国民福祉委員会 第22号
- 発言数
- 218 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2000/05/23
会議録
○委員長(狩野安君) ただいまから国民福祉委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨二十二日、柳田稔君が委員を辞任され、その補欠として堀利和君が選任されました。 ─────────────
○委員長(狩野安君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(狩野安君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(狩野安君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(狩野安君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律案の審査のため、本日の委員会に内閣総理大臣官房参事官冨澤正夫君、厚生大臣官房障害保健福祉部長今田寛睦君、厚生省社会・援護局長炭谷茂君及び厚生省児童家庭局長真野章君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(狩野安君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(狩野安君) 次に、社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律案を議題といたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○今井澄君 おはようございます。民主党・新緑風会の今井澄でございます。 きょうは総論的なことについて少し質問させていただきたいと思います。 というのは、今度の社会福祉事業法等の改正案、なかなか具体的に姿が見えてこないんですね。一体我々が何を審議して、この法改正で何を我々が認めるのか認めないのかということについてなかなか見えてこない。そこで、全体像の中で今回、一体我々が何を今やっているのかということについて、大臣あるいは政務次官のお考えをお聞きしながらやっていきたいと思います。 その第一は、前回の質疑で入澤委員が、基礎構造改革とは何だ、基礎構造とはそもそも何なんだという、その辺がちょっとあいまいだと思うんですね。 厚生省はこういうパンフレットを、「社会福祉事業法等の一部改正(案)について」、そこに副題として「社会福祉基礎構造改革の推進」ということを表紙にもうたっているわけですし、またこの中を見ますと、「社会福祉基礎構造改革に係る検討経過」ということでずっと書いてあります。ただ、この検討経過の中で、後でもちょっと質疑の中で申し上げますが、例えば基礎構造改革にまつわる一番大事な問題としては、この四月一日から始まった介護保険法、実はこれはもう大々的なシステム及び基礎構造の改革だと思うんですが、そういうことについて余りこの経過では触れていない。単に今度の法律についてしか述べていない。次のページには「社会福祉基礎構造改革推進緊急アピール」という麗々しく一ページを使ってこういうものが、この貴重なパンフレットの中に一ページ出ているんです。 それでは、そもそも社会福祉基礎構造改革とは何ぞやということについて、大臣のお考えあるいは今度の法案を出した基本的な考え方についてお述べいただきたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) まず、今回の社会福祉制度でございますけれども、障害者の方々、高齢者の方々、さらに児童などの対象者ごとに委員御案内のようにそれぞれの、例えば身体障害者福祉法であるとか老人福祉法だとかそういうような法律が定められておるわけでございます。これらはあくまでも個別的な福祉分野の法律として規定されておるわけでございますけれども、今回の社会福祉事業法の改正を通じまして、個別の福祉分野にまたがります共通的な法律として社会福祉事業法がある、まずこのように位置づけておるわけでございます。 もう御案内のように、社会福祉事業法といたしましては、規制それから助成すべき事業の範囲の決定であるとか、さらに社会福祉事業を行うことを目的とする法人である社会福祉法人についての規定の整備、こういうことなどを内容といたしておるわけでございます。 委員が御質問になりましたいわゆる社会福祉基礎構造、これは御案内のように、このような社会福祉事業や社会福祉法人などそれぞれの福祉に関する法律の土台としてこういうものがある、こう認識をいたしておるわけでございますし、その意味するところは、すべての国民が人間らしく生活できるようにするための社会福祉に関する共通的な法整備である、このように考えているような次第でございます。
○今井澄君 そこのところが非常にあいまいだと思うんです。 今回のことについては、具体的なスタートは、平成九年八月二十八日に社会福祉事業等の在り方に関する検討会が設置されたところから始まって、そこで秋というか暮れには主要な論点が公表されて、そしてそれに基づいて、今度は中央社会福祉審議会社会福祉構造改革分科会というところで中間まとめが翌年六月に行われ、その中間まとめを公表した上で、いろいろな意見を聞いて、暮れに追加意見というのが出てきたわけですね。その中にも書いてあるわけですが、社会福祉の基礎構造というのは「社会福祉事業、社会福祉法人、福祉事務所など」と書いてあるわけです。それが福祉関係、福祉六法体制と言われる、六法だけではなくてそのほかにも幾つか法律があると思うんですが、それを支える基礎構造だというんですけれども、私はその定義自身が極めてあいまいで一面的と言えると思う。「など」の方に実は大事な問題も含まれている。 後でもお話ししますが、この社会福祉事業、例えばその中でも、児童福祉法でその対象者となっているのは、二百万人近くの保育園児がいるわけです。ところが、この保育園の保育事業というのは福祉事業なわけですけれども、それは今市町村との契約でやっているわけです、この前の改正で。そうすると、基礎構造としてそれを支えている事業団体あるいは責任団体、各種の団体としては行政、市町村というのはどうしてもあると思うんです。福祉事務所を通じて入所するわけじゃないでしょう。そうだとすると市町村もあるわけだと思うんです。 それから、本当に基礎構造というのだったら、NPOというのは今非常に大事な問題として登場してきているわけですね。介護保険だってそのことに期待している。あるいは農協だとか。そうだとすると、それを支える基礎構造としての事業体だとか責任主体、運営主体ということを各種の社会福祉事業を支える共通の基盤だとするならば、やはりそういうものもきちっと列挙しなければおかしいんですね。「福祉事務所など」ときているところが非常におかしい。 しかも、もう一つは「社会福祉法人、福祉事務所など」。「など」の中に市町村やNPOなどが入るとしても、そういう事業体というかいろいろな関係する団体、あるいは団体の規制なり法的な枠組みのほかに「社会福祉事業」という言葉が最初に来ているんですが、これが非常にあいまいなんですよ。社会福祉事業の中には一体何が入るのかということですね。 今度の法律を改正するに当たって、この社会福祉事業の中でも既にこの間、老人関係は介護保険法というので一つの独立した体系として、実は二十一世紀を切り開く大事なシステムとして、ある意味では模範的な、先導的なシステムとして今始まっているわけです。 そうなりますと、そういう点でもう一度、この社会福祉基礎構造改革とぼんとうたってありますけれども、一体何をイメージしようとしているのか。社会福祉事業という言葉が一方であり、一方に社会福祉法人、福祉事務所という事業体とかいろいろなそういう組織体が並んでいる。事業という抽象的なものと事業体とあわせて全体を基礎構造というのはどういう意味なのかについてもう一度ちょっとお尋ねしたい。
○政府参考人(炭谷茂君) 私ども、社会福祉の基礎構造改革ということに着目をいたしまして今回の改正の検討に入ったわけでございますけれども、その趣旨といたしましては、各個別法の基本にそれぞれ社会福祉共通の、例えば理念、行政組織、財政的な仕組み、それからいろいろな人を支えるマンパワー、または事業主体、そのようなものがあるわけでございます。 これまでの戦後の我が国の社会福祉の改正といいますか改革というのは、どうも保育所とか介護保険とかいうような上部、上にある各個別法の充実というものに意を注いでまいりましたので、本来はその共通的な仕組みというものについて、ともすれば後回しになって今日に来たんじゃないか。上のものと下のものとが相矛盾と言ってはなんですけれども、整合性がとれないという部分が生じてきているわけでございます。 そのような観点から、私ども、そのような各個別法にまたがる全般的な共通的なものについて、基礎構造ということで今回見直しの作業に入ったわけでございます。
○今井澄君 今のことでもちょっと大臣あいまいなんですよね。基礎構造というのが、そういうふうに言う意味では事業体とか個々の事業、あるいは事業を行っている施設というふうに考えれば、それは一つの基礎にあるものですね。それはそれでいいんですけれども、社会福祉事業というと、そのあり方、いわゆるこの中で大きな流れというのは措置制度から利用制度へということだと思うんです。それはある意味で仕組みなんですね。この仕組みと基礎構造という構造との関係については、これは大臣、どういうふうにとらえたらいいんでしょうね。 別に私は反対とかなんかそういう意味じゃなくて、少し論点を整理しないと非常に見えにくいと思うものですからその点を考えるんですが、この際、基礎構造改革ということについてはそういうシステム、例えば典型的なのが措置制度から利用制度へ、そのことは基礎構造の上部構造である、基礎構造というのはむしろ個々の事業であり、その事業体である、こういうふうにとらえてよろしいんですか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 社会保障の給付サービスそのものが御案内のように大きく変化してきている中におきまして、いわゆる福祉構造の構造そのものも、あり方も当然変化をしてこざるを得ない、こういうことでございますが、この福祉構造の本質の問題と、今、委員が御指摘になりましたような、いわゆるこれまでの措置制度と選択、それから契約という違いをすべて否定するわけにもいかないし、かといってそういう流れをくみながら今回の構造の理念というものを私どもはつくり上げることができたと考えているような次第でございます。 率直に申し上げて、例えば介護保険などは社会福祉事業法よりも先に先取りする形でやっておりまして、どちらかというと、追認という言葉が適当かどうかわかりませんけれども、追認的な要素がなきにしもあらずということを率直に認めざるを得ないわけでございます。基本的な流れといたしましては、今申し上げたような中においてきちんと社会福祉構造の根っこの部分をもう一度見直していきましょう、こういうふうに考えておるような次第であります。
○今井澄君 根っこという表現になりますと、根っこというのは非常に大事なものであると。それがすべての始まりだということになるので、私はどうもそうじゃないんじゃないかというふうに、先ほどの局長のお話やいろいろ見ても思うんです。 そもそも、社会福祉についてはいわゆる措置制度ということで、一部の気の毒な人がいるからそれはもう本人の希望の有無にかかわらず、これは行政の責任として、あるいは政府の責任、政治の責任として面倒を見てあげましょうということで戦後やってきたんだけれども、そういう時代ではなくなってきたということで、国民であればどなたでもこういうサービスを利用したいと申し出ていただければその人が利用できるような仕組みをつくっていこうというふうな考え方がこの間の大きな流れだと思うんですね。 これは大臣とかつて一緒にやらせていただきました介護保険制度をつくってくる過程ですが、あれはそもそも一九九四年、堂本さんなんかも一緒でしたが、あのとき樋口恵子さんとか岡本祐三さんとか山口昇さんとかああいう人たち、それから大森彌さんが座長でしたか、高齢者介護・自立支援システム研究会というのが厚生省にできてその報告が出されて、それを与党福祉プロジェクトで検討して、その中に措置から利用主義へという理念がまずぼんと出てきたわけですね。これはある意味で非常に大きな考え方の転換。 それに前後して、大臣も多分委員をやっておられたと思うんですけれども、私も社会保障制度審議会の委員をやって、隅谷会長のもとで二十五年ぶりの勧告を出した。それは、社会保障というのはこれから大きく転換しなきゃいけないということで、いわゆる利用主義的な、だれでもが選択できる、そしてその前提には自立があるという考え方で転換してきたのがこの間の数年というか、六、七年だったと思うんです。 だから、私は、どうも基礎構造改革といいますと仕組み、あり方の改革であるのかなというふうに思って今度のこの法改正のことにも取り組んだわけです。ところが、そうじゃないと。いろいろな各法があると。それを基礎に、基礎にというかその下を支えているのが実は根っこではなくて、それを実際にやっている施設だとか事業だとか主体だとかというものが、社会福祉法人があったり福祉事務所で扱っていたりというふうなことなんだというふうに私は理解しなければいけないのかなと最近思ってきて、そうだとすると、根っこというよりは、そこから何かが生えてくるというんじゃなくて、むしろそのシステム全体を具体的に実施していく仕組みといいますか、そういうものが基礎構造なのかなと、こういうふうに理解したわけです。 そうしますと、私は、できればこの審議が終わるまでの間に、何かもう少しわかりやすく基礎構造とは何なのかと。だから社会福祉事業というときには、例えばこれは各種のこういう事業がありますと。それは端的に言えば非常に縦割りなんですね。社会福祉の事業をやっている施設だけでも厚生省から資料をいただいているように何十種類とあるんですね。何とか通所授産施設とか、何とか入所施設とか、何とか保護施設とか。これが全部縦割りなんですね。精神障害と知的障害と身体障害、全部縦割り。そういうのをやっぱり統合した方がいいんじゃないか。複合化した方がいいんじゃないか。これも場合によっては基礎構造の改革なんじゃないですか、今言っている基礎構造という意味では。 あるいはさっき言いましたように社会福祉法人、福祉事務所のほかに市町村そのもの、それからNPO、そういったものもそれの基礎を支えているものだとすると、その辺ちょっと整理して一度お示しいただいた方がいいのかなというふうに思っております。 ところで、そういうふうに理解しながら進めようとすると、またまたこの間のこの検討会や審議会の分科会の中の表現で気になることが出てくるんですね。社会福祉というのは一体何かということをどう定義しているのか。 そうすると、端的に言うと社会福祉というのは、かつては一部の気の毒な人、特に戦後始まった段階では戦争の被害者ですね、浮浪児、孤児、それから戦争による身体障害者、そういうふうな人ですね。そういう人たちを対象として、とにかくこれは国の責任でやるんだということから始めて、一般のすべての国民のためのとなってきたとすると、そこに社会福祉というか社会保障のそういう普遍化というのが一方にあると思うんです。 しかし、この主要な論点の中にはこういう記述もあるんですね。個人の自己責任にゆだねることが適当でない生活上の問題に関して、社会連帯の考え方に立った支援を行うことにより自己実現と社会的公正の確保を図ると。すると、そういうふうに社会福祉なり社会保障なりの概念が広く転換してきた一方で、ここに書いてあることは、個人の自己責任にゆだねることができない。やっぱり国なり公の立場で支援しないとやっていけない人たちがいるんだから、その人のためにはやはり手厚くやらなければいけないですよと、これは書いてあるんですね。 そうしますと、今度のこの法改正は、基礎構造の改革とか措置制度から利用制度への転換と一方で大きな旗を掲げながら、今回はそのうちの一部、そうはいっても自己責任でできない人たちの部分について改革するんですよと、何かそういうことなのかなと。事実そうなんじゃないかと思うんです。その辺、どうなんでしょうか、今回の改革と大きな流れの変化について。
○国務大臣(丹羽雄哉君) まず、基本的な認識でございますが、委員が御指摘のように、現在の社会福祉制度というのは、戦後の復興期におきまして、貧困者であるとかそれから身体障害者であるとか、適当な言葉かどうかわかりませんけれどもいわゆる戦災孤児、こういう方などを対象にいたしまして行政の方から画一的な形での給付サービスが行われてきた。しかし、昭和三十年代から我が国において、大変豊かになってまいりまして、例えば年金にしろ医療にいたしましても、特定の限られた方々から国民全般を対象にするような社会保障制度というものに変質をしてきていることは紛れもない事実でございます。 そういう中において、特に今回四月にスタートいたしました介護保険でこれを先取りする形でこの理念というものをとらさせていただいておるわけでございますけれども、あくまでも福祉サービスというのは恩恵的な施しではなくて利用者と事業者というものが対等な立場の中で提供されるべきものである、まずこういうような認識に立って今後の社会福祉のあり方というものを変えていこうではないかというのが今回の社会福祉事業法の問題でございます。 ただ、このような状況に対応して、国民全体を対象といたしまして、個人がそれぞれ人としての尊厳を持たなければならないわけでございますが、委員の御指摘のように、率直に申し上げて、そういうような中である意味において制度そのものについてこれない人もいるんじゃないか、こういうところがまさにあるわけでございます。 そこで、私どもといたしましては、いわゆる措置的なサービスといいますか公的サービスというものがそれによって減退することがあってはならない、こういう考え方に立ちまして、基本は今申し上げたような流れの中でございますけれども、障害者の方々などにそれによってこれまでの公的サービスというものが低下してはならないというものについては、私どもは今までと同様に、それ以上にこういうものをきちんと保障していきましょう、こういうふうな認識に立って進めておる、このように御理解をいただければ幸いと思っています。
○今井澄君 どうも私もそういうことじゃないかと思うんです。非常に大きな全体の設計図を描く、例えば大きな船の設計図を描くんだけれども、実はその船に乗る人の一部がとりあえず川を渡るための小さな船を現実には建造するのが今回の法改正なんだと、そういうふうに理解するのが一番わかりやすいような気がするんです。大きな設計図の説明を受けそのことばかり見ていると、今度の法改正の内容がよくわからないという感じがするんですね。 それで、きょう配らせていただきました資料、これは調査室の方でまとめていただいた厚生省の資料です。施設の種類だけでも四、五十種類ありますけれども、それを上の方から総数、保護施設、老人福祉施設、身体障害者の施設、婦人保護施設、児童福祉施設、知的障害者、それから母子福祉、精神障害者、一番下にその他の社会福祉施設、そういうふうに全部並べてあるわけです。 一番上を見ますと、総数としては、施設数は何と六万六千近くある、そこに入っているなり通っているなり利用している人は約二百七十万人いると。こういう今の社会福祉の実際の事業展開という中で措置制度から利用制度への転換を図っていこうという今回の法改正があるということなんです。 そういうふうに大きく構えた中で、例えば上から二番目の老人福祉施設、一万九千余りで三十八万人。これは介護保険制度で別にもう動き出しているわけです。だから、少なくとも今度の法改正の対象にはならないわけですね。それからずっと来て、真ん中ぐらいの児童福祉施設の中に通所施設として括弧書きで保育所とありますが、保育所が二万二千余りあって、そこに通っている人が百九十万人余りということになりますし、ずっと下の精神障害者社会復帰施設は、今回は精神障害者の問題はほとんど触れられていないわけで、ここに通っているのは八千人。そういうことを引いていきますと、全体の二百七十万人ぐらいの中から介護保険の対象者として別にもう動き始めている三十八万人、保育園の百九十万人、それから精神障害者関係八千人を引くと約四十一万人。 だから、大きく構えたけれども、今回はとりあえずその四十一万人、施設あるいは事業所にすると幾つでしょうか、そういうものについて部分的に手をつけますよということじゃないかと理解しております。 しかも、その中には、四十一万と申しましたけれども、相変わらず措置制度として残っているものもあるんです。例えば、老人でも養護老人ホームは措置制度の中に残っているんです。今度の法改正では関係ないわけですね。それから、特に児童福祉法関係の乳児院とかこういうものも今度の法改正には全く関係ない。利用制度にならないで措置制度のまま残るわけですね。 そうすると、先ほどちょっと御質問した福祉の定義は何かということですけれども、今回は措置制度から利用制度へという大きな設計図の中で、しかしそうはいってもなかなかそれだけではやっていけない人もあるので措置制度のまま残すところもあるけれども、部分的に利用主義に行けるところは行ったらどうだろうというのが今回の法改正の対象だと、こういうふうに理解していいですか。 そうすると、二、三十万人、施設にすれば二、三十か三、四十、こんなところかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) ほぼ同じ認識に立つものでございますが、先ほど申し上げましたように、基本的にはこれまでの措置制度から、繰り返しになって恐縮でございますけれども選択利用制度と。そういう中において、よりよい福祉のサービスの充実を図っていくんだと。しかし、そうはいっても、今、委員も御指摘のあったように、その船に乗り切れない部分があるんじゃないかと。今後、そういう方々であるとか、そういうような面がどういうふうにこれから変化してくるかということも十分に見きわめなければならないわけでございます。 そういうものがきちんと担保、保障された上でこういった方に移行していくということが、利用者のためにも、そしてそういう立場に立っていらっしゃる方々のためにも最も適切である、私どもはこういう観点に立つものでございまして、特例という言葉が適当かどうかわかりませんけれども、あくまでも利用者本位の立場に立った上でのこのような措置をとらせていただいた、このように御理解を賜りたいと思っております。
○今井澄君 厚生省の方に、現在の施設に着目をして社会福祉事業の施設は一体どのぐらい種別があるのかということをお聞きしましたところ、二ページにわたる表をいただいたわけです。これまた後で資料要求という形で出させていただきたいと今思っているんですが、この中で措置制度で残るもの、それから既にもう介護保険で外れちゃったもの、結局今回対象になるのはどういう施設か、それを利用しているのはどのぐらいの人かというふうなこと、これについてもうちょっとはっきりさせていただいた方が議論がしやすいと思うので、お願いをしたいと思います。 そこで、そういうふうに大きな図面を描きながら、実はとりあえずは小さなものをつくる、改正するということがこの構造なんだろうと思いますけれども、やはり基本的な改革の方向はということで、主要な論点とか中間まとめとかでまとめられているものの中では、先ほどから大臣お話しのように、主要な論点では六点にまとめられております。それから中間まとめでは七点にまとめられております。 その中では、一つは、利用する者とサービスを提供する者が対等な関係に立つんだとか、ばらばらではなく総合的に支援するんだとか、そのサービスの質が問題になるし効率性も高めなければならないとか、それからサービスの事業者が今は特定の限られたところ、社会福祉法人とかですが、参入を促進するんだとか透明性を確保する、情報公開ですね、それからもう一つは福祉文化、地域でそういう活動を総合的に展開することで支え合う心を含めて福祉文化を形成するんだとか、こういうことが改革の方向として出ていますし、主要な論点の方では、それを市場原理の活用ということでまとめているんですね。 ところが、それが中間まとめになりますと、今の六点のほかにもう一つ、利用者の負担の問題というのがもう一項目起こされて出てくる。主要な論点、最初に出た検討会の方のものをもう一度ひっくり返して見てみるとおもしろいんですが、六つの論点にまとめた後に生活保護制度のあり方の検討ということが独立した項目じゃなくて付記事項として書いてあるんですね。 そうしますと、やっぱりどうしてもここのところには、さっき引用しましたように、幾ら措置制度から利用制度に行くといっても、自己責任でやってくださいといっても、なかなかそうできない人がいるんだからそこのところは丁寧にやらなければなりませんよという問題意識を一方で持ちながら、基本的な改革の方向は市場原理の導入ですという、この間の矛盾というのがずっと解決されないままにこの検討会でも審議会の分科会でも来ているし、今度出された法案の中でもそのことが解決されていない。実はこれが非常に問題だと思うんです。 というのは、例えば審議会の分科会で平成十年六月十七日に「社会福祉基礎構造改革について(中間まとめ)」を出した。ところが、その後十二月に、今度は追加意見というのを出している。これは別に異例というわけではありませんけれども、非常に今回の改正案に特徴的なことだと思うんですよ。 現に、その間、追加意見を発表するまでに何をやられたかというと、厚生省が中心になって各種団体のヒアリングをやられたわけですね。これは、事業者団体だけじゃなくて障害者の各種団体のヒアリングを丁寧にやられた。そして、その結果追加意見というのが出てきたわけです。この追加意見に出ている一番特徴的なことは何かというと、公的責任が後退するんじゃないかと。市場原理の導入だとか自己責任だとか対等の関係、利用主義なんて言いながら、公的責任が後退する、負担もふえるんじゃないか、この心配があるから、中間まとめの後、そういう作業をとって追加意見としてその点で出したんだと思うんですね。 今この改正に伴って一番問題になっているのは、公的責任それから負担の問題だと思うんですが、大臣、いかがですか。その辺が一番みんなが心配しているところだと。
○国務大臣(丹羽雄哉君) まず、前段の市場原理の問題にちょっと触れさせていただきますが、これはあくまでも、委員も十分に御承知のことと存じますけれども、利用者と事業者との対等な関係に立つ市場原理、こういうもとでございますので、当然のことながら利用者のみずからの選択によってよりよいサービスを利用する、こういうことで事業者間におきます適正な競争が行われる、こういうことによりまして質のサービスが確保される、こう考えておるわけでございます。 また、こういったものを、先ほど来御心配なさっていらっしゃるような、例えば障害であるとか老齢であるとかこういった方々の、ハンディを背負っている方々に対する必要なサービスについても、権利擁護制度であるとか、それからいわゆるサービスを必要とする障害者の方がやむを得ない事情によって契約によるサービス利用ができないような場合に備えて措置制度もセーフティーネットとして残しておる、こういうことを申し上げたわけでございます。 そこで問題は、いわゆる今回の改正によりまして公的責任が縮小するのではないか、こういうような御懸念でございますけれども、これまではどちらかといいますとむしろ国、地方自治体というものの責任というものを今回の法改正を通じてさらに明確にいたしておるわけでございます。 今回の改正におきましては、国及び地方公共団体は、まず一つは、福祉サービス提供体制の確立の確保、つまり、これはある意味でいうと基盤整備でございます。それからもう一つは、福祉サービスの適切な利用の推進、まさに利用者のことを十分に配慮してやりなさいよ、こういうことでございます。こういったような施策を行わなければならない責務があるということを、法文上、現行法よりもむしろ明確に今回の法改正によって明記させていただいておる、こういうことでございますので、これによって委員が御懸念のいわゆる公的責任が縮小したり後退するということはありませんし、また現にそういうことがあってはならない、こう考えているわけでございますし、先ほどから申し上げておりますように、いわゆるサービス提供のための公費水準については、現行の水準から後退がないように予算措置も十分に講じておる、こういうところでございます。 〔委員長退席、理事山崎正昭君着席〕
