国民福祉委員会 第18号
- 発言数
- 156 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2000/05/09
会議録
○委員長(狩野安君) ただいまから国民福祉委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 本日、松崎俊久君が委員を辞任され、その補欠として小宮山洋子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(狩野安君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 児童手当法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に大蔵大臣官房審議官福田進君、大蔵省主計局次長藤井秀人君、文部省生涯学習局長富岡賢治君、文部省初等中等教育局長御手洗康君、厚生大臣官房総務審議官宮島彰君、厚生省生活衛生局長西本至君、厚生省児童家庭局長真野章君、厚生省年金局長矢野朝水君、労働省女性局長藤井龍子君及び労働省職業安定局長渡邊信君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(狩野安君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(狩野安君) 次に、児童手当法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案につきましては既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○入澤肇君 私は、最初に児童手当をめぐる問題、その次に少子化の問題について御質問したいと思います。 今回の児童手当法の改正で一番大きな論点になりましたのは、せっかくつくったばかりの扶養控除十万円をもとに戻して、そしてそれを児童手当の原資に充てたということでございます。政府の方でこの所得控除の制度と直接給付の一つの形態である手当の制度、これにつきましてそのメリット、デメリットをどのように考えているか、政府の認識をお聞きしたいと思います。
○政務次官(大野由利子君) 今、扶養控除と児童手当についての御質問だったかと思いますが、扶養控除も児童手当もともに子育ての経済的な負担の軽減という面では共通していると思います。扶養控除は高額所得者の方に対して大変メリットが大きい、大きな効果があると思いますが、非課税世帯には効果がないし、低額所得者には効果が大変薄いかないか、こういう状況でございます。 一方で、児童手当は定額でございますが低所得者にも必ず給付をされる、こういうことでございまして、小さな子供を持っている所得の低い若い夫婦、こういう人への子育て支援という観点から見れば児童手当の方が公平なんじゃないかなというふうに私個人としては思っているところでございます。 一方、扶養控除は所得税の負担能力を調整する仕組みの一つとして設けられたものでございますし、子育て支援という観点だけでこの扶養控除というものを論じられない面もある、このように思いますので、この扶養控除と児童手当というものをどのようにしていくべきかというのは、総合的な観点から今後検討をしていく必要のある要素ではないか、このように思っております。
○入澤肇君 メリット、デメリットは今御答弁があったとおりだと私も思います。そうしますと、まさに控除でいくか手当でいくかというのは極めて政治的な問題になってくる。どちらがより効果があるかということについてやはり相当議論しなくちゃいけない。 効果があるかどうかという場合に、一つ前提として検討しておかなくちゃいけないのは子育てに要する経済的負担の問題でございます。 この間、文部省の資料を見ていましたら、これは一九九八年の学習費の調査によるんですけれども、幼稚園の二年間、それから高校までの十四年間の教育費につきまして、公立に通った場合と私立に通った場合の比較をしております。幼稚園の二年間、高校までの十四年間、すべて公立に通った場合にはトータルとして五百十五万円かかる。それから、小学校以外は全部私立に通った場合には九百四十九万円かかる。要するに、公立に通う場合に比べて私立に通う場合は二・二倍の金がかかるということです。これにゼロ歳から三歳までの保育費を加えますとどのような差があるか、もし試算がありましたらお教えいただきたいと思います。
○政府参考人(真野章君) 保育所の場合は公立、私立同様でございまして、ゼロ歳から三歳まで保育所に通所した場合を予算上の平均値で計算をいたしますと、四年間で約百七十万円程度の保育料負担があるというふうに推計されております。したがいまして、先ほど先生おっしゃられました高校まですべて公立に通った場合の五百十五万にこの百七十万が上乗せされまして約六百八十万程度になる。小学校以外はすべて私立に通った、先ほど先生がおっしゃった九百四十九万という数字であれば千百二十万程度になるということでございます。
○入澤肇君 これは保育費と教育費に限って経済的負担を比較したものでございますけれども、児童手当の額そのものが全体の経費の中でどのように位置づけられるか、どのような役割を持っているかということについては、私はこれは政府の方で一回詰めておいた方がいいんじゃないかと思うんです。 ついでに申しますと、この数字からわかるんですけれども、この間、毎日新聞にこういう投書がございました。リストラでお父さんが失業しちゃったので、せっかく子供を私立に通わせて一貫教育でいい大学に入れたいと思ったんだけれども、公立学校に入れざるを得なくなったというふうに新聞に投書してあるんです。非常に残念に思うんです。公立の学校の問題と私立の問題は非常に複雑な多くの問題を抱えていますけれども、ぜひこういう点についても、これは答弁は要らないですけれども、文部省は十分に検討しておいていただきたいというふうに思います。 その次に、三つ目は本体のあれですけれども、以上のような扶養控除、手当のメリット、デメリットの問題、それから子育てに要する経済的負担、なかんずく教育費の負担の問題を前提といたしまして、我が国の児童手当というのはつくられてからかなりの時間が経過しています。この間、出生率にどのような変化があったのか、児童手当がどのような効果があったのかということにつきまして事実を教えていただきたいと思います。
○政府参考人(真野章君) 合計特殊出生率の変化でございますが、昭和三十年代以降は、昭和四十一年の一・五八を除きまして、人口のいわば置きかえ水準でございます二・一前後で落ちついておりました。児童手当制度は四十七年にスタートいたしておりますが、そのときは二・一四でございました。しかしながら、昭和四十九年に二・〇五となりまして、その後低下傾向が続いておりまして、平成元年には一・五七ということで、一・五七ショックと言われました。直近の平成十年には一・三八というふうに低下をいたしております。 ただ、児童手当制度と出生率の関係につきましては児童手当制度の創設当時から議論がございました。例えば、昭和三十九年の中央児童福祉審議会の児童手当部会の中間報告では、この児童手当制度がなかなか日本の社会保障制度として創設されなかった理由に、人口増加を刺激するおそれがあるという議論が非常にその当時強かったと。しかし、状況としては、このように教育水準が向上すれば児童手当が出産を刺激することは考えられない、したがって児童手当制度創設に踏み切るべきだというような議論が行われまして、三十九年から四十六年までまた若干時間がかかったわけでございますが、当時から手当制度と出生率の関係ではそういうふうな議論が行われていたわけでございます。
○入澤肇君 今のお話によりますと、かなりの歴史を経ながらも、しかし手当制度そのものが出生率の維持あるいは増加には余り効果がなかったというふうな説明にも受け取れるわけであります。 そこで、例えば第一子五千円、あるいは一万円でもいいんですけれども、第二子には五万円とか、あるいは第三子には十万円とか、もっと大きく傾斜をつけた児童手当制度にすると子供を持ちたいという刺激になるんじゃないかという考え方もあるんですけれども、こういうふうな考え方はいかがでしょうか。
○政府参考人(真野章君) 手当制度を対象児童、それからそれに対する対象支給額をどういうふうに組み合わせるか、これは先生おっしゃるような案も十分考え得る案だと思います。 ただ、私ども、今回もそうでございますが、児童手当制度の拡充をお願いいたしますのも、いわば少子化対策の一環という格好でお願いをしたいと思っておりますし、私どもの考えております少子化対策というのは、いわば直接出生率云々ということではございませんで、子供を持ちたい、子供を育てたいという若い夫婦が何らかの理由でその夢が実現できない、そういう障害要因があるとすればそれを除去していく。その中の一つとしてやはり経済的な負担というものも考えられるのではないか。そういうようなことからそこに着目した給付を行おうということでございまして、これはまさに児童手当制度をどういうふうに設計するかという大きな問題であろうとは思います。
○入澤肇君 今の説明だと、要するに経済的負担を軽減するために少子化対策の一環として児童手当制度が有効だということであれば、五千円、五千円、一万円ですか、そういうふうな金額の意味づけ、これについて十分な検討がなされてしかるべきじゃないかと。あるいは第一子にはみんな子供を持ちたいんだからこれは出さないで、二子以降に集中的にお金を出すとか、いろんなことが考えられていいんじゃないかと思うんです。ぜひいろんな角度から検討してもらいたい。 そこで、少子化に児童手当が必ずしも十分に役立ってこなかったというふうに結論づけていいんじゃないかと思うんですけれども、少子化の原因として当局としてはどのような理由が考えられるか、いろいろと検討した結果を教えていただきたいと思います。
○政務次官(大野由利子君) 少子化にはさまざまな要因があるのではないかと思っております。複合的な要因の結果として少子化という現象があるんだと思いますが、主な要因の一つに晩婚化の進行によります未婚率の上昇がある、このように認識しているところでございます。 結婚に対する意識の変化というものとあわせまして、非常に固定的な性別役割分担意識を前提とした職場優先の企業の風土とか、それから核家族化とか都市化とか、こういうことを通しまして子育てに対する負担感が大変今重くなっている、また仕事と子育ての両立の負担感が大変増大している、こういうところに少子化の一つの大きな原因があるんじゃないか。子供を育てることの喜びよりも、子供を育てるということは日々新たな発見もあり大変な喜びだと思うんですが、それ以上に負担感の方が大きいということが少子化に拍車をかけているんじゃないか、このように思っております。 結婚や出産は当事者の選択にゆだねられるべきものではあるわけですが、政府といたしましては、子育てや、また仕事と子育ての両立、こういうものをしっかり支援して安心して子育てができる、家庭を持ち、子育てに夢と希望が持てる、こういうふうな環境整備を進めることが大事じゃないか。そういう意味で、少子化対策推進基本方針とか新エンゼルプランを策定するとともに、児童手当の拡充をお願いしている次第でございます。
○入澤肇君 今、御答弁の中で晩婚化が大きな理由の一つとして指摘されましたけれども、それではこの晩婚化の実態とその原因についてはどう認識されていますか。
○政務次官(大野由利子君) 晩婚化につきましては、結婚をしたら独身時代のように自由にできないというような問題、先ほどの答弁と重なりますが経済的な負担感も大きい、子育てと仕事の両立に対する負担感が大変大きいと。そして今、独身でいることに対する社会の認知度も高くなった、こういうこと等々があって晩婚化ということも進んでいるんじゃないか、このように思っております。
○入澤肇君 よくわからない答弁なんですけれども、きのう、平河クラブに女性の記者が何人か来まして、いずれも独身なので話していました。要するに、あした質問するんだけれども、どうして晩婚なのかなという話をしていたんです。そうしましたら、一番の理由として、子供を産んで、その後職場に復帰する、もとのところに復帰して十分に仕事を与えられる保証がないからだと異口同音に答えられた。私は、この点は労働省それから厚生省が一緒になって人為的に解決すればいいことじゃないかと思うんですね。 今の晩婚化の理由というのはいろいろとあるんでしょうけれども、高学歴化して、女性が職場に進出して、子供を産んで、しかし子供を産むことによって今度は職場で不当な扱いを受ける、差別を受ける、あるいは十分な活動の場が与えられない、そういうことに対する潜在的な不安感、こういうものが大きく占めているとすれば、それは政策努力で直すことができるんじゃないかと思うんです。 そこで、例えば官庁等において、女性が出産して休暇をした後、スムーズに職場に復帰できるような組織のあり方、こういうものを工夫することはできないのか。まず官庁がそういうふうなことを工夫してモデルをつくれば、民間の会社もそのモデルに従っていろんな工夫をすることになるんじゃないかと思うんですけれども、そういうふうな考え方について何かお考えがありましたらお聞きしたいと思います。これは労働省の藤井局長。
○政府参考人(藤井龍子君) ただいまの御質問は官庁の組織のあり方ということでございますので私の方からお答えするのが適当かどうかわかりませんけれども、確かに仕事と家庭を両立させるために必要なことというのは、固定的な性別役割分担意識というのが我が国の企業とか団体でまだまだ非常に根強く残っているということは御指摘のとおりでございます。 女性が十分に能力を発揮していくということが二十一世紀の我が国の経済の活性化のためにも非常に重要な課題であると考えてございますので、去年の四月から全面施行されました男女雇用機会均等法、これが募集、採用から退職までの雇用の全ステージにおいて男女の差別的取り扱いを禁止しているというものでございますので、この法律の趣旨を徹底させるということがまず重要ではないかと存じております。毎年六月を男女雇用機会均等月間と定めてございますので、この月間を中心に、法律の趣旨の徹底、さらには必要な事業主指導というのを図ってまいりたいと考えているところでございます。 また、両立をさせるために非常に重要な役割を演じている育児休業制度というのがございますが、この育児休業後のスムーズな職場復帰というのが難しいという平河クラブの女性の記者さんのお話があるということでございます。 これにつきましては、私ども、労働大臣が定める育児・介護休業法に基づく指針におきまして、原則として原職または原職相当職に復帰させることが多く行われているというような趣旨の規定を設けまして、事業主の指導に努めるとともに、十二年度から、本年度からでございますが、休業した場合に穴埋めとして代替要員を雇う、そしてその休業後の方を原職あるいは原職相当職に復帰させるというような措置を講じられた場合に助成金を支給する新たな助成金制度を創設いたしました。 また、育児休業というのは長期にわたるものですから、その休業期間中の職業能力の維持向上というのが大変重要でございますので、休業中の労働者に職場の情報を提供するとか、あるいは復帰のための講習を計画的に実施される事業主に対しまして奨励金を支給しているところでございます。また、この奨励金につきましては、十二年度、事業主が単独で行う場合のみならず、事業主団体が合同で行うという場合も対象にするというような拡充を行ったところでございます。 私どもとしましては、民間企業を中心にということになりますけれども、こういった事業を通じまして、育児休業をとりやすく、また職場復帰しやすい環境の整備に努めてまいっておりますし、今後も力を注いでまいりたいと思っておるところでございます。
○入澤肇君 官庁においても女性の採用がふえているわけですね、これはⅠ種、Ⅱ種、Ⅲ種とも。特にⅢ種などは女性の採用が非常に多い。私は、今の官僚組織のあり方を基本的に変えるということが女性の職場復帰をスムーズにすることになるんじゃないかと思っているんです。 それはどういうことかといいますと、今の組織というのは局の中で課長がいる。課長の下に課長補佐、その下に係長、係員がいるという縦の系列になっているわけですね、ライン制。これをテーマごとにプロジェクトチームみたいなものをつくってスタッフ制に切りかえていく。そうすると、休んでいる間は別の人が入っても、休みをとった後にまたスムーズに職場に戻れるというふうなことになるんじゃないかと思うんです。現に私も何度も法律をつくったりなんかする場合にスタッフ制、プロジェクトチーム方式をやりましたけれども、これは非常に代替が可能なんです。 私は、もし労働省が女性の労働問題を真剣に取り上げるのであれば、人事院等に働きかけて、官庁の組織についても人事院が専門的な立場で見るんだけれども、これについて一家言あるのは労働省だというふうな気持ちで提案をしていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(藤井龍子君) ただいまの入澤先生のお考え、大変重要な示唆に富んだお考えと存じますので、人事院なのか総務庁なのかわかりませんけれども、関係のところとはそういうお考えもお示しいただいたということでお話はしてみたいと思います。
○入澤肇君 とにかく奨励金をとって配るとかいう考え方は私はもう古いんじゃないかと思うんですよ。労働省の予算を見ていると、農林省以上にそういう個別補助金、奨励金みたいなものがたくさんあるんですね。この間も新聞で見ていましたけれども、七十万人雇用計画を達成するためにいろんな補助金をつくりましたね。予算額は確保されているけれども執行がゼロだとか、極めて少ない金額しか執行されていない。奨励金とか何かに依存しないで制度、仕組みそのものを女性が職場復帰できるような形にするという視点で考え直していただきたいと思うんです。 その次に、少子化対策で先般二千億円の補正予算がつきましたけれども、この執行状況につきましてはまだ正式に発表されておりません。どのように使われているか、具体的にお話を願いたいと思います。
○政府参考人(真野章君) 二千億の少子化対策関係補正予算でございますが、大きく三つぐらいの分類をいたしております。一つは保育関係、一つは教育関係、それからその他ということでございます。保育関係、例えば保育所の整備でございますとか駅前保育所の設置、その他保育士さんの研修、そういうような経費に千三百四十一億ということで六三%でございます。それから、教育関係といたしましては、幼稚園等の施設整備その他公共施設におきますいろんな事業の開催等も含めまして五百三億ということで二三%でございます。その他、例えば自治体版のエンゼルプランの作成でございますとか公共施設で託児サービスを行う、あとまた児童館の整備、そういうようなものを合わせまして二百九十三億、一四%というような状況でございます。
○入澤肇君 一番の問題であった保育所の待機児童、これは解消されたんでしょうか。
○政府参考人(真野章君) これは、先生御案内のとおり、保育所の待機児童を初めといたしまして、それぞれの自治体で地域の状況に応じた創意工夫ある取り組みをしていただこうということでございますが、やはり一番お願いをいたしましたのは待機児童の件でございます。 これにつきましては、今回の特例交付金におきまして各市町村で最も重点的に取り組んでいただきまして、この十一、十二、十三、いわば三年間事業としてやっていただけるわけですが、その三年間で約三万八千人の待機児童の解消を見込むと。ただ、それぞれ地域によりまして、若年人口の流入でございますとか、今回いろいろ工夫をいただきまして、その三年間で全市町村で全待機児童の解消がされるというところまでは行っていないわけでございますが、三年間で約三万八千人の待機児童の解消が見込まれるということで、私どもとしては大きく前進をしたのではないかというふうに思っております。
○入澤肇君 この補正予算を使ってどの程度まで解消したんでしょうか。
○政府参考人(真野章君) 今申し上げましたように、三年間でそれぞれ市町村で待機児童の解消計画というものをつくっていただきまして、例えばこの制度で保育所を増設するとか増員するとか、それから定員の弾力化を行うとか、そういうようなことでこの事業の終了年度であります十三年度までにそれぞれの市町村で合わせまして三万八千人の待機児童が解消できる、そういう計画をそれぞれの市町村に立てていただいているというところでございます。
