法務委員会 第5号
- 発言数
- 142 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2000/03/21
会議録
○委員長(風間昶君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十七日、江田五月君及び岡野裕君が委員を辞任され、その補欠として笹野貞子君及び世耕弘成君が選任されました。 ─────────────
○委員長(風間昶君) 商業登記法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小川敏夫君 民主党・新緑風会の小川敏夫でございます。 この電子認証制度でございますが、まずどのような社会経済的な意味において必要性があって、この制度を取り入れるのでございましょうか。
○政務次官(山本有二君) 最近インターネットを通じた電子取引が急速に普及しておりまして、また政府におきましても、昨年十二月に決定いたしましたミレニアムプロジェクト等により、各種申請手続を電子化するといういわゆる電子政府の実現に取り組むこととされております。このような電子取引、電子申請の場面におきましては、インターネットを通じて情報が送受信されるため、情報の作成者を確認し情報の内容の改ざんを防ぐための方法が必要となります。 従来、登記所が発行する印鑑証明書や公証人による文書の認証は、情報の作成者や情報の存在を確認するために信頼性の高い手段として利用されてきましたが、インターネット上ではこのような従来の証明の仕組みを利用することができません。そこで、本改正法案には、電子取引、電子申請に対応した新たな制度として電子認証制度及び電子公証制度を創設しようとするものでございます。 具体的には、第一に、商業登記法の改正により、法人代表者等の電子署名を確認するための情報や代表者の資格につきまして登記官が電子的な方法で証明を行う電子認証制度を導入することとしております。 第二に、公証人法の改正により、公証人が電磁的記録について認証を行うとともに、認証を受けた電磁的記録を保存し、その内容に関する証明等を行う制度を設けることとしております。 第三に、民法施行法の改正により、公証人が電磁的記録について確定日付の付与を行うとともに、確定日付を付与した電磁的記録を保存し、その内容に関する証明等を行う制度を設けることとしております。 このように信頼性の高い電子認証、電子公証業務は、電子取引、電子申請の普及発展のための基盤の整備として不可欠のものでございまして、今後インターネットを通じての電子取引、電子申請が普及するにつれまして、相当多数の利用があるものと見込んでおります。 以上でございます。
○小川敏夫君 その電子認証の仕組みの方、ちょっとお尋ねするんですが、これまで印鑑証明といいますと、判こという物体をもってその具体的に押された印影が一つの証明の対象だったんですが、今回公開かぎとかキーという言葉を使ったり、あるいは電子署名というような表現もあるんですが、これをもう少しわかりやすく、具体的にどのようなものか、教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(細川清君) 電子署名はコンピューターによる暗号技術を用いて電子的な情報について作成者を示すために講ずる措置でございまして、これが従来の紙の文書について作成者が押印、署名するという行為に相当するものでございます。 現在実用化されておりますのは公開かぎ暗号方式と言われるものでございまして、公開かぎとそれから秘密かぎというものを二つつくりまして、これで電子署名として運用していくということでございまして、現在実用化されているのはこの公開かぎ暗号方式でございますので、この法案が成立いたしました場合はこれを前提として当面運用していくということになるわけでございます。
○小川敏夫君 公開かぎと言っておるわけですけれども、実際の、我々かぎといいますとこれは物質のかぎを思い浮かべてしまうんですが、では、この公開かぎというのは具体的にはどのような仕組みなのでございましょうか。
○政府参考人(細川清君) 公開かぎ暗号方式というのは、電子的な情報をコンピューター等によって暗号処理する方法の一つでございます。 暗号化するためには暗号の方式と、暗号に必要な対象は数値でございますので、数値が必要でございます。暗号化するアルゴリズムに加える一定の数値を秘密かぎと言っていまして、暗号文をもとの文に復号する、復元する、解読するというような数値列、これを公開かぎ、こう言っているわけでございます。これは一つのかぎがわかっても、公開かぎが仮に中身がわかっていましても、それから他方のかぎを割り出すことができないという性質がありますので、一方のかぎを公開かぎとして公開しておくことができるわけでございます。 具体的な手順でございますが、まずこれはあらかじめ専用のソフトで自分専用の秘密かぎと公開かぎの組み合わせを用意いたします。これはソフトウエアがあれば自分でもできますし、多くの場合は民間のコンピューター会社へ行ってつくってもらうということができるわけでございます。一方のかぎは秘密かぎとしまして他人に知られないように管理しておく。他方のかぎは公開かぎとして認証機関、この本件の場合は商業登記所に届け出るということになります。そして、届け出た後に自己の公開かぎについて認証機関、すなわち登記所から電子証明書をもらっておくということになります。これで取引の準備ができるわけでございます。 それで、いよいよ取引をするということで、取引の相手方に一定の通信文を送るわけです、例えば契約書のひな形とかですね。そういう通信文を送るわけですが、それだけでは作成者が署名したことになりませんので、その通信文を秘密かぎによって暗号化するわけでございます。そして、この暗号化したものとさらに登記所からもらった電子証明書をつけ、三つつけて相手方に送ります。そうすると、相手方は、送信されてきた暗号文を、その電子証明書の中に暗号を復号するための、復元するための公開かぎが入っておりますので、公開かぎによって復元します。そうしますと、これが本来の送ってきた平文、通信文と一致いたしますれば、本人が間違いなく署名したものだということがわかるわけでございます。 その間にこの電子証明書が本物かどうか、有効かどうかということを確認する必要がある場合もありますから、そういう場合にはインターネットを通じて登記所にこの電子証明書は有効であるかどうか、変更はないかどうかということを確認することができるわけでございます。それでそれを確認して、先ほどの公開かぎで暗号文を解読いたしますと、送られてきました通信文と一致いたしますればこれはその送信者の秘密かぎで作成されたものだとわかりますので、したがってそれは間違いなく本人のもので、内容も改ざんされていないことが確認できるわけです。 以上が公開かぎ暗号方式の具体的な手順でございます。 当初の御質問の、かぎとは何かという御質問でございますが、これは一定の数値の列である、このように申し上げたいと思います。
○小川敏夫君 一定の数値の順列といいますか配列ということですと、秘密かぎもまた同じようなものだと思うんですが、そうしますとこれを解読されてしまうとか、あるいは不正に用いられてしまうというような危険性、あるいは危険に対処する仕組みというものはいかがになっているんでしょうか。
○政府参考人(細川清君) これは、公開かぎから秘密かぎを割り出すことはできないという仕組みとしてつくられているわけです。 これはどうやってつくるかと申しますと、二つの大きな素数、一、三、五、七というやつですが、その素数から積を求めることは容易であるけれども、その逆、二つの大きな数を素数に分解すること、素因数分解が非常に難しい。これは、現在のところまで具体的な方程式等は開発されておりませんで、一個一個総当たり式に割り切れるかどうかというものを確かめていく方法以外にはありません。そういうことで、膨大な計算が必要となってまいりますので、公開かぎから秘密かぎを割り出すことはできないということになっています。 これは、公開かぎが非常に短いものですとそれができるんですが、一定以上の長さになれば現在のところはできないということになっています。現在のところ、私どもが考えておりますその的確な電子署名としては千二十四ビットのものを考えております。これは、十六進法ですと二百五十七けたぐらいの数字、それから十進法だと三百七けた程度の数字になりますので、これを普通の数字に直すと天文学的な数字になるんですが、こういう大きな数ですと、総当たり式で解析していくことはほぼ不可能ということになっておりまして、ここ当面は公開かぎから秘密かぎを割り出すことはできないというふうに申し上げて差し支えないと考えております。
○小川敏夫君 大変に素人的な発想で申しわけないんですが、コンピューターの世界に入りますと我々の脳の働きの域を超えておりまして、大変に演算速度が速まっている。ですから、今のその千二十四ビットですか、これが今の技術の最先端ということでしょうけれども、いわばイタチごっこのように、解読されない暗号システムというものをつくっても、またそれがさらなるコンピューターの発展によって容易に解読されてしまう。そうすると、またさらにそれに解読されないようにというようなイタチごっこがある意味では続いているんじゃないかと思うんですが、そこら辺の観点からはいかがでしょうか。
○政府参考人(細川清君) この公開かぎ暗号方式として現在広く用いられているものはRSA方式というもので、アメリカの学者が発明したものなんです。そのRSAというのは三人の学者なんですが、そのうちの最初のRに当たるリベストという人が百二十九けたの素因数分解の懸賞問題を出したんですが、一九九四年に暗号研究者が六百台のコンピューターを動員して八カ月かかったと。これが百二十九けたでございますから、千二十四ビットにしますとその倍以上でありますので、当面はできないということなんですが、世の中、技術改善が日進月歩の時代ですから、解読技術が進んでくれば暗号の方もさらに精緻なものにしなければならないということは御指摘のとおりでございます。
○小川敏夫君 暗号の解読というのはいわば部外者からの不正利用という観点だと思うんですが、今度は部内者の不正利用ということを考えますと、これまでの実印ですと、この判こという物体を持っていればそれが現実には不正利用される可能性はないわけで、実印をつくってもらった判こ屋さんが同じものをできるわけじゃないわけですけれども、今度の場合、パスワードということになりますと、例えばソフトウエア屋さんに発注して秘密かぎなるものを、ソフトを全部つくってもらうとなると、そのソフトを受注した業者は、これはいわば秘密かぎを知っておるわけです。あるいは会社の中でも、経営者のみならずその担当者はやはり秘密のそのパスワードを知っている立場にあるわけです。 こういう者が、知っている者が不正利用しようとする場合、例えばこれまでの実印ですと、社長が判こを実質的、物質的に握っていれば不正利用されることはないんですけれども、そのような部内者による不正利用ということを考えた場合、そのパスワードを知っている者が、本来の経営者等、管理者の知らない間に使ってしまうということができると思うんです。 例えば、話を少し敷衍しますと、今回、オウムの関連業者がソフトを開発したなんという事件がありました。そういうことを考えると、部内者の不正利用、すなわち秘密かぎの仕組みを知っている者が不正に利用するということに関しての防止策といいますか対処する方策等はいかがでございましょうか。