○今井澄君 いや、実はそこのところなんですね。今そういう御答弁があったわけですが、これはまた後で堀委員や、引き続いてまたいろいろ我が会派の方からも御質問を具体的にさせていただくことになると思います。 その公的責任の問題ですけれども、同僚の佐藤委員が本会議で質疑を行ったときに、公的責任が後退してしまうのではないかという不安、疑念もあります、それからまた、利用者負担のあり方についても伺いますということで、それからさらに障害者の所得保障の問題についてもお聞きをしているんですね。ところが、それに対する大臣の御答弁は、例えば公的責任のところに対する答弁はこういうふうに答弁されているんです。国及び地方公共団体は、福祉サービスの提供体制の確保などに関する施策を行わなければならない責務がある旨明らかにいたしておるところでございます。 今、大臣が引用された、今度改正される、社会福祉事業法が社会福祉法になるわけですが、その第六条に確かにそういうふうに書いてあります。それを大臣は引用されたと思うんですが、実はここで非常に大事なことは、本当に利用者にとってよくなるということは、まず選べるだけのサービスがたくさんあるということですね。いわゆる基盤整備。これはもう介護保険法でも一番問題になったのは基盤整備。これについての国の責任のことは六条にも書かれておりますし、大臣の今の御答弁にもありましたし、それから本会議での御答弁にもあったんです。 ところが、もう一つ利用者が心配しているのは、お金はどうなるのと。今度はうんと自己負担が取られるんじゃないだろうかというところを心配しておられるわけですよ。そうしますと、今、大臣は財政措置もするというお答えがありましたけれども、そこが実は当面利用者にとっても一番心配なところで、多分国民福祉委員会の先生方のところには毎日ファクスが入ってくると思いますけれども、そのファクスが入ってくるのもそこのところにあるんですよ、公的責任を逃げていくんじゃないかと。 だから、基盤整備のことはわかりました。条文にも書いてある、大臣の本会議の答弁でもきょうの御答弁でもあった。しかし、財政的なことは本会議の答弁にはないんですよ。負担の問題については従来どおり応能負担がということなんですが、果たしてそれで確かなんでしょうか。 また、この第六条には財政的なことが書いていないんですよ。この第六条以外に、国、地方自治体の責務で財政的あるいは経済的に社会福祉の推進のために例えば予算を確保するように努めなければならないとか、そういう条文はありますか。私はないように思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(炭谷茂君) ただいま先生のおっしゃいました、どのような場合に支援費を支給するかという要素についてはいろいろと書いてございますけれども、多分先生の御質問の自己負担の割合とかというような規定は設けておりません。
○今井澄君 そうしますと、やっぱり皆さんが心配するのはわかるんですね、この法律を見ましても。 施設整備については国、地方自治体は責任がありますよ、頑張らなければなりませんよと。だけれども、そのお金の問題ですね。だって、現に先ほども、くどいようですけれども、読み上げましたこの検討会の中にもある、個人の自己責任にゆだねることが適当でない生活上の問題に関して社会連帯の考え方に立った支援を行うことにより自己実現と社会的公正の確保を図るというのが一つ今回の改正の目玉というか主眼でもあるとすれば、これは公的責任において、とりあえず措置費は減らさない、支援費と名前が変わるけれども今までと同じ財政措置をするというわけですから、そのことがどこか法律の条文にないと、施設整備のことだけでお金のことは書いていないとなると、これはやっぱり利用者の皆さんが不安に思うのは当たり前じゃないですか。どうでしょう、大臣、そこのところはどうなんですか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 当然のことながら、現行水準を維持し堅持していく、こういうふうに御理解を賜りたいと思っております。
○今井澄君 現行水準を維持するという、これは大臣の責任ある答弁だと思いますので、大臣がかわってもこれはそうだと思うんですが、しかし施設整備のことはちゃんと法律に書いてある、第六条。ところが、財政措置のことについては法律には書いていないとなると、これはやっぱり差があるな、いずれ取られるんじゃないだろうかな、こう思うわけですよ。 しかももう一つは、介護保険制度という制度がもうスタートしているわけです。あれは利用料の自己負担だけじゃないです、保険料も負担するシステムになっているんですね。そして、この改革のスタートは、やっぱりあの老人福祉制度を改革しようというところから始まったと思うんです。高齢者介護・自立支援システム研究会報告、片や社会保障制度審議会の勧告、そういうものに基づいて介護保険制度をつくった。今、喫緊でかつ最も大きな、児童福祉もありますけれども、お金もかかるし人数も多い老人福祉の問題を介護保険制度でスタートさせた。そうすると、今度の社会福祉基礎構造改革というと、やっぱり介護保険と同じようにいずれ保険方式になるんじゃないだろうか、自己負担だけじゃないんですよ、そういう不安というのは、不安かどうか、みんなそういう予感というか、そういうものを持ってくるんじゃないでしょうかね。 だから、ある事業は措置制度のまま残す、ある事業は今回利用制度に変えるけれども保険料は取りませんよ、利用料も別にこれまでと変わりませんよ、負担はふえませんよということでやっても、いずれそうなっていくんじゃないだろうかと思うのが常識だと思うんですが、大臣、その辺、基本的にはどういうお考えでしょうか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 障害者の福祉サービスの利用につきまして、今、委員の御指摘になった点でございますが、当然のことながら必要な改革というものは進めていかなければならないわけでございますけれども、例えば介護保険制度への移行を視野に入れるかどうかとか、こういったような問題につきましては、当然のことながら障害者の当事者の皆さん方や関係団体の皆さん方の十分な御理解をいただかなければ進めていくわけにはいかないわけでございますし、私どもとしては、今後とも障害者の方々が安心してサービスが利用できるような仕組みをする、こういう観点に立って進んで検討をしていく必要がある、このように考えているような次第でございます。
○今井澄君 もちろん利用者の方々、それと広く国民の意見を聞きながら納得できるような改革を徐々に進めていかなければならないと思うんですが、ただし改革の方向というのは、先ほどから何回も申し上げておるように、市場原理の導入だ、利用主義だということでもうそれはしかれちゃっているわけです。そうなりますと、あとはどの分野からどういうスピードでいくかという、そのことに関心が現実的にはもう来ているというのは事実なんだろうと思うんです。だから、それだけ心配も多いんですよ。 それだけに、今度の法改正は、多くのことを政省令事項に残したまま、あるいはどの事業は利用主義にするんだ、どの事業は措置制度に残すんだということが余り明確にならないまま基礎構造改革ということだけが、ぼんと理念だけが前に出ているから、余計見えにくいし不安をあおっているというのが問題だと思うんです、あるいは精神障害の問題はわきに置かれているということもありますし。そういうことで、私はもう一度これは整理し直さないと何か不安が出てくると思うんです。 そこで、実は私も基本的には、もしできるならば措置制度ではなく利用制度の方がいいと。介護保険が始まってわずか一カ月ちょっとですけれども、この中で既にそういう意味での成果、権利性の意識とか、これは苦情の申し立てという形でもう現実にあらわれているわけです。それからもう一つ、地方分権ということで非常に地方がやる気になっているという意味では、非常に大きな成果が上がっているという意味ではこの福祉の今回の改正も、かつての福祉六法の改正に続き、事業を拡大しそれの総合化を図ると同時に地方分権を進める、またその中での権利性もはっきりさせていくことは基本的にいいことだと思うんです。 しかし、例えばこの前、高額所得者の番付が発表になりました。あの中に乙武さんの名前があったわけですね。非常にすばらしいことだと思うんです。障害を持っていても頑張る、頑張れるということで非常に大きな希望を与えてくれて、高額所得者の名簿にまで名前が出ると。そういう方はやっぱり頑張ってもらいたいし、そういう方が頑張れるような環境を整備するのが我々の役目でもあると同時に、しかし一方で、先ほどから何回も引用している、そうはいってもできない人もいますねという、そこが問題なんですね。 障害者の所得保障をどう考えるか。基盤さえ整備すれば、競争社会の中でどんどん競争して頑張って収入も得られるという人もいる一方、なかなかそういう条件を整備しても必ずしもそういうところまでいかないという方たちがいるわけです。知的障害者の皆さんがすべてそうだとは私は申し上げませんし、知的障害者でも芸術家として有名な方とかいろいろいるわけですから一概には言えませんけれども、私も長年地元の知的障害者やそういう人たちとのおつき合いを医者としてもやってくる中で、これまではそういう方たちの所得の問題でも生活上の問題でも施設に預けながら全部親が最終責任を負っていたわけです。 今、何が問題かと。親亡き後の心配というのがこの方たちの最大の心配になっているわけです。そうしますと、親亡き後の何かといったら、一つは施設とかそういうものと同時に、所得保障なんだと思うんですよ。 そうしますと、障害者について、その生活の実態あるいは家計の実態、あるいは労働、社会参加の実態等を丁寧に調べて、どういう障害種別で、どういう人たちが、どういう条件を与えれば自立ができていくのか、あるいは条件を与えてもなかなか自立できない、収入を得られない。そういうふうなことについての実態調査というのをきちっとやった上で、どういうところに手を差し伸べる人々がいるのかということを明らかにしなきゃいけないと思うんです。 これは、この前、年金のときでもいつでも、私はこの三年間ほとんどこの委員会でいつも言い続けているんですが、今、手を差し伸べなければならない低所得者の定義というのは全く形式的で古いんですよ、住民税非課税世帯とか住民税非課税個人とか、老齢福祉年金受給者とか障害年金受給者とか。そういう過去にずっとできた古い制度の中で認定された人や、そういう種別に入る人だけに支援をするというんじゃなくて、こういうふうに新しい改革を新しい時代に向かって踏み出そうとする以上はきちっと実態調査をして、本当にその人たちの所得は環境さえ整備すれば自分たちで獲得できるのか、それとも公的に助け合いの精神で支援しなければいけないのか、そこまで含めて社会福祉施策・事業を展開しなきゃいけないのか。 そういう意味でどうしても、介護保険のときには私どもは低所得者の新しい概念、実態、そういうことを調査してやるべきだというふうに申し上げたんですが、その辺はどうでしょうね、今度の社会福祉事業法等の改正をするに当たって、きちっと厚生省としてもその辺、実態調査や新しい考え方、そういうことを打ち立てる必要があるんじゃないかと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○政務次官(大野由利子君) 今回の改正によりまして新たに支援費支給制度というものが導入されることになりまして、公費によりサービスの提供は行うわけでございますが、従来の措置制度と同様、利用者の所得に応じた応能負担によって利用者の負担を求めているわけでございますので、個々の障害者の方々の支援費の額を決定するに当たりまして、市町村がサービスを利用する障害者本人、それから生計を同一にする方の扶養義務者の所得の状況については調査をしてその上で支援費の額を決定する、こういうふうなシステムになっております。 なお、一般的に障害者についての生活実態や家計実態につきましては、厚生省において身体障害者の方また知的障害を持っている方々については五年に一回ずつ実態調査の中で、サンプル調査でございますが、やっております。その結果については今後とも障害者保健福祉施策の推進の中で生かしてまいりたいと思いますし、身体障害者の方の実態調査は次は明年、来年行うことになっておりますし、また知的障害を持っていらっしゃる方につきましてはことし実態調査を行う、こういう予定でございます。 調査項目の中身等々につきましては、団体の方々の御意見をしっかり踏まえながら、この調査項目の内容については今後さらに検討をしてまいりたい、このように思っております。
○今井澄君 そういう点は比較的きめ細かに社会・援護局の方では行われているのかもしれないなということを、あるいは障害保健福祉部で行っているのかもしれないなという御回答をいただいたわけですが、実は介護保険のときも、保険料をいただく、利用料をいただく、それをどう減免するかというときの低所得者のことを随分しつこく私は申し上げたと思うんですが、老人保健福祉局でも何人かの専門家に相談を始めたという御回答をいただいたんです。 社会・援護局あるいは障害保健福祉部の方でそういうふうな実態をきちっと把握して、本当に手を差し伸べるべき人は、自己負担をいただけない人はどこに、どういうふうにしているのかという調査をされる、それはそれでいいと思うんですが、一方でまた、この障害認定というものが前提になっていると、障害認定から外れるような人、例えば難病、内部障害の人なんか、なかなかこの障害認定が難しいという面もありますね。 〔理事山崎正昭君退席、委員長着席〕 そうなってきますと、これは厚生省の中でのそれぞれの部局でなさるというよりも、これは厚生省全体として、やはりこの社会保障制度あるいは社会福祉の事業を展開していく上で厚生省、省を挙げて所得捕捉の問題とか低所得の問題とか、あるいは逆に今リバースモーゲージ、資産をどうするかということがあるんですが、やっぱりそういうことはきちっとやられないと、こういう政策の転換をしていく、自立と自己責任に基づいた利用主義にするというときにはどうしてもいけないと思うんですが、大臣、ひとつ省を挙げてそういうことに取り組んでいただくわけにはいかないでしょうか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) さまざまな問題を抱えておりますし、また個々のケースがございます。そういう中で、なかなか現実問題としてこういった問題についてどういうような切り口で進めていくかということは難しいことだと思いますが、委員の御提言は厳粛に受けとめさせていただきたい、こう考えております。
○今井澄君 そこで、実は最初の検討会の中にも生活保護制度のあり方を検討する必要があるという記述があるんですが、その後、余りにも大きな問題であるせいか時間が足りなかったせいか、生活保護制度については手がついていないわけですね、その改正問題。今回も生活保護法の一部は改正するにしても、生活保護法、保護制度そのものをどうするかということについては手がついていない。これが実は私は、今の所得保障の問題とか利用主義の問題、あるいは今後どういう事業についていつから介護保険制度的なものにしていくのか、これは実は介護保険の側からも問題があるわけです。 私ども民主党は、介護保険の今度の見直しのときには、六十五歳という年齢で切って、一号被保険者、二号被保険者というのはやめるべきだという考え方を今まとめつつあるんです。保険料を払った人はあまねく介護サービスは受ける権利があると、こういうふうにしていかなければ制度としての一貫性がないと思っているんですが、そうすると、障害者の中に介護保険制度を持ち込むことになるんですね、現にもう保険料は四十歳以上はいただいているわけですから。そこで、この生活保護制度についても見直さなきゃいけないと思うんです。 これは、日本の生活保護制度はある意味できちっとされているというか厳しくやられているというか、欧米諸国なんかを見ると、特にイギリスと比べると対象人数も使われているお金も十倍近く違うという事実があるわけです。日本の生活保護制度は、ある意味で厳格過ぎるという批判もあるし、ある意味では厳格に運営しているからモラルハザードを起こしていない、きっちり戦後ずっと破綻することなく行われてきたという見方もできるかもしれないんです。 私は、これはある意味で所得、資産の調査をしてきちっとやる生活保護制度があること自身は否定しません。だけれども、一時的に何らかの理由でどうしても収入がない、そのときに資産を売ってしまうと実はもう一度正常な生活に復帰できない、あるいは、補助を受けながら例えば車がどうしてもそのために必要なんだと、仕事をしたり生活する上で。そのときには車は売らなくてもいいとか、何かそういう生活保護制度の上にもう一段中間的な支援制度、一種の補助、扶助制度というのがある方が非常にこういう多様化した社会には弾力性を持ってやっていけるんじゃないかと思うんです。もう車も持っちゃいけないよ、家も持っちゃいけないよというか、持っていたら一切の補助はありませんよというふうなこういう分け方ではない、もう少し段階的な制度が必要なんだと思うんです。それが特にこの障害者の皆さんに対する福祉施策を推進していく上でどうしても関係してくるだろうと思うものですから、この生活保護制度の見直しはやっぱり緊急の課題だと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) まず、生活保護につきましては、憲法二十五条のすべての国民は健康で文化的な最低生活を保障する、こういうことに根拠としてなされておるわけでございます。それから、ただいま御審議を賜っております社会福祉事業は、いわゆる生活保護は所得的な意味合いのものであります。これはあくまでもサービスの利用と、こういう形でやっておるわけでございますので、その対象といいますか性格というものはやや異にするものではないか、こう考えておるような次第でございます。 生活保護でございますが、いろいろな御意見がございますが、給付費が年々増加いたしておりまして、今や一兆六千億円に達しておるわけでございます。そのうちの過半数が医療扶助と、こういう中におきまして、今後、社会経済情勢の変化やそのほか社会保障制度全体を見きわめながら、生活保護制度のあり方、生活保護はもう私から言うまでもなくそれぞれの地域によって異なるわけでございますし、ある地域においては認められるものがある地域においては認められないとか、さまざまな問題があるわけでございます。 非常に難しい問題でございますけれども、これについても当然のことながら生活保護のあり方そのものについて検討をする必要がある、このように考えておるような次第であります。
○今井澄君 今御説明のあった中で、憲法二十五条との関係でいえば、やっぱり生活保護資産調査をやるわけですから、家を持っていちゃいけないとか車を持っていちゃいけないとか、そうすると、憲法で言う健康で文化的な最低限度の生活は一体何なのかなということにもなりますので、そういう意味で二段階なりなんなりが必要なんじゃないかということを改めて申し上げたいと思います。 さて、次に堀委員の方に質問を譲りますが、いろいろきょうは総論的、抽象的なお話にほとんど終始したわけですが、最後にもう一つ、利用主義に転換する場合に一番大事なことはサービス量が十分あること、その質が担保されていることだと思うんです。先ほどの第六条のあれでもあったわけですが、国、地方公共団体の責務。 今、施設は必ずしも足りているとは言えない、あるいは逆に、必ずしも収容する必要のない施設という施設の性格も転換が進められていると思うんですが、今、厚生省の方として主として足りないと思われる施設、こういうことに力を入れていきたいと思っていることについて、ちょっと具体的なこと、政務次官の方でしょうか、お答えいただければありがたいと思います。
○政務次官(大野由利子君) 障害者の福祉サービスにつきまして、措置制度から利用制度に移行するに当たりましてサービスの基盤整備が大変大事だと。委員の御指摘のとおりであろう、このように思っております。 現在、厚生省は障害者プラン、平成十四年度の目標の達成に向けて一生懸命基盤整備を進めている状況でございまして、平成十年度においても身体障害者の療護施設のようにもう目標を突破している、こういうものもございますし、また身体障害者に対する相談支援事業のように平成十年度の予算に対してまだ六六%程度しか整備できていない、このようなものもございます。いずれにいたしましても、十四年度の目標の達成に向けて一生懸命努力をしてまいりたいと思います。 今後さらにプランの推進に当たりましては、障害のある方もない方も自立して地域で支え合って生活ができるようなノーマライゼーションの理念を踏まえまして、施設サービス、施設入所というよりもそれからさらに在宅生活への支援の充実という面に力点を置いていく必要があるだろう。 具体的に申し上げますと、これから障害者の方々の働く場である福祉工場とか授産施設などの整備、住まいであるグループホームも含めましてでございますが、それから住みなれた地域で障害者の方々が生活できるようにホームヘルプサービスとか各種の通所サービスの整備とか、それから先ほどちょっとおくれていると申しました、障害者の方々が身近な地域で福祉サービスや社会参加について相談できるようにする、こういう各種の相談事業、こうしたことにしっかり力を入れながら基盤整備に力を入れてまいりたい、このように思っております。
○今井澄君 ありがとうございました。
○堀利和君 ただいまの審議を聞いておりまして、本改正に当たっては大変重要なポイントをついた議論だったなと聞いておりました。 私は少し各論に入っていきたいと思いますが、今回の法改正は、ある意味で戦後の福祉の流れからすると必要かつ必然なことかなと思っているわけです。先進諸国を見ましても地域自立への支援という福祉サービスに傾向が動いておりますし、そういう意味では当然の流れだと思っています。 ただ、日本の高福祉国家へ向かう手前で、ヨーロッパ等で国家福祉見直し論というのが出てきたために、私個人の立場だと、本当の意味でヨーロッパのように福祉国家になったところで見直し論ならいいけれども、なる直前で見直し論になってしまったようなことがどうも私にとっては否めない感想なんです。 それは一つには、明らかに公費削減というのが、この間、行財政改革があったわけですけれども、ということを含めて、本改正で、やはり障害者、利用者の側からすると理念なり利用型になるというのはいいことだ、総論としてはいいことだし方向もいいんですが、やっぱりそこを非常に心配しているわけです。 実は、この四月からいよいよ介護保険制度が始まって二カ月近くになるわけですが、介護保険制度をスタートさせるについても、障害者の方から介護保険の対象となる年齢の障害者の中にはかなり高い水準のサービスを受けている方もいらっしゃったわけです。介護保険の適用になるとサービス水準が落ちるんじゃないかという不安も国会であり、あるいは厚生省の御努力でその辺の心配はないようにするということで取り組んでいただいたわけです。 私の方でも、この実施以降そういうことが起きたのか、サービス低下が起きたかなといろいろ聞いたんですが、それはどうもないようなんですが、ある意味でよかったなということなんですね。 厚生省の方にも、この辺の声がどういうふうに上がってきているのかお聞きしながら、まさに新しい法律、制度になっていくには大変不安があるわけですが、そのことを含めながら、先ほど来の公的責任の後退じゃないかという不安も含めて、そうではないというかたい決意、自信のほどを大臣の方からまずお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 先ほど、今井委員の御質問の中でもお答えを申し上げたわけでございますけれども、今回の法改正を通じまして、国及び地方公共団体の責務に対する御懸念でございますけれども、今回の改正はあくまでもその趣旨というものは利用者本位の社会福祉制度、これを確立することにあるわけでございます。したがいまして、国及び地方公共団体はこの施策を推進する役割を当然のことながら担っておるわけでございます。 そういう中で、国及び地方公共団体がサービス提供の体制の確保など、こういった面にさらに十分な責務を負わなければならない、こういうことを明確に規定いたしたわけでございますので、私どもは今回の法改正を通じまして行政責任というものはむしろ明確化されたものと、このように受けとめておるわけでございますし、また委員が御懸念のような一部の方にそういうような御不安を与えないよう、今後私どもも懸命な努力をしていく決意でございます。
○堀利和君 介護保険においての障害者のそういう声というのはあったんでしょうか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 介護保険につきましては、御案内のように六十五歳以上になれば原則として介護保険の被保険者になるわけでございます。障害の原因を問わず介護保険から給付を受けることになるわけでございますが、介護保険と共通する在宅サービスにつきましては、介護保険の給付を受けられる場合には介護保険から在宅サービスを受けることが基本でございますが、当然のことながら、必要に応じまして現在のいわゆる給付サービスが低下しないように公費サービスによる提供を行うことにいたしております。 例えば、ガイドヘルプサービスであるとかあるいは手話通訳など介護保険にないサービスにつきましても従来どおり障害者施策として公費で当然のことながら提供してまいりたい、このように考えておるような次第でございます。
○堀利和君 心配したようなこと、そういう事態がなかったというふうに理解させていただきます。 そこで、今回の社会福祉事業法改正の中で福祉サービスという言葉も使われるわけなんですが、そこで戦後の我が国の福祉の歩みを見ますと、戦災孤児の救済、児童福祉から始まりまして、母子家庭の保護なり、生活保護という救済、貧困の救済にまずは全力を尽くした形で展開してきたわけですけれども、その際は憲法の八十九条に、公金を慈善・博愛事業、つまり公の支配に属さない慈善事業なり博愛事業に投じてはならないというふうにうたわれているために、こうした貧困対策についてはもちろん営利事業にはなりませんので当然国なりの責任として公金を投入しなきゃならない。しかし、投入すればこれは憲法違反になりますから、そこでやはり社会福祉事業法を制定して、社会福祉法人という形で八十九条をクリアしたというのが制度上のあり方だったと思うんです。 そうしますと、この新しい福祉の展開の中で福祉サービスという場合、これは憲法八十九条に言うところの慈善・博愛事業というふうに結局なってしまうのだろうかどうだろうか、この辺の認識についてまずお伺いしたいと思います。
○政府参考人(炭谷茂君) まず、憲法八十九条の後段の趣旨でございますけれども、これは憲法制定のときの趣旨また立法理由などを調べてみますと、民間の社会事業に対する中立性や公の関与を防いでいこうとか、また民間の社会事業に対する公費の乱用を防止しようという趣旨でつくられ、またその立法の沿革を見ますとアメリカのニューヨーク州の憲法をモデルにしてつくられているというような立法経過から、この慈善、博愛の解釈につきましては民間の社会福祉の仕事をいうのだというような解釈で今日まで来、今、先生御指摘されましたように社会福祉事業法、また生活保護法もこのような体系のもとで所定の規定が設けられているわけでございます。 このような状況でございますので、今、先生が御指摘されましたように、もう少し慈善、博愛の定義というものを小さくはできないかということについて、そのような主張をする学説も一部あるというふうには承知いたしておりますけれども、現在、私どもの考えとしては、社会福祉事業といってもやはりハンディを負った人々を支援するという趣旨で一般的には現在も慈善・博愛事業と言えるのではないかというように考えざるを得ないし、また憲法八十九条の先ほど御説明したような趣旨から、これに該当し、それを遵守していくというような立場をとらざるを得ないのではないかというふうに考えている次第でございます。
○堀利和君 私は、戦後の貧困対策、今申し上げたようなこと、また言われたようなことは確かに社会福祉事業という概念でとらえられてきたと思うのですが、ここに至ってやっぱり福祉サービスというのは、決してそうではないところ、そういう質ではない展開になってきているんじゃないかと思うんです。つまり、社会福祉事業を対人社会サービスというような概念で置きかえても差し支えないのではないだろうか。したがいまして、慈善・博愛事業を行う社会福祉法人ではなくて対人社会サービスを行う社会福祉法人という認識に立てば、憲法八十九条の規定からはある意味で解放されるといいますか、そこから逃れることができると思うのですが、そういう意味でのこの慈善事業を今日的な視点で対人社会サービスというふうにはどうしても理解しないということでしょうか。
