予算委員会 第5号
- 発言数
- 257 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 2000/03/06
会議録
○委員長(倉田寛之君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 平成十二年度総予算三案についての理事会決定事項について御報告いたします。 本日の質疑の割り当て時間は百二十一分とし、各会派への割り当て時間は、自由民主党・自由国民会議二十七分、民主党・新緑風会三十九分、公明党・改革クラブ十一分、日本共産党十六分、社会民主党・護憲連合十二分、自由党五分、参議院の会七分、二院クラブ・自由連合四分とすること、質疑順位につきましてはお手元に配付いたしておりますとおりでございます。 ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 平成十二年度一般会計予算、平成十二年度特別会計予算、平成十二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。国井正幸君。
○国井正幸君 自由民主党の国井正幸でございます。 冒頭、国会等移転に関して国土庁長官に御質問をさせていただきたいと思います。 御案内のとおり、昨年の十二月二十日、国会等移転審議会から移転先候補地を含む答申がなされたところでございます。西暦二〇〇〇年という大変な記念すべきこの年でありますし、そのときに召集された今次第百四十七回国会の冒頭の総理の所信表明演説にこの国会等移転に関する何らかの文言が入るのではないかと私は大変に実は期待をしておったわけでございますが、残念ながら触れられなかった、こういうふうなことがございます。 いろいろミレニアムプロジェクトも立ち上がっているわけでありますが、私なりに考えますと、まさにこの国会等移転こそミレニアムプロジェクトの中核的存在にふさわしいのではないか、このように実は思っておったわけでございます。 そこで、私もちょっとお尋ねをしたいと思うのでございますが、この国会等移転審議会答申を、現在、内閣としてはどのように受けとめているのか、冒頭、長官のお考えをお聞かせいただきたい、このように思っております。
○国務大臣(中山正暉君) 担当の者として先生から御質問をいただいて大変感謝をいたします。本当はうんとうんちくを傾けたいのでございますが、余り答弁が長くなってもいけないと思います。 今この予算審議でも日本の借金が六百四十五兆なんという、地方でも百八十七兆なんて言われておりますときでございますから、民間の経済研究所なんかでもこの首都機能移転というのは三十兆から百兆の経済効果があるだろうと。それに対するアクセスの道路とか、それからリニアモーターとかいろんなものがこの中に含まれている、本当にまさにミレニアムの希望の託するもの、重税国家に、私どもの子孫にそういう国をつくらないためには、私は国土の再編成のためにも首都機能の移転というのは大変大きな意義があると思っております。 十二月二十日に、平成二年国会で御決議をいただきまして以来、鋭意検討をいたしての答申をいただいたわけでございます。二十一日の日に国会両議長に御報告、国会に報告するということになっておりますものですから国会に報告をいたしておるわけでございますが、今後はその法律の規定によりまして、国会における審議を経て、これは移転法に書いてございますが、移転を決定する場合には国会が移転先について法律で定めること、二十三条でございます。 国土庁といたしましては、全国における審議状況を踏まえながら、答申に示された新都市のあり方などについて引き続き必要な検討を着実に進めてまいりたい、移転の具体化に向けて積極的な検討を行うつもりで、この移転法の第一条に書いてあります趣旨を実現いたしたい、かように思っております。 今インターネットのホームページ、それからまたニューズレター等を通じまして、国民的な合意形成に向けて一層の幅広い議論を呼びかける計画にいたしております。特に三カ所ということでございまして、北東地域、それから中部地域、それから三重・畿央というような、そのほかにも首都機能を移転したらいいんではないかという希望の地が候補地として随分ありますので、これは将来の日本の経済再生に大きな貢献をするものではないかと、かように私は思っております。
○国井正幸君 今、大臣から御説明がありましたように、一つは法の定めるところによって国会に報告するということで、これは既に両院議長に報告がなされておって、本院においても特別委員会でこれから議論をする、こういうふうなことになっておるわけでございます。 そこで、いろいろ社会経済情勢の諸事情に配慮をして、あるいは東京都との比較考量を経て、そして移転先候補地を法律によって決めると、こういうふうなことで定められておるわけでございますけれども、国会でこれからこの審議会答申を議論していくということについては、これからやっていくわけでありますが、いかんせん、それを議論するということだけにとどまっているわけでありまして、国会の中においてはそれなりの事務局体制というんでしょうか、それを支える体制がしっかりとあるというわけにはなかなかいかないわけですよね。 そういう意味で、これから逐次、報告は出たんだけれどもそこから先どういうふうに一つずつ進めていくのか。実務を伴うことでもありますので、そういう意味ではやっぱり政府に期待をするところというのは大きいわけですね、最終的にはこれは国会で決めるにしても。その辺の道筋がなかなか見えにくいというのがいろんな方から言われる意見なんです。 特に、これは決して、私は選挙区が栃木でありますが、我田引水でどこがいいとかこうとかということを申し上げているわけではないんですが、少なくとも移転先候補地とされたところは大変な関心があるわけですね。それぞれの都道府県で地価の抑制を含む監視区域等に指定をしたり、いろんな社会現象が既に起きてきているんです。 そういう状況の中で、どうもここから先が、道筋が何だか見えないんではないかという批判というか、焦りというか、そういう御意見が寄せられてきているものですから、ぜひきょうは道筋というものをどういうふうに考えているのか。当然国会での議論というものを政府としても見ていくということは、これは当然必要なことなんでしょうが、それと並行して、審議会は審議会としてあの答申をもって一つ終わったわけですよね。終わったんですが、今後これらを進めていく上でどういうふうに進めていったらいいのか、その辺を大臣の率直なお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(中山正暉君) まさにその点を私も庁内で議論をしなければいけないんじゃないかという話をしております。日本国憲法、今憲法調査会ができましたが、この案をだれがつくるのかという、憲法の問題でも改正案はだれが提案するのかということははっきりしておりません。内閣が出すのか、あるいは国会が提案するのか、それと同じような形になっているような気がいたします。 特に、石原慎太郎知事が十一月一日に圏央道の昭和四十五年からの凍結を解除してくれというお話に来られましたので、三十年来の友達でございますので、私も彼に、道路の凍結は解除する方向に向かうが、あなたが首都機能移転反対というのは、これはあなたの口は凍結しておきたいと、こういう話をいたしました。 特に、ベルリンもボンから移りましたが、あれは国際都市にグレードアップしました。多分ベルギーのブラッセルが私はEUの首都になるだろう、こう思っておりますが、それと同じように、首都機能が、司法、行政、立法がどこかへ移っても、東京はもっとグレードアップして、二百十二ヘクタールという中央官庁の所在がこれがどこかへ移るわけだから、その後は国土の三・六%のところに人口の二六%が集中しているというこの一都三県の、東京圏の安全のためにも、私はそれを防災施設にされたり公園にされたりいろいろなことを考えられてはいいんじゃないですかと。 それからまた、大変妙な提案をしておるんですが、私が中曽根内閣のときに昭和天皇様御在位六十年に復元をしたらどうかと言いましたのは江戸城でございます。私は江戸城のようなものを、大阪、名古屋には城があります、私も城を見て育ってまいりましたし、大阪城というのは昭和三年、昭和天皇様御大典記念に市民の浄財百五十万円を集めて昭和六年にできたというのが大阪城でございますから、私は二百六十五年間江戸の町にそびえていた江戸城が復元をして、後でもどなたかの御質問に出るようでございますが、木材業界活性化、それから建築基準法も三階建て以上は木材による建造物というのはできませんから、その技術を残す意味でも私は江戸城の復元のようなものをして、そしてグレードアップして、特に公園として公開されておりますから、御在位十年の式典が国立劇場でされるようなことは情けない、むしろイベントでも何でもできるような、大コンサートでも大国際会議でもできるようなものを江戸城の本丸のあります公園の地下に大国際会議場のようなものをつくって、東京が城がそびえる江戸の風情を備えた大東京にグレードアップしてもらったらいいんではないですかということを実は東京都知事にも内々、これは私見でございますけれども、そんなふうな方向で東京を考えたらいかがでございましょうかと。そうしましたら、地下鉄環状線には大江戸ラインとつけてくれましたから少しは江戸という。東京は百三十五年しか使っていない言葉でございます、二百六十五年間は江戸城といってそびえていたわけでございます。 一八六八年に江戸城が東京城に変わりましたが、新しいミレニアムに東京の脱皮といいますか、新しい世紀に対する東京のグレードアップ、そういうものが首都機能移転と複合的に作動し、お互いが影響し合ったら私は日本という国はすばらしい新生国家になるのではないか、こんなふうに考えておりますので、一日も早い国会での御成案、これは政府と協議をしながら成案を得るものと考えておりますので、政府と国会が両々相まっていい案ができますように私は期待をいたしたいと思っております。
○国井正幸君 いろいろこの国会等移転に関する法律では、移転の意義、目指すべきところ、それぞれ格調高くうたい上げておるわけでありますけれども、この法律が議員立法で成立をした当時と違っているのは経済環境が極めて違ったというだけでございまして、やはり一極集中の是正とか災害に強い都市づくりとか、そういうもろもろの面については当時と全く変わっていないし、あるいは当時よりもより一層我々が真剣に取り組まなくちゃならない課題が山積をしている、このように認識をしているわけでございまして、ぜひそういう意味ではより具体的に進める体制の確立をお願いしたい。私どもももちろんこれは国会として考えていきたいと思うわけでありますが、政府においても特段にお願いしたいというふうに思います。 その中で、先日、この国会等移転審議会の委員をやっていらっしゃった方等を呼んで私どももお話を聞く機会がございました。そうした中で、ある委員の方は、今、大臣がおっしゃられたように、いわゆる答申は出したんだけれども、それを具現化する具体的なすべがちょっと欠落をしているんではないか、こういう御指摘がありました。私も全く同感だというふうに思っています。その方の提案によりますと、衆参両院に、常設の委員会にすることはもちろんでありますが、事務局体制をきちっと整備して、具体的な提案をするような準備を国会としてもするべきではないのか、こんな話もありました。 そういうことも私どもとして考えなくちゃいかぬのかなと思う反面、しかしもともと国会がそれに本当に、ほかの案件も含めてなじむのだろうかという点もございますし、むしろ具体的に推進をしていくということになれば、やはり政府の中にその機能をより充実をして持ってもらった方がいいんではないか、このように考えておるわけでございますが、そういう御意見も含めて、今の点について大臣の御見識を伺いたい、このように思います。
○国務大臣(中山正暉君) 貴重な御意見として拝聴いたしておりますが、確かに経済、平成になりましてからバブルが崩壊をしたというその中で、何か少しとんざをしたような嫌いがありますが、答申を立派にいただきましたので、この経済を、私はむしろ新しい経済効果を生み出すために、というのは、新しい首都機能移転の地域というのは森の中に沈んだような、司法、行政、立法という機能が自然といかに調和をするかと。そのためには、いわゆる世界の一流のこういう経済発展をしている大経済大国が首都機能を移すときにはこういうサンプルになりますという、環境の問題とか、それからごみ処理の問題、資源の再生の問題、それから情報通信の問題、それからアクセスとしての新しい交通機関の問題、それからまたETCとかITSとかいうような道路の新しい電気通信、最新のシステムを持った都市というのはこうして構築するんでございますということを私は世界に発信する大きな材料になるのではないかと思います。 最近は議員立法も大変立派に国会で政府と相まって法律案をつくっております前提もございますので、私は、先生の御提案を貴重と受けとめながら、これから鋭意庁内で、私がいつもそういう話を中でもいたしておりますので、そういう効果が出ますような国会体制、それから政府の対応、民間の皆さんにお願いをしながら、民間の大きな知恵も拝借して、新しい首都機能というものを世界に範を示すといいますか、いろいろな、ブラジルのブラジリア移転とかオーストラリアの首都機能移転とか、それからマレーシアの首都機能が移転しました前例もございますが、これほどの世界第二位の経済大国の首都機能を新しく再生する二十一世紀に向けての国家体制というものをつくるための案というのは、よほど慎重に、よほど緻密に、よほどすべてのコンセンサスを得ながら、三つの地点をどういうふうに一つに絞っていくかということに焦点を合わせながらこれから確立してまいりたい、かように考えております。
○国井正幸君 世紀を画するときに、憲法の議論も衆参両院で行われておるわけでございまして、ぜひ新しいこの国の形をあらわすために、より一層そういう推進体制を含めて確立していただくことをお願い申し上げまして、次の問題に移らせていただきたいというふうに思います。 次は、農林大臣と建設大臣に共通する問題にもなるわけでありますが、御案内のとおり、昨年の七月に新しい農業基本法であります食料・農業・農村基本法を制定いたしました。基本理念としてはもろもろあるわけでありますが、その目指すべきところは、一言で言うならば、消費者の皆さんには安全と安心を、あるいは農業者の皆さんには自信と誇りが持てるような農政をひとつ確立しようではないか、あるいはそういう農業を実現しようではないかと、こういうことでやってこられたわけでございまして、今その基本法に基づいて新たな政策を種々立ち上げておるわけでございまして、私ども自由民主党においても総合農政調査会あるいは農林部会等でいろいろ議論をさせていただいております。 特に現在は、品質表示の問題や遺伝子組みかえ等もこれまでやってまいりまして、いよいよ政府においても具現化される段階になっております。さらに、これから所得をどうやって確保するのか、こういうことを含めて現在議論中でありますけれども、そういう中でどうしても避けて通れないのが農業の効率的な経営という部分、これはやっぱり農業者あるいは農業団体含めて進めていかなければならない重要な課題だと、こう思っておるわけでございます。そういう中で、いわゆる農業基本法の第三十八条には農業団体の再編整備ということがうたわれておるわけでありまして、これについては国においても必要な施策を講じる、こういうことがうたわれているわけであります。 そこで、現在、JAが、特に市町村単位を基準としてきたJAが、今郡単位あるいは郡を超える段階での合併が進んでおるわけでありますけれども、このJA組織の再編整備の現在の状況、あるいは今後どういう方向になっていくのか、大変ちょっと細かい質問で大臣には恐縮かもしれませんが、その辺の考え方を冒頭お聞かせをいただければと、このように思っています。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 食料・農業・農村基本法のもとにおきまして、第三十八条に委員のおっしゃられるとおり農業団体の重要性を説いておるわけでございますが、その一環としまして農協系統の合併ということがございます。 農協系統におきましては、現在千五百ある農協を二〇〇〇年度までに五百三十農協とする構想の実現を推進しておるところでありますけれども、現在実現されておりますのは六三%、三百三十一にとどまっておるというのが現状であります。このため、全中におきましては、一月の二十日の理事会で来年三月末までに残りの合併構想についても着実に実現できるよう努力をする、こういう方針を決定したと聞いております。 農協の合併は、農協系統みずからが目標を設定し自主的に取り組むことが大切であると考えますが、農林水産省といたしましても、この合併構想が実現できますよう都道府県に指導方を要請するというのが第一点。また、実際に合併構想を実現した農協が合併のメリットを出すために行っている具体的な取り組み例を示す、こういった措置を講じているところであります。さらにまた、合併をすることによって大きなメリットがあるわけでございますが、そのメリットを十分引き出すように農林水産省としましても指導に取り組んでまいりたい、このように考えております。
○国井正幸君 今、大臣から合併の方向が示されたわけでありますが、大臣の答弁にもありましたように、やっぱり合併をするだけではなくて合併のメリットを出すということが大変重要なわけでございます。 そこで、農協が合併をすることによって、農協のこれまでの施設が遊休不動産になっているんですね。例えば、従来、市町村を単位とした農協であっても、集出荷施設は集出荷施設として持たなければならない、農業倉庫は農業倉庫として持つわけです。ところが、今度は、複数の市町村を含む広域合併をすることによって、集出荷施設もそういう小規模なものでやる必要性がなくなった。したがって、より効率を目指すことによって別なものをつくったりしますと、従来のいわゆる集出荷施設等の施設が遊休不動産になっているんです。 特に、それは使えるものは使っていけばもちろんよろしいわけでありますが、当時とは大きく変わってきたのは、自動車等も昔は四トン車とか六トン車ぐらいがせいぜいだった、ところが今は十トンを超える、あるいは大型トレーラーが入ってくる。そして、トラックだってウイング車といいまして、今までのようなシートなんかかけるようなことをしない。そうすると、羽根が上がるわけですから相当下屋も高くなければならない、道路も広くなければならない、敷地も広くなければならない、いろんなことになってきますと、従来の施設が遊休不動産になっているんです。 そこで、建設大臣とも大変関係するのでありますが、これは都市計画法二十九条の二号によって農業生産の用に供する施設ということで認められた施設なんです。遊休不動産になっているからこれをほかに転用して利用しようということになると、都市計画法上だめだというわけ。それでは、農林省としてはどういう指導をするのか。遊休不動産をそのままにしておけというのか。効率的に利活用しなさいと。利活用するといったってこれはできない、ほかには。売れといったって買う人いないですよ、結局、住宅も建たない、何も建たないんですから。そこにパイルを打つ、砂利を入れる、コンクリで舗装をする、そういう状況のもとでほかに転用ができない。これでは遊休不動産の有効活用というのはできないわけです。そういうことで、私も事務当局には、農林、建設両省にはそれぞれ申し上げてきたんですが、なかなか回答が出てこないんです。 そういう意味で、農林省サイドから見て、そういう問題についてどういうふうに対処をこれからしようとしているのか、特に都市計画法との関係で、建設省との間でどういうふうに進めようとしているのか、ぜひ農林大臣のお考えをまずお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 農協の広域合併で遊休化した施設を有効活用することは、合併によるメリットを組合員に還元する上で重要である、そのように考えております。 ただ、市街化調整区域における農産物の生産・集荷施設等の農業用施設の設置は当該地域における農業の振興という観点から特に認められておるわけでありまして、これらの施設が遊休化した場合に農業用施設以外の活用を認めることは難しいところがあると考えるわけです。 しかし、立地の適否は個別に判断する必要があると聞いておりまして、今、委員が言われました点につきまして、これはやはり個別に柔軟に建設省と相談して決定していくということが大事じゃないかと思います。
○国井正幸君 もう時間もないので、建設大臣に、今の問題等ほかの問題を含めてお願いをし、ぜひお考えをお聞かせいただきたいと思うんです。 例えば、今グリーンツーリズムとかあるいは小渕内閣における生活空間倍増戦略プランとか、いろいろ出しているわけです。あるいは都市と農村の交流、これを出しているわけです。ところが、都市計画法上、農産物の直売施設を市街化調整区域内につくろうとすると、これは一般の物品販売業に当たるのでまかりならぬというわけ。通常、都市から行った方々は、そこでできた農産物を、その地で当然売られておって、そういうものを買い求めて、やっぱりこれは都市と農村の交流にもなるし、農村の活性化にもつながっていくんです。 都市計画法二十九条あるいは都市計画法施行令の第二十条になるわけでありますが、これらの直売施設とか、あるいは今言ったような農協の持っている遊休不動産などについては、これはやっぱり特例的に、少なくとも私は、農協施設については、農協等が所有権の移転を伴わずにその開発をする場合について、ぜひこれを何とか大臣の大所高所の判断によってひとつ御配慮いただきたい、このように思うわけでありますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中山正暉君) 前大臣のころでございますが、これは十一年九月二十七日、先生から開発行為の弾力的運用についてという御要望も伺っておるところでございまして、都市計画法では、市街化調整区域は市街化を抑制すべき区域として原則開発は禁止されているが、農林漁業の振興に配慮し、農産物等の生産、集荷の用に供する建築物を建築するための開発行為などは許可不要とされているところでございます。しかしながら、商業目的の施設等は投資的な土地利用であり、スプロールのおそれもあるために、農協が行う場合でも、他の事業者が行う場合とのバランスも考慮すると、一律に許可を不要としたり必ず許可されるとする特例を認めるのはなかなか困難ということでございまして、個別に立地の適否を判断する必要がある、こういうふうに認識をしております。 また、都道府県知事等の開発許可権者が行うものでございますけれども、建設省としては、判断に当たり地域の実情に沿った弾力的な運用を行うよう従来から指導をしてきておりますので、各許可権者において適切な判断を行ってもらいたい、かようなふうに考えております。
○国井正幸君 ぜひ、法の趣旨は法の趣旨でありますから、今警察庁の大変な不祥事もあるわけで、警察官だってこれは悪いことをするやつがいる中で、私は農協だけがすべてパーフェクトだということを申し上げているわけではない。 したがって、これまで何十年も運用をしてきておって、それが現実の問題としてあって、しかもそういう遊休化をしておって、そしてその所有権の移転を伴うと、農協の特権を利用してできないところに開発をして分譲地をつくって売ってしまうなんということがあったのでは、これは法の趣旨を著しく損なうわけでありますから、そういうことを認めろと言っているわけではなくて、あくまでも所有権の移転を伴わずに、法に基づいて、農業協同組合法があるわけですから、主務大臣として農林大臣がこれを管理監督しておる、そういう範囲内において弾力的な運用をすること。 あわせて、やっぱり一般の人が常識的に考えて、例えば直売所なんというものは、それは物品販売業といえば販売業かもしらぬけれども、都市と農村の交流を促進するために、さらにはその地域の農業の生産を活性化するために必要だということになれば、大所高所から、大臣の後段の答弁にありましたように弾力的な運用をぜひしていただきますことを心からお願い申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
○委員長(倉田寛之君) 関連質疑を許します。久野恒一君。
○久野恒一君 自由民主党の久野恒一でございます。 国の予算も決まりまして、ただ飛ばさせていただきますけれども、大変なことは、公債発行額が三十二兆六千百億円になり、公債依存度も三八・四%、長期債務残高も国、地方を合わせて六百四十五兆円となっております。なるべく早期に国債依存度を少なくしなければならないわけでございます。そのうち社会保障費は十六兆七千六百六十六億円と、四・一%の高い伸びを示しております。 そこで、社会保障制度について、これは大変喜ばしいことではございますけれども、まだ二、三疑問点がございますので社会保障制度についてお答えを願いたいと思います。 まず、厚生大臣に質問でございますけれども、介護保険制度の実施も数週間後に控えております。そこで、細かいことではありますけれども、不明な点をお尋ねいたしますので、よろしくお願いいたします。 医療保険の中には消費税というものが含まれておりました。ところが、この介護保険の中に消費税が組み込まれているのかどうかまずお尋ねいたしたいと思いますが、この趣旨は、これから一般営利企業も介護の中に入ってまいります。そうなりますと、その辺のところをはっきりとしておかないと、営利企業が入ってきて暴利をむさぼるということにもなりかねない、私はそう思いますので、その点を踏まえまして厚生大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(丹羽雄哉君) お答えいたします。 今回の介護報酬の設定に当たりましては、現行制度からの円滑な移行ということを十分に考慮しなければならぬ、まずこういう点に立ちまして、それぞれのこれまでのサービスの平均的な費用というものに十分に着目いたしまして、それと余り大きく変わらない、こういうような基本的な考え方でその額を決めておるわけでございます。したがいまして、今、委員が御指摘の物品などの購入費用の消費税につきましても、この新しい介護報酬の中で評価しております。 今御指摘がございました医療、福祉は非課税、こういうような消費税の原則というものが今回も適用されておる、このように御理解をいただきたいと思っております。
○久野恒一君 ありがとうございました。ぜひともそういう点を明確にしておいていただきたいと思います。 そこで、介護保険適用施設の中には療養型病床群というのがございます。療養型病床群には二種類ございまして、一つは移行型、もう一つは完全型と二つございます。 完全型といいますと、中廊下が二・七メートル、それから居室部分が六・四平米というふうになりますと、今までの病院は中廊下二・七メートルにとっている病院なんてほとんどないわけでございますので、その辺のところを建てかえなければならない。建てかえなければならないとなりますと、新しい介護保険適用型の施設をつくるにはどうしても問題が出てくるわけで、どういう問題かといいますと、消費税の問題でございます。 例えば、十億の建物をつくりますと、それに消費税が五%乗っかりまして、もう建て終わったと同時に五千万の消費税を支払わなければならない。今までの病院ですと建てかえても出来高払い制ですから何とかなったわけでございますが、療養型病床群の場合は、だんだん症状がよくなってくると点数が落ちてまいります。そうすると、この五千万の消費税というのは、これからの新しい療養型病床群の運営に大変支障を来すわけでございます。 そういう意味をもちまして、この消費税について厚生省の方でどなたかお答え願いたいと思います。
○政府参考人(大塚義治君) 介護関係の施設を経営する事業者の形態あるいは事業運営の形もさまざまでございます。それぞれの事業者の判断と申しましょうか事情に応じて運営をしていただくわけでございますが、ただいま御質問のございました例えばある時期に大きな設備投資をするというケースももちろんございます。これは長期にわたりまして償還をしていく、あるいは借入金でございますれば返還をしていくという形で賄っていくケースが多いわけでございますけれども、これを介護報酬の単価という観点から見ますと、ただいま大臣御答弁申し上げましたように、その単価の設定に当たりましては、経営実態調査を行いまして、いわば平均的な各施設のコストなどを算定いたしました。その中には当然減価償却費なども含まれておりまして、そういう形で設定をいたしてございますので、そうした介護報酬の中で長期にわたりながら償還をしていただく、こういう格好になるわけでございます。 また、現に現在の施設で運用をしておられる方もございますけれども、いずれは時期が参りますと、これまたその時期に設備投資をするということもございますので、そういう意味では平均的な単価設定、その中に消費税も含まれている、こういう考え方でございます。
