思いましたので、きょうはそういった提案をさせていただきながら、みんなでこの財政構造改革をし、しかもきちんとした、世界じゅうが見詰めている今のこの日本の経済体制を立て直すためにやはり努力をしていかなければならないという、きょうは御提案を兼ねた質問をさせていただきました。ぜひ、大蔵省でも大蔵大臣を筆頭にいろいろとお考えをいただきたい。ちょうどいいチャンスなのではないかと思いますので、ぜひお考えをいただきたいというふうに思います。 さて、警察関係のことがいろいろと取りざたされておりまして、新潟県警の問題がいろいろ予算委員会で追及をされております。 昨年十月にこんな事件がありました。十月二十六日、埼玉県桶川市、JR高崎線桶川駅西口の大型ショッピングセンター、東武ストア桶川マインというところの前の路上で、若い女性が突然男性に刃物のようなもので刺殺された。この女性は大学生でして、大学の友人に、男につきまとわれている、そして自宅周辺に中傷文書がべたべたと電柱に張られているということで、前々から非常に嫌がっておられました。そして、しばらくして容疑者が逮捕されるわけです、交際相手であった人の兄が逮捕されるわけです。 ちょっと経過を申し上げますと、この女性は大宮市内で男性に誘われて、一月に交際が始まっている。そして六月に、非常にしつこいストーカーだったわけで、そのために交際を断りたいということを何度か言ったところ、その元の交際者が他の男性二人とともに自宅を訪問して、今まで買ってやったものを返せということで数百万円相当の返済を要求している。このときに被害者は上尾署に相談をしておられます。第一回目の相談をしておられます。そして七月に、さっき申し上げましたように、自宅周辺の電柱にべたべたと写真入りの中傷ビラが張られ、そしてそのときも上尾署に相談をしておられます。二回目の相談をしておられます。 そして、七月二十九日、余りにひどいので、ビラ張りについて容疑者不詳のまま名誉毀損容疑で告訴を起こしておられます。そして、八月には父親が勤める会社に中傷文書が百通以上郵送されるというふうなことがありまして、また嫌がらせが激しくなってきました。十月に入りましてから自宅周辺で車が騒音を立てる嫌がらせがありました。父親が通報したけれども、警察官はこれを確認できませんでした。そして、同二十六日、桶川駅前でついにこの女性は殺されるに至るという事件でありました。 この場合、私がこれをずっと調べておりましたら、交際当初は非常にまじめで優しい人だったというその人が徐々に異常性を見せ始めたと。そして、彼女は親しい友人に、もしかしたら殺されるかもしれない、私が殺されたらあの人かもしれないと漏らしているんですね。そして、いろいろとありまして、三人の男が乗り込んできて恐喝をしたり、いろんなことがありました。 そして、彼女と母親は身を切られる思いで上尾署へ相談に訪れました。前日の三人組とのやりとりを録音したテープを持っていきました。そして、若い刑事が、うん、それは大変だ、それは恐喝だと言ってくれたら、ちょっと年をとった刑事が横から、だめだめ、これは事件にならないよと全然取り合ってくれなかった。 そして、翌日は父親も加わり、二日間にわたってすべてを話した彼女に対して刑事はこう言い放ったと言います。そんなにプレゼントをもらって別れたいと言えば普通怒るよ、男は、あなたもいい思いをしたんじゃないの、男と女の問題だし立ち入れないんだよね、こう言って、まるで取り合ってくれなかったという話であります。 これは事実でしょうか、どうでしょうか。
○委員長(倉田寛之君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(倉田寛之君) 速記を起こして。
○政府参考人(林則清君) ただいまの上尾署へのお訴えのやりとりについては、所轄署の現場におけるやりとりについては詳細について確認できていないところでありますけれども、例えば先ほどのテープ、三人が訪ねてきたところの現状のテープを持って相談にいらっしゃったというこのテープにつきましては、内容を担当の捜査官が聞いたところ、物のやりとり、やった物を返せというような趣旨の内容で、その段階では、さらに上級の捜査員といいますか先輩捜査員とも相談しましたところ、それについてはちょっと事件性は認められないと。むしろ、そういう物品のやりとりのことであるので、市民相談といいますか、弁護士等のところで話をされたらいかがかという指導をしたやに聞いております。 それから、私ども現在詳細は承知しておりませんけれども、その他の訴えについてもどういう訴え、やりとりがあったのか、詳細承知しておるところではありませんけれども、いずれにしても御指摘があったような点につきまして、少なくともそういう大変困って訴えてきておいでになる方に対して、そういった真摯な訴えに対して消極的な印象を与えるような、警察として、そういった言動なり対応なりがあったということであるならば、これは大変遺憾なことである、そういうふうに思っております。
○政府参考人(田中節夫君) 御指摘の桶川の事件でございます。これは、委員も御指摘のように、埼玉県警が名誉毀損罪で告訴を受けまして、その捜査中に告訴人の女子大生が刺殺されたという事案でございます。まことに残念でございます。また、被害者の方に心から御冥福をお祈り申し上げますとともに、御家族の皆様にお見舞い申し上げたいと存じます。 今、委員御指摘のいろんな事項がございまして、また一部報道でもいろいろ事実の報道がございます。それが事実であるのかどうかということにつきましては目下埼玉県警におきまして調査中でございますけれども、いずれにいたしましても、今、刑事局長から御答弁申し上げましたように、一線におきまして警察署に御相談に見える方は、本当に思い余って御相談に見える。私ども努力いたしておりますけれども、やはり警察の敷居は高いというような御意識が一般の皆さんにはあると思います。その敷居が高いということを意識されながらお見えになるわけでありますから、本当に真摯にこれを受けとめて、本当に警察の原点と申しますか、国民の権利、自由を保護し、生命、身体、財産の保護に任ずるという警察としては、これを正面から受け取って対応する必要があると存じます。 そこで、私も一月十一日に長官に就任いたしまして、やはり安心して暮らせる空間というものを確保しなければだめだということと、それからまた二月七日の本部長会議におきましては、市民から御相談があった場合には迅速にそれに対応するように、そしてまた捜査も速やかに展開するようにというふうに申しておきました。 そういうようなことがなし遂げられまして、そして国民の信頼と申しますか、そういうものが確保されるよう、さらに努力を続けるべきだというふうに私は考えておるところでございます。
