国民福祉委員会 第2号
- 発言数
- 155 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 2000/02/15
会議録
○委員長(狩野安君) ただいまから国民福祉委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る四日、岩城光英君が委員を辞任され、その補欠として尾辻秀久君が選任されました。 また、昨十四日、佐藤泰介君、松崎俊久君及び清水澄子君が委員を辞任され、その補欠として郡司彰君、朝日俊弘君及び大脇雅子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(狩野安君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案、私立学校教職員共済法等の一部を改正する法律案、農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案及び地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に総務庁人事局長中川良一君、総務庁行政管理局長瀧上信光君、大蔵省主計局次長藤井秀人君、文部大臣官房総務審議官本間政雄君、厚生省年金局長矢野朝水君、社会保険庁運営部長小島比登志君、農林水産省経済局長石原葵君、労働省職業安定局長渡邊信君及び自治省行政局公務員部長木寺久君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(狩野安君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(狩野安君) 国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案、私立学校教職員共済法等の一部を改正する法律案、農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案及び地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。 四案につきましては前国会におきまして趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○田浦直君 自由民主党の田浦直でございます。きょうは、お忙しい中、中曽根大臣初めお集まりいただきましてありがとうございました。 きょう、年金の中での共済組合の関係ということになっておるわけでございますけれども、大体中身は基本的にすべて厚生年金と同じ改正だというふうに思っているわけです。したがいまして、私としましては、共済が抱えているようないろんな問題についてお尋ねしようかなというふうに思っております。国家公務員、地方公務員、私立学校の教職員あるいは農林漁業団体の職員というふうな方々に関係する年金問題ですけれども、その中で特に厚生年金との統合を希望されておられる農林漁業団体の共済年金について絞ってお尋ねをしたいと思っております。 農林年金は約九千ぐらいの農林漁業団体によって構成をされておるというふうに私は聞いておるわけです。私が、例えば農協の職員もそうなるわけですが、農協なんかを回ってみますと、今多くの農協が農協の体質を強めるというふうなことでしょう、合併の機運が盛んにありまして、いろんなところで合併をしておる。長崎でもそういうことをやっております。あるいはリストラ、逆に身を軽くするために経営健全化のためのリストラをするというふうなことが盛んに全国で行われておるんじゃないかと思うわけです。 その中で、例えばこの改正が行われますと、六十五歳までの雇用という問題が関係をしてくるわけです。私は、今、農協あるいは漁協がそういう雇用の延長ということに取り組むような環境にあるかなというのがいささか疑問なんです。それよりも、今やっているのは体質改善とかリストラとかそういうことに力を入れておられて、雇用の延長というのはもっと先のことになるんじゃないか。そういう意味から、この改正案について、改正が行われれば厚生年金に統合したいというふうなことを言われておられるようですけれども、その辺がどうもしっくりしないわけです。 雇用の延長というふうなことについて、まずどういうふうに農林省ではお考えになっておられるのか、お尋ねをしたいと思います。
○政務次官(谷津義男君) 先生御指摘の雇用の延長でございますけれども、今、農林漁業団体では、高齢化の進展に対応いたしまして定年年齢の延長に努めております。六十歳以上の定年年齢を定めている農林漁業団体の割合は、平成七年で七七・一%、それから平成十一年には九五・〇%となっております。また、農協系統組織では、高齢者雇用対策といたしまして、農協等の業務を受託する人材センターを四十四都道府県で設置しております。そして、定年退職者の再雇用に努めているところであります。ちなみに、再雇用の実績は、十年六月末で千百六十四人再雇用しております。 今後における高齢化の一層の進展を考慮いたしますと、こうした農協系統組織の高齢者雇用への取り組みは望ましいものと考えられますので、農林水産省といたしましてもこのような取り組みがさらに促進されますように適切に指導していきたいと思っております。
○田浦直君 それと関連をするわけですけれども、定年という問題もございます。農林年金の支給開始年齢が六十一歳へと今度は引き上げていくということになりますね。そうすると、雇用と年金とのすき間といいますか、そういうものが今の状況だと出てくるんじゃないかと私は心配をするわけです。このことは、やはり年金をもらっている方々にとっては、老後の不安といいますか非常に社会的な不安を抱かせることにもなりかねないような気がするんです。 私は、先ほど述べましたけれども、高齢者の雇用を延ばす、高齢者を採用するあるいは再雇用する、そういうふうなことがまだまだ農協や漁協では真剣にやられておられないんじゃないかというふうな気がするんです。その段階で支給の開始の引き上げを決めるということになりかねないわけです、現場においては。定年制というものについて農林あるいは漁業団体はどういうふうに今考えておられるのか、その点についてもお尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(石原葵君) 退職共済年金の支給開始年齢でございますけれども、先ほど先生から御指摘ございましたように、一階部分、定額部分でございますが、一階部分につきましては平成六年の改正によりまして平成十三年度以降段階的に引き上げまして、平成十三年度には六十一歳とされることになっているところでございます。 このような動きに対応いたしまして、先ほど谷津総括政務次官から御答弁申し上げましたが、農林漁業団体では定年年齢の延長に努めてきておりまして、六十歳以上の定年年齢を定めている農林漁業団体の割合が平成七年の七七・一%から平成十一年には九五%になっているということでございます。 それからさらに、少し細かくなりますが、農林年金が農林漁業団体について行いました調査によりますと、六十五歳定年制について既に導入または導入検討中としている団体が一割弱ございます。それからまた、世間の動向を見て検討、今後検討予定、そういう団体が四割となっております。 我々といたしましては、今後、各団体が高齢化の進展に対応いたしまして定年年齢の延長を行うための条件整備が図られるよう各系統組織を指導してまいりたいと考えているところでございます。
○田浦直君 お答えと現場の感じとはちょっと違うんじゃないかなと私は感じているわけです。 そこでお尋ねしますけれども、農林省としてはこの統合はどういうふうに考えておられるのか。この改正をして農林年金は厚生年金と一緒になりたいと、こう言っているわけなんです。それについて農林省はどういうふうにお考えなのか、その点をお尋ねしたいと思います。
○政務次官(谷津義男君) 厚生年金と農林年金との統合をどう考えているかということですけれども、農林漁業団体は平成十年十二月に農林年金と厚生年金との早期統合を組織決定いたしまして、関係省庁にお願いをしているところであります。 また、農林水産省といたしましても、平成八年三月の閣議決定において公的年金制度の再編成の方向が示されていること等を考えまして、高齢化の進展や農協系統の組織の統合等に伴いまして今後組合員数が減少し受給者数が増加すると見込まれております等々を踏まえ、統合の方向で検討する必要があると考えまして、関係省庁に早期統合の検討をお願いしているところであります。
○田浦直君 この農林年金の場合は三階建てになっていると思うんです。一階、二階はともかくとして、この三階部分についてはどう取り扱われるのか、厚生年金と一つになった場合。これも結構大きな問題になるんじゃないかなと私は思っているんです。その三階部分がそのまま統合後も存続するのか、それはもうちょっと、厚生年金に入った場合そこまではというお考えなのか。この辺、経済局長はどういうふうにお考えでしょうか。
○政府参考人(石原葵君) ただいま先生の方から御指摘ございましたとおりでございますけれども、農林漁業団体といたしましてはいわゆる三階部分、これにつきましても何とか設立してもらいたいという要望が非常に強いわけでございます。 ただし、この三階部分の問題につきましては何といいましても農林年金と厚生年金の統合、これがとにかく前提となります。そのためのいろんな手続がございまして、一つは、今回の改正によります新たな年金制度の枠組みのもとで財政の再計算を行いまして、これを社会保障制度審議会年金数理部会で検証していただくというのがまず第一でございます。それから第二に、公的年金制度に関する一元化懇談会におきまして関係者間の調整や合意形成を図るという手続が必要でございます。この二つの手続が最低限必要だということでございまして、こういう手続を経た中で統合に当たってのいわゆる移換金をどうするかという問題も決まってまいりますので、そういうような状況、そういうものを踏まえた上で三階部分をどうするかという議論がなされようかと思っております。
○田浦直君 農林年金というのは一度は厚生年金から外れた経歴もあります。そんなことで、また今度入ってくるということでいろんな問題があると思うんです。今言ったような三階部分なんかの取り扱いもやはり考え方によっては、それをそのまま取り入れるということになれば、これはいかにも甘やかしているといいますか、そういうふうな感じにもとれるわけですね。 厚生年金改正というのは、二十年先に一体若い人たちが年金をもらえるかどうか、そのようなことで今改正しなければならぬということでやっているわけですから、どの団体といえどもやはりそのような甘やかしの理屈は通らないんじゃないかなと私は思っているわけなんです。 そのようなことから、これは最後になりますけれども、ぜひ今度の年金改正問題でその辺まで検討されてひとつこの農林問題については取り組んでいただきたいなというふうに思っているわけでございます。 時間ですから、これは要望にしておきたいと思います。以上で終わります。
○郡司彰君 民主党・新緑風会の郡司彰です。 共済四法案のうち、私は農林年金についてお尋ねをしたいと思います。 先ほど来もちょっとございましたけれども、農水省、厚生省それぞれに、統合の話が出ておりますので統合に対する考え方、さらに谷津政務次官におかれましては、さきの衆議院の答弁の中でその予測の時期について平成十三年四月ということで、これは団体の意向だということのつけ加えもございましたけれども、そのような予測を述べられております。臨時国会で年金法が継続になった、改めましてこの段階で統合の時期についてもあわせて農水省、厚生省それぞれにお答えをいただきたいと思います。
○政務次官(谷津義男君) この統合の時期については、先ほど衆議院の方でもお答えしておいたんですが、団体としては十三年四月というのを要望しているところであります。 特にこの統合について、今後のスケジュールのことになりますが、農林漁業団体としましては平成十年十二月に、先ほどお答え申し上げましたが、農林年金と厚生年金との早期統合を組織決定いたしまして、関係省庁に今お願いしているところであります。 農水省といたしましても、平成八年三月の閣議決定において公的年金制度の一元化に向けた方向が示されておりますことから、高齢化の進展や農協系統の組織の統合等に伴いまして今後組合員数が減少し受給者が増加すると見込まれておりますことを踏まえまして統合の方向で検討する必要があると考えまして、関係省庁に早期統合の検討をお願いしているところであります。 農林年金と厚生年金との統合のためには、現在御審議いただいている新たな年金制度の枠組みで財政再計算を行いまして、社会保障制度審議会年金数理部会で検証いただきまして、公的年金制度に関する一元化懇談会において関係者間の調整や合意形成を図る等の手続が必要になってまいります。 農水省といたしましては、関係省庁と連携をしながらこれらの手続を順次進めて、早期統合ができるよう努力をしていきたいと思っております。
○政務次官(大野由利子君) 今、農林政務次官から御答弁がございましたが、厚生省といたしましても、今後の被用者年金制度の再編成を進めるに当たりましては、平成八年三月の閣議決定を踏まえまして、まずは各共済において今回の年金法の改正を踏まえた財政再計算を行うとともに、社会保障制度審議会数理部会において財政検証を行うこととしております。 それからまた、仮に農林共済を厚生年金に統合する場合には、各共済制度を所管する関係省庁などと連携を図りつつ、適切な場を設けて再編成の姿に関する議論をお願いするとともに、また同じ場で財政検証を踏まえて関係団体の合意形成を図り、統合後の給付と負担のあり方を検討していただいた上で、統合法案の作成や関係審議会への諮問といった所要の手続が必要となる、このように考えております。あわせて、これまで農林共済に加入されてきた方に対しまして確実に給付を行うための実務的な準備も行う必要があると考えております。 農林共済のあり方について、今後このような手順で行われる被用者年金の再編成の議論の中で関係省庁との連携を図りつつ具体的な検討を進めてまいりたい、このように思っております。
○郡司彰君 考えについては十分理解をしておりますけれども、政務次官、衆議院の方でお答えになった団体の意向の十三年四月、この流れが臨時国会とは変わったという段階で、今の予測としてはいつごろだというふうにお考えですか。
○政務次官(大野由利子君) 年金法の改正法案をまず成立させていただいて、その後、鋭意一生懸命努力もさせていただいて、またその準備には多少の時間がかかろうかと、このように思っております。 明確にいつとは、今後の検討の段階が必要でございますので、今の時点で明確に申し上げることは難しい状況でございますが、いろいろ急がなければならないというふうには思っております。
○郡司彰君 年金法が成立をした以降のそれぞれの検証やら審議会等が幾つかあるわけでありまして、成立をした以降、どのぐらいの月数があれば可能だということでしょうか。
○政務次官(大野由利子君) 今の時点でははっきり申し上げることはちょっと無理かと思います。
○郡司彰君 いずれにしましても、閣議決定、八年の一元化の方針というものが一方にありながら、一方で農林年金そのものの財政の悪化というものも指摘をされてきたわけでありますけれども、農水省としてこの間の農林年金の財政悪化の原因についてはどのようにお考えでしょうか。
○政務次官(谷津義男君) 平成十年度における農林年金の財政状況からお話し申し上げたいと思います。 これは、収入は五千百三十億円、支出は四千九百五億円で、二百二十五億円の黒字となっております。また、平成十年度末の給付準備金、これは積立金ですが、一兆九千九百六十一億円となっておりまして、現時点では財政状況が悪いわけではありません。 農林漁業団体が農林年金の厚生年金への統合を組織決定したのは、現在の財政状況というよりも、公的年金制度の一元化に向けた平成八年三月の閣議決定を真剣に受けとめたこと、農協系統の事業、組織の見直しの一環として農協職員数の削減を進めていることから、農林年金の組合員数が減少していることが背景にあるものと思っております。
○郡司彰君 単年度の収支でいくと確かに今のような数字になるわけでありますけれども、長期的に財政が悪化をしている現状が続いてきた。しかも、その原因について、今、政務次官の方で述べられましたけれども、私どもの認識からしますと、当初、公務員並みの制度をつくっていこうという形でもって厚生年金から分かれたような形になってきた。その中で、公務員並みの水準というものが、実質的には賃金水準をとってもかなり低い水準に置かれてきた。 それから、先ほど定年の問題が出されましたけれども、近年、高い数字に六十歳定年までなっておりますけれども、それ以前は杳として六十歳定年までが進んでこなかった。逆に言えば、被保険者として保険料を払うのに一番高い額の年代の方が早期に退職を余儀なくされていて、逆に給付を受ける方に回っていった。ダブルでもって財政を厳しくしてきた。 あるいはまた、加入資格者がありながら十分に加入そのものが行われてこなかったということがある。さらには、拠出金そのものの問題につきましても、頭数掛ける定額でずっとやってきまして、この額がどれほどの影響を及ぼしたかどうかは別にしましても、私どもの農林年金のような低い賃金水準のところからすると、これは定率にすべきだという議論もあったかと思うんです。 その辺のところについて、これまで農水省としてはどのような指導も含めて行ってきたんでしょうか。