○久野恒一君 ありがとうございました。 そういう意味で、療養型病床群というのは大変厳しい、介護というものは厳しい面を反面持っているんだ、経営・施設提供側はそういうことをお含みおき願いたいと思います。 ところで、老人保健施設についてお尋ね申し上げます。 老人保健施設の中には、社会福祉法人立、これは二割ぐらいございます、医療法人立の老人保健施設が、二種類ございまして、そこのところは税制上多少違いがあろうかと思います。これが、患者さんにとりましては、介護を要する人にとりましては両方に入っていくわけでございますが、税制上違う施設に同じ条件でもって入っていくわけでございますので、その辺のところをどうお考えになっているのか、ちょっとお尋ね申し上げます。
○政府参考人(大塚義治君) 老人保健施設に関連いたします税制ということでございますけれども、国税あるいは地方税、さまざまな税目がございますけれども、主として違いがあるというふうに整理をできそうな税目といたしましては、一つは国税で申しますと法人税でございますし、地方税で申しますと都道府県民税といったようなところが違う点でございます。 これは、老人保健施設そのものに着目した差というよりも、むしろその経営主体でございます医療法人あるいは社会福祉法人といった法人の本来の性格による違いでございまして、それぞれの事業体が全体としてどういうような事業を運営しているかという観点から取り扱われております税法上の違いでございます。 したがいまして、介護報酬という面では、これは老人保健施設につきましても今後、介護報酬という形で経費が支払われるわけでございますけれども、これにつきましては、社会福祉法人立であるかあるいは医療法人立であるかを問わずに同一の単価で支払われるという整理になっておるわけでございます。
○久野恒一君 わかりました。そういう点をお含みおき願いたいと思います。 次に、社会保障全体について私はちょっとお尋ねしたいわけでございますが、今までの社会保障制度は、医療、福祉、年金だったはずですね。これに介護が加わるわけでございます。 今後、高齢者医療は国民負担が定率化してまいります。まだ国会には出ておりませんけれども、そういうことがささやかれております。定率化してまいりますと、国民の負担率、これはどうしてもふえてまいりますので、国民の理解を得るためには医療供給体制、これはこれから出てまいります問題ですけれども、ぜひこれを機会に供給体制の効率化と合理化が必要であると考えておるわけでございますが、この点について厚生省はどういうふうにお考えになっておられるのか。
○政府参考人(伊藤雅治君) 国民に負担をお願いする前提といたしまして、医療の提供体制の効率化、合理化が必要だという御指摘、ごもっともだと思っております。 現在、厚生省におきましては、この医療提供体制の見直しにつきまして検討しておりまして、先般、医療審議会、社会保障制度審議会の御答申をいただいたところでございます。 この今回の改正案につきましては、患者さんの病態に応じました医療を効率的に提供できる体制の整備を進めることをねらいとしているわけでございまして、具体的には、病床を長期療養のための療養病床と看護婦を手厚く配置しました一般病床に区分をいたしまして、適切な利用環境のもとで効率的な医療の提供を進めるものというふうに考えております。 厚生省といたしましては、審議会の御答申に沿った内容で、国会の御理解を得ながら、できるだけ早く法案を提出できるよう努力してまいりたいと考えているところでございます。
○久野恒一君 そういう国民の立場に立っていかに利用できやすい制度をつくるか、そういうことが大変大切だと思います。 ところで、高齢者の生活保障でございます。生活というのは、高齢者の場合は年金でございます。そこから一割負担だとかあるいは食事代だとか、高齢者医療は一割負担をお願いするということにもうなってございます。そういたしますと、年金が基礎年金で暮らしている方々は五、六万の支給額ではとてもじゃないけれどもやっていけない、そういうふうに私は思うわけでございまして、そういう意味では、これから一階部分の国民年金というものを少し厚みを増す必要があるんではないか、そういうふうに思いますけれども、大臣、この点についてはどうお考えでしょうか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) まず、年金の給付のあり方でございますが、これにつきましては、あくまでも、要するに医療や福祉、こういうような負担の部分に着目したものではなくて、いわゆる衣食住など高齢者世帯の生活の基礎的な部分を賄うんだと、こういうことでこの水準というものが設定されておるわけでございます。 この医療や介護の負担でございます。御心配の負担につきましては、要するに当然年金から天引きされることになるわけでございますけれども、年金以外の収入であるとかあるいは資産の状況なども総合的に考慮して負担水準が決められたと、こういうような経緯がございます。したがいまして、これらの負担に見合った年金水準の引き上げというものは現時点では考えておりません。 ただ、この問題につきましては、小渕総理のもとに社会保障構造の在り方について考える有識者会議というものをことしになりまして発足いたしました。もう既に大変活発な議論を二回にわたって行っておりますが、こういう中で、これまでどちらかというと年金あるいは医療、介護など制度ごとに縦割りであったんじゃないかと、こういうような反省のもとに総合的な観点から現在議論を進めているところでございます。
○久野恒一君 ありがとうございました。 老人の生活の基礎部分を培うということでもって一階部分の基礎年金ができていると、そういう御意見でございました。 しかし、これから少子高齢化が進展して、経済基調の変化も踏まえて、年金制度を安定化して信頼されるものとしてワンセットとしての必要な年金法改正であろうかと思います。 しかしながら、年金は国民の老後の安心でありますから、自営業者もサラリーマンも所得に応じた負担でそれに見合った給付と老後の所得を確実に保障した方が国民の納得を得やすいのではないかと私は思うわけでございます。 それについて、負担した分だけ将来給付がされるということについて厚生省のお考えをお尋ね申し上げます。
○政府参考人(矢野朝水君) 先生の御提案はもっともなお考えだと思いますけれども、所得に応じた保険料負担ということになりますと、正確な所得の把握ということが前提になるわけでございます。これは、サラリーマンの場合は一〇〇%所得が把握されておるわけでございますけれども、自営業者の場合は所得の正確な把握ということがなかなか難しい、こういうことで今も定額負担ということになっておるわけでございます。そういうことで、この問題につきましては、私どもとしては今後の検討課題と認識いたしております。
○久野恒一君 所得の低い人は国が税金で最低保障すべきと考えますけれども、当面は附則に基づきまして基礎年金の国庫負担の割合を二分の一にすると、これはできるだけ早くやっていただかなければならないわけでございます。 厚生大臣の、今まだちょっと多少おくれてございますけれども、お考えをお示し願いたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) ただいま御審議をいただいております年金法の改正案の中で、附則の部分でもこの二分の一の引き上げということは明記されているところでございます。若年世代に対するいわゆる年金に対する不安を解消するためにも、私は、安定した財源を確保しながら、できるだけ早くこの国庫負担二分の一の実現を目指さなければならない、こういうような気持ちを持っておるような次第でございます。
○久野恒一君 そこで、今度は労働大臣にお尋ね申し上げます。 いろいろと前置きがあるんですけれども省略させていただいて、人員整理などで今労働者はリストラがいつ行われるか、そういうことでもって雇用不安に陥っている部分があります。国民生活の上で最大の不安になっている考え方から、労働省には、どのような雇用対策をとっておられるのかちょっとお尋ね申し上げます。
○国務大臣(牧野隆守君) 先生御指摘のとおり、現在の失業率は四・七%ということで非常に厳しい状況にございます。何とか景気回復を求めまして正常な状況にぜひ戻っていただきたい、こういうことで、一昨年四月以来四回にわたりまして総合的な雇用対策を取りまとめ、これに基づきまして、まず第一は雇用を安定化するということ、次に雇用を創出するということ、これらを念頭に置きまして最大の努力をさせていただいているところでございます。 そこで、私どもとしましては、今非常にリストラ、競争力確保ということで企業も頑張っておりますし、労働組合もこれらの動きに対処していろんな努力をしておるわけでありますが、私どもとしては基本的に、経営者も余りこの会社をやめていただくというような激しい措置をとらずに、社内で何とか雇用を確保する、労働組合の皆さんにもそういう観点から全面的に労働組合の立場から主張していただきたい、こういうことで経営者サイドも労働者サイドも雇用の安定の宣言をさせていただきまして、そのような措置をとるということで決意を表明していただいておりまして、基本的にはそういう方向で動いている、こういうように考えております。 そのような前提のもとで労働省としては具体的にどういう制度をとるかということでございまして、失業保険の充足を図ることはもちろんでありますが、その次にとっておりますのが、どうしても休業しなきゃならないという場合には、休業せざるを得ない人に対して補助金を出します、あるいは会社をやめずに出向するという場合もそれ相当の助成金を出します。 それから、特に中高年齢の方々が一番問題であるわけでありますが、こういう方を引き続き雇っていただいた場合にはその給与の助成金を出す。そして、六十歳から六十五歳までの皆さんに対しては、御承知のとおり定年は一応六十までということになっておりますが、片方の社会保険関係が六十五歳を目標にこれから整備をするものですから、その間隙をどうやって埋めるかということで、一つは会社でぜひ労働組合等とも相談して定年を六十五まで延ばしていただきたい、こういう相談をしていただきたい。そして、そういう制度を確立しようという企業に対しては特別の助成金を私どもの方からは出させていただく。そして、その過程において、定年は終わった、しかし延ばす過程において高年齢者を雇用される場合にはその給与の一定金額を助成させていただく。 こういう形でセーフティーネットを確立いたしておるわけでございまして、民間の皆さんにはぜひこれらの制度を活用していただいて、一人でも職業が継続して安定して施行されるように努力をさせていただき、必要な予算も計上いたしましてただいま御審議をいただいている、こういう状況でございます。
○久野恒一君 確かに、今現在六十歳定年でもって、いわゆる定年と年金の連結、そういう部分が大切なことではないかと思います。そういう意味で、大臣から今高齢者も継続的にやる、引き受けていただければ助成金も出すと。そういう発想ではなくて、これは要望にとどめおきますけれども、私は定年を過ぎてもNPOだとかあるいはこれから介護産業がいっぱい伸びてまいります。そういう中で、とにかく賃金としてもらうのではなくて、社会保障制度プラス幾らかのお小遣いといいますか、そういうものを出していただけるような、定年は定年で結構ですから、それに年金まで、小遣いと見合った生活費程度、それと社会保障制度を積み上げて出してもらえれば私はそれでいいんじゃないかなと。 引き続きまして、これから要望にとどめおきますけれども、六十五歳を過ぎても引き続いてシルバー人材センターとか何かいろいろな雇用の場がございます。また、それが生きがい対策とか健康づくりとかにつながってまいりますので、どうぞ六十五歳を過ぎても少なくとも社会保障分ぐらいはいろんなところでもって雇用をつくっていただいて、そういう措置をつくっていただければありがたいと思うんですけれども、要望ではございますけれども、もしお答えがあるようでしたらばお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(牧野隆守君) 六十五歳を過ぎましても元気な方々はやはり働きたいと。そこに生きがいを感じておられるわけですから、健康で長生きされるということはこれはもう非常にすばらしいことでございまして、これに対応する手段として、今、先生が御指摘になりましたシルバーセンター制度というものを実は確立させていただいているところでございます。市町村が中心になってつくっているわけですが、まだ助成の対象が限られております。 そういうことで、本年度はさらに拡充して、できれば早急に六十五歳以上の高年者に対する生きがいを促進するという意味でさらに努力をさせていただき、今度の法律におきましてもシルバーセンターの活動範囲を拡張するということで御審議を賜りたい、こう考えております。
○久野恒一君 どうもありがとうございました。 最後に、また厚生大臣にお伺いするわけでございますけれども、六十五歳を過ぎて、農業労働者なんというのはもう七十でも元気で働いております。そういう意味におきまして、やはり私はシルバー人材センター、先ほど申し上げましたけれども、またこれは一種の仲間づくりでもございます、健康づくりでもございます、生きがい対策でもございます。そういう方々にも、働いている間は六十五歳を過ぎてもやはり基礎年金相当部分を引き続き納めていただくよう、そういうふうにしていただいて、そして少なくとも基礎年金部分だけでもって、一階建て部分だけでもっていろいろな介護サービスとか医療サービスとか、そういうものが提供できるような財源を何とかつくっていただければありがたいなというふうに思っているわけでございます。 これは通告にはなかったもので、私の要望ではございますけれども、少なくともそういうような体制づくり、大臣に持っていただければありがたい、そういう気持ちでもって御質問したわけでございます。もし御答弁があればよろしくお願い申し上げます。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 先ほど来委員が年金のあり方について、特に高齢者の年金生活に依存する割合が六割を超えておる現状におきまして、大変いろいろな御懸念が示されたわけでございます。 私どもは、将来の現役世代に対する過重な負担を軽減する、こういう観点も含めまして、あわせて総合的にこれから検討していきたい、このように考えているような次第でございます。
○久野恒一君 ありがとうございました。
○委員長(倉田寛之君) 以上で国井正幸君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、伊藤基隆君の質疑を行います。
○伊藤基隆君 民主党・新緑風会の伊藤でございます。 冒頭、経済企画庁長官に御質問を申し上げます。 一九九九年二月二十六日に経済戦略会議が「日本経済再生への戦略」と題する答申を出しまして、ちょうど一年が経過いたしました。経済戦略会議の答申は……
○委員長(倉田寛之君) 速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(倉田寛之君) 速記起こして。 伊藤基隆君。
○伊藤基隆君 経済企画庁長官に今尋ねることを言い始めたところであります。 経済戦略会議の答申について、戦略答申は、一つは「「健全で創造的な競争社会」の構築とセーフティ・ネットの整備」、二つに「バブル経済の本格清算と二十一世紀型金融システムの構築」、三つ目に「二十一世紀に向けた戦略的インフラ投資と地域の再生」などの構造改革を提言しております。 これらの提言が断行された暁には、日本経済は従来とは全く異なる新しい姿を見せるだろうというふうに、高らかにうたっているところであります。すなわち、新しいビジネスや新規産業が次々と勃興し、国民一人一人が保護や規制からひとり立ちし、自己責任と自助努力をベースとした自由な発想と創造性を遺憾なく発揮することにより、若者も高齢者も生き生きとした希望を持って豊かな生活を営める社会が実現されるはずである、希望と活力に満ちた輝かしい未来を説いております。 しかしながら、この答申から一年を経た今、我々の目の前に広がる光景は随分と違ったもののように思われます。 そこで、長官にお尋ねしますが、経済戦略会議の答申では、「構造改革が断行された場合、日本経済は九九年度以降プラス成長に転じ、二〇〇一年度には二%の潜在成長力軌道に復帰する。」との結論を示しておりますが、答申から一年を経た今、答申の示す姿と日本経済の状況のずれについてどのように認識されているか。(「おくれちゃだめだよ」と呼ぶ者あり)
○国務大臣(堺屋太一君) ちょっと通知を受けるのがおくれまして、到着がおくれたことをまずおわび申し上げます。 戦略会議の答申と現状でございますが、戦略会議は九九年度にプラスにして、そして二〇〇〇年度、二〇〇一年度に潜在成長力に復帰する、回復する、こういう形を描いております。 現在、私たちは、九九年度の経済成長率をプラス〇・六%、当初〇・五%でございましたが、少し各項目で出入りがございまして、少しプラスにいたしまして〇・六%と言っております。 九九年の一―三月期、それから九九年の四―六月期、これは非常に好調でございました。七―九月期に反動もございまして、少し下落をいたしました。次の十―十二月期は、ボーナスが低かったこと、これは九八年度の企業の経営状態を反映いたしますからかなり厳しい状況があった、それにコンピューターの二〇〇〇年問題などの影響もございまして、恐らくは前期に比べてマイナスになるでしょう。 ところが、ことしに入りまして、二〇〇〇年に入りまして一月からの状況を見ますと、消費も回復してまいりました。また、生産の方は九九年の七―九月期から一貫して上昇に転じておりまして、心配されました設備投資に関連いたします先行指標であります機械受注などもプラスになっております。また、二〇〇〇年度になりましてからは、リース業、広告出稿業等、先行的な指標が改善しております。 そういうことを考えますと、恐らく一―三月にはかなりのプラスが予想され、九九年度全体としては予定どおりしっかりとしたプラス成長が可能だと考えております。そして、二〇〇〇年度の後半、九月以降になりますと、民需を中心とした回復が行われて、二〇〇〇年度は一・〇%の成長になり、二〇〇一年度には戦略会議が期待しているような潜在成長率に沿った二%前後の実質成長率が実現するのではないかと現在のところ考えております。
○伊藤基隆君 私は、経済戦略会議が示している方向について疑問を持っているわけでありますが、それにもかかわらず今の答弁が出されてきたことに対してまた大きな疑問がございます。戦略会議は構造改革を目指せばそうなると言っているわけですけれども、果たしてそういう路線の上に今の経企庁長官の見通しが出てきたのか。このことについては、この場で一言言っておきたいと思います。 さて、官房長官に基本的な問題をお尋ねしたいと思って組み立ててあるわけでありますが、その後の質問がその答えをいただかないと回らないんでありますが、記者会見の途中だそうでございますから、その後でおいでになったときにお聞きしたいと思っています。 金融再生委員長にお尋ねします。 金融分野の問題が主なテーマなんでございますけれども、答申は、第三章で「バブル経済の本格清算と二十一世紀型金融システムの構築」と題しまして、土地担保に過度に依存した融資の仕組み、いわば土地本位制とか日本型間接金融の問題を指摘しつつ、不良債権の実質処理の促進、新たな市場型間接金融の育成、新たなプレーヤーの参入促進や金融インフラ整備など、二十一世紀にふさわしい金融システムの構築を論じております。 この第三章で特徴的なのは、金融機関のこれまでの護送船団や横並びの問題点がほとんど触れられていないことであります。今後、自己責任が求められることも明記しておりません。これに近いことが記してあるのは、第三章第五節において、二十一世紀の金融行政に関して「護送船団方式から決別し、リスク管理と自己責任に裏付けされた、新たな時代に相応しい金融行政のあり方を構築する必要がある。」という一カ所だけであります。 現状認識の問題として再生委員長に伺っておきたいわけですが、現在の我が国の金融界、金融機関に護送船団的な意識、横並びの意識はもはや全く残存していないと認識しているのか、今後、自己責任を強調する必要はないと考えておられるのか、その辺についてお聞かせいただきたい。
○国務大臣(谷垣禎一君) お答えいたします。 金融再生委員会、それから金融監督庁ができまして、行政の基本的な方針も、今、先生が御指摘のような公明なルールのもとで透明な行政を行っていく、そして自己責任というものを重んじていく、こういう方向に変わってまいりました。その方針のもとにいろいろな金融制度の改革も進んできていると思います。 そこで、先生の御疑問は、行政はそういう旗印の方で進み出されたとしても民間の金融機関がそういう意識になっているのか、こういうことだろうと思います。私も金融再生委員長になりましてその点は関心を持ちまして、今いろいろ私なりに事情も聞いているところでございますが、やはりこの数年のうちに金融機関の意識というものも大きく変わってきている、こういうふうに認識をいたしております。 例えば、金融検査マニュアルというものができまして、これは公認会計士協会の準則と同じ内容のものでございますが、会計監査自体が大きく変わってきている、そういう中で今までの横並び意識ではとても生き残っていけないという意識が浸透してきていると私は思っております。 もちろん、今後とも私どもの金融再生委員会、金融監督庁は、自己責任ということも大いに強調しながら、明確なルールのもとでの透明な行政に努めてまいりたい、このように思っております。
○伊藤基隆君 再生委員長の答弁をよく踏まえた上で、ここで大蔵大臣にお尋ねいたします。 私は、現在の我が国の金融機関が横並び意識をすっかり払拭したとは思っておりません。しかしながら、今日に至って我が国の金融機関がいまだに自立できていないことは、大蔵省の護送船団方式やいわゆる裁量行政だけにその責任をかぶせるわけにはいかないのではないかというふうに思っております。 今から十年以上も前の一九八五年、昭和六十年六月に、既に金融制度調査会は「金融自由化の進展とその環境整備」と題する答申をして、その中で民間金融機関に対して自助努力と自己責任原則の徹底を繰り返し要請しております。また、一九九四年、平成六年二月の「金融機関の不良資産問題についての行政上の指針」では、金融機関に対し、経営のリストラ、経営体質の強化など最大限の経営努力を要請しております。 「金融自由化の進展とその環境整備」と題する一九八五年金融制度調査会答申や、九四年二月の「金融機関の不良資産問題についての行政上の指針」にあるように、大蔵省は過去、金融機関に対して自助努力、自己責任原則、経営体質改善の指導をたびたび行ってきたわけですが、銀行はこれに対し、一体どのように対応してきたのだろうか。十分な対応がなされたと認識しておられるのか。この辺の認識をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 最初のものは一九八五年でございますので、これは世界の金融機関のうち十までみんな日本がビッグテンだと言われた時代でございますから、このときの今のような指針は、これは恐らく指針を出す方も全く事態の将来を見ていなかったと言うしかありませんで、これはしたがって金融機関も本気でそういうことを聞いていたとは思えません。 後の九四年は、金融機関は実はかなり状況は悪くなっておりますけれども、まだまだ護送船団方式のようなものが残っておりまして、何となく沈没することはないというような意識でございますから、いろんなことを言われても、本当に言う方も言われる方もまじめにそれを受け取ったとは、正直言って実態から見ますと判断できません。 結局、監督する方も監督される方も、金融機関の実態というものがだんだん世の中でわかって、いろんな不祥事件が出たり、国際化ということで外から責められたり、結局自分が苦しんで初めて、先ほど谷垣大臣が言われたような現実の事態に来たのだろうと。それは、監督する方にももとより責任がありましたし、また監督される方も自分たちの将来がどうなるかについて、やはり護送船団の一員であるということの甘えがありまして、真剣に自分たちのことを当時考えていたとは思えません。
○伊藤基隆君 私も、大蔵大臣がおっしゃるとおり、かなり油断をしていたのだと思っています。しかし、大蔵省はその時点で警告を発したという事実はきちんと我々は承知していなきゃならないというふうに思います。 さて、金融再生委員長にお尋ねします。 経済戦略会議答申は、バブル経済の本格的な清算を進めるため、不動産の流動化、証券化や各種の環境整備を早急に進めるべきとの提言をしております。同じ過ちを二度と繰り返さないと自信を持てる内容とはなっていない。過去、日本国の金融システムは間接金融と呼ばれるものであって、土地担保主義をベースに、土地や株式の含み益をリスクのバッファーとして金融機関がリスクを集中的に負担するシステムであったと分析して、このいわゆる土地本位制から完全に脱却すべきだとしておりますが、そのための措置は既に済んだと考えてよいのか。 現在、金融政策当局は、ゼロ金利政策の転換点について厳しく注意深く時期を考慮していると思いますけれども、今後景気回復が現実のものとなった場合に、金融機関が、リスク管理が甘くなったり収益拡大のため横並び的な融資行動に走ってしまうといった心配は今後もう起こらない、必要ない、そういうふうに考えてよいのか、お聞かせいただきたい。
○国務大臣(谷垣禎一君) 現在、金融自由化も進んでまいりますと非常に激しい競争が起こることがこれから予想されるわけでありまして、各金融機関ともそれぞれ真剣に自分の体力を高めて国民の期待にこたえられる、それぞれ地域の期待にこたえられる、こういうことを真剣に模索していただかなければならないわけでございますが、今、伊藤委員御指摘のように、過去の融資のあり方にやはり問題があったのではないかという御指摘がございます。 これにつきましては、私どももいろいろな形でのルールの中で、市場規律と自己責任を重んずるルールの中でいろいろな検査を実施していることは御承知のとおりでございます。それから、オフサイトモニタリングと申しまして、金融機関に行って検査をするだけではなくて、これは金融機関に一カ月に一回いろいろなデータの提供を求めまして、事前におかしな経営体質にならないようなモニタリングを行っているところでございます。 そしてまた、その点につきまして私もいろいろ聞きますと、銀行の人材登用のあり方も、かつては審査部門等を必ずしも重視していなかった、そこに必ずしも人材を送っていなかったようなところがあったようなことを伺いますが、最近では、銀行の人材登用の仕方としても審査部門を非常に重視しているというようなことも聞いているわけでございまして、今、伊藤委員が御指摘のような欠点を乗り越えるように、それぞれ金融機関としても努力をしているというふうに思っておりますが、私どもとしましては、先ほど申し上げたような検査あるいはオフサイトモニタリングを活用した監督、いろいろな法に規定されている手段を用いて健全な方向にこれからも行くように私たちとしても努力をいたしたい、こう思っております。
○伊藤基隆君 少し皮肉めいて申し上げます。 バブル発生以前からサウンドバンキングのルールははっきりしていた、それは当然の常識でありますから。担保の掛け目も安全を見込んだ運用がなされていたはずでございます。融資に当たって信用リスクを知らなかったわけでもないだろうし、審査がなかったわけでもないはずです。今審査部門での人材配置を答えられましたけれども。それにもかかわらず、バブル期には担保価値増大や横並び競争意識から本来の銀行融資原則を逸脱してしまった。これは、金融行政の問題がどうこうというより、それ以前の銀行経営体制、当時の経営責任者の判断の問題だと思います。 余りにも単純な質問なんですが、バブル発生期における行き過ぎた融資は、銀行経営の基本的なルールを逸脱した銀行経営者の判断の甘さではないか、判断の誤りによるのではないかと考えます。 私は、当時、第三次行革審の専門委員という立場にあって、銀行協会と会議の場で議論しました。 私は、そのときに、自分ではっきり覚えているのでありますから議事録もあると思いますけれども、リストラをしなきゃならない時期に来ているんじゃないかという話を申し上げましたが、全く答弁が返ってこなかった。そういう実態はあったと思います。 今どうなっているのか。判断の甘さがそういう結果を招いたということについて私ははっきりさせる必要がある。ここで再生委員長に聞きたい。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今御指摘になりましたように、バブル期を振り返ってみますと、やはり銀行経営者の判断にいろいろな問題点があったんだろうと思います。 一つは、御指摘の中にもございましたような適切なリスク管理とか自己責任原則を欠いたまま安易に融資を拡大したということが言えると思いますし、それからもう一つは、先ほども申しましたけれども、不動産担保に過度に依存する体質といいますか、債務者に対する適切な融資審査というものが十分でなかったというようなことが二つ目として言えると思います。三つ目として、不動産業者とかあるいはノンバンク等、特定の業種に偏って安易な貸し出しが行われていた、そういうところにまた安易に融資が拡大していったというような問題点が挙げられるというふうに考えております。 こういう問題点をやはり克服していくために今各金融機関それぞれ努力をされていると思っておりますが、私ども金融再生委員会としても、先ほど申し上げたような手法を通じましてその努力を促していきたい、このように思っております。
