国民福祉委員会 第10号
- 発言数
- 184 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 2000/03/15
会議録
○委員長(狩野安君) ただいまから国民福祉委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨十四日、直嶋正行君が委員を辞任され、その補欠として佐藤泰介君が選任されました。 ─────────────
○委員長(狩野安君) 昨十四日、予算委員会から、本日一日間、平成十二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、厚生省所管及び中央労働委員会・都道府県労働局・労働保険特別会計を除く厚生労働省所管について審査の委嘱がありました。 この際、本件を議題といたします。 ─────────────
○委員長(狩野安君) まず、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 委嘱審査のため、本日の委員会に警察庁刑事局捜査第一課長井口斉君、金融監督庁監督部長乾文男君、厚生大臣官房障害保健福祉部長今田寛睦君、厚生省健康政策局長伊藤雅治君、厚生省保健医療局長篠崎英夫君、厚生省医薬安全局長丸田和夫君、厚生省社会・援護局長炭谷茂君、厚生省老人保健福祉局長大塚義治君、厚生省児童家庭局長真野章君及び厚生省年金局長矢野朝水君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(狩野安君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(狩野安君) 予算の説明につきましては既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○南野知惠子君 自由民主党の南野知惠子でございます。 委嘱審査に関する質問の前に、緊急的課題について時間をいただきたいと思います。 我が国が悩む少子現象は、合計特殊出生率一・三八と低く、年間百二十万人にも達しない新生児の誕生に多くの関心が寄せられております。 出産、育児を取り巻く環境はまだまだ改善の余地があると思われます。例えば、妊娠を希望する方々への不妊治療費の軽減、分娩費の対策、母乳育児の確立に向けた助産婦によるケアの充実、産褥訪問による支援対策、地域における母子保健や周産期医療の充実、助産システムの改善、僻地、離島の医療、助産、保健指導や看護活動の活性化、質の向上や量の対策等々、緊急な対応が望まれます。これらの支援により、母と子のきずな、親と子のきずな、家族のきずなは忍耐強く、太いきずなにより合わせていかなければならないと思います。 近代国家である我が国のお産に関しては、先進医学の粋を持った産科医により、またその道専門の助産婦により医術、助産術に見守られて誕生するのが常であり、当たり前の常識と思っていましたところ、世紀末現象とでもいうのでしょうか、専門家による必要な妊産婦健診を受けず夫婦二人だけの自宅出産を奨励する育児論者があらわれ、一九七六年育児文化研究所を開設し、以来、頻回に講演を行っておられるようです。 現在、自称会員十万人とも言っておりますが、内容は添い寝やスキンシップの重要性などよい面も見られるのですが、魂の問題や瞑想による胎児との交流など宗教色も感じられます。また、十年ぐらい前から講演内容に出産に関する指導、いわゆる妊娠中専門家の健診を受けなくてもいいとか、分娩は専門家を立ち会わせないで夫婦二人でするよう奨励したり、二十四時間ぶろを販売しそれを使用した水中分娩の奨励、また特に薬石やシーキンといった健康食品を、羊水がきれいになるとか異常が起こりにくいとか、おっぱいの出がよくなるとか、またシーキンではエイズ、風邪、結核、中期がんも治していると言っております。 このビデオにおさめられておりますが、このビデオの中でも、病気で集中治療室に入っている人には医者を殴ってもいいから飲ませろとか、十分で食中毒も治る、やけど、湿疹、水虫も治る、手術の跡がケロイドにならないよう薬石を塗るとよいなど、薬石やシーキンの効果を伝えて販売し、服用を勧めております。 薬石というのが、持参しましたが、これでございます。シーキンというのはこの包装紙の中に入っております。これは市販されているものもあるようですが、ここで市販しているのは、このような銀のパックにくるみ直したのかどうかわかりませんが、値段が高いというところでございます。 また、赤ちゃんは胎教で意思が通じる、予定日は赤ちゃんが教える、自然予定日とも言っているようでございますが、予定より二、三週間おくれても心配はない、破水後一週間は大丈夫、三、四日の自宅待機はざらにあることなので慌てて病院に行かない方がいい、行ったらカモにされるなど、保健指導や治療にかかわるようなことで間違った誘導がなされております。 数年前から開業助産婦が死産などに巻き込まれるケースが時々発生し、日本助産婦会は機関誌「助産婦」で会員仲間に警告いたしております。一九九七年六月には日本助産婦会会長ほかが育児文化研究所本部を訪問しており、谷口氏不在であったため、所長に谷口氏の指導をやめてほしいことを申し入れております。後日、谷口氏本人からの答弁があったようでございます。指導を中止する意思はない、現在の産科医療は医療介入が多く、問題であることなどの返答が得られているようです。 一九九九年十月、日本助産婦会の調査によりますと、育児文化研究所関係の死亡事例は六県にわたっており、七事例を知ることができました。このように件数が整理されております。この六県にわたる七事例については、子供は死産または新生児死亡という診断で全員亡くなっておられる。母体についても大出血で病院搬送、また一人は精神不安定の状態になっているというような報告がなされております。新聞、ビデオで御存じの二十四時間ぶろが販売され、夫婦二人で水中出産し、レジオネラ菌感染により新生児が死亡した例は、これについては小児科のドクターがコメントをしておられます。途中まで夫婦だけで出産した、骨盤位分娩で子供は死産、母は精神不安定になるなど、七事例があるということは先ほど申しましたが、その中の四例は骨盤位分娩で、母体の大出血も二例あるということでございます。 このような未必の故意が疑われる案件が多いにもかかわらず、難解なのは、児が死亡した場合、母親自身、自分が未熟であるために子供が授からないのだ、そのことは母親である自分が悪いという洗脳とも思われる指導があり、父親、母親ともに被害者としての自覚に乏しく、事故後も会員であり続ける例もあり、今後もこのような事故を起こさないような保証がない案件なのではないかなと思っております。 それに関連いたしまして、これが二十四時間ぶろが原因でと思われる資料でございます。また、これが水中出産などの新聞事例でございます。このような事例が後を絶たないほどに続いて出てきてまいっております。 このようなことに対しまして、まず警察庁の方にお尋ね申し上げたいと思っております。 警察庁にお伺いする前に手元にある事例を二件読ませていただきたいと思っております。 このような母子関係以外にも事例が発生しているということでございまして、今申し上げる三重県の母子心中事件ということをまず御報告したいと思っております。この事件の概要は中日新聞でも報道されております。 第一子のときよりももっと楽なお産ができると勧められ、夫とともに育児文化研究所のセミナーを何回か受け、水中分娩は安全だと思い込まされ、水中分娩に何の危険も考えず、医者にも助産婦にも全く相談しないまま、自宅で出産することを決め、九四年十月十七日に陣痛が発来したということでございます。それは予定日より十七日間もおくれていたということでございますが、実際お産を迎えたところ、足が出てきた。ところが、頭が引っかかったまま出てこない。両親はびっくりして育児文化研究所に電話する。そうすると、思い切り引っ張りなさいと言われた。引っ張ると何とか出てきたものの、会陰裂傷があったということでございますが、赤ちゃんが全く泣かないので、再び育児文化研究所に電話したところ、背中を畳んで体を折り曲げて、背中をたたいて蘇生しなさい、それで泣かなかったら救急車を呼びなさいと言われたということでございます。 救急車が駆けつけたときに、母親は、まだへそがつながったままぐったりしている子供を毛布で包んで抱きしめて茫然としていた。そして、子供を何とか助けてやってくださいと、か細く救急隊員に訴えたということでございます。病院に運ばれてきたときには、子供の方はもう生体反応がなかった。司法解剖の結果、死因は水中で頭がつかえたことによる窒息死だった。 母親の方は一週間で退院することができましたが、母親の弁としては、自分の子供がまさか逆子で出て犠牲になるとはこれっぽっちも考えていませんでしたと漏らしていたということです。夫はしょんぼりして妻と一緒に泣いていたということで、当初、育児文化研究所を紹介した母親も責任を感じて泣いていたとのことであります。 一カ月後の命日の十一月十七日、夫が夕方帰宅したところ、ベッドの上で妻は三歳の長男の胸を刺して殺害し、自分もためらい傷をつくりながら胸を刺して血まみれになって死んでいた。これは母子心中であります。 もう一つは、これはお産の例ではございませんけれども、滋賀県の薬石治療中、飛びおり自殺をしたという件でございます。 これは滋賀県の方で、当時三十三歳の女性でございます。九七年八月の出来事でありますが、直腸がんを薬石で治療をしていた。これは谷口氏による薬石でございますが、しかし家族に強く勧められて近くの病院に入院。人工肛門をつければ治ると言われた。しかし、彼女は育児文化研究所の谷口代表に相談していたため、人工肛門を拒否。薬石で治療を続け、症状はどんどん悪化していった。そのうち谷口氏は電話にも出てこなくなった。そのため、心細くなった彼女は、見捨てられたと思って、病院の屋上、これは七階のバルコニーからでございますけれども、飛びおりして自殺したという悲しい案件でございます。 このことにつき、また先ほど申し上げた七つの例につきましても、同じく育児文化研究所が絡んでいる事例でございます。死産から心中に至った例では副院長のコメントも得ており、がんの件につきましては友人の話も得ております。 これらの事故が発生しないようにどうしたらよろしいのかということもございますが、警察庁へのお尋ねは、育児文化研究所のセミナー参加者の出産で、平成四年から出産に伴う死亡事故が少なくとも七件発生している。今申し上げたのを一つ加えれば八件以上になるわけですが、捜査当局はこの問題にどのように対応していくおつもりなのか、お知らせ願いたいと思います。
○政府参考人(井口斉君) お尋ねの件に関しましては、報道がなされていることは承知しております。しかしながら、現段階におきましては具体的な個々の事案については把握していないところでございます。したがいまして、今後は関係都道府県警察を通じまして事実関係を把握してまいりたいと考えております。 なお、一般論でございますけれども、警察といたしましては、刑罰に触れる行為があれば、法と証拠に照らし、厳正に対処していく所存でございます。
○南野知惠子君 ありがとうございました。 ぜひぜひこういうものは見逃さないようにしていただきたい。子供の命だけでなく母親の命も大変なことになり、これは一家総出の悲惨な出来事と言わざるを得ないと思っております。厚生省、警察庁ともに密に連絡をおとりいただきまして、予防対策も含めた形でぜひお取り組みいただきたい。そして、その結果がどうなったかというのは、国民のみんなが関心を持っているところでございますので、ぜひ、いい知らせを教えていただきたいというふうに思っております。 本日はありがとうございました。御多忙でございますでしょうから、御退席よろしゅうございます。 では、次は本論に入りたいと思います。 介護保険の問題でございますが、まず、四月一日から施行が迫ってまいりました。介護保険の準備状況はどうなっておるのでしょうか。当初は混乱も予想されるでしょうが、そういう場合の対応も含めて、現時点での状況を報告していただきたいと思います。
○政府参考人(大塚義治君) 現在、間近に迫りました介護保険の施行に向けまして、市町村を初めといたします関係者の皆様に大詰めの作業をしていただいておるわけでございます。 現在の状況につきまして、主要な点につきまして簡単に御報告をいたしますと、まず、要介護認定でございますけれども、昨年の十月からスタートをいたしまして、おおむね順調に進んでいると考えておりますけれども、適切な要介護認定の確保ということが極めて重要でございますので、認定調査を委託する場合の考え方、これを直近に行われました全国の会議におきましてもお示しをいたしまして、不適正な事例に厳正な対応を図るように指導を改めて徹底いたしたところでございます。 また、ケアプランでございますけれども、今後のサービスの前提となります作業でございますので、これまた重要な課題でございますが、今月中に急ピッチで進むものというふうに考えておりますけれども、ケアプランが必要な方については漏れがないように適切に作成されますように、特に市町村広報などを通じましてケアプラン作成の勧奨を利用者の方々に承知していただくということを重点にお願いをしているところでございます。 またさらに、介護報酬の決定を受けまして、事業者による適切な作成の後、今度は円滑な請求事務ということが必要になってまいりますので、これにつきましても、先般の全国会議におきまして、その具体的な運用について詳細を御説明いたしたわけでございます。 このような状況で、私どもとしては円滑な施行が図られることを確信いたしておりますけれども、まだ最後の時間、残された時間もございます。制度の円滑な施行に向けまして、わずかな時間ではございますけれども、全力を挙げて作業に遺漏のないようにいたしたいと考えております。 また、施行後におきましても、都道府県、市町村と密接に連携をとりまして、さまざまな問題が生じた場合に適切に対応できますように、そうした体制も整備をいたしたいと考えております。
○南野知惠子君 平成十二年度の厚生省予算の目玉である一つが介護保険制度の円滑な実施ということになろうかと思っております。このため、厚生省ではゴールドプラン21を策定し、今後五カ年間の高齢者保健福祉施策の方向を策定するということであろうかと思っておりますが、改めてゴールドプラン21の基本的な目標、具体的な中身について御説明いただきたいと思います。簡潔にお願いします。
○政府参考人(大塚義治君) 昨年の予算編成の過程で、厚生、大蔵、自治三大臣の合意という形で決定を見ましたゴールドプラン21、俗称でございますけれども、ゴールドプラン21は、これまでの新ゴールドプランの後を受けまして、また介護保険制度の導入という新たな状況を踏まえまして、より幅広く、また二十一世紀の高齢社会におきましても高齢者の方々が尊厳を保ちかつ自立した生活ができるように、そして積極的な社会参加ができるようにというようなことを基本にいたしまして策定されたものでございます。 内容については、御案内のとおりではございますけれども、簡単に御報告を改めて申し上げますと、四つの基本的な目標というのを掲げておりまして、一つには「活力ある高齢者像の構築」、二つ目には「高齢者の尊厳の確保と自立支援」、三つ目には「支え合う地域社会の形成」、四つ目が「利用者から信頼される介護サービスの確立」、この四つを基本目標といたしまして各般の施策を推進する。特に、介護サービス基盤の整備に加えまして、生きがいづくり、介護予防、社会参加、いわば元気な高齢者づくりというような施策を、介護サービス基盤の整備とあわせまして車の両輪というような位置づけで推進してまいる内容になっております。 具体的には、介護サービス基盤の各種施設の整備でありますとか痴呆性高齢者支援対策、これもヤング・オールド作戦と名づけておりますけれども、元気な高齢者づくり、地域生活支援体制の整備、利用者保護と信頼できる介護サービスの育成、そして高齢者の保健福祉を支える社会的基礎の確立といったような柱でございます。 なお、具体的な介護サービス基盤の整備に関連いたしましては、全国の市町村でそれぞれ今後五年間の介護サービスの見込みを策定していただいておりますので、それを積み上げまして平成十六年度におきます介護サービスの見込み量をお示ししておりますが、例えば特別養護老人ホームにつきましては、従来の新ゴールドプランでは二十九万人分という目標でございましたが、これを三十六万人分に、ホームヘルパーにつきましては、十七万人でありましたものを、一定の前提での試算ではございますけれども三十五万人、約倍増するというような見込みを立てているところでございます。 このゴールドプラン21に沿いまして、今後私どもも施策の推進に努めてまいりたいと考えております。
○南野知惠子君 この介護保険におきましては、利用者の介護サービス計画、ケアプランを策定する介護支援専門員、いわゆるケアマネジャー、その人たちが不足しているとも言われておりますが、どのような現状にあるのか。不足しているとするならばどのように充足していかれるおつもりか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(大塚義治君) ケアプランを作成いたしますケアマネジャー、これが今後介護保険制度を動かしていく上での極めて重要な役割を担うものと私どもも考えております。 これまで、平成十年度と十一年度、二回にわたりまして、いわゆる介護支援専門員になります資格と申しましょうか、実務研修受講試験合格者は全国で約十六万人、正確に申しますと十五万九千三百五十名でございますから、約十六万人という方が合格をされまして、本年度末までに実務研修も修了するという予定になっております。 介護支援専門員の必要量は、仮にお一人四十ケース程度を担当していただくということになりますと約四万人と見込んでおりますので、全体量といたしましては、先ほど申しましたように十六万人既に合格をされておりますので必要量は確保されているということになるわけでございますけれども、地域によるばらつきというのは現実にございます。 また、すべての方がケアマネジャーとして業務に従事するわけではございませんし、また専任的に従事される方ばかりでもございません。いろいろな意味で地域的なアンバランスもございますから、平成十二年度以降におきましても、引き続き実務研修受講試験と実務研修、これは実施をする予定でございます。 また、個別のケースを見ますと、市町村におきましては現実にケアマネジャーが少ないという声も聞きます。したがいまして、四月に施行されます介護保険が円滑に進みますように、仮に現状でケアプラン作成事業者が不足しているというような自治体におきましては、市町村や在宅介護支援センターが利用者にお手伝いをいたしまして、利用者みずからケアプランを作成するというような工夫もしていただいておりまして、そうした方法があること、あるいはそうした方法についての留意事項などにつきましても各地方公共団体に御案内し、周知を図っているところでございます。
○南野知惠子君 ショートステイの需要が大変多いというようなことも仄聞いたしておりますが、現在設定されている利用日数の限度枠を拡大する方向ということでございますが、具体的にどのようになるのかお教えください。
○政府参考人(大塚義治君) ショートステイでございますけれども、できるだけ多くの方々に幅広く利用していただくという考え方から、ホームヘルプサービスでありますとかデイサービスのような訪問通所サービスとは別に、別枠で支給限度額を設定いたしたわけでございます。 基本的には、これで需要はまあまあ満たせるというふうに考えているわけでございますけれども、審議会の御議論もございまして、家族が介護されておりましてホームヘルプサービスは使わないというようなケースもございます。したがいまして、例えばそういう訪問通所サービスの支給限度額の六割未満しか利用していないというような場合には、ショートステイの利用日数を原則として二倍に拡大するというような措置を講じまして、その柔軟な利用ができるようにということにいたしました。これは既に関連の規則も整備をいたしまして、体制ができておるわけでございますが、実はさらに、一部の地方公共団体などから、あるいは利用者の方から、ただいまのような弾力化を図ってもなお従来よりも利用が制限されてしまうのではないかという御懸念あるいは御意見もちょうだいをいたしました。 私どもといたしましては、これを踏まえまして検討を進めておるところでございますけれども、おおむね現時点における方向づけといたしましては、ショートステイの基盤整備状況が十分な市町村、ある程度いわば余裕のある市町村におきまして、ショートステイの利用限度日数を拡大して受けなければ在宅介護の継続が困難であるというような方々につきましては、その月のホームヘルプサービスあるいはデイサービスなどの支給限度額をフルには使っておらない、いわば使い残しと申しましょうか、支給限度額の使い残しの範囲の中におきまして、また一カ月に二週間というようなことを限度といたしましてショートステイに振りかえ利用ができる、こういうふうな方向で現在考えておるところでございます。 実は、この件につきましては関係審議会にもお諮りをする必要がございますので、明日この審議会の開催を予定しておりまして、御了解がいただければそういう方向で所定の手続を進めてまいりたい、このように考えております。
○南野知惠子君 それからもう一つの問題といたしましては、要介護認定の問題でございますが、正確ではないとか、やり直しが出ているとか、主治医が自分の患者に有利な調査をしたとか新聞報道されておりまして、不安をあおっている面もあるかと思いますが、大丈夫であるということを大臣から明言していただきますと国民も安心するのではないかと思われますので、よろしくお願いいたします。