○政務次官(谷津義男君) その点につきましては、今御指摘のあったことは否めない事実であろうというふうに思うんです。しかし、農水省といたしましても、その辺につきましては団体ともいろいろ相談をしながら、この辺についての対処ということについては適切に指導してきたつもりでございます。
○郡司彰君 再計算が都度あるわけでありますけれども、三回前の再計算のときにも、衆議院の方に農協の職員が参考人として出席して、その中でも、当時の賃金の水準その他を含めてこのままでは立ち行かないというような意見の陳述もしているはずであります。十分にその辺のところを理解しておったと思うのであります。 確かに単年度の数字は先ほどお聞きしました。しかし、長期的に見れば悪化の一途をたどってきたことは間違いないわけでありまして、その辺のところについての農水省のこれまでの反省というものがなければ、今後、統合ということに関して、ほかの省庁を含めて理解を得られないんではないかという気がしますが、どうでしょうか。
○政務次官(谷津義男君) この件については、例えば地方公務員に比べまして農協あるいはそういう農業団体にお勤めの方の給与水準というのはそう高くはないわけですね。そういう中でいろいろ議論してきた問題ですから、今、先生がおっしゃるように、統合について給与水準が地方公務員並みにいっているのであるならば御指摘のとおりかもしれませんが、かなり低い水準にあることは御存じのとおりでありますので、御指摘は当たっていないんではなかろうかと思います。
○郡司彰君 ちょっと意見が食い違っているようですけれども、例えば別の角度から言いますと、平成三年、十九回の全中全国大会があって組織再編方策というものを決定した。さらに、平成八年、一九九六年、生産性向上三〇%を実施するということで、そのうち一五%は職員の削減、五万人を減らしていこうと。現実問題として、農林年金の被保険者の数が平成六年の五十二万人から現在は四十八万人と約四万人ほど減ってきているわけであります。こういうような一方での農協に対する農水省の合併に対する指導等も考えれば、もう少し早い段階で逆に統合の問題を打ち出すべきではなかったのかというふうな感じがします。 一九九七年ですか、JTあるいはJR、NTT、旧三公社の統合という話がございました。その際に農水省には、厚生省からこの際統合してはどうなんだ、そのようなお話はありませんでしたか。
○政務次官(谷津義男君) 厚生省からそういう話があったかということになりますと、私どもはその話は聞いておりません。 ただ、今、先生がおっしゃいましたように、JR、JT、NTT共済の厚生年金との統合に関しましては、確かに先生がおっしゃるとおり、平成六年二月から平成七年七月までに公的年金制度に関する一元化懇談会において検討された上で平成八年三月に決定されたものです。その後、農協系統は平成九年十月のJA全国大会において要員の五万人削減計画を決定いたしました。 農林漁業団体としては、公的年金制度一元化に向けた平成八年三月の閣議決定とこの農協系統の五万人削減計画を踏まえまして、組織内で今後の農林年金制度のあり方について検討を進めた結果、平成十年十二月に厚生年金との統合について組織決定をするに至ったものであります。
○郡司彰君 私どもからすると、遅きに失した統合への話ではなかったかという感じがどうしても否めません。 当然、閣議決定以降、厚生省としては一元化の推進ということをうたってきたわけでありますから、前回の旧三公社の統合時に農林年金に関して厚生省の方からはそういうような指導といいますか、考え方を打診したということはなかったんでしょうか。
○政府参考人(矢野朝水君) そういうことはございません。 この公的年金制度の再編成といいますのは関係者間の合意形成というのが非常に重要でございまして、関係者間の合意形成を図るということで、そういった当事者からの申し出、こういったものをきっかけに関係者で御相談をする、こういう形で進めておるわけでございます。
○郡司彰君 事務的な話じゃなくて考え方、そういう流れがあったかということですので、政務次官の方にお答えをいただきたかったと思います。 それから、今回のこの関係につきまして、先ほどの質問にもちょっとありましたけれども、基金の問題、それから移換金、持参金などというふうに書いてあるところもあるわけでありますけれども、この問題が出てきております。この移換金の性格とNTT統合の際の実態、基金について厚生省はどのようにお考えかをお聞かせください。政務次官、答えてください。
○政務次官(大野由利子君) NTTの、済みません、ちょっと後半の……。
○郡司彰君 NTTの統合の際の移換金あるいは基金の実態についてもお聞かせいただきたいということです。
○政務次官(大野由利子君) 平成九年にNTT共済を厚生年金に統合しました際は、当時保有をしておりました二兆円の積立金のうち、厚生年金相当給付のうち統合前に給付が確定した部分に対応する一兆二千億円を厚生年金に移換し、残りは職域部分に充てることといたしました。 職域部分につきましては、厚生年金相当給付の上乗せ給付といたしまして統合前から存在していたということと、厚生年金相当給付をNTTの被保険者の保険料等で賄うことができたために他制度から財政支援を受ける必要がなかった、こういうことを踏まえて、統合後は企業年金化した上で存続することになりました。
○郡司彰君 移換金の性格についてもこのような計算式だという中に含まれているのかもしれませんが、移換金の性格についてもう一度お答えいただけますか。
○政府参考人(矢野朝水君) これは非常に技術的な問題ですので、私の方からお答え申し上げたいと思います。 NTTが厚生年金に統合されたわけですけれども、統合後は厚生年金全体の中で一体的に運営するわけでございまして、問題は統合前の期間に係る分、これの財源調達をどうするのか、こういう問題が一番問題になったわけでございます。 その際に、単独でNTTが共済組合をやっておられた、その間に、厚生年金に相当する給付でそのときに事前に積み立てておくべきであった、給付が確定しておった、この部分については移換金を厚生年金に移すことによって厚生年金の方から年金を出しましょうと、こういう整理をしたわけでございます。 それで、一人一人について統合前の期間がどのくらいあるのかということで綿密に積み上げ計算をいたしまして、その結果が一兆二千億と、こういう数字になりましたので、これを厚生年金に移換していただいたということでございます。
○郡司彰君 この移換金というのは、制度ではなくて政令、いわば今回の場合も旧三公社の前例に倣ってということで理解をしてよろしいですか、政務次官に伺います。
○政務次官(大野由利子君) 今後の検討課題でございますが、一つの大きな参考になるのではないかと、このように思います。
○郡司彰君 今の政務次官の発言で、これまでとちょっと認識を新たにしていきたいなというふうに思っております。 前回の三つの前例を参考にしてこれから決めるということでよろしいんですね、政務次官。
○政府参考人(矢野朝水君) これは実は非常に細かな問題がございまして、例えばこの一兆二千億というのを前回は予定利率五・五%ではじいたんですけれども、この予定利率をどうするかとか、非常に細かな技術的な問題がございます。したがいまして、前回と全く同じで、全く同じ算定方式で計算するのかといいますと、これはやはり関係者間でよく相談をして、例えば予定利率をどう算定するのかと、こういった問題を含めて御議論いただかなければいけないと思っております。
○郡司彰君 私の方は、この移換金、なぜ確定給付分で移換しなければいけないのか、その根拠はどうなんだということをお聞きしたかったわけでありますが、先ほど厚生政務次官の方から、まだ決まっていない、これからだということであれば、全然これは質問が違ってまいりますので、改めて確認をしますけれども、これから移換金の内容について考えるということでよろしいですか。
○政務次官(大野由利子君) 考え方は共通したものがあろうと思いますが、今、局長から答弁もありましたように、算定の方法とかそういったものにつきましては関係者の間で十分これから検討をするということでございます。
○郡司彰君 積算の、それぞれの生存率その他が統合された年金によって違った数字を使われたということは、これは三つの例で明らかになっているわけでございますが、その問題ではなくて、なぜ確定給付分で移換金ということになるのか。その考え方は、先ほどですと考え方が同じだということになっていますけれども、そこのところをちょっとはっきりさせていただけますか。技術的に計算をする方法はこれまでと同じということは、考え方についてはどうなんですか。
○政務次官(大野由利子君) 考え方は共通の考え方で、計算方法が変わってくる、こういうことだと思います。
○郡司彰君 計算方法、具体的に言いますと大体どのようなところが都度変わるんでしょうか。
○政府参考人(矢野朝水君) これは非常に細かな技術的な問題ですので、私の方からお答え申し上げたいと思います。 一番大きな問題は、予定利率をどう考えるかという問題です。今回の制度改正では、従来五・五%の予定利率で制度設計をしてまいりましたけれども、今回は厚生年金本体、予定利率を四%ということで考えております。したがいまして、移換する場合の予定利率を幾らにするのか、あるいは期間で割るのか割らないのか、こういったいろんな要素がございます。こういった点につきましては関係者で十分御相談しなきゃいけない問題だと思っております。
○郡司彰君 日本の公的年金制度そのものはいわば変則的な賦課方式というような形になるんだろうと思いますけれども、この統合共済、要するに年金と確定給付分の移換金、これは厚生年金の現状からすると私は矛盾をするのではないかというような考えを持っております。 それから、厚生省そのものは、先ほど言いましたように八年の閣議決定で、一方で一元化を推進するというもちろん立場があるわけです。それから、一方を振り返ってみますと、自分の省内に厚生年金というものを管理運営するというような側面も持っている。 この移換金というのがどうも理解をしづらいのは、一方で一元化を推進する、それは淡々粛々とやっていこうというふうなことにしていただければいいわけでありますけれども、この移換金の問題というのは、どうも百七十兆円とかと言われるそちらの方の、厚生省の管理運営をするというような、そこのところの問題に部分としてかかわってきているんじゃないか。その辺がどうもすっきりしないと思っているわけですが、政務次官、どうでしょうか、そんなことはありませんか。
○政務次官(大野由利子君) そんなことはないと、このように思っております。 統合する際に当然一緒になるところの理解を得るということも必要でございますので、過去のいろいろなものを引き継いでいくわけでございますので、御懸念のようなことはないと、このように思っております。
○郡司彰君 いずれにしましても、きょうの答弁をまた精査させていただきまして、これまでの移換金のあり方、あるいはその実績等に対してどのような違いが出てくるのか、同じなのか、その辺についてはまた改めまして質問をしていきたいなというふうに思っております。 時間でありますので、これで終わらせていただきます。
○朝日俊弘君 民主党・新緑風会の朝日でございます。 同僚の郡司委員に引き続いて、私は地方公務員共済の問題に絞って幾つかお尋ねをしたいと思います。 冒頭、質問に入ります前に委員長にお願いしたいんですが、各共済のそれぞれの財政再計算がどういう基礎的なデータに基づいて、どういう結果が得られているのかという、やはり基礎的な資料をぜひ提出していただきたいと思っております。恐らく、また私どもの理事の方から資料要求という形で出させていただくことになろうかと思いますので、私からは各共済の財政再計算の根拠となったデータなりあるいは結果なりについてぜひ資料をいただきたいということをまず冒頭、委員長にお願いしたいんですが、よろしゅうございますか。
○委員長(狩野安君) 朝日俊弘君の申し出は理事会で検討させていただきます。
○朝日俊弘君 よろしくお願いいたします。 それじゃ、そのことを前提としまして、まず地方公務員共済の制度改正にかかわって、地共済の部分に限ってで結構でございますから財政再計算、平成十一年の財政再計算をどんなふうに行われたのか。特に今回はどういう点に留意をして財政再計算をされたのか。そしてその結果、お聞きするところでは何か三通りほどのケースを想定していろいろ、こういう場合はこういう数字、こういう場合はこういう数字というシミュレーションで財源率を出されたというふうにお聞きしていますが、時間の関係で十分御説明いただけないかもしれませんけれども、基本的にはおおよそどういう考え方でどういうケースを想定してどんな結果が出たのか、ちょっと御説明いただけますか。
○政務次官(橘康太郎君) 今回の財政再計算では、組合員数を国家公務員共済組合同様、従来どおり、第一番目は現在の組合員数で一定とするケース、第二番目は対人口比率一定で減少するケース、第三番目には対厚生年金被保険者数比率一定で減少させるケースと、三通りのケースを考えて計算いたしました。 それぞれのケースにおきまして段階的に保険料率を引き上げていき、最終的にどこまで引き上げれば将来にわたって年金財政が均衡するかを示す保険料率、いわゆる最終保険料率は、基礎年金の公的負担割合が三分の一の場合、標準報酬月額換算で、第一番目に組合員数が一定の場合は二二・八八%、第二番目に対人口比率一定で減少の場合は二五・八四%、それから第三番目に対厚生年金被保険者数比率一定で減少の場合は二六・六四%となる見込みでございます。また、基礎年金の公的負担割合を二分の一に引き上げれば、これよりもやや低い水準となる見込みと出ておるわけでございます。 なお、御必要でございますれば、この一覧表がございますので、後で議員にお持ちいたしますのでごらんいただければありがたい、このように思うわけでございます。
○朝日俊弘君 では、ぜひ一覧表を含めてお示しいただきたいと思うんです。 それで、一つ質問を飛ばしまして、今お聞きしたところでちょっと奇異に感じる点があるんですが、つまり一応三通りのケースを想定したと。ケース一は組合員数が一定である、ケース二と三は減少したケースを想定した、こういうことでありますが、確かに地方公務員の定数はこの間、地方行革の推進ということでいろいろ削減傾向にあることは私も承知しているのであります。 例えば、平成十一年の地方公共団体の定員管理の調査結果などを見ましても、確かにこの間減少傾向が続いているし、この五年間相当減少してきているということは事実だと思うんですが、ただ中身を見ますと、例えば消防とか警察とか福祉とか病院とかいう部分はふえているんですね。これはある意味では当然のこと、つまり高齢社会の進展あるいはことしの四月から介護保険が始まる、こういう状況の中で、地方公務員の中でも今申し上げたような職場、職種についてはふえてきている。 こういうことを考えますと、あらかじめ定数がこれだけ減った場合、もっと減った場合という、減った場合ばかりを想定して考えられるのはいささか偏っているのではないかというふうに私は思うんですが、もう少し年金数理上の検討をされるとすれば、例えばこれからの地方分権を担っていくために、あるいは介護保険の実施を円滑に進めていくために、地方公務員の数というのは必ずしも今までどおり減らないかもしれないということも想定しておかないと年金数理上はまずいんじゃないかと思うのでございますが、その辺はどうお考えですか。
○政務次官(橘康太郎君) 御存じのように、地方公務員は大体五十歳、四十歳のところに相当の塊がございまして、それでその辺の計数を考えますと、ただ単に今までの財政再計算では組合員数を一定として計算しておりましたけれども、そういった塊を考えますと最終的には逆三角形の勤務形態が出てまいるわけでございまして、これらをもやはり考えなきゃいけないということを考えますと、人口高齢化あるいは少子化の問題等、さらには公務員のいわゆる年齢別の数の大小、これらも考えて慎重に再計算は行うべきであろうと、このように考えております。 ただ、料率につきましては、これは御存じのとおり地方公務員共済組合連合会の定款に定められておりまして、今回は引き上げないとしておるところでございますので、そういったいわゆる縦横の関係をやはりある程度織り込んで今回の推定をしたということであろうと思っております。
○朝日俊弘君 今の点ですが、お考えは理解できないわけじゃないんですが、ただ今回は保険料率は引き上げないんだけれども、ずっと引き上げないと言っているわけじゃないんですね。ということは、次期再計算のときを含めて恐らく保険料の引き上げというのはやっぱり検討せざるを得なくなるんじゃないかと私は思うんです。よほど全体の構造的な改革をしない限り、給付と負担の関係を見ていけば、どうしてもまた比較的近い時期に保険料率の引き上げを検討せざるを得ない時期が来るだろう。そうすると、余りにも定数を削減するということを前提に再計算をしますと、これは必然的に保険料率を上げざるを得なくなりますね。何か意図的にそういう操作をしているのではないかとさえ思えるんですが、そういうお考えがもしあるとすれば到底納得できないんですが、改めて問い直します。どうですか、そういうことは。