○伊藤基隆君 果たして、この金融機関の意識や行動の問題点は、そういうふうに長官がおっしゃるように払拭されつつあるのか。私は、バブルの失敗後もずっと続いてきた体制が今日も続いているんじゃないかという疑問を持っておるわけです。 銀行は、横並び的経営の失敗、健全化の進め方の失敗によって危機的な状況に陥りました。このため、預金の全額保護などのために多額の公的資金が投入されました。しかしながら、銀行は、公的資金の投入という恩恵を受ける一方で、公的資金の投入と引きかえに国民に約束した事柄を誠実に実行しているとは言えません。 例えば、公的資金の投入を受けながら、中小企業向け融資の拡大という目標を達成するどころか、逆に中小企業向け融資額を減少させる銀行が昨一九九九年九月末で半数もありました。いわゆる貸し渋りであります。銀行は本来のリスク管理ができていないということを示すものの証左ではないかというふうに私はこの貸し渋り状況を見ます。 また、最近明らかになったことといえば、銀行は貸し渋りを行う一方で商工ローンに対する多額の融資を行い、いわゆる商工ローン問題を助長する結果ももたらしております。収益性の原点からルールを逸脱するのも横並びという実態は変わっていないように私は思うわけであります。 問題は、銀行は、バブルの発生、崩壊を通じて融資の行き過ぎやノンバンク等への過剰融資等のルール違反を行いましたけれども、その責任を明らかにし、責任をとっているとは国民は受けとめていないのではないかと思います。どのように再生委員長は認識されておるか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 厳正な審査をして体力を高め健全化を図っていくという目標と、それから今、委員が御指摘をされました国民に対する貸し渋り等、こういう問題に対応していくというのは、これはある場合には矛盾することも率直に申し上げるとありまして、この二つを同時に解決していくということには工夫も要りますし、困難な点もいろいろあるけれども、この二つを追っていかなければならないということだろうと思います。 そこで、委員の御質問は、こういう過去の経営の失敗と国民の多大な公的負担を必要としたにもかかわらず、その責任の明確化ということが行われていないのではないか、こういう御質問だろうと思います。 大体その事態は三つに分けられると思うんですが、一つは、金融機関の中で公的資金も受けていないし健全に経営しているという金融機関もあるわけでございますが、こういうところは、民間金融機関でございますから、それぞれの銀行の執行部あるいは監査役あるいは株主等がそれぞれの仕組みの中で責任を追及していくことだろうと思います。 それから、公的資金の注入を受けた銀行、金融機関、これも二つの場合がございまして、一つは、破綻をした金融機関で、要するに預金者の保護のために公的資金を投入しなければならなかった金融機関というものがあるわけでございまして、これはもうそれぞれ、特別公的管理になればその特別公的管理の責任者が、あるいは金融再生管財人を派遣する場合であれば、その管財人がそれぞれ法に基づいて民事、刑事の責任を追及していかなきゃならぬと法に決められておりますし、これは厳密にやってもらわなければならないわけでございます。 それからもう一つ、いわゆる早期健全化法の世界でございますが、ここで資本注入を受けた金融機関というものがあるわけでございますが、ここも、御承知のように、金融機関の自己資本比率等、その健全性の度合いに応じまして資本注入を受ける場合のそれぞれの金融機関の対応を決めているわけでございますけれども、現在のところ、受けたところは、いわゆる非分類と申しますか健全にやっているところでございますから、そこに対しては経営の改善の努力を求めていく、こういうことでやっていく。こういう三通りの分け方で責任の明確化というものを行っているわけでございます。 ちなみに、民事、刑事の責任を破綻した金融機関等で追及した程度はどのぐらいあるかということでございますが、預金保険機構の調査に基づきますと、平成九年から十一年十二月までの間において、背任罪等で十八件、三十九名、十金融機関でございますが、これが告発あるいは告訴され、また損害賠償請求等で二十七件の民事訴訟が提起されている、このように承知をいたしております。
○伊藤基隆君 金融再生委員会の役割の重要性というのは国民はだれしも承知しておりまして、発足当時からの多くの期待があって今日まであるわけであります。長官も大変厳しいときに就任されて御苦労さまでございますが、ぜひ頑張っていただきたいと思います。 さて、国民世論はどう見ているかということの認識が少し経済界に不足しているんじゃないかというふうに思っておりまして、政府の見解もお伺いしたいわけです。 東京都知事が外形標準課税構想を打ち上げた際、世論の反応を思い起こしていただきたいわけであります。冷静に考えれば、公的資金を投入した政策効果への影響や都道府県間の格差の問題など、簡単な問題でないことは察しのつく問題であります。それにもかかわらず、世論の幅広い支持を受けてしまいました。 銀行が反対の行動をとるのは自由でありますけれども、なぜこうなるのかを銀行はよく考えなきゃならないと思っています。銀行は十分な努力をしていない、過去の償いもしていないと今政府からも答弁がございましたけれども、国民各層はそういう認識が強いわけでありまして、公的資金が投入されてからも銀行員の給与は他の産業に比べてよいというのも批判されているところであります。 経済戦略会議答申もこういった点には考慮がなくて、金融界に責任問題やリストラの徹底、ルールの厳守を求める姿勢に欠けております。経済戦略会議答申は、モラルハザードを防止するとして、これまで以上に国民に痛みを求めながら、他方で大量の公的資金を民間金融機関に投入することを当然視して、民間金融機関の責任問題を素通りする、まさに民間金融機関のための金融システム再生を図るプログラムだったと言えると思います。 私は、実は官房長官に総理に成りかわっての答弁をいただきながら、この経済戦略会議答申が持っている、国民に対する配慮がないという点を主張したかったわけでありまして、少し順番がずれてしまったのでドラマチックじゃなくなっちゃいますけれども、ここは官房長官に後ほどお尋ねしたいと思います。金融再生委員長、お願いします。
○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに、このような公的資金というものを投入している以上、先ほど申しましたように、その責任の追及は、責任の追及と申しますか、公的資金の場合も二つあるわけでありますけれども、倒産して大きな迷惑をかけたところには、これはきちっと法的責任を追及していかなければなりませんし、それから公的資金の注入を健全化のために受けたところは、いろいろ健全化の計画も立てているわけでありますから、その計画をきちっと履行していただいて、国民経済の復興に役割を果たしていただき、そうして成績を上げてきちっと投入したものが戻ってくる、こういうことに努力をしていただかなければなりません。私どもも、法のもとでその目的が達成できるように全力を挙げて取り組みたい、このように思っております。
○伊藤基隆君 方針は私も理解しております。ただ、指導を受ける方がというか、検査を受けた方が検査の状況を隠ぺいしたり、指導をないがしろにしたり、本来守るべき経営責任というものを持たないということが問題になってきたわけでありますし、なお問題が残存しているということについて厳しく受けとめておいていただきたいと思います。 そこで、内閣官房長官にお尋ねいたします。 経済戦略会議は、構造改革を訴えて、これを断行した暁には若者も高齢者も生き生きと希望を持って豊かな生活を営める社会が実現するはずであると言っております。 私には、現在の日本がそのような方向に向かっているとはどうしても思えません。どうも経済戦略会議の答申は、大事なところで重大な過ちを犯してしまっているように思います。それは、構造改革課題を幾つか掲げながら、財政については縦割り構造の改革、代表的には農業問題にノータッチであることなど、本質的な課題がすっぽりと抜け落ちている、それが第一の原因だと思います。 第二の原因は、金融や産業など構造課題が掲げられている分野については経営環境の改革課題は掲げつつも、これまでの誤った経営体制そのものを正すという、根本であって改革に不可欠な課題を見過ごしてしまった点にあると私は思います。 答申はこうした困難な問題を回避し、農業分野や金融界に甘い内容となっている一方で、国民の福祉に対しては厳しくかつ直接的に痛みを求めております。そのため答申は、国民にとってバランスと正義感に欠けるものとなってしまったのであります。これでは改革自体がきちんと進むこともなく、まして若者も高齢者も生き生きと希望を持って豊かな生活を営める社会が実現するなどとは思えないのは当然であります。答申と現実のずれが生じて当然なのであります。 答申は、第二章で、「「健全で創造的な競争社会」の構築とセーフティ・ネットの整備」において、「これまでの日本社会にみられた「頑張っても、頑張らなくても、結果はそれほど変わらない」護送船団的な状況が続くならば、いわゆる「モラル・ハザード」が社会全体に蔓延し、経済活力の停滞が続くことは避けられない。現在の日本経済の低迷の原因の一つはモラルハザードによるものと理解すべきである。」という記述がございます。私はナンセンスだと思っていますけれども、この第二章冒頭のモラルハザードに関する記述は、一体日本社会のだれについて書かれたものなのか。記述の中で、「モラル・ハザード」という用語の意味を括弧書きで、「生活保障があるために怠惰になったり、」云々としていることから察すると、個人について記したものと受けとめられますが、その点の認識はいかがでしょうか。
○国務大臣(青木幹雄君) お答えをいたします。 経済戦略会議の答申については、それぞれいろんな立場立場でとり方もあろうと思います。今、議員御指摘がございましたモラルハザードの問題につきましても、戦略会議の答申では、こういうふうに申し述べております。「これまでの日本社会にみられた「頑張っても、頑張らなくても、結果はそれほど変わらない」護送船団的な状況が続くならば、いわゆる「モラル・ハザード」が社会全体に蔓延し、経済活力の停滞が続くことは避けられない。」という指摘もきっちりといたしているように私は考えております。 また、御指摘のような我が国経済が長期にわたって厳しい状況が続いている背景には、短期的な景気循環だけではなく、各個人のモラルハザードの問題も含め、日本的な経済システムの制度疲労を初めとした我が国経済の構造問題にも問題があるということも述べております。したがいまして、経済の国際化が進展した中で、豊かに安住して守りに入っていては先進国であり続けることはできず、新しい分野への挑戦を積極的に続けることが重要であろう、私はそういうふうに考えております。
○伊藤基隆君 私は、これまでの日本の社会でモラルハザードを論ずるならば、一般の個人でなく企業そのものであったはずだと思います。将来の日本を論ずるのに国民がモラルハザードに陥ってはいけないというのなら、今答弁もお聞きしましたけれども、わかります。しかしながら、個人たる国民がそのような状況にあったという認識は現実と相当の開きがあるのではないか。答申自体が用いている言葉で「護送船団的な状況」とは、まさに長年にわたる我が国の金融界や産業界の横並び的意識や行動の問題点を指摘する際に最もよく使われてきた用語であります。経済戦略会議はこれまでの企業の問題をこれからの個人の問題に平気ですりかえて議論を展開していたのだと思っています。 この現状認識の誤り、またこういう過ちに気がつかない無神経さが、国民に希望を与え自助努力を促すどころか、政府に対する失望を与え、白けをもたらしているんじゃないでしょうか。この誤った認識は答申の全般に貫かれております。私は、これは政治家的判断とは大分乖離しているんじゃないかと思っています。 答申の終わりにおいても、「日本も従来の過度に公平や平等を重視する社会風土を」「変革して行かねばならない。」という一文があります。これまでの日本で具体的に何が過度な公平や平等であったのか、国民の立場から見てどういう状況がそういうことであったのか、それを示していただきたい。 私は、官房長官が示すことは不可能だと思っていますけれども、あえて批判を込めて聞いておきたいと思います。
○国務大臣(青木幹雄君) お答えをいたします。 確かに我が国は、これまで御指摘のように公平や平等が重要な価値観とされてきたことは間違いのない事実でございます。それが過度に重視されたのはともかくとして、経済的繁栄の一方で、例えば金融機関の今御指摘いただきましたように不良債権問題や企業の国際競争力の低下など、経済や社会のさまざまな分野で非効率的な部分が生じてきたことも議員御指摘のとおりであると私も考えております。これらの時代においては、自由かつ透明で公平な競争を一層活発化することによって経済をより効率的、活性化することが重要であると考えております。 ただ、公平や平等も引き続きある意味では忘れてならないものであることも間違いありません。機会の平等や失敗した場合の最低限の安全ネットと再挑戦の可能性が同時に確保された経済社会を築くべきである、そういうことを言っていると私は考えております。
○伊藤基隆君 私は例えばの話で官房長官に申し上げますが、今度の新潟県警不祥事のとき、官房長官は個人的な見解を言いました。しかし、言ってはならない立場ということを十分わきまえながらあえて言ったということも表明されました。私はよくわかっています、その心の動きは。そういうものがこういう経済の基本戦略のようなものを出すときになければならない。過度な平等、過度の公平なんて行き合ったこともないんです。みんなが全力を挙げて努力して生活してきているわけで、しかし日本の政策の基本は公平、平等を旨としてきたことも皆国民はわかっているわけでありますけれども、過度なとなって、それを改めるべきだということを金融界に言わないで、金融システムの改革で言わないで国民に向かって言うところに戦略会議のずれがあるというふうに批判しているわけであります。 個人への配慮、国民の生活への思いやりに余りにも欠けていた、このままでは国民の意識とのずれがますます拡大するだろう。さきの金融再生委員長の発言問題がその端緒だとは言いたくはございませんけれども、国民が政治不信に雪崩を打ってしまう前に、民間金融機関の経営者には過去の反省と責任問題に関する認識を明らかにすることが今後の金融行政に関する国民の理解を得る上で不可欠であるということを金融再生委員長ともどもにお願いしておくところであります。 経済戦略会議は答申第二章で述べているように、「アングロ・アメリカン・モデルでもヨーロピアン・モデルでもない、日本独自の「第三の道」ともいうべき活力のある新しい日本社会の構築を目指すべきである」としております。単純に海外にモデルを求める姿勢でない点はよいと思っています。 また、終わりの章で、アングロ・アメリカン・モデルについて、「最近でこそ、アングロ・アメリカン流の経済システムの影の部分も目立ってきている」というふうに言っています。その限界を認識していることも私は理解します。 しかしながら、そもそも日本の現実について認識に誤りがあって、企業と個人との扱いにアンバランスがあっては、第三の道は国民にとって悲惨なものとなる。日本的という言葉が企業の責任をあいまいにすることを意味するならば、政治不信はもはや避けようがないというふうに思うわけです。 財政や金融に限らず、行政改革についても同様であります。大きいとか小さいとかの議論のレベルではなくて、日本という経済社会にとり、国民生活にとり、よりよい政府は何かということが大切なのでありまして、国民の声や国民生活の姿をきちんと見据える政策が必要と考えます。 この辺に対する官房長官のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(青木幹雄君) 議員のおっしゃいました問題についても、確かに戦略会議でも、金融システムについても当然その中で述べております。 また、議員のお考えも私は非常に傾聴に値すると思いますので、今後十分参考にさせていただいて内閣としても取り組んでいきたい、そういうふうに考えております。
○伊藤基隆君 私は、実はこの質問を政府にしようと考えたのは八月の時点でありまして、国会が休会になっている間、戦略会議の答申を何回も読み返しまして、この質問を組み立てました。そして、総理に聞きたかった、小渕総理にじかに国会の場でお聞きして存念をお伺いしたかったという気持ちでございます。 なぜならば、経済学者とか経済評論家、経済ジャーナリストなどエコノミストと言われる人たちは、新聞、テレビ、雑誌または講演会などを通じてかなり強い影響力を発揮しております。特にその影響が時代の雰囲気を形成するに至ると、経済人もその強い影響を受けてしまうことが多いわけであります。 私は、経済戦略会議答申を内閣は閣議決定というふうにしたんでしょうか、これを政策に具現化する方向をそれほど強くとっていないということを幸いだと思っています。経済評論家ないしその他のエコノミストからの影響を受けて実体経済が誤るというケースは大変危険なものでありまして、私は余り勉強していませんが、ケインズもそのような指摘をしているというふうに聞いております。国の基本的な政策は、政治家のイニシアチブによって議論して国民に示すべきだと考えます。特に、経済戦略会議も行革会議もそうだと思いますけれども、政治家が議論して、そして決めていくという作風をぜひ確立していただきたい。 さまざまな思いを込めて、行革会議中間答申以来の思いを込めて官房長官にお尋ねいたしました。総理にぜひよろしくお伝えいただきたいというふうに思います。 さて、午前中が私の時間でありまして、ここで警察の問題についてお尋ねしたいと思います。 警察庁長官がおいでになっていると思います。 まず私は、被害者の立場から女性監禁事件と警察の対応の経過について少し述べてみたいと思います。 一九八九年六月に、今回の事件の佐藤容疑者が柏崎で少女を連れ去ろうとして現行犯逮捕をされました。しかしながら、二〇〇〇年二月に新潟県警は、八九年の事件で佐藤容疑者のデータが犯罪手口システムに未入力だったことを発表いたしました。まことに残念であったと思います。警察も残念だったと思います。 アメリカにおいては、最も基本的な対応として、子供に対する性犯罪は極めて再犯率が高いという統計的な事実に着目して前歴者リストを整備しているようでありますが、日本においてはどのようなことなんだろうかということを警察庁長官にお伺いします。
○政府参考人(田中節夫君) 委員御指摘の犯罪手口資料の問題でございますけれども、我が国におきましては殺人とか誘拐とか、あるいは性犯罪等、再犯のおそれがあるそういうものにつきましては、これを手口資料として残しておきまして後日の犯罪捜査に備えるという制度をとっております。 今お話しのアメリカの制度でございますが、突然の質問で詳細は把握しておりませんけれども、アメリカにおきましては性犯罪等の加害者、被疑者につきましてはこれをデータとして登録し、しかもそれを当該被疑者が住む居住区といいますか地方自治体の住民に知らせるというような方策をとっているというようなことも聞いたことがございます。
○伊藤基隆君 一九九〇年十一月に三条市で当時小学校四年生だった女性が下校中に行方不明になりました。九〇年十一月に三条署に女子小学生所在不明事案対策本部が設置されています。九一年十月に柏崎署員が佐藤容疑者宅を巡回連絡で訪問した。九三年六月にも柏崎署員が佐藤容疑者宅を巡回連絡で訪問、母親が対応した。九六年一月ごろ、佐藤容疑者の母親が柏崎署に相談。九六年一月に母親が柏崎保健所に息子が暴力を振るうと相談。九八年八月に柏崎署員が佐藤容疑者宅を巡回連絡で訪問、母親が応対。こういう記録がございます。 警察は事件解決のすぐそばまで実は行っていたのだというふうに思っています。もう一歩が出なかった。もう一歩が実は重要なんではないかと思うわけです。これには、かなりの経験と小さなことも見逃さない豊かなそういう感性が警察官に必要なんじゃないかと。それまで求めるのかということもあろうかと思いますけれども、私はこういう判断力というか推察力というのは訓練が非常に重要なんじゃないかと。 それと、警察組織の中の緊張感、緊張感のある捜査システムの確立に向けて機能を保っていく、そういう必要があるんじゃないか。その緊張感を無理なく保ち続けるのが幹部の役割ではないかというふうに思っております。そういうことにこたえ得るシステムをまだ持っているわけだから、そのことを引き出し持続させる幹部の力量というものが問われているのだ、そういうふうに思います。 そのことについて、警察庁長官の見解をお聞きします。
○政府参考人(田中節夫君) 今回の事件につきましては、九年二カ月という大変長い期間、この少女が監禁されていたという極めて痛ましい事件でございます。 今、委員お話しのように、事件発生から救出に至るまでの過程におきまして幾つかの機会がございまして、その機会をとらえて徹底的な捜査あるいは調査等によりまして被害者を救出し得たということであるといたしますならば、私どもの捜査あるいは調査が不十分であるとのそしりは免れないというふうに思っております。 今お話しのように、私どもの捜査というのは、機械等に頼るだけではなくて、感性と申しますか長年の現場での感覚とか、あるいは捜査員の勘と申しますか、そういうものが集大成されて初めて目的をなし遂げることができるというのは御指摘のとおりでございます。そういう意味で、捜査員の力というものをさらにつけていくとか、あるいは持っている力を引き出すというのも幹部の大事な仕事だというふうに思っております。 そういう意味で、さらに幹部のそういうところの養成と申しますか研修と申しますか、そういうものにつきましては力を注いでいかなければいけないというふうに考えておるところでございます。
○伊藤基隆君 さらに経過を続けますと、二〇〇〇年一月十二日に佐藤容疑者の母親が柏崎保健所に相談。二〇〇〇年一月十九日に保健所、市職員が容疑者宅を訪問して佐藤容疑者と会えなかった。二〇〇〇年一月二十八日十三時三十分ごろ、同保健所職員らが佐藤容疑者の自宅を訪問、女性を発見。柏崎署に二回出動要請したが同署は出動せず。十四時五十分、女性が名前を名乗り、保健所職員が同署に三度目の通報をして、十六時三十分、柏崎署員が指紋で女性の身元を確認。 ここは大問題だと思っています。県警監察官室の調べによると、保健所の出動要請に対し柏崎署の生活安全課係長は、何でもかんでも警察に任せないでそっちで住所、氏名を聞いてくれ、家出人なら保護すると、出動拒否ととれる返事をしたと。これは警察に対する国民の期待を裏切る行為だと思います。 というのは、やむにやまれず、しかもこれは市職員とか保健所職員が言っている。一般市民が警察に言うのは、なかなか警察とのかかわり、関係を持ちたくないという意識があって、意を決してやるわけで、そのときにさっと出てこなかったら警察じゃないんですよ。 そのことについて、ぜひ警察庁長官の考えをお聞きしたい。
○政府参考人(田中節夫君) 委員御指摘の一月二十八日の被害者発見時の状況でございますが、御指摘のとおり、午後二時ころに保健所から連絡がございました。しばらく後に柏崎警察署から保健所の方に電話を差し上げました。そのときに、被害者は、あるいは容疑者もでございますけれども、既に搬送されているけれども、そこに女性がおられる、身分、その他住所は不明であるという御連絡を受けました。そのときに担当いたしました柏崎警察署の署員が、今、委員御指摘のように、そういうことまで警察に持ち込まないでほしいというようなお話をいたしました。 まことに遺憾、極めて不適切な行動であります。お話のように、警察にいろいろ御相談を持ち込まれます。それは思い余って持ち込まれることが大変多いわけでございます。したがいまして、その際にもこちらの方から、その少女の状況はどうだというようなことを詳しく聞けばよかった。そうすれば警察としても適切な措置を講ずることができたというふうに思います。多くの意味で私どもにいろんな御相談がありますときに、もう少し一歩前に踏み出て、そういうものを受けとめるという姿勢が大事だというふうに思いますし、これから第一線に対しましてはそういうことを徹底してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○伊藤基隆君 警察庁長官に対する最後の質問を行います。 国家公安委員会は、前関東管区警察局長の監督責任を怠ったとして、警察庁の田中長官に減給の懲戒処分をいたしました。田中長官は記者会見で、「今後、全警察職員が誇りと使命感を持てるような職場環境の醸成に努めるとともに、国民の信頼を一日も早く回復するよう、全力で努めてまいりたい」と述べております。私は、直接聞いたわけではございませんが、この言葉を大変重いものとして受けとめました。 警察にはさまざまな受けとめ方があるというふうに思います。しかし、起こった事実をそのまま受けとめ、その反省の上に改革を図る、そのことが大切なのではないかと思っています。ぜひそのことについての決意をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(田中節夫君) 今回の新潟県警察にかかわります一連の事案、まことに不適切、遺憾でございます。国民の皆様に心からおわび申し上げなければならないというふうに思っております。 私どもは、今回得られました反省、教訓の上に立って、事実を事実として受けとめ、そこからまた次のいろんな問題についての課題への方針と申しますか、そういうものを探り出していくということが大変大事だと思います。そういう意味で、今回の事件を大変教訓の参考事項の柱として私どもは新しい課題に取り組んでまいりたい、かように考えておるところでございます。
○伊藤基隆君 ここで午前を終わりたいと思いますけれども、お願いします。
○委員長(倉田寛之君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十五分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(倉田寛之君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、平成十二年度総予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。伊藤基隆君。
