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147回国会参議院2000/04/27

法務委員会 第11号

発言数
6
登壇者
3
会派数
3
開催日
2000/04/27

会議録

風間昶公明党・改革クラブ

○委員長(風間昶君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨二十六日、小川敏夫君が委員を辞任され、その補欠として藁科滿治君が選任されました。     ─────────────

風間昶公明党・改革クラブ

○委員長(風間昶君) 刑事訴訟法及び検察審査会法の一部を改正する法律案、犯罪被害者等の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律案及び犯罪被害者基本法案を一括して議題といたします。  まず、刑事訴訟法及び検察審査会法の一部を改正する法律案及び犯罪被害者等の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律案について、政府から趣旨説明を聴取いたします。臼井法務大臣。

臼井日出男自由民主党法務大臣

○国務大臣(臼井日出男君) 犯罪被害者等の保護を図るための二法案について、一括してその趣旨を御説明いたします。  近時、我が国では、犯罪による被害者の問題に対する社会的関心が極めて大きな高まりを見せており、被害者やその遺族に対する配慮とその保護のための諸方策を講じることが喫緊の課題となっております。  刑事手続の分野における被害者等に対する配慮及び保護の問題としては、強姦罪等の被害者が公開の法廷で被告人等の面前で証人尋問を受けることにより精神的苦痛を受け、いわゆる二次的被害に遭うことがあること、親告罪である強姦罪等については、当該犯罪によりこうむった精神的ショックのため短期間では告訴の意思決定が困難な場合があること、被害者等が公判廷で被告事件について意見を述べたいと希望することがあること等が指摘をされているところであり、刑事手続において、被害者の心情及び名誉に適切に配慮し、かつ、これを尊重する必要があります。  また、被害者等は、被害に係る刑事事件の審理の状況及び内容について深い関心を有するとともに、これらの者の受けた身体的、財産的被害その他の被害の回復には困難を伴う場合があることにかんがみ、刑事手続に付随するものとして、被害者等の心情を尊重し、かつ、その被害の回復に資するための措置を定め、もってその保護を図ることも必要であります。  そこで、この二法案は、このような状況を踏まえて、犯罪被害者等の保護を図るための所要の法整備を行おうとするものであります。  まず、刑事訴訟法及び検察審査会法の一部を改正する法律案の要点を申し上げます。  第一は、刑事訴訟法の改正であり、次の点を主な内容としております。  その一は、被害者等が証人として尋問される際の負担を軽減するための手続として、証人への付き添い及び証人と被告人または傍聴人との間の遮へいの制度を導入するとともに、証人を別室に在室させ、テレビモニターを通じて証人尋問を行ういわゆるビデオリンク方式による証人尋問を導入し、その証人尋問の状況を記録した記録媒体がその一部とされた調書に証拠能力を与えることであります。  その二は、親告罪である強姦罪等の告訴期間の制限を撤廃することであります。  その三は、公判手続において被害者等による意見の陳述を認めることであります。  第二は、検察審査会法を改正して、審査申し立て権者の範囲を被害者の遺族に拡大すること及び審査申立人による検察審査会への意見書または資料の提出を認めることであります。  次に、犯罪被害者等の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律案の要点を申し上げます。  第一は、裁判長は、被害者等から申し出があるときは、申し出をした者が刑事事件の公判手続を傍聴できるよう配慮しなければならないとするものであります。  第二は、被害者等から損害賠償の請求など正当な理由に基づき刑事事件の訴訟記録の閲覧または謄写の申し出があり、相当と認めるときは、刑事事件の係属中であっても、裁判所は、申し出をした者にその閲覧または謄写をさせることができるとするものであります。  第三は、被告人と被害者等は、両者の間における被告事件に関連する民事上の争いについて合意が成立した場合には、刑事事件の係属する裁判所に対し、共同して当該合意の公判調書への記載を求める申し立てをすることができ、その合意が公判調書に記載されたときは、その記載は裁判上の和解と同一の効力を有するものとし、被害者等は、被告人から債務の履行がない場合には、別に民事訴訟を提起することなく、当該公判調書により強制執行の手続をとることを可能とするものであります。  以上がこれらの法律案の趣旨であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。