○政府参考人(大塚義治君) 実務的な点につきまして、まず私から申し上げたいと存じますが、要介護認定の実施状況につきましては、先ほども申し上げましたように全体としてはおおむね順調に進んでいると考えているところでございます。また、コンピューターによって判定をいたします一次判定結果と二次判定結果のぶれなどがあるというような報道あるいは御指摘もございますけれども、これはむしろ、いわゆる介護認定審査会で最終的に判断をするわけでございますので、私どもとしてはいわば想定をしておりましたところでございますし、そういう意味でも適切な判定が行われているものと考えておるところでございます。 また、御指摘のございました、一部の地域におきまして不適切な事案が発生をいたしました。私どもも、こうした事案が生じますことは制度全体に対する信頼を揺るがすことにもなりかねませんので、当該市町村とも連携をとり、連絡をとりましたけれども、当該市町村におきまして、私どもの理解するところ、極めて迅速にかつ適切な措置がとられたと。引き続きなお処理と申しましょうか処理手続が残っておりますけれども、原則的には極めて適切な処理がとられたと思っておりまして、今後ともこうした事例が生じませんように、市町村に重ねて先般の会議でも御注意をお願いしたところでございます。
○国務大臣(丹羽雄哉君) ただいま大塚局長の方から御答弁申し上げたわけでございますが、間近にスタートを控えましておおむね順調に進んでおると考えておるような次第でございます。私どもの要介護度の認定につきましては、先ほど来御説明を申し上げておりますように、一次と二次ということでありまして、総合的に判断する中においてより精密度を目指していく、こういう考え方でございます。 たびたび申し上げさせていただきまして恐縮でございますが、私が一月の中ごろでございますがドイツに行きまして、ドイツの認定の状況をお聞きしてまいりましたら、あそこは疾病金庫でただ判断をするということでありまして、日本のようないわゆるコンピューターを使うとか複数の人間によって決められるということではないわけでございます。 そういう意味におきまして、私どものいわゆる一次判定、そしてそれに主治医の意見であるとか調査員による特記事項を加えて介護認定審査会で決めるということは、私は大変すぐれた認定審査方法ではないか、このように考えているような次第でございます。 それから、一部にございますようなトラブルにつきましては大変遺憾でございます。いずれにいたしましても、全国の市町村に対しましてこういうことがないように私どもといたしましても強力に指導をしていく決意でございます。
○南野知惠子君 ここで先ほどの死亡例のことについて、私、厚生省に御質問するのをちょっと失念いたしておりました。さきに戻らせていただきたいんですが、育児文化研究所ということにつきまして、この研究所のことについてどう把握しておられるのかということと、それから出産での死亡事例についてどのようなことを把握しておられるのかということを教えていただきたいと思います。
○政府参考人(真野章君) 先生御指摘の育児文化研究所につきまして、愛知県から、昨年の六月に県内におきまして、この団体に通所していた妊産婦が自宅のいわゆる二十四時間ぶろにおきまして助産婦などの介助なしに分娩し、新生児がレジオネラ菌が原因と思われる肺膿瘍で死亡する事例があったことが報告されております。また、社団法人の日本助産婦会から、この団体の指導に従いまして夫婦のみで自宅において出産した事例を調査したところ、適切な処置が受けられず死産または乳児死亡に至った事例が七件あるという報告を受けております。
○南野知惠子君 ありがとうございます。 医師や助産婦が立ち会いまたは介助をしない、そういった分娩は非常に危険であると考えておりますけれども、これに関します厚生省の対応はいかがでございましょうか。
○政府参考人(真野章君) 先生おっしゃいますとおり、妊娠中に健康診査を受けない、また自宅などにおきまして医師や助産婦が介助しない中で分娩するということは、母体や胎児の異常の発見がおくれること、また救急的な対応ができないなどによりまして、母と子の生命が著しく危険な状況に置かれる可能性が高いというふうに考えております。また、自宅でのいわゆる二十四時間ぶろを用いました水中分娩は、新生児がレジオネラ菌に感染する可能性があるというふうに考えておりまして、このような事例を防止するために、これらの危険性につきまして妊産婦に対し周知するとともに、また健康診査を受けない方に対します受診の勧奨を徹底しますよう、地方公共団体さらに関係団体に昨年の末に通知を申し上げたところでございます。
○南野知惠子君 この件につきまして、我々も助産婦の仲間、いろいろな方々と勉強会を持ち検討いたしました。助産婦の役割は何かなと考えてみたんですけれども、結局、母子健康手帳の交付時が最も適切な指導のポイントになるのではないか、そのように考えておるわけですが、だれが今どのような形で交付しているのか、またそれはどのようにした方がいいのかということについてのお考えがあればお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(真野章君) 母子健康手帳は妊娠の届け出の受理の際に市町村が交付をしているというふうに承知をいたしておりますが、私ども昨年に今申し上げました通知を申し上げましたところで、今の危険性について、妊娠の届け出の受理のときに、母子健康手帳の交付時それから訪問指導の機会などを通じまして、妊産婦に対して周知するよう指導しておるところでございます。また、厚生省のホームページにも今申し上げました危険性ということをわかりやすい形にして情報提供を行っております。
○南野知惠子君 この三月七日に、これは医薬安全局の方にお願いしたいんですが、ある弁護士を訪ねております。薬石だとかシーキンが薬事法に抵触しないのか、そのような調査を依頼いたしました。弁護士からの答えももらっておりますけれども、セミナーのときに使われたビデオだとかそれから薬事法資料の分析、またこのような本も出されておりますが、そのようなものの中から薬事法違反の可能性が高いということもコメントをいただいております。 薬石、シーキンといった健康食品の薬効を示して指導、販売しているということについてどう思われるのか、また薬事法で取り締まるべきではないかと思うわけでございますが、コメントをお願いしたいと思います。
○政府参考人(丸田和夫君) 先生御承知のように、医薬品的な効能、効果を標榜しているものにつきましては、薬事法上の医薬品に該当しまして、その製造、輸入あるいは販売に際しましては許可が必要であります。そういう意味では、許可を受けていないものを販売した場合には薬事法違反となるわけでございます。 それで、お尋ねの育児文化研究所の件につきましては、現在私どもいろいろと調査しているところでありまして、直接的なお答えは控えさせていただきますが、事実関係をよく調査した上で問題があれば法令と証拠に基づきまして適切な対応をとることといたしたいと考えております。
○南野知惠子君 一番最初に申し上げましたいろいろな事例がございますが、ここになお天使ランドというのがございます。この天使ランドでも、ログハウスその他マタニティーコースを受講するというような方々たちが今おられるという、これは宮城県のことでございますが、そういうようなことに関連しましても、これから後を絶たない事例なのではないかと我々危惧をいたしております。 そういうこととあわせて、薬の件、それから先ほど申し上げました予防対策、そういったことについてもぜひお力をいただきたい。子供たちの命をまたは家族を救っていくためにぜひお願いしたいと思っているところでございますので、薬事の件につきましてもなるべく早く御検察いただきたいというふうに思っております。 では、もとに戻ります。 健康日本21の件でございますが、すべての国民が健康で元気に生活できるということが厚生行政のまさに目標であると思います。平成十二年度には健康日本21を推進するということでございますけれども、その具体的な中身について教えていただきたいと思います。
○政府参考人(篠崎英夫君) 厚生省におきましては、これまで国民の健康づくり対策といたしまして、第一次計画を昭和五十三年から、第二次計画を昭和六十三年からやっております。したがいまして、今回、厚生省といたしましては第三次計画ということになるわけでございます。 今回は、寝たきりなどの要介護状態にならずに健康に生活できる期間、いわゆる健康寿命を延伸することなどを目標といたしました健康日本21という計画を平成十二年度からスタートさせたいと考えております。 この計画は、栄養、運動、休養などの生活習慣改善を行ういわゆる一次予防に重点を置いた健康づくり対策の推進でございまして、がん、循環器病などの疾病領域ですとか、あるいは栄養・食生活、運動・身体活動などの生活習慣の領域で国民の健康増進、疾病予防を図るために必要な九つの対象分野を設定いたしまして、各分野ごとに患者数の減少など二〇一〇年までの目標を定めたものでございます。 なお、この計画を推進する上では、科学的根拠に基づいた十分な情報提供のもとに個々人がそれぞれの判断において生活習慣を選択することが基本でございまして、決して生活習慣の改善を強制するというような性格のものではございません。 健康日本21の推進に当たりましては、多様な経路によります知識の啓発普及活動、それから各種保健事業の効率的、一体的事業実施の推進、地方自治体それから関係団体などにおける取り組みの支援、それから推進組織の整備の四つの事項を基本といたしまして、今後、関係省庁、関係団体を含めた多くの方々の協力を得ながら各種施策を総合的かつ効果的に展開することといたしておりまして、地方自治体における計画の策定に対する支援ですとか国民に対する普及啓発活動などを通じまして、一人一人の国民が健康づくりに主体的に取り組める契機となるよう、これからの第三次国民健康づくり運動を進展させていく方針でございます。
○南野知惠子君 次は健康の問題でございますけれども、ことしのインフルエンザの流行というのはどうなっていたのでしょうか。ワクチンが不足したと言われていることもございましたが、今後需要を予測するとのことでございますけれども、どのように行われるのでございましょうか。 また、予防接種法の改正を考えているということでもございますが、その趣旨、内容の御説明をお願いいたします。
○政府参考人(篠崎英夫君) それでは最初に、ことしの冬のインフルエンザ流行の推移につきまして御報告を申し上げますと、小児科や内科の定点医療機関を対象としました感染症発生動向調査におきまして、ことしの五週目、これは一月三十一日から二月六日まででございますが、その一定点当たりの患者数が三十六・一五人ということでピークを既に過ぎておりまして、発生は減少に転じております。 また、その規模におきましては、小中学校等の生徒を対象といたしました調査で、昨年十一月末からことしの三月四日までのインフルエンザ様疾患の発生報告におきまして合計で四十九万九千四人の患者が発生をいたしておりますが、これは昨年の全く同じ時期の患者数七十七万九千六百八人と比較しても小さなものとなっております。 それからもう一つ、御指摘の予防接種法の改正案についてでございますが、先般、国会に提出をさせていただいたところでございまして、この法律案は、公衆衛生審議会におきます予防接種をめぐる諸問題についての御審議の結果を踏まえまして、最近、インフルエンザに罹患した場合の高危険群である高齢者がインフルエンザに罹患して死亡または重症化する事例が社会問題化していることに対応いたしますために、インフルエンザを予防接種法の対象疾病に規定して、高齢者を対象としてインフルエンザの予防接種を公費で行います。それから、万一、健康被害が生じたときもそれを公費で救済を図るという趣旨のものでございます。
○政府参考人(丸田和夫君) インフルエンザワクチンについてでございますが、先ほどもお話がございましたように、近年、高齢者のインフルエンザに伴う死亡や重症化が増加してまいりまして、接種希望者の増加が見込まれましたために、今シーズンは昨年の二倍を上回る約三百五十万本のワクチンが生産されましたが、予想を上回る需要の急増があったところでございます。 このため、私どもとしましては、医療機関あるいは卸売業者、自治体等にワクチンの有効利用が図られますようさまざまなお願いをしてきたところでございますが、現実には十分なワクチンが確保されなかったというところでございます。 ワクチンにつきましては、製造から供給に四、五カ月を要することなどから、その需要を製造前の段階で適切に見込むことはなかなか難しい面もございますが、来年度以降はより需要に見合う量のワクチンをできる限り円滑に供給できますように、近々、製造業者あるいは卸売業者、医療機関、有識者等の方々から成る検討会を設置いたしまして、需要を予測するための調査の実施などについて検討することとしております。
○南野知惠子君 次は少子化対策についてでございますけれども、現在審議されております年金関連法案の質疑の中においても少子化対策の重要性が指摘されているところでございます。厚生省としましては、少子化に対応した子育て支援の一層の推進の見地から、平成十二年度を初年度とした新たなプラン、新エンゼルプランでございましょうか、を策定し、多様な保育所サービスの充実の計画など整備を進めておられるということでございますが、この具体的な内容を御説明いただきたい。簡潔にお願いしたいと思っております。
○政府参考人(真野章君) 先生御指摘の新エンゼルプランでございますが、働き方、保育サービスのみならず、相談支援体制、母子保健、教育、住宅などの総合的な子育て支援対策の実施計画というふうに私ども考えております。 その中で厚生省関係でございますが、保育関係につきましては、今年度で終了いたします緊急保育対策等五カ年事業の後を受けまして、さらに必要なときに利用できる多様な保育サービスを確保するということが第一点。 それから、相談支援の体制といたしまして、地域子育て支援センターの整備を初めといたしまして、保育所の活用などによりまして子育ての相談、一時預かりなどの多様な需要に対応できる子育て支援の拠点を整備する。 さらに、新たに母子保健医療体制の整備ということを追加いたしまして、国立の成育医療センターの十三年度の開設、周産期医療ネットワークの全県への整備など母子保健対策を推進するということを考えておりまして、平成十六年度の目標を設定いたしまして対策を推進していくことといたしております。
○南野知惠子君 もう一つは、少子化対策の見地からは乳幼児に対する健康診断も重要と考えられておりますけれども、厚生省は少子化への対応を考える有識者会議の提言を受けられまして、来年度から乳幼児に対する休日の無料健康診断を市町村に対する補助事業として立ち上げる予定であると聞いておりますが、その内容についても簡単にお示しください。
○政府参考人(真野章君) 乳幼児に対します健康診査、先ほどの議論でもございましたように、母子保健事業の中でも最も基本的なものであり、大変重要なものであるというふうに考えております。 こうした中、特に共働き家庭が利用しやすいように、休日におきます健康診査の実施ということが課題となっております。有識者会議の提言も受けまして、休日健診・相談等事業を創設することといたしまして平成十二年度予算案にそれを盛り込んでおります。 この事業におきましては、土曜、日曜及び祝日等の休日におきまして、市町村が市町村保健センター等で健診や保健指導、相談を実施する場合に必要となります医師、看護婦などの確保の費用を補助することといたしておりまして、全国百市町村を対象とする予定にいたしております。
○南野知惠子君 放課後児童クラブでございますけれども、保護者の就労実態に合わせて開所時間の延長を促進すべきではないかというふうに考えておりますが、いかがでございましょうか。
○政府参考人(真野章君) 放課後児童クラブの運営につきましては、地域の実情に応じまして実施主体でございます市町村が判断するというふうに考えておりますが、その開所時間につきましては、ほとんどのクラブが十八時ごろまでに閉所しているというのが実態だろうというふうに考えております。開所時間の延長につきまして利用者からの要望にこたえますよう、今年度から一日六時間を超えかつ十八時を超えて開所するクラブにつきましては運営費の国庫補助の加算を行いまして、開所時間の延長を推進しているところでございます。 今後とも、保護者の就労実態に合わせた開所時間の延長が行われるなど、児童の放課後の遊びと生活の場が確保されるよう施策を推進したいというふうに考えております。
○南野知惠子君 働くママのことをぜひよろしくお願いしたいというふうに思っております。 次はちょっと順番を変えたいと思いますが、平成十二年度予算案におきます看護職員の確保対策関係予算、その内容はどのようになっているのでしょうか。簡潔にお願いいたします。
○政府参考人(伊藤雅治君) 平成十二年度予算案におきます看護職員の確保対策関係でございますが、基本的な考え方といたしましては、看護婦等の人材確保の促進に関する法律及びその基本指針を基盤に組み立てているところでございまして、十二年度予算案の総額でございますが、百十五億四千七百万円でございまして、具体的には離職防止対策、再就業の支援、養成力の確保、資質の向上策等を盛り込んでいるところでございます。
○南野知惠子君 次には、看護職員養成の観点からはどのように取り組んでおられるでしょうか。
○政府参考人(伊藤雅治君) まず一点といたしまして、看護婦の基礎教育につきまして平成九年度からカリキュラムの中に新たに在宅看護論や精神看護学を創設したことがございます。そして、二点目といたしまして、専任教員を学級担当から専門領域ごとに配置することなどによりましてその資質の向上に努めてきたところでございます。 また、平成十四年度に准看護婦養成課程のカリキュラムを千五百時間から千八百九十時間に改善することとしております。 以上申し上げたようなことから、専任教員の配置数を充実していくことが必要になってきておりますので、この平成十二年度予算案におきましては看護教員養成講習会の実施箇所数を十五カ所から二十五カ所へ拡大することとしております。
○南野知惠子君 看護団体等の要望からは、准看護婦の教育の統合ということも目指しておることは御承知であろうかと思いますが、それへ向けての御検討もよろしくお願いしたいと思っております。 医師や歯科医師の臨床研修でございますが、それが必修化されるというふうに聞き及んでおりますが、看護職員の卒後研修について厚生省はどのように取り組んでおられるのでしょうか。
○政府参考人(伊藤雅治君) 看護職員の資質の向上も医療関係職種の資質向上策の中で重要な問題だというふうに認識しております。 厚生省といたしましては、平成十一年度から看護職員資質向上推進事業といたしまして、都道府県におきまして必要な研修会でございますとか計画の策定などをやっておりまして、これによりまして計画的に卒後研修を実施し、資質の向上を推進しているところでございます。 さらに、十二年度予算案におきましては、看護職員の専門性の向上、具体的には感染看護でございますとか緩和ケア及び最近頻発しております医療事故防止など今日的な課題に対応するために新たに看護職員実務研修事業を創設することとしております。
○南野知惠子君 本当に今おっしゃられたとおり看護または医療の事故が最近よく報道されております。そのようなものをなくすためにも多少看護婦の問題については真剣に取り組んでいただきたいことがございますので、今後とも引き続きよろしくお願い申し上げます。 厚生省の健康政策局看護課が作成いたしております平成十二年度看護職員確保対策予算案の概要についてという資料の中にあるものでございますが、看護婦等修学資金貸与事業について返還免除制度の見直しということがございますが、これはどのようなことでございましょうか。
○政府参考人(伊藤雅治君) 平成十年五月に閣議決定されました地方分権推進計画におきまして、老人保健施設及び訪問看護ステーションに就業する看護婦さんに対します奨学金の返還免除について検討することとなったところでございます。それを受けて検討いたしまして、平成十二年度から新たに修学資金の貸与を受けた者で老人保健施設に一定期間従事した者、これは三年間でございますが、訪問看護ステーションに一定期間従事した者のうち、実務経験が三年以上あり、修士課程を修了した者については返還債務を免除するというそういう措置をとったところでございます。
○南野知惠子君 次は児童虐待問題についてちょっと御質問したいと思っております。 最近我が国においても児童虐待が特に大きな社会問題となっておりますけれども、児童虐待について、児童相談所への相談件数など、その状況について説明していただきたいと思います。 また、このような児童虐待の原因についてどう考えておられるのか。 さらに、とりわけ施設内で虐待を受けた児童についてはなかなかその事実が明らかにならない点が多いと思っておりますが、その点に対応する厚生省としては、施設入所中の児童の相談を受けるための第三者機関をつくる事業を始める予定というふうにお伺いしておりますが、その内容について簡潔に御説明願い、またこの問題に対して厚生省、自治省両省では児童相談所に配置されている児童福祉司の枠を拡大する旨報道されておりますが、その内容についても御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(真野章君) 全国の児童相談所におきます虐待に関する相談件数でございますが、平成二年度千百一件でございましたものが、平成十年度には六千九百三十二件と急増をいたしております。 その虐待の起きる背景でございますが、近年の都市化、核家族化の進展に伴う家庭の孤立化、それから地域や家庭におきます子育て機能が低下することに伴いまして、育児不安に陥ったり、育児に負担を感じるなど、養育上のストレスが高まっていること。それから、なかなか難しい話でございますが、子育てに対する責任意識が十分でないまま親になっているというような状況が考えられるのではないかというふうに考えております。 それから、児童福祉施設入所中の児童からの相談という議論でございますが、御指摘でございますけれども、児童福祉施設を含みます社会福祉サービスの利用者からの苦情解決という問題につきましては、現在国会にお願いをいたしております社会福祉事業法等の一部改正におきまして、利用者からの苦情解決にかかります社会福祉事業の経営者の経営努力を規定いたしますとともに、都道府県段階で利用者からの苦情の相談に応じ、苦情の解決のあっせんを行います運営適正化委員会を都道府県の社会福祉協議会に設置するということにいたしております。 ただ、児童の関係に関しましては児童養護施設などに入所している児童がみずから苦情や不満を言い出しにくいというようなことも考えまして、このほかに、十二年度予算に児童福祉施設入所児童支援事業といたしまして、第三者や専門家が施設運営を客観的に評価をいたしまして、児童の相談に応じるというようなことを全国の十カ所でモデル的に実施したいということで、予算をお願いいたしているところでございます。 また、児童福祉司の件でございますが、虐待への対応の強化という観点から、私ども協力員をこれは補助金で体制を整備いたしておりますが、福祉司の方は普通地方交付税交付金の積算基礎ということでございますので、この福祉司につきましては、標準団体当たりの現在の福祉司の数十六人を十七人に増員をしてもらうということで、体制の整備を図っていきたいというふうに考えております。