○政府参考人(細川清君) ですから、まず業者から知れるという問題については、かぎをつくるソフトウエアを業者から買って自分自身でつくるというのが一番いいわけでございます。それが最も推奨される方法でございます。 それから二番目は、その保存方法でございますが、現在の通常のやり方は、半導体集積記憶回路、いわゆるICメモリーなりICチップというものですが、これに入れておくとして、そしてそれを開くには暗証番号が要るというのが一般のやり方ですが、最も厳格にやろうと思えば、それは秘密かぎの格納装置を別途つくって、それは暗号化するためにだけ用いられるようにしておいて、そしてそれ以外の目的で中の情報を出そうと思えばそれは消えてしまって出すことができない、そういうやり方もあるわけです。 本件では、登記官の秘密かぎもあるわけですが、そういったものは、そういう最も厳重な方法でやろうと思っておりますので、そういう方法を民間の人もとっていただければ、まず他人が盗用するということは起きないだろうというふうに思っております。 現実に入っている装置をだれが使うかという問題は、要するにかぎを持っている人が、それは自分の責任において厳重に保管していただくほかはないので、そこは、秘密かぎをつくった人は従来の実印、代表者印以上に厳重に管理する必要があるものと考えております。
○小川敏夫君 大変素人の質問が続いて申しわけないんですけれども、その秘密かぎを使うとかといういわゆる電子取引の送受信の端末は、これはどの端末でもよろしいんですね。
○政府参考人(細川清君) 端末は、通常のメールを交換できる端末であればどれでも結構でございます。
○小川敏夫君 今までの印鑑でも、社長が知らない間にだれかがこっそり押してしまうような内部の盗用事件もあることはあるわけで、それは自己管理の問題だと思うんですが、今度の電子署名の場合には、とにかく物質的なものではなくて一つの情報ですので、情報が部内者から、あるいは知っている者が不正に使用してしまったような場合に、発見がこれまでの物質的な印鑑証明よりもおくれるんじゃないか。あるいは端末がどこからでもいいとなると、これが不正に利用されたのかどうかを判定しにくいような事情があるようにも思うんですが、そこら辺はいかがでしょうか。
○政府参考人(細川清君) ですから、不正使用の対策としては、御指摘のように、端末を利用した場合はその全記録、いわゆるログというものを記録しておく。そうしますと、何月何日、いつどういうふうに通信があったというのがわかりますから、それが大事ではないかというふうに考えておるところでございます。
○小川敏夫君 それでは次に、今度は取引当事者間の問題ではなくて、このシステムの安全性の問題ですが、コンピューターといいますと、いわゆる不正侵入者、ハッカー等による被害がよく報道されます。最近でも、官公庁のホームページが改ざんされたというふうなこともございました。 このような、組織そのものを、システムそのものを混乱させようというようなハッカーに対する防御策の方はいかがになっておりますでしょうか。
○政府参考人(細川清君) 一般の取引の相手方の方々からアクセスいたしますのは、証明をする登記官、一種の認証センターの登記官なんですが、そこの認証センターのコンピューターだけが外部のインターネットと接続されておりまして、ほかのところとは接続しておりません。そこのところが侵入される危険があるわけですから、そこにつきましては厳重なファイアウオールを設けるということになります。 したがいまして、インターネットを通じてコンピューターに情報を送る場合には、ファイアウオールを通過しなければならない仕組みになっております。このファイアウオールは、通過しようとする情報の送信者のアクセスの手順をチェックしまして、一定の要件を満たすものしか通過させないようにするわけです。本件におきましては、要するに一般の方ができることは電子証明書の有効確認だけですから、その手順を踏んだものだけをこのファイアウオールを通させる。それ以外のハッカー、クラッカーのたぐいはこのファイアウオールを通させないという仕組みにするわけでございます。 それから、認証センターのコンピューターシステムには不正の常時監視のシステムを設ける予定でございまして、定められた手順に従わないアクセスがあったときにはこれを検知してシステム管理者に知らせるとともに、そのシステムによってアクセスを強制的に切断するということを可能にするようにいたしたいと思っています。それから、認証センターのアクセスについては、正当なものか不当なものかは問わずすべて記録、いわゆるログを保存しまして、不正アクセスの発信元を後で調査することができるようにいたしたいと思っております。 こういった運用の不備がありますとそれはだめになりますので、やはりこういった電子認証制度を設ける以上はファイアウオールの定期的なログの監視とかメンテナンス作業に万全を尽くさなきゃならない、このように考えているところでございます。
○小川敏夫君 次に、利用の仕組みについてお尋ねしますが、これはどこの法務局で取り扱う、全国どこの法務局でも取り扱うのか、あるいは一部の法務局が地域を代表する形で取り扱うようになるのか、その利用の仕組みについて教えていただけますか。
○政府参考人(細川清君) これは法文にもございますように、法務大臣の指定する登記所に印鑑登録をしている人ということになっております。 ですから、御質問は、どの範囲のものを指定するのかという御質問になるわけですが、これにつきましては、当初は大都会でまず始めてみまして、順次これを拡大して、最終的には商業登記を扱う登記所、すなわち印鑑登録がある登記所すべてに拡大するという予定でございます。
○小川敏夫君 あと、利用する場合の料金的な面はどのように決まっていますでしょうか。
○政府参考人(細川清君) これは登記特別会計の他の場合と同様でございまして、この制度の運用に要するすべての経費を積算し、そして利用見込み件数でこれを除していくというやり方でやるわけでございます。 手数料は当初の登録のときだけにいただきまして、後は一般の取引先の相手先の方がインターネットで照会してきますが、それはちょっと手数料を取りようがないので無料として、最初の登録のときに御本人に負担していただくということを考えております。 金額的には、まだこれから財政当局等とも検討しなければなりませんので確たることは申せませんが、民間でやっているところとそんなに変わらない料金になるのではないかなというふうに考えております。
○小川敏夫君 なるべく、これからのインターネット社会の到来を予測すれば、利用しやすい身近な地域に利用拠点を設けていただきたいと思うんです。 一方で、コンピューターといいますと、我々年をとっているとなかなか頭に入りにくいんですが、そこら辺、法務局の方の受け入れ体制、コンピューターに対する教育とか、そこら辺の方は万全に行われているのでしょうか。
○政府参考人(細川清君) 法務局におきましては、十年以上前から登記のコンピューター化を進めておりまして、もう運用を始めてから十年以上経過しているわけでございます。その間、さまざまな研修をしてまいりました。したがいまして、基礎的な知識はあるものと考えておりますけれども、今回新しい制度ができますので、その運用方法についてもしっかりと研修等をしていかなければならないというふうに考えておるところでございます。
○小川敏夫君 最後に、公証人の方の仕組みについてお尋ねします。 公証人ですと、特に実際に公証人になられる方は我々以上にさらにお年寄りの方が多くて、これまでもコンピューターに余り精通していないんではないかと思うんですが、ここら辺の、公証人がこのような電子認証システムに携わることについてのその習熟度といいますか、あるいは間違いが起きないようないわば事前の訓練という言葉はおかしいけれども、習熟のための教育とかそういったことは行っておるんでしょうか。
○政府参考人(細川清君) 現在、多くの公証役場では公正証書を作成するためにパソコン等を導入しているところが多いわけでございます。しかし、御指摘のように、年をとった方が多いということもまた事実でございます。 したがって、その危惧はあるかどうかという問題なんですが、指定公証人が実際行う操作は、嘱託人が持参してきた私的な電磁的文書、あるいは日付の場合は送信してきた文書を端末で画面をクリックで開いてみて、その内容を審査して、それでまた、認証するなら認証のところをクリックを押す、確定日付なら確定日付のクリックを押すという程度のものでございまして、現実の後のデータの保管は指定公証人がデータの集中管理センターを設けてそこで集中的に管理するということを日公連、日本公証人連合会で考えているわけでございます。 ですから、そういう点では私どもは心配はないと思っておりますが、御指摘のとおり、万が一にも問題がないようにこういった手順書を作成する、あるいは操作説明会をするといったことで公証人に対しては十分の研修をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○小川敏夫君 終わります。
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。 今回、商業登記法という法律でありながらかなり技術的な法律だと思うところでありますが、今、世の中でIT革命というような言葉がはやっておりますし、我が党においても情報通信立国また電子政府を推し進めるべきである、そういうふうに訴えているところでありまして、いよいよその基礎的なインフラが今回の電子認証あるいは電子公証制度というものでスタートをするなというふうに思っておりまして、本当に期待するところが大であるわけであります。いよいよ産業革命以上のインパクトを社会に与える法制度としての第一歩を記すんではないかというふうに考えているところでございまして、そういう法整備の確立が急がれているというふうに思うところでございます。 まず、この第一歩を記すに当たって、大臣の抱負といいますか、そういうものから御拝聴をしたいと思います。
○国務大臣(臼井日出男君) 近時、インターネットを通じた電子取引が急速に普及をいたしてきておりますけれども、政府におきましても、昨年十二月に決定されましたミレニアムプロジェクト等によりまして、各種の申請手続を電子化するといういわゆる電子政府の実現に取り組むことといたしております。 御指摘のように、本法案による新たな制度は、電子政府を実現するための不可欠の基盤となるものでございまして、本法案の速やかな成立を希望するとともに、成立後は制度が円滑かつ適切に運営されるように努めてまいる所存でございます。 特に、最近インターネットを通じました悪質なハッカー行為も多発をしているところでございまして、本制度の安全性に関しましては万全の措置を講じ、国民の信頼を得ることができるようにいたしたいと考えております。
○魚住裕一郎君 そこで、インターネットはアメリカから発達して、どんどん民間の自主的な運営で発達してきたわけであります。それで、こういう認証制度というものも、これはインターネット取引でアメリカで発達をし、また日本でもインターネット取引が発達しつつある中で、民間の認証機関というのが具体的にもう既に会社としてあるわけですね。四社ほどあるようでございます。 そういう状況の中で、具体的には、海外とのインターネットの取引等をやる場合には、民間の認証機関に基づいて、会社、法人であってもその認証機関の認証を得てやっているわけでございますが、何ゆえ法務局といいますか登記所が今回新たな認証機関として手を挙げていくのかという点でございます。ある意味では、民業が先にやっているものを登記所が後で乗り込んでいくようなイメージに見えるわけでございまして、ちょっとその辺何ゆえかという点をお聞かせください。