○政府参考人(炭谷茂君) 先ほど申し述べましたように、やはり現在の憲法の解釈から申しますれば先ほど御説明したようなことになるのではないかというふうに思っております。 しかしながら、今回、私どもは措置制度から利用制度へと転換をするわけでございます。そうした場合、措置制度の場合はお金がいわば事業者に委託費という形で流れるわけでございますけれども、利用制度におきましては支援費という形でいわば個人に支給されるという形になりますので、まさに支援費支給制度ということになりますと、今回、事業者に渡らず個人に渡るということで先ほどの憲法八十九条の後段の立法趣旨により適合するというふうな方式になるというふうに考えております。
○堀利和君 そうしますと、国、行政は市町村を通してということになりますが、これまでの措置費ということになりますと直接事業者にその措置費という公費を支給することはできないけれども、支援費という制度になったんだから、それは個人に支給するものだから憲法八十九条には抵触しないんだという理解だとしますと、私は、もちろん社会福祉法人の多くが立派にさまざまなサービスもされておりますけれども、これまで社会福祉事業法の展開を見ていましても、いわゆる法外サービス、法的に社会福祉事業法に位置づけられていないさまざまなサービス、これのニーズが高まってきてサービスが大きく膨らんでくると社会福祉事業法の中に取り入れてくるという展開でずっと来ているんですね。 つまり、もしそうだとすれば、今の利用制度として支援費の考え方に立てば、要するに社会福祉法人だけでなくそうでない事業者に対しても事業をどんどん展開していく、つまりはボランティア活動、NPO、そういった市民活動の事業にもどんどん事業者の幅を広げていくことは可能だというふうに理解していいんですか。
○政府参考人(炭谷茂君) 今、先生がおっしゃられましたように、憲法八十九条の観点から申しますとその問題というのはクリアされるというふうに考えております。 ただ、その場合におきまして考えなければならない要素といたしましては、社会福祉事業のそれぞれの特性、例えば施設についてはやはり安定性なり継続性というものが求められるというような観点も考えなければなりませんでしょうし、それぞれの社会福祉事業の特性というものを考えてどのような事業主体にお願いするかということはまた別途検討しなければならないというふうに思っております。 しかし、今回の改正におきましてはできる限りNPO、住民の参加する団体、ボランティアというものの多様な主体の福祉サービスへの参画というものを期待していることも事実でございます。
○堀利和君 大変前向きな御答弁をいただいたなと思っています。私はやはり憲法八十九条の問題がいつもひっかかるんですが、公的独占と公的責任とは違うと思うんです。これまではどうしても社会福祉事業法のもとでNPO、NPOもこれは人格を持ちますけれども、そういった市民活動にはシャットアウト、あくまでも社会福祉法人ということでいわゆる公的独占といいますか、ずっとそういう経緯があったんですが、それとやはり今のお話のように八十九条を言うなればその規定からクリアして利用型制度、支援費、既に介護保険制度もそういうふうになっていると言えるわけなんです。そういう意味では公的責任はきちんとしながら公的独占からはそれを排除しますよというように理解させていただきまして、そういう意味ではもうますます多くの市民参加、住民参加のサービスを提供する、そういうものをやはりどんどん厚生省としても応援していただきたいと思っております。そういう中で、確かに今議論する中でも徐々にその方向は見えてきているわけなんですね。 それで、そういうことからいいますと、さてそれでは税制上あるいは補助金の問題を含めて社会福祉法人あるいは民間事業者、企業といいますか、あるいはNPOなどの比較を見ますと、どうもそこがイコールフッティングになっていないように見えますが、これはどのようにお考えで、今後どういうふうにしていくおつもりでしょうか。
○政府参考人(炭谷茂君) 確かに、現在福祉サービスを行っている供給主体、いろいろとございます。それらに対する税制上の取り扱い、例えば法人税、所得税、固定資産税、それぞれ違いがございます。社会福祉法人については原則非課税という形になっているわけでございます。 ただ、その場合、事業主体のその理由でございますけれども、それは事業主体の例えば事業目的、公益を目的とするものなのか、収益を目的とするものなのか、また社会福祉の仕事をした結果生み出された利益の配分方法、これを外部に出すか、自分の収入として所得として入れるかどうかというような配分の問題。 また、一たん社会福祉事業として投入した施設等の基本財産について、施設をやめる場合、それがだれに帰属するか、社会福祉法人の場合は他の社会福祉法人もしくは国、地方公共団体に帰属し、個人に戻るということはないわけでございます。 また、社会福祉法人については、厳しい公的な規制、例えば役職の役員の解職請求とか、また解散命令といったような公的な規制もかかっておりますし、また社会福祉法人については、不採算部門であってもやってもらわなければいけないという使命もございます。それから、例えば研修等の公的な仕事もお願いせざるを得ないというようないろいろな要素を勘案して税制上の問題を考えていかなければいけないんじゃないのかなというふうに思っております。
○堀利和君 私は、誤解されると困るんですが、公的責任はやはりきちんとやっていただきたい。その上で、先ほど申し上げたように、だからといって公的独占とは違うというふうに認識しているわけです。 そこで、政府の規制緩和推進三カ年計画では、特別養護老人ホームなり保育サービスは民間参入ということで示されているわけですけれども、この辺の進捗状況をお聞きしたいと思うんです。 保育所の場合には、運用で既に民間参入が行われてきているんですが、特別養護老人ホームは、聞くところによりますと、介護保険制度をスタートさせてその辺の成り行きを見ながら判断したいということも聞くわけですけれども、この辺の進捗状況なり方向性はどういうふうになるのか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(炭谷茂君) 規制緩和推進三カ年計画の進捗状況でございます。 特別養護老人ホームにつきましては、民間企業による特別養護老人ホームの経営参入について、政府の規制緩和推進三カ年計画において、介護保険制度施行後の施設介護サービスの提供状況の効果を踏まえつつ、事業の継続性や安定性を確保する仕組みの検討や社会福祉法人制度の見直しを含め検討を行うとされているところでございます。 厚生省としては、この方針に基づきまして、介護保険制度の施行状況などを踏まえつつ、今後検討してまいりたいと思っております。 それから、これは規制緩和推進三カ年計画に盛り込まれた事項ではございませんけれども、平成十一年七月に政府産業構造転換・雇用対策本部による規制改革が定められておりますが、この中では特に、特別養護老人ホームの設立要件を緩和し、施設用地について、都市部以外の地域において、国または地方公共団体以外の者から借り受けた場合も認めるというような規制緩和を行ったところでございます。 保育所につきましては、先生御指摘されましたように、待機児童の解消等の課題に対して、地域の実情に応じた取り組みを容易にする観点も踏まえて、これまでと同様に最低基準の遵守を前提とした上で設置主体制限を撤廃することとし、本年三月末に都道府県に通知したところでございます。
○堀利和君 先般、介護保険制度スタートに伴って、事業者に対してかなり厳しい監査基準を示されたということを聞いております。私は、必ずしもまず福祉法人ありきではなくて、ある意味で供給を潤沢にするためにも民間の参入が必要なんですが、しかしその一方ではいいかげんにやられたらこれは困りますから、そういう意味では指定事業者という形できちんと基準をして、そして情報公開、開示、それから監査をきちんとする。私は、これで利用者にとって不利益のないようなサービス提供が行えるんだろうというように思いますので、これからの進捗状況を見てのことですが、特別養護老人ホームが今後どうなるか、また注目しておきたいと思います。 次に、衆議院の方では本法案に対して附帯決議が、十六項目という大変たくさんの項目が採決されたわけですけれども、この中に「これまでの措置制度の功罪を十分に認識し、」という文言がございます。もちろんこれは国会での附帯決議になるわけですけれども、この措置制度の功罪の罪についてはどういう御認識でしょうか。
○政府参考人(炭谷茂君) 措置制度につきましては、行政が利用者の選択や好みとは別に福祉サービスを決定するというものでございます。したがいまして、利用者にサービスの選択権がない。また、それに伴いまして利用者と事業者との間に明確な法律関係、例えば契約というものがないという罪があるわけでございます。いわば利用者本位のサービスにはなっていないんじゃないのかなというふうに思います。 一方、事業者の側から見ますと、事業者は地方公共団体などから委託を受けるという関係でございますので、むしろ画一的なサービス、いわば利用者に合ったような柔軟なサービスを提供するというインセンティブはなかなか働かないというような欠点というものがあろうかと思います。
○堀利和君 私も同様に考えるわけでして、往々にして選別主義あるいはその利用者のまさに選択、意向がある意味では踏みにじられることもあって、一方的にサービスを受けざるを得ない、選ぶ余地はないということもあるわけですので、そういうところの措置制度のあしき面はやはり変えていかなきゃならないだろうと思うんです。 そういう意味では、直接サービスを受ける利用者とサービスを提供する事業者、ここでやはり契約と言われましたように、対等の関係ですよね、契約というのは。そうなんだけれども、どうもその利用者の側からしますと、事業者に対して対等となるのはどういうようなことなのかなと。まさに契約したから対等だという実感が果たしてわいてくるのかどうか。この辺の対等な関係ということについて、もう少し利用者の立場に立った実感というものについて御説明願えればありがたいんですが。
○政府参考人(炭谷茂君) 現在の措置制度では障害者の方々は行政の対象という形になっておりますから、与えられる福祉という形になっているのではないのかなというふうに思います。したがって、事業者との関係も何もないと。いわば私は行政と利用者とが上下の関係になってしまっているのじゃないのかなというふうに説明することもございます。 ただ、今回この利用制度になりまして対等の関係になるということにつきましては、これはまず利用者が自分の好きなサービスの種類、またそのサービスを提供していただける事業者を選べるというところにまずスタートが起こるだろうというふうに思っております。また、それによって両者の間に横の契約関係が結ばれるというふうに思います。 また、利用者は自己負担金を直接支払いますので、いわば利用者、事業者がそれぞれ契約という形でも対等になろうかというふうに思っております。 しかしながら、福祉サービスの利用者といった場合、ともすれば知的障害者、精神障害者など、痴呆性高齢者も該当すると思いますけれども、ともすれば自分で判断ができないという場合がございます。それらについて、それを守っていく仕組みというものもなければ、対等の関係というものに対する支えにはならないのじゃないのかというふうに思っております。 また、利用者から事業者に対していろいろな苦情があった場合、それを的確に言える、また解決していただける仕組みもあわせてなければいけない。それも今回の制度の仕組みとして導入しているわけでございます。
○堀利和君 契約に基づくわけですから、双方は対等でなければならないし、対等であると思うんです。措置制度では、行政との関係が上下関係というふうになってしまうわけですから、この利用制度、契約するということは大変いいことなんですね。 ただ、そこでまた心配が出てくるのは、対等に契約するということは契約調わずということもあるわけです。契約が調わなかったらこれは契約じゃない。拒否できないというのはまさに根本的におかしいわけでして、契約というのは調わずというのはあるわけです。この法案の制定作業の過程で、厚生省として事業者に法的に応諾義務を課すというようなことを言われていたように私は思いますし、そう信じておりましたら、条文には応諾義務が課されていないんですね。 そうしますと、これは後でも触れるところなんですが、事業者あるいは施設経営者は、広く言えば経営者集団として情報なりさまざまな交流があると思うんです。利用者というのはある意味で個人なんですね。そうすると、苦情、クレームをつけたりいろいろ言うと、あいつはうるさい障害者だ、文句ばかり言うと。そこだけの施設でそのことがほかに広がらなきゃいいんだけれども、何かの機会で経営者同士、施設運営者同士がそういう話をする。東京でそういうことがあった人が北海道へ行くわけじゃなくてやっぱり近いところで利用するわけです。そうすると、いやいや、あいつはやめておいた方がいいよということだって、これは俗っぽい言い方なんですが、実態として起こりかねないと思うんですね。 当然、行政の方ではあっせんなり調整というのはもちろんあるんですが、その辺でやはり応諾義務が法的にきちんとされていないことの不安というのは私は伴うと思うんです。この辺についてはどのようにお考えなんでしょうか。
○政府参考人(今田寛睦君) 御指摘のように、利用されます方が必要としているサービスが現実問題として確保されるということがどうしても必要なのは御指摘のとおりでございます。 指定業者を定めるに当たりまして、運営基準を定めることになっております。事業者は利用の申し込みがあった場合には正当な理由がない限りこれを拒んではならないという、いわゆる応諾義務規定を設けることとしております。法律そのものにこれを設けなくて運営基準に盛り込むことにしたわけでありますが、それは介護保険などの他の法律とのバランスといったこともございましたし、それから指定業者として遵守すべきその他の個別事項が幾つかありますが、そういったものとあわせて運営基準に総合的に規定する方が妥当ではないかと判断した次第でございます。 したがいまして、市町村のあっせん調整あるいは都道府県の指導、こういった義務違反が起こればそういった指導を受けなければならないわけでありますが、そういった違反の状態が非常に不適切だということになりますれば、指定事業者としての取り消しといったことも含めて処分を行うということも当然考慮しなければならない、このように考えております。
○堀利和君 一般的に、町中でお買い物をする、これはある意味で買う側の方が有利ですよね。だけれども、こういう福祉サービスを提供する、それを買うといいますか受ける、この関係はやはり私は障害者個人というのは事業者よりも弱いのではないかなと思います。そういう意味では、今の御説明にあったように、事実上、応諾義務というものをきちんと課して、もちろんそれは正当な事由があれば別なんですけれども、そういう正当な事由がない限りきちっとそこはしていただいて、まさに公的責任という意味では行政がそこは責任を持つ、きちっとやっていただきたいということを私はお願い申し上げたいと思います。 次に、措置制度ですと措置委託費が本人と無関係に事業者、サービス提供者の施設の方に行くわけですけれども、利用制度になりますと支援費ということで、制度としては利用者本人に、先ほどの憲法八十九条の指摘じゃございませんけれども、本人に行くわけなんです。しかし、実際には本人には支援費が来ない。本人、利用者を介さないということで、事業者の方に代理受領ということでなるわけですね。 そうすると、措置費から支援費になったなというのは頭ではわかるんです、文章を見ればわかるんです。実感として本当にどこが変わったんだろうかというふうに感じるのはむしろ自然かなと思うんです。支出の性格を見ましても、措置費というのは負担率が法律的に定められた負担金ということであるわけですけれども、そこから今度は随意に補助率を変更できる補助金という形での支援費になるわけですから、先ほど今井委員のお話にもあったように、補助率が将来どうなっていくんだろうか。 この辺の不安も含めて、そして利用制度で自分がサービス提供者に支援費を払う、いや実際払っていないというこの実感も含めて、そこはどんなふうに厚生省としてはお考えなんでしょうか。
○政府参考人(今田寛睦君) 先ほど来大臣も申し述べておりますように、公的責任を後退させることがないようにと、このような考え方に立ちまして、公費負担の性格について御指摘がございましたが、従来負担金の対象でございました施設サービスの措置委託費、措置費でございますが、これについて今度利用制度に移るわけでありますが、この場合の施設訓練支援費になった後におきましても引き続き負担金とするということで取り組んでいきたいと考えております。 なお、代理受領についても御指摘ございましたけれども、少なくとも自己負担が必要な方については窓口でその一部はお支払いいただくというようなことも含めて、利用者が利用料の一部であれそれを払うんだという意識そのものには、一つの障害者としての立場、あるいは対等性の一端を担っていただけるのではないかと、このような理解もいたしております。
○堀利和君 障害者の方々の中には、もっとはっきりみずからサービスを買っているんだという自覚で、やはり事業者との対等関係を、力関係と言ってもいいと思いますが、持ちたいということで、例えばバウチャー方式にしてもらいたいという意見もあるわけなんです。現金ですとやはりモラルハザードの問題が出てきますので、バウチャー方式であれば使途が明確ですから、そういう方式であればまさに自分がサービスを買っているというふうになるんです。 こういう形で利用者としての自立、サービスを買っているという主体性の自覚を喚起するというのが私は重要だと思うんですが、その辺についての御検討というのはなされたことはあるんでしょうか。
○政府参考人(今田寛睦君) バウチャー方式の導入につきましては、その方式を導入する根っこの制度の性格によって幾つかの可能性が考えられるわけであります。つまり、介護保険という保険方式の中におけるバウチャー方式というものの考え方と、税でこれに対応し、なおかつ応能負担という仕組みの中でこれを考えていくという場合など、多少背景によって考え方が変わるかとも思いますが、一般的に、バウチャー方式を導入いたしますと、支給決定を受けた障害者しか利用できないものが他に流通することはないのかとか、そのための確認をする手段に煩雑さが生まれないのかとか、あるいは余った場合、つまり使わなかった場合の問題とか、幾つかの問題が指摘されています。 いずれにしても、バウチャー方式というのは、今の私どもがお願いいたしております支援費支給方式の中でどういう問題点があるのか、そういう意味においては今後の検討課題として位置づけておくべきかと考えております。
○堀利和君 支援費ということで、利用者本人を介さないで行政から事業者にお金が渡るわけですね。これは代理受領ということで行われるんですが、一方、事業者の方も請求代行業務を社会福祉協議会に任せてしまうことができるわけなんですね。つまり、事業者の方も、本来市町村へ行きまして支援費を受け取ることがあればいいんでしょうけれども、それも社会福祉協議会が代行業務してしまうとなると、事業者も支援費を直接市町村から受け取ることなく、利用者も支援費という名前で自分を介して受け取ることもなく、そうしますと、事業者と利用者の関係の対等性なりこの法の趣旨が、どうも希薄になるというか、若干ゆがめられてしまうんではないのかなと危惧するんですが、その点はいかがでしょうか。
○政府参考人(今田寛睦君) 措置から支援費支給制度への移行に伴いまして、障害者は、指定事業者であれば居住地の市町村以外の事業者からでもサービスを受けることができる、こういうことが可能になるわけであります。したがいまして、市町村は、当該市町村以外の事業者からの支援費の請求が行われるというようなこともあり得るわけでございまして、この場合の支払い事務が非常に煩雑になるおそれがある、このように考えております。この事業者の請求先を社会福祉協議会に置くというのは、単に事業者への便宜という観点だけではなくて、市町村の事務の軽減という観点もございまして社会福祉協議会に代行業務が行えるようにしたわけでございます。 このことは、利用した支援費の受け渡しにつきまして、ある意味では利用者そのものは請求事務の点において見ればかかわりがない分野でありますので、先ほど委員御指摘のように、利用者と事業者の契約としての対等性というものをさらに理解していただけるような仕組みはあわせて行う必要があろうかとは思っております。
○堀利和君 次に、せっかくこういう利用制度、自己決定といいますか、選択型に制度が変わっていくわけですので、私は、権利として請求権を何らかの形で明確にしていただきたかったなと思うわけなんです。 それで、現行制度では、行政庁が福祉サービスを行うか否か、こういうものを決定するわけですから、こういう職権、行政処分ということになりますと、法解釈上、こういう形で義務づけの規定がある場合、措置の対象者には請求権というものがあるんだという説もあるんですが、措置制度でなくなりますので、そういう意味では、利用制度、権利性を前面というか、少しでも前に出していくためには、そういう意味ではむしろ請求権を明確にした方がよかったんじゃないかなと思うんですけれども、この辺についてはどういうふうにお考えなのでしょうか。
○政府参考人(炭谷茂君) 今回の法改正案では、障害者福祉サービスの分野においては、行政による措置制度から利用者がみずからの選択により事業者と対等な関係での契約を結んでいただくという形に変わるわけでございます。この契約という法形式をとることによりまして利用者の権利性というものにつながっていくものというふうに考えております。 また、先生御指摘されました請求権の問題でございます。現在の措置制度においては、申請というものについて明確に明文で法律に書いて規定されていないということは御指摘のとおりでございます。これに対しまして、今回の改正によりまして新しい利用制度として導入されます支援費支給方式においては、市町村による支援費の支給決定は利用者である障害者からの申請に基づいて行われるものでございます。したがいまして、行政手続法上の申請による処分に該当いたしますので、例えば行政手続法の適用もこれからは受けるというふうになるわけでございます。
○堀利和君 措置制度では申請権はこれまで非常に不明確でしたが、これからは行政手続法の適用を受けるということですか、申請権は。
○政府参考人(炭谷茂君) おっしゃられましたように、これから障害者の方々が支援費支給方式をとります場合、その支援費を請求するという手続が市町村に対してなされますので、申請権と申しますか、そのものについては行政手続法上の申請に対する処分に該当いたしますので、行政手続法の適用を受けることになります。
○堀利和君 わかりました。 それで、心配ばかりしてもしようがないかもしれませんけれども、それでは、先ほどの衆議院の附帯決議の中の措置制度の功罪の功の部分についてはどんなふうなお考えを持っていらっしゃるのでしょうか。
○政府参考人(炭谷茂君) 現行の措置制度は、昭和二十年代の戦後の混乱時期に生じたものでございます。当時の状況をいろいろな文書で読んでみますと、社会福祉施設等が戦災で破壊され、非常に資源が不足している状況でございました。一方、戦災孤児の方や戦災によって障害になった方々がたくさんいる。いわば需要と供給とが非常にアンバランスな時代でございました。このような時代に行政がこれに関与することによって、限られた資源の配分という面での功というものがあったのではないのかなというふうに考えております。
○堀利和君 そうしますと、功罪の功は、やはり過去として非常に功の部分もあったけれども、これからはそういう面はないので、まさに今回の法改正のような形に、新しい二十一世紀型をつくっていこうというように理解できると思うんです。 先ほど審議された中に所得保障の問題がございました。障害者の方々は、理念なりこの方向性は結構賛成はするんですが、そこの負担がどうなるんだというところは非常に心配するんですね。 これまでも障害者は、いつまでも親の庇護のもとで、家族の庇護のもとで生きていてはならないし、まさに精神的にもできれば経済的にも自立をしたい、できるんだというふうなことを目指してきているわけですけれども、この在宅サービスの場合、二十歳以上の方の障害者にとっては扶養義務者ということがどうしても重くのしかかってくるんです。 やはり本人の所得に着目して、そこで負担するものは当然負担するし、本人として所得が低い、あるいはなかなかないという状況であれば当然負担はできない。そういう意味で扶養義務者、生計を一にする世帯主、いろいろ条件、要件がつけられますと、家族の中で自分はやっぱり二十五歳、三十歳、四十歳になっても扶養義務のもとに、庇護のもとにあるんだと。 そういう意味でこれは負担のあり方、所得保障とも絡むところもあるんですが、この扶養義務者という重荷を取り外すということはどうしてもできないんでしょうか。
○政府参考人(今田寛睦君) 在宅サービスを利用する際の利用者負担につきましては、従来と同様、本人と同一生計にある一定の扶養義務者を含めて判断するという考え方を引き続きとることとしておるわけでございます。これは、仮に同一生計にある者が障害者本人に係る費用負担を免れた場合に、配偶者等に多額の収入がある場合に公平性の観点で問題があるのではないか。特に、公費で賄われている障害者サービスについては適当ではないのではないか、このような考え方に基づいております。 御指摘の二十歳以上の障害者について、施設サービスにおいては親の負担を求めておりません。これに対して、在宅サービスにつきましては扶養義務者の範囲に親が含まれているという状況になっております。この点につきましては障害者関係三審議会の合同企画分科会でも御指摘を受けているところでもございますし、そういった意味で在宅サービスにおける利用者負担のあり方につきましては今後検討していく必要がある、このように考えております。
○堀利和君 確かに難しい問題ではあると思うんですね。支援費ということで受け取る障害者自身が本人に所得がないからといって、言うなれば扶養義務者、家族は非常に裕福だったという場合、それを見た一般の方がどう感じるかという、確かに国民感情を含めてそこは微妙なところがあると思いますが、ここは自立した個人として扶養義務者の重荷というのを何とか外していただきたいということをお願いしておきたいと思います。 そこで、措置制度から利用制度に変わるというのは、単なるそういった制度上のお金の意味合いなり流れ、事業者と利用者の対等性ということじゃなくて、サービス供給の構造そのものを変えていく、変わっていくということだろうと思うんです。まさにそういう意味では戦後型の措置制度の供給体制、供給構造が変わっていくことだろうと思うんです。 そこで、社会福祉協議会についてまずお聞きしたいんですが、都道府県の社会福祉協議会と市区町村の社会福祉協議会のそれぞれの組織というのはどういうふうに構成されているのかお聞きしたいんです。
○政府参考人(炭谷茂君) 都道府県社協また市町村社協、いずれも地域福祉の推進を目的にして社会福祉に関する調査、企画、普及などを行う組織でございます。 ただ、当たり前のことでございますけれども、都道府県社協については都道府県域、市町村社協については市町村域を単位として、現行においては主に社会福祉事業の経営者などが参画している組織でございます。
○堀利和君 都道府県社協でも市区町村社協でも大変独自色を出して活発に活動されているところもあるんですが、審議会の中でも意見が出たように、どうも社協は衰退している状況にあるんじゃないかというような御意見もあったわけなんです。 社協の会長というのは首長が約四〇%になっている、それから地域福祉活動計画の策定も四〇%程度しかできていない、あるいは社協の収入源を見ますと補助受託金ということで受託事業に頼っている、それが七〇%の財源を占めるという、どうも受け身的な、こういう言い方をするのは失礼かもしれませんけれども第二の行政のような、いわゆる行政に対して距離を置いて住民の側に立って地域福祉を活性化するとどうもなっていない現状があるんですが、この辺の認識をお聞きしたいと思います。 今回の法改正では、その辺の反省から、地域福祉の推進役をきちっと位置づけながら事業展開型の社協というふうにしていこうという試みは見られるんですけれども、その辺、いかがなものかな、どうなっていくのかなということをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(炭谷茂君) 確かに先生御指摘のように、市町村社協もさまざまでございます。市町村社協の会長が首長さんであったり、また職員の意識も高低ございます。中には非常に活発に地域福祉活動をやっていらっしゃる社協もあれば、いわば役人的な感じで仕事をされているというようなところもございます。しかし、これからの地域福祉の展開を考えますときには、やはりこれから市町村社協が地域福祉の担い手として頑張っていただかなければいけないのではないのかなというふうに期待しているわけでございます。 今回の改正によりましては、市町村社協につきまして、従来の経営者だけではなくて、いわば地域住民、ボランティアなどいろいろな方々にも参加していただくという団体に性格を変え、また明確に地域福祉推進の中心的な担い手という規定を置いたわけでございます。このように市町村社会福祉協議会の性格を変えることによって、本来期待されている市町村社会福祉協議会の地域福祉の担い手としての活動というものが活性化するということを期待しているわけでございます。