○竹村泰子君 これは去年の十月に起きた事件ですよね。それでいまだにそういうお答えしか出てこない、事実はまだ捜査中でわかりませんとか。そしてこの後は、この後日がまだありまして、この殺人を依頼したと目される、本当の犯人ではないかと目されるストーカーの人が北海道の屈斜路湖で自殺を遂げるという、これでもうすべてがやみの中に入ってしまったと言っても過言ではない、こういう失態を演じているわけです。 これについてどう思っておられますか。これは大変なミスであった、初動ミスであったというふうに思っているかどうか、お答えください。
○政府参考人(林則清君) 議員御指摘のこの自殺した犯人でございますけれども、これは当初から恐らくこの人物が名誉毀損等の後ろにおるのではないかというふうに見てはいたわけでありますけれども、これを犯人と確定するだけの材料がその後の捜査で得られない状況の後で殺人事件が起こったわけでありまして、そして十二月十九日から二十日にかけて、この殺人事件で逮捕した被疑者連中の供述によってこの自殺した男が名誉毀損の犯人でもあるということが確定できまして、一月下旬に至り、この男を直ちに指名手配をしたということで、指名手配後は彼の所在捜査その他を推進していたわけであります。 所在捜査のほか、いろんな情報収集等も推進をしておりましたところ、一月下旬に至り、同人が北海道に潜伏しておる可能性が高いという情報を得ましたことから、北海道警察と緊密に連絡をとりながら追跡をしたところ、一月二十八日に被疑者が前日にもはや自殺をしておったということが判明したというのが一連の成り行きでございます。 議員御指摘のとおり、手順を踏んで一生懸命それなりに追跡捜査を続けましたけれども、犯人特定後、これが自殺によって真相が不可能になったというのは捜査として極めて残念なことであるというふうに考えております。
○竹村泰子君 残念だとか残念じゃないとかじゃないですよ。 一人の若い女性が刺殺され、そしてその犯人と目される人が所在が大体わかっていたんですね。沖縄に行って、それから北海道に入って屈斜路湖近くのホテルに宿泊していたということがわかっていたはずなんですが、身柄拘束も参考人としての勾留もできなかった、だから肝心の人を亡くしてしまったという、これは警察の捜査ミス以外の何物でもないと思いますが、田中長官、どのようにお考えですか。
○政府参考人(田中節夫君) 本件の捜査状況につきましては、ただいま刑事局長から申し上げたとおりでございます。所定の手続を経て全国に指名手配をして、私どもといたしましては懸命の捜査を続けたという状況でございます。 しかしながら、お話しのように、この犯人の真相といいますか、一番真相をつかんでいる、あるいは核心ではないかというふうに思われる犯人をこういう形で自殺せしめたということはまことに残念であります。 ただ、捜査の過程でどのような問題があったか、あるいは具体的にどういうような方法があったかにつきましては、これを検証しなければならないと思っております。
○竹村泰子君 この三度の訴えをいいかげんにあしらった刑事さんは今どのような立場に、どのような職についてどんな仕事をしておられますか。
○政府参考人(林則清君) まことに恐縮でございますが、現在、担当、何を担当しておるかということは存じておりません。 ただ、一言申し上げますのは、言いわけになりますけれども、詳細、いいかげんに扱ったということは私どもはないものと承知しております。それなりに訴えを聞き、我々の受けておる報告によりますと、訴えを聞き、あるいは告訴に関しては告訴の下書きもして、いろんな注意事項をお与えして告訴を受理し、そして連絡すべきは連絡をとり、そういうふうに対処していたものというふうに信じておるところでございます。
○竹村泰子君 想像で物を言ってもらっちゃ困ります、予算委員会の質問ですからね。 その刑事さんが特定できているのかどうか。そして、私はちょっと急でしたけれども予告をしているわけですから、なぜ調べてくれないんですか。
○政府参考人(林則清君) 怠慢でございました。
○竹村泰子君 質問できません。とんでもないですよ。質問できません。(発言する者あり)
○委員長(倉田寛之君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(倉田寛之君) 速記を起こして。
○政府参考人(林則清君) ただいまのお答えはまことに不適切でございました。急に御質問を受けたためにお答えをできませんでした。失礼いたしました。
○委員長(倉田寛之君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(倉田寛之君) 速記を起こして。
○政府参考人(田中節夫君) 刑事局長の怠慢という答弁、まことに不適切で心からおわびを申し上げます。 委員御指摘のこの案件につきましての御質問ということで御連絡がございましたけれども、担当の刑事というところまでにつきましては調査してございませんので、後刻報告させていただきたいと存じます。(発言する者あり)