○南野知惠子君 これらの問題につきましては、現場の関係者の中には児童福祉法の改正など、法整備の必要性を認めるものも多いというふうにお聞きいたしておりますけれども、厚生省としてはこれらの点についてどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(真野章君) 私ども、児童虐待への対応ということで考えます場合に、早期発見そして適切な機関による早期対応というのが一番大事であるというふうに考えておりまして、現下の与えられた状況の中でそれぞれ最善の努力をしたいというふうに考えておりますが、しかしながら、先生今御指摘のように、法的にそういう体制を整備する必要があるのではないかという御意見もございますし、また与党でもそういう検討を行っておられます。 私ども、児童虐待の防止を効果的に進めていくためにはどういうことが必要かという観点から、与党の検討とも連携をとりつつ検討したいというふうに考えております。
○南野知惠子君 次は、社会福祉の問題でございますけれども、一問だけ質問させてください。 社会福祉の全般につきまして、利用者本位の福祉サービスの推進という観点から今回見直しを行い、社会福祉の基礎構造改革を進められるということでございますが、具体的にどのようなことをお考えになっておられるのでしょうか。
○政府参考人(炭谷茂君) 現在の社会福祉制度は、戦後の混乱期に貧困者、身体障害者、戦災孤児などの緊急対応が求められた時代に制度化され、このサービスも行政指導の画一的な内容が中心となってきたところでございます。 今日の少子高齢化の進展と国民の自立意識の高まりなどを受けまして、利用者がサービスを選択できる制度とし、国民の自立支援と参加を促す観点から、社会福祉事業法等の一部改正法案について、去る三月三日に国会に提出したところでございます。 具体的な内容で、ポイントだけ申し上げますと、一つは、利用者本位の社会福祉制度を実現する観点から、例えば福祉サービス利用者がサービスを選択できる仕組みを確立し、福祉サービスの利用者を保護する仕組みを制度化する。二つ目には、時代の要請にこたえる福祉サービスを充実する観点から、例えば盲導犬訓練施設や手話通訳事業を社会福祉事業に追加し、小規模通所授産施設について、規模要件を引き下げることによりまして社会福祉法人が容易に設立できるようにするなどの内容を盛り込んでいるところでございます。
○南野知惠子君 大臣、よろしくお願いいたします。 今、参議院ではここで連日のように年金法の審議を行っております。その審議の中でも、年金、医療、介護、福祉、そういったものをばらばらに論ずるのではなく、社会保障全体を総合的に考えて、今後の少子高齢社会の中で国民が安心できる全体像を示すべきだという指摘がなされておりますが、厚生大臣のお考えと今後の御決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 豊かさの中の不安の時代、こう言われております現在、まず国民の皆様方が真に豊かに安心して老後を過ごせるよう、年金であるとか医療、介護、こういったものの社会保障制度を長期的にも安定的なものにしていくことが何よりも大切だと、このように考えているような次第でございます。 こういう中で、これまでどちらかというと年金、医療、介護というものは、ばらばらとは申しませんけれども、それぞれの立場で議論されてきたのではないか、こういうような御指摘もございまして、このたび総理のもとに設置されました社会保障構造の在り方を考える有識者会議、この中におきましては、二十一世紀の社会保障の基本的なあり方について総合的に御議論をいただくことになっているような次第でございます。これまでに二回の会合を既に開いております。そして、あしたが三回目、夕方でございますが、開かれる予定でございます。その中では、新しい高齢者像や社会保障のあり方について大変活発な御意見が出されておるわけでございます。 そこで、私といたしましては、少子高齢化が進行する中において、これからの給付と負担のあり方、つまり、どこまでいわゆる公的な給付サービスの中でこれを担っていくかという問題が第一点でございます。 それから第二点といたしましては、増大する高齢者をどうとらえ、どう位置づけまして、そして社会保障のいわゆる経済全体への影響、財政との関係、こういうものをどういうふうに考えていくか、こういうことが大変重要な課題である、このように考えているような次第でございます。 いずれにいたしましても、国民の皆様方に信頼され、将来にわたりまして安定した効率的な社会保障制度の構築に向けて努力をしてまいりたい、このように考えているような次第でございます。
○南野知惠子君 大臣にもう一つお願いしたのでございますが、いつも看護問題に関連いたしましては、中医協に看護職のメンバーをということを代々の大臣にお願いしてまいりました。このたびも大臣に、ぜひとも中医協の中に看護職のメンバーを取り入れていただきまして、この混沌としている医療界、その中でも看護の場面というものをよく御理解いただいて、その立場を中に盛り込んでいただきたい。医療の中では看護は両輪の立場をとっておりますし、その中でお見捨ておきなく、必ず専門職者としてのレベルの中に入れていただきたいということもお願いいたしておきます。 何か御決意はございますでしょうか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 医療の中におきます看護職の重要性はますます大変重大化しておるわけでございます。そういうことも十分に考慮し、先生の貴重な御意見として承らせていただきます。
○南野知惠子君 よろしくお願いいたします。 それと、きょうは最後になりましたが、いろいろな資料をいただきました小学館の池上さんにも感謝を申し上げながら、この質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○今井澄君 民主党・新緑風会の今井澄でございます。 本日は予算の委嘱審査ということで、少し国家財政、経済、景気との関係で厚生省の予算、社会保障についての質問をさせていただきたいと思っております。 一昨日、昨年の十月から十二月期の国民所得統計速報、いわゆるQEが発表されたわけで、二期連続のマイナス、前期比マイナス一・四%、年率に直すとマイナス五・五%ということが発表されたわけで、一方で、小渕内閣の公約である一九九九年度〇・六%のプラス成長ということも果たして大丈夫なんだろうかと、こういうことが言われているわけです。 ところが一方、これは各新聞の社説がずっとこの問題を取り上げておりまして、非常におもしろいニュアンスがあると思いますけれども、なかなか難しいんだけれども、今政府の方はいろいろと明るい見通しを持とう持とうということで、そういうふうに少し細工をしているんではないかというふうな批判も見えているわけであります。 ちょっと景気判断について最初に申し上げますと、消費は確かにボーナスなどが下がったこともあってうまくいっていないけれども、設備投資が回復したからいいということをかなり言っておられるんです。だけれども、これはやはり経済の専門家などの話をいろいろ聞いてみますと、この設備投資が回復したという、その先行指標である工作機械の受注が回復したというけれども、それはもうIT分野、情報通信分野だけの問題であると。しかも、その情報通信分野の企業は、今大変国際化をしておりまして、決してそれが国内への設備投資ということには結びつかないんだ、情報通信産業以外、それを除いてみますと、設備投資もどうもはかばかしくないし、まだ過剰設備もある、決して明るい見通しなどをここから持つことはちょっと無理じゃないか、こんなことを私も聞いておりますし、そちらの判断の方が正しいのかなと。 むしろ、景気に関して気になるのは、アメリカの動きというふうなことの方がより大きな要因がありそうだという、いまだに自立できない日本経済の残念な面があるわけですが、それはそれとして、国民福祉委員会ですから景気の問題はそのぐらいにするとして、いずれにしても消費が非常に落ち込んでいる。 一—三月はいいよと言うけれども、それだって若干の、自動車とか、プレステ2が一週間で七十五万台売れたとか、あるいはパソコンが売れていますね、私もここで一月にパソコンを買いかえようと思って行ったら品切れでないというので待たなきゃならなかったとか。 それから、本日の朝刊に出ておりますけれども、消費支出を見ると、全体で貯蓄が進んでいる。若者が随分いろいろと物を買っているというふうなこともありますが、しかし、やはり世代全体、特に中高年は貯蓄に走っているということがより一層明らかになっているわけであります。 景気との関係で見た場合に、消費がGDPの大体六割はあるわけで、アメリカでは七割を超えつつあるわけです。何も消費をふやせばいいというんじゃないと思うんですよ、使い捨て社会はもうやめていかなければならないわけですから、何でも消費をふやせばいいというわけではありませんが、しかし、消費意欲、必要なものは買う、使うという、こういう意味で、やはり厚生行政としてはそれなりに考えるべきこの分野での問題があると思うんですけれども、景気判断、消費の減退、その中での厚生行政、大臣に今お考えのことあるいはこれからやっていくべきことについて御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 先日公表されました平成十一年の十月から十二月の実質GDPを見ますと、前期比で一・四%、年率にいたしまして五・五%のマイナスとなっておるわけでございます。 この要因は、今、委員も御指摘になられましたけれども、年末のボーナスが平成十年度の企業経営の不振というものを反映しまして低かったことであるとか、それからコンピューターの二〇〇〇年問題の影響から個人消費が冷え込んだ、減少したのではないか、こういうような、どちらかというと私は一時的な要因によるものが大きいと考えております。 まず、我が国の景気、経済に対する見通しでございますけれども、さまざまな見方がございます。まだ完全にいわゆる回復軌道に乗ったという考え方は私もとるべきではないと思いますけれども、何よりも、いわゆる景気の先行指標と言われます株価が大変高い値をつけておるわけでございますし、それから委員御指摘の設備投資もここにまいりましてとにもかくにも回復の兆しが見えてきておる、こういうことでございます。 問題は、いわゆるGDPの中に六割から七割近く占めておると言われております個人消費が冷え込んでいるのではないかと、これはさまざまな要因があるのではないかと思います。 これはあくまでも個人的な意見として承っていただければ結構だと思いますけれども、例えば人生七十年、八十年とした場合に、どうしても一番物入りのときというのは、子供さんの教育であるとか住宅のローンであるとかこういうものが大変必要な四十代、五十代前半ぐらいかなと。それから、二十代、三十代というのは、食欲も旺盛ですし、あれも買いたいこれも買いたいというものがあるわけでございますが、そういうときにどれだけ可処分所得が確保されているか、こういうような問題というものも総合的に考えていかなければならない。 つまり、これまでどちらかといいますと年功序列型賃金であるとかいわゆる退職金制度の見直し、こういうことが言われておるわけでございますが、こういう全体的なことの中でやはり個人消費というものも私は考えていかなければならないんじゃないか、こう考えているような次第でございます。 厚生行政を預かります者といたしましては、先ほども申し上げましたけれども、豊かさの中の不安の時代と言われる中におきまして老後などへの不安が消費を冷やす、こういうような指摘もございます。こういうような指摘を十分に踏まえまして、国民の皆さん方が真に豊かに安心して老後を過ごせますように、やはり将来に対する不安があるわけでございますので、将来的にも長期的に安定して、そして効率的な社会保障制度の確立に努めていくことが何よりも大切だ、このように考えているような次第でございます。
○今井澄君 今いろいろお話がありましたが、私は、最後のところはそのとおりだと思うし、そういう御答弁をいただいたところで質疑を続けたいと思うんですが、最初の方に幾つか言われましたこと、やっぱりちょっとどうかなと思うことも幾つかあるわけですね。 消費が落ち込んだのは一時的だと。これは政府のいろんな方が言っておられますけれども、一時的じゃないんですよね。単にボーナスが減ったのが一時的か。ボーナスだけじゃなくて、要するに賃金が伸びない。あるいは、今度の春闘の結果がここのところ出ておりますね。連日のように出ておりますけれども、それを見ても、収入あるいはさらにそれのもとになる雇用の不安というのがあるということが一番大きいわけですから。 この十—十二月期で消費が減ったのが、一時的なボーナスとあとコンピューター二〇〇〇年問題。これ、コンピューター二〇〇〇年問題はいろいろ見方によって違いまして、一時的な需要の原因にもなっているわけですよね。もちろん旅行を手控えたとかいろんなことはあるにしても、一方ではいろいろ買い込んだり、そういう駆け込み需要の原因にもなっているわけですから。 私は、消費の落ち込みを一時的なものと見るのは非常に問題なんだろうと思うんです。最後に大臣が言われたように将来への不安ということ、これがこの数年一貫して言われてきているわけですが、そこへもってきて最近は雇用不安ということ、これは単にサラリーマンの雇用不安だけではなくて、自営業者もいつ店を畳まなければならないかという、こういう不安なんかもあると思うんです。 それからもう一つ、最近言われているのが、財政赤字がふえてきているということからいつか、これは国民のツケですから戻ってくるんじゃないか。そういう幾つかの要因が、大きく言えば三つ。今一番大きいのはやっぱり雇用の問題じゃないか。二番目が老後とか将来の不安じゃないか。三番目が、財政赤字というのは聞いてみますと意外と大きな不安になっている。 経済企画庁もタクシーの運転手さんなんかを経済、景気を判断する上のモニタリングの人にしたようですが、私も、もうかねてからどこへ行ってもタクシーの運転手さんには聞くことにしているんです。おもしろいことに最近のタクシーの運転手さんは、単にお客さんがいない、大変だ、景気が悪いと言うだけじゃなくて、こちらが国会議員だとわかると、こんなに国は財政赤字をふやしていて、借金をふやしていて大丈夫なんですかと、タクシーの運転手さんは、自分たちのお客さんがいないことを通り越してそれを心配しているような運転手さんが結構最近いるんですね。そういう意味ではこの三つの不安というのは大きいと思うんです。 ただ、その問題について、雇用の問題は厚生省の直接ではないと思いますが、来年からは厚生労働省ということでこれが一緒になるというような、またまた大変な省ができ上がるわけですが、社会保障の問題だと思うんですね。 先ほどもちょっと言いました各紙の社説、それぞれが力点の置き方が大分違っている点、少しずつ今挙げた三つのことで違っている点もあるわけですけれども、大体共通している。やはり将来への不安、貯蓄や年金、それから社会保障。例えばある新聞などは、今後の財政や社会保障の展望を示す取り組みが政府に求められているとか、そういうふうなことが書いてあります。 そこへもってきて、先ほど大臣からお話がありました。あした第三回目の有識者会議が開かれるそうですが、きょうのある新聞によりますと、「年金・医療 高齢者に応分の負担 社会保障会議提言へ検討」と。これ、事務局は厚生省ですから、厚生省の方で論点整理案を多分まとめておられるんだと思いますが、こういう報道がありまして、しかもその後に、おもしろいことは、「社会保障会議検討課題 総選挙控え骨抜きの懸念」と、こういう副題までついて、また甘くなるんではないかというふうなことがあると思います。 しかし、いずれにしても、社会保障の充実あるいは安定ということが消費者のマインドを安定させる上でも大事だと思いますし、お金をため込まないで使ってもらうという意味でも非常に大事なんだと思います。 もう一つ気になることは、先ほど大臣、可処分所得が消費と関係があるようなお話、確かにそれはそうだと思うんですけれども、むしろ今貯蓄はふえているわけですよね。豊かさの中の消費の低迷というふうなお話もありましたが、そういう意味ではお金がないというわけではなくて使わないと。それで、そういうことになるとやっぱり将来への不安というのは一番大きくなると思いますので、セーフティーネットとしての社会保障制度の充実、安定というのが一番大事だと思います。 そこで、先ほど南野委員の方からもばらばらではなく総合的にというお話がありましたし、有識者懇談会もそういうことだと思いますが、私はこれを年金審議の中でもあるいは一般質疑の中でも漫画も配って申し上げましたけれども、私はやっぱり何といっても社会保障制度の根幹は年金制度だと思うんです、特に老後の問題は。その年金制度をどうしっかりさせるかという基本の上に、医療でも介護でも応分の負担をいただく、コスト意識をちゃんと持っていただくと、こういうふうに考えているんですけれども、大臣いかがお考えですかその辺は。
○国務大臣(丹羽雄哉君) まず、お年寄りのいわゆる所得というものが率直に申し上げてどちらかというと二極化されているんではないか、こういう感じを持っております。七十を過ぎても大変所得のある方、それから国民年金三万円、四万円しか毎月もらえない方という大変所得の低い方、これをどういうふうにとらえていくかということが大変大きな問題ではないか、こう思っているような次第であります。 そういう中において、要するに医療にしても年金にいたしましても、年金は幾らかカットがございますけれども、これを今回また延ばさせていただこうということでございますが、これまでどちらかというと基本的にはいわゆるお年寄りというのは社会的弱者であり、社会的弱者は経済的に一律弱者だ、こういうようなずっと我が国ではお年寄りに対するとらえ方、位置づけとしてはそういうものがあったわけでございます。この有識者懇の中でも、お年寄りに対しまして一律に、確かに体も弱ってまいりますし、社会的弱者という意味においては私どもが手厚く、要するに国民一人一人が手を差し伸べなければならないわけでございますが、それでは一律に経済的弱者かというと一概にもそう言えないのではないか。まだまだ大変数は少ないわけでございますが、その辺をどう考えていくかという問題でございます。 それから、今委員から御指摘がございましたように、年金を中心にして考えていくべきだということでございますが、私は基本的にはそういう認識を持っておりまして、年金を中心という言葉が適当かどうかはわかりませんけれども、今要するにお年寄りの中で年金に依存していらっしゃる方の割合が大変ふえてきておるわけでございますので、年金を中軸にしながらやはりさまざまな問題を検討しなければならない、当然のことながら有識者懇談会の中でもそういったような議論というものが出ているところでございます。