○入澤肇君 だから、その三年間でこれから計画を立ててやるといっても実体がないわけですよ。そういうあれであれば二千億円の補正予算でやる必要が全然なかった。当初予算でやればいい話で、補正予算で緊急避難的に待機児童を解消するんだ、しかも待機児童の多い県に集中的にやるんだということでこの予算は決まったわけです。 ですから、二千億円を使って三年じゃなくて、とにかく十一年度補正予算を使ってやるんですから、十二年度中に待機児童を解消するという気持ちでやったんだから、どの程度まで進捗しているのかと聞いている。三年間ということでは補正予算の意味がないと思うんですが。
○政府参考人(真野章君) 今、十一年度補正ということで、この三万八千のうちのどこまでが十一年度でどこまでが十二年度かというのはお手元に資料がございませんが、私どもの感じでは十三年度まで持ち越すというのは非常に少のうございまして、大部分が十一年度、十二年度で対応していただけるというふうに思っております。
○入澤肇君 この待機児童の解消につきましては、保育所の整備のほかに無認可の保育所の扱いの問題もございました。それから、幼稚園と保育園の垣根を低くして相互乗り入れの問題もありました。こういうことをやっぱりきちんとやるには、前回申し上げましたけれども、私は児童福祉法を改正して「保育に欠ける」云々という条文をなくして、ゼロ歳から三歳までの保育、三歳から五歳までの就学前の教育を一貫してやれるように、幼稚園側も保育園側もそれぞれが権益にとらわれることなく一貫してやるようにすることが一番大事だと思っているんです。それによって公費負担がふえるということがあるかもしれませんけれども、少子化対策をきちんとやるのであれば、基本的なところをきちんと手当てしてもらいたいと思うんです。 この前もちょっと質問したんですけれども、幼保一元化で保育園と幼稚園の垣根をきちんと直すということについての考え方はいかがでしょうか。
○政府参考人(真野章君) 先日も御答弁申し上げましておしかりを受けましたが、私ども、先生の御主張も十分議論をしてまいりたいと思いますし、これまでも厚生省、文部省でしてまいったつもりでございます。 できるだけその垣根を低くする。そして、今回の設置主体の規制緩和ではいわば相互乗り入れが可能になる。保育所をつくっていた社会福祉法人が幼稚園をつくることもできるし、いわゆる幼稚園を経営されていたところが保育所をつくることができるというようなことにもなりますし、またいろんな施設の共有化でございますとか幼稚園教諭と保育士の合同研修というようなことで、これまでも我々としてはできる限りのいわばそういう垣根を低くし、それぞれの長所を生かした対応ができるような体制を整備してきたつもりでございます。
○入澤肇君 だから、行政的にはそれが限度だと、あと本当に垣根を取っ払うのであればそれは政治の決断でやってもらいたいというのであれば、それは非常に明快な答弁なんですよ。行政で何でもかんでもやろうとするからいつまでたっても抜本的な解決はない。ここを大臣にお答えいただくのはきょうはやめにしますけれども、ぜひこの幼保一元化については抜本的な改革をお願いしたいと私は思います。政治的な決断が必要だとすればぜひ決断していただきたいと思います。 それから、この前、少子化対策の中で非常に奇異に感じたんですけれども、私もいただいたんですが、文部省の家庭教育ノートも少子化対策の中にカウントされているんですね。これを見ましても、こういうのがどうして少子化対策なんだかよくわからない。少子化対策で余りいろんなものを組み込んじゃって金額を大きく見せる必要は全然ないんじゃないかと思うんですけれども、これを少子化対策としてカウントした理由はどういうことなんでしょうか。文部省。
○政府参考人(富岡賢治君) 少子化の要因の一つといたしまして、子供にどのように接すればよいかわからないなどの若い世代の親の子育てに対する不安等が考えられるわけでございます。文部省では、今、先生御指摘のように、平成十一年の四月から、一人一人の父親、母親が家庭を見詰め直しまして、そして自信を持って子育てに取り組んでいく契機となりますように家庭教育手帳それから家庭教育ノートを作成しまして、乳幼児や小中学生を持つすべての親に厚生省の協力を得ながら配付しているわけでございます。 これは、非常に家庭教育のしつけのあり方とかそういうことにつきましてわかりやすく解説していますほかに、家庭教育に役立つ情報の提供等を行いまして、親の子育てについての不安の解消に役立つ内容となっているわけでございまして、個々の家庭で利用いただいていますほかに、公民館を初めとしました地域の家庭教育学級とかPTAの研修会とか保健所職員の研修とか民生児童委員の研修等においても、まだまだ十分ではないと思っておりますけれども、活用いただいているところでございます。
○入澤肇君 非常に不満でありますけれども、今の答弁で一応納得しておくことにします。 その次に、我が国の少子化対策を考えるに当たって非常に参考になると思われるんですけれども、中国の一人っ子政策、これについての評価はいかがでしょうか。それから、最近中国は一人っ子政策を幾分か修正して、一人っ子同士が結婚した場合には二人子供をつくってもいいよというふうな方針に改めたということを聞いているんですけれども、これについてはいかがでしょうか。
○政府参考人(宮島彰君) いわゆる一人っ子政策と呼ばれます中国の人口政策につきまして、国立社会保障・人口問題研究所などの情報収集したものによって見てみますと、現在、中国の人口は約十三億人近くおりますけれども、一九七〇年代は毎年一千七百万人増と、非常に急激な時代があったわけでございます。このため、一九八〇年代に、人口の増加を経済社会発展計画に適応させるため、計画出産の義務を憲法や婚姻法に規定しますとともに、その具体的な措置を婚姻法や各省、特別市の計画出産条例において規定しております。 主なものといたしましては結婚年齢の制限ということで、男は二十二歳以上、女は二十歳以上という規定が一つございます。各地方の条例ではこれをさらに上乗せしております。 それから二つ目には、賞罰制度を設けておりまして、子供一人の宣言をした場合には奨励金支給なり託児所の優先入所、保育費、学費の補助のようなものをやっております。これとは逆に、超過出産、計画外出産をした場合には罰金、賃金カット等の制裁措置をしているということでございます。 それから三点目には、人口目標管理責任体制としまして国家計画出産委員会を中心として各地方に同じような委員会を設けまして、いわゆる統一的な行政管理のネットワークをつくって進めているということでございます。 なお、研究者によりますと、中国の人口抑制には一人っ子政策は一定の効果があったんではないかというふうにされているようでございまして、一九七〇年の中国の合計特殊出生率は五・八でございましたが現在は二を下回るということで、中国の人口学者によりますと、もしこの人口政策をしなかったならば約三億人程度多い出産があったんではないかというふうに言われております。
○入澤肇君 今のはそういうふうなことじゃなくて、一人っ子政策の結果、少子化が進んでしまって人口の構成割合が非常に高齢化しちゃって、将来老人大国になるんじゃないかというふうな政府の心配から一人っ子政策を改めようじゃないかという機運になっているということで、そのために日本と同じような児童手当みたいな制度、こういうものを考えたらどうかというのが一つの流れになってきているということを聞きましたので、お聞きしたわけでございます。 終わります。
○佐藤泰介君 民主党の佐藤泰介でございます。よろしくお願いします。 児童手当に関する基本的な認識をお尋ねさせていただきたいと存じておりますが、その前に一、二質問をさせていただきます。 我が国において、少子化と高齢化のスピードは非常に速いものです。何とか切り抜けていかなければならないのがこの人口問題であろうというふうに思います。しかし、この人口問題に関しては複雑な背景と私的領域があり、国家が単純に介入できない領域を多く含んでいる部分もあると私は思っております。 そうした認識を十分に持ってこの課題に取り組んでいかなければならないのであろうと思いますが、まず大臣に伺いますが、少子化をどのようにとらえ、これからの二十一世紀、どのような社会をつくっていかれようと考えておられるのか。この点についてまずお尋ねをします。
○国務大臣(丹羽雄哉君) かつて、昭和二十二年の終戦後は女性の合計特殊出生率が四・五四人でございました。近年、この合計特殊出生率が年々低下の傾向にあるわけでございます。結婚をなさらない男の方、女の方、あるいは晩婚化の問題、さまざまな要因があるわけでございますけれども、私どもは一・三八ショックに示されますようないわゆる出生率の低下はどこに原因があるのか、こういうような観点からさまざまな少子化対策というものを今模索しながら方針を打ち出しておるようなところでございます。 結婚や出産はあくまでも個人の自由な選択にゆだねられるべきでございますが、二十一世紀の我が国を、若い男女の方々が明るい家庭をつくって、家庭や子育てに夢を持てる社会をつくることが必要である、このように考えているような次第でございます。そのためにも、保育であるとかあるいは雇用であるとか教育であるとか住宅であるとか、あらゆる分野におきまして、女性の方も男性の方も、十分な環境整備が整っているような地域社会を推進していくということが何よりも必要ではないか、こう考えているような次第でございます。 そして、ただいま御審議をいただいております児童手当の拡充の問題も少子化対策の一つとして位置づけておるわけでございますので、こういったような全体的な、総合的な中において少子化対策というものを進めていきたい、このように考えているような次第でございます。
○佐藤泰介君 今、大臣がお答えいただいた点についてはほぼ私も同じような考えでおります。総合的な取り組みの中で取り組んでいくんだということ、それから女性が家庭や子育てに夢を持てる社会をつくっていきたいというようなこと、あるいは子供を産むのは女性の意思を尊重していくんだ、あくまで自由な選択にゆだねられるべきであるというような、そうしたことを総合的に考えながら、出生率が大変落ちてきたこの状況を克服していくんだというようなお答えだったかというふうに思います。私もその点については全く同感に思います。 ちょっと話は変わりますけれども、本当に今子育てが大変な時代になっていると思います。とりわけ、この連休を挟んで社会的にも大変衝撃的な少年による犯行が続いて発生しました。私も二十年余の教員生活をしてきた経験を持つ者として、少年が人の命の重さを認識できず多くの人を傷つけ、死に至らしめた事実に大きな衝撃を受けています。なぜ子供たちは私たちの理解を超えた生命を軽視する行動をするのか。ここにも子育ての困難さ、あるいは家庭や学校、地域社会で子供を育てる過程で私たち大人が気づかなかった要素が現代社会にあるのではないか、このように思っております。 児童手当制度も、子育てに伴う負担感の軽減とともに子供の健全育成を図ることを目的として、その目的をさらに推し進めるために平成六年度に制度改正がされています。 そうした観点から、これらの事件について、社会的な課題のようには思いますけれども、厚生大臣としてどのようなお考えを持っておられるか。ちょっと児童手当とはかかわりはないかもしれませんけれども、今日的な子育てあるいは家庭の問題として、あるいは学校の問題として、率直な見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 御指摘の最近の少年による事件につきましては、どこにそういうような要因があるのかと。 ある方は、非常にまじめな方で成績も悪くない、しかし何かちょっと私どもが信じられないような、人を殺傷する経験をしてみたいというようなことを、私も新聞報道でしか承知しておりませんけれども、漏らしておる。今、委員が御指摘いただきましたような生命のとうとさであるとか、こういうものに対する認識というものが著しく逸脱している、いわば人間的に非常に、何と申しますか、一般的、社会的常識の欠如した人間がこのような振る舞いをしたことに対しまして私も大変大きな衝撃を受けておるような次第でございます。 事件で亡くなられた方々に対しまして深く哀悼の意を表する次第でございます。 繰り返しこのような事件が起きておるわけでございますけれども、今、内閣を挙げていわゆる教育改革の問題に取り組んでおるわけでございます。これは一厚生省の問題ではなく社会全体で取り組むことが必要なのではないか、こう考えております。警察や教育関係者のみならず、私どもといたしましても、非行防止や健全育成の観点から、例えば厚生省管轄では児童相談所がございますが、果たして有効的な役割を果たし得ているのかどうか、こういったことを含めまして再検討する必要があるのではないかと思っております。 いずれにいたしましても、その要因といたしましては非常にさまざまなケースがございまして一概に決めつけられないところがございます。家庭の複雑な事情もありますでしょうし、幼少期の健全育成の重要さ、さらに最近のいわゆるはんらんする社会的な、刺激的なさまざまな問題、こういったようなものが複合的なものとしてさまざまな形でいとも簡単に人を殺傷するというようなことが起きているのではないか、こう考えているような次第でございます。 いずれにいたしましても、社会全体でこうした問題を、無力になるのではなくてみんなで力を合わせて、このような悲惨なことが起こらないように、私どもは今何をなすべきかということを真摯に考えていかなければならないと思っております。 厚生省といたしましても、関係省庁とは一層連携を密にしながら、非行の防止や健全育成にさらに最善の努力をしていく決意でございます。
○佐藤泰介君 大臣も言われましたように、厚生省のみならず、政府を挙げてといいますか、大人全部がといいますか、国民的な課題として社会全体で考えていく課題であろうと私も思っておりますが、ある意味それぞれの立場、それぞれの人権といいますか、そうしたものの人権観の希薄化がやはり進んでいるのではないかなと私は思っております。 これからの二十一世紀は、やはりお互いどのような立場にあろうとも人権を尊重していく世紀をつくり上げていくことが非常に大きな課題であり、ある意味でこういった問題を解決していく糸口といいますか、手がかりになっていくのではなかろうかというふうに思っております。二十一世紀に向けて、私は人権文化創造に向け社会保障面においてもさらなる取り組みを強化していく必要があるのではないか、このように考えています。その意味で、石原東京都知事の三国人発言とか森総理のエイズ発言などは極めて私は残念で遺憾な発言であると言わざるを得ないというふうに思っております。 厚生省としても、人権尊重、人権文化をつくっていくために、女性、子供、高齢者、障害者、HIV感染者等、不当な差別等を受けている人たちの人権が擁護されるような取り組みをさらに強化していく必要があるのではないか、このように思っています。そのことがそうした少年問題を解決していく、直接的につながっていくとは思いませんけれども、二十一世紀に向けてすべての人の人権が保障される、そういった時代をつくり上げていく、その意味では厚生省としても今申し上げたような差別を受けている人々に対する取り組み等を強化していく必要があろう、このように私は考えております。 その意味で、そうした取り組みへの大臣の決意をお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 今回、連休中に発生した問題はもう人権以前の問題でございます。委員が御指摘になりましたような人間の命の重さというものを軽視する、こういうような傾向ということが一つの大きな風潮として流れているのではないかということで、背筋が寒くなるような思いがいたしております。 どうしてこういうような風潮になってきているのかということでございます。さまざまな見方がありますけれども、私の個人的な考え方といたしましては、一つは、核家族化が進み、近隣の地域の人間関係も希薄になってまいりました。子供が地域社会でさまざまな人たちと交流する経験がややもすると不足するようになりまして、いわゆる規範意識を身につけたり人間関係を学ぶ、こういうような機会が少なくなってきているのではないかな、こういうことでございます。 そして、児童の健全育成の観点からも、幼児期から家庭や地域社会において子供が生活習慣であるとかあるいは自立心であるとか、それから礼儀、マナーなどを身につけて、いわゆる子供の他人に対する思いやりであるとか優しさであるとか、こういうものが、非常に学歴偏重といいますかそういうものが重視される中でややもすると軽視されてきているのではないか、そしていわゆる自己中心的な考え方というのが強まっているのではないか、こういう感じを持っております。これはあくまでも私見でございます。 いずれにいたしましても、大変ゆゆしき状態でございますし、今回の事件に限らず、いわゆるこういった少年の多発する事故、ひいては身近な問題として人権に対する、これはさまざまな形の人権がございます、これもいろいろ考えなければならないわけでございますけれども、そういったものに対する全体的な流れの中で、例えば最近のさまざまな媒体等においても何か興味本位ということがどうしても優先をするんだ、そういうようなことがあって、やはりその人の人権をややもすると無視する傾向があるのではないか。 私ども国会議員というものは、やはりそういうことを含めて一人一人が常に戒めながら人権を守っていくということを厳に考えていかなければならない、このように考えているような次第でございます。
○佐藤泰介君 ありがとうございました。 最近の問題ということで大臣のお考えをお聞きしたということで、私も同感する部分が多々ありますが、なかなか目標が持てない時代になってきているのではないかというふうに思っております。それぞれの人間が一つの目標を持って、ある目的を持って突き進めばすごいパワーが出るにもかかわらず、やっぱり何か将来に目的を持ち得ない、そんな状況も一つの要因になっているのではないかな、このように私は思っておる次第でございます。したがって、政治が果たしていく役割としては、子供も含め、それぞれが成績だけではなくて人生の目標が持てるような、そんな時代をつくっていく責任が私自身にもあるのであろうというふうに思っております。 では、以下、順次児童手当法について今度は質問をさせていただきたいと思います。 まず、児童手当の支給額についてですが、これまでヨーロッパ諸国と比較しても非常に低い水準に置かれたものであるという指摘は多くありましたが、我が国における家庭生活では、現実に必要な支給金額はどれくらいなのかがなかなか明確になっていませんでした。今回の法案はその基準をお持ちになって、第一子、第二子に対しては五千円、第三子には一万円と現行のままで提案されたと思うのですが、そうした基準をお持ちなんでしょうか。 そこで、この支給金額を現行のままにされているわけですが、現行のままにされた根拠というものもあればあわせてお願いをしたいと思いますし、ゼロ歳―三歳までに支給されていたものを義務教育前、つまり六歳未満までとするとありますが、今回の改定で支給対象を義務教育就学前までとした根拠、理由といいますか、それもあわせて説明をしていただきたいと思います。既に衆議院なり本会議でも質問が出されておりますけれども、なかなか明快な答えになっていないように思いますので、改めてお尋ねをしておきたいというふうに思います。
○政務次官(大野由利子君) 児童手当は、この制度の発足時、創設時におきまして、昭和四十六年でございますが、第三子以降に家庭の一人当たりの養育費の半分程度を目安にする、こういうことで当時、第三子以降を対象に三千円と、このようにされたところでございます。その後さまざまな改正を経まして、今第一子と第二子が五千円、そして第三子以降は一万円、こういうふうになっております。 消費者物価指数から見ますと、当時よりも大体二・九倍の物価指数になっておりますので、単純に計算いたしますと、三千円を二・九倍いたしますと九千円弱、こういうふうになるわけでございますが、ただこの制度の創設時は第三子以降でございましたし、今は第一子から支給をされている、こういう状況になっております。 今回の改正におきましては、支給額を前回の額と据え置きにしたわけでございますが、限られた財源でございますのでどうするか、検討の中で支給対象年齢を拡大することといたしまして、そして手当額は従来どおりと、このようにしたわけでございます。 就学前までとした理由はどうしてか、こういうお尋ねでございましたけれども、今回の改正案では、三歳から就学前まで対象児童を拡大したわけですけれども、就学前で申しますと、三歳から就学前といいますと大体保育園とか幼稚園に通っている子供たちが大半でもございます。家庭での経済的な負担もいろいろ就学前と後とでは随分差が出てくる、こういうことも考慮いたしましてこの義務教育就学前まで、これは平成三年の改正でちょうど三歳未満に特化すると同時に、特化する前にちょうど就学前までやっていたそのときに戻して就学前までと、こういうふうにしたところでございます。 今後、支給対象児童の範囲とか支給期間とか手当額とか、また所得制限とか財源とか費用負担等については抜本的な再検討というものもしっかり取り組んでまいりたい、このように思っております。