○伊藤基隆君 薬物乱用防止五カ年戦略についてお尋ねいたします。 覚せい剤等の不正薬物が青少年へも浸透していることを踏まえ、政府は平成九年一月に総理大臣を本部長とした薬物乱用対策推進本部を設置し、第三次覚せい剤乱用期の早期終息に向けた対策を講じるとともに、世界的な薬物乱用問題の解決に我が国も積極的に貢献することを目標とした薬物乱用防止五カ年戦略を平成十年五月に決定し、関係機関でその推進に当たっているところでございます。 麻薬、覚せい剤などの不正薬物は、ほとんどが外国で密造されたものが我が国に密輸入されているものでありまして、その供給を阻止するためには水際における徹底した取り締まりを行うことが重要というふうに思っております。かつ、水際の取り締まりが非常に効果的であります。一たん国内に入りますと、警察がこれを押収するという場合、まさに想像を絶する大変な労力を必要とするものでありまして、水際の効果というものにもっと着目していく必要があるというふうに思っているわけであります。 さて、水際での取り締まりの第一線にある税関における主な社会悪物品の摘発状況を見ますと、覚せい剤、大麻、ヘロイン、コカイン、アヘン、向精神薬など不正薬物で、平成十年では五百八十一件、八百六十三キログラム、十三万六千錠、平成十一年では四百九十一件、二千百九十一キログラム、十三万九千錠となっております。 これは全国の税関が摘発した密輸事件に係る押収量のほか、警察等が摘発した事件で税関が当該事件に関与したものに係る押収量でございます。特に、覚せい剤一・四五トン、大麻七百二十三キログラムの摘発量は平成十年の約二・五倍にも上っておりまして、覚せい剤、大麻ともに過去最高の摘発量に達しております。 平成十年に税関が摘発したもの並びに他の機関が摘発した事件に税関が関与したものが、国内全押収量のうちどのような状況になっているかといいますと、覚せい剤は九九・一%、国内五百四十九キログラム中五百四十四キログラム、大麻九二・一%、国内三百五キログラム中二百八十一キロとなっておりまして、取り締まり機関がそれぞれにまた連携して取り締まりに当たっている中にあって、水際での第一線にある税関が大きな力を発揮していることがうかがわれます。 しかしながら、今直面している不正薬物流入の状況を見たときに、見過ごすことができない体制の不十分さを感じます。体制が不十分だということであります。 私は、財政・金融委員会の調査でその実態を知りまして、財政・金融委員会で二回ほど大蔵大臣の見解を聞きました。大蔵大臣はその都度、税関の果たしている社会の安定のための役割を評価して、定員について前向きに検討する旨の回答を私はいただいたところであります。また、昨年十二月には行財政改革・税制等特別委員会において、総務庁長官、大蔵政務次官にも見解をお伺いし、前向きに検討する旨の回答をいただきましたが、実態はなかなかそのように進んでいないのではないかと思います。昨年末で十九名の純減、マイナスがございました。 この件につきまして、麻薬その他の薬剤の輸入問題、これを阻止する体制の問題について、大蔵大臣、総務庁長官にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 最近における水際における不正薬物の押収量は御指摘のようにふえ続けておりまして、昨年の二・二トンというのは一年前の二・五倍になっておるようでございます。 それはふえ続けておりまして、しかも、過去五年間の国内押収量全体に占める水際の摘発が、今お話しのように六割台から七割台程度となっておりまして、税関が人手不足で非常に重荷をしょって仕事をしておりますことは、かねて伊藤委員から大変に御理解をもって御指摘をいただいているとおりでございます。 警察あるいは海上保安庁と十分連絡をし、あるいはエックス線検査装置また麻薬探知の犬でありますとか、それから国際的な情報交換等々できるだけ重点的にこの仕事に人を仕向けておりますけれども、御指摘をいただくような勤務の状況でございます。 かねてこのことは御指摘をいただいておりまして、努力をするということを何度も私自身が申し上げておることでございますが、国家公務員の中で大幅な人員の縮減を行っておりますために、税関の定員におきましても結局逆に十九人の純減となっておりまして、さらに効率的な配置をしなければ、この薬物あるいは銃砲等の取り締まりに事を欠いてはならぬと考えておりますが、十分に政府として御指摘のような増員の手当てができずにおります。それは申しわけないことでございますが、なおその点も努力いたしますし、また事務の合理化、機械化等もさらにぎりぎり進めてまいりたいと考えております。 いろいろ御理解をいただきまして、ありがとうございます。
○国務大臣(続訓弘君) 伊藤議員は今、具体的な数字をお示ししながら薬物等の水際作戦の重要性を説かれました。昨年の十二月七日、参議院の行財政改革特別委員会においても具体的な数字を挙げて御質問がございました。私はその中で、でき得る限り十二年度の定数査定の中で配慮させていただきますと、こんなふうに申し上げました。伊藤議員は、具体的な増員の数字として、六十三年度を一〇〇とした場合に平成十年度は一〇七にすぎないじゃないか、こんな具体的なお話もされました。 そこで、今、大蔵大臣から御答弁を申し上げましたように、政府としては十年間で二五%の人員の削減計画を国民の皆様に公約しております。そんな中で、十二年度の定数査定も非常に厳しい状況にございました。四千七百六十五名という純減をお願い申し上げておりますけれども、その中で税関の関係につきましては七十人の増員がございました。その増員要求に対しまして四十六人の増員を認めさせていただきました。中でも、四十人、八七%が水際作戦のための要員でございます。 しかしながら、今、大蔵大臣から御答弁を申し上げましたように、この人員が必ずしも十全ではないとは存じますけれども、ぜひ御理解を賜りながら、警察や海上保安庁等と懸命なスクラムを組んで水際作戦に当たらせていただきたい、こんなふうに思いますので、御理解を賜りたいと存じます。
○伊藤基隆君 純粋に減少していくわけであります。去年が十九名減少しました。さまざまな計数整理はあるということは承知しておりますが、純粋に減少していく。そのことによって第一線の税関職員の士気が衰えては大変だ、また大変危険な業務でありますから、そういうことも考えなきゃならないと思うんです。 ただ、国の業務でどれが重要、どれが重要でないということはありませんけれども、この麻薬等が及ぼす社会的な問題については、私が今さら説明するまでもございません。ぜひ格段の体制をとるような御配慮をお願いしたいと思います。 私は、全大臣にこのことをお聞きしたいぐらいでありますけれども、そういうことを避けまして、かかわりのある厚生大臣から考え方をお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 委員御指摘のように、現在、第三次の覚せい剤乱用期を迎えております。しかも、青少年の間に乱用が大変広がっているなど、極めて憂慮すべき状況にあると考えております。 先ほど大蔵大臣からもお話がございましたけれども、厚生省といたしましても、全国八カ所の麻薬取締官事務所において、税関であるとか海上保安庁などと連携をとりながら取り締まりの強化を図っております。 特に、最近私どもが力を入れておりますことは、薬物乱用防止のキャラバンカーでございます。全国千カ所の学校などへの派遣であるとか、中学、高校生の保護者向けの啓発の本を九百万部ほど作成して配布いたしまして、青少年に対する効果的な啓発運動を行っているところでございます。 さらに、これも大蔵大臣の方から御指摘がございましたけれども、アジア地域におきます規制、取り締まり強化を図るために本年の一月にはアジア覚せい剤乱用予防対策会議を開催いたしまして、国際協力の推進に努めているところでございます。 そして、先ほど申し上げました薬物乱用防止キャラバンカーでございますが、来年度は特に二台増車をいたしまして全国六台の運行体制を図るなど、今後とも薬物乱用のない社会の実現に向けまして最善の努力を尽くしていく決意でございます。
○伊藤基隆君 外務大臣にお尋ねいたします。 日本側の水際作戦による努力だけではこの問題は解決できません。これらを密輸出してくるアジア諸国の政府との連携が必要だと考えますけれども、現状どのようになっておるか、今後の外務省の考え方はどうか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 御指摘のとおりだと思います。 我が国といたしましても、国連薬物統制計画への拠出などを通じまして国連の本問題への取り組みに積極的な協力を行っているところでございますが、本年一月には、国連薬物統制計画の参加も得まして、アジア地域の薬物対策機関の協力を推進すべく、二〇〇〇年薬物対策東京会合を開催いたしております。 議員御指摘のとおり、この薬物は、輸出国側における薬物問題の背景を何とかしなければなりません。問題は貧困問題にあるというふうにも考えますことから、薬物原料作物を栽培する住民が原料作物栽培に頼らないで生活できるよう、例えばミャンマーなどにおいて代替作物栽培への支援などを実施しておりますし、また、薬物取り締まりや薬物乱用防止啓発活動促進のために研修事業や専門家の派遣をタイでありますとかカンボジアでありますとかに実施をいたしているところでございます。 さらに、薬物犯罪などの国際犯罪に関する協力を進めてまいりますために、中国などとの間で、外務省がリーダーとなりまして関係省庁の参加を得て治安当局間協議を開催いたしておるところでございます。
○伊藤基隆君 国家公安委員長にお尋ねいたします。 この件に関する警察の取り締まり現状はどうなっておりましょうか。
○国務大臣(保利耕輔君) お答えを申し上げます。 最近、薬物事犯の特徴的な傾向といたしましては、海外からの密輸ルートが多様化いたしておりまして、個々密輸入事件が大型化しておりますし、また国内における薬物販売に依然として組織暴力集団が深くかかわっていることなどが指摘できるものと思います。 我が国におきます乱用薬物の中心となっている覚せい剤につきましては、警察による昨年の一年間の押収量がその前の五年間の押収量の合計を上回る約二トンに達しておりますほか、乱用事犯等の検挙人員も高水準で推移しており、現下の薬物情勢は極めて深刻な状況にあるものと考えております。 御指摘のように、水際で捕まえるというのはいろいろな方法があると思いますが、先ほど御指摘の税関もございます。また、海上保安庁による巡視、それから湾内警備艇等による巡視その他のものがあろうかと思います。 二トンの麻薬というのは、警視庁でつくりましたパンフレットによりますと、六千五百万回の注射が打てる量に匹敵するということでありまして、これだけのものを押収したということは大きな成果ではありますが、しかし私は薬の値段というのが品薄から上がるのかと期待いたしておりましたら、市中における薬物の値段が上がっておりません。 したがいまして、まだ乱用傾向が非常にあるということもありますので、薬物を使っている人たちに対する調査その他にも万全を期していかなければなりませんし、また水際取り締まりのためには組織暴力団等のいろいろな動き等についても十分に注視をする中で薬物取り締まりの成果を上げていきたい、このように考えております。
○伊藤基隆君 法務大臣にお尋ねいたします。 薬物事犯については厳正な処分を行うべきと考えますが、法務大臣の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(臼井日出男君) 薬物犯罪の現状を見てみますと、平成十一年度中の覚せい剤の押収量はただいまお話がございましたように約二トンに及んでおるわけでございまして、暴力団等の犯罪組織というものが薬物密売によりまして巨額の資金を獲得し、その手段、方法がますます隠密、巧妙化しております上に、乱用者層というものが一般市民のみならず中学、高校生にまで拡大するなど、極めて憂慮すべき状況にございます。 検察は、このような最近の深刻な薬物情勢にかんがみまして、委員御指摘をいただきました薬物乱用防止五カ年戦略を踏まえまして、関係機関等との緊密な連携のもとで薬物犯罪からの犯罪収益の剥奪を図るとともに、厳正な科料の実現に努めておりまして、今後とも、昨年策定されましたいわゆる通信傍受法に規定をされております通信傍受の手段をも活用しつつ徹底した捜査を行いまして、一層これに努めてまいる所存でございます。
○伊藤基隆君 ありがとうございました。 次の質問は全く変えますけれども、青木官房長官にお尋ねします。 政府が警察の組織、制度を見直すための第三者機関の設置について三日発表しております。 官房長官は、この間ずっと警察の中立性、政治の不介入などを理由とした慎重な対応を表明してきておりますけれども、この警察制度見直しへの基本的な考え方についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(青木幹雄君) お答えいたします。 今回の新潟県警の一連の事案の中で、現在、警察制度のあり方、また公安委員会制度のあり方などについてそれぞれさまざまな意見があることは十分私どもも承知いたしております。 そういうことを踏まえまして、先般、総理が予算委員会で答弁をいたしましたとおり、警察制度のあり方、また国家公安委員会制度のあり方等について多角的に今後検討していく必要があると考えておりまして、それに真剣に取り組んでいきたい、そのように考えております。
○伊藤基隆君 小渕総理が一日の本予算委員会において、国家公安委員会制度について基本的な姿勢を示されました。すなわち、戦前の内閣が警察権を発揮して選挙干渉まで行った苦い経験を踏まえて設けられた経緯をきちんととらえなくちゃならないということであります。国家公安委員長も同種の答弁を繰り返して行ってきました。 今回、政府が警察制度を見直すに当たって第三者機関を設置する際に、公安委員会制度を検討するという姿勢で行うのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(青木幹雄君) まだ、第三者機関を設けていろいろな御意見を聞きながら改革をやっていくのか、そこまで詰まった話にはなっておりません。ただ、国家公安委員会制度そのものを見直すという考えは今のところございませんで、国家公安委員会のあり方、権限、そういうものについては十分真剣に検討していかなきゃいかぬ問題であろうと、そういうふうに考えております。
○伊藤基隆君 全大臣に質問通告いたしたわけではございますが、時間的配分が悪くて質問を行えないことになりまして、まことに申しわけないと思っております。 ここで、関連質疑を木俣委員が行うことについて委員長のお取り計らいをお願いいたします。
○委員長(倉田寛之君) 関連質疑を許します。木俣佳丈君。
○木俣佳丈君 民主党・新緑風会の木俣でございます。 この国会、総理がおっしゃっている様子からしますと、教育面で切り込んでやられるという決意をされたかに私は思っておりますが、私学のありさまですね、最近、報道の中でも幾つか背任行為で逮捕された、こういう話もありますけれども、まず初めにこの私学助成につきまして、そもそも憲法上の事由、これをちょっと文部大臣から伺いたいと思います。
○国務大臣(中曽根弘文君) 我が国の私立学校は、大学生の約八割、それから高校生の約三割、幼稚園児の約八割と大きな比重を占めておりますが、同時に、それぞれの建学の精神にのっとりまして特色ある教育研究を展開し、日本の高等教育あるいは教育の発展に大きな貢献をしているわけでございます。 これらの私立学校につきましては、学校教育法、それから私立学校法及び私立学校振興助成法によりまして学校法人の解散命令などの各種の監督規定が設けられていることから、憲法第八十九条の言う「公の支配」に属しているものでありまして、現行の私立学校に対する助成措置は憲法上問題ないものと理解をしております。 文部省といたしましては、今後とも、国の厳しい財政事情も踏まえながら私学助成の充実に努めていきたいと思っております。
○木俣佳丈君 私も、多くの私学の方々は大変御尽力され、しかも日本では寺子屋制度が三百年前からありまして、読み書きそろばんが九割できた世界じゅうで数少ない国民だと思っております。 今、言われましたように、公の支配があるからこそ私学助成が許されるわけで憲法違反ではないわけでございますが、このたび福田学園、これは記事が二月二十四日にありますけれども、この特別背任行為についてどのようにお考えでございましょうか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 学校法人福田学園につきましては、昭和五十七年以降、法人運営をめぐって理事者間に紛争が生じ、理事会が開催できない状態が長く続くなど、管理運営が著しく不適正であることから、昭和五十八年度以降、私立大学等経常費補助金を交付していない、そういう状況になっておるわけでございます。
○木俣佳丈君 大変問題だと思いますね。 二十年間ぐらい補助金が出ていないのにもかかわらず、学校法人格がずっとあり続ける。その間、生徒を募集するということは、どういうことだと考えればいいんでしょうか。
○国務大臣(中曽根弘文君) この福田学園の管理運営の現状につきましては大変遺憾であると考えておりますけれども、補助金の不交付措置を受けていることをもって直ちに学校活動が停止されるべきものとまでは言えないと考えております。 また、文部省といたしましても、従来からこの福田学園の管理運営の適正化に向けて指導を行っているところでありまして、近年、理事会が開催されるなど管理運営の改善が行われつつあるところでございます。
○木俣佳丈君 いやいや、その間ずっと学生募集をして、埼玉に二校、福岡方向に三校、だからあるわけでございますね。これは大変な問題だと思いますが、もう一度答弁を求めます。
○国務大臣(中曽根弘文君) 委員のお話にありましたように、この福田学園が設置する東和大学等の学校の学生募集につきましては、従来どおり行われているものと承知をしております。
○木俣佳丈君 そうではなくて、責任感を今述べていただきたいと思うんです。要は、理事側、運営側に問題があるわけです。しかし、知らないでそこへ入ってくる方がある。それを大変問題じゃないかというふうに思っておるわけでございますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 今申し上げましたように、運営側に問題があるということから補助金は停止しているところでございまして、また募集につきましては、先ほど申し上げましたけれども、直ちに学校活動が停止されるべきものとまでは言えないのではないかと思っております。
○木俣佳丈君 私は運営側に倫理観がないという以上、しかもこの方は福岡通産局の局長まで務められた、そのおかげで福岡の方に何か学校ができたんじゃないか、そういう疑惑さえあるわけでございまして、本当に反省を求めたいんですが、もう一度お願いします。
○国務大臣(中曽根弘文君) 先ほど申し上げましたとおり、理事会が開催できないような状態が長く続くなど管理運営が不適正であるということから、補助金は交付をしておりません。 それから、学生募集につきましては、これは従来どおり行われているわけでありますが、重ねて同じ答弁になりますけれども、補助金が交付されていない学校が学生を募集するということではありますけれども、補助金の不交付措置を受けていることをもって直ちに学校活動が停止されるべきものではない、そういうふうに思っております。
○木俣佳丈君 つまり、補助金を出す出さないの基準が明確ではございません。 では、どういう状況になったときに出さなくなるのか、ちょっと伺いたいんです。
○国務大臣(中曽根弘文君) 補助金の減額等についての規定でございますが、私立学校振興助成法の五条に規定しておりまして、学校法人または学校法人の設置する大学もしくは高等専門学校が、今から申し上げます項目に該当する場合は、その状況に応じて補助金を減額して交付することができるということになっております。「法令の規定、法令の規定に基づく所轄庁の処分又は寄附行為に違反している場合」、それから、「学則に定めた収容定員を超える数の学生を在学させている場合」、三番目は、「在学している学生の数が学則に定めた収容定員に満たない場合」、四番目は、「借入金の償還が適正に行われていない等財政状況が健全でない場合」、そして五番目は、「その他教育条件又は管理運営が適正を欠く場合」、そういうことになっております。
○木俣佳丈君 これ以上あれしてもどうかわかりませんが、さらにちょっと時間がございませんので申し上げたいのは、共同通信が配信し、写真週刊誌のフラッシュが取り上げました記事でございます。一月十八日でございますが、学校法人戸板学園の問題でございますが、これの調査を始めるというお話が出ておりましたけれども、この後の調査はどのようになりましたですか。
○国務大臣(中曽根弘文君) お尋ねの戸板学園のことでございますが、文部省では、報道等を受けまして戸板学園から事実関係等について事情を聞いたところでございます。 それによりますと、平成八年に戸板学園の理事長個人が軽井沢に所有していた別荘を民間企業に二億円で売却し、その後、同企業が保養所として整備を行った土地建物を平成十年に戸板学園が理事会の議決を経てセミナーハウスとして約四億五千万円で購入したものと承知をしております。
○木俣佳丈君 問題の核心に触れていただきましたので、ここに登記簿がございます。ボイスから、つまりボイスというのは戸板の理事長が持っていた芸能プロダクションでございます。これは珍しいと思うんですが、ここがあるゼネコンに売り渡しました。そして、また買い戻した。戸板学園が買い戻したわけでございます。これで事実関係は結構でございますか。しかも、その買い戻したときの金額を教えてください。
○国務大臣(中曽根弘文君) 学校法人戸板学園の寄附行為によりますと、不動産の取得に際しては理事会及び評議員会の議決が必要とされておりまして、本件に関しても、物件の概要、価格、必要性等について審議がされ、全員異議なく可決されたものと承知をしております。 また、当該物件の価格等につきましては、理事会等において審議の上、購入が決定されたものであり、価格等の妥当性については文部省としてにわかに判断しかねるところでございます。価格は、先ほど申し上げました。
○木俣佳丈君 その理事会ですが、最近、理事長が出ていないというのは本当でございましょうか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 先ほど申し上げましたように、理事会の議決が行われて、全員異議なく可決されたということでございますので、理事会に出ているものと思われます。
○木俣佳丈君 内部のことも管理をするからこそ私学の助成があるということでありますが、出ていないというふうに私は聞いております。 先ほどのセミナーハウスの件でございます。トータル四億三千八百万で購入されたわけでございますが、この実勢価格は御案内でございましょうか。買われたとき、平成十年十月一日です。
○国務大臣(中曽根弘文君) 今、平成十年の、恐れ入りますが、日付をもう一度確認させていただけますか。
○木俣佳丈君 十月一日。登記が移ったときです。
○国務大臣(中曽根弘文君) 購入の議決をされたときの価格は私ども手元にございますが、これでよろしければ、これは九月十四日に理事会で物件の購入を議決したときの値段でございますが、土地が二億円ちょうど、建物が二億五千三百三十五万四千五百円、合計四億五千三百三十五万四千五百円と聞いております。
○木俣佳丈君 実勢価格は御案内でございますか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 申しわけありませんが、実勢価格は文部省としては把握しておりません。
○木俣佳丈君 国土庁に私、調べまして、実勢価格は約半分の一億でございました。一億でございます。これについてどういうふうに思いますか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 申しわけありませんが、私どもそういうようなことは承知しておりません、聞いておりません。
○木俣佳丈君 いや、聞いていないというより、適切に指導、管理するからこそ、先ほど一番冒頭に申し上げましたように、公の支配にあるから憲法の要件を満たすということでありますが、知らないでは済まされないことだと思います。そしてまた、もう報道の中でこれだけ幾つかの報道が配信されている中で調査を進めないということは、非常に文部省としても怠慢だと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 価格等につきましては、先ほど申し上げましたけれども、理事会に正式に諮り、理事会で議決をされたものでございます。 また、私どもの戸板学園に対する指導等でございますが、戸板学園の内部におきまして、セミナーハウスの価格の妥当性等について今、再度調査を行っていると聞いているところでございまして、文部省といたしましては、委員のただいまの御指摘も念頭に置きつつ、学校法人の自主的な調査の状況なども見守りながら適切に対応していきたい、そういうふうに思っております。
○木俣佳丈君 最後に申し上げたいんですが、この事件、これだけにとどまらず、例えば理事長の部屋が今どこにあるのか、要は税務調査が入って六、七年前からかなり追徴金を払わざるを得なかったこととか、戸板サービスという有限会社がありましてこれが一手に今回の新設の戸板のものを請け負っておるとか、そしてまた全部の学園を担保に入れて長谷工本社を買おうとした、百二十億でございます。 ですから、例えばこれは一例でございますが、やはりまじめに頑張っている私立からしますと、こういったものが出てくることは大変ゆゆしいものでございます。 しかも、文部省に資料、決算書等々を申し上げましたときに、初めは拒否されました。これは私的な、個人的なことであるからということであります。しかし、それならば公の支配にないということでありまして、これは何なんだろうということで、ある偉い先生に頼みましたところすっと出てきたという状況でございまして、こんなものでは公の支配にあるとは言えないというふうに思っておるわけでございます。 さらに、今までの補助金の額がトータルで国税四十億円、そしてまた都からもこの三倍はあるわけでございまして、血税を使ってこういう私腹を肥やすことは本当にこれは許されないということを申し伝えまして、また御質問したいと思います。
○委員長(倉田寛之君) 以上で伊藤基隆君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、山本保君の質疑を行います。山本保君。
○山本保君 公明党・改革クラブの山本保でございます。 私はきょうは先回に引き続きまして、子育て支援、エンゼルプラン等について、子育ての方をお聞きしようと思っておりますが、大変内容がたくさんあります。また、時間も基準の時間内におさめるようにというお話もございますので、どうぞ、私の方もちょっと質問は少し削らせていただくつもりでございますが、御答弁の方も簡略にお願いしたいと思っております。 最初に、今般策定されました新エンゼルプランでございます。少子化対策推進基本方針に基づいて策定されたものでございますけれども、五年前に初めて前回のエンゼルプラン等が出されたわけでございます。今回どのような違いがあるのか、内容の特徴について代表して厚生大臣の方からお願いいたします。
○国務大臣(丹羽雄哉君) まず、新しいエンゼルプランでございますが、これまでの緊急保育対策五カ年事業におきます保育対策のみならず、母子保健であるとかあるいは教育、住宅など幅広い少子化対策にかかわる重点施策の具体的な実施計画として策定したものでございます。 厚生省関係といたしましては、もう委員十分に御承知と思いますけれども、例えば保育サービスにつきましては、ゼロ歳から二歳までの低年齢児の受け入れを五十八万人から六十八万人まで五カ年間で十万人拡大するとともに、延長保育であるとかあるいは休日保育などを推進することなどによりまして、多様な保育需要にも対応していきたいと思っております。 また、地域の子育て支援センターの整備を初めといたしまして、子育ての相談や一時預かりなど多様な需要に対応できるような子育て支援の拠点を地域に整備したい、このように考えております。 さらに三番目でございますが、妊産婦や新生児に医療を提供するための周産期の医療ネットワークの全都道府県におきます整備を初めとする母子保健医療体制の整備を推進するなど、いずれにいたしましてもきめの細かな施策を盛り込んでおるところでございます。
○山本保君 今お話がありましたけれども、大臣、もう一つ。後の方に予定してあったかと思いますけれども、今般、閣僚会議でこの子育て支援、少子化対策について基本方針が取りまとめられたとも聞いておるのでございますけれども、ちょっと一緒にお聞きしたいのでございますが、今後そういう会議で大臣としてはどのような立場でこの少子化対策を進めていかれるつもりなのか、方針についてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 基本方針、新エンゼルプランに沿いまして、今申し上げましたような保育、雇用、教育、住宅、こういった分野にわたる対策を推進いたしまして、基本方針にもお示ししておりますように、関係閣僚会議におきましてはこれらの施策の具体的なフォローアップを行う、こういうことが大切だと考えておりますし、また総合的な少子化対策を進める観点から幅広い検討を行っていきたい、このように考えているような次第でございます。