○委員長(倉田寛之君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(倉田寛之君) 速記を起こして。 竹村泰子君の残余の時間は留保いたします。(拍手) ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、魚住裕一郎君の質疑を行います。魚住裕一郎君。
○魚住裕一郎君 公明党・改革クラブの魚住裕一郎でございます。 平成十二年度予算につきまして、若干の点につきまして御質問をさせていただきたいと思います。 今、セーフティーネットというのがよく耳にする言葉でございまして、そういう観点から、かなりいろんな施策もこの予算案の中に含まれているというふうに認識をしているところでございますけれども、そういう観点から何点か質問をさせていただきたいと思います。 もうちょうど五年前になりますし、阪神・淡路大震災、本当に私たちの記憶に残るところでございまして、五年たっていろんな形で制度とか具体的な危機管理対応策というものが練られてきたというふうに私も認識をしております。 何点かこの当時話題になった点を、まず確認の意味を含めてお聞きしたいと思うんですが、一月十七日に地震が起きて、どのテレビをつけてもすべてヘリコプターからの映像が流れていた。しかも、もう一週間も二週間もずっとそういう状況を追っていたということがありました。ただ、そのときにヘリコプターの音がうるさくて、本当に息が途切れようとしている、何とか救済したいというような作業も非常に手間取ったというようなことも報道をされました。 この緊急災害時における、いろんなヘリがありますが、状況を確認するあるいは報道ということもありますが、むやみやたらに飛んではやっぱりいかがなものかというふうに思っておりますが、この点についてのヘリコプターのあり方といいますか、その点についてどのような対応策がされておるんでしょうか、運輸大臣にお願いいたします。
○国務大臣(二階俊博君) 阪神・淡路震災当時、救援機を初め多数のヘリコプターが被災地の上空に集中したことは事実でありますが、この安全の確保を図るとともに、救援活動を妨げないようにということで、航空情報を告知することによって、報道ヘリコプターには飛行自粛を行っていただいたところであります。 お尋ねの大震災後の対策につきましては、大震災時の経験を踏まえ、被災地周辺空域を飛行するヘリコプターについては、救援活動の円滑化、救助活動に従事する航空機の安全確保等のため、関係機関、運輸会社、団体あるいは社団法人日本新聞協会等の協力により、安全対策のマニュアルを平成八年一月に策定をいたしております。 今後、大規模災害時におきましては、地上の救援活動の支障となる飛行を行う報道ヘリコプター等がある場合には、このマニュアルに基づき、飛行自粛の要請を行うこととしております。
○魚住裕一郎君 細かい点、順次お聞きしたいんですが、記者会見の都合もあるということでございますので官房長官に先にお伺いをさせていただきたいんですが、この阪神大震災の対応をめぐって常に引き合いに出されたのは、アメリカのノースリッジの地震であり、かつ非常に活躍をしたアメリカの連邦緊急事態管理庁というんでしょうか、FEMAというような言い方をされておりますが、そういう機構が非常に注目をされました。 それに倣っていろんな対応策というものも我が日本の法制度の中でずっとくみ上げをしてきたというふうに思うのでありますが、やはりこの危機対応策というのは、志方先生の論文等を読んでみても、やはり備えと対応のルーチン化ということと、それから総合的な防災訓練の実施ということが重要であるというふうに言われております。確かに、のど元過ぎればというわけじゃありませんが、だんだん風化していくといいますか、危機意識というものは随分薄れていくものだなというふうに思うんです。 それで、このFEMAの組織、いろいろ見てみますと、緊急事態の管理の研修所というものがこのFEMAのもとにございまして、各自治体の日ごろからの危機意識の維持あるいは知識の習得、経験蓄積が可能となるようなそういう人材を育成する、あるいは各省庁がなすべきことを横断的に調整できるように日ごろから研修あるいは研究をしておく。そこには一般人も参加できると。過去にもかなりの実績があるようでございまして、いざというときにはボランティア活動あるいは災害支援要員といいますか、そういう形で参加をしていただけるんだろうというふうに思うんですね。EMIというふうに言われておりますエマージェンシー・マネジメント・インスティチュートというようなことなんですが。 私も、これは消防大学校とかそういうところでもいろんな危機管理の研修といいますか、やっているんだろうというふうに思いますが、各自治体あるいは民間企業とかそういうところまで含めていろんな研修機関あるいは研究機関というものをつくっておく必要があるんではないだろうか。不断に危機意識を維持しておくというのは大事ではないかなというふうに思うところでございますが、この点につきまして官房長官、安危室を持っておられますので、御所感をお願いしたいと思います。
○国務大臣(青木幹雄君) お答えをいたします。 議員が今おっしゃったのはアメリカのEMIのことだと思います。日本においてもこのような研究所なり組織なりをひとつつくって緊急時に対応したらどうかということだと思います。 私どもも当然、一度にこういう研究所をつくってすぐに対応することはできませんけれども、常にそういう気持ちで災害に対する問題に対応していかなきゃいかぬと思っておりまして、阪神・淡路大震災から得られた貴重な教訓に基づきまして、具体的には災害対策基本法の改正もやりました。それで、内閣の中に内閣情報集約センターも設置をいたしまして、二十四時間態勢をとるようにいたしました。それから、内閣危機管理監の設置なども行ってきたところであります。 また、議員御指摘のとおり、やっぱり平常時からの危機管理意識ということが一番大切なことだと思っておりまして、そういう実践的な訓練も関係省庁、自治体、民間の関係者も参加する形でやろうと思っております。 ごく最近考えておりますことは、議員も御承知のように、東京都において九月三日、日曜日を予定いたしておりますが、警察、消防、それから陸海空自衛隊全部を含めて、いわゆる都内で災害が起きたときにどう対応するかということを総理も出席して行うことにいたしております。 そういう訓練も重ねながら、議員が今おっしゃったような、アメリカのそのままということはいきませんが、いずれは我が国に合ったようなそういういわゆるシステムをつくっていかなきゃいかぬと考えておりまして、全力を挙げて取り組む考えでございます。