○佐藤泰介君 結論的に言えば、限られた財源の中で従来どおりの金額にしたというふうに理解させていただいていいですか。 スタート時のことを言われましたけれども、スタート時点においてはそれぞれ養育費調査というものに基づいて当初の三千円が私は決められたというふうに思っております。例えば、第一子は幾らぐらいかかって、第二子は幾らぐらいかかって、第三子は幾らぐらいかかってというようなかなり綿密な養育費調査に基づいて、当初、第三子からではあったと思いますけれども、かなりの調査が行われております。 私の手元にある資料ですと、月収三万円以上六万円未満の勤労者世帯の児童一人当たりの養育費、第一子は学校教育費を入れると八千二百十二円、第二子で六千七百七十円、第三子で四千六百五十九円、合計一万九千六百四十一円。これを三で割りますと一人六千五百四十七円、ほぼ六千円。そしてその半額の三千円を見るというような中央児童福祉審議会の児童手当部会の審議内容もありました。 月収三万円で三千円もらうということは一割ですね。昭和四十二年ですから、今、月収三万円から六万円が平均所得になるのかどうか知りませんけれども、第三子といえども三万円の方にとっては三千円もらう。私はちょうど四十二年に就職しましたので、初任給二万円弱でございました、手取りは。大学のときは三千円ぐらい奨学金をもらっていたと思いますので、それでかなり生活できたと思っております。としますと、相当な額ですよ、これ、スタートした時点では。今、平均所得がどれぐらいだか知りませんけれども、仮に三十万としても、この一割というと三万円ですよ。 そのように、児童手当そのものは世の中の変化に合わせて全然アップされてきていないんですよ。立ち上がりはかなり綿密な調査や、そしてどの程度要るか、こういう調査に基づいて昭和四十六年にスタートしたんですよ。結局、財源がないから現行を維持して、平成三年度の水準で維持をしたということを言われました。平成三年度は、二年から三年に向けて第一子、第二子は五千円、倍額になった。では、このときはどんな調査をされて、なぜこういう改定をされたのか。当然、導入時においてもこのようなかなり年数をかけて調査をし、金額も出され、年齢も幾つからにするか、所得制限はどうするか、かなり綿密な審議会報告があるんですよ。今聞いていますと、何か財源がないからそうしちゃったんだというようにも私にはとれます。 したがって、今回の改定に当たっては、ともかく財源先ありきで、そうした具体的なことについての調査等一切なされなかったのか。あるいは手当額について、先ほど私が言いました三万円で三千円だと一割ですよ、昭和四十二年で。それで、四十六年スタート時点ですとかなりの額だったと私は思います。そういうことなくして、限られた財源だから平成三年度の水準を維持した、増額については一切検討をされずに支給対象だけ広げられたということなんでしょうか。 何か政府のやることとしては行き当たりばったりのような感じがして非常に私は奇異な感じを受けるわけでございますが、この辺はどうでございますか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 今回の児童手当につきましては、委員も御案内のことと存じますけれども、そもそもこの児童手当の問題につきましては与党の政策責任者でこのような決定がなされたわけでございます。その与党の政策責任者の議論の中においては、今大変な赤字財政の中においてとにかく赤字国債というものを発行しないんだと、これが一つの大前提になっておるわけでございます。 そして、扶養控除のあり方と児童手当のあり方については、ある意味においてこれは全く異なるものでございますけれども、今回におきましては、いわゆる扶養控除というのは委員も御指摘のように所得の比較的高い方が対象になる、こういうことがあるわけでございますけれども、この児童手当におきましては所得の低い方を中心にしていわゆる経済的な軽減を少しでもお手伝いしようではないか、こういうような発想からこのような措置がとられた、このように聞いておるような次第でございます。 いずれにいたしましても、今回のこの児童手当の改正というものはあくまでも経過的な措置でございまして、少子化対策の柱の一つとしてこのような措置をとらせていただいたような次第でございます。
○佐藤泰介君 よくわからぬですね、何を言ってみえるか。与党が政策合意してやっていっちゃうんだったらしようがない、後から厚生省としては抜本改正を考えていくんだ、あるいはまた与党三党が先に抜本改正に向けて案を出すのを待っているんだと。それでいいんですか、厚生省として。私は、やっぱりあるべき金額、あるべき姿というものを厚生省は今の時代だからこそ示すべきではないかということを強く思う次第でございます。 所得制限の話も出ました。四十六年の所得制限は二百万円ですよ。三万円から六万円の平均月収で所得制限二百万円というとかなり高いですよ。今の所得制限はかなり厳しくなってきています。ということは、かなりこの所得制限があっても恩恵を受けた方々は多いと、私は数字からそう判断します。そうしたもろもろの検討が一切行われずに、ただただ三党が合意したから進めていくんだ、経過措置だ、抜本的な改正はこの後にするんだと、それではちょっと国民に説明がつかぬのじゃないでしょうか。 また、対象年齢も義務教育就学前の方が経済的な負担や精神的な負担が大きいと言われました。それはどこの調査ですか。厚生省の調査でしょうか。各種の民間調査では、理想の子供の数だけ子供が持てない理由として、収入が少ないとか教育費が高いとかというのが上位に並び、経済企画庁の調査でさえ負担感は上級学校に進むほど大きくなっている、このような調査が各種の調査で出されているわけです。 義務教育就学前後が一番苦しいと、それはどういう調査、どういう根拠に基づいて今答弁されたのでしょうか、明らかにしていただきたいというふうに思います。
○政務次官(大野由利子君) 児童手当とあわせて教育費の問題については十分に考慮をしていく必要があるんじゃなかろうか、このように思っておりまして、教育費として奨学資金の、これは厚生省というよりも文部省の所管でございますが、奨学資金等々に大幅な拡充が行われている、こういう状況がございます。 一応、先ほど就学前まで、就学前と後とで経済的また精神的な負担が大きく変わると申し上げました。義務教育が始まることによって公的な資金が義務教育ということで相当投入される、こういうふうな状況もございますし、平成三年のときの改正というものを一つの参考にいたしまして、今回は就学前まで対象児童の年齢を拡大した。 しかし、先ほどの大臣の答弁にもありましたように、これも一つの限られた現下の厳しい経済財政状況のもとで赤字国債を発行しないでという、そういう限定のもとでの措置でございますので、今後、支給対象年齢、また支給額も初め抜本的な検討が必要であろう、このように認識しているところでございます。
○佐藤泰介君 その答弁もよくわからぬですね。 一昨年、特定扶養控除をだから要望されたんでしょう、厚生省は、就学前の。違いますか。 したがって、総合的な対策の中でやっていくという大臣の答弁は私は理解したんですよ。しかし、児童手当そのものをとってもいろんな矛盾があるんじゃないかということを言いたいわけです。それを、総合的にやっていくんだから、与党の三党の合意があるんだからと、そういう答弁ではちょっと国民も私も納得できないということを申し上げたいわけです。 それで、その財源も年少扶養控除を一年でもとに戻して財源確保、増税となる世帯も多くあり、政策の一貫性を全く欠く、児童手当のあり方についての議論が与党内でも審議会でも全く不十分、整合性がない、場当たり的な改正であるということを申し上げて、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○小宮山洋子君 民主党の小宮山でございます。 引き続き質問をさせていただきます。 私は、先日、本会議でも大臣に伺いましたけれども、本会議はどうも一方通行ですので、きょうは存分にお答えをいただきたいというふうに思っております。 まず、具体的な中身の前に、少子化ということは、平成元年、一・五七ショックと言われたころからかなり政府としても取り組みを始められたというふうに思うのですが、この年に健やかに子供を生み育てる環境づくりに関する関係省庁連絡会議、非常に長い名前の関係省庁の連絡会議をつくられて、一つの省庁では取り組めないからということでずっと取り組んでこられたはずです。それなのにほぼ一貫して合計特殊出生率が下がり続けていまして、一・三八と史上最低。 大体、厚生省は将来の人口推計というのを五年ごとに出しておいでですけれども、その見通しもずっと狂いっ放しで、将来四人に一人がお年寄りと言われたのが、このままですと出生率の低下が予想以上に大きいので三人に一人が六十五歳以上の高齢者になると。 私は、もちろん産む産まないというのは個人個人の判断ですけれども、持ちたい人が安心して産み育てられるためには当然国の果たすべき役割があると思うのですが、こういう連絡会議をつくりながら相変わらずずっと低下をしている。このことを大臣はどのようにお考えになっているでしょうか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 私どもとしては、これまでも少子化対策という問題を大変大きな問題、深刻な問題としてとらえておりまして、さまざまな施策というものを講じてきたところでございます。 現に、平成十年度では委員が御指摘のように史上最低の一・三八まで低下をいたしておるわけでございます。この少子化の進行というものはさまざまな形で、例えば経済であるとか国民生活であるとか年金などの社会保障制度のあり方、こういうようなものにも深刻な影響を及ぼすわけでございます。 委員もお話しになりましたように、結婚や出産というのはあくまでも個人の選択の自由でございますけれども、私どもは若い男女が子供を産み育てながら仕事と両立が可能なような環境を整備する、こういうような観点からこの少子化対策に取り組んできておるわけでございます。そして、近年、特にこの問題が高まりを見せてきておるわけでございます。 委員からは、前からやっているではないか、効果がないのではないかと、こういうような御叱責をいただいたわけでございますけれども、私どもといたしましては、保育所の充実であるとか、それから特にその中におきましてそれぞれの市町村が独自に少子化対策に取り組んでいただきたい、こういうような観点から特別臨時給付金のようなものを設けて、それぞれの市町村の実情に合わせた少子化対策を考えてほしいということで二千億円を講じまして、効果を上げているところでございます。そのほか育児休業制度の充実など、これも一つ一つでございます。それから、今回の年金法の改正におきましても事業主の負担を免除するといったようなことであるとか、さまざまな問題を総合的に今講じているところでございます。 この児童手当制度もその中の一環として行っているものでございますが、率直に申し上げて、先ほど来御意見も出ておりますけれども、とにかく結婚をなさらない方々が大変ふえていらっしゃる、それから結婚をなさっても大変晩婚化が進んでいる、こういうような社会現象の中において、これをやればすべて効果があるというようなことがもしこの問題にお詳しい先生があればぜひともこの場において御提案を賜れば幸いだと考えておりますが、私どもは私どもなりにエンゼルプランであるとか、さまざまな形で努力をいたしておるような次第でございます。
○小宮山洋子君 どうも政府が取り組んでいらっしゃる方向が私は基本的に違うのではないかというふうに思う点があります。というのは、それぞれ年齢がどうであれ、どういう形の結婚の形態をとっていても、持ちたい人が安心して産み育てられるようになっているかというと決してそうではない。今、少子化対策の基本法なるものも検討されているわけですけれども、そのことに関して私ども民主党でも若い方たちに集まっていただいて意見を聞いたところ、例えば学生の間であっても子供を持ちたい人もいる、だけれどもそうしたら若い人たちが持てるかというととてもいろんな状況からして今持てるようにはなっていない、そういうことまで幅広く見ていく必要があるのではないかということを若い人たちは言っていました。 それで、一方では子供を産んでもらわないと困るからなるべく中絶はしにくくしましょうというような方向のことが検討をされたり、どうも以前から申し上げているリプロダクティブヘルス・ライツという、それぞれ何人をいつ持つか持たないかは女性の自己決定だということに基づいたところの、そのどこによって立って政策を打ち出しているかというそこの観点が違うからずれが出てきているのではないかと思うのですけれども、重ねて伺いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 率直にお話をお聞きいたしておりまして、ある部分においては私なりの理解をいたしておりますが、もう一つ何か得心が得られないというか、小宮山委員は小宮山委員としてのお考え方をお示しになっておるわけでございますけれども、それでは若い方々に対してどういうような措置をとったらいいのかと、こういうことがもう一つよく理解できません。 私の地元、私は茨城県でございますが、筑波大学では学生のための夫婦の寮というのがございます。そういうさまざまな形で最近は若い方々も早く結婚なさって家庭を持ちたい方に対する環境というのは徐々に整いつつあると思います。 しかし、全般的な社会現象としては、女性の社会進出が大変進む中においてなかなか結婚をなさらない方々が大変ふえてきておるということでございますし、また仕事も、これは男性の仕事である、これは女性の仕事である、こういったような役割というものはもう全くなくなりつつあるわけでございます。 そういう中において、女性の皆さん方が結婚よりは仕事だと、こういうような傾向がある。仕事に打ち込むということは大変結構なことだと思いますが、こういった社会的な風潮なり現象というものを十分にわきまえながら、それでは私どもとしてお手伝いすることはどういうことがあるか、こういったような観点から考えていくべきではないか、こういう考えに立つものでございます。 何かこういうことがおくれているからどうのこうのとか、こういうような御指摘がなされたようでございますけれども、その辺の趣旨がもう一つ私にとってはよくわからない点でございます。
○小宮山洋子君 この話だけをしていますと夜が更けてしまうかと思いますので、具体的な話に移りたいと思います。 その前に、先ほども大野次官から、子育てに夢を持てるように、少子化対策の一環としてというようなお話がありましたけれども、どういう形の夢を持つか持たないか、それはそれぞれの個人の自由なのであって、夢を持てるようにということを国の方がおっしゃるのも何か変ではないかなと。また、これも禅問答のようになってしまいますけれども、いろいろな選択が可能なような社会をつくらなければいけない、一口で言えばそういうことかなというふうに思っております。 今回の改正案の内容について具体的に伺っていきたいと思います。 先ほども、今回は経過措置だ、抜本改革はこれからだというようなお話がございました。私は、経過措置というのは、将来の方向性がきちんと決まっていて、ビジョンがあって、こういう方向があって、その中で児童手当というのはこういう役割を果たすのだということがきちんとあって、当面は財源がこれだけだから経過としてここまでやるというのが経過措置だと思うのですが、その根本的な方向がはっきりしないで、これは経過措置だから当分の間こういう形でやりますというのは幾ら何でも場当たり的だと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 今回の改正は、少子化対策の推進が御案内のような喫緊の課題になっておるわけでございます。そういう中で、平成十二年度を初年度とする新エンゼルプランの策定などとあわせまして総合的な少子化対策の一環として児童手当の拡充を図る、こういうような経緯でございます。 この改正は、先ほども申し上げましたけれども、与党協議におきまして経過的な措置として位置づけられておりますが、それだけ今この少子化対策、その中における児童手当のあり方というものが国民の議論の高まりとなってきておる中において、いわゆる焦眉の問題として考えております。とにかく来年度の抜本改革の前に今年度は私どもはこれまでの三歳未満から六歳に広げていこうということで、一つの方向性というものを十分に見据えた上でこのような措置がなされたものと、こう確信をいたしておるような次第でございます。
○小宮山洋子君 私はとてもその方向性が示されているとは思いません。 それで、検討してきました中央児童福祉審議会とか社会保障制度審議会の中でも今回のようなやり方については十分な検討がなされていないという指摘が出ているわけです。そのことについてはこれからも検討を加えていくという御答弁が本会議でもあったかと思いますけれども、検討してきた人たち自体が十分な体系的な検討が行われていないと言っているわけです。それで方向性がはっきりしているというのはどうも納得がいきません。 そもそも児童手当法というのは、第一条に、児童を養育している者に手当を支給することにより、家庭における生活の安定や次代を担う児童の健全育成及び資質の向上に資することが目的とされている。 今、同僚の佐藤議員もお尋ねをしましたけれども、実際に月五千円でそういうようなことができるのか、あるいは第三子一万円で資質の向上に資するなどと言えるのか。こういうことからしても、児童手当というのはどういうあり方であるべきなのか、そこのところとずれが出てきていると思うのですけれども、そのようにはお思いになりませんか。
○政務次官(大野由利子君) 今、委員が御指摘のように、児童手当法の第一条に児童手当の支給目的等々が書かれているわけでございまして、児童の養育に係る費用、家計にとって大きな支出要因の一つであり、子育てしやすい環境づくりという観点からは子育て家庭に対する経済的な支援というものが必要であると、このように考えております。 委員が御指摘のように、現状で十分かと言われますと、これについては十分検討の余地があると思っておりますが、先ほども御答弁させていただきましたように、現下の厳しい経済情勢の中で赤字国債を出さない、こういう中で精いっぱい今直ちにできることは何か、こういう観点で今回は三歳未満を就学前まで拡充をするということでございます。 今後も、児童手当のあり方につきましては、幅広く国民の皆さんの御議論、御意見を伺いながら、しっかりと今後の抜本的な改正に向けて検討をしてまいりたい、このように思っております。