○山本保君 今、厚生大臣の方から、これ各省、たくさんの省が、六つですか入っておられますから、本当は全部の大臣にお聞きするべきところかもしれませんけれども、代表してお答えしていただきました。 私は、こういう機会をおかりしまして二点ほど申し上げたい。 一点は、実は五年前に同じような形でエンゼルプラン、初めて児童福祉、またこういう子育て関係について各省が総合的なプランをつくったということでございまして、それが今般、五年の時期も過ぎたということで新しくなされた。 この内容について見ますと、前回のものは確かに保育という働く御家庭、お母さんのニーズというものをやはり非常に重視していまして、そのほかも書いてはありますけれども、具体的な数字で出ておりますのはもう保育だけであったという気もいたします。それが今般は、まだまだ不十分なところもありますけれども、それ以外の施策についても目標が出されたということで、これは私、評価したい点でございます。 ただ、もう一点はちょっときついことになるかもしれませんが、とはいうものの、実はそれは各省が手持ちで予算の取り分の中から推計したものを合わせたようなものでしかないのではないか、まだまだ各省が本当に総合的なプランとして言えるのであろうかという点でございます。ちょっと今回、その辺について少しずつ具体的にお伺いしたいと思っております。 最初に、例えばゼロ歳児の子育て支援のあり方についてでございます。 今、大体百二十万人ぐらいの子供さんが生まれるわけでございますけれども、例えばゼロ歳児を含む有給育児休業という考え方と、それから厚生省の方のゼロ歳児の保育という施策があるわけでございます。これまでは両方の省が違うということもあって全く関連づけられていなかったんじゃないかという気がするわけなんですけれども、まず厚生省の方からこのゼロ歳児保育についてどういう方針をお持ちなのか、お願いいたします。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 最近は、御案内のように、出産後も働き続ける女性の方々が年々増加の傾向にあります。保育所の入所待機児童のうち、いわゆる乳児の数は四千人を超えております。育児休業につきましても率直に申し上げて職場の雰囲気であるとかあるいは経済的な理由からなかなかとりにくいんではないか、こういうことがございまして、なかなか育児と仕事の両立を支援する体制というものがこれまで必ずしも十分であったとは言いがたいものがあるわけでございます。 こうしたことを踏まえまして、厚生省といたしましては、保育所につきましては低年齢児の受け入れの拡大を先ほども御答弁申し上げましたけれども図るとともに、それから、これは父親でも母親でもどちらでも結構でございますが、いずれにいたしましても、親の要するに育児休業をしました後、保育所にスムーズになかなか入れない、こういうようなことがあるわけでございますけれども、要するに育児休業をした後に乳児を保育所で預かっていただく、これをスムーズにできますように、四月ですべてもう全部定員を満杯にしちゃうんじゃなくて、こういうものを、いわゆる入所定員の弾力化でございますけれども、こういうことを図ることによりまして保育サービスの推進に努めていきたい、このように考えているような次第でございます。
○山本保君 労働大臣に、有給育児休業の今の取得状況についてお願いいたします。
○国務大臣(牧野隆守君) 毎年、赤ちゃんを産まれる女性の数は大体百十八万人前後でありますが、このうち公務員関係の方々が八万六千人近く出産されるわけですが、育児休業取得者数は大体八五%の方でございます。それから、民間では大体十五万人赤ちゃんを産まれるわけですが、この中で受給される方は半分の七万人ちょっとで、四八%と、こういう数字が出ております。
○山本保君 今、こういう委員会ですので、細かく詰める、突き合わせるということはいたしませんけれども、今お話を伺いましても、例えば百二十万人赤ちゃんが生まれるんだけれども、有給育児休業の方は大体十四万人ぐらいの子供さんを今ゼロ歳児については見ていると。ただ、厚生省の方は数字があったかどうかあれですが、いただいたものを見ますと、大体ゼロ歳でいけば二十万人ぐらいのニーズなのかなという感じになります。 一体、全体でどのような形でこれから日本の、子供さんが生まれたときの、特にゼロ歳の、若いお父さん、お母さんの家庭に対してどのようなサービスをしたらいいのか。きょうは申し上げませんが、実は今の労働省の方の予算と厚生省の予算につきましても相当の開きが単価当たり見ましてもございます。この辺、来年から両省が統合されるわけでありますけれども、具体的に、まあ具体的にはまだないかもしれませんが、私は総合的なプランをつくる必要があると思いますけれども、どちらでも結構ですが、大臣、お願いできますでしょうか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 先ほども御答弁を申し上げましたけれども、新しいエンゼルプランの中では、これまでは厚生省だけでやっておりましたけれども、まさに労働省さんにも入っていただいて決めるわけでございますし、また来年からは厚生労働省が発足をするわけでございますので、十分にそういった連携を図りながら、いずれにいたしましても総合的で有効的な施策というものを講じていきたい、このように考えているような次第でございます。
○山本保君 蛇足かと思いますけれども、保育になりますとその方の給料分ということになりますし、働いているお母さんになると個々に単価の違いが出てくるわけであります。また、子供にとっては一体どちらがいいのかという、これもまた我々大人が本当に真剣に考えなくちゃいけない問題だと思っております。どうぞよろしくお願いします。 次に、もう一つ、では同じような問題でありますが、例えば幼稚園と保育園という制度がある。文部省と厚生省であります。ちまたではなかなかその違いがわからないというようなこともございますが、今この二つが連携とかまた相互乗り入れというような施策を進められているというふうに聞いておりますけれども、この辺の見通しについて両省からお願いいたします。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 私的なことで恐縮でございますが、私、この厚生大臣に就任する前には、保育所と幼稚園のあり方について与党三党の少子化対策検討会の座長をいたしておりまして、昨年の四月でございますが、幼稚園と保育園の一層の連携強化を図っていくというような提言をまとめたところでございます。 厚生省といたしましては、各地域におきます実情に応じて設置、運営が可能となるように双方の連携強化、さらに施設の総合化を図る、こういうことで、いずれにいたしましても、厚生省と文部省で共同して施設の共用化について指針をまとめていく、要するにお互いに連携をし合っていこうと、こういうことでございます。 それから、幼稚園と保育園の教育内容であるとか、それから保育内容の整合性の確保など、これは前から古くて新しい課題でございますけれども、いずれにいたしましても、今後十分に検討していかなければならないと思っておりますし、いずれにいたしましても大切なことは、子供や家庭の多様なニーズを的確にとらえるような、文部省とも十分に連携をとりながら進めていきたい、このように考えているような次第でございます。
○国務大臣(中曽根弘文君) 幼稚園と保育所は、異なる目的それから役割を持つ施設であり、それぞれの制度の中で整備充実に努めてきたところでございます。両施設とも就学前の幼児を対象としていることでありますところから、類似した機能を求められる面があることも事実でありまして、両省は、今お話しありましたけれども、両施設の連携を強化するよう努力をしてまいりました。 具体的には、今、厚生大臣からもお話しありましたが、施設の共用化の指針の策定、それから教育内容、保育内容の整合性の確保、さらに幼稚園教諭と保育士の合同研修、また子育て支援事業の連携実施などの取り組みを行っております。 今後、多様化する保育ニーズにこたえる観点に立ちまして、この両省の連携を一層緊密にしつつ、さらにこれらの取り組みを進めてまいりたい、そういうふうに思っております。
○山本保君 きょうはその内容には入らないことにいたしますけれども、今まで両省とも、この二つのニーズというのは違うニーズである、ですから機能も当然違うんである、こういうふうに御説明があり、それに対する反論もあったかと思います。 私自身は、やはりのっぺらとした同じ形の施設をつくるよりは、さまざまな機能を持った施設がいいのではないかと個人的には思っております。しかし、そうなりますと、今まで地域によって、そう言いながら、ニーズには多様なのがあると言いながら、この地域はこれしかないとか、その差がある、これは説明がつかない話である。それから、それに対する公費助成のことについてもこれも大変な差がある、これも全く説明のつかないことであると思います。 この辺については、両省は一緒になるわけではありませんけれども、ぜひこれ以上に検討をしていただきたいと思います。 次でございますが、地域の健全育成関係についてはちょっときょうは省略させていただくことにしまして、子育てのさまざまの電話相談、いろいろ今、若いお母さん、お父さんを中心にしまして、子育て情報というのはもうテレビにしても雑誌にしてもいっぱいあるんですけれども、子供のときというのは実は一番平均値に合わないときでして、情報を見れば見るだけ悩むというようなことになります。このためにも、個々具体的に相談をできるようなサービスが必要になってきますし、これは、夜中であったり日曜日であったり、当然必要なんですが、どうもなかなかうまくいっていないんじゃないかと思うんです。 文部省の方でも、お聞きしますと二十四時間子ども電話相談とか家庭教育相談とか、または厚生省の方でもということでございます。こういうものというのは、まず、いろんな多様なのをやるよりは、全県、全国民がいつでもすぐ使えるように進めて、それができてからまたその内容の多様性を図らなければならないんじゃないかと私は思いますけれども、厚生大臣、いかがでございますか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 山本委員はこの道一筋に歩んでいらっしゃいまして、心から私も、教えられるところが多く、敬意を表しておるわけでございます。 子供たちの電話相談につきましては大変重要な問題でございまして、厚生省といたしましても、これまで都市部の児童養護施設など、これは全国で二十一カ所でございますが、児童家庭支援センター、これは十二カ所ございます。こういうところで、児童であるとか家庭の問題につきまして二十四時間の相談ができるような体制をとっております。さらに、全国の中央児童相談所、これは全国で五十九カ所でございますが、夜間あるいは緊急時の相談に対応できるような体制をとらせているような次第でございます。 いずれにいたしましても、大変今子供が病んでいる時代でありまして、それぞれ打ち明けにくいようなところがありますので、こういった問題にこれから的確に対応できるような体制づくりのために全力で頑張っていきたいと思っております。
○国務大臣(中曽根弘文君) 子供の周りにはさまざまな問題がございます。委員御案内のとおり、いじめの問題あるいは性の問題、また自分の生き方とか家族、友人関係で悩むお子さんが随分多いわけでございます。 また、親の方といたしましては、しつけへの自信喪失あるいは育児に対する不安など、そういう悩みを持つ親も多いと思われます。またさらに、児童虐待についての悩みを持つ子供や親も多いと考えられまして、これらを踏まえて文部省といたしましては、ボランティアや子育て経験者等の協力を得ながら、子供や親からの相談に対して電話等により二十四時間いつでも対応できる体制を整備するための調査研究を行っているところでございます。今後もこうした施策を進めつつ、関係機関等と積極的に連携を図り、子供や親のニーズに幅広く対応できるように取り組んでいきたいと思っております。 平成十一年度、子ども二十四時間電話相談、十三府県で実施しておりましたけれども、平成十二年度はこれを三十二府県に伸ばす、あるいは家庭教育の二十四時間電話相談も、現在は十七府県でありますがこれも三十二府県にこれを拡大するような予定で今おるところでございます。
○山本保君 一生懸命やっておられることはわかるんですが、このプランなどを見ますと、今もお話が出ましたように、実はいろんなものをばらばらにやっておられて、この一年二年のうちに全国でというその間にもしまた虐待とかいろんな問題が起こったらどうなるだろうかと考えますと、ここはぜひ前倒しで、まず全県どんな方でも二十四時間体制で使えるという整備をしていただきたいというお願いを一つ申し上げまして、次に移ります。 建設省に一つお聞きしたいのでございます。 エンゼルプランの中には、今後の住まいとか町づくりについても目標が掲げられておられます。簡単にその内容について御説明ください。
○国務大臣(中山正暉君) 平成十一年十二月十九日、関係六大臣の合意で、大蔵、文部、厚生、労働、建設、自治と、その中で建設省は住まいや町づくりによる子育ての支援ということで、第一に、ゆとりのある住生活の実現、例えば良質なファミリー向けの賃貸住宅の供給を促進し、あわせて、入居者の家賃負担を軽減するために、民間の土地所有者等に対して建設費の補助とかそれから家賃対策補助を実施する。広くゆとりのある持ち家が取得しやすくなるような住宅金融公庫の融資における融資枠を大幅に拡大すること。 それからまた、第二として、夫婦の仕事と子育ての両立を支援できるような職住近接型で子育てしやすい都心居住や住宅等と保育所などの一体的な整備等を推進すること。例えば、都心やその周辺の工場跡地等において住宅と公共施設それから保育所等の一体的な総合的整備をするプロジェクトを推進すること。 それからまた第三に、安全な生活環境を確保するために、子供連れの方、ベビーカーを利用する方、妊婦の方などを含めてすべての方に安全で快適なバリアフリーの歩行空間ネットワークの形成を推進すること。そういうふうな考え方でやっております。 人口の静止限界というのは二・〇三、二人が結婚して子供を産まない人もおられますので、その人口の静止限界というのをもううんと割り込んでおりますから、何としても広い居住空間が子供さんをたくさんつくっていただく基礎になると思いますので、そういう考え方を基礎に少子高齢化に対応してまいりたいと、かように考えております。
○山本保君 つくるといいまして、生まれるというよりはまさに育てるということだと思います。 私自身も親が地方公務員で、二十年代なものですから十坪程度の長屋でずっと育ったんで、狭いからいかぬという気はしないんですけれども、しかし今の子供たちはそうはいかないだろう。私もいろいろ事例を、目の前にも浮かんでまいります。本当に家族三世代で六人もいて、しかし一Kの木造の民間アパートにいると。大変な問題を持っている。頭から離れない事例もあるわけでございます。 きょうはもう時間がないので私の方から言いますと、最低居住水準、大体四人ぐらいですと五十平米あるそうですが、それにまだ全国で五%以上の方がそれになってないと書いてある。これに対して、目標は解消に努めると、こう書いてある。誘導の方は全国で半数の達成を目指すといってこれは明らかに数字が出ておりますのに、より応援の必要な方には努力するというのではいかにも弱いんじゃないか。私はぜひ、特に子供のいる家庭について年次目標をきちんと立てて、この数年間に日本人の生活空間というのは大丈夫だというようなことを出すべきではないかという気もするんですが、大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(中山正暉君) 先生のお話を先ほどから伺っておりまして、私も懐かしく思っておったんですが、幼稚園は個人立とかそれから宗教法人立とか、それから学校法人立、三つあって、それを私学振興助成法とか私学法の一部改正とか若いときやったことがありまして、そんなことで今建設省の方でも、私おりながら、事業費で六十七億しかありません。国費で三十三億ぐらいでございますから、これは大変将来の問題として私は真剣に取り組む必要がある。 住まいの広さが人の思想を決めるというような考え方もあるようでございますので、そういう子供さんを育てるのに有効な平米数を確保すること、今、現況では先生の御指摘のような形になっておると思いますので、私どもは、世帯人員四人の標準的な世帯構成の世帯は百二十三平米というのが一般型誘導居住水準、それから都市居住型誘導居住水準というのは九十一平米ということになっております。最低居住水準というのが五十平米ということになっておりますので、その辺これからの大きな努力目標だと思っております。
○山本保君 それでは、ここでもう一つ児童手当についても聞きたかったんですが、ちょっともう時間がありませんし、我が党はたくさん出ているようですので。 大蔵大臣、今、建設大臣の方からも、お金がないんだと、こういう話があって、私もそう思うわけです。 例えば、児童手当についての議論も実はそうだったわけでありますけれども、大臣はもう御存じだと思いますが、例えば教育関係で言いますと、一九六〇年代、教育投資論というのが出ました。また、ちょうどスプートニクショックなども重なって、アメリカなどではまさに国防までも含めて子供のためにお金を使おうと。よく言うヘッドスタートとか、「セサミストリート」なんというのが六〇年代にできるわけです。 あれほど、確かに日本の場合は、先ほど話もあったように、文化的にそんなに格差があるわけではありませんけれども、しかし子育て支援ということに対しては今や国の最重要プロジェクトでないかと思うんです。こうした場合、経済的なところを今までの各省持ち分のお金でやりなさいというよりは、ひとつこれ全部、まさに福祉投資論とかまたは子育て投資論ということをきちんと確立して、大きな財布にして、その中から必要なものを使うというような体制をつくるべきではないかと思うんですけれども、大蔵大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 子育ての重要性を感じていることは委員に劣りませんけれども、今最後の、まとめてですか。
○山本保君 はい。
○国務大臣(宮澤喜一君) それはやっぱりなかなか現実には難しくて、しかし国の政策として、今明らかに、殊に我が国はこういう状況になりましたし、子育てが大事だということはもうはっきりしておりますから、関係省庁はもとより財政当局もそのことは十分認識しておるつもりでございますし、私どもの党でもそうでございますから、それはもう大変高い優先度を持っておるというふうに観念しております。
○山本保君 例えば、今度の児童手当につきましても、年金のお金から持ってくるとかいろんなのがあったわけです。扶養控除からというふうになったわけですが、しかし、そういう方法よりは、まず大きな、さらに社会全体への投資、経済政策の一環として子育てにお金を出すというのが必要じゃないかと思ってお聞きしているわけです。 ここで、では経済企画庁長官、この辺について、理論的なところで結構でございますが、どのようなお考えをお持ちか、ひとつお聞きしたいと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) 確かに、子育て、教育は人材に対する投資という意味がございまして、この水準が高くなりますとソフトウエアが非常に高くなり、技術可能性が高くなってきます。特に日本では昔から金銀財宝よりも子供の教育に非常に力を入れるということがございまして、徳川時代において既に大変寺子屋、学習塾、修養塾等が発達いたしまして、一八六八年の明治維新のときには日本では男性の四〇%、女性の二五%が教育機関に通った経験があったと。これは世界一だったと言われております。 そういうことで、大変子供の教育、人間に投資するということは大事なことだと思いますが、これが制度的に税制とか、そういったところにどう反映させるかはこれまた別の話として検討すべき課題だとは思いますが、やはり子供、人間を育てることが大事なことは委員の仰せのとおりだと思っております。
○山本保君 今後、これは検討課題にしていただきたいと思っております。 エンゼルプランとはちょっと違うかもしれませんが、児童虐待について最後に一つだけお聞きしたいと思っております。 現在、出てきた数字がどういうものなのか、暗数が出てくるわけでございまして、それだけをとって急激にふえているというふうには私自身は思いませんけれども、しかしながら、やはりアメリカ型の生活になってきて、児童虐待というのはふえてきているのかなと心配しております。 そこで、きょうは、いろんな論点がある中の一つ、余り触れられていないことについて法務大臣にお聞きしたいと思っておるんですが、それは、そういう事件が起こったときにどういう対応があるのか。概念的に考えますと、一つは罪を罰するということであり、もう一つは子供そしてその家族を支援するという考え方であります。これについて法務大臣はどのようにお考えかということと、時間がなくなりましたので一つだけ、もう一つついでに言います。 今の状況を見ますと、そういう犯罪者だということでなっていますが、いわば、例えば起訴猶予であるとか執行猶予であるとか仮釈放であるとか、さまざまな段階で、イギリスなどがそうですけれども、例えばケア命令というようなものを出したり、この場合福祉がやっておるわけですが、この福祉のやっていることを司法の方できちんと後づけするというような形での対応ができると、先ほども実は事件があったわけですが、警察が余り積極的でないというのは、実はそういうものがやっても何もできないからじゃないかという気が私はするんですよ。この辺についてどんなふうに対応、私としてはこういうものをつくるべきだと思うんですけれども。 これで最後にいたします。よろしくお願いします。
○国務大臣(臼井日出男君) 今、委員御指摘の児童虐待事犯につきましては、多くの要因があると思うわけでございまして、御指摘のとおり、家庭、親子の愛情といったような問題、あるいは心理的な規制が社会から薄れたことも関係しているんじゃないか、こういうふうに言われているわけでございますが、この種の事犯というものを減少させるということはなかなか容易なことではないわけでございまして、教育、文化、社会福祉、その他各般にわたる総合的な行政施策と国民の幅広い不断の努力が必要であるということを感ずるわけでございます。 一般論として申し上げれば、いわゆる児童虐待事犯のうち、刑事事件として処理すべき事犯につきましては、検察当局におきましては、御指摘のように家庭環境を整えるという観点も加味しながら法と証拠に基づき適切に対処しているものと承知をしているわけでございます。 一方、ただいま委員が御指摘をいただきましたイギリスにおけるケアというふうな立場から考えますと、イギリスのケアということになりますと、いわゆる家庭を守るというふうな立場ではなく、むしろ虐待を受けていると疑われる児童がある場合には、地方自治体の申請によって裁判所が地方団体に対して児童を引き取り、保護することを命じる制度であるということでございます。 我が国におきましても、保護者がその児童を虐待している場合の措置といたしまして、都道府県が家庭裁判所の承認を得まして、児童を里親もしくは保護委託者に委託をいたしまして、または児童自立支援施設等の施設に入所をさせることができるなどの制度を設けておりますので、検察官が捜査の過程において児童虐待の事実があると、こういうことを知った場合には、関係機関との連絡協調を密にいたしまして、適切な措置がなされるよう十分な配慮をいたしているものと考えておる次第でございます。
○山本保君 一九九二年の児童法、私は今の事実認定とちょっと違う意見を持っておりますけれども、それを含めまして、また今後やらせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(倉田寛之君) 以上で山本保君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、小池晃君の質疑を行います。小池晃君。
○小池晃君 昨年の緊急経済対策の目玉とされたのが、事務経費を含めて七千七百億円の地域振興券であります。果たしてこれが景気回復に効果があったのか。 二月二十九日のある民放のニュース番組でもこの問題が取り上げられていました。そこではこんな投書が紹介されている。地域振興券はほとんど役に立っていないと思います。しかも、そのためにふえた国の借金は今の若者が払うことになります。納得できませんと。当然の声だと思うんですね。同様の声がたくさん寄せられております。この鳴り物入りで取り組まれた事業についての総括、これをきちっとやっておく必要がある。 そこで、まず経済効果についてお聞きをしたいと思うんですが、政府としてどれほどの経済効果があったと考えていらっしゃるのか、合理的に説明できるのかどうか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) 経済企画庁では、昨年八月六日に公表いたしました「地域振興券の消費喚起効果等について」というのを発表しておりますが、それによりますと、昨年の三月から六月までの消費に対しまして、地域振興券の既に使われたものが三二%程度ふえております。個人消費といたしまして二千三十二億円の押し上げ効果があったということになっております。 これをマクロモデルの計量モデルで計算いたしますと、実質GDPを一年目に〇・一%程度押し上げた、消費も一年目に〇・一%程度押し上げたということになります。この効果は大体、減税で可処分所得をふやしたのとほぼ同じではないか、この経済効果だけについて言いますとそのようなことになります。
○小池晃君 所得税減税と比較するのは大変難しいというふうに前回長官はおっしゃられたんですよ。 今言われたように、三二%が新たな消費を喚起したんだというんですが、長官が三月二日の当委員会で答弁しているように、消費に色がございませんので、こういう調査は非常に主観的なんですねと。景気回復に効果があったというふうに合理的に証明することは大変難しいと思うんですけれども、そういうことじゃないんでしょうか。
○国務大臣(堺屋太一君) 今申し上げましたのはあくまでもアンケート調査をしてモデルで計算したことでございまして、現実にどうだったかということになりますと、お金に色がございませんし、また地域振興券で買ったものを現金の方を蓄えたというようなこともございまして、なかなかそこは明確にぴしゃっとなりません。 それから、今テレビ番組の話ございまして、私もそれを見ましたけれども、これまた地域によりまして大変効果があったという地域とそうでなかった地域といろいろございます。また、傍証として、これは全然それがぴたっとくるものではございませんけれども、あえて申しますと十一年の四月から六月、地域振興券が使われたころの消費はやや伸びている、まあ効果があったのかなというような感じもしないではございません。
○小池晃君 地域によってはあったと言うんですけれども、そういう地域が一体どこにあるのか教えていただきたいと思うんですね。 例えば、長野市の事業者アンケート、経済効果なかった、七六%。川崎商工会議所、売り上げ変化なし、八九・一%。甲府商工会議所、客足変化なし、八八・六%。鹿児島市の事業者アンケート、売上増への効果について、効果なし、八〇・一%。そして、青森県商工会議所連合会長、ざっくばらんに言ったら余り効果はなかったんじゃないか。これが国民の声なんじゃないかと思うんです。景気対策として胸を張って全国規模で効果があったと言えないんじゃないかと思うんですけれども、どうですか。
○国務大臣(堺屋太一君) 膨大な消費の中で七千億円でございますと、やはり六、七割の方が気がつかなかったとおっしゃるのももっともかという感じがしないでもないんです。 申し上げておりますように、〇・一%云々の話でございますから、それは何割、五割以上の人が効果あったと思われるかどうか、そこはちょっと何とも申しかねますが、やはり今挙げられた数字だけではなしに、比較的早くやった島根県の浜田市なんかではイベントなどやりまして効果があったという話もございます。だから、一概にどうだということは言えないし、検証しにくいんじゃないでしょうか。