○政務次官(山本有二君) 商業登記所による電子認証は、法人に関する登記事務をつかさどる機関が登記事項や法人の代表者の印鑑に関する情報に基づきまして行うものであり、登記簿の謄抄本や印鑑証明と同様に、最新の第一次情報に基づく正確な証明として高い信頼性を有するものであります。登記簿謄本や印鑑証明書は、公的機関に対する届け出、申請等の手続や民間の取引等に幅広く用いられておりまして、今日の取引社会の基盤となっているところでもございます。 同じように、商業登記所による電子認証も電子政府の実現を含む社会の高度情報化のために不可欠な社会基盤の一つであると考えております。すなわち、対抗要件等、大変民間権利関係に重大な影響を及ぼすということにおきまして、商業登記所が管轄するということになった次第でございます。
○魚住裕一郎君 ただ、民事局長の主宰する電子取引法制に関する研究会制度関係小委員会の報告書の中で、これは登記所みずからが認証機関として取引の中に入っていくということではなくして、民間の認証機関を利用したそういうシステム、スキームを報告書の中でも書いてある。やはり、一度は検討されたことだというふうに思いますし、何ゆえこれを排除してまでみずからが認証機関としてお出ましになるのか。その辺、もう一度お願いします。
○政府参考人(細川清君) ただいま御指摘の報告書、電子取引法制研究会制度関係小委員会の報告書、平成十年三月に公開されたものでございますが、その中では、ただいま魚住委員が御指摘のとおり、登記所がみずから認証機関になる制度のほかに、登記所から民間認証機関に対して業務に必要な登記情報を提供する制度ということも考えられるというふうにしているわけでございます。 今回法律にはそのことは盛り込まれていないわけでございますが、この理由でございますが、まず報告書が平成十年三月にできたんですが、その後昨年の臨時国会で電気通信回線による登記情報の提供に関する法律が成立いたしました。結局、登記所から民間機関に対して最新の登記情報を提供するという方法がその別の法律でできるようになった、別の形で実現したということ。 それからもう一つは、報告書にあるような形での情報提供制度について、民間の認証機関の御意向を聞いたところ具体的な導入希望は全くなかったわけでございます。かつ、商業登記所がみずからすることについては経済界、経団連からも御要望もございますし、あるいは連合等からもその早期実現の提言が寄せられるということでございまして、結局現在の形に落ちついたわけでございます。
○魚住裕一郎君 ちょっと余りよくわからない、納得できないなというのが実際の私の感覚なんですが、確かにそういう登記情報も電子化で提供されるようになりましたし、そんなものの場合はなおさらそちらを活用した方が簡便なのではないのかなというふうに思うところであります。 先ほど政務次官の御答弁の中で、第一次的な、ある意味ではリアルタイムの情報を提供できるというお話がございましたし、確かに申請に基づいて点検をしながら、その情報を確認しながらやるわけで、その信頼性というのは非常に高いというふうに私も思うところでありますが、ただ例えば、この認証をとっている代表者が代表権限がなくなったような場合、そういうときも申請がなければだめよと。それはそうなんだけれども、代表者のまま亡くなった場合、新聞記事にぼんと出た場合、あるいはどこかのデパートで代表権限がすぐ取り上げられて大きく新聞報道された場合、それでも申請がない場合は、別にリアルタイム性がないわけですね。こういう点は、職権でこれ無効とするような手続をとらないとこの前提が変わってくるように思うんですが、その点はいかがでしょうか。
○政府参考人(細川清君) 確かに、申請がなければ登記事項の変更は登記に反映されないことは御指摘のとおりでございます。 ただ、電子証明書に表示する予定の事項は、株式会社であればその商号、本店の所在地、代表者の氏名、資格を表示いたします。したがいまして、変更が生じたときはその旨の変更登記をしなければならないという義務が商法で定められておりまして、それを履行しない場合には百万円以下の過料に処せられるわけでございます。 それからもう一点、これらの登記事項は、登記事項が変更した場合には登記をしないと善意の第三者に対抗できないということが、これは商法十二条で定まっているわけです。したがいまして、変更があってもその旨の登記をしない場合には、善意の第三者は変更前のものを真実だと扱って取引をすることができますので、その限りにおいて相手方は保護されるということになります。したがいまして、最新の情報として取り扱っても相手方の利用者は損害を受ける場合がないということでございます。そういう意味において、最新の情報であるというふうに申し上げたわけでございます。
○魚住裕一郎君 今回新しい制度を発足させようということでございますが、オンラインで電子証明書というのが来るわけですが、電子申請、これはしなかったのはどういうことからでしょうか。わざわざ役所に行く手間を省くというところがインターネット社会における利便性の大きな点だと思うんですが、わざわざ印鑑を届けたような人間が行かなきゃいけないというのは、大事なところで制度の目的が達せられないんではないかというふうに思うんです。 ただ、電子申請となるといろんな整備が必要かと思いますが、もし電子申請が可能となるんであればそれはいつごろになるのか、見込みといいますか、それをちょっとお聞かせください。
○政府参考人(細川清君) まず今回、当初の登録は御本人が登記所に来なければならないということは御指摘のとおりでございまして、これは本人の意思に基づいて間違いなく申請されているということ、本人が間違いなく申請していることを確認するためには、現在の、今回御提案申し上げているように、御本人が登録してある印鑑を押印したもので申請書を出してもらうということが最もよいということによるわけでございます。 電子申請につきましては、これは政府のミレニアムプロジェクトで言っておりますように、将来的にはすべての申請が電子的にペーパーレスでできるようにというのが目標でございますので、法務省といたしましてもその前提を整備するように努力していかなければならないと思っておりますが、相当多数のものをするためにはさまざまな前提条件が必要でございます。 例えば、この印鑑登録をする前提には取締役に就任したという登記をしなければいけません。そのときには本人が承諾していなきゃいけませんので、今は市町村長が発行した印鑑証明書を本人の承諾書に添付してもらっているのです。今、本人の印鑑証明に当たるものはまだ余り普及していないというような前提があります。ですから、そういう前提を政府全体で整えながらやっていくと。なるべく早く電子申請の制度が使えるように政府全体として努力していく必要があるものと考えておるわけでございます。
○魚住裕一郎君 そうしますと、それは郵便でも可能ということですか。
○政府参考人(細川清君) 届け出の実印で押印していただいたものであれば郵便での届け出は可能でございます。
○魚住裕一郎君 それで、登記所からオンラインで電子証明書というものをもらうわけでございますけれども、それで利用者は平文と電子署名とそれから電子証明書をつけて取引相手に送るというような形になります。電子証明書は、これはデジタル署名をつけるんですか。 つまり、この登記所が真正な登記所かどうかという証明はだれがやるのかという問題です。つまり、ユーザーは自分の申請、私が魚住裕一郎であります、どこかの会社の代表の魚住ですという証明書を登記所にお願いするわけですね。だけれども、登記所自体が本物の登記所であるという証明はどういうふうにやるのか。ただデジタル署名でやるのか、その点はいかがな形になるのでしょうか。
○政府参考人(細川清君) ただいまの例でございますと、何々商事株式会社代表取締役、先生のお名前、こういうことになって署名いたすわけですが、その証明書は登記官が発行する公文書としての電子署名ですから、それには当然のことながら登記官が電子署名いたします。電子署名になりますと暗号化になりますので、さらにそれに登記官の電子署名の電子証明書というものをくっつけてお送りするわけです。ですから、登録した人の電子証明書には登記官の電子署名と電子証明書がついているということになります。 では、その登記官の電子証明書、すなわち公開かぎが正しいものかどうかというものは、これは制度が始まるときにあらかじめ公開いたします。例えば官報に載せるとかホームページに載せておくということで広く一般の人に周知しておく予定でございますので、そうしておけば利用者は自分のパソコンの中に登記官の公開かぎを収納しておくことができますので、それで確認することができるということになるわけでございます。
○魚住裕一郎君 それは同じぐらい、さっき千二十四ビット云々とかいう安全性の問題がございましたけれども、その公開かぎも完璧なものであるというふうに、現在のところ、そういうふうに断言できますか。
○政府参考人(細川清君) 登記官の秘密かぎ、公開かぎにつきましては、民間の方に求める以上に厳重なものにするつもりでして、一般的に今考えていますのは、一般の利用者については千二十四ビットのものですが、登記官についてはその倍ぐらいのものを考えておりまして、そして登記官の秘密かぎは特殊の秘密かぎの保存装置の中にしまっておく、その装置が入っているところは厳重な入退室管理をする、そしてその秘密かぎを用いるためにはもちろんパスワード等の暗号が必要だということで、そしてそれを暗号化には使えますが、情報を取り出そうとすればそれは消えてしまうというような装置を考えておりまして、そういうことによって厳重に管理する予定でございます。
○魚住裕一郎君 これはアメリカでもカナダでもいろんな各国でGPKIといいますか、要するに政府認証機関というようなものが構築されつつあるといいますか、つくられているようでございまして、要するに民間と政府、政府の公開かぎといいますか、パブリックキー、その制度をもってお互いに認証していく相互認証あるいはブリッジ認証という形で政府機関も民間も巻き込んだ形で相互に相手の真正さを証明していくという制度がつくられているというふうに思うわけでございますが、これは法務当局としては、将来日本政府全体においてもこのGPKIが政府として一本でやっていこうというふうになった場合、今おっしゃった完璧なというような登記所の自己認証といいますか、これはそちらの方に移行していくというふうに考えていいんですか。
○政府参考人(細川清君) 総務庁の共通課題研究会には、先ほど御指摘のようなブリッジ認証局を設けることが適当であるという指摘があることは承知しております。このブリッジ認証局は、各省庁がその長や職員の電子署名を認証する認証局となる場合に、各省の認証局の上位に位置して各省庁が行う認証をさらに認証する機能を果たすということになっていくわけです。 これは、いわば電子申請があった場合には、電子申請をする人は自分たちの認証制度を使う、それから役所側は許可とか不許可とか、その場合の役所側の応答に役所としての電子署名をつけよう、こういうものでございます。 共通課題研究会や政府のミレニアムプロジェクトでは、商業登記所が行う電子認証は民間の法人の代表者の認証を行うものなので、これはいわば民間側のためのものでございますので当然にブリッジ認証局の下に入るわけでもありません。 ただ、ブリッジ認証局が実現した場合には商業登記所との間に相互認証の仕組みということを設けることが望ましいというふうに考えられていますから、そういう制度ができましたらそれとの間に一番効率的な方法というものを検討してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○魚住裕一郎君 ということは、要するに今の自己認証といいますか自己証明というか、大変なビット数のものでやる方法にまたプラスそれに乗っけてブリッジもかけていくということになるんですか。