○小宮山洋子君 その支給開始の年齢も、児童手当の児童ということですけれども、厚生省が扱っていらっしゃいます児童福祉法の中では児童というのは十八歳未満、子どもの権利条約などからしても国連でも十八歳未満を言っています。ところが、労働の場面では十五歳未満を児童という形で言っていますし、学校でいいますと、児童といえば普通十二歳未満、小学校の間ということで、その児童の定義もはっきりしていないという中で、当面ことしはこれだからこれから抜本的に考えますというのではなくて、先ほど児童家庭局長も創設当時から議論があると言われましたけれども、創設当時から議論があって、まだその議論が全然形をなしていないというか、きちんと設計されていないまま来ているのではないか。それをこういうふうに場当たりでやっていくことはどうも納得できないというふうに思います。 ヨーロッパの国々でも大体十六歳未満か十八歳未満までこうした手当は出されていますので、そういうことも含めてぜひ抜本的な検討をする必要があるというふうに思っております。 それで、先ほどからの議論にもありますけれども、とにかく当面喫緊の課題だからということで今回の改正が行われるわけですが、それではその改正が少子化対策として本当に効果があるのか。 衆議院の四月十二日の厚生委員会で児童家庭局長が「正直申し上げまして、今回の改正でストレートに出生率が上昇するかということにつきましては、家族手当制度、児童手当制度が出生率を引き上げるかどうかということについては、」「いろいろな要素が絡んでおりますので、」、何かごちゃごちゃといろいろありますけれども、「海外の調査研究を見ましても、効果があるという研究もございますし、効果がないという研究もございまして、なかなか一概にはお答えをしにくい」と。 何だかよくわかりませんが、とにかく効果は余り期待できないのではないかというような答弁をしていらっしゃるという趣旨だと理解いたしますが、ではその喫緊の課題に対して今回の改正で効果があるとお考えなのかどうか、大臣に伺います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 少子化対策というのは、出生率を直ちに引き上げるというようなことではなくて、子育てしやすい環境整備をする、その結果少子化対策に役立つと、こういうような考え方に立つものでございます。 この少子化対策の効果につきましては、あらゆる分野の施策を総合的に勘案して評価すべきだと先ほどから私も申し上げておるところでございまして、児童手当だけを取り上げて、そしてこの児童手当が効果があるとかないとかということをそもそも論ずるものではないと、こう考えております。衆議院におきます局長の答弁も、私はその場におりましたけれども、そういうような趣旨であった、こう理解をいたしておるような次第でございます。
○小宮山洋子君 もちろん、私もこれは子育て支援の一つの柱にすぎないというふうに思っております。ただ、その一つの柱としての役割も果たさないのではないかという懸念があるのは、財源の問題があってということでしょうけれども、去年、子育て減税と銘打って十万円増額した年少扶養控除を廃止して、それを今回の財源に充てている。そうしますと、今回、新たに対象になった方たちにとっては確かに負担が軽くなるということだと思いますけれども、六歳から十六歳までの子供がいる世帯、それから三歳未満の子供を持つ世帯については増税になってしまうわけです。それなのに、なぜそれが一つの柱として有効だと言えるのでしょうか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) そもそも児童手当と扶養控除というものは性格が異なるものだ、こういうふうに私は認識をいたしておるような次第でございます。 したがいまして、先ほど政務次官からも御答弁を申し上げたわけでございますけれども、児童手当というものはどちらかというと所得の低い方に対して経済的な支援をする、それから扶養控除というものは当然のことながら非課税措置というのは対象にならないわけでございますので、所得の比較的高い方に対して扶養控除というものは効果がある、こう考えておるわけでございまして、そもそも児童手当と年少扶養控除、この問題で増税云々というような議論というものは私はちょっと異なった問題ではないか、こう思っておるような次第でございます。 ただ、私どもはあくまでも全般的な少子化対策と申しますか、子供さんをお持ちの方々に対する支援として、先ほどから申し上げておりますように、今回は赤字国債をふやさないんだ、つまり現に児童手当をもらう方々に将来の負担をかぶせない、こういう観点からもう少し年少扶養控除のあり方と児童手当のあり方というものを議論しなければならない、こう考えているわけでございます。 ぜひともここで民主党さんのお考え方をお聞きしたいのは、先ほどから聞いていて、児童手当そのものに反対なのか賛成なのか、私はその辺のところがくるくると変わっているような気がするんですが、その辺のところについてもう少し明確な方針をお持ちの上で御質問していただければ私もより明確にお答えできるのではないかと思います。
○小宮山洋子君 二つありましたので、二点に分けて御質問とお答えをいたします。 最初の控除と手当について性格が異なる、それは私も思います。ですから、厚生省としては、控除でなさるのか手当でなさるのか、その方向性がまず最初にあるべきなのに、去年は控除で子育て支援をして、ことしは手当でするというのは整合性がないのではないのですか、それが方向ははっきりしているとおっしゃっているけれども、はっきりしていないのではないのですかということを申し上げているんです。 それから、性格が異なるのだから増税になるかどうかという議論は云々とおっしゃいますが、これは減税になって来たものですとか手当で来たものですとお金に書いてあるわけではございません。子育てをしている家庭にとって、間違いなく六歳から十六歳、それから三歳未満の子供にとって今回はマイナスになるわけです。そのことをどうお考えなのかということを伺っているということです。 それで、民主党の考えはというふうに言われましたけれども、民主党としては、全体に税の複雑になり過ぎた控除は整理をしまして、これは以前のあの年金のところで議論をいたしました女性の個人単位の課税ということも含めてですけれども、控除をなるべく整理して、子育てとか介護とか必要なところには手当で出そう、そういうことを言っております。そのためには今のような形の中途半端な児童手当ではだめなのではないか、そういうことを言っているのです。 そのお尋ねした分のお答えをお願いいたします。
○国務大臣(丹羽雄哉君) まず経過から申し上げますと、十一年度の税制改正におきましては所得税の特別減税の見直しの議論というものが進められたことは委員も御承知のことと思います。その中で所得税の最高税率の見直しであるとか、あるいは定率減税を合わせまして子育て減税、こういうものとして扶養控除が引き上げられたということで承知いたしております。つまり、これによって三十八万円から四十八万円、十万円上がったと。 一方、十二年度におきましては、総合的な少子化対策を推進するために、子育ての経済的負担を軽減するという機能の面で重複している扶養控除と児童手当に関しまして、児童手当を拡充すべきだという議論がございまして、そして与党三党の中で御議論をしたわけでございます。 この問題につきましては、率直に申し上げて、公明党さんは扶養控除と児童手当というものを勘案して児童手当の拡充をするということで、今聞いていますと、民主党さんとほぼ同じ考え方に立つわけでございます。自民党の中には率直に申し上げてさまざまな意見がございまして、まだそこまで十分に意見というものが集約されておらないのが現状でございます。 いずれにいたしましても、与党三党で十分にこの問題について議論をしていかなければならない。そういう中において、私は個人的には、先ほどから申し上げておりますように、扶養控除というのは国民からもう一つ見えにくいもの、給料から引かれる、こういう感じがあります。児童手当というものは国民に対して見やすい、しかも低所得者に対する手厚い保護がなされる、こういう観点から、今回、先ほどちょっと先が見えないということをおっしゃいましたけれども、私どもはそういうことを見据えながら第一歩としてこのようなことをとらせていただいた、こういうことで御理解を賜りたいと思います。
○小宮山洋子君 そうすると、去年やった方向はちょっと違った、これからこの方向でやっていこうということかと思いますから、それは審議会からのいろいろな御意見なども含めて、私、先ほど申し上げましたように、若い人たちの声も、それからさまざまな人たちの声も聞きながら、しっかりその方向を間違わないようにビジョンを決めた上で、財源とも相談しながら、一定の方向でずっと進めていただくことで信頼が生まれるのではないかというふうに思います。 それから、先ほどちょっと私が民主党の考え方を申し上げた中で、手当という言い方をしたので、介護については手当を主張しているわけではございませんから、サービスの給付と言いかえさせていただきたいと思いますけれども、控除をなくして、なるべくサービスの給付を子供と高齢な介護が必要な方などについてはしていくべきだというふうに考えております。 それで、具体的な話からもう少しまた引いた話に最後は戻したいというふうに思うんですけれども、やはりどういう子育て支援をすれば本当に持ちたい人が安心して産み育てられるのか。それは最初から申し上げているようにそれぞれ個々いろいろな生き方それから子供の育て方も含めてあるわけですから、多くの人の声を聞いて選択肢が少しでも豊かになることが私は必要だと思っております。先ほどから大臣がおっしゃっていらっしゃるように、確かに児童手当というのは一つの柱であって、あとは仕事と子育ての両立支援、それから保育を含めたいろいろなサービスの提供。いろいろな柱があると思うんです。あとは考え方についての教育の面もあるかと思います。 来年の一月からは、幸いといいましょうか、労働省、厚生省が一緒になられるわけですので、ぜひそのあたりでもリーダーシップをとって仕事と育児の両立支援をしていただきたいと思うのですが、この中でも日本の場合は育児休業への所得保障と子育ての方への児童手当の支給、このことの整理もまだついていないように思うのです。諸外国を見ますと、一定の形でそのあたりは整理をされているように思います。 育児休業の所得保障との関係はどういうふうにお考えになるでしょうか。
○政務次官(大野由利子君) 育児休業中の給付は、委員御存じのように、来年の一月から二五%から四〇%に拡大をされます。今までは一年の育児休業制度があるにもかかわらず、所得保障が余りにも少ないために育児休業をとってそして復帰するということがなかなか難しい方もいらっしゃったと思うんですが、これが四〇%に拡大されることでもって、一年間の育児休業中、今までよりは安心して育児休業をとれる、こういうような状況になるのではないか。 しかしまた、それこそ先ほど委員の御指摘にもありましたように、女性が結婚して子育てをするときに多種多様な選択がございます。育児休業をとって職場へ戻る方もあれば、子供が三歳までぐらいは一たんやめて、それからまた再雇用とか再就職しようという方もいらっしゃるでしょう。そういうさまざまな進路を選ぶ人のことを考えれば、育児休業給付だけ手厚くすればいいという問題ではなくて、それはそれでしっかりやると同時に、また児童手当に対しても、子育てをする人たちに対する手厚いサービスというようなことも必要だろうと思いますので、これはどちらか一方だけというのではなくて、総合的に取り組んでいく必要があるのではないか、このように思っております。
○小宮山洋子君 ですから、私も児童手当にするか育児休業の所得保障にするかどちらか一方にしろと言っているのではなくて、このことも勘案して、やはり整合性のとれた、きちんと方向性が見えるような形で進めていただきたいというふうに思います。 それから、三点目に申し上げましたサービスの給付という点から申しますと、私も保育の問題は随分長くいろいろと発言もさせていただいていますけれども、認可保育所で多様な保育をすると同時に、無認可の方が今ダブルスタンダードに基準がなっています。そのあたりをどう見るかチェックしながら、そちらの方へもいろいろな補助をしていくとか、あるいは個々にいい形で行われているケースも多い保育ママさんのような制度が今どうも縮小される傾向にあるとも聞いているんですけれども、これもいろいろな形の保育サービスの充実を図っていくということも一つの大きな柱で、厚生省の大事なお役目ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政務次官(大野由利子君) 全く委員が御指摘のとおりである、このように思っております。保育所の多機能なサービスというものがますます充実されなければいけないということで、厚生省といたしましても、新エンゼルプランで五年間で大幅に拡充をしよう、仕事と子育ての両立ができるようにしっかりこの面も力を入れてまいりたい、このように思っております。
○小宮山洋子君 確かに今回の児童手当のことは子育て支援の一つの柱、その柱にしても今回のは余りにもビジョンがない上に、財源も去年に比べますと朝令暮改でばらまきとしか言えない、問題が多過ぎるので、無責任なのではないかというふうに私は思っております。 今、質疑をさせていただく中で、これからというのも遅い部分もございますけれども、ことしからこれを端緒にしまして、きちんとした方向で議論を進めていって仕組みをきちんとつくり上げていきたいという御趣旨だったと思いますので、ぜひその点は、これが通ってしまったらいいということではなくて、もう来年のことがすぐにあるわけですので、二十一世紀に安心して子育てができるような方向でのしっかりした仕組みをつくり上げていただきたいと思います。 先ほども大臣に申し上げましたように、厚生省、労働省が一緒になって、働きながら子育てをする人たちも期待する部分が多いと思うのですが、今回、児童家庭局と労働省の女性局が一緒になる。局の名前が雇用均等・児童家庭局となるんですか、何かこれを聞いただけで、重箱を積み重ねたようで、なかなか融合して一緒に力を発揮できるとは思えないんですね。 ぜひここは、一緒になることでもありますし、先ほどの育児休業の所得保障か児童手当かということの整合性も含めて、これはごく一つの例で、いろいろな面で一緒にやっていって、政府の方としても取り組みの方向性をきちんと力強く出していただける、そういう可能性のある省庁再編でなければならないと思っていますので、そのあたりの御決意を大臣に伺いまして、私の質問を終わります。
○国務大臣(丹羽雄哉君) いずれにいたしましても、働く女性の皆さん方が子供さんを育てながら、そして喜びを持って、生きがいを持って働けるような環境づくりというものを進めていかなければならない。そういう中において、先ほど来お話が出ておりました育児休業の問題であるとか、あるいは一方では保育園の充実であるとか、さまざまな問題がございますけれども、来年の一月を期して厚生労働省になるわけでございます。 当然のことながら同じ省でございますので、十分な連絡をとりながら、いずれにいたしましても働く女性の皆さん方にとってより働きやすい環境づくりのために私どもは全力を尽くしていく決意でございます。
○山本保君 公明党・改革クラブの山本保です。 きょうは、今まで大分議論がされてきましたので、最初にそのまとめにも絡むようなお話を少ししてから、余り議論されなかった点についてお聞きしたい、またみんなで考えてみたいと思っております。 最初は、まず大臣にお聞きしたいのでございます。 きょうは二度ほどお答えになっているので、もう一度確認で、簡単で結構でございますが、少子化対策の基本的な意義とか目標についてどのように考えておられるのかということでございます。 先ほどありましたように、私の問題意識を言えば、児童手当が効果があるとかないとかという議論があったわけでありますけれども、基本的にこういう効果があった、なかったというようなことで少子化対策を見るべきではないと思っているんですが、大臣はいかがでございましょうか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 先ほど来申し上げておるわけでございますけれども、少子化対策の与える影響というものは大変大きな問題である、こう懸念をいたしておるわけでございますし、社会全体でこれに取り組んでいくべき重要な課題である、このように考えているような次第でございます。 そして、そういう中において、先ほどから繰り返し申し上げておりますけれども、若い男女の方々が明るい家庭をつくって、家庭や子育てに夢や希望の持てる社会とすることを目標にするよう私どもは最善の取り組みをしていきたい、このように考えておるような次第でございます。 こういうような基本的な考え方に立ちまして、委員が御指摘のような豊かで夢の持てる環境づくり、これを目指すことは言うまでもございません。そういう観点から、政府といたしましては、これまで少子化対策の基本方針であるとか新エンゼルプランなどによりまして、保育であるとか雇用であるとか住宅などさまざまな分野においての環境整備であるとか、さらにただいま御審議いただいております児童手当の拡充など総合的な少子化対策をさらに積極的に進めていく決意でございます。
○山本保君 この辺について私は一つ提案を申し上げたいんです。というのは、先ほど平成元年の話も出ていましたけれども、私も実はあの当時からずっとこの仕事をしておりましたので、まさに子供を育てることなのか産むことなのかという議論をきちんとしなくてはならないと。 つまり、少子化対策というのは、数少ない子供さんを本当に個性豊かに立派に育てていく、そしてまたそれを担っておられる若いお父さん、お母さん方が本当に充実した人生を生きていくということにプラスになるようにすべきなのでありまして、そのことがひいては子供の数もふえるでありましょう。しかし、きょうもお話がありましたように、先回の議論で大分厳しく女性議員の方からお話がありましたように、まさにこの辺の問題というのは人権、女性またはその御夫婦の権利にかかわることであって、国家が何かをするということはおかしいわけです。効果があるのであれば、例えば先ほど中国の話も出ましたけれども、産まない家庭を罰金にするとか罰則にするとか、子供を産めば何万円、何百万円ぼんと上げるとかの方が効果が出るに決まっておるわけであります。しかし、こういうことをやってはならないというのがこの政策の基本なわけであります。 ただ、そうはいうものの、大臣も先ほどから充実した豊かな生活とか、まさに若い夫婦の充実した生活をあらわすような何か指標が必要なような気がするんです。それがないものですから、もう一ランク先の従属変数であるところの子供の数がふえたか減ったかと、こうなるわけであります。もちろん、勝手にやって、税金を使って効果がないなどということではいけないわけでありますが、ここで議論が飛んでおるわけですね。子育て支援または少子化対策ということでお金を出したときに何が充実したのか、この指標がないわけなんです。それを一般的には子供がふえたか減ったかという次の従属変数をもって話をしていると思うわけです。 ですから、若い御夫婦または子供たちが前よりも豊かになった、そのことを実感している、そのことがただ単なる実感ではなくして、社会的な指標としてあらわれるようなものをぜひ考えるべきではないかということを一つ申し上げます。 児童家庭局長、いかがでございますか。
○政府参考人(真野章君) 大変示唆に富んだ御指摘だと思いますが、それをいわば関係者が納得する形で、どういう変数を用いるかとか、それからそれをどうやって調査をし評価をするか、実際上は大変難しい議論があろうかと思いますが、確かに先生御指摘のようにワンクッション飛んでいる議論、御指摘はそのとおりではないかと思います。
○山本保君 では、この辺は議論がされていましたので、まとめ的に局長にもう一度お伺いしたいのは、今回の改正というのはどういうメリットがあったのか、またそのねらいはどうであったか。また、時間がありませんので、今回もいろいろ議論がありましたように政治家主導でやったというようなことではありますが、当然こういう行政というものは政治家主導でいいわけですけれども、最も専門的な力量を持っている厚生省としては今後どういう対応をしていきたいのかということも含めてお話しください。
○政府参考人(真野章君) 少子化対策として取り組むべき施策は基本方針なり新エンゼルプランでもお示しをいたしておりますが、私ども厚生省関係でいけば保育所の充実、また労働省関係でいけば育児休業制度の充実というようなものがございますし、さらにいろいろな調査でも、仕事と子育ての両立ということに加えて、経済的な支援の必要性ということが指摘されておるわけでございます。今回の児童手当制度の拡充はそういう子育て家庭への経済的支援として意義があるものではないかというふうに考えております。 また、いろいろ児童手当制度等につきまして御議論がございます。先ほど来御議論が出ております扶養控除との関係につきましても、確かに不十分であるという御指摘もいただきましたが、これまでいろいろ意見がありながらなかなか調整という形で手がつかなかった部分についてそういうことが行われたという意味では一つそういう方向に踏み出したのではないか、私どもとしてはそういうふうに考えております。 また、今までこの児童手当制度につきまして、金額でございますとか所得制限でございますとか支給対象年齢でございますとか、いろいろ御議論がございましたが、そういう問題につきまして、そしてさらにいわば具体的な給付を確保するための財源というようなものもあわせまして今後十分議論していく必要があると思いますし、我々としてもそういうふうに国民の理解が得られるような努力をしたいというふうに思っております。
