地方行政・警察委員会 第5号
- 発言数
- 235 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2000/03/21
会議録
○委員長(和田洋子君) ただいまから地方行政・警察委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る十六日、吉川春子さんが委員を辞任され、その補欠として市田忠義さんが選任されました。 ─────────────
○委員長(和田洋子君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に人事院事務総局管理局長尾木雄さん、人事院事務総局職員局長中橋芳弘さん、警察庁長官田中節夫さん、警察庁長官官房長石川重明さん、警察庁長官官房審議官岡田薫さん、警察庁交通局長坂東自朗さん、警察庁生活安全局長黒澤正和さん、警察庁警備局長金重凱之さん、総務庁行政監察局長東田親司さん、厚生省老人保健福祉局長大塚義治さん、社会保険庁次長高尾佳巳さん、自治省行政局長中川浩明さん、自治省財政局長嶋津昭さん及び自治省税務局長石井隆一さんを政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(和田洋子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(和田洋子君) 地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、前回に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山下八洲夫君 民主党・新緑風会の山下八洲夫です。 質問に入る前に、きょうのこの理事会の協議事項もう確定しているわけでございますが、えらく随分早いな、一日でもう採決かというような気持ちで今、見させていただきました。 同時に、私は今の地方財政の状況を見てまいりますと、それこそ交付税法と地方税法、これはできれば切り離して別々に審議をすべきではないかなというような強い気持ちを持っております。地方税法につきましては確かに日切れ法案ですけれども、交付税法につきましては何が何でも三月いっぱいに成立させないといけない、このようなものでもないわけでございますし、もう少し、特に今回このような地方財政の状況を見てまいりますと、例えば大蔵大臣にもおいでいただいて大蔵大臣質疑を行うとか、もっと色濃い質疑をさせていただきたいなというような気がいたしております。 ただ、理事会で決定しておりますので多くを申し上げませんが、これから今後の課題としてぜひ理事会の方も重く受けとめていただきたいと思いますし、もし自治大臣にコメントございましたら、一言この件につきましてコメントをいただければありがたいと思います。
○国務大臣(保利耕輔君) 私は国会の運営は委員会等にゆだねられていることだと思いますので、運営の問題について私の方からいろいろ申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。 ただ、今お話がございました中で、切り離してというのも御趣旨はよくわかるのでありますけれども、地方団体の方からも地方交付税法案も地方税法と一緒にできるだけ早く上げてほしいという強い要望があっておりまして、そういうことを踏まえて、この何年間といいますか近年と申しますかは、地方交付税法と地方税法が国会審議衆参とも一緒にしていただいているというような実績がございまして、一括して御審議をいただいているものと、私はそう理解をいたしております。 地方交付税の総額それから地方税を確定するということは、地方の財政運営にとって主要一般財源でもございますから、そういうものをきちんとした姿で早くお見せするということが地方の財政運営にとっては私は円滑に運ぶ一つのよすがになるのかなと、こう思っておりますもので、私は私の立場からいえば一体的に御審議をいただきたいと申し上げたいところでございますが、あくまでも運営そのものは委員会におゆだねをしなければならぬ、こう思っております。
○山下八洲夫君 運営は大臣の御答弁のとおりでございますので、もうこれ以上多くを申し上げませんが、特に理事会の方に強く要望をいたしておきたいと思います。 地方自治法の第一条の二についてお尋ねしたいと思います。 分権一括法では地方自治法の第一条の二として国と地方の役割分担の規定が盛り込まれたわけでございます。私は、これからの国の仕事はできる限りスリム化をしてそして地域にゆだねていくべきだと考えております。同趣旨の規定は地方分権推進法でも設けられているんですが、憲法制定とともに国会法などと同じく定められた地方自治法にこの規定が設けられた意味は私は大変大きいというふうに受けとめております。せっかくこのようなすばらしい規定が設けられたわけでございますので、これにつきまして自治大臣と大蔵総括政務次官の所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(保利耕輔君) 地方自治法の第一条の二というのは地方公共団体の役割と国の役割、こういったものを規定しておりまして、非常に明確に国と地方の役割分担というのをあらわしている条文であろうかと思います。「地方公共団体は、」というところから始まる文章、自主的、総合的にその役割を演ずる、あるいは「国は、」という主語で始まります文章で、これは国はこういうことをやるのだ、例えば「国際社会における国家としての存立にかかわる事務、」というようなことが象徴的に書いてありますけれども、そういうことを国はやるんだということで、役割分担を明確にしたという意味で非常に意味のある文章だと私も思います。 それから、同時に地方公共団体につきましては、地方公共団体の自主性あるいは自立性というのが十分に発揮されなければならないということでございまして、この基本的な考え方は将来にわたって私は妥当な考え方である、このように思っております。この条文の精神を体して私どもは地方の関係の仕事をしていかなければならない、こんなふうに考えております。
○政務次官(大野功統君) 自治大臣お答えになったとおりかと思いますけれども、地方自治法第一条の二におきましては、「地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担う」こと、この意味は私はやっぱり二つあると思います。一つは、国が行うべきことは何なのだ、そこを真剣に考えてくれという問題、それから国の仕事と地方の仕事ははっきり役割分担をこれから考えていこうじゃないかという問題、それからやはり我々の国民生活を身近で支えてくれるのが地方自治でございますからそこはやっぱり自主性を持ってやっていこうじゃないか、こういう趣旨を書いてあると思いますし、私もそのとおりだと思います。 それで、今後とも政府といたしましては、この規定の趣旨に沿いましてやっているし、これからもやっていくべきだと思います。
○山下八洲夫君 せっかくこのような第一条の二、私も今、大臣が答弁ございましたように、比較的明確に分けられているというふうに私はこの法律は読まさせていただいております。ぜひそのような趣旨でこれから奮闘していただきたいというふうに思うわけでございます。 その上に立ちまして私は、税財源の移譲の時期それからできれば今後の手法、そういうものについてお尋ねしたいと思うんです。特に今の地方自治法の第一条の二の趣旨からいきますと、当然今後税財源が移譲されていくべきだというふうに思っています。これを生かすのであればどのような生かし方で税財源を移譲していくのか、自治大臣の御所見を伺わさせていただきます。
○国務大臣(保利耕輔君) 国の中の支出の状況を見てみますと国が三分の一地方が三分の二を負担しているという状況で、そういう意味でいいますと税は逆転をしておりますから、そこをできるだけ直していかなきゃならない。ただ同時に、交付税が持っておりますいわゆる富の均衡化というようなことに果たす役割等も十分に配慮しなければなりませんけれども、私は、やはり税財源というのは将来地方の方にできるだけ渡してあげて、地方の自主性、自立性を文字どおり現実のものにしていくという方向が望ましいことだと思っております。 ただ、きょうは大蔵の総括政務次官もいらっしゃっておりますから、国は国の立場としてのいろいろな御意見もあるだろうと思いますので、今後財政当局とその財源、税源の配分については協議を重ねていかなければなりませんが、両方の立場でぶつかり合ってどの辺に落ち着いていくのかということを我々も見通しながらやっていかなければならないと思います。 それにつきましては、私はやはり財政当局とお話をし、現在の税をどういうふうに配分するかという抜本的な話をしていくのには当然税制調査会等の御意見も踏まえなければなりませんが、財政当局との話というのが非常に大事だと思います。 そのためには、やはり私たちが一つの地方の立場に立った哲学というのを構成していかなきゃならないだろう。一体どういうふうにしたらいいのかということに対して、ある程度明確な目標設定というのを私どもがしつつ財政当局と話をしていかなければならないだろう。ただ何となく何とかしてくれというのでは余りにも目標としてはぼやけ過ぎているということでありますので、自治省を督励しまして、どういう目標設定をして我々は交渉あるいは要請をしていくかということについて今後十分検討していきたい、こう思っております。
○山下八洲夫君 大蔵政務次官、一条の二の②ですけれども、先ほど自治大臣もちょっと触れられたんですが、「国においては国際社会における国家としての存立にかかわる事務、全国的に統一して定めることが望ましい国民の諸活動」などなど、このように触れられているんです。 それからいきますと、この間の去る十四日の委員会でちょっと触れたんですけれども、私は、国の行うようなことと申しますと外交とか防衛とか通貨とかあるいは道交法とか、まだ例えば国道とかいろいろとあろうかと思いますが、国でしかできないような、そんな大きなまた重要なそういうものを国が担っていく。私は教育については若干考えが違うんですけれども、憲法で定められていること以外は地方に任すべきだというふうに考えているわけですが、いずれにいたしましても国でしかできないようなもの、そういう趣旨が一条の二の大きな精神だと思っています、私は。 そういうことを考えますと、思い切って、この精神で行うからにはやはりそれに見合った税財源、三分の二も税財源を確保して後から補助金だ何だ交付金だということで配分するのではなくて、思い切って移譲していく、そのことが今一番求められているんではないかというふうに思いますが、その辺につきましてぜひ御答弁いただきたいと思います。
○政務次官(大野功統君) まず、国とそれから地方の仕事の分担、役割でございます。 これは、確かに山下先生おっしゃったような外交とか防衛その他ございます。その辺をまずしっかり議論していかなきゃいけない。そしてその後に税源をどう配分していくか、こういうことを考えるのが私は筋だと思っております。 さらに申し上げたいのは、今三分の一、三分の二というお話がございましたけれどもこれは十年以上前の話でありまして、だんだんと、国税収入とそれから地方税収入の割合を考えてみますと地方税収入がふえてきております。今二対三でございます。三が国税、それから地方税が二になっておりまして、さらに交付税とかそれから補助金で調整後で見てみますと、これが逆転いたしておりまして地方の方が三、それから国の方が二というふうになっておることは先生御承知のとおりでございます。 さらに、その以前の問題として根本的な本当に、自治大臣から今哲学を考えるべきじゃないかと、もう私感動したのでありますけれども、そういう観点からしますと、今基本的に考えるのは、どういう国に日本をするんだ、一体連邦国家にするのかそれとも単一国家なのか。連邦国家というとちょっと語弊がありますけれども、連邦国家みたいな形にしていくのか、それとも単一国家として考えていくのか。こういう問題をきちっと議論しておく必要があるんじゃないか。ちょっと書生っぽいことを申し上げて済みません。 そういう観点で見ますと、日本は国際比較しますと国税と地方税の収入の割合が、先ほども申し上げましたとおり、今国税が六割、地方税が四割でございます。連邦国家と言われておりますアメリカがやはり同じ割合になっておりまして、国税が五八%、地方税が四二%、こういうふうになっております。イギリスは単一国家でございますが、九五%が国税、それから地方税が五%、こういうような割合になっておりまして、やっぱり国の役割分担それから地方の役割分担、哲学の上に立ったそういう仕事の分担を今きちっと見直す、それが私は一番大事なことではなかろうか。 その上で、財源の移譲といった場合に二つあると思いますけれども、税源を移譲するのか、税収を移譲するのか。つまり、課税の自主権という問題なのか、それとも国税を交付税等の形で移譲するのか、そういう問題もきちっと今根本的に議論していく時期じゃなかろうか、このように思っております。
○山下八洲夫君 確かに六対四、そのようなバランスになりつつあることは承知しているわけでございますが、私は税そのものをやはり地方に移譲すべきだと。国で徴税をしてそれをまた地方へ分配をする、こういう趣旨は一刻も早くやはり改善しないといけない。 なぜかといいますと、そこにやはり必要以上にまた国の関与があるわけなんです。地方の自立性を高めていく、自主性を強めていくと、その分だけ地方にも責任は重くなると思います。重くなるけれども、それだけのことをすれば、重くなった分やはり地方も必死になって今度はいい行政へもっと進んでいく。そのことが私は地域住民のプラスになるというふうに考えているからです。 例えば、交付税にいたしましても今三五・八ですか、本来ならば三二%です。あとの六八%は国が握っているんですから、だからそういう趣旨をまず直さぬといかぬのじゃないか。ですから思い切ってこの際、地方分権推進一括法も成立したわけでございますから、私はせんだっても申し上げたのは、せめて十兆円ぐらいの規模、できれば交付税を五対五の、五〇対五〇の交付税率にすればもっと地方は責任も重くなりますし、自治権も確立するんじゃないかというふうに思っているんです。 ですから、簡単なんですよね。交付税法のそれこそ六条の二ですか、これを一文字変えるだけで済むんですから。改正するだけで。難しい議論も要らないと思いますから、ぜひその辺の改正する気持ちはございませんでしょうか。
○政務次官(大野功統君) 山下先生の御意見、一つの議論であるとは思います。しかし、二つ三つポイントとして考えなきゃいけない点があるのではないか。 それは何かといいますと、それでは、第一点は、課税自主権をじゃ地方自治体に持っていただく、そして税源の枠内で仕事をしていただく。とすれば、国の役割として、四十七都道府県、税源が偏在しているという議論がありますけれども、その全国四十七都道府県の均衡ある発展を調整していかなくていいのかどうか、そういう役割は国がもう放棄していいのかどうか、こういう問題が一つ出てくるのではないか、このように思う次第でございます。この点は今しっかりと本当に議論していただきたいと思う次第でございます。 それからもう一つは、税の種目によりまして必ずしも地方税になじまないものがあることは先生も御存じのとおりでございます。例えば消費税にいたしますと、これは地方に課税自主権を持ってもらうとすれば、やっぱり消費税の税率が変わってくるかもしれない。そういたしますと、わかりやすい例でいいますと、税関で輸入をした場合に輸入品がどの地で消費されるのかによって七%消費税をいただくのか五%消費税をいただくのか、これはもう大変複雑な事務になってくる問題でございます。税の種目によってやはり自主権という問題を議論していかないといけないんじゃないか、こういうことを今きちっと議論して将来の地方自治確立のために備えていく時期だと私は思っております。
○山下八洲夫君 均衡ある国土の発展、これはすばらしいことなんですよ。また、そうしなくてはいけない、そう私も思っています。だが、今日そのような発展はしているだろうか。過疎過密の問題一つをとりましても、四国も、政務次官は四国でございますけれども、四国もそれこそ全部沈没しつつあるんではないかなという気がしてならないんです、心配で。それこそ地方の自主性を生かして奮い立たせていく、このような政策が今一番求められているというふうに思うんですね。 確かに、税によっては地方の独自税にしてなじまないものもあろうかと思います。せんだっての質問で、たばこ税につきましてはそれこそ地方へ六七・四%配分しているというような御答弁がありました。確かにそのとおりだと思います。そして私は、このたばこ税というのは比較的地方になじむと思っているんですね。全国偏在性は余りないんですね。そういう意味では、もうこれをそっくり地方に任せちゃっていいじゃないかというような気もしているんです。 あるいは酒税。酒税は庫出税だからなかなか大変だとおっしゃいましたけれども、私も全国にたばこ屋さんがどれだけあるんだろうというふうにちょっと調べましたら、要するに許可をもらっているところは三十万軒です。お酒の小売屋さんは許可をもらっているのは十九万軒です。たばこの方は消費、出口の段階で税をかけているんです。お酒も出口で簡単にかけられるんですね、そのことを考えますと。そうして国税でなくて、これも大体たばこと同じぐらいなんですよ。ここずっと十年ぐらい見ますと二兆円前後を歩んでいるんですね。お酒も全国比較的偏在性はないんですよ。私はたばこ以上にないと思うんですね。 たばこですと、旅先でもたばこを吸う人は切れればすぐ買いますけれども、最近は禁煙運動が厳しいものですから私の地元の駅前もたばこは地元で買いましょうという看板はなくなりましたけれども、昔はそうやって一生懸命努力したんですね。お酒もそうなれば、お酒は地元で買いましょうと看板が出るかもわからないんです。そういうものは思い切ってこの際、少しでも改革をするという意思があるんならこの際地方に任せたらどうかというような考えはありませんか。
○政務次官(大野功統君) 大変難しい問題でございます。いずれにしましても国も地方も今財政事情はもう満身創痍みたいなものでございますから、大変な事情にあることは先生御存じのとおりでございますし、その一方において国と地方というのはまさに公経済の車の両輪である、このことも我々十分承知しているところでございます。 しかしながら、酒税の負担という問題について考えてみますと、酒類というのはいろんな種類がございますし、それから前回も申し上げておりますけれども、生産、消費の動向、生産地が偏っている、こういう問題もございます。先生がおっしゃるとおり、じゃ消費の方は偏在していないじゃないかという、こういう問題もあるのでございますが、ちょっとそういう面で、例えば都道府県別酒類消費量を考えてみまして、消費量につきまして、一人当たりの税収という統計もございますのでちょっと見てみますと、大変これはかなり消費も偏っているのかなと。こういうふうな気もしているわけでございまして、例えば一人当たりの数量、消費量で見ますと東京がやっぱり一番多いわけでございます。東京が一〇六・二リットルに対しまして香川県は六八リットルしか消費していない。余りお酒を飲まないということでございまして、岐阜県はさらに、温厚なる香川県よりもさらに温厚でございまして六五・九リットルと、こういう数字でございます。 こういう一人当たりの税収という観点から見てみますと、全国平均を一〇〇としますと、東京が一三九・八、香川県が九〇でございまして、三十四番目でございます。岐阜県が三十六番目で八六・八と。こういうのを見てみますと、果たして税の、税源が偏在していないという観点から物事をとらえていいのかなということもやっぱり心配してくるわけでございますが、いずれにしましても今後ともこういう酒税につきましては、徴収のあり方、システムの問題なども含めて、やはり私は生産、消費の動向を踏まえながら、その時々、社会経済の変化ということもございます。国際的な議論ということもございます。そういういろんな観点から、適正な税負担水準を見直していかなきゃいけないし、それからそういうふうな今、先生御指摘の税の自主権をどう考えるか、こういうことも考えていかなきゃいけない、いろんな悩ましい問題があるなというのが率直な感想でございます。
○山下八洲夫君 いつまでもこのことで議論はできませんが、確かにお酒にもたくさんの銘柄がありますし洋酒の輸入物もいっぱいあるわけです。それに負けないように、たばこも同じように銘柄がたくさんございますし輸入物もありますし、そんなにそういう意味では複雑さというのは、たばこもお酒も私は一緒だと思っています。そんなに変わらないと思うんです。それだけに、この際せめて、全体から見ればわずかなものですよね。お酒が大体二兆円、たばこが大体二兆円、この四兆円ぐらいは少なくとももう地方に任すというぐらいなことをそろそろ思い切って、地方分権とあわせて、一括法にあわせてもう決断すべき時期に来ているんではないかということで申し上げている次第でございます。ぜひこれからもこの問題についてはしっかりと大蔵当局としても検討していただきたいということをお願い申し上げて、次に変わらせていただきたいと思います。 自治大臣にお尋ねしたいんですが、平成十二年度の地方財政の状況、これを見ますと本当に怖くなるような状況だと思うんです。地方は、地方債残高が百三十二・四兆円、交付税特会借入金が二十六・三兆円、企業債残高が二十八・三兆円、平成十二年度末見込みで百八十七兆円程度になっている、膨大な借入金残高となっているんです。平成三年に六十九・九兆円だったのがもう毎年十兆円から二十兆円近くどんどんふえていくという状況で、平成三年の六十九・九兆円からちょうど十年後の平成十二年度末見込みは今申し上げましたように百八十七兆円ぐらいになってくる。約二・七倍。大変な勢いで借入金残高が推移しているんです。この状況を見てまいりますと、本当にどうやって借金を返すんだろうかと心配でならないんです。 確かに過去においては昭和六十二年から平成五年にかけて、地方財政の健全化のため特会借入金の法定償還を上回る償還が行われたわけです。これもあのバブル期で十三兆六千五百三十三億円なんです。それから見ますともう天文学的数字になっているんですが、どのようにこの借入金を完済しようとしているのか、ぜひその方針を示していただきたいと思います。
○国務大臣(保利耕輔君) 今御指摘のとおり、借入金のグラフを見ておりますと本当に頭が痛いのでございまして、いろいろそのときそのとき努力をしながら地方財政を運営してきている姿というのはあるのでありますけれども、まずやっぱりこれは一番大きい影響は不況から来ておるという感じを私持っておりまして、不況脱却のためにあらゆる手だてを講じていかなければならない。その結果がどの程度のプラスを生み出すものかまだ計算がはっきり出ているわけではございませんが、とにかく民需中心の回復軌道に乗っけていかなきゃならぬということを私どもは考えておるわけでございます。その上に立って歳入と歳出のギャップをいかにして埋めていくかということを検討していかなければならないと思っておりますが、いずれにしてもこれは痛みを伴って改革をしていかなければならないことだと思っております。 なお、この借入金、とりわけ交付税特別会計借入金の返済計画等を見てみましても、地方分につきましては平成三十八年までかかるという計算になっておりますし、平成十三年にはいきなり一兆円を超える返済、地方負担分がかかってくるというようなことでありますから、当面この問題をどう処理していくか、これから自治省の財政の皆さんとも御相談をしながらこの償還計画についてきちっとつくっていかなきゃならぬなという気持ちはいたしております。また、それをやることが私たちの仕事であり責任であるというふうに考えておるわけでございます。 いずれにいたしましても、委員御指摘のとおり大変難しい状況であることは国、地方両方ともそうでございますが、とりあえずはとにかく回復軌道に乗せる、そしてまたいろいろ地方でも工夫を凝らせていただいて、地方財源の税収をふやしていただく方途をいろいろ考えていただかなきゃならない、こんなふうに考えておるわけでございます。 最後の点については財政局長から御答弁をさせたいと存じます。
○政府参考人(嶋津昭君) 今、大臣から御答弁したとおりでございますが、今回お出しております交付税法におきまして、交付税特別会計借入金につきましては平成十三年度から、政府の分、国負担分あるいは地方負担を含めまして、国負担分につきましては平成二十四年度まで、あるいは地方負担分につきましては平成三十八年度までかけて返済をしていく計画を法律で定めさせていただいております。 ただ、今、大臣の御答弁の中にもございましたように、平成十三年から直ちに元金償還金が始まるわけでございますので、それを先取りすればいわば実力ベースの交付税がその分だけ減るわけでございますので、そういうことで来年以降の地方財政の運営が安定的にいくかどうかということも含めて、来年度以降のまた地方財政対策につきましてこれから真剣に取り組んでまいらなければいけないと考えております。
○山下八洲夫君 今の御答弁を聞いておりましても本当に大変なことだなということで、本当に私も返す言葉もないような気がいたす次第でございます。それだけにぜひ真剣に検討していただきたいなというふうに思います。 時間がありませんからちょっと飛ばしていきたいと思いますけれども、平成十二年度の地方財源不足と交付税措置のことでちょっと一言触れておきたいと思います。補てん措置でございますけれども、通常収支に係る財源不足の状況の補てん措置についてこれがなされるんですね。平成十二年度の地方財政については、恒久的な減税の実施に伴う影響額を除きまして九兆八千六百七十三億円の財政不足が生じて、平成六年度以降、七年度連続して大幅な財源不足となったわけですね。今年度の地方交付税法の六条の三の二の規定に該当する事態、五年連続になっているんですね、五年連続。地方交付税法の六条の三の第二項では、大幅な財源不足が三年度目以降も連続する場合には交付税率の変更または地方行財政制度の改正を行うこととなっているんです。そういたしますと、法人税、交付税率が三二%から三五・八%へ引き上げられたことが、これはあくまで恒久的減税に係るものであって通常収支の財源不足に係る交付税率の変更ではないというふうに私は理解しているんです。それでよろしいですね。
○政府参考人(嶋津昭君) そのとおりでございます。
○山下八洲夫君 そういたしますと、交付税率の見直しが必要ですね。見直しの検討をなさっているのか、あるいはもうほぼ見通しがついているのか、その辺について御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(嶋津昭君) 今、委員御指摘のように、減税分、恒久的減税分につきまして、たばこ税の移譲とかあるいは法人税に係る交付税率の変更をいたしました。 本体の通常収支の不足額につきましては、平成十年度から十二年度までにかけましてのルールというものを自治省、大蔵省との間で決めて、そのことにつきましてこれを六条の三の第二項に係る制度改正措置として国会で御審議いただき、今回もその御審議をいただいているわけでございまして、その制度改正の内容は、国からのいわゆる特例加算金を除いた地方負担額につきまして国、地方で折半をしてこれを負担するという制度改正をしているわけでございまして、そのやり方につきましては、平成十年度から十二年度までの間ということで定めさせていただいております。平成十三年度以降につきましては、さらにまた検討をしてまいりたいと考えております。
○山下八洲夫君 確かに百四十五国会でも二橋財政局長が折半という答弁をなさっているんです。何で折半なんですか。国と地方は今の関係からいきますともっともっと国に負担が行ってもいいと私は思うんです。何か自治省、人がいいのか、また折半。また多分十三年度以降も折半になるのかなと推測できるんですが、それだったら大蔵と、財政当局とやり合う必要もないと思うんだけれども、その辺はいかがでしょうか。
○政府参考人(嶋津昭君) 今までこの委員会におきましてもいろいろ御議論をいただいたところでございます。 幾つかの理由があると思いますけれども、まず第一の理由といたしますと、昭和五十年代、石油ショック時におきましてやはり地方財政の収支不足が生じました折に交付税特会の借入金で対処した時期がございます。そのときに、昭和五十九年度に十二兆円弱の交付税特会借入金、これを毎年もうルールとして国、地方折半で返していこうという、大臣覚書ベースの約束でございましたが、それを五十九年度に国と地方が負担を整理するという意味で国が引き取って半分の額にしまして、その半分の地方負担額を今、委員御指摘のように平成五年度ぐらいまでかけまして繰り上げ償還等の措置をしたわけでございます。そういう過去の経緯というのが一つ。 それから、その過去の経緯のときもそうでございますが、国、地方折半をするということの一つの理由といたしまして、先ほど国と地方の税源配分の御議論のときに、交付税をプラスした国と地方の一般財源の配分がおおよそ一対一になっているというようなことも踏まえましてこの折半というルールがつくられているんだというふうに考えております。 したがって、今後のことについては、平成十三年度以降のことについては今ここでこれをどうするということを述べる時期ではないと思いますが、今後、国の財政当局とも、いわば根っことしての地方財政の収支不足をどうやって改善していくかということも含めて真剣に検討してまいりたいと考えております。