○政務次官(橘康太郎君) 先ほど申し上げましたとおりでございまして、保険料率は上げませんが、御存じのとおり今度は給付という面で調整をさせていただいておるということでございまして、やはり財政再計算のところにおきましては、あらゆる条件というものを推計しながら、再計算はあくまで再計算でございますから行っておく必要があるだろう、このように考えております。
○朝日俊弘君 改めて申し上げるまでもないことかもしれませんが、年金の数理に基づく再計算というのは余り意図的、政策的誘導を前提にしていただいては困りますので、ぜひそこは公正にやっていただきたいと思います。 そのこととも一部関連するんですが、地共済で約三十二兆円の積立金がございますね。これをさらに今後も積み立てていくという前提で再計算をされているように思います。当然そうすれば支給水準は切り下げて保険料水準は引き上げるという形にならざるを得ません。これは地共済だけの問題というわけではないかもしれませんが、地共済だけでも約三十二兆円の多額な積立金を持っているわけですが、これについてどういうお考えで対応されているのか、お尋ねします。
○政務次官(橘康太郎君) 簡潔に申し上げますと、先ほども申し上げましたように逆三角形に地方公務員の場合はなっておりまして、特に四十代、五十代に非常にたくさんの方々がコカ・コーラ・ボトリングのようにおられるわけでございます。このようなことを考えますと、特に若年層の方で地方公務員の方が少ないわけでございますのでやはり積立金を、今は多いとお考えかもしれませんが、将来に備えて今それを有効に運用することによりまして一番若い人たち、いわゆる二十代あるいは十代、そういったところの人たちのためにも安定的に年金が運営できるようなことを考えますと、今三十二兆円と言われますけれども、果たしてこれが多いのかどうかということにつきましては、やはり安定運営ということを考えますと、多少ほかの共済よりも多くても安定運営のためには置いておく必要があるのではないか、このように考えております。
○朝日俊弘君 この問題は本体の制度改正とも絡む話ですからこれ以上申し上げませんが、私は単に多いと言っているわけじゃないんです。積立方式を前提と考えれば少ないんです。賦課方式を前提として考えれば何でこれだけ要るのかということになるんです。だから、この積立金の考え方というか性格、これをもうそろそろはっきりさせておかないと、何か今までどおり積み立ててきて、これからもさらに少しずつ積み上げていこう、そして積んでおけばいろいろと安定的な運営で役に立つだろうという考え方ではこれからはいかなくなるんじゃないか、もっとシビアな議論をしなきゃいけないんじゃないかと私は思いますので、これはぜひ今後の検討課題としていただきたいと思います。 時間の関係がありますので先を急ぎます。 支給開始年齢の引き上げの問題と関連して二つほどお尋ねします。これは先週の本会議でも質問させていただきましたが、今回は地方公共団体にかかわっての問題に絞ってお尋ねしたいと思います。 一つは、地方公共団体における中高年齢者の雇用促進の問題であります。 昨年、地方公務員法の一部改正で高齢者の再任用制度という制度が新しくできました。たしか平成十三年度からの実施だというふうに伺っていますが、再任用の場合にもフルタイムであったりあるいは短時間勤務ということであったり、勤務形態が二種類ほどあるようですが、この制度がどううまく機能してくるかということと、その地方公共団体における中高年齢者の雇用促進という問題と密接に関連すると思うんですが、現時点でこの制度運用についてどのようなお考えをお持ちなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○政務次官(橘康太郎君) 私も会社を経営しておりましたので、六十歳から六十五歳の間の方々の問題につきましては非常に身につまされる思いでおるわけでございます。 議員御指摘のとおり、平成十三年からこの再任用制度が運用されるわけでありますけれども、この運用につきましては、やはり労使と申しましょうか、審議会におきまして各層の方々にお集まりいただきまして、できるだけいい方向でこれが実施されるようにいろいろと考えを、英知を集めていい方向に行けるように審議会あたりで検討していただければありがたいなと思っておりますが、現状ではこの新たな再任用制度に関しましては高齢職員の中には短時間の勤務形態を希望する方もある、それからまた各地方公共団体においても弾力的な勤務形態を設けることが業務運営上効率的な場合も想定されるなどから、勤務時間が一週間当たり十六時間から三十二時間という短時間の勤務形態を設けたところでございます。 自治省といたしますれば、各地方公共団体において、高齢職員のニーズや当該団体の業務の実情等を踏まえつつ高齢者雇用が推進されるよう引き続き必要な助言等を行ってまいる所存でございますので、議員のお気持ちは十分わかっております。私もよくわかっております。そういうことでよろしくお願いを申し上げる次第でございます。
○朝日俊弘君 十分御理解をいただいていると思いますが、一つは個人の希望というかあるいは具体的な条件というか、という問題もあるでしょうし、それからもう一つは自治体、地方公共団体の状況、事情もあるでしょうし、それをうまく結びつけないといかないわけで、そういう意味ではお答えのようにできるだけいい制度として運用できるようにぜひ御努力をいただきたいと思いますし、またその結果として何か雇用形態が違うことによって余り差がついてしまってもまたそれはそれで問題になりますので、ぜひその点も含めて御検討をいただきたいと思います。 次に、これは今後の課題ということになりましょうか、今国会には労働省の方から高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部改正案が提出をされていまして、中身はあれこれありますが、要するに民間企業における定年制の延長のことについて触れております。 そこで、いずれはというか、もう既に地方公務員の定年制の延長についても論議がされているやに伺っていますが、例えば地方公務員制度調査研究会などでそんな議論がされているというふうに伺っていますが、この辺についての考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○政務次官(橘康太郎君) 私、先ほど申し上げましたとおり、民間におきましてもここのところは非常に重要なポイントであろう、このように考えまして、この辺に対して民間もいろんな動きを示しておることは承知いたしておるところでございます。まだ移行期と申しましょうか、統計によりますと、実際に六十歳から六十五歳までの間で定年延長をしておる民間の企業はまだまだそう多うございません。 そういった中で、私は、どちらかといいますと、やはり人間六十五歳まで働ける職場づくりというものが必要だろう、このように考えておるわけでありますが、いろんな審議会等におきまして十分に御検討いただきまして、社会の状況その他を十分に見きわめながらこの定年制のあり方に官民共通して取り組む必要があろう、このように考えておるところでございます。 地方公務員の定年制のあり方につきましては、昨年四月の地方公務員制度調査研究会報告におきましても、地方公務員の高齢者雇用のあり方につきましては、将来の六十五歳定年も視野に入れて引き続き検討を行う必要がある旨指摘されておるところでございまして、今後の民間企業における定年年齢の引き上げの状況、国家公務員の動向などを踏まえながら、先ほど申し上げましたように官民あらゆる分野におきましてこの問題につきましては鋭意検討していく必要があろうと存じておるところでございます。
○朝日俊弘君 ぜひよろしくお願いしたいと思いますが、ただ一点私見を申し上げれば、例えば六十五なら六十五ということで一律に線を引くということはある程度制度上必要なのかもしれませんけれども、個々の対応を考えますと、もう少しフレキシビリティーも兼ね合わせなきゃいけないのかなと思っています。ぜひそんな点も念頭に置きながら検討をいただければと思います。 最後に、今回の法改正の中身とは直接関係ないのかもしれませんが、実は昨年、一昨年と中央省庁の再編の法案が成立をしまして、その中で、来年一月からですか中央省庁が新しい仕組みに変わるわけですが、その中央省庁再編の中でこれまでの審議会のあり方を大幅に見直そうということが指摘をされておりまして、その方向でそれぞれ今、各省庁の方で検討されていると思います。 私が気になりますのは、審議会の整理統廃合というかあるいは再編整備というか、そのことを進めていくことについては私も賛成なんですけれども、ただ地方公務員共済の審議会も廃止されるやに伺っているわけです。 地方公務員共済の運営について、これまでは趣旨としたらば職員の代表を含めて三者構成でできるだけ民主的に協議運営していこう、こういうことで設置されてきた審議会が廃止されるとなると一体どうなるんだろうかと。一つは、どうなるんですかということをお尋ねしたいし、今後のあり方の中で、とりわけ職員の皆さんの声を十分に反映した形の運営をしていただきたいと強く願っているわけでして、その辺、どんな形でどんな運営をされていこうとしているのか、現時点でのお考えをぜひお聞かせいただきたいと思います。
○政務次官(橘康太郎君) 委員御指摘のとおり、地方公務員共済組合審議会につきましては、昨年、百四十五回国会において成立いたしました中央省庁等改革のための国の行政組織関係法律の整備等に関する法律において廃止することとされました。必要な機能につきましては、同国会において成立した総務省設置法において地方財政審議会に移管することとされたところでございます。 地方財政審議会に移管される機能といたしましては、昨年、第百四十六回国会で成立した中央省庁等改革関係法施行法において、共済組合の組織、共済組合の行う短期給付、長期給付、福祉事業に関する事項のうち、組合員及び受給権者の権利義務に関するものについての命令の制定または改廃の立案などとされたところでございます。つまり、施行法においてそういうものを行うということにされたところでございます。 今回の機能の移管に対応するために、地方財政審議会の下部機関として共済分科会、従前のものにかわるもの、共済分科会を設置することとしており、この中に組合員を代表する者の参画をいただき、幅広く御意見を承ることにする予定でございます。したがいまして、職員の皆様方にもお入りいただいて幅広く御意見を承ることにしていきたい、こう考えておるところでございます。
○朝日俊弘君 地方財政審議会の中の分科会というのはいささかぴたっとこないところもあるんですが、分科会の構成なりあるいは運営なり、ぜひ民主的な形での運営と、可能な限り職員の意見を反映させるような形での運営を強くお願い申し上げまして、私の質問を終わります。 どうもありがとうございました。
○沢たまき君 公明党・改革クラブの沢たまきでございます。よろしくお願いいたします。 私は、法律案の審議に入る前に、老齢福祉年金の口座拡大について伺わせていただきたいと思っております。 私のところに老齢福祉年金の支給方法について陳情がございました。それは、現在、国民年金、厚生年金は金融機関への振り込みによる支給が行われておりますが、老齢福祉年金については受給者が年金証書を指定の郵便局に持参して支払いを受けるということになっておりますね。老齢福祉年金の受給者はおおむね九十歳以上で、東京都内に約一万人、全国で二十から三十万人いらっしゃると聞いておりますが、高齢化が進んで現在の受給方法では負担が大変大きいと陳情をいただきました。何とかしていただきたいということです。特に高齢者にとっては、歩くのも御不自由でございますので、近くの金融機関で受け取ることができると大変にありがたいと言われております。実は私の母は九十一でございますが、車いすに私が乗っけていただきに行くということをしなきゃいけません。 現在、老齢福祉年金の受給者の数は実際はどうなっているか。受給者が希望する金融機関で受給できるように御検討をいただければと思いまして最初に御質問をさせていただきます。いかがでしょうか。
○政府参考人(小島比登志君) まず、老齢福祉年金の受給者の数でございますが、この数は昭和五十年以来年々減少しておりまして、その数は平成十年度末で二十一万五千人、こういうことになっております。 次に、老齢福祉年金の支払い方法につきましては、先生御指摘のように、昭和三十四年の国民年金制度の発足以来、受給者が国民年金証書を郵便局に提示して年金が受けられるという仕組みをとっているわけでございます。こうした仕組みにつきましては、一つは、郵便局は全国に約二万四千カ所あるということで、最も普及している受取窓口であると考えられます。また、受給者本人が受け取りに来られない場合には委任状により代理人が受け取ることも可能であるということもありまして、私どもといたしましては受給者の方々におおむね定着している仕組みではないかと考えているところでございます。 これを銀行等の金融機関でも受給できるようにできないかということでございますが、このためには機械化を導入した新たなシステム開発が必要であるということでございまして、このシステム開発には相当な費用と時間というものがかかるということでなかなか難しい問題だと考えておりますが、御指摘も踏まえまして、受給者の利便の向上という観点に立ちましてさらに幅広い角度からこの点につきまして検討してまいりたいというふうに考えております。
○沢たまき君 ありがとうございます。検討しないと言われたらどうしようかと思ったんですが、ぜひ御検討をいただきたいと思っております。 それでは伺います。 共済年金の各制度間でかなりばらつきがありますが、保険料の掛金率は、国共済で一八・三九%、地共済で一六・五六%、私学共済で一三・三%、農林年金で一九・四九%となっております。また、被保険者数と受給権者数の割合を見てみますと、厚生年金で二対一、国共済で一・三八対一、地共済で一・八一対一、私学共済で二・一対一、農林年金で一・七対一となっております。また、財政状況の目安となる年金財政指標総括表で見てみても、平成九年度の積立比率は、厚生年金が六・一二倍に対して国共済が七・六三倍、地共済が十三・〇〇倍、私学共済が十二・七三倍、農林年金が五・二五倍となっております。 今回の改正でそれぞれの年金制度の将来の見通しはどうなるのか、概略を御報告いただければと思います。
○政務次官(林芳正君) それでは、まず国共済の方から申し上げさせていただきたいと思いますが、先ほど朝日委員からも地共済についていろいろお尋ねがあったとおりでございまして、並びで財政再計算をやらせていただいております。三つのケースを置いてというのもそのとおりにやってございまして、十一年度の財政再計算は今度の制度改正におきます給付水準の見直しとそれから保険料率を五年間据え置くというところも盛り込んでつくっております。 それで、御指摘があったように、最も厳しいケースというのが対厚生年金被保険者数比率一定で減少するケースということでございまして、これは単なる人口の減少だけではなくて、高齢化率もある一定取り組んだということでございます。このケースについて見ますと、保険料率を今申し上げましたように五年間据え置きまして、以後五年ごとに二・八%ずつ引き上げてまいりますと、最終的なならすところで平成三十七年度の最終保険料というのが二九・八%というふうになっておりまして、これは同様に計算した厚生年金の場合の二七・六%に比べ若干、一割程度高くなっておりますが、この水準でいわゆる平衡に達するのでないかというふうに思っておるところでございます。 今のまま何もしないとどうなるかということでございますが、これは最終的には三七・八%というふうになりまして、それと比べますと、今回の改正案に基づきまして二九・八でございますから、大体二割程度安くなるということでございます。
○国務大臣(中曽根弘文君) 私学共済について御説明を申し上げますが、今、委員から御説明がありましたように、私学共済におきましては、今、保険料の掛金率は一三・三%、それから被保険者数と受給権者数の割合が二・一対一、そして平成九年度の積立比率は十二・七三倍となっております。 将来見通しにつきましては、今回の改正案と掛金率の据え置きを前提といたしまして、将来加入者数の見込み方について先ほどからお話がありますように三通りのケースを想定して行われております。 このうち、最も厳しい出生率の低下に伴う学齢人口の低下、学齢人口の減少に比例して加入者が減少するケースについて見てみますと、これは加入者数が将来、平成七十二年、今から六十年後になりますが、現在の六割程度になるという厳しいものでありますけれども、この場合、現行の掛金率一三・三%について、次回再計算時以降五年ごとに一・八%ずつ引き上げることによりまして、平成五十七年度の二八・三%をピークにして財政が安定するものと見込まれております。 なお、現行法ベースによる最終掛金率の見通しは三四・九%でありますから、今回の共済年金制度改正によりまして最終掛金率は二割程度低くなるものと見込まれております。