○今井澄君 そこで、今大臣も言われた、高齢者は平均値として豊かになっているけれども実は二極化しているのだと、そこが非常に大事だと思うんです。 私は、これは時間の関係もありますのでまた年金の審議の中でできればやりたいんですけれども、例の六十五歳支給問題、減額率も関係して、支給開始年齢を先に延ばすというのはだれにとって有利かというと、要するに高齢になっても働ける人というのは大体経済的に豊かな人が多いんです、インテリゲンチアであるとかあるいは社会的地位や何かを持っているとか。だから、例えば年金審議会に参加するような人にとっては、あるいは厚生省のお役人の人にとっても六十五歳にしても痛くもかゆくもないわけですよ。 私も実は昨年、六十歳になりました。年金をもらう年齢になりましたけれども、まだまだ自分じゃ働けると思っているわけです。私たちのような層はいいんですよ、六十五歳になったって大したことないんです。ところが六十歳で、定年がどうなるかわかりませんが、それ以降働こうと思ってもなかなか職を得られない。そういう人が問題なんですよ、実は。そういう人のところにきちっと年金が行って生活保障ができなきゃならない。 きのうも減額率のお話のときにも申し上げましたけれども、やっぱり減額してでも早くもらわざるを得ない人たちがいるんですね。それは私たちのような世代、層じゃないんですよね。そこのところをやっぱりはっきり分けて考えなければならないので、例えば六十五歳にふやすんじゃなくて、加入期間を四十歳、四十五歳にすればどうだろう、そうすると低所得の人には有利で高所得の人たちはなかなか満額年金をもらえない、それでいいじゃないかという説もあるわけですから、その辺ですが。 ところで、私どもはこういう社会保障の充実安定ということは大事だと思ってこれは頑張らなきゃならないわけですが、一方では、先ほどの不安の原因の一つが借金ということも申し上げました。少なくとも景気がいつ回復するかはともかく財政構造改革にもう一度手をつけなければならないことも事実なわけですね。財政構造改革、この日本の借金財政を何とかするということになってくると、これはそう先のことではないと思います。私どもは二兎を追うべきだと主張しております、小渕さんはとりあえずは一兎だけだという話ですが。 そうなりますと、今年度の予算を見ても、これは例年同じなわけですけれども、政府の一般歳出予算のうちの約三分の一は厚生省予算なわけですね。来年度予算も一般会計が八十四兆九千何がしということで約八十五兆、そのうちの一般歳出が四十八兆九百十四億円ですか、そのうち厚生省予算が十六兆八千七百三億円、伸びにしても比率にしても大きいわけですね。三五%が厚生省予算。そうなりますと当然、財政構造改革、どこかで削減に手をつけるとなると、まず厚生省の予算がねらわれることは間違いないわけですね。 これは平成九年の財政構造改革の推進に関する特別措置法案というその要綱を見ましても、まず第一に総則がありまして、次に第二、各歳出分野における改革の基本方針云々というところの一に社会保障が来ているわけですね。何といってもこの社会保障関係費がまず削減の対象になると。この前の橋本内閣の財政構造改革のときには当初予算における額を対前年比百分の百二を乗じた額を上回らないということで、二%という枠をはめられたわけですね。ことしは三・六%、社会保障関係だけ見れば三・九%ふえているわけですね、厚生省予算。そうすると当然ここへ来るわけです。何が何でもこれを全部守りながら財政構造改革というのは、これはできない相談だと思うんです。 この中身を見てみますと、一番額として多いのが医療保険制度の予算が約六兆八千億円、それから次が年金が五兆一千五百億円、次が介護で一兆九千億円、その次が社会福祉施設の運営費の補助金等、その次が各種の手当、それでその次が医療費を除いた生活保護費ということになってくるわけですね。 そうすると、この中でどれを削るかということなんですね。私は端的に申し上げますが、年金については今国庫負担をさらに上げようということもあり、これはまた別枠ということも、目的税ということもあり得ると思いますが、ここを削っていくことは難しいだろうと。不当に年金をもらっている人はそうはいないだろう、お金持ちの場合はもうカットしますよと言わない限りそれは制度上非常に難しいだろう。そうすると、額としても多いしむだもあると言われている医療費を削るしかないと思うんですね。ことしも医療費が大分ふえておりますが、残念ながらそれしかない。じゃ医療費のどこを削るかといったらやっぱり老人医療費だと思うんですね、率直に言って。 というのは、欧米に比べて異常に、若者に比べて高い、一人当たり医療費が高いということもあります。それから、かねがね私申し上げておりますが、一人当たり老人医療費が日本じゅうで一番少ないのが我が長野県です、五十万弱。一番高いのが北海道の八十八万、一・八倍の差がある。じゃ、長野県と北海道とお年寄りがどちらが健康なのか、どちらが生きがいを持っているのか。長野県は医療費が一・八分の一というか、それだけ少ない分だけ北海道に比べて不幸かというと決してそうではない。むしろ、幸せな面もあるということを考えると、明らかにむだがあるということはこの数字からだけでも明らかである。 私は、そういう点で、老人医療費をきちっと削るということをやらない限り、年金も医療も介護も全部削られたら、それこそ国民は泣くに泣けないと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 財政構造改革に再度取り組む取り組まないにかかわらず、今医療の中の話が出されましたが、国民医療費三十兆円のうちお年寄りの占める割合が大体十一兆円、こう言われておるわけでございます。そういう中で、私どもは医療改革の四本柱の一つとして今後高齢者の医療制度にどうやって取り組んでいくか、こういうことではないかと、こう思っております。 この問題につきましては、今度の予算関連で、健保法の改正でございますけれども、上限つきではございますけれども、初めて定率制というものが設けられることになりました。それから、いわゆる病院の流れというものを、一つの方向性というものを打ち出すことができたということで、いろんな国保の影響だとかさまざまな影響がございます。もう先生も現場で長年にわたりまして御従事いただいて大変そういう事情はおわかりになると思いますが、大変難しい問題でございますが避けては通れない、こういう問題でございますし、私どもは、二〇〇二年までに高齢者の医療制度のあり方をお示ししようということで、つい先だって省内に検討チームも発足させておるわけでございます。 そういう中で、いかにして国民の皆さん方、お年寄りの皆さん方の御理解を得ながら、これからこの高齢者の医療制度に取りかかっていくかということが最大の課題であるという認識は同じでございます。
○今井澄君 医療制度の抜本改革、保険制度の抜本改革、後で柳田委員の方から質疑があると思いますので私はやめますが、それで、健保法の関係はその法律のときにまた議論させていただきたいと思います。 今の大臣の御答弁ですけれども、私は全く期待できないと思うんですよ。そういうふうにやっておきながら、一方で今度はどうしたかというと、薬剤の別途負担、これは医者の立場として見て、あんな変な別途自己負担というのはおかしいと思いますよ、種類別。これは理論的でもない、医学的でもない、やむを得ず薬代を減らすためにやったものですよね。 それを、廃止するなら廃止するでいいんだけれども、何で老人だけ廃止して若者は残すんですか。これは全く逆じゃないですか。老人医療費を何とかしなければならないんだったら、若者の方を廃止して、老人だけは、悪いけれども、理屈は通らぬけれども、老人医療費を減らすためにやりますという逆のことをやっているんですね。これは全くおかしいですよね。定率制が入ったから抜本改革に近づいている、そうじゃないですね。選択制がどうなるか、結果は見てみなければわかりませんがね。定額の選択制とか、私はこういう妥協をしている限りは抜本改革はできないと思うんです。 さて、もう時間も来ましたので次に柳田委員に移りますが、その前に、ちょっと私自身が質問したことと関係して、唐突ですけれども、これまでの質疑の中で、特に年金の質疑の中で、基礎年金の未納者の最新の数を出してください、百七十二万というのはおかしいんじゃないですかというのは再三申し上げているけれども、いまだに御返事をいただいていない。百七十二万じゃなくて、二百五十万なのか三百万なのか、どのぐらいか、それを出してもらいたい。 それから、昨日の質疑の中で、これはもう当然年金局数理課ではつくっておられると思うんですが、財政的に中立な減額率についての試算表が幾つもあると思うんです。運用率を何%見込むか、物価をどう見込むか、賃金をどう見込むか、あるいは年金のスライド方式をどう見込むかで、それは数限りなくできるかもしれませんけれども、少なくとも数枚の計算式の計算結果の表は出していただけるもの、あるいはそれはもう既にあるものと思っております。それをぜひお願いしたいと思いますが、どうですか、きょう出していただけますか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) まずその前に、さきの話でちょっと恐縮でございますが、高齢者の薬剤の一部負担は廃止しました。その分を定率にして、上限というものも薬剤の別途負担分というものを含めた財政的な中立をとっておるんだということは十分に御承知のことだと思いますので、その点はひとつお含みをいただきたいと思っております。 それから、未納者につきましては、実態調査で納付意思の全くない、二年間未納である方を把握しているところでございます。直近の結果は、平成八年の調査結果で、今、委員から御指摘がございましたような百七十二万となっておるわけでございます。その後新たな実態調査を平成十一年の十月に実施いたしております。現在回収いたしました調査票の審査を行っているところでございますので、できるだけ速やかに調査結果を取りまとめたいと考えているような次第でございます。
○今井澄君 減額率。減額率の表。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 繰り上げ減額率のこともあわせてということでございますが、平均寿命以外に、これはこの間も議論を局長がやっておりまして、私も横から拝聴しておりましたけれども、予定利回りなど、こういうような要素もございます。何歳から受給しても生涯の受給年金総額が同額になるような繰り上げ減額率の数値はどうかと、こういうことでございますが、これには幾つかの問題点といいますか、当然のことながらこれを決めるに当たって留意しなければならない点があると思います。 一つは、もし早くから年金を受給し始めればその分だけ年金を確実に受給できる結果になることでありますから、繰り上げ減額率はいわゆるその受給の確実性、こういう観点からあわせて私は総合的に判断すべきものだと思っております。 それからもう一つ、この繰り上げ年金というのは、これはあくまでも自由でございます。先ほど先生がおっしゃいましたが、基本的には雇用をきちんとしなければならない、この間柳田委員からもいろいろ御質問がございましたけれども、やっぱりある程度までお年になっても元気な方は私どもの方で雇用の面できちんと働けるような環境づくりをすることがまず先決であって、基本的には六十五歳、今すぐではございませんけれども、少しずつ段階的でございますけれども、働けるような環境づくりを私どもが努力をしていかなければならない、こういうことでございますが、そういう中で、繰り上げ年金を受けているグループの平均余命というものが、これは日本人全体の平均余命と異なっておるわけでございます。 それから、今も申し上げておりましたように、これは非常に、ある意味において繰り上げ減額率を緩和すれば、いわゆる元気なお年寄りが現役として働き続けることを妨げるおそれがないかどうか、こういう問題であるとか、それから先ほど委員もタクシーの運転手さんのくだりで御指摘になりましたけれども、結局は将来世代の負担をふやすことにならないか、こういうことも考慮に入れて考える必要がある、このように考えているような次第でございます。
○今井澄君 いや、私は、そういう政策的な議論をするための基礎になる数表があるはずだから、この場合はこうなる、この場合はこうなるという純粋数理的なものを出してほしいと要求したわけですので、委員長、後で文書に出しますけれども、ぜひ資料要求をお願いします。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 今井委員の御要望につきましては、この繰り上げ減額率について今申し上げたような要素というものを総合的に勘案する必要がある、こういうことから、御指摘のような例えば何歳から受給しても同額になるような率というのは、現段階ではまだ計算をしておりません。
○今井澄君 そういう、例えば高山先生が出されたように何の場合どうなるという、それをもし数理課がやっていなかったら、それは怠慢ですよ、厚生省の。それは重大な発言ですよ、大臣、そういう資料がないとすれば。それをやるのが年金局数理課じゃないですか。それはあるけれども出せないというのでしょう。要するに、下手に出してそれがひとり歩きすると困る、それだけのことじゃないですか。情報公開してきちっと政策議論をやった方がいいと思うんです。 それと、今の大臣の御答弁の中で重大なあれがあったのは、そこまで調べているわけですね。要するに、普通の六十歳の人と六十歳で繰り上げ支給をした人とでは余命が違うと言われたわけです。そのデータも出していただきたいです。
○柳田稔君 質問に入る前に、ちょっと委員長にお尋ねしたいのでありますけれども、当委員会の自民党の委員の数は何人なんですか。
○委員長(狩野安君) 委員長を入れて八人です。
○柳田稔君 今、何名出席されているんでしょうか。 本委員会は、平成十二年度の予算を審議している委員会じゃないんですか。政府・与党というのは一体どこなんですか、委員長。(「何を言いたいのか、全然意味がわからない」と呼ぶ者あり) 大先輩にこういうことを申すのはなんでありますけれども、国会というのは議論する場じゃないんですか。責任あるのは与党じゃないんですか。 それで、八人もいるのになぜ四人しかいないんですか、委員長。そういう姿勢で国会が議論できるんですか。
○委員長(狩野安君) 今、自民党の理事によく話しておきます。 質問を続けてください。
○柳田稔君 質問をすることはやぶさかではないんですよ。国会は議論する場ではありませんか、それで政府の責任を持っているのは与党の皆様でしょうと。なぜ与党の皆様は出席されずに議論だけしろとおっしゃるんですか。非常に不思議な話だと私は思うんですよ。 私も、しばらくの間ここの国会の中で経験を積んでまいりましたけれども、立場が逆だったときには、よく自民党さんは相当ひどかったですけれどもね。 まず、国会というのはどういうところであるか考えてください。自民党さんがいないんじゃね。(「何を言っているんだ」と呼ぶ者あり) おかしいんじゃないですかと。
○委員長(狩野安君) 質問を続けてください。今、声をかけていますので、どうぞ。(「委員会は成立しているんじゃないですか」「成立していればいいというものじゃないでしょう」と呼ぶ者あり)
○柳田稔君 じゃ、野党は引き揚げましょうか。勝木先生、野党は引き揚げましょうよ。それでも委員会は成立するんだそうですから、それぐらい根性があるんだそうですから、引き揚げましょうよ。野党が引き揚げれば委員会は成立しないんですから。違うんですか。
○委員長(狩野安君) 今、声をかけてあれしていますので、続けてください。
○柳田稔君 一回ちょっといろいろとほかの筋とも話をしてみましょう。野党さんが引き揚げてしまったら委員会の定数が成り立つかどうか。そんな無責任な与党であるんだったら、与党をおりたらどうかなと私は思うんですけれどもね。我々はかわって与党をやってあげますので。 では、質問をさせていただきます。 先ほど、今井先生の質問の中で社会保障制度、将来の安定が必要だ、それを示すことが大切だというお話をされておりました。私もそれは一理あるなと思っております。 今回、年金の審議を大分させてもらっておりますけれども、年金についてはその理屈を前面に押し立てて一生懸命答弁をされている。 そこで、過去に与党が、当時の政府でもあるんですけれども、国民に約束したことがあったなというのを思い出しまして、ちょっと古いとは言いませんけれども、平成九年八月二十九日、与党医療保険制度改革協議会、この協議会が「二十一世紀の国民医療」、副題が「良質な医療と皆保険制度確保への指針」という題で、国民に約束した文書があるんです。 丹羽大臣、当時多分これに関与したと思うんですけれども、この文書を発表したことを御記憶でありますか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 記憶しております。
○柳田稔君 内容についても御記憶されていると思うんですけれども、それで、こういうものを突拍子に持ち出しますと、みんな一体何なんだろうかと思いますので、その前提条件として、この平成九年というのは患者の自己負担を一割から二割に引き上げた年です。負担増をするだけでは申しわけないので、抜本改革を行います、項目はこうこうですという内容を書いた文書です。 そういうことで読みますと、「高齢化が進行する二十一世紀においても、世界に冠たる皆保険制度を維持し、国民に安心で良質な医療提供体制を確保していくことが、いまや国民的な緊急の課題である。」、そのとおりなんです。「その一方で、これまで例を見ない急速な人口の高齢化、医療の高度化などによって、医療費は増大の一途をたどっており、このまま放置すれば二十一世紀初頭には医療保険制度が破綻してしまうことは明らかである。」、大臣、こう書いてあるんです。これは、私が書いたんじゃないんですから、自民党の与党さんが書いた文書ですから。「患者負担や保険料負担などによって国民に負担を求めることもさることながら、同時に限られた医療資源に無駄がないか、効率的であるかとの観点から、国民の立場に立った医療提供体制と医療保険制度の両面に亘って抜本的改革に着手することが急務である。」、これが書き出しなんです。 この前文の最後にどういうふうに書いてあるかというと、「抜本改革の実施は平成十二年度を目途とするが、可能なものからできる限り速やかに実施する。」、前倒しでやるということですね、これは。「新しい高齢者医療保険制度については、介護保険制度の導入状況をも踏まえて、できるだけ速やかに実現する。」と書いてあるんです。 ことしはどう考えても平成十二年なんですけれども、この文書に書いてあります十二年度というのは四月から始まりますね。この約束は今回の予算案に盛り込まれていないといけませんね、これを約束したわけですから。当時の自民党政府が、医療費を値上げするから、負担を値上げするから、国民の皆様、申しわけないけれども平成十二年度には抜本改革を実施しますから御理解くださいとやったんですよね、これ。内容を見ますとなかなかいいことが書いてある。僕もそう思うんです。テーマもちゃんと絞られている。 ちょっとお答え願いたいんですけれども、この抜本改革案は今回の予算案のどこにあるんですか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) これはまず、正確を期しますと、自民党、社民党、新党さきがけの与党三党の時代に、いわゆる与党医療保険制度改革協議会、座長が私でございますけれども、時代にまとめたものでございます。 ここに書いてありますように、まさに抜本改革の実施は平成十二年度を目標にすると、こういう中で、後御審議をいただかなければならないわけでございますが、健保法の改正というものを私ども予定をさせていただいておるわけでございますが、そういう中で、先ほど申し上げたようないわゆる老人医療の定率化の問題であるとか、それから医療提供体制の中ではいわゆる患者と看護職の割合を五十年ぶりに改正をするとか、こういう医療提供体制の問題、それから薬価の問題におきましては、これまで薬価差がいわゆるR幅というのがございましたけれども、これを長期収載も含めてすべて二まで限りなく縮小をする、こういう中でまさにできるものから速やかに実施をすると、こういうことでございます。 今委員が読み上げていただきました「新しい高齢者医療保険制度については、介護保険制度の導入状況をも踏まえて、できるだけ速やかに実現する。」と、こういうことでございまして、私はあのとき座長として、要するにこの二〇〇〇年の四月から介護保険というのがスタートする、大変なこれは大事業である、そのときに高齢者医療保険制度というものを同時に導入することになれば現場が大変な混乱をするのではないか、それから場合によってはお年寄りの皆さん方の負担も大変なことになるのではないか、こういうことを踏まえましてこれは与党三党で協議をしていただいたわけでございますが、導入状況をも踏まえてできるだけ速やかに実施する、これが要するに二〇〇二年ということにつながっていくのではないか、このように考えているような次第でございます。
○柳田稔君 では、今回の予算案に盛り込まれておるのは、この平成九年に与党が協議した内容、抜本改革案は、大臣が思うに、政府が思うに抜本改革案は十分に盛り込まれておりますということですか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) これは委員御案内のように、皆保険制度というのは昭和三十六年に導入されたわけでございますし、その中で要するに国民の間にいろいろ定着しておるわけでございます。いい面もあれば、そして問題点も出てきておるわけでございます。そう簡単に全部すべての問題が一気に解決できるという問題ではありません。ですから、私は、決して十分に今回の予算におきましてこれができたとは思いません。ただ、一歩一歩この改革に向けて前進する足がかりといいますか、手がかりといいますか、こういうものを刻むことができた、このように認識をいたしております。
○柳田稔君 この文書は国民に対する約束でしたよね。一歩一歩とは書いていないんです。緊急な課題だと書いてある。二十一世紀初頭には医療保険制度が破綻してしまうことは明らかである、急がなければならない、平成十二年度を目途に抜本改革を実施すると書いてあるんですよ。ということは、この文書を読めば、自民党さんが国民に約束した内容は、この平成十二年度の予算案の中に抜本改革は盛り込まれていなければならないわけですね。 それで聞いているんです。抜本改革案を自民党政府が国民に約束したとおり予算案に盛り込まれておりますか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) ですから、先ほども申し上げましたように、一歩一歩進めていかなければならない、これ、一歩一歩という言葉が強いて言いますならば可能なものからできるだけ速やかに実施すると、こういうことでございまして、こういう問題につきまして一歩一歩これからも粘り強く進めていかなければならない。 先ほどから申し上げていましたように、すべてがこれにおいて、今回の予算編成において十分とは申しませんけれども、要するにそういったような方向性というものに向けて一歩を踏み出すことができた、このように考えています。