○山下八洲夫君 平成十三年度以降につきましては今の御答弁のとおりでございますから私も理解できます。ただ、六、四とか七、三とかぜひ頑張っていただきたい、また大蔵当局はぜひ理解を示していただきたいというふうに強くここで申し入れをいたしておきたいと思います。 そういう厳しい状況でもあるわけでございますが、せっかくですから外形標準課税も一言ぐらい触れておきたいというふうに思いますので、ちょっと横の方に入らせていただきます。 企業は損益に関係なく公共や行政のサービスを受けているということは私も十分承知をしております。この外形標準課税の導入については、たしか一昨年の八月だったと思うんですが、発足の小渕内閣で、最近の景気動向を踏まえ、来年度の税制改正で具体的に外形標準課税の問題を取り上げるのは困難という総理見解が示されたわけでございます。 今後、政府税調における審議はどういうふうに進められていくのか。今後の見通しはどうか。外形標準課税の導入に向けての検討の中で一つ伝えられておりますことは、自民党と自由党の合意によって二〇〇四年までに基礎年金の国庫負担率を引き上げる、これが実現して国庫負担がふえるかわりに企業の年金掛金負担が軽減されることになる、この掛金軽減の恩恵は赤字企業も受けられるのでこの時期に外形標準課税を導入すれば抵抗は少ないというような趣旨のことを前の自治大臣の野田さんは答弁されておるんですね。そして自治省へ検討を指示したということになっていると思うんですが、自治省当局、このことは今日どのようになっているか御承知でしょうか。
○国務大臣(保利耕輔君) 外形標準課税の現在の状況その他については後ほど自治省から答弁をさせたいと存じますが、昨年の税制調査会には私たしか二度要請に参りまして、大勢いらっしゃるところで外形標準課税の具体的導入について御検討いただくように熱心に要請をしたところでございました。その結果と申しますか、「外形標準課税の導入は、地方税のあり方として望ましい方向の改革であり、景気の状況等を踏まえつつ、できるだけ早期にその導入を図ることが望ましいと考えます。」という御答申をちょうだいいたしております。 これを一つのよすがにいたしまして、今後できるだけ早くこの外形標準課税が全国的に一律に導入されるように私どもとしては動いてまいりたいと思いますし、また政府税制調査会の中の小委員会におきまして、具体的な外形標準課税の課税方策を検討していただくということになっておりまして、それを進めていただいていますので、私どもとしてはできるだけ早い時期にこれを導入したい、こう考えております。 ただ、景気の動向というのを考えながらやらなきゃいけませんし、もう一つ中小企業に対してのショックが大き過ぎてはいけないというようないろいろな配慮をしなきゃいけませんので、税調の中でも慎重に論議をされておられるようでございますけれども、私どもとしては、安定税源を確保するという意味からできるだけ早期の外形標準課税の導入へ向けて努力を重ねてまいりたい、こう思っている次第でございます。 詳細は事務当局から御報告をさせます。
○山下八洲夫君 外形標準課税ですけれども、大体四つの類型が一応前々から検討されています。私は、この類型それぞれ、ある意味では税というのは難しいなというふうに思います。それぞれ不公平がやはりあるんですね。税制にはある意味では公平な税制というのはないのかもわかりませんが、簡素化してわかりやすくすればそれだけ不公平が生まれる、少しでも不公平をなくすためには逆に複雑化していってわかりにくくなってくる、こういう面があろうかと思うんです。 私は、たまたま新聞を見ておりましたら、ちょっとおもしろい記事が出ていたんです。ドレスナー・クラインオートベンソン証券の奥江勲二さんとおっしゃる方ですか、この方はこんなことを言っているんです。 日本のこれまでの税制は、強い者が弱い者の負担を担ってやるという意味合いが強かった、新しい別の公平もあるんじゃないか、努力した者が報われるという公平だ、日本には二百五十万社の会社があるが、六三%は赤字だ、法人税を大幅に引き下げるという条件をつけての外形標準課税の導入が新しい公平じゃないか。これは、ここを落としてはいけないんですね、法人税の大幅引き下げによると。そしてその前提には、中小企業には外形標準課税をしない、二つ目に、法人税の負担は過去の年平均で増減なしの中立改正とする、三つ目に、外形標準で税金を取る条件は現行の事業税負担の半分にする、税はもうけている者から取るのではなくて、努力してもうけた者に報いる、こういうことも大事じゃないか。 この条件で今の自動車業界を見ていくとどうなるかと書いてあるんです。トヨタ自動車は六百九十五億円の事業税を払っているが、百三十七億から百三十八億円、それだけ減額される。ホンダも百七十億円の事業税が四億円減る。まだほかも減るところはたくさんあるんですが、ところがふえるところもあるんですね。いすゞ、ダイハツ、日野、三菱自動車、マツダは大幅増税。最も大きいのは三菱で、現在六億円しか払っていないのが六十億円になる。マツダも一億二千万円しか払っていないんです、事業税。それが四十七億円になる。だから、勝ち組に税金負担ばかりさせるんじゃなくて、こういう方法もあるんではないかと。私もこれをちょっと読みましておもしろいなと思ったわけです。 四つの案というのは勝ち組、負け組関係ないんです。ですから、これからの税制というのは新たな哲学も必要じゃないかなというふうに思います。そういう意味で、あの四つの案から外形標準課税の検討をするんじゃなくて、もっと幅広く、いろいろな角度からぜひ今後の外形標準課税のあり方について検討してもらいたいなということを要望しておきたいと思います。これは答弁要りません。 その上に立ちまして、今回の東京都の条例によります特定の銀行に対する外形標準課税については賛否両論あることは御案内のとおりです。国側では、必要性は認めつつも、関係方面との調整に手間取っているうちに、その間隙を縫って東京都が導入を決めたのではないかというふうに思います。国としても、違法と言えるほどでもないし、懸念、問題点は特に大蔵省は随分指摘されたようでございますが、ここで思いますのは、何で外形標準課税を東京都が導入したか、その原因はどこにあると思いますか。 私は逆に言うと、地方分権一括法は成立をした、仕事は来た、財源は来ない、そういうところで東京都も外形標準課税、このような格好で考えたのではないか、そのように受けとめていますが、特に大蔵とそれから自治大臣の所見をお伺いさせていただきたいと思います。
○国務大臣(保利耕輔君) 東京都がこのたび導入を考えました背景というのは、やはり地方財源の充実を図っていかなければならぬということで工夫に工夫を重ねて、法律をよく勉強されてそういう方向をお出しになったんだというふうに理解をいたしておりますけれども、財源を確保するというそういう意欲でありますとか、あるいは地方財政を立て直していかなければならないということから、私どもとしては東京都の考え方に一定の理解を示しているところでございます。 ただ、いろいろございまして、心配、懸念材料もございましたので私どもの方からこういう点は懸念ですということを申し上げたのでありますけれども、その中の一番大きいのはやはり、所得による課税と著しく均衡を失してはいけないという法律上の文言があるわけでございますが、この点が一番問題なところだったと思います。 東京都では、かつては当該銀行から、銀行団と申しますか、大体計算してみますと二千億以上の税収があっていた時代があったと。ところが最近では百億を切って数十億の税収しかないという状態になってきておる。したがって、過去十五年間ぐらいのところを平均してみて大体一千百億ぐらいのところの税収を、この外形標準課税を銀行に限って入れることによって確保できるのではないかということを計算されて今回の措置に踏み切られたものだと思っております。 そういう意味で、私はいろいろ懸念事項を申し上げておりますけれども、東京都がおやりになったことというのは一つのインパクトを世間に与えたのかなと。たまたま銀行という特別な業種でもあったために世間からの反響というのもいろいろな形であらわされたというような状況があっておるということでございます。 私は、このことで世間一般に外形標準課税というものの意義でありますとか持っている意味合い、そういったものが理解されつつあるかなという感じがいたしておりますので、これはやはり急がなきゃいけませんし、片方では地方の知事会が東京都を含めまして全国一律の導入についての御要請を重ねてしてきていらっしゃるということもございますので、そういったこととあわせ考えながらこの外形標準課税の導入に我々としては前向きに取り組んでいきたい、こういうふうに考えているところでございます。
○政務次官(大野功統君) まず、外形標準課税でございますが、先生御存じのとおり政府税調の答申におきましても、「景気の状況等を踏まえつつ、できるだけ早期にその導入を図ることが望ましい」、こうされておるわけでございまして、もう結論がそろそろ出る時期でございます。 そういうことを大蔵省としては、地方税のことでございますから、例えば雇用に対する配慮とか、あるいは先生も御指摘なさいました中小法人に対する影響とか、あるいは税負担の変動とか、いろんな問題があると思いますが、こういう観点からも考えながら今後検討して結論が出るんだろうと、こういう推移を眺めていた段階でございまして、こういう段階で東京がなぜ銀行に対してのみの外形標準課税を考えたのか、ちょっと私は個人的には理解に苦しむところでございます。 税というのは基本的に公平でなきゃいけない、それから中立性を持っていなきゃいけない、それからもう一つ、大事なことでございますけれども政策目的、国全体として国も地方も同じような方向で進んでもらいたい、こういうような三つの論点、問題点があろうかと思います。 そういう観点からしますと、例えば資金量五兆円以上の銀行等に対してのみ対象を限定するということは公平なんだろうか、合理的なんだろうか。こういう先生も十分御存じの論点でございますが、そういう論点もありますし、また、地方税法における外形標準課税においての規定との関係でどういうふうに考えたらいいのか。あるいは東京都以外の地方団体の税財源との関係をどう考えたらいいのか。これは法人事業税ですからタックスベースから除外されますので、そういう意味で影響があるんじゃなかろうか。あるいは、もう一つ申し上げたいのは、やはり政策目的との整合性の問題でございます。やっぱり金融安定化ということを今一番国全体としては考えておる段階でございますし、あるいは国際競争の中で金融センターというものも十分念頭に置いておかなきゃいけない、こういう時期に政策目的として逆方向のことがあっていいのだろうか。こういういろんな問題点があるし、この点は十分に議論していかなきゃいけないのではなかろうか。私どもとしてはやはりもう少し慎重な対応を考えていただきたいな、これが感想でございます。
○山下八洲夫君 私は、銀行が特殊だから外形標準課税を導入したというふうには理解をいたしておりません。生保にしたって損保にしたって外形標準課税なわけでございますし、あれから見れば兄弟のような職種だというふうに思います。 そういう中で、たしか三十社で切ってあるんですけれども、五兆円以上ですか、資料を持っていませんが、記憶ではたしか地方銀行で入っていますのは静岡銀行とか横浜銀行とか比較的大きなところが入っていまして、私の岐阜県のような銀行は小さいものですから三十の中に入っていないんですね。そうやって見ますと、やはり三十以下というのはほとんど地方銀行なんです。東京に本店を持っていないんです。大体三十以上は東京都に本店を持っている。なかなか石原知事はいいところに目をつけたなと私も感心しています。それこそ酒税のときに徴税コストの問題が出ましたけれども、余り少ないところへやりますと徴税コストがかかる。中小にも面倒を見ているということで、私はあれはある意味ではまた評価されているのではないかというふうに思います。 だから、それにはいろいろな考え方がございますのでいいとか悪いとかということは申し上げませんが、ただこれは自治大臣に最後に確認だけしておきたいと思いますが、地方税法の七十二条の十九、どうもこれを改正しないといかぬというような動きと申しますか、そういうような声も聞こえてきました。ぜひこれは、せっかくすばらしい地方自治を守るための私は条文だというふうに思っております。私はこれはどんなことがあっても守っていくということが大事だと思っておりますが、この辺の決意をお聞きしまして、時間になりましたので質問を終わらせていただきたいと思います。
○国務大臣(保利耕輔君) 七十二条の十九というのは事業税の課税標準の特例ということが書いてありまして、「所得及び清算所得によらないで、資本金額、売上金額、家屋の床面積若しくは価格、土地の地積若しくは価格、従業員数等を課税標準とし、」、こういうことでありまして、その枠の中で課税自主権を認めるという条項でございます。委員の御指摘の、この条項は課税自主権を大切にするという考え方から残せという御主張、これは私も理解をするところでございます。 ただ今度、外形標準課税というのを全国一律で導入するというときに、この条項がこのまま残し得るかどうかということについては検討をしなければならないことかなと思っておりますが、なお課税自主権を大事にするという意味では、例えば課税の税率の問題でありますとか、どこか多少とも地方の裁量の余地というのが残せるものがないかどうかということについては十分に事務当局とも今後検討していかなきゃならないことかなと、こう思っております。
○山下八洲夫君 終わります。
○朝日俊弘君 民主党・新緑風会の朝日でございます。 きょうは、幾つか確認あるいは再確認というような気持ちで多少細かい問題についてもお尋ねしたいと思いますが、最初にちょっと、予定した質問に入る前にけさの新聞の記事について、ちょっと直接、通告をしていなくて申しわけないんですが、大臣に確認をさせてください。 きょうの読売の朝刊に、地方分権の委員会は一年延長という見出しで記事が出ておりました。実はこれ、つい先日の当委員会においても、私の方から、ことしの七月に地方分権推進法の期限切れを迎える、その後の体制をどうお考えかということで、フォローアップの機能あるいはさらに地方分権を推進していくという意味で地方分権推進法の延長も含めて前向きに検討したいと、こういう御答弁をいただいておりました。その答弁については私自身も評価をしていたわけですが、けさぽっとこのニュースが出ていましたので、これはどう受けとめたらいいのか、ちょっと事実関係だけお聞かせください。
○国務大臣(保利耕輔君) けさ九時から閣議がございまして、その席上、総務庁長官から御発言がございまして、地方分権推進法の延長について、五年間の現在の時限立法であり本年七月にその期限が到来しますが、これを一年延長することとし、そのための法案を今国会に追加提出することといたしました、延長の理由は、地方分権一括法が本年四月に施行される一方でわずか三カ月後の七月に地方分権推進法が失効することとなると地方分権推進委員会の監視活動が十分にできないこと、また引き続き検討を要する課題もあることからあと一年延長することとしたものでありますという旨の御発言が総務庁長官からございました。これについては、自治省も御相談にあずかっておりましたので、法案提出に向けて総務庁とあるいは関係機関とまた協議をしていくということでございます。そういうことが閣議でございましたので、ちょっとおくればせで恐縮でございますが、御質問にお答えをする形で御報告をさせていただきます。
○朝日俊弘君 どうもありがとうございました。 繰り返しませんけれども、前回私も、地方分権推進法の期限切れを迎えるんだけれども、一つは地方分権推進委員会が果たしてきた特にフォローアップの機能を存続するようにということと、もう一つは政府部内における地方分権のさらなる推進に向けての対応部局をきちんとしてほしい、こういう要請を申し上げました。そのようなことも受けとめていただいて、前向きな取り組みをぜひお願いしたいと思います。 それでは、予定をしておりました質問に入りたいと思います。 まず第一は、先ほども議論になっておりました地方交付税の特別会計の問題であります。そもそも、地方交付税の特別会計があって、一たんこの特別会計に入れてそれからまた出すという、こういうやり方そのものがどうなんだという議論は前からございます。むしろ一般会計から直入したらどうか。この特別会計というのは何のことはない隠れ借金の隠れみのになっているんじゃないか、こういう指摘がずっとされていたわけであります。 〔委員長退席、理事松村龍二君着席〕 きょうは、そのこと自体についてさらにとやかくお尋ねするつもりはありませんが、ただでさえそういういろんな意味でこの特別会計があるということの問題があるところへ、今度は特別会計に借入金約八兆円を民間から資金調達しよう、こういう話がございます。 私、そのことがどこに書いてあるのかなと思って一生懸命法律を読んでみたんですが、法律の条文上はどこにも明確には規定されていなくて、ああこれは運用でやるのかなというふうに思っていたんですが、まず、今回の地方交付税特別会計への民間資金からの資金調達、借り入れ、これはどういうところに規定をされていて、どんな方法というかスキームで行うことになるのか。まず前半そのことを御説明をいただいて、その後後半、質問をさせていただきたいと思いますので、分けて御答弁をお願いします。
○国務大臣(保利耕輔君) 民間からの借り入れの理由は、やはり資金運用部の原資が非常に厳しい状況になってくる、これは郵貯の問題との絡みでございますが、したがいまして入札によってこの民間資金を調達するという方向に踏み切ったわけでございますが、これは直接的には大蔵省、財政当局がおやりになる形になるわけでございます。 そういうことで、なぜ民間資金を借りるようになったかというのは、やはり資金運用部資金の原資が非常に厳しい状態にあるからと、こういうふうにお答えを申し上げさせていただきます。 なお、詳細については財政当局から御答弁をさせたいと存じます。
○政府参考人(嶋津昭君) 委員御指摘の根拠でございますが、現在、交付税特別会計法におきまして、第十三条で、「この会計において、支払上現金に不足があるときは、この会計の負担において、一時借入金をし、又は国庫余裕金を繰替使用することができる。」という規定がございます。 この規定に基づきまして借り入れをするわけでございまして、今回、大臣から御答弁申し上げましたように、運用部の資金事情、郵便貯金の集中満期ということで、それに対する対応ということでございまして、交付税特別会計だけではなくその他の特別会計においても、金額の大小はございますけれども幾つかの会計で民間からの同様な借り入れをするというふうに聞いております。
○朝日俊弘君 それで、私の方での心配し過ぎなのかもしれませんが、一つは、八兆円という、これは相当な金額でありますから、それを民間から調達するということで一つの影響としては、民間の市場に例えば長期金利に対して影響を与えるのではないかというような問題が一つある。それからもう一つは、この仕組みで民間から資金を調達するんだけれども、契約が思うように進まなかったりとかいうようなことがあった場合にひょっとして自治体にこれはもろに影響を与えることになりはしないかという、二つの面でちょっと心配をしているんですが、ちょっとその点について御説明をいただけますか。
○政府参考人(嶋津昭君) 私どもも大蔵省と年末の地財対策のときに相談をするわけでございますが、そのときに今、委員の御指摘のような心配を実は持っておりました。いろいろと折衝をしたわけでございますが、民間の金融市場に対する影響につきましては、これは衆議院の予算委員会において宮澤大蔵大臣から何回か御答弁がございましたが、いわば集中満期で、運用部から市中に対して集中満期がどの程度の金額になるのかというのは郵政省の試算はございますが、実際に具体的にどうなるかわかりませんが、運用部で資金調達が難しくなる理由は、市中に対して資金が放出されるということでございますのでいわば直接には短期金融市場に対する影響だということでございますが、この八兆円を調達する上で金融市場への与える影響というのはないだろうというふうに大蔵大臣からの御答弁がなされております。 我々もそういうことではないかというふうに考えているところでございまして、むしろ我々のいわばそこの短期借り入れ制度のメリットといいますか、それは今、運用部から借りる場合には運用部には短期借り入れという制度はございませんので、いわば長期金利と同一の金利、二%とか一・九%という金利で借りるわけでございますが、これが金融市場で短期の借り入れという形で調達した場合には、今はゼロ金利状況でございますので相当低い金利で借り入れができるんではないか。そういうことによって交付税特会の利子負担が今よりもいわば負担が軽くなるのではないか。一応、今、予算上は二・五%ですかの金利を前提に置いて利子計算をしておりますけれども、それが相当利子負担の軽減につながるんじゃないかという実は期待を一方でしているところでございます。 〔理事松村龍二君退席、委員長着席〕 それからもう一点の、契約が思うようにいかない場合、これはもう市場の問題ですから常にそういうことの心配はしていなくちゃいけないわけでございまして、その場合におきましても、それは財政当局におきまして運用部からの資金調達、そういうことを考えるという方針でございますので、私どもはそういう交付税特会の資金の調達に支障が及ぶことはないというふうに考えております。
○朝日俊弘君 今御説明をいただいたんですが、ちょっともう一言、念を押すという意味で大臣からお答えいただきたいんですが、そうすると、今回このような新しい仕組みで民間から資金を調達するという仕組みにするけれども、そこで一定のリスクというか心配ないわけではないけれども、このことで決して、責任はむしろ国にあるのであって自治体に対する御迷惑をおかけするようなことにはならないのかどうか、そこをちょっと確認のためにもう一度大臣からお答えいただけますか。
○国務大臣(保利耕輔君) 今、財政局長から御答弁いたしましたように、郵貯で満期になっている資金が出ていく。今、設備投資等についても余り強い資金需要がないというようなことから調達といいますか入札は円滑裏に行われるであろうということを期待しておりますが、もし万一というような場合には、私どもは財政当局からいろいろ御配慮をいただいて運用部からの借り入れをしたりすることで補てんをするというようなことで、国庫当局と連携をいたしまして交付税が不足をするというような事態にならないように私どもとしては万全を期してまいりたいと思っております。必ずそれは確保できるだろうと私は思っております。
○朝日俊弘君 それじゃ、そういう御確認をいただいたということで、次の問題に移ります。 これは実は昨年の十一月の十六日に当委員会において私の方から質問をさせていただいて御答弁をいただいた問題であります。その同じ問題を来年、平成十二年度はどうしますかということをお尋ねしたいわけでありますが、地方交付税の算定方式についてこの間、ある意味では継続的に算定方式を簡素合理化する、こういうことでいろいろ見直しの作業がされてきました。その一環として、地方交付税の算定にかかわる段階補正についても見直しがされてきまして、そのことが特に規模の小さい町村にとってはかえって従来よりも不利になるというか、あたかもこれは、一方で市町村の合併を推進していくためにはいろいろ手だてが講じられるけれども、その方向に動かないところにはむちを当てるようなことになるのではないかという御意見が市町村会などからも出されていまして、くれぐれもそういう意味合いでこのような段階補正をしてもらうのは困るという地方団体、特に市町村会からの御意見が出ていたと思います。 地方交付税の算定方式の見直しについて、とりわけ段階補正の見直しについて、平成十二年度についてはどのようにお考えなのか。去年の十一月の当委員会におけるやりとりも踏まえてお答えをいただければと思います。
○政務次官(平林鴻三君) 前回私からお答えを申し上げたことでございますので、その続きを申し上げます。 結論からいいますと、平成十二年度におきましても引き続き見直しについて検討してまいりたいと考えております。 これは前回も申し上げましたが、地方分権推進計画に基づいて、補正係数の統廃合や整理合理化などその簡素化、簡明化を進めるとともに、算定の適正化を図るということを求められておりますので、その御趣旨に沿いまして引き続き検討をしてまいりたいと思いますが、まだ補正係数については最終的な決定をいたしておりませんので、これからさらに検討を深めるということで結論を出したいと思っております。 いずれにいたしましても、全国町村会から昨年の十月二十二日に、「市町村合併の強制を意図した地方交付税算定の見直しは絶対に行わないこと。」、こういう要望を私どもにいただいております。さようなことは、簡単に言いますとあらぬ疑いをかけられるという心配がございますので、さようなことからではなくて、今申しましたような分権計画に書いてあることを交付税の補正係数の見直しということでやらせていただくということで理解を求めていきたいと思っておりますが、いずれにいたしましても小規模団体において財政運営に支障が生ずるということが心配なわけで、私どもとしても支障が生じないように交付税の算定に努力をしていきたい、そう思っておるわけでございます。
○朝日俊弘君 ぜひ、またしてもあらぬ疑いを持たれないような慎重な対応をお願いしたいと思います。 確かに地方交付税の算定方法というのは本当にややこしくて、そういう意味では、簡素合理化を進めていくというそのこと自体は私も反対するものではない、むしろもうちょっとわかりやすくできないのかという思いを持ちながら、しかしやり方によっては結果として大変不利な事態を受ける自治体も出てきますので、そこのところは十分配慮をお願いしたいというふうに思います。 それでは、次の問題に移ります。 次の問題は、幾つか厚生行政との関係で、ことしの四月から実施段階を迎える課題について絞って、できれば厚生省、そして自治省両方の御意見をいただきたい、こんなふうに思っています。 まず第一点は、この四月から社会保険庁の地方事務官が全部国の職員という形になります。そうしますと、国民年金の事務は基本的には四月以降は社会保険庁の職員、国の職員が責任を持ってやる、こういうことになるのだろうと思います。しかし、これはきょうはこの場では余りあれこれ議論はしませんけれども、国民年金の空洞化ということが言われて久しいわけであります。 当然、国民年金に加入をしていて保険料を払っていただかなければならないのに払っていただいていない人の割合がだんだんふえてきているわけです。いわゆる加入しているけれども未納という人がふえてきていて、それに加えて免除されている方、あるいはそもそも加入していない未加入の人、これらを加えるとだんだんこれは半分を超えて、一体これで国民年金と言えるのかどうかという非常に深刻な事態になってきつつあることはもう御承知のとおりであります。 そこへもってきて、この四月から国の方の制度、仕組みが変わって、従来は国とそれから市町村が、ある意味ではその形自体がよくなかったのかもしれませんが、機関委任事務という形で市町村も一定程度の役割を担っていたわけですが、さてこの四月以降、地方事務官の皆さんが、社会保険庁の職員がすべて国に一元化されるという事態の中で、国民年金の事務に滞りというかかえって空洞化を進めるようなことになりはしないかと私は大変心配をしているわけであります。 四月以降の国民年金の事務にかかわる推進体制、とりわけ私が心配していますのは国民年金の適用促進事務の実施体制がどうなるのか。これは後で自治省の方のお考えもお聞きしますが、まずは厚生省、社会保険庁の考えを御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(高尾佳巳君) 四月から委員御指摘のとおり地方事務官制度を廃止することになるわけでございます。ただ、この地方事務官制度の廃止というのは、委員御案内のことと思いますが、現在都道府県で行っています年金課それから保険課、この職員、それから社会保険事務所、ここで働いている人間がいわゆる地方事務官という形で仕事をしていまして、これらの方々が四月から厚生事務官になるという形でございまして、市町村で現在国年事務を行っていただいている方はいわゆる地方事務官ではございませんで、地方公務員の方がやっていただいています。ですから、そこは基本的に変更点はございません。 ただ、実施体制の点でございますが、委員御指摘のとおりこれまで市町村にいわゆる機関委任事務という形で仕事をお願いしていたわけでございます。この機関委任事務につきましては、引き続き法定受託事務という形に位置づけられるわけでございますので、基本的には私ども市町村の事務に変更はないというふうに認識しているわけでございます。 ただ、一部の事務、現在市町村長を経由していました国民年金手帳それから国民年金証書等の送付事務、これは市町村の事務の軽減という観点から今後は直接社会保険事務所から被保険者に送付することになるという点は変更点はございます。 ただ、こういう変更点はございますが、いずれにいたしましてもこれまでの市町村の事務の取り扱いが変わるわけでございますので、これまで法律が施行された後、私どもはいろんな会議、それから案の段階でも各都道府県を通じまして市町村に私どもの考え方をお示ししたわけでございますが、正式には先月、新しい事務処理につきまして都道府県知事を通じて市町村長に事務処理基準の通知を行いまして、現在、実施の準備をお願いしているところでございます。 それから、委員御指摘の特に適用促進事務につきましてでございますが、これは御案内のとおり、適用促進事務は特に二十になられた方々につきまして年金に加入していただくという事務がメーンになるわけでございますが、これらにつきましては法律上の明文の規定がないものですから、先般の分権委員会の勧告等におきましても、明文の規定がない事務、または市町村の事務の軽減ということから、市町村の法定受託事務ではないという形に整理されたわけでございます。 しかしながら、私ども、だから国が全部負うということではございませんで、適用促進事務、これにつきましては市町村の連携協力を得ながらやっていかなければならないだろうということで、法律が施行されました後、私ども全市町村に意見交換を行いまして市町村の連携協力を得て進めていきたいということにしておるところでございます。 そういうことで、地方分権一括法の施行によりまして、私どもこの適用促進事務等のいわゆる未加入問題、これには影響を与えることはないのではないかというふうに考えているところでございます。