○政務次官(谷津義男君) 私の方からは農林年金について申し上げたいと思います。 農林年金の財政の将来見通しにつきましては、今回の制度改正による給付水準の見直しと掛金率の据え置きを前提として、また将来の組合員数について複数のケースを想定しまして試算をしております。 このうち、組合員数が厚生年金の被保険者数の減少に連動して減少するケースについて見ますと、掛金率を五年間据え置き、以後五年ごとに二・九%ずつ引き上げていけば、平成三十二年度に最終掛金率は二九・七%となります。厚生年金の財政再計算における最終保険料率二七・六%に比べ一割弱程度高い水準で均衡するものと見通されております。 また、組合員数が農協のリストラにより五万人減少した後に厚生年金の被保険者数に連動して減少するという最も厳しいケースについて見ますと、平成三十六年度に最終掛金率は三四・四%とかなり高い水準になるものと見通しております。
○政務次官(橘康太郎君) 地共済の方でございますが、私の方は、組合員数の減少の幅が最も大きくなる対厚生年金被保険者数比率一定で減少するケースでは、保険料率を五年間据え置き、以後五年ごとに二・二%ずつ引き上げていけば、平成三十七年度に最終保険料率は二六・六四%となり、厚生年金の財政再計算における最終保険料率二七・六%に比べ若干低い率で将来にわたって財政の均衡を保つことができる見通しでございます。 なお、現行法を前提とした最終保険料率の見通しは三五・七六%でございまして、今回の制度改正によって最終保険料率が相当抑制されておると考えております。
○沢たまき君 二問しただけでもうあと三分しかないので、すごく困っちゃったなと思っているんですが。 先ほど朝日議員は国共済のことをおっしゃいましたけれども、支給開始年齢引き上げに伴って、六十歳代前半の雇用について、国共済と地共済の加入者は平成十三年度から再任用制度が実施されるということになっていますね。私学共済と農林共済の加入者に対する雇用の対策はどうなっているでしょうか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 私学共済について御説明申し上げますが、御案内のように、私立学校の定年は各学校法人ごとに決められております。それで、最も多い定年年齢は、大学、短大の場合が六十五歳、それから高校、幼稚園、専修学校の場合が六十歳となっております。 このことから、特に六十歳代前半の高校以下の教職員についての対応が問題となるわけでございますが、この点に関しましては、年金制度面では繰り上げ支給制度が設けられているところでございます。また、雇用面では、この通常国会に提出されている高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の改正案におきまして、六十五歳未満の定年の定めをしている事業主に対して、当該定年の引き上げ等による六十五歳までの雇用の確保を図るための努力義務の強化が盛り込まれているところでございます。先ほどお話がありました。 このような動きを踏まえながら、各私立学校におきまして、今後、定年のあり方等について適切な対応がなされるものと、そういうふうに考えております。
○沢たまき君 最後になってしまいますが、農林年金積立比率が被用者年金制度の中で最も低い理由というのは何でしょうか。
○政府参考人(石原葵君) ただいま先生が御指摘ございましたように、農林年金の積立比率が非常に低くなっております。昭和六十年度に八倍でございましたものが平成九年度には五・二五倍となっております。このように農林年金の財政状況が急速に悪化してきたといいますのは、二つ理由があると思っております。 一つは、年金制度の成熟化が急速に進んできたということで掛金収入に比べて給付金の支出が増大したこと、これが一つでございます。それからもう一つは、基礎年金の拠出金につきましては、各制度の加入者数とその被扶養配偶者数による人頭割ということになっておりまして、農林年金は給与水準が非常に低いということで、相対的に人頭割の負担が結果的に大きくなっているという、この二つによるものと考えております。
○沢たまき君 急いでやります。 年々国民年金の繰り上げ受給率が下がっているのは減額率がきつ過ぎるからではないかと思うんです。今回の各種年金についても繰り上げ支給の道は開かれていますが、六十歳繰り上げの減額率の四二%というのは余りにもきつ過ぎる、何か懲罰的である、こういうふうに思ってしまうんですが、いかがでしょうか。本日のマスコミ報道によれば三五%に引き下げるような話が出ておりましたけれども、その真偽のほどはいかがでございましょうか。
○政府参考人(矢野朝水君) これは、衆議院の厚生委員会におきまして坂口先生の方から減額率を見直すべきだと、こういう御質問があったわけでございます。そのとき、厚生大臣が、新しい生命表に合わせまして、二〇〇一年の四月、平成十三年の四月からの新規裁定者につきまして見直しをしたいと。それで、新しい生命表に置きかえると、あらあらですけれども三五%前後になる、こういう答弁を厚生大臣が行ったわけでございます。 私どもは、この答弁を受けまして現在内部で検討中でございます。
○沢たまき君 ありがとうございました。終わります。
○井上美代君 日本共産党の井上美代でございます。 私は、質問に入る前に申し上げたいことがあります。それは、この審議がいよいよ始まりましたけれども、自自公の与党三党が、定年退職後の我々の生活がかかっている、その支柱ともなる大事な年金法案を審議するこの委員会を一方的に日程を決められて、そして三日には三党だけでその審議に入られたということ、これは非常に残念なことだというふうに思っております。特に、この年金問題については国民の命と暮らしがかかっている重要な法案であるというふうに思っておりますので、今後、審議日程を一方的に決めないで、よく話し合って決め、そして審議を深めていくことが大事ではないかというふうに思います。 もう一つは、厚生年金ときょうの四法案が同じであるというような論があるようですけれども、私はこの四法案の一つ一つを深めて見まして、相当これは違うというふうに思っているわけなんです。そして、私は三十分の時間をいただきましたけれども、とてもその時間ではやれなくて、きょうは国公の共済とそれから地公共済に絞ってやる以外にないかなというふうに思っているところなんです。ぜひまた時間をとっていただきたいというふうに思います。 まず質問ですけれども、共済年金の改正ですけれども、厚生年金の改正のところで厚生省がサラリーマンの夫と専業主婦と子供二人の平均的なモデル世帯の年金の影響額の試算を明らかにされておりますね。二〇二五年度に六十歳で退職する場合、影響額ですけれども、老齢年金受給総額がどれぐらいカットされるかということなんですが、受給の金額は五千三百万円から四千三百万円に下がって一千万円のカットがされるということをモデルとして厚生省は出されております。こういうことはとても、本当に月々積み上げてきている年金、しかも老後ということでそれを楽しみに頑張って節約をして積み上げてきている、もうこういうことは許されないというふうに思います。 それで、この四法案の中でも私は国家公務員と地公共済についてお尋ねをしたいわけですけれども、私は女性の立場からも聞きたいというふうに思います。一般的に賃金というのは男女格差がとても大きいです。年金額においても女性は大変不利であるというふうに私は考えております。平均寿命についても男性よりも七歳女性の方が長生きをします、長生きをして幸せなのかどうかということもあるんですけれども。 それで、私は女性の年金に絞って、いわゆる影響額を試算して出してほしいというふうに思っているんですけれども、公務員共済が一体どのぐらいになるのか、地公共済がどういうふうになるのか。特にひとり暮らしというのがとても苦労しているところですから、ひとり暮らしの女性が受ける年金額のカット額は一体幾らになるのかというのを知りたいのですが、御答弁願います。
○政府参考人(藤井秀人君) お答えいたします。 共済年金制度、これは既に公的年金制度の一環といたしまして厚生年金制度に準拠した給付設計になっているわけです。今回の共済年金制度改正も、長期的な給付と負担の均衡を確保するということの基本的な考え方に立ちまして、厚生年金制度改正を踏まえたものとなっております。その意味で、今回の制度改正によりまして、先生御指摘のとおり、機械的計算によりますれば生涯受給額の減少というものがあるわけでございますが、一方では生涯の保険料負担額の軽減というものもございます。そういうことで、それらが表裏一体となっているということを申し上げたいと思います。 その上で、お尋ねの国家公務員の女性一人世帯、これが生涯に受給する年金額の影響額でございます。組合員期間四十年、そして平均的な収入の女性組合員、この方が平成四十二年、二〇三〇年でございますが、この段階で六十歳で退職し、六十五歳時の平均余命、これが二十三年間ということを前提といたしまして八十七歳まで老齢基礎年金及び退職共済年金を受給するものとして、一定の大きな仮定を置きまして試算をいたしました。その結果で申し上げますと、制度改正後の女性一人世帯が生涯に受給する年金額、これは改正前に比較いたしまして平成十一年度価格で千三百万円程度減少するという結果になっております。 さらに、若干これについて付言いたしますと、この減少額のうちの過半は支給開始年齢引き上げによって六十歳代前半におきまして年金が支給されなくなるということでございまして、いわば六十五歳現役社会を見据えた改正内容を反映したものとなっているということも言えようかと思います。 なお、初めに申し上げましたように、今回の制度改正はあくまでも長期的な給付と負担の均衡の確保を目的としているということでございますから、先ほどもるる議論がございましたけれども、国共済の場合、最終保険料率も財政再計算の一つのケースで見ますと三七・八%から二九・八%、約二割程度低下するということが見込まれているわけでございます。したがいまして、生涯受給額の影響というのは、ただ単にその数字だけではなくて、これらの点も含めて総合的にとらえることが必要であるというように考えております。
○政府参考人(木寺久君) ただいま御指摘のモデルによります地方公務員共済の試算の結果を御報告申し上げます。 今回の制度改正が完成をいたします平成三十七年度以降に六十歳で退職した女性が受ける地方公務員共済年金の生涯年金受給額につきましては、ただいまの国家公務員共済年金と同様の前提条件で試算をいたしますと、今回の制度改正により約五千八百万円から約四千四百万円になりまして、約一千四百万円減額するというふうに見込まれております。
○井上美代君 今明らかになりましたように、ひとり暮らしの女性で一千三百万円、そしてまた一千四百万円のカットがされるということを言われました。驚くような数字であります。これはまだ国民は知らされていないというふうに思います。老後の生活設計は全くこのカットで狂わされてしまうというふうに思うわけです。 私は、私立学校教職員共済の場合も試算をここに持っております。私学の場合には、ひとり暮らしの女性で四千四百万円から三千四百万円、一千万円カットです。このようなことが許されるでしょうか。このような改悪が簡単にやられては本当に大変だというふうに思います。 きょうは担当大臣、中曽根文部大臣がおいでくださっております。また、後刻になるんでしょうか、農水大臣もおいでくださるようですけれども、そもそもきょうの委員会は予算委員会とあわせてやられております。大臣がおいでにならないときにこのように重要な法案が審議されるというのは、私は心外です。だから、そういう意味でも私は大臣とやはりお話をして、審議の答弁を欲しいというふうに思っております。 国家公務員共済年金について質問をさせていただきます。 国家公務員共済の審議会があります。ここで貝塚啓明氏が宮澤大蔵大臣の諮問に対して「国家公務員共済組合制度の改正について」という答申をされておりますけれども、ここに幾つかの意見があります。 時間もありませんのでそうたくさんは出せないんですけれども、例えば「なお、共済年金が退職年金としての性格を有することからすれば、六十歳台前半の雇用確保が未だ不確実な現段階において、厚生年金との並びで支給開始年齢の引上げを先行決定することは拙速ではないか」と、こういう意見もありますし、また「職域年金部分の取扱いに関し、国家公務員制度の一環としての共済年金の在り方からすれば、国家公務員の定年が法律で原則六十歳と定められている以上、引き続き六十歳からの支給としてはどうか、との意見もあった。」と、こういうふうに議事録に出ております。 これらの意見のとおり、国家公務員は六十歳代前半の雇用の保障もない、そして定年延長の議論も始まったばかり、この段階で支給先送りだけ決定してしまうというのは、これは問題であるというふうに思います。国民の年金制度への不信、そしてまた将来への不安というのは今もう本当に高まっておりまして、若い人の間でも広がっております。経済発展にとっても大きなマイナス要因になります。 こういった制度改正は私はすべきではないと、このように思っておりますけれども、大蔵政務次官、御答弁を願います。
○政務次官(林芳正君) 御指名をいただきましてありがとうございました。 今、るる井上委員から御指摘があったところでございますが、まず若年層の不安ということがございましたので、私ももう若年とは言えませんが、まだ三十九でございますので、周りの意見をいろいろ聞いておりますと、無制限に給付だけを約束してその負担がどうなるのかという議論がなされないということに本来の意味での不信があるんだろうなというふうに考えておるところでございます。そういった意味で、今回の改正というのも給付と負担の関係を見据えながら、きちっと持続的に続けられる制度を目指していこうということで改正をやっておるということをまず御理解いただきたいと思います。 そこで、御指摘があった公務員の定年との関係でございますが、先生おっしゃったように、国家公務員法には原則として六十歳が定年であるということでございますから、共済年金の支給開始年齢が六十五歳に引き上げられることになれば、この六十歳代前半の方の退職後の所得をどのように保障していくかというのは大変に重要な御指摘のとおりの課題であると思っております。ただ、これは平成二十七年だったと思いますが、先からこの繰り上げが始まっていくということにまず御留意をいただきたいと思います。 そこで、先ほど沢委員からも御指摘があったとおりでございますが、年金制度上繰り上げ支給制度が設けられておりますし、また雇用面におきましても、先ほど御議論があったように、高齢者の再任用制度に関する法律が昨年の通常国会で成立をいたしております。また、昨年三月の公務員制度調査会、これは総務庁の審議会でございますが、この答申におきましても「二十一世紀の高齢社会において、六十五歳まで働くことのできる社会を目指し、年金の支給開始年齢の引上げ等にも対応する観点から、公務部門における六十五歳までの雇用に積極的に取り組むべき」という答申が出ておるところでございまして、こういうことを踏まえまして、最も重要な政策課題の一つとして官民一体となって取り組むべきだと、こういうふうに考えておるところでございます。
○井上美代君 今、大蔵政務次官から答弁がありましたけれども、私は、よく年金財政の安定化などというふうに言っておられますけれども、それだけでは先ほどから言いましたものが改善されるというふうには思っておりません。これだけの問題があるのに、急いでこれを法改正しようというふうに考えておられるのこそそもそもおかしいというふうに思うんです。 だから、財政面から見て、先ほども出ておりますように積立金があります。こういう積立金などももっと活用しながら、一人一人の働く者が犠牲にならなくていいようにやってほしいというふうに思っております。 国家公務員というのは、退職年金制度についてはきちんと公務員法に法律がありまして、そこでは「適当な生活の維持を図ることを目的とするものでなければならない。」と、こういうふうに書いてあります。この定年退職年齢と支給開始年齢というのに間があきます、差がつきますね。ここのところを私は、我々の生活にとってとても大変になるというふうに思いますときに、やはりここは百七条のこの国家公務員法の法律があるのにおかしいではないかというふうに思うわけですけれども、大蔵政務次官、御答弁願いたいんですが。
○政務次官(林芳正君) お答えする前に、先ほど私、平成二十七年と申し上げたかもしれませんが、二十五年の誤りでございましたので、訂正させていただきたいと思います。 そこで、今、国家公務員法第百七条を引かれまして、間があくんではないかという御指摘でございましたが、先ほども御答弁申し上げましたとおり、間があくことについては、大変に重要な政策課題である、六十歳の前半については大変重要な課題でありますので、今私は間違えて申し上げましたけれども、平成二十五年にこれが始まるときまでに、最重要な政策課題として取り組んでいくということで、この審議会の答申も出ておりますし、これを片時も忘れることなく委員御指摘の趣旨を踏まえてやってまいりたい、こういうふうに思っておるところでございます。