○政府参考人(細川清君) この署名というのはだれか証明する人がいるんですが、その人をまた証明しなきゃいかぬということになると際限がなくなるわけで、どこかでとめなきゃいけないわけです。それがお互いに認証するという意味の相互認証ですから、そういう意味においてこの登記に基づく認証制度もその相互認証という形で適切に運用されるようになればいいかなというふうに考えているわけでございます。
○魚住裕一郎君 それから、今回法人の代表者等の電子認証でございますが、自然人というか個人用についてはいかがですか。今は印鑑証明書という市区町村が発行する形でやっておりますが、これもすべてとりあえず民間の認証会社に任せるという発想なんでしょうか。
○政府参考人(細川清君) 登記所が発行する電子証明書は法人の代表者に関する登記に基づいて発行するものでございますのでそれが原則ですが、例えば個人商人が商号の登記をしているような場合には、これは商業登記制度のもとにおいても認証することが可能でございます。それ以外の一般の方については、現在のところは現存する制度としては民間の認証機関で電子署名を認証してもらうということになるわけでございます。 いろんなミレニアム計画等を読みますと、将来的には住民票等にもそういうことができるようにした方が適当だという記述がありますが、これは自治省のことですので私どもとしては詳細は存じておりません。
○魚住裕一郎君 今回の一連の制度の中で、公証人についてなんですが、電子私署証書というものも保存するというふうになるわけでございます。ハッシュ値を保存するということになるわけでございますが、公証人が公正証書なりの原本を保存するというのは非常に大事なことだと思いますが、電子情報の原本性の確保というのは非常に難しいと思うんです。要するに、うまくやれば改ざんは幾らでもできる、痕跡を残さないといいますか。 そういうような観点からすると、やはり今局長が引用されました総務庁の共通課題研究会でも出ているように、原本性確保の中で、完全性、機密性、見読性というふうに言われておりますが、これを確保する保存の設備というものは、町にある公証役場でやるのは相当困難だろうと思うんです。私たちが日常持っているようなパソコンでは対応できない、当たり前の話ですが。この手当ては一体どういう形でやっていこうと考えておられるんでしょうか。もちろん、公証は民間ですから役所がやることじゃありませんよと言うかもしれませんけれども、その辺の見通しをお願いします。
○政府参考人(細川清君) 電子公証制度につきましては、ただいま御指摘の点が大変大事な点でございます。 その点につきましてこれまで日本公証人連合会が検討しておりますが、それによりますと、指定公証人は保管等の事務を集中的に管理する管理センターというものを別途設けるということにしておりまして、その指定公証人の設ける公証人役場の端末とネットワークで結びまして、電磁的記録の保管はすべてその集中管理センターで行うこととして、個別の公証人の役場ではデータ管理をしないということとしているわけであります。 それで、集中管理センターでは登記所と同じようにセンターのコンピューターとインターネットの間に厳重なファイアウオールを設ける、それから不正侵入を常時監視する装置を設ける、こんなことをして安全性確保のために万全の措置を講じることとしております。 なお、この集中管理センターは、最終的には指定公証人において信用のおける民間業者に委託して、そういうこととなると思いますので、法務省としては、適切な業者が選定され、問題が生じないように厳重に指導してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○魚住裕一郎君 これは集中管理センターでやるとしても相当費用がかかると思うんです。自前で持つ、あるいは今局長がおっしゃったように民間に委託するとしても、民間の委託といっても、自分だけで、公証人の集中管理センターだけの仕事をやるのであれば相当費用負担になると思うんですが、その辺は、公証人の皆さんお金持ちかもしれませんけれども、国としては援助みたいなものは考えておるんでしょうか。
○政府参考人(細川清君) 御指摘のとおり相当経費はかかるんですが、指定公証人がその経費を分担するということが大原則でございます。 したがいまして、法務省として補助金を出すということは今は考えていないわけですが、それが適切に行われるようにさまざまな協力はしてまいりたいと考えております。
○魚住裕一郎君 指定公証人は全国何人ぐらい予定しておるんでしょうか。
○政府参考人(細川清君) 東京では二けたの数の人がおられることは私は現実に承知しております。全国的にどのぐらいになるかはまだ確定しておらないところでございます。
○魚住裕一郎君 定員が約七百名弱、それで現在員が五百五十名程度というふうになりますと、その中で選ぶんでしょうから、二けたといっても、三けたには行くか行かないかよくわからないですけれども、それでも一人頭の分担金額というのはかなりでかいんじゃないかなというふうに思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(細川清君) 分担する金額、経費はどのぐらいになるかという、額にもよるわけですが、これについては現在業者等とも鋭意折衝しているところでございまして、日本公証人連合会としては、公証人で負担できない額ではないということを言っておりますので、何とかできるのではないかというふうに考えております。指定公証人の数がふえてまいりますれば負担はそれに応じて減ってくるということになるわけでございます。
○魚住裕一郎君 今回、確定日付も電子でやるということになってきたわけでございますけれども、文書だけじゃなくて、映像というかイメージといいますか、そういうものにも対応できるんでしょうか。要するに、確認日付というのは役所に持っていってぼんと判こを押してもらうというのが今まで確定日付でしたね。映像ならデジタルカメラみたいなのがあるわけで、そうするとカメラの中にも日付とか入っていますけれども、これで確定日付すると非常に証拠価値が高まるといいますか、そんなふうに思うところでございまして、イメージ像への確定日付付与の可能性について御答弁お願いします。
○政府参考人(細川清君) 現行の公証人法で見ております認証の対象となっております私署証書は証書でございます。ですから、文字その他の記号によって意見、観念、または思想的意味を表示しているものが証書だというふうに言われております。写真、図面、イラストだけでは意見、概念等を表示しているとは言えないので、これは認証の対象にならないけれども、説明文を付して表示してあればその説明文のところは証書でございますから、これは確定日付を付与することができるというのが現在の解釈でございます。 ですから、今回の法案でもそれと同じ解釈でございまして、電磁的方式に画像情報がついている、普通の文書もあるという場合には確定日付を付することは理論的には可能なんですが、実は画像情報というのは情報としての容量が非常に大きな情報になりますので、保存と処理等に大変なコストがかかる。ひいては全体の手数料が高額になるという問題がありますので、現時点では画像情報の付された情報に確定日付を付することはちょっと困難であるというふうに考えていますが、これは利用者のニーズがどれぐらいあるかということを見まして、引き続き検討させていただきたいというふうに考えております。
○魚住裕一郎君 終わります。
○橋本敦君 民事局長にまずお伺いをさせていただきますが、今回、商業登記法改正で、商業登記に基礎を置いて登記所が主体になって電子認証制度を創設することがあります。経済の今後の発展等を考えますと、一定の合理性ある改正だというように私ども理解しておりますが、この電子認証の信頼性の程度ということで、そこのところで用いられる情報の正確性はもちろん大事ですが、同時に認証サービスを提供する主体がどこかということも国民にとっては大事なことだと思うんです。 それで、今回、登記所が商業登記に基礎を置いて認証ということをやるわけですが、一方で法務省は、郵政、通産の三省とともに、電子署名認証法の制定ということで民間機関の信頼できる認証業務に対する認証制度の導入も検討されている、こういうことですね。 そういうことになりますと、この両者の関係はどのように理解をすればいいのか、その点について法務省としてどうお考えなのか、民事局長のお考えをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(細川清君) これは両者が相まって、電子取引あるいは電子申請の基盤になるというふうに考えておるわけでございます。 商業登記に基礎を置く電子認証制度では、対象者は基本的には法人の代表者に限られているわけですが、民間の認証機関の場合にはすべての個人の方ができるわけです。それから、会社の代表者じゃなくて会社の平の従業員でもだれでもできるということで対象が異なります。 それからもう一つは、商業登記に基づく認証制度では、公開かぎとともに付加する情報は登記事項に限られているわけでございます。法人の商号、名称、あるいは本店、主たる事務所の所在地、権限というものを名称というものを、それから個人の名前というものを認証するわけですが、民間の場合にはさまざまな情報を付加することも可能です。それが二番目です。 三番目としては、他方、先ほど来御説明申し上げておりますように、登記所の情報は登記簿という公簿に基づいているものですから、即時性、最も最新の情報をあらわすことができるということになります。民間の場合には、それぞれ届け出ベースですから、当然には変更がわからないということがあります。そこのところに機能的には差異があるということになるわけです。 そういう二つの機能があるものがございますので、利用者の方は自分のニーズに合わせて使っていくということになろうかと思います。ですから、双方は共存共栄で、かつお互いがお互いに補完し合うようなものとして電子社会の基盤になる、このように考えているところでございます。
○橋本敦君 そうすると、民間の認証機関ができたとしても、法務省がお考えになっている今回の改正による法務局の電子認証ということは、これはもう役割分担といいますか、競合するところはないというように考えられるのか。競合する部門はあることはあるけれども、使う方が選択できるというように考えるのか、そういう部門というのは出てきますか。
○政府参考人(細川清君) 会社の代表者であっても民間の認証機関で自分の電子署名をすることはもちろん可能でございますから、観念的には競合するわけです。ただ、商業登記による電子認証制度の場合には、常にこの会社の現に代表権を持っている人だということは証明してくれますから、それは民間ではないことです。ですから重要な取引をする場合にはこれが必要になってくる。それから、官庁の電子申請等で代表者本人の名前で申請する必要がある場合には、その資格を最新の情報に基づいてあらわしているこちらの電子認証制度のものが用いられるのではないか、従来の印鑑証明や資格証明の利用の仕方がそうなっておりますので、今後もそういうふうになるのではないかなというふうに想像しているところでございます。