○朝日俊弘君 今最後のところで楽観的な見通しを述べられましたが、ちょっと再度確認しておきます。 そうすると、そもそもこの適用促進事務の位置づけが少し不明確なんですね。以前のほかの証書扱いのように新たに法定受託事務というふうに位置づけられれば、それはそれで位置づけが明確になるんだけれども、適用促進事務についての位置づけは法的にはいささか私は不明確なままになっていると。 そうすると、例えば引き続き協力をお願いするんだというふうにおっしゃるんだけれども、そのための費用とか人手とかはどうするんですか。
○政府参考人(高尾佳巳君) 繰り返しになって恐縮でございますが、御指摘のとおり適用促進事務は法的にはほかの事務と違いまして法律上の明文の規定がない。そういうことで今般、法定受託事務という形で整理されなかったわけでございます。しかし年金の関係、先生も御認識のとおり住民の年金権というものと非常に関係が深いわけでございまして、そういうことで私ども、先ほどの繰り返しになりますが、市町村と連携協力をして進めていきたいというふうに考えておるわけでございます。 そういうことで、財源的なものにつきましてもこういう必要な経費、先ほど言いました直接送付をするということで若干減になる分もあるわけでございますが、しかし適用促進はやっていただきたいということで、必要な財源措置は十分していきたいという形で考えている次第でございます。
○朝日俊弘君 多分この問題は国民福祉委員会でも一つの大きな論点になっていると思うんですが、私自身は、社会保険庁の地方事務官の身分が厚生事務官という形で切りかわったことによって下手をすると国民年金の未加入問題がさらに悪化するというか憂慮すべき事態に進むのではないかという危惧を持っています。そういう意味では、もっと年金制度の改正の問題と連動させた形でこの問題をきちっと議論すべきではなかったのかということを今改めて思っています。 しかし、きょうこの場で改めての議論をするつもりはありませんが、そのような位置づけで厚生省、社会保険庁の方が市町村との協力を得ながらこの事務を進めていくということについて、自治省の方のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(保利耕輔君) 今後、市町村が住民サービスの一環として適用促進事務に関連する事務を行うこと自体は否定をされるものではないと思いますけれども、この事務を実施するかどうかはあくまでも市町村の自主的な判断によらなきゃならない、こう思いますので、委員御指摘のとおりあいまいな部分はそこに残ると思います。 しかし、今後社会保険庁ともよく相談をしてここのところはどういうふうに処理をするかというのは事務当局をして研究させたい、私はそう思っておりますが、加入がどんどん下がっていくというような状態が憂慮される場合には適切な措置を講じていかなければならないと思っておりますけれども、繰り返しになりますけれども、やはり市町村の自主的な判断というのがそこに入っていますから、嫌と言われれば仕方がない状態になっているというふうに今のところは考えざるを得ない状況だと思っております。 社会保険庁せっかくおいでをいただいているわけですが、ここのところはよく事務方同士で話をしてもらいたい、私はそう思っております。
○朝日俊弘君 ぜひ私からもお願いをしたいんですが、といいますのはもうこれは、以上でお答えは結構ですけれども、こういう適用促進事務の実施体制がうまくいくかどうかという問題も一つの大きな要素なんですけれども、もう一つは、国民年金という商品が売れる商品かどうかというのがもう一つあるんですよね。だんだん評判が悪くなっているわけですよ。国民年金そのものが一体、これずっと掛けていても一体ちゃんと年金もらえるのという不安、不信が広がっちゃっているわけですね。だからいわば国民年金という商品そのものに魅力がだんだんなくなってきている。むしろ不安、不信が強まってきている。そこへ実施体制が変わる。これは一気にという気もしないでもない。 そこはぜひそういう問題意識を持っていただいて今後の取り組みをお願いしたいと思いますし、進捗状況というか実態の進みぐあいによっては改めて制度のあり方を見直すことも必要ではないかというふうに考えていることを申し添えておきたいと思います。 それでは最後の質問になりますが、介護保険の問題について幾つかお尋ねをしておきたいと思います。 介護保険制度はこの四月からスタートいたします。もちろん、私から申し上げるまでもなくこの介護保険制度の円滑な実施についての責任は主として厚生省にあることは十分承知をしていますが、一方で、保険者が市町村でありますから市町村としての取り組みも大変重要になりますし、その市町村をどういう形で支援するのかということは、これはまた一つの大きな課題であるというふうに思います。 そこで、まず主な項目だけで結構ですが、この四月から介護保険制度の実施に伴って地方財政上どのような措置がなされるのか。多分、新しい制度ですから新規の措置が幾つかあると思いますので、ぜひこの点について、主な問題に絞ってで結構ですので御説明いただきたいと思います。
○政務次官(平林鴻三君) 便宜私から申し上げますが、介護保険制度の施行に伴いまして給付費に対する都道府県及び市町村の負担、これはそれぞれが一二・五%であります。それから、財政安定化基金への繰り入れにかかわります都道府県の負担、これは三分の一でございますなど、新たな負担が生じることになりますが、これらにつきましては地方交付税によりまして適切な財政措置を講ずることといたしております。 また、介護保険制度の事務処理に必要な職員につきましては、平成十年度から計画的に増員をしてきたところでありまして、平成十二年度におきましても、地方財政計画で五千七十人を増員して、交付税措置を講ずることにいたしております。 さらに、厚生省の国庫補助事業に加えて単独事業としても、住民への制度の広報、啓発、ホームヘルパー等の確保対策など地方公共団体が地域の実情に応じた総合的な取り組みを行えるよう、地方財政計画に新たに介護保険制度支援対策として五百億円を計上いたしまして地方交付税に所要額を算入することといたしております。 このように自治省といたしましては介護保険が円滑に実施できますようにさまざまな措置を講ずることにいたしておりまして、各市町村で四月実施に向けて今一生懸命にやっていただいておるというところでございます。
○朝日俊弘君 しかるべく措置をいただいていることと思うんですが、さてそこで、二点ほど心配な点がありますのでお尋ねしておきたいと思います。 その心配な点の第一点はこういうことであります。 新しく介護保険制度ができてスタートをする。従来の老人保健とか老人福祉で見ていたサービスの中で介護にかかわる部分は介護保険から提供されるようになる。しかし、従来の老人保健と老人福祉の事業がゼロになるわけじゃない。介護にかかわる分は介護保険で提供するけれども、そのほかの周辺というか関連というか、従来からある高齢者の保健福祉事業は残っているし、むしろ私の考えでは、その従来からある、あるいは新たな施策も含めて高齢者のための保健事業や高齢者のための福祉事業を充実することによって介護保険が生きるんですね。 周りのサービスがすうっと引いちゃったら、介護保険というのは一定の、メニューに限度がありますから何でもかんでも介護保険からできるということになっていない。だから、やや誤解されている節があって、介護保険が入るんだから四月からじゃもう従来の事業はやめようというような向きがないではないんですね。私はこれを便乗合理化と言っているんですけれども、こういうことがあってはならないと思います。 そこでその点について、一つは、厚生省としてはどんなふうに考えているのか、そして自治省としてはどんなふうに考えているのか。それぞれお答えをいただきたいと思います。 まず厚生省の方から。
○政府参考人(大塚義治君) ただいま委員からお話ございましたように、高齢者が地域において自立してなおかつ尊厳を持って生活をしていただくためには、介護保険制度によるサービスとあわせまして、委員のお言葉をおかりすれば周辺あるいは関連のサービスの推進あるいは拡充が必要だと。私どもといたしましては、むしろ車の両輪のような位置づけでこうした施策を進めていく必要があると考えておるところでございます。 このために、平成十二年度の予算におきましても、介護予防あるいは生活支援サービスということで従来の予算を大幅に拡充いたしましてこれらの施策の充実に努めるように考えておるわけでございますが、基本的には市町村で行っていただきます事業に対する助成という形になりますので、市町村との連携も密にしながらこうした事業の推進に努めてまいりたいと考えております。
○朝日俊弘君 今厚生省の方のお考えをお聞きしたんですが、同じことをお尋ねしますが、あえて申し上げれば、先ほどちょっと申し上げましたけれども、この機会に従来の高齢者保健事業あるいは老人福祉事業の範囲をかなり撤退しようというか縮小しようというか、そういう動きが実は幾つかあるんですよ。もしかして国の方の地方財政措置においても従来の部分をかなりがたっと減らしているんじゃないですか、この部分。従来の老人保健あるいは老人福祉事業に関する財政措置が今回介護の方に全部行くからぐっと減らしちゃって、そのことによって市町村がみずから高齢者の保健事業、福祉事業をやりにくい状況になっているのではないかという危惧があります。 それも含めて自治省の方のお考えを聞かせてください。
○政務次官(平林鴻三君) 実は、朝日委員が御心配になっておりましたような話は、私も地元に帰りますと市町村長さん方からこれからどのように介護保険に対応して老人の福祉制度とかそういうものを組み立てるか困っているんだというお話をよく聞きますので、そんなときに財政難から何でもかんでもやめてしまうというようなことはやはり住民の気持ちとしてもなかなか受け入れがたいことであろうから、それはやっぱり単独事業に必要な対策を国としても考えることになると思うよ、余りむちゃなことはしない方がいいんじゃないですかという話を実はしたことがございます。 確かに、おっしゃるようにこの際高齢者福祉サービスというのは見直しを迫られるということは当然のことでございますけれども、その場合に、例えばこれまでのサービス水準にかんがみまして介護保険給付としていわゆる市町村が独自に給付を上乗せするとか、あるいは給付の範囲をいわゆる横出しとして広げるとか、そういうようなことを行うという場合には、これはもう全額第一号保険料、高齢者の保険料でございますが、全額保険料で賄うということが原則にされております。この原則はやはり理論上当然だと思われますが、その場合には保険料がいわばふえるということになりますので、地域住民に十分な御理解をいただいた上で、その意向を踏まえてさような上乗せや横出しを判断するということになると思います。 それから一方で、従来地方公共団体が単独で行っていました高齢者福祉対策で介護予防や生活支援を目的にするというものもたくさんあると思いますので、これは昨年秋に決定した国の特別対策の介護予防、生活支援対策事業により国庫補助事業として支援することになっております。 そこで、自治省としましては、このような国庫補助事業の地方負担に対して交付税によって財政措置を講ずる。これに加えまして、平成十二年度の地方財政計画におきまして社会福祉系統経費というのを、単独分でございますけれども従来から見ておりますこれを前年度に比べまして二・八%増の四兆一千百八十八億円確保いたしました。地方の実情に応じた地方単独事業の積極的な展開を支援する、こういうことで地方財政の措置を強力にやっておるということで御理解がいただければと思っております。 済みません。四兆一千八百八十億円でございます。
○朝日俊弘君 介護保険サービスの上乗せ、横出しの部分もさることながら、くどいようですけれども、介護保険というのは介護に着目してのサービスですから、必ずしもその介護というところで評価したら支援対象にはならないけれどもしかしさまざまな生活支援は要るという人たちはいるわけですから、それは従来の保健事業や福祉事業できちっと市町村が支えなきゃいかぬ。ここはきちっと押さえていただきたいと思うんですね。 実はことし一月、福島県の西会津町に当委員会の委員派遣という形でお邪魔をいたしましたけれども、やっぱりそこは従来から高齢者のための保健事業と福祉事業、トータルプランの推進ということでやっていて、そこに介護保険が入ってくる。だから結果として、介護保険にあれもこれもと行かないから介護の方は比較的安く済むんですね。 本来、介護の方に行かないように高齢者の保健事業や福祉事業をきちっとやって、それでもなおかつ介護が必要な人については社会的に介護サービスを提供しようというのが介護保険の趣旨なわけですから、ここはぜひ誤解のないというか、取り違いのない、趣旨を的確に受けとめた形での市町村における取り組みをお願いしたいと思います。 では、時間も迫ってまいりましたので、最後の問題に移ります。 心配しているもう一点は、介護サービスが不足の地域についてどうするかということであります。多分、これからさまざまな民間の事業者が入ってくる、あるいはNPOが積極的に参加してくるということでトータルとしての介護サービスの提供者、事業者については多く参入が期待されると思うんですけれども、しかしいつの時代でもそうなんですが、ちょうど昭和三十六年でしたか国民健康保険が制度化されたときに、あのときも保険あって医療なしという言葉が言われました。今回は介護保険の導入に当たって、保険あって介護なしという同じことが言われた。国民健康保険の制度ができたときには、特に過疎地域においては市町村において国保の診療所あるいは国保の病院が一生懸命サービスを担うということでさまざまな形でサービス提供体制がつくられていった経緯があります。 ところが最近見ていますと、これは幾つかの自治体に限った問題なのかもしれませんが、自治体もみずからサービス提供事業者になれるはずなんですけれども、何か民間参入を期待する余りに、この際例えば従来持っていたホームヘルプサービスをもうやめちゃおうとか、何か自治体が直接担っていたサービス提供機能をここで委託したり撤退したりして民間にすべてゆだねちゃおうみたいな動きが実はあるんですよね。 しかしそれは、地域によってはそれはいいかもしれませんけれども、サービスの不足が当然予想されるような地域においてはやはり自治体もみずからがサービス提供事業者になっていくという姿勢がぜひとも欲しいし、そのことについてのいわば支援もぜひお願いをしたいと思うんですが、この点についての厚生省及び自治省のお考えを聞かせてください。
○政府参考人(大塚義治君) 介護保険制度を運営してまいります私どもの基本的な考え方と申しましょうか仕組みは、各市町村すなわち保険者でございますけれども、各市町村が住民の需要をきちんと把握いたしまして、それに基づきまして介護保険事業計画を定めていただきまして、これに基づいたサービスの基盤整備をしていただく、それにあわせまして所要の保険料などの財政措置をしていただく、こういう仕組みを考えておるわけでございます。 地域におきまして大変置かれた事情がさまざまでございますので、介護保険事業計画が定まりましても、このサービスをどういう形で確保していくか、これはそれぞれの自治体の御判断によるわけでございます。例えば民間事業者にゆだねるのか、あるいはお話出ましたようにNPOのような形に期待できる地域におきましてはそういう主体にゆだねるところもございます。あるいは現に地方自治体みずからのサービスを継続するというようなこともございます。最終的には事情がそれぞれ違いますので各市町村の判断によるわけでございますし、私どももそれが適当だと考えております。 ただ、いずれにいたしましても、厚生省といたしましては、各市町村が定められました介護保険事業計画が計画どおり推進できますようにこれの取り組みに対しまして支援をしてまいる考えでございます。
○政務次官(平林鴻三君) 朝日委員が国保のことをおっしゃいましたが、国民健康保険のいわば皆保険のときに市町村は非常に苦労をいたしたことを私も思い出しました。直営診療所なども随分つくったものでございますが、その後、医療情勢の変化等によりまして順次整備をされてきたというぐあいに思っております。同様のことが今回も心配されますので、どうやったらいいか、それぞれ各市町村は苦労をしてやっておられると思います。 今、厚生省から申しましたように、いろんなタイプのサービス提供が行われると思います。直営なりあるいは半官半民といいますかそういう格好なり、あるいはNPOなり、業者なりというような組み合わせができてくると思いますが、それはやはり実情に応じた一番いい方法が考えられてしかるべきだと思います。 ただ、やはり介護サービス基盤の整備につきまして、これまで新ゴールドプランにかかわります地方負担額について自治省は財政措置を講じてまいりました。また、地方単独事業で緊急な基盤整備ができるように財政措置をやってきたわけでございます。さらに、平成十二年度の地方財政計画におきましては、介護保険制度支援対策という項目を設けまして五百億円を計上いたしております。これで交付税を算定いたしてまいるということでございまして、地方団体が介護サービスの業者が入れないというような困難な地域でどういうぐあいに対応するか、このような財源を活用してもらいたい、そう思っておるところでございます。
○朝日俊弘君 終わります。
○委員長(和田洋子君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十二分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(和田洋子君) ただいまから地方行政・警察委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○富樫練三君 日本共産党の富樫練三でございます。 地方税法改正案、そして地方交付税法の改正案、これらに関連して何点か伺いたいと思います。 最初は地方財政問題についてですけれども、特にその中で、一つは二〇〇〇年度の地方財政計画、これが出されているわけでありますけれども、この問題について最初に伺いたいと思います。 一つは地方の財源不足、これが二〇〇〇年度は十三兆三千六百九十九億円、そのうち通常収支の不足分が九兆八千六百三十七億円、恒久減税分これが三兆五千二十六億円、こういうふうに言われているわけですけれども、この総額、不足分の十三兆三千六百九十九億円、これは今まで過去の歴史の中でどういう状態なのか、かつてこれだけの大幅な財源不足があったことがあるのかどうか、まずそれについて伺います。
○政府参考人(嶋津昭君) 今、委員の御指摘のように、巨額の通常収支の財源不足とそれから減税分に係る財源不足があるわけでございますが、それを合計した額が十三兆三千六百九十九億円でございまして、通常収支分につきましては昨年度の財源不足額よりも約五千億円程度縮小したものの、いわゆる恒久的減税の減税の平年度化に伴いました財源不足は逆に一兆円弱拡大をしておりますので、これを合わせた十三兆三千六百九十九億円という財源不足額は過去最大の財源不足額でございます。
○富樫練三君 史上最高ということなんですけれども、この巨額の財源不足の原因はどこにあるかというのはどういうふうに考えていますでしょうか。
○政府参考人(嶋津昭君) 通常収支といわゆる恒久的減税による財源不足額とはややその性格を異にするわけでございますが、まず通常収支分の十兆円弱、九兆九千億という財源不足額については、その大きな要因は三つぐらいあるんではないかと思います。 一つは、バブルが終わった後の税収が伸び悩んでいること。国税、地方税ともに伸び悩んでいるわけでございまして、地方税のいわば減少あるいは交付税の額の減少、こういうふうなものにつながってきているわけでございます。次に、その間、景気対策を政府として数次にわたって講じておりますし、地方財政も国の財政政策と軌を一にして景気対策をしているわけでございますが、その景気対策に伴う公共投資は主として地方債の発行によるものでございますので、その元利償還金が財政歳出を押し上げるという要因。それからもう一つは、やはりことしの四月一日から介護保険制度が始まるというようないわゆる地方のいろいろな少子高齢化に向けた地域福祉施策の充実等の財政需要が増加している。こんなような要因で現在の財源不足になっているというふうに考えております。
○富樫練三君 新年度の税収の総額なんですけれども、三十五兆五百六十八億円、これは地方全体の税収総額です。これは過去最高の落ち込みというふうに言われた昨年度に比べてどういう状況にありますか。
○政府参考人(石井隆一君) 十一年度の地財計画におきます地方税の収入見込み額は、十年度の見込み額に比べますと八・三%の減でございまして、三十五兆二千九百五十七億円でございます。十二年度の地方財政計画におきます地方税の収入見込み額は三十五兆五百六十八億円となっておりまして、御指摘の大幅な減となりました十一年度の収入見込み額から見ますとさらに〇・七%の減となっております。
○富樫練三君 ということは、昨年は過去最高の落ち込みだったわけですけれども、それよりもさらに落ち込むということですから、これも史上最低というか最悪、こういう状態だと思うんです。 今地方財政の全体を見たときに非常にピンチの状況になっているということを解決していく方向としては、当然のことながら、どこでもそうだと思いますけれども、支出を抑える、それから収入を確保するということによってこれは解決されていくと思うんですけれども、政府は今年度、九九年度九十二事業を中止、休止して事業費ベースで二千億円減らして、さらに二〇〇〇年度は二十三事業を中止、休止、そして二百四十五億円事業費で減らすというふうな対策をとってきたわけですけれども、しかしこの程度では全く効果がまだまだ薄いというふうに言わなければならないと思うんです。 この合計百十五事業以外に不要不急のものはほかにはないのか、あればここにメスを入れることが必要だというふうに思うわけですけれども、ほかにはそういう不要不急のものはありませんか。
○政府参考人(嶋津昭君) 委員の御指摘は、国の予算における公共事業の中で事業の見直しを行っているということだと思います。 今、地方財政に対する御指摘でございますので、私どもといたしますと、国の公共事業に対応いたしますのはいわば地方単独事業と申しますか、そういう地方単独事業、投資的経費としての地方単独事業をやっているわけでございます。地方単独事業は地方財政計画におきまして枠取り、全体としての財源確保措置としての枠取りをいたしますが、それぞれの団体はそれぞれの団体の財政運営としてその地方単独事業を予算化するわけでございまして、あくまでもこれは地方団体、個々の団体の責任におきまして恐らく委員御指摘のような形での事業の見直しは行政改革の一環としてそれに熱心に取り組んでいるというふうに考えております。
○富樫練三君 そういうものも当然あると思うんですけれども、国の事業によるあるいは国の計画による地方の負担増、こういう問題もかなりあるのではないかというふうに感じるわけですけれども、例えばこれは単年度の事業ではないんですけれども、今国民からも大変大きな批判の的になっておりますあの吉野川の可動堰の問題です。これは事業費が今仮の金額ですけれども九百五十億、そのうち地方が負担するのが百六十億であるとか、長良川の河口堰でいうと千五百億の事業費に対して百八十億の地方負担分とか、九州熊本の川辺川ダム二千六百五十億の事業費のうち五百八十億円が地方負担であるとか、あるいは飛行場の建設、佐賀空港の場合でいうと事業費が二百八十億のうち百五十四億円が県負担、あるいは秋田の能代空港の場合は三百四十四億の事業費のうち県が二百四億であるとか、あるいは神戸空港の場合は総額三千百四十億のうち県、市で二千八百三十八億円の負担であるとか、静岡の空港の場合は総額千九百億円のうち県と市で千六百五十億負担するとか、あるいは関西空港の第二期事業でいえば総額一兆五千億のうち二千九十二億円が地元負担というか地方負担になっているとか、こういう大きなプロジェクト、こういうものがどんどん進められることによって地方の負担もふえていく。これはもちろん単年度ではなくて五年とか何年かという計画なんですけれども、あるいは諫早湾の干拓の問題、これでも事業費が二千四百九十億円のうち県費が五百六十億円であるとか、こういう形での負担というのがどんどんふえている。ですから、国が計画をしてそれに一緒に、これが地方の財政を同時に圧迫していくと、こういうものがたくさんあるというふうに思うんですね。 例えば治山治水事業でもそうですし、港湾やあるいは空港の問題、それから農業農村整備の問題でも同じような問題がありますし、あるいは道路整備事業でも当面すぐに必要でない道路、こういうところに膨大な地方の費用が負担させられるとか、あるいはこれは地方の単独事業ですけれども豪華な庁舎をつくるとか、こういうのもあるわけなんですね。 この五つの項目、私どもは公共事業が全部だめだと言っているわけではなくて、こういう不要不急のものについては見直しが必要なのではないか、こういうふうに考えているんですね。 私、試算をしてみましたら、この治山治水や港湾あるいは農業関係、道路関係あるいは庁舎関係、こういうのを地方財政計画の中から拾ってみますと二〇〇〇年度で約十三兆四千億円もあるわけなんですね。その中で地方の負担が八兆三千億円ぐらいある、こういう状態になっているわけなんですね。これらを根本から見直していく、こういうことによって地方の財政支出を抑えることができるというふうに思うわけですけれども、その必要性について大臣の考え方を伺いたいと思います。
○国務大臣(保利耕輔君) 以前にも富樫委員からそういった点について御指摘があったと思います。もとより公共事業についてはむだがあってはいけませんから、それは厳しくチェックをしなければいけませんし、また監査等も適切に行われなければいけないと思っております。 ただ、私どもは、やはり地方の社会資本の整備というのも必要なことであり、ここまでは富樫委員も否定はしていらっしゃらないと思うのでありますが、すべてのことは大体地元の御熱意、御要請等を受けた形で県が決定し、県が決定したものを中央に持ってきて公共事業が執行されるという形をとっておりますので、一概にむだだと決めつけてしまうわけには私はいかないだろうと思います。 やはり日本は社会資本の整備がおくれていると言われておりますから、そういう面では、もちろんむだなくやらなければいけませんが、そして十分注意をしながら執行していかなければなりませんが、私自身は公共事業はそういう意味で必要なものだなということを考えております。もとより不適正な執行がある場合には、これは十分に注意を払っていかなければならぬということはもとよりでございます。
○富樫練三君 例えば、新年度の地方の財源不足約十三兆四千億円、こう言われているわけですけれども、今度こういう大型の公共事業、不要不急だというふうに私は思うんですけれども、こういうものに対して仮に見直して半分に減らす、それだけでも約四兆円ぐらいの財源は、支出を減らすことができるわけですから、十三兆四千億の不足額のうち四兆円は不足額が減る、こういうことになるわけなんですね。 社会資本は必要だというふうに大臣はおっしゃいますけれども、しかし今私が挙げたようなものについて、今すぐやらなければ、スタートしなければだめなもの、こういうことではないと思うんですね。もちろん、住民からのいろんな意見も出されているわけですし、例えば可動堰について言えば、そのもの自身の必要性、こういう点から見ても本当に役に立つものなのかどうか、こういう点でも大いに意見の分かれているところなんですね。そういうものを国が強引に進めようとする、ここに県や市町村を巻き込んでいく、このやり方がやっぱりいけないんだというふうに思うんですね。それは地方自治体が必要だからやるんだ、こういうふうに言いますけれども、必ずしもそういうものばかりではないというふうに言えると思うんです。 要は、十三年間で六百三十兆円という公共事業、これを消化しよう、その消化するためにさまざまな事業が次から次へと組まれている、これが今急激に地方自治体の財政を悪化させている最大の原因だというふうに思うんですね。先に総枠ありき、それでこれを消化していくためにどんどんどんどん公共事業を次から次へとやっていく、こういうやり方はぜひこれは改めなけりゃならない、こういう性格の問題だというふうに思うんですね。本当に地方が必要なものをやるということならばいいですよ。だけれども、今のやり方というのは六百三十兆を消化する、そのためにやっているというふうにしか思えないような事業が余りにも多過ぎるというふうに思うんですけれども、どうですか。
○国務大臣(保利耕輔君) 確かに六百三十兆というお話は前にもあっておりましたが、日々の業務のやり方を見てみますと、やはり地域からの御要請があり、それを受けた形で公共事業が仕組まれているというのが私は基本的な形であろうかと思っております。これによって地域の利便性その他が確保されるわけでありますし、空港等についても大変御熱心な御要請があって、それでその時点では恐らく地元負担がどのくらいになるかということは計算済みの上なお御要請が続いて、国としても採択をしたという形のものが大部分であろうと思います。 したがいまして、私はそういう形で公共事業が執行されていき、もしこれは不急だからもう要らないということになりますと今充足をしていない社会資本の整備を望んでいるところへお金を回していけばよろしいわけですから、そういうことはもういろいろやられていると思います、現に。したがって、今残っている、残っているというか現に遂行されている公共事業については、私は必要性があって、そしてまた地元の御要請があって手続を踏んでやられているものだと、そう思っております。