○井上美代君 私は、先ほどもちょっと出ましたけれども、公務員の再雇用制度についてお聞きをしたいというふうに思うんです。 再雇用制度が出ておりますけれども、これは今言われました、そもそもは六十五歳になるまで三年ごとに一歳ずつ再雇用の年齢を上げていくというふうに言っておられるんですね。こういうことで、今の雇用の問題は非常に深刻だというのはもう皆様よくわかっておられる方ばかりですけれども、それは本当に深刻なものです。だから、そういう点で私は今の雇用問題、これだけではとてもいかないんじゃないかというふうに思っております。 特に、雇用と年金の関係というのは、九八年五月の人事院の意見の申し出にも出ておりますけれども、「公的年金の支給開始年齢が引き上げられることとなっている状況を踏まえ、」「職員が定年退職後の生活に不安を覚えることなく職務に専念できるよう雇用と年金との連携を図り得る仕組みを整備する」ことというのがこの人事院の申し出の中に出ているんですね。だから、そこのところが非常に大変だというふうに思っております。 きょう、私は地方公務員と国家公務員の共済についてやっているわけですけれども、あとの私学関係とか農林関係というのは一体再雇用についてどうなっているのかということが心配されるわけです。そういう意味でも、私は農林や私学の問題というのもまた職種がいろいろ違うだけに問題があるというふうに思っております。 時間がなくなってきているんですけれども、私は、国家公務員が十年間で二五%の削減をするということを閣議決定されておりますけれども、この削減の人数をお聞きしたいというふうに思うんです。公務員が何人いて何人削減されるんでしょうか、御答弁をお願いします。
○政府参考人(瀧上信光君) お答えいたします。 府省の再編に合わせまして、国の行政機関の職員につきましては、中央省庁等改革基本法におきまして、十年間で少なくとも一〇%の計画的削減と、独立行政法人への移行等によりまして一層の削減を行うということが規定をされております。この法律の規定を踏まえまして、政府としましては、計画削減と独立行政法人化等による二五%削減の方針を閣議決定しているところでございます。 そして、ただいま御指摘のありました公務員の二五%削減の対象となる職員数と削減する職員数でございますが、この二五%削減は各省庁の定員から郵政公社に移行することが予定されています郵政現業の定員を除きました数を対象としておりまして、その数は五十四万人ほどでございます。そしてまた、計算しますと、その二五%に相当する数は十三万六千人ということになります。
○井上美代君 今出ました十三万六千人を削減するということです。 公務員は多いかということですね。多くはないということを私はここで押さえておきたいと思います。 日本は諸外国と比べて公務員の数が大変少なくなっているということが言えると思います。人口一千人当たりの公務員数は三十九人です。フランスでは百三人で、日本はその五分の二になるということです。アメリカはどうかといいますと、アメリカは八十人です。そしてドイツが七十七人。それぞれこれで見ますと日本は半分だということですね。これをまず押さえておきたいというふうに思います。 私は、一方で二五%の削減を言いながら一方では再任用制度でやっていくというふうに言っておられるんですけれども、これが実効性が発揮できるかどうかということが非常に不透明だというふうに思っております。職員が定年退職後の生活に大変不安を覚えているということを公務員は言っておられるんですけれども、それはもう当然のことだというふうに思います。 再任用制度というのは、言ってみればそもそも希望者全員が入れるわけではないんですね。だから、そういう意味で差別、選別をするということになって、選ばれた人たちが残っていくというふうになります。そして、これはパートの職員も入っております。賃金は低くして、そして責任を持ってやっていくということですので、非常にこの問題もまだいろんな課題があるというふうに思っております。 このように、二五%削減と言いながらその一方では再雇用というふうに言って、これはやはり矛盾しているというふうに思うんですね。二五%の削減をするとなったら再雇用は減らされると思うし、若い人の新採用も少なくなるというふうに思うわけです。だから、そういう意味でここにも問題があるというふうに思っております。 こういう厳しい現実に対して、一体、大蔵政務次官また自治政務次官はどういうふうに認識しておられるのかということをお聞きしたいと思うんですが、よろしくお願いします。
○政務次官(林芳正君) 種々御指摘がございましたが、行政改革の中で国家公務員の再任用制度は有効に機能するんだろうかというようなことも含まれておったと思います。 一義的には我が省のお話ではないかもしれませんけれども、私の聞いておりますところによりますと、これを検討された委員会の中で推進方策の例として以下のようなことが挙がっておったわけでございます。例えば、職務編成の見直し、部門間の配置転換、職場環境の改善、在職期間の長期化にも対応した研修を行う、それから若年期から配置の転換を行う、また人事の交流を行う、生涯生活設計プログラムの実施等いろんな推進策をとってまいる。これは関係者各位すべての方の御努力がますます必要になってくるものというふうに考えておるところでございます。 それから、二五%削減ということでございまして、先ほど沢委員の御質問だったと思いますが、将来どう見ておるのか、国共済の話でございまして、一番厳しいケースで厚生年金被保険者数の比率の一定という仮定を置いた場合には、最終的に組合員数が三割減るという形になっておりますので、例えばそれぐらいの定削があった場合にも大体同じような数字になるのかなと。その厳しいところも見込んで今の改正をやっておるということでございます。
○政務次官(橘康太郎君) お答えいたします。 新たな再任用制度は、働く能力のある者を選考により採用できる制度でございまして、希望者が当然に全員雇用されることを保障するものではありませんけれども、高齢者雇用の観点から、六十歳代前半に就労を希望される方につきましては職務再編等によって再任用ポストの確保に努めるなど高齢者雇用を進める必要がある、こういうことにつきましては先ほど朝日さんのところで御説明申し上げたとおりでございます。 なお、六十歳代前半の雇用の推進は公務部門に限らず官民共通の課題となっておるところでございまして、地方公務員の方々は特に地方のいろんな民間部門の仕事にお詳しいわけでございますので非常に引く手あまたではないだろうか、このように考えております。 と同時に、これからの少子化社会を考えましたときに、もう既に地方公務員の構成内容が先ほども申し上げましたように逆三角形になっておりまして、今四十代、五十代がコカ・コーラボトリングの瓶のように真ん中が膨らんでおります。二十歳代、十歳代になりますと本当に少ないというのが現実でございます。 少子化社会において労働力が不足しつつあるという現状を考えましたときに、やはり六十歳から六十五歳までの間の方々の貴重なしかも優秀な方の労働力というのは、これからの日本の経済新生対策の中小企業を十分に活用していくという対策からいたしましても絶対必要なところであろう、このように考えておるところでございまして、私どもはこの六十歳から六十五歳の非常にすばらしい有能な方々の雇用につきましては十分需要があるものと考えておるところでございますので、どうかひとつその点も御理解いただきましてこの案をお認めいただきたい、このように思うわけでございます。
○井上美代君 今、両政務次官から御答弁いただきましたけれども、私は現状はそう甘いものではないというふうに思っています。これがもっと失業者がふえていないときでしたらですが、失業者はどんどんふえているんです。それを救出するような方法というのは手を打っておられないでしょう。だから、そういう点でも私はそんなに甘くはないというふうに思っております。一方で削減しながら一方では雇用するという、こういう政府が出しておられることには賛成できません。 特に、私は一月に職安を回ったんです。ずっと職安で実態を聞いて歩きました。そしてまた、統計も出してもらいましたけれども、例えば東京の職安で飯田橋職安というのがありますが、ここでは六十歳代の前半、月間の有効求職者の八百五十二人中で就職できた人はたったの四十人です。また、池袋職安にも行きましたが、六十歳以上の求職者は三千三十六人、これは去年の十一月ですけれどもありました。しかしながら、就職できた人の六十歳代前半の人は四十人です。池袋職安で六十歳以上の求職者は三千三十六人いましたけれども、ここでは十一月の求職活動を行った人が二千九百六十八人いましたけれども、就職できた人は四十人です。このように本当に厳しい現実が職安のところにありました。 労働省資料では、昨年の十二月、六十歳以上の有効求職者は四十一万二千九百二人に対して、就職できた人数は五千七百二十人、たったの一%にしかすぎないということが実態調査の中ではっきりしております。 もう時間が参りましたのでやめますが、このように何しろ問題はたくさんありまして、しかも四法案です。だから、そういう意味で審議を深めるということで時間をとっていただきたいとお願いしまして、私の質問を終わります。
○大脇雅子君 社会民主党の大脇でございます。 まず、農林年金の制度改正についてお尋ねをいたします。 今回審議の対象となっている共済年金制度の見直しの中で農林漁業団体職員共済年金制度というのは、ここ五年間で制度を支える組合員数が約三万人と大幅に減少しております。その反面、年金受給者は約五万二千人増加しておりまして、成熟度は高まっている。このような状況を受けて、関係団体は平成十三年四月に厚生年金への統合を強く希望している。 先ほどの議員の質問で、移換金の額などはまだ明快ではない、積算の根拠が違うということで、予定利率をどう考えるかということで、判明していないというお答えですが、しかし統合するという場合に移換金とかあるいは保有積立金の基本的な枠組みというものがなしで議論されているとは到底思えない。試算をされているに違いない。また、見通しとしてはどういう数字を前提として幾つか考えられているのか、もう少し詳しく御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(石原葵君) 移換金の問題でございますが、先ほど厚生省さんの方からお話のあったとおりでございまして、移換金の問題につきましては、今後、財政検証、それから一元化懇談会、こういう場での関係団体の協議、それいかんによってその具体的な内容が決まるものだと考えております。 農林漁業団体がこの移換金の問題につきまして非常に関心を持っております。我々といたしましては、もちろん厚生省さんに対しまして、あるいは関係の団体等に対しまして農林漁業団体の意向を十分伝えたいと思っておりますけれども、いずれにしましても移換金の額等につきましては関係団体との協議、それの結果によるものと考えておるところでございます。
○大脇雅子君 厚生省はどういうふうにお考えでしょうか。
○政府参考人(矢野朝水君) 基本的な考え方は先ほど政務次官の方から答弁したとおりでございまして、農林共済が単独制度として運用されてきた期間におきまして、そのときにその給付が確定している部分、これにつきましては一人一人の積み上げ計算をして移換金を算出する、こういうことになるわけでございます。
○大脇雅子君 そうしますと、関係団体その他で協議をすると言われるのですが、いつごろをめどにそういう結論が出るのでしょうか。
○政府参考人(矢野朝水君) 今提案している法律が通るということが大前提でございまして、法案成立後にこの法案を前提とした財政再計算を農林共済としてやっていただく、それを社会保障制度審議会の数理部会で検証する、こういう手続があるわけでございます。それを踏まえまして関係団体、関係者間で御相談をして具体的な中身を詰めていく、こういう作業になるわけでございまして、現時点で一〇〇%いつから必ず統合できるということはなかなか申しづらい点がございます。
○大脇雅子君 しかし、法制度を改正して、全くそうした試算なしでこれから議論するんだということでは余りにも無責任ではないか。移換額と保有積立金の状況から見て、JR共済、JT共済、NTT共済の統合の先例もあるわけですし、JR共済あるいはJT共済の給付に対しては各制度からの財政支援もあるわけなんです。 私は、再度その基本的枠組みを確認したいのですけれども、そうした具体的な支援措置を必要とするのかどうか。あるいは、その保有積立金はJR、JT、NTTと比べてどのようになるのかということは今まで議論されていると思うんですが、その議論の内容を明らかにしていただきたいと思います。どういう検討をされているのか。結論が言えなくても議論のプロセスは言えると思うんです。
○政府参考人(石原葵君) ただいま委員からお話があったとおりでございますけれども、移換金の計算の方法、これはJR、JT、NTTの例がございます。この例に沿いまして計算することはもちろん可能でございます。 しかしながら、この移換金の計算につきましては二つ問題があると思っております。一つは、将来支給される給付に相当する額を推計する際に物価上昇率それから賃金上昇率、こういう将来の経済変動をどのように見込むのかという問題が一つでございます。それからもう一つは、将来支給される給付相当額を統合時点の価格に換算する現価率、予定運用利回りでございますが、これを幾らにするかという問題がございます。 この二つの問題がございまして、これらにつきまして、先ほど申し上げましたように関係者間の調整が必要となるということでございまして、そういう関係者間の調整を経ないままこの額を見積もることはなかなか難しいということでございます。
○大脇雅子君 そうしますと、その見通しとしては、他の統合の際必要とされていたような具体的な支援措置というものは必要になるとお考えですか、どうでしょうか。
○政府参考人(石原葵君) 先ほど申し上げましたように、その移換金がどうなるのかというのはあくまでそういう関係者間での調整を待たなければ何とも言えないわけでございますけれども、我々といたしましては、そういうJR、JT、NTTの場合に行われましたようなほかの制度からの援助、そういうことは必要ないのではないかというふうに考えているところでございます。
○大脇雅子君 農林年金のいわゆる三階建て部分であります退職共済年金の特例につきましては、歴史的な経過として共済年金制度を支える現役労働者の低水準の所得を生涯賃金保障の観点から必要だとして設けられているものと考えられておりますが、これは一体どのような方向をもって検討されているんでしょうか。
○政府参考人(石原葵君) この三階部分の問題も先ほど申し上げましたこととかかわるわけでございますけれども、農林年金と厚生年金を統合するということになりますと、先ほど来申し上げておりますような財政検証、それから関係者間の調整、そのような手続が行われまして、その結果統合するということになりますと、統合時までの農林年金の加入期間に対応して、将来支給される給付のうち厚生年金相当部分、二階部分について農林年金から厚生年金に対しまして必要な額の移換金を移換するということになるわけでございます。 そのような手続を経た後、三階部分の問題になるわけでございまして、この三階部分につきまして農林漁業団体から基金設立の要望が非常に強いということは承知しておりますが、二階部分の移換金の額がどの程度のものになるか、それいかんによってこの三階部分のあり方が決まってくるということで、現時点で三階部分の姿を見通すことは困難であるということでございます。
○大脇雅子君 歴史的な経過など見まして、やはり年金額の低下という形にならないようにでき得る限り検討をしていただきたいと思います。 さて、細かいところでございますが、JR、JT、NTT等の旧公共企業体の共済年金が統合されたわけでありますが、その共済年金の事務を処理していた共済組合の職員の処遇は一体どのようになったのでしょうか。とりわけ雇用確保は重要な問題でございまして、農林年金の場合も現在共済年金事務にかかわる職員が二百名というふうに言われておりますが、この雇用保障についてどのようにお考えか、お尋ねをいたします。
○政府参考人(藤井秀人君) お答え申し上げます。 旧公共企業体等の共済年金、これは平成九年四月一日、先生御指摘のとおり厚生年金に統合をされました。これらの共済組合におきましては、共済年金事務の処理は各社の社員によって行われていたということでございまして、共済組合固有の職員の処遇の問題は生じなかったというように承知をいたしております。 具体的に申し上げますと、平成九年の四月以降二年間、この期間におきましては暫定期間といたしまして厚生年金保険の管掌者たる政府からの受託業務を行っていたわけでございますが、平成十年度末で受託業務が終了したため、各社の共済年金事務に携わっておられました職員数が減少いたしました。これらの職員は、出向元の会社に戻られたり経理システムの開発等に携わられたりあるいはNTT厚生年金基金業務、そういうところに携わっておられると聞いております。
○政府参考人(石原葵君) 農林年金の職員の統合後の処遇及び雇用保障の問題でございますが、厚生年金との統合を円滑に進める上で、先生が御指摘ございましたような職員の処遇、雇用の確保、これは極めて重要な問題であると認識いたしております。 農林年金におきましては、定年退職の不補充、それから希望退職等によりまして時間をかけて減員に努めるなど、雇用上の問題にも留意する方向で組織協議が進められていると承知いたしております。 農林水産省といたしましても、今後の統合に向けての検討の状況を十分見ながら、職員の雇用上の問題にも留意しつつ、適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。