○魚住裕一郎君 私もこの九月三日、九月一日が防災の日ですが、あえて日曜日にぶつけて、そんなシナリオがあるような防災訓練じゃなくてしっかりやろうということで、総理にも出席していただいてやろうということで聞いておるところでございますが、地方自治体のそういうことに乗っかってという、これも大事かと思うんですけれども、やはり政府としてきちんとしたそういう制度みたいなものをつくっておいて、人材が各地にいるということの方が大事じゃないのかなというふうに思うところでございまして、その点もう一度御答弁いただけますか。
○国務大臣(青木幹雄君) 決して東京都の企画に乗っかってということじゃありませんで、政府と東京都が一緒になってという気持ちでおります。 それからまた、この問題、東京都だけじゃなくて、これを機会に、政府としても、今考えておりますことは、各県の責任者に九月三日に案内を出しまして、全国から来ていただいて、訓練を見ていただき、おたくの県でおやりになるときには政府も協力していろんな面でやりますから、どこの県でもひとつ見合ったような、その県に即したような対応をしていただきたい、そういうふうなこともあわせて行おうということを考えておりますので、御理解いただきたいと思います。
○魚住裕一郎君 この点につきましては私も引き続き研究をし、また要望していきたいと思います。 それで次に、またもとに戻りまして、阪神・淡路大震災のときに思ったのは、非常に車がそのままになっているなとか、あるいは消防自動車のホースが足りなかったこともあったなということがございまして、その点についての対処はどうなっているのか、自治大臣・国家公安委員長にお願いしたいと思います。
○国務大臣(保利耕輔君) まず、国家公安委員長として警察の対応等について御答弁を申し上げます。 一番大きな問題は道路上の放置車両をどういうふうにするかということでありまして、これがありますと緊急自動車が通るのも通りにくいということもございまして、災害対策基本法の改正をいたしまして、通行禁止などが行われた場合の運転者の法律上の義務といたしまして、車両を道路外の場所等へ速やかに移動する、もしこれが困難な場合にはできる限り道路の左側に沿って駐車をして、そして緊急通行車両の妨害にならないような方法で駐車をすることを定めたわけであります。 それから、警察官による措置命令と通行確保のために強制措置の規定を整備いたしたところでございます。その内容は、交通の方法に関する教則を明記いたしまして、運転免許更新時における周知徹底あるいは新規免許取得者に対する教習カリキュラムへの組み込みと学科試験における出題などによりまして周知徹底を図っているところでございます。 今後、防災訓練実施時の機会を活用いたしまして、関係機関とも連携の上、一層の周知徹底を警察庁に督励をして努めてまいりたいと思っております。 それから、今度は自治大臣として消防庁を管理いたしておりまして、消防庁の立場を申し上げさせていただきます。 あの阪神・淡路大震災は、断水とかあるいは消火栓の使用ができなくなりまして消火活動に困難を生じましたので、各市町村におきます消防水利の整備に当たりましては、耐震性の貯水槽あるいは防火水槽の整備あるいは河川水、海水など自然水利の活用など、多様な水利の確保の一層の推進を通じまして消防水利の多元化を図っていくということをいたしております。 具体的に申し上げますと、平成七年度から平成十年度までの間に全国で、耐震性の貯水槽三万九百六十六基を含めまして、防火水槽四万一千四百七十二基が増強されておりますほか、都市部等におきましては用地の確保が困難な場合などには海や河川などの自然水利を活用いたしまして、長距離かつ大量に送水することができる、いわゆる海水利用型消防水利システムあるいは自然水利活用遠距離送水システムを消防補助金の補助メニューとして創設するなど、それぞれの市町村が置かれている状況に応じた消防水利の多様化を消防庁としても強力に推進をしているところでございます。 なお一つ、阪神・淡路の際に問題になりました消防ホースの結合部分の問題でありますが、大部分の消防本部が差し込み式を採用いたしておりますけれども、東京都などはねじ式を今でも採用いたしております。この辺のコネクターといいますか媒介金具、ねじ式と差し込み式を一緒にできるようなものを、所要数をあらかじめ用意いたしまして、大規模災害時等には応援活動に支障がないように常備をいたしておるところでございます。そういう活動を消防庁としてはやっております。 なお、これは東京消防庁でありますが、立川に訓練施設がございまして、私も行ってまいりましたが、大変市民の方々もたくさんおいでをいただいて、映画を見たり、あるいは実際にミニ消防活動をやったり、あるいは暗いところで煙が出ているところでどう処置したらいいかというようなことについて展示をしておりまして、ぜひおいでをいただければありがたいと思います。
