法務委員会 第14号
- 発言数
- 125 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2000/05/16
会議録
○委員長(風間昶君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十二日、千葉景子君、櫻井充君及び塩崎恭久君が委員を辞任され、その補欠として角田義一君、江田五月君及び国井正幸君が選任されました。 また、昨十五日、魚住裕一郎君及び橋本敦君が委員を辞任され、その補欠として山本保君及び阿部幸代君が選任されました。 ─────────────
○委員長(風間昶君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(風間昶君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に国井正幸君及び山本保君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(風間昶君) 商法等の一部を改正する法律案及び商法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案を一括して議題といたします。 まず、両案について政府から趣旨説明を聴取いたします。臼井法務大臣。
○国務大臣(臼井日出男君) 最初に、商法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。 この法律は、会社をめぐる最近の社会経済情勢にかんがみ、会社分割の制度を創設するため、商法、有限会社法及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律を改正しようとするものでありまして、その要点は次のとおりであります。 まず、商法につきましては、第一に、会社分割の形態として、分割によって設立する株式会社に分割する株式会社の営業を承継させる新設分割の制度及び既に存在する他の株式会社に分割をする株式会社の営業を承継させる吸収分割の制度を創設することとしております。 第二に、分割によって設立する株式会社または分割によって営業を承継する株式会社が分割に際して発行する株式を、分割する株式会社またはその会社の株主のいずれにも割り当てることができることとしております。 第三に、株式会社が分割を行うには、分割計画書等を作成して株主総会の特別決議による承認を受け、また事前に分割する株式会社の貸借対照表、分割計画書等を本店に備え置いて株主及び債権者の閲覧等に供すべきこととするとともに、分割に反対した株主に株式買い取り請求権を認め、さらに、債権者に対しては債権者保護手続を経ることとして、株主及び債権者の保護を図ることとしております。 第四に、分割によって設立する株式会社等が分割をする株式会社から承継する財産の価額がその会社の総資産の価額の二十分の一を超えないとき等には、その会社は分割計画書等につき株主総会の承認を要しないこととし、分割手続の簡素化を図っております。 第五に、分割によって設立した株式会社等は、分割計画書等の記載に従い、分割した株式会社の権利義務を包括的に承継することとしております。 第六に、分割の手続等に瑕疵があった場合等には、株主、分割を承認しなかった債権者等は分割無効の訴えを提起することができることとしております。 次に、有限会社法につきましては、分割によって設立する会社を有限会社とする新設分割を有限会社または株式会社が行うこと及び吸収分割を有限会社と他の有限会社または株式会社との間で行うことができることとし、分割計画書等の社員総会の特別決議による承認、分割計画書等の開示、債権者保護手続等について、株式会社の場合と同様の規定を設けることとしております。 最後に、株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律につきましては、会社分割の制度の創設に伴い所要の改正をすることとしております。 続いて、商法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。 この法律案は、商法等の一部を改正する法律の施行に伴い、民法ほか百四十九の関係法律について規定の整備を行おうとするものであります。 以上がこれら法律案の趣旨でございます。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
○委員長(風間昶君) 次に、商法等の一部を改正する法律案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員北村哲男君から説明を聴取いたします。北村哲男君。
○衆議院議員(北村哲男君) 商法等の一部を改正する法律案に対する衆議院における修正部分について、その趣旨を御説明いたします。 第一は、分割計画書及び分割契約書の記載事項である設立会社または承継会社が分割会社から承継する権利義務に関する事項として、雇用契約等を例示することとするものであります。これは、雇用契約上の地位が分割計画書等に記載すべき分割によって承継する権利義務に含まれることを明らかにするものであります。 第二は、本法律案の附則中に、分割会社は、分割に伴う労働契約の承継に関して、分割計画書または分割契約書を本店に備え置くべき日までに労働者と協議をすることとする旨の規定を設けるものであります。これは、会社の分割により分割会社の労働者に係る労働契約を設立会社または承継会社に承継させるかどうか等について、事前に労働者と協議をすることを会社に義務づけることにより、労働者の保護を図ろうとするものであります。 以上が政府提出の法律案に対する衆議院における修正部分の趣旨であります。 委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(風間昶君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明は終わりました。 両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ─────────────
○委員長(風間昶君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 商法等の一部を改正する法律案及び商法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案の審査のため、来る五月十八日、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(風間昶君) 御異議ないと認めます。 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(風間昶君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(風間昶君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 児童虐待の防止等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に警察庁生活安全局長黒澤正和君、法務省保護局長馬場義宣君、法務省刑事局刑事課長池上政幸君、文部省生涯学習局長富岡賢治君、文部省教育助成局長矢野重典君及び厚生省児童家庭局長真野章君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(風間昶君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(風間昶君) 児童虐待の防止等に関する法律案を議題といたします。 まず、提出者衆議院青少年問題に関する特別委員長富田茂之君から趣旨説明を聴取いたします。富田特別委員長。
○衆議院議員(富田茂之君) ただいま議題となりました児童虐待の防止等に関する法律案につきまして、提案の趣旨及び主な内容を御説明申し上げます。 近年、我が国においては、親など保護者による児童虐待によりとうとい命が奪われ、また心身に傷を受ける事件が多発し、深刻な社会問題となっております。 児童虐待は家庭内におけるしつけとは明確に異なり、親権や親の懲戒権によって正当化されるものではありません。そして、児童虐待は、児童の心身の成長及び人格の形成に重大な影響を与えるとともに、次の世代に引き継がれるおそれもあり、早期に発見し対応することが喫緊の課題となっているところであります。 児童虐待を未然に防止するためには、現代の我が国における家族のあり方、近隣社会の連帯、教育のあり方、子育て不安等々の根本的な問題の解決が求められるとともに、我が国が批准した児童の権利に関する条約の内容も尊重し、適切な措置が講ぜられる必要がありますが、本問題の早期解決の緊急性にかんがみ、児童虐待の防止等に関する施策を促進するため、児童に対する虐待の禁止、児童虐待の防止に関する国及び地方公共団体の責務、児童虐待を受けた児童の保護のための措置等を定める本案を提出した次第であります。 次に、本案の主な内容につきまして御説明申し上げます。 第一は、この法律において児童虐待の定義をするとともに、何人も児童に対し虐待をしてはならないものとしております。 第二は、国及び地方公共団体は、児童虐待の早期発見及び児童虐待を受けた児童の迅速かつ適切な保護を行うため、関係機関及び民間団体の連携の強化等必要な体制の整備に努めるものとしております。 第三は、学校の教職員、児童福祉施設の職員、医師、保健婦、弁護士その他児童の福祉に職務上関係のある者は、児童虐待を発見しやすい立場にあることを自覚し、児童虐待の早期発見に努めなければならないものとしております。 第四は、児童相談所が児童虐待を受けた児童について児童福祉法による通告または送致を受けたときは、児童相談所長は、速やかに当該児童の安全の確認を行うよう努め、必要に応じ同法による一時保護を行うものとするとともに、都道府県知事は、児童虐待が行われているおそれがあると認めるときは、児童委員等をして児童の住所または居所に立ち入り必要な調査または質問をさせることができるものとしております。なお、これらの職務の執行に際し必要があると認めるときは、警察官の援助を求めることができるものとしております。 第五は、児童虐待を行った保護者について児童福祉法による児童福祉司等の指導の措置がとられた場合において、当該指導を受けることが義務である旨定めることとしております。 第六は、児童虐待を受けた児童についてその保護者の意に反して児童福祉法による施設への入所等の措置がとられた場合においては、児童相談所長または児童を入所させた施設の長は、当該保護者と当該児童との面会または通信を制限することができるものとしております。 第七は、児童の親権を行うものは、児童のしつけに際してその適切な行使に配慮しなければならないものとしております。 第八は、この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。 