○山本保君 私どもの党も、先ほどほかの議員からもお話がありましたけれども、この額につきましても、また支給対象年齢の幅にしましても、それから所得制限にしましても、はっきり言ってすべてまだ不十分であり不満足であります。しかし、今回低所得者層へ特化した、これはもう限られた財源の中で経済的に少しは子育てに余裕を持っていただけるとなれば低所得者であろうと、これはわかります。また、これまでの手当の歴史の中で、自然増を除けば他から財源を持ってきてふやしたのはたしか初めてだと思います。こういう形で初めて児童手当の拡大という方針が出されたということを我々は高く評価いたします。 ですから、ここで終わったのでは何もならない。今後、ぜひこれを進めていきたい、もっと拡充していきたいわけで、きょうその議論を十分ほどさせていただきたいと思っておるわけです。 私は、こういう豊かな社会になってきますと、サービス提供、サービス給付よりは現金給付で、まさに個々の親御さんたちにいろんな使い方を自由にやっていただくのがよろしいのではないかという気がしております。しかし、そのためには、今子育てに行われているいろんな社会保障であるとか企業の福祉でありますとか、こういうものをもう一度見直さないといけないのではないかという気がするんです。きょうは大蔵省の方にも来ていただいているので、後でその辺を押さえた上で答えをいただきたいと思っておるわけです。 そこで、たくさんありますのでちょっと省略させていただきますけれども、一つ、先ほども出ました育児休業手当でございます。これは、例えば大体何人ぐらいの人がいて、どれぐらいのお金を予定しているのかということで、労働省お願いいたします。
○政府参考人(渡邊信君) 平成十二年度の予算ですが、育児休業手当は八万六千人分、約四百二十一億円を見込んでおりまして、支出の一・三%程度となっております。
○山本保君 本当はここで個々に児童家庭局長にお聞きするところですが、あらかじめ答えをいただいております。 例えば保育所の保育単価ということで見ますと、ゼロ歳の保育単価は約十五万五千五百円ということになっております。一人の赤ちゃんを育てるための、これはすべてのお金ですけれども、これだけ要る。今の労働省の局長のお話では八万人に四百二十一億円で、たしかこれは一人当たりでいえば一月当たり五万円ぐらいかなと、もう少し多いかもしれませんが。たしか二五%の時点で四万幾らだったかと私は記憶しておるんです。しかも、育児休業のお金というのは事業主と労働者の負担ですね。保育の方は、いろいろありますけれども、基本的に税金なわけです。 この辺のところのアンバランスと言ってはおかしいですけれども、今まで別個に制度がつくられてきている。そして、その対象人数なども非常に差がある。ここではっきり子育てについて、特にゼロ歳とか一歳ぐらいの子供については、国はお母さん、お父さんに育てられることを基本にするのか、それとも保育園の専門家に任せるのか、この辺についてもきちんと整理しなくちゃならぬのではないかと思っているんですけれども、児童家庭局長、いかがでございますか。
○政府参考人(真野章君) 基本的には、子供を育てるということについてはやはり親御さんの責任が大きいのではないかと思います。しかしながら、現在のこういう状況下におきまして子育てにいろいろ難しい面がある、そういうことについて社会全体でそれを助け合うといいますか、共助の精神でそれを支え合う、流れとしてはそういう方向ではないかというふうに思います。
○山本保君 今答えが出てこないであろうとは思っておりましたのですが、今後両省が一緒になるわけですから、大至急ここはプランを出すべきだと思っております。お願いします。 それで、もう一つだけ。特に二つ言います。 一つは、保育園についても実は児童手当の方からほんの少しですけれどもお金が出ている。余り知られていないわけですけれども、実は児童手当分から保育園のいろんな事業についてもお金が出ているということで、この辺も既に一部分重なっている。保育のサービス提供ということと現金給付ということが実は制度的にも一部重なっているということだけ指摘します。 それからもう一つ、ベビーシッターというものに対する補助があるはずでございますが、今どれぐらいの規模でございますか。
○政府参考人(真野章君) ベビーシッターでございますが、在宅の保育サービスの助成ということで、社団法人でございます全国ベビーシッター協会と協定を締結しております企業の従業員が、例えば残業などで協会加盟のベビーシッター会社のサービスを利用した場合に割引券を交付しましてその利用料の一部を助成するという事業を行っております。 規模でございますが、予算では四億五千万円余りを計上しておりまして、利用状況につきましては、平成十年度の実績でございますが、約十一万一千五百枚程度の割引券が利用されております。
○山本保君 人数が出てこないわけですけれども、十一万枚といいましても、年間二百日働く人で計算したらたった五百人、そんなことはないにしましても、大変少ないオーダーなんですね。この辺も、保育ということ、保育サービス、もしくはこの場合現金給付ですから、現金給付的な、まあサービスですか、でも実際には現金が行くような形ですので、クーポンが行くわけですから、こういうものも含めて考えるべきだと思います。 もう一つ、労働省にお聞きしたいんです。 各企業が家族扶養手当とか児童の育児手当というような形でお金を出されている。これは給与には含まれないということで、まさに企業の一つは社員に対するサービス、またはその企業への就職意識を高めるようなことで使われているのではないかと思うんですが、これはなかなか実情は難しいんですけれども、現状をどのように把握しておられますか。
○政府参考人(渡邊信君) 大変恐縮ですが、今手元に資料がございませんが、住宅手当とか家族手当とか、広範囲な企業で普及しているというふうに存じております。
○山本保君 労働省の方からはもういただいておりまして、約八割の企業が、もちろん企業規模によって全部違うんですが、それを通算しまして八割の企業から、大体これは奥様を含むというふうに考えられますけれども、平均一月約一万八千円、大企業はもっと高いです。これはまさに全部事業主負担なわけです。当然です。 こういう形でお金が出ているということでありまして、私は、ぜひこの辺まで含めて、時間がないので大蔵省にお聞きしたいんです。 私としましては、今いろいろ申し上げた、まだほかに幼稚園の奨励費とかあるんですが、これは公私の格差というのがあるのでちょっと除きますと、今申し上げただけでも実は子育てについてはさまざまなものが出ているわけです。私は、この辺もきちんともう一度見直した上でないと、確かに難しいとは思うけれども、こういうことを見直すという前提の上で、例えば扶養控除の年少分を全部手当に持ってくるとかというようなダイナミックなものはできないものかどうかと思うんですが、いかがでございましょうか。
○政府参考人(福田進君) 御案内のように、個人所得課税におきましては、まず納税者本人の所得の多寡にかかわらず、世帯構成に応じて基礎的な人的控除を差し引くことによりまして担税力に応じた課税所得を算出し、これに累進的な負担を求めていくというのが基本的な考え方でございまして、納税者に扶養親族がいる場合には、その人数等に応じた扶養控除を適用することによって税負担に配慮しているところでございます。 したがいまして、児童に係る扶養控除を廃止いたしまして児童手当に代替することにつきましては、今申し上げましたような扶養親族の有無等の世帯構成に配慮した税負担の調整機能を損なう、あるいは特定扶養控除等の他の扶養控除や基礎控除、配偶者控除等の他の基礎的な人的控除とのバランスをどう考えるかといった問題を含んでおります。 ちなみに、昭和五十五年、二十年前の税制調査会の答申で恐縮でございますが、この答申におきましては「児童に係る扶養控除を廃止し児童手当に一本化してはどうかとする意見があるが、扶養控除は上述の基礎的非課税部分を構成する主要な要素であつて、この部分だけを抜き出して児童手当という全く性格の異なる制度で置き換えるという考え方は、所得税全体の体系を無視した議論であり、とり得ない。」、こういった答申が出ております。二十年前ではございますけれども、こういった答申がございます。 児童の扶養に係る財政上の措置につきましては、各国はどうなっているかと見ますと、アメリカでは控除のみということで、各国ばらばらでございます。
○山本保君 もう時間がなくなってしまったので、申しわけありません、その辺については改めてまたお願いすると思います。 ただ、この間、宮澤大蔵大臣も本会議で、ことしについてはなかなかぎりぎりだったものですからこの程度でというふうな本音が出まして、私どももぜひことしは時間をかけてきっちりやりたい。その場合に、確かに大蔵省に言わせれば、自分のところのサービス、いろんなものをほうっておいてこっち側だけ金を出せというのはいかにもというのはわかるんですよ。ですから私は今申し上げているわけです。 そこで、最後に大臣にちょっと、局長は申しわけない、ちょっと飛ばしますが、こう考えてきますと、子育て支援というのはすべての人にかかわるリスクである、それも短時間で決まったものである。私は、これは保険型の方がいいのではないかという気がするんですよ。年金支給ということと比べましても、企業の出す年金額などの社会保険料と児童手当分、細かい数字をきょう用意していただいているんですが、私の方で言いますと、大体児童手当を一〇〇とすれば四百から五百倍ぐらい企業は出しておりまして、児童手当分なんというのは一千分の一・一、ほんのちょっとのお金だけなんです。 私はここで年金制度、年金制度といいますとすぐに百何十兆の余っているお金、そうじゃなくて、そんな当座しのぎの話ではなくして、要するにこのリスクというのはみんなで負っていくものである、しかも国も出すと。その場合に、今までよりは大蔵省にも頑張ってもらって出す、こういうふうな形がいいのではないかと思っておるんです。きょうは余り時間がないので細かい議論は抜きますが、この辺も含めまして、厚生大臣、どのようなお考えなのか、またできれば今後の取り組みの御決意をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 児童手当制度の改正につきましては、御案内のように、公費によりまして支給対象の拡充を図ることにいたしておるわけでございます。少子高齢化が進行する中で、子育てに対する社会的な支援を充実するものと位置づけることができるものと考えております。 児童手当などの子育て支援が社会保険方式になじむかどうかにつきましては、給付の性格であるとか負担のあり方など十分な検討と国民的な論議を要する問題ではないか、このように考えているような次第でございます。
○山本保君 終わります。
○井上美代君 日本共産党の井上美代でございます。 児童手当を拡充するという今回の改正で与党三党がいろいろ話し合われて、これは先ほどからも出ておりますように成果としてアピールをしているところもあります。 私は、問題はやはり先ほどから出ている財源の問題だというふうに思うんです。所得税の十六歳未満の扶養親族への年少扶養控除特例を廃止して増税分を充てるという、ここのところに問題があると思うわけなんです。つまり、二千三十億円の子育て世帯への増税分をこれに充てるという。十六歳未満の児童は二千万人中の九五%と大変な数なんですけれども、九五%に当たる子供一千九百万人が増税の対象にされてしまうということ、ここにやはり大きな問題があるというふうに思うわけなんです。 先日、私の国会事務所に横浜に住む三十歳代のお母さんたちがやってこられました。そして、何でこんなことになるのかと聞かれるわけなんです。私たち子育て世代が増税になるということを大臣は知っておられるのだろうかという本当に素朴な疑問を投げかけられました。 大臣、世の中の小中学生の子供を持つお母さんたちに、私は大臣から直接答えていただきたいと思うわけなんです。実は、きょうその女性たちが傍聴席においでになっております。今回の改正で、児童手当は拡充されず増税にしかならないという、いわゆる一千六百万人以上の子供のいる世帯が出ていることを知ってのことだったのか、コンパクトにお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) まず、扶養控除と児童手当というのはもともと制度の位置づけを異にしておるんだということを御理解賜りたいと思っております。 子育ての経済的負担の軽減という観点から見ますると、この両者は確かに重複した機能を持っておるわけでございます。扶養控除は御案内のように高所得者に対してより大きな効果がある、しかし非課税世帯には言うまでもなく効果がないわけでございます。一方で、児童手当は定額ではあるが低所得者には必ず給付される、こういうような違いがあるわけでございます。そこで、今回の児童手当の拡充はこうした二つの制度の違いというものを踏まえて、財政、税制を通じて少子化対策の重点化を図る、こういうことで決められたものでございます。 小中学生のみを養育する方々や児童手当の所得制限を超える方など、新たな児童手当の支給がない方にとりましては確かに今回の措置によりまして負担増になりますけれども、現下の厳しい経済・財政状況のもとで児童手当の拡充を行うのであれば、まさにこの児童手当を支給する方々の世代に負担を回すようなことがあってはならない、こういうようなことからいわゆる特例公債の増発、赤字国債の増発ではなくて具体的な財源を確保して実施するべきだと、こういう観点でございます。 扶養控除との関連で考えるべきではなくて、しかも私どもは、先ほどから繰り返し申し上げておるわけでございますけれども、限られた財源の中で低所得者の方々に手厚くしていこうではないか。そういう中で、今、児童手当のあり方が少子化対策の柱の一つとして大変国民の大きな議論を呼んでおります。しかし、率直に申し上げて、なかなかマスメディアの中には厳しい意見が出されていることも事実でございます。 そういうことを勘案いたしまして、今回の措置におきましては、これはあくまでも私どもといたしましては与党の経過的措置として受けとめさせていただいておるわけでございますけれども、そういった中において、とにかく今回は一歩進めることが先決である、こういうような観点からこれまで対象年齢が三歳未満であったのを就学前まで引き延ばした、こういうような経緯でございます。
○井上美代君 今御答弁くださいましたけれども、私は、一方で増税になる人を置きながら、一方で児童手当をやったよということだけでは済まないというところに大臣にしっかりと着目をしていただきたいんです。 今、大臣はお答えになりましたけれども、その説明で母親の方たちが納得するというふうにはいかないと思うんです。今これに対する大きな関心が女性たちの間に広がっておりますけれども、私は今の説明ではわからないというふうに思います。 政府は、少子化対策の柱として児童手当を拡充して、新たに就学前までの児童三百万人に児童手当の支給をすると。そして、財源は恒久的税源の一環として創設したばかりの年少扶養控除特例の廃止ということで充てる、これはどう考えても子育ての増税になるわけなんですね。 総理府が昨年二月に行いました少子化に関する世論調査では、二、三十歳代の男女が子育て世代への税負担の軽減をトップに挙げているんです。そしてまた、同じく総理府の九七年の男女共同参画社会に関する世論調査でも、出生数の少ない理由としてやはり子供の教育にお金がかかるからというのをトップに挙げているわけなんです。 今回のやり方は、確かに児童手当が拡充される三百万人の児童の世帯にとっては経済的負担を軽減するものだと思います。しかし、一方で一千六百万人の児童のいる家庭には減税どころか増税というふうになりましたときに、国民の求める少子化対策にこれは逆行するのではないか、このままではだめだというふうに思うわけなんです。逆行するというふうに私は思っておりますけれども、大臣は少なくとも経済的に負担のある世帯があるんだということは認めていただけますでしょうか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 先ほどの答弁の中で申し上げましたけれども、確かに千六百万人を上回る方々につきましては児童手当の拡充の対象とならずに扶養控除見直しの対象となる、こういうことにおきましては、増税という言葉が適当なのかどうかわかりませんけれども、負担増になることは紛れもないことです。 しかし、御理解をいただきたいのは、これはそこのところだけを取り上げて考えるのではなくて、今回の予算におきましては、例えば子育て支援基金、現在九百万円でございますけれども、さらに四百万円を上乗せして千三百万円にいたしました。これは小中学生などの家庭に対する支援事業、ボランティアなどに対する支援事業、こういうものを行うとか、先ほど政務次官からもお話がございましたような奨学金制度の充実だとか、総合的に判断をしていただきたい。 こういう中において、私どもが申し上げたいのは、いろいろ限られた財源の中において、どちらかというと経済的に恵まれている方よりも低所得者の方々の方を選択した、その結果こういうような結果になったということを御理解賜りたいと思っています。
○井上美代君 与党の当事者である公明党の坂口政審会長が、これは三月十一日号の公明新聞ですけれども、「負担が増えることになり、その点では不十分な結果であり、ご迷惑をおかけすることになりました。」ということを言っておられるんです。だから、そういう点でも私は今回の増税というのが非常に国民に大きな打撃になっているということははっきりしているというふうに思います。何しろ小中学生の児童の九五%が増税しかない人たちだということ、ここがやはり非常に大きいんだというふうに思うんです。 大臣は、いろんなところで答弁されている中には、扶養控除は高額所得者に対してはより大きな効果が得られると先ほどもおっしゃいました。非課税世帯にはその効果がないと。一方、児童手当は低所得者に必ず給付されるということを答弁しておられるんです。このことについては専門家も指摘しているところでありますし、私たち日本共産党も否定はしておりません。それはそれでいいわけなんです。 しかしながら、その際に前提となるのは、児童手当支給対象もそしてまた控除の対象も同年齢として、そして所得制限なしということがあって初めて成り立つ論理だというふうに思うんですね。お金がなかったというふうに言われるのかもしれませんけれども、では増税にしてそこから二千三十億持ってきていいのかということが問われるわけなんです。やるんだったらどっちも十六歳ですよ。もし十六歳の控除をやめるんだったら、十六歳まで児童手当を出さないと増税になる人たちがたくさんいるわけです。そういう点で、私は今の問題をしっかりとらえなければいけないんじゃないかと思っているわけなんです。 今回どうかというふうに見ますときに、児童手当の対象は就学前の六歳までなのに、年少扶養控除の廃止は十六歳未満でしょう。低過ぎる所得制限も変えない。結局、手当はないし増税のみという層が圧倒的に生み出されてしまうというところに私は非常にこの問題を重視しているわけなんです。 それで、私は大臣に、低所得者に重点化したというふうに答弁でいつもおっしゃっておりますけれども、そのことについて少し聞きたいと思います。 大臣が言っておられる低所得者に重点化したというその部分では、本当に言葉どおりに重点化と言えるのかということを聞きたいわけなんです。大臣の言う高所得者とはどれほどの所得の人たちのことを思っておられるのかということをまずお聞きしたいと思います。そして、非課税世帯に重点化したというけれども、この扶養控除の恩恵を受けていなかった人で今回児童手当の拡充の対象となるのは何人になるのか、これは参考人で結構でございます、その数字を教えていただきたいというふうに思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) まず、私が委員に答弁を申し上げる前にちょっと私なりにお聞きしたいのは、私どもは児童手当か扶養控除かという問題で、率直に申し上げて与党の中で十分な集約がまだできておりませんということを申し上げました。過渡的な措置としてこのようなものになってしまった。そういう中で、坂口議員が申し上げているように決して十分ではないということでございますが、それぞれの党の考え方の接点を求めてこのような結果になったわけでございます。 そこでお尋ねをしたいのは、まず共産党さんにおいては、児童手当も扶養控除もなのか、あるいは児童手当なのか、その辺のスタンスというのはどういうところにあるのか。その点をまずお聞きした上で次の答弁をさせていただきたいと思っております。(「質問に答えないとだめですよ。聞かれたことに答えないでそういう質問をするというのはおかしいよ。ちゃんと答えなさいよ。」と呼ぶ者あり)いや、反論権はあるんです。