○魚住裕一郎君 ありがとうございました。 それで、あのとき五年前も海外からのいろんな応援があったわけでございますけれども、救助犬というか捜索犬というか、犬も連れてこようとしてきたときに入れないというような問題があったと思うんですが、この点、今はどうなっていますか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 犬が入ってくる場合におきましては輸入検疫を行うわけであります。一定期間、最短で十四日間でありますが係留検査を行う必要がありますけれども、阪神・淡路大震災に際しましては、事の重要性にかんがみ、特に災害発生現場において家畜防疫官が観察を行いつつ救助活動を行えるよう弾力的に運用を行ったところであります。 当時の新聞では非常に何か農林水産省が一定の期間を設けて邪魔をしているように書かれておるわけでありますが、そういう事実は全くございません。当時、震災が発生したのは一月十七日であります。受け入れの要請があったのは一月十八日でありましたが、迅速な対応により、その翌日である一月十九日から救助活動を行っているのが実際の事実であります。
○魚住裕一郎君 あともう一つ、海外からも見えるわけですが、お医者さんあるいは薬という面ではどのような対応になっているんでしょうか。要するに、日本法における医師ではありませんし、未承認の薬もあるだろうということでございます。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 厚生省関係では、この大震災の教訓を踏まえまして、その後の平成八年十月でございますが、防災業務計画の全面改正を行いまして、緊急時におきまして必要な医療や医薬品の提供に支障がないよう遺漏なきを期しておるところでございます。 また、せっかくの諸外国からの善意にむだが生じないように、その時々の状況に応じまして柔軟に対応することにいたしておるような次第でございます。
○魚住裕一郎君 それは法改正をしてきちっと対応しているということですか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 法改正ではございません。緊急事態におきます厚生省内の一つの業務計画でございます。
○魚住裕一郎君 逆に言うと、それの法制度をきちっと改正して、緊急避難的にというのはある意味では超法規的にというのと同じなわけでございまして、やはりその計画に従って法的な裏づけもきっちりやっておくべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 結局、例えば外国の医師の場合には日本の医療免許を持たないわけでございますし、また未承認の薬ではその責任問題というものがございまして、あくまでも私どもはこのような非常事態に限らせていただいておるような次第でございます。
○魚住裕一郎君 この間テレビの放送で、緊急事態、アメリカの洪水の状況が映し出されておりました。水が引いた後すぐ係の方が見えて、家の損害の査定というんでしょうか、状況を見て回って、しばらくしたら小切手が来たというようなことがございました。 アメリカでは洪水保険というのをかなりきっちりやっているようでございまして、日本において大規模な自然災害に対応できるものは一体何なのかなと。地震保険というのがあると思いますけれども、この概要というのはどうなっているんでしょうか、お願いいたします。
○国務大臣(宮澤喜一君) 古いことで申しますと、戦争中に幾つか地震がありまして、政府が地震保険をいたしましたが、これは空襲、火災、戦争保険と附帯したりしておりました。 戦後は新潟地震がありまして、あの後、地震保険に関する法律というのがまた復活いたしまして、それで現在は、普通でございますと保険会社がとります火災保険に、普通は地震や噴火は事故になりませんので、附帯してプレミアムを取りましてあの保険をやっております。したがいまして、附帯した部分は、地震が起こりますとロスが大きゅうございますから、政府が再保険をしている形になっております。 ですから、特にそれを希望されますと、建物で五千万円、家財で千万円だそうですが、いわゆる普通の保険事故でない噴火とか地震の場合でもそれだけの保険金が払われる。システムとしてはそうなっておりますが、余り広くはどうも附帯していない、附帯される希望者が少ないんじゃないかと思っておりますが、一生懸命事あるごとに国民には呼びかけておるような状態でございます。
○魚住裕一郎君 地震保険は高いんだろうなというふうに思うんです、保険料が。そういうこともあるんでしょうが、積極的にぜひPRをしていただきたいというふうに思います。 ただ、これは政府で再保険をしているということで、四兆一千億までの枠をとっているというふうに承知をしているわけでございますが、これは実際、今のアメリカの事例を考えた場合に、やはり生活再建という観点からしてみると、積極的にこういう保険制度というものを充実させていかなきゃいけないというふうに思うところでございますが、この点、国土庁は防災の中心的な役所でございますが、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(中山正暉君) お答えを申し上げます。 我が国におきましては、個人の財産の維持管理はあくまでも個人の責任のもとになされるのが原則となっているところでございまして、現在、既に自然災害による被害を補てんすることを目的として、民間保険事業者等による各種保険や、それからまた共済制度が存在しております。 例えば自然災害から住宅、家財を守るための住宅総合保険、それからJA建物更生共済等の各種の共済制度が提供されているということでございますが、地震災害に対しましては地震保険が存在をしている。今、大蔵大臣からも御答弁がございましたが、三十九年の新潟地震から四十一年に地震保険法というのがつくられまして、政府が再保険をすることとなっていることについては今の御答弁のとおりでございます。 なお、災害により住宅を失った被災者に対しましては、現在、持ち家を再建する者に対する住宅金融公庫の低利融資、それから自力で住宅の確保が難しい者に対しましては災害復興の公営住宅の供給、先般の阪神・淡路大震災でも四万八千ぐらいの仮設住宅などが緊急に提供されましたが、自然災害により住宅が全半壊した世帯に対する住宅再建支援措置のあり方につきまして、現在、国土庁に設置しました検討委員会におきまして、被災者の住宅再建の状況の把握、それから各種の支援策の評価を行いまして、住宅再建支援のあり方について、今の先生の御指摘の保険制度をどうするかということも含めまして、今、総合的な見地から検討をいたしておるというのが実情でございます。