○小池晃君 イベントをやって効果があったというんだったらイベントそのものをやればいいんですよ。やはり科学的に、合理的に効果があったというのを言うのは大変難しいということが今の議論を通じても明らかになったと。 七千七百億円使って二千億円ちょっとの消費喚起でどうして効果があったと言えるのか。これ国民の率直な声であります。昨年六月の全信連総研、全国一万六千の中小企業を対象にした大規模な調査でも、八三%の企業が売り上げへの影響なかったというふうに回答しています。これが実感ではないだろうか。 さらに突っ込んでお聞きをしたいのは、地域振興の名で行われましたが、本当に地域の中小商店を元気づけたのかという問題であります。 経済企画庁の先ほどの「地域振興券の消費喚起効果等について」という八月六日の文書でも、地域振興券を利用した店舗、これが分析されています。百貨店が八・九%、総合スーパーが二六・九%、大型家電店が五・二%、食品スーパーが一一・八%、合わせて五二・八%ですね。 一般的に見ると、百貨店やスーパーでの全体の消費に占める割合はどうなっているか。これは通産省が九七年の商業統計表というのを出しております。これによれば、百貨店、総合スーパー、専門スーパー、その他のスーパー、これ全部合わせても小売業の年間販売総額に占める比率というのは三四・五%であります。 普通の買い物に比べると、地域振興券による買い物というのは大型店で使われた比率が高かったんじゃないか、このことは認められるんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(堺屋太一君) それぞれの数字は、今、委員が仰せられたとおりになっております。したがって、平均的よりも大型店で使われたという構成比率はやや高いかもしれませんが、その時期とか、それから使っているものですね、そういったもの、お子さまのものが多かったとかそういうようなことがございまして、地域振興券だから大型スーパーへ行ったということもないんじゃないかと。 その辺はどうも追跡が十分できないところでございまして、委員仰せのように、どれだけの効果があったか具体的に数字でぴしゃっと示すことは事の性格上非常に困難でございます。特に、ここで出ておりますのは、百貨店は子供対象のものが多かったとか、それから食品スーパーは高齢者対象のものが多かったとか、そういうような種類もございまして、この時期、何か買いたいと、ちょうど春の時期でしたから、買いたいと思う人がどこへ行かれたかというのはそれぞれでございます。 だけれども、概していいますと、やはりスーパーにいたしましても、その地域にある、商店街にあるスーパーが使われたというような声もございまして、一概に地域振興に役立たなかったとも言えないように思います。
○小池晃君 これは東京都の調査でも同様のことが証明されているんですね。 東京都総務局の東京二十三区内の地域振興券の換金状況の調査というのがあります。これによれば、各区の換金受け付け率上位三十社を合わせると、第一種大規模小売店が六百九十社中百十七社それから第二種大規模小売店舗が三百五社で、六一・一%がこれは名実ともに大型店であります。 これは大臣も言われたように、地域振興券は大型店で使われた比率が大変高いんだと率直にお認めになりました。先ほど地域振興になるんだということをおっしゃいましたけれども、地域振興というかけ声だったですけれども、これは大型店で使われるとどうか。町の商店で使われれば、それは仕入れや生活費という形でその地域で繰り返し使われていく効果があるわけであります。ところが大型店の場合は、その大半はすぐに銀行に入って本部の勘定に入る。これは仕入れも全国規模でやるわけですから、地域に落ちていくお金というのは、例えばその市町村に払われる税金であるとか、パートさんに対する給料であるとか、そういうのは除けば、その買い物をした地域に回っていくというお金ではないわけであります。これでは、地域振興とはまさに名ばかりだというふうに言わざるを得ない。 さらに、この地域振興券で使われたお金が将来世代の負担になって返ってくるんだという問題についてもお伺いしたいと思うんですが、地域振興券の費用七千七百億円、これは全額六十年払いの赤字国債で賄われるわけです。その返済には莫大な利子がついてまいります。 衆議院予算委員会の資料要求で出された大蔵省の数字によれば、六十年償還の国債に対する元利払いの総額は、利率一%ならば元金の一・四倍、利率三%なら二・一倍、利率五%では二・八倍だということであります。 元本が七千七百億円であれば、その返済には利率三%とすれば約一兆六千億円、これだけかかることになりますけれども、これは間違いないでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 利率三%というのはちょっと高くないですか。
○小池晃君 今は、大蔵省が衆議院の予算委員会に示した資料で、三%だとすればという設定で言われているのは正しいかどうかとお聞きしている。──通告してありますよ、これ。
○国務大臣(宮澤喜一君) 三%とすればという計算なら、それは間違っていないと思いますけれども。
○小池晃君 三%は高過ぎるというお話でしたが、今後の長期金利について大蔵省は中期財政展望を出しておられます。経済成長率一・七五%という低成長でも利率三%と見込んでおられるわけで、つまり、大蔵省のシミュレーションによっても、国民は地域振興券によって将来一兆六千億円もの借金を二十一世紀に支払っていくということになるわけであります。 静岡経済研究所のアンケートによれば、事業者の六五・三%が今後は実施してほしくないというふうに回答されている。新潟県上越市のアンケートでは、今回限りでよい六八・九%、日経の昨年四月の二千世帯のアンケートでも、第二弾の次の実施ということについては、地域振興券不交付世帯で七一%が反対、もらっている交付世帯ですら四三・四%が反対と賛成の四二・六%を上回っているわけです。もらった人ですら二回目はもうやめてほしいというふうに言っているわけであります。先ほどもらった人が少ないから効果がないんだと言ったけれども、もらった人ですらもうこれで終わりにしようという人の方が多い。これはよほどのことだと思うんですね。こういう国民の声に一体どうこたえるのか。 大蔵大臣にお聞きをしたいと思うんですが、昨年、第二弾、第三弾をという、これは公明党の冬柴幹事長がそういう質問をされて、小渕総理は今回の効果を見きわめて判断したいと答弁されているんです。財政当局として、こういう地域振興券のようなやり方を今後も景気対策の選択肢として残すのか、もうこれっきりにするのかどうか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほどの中期展望の数字は、そのときにも申し上げましたように一・七五という成長も今はないことでございますし、したがって三%ということも一つの仮想でございます。 それで、今の、先ほどからのお話でございますが、去年はああいうことで全く日本じゅう暗うございましたから、何かでもちょっと役に立てばいい、子供さんも何か欲しいかもしれないし、地域でも話題になって幾らかでも町が、商売が少しでもふえればいいといったような気持ちでいたしました。これだけの大きな経済でございますから、六千億や七千億でどうなるというものじゃございませんが、しかし、それでも多少明るい話題になれば日本経済の将来にマイナスじゃなかろうと、こういうような気持ちがございました。 それで、ことし経済も大分少し明るくなってまいりましたので、ことしは余りそういうお話もないようでございましたので、やらずに済ましております。
○小池晃君 率直に、もうことしやらないということで、もうこれっきりだと。 さきに引用した静岡経済研究所のアンケートでも、消費の拡大に効果的な政策はという質問があるんです。その質問に対して、消費者の四二%、事業者の四二・五%が消費税率の引き下げを挙げています。地域振興券の交付としたのは、消費者で二・四%、事業者に至ってはこれゼロなんですね。ビジネスマンの間でも消費税引き下げの声は上がっていまして、日経ビジネスの一月十日号のアンケートでも、景気へのてこ入れ策として期待するものはの問いに、トップは消費税を下げる、これは三六・六%であります。景気対策というのであれば、地域振興券のようなやり方ではなくて消費税率の引き下げこそ最も効果的だ、これが国民の声だと、これは答えがはっきり出ているんじゃないかというふうに思います。 さらに、次の問題をお聞きしたいと思うんですが、児童手当と年少扶養控除の廃止にかかわる問題であります。 来年度予算における児童手当の支給拡大が、その財源の確保が、年少扶養控除の廃止に伴って、これが財源確保として行われると。 最初にお聞きしたいのは、昨年その年少扶養控除制度、これを創設された理由を御説明いただきたい。
○国務大臣(宮澤喜一君) これは、政策としてその層の控除をふやすべきだという御議論は前からありましたのですけれども、あれをいたしました非常に直接的な理由を率直にひとつ申し上げますと、前の年に定額減税をいたしまして、実は定額減税というのは、税制としてはごく何かの便利のためでないと理屈的には説明しにくい税でございますが、非常に急ぎましたので定額減税をいたしました、橋本内閣のときに。 しかし、これはもともと、するとすれば定率減税に直すべきものでございますし、あのときに抜本改正もいたしましたので、この部分を定率減税に直しました。その結果として、大抵の方は税制改正で減税になったのでしたが、ある層だけがむしろ増税になるという結果になりました。 それは、定額を定率に直しますとそうなるわけでございますけれども、このことはどうも、一遍限りの定額減税ですから、基本的な税制改正が次にあったときに、あるそういう部分が生まれても理屈としては仕方がないことだとは思いましたが、払われる方からいえば、大抵の人が減税になったのに自分たちの層だけが税がふえちゃったということは、いかにもそういう不平を持たれる方、不満を持たれる方があるだろうと思いましたので、何とかそれを少しでも緩和できないかということであの部分の控除をふやしたわけでございます。それでもなお余計に払わなきゃならない方はおられましたのですけれども、何ぼかそれを緩和できたという、そういう実は気持ちがございました。
○小池晃君 昨年の議論の中では、子育て世代への配慮、教育支出のかさむ所得層への配慮ということでやったんだということであります。 何でそれをたった一年でやめてしまうんだろうか、こういうのを朝令暮改と言うんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) そういう御批評があろうかと思います。現実にございましたことは、予算編成のかなり後の段階になりまして、児童手当というものをもっとふやすべきだというお話が政府・与党間でございました。 それで、御承知のように、児童手当というものは、国によりまして歳出でやっておりますところと、歳入でと申しますか、控除で賄っている国と両方ございます。日本のように両方でやっている国もございますので、そういう三党協議の中で大変大きな児童手当を提案された党もございまして、しかし、それは到底手当と控除と両方というわけにはいかないということを提案者もちゃんと知っておられて、それであれば大きく控除を切り下げてもいいんだという、そういう御主張をされました。 当初の御主張は、金額でいうと兆単位のものでございました。それはそれで一貫した御主張ではあるんですけれども、ただ児童手当を歳出でやるか歳入でやるかという議論は、とても予算最終段階の二、三週間では片づかないものでございますから、それは各党間の御協議に将来させていただきたいと申し上げまして、その結果、それであれば今の予定した予算の中で賄える程度の児童手当をふやすことはできないか、そういうお話になりまして、それが今いわゆる就学の年までの、三歳から就学時までというふうにふやしまして、それに充てる財源としては、ただいまお話しのその前に上げました十万円の控除分をもとに戻した、そういう経緯でございます。
○小池晃君 政党間協議の中で持ち込まれた問題、何とか帳じりを合わせようということでこういうふうになったと。 しかし、この問題は大変重大なんです。というのは、年少扶養控除廃止の影響を受けるのは、これは十六歳未満の子供を持つ家庭であります。それに対して、児童手当の支給拡大というのは小学校入学までということですね。ずれているわけです。小学生と中学生については、これは増税だけかかってきちゃうという仕組みになっているわけですね。 具体的には、児童手当の新たな支給対象児童は三百九万人、これに対して年少扶養控除の廃止による増税の対象となる児童数は千九百万人、これは国会答弁ありました。差し引き一千六百万人分がこれは増税になるわけであります。 私も参加する社会保障制度審議会でも、この点は大変議論になりました。そして、答申でもこう書いてある。「児童手当の給付及び財源に関する根本的な検討が不十分なこと、今回の改正案における税負担と給付の配分の変化に問題が残ること等を考慮すれば、当面の措置であるとしても問題なしとしない。」、こうしたんですね。 もちろん、児童手当の対象拡大は必要なことである。しかし、差し引き増税という形で、こういうやり方で財源を生み出す、こういうことをよしとするんでしょうか。大蔵大臣にまずお聞きしたい。
○国務大臣(宮澤喜一君) 確かにおっしゃいますように、この施策によりまして、六歳以上十六歳未満の扶養親族を持っていらっしゃる方、それから児童手当には所得制限がつきますから、所得制限を超える方、こういうケースは両方とも負担の増になります。おっしゃるとおりでございます。 そういう問題は確かにこの問題には残っておりまして、本来であれば扶養控除の問題と児童手当の支給との問題を少し長期的に検討をして、これ一年やそこらで片づかないと思いますけれども、非常に問題ではございましたけれども、そういう予算編成の最終段階で各党間の御協議になりましたために、こういう措置をとらせていただきました。 考え方としては、控除と手当の支給との関連の問題でございますから、いずれをよしとするかということはいろいろの議論があろうと思いますけれども、全く筋違いの歳出と歳入を混同したという意味ではございませんで、もとのところの問題の抜本的な解決に時間を要すると考えられましたので、こういう措置をとらせていただきました。 本来の予算編成がもっと時間をかけて行われるならばこういうことは避けられたかもしれませんが、実はそれ以外の方法によりますと、この財源を公債発行で賄わなければならないという非常に難しい選択になりましたので、こういう措置をとらせていただいたわけでございます。
○小池晃君 見切り発車だということを率直にお認めになったんですが、厚生大臣の方はこれはどういうふうに御説明されますか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 大蔵大臣の答弁と重複するわけでございますが、三党協議の中においていろいろな議論がございましたけれども、いわゆる厳しい財政状況の中で児童手当の拡充を行うに当たりましては、御懸念の、将来の世代に負担を回すような特例公債の増発というものはできるだけ抑制していこうではないか、こういうようなことで年少扶養控除、この創設と児童手当とのあり方を財源確保の面で検討したと、こういうような経緯があるわけでございます。 こういう中で、今回の予算におきましては、子育て支援基金に四百億円ほど計上いたしておりますし、また十一年度の補正以来、奨学金制度の拡充など、いわゆる委員御指摘の税負担増につながる御家庭にも十分に配慮しながらこのようなことを決めさせていただいておる、総合的に御判断を賜れば大変幸いであると、このように考えております。
○小池晃君 子育て支援基金に四百億円でこの増税分を穴埋めなんというのはとてもできないというふうに思います。 これは、やはり当局の方も正面から胸を張っていい政策だというふうなことはとても言えない。大変問題があるということを認めざるを得ないような中身だと思うんですね。 さらに、きょうここで問題にしたいのは、この年少扶養控除の廃止によって一体どういう事態が起こるかを明らかにしたいと思います。 そこでお聞きしますけれども、年少扶養控除の廃止というのは、子供の数が多い世帯ほど、多ければ多いほど増税になるという、これは間違いないと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) そういう仮定でございますと、そうなるはずでございます。
○小池晃君 来年度予算の年少扶養控除の廃止で、子供の数が多い世帯ほど打撃を受けることになるんですね。重大なことは、子供の数の多い世帯というのは、実は九九年の先ほどおっしゃいましたように税制改正のとき、すなわち特別減税の打ち切りとそれから最高税率の引き下げ、定率減税によってほとんどが、子だくさんの家庭は増税になっているわけであります。それは九八年の特別減税というのが、家族数に応じた税額控除方式だった。そのために、子供の数の多い世帯ほど特別減税打ち切りの影響が大変大きく出たわけであります。 そこで私、九九年の税制改正と二〇〇〇年の年少扶養控除の廃止、これを合わせて九八年から二〇〇〇年、この二年間でどうなったか、二年間の所得税、住民税の税額の変化を計算してみました。この結果、一般のサラリーマン世帯を考えた場合には、同じ年収で比較した場合、子供の数が多ければ多いほど増税になるという数字が出ましたけれども、これはもう間違いないと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) その計算をしてみたことはございませんけれども、それは確かにそうなるはずです。
○小池晃君 ぜひそういうことはしていただきたいと。これ大変な問題なんですよ。 きょう配付した資料をごらんいただきたいというふうに思います。これ年収六百万円のサラリーマン世帯、大体平均七百万円ぐらいで小中学生を持つ世帯で、このぐらいをちょっと参考にしてみました。この世帯はもちろん児童手当の対象世帯であります。 この年収六〇〇万円のサラリーマンの場合、この二年間に行われた税制改革の影響が、これ子供の数が多ければ多いほどどんどんふえていくということになるわけですね。単身者は五万八千円の減税であります。それに対して、夫婦のみはほぼ差し引き増減税なし。子供一人だと約四万、二人だと約八万、三人だと約十二万円と増税額がふえていくわけであります。もしこうした家庭で運悪く三歳から小学校入学までの子供がいないとどうなるかというと、これは丸ごと増税しかかかってこないわけです。そういうことになる。 もし児童手当拡大の対象の子供がいたとしてもそれほど運がいいというわけじゃなさそうなんですね。というのは、仮に三歳から小学校入学までの間に二人目の子供がいたらどうか。そうすると、児童手当は月五千円ですから年間六万円ふえる。しかし、増税が八万円ですから差し引き増税であります。仮に三人目の子供が三歳から小学校入学の間にいたらどうか。これは児童手当は月一万円であります。ですから年間十二万円。三人子供がいると十二万円増税ですから差し引きこれは吹き飛んでしまうんですね、増税分が。児童手当分が消し飛ぶ。第三子が小学校に入学したらたちまち全部が増税になるという計算であります。 これでは子供の数が多ければ多いほど被害が多い。子づくり、子育てに対する罰金なんじゃないだろうかというふうにも言えるような中身で、これはまさに少子化対策ということでいえば逆行するやり方じゃないかと思うんですが、大臣いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 厚生大臣がお答えくださるかと思うんですが、それは九八年に、今おっしゃっていることは定額減税をやったのを定率減税に直した、それで事実上増税になる方がおられて、そしてそれを何とか回避しようとしまして十万円少子減税を上げた。それでも救えない人があったわけですが、その後、少子減税を上げた分を今度また戻しますから、両方通じて損をした人がもう一遍損をする。子供が多いほどそういうふうになるケースはあるだろうとおっしゃれば、私はそれはあるだろうと思います。たくさんおられるとは思いませんが、それは理屈上どうしてもそういうケースがあるということは認めざるを得ないと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 委員の御指摘のこの年収六百万円の角度から見れば、そういった面は否定できないことは紛れもない事実でございますが、児童手当と年少扶養控除というのは一律に同じように扱うわけにいかないわけでございます。 違った角度から見ますと、要するに児童を養育する家庭の負担軽減という観点から見た場合には、扶養控除というのは非課税世帯は恩典を受けない、これは御案内のとおりと思います。その一方で、所得が高いほど効果が大きくなる、こういうことでございますけれども、児童手当というのは定額で、高所得者にはいわゆる所得制限七割がかかっておるわけでございますので、要するにそういうような制限を受けるわけでございます。 ですから、この児童手当と年少扶養手当というものの目的、役割をそれぞれ同一視できないわけでございますが、結果的に見れば、今回の措置というのは少子化対策の中でいわゆる低所得者により重点的に配慮したと、このように御理解をいただければ幸いでございます。
○小池晃君 そういう一般論を言っているんじゃないんですよ。今回の政策についてどうかと私は言っているんです。今回のやり方を見れば、児童手当の拡大というのは必要だと先ほどから言っていますよ、それは。しかし、今回のやり方はどうか。児童手当を拡大した三百九万人の中に非課税世帯はある、それは当然であります。そこが恩恵を受ける、それは当然であります。一方で、増税対象の千九百万人というのは、これはすべて高額所得者ですか。違いますよ。六百万円の世帯だって高額所得者ですか。違いますよ。そういう世帯が増税の打撃を受ける仕組みになっているんです。だから私は、児童手当の拡大自体否定しているわけじゃない、こういう財源の生み出し方は子育て世帯に打撃を与える結果になるんじゃないですかというふうに言っているんです。 大蔵大臣、もう一回お聞きします。先ほど御答弁なかったんですけれども、こういう子供の数がふえるほど税金がふえるというやり方は、これは子育て、少子化対策に逆行するんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) こういうことになりました、それらに伴う計算は今、委員のおっしゃったとおりで私は間違いないと思います。そのことが子供さんをたくさんつくるということに政策としては逆ではないかとおっしゃれば、私はそういう方がたくさんいらっしゃるとは思いませんけれども、それに関する限り、それはおっしゃることも認めざるを得ないと思います。
○小池晃君 これ、はっきりしましたよ。こんなやり方で何が少子化対策かと。教育に金がかかるという声が一番強いんですよ、子育て世代からは。そういう声が強い中で、一番金のかかるそういう階層世代である、年代である、小中学生の子供を持つ親に最も増税の被害が及ぶ。これは支離滅裂な政策であります。 私たち日本共産党は、少子化対策としては国際的に見て極めて低い児童手当、これは引き上げが当然必要だ、女性が働きながら出産、育児に取り組める環境づくりも必要だ、そういうふうに考えています。しかし、自自公政権のやり方、これはその経済的支援すら後退させようとするものじゃないだろうか。子育て世代への支援どころか、逆に打撃を与えるようなこういうやり方は到底認めることはできない。このことを申し上げて、私の質問を終わります。
○国務大臣(宮澤喜一君) そういうケースがあることは認めますけれども、そう大きな声で根本政策の御批判を受けるような問題ではないと思います。
○委員長(倉田寛之君) 以上で小池晃君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、三重野栄子君の質疑を行います。三重野栄子君。
○三重野栄子君 社民党の三重野栄子でございます。 きょうはちょっと変な声で申しわけありませんけれども、当面する農政の課題についてまずお尋ねをいたします。 遺伝子組みかえ食品の課題でございますが、国民は遺伝子組みかえ食品について高い関心を持っています。一九九九年、昨年ですが六月、コーデックス委員会でバイオテクノロジー特別部会の設置を我が国が提案し、代表国になりました。同じ六月、WTOで「次期交渉に向けての日本の提案(農業)」の中で、遺伝子組みかえ食品に関する現状分析、問題点の洗い出しなどを多角的に検討するための適切な場を設けるよう提案いたしまして、作業部会が決まっています。 そのような積極的な活動の中で、ことしの一月にカナダのモントリオールで遺伝子組みかえ作物の国際取引を規制するバイオ安全議定書が採択され、遺伝子組みかえ農産物の輸入を拒否できる国際ルールができました。大変御活躍でございますが、政府はこの問題につきましてどのように評価しておられるのですか、農水大臣にお尋ねいたします。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) まず、遺伝子組みかえ食品に対しましては、遺伝子組みかえ農産物を原料とするものであって、加工工程後も組みかえられたDNAやそれによって生じたたんぱく質が存在するものを義務表示とする、こういうことを一つ決定いたしました。組みかえられたDNAやそれによって生じたたんぱく質が加工工程で除去、分解され、食品中に存在しないものは義務表示の必要はないものとしておるところでございます。 WTOにつきましては、我が国から遺伝子組みかえ食品等についての安全性等について討議することを提案いたしまして、作業部会も設けられたわけでございますけれども、残念ながらシアトルの閣僚会議等におきましては時間が十分ではございませんで、検討するあるいは議論する機会がなかったわけでございまして、これは引き続き議論をする、こういうことになっておるところでございます。
○三重野栄子君 シアトルの会議については大変多くの皆さんの注目を集めておりますが、これからの御検討をよろしくお願いします。 次に、EUは二〇〇二年までに新たに安全規則を強化する方針と伝えられて、それまでは遺伝子組みかえ農産物は認めないと言っています。我が国は食糧輸入大国でございまして、健康と環境を守るための新たな安全評価の国際基準が策定されるまでは遺伝子組みかえ農産物の生産というのは凍結しよう、国際社会の場でこういう提案をすべきだと思いますが、これにつきまして農水大臣並びに環境庁長官の御見解をお尋ねいたします。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 遺伝子組みかえ農産物等について、我が国としましては、遺伝子組みかえ技術の持つ大きな可能性への正当な評価をまずしなければならない。また、環境や健康等に与える影響についての最新の科学的知見に基づく十分な評価の必要性、さらに消費者の関心に対して的確にこたえる必要性の三つの点に考慮が払われることが重要と考えておるわけであります。 そして、我が国は、大豆は四百万トン、トウモロコシはかなりのトン数を入れておるわけでございますが、その中でこの遺伝子組みかえ食品の表示に関しましてマニュアルをつくりまして、生産から流通、また入れるまで精査をいたしまして、そしてこの表示を的確にする、こういうことを決めたばかりでございます。
○三重野栄子君 遺伝子組みかえ農産物を凍結しようという提案をなさいますかということを伺いました。そこが抜けておりますのでお願いします。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 遺伝子組みかえ農産物全部が悪いというわけではございませんで、これは科学的に証明されて安全が確保されたものは評価する、そういう観点をとっておるわけでございます。 例えば、WTO協定にもいろいろな点で関連してきているところがございます、食品の安全とかいろいろな面で。そういうところについて今後議論するという態度をとっておるわけでございまして、WTOにおきまして我が国が提案した趣旨は、まずいろんな観点から議論をしまして今後万全を期していかなきゃいかぬ、こういう趣旨でございます。
○国務大臣(清水嘉与子君) 遺伝子組みかえ農作物につきましては、国の内外におきましてかなり開発が進んでいるわけでございます。そしてまた、実用化されているわけでございまして、それに対しましては、先生御指摘のように、生態系に対しまして何か悪い影響があるんじゃないだろうかという御心配をする向きもあるということをよく存じております。 例えば、遺伝子組みかえ農作物が雑草化してしまうのじゃないかとか、あるいは導入した遺伝子が周辺の植物にうつってしまうのじゃないかとか、いろんな御心配があることはよく存じております。 そういった点から、環境庁といたしましては、やはり生態系への影響防止という意味で、環境保全の確保が重要であるというふうに認識しているところでございます。 国内では、遺伝子組みかえ農作物の安全性を確保するために農林水産省が指針を策定して、そして審査を行っているところでございますけれども、環境庁といたしましても、この審査に当たりまして、必要に応じて環境保全上の観点から意見を申し述べるという体制になっているところでございます。 また、遺伝子組みかえ農作物によります環境への影響評価に関する知見がまだ足りのうございまして、今、私どもといたしましても、十二年度予算におきましても、具体的に遺伝子組みかえ生物等の利用に関する安全性評価手法確立調査といった経費をちょうだいいたしまして検討しているところでございますけれども、今後とも環境への影響、これを未然に防止できますように適切に対処してまいりたいというふうに思っているところでございます。