風間昶公明党・改革クラブ

○委員長(風間昶君) 次に、犯罪被害者基本法案について、発議者江田五月君から趣旨説明を聴取いたします。江田五月君。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 犯罪被害者基本法案につき、発議者を代表して、その趣旨と内容の概要を説明します。  我が国では、長い間、犯罪被害者等は、二十年前に創設された犯罪被害者給付金支給制度以外には法制度による保護がなく、精神的にも経済的にもいわれなき苦しみを味わわされてきました。最近、特にサリン事件以来、犯罪被害者の置かれている状況が広く世間に認識されるようになり、また被害者を支援する自主的な組織が各地に設立されるなど、ようやく犯罪被害者の支援について国民的な取り組みが始まりました。そして、実情が明らかになればなるほど被害者の悲惨な状況が浮き彫りになってきました。  刑罰権の行使は、各国とも国家によって独占され、個人による復讐は禁止されています。我が国の刑事司法も、被疑者、被告人の人権を保障しながら、当事者主義の構造で事案の真相を解明し、犯罪者への適正な科刑を実施することになっています。これによって法秩序の維持を図るという制度のあり方は、十分理由のあることです。しかし、この手続の中だけで犯罪被害者等の保護や利益擁護を図ることはもともと無理がありました。  このことは国際社会でも問題とされ、一九八五年十一月には国連総会で国連被害者人権宣言が採択されました。我が国では、欧米諸国に比べ立ちおくれが指摘されてきましたが、今回やっと政府から犯罪被害者保護関連二法案が提出されました。これは、確かに我が国の犯罪被害者対策の第一歩となるものではありますが、やはり公判手続の手直しにすぎません。  犯罪被害者の直面する困難は、精神的、経済的に多面にわたります。これに対応するには、今回の政府案を超えて、刑罰権行使の手続の中での配慮とは別個に必要な施策を包括的に確立する新しい制度が必要です。その制度のもとで、犯罪被害者対策を、国民も政府も一緒になり、また関係省庁の有機的連携のもとに総合的に推進していくことが求められています。  そのためには、基本理念や、国や地方公共団体の責務等を明記した基本法を制定することが必要なのです。基本法の制定は、被害者団体、被害者支援団体、そしてこの問題に精通する学者、弁護士らの長年の悲願です。私たちは、犯罪被害者等が、個人の尊厳が重んじられ、その尊厳にふさわしい処遇が保障されるよう、犯罪被害者等支援対策を総合的に推進し、犯罪被害者等の福祉の増進に寄与するため、ここに犯罪被害者基本法案を提出いたしました。  以下、本法律案の内容の概要につき説明します。  第一に、この法律案は、国と地方公共団体に、犯罪被害者等が受けた被害の回復及び犯罪被害者等の社会復帰を支援する責務があることを明らかにし、犯罪被害者等の支援対策を総合的に推進し、もって犯罪被害者等の福祉の増進に寄与することを目的としております。  第二に、基本理念として、一、すべて犯罪被害者等は個人の尊厳が重んぜられ、犯罪被害の状況等に応じた適切な処遇を受ける権利を有する、二、何人も犯罪被害者等の名誉及び生活の平穏を害してはならないとの二点を掲げています。  第三に、国は、総理府に設置される犯罪被害者等支援対策審議会の意見を聞いて、支援の基本計画を定めなければならないとしております。  第四は、国と地方公共団体の基本的施策についてであります。国は、相談、指導、給付金、損害賠償についての援助等、安全及び生活の平穏の確保、刑事手続に関する適切な取り扱い、関係者に対する訓練及び啓発、国民に対する教育及び啓発、調査研究の推進、民間の団体に対する支援及び施設等の整備を行うものとし、地方公共団体は、国の施策に準じた施策及びそれぞれの地域の状況に応じた施策を実施するものとしています。  さらに、その他所要の規定の整備を行うこととしています。  以上がこの法律案を提案した趣旨と内容の概要です。  何とぞ、御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。

風間昶公明党・改革クラブ

○委員長(風間昶君) 以上で三案の趣旨説明の聴取は終わりました。  三案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午前十時十分散会

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