○橋本敦君 私はなぜこの質問をするかといいますと、日経新聞の記事にあるんですが、今後民間の認証機関ができたとして、両方が認証ということになった場合、金額の大きい契約には法的効力のある機関、つまり法務局の電子認証を使う、系列企業間の日常取引などでは資格を持たない機関の低料金サービスを利用する、こういうことで、「電子署名・認証法ができれば、取引の種類によって認証機関を使い分けることになりそうだ。」、こういう記事があるんですね。なるほど、そういう傾向もあるでしょう。 そうなった場合に、認証ということの公的信用性の国民からの担保という点で問題が生じるという二重性が出てこないかどうか。そこらあたりは使う方がここの新聞に書いているように任意に選択をすればそれでよろしいということで、公証的役割ということを離れて認証ということが持っている社会的信用性がどこまで担保されるか私は心配なんですけれども、そこらの点はどう御判断なさいますか。
○政府参考人(細川清君) 現在、現時点で印鑑証明を考えてみますと、登記所で行っている法人の代表者の印鑑証明のほかに、例えば銀行の場合には銀行だけの届け出印でやっているわけですね。銀行の取引の場合には、会社の代表者の登記所での印鑑証明でなくて届け出印でやるというのが通常の取引では普通だと思うんです。ですから、それは基本的には、利用者というものは利用者の必要に応じて使い分けられてくるだろうと思っておりますが、ただ違うところは、さっきも何度も申し上げておりますが、公的な最新の情報に基づいていることであります。 したがいまして、これに間違いがあれば国家賠償の問題ともなる。それから、これが偽造等をなされば、公文書に当たるものですからさまざまな刑法の罰則がかかってくるということで、これは信頼性は高いということになろうかと思います。 したがいまして、重要な取引については、現在が登記所の印鑑証明をつけてやっているように、この登記所のものを使えるだろう。あるいはもうちょっとランクが落ちてきますと、登記所で届けた電子署名で電子委任状を使って、それから民間の登録してある署名を使ってその担当者がやる。あるいはもっと単純な日常的なものであれば、民間の届けてある署名だけで使うというようなことが予想されるところでございます。
○橋本敦君 今お話しの損害賠償という点を国民から見ると、民間の認証機関に対してはそういうことは考えられないんですか。
○政府参考人(細川清君) 民間の認証機関の場合に、それが不法行為の要件に当たるかどうかという問題と、もう一つは契約の約款で損害賠償についてどのように定めておくかということによって左右されるものだと考えております。
○橋本敦君 そういう契約がないとなかなか難しいということかもしれませんね、損害賠償についてですね。 そういう契約は、利用者にとってあるいはまた民間の認証機関にとってそういう契約というのは進む可能性があるんですか、ちょっと私はその点を心配するんですけれども、国に対してはわかりますけれどもね。
○政府参考人(細川清君) ですから、今インターネットのプロバイダーがさまざまな契約をしておいて、そこにさまざまな約款があるわけです。ですから民間機関については、橋本先生先ほど御指摘のとおり、郵政省、通産省、法務省三省で別途法律案を提出すべく準備中でございまして、これはきちんと認証ができるということを役所の側で確認したらば、そういう的確な認証機関であるという認定をする、それを表示して使ってよろしいと。受けていない人はそれを使ってはいけないということで、利用者の選択を増そうということになっているわけです。 ですから、そういうことで、その過程ではさまざまな業者に対する、何といいますか指導という言葉は最近はやりませんけれども、援助とか助言ができるわけで、そういったところで解決されていく問題だろうというふうに考えております。
○橋本敦君 やっぱり公的信用といいますか国民の信頼ということを確保するということで、取引の安全を確保するという点では、民間認証機関をつくっても国の指導なり国がそこらに目を光らせておくというシステムは何らか必要があるんじゃないかというふうに私は思っているんです。 次の問題に移りますが、この商業登記情報に基づく電子認証制度が実際の取引で一体どれくらいの需要があるか。通産省によりますと、日本の電子商取引の市場規模は九八年には約八兆七千億円、これが二〇〇三年には七十一兆六千億円に達する、こういう予測があるんですね。かなり伸びていくと。そういうことになりますと、かなり利用されるということになるんですが、それに見合った体制をどうつくるか、法務局として人員増も含めてかなりの体制整備が必要ではないかと思うんですけれども、そこらあたりのお考えはいかがですか。
○政府参考人(細川清君) 現在、全国の法務局で印鑑登録をしている法人の数は約三百五十万あります。それで、そういう法人が年間千七百万件程度の印鑑証明をとっているという事実がございますので、電子取引が普及してまいればこのうちの相当数がこれにかわってくるというふうに考えているわけでございます。 これに関して、法務局、法務省側の人的体制が大丈夫かという御質問でございまして、そういう御質問をしていただいて大変ありがたいと思っておりますが、私どもといたしましては、現在の政府全体の厳しい定員事情、定員に対する考え方を踏まえながら、この事務が適正に行われるような要員の確保ということについて努力してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○橋本敦君 要員の確保という点も私は大事な課題だというように思っております。ぜひそれはそういう方向で実現をしていただきたいということを大臣にもお願いして、次の質問に移ります。 電子署名の方式の問題ですが、法案では、第十二条の二第一項第一号を見ても明らかですが、「法務省令で定める」、こういうことになっていますね。だから、具体的に規定はしていません。 それで、現時点では、法務省電子取引法制に関する研究会報告を見ますと、最も合理的で、その仕組みが確立しつつあり、暗号自体に関する部分も含め安全性の評価も確立しつつある、海外においても一般的であり、公開かぎ方式による制度を構築することは国際的整合性の観点からも問題が少ないということで進めようとされておるわけですが、省令で定めるということにしたのはなぜなんでしょうか。
○政府参考人(細川清君) 法律の条文自体では、将来の技術的発展もありますでしょうから特定の方式を前提とすることは適当でないということでございます。 したがいまして、例えば公開かぎ暗号方式の電子署名のあり方についても、先ほど申し上げましたRSA方式のほかにも他の方式が考えられるわけでございますので、そういった他の新しい方式が一般普遍化してきた場合にこれは利用できないということでは困りますので、他方、コンピューターの世界は技術進歩が日進月歩でございます。 そういうことを考えまして、具体的な定め方につきましては省令で委任させていただきたいということでございます。
○橋本敦君 現段階では公開かぎ方式ということをお考えになって、省令でもそういう方向でいくと。しかし、将来の発展ということもあるので、その都度省令で検討していきたい、こういうことですか。
○政府参考人(細川清君) 御指摘のとおりでございます。
○橋本敦君 そうしますと、関係者は、その省令がどう変わっていくか、社会の技術的進歩の発展等との関係でよく検討しなきゃならぬということで、若干私は、法令でない政令ということになりますので、技術の発展に対応したという意味はわかるんですが、法的安定性から見てどうかなという点を心配してお尋ねしたわけです。 それはやっぱり今後の技術の進歩ということから見てやむを得ないといいますか、適当な処置だというお考えは変わりませんか。
○政府参考人(細川清君) これはやはり技術の進歩というものを考えなければなりません、その速さというものを考えなければなりません、法律の条文で細かく形式まで定めてしまいますと、法律の改正が技術の進歩に追いつかないということになりそうでございます。 先ほど申し上げております公開かぎ暗号方式のRSA方式というものですが、これは実はアメリカで特許があったものですが、その特許が切れたもので一般で使えるようになりまして、そして国際電気通信連合、ITUでそれに関する一般的な標準の仕様をつくりました。それで急速に世界的に普及したわけでございます。 ですから、そういう事情もございまして、御指摘のように法律で本来書くのが筋かもしれませんけれども、こういう技術的な細目的な話でございますので、省令で定めさせていただいてよろしいのではないかというふうに判断したところでございます。
○橋本敦君 趣旨はわかりました。 そうすると、省令で変えた場合、それの周知徹底を広くやっぱりやっていかなくちゃならぬということですね。その点の段取り、どんなふうにお考えですか。
○政府参考人(細川清君) ですから、新しい方式を採用する場合には、まず民間の世界でそれが使われてくるというのが普通だと思います。ですから、それが普及して世界的に使われるようになったということになりますれば、それを取り上げて省令を改正することになりますが、これにつきましては、現在のやり方は、まず案をもしもつくりましたら、これを公開してパブリックコメントを求めるということをやっておりますので、事前に関係者に知っていただいた上で省令を改正して、その後十分周知徹底を図る、こういう段取りになろうかと考えております。
○橋本敦君 その点で、日弁連の意見書にもあるんですが、今、国民意識の中で十分成熟しているかどうかということで、法的効力とも関係があるんですけれども、書面に対し署名あるいは押印をすることが法的責任を発生させることとなる可能性が高いということが、これは一般的国民常識になっておりますね。コンピューター操作で行う電子署名ということになりますと、一般市民社会全体として見た場合に、単なるキーボード操作と同様の認識しか持たない者が少なからず存在するのではないかという懸念がある、日弁連の意見書でこう言っているんですね。 そういう国民意識と技術の進歩との若干のずれということはあることはあるんですが、そこで電子署名の法的効力をどう考えるかという問題も大事になってくると思うんです。 民事訴訟法の第二百二十八条第四項で「私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する。」、こういう規定がある。最高裁の判例でも、印影が本人の所持する印章により作出されたものであることを認めた場合には、判例上、本人が押印したものと事実上推定することができる、こういう判例もありますね。 今度の場合、電子署名の法的効力というのはこれとの関係でどんなふうに整合的に解釈できるのか、するのか、ここのお考えはいかがですか。
○政府参考人(細川清君) まず、電子署名の実体的効力の問題につきましては、外国では、一定の取引については本人の署名がある文書がなきゃいかぬとかいう規定、英米法等にありますから、そういう国では非常に法的効力が問題になるわけですが、我が国では一般的に諾成主義がとられておりますので、その問題はないわけで、残っている問題はただいま橋本先生が御指摘の証拠に関する問題でございます。 まず、証拠能力、証拠として取り上げられることができるかどうかという問題ですが、これは民訴法の二百三十一条で書証の規定が、「図面、写真、録音テープ、ビデオテープその他の情報を表すために作成された物件で文書でないものについて準用する。」ということになっていますから、これは証拠能力があるということになります。 今度は証明力はどうなるかという問題ですが、これは基本的には裁判官の自由心証でございます。本人が電子署名をしたということがわかれば、文書全体の成立の真正について事実上の推定が働くということになろうかと思っています。 なお、先ほど申しました通産省、郵政省、法務省三省で立案の準備中の電子署名及び認証業務に関する法律案では、一定の要件を満たす電子署名がされた電磁的記録については、本人が電子署名をしたということが証明されれば、その文書全体が真正に成立したものと推定するという規定を、いわば確認的にそこを置きたいというふうに考えているところでございます。