○富樫練三君 地方が要求するからといって次から次へとやっていく。私はそれだけじゃないと思うんですね。国の直轄事業で地方負担分、これが非常にふえている。もちろん補助対象事業の裏負担分もあるわけですけれども、あわせて単独事業をどんどん進めるように、しかも起債の枠を大いに緩和して借金しやすいようにして単独事業をやらせる、こういうことをずっとやってきたわけなんですね。 ですから、今のような大臣の考え方では地方財政はよくなるどころか借金は膨らむ一方と、こういうふうにならざるを得ないと思うんですね。ちっとも改善される方向は出てこないというふうに思います。この点を指摘して、次の問題に移りたいと思うんですけれども、もう一つは歳入の確保という問題です。 歳出を抑えると同時に歳入を確保するという問題なんですけれども、法人事業税の税率の引き下げが行われました。九八年度、九九年度。そして、そのほかに国税の税制改正に伴う法人事業税及び法人住民税に対する影響分、こういうのも地方の歳入を少なくしている、減らしている、こういう原因だと思うんです。 そこで伺いますけれども、法人事業税の税率引き下げと、二つ目に国の税制改正に伴う法人事業税への影響額、それから三つ目に法人住民税への影響額ですね、国の制度改革によって出てくる影響額、この三つについて、それぞれ税率を改正した当初とそれから平年度ベースとは若干金額が違ってくると思うんですけれども、二〇〇〇年度以降単年度でこれらの三つを合計すると大体地方の収入は年間どのぐらい程度これから減少してくるのか、この金額についてお知らせいただきたいと思います。
○政府参考人(石井隆一君) この九八年、平成十年度以来の税制改正に伴います二〇〇〇年度以降の影響額でございますけれども、法人事業税の税率引き下げに伴う減収が約九千三百億円程度でございます。それから国の制度改正に伴う法人事業税、これはむしろ法人税の課税ベースの拡大等がございましたので増収になっておりまして、七百億円程度のプラスでございます。それから国の税制改正に伴って法人住民税の減収がございますが、これが五千百億円程度のマイナスでございます。したがいまして、これを合計しますと減収額は約一兆三千七百億円程度と見込まれております。 ただ、念のために申しますと、この中には十一年度に実施されました恒久的減税の影響分がございまして、その補てんは御承知のように四分の三程度、交付税率の引き上げなり特例交付金なりたばこ税の一部地方への移譲なりで補てんされておりまして、今の約一兆三千七百億円のうち八千億円程度についてはその四分の三が補てんされている、こういうことになろうかと思っております。
○富樫練三君 いずれにしても、いわゆる減税政策の結果地方自治体の収入が減っている、一定の補てんはあるわけですけれども。これは、九九年度の税制改正で国税である法人税、それから地方税である法人住民税や法人事業税、合わせて二兆七千億円程度の減税になったわけなんです。ただ、この中身を見ますと、このうち減税分総額の五五%、半分以上については、約一兆三千億円なんですけれども、全企業の一%にも満たない三千六百社余り、資本金十億円以上、こういう大企業に集中するという、こういう構造になっているわけなんです。ですから私どもは大企業減税だ、こういうふうに言っているわけなんです。この大企業優遇減税の結果、地方財政が一層圧迫される、こういう状況になったわけであります。 そこで、九七年度に比べて地方の全体としての税収がどのように変化したのか、金額で明らかにしていただきたいと思います。
○政府参考人(石井隆一君) 地方税収につきまして、地方財政計画ベースの数字で一九九七年度以降の数字を比較しますと、九七年度は地方財政計画が三十七兆百四十三億円に対しまして決算が三十五兆五千九百四十五億円でございます。それから九八年度は、平成十年度でございますが、地方財政計画三十八兆四千七百五十二億円に対しまして決算額が三十五兆四千百九十一億円となっております。それから九九年度の地財計画ですけれども、これでは三十五兆二千九百五十七億円。それから二〇〇〇年度、本年度ですが、この地財計画額は三十五兆五百六十八億円となっているところでございます。
○富樫練三君 ですから、こういう対策の結果地方の税収というのはどんどん下がる一方、こういうことだと思うんです。この点から見れば、やはりこういう大企業に対する減税というのが地方自治体の財政をさらに圧迫している。 大臣、先日の所信の中で次のようにおっしゃっていました。「基本的認識」として、「今後とも地方税財源の充実強化を図りながら、地方公共団体が自らの創意工夫で地域づくりを行える新時代にふさわしい地方自治を確立していかなければなりません。」、こういうふうに言って、その後で、「地方分権の推進」、こういう項目で、「地方税、地方交付税等の必要な地方一般財源の確保に努めるなど、実行の段階を迎えている地方分権を具体的な形で進めてまいります。」、そして「地方税制」のところでは、「地方税は、地方自治の基盤をなす自主財源の大宗をなすものとして極めて重要な役割を担うものであり、今後とも、地方分権推進計画等を踏まえ、地方税の充実確保を図ってまいります。」、こういうふうに言っているわけですけれども、実態は大臣が言っていることと反対ではありませんか。
○国務大臣(保利耕輔君) 地方財源を充実していかなければならないという考え方は私は変わりはありません。しかし実態がそうではないではないかというのは、いろいろな事情があって減税措置を行って景気対策に資するという考え方から減税が行われたということでございます。そういうことはございますが、しかし一方、そういう環境の中でもこれから先の地方税の確保、地方の財源の確保というのには我々は努めていかなければならない。これは少なくていいんだというわけにはまいらない、こう思っておるわけでございます。 なお、大きな企業だけが減税を受けたのではないかということでございますけれども、私は、結果として企業が国際競争力をつけていくとかいうようなことで立ち直ってくれることを望んでおりますし、立ち直って利益を上げ税金をさらに納めていただくことによって地方の税収にもまた国の税収にも役立つことであろう、こういう考え方であります。 再度繰り返しますが、地方の財源の充実については、我々もこれからいろいろな形で努めていかなければならないことはもちろんのことであります。
○富樫練三君 大臣は、国際競争力をつけて大企業が立ち直って税金を納めてもらうんだ、こういうふうにおっしゃるわけですけれども、実態は、大企業は減税の恩恵を受けながら一方で内部留保資金を今どんどんため込んでいるというのが実態だと思うんです。例えば九九年の三月期決算で大企業四百三十社の内部留保資金は九十八兆百八十八億円。このぐらい内部留保資金があるんです。これは前年比でいうと何と三兆七千二百八十七億円もふえているんです。大企業は大変だということではないんです。百兆近い内部留保資金、これがさらに減税によってふえる、こういう状況になっているわけなんです。 他方で地方の税収、これは先ほど報告がありましたようにどんどん減っているということなんです。そういう点では、地方自治体の方はやせ細って四苦八苦している、片方でその減税の恩恵を受けた大企業はどんどん内部留保資金をため込んでいる、こういう状態なんです。 ですから、もし大臣が言われることが本当ならば、直ちにこれは税金をちゃんと、もう立ち直っているわけですから税金をしっかりと納めてもらう、そのために大企業減税はもとに戻すということが大臣の言っていることからいっても緊急に必要なんじゃないですか。いかがですか。
○国務大臣(保利耕輔君) 景気の状況が今やっと日差しが出始めたというような感じのところでございますし、私は、やはり日本の企業というのがしっかりした形で日本の中に根づいているということが日本の総体としての国としての経済力を示す上で非常に大事なことだろうと思います。 内部留保蓄積ということは、財務体質がそれだけよくなってくるわけでありますから、会社として健全な姿を出していく、そこでやっと活力が出てくるというところへ入ってくるわけでありますから、その先は企業あるいは納税者と御相談を申し上げなければならないことも、そういうときも来ると思いますけれども、今はやっと立ち直ったところだ、あるいは立ち直りつつあるというところだというような認識を私は持っておりますので、すぐこれを税収にプラスになるように持っていくべきだということについては、考えなきゃいけないテーマではありますけれども今すぐこれを動かし得るかどうか、そこは検討が必要だと思います。
○富樫練三君 考えなきゃいけないテーマだと大臣もおっしゃっているわけですから、これは早急に検討して、そういう事態にあるということをしっかりと踏まえて、何よりも地方の財政の確立、このために有効な手段として大いに位置づけて改善をしていただきたいというふうに思います。 私は、今の地方の財政を苦しめている原因というのは、経済政策の失敗による減収もあるわけですけれども、同時に大企業に対する減税が大きな影響を与えているんだということなんです。これをもとに戻すということを緊急課題として強く要求して、次の問題に移りたいと思います。 地方財政問題の三つ目の問題でありますけれども、これは税財源の移譲の問題についてであります。 地方財政が重大な事態にあるということは恐らく同じ認識だと思うんですけれども、まず実態について幾つか伺いたいと思います。 地方自治体の一般財源に占める公債費の割合が警戒ラインだと言われているのが、これは一五%を超えると警戒ラインだと言われております。この一五%を超える都道府県の数及び市町村の数は幾つあって、それは全自治体数の何%を占めるのか、これについてまず伺います。
○政府参考人(嶋津昭君) 最近まとめました平成十年度の決算におきまして、今御指摘の公債費負担比率が黄色信号と言っております一五%以上の団体は、都道府県で四十七団体中三十五団体、七四・五%、市町村は全体三千二百三十二団体中千九百三十九団体で、六〇%でございます。
○富樫練三君 危機ラインというふうに言われているのもありますね。警戒ラインが一五%で、いよいよ危機的な状態だ、これが二〇%を超えたらもう危機だと言われているわけですけれども、これは先ほどの都道府県及び市町村で幾つずつあってそれは大体何%ぐらいになるのか、この点について伺います。
○政府参考人(嶋津昭君) 公債費負担比率が二〇%以上の団体でございますが、都道府県は四十七団体中十一団体でございまして二三・四%、市町村は三千二百三十二団体中七百六十六団体でございまして二三・七%でございます。
○富樫練三君 都道府県でいっても市町村でいっても四分の一弱ぐらいが既に危機ラインを突破しているということですね。全体の三分の二前後が警戒ラインを突破している。これが今の日本の地方自治の財政の実態だというふうに思うわけですけれども、もう一つ数字を聞いておきますが、経常収支比率で不健全ラインと言われているものです。健全ではない、財政が硬直化している、こういうことだと思うんですけれども、八〇%を超える都道府県、七五%を超える市町村、それぞれ幾つありますか。
○政府参考人(嶋津昭君) 今御指摘の経常収支比率の指標でございますが、総体的な財政状況によってそのラインというのは必ずしも固定的に考えるものではないかもしれませんが、御指摘のように我々が従来から都道府県でいうと八〇%、それから市町村で七五%というような目安として申し上げている数字、それによりますと、都道府県は八〇%以上の団体が九一・五%の四十三団体、それから経常収支比率が七五%以上の市町村は全体の八五・一%の二千七百五十二団体でございます。
○富樫練三君 そうしますともう圧倒的多数ですね。不健全ラインを超えているわけですから、健全なところは数えるほどしかない。都道府県でいけば一割未満です。それから市町村でいえば約一五%ぐらいが健全であって、あとは不健全な状況になっている、こういう状況だと思うんです。 こういう中で新年度の地方財政計画がつくられたわけですけれども、この地財計画、地方の財源不足が先ほど言いましたように十三兆円を超える、こういうことですね。その財源不足をまた借金で穴埋めして地方の長期債務が来年の三月になれば百八十七兆円、こんな大変な事態になる。悪循環からまさに抜け出せない。これが今度の地方財政計画だと思うんですけれども、大臣は今度のこの地方財政計画、これは地方財政を再建させる方向に向かっているものなのか、それとも地方財政を後ろ向きに進めるものなのか、どういうふうに理解しておりますか。
○国務大臣(保利耕輔君) 総体といたしましては、私どもも決して地方財政を悪くしようとして仕事をしているわけではございませんから、いろんな形での努力はさせていただいているわけでございます。また、通常の収支でいきますと五千億程度の改善をしておりますし、そういった努力を積み重ねながら、今後こういった非常に難しい危機的な状況にあるものに対してやはり断固とした決意を持ってこれに当たっていかなければならない、こんなふうに思っておるわけでございます。 いろいろなやり方があるかと思いますけれども、まずやはり政府全体で取り組んでいます景気の回復というのをもたらさなければいけませんし、それから歳入歳出のギャップを埋めていくというような努力もしていかなければならない。またいろいろ地方公共団体においても工夫をしていただいて、法定外の目的税等についても今後いろいろお考えになるだろうと思いますが、そういったことを通じながら地方の財政状況をよくしていかなければならないということでございます。 繰り返しになりますが、決して地方の財政を悪くしようと思って仕事をしているわけではございませんので、御理解をお願いいたしたいと思います。
○富樫練三君 確かに悪くしようと思ってやっている人はいないと思うんですよ。みんなよくしようと思ってやるんです。ところが実態がどんどんそれとは逆の方向に進んでいるというのが今度の地方財政計画の中身なんですね。 例えば二〇〇〇年度で、この計画によれば、地方が新たに借金する分、地方債は十一兆一千二百七十一億円。公債費、借金の支払い分、これが全体で十二兆九百九十一億円であります。ですから借金した分を丸々借金の返済に充ててもまだ足りない、これが今度の計画の中身ですね。しかもこの借金の中には赤字地方債がまた含まれる、こういう状況ですね。 伺いますけれども、二〇〇〇年のこの赤字地方債を含めて、赤字地方債の累計は幾らになりますか。
○政府参考人(嶋津昭君) 一番厳密な意味での赤字地方債は地方財政法の特例として減税の補てんのために充てている地方債、これが純粋な意味での赤字地方債でございますが、これは過去の減税分を累積いたしまして現在で七兆五千四百億円程度になります。
○富樫練三君 不健全の一番最たるものとしてこの赤字地方債がやっぱり挙げられると思うんです。それが既に七兆五千億を超える、こういう状況になっているわけですから、大変なものだと思うんです。 そこで、交付税についてちょっと伺いますけれども、今度の計画で二〇〇〇年度に交付税の特別会計に国の一般会計から繰り入れられる予定であった金額、予定の金額は法定加算、覚書加算それぞれ幾らで合計で幾らだったんですか。
○政府参考人(嶋津昭君) 二〇〇〇年度に国の一般会計から交付税特別会計に繰り入れられる予定の金額は二種類ございまして、一つは地方交付税法に基づき加算することとされていた額でございまして、いわゆる法定加算でございますが、六千七百七十五億円でございます。また、過去の地方財政対策におきまして自治、大蔵両大臣の覚書を結びまして毎年度加算するというふうに約束をしている額がございまして、その額、いわゆる覚書加算でございますが、六千五百六十一億円でございまして、これを合計いたしますと一兆三千三百三十六億円でございます。
○富樫練三君 実際に繰り入れられる金額は幾らですか。
○政府参考人(嶋津昭君) 平成十二年度の地方財政対策において自治、大蔵両大臣の折衝において一般会計から繰り入れられるとされた額は、昨年度の五千五百億円を二千億円上回る七千五百億円でございます。
○富樫練三君 二千億円上回ったといっても、一兆三千三百億円が予定されていた金額ですね。それに対して七千五百億ですから、半分ぐらい値切ったというか繰り入れられていない、先送りされた、こういうことですね。 この二〇〇〇年度の先送り分を含めて今までの累積先送り分はどのぐらいになりますか。
○政府参考人(嶋津昭君) 今回、将来に繰り延べをした分も含めまして、法定加算、覚書加算等もすべて合計いたしまして五兆三千百億円程度でございます。
○富樫練三君 私は、先ほどの赤字地方債も含めてこういうやり方、これは極めて不健全なやり方だと。交付税の特別会計そのものをゆがめてしまう、こういうことになっているわけなんです。ですから、ゆがんでいる大もとは国の対策にある、こういうふうに言わなければならないと思うんですけれども。 そういう中で、地方の財源不足、通常収支分で九兆八千六百七十三億円、減税影響分で三兆五千二十六億円、合計十三兆四千億円ぐらいになるわけですけれども、この金額というのは地方交付税の国税五税の法定額十三兆二千六百六十三億円を上回る、こういう金額にもうなってしまったわけなんです。ですから、国税五税からくる地方交付税の総額、その分を地方の財源不足がもう上回ってしまう、こういう大変な事態になった。この点について大臣はどういうふうに感じますか。
○政府参考人(嶋津昭君) 御答弁の前に、先ほどの後年度に加算すべき額は交付税法上将来加算すべき額でございますので、先ほど覚書加算というものも合計いたしましたと申し上げましたが、法定加算だけで五兆三千百億円でございます。 それから、今のいわゆる財源不足額がいわゆる実力の交付税の額を上回る。あるいは借入金の総額。交付税特別会計の借入金が二十六兆円ということでございますので、実力の交付税の二年分ぐらいを地方負担分として借り入れをしているという状況は非常に厳しい状況であると思いますし、それから過去五十年代にも交付税特別会計の借り入れが累積したことがございますが、その事態よりもさらに厳しい状況だというふうに受けとめておりまして、今後、財政収支、地方財政の健全化に向けての、本当に真剣に取り組んでいかなければいけない時期に来ているというふうに認識しております。
○富樫練三君 どうしてこういう事態になってしまったのかというのが問題だと思うんですけれども、今までも地方の財源不足というのはずっと続いておりましたし、そういう点では交付税会計も大変厳しい状況が続いていた。そういう状況の中で交付税法第六条の三第二項に該当する事態がずっと続いている。もう五年ぐらい続いているわけです。そういう状態にあるにもかかわらず、交付税率の引き上げとかあるいは制度の改正を事実上行ってこなかった。部分的な改善はありました。だけれども抜本的な改善はここではやられなかったんです。 政府が今までやってきたことというのは、特別会計に対する借り入れ、それから特例措置、それから地方債の増発、こういういわゆるその場しのぎの小手先の対策で今まで地方財政対策をやってきた、こういう状態だったんです。こういうことではとても交付税法が言う制度改革、制度改正と言えるものではないというふうに思うんです。こういうその場しのぎの事なかれ主義、これが重大な事態を招いたんだというふうに思います。 そういう点で、例えば前、自治省の事務次官であった、今は地方自治研究機構の理事長であります石原さん、この間新聞紙上でこういうふうに言っているんです。地方交付税が地方の歳入の二五%近くを占めるなんておかしい、制度ができたときは一三%ぐらいだった、こういうふうに言っているわけなんです。 私は、今この交付税の枠の中だけで地方財政の問題をすべて語ることはできないだろうというふうに思うんですけれども、もちろん交付税そのものを改善していくというのは大事です、しかしもうここまで来たらやっぱり税財源をきちんと移譲するということをやらなければ問題の抜本的な解決にならないのではないかというふうに思うんですけれども、大臣はどうでしょうか。
○国務大臣(保利耕輔君) 今までも答弁をさせていただいておりましたが、やはりそういう時代にだんだんなってきておりまして、基本的なといいますか、根っこからの税財源の移譲というのを考えていくべき時期に来ておる。先ほども申しましたとおり、そのためには我々として一体どういう旗印を掲げて要請なり行動なりをしていったらいいんだろうかということについては自治省の中で十分検討をしていかなければならない、こう思っております。ただ漫然と地方財源の充実というのではなくて、もう少し具体的な旗印をつくりたいというのが私の気持ちでございます。
○富樫練三君 政府が今まで地方財政対策をきちっとやらなかった、あるいは交付税制度についてもきちんと対応してこなかった、その結果についてなんですけれども、若干数字を伺っておきたいと思います。地方自治体の中で、地方の一つの市町村、町なり市なり、そこで地方のその町の税収よりも交付税の方が上回っている、収入の中で税金よりも交付税の方が上回っている、そういう自治体は全国で幾つありますか。
○政府参考人(嶋津昭君) 地方税収よりも交付税の方が多いという団体は都道府県、市町村で全体で二千二百九十九団体でございまして、大体全体の七〇%強がこれに当たっているわけでございます。
○富樫練三君 大変な事態だと思うんです。もう交付税がなければやっていけない、こういう状況になっていると思うんですけれども、もう一つ、そういう中で交付税が地方の税収の二倍以上になっている、こういう自治体は幾つありますか。
○政府参考人(嶋津昭君) これは平成十年度の、先ほどの数字も平成十年度の数字でございますが、交付税が地方税収の二倍以上となっている団体は都道府県、市町村合計で千六百九十七団体、全体の五一・八%でございます。
○富樫練三君 大変な事態だと思うんです。何しろ半分以上の自治体が税収よりも交付税の方が二倍以上だというわけですから。これは何を物語っているか。これは明らかに交付税で手当てをするよりも、税収そのものを引き上げることによって健全化を図らなければ地方自治体はやっていけないんだと思うんです。 ですから、交付税交付税と、これに頼るのではなくて自前の税収できちんと自主的に判断できる、そういう財源を保障しなければならないという事態、もうこういう事態を通り越しているというか、緊急にこれはやらなきゃならない、こういうことだと思うんですけれども、大臣いかがですか。
○国務大臣(保利耕輔君) これはやはり国の中の経済力の偏在というところから一つは原因が来ているかなという感じがいたします。山奥の小さな村に参りましても企業がないとか、したがって税源がないとかということでありますから、やはり一つの考え方としては、国土の均衡ある発展という形でどこでも経済力が活性化されて生き生きとした町が存在するということが必要だろうと思います。 そういうような意味からいってやはり交付税措置の持つ意味というのは非常に大きいと私は思っておりまして、今後も日本の富の再配分といいますか、そういうようなものを念頭に入れながらやはり経済政策を全体として進めていかなければならない。あるいは民間の会社等におきましても地方に進出をしていただくような何かインセンティブを上げるというような、そういう全体としての、総体としてのマクロの経済政策というのをやはり大きな目で見てそうやっていきませんというと、今御指摘のような形で大変疲弊した地域が出てくる。それが今御指摘のような財政が非常に苦しくなるという一つの原因かと思いますし、もう一つは、高齢化社会で村に残っているのはお年寄り、そして若い方々は都会へ行って働いてしまうというようなところからくる富の偏在、そこら辺が大きな原因だろうと思っております。 これは非常に大きな問題ですから、単に自治省だけでこれが動かし得る問題ではなく、政府全体としてのやはりそういった問題に対する取り組みというのが求められる時代になっていると、私はそういう認識をしております。
○富樫練三君 私は大臣に解説を頼んでいるわけじゃないんですよね。 例えば、経済力の偏重の問題であるとか、そういう問題は確かにありますよ。あるけれども、だからもうしようがないんだということであっては問題の解決にはちっとも一歩も進まないわけなんですね。だから、こういう点でどうするかと。税財源を移譲するというのはもうこれは大方の世論になって大体合意に達していると思うんですね。恐らくこれは与野党通じてそうだろうと思いますよ。 しかも、去年、地方分権の議論の中でこの財源の移譲の問題についてはすっぽり抜けてしまった、こういう状態なんですね。理由として、今は何しろ景気対策が優先するんだ、景気がよくなったら財源移譲についても考えようと、こういうことでずっと延ばし延ばし来ましたよね。これは九一年から九二年にかけてバブルがはじけて以来ずっとそういうことをやってきているわけなんですね。あの時点でももう地方財政というのは大変な時代だった。にもかかわらず十年がかりでこれはずっと先延ばしをしてきている。今の時点で、地方分権、こういうふうになった時点でもなお同じようなことを言っているんでは、これは全く問題の解決にはならない。しかも、今度の新年度の地方財政計画、これをやればますますこの格差が大きくなるし、地方財政はますます大変なことになるというふうに指摘をせざるを得ないと思うんですね。 こういう点で、もう緊急に税財源の移譲を実現すると。もちろん中身をどう検討するかという問題はこれからありますけれども、しかしまず基本方針としてこれを実行するんだと、ここのところが大臣の決意として私は必要だと思うんですね。これを閣僚の中できちんとそういう立場に立って物を言う、この仕事をやるのがあなたの仕事じゃないですか。いかがですか。
○国務大臣(保利耕輔君) まさにそのとおりだと思います。 それで、税財源を移譲してもらう、あるいは移譲するというようなことを政府全体として決めてまいります場合に、それでは地方が本当にやる仕事はどういうものであろうか、どういう仕事を国からとってそれに財源をつけていくのかということを両方相あわせて検討をいたしませんというと、お金だけ行ったわ何をするかというのではこれはいけませんので、その点は十分に配慮しながら、私どもとしては、私の立場からいえば地方の財政の改善のために努力をする、そのための閣僚として私は内閣の中におるわけでございますから、おっしゃるとおり、そういうことは努力をしていきたいと思っております。
○富樫練三君 そういう点では私は大臣の責任は非常に重大だというふうに指摘をさせていただきたいと思うんです。地方自治体は、さっき数字が幾つか出ましたようにもう待ったなし、こういうところにあるわけですから、その気持ちを十分酌み取った上で大臣がその立場に、職責にふさわしい仕事をしていただく、このことが今必要だというふうに思います。 あと十五分ぐらいになってしまいましたので、警察問題に移りたいと思います。 今までこの国会の中でも新潟県警問題を含む関東管区警察局長の問題、議論をしてまいりました、まだまだ議論は十分ではないというふうに思いますけれども。 その中で、中田局長を処分しないという理由についてなんですけれども、これは本人から申告があったということ。それから二つ目に、一月二十八日の夜、あのホテルでのマージャンのときに小林本部長に県警本部に帰らなくてもいいのか、こういうふうに促したと。それから三つ目に、辞職を勧めたことを本人が受け入れた。こういうふうに三つの理由を挙げておりますけれども、当然この一番の中心は自主申告だというふうに今までもたびたび発言されてまいりました。 ここで伺うんですけれども、中田局長がどうして自主申告してきたのか、その理由を二十四日から二十五日、本人に会って、その理由についてきちんと確かめましたか。いかがですか。
○政府参考人(田中節夫君) 委員会でも何遍かにわたりまして御報告申し上げておりますように、二月二十四日の午後でございますか、私に直接参りまして自主申告をしてまいりました。 その具体的な本人の心情と申しますか、自主申告に至った理由でございますけれども、一連の一月二十八日のあの九年二カ月ぶりに少女が発見されたその事態、そのときにおきます県警の対応等を考えますと、やはり自分の行った行為というものがそれに大きな影響を与えてきたということもあったでありましょうし、また本来、特別監察に行くその目的を達成しなければいけない大変重要な役割を担っていたにかかわらず、ほかの十二名の人間は目的を達していたとはいえ、その行為が不祥事案再発防止対策の柱でもあるそういう特別監察の目的を達成し得なかったということのゆえをもって私のところに申告をしてきたものというふうに考えております。
○富樫練三君 長官が聞いていて、中田氏はしっかりと反省をして長官のところに報告に来たと、こういうふうに受けとめられましたか。
○政府参考人(田中節夫君) 極めてこういう場で申し上げるのは不適切かもしれませんけれども、目に涙を浮かべて参りまして、事の重大さということを十二分に認識をしておりますというふうに本人は申しておりました。
○富樫練三君 実際に事が起こったのは一月の二十八日ですよね。長官のところに報告に来たのは二月の二十四日の夜ですね。約一カ月かかっていますね。自分のやったことが正しいことではなかったと気がつくのに何で一カ月もかかるんですか。長官はそういうことについて疑問に思いませんでしたか。
○政府参考人(田中節夫君) 今、委員御指摘のように、事案がございましたのは一月二十八日でございます。本人が私のところに参りましたのは、御指摘のように二月二十四日でございます。 その間、非常に期間が長いのではなかったかという委員の御指摘でございますけれども、いろんなお考えがあるかと思いますけれども、事の重大性というものの認識につきましてなかなかに思いが至らなかったということはあろうかと思います。 二月の中ごろ時点で、例の報道発表のときの事実と異なる発表をしたということについていろんな問題が指摘されたこと等々も含めまして、その一連の過程の中で、自分の行為が全体の中にどういうような位置づけや、そして自分として評価すべきかということがようやくその時点で認識できたんだろうというふうに思います。