○三重野栄子君 大変詳しく御助言いただきまして、ありがとうございました。積極的に農水大臣への御協力をお願い申し上げます。 安全規則がどうなのかということが一番大事でございまして、私は何も食べたくないと言っているわけでもないわけですから、その点、どうぞ留意をいただきまして、安全なものを国民に出されるようにお願い申し上げます。 次に、林業問題についてお尋ねをいたします。 我が国の森林、林業、木材産業を見ますと、木材価格低迷や、林業労働力の減少と高齢化などによりまして危機的な状況を迎えています。国有林については昨年改革法が成立しまして、今後の管理経営の方針を公益的機能の維持増進を重視したものに転換しましたけれども、新たな政策提言がございましたらお知らせいただきますよう、お願いします。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) まず、我が国の林業の現状でございますが、昭和三十七年に木材を完全自由化したわけでございまして、それ以来外材が流入してまいりまして、なかなか競争力がございません。 戦後の我が国の経済復興のためにかなりの木材を使いまして、その後、人工林としまして一千万町歩が植林をされました。そういう中でございますから、木はまだ若いわけでございます。競争力がないわけです。そういう観点の中で、国産材の使用率は二〇%というような状況でございまして、大変厳しい状況が続いておるわけでございます。 したがいまして、こういう中におきまして、今後林業がなりわいとしてやっていけるかどうかというところに視点を置きまして、できるだけ森林の多様な機能を持続的に発揮することを主体としたことに政策の転換を図りながら林業も発展をすることができるような形ができないか、そういう考えのもとに基本法の制定に向けまして今検討をしておるところでございます。
○三重野栄子君 今、日本の森林は若いので云々ございましたが、二、三日前のNHKでは、間伐した材木を使って木材の家を建てようとか、あるいはおはしをつくろうとかというのがボランティアとか地域によって活動が始まっているようでございます。 森林・林業に対する国民の要請は、木材生産、国土の保全、水資源の涵養に加えまして、保健、文化、教育的利用、地球温暖化防止など多様化、高度化をしています。森林の公益的機能をより維持増進するためには、国の責任において、国有林七百六十五万ヘクタール、民有林千七百三十万ヘクタールが一体となって森林整備を推進する体制が何より重要であると考えます。今、大臣、御説明いただきましたけれども、もう少しお力添えいただきたい気がいたします。 農水省は、現行の流域管理システムを積極的に推進する中で、国の責任において、木材に自給率の設定、森林整備計画の具体化、国産材の需要拡大対策を初め林業労働力確保対策など総合的施策を推進するために、私は新たな森林・林業基本法を制定すべきだと考えます。 今、農林大臣が基本法とおっしゃいましたけれども、それと合致するのかどうかよくわかりませんが、そこらあたりの御説明をお願い申し上げます。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 委員のおっしゃられるとおり非常に極めて重要な課題である、こう考えております。 国有林とか民有林を問わず、今、日本の森林資源を守っていくためには何が一番必要であるかといいますと、除間伐をしなければならない。本来ならば、国有林におきましても民有林におきましても、事業主体として林業をなりわいとする方々が育林から除間伐をしまして、そして伐採するまで一つの連関があったわけでございますが、これが今途絶えているというところが問題でございますので、国が中心となりましてまずしっかり間伐をやろう、こういうことになりまして、本年の予算の中におきましては、国の予算としまして、間伐の対象面積を二十万町歩であったものを三十万町歩にしまして、緊急間伐五カ年計画で約百五十万町歩をこの五年間に整備しよう、こういう計画でございます。 それから、さらに間伐した木材をどのぐらい利用率があるかと申しますと、約四三%から四五%と見込んでおるわけでございますけれども、半分以上が山に捨てられているという状況で放置されている。これはゆゆしきことでございますので、委員がおっしゃられたように、今国産材をいかに利用していくか、こういう観点からいろいろなことをやっております。 例えば、予算におきましては、二十四億確保いたしたところでございますが、林業構造改善事業による間伐材の集成材加工施設、集出荷施設等の加工流通施設の整備、さらに関係省庁との連携強化を通じた河川事業、農業農村整備事業等、公共事業や畜産等の地域産業への利用促進、建築材、生活用品、机、いす等への間伐材の利用促進を図るということで努力をする、こういう方向を出して政策も具体的に進めておるわけでございますが、基本法も、できれば国が主体となってこうした政策を進めていくということを主眼としてまいりたいと考えております。
○三重野栄子君 今、いろいろ政策は伺いましたが、その中で働く人たちはどういうふうになっていくでしょうか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 二十万町歩から三十万町歩に対象面積を進める、こう申し上げたわけでございますが、そのために約百億以上の予算をふやしておるわけでございます。 これに地方自治体も協力をする、また事業主体も資金を出してやる、こういう形になっておるわけでございますので、約百億の国の予算で山村で働く担い手は五千三百人を大体雇用できる、こういうような形になるかと思います。
○三重野栄子君 今五千三百人とおっしゃいましたが、もっともっと拡大していただきたいんですが、それはここで討論にはなりませんので。 もう一つ、さらに大臣に対してよりも、今度は環境庁長官に間伐材の利用につきまして、私は自然エネルギーの議員連盟の一員でございますけれども、間伐材を燃焼してエネルギーをつくろうという話も出ているんですけれども、それにこだわらず、環境庁長官としての森林・林業基本法についての御見解をお伺いします。
○国務大臣(清水嘉与子君) 我が国の亜熱帯から亜寒帯に及びます多様な森林、国土の六七%を占めるということでございまして、非常に我が国の豊かな自然環境の最も重要な構成要素だというふうに考えております。 これらの森林、生物多様性の保全あるいは人と自然との豊かな触れ合いの観点から見て非常に大きな役割を果たしているわけでございます。また、森林というのは地球温暖化の原因となります二酸化炭素の吸収源でもありますことから、森林の保護あるいは整備、こういったものは地球温暖化対策の観点からも進めなければならないというふうに理解しているところでございます。 また、今いろいろ先生、間伐材の利用とおっしゃいましたけれども、確かにそういったものにつきましても、環境保全の点からもまた十分考えられる問題が出てきているのではないかというふうに思っております。 また、明年は環境庁が環境省になるわけでございますけれども、そのときにも、森林の保全について共管するという役割もございますので、より積極的に役割を果たしていきたいというふうに考えております。
○三重野栄子君 ありがとうございました。 建設大臣に、先ほど農水大臣からも建設の問題が出ておりましたけれども、五千三百人をオーバーするようなもっといろいろなものができないかと思いますけれども、それも含めてのお話をお願いいたします。
○国務大臣(中山正暉君) 大変貴重なお話だと思います。このごろは外材が六四%でございまして、材木は山からとれるんじゃなしに海からとれるような時代になってしまいまして、これは地域材、日本の国内生産の地域材をいかに活用していくかというのは大変重要なことで、国産材の有効利用を通じた地球環境の保護や国土保全の推進を図るために、また木造住宅に対する国民の強いニーズに対応するためには、国産材を利用した良質な木造住宅の供給を促進したい、かように念願をいたしております。 建設省といたしましても、木造住宅供給総合対策事業の活用によりまして、林野庁と連携による地域材を活用した木造住宅団地、フォレストタウンというものを整備してまいりたい。 それから、地域の実情を踏まえた木造技術の開発、私は、ちょっとどなたか先ほども御答弁申し上げましたが、江戸城の復元なんというのを言っておりまして、江戸城は六十メートルございまして、大木造建築物、こういう技術を日本にも残さなきゃいけない。どういう構造でやるかといいましたら、集成材を使いまして、そして新しい化粧材、それから被覆材、構造部材、木造材、こういう中に鉄骨を入れて、日本は地震国でございますから、スイスとか外国へ行きますと五階建ての木造のきれいなホテルとか、それからまた小学校なんかでも私は木造でつくるべきじゃないかと思う。 そのためには、建築基準法、木造は三階までしかできませんから、その突破口を私はつくりたいというのが、江戸城という六十メートルの城を復元するような、それによって木材業界の活性化、その象徴にしたいというのが、私は十三年前、昭和天皇様の御在位六十周年のときにアイデアを実は出したわけでございますが、そういうことをやりながら私は大いに木造住宅、木造建造物というのを復元する。 この間、これは建設省の技術者の方から聞いたのでございますが、ネズミの実験でございますが、金属のものに入れるともう本当に早く死ぬ、ちょっと今数字を忘れたんですが。いわゆるコンクリートなんかに入れますともう少し長生きするんですが、木材の中で育てますと大変長生きをするということでございます、やっぱり木材というのは息をしているから。 特に、余計なことをまた申しますが、万葉集、万の葉っぱの集といって千二百年前に日本は四千五百の歌を、その中に花と緑、これは大阪の万博をやったものですからちょっと勉強したんですが、「いにしへの人の植ゑけむ杉が枝に霞たなびく春は来ぬらし」という歌があります。千二百年前に、千二百年以前の人が植えてくれた木にかすみがたなびく春が来たという。 それからまた、日本書紀とか古事記にも、スサノオノミコトが日本を平定したときに胸毛を抜いたら杉の木になった、それからすね毛を抜いたらカエデになったとかいう、いかに日本の政治を統一した人が日本じゅうに木や森を育成したかということが神話の中、神話、四万数千年前の古墳が問題になるならば、私はそういう神話の世界というのも本当はそういう為政者の心意気を言っているんだと思いますから、先生の心意気にも私は同じものを感じますので、敬意を表して答弁にいたします。
○三重野栄子君 ありがとうございました。新たな森林・林業基本法が、もうすばらしいものができ上がるような感じを抱きました。 農水大臣、それから林野庁長官も含めまして、環境庁長官、建設大臣、皆様方のお力をいただきまして森林・林業基本法が速やかに制定されるように御尽力をお願いいたします。間伐材は、植林をしても間伐をしなければ立派な森林にならないわけでして、今は間伐がされないことに大変困っている状況ですから、ぜひとも御検討をよろしくお願いします。 続きまして、障害者の雇用促進につきまして、とりわけ教育関係の雇用でございますが、お伺いをいたします。 ことしは大変経済状況が厳しいということで、高卒、大卒の卒業生の問題がありますけれども、障害を持っている子供たちはさらに困難であろうということは想像にかたくありません。雇用率の達成状況、達成のための対策等々につきまして労働大臣の御所見をお願いします。
○国務大臣(牧野隆守君) 障害者の雇用につきましては私どもも非常に力を入れさせていただいておりまして、なるべく差別がないように、また雇い入れていただくところでも十二分の配慮をしていただけるように、こういう形で努力をいたしております。 法律に基づきまして、それぞれ一定規模の会社においてはこれだけの障害者をぜひ雇っていただきたいと率を決めてお願いをいたしているところでありますが、まだ民間企業では私どもがお願いできるような状況になっておりません。 そこで、障害者の皆さんをお雇いいただけるように具体的ないろんな方法をとっておるわけですが、障害者を基準どおりお雇いになることのできない企業からはお一人当たり大体五万円ぐらいのお金を出していただきまして、それを具体的に障害者を雇っていただいている企業の福祉関係も含めて諸般の措置を講じさせていただいているところでございます。
○三重野栄子君 民間はなかなか難しいと思いますけれども、公的機関は一応の規定が達成されているようですが、そのうち教育的機関はもう全くというほどほど遠いものでございます。 私の調べたところによりますと、九九年の労働省調査雇用率では教育関係は一・一八%ということでございますけれども、これにつきまして総務庁の行政監察によりまして勧告を受けたということも聞いておりますけれども、その後どのような対策をおとりになっておるのか、文部大臣にお尋ねいたします。
○国務大臣(中曽根弘文君) 労働省の発表によりますと、都道府県教育委員会における障害者雇用率は平成十一年六月一日現在で一・一八%でありまして、法定雇用率の二・〇%をかなり下回っております。 これは大変残念なことでございますけれども、都道府県教育委員会が雇用する職員の大部分が教員である一方、教員免許状を有する障害者の方の数が極めて少なく、計画的に一定数の障害者を採用することが困難であることも一因ではないかと考えられます。 文部省では、これまで教員採用選考におきまして、単に障害があることのみをもって不合理な取り扱いがなされることのないよう選考方法上の工夫など適切な配慮を求めるなど、各教育委員会における障害者雇用を促進する観点に立って各教育委員会を指導してきたところでございます。 なお、法定雇用率を達成していない教育委員会におきましては、労働省の指導によりまして、平成十二年一月一日から三年間の採用計画を作成し、これに基づいて障害者の積極的な採用に努めているところと承知いたしております。 各教育委員会におきましては、これまでも障害者の積極的な雇用について努力をしてきているところでございますけれども、文部省といたしましても、引き続きましてあらゆる機会を通じて各教育委員会における積極的な取り組みを促進してまいりたいと思っております。
○三重野栄子君 ありがとうございました。 ただいま文部大臣が教員の免許状を持っている人が少ないというお話でございましたが、ことし政令が出まして、四月一日からは校長先生は免許状を持たないでも校長先生になれるという政令が出ております。そういうところから考えますと、教師といってもすべての教育の課題をやれというわけではありませんから、専門的な教育のテーマだって教師になる、そういう採用をしてもいいのではないかということを私は思います。 それから、郵政大臣が車いすとともにここで御活躍でございますけれども、私が住んでおります市内でも教育長はつえをつきながら教育長の任務を果たしておられます。そういうことをいたしますと、これからの社会では普通学校に障害児が在学する、ともに学びともに生活する、それと同時に障害を持った、生まれながらに持った人もいるかもわからない、途中で持つようになったかもわからない、そういう人々も教職員として働く、そういう状況があれば、もっとお互いに助け合う豊かな二十一世紀になるのではないかと思います。 先ほど、障害者を雇えない企業は五万円出せということでございましたけれども、やはり都道府県教育委員会で、今指導の問題がございましたけれども、予算措置などにつきましても積極的な具体的施策が必要ではないかと思いますが、もう一度文部大臣のこれからに向けての積極的な御見解をお願いいたします。
○国務大臣(中曽根弘文君) 私どもも、できるだけ障害者の方々も教壇に立っていただけるようにと、そういうふうな気持ちで努力をいたしておりますが、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、免許状取得者総数が十三万四千人おられるわけですが、そのうち障害者の方の免許状取得者数は百人ということでございまして、私どもも努力いたしますが、大変に取得者が少ないということでございます。 重ねての御答弁になりますけれども、引き続いてあらゆる機会を通じて教育委員会等に積極的な取り組みを促進するように指導していきたい、そういうふうに思っております。
○三重野栄子君 ぜひとも障害をお持ちの方々、大人でも子供でも活躍できるようなことを文部大臣としても御努力をお願い申し上げます。 最後の課題として、ジェンダーフリー教育の推進についてお尋ねをいたします。 文部省の二〇〇〇年度教育予算の中で、生涯にわたる男女共同参画学習のための新規事業としてゼロ歳からのジェンダー教育推進事業を盛り込み、幼児期から個性を大事にし、理由のない男女の固定的な役割分担にとらわれない、男女共同参画の視点に立った教育を推進するとされたことを大変評価いたします。 その具体的政策はどのようなものでしょうか、お尋ねいたします。
○国務大臣(中曽根弘文君) ジェンダーフリーの世の中にしていかなければならないと、基本的には私もそういうふうに思っているところでございます。 平成十二年度から新たに実施する予定の零歳からのジェンダー教育推進事業におきましては、幼児期から個性を大切にし、理由のない男女の固定的役割分担意識にとらわれない、男女共同参画の視点に立った教育を家庭及び地域で推進することといたしております。このようなジェンダーにとらわれない教育は、幼児期からのしつけなど家庭における教育に負う部分が大変大きいことを踏まえまして、年少の子供を持つ親を対象にした学習プログラムの開発を行うほか、地域でモデル的に学習事業の実践研究を行うことといたしております。 この事業は年少の子供に対するジェンダーにとらわれない教育のあり方を実践研究するものでありまして、中学校、高等学校における教育のあり方まで調査研究することを主眼とする事業ではございませんけれども、実施に当たりましては、特に年齢の上限を設けるということは考えておらず、委嘱を行う研究グループや研究地域の希望に即して弾力的に対応していきたい、そういうふうに思っております。
○三重野栄子君 今のお答えでありがとうございました。小さい子供を対象にしたという問題で、中学生や高校生についてはこれからのようでございますけれども。 これは文部省がおつくりになりました「家庭教育ノート」です。「家庭教育手帳」、「家庭教育ノート」、これは幼児、これは小学校に入るか入らないかということで、中身は大変細かく、十分であるように私も思います。けれども、上の子はブルーで男の子、下の子はピンクで女の子なんです。そこにもう男の子と女の子の感性が、もう習慣的になっていくという思いも、これは余り私の思い過ぎでしょうか。 そういう問題も含めますと、このジェンダーフリー教育というのは、高校生になったらばまた考えるということでございますけれども、具体的な問題は今お話がございませんでしたけれども、いつごろにするか、目標はございますでしょうか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 委員お話しの、御説明いただきました「家庭教育手帳」、「家庭教育ノート」でございますが、確かに御指摘のとおり、ゼロ歳から六歳までの乳幼児を持つ親に対してこの「家庭教育手帳」を配っております。これは女の子の絵が書いてありますがピンクの色、それから男の子の絵の方は確かにブルーでございますが、私どもは、これが互いに似たような形態、サイズ、厚さでありますから、見間違えることのないように表紙の色を変えたわけでありまして、手帳についてはピンク、ノートについては青色を用いました。 ピンクについては女性、青色は男性という固定的な区別をするのはおかしいのではないかということでございますけれども、私ども、まず色を分けたのはそういうことでありますが、そういうような御指摘もあろうかと思いまして、中の絵の中では、男の子をピンクの服にして、女の子をブルーの服、女の子はブルーとか黄色でありまして、男の子はピンクとかオレンジとか、こういうふうにやらせていただいておるところでございます。 このジェンダーフリーといいますか、これは大変大事なことでありまして、学校教育は当然でありますが、いろんな機会を通じてこれの促進といいますか図っていきたい、そういうふうに思っております。 期間というお話でありましたけれども、どんどんやっていきたいと思っております。
○三重野栄子君 大変細かい御説明をありがとうございました。 厚生省もこういうのを、「それでいいよ だいじょうぶ」という本を出しておられまして、両親たちも大変喜んで、子供さんを持たない人たちも勉強したいから欲しい、こっちの文部省が出した分も欲しい欲しいと言っておられるぐらい大変人気があるわけですけれども、しかし、厚生省の方も、子供を出産する大人たち、親たちの話でありまして、このジェンダーフリーの問題は年齢に応じてずっとその問題が生涯続いていくわけです。 心身の成長が著しい学齢期の子供たち、特に第二次性徴期に起こる体の変化は、男女の違いを強く実感し、心理的に大きな影響を受けます。この時期にこそ身体的、生理的、性別、セックスの違いをジェンダーと結びつけながら、自他を規制、抑圧するのではなくて、自分らしい自分、あなたらしいあなたが大切だということをきちんと認識させることが重要であると思います。 せっかく基本法もできましたし、男女共同参画社会基本法ができたわけですから、これから、今、文部大臣もおっしゃいましたが、厚生大臣もお力をいただきまして、ジェンダーのフリーというか、もう差別なくお互いが助け合って二十一世紀を生きられるような政策を続けていただきたいとお願いいたしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(倉田寛之君) 以上で三重野栄子君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、高橋令則君の質疑を行います。高橋令則君。
○高橋令則君 自由党の高橋でございます。 まず、私は、今回の新潟県警の一連の不祥事は大変残念であるというふうに思っております。国民の怒りというのはそのとおりだというふうに思っております。私も質問したいわけですけれども、時間が極めて限られておりますし、また私は地方行政・警察委員会に入っておりまして、当該委員会でありますので、別途これを申し上げたいというふうに思っております。 ただ、一言申し上げますと、泉委員が二日の日にこの会議におきまして国会決議を提起されました。この扱いは今後の問題になっておりますが、ぜひ早急に各党の中で実現できるようにお願いを申し上げたい、これを申し上げておきます。 私は、国家公安委員会のあり方についてはいろいろあるな、問題があるなというふうに思っております。個別に今申し上げることはそういうことがありますので避けますけれども、関連して私が申し上げたいのは、申し上げたいと申しますか質疑をしたいのは、国家公安委員会を含む行政委員会の全般のあり方について検討する必要があるのではないかという気持ちがあるわけでございます。 御承知のとおり、行政委員会は戦後いわゆるGHQと申しますか、連合国のいわゆる対日管理対策の一環として行われたというふうな話もあるわけでございます。戦後五十年余りを経過して、国家公安委員会を含む国、そして地方を通ずる行政委員会のあり方について、やはり構造改革あるいは行政改革の一環として今日的に検討し、かつ必要に応じて改革もしなければならないのではないかと思っております。 その意味におきまして、行政委員会の意義、今日的なメリット、デメリット、検証の必要性、今後の取り組みの方向等について、国の組織管理を所管する総務庁長官の所感をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(続訓弘君) 高橋委員は、長年行政に携わっておられる専門家でもございます。その専門家に私がお答え申し上げるのもあれでしょうけれども、まずお尋ねの件について、国家行政組織法第三条に定める委員会、いわゆる行政委員会は、所掌事務の遂行に当たり政治的中立性や専門技術性等が求められるため、府、省から独立的な地位にある合議制機関に行わせる必要がある場合に設置されるものでございます。 したがって、公正かつ慎重な判断に基づいて行政を管理、執行することが目的、これが行政委員会だと存じます。
○高橋令則君 私は、全体的に申しますと形骸化しているんではないかというふうに思っておるわけであります。したがって、そういう認識がおありなのかどうか、その辺についてお尋ねをいたしたいと思います。
○国務大臣(続訓弘君) 確かに、戦後アメリカの占領下で今御指摘のような仕組みの行政委員会ができ上がりました。現在は九つの行政委員会がございます。 しかしながら、昨今、国家公安委員会の問題もございましていろいろな論議がございます。憲法上の問題もございます。そういう意味では、長い間の制度とはいえ、これからいろんな議論が私は国会を通じて行われるんではなかろうかということを期待しております。
○高橋令則君 大変これは重要な問題でありますし、時間もかかる問題だと思いますので、私は引き続き質疑をしたいと思っておりますが、次の問題にかからせていただきたいと思います。それは、規制緩和の問題についてであります。 まず、効果の重要性の問題、そしてまた実情と今後の取り組みの問題、そして大変申しわけないんですが郵政大臣には通信料の問題、この問題について日米通信協議の問題等も含めて、経済企画庁長官、総務庁長官そして郵政大臣にそれぞれお願いをしたいと思います。
○国務大臣(堺屋太一君) まず、私から規制緩和の効果について試算をいたしましたので申し上げたいと思います。 経済企画庁では、一月六日に「近年の規制改革の経済効果 利用者メリットの分析」というのを発表いたしました。国内及び国際電気通信、国内交通、車検の問題、それから電力、石油製品、ガス、株式手数料の八項目の分野にわたって規制改革で料金あるいは価格がどの程度消費者、利用者にメリットを与えたかという計算をいたしました。 これによりますと、九八年度におきまして対象の八分野で八兆六千億円程度の利用者メリットが出たという計算になっております。この金額は、国民所得を二・三%ほど上昇させたというような数字になっております。 この中で特に大きかったのは、国内の電気通信それから電力の買電を認めたこと、それから石油製品の販売自由化等の順になっております。これらは、いずれも広く国民に利用されるものでございますので、その影響は国民生活に浸透していると思います。 また、金額的にはそれほどでもございませんが、国際電気通信それから国内の飛行機それから株式の手数料、こういったものは新しい産業を生み出すのに非常に役立っていると思います。 規制を改革いたしますと、既存の業界が打撃を受けるというような問題もございまして、いろいろ議論もあるようでございますが、大きく見ると、企業の自由な創意工夫を引き出しまして、新たな消費、投資を生み出し、雇用も増大させると考えております。 また、これからも政府が揺るぎない態度でこの自由化を進めていく、規制改革を進めていくということが、新しい業を起こす人に信頼感を与えていろいろと新しい考えを引き出すという、そういう創業の意欲を生み出すという点で大変重要なことだと思っています。 したがって、今後とも規制緩和を推進することが大変我が国にとって重要なポイントだと思っています。
○国務大臣(続訓弘君) 規制緩和は、御案内のとおり、我が国経済社会の抜本的な構造改革を進めていく上で極めて重要な課題だと存じます。 政府といたしましては、昨年三月に改定した規制緩和推進三カ年計画を着実に実施しているところでありまして、さらに、昨年十二月に提出されました行政改革推進本部規制改革委員会の第二次の見解が二百三十四項目にわたって示されました。その内容を最大限に盛り込むべく、本年三月末を目途に再改定する予定でございます。 政府といたしましては、引き続き規制緩和に積極的に取り組んでまいる所存でございます。