○魚住裕一郎君 ぜひ前向きに検討をしていただきたいというふうに思います。 アメリカの洪水保険というのは国家洪水保険制度というような形になっていて、民間保険会社にとっては保険損失のない保険という形で、連邦政府が一〇〇%補償するというような形になっているところでございまして、現在ある地震保険制度、やっぱりちょっと物足りないなといいますか、もちろん国土庁長官も今あるいろんな民間の保険制度で十分だというふうなお考えではないというふうに思うわけでございますが、ぜひ積極的に御検討いただきたい。 その場合、やはり政府の裏づけといいますか、そういうのが重要になってくるわけでございますけれども、大変な財政状況といいますか、何とか景気回復して立て直しをしていきたいということでございますけれども、その辺の裏づけ、大蔵省としてもしっかりバックアップをお願いしたいというふうに思うのでございますが、大蔵大臣、御所見をお願いします。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今の地震のことでございましたら、結局、附帯をして保険会社がそういう契約をとりますと、その附帯部分が再保険会社に集められまして、その再保険会社から国が特別会計で取っておるということでございますから、そういう意味では国が再保険のための負担を減らしたいというような気持ちは全くございません。 そういうふうに国民の間で地震保険を普通保険に附帯しようという運動が起こってまいりますと、再保険しますことは国として決して回避するつもりはございません。やはり、のど元過ぐれば熱さを忘れるというんでございましょうか、なかなか附帯分を払ってくれないということでございますから、これはやはり機会あるごとにPRをするということでございましょう。 財政の負担はもうどっちみちそういう大きなものになりませんので、なればむしろそれだけ国民の地震についての保険ができるわけでございますから、やっぱりPRの問題だろうと思います。
○魚住裕一郎君 話題を変えまして、セーフティーネットということで、建設省の関係で下請セーフティーネットというものがあるようでございますけれども、その概要と、実際にその活用状況というのでしょうか、どのぐらい利用されているのかというようなことをお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(中山正暉君) 建設業界の将来の業界の再編とか、そんなことも関係がございますわけでございますが、中小企業者の資金繰りを改善するとともに、下請への適正な支払いの確保を図ることも重要な課題でございまして、このために昨年一月、下請セーフティーネット債務保証事業というものを創設いたしまして、その推進に努めているところでございますが、これまで十五府県の十八事業協同組合等で合計五百八十二億円の債務保証枠を設定いたしまして、九十三件、約四十一億円の融資がなされているところでございます。 本事業につきましても、中小企業建設業の資金繰りの改善等を図るために非常に有意義なものと考えておりまして、さらに全国に普及をさせていくことを重要な課題と認識いたしております。そのために、今後、発注者及び事業の実施主体となる事業協同組合等に対して制度のさらなる周知徹底を図ってまいりたい。 これは、財団法人建設業振興基金に造成した五十億のうち、国庫補助分が二十五億でございます。これは平成十年からの一日、そして制度化されましたのが平成十一年一月でございますが、第三次補正予算での処置をいたしまして、新基金を活用して最大二千億円程度の債務保証事業やら各種助成事業を行う、こういう形になっております。
○魚住裕一郎君 つまり、中小あるいは中堅元請業者の下請に対する支払いが不安になるかもしれないということで、それを事業組合に債権譲渡する。公共事業ですから、発注者が債権譲渡の承認をする。それに基づいて財団法人建設業振興基金が銀行からお金を借りるについて債務保証をする、そういうシステムというかスキームになるわけでございます。 これはただ、元請が債権譲渡を承認してちょうだいよと役所に言ったら、要するに自分は危ないんではないのかと、ある意味じゃ自白しているような、そんなことになりはしないか。そうすると、その情報だけで銀行がもう逆に貸さなくなってしまうというような非常にスキームとして使いづらいやり方になっているのではないか。 銀行のときも、公的資金を導入するというので、要らないというのに導入しろみたいな、そんなことがありましたけれども、全国全部できるかどうかわかりませんけれども、なるべく前渡金を渡した後については譲渡をして、この総額二千億程度ではありますけれども、この制度を拡充して下請の皆さんが安心して工事できるように、そういう方向性に持っていくべきじゃないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。単なるPRだけで済む話ではないように思うんですが。
○国務大臣(中山正暉君) 確かに、先生おっしゃるように、かつての金融機関に対する支援と同じ雰囲気があるわけでございますので、そういうことはないと。 こういう建設業、今、建設省で大臣認可いたしますものは一万二千件ぐらい、それから一般の建設業、五十八万六千社ぐらいあるわけでございますから、これは平成四年には五十二万二千件ぐらいしかなかったものが一二%ぐらいふえておりまして、平成十一年には五十八万業者と。 これは景気が悪いときに一社がつぶれますと二社とか三社ができたりするものですから、その意味では私ども弱小の、特に件数でいきますと九割は地方でございます。資金の問題では大体七割が地方でございますので、その意味では私どもはそういう先生の御心配のようなことにならないような、一般化するような普及、PRをしていく必要がある、かように考えております。