○大脇雅子君 大臣はこの統合に関してどのような態度で臨まれているのか、お答えをいただけたらと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 農林漁業団体は平成十年十二月に農林年金と厚生年金との早期統合を組織決定し、関係省庁に要望しているところであります。農林水産省といたしましても、平成八年三月の閣議決定において公的年金制度の再編成の方向が示されていること、高齢化の進展や農協系統の組織の統合等に伴い今後組合員数が減少し受給者数が増加すると見込まれることなどを踏まえまして、統合の方向で検討する必要があると考え、関係省庁に早期統合の検討をお願いいたしているところであります。
○大脇雅子君 雇用保障の点など十分留意いただきましてお進めをいただきたいと思います。 さて、国家公務員共済、地方公務員共済制度の改正について、今回、介護休業手当金の制度を設けるということになっております。これは、育児休業手当金とともに、国家・地方公務員である労働者が家族的責任を果たす上での制度保障として高く評価されるべきものだと思います。 さて、その給付額についてでございますが、現行は給付額が二五%ということでなっておりますけれども、今、雇用保険法の改正によりますと、これは四〇%に上がるということで改善が予定されております。この点について、国家・地方公務員については介護休業に関する手当が制度化された場合、この給付水準について将来はどのようにお考えでしょうか。
○政務次官(林芳正君) 今御指摘のありました件につきましては、国家公務員共済組合法の第六十八条の三で介護休業手当金を設けることになっておりますが、先生がおっしゃったように、今提出しております雇用保険法等の一部を改正する法律案で、民間の方については四〇%に引き上げを予定されておるところでございます。 先ほど来御議論がありますように、この民間との並びという関係の中で、こちらの雇用保険の方の法律案の附則におきまして、国家公務員共済組合制度の介護休業手当、それから育児休業手当も同様でございますが、十三年一月から二五%から四〇%にそれぞれ引き上げることになっておるということでございます。
○大脇雅子君 さて、今回の年金制度の改正案におきましては老齢厚生年金、すなわち報酬比例部分の支給開始年齢の段階的引き上げとか給付水準の五%の切り下げとか賃金スライドの廃止等、労働者や家族の老後生活に直接深刻な影響が明らかになっております。 しかし、現在、深刻な不況を見れば、高齢者の生活というのは年金と雇用が確保され、この両輪が相まってやはり保障されるということでありまして、現在六十歳定年というものを六十五歳に上げていく、そのために公務員に関しては高齢者の再任用制度というものが検討されているわけです。平成二十五年に年金額が減少するというプログラムというものは非常に明快に描かれているわけですけれども、その六十五歳の定年年齢にするためのいわば制度的な仕組みというのは余りはっきりと描かれていないということがあります。例えば、ワークシェアリングの問題等言われておりますけれども、具体的にどのような姿として六十五歳の定年延長まで進んでいくのかということ、そして生涯設計を可能にするような労働者に対する明快な道筋というものが果たして描かれているのかどうかということが問題だと思います。 厚生省と労働省にこの点についてお尋ねをいたしたいと思います。
○政府参考人(矢野朝水君) 支給開始年齢の問題につきましては、我が国は世界最長寿国である、こういったことですとか、諸外国の年金制度におきましては六十五歳が支給開始年齢ということに一般的になっておる、こういったことを踏まえまして、十分時間をかけて、二〇一三年から二〇二五年にかけて段階的に支給開始年齢を六十五歳に引き上げたい、こういう提案をしているわけでございます。この場合は雇用対策と連携をとるというのは当然でございまして、雇用対策と連携をとりながら受け入れ体制を整備しつつ段階的に引き上げていきたい、こう思っておるわけでございます。
○政府参考人(渡邊信君) 少子高齢化の進展によりまして、今後高齢者の働く人に占める割合がますますふえるということが見込まれておりますし、また今後、五年後ですが、二〇〇五年からは若年労働者が減少することに伴いまして労働力の供給の絶対数が減少するというふうに見込まれております。これは我が国で初めての事態であるというふうに認識をしております。 こういったことから、高齢者の雇用を進めることは、高齢者の生活の安定というだけではなくて、我が国経済社会というものが今後とも活力を持って維持していけるということからも大変重要な課題であるというふうに考えております。現在、鉄鋼とか繊維あるいは電機などの産業界におきまして、賃金制度の見直し等を含めまして雇用の延長が大いに議論されている状況であります。こういった機運が民間でも大いに盛り上がることによって高齢者雇用が促進されるということに期待をしているわけであります。 行政としましては、従来から六十五歳現役社会ということで施策を進めてまいっております。六十五歳までの現役社会ということには三つぐらいの柱があるかと思っておりますが、まず高齢者が今まで働いてきました企業あるいは同一企業グループで働き続けられるということが高齢者にとっては最も望ましいことだと思います。これを大きな柱といたしまして、離職、再就職をせざるを得ないという高齢者についてはできるだけ速やかにその再就職が図れるような施策、それから六十歳を過ぎますといろんな多様な働き方の要望というのが出てまいりますが、シルバー人材センター等を利用したいろいろな働き方の事業の整備、こういったことを三つの柱にして従来からやってきているわけであります。 まず、これから六十五歳まで継続して勤められるという体制のために、従来は再雇用等を含めて継続雇用制度を導入してほしいということで法律の中に規定をしておりましたが、今般、高年齢者雇用安定法の改正案を提出いたしまして、定年年齢そのものの引き上げを要請するということにしております。また、再就職をせざるを得ない高齢者につきましては事業主が在職中から再就職、転職のための支援をする、こういったことを要請することにしておりまして、そのために助成に必要な予算も予算案に計上しておる、こういうことにしております。 こういった施策によりまして、六十五歳現役ということの実現に努めてまいりたいと考えているところであります。
○大脇雅子君 終わります。
○入澤肇君 今回の年金制度につきましては一応の改革案が出たわけでございますけれども、私どもも、今まで各党各委員の御質問にもありましたように、決して十全なものであるというふうに思っているわけじゃございません。まだ未解決の多くの問題、例えば逆進性の高い定額保険料制度という問題、あるいは保険料未納者、未加入者が一号被保険者の四〇%を超えるという問題、あるいは専業主婦をめぐる第三号被保険者の問題、あるいは学生加入の問題、それからまた保険料の徴収に膨大なコストがかかるというような問題、それから先ほども議論がありましたけれども減額率の問題、これらはいずれも今回の改正によって抜本的に改革されたわけじゃありません。 しかし、今回の改正を前提としてこの四共済法案の審議に臨むに当たりまして大事なことは、政府、それから負担をする現役世代、それから給付を受ける退職世代、この三者のそれぞれだれもが十分に満足を得られるようなレベルというのはなかなかこれは求めがたいんではないか、むしろ三方一両損の精神で、どこまでが受忍の限度のレベルであるかということをしっかりと踏まえて、安定性、継続性の視点から制度を構築していくことがいいんじゃないかというふうに思っているわけであります。 そういう意味で、きょうは、四法の中で特に農林漁業団体の共済制度につきまして若干の御質問をしたいのでございますけれども、一番とにかく国民年金、厚生年金の制度改革を大至急やってくれと望んでいるのは、もう言わずもがな、農林漁業団体でございます。それは、先ほどから各委員がるる御議論されていますけれども、とにかく厚生年金との早期統合を団体の方で求めているということがあります。 この農林漁業団体というのは、私は農林漁業政策を進めるに当たって、運動論を進めていく上での基幹的な役割を担っている極めて重要な機関であるというふうに思っております。したがいまして、その職員の老後の安定を図るということは農業者に対する年金制度、これはペンディングになっていますけれども、農業者に対する年金制度と並んで極めて重要な農林漁業活動分野におけるセーフティーネットじゃないかと思うんです。その意味では、一刻も早く安心する制度をつくっておくことが必要じゃないかというふうに思いまして、これを我々が審議を急ぐ一つの理由にしているわけでございます。 具体的に若干の御質問をいたしますけれども、農林漁業団体が厚生年金との早期統合を求めているというけれども、もう一つ背景がはっきりしない。もう少し明確に、例えば今のままでいったら保険制度の原則、年金数理の原則に合致しなくなるんじゃないか、計算ができなくなるんじゃないかというような背景があるのかどうか。それから、その背景といたしまして、この間も通達が出たそうでございますけれども、農協の広域合併をどんどん進めています。一体その母集団がきちんと安定的に継続する見込みがあるのかどうか。 それから、先ほどから議論がありますけれども、給与水準が非常に低いということがあります。この給与水準の低さというのは、私はまた日本農政のアキレス腱というんですかウイークポイントだと思うんですけれども、この給与水準の低さによって、せっかくつくった団体の年金制度も十分な安心感を農民に与えていない、あるいは農協の職員に与えていないということにもつながっているんじゃないか。 そこで、この両団体を統合するに当たって、具体的な背景事情について、これは局長の方から説明願いたいと思います。
○政府参考人(石原葵君) ただいま先生の方から御指摘があったとおりでございますが、農林漁業団体は、今後の農林年金制度のあり方を検討いたしまして、農林年金の組合員数が農協系統組織の整備合理化の取り組みにより急速に減少している状況等を踏まえまして、平成十年十二月に農林年金と厚生年金との早期統合を組織決定いたしまして、関係省庁に要望しておるところでございます。 農林年金の組合員数でございますけれども、平成十年で四十八万二千人ということでございます。組合員数の四十八万二千は農林漁業が全部入っておりますので、それで四十八万二千ということになっておるところでございますが、そのうち農協だけ見ますと約四十万人ということでございます。その四十万人のうち専門農協を除きましたいわゆる総合農協、そういうものを中心としたものに限りますと三十五万人ということでございます。この三十五万、これはちょっと古い数字ではございます、平成八年の数字でございますが、この三十五万人を五万人削減するということを農協はもう既に組織決定いたしまして、着実にそれを実行しているところでございます。このように、受給権者がふえる一方で肝心の組合員数が大きく減っていくということで、このような早期統合の組織決定をいたしまして関係省庁に要望したということでございます。 それから、やはり基本的に農林漁業団体がこのように決定いたしましたのは、今申し上げましたような組合員数が大きく減少していること、それから先ほど来出ております平成八年三月の閣議決定で公的年金制度の一元化に向けた取り組みをするということが決まっております。このような事情を受けまして、そういうものを背景といたしまして組織決定し、関係省庁に要望したという次第でございます。
○入澤肇君 制度を運営するための基礎的な背景というのは、そういうふうなことだと思うんです。 ただ、この農林年金につきましては、いろんないきさつがございます。例えば、平成八年には五万人の要員削減計画を持ち出した。その時点でなぜ厚生年金との統合を決断しなかったのかと。あるいはその前に、一九五九年当時、勝手に出ていったというふうに農林漁業団体以外の方々は言っているわけです。三年前にJRなど三共済が厚生年金に統合されたときに復帰が打診されたにもかかわらず、その見通しは甘く断ったと、こんなことをずっと言われているわけです。こういう背景の中で、今回、早期統合というのは虫がよ過ぎるんじゃないかとか、あるいは勝手過ぎるんじゃないかというふうな意見もあることは事実であります。 これが単に財務上の理由だけで統合ということを求めたのでは、私は大方の理解を得るにはもう一つ不十分じゃないかと。むしろ、農政上の必要性にかんがみ、農協、農林漁業団体の制度の大改革をやっているので、一つの団体として年金制度を持続的に維持することができないんだということを明確に説明すべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(石原葵君) ただいま先生の方から御指摘があったとおりであろうかと思います。 先ほどお話がございましたが、農林年金は昭和三十四年に厚生年金から分離独立いたしております。その間の事情をちょっと御説明させていただきますと、三十四年一月一日に厚生年金保険から分離いたしまして独立したということでございますが、その事情といたしまして二つございます。一つは、当時の厚生年金の支給開始年齢が六十歳であった。他方、公務員といいますか、その比べるべき共済の支給開始年齢は五十歳であったということでございます。このように条件面の整備が非常におくれていた、厚生年金の方の整備がおくれていたというのが一つございまして、それで昭和二十九年に私立学校教職員共済組合制度が、また翌昭和三十年に市町村職員共済制度が発足したということでございます。 それで、農協等の農林漁業団体の職員でございますが、こういう職員につきましては、既に市町村の職員との横並びといいますか、処遇面あるいはこういう年金制度の面で市町村の職員とのバランスということがまず第一番に考えられる問題でございます。 それで、先ほど申し上げましたように、市町村職員の共済制度が昭和三十年に発足したということもございまして、それに比べるべき農協等の農林漁業団体の職員の年金制度が非常に市町村の役場の職員等に比べて劣っていくということで、こうなりますと優秀な人材を確保することが困難になるということから、年金制度を設立する、独立するということに決めたものでございます。 それで、平成八年に三共済の統合が決定されたわけでございますけれども、その際になぜ農協系統の方も決断しなかったのかという点が先ほど御指摘ございました。 この点につきましては、平成八年三月に三共済の厚生年金との統合が閣議決定されたわけでございますが、農協系統はその翌年、平成九年十月にJA全国大会におきまして要員の五万人削減計画を決定いたしております。もちろんその前年にも全中の理事会等でいろんな議論はしたわけでございますけれども、農協系統として組織決定いたしましたのは平成九年十月のJA全国大会であったということでございます。 それから、そういう五万人の削減計画、これらを踏まえまして厚生年金との統合を組織決定するということにしたものでございますが、この点は一番重要な点でございますが、昨年、食料・農業・農村基本法を制定していただいております。この基本法に基づきまして農政改革を進めているところでございますが、その中で、基本法の中にも農林漁業団体の使命といいますか、これについては非常に期待するところが大でございまして、新たな基本法を十分に達成するという観点から農協系統が十分な働きをすることが期待されております。 一つは、農業者の営農活動の支援、それから農村社会における必要な住民サービスの提供という問題でございます。こういうものに農協系統が積極的に取り組まなきゃならないということがございまして、他方でこれまでの人員どおり、スリム化といいますか効率化をしないままこういう問題に取り組むことになりますと、結果的に農家、組合員の負担あるいは農業者の負担ということになるということで、基本法の中にも農林漁業団体の効率的な整備再編ということが明確に位置づけられているところでございます。 このような事情から今回の組織決定に至ったものでございますので、よろしく御理解いただきますようお願いいたします。
○入澤肇君 非常に丁寧な御説明をありがとうございました。今、十分な説明じゃなかったと思うんですけれども、要するに農政上の重要な必要性に基づいてこの統合を位置づけなくちゃいけないということを局長は言ったと思うんです。 最後に大臣に。農協に対して今言ったような勝手じゃないかというふうな議論もございますし、それからまた農協自身が政治活動ばかりやっているんじゃないかとか、それから効率一辺倒で追求するのは私はどうかと思うんですけれども、いろんな意味で協同組合原則がその原則から離れ過ぎているんじゃないかとか、いろんな意見もあるわけであります。 そこで、農協に対する国民の理解を深めるということは、このような制度改革をやる上には極めて重要なことなので、大臣からこれからの農協の事業あるいは農協の組織のあり方につきましてどのような指導方針で臨むのかということについてお聞きして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 農協系統におきましては、それぞれみずからの改革を目指して農協合併や県連合会と全国連合会の統合等の改革を進めておるところであります。しかしながら、こうした努力のみでは期待される役割を十分果たすものとは考えられません。したがいまして、昨年成立をいたしました食料・農業・農村基本法を踏まえて、食料の安定供給、農業の持続的発展、農村の振興等について農協が従来にも増して積極的に取り組んでいくことが必要と考えております。 こうした観点から、農協系統におきましても、担い手を中心とする農業者の営農活動の支援、農村社会における必要な住民サービスの提供等に関する農協の役割や事業、組織のあり方について抜本的な見直しを行うべく検討が始まっておるわけであります。 農林水産省といたしまして、農協系統が基本法を踏まえて適切な役割を果たしていけるよう農協制度のあり方について検討を進めるとともに、系統における積極的な検討を指導してまいりたいと考えております。