○富樫練三君 それは、一月の二十八日の夜の記者会見、本部長は参加していなかったわけですけれども、そこでうその会見をした、そのことが、保健所からの報告と警察での記者会見との食い違い、これが問題になる、現地では。その後二月の十七日におわびの記者会見をやる。二月の二十日には警察庁から検証チームが調査に入る。こういうことですよね。 こういう一連の動きの中で、本人が自分がやったことがまずかったんだなと、社会的な影響が非常に大きいと、警察に対する不信をつくったということで出てきたわけで、本人がみずからやったことについて反省して長官のところに来た、こういうことではなかったわけですね。周りからそういう状況がつくられて初めて気がつく。その程度のものですか。
○政府参考人(田中節夫君) その本人の心情でございますけれども、私のところに申告してまいりましたときには当然に職を辞す覚悟ぐらいで参ったわけでございますので、その過程におきますところの本人の心情と申しますか、いろいろ考えた末の結論であったと思います。 したがいまして、周囲の状況とかあるいは社会のいろんな動きというのももちろん本人の自主申告の原因といいますか背景にはあったろうと思いますけれども、大変に悩んだ末の結論であったというふうに私は感じております。
○富樫練三君 長官、仲間うちには甘いというふうに今までも世論から批判されているわけですけれども、処分も甘ければ話の中身も甘いというふうに私は率直に感じますよ。 例えば、二十日の日に警察庁から特別チームが行きましたね。そのときになぜ報告しなかったんですか。小林本部長が報告をすれば当然のことながら中田局長の問題にも触れざるを得ないわけですから。しかしそのことについてはあの時点では報告していない、こういう状態でしょう。あわせて、二十二日から二十三日にかけて小林本部長が局長のところに電話で相談をしたということはもう既にマスコミで発表されております。 この二十日の日になぜ報告しなかったのかという問題や、あるいは二十二日、二十三日に小林本部長と中田局長が電話で相談した。これらの内容については二十四日から二十五日に長官はちゃんと聞きましたか。
○政府参考人(田中節夫君) 二十日の時点で私どもの調査チームが確認をできなかったということは事実でございます。二十日の調査につきましては、御案内のとおり具体的な項目を五つに絞りまして報告を求めたものでございまして、具体的な中田局長の行動まで及ぶようなことはその調査のときには把握できなかったということはそのとおりでございます。 また電話の問題がございました。二十三日か二十四日のころに二人で電話をしたということを辞職の際の会見でたしか小林本部長が申していたと思います。ただ、具体的な内容につきましては、両方にその後聴取いたしましたけれども、具体的内容につきましてはお互いに電話の中身でございますので勘弁してほしいということでございますので、これは具体的な電話の中身について私に全部申告しろと言いましても、本人たちが遠慮したいと申せば、これはそれ以上は聞けないということでございます。
○富樫練三君 二十日の特別調査もそうでありますし、その電話の件もそうですけれども、小林本部長は話そうと思えば幾らでも話せる条件があったわけですよね、警察庁から行っているわけですから。それから中田局長についても話そうと思えばいつでも話せるような条件があったと。 しかし、現地の方では、小林本部長は十七日の記者会見、この記者会見もう本部長は出ていないわけですけれどもね、おわびの記者会見には。それで県警の司法記者クラブから連日、八日間にわたって十回にわたって記者会見の申し入れがあったにもかかわらず、二十四日までそれを拒否し続けた。こういう状況については調査しましたか。
○政府参考人(田中節夫君) 二月十七日に議員御指摘のように刑事部長、生活安全部長が会見に応じまして、そして一月二十八日の広報の経緯等につきまして発表したというのは御指摘のとおりでございます。また、その間に新潟県警察におきまして記者クラブから本部長の会見要求があったということも、それは私は事実として把握をしておるところでございます。
○富樫練三君 そうすると、長官が把握をしているということになれば、二月に入ってから、県警本部の中でもそうですけれども、どうも本部長がホテルに行っていたというのはわかったけれどもどこで何をやっていたかはよくわからなかったと。一緒にいた職員がいるわけですから、本部の中ではそういうことがうわさになるという状況ですね。記者クラブの方では、どうしたんだ、なぜわびの会見に本部長が出ないんだということで毎日記者クラブから会見の申し入れがあると。 こういう中で、二十五日の段階ではいよいよ県警本部長は関東管区の幹部と一緒にホテルにいたんだということがわかるんですね。それは二十六日の朝刊に出るわけなんですけれども、こうやってもうマスコミに明らかになるのが時間の問題、そのぎりぎりが二十四日だったんですね。ということで二十四日に相談をする、こういうふうになったんですよ。 ですから、中田局長が自主的に反省をして真相を全部明らかにしよう、報告しようと、そういうことで来たんではなくて、マスコミに追い詰められて、マスコミに先に明らかにされたんではまた問題が大変なことになるわけですから、これは神奈川県警の教訓だったわけですからね、そういうことでマスコミよりも先に発表するということのために二十五日に持ち回りで急ぐ、こういうふうになったんじゃないですか。それが真相じゃないですか。
○政府参考人(田中節夫君) いろいろ御意見もあろうかと思いますけれども、少なくとも二十四日に中田前関東管区警察局長が私のところに参りましたときには、いろいろ背景等も、今御指摘のような記者会見等の経過もございますけれども、私どもは把握していなかったことは事実でございますし、またマスコミ等にも全く報道されていない事態でございました。そのような状況を、本人がそろそろマスコミに漏れるであろうからその前にというような心情であったのか、その辺は定かではございませんけれども、少なくとも私のところへ参ったときには全くその心情を吐露して、そして事の重大さというものを十二分に認識しながら参りましたので、私はその気持を十分にしんしゃくしたつもりでございます。
○富樫練三君 反省するのに一カ月もかかったというのは、できれば隠し通したかったけれども、しかし現地では、新潟の方では職員もみんな知っている、マスコミもいよいよかぎつけたと。こういう中で追い詰められて、ぎりぎりのところまで頑張ったけれども頑張れなくなってしまった、そこで長官のところに相談に来たというのが真相じゃないですか。 そうなれば、これは反省をして自主申告をしたんだ、だから情状酌量の余地があって、これは処分に値しないんだ、処分しなくてもいいんだ、こういう判断は私は明確に間違いだと思うんですよね。ですからそこのところは、もし自首をすれば何だって無罪になるんだ、こういうことではないだろうと私は思うんですよね。ですから、そういう点で長官のあの瞬間の判断というのは私は正しくなかったと。 そういう判断をうのみにしたのが実は二十五日の持ち回りの国家公安委員の皆さんに対する報告の内容だったと。ですから、空監察の問題であるとかそういう細かな点については報告しなかったというふうにあなたは先日答弁されましたけれども、きちんとした報告をしないままそれをうのみにせざるを得ないような状況にやって、誤った判断に持っていったという点で、私はあなたの責任は大変重大だと思うんですね。あわせて、そういういわゆる警察庁の言うなりになっている国家公安委員長の責任も私は極めて重大だというふうに指摘をしておきたいと思うんです。 そこで、きょうは警察庁以外にも人事院、それから会計検査院、行政監察局、お呼びしてありますけれども、それぞれ伺いたいと思います。 一つは人事院についてなんですけれども、処分を決める場合に、人事院はこういう不祥事が起こったときにどういう方法で処分を決めるか、その方法についてまずお聞かせをいただきたいということが一つです。 時間がありませんのでまとめて伺います。 それから会計検査院ですけれども、これは出張扱いでしたよね、一月の二十八日は。旅費も出ているし、日当も出ている。そういうことで、実際に仕事をしたのは一時間十五分程度しかしなかった、こういうわけですね。これは国費が出ていると思うんですけれども、会計検査院としてはこういう問題について緊急に正確な調査、これをやる必要があるのではないかというふうに思いますけれども、会計検査院の見解を伺っておきたいと思います。 それから行政監察局でありますけれども、いよいよ行政監察局が警察の行政監察を行う、こういう方針が決まったというふうに伺っております。これは大変大事なことだというふうに思いますけれども、今や警察の監察というのはそれを改めてほかの者が監察をしなければならない、こういう事態になっているわけなんですね。その監察の計画の中には、今回の全国的に行われた特別監察も行政監察の内容に入っているかどうか。 あわせて、こういう重大な社会問題、政治問題に発展しているわけですから、そういう場合には特別の体制をとって行政監察を、例えば新潟県警や関東管区の警察局ですね、こういうところをきちんと行政監察する必要があるというふうに、緊急の課題だというふうに思いますけれども、これらのことについてお答えを伺って私の質問を終わりたいと思います。
○政府参考人(尾木雄君) お尋ねの、人事院の職員が不祥事等の疑いを生じたときどういう対応をするかということでございますけれども、人事院が定めております職員倫理規程に違反する行為、その他信用失墜行為等を行った疑義が生じた場合につきましては、人事院総裁は、違反の程度が軽微であって行為の事実関係が明白な場合を除いて、外部の有識者から成る委員会に対して実情調査を依頼するとともに、処分の適否及び適当と認める処分について諮問する、その諮問結果に基づいてその結果を尊重して人事院総裁において適正な処分を行う、そういう仕組みといたしているところでございます。
○説明員(増田裕夫君) お尋ねの特別監察に係る旅費等につきましては、会計検査院といたしましても、今後、警察庁から資料の提出あるいは説明を求めるなどして検査してまいりたい、このように考えております。
○政府参考人(東田親司君) 行政監察についてのお尋ねでございますが、二点ございました。 一点は、警察の特別監察も対象となるのかどうかという点でございます。今度の行政監察におきましては、一連の不祥事案に対応して警察庁がとっております未然防止対策や不祥事案発生防止対策が実効を上げているかどうかということを主眼として実施するものでございます。その意味で、警察庁が行っております都道府県警察に対する特別監察については、不祥事案対策の重要な柱でございますので、本調査の範囲に含まなければならないというふうに考えております。 それから、監察の実施体制についてのお尋ねが二点目にございましたが、現在、警察庁を担当しております監察官室におきまして詳細な実施計画を作成中でございます。その場合に、私どもの設置法では国の行政機関が監察の対象でございますので警察庁並びに管区警察局が監察の対象になるということでございます。都道府県警察につきましては監察の対象ではございませんが、必要に応じて協力を依頼していきたいというふうに考えております。
○富樫練三君 終わります。
○照屋寛徳君 社会民主党・護憲連合の照屋寛徳でございます。 私もきょうは、税制・財政問題、それから警察の問題等について質問を行います。 最初に、七月の二十一日から九州・沖縄サミットが開催をされる運びになっております。このサミットと財政の関係でございますが、保利大臣も沖縄においでいただきまして、サミットの関連事業というんでしょうか、警察や消防を含めて御視察をいただいたようでございますが、まず最初にお伺いしたいのは、一九九九年度の特別交付税の沖縄県に係る三月分の交付額とその内容等についてお教えいただきたいと思います。
○政府参考人(嶋津昭君) 平成十一年度の三月分に係る沖縄県に対する特別交付税の額でございますが、総額で三十一億五百万円でございます。 その内容といたしますと、離島対策、沖縄振興対策に対する県の負担及びサミット関連対策に要する経費、こういうようなものを中心に積算をしております。
○照屋寛徳君 沖縄サミット関連事業の県、市町村もあるんでしょうか、財政負担への特別交付税の補てんでございますが、これは何か事務次官が沖縄においでになったときでしょうか、今年度分だけじゃなくして来年度分も特別交付税での補てんを考えておる、あるいはまた県や市町村の財政運営だけでなくて北部振興策全般を含めて可能な限り支援をしたい、こういう表明があったようであります。 北部振興策、言われております普天間飛行場の代替施設の移設に伴い十年間にわたって百億ずつ一千億、振興策に資金を投ずる、こういうことでありますが、このサミット関連と財政負担との関連で来年度分も特別交付税で補てんをするという明確なお考えを自治省が持っておられるのか、それから北部振興との関係、ここらあたりを詳しく御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(嶋津昭君) まず第一点のサミット関連経費でございますが、これは現在、一生懸命県なり関係市町村が準備をしていただいている経費、平成十一年度中にかかる経費についてはことしの特別交付税でございますが、これからまさに本番であります七月を中心にかかります経費、これも当然来年度の特別交付税の要素として算定をしていかなければいけないというふうに考えております。 それから、そのサミットと離れまして、北部振興策でございますが、今、委員御指摘の国費として十年間に百億ずつ一千億投入するというふうに決められておりますけれども、それについて、それを事業費に使いますと当然地方負担額が生ずるわけでございますので、その地方負担額についても地方債交付税措置を講じましてそれぞれの県とか市町村に対しての万全の財政措置を講じていこうというふうに考えているところでございます。
○照屋寛徳君 北部振興策への特別交付税の補てんの問題というのは、当該北部の市町村から具体的な事業計画等は国の方にはまだ上がっておりませんね。
○政府参考人(嶋津昭君) これから政府と県あるいは市町村が協議をして内容を決めていくというふうになるものだと考えております。
○照屋寛徳君 よくわかりました。 私は、基本的には普天間飛行場を北部に移設するということについては反対であるという立場でありますけれども、いずれにいたしましても、サミットにしましてももうそれは決まったことですから、しかも七月に行われるわけですから、平成十一年度、それから十二年度にわたる県や市町村のサミット関連事業については、これはやっぱり県も市町村も、全国的にそうでしょうけれども、非常に厳しい地方財政の状況にありますので、それに対する財政負担への特別交付税の補てんはしっかりやっていただきたい、こういうふうに御要望を申し上げておきたいというふうに思います。 さて次に大臣にお伺いをいたしますが、地方分権あるいはまた地方主権の問題であります。 私はかねがね、我が国の成熟した民主社会をつくっていく上で徹底した地方分権の推進が必要であるということを申し上げてまいりました。同時に、分権の推進に当たっては国から地方に対する税財源の移譲も当然のことながら必要であるというふうに思います。 この地方分権の推進いよいよ実行段階に入った、こういうふうに表現をする人もおるわけでありますが、私は、地方分権の推進に当たって国の地方自治体、地方に対する関与を緩和する、こういうことから、もっともっと積極的に国が持っている権限を地方自治体に移譲していく、こういう発想、理念、哲学による分権の推進が極めて重要ではないか、こういうふうに考えるものでありますが、保利大臣の地方分権の推進についての所信をまずお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(保利耕輔君) 昨年、地方分権一括法が成立いたしまして一つの形が整ったのかなと理解をいたしておりますが、私自身は本格的な地方分権はこれからだと思っております。 やはり自分たちの住んでいる町や村が自己決定、自己責任の行政システムで動いていくということが地方分権の基本的な考え方だと私自身認識をしております。その観点から考えますと、まだ本格的な地方分権をやっていくのはこれからだなという感じがいたしております。いかなる仕事を地方にしょっていただけばいいのか、その仕事にはどのくらいのお金がかかるのか、そのお金はどうやって調達し、またあるいは国から移譲をしていくのかというような具体的な形での検討がこれから加えられていかなければ真の意味での地方分権というのは成立しないんではないか、私はこう思っておりまして、その気持ちを大切にして今後、内閣の中にありましても地方分権の本格的推進ということはこういうことだということを言い続けていきたい、こういう気持ちを持っておるわけでございます。 いろいろな委員からの御質問の中で、例えば県と県との連合体はどうあるべきかというような御質問もございまして、私は、やはり将来の目標としてそういうものも視野に入れながら本格的地方分権というのを考えていかなければならない、こういうふうに思っておるわけでございますが、先生のお地元の沖縄等についてこういう場合にはどう考えたらよろしいのかというようなことについてはいろいろまた御意見をお聞かせいただいて、今後の私どもの行くべき方向というのを御示唆を賜ればありがたい、こんなふうに思っておりますので、今後ともよろしくお願いを申し上げます。
○照屋寛徳君 さきに地方分権一括法が成立をいたしました。四百七十五本の法律でしたでしょうか、それを束ねた一括法でありましたけれども、その中にはむしろ地方分権に逆行するような、例えば米軍用地の収用との関連でいいますと、本来土地収用法の基本であるそれぞれの都道府県収用委員会の関与を排除する、あるいは地主の収用手続に対する異議申し立てや権利の主張を奪ってしまうような内容も含んでおりました。 さまざまな問題をはらんでおりますし、これから大臣がおっしゃるように地方分権まさに出発点であろうと思いますけれども、ともあれ四月一日から施行されるわけであります。この四月一日の地方分権一括法の施行に向けた地方公共団体の準備状況と、その過程における惹起された問題点、どういったことがあるのか、これをお教えいただきたいわけでありますが、きのうでしたでしょうかけさでしたでしょうか、ある新聞報道によりますと、地方の準備作業の中で条例作成を地方の自治体がみずからやるんじゃなくして丸投げで民間企業に委託をするというのがたくさんある、ある会社などは一千を超える自治体からそういう仕事を受注したと。 地方分権といいながら地方自治体みずからがそれに関連する条例も作成できないというのは何とも皮肉な話でありますけれども、それは細々とした政省令に合わせるための技術的な条例制定であるということが大きな原因かもしれません。同時にまた、条例改正のもとになる政省令の改定作業がおくれて、それが原因で結局それぞれ地方自治体が民間に丸投げで委託をせざるを得なかったのではないか、こう指摘する人もおるわけであります。 これらの問題点を含めて準備状況、その過程での問題点、御示唆いただければありがたいと思っております。
○政府参考人(中川浩明君) 地方分権一括法の成立いたしました後、地方公共団体におきましては条例、規則の制定、改廃などの作業に鋭意取り組んでまいったところでございます。都道府県におきましてはさらに市町村の作業に資するよう積極的な情報提供などを行いまして、この法律の四月施行に向けまして準備が進められてきていると考えております。 その間、御指摘のような報道等もございまして、特に小規模の市町村におきましてはその条例制定作業等の一部を民間の企業に委託した例があるという報道も承知をいたしております。 一般的に申し上げまして、条例の制定、改廃を含めまして、今後の地方分権の推進によりまして地域の実情に応じた施策をいかにつくり上げていくのかは地方公共団体の実力が問われる場面であるということは言うまでもないことでございます。ただ、限られた予算や人員あるいは期間も切迫しているというこういう環境の中で、合理的な行政運営を行っていく上で必要な範囲で外部への委託ということも必要な面も全くないというわけにはいかないというように考えているところでございます。御指摘の業者委託の内容にもよりますけれども、特に小規模な市町村について見ますと、個々の問題、個々の政策の企画立案に関するものであれば格別ですけれども、政省令改正を受けました機械的な単純作業というような面であれば合理化という観点から必要な面もあろうかと思っているところでございます。 なお、政省令の改定がおくれたのではないかという御指摘もございました。 政府の内部におきましては政省令の改定作業を急ぐようにということも督促をいたしておりまして、既に二月に入りまして必要な政省令七十二件だったと思いますが改正を行っておりまして、条例改正の作業に間に合わなかったということはないというように考えております。 いずれにいたしましても、自治省といたしましては、今後とも地域の実情に応じた施策を地方公共団体がみずからの責任で企画立案していくことができるように必要な支援をしてまいりたいと考えております。
○照屋寛徳君 地方分権、まさにそれぞれの地方がそして住民がみずからの将来、みずからの運命をみずからの責任で決めていこうということなわけです。 今、御答弁ありましたように、政省令に合わせる条例制定だから民間にそのまま委託するのも何か合理性があるかもしらぬなんというのは、僕はちょっとそうは思いませんけれども、やっぱりそういういわば、何というんでしょうか、新たに条例を制定する作業とも違うかもしれません、政省令に合わせる作業ですから。しかしそれにしても、でき上がった法律や政省令に照らしてどう条例をつくるかというのは、私は、極めて単純な事項であってもやっぱり自治体の議会で議論をして決めておく、こういうことが大事であって、もし報道されているようなことが事実であるとすると、極めて残念だなというふうに思わざるを得ません。そのことを私の意見として申し上げておきたいと思います。 さて次に、例の法人事業税への外形標準課税の導入問題でありますが、これはもう多くの委員からもただされたことだと私も思っております。 東京都の石原知事が外形標準課税の導入をやったわけであります。これは資本金五兆円以上の銀行、こういうふうになっておりますが、この石原知事の決断をめぐってはもうさまざまな議論が起こりました。私もそれなりに承知をしているつもりでありますが、この件について保利自治大臣は石原知事とも直接会談をされて、それぞれ東京都の考え方、自治省の考え方、ここで御議論があったと、こういうふうに承知をしておりますが、石原知事との会談でのそれぞれの発言を含めて、外形標準課税の導入について大臣はどういう御決意を持っておられるのか、お考えをお教えいただきたいと思います。
○国務大臣(保利耕輔君) 東京都のこのたびの案が発表されましたのが二月七日の日でございまして、それまで自治省も事前には承知をしていなかったようであります。内容を伺ってみますといろいろ問題点があるなということで、自治省の税務当局とそれから東京都といろいろ話し合いをしていただいておりました。あるいは考え方をお聞かせ願っておったわけであります。なかなか話が煮詰まりませんで、平行線のままずっとまいりました。 最終的に、私も一遍都知事にお目にかかって、自治省として考えている懸念をお伝えをする方が、しておくべきだと、それが私の責任でもあるというふうに考えまして、二月二十一日に、都知事もなかなかお忙しい方でなかなか時間がとれなかったのでありますが、たしか六時から十五分というお時間をいただきましてお話をさせていただきました。 短い時間だということがわかっておりましたので、私も手書きのメモ書きを用意いたしまして、石原都知事に読んでいただいたわけであります。石原さんは首を縦に振ってうんうんとうなずいておられましたが、最終的には自分の気持ちは変わらない、原案どおりやらせていただきたいという雰囲気がございました。これはこのまま平行線だなと思いましたけれども、時間が短かったものですからそれで終了し、平行線だということの認識をいたしたわけであります。 その後、官邸とも御連絡をとりまして、翌日の朝、閣議口頭了解という形でいろいろな点についての懸念の表明というのを内閣としてさせていただいたわけであります。しかしながら、東京都の方は条例案をおつくりになって、今、都議会で御審議中という状況であるということでございます。 いろいろ申し上げればたくさんありますけれども、懸念の最大の問題点はやはり所得による課税と著しく均衡を失しないかどうかという点でございまして、この点はいろいろ問題があるなということを今でも思っておるわけであります。 なお、仮にこの東京都の条例案が可決をされましてそのとおり実行されるということになりました場合でも、国がきちんとした外形標準課税についての意思決定をし手続をとるならばそれは尊重するという都知事側からのお言葉も都議会の中で出ているようでありますので、そういった点をあわせ考えながら、我々としては外形標準課税ができるだけ早い時期に導入されることを望んでおるわけでございますし、その線に沿って行動してまいりたい。 少々長くなりましたが、状況はそういうことでございました。
○照屋寛徳君 今、大臣からも御答弁いただきましたけれども、その中で、東京都の具体的な条例で所得課税と比較をして著しい不均衡を生ずる内容になっているのか、あるいはまたそういうことが具体的に予見されるのか、そこら辺の点についてお伺いいたします。
○国務大臣(保利耕輔君) 今度の東京都の案によりますれば、大体銀行三十社で一千百億ぐらいの税収が見込まれるということになっております。ところで最近の実績は百億を割っておりまして、平成十一年度では上位二十行で三十四億程度ということでございますので数十億というところが大体の概算の最近の姿であるということでありまして、それを一挙に一千百億のラインまで持っていくということが均衡を失しないかどうかということについて私どもは懸念の表明をいたしたわけでございます。 これに対して東京都側のお考えは、バブル前、バブル期、バブル後、その辺を全部平均してみると大体一千百億、十五年間ぐらいにわたるんですが、そういう御主張でございます。しかし、いろいろな各方面の御意見を聞いてみますと、今が数十億程度のものがこれから景気が回復して幾らか利益が上がってきて持ち上がったとしてもそんなに持ち上がってはいかないだろうということを考えると、将来像を見渡せば一千百億はちょっと均衡を失する線ではないか、こういうことでございますが、これも議論のすれ違いのところがございまして、これが直ちに違法であるということは断じ得ない状態ということのまま都議会で御審議をいただいているという実情でございます。
○照屋寛徳君 上位二十行で三十四億円、それから条例でやると大体一千百億円ぐらい見込まれるというのはいろいろマスコミでも報じておりました。 それで、銀行業に限定してで結構でございますが、東京都の過去十五年間の所得課税による法人事業税収入の実績というのはどのようになっておるんでしょうか。
○政府参考人(石井隆一君) 東京都についての大手銀行業三十社の法人事業税の実績でございますけれども、昭和五十九年度以降の過去十五年間の平均をとりますと一千八十八億円という実績になっております。単年度の平均です。
○照屋寛徳君 一千八十八億円。これは銀行業だけですね。
○政府参考人(石井隆一君) そうです。
○照屋寛徳君 そうですね。そうするとますます私は、著しい不均衡を生ずると言うには、断じ切るのは難しいのかなというふうに思うんですが、大臣、いかがでしょうか。感想を。
○国務大臣(保利耕輔君) これは、私どももこれが、これは条文がございますけれども、それに完全に違反しているということが論証し切れない、つまり違法とは断じ得ないという立場でございますものですから、もし違法であれば、これは差しとめをしなければならないわけでございますけれども、今日の状況で、都議会で御審議をいただいている状態だと。 いろんな考え方がございまして、東京都が言っているのも一理あるのかなと思いますし、また昨今の状況からいってそんなに所得の課税、所得に対する課税というのが一挙に一千億台に上っていくようなことが考えられるのかどうか、その辺は私どももよっぽどよく調査をしてみないとわからないと思っておりますが、その辺に若干双方で意見の食い違いがある。 私どもとしては、違法とは断じ得ないまでも、一挙にそこまで持っていくのはどうかということが若干懸念材料としてあったものですから、都知事にはそう申し上げたわけであります。
○照屋寛徳君 今回の東京都の外形標準課税の導入によって他の都道府県にどのような税収上の影響を及ぼすのかできますれば具体的にお教えいただきたいのでありますが、この五兆円以上の、あれは約三十社ぐらいでしたでしょうか対象銀行、それらの銀行の本店あるいは支店との関係で都道府県でも影響に差があるのかどうなのか含めてお教えください。
○国務大臣(保利耕輔君) ほかへの影響というのは非常に多角的な連鎖反応を起こすものですから非常に複雑な計算をしているようでございまして、その複雑な計算の結果おおよそ二百十億と私は理解しておりますが、その計算の過程等については税務局長から御答弁をさせます。