○堀利和君 法改正で社協を生まれ変わらせるということであろうかと思うんですが、結果的に私はそれしかないのかなと。つまり、審議会なりいろいろお聞きする中では、戦後型のああいう社協体制、社会福祉協議会の体制はもうそろそろやめてもいいんじゃないかという声すら聞こえるわけですね。しかし、実際そうはならないでしょうと。 そうなると、今回の法改正の中で社会福祉協議会は大きな力となり地域福祉のかなめになるわけですから、ここがしっかりしてもらわないと、かなりこの法改正を進める上で期待どおりにはいかないんでないかなとも思うわけなんです。この辺について改めて、先ほどもちょっと御指摘がありましたけれども、市区町村社協と都道府県社協の役割分担、協力関係というのはどんなふうに進められていくんでしょうか。
○政府参考人(炭谷茂君) まず、市町村社会福祉協議会につきましては、まさに地域住民と密着した場面での展開ということを期待しております。具体的に条文では、地域における地域福祉の企画や実施、また住民参加のための援助というような条文を書いておりますけれども、いわば地域密着型の、密着した事業の展開ということを期待しております。 一方、都道府県社協は、これから特にお願いしたいのは、社会福祉の事業に従事する人の養成や研修、いわば広域的な業務になろうかと思います。また、社会福祉事業者の経営についての指導や助言ということもこれからの都道府県社協の役割だろうと思っております。また、新たに導入いたします地域福祉権利擁護事業、また苦情解決の仕事ということも都道府県社協の業務というふうに考えているわけでございます。 両機関がそれぞれ役割を分担しながら、また連携しなければならないところがたくさんございますので、両者連携をとりながら、地域福祉の推進ということで貢献するということを期待しているわけでございます。
○堀利和君 私は、ここを非常に重視するんですね。つまり、先ほども申し上げたように、利用者本人というのは個人、あるいは孤立しているかもしれないわけです。ところが、事業者、施設を運営する側は、提供する側はある意味で集団を形成すると思うんです。この社協の構成を見ても事業者とのかかわりというのが非常に強いわけなんです。 そういう意味で、社会福祉協議会がむしろ地域住民、利用者の側に立つぐらいの気持ちで公正公平な運営指導をしないと、かえって利用者本人に向かい合ってしまうことになれば、これはこういうふうにしない方がよかったなとなりかねないわけですから、そういう意味で都道府県なり市区町村の社会福祉協議会の立場というのは大変私は重要だろうと認識しております。 そこで、今お話があったように、福祉サービスの利用援助事業であったり、そこの運営適正化委員会あるいは苦情解決担当委員という、こういうことで都道府県社協が担うわけですけれども、このメンバーが経営サイド側といいますか運営サイド側の方に運営担当が占められてしまうと、やっぱりそこで利用者側の立場が十分生かされないのかなと懸念されると思うんです。 もちろん、単なる経営している方だからだめだよというふうには言い切れないわけで、あくまでも本人の資質だと思うんですが、それにしてもやはりどういう方々が構成員として、メンバーとしてなるのか。やはり私は、利用者なり障害者を含めたそういう代表者がメンバー、構成員となって、そこで、まさにここでも対等にさまざまな事業展開をしていくべきだろうと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(炭谷茂君) 今、先生の御指摘されました運営適正化委員会は、福祉サービス利用援助事業の適正な運営を確保すること、また事業者段階での解決が困難な苦情等を適切に解決する機関として都道府県社会福祉協議会に設置するものでございます。 このような運営適正化委員会の業務は中立公正に行われる必要がございます。したがいまして、その委員につきましても「人格が高潔であつて、社会福祉に関する識見を有し、かつ、社会福祉、法律又は医療に関し学識経験を有する者」を選ぶというふうになっております。 ただ、この委員の選任につきましては、幅広い関係者の意見を反映したいというふうに考えております。そこで、選考委員に関する規定を設けて、その同意を要するという旨を政省令に規定する予定でございます。この選考委員を選定するに当たりましては、先生御指摘のような利用者や住民の方々の幅広い御意見を反映した形での選考委員を選びたいというふうに考えているわけでございます。
○堀利和君 事業者と利用者が契約する際に調整、あっせんというのは行政がまさに公的責任のもとに果たされると思うんですけれども、利用してさまざまな不満があり解決したいというときに、この適正化委員会、苦情解決担当委員が本当に中立公正にやるかやらないかというのが私は非常にこの制度の信頼性を左右するほどの大きな重み、意味を持つんだろうと思いますので、ぜひその辺は厚生省としても十分御認識いただいて、利用者の方からもこれなら安心して適正化委員会に任せられるというふうにしていただきたいと思います。 次に、民生委員・児童委員制度のことについて伺いますけれども、まず、この民生委員の活動状況というのは、私は詳しいことはわからないものですから、どんなふうな活動状況になっているのか、まずお聞きしたいと思います。
○政府参考人(炭谷茂君) まず、民生委員、児童委員の数でございますが、全国で約二十一万五千人の方々がこれになっていただいております。現在、地域の実情の把握、相談援助活動、関係機関との連絡協力など幅広く御活躍をいただいているところでございます。 平成十年度の実績を見てみますと、生活困窮や福祉サービスの利用に関する相談・指導件数が全国総数で約千四百万件、高齢者を対象とした友愛訪問や各種調査などは約三千七百万件となっております。これらを合わせまして合計五千百万件等になるわけでございますが、一人当たり二百四十件という件数に上っております。 また、市町村社会福祉協議会が運営する心配ごと相談所においても、民生委員の方々がこれに参加し、広く住民の御相談に応じ、適切な助言、援助を行っていただいております。平成十年度の実績では約二十万件の相談を受けていただいているわけでございます。
○堀利和君 今回の民生委員法の改正では、字句修正ということで、名誉職という文言を、無給というんでしょうか、給与支給なしということになったんですけれども、これはどういう理由、経過で。それで、今御説明あったように、活動状況がより活性化するのかなと。私の感じているところでは、どうもうまく運営されていないように見えるんですね。 というのは、民生委員という制度は、やはり戦後のいわゆる村型社会といいますか、日本がまだ共同体としての人間関係のつながりの非常に強い地域社会ですと、その土地の名士の方がそれなりに住民の共同体の中での情報を得たり、お世話をするということが可能なんですけれども、そういう意味で、字句修正だけなんですが、本当に機能を十分発揮するようになっていくようにしなきゃいけないと思うんですけれども、この辺についてまた改めてお伺いします。
○政府参考人(炭谷茂君) 今回の民生委員法の改正につきましても、これは制定以来もう既に五十年以上たっているわけでございますが、五十年以上ぶりの改正というふうになっております。 現行の民生委員法を読んでみますと、やはり当時の生活保護を主体にした貧困者の方々に対する指導、保護指導というようないわば上から下へというような、わかりやすく言えばそのような形になっております。 例えば、第一条では保護指導を行うという条文に現行法はなっているわけでございますし、また十四条の「職務内容」では「保護を要する者を適切に保護指導する」というような条文になっております。 これを、これからの新しい社会福祉の理念に立ち返りまして、住民の立場に立った相談援助、また地域で自立した生活を営んでいただけるように必要な援助を行う、また情報提供を行うという形での民生委員の性格を、現在もこのような形で御活躍をいただいているわけでございますが、それに沿った改正というふうにいたしております。 また、名誉職という規定もございます。これもやはりやや古い感覚でいろいろと誤解を受ける条文になっていて、民生委員協議会の方から改正してはどうだろうかという御意見をいただいておりました。そこで、この名誉職というのは、端的に言って給与を支給しない、まさに社会奉仕活動であるという趣旨でございますので、その趣旨を明確にいたしたわけでございます。 とはいっても、やはり民生委員についていろいろと、地域によってうまく活動していないんじゃないかというような一部の声もあることは事実でございます。しかし、全般的に申しますと、先ほど申しましたように、民生委員、児童委員の方々の活動というのは大変活発に、また活動件数も多く上っているわけでございます。 私どもといたしましては、民生委員、児童委員になっていただく方の選任に当たりましては、例えば年齢または男女の配分というようなものについて十分意を配ったり、またいろいろな研修制度というものも充実することによって、民生委員・児童委員活動の活性化ということについて努力してまいりたいというふうに考えております。
○堀利和君 民生委員のことに触れましたから、そこと少し関連させながらまた新たにお伺いしたいんですけれども、民生委員の方が悪いとか関係者が悪いというふうに言うつもりは全くないんですが、記憶に新しい、二月に宇都宮市で、母子家庭で二歳の女の子が凍死したという非常に痛ましい事件が起きたわけです。児童手当なり生活保護を何らかの理由でうまく受け取ることができなかったということなんですが、都市部になりますと、結局、こういうように緊急であり危機的な状況の中でのニーズというのがどうもやはり埋もれてしまうわけなんです。 これはだれが悪いかと言っても仕方がないわけなんですが、利用制度型というのは対等関係をも含めて自己責任ということになるわけですね。そうしますと、自己責任ということとこういう悲惨な事件が、子供が亡くなった以上は母親の責任というのは一番大きいわけですけれども、そういう意味での自己責任との関係で、都市部でこういうような緊急であり危機的なニーズを埋もれさせない、こういうことと、今回の法改正でこれをむしろ何とかできるのか、それはまた違った意味で不可能なのか、あるいは、民生委員の方を責めるつもりはないんですけれども、こういう都市型の中での民生委員の活動、活躍というのがどこまで期待できるんだろうかというように思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。
○政府参考人(炭谷茂君) 今回の宇都宮事件については大変残念な結果に至っているわけでございますけれども、私どもといたしましては、実際に困っている方々が、これは大臣からもよく言われるんですけれども、実際に例えば生活保護制度というような制度を知らなくても、だれかが援助の手を差し伸べられるというような形にしていかなければいけないんじゃないかというふうに考えているわけでございます。 今回の法改正によりましては、特に地域福祉というものを一つの柱にいたしているわけでございます。この中においては、当然、民生委員、児童委員、全国約二十一万人の方がいらっしゃるということでございまして、私ども、このようなたくさんの方のいらっしゃる制度というのは他に余り例がないんじゃないかなというふうに思います。 やはり民生委員、児童委員の方が一番住民に密接なところにいらっしゃいますので、このような困っている方々のニーズの発見もしくは発掘というものも必要でしょうし、さらには、一部には批判もございますけれども、市町村社会福祉協議会にはもっと頑張っていただいて、地域の見守り活動といいますかそのような活動というようなもの、また一般的な近隣などを通じたボランティアの活動というものも含めまして、いわば地域福祉というものを厚くすることによって地域全体で危機的な状況にある方々の発見に努めて、必要な援助を確実に行われるようにしていくということが重要であろうというように思っております。 今回の改正もこのような趣旨で行っておりますので、宇都宮事件を一つの教訓にして、いわば地域全体での見守りというものについて推進してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○堀利和君 まさに地域福祉は地域をどうよみがえらせるかということでもあろうと思うんですが、そういうことで、次に地域福祉計画についてお伺いしたいと思います。 この地域福祉計画と、既に老人保健福祉計画もありエンゼルプランもあり障害者計画もある、個別のこういうさまざまな計画があるんですが、これとの兼ね合いといいますか関係、整合性というのはどういうふうになるんでしょうか。
○政府参考人(炭谷茂君) 今回の地域福祉計画は、いわば縦割りの、既に先生が御指摘されましたようないろいろな計画がございます、老人保健福祉計画、子育て支援計画、障害者計画など既存の計画がございますが、そのような計画も含めた、まとめた計画ということになるわけでございますので、いわばそれらの整合性というものも当然十分配慮していかなければいけないだろうと思っております。 縦割りで抜けている分野として今の三分野以外に、例えば低所得者の問題、また母子家庭、父子家庭といったような問題も縦割りとしては抜けているだろうと思います。このような縦割りの計画も含めたものがまず一つ地域福祉計画として考えなければいけないだろうと思っております。 それとともに、現在の計画の中に抜けておりますのはやはり横割りの横断的な仕組みではないのかなというふうに思っております。例えば、今回の法律案の中に盛り込んでおりますような苦情解決や権利擁護など福祉サービスの適切な利用の推進に関する事項とか、また公的な福祉サービスとインフォーマルな活動とをどのように連携していったらいいだろうかとか、またボランティア活動とかNPOとか住民の自発的な福祉活動、そのようなものをどのように連携を持たせ、また振興させていったらいいだろうかといったような横割りの条項もございます。このような要素を入れた地域福祉計画というふうなものを考えているわけでございます。
○堀利和君 大変重要な計画なんだなということがわかるんですね。 そうしますと、この法案作業過程の中で地域福祉計画を義務化するというふうに私は聞いた覚えがあるんです。しかし、これがそうならなかったんですが、これはなぜですか。
○政府参考人(炭谷茂君) 確かに、地域福祉計画について義務化してはどうだろうかという御意見もございましたし、私も個人的にはそのようにできればなというふうに考えた時期もございました。しかしながら、昨年策定されました地方分権一括法に基づく地方自治法の改正によりまして、国の地方公共団体に対する関与については必要最小限度のものとし、国は地方公共団体の自主性及び自立性に配慮しなければならないものとされているところでございます。 地域福祉計画の策定は、地方公共団体の自治事務と位置づけられ、特に地方公共団体の自主性及び自立性への配慮が求められるものでございまして、計画の策定を各地方公共団体に義務づけることはできないというふうになっておりますが、地域福祉計画については先ほど来御説明しましたように極めて重要な計画でございます。 私どもとしては、例えば地域福祉計画のモデル的な計画を示すとか、また地域福祉計画を策定する市町村に対する財政的な支援、また地域福祉計画の策定状況の公表などの手段を通じまして、できるだけすべての地方公共団体に策定していただけるよう努力してまいりたいというふうに考えております。
○堀利和君 そうなりますと、今後市町村というか町村が主になると思うんですけれども、さまざまな計画なり事業を推進していく際に、小さい規模の町村ではなかなか難しい場合に広域化してやったりもするし、みずからもちろんどういうふうにするかということもあるでしょうし、また地域福祉の中には高齢者に対してのものもあり、あるいは障害者もあり、エンゼルプランのように子育て関係もあるでしょう。こういう地域の広さ、行政の周囲の連携なり個別の福祉の制度を含めて、やはりこれは調整というのが重要だと思うんです。 町村の規模が小さければ小さいほど大変これは厳しいだろうと思うんですけれども、この辺についてまた積極的に、先ほどのお話もありましたけれども、厚生省として自治省と協力してやっていかないと、小さな村に生まれたがゆえに財政力もある大きな大都市に比べて客観的な条件のもとで不幸せになってしまうといいますか、十分なサービスが受けられない。みずから住民が選んだ首長が福祉に関心がなくてやらないというのは、これはある意味で住民の責任も免れないところがあると思うんですけれども、客観的ないかんともしがたい条件、環境のもとでそういう事態というのはやっぱり私は住民にとって不幸だと思うんですけれども、その辺についての御決意を含めてのお答え、もう一度お伺いしたいと思います。
○政府参考人(炭谷茂君) 町村の福祉体制についての御心配につきましては、例えば私どもの中央社会福祉審議会の中でも御議論が出、その旨についての意見も盛り込まれているわけでございます。やはり小さな町村における福祉の専門職が足りないとか資源が足りないという問題は、事実あるわけでございます。 このような状況に対しては、町村自身の努力、また他の市町村との広域的な処理、また都道府県からの援助というようなものを組み合わせて、町村への支援というものも深めていかなければならないと思いますし、私ども厚生省としても十分このような問題について配慮していかなければいけない事項だろうというふうに考えております。
○堀利和君 時間が大分なくなってきまして、ちょっと質問事項を多く用意し過ぎましたので、申しわけありませんけれども少しはしょって、ホームヘルプサービスのことでお伺いしたいんですが、よろしいでしょうか。 介護保険制度におけるニーズの把握はもちろん、さまざまな認定作業が行われるわけで、まさに介護状態に着目するわけですね。私も、障害者の介護については同様に障害者の要介護状態、ADLが着目されると思うんですね。つまり、今日までの障害を単なる等級分野で分けてしまうという、そういう機械的なものではもうやっていけないと思うんですけれども、その辺の転換がぜひ必要だろうと思います。 そういうことで、厚生省の方も既に高齢者の介護認定につながるような形のケアマネジメント事業を試行的に行っておりますけれども、この辺の状況と、今後どんなふうに進めるか、まずお聞きしたいと思います。
○政府参考人(今田寛睦君) 身体障害者福祉法におきましては、障害者サービスを受ける可能性があるかどうかをあらかじめ判断するために、障害認定を行って手帳を交付しているわけでございます。ただ、個々のサービスの提供につきましては、それぞれの方々に障害認定の結果を参考にはするものの、障害の種類、程度それから介護者の状況、本人の社会参加の意欲の程度、こういったものを総合的に判断いたしまして適切なサービスの提供をするというふうな形で進めているところでございます。 障害者が地域で生活するためには、いわゆる介護サービスだけではなくて、社会参加支援のためのサービスというものも含められる必要がありますし、それぞれのサービスが障害者の立場に立って総合的かつ一体的に提供される必要があろうかと思います。 そういうことも踏まえまして、障害者サービスの提供に当たって一つのケアマネジメントという考え方に基づきまして、あるいはそのケアマネジメントを行うことが有効ではないかという考え方に基づきまして、平成九年から試行的にこの事業を実施しております。十一年度末までに四十二カ所の都道府県、指定都市で事業を実施しているところでございます。 同時に、この都道府県、指定都市におきましてこのケアマネジメントを行う人、ケアマネジャーの養成も必要であろうかということで、国においてこの指導者を確保する観点から研修しておりまして、五百二名が研修を修了しております。 この事業の結果については、この事業終了段階できちっと取りまとめて御報告する必要があろうか、このように考えております。
○堀利和君 大変安心のできるお考えのもとで進めていらっしゃるという、まさに障害者の場合には単なるホームヘルプサービスという介護だけじゃなくて社会参加も含めたところだということで、まさにそうでないと地域で自立して生きられませんので、そのような考え方でお進めいただきたいと思います。 時間もありませんので、ホームヘルプサービスのことで二つ丸めて御質問させていただくんですが、介護保険制度では都市部における高齢者の介護保険の介護報酬の単価、これと現在の障害者のホームヘルプサービスの単価の違い、どの程度差があるのかないのか。 あわせて、介護保険がもう既に実施されて二カ月になりますけれども、これに伴って、私の聞くところだと介護報酬の、手取りはどうなるかは別にして、単価がちょっと高いように承ってもおります。そうしますと、ヘルパーの側は同じ一時間身体介護するならやっぱり高い方をやりたいというのが人情ですから、そうするとこれまで障害者のホームヘルパーをやっていた方が介護保険の高齢者の方に少し流出というんでしょうか移動というか、少し聞いてもおるんですけれども、この辺についての事情把握も含めてどんなふうにお考えでしょうか。
○政府参考人(今田寛睦君) 介護保険制度におきますところの訪問介護、ホームヘルプサービスにかかります報酬でありますが、身体介護中心で所要時間三十分以上一時間未満の場合四千二十円でありまして、東京都特別区の場合でありますと四千三百九円となっております。 一方、障害者施策におきますホームヘルプサービス事業の国庫補助基準単価でございますが、身体介護中心で所要時間一時間程度の場合三千七百四十円と、これを下回っているわけでございます。 この差でありますけれども、介護報酬ではホームヘルパーの移動時間をその単価に反映させておりますけれども、障害者のホームヘルパーにおいては移動に要する経費は別途補助するということもございまして、こういった差が生じているものと考えております。 いずれにいたしましても、この障害者施策によって確保すべきホームヘルプサービスが障害者の特性あるいは多様な要望に的確に対応できるようにするためには、御指摘のようにこのヘルパーの確保方を市町村を通してきちっと指導していくことが肝要ではないかと考えております。 平成十二年度の予算で障害者プランに基づいてホームヘルパーを四千四百人増員することといたしておりますが、こういった方々に対してさらに障害者特有のサービスというものを念頭に置いた障害者ヘルパーとしての養成研修が行われるような所要の予算措置も図っているところでございます。
○堀利和君 平成十二年度は介護保険制度がスタートしましたから、ホームヘルプサービスの予算も障害者の分は障害保健福祉部の方に持ってきたわけですけれども、その養成研修もまた異なるということで、やはりそれぞれのニーズ、特性を生かした形で、また、ただ私が聞いた限りでは障害者をやるよりも高齢者をやった方が少しいいなということがあったというのでその辺心配したんですけれども、そういうことも、今後格差がそういうところでは起きないような形でお願いしたいと思います。 最後に大臣に、この法案は十年後見直しなんですが、当然、介護保険法施行後五年の見直しもありますし、障害者のことでいいますと、新長期計画や障害者プランが二〇〇二年で終わることも含めて、少なくとも五年程度ぐらいに見直しをすべきかと思うんですけれども、そのことの大臣の御所見を伺って終わりたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 本法案でございますが、御案内のように、障害者福祉分野におきます措置制度から新しい利用制度への移行が、準備期間もございまして平成十五年施行であるということを踏まえまして、施行後十年を経過した場合において施行状況において検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる、こういったような経緯があるわけでございます。 ただし、この施行後十年という考え方によりまして、施行後十年を経過しない限り見直しを行わない、こういうわけではございません。当然のことながら必要に応じて見直しを行っていきたい、このように考えているような次第でございます。
○堀利和君 ありがとうございました。
○委員長(狩野安君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時三十二分休憩 ─────・───── 午後一時三十分開会
○委員長(狩野安君) ただいまから国民福祉委員会を再開いたします。 この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、佐藤泰介君が委員を辞任され、その補欠として石田美栄君が選任されました。 ─────────────
○委員長(狩野安君) 休憩前に引き続き、社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 今回の社会福祉事業法の改正の中心点というのは、措置制度から利用制度への移行にあると。これはそういうことだと思うんです。政府は、これまでの質疑を通じて、今までの措置制度では利用者は選択できなかった、利用制度に移行することによって利用者が事業者と対等な関係に変わると、こういうふうに説明をされてこられました。 四月二十六日の衆議院の厚生委員会で、炭谷社会・援護局長は、我が党の瀬古由起子議員の質問に答えてこういうふうにおっしゃっている。「このたび、措置制度から利用制度へと変更するということを現在御提案しているわけでございますが、その前提となるのは、特に障害者の場合は施設、サービスによってはいまだ不十分な施設やサービスがございます、そういうものもあわせて充実していくということは当然必要であろう」、こういうふうに答弁をされています。 きょうは、障害者のためのサービス提供の現状について私は質問をしていきたいと思います。 障害者の社会福祉施設の中でも最もおくれているのは精神障害者の社会復帰施設であります。そこでお聞きしますけれども、精神障害者のための法定施設が設置されている市町村は全体の何%になるんでしょうか。
○政府参考人(今田寛睦君) 精神保健福祉法に規定しております法定施設でございますが、精神障害者生活訓練施設、精神障害者福祉ホーム、精神障害者授産施設、精神障害者福祉工場、精神障害者地域生活支援センターがございます。平成十一年十月現在でありますが、これらの施設は全国で二百八十五市町村に設置されておりまして、全国三千二百五十二市町村を分母に置きますと、おおむね八・八%ということになっております。
○小池晃君 全市町村の八・八%と極めておくれているわけであります。 例えば、佐賀県を調べてみたんですが、精神障害者のための法定施設があるのは四十九市町村中、これは嬉野町といって長崎県にかなり近いような場所ですが、ここ一町だけだと。四十九市町村のうち一町のみだと。全体として精神障害者の社会復帰施設は特におくれているわけでありますけれども、三障害を合わせても法定施設のある自治体というのは全体の四割しかないんだと。 こうした現状がある中で、障害者のための基盤整備、在宅も施設も、これはいずれにしても基盤整備を進めることが急務ではないかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 厚生省におきましては、障害者プランに基づきまして、平成十四年度末の目標に向けまして、障害者に対する在宅サービスの充実、さらに社会福祉施設の整備などを積極的に進めておるわけでございます。デイサービスやヘルパーなどの在宅サービスや、精神障害者生活訓練施設や身体障害者療護施設などの施設サービスの整備は、この障害者プランに基づきましておおむね順調に進捗しておるところでございます。 確かに一部の地域においてそういったようななかなか難しい地域、あるいは地元住民の皆さん方の強い反発などもあってなかなかできにくいというところがあるのも事実でございますが、全体においてはおおむね順調に進捗しておる、このように考えております。 なお、障害者に対します相談支援事業など一部の事業につきましては必ずしも順調とは言えないものがございますが、いずれにいたしましても、障害者プランの目標を達成するために、事業の実施に向けて市町村や都道府県の取り組みを支援しながら、在宅、施設両面にわたりましてサービス基盤の全面的な御支援を申し上げたい、こう考えているような次第でございます。