○井上美代君 反論権はあるでしょうけれども、まず言ってください。
○国務大臣(丹羽雄哉君) では、その後で答えてくれる。
○井上美代君 どのぐらいが高額所得者なのか、まず答えてくださいよ。
○国務大臣(丹羽雄哉君) いや、どちらでもいいけれども、それを聞いた上で。 当然そのことが、先ほどからずっとお話を聞いていて、どういうお考えを持っているのかということで大変関心を持っていたのであえてお尋ねをしたわけでございますが、御答弁がなければそれはそれで結構でございます。 高額所得者の範囲でございますけれども、高額所得者と申しましても社会保障制度においてはさまざまな制度においてございまして、一概にこれをもって一般的に高額所得者というようなきちんとした定義はございません。 児童手当制度におきましては、児童の養育費をさほど家計の負担と感じないような所得階層、こういうことで出されておるわけでございます。具体的には、支給率七割を前提としておる夫婦、子供二人の世帯の収入ベースで、サラリーマンの場合には六百七十万円、それから自営業者の場合には四百三十二万五千円、平成十二年度現在でございますが、これを限度額にいたしておるところでございます。
○政府参考人(真野章君) 児童手当の拡充によりまして新たに支給対象となります方のうちで、これは世帯で対象になっておりますのでなかなか私どもとしてデータを正確にお示しすることが難しい状況でございます。 大蔵省の推計では扶養控除の対象となる児童が千九百万人とされております。ゼロ歳から十六歳未満の児童数は約二千万人でございますので、そこから計算いたしますと約五%の児童が非課税だということで考えられます。非常に粗い計算でございますが、三歳以上義務教育就学前の児童数が約四百万人でございますので、全く同じような分布で、仮に五%ということで計算をいたしますと四百万人の五%、約二十万人がいわば扶養控除の対象になっていない児童ではないか。これもかなり粗い推計でございますが、そういうふうに推計できるということでございます。
○井上美代君 今、大臣が質問されましたけれども、日本共産党は、大臣が基本的なことを言っておられますけれども、児童手当というのはすべての子供に行き渡るということが重要だというふうに思っています。扶養控除につきましては行き渡らない人もいるわけです、所得の関係で。低所得者すべてに行き渡るという点では扶養控除というのはやはり難があるというふうに思っております。そしてまたいろんな所得制限の問題もありますね。細かく言えばもっといろいろ問題はあるんですけれども、大きく言えばそういうことです。 だから、やはり両方で見て、結果的に差し引き増税になる人がいないようにしていくということが大事だと思うんです。今回は、そういう点では私は本当に話し合いが深まっていないところでやられたところに問題があると思うんです。 先へ行きます。 今、非課税世帯で児童手当が拡充されるのは二十万人の児童がいるという御答弁をいただきました。今回の措置で増税なしに児童手当支給が行われる、これはもう当然のことでよかったというふうに思っているわけです。 もう一つお聞きしたいのですけれども、参考人に、増税になる小中学生を持つ世帯でも非課税世帯はいますね。どれほどだと推計されているかという数字を教えていただきたいと思います。
○政府参考人(真野章君) 先ほども申し上げましたように、世帯数の推計はなかなか難しゅうございますが、先ほどと同じように計算をいたしまして、ゼロ歳から十六歳未満の児童数が約二千万人、それで小中学生の総児童数は約千二百万人と推計をされておりますので、先ほどと同じように五%が非課税ということを前提といたしますと千二百万人の五%、約六十万人程度がそういう対象ではないかというふうに推計されます。
○井上美代君 そういう非課税世帯でも手当がない部分というのがはっきりしてきたというふうに思います。 私は、さらに今度は家庭の中を見たいと思うんですが、子供が二人いる場合、二人とも三歳から就学前でサラリーマンと公務員の扶養義務者の収入が六百万円程度の場合、これは年で十二万円の児童手当が支給され、そして年少扶養控除特例廃止による増税分は年で一万六千円なんです。これを差し引きましたら十万四千円の収入となるんです。子供が小中学生の世帯の場合は、児童手当は全くもらえない上に一万六千円の増税となるわけなんですね。これが具体的な例です。 収入六百万円の人どころか、四百万円、五百万円の人も子供が小中学校に上がっていれば増税になるわけなんです。そうしましたときに、同じ子供が二人なのに、片や六百万円の家庭に出ている児童手当が、子供が小学校に上がった途端、それよりも収入が低い、例えば四百万とか五百万とかこういう家庭でも増税しかないということになるわけなんです。非課税ではないけれども、やはり年収四百万、五百万という世帯はいっぱいあるわけなんです。それがみんな増税になる。 低所得者に重点化したということを大臣は言っておられるんですけれども、部分的に今回救済された低所得者はおりますけれども、全体としてはこれで重点化したというふうには言えないのではないかと思うわけなんです。そこはいかがでしょうか。大臣にお聞きしたいんです。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 先ほどから申し上げておるわけでございますが、扶養控除かあるいは児童手当かという大きな問題がございます。 そういう中で、今回の措置というのは与党三党の中で決められたものでございます。それを受けまして私ども政府といたしましてこの法案を提出させていただいたわけでございますが、これまでこういったような議論というものは実はなされてなかったわけでございます。いみじくも今、井上委員から御党のお話もお聞かせをいただきまして、そういう中においてこれまでのような扶養控除から児童手当に大きくギアチェンジしていく、こういうような過渡的な中においてさまざまな問題が起きている。いずれにいたしましても、私どもは先ほどから申し上げておりますように、今回の措置というのはあくまでも過渡的な措置でございます。 さまざまな形において私どもは負担が重くなった層に対しましても措置は講じてはおりますけれども、できるだけ早い機会にこの問題について、扶養控除かあるいは児童手当かといった問題を含めて、財源の問題、それから事業主の負担の問題、範囲の問題、こういうものを含めて国民の皆さん方にきちんとした姿をお示しすることができるのではないか。 その第一歩として、先ほど民主党の小宮山委員にも申し上げたわけでございますけれども、今回こういう中において三歳未満だったのをふやしたんだ、しかも扶養控除というものを財源に充てて切りかえたということで一つの長期的な視野に立った第一歩を踏み出すことができたんじゃないか、このように考えているような次第でございます。
○井上美代君 増税になるのは高額所得者だけではないということははっきりしているんです。低所得者に重点化したという大臣のお言葉についても私は正確ではないというふうに思うわけなんです。自営業や厚生年金に加入できないでいるサラリーマンの場合を考えましても、所得二百四十六万円以上の人も増税しかかかってこないというのがあるわけです。 被用者、サラリーマンなどの特例給付の場合、扶養親族二人の場合は所得が四百三十七万円以上、そして収入が六百二十三万の人は児童手当給付がもらえない。所得が三百万、四百万、五百万といろんな人がいらっしゃるわけですけれども、私はいろんな家庭で非常に今大変だということを訴えたいと思うわけなんです。このままでいけば十六歳まで小中学校の子供がいる家庭というのはずっと増税が続くんですね。そのことがお母さんたちの大きな心配になっているわけです。 先日、私の部屋に見えた女性の一人は、ことし小学生になったばかりの子供と四年生の子供がいます。夫は毎晩残業で十時、十一時、御飯あるかというふうに電話でコールしてきまして、近くの駅まで迎えに行くという生活をしているということをおっしゃっておりました。所得が六百万円ほどだそうです。扶養家族が三人で、児童手当はもらえない。拡充と聞いて、うちももらえるかというふうに喜んだわけですが、夫が新聞を見て、うちは増税家族だよと叫んだというんです。毎月、家のローンを払わなきゃいけない、そしてまた駐車場代を払わなきゃいけない、管理費など含めて十七万円ほどかかるということです。保険料などもあるし、毎月、生活費として使えるのは十五、六万円だとおっしゃいました。家計簿をつけても本当に情けなくなると言われております。あと五千円でも一万円でもあればどんなに助かるかと言っておられました。 特に首都圏においてはバブルの影響などで住宅費がほかの世帯に比べて非常に負担が大きい。児童手当の所得制限によってもはじかれる層が、決して豊かに暮らしているとは言えないというふうに思うんです。けさの日経でしたけれども、サラリーマン世帯で可処分所得に対する住宅ローンの負担は最高になっているというのが出ておりましたけれども、本当に大変な生活をしております。 この家で年少扶養控除廃止によって、六歳の子が十六歳になるまで、九歳の子が十六歳になるまでというので年間三万二千円の増税になるわけです。今後十年間の累計をしてみたら二十七万二千円の増税になると計算しているわけなんです。だから、十六歳になるまで増税を続けるのかどうかということですが、大臣はまさかそういうことを考えておられないというふうに思いますが、御答弁をお願いします。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 先ほどから申し上げておるわけでございますが、まずそもそも十一年度の税制改正というのは、所得税の特別減税の見直し議論、こういう中において最高税率の見直しであるとか、それから、それまでは定額減税であったわけでございますが、これはやっぱり不自然ではないかということで定率減税と。こういう中にあわせて子育て減税と。こういうことで扶養控除が三十八万円から四十八万円に引き上げられた経過があるわけでございます。 これは十一年度のことでございまして、十二年度におきましては、先ほどから申し上げておりますように、借金が国と地方を合わせて六百四十五兆円ある。しかも、この児童手当の財源を結局自分たちの方に回すことになるんじゃないか、こういう観点の中において、いわゆる赤字国債を発行しない範囲の中においてどうやっていくかという中でこのような結果が出たわけでございます。 これはあくまでも、今、先生十年とおっしゃいましたけれども、そういうことではなくて、できるだけ早く私どもといたしましてはこの児童手当の問題、さまざまな問題があると思います、マスコミの論調などは非常に厳しいものがありまして、児童手当そのものに対してどちらかというと否定的な主張、論調というものも最近とみに目立っておるわけでございます。 いずれにいたしましても、国民の皆さん方を含めさまざまな形で理解されて合意されるような方向を打ち出していかなければならない。十年間も今のまま放置しておくなどというようなことは毛頭考えておりません。できるだけ早く、やはりきちんとこの児童手当というものが少子化対策の中の一つの柱として十分に位置づけられるような姿にしていくということが私どもの課題ではないか、このように考えているような次第でございます。
○井上美代君 この年少扶養控除特例を復活させることはないというふうに考えてよろしいですか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 年少扶養控除につきまして、今後、党内で議論を進め、そして与党間で当然のことながら議論をしていただかなければならないわけでございます。大きな流れといたしましては共産党さんの考え方とほぼ同じでございまして、むしろ扶養控除というものと児童手当のあり方という中において、より国民に理解され、そして目につくといいますか、明らかだというふうな考え方に立てば、むしろ扶養控除よりは児童手当というような方向に来ているのではないか、このように認識をいたしております。
○井上美代君 いろいろ御質問させていただきましたけれども、もう時間が参りました。 年少扶養控除特例を廃止するならやはり児童手当の支給年齢を時差なく緊急に拡充していくことが重要だというふうに思います。そういう点で早急にやっていただかないと、今増税されていることは国民は容赦しませんので、そういう点でもまた次に私はやらせていただきたい。まだいっぱいあるんです、だから次にやらせていただきたいと思いますが、きょうのところはこれで終わりにいたします。
○清水澄子君 社民党の清水澄子です。 今、井上議員と厚生大臣との応答を聞きながら、やっぱりここはみんなが問題にしているところなんですね。年少扶養控除をなくしていく、そして児童手当を完結させるということは理論的には私はみんな余り反対はないと思うんです。しかし、児童手当が先に完結されないで税制の方だけが先にこういう形で廃止された。そして一方では、少子化対策の柱と位置づけた児童手当の拡充のために小中学生を扶養する中低所得層の税負担をふやすことになったというのは非常にこれは私は欠陥政策だと思います。本末転倒である。だれも理解できない、納得できないというのはこれは正直にお認めになることだと思います。 だから、理論上の話ではなくて現実の問題として、今回ゼロ歳から三歳まで、今までも児童手当は支給されていたんですけれども、年少扶養控除はなくなった、この二つあったらいいと言っていませんよ。現実の問題として、廃止されたから可処分所得はマイナスになります。そして、いわゆる増税となるんです。そして、三歳から義務教育就学前までというのは、今度は児童手当を支給される分は新しく加わったんですけれども、年少扶養控除がなくなるからプラス・マイナス・ゼロ。そして、小学生から十六歳未満は児童手当は当然ないわけですから、年少扶養控除がなくなってやはり可処分所得マイナスと。こういう結果ですから、これはすばらしい児童手当というもののイメージというんですか政策について、決して私は評価できるような内容ではないと思います。 ですから、これは与党の中で未整理であったとかという問題ではなくて、一体児童手当というのをどういうふうに考えておられるのかということが一番問題だと思います。 そこで、児童手当が創設されて三十年近くなるんですが、この間、これまでも何回か改正をされているわけですけれども、その場合にもいつも対象児童の範囲、第一子から第三子といった範囲とか年齢の範囲、そして一人当たりの支給額について拡大したり縮小したりということが繰り返されてきたと思うんです。その場合に、児童手当というものの意義、目的についていつもはっきりしていない。今度は何か少子化対策になっちゃったんですけれども、いつでもそのときの財政事情に左右されて動いていると思うんです。 例えば、これまでの改正の経緯を見ましても、非常に金額の面で逆行したときというのは、いわゆる昭和六十一年のときの月額五千円から二千五百円に切り下げる。そのときの理由というのは、支給児童の範囲、数を拡大するのであるという目的になっていたわけです。では、その範囲を、三十何年もたつわけですから少しずつ児童手当額を引き上げてきたかといえば、それは余り引き上げられない。そのままになってきていた。そして、それが平成三年度には今度は一人当たり倍になるわけです。この二千五百円が五千円になる。そうしたら今度は年齢を引き下げてしまった。 そういうことで、全体の総額というのはそんなに変わらないんです。何かいつでも対象範囲を広げると単価を切り下げる、単価を上げると対象年齢を引き下げる、そういう経緯で来たと思うんです。 大臣、政府は児童手当について一体どういうお考えをお持ちでしょうか。児童手当の定義をお聞かせいただきたい。そして、今後抜本的改正をされるというんですけれども、今後の拡充の基本的あり方について伺いたいと思います。大臣、お願いします。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 児童手当は、一般的に子育ての経済的な負担を軽減する制度として、例えば保育サービスであるとかそれから母子保健施策など、こういうものと並びまして我が国の児童福祉政策の一つの柱としてまず位置づけておるわけでございます。 確かに、委員が御指摘のように、これまでの児童手当制度の歴史といいますか、過去を振り返ってまいりますとさまざまな議論がありまして、率直に申し上げて、そもそも私は、事業主の負担が重くて、事業主が七で公費が三ということも不自然であるということを就任当初から申し上げてきたわけでありまして、少子化対策の柱の一つとして位置づけるならば、もっと公費というものがきちんと責任を持つべきではないか、こういうことを申し上げてきたわけでございます。 今回、三歳から六歳に引き上げることによってすべて公費で賄うということによりまして三対七というものがまさに逆転したわけでございます。さまざまな御意見がありまして、この問題につきまして国民の間でももう一つ定着しなかったという嫌いがあったのではないか。そういう中で、少子化対策の一つの象徴的なものとして、今申し上げたようなものの一つとして児童手当のあり方というものが今国民的な議論を呼んでおるわけでございます。その中におきまして、先ほどから申し上げておりますように、いや、児童手当というのはばらまきだというようなマスコミの論調もあることも現に事実でございます。 しかし、先ほどから大方お話を聞いておりますと、やはりこれからは児童手当というものをもっと拡充して、そして国民の皆さん方に御理解をしていただける方向に持っていかなければならないんだ、こういうようなことで当委員会においても大体意見の集約がされつつあるのではないか、このように認識をいたしておるような次第でございます。 今回の措置につきましては、先ほど来率直に申し上げさせていただいておるわけでございますけれども、いわゆる扶養控除と児童手当の選択という中において、限られた財源、こういう中でこのような経過的な措置をとらせていただいたということにつきましてさまざまな御叱責を賜っておるわけでございます。 しかし、とにもかくにも、これまで事業主にほとんど依存していた児童手当というものについて、初めて公費というものが逆転をして上回ったということであるとか、それから今まさにここで議論をしておりますことは、児童手当かあるいは扶養控除か。先ほど大蔵省の審議官は何か木で鼻をくくったようなことを言って帰りましたけれども、さまざまな議論があるわけでございますけれども、これは国民的な議論を深める中においてやはりきちんとして、そして定着をして国民の皆さん方に理解されるような方向に持っていくことがまさに私どもの使命であり役割である、このように認識をいたしております。 さまざまな経過がございましたけれども、ようやく国民的な議論の場にのっかって、そして今後この問題について十分に国会の場において御議論を賜りたい、このように考えているような次第でございます。