第九は、児童虐待の防止等のための制度については、この法律の施行後三年をめどとして、この法律の施行状況等を勘案し、検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとしております。 以上がこの法律案の提案の趣旨及び主な内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(風間昶君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○竹村泰子君 おはようございます。民主党の竹村泰子でございます。ちょっと風邪を引きまして、お聞き苦しいかと思いますが、お許しをいただきたいと思います。 きょうも発議者の皆さんずらりとお並びいただいておりますけれども、衆議院におきまして青少年特別委員会で、あるいはさまざまな違った政党の中でもそれぞれに検討が進められまして、何とか子供たちが虐待を受けることをストップさせたい、そして九八年度の厚生省の調査によりますと四十一人の子供たちが虐待によって殺されているというような事実を私ども日本の国民として本当に憂うべきことだと思いますし、食いとめたい、こういう熱情でもっていろいろとさまざまなところで御努力をいただきましたことに心から敬意を表したいと思います。 それで、私どもももちろん提案者の中にも入っているわけでございますけれども、少しくこれでいいのかなとか、あるいはここまで言わなければいけないのではないかなとか思えるところがございますので、限られた時間でありますけれども、幾つかお聞きしてみたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 初めに、ちょっと気にかかる部分なんですけれども、法案の第二条の第三号目に「児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置その他の保護者としての監護を著しく怠ること。」という文言がございます。 大変今問題ともなっており、非常に数も多くなっておりますいわゆる学校に行きたくても行けない子供たち、家庭の中で学習をしている子供たち、そういった状況にある子供たちが「その他の保護者としての監護を著しく怠ること。」という範疇に入るのかどうか。非常にこういったことで心血を注いでおられる多くの親御さんあるいは周辺の方たちが心配をしておられる部分でございますので、ぜひ明確にお答えをいただきたいと思います。
○衆議院議員(池坊保子君) 今の御質問にお答え申し上げます。 私のもとにもたくさんのそのようなファクス等、御意見を伺いました。 ただ、この第二条第三号においては、子供が登校を希望しているにもかかわらず登校させない場合にはこれに該当するわけでございまして、今、委員がおっしゃいましたように、親は登校させたい、きちんと監護しているにもかかわらず子供は行きたくないという場合には、保護者としての監護をきちんと行っているわけでございますから、これには該当いたしません。
○竹村泰子君 それでは、「その他の保護者としての監護を著しく怠ること。」ということの中には登校を拒否している子供たちあるいは行きたくても行けない子供たちは入らないというふうに発議者は考えておられると見てよろしいですか。
○衆議院議員(池坊保子君) そのように考えております。
○竹村泰子君 それでは次は、本法案の第十一条第二項におきまして、児童虐待を行った保護者が指導を受ける義務に反したとき知事は指導を受けるように勧告を行うことができるものと定めておりますけれども、従来の取り扱いとはどこが異なるのでしょうか。今もそうなっているのではないかと思いますが、具体的な方法がありましたらお願いいたします。
○衆議院議員(石井郁子君) お答えいたします。 従来は、保護者が指導を受けなかった場合には説得を試みる、そういう方法しかとれなかったと聞いております。また、義務でないと親はなかなか治療に参加しないということを現場から聞いているところでございます。 本法案の十一条第一項におきまして、保護者が指導を受ける義務を明記したことになります。強力に指導を行う根拠ができるとともに、さらに勧告という手段も明文で定めたことによりまして、親子関係の修復を目指した保護者の指導を強力に行うことが可能になったと考えているところです。 なお、この勧告の具体的な方法でございますけれども、都道府県知事名で指導を受けることを勧告する文書を直接職員が届けるという方法、こういう形で確実に保護者の手元に届くようなことになるのではないかと考えているところでございます。
○竹村泰子君 ありがとうございます。 次に、本法案の第十三条におきまして、児童の入所措置と保護者への指導の措置があわせてとられた場合、児童の入所措置を解除するに当たって指導を行うとされた児童福祉司等の意見を聞くこととされておりますけれども、これは従来も行われていたことではないのでしょうか。いかがでしょうか。
○衆議院議員(石井郁子君) 続きまして私の方からお答え申し上げます。 従来ですけれども、親の同意に基づいて入所等の措置がとられていた場合には、親が同意を撤回しますと、指導の効果が上がっていない場合でも引き続き入所措置を続けるということが困難な場合もあったわけでございます。 本条におきまして、保護者が指導を受けたかどうか、さらにその指導の効果が上がっているかどうかを確認した上でなければ解除できないということを明文で定めたことになります。親子関係が良好なものとならないうちは入所措置は解除されないという考えを明確に示したことになるわけでございます。これによりまして適正な保護の実現に資するということができますし、また第十一条の保護者が指導を受ける義務に従うということを促すということにもなると考えているのでございます。
○竹村泰子君 次に、ちょっとあちこち行って申しわけないんですけれども、第九条の立入調査に当たって立ち入りを拒否された場合に、裁判所の令状に基づいて解錠の必要がある、虐待が行われているという確たるいろいろな聞き込み情報があってそこに立入調査をしなければならないとき、このときに裁判所の令状に基づき解錠の必要があると考えるわけですけれども、なぜそのような規定が設けられなかったのでしょうか。
○衆議院議員(太田誠一君) 立入調査につきましては、その場合に強権的に部屋に入るということになりますと、かぎを壊すとか、かぎを壊した人とその親子の関係というのはやや強硬なことをした人とされた人という関係になるので、実はその後、その親子と児童相談所の職員というのはやっぱり信頼関係がないとその後のいろいろなことがうまくいかなくなるという点がありまして、相談所の職員に例えば裁判所から許可を出して錠を壊させる権限を与えるということは望ましくないのではないかというような考え方であります。そこで、児童相談所の職員にはそのような強硬な権限は与えないことにいたしました。 ただし、この場合に児童福祉法の六十二条の一項というところに罰則の規定がありますので、保護者が立ち入りを拒んだ場合には罰金二十万円までを科すことができる、こういう間接的な強制によって公権力の行使という手段にするということでございます。 それとあわせて、今の九条と十条とをあわせて、十条が警察官の援助を求めるということをはっきり書いたために警察官と児童相談所の職員が二人一組で、警察官の即時の対応、いわゆる現行犯的な推定でもって中に入ることができるという警察官が本来持っている権限とあわせて、錠を壊すのが警察官で、中に立ち入って調査するのが児童相談所の職員、こういうことで問題を解決しようとしたわけでございます。
○竹村泰子君 次に警察官の援助ということについてお聞きしようと思っていたんですけれども、今半分ぐらいお答えいただいてしまったかなと思います。 一般には、皆様の案が報道されますと、警察官にそんなに権限を与えて大丈夫なのかというような御意見も反対に来ているんです。ただ、状況的に、現場では一番困難としているのは、虐待を明らかにしていると思われる親権者といいますか保護者といいますか、そこに立ち入る、そして分離するということがいかに難しいかということで現場では非常に悩んでおられるというふうにお聞きしております。 警察官の援助という規定が大変気にはなるんですけれども、しかし現場の力関係といいますか、子供を守るためにはいたし方ないのかなというふうに思います。 立入調査は従来よりも容易になったとお考えになりますか。
○衆議院議員(太田誠一君) 従来から、警察官に協力を求めることも別にしてはいけないということではありませんし、警察が協力をすることもいけないというわけではなかったわけでございますので、従来からも協力はしてきたと思うんですが、ちょっとしたためらいとかそういうことのために事態が一層深刻になるということを避けるためには即時の行動ということが必要でありますので、こういうふうに明示しておきますと、児童相談所の側も児童福祉関係の側も警察官も双方スムーズに連携協力ができるということになると思います。現に、そういう政府関係者の両方の当事者もそのような理解をいたしておるようでございます。 法律は、はっきり書くことによってちゅうちょせずにぱっと行動できるというところがよいところだと思うのであります。
○竹村泰子君 本法案の第十二条の規定によって子供との面会、通信を制限された保護者、その保護者が措置に不服な場合、どのような救済方法があるんでしょうか。
○衆議院議員(池坊保子君) 児童相談所が判断した場合には、児童相談所は行政機関でございますので、不服でございましたら行政不服審査法の適用があると考えられます。また、それ以外の施設の長の場合については、児童相談所が中心となって適切な解決を図ると思います。 親が一時的な感情で子供に会いたいとか通信をいたしますことが児童並びに虐待から立ち上がろうとしております保護者にとっても決していい現象をもたらさない場合が多くございますので、その辺は児童相談所が適切に考えて対処すると存じます。
○竹村泰子君 児童福祉法第二十八条に基づく入所措置について、家裁に対する措置の解除請求の制度を設ける、このことについては発議者はどうお考えになられますか。
○衆議院議員(池坊保子君) 児童福祉法第二十八条に基づく入所措置は、家庭裁判所が客観的な判断に基づいて親子分離の措置が必要と判断した場合ですので、そのように判断された場合には、その判断に従い、専門的な判断に基づく措置解除が適当と認められるときまでは様子を見ることが児童の適切な監護の観点からも適正なのではないかと存じます。 特に、早期に親の請求で再統合を図りました場合、再び虐待が行われるという事実が多く残っておりますので、やはりきちんとした専門的な判断というのを必要といたすと思います。
○竹村泰子君 本法案第二条の「保護者」の中には施設長も含まれると思われますけれども、本法案において施設内虐待への対応についてはどのようにお考えになったんでしょうか。