○柳田稔君 ですから、丹羽先生が自民党政府の中心に座ってまとめられたんですね。これを実施します、平成十二年度に実施しますとおっしゃったわけですよ。それで、当時、自己負担が一割から二割に上がったけれども、負担は負わすけれども本当にやってくれるんだなということで、国民はそれならと納得したわけですよ。 冒頭言ったことに戻りますけれども、年金改革は将来の制度の安定のためにやるとおっしゃったじゃないですか。今井先生への答弁に対しても、社会保障制度、年金もあれば医療もあれば介護も福祉もあるわけですよ、大臣。医療というのはちっちゃな範囲ではない、重いですね、全体から見ても。その抜本改革案を十二年から実施すると言った約束はどこに行ったんですかと聞いているんですよ。一歩一歩やるとは書いていない。 医療費の値上げ、あのときに自己負担を値上げしたのは平成九年ですよ。あれから平成十年、平成十一年、今はもう平成十二年ですよ。この間に一歩ずつ積み上げていって、抜本改革をなし遂げるのは平成十二年度だと普通読めるんですね、これ。だけれども、去年やったかな、おととしやったかな、何もやっていないですね。ことし急に何か出してきたと思ったら、余りにも不十分過ぎる。言葉は悪いですけれども、国民を愚弄するのもいいかげんにしろと僕は言いたいんですよ。大臣、そう思いませんか。 ここまで約束しておきながら、何もやっていないとは言わない、少しやった、少しやったのは認めてあげます、本当に少し。どう考えてもおかしくありませんか、大臣。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 先ほど医療保険につきまして要するに三十六年から導入したというつもりで言ったつもりなんですが、今、介護保険ということで、介護保険はこの四月でございますので、謹んで訂正させていただきます。 それで、まさに三十六年からこの医療保険というものが導入されたということで、いろいろな見方はありますけれども、私は、この皆保険制度というものは世界に冠たる皆保険制度ではないか。つまり、お年寄りから赤ちゃんまでわずかな負担で国民が均等な医療サービスを受けることができる、そこには所得の多寡も関係ない、この皆保険制度というものを今後とも堅持していかなければならない。その一方で、いわゆる医療費にむだはないかどうか、効率的かどうか、こういうような観点から、先ほどから申し上げております四つの柱を中心にして議論を進めてきたところでございます。 それぞれの思いはあると思いますけれども、ここに書いてありますように、一番私が率直に申し上げておくれておりますのがまさに高齢者の医療制度の問題でございますけれども、この問題につきましては、ここに書いてありますように、これはあくまでも政党レベルの話でございますが、介護保険制度の導入を踏まえてできるだけ速やかにする、こういうことでございますし、いろいろな中において私は一歩一歩、要するにまさに可能なものから実施を進めていくような方向に向かって進んでおる、こういうふうに思っておるわけでございますし、国民の皆さん方も十分に御理解を賜りたい、賜るものと確信をいたしております。
○柳田稔君 ことしの二月七日、社会保障制度審議会、こちらから医療保険制度の改正について答申が丹羽厚生大臣にありましたね。 その中にどう書いてあるんですか。これは私だけが言っているんじゃないんです。政府の社会保障制度審議会ですよ。それが丹羽大臣にこう言っているんです。「本審議会は、医療保険制度が国民生活の中で極めて重要な役割を果たしていることにかんがみ、平成七年の勧告及びその後の医療保険制度等の改正案の諮問に対する答申において、財政基盤の安定を含む抜本改革の必要性について繰り返し指摘してきた。今回も抜本改革が先送りされたのは遺憾というほかない。」、こう書いてありますよ、大臣。 我々も大方の国民も、約束したことはやってくれ、危機感は皆さんも持っているんでしょう、その危機感をもとにやろうと言ったんじゃないか、なぜやらないんだと。審議会も過去ずっと言ってきた。「今回も抜本改革が先送りされたのは遺憾というほかない。」と書いてある。大臣、これが普通の声なんですけれども、自民党政府というのは、これから一歩ずつ一歩ずつやっていけば事が足りると、そういう判断のもとに医療改革を実施されるんですか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 医療制度の抜本改革の実現に向けて私どもは今後ともまず粘り強く努力をしていかなければならない、こういう決意を私も内に強く秘めているものでございます。 社会保障制度審議会から厳しい御意見をちょうだいしたところでございますけれども、これは医療制度の抜本改革に向けての叱咤激励である、このように受けとめておるわけでございます。先ほどから申し上げましたように、今後の急速な高齢化社会、さらに医療費の増大、こういうことを考えますと、医療の抜本改革は避けて通れない課題と、こう認識をいたしておるわけでございます。先ほど来申し上げておりますように、私は、大変難しい問題でございますけれども、一歩一歩この問題に着実に取り組んでいく決意であります。
○柳田稔君 大臣、私が聞いているのは、こうして大臣は約束したんですよ、文書に残して。自民党政府は約束したんですよ、国民に。これは認めてくださいよ、あるんですから、証拠が。そして、今回、平成十二年度の予算書を見たら医療改革についてどれだけやっているかも出ていますよね、金目があるんですから。それに対して社会保障制度審議会も「抜本改革が先送りされたのは遺憾というほかない。」と書いてあるんです。要するに、国民に約束はしたけれども何かいろいろ事情があってできなかった、ことしからちょっと少しずつやっていこうかと、これが今自民党政府のやっていることじゃないんですか、そうとしか僕は見えないんですけれども。 いつもおそばにいる政務次官殿、そばで見ていてどう思われますか、この医療改革のやり方について。
○国務大臣(丹羽雄哉君) ですから、先ほどから繰り返し繰り返し申し上げておりますけれども、三十六年に導入されて以来国民の間に定着しているものを、これは私座長をやらせていただきましたけれども、与党としてまとめたものでありまして、なかなか率直に申し上げまして、関係者の御意見もありますし、大変な中で、私自身も大変つらい目に遭ってはおるわけでございますけれども、そういうことは別として、とにかく私どもは、こういった中で長年の懸案でございました薬価差をまず解消したということ、それから医療の質の向上を図る観点から薬価と診療報酬の見直しを行う、特に、この委員会でも出ておりましたけれども、小児医療であるとかリハビリであるとか、それから救急医療であるとか、こういったような分野を中心に、今まで手薄と言われていた分野に対して手厚くしていったと、こういうことでございます。 それから、先ほど来申し上げましたように、柳田委員も十分に御理解いただけると思いますが、また今井委員におかれましても十分にこれは御理解いただけると思いますが、定率制を導入するということは大変な至難のわざでございまして、私は五年前からこの問題を提案いたしておりまして、ようやく、上限つきではございますけれども、定率制の導入というもののスタートを切るような今回の予算案になったわけでございます。 ですから、私が申し上げたいのは抜本改革に向けて第一歩を実施することができたと、こういうことでありまして、何かすべての目的が全部そろっていかないとこの問題が解決できないということではないと、こう考えております。 私もこの当時は座長でございまして、あくまでも連立政権の中の座長でございますが、その中において、こういうような可能なものから速やかに実施をすると。それから、いろいろな意見もありましたけれども、高齢者の医療制度というものは保険制度と一緒にやりますと大変なことになりますよということは、これは十分に私は申し上げて御理解をいただいてこのようにさせていただいたと、こういうことでありますし、今後とも国民の皆さん方の期待にこたえますように粘り強く努力をしていく決意でございます。
○柳田稔君 何か大臣、一生懸命逃げの一手を打っているようでありますけれども、社会保障制度審議会の答申というのは大変重みがあると僕は思うんです。通常いろんな法案なりの答弁を聞いていますと、審議会でこういう答申がありました、これを尊重してやりますというのが普通の今までの答弁でありますよ。 今回のこの答申については、これは間違っていると。「今回も抜本改革が先送りされたのは遺憾というほかない。」というこの答申は、自民党政府から考えるとおかしい、まだまだ時間がある、だからこんな遺憾だというのはおかしいと、そういう御判断なんですか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) そうは受け取っておりません。ただ、現実に、私どもがこの抜本改革を手がけておりまして、先ほどから申し上げておりますように、三十六年に導入して以来半世紀近くたつものでございますので、さまざまな問題点があって、なかなか一気にすべて、要するにこれで一〇〇%でき上がったという姿には時間がかかるということでありまして、当然のことながらこの社会保障制度審議会の厳しい御意見につきましては謙虚に受けとめております。
○柳田稔君 もう時間ですからやめなきゃならないんですけれども、最後に大臣、できないんだったらこんなのは書かない方がいいですよ。国民をだますようなことをしない方がいい。現実としてできなかったんだから。平成十二年度に抜本改革を実施すると書いたんですよ。それで、できなかったわけでしょう。一歩はできたでしょう、それは。まあ法案が出ていないからどうとも言えませんけれども、一歩はできたでしょう。でも、抜本改革を実施するという、できないことを国民に約束しないでくださいよ。負担は強います、しかし抜本改革については力不足ですからできませんと言ってくださいよ、隠さずに。 今回の年金の改正だって一方的な数値合わせだけじゃないですか。先ほど今井先生がおっしゃったように、国民は逆に将来に対する不安を持ち過ぎているんです。いろんな圧力があるんでしょうけれども、もしその圧力に勝てないようでしたら、どうぞ我々に政権を譲ってみてください。その圧力に勝ってみせますので。それだけ最後に申し上げて、やめます。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 政治というのは常にきちんとした国民の皆さん方にビジョンをお示ししながら一歩一歩実現をさせていく、御党におかれましてもまさにそういうことではないかと思います。そういう意味におきまして、これはもう一年近く議論をいたしまして、夏休み返上でいろいろ議論した中で一つの新しいビジョンというか指針というものを示したものでありまして、国民にとって、それが要するに裏切りであるとか、そんなようなことではなくて、政権政党としてこれに向けて一歩一歩今後とも粘り強く努力していくことが私どもの責務である、このように考えているような次第でございます。
○沢たまき君 最初に、今社会的な問題になっております年金サラ金、いわゆる年金屋の被害の問題について伺います。 年金福祉事業団が行っている事業に年金担保融資がありますけれども、その融資制度の概要と条件はどうなっていますでしょうか。
○政府参考人(矢野朝水君) これは、年金福祉事業団が年金受給者に対しまして年金受給権を担保に小口の資金を融資しているものでございます。 貸し付け条件でございますけれども、限度額が支払い年金額の一・五倍、二百五十万円が限度でございます。貸付金利が二・〇〇%でございます。それから、償還方法につきましては、担保に供された年金の支給金をもってその弁済に充当ということでございまして、四年以内に返済するということになっております。
○沢たまき君 四年ですか。
○政府参考人(矢野朝水君) 四年です。
○沢たまき君 その担保融資の貸し付け状況について、件数とか金額を御報告していただきたいと思います。
○政府参考人(矢野朝水君) 近年、この年金担保融資、非常にふえております。平成十年度で見ますと十三万件でございます。それから金額でいいますと、一千六百五十九億円貸し付けております。累計で見ますと、これまで百七十一万八千件、金額で見ますと一兆七千四百九十九億円となっております。
○沢たまき君 月々の年金はお年寄りの基本的な生活費でありますので、年金の受給権は原則として担保に入れることはできないことになっていますよね。したがって、事業団の年金担保融資はその唯一の例外として年金の受給権を担保に低利で融資する制度であると聞いています。 最近は貸付件数が、今伺いましたけれども十三万件ですか、増加しているとのことですが、受給者の方は一体何に使うために融資を受けることが多いのでしょうか。実態をお調べになっていますでしょうか。
○政府参考人(矢野朝水君) これは貸付申込書に簡単な使途を書いていただいておるわけでございますけれども、それによりますと、平成十年度の実績でございますが、生業資金、これはほとんどが生活資金でございます。生活資金が四〇%弱、それから敷金とか礼金とかいった住居資金ですけれども、これが二〇%強、それから冠婚葬祭費が一〇%強、それから医療費が八%程度と、こういった理由で貸し付けが行われておるということでございます。
○沢たまき君 お答えによると、楽しみとかぜいたくのために使うというよりも、普通の社会生活に必要なことに使われているのがほとんどですね。別の目で見れば、年金受給者の中でもどちらかといえば余りゆとりのない方が利用されていると思われます。 ところが、このような年金生活者を利用して暴利を得ている業者があるようです。先日もある雑誌でいわゆる年金サラ金、年金屋の記事が掲載されていました。年金証書を担保にとって年利四〇%もの高い利息で貸し付ける業者が現にあると報道されています。 少し調べてみましたところ、その仕組みは、昭和五十年前後、高齢者が年金証書を担保に高利貸しから借金をして、借りた額よりも驚くほどの高額の返済を強いられるという当時の社会情勢があって、議員提出法案によって制度化されたものでありました。しかし、このような高利貸しの被害は過去のものではないようです。 そこで、金融監督庁にお伺いいたしますが、高齢者の年金を担保にとって高利で融資するいわゆる年金屋の実態を把握していらっしゃいますか。
○政府参考人(乾文男君) お尋ねの年金を担保にする貸金業者ということでございますけれども、お話ございますように、年金を担保にとるということは法律で、国民年金法等の方で禁じられているわけでございますが、私どもが所管しております貸金業規制法の方では特段の行為規制はないわけでございます。ただ、私どものガイドラインにおきまして、契約の締結の際の禁止事項としまして、年金受給証等、債務者の生活に必要なものを担保にとらないようにということは指導しているわけでございます。 今御指摘のように、平成七年ごろから関西方面を中心にしてそうした事例があるという指摘が行われてきたこと、私ども聞いておるわけでございますが、貸金業者、基本的に都道府県の所管になっておりまして、規模の大きなものは財務局ということでございますが、財務局のレベルでは特段の苦情は聞いておりません。 ただ、大阪府におきましてそうした苦情等があることを踏まえまして、大阪府におかれては、平成八年三月に、貸金業者に対しましてそうしたことを行わないようにという是正を求める指導を行っておられるというふうに聞いているところでございます。
○沢たまき君 件数や何かまだ掌握していらっしゃらないようですが、今御答弁がありましたように、七、八年ごろからこのような業者のことが問題になっていたと記憶をしております。それは今日でも問題になっています。全く状況は改善しておりませんが、その理由は一体何なんでしょうか。是正するように指導とおっしゃいましたけれども、規制が甘いというか、緩いんじゃないでしょうか。監督庁に伺います。
○政府参考人(乾文男君) 規制が緩いとおっしゃいますのは、国民年金法の方で禁止されていることについて罰則とかそういうのがないという御趣旨でございましょうか。
○沢たまき君 もう少し徹底して、今でも現に改善されていなくてやっている事項が大阪とかあるいは週刊誌にも出ていましたので質問しているんですが、是正をするように申し入れたとおっしゃっていながらまだやっているというのは、申し入れた是正の仕方が緩いのか、あるいは関係ないと思っていらっしゃるのか。
○政府参考人(乾文男君) 失礼いたしました。 それで、私ども監督庁の方で、先ほど申しましたように貸金業規制法の方にはそういったことを直接取り締まる根拠規定はないわけでございますけれども、行政指導と申しますか、そうした行政上のガイドラインにおきまして年金受給証等を担保にとらないようにという指導を都道府県を通じて行っているわけでございます。 それから、昨年九月に商工ローンがちょうど問題になっておりますときでございますけれども、全国の貸金業者に対しまして、商工ローンの問題と同時に、この問題につきましても私ども頭にあったものでございますから、再度、そうした生活に必要な証明書、年金受給証等を含め、そうした証明書を担保にとらないように適正な運営の確保を都道府県及び全貸金業者に対して行ったわけでございます。 ただ、それ以上のということになりますと、私ども取り締まりの権限がこの件については与えられておりませんので、今後とも、今申しましたガイドラインにのっとりまして、都道府県を通じてそうした指導を行ってまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○沢たまき君 ぜひ違法な業者の取り締まりはきちんとやっていただきたいと思います。 このような年金屋の被害を少なくするためには、取り締まりを、監督庁にはその権限がないとおっしゃいましたけれども、都道府県にもう少し強く取り締まりをしていただくようにお願いをしていただくか、あるいは公的な融資すなわち事業団の年金担保融資の利便性を改善していくことの方が重要ではないかと思います。 先ほどの私がちょっと申し上げたその雑誌でも、その問題点として、申し込みからお金を手にするまで一カ月ほどかかると書いてありましたけれども、聞いてみますと、現在は一月半から二カ月近くかかる場合もあるということで、現在のスピーディーな時代に、伺いましたら、冠婚葬祭もあるし医療費もあるということでございますので、一カ月半から二カ月という長い、いかにも時間がかかり過ぎているように思いますが、いかがでしょうか。 申し込みから実際の貸し付けまでの期間を短縮できないのでしょうか、厚生省に伺います。
○政府参考人(矢野朝水君) 現在は、今御指摘がございましたように、申し込みから貸し付けの実施まで一カ月半から二カ月ぐらいかかっておるわけでございます。 これは、年金受給者の方に使い勝手がいいような仕組みにしなきゃいけない、こう思っておりまして、ことし十月にはこの期間を一月以内に短縮するようにしたいということで年金福祉事業団の方を指導してまいりたい、こう思っております。
○沢たまき君 よろしく、なるべくスピーディーに対応していただきたいと思います。 事業団の年金担保融資で問題になってきたことがもう一つあります。 毎月の年金が利息返済に全部充てられてしまって、受給者の手元には年金が残らない。このため、融資の利用者が生活保護を受給することになったということも聞きました。融資の利用者も毎年ふえていることですから、できれば返済方法を改善するべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(矢野朝水君) この年金担保融資、現在は年金をいただきますとそれを全額返済に充てる、こういう仕組みになっているわけでございまして、月々の収入の道が途絶える、こういうことになっております。非常に使い勝手が悪いと、こういう御指摘があるわけでございまして、この問題につきましても、ことしの十月から半分は年金として手元に残る、そして半分をその返済に充てる、こういった仕組みを導入したいと考えております。
○沢たまき君 ぜひ、きちんと対応していただきたいと思います。 事業団の年金担保融資は、お年寄りが安心して利用できる公的融資制度でございますし、受給者、とりわけ所得水準の高くないお年寄りの安心した生活を守る大きな手段ですから、よろしくお願いいたします。 最後に、厚生大臣の御見解をお伺いしたいと思います。 年金福祉事業団廃止後も、少しでも使い勝手がいいものになるよう、制度の改善をしながらこの年金担保融資を引き続ききちんと実施していくことが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 平成九年の閣議決定を踏まえまして年金福祉事業団を解散し、事業から撤退することになったわけでございますが、お年寄りの生活を支えております、委員御指摘の年金担保融資事業につきましては、今後社会福祉・医療事業団において引き続き実施することにいたしております。今後も、この年金受給者の方々の生活の安定のために寄与するように着実な実施に努めてまいりたいと思います。 なお、先ほど局長の方から御答弁を申し上げましたように、本年の十月には、これまで貸し出しまでの期間が一カ月か二カ月ございましたのを一カ月に短縮する、それとともに年金額の全額を停止しないで半分ぐらいの選択制にする、こういうような仕組みを導入いたしましてお年寄りの資金のニーズに適切に対応していきたい、このように考えているような次第でございます。
○沢たまき君 どうぞよろしくお願いいたします。 ちょっと早く終わりますが、これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○井上美代君 日本共産党の井上美代でございます。 私は、きょうは保育所の問題をちょっと最初に質問させていただいて、その後、児童扶養手当の問題について質問させていただきます。 新エンゼルプランが出ているんですけれども、少子化対策として女性たちが求めるものというのは、何といっても保育所の拡充なんです。そして、働きやすい職場環境、経済的な負担の軽減、ここが挙がっております。女性たちは、安心して預けられる、我が子が集団の中で限りない発達の可能性を保障されるようなそういう保育所、質と量ともに拡充された保育所をもう本当に切実に求めております。 少子化の中で親の子育てを支え、そして子供たちが子供たち同士の集団をつくって、そして以前にも増して、今そういう保育所が非常に欲しいということで、働く女性たちがふえておりますので、そのことはもうどこへ行っても話が出てまいります。 新エンゼルプランの目標値では、平成十六年、二〇〇四年までですけれども、ゼロ歳児、一歳児、二歳児の低年齢児の受け入れの拡大ということを出してありまして、現行の五十八万人を六十八万人にするというふうになっております。六十八万人というのは、ゼロ歳児、そして一、二歳児、この合計の三百六十万人、言ってみればこの全児童の一九%にしかならないわけです。現在の三歳児、四歳児、五歳児はもうちょっと多いということになるわけなんですけれども、私は、まず最初に数字を確認したいというふうに思います。 保育所に入所しております三歳、四歳、五歳の児童数、これ年齢ごとに全児童に占める割合がどうなっているかということを聞きたいのですが、よろしくお願いします。