○清水澄子君 今、大臣がおっしゃった二つの課題というのは、むしろ大いに議論をみんながやらなきゃならないものなんですね。それをこんなにちぐはぐなものを慌てて出したって、これは与党の選挙受けの政策にすぎない。しかも、選挙受けといってもちょっとこれは余りにも実利に乏しい内容ですから、本当にこの法案については私どもはとても賛成という形に立てない悩みを持っています。児童手当は私たちは賛成なんですよ。 そして、今おっしゃったように、児童手当の現行法というのはきちんと目的がありますね。その目的は第一条ではっきり「家庭における生活の安定」というのがありますね。そして第二は、児童の健全育成と資質の向上と明確に児童手当法の現行法には目的がはっきりしているんです。その目的と、今度の場合どういうことになるのかなと、これも理解が難しいです。 これまでの経緯もそうですけれども、特に国際的には児童手当というのは非常にいろいろ重視されてきているんですけれども、そういう意味で、今回の改正がこの二つの目的の面でどういうふうに発展的に具体化できたのかという、自信を持ってお答えになれるところはどこなんでしょうか。大臣、お答えください。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 現在の児童手当法の第一条というのは、児童手当の目的として、児童を養育する家庭の生活の安定に寄与する、これが第一であります。それから、児童の健全育成に資することの二つを掲げておることは言うまでもございません。この二つ以外の目的、例えば人口政策であるとか雇用政策であるとか、こういったことに対しては直接の目的としておらないということをねらいとしているということをまず御理解賜りたいと思っておるような次第でございます。 この目的の規定でございますが、昭和四十六年の児童手当法の制定以来実は改正されておらないわけでございます。近年の少子化など、児童手当を取り巻く環境が制度創設時と比べまして大変大きく変化をいたしておるわけでございます。そういう中で、今後、制度のあり方の検討に際しましては、制度の意義であるとか目的であるとか、こういったものに立ち戻った論議が求められることではないか、こう考えているような次第でございます。 そこで、もう一点だけちょっと恐縮でございますが、今回とても賛成できないなんということをおっしゃいました。そういうことをおっしゃらないでいただきたい。 とにかくこれまで事業主が七割出していたんです。今度、公費が初めて七割出すということの位置づけというものは大変大きな問題であって、それはいきなりぱっという姿が出ればいいんですが、それは現実問題としてこういう問題に限らず一歩一歩前進をしていかなければならない問題でございますし、それから事業主の負担のあり方という問題も含めなければならない。これは私どもは事業主に対しまして、率直に申し上げて、負担をお願い申し上げたわけでございますが、とても今の経済情勢の中においてこの問題については応じられないというような経緯もございます。 そういうことを含めて、やはり将来、これはまずとにかくギアチェンジ、先ほど申し上げたギアチェンジしたということに大変な意義があるんだ、それからそういう中において対象年齢というものを広げたんだ、ここに大きな意義があるんだということでぜひとも評価をしていただきたい、このようにお願いを申し上げます。
○清水澄子君 財源の事業主負担というのを逆転させたという、国なり社会全体で財源を持つというのは、それだったらもっと根本的な議論が要ると思うんです。でも、今のその部分は一生懸命説明してくださいますから、それは私も一部の評価の部分とはしますけれども、果たしてそれだけでいいのかと、事業主の負担と社会的な負担というのはどういうふうに考えるかということも今後大いに議論しなきゃならないところだと思っております。 そこで、さっきの話の続きなんですけれども、では第一条の「目的」の子供を持つ家庭の経済的安定という場合、一体経済的安定のためには子供一人当たりの生活費、どのくらいの給付水準が適切であると考えていらっしゃるでしょうか。
○政務次官(大野由利子君) 御質問でございますが、今回の改正によって児童手当の総給付費は千八百億円から約三千九百億円に大幅な拡充を図ったところでございますが、手当額につきましては、最近の物価動向も考えまして、また限られた財源でございますので、現在の支給額はそのまま維持して支給対象年齢を拡大した、こういう今回の法案でございます。 どれぐらいの手当が適当か、一概にお答えするのは難しいんですが、ヨーロッパの児童手当制度というものも参考にしながら今後抜本的な改正に向けてしっかり検討をしてまいりたい、このように思っております。
○清水澄子君 ぜひヨーロッパなどの例は参考になると思います。 その場合に財源ということが、いつも限られた財源というのは、そこの議論をきょうはするつもりはないんですけれども、今度も二千億ふやすというだけで、二千億なんといったら今回の財政全体から見たら非常に少ないと思いますよ、子供のために支給するというのには。国全体で本当に将来の子供ということを考えるならば、もっとこういうところは大胆に本当は踏み込んでいくべき財源だと思っているんですが、そこはきょうはちょっと議論できませんけれども。いつも財源がないからという形だけでいくと、これはいつも何か変則的なことになると思うんです。 そういう意味でいきますと、少子化というのは高齢化に対応したものですね。高齢化というのは対少子化ですね。ですから、それでは高齢者福祉と児童福祉を比べてどういうふうな国の予算の配分になっているかというときに、高齢者一人当たりの公的給付が年金で大体二百八万円を中心として年額三百二十三万円と言われているんです。これに対して子供一人当たりの公的給付というのは年額百十三万円、高齢者のおよそ三分の一という計算があります。しかも、子供の公的給付というときは、学校教育費が大体九〇%近くで、児童手当という現金給付の方が〇・七%ぐらいなんですね。ですから、やはり年金とか児童手当というのは、これは現金給付というのは非常に重要な生活保障の問題ですから、これでいくと、子供の児童手当の現金給付というのは高齢者の九十分の一にしかならない。 こういう意味では、国の財政配分というのがやっぱり偏っているのじゃないか。私は高齢者の分を削減しなさいとは絶対言っていませんから、これから生まれる子供、育つ子供にもっと、国の財政全体の中でそこにどう資源を、財政を計上するか、こういうことがなければ私は少子化対策なんて幾ら言っても、ちょっとそこが基本的に違っていると思いますけれども、その点で大臣、どのようにお考えになりますか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 児童手当の一つの水準の関係だと思いますけれども、先ほど政務次官からもお話がございました。 それで、ヨーロッパの例をとれというような話でございますけれども、例えばスウェーデンの場合は十六歳未満の児童を対象にして所得制限なしに支給されておりますけれども、一方で扶養控除がないという特色があるわけでございます。第一子が一万九百円、第二子が一万九百円、第三子が一万三千九百円、こういうことでございました。 私も、児童扶養控除というものが廃止された場合にはこれも一つの参考の目安になるのではないか、こう考えておるわけでございますけれども、先ほど来、まだまだ児童扶養手当と扶養控除の問題について議論が十分に集約されておらない段階でございます。その段階において、今、私がどの程度の水準がいいかということについて申し上げるような段階にはない、こう考えているような次第でございます。 いずれにいたしましても、流れとして、先ほどから申し上げているように、今回のこの改正法案を通じまして一つの流れができつつある、こういうふうに認識をいたしておるような次第でございます。
○清水澄子君 そこで、最後ですが、やっぱり児童手当というのがもう少し今度、少子化対策、それはさっき雇用上とか人口政策ではない、それが直接ではないとおっしゃったのでそれは正しいと思うんですけれども、やはり子供の人権という視点で、子供自身のための、子供のための福祉という、そういう基本的な考えがなければならないんじゃないでしょうか。 特に、子どもの権利条約でははっきり、子供が社会において個人として生活するために十分な準備を整えなきゃいけない、そしてやはり児童の福祉に必要な保護及びその擁護を社会は約束しなきゃいけない、そしてやはり父母または保護者が子供の養育についての責任を遂行できるそういう適切な援助をしなきゃならない、こういう社会保障の権利を児童は受けなきゃならないというふうなことが子どもの権利条約に明確に規定されています。 私たちは、今までの考えは、時々いろんな違った大人の経済社会、企業の側からの要求でいろんな政策が動いてきたと思いますけれども、これからはそうした子供の人権の視点に立って、親の状態とか企業とか社会の期待の問題じゃなくて、子供自身のためにどういう児童手当をつくっていくのかということでやはり普遍的な児童手当、そういう点で所得制限とかそういうものをなくして、児童自身のための社会保障の権利、こういう基本的な政策が必要だと思いますが、その点について大臣の御決意を伺って、終わりたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 児童手当制度と児童の権利保障、こういうような絡みだと思いますけれども、私は率直に申し上げて、児童の権利というものはこれはまたきちっと、今、少年の虐待であるとかさまざまな問題が出ておりますけれども、きちんと保障しなければならない問題であるとは思いますけれども、児童手当そのものにつきましては、児童を養育する家庭の生活の安定に寄与して、そして児童の健全な育成及び資質の向上に資する、こういうことで支給をさせていただく、こういうことでございまして、そこまで広げるなとは申しませんけれども、あくまでも私どもの考え方といたしましては、児童養育費というものはさほど家庭の負担を感じないような所得階層に対する手当の支給である、このようなこととして位置づけさせていただいておるような次第でございます。
○清水澄子君 終わります。
○堂本暁子君 堂本暁子です。 きょうは児童手当についての質問ですけれども、大臣は少子化対策の中核的、象徴的な施策と児童手当を位置づけておられますが、社会保障制度審議会の調査によりますと、女性が本当に必要としているのは現金給付ではなく、むしろ保育とか育児休暇といったような別のところにあります。その観点からきょう質問をさせていただきます。 二十六日の本会議で私が質問させていただいたときの御答弁で、大臣は少子化対策として安心して妊娠、出産できる環境整備を行うことは重要というふうに御答弁くださいました。また、母体保護法改正に関する当委員会での審議でも、包括的な女性の健康支援策が必要だということをおっしゃっていらっしゃいました。望まない妊娠を減らすためのサービス、情報の提供など女性の健康支援策について、とかく胎児の生命尊重が優先するというように別の御意見が存在するのでということで、過去十年間話がそらされてきた、あるいは政策が実行されないできたということがあります。そのことは前回も申し上げたところですが、女性の人権の問題、そして諸外国に比べて日本はそうした健康、女性の健康ということで非常に立ちおくれてしまった。それは別の次元であるにもかかわらず、ある種のすりかえがなされてきたためだというふうに思うんですね。 それで、前回に続いて私はあえてもう一度伺いますけれども、早急にこれは対応しなければならない課題である。それは少子化対策でもあるでしょうし、何よりも一人一人の女性にとっての幸福につながる問題だと思いますが、大臣の御認識を伺いたく思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) この問題につきましては、過去たびたび堂本委員の方からさまざまな形で御叱責を賜っておるわけでございます。女性の妊娠・出産期のみならず、思春期、更年期など生涯を通じて男性とは異なる健康上の問題に直面をいたしまして心身や生活の状況が変化をし得るために、リプロダクティブヘルス・ライツの観点に立ちまして、女性の生涯を通じた健康施策というものを総合的に推進するということは大変重要であるということも私は申し上げておるような次第でございます。全く同じ考え方に立つものでございます。 厚生省といたしましても、これまで思春期、妊娠・出産期、更年期など女性のライフステージであるとか、あるいは乳がん、子宮がん、骨粗鬆症など女性特有の疾病に対応した保健医療のサービスが生涯を通じて適切に提供されますように各種の施策の拡充に努めてきたところでございますし、今後ともそういった姿勢において積極的に女性の生涯を通じた健康政策について推進をしていく決意でございます。
○堂本暁子君 初めて包括的な女性の健康について積極的な御答弁をいただいたような気がしております。ただ、その政策がまだ非常にばらばらなんですね。母子保健課であったり、また医療の方の制度の中に例えば骨粗鬆症の問題とかその他が入っています。やはり包括的に一元化しないと、前にも申し上げましたけれども、乳がんは外科で子宮がんは産婦人科ということで、両方患った方が、片方退院して、片方行ったときにはもう亡くなったというような事例もあるわけで、それはばらばら事件にならないようにぜひとも今後お願いしたいというふうに思います。 次に、保育のことについて伺います。 ベビーホテルのキャンペーンというのを、無認可のしかも非常に劣悪な保育施設のキャンペーンを私は二十年ほど前にいたしました。それからもう二十年近くたったわけです。しかも、去年は改正された男女雇用機会均等法が施行されて、女性の深夜労働の禁止が撤廃されました。 そういった中で、母親の夜勤勤務などが広がって、夜間保育の需要が高まっています。これは、必ずしも需要が高まったというだけではなくて、社会の中のある意味でいえば一番貧しい女性たち、そして昼間の仕事につきたくてもつけない子供を抱えた女性たちの需要が相変わらずあるということです。 二十年前もそうしたお母さんたちでした。例えば離婚をした、あるいは何らかの事情で夫を亡くしたというようなお母さんたちが夜間保育のサービスの充実を望んでいますけれども、一向に充実していません。今、三十二カ所しか全国にないんですが、二十年たってこれだけしかサービスが伸びないと。一体これはどうしてなんでしょうか。
○政務次官(大野由利子君) 夜間保育がどうして伸びないのか、こういう御質問だったのかなと、このように思っておりますが、確かに今、女性の仕事も大変多種多様になってきておりますし、特に夜いろんな事情で働かざるを得ない人々のための夜間の保育もしっかり力を入れていかなきゃいけないんじゃないか、このように思っております。 夜間保育が充実しない理由、明確な分析はございませんが、一つは院内保育施設など事業所内の保育施設が需要に対応してきたというような点もあるのかなと。それから、市町村の重点が夜間保育よりも延長保育とかまた低年齢児の保育とか、どちらかというとそちらの方がよりニーズが多くて、そちらに対応することが先決でやってきたというようなことがあるのかなという認識をしているところでございます。 しかし、委員の御指摘のように、今後はそうした夜間の保育というものについてもさらなる充実が必要であろうと思います。十二年度においても夜間保育所の面積や経費の補助の引き上げを行いまして、また最低定員規模も引き下げたところでございます。増大する夜間保育に対する需要に適切に対応するため今後厚生省としても力を入れてまいりたい、このように思っております。
○堂本暁子君 今、政務次官の御答弁のとおりなんでしょうけれども、大臣、これだといささか人ごとなんですね。 二十年前に特に夜間のベビーホテルを中心に北海道から四国、東京もですけれども、こんな小さなお棺がそういうところから出ていった。そういう事態があった中で、当時、園田厚生大臣でしたけれども、とにかくこういう形で子供がどんどん死んでいくことは国として最も恥ずかしいことだということで、延長保育そして多様な保育の形態というのが初めてそのときに取り入れられたわけです。 大変日本で残念なことは、離婚したお母さんたちが三十代、四十代で、昼間のお仕事がしたくてもどうしても仕事ができない、あるいは子供を引き取った父親もそうなんです。それで、仕方がなく夜の仕事とか、それから例えばデパートのアルバイトとかで、それでもやはり七時になるんですね。子供をお迎えに行ったら七時半とか八時になるわけです。延長保育だけではカバーできないということで、本当に志を持った保育所の方たちが一生懸命夜間の保育を始めた。それから二十年なんです。 それで、多分市町村の政策だろうと政務次官は今言われました。昼間の保育に力を入れている、それから院内保育でやっているからだろうと。しかし、その昼間の保育の谷間に落ちて今でも困っている母親や家族がいっぱいいるわけですね。その辺のところは本当に見えないところなんですけれども、一生懸命努力してきている保育園もあるわけです。そういうわずかな保育園にしわ寄せされて、また商売としてのベビーホテルが今はびこり始めています。 また、そこで子供が亡くなったり、亡くなるまでいかなくても発達に支障があるようなことがあっては、全く私は、国の政策として余りにもこの二十年間進歩がなかったと言わざるを得ないと思うんですが、ここのところは大臣に御決意をぜひ伺いたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) この問題につきましては委員から以前も御指摘がございました。率直に申し上げまして、まだ私自身、こういったベビーホテルの実態について十分に把握しておらないところがございます。今後十分に実態を把握して、そして厚生省としてどういう指導がとれるのかどうか、そういった点について十分に先生の御意見を賜りながら検討していきたいと、このように考えているような次第でございます。
○堂本暁子君 ありがとうございます。 女性が子供を産みやすくなる政策も大事だと思いますが、一度生まれた子供を健康に発達させる、そういった意味で、社会福祉を専門にやっている方たちが商売ではなく、これは夜なんかやったら絶対にそんな収入を得られるお仕事じゃないんですね。やはり大変な覚悟と、それから保母さんや園長さんたちの努力があって初めてできることなので、ここはぜひとも御認識をいただいて、今後積極的な政策を進めていただきたいと思います。 もう一つ、保育についての質問をさせていただきますけれども、社会保障制度審議会による子育ての環境整備に関する意識調査でも、五三・五%の女性が求めているのはやはり保育所の充実でございました。介護保険制度では民間の事業者が今もう大活躍をしているわけですが、私は今までベビーホテルをいろいろ見た関係もあって、保育については子供たちを商売の対象にしてはいけないんじゃないかということを言い続けてまいりました。でも、今そういう方針が厚生省ではとられてしまっているんです。 例えば、ベネッセというような民間の事業者が駅型の保育を展開しています。問題は、こういった状況がどのぐらい今は進んでいるのか、厚生省としてはこれの状態を把握していらっしゃいますでしょうか。
○政務次官(大野由利子君) 委員が御指摘のように、今、保育所の設置主体制限が緩和をされたところでございますが、既にどれだけかという、こういう御質問でございますが、現在のところ、社会福祉法人以外で新たに保育所設置の認可がなされたケースは、営利法人では一件もなくて、宗教法人で一件あるものと、このように承知をしております。
○堂本暁子君 一カ所しかないということでしたら実態と随分違うんじゃないかというふうに思いますので、そこは質問じゃないときに改めて確認させていただきたいと思います。 それでは次の質問ですが、社会福祉法人でも大変な努力をしていい保育をしておられるわけですが、収入を得るということになるとどうしても保育の質の低下を来してしまうということで、きちっと今後第三者がそれを見てそういうことのないようにその評価をするのか、この点が一点。 それからもう一つは、余りに大きくそういう企業の参入が広がるようなことがないようにできるのかどうか。 それから、都道府県での課税あるいは監査、これは介護保険と同じように実際に行われるのかどうか。 この三点を伺わせてください。
○政務次官(大野由利子君) 保育所の設置認可に当たりましては、保育サービスの質を確保することが大事であり、まさに委員が御指摘のように質の低下を招かないようにということで、設置主体のいかんを問わず、これまでと同様に最低基準の遵守が前提となっております。 その上で、都道府県に社会福祉法人以外から設置認可の申請があった場合には、必要な経済的基礎があるかどうか、経営者に社会的信望があるかどうか、経営者に社会福祉事業について知識経験があるかどうか、不正または不誠実な行為をするおそれがないか……
○堂本暁子君 それはもう出ています、全部それは私たち自身がやったことですからわかっています。
○政務次官(大野由利子君) はい。
○堂本暁子君 そうではなくて、税金はどうするんですか。
○政務次官(大野由利子君) それで、委員が御指摘のような第三者評価については現在検討中でございます。 それから税金についてですが、これは社会福祉法人とは違うわけですから、法人税や住民税における非課税措置などは社会福祉法人と違うわけですからそういう対象にはならないと。