○衆議院議員(田中甲君) 御質問の点でございますが、児童が入所している施設長は、児童を現に監護している者に該当し、したがって、委員御指摘のとおり、本法案の児童虐待の防止等の措置の対象になると考えております。 青少年問題に関する特別委員会で審議を行っている児童虐待防止法案を成立するためのその期間内に、船橋市にございます恩寵園の施設内虐待の問題がまた浮上してまいりまして、被虐待児の方々、子供たちからの声も聞いたり、あるいは委員会で施設に視察に入るという話も浮上したんですが、新園長就任の直前というような状況もありまして、いましばらく見守ることの方が望ましいのではないかということで、急遽東京都内の児童養護施設に視察先を変えたということも経緯の中にございました。 いろいろな施設によって温度差というのはあるんですけれども、現在、厚生省でも省令において最低基準の改正によって懲戒権の乱用の禁止を行うとともに、苦情解決体制の整備を行うと私ども聞いておりまして、しばらくその対応ということを見守ってまいりたいと思っています。 ただ、いろいろ審議が行われた青少年問題に関する特別委員会の内容を少し御紹介させていただきますと、民法第八百二十二条の懲戒権の問題や、あるいは児童福祉法において第四十七条の二項の「懲戒」の文言をこれからどのように扱っていくかということ、あるいは児童養護施設の施設内虐待の抜本的な解決としては第三者による外部監査制度の導入ということも早期に検討されていくべきであるという意見なども出まして、今後の課題として残されているところであります。
○竹村泰子君 法律が今まさに成立しようとしているところでありまして、すべてはこれからかもしれませんけれども、ここのところはたくさんの被害がもう既に我々見聞しておりますので、十分に今後の監視及び国会での調査等も必要であるかと考えますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。 厚生省政務次官にお見えいただきましてありがとうございます。 厚生省に二つ質問させていただきたいと思いますが、児童福祉法十一条、福祉司の資格、十六条の二、所長の資格などとございますけれども、いずれも「前各号に準ずる者」ではなくなって、かわりに「同等以上の能力を有すると認められる者であつて、厚生省令で定めるもの」となったんですけれども、厚生省令はどのような内容を、予想していますかと言った方がよろしいんでしょうか、考えておられますか。
○政務次官(大野由利子君) 今御指摘のように、児童福祉司、また児童相談所長の資格といたしまして、現行法上では医師の資格を持っている人とか、一定の教育課程を修めた者のほかに、これらに準ずる者、このように定められておりまして、近年は客観的に同等の専門性を有する人と、このように厳しく指導してきたところではございますが、今回の改正部分におきまして、今回の改正では法の公布の日から二年以内に政令で定める日から施行する、このようになっておりますので、施行に間に合うように関係省庁または地方自治体、児童相談所とも十分に調整をして検討してまいりたい、このように思っております。 いずれにいたしましても、児童福祉について十分な知識、経験を有する職員を確保する、こういう観点に立って検討してまいりたい、このように思っております。
○竹村泰子君 もう一つ、児童相談所の充実強化のための福祉司の増員ということが出てきているわけですが、この春も若干増員をされたわけですが、今後についてはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
○政務次官(大野由利子君) 児童相談所の体制強化方策といたしまして、十二年度から、御指摘のように地方交付税交付金で標準団体当たりの児童福祉司を十六人から十七人にと一名増員をいたしますとともに、児童相談所OB等を児童虐待対応協力員として採用できるということで、各児童相談所に一名、非常勤ではございますが、一名を配置して児童虐待の通報とか調査機関連携等へ迅速に対応できるように、このようにしたところでございます。 今回御審議をいただいております法案で指摘されておりますように、児童虐待への対応の中心となります児童福祉司の確保、資質の向上というものが大変重要な要素である、このように思っておりますので、今後とも地方自治体とも十分連携をとりながら児童福祉司の配置状況について努力をしてまいりたい、このように思っております。
○竹村泰子君 この法案は法務委員会で審議しているわけですけれども、厚生省それから文部省、そして法務省の人権等々、非常に広範囲にわたっておりますので、ぜひ厚生省の思い切った御決断をお願い申し上げておきたいと思います。 もしお急ぎでしたら結構でございます。 それでは、次の質問に移りたいと思います。 第九条の規定による立入調査をしました場合、必要があると認めるときは実力をもって親子を分離し、一時保護を執行することができるかどうか。つまり、さっきもちょっと触れましたけれども、現場サイドで最も直面している困難は、反社会的、暴力的もしくは精神的混乱などで法遵守の意識のない虐待者からの子供の分離であると思います。そうした場合、子供の心身の安全をまず確保するためには、やむを得ず実力行使を伴った分離が必要となると思います。 そこで、問いにございます一時保護を執行することがこの法案によってできるかどうか、お伺いしたいと思います。
○衆議院議員(富田茂之君) 本法案は第九条で「都道府県知事は、児童虐待が行われているおそれがあると認めるときは、」「立ち入り、必要な調査又は質問をさせることができる。」という規定を新たに置きました。児童福祉法の二十九条にも立入調査の規定がもう既にございます。今回は、児童虐待が行われているおそれがあると認めるときに立ち入ることができるという新たな規定を設けただけでありまして、その結果、今、委員がおっしゃるように親子を分離する必要があると認めた場合というのは、児童福祉法の本則に戻りまして、委員おっしゃるように強制的に保護者の意思に反しても一時保護を行うことができるというふうに考えております。
○竹村泰子君 児童福祉法第三十三条第一項によります一時保護を行った場合には、面接、通信は制限できないのでしょうか。つまり、現場ではこれまで、児童福祉法による家庭裁判所に請求するケースあるいは刑事告発を考慮しているケースについては、これまでも虐待の防止、児童保護の観点から一時保護中の面会を制限してきております。もし新法第十二条の規定から一時保護中の面会制限についてできないなどという解釈が出てしまうと、現場は大混乱になるというふうに思うわけですけれども、ここのところはいかがでしょうか。
○衆議院議員(富田茂之君) 本法案の第十二条は、家庭裁判所の承認を得て入所等の措置が行われたときの面会または通信の制限について定めたものでありますので、一時保護の場合にも直ちに面会または通信を制限することができるということにはならないというふうに考えております。 ただ、委員がおっしゃるように、一時保護の場合にこういった面会や通信の制限が必要だということは衆議院の青少年問題に関する特別委員会の中でも大分議論になりまして、ここの措置が必要だということは論点とはなったんですが、今回は、家裁の承認がある場合、その承認をもとにして面会や通信を制限しよう、論点としては、民法の身上監護権の一時停止等できちんとした上でこの一時保護の場合にも制限した方がいいんじゃないかというような論点は出てきたんですけれども、今回の児童虐待防止法案の中では、家庭裁判所の承認があった場合、そこに限定して考えております。 ただ、児童の適切な保護の観点から、保護者との面会、通信を制限することが適当と考えられるような場合にはそのような指導が行われる、そういった形で現実に即した対応がなされるものというふうに考えております。
○竹村泰子君 私の持ち時間がそろそろなくなってまいりましたので、三年後の見直しがついておりますけれども、その見直しにつきまして検討事項が設けられておりますが、私のこれから申し上げる点についてもぜひ御検討をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。 例えば、第十二条の面接、通信の制限に違反行為に対する罰則規定を加えること。第十二条に、児童福祉法第二十七条第一項第三号の措置と一時保護の場合においても面接、通信の制限を、今言ったものですね、加えること。それから三番目に、児童福祉法第三十三条第一項の規定による一時保護及び同法二十七条第一項第三号の規定による措置中における法的手続を踏まない保護者の強制引き取りに対して罰則規定を創設することなどが必要ではないかと思います。 私が言わなくても、もう発議者の皆さんはよくよく長い間の御検討でおわかりと思いますけれども、つまり法を守るという精神を持っていない虐待者もいるわけでありまして、特に性的虐待などの場合には自分の欲望を実力を行使してどんなことをしても実現しようとする、そういう性癖がある人たちもおります。こうした虐待者に対しては、新法第二条第一項第一号、同第二号で規定したものについて刑事告発をする道があるのでしょうけれども、第二条第一項第三号、同四号の規定にはそぐわないのかなというふうに思いますので、三年後の見直しにつきましては、私どもも御一緒に協力をしてですけれども、ぜひ御検討の中に入れていただきたいと思います。 もし御答弁があればお伺いして、最後に大臣、今こういった審議が行われて児童虐待の法律が成立しようとしているところでございますけれども、人権を守る立場にあられる、その頂点にあられる大臣の御決意のほどを伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○衆議院議員(富田茂之君) 今、竹村委員の方から御指摘ありました三点につきましては、衆議院の青少年問題に関する特別委員会の審議、また発議者の間で最後の成案を得るために協議した中でもうすべて出てまいりました。ただ、今回はここまでは踏み込めなかったという状況を御理解いただきたいと思います。 ただ、検討条項にも規定しておりますとおり、この法律の施行状況等を勘案して、御指摘いただいた項目の適否を含めて、三年後の見直しに向けて今後引き続き検討したいと考えておりますので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
○国務大臣(臼井日出男君) 児童虐待は児童の心身の成長及び人格の形成に大きな悪影響を与えるものでございまして、重大な問題であると認識をいたしております。関係機関の緊密な連携のもとにその防止を図る必要があると思います。 こうした観点から、私ども法務省関係機関におきましても、他の関係機関と連携をして適切な対応に遺憾なきを期してまいる所存でございます。