○橋本敦君 それと同じような条文は本法案の中に入れる必要は特にないんですか。
○政府参考人(細川清君) 現行法におきましては、印鑑登録の規定は商業登記法上にあるわけですが、それの効力に関する規定は全くないわけでして、現行法では民事訴訟法にゆだねているわけでございます。 ですから、電子署名についても民事訴訟法に規定することも考えられるわけなんですが、電子署名という法律をつくりますので、それに一体的にした方がかえって一般の方にわかりやすいんじゃないかと。それから、電子署名についていろいろ要件とか書かなきゃなりませんので、どうも民事訴訟法には入れにくいという考え方でございまして、そちらの電子署名法の方に一般的な規定を置きたいと考えておるところでございます。
○橋本敦君 そうすると、ちょっと便宜的な感じを否めないんですが、三省で検討しておられる電子署名・認証法ですね、これができて一体として運用するということで信用性公的担保ということが法的効力を含め、証拠能力も含め出てくる、こういうお考えなんですか。
○政府参考人(細川清君) 現在の民事訴訟法でも先ほど申し上げました準用規定がございますので、それで読めないかどうかという問題がありまして、本来要らないかもしれないんですけれども、ただ確認的に書いておいた方が適当であろうということで、民間のものを含めて全部対象とするという意味で、三省としての電子署名法の方に真正に成立したことを推定する規定というものを置きたいというふうに考えているわけでございます。
○橋本敦君 まだまだその点についてお聞きしたいし公証人の関係でも聞きたいんですが、もう時間がなくなってしまったんですが、最後にハッカー対策あるいは取引の安全性、こういった面で、現在でもこの点についてはいろいろ心配があるということが言われております。今まででも取引の場合は相手が見えませんから、だからデータ内容の改ざんや他人名義の無断使用、相手が実在しないということで詐欺ということが行われるという事例も出ているということで、この点は大変重要な問題なんですが、不正行為に対する罰則について警察庁は一定の罰則規定の整備が必要だという意見を出しておられるようなんですが、この法案ではそこまで触れていない。法務省としては、不正行為の防止、禁圧について、この法律を施行する上でどんなふうにお考えになっていらっしゃるか、最後に伺って、時間が来ましたので終わります。
○政府参考人(細川清君) 警察庁の意見は、民間の認証機関に対して罰則を整備しようという意見でございます。商業登記法に基づく電子認証は、これは公務員が行うものですので、不正行為をいたしますとさまざまな刑法の犯罪が成立いたしまして、すべて網羅されている。したがって、新たに罰則を設ける必要はないんだというのが私どもの最終的な判断でございます。
○橋本敦君 確認です、一つ。 そうすると、現在の刑法の規定でこの法案に関する限りは十分だという認識だと、こう伺っていいわけですね。 終わります。
○政府参考人(細川清君) そのとおりでございます。
○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。 新しい制度について実際どうなのかというところが実はよくわからない点があるので、素朴な質問をさせていただきたいというふうに思っております。 まず、この電子認証制度を創設することの意義について今まで話をしてくださっていますけれども、なぜこんな制度が本当に必要なのか、簡潔にちょっと教えてください。
○国務大臣(臼井日出男君) 先ほど来お答えをいたしておりますけれども、近時インターネットを通じた電子取引というものが急速に普及してきておりまして、また政府におきましても、昨年十二月に決定されましたミレニアムプロジェクト等によりまして、各種申請手続を電子化するといういわゆる電子政府の実現に取り組むことといたしておるのでございます。このような電子取引、電子申請の場面におきましては、インターネットを通じて情報が送受信されるために、情報の作成者を確認し情報の内容の改ざんを防ぐための方法が必要となってくるのでございます。 従来、登記所が発行いたしております印鑑証明や公証人による文書の認証というものは、情報の作成者や情報の存在を確認するために信頼性の高い手段として利用されてきているわけでございますが、インターネット上ではこのような従来の証明の仕組みというものは利用することができないのでございます。そこで、本改正法案におきましては、電子取引、電子申請に対応した新たな制度として電子認証制度及び電子公証制度を創設しようとするものでございます。 具体的に申し上げますと、第一に、商業登記法の改正によりまして、法人代表者等の電子署名を確認するための情報や代表者の資格について登記官が電子的な方法で証明を行う電子認証制度を導入することといたしております。 第二に、公証人法の改正によりまして、公証人が電磁的記録につきまして認証を行うとともに、認証を受けた電磁的記録を保存いたしまして、その内容に関する証明を行う制度を設けることといたしております。 第三に、民法施行法の改正によりまして、公証人が電磁的記録につきまして確定日付の付与を行うとともに、確定日付を付与した電磁的記録を保存いたしまして、その内容に関する証明等を行う制度を設けることといたしておるのでございます。
○福島瑞穂君 ありがとうございます。 先ほど橋本委員からも質問があったのですが、民間の認証制度との関係、つまり、いろんな制度のあり方の中で登記所みずからを認証機関とした理由、例えば商業登記情報を民間の認証機関に提供するとかいろんな方法が考えられたと思うのですが、民間の認証制度と今回国がやろうとしている認証制度、先ほど補完し合うあるいは競合するというような説明もありましたけれども、その関係がよくわからないので、民間の認証制度との関係についてもうちょっと教えてください。 というか、現在、民間の認証制度はたくさん行われているというふうに聞いております。どれぐらいまで進んでいて、なぜ公的にこういうものをしなくてはいけないのかということについて、先ほどの橋本委員の質問とちょっとダブりますが、なぜこういう制度を設ける必要があるかについて、民間の認証制度との関係について教えてください。
○政府参考人(細川清君) まず現状でございますが、現在、日本に民間の認証機関としてありますのは三、四社でございまして、電子取引全体から見ますと我が国はアメリカに比べて三、四年はおくれているという状況でございまして、この認証機関というインフラストラクチャーを整備することによって電子的な取引が相当活性化するであろうというふうに言われているわけでございます。 そこで、民間の認証機関と登記所が行う認証との関係でございますが、現在の取引におきましても登記所が発行する印鑑証明というのは、重要な取引あるいは役所に対する申請なんかでは代表者本人の意思に基づくということを明らかにするために印鑑証明と資格証明書が用いられているわけでございます。これについて、電子的にもこれと同じものをつくってほしいということが経済界からも御要望もありましたし、また民間の連合等からも同じような意見が寄せられているということでございます。 したがいまして、これは大事な取引にはやはり代表者個人のまず代表者資格を明らかにした証明が必要だという場合がありますので、それを最新情報に基づいて間違いなく提供できるのは商業登記法に基づいたものしかありませんので、それをつくる必要があるということになるわけです。 他方、民間の場合は、民間の会社同士が取引する場合、常に代表者の実印を交換しているわけではなくて担当者同士の認印でやっている場合もございますから、そういう場合には民間の認証機関で認証を受けた電子署名でもいいということになります。ですから、これは双方が両方相まって電子取引社会の基盤をつくる制度になるものというふうに考えております。 政府のミレニアムプロジェクトにおきましても、最も基本的なインフラストラクチャーとしてこの商業登記法に基づく電子認証制度を早期に創設するようにということになっているわけでございます。
○福島瑞穂君 東京新聞の十二年三月四日に「電子署名にも法的効力」「郵政・通産・法務省 今国会で法案提出へ」、要するに法的効力を認めるというような記事が出ておりますが、私のちょっと素朴な質問は、今まで登記所は形式的審査をやってきたというふうに思うんですね。実質的な中身に踏み込まずに書面があれば形式的な審査でやってきたと。ですから、この制度を設けることによって、その登記所の形式的審査をしてきたという面と、さっきの橋本委員の何を私文書と立証をするかということと関係が出てきますけれども、登記所が従来持っていた形式的審査、書面があればそれは認めていたという面と若干その実質的審理と重なるような気がするのですけれども、ちょっと変な質問で済みませんが、その辺はいかがなんでしょうか。
○政府参考人(細川清君) まず、本法案ではこれは電子署名の法的効力には全く触れておりません。ですから、本法案で言っておりますのは、登記官が電子署名を登録したいという人が来ればその申請書に押印してある実印が登記所に既に届けてある印と同じかどうかを確認して、それが本人の真正であるというふうに判断すればそれをそのまま登録するということになって、そしてあと一般の人から、この人の電子署名である、あるいはこれはその人の公開かぎであるということをシステム上コンピューターで自動的にお答えすると。そういうことにするというのがこの法案の趣旨でございます。 ただいま御指摘の新聞の記事は、これは別途の法律のこと、すなわち郵政、通産、法務三省で考えております電子署名及び認証業務に関する法律のことを言っているのだろうと思います。 法的効力を認めるというのはやや行き過ぎの表現でございまして、言っていることは、要するに実体的な契約というものは、日本の民法は諾成主義ですから署名があろうとなかろうと、メールで交換してやってもそれはもちろん効力があるわけで、要するに言っておりますのは、電子署名をした場合には一定の要件を満たす場合には、これは本人が電子署名をしたということが認められた場合には文書全体が本人の意思によって作成されたものと、そういうふうに真正の推定をしようということで、いわば判こがついてある文書についての真正の成立と同じことを電子署名でも確認しようということを別の法律で書こうとしているわけでございます。そのことを言っているわけでございまして、ちょっと別の話でございます。
○福島瑞穂君 電子政府という言葉などが出てくるんですが、今回の法案は電子認証制度を設けるということなんですけれども、どんどんいろんな法律が今後出てくるのではないかというふうに思っております。 郵政、通産、法務省の中で電子認証制度、あるいは先ほど局長が説明してくださった電子署名についての説明もありますけれども、具体的にどんな話し合いをしているのか教えてください。
○政府参考人(細川清君) これは政府全体で取り組んでいる問題でございまして、先ほど魚住先生から御指摘がありました総務庁でやっております共通課題研究会というのは、電子政府を実現する上で各省庁が共通に実施しなければならないものは何かということを検討しているわけです。そして、その法律をつくる段階になりますと、各省庁が自分の所管事項に応じて法律をつくっていくというようなことになりますので、各省庁がそれぞれ研究をし、お互いに常時意見を交換しながらこの問題に対処をしているというところが実情でございます。