○政府参考人(真野章君) 三歳児でございますが、推計で百十七万五千人おられると思われますけれども、保育所に入所されている方が三十九万六千七百十四人、これは平成十一年四月一日現在でございます。率として三三・八%でございます。 四、五歳はちょっと年齢別に分かれておりませんで、両方合わせてで大変恐縮ですが、四、五歳合わせまして二百三十七万七千人でございますが、保育所入所児童が八十三万六千四百四人ということで、三五・二%ということでございます。
○井上美代君 今この数字が出てまいりましたけれども、四歳児以上は幼稚園にも行っているんです。それも入れれば七割以上の子供が保育所や幼稚園に行っていることになります。低年齢児においても目標を大幅に引き上げていくということが必要だと思うんです、低年齢児がおくれておりますので。 六十八万人というのは、言ってみれば子供たちのたった二割にしかすぎないんですけれども、これをやはりエンゼルプランで引き上げてほしいというふうに思っているんですけれども、この六十八万人というのは最終目標というふうに見なければいけないのでしょうか。私は、目標自身が低過ぎるというふうに思うんです。 それで、六十八万人は二〇〇四年までになっているんですけれども、これを待たずして一気にやる必要があるのではないかというふうに思っております。少子化対策として一番多く望んでいるのが保育所の拡充なんです、先ほど申し上げましたように。だから、せめて児童数の三、四割程度、百万人とか百四十万人の規模を目標値に据えてもらえないだろうかというふうに思うんですけれども、大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 新エンゼルプランにおきます、特に需要の多い低年齢児、ゼロ歳から二歳児の受け入れ枠を五年間で五十八万人から六十八万人にふやすことにいたしておりますが、この目標値は、近年の保育所の入所児童数及び待機児童数、こういったような推移から推計を行ったものでございます。 したがいまして、保育所に入所する要件に当てはまりまして、そして保育所に入所を希望する児童のすべての方々が入所しても十分に対応できるような水準として掲げたものでございます。
○井上美代君 私はついこの間の質問でも申し上げたんですけれども、女性たちの潜在有業者数というのは政府が考えておられるよりも数字で出ているのが非常に高いんです。それはこの間も申し上げたとおりです。特に二十歳から三十歳代の子育て期間中の女性たちがこの間お配りしましたあの資料で八五%前後あったと思います。 このことは、やはり女性たちが子供を本当に安心して預かってもらえるところがない、だから仕事になかなか出ていけないということがあります。若いお母さんたちがそういう不安を持ちながら自宅で一人で育てながら、働きたいと思いながら働けないでいるのがあります。そのほかにも、三歳児神話というふうに私たち女性の中では言われているんですけれども、何しろ母の手で育てよと、三歳児になるまではということがありまして、そして保育所に預けると何か育児放棄のように言われたりもするわけです。 だから、こういう問題についてもきちんとしていかなければいけないというふうに思いますけれども、女性たちの間から出てきている要求というのが保育所の役割、これをやはり非常に強く求めておりますので、その点でいずれ新エンゼルプランについては私は質問をさせていただきたいというふうに思っておりますが、きょうはこれだけのことになるんですけれども、ぜひよろしくお願いしたいというふうに思います。 次に、私は児童扶養手当のことを質問させていただきたいというふうに思います。 この児童扶養手当は、平成十年八月ですけれども改正をされまして、支給停止の本人所得を、子供一人扶養の場合の例をとるんですけれども、一つ一つ挙げられませんので、一人扶養の場合に収入が四百七万八千円から三百万円にぐっと落とされたんです。これは引き算をすると百七万八千円落とされました。そして、扶養の義務者、例えば親とか兄弟ですが、この所得制限が一人扶養の場合には収入で八百五十一万七千円から四百十万円に半分に落とされたんです。引き算をしますと四百四十一万円引き下げられました。 〔委員長退席、理事山崎正昭君着席〕 この改正で、本人の所得制限による支給停止者数というのがあるんですけれども、まず本人の所得制限で何人の停止者が出たのか。そしてもう一つは扶養義務者、いわゆる親が離婚してきた娘と一緒に暮らしているとかというのがあるんですが、その扶養義務者の所得制限によって何人停止をさせられたのかというところを聞きたいです。そしてそれによって一体予算がどのぐらい削減されたのか、することができたのかというのを聞きたいと思います。よろしくお願いします。
○政府参考人(真野章君) 平成十年の十二月末日に現況届を提出した者で先生御指摘の十年八月の所得制限の見直しによりまして支給停止された者でございますが、本人所得制限では二万九千七百九十九人、扶養義務者所得制限では三万七百九十五人、両方合わせまして六万五百九十四人というふうに計算をいたしております。これによります国庫負担の影響額でございますが、満年度ベースでは約二百億というふうに計算をいたしております。
○井上美代君 今御答弁くださいましたように、六万以上の子供たちがこれで母子家庭の児童扶養手当の支給を停止されました。そしてその予算は年間で二百億削減をしたということです。私は女性ですので、これだけ聞いただけでも本当に怒りがわいてくるような、そんな思いです。母子家庭は非常にやっぱり大変です。 私はここに視力障害もある和歌山市の女性の手紙を持っています。その手紙によりますと、我が家は小学生三人がいる母子家庭、現在児童扶養手当を受給しています。今年度初め、世帯の上限が三分の二程度まで引き下げられ、私も打ち切られるかとはらはらしましたけれども、支給停止は免れました。児童扶養手当の受給を条件としてさまざまなサービスを受けているので、もし受けられなくなると大変な痛手です。まず、就学援助、学用品費、それから校外学習費、給食費、医療費給付、この冬は延べ八回小児科の病院へお世話になりました。自己負担分を支払うとなるとこれは大変なことです。そのほか福祉定期預金などにも影響します。もし児童扶養手当が支給停止になったら、自分の場合は七万から九万円ほどの負担増となり、まさに死活問題ですとこの方は訴えておられます。 所得制限が大幅切り下げになって、結局児童扶養手当を停止されたというだけではなくて、認定によって、そのほかJRの通勤定期の特別割引とか、地域振興券だとか、一人親の家庭医療費の助成とか各種のいろんな助成、支援があるんです。これらが認定によって切られてしまうということです。岡山の人の例ですけれども、年間で四十六万円の損害を受けたと、こういうふうに言っておられます。だから、実態というのは本当に大変だというふうに思います。 〔理事山崎正昭君退席、委員長着席〕 そのことを訴えまして、十一の東京や大阪など大都市の児童福祉主管課長会議というのが開かれまして、この方たちは厚生省に要望を上げておられるんです。「平成十一年度国の施策及び予算に関する要望」というのを上げておられます。その中に、「平成十年八月より、所得制限限度額が大幅に引き下げられたことにより、手当の対象外となる世帯は、同手当が支給されなくなることに加え、児童扶養手当受給者を対象とした他の施策も受けられなくなるなど、母子家庭への経済的影響が大きい。 ついては、本制度の趣旨・目的である母子家庭等の自立支援という法の趣旨を踏まえて、所得制限限度額を大幅に改定されたい。」という、こういう要望書なんです。これを十一大県の児童福祉の主管会議が厚生省に上げておられます。そしてこれは平成十二年も継続して上げているということなんです。 私は大臣にお聞きしたいんですけれども、母子家庭の状況というのをどういうふうに認識されているかということと、そして児童扶養手当をやはり検討する必要があるのではないか、検討し直す必要があるのではないか、こういうふうに思っているのですけれども、大臣、どのようにお考えになるでしょうか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) まず、離婚をなさって子供さんをさまざまの障害といいますか、難しい条件の中で育てていらっしゃる方は、大変私どもが想像する以上に厳しい状況ではないかなと、このように考えているような次第でございます。先ほどのお手紙も拝聴いたしまして、その思いを一層強くしたような次第でございます。 この児童扶養手当でございますが、従来から、手当の受給者のうち離婚世帯が制度創設の当時から大変ふえてまいりまして、今四割から九割に増加しておりまして、これで給付費総額も拡大する状況がございます。 そういう中で、いわゆる母子世帯の経済的支援でございますが、いろいろな議論があるところでございますが、別れた夫が本来ならば養育費として支払うべきで、児童扶養手当がその肩がわりすることに対する疑問が出されております。 それからもう一つの面でございますが、子育て支援という観点から見ますると、同じ所得水準でも母子世帯のみ手当を支給することはほかの世帯と比較して不公平ではないか、こういうような指摘があることも事実でございます。 そこで、先ほど来御議論いただいております平成十年八月の児童扶養手当の所得制限の見直しにつきましては、こういうようないろいろなさまざまな御議論がある中、中央児童福祉審議会などの提言を踏まえて行ったものだと、こういうような経緯でございます。
○井上美代君 母子家庭を支援するのが不公平だということがこのたびの改正の要因になったということはちょっと納得いきませんけれども、時間をそうたくさんはきょういただいておりませんので、先へ行きます。 もう一つ問題があるんです。それは扶養義務者という、いわゆる親や兄弟と同居しているということがあります。これも私、お手紙をもらっていて、もうこの現場というのがどんなに大変かということを思っているんですが、やはり離婚したとかなれば親は一緒に暮らして支え合って困難を乗り越えていこうというのが普通だというふうに思うんですけれども、児童扶養手当を受給するにはいろいろきちんとした書類などが要るんです。 そこで、親などと生計が同一でないということを証明しなければいけないというのがあります。ここでお手紙をもらった人は切られてしまったんですけれども、厚生省が生計同一というときに同一でないということを証明しなきゃいけないんですけれども、生計同一というのをどのようにお考えになっているのかということをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(真野章君) 生計同一ということにつきましては、母と扶養義務者などとの生活に一体性があるということを念頭に置いておりまして、具体的には収入及び支出、すなわち消費生活上の家計が同一であるということが一応の基準というふうに考えております。 この生計同一を判断するときに、原則的には同居をしておれば生計同一というふうに考えられますけれども、同居していても生計を異にする客観的な証明がある場合には生計同一関係にないというふうに解釈をいたしております。
○井上美代君 やはり今都道府県のところでは混乱をしておりまして、家の玄関が別であるとか炊事場が別だとかいって非常に厳しい県があるんです。結局、玄関が二つになっていないから受けられないというようなのも出てきているわけです。今アパートなどの形式を見ましたときには、玄関はやっぱり一つで、トイレというのは共有になっているということが非常に多いんです。だから、そういう意味で形式的になってはいけないし、機械的になってもいけないというふうに思うんです。 そうしますと、そういうふうになると矛盾を起こしますし、混乱を起こします。だから、今言われました、私は、同居していても消費生活が個別であるということが明らかであれば、それを基準にして都道府県が実態をよく見て総合的に判断すればいいということだというふうに理解しているんですけれども、そういうことで大臣、よろしいんでしょうか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 母と扶養義務者が同居している場合でございますが、今、局長からも答弁がございましたけれども、原則として生計が同一であるということが考えられますが、生計を異にするという客観的な証明がございますならば、都道府県知事が実態に即しまして総合的に判断して生計を異にする世帯として扱う、このように考えているような次第でございます。
○井上美代君 今、大臣から、私が申し上げたのでいいようですので、そこを確認させていただきまして次に進みたいと思います。 私は、時間を気にしながらですが、もう質問したいのがいっぱいあるものですから時間が足りないんです。 それで、何しろ、今回のがたっと落ちたというんでしょうか、もう大変動が起きているものですから、非常に現場は混乱をしております。そして、既に都道府県に異議申し立ては二百十一件も起きているんです。そして、厚生省にも不服審査請求というのが出ているというふうに思います。この数が十一件だということなんですけれども、この十一件という厚生省に出てきている不服審査請求がなかなか申請者の聞き取りができないままに延びてきているんです。 これは異議申し立てしている人は急に本当に所得制限は落ちるし、もういろんな影響が大きくて不服審査を申し出ているんです。だから、厚生省がここはきちんと事情を聞いて交通整理をしなければいけない。そして、母子家庭は本当に苦しい中でやっておりますので、厚生省までおいでと言ったってそう簡単には来れないというふうに思うんです。どこに何人いらっしゃるかというのを聞いてみますと、岡山に四人、青森に三人とかといって固まっているところもあるんです。だから、厚生省が事情を考慮しながら、全部を行くということはできないかもしれないけれども、せめて、例えば岡山に岡山近くの人を集めて事情を聞いて交通整理してあげる、道を開いてあげるということが必要なのではないか。これは大臣がどのように思われるかということで実行ができるかどうかというふうにかかっておりますので、大臣に御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 児童扶養手当に関する審査請求でございますが、審査請求人などから例えば口頭で意見陳述を行いたい、こういうような申し立てがございました場合には、口頭意見陳述の機会を設けて直接申し立てを聞くことによりまして審査請求に対する公正な審理を図っているところでございます。 今委員から御指摘がございました問題でございますが、この口頭意見陳述の場所の設定でございますが、すべての審査請求に対して公平に対応するため原則として厚生省で行うことにしておりますが、例えば申立人の方が体が不自由であるとか、それから老齢などの特別な事情がある場合には申立人の希望地まで行くなど十分に配慮しているところでございます。
○井上美代君 私は、今事情を言われたんですけれども、非常に厳しい母子家庭ですので、今十一件ありますのをもう一回見直して検討してもらって、そして工夫はいろいろあると思うんです。先ほど私は、私が思いついているのは、そこへ行って集めて、そしてそこでもう一遍に片づいていくわけですから、そういう工夫もしながら力を出してほしいというふうに思います。それを答弁いただいて、私の質問を終わります。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 御質問の趣旨を十分に今後内部で検討したいと思っています。
○井上美代君 ありがとうございます。
○清水澄子君 社会民主党の清水澄子です。 まず大臣に、女性の性と生殖に関する健康と権利、つまりリプロダクティブヘルス・ライツがなぜ女性の人権というふうに言われているのか、またそれが人権でなければ人権として扱うべきだというふうにされているのか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) リプロダクティブヘルス・ライツという概念は、子供を産む産まない、産むとすればいつ何人を産むのかと、こういう女性が自己決定をする権利を中心的な課題として、広く女性の生涯にわたる健康の確立を目指すものでございます。平成六年にカイロにおいて開催されました国際人口・開発会議において提唱されて以来、男女共同参画を図るという観点からその重要性が国際的に認識されていると承知をいたしております。 女性の方々が妊娠、出産期のみならず、思春期、更年期など生涯を通じまして男性とは異なる健康上の問題に直面し、心身や生活の状況が変化し得るため、こうした女性特有の問題を踏まえまして、女性の生涯を通じた健康支援を行っていくことが重要である、このように考えているような次第でございます。
○清水澄子君 先日は難しくてわからないとおっしゃったのが、きょうは随分勉強していただいて明確にお答えいただきました。 そうしますと、本当は母子保健というのは妊産婦と乳幼児にしか関係ないわけですね。ところが、ライフサイクル、生涯を通しての女性のリプロダクティブヘルス・ライツというのは、女性は一生産まない選択をする人もあるし産みたいという人もいるわけですから、そういうふうな視点で厚生省が生涯を通じた女性の健康支援事業というのを今やっておられるのだとすると、内容が今おっしゃった考え方と非常に矛盾が多いわけです。 私もきょう十五分しかありませんのでいろいろお聞きできないんですが、一つは生涯を通じた女性の健康支援事業の二〇〇〇年度予算は一億二千万円と非常に微々たる増額なんですけれども、ところがその重点は不妊治療に置かれているわけです。むしろ、すべての生涯にわたる女性というのは各年齢層、ところが不妊治療というのは一定の年齢層になりますね。それらがどうしてここでは、そういう意味でも、対象者数から見てもこの両方の相談センターが二十四カ所ずつと、非常に公平に見えますけれども、対象の数から見たら非常にバランスを欠いている。この点はなぜかということ。 それから、もう一つ続けて聞きたいのは、ことしの平成十二年度の母子保健関係予算の主な事業の中に、妊産婦、乳幼児等の健康管理の推進という大きな項目の中に生涯を通じた女性の健康支援事業が入るわけですね。何か妊産婦、乳幼児の中にその女性の生涯を通じた健康支援事業があって、そしてそれも不妊症及びそれらに伴う健康障害なんて、まるで不妊の人に健康障害というふうな表現を使っているんですが、私はこれは障害と呼ぶのかどうかわかりませんけれども。そして、しかもその中の不妊専門相談センターの整備予算は新エンゼルプランの計上事業になっているんですね。何か女性の体というのか、まだ生まれる前の問題が全部エンゼルプランの中に入ったり、何か妊産婦・乳幼児対策の中に入ったり、もうこれは今大臣がおっしゃってくださったリプロダクティブヘルス・ライツの考え方とは全然矛盾すると思うんですが、その点いかがなんでしょうか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 生涯を通じた女性の健康施策に関する研究会、これが女性の皆さん方のさまざまな健康のあり方について議論をいただきまして、昨年の七月に報告書をいただきました。これを踏まえまして平成十二年度の予算案におきましては、一つは保健婦などに対するリプロダクティブヘルスの研修の実施であるとか、それから周産期医療ネットワークの整備、さらに産後の体調不良のある家庭へのヘルパーの派遣を盛り込むなどさまざまな事業を総合的に展開していくことにいたしております。 委員が御指摘の生涯を通じた女性の健康支援事業につきましては、女性の生涯を通じた健康管理のための健康教育やその相談、さらに不妊に悩む夫婦に対する不妊専門相談、こういうところを柱にいたしておるところでございますが、この事業につきましては平成十二年度の予算案におきましてはどちらの事業につきましても全国で二十四カ所で事業が実施できるように予算を組んだところでございますし、予算額が不妊専門相談が多いというのは、この事業が専門医などによって行われていることから一カ所当たりの事業費が高くなっていること、こういうふうに私どもは考えております。 いずれにいたしましても、女性の健康支援は御指摘のように不妊に重点が置かれているということではございません。生涯を通じて総合的に女性の健康というものをこれから進展させていかなければならない、こう考えているような次第でございます。
○清水澄子君 また次のときに矛盾をお聞きしますけれども、その次に、やはり健康日本21の母子保健版ですけれども、健やか親子21の主要課題は、その中にリプロダクティブヘルス・ライツは「少子化対策としての位置づけが近年急速に普及しており、」と書いてあるんですけれども、いつどこでリプロダクティブヘルス・ライツが少子化対策として位置づけが行われたんでしょうか。どこでこれが、政策的根拠、理論的根拠をどこで変更があったんでしょうか、お聞かせください。
○政府参考人(真野章君) 先生御指摘の点は、健やか親子21の議論のたたき台ということで二月三日の第一回検討会に提出をしたものでございます。そこの記述は「二 安全で快適な妊娠・出産の確保と不妊への支援」で「問題認識と取り組みの方向性」というところでございまして、実はその前段がございまして、前段といいますか後段がございまして、「「女性の性と生殖に関する健康・権利」の観念」、実はそこで切れるのでございまして、「及び「安全で安心して出産できる環境の実現」という少子化対策としての位置づけ」ということでございまして、かぎ括弧の後段の「安全で安心して出産できる環境の実現」というのが少子化対策としての位置づけだということでございまして、私どももそういう趣旨で提出をさせていただいたものでございますが、御指摘のとおり、観念が少子化対策としての位置づけというふうに表現的には受け取られかねない表現でございまして、これはたたき台ということで議論をいただくわけでございますが、そこはそういうことできちんと委員の先生方にも御説明を申し上げたいというふうに思っております。