○山本保君 公明党・改革クラブの山本保でございます。 私は、実は厚生省におりますときにこの部門の担当の専門官でございまして、そのこともあり、全国の研究者の方とか、また施設、現場の方からいろいろEメールなどをいただきまして、今回の衆議院における審議について注目をしておりました。また、党内でもこの委員の方にも個人的にお話も申し上げました。きょう、こういう形で成案が参議院にも出されたということ、そして成立するであろうということを大変喜んでおります。本当に御苦労さまでございました。 そこで、時間も限られておりますので、私は余り細かいことについてはお聞きせずに、まず発議者の方にこの法案のねらいと、またこれまでなかった特徴というようなものについて簡単にもう一度整理していただこうかと思うんです。 それは、御存じかもしれませんが、実は昭和八年という相当古い、早い段階で我が国にもう児童虐待防止法という法律がございました。これはイギリス、アメリカ等の事例、当時の流れの中でつくられたものでありますけれども、当時の虐待という定義は、親が子供を身売りさせるとか、またはこじき等で見せ物にするというようなことを主に念頭に置いた虐待概念であったわけであります。ほかの法律にも虐待という言葉はいっぱい出てまいりますけれども、今回ここで新たに現在の状況に応じて見直したというようなことについても、私、ぜひその辺についてお話を伺いたいなと思っております。
○衆議院議員(富田茂之君) 山本委員の方から今お話しございましたように、山本委員は本来この問題は一番専門家でございまして、私ももともとは同じ党でございますから、いろんな御意見をいただいて、それを衆議院の青少年問題特別委員会の各発議者との間における協議の中でさまざまお話をさせていただきました。満足のいかない点もあると思いますが、一歩前進できたんではないかなというふうに考えております。 また、全国児童相談所長会の方がアンケート調査をされまして、児童相談所の現場でどういったことを困っているかということを物すごく詳しく提起してくださいました。全国児童相談所長会の会長さんにも参考人で委員会の方に出席していただきましたし、本当に現場の児童福祉司さんたちが困っていること、現場で本当に悩んでいること、また児童虐待防止にかかわってこられた民間のさまざまな団体の皆様からも委員会で参考人としてお話をお聞きし、また法律の専門家からもどういった形で児童虐待防止に関して新しい法律をつくったらいいかという御提案もいただきました。その方たちの意見を最大限この法律案は取り入れることができたのではないかというふうに考えております。 提案の趣旨及び内容につきましては冒頭御説明させていただきましたので省略させていただきますが、この法律ができた、またこの法律の審議の過程がさまざま報道されることによって、児童虐待の防止に対して国民の関心が物すごく高まってきている、これも一つの成果ではないかというふうに考えております。 参議院におきまして速やかに審議、可決されて、児童虐待に悩んでいらっしゃる方、本当に困っている現場の方たちの一助になればというふうに考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○山本保君 それでは、一点だけ内容に、中でちょっと気になっているところがありましたので、確認的にお聞きしたいと思っております。それは第五条、児童虐待の早期発見ということで、さまざまの専門的な、また対応する部署におられる専門家の方が児童虐待の早期発見に努めなければならないという条文が新設されました。 これまで国民一般、全員に児童虐待については通告義務があるわけでありまして、ただこれまで私も気にしておりましたのは、このような専門家の方に例えば罰則をつけるとか免責をするというような形で通告義務というものをより手厚くという、手厚くといいますか、より重くというような議論が多かったと思うんです。ただ、私、気にしておりましたのは、そういう議論はいかにも、専門家の方は本来一緒になって、または一番最初のインテークをしたわけですから、その方が中心になって虐待に対応しなければなりませんのに、通告というような形をとったのでは何のための専門家だというような気もしておったんです。 今回、そういう通告義務を重くするというよりは、早期発見に努めよという条文になったわけでありますけれども、この辺について、こういう専門家の連携ということを前提としているというふうに私は理解しておるんですけれども、この辺はいかがでございましょうか。
○衆議院議員(富田茂之君) 今、山本委員がおっしゃったような問題意識で委員会でも審議をいたしましたし、発議者の間で最終的に取りまとめるときに同じような問題意識を持ちました。加重の通告義務を課そうか、または罰則を科した方が早期発見がなされるんじゃないかという議論も出たんですが、もともと国民一般に通告義務があるのに、それを加重する根拠は一体何なんだ、またその罰則が本当に意味があるのかというような議論になりまして、今回のように「早期発見に努めなければならない。」、こういう書きぶりをすることによって現場にいらっしゃる専門家の皆さんに児童虐待の防止により一層努めていただこうというような形にしました。 そして、守秘義務との関係で、この法律に基づいて通告することによって守秘義務違反にならないよということをつけ加えさせていただいて、さまざまの意見を聴取した中で、現場のお医者さんたちは、自分たちが通告することによって守秘義務違反を問われるのではないかということを大分心配されているというような御意見もありましたので、そこをきちんと法律上明らかにして、この両方の規定によって早期発見に努めるというふうに考えた次第です。
○山本保君 大変微妙な問題のところに踏み込まれた、そして明快な形で書かれたということを本当に私も高く評価したいと思います。 新法という形でつくられましたので、先ほど竹村委員の質問にもあったような問題が実はいろいろあるわけですが、児童福祉法などの直接的な改正という形をとりますと、児童虐待という事例と一般的な要保護に対するさまざまの問題への対応ということとの振り分けというのが大変実は難しくなるわけでありまして、罰する立場からだけ考えますと明らかな事例なんですが、実は児童福祉の流れの中で児童虐待があるかどうかというようなことはなかなか難しい問題であります。ですから、私もこれまでこの辺どうすればいいのかなと思っておったんですけれども、今回こういう新法という形で出されたということも私重ねて評価したいと思います。 それでは、実はこの運用に関して、これは担当の省の方から御説明といいますか、少し議論をしたいと思っております。 先ほどのお話にも少し出てきたことでございますが、今度の児童福祉法の改正、附則のところにありますけれども、この児童福祉法十一条または十六条という形でこの児童福祉司、児童福祉の専門家の任用要件というのが変わるわけであります。厚生省にお聞きしたいのは、今回この第五号と、また児相長については四号ですか、私ども口の悪い者は掃きだめ規定なんて言っておりまして、だれでもなれるじゃないかと。つまり、児童福祉では言うなら一番専門性が低いといいますか、一番基本的なところであります保母さん、保育士さんについては国家試験もあり、非常に厳しく、勝手に保母を名乗ることもできませんし仕事もできないのに、一番肝心な一番高い専門性の人が実は非常にあいまいな形でなることができると。こういう逆さまになった状況があるわけで非常に気にしておったんです。今回、その流れ自体はまだうまく変わっていないと思うんです。 そこで、厚生省令についてはまた今度お聞きするとしまして、例えば十一条五号で同等以上ということになるわけですが、当然第一号が本来この専門的な資格を想定している条文だと思うんです。そこには、厚生大臣が指定する施設を出た者、修了した者という規定になっているわけですけれども、厚生省にお聞きしますが、例えば第一号で言っている養成する施設というのは全国にどの程度用意されているのでしょうか。
○政府参考人(真野章君) 御指摘の児童福祉司を養成する施設でございますが、現在国立の児童福祉施設に併設をいたします職員養成施設でございます国立武蔵野学院附属児童自立支援専門員養成所及び国立秩父学園附属保護指導職員養成所の二カ所が埼玉県にございまして、それから上智社会福祉専門学校、これが東京都にございまして、計三カ所でございます。
○山本保君 今報告していただきましたけれども、実は全国に三カ所しかない。しかも国立の施設は、本来業務といいますか、本来の専門性は別の専門性のものに当てておるわけでありまして、そういう点で言いますと今名前の出た私立の専門学校が唯一であると。私もよく知っておりますけれども、定員とすれば数十人であります。つまり、この形で全国の児童相談所の職員の養成は実はできないわけでありまして、こういうことがずっと残念ながら今まで続いてきたと。私も関係した者として非常にこの辺は自分自身でも申しわけない気がするわけでありますけれども、例えばこの辺をきちっと組みかえて、例えば今おっしゃった三施設とも四年制大学を出た方を養成しておりますね。ですから、大学院修士課程を前提とした養成機関、またそのカリキュラムというようなものをきちんと厚生省は示していく、そのための研究などもすぐに行うべきではないか、児童福祉というものの専門性とは何なのかということをきっちりここで行うべきではないかと思うのでございますけれども、いかがでございましょうか。
○政府参考人(真野章君) 先生御指摘のとおり、児童福祉司は児童に関する体や心の変化、成長過程に起こりますさまざまな問題の発生メカニズム、さらには保護者に対するソーシャルワークの技法等の児童福祉に関するいろんな専門性が必要とされております。今、先生御指摘のとおり、ただいま申し上げました養成施設は、大学卒業を入所資格といたしまして一年間児童福祉に関する専門科目を学んでいただいているわけでございます。また、御指摘のとおり、二号の条項で心理学、教育学その他を修めた者というものもございまして、御案内のとおり最近福祉系の大学というものも非常にふえてまいっております。 そういうような観点で、児童相談所の研修につきまして、大変遅まきで恐縮でございますが、今研究を開始したというところでございまして、児童相談所の職員を養成するためのカリキュラムの見直しその他を含めまして検討してまいりたいというふうに思っております。
○山本保君 それは早急にぜひやっていただきたいといいますか、児童福祉という言葉はだれでも知っている言葉でありますのに、実はその専門性の中身が余りはっきりしていなかったということであります。これは情けない話だと思いますので、ぜひお願いします。 もう一つ厚生省に、これは簡単にお聞きします。 先ほど竹村委員の質問の中に実はあったんですが、児童相談所の福祉司を、福祉司というのは司でございまして公務員ということであります、これをふやしたらどうだという話がありました。私はそれにはちょっと賛成できかねるわけでありまして、アメリカなどの例を見ましても、このようなことに対応するのは、公務員であるかないかではなくしてその専門性を持った人であるかどうかが問題なのであります。 ですから、局長の方から今お話があったような例えばそういう専門養成施設、またはそのカリキュラムなどがきちんと確定したのであれば、その時点でまず公務員が全部独占するような形での措置権限でありますとか児童福祉の相談体制でありますとか対応体制というものを組み直して、専門性を持った民間の方にお願いするということを進めるべきだと思うんですけれども、この辺についてもいかがですか。