○福島瑞穂君 ただ、その電子政府に向けた政府全体の取り組みがなかなか私たちあるいは国民に見えてこないので、知っていらっしゃる限りにおいて教えていただきたいというふうに思っております。 例えば、電子政府と言われる概念に基づいて今政府間では具体的にどれぐらいまで話が進んでいるのでしょうか。つまり各役所が、自分たちの権益ではありませんけれども、一斉にコンピューター化に向けての取り組みを今やっておりますが、どうもばらばらなのと、それからばらばらである反面、全部が一体化しますと非常に個人のあるいは会社の情報を国がコンピューター化で管理するという面も出てくるかなというふうに思いますので、そこの取り組みについて教えてください。
○政務次官(山本有二君) ミレニアムプロジェクトの電子政府の実現におきましては、民間から政府、政府から民間への行政手続をインターネットを利用し、ペーパーレスで行える電子政府の基盤を構築するとしております。 そのための先導的な取り組みといたしまして、国税の申告手続等の国への申請、届け出手続の電子化、オンライン化が掲げられております。電子政府の実現のためには、オンラインによる申請、届け出等を行う法人の存在、代表権限の有無、電子署名の申請等の確認のために信頼性の高い電子証明書が必要となります。 ミレニアムプロジェクトにおきましては、民間の電子取引や公的機関に対する電子申請等の基礎となる基盤の整備として、平成十二年度中に法務省におきまして商業登記に基礎を置く認証システムの整備を図るとされておりまして、本法案はこれを実現するものでございます。 以上でございます。
○福島瑞穂君 去年、住民台帳法の改正が行われ、国民にそれぞれ番号を振るという法律が成立をしたわけですが、それともう一つ、この電子政府の中で膨大な情報がコンピューター化され、登録されるという問題があると思います。それで、先ほどもハッカーなどとの関係でありましたけれども、二点お聞きします。 一つはコンピューターウイルス、ハッカーによるデータの滅失、改ざん等に対してどういう手だてが具体的にあるのか。二つ目はプライバシーの保護、日本は個人情報保護法がありますけれども、大分前にできた法律であることと、不十分であると考えますが、国民のプライバシーの保護、その二点についてどういう対策を考えていらっしゃるか教えてください。
○政府参考人(細川清君) 電子政府の実現におけるセキュリティーの問題でございますが、これは政府全体としてもちろん取り組んでいるわけですが、このほかにこの本法案でどういう配慮をするかということをまず御説明申し上げたいと思います。 まず、この法律が成立いたしますと認証センターができるわけですが、そこのコンピューターと外部のインターネットがアクセスするということになります。ですから、ハッカー、クラッカーが侵入してくるのはそこからでございますので、そこには厳重なファイアウオールを設けることとしております。ファイアウオールを設けますと一定の手順に従ったアクセスのみがファイアウオールを通過することができるということになりますので、それ以外のハッカー、クラッカー等のアクセスは排除できるということになるわけでございます。 それからもう一つは、このアクセスにつきましては厳重な監視をするためのシステムを設けまして、まず不正であろうと正当であろうとすべてのアクセスを保存しておくということにいたしております。また、不正なアクセスがあった場合にはそれを直ちに管理者に知らせ、システム的にこれを切断するという方向でのセキュリティー対策を考えているところでございます。 また、情報が物理的に滅失するというようなことも検討しなければなりませんので、これにつきましてはバックアップのデータを常にとっておく、機械的には切り離して磁気テープ等に入れて保存しておくということを考えておるわけでございます。 さらに、物理的な侵入があり得ますので、この認証センターにつきましては厳重な入退室管理等をするということを考えております。 さらには、特に大事な登記官の秘密かぎについては、特別の秘密かぎの保存装置を設けてこれに格納するということを考えているわけです。 以上がこの本法案で実施のためのセキュリティー対策でございます。 それから、プライバシーの関係でございますが、本法案で扱う情報は届けをした御本人の法人の代表者の公開かぎ、これはもともと公開されるべきものでございます。それから法人の商号、名称、本店または主たる事務所の所在地、それからその法人の代表者の資格、氏名でございますから、これらはすべて登記簿上公開されているものでございますので、プライバシーの問題はこの電子認証についてはないものというふうに考えております。 電子公証につきましては、プライバシーの問題がありますので、先ほどのような装置を使いまして厳重に管理する。それから嘱託者と公証役場とのやりとりについては、そのやりとり自体も暗号化するということを考えておりまして、こういうことによってプライバシーを守りたいというふうに考えておるところでございます。
○福島瑞穂君 一九九六年十一月二十七日の参議院決算委員会で次のような質問が出ております。 認証機関に登録された暗号のキーを用いて捜査機関が通信傍受を行う可能性はあるのかどうかという質問がされていますが、この点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(細川清君) 電子認証の場合には、先ほど申し上げましたようにすべてが公開情報でございます。ですから、捜査機関がそれを捜査上必要であるということになれば、公開情報でございますので、それを電子的にコピーをとって差し上げることは何ら差し支えないものと考えております。
○福島瑞穂君 公証制度、電子公証についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(細川清君) 捜査上必要があるということであれば、その点を明らかにしていただければその限度で提出するということになろうかと思いますが、いずれにしましても、暗号化するための秘密かぎというものは一番大事でございますが、これは役所の側も公証人の側も持っていなくて、御本人が厳重に保管すべきものでございますから、そういった点は役所の側あるいは公証役場の側から捜査機関に渡るということはあり得ないわけでございます。
○福島瑞穂君 公証人のことについてお聞きします。 公証人は一九九九年で現在員が五百四十四人ということなんですが、年齢が五十五歳以上の方がほとんどだと思いますけれども、年齢構成について改めてちょっと確認をさせてください。
○政府参考人(細川清君) 平成十一年現在で、五十五歳から六十歳の方が九十三人。六十一歳から六十五歳までの方が二百四十六人。六十六歳から七十歳までの方が二百五人でございます。
○福島瑞穂君 今度新たな制度もできますし、五十五歳未満の方でも大いに公証人として任命されたらいいと思うんですが、なぜ五十五歳未満の人がいないのか。公証人の任命の方法について教えてください。
○政府参考人(細川清君) 御指摘のとおり、公証人は比較的高齢者の方が多いわけでございます。これは、公証事務について十分な法律知識と実務能力を有して、かつ当事者一方の利益に偏することのない公正中立な立場を守れる者であることが公証人として要求されているわけですが、そういう人を選ぶ場合に、法律知識だけでなくて、やはり社会的経験とかその人の今までの実績等を勘案する必要があるということでございまして、そういうことからある程度高齢にならざるを得ないということでございますが、現時点で高齢者が多いから公証事務がうまくいっていないとは私どもは考えていないわけでございます。
○福島瑞穂君 もちろん高齢者が多いのでうまくいっていないとは思いませんけれども、全国で五百四十四人しかいないというのはやっぱり余りに少ないのではないかというふうに思います。 現に、公正証書遺言をつくったり公正証書を公証人役場でつくってもらうことは弁護士としては大変多いのですが、現在の公証人の前歴、前職について教えてください。
○政府参考人(細川清君) 前職は、もともと検察官であった人が一番多くて、その次が元裁判官であった人、それから法務事務官であって、要するに司法試験に合格した人が得られないところで法務事務官の経験者、これは法務局、地方法務局長等を経験した人ですが、そういう人が三番目の任命の母体となっております。
○福島瑞穂君 公証人の任命手続について抜本的に見直したらいかがでしょうか。つまり、全国で五百四十四人であれば、恐らく東京などに集中をしているでしょうし、公正証書遺言や公正証書をつくる人がこれからもっとふえるだろうというふうにも思っています。 元判事、元検事、元法務事務官しかなれないというのはおかしいと思うんですが、現在どういう形で選ばれているのかについて教えてください。
○政府参考人(細川清君) 公証人の任命は、基本的には公証人法の十三条で、法曹資格のある人を任命することができるということになっております。これは、公証人は全国の法務局、地方法務局、そのそれぞれの支局に少なくとも一名は置くということになっておりまして、東京だけに、大都会だけに偏っているわけではございません。相当小さい都市にも置かれているわけでございます。 公証人の増員につきましては、需要がこれから増大していくであろうというふうに考えられますので、その需要を見ながら、従来も増員してまいりましたが、今後とも増員を検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○福島瑞穂君 公証人が非常に重要な役割を担いながら一般の人には非常に知られていないと思うんです。数も非常に少ないですし、一般の人にとっても公正証書遺言をつくったり公正証書をつくったりということがなかなか思い浮かばないという現状があります。 そこで、現在、元裁判官、元検察官、元法務事務官以外の人がなぜなれないのかについて教えてください。
○政府参考人(細川清君) まず一つは、公証人になるには基本的には司法試験に受かったと同様の能力がある方が適当だというふうに考えておりますので、そういう人が得られるかどうかということでございます。したがって、そういう人であれば弁護士さんからなっていただいてもいいんですが、現実にかつて弁護士から公証人になられた方もおられますが、最近はそういった御希望も余りありませんので、結果的に基本的には裁判官や検察官をやめた人がなっているというのが実情でございます。 それから、法務事務官あるいは裁判所の書記官等がなりますのは、要するに司法試験に合格した人が行きたがらないような地方の小都会ではそういう人を任命せざるを得ないという実情がありますのでこれを任命しているという実情でございます。
○福島瑞穂君 非常に限られた人たちしかなれない制度が国の重要な役割を担っていることそのものが極めて不公平だと考えます。 今後、例えばもっと若い人、希望する人、例えば一律の試験をしてもいいと思いますし、法律上の素養がある人もさまざまいると思います。ですから、この公証人の任命方法について抜本的に見直してくださるよう要望して、質問を終わります。
○中村敦夫君 公証人制度に関する質問をします。 今回の法改正により、公証人の仕事の技術的な内容とか、またはその仕事の需要というものの増大が十分予想されますし、公証人をめぐる環境の変化ということは大きな変動があると思っております。 そこで、まずお聞きしたいんですけれども、公証人法によりますと、公証人の資格を得るためには三つの方法があるわけです。これは、公証人試験、司法試験に受かった者、それから公証人審査会の選考で選ばれた者、この三つが定められておるんですよ。ところが、公証人試験というのは今まで一度も行われていないということになっておりますけれども、なぜこの試験が行われないんでしょうか。