○小池晃君 全体として障害者プランに基づいてやっている、順調に進んでいるという認識は、私は根本的に間違っているというふうに思います。一部の地域でしか問題が起きていないのであれば、何で全体の八・八%しか精神障害者の法定施設がないのか、三障害合わせて全体の四割しか施設がないのか、こういう現状を全く見ていない御発言だというふうに思うんですね。 障害者プランは順調に進んでいるとおっしゃるが、果たしてそうか。確かに目標に接近している分野があることは、それはそうだと思います。ただ、大変おくれている分野もあるわけであります。ホームヘルパーはおおむね順調だとおっしゃったけれども、私は決してそうは思わない。 生活支援事業とホームヘルパーについて、これは数字を示していただきたいんですが、障害者プランでの目標と、それから九八年度末の実績について数を示していただきたいと思います。
○政府参考人(今田寛睦君) 生活支援事業につきましては三つあるわけでございます。市町村障害者生活支援事業、障害児者地域療育等支援事業、それから精神障害者地域生活支援事業、この三つがあるわけでございます。これらのプランにおきます平成十四年度の目標値、それから平成十年末の実績について御報告を申し上げます。 まず、市町村障害者生活支援事業の場合、目標が六百九十カ所でございますけれども、平成十年では七十九カ所でございます。障害児者地域療育等支援事業の場合、目標六百九十カ所に対しまして百八十九カ所でございます。精神障害者地域生活支援事業の場合、目標が六百五十カ所に対しまして百一カ所となっております。 また、訪問介護員につきましては、障害者プランにおいて四万五千三百人を上乗せして整備することとしておりますが、平成十年度末現在における実績が四万二千六百四十六人となっております。
○小池晃君 まず、生活支援事業は三事業ありますが、これは目標に照らして極めておくれているわけですね。先ほど大臣もこれはお認めになった。あと二年間で障害者プランが終了するにもかかわらずこの到達度。全く到達する展望はないわけであります。 それから、今、ホームヘルパーの数を四万二千幾つというふうに御答弁がありました。これはどういう数字なのかちょっと御説明いただきたいんですけれども、専任者、兼任者という関係は今の数字の中でどのようになっているのか、御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(今田寛睦君) この四万二千余人に係ります専任、兼任の割合でありますが、専任が八千九百五十四人、兼任が三万三千六百九十二人という状況でございます。
○小池晃君 非常におかしいと思うんですね。障害者プランでの四万五千三百人の上乗せ目標というのは、これは専任者で四万五千三百人という目標だったと思うんです。確認したいんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(今田寛睦君) 障害者プランを作成いたしました時点で、平成十四年末の訪問介護員の目標につきましては、訪問介護員について専任している者として四万五千三百人の確保をすることといたしております。
○小池晃君 だから、正確に言えば、目標は専任者四万五千三百人だった、それに対して到達は、専任が八千九百五十四人で兼任が三万三千六百九十二人だと。これが正確な到達だと思うんです。 今、専任、兼任というのが議論になっていますが、障害者ヘルパーの専任、兼任の基準はどうなっているのか、御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(今田寛睦君) 専任につきましては障害者に対してのみホームヘルプサービスを提供している訪問介護員ということになりますが、兼任につきましては障害者以外の者に対しても、少しでもホームヘルプサービスを提供している者が含まれるものと考えております。
○小池晃君 だから、全く基準がないわけですよ。もうこれは極端な話、月一回障害者ヘルパーをやっていれば、あとは高齢者ヘルパーをやっても兼任なんです。年に一回障害者ヘルパーの仕事をやったってこれは兼任になるんだ。全くその基準がないわけですね。 先ほど、専任で八千九百五十四人、兼任で三万三千六百九十二人という数字が確認できたと思うんですが、専任ヘルパーで四万五千三百人というのが障害者プランの目標だったわけでありますから、そういうことでいえば、あくまで今のホームヘルパーの到達というのは八千九百五十四人の専任ヘルパーの増加分だけではかるべきなんじゃないですか。どうですか。
○政府参考人(今田寛睦君) 四万五千三百人を設定したときの考え方は先ほど申し上げたとおりでありますし、当然それをカバーするという意味で必要な介護員の確保を図るわけでありますが、その場合に、専任ヘルパーのみならず兼任ヘルパーもともに重要な役割を果たしているというふうに考えておりますので、専任ヘルパーのみの数でその実績を判断するのは必ずしも適切ではないのではないかと思っております。
○小池晃君 一定の役割を果たしているんだと。私もそれは否定しません。 専任ヘルパーだけで換算するのは、兼任ヘルパーを無視するのは問題だとおっしゃるのであれば、兼任ヘルパーを専任ヘルパーの数に換算する方法はお持ちなんですか。
○政府参考人(今田寛睦君) 兼任ヘルパーがどの程度の割合で他の業務と割り振って仕事についているかということに関しての資料については、現在把握をいたしておりません。
○小池晃君 だから、兼任と専任の基準もないんだと。そして、兼任が何人いれば専任何人分というふうに換算する基準があるならそれを足し上げて目標の到達に加える、その根拠はあると思いますよ、合理性は。しかし、その基準もないでしょう。分ける基準もなければ換算する方法も持っていないというのであれば、これはもう専任ヘルパーの到達で判断するしかないじゃないですか、障害者プランの到達を見るのであれば。 これは非常にあいまいな基準だということがこの議論ではっきりしたと思うんです。少なくとも、ほんの少しでも障害者ヘルパーの仕事をすればそれは兼任ヘルパーと扱って、兼任ヘルパーと専任ヘルパーの数を全く足し上げて、それで四万五千三百の目標に対して四万二千をやっているんだと。これは全くでたらめな数字ですよ。こういう非常に評価基準があいまいだということをまず指摘したいと思います。 それから、障害者プランの問題点ですが、先ほど障害者プランの中には目標を達成している部分もある、目標に接近している部分もあるという説明でした。しかし、障害者プランの目標そのものが大変問題なんじゃないか、低過ぎるんじゃないかという声が障害者の皆さんからも上がっています。 取り上げたいのは障害者プランの中での授産施設と福祉工場の目標値なんですが、六万七千五百七十人という目標はどのような算定根拠で出されたものでしょうか。
○政府参考人(今田寛睦君) 障害者プランにおきます授産施設及び福祉工場に係ります六万七千五百七十人の設定根拠でございます。 まず、身体障害者それから知的障害者の通所授産施設につきましては、障害者プラン策定当時のそれぞれの施設の定員数に対しまして自治体からの施設整備のヒアリングにおいて把握いたしました施設の待機者数、これを上乗せし、さらに平成十四年度までに新たに生ずる需要を見込んで設定をしたものでございます。 また、精神障害者の通所授産施設につきましては、障害保健福祉圏域でおおむね一カ所、また入所授産施設についてはその三分の一程度を整備することとして目標を設定いたしました。 また、精神障害者の福祉工場でありますが、各都道府県、指定都市でおおむね一カ所ずつ整備することとして目標を設定いたしました。 これらを前提に算定いたしまして、先ほど申し上げました目標を設定したわけでございます。
○小池晃君 そういう根拠で目標をつくったんだとおっしゃるんですが、私はちょっと調べてみたんです、授産施設と福祉工場の一九九〇年から障害者プラン策定までの七年間にどれだけ伸びているか。二万二千七百九十九人から四万一千七百八十三人で、障害者プランが始まる前の七年間で一・八三倍になっているんですね。九六年の到達というのは四万二千弱ですから、それまでの七年間の伸びを単純に当てはめれば、二〇〇二年の障害者プランの終了時点での目標値というのは八万四千人分になるはずなんです。ところが、実際の障害者プランは約六万八千人と。 障害者プランで障害者施策の基盤整備を進めるんだと言いながら、それまでの伸び率を二割も下回っているんですね。新たにプランをつくって引き上げを図っているのに、それまでの伸び率よりも大幅に下回ると。こんなことがあっていいんだろうかというふうに思うわけです。 これは一つの例ですが、目標自体が非常に不十分だということを示すものじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(今田寛睦君) 障害者プランを策定いたします前後の伸び率を比較されて御指摘いただいたわけでありますが、その間、施設入所から在宅志向へと移っていくために、ニーズに当然変化が生じるわけであります。したがいまして、このプランにおきます目標値につきましては、そのプラン策定当時の定員数や待機者数あるいはその後のニーズを踏まえて、それぞれの項目において目標値を設定させていただきました。 必ずしもプランの目標の水準が低いというふうには認識しておりませんで、やはり障害者の方々が適切なサービスを受けるにふさわしい需要量として設定したつもりでございます。
○小池晃君 ニーズに合わせた目標だというふうに御説明されるんですけれども、では一方で起こっているこの事態をどう見るのか。 障害者プランが策定されてから法定外の小規模作業所というのは逆にふえているんです。九五年から九六年は二百カ所、九六年から九七年は約三百カ所の増加だった。それに対して、障害者プランが始まって、九七年から九八年で四百十六カ所、九八年から九九年で三百五十五カ所。障害者プランが始まるまでよりも障害者プランが始まってからの方が小規模作業所は伸びているんです。これは、まさに障害者プランはニーズに合っていないから法定外の小規模作業所がふえるという事態になっているんじゃないでしょうか。 さらに、この目標の問題について、私は九四年に出された「障害者保健福祉施策推進本部検討方針ペーパー(スケルトン案)」、こういう文書を入手いたしました。これは、障害者プラン作成前の段階で基盤整備の目標をどのぐらいに設定するのか、これが読み取れる資料であります。 この中身を見ると、例えば知的障害者のグループホームは人口一万人当たり二カ所つくろうと。十二万人分であります。それに対して、障害者プランでどうなったかというと一万八百人分だと。授産施設、福祉作業所は、このスケルトン案では全部で五千三百三十カ所の目標です。これは人数にすると十八万人分ぐらいになるはずです。それが障害者プランになると六万五千八百人。 これは、生活の場の分野でも労働の場の分野でも、当初皆さんがお持ちだったこういう高い志に比べると、障害者プランの中身というのは余りに志が低過ぎると思いませんか。どうですか。
○政府参考人(今田寛睦君) 御指摘の「障害者保健福祉施策推進本部検討方針ペーパー(スケルトン案)」でございますが、これは平成六年十二月当時、厚生省として障害者保健福祉施策に関する今後の推進方策等について検討するために、厚生省の担当者が作成した内部資料でございます。そういう意味では、厚生省の方針案として正式に提示されたものではございません。 したがって、スケルトン案に記載されている数値目標につきましては、プランをつくる前でもございましたので、特段目標年次を定めるわけでもなく、また精査をしているわけでもない、仮に設定されたものとして示されたものでありまして、平成十四年度を目指して作成いたしました障害者プランにおける数値目標と比較して御議論いただくのは必ずしも適当ではないのではないかと考えております。
○小池晃君 正式な決定ではないというふうにおっしゃいますが、障害者プランよりもはるかに高い基盤整備の水準を当時の厚生省の担当部局の皆さんは胸に抱いていたわけです。それに比べて障害者プランの目標というのは、これは余りに低過ぎると私は言わざるを得ない。 さらに、別の観点から障害者プランの目標値のあり方を見てみたいんですが、配付資料をごらんいただきたいと思います。 これは、障害者プランの数値目標を新ゴールドプランと比較して、人口規模別に整備目標を案分値してみるとどうなるかという資料であります。これを見ますと、障害者プランの市町村での具体化が大変おくれているんですけれども、低過ぎる目標によって計画策定がおくれているという実態が読み取れるんじゃないだろうか。 例えば新ゴールドプラン、これも決して私たちもこのゴールドプランの目標が高いというふうに思っていませんし、大変不十分だというふうにこの間ずっと指摘をしてまいりました。しかし、その低いと思われる新ゴールドプランの目標でも、例えば特別養護老人ホームは人口五万人規模で百十六人の目標になるわけです。一カ所つくれる目標なわけです。二カ所ぐらいつくれるわけです。しかし、例えば知的障害者の更生施設で見てみると、人口五万人規模で目標に照らすと三十八人ですから、これは一カ所の要件を満たさないわけですね。さらに、障害者プランの増加分ということでいうとたった四人ですから、計画を立てろと言っても、例えば五万人程度の市町村で箱物をつくろうと思っても、障害者プランの目標に照らすと全く目標をつくれないという現実があるわけです。全体を見ていただいて、箇所数でいうと一を切っているところもいっぱいあります。 市町村障害者計画の具体化が大変おくれているということが衆議院の厚生委員会でも問題になりましたが、私は、このように障害者プランの目標自体が非常に低い、このことが市町村の目標の具体化をおくらせている原因にもなっているんじゃないかというふうに思いますし、このころから障害者プランの目標が新ゴールドプランなどと比べても余りにも低過ぎるというふうに思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(今田寛睦君) 障害者プランの数値目標につきましては、先ほども申し上げましたように、当時の待機者あるいは施設の実態等を踏まえて定めたわけでありますけれども、障害者の方々の福祉サービスのニーズというものに対して、一方で高齢者を対象とした新ゴールドプランについての比較をされたわけでございますが、その場合、対象者あるいは対象となる事業の需要量といったものが異なっておりますので、新ゴールドプランとの比較ということについては必ずしも適切ではないのではないかとも考えます。 また、御指摘のように、一市町村で一に満たない、計算上そういう施設があるではないかという御指摘でありますが、障害者の施設につきまして、そのすべての多様な施設を一市町村にそれぞれに整備するということそのものが現実的ではないと思いますし、そういったこともありまして、御指摘のように小さな市町村ではそういう施設を持てないということも含めて、なかなか全体像を示すプランが書きにくいということから、市町村の障害者計画の策定に難渋をしていらっしゃる市町村があることも御指摘のように事実でございます。 こういった障害者の施設については、私どもは、原則として複数の市町村を含みます障害保健福祉圏域を単位として、市町村と連携をしながら広域的に整備を進めていく必要がある、このように考えております。ということになりますと、そういう整備の方針の中にあって、また、市町村計画もそういう広域的な形で策定いただくことで、ぜひ全市町村に障害者計画が達成できるように都道府県を通して指導していきたい、このように考えているところでございます。
○小池晃君 全体として障害保健福祉圏域、これを単位にして整備を進めていくんだというふうに言うんですけれども、これは言ってみれば二次医療圏レベルであります。こういう設定ではきめ細かい対応ができないと思うんです。現状で見ると、社会福祉施設、精神障害者の社会復帰施設なんかは非常に人里離れたようなところに配置されている例が大変多いわけです。そういう中で広域化をすれば、よりそういう傾向を助長することにもなりかねないわけであります。 ノーマライゼーションということを盛んにおっしゃるわけでありますから、地域の中での障害者との共生を図るという点から見れば、やはり本当に都市部も含めてきめ細かく設定していく。二次医療圏に一つあればいいということであれば、今のような偏在を解消することはできないわけでありまして、目標が低くなっているから広域圏でないと整備できない、広域圏だから人里離れたということであれば、これはどんどん悪循環になるわけであります。 私は、市町村レベルできめ細かい対応ができる、ポストの数ほど社会復帰施設をというのが障害者団体の声でもありますし、世界の流れでもあるわけでありまして、やはりそういう方向に目標自体を見直していくことこそ求められているんじゃないかというふうに思うんです。 以上、全体の障害者プランの目標そのものが大変不十分だと。これで十分だと胸を張って立派な目標だというふうにはとても言えないような代物だということは大臣もおわかりいただけると思うんですね。 九六年十一月十五日の障害保健福祉部長による「厚生省関係障害者プランの推進方策について」という文書があります。この文書を見ると、障害者プランの目標についての考え方はこうだというふうに述べられております。「第一に、目標年度である平成十四年度末において、障害者のニーズに対応できるようにすることを原則としている。」と。平成十四年度で障害者のニーズに対応するのが原則だ、それで目標をつくったんだと、そう言っているわけですね。 今までいろいろと論じてまいりましたけれども、大臣、今までの議論をお聞きになって、現状はどうなのか。今の障害者プランの目標で、これがあと二年で、あと二年後に我が国の障害者関係の基盤整備というのは障害者のニーズにこたえるような、そういう到達に達するというふうにお考えなんでしょうか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 障害者プランの目標は、このプラン作成当時のいわゆる施設待機者の状況であるとか、身体障害者、知的障害者の全国調査の結果などを踏まえまして、平成十四年までのニーズを見込みまして、それをもとにいたしまして、障害者の方々が適切な福祉サービスを受けられるように配慮しながら設定した、こういう経緯があるわけでございます。 したがいまして、プランの目標の水準が大変低いのではないかと、こういうような委員からの御指摘でございますけれども、私どもといたしましては、現時点において、まずはこのニーズを十分に踏まえながらこのようなプランをつくらせていただいたような次第でございますし、平成十四年度の目標を着実に実施し、達成することが私どもに課せられた使命であると、このように考えているような次第であります。
○小池晃君 私がお聞きをしているのは、この目標をつくったときにはその時点でのニーズで目標を立てられたと。それはわかる。それも大変不十分じゃないかと思うんですが、そういう言い分は理解するんです。しかし、それがこの目標の時点、平成十四年度末において障害者のニーズに対応できる、今でもそういうふうにお考えなんですかと。今の障害者プランを達成すれば、達成しない部分、明らかに達成できない部分はあるわけですが、二年後に、今のペースで進んでいって、我が国の障害者の必要としている基盤整備が平成十四年度末に達成される、それが障害者プランの目標設定の考え方だったわけですから、そういうふうにお考えなんですかと。 つくった時点では、平成十四年度に達成する目標をつくりました、そしてそれに向けて努力しますというふうにおっしゃるんですが、それが平成十四年度、今の目標のままでいって、そして今のペースで進んでいって、今の時点で検討していただいて、ごらんになっていただいて、果たして平成十四年度末の時点で障害者のニーズを満たす、そういう到達に達するとお考えなのかとお伺いしているんです。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 先ほども答弁を申し上げたところでございますけれども、まずは平成十四年度の目標を達成するということが先決でございます。そのために、当然のことながら都道府県あるいは市町村、そして地域の住民の皆さん方の御理解を得ながら、今御指摘のようなさまざまな障害者プランの達成のために私どもは努力をしていく決意でございます。
○小池晃君 この推進方策の第二には何と書いてあるかというと、「第二に、精神障害者施策については、退院可能な入院患者等の社会復帰及び自立と社会経済活動への参加の促進を図るための基盤整備を行うことを政策目標として、目標を設定している」となっているわけですね。要するに、社会的入院の解消が政策目標で、その目標で設定したんだと。 では、精神障害者について、社会的入院の解消、退院可能な患者の社会復帰及び自立、社会経済活動への参加、これがあと二年後の我が国で実現可能となるというふうにお考えなんでしょうか。
○政府参考人(今田寛睦君) 障害者の社会福祉の充実あるいは社会参加の促進につきましては、委員も御承知かと思いますが、昨年の精神保健福祉法の改正におきまして一部法定化をする事業も設けました。そういったこともあわせてこの障害者プランの達成につきまして精いっぱいの努力をしなければならないと、このように考えております。
○小池晃君 結局、努力をする、障害者プランの実現達成に努めるということしかお答えがないわけであります。 総理府に来ていただいていますのでお伺いしたいんですが、この障害者プランには定期的なフォローアップと必要に応じたプランの見直しということが言われております。これまでフォローアップというのはどのように行われてきているんでしょうか。
○政府参考人(冨澤正夫君) 障害者プランのフォローアップにつきましての御質問でございます。御説明いたします。 障害者プランには、御指摘のように「本プランの推進状況を定期的にフォローアップし、」と定められております。このフォローアップにつきましては、私ども総理府におきまして、毎年度末に関係省庁から年度末現在での各施策の進捗状況に関する資料の提出を求め、私ども総理府で取りまとめております。この資料につきましては、それぞれ本部を構成いたします構成員に説明をし、報告をし、さらに一般にも公表をしているところでございます。
○小池晃君 各省庁から文書を取り寄せて、数字を集めて報告をするんだと。言ってみれば事務的な作業だと思うんですね。 進捗状況が目標に照らしてどう到達しているか、その評価を行う、あるいは必要に応じてそのプランの見直しを行うと。こういうことをやろうとしたならば、これは障害者施策推進本部の会議を開催して、そこで検討する必要があると思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(冨澤正夫君) 御指摘いただきましたとおり、障害者プランは障害者施策推進本部で定めたものでございますので、当然これの見直し等を行うためには障害者施策推進本部の会議において決定することが必要と考えております。
○小池晃君 それではお聞きしますけれども、そもそも、今までにこの障害者プランが作成されて以来、障害者プランの進捗状況のフォローアップのために障害者施策推進本部会議が開かれたことはあるんでしょうか。
○政府参考人(冨澤正夫君) 平成七年に障害者プランを障害者施策推進本部において定めまして以降、障害者施策推進本部の会議は何度か開かれておりますが、障害者プランの進捗状況につきまして審議をするという目的で開催したことはございません。
○小池晃君 要するに、目標を立てて始めたけれども、その内容を評価する会議が今まで開かれていないんですね。 これは確認したいんですが、定期的に推進本部を開催する、そして進捗状況を点検、評価するというような仕組みになっていないということだと思うんです。障害者プランの進捗状況を評価あるいは見直しをするということになるとすれば、どこかの官庁がこれは見直しが必要だというふうに言い出して障害者施策推進本部会議を開催しなければ、これはこのまま見直しが行われることなく障害者プランの最終年まで行くということになるわけですね。
○政府参考人(冨澤正夫君) 先ほども御説明いたしましたとおり、障害者プラン策定後、障害者施策推進本部の障害者プランの見直し等のための会議は開かれておりません。ただ、今後必要がございました際には障害者施策推進本部の開催も行うことになろうかと思います。
○小池晃君 だから、その必要があればというのは、例えば厚生大臣なら厚生大臣なりが見直す必要があるんだというふうに提言をして、厚生大臣は副本部長なんだから、その会議を開いてくださいというふうに言わない限りこれは開かれないんです。だから、定期的に何年かに一回点検して、この中身をきちっと評価するということがされない仕組みになっているんですね。 障害者プランの目標数値自体がそれまでの自然増と言われるような伸び率に比べても大変おくれている、ニーズに照らしてもおくれている、そして達成にほど遠い分野もいっぱいあるわけであります。障害者プランの最終年まであと二年。当然見直し作業があってしかるべきなのに、これは今までやられていない、そして定期的にそれを見直すという仕組みになっていない。こんなことでいいんだろうかというふうに思うわけです。 大臣にお伺いしたいんですが、先ほども聞いたように、障害者プランが当初目標では「目標年度である平成十四年度末において、障害者のニーズに対応できるようにすることを原則としている。」と言っているのであれば、この平成十四年度におけるニーズに照らして適切なのかどうかということを今の時点でこれを見直すと。そして、足りない部分は緊急に到達状況を点検して、例えば不十分な部分は緊急整備計画をつくるというようなことがやられて当然じゃないかと思うんですね、新ゴールドプランだって最終年に見直しをやったわけですから。やはりそういう必要があるんではないかと私は思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 障害者プランでございますけれども、先ほど来答弁を申し上げておるわけでございますが、平成十四年度を目標にいたしまして、今それぞれの障害の種別であるとか内容に応じまして基盤整備を着実に進めているところでございます。 進捗状況でございますが、平成十年度の予算に対しまして、身体障害者の療護施設では一〇二%、それからグループホーム、福祉ホームでは一〇三%になっております。こういう中でサービスについてはおおむね順調に整備されている、こういう考え方に立つものでございますが、先ほども申し上げましたけれども、障害者に対する相談事業などは必ずしも順調に整備されているとは言えないものもございます。 いずれにいたしましても、私どもはまずは平成十四年度の目標の達成に向けてさらなる基盤整備の推進に努めていきたいと、このように考えているような次第であります。
○小池晃君 全く納得できません。だって、五年以上前につくった目標で、現時点で見直すという必要性を大臣はお考えにならないんですか。 障害者プランに照らしてほぼ目標を達成しているというふうに胸を張っておっしゃるのであれば、それをさらに引き上げて、目標を超過達成するということであればもっと目標自体を引き上げてそこを目指すという努力をすべきじゃないですか。あるいは、全然達していないような部分があれば緊急に引き上げる、そういう対策を立てるべきじゃないですか。あるいは、今の時点で果たして平成十四年の時点でニーズに合った目標なのかということを再点検する、その必要性すら感じないということなんですか。これは当然やられるべきだと思うんですが、もう一回お答えください。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 先ほど来お話を申し上げておるわけでございますけれども、この障害者プランというのは関係十九省庁によって構成されております障害者施策推進本部において策定されたものでございますが、現行プランの達成状況、さらに今後の地域のニーズ、こういうものなどを十分に踏まえまして関係省庁において検討される、このように考えておるわけでございます。 厚生省といたしましては、先ほど来申し上げておりますように、まずは平成十四年度の目標達成に向けて着実な基盤整備を進めることが重要である、このように考えておりますし、それ以降のことについては、またその時点において、当然のことながらその達成状況などを踏まえながら検討すべきものだと、このように考えております。