○魚住裕一郎君 ただ、これは一年ちょっとしかたっていませんけれども、全国で建設業協会あるいは建設業協同組合全部で、実質的にこういう債務保証、債権譲渡を受けて融資するというようなそういう協同組合というものは実質千前後だろうと思うんですね、数としては。ただ、今教えていただいたのは十八件ぐらいですかね、今までのこの一年間の活用状況。 ただ、今非常に明るい兆しが見えてきたとは言うけれども、やはり現場は大変なわけであって、これは余りにも少ない活用状況じゃないかなと。PRだけで済む話なのかなというふうに思うんですが、もう一言、その辺をどうすればいいか、お考えをお示しください。
○国務大臣(中山正暉君) まだ発足いたしまして間もないものでございますけれども、下請セーフティーネットの債務保証事業につきましては、円滑な実施を図るために、まず建設省の直轄工事で制度を導入いたしておりまして、各省庁関係、それから公団、地方公共団体等の発注者に対しまして本事業の積極的活用を繰り返し要請いたしております。 特に、発注者が本事業を利用する業者に対しまして、指名等で先ほどからの御心配のように不利益にならないような扱いをしよう。それからまた、通達とか説明会等で強く今徹底をさせているところでございまして、建設省の直轄工事におきましては、昨年の十二月、本制度の対象となるような工事の範囲を大幅に拡大する制度改善を行っております。 また一方で、事業の実施主体となる事業協同組合等の取り組みを促進するための建設業界や事業協同組合への説明会、それから個別指導を精力的に行って、下請団体に対しても制度の周知を図っておりまして、業界やそれからまた発注者に対します説明会等はこれまでに約九十回実施いたしておりますが、今後さらに全国への制度の普及、それからまた先ほど申しましたような一層の活用が図られますような周知徹底をさせてまいりたい、かように考えております。
○魚住裕一郎君 続きまして、交通バリアフリーということで、ちょっと一点だけお聞きしたいんですが、「安心して移動できる社会をめざして」というこのパンフレットは、きのうも質問があり、注目を集めているところでございますが、その前の段階で公共交通ターミナルにおける高齢者・障害者等のための施設整備ガイドライン、こういうものが運輸省で平成六年三月にもう既にでき上がっておりまして、かなり細かいいろんなガイドラインが定められているということでございます。それに基づいて駅の階段等も、本当に目の悪い方にもかなり使いやすいような、そういうふうになってきているところでございます。 その段差識別シールのことでございますが、今各社いろんな形でやっておられると思います。JR東日本では、幅三センチ、長さ二十センチ、そして赤と黄色のものを階段の一番手前のへりといいますか、そんなところに乗せているということでございます。 そのほかのやり方もあろうかというふうに思うわけでございますが、実は私のところにそれでも見えないという話が来まして、確かにいろんな視覚障害の方がおられます。網膜色素変性症というんでしょうか、あるいは白内障でありますとかいろんな方がおられますが、せっかく見やすくするためにやっているものをもっと、角度によってよく見えないということもございまして、もう少し幅太く長くといいますか、肩幅ぐらいの長さでやってもらえないかと、そういうような要望が来たんです。 運輸大臣もその点はしっかり御認識されて、今度視察もされるというふうに伺っているところでございますが、ぜひこの点について御所見といいますか、ありましたらお願いいたします。
○国務大臣(二階俊博君) 御指摘の鉄道駅の階段に関しまして、運輸省が平成六年、今、委員御指摘のとおり、公共交通ターミナルにおける高齢者・障害者等のための施設整備ガイドライン、こういうものをつくって今対応いたしておるところでございますが、御指摘の点につきましては、手すりに点字テープを敷設したりいろいろな工夫を凝らしているところでありますが、まだまだ視覚障害者用の歩行路の標識シール、視覚障害者にもっともっと配慮したものが必要であるということを私自身も感じております。 実は、先般も目の御不自由な方々が何人かおそろいで私のところにお見えになりまして、駅のホーム等でしばしば仲間の人たちがホームから転落する、私も転落した一人だというお話を伺うにつけまして、危険とみんなが隣り合わせの状態になっておる状況、これを今後、国、地方及び鉄道事業者の御協力をいただいて、社会全般でバリアフリーな交通機関をつくっていこうということで今度法律を出させていただいたわけでありますが、これは法律だとかガイドラインだけで問題が解決するわけではありません。 やはり、お互いに弱者の方々に対してどう配慮するか、そしてホームから時々落ちるということを伺うわけですけれども、必ずそのそばにどなたかがいらっしゃるわけで、一人だけでぽつんと落ちるということはめったに私はないんではないか。そういう意味から、交通弱者のそうした方々の立場に立って、その身になってやっぱり考えていかなくちゃならない。したがいまして、今度、八代英太郵政大臣の御案内をいただいて、近く都内の駅なども御一緒に視察をさせていただくわけでございます。 先般、アメリカから参りましたマイケル・ウインターという、その道の専門家でございますが、その道だけではなくてアメリカの運輸省における相当高い立場でお仕事をなさっておるという方でございますが、やはり両足が切断されておるような状況の中において世界を飛び回って、交通弱者を救うという意味で、またアピールするという意味で御奮闘されております。 先般もお見えになりましたが、みずからタクシーに乗ってあちらこちらを回っておられる。そのときに、私も初めて直面したんですが、タクシーに今度車いすを乗せようという場合に、タクシーの後ろにはガスボンベが入っておりますから車いすがすぱっと乗らないんです。そうしますと、おつきの方が早速ゴムの輪を持ってこられて、タクシーのドアがきちっと閉まるようにいろいろな配慮をなさっているのを見て、こういうことはやっぱりもう少し技術改良をやって対応しなきゃいかぬなと。それでもう私は、自分の車に乗ってもらって、僕がそっちの車に乗っていくわと、こういうことでその場はそういうふうにできたわけですけれども、常々やはり私たちが見過ごしておること、健常者が見過ごしていること、たくさんあると思うんです。 ですから、鉄道事業者等に特に運輸省として指導するとか何とかと、こうありますけれども、そういうことだけではなくて、鉄道事業者も、そして国の方も、あるいは地方自治の団体も、また一般社会、一般国民の皆さんにも御協力をいただかなくてはならない問題だと思いますが、御指摘の点は十分勉強させていただきたいと思っております。