○政府参考人(石井隆一君) 御説明申し上げます。 先生御承知のように、法人事業税は法人税の所得の計算上損金に算入されるということでございますので、今回の東京都案によります増収見込み額年間一千百億円程度というのは、その分だけ銀行業等の所得課税の課税ベースを縮小させるということとともに、東京都案の増収見込み額が銀行業等の所得を上回る場合は欠損金として五年間繰越控除されて将来の課税所得を縮小させる効果があるということでございます。また、法人税が減少しますと御承知のように法人住民税や地方交付税の原資にも影響するわけでございます。 具体的な影響ということになりますと、法人事業税それから法人住民税とも分割基準によりまして関係地方団体ごとの税源帰属を決定しているわけでございますけれども、それを正確にやろうといたしますと、東京都案における銀行業等の個々の分割基準、例えば銀行ごとに地方団体別の店舗数ですとかあるいは従業員数といったものを用いることが必要になるわけですけれども、自治省みずからこの法人事業税の課税を行っているわけではございませんので、これらのデータを直接個々の銀行なりあるいは地方団体からとるということができないわけでございます。 そこで、地方団体ごとの影響額を正確に算定することは困難でございまして、私どもの試算としましては三十行に係る東京都の分割基準のシェアを全国の四割と仮定をいたしまして東京都以外の地方団体への影響額を推計しているわけでございます。その結果、他の地方団体の影響額としては平年度ベースで理論上考えられる最大の値として、法人事業税は六十三億円程度、それから法人住民税は三十四億円程度、それから地方交付税は百十八億円程度、総額で二百十億円強というふうに推計をいたしておるわけでございます。
○照屋寛徳君 それでは次に、今年度の地方財源の不足額と、その原因や前年度との比較などについてお伺いをいたします。 来年度、平成十二年度は通常収支の不足額が九兆八千七百億円、それを含めて地方財源の不足額が十三兆三千七百億円になるのではないか、こういうふうに言われております。極めて深刻な地方の財源不足だというふうに言わざるを得ないわけであります。この地方財源不足を生じた原因というんでしょうか、それらと、その原因や前年度との比較などについて、ちょっと自治省のお考えをお聞きいたします。
○政府参考人(嶋津昭君) お答えいたします。 今、委員御指摘のように、平成十二年度の地方財政対策における財源不足は、通常収支による財源不足と恒久的減税に係る影響額、この二種類に分けられるわけでございますが、通常収支に係る財源不足額が平成十一年度よりおおよそ五千億ほど縮小をしたわけでございますが、それでも依然として九兆八千七百億、御指摘のような大幅な財源不足になったわけでございます。また一方、恒久的な減税に係る影響額は、恒久的な減税が平年度化するということに伴いまして減収幅が約九千億円拡大をいたしました結果、三兆五千億円の財源不足が生じまして、それを合わせたトータルの財源不足額は十三兆三千七百億円で、平成十一年度よりもおおよそ三千二百億円ふえるという結果になったわけでございます。 この財源不足の要因でございますが、減税分につきましては除きまして、通常収支の財源不足が大幅に出てきているという点につきましては、まず第一にバブル崩壊後の地方税収入の減少、あるいは国税収入の減少によります、原資となります国税収入が減り交付税が低迷していること、そういうことがまず一番大きな原因だろうと思います。第二番目には、その間懸命に国、地方ともに数次の景気対策を行って経済の立て直しを図っているわけでございますが、そのための公共投資が公共事業なりあるいは地方単独事業として行われるわけでございますけれども、そのために発行した地方債の元利償還金が年々増嵩しているわけでございまして、そういう歳出要因。それから三番目には、地域における財政需要は平成十二年の四月一日から始まります介護保険対策等々、少子高齢化社会に向けて生活関連社会資本の整備とか、それぞれ地方団体の取り組むものに対して適切な財政需要を算定しなくちゃいけない、こういうような事情もございます。 以上のような要素として通常収支の財源不足が出てきているというふうに考えております。
○照屋寛徳君 よくわかりました。 それで次に、法定外目的税の創設とこれらの活用の見通し、見込みというんでしょうか、それらについてお伺いいたしますが、先ほど申し上げましたように地方分権一括法では税財源の国から地方への移譲は規定されませんでした。しかしながら、従来自治大臣の許可が必要だった法定外普通税が同意を要する協議に緩和されることになりました。また、法定外目的税が創設をされまして、それぞれの自治体がみずからの知恵と責任で税収を図る道が拡大をされたわけであります。いろんな自治体で創意工夫が進んでおるようでありますが、例えば産業廃棄物施設の埋立税だとか言われております。 けさNHKのテレビを見ておりましたら、東京都のどこかの区が区外の業者が設置をしているたばこの自動販売機からの収入に課税ができないか、こういうふうな模索をしているというニュースも放映をされておりました。私の住んでいる沖縄ですと、あの膨大な米軍基地に何か税金が取れるようになるといいなと思ったりするわけでありますが、分権と、それから法定外目的税の創設、自治省が確知をしておられる中身や今後の活用の展望などについてお伺いをいたします。
○政府参考人(石井隆一君) 法定外目的税につきましては、条例で定める特定の費用に充てるために県なりあるいは市町村が課するものでございますけれども、今回、今お話にございましたように、その新設なり変更を行うに当たりましては自治大臣の同意を要する事前協議を行うというふうにしております。 この同意の要件は、従来の法定外普通税の許可の要件と比較しますと、税源の所在ですとか財政需要の有無についての要件を除外いたしまして国の関与を縮減するというふうにしておりまして、この制度をできるだけ地方団体が活用しやすいようにいたしておるわけでございます。 現在、いろいろと各地方団体において御検討されておるんですけれども、私どもとして承知している範囲では、今お話に出ました産業廃棄物の分野でございますとか、あるいは環境対策、それから観光振興といったようないろんな分野で御検討が進んでいると承知しておりますけれども、ただ、まだ地方団体内部の検討にとどまっておりまして、現在のところは自治省に実施に向けての具体的な相談はまだ来ていないところでございます。 今後、各地方団体において地域の実情に沿って幅広く活用されることを期待いたしておりますし、また分権の時代でございますから、自治省としてもこの制度改正の趣旨をこれまでもいろんな機会に説明をしておりますけれども、今後とも御説明もやりまして、地方団体の積極的な取り組みを促してまいりたいと考えております。
○照屋寛徳君 それでは次に、論点が少し変わりますけれども、郵貯資金等の資金運用部への預託義務の廃止、これが地方団体の資金調達にいかなる影響を及ぼすと見ておるのか、お考えをお聞かせください。
○政府参考人(嶋津昭君) 現在検討されております財政投融資制度の改革に伴って地方団体の資金調達に対してどういう影響を及ぼすのかという点でございますが、まず第一には、従来公的資金といたしまして政府資金及び公営企業金融公庫資金が確保されてきたところでございまして、政府資金の中身として郵便貯金の資金、簡易保険の資金、それと年金資金があるわけでございます。今回の財投改革によりまして資金運用部への義務預託の仕組みが改められました。そして郵貯資金等につきまして原則として市場で自主運用されることになったわけでございまして、それにかわりまして、財政投融資資金サイドとしますと、新たに国の特別会計が公債を発行いたしまして財政融資資金、財投資金ではなくて財政融資資金を確保することにしているところでございます。 したがって、その財政融資資金がその融資先の一つとして地方公共団体を考えているところでございますし、それから郵貯資金及び簡保資金は市場運用するわけでございますが、その市場運用の原則の例外といたしまして、地方公共団体が直接に地方公共団体に対し融資をする道が開かれたわけでございます。 したがいまして、その基本的な点からいいますと、年金資金がなくなりまして、それのかわりを財政融資資金が果たす、そういう形になるわけでございまして、それと公営企業金融公庫資金、これが相まって地方団体の公的資金の安定的な確保ができるように、新しい財投改革の制度のもとでも公的資金として安定した資金が確保されるように、我々としてはそういう制度になるようにこれから協議を進めてまいりたいと考えております。
○照屋寛徳君 それではもう一点、自治省が二〇〇一年度以降に仮称でありますが地方環境税なるものの導入計画をしておりまして、その研究会などを立ち上げておるんだと、こういう新聞報道がございましたけれども、この地方環境税の理念というんでしょうか、あるいはまた現段階での導入へ向けた準備の状況等お教えいただければありがたいなと思います。
○国務大臣(保利耕輔君) 詳細については税務局長の方から御答弁させたいと思いますけれども、環境の問題というのは今の日本の社会にとって非常に大きな問題でありまして、平成十二年度の税制改正のときもいろんな形で環境関係の税制が検討され、特に自動車関係のグリーン化などで大きくクローズアップされた問題でございます。 環境税を考えますときには二つの要素といいますか考え方があろうかと思います。それは一つは、この環境税を導入することによって環境をよくしていくといういわゆる経済的効果をねらった税制、それからもう一つは、環境税を創設することによりまして税収を図って環境対策に資していくという考え方、この二つがあろうかと思うのであります。 そこで、事務当局に指示をしておりまして、学識経験者から成ります地方における環境関連税制のあり方に関する研究会、これは学者の皆さんとか経験者の皆さんとか地方の方々も入っていただきまして、そういうものを立ち上げていろいろと研究をいたしております。ただこの問題は、国税とするか地方税とするかというところで議論が分かれまして、国税とすべきだという方もいらっしゃるし、我々は地方税としてやらせていただきたいという観点でこの研究会を進めていきたいと思っているのでありますけれども、これは今後の検討課題になろうかと思います。 いずれにいたしましても、炭素税というようなものは外国でもかなりもう広まっておりますし、日本もこの環境に対する税制というのを考えていくべき時期に来ているというふうに考えております。
○政府参考人(石井隆一君) ただいま大臣から御答弁された点でほぼ尽きておるわけでございますけれども、今お話に出ましたように、北欧等で検討されております炭素税なんかにつきましては、大体事例を見ますと製造段階で課税するというケースなものですから、したがいまして国税としての環境税を取っているというケースが一般的なわけでございますが、ただそれは、製造、輸入段階で課税しますと一つは納税地に偏りが出るということが一つ理由でございます。ただ、いろいろな事例を見ますと流通の段階でやはり税を課しているケースもございます。そうなりますと地域的な偏りがかなり解消されるという問題もございますので、そういったことを考えますと、例えば今でもエネルギー関係税で軽油引取税なんかは地方税でやっているわけでございますから、地方税としても位置づけるということが検討は少なくともできるんじゃないか。 今お話に出ましたように、大臣からも、地方分権の時代でございますからできるだけ地方税を確保する、地方税源を確保するということで研究しろというふうな御指示もいただいております。私どもとしても、今お話に出ましたように研究会も立ち上げまして、しっかり取り組んでいきたいと思っている次第でございます。
○照屋寛徳君 それでは自治省は終わりまして、警察庁、せっかくおいででございますので、二点ほどお伺いをいたしたいと思います。 まず最初に、新潟県警の交通違反もみ消し事件と言われるものでありますが、もちろんこれはまだ新潟県警の幹部が逮捕されたという段階でございまして、事実関係はこれから究明をされるのでありましょうけれども、いずれにいたしましてもこの事件に県警の幹部が関与して逮捕された、そのことだけでもやはり私は、一連の警察不祥事に続いてこれまたやっぱり警察に対する国民の信頼を失墜することになったなと、こういうふうに思って極めて残念に思っておる次第であります。 それで、現段階までにわかった事件の内容等をお教えください。
○政府参考人(岡田薫君) お尋ねの事件につきましては、新潟県警察の交通機動隊長が運転免許課の課員と共謀の上平成十一年十月下旬ごろ同課員をして同課に設置された電算機端末を操作し警察庁情報処理センターの電算機内の運転者管理ファイルに記録されていた板倉町居住の自営業者に係る交通違反歴データを抹消するとともに同ファイルを事務処理の用に供したという、公電磁的記録不正作出、同供用の罪で、三月十九日、同隊長及び同課員を逮捕したというものでございます。
○照屋寛徳君 この委員会で住民基本台帳法の一部を改正する法律案の審議の際にも、いわゆる電算機の端末の何というんでしょうか不正操作によってプライバシーにかかわる情報が流出をするのではないか、こういうことをさまざま議論してまいりましたけれども、まさに同じような私は手口でこれは交通違反の記録が消却をされたのではないか、こういうふうに思わざるを得ませんが、きょうは細かいところまで議論する時間がございません。 もう一点、小林前本部長の例の減給処分が実際には彼の何というんでしょうか辞職の時期との関係で現実には効力を発しなかった、こういうふうなことが報道でなされております。そうすると、これは何というんでしょうか、空出張、空監察からすると、もう空処分みたいなことにならざるを得ないと思いますが、そういう事実はどうなんですか。
○政府参考人(石川重明君) お答えいたします。 小林前本部長に対しましては、二月二十六日付で減給処分が行われたわけでございます。同人は、減給の対象となります三月分の給与が支払われる三月十六日より前の二月二十九日に辞職をしております。したがいまして俸給から減給するという意味での減給それ自体の効果は結果として発生をしなかったということでございます。 ただ、小林前本部長に対する三月の期末特別手当というものがございまして、これにつきましては期末特別手当の支給の基準日が三月一日でございます。それで、これよりも前に辞職をしたということで本来の支給額の二〇%に相当する額が減額をされる。またさらに、懲戒処分である減給処分を受けたことによりまして基準日前の退職により今申し上げました減額された後の期末特別手当のさらに二〇%に相当する額が減額されるということでそれぞれ減額がなされまして、減額金額の合計額は約二十五万円というふうになっておりまして、これを差し引いた期末手当というものを三月十五日に支給したと、こういう関係になっているわけでございます。
○照屋寛徳君 終わります。
○高橋令則君 私は、この二法について若干質問をさせていただきたいと思います。 この二法は、もう御承知のとおり平成十二年度の国の予算が十七日で成立したことによって、地方に対して同じような仕組みをやるための財政対策の、大きな意味の国、地方を通ずる財政対策の一環であるというふうに認識をしております。そういう意味では地方の当面の現実的な措置、必要な措置でありまして、中身を見ますといろいろございますけれども、もう次善のやむを得ざる対策ではないかと思っております。 これを、今後どうなるかということになりますと、各委員にもいろいろ意見がございますし質疑もございましたけれども、私も基本的には例えば経済が回復しなければどうにもならない、それからもう一つは地方財政対策自体も長期的な何というんですか地方分権推進のために抜本的な対策をしなければならないということについて私も同感の気持ちがございます。 たまたまきょうの日経の社説で意見がございました。これを見たら、なかなかいいことを言っているなというふうに私自身はそう思ったんですけれども、これは大臣、ごらんいただきましたか。もしお読みだったら御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(保利耕輔君) けさの新聞かと思いますが、「「自治体倒産」の危機を乗り切る道」ということで書いてございます。特に「地方の自立性を高めよ」という記事がございまして、「四月から実施の地方分権一括法でも、目ぼしい財源面の改革はない。都が独自課税に走ったのも、改革の遅れにしびれを切らしたからだ。」と、こういう記事がありまして、さらに「地方分権推進委員会の勧告でも、国の補助金を整理し、その分自治体の自主財源を充実させるという改革の方向は示している。」、この辺が委員御指摘の点なのかなという感じをいたしております。 私も地方分権と自主財源の充実ということについては当然私の役目として考えていかなければならないことだと思っておりますが、先ほどからも申し上げておりますとおり、まずは地方でどういう仕事をしていただくのか、それに見合う財源はどのくらい必要かというような点きちんと議論を重ねていかなければならないと思っております。 私は自治大臣といたしまして自治省を督励いたしまして、実際自治省として要請すべき目標の設定というのを非常に大事に考えておりまして、何となくよくなればいいというのではなくて、やはりこういう点をきちんと整理してお願いをしたいというような具体的な方向性を持った要望をできるだけ早く取りまとめてそれを各方面にぶつけていきたい、こういう気持ちでおります。そのようにして地方の財源というものを安定化そして充実させていかなければならないと、このように考えております。
○高橋令則君 全くそのとおりだと私は思っております。一括法を審議するときの本会議で与党の代表として質問させていただきましたが、そういう趣旨で私も当時質問したわけでございますけれども、ぜひともそれを実現できるように御努力をいただきたいと改めてお願いを申し上げる次第でございます。 税の中に私も質問したいことの項目がございましたけれども、照屋先生から既に環境関係についてお話がございました。私も環境税関係については、やっぱり実現しなきゃいかぬのじゃないかなというふうに私は思っています。我が党も、グリーン税というふうになるんですか、そういうふうな取り組みが必要ではないかというふうな認識を持っておりますし、また実現するとすればやっぱり国だけではなくて地方税としても検討する必要があると思いますので、これは要望として申し上げておきます。 私は、第一点は、やっぱり外形標準課税の問題であります。これも各委員から既にお話がございました。私は一つ、税だけの問題では恐らくできないのではないかという感覚を持っているんです。したがって、社会保障関係のいろんな保険システムがあるわけですが、それを踏まえて、言うなれば税と保険といったものをトータルにした国民負担というか、これを考えなければ恐らく難しいのではないかなと私は思っております。 その中で特に面倒なのが中小企業に対する税の問題であります。私は、ほかにもいろいろあるかもしれませんけれども、この社会保険関係を一括して私どもが主張している税負担、そういうふうな仕組みになっておれば何というのですか企業の負担分が浮くんです。したがって、それを例えば地方に移譲するとかというふうな取り組みもできるんではないかと思っているわけであります。 例えば、これは全部いけるかどうかわかりませんけれども、試算してみると保険料の企業負担分というのが大体六兆円近くあるんです。これを全部地方税というのは面倒かもしれませんけれども、例えば一つの案ですけれどもそういうふうなものを、外形標準課税になるわけですから、そういうふうなことで検討するとか。個別にやっぱり現実的な提案でないとなかなか社会もそしてまた大蔵との関係もなかなか実現しにくいのではないかというふうに思うんですけれども、一つの提案として申し上げておきますが、大臣いかが、感覚どうですか。
○国務大臣(保利耕輔君) 御提案については、去年もたしか野田大臣も御答弁なさっている一つの方向性かと思って私も少し勉強させていただきました。御趣旨はよく理解をするところでございます。特に基礎年金とかそういうところでは事業主負担というようなものがございますので、その部分を引き下げ、さらにそれを外形標準課税でいただくというような方向があるんではないだろうかという御指摘でございます。傾聴に値するお話だろうと私も受けとめておりますが、一つのお考えとして私は評価しながら胸に入れておきたいと思っております。 今後またいろいろな場でこういった問題の御議論をさせていただくことがあると思いますが、そのときはぜひ御指導を賜りますようにお願い申し上げたいと思います。
○高橋令則君 少し、私は少し拘泥するのですけれども、なかなか中小企業に対して増税というのは面倒だと思うんです、やるとしても。赤字の人に対しても課税するということになるわけですから。なかなか中立的なあれをやったとしても赤字はどうしようもないわけです。外形課税すれば、やっぱりその負担をどうするかという問題は大きな問題だと思うんです。私はこれで全部だとは思いませんけれども、そういうふうな負担の仕組みとしてはやっぱり検討してもらっていいものではないか、現実的な意味で。いずれ私は、中小企業対策というのは非常に大きい問題だと思うんです。そういう意味で改めて申し上げるわけでございます。どうぞ大臣も御理解いただきたいと思います。
○国務大臣(保利耕輔君) 御趣旨よくわかりますし、また通産大臣からも中小企業対策は十分に配慮してやってもらいたいというお話があっております。そこをどう整合性を持たせていくかということは我々の研究課題だと思っております。 同時に、広く国民の皆様方に御理解をいただかなきゃならない一つの考え方として応益課税という言葉がございますが、いろいろお世話になっている、お世話になっているための分担金はお払いをしましょう、そういう思想というのがある程度やはり国民の間に出てきませんというと外形標準課税を広く薄く入れていく場合でも難しいことなんだろうと思っております。この辺をどういうふうにPRをしていったらいいか、いろいろ知恵を拝借しながら私どもも努力をしていきたい一つの考え方は応益課税の問題だと思っております。
○高橋令則君 私も今後取り組んでいきたいと個人的には大変にそういうふうに考えている一人でございます。 税務局長にちょっとお尋ねいたしたいのですけれども、今回の税関係の問題については固定資産税の問題があったわけです。なかなか面倒なわけで、一定の理解をしましてそして賛成をしたわけですけれども、なかなかやっぱり負担する人、負担しない人。取る人いわゆる地方団体にとっては、そしてまた負担する人にとってはもう逆なんです、もろ刃の何とかということで。非常に面倒だなと思って見ておりました。 私は質問したいのは、固定資産税の負担は一体国際的にどうなんだろうとちょっと考えたんです。そういうふうなことを、御理解いただく必要のためにはそういう比較的な検討も必要ではないかと思っております。これはどうですか。
○政府参考人(石井隆一君) 固定資産税を初めとします財産税の税負担の水準の問題でございますけれども、なかなか国際比較をしますのも各国の税制度が少しずつ違っていますので単純な比較はなかなか難しい面もございますが、ちなみに平成八年度におきます先進主要諸国の財産課税の額の国民所得に対する割合を見ますと、日本は二・二%、それからアメリカが三・三%、それからイギリスが四・三%、それからドイツはちょっと税制がまた違いますが割に低くて〇・六%、フランスが二・七%というふうになっておりまして、私どもとしては、日本のこの水準というのは必ずしも国際的に見まして高いとは言えないのではないか、こういうふうに考えている次第でございます。
○高橋令則君 自治省からも資料をいただいて、実は私も承知をしているわけですけれども、改めて眺めてみると決して高いものではない。しかし、どうしても議論が出てくるんです、この問題については。御承知のように、固定資産税の増加が企業経営を大変圧迫している、これが経済回復の足かせになっておる、したがって減税するべきではないかという意見も現実にあったわけです。我々もそう言われたわけですけれども、この関係の、景気の問題と固定資産税の負担の問題について、技術的というのは変ですけれども、制度的にどういうふうになるのか、ちょっと税務局長に改めて一言いただきたいと思います。
○政府参考人(石井隆一君) 固定資産税につきましては、委員も御承知のとおり、資産の保有と市町村の行政サービスとの間に存在する受益関係に着目しまして資産価値に応じて毎年経常的に課税する財産税ということでございまして、いわゆる政策税制というわけではないわけでございます。また特に、市町村の税収の四五%ぐらいを占めている固定資産税は基幹税でございますので、市町村はやっぱり景気の動向にかかわらず、基礎的な行政サービスを提供するために、応益原則に基づいてぜひとも適切な税負担を求めざるを得ないという面があろうと思います。したがって、景気回復のために例えば固定資産税を政策的に減税するというようなことはなかなか難しいと思っておる次第でございます。 また、市町村の基幹税目であります固定資産税の大幅な減収がありますと、委員も御承知のとおり、今、住民の生活関連の社会資本整備などの公共事業ですとか、あるいは中小企業対策、商店街振興、それから介護福祉対策といったようないろいろなきめ細かな施策の財源になっているという面がありますので、かえって地域経済なり住民生活の安定を損なうおそれもあるんじゃないかと心配をしております。 ただ今回御承知のように固定資産税につきましては減税もやったわけでございまして、特にお話に出ました都市部の商店街等の税負担感が非常に強いというお話もございましたから、これまでは固定資産税の評価額、地価公示価格の七割を一〇〇%としまして、その課税標準の上限を八割というふうにしておりましたが、これを十二年度、十三年度は七五%にして、さらに十四年度は七〇%に引き下げる、こういうふうにもいたしておりますし、それから、かねてから、負担水準が六割を超しますと据え置く、それからそれよりもかなり負担水準が低くなっているところを少しずつ上げさせていただく、こういう仕組みでございますので、何とか御理解をいただけるんではないかと考えている次第でございます。
○高橋令則君 三年後また戦争になるかもしれませんけれども、その間にやっぱり理解をしていただけるような仕組み、あるいはそのPR、ともに努力をしなければ三年後にまた矛盾が出てくると思いますので、そういうふうな取り組みを継続的に努力していただきたいというふうに私は思います。 交付税関係について最初に財政局長に質問をさせていただきたいんですけれども、今の交付税というのは非常に緻密でもう立派な制度だと私は思うんですね。私も実務をやったことがありますのでよく承知をしているんですけれども、逆に言えば、もう余りにも立派にできておるものですから税から何からぴしっとなって、ちょうど精巧な、昔だったら時計と言ったんですけれども、そういうふうなまさに精巧な仕組みにできているんですね。だけれども、トータルとしてどうなのかなという議論はもう必要な時期ではないかと私は思っているんですね。 したがって、前段申し上げたように、税が変わってくる。そして国と地方の関係が変わってくる。その中で、今の流れに沿った地方交付税だけではなくて、ブレークした新しい意味の変わっていく中の交付税というのは一体どうあるべきかということをやっぱり検討してこなければならない時期ではないかと思うんですね。私は地方調査会なりあるいは審議会等でやっぱり検討しているのではないかとは思うんですけれども、そういうふうな認識とかそれから研究についての状況はどうですか。
○政府参考人(嶋津昭君) お答えいたします。 委員は地方財政の我々にとりましても大先輩でございまして日ごろからいろいろと御薫陶を受けているわけでございますが、地方交付税制度がどういうふうに機能しているかということにつきましては、今大幅な財源不足にあるという状況を抜きにしてちょっと語れないのではないかと思います。 十兆円弱の通常収支、あるいは減税を含めて十三兆円という財源不足額を交付税収入でもって埋めなくちゃいけない、それを借り入れに頼っているわけでございますので、通常の地方財政の姿が非常にゆがんでいるといいますか、あるべき姿から少し離れているという感じは私ども持っております。それは、やはり国、地方の財政が国債あるいは地方債あるいは借入金に依存する財政であるということが端的に地方交付税制度にあらわれてきてしまっているということだと思います。 したがいまして、現象的に見ましても、先ほど御指摘がございましたように、税よりも地方交付税の方が多い団体あるいは二倍以上の団体というのが大変多数あるとか、あるいは不交付団体の数が平成十一年度現在で八十五団体に減ってきてしまった。これは、制度発足時点ではもう相当多数の不交付団体がございましたし、近年でも昭和六十三年度ぐらいですと二百団体弱ぐらいの不交付団体があったわけですが、都道府県では東京都だけ、それ以外に八十四団体の市町村しかなくなってしまっているというような状況でございますので、それは、その状況がノーマルな状況であるというふうには考えておりません。 したがって、今後地方財政を考えていく場合には、やはり交付税はいわばそのつなぎとしての今機能を果たしているわけでございますけれども、財政を健全化することによりまして、より本来の財源である地方税を主体に財源構成をしていくような方向で考えていかなくちゃいけない。その過程では恐らく税源が仮に充実してくれば相対的に交付税の果たす役割は減っていく、その過程で今の税源の偏在問題を整理しなければいけないわけでございますけれども、やはり税を充実し、それでいわば財政調整としての交付税はもっと控え目といいますか、そういう役割を果たしていくべきだというふうに考えております。それは、委員が御指摘のような方向と私どもの考えていることは大体同じことではないかというふうに思います。 しかし、やはり現段階では国、地方の財政政策として景気を下支えし、ノーマルな形での我が国の経済の姿に持っていって、その後財政の健全化、国、地方合わせた財政の健全化に取り組んでいくという基本的な国、地方の財政の足取りといいますか、そういうものをきっちりと踏まえた対応をしなければいけないというのが現状の課題ではないかと考えております。