○政府参考人(真野章君) 衆議院の青少年特委でもいわば民間のボランティアの力を大いに活用すべきだという御指摘をいただきました。私ども大変重要であるというふうに考えておりまして、従来から子育て支援基金を活用いたしまして児童虐待防止の活動への支援なども行っております。またさらに、平成九年に改正されました児童福祉法によりましては、児童家庭支援センターといういわば専門機関をつくっております。これは民間でもやっていただけるというようなことでございまして、まだできたばかりで数は少のうございますが、そういうところの活動というものも期待をいたしております。 とにかく、それこそ官民挙げて一体となってこの問題に対応していくということが必要であろうかと思っております。
○山本保君 ここが実はこの児童福祉法体制の一番の問題点といいますか、矛盾したところなんですね。古いというか、もう既に四十年も五十年も前の体制が残っているわけです。今の名前が出た児童家庭支援センターにしましても、現場の声を聞きますとなかなか難しい。きょうは時間がありませんので細かいことはお聞きしませんけれども、予定どおりには進んでいない。当然でありまして、そのためには措置権限でありますとか職員の行う役割が今までのものとどう違うのかということをきちんとしなければ動かないと思うんです。余分なものが出てきたというふうに現場では見る向きもあるわけであります。児童福祉司という、司というものを士というふうに直したりして、ぜひ専門性を中心にした体制にしていただきたいと思っております。 次に、これも今度の中で議論されたと思うんですけれども、実現しなかったし、また法律としてしなくてもできるのではないかなと思っておりますので、法務省の方にお聞きしたいわけであります。 時間もありませんので端的に申し上げますが、例えばある親がこの関係で警察の厄介になったと。こうなりますと、その内容によって検察官が起訴するかどうかということを決めるわけでありますが、この場合、私ども現場の方から声を聞いておりますと、警察官までのところは、なかなか婦人警官が頑張っていただいたり、まさに犯罪者として見るよりはこの家庭をどういうふうに直していくのかという視点が使われているというふうに聞いているんですけれども、事が検察官のところへ行った瞬間に有罪か無罪かというふうな形になってしまって、せっかくそれまで築き上げてきた信頼関係なんかもなくなってしまうというような例も聞いているんです。 私は、一つ提案でございますけれども、例えば起訴猶予というようなことになりますと、有罪じゃないんだが、有罪かもしれませんけれども、今の刑法の考え方では、訴訟法の考え方ではほとんどこの方に対して対応することがないんじゃないかなと思うんです。ぜひこういう起訴猶予の場合に、親へのカウンセリングとか、または親子関係をつくるためのプログラムを履修せよというようなことを設ける、実行させるというようなことが大事じゃないかと思うんですけれども、この辺はいかがでしょうか。
○政府参考人(池上政幸君) お答え申し上げます。 児童虐待に係る刑事事件におきまして、検察官が起訴、不起訴の処分を決するに当たりまして、委員御指摘のとおり、虐待が将来にわたり繰り返されないよう配慮することは極めて重要な事柄であると考えております。 児童虐待事件が検察官に送致されるような場合は、通常既に児童福祉機関においてしかるべき指導等の措置がとられている場合も多いと考えておりますけれども、所要の捜査を遂げました結果起訴猶予処分とする場合には、検察官においても、必要に応じてそのような指導等の措置が既にとられているかどうかについて確かめ、関係機関と連絡を密にして再発防止のための環境を整えた上で適切に対処するよう努めているところでありまして、今後とも児童虐待事案の再発防止に向けて所要の措置をとってまいりたいと考えているものと承知しております。 また、委員お尋ねのカウンセリング等の受講を勧めることにつきましても、児童福祉法第二十七条に定める児童福祉司あるいは児童家庭支援センター等の指導を受けることが児童虐待の再発防止のため必要であると認める場合には、検察官においてそのような受講を被疑者に対して勧めることも可能であると考えております。
○山本保君 一つの考え方として、もう機械的といいますか、システマチックにそういう方へ移すということも必要かなという気もしますけれども、しかし個人のプライバシーというようなことを考えますと、今おっしゃったように、ぜひそういう情報を現場の方々にお教えいただいて、そしてその御本人の方からぜひそれを受けたいというような形で申し出があるようにしていただきたいと思っているんです。 一つちょっと気になっておりますのは、今のは更生緊急保護ということでよろしいですよね、今おっしゃったことは。ちょっと法律を読んでみますと、犯罪者予防更生法ですか、この辺を見ますと、四十八条の二にどういうサービスかということが列挙してあって、「緊急に、その者に対し、帰住をあつせんし、金品を給与し、若しくは貸与する等の一時保護又は一定の施設に収容して、宿泊所を供与し、必要な教養、訓練、医療、保養若しくは就職を助け、環境の改善若しくは調整を図る等の継続保護」という言い方をしておりまして、ちょっと親子関係をつくるのには入ってこないんじゃないかという気がするんですが、いかがでございますか。
○政府参考人(池上政幸君) 御指摘のように、私がただいま御答弁申し上げたことにつきましては、児童虐待に及びました親に対するカウンセリング等とは目的を異にしているものと考えております。 私が申し上げましたのは、検察官が起訴猶予とする際に、当然再発防止のための環境を整え、それを起訴猶予の理由の一つとするわけでございまして、そのための環境調整の一環として被疑者たる親に対して児童福祉司等の指導を受けるよう勧めることも可能である、あり得るということを申し述べたものでございます。
○山本保君 ありがとうございます。ちょっと確認したかったのでお聞きしました。 もう時間もなくなってきましたので、もう一問だけお聞きします。 今の流れで、今度は、有罪であるというような形で刑事処分を受ける、しかしこの場合でも執行猶予という形で実刑は科さないということも考えられますね、当然こういう親の場合そこまで行かないということもあり得るわけですから。それからもう一つ、実際には懲役などで処分に付したとしても仮出獄という形で出てこられる。 現場のいろいろ声を聞きますと、もちろん処分といいますか罰則というのはある程度たてば済むわけでして、刑事的に考えればそれでその方は無罪放免ということになるんでしょうが、しかし親子関係また子供の行く末ということを考えますとそれで終わりとはなかなか言えない例がたくさんございます。こういう例えば起訴猶予でありますとか仮出獄などのときの保護観察という処分があると思うんですけれども、これについても同じような形でその子供たちを守るような対応ができないのかというふうに考えているんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(馬場義宣君) お答え申し上げます。 先生お尋ねの仮出獄で保護観察になった者、それから裁判で執行猶予でかつ保護観察に付された者、これにつきましては現在保護観察ということを実施いたしております。この保護観察の過程におきましては、対象者の問題状況に応じまして関係機関等の協力を得て必要な指導監督、補導援護ということをやっております。 お尋ねの虐待親というようなケースを考えてみましても、当然のことながらこの保護観察の過程で必要に応じまして病院とか児童相談所等関係機関と連携を密にいたしまして、本人に対して医療的措置やあるいは専門家のカウンセリング、こういうことを受けるよう助言をし、この種保護観察対象者に対するよりきめ細かい処遇を実施するよう努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○山本保君 どうもありがとうございます。 私申し上げました、先ほども例に出ましたが、例えば警察官の方の協力というようなことになってきますと、民事不介入ということでなかなか入っていけません。しかも、その出口といいますか、そこが有罪か無罪かということだけでは、確かに幾ら協力をしても全部起訴猶予であるということになったのでは現場の方もとてもできないだろうと思うんです。ぜひそうではない、この家庭回復命令というようなものをひとつ考えていただいて、それが実行できるようにしていただきたいと思っております。今積極的なお答えをいただきましたので期待しております。どうぞよろしくお願いします。 では終わります。ありがとうございました。
○阿部幸代君 日本共産党の阿部幸代でございます。 保護者と子供、いわば家庭内の児童虐待の問題を普遍的な人権問題としてとらえて、その防止のために超党派で法律案をつくったということを大変画期的なことであると思っています。 そこで、伺いたいのですが、私はこの法律を本当に生かしていくためには子どもの権利条約における子供を権利の主体として見るという子供観を確立していくことがとても大事なような気がいたします。 このことは具体的に見ると一層明らかになるのですが、例えば重要な論点になっている親権の適切な行使とそれから親権喪失制度の適切な運用の問題、第十四条と第十五条ですが、子供を権利の主体として見る子供観を根底に解決していくべきではないかというふうに思うんです。懲戒権、懲らしめ戒めるというのは言葉としてどうなのかとか、親権の喪失までに至らない方策、新しい概念の創出も含めて必要ではないのかとか議論があると思うんです。 三年後の見直しにもかかわる問題ですが、基本は子供を普遍的な権利の主体として見る、こういう子供観を確立していく方向で解決されていくべきではないでしょうか。
○衆議院議員(富田茂之君) 今、阿部委員御指摘のような意見も、この法律案の成案を得るために協議する中で委員と同じような意見を述べられた先生もおられました。ただ、全員の一致をそういうふうに見たわけではございません。 この法律は、児童虐待が児童の心身の成長及び人格の形成に重大な悪影響を与えることにかんがみて、児童虐待を防止するとともに、児童虐待を受けてしまった児童に対する適切な保護を加えるための諸施策を定めたものであります。児童の心身の成長及び人格の形成を願う基本的立場に立って我々はこの立法をいたしました。 ただ、冒頭私が趣旨の説明をいたしました中に、「我が国が批准した児童の権利に関する条約の内容も尊重し、」というふうな文言も入っておりますので、その思いをぜひ御理解いただきたいというふうに思います。
○阿部幸代君 子供の利益を中心に置いていくということですね。
○衆議院議員(富田茂之君) そのような意見もありましたし、児童の権利に関する条約の内容を尊重していこうというところでは各発議者の意見も一致しております。