○清水澄子君 たたき台に間違ったことを書かれたら困ります。ぜひそこは明確に、少子化対策じゃないんですよ、リプロダクティブヘルス・ライツというのは。女性の人権の問題ですから、それはきちんと整理した上で、その中で妊娠とか出産にかかわる部分でこちらの中に入るものはあるでしょう。ただリプロダクティブヘルス・ライツと書いておけばいいというんじゃだめですから、ぜひその点、また次のときに質問いたしますが、そこは明確に整理をしていただきたいと思います。 次に、私は生活保護行政と幼女の凍死事件についてお尋ねしたいんですけれども、二月八日に宇都宮市で、二十九歳の若い母親に育てられていた幼い二歳の娘が寒さで凍死したと。ああいう事件は本当に私もどきっとしたわけです。 こういう悲劇が起きる前に、もっと福祉の窓口がこの親子の悲惨な状態に気づく機会は何回かあったと思うわけです。しかし、報道によれば、彼女が児童手当を申請に行ったときに、銀行の口座は何番かと聞かれて即答できなかった、そのままになったと。その結果、約半年おくれて児童手当の支給が決まったけれども、そのときは子供が死んでしまってからだというわけなんです。 この申請の時点でもう一歩突っ込んだ福祉の手を差し伸べる余地はなかったのかという点で、今、井上議員も言っていましたけれども、このごろ福祉の窓口が、書類の完備の方に関心が強くて、そこで生きている人の日常の生活の中にもっとやはり人間的な対応をすべきだと思うんですが、現行の福祉システムの中にそういう人間的な配慮が非常に欠落しているんじゃないか。 そういう点で、厚生大臣は福祉行政を担当しておられる大臣としてどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) まず、今回の宇都宮におきます事件はまことに痛ましい事件でございます。最低生活を保障する生活保護による援助が結果として最も援助を必要とする家庭に届かなかったことは大変遺憾に思っておるような次第でございます。 生活保護を初め社会福祉制度につきましては、たとえ本人が詳しい福祉の仕組みを知らなかったとしましても、地域全体で困窮している方々を見守り、必要な支援が行われることが何よりも大切だ、こう考えているような次第でございます。 厚生省といたしましては、生活保護など社会福祉制度の周知徹底であるとか、さらに生活保護部門におきまして、これを教訓にいたしまして、関係方面と幅広く連携がとれるように一層の努力を払っていきたいと思っております。 同時に、住民の皆さん方がみんなでお互いに助け合って支え合っていくということが極めて重要である、このように理解を深めていきたい、このように考えているような次第でございます。
○清水澄子君 ちょっと飛ばしますが、厚生省は一九八一年の十一月に、厚生省の保護課長の名前と監査指導課長の名前で生活保護の適正化通知というのを出しましたね。それは保護申請のときにとても厳格に進めていくことになっています。それは、一方では不正受給防止をうたっているわけで、それも大事な側面はあったんですけれども、当時も現場レベルからは、これは保護抑制につながるんだという大変な懸念があったわけです。 しかし、これは功を奏しまして、生活保護を受ける人は非常に縮小されてきているわけですけれども、最近少しふえている点もあるんですが、実態はどうなっているか、世帯の類型別に見るとどうなのか、お答えいただきたい。
○政府参考人(炭谷茂君) 被保護世帯数のまず全体的な状況ですけれども、六十年以降減少してきたところでございますが、先生御指摘のように平成六年度以降ここ五年間において増加を続けております。 そこで、この五年間の動向を世帯類型別に見ました場合、高齢者世帯、疾病・障害者世帯については増加を続けておりますが、母子世帯については、平成八年度までは減少をしておりましたけれども、それ以降は増加に転じております。 なお、世帯類型別に保護率の推移を見ました場合、高齢者世帯についてはおおむね低下傾向にございますが、母子世帯については平成八年度を底としてそれ以降上昇の傾向にあるわけでございます。
○清水澄子君 さっきの生活保護の適正化通知のとき、最も大きな標的は母子世帯であったと思います。とりわけ、離別、生別の、生き別れですね、そういう母子世帯の対策が年々強められた、その効果がこの今の表、皆さんのところに渡しましたが、表でも、高齢者世帯は少し生活保護を受ける人がふえていますけれども、母子世帯はこの五年間でも一・七しかふえていない。ところが、さっき大臣も離婚する女性がふえてきたと言って、母子世帯がふえているにもかかわらず生活保護を受ける人はいない。このことは厚生省のこの適正化通知とも非常に私は関係があると思うわけです。 そこで、平成八年に総務庁行政監察局が生活保護に関する行政監察結果報告を出しているんですが、その中にも、近年、保護を受ける必要のある人が保護の内容を十分理解していなかったことによって保護を受けていないという例が多いということが指摘されていますし、もっと生活保護制度の周知を徹底すべきだと。生活保護の場合は必要に応じた職権による保護の的確な実施が求められている。つまり、プライバシーを言いわけにするのも、もうそういうことはできない、福祉行政はもっと町の中に出ていけというふうなことが出ているわけですが、それから四年たっております。 この間に厚生省は、どのように生活保護が国民の権利としてこれを受けることができるという周知、把握、教示、職権による保護をなさったか、そのことについて大臣のお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 御指摘のように、平成八年十二月に総務庁から出されました勧告におきまして、生活保護制度の周知徹底を図ることが求められておるわけでございます。 厚生省といたしましては、生活保護の実施要領におきまして、生活保護の申請者に対し受給要件や保護を受ける権利などについて十分に説明をして、そして適切に指導することを定めるとともに、生活保護の周知を図るための資料を作成し、備えつけるように求めてきております。 この勧告を受けまして、改めて民生委員との連携であるとか、あるいはほかの行政部局との連絡を十分にとることにより、生活困窮者に対する情報が福祉事務所の窓口につながる体制づくりの指導をしてきたところでございますが、先ほど来御指摘の宇都宮事件を教訓にいたしまして、改めて制度の周知や関係方面との連絡、連携の徹底を図ってまいりたい、このように考えております。
○清水澄子君 終わります。
○入澤肇君 私は、先ほど今井委員から非常に貴重なマクロ的な質問がございましたので、予算書に即して極めてミクロ的な質問をしたいと思います。 最初に、介護保険法の円滑な実施のための対策が計上されておりますけれども、低所得者の利用者負担の軽減対策といたしまして、当面三年間は三%の負担として、それも段階的に引き上げていく、平成十七年度から一〇%とする。何か朝三暮四のような政策を打ち出しているんですけれども、このような暫定的な軽減措置をとった理由、平成十七年度から一〇%とする理由は一体どういうわけですか。
○政府参考人(大塚義治君) 介護保険制度を導入いたします際に、保険料あるいは利用者負担のあり方、さまざまな御議論がございましたけれども、介護保険の一つの考え方といたしまして、これは他の各種保険制度もある意味では類似のものがございますけれども、サービスの利用、受益に応じました一種応益負担というものを一つの骨格として取り入れたわけでございます。したがいまして、原則的には各種のサービスにつきまして一割の負担をお願いしようということでございます。 ただ、一方で低所得者の方の実態もございますので、保険料の面、あるいは高額介護サービス費の自己負担限度額の面、あるいはこれらは施設のサービスでございますが、食費の標準負担額につきましては一般より低く設定する、こういうことで制度が仕組まれておるわけでございます。 ただ、現実問題といたしまして、現在、法施行前の段階ではホームヘルプサービスを受けておられる方のかなりの部分がいわゆる低所得者に属する方々でございまして、現在の福祉サービスの体系の中では実質上利用者負担がない方々が多うございます。そういたしますと、先ほどの介護保険制度の基本的な考え方に即しましても、急激な負担増ということが生じますので、激変緩和の観点から、平成十二年度予算案におきまして、経過的な措置ということで当面、三年間でございますけれども、三%程度、これはサービス量が現行よりも相当ふえるということもございますので、三%程度の負担はお願いし、徐々に本来の仕組みでございます一割負担をお願いするようにいたしたい、こういうことで経過的な措置といたしたわけでございます。
○入澤肇君 こういうのは、十七年になれば低所得者の所得が上がっているかどうかわからない。また延長するとなるわけですね。しかも三からいきなり一〇に行くわけでしょう。ですから、相当注意して割引率などは考えて対策を打ち出すことが必要じゃないかと私は思います。 その次に、二番目の質問といたしまして、ホームレスに対する自立支援対策として八・九億円の予算が計上されております。これは、ホームレスに対して厚生省としてはどのような考え方で臨んでいくのか。 私も川崎に住んでいまして、川崎の駅前はホームレスでいっぱいです。それから、私の団地の隣の公道にテントを張ってホームレスの夫婦が住んでいまして、この間民生委員の方に追い出されました。それから、この間の寒さで付近の公園で亡くなった方もおります。 自立支援を徹底してやるのか、ほうっておくのか、公共の利益、福祉との関係はどうなのかということについて、基本的な考え方をお聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(炭谷茂君) ホームレスの対策につきましては、基本的には、私どもはまず自立支援を基本に考えているわけでございます。 実際にホームレスの方々の状況を実態調査してみますと、七、八割の方はできれば仕事を持って通常の生活をしたいという意欲を持っていらっしゃいますので、そのような意欲のある人に対して就労を支援していくということが基本だと考えております。ただ、残りの一割ぐらいの方はやはり高齢とか、また疾病を持っていらっしゃるという方々についてはしかるべき福祉施設、病院等に入っていただくとか、また一割の方は残念ながら社会生活そのものを拒絶するというようなタイプ別になっており、それに応じた対応が必要ではないかなというふうに思っております。 したがいまして、平成十二年度から実施いたしますホームレス自立支援事業は、就労意欲のある方々に対しまして、一定期間自立支援センターに宿泊していただきまして、健康診断、生活相談、指導などを行い、就労意欲を助長し、仕事に結びつけていくということを基本に考えているわけでございます。
○入澤肇君 人権の問題があるからということで、なかなか手の出しにくい分野かもしれませんけれども、私は、一定の期間徹底して事情を聞いて、そして居住すべき場所を与える。この豊かな、世界第二の経済大国、借金は抱えていますけれども、しかし実態は世界第二の経済大国と言っているわけですね。そういう中でホームレスがどんどんふえている。不衛生です。危険きわまりない。ですから、きちんとした対応を及び腰じゃなくて真剣にとることが必要じゃないかと思います。 それから三つ目は、新聞を見ますと相次ぐ医療ミスの記事が載っております。医療ミスについて原因をどのように把握しているのか、それからどのようにこれから対応しようとしているのかについてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 最近、病院で医療ミスが大変続出しております。目についておるわけでございまして、私も医療担当の責任者の一人として大変憂慮すべき事態と考えております。 医療事故を防止するには、まず職員の皆様方一人一人がやはり患者を預かっているという意識を常に忘れずに、安全に十分配慮して医療に従事していただくことが重要でありまして、研修などによって職員一人一人の資質の向上を図ることが非常に有効だと思います。 この間私のところにある医師が訪ねてまいりまして、とにかく自分の家族と同じような気持ちでほかの患者さんにもつき合うことが一番の医療ミスをなくすことだということをおっしゃっていました。 また、高度に複雑化いたしました現代医療におきまして、このような職員個人の努力に依存をいたしました取り組みの中では限界がございますので、たとえ個人がミスを犯したといたしましても事故に発展させないような組織的な取り組みを進めていただくことが重要であると考えております。 私といたしましては、このような職員一人一人の取り組みやそれから組織的な取り組みが必ずしも十分ではないのではないかと考えております。できるだけ早い機会に医療関係団体にお集まりをいただきまして、私自身から直接積極的に取り組んでいただくよう働きかけを行いたいと思っております。 さらに、厚生省といたしましては、医薬品の容器などについて医療ミスを起こしにくいものに改めるシステムを構築するとともに、国立病院・療養所向けの具体的な事故防止マニュアルを作成することにいたしております。 実は、これは昨年厚生省がつくった患者誤認事故防止方策に関する検討会報告書ということでありまして、これをきちっと守っていただければこういうことがないわけでございます。 要は実効性でございますので、その辺を含めまして、十分な意見交換をしながら、国民の皆さん方からこういうような医療機関に対する不信感をこれ以上増幅しないように努めていきたいと思っているような次第でございます。
○入澤肇君 ぜひ、カルテの公開の問題、あるいはそのほかの情報公開の問題につきまして、医師会等もいろいろと言っていますけれども、医療ミスが続発している中でそういうふうなことを医師会が言っても、これはなかなか説得力のある主張にならないわけですね。ですから、行政当局として強力な指導をやっていただきたいと思います。 それからその次に、免疫・アレルギー対策として百一億円計上されております。 これにつきましては、民間療法もかなりいろんなところでやっていまして、効くの効かないのという話がございます。私の知っている人も、これは民間の療法が非常によく効いた例でございますけれども、別の人に聞きますと、いや、あそこに行ったらだめだとかという話もあります。 年々年を経るごとにアトピーだとかアレルギーの患者がふえている。この原因についてもっと徹底的に究明をして、そしてここに行ったら十分な対応策が示唆されるというふうなセンター的なものをもっと強化すべきじゃないか。今、相模原に免疫・アレルギーセンターができましたけれども、まだ私は十分な活動がなされているとは思えません。あそこをもっと強力なものにして、そしてそこに何でも相談に行けば一応の処方せんが示されるというふうな対策をとってもらえないでしょうか。
○政府参考人(篠崎英夫君) 今、先生おっしゃったように、アレルギー疾患を有する患者さんは成人の約二二%、小児の三五%と言われておりまして、今や放置できない大変重要な問題であるというふうに認識をいたしておりますが、現在のところ、原因や治療法に根本的な解決を見出すことができないという大変難しい問題でございます。 このため、厚生省におきましては、厚生科学研究費補助金で免疫・アレルギー疾患の民間療法の科学的な評価研究に今取り組んでいるところでございます。先生からの公的機関の関与のことでございますが、平成十二年度以降は、さらに免疫・アレルギー研究を推進してまいりますとともに、これらの研究成果の全国的な普及を図るために、今御指摘のありました相模原病院を含め、国立病院を含めた医療機関、研究機関などによる連携体制の構築を図るなどいたしまして、免疫・アレルギー対策の一層の推進に努めてまいりたいと考えております。
○入澤肇君 もう一つ、これは一般論として、応用問題として聞いていただきたいんですけれども、薬物対策で二十九億円計上されている。昨年からことしにかけての麻薬の押収量、これは史上最高。幾ら押収しても押収しても末端価格が下がらない。ということは、よほど押収した量以上のものが国内に入っているんじゃないかというふうに言われております。 麻薬について、特に低年齢化、麻薬の被害を受ける年齢が中学生の方まで下がっているという話がございます。小中高校において、これは必須科目として麻薬の問題点、これを教えるような仕組みを文部省の方に強力に申し入れてもらえないでしょうか。特に健康日本21、これで運動を起こしているわけですから、基礎的な健康管理事項の中で麻薬、薬物の問題を学校で必須科目として教える、小中高校において、特に専門家を派遣して教えるというふうなことを厚生省として文部省と連携をとってやっていただけないでしょうか。これは政務次官、どうですか。
○政務次官(大野由利子君) 委員御指摘のように、学校教育の中でも力を入れていこうということで、そういう方向で今取り組むことにしております。
○入澤肇君 キャラバンカーとかいろんなことをやっているんですけれども、私は教育の面での取り組み方が不十分じゃないかと思っているんです。 現に、私の近所にいる子供たちに聞いても、学校で教えてもらっているかといったら、全然聞いてないと。ですから、必須科目として、例えば高等学校なんというのは、こんなのは、これをとらなきゃ単位やらないよというぐらいの気持ちで取り組んでもらいたい。ぜひ強力に文部省に申し入れていただきたいと思います。 終わります。
○堂本暁子君 私はきょう、二〇〇〇年からの十年、骨と関節の十年という国際キャンペーンが始まっているということで質問させていただきます。 二月二十五日に衆議院の厚生委員会で、きょうおいでいただいていますけれども、桧田議員の御質問に続いてということで、衆議院から参議院へとリレーをしたいと思っております。 大臣も御存じのように、医療協のときは専ら私は車いすに乗っておりまして、いかに歩けないということが苦しいことか、それから不便というだけではなくて周りにいっぱい迷惑をかけるということも体験いたしました。若いときにはスキーで骨折したこともございますし、いろいろございますけれども、生活習慣病対策などに比べると、行動するために必要不可欠な骨とか関節についての研究あるいは医療福祉政策の展開がないがしろにされてきたんではないか。これは衆議院の議事録を読ませていただいてはっと思ったことで、自分で体験していながらそういう視点を実は余り持たないでおりました。 しかし、やはりこれは、六十五歳以上の慢性疾患の五〇%、これ世界の統計ですけれども、大変なことだと思います。そういう骨格に関しての疾患がふえているということで、日本もいち早く積極的な政策展開、それから研究、それから啓蒙活動を行うべきだと思いますが、具体的な御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) かつて委員も車いすで、私自身がその車いすを押させていただいたことを明確に覚えております。 この骨・関節の疾患は、例えば骨粗鬆症や大腿骨骨折のように、高齢期におきます寝たきりの原因や日常生活上の制約をもたらすものでございます。これらの疾患の予防や治療を推進していくことが何よりも大切だ、こう考えております。 先ごろ、スウェーデンの学者が提唱いたしましてWHOの支援を受けまして、二〇〇〇年から二〇一〇年までを骨と関節の十年、これは桧田委員からもございましたけれども、これらの疾患につきましての研究開発を推進していくための国際キャンペーンが開始されたものと承知いたしております。 厚生省といたしましては、こうした動きに呼応して、厚生科学総合研究補助金におきまして、骨・関節分野の研究を新たに重点課題として位置づけたところでございます。その積極的な推進を図ることを通じまして、骨・関節の疾患に関する国際的な研究活動に貢献できるよう努めてまいりたいと思います。
○堂本暁子君 本当に緒についたところだと思いますけれども、整形外科の先生たちに伺うと、若いときに体内の最大骨量、骨密度を上げておかないと、年をとってから何とか強い骨にしようと思っても遅いのだと。しかも、私の友達のドクターがやっている調査では、もう今、男女の別なくダイエットをして、二十代、三十代でもう六十代の骨密度になっている若い人が多くなってきたというか、全部じゃないにしても何人かそういう子供たちが出てきているということだそうです。 そのために、高齢者に関してだけではなく、骨の状態について科学的な分析あるいは情報の収集を十分にするべきだというふうに考えますが、そういった調査、データ収集についても力を入れていただきたいんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 委員御指摘のように、骨・関節疾患の予防は、高齢期における寝たきりの予防などを図る上で大変重要でございますし、若いときから生涯にわたる取り組みが重要であると考えております。 こうした予防活動を推進していくための調査研究の推進でございますが、大変重要な課題であると考えております。このため厚生省では、平成十二年度の予算におきまして、助成する研究の重点課題に新たにこの骨・関節分野を位置づけまして、その推進を図ることになっておるような次第でございます。
○堂本暁子君 次に、いかにそういった認識を若者たちに持ってもらうことが大事かということの啓蒙についても伺おうと思いましたが、その質問は飛ばさせていただきまして、次の質問に移りたいと思います。 何しろ運動機能の中核をなす骨や関節ですけれども、私自身もこれは経験したことですが、糖尿病や心臓あるいは肝臓の障害などで運動治療が大変必要なわけです。それから、運動療法の指導管理料といったようなものは保険適用が認められているんです。ところが、筋肉トレーニングあるいは可動域訓練、いわゆるストレッチですけれども、そういった骨・関節のための運動療法については保険料が認められていない。これだけ患者さんがふえているときに、そういった保険料が認められていないというのはもう大変なことだというふうに私は思っています。 この点について、ぜひ前向きの御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 医療保険制度にいわゆる予防的な行為を適用しよう、こういうような御趣旨だと思いますけれども……