○堂本暁子君 私が用意いたしました質問は、一番目の質問は大脇さんが全く同じ質問をなさいましたし、二番目の質問は入澤先生が全く同じ質問をなさったものですから、私としてはもう実は大臣に伺うことがなくなったような気がいたしますけれども、政務次官とそれから局長の御答弁の中からもう一回伺いたい。 それは、先ほど政務次官の御答弁の中に、今回の農林共済の統合というのは財政的な事情からではなくて閣議決定を受けてのものであるということをおっしゃいました。今、局長の答弁は少しニュアンスが違って、組合員の人数が変わってきたことと、そしてそういった閣議決定を受けてということだったんですけれども、私が一つやっぱり納得がいきませんのは、公的年金制度の一元化に関する懇談会がJRとかNTT、JTの統合を決め、そして私学共済とそれから農林共済がさらに統合する、そして最後は国家公務員、地方公務員という段取りがとられたと思います。それ以後、九七年に実際にJR、NTT、JTが統合されたときに、農林年金にも、今、入澤先生もおっしゃいましたけれども打診があった。これは、連合さんなんかに伺いますと、入った方がいいんじゃないかと積極的に聞きさえしたということを聞いています。 なぜこのときに、率直に言えば財政的にはもう破綻することがわかっているにもかかわらず入らなかったのかということを、やはり私はどうしても、これは質問じゃないんですけれども、おかしいじゃないかということを申し上げたい。 その上で、今、十三年度の厚生年金との統合とそれから完全実施というのが言われているわけですが、これは当事者である農林そして漁業の共済の方たちが組織決定したということを先ほどからるる伺っております。しかし同時に、その場合に、新聞なんかも書いていますけれども、もし一年でも延びたらばいわゆる持参金が数百億でふえていく。私どももそういう陳情を積極的に受けました。 そういう事態の場合、私が一番ここは、先ほど多分大脇先生もそこをお聞きになりたかったんだと思いますが、支援措置は必要なのかということをるるお聞きになっていらっしゃいました。いろいろ、例えば国からの援助があればそれでいいんじゃないかというようなことまでうわさされておりまして、これでは余りにも安易過ぎる。 そして、先ほどの御答弁の中で、これから調整しなければならない。当然その一元化に関する懇談会も開かなければならないでしょうし、それから財政再建に関しての問題、その財政再計算案あるいはこれからの、いわゆるさっき局長が言われた給付に関してのシステムについても出さなければならない。これは鶏と卵のような関係だと思うんですね。どっちが先なのか。私たちはその実数を知らないままきょうは審議をしているわけです。 私はやはりもう、これは委員長にもお願いしたいことですけれども、これからこういった統合についての法律は出てくるんだと思いますけれども、そういったものを審議する際には、実態を知らないで賛成したり反対するというのは大変国会議員としては無責任じゃないかというふうに思います。ですから、大臣にお願いしたいのは、委員長にも大臣にもお願いしたい、それは財政の再計算あるいは支援措置が必要なのか否か、その実数はどうなのか、そういったことをきちっと国会に知らせていただきたい。そのことをきょうぜひとも確約していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。これは大臣の責任の問題ですから。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 今、委員が仰せられたことを十分念頭に入れまして、当然、今後のことにつきましては国会にも十分御説明を申し上げ、御理解をいただきながら進めていくことが大事であると、このように思います。
○堂本暁子君 大臣、もう少し明確に。 今申し上げたのは、国会に御説明というあいまいな、非常にあいまいなんですね。もうだれもがこれは財政破綻だと言っているにもかかわらず、そういうことをカムフラージュしている。衆議院における相当強引な採決、あるいは私ども参議院で、この委員会の場合も農林共済を早くしなければならないからということがささやかれているわけでございまして、そういったことで、表だけで、きれいごとでいくということはどうも納得がいかないわけです。 そこで、財政の再計算あるいは支援措置が必要なのかどうか、その二つについてきちっと国会にお示しいただきたい。この次は統合に関しての法律が出てくるわけですから、それより前にお示しいただきたいんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 再計算のことにつきましては、国会に出させていただきます。
○堂本暁子君 支援策についてはいかがですか。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 支援策につきましては、これから十分検討をしなければならぬと思いますが、今から明確なことはちょっと、私だけからは言えないと思いますので、御容赦願いたいと思います。
○堂本暁子君 大臣に期待するところ大でございますので、ぜひともその辺もきちっと。こういうことをもしこれからやりますと、やはり国民の信頼を農業に携わる方が失うということにつながると思うんです。特に、私もサラリーマンをやっておりましたけれども、サラリーマンの方が農林共済のものを負担しなければならないとか、そういったようなうわさすら今出ているときに、国民全体の支援を受けるためにはやはり農水省がきちっとした数字をお示しいただくということが何よりも大事だと思いますので、そこのところはきちっと御対応いただくことを期待しております。 そしてきょうは、自治大臣もお越しくださいました。自治大臣に伺いたいのは、これから地方公務員の共済だけではなくて、基礎年金部分の公的負担についての質問なんですけれども、自治体が負担している部分、これは事業主が負担している三分の一、それも負担しているわけですが、合わせて三分の二を負担しているわけですね。そして、これを今回の改正で、国庫負担を平成十六年度、二〇〇四年になりますが、までに二分の一に引き上げるというふうになっています。そうしますと、自治体の基礎年金は四分の三になってしまう。果たしてこれだけの財源がそれぞれの自治体が持てるのかどうかということをお答えいただければと思います。
○国務大臣(保利耕輔君) 御質問をいただきましたとおり、国民年金法の改正で、附則で平成十六年までの間に現行の三分の一、三分の一、三分の一を二分の一、四分の一、四分の一にするということがなされる可能性が高いということであります。これに対して財源措置は大丈夫かということでございます。 これからの検討ということになるのかもしれませんが、私どもとしては、いろいろな地方の税金について十分これから充実を図っていかなければならないわけでありますが、景気の動向等も見合わせながら、今言われております外形標準課税の導入でありますとか、そのほか国からのいわゆる国税五税と言っておりますものの配分割合でありますとか、あるいは基本的に国の法人税を下げていわゆる地方の税に移していくとか、そういういろいろな方策をこれから講じながら財源の充実を考えて、そしてこの問題に対処していかなきゃならぬ、そういうふうに考えておりまして、大変難しい問題でありますが、一生懸命頑張りたいと思います。
○堂本暁子君 ありがとうございました。 厚生大臣、きょうは御出席いただいてありがとうございました。 きょうは共済関係の四法案の審議なんですけれども、私はこれは年金関係の法律のやはり審議のスタートだというふうに思っております。丹羽厚生大臣は随分前から、私どもが与党におりましたころから御一緒に抜本的な全体の社会保障制度改革に取り組んでこられた。そういった中で、これから包括的、抜本的な改正がやはり必要なんではないか。今回の改正は、やはり小手先と申しますか、財政的な事情ゆえの改正のように思います。全体の包括的な改正を一刻も早くする必要があるし、その責任はやはり厚生省にある、大臣にも大いにリーダーシップを発揮していただきたいと思っておりますが、御所見を伺いとうございます。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 先生御案内のように、今後の少子高齢化社会の進展に伴いまして、社会保障そのものが大変ふえていくわけでございます。これは、当然のことながら社会保障制度とそれから経済との調和、これも全く無視するわけにいかないわけでございまして、将来の現役世代の皆さん方の過重な負担にならないように考えていかなければいけない、こういう観点から年金、医療、こういうような取り組みに取り組んでいるところでございます。 小手先とおっしゃいますが、率直に申し上げて私はいわゆる抜本改革に向けて第一歩を踏み出すことができた。それは、例えば薬価差の問題でも長年大幅なR幅というのが認められていたわけでございますが、この縮小をすることができた。それから、例えば診療報酬の部分におきましては、出来高払いかあるいは包括払いかという問題でございますけれども、いわゆる慢性的なものにつきましては包括払いにしていこうじゃないかという一定の線を打ち出すことができた。大変大きな進歩だと思います。それからあと、長年の懸案でございますお年寄りの定率制の導入というものも踏み出すことができた。 そういう意味において、これは昭和三十六年にスタートいたしまして以来非常に国民の間に定着していて、しかもどちらかというと、医療については皆保険、年金についても皆年金、こういう意味において国民の大方の理解を得ながら進めていく、しかしそういう中においてこれからますますふえていくのにどうやっていくんだと。この問題を今後私たちは十分に検討しなければならない、こう考えておるような次第であります。 ちなみに、社会保障の給付費は現在六十九兆円でございますが、二〇二五年には何と二百三十兆円になるわけであります。これをどうするかという問題でありますが、全体として、一つは公費をどこまでやるか。これは国も都道府県も、市町村を含めてどういうふうに負担をするか。それから、保険料の問題と自己負担の問題、この三つの財源論をどうやって組み合わせていくかという問題。それからもう一つは、率直に申し上げて、これまでの保険で見られる水準の問題、それから範囲の問題、これも国民の皆さん方に率直に打ち明けて御議論をいただかなければならない、こう考えているような次第であります。 もうちょっとお時間をいただければ、例えば医療であるとか福祉であるとかこういうものは、これまでお年寄りというと、お年寄りは要するに社会的弱者である、私も社会的弱者だと思います。社会的弱者であるから、一律的に経済的弱者だというようなことで、例えば国民年金三万円、四万円しかもらっていない方も、あるいは一千万円、二千万円もらっているような方、きょう実は経済閣僚会議があったから申し上げるわけじゃありませんが、どこかの総裁は四千百万円の収入をいただいているんです。これは公だから言えるんです。こういう方も要するに一回五百三十円だと、こういうことが果たしてできるのかどうか。こういうことを含めて、要するにこれからの新しい高齢者像というものを私たちは国民の皆さん方の理解を得ながら進めていかなければならない。大変難しい問題です。 実際問題として、要するに本音の部分においては若年世代の公平とかなんとか言いますが、いざとなると、何かあるとこれはもう高齢者へのしわ寄せだとか、こういうことがありますから、こういうものは私は率直に申し上げて、いわゆる政争の具として扱うのではなく、国民全体としてこれからの社会保障をどう考えていくかということを冷静に真剣に考えていく。そういう中で、お隣に入澤先生いらっしゃいますが、税方式の問題等いろんな問題も含まれているのではないかと、こう考えているような次第であります。
○堂本暁子君 大臣も御存じかと思いますが、最近岩波書店から「「福祉政府」への提言」という本が出ました。神野直彦さんほかがお書きになっていらっしゃいますが、そこの表現の中に、年金、医療、失業、それから介護などといった個別分野ごとに相互の脈絡がない、パッチワーク的に進められているというふうに書いていらっしゃいます。そして、日本の社会保障制度はずたずたに引き裂かれて、理念を完全に喪失しているのではないかというふうにおっしゃっているんですね。 今、大臣がおっしゃった今スタートであるということ、それも一つの見方だと思います。同時に、やはり今国民が非常に大きな負担と思っているのは、やはりそういった相互の相関関係がはっきりしていないというところが私は大きな原因だと思うので、それでしかもそれがスタートして、これから年金は大変気の長い話ですので、何十年かかるということだと思いますけれども、それでもやはりこれは可及的速やかにやるべき政策の一つなのではないかということで、再度大臣のリーダーシップに期待すると申し上げて、一つだけ具体的なお願いをしたいと思います。 先ほど大臣は何度も国民に打ち明けてというふうにおっしゃいました。やはり私はそこの部分が少ないと思います。これは最近の新聞に載った、二月十日の朝日新聞に掲載された投書でございますけれども、スウェーデンでは将来の年金給付額を試算したお知らせが赤い封筒で勤労者や学生一人一人に届く、日本でもぜひ試みてほしいというふうに書いてあります。 それで、日本ではいろいろ厚生省から資料をいただきますけれども、私たちが見てもなかなかわからない。でも、やはりあなたはこれから年金を払う年齢になりましたよ、ずっと払い続ければ幾つになったときは幾ら年金が平均だと毎月給付されるようになるんですよということをきちっと、赤は余り印象よくないとすれば青でも黄色でもいいですけれども、色はとにかくとして、やはりそういうものを送るという努力を私は厚生省にしていただきたい。 ぜひこれは、あえてきょう大臣に来ていただいた最大のお願いは、それは国民一人一人、だれも関係ない人はいないわけです。にもかかわらず、四分の一の国民が年金を信頼しないために支払わないということは、非常にやはり年金制度をゆがめてしまっている。したがって、非常にもうこれは簡単にできることですし、それから一人一人がもらっても払わないとすれば、その人の個人責任です。行政の方から最低そのぐらいの働きかけを若者にしていただきたい。いかがでしょうか。
○国務大臣(丹羽雄哉君) まさに、どちらかというと、反省を込めて申し上げますならば、これまで年金は年金、医療は医療、そして介護は介護、こういう問題があるから、最初は私的な諮問機関としてこういう問題について勉強したい、こういうことを私が申し上げましたら、総理官邸の方から、これは大変財源も絡む問題であって、総理の直属の諮問機関としてこの問題について検討をしたい、こういうような御提案がございました。これは権威づけの面から大変大きな問題でございますからということでありまして、私も総理の補佐役として、この社会保障構造の在り方について考える有識者会議、これはことしの一月からスタートいたしております。この中で一つの方向性というものを出していきたいな、こう考えているような次第であります。 それから、今御提案がありました赤い封筒、この問題につきましてはもう既に社会保険庁においても検討をいたしておるわけでございますし、そのほか年金手帳を若い方にお送りするなどさまざまな工夫をいたしておるわけでございます。 私が申し上げたいのは、社会保障というのは私どもが国民の皆さん方に施すのではなくて、お互いが社会連帯のもとに、お一人お一人が老後の問題を含めて、要するにどういうような人生設計をつくるかということをぜひとも考えていただきたい。その中において、いわゆる公的サービスというのはどこまでやっていくのか、あるいは自助、最近の言葉ではやりなのは自立、こういう問題に対してどこまで私どもが御支援を申し上げていくか、こういう観点から御議論をぜひともいただきたい、こう考えているような次第であります。 私も微力でございますが、先生の御支援をいただきながらできるだけリーダーシップで一つの方向性を見出していきたい、このように考えております。
○堂本暁子君 私は、年齢がばれますけれども、赤紙という大変悪い印象を赤には持っておりまして、丹羽大臣としては何色がいいと思っていらっしゃるか、最後にちょっと伺いたいのと、それから大蔵政務次官と矢野局長には質問の時間がなくなったので申しわけございません。 終わります。
○国務大臣(丹羽雄哉君) 何色と言われましてもちょっと戸惑うわけでございますが、私は常に生涯青春のつもりで、どちらかというと青、グリーンの色がよろしいかな、こう思っておるような次第であります。
○堂本暁子君 ありがとうございました。