○小池晃君 まずは達成に努めると言いますけれども、これは障害者プランが始まって一年目か二年目であればそういうせりふもわからないではない。もう五年以上たって、あと二年しか残っていない時点で、まずは達成に努めるということで障害者の皆さんが納得するとは到底私は思えませんよ。最初に障害者プランを立てたときに定期的にフォローアップして見直すということが全くの空文句だったということじゃないですか。平成十四年度の障害者のニーズを達成するのが目標だということが全く絵にかいたもちだということじゃないですか。 皆さんは、今度の法案によって、利用者がサービス提供者と対等な関係のもとで契約によってサービスを利用する新しい仕組みをつくるんだというふうにおっしゃるけれども、こうした障害者プランすら見直そうとしない。こういう姿勢で、これだけおくれた基盤整備の中で、果たしてその新しい対等な関係の利用契約制度なんてできるんですか。そのことについて大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) これは現実問題としてさまざまな、障害者プランの中におきましてもまだ必ずしも十分に満たされていないものがあるわけでございます。そういったものをきちんと達成するということが私ども行政の果たすべき役割であると。そういうものを満たされないままにまたさらに上をつくるという考え方も一つの考え方かもしれませんけれども、まずは私どもは決められたことをきちんと達成して、そしてその達成が終わった時点において、また平成十四年度以降の問題について十分に関係者の皆さん方あるいは地域のニーズなどを十分に踏まえながら検討されるべきものだと、このように考えているような次第でございます。
○小池晃君 障害者プランはもう終わりに近づいているわけですから、私は、緊急整備計画のようなものを立てて、本気になってこの基盤整備に取り組むということが求められているというふうに思います。 そういう中で、今回の利用契約制度への移行の問題ですが、サービス提供が非常に不十分だと、こういう中で利用契約制度に移行すればこれは逆選択になるんじゃないかという声が障害者の皆さんから出ている。これは当然じゃないかと思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(今田寛睦君) 措置から契約へ移行する際のサービスの提供に対しまして、障害者自身が必要とされるサービスが受けられないような、いわゆる逆選択も含めて受けられないようなことがあってはならない、そのように私どもも考えております。 この逆選択ということに関しましては、指定事業者の運営基準において、正当な理由がない限りサービスの提供を拒否してはならない、このようにしておりまして、今後のサービス事業者の指定に当たりましてもこの点に十分配意して対応したいと考えております。
○小池晃君 今言われた、その場合の運営基準の正当な理由というのはどういうことを言うんでしょうか。
○政府参考人(今田寛睦君) 最も端的な場合は、定員がいっぱいで入所等ができないというふうなケースがあろうかと思います。そのほかに、施設の目的や機能が利用者のニーズと合致しない場合、この場合であっても、例えば重度の要介護者、療護施設に入所するべき要介護者が例えば授産施設の入所を希望されるような場合に、必ずしもその施設の持っている機能に対応しないというようなケースにあっては、これは正当な理由に当たるのではないかと、このように理解をしております。
○小池晃君 ではお聞きしますけれども、例えば施設の定員に対して申込者が大幅に上回っていたとします。施設の側が職員の労働が過重になっているという理由で軽度の障害者をその中から入所させた、こういう場合はそれが正当な理由になるんですか。
○政府参考人(今田寛睦君) 個別的な運用についてはケース・バイ・ケースにもなろうかと思いますが、少なくともその施設が重度な方を入所させることによって過重なあるいはより多くのサービスが必要になる、軽度であればそれが必要でないと、したがってそうであれば当然軽度の方を優先する場合が想定できるのではないか、こういうことかと思います。 その場合に、そういうことが現実にあってはならないと考えておりますし、そのためにはそこで支払われます支援費、この支援費について今まで一律の積算をやっておりましたけれども、今後、この支援費の算定に当たっては重症度を勘案した支援費を設定いたすことによってこういったことを防ぐ必要があるのではないか、このように考えております。
○小池晃君 今のお話ですと、そういうのを逆選択と言うんですよ。軽度の人しか入れない、重度の人がいた場合に選んでしまうという場合を、こういうのを逆選択と言うんですよ。結局、あれこれ言うけれども、もう明らかにサービス不足なわけですから、申し込みの順番で決めるわけでもない、サービスの緊急性、重要性で決めるわけでもないわけですから当然選択の余地が出てくるんですよ。その中で施設の側が全体の経営をということを言われる構造に変えるというんですから、その中で選択をしていくということは十分入り込む余地があるわけですよ。 私は、こういう深刻な基盤整備のおくれのある中で利用契約制度に変えるということは、まさに今言われたような障害の重症度によって選別するようないわゆる逆選択が起こるということだろうと思うんです。 大臣にお聞きしたいと思うんですが、前の議論の中で措置の功罪という議論がありました。政府参考人が功の部分は限られた資源の配分というふうに言われたわけであります。措置制度の功として限られた資源の配分というのがあると。まさに今の時点でもそういう同じ役割がまだ残っているんじゃないか、その役割の必要性というのはこれだけ深刻なサービス不足がある中で私は決して解消していないというふうに考えるんですけれども、大臣、いかがでしょうか。どのように考えられますか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 御案内のように、社会保障の給付サービスそのものが、いわゆる戦後の焼け野原の中において、戦災孤児であるとかあるいは所得の低い方々であるとか、こういったような方々を対象にいたしまして社会保障というものが実施されてきたわけでございます。そういう中においては、御案内のように国や地方公共団体からいわゆる給付を施す、こういうようなどちらかというと画一的な給付サービスというものが行われてきた。そういう中において、時代の変遷とともに社会保障の給付サービスの享受そのものが一般的になってまいりました。 そういう中で、今回、全般的な流れの中で、介護保険に象徴されますように、いわゆる利用者と事業者が対等な立場に立って、そして選択をして契約をする、そういう中でこのようないわゆる社会構造改革、社会福祉事業法の改正というものを提案させていただいたわけでございますが、現実問題として大きな流れの中において十分なる給付サービスを受けるにはまだまださまざまな問題点がある。こういったような観点から、一部において、今、障害者の方々などを初めそういったようないわゆる措置制度的なものを残しながら、いずれにいたしましても利用者の皆さん方が今後の社会保障の給付サービスの享受を受ける中において、いわゆる弱者ゆえにいかにしてこういうような犠牲にならないか、こういうような観点から特例的にこういったような措置を設けているわけでございます。 基本的には、私どもは、利用者と事業者を対等な立場に置くことによって、そしてまず自由競争の中において質の確保を図っていかなければならない、こういうことでございますし、さらにまた私どもは必要な措置というものは十分にとらなければならないわけでございますけれども、基本的に目指す方向というものは、できることならばできるだけ民間の方々にこういった分野においても参入、進出をしていただいて、これまではどちらかというと画一的なサービスのもとで行われていたものからもっと開かれたものにしていかなければならない、そしてひいてはいわゆる小さな政府というものも目指していかなければならない。 こういうことも十分に念頭に入れながら、しかし、さりとて先ほど来問題となっているような問題につきましては、私どもとして、国、地方公共団体としてきちんとした責務を持つということが何よりも必要であると、このように考えているような次第でございます。
○小池晃君 今いろいろ言われましたけれども、私は法案を見ても、今までの政府のやってきたことを見ても裏づけが全くない議論だと思います。やはり圧倒的なサービス不足の中で利用契約制度という形にすれば、どうしても弱い立場の障害者、重度の方あるいは経済的負担能力のない方がこれは切り捨てられていく危険があるんじゃないかという声が上がるのは私は当然だと思います。そういう疑惑、疑念がきょうの議論を通じてさらに深まったというふうに思うんです。 残った時間で小規模作業所の問題についてお聞きしたいと思うんですが、法定施設の整備が大変おくれている中で大きな役割を果たしてきたわけです。全国五千二百カ所、七万五千人の利用者総数がある。前回、与党の議員も指摘されたように、大変、法のもとの平等に反するような一カ所百十万円という極めて低水準の支援しか今まで行われてこなかった。このたび、通所授産施設の施設要件を二十人以上を十人以上に引き下げて、小規模通所授産施設とする方向が出されております。 お聞きしたいのは、今までの小規模作業所に対する補助金の性格と、それから今後の小規模通所授産施設に認定された場合の補助金の性格の違いについて説明をしていただきたいと思います。
○政府参考人(今田寛睦君) 精神障害者に係ります通所授産施設については、その施設基準を踏まえて運営に必要な費用について一定額を補助する、こういう仕組みになっているわけでございます。 一方で、いわゆる小規模作業所につきましては、その地域に根差した自主的な取り組みを展開されているということに対しての活動を奨励するために障害者団体を通じて国庫補助をしている、こういう性格のものでございます。 そこで、今回の小規模通所授産施設に対します補助のあり方については……
○小池晃君 それはいいです。それは後で聞きます。 現在、精神障害者の通所授産施設に対しても補助金が出されていると思うんですが、この補助金の性格とその額を教えていただきたい。
○政府参考人(今田寛睦君) 精神障害者に係る通所授産施設につきましては設備及び運営に関する基準がございますが、これによりまして必要な規模、設備、職員の配置等を定めておりまして、この基準を踏まえて施設の運営に必要な費用について一定の額を補助している、そういう仕組みでございます。 平成十二年度の予算におきましては、この補助額を増強したわけであります。ちなみに平成十一年では、大都市をイメージしていただければと思いますが、平成十一年には二十人規模で二千四百万円の補助基準額を設けておりましたものを、平成十二年度、今年度から二十人規模で三千五百万程度の補助基準額に設定するということで、百七十二カ所に対して総額二十四億円の確保を行ったところでございます。
○小池晃君 確認したいんですが、今までの小規模作業所への国庫補助はあくまでも奨励金的な性格だった。今後、小規模通所授産施設に認定した場合は運営費補助だと。今までの精神障害者の通所授産施設への補助金も運営費補助だと。ということは、これからつくろうとしている小規模通所授産施設に対する補助金と、それから今までの精神障害者の通所授産施設に対する補助金の性格は同じというふうに考えていいんですね。
○政府参考人(今田寛睦君) 先ほど若干踏み込んでお答えを申し上げましたが、精神障害者の通所授産施設につきましては、その施設基準を踏まえて運営に必要な費用について一定の額を補助すると、こういう仕組みでございます。 今回の小規模通所授産施設に対する補助につきましては、小規模作業所の持つよさを失うことなく法定施設に移行できるよう、現行の通所授産施設に比べて緩やかな施設基準を設定することといたしております。したがいまして、その施設基準を踏まえて施設の運営に必要な費用の一部を補助することを検討していきたいと考えております。
○小池晃君 ちょっと児童家庭局長においでいただいているので一言聞きたいんですが、ことしの三月三十日に小規模保育所の設置認可要件が緩和されています。この場合の保育単価は小規模の方が高くなっていると思うんですが、その理由について簡潔に御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(真野章君) 保育所につきましては、原則定員六十人以上ということが認可の基準でございますが、先生今お話のございましたように、三月三十日、大都市周辺や過疎地域につきまして定員二十人以上の小規模保育所の設置を認めております。 若干数字を申し上げますと、二十人定員の小規模保育所と、平均的な規模でございます九十人の……
○小池晃君 理由だけでいいです。
○政府参考人(真野章君) 理由につきましては、二十人定員の保育所、それから平均的な九十人の保育所でございましても施設長の人件費は一緒であるとか、施設の管理費の一部につきましては規模にかかわらず必要な経費があるということを勘案いたしまして、その結果、保育単価に差が出るということでございます。
○小池晃君 要するに、小規模の方が運営コスト、管理コストがかかるから単価は高くなると。これは極めて当然な話だと思うんですね。 最後に、大臣にちょっとお伺いしたいんですが、小規模作業所の運営費補助を思い切って引き上げるというふうに衆議院で御答弁されました。しかし、百十万円という水準から、そこから思い切ってということであればこれは話にならないわけであります。 今、お話があったように、精神障害者の通所授産施設には年額二千四百万円の運営費補助が出ている。これは知的とか身体は措置の世界でもっと高いんです。運営費補助という点では同じ性格になってくるわけですから、そういう意味では今度新たに小規模通所授産施設に行われる運営費補助、これは少なくとも性格の非常に近い精神障害者の通所授産施設に対する運営費補助の水準と遜色のないものにする、これを基準に考えていくということが当然必要になってくるんじゃないかと思うんですが、大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 小規模作業所でございますが、障害者の自立であるとか社会参加を促進する上におきまして大変これまでも重要な役割を果たしてきていると、このように考えておるような次第でございます。 今回の改正におきましては、御案内のように、通所授産施設の規模要件を二十人から十人に引き下げることになったわけでございます。小規模作業所の法定施設化を促進することによりまして、その際、助成のあり方につきましても、従来の小規模作業所のよさを失うことがないように十分に配慮しながら、これからひとつ十分に私どもといたしまして財政当局に対しまして私どもの要望というものをお伝え申し上げたいと、このように考えております。
○小池晃君 そういう一般論では困るわけでありまして、百四十六臨時国会で「小規模作業所の法定化に伴う運営の安定化に関する請願」が採択されています。「小規模作業所の法定化に当たっては、運営費及び施設整備費等において現行の通所授産施設の水準と同等とすること。」と、これを全会一致で採択しているわけです。 今のような一般的なことではなくて、やはり小規模作業所を法定化するのであれば、少なくとも現行の精神障害者の通所授産施設に対する運営費補助の額を基準に設定を考えていくべきじゃないですか、そういう方向で財政当局に厚生省として働きかけていくべきではないですかというふうに考えるんですが、そのことについての大臣の御所見、御決意を私はぜひ伺いたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) ただいまの小池委員のお考えは一つの考え方として十分承っておきます。 いずれにいたしましても、小規模作業所が障害者の自立に果たしている役割というのは大変大きいわけでございますので、全面的に支援していく方向で努力をしていきたい、このように考えております。
○清水澄子君 社会民主党の清水です。 私が初めに申し上げたいのは、今回の改正は部分的には改善があると思いますが、全体として、社会福祉の実質を拡充するというよりも社会福祉に回されている国からの財源配分の乏しさをそのままにしておいて公共の役割を減らしていく、社会福祉事業者や自主的運営団体には市場原理を導入していく、それが結果として利用者の生活や権利をさらに困難にするのではないかと、非常にそういう危惧を私は抱いております。 そもそも社会福祉はいわゆる社会法の分野であって、対等な個人同士が取引をするという私の法律といいますか、そういう契約法の分野には入らないものだと思うんです。だからこそ、これまで公共の責任が前面に規定されてきたのだと思いますし、これを今回、自由契約の世界に移そうというのであれば、公共の側の最終的な裏づけとか責任が法律に明記されなければならないと思います。また、事業者と利用者の間の関係についても、実質的に対等になるのであれば、その手だて、担保条項がはっきり規定されていなければならないと思います。 そこで、まず現行法と改正案における国及び地方自治体の責務に関する規定の変化について伺いたいと思います。 現行法では、冒頭とも言えます第三条に「基本理念」というのが明確にありまして、そこで、国、地方公共団体は、社会福祉法人等と並んで、福祉サービスを必要とする者がこのサービスを総合的に提供されるように事業の実施に努めなければならないと、きちんと責任が明確にされております。また、第五条「事業経営の準則」においても、第一項で、国及び地方公共団体は責任を他の社会福祉事業を行う者に転嫁しないことと念を押しているわけです。 ところが、改正案では、第三条が「福祉サービスの基本的理念」となっているわけです。その条文は、「福祉サービスは、」ということなんですが、その文章には主語といいますか、人的な主語がありません。主体がありません。つまり、福祉サービスという抽象概念が主語になっていて、現実にそれをだれが担うのか。国や自治体の責任が全く消えているわけです。厚生省は当然第六条に持ってきたのだとおっしゃると思いますけれども、それは根本的に違うと思います。 改正案で国及び地方公共団体を外した意図は何なのか、大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 今回の社会福祉事業法の改正におきましては、社会福祉法人が中心となって多様な福祉サービスを提供していく、こういうことを基本といたしておりますが、当然のことながら国及び地方公共団体はみずからの事業を実施することも含めまして、例えば福祉サービスの提供体制の確保など、こういったものがきちんと明記されておるわけでございます。 これはもう今さら申し上げるまでもなく、いわゆる基盤整備をしっかりやりなさい、こういうことでございますし、また、今、委員から御指摘がございました福祉サービスの適切な利用の推進に関する施策、これは御案内のようにサービスの利用というものをきちんとしていかなければならないし、当然のことながら支援費であるとかサービスの受給者の権利擁護、こういうものを念頭に置いてこのような規定をさせていただいたわけでございます。 いずれにいたしましても、このように国及び地方公共団体が実際に行わなければならない責務というものを引き続き明らかにいたしておるわけでございますし、施策の推進につきましては国及び地方公共団体の責任は現行法第三条の「基本理念」よりもむしろ明確化したものと、このように考えているような次第でございます。
○清水澄子君 よく理解ができないんです。現行法第三条が、今、大臣が言われるように単に事業者の責務を定めたものだというのであれば、現行の社会福祉事業法には社会福祉の基本的推進責任者としての国や自治体の位置づけをした条項はもともとなかったということになるんでしょうか。そして、事業法だから、単なる一事業者として国、自治体等を列挙していたのが現行法第三条だと言われるんでしょうか。 しかし、現行法第三条の表題を見ていただければ、表題には「基本理念」と明記してあるわけですね。それは、基本理念と言う方が私は法律としてはとても大事なことだと思うんですが、どちらが正しいんでしょうか、基本理念なのか事業者の責務なのでしょうか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 現行法の第三条におきましては、御案内のように「国、地方公共団体、社会福祉法人その他社会福祉事業を経営する者は、」「社会福祉事業その他の社会福祉を目的とする事業の」「実施に努めなければならない。」、このように明記されておるわけでございます。第六条におきましては、これをより具体的に明確化いたしまして、先ほども申し上げましたように「国及び地方公共団体は、」「福祉サービスを提供する体制の確保に関する施策、福祉サービスの適切な利用の推進に関する施策その他の必要な各般の措置を講じなければならない。」ということで、現行の社会事業法の第三条よりも今度新しく提案させていただいております第六条はより国、地方公共団体の責務を明確化したと、このように受けとめていただければ幸いだと思っています。
○清水澄子君 現行より、よりよくなっていくんですか。国や自治体の責務というのがこの「基本理念」というところの主体から消えたことの方がよりよくなっていくということなんですか。 第六条で事業者としての国や自治体の責務を定めるのだからいいのだとおっしゃるわけですが、そうであるならば、今度の利用制度のもとでは国はどのような最終責任を負うんでしょうか。大臣の明確な答弁をお願いします。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 最終責任というのはどういうことなのか、もうちょっと具体的にお話しいただければと思います。
○清水澄子君 今度は利用制度になるわけですから、そのときの国の責任、最終的に基盤整備も何も十分でなかったら利用制度だけ実行してもそれはできませんね、こういう言葉だけがありましても。ですから、むしろ基本理念で国、地方公共団体はこういう計画的な事業について努めなければならないという現行法の責任の方がはっきりしていると思うんです。 そういう点で、今度はこの改正の方がよりよくなるんだとおっしゃったときに、この利用制度のもとで最終的にこれはどこが責任を持つことになるんですか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) どちらかというと、この社会福祉事業法に限らず、今までの施策というものは、福祉に限らず全般的に中央集権的な嫌いがあったわけでございます。 今回のこの社会福祉事業法の改正においては、より身近に適切に、そしてその地域の実情を把握し、そして住民の皆さん方のニーズにこたえられる中において、さまざまな形で地域福祉計画であるとかそういった、これはあくまでも義務にはなっておりませんけれども、こういうものをおつくりいただきたいと。その方がより地域の住民の皆様方の適切な御要望にこたえられる。この法律の改正の根底にはまずそもそもそういうような大きな流れがあるんだということをぜひとも御理解いただきたい。 そういう上に立ってこのようなことをさせていただいたわけでございますし、私どもといたしましては、これによって国あるいは地方公共団体が後退をするとか、これによってサービス提供についていささかでも利用者の皆さん方に不便をかけるようなことがあってはならないと。こういったことは同じことでございますけれども、利用者本位ということを考えれば、より身近な立場に立って考えていただく、こういうようなことで、これは介護保険においても地方分権ということを一つの目玉にいたしておるわけでございますけれども、そういう流れの中でこういうような法案を出させていただいたと、こういうことでございます。
○清水澄子君 利用者本位になることに私は異議を言っていないんですけれども、しかし今回の改正で利用者本位、利用制度にするというところは、介護保険や保育もそうなっていますし、これをさらに障害者などに広げようというわけですから、それならばそれをやるためにその前提があるでしょうということなんです。 確かに、措置制度は、建前としては行政が一方的に対象者を決めて処遇を決める、行政処分だと、それはそういうことでおっしゃる面はあるわけです。利用者には選択の自由がなかったと。しかし、それは建前であって、やはり実際には必要な人が黙っていても行政が飛んできて非常に手厚く措置してくれたというわけではないんです。 そういう点では、行政は今非常にいかにも反省しているかのようにおっしゃる。反省しているところは大事なんです、現実の措置という中でそういう考え方をなくそうというのは私は賛成なんですけれども、決して現状はそうじゃないんです。むしろ逆に、サービスを受けることが必要な人が役所に何度足を運んでも、その必要なサービス量の一部しか措置されないという人も非常に多いわけです。その限りで、逆に措置制度は利用者の最低限のサービス受給権の歯どめとなってきたというのが現実だと思うんです。 そこで、では新しい利用制度はどうなるのかというときに、今回できた法律で利用者本位と言えるほど事業者と利用者が対等な関係に入れる、保証できる、そういう確信がおありなんでしょうか。
○政府参考人(炭谷茂君) 今回の改正によりまして、措置制度から利用者がみずから選択したサービスについてサービス提供者と対等な関係でこれから利用者が契約を結んでいただくという形に変更するわけでございます。 この場合、単なる契約といってもやはりいろいろな制約が当然伴うわけでございまして、例えば申し出があった場合は事業者は断ってはいけないとか、また今回の社会福祉サービス法の中にも書いてございますけれども、契約を結ぶ際は事業者に十分な説明をする義務を課すというような条文も置いております。また、このような契約時、契約の際のことだけではなくて、いわば利用者を支えていくという制度がなければ対等の関係にはなかなか福祉の場合はいかない部分があるわけでございます。 このような中で、今回の社会福祉法の中に新しい章を設けまして、地域福祉権利擁護制度の規定や苦情の適切な解決のための規定というものを新設しているわけでございます。
○清水澄子君 ですから、そういうような理念だけではとてもだれも安心できないわけです。しかし、理念を担保してあるかどうかということになるんですけれども、それには相当、対等な契約の関係にするには数々の条件が整備されなければこれは不可能だと思うんです。この点は衆議院の厚生委員会の参考人のところでも非常に複数の参考人から、ほとんど重大な疑問とか要望が出されている。私なんかも全く同じことを考えるわけです。 例えば、能力に応じてと言うけれども非常にひっかかる言葉だと。これは金政玉さんが言っておられたんですが、障害の程度に応じて権利が薄められることになりかねないと、そういうことをやっぱり心配しておりますし、また代理受領方式も問題だと。お金が本人を通さないで事業者に流れていくというのでは対等な契約というのは成り立たない。これまでと同様に役所の顔色を見ながらということがあり得るということをやはり皆さんたちは自分の日常の生活の実感の中からそれをおっしゃっているわけです。 これに対しては、やっぱり本人の同意ということと、支払いは例えばダイレクトペイ、つまりバウチャー方式にすべきだとか、そういういろんな提案をされているわけですけれども、私は、事業者と利用者が対等な関係になるという上で一番大切なのは、それを利用できる所得を持っているのかどうかということがとても重要だと思うわけです。 そういう中で、特に障害者の方たちの所得保障というのは、これはまだ本当に何ら十分な手がついていない。障害者の中で常用雇用されている人は二割ぐらいと言われていますが、所得保障がとてもおくれている。私がこの間お聞きした人は、一カ月に一万円の所得しかないと言っていました。ですから、そういう状況の中で事業者と対等な契約関係がどうやって結べるのか。 だから、本来、契約型のサービスに移行するに当たっては、やはりその前段として所得保障制度の抜本的な見直しをもっと積極的に検討すべきではないか。利用者本位というのは美しい言葉なんですけれども、それを担保する施策についてどこまで本当に確信を持っておいでなのか。その点についてひとつ大臣お答えください。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 先ほど来答弁を申し上げているところでございますけれども、基本的にはこれまでの画一的な措置制度から利用契約制度に移行していく。しかし、こういう流れの中において、委員が御指摘のようなさまざまな形で、このいわゆる措置制度から利用制度に移ることによって果たして利用者が真の意味での犠牲にならないかどうかということを御懸念なさって御質問なさっていらっしゃるのではないかと、こう思っております。 そういう観点に立ちまして、私どもは、今回、御案内のような権利擁護事業であるとか、それからさまざまな、先ほど局長の方からも答弁を申し上げました事業者の忌避を禁止するとか、指定事業者制度のサービスの提供を拒否してはならないとか、こういったような形で利用者のサービスといいますか、こういうものをきちんと守っていかなければならない、こう思っておるような次第でございます。 また、当然のことでございますけれども、こういったようなことも十分に踏まえながら、やむを得ない事情で契約によるサービスが利用できないような緊急の場合に備えまして措置制度もセーフティーネットとして残した、こういうようないきさつがあるわけでございます。 とにかく、これから利用者の皆さん方と事業者の皆さん方が対等な立場に立つための第一歩である。今回のことは第一歩である。しかし、その中において委員が御指摘のような問題もありますので、こういったようなことも特例として残させていただいている、このように御理解を賜りたいと思っております。