○堂本暁子君 いいえ、それの前の質問です。それは次に質問をさせていただくつもりなんですが、いわゆる糖尿病とか心臓とか肝臓の運動治療、そういった運動療法についての指導監督料としては保険が適用されている。ところが、骨関節のための運動療法については保険料が認められていないということなんですが。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 失礼しました。項目が関連しておるものですから。そんなに差はないと思いますけれども。 要するに、骨折であるとか関節炎など、こういうようなトレーニングの予防行為について保険適用にならないか、こういうことでございます。 骨折や関節炎などの疾患につきましては、その発症にカルシウムの摂取が不足しているとか、それから運動不足などが関係しておりまして、その予防行為にいたしましても、疾患に関する普及啓発であるとか健康相談あるいは健康診査など、さまざまな取り組みがそれぞれ保険者であるとかあるいは市町村で実際に行われておるわけでございます。 したがいまして、こうした骨であるとか関節疾患に関する予防行為につきましては、その一部を保険給付に取り入れ、そのほかを保健事業として実施するということは、保険者や市町村が実態に即した、きめの細かな実施が可能な保健事業について引き続き実施していくことが適当でありますし、率直に申し上げて、保険の適用にはなかなかなじみにくい、こう考えております。
○堂本暁子君 多分次の質問と一緒に答えていただいたと思いますが、予防ということだけではなくて、むしろ治療の、質問要項の中に予防という字が書いてあったのでそういう答弁を、夜も遅かったことですし、夕べ書いてくださったんだと思いますが、むしろ質問の趣旨としては、私の場合もそうですけれども、ちょうどあれから三年近くたちますけれども、リハビリを今でも行っています。ほとんど完治に近い形になりましたけれども、もしこれを半年でやめていたらまた再発したかもしれない。 大変骨の病気というのは長くかかるし、リハビリも一年二年と長くかかります。その間保険が適用にならないと、ほとんどのお年寄りは、そういったリハビリを続けたくても自費なもので行かなくなっちゃうんです。そういうケースをいっぱい聞いています。ですから、例えば骨折で片足を折ると逆の足を折る高齢者が四九%というデータも知っています。そういうことになっているので、この質問はこれで終わらせていただきますけれども、やはり内臓の疾患と同じようにその後の治療についてもぜひとも保険を適用していただきたいというふうに思います。後で、また次回詳しくそのことは伺わせていただいた方がいいかと思います。 次の質問は、実は清水澄子さんがほとんど同じ質問をなさってしまったので私は飛ばさせていただきまして、局長がおられますけれども、一つだけぜひ伺いたいことがあります。それは、戦後五十年たちますが、終戦直後、昭和三十年の統計ですけれども、人工妊娠中絶、百十七万件行われていました。平成九年は三十三万七千件で、大体五分の一に減った。ところが、若い思春期の子供たちの方を見ますと、十代の場合には、三十年に三・四%、そしてそれが九年には七・九%と倍増しているんです。厚生省はこれをどういうふうに理解していらっしゃいますでしょうか。
○政府参考人(真野章君) 今の御指摘の母体保護統計、御指摘のとおりでございます。二十未満の人工妊娠中絶が増加している理由、これはなかなかいろんな御議論があろうかと思いますが、私ども、先生御承知のとおり、御議論いただいておりました、生涯を通じた女性の健康施策に関する研究会報告書によりますと、「初交年齢が低年齢化している一方で、十代の若者の間に、適切な避妊方法や人工妊娠中絶が心身に及ぼす影響等に関する知識が普及していないこと、女性が主体的に利用できる避妊方法がほとんどないこと等から、適切かつ継続的な避妊が行われていないことが原因として考えられる。」という御指摘をいただいておりまして、私どももそういうふうに考えております。
○堂本暁子君 先ほど大臣は言いにくいリプロダクティブというのをおっしゃってくださいまして、私は今回はもうリプロのリの字も使わないで質問をしようと決心していたんですが、少し概念がわかってくださったように思います。 もう質問ではなくて、お答えは全部清水さんの方になさったので、私としては最後に意見を申し上げたい。 それは、リプロというのは、生まれてから死ぬまで妊娠する性を持った女性の健康というのが何か別個にあるんじゃないんです。私たち毎日生きているわけです。今、局長もおっしゃったようなことも特別なことではなくて、昭和三十年から比べたら、今はもうメディアの中に、テレビだろうがラジオだろうがインターネットだろうが、もうすごい性情報がはんらんしているわけです。そういうものに若者がさらされている。 そして、学校へ行ったって、みんなテレクラ、もう今や大人の三十代の男性を子供たちが一緒に、もしかしたら女の子に男性が遊ばれているのかもしれないんですが、そういう時代で、今若い子供たちの望まない妊娠がふえています。これは一つの今の報告などで片づけられる問題ではない。 そして、しかもちゃんとした形での中絶をしない、あるいは十二週が過ぎてしまって中期の非常に危険な中絶をする。そうすると、本当に不妊になってしまったりするわけです。これは大変なことなんです。その数もこれだけ多い数があるということは大変な問題だというふうに思っています。今度、一たん環境を見たら、ダイオキシンが発生する。そうすると子宮内膜症がどんどんふえているわけです。幾何級数的に子宮内膜症はふえています。重い子宮内膜症になるとこれも不妊になってしまう。そういうふうにして、今度もう少しまたたつといろいろな形での……。 本当に避妊のサービスというのがないのが我が日本国です。なぜ中絶がこんなに多いか。それは避妊のサービス前に、寿産院事件などというのが戦後にあって、昭和二十三年に優生保護法というのは国会を一晩で通った国なんです。世界で先進国というか、ほとんど最初の国です。ですから、避妊より先に中絶が来てしまった。 これは女性にとっては大変に悲惨な歴史です。それまでは中絶は禁止されていましたから、ドクターたちはそういった技術を持っていなかった。引き揚げ船で帰ってきた日本の女性たちが妊娠していると、もしかしたらよその国の人の子供だろうといって、戦死した自分の夫の子供でもそこで中絶を強引にされたということの記録の本もあります。そして、どれだけの大勢の女たちが中絶のために命を失い、そして死んでいったことか。 しかし、そういった優生保護法がこの間改正されたときに、菅厚生大臣のときですけれども、ほかの改正、例えばハンセン氏病なんかでは厚生大臣は謝った。しかし、戦前から戦後にかけてこの一つの法律のために大勢の女が泣いたことに対して、厚生大臣は何一つ謝りもしなかった。そういう歴史、悲惨をしょっています、日本の女性は。これは外国の人には理解できない悲惨な歴史をしょって女性たちは生きてきたわけです。 今でも、であるがゆえに、リプロのリの字を言えばさっき研究とおっしゃいましたけれども、これはたった一千万の予算です、一千万。母子保健の予算は百九十七億です。それの中の一千万とは一体幾らになりますか。いつも、リプロと言えば、この間大臣もお答えになりましたけれども、研究をしているというようなことをおっしゃる。一千万の予算で、それだけの日本の人口の半分の女性たちが、南野先生もさっき質問なさいましたけれども、本当によその先進諸国から比べればもう比較できないほどの悲惨を味わっている。今も昔も同じです。戦前もそれから戦争直後も。そして現在も同じです。どれだけの若い女の子たちがそのために泣いているか。これはもう実際に中絶のその場に行ったら本当に目を背けます。だけれども、望まない妊娠をする前に何ら避妊のサービスを日本国は、クリニックがどこにありますか、外国だったら学校だろうが地域だろうがどこでも避妊のサービスをしている。それから、出産した後も必ず看護婦さんやドクターが避妊についての指導をするんです、日本ではそれもやっていない。やっている先生もいらっしゃるかもしれない、それは非常に例外的ないい先生たちです。 そういうことで、このリプロというのは一つの端っこのところにある、しかも中絶の対抗する概念のように日本ではなぜか受け取られてしまう。そうではないんです。だから、私はもうこの国ではリプロという言葉を使うまいと最近は思うようになった。そうではなくて、中絶と対抗概念としてのプロライフ、プロチョイスなる言い方をされるんですが、そういった対抗概念ではなくて、本当の意味での日本の人口の半分を占めている妊娠する性の健康というものを厚生行政としてきちっと位置づけてくださらない限り、本当に一人一人の女性は楽しく愉快に生きることができない。ましてをや、少子化はますます進むのはそういうことです。ですから、さっき清水さんがお示しになった、ここにリプロって言葉でここに書いてあることよりも、あらゆる厚生行政をそういった女性の健康の視点からもう一度洗い直す、そういった時代に今来ているということだと思います。 委員長、長いことありがとうございました。多分時間を過ごしておりますけれども、女の委員長なものですから、時間ですとおっしゃらないで与えてくださいました。どうもありがとうございました。
○西川きよし君 本日は、私の方からは児童虐待防止策に関連をして児童委員のあり方を、その前に国保組合について一点だけお伺いをいたしたいと思います。 二年前にも当委員会で国保のあり方について御質問をさせていただきました。現在の制度が公平なものになっているのかどうか疑問を感じているという質問をさせていただいたんですけれども、当時の高木保険局長の答弁の中で、「これは、正直申し上げまして、かなり政治的なバックグラウンドもありますから、」とおっしゃっていただきました。大変に私自身も印象に残っております。 厚生省では、来年度よりこの国保組合に対する補助金の見直しを行うことを決めたというふうにお伺いしておりますが、ここではどういった政策判断を行われたのか、まず厚生大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 同じような種類の事業または業務に従事する者で構成されております国民健康保険組合につきましては、給付率も独自に決定するなど自主的な活動が行われているわけでございます。 この国庫補助につきましては、給付率の高い組合とそれから給付率の低い組合との間で公平な配分になるように、高い給付率の国保組合につきましては一定の減額調整を行っているところでございます。 この調整につきましては、これまでは九割給付を基準として、これを超える十割給付の国保組合のみを対象として減額してまいりましたが、ほかの医療保険制度と公平性がより保たれますように、平成十二年度からはこれを九割の給付を行っているところにも対象にしたいと考えています。具体的には、十割給付の場合には大体七・八%カットでございますが、九割につきましては初年度で一%程度カットしていきたいと。少しずつやってまいりまして、五年後には十割給付のところには一四%程度のカットを行う、そして九割給付のところにつきましては六・五%程度カットを検討いたしておるところでございます。
○西川きよし君 ありがとうございました。 今後とも国民的な視点に立ちましてひとつ対応していただきたいと思います。見直すべき点は大いに見直していただきたい、こういうふうに思います。 続きましては児童虐待防止策、これに関連をしてお伺いしたいと思います。 今回の予算の中で、この児童虐待防止策の一環といたしまして虐待防止のためのネットワークづくり、これを創設するというところですけれども、そのネットワークの中で児童委員の方の役割、位置づけをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(真野章君) 先生御指摘の今年度予算で児童虐待防止市町村ネットワーク事業を創設したいというふうに考えておりますが、これは、とにかく何とか早く見つけて適切な機関が早く対応したいと。そういうことからいきますと、やはり住民に身近な市町村におきましてそういう端緒を見つける仕組みをぜひ整備していきたいということでございまして、保健、医療、福祉、教育、警察、司法などの関係機関、関係団体で構成します防止協議会を設置いたしまして、情報交換、広報啓発、システムづくりなどの検討を行うものでございます。 その中では当然地域に一番密着し、そして地域の情報を一番持っておられる民生委員、児童委員にもう当然のことながら御参加をいただきまして、その地域の情報をこの協議会にいち早く御連絡いただいて、その一環としての役割をぜひ担っていただきたいというふうに考えております。
○西川きよし君 ありがとうございます。ひとつ、少しスピードアップさせていただきます。 厚生省では平成十年ですけれども、民生委員、児童委員の一斉改選という通達が出ておりますけれども、まずこちらの方の御答弁をお願いいたします。
○政府参考人(炭谷茂君) この通達は三年に一度行われます民生委員、児童委員の一斉改選に当たって、民生委員、児童委員の選任に当たっての基本的な方針を示すため都道府県などに通知を出したものでございまして、直近では平成十年度に出しております。 この中には民生委員、児童委員に期待される役割について記述するとともに、改選の対象となる者や、都道府県知事等が民生委員、児童委員を選任するに当たっての一般方針、年齢などについての留意事項を提示しているものでございます。
○西川きよし君 実は民生委員、児童委員の選任に当たっております地域の住民の方からお便りをいただきました。少し聞いていただきたいと思います。 私は地域の自治会長をしている六十九歳です。実は、この地域で民生委員を務めてくださっていた方が昨年十二月一日に急死されました。そのことで区役所からその後任を選んでほしいというお話が参ったのです。役員会でいろいろと人選したのですが、お若い方は働きに出ているのでそんな暇はないなどと断られ、やっと一人の方が引き受けてくれることになりました。ところが、この方は満六十五歳のため役所からはだめとのこと。地域に長く住んでいて住民のことをよく理解できていること、なるべく自宅にいることができる人、そして六十四歳までの人、こんな条件に合う若い方がいるはずがありません。 当然だと僕も思います。 なかなか該当する方がなく困り果て、どうにもならなければ辞退するしかありません。区役所の方も市の方にかけ合ってもくださったのですが、厚生省のお達しなのでどうすることもできないとのこと。 この決め方ですけれども、六十四歳というこの下限ですね、何を基準に設定されたと。まだまだたくさん手紙には書いてあるわけです。この厚生省のお達しというところですけれどもこの年齢についてお伺いしたいと思うんですけれども、この内容と趣旨ですね、ぜひお伺いしたいと思います。
○政府参考人(炭谷茂君) 民生委員、児童委員の方々が地域社会からの信頼を得て地域住民の期待にこたえながら職務を遂行していただくわけでございますけれども、活発な行動力などが期待されるわけでございます。 そのような要請から、厚生省としてはその選任に当たっての年齢についてはただいま先生御紹介されましたように、例えば新任の民生委員、児童委員を選任する場合には、原則として六十五歳未満の者となるよう努めることという内容としております。しかし、民生委員、児童委員の一斉改選に当たっては、厚生省としては、ただ単に年齢のみをもって適任者を排除しようとしているものではありませんで、地域の実情によっては該当する年齢層の適任者がいない、ただいま先生が御紹介された例もそれだろうと思いますけれども、いない場合も考えられることでございます。 ですから、例えば新任の場合に六十五歳以上の者であっても、都道府県知事等から適任者として推薦がされた場合には厚生大臣からの委嘱が可能なものでございます。現実にこのようなケースがございまして、御活躍していただいている民生委員、児童委員の方々もかなりいらっしゃいます。
○西川きよし君 それをお伺いいたしまして今安心いたしました。できる限り若返りに努めるというようなことにもなっておるわけですけれども、厚生省が出されたというその通達が都道府県に通じていないというんですか、そのままお達しが住民側にいわば丸投げというような実情で伝わっているということなんですけれども、今お伺いいたしまして厚生省のお考えがよくわかりました。 現実問題といたしまして、そのような条件を満たしている方、しかも大変な仕事をしていただくわけですね、お年寄りのことも地域住民のことも子供たちのこともそうですけれども。いつまでも国のというこの部分ですけれども、今お答えをいただいたわけです。地域によって何カ所かおありだということを今お伺いいたしました。この点で、厚生省、都道府県、指定都市、中核都市、今おっしゃっていただいたように、そのお達しというんですか通達が各自治体の窓口まで本当に行き渡っておりません。ですから、こういうお便りをいただくわけです。 そもそもこの児童委員に対して、どのような方になっていただくことが望ましいかということを援護局長そして児童局長にお伺いいたしたいと思います。
○政府参考人(炭谷茂君) 私どもといたしましては、民生委員、児童委員につきましては、まず社会奉仕の精神を持ちまして、社会福祉の向上に熱意があり、地域の実情に精通し、積極的な実践活動を行うことができる者が望ましいというふうに考えているわけでございます。 年齢につきまして議論になっているわけでございますけれども、私どもとしては、やはり民生委員、児童委員の活動、大変活発な活動をしていただいておるわけでございまして、例えば一年に百日程度活動していただいているということでございます。したがって、できる限り若返りということに努めていただくことにしておりますけれども、これはあくまで厚生省としては、地域の実情を踏まえた弾力的な運用がなされるということを前提にしているわけでございます。 したがって、民生委員、児童委員の推薦については、最終的には地域の実情に通じた当該自治体の御判断が尊重されるものでありまして、自治体において硬直的な運用が義務づけられているといった誤解を持つことのないよう、機会をとらえて通知の趣旨の認識を深めてまいりたいと考えております。
○政府参考人(真野章君) 今、児童委員は自動的に民生委員になるということになっておりますし、また民生委員は児童委員と表裏一体でございますので、今社会援護局長がお答えしたとおりでございますが、私ども、児童委員という立場からいいますと、やはり児童福祉に熱意を持って、そしていろんな活動をやっていただける方にぜひなっていただきたいというふうに思っております。
○西川きよし君 ありがとうございました。 ぜひ窓口の方まで、役所の方まで全国地方自治体の本当に隅々まで伝わるように、再度よろしくお願いを申し上げたいと思います。 きょうも生活保護のお話、女性の人権のお話、たくさん出ました。そして、今子供のことが大変心配されております。これだけ子供の虐待が社会問題になっておるわけですから、いかにして社会あるいは地域の中において、自分の子供も地域の子供も本当にみんなが、大人が守り育てていかなければいけないというふうに思います。 そんな中で、児童委員の方々は大切な役割を担っていただいているわけですから、この児童委員のあり方が現状のままでよいのかどうかというところをひとつ最後に、今のお話をお聞きいただきまして厚生大臣にお答えをいただいて、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 民生委員、児童委員のあり方に伴います問題でございますが、まず児童虐待の問題は、これまでどちらかというと家庭内の問題として対応がとられてまいりました。しかし、私自身、子供の人権あるいは尊厳にかかわる大変重要な問題でございますし、社会全体で取り組まなければならない問題だと考えているような次第でございます。 これにつきましては、地域に密着した活動が可能であります児童委員について、児童相談所との緊密な連携のもとに、保護を必要とする児童の早期発見あるいは関係機関への連絡通報であるとか、家庭からの相談に応じるなどの役割を担うことが求められておると考えておるような次第でございます。 先ほど来、民生委員、児童委員の選任のあり方について委員の方から御指摘がありましたけれども、私どもも、やはりいろいろな意味で大変な行動力と指導力をお持ちの方が現にやっていただいておるわけでございますし、できればお若い方ということでございますけれども、地域地域の実情がございますので、これを何かしゃくし定規に考えるわけではなく、地域における実情に応じて、要はそういう方々が年齢だけでなく、六十五歳になっても大変お元気な、また行動力のある方も大勢いらっしゃるわけでございますので、こういった方々にも積極的に社会のために御尽力をいただきますように私どもも十分に配慮していきたい、このように考えているような次第でございます。
○西川きよし君 済みません、あと三十秒ぐらいだと思いますが。 きょうはいい御答弁をいただいてありがとうございます。もう一度全国の方にひとつ通達の方、よろしくお願い申し上げたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(狩野安君) 以上をもちまして、平成十二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、厚生省所管及び中央労働委員会・都道府県労働局・労働保険特別会計を除く厚生労働省所管についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(狩野安君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十八分散会