○西川きよし君 よろしくお願いいたします。 私が最後になりましたので、お疲れではございますが、おつき合いいただきたいと思います。 諸先生方がいろんな角度で御質問をなさいました。私も当委員会、そしてこちらでお世話になりましてもう十四年になるんですけれども、またまた本当にこれから悩み、苦しまなければいけない委員会になるのではないかなというふうに思います。三年前、三共済がございまして、そのときも随分悩みました。 ただ、基本的には、国会にお世話になる前、なぜ国会へ寄せていただかなければいけないのかというその基本だけは今でも守り通しております。そして最終的には、いろんな方々に御意見はお伺いしますが、僕は無所属で一人でございますので、ちゃんと一人で判断をさせていただいているわけです。 そういう中から、十二年一月二十二日の新聞、そしてまた審議会、いろんな読み物に目も通させていただきました。そして政府の方々にもいろいろお話もお伺いをいたしました。自分なりに勉強いたしまして、そして本当に中立で是々非々、いいことはいい、悪いことは悪いというようなことをはっきりいたしましての基本にのっとって質問をさせていただきたいと思います。 先生方から公的年金制度の財政状況、いろいろ質問がありましたけれども、まず厚生省に僕の方はお伺いをしたいと思います。 年金数理部会が各制度の財政状況を分析した資料を拝見いたしました。その中で実行保険料、この評価が行われているわけですけれども、この評価の方法ですね、数理部会方式という方式が用いられているわけですけれども、この評価の方法についてまず厚生省に御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(矢野朝水君) 各公的年金制度はそれぞれ保険料率を決め、財政運営をされているわけでございますけれども、各制度の財政状態を比較する共通の物差しがなかったわけでございます。年金数理部会におきましては、そういった各制度の財政状態を比較する共通の尺度を提案されたということでございます。 この考え方は、年金給付を、一階の基礎年金部分、それから二つ目はそれぞれの独自給付のうち事前積み立てになじむと考えられる部分、三つ目はその他の部分ということで、三つの要素に分解をいたしまして保険料率を算定する。それと実際の保険料がどうなっているのか、こういう比較をいたしまして各制度の財政状況を診断する一つの物差しということで、数理部会でこういう分析をされているということでございます。
○西川きよし君 この実行保険料率の評価ですけれども、年金審議会での厚生省の御説明によりますと、 各保険者の実行保険料率が数理部会の保険料率よりも小さいという場合でもただちに問題があるわけではございませんけれども、それだけ負担を多く先送りしているということで、例えば被保険者数が減少する場合にそういう変化に脆弱であるということが言えるわけでございます。そういう観点から見ますと、国共済連合会と農林年金が数理部会方式よりも下回っている。その分、先ほどの変化に対して脆弱であるということが言えるわけです。 ということでございます。 この点について詳しい御説明を再度、厚生省の方から御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(矢野朝水君) これは、年金数理部会で提案されました方式と実行保険料を比較いたしまして、実行保険料が下回っておるというのが実は国共済、国家公務員共済と農林共済、この二つでございます。 それで、この評価でございますけれども、数理部会方式の保険料率よりも実際の保険料率が小さい、これが直ちに財政的に問題があるということを示すものではございません。しかし、実際の保険料率が数理部会方式の保険料率よりも低いということは、数理部会方式から見ればその分負担を後代に先送りしている、こういうことでございまして、将来、年金数理部会方式よりもさらに大きな保険料負担を求められる可能性があるということが第一点でございます。 さらに、今後組合員数の急激な減少などの予期せぬ事態があった場合にはさらに大きな保険料負担を求められる可能性があり、財政的に脆弱な面を持つ、こういう評価でございます。
○西川きよし君 今御説明いただきましたとおりなんですけれども、その数理部会の評価をそれぞれの各共済を所管する担当部局ではどういうふうに考えておられるのか、大蔵、自治、農水、文部、御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(藤井秀人君) お答えいたします。 先生御指摘のとおり、年金数理部会によりますと、平成六年の財政再計算に基づく平成七年度から五年間の保険料率の平均が一八%であるのに対しまして、数理部会方式の保険料率は一九%となっております。したがいまして、この期間だけについて見ますと、御指摘のとおり将来に負担を先送りしているということが言えようかと思います。 一方で、年金財政の見通し、これは長期にわたるものでございます。平成六年の財政再計算の結果におきましては、平成三十二年度におきます最終保険料率は三〇・五%になっております。これに対しまして、数理部会方式の最終的な保険料率は平成七十二年度におきまして三一・一%ということでございます。そういうことで、最終的な保険料率の水準という点に着目してみますと、むしろ国共済の再計算の方が低くなっているということにも一方では留意する必要があるのではないかというように考えております。 いずれにいたしましても、私ども重要なことは、今後の共済年金財政の運営に当たっては、保険料率の段階的な引き上げを適切に行い、もって制度の安定を図っていくことにあるというふうに考えております。
○政府参考人(木寺久君) 地方公務員共済についてでございますが、平成六年財政再計算に基づく地方公務員共済年金の保険料は、平成七年度から五年間の平均が一六・四%であるのに対しまして、数理部会方式の保険料率は一五・四%となっておりまして、数理部会方式よりも高いということでございます。また、その後におきましても、おおむね数理部会方式よりも高い水準で推移をする見込みでございます。 しかしながら、地方公務員共済年金制度におきましては、二〇一〇年ごろから成熟度が急激に高くなると見込まれておりまして、地方公務員共済年金制度も他の公的年金制度と同様厳しい状況にあると認識しております。 いずれにいたしましても、今回の制度改正により給付面の見直しを行う一方、保険料率につきましては、当面据え置くものの、財政再計算の結果に基づき適切な水準に段階的に引き上げていくことが重要であると考えているところでございます。
○政府参考人(石原葵君) 農林年金につきましてお答えさせていただきます。 農林年金につきまして、平成六年の財政再計算に基づく平成七年度から五年間の農林年金の掛金率の平均を出しますと一九・一%ということになります。これにつきまして、数理部会方式を用いて算出いたしますと掛金率は二〇・四%ということになりまして、この期間だけを見ますと数理部会方式の方が掛金率が高いということでございます。 しかしながら、年金財政の見通しは長期にわたるものでございまして、平成六年の財政再計算結果で見ましても、平成三十二年度におきまして最終掛金率は三〇・八%になるということでございまして、これは数理部会方式を用いますと三〇・三ということで、数理部会方式の方がむしろ掛金率が低いというようなことになります。 こういうこともございまして、先ほど来出ておりますように、今後の共済年金財政の運営に当たりましては、掛金率の段階的な引き上げを適切に行っていくことが極めて重要かと考えているところでございます。
○政府参考人(本間政雄君) 私学共済の状況についてお答え申し上げます。 私学共済でございますが、平成六年財政再計算に基づきます平成七年度から五年間の掛金率の平均でございますが、一三・一%というふうになっております。この率でございますが、年金数理部会方式の掛金率につきましてもこれと全く同率、一三・一%ということでございまして、当面の財政の安定性は確保できているものと認識しております。 現在の私学共済年金の財政状況につきまして申し上げますと、いわゆる成熟度でございますが、平成九年度末現在一四・二%ということになっておりまして、他の被用者年金制度と比べまして最も低いという状況でございます。また、平成九年度の収支状況でございますが、収入が支出を千三百三十三億円上回っているという状況でございます。したがいまして、積み立ての累積額は九年度末現在で二兆六千九百四十三億円。その積み立ての度合いでございますが、九年度給付費総額の十一倍ということでございますので、健全な状況にあるというふうに認識をいたしております。 改正後の私学共済年金の財政の将来見通しでございますが、先ほど大臣から御説明申し上げましたとおり、三通りのケースを想定して行っております。このうち最も厳しい、出生率の低下に伴います学齢人口の減少に比例をいたしまして加入者が減少する、こういうケースで見てみますと、これは加入者数が将来、平成七十二年、在の六割程度になるという厳しいものでございますが、この場合、現行の掛金率一三・三%につきまして、次回の再計算時以降五年ごとに一・八%ずつ引き上げることによりまして、平成五十七年度の二八・三%をピークにいたしまして財政が安定するものと見込まれております。
○西川きよし君 次の質問は四番からですけれども、四、五、六と割愛させていただきます。 他の先生方から質問が出ましたので、今度は七番目に参りたいと思うんですけれども、今後の共済年金のあり方をそれぞれお聞かせいただきたいと思うんです。 年金審議会の議事録を少し読ませていただきます。ある委員の方ですけれども、 いわゆる共済の方は退職年金で、一方で厚生年金の方は老齢年金だと。いわゆる共済の方の退職年金というモノの考え方に対して地方では物すごく批判があります。これは強烈な批判でして一種の公務員に対する怨嗟の声になっている。ですから日本の場合はこの急速な人口構造変化がよその国に比べてはるかに大きく、かつてのピラミッド型がずんどうになり、さらに逆ピラミッドになろうという、よその国が経験してない世界を今経験しようとしている場合に、これははっきり老齢年金で割り切らなければならない断固として共済の方に割り切ってもらいたいというのが我々の強い要望です。これは公務員を除いて全国民的要望と思います。公務員の人も良識のある人は賛成していただいていると思いますけど。 これに対して、他の委員の方ですけれども、 共済年金の弁護をしているようにお受けとりになったかと思いますが、全く逆でございます。私も結論的には委員のような意見でございます。共済年金は現在は少なくとも一階と二階の部分は公的年金として考えていかねばならないという段階に来ておりますから、もし職域年金的なものがあるならば、これはやはり三階に純化すべきであるとこういう意見の方が強くなりつつある。 なお、怨嗟の声があるかどうかは別といたしまして、世界各国どこでも年金制度というのは、公務員の年金から出発いたしまして、どこの国でも、今、委員が御指摘のような官民格差と申しますか、アンバランスといいますか、そういうものはいまだに完全に解決した国はございません。解決したのはアメリカぐらいかもしれませんね。 というふうにございます。 審議会のやりとりの中で怒られているわけですけれども、この議論された論点、発言の趣旨、厚生省の方から御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(矢野朝水君) これは、今、公的年金制度が各制度に分立しておるわけでございます。そういう中で各制度の基本的な考え方が違う、こういう点がございます。今引用されましたように、共済の方は退職年金ということでございますので、六十五を過ぎてもその制度に入っておれば年金がもらえない、こういうことになるわけでございます。これに対して厚生年金の方は老齢年金ということでございますので、六十五歳になれば働いておって収入があっても年金がもらえる。こういうことで、各制度のよって立つ考え方が違うということでいろいろ不公平が生じておると。これはいわゆる官民格差、ものによりましては逆官民格差、こういったものもあるわけでございます。 そこで、こういった問題についてどう考えるかということでございますけれども、やはりこれは、各制度が分かれておりますと、就業構造、産業構造が変わると、例えばかつての国鉄みたいに現役労働者がどんどん減ってしまう、こういうことになりますと、その制度が非常に不安定になるわけでございます。それから、給付とか負担の面で非常に制度ごとに不公平になってまいります。 したがって、こういう不安定なものを放置しておるということは公的年金制度に対する信頼にかかわる問題でございまして、長期的に見ても安定したものにしていかなきゃいけませんし、各制度ごとの負担とか給付の不公平、これは是正していかなきゃいけない、こういうことでございます。 要は制度の再編成、一元化を着実に進める必要があるということでございまして、この点につきましては、平成八年の閣議決定で、関係省庁を含めまして再編成を着実にやっていこうということで基本的な考え方が示されておるわけでございまして、ここの年金審の議論から導かれる問題としましては、やはり公的年金制度というのは一元化を目指してできるだけ早く着実に再編成を進めていく、これが解決につながる、こういう認識をいたしております。
○西川きよし君 もう時間があとわずかですけれども、こういった議論につきましてどのように考えておられるのか。そしてまた、今後の共済年金のあり方を大蔵政務次官、そして自治、農水、文部、各大臣に今後の御見解をお伺いいたしまして質問を終わりたいと思いますけれども、本当にきょうは自分自身がいろいろな面で疑問に思ったことをまず最初に御質問させていただきましたが、ぜひ御答弁をいただいて、次のまた委員会に備えたいと思います。お願いいたします。
○政務次官(林芳正君) 西川委員にお答えを申し上げます。 今、審議会のやりとりをお引きになっての御質問でございましたけれども、今厚生省の方から御答弁がありましたように、老齢年金か退職年金かという点につきましては、かつてはかなりの論点であったようでございますが、今御説明があったように制度が大分共通化をされてまいりましたので、その論点については最近では余り聞かれなくなったかなと。 今お話がありましたように、歴史をさかのぼれば戦前の恩給制度に国家公務員共済は行き着くわけでございますが、戦後は一般的に社会保障制度を充実していこうということで、厚生年金保険法を整備したり、国民年金制度の発足があったり、そして昭和六十一年には今の基礎年金制度が導入されて、先ほど来御議論がありましたように、厚生年金に準拠してこれをやっていこうということになったわけでございまして、こうした現状を踏まえれば、今後の国家公務員共済年金のあり方についても、この公的年金制度の一環をなすという見地からいろんなことを考えてまいらなければならないということでございます。 一方で、この国家公務員共済組合法の一条の「目的」というところがございますけれども、ここにはそういう目的と、もう一つ、公務員でございますので、退職後の所得を保障することによりまして、在職中に余り将来の心配をせずに、在職中は厳正な服務規律のもとで中立性を保って公正な行政を執行するというような条件を確保するということも書かれておりますので、この辺も加味しながら今後の国家公務員共済年金のあり方について鋭意検討してまいりたいと思っておるところでございます。
○国務大臣(保利耕輔君) 地方公務員共済の問題につきましても、基本的には今、林政務次官から御答弁がありましたとおりでございまして、そういったものとの整合性を考えながら今後検討していかなければならない事項だと考えております。 なお、私自身も厚生年金の受給者になりましてお金が出てまいりました。昔掛けたのが今返ってきたんだなと、こういう長い長い時間的なスパンを経てこうした年金というのが人生設計を支えていくんだなというのを実感として感じておりますので、年金制度が崩れないように、掛金はできるだけ安く給付はできるだけ高くという精神を持ちながらも、しっかり検討していかなきゃならないことだと、そういうふうに感じております。
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 農林年金制度につきましても、少子高齢化や経済の低成長が見込まれる中で、給付と負担の均衡を確保し、将来世代の負担が過重なものとならないよう制度全体の見直しを行っていくことが求められており、今般の改正法案につきましても、このような考え方に基づき国会に提出しているところであります。
○国務大臣(中曽根弘文君) 私学共済年金制度の今後のあり方につきましては、他の共済年金制度と同様に、基本的には厚生年金制度を踏まえて検討していくことが適当であると考えております。 また、私学共済制度は、教育基本法の趣旨を踏まえまして、私学教職員について国公立学校教職員の共済制度と同様の制度を設けて、「私立学校教育の振興に資する」という目的を有してきているところでもございます。 したがいまして、今後の私学共済年金制度のあり方につきましては、こうした視点を踏まえつつ検討していく必要があると考えております。
○西川きよし君 ありがとうございました。
○委員長(狩野安君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。 午後四時二十四分散会