○政府参考人(細川清君) 公証人につきましては、現在のところ、原則として公証人法第十三条に基づき任命資格を有する人、すなわち法曹資格を有する人ですから、この人のうちから公正中立に公証事務を行う者として適任と認められる者を任命しております。また、同法十三条の二に基づき公証人に任命する場合には、公証人審査会に任命することの当否を諮問して、審査会の答申を得た上で行っているわけでございます。 公証人法第十二条は、御指摘のとおり、公証人の任用について試験を行うことができることを定めておりますが、この試験は御指摘のとおり実施されておりません。これは、公証人に要求される能力と同一水準の能力を要する試験として司法試験がございます。公証人の任命数は毎年五十とか六十とかわずかな数でございます。したがいまして、結局のところ司法試験と同じようなものを、重複したものを少人数のためにするということは効率的ではございませんので、現在は別個に試験を実施するということはしていないところでございます。
○中村敦夫君 これはおかしな答えだと思うんです。効率的であろうとなかろうと、法に定められている一般に開かれた公証人の試験なんですから、これをやらないということ自体が異常なことではないかと思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(細川清君) ですから、司法試験に受かった人を十二条で言う試験に受かった者と同じように扱っていいと、司法試験を実施していることによって十二条の試験をやっているのと同じように扱っていいのではないかというのが私どもの考えでございます。
○中村敦夫君 それはもう全然答えになっていないわけです。事情の説明だけじゃないかと思うんですけれども、どうなんですか。
○政府参考人(細川清君) 私どもの現在までの考え方は、先ほど来御説明しているとおりでございます。
○中村敦夫君 私は、それは法律違反じゃないかなというふうに考えるんですが、そういう答えが繰り返されても仕方がないので。 先ほど福島議員からの質問にも、なぜ弁護士出身者が同じ司法試験を受かっていても少ないのかということですが、そういう弁護士が余り出てこなかったと答えられたようですけれども、事実なんですね。
○政府参考人(細川清君) かつては弁護士から公証人になられた方がおられまして、十年ほど前までおられたと思いますが、その後やはり公証人としてふさわしい方、すなわち法律知識と実務能力を有し、一方当事者の利益に偏することのない公正中立な立場を守るであろう方、そういう方が弁護士でおられればそれは任命できますが、今までのところそういった方から最近は希望者はないわけでございます。
○中村敦夫君 それが事実かどうかということは、一般に弁護士会の方でも検討してもらわなきゃいけないと思うんです。 また、公証人法で特例的に定められている公証人審査会による選考出身者、つまり法務事務官出身者が大勢いるわけですね。例えば一九九九年の数字では、現在員五百四十四名のうち百五十五名が法務事務官の出身となっているんです。なぜ選考組がこんなにたくさんいるのかという理由を説明してください。
○政府参考人(細川清君) 百五十五名は法務事務官だけではございませんで、かつて検察事務官であった人、あるいは裁判所の書記官であった人、事務局長であった人等も含んで合計百五十五名でございます。 理由でございますが、公証人は、公証人定員規則上、法務局、地方法務局及びこれらの支局に設置されることとされております。しかし、地方の支局所在地には非常に小都会もございまして、役場の設置や維持に要する費用と比較して公証事務に対するニーズが余りないところがございます。したがって、そういうところには法曹の有資格者だけでは公証人の適格者を確保できない実情にございます。このような地域につきましては、先ほど申し上げました法務事務官などの出身者を公証人審査会の議を経て公証人に任用しているところでございます。
○中村敦夫君 これはちょっと事前通告していなかった質問ですが、簡単なことなので答えていただきたいんですけれども、公証人は一応公務員ということになっているわけですね。巨大な許認可権限、公的な権限があるんですけれども、その運営そのものは民営的な独立採算になっているわけなんですね。 そうしますと、公務員であるのに国からの決まった給料制というものをとらずに民間の商売と同じような形で運営されているということはちょっとわかりにくいんですけれども、なぜこうなっているんでしょうか。
○政府参考人(細川清君) これは公証人の特殊な立場に基づくものでございまして、諸外国においても公証人は国の側から任命される、あるいはアメリカですと州の側から任命されるわけですが、それに要する経費等は、手数料あるいは日当等を徴収してこれに充てるということになっております。これは大体世界的にどこでもそうなっているわけで、一方では独立性を保ちながら官の仕事をしなければならないという公証人の特殊性に基づくものであろうというふうに考えているところでございます。
○中村敦夫君 法務大臣にお尋ねしたいんです。実際今、公証人の定員というのは六百八十三となっているんです、平成十一年度で。現在員が五百四十四名で、百三十九名足りないんですよ。大体この百三十数名というのは、平成二年から十一年に至るまでの平均的な数字なんです。ずっと不足しているということで、ある意味ではこれは少人数でこの仕事を独占しているというような形になっているわけですね。一説によると、この八割ぐらいの人が年収三千万以上で大変いい商売だというふうに言われているんです。 この現在員の五百四十四名の中身といいますと、判事出身者百六十人、検事出身者二百二十九人、法務事務官出身者百五十五人、これで五百四十四人全員なんです。ほかの職業の人はいないわけなんです。それで、しかも公証人審査会で決まるケースが多いわけですけれども、この審査会というのは現役の法務官僚で過半数、そして残りの人もOBの公証人であるというメンバーなんですね。一般の公証人試験もしないで、選考を身内で行うという不透明な人事になっているわけですけれども、このことについては内閣直属の規制改革委員会からも非常に厳しく指摘されているんですが、一向に直らない。しかも驚いたことに、公証人というのはこの五百四十四名が全部五十五歳以上なんですよ。こんな非常にいびつで不健全な仕事というのはあり得ないと私は思うんです。 これはつまり、基本的には今述べたような三つの仕事の人々の要するに定年後の天下り先であるというのがシステマティックにつくられているわけですよ。ですから、そういう仕事をなさった方が公証人になることは構わないと思いますけれども、もっと若い人がなる、あるいは別のジャンルの人がなるという開かれたそういう制度がなければいけないと私は思います。しかも、公証人制度というのは諸外国では非常に民間になじまれたわかりやすい存在としてあるわけですけれども、そこら辺が日本ではかなり不透明である。 もう一つは、人数が少ないためにこれからどんどん需要がふえる。しかし、地域によっては一人しかいないというような市もあるわけです。そうなりますと、この仕事が非常に独占的なものになる。そして、その人が神のように正しい人ならともかく、非常に不透明な部分というのは出ないとも限らないんです。 それから、原本というものをその人が一人で独占してしまう。そうすると、コンピューターですから改ざんということは、これは可能性としてはあるわけです。そうした危険性ということも考慮して、その原本を預かるのは、少なくとも二人とか、複数機関が原本を保管する、管理するというようなシステムも必要だと私は考えておるんです。そうしないと、遺言問題とかさまざまなところでトラブルが起きる危険性もあるというふうに思います。 ですから、やはり開かれた公証人採用の制度、いわゆる公証人試験というものもオープンにやり、また増員を積極的にやっていくということが私は必要だと思いますが、法務大臣の見解をお伺いしたいんです。
○国務大臣(臼井日出男君) 委員、大変重要な御指摘もちょうだいしたわけでございますけれども、公証人というのは法務大臣が任命する実質的には公務員であるということでございまして、その職務は一方当事者に偏することのない、公正中立なものが要求されるということでもございます。また、国民に身近な法律家として、国民の利益のために働いていただくべきものと考えるのでございます。 今、委員御指摘をいただきましたとおり、規制改革委員会から、公証人の任命方法、公証人審査会のあり方、増員等につきまして指摘がなされているというのも承知をいたしておりまして、今後は公証人の職務の性格、その重要性を考慮しつつ、これらの御指摘につきまして鋭意検討いたしてまいりたいと考えております。
○中村敦夫君 終わります。
○委員長(風間昶君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 商業登記法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(風間昶君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、竹村君から発言を求められておりますので、これを許します。竹村君。
○竹村泰子君 私は、ただいま可決されました商業登記法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、民主党・新緑風会、公明党・改革クラブ、社会民主党・護憲連合及び自由党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 商業登記法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、この法律の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。 一 電子認証制度の創設に当たっては、本制度の周知徹底に努め、関係者に対し十分な研修を行うとともに、電子証明書を発行する登記所が、コンピュータ・ウィルス、ハッカーによるデータの滅失・改ざん等の被害を受けることがないよう、万全のセキュリティ体制を構築すること。 二 電子公証制度の創設に当たっては、指定公証人に対し、職務の適正かつ円滑な執行のため、本制度の趣旨について周知徹底を図るとともに、その運用について十分な研修を行うこと。 三 電子認証制度及び電子公証制度の運用に当たっては、利用者に対し、秘密鍵の保管等の管理の重要性について周知に努めること。 四 電子取引の一層の進展に備えるとともに、電子政府の実現に向けて、利用者の利便性向上の観点から、必要な基盤整備を早急に行うこと。 五 公証人については、その任命方法の改善につき検討するなどして需要の増大に相応した増員を図ること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(風間昶君) ただいま竹村君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(風間昶君) 全会一致と認めます。よって、竹村君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、臼井法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。臼井法務大臣。
○国務大臣(臼井日出男君) ただいま可決されました附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
○委員長(風間昶君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(風間昶君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時六分散会