○清水澄子君 第一歩というのは、いつでも第一歩なんですが、その次に伺うときはそれが後退しているんですね。だから、最初のときにうんと私は聞いておきたいんです。これはまた次の機会のときに伺います。本当に忘れませんよ。第一歩ですよね。そうしたら、その次はちゃんと計画があるんだと思いますから、後ほど伺います。 私は時間が余りないので、その次に母子生活支援施設とDVの対応について伺いたいわけです。 この母子生活支援施設というのは、たしか前に名称を変えたのを思い出しましたけれども、普通母子寮と言いますね。現場にいる人たちも母子寮と言わないとわからないですよ。名前だけがいつも変わって、中身はちっとも変わらないで、名称だけは何かとてもよくなったような名称になるんですが、現場の人と話していますと、みんな母子寮としか言いません。ですから、きょうも私は母子寮という言葉を使わせてもらいますが、これは母子生活支援施設という名称になっているわけですね。 今度の新しい法案では、社会福祉事業として盲導犬訓練施設とか手話の通訳事業とか、そういう幾つかの新しい分野が追加をされています。私は、それは大変いいことだと思っております。しかし、私がかねてからここで質問し、主張してきました現在売春防止法の事業として行われている婦人保護事業と婦人相談事業についてですけれども、これが今度の改革でこの社会福祉事業の対象に、事業の中身ですよ、なぜ位置づけられないのかということなんです。 現在、この婦人保護事業については、夫からの暴力によるいわゆるDVの保護を必要とする女性を婦人保護対策及び母子福祉対策の一環としてということで、もう既に現行社会福祉事業の中でいろいろ保護されておるわけです。事業をされているわけです。ですけれども、母子寮というのは、本来、母子寮は家庭的事情とか困窮とか、そういう人を保護するはずだったんですが、今の社会の中ではそういうことよりも、暴力を受けた女性の方が現実は多くなっているわけです。 ある関東地方の母子寮を見ましたけれども、そこは定員二十世帯のうち九世帯はDVを入寮の直接の理由としております。ここに入っていた一人は、夫が中国帰国者で妻は中国人で子供二人。夫の暴力に耐えかねて福祉事務所に行って、今は緊急一時保護を経て入所していますけれども、前に訪ねたときには、あなたの辛抱が足りないんだと追い返されているわけです。だから、利用者本位などと言うけれども、福祉事務所ですらそういうことが多いんです。それが今度新しい人になったときにまた訪ねていったら、あなたはすぐここに入所できますよと教えてくれて、そこに入っている。 それからまた別の例は、夫の暴力で交番に行って、交番からこの母子寮へ緊急保護の要請を受けて入っているわけです。そこで今度は母子寮から逆に福祉事務所に連絡をして緊急保護の手続をする、それでようやく入ったということなんですが、交番は直接母子寮に要請はしないわけですね。しかし、母子寮は日ごろDVの被害者の危険に備えて交番に警らを依頼していたわけです。 こういうふうに、夫の暴力で実家に帰れないとか、逃げ帰った人とか、そういう人たちのいる場所がなくて、結局母子寮に入所を措置したというケースは、もう今やこれは現実の仕事として存在をしていると思うわけです。 ですから、私はこれはもう社会的なコンセンサスがあると認めるべきだと思いますが、大臣、この事例を見ましても、母子寮の職員が扱っているDVの取り扱いと対処というのは社会福祉事業法に沿った事業として成り立っているんじゃないでしょうか。その点はどうお考えになりますか。
○政府参考人(真野章君) 母子生活支援施設は、先生御指摘のとおり、死別または離婚した母親だけではございませんで、これに準ずる事情にある母親とその児童を入所させて保護する、そしてその自立を促進するということを目的としている施設でございます。いろいろ事情がございましたけれども、昭和五十七年に私ども通知を出しまして、夫等の暴力により避難してきた母子というのはこの準ずる事情にある母子に該当するということを明示いたしております。そして、そのための適切な保護を行う。 さらに、この母子生活支援施設は現在でも第一種社会福祉事業というふうに位置づけられておりまして、そういう意味では社会福祉事業法に位置づけとしても明示をされているところでございます。
○清水澄子君 ですから、現実に福祉事業法の枠内でこの事業が行われているわけですね。 さらに、母子寮以上にDVの駆け込み先として機能しているのが婦人相談所だと思うわけです。そういう点で見ると、どうしてこの婦人相談所から来る保護を受ける女性たちが二重の法律で、一方は売春防止法で。 しかも、私はもっと問題があると思うのは、母子寮というのは児童福祉法の範囲でしょう、この母子生活支援施設というのは。女の人は児童福祉法に入るんですか。夫からの暴力を受けているような人は児童福祉の対象者になるんですかね。女性は大人なんですけれども、夫から暴力を受けている、それは結婚している人でしょう。それが何で児童福祉法の対象になるんですか。私は、その辺も前から申し上げているように非常におかしいんですよ、この法律はすべて。 現実に起きている問題で、現実に母子寮というところでやってくださる。そして、婦人保護事業として婦人相談所でも夫からの暴力を受けた人を受け入れているんですけれども、どうしてもこの社会福祉事業法の中で一つの事業として扱おうとしない。なぜ今度のせっかくの改正のときにそこをもうちょっと議論されないのかという点で、これは現実に起きている社会的な問題ですから、新しいDV法ができるのを待っていますなんということじゃなくて、非常におかしいです、夫ある妻が児童福祉法で保護されるというのは。 ですから、今までほってありましたから法律上非常に問題があると思いますのでぜひこの点を、私は婦人相談事業も含めて現在問題になっているDVへの対処を早く社会福祉の面で保護できる面は明確にしていただきたい、このことをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(炭谷茂君) 現在、先生が御案内のように、いわゆるドメスティック・バイオレンスにつきましては、私ども、母子寮とか婦人相談所、また婦人保護施設で福祉的なサイドとして対応しているところでございます。 ただ、これについて法律的な手当てはどうなるのかという問題でございます。 まず、私ども、今回の社会福祉事業法の改正の中にこれが入れられるかどうかという問題でございますけれども、このようなドメスティック・バイオレンスをどうするかという問題については、いわばそれぞれの個別法でまず対応しなければいけない。具体的に申しますれば、売春防止法が差し当たっての検討の対象になるんじゃないのかなというふうに思いますけれども、この場合、売春防止法の目的、趣旨、仕組みから相当根本的に変えなければいけない問題があるだろうと思います。これについてはいろいろな識者の間で分かれるところでございますので、また相当の検討が必要だろうというふうに思っているわけでございます。 いわば社会福祉事業法は共通的な仕組みを定めている法律でございます。したがいまして、例えば社会福祉事業としての婦人保護施設とか、また母子生活支援施設については社会福祉事業として定めることができ、またそれを定めているわけでございますけれども、ドメスティック・バイオレンスについての例えば施設について措置をするとか、またサービスを行うとかという問題については個別法にゆだねなければいけないわけでございます。また、婦人相談所といったような個別的な機関についても、現在の社会福祉事業法ではこのような個別的な機関については規定をしておらないというものでございます。 ただ、いずれにいたしましても、先生御指摘、御言及されましたように、女性に対する暴力の問題については、現在、男女共同参画審議会において法的措置を含め総合的な施策の検討が行われておるところでございます。この問題について新たな法的措置がとられることとなるようなものであれば、婦人保護事業は現に暴力被害を受けた女子の保護において大きな役割を果たしておりますことから、このような新しい役割を担うことも検討の対象になっていくのではないかというふうに考えております。
○清水澄子君 終わります。
○堂本暁子君 堂本です。 私は、自分の質問に入る前に、今の同僚議員の清水さんの質問について局長に一言申し上げたいと思います。 今、男女共同参画審議会で法制化を含めてとおっしゃいますけれども、母子保健ということでくくられてきた日本の行政の、これは別に男女共同参画室の問題ではなくて、極めて厚生省の問題なんです。 私ども、別に議員になってからじゃないですけれども、その前から、今もお隣にいらっしゃいますが一緒にその問題でデモをしたぐらい、二十年ぐらい前からずっとそれは言い続けていることですけれども、何で子供の附属物としての女性なのか、母親なのかと、あえて今の答弁を伺うと思ってしまいます。なぜ児童福祉法の中に女性が位置づけられなきゃならないのか。それから、すべて母子保健法なのか。もっと女性独自の問題がいっぱいあるわけです。それをあらゆるところにちりばめて、言ってみれば、ばらばら事件が起こっているのが今の厚生行政だというふうに私は思っています。 ですから、清水さんの質問をもう一回私が言わせていただけば、やはり母子保健法からも児童福祉法からも出して、女性だけの問題を独立してやらなければできない問題が幾つもあるんです。ドメスティック・バイオレンスだけじゃないんですよ。いつも私が申し上げている女性の健康の問題とか、そういった現代の社会の一番先端にある大きな問題。それから、今、少子化対策、少子化対策と厚生省はおっしゃいますけれども、そういうことをおっしゃるのであれば、女性をきちっと法的に位置づけてくださる厚生行政がない限り、私は、これから健康に女たちが世のパートナーとともに子供を産み育てようという、そういう体制がないと申し上げざるを得ない。 一言、局長にもう一回、紙じゃない答弁をお願いいたします。
○政府参考人(炭谷茂君) 先生がおっしゃいましたように、私どもは、女性問題についていわばジェンダーの視点から福祉行政というものも考えていかなければいけないんじゃないのかなというふうに思います。いわば、福祉行政としてジェンダー問題に対してやるべきことはかなりあるんじゃないか。むしろ、そういう視点からの我々のアプローチというのが実は欠けていたんじゃないのかなというふうに思っております。 ただ、幸いのことと申しますか、私ども社会・援護局で所管いたしております現在の婦人保護事業、これにつきましては、既に御案内のように、女性問題に対して積極的に取り扱うようにということで通知面で明確にしているところは御案内のとおりでございますが、この仕事も来年の一月からは今度は児童家庭局の方で一元的に扱われることになりますので、総合的な施策の展開というものも非常にまた期待されるんじゃないのかなというふうに思っております。 ただ、いずれにせよ、私どもといたしましては、福祉行政でともすれば欠けがちなジェンダーの視点というものをしっかりと押さえて仕事をしてまいりたいというふうに思っております。
○堂本暁子君 書いてある答弁よりよっぽどいいお返事をいただいてありがとうございました。 前回、厚生大臣にも、同じようなジェンダーの視点からの厚生行政を見直していただきたいということをるる私は申し上げたんですけれども、この片仮名の言葉の概念がなかなか日本の風土になじまないと申しますか、御理解をいただくことが大変難しいような気がしておりますが、いずれにしても厚生行政はもう一回ジェンダーの視点を入れて見直していただく、全般としても見直していただくことが大変必要ですが、同時に女性に対しての政策もきちっと位置づけていただきたいというのがお願いでございます。それは今まで何回も申し上げてきたことですが、きょう改めて、今、清水さんの質問に関連してそれはお願いしておきます。 本題に入らせていただきます。 今回の社会福祉事業法の改正案ですけれども、私は、措置制度から利用制度への転換、これは必要なことだというふうに思っております。結論から申し上げさせていただければ、二つのことを考えています。 一つは、余りにも遅きに失したということです。恐らく十年か十五年遅過ぎたのではないかということです。それから、この状況はもう十年前に当然厚生省は考えていらしたことです。それはよくわかっていることなんですが、であるとすれば、やはり人材養成というのは十年、二十年かかることなので、そういうことでいささか手おくれになっているのではないか。 きょう、ヘルパーさんのことについても同僚議員から質問が出ていましたけれども、制度が始まってから教育をしているというような状況ではいささか遅きに失している。だから、新しく現代社会の中で、救貧的な福祉政策だけではなくて、すべての国民が享受できるそういった福祉が必要だし、同時に、本当に措置の必要な養護の児童や何かのためには措置が残るという、この二本立てでいくことが私は正しいやり方だというふうに思っています。ただ、その体制が果たして準備できたのかどうかということになると大変疑問を持っておりまして、そこがこれからのポイントかなというふうに思っております。 最初に大臣に伺いたいのは、今度、社会福祉法になりますけれども、社会福祉事業法と基本的な理念の違いが果たしてあるのかどうか、特に三条、四条、五条、基本理念を決めたところですけれども、そこのところで後退がないのかどうか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) まず、今回の社会福祉事業法は、率直に申し上げまして介護保険の、先ほども申し上げましたけれども、どちらかというと追認的な嫌いがなきにしもあらず、こういったことは率直に認めざるを得ないわけでございますが、全体的ないわゆる基礎構造の部分についてこういった見解というものをまとめて、そしてこういったいわゆる社会保障構造改革というものを提案して、そして利用者の皆さん方を本位にして社会保障の給付というものを考えていくべきだと、こういうような認識に立つわけでございます。 こういうような関係で、先ほどから申し上げておるわけでございますけれども、あくまでも利用者と事業者の対等な関係を築くということが何よりも大切なことである、こう考えておるような次第でございます。 改正後の問題は、社会福祉法の基本理念の規定でございますが、福祉サービスにつきましては、個人の尊厳の保持、自立支援、これをまず何よりも目的にする規定を設けておるような次第でございます。 それから、それぞれの地域におきまして、福祉サービスを必要とする方のいわゆるノーマライゼーションが図られるための地域福祉の推進というものを規定しております。 さらに、それぞれの事業者はサービスの多様性であるとか、あるいは利用者の選択に十分に配慮しながらサービスを提供しなければならない、こういったようなことを規定いたしております。 それから、先ほどから御指摘を受けておるわけでございますけれども、国及び地方公共団体は、今申し上げましたような理念が実現するようにあらゆる必要な施策を講ずる責務があるということをより明確に規定しておるわけでございますし、いずれにいたしましても利用者本位の社会福祉制度に見合った内容に法的な整備を整理したと、このように考えているような次第でございます。
○堂本暁子君 理念としてあるいは政策としては、おっしゃることが実現できれば、今までよりも福祉の質の向上とか、それからもっと利用者本位の考え方が実現するんだろうと思うんです。 問題は、利用者が実際に選択できたり、それから事業者と対等な立場に立てるためには、もっと絶対量が大幅にふえる必要があると思うんです。そのことのためにはこれからどのような形で実現をされていくのか、その点について伺わせてください。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 利用者の利益を保護する、この仕組みでございます。 先ほど来申し上げておるわけでございますが、理念は結構だけれども実際に果たしてそれが守られるか、こういうことでございますけれども、まず私どもが考えております一番大切なことは、何と申し上げましても情報の提供をきちんとしなければならない、こういうことでございますし、事業者による的確な情報提供、これを整備しなければならない。 と同時に、利用契約の適正化に関する規定の整備というものをきちんとして、いわゆる書面などで交付の義務づけというものをきちんとして、後でトラブルが起きないようにしなければならない。 それから、三番目として申し上げさせていただきますのは、福祉サービスの質の向上にかかわる規定の整備を図っていかなければならない、こういうことに尽きるのではないかと思っております。 それから、情報とともに、先ほど来私ども申し上げておるわけでございますけれども、やはり福祉サービスの利用の援助に関する規定の整備、つまり権利擁護というものをきちんと担保することが何よりも必要なことではないか。 それとともに三番目として当然挙げなければならないことは、福祉サービスに係る苦情の適切な解決に関する規定というものを整備していかなければならない。 つまり、これまではどちらかというとサービスを行政の方から施されていたということで、なかなか言いたいことも申し上げにくい、こういうようなことがなきにしもあらずであったわけでございますが、こういったような問題、例えば介護保険におきましては、介護相談員というようないわゆる事業者と利用者との橋渡し的な役割というものを設けまして、モデル的に当初二十カ所ぐらいということでございましたけれども、大変な勢いで今各市町村で手を挙げているところがふえておるわけでございますし、私どもの想像する以上に、この問題についてそれぞれの地方自治体あるいは住民の皆さん方が御関心を持っていらっしゃるということでございます。 いずれにいたしましても、利用者の利益というものをきちんと保護するということを具体的に進めていくことが何よりも大切なことである、このように考えているような次第でございます。
○堂本暁子君 今の大臣の御答弁に関連して、局長にちょっと細かいことを伺いたいんですが、今、大臣がおっしゃった情報提供の重要さ、これが非常に大事だと思います。 それからもう一つは、利用者にとってはやはり第三者によるチェック、これもおっしゃっていますけれども、この第三者によるチェックと情報提供、具体的にどのようなプランを今立てて、具体的にはどうやってやるのか、そこのところをお答えいただけますか。
○政府参考人(炭谷茂君) まず、情報の提供でございますけれども、まず事業者がみずから情報を開示するように努力をしなければいけないという規定を置いているわけでございます。なかんずく、財務諸表、事業報告書等につきましては開示義務を課しております。 一方、国、地方公共団体は、福祉サービスを選択していただくに当たっての情報をできるだけ提供するように努力をするという規定も置いているわけでございます。 具体的に国が努力をしている点でございますけれども、これにつきましては、社会福祉・医療事業団におきましてWAMNETというものを既に発足させております。まだまだ内容は不十分なところがございますけれども、かなり福祉サービスを選択するに当たってのいろいろな情報が載せられているわけでございます。 次に、評価の問題でございます。 評価は一応二種類に分けて考えております。一つは、事業者みずからが自己評価を行うということでございます。これも法律に明文で努力義務を課しておりますが、自分でサービスの質、内容についてチェックをする、そしてそれをサービスの向上につなげていくということが一つでございます。しかし、これはあくまで、自分でチェックしていたのではやはり不十分なところがございますので、第三者が評価をするというシステムを導入しなければならないわけでございます。ただ、サービスの評価の仕方というのはなかなか難しゅうございまして、まだ我が国でも開発されてはございません。 現在、どのように客観的、また公正に評価すべきかということにつきましては、検討会を設けましていろいろと検討しているところでございます。
○堂本暁子君 大臣、いささか後手に回っている印象があるんですね。やっぱり利用という形になった場合には、外国でも非常にエバリュエーションについては厳しくて、私どもびっくりするほど細かいところまで、一人一人の職員についての評価までインタビューをしてやるというようなことをきちっとやっていますが、それに対してのガイドラインとかマニュアルというようなものとか訓練とか、そういったことがやはり充実してやられていて、専門家もいるということです。これから第三者の評価の教育をやるというのはいささか順番が逆じゃないかというふうに思いますが、とにかく急いでいただきたいというお願いをいたします。 次に、きょうは直接介護保険の問題はありませんけれども、具体的に東京都のある区で利用者が事業者に頼んで全部に断られたというケースを聞きました。それでどうしているんですかと言ったら、本当に路頭に迷っているそうなんですけれども、こういったことが身体障害者でもそれから知的障害者でも起こりかねないという危惧を抱きます。 介護保険は現実に始まっている制度なので、実際にそういうふうに路頭に迷ってしまった場合、これはどこでどういうふうにこれから対応なさるのか、このことについて御答弁いただきたい。
○政府参考人(炭谷茂君) 介護サービスの事業者につきましては、事業者の運営に関する基準におきましてサービス提供拒否の禁止規定を置き、正当な理由がない場合には利用の申し込みに応じなければならないこととしております。例えば、要介護度、所得の多寡を理由とするようなサービスの提供の拒否を禁じているところでございます。 提供を拒むことのできる正当な理由がある場合とは、当該事業所の現員からは利用申し込みに応じ切れない場合や利用申し込みの居住地が当該事業所の通常の事業の実施地域以外である場合などでございます。このような場合が生ずる理由としては、地域におけるサービス提供量が十分でないことなどが考えられ、基本的には介護サービスの基盤整備の充実が図られる必要があると考えております。 各市町村において、介護保険事業計画に基づき地域におけるサービスの見込み量を把握し、それを確保するため、地域の実情に応じて基盤整備の方策を講じていくこととされており、厚生省としてもこのような市町村の取り組みの支援に努めてまいりたいと考えております。
○堂本暁子君 るる私たちが読んだらわかる、書いてあるようなことをお答えいただいても余り意味がないのでありまして、そういう中でこれが現実に起こっているその人はどうしたらいいんですかと聞いているので、基盤整備している間、介護を受けずにそのまま、例えば食べる物も食べられないまま何か事故が起こったら、それは一体だれが責任をとるのかということを伺っているんです。
○国務大臣(丹羽雄哉君) これは率直に申し上げて、介護保険が導入されるに当たって、保険あって介護なしじゃないかとか、こういうような御指摘を心配し、懸念する声が多方面からあったことは紛れもない事実であります。 私どもといたしましては、ゴールドプラン、新ゴールドプラン、そして今度はグループ21という形で、いずれにいたしましても急ピッチで今基盤整備を行っておるわけでございますし、手を挙げていただけるような市町村においてはよほどのことがない限りほとんど、例えば施設面においても御要望にこたえるように努力をいたしておりますし、それからホームヘルパーなども十七万人から一気に三十五万人ということで、急ピッチで急いでおるわけであります。 個々のケースにおいて大変お気の毒なことについては、やはり現場で親切にそれにかわるような形で当然のことながらサービスというものを御提供しなければならないわけでございますが、何せ始めたばかりでございますし、昭和三十六年に医療保険ができたときも実際問題、医療機関がなかったんです、御存じだと思いますけれども。駅前あたりに国保の医療機関なんかをつくりまして急遽間に合わせた、こういうような嫌いがありますけれども、私どもも全力でそういったような御不安がないように努力をしていく決意でございます。
○堂本暁子君 よくわかりますけれども、同時に現実の問題として、きょう、あした、あさってと困っている方が、実際、東京ですからもうてんてこ舞いのようです。実際にその区の事業者の方に伺ったら、とにかく寝る暇がないぐらい忙しいと。どこも忙しいから、もう手いっぱいでとても引き受けられないというのが現状だから、そういう人が出てもそう不思議じゃないというふうにおっしゃっていました。 だから、これはこれから基盤整備をして何年とかかるようなことだろうと思いますけれども、さもなければ数カ月かもしれませんけれども、いずれにしても現実の問題として、その場合は行政に言っていくよりしようがないとか、そういうことでそこでコーディネートをどなたかがなさるのかもしれませんけれども、そこに余り深入りしないで、そのことが結局、今度は障害者、特に、介護でさえそういうことが起こっているのですから、今度はもっと重症な心身障害の場合なんかだと、利用者の方が幾つも自由に選べるところがあって選べればいいんですが、逆に、逆選択がもう今既に起こっているということなんです。 どういう方が選択されているかというと、障害が軽い人、これは非常に経費が安いから。それから逆に、物すごく手のかかる重症の方が拒否されている。これは民間の介入ということになるとある程度仕方のないような発想なのかなと思って、私は珍しい、非常にそういう世界を知らないものですから、ああなるほど、そういう形で差別というか選別されているんだというふうに思ったんですが、そういう人を受け入れるには手が足りませんと言われたらそれまでなんですね。 この逆選別、逆選択については厚生省としてはどのように対応なさるおつもりでしょうか。
○政府参考人(今田寛睦君) 措置から契約に移行する場合に、一つの契約の場面において御指摘のような場合の対応をどうするかという御指摘かと思います。 これは、介護の運営基準にも同様の規定がございますけれども、正当な理由がない限りそれを拒否してはならないということ、そして実際にそういう正当な理由がなくて拒否されたような場合には、市町村のあっせん、調整の規定、あるいはその指定業者を指定する基準に今違反しているわけでございますので、その事業者を取り消す、こういった対応が一つあろうかと思います。 と同時に、確かに重度な方に対する措置費と軽度な方の措置費に大きな差がない今の現実から、今後、契約に移った場合に、それと同じルールを持ち込んだのでは、やはり御指摘のような問題も事業者の都合によって起こり得るかもしれない。 したがって、そういう意味では、支援費を設定する上で、やはり重度な方、非常にたくさんの手のかかる方、そういった人たちとそうでない方を分けて設定する必要がある。そのことを分けて設定しておけば、逆にそれでもってなおかつ拒否をするということがあった場合の指導にもある程度適切な指導が可能なのではないかというようなこともありますので、支援費の支給の設定の仕方を一方で工夫しながら、その正当な理由に対してそれを守っていただけない事業者に対するあらゆる手段をとって、この適正化を図る必要があるのかなと、このように考えております。