○魚住裕一郎君 ぜひよろしくお願いをしたいと思います。 次に、私ども、今少子高齢社会というふうによく言われますが、日本の活力をどう維持回復させていくかという観点で考えておるところでございます。 今度、労働人口も二〇〇五年ぐらいから減ってくるというような報道もあったわけでございますが、労働省として、労働人口そのものが減ってくるというその辺は、あと五年後でございますが、どういうふうにお考えなんでしょうか。大体その基本方針だけ教えてください。
○国務大臣(牧野隆守君) 平成十一年八月に閣議決定いたしまして、第九次雇用対策基本計画というものをつくらせていただきました。 このときの労働力人口が今後どういうふうに変化するかということでありますが、総務庁の統計局と我が省の職業安定局でいろいろ推計をさせていただいたわけですが、今少しずつ労働力人口がふえてまいりまして、ピークが二〇〇五年に約六千八百万人、そして五年後の二〇一〇年には六千七百万人、大体百万人オーバーで減少するのではないか。 その中身ですが、例えば十五歳から二十九歳までのいわゆる若手と申しますか、九八年と二〇一〇年を比較しますと約四百万人ぐらい減少する。他方、五十五歳以上の方が非常にふえまして、これが三百八十万人ぐらいふえる、こう予想されております。しかしながら、一番働き手であります三十歳から五十四歳までの労働力人口というのは大体三千六百万人前後でずっと続いていく。遠い将来はわかりませんが、一応二〇一〇年まではそういう形で推計をいたしております。
○魚住裕一郎君 推計だけで、どういうふうにしていくかというのはちょっと見えなかったんですが。 そこで、法務大臣、新聞報道によりますと、今度入管基本計画が外国人受け入れ緩和という方向で検討されていると。具体的には、農業やホテル業なども、介護分野も検討をしていくべきではないかと、そういうようなことが出ているわけでございますが、この基本計画の概要というのはどのようにお考えになっておられるのでしょうか。
○国務大臣(臼井日出男君) 今、委員御指摘をいただきました第二次出入国管理基本計画は、今日の国際化のさらなる進展や少子高齢化社会の到来、外国人による犯罪の多発など不法滞在者問題に対する一層の強力な取り組みの必要性の高まり、そうした要請でございますとか、我が国内外の状況の変化や社会の要請の変化に応じ今後の出入国管理行政がどうあるべきかを改めて示す必要があるということで策定をいたしているものでございまして、内容的には今、委員御指摘のようなことでございまして、国際化と社会のニーズにこたえる外国人受け入れの円滑な実現と、不法滞在者への現実的かつ効果的な対策等が中心となっているものでございます。
○魚住裕一郎君 だんだん時間がなくなってきましたけれども、それとの関連で、去年の秋、いわゆる不法滞在者が二十一名東京入管に出てこられた。長年、別に犯罪をしているわけでもなく、日本に定着して子どもたちもいる、日本の学校に通っているというような方もおられました。私どもも、本当にアムネスティーというようなあるいは人権という観点から、法務大臣に要望という形でお願いに参上したこともございますけれども、これは結果的に十六名と五名というように分かれて、十六名は特別許可が出た。 なかなか判断基準を示すというのは一概に言いがたいんだろうとは思うんですけれども、今のこの基本計画との関連の中において具体的な判断が分かれたあたり、どの辺を基準と考えたらいいんでしょうか。
○国務大臣(臼井日出男君) 今、委員御指摘をちょっといただいたわけでございますが、こうした問題につきましてはなかなか基準をはっきり決めるというようなわけにはいかないわけでございまして、いつも申し上げているわけでございますが、一般論で申し上げますと、在留特別許可の諾否というものにつきましては個々の案件につきまして、例えば家族構成でございますとか、本人が在留を希望する理由でございますとか、あるいは平生の素行でございますとか、あるいは内外の諸情勢等の事情、あるいは子供さんがおありになるような場合につきましてはそうした人道的な観点というものを加えて、総合的な判断で決定をしているわけでございます。 したがいまして、個々の事案につきまして総合的な判断のもとでもって結論を出しておるというのが現状でございます。
○魚住裕一郎君 国際化とか、あるいはうちの側の条件としては本当に人口が減ってくるというような条件、あるいはたくさんの外国の方が日本に入ってこられるという、そういう状況の中でだれと一緒に我々日本人は生きていくのかという、そういうことになろうかというふうに思っておりまして、社会の根幹をなす大切な問題だなというふうに思っておりまして、引き続きそういう観点から私も研究しまた提言もしお願いにも上がりたいと思っておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。 これで終わります。
○委員長(倉田寛之君) 以上で魚住裕一郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) 明日は午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時十九分散会