○高橋令則君 現実的な問題については私は財政局長が言われたとおりだと、私もそう思っております。 実は、補助金をもう少し国から地方に持っていったらいいではないか、地方にもっと移譲したらどうだということを大蔵の幹部の人に言ったことがあるんですが、そうしたら、いやそれは、そう言われたら、いいですよ、だけれどもバランスとか何かはそれはもう覚悟してもらわなきゃならないですよ。と同時に、補助金の大多数が赤字国債でやっている、したがって負担も一緒につけてやってもらわなければだめなんで、それ一緒に、負担とあれを一緒にやってくる、そういうふうになってしまうんですよ、それでいいんですかと言われて、私はもう絶句したんですけれども。 ストレートにそうなるとは私は思っていませんけれども、そういうふうに私が考えたのは、要するに今後の流れを見ていますと、地方分権なりあるいは自立した地方団体としては、均衡だけではできないのではないかと思うんですね。ある程度そこには競争もある。いいところも悪いところもある。セーフネットは別ですけれども、底辺というか、ナショナルミニマムというんですかシビルミニマムというんですか、それはわかるんですけれども、やっぱり今まで我々は権衡というか均衡というか、そういうことを考えて一生懸命やってきたんですけれども、それでは恐らく地方分権の世界では違うんではないのかなと思っております。したがって、今今のことについては財政局長の考え方には同感ですけれども、それだけではだめなのではないかと思っているものですから申し上げたわけであります。 この辺についての認識は大臣恐縮ですがどうですか。大臣のお考えはということですが。
○国務大臣(保利耕輔君) 地方財政の基本論みたいなお話でございますので、謹んで拝聴させていただきました。今後とも私どもとしては十二分に先生のお考えを伺いながら頑張ってまいりたいと思っております。 地方分権がどんどん進展してまいりますので、少しでも多くの団体が国からの財源に依存することなく自主財源であります地方税によって自立していくということが財政を営むことができるようにすることの一つの方向だ、こう考えておりまして、地方交付税の方が地方税を上回るという状況は是正をしていければこれにこしたことはない、こう考えるものでございまして、地方団体で税源が偏在が大きい現状で交付税を減らしていくということはなかなか難しい状況かなと思いますけれども、先生のお気持ちを体してこれらに精力的に取り組んでまいりたいと思っております。 やはり、地方税をふやして地方交付税を幾らか少な目にするというのは、自立という意味からいえばこれは確かにそのとおりでありますが、一方でやはり税源の偏在からくる是正措置というのは今後ともしばらくの間は続けていかなければならないのではないかな、こんな気がいたしております。
○高橋令則君 私は逆のことを申し上げたんですけれども、私自身からすれば。岩手にとっては均衡大事ということでそれをやればいいんですけれども、それだけでは恐らく地方分権はできないだろうというふうに思っております。そういうことを地元に対しては私なりに、厳しい世界になるよというふうなこともしゃべっているわけでありまして、そういうふうな認識を私は持っております。 ちょっとそれをそれるかもしれませんけれども、具体的な問題だけ質問させていただきます。一点だけなんですけれども。 中山間地域に対する対策、これはもう一定の、御承知のとおり新たにいわゆる農水省の対策として措置をされたわけです。見ていると定額交付金が三百三十億ですか計上されております。これに対応しての、やっぱり地方団体にとっても対応も必要ではないかと思っております。一定の措置をされているというふうに承知をしておりますが、この中身、考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○政務次官(橘康太郎君) お答えいたします。 平成十二年度予算において新たに計上された中山間地域などへの直接支払いに要する経費は、農地の耕作放棄を防止し公益的機能の確保を図るという国政の根幹にかかわる政策目的を達成するためのものでございまして、地方公共団体の負担を伴わない定額交付金とされたものでございます。 しかしながら、中山間地域などにおける耕作放棄の防止による定住促進や地域振興は地方公共団体にとっても重要な政策課題でありますことから、自治省といたしましては、地方公共団体が国の施策と連携して地域の実情に応じて直接支払いなどの単独事業を実施できるよう、国費と同額の交付税による財政措置を講じ、その一部は単独事業による直接支払いの実績に応じて措置することといたしておるところでございますけれども、議員御理解いただけますとおり、この問題はWTOの関係の問題でございまして、年額一兆円の配分の中の一部でございまして、このような措置となっておりますことを御理解賜りたいと存じます。
○高橋令則君 終わります。
○松岡滿壽男君 警察庁がまだ来ておられぬようですから、自治省の方に先に御質問いたしたいと思います。 今の高橋さんの関連ですが、質問通告実はしていないんですけれども、けさの中国新聞に、いわゆる自治体間のいろんな格差の問題です、交付税で。今、税の問題がありましたね。 過疎化に悩む岡山県久米郡の中央町、約七千五百人の人口です。町民の定住を促すために一般家庭の水道料金を月十トンまでは一律無料にする条例改正案をまとめて、二十四日の町議会で可決して四月一日から実施するということなんです。十トンの水道料金については三千五百七十円。一部無料化については三年間の期限つきで町が肩がわりする年間の費用は約七千万円。これは基金の取り崩しや人件費の削減などで賄う。人口流出の歯どめ効果に期待しておるわけでありまして、町議会の町活性化推進委員会が九七年に、ほとんどの住民が利用している水道料金なら平等に恩恵を受けられるということで決めたそうですけれども、当時の町長が反対して、今度は賛成派の町長ということで実施ということです。 実は私も、十数年になりますけれども、参議院の予算委員会で当時の渡部恒三厚生大臣に、水道料金の格差の問題で、隣の町と隣の町が全部違うわけです。当時で十七倍ぐらいあったんです、格差が。水道は全国本当は一律であるべきじゃないか。しかし、御存じのように市町村固有の業務ということに水道業務はなっております。 今回、こういう過疎に悩むところは、いろんな問題を含んでいると思いますけれども、恐らくこれは過去においては一万五千人とかいう時代もあったと思うんです。ところが、そういう過疎のところが、従来より半分ぐらいに人口がなっているところでも職員の数は比較的そう変わっていない。そうすると七千万の財源のために恐らく十人ぐらいの人員削減をしなきゃいかぬ。こういう事態に今、これから百年先に六千万人減っていくという過程の中で、どんどん出てくると思うんです。こういう無料化をやっていくということに対して財源が非常にない。しかも、そうなると格差が、市町村間の水道料金の、これが物すごく出てくるわけです。 こういうことに対して自治省はどのようにお考えでしょうか。ちょっとお考えを伺いたいと思います。
○政務次官(平林鴻三君) 先ほどの高橋委員のお話でも、いわゆるシビルミニマムといいますか、最低といいますか標準的な受益とその負担をどうするかという非常に難しい、しかも大事な問題が横たわっておるわけでございます。 それで、今お話のありました、過疎対策あるいは地域の活性化のために水道料金を、いわば料金でなくて公費で肩がわりするといいますか、さようなお考えのところも当然出てくるのではないかと思いますが、どうも私も余り詳しくはわかりませんけれども、水道料金というのはやはり水道の水源を確保するためのコストあるいはそれを配るためのコスト、いろんなことをもとにして決定されていくものでありますから、楽にいい水質のものを得られるところは割合安く設定できる。逆に水源を得るのに難しくて、遠いところから引いてきたりあるいは非常に深い井戸を掘ったりというようなことで、水道のコスト自身が非常に高いところとさまざまあるわけでありましょう。それを、ある程度高くつくところは施設費に対して若干の補助なりあるいは条件のいい起債なりというものを考えて、ある程度の均衡化を図るということが従来はなされておるように思います。特に、上水道はともかくとして、簡易水道なんというものになりますと、非常にそういう水道をつくるのに高くつくものですからどうしても補助金が昔からございます。非常に高率の補助金とは申しませんけれども補助制度が認められておるということであろうかと思います。 水道に限らず、全国的に一定レベルを要する、必要とするような行政と、それからその地域の特性に応じてしっかりやる、あるいは若干緩やかにやるというような行政とがだんだんと分化をしていきまして、現在のところは方向としては多様化していくんじゃないかという感じがいたしております。従来は一律化といいますか、一定レベルということに非常に要求が強かったのが、地方分権とかいろんな要請に基づきまして多様化していく、その多様化していくための財源もまた考えなきゃいかぬ、そういう時代になってきたんではないかなという感じがいたしております。
○松岡滿壽男君 水道料金、水道というものはやはり住民の生活の一番基本的に大切なものですね、だからそういう部分は余り格差があるということは望ましいことと私は思えません。 〔委員長退席、理事朝日俊弘君着席〕 ただ、片方で新規に水源を確保する方は大変なコスト高になっておるわけですよ。だから、そういうコストで計算していけば、恐らく当時の十七倍というものが、今回は片方はゼロですから、物すごい倍率に、新規にダムをつくったりしてやっているところは。だから、高水道料金に対する対応は片方でしなきゃいかぬし、同時に今回問題を提起した、過疎で悩む人たち、町ですね、これにどういう指導をされるのかということが一つあると思います。 それからもう一つは、やはり過去二万人ぐらいの規模の町はたくさんあったけれども、ほとんどまた一万切ったり、今のような七千、八千というのがあるんです。当時二万人時代に百七、八十人いた職員がそれじゃ半分になっているかといったら、半分ではありません、当然百何十人とおるわけです。そういう定員の適正化といいましょうか減っていく分については、この辺の管理というのはやっぱり、それぞれ自治体に任せておられるわけですけれども、そういうことも今後人口減少という段階ではきちっと自治省としての対応が必要だろうと私は思うんです、国として。 それについてのお考えを。
○政務次官(平林鴻三君) これは三十年ほど前からだと思いますけれども、特に市町村の類型をいろいろ分類いたしまして、そこの市町村の例えば人口段階とかあるいは職業のつき方とかさまざまなことで分類をしまして、その市町村の適正な職員の数でありますとか、そういうものを求めようとしていろいろ苦労をしてきたことが自治省ではございます。さようなところ、今日の状態あるいは将来に向けてそういう人口類型ごとに適正な人件費とか職員数とか、大体どこら辺だろうという研究をさらに進めていかなきゃいかぬ、そういうことは自治省の仕事であろうと私は思っております。
○松岡滿壽男君 水道については市町村固有の業務だということで、例えば高水道料金対策協力してくれと県や国に言ってもそれはすぐ突き放されてしまう。片方は片方でこういうことをやらざるを得ない。だから、国全体でこういう過疎に悩む地域に対する適正な助言ぐらいはやっぱりしてやらなきゃいかぬだろうと私は思うんですが、そういう意見を申し上げておきます。 この前、保利自治大臣と予算委員会でいろいろやりとりをさせていただいたんですけれども、特に警察関係の問題。急遽警察庁長官にもお越しいただいて申しわけないと思うんですけれども、この前のお話がちょっとかみ合っておらぬで、予算委員会の速記録が出てきて、ほかに私も質疑があったものですからそのまま通り過ごしちゃったんですけれども、一般の国民の目線から見ると二つありまして、一つは、接待した方が一応処罰、一応減給という形、された方が処罰されていないということがやっぱりわからぬ。しかし、大臣のお答えでは、いやその処分権者が違うからだというお答えをされながら、ちょっと何かバランスを欠くような感じがいたすのでありますが、処分権者が違ってそれを了承したということです、今後起こる場合にはきちっと対処しなければならない事項だと、そのように考えますという御答弁なんですね。 それはそうかもわかりませんが、やっぱり国民の目から見たら、なぜこの次からやるんだったら今回できないんだということをやはりきちっと皆見詰めているんですよ。だから、悪いことは悪い、間違ったことは間違ったと言うところがないから国民がいろんな疑問を持ち出しているわけですね。 それから、もう一つはやっぱり持ち回りをやられた。あれだけ高い報酬をもらっている人たちが持ち回りで済ませたということは、まともなきちっと国民の負託にこたえる仕事をしなかったんじゃないか、あるいは警察庁の方が事務局をやっているからやっぱりそうなのかという疑問なんですよ。それと、やはり大臣が御答弁を一、二度変えられたという。御本人のお答えでは変えていないと。ただ表現がそういうふうに我々の方では伝わっているわけですね。 そういうことで、非常にこの二つがわかりにくい。もうちょっとひとつ国民にわかりやすく、最近はインターネットとかCATVで、この委員会だってリアルタイムではないけれども国民が見ているわけですから、そういう素朴な目線で見た疑問にお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(保利耕輔君) まず、今回の件で二人おやめになったわけですが、まず小林本部長につきましては、御承知のように百分の二十減給という事務局案ができまして、その前にたまたま国家公安委員の皆様方が別の機会で集まられることがあり、また個別にもお話しを申し上げて、でき得る限りの処分をするということで認識が一致をしておったということがございまして、二十五日の夕方に処分案というのが示されたわけでございます。 そのときの状況は、二十九日に交代をさせなければならないという状況にございましたので二十六日にもうこれは処分をしなければならない、そしてそのためには二十五日中に公安委員の皆様方の御判断をいただかなきゃいけないという状況がございまして、処分案が示されました段階で、この処分案で公安委員の皆様方の御判断がよいということであれば、異論が全くなければこれでいいよということを言ったのは私でございますから、そういう意味ではいわゆる持ち回りを指示したのは私ということになります。その限りにおいては責任は私にあるものと承知をしておるところでございます。 あともう一つの中田局長の方の処分につきましては、これは処分権者は警察庁長官であるということがございまして、警察庁長官の御判断があったと。そのときの警察庁長官の御判断というのは、先ほど自分から申し出てきたからということもございましたが、私の印象としてはむしろ引責辞職をさせたというところにウエートがかかっているように思っております。 〔理事朝日俊弘君退席、委員長着席〕 また、そういう御説明を公安委員の皆様方にもされた経緯がありまして、公安委員の皆様方は引責辞職をさせたということを非常に重く受けとめられましてこの長官の裁定を了とした、こういうことでございました。 なお、この中田局長の場合には二月の二十八日にももう一度議論をする機会がございまして、そこで得た情報等も新たに御報告もいただきまして、それでその上で御判断を仰ぎましたところ五人の委員の全員がこの判断でよろしいと言われましたので、その取りまとめをやった責任が私にはあると思っております。 そういうようなことで、結局いろいろな要素が加わっておりますが、特に小林本部長につきましてはマージャン以外にも、虚偽の発表を承認したとかあるいは本部に帰って指揮をしなかったとかいうような点も処分の対象として含まれていると思いますし、そういう意味では何といいますか違った判定が出てしまっておりますけれども、両方ともその後みずから申し出てというか退職金を辞退いたしておりますし、両方とも辞職をしておるというようなこともございまして、効果としてはかなりきつい措置になっておったんではないかと私どもは思っているわけでございます。 なお、今繰り返しになりますが、いわゆる持ち回りをさせたということは私の責任でございます。
○松岡滿壽男君 国家公安委員会に対してだから国民は非常な不信感を実は持っているんです、二十八日にそれも追認した、どういう役割をしているんだと。これはもう厳しくやはり見直していかなきゃいかぬだろうというふうに思います。 そして先週、予算委員会で警察関連で参考人を二人呼んだんです。お二人とも日本の現状は本当におかしくなっちゃった、日本人そのものが、ということを二人こもごも言われました。 そのときに一人の参考人が、中田局長を処分すると結局警察庁長官の管理監督責任というものが出てきて、これをまた国家公安委員会でやらなきゃいかぬことになるんだということを質疑の中で答えられたんです。それを私この前の予算委員会でお伺いしたんですけれども、大臣にこの点についての御答弁はいただけなかったんです、議事録を見てみますと。これについてはどのようにお答えになるんでしょうか。
○国務大臣(保利耕輔君) それは中田局長を処分するとはね返って国家公安委員会に来るのではないかという、国家公安委員会もそういうのを了としているという一たん判断を示しておりますから、さかのぼってくるのではないかという御判断をされた委員の皆さん方はいらっしゃいませんでした。そして、公安委員会を開いた段階でいろいろ警察庁からの説明を聴取いたしまして、最終的にはこの警察庁長官の御判断を了とするということを全員が確認をされましたものですからそういう決定になったわけでございまして、自分たちのところへはね返ってくるからというお考えを持っておやりになった方はいらっしゃらないと私は信じております。
○政府参考人(田中節夫君) 今の松岡委員の御質問でございますけれども、中田局長を処分すると警察庁長官すなわち私の監督責任が問われることになるというようなお話でございますが、一般的に部下の行為につきまして、懲戒処分に付されますとその上司が監督責任を問われることが一般的でございます。 今回の中田前局長の処分につきましては、これは委員会でも御指摘のように、国家公務員法に懲戒処分というのはございません。しかし、地方公務員の例にとりますと諭旨免職という懲戒免職に次ぐ大変重い処分でございますので、過去の例を見てみましても、地方公務員法等にいう懲戒処分をしない場合でも諭旨免職の処分をした場合には、これを監督すべき立場にある者が地方公務員法に基づいて懲戒処分を受けるということがございます。これは、具体的に違法行為を行ったという事実がございますし、懲戒処分に相当するといいますか問われるような行為があったという事態はこれは動かない事実でございますので、これについて監督責任を問うということは、これは理屈の上ではあり得ることでございます。 そういう理屈の上で私が今回、中田局長が新潟県警察に対する特別監察の実施に当たりまして監察担当官としての立場をわきまえない行為をしたことに対する監督責任、これは理屈の上でも問われるということでございますので、私が三月二日に国家公安委員会からこの中田前関東管区警察局長に対するところの監督責任を問われまして減給百分の五、一カ月の懲戒処分を受けたものでございます。
○松岡滿壽男君 先週も私は大変聞きにくい質問を小渕総理大臣にもさせていただいたんですが、警察官の一連の不祥事、これによって小渕内閣、自民党の支持率が低落しているわけです。それで、確かに一連の不祥事だけではないとは思いますけれども、このままでは恐らく任期満了選挙に行かざるを得ない。一連の警察不祥事が政局に大きな影響を与えている、これは大変な問題だと思うんです。 総理も影響を与えておるという御発言がありますが、同時に、消費税の導入ということを例に挙げられて一〇%を切って三%という数字を挙げられました。私もあのとき自民党で消費税の問題をしょい込んでおったわけでして、あのときに竹下さんが、松岡君どうも三%を切るらしいな、支持率が。二%なんです。これは記憶違いです、あの小渕さんの三%というのは。二%というのが一時あったんです。そのぐらいやはり国民の怒りというのはすさまじかった。 いろんな部分で、確かにあのときは消費税だけじゃなくてウルグアイ・ラウンドの問題もあったし、宇野さんの問題、リクルート問題、非常に重複した問題がありました。しかし今回の一連のいろんな、防衛庁の問題もありますし、不祥事が重なっているという感じがするんです。しかし、それはやはりどこかでうみを出していかなきゃいかぬ、そういう今時期だと私は思うんです。だから今回の問題もこのままうやむやにしてしまうと大変なやはり国民の怒りというものが私は出てくると思うんです。だから、今回の決着をどうしていくんだろう。 それで、今国会中の成立を目指す警察法改正案の修正問題も絡むため六月十七日までの国会会期中に中間報告のような形で方向性を示してくれるのが望ましいと政府側は言っておるようでありますし、自民党筋も目に見える思い切った改革案を出すべきだということを言っておられるようで、総理もこの成果を期待すると。まさにそうだと思うんです。それをやらぬ限り国民の怒りといいましょうか、いろんなものに対する今、不信、不満が、不安も蓄積してきているんです。年金の問題初め医療、介護、すべての問題が十分に先が見えない。それに一番身近で信頼しておった警察に裏切られたという思いがやっぱりあるわけであります。 それで外部監察とか、あるいはこの委員会でもさんざん議論してきました問題、キャリアの問題その他、本当にメスが、この二十三日に行われる警察改革に向けての警察組織刷新会議、これでやり遂げることができるんだろうかどうかということが非常に注目されるんですけれども、これに対しては、刷新会議に対する、今までこの委員会、議会でいろんな議論をされてきた、そういうものはどういう形で伝わるんでしょうか。また、どういう成果を当事者として、公安委員長、警察庁長官として期待しておられるんでしょうか。
○国務大臣(保利耕輔君) 国会での御議論につきましては私の責任で、国家公安委員会の中でビデオ等をお見せするなどしてできるだけ正確にお伝えをして、今後のいろいろの物の考え方の中に反映させていただくように今努力をいたしておるところでございます。 なお、刷新会議が今後どういう形で運ばれていくかにつきましては、刷新会議そのものの主体性というのを大事にしなければならないと思っておりますので、私どもからこういう形でこういうふうに運営してくださいということを申し上げるのは今の段階では全くいたさないで、刷新会議の中の動きにお任せをするというスタイルで臨んでおるわけでございます。 もちろん庶務的なお手伝いはしていかなければなりませんのでそういった手配は警察庁においてさせていただいておりますが、中身の議論それから方向性、そういったものはもうこの識者の方々がお集まりをいただいているところで御自由に御闊達に御議論をいただいて警察を叱正していただく、そして一つの方向性を見出していただければありがたいと。こういうことでお集まりを願う会議でございますので、あらかじめ設定をしてこうこうという差し出がましいことを私どもからは申すつもりはございません。二十三日に第一回の会をすることにいたしておりますけれども、そこでは会の運営の仕方等についても御議論があるのではないかと思っておる次第でございます。 刷新会議についてはそういう形で行われますが、国会でのいろいろなありさま、状況報告等は私から適宜できるだけ正確にさせていただきたい、こう思っております。
○政府参考人(田中節夫君) 今、警察組織刷新会議の運営につきましては大臣から御答弁を申し上げたところでございます。 委員の方から、国会等の議論というのはどういうふうに反映されるのかというお話がございました。 私ども事務局といたしましては、国会等で議論になったこと、あるいはマスコミで取り上げられたこと、さらには各党でいろいろ御議論なされて各党の案というものもでき上がっているところでございますので、そういうものを資料としてお示しして、そして会議でのいろんな議論が活発に行われるよう事務局として努力してまいりたいと、かように考えているところでございます。
○松岡滿壽男君 総理は災いを転じて福となしたいというふうに先週も御答弁されております。そしてやっぱり、今までの怖いものなしの警察組織が一部のキャリア官僚にゆだねられていることの弊害をチェックするチャンスが与えられたんだという見方もあるわけでありまして、そういう角度から国民の本当に信頼にこたえられるような警察に再生していただきたいというふうに思うわけです。 それで、私が毎月とっているフォーサイトという雑誌があります、市販されておりませんけれども。三月号に「警察庁」ということで生田忠秀というジャーナリストが一連の問題について文章を書いておるわけです。 その中で、「神奈川県警の覚醒剤使用隠蔽事件で、犯人隠避罪などに問われた渡辺泉郎元県警本部長は、二月二十四日、横浜地裁での初公判の被告人質問でこう答えた。」「臭い物にフタをするという習慣が身についていたと思う」、一連の新潟県警初め不祥事件で、やはりそういう「悪質な病弊に冒されていることが露呈した。」ということを述べております。 彼は、警察に対し影響力を持つ複数の元警察庁長官、元警察庁幹部、元警察本部長経験者など警察官僚OBを中心に取材し、率直な意見を聞いてこの「警察庁」という文章をまとめたということでありますので、フォーサイトという雑誌のあれから見てもかなり信頼できる中身だろうというふうに思うんです。 こういう臭い物にふたをするという習慣が身についているという反省、これはやはりお持ちなんでしょうか。
○政府参考人(田中節夫君) 今御指摘の神奈川県警の覚せい剤使用者といいますか警察官に係りますところの犯人隠避事件につきまして、渡辺泉郎元本部長が公判でそのようなことを述べたことは承知しております。また、従来、いろんなところで私どもの仕事の進め方あるいはあり方等につきましてるる御批判を受けているところでございます。 しかしながら、私どもは、従来ともいろんなことにつきましてできる限り国民の皆様の前に的確に事実を明らかにして、そして大方の御批判を仰ぐように努力してきたところでございます。しかしながらまだそれが徹底していないところもあるように思います。私どもは、さらに国民の皆様からの信頼を得るためにも、説明責任と申しますかあるいは透明性の拡大と申しますか、そういうことにつきましてはさらに努力を重ねる必要があるというふうに考えているところでございます。
○国務大臣(保利耕輔君) 臭い物にはふたという言葉もありますし、それから捜査機関であるがゆえにほおかむりをすればだれも暴く者がいないというような言葉もあります。いろいろな言葉がありまして、そういう体質というものをやはり我々はどうやったら除去していくことができるかということを真剣に考えなきゃいけないと思っておりますが、これは警察官の皆様方の自覚にまつしかないのかなと思っておりますが、私どもからその点を非常に強く申し上げなきゃいけないと思っております。どうせ自分たちが隠しちゃったらわからないだろうという、そういう心理で警察を運営するということは今後あっては絶対にいけないというのが私が今回の事件等から得た教訓でありまして、その教訓を大事にして今後の運営に当たっていかなきゃならぬ、こう思っている次第であります。
○松岡滿壽男君 ぜひそういう姿勢で頑張っていただきたいというふうに思います。 さて、警察協会会長を務める新井裕元警察庁長官が、今回の事件について、「神奈川県警があのような体質になったのは、県警の共産党幹部宅盗聴で、内部的な処分が甘かったことが大きく影響している」ということを反省して言っておられるわけですね。「検察の追及を逃れたことで警察には「何でもできる」という慢心が広がった。警察は選挙違反摘発を恐れる政治家に強く、国民にも強い。唯一警察を批判できるのはマスコミだけとなっていた。それが警察をここまでダメにした」というようなことを言っておられますけれども、この点についてはどのように私ども理解をすればいいんでしょうか。
○政府参考人(田中節夫君) 今、委員御指摘のフォーサイト三月号の記事でございます。ここに今御指摘のように、昭和六十二年に発生いたしました、いわゆる私どもで当時共産党の国際部長でおられました緒方宅事件につきまして、昭和六十二年当時の東京地方検察庁の捜査におきまして警察官によるところの盗聴行為、これは未遂でありますけれども、これがあったと認められ、またその後の民事訴訟におきましても同様の行為があったことが推認されたことを警察としても厳粛に受けとめ反省しているところでございます。 その際に、私どもといたしましては、必要な人事の刷新を行い、あるいは関係警察官の必要な処分を行ってきたところでございます。 今お話しのように、警察庁のOB、最高幹部であった方が、警察に何でもできるという安心感あるいは慢心を与えたのではないかということを述べておられます。どういうような背景でそういうことをおっしゃられたのか私どもとしてはつまびらかにしないところでございますけれども、いやしくも私ども権限行使というのは国民から負託されて行うものでございまして、一人一人が法令を遵守し不偏不党かつ公正中立に職務をしなければいけないわけでございます。今言われますような慢心とかあるいは警察には何でもできるというようなことがあったとすれば、これは全くあってはならない行為でありまして、いやしくもそういうような気持ちがいささかでもあるというようなことがあるとすればこれは絶対に阻止しなければならないというふうに思っております。 この気持ちがさらに徹底するように、私は、一線に対しましてさらにこの私の今の考え方を浸透してまいりたいというふうに思っております。