○阿部幸代君 もう少し具体的に聞きたいんですけれども、第十二条の「面会又は通信の制限」、これは極めて限定されたものになっています。つまり、保護者の意に沿わない家庭裁判所の承認による施設等への入所の際に限定しています。実際には親が同意して子供が施設に入所する場合でも、子供にとっては会うこと自体が恐怖で、面会攻め、電話攻めで参ってしまう子もいるのだそうです。 子供を権利の主体としてとらえ、その子供の保護に必要な場合には、こうした親の同意がある場合でも面会または通信の制限が行われてもよいのではないか。例えば、手紙はよいが面接と電話はやめさせる等が行われてもよいのではないかと現場からも声が上がっていますが、どのように考えますか。
○衆議院議員(太田誠一君) 今の具体的なことについてはさらに詰めなくちゃいけないと思いますけれども、今の考え方は、あくまでも十二条に書いてありますように「児童虐待の防止及び児童虐待を受けた児童の保護の観点から、」と、すなわち子供の方から物を見るということであります。 ですから、例えば児童虐待の防止ということは何を意味しているのかというと、会いに来てさらにそこで新たな虐待が行われることを防止する、会いに来た親から新たな虐待を受けることを防止する。あるいは児童の保護の観点からということは何を意味しているかというと、会いに来ることによって子供がさらに心が乱れるとか、あるいは今おっしゃったように恐怖を感じるということから子供を守るというふうな観点からこの十二条は規定したものでございます。 簡潔に言えば、面会を求め、あるいは通信、何らかの電話攻勢があったというようなときに、児童施設の方で子供に、何々ちゃん、あなたは会いたいかということを聞くというふうなことに、子供の意思を尊重するということになろうかと思うのであります。
○阿部幸代君 気になるのは、極めて限定されているということなんです、この十二条が。親の意に反する、つまり家庭裁判所の承認による施設入所というふうに限定がされているんです。そこが心配なんです。そうでない場合もある。
○衆議院議員(富田茂之君) 先ほども他の委員の方から御質問がありましたけれども、ここは我々の間でもいろいろ議論したんですが、家庭裁判所の承認があった、そういう何か法的機関の介入があった場合に面会の制限とか通信の制限を認めようと。 確かに必要性はわかるんですが、委員がおっしゃるような場合にまで面会の制限や通信の制限をするということになりますと、民法の方との絡みで、身上監護権とどういうふうに調整していくんだというところがございまして、今回はそこまではちょっと踏み込めない。必要性があるのはもちろん理解しておりますが、今回は家庭裁判所の承認があった場合には面会の制限とか通信の制限はできると。 委員がおっしゃるように、いろんな方法を検討したらどうだというのはそのとおりだと思いますので、それは三年後の見直しまでこれからの運用状況を考えて行っていきたいというふうに我々発議者の間では考えております。
○阿部幸代君 もう一つ具体的な問題なのですが、第十条に関してですけれども、児童相談所長による虐待を受けた児童の安全の確認や一時保護、児童委員や児童福祉事務従事職員による立入調査とか質問に際して警察官の援助が求められたときには必ず応じるべきだと思うんです。 初歩的なことといえばそうなんですけれども、警察の不祥事が相次いでいて、警察は家庭内の人権問題に力になってくれないのではないか、こういう意識が強まっている折ですので確認をしたいのですけれども、これは提案者と警察庁と両方に伺います。提案者、先に。
○衆議院議員(池坊保子君) 今、委員がおっしゃいますように、警察の果たすべき役割は国民の安全と身体を守ることでございますから、子供並びに子供を守る人の安全を守るために援助が必要だというときには当然援助すべきというふうに思っております。 今まで警察が民事不介入で援助を余りしてこなかったということが、ドメスティック・バイオレンスもそうですけれども、児童虐待にも大きな影響を与えてきたと思いますので、今回、児童虐待に関しては警察の援助を求めていくということでございます。
○政府参考人(黒澤正和君) お答えいたします。 警察といたしましては、これまでも児童虐待は人格形成期にある児童の心身に深刻な影響を及ぼす大変重大な問題であると認識をいたしますとともに、児童の生命、身体を守り、また、当該児童の精神的な立ち直りを支援することによって問題行動等に走ることを防止するという観点から、この問題を少年保護対策の最重要課題の一つとして位置づけまして積極的に取り組んできたところでございまして、大変重要な問題であると認識いたしておるところでございます。 したがいまして、援助を求められました場合には、警察といたしまして、その責務と権限に基づきまして児童相談所職員等の職務が円滑に行われますよう適切に援助してまいりたいと考えておるところでございます。
○阿部幸代君 次に、法案を実効あるものにするために伺います。 第十一条に関してですが、児童虐待を行った保護者の指導についてどこでどういう指導をすることを考えておられるのか。特に、家族が相談に来る場合に、虐待した実母本人からの相談が八六・六%という実態があるわけで、そういう実態を踏まえたとき、その指導をどのように考えたらいいというふうに考えていらっしゃいますか。
○衆議院議員(石井郁子君) 児童虐待は、虐待を受けた子供が心身に深い傷を負う、また命の危険にさらされるということが第一義的に問題なんですけれども、虐待を行った親の方も心に傷を負っているということが問題になるわけです。虐待する親の多くは過去に暴力を受けている、あるいは虐待を受けて育ったということが言われていまして、世代間連鎖ということも強調されているところであります。 私どもは、そういう点で、この児童虐待の防止というのは、子供を保護する、救うということと同時に、やっぱり親へのケア、親への指導とか治療ということが進められないと本当にこれをなくしていくことはできないというふうに考えて、このことを大変重視してきたところでございまして、それがこの法律にもいろいろ載せられているというふうに思います。 お尋ねの件は、親への指導の具体的な方法というのはどういうことを考えているのかということですけれども、やっぱり第一にその場となるのが児童相談所だろうというふうに思うんです。児童相談所の職員によるカウンセリング、あるいは家庭訪問による指導等々をするんですけれども、現行の児童相談所でそれが本当にできるかという点でいうと、今後の本当に体制の充実が求められていくというふうに思います。 ここでも書かれていますけれども、そういう意味で高い専門性を必要とされるわけです、この指導に当たりまして。その専門性のある人材の養成、育成ということが要ると思います。カウンセラー、セラピストの配置や養成ということがこれからますます必要になってくるというふうに思います。職員の人材の確保と資質の向上を図るための研修等の必要な措置ということも第四条第二項で規定されているところです。 それから、民間の団体がこういう点では非常に重要な役割を既に果たしておられますし、これからも民間あるいは専門家の方々のさまざまな相談活動、連携ということが重要になっていくというふうに考えているところでありまして、これも第四条第一項に体制の整備ということで盛り込んでいるところであります。 つけ加えてですけれども、本当に母親からの相談が圧倒的に多い。今、育児が不安で育児ノイローゼ、あるいは密室の育児ということがあって、そういう中で意に反して虐待が行われていくということがありますので、広い意味での育児不安を取り除く、あるいは育児支援、子育て支援、そして家族への支援ということがなければいけないというふうに思います。 私ども、この法律ができ上がるということの報道の中から各方面からのいろんな御意見もいただきました。そういう中では、防止の概念の中には介入だけじゃなくてもっと援助や治療という視点が要るんじゃないかと、これは専門家の方々からも御意見をいただきました。これはカウンセリングに携わっておられる臨床心理の立場からの御意見でありました。 そういう意味で、もっとこういう方面での施策の充実ということをこの法の整備とともにあわせて進めていきたいということを私個人としても大変強く考えているということも申し上げたいと思いますし、そういうことも大変議論をされてきたということも申し上げたいというふうに思います。
○阿部幸代君 第八条に関してですが、児童相談所長が通告や送致を受けたとき「速やかに、当該児童の安全の確認を行うよう努める」とありますが、この「速やかに」というのはどのくらいの時間を想定しているのか。つまり、手おくれになって死んでしまうということもあり得るわけで、大変重要なところのような気がするんですが、どのように考えておられるでしょうか。
○衆議院議員(田中甲君) ただいま御指摘の点でありますけれども、この「速やかに」という点は現場で実務に当たっている方々が大変に注視されている点であるという常に認識を持って対応してまいりました。 正確にこの点を御答弁させていただきたいと思いますが、「速やかに」とはできるだけ早急にという意味でありまして、具体的に何時間以上かかれば違法になるというものではございません。ただ、この条項の立案に際しましては、埼玉県の児童相談所が通告を受けた時点から四十八時間以内に安全確認を行うこととなっておりまして、それを参考にしたことは事実でございます。 その意見を委員会で交わしている中で、しかしながら都道府県ごとに児童相談所の体制整備に格差があるという点と、全国一律に四十八時間という時間を定めることは格差の点から極めて困難ではないか、逆に実務上現場に過重な負担を与えかねないという懸念が話し合われまして、今回の場合には具体的に時間を入れての運用ということにはならなかったといういきさつを答えさせていただきます。
○阿部幸代君 今、体制整備というお話がありました。結局この問題は児童虐待防止のための基盤整備いかんにもかかわってくるのだというふうに思います。必要な人員と体制がなければ速やかにできないということも起こってしまうわけです。 そこで、厚生省に質問いたしますが、第四条にかかわってですが、児童虐待の早期発見と虐待を受けた児童の保護、もう一つ法案には明文化されていないのですが、ケアが必要だと思うんですけれども、その際関係機関の連携が重要になります。この関係機関とはどこを想定しているのか。保健所や保健センター、保育所の重要な役割を位置づけるべきだと思うんですけれども、どうでしょうか。
○政府参考人(真野章君) 関係機関といたしましては、先生が今おっしゃられました保健所、市町村保健センター、保育所を当然想定いたしておりますし、そのほかいろんな福祉施設、それから医療機関、こういうところとの連携、特にケアという面になりますとそういうところが必要であろうかと思っております。 ただ、特にその中でも保育所につきましては、私ども、やはり一番早期発見、早期対応といいますか、日常乳幼児の状況を把握しているわけでございますので、そういう意味では大変期待をいたしておりますし、また昨年十月に保育所保育指針を改訂いたしました際にも、そういう虐待の疑いのある子供を早期発見するための留意事項と虐待が疑われる場合の保護者の対応などを盛り込みまして指導をいたしておりますし、それから保健所、市町村保健センター、これは乳幼児健診または訪問指導等の母子保健事業、こういうものを活用することによりまして、非常に予防、早期発見ということで大きな役割を果たすべき施設であるというふうに考えておりまして、そういう意味では相談体制の整備、職員の研修というものを充実していきたいというふうに考えております。