○国務大臣(八代英太君) お答えを申し上げたいと思います。 三月三日それから本日、ようやく答弁の機会をいただきまして、ありがとうございました。 さて、まさに情報通信時代でございますので、これからは何よりも国民の皆さんにとって、インターネットあるいはパソコンあるいはコンピューター、そういう時代を踏まえますと、まず定額制の導入というのが、これは競争のもとに大変、NTTもその辺は今試験的ではございますが、国内においては低廉化というものが大きなうねりになっております。 もう一つ、日米における規制緩和の流れの中におきまして、日本の事業者間の接続料が高いじゃないかと、こういうことでかなり厳しい御意見をいただいておるわけでございますが、私たちも実は電通審にその辺を、規制緩和の中から、まず一つはケースA、ケースBという形で、ケースBの方は、つまりそれは基本料金を国民の皆さんが負担するというやり方ですから、これはとてもとても今インフラ整備の途上にある状況ではそんなことはのめないということで、電通審の答えはケースAという形になりました。 このケースAでもなかなかアメリカは厳しいことを言っておるのでございますけれども、私たちは、このケースAの形をとりまして事業者間の接続料も低廉化の方向にだんだん向かっていくと。そういう意味では、平成六年あたりから今日までもう四六%減ぐらいの、接続料というものは全体でかなり減額されてきておりますから、これからは、まさにそういう情報通信時代のことを考えてまいりますと、国内のインターネット接続料金も定額制に持っていく、これはもう四千円とか三千円とか、そういう時代が来るだろう。 しかし、事業者、アメリカとかいろいろな方からの意見もあるけれども、しかし、それは国益を守りながら、そうすべてを私たちは言いなりにこたえるわけにはいかない、日本は日本の考え方で推し進める、こういう思いで今一生懸命アメリカとも交渉いたしております。 いよいよ大詰めになってまいりまして、この長期増分費用方式というのは国会にお諮りしなければなりません。その法案も今国会に出させていただきまして、新しい二十一世紀のIT時代、そういうインターネットビジネス時代というために一生懸命頑張っていきたいと思っているところでございます。
○高橋令則君 これらは三党合意によるものでありまして、ぜひともきちっと推進していっていただきたいというふうにお願いを申し上げたいと思います。 次に、運輸大臣に、いわゆる交通バリアフリーの問題についてでございます。 既に二日の日に白浜委員からも話がございましたけれども、私も改めて、この意義及び取り組み、特にその目標率的なものをどうしてもお聞かせいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(二階俊博君) 交通バリアフリー法案につきましてお答えをいたします。 御承知のように、本格的な高齢化の時代を迎え、また身体の御不自由な方々、妊産婦の皆さん等が公共交通機関を利用、活用される場合に、本当に安心してこれらの機関を活用できるような状況を社会全体でつくっていく必要があるのではないか。したがいまして、国の役割そして地方の役割、また鉄道事業者の役割等を明記した法律を今度の国会に提出させていただいておるわけでございます。 そこで、今どれぐらいのことを目標にしているかということのお尋ねでございますが、幸いにしまして本法案では、運輸省だけではなく、建設省、警察庁及び自治省の四省庁が密接な連携のもとに、おのおのが役割を分担し、特に公共交通機関、周辺道路、さらに信号機等について一体化してバリアフリーの町づくり、社会づくりをしようという決意をいたしておるところでございます。 このことを推進していく上におきまして、特に私は市町村の御協力が必要、市町村の御協力ということはイコール住民の皆さんの御理解や御協力、これが重要である。つまり、住民の声を大切にしながらこの問題に取り組んでいきたいと考えております。 今後十年間程度、本格的に取り組む必要があるという認識を持っておりますが、今回の当初予算におきまして、財政当局の御理解も得られて、大幅な増額と手厚い補助制度を内容とする予算を提出しているところであります。今までは、十一年度では二十億円程度のものであったのを今回は一挙に百億円にいたしております。鉄道駅のバリアフリー化に関する補助率も、地方も含めてでありますが、二〇%から六七%にアップをしておるところであります。 そこで、二〇一〇年までに、一日当たりの乗降客数が五千人以上、こうした駅は全国に二千五百カ所ございます、これを網羅してバリアフリー化を実現するということを目標に置いております。この二千五百の駅、つまり一日の乗降客五千人以上の駅を完全にバリアフリー化することによって全体の利用者の九割をカバーすることができるというふうに判断をいたしております。 もちろん、小さい駅におきましても、小さいといいますか人口の少ない地方におきましても、このことに特に熱心な皆さんがおられたり、あるいはまた身体に御不自由を持っておられる方々がよくその駅を活用されるというふうな場合もございますし、その周辺の施設等においてそういう現実的な問題があるわけです。そこらについては、何も五千人以上というふうなことにこだわらずに、私は地域の声を吸収し、関係者の皆さんの御理解、御協力の上に推進していくことが大事だと思っております。 なお、ノンステップバス等の採用につきましては、今後十年ないし十五年でもって、今六万台あるこのバスを一挙にというわけにはまいりませんから、新しく買いかえをなさる場合にこれをバリアフリー化をしていただくための補助金、税制の優遇措置等も考えながら、懸命の努力をし、やがて十年のうちにはほとんどのバスがバリアフリー化が完成した、そういうふうなことを考えておる次第であります。 なお、きょうは委員長のお許しをいただきまして、運輸省、建設省、警察庁、自治省で作成しました「安心して移動できる社会をめざして」というパンフレットを委員各位のお手元にお配りいたしておりますので、ぜひごらんいただいた上で、今後法案の成立に向けて積極的な御協力をこの席でお願い申し上げておきたいと思います。
○高橋令則君 推進をぜひともお願い申し上げたいと思います。 もう一つ、最近の新聞報道を見ますと、テクノスーパーライナーというものがありました。見ると、これは上海にやったんですね。そういうことを含んでお聞きしたいんですけれども、この実験の意義及びこのテクノスーパーライナーの今後の事業化の見通し等についてお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(二階俊博君) テクノスーパーライナー、新型式超高速船と呼んでおりますが、略称してTSLとも言っております。最高速力は五十ノット、時速にしまして九十四キロ、荒れた海でも安全に航行が可能だということになってございますし、高い積載能力を誇っております。積載重量最高二千五百トンぐらいまでを考えておるわけであります。 この画期的な性能を持つ通称海の新幹線と呼んでおるものでございますが、これは国会におきましても御理解をいただき、平成元年から七年にかけまして総事業費百六十五億円の調査研究をいたしてまいりました。参考までに、国費は三十九億ちょうだいをいたしております。 この際に開発いたしました実験船、平成九年からカーフェリー及び防災船として希望号と名づけて、静岡県にこれを買い取っていただきまして、さらに諸般の改造をなさった上で、清水港とそれから下田港の間を普通観光船として、いざ一朝事あるときには防災船として活用される予定で今就航されておるわけでございますが、これを今度は政府がチャーターをしていただきまして、二月二十九日から今仰せのとおり三月八日までの予定で、我が国と上海との間の国際実験航海、つまり処女航海に出したわけでございますが、今、順調な成果を得て、乗組員、関係者からの電話連絡等を伺っておりましても、極めて安定的なそして穏やかな航行を続けておるということでございます。 今御質問の御連絡をちょうだいしておりましたものですから、出てくる前に確かめましたところ、今現在、中国でのすべての行事を終えまして、済州島の沖合を進んでおるということでございますので、今夕には長崎港に安全に帰ってくる、こういう状況でございます。 テクノスーパーライナーの今後でありますが、いかに商業化できるかということが大きなポイントであろうと思います。私はそのためにテクノスーパーライナーの保有管理会社を設立することを考えておりまして、日本政策投資銀行から十億円以内の出資をいただき、最適な運航保守管理システムの開発等に対する補助を十一億円計上いたしておりますので、今申し上げましたような具体的な商業船としての活用第一船を平成十四年に運航開始できるようなことを目標にして鋭意取り組んでおるところでございます。 モーダルシフトにも具体的な大きな役割を果たせるものと思っておりますので、この船が今後、日本の造船界はもとより、物流関係におきましても画期的な役割を果たしてくれるであろうということを期待いたしております。
○高橋令則君 最後の一点でございますけれども、科学技術庁長官にお聞きをしたいわけですが、例のHⅡロケットの失敗は大変残念だったんですけれども、それはそれとして、先端技術は極めて重要でありますので積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、どうですか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 我が国が二十一世紀に向けて活力ある国家として発展していくためには、何よりもこの科学技術の振興が大事であります。 そういうところから、科学技術創造立国を掲げて内閣全体で取り組んでいるところでございますが、委員お話しのように、昨年の秋にはHⅡロケット打ち上げが失敗いたしまして、国民の皆さんの期待を大きく裏切ることにもなり、大変に残念に思っており、また申しわけなくも思っております。 宇宙開発の果たす役割というのは、もう御案内のとおり、通信衛星あるいは放送、天気予報、天文観測、あるいは地球地図作成等大変な、国民生活にも密接しておりますし、また今後の平和にも重要でございまして、そういう意味から、先端的科学技術の振興に我々は今後も全力で取り組んでいかなければならないと思っております。 ロケットの事故等の失敗、原因究明、とにかく原因究明、それから再発防止を図りまして、今後の成功に向けてやっていきたいと思っております。委員のまた御指導を心からお願いを申し上げます。
○高橋令則君 終わります。
○委員長(倉田寛之君) 以上で高橋令則君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、松岡滿壽男君の質疑を行います。松岡滿壽男君。
○松岡滿壽男君 先週、参議院と衆議院の役割論につきまして小渕総理と意見を交換させていただいたんですが、少子化問題につきまして長いこと参議院は取り組んできております、国民生活・経済調査会で。 しかし、今回、十二月十三日に、衆議院におきまして少子化社会対策基本法が提出をされました。そういう関係について青木官房長官と若干のやりとりをしたいと思ったんですけれども、どうも私の質問時間がいつも記者会見の時間でございまして、御縁がなくて残念に思うんですけれども。 先週、ちょっと総理に御質問申し上げたときに、いわゆる有識者会議に関する質問でございます。松谷官房副長官が御出席でございますから、この問題につきましてのぜひ御答弁をお願いいたしたいと思うんです。 この七つの有識者会議が国家行政組織法第八条における審議会に属するのか、それとも私的諮問機関に当たるのかという問題が一つであります。それから、有識者会議のメンバーの選出方法と費用の捻出方法につきましても御質問を申し上げたんですけれども、御答弁いただいておりません。この点につきましての御答弁をお願い申し上げたいと思います。
○内閣官房副長官(松谷蒼一郎君) お答え申し上げます。 委員が今御質問されました少子化問題等の諮問機関は総理の諮問機関で、私的諮問機関でありまして、国家行政組織法八条によるものではございません。 これにつきましての費用でありますが、これは他の審議会等々と同様に内閣官房にその予算が計上されております。 以上でございます。
○松岡滿壽男君 その他で、七つほどございますね、いわゆる国民会議という名前がついているものもありますし、それから各省庁でそれぞれ審議会、それから諮問機関を設けております。その数がどのぐらいあるのか、また費用がどのぐらいかかっているのか。 せんだって、国家公安委員会、これは性格は全く違いますけれども、やはり私はこの審議は国会を中心にすべきだというのが持論でありますし、それは多くの意見を聞かれるのは私は必要とは思いますけれども、どのぐらいの数があってどのぐらいの費用がかかっているのかは、やっぱりはっきりおっしゃっていただきたいと思うんです。
○内閣官房副長官(松谷蒼一郎君) お答えを申し上げます。 各界有識者等から意見聴取等をするための経費として、約二億二千万円が予算計上されているところでございます。 もちろん、委員がおっしゃいますように、まず第一義的には国民の代表である国会の審議等を通じて十分に意見を聴取し、また政府としてもその方針について理解を求めていくということが第一でありますが、非常に国事全般について多岐にわたっておりまして、これらについて専門的、各界各層の意見を聴取するためにこうした審議会をつくって運営をしているところでございます。
○松岡滿壽男君 私が問題にしたいのは、国会の中でそれぞれ委員会とか調査会とか、いろんな議論が出ているわけですよ。そういう議論をきちっと受けとめて対応しておれば、今度の、自治大臣御出席でございますけれども、例えば地方行政なんかで私は、すぐやる課をやったらどうかとか、あるいは本部長会議をすぐやれとか言っているんだけれども、全然聞いていないわけでしょう。それでずっと流しておって、問題が起きたら慌ててやるというようなことであれば、今までそれぞれ優秀な方々が国民から選ばれて国会の場へ来てさんざん議論しているわけですよ。 そういう議論をもっとストレートに受けとめて各省庁で対応すれば、審議会をやたらつくって、それは確かにいろんな意見があります、確かに我々から見ても目からうろこが落ちるような話もありますよ、それは。第二国語を英語にしろとか、あるいは義務教育を三日にしろとか。だけれども、そういうものは全部採用できないでしょう。 その中で、いいものだけをつまんでいるというところに私は問題があるし、膨大な費用をかけてやらせている。それで、このほかに各省庁それぞれ審議会を持ち、いろんな形でそれが一つずつやっぱりそういう出席された方々の資格にもプラスにはなっているかと思いますけれども、私はそういうやり方自身に問題があるということを指摘しておるわけですよ。 だから、今の七つの有識者会議で二億二千万円ですか、そのほかに各役所で抱えている問題がたくさんあるわけですから、そういうものをはっきりこの場に出していただきたいということを申し上げておるんです。
○内閣官房副長官(松谷蒼一郎君) ただいま申し上げましたこの二億二千万円の予算は、これは七つの審議会だけでなくて、ほかの各私的諮問機関についての予算であります。ただ、各省庁全部となるとちょっと今把握しておりません。 委員のおっしゃるところはよくわかりますが、非常に専門的な事項について意見を聴取しようというような形でこういった私的諮問機関を構成し、その意見を聞いているところでございます。
○松岡滿壽男君 副長官、ありがとうございました。 大蔵大臣、けさの朝日新聞ですか、台湾の李登輝総統が、選挙のためとはいいながら、立派な指導者を選ばないと大変なことになる例として日本を取り上げている。「「バブル崩壊後の日本経済がいまだに回復しないのは、日本には(立派な)指導者がいないからだ」と決めつけた。」「もう一つの例として、昨年九月の台湾大地震発生後の対応を取り上げ、「二時間以内に軍隊が救援に出動した。私も(発生当日の)午前九時半には被災地に赴いた。日本の阪神大震災では、首相は東京でテレビを見ていた」」と述べておられます。 当時のことを振り返ってみますると、私もたまたまあのときは新進党で、海部さんたちと一緒に「明日の内閣」で神戸に上陸しまして、当時のやっぱり政府側の対応のおくれ、大変な話題に実はなったわけですよ。 やはり医療でも早期発見が大事だし、消防でも初期消火というものが大切でありますし、また警察でも、今回露呈しておりますように、初動捜査、一番最初がやっぱり大事なんですね。 そういう意味では、十年にわたる不況というものを振り返ってみると、確かによそから見たらそういう部分があるのかなという思いがいたしますが、日本がこういう反面教師にされてしまったということについての御感想はいかがでございましょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 李登輝さんについての報道は私も読みまして、別に悪気で言われたのでない、委員言われることもあるなと思って実は読みましたが、やはり国の経済の大きさが断然違いますし、それからデモクラシーの進展度というのでございましょうか、それはある程度最高能率的なシステムではございませんでしょうから、そういうこともあるなと、いろいろ反省しなければならないことは我々にもありますけれどもと、そんな思いであれを拝読いたしました。
○松岡滿壽男君 大変失礼なことをお伺いしましたけれども、大長老に大変あれなんですが、私は去年の十二月十三日ですか、この予算委員会で例の涌井論文の問題を御質疑いたしました。そうしたら、まだ見ていないというお話でした。たまたま、二月の何日でしたか、衆議院の予算委員会で、あれは民主党の池田さんでしたか、同じような質問をされましたら、いや私もまだ見ておりませんという、二カ月も実はたっておるわけです。その間いわゆる有識者の方々とか涌井論文についていろいろ言っているわけですね。 この前、大蔵省から財政の中期計画ですか、拝見しましたら、やっぱり涌井さんが言っているように、これから三・五%仮に経済が伸びても、やはり三十数兆円の国債を発行していかなきゃいかぬ、歳出を抑えてもという説明でございました。これは非常に厳しい状況ですね。しかし、小渕さんは相変わらず二兎を追う者は一兎をも得ずということを言っておられる。これは大変な事態だと思うんですけれども、私はやっぱり涌井さんの本を読んでみるともっともだと思うんです、いろんな面で。 改めて、大蔵大臣のこの問題についてのお考えをお伺いしておきたいというふうに思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 前にも一度申し上げたかもしれませんが、確かに財政は大変な危機的な状況にございます。できるだけ早く具体的にこの再建を図らなければなりませんが、実はいろいろ先のことを考えておりますと、財政の再建が財政だけではもはや、もはやと申しますか、我が国の二十一世紀の初頭における日本の経済社会のあり方というものに密接に関係しておると思います。 財政といいましても、税制はもちろんですが、そうなりますと、中央と地方の関連、行財政の再配分あるいは経済社会、我が国の産業界もそうですし、金融界はその途上にございますが、言ってみると、新しい日本に私はなるのだろうと、そのぐらいに考えておりまして、その中における財政の役割は何かということになってまいると思います。 したがいまして、今の財政は、ちょっとあちこちいじりましてもそれは本当の答えは出てきませんで、やはり日本経済社会全体の中における財政、多分そのためには五年なりなんなりの日本経済社会のあり方を、きっとコンピューターの時代でございますからできるだけモデルをつくって、それでも正確にはできないと思いますけれども、整合性のある計算をしてみなければならぬのではないかと思っております。 しかし、それにしても財政が安易な姿になれるわけはありませんで、やはりこれだけの重い病気に随分借金をいたしましたので、それをどうやって国民の皆さんに負担をしていただけるかといったようなことは、今の税制、今の制度そのものからはなかなか答えが出てこなくて、かなり国民的な御理解を得て思い切ったことをしなければならないだろうと思っております。 ただ、松岡先生が時々おっしゃいますように、我が国は別に外国から金を借りておるわけではございません。むしろ反対でございます。それから、国民に、国内にはかなり大きな貯蓄もございます。そのゆえと申しますか、国債そのものは十分に金融資産として尊重されておるのが現状でございますから、国債がふえるということは非常に好ましくない事態でございますけれども、それ自身が何か国債が値打ちがなくなるといったようなことにつながるものではない。 ただ、今そんなことを申しますと何か楽観をしているように聞こえますので余り申しませんけれども、私自身は長期的には決して心配はいたしませんが、ただ、そのためには国民の皆様にいろいろ負担をしていただかなければならない、経済が回復いたしますとどうしてもそういう事態にならざるを得ないであろう。殊に、社会保障の経費などはどうしてもふえてまいりますので、金利も上がってまいりますから、そういうことは十分考えております。
○松岡滿壽男君 大蔵大臣おっしゃるとおりで、今から日本のあるべき姿とかそういうものを求めている段階で、政界再編もまださなかだというふうに思うんです。 だから、やっぱり座標軸が憲法の問題とやはり小さな政府か大きな政府かと、そういう議論になっていかざるを得ない、財政再建。 そうなると、やっぱり自自公の中でもいろんな考え方の方がおられる。そういう苦しさから、とりあえず景気回復だということを言っておられるんだろうということはわからぬでもないわけでございますけれども、やはり先が見えないとどうしても安心して消費に走れない。年金の見通しもないし、老後がどうなるんだという不安を解消していくというのが我々政治家の最大の仕事だというふうに思っていますので、今後ともひとつそういう角度でお取り組みをいただきたいというふうに要望いたします。 それから、自治大臣と総務庁長官、申しわけございません。また後ほどに時間を譲らせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(倉田寛之君) 以上で松岡滿壽男君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(倉田寛之君) 次に、佐藤道夫君の質疑を行います。佐藤道夫君。
○佐藤道夫君 私は、保利国家公安委員長にお尋ねしたいと思います。大蔵大臣が前におりますけれども、一対一という関係で質問を受けとめていただければと思います。 去る二月二十六日、国家公安委員会と警察庁は、一連の新潟県警の不祥事につきまして、その元凶と言ってもいいんでしょうか、中田局長と小林県警本部長に対する行政処分を行い、発表いたしました。中田氏については処分せず、小林氏については御案内のとおり百分の二十の一カ月減給と、こういうことでありまして、国民は、何だこれは、人をばかにするなと、我々がこんなに憤慨しておるのにこの程度で済むのかというのが国民の大方の受けとめ方でありまして、肝心かなめの小渕総理大臣も、まことにもって論外であるということを言って、けしからぬということを言っておりましたし、公安委員の人たちも皆同じようなことを言っておりました。 大体の国民の受けとめ方がそうであったかと思いますが、私がそこで一番不思議に思うのは、この処分を決める際に国家公安委員会が一回も会合を開いていない。一体、これは何だろうかと。新聞を見ても開いたなんて書いていない。警察庁にちょっと聞いてみましたら、いや、書面審査でありました、持ち回りでこうなりましたと。 私、これまじめに事務を処理しているんだろうかと。警察が今や国民の信頼を失って、危急存亡のときと言ってもいい。子供も半ば冗談に、うそつきは泥棒の始まりではなくて、うそつきは警察の始まりだなんということも言っておって、警察の信頼が全く失われつつある。こういうときにこそ緊急の委員会を開いて、どういうふうにいたしましょうかということをやるのが当然じゃないでしょうか。 処分権者は言うまでもなく国家公安委員会ですから、特に県警本部長についてはそうです。そこで、民主警察を代表すると言われている国家公安委員の方々に一人一人来ていただきまして会議を開いて、そこで一体どうすればよろしいかと彼らの一人一人の意見を聞いて、彼らの間でも真剣に議論していただきまして、時間が幾らかかってもいいと思いますよ、夜中になってもいいと思う、これ土曜日ですから。そして、あなたがそれを聞いて、じゃ、この辺でどうでしょうかというのがあなたの責任じゃないんでしょうか。 あなた自身、事務当局が持ち回りでいきますよと言ってきたときに、何を考えているんだと、これだけの大事な問題、すぐ会議を開けと。彼らは、委員というのは皆常勤扱いですから。それで二千六百万か何かをもらっておる。こういう非常の場合に集まってくるのが彼らの仕事だと言ってもいいわけでして、すぐあなたは招集をかけて委員会を開いてその場で議論を闘わせて、徹夜同然になってもいいと思うんですよ。なぜそれをやらなかったんですか。大変な私は任務懈怠だと思いますよ。
○国務大臣(保利耕輔君) 御答弁を申し上げます前に、一つ先生からも御指摘をいただいているんですが、三月二日に私が照屋先生に御答弁を申し上げました中で、速記録によりますと、非常に読みにくいのでありますけれども、何か二十五日に国家公安委員会の中で論議があったというような言い方をしておりますが、実はこれは、今、先生からも御指摘のとおり、持ち回りでやりましたものですから、論議はされておりません。しかし、警察庁がずっと説明をしてまいりました過程におきましては、警察庁と委員の間でそれぞれやりとりがあっているものと承知をいたします。 そして、先生の御質問に対してでございますけれども、御承知のように、小林元本部長に対するものは、これは国家公安委員会が責任を持っておりますから、これはもう二十六日付で処分をいたしましたけれども、これについては、持ち回りではありましたけれども、五人の委員が全く異論なしということで意思表示をされましたものですから、それを取りまとめさせていただきました。中田元局長に対しましては、これは御承知のように、警察庁長官の人事権のもとに属しておりますので、警察庁長官の考え方を徴しまして、そして各委員がその考え方でよろしいということで御了承をされましたので、そのような発表に結びついたものと承知をしております。 しかし、私はこの中田元局長に対する処分は二月二十九日付というふうに承知をしておりましたものですから、予算委員会で非常に忙しかったんでありますけれども、午後五時から緊急の国家公安委員会を招集いたしまして、そこでいろいろまた御論議をちょうだいいたしました。 警察庁と、それから各委員の皆様方でいろいろ御論議がありましたが、国家公安委員会の先生方は、二十八日のその会議では、最終的にいろいろ論議がございましたけれども、警察庁長官の処置を了とするという御結論を出されて、私が代表をして発表させていただいたということであります。失礼しました。決定をさせていただいたということであります。
○佐藤道夫君 なぜ小林県警本部長に対する処分を決める際にも全員が集まって、人の意見を聞いてなるほどなと思うこともあるわけです、みんなが集まって議論をする、これが民主主義ですからね。それを事務職員が持ち歩いて説明をする。うん、そうかそうか、あの人はどうだ、あの人は賛成してくれました。じゃ、私も判をつくわと。こんなものはもう委員会とは言わないんですよ。大体形式的なことをやるために持ち回りの書類があるわけですからね。こういう重大問題について、あなた集まって議論しようと思わなかったんですか。
○国務大臣(保利耕輔君) その点は、小林元本部長が新潟県に在籍をして、いろいろな場で仕事をし続けなければならないという状態は一日も早く解消すべきであるという判断をいたしましたので、そのような取り計らいをいたしました。
○佐藤道夫君 百分の二十なんというのは処分にも当たらないような減給だと思うんですよね。なぜ懲戒免も含めて真剣に議論をして、議論を闘わせた末に、仕方がない、このぐらいかというならそれはわからぬでもないんですけれどもね。言うならば、持ってきた書類に判をつく、土曜日の夜ですから晩酌でもやっていたんでしょう。そういうことで本当に、反省している、検討している、民主警察のあり方だということが言えるんでしょうかね。本当に嘆かわしいと思うんです。その責任は私はあなたにあると思うんですよ、やっぱり。 そして、最後にちょっと一言だけ。二十八日に委員会を開きましたら、そうしたらこれはもう決まったことだと、一事不再理だから処分は変更できないなんということを言っているでしょう。何の議論もなしに決めた結論について、これは決めたことだから以下集まって議論してももうだめですよということを委員の先生方が皆言っているでしょう。大変おかしいと思いますよ、私。
○国務大臣(保利耕輔君) 御指摘の点につきましては、二十八日に緊急の委員会を招集したのは私でございますけれども、この処分がバランスがとれていないという御指摘かと存じますが、公安委員の先生方は全員が高い見識をお持ちでございますが、そのような処分でよろしいという御判断をいただいたと、こういうふうに理解をいたしております。
○佐藤道夫君 以上でございます。 わずか四分でございますので、これが限度でありました。
○委員長(倉田寛之君) 以上で佐藤道夫君の質疑は終了いたしました。(拍手) 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十一分散会