○堂本暁子君 ならない。
○政務次官(大野由利子君) はい。 そして──よろしいでしょうか。
○堂本暁子君 はい、結構です。 監査も介護保険の場合はきちっとやるんですよね。どうして保育所の場合やらないのか、ちょっと私はそこがあれですが。 これも後でさせていただくことにして、次は幼保一元化の問題に入らせていただきたいと思います。 古くて新しい問題ですが、いよいよ省庁の統合などの中で幼保一元化の問題が今や目前に迫ってきています。大臣に伺いたいことは、例えばあるところでは公立の幼稚園が廃止されて保育園だけが残る、それから公立の保育園だけが廃止されて幼稚園が残るというようなところもあるようなんですが、そういう非常に数合わせ的なものではまずいんではないか。やはり核家族あるいは母子密着、そして児童虐待なんかが今問題になっているときなので、就学前の多様な保育・教育システムを用意して選択の自由を保障すると、そういった子育て支援の進め方の新しいビジョンを持つ時期になったと思います。この点について大臣の御所見を伺いたく存じます。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 保育園と幼稚園の問題でございます。それぞれの機能を果たしておるわけでございますが、委員の御指摘のように地域によりまして偏在する傾向も見られるわけでございます。住民の皆さん方のニーズに対応するために保育園と幼稚園の連携の強化をする、こういうようなことにつきまして大変私は重要な指摘だと思っております。 そこで、一昨年来、厚生省と文部省が協力をいたしまして、例えば事務室や園庭、幼稚園あるいは保育園の庭でございます、園庭などの施設の共用化を図るとか、それから保育所と幼稚園の保育・教育内容の整合性、一つのガイドラインでございますけれども、こういうような問題であるとか、それからこれまで社会福祉法人に限られていました保育所の設置を学校法人でも設置できるようにする等、こういうような規制緩和に取り組んできておるわけでございます。 さまざまなそれぞれの経緯がございます。なかなか難しい問題もございますけれども、ここまでようやくこぎつけてきたところでございますし、あくまでも利用者の皆さん方のニーズに沿って、今後とも文部省とも十分に連携をとりながら、地域の皆さん方の御要望に沿うように努力をしていく決意でございます。
○委員長(狩野安君) 時間ですのでまとめていただきます。
○堂本暁子君 文部省にもきょういらしていただいておりますが、保育所の方にはその指針の「保育の方法」の中に「子どもの性差や個人差にも留意しつつ、性別による固定的な役割分業意識を植え付けることのないように配慮する」と書いてあります。文部省の幼稚園に関しての教育要領にはそういう文言がない。 私は、年金の問題その他で日本の非常に大きな社会全体のひずみ、これが男女の性役割の分担によるものであるというふうにもうずっと一貫して申し上げているんです、しかも幼児期の教育からそれが一番大事だというふうにも言っているんですが、幼保一元化の中で文部省がそこのところをきちっと位置づけておられないのは大問題というふうに認識しています。ぜひこれからの積極的な御答弁をいただきたい。
○政府参考人(御手洗康君) 教育内容につきましても、保育所と幼稚園の整合性を図るべく努力しているところでございます。もちろん学校教育におきまして幼少時から男女平等の理念に基づく教育を行うということは学校教育の基本的な考え方でございます。しかしながら、幼稚園教育要領につきましては、幼稚園の教育課程の大綱的な基準という形で示してございまして、各幼稚園におきます創意工夫を生かすという観点からも教育の目標と内容については基本的なものを示すにとどめておりますし、またそれを実施するための指導に関する事項も最小限の留意事項を示すということにとどめているものでございます。 男女平等について幼稚園教育については記載がございませんけれども、具体的には友だちのよさに気づき一緒に活動する楽しさを味わうこと、あるいは友だちとのかかわり合いを深め思いやりを持つことということを、男女を問わず幼稚園教育全体の中で教えるという考え方に立って進めているところでございますので、男女共同参画についての具体的な課題につきましては、小学校、中学校、高等学校、それぞれの場面で子供の発達段階に即しまして具体的に教えていくということで努力をしてまいりたいと考えております。
○堂本暁子君 大変不満ですけれども、時間なので終わって、この次にさせていただきます。
○西川きよし君 西川でございます。よろしくお願いいたします。 本日は昼からずっと諸先生方の質問をお聞かせいただきまして、児童手当、そしてまた控除の問題、年齢の問題、お金の問題、いろんな角度からの御質問が出ました。私の方からは、あと何回かこの委員会やると思いますので、まず少子化の要因等々に対して厚生省としてどのような認識でもってお取り組みをいただいているのか、そういった基本の部分からお聞かせをいただきたいと思います。 質問に当たりまして平成十年版の厚生白書を読ませていただきまして、少子社会を特集のテーマとされたことが大変大きな話題になったわけですけれども、このときの副題が「子どもを産み育てることに「夢」を持てる社会を」、そして先日の森総理の演説の中でもございましたけれども「安心して夢を持って暮らせる国家」、いずれも夢を持てる社会、国家ということが掲げられているわけです。子供を産み育てることに夢を持つ、夢、すばらしい言葉ですけれども、大変難しいと思います。私も三人の子供、夢を持って、そしてかなえ、産み、育て、家族で協力をしてまいりました。 そこで、厚生省の長として、そして厚生大臣といたしまして大臣個人が、前にもお伺いいたしましたが、子供さんを育てられて今日まで来たこの夢、そしてこれから生まれてくる子供たち、そしてまたこれから大きくなっていく子供たち、現時点で大臣はどういった夢を持ち、そしてまたこれからも持つか、その部分からまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 大変難しい御質問でございますけれども、我が国の出生率の低下の要因といたしまして、結婚をしない方が大変ふえておるわけでございます。そういう中におきまして、結婚をして家庭を築いて、そして子供さんを持つということに対して、若い方の間でいわゆる負担感であるとか不安感であるとか、こういうものがややもするとあるのではないか、こう指摘されているような次第でございます。 夢でございますけれども、これは人によってさまざまでございますし、一概に申し上げるわけにはいきませんけれども、将来へのさまざまな夢、希望が持てるようないわゆる社会づくりというものを私ども政治家は常に心がけていかなければならないわけでございます。 女性であっても男性であっても能力というものを十分に発揮しながら、そして家庭を持ち、できますことならば子供を持って、そして育てて、要するに育てる喜びを感ずることができるようなことが果たして若い方の間で十分にこれから理解されていくかということが最大の課題ではないか、こう思っておるような次第でございます。その辺のところがややもすると今若い人たちの間で欠如しているということで夢が持てない、こういうことになるのではないかと思っております。 先ほど来申し上げておりますけれども、結婚をするとか出産をするということはあくまでも個人の自由でございますけれども、若い男女が、要するにそういうような御希望のある方がこういったようなことができやすいような環境を育てていくということが私どもの責任であると、このように考えているような次第でございます。
○西川きよし君 大臣が個人的に子供さんをどういう夢を持って育ててこられたのかというのも、厚生大臣という重責を担われておりますのでお伺いできたらなというふうに思ったんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 子供はおりませんものですから。
○西川きよし君 これは大変失礼いたしました。 以前、御質問をさせていただいたときに、たしか子供さんのお話を……
○国務大臣(丹羽雄哉君) いやいや。
○西川きよし君 そうでございますか。それは大変失礼をいたしました。僕は子供さんがいらっしゃるとばかり自分自身思っていたものですから、大変御無礼をいたしました。 この白書の中ですけれども、一九七〇年代の半ばでですね、「若い女性にとっての夢は恋愛と結婚だった。」と書かれている部分がございます。ただし、この夢はサラリーマンと結婚をして専業主婦になることであって、「煩わしい近所付き合いもなく、仕えるべき舅・姑もいない、郊外のこぎれいな住宅団地での、テレビに見るアメリカのホームドラマのような暮らしを夢見て、多くの若い女性が農村を離れ、結婚していった。」と、こういうふうに分析をされているわけです。この時代の夢と現時点とで、いろいろ先生方の質問にも出ましたけれども、現時点においてどのような変化をしてきたのかということを大臣にぜひお伺いしたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 現時点でこの夢がどういうふうに変化してきたかというお尋ねでございますけれども、これは社会全体のいわゆる社会的風潮の中においてさまざまな価値観なり人生観なり、こういうものが影響してくる問題でございます。恋愛、結婚のみならず、だれもが社会で十分にその能力を発揮できる社会が求められてきていることは言うまでもないことでございますけれども、若い方々の夢はさまざまでございますし、私がとやかく申し上げるような立場ではございませんけれども、結婚や子育てと就労との両立や在宅での子育てなど、それぞれの個人が持つ夢や希望が実現する社会づくりというものを目指していかなければならない、こう考えているような次第でございます。
○西川きよし君 きょうのこの質問に当たりまして、一問目も二問目もそうですけれども、厚生大臣としての御答弁はもちろんのことですけれども、個人的な一人の人間としての大臣のお言葉で御答弁をいただけたら自分は幸せだなというふうに思ってこの質問を一生懸命つくったわけです。 次に参ります。 自分自身のことを顧みますと、私も、男の子が二人、女の子が一人。長男、次男はもう結婚いたしましたが、娘はまだ残っております。自分の小さいころ、私は昭和二十一年七月二日生まれですけれども、親や兄弟の愛情には恵まれた五人兄弟。しかし、結婚するとか経済面とか将来のこととか、子供のころは本当にだれしも不安ですけれども、あしたの生活の夢というものは余り、ああなりたい、こうなりたいという夢は持ちましても、本当に貧しい環境の中ではあしたの姿というんですか、なかなか自分は描くこともできませんでした。皆さんもそうでしょうけれども、本当に今日まで無我夢中の毎日であったと思うわけです。 我が家におきましては、今申しましたように娘が一人、二十六歳ですけれども、自分たちは余り物の豊かな時代に育っていないわけですから、結婚するとすれば今以上の生活を求めてしまう。また、正直申しまして、自分が辛抱してきたようなことは子供には、皆さんもそうでしょうけれどもさせたくない、そんな親の気持ちももちろんあるわけですけれども、今以上の生活が保証されないのであればあえてそのリスクというんですか、そういうものを背負ってまで結婚しなさいとは父親の立場でもなかなか言いにくいわけです。まさしく今はやりの言葉で言えばパラサイトシングルということでございます。 そういう意味でも、晩婚化、未婚化の要因ということはどういったことなのか、なかなか答えを出しにくいわけですけれども、非常に大切な点であると思うので、大臣にあえてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 近年、男性も女性も晩婚化の傾向にあるわけでございます。女性の場合は、二十歳代後半の未婚率が昭和六十年度から平成七年の十年間に三割から五割まで上昇しておる、こういうことでございますし、初婚年齢も昭和四十七年の夫が二十六・七歳、妻が二十四・二歳からずっと上昇を続けておりまして、平成十年度には夫が二十八・六歳、妻が二十六・六歳、こういうふうになってきておるわけでございます。 いずれの男女の方も結婚をするいい相手がいれば結婚したいという気持ちはお持ちでございますけれども、さまざまな社会のいわゆる価値観なり職場の環境なり女性の社会進出という中において、これまではどちらかというと固定的な観念が私どもの親の代はあったわけでございますけれども、近年の若い女性の方々はそれぞれの社会進出の中において家庭とはまた別の生きがいを求めている、しかし家庭も持ちたいと、さまざまな考え方を持っている。そういう中においてこういう晩婚化というのが進んでいるようでございます。 西川委員のお嬢様のように、余り苦労するようならそばに置いておいた方がいいんだという方も少なくないというふうに聞いておるわけでございます。これはもう非常に個人的な選択の問題でございまして、なかなか全般的に私どもがこういった問題に介入できる問題でもありませんし、また介入することでもありませんし、非常に難しい問題ではないかなと、こう考えているような次第でございます。 ただ、私どもが言えますことは、先ほど来申し上げておりますように、若い男女が結婚をしやすくするような環境づくり、雇用にしろ、それからさまざまな社会をめぐる環境づくりにいたしましても、そういったような方向について私どもは環境整備に努めていかなければならない、このように考えているような次第でございます。
○西川きよし君 ありがとうございます。 私自身も大変難しい質問をしているのではないかなというふうに思うわけですけれども、スタートでまずきょうはこういう質問をさせていただいて、後でまた手当とか控除とかお金の問題、年齢の問題、いろいろと徐々に進めてまいりたいというふうに思っているわけです。 毎月厚生省からいただいております「厚生」というものを読ませていただいておりますが、一九九七年五月号の中に山田さんがお書きになっている文章がございまして、大変印象に残っております。 この中でおっしゃっているのは、「アメリカやイギリスの出生率が高いのは、家意識が希薄で、子どもに自分の生活水準を引き継がせるという伝統がないから」であるというふうに言われております。例えば、自分の生活水準を引き継がせる伝統がない、あるいは大学の学費も自分で稼がせる、成人をいたしますと別居して自活をさせるという意識が大変強い。そういう点では子どもを持つことの負担がそれほど大きくない。その意味で、婚姻率や出生率を上げていくためには「「子どもにお金をかけずに、成人したら子どもは自活すべき」と考える親、「結婚相手に経済力を求めない」女性、「結婚相手に家事すべてを求めない」男性を増やし、自己責任を貫徹できる人間を育てていかなければなりません。」と、こういうふうにおっしゃっているわけですけれども、親世代はこの部分はよくわかります。 親世代、子世代、あるいは男性、女性がそれぞれに自立の意識を持つためには、やはり社会の仕組み、きょうの入澤先生の質問にも少し出たんですけれども、行政の仕組みも変えていかなければならないというふうに思うわけですけれども、再度、大臣に御質問したいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 我が国の社会経済が変化しているにもかかわらず、個人の家族意識や結婚観が変わらないことが問題というような御指摘だと思います。現在の晩婚化や少子化の現状についての一つの見識ではないかと、こう思っておるような次第でございます。 男性や女性、あるいは親子がいたずらに相手方、お互いに依存をするということではなくて、これからはそれぞれが自立意識を持って家庭を築いていくということが大変重要なことではないかと思っております。 そういう中において、例えば保育であるとか雇用であるとか、さらに教育であるとか住宅であるとか、こういったような面におきましても自立するという前提の上に立って行政の役、要するに環境整備を行っていくということが大変重要ではないかなと、こう思っておるような次第でございます。 一時期、三世代同居ということがございました。これはこれとして、三世代同居をなさっているということはまたそれはそれで結構でございますけれども、全体的な流れというのは核家族化ということでありますし、それはそれとして、十分に私どもは注視しながらこういったような施策というものを進めていかなければならない、こう思っておるような次第でございます。 政府の総合的な少子化対策におきましても、子育ての経済的負担の軽減という観点で、先ほどから御審議いただいております児童手当のみならず、学生の皆さん方ができるだけみずからの負担で自立して学べるような例えば奨学金の拡充等、こういうようなことに取り組むことにいたしておりますが、今後とも私どもも当然のことながら社会のニーズに十分に対応できるような柔軟な行政というものを心がけていかなければならない、こう考えているような次第でございます。
○西川きよし君 御丁寧に御答弁いただきましてありがとうございます。 親の立場の不安、私も娘の話も先ほどさせていただきました。お茶やお花やら、そしてまた塾だとかスイミングスクールだとか英語だとかということも生まれたときにはちゃんと親がしてくださるわけですけれども、今の親は子どもが生まれたときにそんなことがさせてやれるかというような不安。そして、今出ました奨学金の問題ですけれども、アメリカやヨーロッパでは学生にちゃんと返済させるローンというような方法も発達しているわけですし、そんなこともまた一つ考えてみてはいかがかと思いますが、よろしくお願い申し上げたいと思います。 そこで、子供を産み育てながら仕事と両立が可能となるような環境を整備する、そうした観点から総合的な少子化対策を充実させる。そして、この中の一つの柱といたしまして、経済的な負担を軽減するという課題があるわけですけれども、こういった説明をしばしばお聞きするわけです。 そうした中で、政府の審議会等によっては多少違った内容の提言が出されております。例えば、少子化への対応を考える有識者会議の提言の中では「児童手当の額の引上げや支給期間の延長、所得制限額の引上げの適否の検討」といった指摘が行われております。そして一方、財政制度審議会の報告では「少子化対策のために、児童手当を抜本的に拡充すべきとの意見がある。しかしながら、最近の出生率低下の原因は、未婚率の上昇であることから、経済的負担の軽減の少子化に対する歯止めとしての効果には疑問があり、むしろ仕事と育児の両立を図る施策を優先すべきとの意見があることに留意する必要がある。」というふうにも言われております。 こういった意見が出されているわけですけれども、今回の改正案の中ではこうした提言なり意見をどのように反映させたのかという御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 今、西川委員から二つの御意見を御紹介いただいたわけでございます。 私どももこの問題についてさまざまな意見があるということは十分承知をいたしております。また、今回の改正に対しましても、先ほどから申し上げておるわけでございますけれども、一部のマスコミからはこれはばらまきではないかと、こういうような御批判があるわけでございまして、十八歳まで引き上げろとか十六歳まで引き上げろとかさまざまな御意見がある中において、率直に申し上げて、今回このような措置をとらせていただいたというような経緯があることも紛れもない事実でございます。 そういう意味において、私どもは今回の児童手当の充実というのは、一つのいわゆるギアチェンジというものは進めることができた、しかしさまざまな御意見があるということもまた紛れもないことでございますし、やはり国民の皆さん方の間に理解をして、定着させていくためには、こういったような問題に対してハードルを一つ一つ乗り越えていかなければならない、こう考えているような次第でございます。 私どもは、児童手当につきましては、先ほどから申し上げておりますように、さまざまな議論がありますけれども、いわゆる少子化対策の一つの柱として、今後とも国民の皆さん方の理解と合意を得ながら充実させる方向でさらに努力をしていくことが何よりも大切なことだ、このように考えているような次第でございます。
○西川きよし君 ありがとうございました。
○委員長(狩野安君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。 午後四時四十九分散会