○阿部幸代君 早期発見、保護、ケアにおける連携ということでとらえてよろしいですか。
○政府参考人(真野章君) 当然そういうことが必要であるというふうに思っております。
○阿部幸代君 次に、児童相談所と児童福祉司の役割が大きくなると思うんですが、これは専門家から聞いたお話ですが、例えばカナダのトロントでは人口が四百三十万人ですが、四つのチルドレンズ・エイド・ソサエティーがあって、その一つが二百七十人のソーシャルワークのマスター、つまり専門的な有資格者がいるんだそうです。一千二百万人の人口を持つ東京にはたった百六人の児童福祉司しかいないそうですから、日本はまだまだこれからなのだと思うんです。 子供の人権を守る新しい法律をつくるのですから、法律を実施するための基盤整備として児童福祉司の養成と増員に思い切って力を注ぐべきではないかと思います。 時間の関係でもう一つまとめて質問しますが、附則第三条にかかわって、児童福祉法第四十五条の施設の設備、運営の最低基準の問題です。虐待を受けた児童のために必要な生活水準の最低基準は、単に発達のためだけではなくて、いやしをも可能とするようなものでなければならないのだと思います。 子供の人権を守る新しい法律がつくられるわけですから、この最低基準の見直しがやっぱり必要ではないかと思うんですが、この二点どのように考えていますか。
○政府参考人(真野章君) 児童相談所の体制、それから児童福祉司の養成、増員につきましては、先ほど政務次官からお答え申し上げましたように、私ども平成十二年度、最も力を入れて予算の獲得に努力したつもりでございますが、今後とも鋭意努力をしてまいりたいと思っております。 また、御指摘がございました最低基準の件でございますが、私どもも十一年度から心理療法を担当する職員を児童養護施設に配置する、また最近のことでございますので、できるだけ個室が整備できるような施設整備基準というようなもの、または都市部ではいわば大変小規模の児童養護施設、家庭にかわり得るような小規模の児童養護施設を創設するというような施策を進めてまいっておりまして、今後ともそういう努力をしてまいりたいというふうに思っております。
○阿部幸代君 どうもありがとうございました。
○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。 各政党、それぞれ取り組んできましたが、皆さん方超党派の物すごい真摯な粘り強い頑張りのおかげで、きょうこうして議論ができることを本当にうれしく思いますし、大変尊敬と感謝を申し上げます。このことによって、児童虐待に遭っていた子供が加害者に転じていくという暴力や虐待の連鎖をこの法律が少しでも断ち切ることに役立てることが本当にできるだろうと思いますので、非常にきょうはわくわくというか、うれしく思っております。 まず、第二条、保護者の定義において、「親権を行う者、未成年後見人その他の者」とあるが、具体的にどういう者を指すのでしょうか。
○衆議院議員(池坊保子君) 今、委員にお褒めの言葉をいただいて、大変うれしゅうございます。 確かに、おっしゃるように連鎖犯罪を防がなければいけないという強い強い願いがございましたし、また子供たち、弱い者を救わなければならないというその熱意だけに動かされて今日を迎えることができました。 今、御質問でございますけれども、保護者の概念は現在児童を保護、養育している者を指す概念でございますので、多くの場合は保護者は親権者としての実の親または養父母を指すことになろうと存じます。また、親権者や後見人のいない児童に対して親権を行う児童福祉施設の長や、親権者のいない児童について選任された未成年後見人も通常は保護者になると考えられます。また、そのほかには、母親が再婚いたしました場合の夫、つまりその子にとっての義理の父、その逆もあると存じますけれども、また、親戚に養育されている児童にとっては親戚の人も児童を現に監護している場合の保護者というふうに考えられると思います。
○福島瑞穂君 第二条、「わいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること。」とありますが、具体的にどのような行為を指すのでしょうか。
○衆議院議員(富田茂之君) これは児童虐待のうち、いわゆる性的虐待と言われるものであります。児童に性交を強いること、児童の性器をさわること、逆に児童に自己の性器をさわらせること、あるいは児童に淫行をさせること等を指すというふうに理解しております。
○福島瑞穂君 二条四号で「著しい心理的外傷を与える言動」とは具体的にどのような行為を想定していらっしゃいますか。
○衆議院議員(石井郁子君) 具体的にはどのような行為かというお尋ねでございますので、具体的にお答えしたいと思うんですけれども、一つ挙げられますのは、兄弟と比べて著しい差別的な取り扱いをする、おまえなんか生まれなければよかったと、こういうことを繰り返していきますと子供の日常生活にも支障を来すような精神的な症状があらわれてくる。それから、親が無視をしたり拒否をするという、子供がいろんなことを問いかけても答えないという態度を続けますと、そこでもやっぱり精神的な症状があらわれてきます。こういう精神的な症状というのは、将来にまで響くようなトラウマを与える言動を親から与えられるという問題です。 これは四つの類型がございますけれども、一から三までのこの身体的症状、今の性的虐待等々とも重なってもあらわれる、心理的な症状としては、考えなければいけないというふうに思っているところです。
○福島瑞穂君 厚生省の取り組みについては先ほどから質問が出ておりますので、文部省にお聞きいたします。 学校の教職員に対してどのような研修を行っていくのかというのが第一です。
○政府参考人(矢野重典君) 教員に対する研修につきましては、各都道府県教育委員会と教員の任命権者において適切に行われるべき事柄でございますけれども、文部省といたしましては、会議や文書による通知等を通じまして本法律の周知のための教員研修の実施に万全を期してまいりたいと考えておりますし、また子供の悩みを受けとめられる教員を養成する、そういう観点に立ちまして、初任者研修等におきましてカウンセリング研修の充実を図りますなど、児童虐待問題の解決に可能な限り教員が寄与できるよう今後とも意を用いてまいりたいと考えているところでございます。
○福島瑞穂君 学校で子供たちに、子供の持つ権利、虐待に対する情報、知識をどう教えていくべきと考えられますか。
○政府参考人(富岡賢治君) 文部省におきましては、従来から憲法や教育基本法の精神にのっとりまして、学校教育活動全体で人権尊重の意識を高める教育ということについては大事な問題だという認識をもちろん持っているわけでございますが、具体的には、小学校、中学校の社会科などにおきまして、基本的人権尊重の重要性とか、人権を守る仕組みなどについて指導を行っているところでございます。 また、高等学校で家庭科がございますけれども、子供の発達と保育、福祉について指導することとしてございますけれども、特に子供の健全な発達を支えるために、親や家族の果たす役割についての理解、また育児不安や児童虐待などについても触れまして、親の保育責任、それから社会の支援策等についての理解を促すようにしているわけでございます。今後、特にこの点につきましても一層大事にしてまいりたいと考えております。
○福島瑞穂君 スウェーデンの中学生の社会科が翻訳されていますけれども、おもしろいと思ったのは、子供にはこんな権利がある、困った子供はここに電話ができるという電話番号まで教科書に書いてありました。 日本でもCAPなどやいろんなロールプレーをやったりするさまざまな活動がありますが、そういうNGOの活動も活用していくことについて、文部省はどうお考えでしょうか。
○政府参考人(富岡賢治君) 今のように、学校教育で取り上げるということのほかに、例えば子供や家庭のいろいろな電話相談というようなことが大事でございます。現在、二十四時間の、子供や親からの電話相談を全国で受け入れるような相談体制を整備しようということで進めておるわけでございますし、それから気軽に子育ての相談に乗るようなサポーター、地域の子育てサポーターの配置等のネットワークの充実ということも進めておるわけでございます。 それから、今、先生御指摘のように、子供たちがすっと電話ができる、あるいは親がすぐどこに電話したらいいかというようなことがなかなかわからないということもございますので、今、全国のゼロ歳から十五歳までの、お父さん、お母さん方に配っております家庭教育手帳とかノートにも、児童虐待などがありましたときにどこへ電話したらいいんだというふうなことの情報も流すようにしているところでございます。今後とも、一生懸命やってまいりたいと思います。
○福島瑞穂君 二十四時間相談体制は今どれぐらい進んでいるのでしょうか。
○政府参考人(富岡賢治君) 十一年度から始めましたので、今十三県でございますが、ことしは大体それを倍にいたしまして、三年間の間に全国で展開できるようにというふうに考えてございます。大体、ボランティアの方々を中心に御協力いただこうと、こういうふうに思っております。
○福島瑞穂君 国会でもチャイルドラインの議員連盟がありますが、ぜひそういうもので困っている人のサポートができるように、よろしくお願いします。 第六条の通告義務で、故意でなく通告したケースが虐待ではなかった場合、刑事、民事的な責任を負う必要はないと考えますが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(田中甲君) この点、衆議院でもいろいろ議論がなされました。過ってしてしまった、虚偽の通告で刑事上、民事上の責任を問われることはなかなか想定しがたいというのが法務省の答弁でございました。 また、十一人の参考人を昨年より特別委員会では招いていろいろ意見を聴取してまいりましたが、その中で、海外の活動が非常に長く、諸外国の児童虐待問題にかかわってきている森田ゆりさんという参考人の御意見を伺ったところ、一般の国民全部に免責が伴うのでしたらそれは非常に無責任な形で通告がされていくということが出てくるという危惧をされていたところでありまして、今回、私、個人的な意見を申し上げるならば、名誉毀損罪など民事上の損害賠償の責任を問われるケースというのは起こり得るのではないかという懸念を持っている一人でありますけれども、本法律では三年後の見直し規定というものもつけてございますので、その間の施行、実施した後の状況ということを確認した上、改めて法文で明記することが必要なのかどうか、参議院の方々とも検討していく必要があるだろうというふうに考えております。