○堂本暁子君 質問を飛ばさせていただいて、私の通告では十番目のところへ飛びます。民生委員のことについて伺います。 今度は民生委員についてもいろいろ活用するということになっているわけですけれども、民生委員をしていらっしゃる方から、今回の法改正の中でぜひとも民生委員のあり方をもう一度見直してほしいというファクスをいただきました。 それは、一番大きな理由は、民生委員になっていろいろ意見を言ってみても、それが取り上げられないということが一つ。それからもう一つは、民生委員は福祉に対する意識が比較的薄くて、地方自治体の担当職員も法改正についてもほとんどわかっていない。そういうことで、もっと民生委員がきちっと研修するような、そういうことをすべきであると。 ところが、その民生委員はどちらかといえば親睦団体で、民協というのは民生委員の協議会、そこで何か旅行があるんだそうです。懇親旅行をすると。費用弁償というふうに書いてあるんですけれども、何かの費用をいただく制度があるんでしょうか、これは県の制度かもしれませんけれども、そしてそれを全部積み立てて懇親旅行に使ってしまう。そんなことをするぐらいならば、これは税金のむだ遣いであって、その単位の民児協がそれぞれ運営の仕方をもっと変えるべきだという御意見なんです。そして、各自がもっと専門的な問題について詳しくなるための研修とか、それから実際に民生委員として活動する場合の費用とかにそういうものを使うべきだと。なのに懇親旅行しか行われない。 それから、年代の若い人、大体今、私の調べた資料によると、六十前後が平均のようですけれども、今まさにドメスティック・バイオレンスの問題とか児童虐待の問題とか、そういった場合にはやはりもっと若い人とか女性問題の解決の視点で行動できるような方が民生委員になるべきだと思うけれども、いささか名誉職であるということのファクスをいただいたんです。 それから、これはまた全然違う県の方ですが、その方からも、少子化ということになったならばどんどん少子化についての予算がついてくると。それで、民生委員は大忙しで、両方の相談の窓口になっていると。民生委員は運動会の来賓にまで駆り出されるような形で使われている。 どうもその民生委員というのは、先ほども説明がありましたけれども、あくまでも戦後に出てきた制度なんですね。そして、問題は、身分があくまでも民間篤志家のボランティアであると。一方で、今回、先ほど民生委員の法律の改正の部分は非常に小さい部分だということの御説明がありましたけれども、一方で、行う職務は法的に義務づけられた公務であると。ここにやはり民生委員のあいまいさがあるのではないかというふうに思います。 それだけのきちっとした仕事を期待するのであれば、先ほど相談に四十万件乗っているというようなお話がありました。それを繰り返していただく必要はございません。同じ答弁は要りませんから、民生委員がきちっと対応できるような今回の改正の中で位置づけになっているのかどうか、民生委員にどこまで期待できるのか。赤ちゃんが亡くなったケースもありましたけれども、それだけではなくて、民生委員が果たしてそれだけ難しいいろいろコーディネートの役を果たしていけるのかという疑問を抱きますけれども、この点についてお答えいただきたい。
○政府参考人(炭谷茂君) まず、現在、民生委員、児童委員の方々が二十一万人もいらっしゃるわけでございます。いわば、この性格自身が公的、半公的というような形でございますけれども、このような準公的な機関が二十一万、それぞれ自宅に構えていらっしゃるわけですけれども、このような機関というのは我が国では一番きめの細かい制度だろうというふうに思っております。そして、現実に人によっては大変活躍していただいている人もいらっしゃいますし、ただいまファクスの中で紹介されましたようなことも時々耳にすることも事実でございます。 ただ、今回の改正におきましては、私ども、現在も既にこのような活動をしていただいておるわけですけれども、これからの民生委員の活動として期待しております。いわば、地域の実情をニーズをしっかりと把握していただくような体制をとるとか、また援護の必要な人に対して自立を促すように相談に乗っていただく、また援助していただくというような、民生委員、児童委員の方々に期待して、また担っていただきたいという条項を、今回、民生委員法改正以来初めてでございますけれども改正いたしまして、新しい民生委員の活動を期待していきたいというふうに考えているわけでございます。 先生がおっしゃいました活動費につきましては、これは交付税措置でされております。たしか六万円か七万円程度一人当たり交付税措置がされておりますけれども、これは決して今のような有効に使っていただくということではもちろん当然ないわけでございまして、いわば研修に充てていただくとか実際の活動の実費弁償に充てていただくとかそういう趣旨でございますが、私ども、民生委員の研修というものにつきましてはこれからもっと何か力を入れる方法がないのかな、また民生委員の活動、一人ではやはり孤立してしまいますので、いろいろな方々と民生委員同士でネットワークを組んで何かできないかと。もう少し新しい民生委員の活動も、やはり今日の都会のような状況ですと新しい組み方をしてみないといけないのかなというふうに思っております。新しい何かそういうものができないか、これから検討して取り組んでいきたいというふうに思っております。
○堂本暁子君 では、できるだけ早く脱皮して新しい活力のある方法を考えていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○西川きよし君 少しほっとするところ、そしてまたなお一層不安だなと思うような箇所もございましたし、先生方がいろんな角度から御質問なさいましたけれども、私の方からは知的障害者の施策と法改正の関係についてお伺いをしたいと思います。 今回の改正案によりまして、知的障害者の生活あるいは福祉施策にはどのような影響があるのか、そうした観点からまず冒頭お話をお伺いしたいと思うんですけれども、知的障害者の施策については、これまで例えば地域での生活を送るための支援のあり方あるいは仕事の問題、さらには更生施設のあり方や権利擁護、たくさんの問題がございました。見直しの必要性が多岐にわたっていろいろと指摘されてきたわけですけれども、厚生省といたしましては現状における問題点といたしましてどのような認識をお持ちか、まずお伺いいたします。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 今回の改正によります影響についてのお尋ねでございますが、知的障害者福祉法によりまして知的障害者の自立への努力、さらに社会参加への機会の確保についての規定を設けるとともに、国民の皆様方の責務として知的障害者の福祉についての理解や社会参加について積極的に協力していただけるような規定を設けているところでございます。 こうした理念を踏まえまして、知的障害者福祉サービスにおいて、今、委員が御指摘のようないわゆるサービスを利用するための地域福祉権利擁護事業であるとか、さらに苦情解決の仕組みを設ける、こういうようなことによりまして知的障害者のノーマライゼーションというものを進めていきたいと、こう考えているような次第でございます。 委員もかねてからこの問題に大変御熱心に取り組んでおるわけでございますが、私自身も実は地元の知的障害者の施設を視察したり、北海道の富良野に北の峯学園という大変立派な施設がございまして、そこに体験宿泊した経験もございます。 知的障害者の福祉をめぐる問題についてはいろいろ考えさせられるところがございます。具体的には、グループホームであるとか、あるいは相談事業だとか、知的障害者の方々が地域で生活していくための基盤が現時点においては必ずしも十分でないと、こういうことであるとか、それから言うまでもなく施設から地域への移行であるとか、なかなか働く口がないとか、こういったような問題、そして結果的には施設の入所期間が長期にわたってきて高齢化の問題も大変大きな問題だというふうに聞いておるような次第でございます。 いずれにいたしましても、この知的障害者に対するさまざまな厳しい状況があるわけでございますが、皆様方と手を携えて知的障害者の皆さん方の真の意味での福祉の向上のために努力していく決意でございます。
○西川きよし君 ありがとうございました。 今、大臣が体験でもって施設にお伺いをしたという、私も今もずっと続けさせていただいているんですけれども、あるところで、議員の方々は視察には来られますけれども、今、大臣のお話をお伺いして思い出したんですけれども、上っ面だけすっと見てすぐにお帰りになるから本当にわかっていただいたのかな、理解をしていただいたのかなというお話をこの前もお伺いいたしました。少し前になりますけれども、ゆっくりお食事も召し上がっていってくださいということでいただいて、じっくり見せていただきましたら、きょうは洗いざらいいろんなことを西川さんにお話をさせていただきますということで、随分いい勉強をさせていただきました。 そこで、今回のこの構造改革も含めてですけれども、今後どのような考えでこうした問題を解消し、そしてまた具体的な施策に取り組んでいかれるのかということもお伺いしたいわけです。 今回の改正の趣旨の一つに地域福祉、諸先生方からもたくさん質問が投げかけられたわけですけれども、この推進を掲げられているわけです。これまでの障害者福祉の歴史の中で、障害を持つ人だけが集まって便利で効率よく生涯を過ごせるそういう施設、例えばコロニーに象徴されるように大型施設でございますけれども、大型主義といったようなものが相当皆さん方、以前になりますけれどもそちらの方にお伺いいたしまして、施設の方にこれもお伺いしたんです。 今、大臣がおっしゃっていただいたので、こちらの方も似通ったお話になりますけれども、西川さん、私たちの願いは、いつまでもこのような施設で生活をしていただくことではありません、できるだけおうちの方へ帰っていただいて、そして御家族と、地域の方々とともに暮らしていただけるような環境に近づけるようなお仕事でありたいというふうにお話をしてくださいました。私としては、職員の方々がおっしゃった言葉を本当に心に重く、そして強く今も残っております。今回の改正におきまして地域福祉の推進という言葉が柱の一つとして大きくあるわけですけれども、今後、政府が目指すべき地域福祉の姿というものはどういったものであるか、またその中で施設福祉の役割についてもお伺いしたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 言うまでもなく障害のある方も障害のない方もお互いに助け合い支え合っていく、そしてともに暮らしていくというようなノーマライゼーションの理念は大変とうといものでございます。現に私も体験宿泊をいたしまして、しみじみとこの知的障害者の方々からお話をお聞きしたわけでございますけれども、やはり住みなれた御家庭あるいは地域で自立支援のためのさまざまなサービスを受けながら生活していきたい、こういうような強い願いを持っておるわけでございます。 こういう中で、知的障害者の生活の場でございますグループホーム、こういうものが大変今注目、関心を呼んでいるところでございますが、これを計画的にふやすとともに、ホームヘルパーであるとか生活支援ワーカーをさらにふやすことによりまして地域生活の支援を強化していかなければならない、こう考えているような次第でございます。 そして、何よりも就業対策につきましては、知的障害者の大変な粘り強い一生懸命やる能力というものを十分発揮できる、こういうことを配慮しながら支援づくりというものを進めていかなければならないと思っています。 そこで、現在厚生省といたしましては、学識経験者から成ります検討会を設けまして、できますことならば六月中には知的障害者の高齢化の対応を含めまして今後のあり方について一つの検討をまとめたいと、こう考えているような次第でございます。
○西川きよし君 よろしくお願い申し上げます。 この利用者の利益の保護に関連をして、施設サービスの質の確保と権利擁護についてお伺いをしたいと思うんです。 近年、障害者の虐待事件がマスコミ等々で報道されているわけですけれども、大きな社会問題となっているのはもう皆さん御承知のとおりでございます。一九九六年の滋賀のサングループ事件、水戸アカス事件、さらには福島の白河育成園事件。福祉の現場で、こういったところでまさかこんな事件が起こるのかと全国の皆さん方は本当に大きな衝撃、ショックだったと思います。 こうした状況について、まず大臣はどういうふうに感じておられるのか、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) もう全く同じ認識でございまして、そもそもこういうような職場で、要するに知的障害者の福祉であるとかあるいは雇用に携わる者が、その方々の人権を侵害したり虐待をするということは、私はそういう方はそのような施設や事業を行う資格をもう欠いているんじゃないか、こう言わざるを得ない。大変残念なことだと思っています。 さまざまな事件が起きたわけでございますけれども、厚生省といたしましては、白河育成園につきましては福島県及び東京都と連携をいたしまして厳正な指導監督を行いました結果、施設を廃止し、法人は自主解散したところでございます。また、こういうような事件を起こすような、いわゆるこういうものに携わることの資質に欠ける方が施設経営を行うことがないように、都道府県に対しまして社会福祉法人の認可に当たっては厳正な審査を行うように指導いたしておるような次第でございます。 いずれにいたしましても、今回の法改正におきまして、事業者によりますサービスの自己評価の努力への支援、さらに客観的な基準に基づきます評価を行う第三者機関の育成に努めていくとともに、苦情に適切に解決するための仕組みといたしましてそれぞれの都道府県の社会福祉協議会に運営適正化委員会を設置することになっております。こうしたことによりまして、障害者の方々の人権の侵害の防止と解決に努めていきたい、このように考えているような次第でございます。
○西川きよし君 ぜひ、本当によろしくお願い申し上げたいと思います。 そこで、今回の改正案では、利用者の利益の保護あるいは福祉サービスの向上、こういった点を充実させるということが掲げられているわけですけれども、その中におきまして、例えば社会福祉協議会、とりわけ都道府県の社会福祉協議会の役割はどのような位置づけとされているのでしょうか。
○政府参考人(炭谷茂君) 社会福祉協議会は地域福祉の推進を目的とし、社会福祉を目的とする事業を経営する者、社会福祉の活動を行う者が参加する組織でございます。都道府県社会福祉協議会につきましては、今回新たに、まず社会福祉事業に従事する者の養成及び研修、もう一つは社会福祉事業の経営に関する指導及び助言というものを法律に明記しておりますほか、新たに地域福祉権利擁護事業の実施、また福祉サービスに関する利用者などからの苦情の解決という新たな事業を追加したところでございまして、都道府県社会福祉協議会の役割はますます重要になってくるものと考えております。
○西川きよし君 どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。 国会図書館から、明石書店というところから出版されている本があるんですけれども、「知的障害者の人権」という本を借りてきて、みんなで読ませていただきました。事務所の者も読みました。その中で、一九九八年、東京都社会福祉協議会知的発達障害部会から報告されたものがあるわけです。「知的障害児・者施設における人権侵害に関する訴えの事例」という冊子でございますけれども、一部少し御披露させていただきたいと思います。 一九九八年一月、東京都社会福祉協議会・知的発達障害部会(人権擁護委員会)から「知的障害児・者施設における人権侵害に関する訴えの事例」という冊子が発表された。そこには読む者を驚かせ、そして背筋の寒くなる思いをさせられる事例がたくさん報告されている。 「身体的な虐待に関する訴えの事例」として二九例があげられているが、そのはじめの事例は「問題行動があるということで、居室に鍵がかけられている。閉じこめられ床に転がされているだけで室内で放尿するなどしているために臭いもひどい」、二番目は「問題行動のせいか施設で体罰を受けている。問題行動の度にお灸をすえたり、線香を直接皮膚におしつけたりされるようで、帰宅するごとに火傷の痕がみつかる。あまりのことに退所させた」という事例で、そのあとには「居室のスリッパをはいたまま便所に入ったところ、顔を平手打ちにされた」「食堂でパニック状態となり食物を投げ捨てたのを見た職員が、いきなり近寄って幾度か殴打した」「多動な利用者を犬のように柱につなぎ、地面に昼食がおいてあった。また同施設では偏食の強い人を二日間木に吊し何も食べさせず、三日目になんでも食べるようになったと偏食の矯正例として発表している」「利用者がパニックをおこして実習生の頬をつねったところ、指導員二〜三名が木刀で殴って正座させた。この木刀は名刀正宗と命名され、体罰の時に使用されるということであった。 残酷な虐待行為の事例がたくさん書かれているわけですけれども、この東京都社会福祉協議会の報告を厚生省といたしましてはどのように把握されているのか、そしてまたこうした背景は、先ほども大臣にもいろいろなことを質問させていただきましたけれども、ぜひ政府参考人で御答弁をいただけたらと思います。
○政府参考人(今田寛睦君) 今、例示をお示しいただきまして、大変胸の痛む気持ちが改めていたすわけでございます。 御指摘の事例につきましては、東京都の社協の職員の啓発あるいは研修のための冊子、その一部であると承知をいたしております。知的障害者や障害児の福祉を守るべき施設において今おっしゃったようなことが本当にあってはならない、そう考える次第であります。 ただ、あえて申し上げますと、この冊子が施設関係者みずからによって今後こういったことをなくそうとしての取り組みの一環として作成されたということは一つの救いでもないかなと、このような感じもいたしている次第でございます。いずれにしても、このようなことがあってはならないということに何ら変わりはないわけでございます。 このような人権侵害の発生の背景には幾つかあるんだろうと思いますが、例えば施設職員そのものに人権に関する意識、こういったものが必ずしも徹底されていないんじゃないか、あるいは施設が外部と隔てられていて独善的な運営に陥りやすい環境に置かれているのではないか、あるいは最もふさわしい援助技術というものをどうやっていくかという技術的向上のための技術研修というのが果たして十分行われているのかどうか。幾つかの理由があろうかと思いますけれども、そういった点を私どもも重要な視点としてとらまえる必要があるのではないかと、かように思っております。 これまで都道府県を通じましてそういった人権侵害事例の早期発見、早期対処といったこと、あるいは職員に対する研修等指導しているわけでございますけれども、このような人権侵害をまさに根絶するという方向に向けて一層の取り組みが必要ではないかと考えております。 今回の法案におきましては、一つはそういうことがあった場合の苦情解決の仕組みを制度化したこと、それから一つは事業者みずからが質を評価する仕組みを導入してもらおう、とりわけ第三者による評価もあわせてこれを実施する、こういったことによりましてその施設における処遇について厳しいチェックが行われるように準備をいたしている次第であります。この施設サービスの評価基準の中には、体罰でありますとかその他の人権侵害防止に係ります項目を当然この中に入れておる次第でございます。 この評価基準をできるだけ早く作成いたしまして、全国の施設において自己評価等の評価基準として使用していただいて、それぞれの施設で人権侵害の防止に真剣に取り組んでいただけるよう、今後とも私ども努力していきたいと考えております。
○西川きよし君 どうも御丁寧に御答弁いただいてありがとうございます。 目を通させていただきまして、ぜひ自分もこの資料をお願いしたいなということで東京都の社協の方にもお願いをいたしましたけれども、これはだめだということでお断りされました。プライバシー保護の問題等々がある、資料そのものにも問題があることから資料は出せないというお返事をいただいたんです。 この本に書かれている内容ですけれども、この事例について提供を受けるに当たりましては、情報源の秘密を確約し、施設名を告げることを求めなかったとされているわけです。つまり、新聞で報道されたり告発をされたことのない福祉現場の実例であるわけです。 例えば、社協なりが得た情報を公開すること、また逆にプライバシーの保護により情報を公開しないとすると、この事実関係の調査なり調整のあり方、それによっては利用者により正確な情報を提供するというような点に大変大きな影響を与えるのではないかなとかえって危惧をいたしますけれども、この情報の収集そして情報の提供、さらにはプライバシーの保護、こういった点をどのようにお考えであるのか、また調整などをどういうふうに対応されていかれるのか、再度厚生省の方からお答えをいただけたらと思います。
○政府参考人(炭谷茂君) ただいま西川委員から御紹介されました事例というのは虐待の事例でございまして、法律違反に相当するような事案じゃなかろうかというふうに考えるわけでございます。 このような事案につきましては、やはり単に社協段階にとどまるわけではなくて、むしろ都道府県が乗り出すべき事案も中には多いんじゃないのかなというふうに思っております。もし社会福祉協議会がこのような情報を得た場合は、これは都道府県に通報するとか、また通報してしかるべき措置を求めるというようなことも必要ではないのかなというふうに思います。 また、そこまで至らないケースというのはあるだろうと思います。例えば、いろいろなサービスの仕方が不十分であるとか、そういうようなものにつきましては、むしろその施設に対していろいろな指導を行うというような取り扱いもあろうかと思います。 しかし、これからはやはり情報の提供ということが重要だろうと思います。このような場合、個人のプライバシーを尊重しなければいけない点は十分留意しなければいけないと思いますけれども、利用者が選択するに当たって必要な情報はやはりできる限り公表していくというような配慮も必要だろうと思っております。ですから、両者をいかに調和させていくか、それぞれの事例ごとに考えていかなければいけないのかなというふうに思います。
○西川きよし君 ありがとうございます。 入所されるときは、例えば先生が、ここしかないから、ここが一番いいからというようなお勧めでお世話になったと思うんですけれども、そういった場合に、情報の提供を行う機関の責任等々というのはどういうふうにお考えなんでしょうか。ぜひお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(炭谷茂君) ただいま紹介されました事例というのも知的障害者の事例でございます。知的障害者につきましては、知的障害者福祉法第十三条におきまして、福祉事務所が「知的障害者の福祉に関し、必要な実情の把握に努めること。」、また「知的障害者の福祉に関する相談に応じ、必要な調査及び指導を行うこと」というような業務を行う旨が規定されているわけでございます。 先生が指摘されました事例について福祉事務所がどのように業務を果たしたのか、つまびらかには存じませんけれども、もし不十分なことであれば大変問題であろうというふうに思います。 今回の改正におきましては、福祉事務所もやはり地域福祉なり利用者への支援のためにいろいろと努力をしていただくということが重要であると思いますので、これからこの適正な実行ということについて徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。
○西川きよし君 どうもありがとうございました。 今御答弁いただきましたその福祉事務所の責任、あり方というのも本当に難しいことだと思いますが、どうぞよりよい方向にお願いを申し上げたいと思います。 苦情の申し出、解決の仕組みについてお伺いをしたいわけですけれども、これまでの事件が明らかとなるこの背景の一つに、先ほど御紹介させていただいた文もそうですけれども、内部職員の告発ということが大変大きなきっかけになっている事例が少なくないと思うわけです。しかし、そのことによって、施設内においても攻撃だとか批判、そしてだれが言ったのかというようなことが大体少しずつわかってくるというような内容のお話も施設の方々にもお伺いをいたしました。 そういう批判を受ける中で、本当に使命感を持って頑張っておられます職員の方の申し出をどういうふうにして受け付け、そしてまた助けてあげるのかという、そういう部分はこれからどういうふうにお考えでしょうか。今回いろいろと目を通させていただきまして、なお一層こういう方がふえていただくことはありがたいんですけれども、この方々をどういうふうな形で守っていかれるのか。
○政府参考人(炭谷茂君) 施設において虐待が生ずる事例を見てみますと、これは大体施設の閉鎖性というところが大変多うございます。例えば、ボランティアを積極的に入れている施設においてこのような虐待が起こることは極めてまれでございます。いわば世間の風を入れる、風通しをよくするということが大変重要なことではないのかなというふうに思っております。ですから、職員の方々がそれぞれ問題意識を持ってそれを外部に訴えていくということも施設の質を高める、また、このような不当、不法な事態を防止するという、これは大変結構なことではないのかなというふうに思っております。 ですから、ある意味ではこのような違法な状態というような、違法と言っていいんだろうと思うんですけれども、もしそのような事態があれば、やはり都道府県もしくはその窓口である福祉事務所が対応してしかるべき措置を行うということも重要だろうと思いますし、また職員同士の研修会というものを施設をまたがりましていろいろと設けております。そのような職員の研修というもの、研究会というものもこのような事例の研究ということで大変役に立つのではないのかなというふうに思っております。
○西川きよし君 ぜひよろしくお願いを申し上げたいと思います。 こうして自分がいろいろ御質問をさせていただきましても、こうして質問することは簡単ですけれども、これが全国津々浦々、そういう現場でお仕事をされている皆さん方のところに本当に伝わるまでには随分時間もかかるわけですし、最前線でお仕事をしていらっしゃる方々は本当に大変でございます。どうぞよりよい指導をお願い申し上げたいと思います。 今回、サービスの質の向上ということも掲げられておりますけれども、やはりそれぞれの職員の方々はそれぞれに志を高く持って職場につかれまして、多くの方々が本当に、さもあればこういう時代というんでしょうか、どうしてこういう仕事を僕らはやっているのかなというふうなお話をお伺いすることも多々ございます。そして、どうぞ頑張ってください、最前線で頑張っていらっしゃる皆さん方がたくさんいればいるほど、僕たちも今もずっと続けさせていただいているんですけれども、たまには休みたいな、仮病を使って休もうかなと思うようなときもあるんですけれども、そういう人たちのことを考えますと、とてもではないですけれどもそういうことにはなりません。 ある調査結果では、決して少なくない方がいわゆる体罰をした経験を持っているということも明らかにされておりますし、こうした施設で働く方々のお話もお伺いをいたしますと、ある女性の職員の方ですけれども顔がはれているわけです。そして、どうしたんですかとお伺いをいたしますと寮生に殴られたということですけれども、こんなことは日常であって、絶えず危険を感じながらこういう方々はお仕事をしていらっしゃいます。逆に、そうしたことが毎日の生活、仕事の中でストレスにもなっている。現実にその方も利用者に私も手を出したことがあるというお話も正直に僕にはお話をしてくださいました。たくさんこういう方もいらっしゃいます。たくさんと言ったら語弊があるんですけれども、何人かはいらっしゃいました。 確かに、体罰などは絶対に許されないし、あってはならないことですけれども、しかし厳しい労働環境の中でそういった基本的なことでさえも麻痺をさせてしまうという環境が現実にあるわけです。労働環境の改善や能力の向上を目指す職員に対する配慮、そういう面についても十分な検討をしていただきたいと思います。 もう時間が参りました。いろんな質問をさせていただきましたけれども、ひとつ十分な検討をよろしくお願い申し上げたいと思います。政府参考人に御答弁をいただいて、質問を終わりたいと思います。
○政府参考人(炭谷茂君) 福祉サービスにかかわる職員の労働環境の改善のための施策といたしましては、今年一月から創設されました国家公務員の福祉職俸給表を考慮した俸給表への移行を公立施設や民間施設が希望する場合は、その移行が可能になるよう措置費や補助金について所要の予算を確保しているところでございます。 第二点といたしまして、労働基準法の改正により年次有給休暇の付与日数の引き上げが実施されたことに伴い、それに応じた引き上げについての措置費の手当ても行っているところでございます。 また、第三番目に、職員の福利厚生のために、福利厚生センターにおいて健康相談、保養所の優待割引等の各種事業を実施しているところでございます。 以上のような労働環境の改善のための施策を講じているわけでございますけれども、今後ともその拡充について努力してまいりたいというふうに考えております。
○西川きよし君 よろしくお願いします。 ありがとうございました。
○委員長(狩野安君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。 午後四時四分散会