○松岡滿壽男君 先輩の皆さん方が一様に時代、風潮が変わったという言葉を口をそろえて言っておられるようです。確かに日本がいろんな面で変質してきている。社会全体が、いろんな家庭崩壊とかさまざまな異常な事件とか出ていますね。過去では考えられなかったことですよ。だから、そういうものにやっぱり対応するのがおくれてしまったという部分がやっぱり私はあるだろうと思うんですね、ノーチェックで来てですね。私はこれは、警察だけじゃなくて家庭もそうですし、社会も経済も行政もそうだと思うんですね。だから、新しい時代に向けて、宮澤大蔵大臣がよく御答弁されますけれども、やっぱり新しい時代に向けて新しい日本をもう一回つくり変えていくというような心構えがないとやっぱりこれはもうどうしようもないだろうというふうに思うんですね。 しかも、新井さんが言っておられるのは、「警察の歴史を見ても、第一線の警察官のレベルは現在が一番良い。戦後の一時期など兵役から帰ってきたばかりの人間を大量に採用し、その中にはひどいのがかなりいましたよ」と。高学歴であることが優秀であるということに必ずしもそれはつながらぬかもわからぬけれども、警察官の中に占める大学卒のウエートも急速に高くなってきていると。昭和四十二年には大卒が三・八%だったけれども平成四年には三〇・六%と。都道府県本部の新規採用は五〇%近くを大学出が占めておるということで、非常にレベルが上がってきているけれども、その中での不祥事の続発となればまずますますキャリア官僚の責任が大きくなってくるということをここで指摘をしておるわけでありますけれども、いわゆるキャリア五百二十人ですか、二十三万人のうち。それから職員が三万五千いますね。 この中でいわゆるキャリアの大学出と普通の大学出とそれから高校出、どのような比率で、人数でおられるのか。また、その処遇ですね。待遇が昔は確かに官営八幡製鉄所なんというのは国立出が九十五円で私学は七十五円とそういう区別があったわけで、それがまた新しい問題を引きずっていろいろあったわけですけれども、その辺をひとつつまびらかにしていただけないでしょうか。
○政府参考人(石川重明君) 今、Ⅰ種採用者と、それから都道府県警察におけるいわゆる学卒と申しますか大学を卒業して採用された者、あるいは高校卒、これは手元に資料がございません。 ただ、Ⅰ種採用者につきましては委員御指摘のとおり約五百二十人でございまして、二十二万八千余の全警察官の定数のうち〇・二三%、そういう数字でございます。ただこれは、地方警務官に占める割合ということで申しますと、五百七十人の全部で地方警務官いわゆる都道府県警察で勤務している警視正以上の警察官がおるわけでございますが、このうちの百六人がⅠ種の採用者でございますからこれは一九%、約二割、あとの八割は地方と申しますか都道府県警察にもともと採用された警察官が部長とか警視正、署長をやっておる、こういうような関係になっているわけでございます。 今ちょっと手元にございませんので、後ほど調査をいたしまして御報告したいと思います。
○松岡滿壽男君 キャリアの場合も「警察は国鉄とともに出世が早く、給与・厚生の面でも他の中央省庁より恵まれている」ということのようなんですが、これはほかの官庁と報酬が違うということなんでしょうか。
○政府参考人(石川重明君) ある段階まで国家公務員の俸給表のうちの公安職の(一)という警察官の場合は俸給表が適用になります。これは普通の行政職の例えばⅠ種採用者で申しますと若干処遇がいいと申しますか給与の額が高い、同じときに採用された人と、同じ格付のような方と比べまして高いということもございますが、基本的に大きな差は他官庁のⅠ種採用者と比べてないというふうに感じております。特に特段のものはないというふうに感じております。
○松岡滿壽男君 キャリアの場合もノンキャリアの場合も、要するに警備とか現場をなるべく避けたいとか管理部門がいいということで、二つの流れがどうもあるというふうに伺っていますね。 例えば、労働省なんかも基準局育ちと職安育ちと分かれたり、自治省の方も行政、財政と分かれるわけですけれども、それはお互いに切磋琢磨という面ではいいわけですけれども、どうも現場での勤務をやっぱりみんな嫌がっているということをよく聞くんですが、それはその場合の処遇というのは報酬が違うんですか、管理部門と現場というのは。
○政府参考人(石川重明君) 例えば、Ⅰ種採用者が都道府県警察で勤務するといったような場合に、例えば警部補で警察署で同じような階級の人と一緒に勤務するといった場合に基本的に給与の差は現場の方とございません。 それから、警察官の勤務形態は、交代制勤務と、それから日勤勤務と申しまして一日八時間勤務の二種類に分けられるのでございますが、捜査等の現場部門も管理部門もそれぞれ業務の必要に応じまして交代制勤務をとる場合もございますし日勤勤務をとる場合もある、こういうことでございまして、部門により勤務形態を決めているものではない。この点において基本的に差異はないと思います。 また給与につきましては、いわゆる刑事手当とかいろいろな特殊勤務手当というものにつきましては基本的に捜査部門とか交通の指導、取り締まり部門等の現場部門に支給されるものでございまして、この点につきましては管理部門には措置をされてないということがありますので、第一線の現場に厚くなるような措置がなされている、こういうふうに承知をしております。 ─────────────
○委員長(和田洋子君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、青木幹雄さんが委員を辞任され、その補欠として仲道俊哉さんが選任されました。 ─────────────
○松岡滿壽男君 それじゃ今後どうすりゃいいんだということで、新井元長官が、「毎日の仕事を着実にやること。「正直でないこと」に問題があり、私は現役に「オネスティー・イズ・ベスト・ポリシー」という実践道徳をやるように言っています」ということをおっしゃっている。 それから、別の長官も、「司・司で自己責任を明確にすること。地方採用の警察官を本部長に登用するなどして組織の活性化を図ることです」と語った。しかし、取材したその他の警察官僚OBは、そうした改革ができるとは見ていなかった。「おそらく過去に遡って、いろんな不祥事が内部告発で出てくるのではないか。そうなったら、不祥事に関係した幹部を厳しく処分、膿を出しきってから再スタートするしかありません。警察はもっとガタガタすることでしょう」ということを言っている人もおりますし、「採用・評価・登用などすべての面で見直しをやらなければならない。だが、今の幹部にはそうした改革はできません。戦後のGHQのような強力なリーダーシップを持った第三者の介入がなければだめです」と。また、ある幹部は、「今の警察は戦前の陸軍と似ている。下は優秀だが上は腐っている。改革どころか、陸軍がそうだったように、誤った道を転げ落ちていくのではないか」。 こういう話を聞くと非常に悲しくなってくるわけですけれども、英国の歴史学者アーノルド・トインビーが「歴史の研究」の中で、「文明は、外敵の攻撃によって崩壊するのではなく、内部から崩壊していく」「指導者の権力濫用、兵卒の反抗は衰退のメルクマールである」ということを言っております。そういう点で私ども、さっき申し上げましたように警察組織刷新会議、これにやはりきちっとした改革案を出していただいて、国民の合意が得られるような改革をしていただきたいと思うんですが、今までの諸先輩のこういうお話を聞かれて、どのように改めて警察の現状、過去、未来を語ろうとされるのか、お伺いをいたしたいと思います。
○政府参考人(田中節夫君) 今、委員御指摘のように、今日の私どもの警察が抱えている問題、神奈川県警あるいは新潟県警のいろんな不祥事につきまして見ますときに、多くの問題を抱えているということが私どもも実感できるわけでございます。こういうような問題を的確に今対応して、そしてまたこの機会に一から出直しというようなことで、いろんな方の御意見を踏まえながら、新しい警察像といいますか、それを求めて前に進むということが大変大事だというように私は思っております。 そういう意味で、今回、国家公安委員会に警察組織刷新会議が置かれまして、そこでいろんな方の御意見を聞きながら、そこでまた新しい警察の進むべき道というものを示していただければ私どもはそれに向かって邁進していきたいというふうに思っておりますし、また我々の方も、今お話しのように現場にもいろんな意見もございますし、また過去の歴史もございます。そういうものをきちっとくみ上げて、そしてそれを、意見をそういう刷新会議の場にも持ち出してそれも意見も聞いていただく、あるいはほかの方の意見も聞いていただくというようなことで、総合的にどういうような形がいいか。また二十一世紀は、もう来年から二十一世紀でございますので、未来のあるいは新しい警察像というものもそこで議論をしていただければ大変幸いに存じておるところでございます。
○松岡滿壽男君 国家公安委員会の強化、幹部へのノンキャリア組の登用、監察制度の見直しなどを進めていかれるだろうと思うんですけれども、キャリア制度の改革もやはり本格的に切り込む姿勢が大事だというふうに思うんですが、この生田さんの結論として、「総選挙を控え、政治の側に選挙違反の取り締まりに当たる警察組織を敵に回したくないという、ためらいがあることもひとつの大きな要因になっているのではないか。」「強力な警察官僚を敵に回して、「改革」を進めるには、政治に相当な覚悟が必要だ。」ということを述べておりますが、こういう指摘に対して、自治大臣としてどのような御決意を述べられますか。
○国務大臣(保利耕輔君) 私も長いこと組織の中で仕事をしてきましたので、組織のあり方というのは大変難しいと思っておりますし、また、いわゆるキャリアというものの果たすべき役割あるいはキャリアの人柄といいますか、そういうものが組織の中でどういうふうな影響をするかというのは、私なりにいろいろ考えさせていただいた点がございます。 特に私は、就任したときに既に神奈川県警の問題が明るみに出ておりまして、これを始末するために全警察官の幹部の皆様方にお集まりをいただいていろいろお話もし、お話も聞き、そしていろいろやってきたのでありますが、そのお話の中に参加をしておった二人がそういう不始末をしたということは、私は本当に、言葉は選ばせていただきますけれども、残念でありました。そういう気持ちを今後の組織の立て直しにやっていかなきゃなりませんが、ここで私が感じましたのは、本当に大きな組織というのはなかなか難しいんだなと。あれだけのことをやったのに不心得、もう全く聞いていないような、耳に入っていなかったかのような行動を起こす人がいたということについては私は本当に自分自身残念で仕方がないのであります。 そういうようなことがございますけれども、今回の件、またいろいろな不祥事、そういったものを反省の糧にしながら国民のための警察にしていかなければならないと思いますし、組織の立て直しだけではなく、今例えば大きな事件が発生をしたら警察はどう対応するか、そっちの方の行動力の方もきちんと備えておかなければならない。両面刀を磨いていかなきゃならないという非常に難しい役割が私どもには課せられていると思っております。 加えて、国家公安委員会という制度にいたしましても、一つは政治からの中立というのをかたくなに守っていかなければなりませんし、余り政治の世界から干渉がましいことを国家公安委員会そのものに入れていくというわけにはいかないということと、しかしながら政府には日本の国家の治安を守らなければならないという義務があるという、その両面をどう調整し、どういうふうな組織ならばこの両方の考え方を立てることができるのかというような極めて難しい問題に私どもは直面をしていると思います。 そういう問題に対して全身全霊を傾けて、警察庁の幹部の皆さんとも御相談をし、刷新会議の皆様方とも御相談をし、今後の立派な警察行政をきちんと立て直していくために渾身の努力を払っていきたいというのが私の現在の心境であります。
○松岡滿壽男君 フォーサイト結構読まれているんですよね。それで中身を見まして、私どもは警察の中のことはよくわかりませんし、先輩の方々がこういうことを言っておられるということを伺って、大変かなり厳しいことも書いてありましたけれども、あえて取り上げさせていただきました。 何とか警察に立ち直ってもらいたいというのがやはり国民の声でありますから、どうかひとつ真摯な姿勢で、今、大臣がおっしゃったような姿勢で取り組んでいただきたいと要望いたしまして、ほかにちょっと質疑を予定しておったんですけれども時間が参りましたので終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(和田洋子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 ─────────────
○委員長(和田洋子君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、岡利定さんが委員を辞任され、その補欠として岩城光英さんが選任されました。 ─────────────
○委員長(和田洋子君) これより両案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。朝日俊弘さん。
○朝日俊弘君 私は、民主党・新緑風会を代表して、二〇〇〇年度地方財政計画及び地方交付税法等の一部を改正する法律案、地方税法等の一部を改正する法律案について、反対する立場から討論を行います。 以下、順次反対の理由を申し述べます。 第一に、六年連続の通常収支不足に対して小手先の対応に終始している点であります。 来年度の交付税総額二十一兆四千億円余に対して不足額は九兆八千六百七十三億円、それを借入金に頼って措置し、地方の借入金の残高は百八十七兆円にもなります。地方交付税制度の抜本的改革なくして通常収支不足の解決はあり得ません。景気回復による税収増に一縷の望みをかけていたずらに時間を空費している政府の姿勢は到底許されるものではありません。 第二に、相変わらず地方に景気対策を押しつけていることです。 地方単独事業は、前年度比四・一%減とはいうものの、十八兆五千億円もの巨額な数字が計上されています。各都道府県の来年度予算を見ると、単独事業は平均して一二%から一三%の減少となっています。法案が成立する前に政府の見通しは破綻しており、とても賛成できません。 民主党がこの数年来主張していることですが、国中心の土木型公共事業から地方主体の社会的セーフティーネット構築のための公共投資に転換してこそ、個人消費の拡大を促し、景気の回復につながることを改めて強調しておきたいと思います。 第三に、地方税法の改正によって地方の自主的税財源が一層減少することであります。 来年度は恒久的減税の影響が三兆五千億円余に上ります。自主財源は減っており、地方分権に逆行するものと言わざるを得ません。地方交付税の不交付団体は九九年度にはついに百を切り八十六団体になってしまいました。地方の自主的税財源を拡充する方策なしに固定資産税の負担調整措置によって地方税収をさらに減収させることも場当たり的であり、納得できません。 以上述べました理由により、地方交付税法等の一部を改正する法律案、地方税法等の一部を改正する法律案の両案に反対であることを重ねて申し述べ、私の反対討論を終わります。
○木村仁君 私は、自由民主党・自由国民会議、公明党・改革クラブ及び自由党を代表して、政府提出の地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の両案に対し賛成の討論を行うものであります。 まず、地方税法等の一部を改正する法律案は、地方税負担の軽減及び合理化等を図るため、平成十二年度の固定資産税の評価がえに伴う土地に係る固定資産税及び都市計画税の税負担の調整措置、宅地等に係る不動産取得税の課税標準の特例措置等を講ずるほか、非課税等特別措置の整理合理化等を行うこととしております。 これらの改正は、最近における社会経済情勢、住民負担の現状等から見て、いずれも当面の課題に的確に対応するものであり、適切かつ妥当なものと考えます。 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案は、地方財政の収支が引き続き著しく不均衡な状態にあること等にかんがみ、地方交付税の総額の確保に資するため、平成十二年度分の地方交付税の総額について、一般会計から交付税特別会計への繰り入れ等の特例措置を講ずるとともに、所要の財源を措置するための単位費用の改正を行うほか、交付税の算定方法の簡明化の一環として一部の経費について新たに単位費用を設定することとしております。 これらの措置は、現在の経済情勢の動向、地方の財政状況等から見て地方財政の円滑な運営にとりまして適切かつ妥当であるとともに、地方分権の推進に資するものであると考えます。 以上のような理由により、両案に賛成の意を表するものであります。 政府におかれましては、地方分権の進展に応じて地方団体が自主的、自立的な行財政運営が行われるよう、地方税財源の充実確保を図ることを強く希望するものであります。 以上で政府提出の両案に対する私の賛成討論を終わります。
○市田忠義君 私は、日本共産党を代表して、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案について反対の討論を行います。 まず、地方税法等の一部を改正する法律案についてであります。 本法案の最大の改正点は固定資産税に関するものであります。 バブル崩壊後地価が下がり続けているにもかかわらず固定資産税が上がることは納得できないというのが納税者の率直な意見であります。今回の改定でも小規模住宅地で九五%、商業地等でも八三%の固定資産税が据え置きまたは値上がりとなっており、固定資産税を下げてほしいという国民の声にこたえるものとはなっていません。こうした問題の根本的な解決のためには、いわゆる七割評価の見直しなどが必要であります。 本法案はまた、多極分散型国土形成促進法に規定する特別土地保有税の非課税措置の要件の緩和など、大企業などへの優遇税制を延長、拡大するとともに、一部の高額所得者や大企業には減税となる九九年度税制改正を継続していることも問題であります。こうした結果、地方財政危機に一層の拍車をかけている点も容認することはできません。大企業、高額所得者優遇の不公平税制の是正を直ちに行うべきであります。 なお、法案には、個人住民税の非課税限度額の引き上げなど、個々には賛成できる内容も含まれていることを申し添えておきます。 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案についてであります。 二〇〇〇年度の地方財政は、通常収支の不足分で九兆八千六百七十三億円、恒久的減税の影響分で三兆五千二十六億円、合わせて十三兆三千六百九十九億円という、法定五税に係る交付税額をも上回る過去最高の巨大な財源不足が生じます。これが地方交付税法第六条の三第二項に該当する事態であることは言うに及ばず、交付税制度そのものの存立基盤を揺るがす事態ともなっています。 それにもかかわらず、政府のとろうとしている措置は、財源不足を国と地方が折半して負担するという二年前からの財源不足の補てん方法をそのまま踏襲しているにすぎません。その結果、財源不足額の六割が地方負担とされているのであります。 国の経済運営の失敗や国税の減税による影響分を地方に押しつけることは許されません。地方行財政の確立に向けて、国、地方の税財源の再配分などを直ちに行うべきであります。 また、本法案には合併特例債償還費を新たに明記していますが、これは交付税を特定の目的に利用するものであり、容認できません。既にとられている人口四千人未満の町村への交付税の配分の削減とあわせ、市町村合併を上から一層推し進めようとするものであり、見過ごすことはできません。 以上の反対理由を述べて、討論といたします。
○照屋寛徳君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案に対し反対の立場から討論を行います。 底なしの警察不祥事や自衛隊幹部らによる違法射撃事件とそれらの組織的隠ぺい工作事件等が続発する中、歳出総額八十四兆九千八百七十一億円に上る過去最大規模の予算が去る三月十七日に成立いたしました。 成立した平成十二年度予算では、三十二兆六千一百億円を国債で補てんするという借金予算となっており、国債の発行残高は税収の七年半分、国と地方分を合わせた平成十二年度末の長期債務残高は六百四十七兆円に達する見通しであります。赤字国債の増発による財政出動を続けてきた小渕内閣の財政経済政策は破綻したと言わざるを得ません。 議題となりました二法案は、地方分権がいよいよ実行段階に入った現下の財政政策のあり方、地方財政と課税自主権のあり方などに関するものでありますが、深刻な地方財政の危機を解決する抜本的な制度改革や具体的な対策が示されておりません。 以下、具体的に反対の理由を申し上げます。 反対の第一の理由は、史上最高の地方財源不足と深刻な地方財政危機への対応であります。 通常収支の不足額九兆八千七百億円を含む地方財源不足額は十三兆三千七百億円に上り、史上最大となりました。深刻な地方財政危機の原因は小渕内閣の財政経済運営の失敗にあります。すなわち、累次の景気対策に伴う地方負担の増大、地方単独事業の拡大誘導等に起因するものであり、政府の責任は重大であります。 これらの地方財源不足の補てん措置は地方債増発と交付税特別会計の借入金が中心であり、地方自治体財政の借金体質、財政硬直化が一層促進されると言わざるを得ません。 反対の第二の理由は、地方分権の時代にふさわしい地方税制の抜本改革が行われていないことであります。 いよいよ来る四月一日から地方分権一括法が施行されますが、同法では税財源の国から地方への移譲は規定されておりません。深刻な地方財政危機に対処し、徹底した地方分権を推進していくためには、地方税の強化と税財源移譲の抜本的改革が不可欠であります。 しかるに、分権化と課税自主権の考え方に照らし、これらの対策が極めて不十分であります。平成十二年度の固定資産税の評価がえに伴う土地に係る固定資産税の税率設定や税負担の調整措置の改善も不十分であります。 以上、反対理由を述べましたが、社会民主党は、地方分権の実行段階にふさわしい地方への税財源の移譲による地方財政の改革を強く求めていくことを表明し、国の責任による抜本的な制度改革の必要性を訴え、討論を終わります。
○委員長(和田洋子君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 まず、地方税法等の一部を改正する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(和田洋子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 朝日さんから発言を求められておりますので、これを許します。朝日俊弘さん。
○朝日俊弘君 私は、ただいま可決されました地方税法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、民主党・新緑風会、公明党・改革クラブ、社会民主党・護憲連合、自由党及び参議院の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 地方税法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、地方団体の行政需要の増大、引き続く厳しい地方財政の状況等にかんがみ、左記の事項についてその実現に努めるべきである。 一、地方税は地方団体の重要な自主財源であることにかんがみ、地方分権の進展に応じ、地方団体がより自主的かつ自立的な行財政運営を行えるよう、地方における歳出規模と地方税収入との乖離を縮小する観点から、課税自主権を尊重しつつ、国と地方の税源配分の在り方を見直し、地方税源の充実確保を図ること。 二、法人事業税への外形標準課税の導入については、応益課税としての税の性格の明確化、税負担の公平性の確保及び地方分権を支える安定的な地方税源の確保等の観点から、景気の動向、中小法人の取扱い及び急激な税負担の変動等にも配慮しつつ、早期に全国一律導入の実現を図ること。 三、固定資産税は、我が国の資産課税の根幹であり、自主財源としての市町村税の基幹税目であることを踏まえ制度の整備充実を図ること。また、平成十二年度の固定資産税の評価替えに伴う土地に係る固定資産税及び都市計画税の税負担の調整措置について、納税者の理解が得られるよう周知徹底を図ること。 四、税制の簡素化、税負担の公平化を図るため、非課税等特別措置について引き続き見直しを行い、一層の整理合理化等を推進すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(和田洋子君) ただいま朝日さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(和田洋子君) 多数と認めます。よって、朝日さん提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、保利自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。保利自治大臣。
○国務大臣(保利耕輔君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重し善処してまいりたいと存じます。
○委員長(和田洋子君) 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(和田洋子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(和田洋子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(和田洋子君) 地方行財政、選挙、消防、警察、交通安全及び海上保安等に関する調査を議題といたします。 朝日さんから発言を求められておりますので、これを許します。朝日俊弘さん。
○朝日俊弘君 私は、自由民主党・自由国民会議、民主党・新緑風会、公明党・改革クラブ、社会民主党・護憲連合、自由党及び参議院の会の各派共同提案による地方財政の拡充強化に関する決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 地方財政の拡充強化に関する決議(案) 現下の極めて厳しい地方財政の状況及び実行の段階を迎えた地方分権の推進にかんがみ、地方財政の中長期的な安定と発展を図り、地方団体が自主的・主体的な諸施策を着実に推進できるよう、政府は左記の事項について措置すべきである。 一、累増する巨額の借入金残高が、諸施策の実施を制約するなど地方団体の財政運営を圧迫することが強く懸念されることにかんがみ、地方の一般財源の拡充強化に努め、その財政体質の健全化を図ること。 特に、分権改革の一段の進展を図り、地方団体の自主性・自立性を高めるため、課税自主権を尊重しつつ、税源の偏在性が少なく税収の安定性を備えた税体系を早急に構築し、地方税の拡充強化に努めること。 二、地方交付税総額の中長期的安定確保のため、地方交付税法第六条の三第二項の規定に則り、財源不足を解消するための抜本的な方策を講ずること。また、国の一般会計を通すことなく、国税収納金整理資金から直接、交付税及び譲与税配付金特別会計に繰り入れる制度を検討すること。 三、地方団体が、社会経済情勢の変化、地方分権の進展及び増大する行政需要に的確に対応するため、自主的な市町村合併や広域行政など行政体制の整備や、自主的かつ計画的な行財政改革の一層の推進を行うよう支援すること。 四、少子・高齢社会に対応し、地域福祉の充実等に積極的に取り組むため、地方団体が行う社会福祉経費等の一層の充実を図ること。 特に、平成十二年度から実施される介護保険制度については、円滑な制度実施と安定的な財政運営が確保されるよう、地方団体の意見を尊重しつつ、実施状況に的確に対応した適切かつ十分な財政措置を講ずること。 五、地方行財政の自主性・自立性を高めるため、国庫補助負担金については一般財源化を含め一層の整理合理化を進めること。なお、整理合理化に当たっては、その内容、規模等を考慮しつつ、地方への負担転嫁とならないよう、地方税、地方交付税等一般財源の適切な確保を図ること。また、今後とも、統合補助金の拡充を図るとともに、国の関与を最小限とし、地方団体の裁量的な施行を可能とするための方策を検討すること。 六、財政の対応力が低下している地方団体の公債費負担の軽減を図るため、引き続き適切な措置を講ずること。 七、地方分権推進法の期限が本年七月に到来することにかんがみ、地方分権推進委員会の存続を含め、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の拡充強化等地方分権の更なる進展を図るための体制整備について速やかに検討すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(和田洋子君) ただいまの朝日さん提出の決議案の採決を行います。 本決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(和田洋子君) 多数と認めます。よって、本決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、保利自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。保利自治大臣。
○国務大臣(保利耕輔君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を尊重し善処してまいりたいと存じます。
○委員長(和田洋子君) 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十分散会