○福島瑞穂君 セクシュアルハラスメントの事件、あるいはドメスティック・バイオレンスのケースもそうですが、むしろ女性側が名誉毀損で訴えられる、つまりセクシュアルハラスメントで女性が何か訴えた場合に、女性が、あるいはそれを支援した大学の先生などが名誉毀損で訴えられるというのがかなりあります、要するに双方相打ちみたいな形で。ですから、数はもちろん多くないとは思うんですが、あり得ると思いまして、故意で虚偽の通報をするのは論外ですけれども、今後、ぜひ検討事項として議論していく必要があると思います。 次に、民法八百二十二条、懲戒権についてお聞きをいたします。 民法八百二十二条は、「親権を行う者は、必要な範囲内で自らその子を懲戒し、又は家庭裁判所の許可を得て、これを懲戒場に入れることができる。」という条文があります。児童虐待防止の観点から、法務大臣はどう見直していくべきだと考えられますか。
○国務大臣(臼井日出男君) 民法は、親権者は必要な範囲でみずからその子を懲戒することができるものといたしております。これは、親権者が子の監護上、子の非行や過誤を矯正し、それを指導するために必要かつ相当な範囲内で子に対し一定の措置をとることを認めたものでありまして、子の監護教育のため必要かつ合理的なものだと考えております。懲戒権を廃止するとすれば、親が子のために行う正当なしつけもできないことにもなりかねないなど、家族制度のあり方にも大きな影響を与えるものでございまして、懲戒権を廃止すべきかどうかについては極めて慎重であるべきものと考えております。
○福島瑞穂君 発議者の池坊さん、どうでしょうか。
○衆議院議員(池坊保子君) 私は、個人的には、懲戒権というのは親が養育する権利ですけれども、これは責任、義務というふうに考えて、権利というのはむしろおかしいのではないかというふうに考えております。イギリスなどでは、これは権利から責任というふうに変わりましたし、それから、各国の事情を見ますと、懲戒権というのが書いてありますところはなくなっておりますので、今後は考える必要があると存じます。 また、八百二十二条第二項にございます「懲戒場」というのは現在もう存在しておりませんので、これは、存在していないものはもう廃止して、削除してもいいのではないかというふうに考えておりますので、今後は検討の余地があるというふうに私自身は考えております。
○福島瑞穂君 親は子供へ所有物を持つわけでもなく権利ではなく、むしろ義務を持っていると思いますので、ぜひこれは将来検討事項として残すべきだと思います。ありがとうございます。 次に、十四条で「児童の親権を行う者は、児童のしつけに際して、その適切な行使に配慮しなければならない。」とありますが、虐待防止の観点からこの条文の意図することは何なのでしょうか。
○衆議院議員(太田誠一君) 今の懲戒権という言葉が適切な言葉であるかどうかは別として、今の池坊委員のお話のように、親が児童、児童というのは児童福祉法や今度の法律では十八歳までは児童と、いいかどうかは別としていたしたわけでございますので、そうすると、児童というのは人格の形成期にある、人格の形成が完了したわけじゃないという意味で、それは責任というか、当事者能力やあるいは判断能力がまだ十分でないという意味でそういう保護をされているんだと思います。 そうしたらば、その場合に親がそれに対する身上監護権というか責任を、言葉は適切でないかもしれませんが、親が子供をしつけをする、いわば人格形成に資する責任があるんだということであろうかと思いますので、そういう大人がしつけていくためにあるいは時として厳しく接する場面というのがあるかもしれない。しかし、そのことは、そういうしつけの必要性があるということと児童虐待を容認するということは全然別のことであるということで、このような表現になったわけでございます。
○福島瑞穂君 子供へのしつけという名目で虐待が行われてきた、子供に対するしつけという名目で学校内の体罰が正当化されてきたということがありますので、このことについてはこの虐待防止法が虐待推進法にならないように十分チェックする必要があると思います。 次に、厚生省にお聞きします。 欧米では里親委託が主流でありますけれども、日本では里親制度をどう充実されていかれるのか、お考えをお聞かせください。
○政府参考人(真野章君) できる限り家庭的環境の中で児童を養育していきたいというふうに思っておりまして、そういう意味では里親制度というのは大変有意義な制度だというふうに考えております。 ただ、残念ながら、先生御案内のとおりなかなか日本にこの里親制度、充実されているか、一般的かといいますと非常に難しゅうございまして、逆に最近では委託する児童数が減っているというような状況でございます。私ども、何とかそういう状況で家庭のない子供たちに家庭的環境を与えるこの里親制度をぜひ充実させたいというふうに思っておりまして、いろんな全国里親会に対します助成でございますとか、十一年度からは児童養護施設ができるだけ里親を探すというような事業に対する助成でありますとか、それからこれまではとにかく共働きの家庭には里子は出さないというようなことがございましたが、夫婦とも就労している場合でも保育所を利用して里親として児童を受託できる、何とかそういうようなことをいろいろ図ってきているわけでございまして、今後ともその普及推進に努めてまいりたいというふうに考えております。
○福島瑞穂君 附則第三条で「児童福祉施設の設置者は、児童福祉施設の設備及び運営についての水準の向上を図ることに努めるものとする。」とありますけれども、水準の向上をどう考え、具体的にどのような改善を図っていかれるのでしょうか。
○政府参考人(真野章君) 私ども、児童福祉法の最低基準をぜひ向上していきたいというふうに思っておりまして、十年度には児童福祉法の改正を踏まえまして、自立支援の機能を強化するための職員を配置いたしましたし、十一年度からは、先ほどちょっと申し上げましたが心理療法を担当する職員の配置も行っております。 また、施設整備につきましてはできるだけ個室の整備も可能となる、大体入所定員の半分ぐらい、二分の一ぐらいは個室、四分の一ぐらいは二人部屋というような整備が可能となるような国庫補助基準というふうに今はいたしております。今後とも、その充実に努めてまいりたいというふうに考えております。
○福島瑞穂君 子供への精神的ケアについて条文はありませんが、どうお考えでしょうか。
○政府参考人(真野章君) やはり、虐待を受けた子供さんを後フォローする、一時保護をしまして母子分離をするというのも大切でございますが、その後のアフターケアは私ども大変大事だと思っております。これは、親の方にも子供さんの方にも両方大切だというふうに思っております。 先ほどちょっと申し上げました児童養護施設への職員の配置でございますとか、児童相談所におきます児童福祉司、心理判定員による心理療法、それから情緒障害児短期治療施設というのがございまして、そこでは心理療法を専ら担当いたしております。そういうような手段をいろいろ工夫いたしまして、充実に努力してまいりたいというふうに思っております。
○福島瑞穂君 さまざまな問題もありますし、これからどう私たちがシステムをフォローし監視しつくっていけるかが課題だと思います。特に、衆議院の先生方が努力されてここまでこぎつけて、こぎつけてというと変ですが、こぎつけていただいたことには重ね重ね感謝しますし、今後一緒にこの法律を大きく育てていけることができればと思います。 以上です。
○委員長(風間昶君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。 ─────────────
○委員長(風間昶君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、阿部正俊君及び竹山裕君が委員を辞任され、その補欠として森下博之君及び岸宏一君が選任されました。 ─────────────
○委員長(風間昶君) これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 児童虐待の防止等に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(風間昶君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、竹村泰子君から発言を求められておりますので、これを許します。竹村泰子君。
○竹村泰子君 私は、ただいま可決されました児童虐待の防止等に関する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党・改革クラブ、日本共産党、社会民主党・護憲連合及び参議院クラブの各派並びに各派に属しない議員中村敦夫さんの共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 児童虐待の防止等に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府及び地方公共団体は、本法の施行に当たり、次の事項について、適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。 一 「児童の権利に関する条約」の趣旨を踏まえ、施策の実施に当たっては、児童の最善の利益を考慮した取扱いが図られるように努めること。 二 国民に課せられた通告義務に関し、啓発及び広報の徹底を図ること。 三 児童相談所の体制と専門職員の資質の向上に一層努めるとともに、児童養護施設の改善を図ること。 四 住居への立入りの際には、人権に配慮しつつ実施するよう努めること。 五 当該児童、保護者等に対するカウンセリング及び個別フォロー体制の充実を図ること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(風間昶君) ただいま竹村君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(風間昶君) 全会一致と認めます。よって、竹村君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、丹羽厚生大臣及び臼井法務大臣からそれぞれ発言を求められておりますので、この際、これを許します。丹羽厚生大臣。
○国務大臣(丹羽雄哉君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重して努力いたします。
○委員長(風間昶君) 臼井法務大臣。
○国務大臣(臼井日出男君) ただいま可決されました附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえまして、関係機関とも協力の上、今後とも努力を重ねてまいりたいと存じます。
○委員長(風間昶君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(風間昶君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時五十分散会